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142回国会参議院1998/02/05

外交・防衛委員会 第1号

発言数
50
登壇者
17
会派数
4
開催日
1998/02/05

会議録

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび外交・防衛委員長に選任されました及川順郎でございます。  御承知のとおり、本委員会の所管は外交、国の防衛、安全保障など国の根幹をなす事項にわたっており、その使命はまことに重大でございます。委員長といたしましては、委員の先生方の御指導、御協力を賜り、公正かつ円滑な運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。     —————————————

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 委員の異動について御報告いたします。  去る一月二十一日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として服部三男雄君が選任されました。  また、去る一月三十日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として私、及川順郎が選任されました。  また、去る三日、竹村泰子さんが委員を辞任され、その補欠として長谷川清君が選任されました。  また、昨日、長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として伊藤基隆君が選任されました。     —————————————

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ただいまから理事の選任を行います。  本委員会の理事の数は五名でございます。理事の選任につきましては、先例によザ、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に笠原潤一君、須藤良太郎君、武見敬三君、吉田之久君及び高野博師君を指名いたします。     —————————————

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきまして、外交、防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 次に、外交、防衛等に関する調査のうち、欧州諸国の政治・経済等に関する件を議題といたします。  本日は、欧州各国に赴任されております大使が一時帰国されている機会を利用いたしまして、欧州諸国の政治・経済等の事情説明を聴取いたし、それに対する質疑を行いたいと存じます。  大使各位には御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  本委員会では、外交の第一線に立っておられる大使から直接赴任国事情等をお聞きする機会を設け、あわせて我が国外交に対する国民的な理解を深める一助にしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  議事の進め方でございますが、まず外務省欧亜局長から欧州大使会議の概要等について説明を聴取した後、本日出席いただきました七名の大使の方々から各五分程度、順次赴任国等について説明を聴取し、おおむね正午をめどに質疑を行いたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、西村欧亜局長より欧州大使会議の概要等について説明を聴取いたします。西村欧亜局長。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 欧州大使会議は、一昨々日、一昨日及び昨日と三日間にわたりまして外務省において開催をいたしました。  主として議論をいたしました点は次の四点でございます。第一点はロシアの動向と日本の政策という問題でございます。第二点は、欧州におきまする通貨統合の行方と欧州全体の統合、それに対する我が国の政策という課題でございます。第三点は、欧州から見たアジア経済、日本の関与、そういった切り口の問題でございます。第四点は、カスピ海、中央アジア、広くユーラシアと称される地域でございますけれども、その地域に対する日本の外交のあり方という問題でございます。  第一点のロシアの動向と我が国の政策につきましては、ロシア国内の動向には注目をしていかなければいけないという空気がヨーロッパにおいてはもとよりあるわけでございます。しかしながら、ロシアが市場経済主義それから民主主義の歴史的な新たな道を歩んでいる、そういう大きな流れについてはもはや根本的な変化、もとに戻るといったようなことは恐らくないのではないかというのが一般的な認識であったというふうに思います。  そういうロシアの現状及び将来の展望をもとにいたしまして、欧州各国といたしましては、できるだけロシアに関与をしていく、ロシアに近づいて共同作業をしていくという傾向を非常に強めているというのが欧州各国大使の相当程度一致した見解であったというふうに思います。  つまり、特に最近におきましては、NATOの拡大を契機といたしまして、NATOの拡大がロシアの利害に非常に大きな影響を与えるということがあるわけでございますので、ロシア国内においても反発の空気が大きいわけでございます。その事実は一方においてあるわけでございますが、にもかかわらず、同時にロシアがヨーロッパの安全保障、政治の発展、経済の関係、その他あらゆる関係におきましてヨーロッパとの関与を強めているわけでございまして、ヨーロッパの方でもそういうことを慫慂している、そういう動きがあるわけでございます。そういう過程におきまして、できるだけロシアに対して孤立感を与えないように物事を進めているというのが、ヨーロッパとの関係におきまする現状であるという分析であったわけでございます。  もう一つロシアとの関係で議論いたしました点は、日ロ関係の発展を欧州諸国がどういうふうに見ているかという点でございます。  昨年の十一月にクラスノヤルスクで行われました日ロ非公式首脳会談の結果、展開しておりまする日ロ間の関係につきまして欧州諸国は非常に注目をしておりますと同時に、一般的に肯定的な評価を下しているということが報告された次第でございます。私どもといたしましてはそういう観点も踏まえまして、さらに日ロ関係の発展のために一層努力をしていきたいという考えを新たにした次第でございます。  第二番目の、通貨統合と欧州の統合との関係でございますけれども、この点につきましても非常に詳しい議論があったわけでございます。議論の大きな流れといたしましては、通貨統合にまつわります技術的な問題、それは主として経済政策、景気政策あるいは失業問題への取り組みといったような問題でございます。そういったようないろいろな問題はあるにはあるのでございますが、通貨統合自体はいずれは軌道に乗り、実現するであろうというのがもう歴史的な流れであろうというふうな分析が主流であったと思います。  このような歴史的な流れ、恐らくは軌道に乗って発足するであろうという展望は、そもそもヨーロッパ諸国が過去四十年にわたりまして非常に綿密な協力関係を築き上げてきている、そういう歴史を共有しているという体験に基づいて、困難を克服することができるんではないかという確信といいましょうか展望といいましょうか、そういうものに根差しているというのがその背後の事情であると分析できるのではないかというふうに考える次第でございます。  したがいまして、我が国は、そういう欧州の通貨統合、それからその先に来ます経済統合の完成と、そのさらに先にまいります政治統合、そういう歴史的な展望のもとで欧州との関係を一層強化していかなければいけない、あらゆる分野における対話を強化していかなければいけないという結論であった次第でございます。  三番目の、欧州から見たアジア経済の問題との関係では、欧州がアジア経済の今日の困難に非常に強く関係しているという現実があるわけでございます。アジア経済の困難が、非常に強いといいましょうか、相当程度に欧州経済にインパクトを与える可能性がある、そういう認識を欧州諸国が非常に強く意識しているという現状が報告された次第でございます。その点からしましても、できるだけ早くアジア経済が回復基調に復帰するように期待を込めて見守っていると同時に、日本に対する期待感というものが非常に強いという見解が述べられた次第でございます。  四書垣に、カスピ海、中央アジア、ユーラシア全体についての外交でございますけれども、もとよりこの地域は非常に地政学的に重要な地域であるわけでございます。大国によって囲まれている地域でございます。さらに紛争地域によっても囲まれている地域でございます。  そのよって来る一つの重要な切り口は、資源が非常に豊富であるという点でございます。特に石油、天然ガスの資源の面におきましては、この地域は非常に大きな資源を有している地域でございまして、原油のベースでまいりますと、予想埋蔵量のベースで千五百億バレルの石油、及び天然ガスにつきましては約八兆立方メートルの天然ガスが存在するというふうに言われているわけでございます。そういった状況をもとにいたしまして、各国が非常に積極的な外交関係の強化に努めているというのが現状であるわけでございます。  我が国は、もとよりそういう事態を承知しているわけでございますし、その認識のもとに、かねてから私どものできる限度におきまして最大限の関係の強化のために努力をしてまいったわけでございますけれども、一層この努力を続ける必要があるというのが基本的な認識であったわけでございます。  特に、この地域の安定化のために、経済協力の面それから政治的な側面におきましても国連のいろいろな努力に私どもが参加すべきであるという側面、それから首脳間の交流を通じまして相互理解を強化していくべきであるという側面、そういった各方面におきまして我が国がこれら諸国との間において関係を一層強化していかなければいけないということが基本的な結論であった次第でございます。  以上、今回の欧州大使会議の議論を取りまとめまして御報告申し上げました。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  続きまして、各大使から赴任国等についての説明を順次聴取いたしたいと存じます。  初めに、欧州連合日本政府代表部在勤特命全権大使時野谷敦君。

