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142回国会参議院1998/03/12

外交・防衛委員会 第4号

発言数
23
登壇者
10
会派数
7
開催日
1998/03/12

会議録

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。  外交、防衛等に関する調査を議題といたします。  本日は、アメリカ合衆国元大統領ジミー・カーター閣下の御出席を賜り、日米関係とアジアについて閣下からお話をお聞きするとともに、意見交換をいたしたいと存じます。  参議院外交・防衛委員会を代表して、一言ごあいさつ申し上げます。  本日、ジミー・カーター・アメリカ合衆国元大統領閣下におかれましては、御多忙にもかかわらず、ようこそ当委員会においでくださいました。御高配を感謝申し上げ、委員一同、心より歓迎いたします。  閣下は、大統領御在任中、数々の輝かしい外交実績を上げられ、その後は私人のお立場で、あるいは御自身が設立されたカーター・センターを通じて、世界各地で発生している地域紛争の解決などに精力的に取り組んでおられます。閣下のこうした御活躍に対し、私は深甚なる敬意を表する次第でございます。  本日は、日米関係とアジアの問題につきまして、限られた時間ではございますが、閣下の御意見を拝聴し、委員各位と忌憚のない意見交換ができますことは、私の深く喜びとするところであります。  閣下は、本日の午前中、コモン・アジェンダ・オープン・フォーラムで基調講演をなされたと承知しております。そこで私は、閣下の冒頭の御意見において、日米コモン・アジェンダに対する御感想と、二十一世紀における地球規模問題に関する世界的な協力関係の進展について御所見をお伺いいたしたいと存じます。  また、参議院におきましては、斎藤十朗議長のもと、各党会派の合意に基づき、委員会の再編成などハウスの機構改革を行いました。本日の意見交換もその改革の一環として行うものであり、その最初のスペシャルゲストがカーター閣下でございます。閣下の本日のスピーチをちょうだいし、委員会でのこうした意見交換が成功裏に行われ、今後とも発展することを熱望しております。  どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)  それでは、ジミー・カーター閣下からお話をお聞きいたしたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 委員長、御参会の皆様、このようなすばらしい委員会で、このような形で発表させていただく機会を得て大変うれしく思います。  日本の国会で米合衆国大統領の地位にあった者が講演させていただくのは私が初めてと聞いておりますので、大変な光栄だと思っております。  本日は、日米コモン・アジェンダ・フォーラムにおきまして基調講演を行わせていただきました。私がアメリカの大統領をしておりました折に、私のもちろんいいパートナーかつ親しい友人でありました大平首相も私も、世界で最も重要性の高い二国間関係というのはまさに日本とアメリカの関係だということは十分に認識しておりました。最初にお目にかかってからすぐに、不快な意見の対立というのは避けてできる限り緊密に意見を交換するようにいたしました。貿易、通商、防衛、外交政策などありとあらゆる両国国民にかかわっている問題について意見交換を活発に行いました。  賢人グループというのをつくりまして、大平首相の方で四人の最もすばらしい、日本の指導者の方でアメリカ関係について専門家の方を選出していただきまして、私もアメリカ側で四人選出いたしました。国際問題であれ、例えばテレビであれ、履物であれ、何らかの問題が発生したときにはこの八人の賢人というのがプライベートに東京、ワシントンないしは中間点のハワイで会合を開きまして、友好と協力の精神のもとでいろいろ議論を行いまして、共通の提言を大平首相と私に同時に提出してくれたんです。  当時の記録をひもといていただければおわかりになると思うんですけれども、アメリカ政府の日本政府に対する、あるいは逆の表立った批判というのはありませんでした。協力と友好の精神が確立していたんです。  そのような精神に基づいて五年前に日米のコモン・アジェンダというのができ上がりまして、お互いによく学びあって世界の課題について責任を全うしていこうとしているわけです。それは世界の安定化、政治的な意味、経済的な意味での安定化を図り、科学と技術の発展を世界全体の人類のために役立て、また、環境の最善の質を図り、そして苦難を軽減する、飢餓を克服して途上国の人々の健康というのを確保していくということに努力してきたわけです。このことにまさに最も関心が高いわけです。  カーター・センターというのは非政府機関でありまして、ジョージア州に設立いたしましたのでアトランタにございます。幾つかの原則がございます。ほかの機関が既にやっていることは重複的に取り上げません。世銀ないしは国連、あるいはIMFないしはアメリカ政府、日本政府が既にある特定の問題に関与している場合には我々はそのような中に介入いたしません。主に空白を埋めようとしているわけでありまして、ほかの機関が参加していない分野をあえて選びまして、最大限の影響力、そしてプレゼンスを活用しようとしております。  あくまでも超党派の機関でありまして、一昨日、共和党でありますフォード元大統領と一緒に話しましたけれども、共和党の指導者は常にイコールのパートナーとして見ております。そして、理論的な問題には関与いたしません。直接な行動につながらない限りは理論的な議論というのは避けるようにしております。そして、世界各地の紛争を常に分析しています、大学の学部ないしは大学院の学生とともに。百十の紛争ということで、そのうち七十が暴力に発展しておりまして、昨年は七十一もの大規模な戦争がありました。  大規模な戦争と定義上申し上げておりますのは、戦争の中で千人の兵隊が戦場で殺されるもの、死亡したものということです。一人の兵隊が死ぬと九人の市民が例えば地雷とかあるいは弾丸を受けて傷害を受けているわけであります。あるいは飢餓の問題もありますし、あるいは家を喪失するというようなことになるわけです。  御存じだと思いますけれども、国連は五十年ほど前に設立されまして、この委員会が創立された時期と重なっていると思いますけれども、まさに紛争、国家同士の争い事に対処しようということであります。国際紛争というのは、国同士というよりはむしろ内乱であります、内戦であります。国連というのは内戦とか内乱にそもそもかかわるようにできていないわけです。例えば、革命派の人たちと国連として話をすることもなかなかできないんです。  そこでカーター・センターのような非政府機関が活躍する場面というのができるわけです。