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142回国会衆議院1998/03/19

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
269
登壇者
29
会派数
5
開催日
1998/03/19

会議録

中山利生自由民主党

○中山主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりました中山利生でございます。よろしくお願いいたします。  本分科会は、文部省及び自治省所管について審査を行うこととなっております。  なお、両省の所管事項の説明は、両省の審査の冒頭に聴取いたします。  平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算中文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。町村文部大臣。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 平成十年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  目前に迫った二十一世紀に向けて、我が国が、創造的で活力に富んだ国家として発展していくためには、六大改革の一つである教育改革を推進していくとともに、国家の発展基盤となる人材育成、学術研究などを重点的に推進していくことが極めて重要であります。  このため、平成十年度予算の編成に当たりましては、財政構造改革のための集中改革期間の初年度という極めて厳しい財政状況のもとではありますが、教育改革の着実な推進に配慮しつつ、豊かな人間性をはぐくむ心の教育関連施策の充実、未来の我が国を支える人材の育成、学術、文化、スポーツの振興など、大きな時代の変化に柔軟かつ的確に対応する文教施策を積極的に推進することができる予算の確保に努めたところであります。  文部省所管の一般会計予算額は、五兆七千九百八億九千九百万円、国立学校特別会計予算額は、二兆七千九億二千八百万円となっております。  何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。  なお、その具体の内容については、お手元に配付してあります印刷物のとおりでありますが、時間の関係もございますので、主査におかれまして、会議録に掲載されますよう、御配慮をお願い申し上げます。  以上でございます。

中山利生自由民主党

○中山主査 この際、お諮りいたします。  ただいま文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――   〔町村国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、平成十年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。  第一は、生涯学習の振興として、青少年の「生きる力」を育む環境の充実を図るための家庭教育や学校外活動等の充実、人々の生涯にわたる豊かな学習活動を支援する通信衛星を利用した放送大学の全国化の推進等を図ることとしております。  第二は、豊かな人間性や創造性を育むための初等中等教育の充実についてであります。教職員配置改善計画の円滑な実施や「ゆとり」ある教育活動を展開する中で自ら学び自ら考える力の育成を目指した教育内容の改善をはじめ、いじめや登校拒否等の問題等に適切に対処するためのスクールカウンセラー活用調査研究委託事業の拡充、教員の資質向上に向けたボランティア等の体験活動の推進、開かれた学校づくりのための社会人の活用、公立学校施設等の耐震・防災機能の充実強化、学校給食における衛星管理の徹底、薬物乱用対策事業の充実等、喫緊の社会的諸課題への取組みなどに努めていくこととしております。  第三は、個性豊かな教育研究を展開する私学への助成として、経常費助成をはしめ、私立大学の高度な学術研究の推進を図るための学術フロンティア推進事業の拡充等を図ることとしております。  第四は、高等教育の高度化等の要請に応えるため、国立大学における創造的な教育研究を推進するための大学院等の整備や育英奨学事業の充実等を図ることとしております。  第五は、人類の知的共有財産を生み出すとともに、社会発展の基盤を形成する学術の振興として、科学研究費補助金の拡充やポスト・ドクター等一万人支援計画の推進及び地球環境や情報などの今日的な重要課題に関する研究の推進等に努めることとしております。  第六は、ゆとりある質の高いスポーツの振興として、国際的な競技力の向上を図るための国立スポーツ科学センターの建設推進、シドニーオリンピックに向けた選手強化事業の実施及び地域における生涯スポーツ活動の充実のための子ども遊悠プラン事業の推進等を図っていくこととしております。  第七は、文化立国の実現をめざした文化の振興として、アーツプラン21など芸術創造活動の推進、芸術文化に親しむ機会の充実、文化財の次世代への継承・発展、文化発信のための基盤整備等を図ることとしております。  第八は、教育、学術、文化、スポーツの国際交流・協力の推進についてであります。留学生交流、ユネスコ等国際機関を通じた教育協力事業、諸外国との研究者交流や共同研究、世界的な文化遺産の保存修復に関する国際協力、日・韓スポーツ交流事業など、各般の施策の推進を図ることとしております。  第九は、情報化への対応として、学校におけるインターネットや衛星通信等を活用した情報教育の一層の推進、文教行政各分野における情報通信ネットワーク環境の整備の推進等に努めることとしております。  以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――

中山利生自由民主党

○中山主査 以上をもちまして文部省所管につきましての説明は終わりました。     ―――――――――――――

中山利生自由民主党

○中山主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤松正雄君。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 新党平和の赤松正雄でございます。私は、きょうは、まず冒頭、文化財保護に関する問題を文化庁にお聞きし、その後、教育の問題について文部大臣に御質問をしたい、こんなふうに思います。  まず冒頭、文化財保護行政のことでございますけれども、今、全国いろいろなところで発掘調査が行われていると思います。その発掘調査に関する費用負担をめぐって若干裁判になっているケースすらある、こんなふうに聞いております。  それといいますのも、文化財保護法上の規定が、五十七条の二の第二項、埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、文化庁長官は、発掘に関し必要な事項を指示することができる、また、第九十八条の二の第三項で、地方公共団体は、発掘に関し、事業者に協力を求めることができる、こういった規定しかなくて、現実の場面では、発掘調査費用に関して明確な費用負担の根拠がないために、いわば行政指導として費用は原因者負担になっているということがさまざまなトラブルの原因になっている、こんなふうに見られることがあります。  調査を行う地方公共団体と原因者としての事業者が負担について協定書あるいは同意書を交わして調査を実施しているようでございますけれども、場合によっては実際の金額が当初の見積もりょりも多額になることもあって、調査終了後に支払いに関するトラブルが発生する、そういうことから、若干裁判になっているケースもあるということのようですが、現状、どういうふうに認識しておられるか、まず実態認識についてお伺いしたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように開発事業者に係る場合には、その発掘調査の負担は開発事業者が負担をしていただくという、これは、義務的でなくて、お願いをしてやっていただいておるという状況でございます。その場合に、委託契約を地方公共団体と結んでやっていただいている。そうしますと、その委託契約が強制によるものであったということなどを理由にいたしまして、私ども把握している状況では、国や地方公共団体に対して損害賠償を求める訴訟というのが全国で三件起きておるというふうに承知をいたしておりまして、そのうち一件は現在も係属中である、残り二件のうち一件は国が勝訴、もう一件は和解をしたというふうに承知をいたしております。  現在の発掘調査、年間で約一万二千件ほどございまして、そのほとんどが経費を原因者で負担をしていただいています。したがって、おおむね事業者の理解が得られているのだろうというふうに私どもは理解をしております。  むしろ、団体の意見は、発掘調査の時間を短くしてもらったり、経費の積算根拠をはっきりしてくれというふうな指摘があるものでございますから、私どもとしては、それらの点について、期間を短縮したり明確化したり等々、地方公共団体に対してそういったトラブルを招かないような十分な指導を今後とも引き続きしていきたい、そのように考えております。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 一万二千もの発掘調査が行われている。現在、裁判の状態になっているのは三件ということでありますけれども、やはり事前の事業者との交渉段階で、費用の見積額をめぐって、現実には事業者の協力を得ることは難しいとか、あるいは、最悪の場合に、事業者が見切り発車的に工事を強行して遺跡を破壊するおそれも出てくるかもしれない、そんなふうな指摘もあります。  今、次長の方からは、現状のままで、今までどおり指導をきっちりしていきたい、こういう答弁であったわけですけれども、これは、現在一万二千という多数のそういう発掘調査もあり、さまざまなケースがこれからもある。現場では、地方自治体としては、こういうケースの場合、なかなかさっき申し上げたような規定しかないということで困っているというふうな実態があるようでございますので、文化財保護法に発掘調査費用負担に関する明確な規定を設けたらどうだ、こんなふうに思いますけれども、これについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  発掘調査の経費負担につきましては、平成八年十二月に地方分権推進委員会の第一次の勧告をいただいておりまして、そこでは、地方公共団体が事業者に費用負担を求める際に支障を来さないよう、必要な仕組みについて検討することが求められております。  この問題につきましては、法制上も、例えば個人の財産権に対する制約を課すということにもなりますので、いろいろ検討すべき課題も正直申しまして多々あるわけでございまして、そこで、学識経験者や関係省庁等々の意見を踏まえながら、関係法令の改正を含めまして、必要な仕組みについて幅広く今後検討してまいりたい、そのように考えております。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 今後幅広く検討されるということですが、ぜひその検討を積極的に進めていただきたい、こう思います。  あわせて、現在、文化財保護の重要性を社会に対して強くアピールするということが私は大事だと思います。事業者の協力を得るためにも、そうした強いアピールが大事である。同時に、現在、国庫補助制度があるわけですけれども、さらに、そういう法的な規定と同時に、国庫補助制度の充実、あるいはまた租税特別措置法でもって発掘費用に係る法人税あるいは所得税等の減免規定を設けるなどといった、そういう大胆な提案というものをするというふうなことをこちらは考えているわけですけれども、そういったことについて、文化庁としての現時点のお考えを聞かせていただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えします。  発掘調査に要する経費につきましては、現在、企業が負担する場合には、国税庁の通達だと思いましたが、経理上の損金として計上できるようになっております。それによって処理されているというふうに考えておりますし、また、個人が家を建てる、建てかえる、そういった場合には、仮に個人がその調査費用を負担したという場合には、その費用につきまして、例えばローンを組んだというふうな場合には、所得税から控除されるという制度になっているというふうに承知をいたしております。  先生御提案の特例等につきましては、今の制度でどんな問題点があるのか、あるいはどういったアイデアがあるのか、また先生からもお教えいただきまして、私どもといたしましても必要に応じて検討してまいりたいと思いますので、御指導のほどよろしくお願いいたします。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 文化財保護の問題につきましては、今のような御答弁も踏まえまして、こちらも積極的にいろいろとお話をしていきたい、そういうふうに思います。  次に一文部大臣に、育英奨学金の問題と、また私立の幼稚園の問題、あるいはまた薬物乱用防止対策事業の増額、こういった三点の問題につきまして順次お話を伺ってまいりたい、こんなふうに思います。  これは、いずれも平成十年度、一九九八年度予算に関する私どもの党の組み替え要求の中に入っているテーマでございまして、ぜひとも積極的な御答弁を期待したい、こう思っておるわけでございます。  まず、第一点目の育英奨学金の貸与人員の増員という問題です。  我が国の育英奨学事業というのは、すぐれた学生生徒であって、経済的理由により修学困難な者に対して奨学金を与えるということで、教育の機会均等の確保を図るとともに、国家、社会に有用な人材の育成に資するということを目的としているわけですけれども、まず、素朴な疑問というか観点からいいまして、奨学金を受けられる条件というのが、高校での学業成績評定平均値三・五以上という、いわば一律の学力基準が設けられている。文部省は、育英という英才を育てるという意味でこういうふうな学力基準を設けておられるのだろうと思いますけれども、学業成績評定平均値三・五以上の者だけを育てるという発想なのか、あるいはそうじゃないのか。  学歴社会の弊害というものが指摘されて、子供たちの能力、学力、英才、何をもって英才というのかという問題もありますし、価値の多様化、人間評価の多様化といいますか重要性が叫ばれている中で、こうした基準、もちろん奨学金を与えるに当たっては一定の基準が必要になってくるのは当然だろうと思いますけれども、その辺の、学業成績のみでもって判定するという考え方を緩和するべきじゃないのか、こういう考え方に対して、まず文部大臣、どう考えられるでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 育英奨学事業につきましては、今委員御指摘のような、すぐれた人材を育てるという育英という部分と、教育の機会均等を図るという意味の奨学という両方の部分があろうかと思っております。もう少し日本育英会全体にゆとりがありますと、いろいろな対応の仕方というのが考えられると思うのでありますが、現実には、一定の予算の範囲内で、その中で一定の人を選ぶということになると、何か基準をつくって選抜していくということをやらざるを得ないという状況にございます。  したがいまして、今は、学力基準というのと、あと家計の必要性といいましょうか、そうした両方の基準から絞りをかけて奨学金をお出しする、こういう姿になっておりまして、今のままで本当に十分であるかどうかと言われれば、確かに現状、さらにもっと枠を拡大していかなければいけないと思っておりますが、現在の財政の厳しさということを考えましたときに、それでも、平成十年度予算で貸与人員約八千名の増ということを予算計上、御審議をお願いしているところでございまして、現下の情勢ではこの程度なのかなと思います。  では、私どもそれで満足しているかといえば、決してそうではございませんで、委員御指摘のように、さらにこの部分を広げていく、枠を広げていく。その際には、当然、今御指摘のあったような基準を緩和していくというようなことも先々は考えていかなければならないと思いますが、今の段階でそれを直ちにと言われましても、なかなか率直に言って難しい点があるということは、御了解をいただければありがたいと思っております。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 今の文部大臣の御答弁でそのお気持ちはよくわかりますけれども、日本の大学、特に都市部に集中して、生活費の増大ということが並々ならない状況にあるということは、もう大臣もよく御存じだろうと思います。大学に至るまでの教育の負担は相当な額に上るわけでございますので、ぜひとも、そういった人たちへの負担を少しでも軽減するために、ことしは八千人の増額、さらにその貸与人員を増員していただくということ。  もう一点、私立の高校への貸与枠というものを、その中の部分的な問題ですけれども、ぜひ拡大を検討していただきたい、こんなふうに思いますが、この点につきまして、お願いいたします。

佐々木正峰文部省高等教育局長

○佐々木政府委員 私立高校の奨学金の貸与額の件でございますが、これにつきましては、私立大学の貸与額が授業料の平均を若干下回る水準となっておるところでございますが、私立高等学校の場合は、貸与額が授業料の平均をやや上回る、現在そういう扱いとしておるところでございます。  奨学金の貸与額につきましては、これまでも授業料の動向等も踏まえながら漸次改善を図ってきたところでございまして、引き続き、貸与額が適正なものとなるよう配慮してまいりたいと考えておるところでございます。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 ぜひ、私立高校への貸与枠については、改善、拡大を検討していただきたい、こんなふうに思います。  次に、予約採用制という問題ですけれども、日本育英会の奨学生の採用方法としては、大学学部等への進学前に奨学金の支給をあらかじめ予約して、進学後四月から奨学金の支給を行う予約採用と、もう一つは、進学後の学校で奨学生として採用して七月から奨学金を支給する在学採用との二つの方法があるということですけれども、この予約あるいは在学の採用者数の比率は現時点では三対七、学校に入ってから奨学金採用という格好になるケースの方がかなり多い。  この現状というのは、お金をいただく方の立場、学生から見れば少しやはり問題がある。少しでも早い時点で奨学金がもらえることが確実になるということが大事だということは論をまたないと思うのですけれども、この辺の現状の三対七という比率を少しでも改善、逆転に近い方向に持っていくことはできないかどうか、そういう視点からの質問でございます。  現在、高校三年生の夏に面接等の方法によって選考を行っているようですけれども、これを前倒しして、高校二年生の早い段階から随時受け付けを行って、選考委員との話し合いの時間を長く持つということができないだろうか。もちろん、それに伴う幾つかの障害もあろうかと思いますけれども、そういうふうな前倒しをすることによって、より奨学生にとって有利な問題が発生する、こんなふうに考えるわけですけれども、この予約採用制という問題についてどう考えられるか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

佐々木正峰文部省高等教育局長

○佐々木政府委員 御指摘のとおり、大学学部等へ進学するに当たりまして、生徒が安心して進学のための勉学に取り組めるようにする、そういう観点から予約採用ということが非常に大切であるというふうに考えておりまして、文部省といたしましても、予約採用に比重を置いて拡充を図っておるところでございます。  現在、御審議いただいております平成十年度予算案におきましては、予約採用人員につきまして、二千人の増員をお願いしておるところでございます。今後とも、これを拡充する方向で対応してまいりたいと考えておるところでございます。  予約採用の時期の問題でございますが、現在、高校三年の四月から五月に出願を受け付けまして、十月に予約採用候補者の決定を行っておるところでございます。これは、予約する生徒の決定に当たりまして、経済的基準とともに、学力基準もあわせて選考をしておるという実態を踏まえたものでございまして、高校の学力ということになりますと、少なくとも二年生段階までの成績で判断をすることが適当である、そういう考え方に基づくものでございますので、現時点におきましては、高校三年段階で予約採用を出願、決定というその時期的な問題については、これを維持していくことが適当であると考えておるところでございます。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 現実には、今申されたようなさまざまな難しい問題もあろうかと思いますけれども、ぜひ、この予約採用制の拡大について努力をしていただきたい、こんなふうに思います。  次に、幼稚園の問題です。  幼稚園の園児の数というのは九年連続減少している。少子化の流れを受けていると思いますが、百七十八万九千人ですか、前年度比で約九千人の減となっているようです。私たちの子供の時代と違って、我々の時代はもう小学校に入る前の一年の幼稚園で十分というふうなことだったのでしょうが、今は二年、三年と保育期間がある。さまざまな社会状況の進展とともに、小さな子供たちのいわゆる教育とかあるいはまた保育といった観点の問題が新たに起こってきている、今そういう状況があると思います。  そんな中で、三歳の園児に限ってみると四年連続してふえている。過去最高の約三十五万人になっているというふうなことを聞いております。これは、九一年度から、各家庭への幼稚園就園奨励費の補助対象が広げられたことが主な理由として挙げられております。  文部省は、二〇〇一年までの目標として、公立幼稚園で完全な三年保育導入を掲げておられるようですけれども、現在の進捗状況といいますか、二〇〇一年までの目標が達成できるのかどうか、その辺の現状と見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 お尋ねの件でございますけれども、平成三年度、西暦で申しますと一九九一年度から平成十三年度、二〇〇一年当初までの十年間の計画でもちまして、就園を希望いたします三歳児、四歳児、五歳児を就園させるような整備をするということで今幼稚園教育振興計画が推進されていることは御案内のとおりでございます。  数字で申し上げますと、計画が発足いたしました平成三年度の三歳児の就園率は二二・七%でございました。平成九年度時点におきましては二九・四%ということでございまして、これは保育所との入所率を合わせますと五九・九%、約六割の子供たちが保育所なり幼稚園なりに就園しているというような数字でございます。  先ほど先生、ちょっと前にはほとんど三歳児は幼稚園等に行っていなかったというお話がございましたが、そのとおりでございまして、例えば、ちょっと古くなりますが、昭和五十年ころでございますと六・五%、それが今二九・四%になっているわけでございますが、昭和六十年度におきましても一三・九%ということでございました。そういう数字を比べますと、平成三年度から平成九年度までの伸びは七ポイント前後ということで、やや緩やかな印象を受けますが、その前と比較いたしますと相当な伸びで就園率が伸びてきております。あわせまして、就園奨励費補助制度等を活用いたしまして、この目標達成に向けてさらに努力をしてまいりたい、こんなふうに思っておるところでございます。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 今日、今局長が申されたような状況の中で、私立の幼稚園が果たした役割というものも結構大きなものがある。三年児就園推進に貢献をしてきた私立幼稚園に対する行政の側の配慮というものはどういうふうな状況になっているのでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 私立幼稚園に対します制度でございますけれども、補助金といたしましては、ただいま申し上げました就園奨励費補助事業というものと、施設の整備に対します補助事業というものが大きな柱でございます。ただ、私立幼稚園につきましては、交付税措置というものが大変大きい財政措置として行われておりまして、交付税措置と国の補助金の制度と相まちまして、私立幼稚園の果たします役割に対応いたしまして、財政的な面でも支援を行っているということでございまして、我々もその内容につきまして、年々予算措置等で努力をしているというところでございます。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 この問題に関して最後に大臣にお聞きしたいのです。  公立と私立の保育料に格差があり過ぎるということで、地域によって、近くにいい公立の幼稚園があれば問題ないですけれども、近くにない、したがって私立の幼稚園に通わざるを得ないというふうな状況がいろいろなところであるわけです。一方、子供のうちから教育が必要だということで、独自に多彩なカりキュラムを持った、そういういわゆるいい私立の幼稚園に通わせようという保護者もいたりします。園児の減少もその原因の一つなんでしょうけれども、保育料が年々上昇している。当然、幼稚園児の親は若いというふうなことで大きな負担になる。  公私立幼稚園間の保護者負担の格差是正を図るという考えを政府はお持ちだと思いますけれども、私立幼稚園の就園奨励給付制度を大胆に拡充する必要がある、こんなふうに私たちは考えておりまして、今回の予算に対する要求の中でも、この私立幼稚園の就園奨励費給付制度の拡充について特段の配慮をしてほしい、こういうふうな要求をしておりますけれども、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 委員御指摘のように、幼稚園教育の重要性ということは、もうあれこれ言うまでもなく極めて大きいもの、こう私どもは考えております。  また、委員御指摘のような、保護者の経済的な負担をできるだけ軽くしよう、そして特に公私立幼稚園間の負担の格差を是正していきたい、こんなようなことから、家庭の所得の状況に応じまして入園料と保育料の一部を助成する幼稚園就園奨励費というのができており、さらに三歳児の幼稚一園児も対象に追加をするといったような措置をやってきております。  財政なかなかこれまた厳しい折でございますので、十分ではないかもしれませんが、平成十年度予算の中におきましても、減免単価というものを私立幼稚園には適用しておりまして、それを引き上げるということによって父兄の負担を、保護者の負担を軽くする、こういうことで、十年度予算でも一・三%の減免単価の引き上げをお願いしているという状況でございます。今後、こうした公私立間の格差是正といったようなことも含めまして、さらに一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 ぜひともよろしくお願いいたします。  最後に、薬物乱用防止対策事業ということでございます。  今、町村文部大臣、日本の歴史始まって以来というふうな、若い、小学生、中学生、そういった子供たちの中におけるナイフを主軸とした暴力の問題で大変な御苦労をされていると思いますけれども、今、新聞紙上で大きく報道されているそういった事件の背後に、もっと深刻で危険な問題がこの薬物乱用という問題だろうと思います。  警察庁は、第三次覚せい剤乱用期、こういうふうな宣言をしているようですけれども、昨年、覚せい剤絡みで検挙された約二万人のうち、中学生が四十三人検挙された、高校生は二百十九人にも達している、こんなふうな数字が出ております。子供たちの世界にこうした薬物乱用という事態が深く広く浸透しているということは非常に重大なことだろうと思います。したがって、中高生への薬物に対する防止への啓蒙運動、こういったことが非常に大事だというふうに思います。  こうした現状に対して、文部省として現状をどう認識して、どういう対策を講じているのかということをまず第一点お聞きして、同時に、今後のこうした薬物乱用防止対策事業を大きく進めていくためにどういう考え方を持っているのか、この辺のことを聞かせていただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 今赤松委員御指摘のとおり、本当に、一見派手で目立つ事件ではないのですけれども、実情は今委員御指摘のように、大変深刻な状況にある、こう私も考えております。  実は、昨年の年末近くでしたでしょうか、ある都立高校の薬物乱用防止教室に行って見てまいりました。たしか麻薬GメンのOBの方が一生懸命話しておられて、みんな真剣に聞いておりました。その後すぐ、学校の玄関のところで、大きなバスのようなものを改造しまして、そこにいろいろ展示などありまして、大変見ているだけでもショッキングな内容の、またそれは大変防止効果のあるものだなと思ったりもいたしました。総理御自身も昨年の秋に、現場に、そういった高校に行くというようなことで、政府全体も、薬物乱用対策推進本部、総理が本部長、関係大臣、私を含めて副本部長ということで、いろいろな措置を講じているところであります。  特に、文部省は、青少年、中学生、高校生という者を対象として、まず学校教育の中で保健体育の時間あるいは道徳の時間等々でその弊害なりあるいは問題点なりということを指導しておりますし、また、いろいろな高校生向けのビデオが最近できました。私も先般そのでき上がったものを一部見ましたけれども、さらに来年は予算の中で中学生向けのビデオもぜひつくろうということで、そのお願いをしているところであります。そのほか、パンフレット、十六ミリ映画といったようなものをつくったり、各地区で先ほど申し上げました薬物乱用防止教室を開催するなどなど、いろいろな対策を講じてやっていこう、こう思っております。  本当に、これが広がるということの恐ろしさというものをもっと高校生、中学生に認識してもらいたいし、中には、女子中学生、高校生がダイエットのために気軽な気持ちで薬物を使うといったような事件まで起きております。大変に憂うべき事態だと思って、今後万全を期していかなければ、かように考えております。

