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142回国会参議院1998/03/31

外交・防衛委員会 第6号

発言数
250
登壇者
25
会派数
7
開催日
1998/03/31

会議録

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十六日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として横尾和伸君が選任されました。  また、去る二十七日、鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として岩崎純三君が選任されました。     ―――――――――――――

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。  外交の基本方針及び国の防衛の基本方針につきまして質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 おはようございます。齋藤勁でございます。  外務大臣、明日イギリスの方へお出かけということで、大変御苦労さまでございます。  所信表明に対します冒頭の質問でございますので、全世界の国際的な特徴とまで言い切れませんけれども、特に日ロ関係の現状認識についてが一つと、それから、過日オーストラリアの外務大臣に本院にも来ていただきまして日豪関係についていろいろ示唆のあるお話を承りました。これら二点をお伺いさせていただきながら、順次具体的な点に触れさせていただきまして、質問させていただきたいと思います。  今、私の手元に所信表明と申しましょうか、二月の外務大臣の外交基本方針についての演説の議事録を見させていただいています。ロシア問題での一つの結びといたしましては、「四月に予定されるエリツィン大統領の訪日等の機会を通じ、さまざまな分野での協力を進めるとともに、領土問題を解決して平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化を達成するため、今世紀に起こったことは今世紀中に解決するとの姿勢で橋本総理とともに努力を尽くす決意であります。」と、こう結ばれているわけであります。  そこで、先日来ロシアの国内状況が大変ショッキングと申しましょうか、なかなか国内状況が落ちつかないんだななんというのも感じながら、こういうことが次から次へと起きると、果たして日ロ関係というのはどうなっていくんだろうか、そんな危惧もいたしているわけでございます。  二十三日に、チェルノムイルジン首相率いる内閣の総辞職を命じる大統領令をエリツィン大統領が出された、こういうことでございますが、まず今回の内閣総辞職について、衝撃的な受けとめ方だったわけですから予測はなかなかできていないんじゃないかと思いますけれども、いつごろ外務省としては把握をしたのか。今回の内閣総辞職問題について、外務省として、外務大臣としてどう受けとめられているのか、冒頭お伺いしたいというふうに思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 外務省としていつかということですが、私自身もエリツィン大統領のチェルノムイルジン首相を初めとする閣僚の解任ということは大変ショッキングでございまして、予想だにいたしておらなかったことでございます。しかし、憲法の規定によりましてそうした措置がとられたということでございますので、政府としては新政府のこれからの閣僚の構成とかいうものを注意深く見守っていきたいというふうに思っております。  ただ、大統領自身、政府の総辞職は政策の変更を意味しない、こう述べておりますので、対日政策については大きな変更がないのではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、齋藤委員が今お話しのように、日本としては、二十世紀に起こったことは二十世紀中に解決をし平和条約を結ぶという決意のもとで、エリツィン大統領並びに橋本総理の第二回の非公式会談が近々開かれる予定でございますので、そのことに期待を寄せて努力をしていきたいと思います。これはあくまでも、東京宣言に基づいて二〇〇〇年までに平和条約を締結するという、全力を尽くすというこのクラスノヤルスクの合意を一歩一歩着実なものにしていく努力をしていきたいというふうに考えております。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 基本的には対日政策の変更はないだろう、そういう答弁でございますけれども、四月十一日から日本へのエリツィン大統領の非公式訪問、こうなっているわけです。これはたびたび外務省筋からも変更はないということで、今日まで準備をされているというふうに思いますが、着手気になりますのは、この総辞職が報道された時点で大統領報道官が訪日前までに新内閣を発足させた上でということがあるわけなんです。それがここ一両日のロシアの動きでございます。  次期の首相候補にはキリエンコさんという方が大統領から指名をされているようでございますが、議会の内部で、日本でいうとあした四月一日に下院に承認を求めるそうですけれども、キリエンコ新首相を共産党のジュガーノフ委員長というのが拒否をしていく、こういうようなことも出ているんですが、これが長引きますとエリツィン大統領の訪日そのものに支障はないんだろうか、こういうふうにも思われるんですが、ここら辺の観測はいかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) ロシア国内の政治状況ですから余り私の方から観測を申し上げることはいかがかという気がいたしておりますが、率直に申し上げて、昨日あたりチェルノムイルジン前首相が大統領選に出馬をするというような決意が述べられておりまして、それに対してエリツィン大統領がどのようにお考えになっているかというようなこともいろいろ報道されております。  言うまでもありませんが、チェルノムイルジン前首相はエリツィン政権を支える与党としての「我が家ロシア」を主宰しているわけでございます。そういう政党も含めましてキリエンコ首相を議会として認めるかどうかという状況については非常に関心を深くいたしておるところでございます。願わくは、政府がきちんとした形で組閣をされて、そしてエリツィン大統領としては、国内政治について安定した状況の中で我が国を訪れていただけるということができれば望ましいと思っております。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 なかなかロシア内部の動向でございますから発言そのものも大変難しいと思います。いわゆるエリツィン大統領の任期があとたしか二年で、今おっしゃったような次期大統領後継問題というのも大変注目になっているんですが、このロシア外交について、橋本首相とエリツィン大統領の個人的な色彩の非常に強い中での過日の会談でもあったわけです。少なくとも中長期的にこのロシアとの外交をどういうふうに進めていくかということについては、こういった政局が内部で総辞職等がありますと大変困難をきわめるんではないかというふうにも思います。  一つはよく言う、それぞれの国と国の外交は、単にその人だけとのパイプではなくてさまざまなパイプを使いながら外交をしていくということであると思うんですけれども、このロシアとの外交のあり方というのは、こういった一連の動きの中で、何か他国と違った特徴点とかを見出していかないとどうも非常に気がかりなことがあるような気がいたしますので、こういった日ロ外交について何かこれから日本としてこういう特徴点を出していこうという外務大臣としてのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) もちろんエリツィン大統領、橋本総理という首脳会談を基本といたしますが、政府ベースでの橋本・エリツィン・プランの実施、その他について着実に進めていくということは非常に重要なことだと思いますが、ロシアも議会制民主主義をとってそういう形で政治が行われているわけでございます。そういった意味からいいますと、ロシアの議会に対してのいろいろな働きかけといいますか、日本の状況についての理解も深めていかなきゃならないんじゃないかと思っております。そういう意味では、ぜひ議会人同士の交流というようなものもさらに深めていただくことは非常に重要なことじゃないかなという気がいたしております。  同時に、大きく言えば、日相両国間の関係ではございますけれども、やはり背景にはアジアをめぐって日本、ロシアあるいは中国、アメリカあるいはまた韓国、北朝鮮、こういう地域の国々との関係をどう考えるかということも重要じゃないかと思います。そういう意味で、日ロのみならず日中、日米あるいはそれぞれの国々との話し合いの場を設けることができればいいのではないかというようなことで、いろいろ提案も実はいたしておるところでありまして、グローバルにこの関係を十分に見なきゃいけないんじゃないかと思っております。  また同時に、日本としては、やはりこの旧ソ連邦から独立したCISの国々、そういう国々との交流も深めるということは、またそういう地域にプレゼンスを持つということは極めて重要なことではないかなという気がいたしておりますので、これから日本の外交はそうした国々も含めて多角的に展開をしていくことの中で、日ロというものをきちんと築き上げていく必要があるんじゃないか、このように考えております。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 エリツィン大統領の個性と申しましょうか、権限が非常に強いというのを伺う中で、ロシア国内の政局の中で我が国のロシア問題についての外交が変わっていくといいましょうか、いろいろ変化はあるんでしょうけれども、国民の要求なり求めていることを貫く、そんなことが基本的には大切だと思いますので、後段申し上げました多角的外交と申しましょうか、さまざまなチャンネルを使う中での外交努力をお願いしたいというふうに思います。  二つ目ですけれども、先日オーストラリアのアレクサンダー・ダウナー外務大臣がお見えになりました。我が外交・防衛委員会としては、アメリカのカーター元大統領に引き続きましての大変著名など申しましょうか、現役の外務大臣をお招きした中での委員会でのやりとりができたことは大変有意義であり、誇りに思っているところでございます。ちなみに小渕外務大臣、逆にオーストラリア議会から小渕外務大臣にぜひオーストラリアの方へ来てほしい、そして議会でぜひ演説をしてほしい、こういうような招請がございましたら喜んで行きたい、こんなお気持ちでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) まず、当委員会におきまして参考人としてカーター元米国大統領をお招きして意見を聴取されたということですし、また今お話のように非公式ということでこの委員会でダウナー外相と懇談をされたということ、大変意義あることだというふうに理解しております。  そこで、今のお尋ねですが、実は外務大臣からは私にオーストラリアをぜひ早い機会に来訪してほしいという御要請はいただいております。そういう機会に、もし議会の方でお招きをいただくということがあれば喜んで出席はしたいと思いますけれども、どういう立場でお招きいただけるかまだわかりません。いずれにしても意見の交換、お話ができるということは大変意義のあることだろうと思いますので、せっかくのチャンスがあれば出席はさせていただきたいと思います。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 オーストラリアの方へ来ていただきたいという御招請もあるようでございますので、ぜひ機会をとらえていただきまして、小渕外務大臣にもオーストラリア議会での演説を私どもも強く期待をしたいというふうに思います。そういったことがこれからの日豪関係というのを有意義なものにしていくわけで、またアジアに対して非常にシフトを置いたオーストラリア外務大臣の発言でもございましたので、そういった点でも非常に明るい展望を見出せるんではないかなというふうに思うところでございます。  さてそこで、いろんなさまざまな各委員の方々、諸先輩とダウナーさんとのやりとりであったのですが、インドネシアの支援問題で一点のみお伺いさせていただきたいと思うんです。  ダウナーさんの方からは、このインドネシアの今の政局の中での支援ということで、これは私がメモしたのを全部読みますというと長くなりますけれども、言ってみれば、内政干渉になってはならないということであり、そして今のインドネシア国内での政治動向なりそして経済動向というのはいろいろ非常に危惧はするけれども、現政権を支援したりしなかったりということで何かインパクトを与えるということについては非常に熟慮しなきゃならないということであり、そしてまた、国内で貧困層の人たちが最も打撃を受けるわけで、そういった方たちを苦しめたくない、こんなやりとりであったというふうに思います。  なお、特徴的な点で言えば、現在の体制というのが、もしインドネシアに対する支援を引き揚げてしまうとナショナリスティックな政権に取ってかわるかもしれない、より閉鎖的になって国際社会とやっていけないというような政権にかわってしまう、そんな危険も残っている、こういった発言もございました。  慎重に支援策を考えていくということであったわけですが、これらのダウナー外務大臣の発言なり、そして日本としての独自のインドネシアに対する対策をとっていると思いますが、小渕外務大臣自身としてのインドネシア支援問題に対する姿勢についてお伺いしたいというふうに思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 日豪外相会談といいますか、ダウナーさんとの会談は国会の審議の合間を縫ってだったものですから、大変長時間にわたれませんで、インドネシアの問題に絞ってお話し合いをさせていただきました。  私の印象では、豪州もアジアの一員としての認識を非常に深くいたしております。そういった意味で、今般のアジア全体の経済、各国の厳しい環境について深い関心を寄せておりますと同時に、インドネシアにつきましては、地理的に非常に近いこともこれありまして、単に経済のみならず、言葉は言いませんでしたが、いろいろこれからインドネシアの状況が極めて困難な状況の中で非常に安定をされないということになりますと、それなりの影響をこうむらざるを得ないという意味で、豪州としても非常に関心を深くしておりました。  したがって、我が国とともにインドネシアの安定のために協力をしようという強い御意思がございまして、以前豪州の首相からも我が橋本総理あてに親書も発せられておりまして、そういうことをベースにしていろいろお話をさせていただきました。  いずれにしても、インドネシアの支援につきましては、ハビビ副大統領も来日されましたので、私からそのときのお話を申し上げ、またダウナー外相も米国を回り韓国を回り、そして我が国に来たというようなことでございます。特に米国では、IMFの関係者あるいは世銀の関係者の皆さんともお話をされたということもございましたので、そういう共通の認識のもとに、インドネシアに対する協力方につきまして意義ある話し合いができたというふうに認識をいたしております。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 ありがとうございました。  非常に国際的な話でございましたけれども、これからはちょっと内なる国際化の話で、地元の基地使用にかかわる問題について何点かお尋ねいたします。  神奈川県の池子の米軍家族住宅ですが、完成をされまして順次入居が順調にいき、ほぼ間もなく終わるわけですけれども、一九八四年六月に国に出されました地元逗子市からのいわゆる三十三項目の要望というのがございます。  たびたび私も前の内閣委員会でも質疑をしてきた経過がございますが、とりわけこの年度末に三十三項目のうち十六項目、総合病院の用地確保あるいは運動場の市民利用問題等々、重要項目が残っていながら今日に至っているわけでございます。  それらにつきましての国と地元自治体とのやりとりもあると思いますけれども、まず病院用地問題についてのこれまでの国の考え方は、地元の病院建設に対しましては、例えば国有地を払い下げるためには公共的病院であるということが常日ごろの国からの回答であったと思うんですけれども、その後の国の考え方についての変化なりがあるのかどうかということ。  もう一つは住宅地内に、先日私も視察に行ってまいりましたけれども、大変すばらしい陸上競技用の四百メートルトラックあるいは野球場二面、テニスコート三面の建設が既に終わっております。この池子米軍住宅地内の運動場の施設利用についての国の考え方は明確になったのかどうか、二点についてお尋ねしたいというふうに思います。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) まず、病院の件でございますが、この池子米軍家族住宅の区域内の国有地の一部を払い下げて病院をつくりたいというお話は以前からありまして、防衛施設庁としてもできる限り御協力したいということで話を進めてきておるわけでございます。今、先生のお話にありましたように、国有地の払い下げを行う場合には、従来法的な規制と申しますか、国の財産ということでどうしても公的な目的がなければ払い下げができないことになっておるわけであります。  現在私ども、逗子市とお話し合いをしておるんですが、具体的にどういう内容の病院の整備計画を持っておられるのか、それを早くつくってくださいと。つくっていただきまして、その中の公的性格云々について関係機関と協議をしてまいりたいと、こういうお話し合いをしておるところでございます。  それから、運動公園の使用につきましても、これは原則地元の方に使っていただくということはよろしいわけなんでございますが、ここも米軍に提供しております国有地ということで日米地位協定二条四項(a)に基づく共同使用ということになりますと、関係法令の関係上どうしても有料にならざるを得ないわけでありますけれども、私どもも有料とはいいながら、いろんな方法があって安くする方法もあるんじゃないかということで、今その関係方面と調整を行っているというのが現状でございます。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 病院の方は必ずしも国公立という性格ではなくても、例えば今自治体の病院はすべて赤字財政でもう大変な負担になっているのが実態なわけでありまして、例えば第三セクターという方式ならば今回の池子の敷地について病院として提供する、こういうこともあり得るというような、そういう答弁ですか。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) 具体的に国有地を払い下げるその案件がどの程度公共性を有しているかという判断は、大蔵省が法律に基づいて行うことになるわけでございます。私どもの方から一概に第三セクターならいいとか悪いとかとは言えなくて、その公共性の内容いかんであろうということでございます。  先生がおっしゃいましたように、必ずしも国の用とか地方公共団体の用でなくても赤十字とか社団法人済生会とか、そのほか農業協同組合あるいは公務員組合等々いろんなものが認められておるわけでございますので、具体的に中身としてどういう整備計画を考えておられるのか、それを早くつくっていただいて中身を検討する。間違いなくだめであろうと思うのは、完全な民間の病院ということではこれは法律上ほとんど困難なわけですが、公共性というものにもいろんな幅があろうかと思いますので、その中身を早く詰めましょうと、こういうことでございます。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) これは防衛施設庁というよりもむしろもう国有財産としての大蔵省の判断のもとになってまいります。  参考までに言いますと、私はかつて国有林野の払い下げを担当しておりましたけれども、今言われましたような第三セクターという場合は大抵の場合はだめだという感じですね。というのは、第三セクターは株式会社みたいになっておりますから、出資が一割とか二割の場合もあり得るわけでございます。  いわゆる国有財産がそういう民間会社という、資本は入っているけれどもそういうのに行った後の追求が非常に難しいということで、大抵の場合はだめでございましたから、その辺は大蔵省とむしろ地元の関係で、国有財産についての一般論に入ってしまいますので、そういう方面で詰めていただかないと施設庁としてはこの世界では実質的に判断できないということになりますので、御理解願いたいと思います。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 運動場の使用は安くすることもあるということは無料じゃないということですか。無料は全く考えていないということですか。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) この辺はなかなか難しくて国有財産法、財政法ですか、これの原則としては有料ということになっておるわけであります。  ただ、米軍の施設・区域でもある国有地なものですから、そこはいろんな方法が考えられるんではないか。例えばお貸しする場合でも、日にちが少なければ有料といってもそこの日にちだけ限るとか、あるいは場所でも運動場全体じゃなくて、例えば部分的なもっと少ない地域だけを使用しているという考え方で安くできるんではないかと。原則有料だけれども、何とかいろんな方法を考えてみようではないかということもあるわけでございます。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 御案内だと思いますけれども、逗子市は既に予算議会は終わっているんですが、この運動場の使用料というのは計上していないわけなんですね。これはもう長い間の経緯の中で、確かに国の方からは無料にするという言葉は出ないまでも、この運動施設を利用したいときは市民が自由に利用できるということを明確にいろんな住民集会へ行って説明して今日に至っております。議会の中でも市長は、これが有料となれば国に提示した条件がほごにされるということで、市長としてはこれはもう無料になるんだと、こういうようなことで議会答弁もしているので、有料か無料かということでいろいろ工夫をしていただくということでの御努力はもちろん受けとめさせていただきますが、重要な問題であります。  きょう地元では、市長は午後三時から、この議会でも三月末までにこれらの問題について国から回答をもらうということで、地元の皆さん方をということで記者会見をセットしているんですが、今それぞれ御答弁があった内容というのは、市長に対して説明する内容と全く同じであるということで受けとめてよろしいですか。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) 先生おっしゃいましたように、このいわゆる十六項目について本年度末までにお答えをいただきたい、こういうお話がありまして、本日の午後に、私どもの横浜施設局から逗子市の方に回答をする予定にしております。この医療機関、それから西側運動公園の市民利用につきましては、先ほど私が申し上げたような趣旨のことで、引き続き関係機関とも調整、あるいは関係法令との関係で引き続き協議をするというような御回答をする予定にしてございます。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 地元の市民の方々あるいは代表する市長がどういうようなコメントを出すかわかりませんが、これまでの進められてきた経緯からいっても、当初約束した経緯からいえば、大変現段階での内容としては不満足だということを言わざるを得ないというふうに思います。  あと残り本当にわずかなんですが、きのう予算委員会でもやりとりがございましたけれども、横須賀の十二号バースのいわゆる汚染除去問題ですけれども、汚染原因というのははっきりしているんですか。何でこの十二号バースに汚染物質があったのかということについての原因調査、このことについてお尋ねしたいと思います。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) 昨日も申し上げたのでございますが、十二号バースの改修、延伸と、それから十二号バース沿いの陸上の部分にかつて汚染が発見された部分があるというのは、本来直接関係なかった話であります。  その陸上部分の汚染地帯というのは、今から数年前、米軍が自分のところの作業をしているときに、どうも汚染されているらしいということになったものですから、米軍の方で調べた結果、やはり汚染されているということで、日米合同委員会の環境分科委員会というところで議論をいたしまして、とにかく汚染されているところは差し当たり密封しようということで、米側の方でコンクリートづけにいたしました山  今後、何かその近辺で大きな工事をやるときにあわせて根本的にその汚染処理をしようではないかということで何年かたってきて、今回その十二号バースが老朽、更新するということになりましたものですから、それではその工事に合わせてその汚染土壌の処理というのも一緒にやろうということで、今年度の予算で十二号バースの建設と土壌汚染処理とを一つにまとめて予算を要求させていただいておるものですから、十二号バースが汚染されているというふうにちょっと誤解を受けているところでございます。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 その原因は何だったんですか。それをおっしゃってください。