国内に踏み込んでいくとか、あるいはアメリカの政府ないしは国連がちょっと手を染めにくいような対立の場面にカーター・センターは非政府機関として出かけます。  一つだけ具体例を挙げさせてください。  これは北朝鮮、一九九四年のことでした。国連が当時、北朝鮮そして金日成主席を犯罪者としてまさに異端な扱いにしようとしていたわけです。そこで、私はピョンヤンに行くと言いました。まずソウルに行きまして、そして非武装地帯を横切って金日成主席に会ったんです。そして、いろいろ核を否定したんですけれども、そこで私はソウルに戻りました。四十三年来、家内と私は初めでそのような旅行をしたわけです。以来本当にすごい発展がありまして、日本がもう北朝鮮に関しては本当に密に関与をしてきました。金大中大統領が今度新たに韓国でなりましたけれども、もう二十五年来私の親しい友人で、まさに人権のために闘ってきた人なんですけれども、金正日主席に関しては、いずれ緊張緩和、そしていずれは朝鮮半島において平和協定の締結につながることを願っております。  九四年の六月に金日成主席と会ったときには、首脳会議を金泳三大統領と開いてもいいと言いまして、金泳三大統領もそれを受け入れてスケジュールまで立っていたんですけれども、残念ながら、金日成主席はその敬白前に亡くなってしまったんです。ですから、北朝鮮というのは、日本、アメリカ両国が密にかかわっている、そして韓国もかかわっている、中国もかかわっている問題の一つということで例として挙げさせてもらいました。  我々は、日本とアメリカが共通のコミットメントを持って第三世界の苦難を克服していこうということを歓迎しております。我々は毎日いろいろな問題に対応しようとしているわけであります。途上国、なかんずくアフリカ、ラ米にかかわっておりまして、平和維持、そして協定の戦争当事国同士の交渉、そして民主主義の推進、自由主義の推進ということで、我々は十五回にわたって選挙に、西半球に限ってでもかかわってまいりました。これは南アメリカなどでありますけれども、アフリカもありますし、それからパレスチナの西岸・ガザ地区における選挙に関して三年ほど前にやはり行いました。  そして、いろいろな紛争の仲介役も果たそうとしているわけでありまして、我々はアフリカでいろいろ潜在的な苦難を克服するために、日本財団ともやっておりますし、またアフリカの十二カ国ともかかわっております。そういう意味では、六十万人の農民に働きかけて、それぞれが基本的食糧になる穀物、トウモロコシ、メーズや小麦その他の穀物の生産量を三倍増することに成功しております。これは本当に成功をおさめたプログラムでございました。  私どもカーター・センターといたしましても、アフリカと日本の財団と一緒にやることができたことは大変喜んでおります。いろいろ病気も克服しなければいけないということで、人間がかかる病気については専門家とともに分析いたしまして、地球上から撲滅することができた病気というのもございます。  今、二つの病気にかかわっておりまして、一つはよく御存じだと思いますけれども小児麻痺、ポリオです。もう一つが余り御存じではないかもしれませんけれどもギニアウォームというものであります。カーター・センターといたしましては、このギニアウォームという病気を地球から撲滅しようとしております。一九八七年には三百五十万人の人がギニアウォームにかかっていたんですけれども、十万人ということで九〇%以上病人の数を減らすことができました。そして、近々この病気に関しては地球上あらゆる国から全く撲滅させることができると考えております。このプログラムに日本が関与しておりまして、数年前経団連が百五十万ドルを寄附いたしまして、こういった恐ろしい病気がある村落に乗り込んでいくことができたんです。  もう一つ別のプログラムといたしましては、人間の視力を維持するために、目が見えなくなってしまう非常に難しい学名の目の病気というのがあるんですけれども、メルクという製薬会社がありまして、カーター・センターを訪ねまして無料で医薬品を提供したいと。この目の病気があるところに対しては未来永劫この医薬品を提供したいという申し入れがありました。カーター・センターは、以来このアイバメクチンという医薬品一億以上ということで、これは年に一錠飲めば未然に防止できるということで、昨年は二百五十万人をこれで守ることができました。  我々は民間セクターにリーチアウトしておりまして、日本では経団連、アメリカでは大手企業に対して手を伸べているわけです。一昨日のことでしたけれども、私はスミスクライン・ビーチャムその他の製薬会社の人たちに、パームスプリングズに四百人の世界各地からの子会社の人たちが集まっていたんですけれども、世界史上最大の寄附というのを民間機関としては行いまして、五億ドルを二十年間で供与するということになっております。  エレファンタイシス、「エレファント・マン」という映画がありましたね、皆さん覚えていらっしゃると思うんですけれども、このメルクの医薬品は、エレファントマンと同じ病気に関しては防止することができる効果を持っております。そして、この薬に関してはナイジェリアにおいて実験を行うことになっております。象皮病です。WHO、ユニセフ等、そして民間の企業に対してもいろいろな働きかけを行いたいと考えています。もし御質問があれば、喜んでお答えしたいと思います。  過去三週間、イラクの危機の問題に注目してまいりました。私は、大規模な爆撃に対しては強く反対をしておりました。私の意見では、そういうことをしてしまいますとイラクの人々に危害が及んでしまう。既にイラクの人々というのは独裁者、独裁主義のもとで非常に苦しんでいるわけでありまして、彼の人気をさらに高めることにつながってしまうということで、この爆撃に対しては強く反対していたわけであります。爆撃しても化学兵器や生物化学兵器を削減することにはならないだろうと。もちろん米国政府は国連の事務総長が行くことについては好んでおりませんでしたけれども、思いますに、イラクはこの合意を遵守するでありましょう。私はそのように考えております。  もう一つつけ加えさせていただくとするならば、私は中国を頻繁に訪れております。古い歴史について覚えていらっしゃらないかもしれませんけれども、私は米中関係を正常化させたわけであります、大統領任期中。大平首相に私はこのことにつきまして相談をいたしました。といいますのも、日本のリーダーの方はこれについては非常に興味を持っていただくだろうということで、新しい米中関係について興味を持っていただけるだろうと思って、国民に相談する前に大平さんに相談したわけであります。しかし、これは非常にいいことだったと思っております。  去年、八月、九月、十月中国に行っておりましたけれども、日本とアメリカの間の新しい国防・防衛合意について知っておりました。