時野谷敦特命全権大使欧州連合日本政府代表部在勤

○説明員(時野谷敦君) 時野谷でございます。  私からは、欧州での通貨統合と欧州統合の状況について簡単に御報告を申し上げたいと思います。  ことしは欧州統合にとっても重要な年になろうと思います。  二つのことを申し上げたいと思いますが、第一点は通貨統合でございまして、通貨統合は九九年一月発足ということが予定されておりますが、この予定どおり九九年一月をもって発足することが確実視されている状況でございます。より具体的には、五月二日及び三日にEUのサミット、首脳会議が行われまして、そこで九九年一月発足時に通貨統合に参加する国を決定するということでございます。  参加国になるためには一定の、経済の収れん基準と申しておりますが、これを満たす必要がある。特に世間で注目されておりましたのは、この基準のうちでも財政赤字をGNPの三%以内に抑えるという条件が非常に難しくて、いずれの国がこの条件を達成して当初の参加国になり得るのかということがいろいろと世の中で議論をされてきた、こういうことでございます。  目下の状況は、九七年の数字は具体的には今月の末に明らかになりますが、現在言われておりますところは、EUの十五カ国のうちから四カ国を除く十一カ国で発足することが確実だというふうに想定されております。除かれます四カ国はイギリス、デンマーク、スウェーデン、ギリシャでございます。この十一カ国をもって九九年一月に発足するということが想定されているのが現在の状況でございます。  つけ加えて、世間で注目されておりましたのはイギリスはどうするのか、こういうことでございましたが、御承知のとおり、昨年の前半にイギリスで総選挙がございまして労働党政権が誕生いたしました。その後十月に入りまして、ブラウン大蔵大臣がイギリスの議会におきまして、イギリスとしても発足時には参加できないけれども将来的には参加するんだ、したがって、そのための準備を進めていかなければいけないという方針を発表したということでございまして、イギリスの動向をめぐる不透明感というものは払拭されたという状況であろうかと思います。  二つ目は、EUの拡大でございます。  拡大につきましては、昨年十二月のルクセンブルクにおきます欧州の首脳会議におきまして、三月に拡大のための加盟交渉を開始するということが決定されました。この交渉の対象になります国は俗に五プラス一と言われております。五といいますのはポーランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、エストニアでございまして、プラス一というのがサイプラスでございます。  何ゆえにこの五プラス一の国が選ばれたか。これはEUのメンバーになるためには一定の基準を満たしている必要がある。政治的な条件、経済的な条件、そして加盟国としての義務を履行する能力、こういったものを満たしている必要がある。そういう観点から作業をしました結果、この五プラス一、計六カ国が交渉の資格があるだろう、こういうふうに認定をされたということでございます。しかしながら、残りの五カ国についても、いずれは加盟ということを視野に置いて加盟の条件を達成することをEUとしても支援していく、こういうことになっております。  いずれにいたしましても、こういう五プラス一の国あるいはさらに残りの五カ国が参加するということになりますれば、現在のEUというのが非常な変貌を遂げる。言ってみれば、非常に多様性に富んだEUというものが将来的には出現するということでございます。端的に申し上げれば、中・東欧の十カ国のGNPを全部足しても現在のオランダのGNPに及ばない、こういうことでございまして、非常に違った種類の国々をEUとしては抱え込むことになる、こういうことでございます。  よってもって、EUの内部においてもこういう拡大ということを視野に置いた改革ということが必要になってくるということでございまして、農業政策でありますとか補助金の政策でありますとか、あるいはEU内部の意思決定のあり方、こういったもろもろの面での改革ということを今後進めていく必要がある、こういうことでございます。  最後に、こういう統合を進めているEUの背後にあるものは何か、こういうことでございます。  御承知のとおり、冷戦時代は米ソの谷間に欧州が埋没してしまうという一種の懸念から、欧州としてまとまってより繁栄する力強い欧州を建設する必要がある、こういうことであったわけですが、冷戦後の現在も、欧州の世界政治における役割、そういったものを視野に入れて、より大きな安定した繁栄する欧州を建設する必要があるという思想には変わりがないんだと思います。  また、ベルリンの壁が崩壊しましたが、これは言ってみればEUの手の届かないところでいわば偶発的に起こった事件です。今後、中・東欧の諸国をEUとして抱え込んでいくという歴史的な試みというのは、まさにEUのイニシアチブのもとで、自分たちのコントロールのもとにおいて初めて西と東の分け隔てのない繁栄する統一的な安定した欧州を建設する歴史的機会が提供されている、これに取り組まなきゃいけないんだと。こういうビジョンというようなものが背後にあって、EMUにつきましてもそうですし、拡大につきましてもそうですが、各論ではもろもろの問題があるにしても、大きな流れとしては引き続き統合に向けて前進していく、こういうことではないかと思っております。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  次に、フランス国駐箚特命全権大使松浦晃一郎君。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 私からは、フランスの事情と欧州統合へのフランスの対応について御報告させていただきます。  申し上げるまでもなく、フランスは今お話がございました欧州統合の中核をなす国でございます。フランスは、欧州統合は四十年の歴史を既に持っておりますけれども、ドイツと組みましてこの四十年間欧州統合を引っ張ってきたという自負を持っております。  そのフランスにおきまして、昨年の五月から六月にかけまして国民議会の総選挙がございました。その結果、御承知のようにコアビタシオン、コアビタシオンと申しますのはフランス語で一緒に住むという意味でございますが、大統領が保守、そして内閣が革新という形のコアビタシオンが成立しております。一見ぎくしゃくはしておりますけれども、保守と革新が、国内問題の対応に当たりましてはそれなりの対応の差がございますが、外交・防衛に関しましては基本的に一致しております。私が現地にいて感じますのは、確かにぎくしゃくしている面もありますけれども、全体としては政治、経済、社会全体の運営に当たってうまく対応しているのではないか、こういうふうに感じております。  フランスにとりまして最大の朗報は、フランス経済が非常に順調に伸びてきているということでございます。おととし九六年は、実質成長率が一・五%でございましたが、去年は恐らく二・三から二・四%に伸びだと思われます。そして、ことしは三%近い成長率は達すると思います。それも、今御説明がございました欧州通貨統合に進むために財政赤字を大幅に削減していく中で、つまり緊縮財政を組みながら成長率を伸ばしてきているということでございます。  フランスの財政赤字はこのところ六%、五%、四%と下がってまいりました。問題は去年幾つになったかということでございますが、これは二月の末に正式に発表されますけれども、今申し上げました革新内閣が成立いたしましてから作業を見直しまして、三二%になるという見通しを昨年の秋の段階で打ち出しております。恐らく三・一%になったと思います。したがいまして、六%から着実に三・一%まで切り下げ、そして、ことしは三%を目標にしております。そういう中で今申し上げたような成長率を伸ばしてきているということはフランス経済にとって大きな朗報でございます。  その一番の牽引車になっておりますのは輸出でございまして、なかんずく他のEUメンバー国に対する輸出が伸びているということで、貿易黒字がこのところ史上最高を記録しております。  したがいまして、欧州統合というのは、ここ一世紀半の間にヨーロッパにおきましては三つの大きな戦争が戦われまして、フランスは常に被害者であったわけでございます。そういう中で、欧州に平和をもたらすためにはドイツを取り込んだ形で経済統合を進める必要があるという政治的な要請を土台にはしておりますが、同時に、経済統合を進めることによって経済的なプラスを獲得するという大きな目標もございます。  この第一の点におきましても第二の点におきましてもフランスはそれに裨益をしているということで、いろいろな世論調査を見ましても国民の六割以上は欧州統合を支持しております。それから、統一通貨に移行するということで、財政赤字を削減する中で、今から申し上げますけれども、失業率の問題はございますけれども、国民の六割以上は通貨統合を支持しております。  フランスにとりまして最大の問題は失業率でございます。別な言葉で言えば雇用問題でございます。数字で申し上げますと、失業率は一時一二・五%まで参りましたけれども、このところ今申し上げましたマクロ経済の好転の結果、一二・二%まで下がっておりますが、若年層の失業率はその倍と言われております。それから、女性の失業率も非常に高いと言われております。特に、若年層の失業率が高いということは、大学を卒業しても四人に一人は失業する、つまり職が見つからないという状況でございまして、若い人たちの間にはかなりの不満がたまっております。  しかしながら、失業者に対しましては失業保険その他、私から見ますとかなり手厚い保護が行われておりますけれども、失業者から見ますとそれも十分でないということで、このところ失業者が団結していろいろ騒いでいるというのが現状でございます。この失業者の対策については、今の革新内閣もいろいろ苦労しながら対応しているという状況でございます。  欧州統合に戻らせていただきますと、そういうことで、ドイツと組んでここまで欧州統合を引っ張ってきた、そしてここまで成果を上げた、これからさらにまた前進していきたいというのがフランスの気持ちでございます。ただ同時に、フランスの中にも少数ではございますが、いわゆるフランスの主権を徐々にとはいうものの手放していくということに対する抵抗感というのがございます。  したがいまして、今までのところ、欧州統合は経済の問題で成果を得てきてはおりますが、その経済の中でもまだ財政、例えば税金それからさらには福祉ということに関しましては、これを調和していくという努力が行われておりません。そういうものに進んでいくこと、さらにそれ以外の政治等に手を広げていくということに関しましては、フランスはかなりちゅうちょもございますが、政府といたしましては、そういうことにもこれから旗を振っていきたいという気持ちを持っております。  それに対しまして、ドイツはフランスと基本的に協調しておりますけれども、時にはドイツもフランスの提唱に対していろいろ抵抗するということで、問題によってはフランスが音頭をとったことに対して賛成するし、問題によっては必ずしも乗らないということがございます。革新内閣が成立してフランスが一番旗を振りましたのは、通貨統合との関係で雇用問題でございます。これは、通貨統合を進めるに当たって雇用問題に配慮すべきであるというのがフランスの基本的な立場で、これに関しましては最終的にはドイツも乗って共通のポジションができております。  そういうことで、いろいろプロセスにおいてはフランスのイニシアチブに対しましてドイツを初めその他の国のいろいろ反発もありますけれども、最終的には何とか共通のポジションができている。そして、欧州統合は一歩一歩前進してきているというところでございます。これからはますます難しい問題が出てまいりますので、必ずしもこれからの道程は易しくはないと見ておりますが、いずれにしましても後退は許されない、前進あるのみということで関係者は努力していくものと思っております。  以上でございます。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  次に、ベルギー国駐勧特命全権大使兵藤長雄君。