赤松正雄平和・改革

○赤松(正)分科員 終わります。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて赤松正雄君の質疑は終了いたしました。  次に、大畠章宏君。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 民友連の大畠章宏でございます。町村文部大臣を初め文部省の皆様方に私の方から質問させていただきます。  きょうは、先ほど町村文部大臣からもお話がありましたけれども、昨今の子供たちの事件が多発しておりまして、これからの日本というものは果たしてどうなってしまうのか。毎回分科会でも質問させていただいていますが、特に三年前ですか、司馬遼太郎さんが亡くなるときに、日本の未来にあすはないという絶望感に満ちた言葉を残して亡くなられたわけでありますけれども、それが今、教育問題も、経済問題も、社会問題も、まさにそれを具現化するごとくさまざまな事件が起きております。なぜそうなってしまったのか、そういうことについて、学校の週休二日制の課題、あるいは大学入試の課題、内申書の問題等々についてお伺いをさせていただきたいと思います。  最初に、具体的な課題でございますけれども、先ほど言いましたように、なぜ今学校が、あるいは教育が荒れているのかということでありますが、一つには、昔に比べて学校の先生にゆとりがないという話をお伺いします。私もそう思います。  昔、私も、宿直の先生のところへ行って夕食をごちそうになった経験を持つ者でありますが、あのころは非常にのどかでよかったな、先生のつくるみそ汁がしょっぱいのか甘いのか、焼いたサンマがちょっと焦げ過ぎていたとか、授業時間には余り知ることのできない先生の人間性に触れまして、非常にああいうことも、いろんな経緯からそういう宿直制というのがなくなったということを聞いていますが、あのころの方が確かに学校の先生にはゆとりがあったんじゃないかと思います。  さらに、最近では、子供にゆとりがない、親もゆとりがない、社会にゆとりがない、社会的にモラルも低下している、拝金主義が蔓延している社会である、さらには、社会的価値観といいますか、そういうものが非常によくわからなくなってきている、そういう複雑なもとに私は今日の事件が起きたんではないかと思うんです。  そこで、具体的にお伺いしますけれども、週休二日制というものを平成四年に月一回導入しました。平成七年には月二回になり、今度町村文部大臣の御努力で、当初平成十五年だったですかの計画が、十四年に一年間前倒しになったというお話を伺っておりまして、この週休二日制については、大変、私自身もゆとりを生むのではないかということで高く評価をしますし、また期待をしているところであります。ぜひこの二〇〇二年に完全週休二日制というものがさまざまな条件を整えながら実現しますように、改めてお願いをしたいと思います。  そこで、この週休二日制というのが子供たちのゆとりを生むんじゃないかと思っておったんですけれども、どうもそうじゃないという話をあちこちから聞いておるのです。なぜだろうかと思っていろいろ資料を見させていただきましたけれども、その原因の一つは、従来の授業時間数というものを全く削減せずに、平成四年に月一回の週休二日制を導入した。さらには、平成七年にも月二回の週休二日制というものを導入した。そういうことがわかりまして、私自身は、週休二日制を導入したんだから当然その土曜日の分の時間数を減らしたんじゃないか、こう思っていたんですが、トータルの授業数は減らさないで、ただ単に休みを一日ふやした、そして平成七年には休みを二回にふやした、それだけなんですね。  その裏づけは何ぞやという話をしましたところ、一年間に大体四十週の授業時間というものを確定していて、その四十週というものの中には、授業は年三十五週というものを規定していて、あとの五週、五日と考えれば五、五、二十五日は、学校の行事ですとか入学式とか卒業式、家庭訪問、短縮授業、父母授業参観日とかそういうものに充てることで、これは余裕があるんだ。したがって、その授業時間の三十五週はきちっと確保しておいて、あとの余裕の年間五週、単純に数えれば二十五日というものは削り得るものなんだから、その範囲内で月一回の土曜日を休みにするとか月二回の週休二日制のために休みにすればいいんだ、そういうことで、結局トータルの授業時間数の規定というものは変えずに週休二日制を二日間導入した。子供たちの声や学校の先生の話を聞くと、そこにどうも問題があるという話をお伺いしました。  ここにもありますけれども、実態調査として、これは文部省が九四年に調査した資料でありますが、どうやって学校の週休二日制に対応しましたかというと、学校の行事を減らすことで対応しているという学校が多いんですね。  九四年の一年間に学校行事に充てた時間数を前回八五年の調査と比べると、小学校では九十・七時間から七十・八時間に減らした、中学校では百三・八時間から八十三・一時間に減らした。体育祭や健康診断といった健康安全・体育的行事が小中高とも十時間以上減ったのを初め、学芸的行事、遠足・宿泊的行事などが軒並み減少した。休みになった土曜日の時間数と単純比較すると、行事の減少分が半分近くを占める計算。各学校が行事をやりくりすることで五日制に対応しようとしている様子がうかがえる。  そういう話もあるんですが、いずれにしても、ここら辺に、最近の学校の授業や子供たちにゆとりがなくなってしまった、学校の先生も、週休二日制は歓迎するんだけれども、そのためにますます精神的にも時間的なゆとりがなくなってしまった、私はそう思うんですよ。  この件について、なぜこういう形で週休二日制というものを導入するに至ったのか、今どういうふうにこの実態をとらえているのか、お伺いしたいと思うのです。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先生御指摘の点は、現在の状況についての御指摘だと思います。  学習指導要領を改訂いたしますということになりますと、教育課程審議会を開き、そこでさまざまな議論をして、それで何を精選するか、時間数をどう削減するかという大作業になる、今現在やっているわけですけれども、そういうことになります。  そこで、一方、完全五日制を目指した五日制の実施というのは、子供たちの自然体験、社会体験の場を広げることでメリットがあるということで、そのためにはできるだけやれるところからやっていこうということで、現行の学習指導要領を前提にして、その作業にかかりますと大変時間がかかるものですから、それを前提にして現行制度の中でやれるところまでやっていこうということで始めたのが、今先生御指摘のとおり、平成四年九月から月一回、そして平成七年四月から月二回ということできているのが現状でございます。  それに対しまして、さまざまな御意見があろうかと思います。今先生は、かなり学校からゆとりを奪っているという御指摘であるわけでございますけれども、私どもも、もちろんその点は大変重要な課題でございますので、随時実際のところの状況を調査しながら、一歩一歩前進してきているわけでございます。  平成七年度の月二回の五日制の実施状況につきまして平成八年七月に実施しておりますが、おおむね全校の一割程度の学校を対象にやっておりますっそこでは、各学校は、行事を精選するとか、あるいは学校裁量の時間を精選するとか、従来夏休みの前後等にはいわゆる短縮授業というようなものがしばしば行われていたわけですけれども、そういったものを見直すというような工夫をしまして、授業本体につきましてはそんなに子供たちの負担を生ぜぴめないで、月二回の学校週五日制は全体としては順調に実施されてきているというのが、私どもが、今言いましたような学校を対象にして聴取した結果でございました。  同時に、子供たちの状況等につきまして別途の調査もあるわけでございますけれども、個別に見ますと、確かに、行事が精選されて子供たちの楽しみがなくなったとか、いろいろな御指摘もあるわけでございます。しかし、全体としては、今言いましたように、現行制度下におきましても月二回の五日制は順調に実施されてきているというのが状況でございます。  ただ、今先生のような御指摘もあるということでございます。  それは、月二回、現行制度のもとでということでございまして、これからやろうとしておりますのは、内容を精選し、時間数も精選して、そして完全学校週五日制に持っていこう、そういう作業を今しているということでございます。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 今お話を伺いましたけれども、学校からいろいろな意見を聴取して順調にやっているんだというのですが、私は、今の話はまさに日露戦争のときの二〇三高地と同じで、前線の実態をよく知らないで報告だけをベースにやっているからそんな話になっちゃうんですよ。町村文部大臣も、子供たちの現状については大変憂慮されて、特別談話も出されました。そのくらい今学校は、今あなたがおっしゃったような、辻村初等中等局長さんですか、私は今のような感覚ではないと思いますよ、現状、現場は。  私は、学校の先生からもお話を伺っていますし、子供たちにも話を聞いていますが、すごい苦労をしてやっていますよ。それは、昔の産業界の物づくりの世界もそうなんですが、どんどん合理化をしました。合理化というのは時間的なゆとりをどんどん詰めて効率を上げるのですが、今の学校の場合は、今おっしゃったように、トータル的な授業時間数を変えないで土曜日休みにする、それから週二回休みにする。当然行事も減りますが、行事とともに一日の学校の休み時間というのも削りながらやっていることは前も私申し上げましたよね、昨年も。  それは、皆さんおっしゃっているように、順調にいっているわけじゃないのですよ。そして、それをもしも変えるとしたら大変なんだと言うけれども、それは、現実問題に直面してやっている現場はもっと大変なんですよ。ですから、もしも変えるのであれば、中央では、暫定的にここはこうしましようというくらい柔軟に対応してもらわないと、そうじゃないと、基本原則を変えないで、さあ、あなた方、週休二日制を実施しなさいと言われても、現場が混乱するだけじゃないですか。  私は、今回、次のお話にしますが、平成十四年、二〇〇二年から今度は週休二日制にしますが、そのときにはどのくらい、今度は二〇〇三年の教育指導要領の改訂作業の中でもこれは入ってくると思うのですが、そのときにはどういう形でこれをまとめようとされているのですか、授業時間数とか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 完全学校週五日制の場合におきましては、週当たり二こま、二時間削減をする、時間数自体を。そして、教育内容につきましてはさらに精選をするということで、枠の点それから教えるべき内容、両面につきまして精選をし、ゆとりを何とかしてつくり出したいということで、今教育課程審議会で作業をいたしております。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 今二こまとおっしゃいましたね、それは月四時間ぐらいになるんですか。(辻村政府委員「八時間」と呼ぶ一八時間ですか、月八時間、土曜日で四時間だね。しかし、そのマイナス月八時間というのは、いわゆる平成四年のときから比べればまだ足らないんですよね。現在、要するに八時間分だけ、本来であれば削減してやれば、平成四年の時点の教育環境を維持しながら週休二日制というのができているんですが、それをやっていないから、八時間分だけどこかで削っているわけですね、月八時間だけ。今回やっと完全週休二日制にするんだけれども、そのときには八時間しかやりませんというと、今の過密状態がそのまま維持されるということじゃないですか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先ほどの先生に対する御説明でございますけれども、私ども、現行制度のもとで月二回土曜日をお休みにして、隔週の学校五日制をやってみたわけでございます。それにつきましては、先生からただいま、現状は違うよという大変厳しい御指摘があったわけでございますけれども、私どもが、先ほど申しましたような学校を対象にして行いました限りでは、さまざまなところの見直し等を行いながら、個別にはさまざまあったかもしれませんが、全体としては、子供たちの学習負担もそう変わらないで推移してきているという形での報告を得たわけでございます。  あと、では、完全五日に向けてどうするかということでございますけれども、月二回、現行制度のもとでおおむね順調であるということでございますので、それまで残っていた土曜日の時間の部分でございますね、これをカットするという形で一週間を構成するという形で枠組みを決めました。  これは、教育課程審議会でいろいろな議論があったわけでございますけれども、いたしました。ゆとりはその枠組みの中で、内容はむしろ思い切って精選する。したがって、そうすることによって、学校の枠組みの中での一こま一こまの授業と申しますか、あるいは一つ一つの行事の実行、こういう点においてゆとりを持って教育指導ができる、そういう形でゆとりを生み出していこう、こういう考え方に基づいて、週当たり二時間の減、内容はさらに精選するという方向で今教育課程審議会が作業しておるところです。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 辻村さんの話はわからないわけじゃないのですけれども、現実の学校が今どうなっているかということを考えますと、現状で順調ですとは言えないんじゃないですか。だから、現在の学校のゆとりのなさが、そのまま二〇〇二年のときにも維持されるということなんですよ。私が申し上げているのは、余りにも現在の学校の子供たちにゆとりがない、あるいは先生にもゆとりもない。これは現実問題じゃないですか。だから、こういう問題がいろいろ起きているのと違うのですか。だから、私が申し上げているのは、今の学校の教育の現状のままでいいんだという判断を下していること自体が私はおかしいと思うのですよ。  幾つかのお話がございますけれども、学校の教育内容の問題もありますが、「追い立てられるような過密な内容、必死で赤点だけはまぬがれようと丸暗記する科目では、その科目が好きだという感じは出てこない。熱心のあまりとはいえ、学校でむずかしい内容をたくさん詰め込めば詰め込むほど、その分野が嫌いな人を増やしているという皮肉な結果になっているのかもしれない。」「問題は何をどう精選するか」という話で、これは少し考えなければならないですよ、もちろん教える内容も。  それと同時に、私は、もしも町村文部大臣の決断で一年前倒ししたということであれば、トータルの授業時間数も、マイナス八時間じゃなくてマイナス十六時間ぐらい減らさなければ、今の学校の過密な状態がそのまま完全週休二日制ということで推移されるということでは、今の学校で起こっている問題がそのまま温存されてしまうのではないか。  だから、辻村初等中等局長の認識は甘いですよ。大臣、私はここで申し上げたいのは、町村文部大臣も一生懸命考えてやっていらっしゃることは本当にわかるのです。でも、現在の学校の、子供たちと先生方の状況を、辻村初等中等局長は、ほぼおおむね順調に推移していると認識されていますが、順調じゃないからこういう問題が起きているんじゃないですか。  だとすれば、マイナス八時間じゃなくてマイナス十六時間、要するに、週休二日制を入れるときの、平成四年時点でのゆとりある、まあその当時もゆとりはなかったと私は思うんですが、そのぐらいに戻さないと、やれ運動会は短くするとか、あるいは遠足は中途半端にしてしまうとか、さまざまな形で学校の裁量権というか自由度がなくなって、ゆとりがない学校教育になってしまっているんですよ。私はそういう意味では辻村さんの認識では不十分だと思うんですが、大臣、どうでしょうか。     〔主査退席、江藤主査代理着席〕

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 これは、平成八年の時点での調査ということの結果を昨年公表した、内容は今局長が言ったようなことなんですが、確かに私も、今委員のお話を聞きながら、あるいは、学校現場を訪れたり、先生方と話をしてみると、実態は相当本当に大変なんだなということを痛感いたしております。  できるだけ、今委員おっしゃったような、子供たちも先生たちも学校全体も、やはりいま少しゆとりを持てるようにしなければいけない、そういう意味から週五日をできるだけ早くということで、相当あちこち、ちょっと無理をお願いいたしましたが、一年早くするということにしたわけであります。  したがいまして、何のために五日にするかというと、もちろん授業内容を精選するという意味で、とにかく、断片的な知識を、記憶するということをできるだけ減らしていこうという、それが本来の一つの趣旨だろうし、それは委員も御納得いただけると思います。それを減らした上で、後どういう時間に当てはめていくのかということについて、今審議会等で最終の議論をやっているわけであります。  もちろん、行事や何かも私ども確保していきたいんです、本当は。ただ、それを学校行事でやると見るか、あるいは地域の、例えば町内会の運動会という形で見ていくのか、あるいはボーイスカウトその他のそういう青少年活動の場で、ある意味では、学校ではまた味わえないそういう行事、広い意味の行事という形で確保していくか、いろいろな考え方があろうかな、こう思っております。  だから、今までと比べると、確かに授業時間も減りますし、あるいは各種の行事の時間も減るけれども、それは子供の健全な発達にとって、じゃ、必要な行事を削って、後どうするんだね、こういう話になるので、それはまさに、土曜日、日曜日の受け皿をいかにうまく活用するのか、ゆとりを感じながら、しかし意義ある活動をそこで展開していくのかというようなことで今後対応していかなければいけない、こう思っているわけであります。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 大臣、今お話はいただきましたけれども、私自身もそういう感じがするんですね。  それで、お願いしたいことは、内容の精選というものを一方で進めると同時に、せっかく文部大臣が決断されて、一年前倒しで完全週休二日制というのを二〇〇二年から導入されるという話をお伺いしましたけれども、そのときの時間数がマイナス八時間というのはどうも私は、それでいいのかなと思うんです。  というのは、私の身近な話ですが、小学校の休み時間を、通常十五分あるんですよ、それを十分間削って五分にしているんですよ。それじゃないと授業時間数がやはりできないんですよ。そうい うことで、これは私は現実問題を言っているんですけれども、五分間なんだ、五分間。五分間だと、トイレに行って、帰ってきて、終わりです。  だから私は、そういうふうに学校の現場では大変苦労して、今順調に推移していますと言うけれども、そうではないですよということを一つ申し上げたい。このまま、マイナス八時間でよしとしたら、今のゆとりのない学校の教育体系がそのまま二〇〇二年から始まることになるということで、これでは、今の教育界でいろいろと起こっている問題がそのまま温存されてしまうんじゃないか。それは、文部大臣が緊急に声明文を出されましたけれども、そういう状況ではなかなか解決されないんじゃないかという危惧をするから私は申し上げているんです。  これは一なかなか文部省の中枢には届かない、地元から。上がってくるものは、大体順調にやっていますという、さっき二〇三高地と言いましたけれども、上がってくるのは、戦果を上げています、どんどんやっています、それしか上がってこないかもしれない。もうちょっと現場の声を聞いてほしいということを申し上げたいと思います。  特に、授業時間数の減少はだめだと言う人の声には、日本人の学力が低下するという話なんだけれども、学力の低下の前に、子供たちの精神的なゆとりがなければ、どんなに最高の学校を出てもおかしな形の日本人になってしまうんじゃないかと。それが最近顕著に、大蔵省もそうだし、官僚の皆さんもそうだし、あるいはまた前にはオウム真理教の問題もありましたけれども、果たして一体、どういう人物を日本の文部省が育てようとしているのか、私はわからないんです。  学力の低下も、もちろんそれは、国際的に競争していますから、余り下がっては困りますが、学力が維持できればいいという話ではないんだね、これは。だから、司馬遼太郎さんの日本の将来にあすはないというのは、まさに人材が今おかしくなってきているんですよ。文部省の教育方針そのものをまさに、二〇〇三年に教育指導要領を変えられるでしょうけれども、大改革をしないといけないんじゃないか。したがって、先ほど言いましたように、単に、現在が順調に推移しているからマイナス八時間すればいいという話ではないよということを私は申し上げたいと思うんです。  ぜひこの問題、私たち議員の生活も非常にゆとりがなくなって、時間的には大変なので、こういう状況を子供たちに教育の中でやってはいけないなという感じがしますよ。  ぜひこれは、辻村初等中等教育局長さん、もうちょっと現場の声を聞いてください。そうじゃないと、新しい日本の展望は開けないかもしれないですよ。ぜひそこら辺、改めてそういう問題について考えていただきたいということを申し上げて、この問題は終わりたいと思います。  それから、大学入試の問題と内申書の問題を取り上げようと思ったんですけれども、大学入試の問題については、これも、全体的な学校の教育の内容がゆがんでいる原因でありますから、さまざまな分野で大学入試の改善問題について取り組んでおられますので、中教審の中でも、「「ゆとり」の中で「生きる力」をはぐくむというこれからの教育のあるべき姿を実現するためには、過度の受験競争の緩和が必要であることを改めて確認した。」と言っておられますが、そういう方向でぜひ工夫していただきたいということをここでは申し上げておきたいと思います。  それから、最後になりますけれども、内申書の問題がずっとさまざまな形で社会問題化しておるんですけれども、この内申書というものの方向をそろそろもう変えるべきじゃないか。  特に、内申書の内容はどうなっているんだとよく裁判ざたにもなるケースがあるのですが、私は少なくとも、内申書というものを続けるのであれば二部作成して、一部は親御さんにこういう内容でやりましたよという話で、一部は学校に提出するという方式にするのか、あるいは、子供たちを信用して、学校の成績証明書というものと自己申告書、あなたは学校でどんなことに努力していましたかとか、自分の特徴は何ですかとか、こんなことをやりましたと自己申告書方式にして、先生が例えば何か証明してそれを高校に出すとか大学に出すとか、もうそろそろ子供たちを信頼して、学力試験だけじゃなくて、そういう内申書的なものでも審査したいというのであれば、そういうふうに改革をするべきだと思うんですが、この件についてはどう感じておられるでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 内申書のあり方、今いろいろな御議論をいただいておりますし、さらに、委員御指摘のような、それの開示といったような話も今出されております。  要するに、従前は一回の試験でぱっと決めていた。しかし、それはあんまりだ、日常の努力、あるいはその子のいい面、点数にあらわれないいい面が出てこないというので、内申書、調査書というものが活用されるようになった。そうすると今度は、日常的に管理されているじゃないかとか、どこまで本当のことが書いてあるか心配だといったような逆の心配がまた出ております。  それぞれの地域によって、県によってやり方は違いがあるようでありますが、大体、試験の点数半分、内申書半分というのが標準的なパターンのようであります。  中学の先生たちがこの子をどう見ているかというところの主観的な記述の部分というのはなかなか、それは本人に言っていいかどうかということで、過去の裁判の例を見ましても、要するに、それ以外の部分はわかっているから本人に見せてもいいですよ、しかし、その部分はやはり本人には非開示の方がいいのじゃないのかなといったような判例なども出ておりますので、そんなことを参考にしながら今後この問題を考えていきたい、こう思っております。

大畠章宏民友連

○大畠分科員 終わります。

江藤隆美自由民主党

○江藤主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。  次に、鍵田節哉君。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 私は、民友連、新党友愛の鍵田と申します。よろしくお願いを申し上げます。  きょうは、大きくは二つの課題につきまして幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、今月の五日、六日と二日間連続で調査をされましたキトラ古墳のことでございます。  このキトラ古墳に関しましては、連日報道されましたので、大方の方は御存じだというふうに思います。もともと、十五年ほど前に初めて調査に入ったときにも内視鏡で玄武などが発見されておったようでありますけれども、その後調査がなかなかうまくいかないというふうなこともありまして、実はそのまままた埋め戻して、十五年ほど調査がされておらなかったわけでございますけれども、ようやく今月になりましてこの調査が再開をされた。そして、その玄武に加えまして、青竜でありますとか白虎でありますとか、また星宿というふうな、高松塚古墳の発見に引けをとらないぐらいの大変立派な古墳であるということが判明をしたわけでございまして、今、考古学ファンが連日現地を訪問しておるようでございます。  特に、奈良の方では大量の銅鏡なども発見されたというふうなこともございまして、どうも邪馬台国畿内説、江藤先生におしかりをいただくようなあれでございますが、畿内説を裏づけるとか、また、キトラ古墳でありますとか大きな発見がされまして、今大きな話題になっておるわけでございます。  このキトラ古墳の価値につきまして、文化庁としてどのようにこれを評価されているのか、一言、まずコメントをいただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 このキトラ古墳につきましては、調査団からまだ詳しい報告は伺っておりません。これは、大々的な検討会を組んで慎重に今調査をしているという段階でございまして、ただ、ファイバースコープ等で見た限りにおきましては、大変重要なものを持っておるというふうには考えておるところでございます。  今後、調査団から詳しい報告を伺いまして、それが分析されました段階で、我々としては必要な史跡等の手続を踏んでまいりたい、こういうふうに考えております。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 それでは、どうも重要な発見であるということは認識をされておるというふうに受け取ってよろしゅうございますね。  もともと文化庁の方は、何か指導とか助言とかというふうなこともあって、この調査に初めから参加をされておるというふうにもお聞きをしておるわけでありますけれども、元来こういうものにつきましては、国の文化財として史跡指定がされない限り本格的な支援ができない、また保存とかそういうものに対しても予算が組めないというようなことを言われておるようでございます。  こういう埋蔵文化物が出てくるところというのは、村とか町とかという非常に予算の規模の小さい自治体において発見される例が多いわけでございます。こういう国家的な発見に対しましては、やはり文化庁としてはもっと機動的にこれらの支援ができるようなそういう施策が必要なのではないかなというふうに考えるわけでございますけれども、それにつきましてどのような御所見がおありか、お答えいただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  史跡に指定されますと、その指定されております地域内の民有地の買い上げとか、あるいは石垣等の修理とか防災施設の設置とか史跡公園の整備、そういったことに対して国庫補助制度を設けております。  しかしながら、指定される前あるいは指定された後につきましても、例えば除草とか清掃とか、そういった一般的な管理維持につきましては、国庫補助の制度というのは現在ございません。市町村に地域にある文化財の保護という点からその経費を負担していただいておるということで、これは言ってみれば共有の文化財産でございますから、国、地方公共団体がそれぞれ役割を分担して担うものだというふうに私ども考えております。  ただ、その場合におきましても、先生御指摘のように、できるだけ早く発見されて、貴重だということがわかればそれを指定していくということは、私どもとしても十分考えなければならないというふうには思っております。  ただ、実際上、土地所有者の同意の問題とか開発計画をどう変更していくかとか、現実にはなかなか時間のかかる問題が介在をしている場合が多うございまして、結果としてスムーズにいく場合といかない場合がある。スムーズにいく場合には、最短ですと、半年ぐらいで指定をしているという例もあるのですが、地権者の合意が得られなくて二十年もたったとかいう例もないことはない、そういう状況でございます。  したがいまして、我々としてできますことは、できるだけ速やかに所有者の同意等指定のための条件整備を整えるということにつきまして、地方公共団体と連携協力をして努力をしてまいりたい、そのように考えております。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 確かに、私権とそしてそういう国の史跡というものとの間の調和というのは、こういう自由経済の社会では大切でございます。しかし、こういう史跡というのは一たんなくしてしまいますともう取り返しがつかないわけでございまして、そういうことを考えますと、やはりいち早いそういう機動的な出動というのが大切なのではないか。  そして、先ほども申し上げましたように、町とか村とかというふうな小さい規模の自治体が多いわけでございまして、予算的な規模が非常に小さい、またそういう機動的な予算の出動もできないというような実態もございますので、やはり文化庁としてある程度幅のある、財政が非常に厳しい状況でございますが、いっこういうものが発見されるかわからないわけでございますから、それらについては一定の財政出動ができるようなそういう措置を常々組んでおく。それは、大きなものはできないのはわかっておりますけれども、緊急に発見された場合にこういうふうな手を打とうということが、ある程度の予測ができるのであれば、組んでおくことも必要なのではないかというふうに思っております。  それらにつきまして、もう一度ちょっとコメントをいただければありがたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 基本的な考え方といたしましては、繰り返しになりますが、国として対応すべき部分というのは、史跡等の買い上げとか、それから指定された後の空調設備を、それがないとだめだという場合にそれに対する助成をするとか、そういった点にしておるわけでございまして、それ以外の維持管理ということになりますと、やはり地方公共団体にも共通の財産としてやっていただきたいということでやっております。  ただ、我々としてもできるだけ、その基本的な考え方はすぐに変えられないと思うのですけれども、先ほど申し上げましたいろいろな設備が必要だということなどにつきましては、そういったものの充実というものには今後とも努めていきたいというふうに考えております。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 今までも、キトラ古墳の墳丘地が民有地であるというふうなこともわかっておるようでございまして、そのために大変長い間調査が再開できずに今日まで来ておるわけであります。藤ノ木古墳が発見されたときにも大変な騒ぎになったわけでございますけれども、このときにも周辺の田んぼなどが見学者によって踏み倒されるというふうなこともあったり、それから中学生ぐらいでしたか、いたずら心もあって、ここに入って若干何かいたずらしたというふうなこともあったようでございまして、こういうことを防止するためにもやはり速やかなそういう対応が必要だ。そのためには、やはり史跡指定をいち早くする、こういうことが大切だというふうに思います。  高松塚古墳のときには大変速やかに史跡指定がされたということを聞いておりまして、その他の一般的な史跡指定に比べますと、かなりやはり早かったということでございます。今回のキトラ古墳に関しましてはどのような対応をされようとしておるのか、お聞きをしたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  高松塚古墳の場合は、先生御指摘のとおり、これは四十七年三月に発掘調査をして、その月に、石室内に大変すぐれた壁画が描かれているということで、これは我が国初めてのことでございました。また、その保存方法につきましても、その当時どういうふうにやるかという点もはっきりわかりませんで、それでは国が直接これを直轄事業としてやろうということで、調査会を設けて、あるいはその民有地の買い上げ、それから空調の設備の設置とかもろもろのことをやらせていただきました。  キトラ古墳も、今私どもが知っている情報では大変貴重なものだとは思うわけでございますが、これにつきましては、既に明日香村の方で国庫補助という制度を利用しまして今回の調査もしておりますし、また文化庁としては、調査についての指導とか奈良国立文化財研究所による技術的な支援ということなども行っておりますし、さらにその保存の方法も、高松塚古墳の経験によりましてある程度確立をしているということでございまして、必ずしも文化庁が直接事業を行わなければならないという状況にはないというふうに考えておるわけでございます。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 何回も申し上げて大変恐縮でございますけれども、こういう埋蔵文化財が出てくる自治体というのは非常に小さい規模の自治体が多いわけでございまして、かたがた、こういうところに過重な負担にならないように国として十分な配慮をされることが必要なのではなかろうかというふうに考えておりますので、その辺はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  そして、高松塚でありますとかキトラ古墳に匹敵するような埋蔵文化財がまだまだあるのじゃないかなというふうな気もいたしますが、文化庁としてはどんな把握をされておるのか。別に正確なことでなくて結構でございますから、大ざっぱな把握をされておりますことにつきまして、お教えいただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 こういう遺跡につきましては、現在のところ全国で三十七万カ所もあるというふうに一応把握をいたしておりまして、ただその中がどういうものかというのはこれからでございます。  ただ、先生も御承知のように、最近佐賀の吉野ケ里とか、それから鹿児島でも発見されていますし、青森の三内丸山とか、ここ数年でかなり大規模な縄文時代あるいは飛鳥時代の遺跡というものが続々発見されておりますので、開発事業とともにそういった大きな発見というのもかなりこれまでよりはふえてくるのかなという予測もいたしておるところでございます。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 特にこのキトラ古墳に関しましては、中国との交流の歴史、朝鮮半島もそうでありますけれども、そういうものを解明していく、そしてまた日本の歴史を解明していくという上でも大変重要でございますので、ぜひともしっかりした取り組みをしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。  それと若干関連をいたしまして、奈良県には天皇の陵が非常にたくさんございます。今まではやはり日本の天皇家に対する尊敬、そういう面もございまして、これらの歴史的調査というふうなことにつきましては非常に慎重に取り扱われてきたわけでございまして、私自身もこのことにつきましてはやはりそんな簡単なことではないというふうに思っております。やはり天皇家に対する尊敬とそして歴史の解明というものは、簡単にはかりにかけてはかるというふうな問題ではないということもよくわかっております。しかしまた、天皇家も、現在は国民の中に溶け込んでそして国民と「緒に歩もうとされておるわけでございまして、歴史の解明に御理解もあるのではなかろうかというふうにも考えられるわけで、私自身勝手に考えておるわけでございます。  そういうことで、今後奈良県などにあります。そういう天皇陵の調査というふうな問題に関しまして、学者の間でも要望もかなり強いようにも聞いておりますので、これらにつきまして、特にこれは宮内庁が管理をされておるわけでありまして、文化庁として今までどのようなお話し合いをされておるのか、そういう経過につきまして教えていただける範囲でよろしくお願いいたします。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  文化庁として、陵墓やあるいは陵墓参考地である古墳の調査につきましては、宮内庁と協議を行っているということはしておりません。こういう陵墓とか陵墓参考地である古墳につきましては、学術的に調査すべきかどうかというのは、基本的には陵墓等を管理する宮内庁と研究者との間の問題である、先生の御指摘も私どもも十分理解はできますが、基本的にはそういうことではないかと。  最近の例で申しますと、ちょっとうろ覚えですが、昨年の夏ごろだと思いましたが、宮崎の西都原、これは陵墓参考地ですが、男狭穂、女狭穂塚というのがありまして、こういったところで県と宮内庁が話をして測量を行ったということも聞いておりますので、そういった動きを私どもとしては見守っていくのかなというふうに考えております。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 ということは、もう一度確認しますけれども、こういう陵墓につきましては、文化庁としてはタッチせずに、研究者と宮内庁の間で直接交渉されるということなのですか。それでは、今後も文化庁としてはこういうことには一切関知しないというふうに受け取っていいのでしょうか。いかがですか。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 基本的にはやはり、陵墓である古墳につきましては、大変守るべき文化財があるということは私どもも認識をいたしておりますが、天皇それから皇族を葬る場所として祭祀が行われておりますし、また国民感情というものも十分考えていかなければいけない。したがいまして、その調査ということにつきましては慎重に対処していく必要があるのではないか。  また、一面、こういう文化財というのは保護をきちっとしていくというのが文化財保護法でも一番大事にしている点ですが、皇室でそういった点はきちんと対応していただいているという面もございますので、私どもとしては慎重に対処する必要があるのではないかというふうに考えております。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 一般の、墓を暴くとかというふうな次元の問題ではないわけでございまして、確かに、私も天皇家には尊敬の念を持って今までも接してきたつもりでございますし、そういうつもりはございませんけれども、やはり歴史を解明するということも日本の文化にとって非常に大事なことでもあるわけでございまして、文化庁も余りそういうことで逃げてばかりおるわけにはいかないのではないかというふうにも思います。  積極的に学者と宮内庁との間に入ってこれはお話を進めるということも一つの方法ではないかというふうに思いますので、私の意見として今日の段階ではお聞きをいただいておきたいというふうに思います。  それでは大臣、質問の順序が違ってしまって大変申しわけございません。今までお待ちをいただきましたけれども、大阪オリンピックの問題について、少し触れさせていただきたいと思います。  先日来、長野のオリンピック、第十八回の冬季オリンピック、大変な成功でございました。オリンピックが始まるまでは、何か、滑降のコースの問題や何かで余りいい報道をされておらなかったわけでありますが、さすがオリンピックが始まっていきますと、小兵の清水選手が大活躍をして、大男の間に挟まって金メダルをもらっているというふうな、私はあれを見て本当に、それ見たかと言いたくなるぐらい快哉を叫んだわけでございますし、またジャンプ陣もはらはらさせながら金メダルをとってくれました。また、新しい種目でありますモーグルでも金メダルをとるとか、それから荻原兄弟が大変活躍をされた、メダルはとられなかったけれども大変活躍をされ、青少年に与える夢というのが本当に大きかったのではないかなという気がいたします。  これは、大臣にお礼を言っていいのか、長野市長さんにお祝いを言っていいのかわからないのですが、本当にいいイベントではなかったかなというふうに思っておるわけでございます。本当に、暗い話題が多い中で非常に明るい話題を提供してくれたというふうに思っております。  二〇〇八年の夏のオリンピックに大阪が立候補する、こういうことで、実は昨年JOCにおいて大阪を日本の候補地として決めていただいたわけでございます。  この大阪オリンピックにつきましては、単に大阪だけではなしに、二府四県挙げてこれに取り組みたいということで、特に京都や奈良は、先ほどからも質問しておりますように、大変貴重な文化財もたくさんございます。古都として、これから日本に来られるお客さんに大いにそういうことも楽しんでいただいたり、知っていただきたいと思うところでございますし、そのほか滋賀や和歌山や兵庫県にも、文化財や、また近代的な都市や、見ていただきたいことがいっぱいあるわけでございます。  そして、規模も、札幌オリンピックやまた長野オリンピックに比べまして数倍の規模になるわけでございますから、恐らく感激もその数倍になるのではないかというふうに思うわけでございます。  ただ、世界的に強敵が非常にたくさんおりまして、なかなかこれはしたたかな国々ばかりでございますから、簡単に大阪に決まるとは限らないわけでございまして、そういう面では、いち早く招致の運動をしなくてはならないと思っております。もちろん、地元の皆さん二府四県ともこぞって招致運動をやるわけでございますが、国の御支援また御援助がなければならないと思います。やはりそのためには早く閣議了承していただくということが大切なのではないかと思います。  そういう意味で、これらにつきましての日程的なことにつきまして、大臣のひとつ御決意をお聞きしたいなというふうに思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 オリンピックの持つすばらしさ、意義、今鍵田委員御指摘のとおりであると私も思っております。  大阪の二〇〇八年オリンピック招致につきましては、既に大阪選出の議員の皆さん方はもとよりでございますが、経済界の方あるいは知事さん、市長さん初め、既に何回となく大臣室の方にもお越しをいただいておりまして、大変に恐縮しているわけでございます。  これにつきましての政府支援の前提といたしまして閣議了解が必要であるというのは御承知のとおりでございまして、どういう施設をどういうところにどういう内容で整備するかといった計画などについて、今、大阪市と関係省庁との間で鋭意その詰めの作業をやっていただいている、こう聞いておりますので、そこがある程度めどが立ってからでないと閣議了解という段には行かないわけでございまして、過去の例を見ますと、長野もそうですが、例えば正式立候補があるその前の年に閣議了解をしております。  したがいまして、大阪の場合も、普通であれば、二〇〇〇年の正式立候補でございますから一九九九年、来年閣議了解でもいいのかなと当初実は思っていたわけでございますが、これだけ皆さん方熱意を燃やしておられるということもございますので、何とか本年中の閣議了解をできれば、こういうことで文部省といたしましても関係省庁あるいはJOCなどとも連携をとりながら、今その準備を始めているという状況であることを御報告させていただきます。