これは、日本が中国と台湾との衝突が生じた場合に軍事的に介入するのではないかということを思った方もあるようですけれども、そうではないということを言ってまいりました。私、もちろん情報も限られておりますし、権力もないわけでありますけれども、李鵬氏とそれから江沢民氏などに対しまして、米国、日本ともこの問題に対して軍事的な介入をする意図はないんだということを強く申してまいりました。  一九七九年に鄧小平氏との間で正常化されたときに、中国と台湾の間の関係を平和的に解決するということ、そして米国は台湾に攻撃に用いられるような武器は売らないということを合意してまいりました。そして、台湾は中国の一部であるということをこれまで歴代の米国大統領は認めてきております。  このように皆様方とお話をさせていただく機会を得たということは、非常に光栄なことでございます。皆様方は、国際的な外交問題そして防衛問題に日々通じていらっしゃるわけですから、私などに比べてはるかにこのような問題につきましては世界じゅうの事象について通じていらっしゃるはずであります。私は民間人でありますし、私の今の役割はカーター・センターのディレクターという立場であります。カーター・センターからサラリーは受け取っておりません。お金を出しているわけであります。私は著作をすることによってお金を得ております。  私は、毎年ほとんど日本に来ております。といいますのも、私は日本に多くの友人の方々を持っているからであります。そして、日本に対して尊敬の念を抱いておりますし、日本政府に対しても尊敬の念を抱いているわけであります。  最後に、今回御招待いただきましたことについて御礼を申し上げます。そして、この委員会の果たされた役割、五十年を迎えられているということでございますけれども、これまでの輝かしい業績、この委員会の業績について敬意を払うとともに、今後とも緊密な米国政府との関係の樹立にこれまで同様尽力していただきたいと思います。  そして、元大統領といたしまして、国民を代表いたしまして皆様方に御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  ただいまから意見交換を行いたいと存じます。  御意見のある方は挙手を願い、私の指名を待ってから御発言願いたいと存じます。  なお、時間も限られており、より多くの委員が発言できますよう、委員各位の御協力をよろしくお願い申し上げます。  それでは、御意見のある方は挙手を願います。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 ジミー・カーター元アメリカ大統領の当参議院における初めての賓客としてこちらへ御臨席いただいたことに対して、大変に私ども感謝いたしておりますし、感激をいたしております。  カーター元大統領は、申すまでもなく、ジョージア州のピーナツが育てた大統領ということでありますけれども、ジョージア州は最も発展したところでありまして、デルタ航空はヘッドクオーターをアトランタに置いています。そして、「風と共に去りぬ」のマーガレット・ミッチェル、風とともに去りぬじゃなくて風とともにやってきたガーター元大統領に対して私は大変に敬意を持って、自由民主党を代表して質問できる光栄を大変に喜んでおります。  自由民主党といたしまして私は大変に光栄に思っていますが、実は私は昨年九月まで沖縄開発政務次官をしておりました。したがって、沖縄については大変いろんな問題を提起しておりまして、非常に心痛もいたしております。特に、アジア太平洋における米軍のプレゼンスは現在必要であると思いますが、将来この地域における米国のプレゼンスに変更があり得るとすれば、それはどのような情勢の変化あるいは秩序の形成によって可能になるとお考えか、閣下の御意見をお伺いいたしたいと思います。  さらにまた、現在、日米両国は日米安全保障共同宣言に基づいて沖縄米軍基地の整理、統合、縮小のための困難な作業を継続しておりますが、閣下はこうした取り組みについてどのようにお考えになっておるのかお伺いをいたしたいと思います。  以上であります。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) まず、沖縄の点に関して、私の兄弟が海兵隊で、海兵隊四年のうち三年まで沖縄で過ごしたという経験を持っております。アメリカ人一同、国民一同、本当に恥だと思いました。日本の少女の強姦事件というのは本当に私個人的にも恥だと感じ入りましたし、アメリカ国民一同深く恥じております。私が願っておりますのは、日本の国民の方、そして沖縄県民の方、この事件に関してぜひアメリカを許していただきたい。  それから、二番目に申し上げたいのは、私の元副大統領のモンデールがこちらで対処しておりましたときに日米間の合意ができ上がりまして、沖縄県民の方がそれを尊重してくださることを期待しております。これは基地の規模を縮小して、そして米軍を沖縄からほかのもうちょっと人口密度の低い地域に移動させるということでありまして、いろいろな火薬を発射するということはもはや沖縄ではしないということ、そしてアメリカ軍の車両に関しては特別なプレートですぐ一目でわかるようにする。そして、海兵隊のヘリポートに関しては日本政府からは御承認いただいているんですけれども、沖縄県がこの点に関しては反対を唱えているというふうに私は理解しております。  私は、アメリカ政府の関係者にこの委員会に来させていただく前にいろいろ意見を聞いてまいりました。彼らのポジションによりますと、これはアメリカと日本政府の間には成功裏に交渉がまとまっている点でありまして、将来の動向につきましては日本政府と沖縄の間で決める日本国内の問題だということでありました。すべてが成功裏に運ぶことを期待しております。それは日米双方にとって利益につながるというふうに思っているからです。  米軍のプレゼンスを沖縄に維持するということは有益だと思っております。そして、一部日本本土においてもそういったプレゼンスがあるというのは有益だと思っております。ある程度そういった軍の関係者をお互いに尊重して、両国の国民もこういった安保条約が非常に重要だということを理解していただきたい。そして、米軍を駐留させていただいているということで、日本の国民、特に沖縄県民の方の気持ちに対してあくまでもセンシティブに行動してほしいと思っておりますし、相互に尊重してやっていきたいと思います。  今後意見の交換があった場合、例えば沖縄の方でさらに反対が出るようでありましたら、両国政府で話し合わなければいけなくなってしまうかもしれませんけれども、できれば日本国内の問題として成功裏に解決していただくということを期待しておりますし、今、両国政府、両国民の間で今後さらに対立がないことを祈っております。