萩次郎防衛施設庁長官

○政府委員(萩次郎君) 失礼しました。  その陸上部分の汚染というのは、これは原因がわかりません。米側が鉄柱か何か立てようと思って掘ったときに、大分真っ黒な土が出てきたということで、念のために調べたら汚染されているということで、先生御存じのとおりここの地域は戦前から帝国海軍がずっと長いこと使っておるものですから、原因はちょっとわかりません。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 時間ですから終わります。ありがとうございました。

高野博師公明

○高野博師君 最初に、ロシアの内閣改造と日ロ関係についてお伺いいたします。  先ほど外務大臣の方から、今回の政変があっても政策の変更はない、意味しない、対日政策については変更がないという見方なんですが、そうすると、政策が解任の理由ではないとすると権力闘争かという見方が一つあります。これはこの関係でいうと、またエリツィンの三選を視野に入れた解任劇ではないかという見方があると思うんですが、この点についてはどう思っておられるでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 先ほども御答弁申し上げましたが、ロシア国内の政局の問題でございますので、私の立場ではコメントすることは控えた方がいいのではないかと思いますが、いずれにしても連日いろいろの情報が入ってきておりますので、非常に深い関心を寄せておるということはもう言うまでもないことだろうと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 チェルノムイルジン前首相が解任の五日後に大統領選に出馬するという宣言をされているのですが、その中で、エリツィン大統領から権力の禅譲があったのかどうか。あったようなないような不明確な言い方をされているのですが、この政変がロシアの政財界再編の起爆剤になるのではないかという見方もあります。  それからもう一つは、すぐ大統領選に出馬を表明したということは、チェルノムイルジン氏がエリツィン大統領の健康問題について相当の情報を持っているというか、ひょっとしたら相当悪くて二〇〇〇年前までに大統領選挙があるのではないか、そういうことも読んでいるという報道もあります。  そこで、エリツィン大統領の健康問題についてはどういう認識をされていますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 正直申し上げて、健康問題に対しての情報というのは特に入手しておりません。おりませんが、私自身、先般訪ロいたしまして直接お目にかかる機会を得ました。前々お目にかかった機会がございませんので比較対照できかねますけれども、三十分くらいいろいろお話ししましたが、そのときはお元気でございまして、いろいろ闊達な御意見をお出しされておりました。  我が国としてあのときは十五億ドルの協力につきましても申し上げましたが、大変上機嫌で日本側の対応について了とされておりました。そういう実際お目にかかった感じから言わしめれば、これは当然ながらそれぞれの政治の場面におきまして十分対応される力を持っておられるんじゃないかと思います。一番最近ではTVの画面でしか想像できませんが、アナン国連事務総長とのお話し合いの前の場面で登場されておられるのを見ますと、私がお目にかかったときと変わりないんじゃないかなという印象を持っております。

高野博師公明

○高野博師君 四月のエリツィン大統領の訪日は予定どおりだということなんですが、六月にはチェルノムイルジン前首相の訪日が予定されていたんですが、新しくかわったキリエンコ氏のチェルノムイルジン氏にかわっての六月の訪日というのは、これを働きかけるようなことはあるんでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) チェルノムイルジン前首相が今回こういった解任をされたという経緯で、正直申し上げますと、非常に私自身としては残念のきわみでございます。前首相は訪日の経験もございますし、まして日本の政治家と直接お話しする機会というのは大変少のうございまして、九四年に当時の羽田外務大臣がお目にかかって以来、私が実は二月にお目にがかるということになりました。そのとき訪日を御招請申し上げたところ、喜んでということになりまして、また日程までかなり詰められておったということを考えますと、その機会を得られなかったということは残念だと思います。  引き続いてキリエンコ首相が議会において承認をされて、首相としての責任を果たされるということが明確になればその段階で、首相としての御招請をいたしておりますので、でき得べくんばぜひそうした形で来日されることを期待しております。キリエンコ氏につきましては、先般、エネルギーの担当相として訪日をされまして、通産大臣と私も親しく会談をした経緯もございますので、日本に対する関心は非常に大きいものだというふうに理解しておりますので、そうした成り行きになればそれはまた大変望ましいことだと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、北方領土問題についてお伺いいたします。  歯舞、色丹の返還については、法的根拠は五六年の日ソ共同宣言にあるとするロシアの外務省の議会に対する報告がありますが、これとの関連で、国後、択捉、この返還の法的根拠というのはどういうことになるのか。日本側の原則は四島一括返還だということだと思うんですが、この点についてはどうでしょうか。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 我が国の北方四島の問題につきまする基本的な考え方は、かねてから御説明をしている次第でございます。我が国といたしまして、その北方四島の返還を求めましてロシアとの関係を正常化いたしたいというふうに考えて、長い間にわたりまして交渉をしてきた次第でございます。  その結果といたしまして、九三年の十月でございますけれども、「日露関係に関する東京宣言」というものが結ばれた次第でございますが、その第二項におきまして、「日本国総理大臣及びロシア連邦大統領は、」「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題について真剣な交渉を行った。双方は、この問題を歴史的・法的事実に立脚し、両国の間で合意の工作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決することにより平和条約を早期に締結するよう交渉を継続し、もって両国間の関係を完全に正常化すべきことに合意する。」というふうに合意した次第でございます。  したがいまして、私どもの立場といいますものは、この第二項において明快に記載されているということであろうというふうに思います。

高野博師公明

○高野博師君 そうであるならば、なぜ今の段階でロシアの外務省は歯舞、色丹という二島だけに限定して、これは法的根拠があるという報告を議会にしているんでしょうか。東京宣言にはそういう明快に四島が書いてあるはずなのに、ここはどうでしょうか。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 先生御承知のとおり、一九五六年の日ソ共同宣言の第九項におきまして、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。」と述べてありますけれども、その後に「ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。」というふうに書いてあるわけでございます。この点につきましてロシアの現在の下院議員が確認を求めましたところ、その請求に対しましてロシアの外務省当局が書簡を提出したという次第であるというふうに了解をいたしております。

高野博師公明

○高野博師君 日本側は北方領土四島の返還がこれは正義だと、しかしロシア側は領土問題については絶対に譲歩しないということ、こういう立場であったのがかなり変わってきたということが言えると思うんですが、特にロシア国内の世論が変わってきたということは指摘できると思うんです。そこで、ロシア国内の世論をより好意的に持っていくために、ロシア国内における日本側の広報活動というのはどういうふうにやっておられますか。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) モスクワにございます我が国の大使館を通じまして非常に集中的に一生懸命やっているというふうに考えております。大使館の活動のほとんど中心的な任務は、ロシアの世論に対する私どもの立場の働きかけということに終始しているというのが現状でございます。  さらに、日本政府、外務省といたしまして、ロシアの世論形成に関与している国会議員の方々、それからそれ以外の知識人、ジャーナリスト、そういった方々を、できるだけの範囲でございますけれども、財政状況の許す範囲でかなりの人数をお招きいたしまして我が国の実情に接していただく機会を提供しているということを一生懸命やっている次第でございます。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、二〇〇〇年の平和条約締結に向けての努力というか、そのタイムスケジュールをどう描いておられるのか伺います。  四月にエリツィン大統領が訪日されるということで、一国の首脳の訪問ですからノーネクタイとはいえ手ぶらはあり得ないだろうと。パノフ大使が特に新たな合意は何もないだろうという見通しをされていますが、何らかの具体的な合意、例えば経済協力とかあるいは共同開発とか、そういうのがあるのではないかと見るのが自然だと思うんです。  そこで、四島の共同開発、共同経済活動に関する合意とか、あるいはこういうことが条約交渉の環境整備に役立つという観点からすれば、何らかのことを日本側でも考えておられるのかどうか。答えにくければ答えなくても結構でございます。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 平和条約締結に向けての今後のスケジュールという御質問でございますけれども、先生御承知のとおりクラスノヤルスクにおきまして、二〇〇〇年までに東京宣言に基づいて平和条約を締結する、そのために最大限の努力をするという約束をいたした次第でございます。  そういう努力目標にどういうふうにたどり着くかということにつきましては、今現在交渉を行っているわけでございまして、平和条約の締結に向けて大臣をヘッドといたしまして、事務レベルで交渉をいたします合同委員会というものをつくって現実に交渉を進めている次第でございます。  したがいまして、どういうタイムスケジュールで進むのかというのは、実際のことを申しまして、その交渉の中身がどういうふうに進展していくかということにかかる次第でございまして、今の時点におきまして明確にこの展望を描いてみるということができかねる状況にあるわけでございますので、その点はぜひ御理解いただきたいというふうに思うのでございます。  川奈におきましてどういう話し合いが行われるかという御質問でもあったというふうに了解いたしますけれども、川奈におきましても、今私どもがるる御説明をいたしております平和条約に向けての大きな流れの一つとして、大所高所から両首脳が御議論をなさるというふうに想定しているわけでございます。  共同開発についての御議論もございましたけれども、私どもの立場といたしましては、橋本・エリツィン・プランという大きな両国の協力の枠組みがあるわけでございまして、その枠組みのもとでできるだけのことを両国合意の上で進めているというのが実情であるわけでございます。恐らくそういう基本的な枠組みのもとで、今後の橋本・エリツィン・プランを軸といたしまして両国の経済協力関係を進めていく、そのためにどうするかといったような話を両首脳がなさるんではないかというふうに想定している次第でございます。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 若干補足しますと、スケジュールにつきましては、これも公表を申し上げておりますけれども、私、第一回の平和条約締結問題日ロ合同委員会のカウンターパートであるプリマコフ外務大臣とお話しした折に、私もちょっと予想しなかったんですが、プリマコフ大臣の方から、ことしの秋口に公式に橋本総理の訪日を期待する、そしてエリツィン大統領が九九年には日本に参りたい、こういうお話がございました。  二〇〇〇年という区切りがあるものですから、そういった意味でお互いの話し合いの場というのがある意味では非常に頻繁という感じもしますけれども、しかし、タイムスケジュールからいいますと、できる限り首脳が何回も会って、土俵の中でお互いが話し合う機会が多ければ多いほど望ましいのではないか、そういうスケジュールで進んでいくことがいいのではないかと。  ただ、率直に申し上げて、なかなか長きにわたってのことでございますから、日本側としての主張は曲げることなく、そして努力をしていく機会は多い方がいいのではないか、こういうふうに考えております。

高野博師公明

○高野博師君 時間がないものですから簡潔にお願いいたします。  今の大臣のお話で、橋本総理が来年、ことしですか、公式訪問される予定ですね。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) いや、プリマコフ外務大臣からそういう予定で、これから二〇〇〇年までに首脳会談が開かれれば望ましいという御提案がございました。

高野博師公明

○高野博師君 はい、わかりました。  橋本総理がまだ総理のお立場におられれば公式訪問をされると。これで合意に向けてかなり進展すると思われるんですが、来年エリツィン大統領が、またこれも順調にいけば訪日されると。  そこで問題は、来年の十二月にはロシア側には議会選挙があります。再来年は大統領選挙ということで、平和条約締結と北方領土返還というこの実現をするためにはタイミングが非常に重要になってくるんではないかなと。特に、この平和条約あるいは北方領土返還というのが政争の具に利用されないためにも的確なタイミングをとらえることが必要ではないか。  そこで一つは、来年エリツィン大統領が訪日されるときに、二〇〇〇年という予定を早めてもう一気に早目に締結まで持っていっちゃうという選択、これは議会の選挙のかなり前に実現すると。もう一つの選択肢として、再来年の大統領選挙の直後の政権交代のぎりぎりのところまで延ばすということで、これは特にエリツィン大統領が対日関係のカードとして非常に意味をというか有効であり続けるということであろうかと思うんですが、そういう見通しを私は個人的に立てておりますが、この点についてはいかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 予想を申し上げることはなかなか困難だろうと思いますが、基本的には東京宣言の二〇〇〇年までに平和条約ということに向かって全力を投入していくということであろうと思います。いずれにしてもその首脳会談というのは、いずれの国との関係もそうでありますけれども、今般のエリツィン大統領の内閣に対する対応などを見ておりますと、大統領権の極めて強力な国であることは事実であります。そういった意味で、エリツィン大統領の勇断と申し上げますか決断というものがぜひ望まれるものであります。したがつて、願わくは現在の大統領としての任期の中で決断をしていただければ大変ありがたい、こう思っております。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、防衛庁長官が来られていますので、二、三お伺いしたいと思います。航空自衛隊の隊員がロシアのグロモフ飛行センターでスホーイ27の実地訓練を受けていたという報道がありますが、この事実関係と、またこれに関連して、取材には応じないようにとロシア側に歎きかけていたということも報道されておりますが、この事実関係はいかがでしょうか。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○政府委員(佐藤謙君) 諸外国の航空機に使用されています先進技術であるとか、あるいはこのような航空機を運用する上での基本的な考え方、これを把握、吸収するということは航空防衛力に関します技術水準の維持向上にとって有益である、こういうふうに考えているところでございます。  私どもはこういう観点から、平成九年度におきまして、航空自衛隊のパイロットをロシアに派遣しまして、我が国の航空機が保有していない最新技術等が用いられていますスホーイ27、これの操縦等に関する研修を受けさせることによりましてその性能等の調査研究を行ったというところでございます。  それから、取材との関係でございますけれども、先生御存じのように、私ども防衛庁は、防衛問題に関します国民の関心を深め、それからその理解と支持を得ることができるように、報道機関からの取材申し込みに対しましては可能な限り積極的にこれに応じているところでございます。  ただ、今回の研修につきましては、ロシアという遠隔の地で実施したこともございまして、隊員が安んじて研修に集中できる環境を整備する必要があるという点であるとか、また研修の成果につきまして、ロシア側と研修の実施に際してロシア側の同意なくして第三者に移転しないというようなことを約しているという事情がございます。このような事情を勘案いたしまして、現地の取材につきましては、今回のこういった特殊事情にかんがみまして御遠慮申し上げているというところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 もう結構です。

佐藤謙防衛庁防衛局長

○政府委員(佐藤謙君) いいですか、はい。

高野博師公明

○高野博師君 基本的に国民の理解と支持を得るという観点からすれば、そういう例外的なものは余り設けない方がかえってわかりやすいと思うんです。  それではもう一つ、最近のハイテク武器の購入についてお伺いいたします。  AWACS一機五百七十億円、これを二機購入された。ミニ空母と言われる「おおすみ」が五百三十億円、潜水艦の「おやしお」が五百二十億円、イージス護衛艦の四番艦「ちょうかい」、これが千百八十億円と。その他幾つかあるんですが、この新しい武器を購入した目的は何でしょうか。  簡潔にお願いいたします。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 防衛大綱に基づいていろいろと装備をして進めていっているわけでございます。  例えば「おおすみ」にしましても、ミニ空母と言われましたが決してそういう意味じゃございませんで、輸送艦でございます。例えば、北海道から九州へ陸上自衛隊を輸送しようとする場合にはこういう輸送艦に頼らざるを得ない。また、AWACSにしましても、今までありましたE2Cでは覆域がカバーできない、低空で入ってくるそういう飛行機、ミサイル等に対して広覆域でカバーするという趣旨から入れているわけでございまして、そういうふうに計画的に逐次入れておるところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 世界的な軍縮傾向の中で、日本の新しい武器の購入というのは日米貿易摩擦解消のためだという見方もありますが、この点についてはいかがでしょうか。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 決してそういうわけではございませんで、我が国は、御承知のとおり専守防衛という形でとにかく盾の部分をガードしなければ、やりじゃなくて盾の部分をとにかく頑張らなきゃならないわけでございます。そういう意味ではどうしてもハイテク兵器といいますか、そういうようなものでカバーする分野が非常に多いわけでございますので、その辺は我が国の苦労も御理解いただきたいと思います。