鍵田節哉民友連

○鍵田分科員 ありがとうございます。できるだけ早くひとつ了解をいただきまして実際の運動に取り組めますように、よろしくお願いしたいと思います。  大阪市の方も、実はこのオリンピックの理念委員会にも参加をしておりまして、いろいろ議論をいたしました。そのときにも、国体があったり、それから二〇〇二年のワールドカップ、これなんかにも大阪が会場として使われるというようなこともありまして、できるだけそういう既存の施設を改良しながら、費用を節約しながらやるということの覚悟をしておるようでございますし、地方も国も財政事情は大変厳しい時期ではございます。しかし、やはり何といいましても国が挙げて御支援をいただかないとなかなかこれは一自治体だけでは無理でございますので、そういう面では、物心両面にわたりまして御支援をいただきたいなというふうに思っております。  その辺のひとつ大臣の覚悟と、それからもう一つ、実は先輩議員もお見えになっておりますが、先ほど左藤先生からお聞きをしたのですけれども、これは高松塚古墳のときもそうでありますが、やはり記念切手などを発行するとか、いろいろな資金を調達するということが、ああいう文化施設を保存したり、またオリンピックのイベントをしたりというときには工夫をされるのじゃないかというふうにも思います。そういうふうなことの工夫もいろいろ国の方でしていただいて、そして物心両面にわたる御支援のほどをお願い申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

江藤隆美自由民主党

○江藤主査代理 これにて鍵田節哉君の質疑は終了いたしました。  次に、左藤恵君。

左藤恵民友連

○左藤分科員 私からは、最近中学生によります事件が多発しているというようなことで、少年法に定めます規定で、十四歳という年齢を境にして、法を犯した少年の送致先が、少年院と、今までの名前で言えば教護院というふうに分かれるということで、この少年法に関しての国民の関心が今高まっておるということは事実でございます。そしてまた、例えばこの間の神戸の小学六年生の子供を殺害した中学三年生の子供につきましては医療少年院に送致される、栃木県の女性の先生を刺殺した中学生は教護院に送られる、こういうふうな家庭裁判所からの審判が出まして、そういったことに扱われるわけであります。  一般の国民から見まして、少年院というのは法務省の管轄で、少年法に基づいて少年を更生させる施設であろう、教護院は厚生省の管轄で、児童福祉法に基づいて児童の更生を図る、そういうことについての区別も余りよく御存じでないという問題が一つございます。  実際の問題といたしまして、最近のいろいろな児童を取り巻く環境ということから考えますと、一つは、少子化の進行もあります。子供の数が少なくなっていく。それから、共働きの家庭が定着してくるとか、あるいはまた家庭養育の機能といいますか、そういうものが低下してきたことに加えて、さらに学校教育と家庭教育の境界線が非常にあいまいになってきている、こういう問題が起こっております。  児童の問題としては、不登校、いじめ、校内暴力だけでなくて、護身用のナイフを持ち歩くというようなこともありますし、恐喝とかおどしとか、先ほど申しましたように教師を死に至らしめるような、そういったことも、せつな的、衝動的といいますか、そういう形でも出てくる。  これは何か非常に異常な状態で進んでおる社会現象があるわけでございまして、こういうことに対して、今申しました子どものこれから先の教育、あるいはまたこれからの生活指導、そういったものも含めました対策というものが、一体十分であろうかどうかということが非常に問題になっておるのじゃないか、私はこのように思います。  平成十年四月一日から児童福祉法が改正されまして、教護院は名称が児童自立支援施設というふうに変わって、目的も児童の自立支援というふうに変わります。対象も拡大されて、生活指導を要する児童も含めて、先ほど申しました問題の子供の指導ということも、家庭裁判所の判断によってそういう子供も送られてくる。児童相談所から送られてくるだけでなくて、そういった子供たちの指導というものもやっていただかなければならない。  そして、今度の法改正の中身の一つに、義務教育をこの新しい施設、児童自立支援施設という名前に変わった今までの教護院で行うということが法的に決められた問題があろうかと思います。実際問題といたしまして、それがうまくいっているかどうかということについて、私は非常に心配したものですから、実は大阪の府立修徳学院というところがございまして、ここに、いろいろな問題について調べたりなんかいたしました。そうしたことも含めまして、若干、幾つかの問題についてお尋ねいたしたい、このように思います。  少年院の問題につきましては、法務委員会の方でまた別に私はお伺いいたしたいと思いますが、教護院のことについては、私も余り詳しく知らなかったわけであります。そういうこともありまして、全国でモデル的に行われているという大阪府立教護院、現在入所者は百五十名前後と聞いていますが、実際、職員の皆さんが一緒に家庭的な雰囲気をつくって、共生、感化、支援という精神、共に生きる、感動させてよくしていく、いろいろな面で自分が自立していくための支援をしていく、こういう精神だろうと思います。こういう精神で全職員が非常に頑張っておられるわけであります。  現在、指導に当たる職員の資格は、男子は大学を卒業した後、今の名前で言えば国立武蔵野教護事業養成所で一年研修を受けた者、女子は保母資格を持っている者ということになっておりまして、教員免許が義務づけられていないということであったわけです。  まず第一に、これから学校教育法に従って義務教育が義務づけられたわけでありますので、授業を行うとすれば、当然、免許状を持った教員によることになると思いますが、現在の教護院でどのような形でその制度を導入していこうとしておられるか、過渡的な段階ではあろうと思いますが、これからまたどうしていくのかということについての状況についてまずお伺いしたいと思います。     〔江藤主査代理退席、主査着席〕

渡辺芳樹厚生省児童家庭局家庭福祉課長

○渡辺説明員 厚生省の方から最初にお答え申し上げたいと思います。  ただいま御指摘の教護院における学校教育の実施の問題でございますが、先生御指摘のとおり、従来、教護院に入所中の児童は、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童といたしまして、児童相談所での相談を経て入所措置されるケースのほか、黒磯の事件などに見られますように、家庭裁判所の審判を経て入所措置される者がおります。  保護者が就学させる義務というのが学校教育法に基づいてあるわけでございますが、児童福祉施設に入所した場合は、その福祉施設の長がその保護者にかわり就学義務を負うというのが一般的な児童福祉施設における例でございます。しかし、この教護院につきましては、そのような他の一般的児童福祉施設と異なっておりまして、その施設長にも入所中の児童を就学させる義務を課してこなかったという経緯がございます。  これは、かつては教護院というもの、それからそこに入る児童の性状からして、就学猶予等の対応をとるのが当然であると思われていた時代がございました。それを児童福祉法が反映していたわけでございますが、近年、こうした教護院に入所している児童につきましても義務教育は実施していくべきであるという強い声が上がってくる中で今般の改正が行われたわけでございます。  教護院は、一年半ぐらいで退所することが多いわけでございますが、結局その後、中学年齢を超えて高校に進学させたいという声もございまして、昭和六十年代以降、特に平成に入りまして、各地で教護院の中でも学校教育を実施する例が出てまいりました。そうした流れの中で、今般の法律改正が昨年行われ、この四月から実施されるわけでございます。  厚生省といたしましては、文部省、各都道府県、それから地元教育委員会の御理解、御協力をいただけるようにお願いをしながら、速やかにすべての、児童自立支援施設と名前が変わりますが、そこの入所児童が就学できるような状態に至りますよう努力していきたいというふうに考えております。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 学校教育サイドから実情をお答え申し上げます。  現在、五十七教護院がございますが、これらの施設の中で地元の小中学校の分教室というふうな形で学校教育が行われているところは、平成八年現在、分校・分教室は九県で十施設十八校ということでございまして、およそ百六十人ぐらいの児童生徒が学んでいるわけでございます。したがいまして、具体的に各教護院におきましてどういう形で学校教育を実施していくかとなりますと、今ございますこの十施設の十八校というような形が一つのモデルになっていくのだろうと思っております。  先ほど御指摘ございました教職員につきましては、これらの学校につきましては、すべて都道府県の任命に係る免許状を持った教員が都道府県の費用でもって配置されているということでございます。国といたしましては、法律の規定に基づきまして、これらの職員につきましては定数を保障し給与費の二分の一を負担しているということでございますので、具体的に新しい形で地元の市町村が分教室あるいは分校といったようなものを設けました際には、そういった形になろうかと思います。  ただ、現在おります教護院の施設の方々は国家公務員等としての身分を有しているわけでございまして、この方々がどういう形で学校教員の方に移ってこられるのか、移ってこられないのか。その辺は、個々具体の状況を見ながら、施設と地元の市町村あるいは都道府県等で、今後具体の事案に即してお話が進んでいくものだろう、こう承知しているところでございます。

左藤恵民友連

○左藤分科員 今の問題の中で、例えば大阪府では、来年度に三名の教員を派遣するということにしているそうでありますけれども、非常に異例な工夫といいますか、ちょっと苦し紛れのような取り扱いをしているのではないかなと思います。二分の一の国庫補助がつくということで、教育委員会にはその分の定数枠が一体確保されているのかどうかということで、法律が四月一日実施だということもあって、暫定的に福祉部から、多分これは厚生省の予算だと思います、ここから三名の人員をけり出しといいますか、そこで教育委員会の定数枠へ入れて、そして教育委員会の方では指導主事を三名増員して、その分、福祉部の方へ出向派遣するというような苦肉の策をとっているということをやっておられるのです。  話がつけば、それならそれでもいいわけですけれども、まず第一に法律を実施することが決まっておるのに、予算のことについて、文部省から教育委員会に、単なるお願いとかいうことになろうかと思いますけれども、何らの特別の正式な連絡、指示というものがなかったということを聞いているのですが、これは一体どういうことになっているのか。  やはりこういうことについては、法律を実施し、責任を持って義務教育を推進する上には、正規の定員で正規の資格を持った人がこれに当たるということを確認しないことには、法律だけ直して、その施行は地方でやってくれということであってはならないのではないか、こう私は思います。  一つは、身分上の問題が今まであって、厚生省のことで、地方に対して国家公務員を派遣して、一般の公務員と少し条件が違うような形で、随分長いこと地方事務官問題というのがあったのですが、それとは関連があるのかないのか、これも一つ伺っておきたい、こう思います。

渡辺芳樹厚生省児童家庭局家庭福祉課長

○渡辺説明員 お答え申し上げます。  教護院における学校教育の実施とその職員の関係でございますが、最後にお尋ねの、社会保険事務で地方事務官制度が現在まだ維持されておりますが、そうしたような仕組みと本件とは全くかかわりがございません。  それから、先ほど先生御指摘の中で、現行教護院における中枢職員であります教護の身分資格についてもございましたが、まず資格の面で申しますと、例えば小学校、中学校、高校の教諭の免状を持った上でなおかつ一年間以上の教護事業に従事した者という枠もございまして、そういう免許を持っておられる方もいらっしゃいますが、すべてではございません。大学で心理学、社会学、教育学を学んだ後、教護事業に一年以上というようなところが非常に多うございまして、そのほかに国立の養成機関もある。  そういったことで養成しておりますが、五十七教護院のうち五十五は都道府県ないし指定都市の施設であり、そこの職員ということでございますので、その身分上の取り扱い等につきましては、各都道府県等における人事の問題としてさまざまな御工夫をいただいているところでございます。

左藤恵民友連

○左藤分科員 今のお話で大体わかりましたけれども、こういったことについて法律で施行することが決定しておって、そして義務教育を全部そこで実施するということを義務づけていくということについて、その人員的な配置として先生をどうするか。  一年ぐらい前からいろいろ準備することが大切であろうと私は思うし、予算要求をどういうふうにしておられるのかわかりませんが、その点について、やりくりをしてやっていくというのではなくて、やはりきちっと予算要求をし、そういった正規の人がやっていくということによって、教護院といいますか、今度の新しい自立支援施設に対する社会的な、皆さんが安心して、安心してというのも変でしょうけれども、そういうことについてそこに託することができる、こういう国民の信頼といいますか、そういうようなものもあるわけでありますから、そこで義務教育をやる。  それから、どこかの中学校なり小学校の分校とか分教室とかいう、そういう点についてもどういうふうにするか。市町村との関係というようなことではなくて、全国的にこういうことは分教室としてやるべきたとかいう言うなことに決めていただかないといけないのではないか。  ある県のそういった施設については、これは別のものでやるということで、義務教育はただ暫定的にそこの所長の権限みたいなことで実施している。あるところは、どこかの中学校なら中学校の校長先生の指導の範囲の中で分教室とか分校でやっているというふうな形に、ばらばらにするということについては、義務教育の実施のことについて責任ある文部省として、何かこの方向でやってもらいたいということにしてやるべきではないか。これを全部教育委員会の恣意に任せ、恣意という言葉は悪いかもしれませんけれども、そういうことになっては、義務教育を実施する責任の所在としてはっきりしないのではないかと私は思います。  今の状況は、何かむしろ現場が困っているというふうなことであると思います。そういうことで、市町村としては、教育委員会としては、何か余計なものをしょわされたような感じを持っておられるところもあるのではないかと思いますが、その点について、国として、文部省として、そういった義務教育を実施させる責任を明らかにされる必要があるのではないかと思いますが、これはどうでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 ただいまお尋ねの件でございますけれども、大変重要な点だと思っております。  この法改正は昨年の国会に出されたわけでございまして、そのときから私ども、厚生省の担当部局と協議をずっと続けてまいりました。  そして、具体的に申しますと、昨年の五月の時点、あるいはことしの二月の時点におきましても、都道府県あるいは指定都市教育委員会の担当者会議におきまして、今厚生省とこういうやりとりをしている、四月一日から自立支援施設となるわけでございますけれども、個々の教護院と関連の教育委員会、学校等とで協議をし、円滑な移行ができるようにということで、そういったやりとりは従来からやってまいりました。  これはまだ経過措置がございまして、この四月一日から本則としてはスタートいたしますが、なお、当分の間の経過措置があるわけでございまして、そういった時間等もにらみながら、地元それぞれの教育委員会と担当部局とでお話し合いを進めているように私ども承知しているわけでございますが、これからも随時、私どもも加わりまして、この円滑な実施に遺憾なきを期すようにしてまいりたい、こんなふうに思っております。

左藤恵民友連

○左藤分科員 中学校の卒業式に、最近、何か警官や少年補導員が、例えば大阪なんかで二千人も駆り出されたとかいろいろな行動があったり、前夜から学校周辺をパトロールして卒業式が無事行われるかどうかというふうなこと、非常にこれは私は悲しいことだと思いますし、十数年前までは考えられなかったことだと思います。そういう社会の世相といいますか、そういうようなものが非常に最近は悪くなったので、そういった心配をしておられる地域があるということは、これは残念なことであってもいたし方ないわけであります。  そういう意味において、今そういった学校とのつながりで義務教育を実施するときに、ここの中にそういった子供がおるということも、また、そういった形でやらざるを得ないということについては中学校の校長さんが責任を持つけれども、その施設の長もそれと同じような責任といいますか、社会に対する対策で、何か問題が起こったときに責任のなすり合いといいますか、そういうようなことがされないようにやはりぜひ指導としてやっていただきたいな、このように思います。  最近のあれでも、教育委員会が、この前大臣もいろいろ御指摘になって、それぞれのところでナイフの所持品検査をするということについては、それぞれのところで責任を持って考えて、これらについて勧めるというのじゃなくて、やむを得ずやられるときはその判断でおやりくださいということを大臣はおっしゃっていました。  これについてマスコミの一部には、何か非常にこういった問題についても、子供たちからそういうことで検査をするということに対して、児童の人権とかなんとかいうようなものばかりに固執するような、だけれども、そういうことについて指導をしなければならない年齢のことに対しては、そういうことは私はやむを得ないのじゃないかなというふうに思います。  そういう問題がありますと、そのときに、結局教育委員会も判断を出しておられるところと、そうじゃなくて判断しておらない、全く校長の判断に任せるというふうなことになってくる。そうすると、校長さんは間に挟まってどうしたらいいのかわからないというふうなことがあったとき、今の分校とか分教室とかいう形に移したときの責任は、その中学校の校長さんが責任を持つのか、それとも施設の長が持つのか、こういう問題もあるわけであります。  義務教育を実施するということだけは決まっておっても、私は、何かその間についての十分な意思の疎通というか、責任の所在をはっきりするということがないことには、本当に身を入れてそういう子供たちを指導していく体制になっていかないのじゃないかな、こんなふうに思いますが、これは厚生省の方の御意見などもちょっと伺いたいと思います。

渡辺芳樹厚生省児童家庭局家庭福祉課長

○渡辺説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおり、教護院改め児童自立支援施設ということで、児童の自立のためにさまざまな指導を行う、そういう場所で学校教育が教育委員会の責任のもとに実施される、こういう状態をこれから広げていかなければならないという認識を持って対処するわけでございます。  その際に、当該施設の側の人間が、やはり単に施設のみに目を向けるのではなく、地元の小学校、中学校、教育委員会、そのほかにもさまざま、警察あるいは児童相談所、地域の児童の自立支援にかかわる施設なり人材なりがあるわけでございまして、そういったものとの連携をきちっと図りながらやっていくことが大変大事であるし、例えば施設の中で分校、分教室を設置していただける、こういうような場合において、児童自立支援施設内の施設設備の御利用をいただけるように積極的に協力する、こういうような姿勢も大変大事であると思っております。  そういうことで、学校その他との連携に関しまして、児童福祉施設の最低基準という厚生大臣の基準がございますが、それを先月手直しさせていただいて、地域の各種機関との連携ということをうたわせていただくとともに、あわせて、こうした学校教育を児童自立支援施設内で行う場合の施設の利用に関して、積極的に教育委員会の方にも協力していく、こういうような姿勢で、連携して円滑に実施されるようにお願いをしているところであり、都道府県にこうした点を、通知の形でも、会議の形でも指導させていただいておるというところでございます。

左藤恵民友連

○左藤分科員 今お話しのように、そういった点についての連携を十分お願いするだけでなくて、実行できるような体制にしていただくということが大切だと思います。  伺いますと、例えば、先ほど申しました大阪の修徳学院、教護院ですか、ここに今百五十名前後入所しておられるらしいですが、毎年四十名から五十名ぐらい、無断で施設を出ていくというか、少年院の場合だといわゆる脱走ということになるのかもしれませんが、そういうことがある。これは実際には、警察とか学校とか、そういったところの協力を得て、その人たちはまた戻ってきているということにされておるわけですけれども、もちろんこれは義務教育課程の子供であるわけです。  そういうような実態ということから考えますと、施設と教育関係の人たち、それから警察、そういったものと地域の皆さんの協力というものがあって初めてこういった子供たちが更生施設の中で自立していくことができるんじゃないかな。責任のなすり合いとか、そんなことをしておったのではだめだということで、この点について、なお念のために、両省でひとつ十分、地方にそれぞれ別々のということじゃなくて、連携をとった形で、そういう義務教育を実施する上の問題点がないかどうか再点検をしていただいて四月一日を迎えていただきたい、このことをお願いを申し上げて、大臣、何かお話ありましたら。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 左藤委員、長らく教育に強い関心をお持ちになりながら、今貴重な御提言をいただきました。  この大阪の今お触れになりました学院は、大変大きい、全国でも有数の規模でございます。それだけに、なかなか難しい特有の問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、その子供の立場に立って、学ぶべきはしっかり学び、そして、立派な人間として成長をする、そういう場として、今回児童自立支援施設という名称まで変え、そこで、そこの長が就学させる義務を負ったということは、私は大きな前進だろうと思っております。  要は、これがしつかりと本来の目的が達成できるように、今委員御指摘のように、いやしくも文部省と厚生省のはざまに陥ってしまうといったことがないように、中央でもよく協議をしてまいりますし、また、現場の大阪の方でも、そこの連携が密接にいって教育の実が上がりますように最大限の努力をしていきたいと考えておりますので、今後とも、また御指導をいただければと思っております。よろしくお願いをいたします。