兵藤長雄特命全権大使ベルギー国駐箚

○説明員(兵藤長雄君) ブラッセルにおりましてNATOを担当いたしておりますことから、欧州の安全保障に絞って御報告申し上げたいと思います。  冷戦構造が崩壊いたしまして、ヨーロッパの防衛をめぐります地図も一変したことは御承知のとおりでございますが、昔、脅威論につきまして能力と意図ということが言われました。今、ヨーロッパでロシアが攻めてくるということを考えている人はもうなくなったと申し上げていいと思いますが、能力に関して申し上げれば、御承知のようにロシアは依然として核超大国であるわけでございます。即戦力、機動性が著しく低下したということは言われているわけでございますけれども、なお膨大な軍事力を有している、その軍の先行きの不透明感というものはなお存在しているというのが一般的な認識であろうかと思います。  なお、そのほかにNATOの一番南翼でございますトルコ、これはイラン、イラクに囲まれておるわけでございますが、トルコの方は御承知のような状況から、トルコだけがこの冷戦構造崩壊後もなお膨大な軍事力を維持せざるを得ないという状況が続いているというのが、一口で言った環境であろうかと思います。  そういう中で、新しい環境に応じた将来の欧州の防衛をどう考えるのかという模索が始まっているということが言えると思いますが、私は大きく言って三つの流れがあるというふうに思います。  一つは、これはブレジネフが七〇年代に唱えました、いわゆる欧州安保会議の流れをくむものでございますけれども、現在はOSCE、欧州安全保障機構、これが五十五カ国、一番大きな数の加盟国を擁しているわけでございますが、ここでの模索、これはむしろロシアが中心になりまして、欧州全体を包んだ新しい安全保障機構の模索という動きが一つあるわけでございます。それから、もう一つはNATO、これはもう少し詳しく申し上げようと思います。  それからもう一つは、ヨーロッパの中でEUを中心といたしまして、EUは時野谷大使から経済についての報告がございましたけれども、経済のほかにも、政治、外交、防衛、こういった重要基幹政策についてやがて統合していこうという動きが根底にあるわけでございます。この動きと軌を一にして西欧連合という組織がございましたが、今は十カ国でございます。この西欧連合を中心といたしまして、欧州の安全保障は欧州が考えようじゃないかと。これはフランスを中心とした考え方でございますが、この考え方は、以前米国と時々大西洋をめぐりましてさや当てがあったことは御承知のとおりでございます。そういう動きがあるということでございます。  その中で、NATOの動きにつきまして若干御報告を申し上げたいと思います。  NATOは、もちろんかつてのソ連への備えということから大きく役割、目的、任務が変わってまいりました。現在言われておりますのは、いわゆる冷戦対応型から平和維持活動を中心とした政治機構化という動きが顕著に進んでいるわけでございます。  それから、そういう環境、冷戦構造の崩壊を踏まえましてNATOの内部調整という動きが進んでいるわけでございます。簡単に申し上げれば、例えば指揮命令系統を大幅にスリム化していく、あるいはかっては六十五個師団相当の司令部がありましたけれども、それを二十個師団相当にどんどん引き下げていくという作業が今進行中であるわけでございます。  その中で、一番今政治的に注目されておりますのが拡大の問題でございます。昨年のマドリッドの首脳会議で、ポーランド、チェコ、ハンガリーが正式加盟を認められて、来年の四月ワシントンでの首脳会議、NATOは五十周年記念になるわけでございますが、そこで正式に入るということがほぼ既定の事実になっているわけでございます。そのほかになお六カ国加盟を表明している国がある。バルト三国も含めましてあるということは御承知のとおりでございますが、拡大問題は今一段落をしているということが言えると思います。  その中で、欧亜局長から御報告を申し上げました一番の大きな問題は、ロシアの孤立感というものをどういうふうにNATOとしては和らげていくかということが最大の課題でございましたけれども、この問題につきましても昨年のマドリッド首脳会議で一応の妥協が図られて、NATOロシア常設理事会というものが設置されたことは御承知のとおりでございます。  これは、いわゆるNATO側からすれば、NATOの考えでいること、やろうとしていることを逐次ロシアに知らせる、またロシアがいろいろ持っている不安、あるいはいろいろな意見というものを随時聴取していく。そのことによってロシアの不安感あるいは孤立感というものを和らげていこうというのが目的であるわけでございまして、毎月一回ブラッセルにおります常設の、実質的にはロシアの大使でございますが、大使との会合、それから年に二回の外務大臣、国防大臣の会合というものが開かれるようになってきているわけでございます。  それから、もう一つ注目すべきは、同じようなものがウクライナとの間で結ばれました。これは、ウクライナというものが欧州安全保障の将来を考える上でいかに大事かというNATO側の認識というものをあらわしているものでございます。ただ、ウクライナとの常設機構である理事会というのは、ロシアとは実はかなり違っております。これは、両方の合意によって随時開くということになっておりまして、おのずからそこに差はあるわけでございますが、ウクライナ問題というものの重要性がそこからもうかがえるわけでございます。  それから、もう一つ注目されるものは、いわゆるNATOとそれからそのほかの国、具体的には全部で四十四カ国になるわけでございますけれども、いわゆるEAPC、大西洋との間の安全保障の問題を考える大きなフォーラムというものが生まれました。今、驚きますことに、NATOにはスイスとかスウェーデンとかそういう中立国の代表もいるようになったということでございます。  最後に、日本との関係でございますが、やはり欧州がどういう安全保障の姿を描こうとしているかということは、日本にとっても大変重要な問題でございます。かってSS20の問題がございましたように、欧州の軍事力というものがどういうふうに整理されていくかということは、我が国にとっても大変重要でございますので、NATOとの関係の緊密化を図っているところでございまして、十月にNATOの事務総長が参りまして、総理以下貴重な意見交換をしたのもそのためでございます。  以上のとおりでございます。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  次に、ハンガリー国駐箚特命全権大使久米邦貞君。

久米邦貞特命全権大使ハンガリー国駐箚

○説明員(久米邦貞君) それでは、私からハンガリーを中心にいたしまして中・東欧の改革の状況と日本との関係をお話し申し上げたいと思います。  ベルリンの壁の崩壊以来、旧ソ連圏の中・東欧諸国はいずれも改革と民主化に着手をしたわけでございますけれども、その進捗の度合いというのは国によって非常に大きな開きが出てきております。  いずれの国もEU加盟を目指しておりますけれども、EU側の評価では、これが大きく言って二つのグループに分かれておりまして、第一のグループはチェコ、ハンガリー、ポーランド、スロベニアという、中・東欧では四カ国でございます、これにエストニアも入っておりますけれども。それから、それ以外の国が第二グループという分け方になっております。  それからさらに、OECDの加盟との関係で見ますと、チェコが九五年、九六年にポーランドとハンガリーがOECDに加盟するということで、これも一つの改革の進捗状況を図るものになるかと思います。特に、OECDに既に加盟いたしましたポーランド、チェコ、ハンガリー、この三つの国の間におきましても、これはもうどこが進んでいるということは必ずしも一概には言えないわけでございますけれども、三カ国がそれぞれ違ったアプローチをとっております。ある時点をとってみますとこちらの国が進んでいたけれども、また後の時点ではこちらが追い抜くという感じで、まあ抜きつ抜かれつの競争をしておりまして、現時点をとってみますとハンガリーが先頭を走っているのかなという感じでございます。  ハンガリーの改革の非常に大きな特色といたしましては、この国は既に一九七〇年代、コメコン体制の中でいろいろ制約はございましたけれども、市場原理の導入あるいは外資の導入、民営化といったような改革の動きを少しずつ進めてきておりまして、そういう事情。それからさらに、ハンガリーの場合は、この八九年の改革というのは共産圏時代の独裁政党でございました共産党、名前は社会主義労働者党と言っておりましたけれども、その中で改革派が非常に優勢になりまして、改革派が主導権をとって、みずからその民主化、改革の動きのイニシアチブをとった。  それで、多数政党制を導入したのはこの八九年でございますが、それに基づいて九〇年に行いました第一回の選挙では、文化人等を中心としますリベラル派の民主フォーラムというのに大敗をいたしまして、そこでみずから多数政党制を導入して、選挙を導入してみずから敗北したということでございます。その民主フォーラムの路線が当初の四年間、必ずしもうまくいきませんで、九四年の第二回選挙では社会党がまた復帰して現在に至っているということでございます。  そういうことから、現在このハンガリーの改革を進めている政権の中枢の政策担当をしております人たちは、旧共産党時代の方々がかなり残っているということで、かなりの政策の継続性というものが確保されているという面がございます。  結論を申しますと、ハンガリーについては九七年の時点でほぼその改革の枠組みはもうでき上がったということが言えるのかと思います。それはどういうことかと申しますと、まず民営化率を見ますと、GDPの八〇%がもう既に民営化された企業の生み出したGDPということで、民営化率が八〇%に達すると言われております。エネルギー、これは電力とかガスとか水道とか、そういったものはほほ大部分が既に民営化されております。それから、通信等についても民営化が進んでおります。  鉄道とか郵便とか、そういったものはまだ残っておりますけれども、かなり民営化が進んでいる。それから、例えば銀行、金融機関の六〇%に外資が入っております。そういう民営化、外資導入が極めて進んでいるという点が第一です。  第二番目には、貿易、金融、資本のいずれの市場においても開放体制がほぼ枠組みとしては確立してきている。これはOECD加盟には必要な条件でございます。  それから第三番目に、いろいろな法的な枠組みというものが、今後のEU加盟ということを目指して着々とEUの西側体制へのハーモナイゼーションというのが行われておりまして、これも枠組みとしてはほぼでき上がって、あとは例えば環境問題でいえば数値の問題が残っております。それから税制等におきましても、数値は残っているけれども、法制自体の枠組みというものはもうほぼ終わっているということでございます。  それから四番目に、一番大きな問題は、これだけトラスチックな改革をやったわけでございますから、その過程でいろんなネガティブな副作用というものがあったわけでございますが、そういったものが九七年の時点でほぼ克服されたということが言えるんじゃないかと思います。  例を挙げますと、例えば当初の段階では破産法をつくってこれを施行したのは九二年でございますけれども、これに基づいて九二年一年だけでも二千以上の企業が倒産をいたしました。そういうことで、効率の悪い企業のうみをもう出し切ったということでございます。  しかし、倒産あるいはコメコン市場の崩壊というのは大きなリセッションを招き、あるいは失業を招いたということで、それの手当てのために大変な財政赤字をつくって、九四年の時点では経常収支も非常に悪化するし、それから財政も対外債務が非常にふえるということで、いわば双子の赤字の非常に深刻な状況に至りまして、メキシコの危機のときには、第二のメキシコはハンガリーだということすら言われたことがございます。  こういう危機の中でちょうど社会党の現政権が成立いたしまして、緊急安定化措置、いわゆるボクロシュ・プランと大蔵大臣の名前をとって言っておりますけれども、が成立して八%の輸入課徴金とか極めて大幅な平価の切り下げ、公務員の一五%削減、賃上げの抑制、それから大幅な国営企業の外資への売却という非常にトラスチックな措置をとりました。一時は一六%も実質賃金が落ちたという大変な副作用があったわけでございますが、成長率はもとより非常に大きく鈍化いたしました。  しかし、この目的である均衡の回復というのには成功いたしまして、経常収支も九四年の四十億ドルから十億ドルというほぼ四分の一になりつつあります。それから、財政赤字もGDPの八%に達していたのが今四%になっておるということで、成長率も先ほど申した実質賃金も九七年の終わりぐらいから回復基調に戻りまして、九七年の全体の数字は四%ということで、成長率も実質賃金の伸び率もほぼそういう数字に達したということでございます。  インフレだけがまだ一八%というレベルで残っておりますけれども、これはピーク時の三〇%に近いインフレから非常に収縮をして、シナリオに沿ってインフレの幅が下がってきているという状況で、九七年末の時点ではこういういろいろな改革の結果生じた障害というものをほぼ乗り越えたんじゃないかということでございます。  こういうことから、社会党の現政権の人気は非常に高くなっておりまして、ことしの五月に選挙がございますけれども、ほぼ勝利は確実ということでございます。  外政面では、EUの加盟、これは二〇〇〇年までには交渉が終わるということでございますし、それからNATOも先ほど兵藤大使の方から御説明があったとおりでございます。  時間もございますので、この辺で終わらせていただきます。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。次に、ポーランド国駐箚特命全権大使佐藤俊一君。