高野博師公明

○高野博師君 もう終わりますが、このAwAcSにしても、今のミサイルの時代にこういうものが本当に有効なのかどうかという議論もあります。  防衛庁は、防衛力については適切、効率的な防衛力というようなことを言うんですが、最近は有効なという言葉が入ってきて、有効な防衛力の整備とかという言い方をしているんです。有効という言葉をつけるとこれは幾らでも拡大できるということが言えると思うんですが、この辺について、最初は必要最小限度と、こういう言い方をしたんですが、だんだん拡大されてきているような懸念を私は持っておりますが、防衛庁長官の所見を伺って終わります。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 必要最小限というのは今でも変わっていないわけでございます。  ただ、御承知のとおり、ミサイルにしても低空で長い距離を飛ぶことができるようなそういうミサイルを各国が持つようになってまいりました。そうしますと、そういうものをE2Cではなかなか見つけることができない、しかもE2Cは六時間、それに対して十二時間の航続距離を持つというAWACS、これらの方が効率的でもあるわけでございまして、決して必要最小限をはみ出したというふうなとらえ方をしていただきたくないと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 終わります。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 私は朝鮮半島の問題を取り上げたいと思うんですが、まず最初に、韓国政府が従軍慰安婦問題について、一人当たり日本円にして三百八十万円を韓国政府として支給しようという計画が報道されております。日本の方はかねてからアジア女性基金という形で基金を積んで、一人当たり二百万円ということで一部には支給をしたという状態にあるときに、韓国政府がこういうことを実現しようとしているということはある意味で大変ショックだと思いますが、この辺について政府、外務省はどういうふうにお考えですか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘の報道につきましては承知いたしておりますが、本件につきましては韓国政府の次官会議でおおむね報道されているような決定が行われたと承知いたしております。今後、我が国の閣議に当たる国務会議の審議を経る必要があり、いまだ最終決定はされていないと承知をいたしております。  本件につきましては、韓国政府は正式に決定を下したものではありませんので、今の段階で意見を申し述べることは控えさせていただきたいと思います。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 ちょうど外務省の招待で与党の新政治国民会議の幹部級の議員が来日しておりますから、これは私どもも会う機会がありますので与党に聞いてみたいとも思います。また金大中新大統領は、過去の日本の誤りについてぜひ日本側で自主的に処理をしてほしいという基本的な態度を表明しておられますから、この問題もその一つになると思いますので、正しい、いい対応をぜひしていただきたいということだけ申し上げておきます。  もう一つは北朝鮮とのかかわりですけれども、いわゆる日朝国交正常化交渉、これは先ほどからロシアとの平和条約に絡むお話が出ておりますが、橋本総理は、二十世紀中に起こったことは二十世紀中に処理したいという決意でロシアとの平和条約に臨んでおられるという御発言があります。もう一つ非常に大きな問題として、やはり朝鮮半島のうちの北半分の、かつて日本が植民地支配をしたという場所、国との対応ですから非常に重要だと思いますが、その国交正常化交渉の現状を今どういうふうにお考えですか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 日朝国交正常化交渉につきましては、昨年の夏、外務省の審議官レベルの協議を北朝鮮との間で行いまして、第九回目の本会談をできるだけ早期に行うことについて意見の一致を見たところでございますが、具体的な開催時期は現時点では決まっておりません。  この日朝国交正常化交渉自体、南北対話の進展等にも考慮しつつ進めていくというのが政府の基本姿勢でございます。さらに加えまして日朝間の懸案事項、特に我が国国民の生命と安全にかかわる北朝鮮による日本人拉致疑惑等に関し、残念ながら今までのところ我が方として納得ができる結果が先方から得られていないというような事情がございまして、先ほど申し上げましたようにまだ本会談の開催、具体的な時期は未定というのが現状でございます。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 私も昨年の十一月に与党代表団で訪朝いたしまして、第九回目朝国交正常化交渉を早期に、年内にも再開しようじゃないかという話を北側としたわけですけれども、なかなかそういかないと。  実はソ連時代、ゴルバチョフ大統領のときですけれども、ヤコブレフ顧問が来日をされて、私も会う機会がありましたら、ヤコブレフさんは、日本との外交交渉のときには、しばしば日本政府が交渉の部屋の入り口に大きな石を置いて入れないようにしてしまって、それで交渉をやろうやろうと言うけれども、自分たちは入るわけにいかないんだ、入れないんだと。石があることは事実だけれども、石は部屋の中へ置いておいてもらって、あの石をどけようじゃないかという話をしようじゃないかという比喩を言っておりましたが、ロシアの方はどうやら、北方領土という石はあるわけですが、中に入って話ができる状態になってきた。  ところが、日朝国交正常化交渉の方は、今アジア局長が言われたように、確かに大きいの小さいの含めて石がいろいろあることは事実かもしれませんが、それを入り口に置いてしまうと交渉自体が始まらないということじゃないかと私は思っております。今、自民党の訪朝団も行っておられますが、こういう中でやはり石を殊さらに際立てるんじゃなくて、石も含めて話し合いをするということでないとなかなか前へ進まないんじゃないか、そんな気がいたします。これは意見として申し上げておきます。  もう一つ、今アジア局長も南北の関係のことに触れられましたが、韓国の金大中大統領は、就任以前から就任後もずっと続けて北との関係についていろいろ言っておられます。南北自身の対話、交流、そして最後は首脳会談も視野に入れるということを言っておられる。以前の金泳三大統領時代とは非常に大きくさま変わりしつつあるという環境があります。そして、日本は朝鮮、つまり北朝鮮との国交正常化交渉に積極的に臨むべきだということもはっきり言っておられる。  この委員会にこの前お招きしたカーター元大統領も日本政府は国交正常化のために積極的に取り組むべきだ、また人道的な食糧支援ももっと積極的にやるべきだということを明快に言っておられますね。こういうことを考えますと、どうも歯がゆい気がいたしますが、外務大臣、この問題はどういうふうにお考えですか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) かつて北朝鮮に対して米の五十万トンの供与、援助を申し上げました。あのときには韓国側も非常にナーバスで、実は私自身もソウルに行って当時の李洪九首相その他に日本側の説明をいたしました。  当時のことを顧みますると、今日、金大中大統領になりまして、日本が北朝鮮との国交正常化問題に取り組むことにつきましては、むしろ積極的に賛意を表しておるということでございます。金大中大統領も先般お目にかかったときに、いわゆる三原則といいますか、北については、武力侵略は許さない、北朝鮮を吸収することはない、統一は将来の問題であり、とりあえず交流をしていくという原則のもとに、積極的に北との関係を改善していきたいと強い意思を申し上げられておりました。そのことは同時に、日本側が積極的に北との関係を正常化することについても賛意を表しておるわけでありまして、そういった意味では相当韓国側の状況も変わっているんじゃないかというふうに思っております。  したがいまして、今後は、韓国と十分連絡を密にしながらも、日本側としてとるべきことは何かということについてさらなる検討をしつつ努力をしていきたいと思います。  しかし、いずれにしても、たしかカーター前大統領もおっしゃっておったと思いますけれども、金日成主席の時代には非常に話し合いを御本人自体もされたわけですし、また金泳三大統領も就任早々のときには、ピョンヤンまでみずから出かけていって首脳会談をやるという強い意思がありました。その後新しい主席になられて、その辺での首脳会談その他、一番大事なことがなかなか積極的に行われないという背景の中で何をするかということも検討していかなければならない課題じゃないかと思っております。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 まさに大臣おっしゃるとおり、就任式直後に青瓦台で金大中大統領とお会いしたときに、北の話が出まして、最近の北の状況は私にもわからない、こういう発言がありました。今言われたとおり、金日成主席時代はわかったけれども、息子さんの時代になってわからないという意味を込めておられると思います。それはそのとおりだろうと思います。  同時に、金大中大統領が日本、ロシアを含めた六者会談ということを提起しておられる、それによって宣言をしようじゃないか、したらどうだと。そうすると、南北問題に関連しては、南北二者の同じ民族同士の会談、それから四者会談、それから六者会談、こういう二、四、六という組み合わせが今あるわけで、四者会談は、実は三月に第二回が開かれたにもかかわらず、全く進展がなかった。  北朝鮮から送ってきたファクスによると、その原因はアメリカの態度にある、アメリカが我々の望んでいる朝米平和協定の締結、国家関係の正常化を拒否しているからだと強い態度で抗議する談話を出しておりますが、四者会談は今そういう形でちょっと暗礁に乗り上げて前に進まない。  これは金大中さんとの話の中でまず出てきたことですが、南北というのは、これは同じ民族同士で、まず平和を守りながら交流を進めて、そしてあらゆる階層の会話をしたいんだ、これは自分たちに任せるという意味ですね、そういうことを言われた。  それから、四者会談というのは、実は北が望んでいて、アメリカと北が主役になるという構想で、実は金大中さんは、反対とは言われませんけれども、問題があると。つまり北のねらいは、アメリカとの関係を最も重視して、そして朝鮮戦争の結果として、韓国は停戦協定に参加しなかったんだからこれは横に置いておこうと。  中国はみずから遠慮しているという姿勢が基本だから、そうするとアメリカと自分たち北朝鮮、これが中心になってまず停戦協定を平和協定にしていこう、それから米軍を撤退させる、こういうような形で南と中国を横に置いて、結果として米朝でやれるというのが四者会談の構造だと。そういうことになるとこれは前に進まないんじゃないかというのが金大中大統領の考えだと、私は話し合いの中でそういうふうに思っています。  それが六者会談になると全く様相が変わってきて、日本とロシアが入ることによって米朝だけが主役、米朝だけの話し合いということではなくなる、そういう状況をつくった方がみんなの意見がそこへ出てくるという形の中で、アメリカと北だけの主役という関係が薄められて、かえっていいんじゃないかというのが六者会談の提案の真意ではないかと思っているわけですが、この辺は大臣、どういうふうに思われますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今田委員からお話がありましたように、韓国側の対応というのはお説のとおりだと私も思っております。  ただ、六者の会談といいますか六カ国宣言構想、これは現金正日総書記が北京で御発言をされたことからこうしたお話が出てきておりまして、日本政府としては、そうしたことで六者間で真剣にお話ができるという状況が生まれることは望ましいことだと思っております。ただ、まだ総書記になっておられない以前でございますけれども、その発言をされたことに対しては、残念ながら北朝鮮の方の反応は極めて厳しいものだというふうに承っておりますので、ぜひ六者が本当に話し合いのできる場というのが創造できれば大変望ましいと思っております。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 終わります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 外務大臣、非核神戸方式というのを御存じだろうと思うんです。神戸の港に外国の艦船が入港する場合に、核兵器を積載しておりませんという非核証明書を提出して、そして入港が認められるかどうかということが決められるということが神戸市で実行されております。  今回、御承知のように、高知県におきましても同じような条例化を進めようということで、高知県議会の一致した結論に基づいてその条例化を進めようとしたところ、外務省の方からその条例化は困難だということで圧力がかけられたということが一斉に新聞で報道されておりました。このような高知県における条例化の問題について、それを抑えようとした根拠は一体何なんでしょうか。どういう根拠でそれをするのが困難だというふうに述べられたんでしょうか。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 本年の一月に高知県より運輸省に対しまして、客年十二月十九日に高知県議会において、高知県の港湾における非核平和利用に関する……

立木洋日本共産党

○立木洋君 高野さん、時間がないので、なぜかという根拠だけで結構です。経過はわかっておりますから。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) いずれにしても、私どもとしての考え方は、運輸省を通じまして非公式に照会がございましたので、それを非公式にお伝えしているという段階でございますので、ここで運輸省を通して県にどういう考え方をお伝えしたかということを明らかにすることは、県との関係においても適切じゃないという考え方でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 高知県に確かめましたところが、この条例化は、いかなる理由によるかは別として困難であるということが伝えられたということは間違いないというふうに確認しております。  ただ、御承知のように、憲法の第八章「地方自治」に「地方自治の本旨」ということが明確に規定されております。そして、地方自治体については「法律の範囲内で条例を制定することができる。」というふうに条例化の内容についても確認されているわけです。この地方自治の本旨という問題について、外務大臣、どのようにお考えなのでしょうか。外務大臣にお聞きしたいんですが。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 一般論でお答えさせていただきたいと思うんですが、この高知県の問題ということじゃなくて。米軍の艦船の我が国への出入り、出入に関する我が方の立場といたしましては、委員御承知のとおり日米安保条約でその関連取り決めに基づきこれが認められているわけでございます。我が国としては、このような米国の権利が円滑に行使されるよう確保することが国としての当然の条約上の義務というふうに考えているわけでございます町したがいまして、このような艦船の寄港に当たって、支障なしに実施されるべきものということでございます。  そういう中で、仮に地方公共団体が、いかなる根拠であるかは別といたしまして事実上このような米国に与えられた出入の権利を妨げるようなものになるということは、我が方としては、国としては適切ではないものという考え方で、これは従来神戸の問題等が起きたときにも国会等で明らかにしたところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この地方自治の本旨の問題については自治省の方で明確にしておりますけれども、団体自治と申すのは、国から独立した法人格を持った地方公共団体ができるだけ国の干渉を受けないで独立的に地方の行政を行うということ、こういう方法でございますと。そして、砕いて申しますならば、民意によって行政を行っていくということが本来の義務であると、このように考えておりますと述べております。  今、高野さんが言われた内容では、この安保条約の問題について私たちは知らないわけではもちろんありません。地位協定の第五条において、この問題については日本の港などに移動することができるというふうなことが述べられております。ただし、同じ協定の第十六条では、米軍の日本での行動に当たっては日本の法令を尊重し遵守しなければならないということも定められているわけです。だから、日本の法令を無視して、日米安保条約があるんだから何をやっても結構ですというふうになっているわけではございません。  今の地方自治の本旨に基づくならば、御承知のように、港湾法に基づいて地方自治体いわゆる港湾管理者が危険なものについての入港を拒否する条例をつくっております、各地でいろいろな。核を積載している艦船は危険であるから入港を認めないということを決めたのが、神戸市で行われた市議会で一致した決議に基づく条例でした。そういうものと同じものを今度は高知県が行いたいという主張をしているわけです。  これは高野さん御存じかどうかわかりませんが、昭和五十九年三月十七日、私は参議院の予算委員会で当時の中曽根首相にこの問題についてお尋ねしたんです。  この非核神戸方式についてあなたはどのようにお考えかと。これについて中曽根さんは、「それは地方自治の本旨に基づいて神戸の市長及び市議会がとっておる一つのやり方でありまして、それはそれとして我々はよく理解できるところであります。」、よく理解できるところでございますと明確に述べております。  その後に、「国は国、地方自治体は固有の自治権に基づいて地方自治体の行為を行う、そういう次元が違うものであるというふうに御理解願いたいと思います。」。そして、国の問題とその地方自治体の本旨に基づく行為の問題については、「それはやっぱりはっきり分けられて考えるべきで、それを混交すると地方自治が侵害されることも起きかねまじきことになります。」、こういうふうに述べて、法律に従って行われている点については国も協力すべきだということさえ中曽根さんが述べておられるわけです。  こういうことを、今の時点になって、高知県知事が県議会の一致した決議に基づいて、核積載艦船の入港は危険だから我々としては認められないというような方向を出したことに対し、それと全く違う態度をとって条例化は困難だと言って圧力をかけて、それができなくなる、三月の議会では。橋本知事は、これは次の議会においては何とかしてやりたいというふうに述べておりますけれども、そういうふうな態度をとるということは、かつて中曽根総理が明確に述べられた地方自治の本旨を尊重すべきであるという態度、これを否定するという結果になるんではないかと思いますが、大臣、その点についてはやっぱり政治的な判断ですから、御見解をぜひお伺いいたしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 中曽根総理の答弁のすべてを承知しておりませんが、今お聞きした範囲では地方自治というものは尊重しなきゃならない、しかし一方、国としての立場もあるということで、いずれがより重さものだということの判断は中曽根総理の答弁はしておらないように、私今拝聴したのでございます。実は本件につきましては、やはり外国艦船の本邦寄港に同意を与えるか否か、与えるを否定するような、国としての責任を有する外交関係の処理が地元公共団体によって妨げられるようなことがあってはならないというのが、現政府としての考え方です。