左藤恵民友連

○左藤分科員 ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて左藤恵君の質疑は終了いたしました。  次に、青山二三君。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 青山二三でございます。  大臣には、連日連夜、本当に御苦労さまでございます。私もきょうは教育問題について質問をさせていただきます。  もう既に何度も質問が出たかとは思いますけれども、去る一月二十八日、栃木県の黒磯市の中学校で、女性教師が一年生の男子生徒に刃物で刺されて死亡するという、大変痛ましい事件が起こりました。実は、私も栃木県民でございまして、それまでは、どこにあるのか栃木県と言われるほど目立たなかった栃木県が、一躍有名になってしまったほど、ショッキングな出来事でございました。  その後も、このナイフを使った事件が全国で続発いたしております。八カ月前の昨年五月には、神戸市で中学三年生の男子生徒が小学生を殺害した衝撃的な事件が起こりましたが、少年たちがこうした事件を起こす原因を大臣はどのように分析されているのか、お伺いをしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 これが絶対の原因ということを特定するのは、個々の状況によって違うだろうし、なかなか難しいと思うのでありますが、一般的に言えますことは、小さいころからの家庭教育のあり方ということも一つあろうかと思います。伸び伸びと育つことはいいことなのですけれども、いささか、何の制約もなく豊かな時代に子供が育ってしまって、欲しいものは何でも買える。そうすると、どこかで怒られた経験とかあるいは厳しく指導された経験がないまま、ある日突然怒られてしまって、心の中がパニックになってしまうといったようなケースもあるかもしれません。  あるいは学校教育にも、やはりゆとりがないとか、親あるいは社会からの高学歴への過大なプレッシャーといいましょうか、そうしたものが子供のストレスになってたまってくるといったようなこともあるかもしれません。あるいは、子供がとにかく、さっきの家庭に戻りますと、少子化で兄弟がいないから、そこで切瑳琢磨が起きないというようなこともあるかもしれません。あるいはマスメディアのあり方といったようなことで、最近盛んに有害情報といったようなものも言われております。これは、テレビであれ雑誌であれインターネットであれ、さまざまな形でそうしたものに触れる機会が飛躍的にふえてしまった。  そんなようなことなどがいろいろ複雑に絡み合って、結果的には子供が命というものの大切さを忘れてしまっている、そういったことをしっかりと自分の心の中に確立していないといったようなこと、あるいは子供の忍耐心とか自制心がどうも育っていない、いろいろなことから、こうした事件に最終的には至ってしまうのかなということを感じているところであります。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 いろいろな要素が絡み合ってこうした事件が起こるのだということはよくわかりました。  今回の事件に対しまして、文部省は、学校での生徒に対する所持品検査を容認するという管理強化の方針を打ち出しまして、多くの中学校で所持品検査が実施をされております。正当な理由もなく危険なナイフを持ち歩くことが許されないのは当然でございまして、そのことを子供にきちんと理解させることが必要であります。  しかしながら、所持品検査を行っても、ナイフを隠す気になれば幾らでも隠し通すことはできるわけでございます。こうしたことによって、逆に生徒と先生の信頼関係が悪化するのではないか、こんな心配もするわけでございます。栃木県では持ち物検査はしないということを決めているようでございます。  町村文部大臣は、一月の三十日の閣議後の会見で、子どもの人権も大切だが、学校現場は持ち物検査に憶病過ぎるのではないか、そして二月三日には、校長の判断で、十分な配慮をした上で所持品検査をしてもいい、積極的にやれというつもりはないが、必要と判断した場合は及び腰ではいけないと発言をされ、またさらに二月六日、都道府県教育委員会の生徒指導の担当者を集めた緊急会議でも、いささか腰が引けている教育委員会もある、必要なときには毅然たる措置を講じてほしいと改めて要請されております。  しかし、大切なのは、ナイフを持ち歩かなければいられない子供たちの不安や緊張などの本質的な問題とどう向き合うかということであります。それを抜きにして、所持品検査という対症療法的な指針しか示せないところに今の教育の限界があるように思えてなりません。  さらに、学校現場も戸惑っております。今まで校則の見直しを求めてきた文部省が、一転して所持品検査の方針を打ち出したわけでございますから、学校現場が戸惑うのも無理はありません。所持品検査発言についての大臣の御真意をお伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 どうも一連のナイフにかかわる事件について、所持品検査のことばかりがいささか取り上げられ過ぎているのではないかという印象を持っておるのでありますが、私が感じましたことは、考えましたことは、当初、これが蔓延することは困るなと思いました。現実にはその後ずっと広がってしまったわけでありますけれども、そうならないようにするためにどうしたらいいだろうか。委員御指摘のように、緊急対応をやったからといって、それが本質的な解決にならないということはもとより承知をしております。  ただ、こうした緊急事態が起きたときにしばしばそういう議論が出るのでありますが、そんなことをやったって役に立たない、だからやらない方がいいということになるのでありますが、私、そこは違うのじゃないのか、やはり緊急的に対応すべきはきっちり対応し、短期、中期、長期と、それぞれのフェーズに応じた対応というものをまず考えていかなければならないと思いました。  そういう意味で、緊急対応として何が今できるかなと考えたときに、まず、例えば二月六日の教育委員会担当課長とのあれにお触れいただきましたが、そこで私が申し上げましたまず第一は、子供たちに再三、繰り返し命の大切さを、今までも教えておられるだろうけれども、それをしっかり教えてもらいたいということが第一点。  二点目は、ナイフをそもそも学校に持ち込むこと自体、あるいは一定の刃渡りのものを持ち歩くこと自体が法律に違反をしているということ、その単純な事実を第二点目としてしっかり学校に教えてもらいたい。  その前提に立って、そもそも学校というのは安心して学べる場所であるという前提ですべてが成 り立っているわけですから、その安心して学べる場所を確保するためにどうしたらいいだろうかと考えて、もしそれが学校長の判断として必要があると思ったときには、適切な方法で所持品検査をやることも含めて対応をしてください、その際、やはりやるときは毅然とやりましようということを申し上げたので、一斉にやれとか一律にやれとか、所構わずやっていいなんということを私は申し上げたつもりはございません。  ただ、緊急対応として、今言った二つの、命が大切であり、そういうものを持ち歩くのはそもそも法律に違反しているんですよ、そして、学校が安全だという信頼が揺らぐことがあってはいけない、そのことを確保する方法として、それも一つ考えてみたらどうですかということを申し上げたのがその趣旨であります。  なお、本質的な対応ということになるならば、それはまさに今、心の教育ということで幾つかの具体案を、例えば中央教育審議会なりで御審議をいただいたり、あるいは学校の週五日制でありますとか、ゆとりある学校生活、ゆとりある授業というものをどう実現をしていくのかとか、あるいは指導力ある教員をどう養成をしていくのか、現職教員に対する研修であるとか、あるいは新人の教員養成をどうするかといったような幾つかの根本的な対応もあろうかと思いますが、それを言っていたのでは当面の対応に結びついてこないだろう、私はこう思ったものですから、緊急対応を申し上げました。  なお、今委員が、校則の見直しということをかつて文部省は言ったじゃないかというお話もあります。確かに、余りにも瑣末な校則を強いるのはいかがか、それはいずれも学校長の判断でありますから、瑣末であるかないかということも含めて学校長が判断していいのでありますが、ただ、余りにも瑣末なことをおっしゃるのはいかがでしょうかということは申し上げました。それぞれの学校によって、仮に刃物を持ち込んではいけないという当たり前の規則を例えば校長先生が決めたとしても、それは、僕は瑣末ではなくて非常に重要な校則になるのじゃないかということで、瑣末な校則はもうおやめになったらどうでしょうかと今まで言ったことと、今回の対応というのは何ら変わるところはない、こう私自身は考えております。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 大臣は、事件が続発いたしました三月十日、子供たちと保護者に対しまして、事件の再発防止を訴える緊急アピールを出されました。子供たちには、人を傷つけ、命を奪ってはならない、亡くなったり傷ついたりした人の家族の悲しみを知るべきだ、ナイフを持ち歩くことはやめよう、悩みや不安は友達や先生、両親など大人に相談しようという内容のアピールでございますが、何か、子供の心を開こうというようなものではなく、大人が子供に説教しているような感じがするわけでございまして、もう説教して解決できるというような次元ではないと思っております。  大臣は、こうしたアピールでどれほどの効果があると考えておられますでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 効果は、それは率直に言って、これですべての問題が解決するというほど絶大な効果をもとより期待はしておりません。  ただ、一月下旬の栃木の事件以降、結果的には相次ぐ事件が連鎖反応的に起こりました。  私は、あるカウンセラーの方と話していたときに、この種の事件は間違いなくマスコミの報道を通じて伝わっていくのです、あの神戸の事件の後、何件か自殺とかあるいは自殺未遂あるいは傷害事件が起きたときに、それはあの神戸の事件が間違いなく神戸以外の他府県の子供たちの心に影響を与えて、そのことは、例えば自殺した子供の遺書の中に自分もと書いてあったら、それは間違いなく、ああこの子は神戸のことを意識したのだなというのがわかるというのですね、カウンセラーは。  ですから、そういう形で広がるのです、確かに、伝染病のように広がるのです。それをどうやって食いとめることかてきるだろうかということを考え、効果のいかばかりあるか、それはわかりませんが、私は、せめてこういうことを子供たち、親に緊急に訴えたいという思いでこれを出しました。  では言いっ放しかという御批判もあると思います。確かに、子供がゆっくりとまず自分の気持ちをだれかに打ち明けたいという思いも確かにあるでしょう。そういうことは、基本的に家庭の中で、親、兄弟とその子供との関係において、自分に一番近い人間として、自分の胸の内、心を開いて話すという関係をまずつくってもらいたい。  それも難しいという場合もあるだろう。学校の担任の先生がいいのでしょう。しかし、担任の先生は、ある意味では、私はそうは思いませんが、受け取りようによっては子供たちの点数をつける先生というようなとらえ方をされる向きもどうもあるようであります。  そうであるならば、それは養護教諭であるかもしれないし、あるいは第三者、校長先生でもいいのかもしれない、今スクールカウンセラーというものを広げておりますが、カウンセラーさんでいいのかもしれない。そういう場をすべての学校に設けてはどうだろうか。現に、幾つかの学校ではもう整備されておりますけれども、養護室ではない、保健の部屋ではない、そういう部屋を大至急に、全国に、空き教室や何か最近実はあるものですから、整備をして、そこに常時だれか座っていてもらって、それはだれでもいいというわけにいかないと思います、しかるべきカウンセラー等々だろうと思いますが、そういう方々のところに来ていつでも相談できる体制を緊急に整備をする。  あるいは、そういうのはどうしても嫌だという子供たちには、今既に、いろいろな厚生省のやっている児童相談とか、あるいは文部省のやっているいろいろな教育委員会の教育相談事業とか、そういう電話なりあるいはファクスなりあるいは個別の面談なりという形で相談事業もある。そういうことももっと子供たちに知ってもらって、心を開いてもらう。そういうことも当面の対応としてはやはりあり得るのだろう。  ただ、ではそれだけで十分かといえば、またさらに、より根本的な対応というのも、先ほどちょっとその断片を申し上げましたが、そうしたようなこともあるのだろうと思っておりまして、決して私は説教をしようと思ってあのアピールを出したわけではございません。ただ、子供たちにぜひ考えてちょうだいねという、まさに子供たちの心に届いてほしいなという思いを込めて訴えを出したわけであります。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 大臣のお気持ちは大変よくわかりました。ですから、今回のこの少年事件の続発は、なぜ子供たちが命を軽んずるのか、そういう問題として受けとめるべきであると私は考えます。  一時しのぎの対策ではなくて、子供たちの持つ多様な個性と能力を最大限に評価し伸ばしていく、人間としてよりよい生き方をともに考えていく、人間教育が求められているものと思います。  橋本総理も、施政方針演説で、この国の将来を担う子供たちが直面する問題に取り組む姿勢を示しまして、今こそ大人の責任で対策を考え、実行しなければならないと力説されてはおりますが、残念ながら具体的な施策は提示されませんでした。教育については長期的展望のもとに具体的な施策を講ずることが重要であると考えます。  そこで、我が国の将来的な教育の理念、ビジョンについてどのように考えておられるのか、教育の最高責任者である文部大臣の率直な御見解を伺いたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 日本の教育あるいは日本の子供たちがどう育ってもらいたいか、これを話し出しますと三十分ぐらい必要になるかと思いますので、本当に断片的なお話になるかもしれませんが、お許しをいただきたいと存じます。  私は、一言で言えば、二十一世紀を担う日本の子供たちが豊かな心でたくましく育ってもらいたい、こう思っております。一言で言うとそういう思いです。  政府は何もやっておらぬじゃないか、橋本総理は何も具体策を言っていないじゃないかという御指摘もございますが、私どもは、昨年の一月に教育改革プログラムを、そのころは別にこのナイフ事件なんか起きていたわけじゃございませんけれども、まさにこの教育改革プログラムがねらっていることというのは、今申し上げましたような、そういったくましい人材、豊かな心を持った人間を育てるにはどうやったらいいだろうかということで、私どもはこの教育改革プログラム、大変多岐にわたっておりますが、四つの柱に絞って今皆さん方の御理解をいただこうと思っております。  一つは心の教育、二番目はいろいろな選択ができる学校制度にしていったらどうだろうか、三つ目は学校の現場の自主性を尊重した学校づくりをしょう、そして四番目は大学改革とか研究の振興を進めていこうということで、特に一番目の心の教育ということで、昨年の例の神戸の事件が起きた後、急速中央教育審議会にそのあり方について諮問をいたしまして、近々中間報告をおまとめいただきます。  その中にあって、今まで余り国なりあるいは政治が踏み込んでこなかった家庭のあり方といったようなことについて、それをもう一度みんなで議論してみよう、こういう家庭づくりができないだろうかというようなことをおまとめをいただいたり、あるいは地域と学校の関係、地域と教育というものが薄らいでおりまして、地域の教育力をどうやって高めていくかというようなこと、あるいは学校の中で心を育てる、なかなか言うべくして難しいと思いますが、道徳教育の充実でありますとかカウンセリングの充実でありますとか、そういったようなことをまずそれぞれの持ち腸持ち場でしっかりやっていくことが必要であろうというのがこの心の教育の一つの大きな柱であると思っております。  二番目は、やはりゆとりのある学校、先ほど申し上げましたような学校の週五日制というものを平成十五年からと当初予定をしておりましたが、できるだけ早めようということで、今十四年実施という方向で作業を進めております。その中には、当然のこととして、教える内容が今までと同じではかえってすし詰めになりますから、教える内容も厳選をし、選んで、ぎりぎりのところに絞ってやっていく、もちろん授業時間も全体としては減らして、そしてそのかわりできた土日で、ゆったりと親子の触れ合い、自然との触れ合い、あるいは年齢の違うお子さんたちとの触れ合いをする、そういう社会体験、自然体験をできるだけふやしていくというようなこと。  さらには、教員の養成、指導力ある教員というものを、カリキュラムを変えたり、研修を充実したりして、そのような形で指導性のある立派な先生にも育ってもらいたい、そうしたことを既に教育改革プログラムの中で実行に移しております。  さらに、これだけで十分かどうか、またこの国会での御議論も承りながら、さらにこれを充実していきたいと思っておりますけれども、そのような形で、既に私ども心の教育というものの具体化に入っておりますので、こうしたことをしっかりやっていくことが、今委員が言われたような根本的な対応策になるのではなかろうか、このように考え、その実現に最大限の努力をしていきたいと考えているところであります。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 先月でございますけれども、栃木県鹿沼市の市立東中学校では、新年度から中間、期末の定期テストを廃止することを打ち出しました。こうした全国でも例がないと思われる新しい試みには賛否両論があるのはもちろんでございますが、先生たちが生徒のために、競争による評価だけの画一的な学校教育のあり方を根本から見直そうという改革を実行した姿勢は高く評価ができるものと考えます。そして、この画期的な実験は、子供一人一人とどう向き合うかという原点を教師に問いかけているようにも感じられます。  定期テスト全廃に対する文部省の見解と大臣の御感想を伺いたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 この件につきましては、私どもも県の教育委員会を通しまして内容を聞いておりますが、そこでは、これまで定期テストということで、中間、期末、学期に二回いわば大きなテストをやって、それで評価もし、また生徒たちも、ああ、これで終わったというようなことで終わっていた。これでいいのだろうかということでのさまざまな議論を経ての対策としてこれを学校として考えたというふうに聞いております。  一つは、生徒がそのテストを乗り越えればいいということではなくて、大きなテストにかえて小テストをする。この具体的な中身はさらに学校の中で研究をしているようでございますけれども、小単元ごとにテストを行うということで、毎回毎回のといいましょうか、小刻みなテストをするということで生徒のだれをなくすということ。それから、一回あるいは二回のテストだけでよかったあるいは悪かったということで終わってしまいがちな現状を直すということ等を意図した提言、対策だというふうに聞いております。  評価のあり方あるいは学習指導のあり方というのは、それぞれの学校がいろいろな子供たちを見ながら工夫をしてくださるということが原点だと思っておりまして、私どもも、この学校の取り組み状況につきまして今後見守ってまいりたい、こんなふうに思っております。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 私は、それぞれの学校、それぞれの地域でさまざまな取り組みをするという意味で、結論的に言えば、いいも悪いもない、結果を見守りたいな、こう思っております。  ただ、本当にすばらしいかどうか、これは正直言ってわかりません。ある意味では、定期テストをやめたかわりに、何度も何度も、あるタイミング、一週間か二週間かわかりませんが、いつも小さいテストをやる。逆に言うと、それは先生も大変だし、子供たちも結構これは大変だなということになるかもしれない。  したがって、これはもう大英断ですばらしいと言って、そう大きな声で持ち上げるつもりもありませんし、だめだと言うつもりもありません。一つの試みとして、一つの試みをやったというところに注目して、それは自主的によりよい教育を求める試みとしての評価はしたいと思いますが、いいかどうか、この辺は、その現場に当たる方々の今後の御努力にその成否はかかっているのだろう、私はそう思います。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 栃木県の教育委員会は、あの事件を受けまして、児童生徒の保健室利用の実態調査を行いました。その結果によりますと、養護教諭が心の問題で継続的に相談に乗っている児童生徒の総数は三千八百四十三人と全体の一・四%、中学校だけを見ますと二・三%になっておりまして、これは、文部省が行いました調査から見ますと、少し予想より少なかったというふうになっております。  しかしながら、心の問題を抱えた子供たちが保健室に行きたがるという大きな理由は、保健室は点数をつけない、心のオアシスである、心の居場所であるというようなことで保健室を利用しているようでございます。そして養護教諭も、子供たちの言葉に耳を傾けて一生懸命寄り添おうと努力をいたしております。  そういう大変保健室の意味が見直される中で、養護教諭の複数配置というのが、第六次の教職員配置改善計画ですか、これによって認められておりますけれども、その条件が三十学級以上、こういうことで行われておりますけれども、これは現実離れしているのではないか。  そして、今どうしても、四十人学級、これを例えば二十人学級から二十五人学級にすべきではないか、そうすると生徒と先生との距離が大変近くなって、問題解決に通じていくのではないか。そしてそのために、空き教室の利用が余り進んでいないと言われております今日でございますので、そういうあいた教室を使って少数化をしていく、こういうことは考えられないものか。定員を半分にするということは法律的に難しいことだろうか。いろいろ考えるわけでございます。  大変時間が迫ってまいりましたので、幾つかに立て分けた質問を一度にさせていただきましたけれども、それぞれについて御答弁いただきたいと思います。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘ございましたように、現在進めております第六次の義務教育諸学校の教職員定数改善計画におきましては、三十学級への養護教諭の複数配置を含めまして、全体として三万四百人の基準改善を図りたいということで進んできたわけでございますけれども、大変厳しい国の財政事情のもとにおきまして、昨年十二月に成立いたしました財政構造改革法によりまして、これを二年延長するということで、平成十二年度をもって完成するということになっておりますので、文部省といたしましては、その枠の中で最大限着実に改善に努力してまいりたいと思っているわけでございます。  また、養護教諭の複数配置、三十学級ということでございますけれども、各都道府県におきましては、養護教諭の全体の定数の中で、例えば併置校、小中学校併置校があるといったようなものを活用しながら、三十学級以下のところでも発令をしているという実態もございますので、それはそれで、各都道府県がそれぞれの現場の要請に応じまして最も効果的な定数配置を行っていただくということは工夫していただいて結構ではないだろうかと思っている次第でございます。  また、余裕教室につきましても、私ども、できるだけこれを活用していただきたいということで、昨年度の状況でございますと、全体として五万七千教室ほど余裕教室があるわけでございますけれども、平成八年度中にこれを活用しましたのは、学校施設に一万三百教室、これは、多目的スペースであるとか図書のスペース、あるいはランチルームやカウンセリング室等への転換もございます。  また、学校施設以外の転換も四百教室ぐらい、老人デイサービスセンターや学童保育クラブ等にやっておりまして、できるだけこれも積極的に各市町村の御工夫によって進んでもらいたいということで、その転用の手続についても思い切った簡素化を図っているところでございますので、いろいろな転用事例等のPRも含めながら、今後とも推進をしてまいりたいと思っているわけでございます。  二十人学級の問題は、教室の問題ということももちろんないわけではございませんけれども、やはり経常的に、教員を何万人というふうな形で改善した場合に、その財政的な負担は大変大きいわけでございまして、先ほど申し上げましたような財政構造改革法のもとにおきまして、当面この三万四百人の改善計画の着実な推進に努力をしてまいりたいということで御理解いただきたいと存じます。

青山二三平和・改革

○青山(二)分科員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきますが、今こそ、文部大臣、文部省、真に子供たちの幸せのために教育改革に全力を注いでいただきたい、このことをお願いいたしまして、終わらせていただきます。大変ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて青山二三君の質疑は終了いたしました。  次に、武山百合子君。

武山百合子自由党

○武山分科員 武山百合子です。自由党を代表しまして、質問いたします。  早速ですけれども、実は私、先週の月曜日、地元の中学校の卒業式に行ってまいりました。感想としまして、私は、二十年ほどアメリカに住んでおりまして、五年前に政治の世界に入ったものですから、二十年間というものはすっかり日本とごぶさたしておりまして、一、二年に一度は帰ってきておりましたけれども、卒業式なんぞを見るという機会は全くなかったわけなんです。実は、出て本当にびっくりしたのですけれども、相変わらず形式的な卒業式であるということに驚きました。なぜ形式的な卒業式であるかというと、子供たちのことが考えてあるとは私はちっとも感じなかったのですね。  それで、二時間十五分の卒業式で子供たちが生き生きとしていたのは何だったろうかと考えましたら、それは、学校の校歌を歌ったり、それから旅立ちの歌を歌ったある町の卒業式だったのですけれども、その二曲を歌ったとき、子供たちは伸び伸びと大きい声で歌を歌っていたというのが印象的だったのです。  それで、式次第の内容は何だったかといいますと、先に三百二十人の卒業生の卒業証書授与式だったのですね。それを行った後、校長先生のあいさつ。校長先生は、今この社会の事情がこうである、みんなそれにめげずに頑張ってほしいというあいさつをされました。その後、教育委員会からのあいさつ、それから市会議員のあいさつ、その間に私は入れていただいたのですけれども。  残念だったことは、市会議員のあいさつと教育委員会から来られた方のあいさつが、本当に型どおりのあいさつ文を書いてきて、それで読まれたわけですね。何か子供に対して心に残ることを言ってほしいと親や子供は思っていたのではないかと思うのですけれども、相変わらず形式的な卒業式だったと私はがっかりいたしました。  町村文部大臣、日本の卒業式に出られたことはありますでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 私も娘が二人おりますので、もう今から何年か前のことになりますが、高校それから大学、大分前になると中学校、それぞれ娘たちの卒業式には、全部とは言いませんが、かなりの回数、出たつもりでおります。

武山百合子自由党

○武山分科員 何が聞きたかったかといいますと、その卒業式の内容は何か印象に残りましたでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 学校によりさまざまであったな、こう思いますし、大変印象的なものから、それから委員御指摘のようにいささか型どおりだなと思うものから、それはさまざまあった、こう記憶をしております。

武山百合子自由党

○武山分科員 それでは、その辺でその件は終わりにいたします。要は、やはり子供を中心にして考えていただきたいということを、私は実は言いたかったわけなんです。  それで、今度、二十一世紀に向かって教育改革プログラムというものが、本当に文言はすばらしくできたと思うのです。私も本当に日本語のすばらしさを二十年ぶりにかみしめているものですから、日本語のすばらしい文言、本当にすばらしい言葉が並んだなという印象はありますけれども、さて、これは中身の問題だと思います。  今度、週五日制に徐々になっていくわけですけれども、実際に細かい部分を聞きたいと思います。カリキュラムはどのようになるかという点ですね。  週五日制になりますと、やはり授業日数が少なくなりますし、例えば、初等教育を例に出しますと、初等教育というのは一言で言いますと、どんな教育をするべきだとお考えでしょうか。文部省それから町村文部大臣にお聞きしたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 それぞれ、形式的といいましょうか、法令的には、学校教育法にきちっと小学校教育の目的、目標が書いてあるわけでございますけれども、基本的には、基礎、基本をしっかりと身につけさせる、そういう場が初等教育の主たる任務だというふうに思っております。

武山百合子自由党

○武山分科員 町村文部大臣にも同じことを。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 局長がお答えしたとおりであります。

武山百合子自由党

○武山分科員 ありがとうございます。基礎的なこと、私もそう思います。  それでは、二十一世紀に週五日制になりました場合は、このカリキュラムというのは縮小するのでしょうか。  今、学校現場はもうあっぷあっぷしている状態なんですね。実は私の弟も学校の先生をしておりまして、私の母も実は学校の先生をしておりまして、私も実はニューヨークの方で学校の先生を十五年しておりました。何しろ日本のカリキュラムはあっぷあっぷ状態で、私も小中学校で例えばツ ルカメ算などをやりましたけれども、そういうものは卒業してから日ごろの生活に全く必要ないのですよね。  ですから、初等教育の中、中等教育の中では、本当に人間が生きて生活していくために必要なことを教える、精査したものをつくっていくというふうに、やはり反省点を持って本当に大きく変えていかなければ、その弊害によって、大人はだれも損害をこうむっていないのです、実際にこうむっているのは子供たちなんですよね。生きる力をなくし、夢や希望をなくし、一番の損害をこうむっているのが子供たちなんですよね。  ですから、子供を主体にした二十一世紀の改革を本当に一つ一つやらなければと私も思っておりますけれども、カリキュラムの主な縮小、例えば五日間でこなせるカリキュラムというものを、どのように柱を立てておりますでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 大変重要な点でございまして、ただいま教育課程審議会で真剣な議論が行われております。  これまでの内容と違いまして、これまでは六日制を前提にしたカリキュラムでありました。今回は五日制を前提にした内容だということで、物理的な日数も縮小する、その前提での精選ということで、今、教育課程審議会の委員は厳選ということを共通理解として取り組んでおります。それが一つ。  それから、もう一点。  ただ、何を縮小するかというときに、それぞれの方々がそれぞれ意見をお持ちです。国語ということについての視点がありますし、算数、社会、その他体育とかそれぞれありますので、そういったものについては、我々、達成度調査という調査をいたしましたけれども、そういうものをきっちりと分析をして、そういうものに基づいて公正、公平な議論をして、何を厳選するかということで今取り組んでいるところでございます。

武山百合子自由党

○武山分科員 今、実際に初等教育で行われている授業というのはスリム化されていない状態で、それで月二回お休みがあるわけですよね。それで、無理な状態で今消化しているわけですよね。それではどのくらいスリム化されるのか、その程度を何かわかりやすい言葉で表現していただけたらと思うのです。  例えば、本当に生活に必要なこと、それは、例えば数学でしたら、足し算、引き算ですよね。掛け算、割り算、最低限のことですよね。私は、アメリカで子供たちの宿題を見ていてびっくりしたのです。本当に、何年たっても足し算、掛け算、足し算、掛け算、一年生、二年生、三年生、四年生、ずっと基本的なことしか出てこないのですね。それで、もうちょっと高学年になって、ようやくもう少し深みのある、いわゆる算数ですか、入っていくわけです。  今、日本のカリキュラムというのは盛りだくさんで、ものすごく教えることが多くて、子供の方がもうそんなに教えてもらいたくないとあっぷあっぷしている状態だと思いますけれども、多いとは思いませんでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 この内容につきましては、前回の改定におきまして、ただいまのような強い御指摘等も当時もあったわけでございまして、そういった意見等も踏まえて、また、子供たちの発達段階というものをきちっと踏まえた議論を経て、今の学習指導要領ができております。  しかし、御指摘のような声はもちろん私どもも承知しておりますが、ただ、学校の慌ただしさ、ゆとりのなさ、それから、余りにも詰め込んでいる現状というものが学習指導要領からだけ来ているかどうかという点については、厳密な議論をする必要があるのではないかという気が、ちょっとお言葉を返すようですけれども、いたしております。  周りの指導方法の問題でありますとか、あるいは評価の問題ですとか、特に受験といった問題とか、さまざまな要素が入っております。それから、本来家庭や地域にゆだねるべきものも学校が抱え込んでいるということから、教科の時間にしわ寄せが来ているというようなものもありますし、学校運営の仕方の問題もありますし、さまざまな、何といいましょうか、これまでずっと持ってきた、我が国の学校の仕組み、あり方、伝統みたいなもの、全体が一つになって、今のような問題というものが指摘されているのではないかというふうに思います。  したがって、学習指導要領だけが云々ということは、いささかいかがかと思うわけでございますけれども、それでもやはり内容につきまして今のような御指摘もあるわけでございまして、こういった点は教育課程審議会の委員も十分に承知をしておりまして、先ほど申し上げましたように、学校完全週五日制が円滑に実施される、そのためには、ゆとりを持った学校教育の実現という目的を達成するために、内容の厳選、そして考える時間とか試行錯誤する時間とか、そういったものも生み出すようなカリキュラムにしようということで、今一生懸命努力をしているところでございます。