佐藤俊一特命全権大使ポーランド国駐箚

○説明員(佐藤俊一君) それでは、ハンガリー大使の方からチェコ、ハンガリー、ポーランド三カ国を中心にして中欧情勢の総括がございましたので、それに加えてポーランドの状況をお話ししたいと思います。  私の前の報告の中で、この三カ国が一応民主化あるいは市場経済化に向かって先頭グループであるという話が出ておりました。経済面においては確かにハンガリーは先頭を走っておりまして、例えば国のサイズに比べまして、外国投資の受け入れ実績額というのはポーランドよりも大きい。人口だけとってみましても、ハンガリーが一千万、ポーランドは三千九百万ということを見ましても、いかに市場経済化が進んだかということが言えると思います。  ただし、政治の分野におきましては、ポーランドは直接ロシアと国境を接していたという事情もございまして、いわば八九年の体制変換に至るまでの間は、政治の民主化、いわゆる外交における西欧への回帰という過程ではポーランドが非常に指導的な役割というものを果たしたということが言えると思います。もちろん、国内における連帯というものが持ちました運動が世界史に与えた影響というものはいまだに十分有効であるというふうに考えております。  現在、それではポーランドの国内政治はどういうものかということでございますが、これは昨年九月の総選挙におきまして、これは任期満了選挙でございましたが、コアビタシオンの状況が現出をいたしております。民主左翼連合出身の大統領が大統領府におるのに対しまして、連帯と自由同盟の連合政権が現在政府の座にいるということでございます。ポーランドで難しいのは、民主左翼連合、これは旧共産党の流れでございますが、これが保守勢力としてとらえられている。それから、連帯の方が改革勢力としてとらえられていて、非常に話がごちゃごちゃになるというのがポーランドの特徴でございます。  ただ、現在のコアビタシオンの状況におきましても、外交・防衛問題については国論は一致をしておるということでございます。NATOの加盟、EUの加盟について、与野党とも基本的には全く意見の相違はございません。それから、市場経済化、国内の民主化は、これはもう国論として基本的に全く変わることがないという一つの国民的な合意は確かにございます。  しかし、この国民的合意の中でも、連帯という労働組合に基本を置きました政党が政権の座にあるということとの関連で、民営化とかあるいは国営企業の合理化、これはハンガリーと比べましておくれております。したがって、そういう民営化の過程に起こるいろいろな問題という点については、個々の事例に即してこれから難しい問題に政権は直面する場面があるかもしれません。かような予想が立っております。  それでは、現在、このポーランド経済というものが西側に対してどのような関係を持っているかと申しますと、この経済は非常に好調でございます。もう年間六%ぐらいの経済成長をここ二、三年続けておりますが、これを可能にしておりますのは海外からの投資でございます。この海外からの投資という意味におきましては、ハンガリーあるいはチェコと比べましてまだ法的整備もおくれております。  ただ、EUの加盟交渉の過程の中でこういう法的整備もだんだんと順次できていくということでございますので、そういう意味においては、投資の対象国として、マーケットの大きさから見て、それからロシアあるいはNIS諸国と直接国境を接しているという潜在的な有利性という点において、これから海外投資が非常に盛んになると思います。  ちなみに、旧東欧諸国の中でぬきんでてアメリカの投資が多いというのはこのポーランドでございます。  日本との関係でいいますと、やはり日本の経済界もポーランドには関心を寄せております。ロシア、NIS諸国と西ヨーロッパの間に位置する、そういう経済・地政学的な地位という意味、それからポーランドに、日本の製造業を中心とする技術革新、そういうものがポーランドによい影響を与えてほしいという意味から日本の資本というものを歓迎する基本的な態度がございます。  加えまして、隣国のドイツその他EU諸国の強大な経済力にのみ込まれてはならないという政治的な考慮から、日本及びアジアからの投資というものに大変大きな期待を寄せておるというのが現状でございます。その意味において、韓国が既に一歩先にポーランドには進出しておりますが、最近の経済状況との関係でやはり日本に対する期待がまた大きくなったという状況だと思います。  以上、簡単でございますが、概況を御説明いたしました。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  次に、カザフスタン国駐箚特命全権大使三橋秀方君。

三橋秀方特命全権大使カザフスタン国駐箚

○説明員(三橋秀方君) 私からは、中央アジアの概略と、それから私の任国でありますカザフスタン、キルギスタンの話をさせていただきます。  お手元の地図を見ていただきたいんですけれども、この地図の真ん中辺にカザフスタンという国がありまして、この周りに、ちょっと見にくいんですけれども、ウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、全部で五カ国、これが日本の面積の十倍、人口は五千方、そういう地域であります。  この中央アジアにつきまして、三つほど特徴を説明させていただきます。  一つは、地図を見ておわかりのように、内陸の奥深くに位置しておるということ、かつロシア、中国、イラン、この辺ちょっと見にくいんですけれども、イランとかトルコというような大国に囲まれておるということであります。したがいまして、国際政治上の意味を持ち得る地域ということが言えると思います。  次の特徴は、民主主義、自由経済主義に向かって鋭意改革を進めておるということであります。そのために、欧米、日本の先進国の協力を仰いでやっております。日本も既にこの地域に対して十数億ドルの支援を行っております。  第三の特徴は、これらの国はすべて非常に親日的だということです。親日的な国は世界じゅうに多いんですけれども、この中央アジアの特徴は、国づくりの過程で日本とお近づきになることを非常に重視しているということで、これは特別親日的ということが言えると私は思います。  次に、カザフスタンの説明をさせていただきます。カザフスタンにつきましては、石油の話、中国の話、ウイグル人の話、それから外交全般の話をさせていただきます。  石油につきましては、カスピ海に面しておりまして、このカスピ海に、先ほども千五百億バレルという話が出ましたけれども、膨大な石油が眠っておる。もし推定埋蔵量のとおりとしますと、イラン、イラク、クウェート、アラブ首長国連邦の埋蔵量もしくはそれ以上の埋蔵量がある、こう言われております。ただ問題は、この石油をどうやって外の世界に出すかということが問題になっております。  それから、中国との関係ですけれども、中国はこの石油に最近大変関心を持っておりまして、二カ所で石油採掘権を獲得いたしました。その目的は、この石油を三千キロのパイプラインで中国へ持っていこう、こういう雄大な計画を立てております。百億ドルぐらいの投資を予定しております。しかし本当にそのとおりにいくかどうか、これは注視する必要があると思います。  中国のついでに、ウイグル人を。カザフスタン側に数十万人、それから中国側に数百万人のウイグル人が住んでおりまして、昨年ウイグル人の独立を求める暴動が生じたときには、カザフスタン側のウイグル人が手助けをしたのではないか、こういううわさが流れましたけれども、私はそういうことは絶対にないと、何となれば、もしそういうことがあらわになれば中国は決して黙っていない。もし中国がカザフスタンに対して何らかの行動に出た場合には、これはロシアも黙っていない。もしロシア、中国がカザフスタンに対して何らかの行動をとった場合には、もうカザフスタンはずたずたであります。  したがいまして、カザフスタンにいるウイグル人が中国側のウイグル人の独立運動を手助けするというようなことはカザフスタンの政府が最も恐れていることでありますから、仮にあってもそれは微々たるものであって全体には影響しないものだと私は思います。  それから最後に、外交全般でありますけれども、国づくりに当たって欧米諸国の協力を得ておりまして、特に顕著なのは米国であります。カザフスタンには米国人が五千人から六千人おると言われております。これはほとんどすべての人がカザフスタンの国づくりに関与している人たちであります。ちなみに日本人は百人であります。ただ、ロシアと六千五百キロの国境を接しておりますし、カザフスタン人口の三分の一はロシア人でありますので、ロシアとの友好はやはり外交の基本であります。  最後にキルギスタン、これは極めて小さい国で、人口五百万です。しかし、これは恐らく世界で最も親日的な国だと私は思います。どのくらい親日的かといいますと、大統領が日本から出張してきた課長級の人に会う、そのくらい親日的であります。  以上です。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  次に、ウズベキスタン国駐箚特命全権大使小畑紘一君。