竹村泰子民友連

○竹村泰子君 カーターさんにお目にかかれましたことをとても先栄に存じます。  私は、竹村と申します。  ビルマの人権の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  九六年に、ノルウェーのボンデヴィック氏がカーター氏のアトランタの自宅をお訪ねしまして、PDビルマ、国際議連ですが、この議連のカーター氏からのビルマに対する要請をお願いいたしました。私もこの国際議連のメンバーの一人として心から感謝をしております。  昨年九月、ボンデヴィック氏はノルウェーの首相に選出されました。世界に先駆けて人権大臣を設置するなど、非常にカーター氏の理念と共通の基盤で政治活動を継続しております。毎年来日をされまして、そのときにも橋本首相ともお会いくださいまして、九六年にお訪ねくださいましたときにビルマの問題に重点を置くようにアドバイスをしてくださいました。橋本首相がビルマのASEAN加盟は人権問題の免罪符ではないという厳しい発言をしたのは、カーター氏からのアドバイスであったと大変感謝をしております。  国会内には超党派のミャンマーの民主化を推進する議員連盟というのがございまして、私は事務局長を拝命しているのでございますけれども、ビルマの軍事政権による人権侵害というのは依然として憂慮すべきものがありまして、軍による恐怖を逃れるために何万人もの難民が国境を越えてタイやバングラデシュに逃れていることはよく御存じでいらっしゃると思います。アメリカ政府も日本政府もビルマの民主化を願うという共通の意思を持っております。経済制裁と緩和政策という政策の違いを超えて、ビルマの民主化を促進していくためにはどういった協力体制が必要とお思いになるかお尋ねをしたいと思います。  それから、日本の国内には、不法滞在者と言われておりますけれども、八千人のビルマ人が居住しております。八十五人の民主化活動家が法務省に対して亡命の申請をしておりますが、それは一人も認められておりません。ドクターのコースを持つ若者たちが皿洗いをしたりいろいろなことをしながら、苦しみながら日本に滞在しております。このことにつきまして、アメリカではどういう扱いをしておられるのかお教えをいただきたいと思います。  ありがとうございます。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 今の御質問の趣旨を伺うておりまして、ビルマでは人権問題が尊重されていないということで、我々共通の懸念を抱いているということがわかりました。  アメリカ政府の公的なポジションは広く知られておりますので、私個人そしてアメリカ政府が日本に対して助言をしようというようなことはちょっと僭越ではないかと思います、対ビルマ政策ということで。時にはワシントン、アメリカ政府筋が日本にいろいろ助言を、口を挟み過ぎる傾向があると思いますが、委員会の方々はその点に関して同意していただけると思います。  我々は、ミャンマーの政府というのが人権を尊重し民主化を促進しなければ、平等にアジアの各組織、例えばASEANなどに加盟を許すべきではないと思いました。アメリカといたしましては、ビルマをASEANに正式加盟させることには反対です。  日本のODAは、ビルマに対して非人道的な経済協力をするかどうかということに関しては十分検討が必要だと思います、例えば空港建設の協力などに関して。アメリカ政府といたしましては、先進国はどこもビルマに対して非人道的な協力に踏み切るべきではないと思います、空港建設をも含めて。ビルマ自体が民主主義の原則を受け入れて人権を尊重するような姿勢に転じない限りにおいて、取りまとめれば、私個人はアメリカ政府のポジションに賛成です。  ビルマのSLORCの政権というのは、基本的な人権そして民主化の原則を受け入れるべきだと思います。そして、民主主義的な選挙を行わなければ、非人道的な経済協力、ODAその他を要求する権利はないと思っております。