立木洋日本共産党

○立木洋君 神戸市の場合も、アメリカ以外の軍艦が神戸市に入港する場合に非核証明書を出して入港している事例というのは十数回に上っているんです。ただ、アメリカだけなんです、神戸市に対して非核証明書を提出しないから神戸市にはただの一回もその後入港しておりません。ほかの国は非核証明書を出して入港しているんです、神戸港に。  御承知のように第三回の国連海洋法会議というのが十年間にわたって行われました。この中で、いわゆる領海を通航する場合に無害通航を認めるかどうかという問題があります。無害通航には当たらないというふうに、御承知のように国連海洋法の中では十二項目網羅的なものとして挙げられているんです。いわゆる無害通航には当たらないというものの中には、具体的には核積載艦というのは入っていないんです。  ところが、日本政府に私は先般質問しました、外務省に、この特別委員会のときに。そのとき外務省の方は、その十年間の間に日本は、核積載艦の日本領海への入港は我々としては非核三原則があるので、それについては認める立場をとっておりませんということを発言しなかったというんです、ただの一回も。十年間の会議の中で、いわゆる核積載艦は危険だと、非核三原則を国是としておる日本政府がただの一回も発言をしなかった。  そしてその後、一九八九年にアメリカとソ連の間で、領海を通航する無害通航の問題についての統一見解を発表したんです。そのときには何という統一見解を発表したかというと、核積載艦であっても、いわゆるこれは無害通航であるという趣旨の統一見解を発表したんです。だから私は、それについて日本政府は異議を申し立てたのか、あなた方はそういう統一見解を出されているけれども、日本政府としてはこういう態度をとっておりますというふうに、アメリカ及びソ連に対して通報したのかと言ったら、我々に対する問題の提起ではないので、一切通報も抗議もいたしておりませんというのが日本政府の態度でした。  国際的な重要な場で日本政府の立場と異なった問題が問題にされて出されているときに、それに対して異議の提起をしないということはそれを認めたということに等しい結果になるということは外交上の常識です。そういう重要な会議で一回も問題の提起もせず、米ソの統一見解についての異議の申し立てもされず通報もしない。  そして、今度は国内において、このような非核三原則を国是とすると言い、港湾法に基づく条例でやることができるということが、地方自治の本旨に基づいて行うことができることになっているにもかかわらず、いわゆる核積載艦が入港してきて重大な事態が起これば、港湾管理者というのは住民に対して責任を負わなければならないわけですから、県議会で一致した決議に基づいてその条例を改正して核を積載していないかどうかを確かめると。その上でないと入港は認められないという立場をとるのは、住民の生命、財産ということを考える港湾管理者の立場としては私は当然のことだろうと思うんです。  そういうことを、国際的な問題についても、国内についてのこういうような住民自治の本旨に基づくという態度の点についても、明確な立場をとるのではなくて全く逆の立場をとるということは、私はどうしても理解することができないわけですが、大臣、どうしてそういう結果になるんでしょうか。高野さんは結構ですよ、私はもう時間がありませんから。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) いろいろ経過について、もし事務的に答弁を申し上げることがあるとすればしていただきたいと思います。神戸港の問題について立木先生お触れになられましたが、その神戸港に対して、実はどういう国が許可証を提出し、それを受理されているかということは承知しておりませんが、少なくとも日本と安全保障条約を結んでいる国ではなかろうと思います。  日本は日米との関係において安全保障条約を結び、そして核につきましての三原則を持っております。それから同時に、日本としては米国が重大な装備の変更その他がある場合には事前協議というものが必ず行われるものと信頼をして日米が協定を結んで、お互いがこれを遵守しておるという国の中での対応でございまして、安全保障条約を結んでおらない国々の船舶のことにつきましては、私どもは立場が異なるというふうに考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この問題については、先ほども申し上げましたように、確かに日米安保条約があり、地位協定では米軍が港に入港したいという場合にはそれを認めるような条項が第五条には書かれてあります。アメリカの艦船は日本の基地間及び基地と日本の港などの間を移動することができると書いてあります。しかし第十六条には、先ほども申し上げましたように、米軍の日本での行動に当たっては日本の法令を尊重し遵守しなければならないということも定めているんです。ですから、そういう条例が確定された後、アメリカの艦船はただの一隻も神戸港には入港していないんです。入港していないというのはこれは事実なんです。  神戸港ではそういうことができたんですから、だから高知においても県議会で一致して、住民の安全と財産の安全を守るために、核積載艦の入港は危険だから認められないと。これは、日本政府が常に申しておられますように非核三原則、つくらず持たず持ち込ませずという原則とも一致しているわけですから、何らこれは日本政府が主張している考えに反するものではありません。  だから、こういうふうなことになってきますと、今後ガイドラインの見直しの問題でも久間長官との間でまたお話し合いをしなければならなくなるかもしれませんけれども、こういうふうなことを考えて、本当に地方自治の本旨に基づき、日本国の法律のあり方、そして何でもアメリカの無理が通るというようなやり方ではなくて、やっぱり決められたことは決められたこととしてきちっと守れるような、そういう態度をとるということを私は特にやはり外務大臣に申し述べておきたいわけなんです。  よく御検討をいただきたいということを申し上げて質問を終わりたいと思いますが、最後に大臣の御感想をお述べいただきたいと思います。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 時間ですので、簡潔にお願いします。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 先ほど中曽根総理の御答弁を引用になりましたので、ちょっとここで私の方からそこのところを申し上げたいと思いますが、地方都市におきます非核都市宣言等を行うということは地方都市の自由でございますけれども、国防、外交という問題は、これは中央政府の所管事項であるというふうにも答弁されているわけでございます。  これは、詳しくは申し上げませんが、確かに地方公共団体が港湾管理者として、実際上の港湾管理者の立場、例えば係留場所の指定等、港湾施設の使用についての港湾の適正な管理及び運営を図るという観点から種々調整が行われるということは当然のことでございます。他方、外国艦船の寄港に同意を与えるかどうかというものは、外交関係の処理ということで、憲法七十三条二項で国がこれを決定すべきものであるということは従来から申し上げていることでございます。  今、先生の御指摘の核の持ち込みと非核三原則の問題は、日米間に関する限りにおいては、安保条約あるいは事前協議によりましてこれは十分確保されているということを私どもは申し上げているわけでございます。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 以上、北米局長が答弁したとおりでございます。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 自由党の田村でございます。  外務大臣にお尋ねいたします。大臣は、大臣に就任される前に、超党派のみんなで靖国神社に参拝する国会議員連盟、私も属しておりますが、それの会長をされていたわけですが、どうして外務大臣に就任されるや辞任されたのか、非常に私は残念でならないんですが、その理由をお聞かせください。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 私が外務大臣に就任するに当たりまして靖国神社参拝議連の会長を辞したのは、靖国神社公式参拝の実施については近隣諸国の国民感情など、諸般の事情を総合的に考慮しつつ慎重に考えた上で判断すべきものとの考えを踏まえ、慎重かつ自主的に判断した結果でございます。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 そういたしますと、外務大臣になられる前はそういう配慮はされていなかったということでありますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 最近はずっといわゆる閣僚に就任する機会がございませんでしたので、議員として靖国神社に参拝をし、英霊に対して深い敬意と感謝の気持ちを持ちまして春秋参拝をさせていただいてまいりました。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 私は、大変尊敬する外務大臣が政治信念で、外務大臣になられても、議員連盟の会長であられたわけですから、みずからの国の英霊に対して参拝するのは当然だと私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  外務大臣の所信表明に関しまして、大臣は、「国際情勢の現状と変化を正しく見きわめ、二十一世紀の日本の姿を念頭に置きながら、我が国の外交に果断かつ積極的に取り組む決意であります。」と申されております。そして、「国民とともに歩む外交を推し進めなければならない」とも申されております。  自社さきがけ連立政権の言う「二十一世紀の日本の姿」とはどのようなものか全く言及されておらないし、「国民とともに歩む外交」というのはどういう外交なのか、国際情勢の現状と変化について簡単にわかりやすくお答え願いたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 「国民とともに歩む外交」ということをフレーズとして入れさせていただきました。その演説の中でも実は申し述べましたが、アメリカにかなり前に参られまして活躍した方の一人で朝河貫一という学者がございます。実は聞くところによりますと、ニューヨークの自由の女神のところに日本人として非常に大きな貢献をした人として三名記録されているんだそうです。  その一人は、この過ぐる大戦で京都とか奈良とか日本の古き都に爆撃させることを非常に拒否する努力を米国においてされた方だそうですが、もう一人の方が今申し上げた朝河貫一という方でございまして、実は私の母校のそれこそ大先輩でございました。この方が、古き時代でございますが「日本の禍機」という本を書きまして、その中の、結局外交を決するものはその国々の国民の意識の問題である、したがって国民の意識というものをきちんと踏まえて対応しないと外交では大きな禍根を残すということが記憶にあります。そういった意味で、国民に理解を求める努力を常々しながら同じ線上で考えていかなければならないという気持ちを実は込めたわけです。  具体的にと言ってはなんですが、例えば現下ODAを含めて国際的な協力をいたしております。これも日本政府並びに外務省の基本的な大きな政策の一環でありますが、これまた国民自身の本当の意味での理解が行われないということであるとすれば大変問題である。一兆円以上の国費が投ぜられておりながら残念ながら国民自身のODAに対する十二分な理解が得られないとすれば、今後この政策を遂行することはできない。そういった意味合いでもっと積極的に、日本の税負担者の理解の上でこうした重要な政策を進める必要がある、これがある意味では「国民とともに歩む外交」というものの一つの例ではないかと考えて、そうした態度でこれから外務大臣としての職責を全うしてまいりたいという決意を申し述べた、こういうことでございます。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 自社さきがけ連立政権の言う「二十一世紀の日本の姿」というのはどういう姿なんですか。大臣は所信で「二十一世紀の日本の姿を念頭に置きながら」、と言っておられるんですね。「二十一世紀の日本の姿」というのは私が考えている姿とはちょっと違うんじゃないかと思うんですが、どういう姿を外務大臣は描いておられるのか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 我が国は、政治経済、地球規模の諸問題など幅広い分野にわたり積極的な外交を展開し、平和と繁栄の基盤となる新たな国際秩序の構築に向け重要な役割を果たしております。今後、国内の諸改革を遂行して日本の国力を一層高めつつ、二十一世紀においても国際社会の責任ある一員として引き続き積極的な外交を展開してまいりたい。そして、主要国とともに国際社会が望ましい方向に進むよう力を尽くしてまいりたい、こういうことでございます。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 防衛庁長官にお尋ねをいたします。  防衛庁、自衛隊が設置されたときに、旧軍の教訓を踏まえて、大きく言うと二つのことがあったと思うんです。旧軍では陸軍、海軍の抗争があったのでそれをなくすために防衛大学校をつくったというのが一つ。それからもう一つは、各自衛隊で工廠を持たないで民間に防衛生産の基盤をゆだねたということだと思うんです。  それで、国防の基本方針で「国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。」というふうに書かれてあるし、「防衛生産・技術基盤の維持に配意する。」ということが書かれております。これは国家の方針なんです。にもかかわらず、現在防衛庁、自衛隊では、設計、製造、試作、修理等は全部民間にお任せして防衛生産・技術基盤を維持してきたわけです。宮澤内閣以来ずっと防衛費を削減してきております。平成十年度の防衛関係費のうち一般物件費は対前年度化四・四%減、四百三十五億円の減となっております。  それで、今一機の戦闘機あるいは護衛艦をつくるためには二千社ぐらいの会社が参画をしておる。家内工業みたいに十人ぐらいでしている会社も多々あります。そういうのがどんどんつぶれていっているわけです。そういう状況で、国家の安全を保障するに必要な基盤を維持しているというふうに、ここ十年ぐらいですが、防衛庁長官はどのようにその辺をお考えになり、どのような対応をとられておるのか。私は非常に致命的な段階に来ているのではないかというふうに思っております。しかも、防衛産業というのは二十年ぐらいかかる産業でございますので、どういうふうにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 今おっしゃられましたように、従来から装備品等の整備に当たりましては防衛大綱にも示されておるとおり、やはり適切な国産化等を通じた防衛生産・技術基盤の維持に配慮していかなければならないというふうに書いてありますとおり、私どもも配慮してきたところでございます。  ただ、確かにおっしゃるとおり、防衛産業をめぐる環境というのは財政事情がもう本当に厳しくなってまいっておりますから、そういう中で、調達額も削減されるなど、そういう状況にありまして、このままいきますと技術者などの離散が生じる場合等も出てまいります。そうなると、防衛生産・技術基盤の維持確保に支障を来すことになりかねないという危惧は持っております。  したがいまして、私どもとしても、そういう厳しい状況でありながらどうやって切り抜けていくかということで、内部に取得改革委員会等をつくりまして、そういう中でいろんな規格、仕様の見直しによる民生品をできるだけ活用できないかとか、研究開発段階における見積もり料、単価の低減が図れないかとか、あるいは調達段階における諸手続の簡素化による企業側の間接経費負担を軽くすることができないかとか、あるいは契約方式で随契等をもう少し減らして競争原理をやって単価を低めることはできないかとか、いろいろと苦労しながら、今言いましたそういう国内における防衛産業基盤の維持にできるだけ配慮していきたいというふうに思っているところでございます。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 よろしくお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 最後になりました。外交防衛上の大変次元の高い問題で論議が交わされましたが、私はちょっと角度を変えまして、易しい問題というのか、しかし基本的な問題、国語の問題と言ってもいいんですけれども、取り上げたいと思います。  新しい日米ガイドラインの上で周辺地域という言葉が大変問題になっているようであります。これについて政府のこれまでの説明では、特定な地理的概念ではなくて、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼすような事態の生じ得る地域であって、地域の枠をかけることは適当でないんだと、こういう説明になっておりまして、総理大臣も外務大臣も防衛庁長官も、その旨国会で再三答弁されております。  そこで、これは実はわかったようでわからない、へえという感じがいたすわけでありますが、大変申しわけないんですけれども、外務大臣と防衛庁長官、中学生になったということに仮定いたしまして、学校の国語のテストで周辺地域という問題が出たら、その意味を書けという問題が出たらどういう解答をなさいますか、外務大臣。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) これはしばしば答弁申し上げているとおりでございますが、日米防衛協力のための指針で言う周辺事態とは、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合を言いまして、ここで日本周辺地域とは、そこにおいて生起する事態が我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼし得る地域であるが、かかる事態が生ずる場所をあらかじめ特定できるわけではなく、日本周辺地域の地理的概念を明確に申し上げることは困難であると。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 私は中学校のテストで出たらどう書くかというふうにお尋ねしたわけでありまして、今のように書いたら恐らく先生は採点のしょうがないんだろうと思うんですよ。辞書を引いてみれば、周辺地域というのは、ある地域がありまして、その周辺、周り、ぐるり、めぐり、こういう言葉が説明として使われております。  東京周辺といいますと、東京都と境を接する神奈川県、千葉県、山梨県、埼玉県も入りますか、県境から五キロか十キロかその辺を一括して東京周辺と、こういうわけでありまして、決して群馬県とか長崎県が東京周辺に入ってくることは絶対ないと思います。それはもう常識の問題であろうかと思います。  そこで、我々身近な問題ですけれども、国会周辺といいましたら、今度は防衛庁長官、どの辺を考えられますか。

久間章生防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 国会周辺という場合でもいろんな内容のとり方によって、周辺が上野まで及ぶ場合もありますしあるいはまた大宮まで及ぶ場合もありますから、それは一概に言えないわけでございます。先ほどの。「日本周辺地域」で切ってしまうからどういう地理的概念かという話になるわけでございますので、これは「日本周辺地域における事態で」と、ここまでを一気にとにかく読むことによって、我が国の周辺で起こり得る事態のうちということを言いたかったわけでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 これまた採点のしようのないお答えなんです。  実定法上は周辺地域という言葉が既に使われていることはもうおわかりでしょうか。これは法律用語として固まっておるんですよ。国会議事堂等の周辺地域の静穏の保持に関する法律で、これは霞が関二丁目、三丁目、それから永田町一丁目、二丁目、定義がはっきり法律の上で画されておる。これは当たり前のことなんです。その範囲内で国民の権利を制限する、義務を課する、そういう上から範囲を確定しておいて国民に法律に従ってもらうと。上野あたりで国会を倒せなんて言っている者をこの法律で規制することは明らかにできないわけですよ。法律というのはそういうふうに極めて厳しい解釈が要求されているのは当たり前のことなのであります。  そこで日本周辺と、こう言いましたら、だれに聞いてみましても、それは日本のぐるりですから、海岸線から五キロか十キロか長くても五十キロぐらい、その辺を言う言葉であろう、こう考えます。中国とか朝鮮半島とかこれが一体日本周辺に入るのか、こう聞けば、言葉とすれば入らない、こう言う方が大部分だろうと思います。そして、周辺有事と、こうおっしゃいますけれども、まず周辺がありまして、その中で事態が起きたから周辺有事と言うんであって、起きたところに周辺の枠が広がっていったり、こっちいったりあっちいったりする、そんな法律というのは聞いたことがありません。これはいずれ法律になって我々の目の前にあらわれてくるんでしょうけれども。  私、疑問なのは、なぜこれは周辺という言葉を使われたのか。日本語の周辺というのはもう固まっておるわけですからね。今、新しい意味を与えたいと、こうあなた方が考えられてもそれは無理だろうと思うんです。  法律屋の間で、できのいい法律、できの悪い法律、こういうことがありまして、できのいい法律というのは、普通の人が普通に読んで、ああこれだと、こうわかるのをできのいい法律。できの悪い法律というのは、頭のいい人がじっと見てもさっぱりわからない、これは一体何だと。この代表例が税法関係なんですね。所得税法、法人税法を幾ら見ても皆さん方もおわかりにならないでしょう。私もわからない。それで税務署に相談に行くと、うるさいなと、税理士さんのところへ行って聞いてみなさいよと言って税理士のところに行くと、私、大蔵OBですと言う。ああいう税法というのは大蔵省の大変頭のいい連中がつくるとああなっちゃうんですね。あれは一番できの悪い法律だと私は思いますよ。  やっぱり国民に知ってもらうということが法律の一番大事なことですから、これからどういう法律をつくられるのかわかりませんけれども、周辺という言葉は私はなじまないと思いますよ、あなたが何と言おうと。  そこで、外務大臣にお尋ねいたしますが、安保条約においての極東の範囲、これは一言で簡単でいいですけれども、ちょっと説明していただければと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域がこれに含まれている。そして、中華民国の支配下にある地域というのは御案内のように後に台湾地域と読みかえている、こういうことです。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 極東という言葉自体は、大航海時代にヨーロッパ人が東の方を眺めて東の外れということで極東と、こう言ったわけでありまして、日本、朝鮮半島、中国、これが入ることは間違いない。東南アジアが入るかどうか、これは人によっては大分違うようですけれども、大体は入れた。それから、タイという国は歴史上かなり名が通っていたので大体あそこら辺は入ると。しかしインド、これはもう極東に入れる人はいないと思います。フィリピンはどうか。この辺になってくると争いがあるようであります。しかし、いずれにしろ極東という言葉の範囲と日本周辺という言葉を比較した場合、どちらが広いと思われるでしょうか、外務大臣。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 先ほど極東の統一見解について大臣から御答弁があったわけでございますが、その統一見解の冒頭にございますが、極東は別に地理学的に確定されたものではないという前提のもとに、日米両国が条約の言うとおり共通の関心を持っているのは実際問題としてということで先ほど御答弁になったことでございます。  したがって、極東自体も地理学的にどこからどこまでということを明確に政府として申し上げることは困難だという前提を確認させていただきたいと思います。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 極東という概念は極めてあいまいだということは私が言ったでしょう。別にあなたに説明してもらう必要はないわけなんです。  しかし、極東という言葉と日本周辺という言葉を比較した場合、どちらが幅がある概念が、これはもう論ずるまでもない。アンケートをとれば一〇〇%極東の方が広い、こうお答えになると思います。しかし、なぜか極東という言葉を使わずして新ガイドラインでは周辺という言葉を使う。これは何かマスコミによりますと、極東では狭過ぎるというのか、カバーし切れないことがあるので日本周辺地域という言葉を使っているんだと、こう言われておりますけれども、日本人の常識に反するような言葉はなるべくやめてくださいませ、混乱が起こるだけでありますから。原文は私はわかりませんけれども、それに相応する言葉を使いたければ、そういう言葉を発明してくださいませ。何か周辺という手っ取り早い言葉を持ち出してきてこの範囲だと言われても、我々は全然わからないんですよ。  そして、その枠がはっきりしないものですから、ガイドラインが一体どこまで適用されるんだと。極端な人はイラクが入るのかと。入るような入らないような、まあ入らないと思いますというような答えになっちゃうわけです。日本周辺と言ったらイラクが入らないことはもう論ずるまでもないわけですよ、言葉の上からいたしまして。まず言葉ありきなわけですから、どうか言葉の概念というのをきちっと考えた上で新しい法律、新しいガイドラインを考えていただければ無用な混乱が起きずに済むのではないか、こう思いますが、時間でありますので、最後に外務大臣、ちょっとコメントをいただければと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) この用語は既に日米間でガイドラインを定める場合に日本語としてはこの用語を使用するということでスタートいたしておりますので、この用語についてこれから新しい言葉を創造するというようなことはなかなか困難ではないか、このように考えます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 法律になるのかどうかわかりませんけれども、法律になるときは、殊のほかうるさい内閣法制局というのが立ちはだかりますから、その説明で十分なのかどうなのか御検討の上考えていただければと思います。  以上で終わります。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ―――――・―――――    午後一時一分開会