小畑紘一特命全権大使ウズベキスタン国駐箚

○説明員(小畑紘一君) ただいま三橘大使の方から中央アジア全般の御説明がございましたが、それに関連してのウズベキスタンの動き、及び今後日本政府としてこのユーラシア諸国にどういう政策をやっていくのかということについて御説明させていただきます。  中央アジア五カ国は民主化及び市場経済化のために改革を行っておりますが、その程度は各国によって違っております。大きく分けますと、最も自由化が進んでいるのがカザフスタン、キルギス、タン、そして極めて緩慢に行われている国がウズベキスタン、トルクメニスタン。なお、タジキスタンは現在内紛中でございますので余り改革が進んでいないという色分けができるかと思います。  それで、ウズベキスタンの改革が非常におくれているというのは、これはよい面、悪い面がございまして、よい面につきましては、社会がそれほどの混乱が起こっていないということで、非常に安定しているということでございます。したがいまして、皆さん方がウズベキスタンに来られても、真夜中でも女性の方が一人でも歩けるというようなほど治安は安定しております。しかしながら、改革がおくれているということは、やはり現在のシステムでもって利益を得ている人が多いということで、なかなかこの制度を変えようとしないという、いわばある意味では悪の世界が広まりつつあるということもまた一方では現実ではないかと思っております。  ウズベキスタンの今後の発展にとっての問題点は、やはり陸の孤島ということでございまして、ウズベキスタンは世界でも唯一の二つの国を通らないと海に出られないという宿命を負っている国でございます。したがいまして、ウズベキスタンの南側にありますアフガニスタン問題というものが早く解決されてくることを非常に願っております。ここが安定化することによってアフガニスタン、パキスタンへの海への出口が近くなる、開けるということで、このアフガニスタン和平のために日本がさらなる貢献をやってほしいというのが彼らの切なる願いになっております。  外交につきましては、ロシアからの依存をなるべく軽減しようということでいろいろなことをやっておりますが、先ほど申しましたアフガニスタンとの国境が封鎖されておりますので、どうしても経済関係は北ないし東西に行かざるを得ないということで、ロシアとの関係を正しいものにするためにもアフガニスタン問題というものが非常に重要になってきております。  基本的には対米依存度を深めるということでございまして、これはやはりロシアからの自立を求めるためには、それに対する国としてアメリカというものが非常に重要であるという認識のもとにアメリカへの傾斜を深めております。それとともに、日本に対する期待度が非常に高うございます。これは、日本が戦後焼け野原から今日のような世界第一の経済国になったということで、我々アジア人としてもこのアジアの大先輩を見習って自分たちの国づくりをやっていきたいということでございます。  特に、カリモフ大統領は非常に日本に熱い視線を送っておりまして、小渕恵三先生が去年の七月、まだ外務大臣になられる前に来られましたが、そのときにも、ウズベキスタンは中央アジアにおける日本の利益を代表する国となり得る用意があるという発言をされましたが、これほどまでに日本に対して日本との関係をよくしようという希望を強く持っているところでございます。  また、ウズベキスタンは御承知のとおり日本とサッカーの試合を何回もやりまして、そのおかげで日本との関係がまた深まっているということでもありますし、シルクロードの主な遺跡がこのウズベキスタンにある、サマルカンド、ブハラ、ヒバというところにあるということで、日本の観光客の方もどんどんふえております。昨年は四千名ほどになりまして、今、外国の観光旅行者としては一番多いのが日本ということになっております。  日本政府が今後この地域に対してどういう政策をしていくかということに関しましては、昨年七月、橋本総理大臣が経済同友会でユーラシア外交についての包括的なスピーチをされましたが、その中で、特にシルクロード地域に関しましては、信頼と相互理解の強化のための政治対話、繁栄に協力するための経済協力や資源開発協力、三番目に核不拡散や民主化、安定化による平和のための協力という三つの柱を出され、これに対しての具体的な措置というものを今政府部内で検討し、これから実行に移していこうというところでございます。  特に、政治対話に関しましては、まだ日本の総理がこれら地域に行っていないということで、ぜひこれを実現したいというのが大きなところでございますし、さらに皆様方、議員交流等々につきましてもさらにやっていただければ非常にありがたいと思っております。  経済協力につきましては、先ほど石油、天然ガスがあるということで、今後この地域の資源開発について政府としても全面的に協力していくということでございます。  それと最後の、核不拡散や民主化、安定化による平和のための協力につきましては、この地域のタジキスタンの紛争及びアフガニスタンの紛争に対し、日本政府としても人的な協力及び財政的な協力をしながら和平のために貢献していくという方針を立てております。  以上でございます。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) ありがとうございました。  それでは、これより質疑を行います。  本日は、あらかじめ質疑者を定めず、委員各位に自由に質疑を行っていただきたいと存じます。  質疑を希望される方は挙手をし、私の指名を待って発言いただきたいと存じますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。  なお、多くの委員が発言の機会を得られますように、まことに恐縮でございますが、一回二分以内ぐらいに一間の質疑をおまとめいただくようにお願いいたしたいと存じます。また、御答弁もなるべく簡潔にお願いしたいと存じます。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。

高野博師公明

○高野博師君 中央アジアに関して一つお伺いしたいんですが、去年の九月に、ここにいらっしゃる広中先生を含めまして五人でしたか、カザフスタンとウズベキスタンにお邪魔をしまして、お二人の大使には大変お世話になりましたので、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。  実は、中央アジアに関しては、きのうまではよく見えていたんですが、ゆうべ飼料をちょっと見ていましたら、ここの石油の埋蔵量というか資源がそれほど多くないんだという論文がありまして、これだと一体どういうことなんだと。実際に、この中央アジア三カ国の日量八十三万バレル、これはペルシャ湾七カ国の合計が世界全体の二八%に比べると、世界全体のわずか一%にすぎない。  それから確認埋蔵量も、カザフスタンとトルクメニスタンとアゼルバイジャン三カ国を含めて百五十一億バレルあるいは二百八十五億バレルで、世界全体の一・五から二・七%ぐらいだということが書いてあります。ペルシャ湾全体が世界の六五%を占めるのに比べたら、もう取るに足らない量なんで、こんなわずかな石油の埋蔵量をめぐって、ロシアも中国もアメリカも日本も含めて、なぜこういう複雑な政治外交の動きをしているのかなという疑問を持ったんですが、けさの西村局長のお話だと一千五百億バレルぐらいあると。  こうなると、世界全体の一〇%になるとまた話は全然違うものですから、一体どのぐらいあるのか。先ほどの三橋大使も、カスピ海の方がペルシャ湾よりもひょっとしたら多いんじゃないかというお話が今あったものですから、この石油の埋蔵量がどのぐらいあるかというのは物すごく大きな話ではないかなと。  この中央アジアを見る一つの視点は、石油資源、天然ガスということだと思うんですが、その辺ちょっと確認したいと思っているんですが、いかがでしょうか。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 高野先生のおっしゃられますとおり、識者によりましていろいろな推計が出ております。私が申し上げました千五百億バレルの石油埋蔵量及び天然ガスの約八兆立方メートルの埋蔵量という数字は米国の国務省の資料によるものでございます。  しかしながら、現在この地域におきまして、先生もよく御存じのことだと思いますけれども、石油のメジャーが大きな関心を持ちましてほとんど進出をしているわけでございます。その他の私企業も巨大な関心を示しているわけでございまして、種々の機関及び組織によりましていろいろな調査が行われておるわけでございます。その結果は区々ばらばらであるという点はもしかするとあるかもしれませんけれども、そういう世界のメジャーが巨大な関心を持っているという商業的な事実は厳然としてあるんだろうと思うのでございます。  したがいまして、その背後にそういう投資を正当化するに足る相当の埋蔵量があるという確信のもとで行われていることではないかというふうに思います。

三橋秀方特命全権大使カザフスタン国駐箚

○説明員(三橋秀方君) 恐らく、先生がわからなくなってしまったとしたら、それは確認埋蔵量と推定埋蔵量のところがごちゃごちゃになって新聞で報道されていることの結果だと思います。