高野博師公明

○高野博師君 公明の高野でございます。本日はカーター元大統領に御質問できることを大変光栄に思っております。  私、カーター元大統領が現職のときに、米中国交を正常化されたときにちょうどニューヨークにおりまして、大変印象深く思っておりました。  きょうは二点だけお伺いしたいと思うんですが、一つは、カーター元大統領は、日本の国際貢献は非軍事に徹すべきだということで、そのためにも日本が国連の安保理常任理事国に入ることを支持しておられます。そして、日本が常任理事国として経済力とかあるいは政治的な影響力を持って国際の平和と安定に貢献すべきだとの考えをお持ちだと理解しております。そのお考え方からすると、日米同盟、特に軍事的な面での日米同盟関係の強化というのは、またその延長線上にある日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドライン、これは副本が、カーター元大統領が期待されている方向とは反対の方向に踏み出しているのではないかと思われるんですが、その点についての御意見をお伺いしたい。  もう一つは、これからの国際関係の中で米中関係が最も重要であることは間違いないと思います。そこで、一方でアメリカが東アジア戦略を持っておられ、日米のガイドラインがある、他方で中国が軍事力を増強しつつある。米中両国の対外政策が冷戦時代のいわゆるパワーポリティックスの思考から一歩も脱却していないと私は思っておりまして、その限りにおいては米中の緊張関係は今後もずっと続くだろう、そう思っております。第二の冷戦などというものがあってはならない、そうも思っております。しかし、また一方で日米両国の人的な交流とか経済交流も盛んで、両国関係の緊密化あるいは両国民の相互理解も相当進んでいることも事実であります。  そこで将来、米中平和条約が締結されるような可能性についてどう思われますか。もし米中平和条約が結ばれるようなことがあればアジアの安保情勢というのは劇的に変化するんだろうと、私はそう思います。  ちなみに私は、そのポイントとして、一つは台湾問題の平和的な解決と、それから米中両国がパワーポリティックスから脱却することがポイントではないか、そう思っております。  御意見をお伺いいたします。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) まず私、過去五年ないし十年間心配してまいりましたアメリカの中国に対する政策というのはあいまいだったと思います。それが中国の指導者の混乱を招き、それ以外の第三国でこの二国間関係そしてアジア情勢に関心を持っている国の政府に対しても懸念の材料になってまいりました。  江沢民主席のアメリカ訪問というのは大変成功をおさめたと思っております。私の手元の情報によりますと、クリントン大統領が恐らく六月に中国訪問をするであろうということです。その際に、恐らく米中関係はもっと明確になるでありましょう。江沢民の最近の訪米にさらに加えてはっきりすると思います。日本は特に心配することはないと思います、米中関係につきまして。  私、同じような質問を米中関係の正常化のときに受けました。そのときソ連政府からかなり憂慮が表明されたんですね。ブレジネフが当時言っておりましたのは、米中がソ連を包囲的な形での同盟を結んでいるのではないかということだったんですけれども、そうではなかったんです。これは疑いの余地がないと思うんですけれども、アメリカとアジアのほかの国、中国との関係がどう変わったとしても、アメリカの大統領で日米関係こそがまさに主軸だということを忘れる人はいないと思います。日米関係、つまり緊密な本当に近しい協議、友好に基づいた日米関係にかわり得るものというのはほかにないわけです。クリントン大統領が訪中する際には、同じ機会に日本にも立ち寄って、どういう合意がアメリカと中国の間でまとまったかということを日本にも説明すると思います。  また、台湾についても先ほどの質問で触れておられました。鄧小平と私は秘密裏に何週間にもわたってアメリカの台湾に対する姿勢について協議したんです。七二年にニクソン大統領の訪中の際には上海宣言というのがまとまりまして、ニクソン大統領が中国は一つという宣言を出しました。しかし、どの中国を指して言っているのかということをあえて言及しなかったんです。  そこで、台湾の支持者というのは安心したんですね。私カーターが最終的に、外交関係をアメリカが樹立するのは中華人民共和国であるということを決めたんです。相互に非常に美しい生産的な関係を台湾と持っておりますけれども、しかし大使とか領事館とかそういう交換はやっていないわけです。そういうような国交ではないわけです。  もう一つの質問について十分理解したかどうかわからないんですけれども、日本の防衛費に関しては対GNP比一%という上限を持っているということはいいことだと思っています。私の後任の大統領、ブッシュ大統領など、この一%という枠を超えるべきだということを日本に説得した大統領もいますけれども、私カーターは非常にいいと思っているんです、この対GNP比一%以内に日本の防衛費を抑えていくということは。  今時に、少なくとも中期的将来ということでは中国と台湾の軍事衝突が起きる危険性というのはないと思います。  以前、中国の指導者と私が接触したところによりますと、彼らがはっきりと私に言っておりましたのは、香港が中国に返還された後にこの香港の特殊な社会というのをできる限り尊重して維持していきたいと。そして台湾の指導者との協力、そしてコミュニケーションということでリーチアウトする活動を行いたいということでした。  この一週間、中国側が台湾側を招待して、非常に過去にも増して集中的ないろいろな討論を行っているということで、私の判断では、台湾側の指導者も、そして中国本土側の指導者も、この中台関係については平和裏な形で尊重していきたいと考えているようであります。  先ほど既に指摘いたしましたように、歴代大統領は、一大原則として中国は一つということで、台湾は中国の一部だということをはっきりと打ち出してきました。ですから、日本は特に恐れる必要はないと思うんです。米中関係が日米関係を犠牲にするようなものにはならないわけでありますし、台湾との関係につきましては中国の政府が平和裏に対応する。それから第二に、中国が軍事的な脅威に中期的な将来アジアにおいてなるということは考えにくいと思っております。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 社会民主党の田英夫です。  カーターさんは一九九四年に朝鮮半島の危機を救ってくださった方ですし、また北朝鮮の金日成、金正日親子に会ったことのある世界でも数少ない指導者のお一人でもあるわけです。また今回、韓国の大統領になった金大中さんとは大変親しい関係にある。そういう中で、実は私ごとですが、私も北朝鮮を七回訪ねておりますし、そのうち三回は金日成主席と会いました。また、金大中韓国大統領とも親しい友人であります。カーターさんはこれからの朝鮮半島はどうなっていくというふうにお考えか、それを伺いたいと思います。  もう一つは、これはお願いですが、先ほども沖縄のことが出ましたが、ぜひ次の機会に日本においでになるときには沖縄を見ていただきたい、沖縄に行っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  ありがとうございます。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) まず最初に申し上げたいのは、私は本当に沖縄を訪問したいので、今の御助言については真剣に検討したいと思っております。  それから、朝鮮半島における南北関係が今後平和にいくかという見通しにつきましては、朝鮮戦争が五十年前に勃発して以来最も良好だと見ております。  私が北朝鮮を訪問したときに、北朝鮮の方たちというのは大変私の提案に対して友好的な耳で聞いてくださいました。金日成主席と私は何時間も話をしたんですけれども、西側の指導者の中では直接会ったのは私が初めてであったということで、わざわざ来たということで感謝してくれたようであります。  御存じだと思いますけれども、当時世界全体が、北朝鮮が核燃料、核兵器の原料を持っているのではないかということを深く心配していたわけです。そして、いろいろな査察に来た人を国外に追放したんですけれども、金日成は何時間か私と話した後に、そういった査察の担当者に再び北朝鮮への入国を許して、核についての再処理を行っていないということを査察させようということで、こういった核関係の技術に詳しい人が、黒鉛の非常に旧来型の炉、これは非常に簡単に核に転換できるものなんですけれども、これを軽水炉に転換するということです。この転換に関しては日本も深くかかわっているということで、日本と韓国とアメリカ、ともに北朝鮮に対して軽水炉の提供ということで、世界全体の利益のために、日米雨風のためにぜひ徹底的にやりたいと思っております。  それから、もう一つ提案いたしましたのは、金日成がDMZから北朝鮮軍を撤退させるべきだと言いました、そうしてもいいと。その場合には韓国軍もやはり撤退しないといけないと、今はお互いに対面しているわけですから。