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、横尾和伸君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。     ―――――――――――――

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年九月二十三日にモントリオールで作成された民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約を補足する国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件、大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第十条2を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とカタル国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とオマーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とバハレーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上九案件を便宜一括して議題といたします。  九案件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉田之久民友連

○吉田之久君 外務大臣初め関係者の皆様方、大変御苦労さまでございます。  私は、まず在外公館の名称位置給与法の関係等について御質問をいたしたいと思います。  今回の改正によりまして、大使館や総領事館に勤務する外務公務員が受け取る在勤基本手当の基準額は五年ぶりに全面改定されるわけでありますが、これは為替相場や物価水準の変動を受けた措置として承知いたしております。この間、五年の間に一番極端に変動した国や地域はどこであったのか、あるいは今度の是正が図られることによってどのように中身が変わっていくのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) 今回の在勤基本手当の改正でございますが、実は名称位置給与法第十条の規定に基づきまして、同法が定めます基準額の上下二五%の範囲内で政令によって改定ができることになっております。  ただ、今回はこの変動幅を超えます公館が実は二十一公館ございました。さらに、その基準額の二五%を超えない公館でもほとんどの公館が基準額からは乖離していた、二百四十八あるうち二百四十七が乖離していた、こういうことでございましたので、全面改定をお願いした次第でございます。  法律基準額の増率の最も大きな国でございますが、実はケニアでございまして、改定率が三九・七%でございました。  以上でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 次に、研修員手当についてお伺いをいたします。  海外で研修する若手の外務公務員の授業料や住居費の負担が重くなってきておるということを考慮して今回全面改定に踏み切られるわけであります。我が国の外交を背負って立つ質のよい外交官を養成するためには、彼らが安心して勉強できる環境を整えてやることは極めて重要であると思います。  この際、具体的にどのような改善が図られるのか、またそのことによってどのような効果が期待されるのか。ちなみに、授業料の額は国によって違うんでしょうけれども、どの程度の額に大体なっておるのか、あるいは若い研修員の方々の給与ベースはほぼ現状でどのぐらいなのか、今度の改正によって下限、上限がどの程度設定されるのか、その辺のところをお伺いいたしたいと思います。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) 研修員手当は、実は今回十六年ぶりに改正をさせていただくことにいたしました。研修員手当といいますのは、授業料とそれから住居費等の生計費の二つを賄うものでございます。実は十六年ぶりということでございますので、平均をいたしますと、例えばアメリカの場合は四〇%弱の上昇、全体といたしますと五割前後の上昇という格好になっております。  また、授業料でございますが、例えばアメリカのケースで申し上げますと、我々が万基準として考えておりますのが四万七千円でございます。これは一カ月の授業料でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 若い研修員のもらっている給与のベースがどのぐらいなのか、わかりませんか。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) 研修員といいますのは、基本的には入りまして一年たって在外に出て研修員になるわけでございますが、そういう人たちの本俸は十八万でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 今度の手当は、聞くところによりますと、アメリカの場合に三十万、これが大体下限のようでありまして、上限が七十万、今回は六十五万円どまりになると聞いておるわけでございますが、一番上がるところは大体どの辺でございましょうか。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) 実は、今度の研修員手当の調整の中で一番高い国になりますのはコンゴ民主共和国でございます。こういうコンゴ民主共和国での研修というのは恐らくないと思いますが、すべてのところで研修があり得るという前提で一応の基準として設定をいたしました。  ちなみに、もう少し下がりますのはタンザニアでございます。これは、スワヒリ語なんかの研修でもしかすると将来は研修があり得る、可能性があるというところでございますが、ここの場合では全体として五十八万四千七百円ということを考えております。恐らく、これが将来あり得る最も高い研修地の研修費用ということになるかと思います。

吉田之久民友連

○吉田之久君 それでは、今もお話に出ましたコンゴでございますが、昨年、旧ザイール、現コンゴ民主共和国及びコンゴ共和国では相前後して新政権が樹立されました。  コンゴ民主共和国ではカビラ政権が、コンゴ共和国ではサスヌゲソ政権が誕生しております。このうち、コンゴ民主共和国のカビラ政権は直ちに政府が承認したところでありますが、コンゴ共和国の新政権については内戦の影響などもあって、まだ新政権を承認していないはずでございますが、この新政権を承認しない理由はどのようなところにあるのか、その理由をお述べいただきたいと思います。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) ただいま吉田委員がおっしゃったとおり、コンゴ民主共和国の方につきましては、モブツ前大統領に現在のカビラ大統領が取ってかわりまして、それが九七年の五月でございます。その後、我が国はこのカビラ大統領のコンゴ民主共和国における地位というのは実効的な支配が十分であるという認識で、その月の五月三十日に新政権を承認した次第でございます。  これに対しまして、隣の国のコンゴ共和国におきましては、昨年六月、リスバ大統領と現在のサスヌゲソ大統領との対立を背景にいたしまして戦闘が勃発しました。昨年の十月にはサスヌゲソ前大統領派が軍事的な勝利をおさめたのでございますけれども、まだリスバ大統領派が地方の特に南部の方におきまして反政府勢力で立てこもっておるという情報がございます。また、この件につきましては、アンゴラ軍が介入してございまして、我が国といたしましてはそのような国の情勢を慎重に見守ってきておるということで、今後とも諸般の情勢を考慮しつつ政府承認について検討していくという状況にございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 新政権を承認していないにもかかわらず、コンゴ共和国には現在我が国の大使館が置かれているわけですね、もっとも在コンゴー日本国大使館は在ガボン日本国大使館が兼轄しているようでありますけれども、承認していない政権と我が国の外交関係はどうなるのですか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 未承認政府との外交関係についてのお尋ねでございますけれども、まず一般論で申し上げますと、御案内のとおり、外交関係は国家の間で設定されるものでございます。したがいまして、政権が交代したからといいまして直ちに外交関係が断絶するということは観念的にはないわけでございます。  他方、国家間の外交関係というのも、これも御承知のとおり、これを代表する政府との間で維持されるわけでございますので、まだ新政権を承認していないという状況におきましては外交活動には当然制約が加わるわけでございますし、大使館の活動につきましても未承認政府との関係では一時的にその外交活動が制約される、こういうことだろうと思います。  具体的にこのコンゴ共和国の場合につきまして申し上げますと、御指摘のように在ガボンの大使館で兼轄をいたしておりますけれども、現在は我が国といたしましては、同国の新政権の状況というのを見守りつつ承認問題を検討していくということでございますので、この間、暫時現地における外交活動というのは新政権を我が国が承認いたすまでは制約をされる、こういうことでございます。政権を承認いたしました暁には正常な活動に回復する、こういうことでございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 そうすると、今回大使館の名称を変更されたわけでありますが、それも民主共和国の側の大使館ということははっきりされたわけでございますが、当分の間一応二つ存在するわけなんですか、これも全部ガボンと一緒に兼轄するんですか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 法律的に申しますと、従来ございましたガボンにおいて兼轄されております在コンゴー日本国大使館という名称が在コンゴー共和国日本国大使館という名前にかわるということだけでございます。存在として二つあるということではございません。

吉田之久民友連

○吉田之久君 コンゴ民主共和国及びコンゴ共和国はともに選挙の予定を示すなど民主化に向けた努力をしているとお聞きしますが、両国の現在の情勢と今後の見通しについてお聞きしておきたいと思います。  ということは、コンゴ共和国の方がさらに民主化が進めば、その時点でこの大使館の名称等をどうするのかということも含めてお伺いいたします。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) まず、コンゴ民主共和国の方でございますが、九七年五月の大統領就任式におきまして、カビラ大統領が民主化プログラムというものを発表してございます。昨年十月には憲法委員会が創設されて、十一月には世銀等の協力も得まして経済復興計画ということを作成するなど、民主化及び経済再建への努力が行われているわけでございます。  我が国といたしましても、同国の安定と発展というものが中央アフリカ地域全体の安定と発展に影響があるということから、今後ともカビラ政権の民主化への努力というものをサポートしていきたい、こう思っております。  もう一つのコンゴ共和国につきましては、昨年十月にサスヌゲソ大統領が就任いたしまして、ことし一月には一連の選挙までの暫定期間を三年とするということで、民主化の動きも出始めているなという感じを持っております。今後とも国民和解、民主化の動きが着実に進むことを期待しておるわけでございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 コンゴ民主共和国、すなわち旧ザイールでは我が国の自衛隊がかつて人道的な国際救援活動を行ったわけであります。いまだにルワンダ難民が多く残留していると聞いておりますが、その実情はどうなのか、また今後の動向をどう予測しておられますか、お聞きします。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) コンゴ民主共和国に逃れておりましたルワンダ難民でございますけれども、九六年秋以降、迅速に大規模な帰還が進んだけれども、片や現在でも多くの難民が残留しているという状況にございます。  どのくらいの難民が残留しているかという点でございますけれども、この地域におけるアクセスが困難ということもございまして、なかなか正確な残留難民数の把握は困難でございますけれども、一説には二十万人と言われております。最近、緒方貞子UNHCRの報告によりますと、七万五千人という数字を入手してございます。  以上でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 旧ザイールで我が国の自衛隊は人道的な国際救援活動として医療、防疫、給水、空輸などの活動を行い、大いに貢献したわけでありますが、自衛隊が行ったこのような活動はその後現地でどのように受け継がれているのか、現在どのように現地でなお役立っているのかどうか。また同時に、我が国は物資協力として大型テントあるいは毛布、マット、水槽、シャベルなどを提供してきましたけれども、これらは今どのように生かされているのか、お聞きします。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 旧ザイールでの自衛隊の部隊によります国際平和協力業務でございますが、九四年九月から十二月まで行われたわけでございます。これは先ほども申しましたUNHCRを初めとする各種の活動機関等に引き継がれておりまして、多くの難民支援に役立ったということで高い評価を得ているわけでございます。  物資の協力につきましてでございますが、九四年の八月にUNHCRに対して、旧ザイール等においてルワンダ難民に対して行われている活動、UNHCRの活動に協力するために行いましたけれども、その物質協力も大変に高い評価を得まして、難民救済に有効に活用されたと承知しております。  また、自衛隊が救援活動を行ったザイール東部でございますが、九六年の九月以降、政府軍と反政府軍との戦闘等により混乱した状態になっております。多くのルワンダ難民が難民キャンプを離れ、大量にルワンダに帰還するという事態になりまして、その後ザイールの東部に対しましてUNHCR等の国際機関等もアクセスが非常に困難になってございます。  したがいまして、現地の状況は遺憾ながら必ずしも明らかではないという状態が続いて今日に至っております。

吉田之久民友連

○吉田之久君 ありがとうございました。  それでは次に、アメリカのデンバーに新設される総領事館についてお伺いをいたします。  既にアメリカにはニューヨーク、デトロイト、シカゴ、ボストン、サンフランシスコ、ロサンゼルスなど、全米各地に十六の我が国の総領事館が設置されております。  デンヴァー総領事館は十七番目になりますが、確かにアメリカは広大な国でありますし、日本にとっても極めて重要な国であり、日本人も多数おりますので、在留邦人に対してきめ細かい総領事を行うためにはその必要はあると理解するところであります。  しかし、強いて申し上げれば、現在、国内では国を挙げての行財政改革に取り組んでいるときであります。このようなときに総領事の枠をさらに一つ設け、少人数とはいえ数名の館員をもって構成する総領事館を新設することでありますから、この際十分に国民に納得が得られるだけの理由がなければならないと思うわけでありまして、その点についての御説明を伺っておきたいと思います。

高野紀元外務省北米局長

○政府委員(高野紀元君) 在デンヴァー総領事館でございますが、これは管轄を予定している四州、コロラド、ユタ、ニューメキシコ、ワイオミングにおきまして百八の我が国の関連企業が進出しております。在留邦人が四千七百二十人と我が国との関係も極めて緊密でございます。しかし現在、近隣に総領事館が設置されておらず、例えばデンバーは同地を現在管轄している在サンフランシスコ総領事館からは二千百キロも離れております。  かかる状況にかんがみまして、御指摘のように、在留邦人に対しよりきめ細かい対応を可能たらしめるということで、今般、総領事館を設置することが適当と考えた次第でございます。  他方、政府が現在取り組んでおります行財政改革の趣旨を十分踏まえつつ、今般のデンヴァー総領事館の設置に当たっては、既存の定員の振りかえをもって手当てしており、新規の増員は行っていないということでございます。  邦人の海外における活動はますます活発になっているところでございますので、行財政改革の趣旨は十分踏まえつつ、今後とも必要に応じ在外公館の機能の拡充に努めてまいりたいと思っております。

吉田之久民友連

○吉田之久君 よく理解いたしました。  それでは、ちょっと問題を変えまして、在外の選挙についてお尋ねをいたしたいと思います。  近々、在外邦人に投票権を認める公職選挙法の改正案が成立しそうでありますし、西暦二〇〇〇年以降に行われる国政選挙から適用されることになるようであります。対象となる選挙はまだ流動的ではありますけれども、いずれにせよ選挙権を有する在外邦人の長期滞在者、永住者は五十万人近くいると言われております。  どのような投票制度によることになるとしても、在外公館の関与なくしてはこの在外投票制度を実施することはできないと思われます。外務省としても当然対応策をそろそろ検討されていると思いますけれども、現段階における検討状況について、この際お伺いをいたしておきたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 在外選挙につきましては、外務省としてもかねてから研究してまいったところでございます。  具体的に申しますと、選挙人の登録、さらには実際の選挙の管理、投票の際の管理という事務が生じます。これらはいずれも外務省にとって新しい内容の業務でございますし、また量的にも業務がふえるということで、私ども、在外選挙の実施に当たって遺漏なきを期すために、領事担当官に対する赴任する前の研修、さらには現地に赴任している人たちに対する巡回指導、この指導によって新しい業務内容に習熟してもらう。さらには、業務量がふえる問題につきましては、具体的には投票のときにおける立会人等が必要になります。そのような要員を確保するための必要な手当てを行うよう努めていく考えでございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 次に、外交官試験についてお伺いをいたします。  外務省は、外交官採用のため、一八九四年、明治二十七年から現在まで百年以上にわたりまして独自の外交官採用試験を実施してこられました。ところが現在、行革会議などの動きを受けて、ついに外交官試験を廃止して、二〇〇一年の一月一日を目標に一般職国家公務員採用試験に統合する運びになったと承っております。  外交官試験の廃止やむなしとなった現在の率直な外務省としての見解、あるいはこれからの外交官の採用等についてどのようにお考えでありましょうか。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) 外務公務員の採用に当たりましては、基本的な外務省の役割は一体何だろうかと、外務省の役割というのは我が国の外交というのをいかにして有効かつ適切に企画立案、実施するかと。そこがやっぱり一番のベースになるんだろうと思います。  外務省としては、先般の行政改革会議の最終報告の「外務公務員試験については、一般公務員試験と統合の方向とする。」と、この内容を重く受けとめまして、改めて今後の採用のあり方について検討を重ねてまいりました。  その結果、より多くの受験者の中からできるだけ幅の広い視野を有する多様な人材を確保していく、そういうことが中長期的に見て我が国の外交実施体制の強化につながるのではないか、かかる判断に至ったわけでございます。したがいまして、先般開催されました公務員制度調査会のヒアリングにおきまして、外務公務員採用Ⅰ種試験については廃止し、国家公務員採用Ⅰ種試験の既存の事務系の職から採用をいたしたいという考えを述べた次第でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 外務省専門職員採用試験というのは存続されるように聞いておるのでございますが、それは言うならばⅡ種になるんですか、公務員としては。

浦部和好外務大臣官房長

○政府委員(浦部和好君) Ⅱ種とお考えいただいて結構でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 次に、これはぜひ外務大臣にお答えをいただきたいと思うのでございますが、午前中の質問で齋藤委員からもお述べになりましたが、我が参議院では外交・防衛委員会というふうに委員会を再編いたしまして、いろいろ新しい試みをやられております。  既に、カーター元大統領もお越しになりましたし、ダウナー・オーストラリア外務大臣もお招きしていろいろ有意義な懇談をいたしたところであります。さらにまた、我が国の大使が東京で行う大使会議の機会を利用して、中南米諸国大使及び欧州諸国大使にこの委員会へお越しをいただいていろいろお話を交わしたこともございます。  つきましては、私は、今後新たに主要国へ赴任される大使にも赴任の前にこの委員会にお越しいただいて私どもと意見交換をしておくことは、国会と外交と国民世論とを結ぶよりよき役割を果たすのではないかというふうに考えておる一人でございますけれども、こういうことにつきまして外務大臣はどのようなお考えをお持ちでございましょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 本委員会に大使会議等の機会に帰国しておる大使が出席をさせていただきまして、委員との間で意見交換を行うことは大変有意義であると考えておりまして、今後とも本委員会の御要請があれば、主要国を含む各国に赴任している大使が委員会に出席する機会を設けるよう努めてまいりたいと思っております。  そこで今、吉田委員御指摘の赴任前の委員会に出席ということでございますが、実は赴任前の大使は必ずしも最新の任国の事情に通じているわけでありませんで、有意義な意見交換を行うという観点からはさらに検討を要する点もあろうかと考えます。  いずれにいたしましても、委員会における有意義な議論を実現すべく、外務省としては今後とも本委員会と密接に連絡をとらさせていただきたいと思っております。