武山百合子自由党

○武山分科員 それでは、ぜひそのように、言葉は本当に百万遍語っても、実際に内容が伴わなかったらやはり絵にかいたもちなわけですよね。内容を伴ってやはり初めて生きていくことであって、それを実行するというのは、やはり今から五十年、百年かかると思うのです、教育というのは。やはりお金もかけなければいけないし、それから、もちろん時間もかけなければいけないし、魂も入れなければいけないし、本当に今言っていることが実際に実るのは、恐らく私が生きているときにはなかなか見えないだろう、五十年先、百年先になってしまうんだろう。  すなわち、日本人としての誇りの哲学ですね。ああ、日本の国に生まれてよかった、日本の社会でこういう教育を受けて、それで本当に国に恩恵を感じる、日本の社会が僕たちを教育してくれたんだと、もちろんいい意味でですよ、本当に日本はいい教育を僕たちに授けてくれたという子供たちを輩出していかないと、日本の国は本当にどうなってしまうのかなと思うのですよね。ああ、いい勉強をした、国が教育を授けてくれたんだと、そういう国を思う気持ちを育てる。  今、例えば国旗の掲揚とか国歌ですか、卒業式に戻りますけれども、我々の時代は、何か卒業式の歌を聞いたらみんな涙をこぼしたような時代だったのですけれども、今は本当にからっとしているんですね。にこにこしてさっぱりとして退場していくわけなんですね。それはそれで決して悪くもありませんし、私たちの時代がいいとか悪いとかいうこともなく、今も悪いとかいいとかじゃなくて、それだけ時代が変化しているということですよね。歌詞をやはりそれだけかみしめて聞いていても一感じ方が全然違うということだと思うのですよね。  ですから、哲学はやはり魂が入らないといけないと思いますので、ぜひ魂を入れて、文部省に頑張っていただきたいと思います。  それから、先ほどもお話に出ておりましたけれども、今、初等教育、見ていますと、クラスの人数が四十人前後なんですね。先ほど御質問もされておりましたけれども、やはり人数が本当に多過ぎると思います。  それから、先生の質の問題ですけれども、先生もまたすごく大変なんですね一仕事が多くて、実際に見ていますと。  それから、もちろん議論もされておりますけれども、しつけや何かはやはり家庭でやるべきことなんですよね。よく父兄の方で、先生、家庭ではとてもしつけられませんので学校でしつけてください。学校でしつけてくれって、家庭でしつけられないものを学校でしつけるなんてできるわけないんですよね。そういうことをやはり先生もきちっと、毅然と、学校では、お宅でできないことはそこまではできませんと、学校はやはり基礎体力をつける、基礎知識を授けるところだということを自覚を持って言えるような学校教育であらねばならないと思います。  それにはやはり先生の質、それから先生に対する社会的評価というのでしょうか、やはり先生に対してもっと社会的な評価もしなければいけないと思います。それから、先生の評価に対する経済的な支援もやはり今後していかなければいけないと思うのですよね。やはり、いい人材が集まるということは、それなりの社会的な評価と経済的なバックボーンが必要だと思います。  それから、その先生の質に対して、やはり途中採用というのですか、中途採用、それもいろいろな形で採用すべきだと思います。  私は、アメリカの子供たちを見ていて、ミュージカルを小学校一年生、二無生、三年生と、各学年ごとにつくるんですよね。それで、毎年発表会をするんですけれども、もう日本でも連れてきて発表させたいくらい物すごくすばらしいミュージカルが、白雪姫だとか裸の王様だとか、いわゆるニューヨークのミュージカルの有名なものが行われているんですよね。各小学校で発表会が行われているのです。  どうしてこんなに音楽の先生がうまく演出して発表会ができるのかと聞きましたら、実は、ミュージカルに実際に自分がかかわって、そこで音楽をつくって、それでそこで演じていた方々が学校の先生になっているというのですよね。中途採用されているわけなんです。実際にそういう現場の音楽にかかわっていた人が、将来、十年、二十年たって学校の先生になれる、そういう門戸の広さですね、それには本当に私はびっくりいたしました。音楽に対する専門知識が学校の先生よりもあるということですよね。  ですから、いろいろな形で、例えばオリンピックの選手などがずっとスポーツをやってきますね、そういう方々が実際に学校の先生に途中採用でなれるとか、あるいは、私は学生時代に弓を引いていたのですけれども、今弓を引く高校生、大学生が少ないというのですね。それはなぜかというと、高校で、弓の先生がきちっとした教員免許証を持って学校に採用されないと教えられないというわけなんです。弓は引けるけれども、教員免許証を持っていないために教えられない、そういう制度の弊害というのですか、弓だけ課外活動で教えるのであれば、段を持っていてきちっと弓道を学んでいる人がいれば、それは学校の先生じゃなくても教えられると思うのです。  そういう門戸は開くべきだと思いますけれども、どう思いますでしょうか、町村文部大臣。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘がございましたように、教員の採用につきましては、教員免許状を持った方を採用するということが原則でございます。  しかしながら、各都道府県におきましては、近年その採用の年齢を引き上げるといったような御努力もしておりまして、したがって四十歳以上であるとか、あるいは制限がないといったような形で採用試験を受けられるというところも三県ほどございます。全体として、三十歳以上まで引き上げてきているというような努力もしてございます。  また、教員の免許状を持っていないすぐれた資質を持った方を教員として採用するというシステムといたしましては、昭和六十三年に教員免許制度を改正をいたしまして、特別免許状制度ということを設けまして、各都道府県教育委員会が個別に個々人の資質を判定いたしまして、採用したいという方については都道府県限りで十年以内の有効な免許状を発行して採用できるといったようなシステムもございまして、御指摘のように、まだそう数は多くはありませんけれども、毎年数件というような形で採用が進んできているという状況もございます。  また、弓の先生、あるいはオリンピック等々もございましたけれども、そういった特別な競技成績等を勘案をして、特別に選考していく。多くの体育系の方々、免許状を持っておられる方は多うございますので、そういったことを実施している都道府県も現実にございます。そういったさまざまな形で多様な教員が採用されてくるということは、私ども、学校教育にとって大変有益なことと考えておりますので、今後とも、そういった政策を各都道府県がとっていただくよう、推進してまいりたいと思っております。  最後に御指摘ございました、課外の活動で弓を教えるということにつきましては、今お茶やお花等々も含めまして、いわゆる課外の部活動指導、ちょっと私今資料を持っておりませんけれども、こういった形では教員免許状を持たずに教えることができるということになっておりまして、相当程度、特に高等学校等を中心にそういった方々が現実に入ってきておられます。  また、正課の部分につきましても、特別非常勤講師制度という制度、これも六十三年に法律改正をいたしまして、教科の一部につきまして、例えば音楽でありますと、和太鼓であるとか民謡であるとかといったようなことにつきまして教えられますよ、あるいは家庭科でありますと、調理あるいは作法を教えられますよといったような形で、現在三千五百人ぐらい、高等学校あるいは中学校を中心に正課の授業を、一部でございますけれども、教えられている方々もございます。  そのために、文部省といたしましても、特に小中学校につきましては補助制度を設けまして、三分の一ほどの助成、国庫補助金を出しまして、各都道府県が市町村の学校に派遣するということを推奨しているということで、来年度予算におきましてもこの拡充等をお願いしているわけでございますので、今後とも、先生御指摘の趣旨を踏まえまして、積極的に政策を進めてまいりたいと思っているところでございます。

武山百合子自由党

○武山分科員 私、実は町村文部大臣に、文部大臣としてどういう考えか聞きたかったのですけれども、先に指名されたものですから。ぜひ私の発言を優先していただきたいと思います、司会の委員長。  それでは、二十人学級の方はどうなりましたでしょうか。私、二十人学級の件で聞いたと思うのです。先生が四十人を教えるのは大変だ、二十人学級はいかがでしょうかということを聞いたと思うのです。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 答弁漏れで、まことに申しわけございませんでした。  現在、我が国の場合、小中学校におきましては、同一学年の子供たちを四十人を上限として編制するという学級編制基準をとっております。したがいまして、実際に各学校を見ますと、大規模の学校では四十人入っているというケースが多うございますし、また小規模な学校では二十人以下という学校も多くあるわけでございますけれども、全国押しなべて平均をとってみますと、小学校が二十七・七人、中学校が三十二・九人ということでございます。  例えば、アメリカのカリフォルニアの一つの例で見ますと、教員一人当たり、平均が三十人ぐらいの上限で持つというような例が多くあるわけでございますけれども、そういったところで実態の数字が出ておりますのは、例えば教員一人当たりが持つ児童生徒数というのが、初等学校では十九人というような数字がございます。これは、日本の場合で比べますと、教員一人当たりの児童生徒数はまた十九・八人というような配置があるわけでございまして、実際に配置されている教員の数ということで比べますと、それほど諸外国と比べても遜色はない。ただ、実際の授業のやり方、あるいは学校経営の仕方というものが諸外国と比べて随分違うということで、単純には比較できないかと思います。     〔主査退席、松沢主査代理着席〕

武山百合子自由党

○武山分科員 御手洗さん、そういうふうに言いますと、さも十九人でやっているように思われますけれども、それは違いますよ。現実に首都圏はみんな多いですよ、クラスは。確かに過疎とかそういうところは少ないと思いますよ。でも、少ないところと平均して幾らということを出して、私はそれを言っているわけじゃないのです。現実に首都圏の方が人口が多いのです、いわゆる人口密集地の方が。そこで行われている現実のクラスの人数は、やはり多いのですよ。今おっしゃったような言い方をしましたら、さも二十人学級が全国的に行われているという印象ですよ。  それから、アメリカでは、私が住みましたニューヨーク、コネティカット州、ニューヨークもロングアイランド、みんな二十人学級ですよ、ほとんどが二十人学級ですよ。ですから、それはもう全然違うと思いますよ。何か御手洗さんが発言したら、さも日本全国がこういうものだというふうに聞こえるかもしれませんけれども、それはちょっと訂正していただきたいと思います。さも全部が平均してそのようだというような印象を受けましたけれども、首都圏は物すごい大人数です。私がこの月曜日に行きましたところも四十人近くです、どこのクラスもです。ですから、それはちょっと認識違いだと思います。  ですから、首都圏の人数の多いところは、やはり個性化教育するためには人数を少なくしなければだめだということで、四十人で個性化教育ができると思いますか。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 先ほど申し上げました数字は、その数字として間違っているものと思っておりませんが、もう少し詳しく御説明申し上げますと、先生御指摘のように、確かに、例えば三十六人以上入っている学校というのは、全国平均で見ましても、小学校で二〇%のクラスはそうなっていることは事実でございます。また一方で、二十人学級以下で入っている学級というのも一七・八%ということは事実でございます。それから中学校になりますと、確かに三十六人以上入っている学級というのは五二%を超えるというような状況であることも事実でございます。  そういったことを踏まえまして、例えば、現在私どもが進めております第六次の改善計画の際にも、一つのクラスを二つに割ってグループ別指導をしたり、あるいは二つのクラスを三つに再編成して教えたりというような、さまざまな小グループでの指導ができるようにということで、比較的大きなクラスサイズを抱えている学校、どちらかというと大規模校になりますけれども、そういった学校を重点的にチームティーチングなどをしていただくための特別の教員措置ということで、それを中心にして第六次の改善計画をしてきたところでございます。  そのような定数といたしまして、三万四百人のうち一万五千九百人以上を充てているということで、その実態に応じたきめ細かな定数配置という点でも、私どもそれなりに政策の中で対応させていただいていることについては御理解をいただきたいと存じます。

武山百合子自由党

○武山分科員 ちょっとまぜ返すようですけれども、本当は私もしたくないのですけれども、そういう言い方をしますとやはり、いや、一応お話ししておきます。  五〇%以上がすなわち三十二人以上四十人までだということですよね。全部を足して十九人ですなんという言い方はおかしいと思いますよ。国民はどこに目を向けるかというと、五〇%以上だということですよ、人数が多いということですよ、三十二人から四十人までなわけですから。そういう事実をやはり事実として表に出して、そうして、これが現状だということを教育は見せていかなければいけないと思いますよ。  こういう現状だから、少ないところはこれでいいけれども、多いところは、ではどのくらいにしていくのだ、個性化教育をしていくためには、ではどのくらいの人数だというふうに議論をしていかないと、全国平均がこうだから、ではこれでいいのですという発想は、切りかえないとだめだと思います。まさに教育改革にならないと思いますよ。  それからもう一つ、もう私の時間がなくなってしまうものですから。  以前、転入などをするときに月の初めに入るということを聞いておるのですけれども、例えば転校したりして途中で入学しますね。途中入学、例えばお父さんの都合で転校してきた、きょうから学校に行きたい。ところが、きょうが月の十五日だとしますね。そうすると、十五日では受け付けられません、月の初めに学校に来てくださいとよく言われるのだそうです。  それで、実は私の子供が何回も私の町に体験入学したのです、三人とも。六歳から体験入学をさせて今二十三歳になりました。次男が十九歳になりました、これも六歳から体験入学。娘が今十八歳になりました、これも六歳から体験入学させた。それで、行きますと必ず、月の初めから入ってくださいと、途中から入れてくれないわけですよ。これは、教育委員会でそういうふうに言うわけです。制度上はどうなっていますでしょうか、途中入学は。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先生の具体のお尋ねで、どういう事情でそういうことを言われたのかというのはわかりませんが、制度の上では、一日の日でなければ転校はできないということはないわけでございますから、何か別の事情があるのかどうか。特段、制度上何かルールで規制しているということはございません。

武山百合子自由党

○武山分科員 では、月の初めではなくても、月の途中でも終わりでもいつでも入学できるというのが制度上なっているわけですね。  では、それは調べます。恐らく教育委員会の都合上、何かの都合上、例えば給食の途中から入るとか、それから何か学級費の途中から入るとか、恐らく何か都合だと思います。それで、先生か学校が面倒くさいものだから、月の初めにしてくださいと、みんなそういう部分で裁量を勝手に使ってやっているわけですよ、子供のことを考えずに、計算するのが面倒くさいとか。そういうものがあると思います。それ、調べてみます一過去にそういうことがあったものですから。  それから、もう一つだけお願いいたします。高等学校が、今九九%近く中学から高校に進学になっております。この高校の義務教育化というのをお考えかどうか。結局、入学試験をして選抜されて高校を決めていますね。高校は義務教育ではありませんが、中学まで義務教育で、それをほとんどの中学生は高校に進学しますので、その選抜試験、入学試験を外して、地域で、地方分権の中で義務教育化していったらどうかなと思っております。  高等学校、それについてちょっと何か考えていらっしゃるかどうか、御見解を伺いたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 今高校への進学率が、お尋ねのようにほぼ高校に進学しているという実態にあるというのはそのとおりだと思います。  ただ、それだけに、高等学校に学びます生徒たち、あらゆる面で多様化をしてきているわけです。能力とか適性とか興味関心も、また進路希望等も、あらゆる面で多様化してきております。それにこたえるべく、高等学校の側も、特色を持った高等学校をつくろうということで、さまざまな特色をつくる試みをしているわけでございます。  そういうことでございますから、受け入れる高等学校の側も、受け入れた以上責任を持ってしっかりした教育を施すということからいたしますと、やはりそれにふさわしい子供を選ぶ、能力、適性その他の点でという、選抜というのは当然あってしかるべきものというふうに思っております。  そのことは、高校全入ということなのですが、義務ということになりますと、希望するしないにかかわらず小中学校と同じように義務として課すということになりますから、中学校を出た後別の道を歩もうという者に対して、それは高校に行きなさいということになるわけで、それはまた今の実態からいってどうか。あるいは制度の基本にかかわるということでございまして、今それを考えるのはいかがであろうか。今の高等学校の現状等からいきまして、直ちに賛成をするということはできかねるところでございます。

松沢成文民友連

○松沢主査代理 質問時間が終了しましたので、最後に。

武山百合子自由党

○武山分科員 では、これで終わりにいたします。  要は、中高一貫教育という意味で、中学から高核まて一貫してという意味て尋ねたのですけれども、私の持ち時間が終わったものですから、どうもありがとうございました。

松沢成文民友連

○松沢主査代理 これにて武山百合子君の質疑は終了いたしました。  次に、玄葉光一郎君。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 二、三質問をさせていただく前に、今武山委員の質疑を聞かせていただいて、通告していませんから一点だけ意見として申し上げたいと思うのは、確かに、私も社会人を先生にするというのは賛成なのです。社会人を先生にすることによって、それは今お話にあったように教育効果もある。と同時に、特に私はこの国をチャンスが二度ある、あるいは三度ある、そういう社会にしたいという思いがあるものですから、そういう意味でも社会人を先生にする、あるいは一定の経験を持った方に先生になっていただく機会を与える、チャンスを与えるというのは極めて大事なことだと思いますので、ぜひ文部省としても積極的に取り組みをお願いしたい。先ほど御手洗局長の方からの御答弁のように、非常勤講師は非常に例があって、香川の讃岐うどんとか非常にユニークで効果を上げていると思います。  ただ、一方で特別免許状を与える、三年から十年とたしか聞いていますけれども、そういう例というのは、残念ながら累積で三、四十件しかないということだと、成果として上がっているのかということになりかねませんから、私だったら、都道府県の教育委員会の採用枠に例えば社会人枠を設定して、一人とか二人とか、そのぐらい大胆なことをやった方がよいのではないか、そんなふうにも思っているということを冒頭申し上げておきたいというふうに思います。  大臣、唐突で恐縮ですけれども、今少子化の問題というのがさまざまな分野に影響を及ぼしているわけでありますけれども、この少子化の主な原因というのをどのようにとらえておられるか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 いろいろな方々のいろいろな分析があるようでありますか、どれか一番大きな理由か私にも正直言ってよくわかりませんが、思いつくままで申し上げさせていただきますと、やはり一つは、結婚年齢が上がってきているということ、これは現実の統計としてもあるようでございまして、それがまず一つあるのだろうな、こう思います。  それから、若い男性も、特に若い女性かもしれません、若い必要もないかもしれない、ちょっと表現が不適切だったらお許しをいただきたいのですが、子供を持つことが何となくファッショナブルでないといいましょうか、格好よくないといいましょうか、もっと別な表現をすると、夫婦でどこかへ旅行をする、テニスをする、遊びに行く、夫婦として人生を楽しむ、それはいいことなのですが、その際に、子供はいない方が何か気が楽だよねというようなことが一つ何かあるのじゃないのかなと思ったりもいたします。  それから、さっきの結婚する年齢が遅くなるということに加えて、それは多分、女性が働く、社会参加をする率が上がってきた、そして、育児休業がやっと制度化されたり、働きながら子育てをする仕組みが、いろいろ充実はされてきているものの、まだまだそれが不十分だといったようなこともあるのだろうな。  ここから先は全く飛躍でありますが、まあ、このぐらいにしておきましょう。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 かつてと今では状況が違いますから分析も違ってくるのかなと思いますが、先ほど大臣もお子さんが大分大きくなったというお話でありました。  私ごとで大変恐縮ですけれども、私も一歳八カ月の赤ん坊が今いるわけでありますが、赤ん坊とはいわないのでしょうか、幼児というのでしょうか、いるわけですけれども、赤ん坊を持ってみて、改めて私たちの世代が子供を産まない理由というのは何だろうということが何となく実感としてわかるようになりました。  主な原因というのは、私、二つあると思っているのてす、  一つは、まさに今大臣が御指摘をされたように、女性が育児か仕事かの選択を迫られる。これは極めて我々の世代の女性にとっては、あるいは若夫婦にとっては大きい。したがって、例えばスウェーデンなんかで成功したように、我々がやるべきかどうかは別として、検討に値するのは、育児の有給の休業制度とか、あるいはフランスなんかで成功したように第三子優遇をしていくとか、そういった対策、あるいは先ほどおっしゃったように、保育の環境整備、特に九時から五時までしか預けられないとかそういうのじゃなくて、よりフレックスにしていくということが極めて大事だなというのが一つ。  それと、それに匹敵するぐらいに大きいのは私、教育費だと思っているのです。ですから、ここで質問しようと思ったのですけども、やはり今、私は福島の出身ですが、地域のどんな職業の親でも、もし子供が望んだならば大学まで行かせてあげたいと思っているのですね。大学の進学率は、それはもちろん一〇〇%じゃありませんし、大半の人が大学に行くわけじゃないのですけれども、どの親も、今の我々の世代は、子供が強く望めば大学まで行かせてあげたいなと思っている。  それを考えてしまうと、三人も四人も持つのはちょっとなというのが私の実感であります。  この教育費の問題をどうとらえていくか、いろいろな角度からいろいろなとらえ方、切り方というのがあり得るのだろうと思っていますけれども、やはり私は、結論をー言で申し上げれば、いろいろな切り口があると思いますが、その結論の一つは、やはりこの日本社会も、特に大学生は、奨学金をもらって大学を卒業するということがより当たり前だ、そして、その奨学金というのは、大学を出て働いてから返すということを前提にした奨学金としていただくということが当たり前だ、学生が借金ができるというふうに持っていかないといけないかなというふうに思っているわけでございます。  今、大学生は十人に一人が奨学金を、一種、二種とあるそうでありますけれども、もらっているという現状でありますが、これを大幅に拡充できないかと思いますけれども、これはいかがでありましょう。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 教育費の負担のお話にお触れいただきました。  確かに、狭義の教育費といいましょうか、それとおけいこごとその他含めて広義のといいましょうか、両方あるのかなと思いますが、特に狭義の方だけでいっても、公立てあればいざ知らず、私立の学校などに行くと小さいときからお子さんの教育費がかかるというのは御指摘のとおりだろうと思っております。私どもも、できるだけ負担が過重にならないようにということで、特に私学の方については助成をさせていただいたり、あるいは税制面で、いわゆる育ち盛り減税と言ったりもしておりますが、十六歳から二十三歳までのお子さんを持っている親御さんには控除の積み増しがあるとかいったような税制上の措置やらを講じております。  今委員御指摘になった奨学金でございますが、私も、今の奨学金の姿で十分であるかどうかと問われれば、決して十分だとは思っておりません。もっと幅広い、希望するお子さん方に、学生に奨学金が行き渡るようにしたいな、こう思っておりますが、これまでのところは、トータルの資金の制約があるものですから、育英という面と奨学という両面で一定の縛りをかけて、それを満たした子供に、学生に奨学金が行くという姿になっています。  ただ、委員御指摘のように、この辺は今の状況でもっと考え直したらという御指摘も、実は昨日も日本育英会法の改正の中での議論でも数多くの方々から御指摘をいただきまして、私もそうだなと思っておりまして、今すぐ急にあるいは来年度からというところまではちょっとまいりませんが、そろそろ抜本的にこの辺を考え直すタイミングにはあるのだろうな、こう思っております。たまさか、ちょうど今財投の改革といったようなことも言われている昨今でありますし、この教育の分野、奨学金の分野は、財投の関係する審議会の提言にもそんなことも触れられているということを踏まえたときに一私どもとしては、これから真剣に、大きな課題として、今委員の御指摘も受けとめながら、今後の奨学金のあり方についてはより拡充する方向で考えていきたいと思っております。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 私はおっしゃる御答弁だと思うのですが、より拡充より、ある意味で今おっしゃったような財投の自主運用あるいは財投の改革という中で、私はチャンスだと思うのですね。これは、大幅に拡充できるような取り組みというのを省を挙げて本格的にやるべきなんだろうな、そう思っています。  今、資料をいただいたのですけれども、今のところの奨学金というのは一般会計の借入金と財投と返還金で賄っているということなんです。私も、おっしゃるとおり、財投の借り入れと、今度の財投改革とこの自主運用、どういうふうにこれからなっていくのかなと心配しているのですけれども、逆に私はチャンスだと思っていますので、よりという感覚よりも、ここは省を挙げて一気呵成に拡充していくということでぜひ頑張っていただきたいというふうに思うのです。  とにかく今、自宅外で通学をしている大学生を持とうと思うと本当に大変でありますので、ここのところをしっかり政府が、政治が解決をしてあげるということが極めて大切だというふうに思っていますので、よろしくお願いを申し上げたい。  今、率直に申し上げて、年三%の返還がどうだこうだとか、さらに教職につく人のみ返還しなくていいというのは一体何なんだとか、この問題についていろいろ申し上げたいことが実はあるのでありますけれども、今お話をお聞かせいただくと、大分文教委員会で出たということでもあります。意見として申し上げておくと、返還しなくてもいいというのは、私は、大幅にそういう人を拡大するか、それとも例外なしにするか、どちらかにした方がいい、そう考えているということを申し上げておきたいというふうに思います。ぜひこの取り組みをお願いしたいと思います。  それともう一点質問をさせていただきたい。  項目を変えますけれども、通称眞紀子法案というのが通った。これは正式な名前は私もわからなかったのですが、要は、教職につこうとする人に介護等体験をしていただくという話でございまして、基本的にいいことだと私は思っていますが、これは施行との関係で、もう成果が少しずつ出てきているのか、それとも出てきていないとしたら、これからの成果をどのように予想されておられるか、その点についてまずお伺いしたいと思います。     〔松沢主査代理退席、主査着席〕

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘がございました小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律ということで、私ども、介護等体験特例法、こう呼ぼうと言っておりますけれども、実は、平成十年の四月一日から法は施行されるということでございまして、私どもはこのために、全国の社会福祉協議会あるいは厚生省等とも連絡をとりまして、学生の方々にPRするための資料等も作成しているわけでございます。  平成十年度は、この実施を円滑にするという観点から、各都道府県教育委員会に中心になってもらいまして、地元の社会福祉協議会を窓口にいたしまして、そこを通じて大学の方からお願いをし、福祉施設等に受け入れていただくというようなシステム的な対応をつくることによって、この法律が円滑に実施されるようにということでございます。  毎年、小中学校の教員の免許を取る学生諸君がおよそ八万人ぐらいございますので、この八万人の方々か、あるいはまた、四年間で三十万人ぐらいの希望する学生さんたちが四年間のどこかで最低七日間の介護等体験を積んでいただくということになろうかと思っております。  教員の養成課程で、そういった人の心の痛みのわかる、あるいはいろいろな人間の価値観の相違を認められるということを身をもって体験するということで、幅広い教員の養成に資するものということで、私ども期待をいたしているところでございます。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 教員になろうとする方々にはぜひ介護等体験をしていただきたいという、これは議員立法ですね。ですから、皆さんに質問をするというのも適当でない部分もあるのかもしれませんけれども、今は運用という面でですから申し上げたわけであります。ある意味でこれからこれを発展拡充していかなければいけないのじゃないかというのが私の考え方なんですが、それを行う場合も議員立法で行うのが筋なんだろうというふうに思っています。  私が予想するに、一つは、今御手洗局長おっしゃったように、大体年間八万人の方が対象者だ、その方々が七日間行う。なぜ七日なのかということがまず一つある。それを前提として申し上げますと、受け入れる施設というのが、どうも、介護等体験ができるような施設というのは大体一万六千とか七千ぐらいあって、そのうち実際に受け入れることが可能だというのは大体半分ぐらいらしいのですね。これがこれからさらに多くなっていくでしょうから、仮に計算しやすいように一万施設とすると、大体一施設八人の方が大体七日間ずつ介護等体験を行う。そうなると、心配なのは受け入れる方なんですよね。つまり、初心者がぱらぱらと七日間だけ来るということで、果たして受け入れる方として十分な体制がとれるのか、あるいはマンパワーになり得るのかということが、私は心配なんです。  それで、私は将来議員立法できないかなと思っているのですが、お考えを個人的にもお聞かせいただきたいし、ここで主張をしておきたいというふうに思っているのですけれども、私だったら、なぜ七日なのかな、もうちょっと期間をふやすということがどうしてできないかなと。これは、恐らく教育学部の都合だとか、いろいろそういう話があるのだろうと思うけれども、その期間を延ばすということについては、文部省としてはどんなふうにお考えになられますか。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘のとおり、この対象となる福祉施設等が、社会教育施設一万五千、それから老人保健施設で千五百、それからまた盲聾養護学校で七日間のうちの二日程度と考えておりますので、これが約千校ということでございます。  七日間、こう文部省で決めさせていただきましたのは、今先生御指摘のように、毎年一年間でこなすとなりますと、八万人ほどの学生諸君を各施設が受け入れるということを考えますと、長ければ長いほどいいということもございますけれども、やはり実際に受け入れ施設側の体制が果たしてどこまで整うかというような、実際的な立法過程の中で施設の方々のお考えというようなものもそんたくしながら、立法過程の議論の中で、七日間を下らない期間で文部省令で定めるという法律の形になったわけでございます。  文部省といたしましては、それを受けまして現状七日、こうしているわけでございますけれども、実際に介護施設等で行います体験の内容は、必ずしも専門的な介助、介護等の補助ということではなくて、例えば、施設におけるおむつの洗濯やアイロンかけとか、あるいは施設の清掃であるとかベッドサイドでの話し相手であるとか、そういった幅の広い形でまず受け入れていただく。こういうことで、七日間程度ということで、各施設におきまして無理のない形で御指導を願えればということでございます。  また、実際に七日間というのも、四年間を通じて免許状をもらうまでに七日間ということでございますので、夏休み等、一気に一週間ぐらいで済ませてしまうということもありましょうし、あるいはまた、近くの施設等に年間を通じて土曜とか日曜にずっとやっていくというふうな形の対応もあろうかと思います。  いずれにいたしましても、学生の意欲に応じて、七日を超えて、あるいは受け入れ施設の状況に応じてやられるということが私どもも望ましいことと考えているところでございます。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 私は、初心者が行くことに対してはむしろ構わないと思っている方でございまして、もし今回のこの七日間の介護等体験が成果が上がるようだったら、期間を延ばす。それはなぜかというと、ある意味で一石二鳥的な考えであるわけでありますけれども、御存じのとおり、福祉のマンパワーが足りない、常時、初心者でもいいから、全国の各施設に一人でもボランティアでいるということになれば、彼らには掃除だけやってもらってもいいですよ、それだけでもいいというふうに思っています。  さらに言えば、教員だけではなくて、公務員になろうとする人にも介護等体験をしていただくということを考えたらいいのではないか。あるいは、高校生にもそういうことを若干取り入れるということもこれから考えていってもいいのではないだろうか、私はそういうふうにも考えております。  抽象的な質問ではありますが、考え方として申し上げて、大臣に一言、御意見をいただきたい、そのように思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 なかなか難しい問題だなと思って余り考えもまとまりませんが、一方では、確かに貴重なマンパワーという見方もできるのだろうと思います。  ただ、なかなか介護の仕事も複雑多岐にわたっておりますから、それこそ玄関の掃除だけしているならともかくとして、もうちょっと本当に介護の中心的な仕事をしようと思うと、そう簡単にまたこれはできるものでもないのだろう。逆に、私は、この話が出たとき、当初、福祉の施設からは、足手まといになるから余り受け入れたくない、そういう陳情というかお話を随分聞いた記憶があります。  でありますので、どうなのかなと思うのと、もう一つは、実は今度、教員免許法を御議論いただくことになっているのでありますが、その中で、法律事項ではないそうでありますが、教育実習の期間を二週間から四週間にふやすということに関連をして、僕はそれはいいことだと思っているのですが、逆に、それは教員免許を取ったい人の物すごく大きなハードルになるから実習期間を長くすることに反対である、そういう御意見も結構私の耳に届いているのですよ。それはおかしいのではないのか。先生になる意欲のある人が、なりたいと思う人が四週間の実習が長いというのはいかがかなと思うのでありますが。それに加えて、今度また教育現場ではないところの、また一週間の、言うならば義務づけが入ってくるということで、そういう意味のいろいろな面の配慮といいましょうか、考えるべき要素があるんだろうなと。  したがって、結論はどうかと言われると、ちょっと私も今どっちに考えたらいいのかいささか迷っておりまして、もう少しよく考えさせていただきたい、こう思います。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 足手まといになるのは、逆に言えば七日間だからというところもあると私は思うのですね。これが逆に三十日だったら、あるときからやはり戦力になる可能性が出てくるわけです。ですから、成果を見てというところは申し上げておいた方がいいのだとは思うのですが、その成果によっては、本格的にこの問題について議員が立法していくということもさることながら、文部省としても真剣に考えていってみたらどうかな、そんなふうに私は考えているところでございます。  もう質問時間が終わりですから終わりますけれども、ちょっと感じていることをもう一点だけ、最後に意見として申し上げて終わりたいと思います。  新しく校舎を建てる作業というのが結構今あって、学校の地域社会への開放という意味で、新しく学校を建てるときに、例えばカフェテリアみたいなものをつくって、そこで地域の高齢者の皆さんと一緒に給食を食べたり食事をしたりということができるようなシステムというのを考えていったらどうかな。もう考えているのかもしれませんけれども、考えていったらどうかな、そんなふうにも実は思っています。  今の教育問題はいろいろな原因があると思うのですけれども、そのうちの一つは、やはり学校が何となく地域社会から隔離されているのではないかというところがあって、やはり地域社会の子であり一家庭の子であり、社会の子なので、地域社会と一体となるというところで、学校のつくり方、そしてつくったときにカフェテリアなんかで高齢者の皆さんと御飯を食べられる、そういうようなことも考えていったらいいのじゃないかな。  これは意見として申し上げて、通告していませんが、もし御答弁があればおっしゃっていただければありがたいとは思うのですけれども、なければ別に結構です。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 学校と地域が連携をする必要性というのは、今委員の御指摘のようなことも含めてこれから大いに進めていかなきゃならない、こう思っておりまして、今、中教審などでもその辺の御議論をいただいているところであります。  直ちにカフェテリアがいいかどうか、まあ、それも一つの御示唆として受けとめさせていただきますが、例えば、今空き教室の活用という意味で、これをお年を召した方の言うならば集まる場所にするとか、まあ寝泊まりする福祉施設までは無理であっても、そうした集会場に使うとか、いろいろな形で接触をふやしていく。いろいろな地域グループがあると思いますので、そういった意味で、学校がむしろ地域のセンターとしての役割が果たせる、そんな機能をこれからの学校は持っていくことが、また、子供たちにとって、先生たちにとって、学校全体としていいのではないか、そういう発想でいろいろ考えさせていただきたいと思っております。