高野博師公明

○高野博師君 ありがとうございました。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 西欧主要諸国の国内の政治動向についてお尋ねをしたいと思います。  松浦大使にお伺いしたいわけでありますけれども、お話にもありましたとおり、昨年五月、ジョスパン内閣が設立をされて、そしていわば野党の革新勢力というか、社会主義的な発想をより持つ傾向の強い内閣が組閣されたということを伺っております。また同時に、イギリスでも労働党が選挙で勝利をしている。  これをひるがえって見ておりますと、一九八〇年代から九〇年代の初頭にかけてというのは、いわゆるアメリカではレーガノミックス、そしてイギリスではサッチャリズムというような形で、小さな政府、そして規制緩和という形で実際に経済の活性化が図られ、税制改革も減税を中心としたものになってきていたわけであります。  ところが、それによっていわゆる所得の格差であるとか、あるいは政府の社会保障サービスの低下といったような問題が生じ、それが一つの不満の土壌になって、経済の活性化には成功したけれども、実際には国民から否定される選挙の結果につながるという状況が近年出てきたのではないかというふうに私は推測をしているわけであります。  こうしたイギリスあるいはフランス国内の政治動向というものは、そうした小さな政府志向に対する反動として出てきているのか、それは一過性のものなのか、新しい政府の形を求めるより構造的なものを持っているのか、どういうふうに大使は国内の政治情勢を分析されておられるのか。  そして同時に、これはお隣の国になりますけれども、ドイツは近々選挙があって、これでコール政権が負けますと、ほぼ主要国において小さな政府志向で政権を掌握していたところがすべてなくなるわけでありますので、欧州全体のそうした政治動向とかみ合わせて御見解をいただきたいと思います。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 先生御指摘のように、欧州の主要国におきましては、保守党の時代から社会党の時代にまた戻りつつございます。私が今戻りつつあると申し上げておりますのは、先生が引用されましたイギリスにおきましても、サッチャーが登場する前はまさに労働党が政権をとって、これがほかの主要国でも、でこぼこはございますけれども見られた状況でございましたが、今また先生が御指摘のような、保守党の時代が一段落してまた社会党の時代に戻ってきています。  ただ、フランスについて申し上げれば、ミッテラン政権が十四年続き、そしてシラク大統領が誕生してわずか二年の後にまた社会党に戻ったわけでございます。ただ、これを細かく見てみますと、ミッテラン政権の最後の二年間は、先ほどちょっと私が申し上げましたコアビタシオンとは逆の形のコアビタシオン、つまりミッテラン大統領は社会党ではあったけれども、内閣及び議会は保守党が握っておりまして、ミッテラン大統領も政権の末期でございましたのでかなりそこに任せておりましたから、いわば保守党が四年間政権をとっていたということが言えるかと思います。したがって、そういう反動が起こっているわけでございます。  そういう反動が起こった理由は、先生が御指摘のほかに、私の見ますところ、やはり政権を長年とっておりますといろいろスキャンダルが起こる、そういうことから国民のイメージが非常に低下したということ、これはイギリスについてもフランスについても同様でございます。根本的には先生御指摘のような点がございますけれども、そういうスキャンダルの要素もかなりございます。  もう一つ私が申し上げたいと思いますのは、それではイギリスの労働党なりフランスの社会党の側において変化がなかったかというと、実はその前政権をとっていたときよりも変わっておりまして、これはイギリスの労働党が典型でございますけれども、決してクラシックな社会主義じゃございません。  他方、フランスにつきましては先生御指摘のように、四月、五月にかけての選挙戦の最中は社会党は明らかにクラシックな社会主義を提唱いたしました。ところが、選挙で勝って内閣を組織いたしますと、なかなか現実はクラシックな社会主義では対応できないということで軌道修正してきております。しかしながら、イギリスの労働党に比べましてまだまだ伝統的な社会主義によっております。  例えば、具体例を挙げますと、選挙戦の途中は国有化を元に戻して民営化反対ということを提唱しておりましたけれども、結果的には、ミッテラン時代に推進した国有化を保守党が民営化していましたが、それを今踏襲して民営化を続けております。これはやはりクラシックな社会主義では対応できないという一例でございます。したがいまして、保守党の方もそういう問題がございますけれども、社会党の方も現実に歩み寄ってきておるということは言えるかと思います。  それから、ドイツにつきまして私がパリから見ている印象でございますけれども、この秋の選挙では先生御指摘のように、SPD、社会民主党の方がより有利だと言われております。まだ今の段階で断言するのは早いわけでございますけれども、仮にSPDが勝ちますと、御指摘のように主要な三カ国で社会党が政権をとるということになります。ただし、その社会党も今申し上げましたように、中身といたしましてはクラシックな社会党をかなり軌道修正しているということがございます。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 松浦大使にお尋ねいたしますが、失業率が一二・五%ぐらい、大体一二%から一三%ということでありましたが、結果的にはフランスにおける外国人の労働者というかそういう若い人が失業しておって、本来的に言えばフランス国民というかフランスの白人といいますか、そういう人たちは失業率からいえば高くないということだと思うんです。  去年、ルアーブルへ行きまして、実はあそこは一九七〇年代にもう随分たくさんのアパートがあって、そこがスラム化しちゃってそれを今直しつつあるということでありますが、結果的には都市政策というか都市再開発をやろうということで非常に取り組んでおられますね、フランスは。  そういうことで、労働政策の問題で非常に今フランス政府としても、若い人の中でもそういう外国人というか外から来た人たちが非常に多くの失業を抱えているということなんで、これからどういうふうにフランスの雇用政策というのが推移していくのかちょっとわかりにくいんですが、非常に積極的にやっていらっしゃることは確かなんだと思うんですよ。そういう点でどうですか、コメントがありましたらひとつお尋ねをしたいと思うんです。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 先生御指摘のように、フランスの失業率は一二%を超えておりまして、先ほどちょっと申し上げましたが、正確に申し上げますと、今ちょっと下がっておりまして一二・二%でございますけれども、わずかながら改善をしたという状況でございます。これは先ほども触れましたフランスのマクロ経済が好転してきているということを反映しております。  しかし、先生御指摘のように、この中身を見ますと、特定の層にかなりしわ寄せをしている。私は先ほど若い人たちと女性を申し上げましたけれども、先生御指摘のように外国人労働者もしかりでございます。したがいまして、そういう層の中では非常に不満があるというのはこれまた御指摘のとおりでございます。  フランス政府のそれに対する対応は、一つはマクロ経済的な対応、つまりフランスの経済をできるだけ成長させて、需給ギャップを少なくして失業率をできるだけ減らしていくということでございます。フランスの今の失業率の半分から三分の二は構造的な問題に基づいていると言われておりますので、残念ながらフランスの経済が非常に活性化したとしても限界があるということで、やはり構造的な問題に取り組む必要があるということで対応しております。  しかしながら、構造的な問題というのはなかなか難しゅうございまして、一つは構造的な問題というのは、先生もちょっと御指摘がございましたけれども、地域的な問題、特定の地域に集中している、それから特定のセクターに集中しているということは、先ほどの特定の層に集中していることとあわせてまた問題がございますので、そういうものを解消していく。ですから、地域間の労働の移動をできるだけスムーズに動くようにするとか、それから職業再訓練をして、特定のセクターではもう使えないけれども、新しく伸びていくセクターでは使えるようにするとかですね。  それも、割にフランスは伝統的なクラシックな教育に力を入れていますけれども、もう少し職業訓練を取り入れた教育を最初からやろうと。それから今、革新内閣になりまして政府が力を入れて雇用を伸ばしておりますが、先ほど申し上げました構造問題に対応する点については保守も支持しておりますけれども、政府部門では、雇用をふやすということには非常に保守は反対しておりまして、これはちょっと今争点になっております。  ですから、見通しで申し上げますと、私が今申し上げました構造問題で失業率が高いというのはヨーロッパ共通でございまして、フランスだけではございません。ですからEU全体の失業率も一一%を超えておりまして、ほかの国も同じような問題を抱えております。少しずつは改善していくと思いますけれども、なかなかこれを一挙に解決するというのは非常に難しいのではないかというふうに私は今非常に同情的に見ております。  しかしながら、方向としては、これは何かしないと国民の不満はおさまらない。先ほど武見先生からも御指摘ございましたけれども、政権の交代というのが起こる、特にフランスにおいて起こる理由は、雇用問題に対する対応についての不満が大きな原因になっておりますので、今の革新内閣もここをしっかりやりませんと、今のところは国民の支持を得ておりますけれども、やはり国民はそれではまた保守に政権を渡そうかということになりかねないところがございます。

齋藤勁民友連

○齋藤勁君 ただいまの御質疑と関連するんですが、構造的問題だという失業者の問題です。失業者の中でも若年失業率が高い、それから女性が多いということ、ヨーロッパ共通だということはなぜなんだろうかと。一般的な感じとして中高年層の失業者がふえているんではないかという見通しですが、若年者、女性ということがヨーロッパの構造的問題なんだ、失業率が高いんだということについては、どういうふうに分析されているのかなというのが一つございます。  それから、ドイツも何か非常に失業者がふえているということで、五百万人ぐらいというようにちょっと最近私も問いたことがあるんですけれども、それもこれからの政治決戦といいましょうか、大変大きな影響を見せるんではないかなというふうにも思います。きょうはドイツ大使の方はいらっしゃいませんが、後段は結構です、前段の方をお聞かせいただければというふうに思います。  あともう一つは、一昨日、昨日の会議でロシアの動向ということでいろいろな角度から、日ロ関係含めて御検討されたようでございますが、当面イラク問題、国連査察問題で、きょうあたりの報道を見ますと、アメリカに対してロシアの大統領は違うコメントを発信しているわけなんですけれども、何かきのうとおとといの会議の中でイラク問題について何か議論があったのかどうか。なくても、ヨーロッパ全体に大きな影響力があろうと思いますので、お聞かせいただきたいというふうに思います。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 先生御質問の、なぜ若年層、女性に失業者がしわ寄せをしているかという点でございます。  一つは、フランスの場合は一たん雇用しますとなかなか解雇がしにくい。解雇の手続が非常に雇用者から見ますと複雑になっているのみならず、極端に申し上げますと、無理やり解雇すると裁判に訴えられる。裁判が長く続いて結果的には雇用者が負けるということもございまして、したがって最初の段階から雇用に当たっては非常に慎重でございます。  ですから、企業の関係者の話を伺いましても、先ほど好景気のときは雇用者がふえるということもちょっと申し上げましたけれども、それは当然なんですが、具体例で申し上げますと、本来二百人の企業が非常に好景気なんで二十人ふやしたいと。しかし、不景気になったときにまた二十人の首を切れないから、まあこれはちょっと五人ぐらいで我慢しておこうと、こういうことがございます。したがって、最初の段階でなかなか慎重になってきている。そういうことで若年層なんかにしわ寄せをしているということがございます。

西村六善外務省欧亜局長

○政府委員(西村六善君) 今御質問のございました、イラク問題との関係で欧州大使会議においてどういう議論が行われたかという点でございますけれども、先生御指摘のとおり議論はいたしたのでございます。もともと実は予定にはなかったのでございますが、この問題の緊迫性にかんがみまして、イラク問題の担当部局から説明を聴取した次第でございます。  この説明は、基本的にはイラク問題の現在の情勢、特に国連におきまする議論の推移、それから米国がどういう外交活動を行っているかということについての全般的な説明でございます。特にヨーロッパとの関係におきまして、具体的に何かを動かすというような話ではなかったわけでございますが、問題の緊迫性からしまして、各大使がもうすぐ任国へ帰るわけでございますけれども、任国との一層の十分な連絡通報とそれから政策調整を進めていこうという意思決定をしたわけでございます。  ロシアとの関係でございますけれども、ロシアが先生が今おっしゃられましたようないろいろな動きをしていることはかねてから明らかであったわけでございますけれども、この背後にあります考え方は、特にプリマコフ外務大臣が就任して以来でございますけれども、ロシアの外交政策の一つの基本的な基調をなしているものでございまして、それは多極化の国際社会を追求するという考え方でございます。したがいまして、そういう考え方のもとにおきまして、いわば全方位的な外交を進めるというのがロシアの現在の外交の基調をなしているわけでございます。  このことがいろいろな問題においていろいろなあらわれ方をしているわけでございまして、イラクの問題につきましても、数度にわたりましてロシアの特使がイラクに参りまして、イラク政府と交渉したりしているわけでございます。アメリカとの関係も、いろいろな局面においてロシアとアメリカが行っているわけでございます。エリツィン大統領が、確かにきょう新聞で報道されましたような発言をされたようでございますけれども、それも今私が申し上げました基本的なそういう方向性のもとでの話であるわけでございます。  しかしながら、この問題はロシア一国が決められる問題でもございませんし、安全保障理事会、国連の場におきまする議論と、それからアメリカを中心とします各国の調整の過程で事態が進捗していかざるを得ないわけでございまして、ロシアはロシアなりの態度をとっているわけでございますけれども、最終的には安全保障理事会でどういう態度をとるかということにかかっているのではないかというふうに思います。