吉田之久民友連

○吉田之久君 ありがとうございました。  それでは次に、テロ防止関連の三条約につきましてお伺いをいたしたいと思います。  我が国は、今回のテロ防止関連三条約を締結すれば、昨年六月のデンバー・サミット等で各国にその締結が求められておりましたいわゆるテロ防止関連条約のすべての締約国となるわけでありますが、そのこと自体はテロに対する我が国の毅然とした姿勢を国際社会に示す意味からも非常に有意義なことだと言えます。  今般のテロ三条約は、いずれも一九八八年の二月ないし三月から勘定いたしまして既に十年前に採択されておる案件でございます。発効は海上テロ二条約が一九九二年三月、空港テロ議定書が一九八九年八月でありますが、国もどうせ締結するのであれば、もっと早くこれらを締結しておくべきではなかったかという思いが率直な感想であります。採択されて十年もたって加盟するのでは、何か日本は対テロに消極的な国だとの誤った印象を与えるような気もいたさないではありません。なぜ今日までおくれたか、その理由をお伺いいたしたいと思います。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) 御指摘のとおり、我が国といたしましても、従来から国際的なテロリズムを防止するための取り組みが重要であるということを強く認識しておりまして、テロ防止関連の条約が我が国を含めまして多くの国によって締結されることが重要であるというふうに考えてきております。このような考えから、これまでもテロ防止関連条約をいわば一つずつ着実に締結をしてきておる次第でございまして、テロ防止のための国際的な枠組みの構築に積極的に貢献してきておるところでございます。昨年は、可塑性爆薬、いわゆるプラスチック爆薬探知条約を締結させていただきました。  御案内のところでございますけれども、今回御審議いただいているテロ防止三条約でございますが、その内容が刑罰にかかわるものでございましたことから、政府サイドといたしまして、関係省庁と特に慎重にきめ細かく御相談申し上げて検討してきたところでございます。今般、そういった検討を下しましたので、国会に承認のための手続をおまとめした次第でございます。  御指摘のように、この三条約を締結することによりまして、デンバー・サミットのコミュニケ等において言及されました十のテロ防止関連条約についてはすべて我が国として締結することになる次第でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 今般のテロ防止関連三条約は、犯罪行為に対して関係国に幅広い裁判権の設定や犯人の引き渡しの義務を盛り込むなど、テロを法的な枠組みのもとで国際的に規制しようとするものでありますが、昨今、ペルーの大使公邸の人質事件あるいはエジプト・ルクソールでの邦人観光客襲撃事件のような事件が続発しておる傾向にあるわけでございます。  そこで、いよいよ事が起こってからの対応、いつも大変もどかしいものを感ずるわけでございますが、現実にはいざ事件が発生した際に示されます政府の姿勢や取り組みは大変これからも重要なものであると思います。その点について現時点における政府の所信をお伺いいたしておきたいと思います。

内藤昌平外務大臣官房領事移住部長

○説明員(内藤昌平君) 政府としましては、これまでのテロ事件の教訓を踏まえまして、テロには決して屈せず毅然としてこれと戦うという姿勢を堅持することが結局テロを抑止していく上で最も重要と考えております。  実際に事件が起きた場合には、日本政府の部内におきましては内閣が政府全体の司令塔としての役割を果たすように、関係省庁が緊密に連絡しつつ、可能な限り万全な体制を整えるため真剣な努力を行っているところでございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 現在、政府はノーコンセッション、テロリストには譲歩しないという原則のもとで各種のテロ対策を進めておられますけれども、警察庁の特殊急襲部隊、いわゆるSAT、スペシャル・アソールト・チームについてこの際お伺いをいたしたいと思います。  平成十年度の予算では五十億円、平成九年度の千六百万円を大いに上回る経費がこのSATに計上されておるわけでございます。そして聞くところによりますと、既にフランスとも合同訓練をやっておられるとか承っておりますが、この辺の事情を御説明いただきたいと思います。

伊達興治警察庁警備局長

○政府委員(伊達興治君) 警察におきましては、昭和五十二年九月に発生しました日本赤軍による日航機乗っ取り事件、いわゆるダッカ事件でありますけれども、これを契機にしまして、警視庁と大阪府警に先ほど言われました特殊部隊SATを、そのときはまだSATと呼んでおりませんでしたが、特殊部隊を設置しております。  その後、深刻さを増す銃器情勢だとか国際テロ情勢だとかこうしたことに対応するために、平成八年四月に警視庁、大阪府警に加えて五つの道県に拡充いたしまして、結局全国約二百名から成る特殊部隊SATを設置したところであります。日夜実戦的な訓練の実施に努めているところであります。  SATの任務でありますが、ハイジャック事件というような突発重大事案に際しまして、被害関係者の安全を確保しつつ被疑者を検挙するということでありまして、テロリストが人質を盾にして建造物、航空機、車両等を占拠する事件、こうしたことに出動することが今後予想されるわけでございます。今後、在ペルー日本国大使公邸占拠事件を踏まえまして、あらゆる事態に即応できるよう装備、資機材、訓練内容に一層の充実を図ってまいる所存でございます。  なお、海外の特殊部隊との交流についてでございますが、従来から技術上の情報交換を主流に行ってきたところであります。今後もSATの能力強化を図るために、海外の特殊部隊との訓練を含めた交流を一層推進していくことを考えております。  以上であります。

吉田之久民友連

○吉田之久君 それでは次に、大西洋のまぐろ類保存条約改定議定書の点についてお聞きをしたいと思います。今度は分担金の算出基準について改正されるようでありますが、簡単に、どのような事情でどう改正されるのか、御説明をいただきたいと思います。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) お答えいたします。  大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約のもとでは、大西洋まぐろ類保存国際委員会というのが設置されておりまして、その共同経費の予算について条約の第十条二項と申しますか、その規定で各締約国の分担金が算定されておりました。  そして、そのような状況のもとで、実は一九八〇年代ぐらいから経費が増加しておりまして、他方で加盟している開発途上国の過重な負担というんでしょうか、負担が重くなってきたということから、これらの国が納めなくなってきている、そういう状況が現出しまして、委員会の赤字がふえてきております。そして財政状況が大幅に悪化という状況になりました。  そこで、委員会の活動が円滑に行われますように、予算の実施に支障がないようにするためにこのたびの改正ということを行うことになったわけです。具体的には、現在の分担金の算出方法についての規定を改正する、それによって委員会の財政事情の改善を図るということで、去る平成四年でございますが、スペインのマドリッドで条約締約国の会議が開かれまして、この議定書が採択されました。  この議定書においては、各締約国の分担金を委員会が採択する会計規則で規定される方式に従って算出するということになっておりますが、その方式を決定する際には、委員会あるいは小委員会の会費、マグロ類の総漁獲量とそれらの缶詰製品の鈍重量の合計、そういった要素に加えまして、新たに締約国の経済的発展の度合いを考慮するということを追加することになったわけでございます。つまり、開発途上国については経済発展段階も加味した分担にする、そういうことにした次第でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 そこでお伺いしたいのでございますが、これは水産庁に伺ったらよろしいのかと思いますが、クロマグロなどのマグロ類四種を絶滅のおそれがある魚としてレッドリストと呼ばれるリストに国際自然保護連合、IUCNなどが記載しておるということのようでございます。  水産庁の推計によると、例えば大西洋のクロマグロの推定資源量は、一九七五年を基準とすると九二年までに十分の一近くまで減少しておると言われております。我が国の国民にとって極めて重要なマグロ類がだんだん絶滅に瀕していくようでは、これはなかなか容易ならぬことだと思うわけでございますが、その辺の生息状況の今後の見通しなどについてお伺いをいたしたいと思います。

嶌田道夫水産庁長官

○政府委員(嶌田道夫君) マグロ類の資源につきましては、大西洋まぐろ類保存委員会でありますとかインド洋まぐろ類委員会などの国際漁業管理機関によりまして管理されております。漁業及び資源に関する情報収集、共同研究、資源評価がそこで行われておりまして、それら科学的情報に基づく管理措置がとられているところでございます。  資源状態についてでございますが、広く大洋を分布回遊するマグロ資源に関しましては、いまだ関係の資料、データが十分でなく、その動向につきましては的確な判断を下すことが難しい面もございますが、これまでの調査研究等の結果から言いますと、キハダ、ビンナガなどの比較約助ェな豊度があるものもございますけれども、大西洋クロマグロなど資源状況が低位にあるものもあるというような状況にございます。  今後とも国際管理機関を通じまして適切な保存管理措置をとっていくことによりまして将来的な資源の保存が図られるものというふうに考えております。

吉田之久民友連

○吉田之久君 だんだん時間がなくなってまいりましたので、便宜置籍船の問題等をお伺いしたいと思っておりましたが、この際省略をいたします。  湾岸四カ国との二国間航空協定についてお尋ねをしたいわけでございますけれども、湾岸四カ国と深い関係のある我が国にとりまして、友好関係を強化することには基本的に賛成であります。我が国との新規航空協定の締結を希望している国は三十カ国以上もあると承っておりますが、その中でこのたび湾岸四カ国と協定を締結することになった理由、その意義についてお伺いをいたしたいと思います。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 湾岸四カ国は、この湾岸地域におきまして、日本にとりまして大変なエネルギーの供給先でございます。我が国の依存率は約七割になってございます。また、日本とこれら四カ国との人的な交流といいますものも非常に大きくなっております。年間の貿易量は一兆五千億円を超えているわけでございます。  このような四カ国から、かねてより我が国に対しまして航空協定を締結したいという希望が表明されておりまして、また我が国といたしましても、これらの国と緊密な関係を持つことによってこの地域の安定と繁栄に貢献したいという観点から、今回航空協定を結ぶということを判断した次第でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 次に、航空需要の見通しと実際の運航計画などにつきまして運輸省の方にお聞きしたいと思うのでございます。かつて日本航空がアラブ首長国連邦のアブダビとバハレーンにそれぞれ不定期便で乗り入れをしたものの、いずれも需要は低下する一方であって、乗り入れをついに停止したといういきさつもあります。  したがって、この際、これら四カ国との新しい協定につきまして、その見通し、運航計画等について若干の御説明をお願いしたいと思います。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 航空局長の楠木でございます。  今、先生御指摘がございましたように、日本航空が運航しておりましたが、湾岸戦争がございましてやめております。それで、今回も日本側の企業には運航計画はございませんが、先方の指定航空企業でありますガルフ航空には運航計画はあると聞いております。  我が国と湾岸四カ国との間の旅客交通手段はほとんどが航空路でございまして、またこのガルフ航空につきましては、中東諸国に広範な航空路線網を有しておりますことから、我が国と湾岸四カ国との間のみならず、我が国と中東諸国との間の航空運送需要の拡大も見込まれることから、ガルフ航空が運航を維持するだけの航空需要は見込まれるものと期待しております。  なお、参考までに数字を申し上げますと、一九九六年の湾岸四カ国への邦人の入国者数は八千七百四十八人、湾岸四カ国から我が国本邦への入国者数は八百九十八人でございまして、往来は合計で九千六百四十六人、約一万人ということでかなりあるというふうに考えております。  以上でございます。

吉田之久民友連

○吉田之久君 ありがとうございました。終わります。

高野博師公明

○高野博師君 湾岸四カ国との航空協定に関連して、これら湾岸四カ国も含めてアラブ諸国は先般のイラク危機に対しての我が国の対応についてはどうとらえているんでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) これら湾岸四カ国のイラクに対する対応でございますが、我が国が国連決議をイラクが受け入れるということにいろいろと努力をしてまいりまして、最終的には国連の安保理決議千百五十四という努力も行ったわけでございます。これら四カ国はいずれも日本のこのような努力というものに対して高い評価をしておるわけでございます。  当初、それらの国の一部の新聞におきまして、日本がどうしてアメリカ、イギリス等と一緒になっているのかというような若干の論調もございました。しかし、時間がたつにつれまして、また私どももきちっと説明をすることによりまして、これら四カ国はいずれも我が国の外交努力を高く評価するということになった次第でございます。イラク自身も我が国の努力に対して評価をしております。

高野博師公明

○高野博師君 この四カ国が高い評価を与えている、イラク自身も高い評価を与えていると今おっしゃいましたけれども、ここは私若干疑問を持っております。  そこで、イラク危機についてお伺いしますが、イラク危機の際にアメリカのリチャードソン国連大使が訪日されましたけれども、これは日本の国内世論をつくるために日本側が要請したという報道がありますが、これは事実でしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) アメリカが今回のイラク危機に対しまして大変多くの外向的な努力をしてございます。その一環といたしまして、リチャードソン国連大使が日本に派遣されたということでございまして、日本側からぜひ来てくれというような要請をしたから来たというふうなことではございません。

高野博師公明

○高野博師君 先ほどの、イラク側が日本に対して高い評価を与えているという件に関しまして、この所信の中に、日英共同提案によってこの安保理の決議が採択されたことは、日本側の外交努力が結実したものとして喜ばしいことであるという自己評価をされているのでありますが、イラクの対日論調といいますか、これは党機関紙のアッサウラというのには、新聞報道にも載っていましたけれども、日本はアメリカのしっぽにぶら下がっているのではないか、そういう報道もありました。日本は本来は中立的な立場で中東和平貢献をやってきたはずでありますが、今回の日本の対応、特にイラク警告決議によって、イラク側は日本を対米追従ではないかというような見方、それからイラクにとって日本は英米といういわば敵の一角を占める立場ではないか、そういうとらえ方をしたおそれがあるのではないかと私は見ているんですが、そこはどうでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今回の英国とともに共同決議案を提出したことに関しまして、これが成立をし、そのことがイラクとアナン事務総長との間の調停でさらに強固なものになったということについての評価でございますが、今委員御指摘のように、イラク側からもいろいろな評価が出ておったことは事実でございます。しかし、いろいろ錯綜してはおりましたけれども、最終的には国連のイラクの代表が、我が方の小和田大使に対しまして、今回の決議案は大変よい結果を生んだということで高い評価をされた言葉を述べられたということでありまして、それが今のイラクの考え方ではないかと私どもは承知をいたしておるところでございます。

高野博師公明

○高野博師君 そういう何か評価しているという報道は一切出ておりませんが、これは出ていますか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) ただいま外務大臣の方からイラク側の評価について申し上げたところでございますが、大臣がお触れになりました一つの例といたしましては、イラクのサハフ外務大臣御自身が小和田大使とニューヨークで会談をいたしまして、その際に日本側の外交努力を高く評価するということをはっきりと申されまして、そのことは広く世界じゅうに報道されたところでございます。  さらに申し上げますと、現在、イラクにおきまして国連の特別査察団が現地で査察を行っておりますけれども、これに対しますイラク側の協力ということが現実の証拠といたしまして、イラク側が国連の決議を誠実に遵守する、しかも日本とイギリスが共同提案いたしまして全会一致で採択された決議案に従った行動をとっているということからも、イラク側のこの決議に対する評価というものがうかがい知れるものであろうと考えます。

高野博師公明

○高野博師君 私の知っている報道では、イラクのサハフ外相が、日本が我が国に対して、要するにイラクに対して敵対姿勢をとり続けることは日本の国益を損なうと。これについてはニューヨークで日本側代表に抗議する予定だ、こういう報道が出ているんです。今の話だと評価したということになっているわけですが、イラク問題と我が方の中東和平貢献策の中でどういう位置づけをされているんでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 先ほど来お話し申し上げましたとおり、我が国は、外交的な努力によってこのイラク危機を解決するということが最善の策であるということでさまざまな努力を行ってきたわけでございます。先ほど来の国連での活動もそうでございますし、あるいは外務大臣から直接各国の外務大臣に連絡をし、あるいは東京、あるいはほかの国の首都におきまして外交努力を行ってきたということでございます。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、イラクが湾岸戦争の後の後遺症があるという報道がたくさんあります。最近では現地で小児がんが相当発生している。これは湾岸戦争のときの生物化学兵器、こういう工場とか兵器そのものがアメリカの爆撃によって、要するにこれによる被害だという説もありますし、また劣化ウラン弾という被害ではないかという見方もありますが、今回のイラクの危機に際して、アメリカが万一武力を行使した場合には劣化ウラン弾を使う可能性はあったんでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 劣化ウランを含む砲弾を使う意図があったかどうかにつきましては、私どもは承知しておりません。

高野博師公明

○高野博師君 イラク側としても、もし万一の場合には生物化学兵器を使う、あるいは使ったであろうということは当然予想されるんですが、それによる被害というのは当然考えなくてはいけない。そういうことも含めて、日本側の対応に若干の私は懸念を持っておりましたが、この間のテレビの報道でイラクの小児病院で薬等がなくて一日五人ぐらい子供が亡くなっている、そういう番組がありましたけれども、対イラクの人道援助はどうなっているでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 湾岸戦争が終わりました後で、日本がイラクに対してどのような人道援助を行ったかというような委員の御質問でございますが、我が国は、九一年の四月にクルド人を含むイラク国民に対する人道支援のために一億ドルを国連に拠出いたしました。また、九六年三月に百万ドルをWFP、世界食糧計画、さらに九七年一月に同じくWFPとユニセフにそれぞれ四十六万ドルと百万ドル、したがいまして合計一億二百四十六万ドルを拠出してございます。  以上でございます。

高野博師公明

○高野博師君 それでは、イランとの関係についてお伺いいたしますが、近々高村次官がイランを訪問されるということが言われておりますが、対イラン外交の基本方針は何でしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 我が国は、従来から中東の大国であるイランとの関係を重視いたしまして、中東地域の安定を図るという見地からも、イランとの友好協力関係の維持に努めております。  特に、ハタミ政権が成立をいたしましたことを踏まえまして、イランがより開かれた国にみずから変革していくよう対話と協力を通じた働きかけを行うことといたしております。こうした観点から、高村政務次官のイラン訪問についても検討いたしておりますが、現時点では具体的な日程、会談先については決まっておりません。私としてはぜひ高村政務次官に現地に行っていただきまして、現下のイランの状況につきましても重要な方々との対話を深めていただきたいと願っております。

高野博師公明

○高野博師君 では、なぜこの時期にイランに行くのでしょうか。そして、なぜイラクには行かないんでしょうか。イラクが高い評価を与えているのであれば、イラクにも行ってしかるべきではないかと思うんですが、どうでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) イラクにつきましての御質問でございますけれども、先週日本のミッションがイラクに入ってございます。それはテクニカルミッションということで、年に三回バグダッドに、隣のヨルダンのアンマンの大使館にありますイラク室の人たちが行って調査をしてくるのでございますが、今回はこのような情勢でございますものですから、外務省から石橋太郎中近東アフリカ局参事官を団長といたしましてミッションを送ったわけでございます。その間各要人とも会談をして、現在アンマンにとどまっております。