玄葉光一郎民友連

○玄葉分科員 終わります。どうもありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて玄葉光一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 日本共産党の児玉健次です。  二十一世紀に向けての国づくりを真剣に考えようとすると、現在日本の教育が抱えているさまざまな困難を国民が力を合わせて前進的に解決する、そのことが非常に求められていると思います。  きょう、私は保健室と養護教諭の問題に絞って質問をします。  それは、現在の日本の教育が抱える困難や課題の多くがそこに集中している、と同時に、保健室が今果たしている役割の中に、この後の日本の教育がどんな可能性をはらんでいるかということのかなりの部分が示されている、そのように感じるからです。  大臣、今週の日曜に私、久しぶりに北海道に帰りまして、そして道内各地の、北は宗谷から、そして渡島、札幌などを含む小中高校の養護教諭の先生何人かが集まってくださって、いろいろ最近の状況についてお聞かせをいただいた。そして、おとといは、夜、国会の私の部屋に、東京や埼玉の、これは小学校、中学校の養護の先生方が、一日の厳しい仕事が終わった後、来てくださって、これまた御苦労を語ってくださいました。  そこでまず、ほんの一例を言いますと、この三月四日に北海道で公立高等学校の入学試験がありました。そのとき、札幌のある高校では保健室受験が七人になったというのです。保健室登校ではなくて、保健室の受験が七人になった。その子供たちのお世話をした養護教諭の人が話すのですが、風邪で発熱とかなんとかというのも何人かいます。と同時に、中学校のときの保健室に対する非常に強い親しみやその他、それらを引きずっているのではないかと考えられる子供もいた。  これは私、驚きました。そして、しばらく皆さんのお話を、この東京、埼玉を含めてお聞きしていて私が感じたことは、今、養護の先生たちの努力にはかなり大きな前進的変化がある。その一つ は、担任の教師を含む多くの教職員との協力が非常に進んでいるという点だと思いますね。  例えば、担任の教師が保健室まで来て、クラスのあの子供をどうしたらいいだろうか、教室では見せることのない顔を養護の先生は御存じだろうからぜひ聞かせてくれ、こう書って相談するケースというのは、これは特殊のものではないですね、どこでも進んでいるようです。さらに、先生方の中には、困難を抱える子供の家庭訪問のときに一緒に行ってくれないか、養護の先生が一緒に行ってくれたら、教師が訪れたその部屋まで子供が自分の部屋から出てくるからと。これは、教育の現状の厳しさを反映していると同時に、さっき言いましたいろいろな可能性を示していると私は思ったのです。  もう一つは、父母からの相談がふえているという点ですね。大臣も多分御存じの、札幌の新しい新興住宅地域の小学校の先生がおっしゃっていたけれども、若いお母さんが毎日のように保健室に来て、自分の子供のことを相談される。最近そういう傾向が強い。  そして、おととい、東京、埼玉の方がおっしゃっていたけれども、どうしても学校に来ない不登校の子供のお母さんが保健室に来て、その都度、自分の子供の状況について話をなさる。これはやはり大切なことだと思いますね。  それで、文部省が、この分野でいろいろ御苦労なさっているものを興味深く拝見しまして、なかなか今の事態を的確につかまえているものが多いなと私は思いました。  例えば、これは文部省が直接ではないけれども、日本学校保健会の「保健室利用状況に関する調査」、これは、前回の調査が一九九〇年、平成二年、今度平成八年、一九九六年の調査ですね。中学校に絞って見ますと、保健室に来室する子供の数が、九〇年のときは三十一・三人だったのが、三十七・八人になっている。十九ぺ-ジに出ています。  それから、子供たちに対する養護の先生の対応時間、十分から二十分が普通で、六十分から百二十分に及ぶ子供との対話が来室者の五%に及ぶ、こういう調査も出ていますね。  私といろいろ話をしたある先生は、子供との対話が一日三十人を超すと、もう声が出なくなると言う。そういう苦労が今保健室でありますね。  そこで、最初に私、大臣にお聞きしたいのです。今日の日本の教育の状況のもとで、養護教諭が果たしている役割の重要性、それはますます増大しているのではないかと思うのですが、この点、いかがでしょう。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 今委員の最近の御体験を踏まえたお話をいただきました。子供たちの、学校の内外でのいろいろな意味のストレスあるいは悩みといったようなものが、確かに我々が小さいころとは多分比べ物にならないほどと言うと言い過ぎかもしれませんが、相当複雑化し、深刻化している部分があるんだろうなという思いもいたします。  そうしたことを背景として、保健室を訪れる子供たちがふえている。もちろん、単純にけがをしたりなんかして行く子供たちもあるでしょうが、むしろ、ふえている原因はそうではなくて、多分そうした心の悩みに基づく保健室に行く人たち、まあ、先ほど不登校という話もありましたが、多分そうした子供たちも含めて、そういう保健室に頼り、あるいは養護の教諭に頼るという部分がふえているんだろう、こう私も受けとめております。  そのようなこともあるものですから、養護教諭の、例えば資質の向上といったことも大変大切だと思っておりますし、そうしたいろいろな対策も今打っているところでありますし、養護教諭の配置といったようなこともやってきているわけであります。  ただ、そのこととあわせて考えたときに、そうした子供の心にかかわる部分が、ある意味では、全部養護教諭に行ってしまっていいのかなという思いも持っております。  本当であれば、多分それは担任の先生というものの存在がもう少しあってもいいのかなと思うし、しかし、どうも担任の先生ではというので、養護教諭に行ってしまう。今、全国で千校ほどスクールカウンセラーというものを実験的に、配置というほどではないのですが、訪問をしてもらっています。これを来年度千五百校へと、こう考えておりますけれども、まだ十分な評価ができていないところではありますが、なかなかこれは、それぞれの受け入れた学校で評価が高いようでありますので、こうしたことなどを含めて、子供の悩みと面と向かい合う、そういう先生たち、本当はやはり私は親だと思います。それはやはり本質的には親の機能、役割だと思いますが、親が無理な場合には、こうした学校あるいは養護あるいはカウンセラーという方々の力もかりていかなければいけない、そうしたことを私どもはできるだけバックアップしていかなければいけないのだな、こう受けとめております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 この問題はすぐれて学校論の本質に関する問題で、私がさっきから言っているのは、養護教諭だけが困難を背負っているなどとは一言も言っていないのです。学校全体の中で果たしている役割の重要性、それが増大している、この点は同じお考えでしょう。  そこで、この分野に関する取り組みをどうやって進めていくか、そこが今実際に問われています。まず率直に申したいのは、養護教諭の全校配置の問題です。  考えてみますと、今から七年前、井上さんが文部大臣をなさっていた、それから六年前はたしか鳩山邦夫さんが文部大臣だった、そのとき私はこの場所で、養護教諭の小さな学校に対する配置の問題を議論したことがありました。当時、三学級の場合は四校に三名の配置でした。そして、そういう中で私は、山口県、京都府、北海道の実際の状況、兼務されている養護の先生たちがどんな苦労をなさっているか、そのことで井上大臣や鳩山大臣と、今振り返ってみてもなかなかかみ合った議論ができたと思う。そして、その後、皆さんの第六次の公立義務教育諸学校教職員配置改善計画、一九九三年に始まった。そこでは、三学級以上の場合一分の一の配置ですね。四校であれば四校全部に配置する、こういうふうに改善されました。私は、これは非常に貴重な前進の一歩であった、そう今でも評価しています。  そこで、これをさらにもう一歩進める必要があるのではないか。三学級以上にとどまらず、三学級以下のところまでそこのところを拡大すべきではないか。いかがでしょう。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘がございましたように、現行計画では三学級の学校には全校配置したいということで進めているところでございますので、定数上は、これが完成いたしますとすべて配置できるということになろうかと思います。したがいまして、一学級あるいは二学級というような学校につきましては、定数上これが完成されましても措置されないということになるわけでございます。  これをどう考えていくかということでございますけれども、あくまでも、標準法で文部省が各都道府県に国庫負担を保障しております定数というものは、各都道府県ごとの養護教諭なら養護教諭の総数ということでございまして、現実には二学級以下の学校でもそれぞれの地域の実態に応じて専任の養護教諭が配置されている。近くに兼務対象の学校がないというようなところは配置されているということもございましょうし、また小中学校の中には、同一敷地内に小学校、中学校を併置されているという学校等も相当数ございますので、そういった、各都道府県におきまして、具体の配置につきましては、実態に即して、総定数の中で工夫をしながらやっていただくということで私ども考えさせていただきたいと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 文部省も、二学級の小学校、中学校などに配置することは意味がないとはお考えになっていないと思うのです。例えば皆さんが出されている公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施工令、この中では、医療機関が存しない市町村での特別な扱いを決めていらっしゃるし、離島についても同様ですね。  それで、大臣、これは私は端的に言いたいのだけれども、全国の未配置校の中で、一番多く抱えているのは北海道ですよ。今北海道ではどのくらいあるかというと、百三十五校について未配置です。恐らく、全国の未配置校の三分の一を私のいる北海道が抱えているだろう、こう思うのです。  そして、そこでどんなことになっているかというと、例えば三学級以下というと複式学級です。児童数は本当にわずか。数人とか九人、十人ですね。子供が風邪で熱を出すと、養護教諭がいませんから、大体そういうところは人口が減っているから、さっきの議論の中であった空き教室があるのです。そこに置いてあるソファー、ベッドで一人で寂しく休んでいる。そして急な病気のときその他は、これは根室のある例ですけれども、町の教育委員会が車を配置するのだけれども、担任の先生が病院に連れていかなければいけない。そうすると、その間その先生が担当している子供は、校長先生がかわって授業をするか、それとも自習の状況ですね。  公教育というのは機会が均等でなければいけないのだから、教師の数が足りないとか財政上の理由で、例えばどこかの学校で算数の授業をやらないところがあるとすれば、これは公教育たるの値がないですね。さっき大臣がおっしゃったように、健康教育を今の公教育の中の重要な部分だとごらんになるのであれば、この分野、すなわち三学級以下のところでもう一歩進める、この点を私は検討課題として文部省に求めたいと思います。どうでしょう。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、現在の改善計画が、昨年の財政構造改革法によりまして、平成十二年度までに完成するとされた状況でございます。私どもは、現行の改善計画を財政状況の厳しい中で着実に当面、完成するということで最大限の努力をしてまいりたいと考えているところてございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 その点は強く求めたいし、この後も、文字どおりそういうところの子供たちの幸せを考える教育行政が進むように、私たちも努力をしたいと思うのです。  次の問題は、養護教諭の複数配置を前進させることが、現在差し迫った緊急課題になっていると考えます一複数配置がどんな可能性を切り開いたか、これはいろいろお話を聞きますし、文部省自身がそのことについては適切な評価をなさっていると思う。  例えば、三十学級で四十人クラスとして、合わせて千二百人ですから、一日数十人来る来室者を一人であったときはさばくのが精いっぱいだった。二人になったら分業して、この子供の心はいやさなければいけないと思う子供に対しては、一人の先生が時間をかけていろいろ話を聞く。大きな変化があった。そしてそのことは、皆さんの調査の中でも、心の問題の継続的な支援は、単数配置の学校の場合、中学校で一校平均七・八件ですけれども、複数の場合は十四・八件と、ちょうど二倍になっていますね、もちろん学校規模の違いはありますけれども。  そして、岐阜県のある県立高校のケースを見てみますと、全体としての生徒減のもとで、一人配置されていた年は、保健室来室者が二千百七十二名。そして平成六年に、複数配置になって、来室者が三千八百三十七名。そしてその次の年は四千九百五十名。そして平成八年は五千二百九十四名。見事にふえていますね。保健室が文字どおり果たすべき役割を今まで以上に果たしている。そういう中で、この複数配置の範囲を拡大する時期に来てはいないか、そう思うのです。来ていると思うか思っていないか、そこをお尋ねしたい。大臣、どうでしょう、三十学級以上と区切らずに、それ以下に広げる。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 御指摘のとおり、現行の改善計画では、三十学級以上の学校に複数配置するという形で定数の基準を定めているところでございますのて、これは、小中学校あるいは高等学校とも平成十二年度までにその基準を完成するということで努力をしてまいりたいと思いますが、これも先ほど申し上げましたように、あくまでも各都道府県の教員、養護教諭の総数を算定するための基準でございますので、実際にどういった配置をするか、それは各都道府県が学校の実態に応じて、基準に下回って配置するということも当然ございますし、現にそういった実態もございますので、それぞれ工夫をしていただきたいと思っておるところでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 さっき財政構造改革法なるもののお話もありましたが、私も大臣と財政構造改革特別委員会の委員としてかなり厳しい議論をしましたが、やはりあの法律でせっかくの小中学校の第六次計画、高校の第五次計画が二年繰り延べになったというのは許しがたいことですね。  そして、全体にとっても許しがたいけれども、今非常に求められている養護教諭、小中学校についていえば、まだ実施されていない分が平成十一年、十二年で百三十二人です。きのう私どもの石井郁子議員が御質問をして、暗算が不得意だとおっしゃったけれども、年間四百万で百三十二人であれば五億二千八百万円でしかない。そこのところぐらいは何とかならないものだろうか。この努力と三十学級に踏み出すことと、あわせて検討すべき時期に来ている、私はそのことを痛感します。  そこで、話をもう少し進めたいのです。  現在、現場に存在している強い不安、それは、児童生徒の減少で、これまで三十クラスであったものが二十九になり二十八になる、そのことでせっかくの複数配置がもとの一人に戻りはしないだろうか、何とかしてほしいと。こういう機械的なやり方はすべきでないと思うのですが、文部省、どうでしょう。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 先ほど来お答え申し上げているように、あくまでもこれは、各都道府県ごとの養護教諭の総数をはじき出して、それに基づいて国か国庫負担をする限度という意味での基準でございますので、前の年に三十学級あった、それが翌年一学級減って二十九学級になったということは、今の児童生徒数の減少の中では大いにあり得ることでございます。そういったときにどういう配置をするかというのは、これは挙げて各都道府県の教育委員会がそれぞれの市町村教育委員会と、あるいは学校と御相談しながら適切に配置をしていくということだろうと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 文字どおり現場の意見をよく聞いて、子供の幸せのために弾力的に対処していくと。そうですね。ちょっとそのことについて。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 結論はそのとおりでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 じゃ、結構です。  そこでもう一歩踏み込みましょう。大臣、今せっかくの複数配置が、三十学級以上というところにもし行政的な線を引くとすればどうなるか。  北海道でいえば、中学校の三十学級以上は苫小牧市の啓明中学ただ一つです。中学校全体の数でいえば六百五十九分の一です。それから、小学校は帯広市と釧路町にそれぞれ一校あって、これは学校数全体との関係でいえば千四百七十六分の二校です。これではだめですね。広げる必要がある。  そして全国の状況を、時間もありませんからもう端的に、例えば大阪。大阪では小中学校の三十学級以上のところは十八校です。二十四学級から二十九学級が小学校で八十四、中学校で四十五。兵庫では三十学級以上の小中学校は三十で、二十四から二十九学級は小学校七十、中学校二十二校ですね。埼玉では二十四から二十九学級が小中合わせて百校です。  私たちは、三百人を単位に一人の養護教諭ということは求めていこうと考えていますけれども、とりあえずここのところを、今の何というか団塊の世代というかな、二十四から二十九の非常に多くの生徒を抱えて、養護教諭が本当にもう命をかけて努力をしているところに複数配置の範囲を広 げていくことが緊急の課題だと思うのです。  大臣、この点はやはり政治的な決断が必要だと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 先ほど来局長がお答えを申し上げておりますように、三十から二十九になったら直ちに複数配置をやめるというほど機械的にやっているのではなく、そこは現場のそれぞれの教育委員会の対応でお考えをいただいている。二十九学級以下の学校でも少なからず配置されているところも現実にはございますので、そこは弾力的に、現場の状況を見ながらという方針で私もよろしいと思っております。  さらに、一応の基準は三十学級以上ということで線を引いて一それを前提にして今の計画ができております。ある意味では残念なことでありますが、国の財政の厳しさということで、児玉委員ともあの特別委員会で大分議論しましたが、二年後倒しにせざるを得なかったというのは、国全体の方針に文部省もどこかで協力しなければということでやっておりますので、今私どもとしては、最大限、とにかくとの計画を遅滞なく確実に十二年度までに完成をしようということでやっていきたいと思っております。  そして、じゃ、その間こうした人の面で一切何もしないのかと言われれば、そこは今、計画を決めてしまった後ですから、直ちに手をつけることは難しいのでありますけれども、その後についてどうしたらいいかということについては、いろいろな角度からやはり勉強はしていかなければいけないなとは考えております。その際に、この養護教諭の重要性というのは、養護教諭という形がいいのか、あるいはカウンセラーという形がいいのか。いずれにしても、そういう児童生徒の心の悩みを受けとめられるような役割の人というのが、これも教職員という姿がいいのか、あるいはよそからの方がいいとなるのか、その辺の問題も含めて幅広く考えていかなければならない課題であるとは受けとめております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 例えばスクールカウンセラーというものがなかなかユニークな役割を発揮しているという点は、私も現場で聞きました。問題は、養護教諭の複数配置の範囲拡大を選ぶか、それともスクールカウンセラーを選ぶか、退職教員OBの何人かを選ぶか、あれかこれかの問題ではないでしょうね。それぞれを総合して前進させなきゃいけないだろう。  皆さん方の随分大切にされている審議会、保健体育審議会の去年の九月二十二日の答申の中でも、養護教諭について触れた最後のところはこういう部分ですね。「養護教諭の複数配置について一層の促進を図ることが必要である。」まさにそうだと思う一ここを真剣に検討していただきたいのです。  それで、大臣、私はちょっと思い出すのですが、公立学校の教員の第五次計画の終わりごろ、そして公立高校の定数の第四次計画の終わりごろ、先ほど私が言った井上さん、鳩山さんと議論をしたのですよ、そのときに、やはり同じように、今つくられている計画を達成するのに全力を尽くすと言われていたけれども、しかし、そういう中で、井上大臣は養護教諭の配置を複数でするかどうか重要な研究課題だと言い、鳩山さんは一歩進めて検討課題、そしてその年の四月から、二十五人の試行的な複数配置に向けての取り組みを始めましたね。今もいろいろなお立場はおありだと思うけれども、やはり保健体育審議会が出しているこの方向を文部省に真剣に努力していただきたい。私は、そのことを求めて、最後にもう一つ、重ねて大臣のお考えを聞きたいと思うのです。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 児玉委員御指摘の、養護教諭の果たしている、本当は、そんなに養護教諭が忙しくて、保健室が忙しいという状況でないことを望みつつも、現実は今委員が御指摘のとおりの状況でございます。したがいまして、養護教諭のあり方について、今、保体審のことにお触れをいただきました、大変私どもも、大切な御提言をいただいた、答申をいただいたと思って、その答申は最大限に尊重する方向で、先ほど、とにかく平成十二年までということは前提にしながらも、その後のことについては当然保体審の答申も念頭に置きながら考えていかなければならない課題である、こう受けとめております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 終わります。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。  次に、田端正広君。

田端正広平和・改革

○田端分科員 平和・改革の田端正広でございます。  最初に、地元の問題になりますが、大阪オリンピックの招致の問題でお伺いしたいと思います。  過日の長野の冬季オリンピックは、大変な感動の渦を日本国中に巻き起こした、若い青少年の皆さんには大いなる希望と夢をもたらした、私はそう思っております。したがって、こういう国際的なイベントは、今後、ひとつまた大いに活発にやっていって、その時々にそういう大きな刺激といいますか、そういうことがあっていいのじゃないか、こう思うわけであります。  考えてみますと、昭和三十九年の東京オリンピックは、その後の日本の道筋を示す一つの大きなきっかけになった。ちょうどあの年には新幹線も開通したということでもありまして、そういった意味で、その後、四十五年の大阪万博とか続くわけで、高度経済成長へと行くわけです。結果として、そういうことがよかったか悪かったかは別として、東京オリンピックが日本の今日の一つの節目になったことは事実である、こう思います。  そういう意味で、二十一世紀を今目前に控えて、非常に閉塞感のある状況の中で、私は、もし二〇〇八年にオリンピックを大阪に招致することが実現すれば、これは、二十一世紀の日本のあり方、そしてまた文化、そういうものに一つの大きなインパクトになる、こう思うわけであります。  大臣、ぜひ早く閣議了解を取りつけていただいて、国を挙げて、これからは国際社会の中での競争になりますから、取り組む必要があろうかと思いますが、その辺のお考え、御決意をお願いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 田端委員初め、大阪あるいは近畿圏の両院の議員の皆さん方の大変な御熱意、あるいは知事さん、市長さん、あるいは経済界、各界の皆さん方、大変な御熱意を示していただいております今の二〇〇八年の夏季オリンピック大阪招致の問題でございますが、今、現状は、どういう施設をどのくらいのタイミングで幾らぐらいお金をかけて整備をしていくかといったようなアウトラインを関係省庁と詰めていただいている。それがある程度見えてきませんと閣議了解というところまで至らないのでございまして、その作業を今大いに急いでいただいているところでございまして、できるだけ早く閣議了解にはこぎつけたい、こう思っているところであります。  ただ、御参考までに申し上げておきますと、長野の場合も東京の場合も、正式な立候補の前の年に閣議了解をしてございました。そういう意味でいいますと、平成十二年が正式の立候補でございますから、実は来年の閣議了解でもいいじゃないかという意見もないではないのでありますが、せっかく皆さん方の御熱意でございますから、私どもとしては、今年中に閣議了解というところまで持っていければ、こう思っております。  いずれにしても、オリンピックの招致活動というのは、言うまでもなく、地元を中心とした招致委員会が中心となるもので、それを私どもは関係省庁とかJOCと一緒になってバックアップしていく、こういうスタンスでございますので、ぜひともそういう方向でこれからもまた手を携えていきたいものだ、かように考えております。

田端正広平和・改革

○田端分科員 大臣、ぜひひとつ、そういうことで前向きにお願いしたいと思います。  今、大臣のお話にもございましたが、前の年でもいいじゃないかということであります。しかし、これは、これから先は国際的な競争になりますし、私がいろいろ聞いている範囲では、中国がどうなるか、北京あるいは上海、それから香港、復帰ということでここも手を挙げるかもわからない。それから、カナダのトロントがどうも手を挙げそうだ、そしてケープタウンとブエノスアイレスは、この前、二〇〇四年のときにあれしていますからどうなるかわかりませんが、しかし、そういったところとも、つまり、南アメリカ、アフリカ、こういうことになってくると、非常に手ごわい相手になる。  そういう状況ですから、ぜひ大臣、この二〇〇八年の大阪オリンピックが実現する場合、二〇〇二年のサッカーワールドカップがその前の段階の一つのイベントとして大きなものになると思います。したがって、この六月のワールドカップの、日本が初めて参加するわけですから、成績はまあ、それはいい方がいいわけですが、成績のいかんを問わず、ここで国民の目がワールドカップに勢いずっといくわけですから、それを受けて政府がこう決める、こういうのが一番いいかと思うのですが、どうでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 先ほども申し上げましたように、できるだけ早くとは思っておりますが、ただ、一定程度の詰めがやはりありませんと、やみくもに閣議が決めるというわけにもまいりませんので、できるだけ関係者の皆さんの御努力を期待しているところであります。

田端正広平和・改革

○田端分科員 ぜひそういう方向でひとつお願いしたいと思います。  この長野のオリンピックを受けた形といいますか、その後、パラリンピックが大変また、より一層の盛り上がりがあったと私は思います。例えば、メダルの獲得数がたしか四十一個だったと思いますが、ドイツに次いで第二位という大健闘でありました。  そういった意味で、画期的な成果を残した割には今、パラリンピックに報奨金がないということでちょっと話題になっているようであります。これは、文部大臣にとっては直接所管ではないというお答えになるかと思います。しかし、オリンピックとパラリンピックというのは連動した形で行われているわけでありまして、非常に関係性も強いかと思いますので、できるだけそういう意味でバックアップするといいますか、フォローしていくことも大切だ、こう思うのですが、その辺、大臣のお考えをお願いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 委員御承知のとおり、オリンピックの報奨金は、これは国の金ではございませんで、JOCが独自に、企業からのいろいろな寄附等を集めて、協賛金などを財源にしてやっているもので、これは、政府が出しなさいとかやめなさいとかいう話ではもともとございません。  今度のパラリンピックでありますが、大変成功したし、盛り上がったし、感動も与えてくれたし、当然今言ったような報奨金という話も出るのでしょう。ただ、他方では、そうではなくて、競技の普及とか強化とか、そっちの方にむしろもっとお金を使った方がいいのではないか、いろいろな御議論もまだあると思います。  聞くところによりますと、厚生省の方では、そうしたものを幅広く検討する場をつくるというような話も聞いておりますので、もし求めがあれば、文部省もそうした場に必要に応じて参加をして、文部省なりのまた考えもその場で述べさせていただきたい。いずれにしても、要請がありますれば、厚生省と緊密に連携はとっていきたいな、このように考えております。