広中和歌子民友連

○広中和歌子君 きょうは、各国大使から本当にすばらしい現場のお話を伺うことができて、大変幸せでございます。  欧州統合に関しましては、もうかなり前から、紛争の世紀と言われた二十世紀におけるまさに壮大なすばらしい希望のある実験であるというふうに思っていたわけでございますが、多くの困難を克服しながらついに通貨統合の方向に、さらには政治的に、そして文化的にもさらに一体化していくんじゃないかと思うのでございます。  その中で、言語の問題です。パスポートなんかはかなり自由になっているわけでございますけれども、ご札から経済の点で、自由主義経済の中で非常に成長率の大きいところとそうじゃないところと、いろいろな多様性が出てくると思うのでございますが、労働の流動性とそれから言葉の問題についてどういうふうな認識を持たれているのか。これはヨーロッパの方々に伺った方がいいのかもしれませんけれども、言語教育も含めまして、何か先を見通した政策というのがあるのかどうかということを伺いたいわけでございます。  それから、EUの統合でそれぞれの国の相対的な政治的なリーダーシップというのがむしろ低下するのか、各国の独自性というのがどういう形で維持されていくのだろうかということの予想みたいなものをおっしゃっていただけたらと思います。  特に、対ロシアに関してでございますけれども、二年前でしたか、欧州議会でコール首相の約二時間にわたる演説を伺ったことがございますけれども、欧州の傘をロシアまで広げていこうという壮大なスピーチでございました。しかし、そうしたことに関して、例えばフランスとの間に対ロシア政策に対して温度差があるのかどうかということでございます。今、欧亜局長はロシアは多極化の外交政策、全方位外交を展開しているんだというふうにおっしゃいましたので、ヨーロッパの意向だけではもちろん動かないわけでございましょうけれども、ヨーロッパ、ロシア、そしてアメリカとの関係についてお述べいただけたらと思います。  何かポイントが余りはっきりしないような表現で大変恐縮でございますが、そういった趣旨のことについてお答えいただければと思います。

時野谷敦特命全権大使欧州連合日本政府代表部在勤

○説明員(時野谷敦君) どの程度お答えできるのかちょっとわかりかねますが、言葉の問題は、例えば欧州の人たちが同じような言葉をしゃべるといった種類の先を見通した政策があるというふうには私には思えません。  むしろ、欧州の統合というのは統合なんですけれども、やはり各国のアイデンティティーといいますか、自分たちの国というのはこういうものだ、そういうものはやっぱり大事にするというのが現実なのではないかと思います、言葉も含めて。  ですから、先生御承知のとおり、EUの議会なんかに行きますと、ありとあらゆる言葉、すべての言葉に通訳を入れてやっている。そういう方策で言語の障害は乗り越えよう、こういうことなのではないかと思います。それとの関連における労働の流動性はない、こういうのが目下の状況で、まさにそれがEMU実現に当たっての一つの問題点とされているわけですが、徐々にこの点は改善されるということだとは思いますが、特にそのために何かをするかと。  一般的に労働市場の柔軟性、あるいは労働市場の賃金の下方硬直性を直す、こういった種類のことはいろいろと議論されていますし、そのための方策は進んでいると思いますが、流動性そのものをとらえての政策というのは特にないというのが現状ではないかと思います。  それから、三番目の各国の相対的なリーダーシップのあり方いかんということは、リーダーシップというのはやっぱり残るんじゃないかと私はとりあえず思いますが、それはどういう種類のリーダーシップになるかと。つまり、方向はやっぱりEUというものを前面に担いだ形でのリーダーシップということをますます志向していくということになると思いますが、いずれの国も、リーダーシップをとることに意欲的に取り組むということにEUの統合が進むに従って何らかの変化が生ずるということではむしろないんじゃないかと思います。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の点について、フランスから見た感じを申し上げます。  第一の点に関しましては、今、時野谷大使がブラッセルから見た感じを言われまして、まさにその通りで、御承知と思いますけれども、フランスなどはフランス語、フランス文化というものに伝統的な執着がございます。EUの統合と全く別な次元で、国内におけるフランス語をしっかりやっていくというのは当然ですけれども、これもEUを超えた世界的な規模でフランス語の普及を図るということで、フランス語圏サミットというのをつくりました。二年に一回首脳会議を開いて、昨年の十一月もハノイで開かれて、これにさらに事務局もつくりました。事務局長にブトロス・ブトロス・ガリという前の国連総長を持ってきて、恒常的に外務大臣会議等々という組織をつくって、これには五十カ国前後の国が参画しております。  このフランス語というものを中心にフランス文化というものを、ヨーロッパ国内は無論ですけれども、世界全体に浸透させようということです。ですからこの欧州統合は、先ほど来申し上げたように、フランスは一生懸命やっていますけれども、それと別の次元で自分のところの文化というものをしっかり確立していこうという政策、これはもう未来永劫変わらないと言っていいんじゃないでしょうか。  それから、二番目の各国のリーダーシップの点に関しましては、通貨統合されますとフランスの中央銀行は残りますけれども、欧州中央銀行のいわば支部みたいなもので、そこで決定が行われたことを単に実施するということで、金融政策に関しては明らかにもうリーダーシップを失いますけれども、財政政策というのは各国が持っております。それから、まだまだ経済政策全体については各国がやっていくという姿勢でございますから、そこから金融は抜けますが、各国でやります。  それから、政治に関しては、全体としてできるだけ政治・外交は意思疎通をよく図って一本化しようなんて言っていますけれども、これはなかなかできませんものですから、政治・外交というのはあくまでも各国のリーダーシップの発揮できる分野として残っていくと思います。  ですから、統合というのは経済の分野では相当進みましたし、これはこれで評価しなければいけませんし、そして金融政策など抜けていくところはありますけれども、まだ各国のリーダーシップというのは相当残っていくというふうに考えた方がよろしいと私は思います。  それから、先生がその次に御指摘の対ロシア政策というのは、まさにドイツとフランスが組んでエリツィン大統領を立てて、ロシアの市場経済移行、民主主義の確立ということをしっかり支援してロシアをできるだけ国際社会に取り込むと。ロシアの中で極右、極左が再台頭するとかつてのようにロシアがヨーロッパから見て危ない存在になる。  先ほど兵藤大使から、今ヨーロッパではだれもロシアがヨーロッパに侵攻するということは考えてない、ロシアはヨーロッパにとって脅威でなくなったというお話がございましたけれども、まさにこの状態を続けるというのがドイツにしろフランスにしろ最大の眼目でございます。そのためにはエリツィンを守り立てていくということで、去年の十月に欧州評議会というのがあり、欧州議会というのは御承知のようにストラスブールにございますが、私は代理で出席させてもらいましたけれども、そこにはエリツィン、コール、それからシラクと三首脳がそろいまして、これから三首脳の会談もやるということも打ち上げまして、恐らくこの春にやると思います。  これは、ヨーロッパの中でもフランス、ドイツが組んで対ロシア政策のちょっと独自の行き方をしていますけれども、アメリカとの関係においてとらえますとますます独自な行き方をしようと。先ほどもお話がございましたけれども、シラク大統領がよく言う言葉に多極化という言葉がございます。これはロシアが言う多極化とちょっとニュアンスが違う点もあるんですけれども、共通点もありまして、アメリカが世界を一極支配することに甘んずることはできない、やはりヨーロッパというものがもう一つの核にならなきゃいけないと。  それから、ちょっと脱線しますけれども、そういうときにぜひ日本もしっかりした核になってほしいということをあわせて言っておりますけれども、ヨーロッパの中でも、特にフランスとドイツが手を組んでやろうというところがフランスには非常に強く出ております。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 おくれて参りまして申しわけありませんでした。  私が伺いたいのはNATOの拡大の問題なんですが、その実態がどういうことなのか、影響がどうなのか。あるいは、アメリカの意図と実態がちょっと違うんじゃないかという気もしますが、これは兵藤大使からお答えいただけますか。