そして、北朝鮮軍の縮小を行ってもいいということだったんです、韓国軍が軍を縮小するのであれば。そして、米軍は韓国での駐留を続けるけれども、同じパーセントだけ削減すべきだということで、それはいいと思ったんです。  金日成と直接の南北首脳会議ということをしたいと思ったんですけれども、こうやって南北の首脳会議の準備が着々と進んでいたんですけれども、金日成主席が亡くなってしまったわけです。  そこで、韓国側が大きなミスをしたと思うんですけれども、金日成が亡くなったということで黒章をつけたときに、その学生を逮捕してしまったんです。北朝鮮はこのことに大変反発を感じました、韓国がそのような黒章をつけた学生を逮捕したことに。  金大中大統領のこの十五年来のポジションを見てみますと、彼は親しい友人で、アトランタに何回も私を訪ねてきましたが、金大中大統領は朝鮮半島の再統一を願っていました。選挙運動中はもちろんそのようなことは余り言っていなかったんですけれども、大統領就任演説において金大中大統領がはっきり言っていたのは、北朝鮮に対して手を差し伸べたいということだったんですね。こり確率というのは非常に高いと思います。  北朝鮮に関して最後に言いたいことは、ちょっと批判的に受けとめられるかもしれませんけれども、私は、日本が北朝鮮における国民の飢餓の問題、食糧不足の問題に手を差し伸べていないということに関しては失望いたしました。本当に食糧不足は深刻な状態なんです。ですから、日本政府というのは余りにもちゅうちょし過ぎていたと思います。人道的な援助ですよ、これは。ぜひやっていただきたいと思うんです、ぜひやるべきことです。これは人道的な観点からやるべきことであるのみならず、将来へのいい土台づくりになると思うんです。もっと北朝鮮と日本の国交正常化の方向に向けるためにはいい動きだと思うんです。  この外交・防衛委員会の委員のメンバーの方々にぜひともピョンヤンを訪ねていただきたいと思います。そして、北朝鮮の国民の方たちに日本として大いに気にしているんだということを伝えてほしいわけです。ちょっと変わっている国民性なんですね。非常にセンシティブでありまして、余り外の世界についてよく知らないと。そして、自給自足ということでやってきたわけなんです。そして、穀物、米ということに関しては外に救援を今求めておりますけれども、基本的には非常に自立した国民性ということです。ですから、国交正常化に向かってもっとやるべきだと思っております。  そして、経済禁輸に関してはもうやめるべきだと思います、禁輸などの制裁措置に関して、韓国側が。韓国政府は、アメリカ政府のかわりに対北朝鮮の政策を示すという意味では、韓国の金大中大統領がアメリカ政府に対してもう禁輸はやめていいよということを訴えてくれればいいなと思っております。そうすれば朝鮮半島における和解のムードというのは高まってくると思います。  北朝鮮というのは確かに悪いことをしてきました。日本の方を誘拐したりとかとてもいけないことです。私は潜水艦に搭乗していたんです、朝鮮戦争当時。そして、五万人以上の米軍の仲間たちが朝鮮戦争で命を落としています。しかし、今こそまさに力の強いアメリカや日本のような国が友好の手をできる限り北朝鮮に差し伸べるべきだと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私は、日本共産党所属の国会議員です。カーターさんに日本共産党の国会議員が質問する初めての議員になるかもしれません。  私は多くの問題をお尋ねしたいんですが、時間が短いので核軍縮の問題についてお尋ねしたいと思うんです。  今から二十一年前にあなたがアメリカの大統領に就任されたときの演説の中で、我々はことし地上からすべての核兵器を根絶するという我々の最終的な目標に向かって一歩を踏み出すであろうと述べられ、他のすべての人々にこのことで力を合わせようではないかと呼びかけておられたことを私は注目しましたし、今でもはっきり記憶しております。また、あなたは別のところで、最悪の環境破壊は戦争であるという指摘もされましたし、二度と核兵器を使用しないという発言を私も知っております。  私は、ここにきょう一冊の本を持ってまいりました。もうあなたはこの表題を見ただけで御存じだろうと思うんです。これは「ディスアーミング・ストレンジャーズ」という本で、異端者を武装解除すると。先ほども問題になりました、副題としては「北朝鮮との核外交」と題する本で、元ニューヨーク・タイムズの記者をしていたレオン・シーガル氏がまとめたものです。この中にはあなたとのインタビューも相当の部分占めております。  ここには、あなたはもう十分御承知の、IAEAと北朝鮮の核燃料棒交換査察をめぐる交渉が決裂したときに、これは制裁が現実のものになるんではないか、このままいけば戦争になるというふうにあなたが判断されて、そしてあなたは一九九四年六月にさまざまな複雑な状況の中で北朝鮮を訪問されて、いわゆる戦争の方向への流れを変えていく、そういう努力をされたということを私はこれを見て非常に詳しく知ることができました。  今、国際的にもいわゆる問題、紛争の解決は武力ではなくて対話によって、あるいは核兵器を地球上からなくしていかなければならないという世論が大きく広がってきているということはもうあなたも十分御承知のことだろうと思うんです。こういう核兵器を地球からなくしていくというものを現実の問題にしていくということについて、あなたはどういうふうに今お考えになっておられるのか。また、この問題について今世界の人々にあなたは何を呼びかけたいのか、そのお考えをお聞かせいただければ幸いだと思います。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) まず、過去に私が何を言ったかということについて注目をしていただいて、ありがたく思っております。  私が大統領に就任しました直後、国務長官をモスクワに派遣いたしました。直ちに核兵器を削減してはどうかというオファーをソビエトに対して提案したわけであります。この提案は余りにも思い切ったものだったのでしょう、その当時としては。でありますので、ブレジネフ書記長に拒否されてしまったわけであります。そして、外務大臣グロムイコ氏にも拒否されてしまったわけでありますけれども、七九年六月にSALTⅡの条約交渉をいたしまして、その結果七年間核兵器の削減をすることができたわけであります。それ以来、START条約はレーガン大統領とブッシュ大統領によって引き継がれてまいりました。この継続的な歩みというものがまだクリントン大統領においては見られておりません。  しかし、包括的な核実験の禁止、それから直ちに核兵器を削減するということは非常に複雑な問題であります。フランス、イギリス、中国、ロシア、それからアメリカが同時にこれに協力して臨むということは非常に難しいものがあります。イスラエルにも二百あると言われておりますし、みんなあると言っておりますが、自身では認めておりません。問題の根本はまだなくなっていないと思うわけであります。  私が特に懸念しておりますのは、厳しいコントロールがなされていないということです。つまり、旧ソ連における核兵器のコントロールがタイトになされていないということが問題だと思います。多くのリーダーが核のミサイルを任されておりまして、中央政権があった場合ほどのコントロールがそれに対してないわけであります。現在欠如しているわけであります。  それから包括実験禁止条約も、米国、フランスなどの国によって支持されるべきであります。インドもそうでありましょう。核拡散防止条約でありますけれども、パキスタンも受け入れるでありましょう。インドはまだこれには加盟しておりません。  ですから、私の立場は今までずっと変わっておりません。ただ残念なのは、この発言をしてから、冷戦が終わったにもかかわらず余り進展していないということであります。そのアメリカとロシアの間にも核兵器がありまして、数分の間にお互いを標的とすることができるわけであります。北朝鮮の問題が深刻化しないためにも、世界のリーダーが完全な核兵器の廃絶に向けて努力を重ねることが重要であると思っております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 私は広島県から選出されております自由民主党の宮澤です。  アジア太平洋地域のこれからの平和の確保について、御所見を承りたいと思います。  御承知のように、アジア太平洋地域では、ヨーロッパのように多国間の安全保障の仕組みというものがまだできておりません。私どもは、日本とアメリカの安全保障条約に基づく日米の安保体制が、単に我が国の平和ばかりでなくして、アジア太平洋地域の平和に大変大きな役割を営んでいるということを承知いたしております。同時に、アジア太平洋地域には中国あるいはロシアというような、現に大きな力を持ち、将来も大きな力を持ってあろうという国があるわけであります。  そこで、将来のアジア太平洋地域の平和の枠組みについて、それからまた今申し上げた四つの大きな国のあり方について、御所見を承りたいと思います。