高野博師公明

○高野博師君 高村次官がなぜこの時期にという点についてはどうですか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと旧聞に属しますけれども、昨年国連総会でGCCの各国の代表の皆さんとお話をいたしました。その中で、このイランにつきまして湾岸諸国も非常に関心を深くしておるということの中で、日本としても中東問題について積極的に参加をしていかなきゃならないという状況であったと思います。  ただし、先ほど申し上げた大統領の登場とかがありまして、イランとの関係は米国が最も厳しい関係に相なっておるわけでございますが、アメリカ等も非常に関心を寄せていることもこれあり、しかし、日本としては、日本としてこの地域に対する関与をこれからも深めていかなきゃならぬということで、まずイランの状況について十分情勢の把握に努めなきゃならぬ、こう思って行っていただくことにいたしたいと思っているわけでございます。

高野博師公明

○高野博師君 ハタミ政権との政治対話ということで、一つはイランの対米関係改善、これを日本としても側面的に援助するということと、日本の石油資源確保に重要なこの湾岸地域の安定ということで、日本が今の政権と対話をしていくということではないかと見ておりますが、イラン、イラク二重封じ込め政策をとるアメリカに相当配慮をしているのではないかという見方がありますが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 申し上げましたように、日本は日本としてこの地域というものを非常に重要な地域として考えておるわけでございます。いろいろのチャンスというものはあったかと思いますし、日本自体もこのイランとの関係においては、三井の問題その他がありまして残念な時期がありましたけれども、積極的にこれから中東和平等につきましても関与していくためには、近隣の諸国との関係について十分情勢を把握していかなきゃならぬということで、独自な日本の立場でそうした行動をとろうと、こういうことでございます。

高野博師公明

○高野博師君 アメリカとイランの関係ですが、アメリカは、イランはテロ支援国家だと今までずっと否定してきた。それから中東和平を妨害しているというとらえ方、あるいは大量破壊兵器を開発しているんではないか、これをやめると、こういう条件つきでアメリカはイランとの関係改善に臨んでいるんだと思います。アメリカとイランが連絡事務所をつくるというような報道もされておりまして、こういう動きと日本の動きが何か連動はしてないのかなと。報道によれば、アメリカからイランに対してアメリカ側の立場というか、これをきちんとイラン側に認識させてもらいたいというメッセージを送っているという報道がありましたが、これは事実でしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) ただいま委員のおっしゃられましたいわゆるアメリカの立場というもの、私どもは承知しております。また、イランの立場も承知しております。  ただ、日本がどうしてこの時期に高村政務次官に訪問をしていただくのかということは、一にハタミ政権の昨年六月以来の政権の行動というものを我々はウォッチしておりますけれども、そこにやはり従来とは違った柔軟な政策といいますか、あるいは法の支配といいますか、そういうものが見えてくるわけでございます。したがいまして、そのような傾向を日本といたしましても政治的にこれを支援していくということを側面から支持していくというメッセージでございます。  また、中東和平との関係につきましては、先ほど大臣が申しましたとおりでございますが、中東和平の周辺国との関係ということを重視していくという、それが今回の目的の一つでもございます。

高野博師公明

○高野博師君 イラン側が日本からの経済協力を望んでいるということで、フゼスターン州のダム建設、こういうものの円借を希望しているというようなことも言われておりますが、今回次官が行かれて何らかの協力案件等は具体化するんでしょうか。

天江喜七郎外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(天江喜七郎君) 今回の高村政務次官のイラン訪問が実現すればという前提でございますが、これは一に現下のイランの状況についてイランの外務大臣等と対話をする、現状をよく把握するということに尽きるわけでございます。したがいまして、それ以上に新たな動きというものは、今回それを決断した上で行くというようなことではございません。

高野博師公明

○高野博師君 わかりました。  湾岸地帯の安定という観点から、そして中東和平に貢献するという日本側のこれまでの姿勢を貫くような行動というか関係を持ってもらいたいと思います。  次に、臨界前核実験についてお伺いいたします。  ロシアが毎年二、三回ぐらい臨界前核実験をやっている、アメリカも年数回やっているという報道があります。アメリカは、ロシアに対して透明性を確保しろというような要請をしているんですが、これはアメリカとロシアの間だけの透明性の確保ではなくて、もう全世界に対しての透明性を確保すべきだと思うんですが、日本はこの両国の臨界前核実験についてはどうとらえているんでしょうか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(阿部信泰君) 御指摘の未臨界実験でございますけれども、包括的核実験禁止条約の第一条では、実験的爆発あるいはその他の核爆発を実施しない、あるいは禁止、防止するということが約束されております。これは、去年この核実験禁止準備委員会の事務局の声明としまして、このような未臨界実験は条約が禁止するところの核爆発には当たらないということが出ておりますので、それ自体は条約違反とは言えないということでございます。したがいまして、それについて条約のもとの義務としては、情報提供というようなことはございません。  政府としましては、日本の国内の監視もありますので、外交的にアメリカあるいはロシアからどういうことをしているのかということを聞くことは行っております。  ただ、難しい問題は、まさに条約で禁止されなかった理由の一つでありますけれども、発表してくれないうちは全く地震計でも何でもわからないというところがこの未臨界実験の難しいところであろうかと思います。

高野博師公明

○高野博師君 問題は、新たな核兵器の開発につながるという点にあろうと思うんです。その点については、日本としてはCTBTに違反するかしないかということではなくて、CTBTの本来の目的等の絡みできちんとした意見を表明すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(阿部信泰君) これは、発表しましたアメリカあるいはロシアが言っているところによりますと、現存の核兵器の安全性、信頼性を確認するために必要な実験としてやっているということでございます。もちろん核兵器の究極的な廃絶を求めるという見地からは、このようなものも含めてさらに検討をしていく必要があるわけでございます。最近も広島、長崎両市長から政府に対して要請がなされましたけれども、そういうことも踏まえまして、政府として将来の核軍縮全体に取り組む中でさらに検討していく必要があると考えております。

高野博師公明

○高野博師君 インド等はこのCTBTに対しては核保有国に有利な不平等条約だというような言い方をしている。また、臨界前核実験についても反対を表明しているという理解をしておりますが、やはり日本としてもきちんとした態度を表明すべきではないか。検討するのは結構ですが、これはいいことではないのに決まっているので、日本としてのきちんとした対応を示してもらいたい。  ちなみに、プルトニウムを使うということですが、プルトニウムというのは本来どういう意味か御存じでしょうか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(阿部信泰君) 私も不勉強ですけれども、プルトニウムは惑星の一つのプルトンの名前をとってプルトニウムと名づけたというふうに聞いておりますが、それ以上はちょっと不勉強で承知しておりません。

高野博師公明

○高野博師君 プルトンはどういう意味でしょうか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(阿部信泰君) これはギリシャの哲学者の名前ですか、違いますか。惑星の一つですけれども。

高野博師公明

○高野博師君 プルートーというのは冥王星のことなんです、冥王なんですね。要するに、これは闇の世界の王だということで、悪魔の世界の王様だということで、プルトニウムというのは悪魔の物質と言われているんですね、日本語に直訳すれば。二十五万年も半減期がかかるということで、こういうものを使って臨界前核実験をやっているということ自体も大きな問題だと僕は思うんですが、最後に大臣のコメントを求めて終わります。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) いずれにいたしましても、核軍縮は進めなけりゃならぬと思いますが、現下、先ほどお話しのように、アメリカもロシアも未臨界実験を遂行いたしております。その目的は先ほど答弁申し上げましたが、なかなか現実の問題といたしましてこれを中止させるということは困難だろうと思いますが、やはり世界全体の世論を喚起しながら、それぞれ個別の国々が自己の主張だけでなくして全世界の問題として取り組んでいくように、日本として努力をいたすべきと考えております。

高野博師公明

○高野博師君 終わります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 条約に関連して、民間航空の業務及び安全の問題を中心にお尋ねしたいと思います。  今回、四カ国と航空協定が結ばれました。これは先ほどの説明で、どういう理由で結ばれたかということはわかったわけですけれども、これ以外にほかの国から日本と航空協定を結びたいという公式の要請あるいは内々の要請等がまだ何カ国かあるのかどうか、まずそのことを最初にちょっとお聞きしたいと思います。

大島正太郎外務省経済局長

○政府委員(大島正太郎君) お尋ねの、現在日本との間で航空協定を結びたいと言っている国の数の件でございますけれども、平成十年三月現在でございますが、我が国に対して新規航空協定の締結を申し出てきている国・地域の数は全部で三十四カ国・地域でございます。このうちポルトガル、アイルランド及びイスラエルとの間で航空協定締結に向けた当局間の予備協議を実施しているという状況でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これまで説明した状況の中で、やっぱり航空協定がなかなか結ばれにくいという点では、その国との航空運輸の需要の問題が不十分であるだとか、あるいは日本の空港の事情が逼迫しているだとかいうふうなことが説明されてきました。ところが、実情を見てみますと、現在年間飛行機が百七十九万機飛んでいるというんです、日本の空域に。一日平均して四千九百機の飛行機が昨年飛んだ。大変な量の飛行機が飛んでいるという状態があります。  そこで一つお尋ねしたいのは、ニアミスが急増しているという事態が昨年の全運輸労組の調査によって明らかにされております。そして、管制官を二十年以上経験した人の四人のうち一人がニア、ミスを見た、これほど大変な事態になっていると。その原因は、やはり各方面から一カ所に集中するだとか錯綜しているだとか、増便などによる過大な交通量があるだとか軍事空域が存在しているだとか、有視界飛行が存在しているだとか等々の原因を指摘しているのが六二%に調査の結果上っていると思うんです。  今回、四カ国の協定についての回数というのは、見た限りにおいてはそれほど急激にふえるというふうには考えられませんけれども、さまざまな状況から考えてみると、日本の空域全体の安全のあり方という問題に関しては、十分に対応して考えていかなければならない問題があるんではないかというふうに思うんですけれども、運輸省の方、いかがでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) お答えいたします。先生、今ニアミスとおっしゃいましたけれども、ニアミスには定義がございまして、航空法第七十六条の二の規定に基づきまして機長に報告義務があるもの、これはどういうことかと申しますと、異常接近と申しておりまして、機長が飛行中ほかの航空機と衝突または接触のおそれがあったと認めて運輸大臣に報告したもの、こういうことになっております。  こういうものにつきまして、私どもの航空局の安全監察官が法令に基づきました報告に基づいた調査をした結果……

立木洋日本共産党

○立木洋君 定義は余り長く言わなくてもわかっていますから。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) はい。異常接近というのは数年に一回程度でございます。  ですから、先生がおっしゃったような、案は私どもの労組のひやりとしたとかはっとしたとかという、概念が余りはっきりしないそういうものでやったらそうなるというものでございます。  それから、空港容量はどうかという点につきましては、空港そのものの容量と航空路の容量という二点がございまして、空港の容量につきましては、成田、関西、それからまた最近では、今回の十年度予算で中部国際といったことでの空港の整備によりまして容量を拡大する。それから航空路につきましては、いろいろこれから人工衛星等を活用したものによりまして新しい世代をやりますとともに、旧式のものにつきましても逐次整備を図る、こういった点で拡大をしているところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 ハインリッヒの法則と言われているものまで含めて考えた場合に、そういう事態さえもやっぱりあってはならないことだと思うんですよ。ひやっとするぐらいならあっても構わぬ、ニアミスだからいけないんだということではなくて、そういう事態さえ直していくというふうな考え方をやっぱり持っていただかないと、運輸省としては。結局先生の定義がおかしい、そんな労組で考えているのはひやっとしたぐらいですぐニアミスだなんてというふうなことを言う。  ニアミスの問題についていろいろ論争があること自体わかっています。だけれども、その問題についても、日本の空域の状態がどうなっているのかということを全般的に見て安全を確保するという上から、やっぱり航空量が今後どんどんふえていくわけですから、その問題に関しては十分な対応を考えていただきたいということが、私は運輸省として考えていただくべきことだと思うんです。まず論理の問題を言う前にそういう考え方を持っていただきたいということだけを言っておきます。答弁は結構です。  もう一つの問題は、受託手荷物の件とそれから貨物等の扱いの問題についてなんです。  これは一昨年の十一月に、全日空四五〇便が松山の空港で受託した手荷物に爆弾が仕掛けられていたというふうなことがありました。もちろん、大変な事態にはならなくて済んだということでしょうけれども、搭乗手続が済んだお客さんが実際には搭乗していなかったというふうな場合、その受託した手荷物が実は危険物であるのかどうかというようなことについてのいろいろな問題は起こるでしょうが、それについてはどういうふうな安全対策を講じられておるんでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 今お話がございましたのは、受託手荷物の検査体制ということに関連することかと思います。これは、先生も御指摘のように、ハイジャックの防止等を目的とする検査体制、安全対策ということでございますので、実は非常に具体的な説明を申し上げますと保安上の問題もございましてなかなか難しいわけでございますので、ちょっと概略だけ申し上げるということにさせていただきたいわけでございます。-受託手荷物の検査につきましては、運輸省が策定をいたしました指針等に基づきまして、その時々の状況に応じた検査等が実施をされております。具体的には、航空会社が空港において担当者を配置いたしまして、エックス線手荷物検査装置の使用または開披による検査等を実施しておるわけでございまして、今御指摘がございましたように、実際に預けた人があらわれないとかそういったような問題については適切に対応するという方針になっております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 あなたの方も、安全上の問題ですからなかなか答えにくい点があるかもしれませんが、私の聞いた範囲内では十分ではないのではないかという疑問がどうしても残るんです。つまり、本人が存在しておればいわゆる受託手荷物は受けるというふうなこと、本人の確認の仕方もいろいろあるでしょうけれども、しかしそういう場合、もう少し対策を考える必要があるのではないかということを御検討願いたいということを一言だけ申し述べておきたいと思うんです。  それから、もう一つは貨物の問題です。これは、二十四時間放置して問題がなければ爆発物が仕掛けられていないとしてパスをするという規定になっているそうですが、そうなんでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 今、先生おっしゃったものは、貨物の運送という形でいわばベリーに詰め込む、こういうものでございまして、航空貨物につきましても、運輸省が策定をいたしました基準に基づきまして航空会社等がその時々の状況に応じて荷送りに対する安全確認等の安全対策を講じているところでございます。  それで、危険物というようなことになりますと、これは私どもの方の航空法の規定によりまして、一定の基準に基づいて許容されたもののみ輸送が許容されるということになっておるわけです。では、一定時間留置しておけばそういうことでいいのかという点でございますが、こういう航空貨物の安全対策といたしましては一定時間留置しておくのも一つの方法でありますけれども、やはりその時々の脅威の度合いというものを踏まえて、その他の方法もケース・バイ・ケースによりまして総合的に講じることといたしまして、私どもとしては安全の確保に万全を期しているところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 ケース・バイ・ケースでその状況に応じてというお答えはわかったようでわからぬ答えなんですけれども、二十四時間問題がなければ積み込むというふうなことだけではなくて、総合的にやるという問題もさらに具体化してもらう必要があるんじゃないかという感じが私はするんです。  今後、どんどん国際情勢のいろんな形での問題が出てきたときに、御承知のように、海外に行っている日本人がよくねらわれるというような問題が当委員会でも問題になり、それに対する安全対策なんということも問題にされたわけです。まだ飛行機の問題ではそこまで来ていないという状況がありますけれども、しかし、その貨物の問題についても十分な対策を考慮に入れて検討していただきたいということもあわせて申し述べておきたいと思うんです。  それから、爆発情報等による受託手荷物の取りおろしの作業は現在貨物を搭載する普通の労働者が行っているということなんですが、これについては爆発物処理の専門家にゆだねるなどというふうな方法は考えられないんでしょうか、どんなものでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、火薬類等の危険物につきましては、私どもの航空法の規定によりまして原則としては航空機での輸送は禁止されておるわけですが、一部の危険物につきましては、航空法に定められた包装方法あるいは技術的な方法、こういったものに関する安全基準に従って輸送される場合等に限って輸送が許容されておる。この安全基準というのは、国際民間航空条約に準拠して一般のグローバルなものとして決められておるわけでございますので、私どももこういうものに従ってやっておる限りはこれは大丈夫である、こう考えておる次第でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから、警察官が飛行機に乗る場合、これは特殊な任務、外国の要人の方々を警護するための任務だとか、あるいは国内の閣僚クラスの方を警護するだとか防護のためだとかいろいろな場合、けん銃を所持して搭乗するということは私はあり得るだろうと思うんです。普通一般に警察官の方が搭乗される場合にはけん銃の携帯は許されていないんでしょうか。その点はどうでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) これは警察官が法令に基づき職務のために乗るかどうか、そこのところでございまして、今申し上げましたような法令に基づき職務のため所持するということになりますと、銃砲とか銃弾につきましては航空法上持ち込み手荷物または受託手荷物の形で機内に搭載することは認められております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この点が、御承知のようにけん銃が暴発するということも決してないわけではなくて、飛行機内で起こるいわゆる小さな穴も弾痕も大変なことになるわけですから、この問題についてもやはり規則について厳粛に対応していくというふうなことも考えていただきたいというふうに思います。  それから、先般聞いた話なんですが、日本航空が米軍の弾薬の輸送を請け負ったと。ところが、規定によれば、所定のケースに収納した猟銃、スポーツ用銃の銃弾のみ搭載可能というふうになっているわけです。ですから機長は、この米軍の弾薬については輸送できない、これは規定にないではないかといって拒否をした。ところが企業の方は、後で結局規格上運べることになっているといってそれを運ぶというふうなことに進んだそうでありますが、この事実関係についての運輸省あるいは外務省の見解をちょっと聞かせていただきたいんですが、いかがでしょうか。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 突然の御質問でございますので……