兵藤長雄特命全権大使ベルギー国駐箚

○説明員(兵藤長雄君) 冒頭に若干御説明したのでございますけれども、NATOの拡大を希望している国は九カ国あったわけでございます。そのうちの三カ国は御承知のように来年の四月に正式に加盟が決まった。そこで、あと六カ国のうちの旧東欧圏、これは御承知のようにルーマニア、スロバキア、ブルガリア、スロベニアがあるわけでございますが、こことそれからバルト三国との周には相当大きな距離があるであろうというのがNATOの周辺の大体一致した見方でございます。  バルトの加盟ということが実際の日程に上がってきたときには、ロシアとの関係というのはかなり複雑、場合によっては緊張することもあり得るということであろうかと思いますけれども、御承知のように、来年の四月まではいかにこの三カ国、ポーランド、チェコ、ハンガリーの加盟の手続を進めるかということで今一休止しているところでございます。その役とういう形で拡大問題か再び浮上するのか。そこにバルトが入るという形で浮上いたしますと、かなりこの問題がまた複雑な様相を呈するということはございます。  それとの関連で常に問題になるのがロシアでございます。ロシアにつきましては、田先生御承知のとおりのメカニズムができまして、それでNATOが今必死になっておりますのは、何とかロシアのNATO拡大に対する警戒心といいますか、反発心というものを実際の常設理事会の場を通じて一つ一つ除去していくという地道な努力を恐らく始めているところだろうと思います。  私も、毎月一回ロシア大使か出席して常設理事会が開かれるわけでございますけれども、その後詳しく話を聞くわけでございますけれども、もうNATO拡大はけしからぬとかという議論は過ぎて、今はもっと地道な、ロシアとNATOがどういう協力をしたらいいのかと。  例えば、平和維持活動でボスニア・ヘルツェゴビナにロシアも協力しているわけでございますけれども、このSFORと言われる安定化部隊、もうすぐ期限が切れるわけでございます。その後をどうしようかというような非常に具体的な議論でございますとか、もっと地道な軍事的な協力関係、例えばNATOでお手伝いすることにどういう分野があるだろうかと。例えば軍需産業の民営化というような問題がある、あるいは退役軍人、大幅に兵力を削減させますとかなり職業転換の問題が出てくる。それにどういう形でお手伝いができるであろうかとか、あるいはもうちょっと進んで、平和のためのパートナーシップというプログラムがロシアともあるわけでございますけれども、これは東欧はかなり進んでおります。  その面で、具体的にもう既にロシアの三つ星の将軍がNATOの軍事代表部に来ております。私もNATOの廊下を歩きますと、ロシアの軍服を着たゼネラルが歩いていると隔世の感がするわけでございます。そういう人たちは、軍人同士でどういう具体的な協力、まあいきなり共同演習というわけにもいかないわけでございますけれども、どういうところから軍事的な交流を始めることができるかというような話し合いか今始まろうとしております。  NATOの中におります旧ソ連の軍人さんは言葉はほとんどロシア語以外しゃべれないということで、今はとりあえず西欧社会にどういうふうに適応していくか、その中でNATOというものをどういうふうに彼らとしては使っていくかという、恐らく模索の段階にあるんだろうという気かいたします。  現状を御報告すれはそういうことでございます。

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 ありがとうございました。

伊藤基隆民友連

○伊藤基隆君 ハンガリー大使にお伺いしたいわけですが、ハンガリーの位置づけというのは地理的、政治的にも東欧と西欧との関係で非常に重要な位置づけにあるというふうに私は思っております。実は、私はかつて議員になる前に国際郵便電信電話労連の副会長をやっておりまして、ハンガリーの郵便労組の組織加盟の問題が検討されたときにタッチいたしました。  ハンガリー郵便労組の書記長は、かつて彼はコミュニズム政党の党員であったわけですが、その当時、一九九四年ですから社会党員でありましたけれども、各般にわたって議論してみて、必ずしもコミュニストではないという感じを私は持っておりまして、それが盛んに加盟をしたいということで応援してくれという話でありました。  当時、ヨーロッパの組合の中でこれを支援したのはドイツとオーストリアだけで、他は非常に冷淡でありました。私は、加盟決定の会議の中で、東ドイツに居住したドイツ人が西ドイツに移動するときにハンガリー政府が果たした役割について、オーストリアとの国境をあけて西ドイツとの連携をとったということについてみんなに話しました。  このことはドイツ人とオーストリア人はよく知っておりましたけれども、フランス人、イギリス人は余り知らなかったというか、ほとんどその事実についての認識がなかった。それがハンガリーの郵便労組の加盟に冷淡であったということは、類推すると、必ずしも正しくないかもしれないけれども、ハンガリーに対する見方かヨーロッパの中で分かれていたのではないかというふうに思っております。  今、NATO加盟が決まって、さらにEU加盟についての議題になっているという話でありますが、ハンガリーとヨーロッパ主要国との関係というのは、ドイツないしはそれ以外との差異は今もってあるのかどうか、将来的にどういうふうになっていくのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。

久米邦貞特命全権大使ハンガリー国駐箚

○説明員(久米邦貞君) 当時の九四年から現在まで四年経過しておりまして、ドイツ、オーストリア以外の欧州各国のハンガリーに対する認識というのも大分変わってきているんだろうと思います。  それから、先ほど先生か言われたような、東独の人間を多数ハンガリーからオーストリアの国境をあけて逃がした。これがベルリンの壁崩壊のきっかけになったわけでございますけれども、そういうこととか、あるいは先ほど私が冒頭に申し上げました市場経済原理の導入とか民営化の導入、外資導入というのをほかの国に先駆けて早くから実施してきたというような、体制転換に当たっての先駆的役割とか指導的役割というものについては、程度の差はあると思いますけれども、欧州の各国とも認識をしているんじゃないかと思います。  ただ、経済面になりますと、地理的な近隣性、あるいは歴史的な、オーストリアは特にオーストリア・ハンガリー帝国というのがずっと第一次大戦まで存在していたわけでございますし、そういう過去の歴史の共有。それから、ドイツもそういう意味では、第一次大戦、第二次大戦を通しての同盟関係というようなこともございまして、確かに投資面それから貿易面で見ますと、特にドイツは首位を占めている。オーストリアは国が小さい割には非猪に大きなシェアを占めているということでございますが、イタリア、フランスなんかも最近は非常にシェアを伸ばしてきておりまして、投資面、貿易面、それから現地の銀行なんかを見ていましても、イタリア、フランスあるいはオランダあたりの銀行が多数進出しているというのが現在の状況かと思います。

吉田之久民友連

○吉田之久君 佐藤大使にまず一点お伺いいたしますが、ポーランドはその昔ロシアから軍事介入を受けて、一時期そういうことがありましたが、その後遺症というようなものは大体なくなってきているのかどうかという問題が一つ。  それから、松浦さんにお聞きしたいんですが、フランスでは緊縮財政をとりながら成長率が伸びていると先ほど伺ったように思うんですが、それかうまくいかなくて日本は今悩んでいるわけなんですが、事情、背景、知恵の出し方、どの辺が違うんでしょうか。

佐藤俊一特命全権大使ポーランド国駐箚

○説明員(佐藤俊一君) ロシアとポーランドの関係は、直接国境を隔てておりますので、過去の歴史的な事実というのは常に政治の主要課題の一つにその背景として登場いたしております。  最近は政権の交代がございました関係で、かって八九年以前に個々の有力な政治家がロシアとどういう関係にあったのかという点について、つまりロシアに協力に近い立場をとったかとらなかったかという点は常に問題になるということでございます。ロシアに対する一般的な警戒感というものは、これはもう依然としてあるわけですが、それに加えまして八九年以前の関係というのは、いまだに政局の例えば背景として、要素として生きていると思います。ただ、今ポーランドは西側に向かって国を開いている段階でございますので、この問題も年々取り扱いが小さくなってきている、こういうのが現状でございます。

松浦晃一郎特命全権大使フランス国駐箚

○説明員(松浦晃一郎君) 先生御指摘のように、フランスは統一通貨に参加するために財政赤字を大幅に切り下げてきておりまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、六%、五%、四%、そして去年が恐らく三・一%ということで、かなり緊縮財政を組んできております。  他方、金融政策に関しましては、これはこれから欧州統一銀行に一任いたしますけれども、今までのところドイツ連銀に合わせる形でフランスの中央銀行もかなり緩やかな金融政策をとっておりまして、フランスでは一時金利が六%ぐらいでございましたけれども、このところ三%近く下がってきている。それでもなおかつフランの維持ができると。かつては、フランスは高金利にしておきませんとフランがアタックされまして、切り下げをさせられるということがあったんですが、このところドイツとの提携が進んで、フランスの経済の実態もよくなっているものですから、低金利政策をとっても余りアタックされない。  したがって、金融が緩和されておるということは一つの要素でございますが、より大きな点は輸出が非常に伸びてきているという点でございます。これはちょっと数字で申し上げますと、九四年が対前年比一〇%、九五年が九・八%、九六年が四%で、九七年はちょっとまだ数字が年度を通しては出ておりませんけれども、九七年もかなり高い数字になっていると思いますので、輸出が好調である。この輸出の中身も他のEUメンバー国向けの輸出が非常に好調であるということで、この二つが大きな理由になって好景気を、ここのところ景気回復を図ってきているということが言えると思います。

吉田之久民友連

○吉田之久君 ありがとうございました。

高野博師公明

○高野博師君 時間がありませんので、簡単に。  小畑大使にお伺いしたいんですが、NATOの東方拡大に伴って、ロシアが中国との戦略的パートナーシップとかあるいは日本との関係強化とかいろいろ東に目を向けてきた。特に中央アジアとの関係では、中央アジアそのものがロシア離れをしている、あるいはロシアとある程度一定の距離を置くというようなスタンスをとっているかと思うんです。そういう中で、ことしの初めに中央アジアの五カ国首脳会議が開かれたかと思うんですが、その中でこの五カ国はロシアとの関係をどうしようかという、どういう議論がされたのか、簡単で結構でございますので、お願いします。

小畑紘一特命全権大使ウズベキスタン国駐箚

○説明員(小畑紘一君) 中央アジア各国のロシアに対する態度というのは非常に複雑でございます。ある国は国境を接しておりますし、またパイプラインがロシアを通っているということで、やはりロシアに頼らざるを得ない国もあるし、またウズベキスタンみたいに国境も接していない、ガスパイプラインも通っていないという国はある程度大手を振ってロシア離れができるという状況であります。  そういう状況ですが、中央アジア五カ国の基本的な態度としては、いわゆる昔の旧ソ連諸国が政治的にあるいは軍事的に一つのグループをつくるのは反対である、しかし経済的には同じような水準でもあるので、みんな仲よくやっていこうじゃないかというのが基本ではないかと思っています。  以上です。

高野博師公明

○高野博師君 ありがとうございました。

及川順郎公明

○委員長(及川順郎君) 他にも御質疑があろうかと存じますが、予定の時間も参りましたので、本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。  本日はどうもありがとうございました。  大使各位には、各赴任地におきまして今後とも健康に留意されまして、日々の任務を果たされますよう心からお祈り申し上げ御礼のごあいさつとさせていただきたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会

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