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 最初に指摘すべきことは、日本が国連安保理の常任理事国入りを果たすべきだということです。その点に関して反対意見を持っていらっしゃいますか。日本は国連安保理の常任理事国になるだけの資格を十分持ち合わせています。エリツィン大統領が向こう数カ月以内、ちょっと日にちは忘れましたけれども、日本訪問の予定があると伺っております。エリツィン大統領は、貿易と通商を日本と拡大したいと。ロシアの議会筋はエリツィン大統領よりずっと保守的であるということを聞いております。  北方領土がロシアから日本に返還されるということを私としても期待はしております。その点については日本も力強く訴えていくべきだと思いますよ、ロシアに対して、北方領土返還のことについては。ゴルバチョフがソ連大統領をやっていたときにはそういうポジションをとっておられましたので、それを続けるべきだと思います。  ロシア、中国、アメリカ、日本といった関係を見てみますと、それぞれ二国間関係ということではいいと思うんですね。米中関係は安定化しつつありますし、一年前よりずっと改善を見ています。ロシアとアメリカの関係も安定していますし、世界全体から見ても本当にわかりやすいものだと思うんです。アメリカとロシアの関係というのはよくわかりやすいものだと思います。そして、アメリカと日本の関係というのは言うまでもなくすばらしい、いい関係であるわけです。  台湾の関連の質問がさっき出ましたけれども、数カ月前ですか、中国の防衛担当の閣僚が日本を訪問したときに台湾関連のことについてもきちんと答えが出たと思います。そのような感触を、私が秋に中国を訪問したときにそういう話が出ました。  ですから、この四つの域内の大国ということではある程度安定というのがあると思うんです。もちろん朝鮮半島というのが一つちょっと不安定要因となっておりますが、朝鮮半島についてはきょうの午後、先ほど十分話をしたと思います。金正日と金大中の間でどうにか今後関係を改善していくことを期待したいと思います。  ですから、今の御質問は、私、正しく解釈していればこういう答え方をしたらいいかと思います。このアジア地域の平和と安定の将来の見通しというのは大変いいわけです。私の生涯を通しても、これだけよかったことはなかなかないと思います。  経済安定の問題ですけれども、これはなかなか心配すべき点があります。アメリカも心配していますし、日本ももちろん心配しておられるでしょう。この分野においては、日米両国の協力関係は非常にうまくいっています。まだトンネルを抜けたかどうかはわかりません、この経済の不安定がうまくいったかどうかは。韓国、タイ、インドネシア、そしてもしかしたら中国ですか、日本の金融機関がかなり貸し込んでいるということは聞いております、こういった問題を抱えている国に対して。アメリカは前にSアンドLの危機があったんですが、八〇年代に、非常に大きな困難ではありましたけれども、どうにか乗り越えることができました。  ですから、政治的に見て、軍事的に見てこの地域というのは安定していると思います。経済的に見ますとちょっと不安定ではありますけれども、アメリカと日本の協力関係こそがまさに現在の安定を今後経済面でも維持できるかどうかのかぎを握っていると見ております。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 自由党の田村でございます。閣下に質問させていただくことを大変光栄に思っております。  自由党は一月六日にできまして、小沢一郎氏が党首で、自由党にはリタイアドゼネラルが二人おります。そういう観点でちょっと質問させていただきます。私もミリタリーの出身でございます。  世界のリーダーになる条件は四つ私はあると思っております。一つは世界に冠たる軍事力を持つということ、その国の貨幣が全世界に通用するという経済力を持つこと、その国の言葉が全世界で使われるということ、最後に全世界に自分の国がどう行動しているかということを伝える放送のネットワークを持つことだというふうに私は思っておりますが、閣下はどういうふうにお思いになりますか。こういう観点からいうと、まだ日本は経済力だけということでございまして、それも最近非常に危ないということも言われております。  先ほど閣下がおっしゃった中で一つ私がよく理解できないのは、二十一年前に大統領におなりになったときに、日本の軍事費はGNPの一%以下であるべきだと考えておられたと先ほどおっしゃいましたけれども、それはどういう理由でそうおっしゃっているんですか。  その点、二点御質問させていただきます。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 日本の方々に対して防衛費をどうすべきかということを言おうとしているのではありません。ただ、個人的には憲法上の制限というものはあるべきだと思います。それは持っていかれるべきだと思います。それでも十分防衛できるでありましょうし、特にアメリカとの同盟関係があれば憲法上の制限があっても国防には十分であろうと思います。もちろん、危機的な状況も出てくるかもしれませんけれども、対応できると思います。  それに、防衛費が限られていれば、制約されていればほかの目的に予算を使うことができるわけであります。武器を調達すること以外にお金を使うことができるわけであります。みずから国防費、防衛費に制限を加えていらっしゃることによりまして、この地域における日本による軍事的な介入の懸念を削減する、抑止することができるわけであります。ほかの国々は日本を軍事的な脅威として考えなくて済むでありましょう。ですから、皆様方が自分に対して一%の上限を設けていらっしゃることを私はよしとしております。個人的にはこれはいいことだと思っております。  アメリカに今おっしゃった基準を当てはめてみるとどうなるかということでありますけれども、もちろん英語というのは世界じゅうで話されておりますし、政治的また軍事的、経済的な力もアメリカは有しております。それについては疑いを挟む余地はございません。  では、超大国の定義とは何なのかということになるわけでありますが、超大国の要件というのは、要件として何があるかということではなくて、それをどのように使うかだと思います。持てるものをどう使うかだと思います。つまり、世界の各地における平和を目指す、自分の持てる力を使って世界における和平を促進する役割を果たすのが私にとっては超大国の定義であると考えております。  また人権、そして民主主義を堅持していく、広めていくということが超大国の使命であると私は思っております。私も、人権そして民主主義をプロモートしようとしてまいりましたが、超大国の役割とはそういうものであります。  また、超大国は環境保護にも大きな役割を果たすべきであります。一九七二年、日本は世界の環境を保護しようとしているのだと思っておりました。つまり、アメリカはそれほど地球環境の保護にアクティブではなかったわけであります。リオ会議の計画会議に私は参加しておりました。そして、日本が主導的な役割を果たしておられたわけであります、当時。つまり積極的に地球環境を保護しようとしておられたわけであります。昨年、地球温暖化に関する会議を日本で開催されました。アメリカは温暖化に対する厳しい基準を受け入れたがらなかったわけであります。日本はそこにおいても積極的な役割を果たしてこられました。  スーパーパワー、超大国の役割としては、世界において貧しい人たちを救済していくことに努めることだと思います。そういう意味では、環境面においても日本は先ほど申し上げましたように大きな役割を果たしてこられましたけれども、日本はこの意味におきましても、貧困の改善ということについてもODAなどに多額の出資をしていらっしゃいましたし、アメリカも多くのお金を支援に回してまいりましたけれども、アメリカのお金はどちらかといいますと武器調達に使われてしまっている部分が多いわけであります。  日本のODAの資金というのは人々の苦難を和らげるために多く使われております。日本とアメリカは同じぐらいの世界に対する支援を行っておりますけれども、アメリカの方がけちということが言われているわけであります。フランスはアメリカよりも多くの資金を出しております。ドイツはもっとお金を出しております。アメリカよりもお金を出しているわけであります。我々は世界におきまして第四位であります、アメリカが経済的な大国であるにもかかわらずであります。アメリカ人が人道支援に一ドル払うときに、ノルウェーの市民は二十ドル払っているということがございます。  ですから、経済的にも政治的にも軍事的にもアメリカはパワフルかもしれません。しかし、日本のこれまで果たしてこられた役割というものについてはもっと自信を持っていただいてもいいのではないかと思っております。日本から多く我々はまだ学ぶべきであると思っておりますし、我々から学んでいただかなければならないこともあるかもしれませんけれども、それぞれを尊敬する、それぞれのやってきたことに対して敬意を抱く、そしてそれぞれから学ぶ、そしてそれぞれから刺激を受けてそれぞれの国が大きな偉大な国として成長していくということが我々にとっては重要なのではないでしょうか。