田端正広平和・改革

○田端分科員 ぜひそういう方向でよろしくお願いしたいと思います。  ちょっと話題を変えたいと思いますが、橋本内閣が六つの改革を掲げられて、その六番目に教育改革ということで今日まで来たわけですが、私は、非常に残念なことに、結果として、教育改革を掲げている割には、改革するどころか悪い面ばかりがいろいろな形で事件として出てきているのではないか、非常に残念なことだ、こう思っています。昨今の少年のナイフ事件とか中高生の覚せい剤の事件とか、さまざま連日のようにニュース記事になっているということが遺憾だ、こう思うわけであります。  そうすると、そういうことがまた引き金になって、今回、教育改革の中身じゃなくて、またいきなり少年法の改正というふうなことで刑罰の適用年齢を十四歳に引き下げるという議論に今来ているわけです。私、これもまたちょっと極端だなという感じがしますけれども、その辺、大臣のお考えといいますか、率直な感想で結構でございますので、お願いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 教育改革全体の御理解が私どもの努力不足もございまして十分行き届いていないという御指摘は率直に受けとめさせていただき、ただ、非常に幅広く百数十項目も実は掲げたものですから、何だ、文部省の施策の羅列じゃないか、こんな御批判もいただいたこともございます。  今、私ども四つの柱に絞ってこれを具体化していきたい、重点化して進めていきたい、こう思っているのです。  一つは、今まさにホットな話題となってしまいましたけれども、心の教育をどう進めていくのかということで、中央教育審議会等々で今御議論いただき、幾つかのものがこれから出ていくと思います。今回、この国会の中でも、例えば教員のやはり資質向上という意味で免許法の改正、こういったことも一つあります。  それから二番目の柱が、学校の自主性、創造性を高めていく、生き生きとした学校づくりをできるだけ現場の責任でやってもらう、そのためのいろいろな制度改正等も考えております。  三番目が、選択肢のある、子供たちにとって、親にとっていろいろ選択ができる、単線でない、複線構造とでもいいましょうか、そういう学校の制度をつくっていく。  四番目が、研究と大学、大学院の充実、こんなような四本柱で今重点的にそれを進めていこうと思っております。  その中で、今少年法のお話もございました。これは直接私どもの担当ではございません。法務省が今関係法曹三者で御議論をいただいているということで、そちらの方の結論を待ちたい、こう思っております。今議論をされていると聞いております手続の問題、裁判官が一人しかいないのにそれでいいのかとか、幾つかの点があろうし、今委員御指摘の適用年齢といったようなこともあります。この辺につきまして、私なり、個人の意見はありますけれども、文部省としてどうかと問われれば、そこは一応今法務省の御議論にゆだねた方がいいのかな、こう思っております。  ただ、非常に社会が変わってきております。子供の環境も変わっている。子供自身も随分、少なくとも見聞きする情報の多さというのはもう我々の比ではないといったことを考えたときに、やはり私は、内容の細かい点は別にして、少年法のあり方がもう少し現在の状況に合った姿で見直されてもしかるべきではなかろうかとは思っております。具体の内容はちょっと失礼いたします。

田端正広平和・改革

○田端分科員 私も別に変えてはならないということじゃなくて、社会の変化、時代の流れに従って法律というのはあるべきだと思いますが、さっき図らずも大臣おっしゃったように、選択性のある、そういうものがやはり大事なのであって、刑罰に関しても年齢さえ下げればいいのではなくて、いろいろなことがあろうか、だからその辺のところの議論というものはもう少し必要だろう、そういう意味で私は申し上げたわけであります。  ちょっと具体的な例に入らせていただきますが、覚せい剤による事件が相次いでいるわけであります。まことに遺憾だと思います。特に、青少年、中でも中学、高校生という低年齢化した層に逮捕、補導されるケースが頻発している。ことしになってからでも、神奈川県で高校の女子二人が逮捕されたとか、東京でも女優さんの息子が逮捕されたとか、あるいは栃木・宇都宮市で高校男子二人が所持が発覚したとか、千葉では、これは大人ですが、小学校の女性教師が現行犯で逮捕されたとか、北海道の帯広では中学校三年の女子が校内のトイレで注射をしていて逮捕されたとか、栃木の宇都宮で中学三年の女子が使用していたとか、あるいは茨城の水戸で中二の女子がホテルで使っていて逮捕されたとかといったように、つまり学校現場周辺で頻発しているところにゆゆしき事態があるな、こう思っているわけです。  しかも、覚せい剤事件はこの一年、一九九七年で検挙人員が一万九千七百二十二名と約二万名いるわけですが、その中でも少年の検挙者が千五百九十六人で、うち中学生が四十三人、これは昨年に比べて倍増している。高校生が二百十九人で、これも二・三%ふえているというふうに、非常に低年齢層に広がっているという感じがするわけであります。  それで、総務庁の意識調査のデータを見ても、これは高校生が対象のようですけれども、こういう薬物を使ってみたいと思ったことがあるという人が八・三%もいる。あるいは誘われたことがあるという人が六・五%というふうに、相当数の子のところにひたひたと広がっているのだなという感じがするわけで、また薬物の使用は個人の自由だという考え方の人が二〇%いるというのも、これもまたすごいことだと思います。  こういう現状に対して、大臣はどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 田端委員御指摘のように、大変に深刻な状況だろうと思います。ナイフの事件のように非常に目立つ事件ではないにしても、今御指摘のように、数多くのことが全国に、しかも大都会であろうと郡部であろうとを問わず広がっているという意味で、大変に私は危機感を持っておりますし、また許してはならない事態が広がっているな、こう思っております。  しかも、何かとても気安く、気軽に手にし、それを使ってしまっている。さしたる罪悪感もない、危機意識もないということでありますので、もちろん文部省としましては、それぞれの教科、例えば保健体育とか道徳とか、ありとあらゆる時間でそれの適切な指導を行うようにということやら、あるいは教師用の指導資料を積極的に活用してもらったり、あるいは警察職員とか麻薬取締官のOBを呼びまして薬物乱用防止教室というようなものを開いております。  私も去年の十二月に都内の高校に行きまして、その実態を見てまいりました。大変に生徒の皆さんが熱心に聞いていた姿が私にとっては印象的でありましたけれども、そうしたこと、あるいは子供たちに直接それを考えてもらおうということで、高校生用のビデオがつい先日できまして、来年度予算の中では中学生用のビデオもつくろうといったようなこと、さらには次の改訂の今作業中でありますが、指導要領の中では小学生の高学年からそういうことを教え始めようといったようなことなどを含めて、一生懸命、やれることは何でもやろうという姿勢で今臨んでいるところでございます。

田端正広平和・改革

○田端分科員 薬物に対する青少年の人たちの感覚が、相当今変わってきていると私も思います。一つのファッション的な感覚でもあって、例えば先ほど申し上げた中学、高校生の女子生徒、これが約半数なんですね。それは、ダイエットにいいよということからすぐ手を出してしまう、こういう意味では、非常にさま変わりしていると思います。そしてまた、かつてのような陰湿な、ヒロポンとかシャブとかと言っていた時代と違って、今はスピードとかエスとかという隠語でこの問題を彼らの間で言っている。また、一回二千円ぐらいの値段で手に入る、こういうことからいっても、早く手を打たないと非常に大変なことになるなという感じがするわけであります。  実は、そういうすき間といいますか間に、外国人の密売人といいますか販売組織といいますか、そういうものが入ってきている。覚せい剤で検挙された外国人を見てみますと、千九十一人が平成八年に検挙されているようでありますが、一番が韓国で四百五十二人、二番がフィリピンで二百五十六人、三番がイランで二百二十九人、こういう状況のようであります。こういう国際的な犯罪に対して、あるいは犯罪組織、そういうことに本格的に日本も取り組まないと、これは放置しているとは言いませんが、一生懸命やっていただいているとは思いますが、なお一層やっていかないと、これはますます複雑な組織になっていくんだろうと。  例えば、今月の四日に報道されたあれによりますと、中国から一たん北朝鮮へ行って、北朝鮮から日本へ密輸ルートがある、こういう手だてをとっているようであります。したがって、国際機関、例えば国際麻薬統制委員会、INCBというのがありますけれども、こういうところと連携をとるとか、あるいは、例えば日本と中国とか、そういった国と連携をとって共同に捜査を進めるとか、いろいろなことがこれから必要になっていくかと思いますが、警察庁及び厚生省の方で、今後こういう国際犯罪に対してどういうふうに対応されていくのか、その辺のところ、お考えをお伺いしたいと思います。

西村浩司警察庁長官官房審議官

○西村説明員 まず、外国人組織犯罪の関係でございますが、その前に、若干数字的なものでございますが、来日外国人による薬物事犯の検挙状況について若干御説明させていただきます。  と申しますのは、平成九年中、昨年でございますが、来日外国人による薬物事犯の検挙は全体で八百七十三人でございます。前年比約一二%増というふうになっております。中でもイラン人がやはり一番多いという状況でございます。イラン人による薬物密売事犯が目立っておりまして、検挙人員は三百二十八人と、全体の三八%を占めております。  それと同時に、イラン人につきまして、平成八年には皆無であった、麻薬特例法第八条、これは「業として行う不法輸入等」でございますが、その適用事件が九事件に上るなど、その組織化が急激に進行している、そういったことがうかがわれる状況でございます。  ところで、覚せい剤を初めとする我が国における乱用薬物のほとんどすべては外国から入ってきているという状況でございます。そういった意味で、外国機関との協力を密にするということは非常に重要であるというふうに考えておりますし、現在もそういうことをやっております。  そういうことを踏まえまして、警察庁としましては、薬物の仕出し国である関係諸国との情報交換、あるいは国連の麻薬委員会等各種国際機関との連携、あるいは国際刑事警察機構、ICPOを通じての捜査協力に努めているところでございます。  今後も、さらにこういった形での協力関係を進め、かつまた、情報のお互いの共有と申しますか交換と申しますか、そういうのをやっていって、そういった犯罪組織に対応してまいる、そのように考えております。

吉武民樹厚生省医薬安全局企画課長

○吉武説明員 私の方からつけ加えさせていただきますと、先生御質問ございましたように、国連麻薬委員会あるいは国連国際薬物統制計画等につきまして国際条約がございますので、条約の履行の監視でございますとか、あるいは、いわゆる医療用麻薬の国際流通の統制、それから、アジア諸国あるいはラテンアメリカ諸国、そういう麻薬の発生源といいますか、そういう地域に対する支援等につきまして、資金の拠出あるいは専門家の派遣、それからいろいろな会議への出席等を行っております。  それから、麻薬・覚せい剤乱用防止センターという財団法人がございますが、こちらでは民間ベースで、こういう国連の活動を支援するための募金活動を行っていただいておりまして、この募金によりまして、国連国際薬物統制計画を通じましてアジア地域等の地域における取り組みといいますかに対する支援も行っているところでございます。

田端正広平和・改革

○田端分科員 そういうことからいきますと、密入国、ここにもしっかりと対応していかないと、密入国する人が手ぶらで来るわけがないのであって、物を持ってきているんだと思われるわけであります。  したがって、平成八年の密入国が千七十人であったのが、平成九年、昨年は二千七百三十五人と二・五倍ぐらいふえているわけですね。これは、その大半が中国からですが、特に雲南省とか広東省とか、あっちの方が多いんだろうと思います。そういった意味で私は、この密入国に対しては、海上保安庁の方は一生懸命やっていただいていますけれども、もちろん民間とか自治体とか、あるいはその他入国管理局とか厚生省とか警察当局とか、いろいろ総合的に連絡をとり合ってやっていかなければならないと思うのですが、中でも大事なのは、そういう機動力、情報収集、もう一つは、やはりこれからは語学が、例えば麻薬を取り締まる場合とか、こういう密入国の場合とか、国際的な犯罪組織に対応する場合とか、そういったことに語学がどうしても必要になってくるんだろう、こう思うわけであります。  そういう意味で、海上保安庁は一生懸命やっていただいていると思いますが、そういう点も踏まえて、今の現状をお聞かせいただきたいと思います。

小原正則海上保安庁警備救難部警備第二課長

○小原説明員 海上保安庁といたしましては、警察とか入国管理局とか、国内の関係機関はもちろんでございますが、非常に密航者の多い中国とかあるいは韓国とか、そういったところの海上取り締まり機関との非常に密接な連携を現在図っているところでありまして、さらに、海事、漁業関係者等との情報連絡体制を強化して、不法入国事犯の発生するおそれの高い海域に巡視船艇、航空機を配備する、こういうような対策をとって警戒強化に努めております。  また、情報を入手した場合、あるいは事案が発生したときには、巡視船艇、航空機を集中的にかつ機動的に投入いたしまして、監視、取り締まりの徹底を図りまして、不法入国事犯の防止及び摘発に努めているところでございます。  なお、先生御指摘のとおり、語学力のある職員、そういったものの事件処理に当たって非常に大切でございまして、海上保安庁といたしましては、部内の教育機関であります海上保安大学校に、中国語、韓国語、それとロシア語の話学要員養成のための研修課程を設置して、計画的に養成しているところでございます。特に、中国語につきましては、近年の密入国事犯の増加に対応するために、平成九年度に教官を増員して、研修課程の充実強化を図ってきたというところでございます。

田端正広平和・改革

○田端分科員 私、大阪の西成区というところに住んでおりますが、ここにはあいりん地区というのがありまして、つまり、覚せい剤が密売されている現場でもあるわけでありまして、私が通っても売りに来る、そういうところでありまして、そういう現状をぜひ大臣にも本当は認識していただきたいのです。  そういう意味で、内閣の中に薬物乱用対策推進本部というのがあると思います。橋本総理がこの本部長になっていると思いますし、また、大臣も副本部長、厚生大臣とか皆さんで副本部長をなさっているんだと思いますが、要するに、こういうものが形だけになっていて、我々から見て動いているとは見えてこない、非常に残念な思いがしています。  したがって、もう時間になりましたので、ぜひ、この薬物乱用対策推進本部が、国民の目にわかるような形で動いていただきたい、そしてこの問題に真剣に政府として取り組んでいただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて田端正広君の質疑は終了いたしました。  次に、中村鋭一君。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 初めに、ちょっと思い出話をさせていただきたいのですが、もう二十数年以前になると思いますが、私が大阪でラジオの番組のパーソナリティーをしておったのです。そのときに、文部省の方で、学習指導要領の中の音楽で、以前の文部省唱歌、その中で例えば「鯉のぼり」とか「われは海の子」とか、そういうものを共通教材から外すという報道が新聞でございました。  私は随分この小学唱歌が好きだったものですから、なぜそれを共通教材から外したんだということをお伺いしましたところ、例えば「鯉のぼり」は、あれは最初の一節が「甍の波と雲の波、重なる波の中空を」こうなっていたと思うのですが、いらかという言葉は最近もう使わないというようなことで、余り使用頻度の高くない難しい単語は子供に教えるべきでないということで共通教材から外した。それから、「われは海の子」も外されて、「煙たなびくとまやこそ」というくだりがありますが、とまやというような単語も子供に教えるのにはふさわしくないから、だから外したんだ。それから「村の鍛冶屋」ですね、「しばしも休まず槌打つ響き」です。これは、もう村のかじ屋そのものが職業としてほとんど存在をしないから外すんだというようなたしか説明をいただいた、こう思うのですね。  それで、当時の文部大臣は、今の砂田衆議院議員のお父さん、砂田重民さんが文部大臣をしていらっしゃったと思うのですが、私の番組で電話で対談をさせていただきまして、そんなことがあるのか、そう言わずにひとつ子供たちにいい小学唱歌は残してやってくれ、こう言いましたら、検討をしますということで、後にたしか御返事がありまして、これは復活させました、参考的にこれは復活をして、子供たちに教えてもよいという形をとらせていただきました、こういう御返事を当時の砂田大臣からいただいた、こういう記憶があるわけでございます。  そこで、まず最初にお伺いしたいのですが、現在、小学校一年から六年までで、指導要領の中で、いわゆる旧文部省唱歌は、共通教材として各学年で何曲ぐらいずつ残されておりますか。それからまずお伺いをいたしたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先生のお尋ねの件の共通教材でございますが、小学校一年生から六年生まで、各学年とも四曲ずつ共通教材として掲げてございます。ですから、トータル二十四曲ということになります。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 四曲ずつ残しておられるのですね。四曲ずつ残すということは、残していない曲もたくさんあるわけでありますけれども、その残す基準ですね。これは、冒頭に私が申しました、こういう単語は使われないとか、これは難し過ぎるとか、こういう職業は存在しないとかいうようなこと。  あるいは、一つの差別というのですか、誤解を生むというのですか、例えば「案山子」というのは今もう使われていない。「歩けないのか山田の案山子」こういうのはぐあいが悪いというのはよくわかるのですね。  それからまた、いわゆる歴史上のことで、例えば「児島高徳」なんというのがありますが、   桜の幹に十字の詩。   「天勾践を空しゅうする莫れ。時范蠡無きにしも非ず。」 これは児島高徳の陣中の志を歌った唱歌でありますから、これはもう全く時代に合わないから外される、それはわかるのです。  例えば言いました「村の鍛冶屋」とか「われは海の子」とか「鯉のぼり」の、いらかがどうだとか、とまやはないとか、村のかじ屋という職業はないというような理由で外されるとすれば、ちょっと私には合点がいかないのですが、その四曲ずつ残されたという基準、それをひとつ教えていただきたい。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先生に音楽教育の目的、目標を御説明するまでもないと思うわけでございますけれども、子供たちに音楽に親しませ、そして文化に触れる、そういうことで生涯にわたって音楽を愛好する心情とか豊かな情操を培うということをねらいとして、音楽をやっているわけでございます。  そのやり方としては、歌を歌ったり、楽器を演奏したり、また名曲を鑑賞したりという形でやっているわけでございます。それも、やはり高校生以上とか大学生になればそれぞれの個人個人でい いわけでございますが、一応、小学校、中学校ということになりますと、発達段階を考慮しつつ、こういう歌を共通にこれから歌い継いでいくことが望ましいであろうというような観点から選んでいるわけでございます。     〔主査退席、松沢主査代理着席〕  もちろん、これだけでそれ以外を何も学習してはいけないということではないわけでございますけれども、発達段階に応じながら、それぞれ四曲程度ですね、余りたくさんになりますと各学校の音楽活動を規制してしまいますから、四曲程度としたならばどういう曲がいいであろうかということ。これは、教育課程審議会において、それぞれ、これまでの曲を踏まえつつ、その音楽を各学校で実際実践するそのときの成果というようなものを一方で聞きながら、専門家のお立場で選ぶということでございます。  したがって、今先生、個別に単語の御指摘とかあるいは職業の御指摘とかといろいろあるようでございますけれども、個々の曲のそれぞれにつきましては私、つまびらかにしておりません。ただ、五十一年それから五十二年にかけまして、十年ごとにこの改訂があるわけでございますが、そのときに、それまでの実績を踏まえつつ、これまでの歌に加えて、例えば童歌みたいなものがない、それなら少し童歌のようなものを加えてはどうかとかその他、そういうさまざまな御議論の中で歌が決まってくるわけでございます。  したがって、一度共通教材から消えると申しましょうか削除されましても、やはりそれは親しませたいということで、また共通教材として取り上げられるということもあるわけでございまして、必ずしも厳格にこれはこうということではなく、全体としてのそのときの御専門家の判断、あるいは現場の先生方の御意向、あるいは子供たちの親しんでいる状況、さまざまな要素を踏まえながら御議論をして決められているというふうに承知をいたしております。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 ということは、文部省の主体性でこの小学唱歌のどれをとりどれを捨てるかを議論されているのじゃなくて、今おっしゃいました審議会に共通教材としての文部省唱歌はゆだねておられるわけですか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 ただいまのような議論を教育課程審議会でやるわけでございますが、共通教材として示しておりますのは学習指導要領という文部大臣の告示でございます。したがいまして、最終的な判断は文部省がしているということになると思います。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 少し個々について申し上げていきたい、こう思うのですが、「春の小川」というのがございますね。これは文部省旧尋常小学唱歌第四学年用の冒頭の曲でございますかね。この歌詞は、第四学年用の「春の小川」は、「春の小川はさらさら流る」こうなっておりますね。これが今は「流る」じゃなくて、たしか「さらさら行くよ」というふうに変えられている、こう思うのですが、なぜこれは「流る」を「行くよ」にお変えになったのですかね。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 大変恐縮でございますけれども、先生御指摘のとおり、「春の小川」が第三学年の共通教材になっておることはそのとおりでございます。歌詞は「春の小川はさらさら行くよ」というようになっているわけでございますが、「流る」から「行くよ」になりました経緯につきましては、ちょっと私、つまびらかにいたしておりません。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 それが私、実は大変残念なんです。あなたのような専門家が、どういう理由で「流る」が「行くよ」に変わったのかつまびらかにしていない。これはずっと共通教材に入っていると思うのですが、そういうことで子供たちに教えておられるとすれば、これはやはり随分ぐあいが悪いな。  といいますのは、歌というものは作詞者があって作曲者がいます。これはやはり、全体の韻律、言葉の流れ、単語の選び方に作詞者は心血を注いでいる、こう思うのですね。それが、説明をしていただけないような理由で「流る」が「行くよ」に変わるということでは、それで教えられる子供たちは不幸と言わなければなりませんし、そして、やはり日本語の美しさというものを子供たちに教えるのも音楽教育の一環だ、こう思いますから、これは私は厳にその点を指摘いたします。説明のつかないような改訂は、子供たちに教える以上はあってはならない、こう思うのです。  その上で私なりに推測をいたしますと、「流る」を「行くよ」に変えたのは、小学唱歌のほとんどといいますか、三分の二以上はいわゆる文語体を採用しておりますね。ですから、文語体で「さらさら流る」というふうに表現をいたしますと、小学校の低学年の児童に、いわゆる七五調の韻律を踏んだ文語体よりも、言文一致体といいますか、「行くよ」というだれにもわかりやすい言葉の方が小学校の低学年にはいいのじゃないかということでお変えになったのじゃないかと思いますが、そういった考え方は文部省の国語教育、音楽教育を通じてあるのでしょうか。  余り難しい単語を使わない、それからなるたけ文語体は口語体に言いかえようという一つの方針といいますか、流れがあるのでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 なるべく文語を口語にということはございません。先ほど申し上げましたように、児童生徒の発達段階ということで、言葉の理解のしやすさということで整理するということはあろうかと思います。ただ、文語はできるだけ避けて、できるだけ口語にという考えを文部省が持っておるわけではございません。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 それならひとつ、ぜひ私、これはもう心からお願いを申し上げたいのですが、一学年につき四曲文部省小学唱歌を採用しておられる以上は、最初につくられたときの言葉を大切にしていただきたい。だから、できれば「行くよ」というのはもう一遍「流る」に。それは、原作者からすれば非常に不本意なことだと思いますからね。これに限らず、戻していくぐらいのお気持ちは持っていただきたい。  それから、今辻村さん、改めて文語体を口語体にという意思はないとおっしゃったのですから、私、小学唱歌の中に盛り込まれております文語体の美しさというのは、むしろ大切にしていただきたい。「朧月夜」というのは残されておりますか。「菜の花畠に入日薄れ」いい曲ですがね、入っておりますか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 「朧月夜」につきましては、昭和三十三年以降共通教材がございますが、そのとき以降ずっと共通教材として、第六学年の共通教材として残っております。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 随分、結構ですね。すばらしい歌だ、こう思いますね。「朧月夜」でも、   菜の花畠に、入日薄れ、   見わたす山の端 霞ふかし。 本当に美しい、いい詞です。これを口語体に言いかえたら、もうほとんど意味をなさないですね。  それから、「冬景色」という小学唱歌、これも御採用いただいておりますかね。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 「冬景色」につきましても、第五学年の共通教材として示してございます。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 この「冬景色」もすばらしい曲ですね。   さ霧消ゆる湊江の   舟に白し、朝の霜。   ただ水鳥の声はして   いまだ覚めず、岸の家。 こういう詞なんですね。これも、これを口語体で、まだ眠りから覚めていないよ、岸の家々はと、これはもう話にならぬ詞になりますね。だから、こう、歌い出しから   さ霧消ゆる湊江の   舟に白し、朝の霜。   ただ水鳥の声はして と、これが文語体で七五調の韻律を踏んでおりますから、子供のときにこの歌を歌いますと、もう死ぬまで絶対忘れない。私は今、ここに書いてあります小学唱歌、全部完璧に歌えます。それはや はり、名曲というのは名曲なんですね。だから、そういうものはもうなるたけひとつさわらないようにお願いを申し上げたい。  特に小学唱歌のいい点は、私、これは全く懐古趣味で言っているのではありませんけれども、ひとつ文部省の皆さんにお願いをしておきたいのは、この小学唱歌のいい点、たくさんありますけれども、一つには、この小学唱歌の中に随分日本の歴史とか文化、生活の習慣、それから日本の国土の四季の移り変わりですね。例えば「四季の雨」なんてありますね。   降るとも見えじ春の雨、   水に輪をかく波なくば、   けぶるとばかり思わせて。   降るとも見えじ春の雨。 それで、今度は一転して夏の雨になりますと、   物干し竿に白露を、   名残りとしばし走らせて。   俄かに過ぐる夏の雨。 これなんか、ざあっと夕立が来て、来たと思ったら雨が上がりまして、物干しざおの下側に白い露がぱあっとついている、あの情景をぴたっととらえて、まあ日本の詞のすばらしさがあらわれているわけですね。だから、そういう教育上の効果があります。単に音楽というのじゃなくて、そういうふうな日本の四季の移り変わりのすばらしさ、日本の国土や風土のすばらしさ、これを子供たちにしっかりと唱歌を通じて教え込むこともできますね。  それから、日本語の持つ、例えば文語体の七五調の韻律の美しさですね。これも、フランス人がフランス語というものを大事にすると同様に、日本語というのはすばらしいなということを子供たちに教えるには、この小学唱歌というのは本当にすばらしいものだと私は思います。  それからまた、歌の中には随分難しい漢字が使われているケースが多いですね。例えば「村の鍛冶屋」の中にも「勝りて堅きは」、ちょっと待ってくださいね、「村の鍛冶屋」の中に随分難しい漢語が使われておりますけれども、「村の鍛冶屋」は残っていますか、今の中に。ありませんか、入っておりませんか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 「村の鍛冶屋」につきましては五十二年の改訂で、それまで四年生の共通教材でしたが、今は残っておりません。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 そうですか。  それじゃ「鷲」はどうです。六学年用のこの教科書の終わりの方にあるんですが。「鷲」は入っておりませんか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 六学年の共通教材にはそれは入っておりません。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 入っていないということですが、これだって随分難しい漢字がありますね。「梢の上の荒鷲は、広き宇宙を脾睨す」、脾睨というような言葉ですね。それから「怒濤逆巻く絶海の」、絶海のというような言葉。  我々子供のときを考えますと、こういうのは全く意味がわからずに何となく全体で歌っているわけです。「怒濤逆巻く絶海の」、絶海のは何かわからぬのですが、しかしこれは必ず、後になりましてそういう単語に接しますと、ああそうか、子供のときに歌っていたあの絶海というのはこういう意味だったのか、「広き宇宙を脾睨す」、脾睨というのはこういう意味だったのかと思い当たる。そうすると、その間過ごしてきた十数年が非常に有意義なものになりまして、ああ、子供のときにあんなに一生懸命歌って意味がわからなかった、こういう意味だったのか、それにしてもあの「鷲」という歌はいい歌だったなということがありますから、そういう効用もあるわけでございます。  繰り返し申し上げますけれども、ひとつその点を考慮に入れていただきまして、私は私なりにぜひ入れていただきたい曲を選んで、丸をつけてここに持ってきておりますので、これは差し上げますので、ひとつ今後の教育課程審議会の審議に供していただきまして、中村という代議士がぜひこれを入れてくれと言っておったと、検討の資料にしてくれとぜひ言っていただきたい、こう思う次第でございます。  ただし、さっきも申し上げましたように、子供たちに旧時代の歴史観を押しつけるようなそういう歌がこの中にも幾つかあるかと思うんですね。例えば、もうこれは死んだ言葉でありますが、忠君愛国でありますとか、こういう考え方は歌を通じて子供たちに教えない方がいいと思います。  私は、やはり原則的には、風景とか日本の四季の移り変わりとか日本の国土の美しさ、こういうものを歌う。あるいは、我々の生活の慣習でございますね、秋が来たら稲刈りをするとか、昔はかじ屋さんがあってトンチンカン、トンチンカンとやっていたんだなと、そういうことは教えても差し支えないと思いますので、その点をひとつよろしくお願い申し上げておきたいと思います。  この学習指導要領を拝見いたしますと、小学唱歌はそういうことでございますが、これは「第三 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」というところでございますが、その③に一行だけ、「国歌「君が代」は、各学年を通じ、児童の発達段階に即して指導すること。」こうなっております。今私の手元にありますのは平成元年三月の分でございますが、その後改訂はされておりませんか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 現行の学習指導要領におきましても、今先生お読みになりましたとおりの文言が規定されてございます。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 「国歌「君が代」は、各学年を通じ、児童の発達段階に即して指導すること。」私、この意味がよくわからないんですが。国歌は国歌ですね、それを各学年を通じ児童の発達段階に即して、発達段階に即して国歌というのは教えるものでしょうかね、指導するものでしょうか。  ちょっと御説明願えませんか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 国歌君が代につきましては、繰り返し書かずに、毎学年指導するということでございます。  ただ、先ほどからのやりとりもあるわけでございますけれども、君が代の意味等につきましては、子供たちの発達段階が違います。したがいまして、小学校一年生に教えるときと六年生に教えるときと違うわけでございますし、それから、曲の由来とかその他、発達段階に即してこれは指導をするということでございまして、国歌君が代は指導するという原則は原則で変えないわけでございますが、今のような点が違うものですからこんなふうに表現してあるわけでございます。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 何というんですかね、私、ここに一行、「国歌「君が代」は、各学年を通じ、児童の発達段階に即して指導すること。」別にこんなことを言う必要は全くないので、その学年に応じてわかりやすく君が代について説明することは、それはあったっていいのかもわかりません。   君が代は   千代に八千代に   さざれ石の   巌となりて   苔のむすまで 子供たちに、実際は小さな石がいわおになることはないね、こけがむすまでということはないね、しかし、これがつくられたのはこういういきさつがあって、こういう歌でという説明があってもいいけれども、そういうことをわざわざ指導要領に第三項としてお書きになるあたりに、私は、教育者も含めて、文部省の当局者の皆さんも、国歌というものについて、どういうんですかね、認識が浅いというか、あるいは神経質になり過ぎているというか、そういづ点がなきにしもあらずだと思うんです。  どこの国だって国歌があります。国歌というものを大事にして、しかるべきときがあればそれを歌うというのは当然のことで、そんなことを各学年の段階に応じて指導するなんというのは国歌に関しては私はあってはならないことだ。当たり前のことなんですからね。  そういうことが、例えば先日の長野のあの冬季オリンピックにおいて、国歌君が代は演奏はされました。演奏はされたけれども、みんなが一緒に歌うことはなかった。私なんか見ておりまして、何でだ、我々日本人が持っている国歌君が代を、日本で開催されるオリンピックの開会式で演奏をしているのに歌うこともできないとは、一体どういうことなんだ。まことに残念というかがっかりというか、情けないというか、そういう思いがしたわけであります。  大臣、この辺は、私の言わんとするところはおわかりをいただけていると思いますので、ひとつ、この君が代につきましての大臣の明快な御意見と御見解をお願い申し上げたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 今の委員とのやりとりを伺いながら、多分委員はこうおっしゃりたいと思うんですよね。要するに、国歌君が代は各学年を通じて教えるものとする、習うものとする。なお、その歌詞の内容については、なかなかさざれ石というのを小学校一年生に教えるのは難しいかもしれないから、だから、内容については児童の発達段階に即して教える。そう書けば、委員のおっしゃっていることと局長が言ったことは多分同じことを言っているということなんだろうと思いますので、次回指導要領を書く際にはその辺できるだけ明確にしたらいいな、こう思います。  なお、先般の長野オリンピックでの、曲は流れたけれども歌詞が流れなかったという話、これは、基本的にはIOCなりあるいは長野オリンピック委員会が決めることであり、かつ、これはもう国際的に大体ああやっているそうなんですよ。全部とは言いませんけれどもね。基本的には、曲が流れて、あと歌いたい人はそれに合わせて歌うということのようですから、国際的なやり方に比べて格段特異なことを日本がやったというわけでもどうもなさそうであります。  ただ私も、ちょっとここから先は全く個人的なあれですが、閉会式のときに「ふるさと」を歌ったのですね。これは六年の文部省唱歌、共通教材で、あれを歌ったとき、やはりいいな、こう思いました。せっかく閉会式で「ふるさと」を、みんなで大きな声で歌いましようと言って、たしか萩本欽一さんが司会でやっておりましたから、同じような感じで、開会式、閉会式でそれぞれ、君が代を大きな声で皆さん歌いましようとやってもよかったのかな、個人的にはそういう印象は私も持っております。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますが、大臣、私はここに教育基本法を持ってきているのですね。  実は、これまた非常に個人的な私の意見でありますが、中曽根先生が五十周年の表彰をお受けになりまして、本会議場においてすばらしい演説をなさいましたね。私は結局五十年国会議員をやってきて、根本は教育に帰着する、こう思いました、これから私は教育というものをしっかりと自分で頑張ってやっていきたいと思います、こう中曽根先生はおっしゃいました。私、実は野党でございますけれども、中曽根先生の事務所へ行きまして、先生にお目にかかりたい、こう申し上げたのですよ。快く会ってくださいまして、一時間ぐらい、中曽根先生がいろいろ御意見を聞かせてくださいました。  その中で中曽根先生がおっしゃいましたのは、この教育基本法、これは昭和二十二年の三月三十一日に公布、施行された基本法でありますけれども、このどこを見ても、日本という国、日本の国土、国を愛するという言葉がこの教育基本法の中にはありません、それが残念だという意味のことをおっしゃいました。私も全く同感であります。  やはりこれから、教育は本当に国の大宗だ、こう思うのですが、子供たちに、日本という国はいい国だ、生まれてよかった、この国が危機に瀕したら、我々はこの国を、自分の妻や子供たちを守るためには体を捨てても頑張らなければいけない、こういうふうな感じを、気持ちを子供たちに持ってもらうような教育をしてもらいたい、こう私は心から考えるものでございます。  一言だけ、その私の意見についての大臣の御意見を伺いまして、質問を終わらせていただきます。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 教育基本法、文句のつけようのない法律だと思っております。ちゃんとしたいいことが書いてあります。それを受けて私どもは今学習指導要領等々で、国家を愛し、ふるさとを愛し、日本の歴史、それに尊敬を払いということはしっかりと指導要領には明記をされております。後は現実にそれをどのように教育現場で実行していくのか、それが一番の問題ではないのかな、こう思っております。