立木洋日本共産党

○立木洋君 突然じゃないよ。これは事前に話しておきました。

楠木行雄運輸省航空局長

○政府委員(楠木行雄君) 一般論だけお答えさせていただきます。  今私どもは、航空法でどういうものが武器弾薬等で輸送できるかという話は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、一般的には貨物として運ぶということになりますと、航空法上の取り扱いについては、鉄砲自体については適当な包装をした上で機長の指定した場所に積載すれば機内への搭載が認められております。また銃弾については、特定の容器への収納等、一定の技術上の基準に従えば機内への搭載が認められる場合があるわけでございます。  したがいまして、今の点につきましては、その点についての事実認識はどうであったかというその差にあるのではないかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 外務省の方、いかがでしょうか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 日米の間におきましては、地位協定の十二条の役務の調達ということでなされたんだろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これは今問題になりつつあるガイドラインの見直しの中でも問題になっているわけですが、結局航空法やシカゴ条約については、御承知のように民間航空については軍事用のそういう弾薬などについては除外されているんです、禁止されているんです。それが事実上民間航空自身一が、米軍の弾薬をその収納の方法によっては運ぶことが可能だということになるとこれは大変なことになるんじゃないか。一体そういうことまで容認するような態度を政府は今明確にされているんですか。外務大臣いかがでしょうか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) これは、日本とアメリカとの関係におきましてはただいま申しましたような条約関係ということだろうと思いますが、それを具体的に日本航空がどういう手続、どういう基準でもってこの役務をなすか、輸送を行うかということについては、これは国内法の問題ということだろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 竹内さん、ちょっと声が聞こえないんです。済みませんが最後の部分をもう一回。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 条約の関係で申しますとただいま申しましたような役務の調達ということで日米間で整理ができると思いますが、具体的に特定の民間の航空会社がいかなる態様で、いかなる状況において輸送を行うかということは、これは国内法において規定されておることだろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 先ほども申し上げましたように、日航の内規においても、そういうことは、御承知のようにスポーツ銃か猟銃の銃弾、それか規定の収納の方法に基づいて行われる場合のみそれを運ぶことができると。ところが、軍事用の弾薬を運ぶことができるなんというふうな内規はないんですよ。だから機長がこれは運べないんじゃないかと言ったら、いや運べると言って企業側がそれに対応したと。  そういうことが見逃されていくということになると、今後ACSAの問題なんかとも関係してくるでしょうけれども、民間機が米軍の弾薬だとか武器なんかを輸送することが可能になってくるということになると、これは航空法のみならずシカゴ条約に対しても違反するという結果になるんですよ。これは大きな問題になるんですが、そこらあたりのけじめはきちっとしておいていただかないと私は納得できないんですが、外務大臣いかがでしょうか。

竹内行夫外務省条約局長

○政府委員(竹内行夫君) 繰り返しになるかと思いますけれども、先生がおっしゃる趣旨はよく理解しているつもりでございますが、その辺のところはもちろん慎重な配慮をしつつ、その時々の法令、法律、条約に従った範囲の中で慎重な役務の調達、役務の供給ということが行われるということに尽きるのであろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私は、例えば民間航空機が民間航空機として運ぶという形態をとるのか、あるいは場合によっては、周辺事態ということになったら、民間航空機が民間航空機という規定を外されてそして利用されるという可能性が生まれてくる危険さえある、さまざまなことが想定される。  今の運輸省の方のお話では、収納の方法によってはいわゆる可能性はあり得ると、米軍の弾薬でも。そういうふうなことになってきますと、それは運輸省としては可能な方法だという判断をしているということになると、これはいわゆるガイドラインのあり方の問題として重大な問題になってくると思うんです。それを今度、機長がその輸送を拒否するというふうな場合になったらどうなるのか。さまざまな問題が起こってくる。それは、民間だとか地方自治体に対してはそういう強制はしないというふうに今までのところ久間さんがおっしゃっていましたけれども、しかし現実に事態が進んだ場合にどうなっていくのかということについては、私はやっぱりどうしても重大な懸念を持たざるを得ないんです。  もう時間が来ましたから、これはこれ以上議論を進めていくことはできませんけれども、航空法やシカゴ条約等々で定められている内容については、やはり厳格に対応しなければならないということを検討していただきたいと思うんです。民間航空機に対しては武器を使用してはならないということが新たに上程されています、モントリオール条約の改正の問題でも。  だから、そういう問題も含めて、今後のガイドラインのあり方の問題とあわせて、この問題については、こういうシカゴ条約あるいは航空法などに反するような、民間航空機を利用した武器弾薬の輸送及び軍隊や燃料、物資等々の輸送などは後方支援として行われるべきではないということを明確に指摘しておきたいと思います。最後に外務大臣の御所見だけをお伺いしておきたいと思うんです。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 条約、法規、法令に従いまして慎重に対処すべきものと考えます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 最後になりましたが、私はインドネシア問題を取り上げさせていただきたいと思います。  インドネシアは今大変な情勢にある、今の政権もいつまでもつかわからない、経済は破綻寸前、国民生活もどん底だ、あるいは暴動もいつ起きてもおかしくない。こういうことが言われている反面で、ぐらぐらしているのはあの国の昔からの特徴で、なかなかそれで倒れないんだ、今回も無事何とか危機を切り抜けていくであろう、こういう見方もあるようであります。我々、どちらが本当なのか、どういう見方をすればよろしいのかよくわからないものですから、外務省の収集している情報を今現在差し支えない限度で結構でありまするから、いろいろな問題についてお教えいただければと思います。  まず、経済問題でありますけれども、御案内のとおり大変膨大な債務を抱えておる。民間ベースのもの、公的ベースのものを合わせて六百数十億ドルに達している、こう言われております。もうインフレ同然で、ルピアの価値が下落して一ドル一万二千ルピアぐらいになっておるんだ、こう言われておる。これもまたどこまで進行するかわからない、こういうふうにも言われておりますけれども、あの国の経済情勢がどうなっておるのか、御説明いただきたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) インドネシアの経済情勢についてでございますが、今御指摘のように、ルピアに対する信認がいまだ回復されておりません。この数日間は一ドル八千五百ルピアぐらいの水準で推移はしておりますが、昨年七月の一ドル二千五百ルピアという水準に比べますとまだまだ大変なルピア安ということでございます。  現在、インドネシアが要請いたしましたIMFからの資金支援ということについて交渉が続いているところでございますが、双方が弾力的な態度で交渉に臨んでもらいたいと私どもも期待しておりますし、そういう状況で話し合いが進んでいるようでございます。この話し合いが早晩つきますと、IMFの準備しております金融支援が再開される、また日本政府初め各国がインドネシアに対して準備しております支援策というものも動き出すということで、これが市場の信頼につながっていくということを期待しております。  そういう状況でございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 次は、民生といいますか国民生活の安定であります。  つい二、三日前の朝日新聞にかなりショッキングな写真が掲載されておりまして、ごらんになった方が多いと思いますけれども、今やガソリンが手に入らない、車が動かない、それで庶民の足はバスか電車になったといって一台の電車の上にまさしく鈴なり、もうあふれんばかりの人が乗って走っている。もちろん乗っている人は皆にこにこ、南の国の人たちは表面は非常に明るいですから、にこにこ笑ってはおるんですけれども、あれがあの国の国民生活の現状を本当にシンボライズしていることかなと、こういう気もいたしましたが、国民生活の状況はどうであろうか、御説明いただければと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 民生状況、国民生活の現状でございますが、先ほど申し上げました経済混乱に伴って生活必需品の価格が高騰しておりますし、外から輸入せざるを得ない医薬品等が不足をしているという状況でございます。  今、先生御指摘になりました状況、あした四月一日から公共料金がまた値上げされるというようなことで、バス代、ガソリン代等が値上げの対象になっておりますが、そういう余り国民生活に好ましくないような公共料金の値上げというようなことが全体にどういう影響を及ぼすか、私どもも注視しているところでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 次は、治安情勢でありますが、これまた新聞あるいは写真等に掲載されておることですけれども、学生が集まって気勢を上げておる、このままではどうしようもない、革命を起こそう、こういう感じでこぶしを振り上げて学生が集まっている。何か暴動寸前だと、こういう印象も受けるわけでありますけれども、一体どういうことなのか、その辺のところはおわかりの限りで結構であります。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 治安状況は当然場所によって違うわけでございまして、首都のジャカルタ等は平静を保っております。  今御指摘のように、学園の中で学生が政治改革を求めるというような動きは依然続いており、かつ活発化しつつある、こういう情報に接しております。今後経済情勢が一層悪化すれば体制に対する不満等が表面化してくる可能性もございまして、各国それぞれインドネシア情勢を注視しておりますが、今すぐ体制がどうなるというような判断をしている国はほとんどないと思います。今後の経済情勢の推移、特にこれが悪化してまいりますと学生を中心に貧しい人たちの不満が表面化する、治安状況等も一層悪化する可能性もあると、私ども大体こういう見方でございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 IMFの話が先ほど出ましたけれども、IMFの経済改革あるいは政治改革の要望を受け入れるのか受け入れないのか、これまだはっきりしない。のらりくらりとしているところが現状だろうと思いますけれども、受け入れると見てよろしいのかどうか、受け入れるについてはどういうふうな障害があるのか、その辺のところもまた御説明いただきたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 今般の東アジアの通貨危機に当たりましては、アジアの国の中に、一般的に言ってIMFの課してくる条件というのは厳し過ぎるとか、場合によっては国情に合致しないものもあるというような声があることは事実でございます。インドネシアにつきましては、先般橋本総理が訪問された際にスバルト大統領と会談をされまして、その際にスハルト大統領が、どういう約束であれ自分が署名したIMFとの合意は守るということを言っておりますし、私どももそれを信じているところでございます。  現在、先ほども申し上げましたが、IMFと交渉中でございますので、まずこれがまとまって合理的な合意事項ができ上がって、インドネシアがそれを履行していくということが期待されているところでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 スハルト大統領のこの前の再選はあれは七期目でありまして、既に統治が三十年に及んでいる、そういうことが言われております。  それから、身内、一族、側近が政府部内の重要な要所を占めておる、関連企業のオーナーも兼ねている。もうこれは国の形をなしていない、国全体がスハルトファミリー企業だという見方もなされておるようでありますけれども、その現実はどうなのか。例えば、娘が今度は何か首班含みで入閣したとかいろいろ言われておりますけれども、だれがどういうポストについているのか、御説明いただければと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) インドネシアには、スハルト一族のファミリービジネスが要所を押さえているというようなことが言われておりまして、これは必ずしも現実と遠くはないと思います。  今お尋ねのスハルト大統領の長女はたしか内務大臣だったと思いますが、当然大統領の信任が厚いわけでございますので閣内で相当重要な役割を演じるだろうということは言われております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 そのほかの一族、身内、側近もまたそれぞれ頑張っておるんだと思いますけれども、どういう頑張り方をしておるのか、ちょっと説明してください。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 余り詳細、つまびらかではございませんが、政治の世界よりはむしろビジネスの世界でスハルト大統領の息子さんたちがいろんな産業に関与しておられるということは事実のようでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 申しわけありませんが、もう少し具体的に説明してください。あの国が民主主義国なのかどうなのか、我々考える上で大変重要だと思うんです。そこで、もっと具体的にだれが何をやっている、それも何年間ぐらいにわたってやっていると。わかっている限りで結構ですけれども。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 先般、総理のインドネシア御訪問に際しまして資料をつくりまして、スハルトさんのお子さんたちが何をしておられるか、そう詳細ではございませんが、一応持っておりますが、申し上げましょうか。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 はい、お願いします。余計なことはカットしてください。時間に合わせて。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 先ほど申し上げました長女の方はトゥトゥットさんと言われている方で、ゴルカルという与党の政党の副総裁でございます。この方は女性であり、大変政治家としての素質を持っていると言われております。事業もやっておられまして、パルプ、砂糖、木材、建設、有料道路、テレビ事業等多数の事業を経営しておられます。  御長男の通称シギットさん、四十六歳、この方は余り表に出ない方のようでございますが、やはりプラスチック原料の独占輸入等の事業をやっておられる。  次男の通称バンバン、四十四歳、この方は非常に活発にビジネスをやっておられまして、石油、貿易、合板、自動車、観光等多岐にわたるビジネスを統括しておられるというようなことでございます。  あと、次女の方、この方は余り表に出られません。御主人が比較的有名なプラボウォという軍の有力者でございます。  三男の通称トミーという三十五歳の人、この方もビジネスの世界でチョウジ、オレンジ等の農産物の独占輸入販売、自動車というようなことで、お子さん方がそれぞれ、主として長女の方を除いてはビジネスの世界で活躍しておられるという資料を持っております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 インドネシアの現在の経済危機がこういうスハルト一族の経済支配が原因しているのかどうか、これはどうしても知りたいと思うんです。やはり民主主義というのは経済も同じことでありまして、相互批判、批判の体制がなくなりましたら必ずおかしいことになっていく。これは独裁の支配の運命だと言ってもいいわけですけれども、そういうふうにファミリー企業的なやり方になってくると、経済の民主化というのはもう行われなくなって久しいのではないか。スハルト一族にはだれも逆らえない、それはやるとおりやらせておけということで、こういう事態が招来されたのではないかという気すらしてくるわけですけれども、こういう見方は当たっているのか当たっていないのか、教えてください。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) こういう体制、今御紹介いたしましたような形でスハルト大統領の一族、ファミリーメンバーがいろいろな事業に従事しておられるということは事実でございまして、それが非常に大きな弊害になっているかどうかという判断はなかなか難しいと思います。  と申しますのは、インドネシアの憲法で家族主義というようなことが規定をされている。これはこの間のIMFとの話し合いでも出てきたのでございますが、そういうインドネシアの基本的な価値、家族主義というようなものの中でみんなが貧しい人にも均てんするような体制で経済を運営しているんだという御説明もございます。そういう価値観と申しますか社会の価値というものが一概に弊害の源泉かどうかわかりませんが、先生御指摘のようなそういうかなりファミリービジネス的な要素があるということは事実だと私どもも認識しております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 貧しい人たちが家族で一致団結して現状を切り開いていく、これは大変すばらしいことだと思います。それを家族主義と言ってもいいと思いますけれども、恵まれたる人、権力を持っている人が自分たちだけで集まってしまったら、これは弊害以外の何物でもないわけですから、それを家族主義だ、美しいという言葉では表現できないと思います。  それはそれとして、先般橋本総理がインドネシアを訪問いたしまして話し合ってこられて、大変な成果があったということでにこにこ笑って新聞に出ておりましたけれども、これはどんな話し合いがなされたのか。今私が取り上げているような問題まで踏み込んで話し合いが行われたと思いますけれども、その辺のところをこれまた差し支えない限度で説明していただければと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 先般の橋本・スハルト会談は、既に報道もされておりますが、二時間半にわたってお二人だけで、通訳を入れただけで、いわゆるさしの首脳会談が行われました。  その中で、両首脳が国際的ルールに基づいて国際社会と協調協力してインドネシアの国内改革を行っていく、そのことの重要性を確認された。また、先ほども申し上げましたが、スハルト大統領より、どういう約束であっても自分が署名した約束は守るというようなお話があったわけでございます。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 インドネシアが立ち直れると、こういうふうにお考えなのか、少なくとも今の政権下ではもうだめだと見ておられのか、その辺はいかがでしょうか。大変難しい質問で恐縮ですけれども。

阿南惟茂外務省アジア局長

○政府委員(阿南惟茂君) 一般的に申し上げまして、インドネシアの経済というのは、昨年の七月にタイのバーツが急激に下落をして東アジアに通貨危機が起こったわけでございます。それ以前はファンダメンタルズは良好であると言われていたような大きな経済でもございますし、そう簡単にこの経済ががたがたになるという予測は当時はしていなかったわけでございます。通貨危機という主として短期債務が流出したということから起こったこのルピアの危機ということで、今インドネシアは大変難しい経済状況になっているわけでございます。  そういう観点から、私どもは、IMFの支援を受ける、これが順調に行われるようにインドネシアがIMFの書いた処方せんをのんで経済改革、構造改革をやるかどうかということでございますが、それをきちんとやっていけば経済も立ち直るであろうし、またそれにつれて社会の治安とかそういうものも改善していく余地は十分にある、そういうふうに考えております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 その国の政治の体制がどうあるべきかというのはその国の人たちが決めることですから、はたがあれこれ言うことではないと思います。  ただ、今の議論にも出てまいりましたけれども、現在のスハルト政権、これはもう民主主義でも何でもない、一独裁国家である、こう見でもいいと思うんです。インドネシアに対するてこ入れが今の政権の存命に力をかすようなことがあっては、これは果たしてその国の人たちの本当の幸せに結びつくんだろうか、こういう気も私はしておるわけであります。  そこで、外務大臣にお尋ねいたしますけれども、やはりインドネシアは大変困っているようだから今までどおり援助してやれと、こういうお考えなのか、もう少し慎重に対応を考えていこうということなのか、御所見を承ればと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 佐藤先生はスハルト政権そのものを非民主的政権というふうにとらえて、その上で我が国の対応についていかがかということでございます。日本政府としては、橋本総理が先般インドネシアに参ってスハルト大統領と本当に腹を割って話し合ったということは、我が国にとりましてもインドネシアの存在というものほかけがえのないものだという考え方に基づいて、インドネシア国民の生活というものが大切だという観点に立ちまして、いかに現在の経済的な困難を乗り越えるために、我が国としてどういうことができるかという観点に立って協力を申し上げておることだろうと思います。  いずれにいたしましても、日本とインドネシアとの関係というものは歴史的にも長きにわたっております。日本としても我が国を超えるような人口を持つ、またアジアの大国としてのインドネシアというものがしっかりした基盤に基づいて政治を行っていただくということが極めて大切なことであり、日本にとりましても諸点において大変大切な国であるという立場で、何ができるかという観点に立って努力をしておることでありますが、あくまでもインドネシア国民の生活向上のため、安定のために日本としてできることをいたしておるというのが日本政府の立場だと認識しております。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 最後になりますけれども、やはり本当の意味での民主主義が確立することがその国にとっての永遠のまた幸せにもつながるんだろうと、私はこう考えておりますので、若干見解が違うかもしれませんけれども、私のような考えもあるということを含めてこれからのインドネシア外交を展開していただければと思います。  以上で終わります。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 他に御発言もないようですから、九案件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、千九百七十一年九月二十三日にモントリオールで作成された民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約を補足する国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第十条2を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とカタル国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とオマーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とバハレーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、九案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時散会

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