田村秀昭自由党

○田村秀昭君 ありがとうございました。

佐藤道夫二院クラブ

○佐藤道夫君 二院クラブの佐藤と申します。  二院クラブは、もう絶対御承知ないと思いますけれども、貴国の上院に当たるこの参議院ではそれなりに歴史と伝統のあるパーティーでして、古さからいえば自由民主党あるいは共産党と匹敵できるかもしれません。御記憶いただければ光栄に存じます。  私自身はインドネシア問題を取り上げたいと思います。御所見を承れば幸いと思います。  インドネシアは今大変な情勢にあると言われております。特に、経済はもう破綻寸前、いや破綻したんだとも言われております。インフレ状況が大変でありまして、一ドル一万二千ルピアである。これもまたどんどん貨幣価値が下落しておって、いずれ二万ルピアぐらいになるのではないかというふうにも言われておるようであります。そのほか対外債務も大変であって、千四百億ドル余りの総額の対外債務があって、日本が最大の債権国で二百三十億ドルぐらい持っておるんでしょうか、アメリカもかなりな債権を有しておる。国内情勢も暴動やら革命的な動きやらがありまして、学生を中心として改革を求める動きが急速に動いておる。  こういう状況がありまして、その中で今回スハルト大統領が再選されましたが、何とこれが七期目だそうでありまして、戦後、スカルノ大統領以後もう三十年余り政権を握っておる。身内あるいは一族その他の側近たちが国内で枢要な地位を占める、あるいは重要な企業を差配しておるということでいろいろと批判されておりまして、その改革を求めることが非常に重要なのではないか、こう思われております。IMFの先ほどの特定企業を整理したらどうかという提案に対しても、スハルト大統領はそれを聞く耳は持たない。それから、自分の娘、長女に当たる方ですが、これを首相として登用しようかという動きもあるようです。  いずれにしても、とてもこれは民主国家とは言えないのではないかという気がしておりまして、世界の先進国、特に日本とアメリカが強くこの国の民主化の促進を求めるべきではないか。率直に言いますと、民主化に応じない限り現政権を支えるようなサポートは打ち切るべきではないかという気もしておるわけであります。これは私の個人的な意見といってもいいかと思いますが、この辺、インドネシアの今後も踏まえまして先生の御意見を承ればと、こう思います。

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 私は、このインドネシアの問題に関しては全く専門家ではないんです、素人です。たった一回、短い訪問をしただけです。私は、モンデール元副大統領、前駐日大使がスハルト大統領に派遣されたんですけれども、完全に失敗に終わったということで、スハルト大統領の方でモンデール経由でクリントン大統領が出した要請事項はすべて却下してきたというふうに聞いております。  インドネシアは、スハルト大統領がIMFの提案をほとんど却下してしまうというようなことになりますと衰退する。そういたしますと、日米両国の経済が打撃を受けることになるでしょう。日本の方がより深刻だと思います、アメリカのインドネシアに対する投資というのは日本に比べると少額ですので。  しかし、我々のような民主主義国家の立場から見た場合、インドネシアの民主化が進むことが望ましいと思っております。その意味では、スハルト大統領は彼の近親者を重用することはもうやめなければいけない、子供たちですね。政治的に、経済的に特権を持っている、それはだめだと言っているわけでありまして、スハルト大統領が以前はやると言ったのにもうやらないと言っているということで、我々といたしましても本当にデリケートなバランスを今後図っていかなければならないと思います。  アジアの経済システム保全のために、つまりインドネシア国民の福祉のために、IMFの金融支援のコミット額についてどの程度本当にインドネシアに供与すべきなのか。それに対してスハルト大統領に、彼がコミットしたことを守れというふうにプレッシャーをかけるべきですけれども、その間のバランスをとるのが微妙なんだと思います。人道的な援助に関するインドネシア国民向けのプレッジの金額のミーティングというのが予定されていると聞いておりますけれども、先ほどの質問に対してどう答えていいのか私にはわかりませんけれども、日米両国が緊密に協力してやっていくべきだと思いますし、アメリカとしては日本に学ぶべき点があると思います。  私自身、ホワイトハウスで大統領であったころを思い起こしてみますと一アメリカの政策に責任を担っていたころ、インドネシアとかかわる機会は余りなかった、インドネシア関連の経験は余り積んでいないんです。ですから、アメリカといたしましては、むしろ日本政府からいろいろ助言していただければありがたいと思います。  繰り返しになりますけれども、これは本当にデリケートな選択だと思うんですね。スハルト大統領に対してIMFのもとでコミットした改革を尊重するよう圧力をかける、べきでありますし、他方、インドネシアが全く破綻してしまうと困るわけなんですね。インドネシアの国民、そしてアジア経済全体に対して悪い影響が出ますので、その両者にどう兼ね合いをつけるかということが難しいところだと思います。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) どうもありがとうございました。  まだまだ御意見がおありのことと存じますが、お約束の時間が参りましたので、意見交換はこの程度とさせていただきます。  一言ごあいさつ申し上げます。  ジミー・カーター・アメリカ合衆国元大統領閣下におかれましては、大変お忙しい中、本日はまことにありがとうございました。貴重な御意見を承ることができ、また忌憚のない意見交換ができましたことを大変うれしく存じます。本委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  現下の国際情勢は、政治的にも経済的にも多くの複雑かつ困難な問題を抱え、また地域紛争、人権、貧困、飢餓、環境等々、地球的規模で早急に解決すべき問題が山積しております。私たちは、本日の意見交換を踏まえ、今後さらに一層日本外交の推進に貢献してまいりたいと存じます。  閣下の多方面にわたる活動に対しましては、世界の人々が注目し、期待を寄せているところでございます。閣下におかれましては、今後とも世界の平和と人類の繁栄のために一層の御活躍をされますよう祈念いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。  閣下の御健勝を心よりお祈り申し上げます。  本日はまことにありがとうございました。(拍手)

ジミー・カーターアメリカ合衆国元大統領

○参考人(ジミー・カーター君) (通訳) 委員長、私、こちらに伺うことができていかに喜んでいるかということをもう一度強調させていただきたいと思います。  私、個人的に大変な栄誉だと思いましたし、ホワイトハウスで大統領をやっておりました時代の記憶を振り返ってみますと、日本の国民の皆さんとの友情、そして日本政府との友情というのが最も大事だと思っております、個人的に見ても、そしてアメリカの国全体を見てみましても。その意味でこのように温かく歓迎していただいたことを本当にうれしく思いましたし、非常にレベルの高い難しい質問がこれだけ出てきたということに大変感銘を受けました。私、もたもた答えてしまったところもあるんですけれども、どうぞ御寛容に。  日米という偉大な国のきずなというのが将来にわたって、政治的に見ても軍事的に見ても、経済的に見ても人道的に見ても強固であり続けるということを祈っております。  私、退室する前に委員の方々一人一人とちょっと簡単にお目にかかって失礼させていただきたいと思います。それが最後のお願いでございます。本当にありがとうございました。(拍手)

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二分散会

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