中村鋭一自由党

○中村(鋭)分科員 ありがとうございました。終わります。

松沢成文民友連

○松沢主査代理 これにて中村鋭一君の質疑は終了いたしました。  次に、古川元久君。

古川元久民友連

○古川分科員 民友連の古川元久でございます。  きょうは、大臣もお疲れのところ、時間を少しいただきたいと思います。御予定が入っておられることは知っております。最初の十五分ほどだけ大臣にちょっとおいでいただいて、その後は事務方の方にお話を伺わせていただきたいと思います。  まず最初に、大臣、教育改革モニターというのがあるのを御存じでしょうか。これは文部省の方が、私は、これは二、三十年前のパンフレットかなと思ったら、平成九年、十年というから最新のようではございますけれども、非常に質素で、今にしてはちょっと、もう少し工夫をしたらいいんじゃないのかという、そんなパンフなんです。  こういうモニターを国民のいろいろな各界の職業区分から五百人ということで募集をして、そして教育、学術、文化及びスポーツについて、広く国民の皆様からの御意見、御要望などをお聞きし、諸施策の立案、検討、具体化に反映させるために教育改革モニターをお願いしているという形になっているわけなんです。  実は、私の姉は高校の教員をやっております。その同僚の先生がこの教育改革モニターになった。昨年の四月になって、大変に喜び勇んで私のところに送ってきてくださったのですが、六ページにわたる、御自分の経験を踏まえたレポートみたいなものを、今の教育制度に自分が経験してきて感じているところというものを提出したそうなんですね。  ところが、提出はしたのですが、文部省からは全く何も言ってこない。そもそも受け取ったという報告もないということらしくて、私もちょっと文部省の方に、どういうふうになっているんだというふうに聞きましたら、そもそも今までも、こういうふうに回答が来ても、要は聞くことが大事なんであって、別にそれについては何ら反応はしていない。これまでもずっとそうだった。ただ、毎月、何というのですか、文部広報とか「時の動き」というのを参考資料として定期的に送っている。あとは、報告してくれたらお礼というので記念品を、ボールペンか何か贈っているらしいのです。  いわゆるガス抜きという形で意見を聞いているならまだしも、やはりモニターという形でお願いをして、しかも、何千人、何万人ということで個別になかなか対応が難しいというものならまだしも、五百人という中で、その中で報告を出してきている人がどれくらいの数か、ちょっとわかりませんけれども、それくらいの数であれば、やはりそれなりに対応というものはできるんじゃないのか。  モニターになった人から見てみると、文部省が自分の意見を聞いてくれるんじゃないか、そういう気持ちで出しているわけですから、それをただ単に、出させるだけ出させてそれで終わりというのでは、これはやはりモニターをしている方からすると、文部省は本当に聞いてくれているのか聞いてくれていないのか。そもそも、よく役所である話で、陳情書をもらうとその場ですぐ秘書の女の子がごみ箱に入れてしまうみたいな、そうなっているんじゃないかみたいなふうに不審に思われても仕方がないんじゃないか。  やはり、せっかくこういうモニターをやられるのであれば、そうしたものを生かしていく。そして、何らかの形でやはり、一方的に聞くだけじゃなくてこちらからも、別に細かく反応しろということはないと思いますが、何らかの形でやはりモニターに対してのあり方というのは、大臣でもそれは、儀礼的な手紙なら別ですけれども、長々と非常に真剣な手紙をもらえば、何らかお答えはされると思うのですね。  ですから、そうしたことからすると、普通はやはりそういう形で対応していくものだと思いますが、その点に関して、これはぜひ善処していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 実は私も、今回委員の御指摘があって初めてこれを見たわけであります。それで説明を聞いたのですが、大分前からこの制度はあったようでありまして、その都度その都度、審議会の参考意見にしたり、実際にお手紙が来ると、それを関係する課に配付して、こういう意見が今モニターから来ていますよということで、日常的な執務の参考にはしていたようであります。  ただ、その方に対する反応として、これはこうしましたとか、この御意見はこういう形で活用させていただいておりますとか、あるいは少なくとも、今御指摘があったように受け取りましたという返事も出していないというのでは、いささかこれはモニターに対しても礼を失する部分があるかなと。年間数百のこのモニターからの御提言、御意見をいただくようでありますので、その辺に関しては、せっかくこういういい制度をつくっているわけでありますので、もっと意見を述べられた方の心情に触れるような文部省としての対応をこれから考えていく、そのための何らかの改善は図っていきたい、こう考えております。

古川元久民友連

○古川分科員 かつて私が大蔵省に勤務しておりましたときに、消費税を国民に御理解いただくということで、今の総理が大蔵大臣のときに、国民の皆さんに御意見をいただきたいという広告を出した。そのときには何万通という意見が来たのです。  それにすべて、全員ばらばらという文書ではありませんが、当時の橋本大蔵大臣が最後に署名した文書を、その人たちには皆さん、文書の類型によって、こういう質問の場合にはこうだという、そういうお答えをしていた。今の総理はその辺を非常にお心遣いされる方ですから、場合によっては、そういうものをお時間あるときには見られて、個別のものについて自分でお答えをしたような場合もありました。ぜひとも大臣にも、お忙しいかと思いますが、そうしたお時間を見つけて、せっかく現場の教師の人たち、あるいはモニターになった人たちは、読んでほしい、見てほしいという気持ちで書いておられるので、そうした気持ちを酌んでいただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。  次に、二番目に、国公立大学の受験の際の障害者に対する事前協議申請の時期の問題について、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うのです。  現在、国公立大学の募集要項の中に、身体に障害を有する者の出願ということで、身体に障害がある者で、受験上、修学上特別な配慮を必要とする者は、受験に先立ち出願先の大学と協議することが求められているわけなんですけれども、協議のための事前申請の時期が、多くの国公立大学ではセンター試験の前に締め切りがあるんですね。  そうなりますとどういうことになりますかというと、普通は、自分の経験からしてもそうなんですが、要は、センター試験の成績を踏まえて受験校を決めてそこに出願するという話なんですけれども、障害を持つ受験生の場合には、最初に、センター試験の前に、ちゃんと受けますよという事前申請を、協議の申請をしておかないと、センター試験を受けて、例えば点数がよかったり悪かったりしてほかの大学に変えようと思っても、事前にちゃんと協議申請がされていないと受けられないという話になってしまうわけですね。  そうしますと、前もって幾つかのところに申請をしておったりとか、そういうことをしなければいけないわけなんですが、考えてみますと、センター試験の前というのは、受験生からしてみれば、一刻一秒も争って時間が欲しい、そういう時期に、これは申請して、当然面談とかしなきゃいけないわけですから、そういうものに時間をとられたりとか、センター試験の結果を見て受験校を自由に変えられない。そういった意味で、ほかの受験生に比べると不利な状況に置かれているわけなんです。  こうしたことを考えますと、私は、基本的には、こうした事前協議申請の時期というのも二次試験の出願のときと同じようにしていいんじゃないか、そんな気がしているのですね。  現実に、実は、私の地元の方の方で難聴のお子さんを持たれる母親の方が全国難聴児を持つ親の会というのを組織しておられて、そこが文部省の方に平成八年九月に行かれて、当時の雨宮高等教育局長に対しましてお願いをした。そのときに局長は、障害を持つ人たちも受験できるようにするのは当然だということで、事前協議の申請を一般の受験生と同じように二次試験の願書提出と同時期にするように全国の国公立大学に通達する方針を明らかにしたというような新聞記事もあったのです。  そういったことがなされているはずなんですけれども、現実にいろいろ聞いてみますと、本年度入試においてもまだごく一部の大学において改善があっただけで、全体は改善されてないようだ。  とりわけ、この例のように難聴の方というのは、視覚障害とかで、例えば点字の試験問題を用意しなきゃいけない、そういうような状況があれば別なんですけれども、聴覚障害というのは、基本的に目が見えるわけですし、例えば試験が始まるときに肩をたたいてあげるとか、終わったときにたたいてあげるとか、本当にちょっとしたことだけで、それほど事前協議の必要になる受験上特別な配慮を必要とする者と言えるほどなのかなという気がいたすのですね。  ですから、そういったことを考えますと、聴覚障害の人までそういう対象にすること自体が、私なんかはちょっと疑問もあるのですが、一歩譲って、事前協議で一応それをちゃんと伝えてほしいということになっても、こういうそれほど支障のないような障害については、普通の受験生と同じように、二次試験の出願のときに、聴覚の障害がありますので配慮をお願いします、そういうことさえ言えば、むしろ済む話じゃないかと思うのですが、その点に関して、ぜひとも大臣のリーダーシップで改善をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

佐々木正峰文部省高等教育局長

○佐々木政府委員 ちょっと事実関係を御説明させていただきたいと存じます。  大学入試におきましては、まずセンター試験と、それから個別の大学の試験を組み合わせて行うケースが多うございます。そこで、二つに事柄を分けまして、まずセンター試験でございますけれども、センター試験においても、障害の種類や程度に応じて特別な措置を講じておるところでございます。この措置を希望する場合には、志願票とあわせて、身体障害受験特別措置申請書を出願することとなっておるわけでございます。その際、個別の大学についてあわせて相談をするということは、これはもちろん困難でございます。と申しますのは、センター試験出願時においては、必ずしも志望大学が決まっていないということもございますので、個別大学について相談をするというのは困難というのが実態でございます。  そういったことがございまして、個別の大学におきましては、ある程度余裕を持って事前相談にあずかるというふうなことをしておるわけでございますけれども、その場合、やはり出願者、受験生にとって不利とならないそういう配慮が必要であるということで、文部省といたしましても、事前相談の時期や方法について改善するよう指導しておりまして、かなりの改善を見ているところでございます。  傾向としては、かなり、ほとんどの大学がセンター試験の終了後に事前の相談をするというふうな状況になってきております。  なお引き続き、時期やあるいは方法について、大学側をきちんとした形で指導してまいりたいと思っておるところでございます。

古川元久民友連

○古川分科員 かなりの大学がと、ほとんどだがとおっしゃいますが、常識的に考えれば、これはすべての大学において、むしろ必要のない規制なはずなんですよね。今申し上げたように、とにかく耳が聞こえないだけ、それでわざわざ、何でそんなに早く事前にそういうことを通知しなきゃいけないのか。これは普通に考えたら、逆に、少しでもそういうところがあるというのは差別的な取り扱いをしているという問題で、こうしたことは一刻も早く、これはむしろ、こういうことこそ指導性を発揮して早くなくしていただきたい。  むしろ、そうしたものに関して言えば、そもそも聴覚障害の人が、そういう事前協議申請の対象としてなじむものなのかどうか。そういうことも含めて抜本的に、運用面でやっているというだけじゃなくて、やはりそこの部分については、ぜひともそういう形での改善をしていただきたいと思います。ぜひこれは大臣のリーダーシップでお願いしたいと思うのです。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 すべての国公立大学でしっかり対応できるように指導をやってまいります。

古川元久民友連

○古川分科員 ありがとうございます。大臣の決意をお聞かせいただきまして、本当に私も心強く感じました。  大臣、御予定があると聞いておりますので、どうぞ御退席ください。  それでは次に、知的障害児の高校進学についてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。  ノーマライゼーションの一環としまして、教育の場におきましても、障害児を特別扱いするのじゃなくて、普通教育を受けたいという希望があれば、できる限りそういう方向で受け入れていこうという形で、文部省の教育方針というのは進められているというふうに私は承知をしておりますが、その線に乗った形で、平成五年の二月には、文部次官名の通知で、「高等学校の入学者選抜について」というふうにありまして、身体に障害のある生徒については、単に障害があるということのみをもって高等学校入学者選抜において不合理な取り扱いがなされることのないよう、選抜方法上の工夫など適切な配慮を行うこと、そういうふうに通知がなされているというふうに聞いております。  しかし、実態をいろいろ、そういう障害を持つ、とりわけ知的障害を持つ子供さん、親のお話なんかを聞いてみますと、これは定員倍率が多い、要は倍率が高くて健常者でも落っこちてしまうというような高校においては、それを無理矢理、そういう知的障害の人の枠をつくって入れろ、それはまた逆差別的なことになると思いますから、できないと思いますが、しかしながら、合格定員があいているというような場合でさえも、本校の教育課程になじまないというような理由で知的障害者が不合格にされていることが、全国各地で日常茶飯事的に起こっているようなんです。  こうした事態については、文部省としてはどのようにお考えになっておられるのでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 お尋ねの関係でございますけれども、まず実態の関係では、平成九年度では、精神薄弱養護学校の卒業者で高等学校等に進学した人が四十四名ほどいらっしゃいます。それから、中学校の特殊学級卒業者で高等学校等に進学した者が千五百九十九名おります。しかし、希望しても、高等学校に入学を許されなかったという人も多いかと思います。  私どもは、先ほど先生から紹介されましたように、一般的に障害のあることのみをもって高等学校入学者選抜において不合理な取り扱いがなされないように、さまざまな選抜上の工夫をしてほしいというような指導をしておるわけでございますけれども、やはり個々の高等学校ということにいたしますと、高等学校は、それぞれの教育理念あるいは特色、それぞれの教育方法で生徒たちを迎え入れるわけでございます。迎え入れた以上は、所期の目的を遂げさせて卒業させるというふうに高等学校は考えるものですから、国が一律にと申しましょうか、一方的に、定員があいている以上どういう状況の子供であっても受け入れるべしというような指導はなかなかできない点は御理解を賜りたいと思います。  各学校のそれぞれの判断に最終的にはゆだねざるを得ないということを申し上げさせていただきたいと思います。

古川元久民友連

○古川分科員 各学校の判断にゆだねるというお話をされますが、こういう問題についてはかえってそういう形でゆだねることが、それは、高等学校の側からしてみれば、そういう生徒が入ってくるということはやはりそれだけの配慮もしなければいけないですし、とりわけ最近においては、余り問題が起きないように少しでもしたいという学校側の気持ちがあって、ほうっておいたら当然そうした人たちは排除されていってしまう方向にいってしまうと私は思うのですね。  そういうこともあるせいでしょうか、平成九年には、文部省の初等中等教育局長名で「高等学校の入学者選抜の改善について」という通知を出されて、その中で、障害のある者については、障害の種類や程度等に応じて適切な評価が可能になるよう、学力検査の実施に際し、一層の配慮を行うとともに選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図ることを求めているわけですよね。それを、今おっしゃったみたいに、いや、各学校の自主性がいろいろあるからと。それだけでは、そういうふうにしても結局進まないから、まさにこんなような通知をされていらっしゃるわけですよね。  そうしますと、やはりそこがなかなか進んでいないし、実際にそういう形でされているということであれば、これをもう少し具体化して、例えば知的障害者の場合にはこういう面を評価していくとか、何らかもう一歩踏み込んで、ここまで通知もされていらっしゃるわけですから、それなりに文部省さんの方としてもそういう問題意識はあって出されていらっしゃると思います。であれば、それでまだ十分でないということであれば、やはりもう少し踏み込んでもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 お言葉を返すような答弁になるかもしれませんが、各高等学校、高等学校、それぞれ特色を持っているわけでございまして、障害を持つ子供を受け入れて一そして高等学校教育を提供するという高等学校がもちろん出てくることを我々も望むわけでございます。しかし、最終的な合否の決定というのは、それは各学校に任せられているということでございます。  ただ、一方、私どもとしましては、障害の種類と程度に応じて、その子供に将来の社会自立、社会参加を促すという点で、との御質問はしていないというふうに言われるかもわかりませんが、私どもは、養護学校の高等部というものをぜひ評価していただきたいというふうに思っております。  養護学校の高等部につきましては、人的な面、施設設備の面あるいはさまざまな教育方法等の面で、それぞれの障害の種類や程度に応じて、真剣に社会自立と社会参加を促すべく教育に取り組んでいるわけでございます。また、卒業すれば高等学校と同等の資格も得られるわけでございまして、高等学校あるいは養護学校の高等部というものも対外的には同等に評価をされる教育機関であるわけでございますので、ぜひそのあたりの評価をしていただきたい、そんなふうに思っております。  ただ、いずれにしろ、それぞれの学校がそれぞれの状況の中で子供たちをできるだけ受け入れていくということで努力をしていくことは、これからも促してまいりたいというふうに思っております。

古川元久民友連

○古川分科員 お言葉を返すようですがというお話がありまして、私もちょっとお言葉を返させていただきますと、それぞれの学校がそれぞれの学校の自主性でというお話をされました。では、子供の側にとっても、それぞれの子供が、そして親がそれぞれの考え方で学校を選ぶ、そうした権利あるいはそういう機会はやはり保障されてしかるべきだと思うのです。  今おっしゃったように、養護学校の高等部もある、そちらもありますから、それも同等のものです、それはそのとおりだと思います。しかし、そうした知的障害の子が、あるいはその親が、それはまさにそれぞれの人たちの判断で、そういうところではなくて普通の学校へ行きたい、何とかそういうところで教育をしたい、そこで学びたいという気持ちがあったら、やはりそれを酌んであげるというのが、それを、学校側の方だけはそれぞれの高校に決定権があって、そこの自主性を尊重するという。  一方の子供側は、ただでさえもハンディがあっていろいろ苦労していらっしゃるわけです、親御さんも。そういう中で、そちらの選択権、自主性というものは、ここがあるんだから、あなたはここに行ったって同じなんですからこうしなさいよというのは、どうも、何か子供の側に立っているというより学校側というのですか、むしろそういう立場からの発言というかお考えのように聞こえるのです。  もう少し、やはりそこは子供の側あるいはそうした子を持つ親の気持ちに立った教育行政というもの、そして障害児教育というものが行われてもいいのではないかというふうに思うのです。ですから、ここは水かけ論になりますからこれ以上申し上げませんが、ぜひともやはりそうした方向で考えていただきたい。  また、今、高校については各学校が決めるというお話がありました。学校教育法の施行規則の五十九条でも、高等学校の入学については最終的には校長が許可をするんだというふうになっていますけれども、こういう障害児のような人について、そういう形で、普通の健常者と同じように、そこの学校の校長だけの判断に任せていいのか。  社会的に、そういう生徒たちもノーマライゼーションという形で、できる限りそういう場もチャンスも与えよう、その合否を判断するには、成績だけではなくて、そういういろいろな要素も見てあげよう、そういうことを言っておられるのです。しかし、最終的に決めるのは、そういう気持ちがあるかないかわからない学校に任せられてしまうというふうな、そこはもう少し発想を柔軟に考えてもいいのではないかなというふうに私なんかは思うのですね。  ですから、例えばそういった子供が定員割れのところを受けた場合には、その合否については、むしろこれは、小中学校なんかで委員会をつくって学校をどうするかという議論をその地域地域でされているように、高校についても、そういった生徒については、学校当局も入れていいですよ、それは別に第三者も入れて、親も入れて、その子供にとって一番いいのはどういうことなのか、どういう教育を受けさせるのがいいのか、そして、その子供の気持ち、親の気持ち、そうしたものを踏まえて、本当にここの高校ではやれないのか、面倒を見てやれないのか、あるいは少し工夫をすればできるのかという、そうしたチャンスを与えるべきではないか。そういうのがなくて、校長先生がはい不合格ですというのでは、やはりこれでは余りにちょっと私はかわいそうな気がするのです。  もう少し、そういった合否決定の際に、非常に紋切り型で、一般の健常者と同じように、これはもう高校の校長が決めることですからと決めるのではなくて、やはりそうした子供に対しては何らかの形で別の合否判定のあり方というものをつくっていってもいいのではないかと思いますが、いかがですか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 学校がただ学校の都合だけで形式的に合否を云々ということであれば、それは学校にいろいろな観点からの再考を促していかなければならないと思います。  子供の障害の種類や程度というものを踏まえつつ、学校側の教育方針とか教育体制とか、そういった全体を通しまして合否を決めるということでございまして、もし学校側の都合でそういう障害を持った子供たちに対する配慮をすることなく、そういうことであるとすれば、それはこれから見直しをしていかなければいけないことだろうと思います。しかし、最終的には、やはり責任を持って学校は子供を教育することになりますので、そこのところは、やはり最終的なところは学校にゆだねざるを得ないということでございます。

古川元久民友連

○古川分科員 今の現実を見てみますと、そういう定員割れのところを受けて落っこちた、教育委員会といろいろ相談をしてみる、それで次を受けてみた、落っこちた、それで定時制を受けてみたら受かったとか、それはもう受けてみないとわからないみたいな、非常に子供にとって、あるいは親にとってみたらストレスがたまって大変なことなんですよね。  そうした子供たちの受験については、逆に言ったら、そういうことをおっしゃるのであれば、受験に至る前にあるいは協議して、ある程度、ここの高校は受けてもどうしてもだめなのかどうかとか、そうした子にとっても、親にとっても、もう少し受験がしやすいような何らか環境づくりというものはできないものなんですかね。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 それは、もしそういうことであれば、工夫といいましょうか、改善の余地はあると思います。  今、一般的に、各高等学校側が受け入れた子供たちに対してどういう教育をするのか、どういう体制が整っているのか等につきましては、できるだけ中学校なり保護者なり、あるいは生徒本人に情報を提供すべしということでそれぞれ取り組んでいるところでございます。まだ不十分な面があるかもしれません。  どういった教育内容があるかとか、あるいはどういうコースがあるかということに合わせまして、今のような点についてどういう対応がとり得るのかというようなことにつきましても積極的に情報を提供していく。それを中学校の進路指導の中で、あるいは中学部の進路指導の中でそれを十分に活用して、今言いましたように、受けた後になって個別の対応をして時間を費やさなければいけないということを避けるような工夫はできるだろうというふうに思います。

古川元久民友連

○古川分科員 ぜひともそうした形で、やはり少しでもそうした子供や、あるいは親御さんの負担を少なくするような工夫をしていただきたい。紋切り型に健常児と障害児を、ある意味でそういうところだけ平等に扱うのではなくて、むしろそこは、何らかの特別な扱いをしたからといって健常児の方から、あるいは親からクレームがつくような話ではないと思うのですね。ですから、そこはぜひとも弾力的な扱いをしていただきたいと思います。  また、先ほど養護学校の高等部の話がありましたけれども、最近は諸外国などでも、むしろそうやって施設をつくってそこに集めるというよりも、逆に言うと子供の数も少なくなってきている、そういう中で、むしろ普通のところに介助者みたいな形でケアをする人をつけて、それでほかの人たちと一緒に勉強したりできるものをやっていこうというような流れも世界にあるというふうに聞いております。  ですから、日本の場合もそうしたものが、いろいろ学校側からする懸念の部分というのは、例えばそういう介助者というものがつけやすいような、そして、そういう人が受験をしてきた場合には何らかの形でつけられるような制度とか、そういった方向に行けばそうしたことも受け入れやすくもなってくると思いますから、ぜひともそういった方向での検討をしていただきたいと思います。  最後に、その点に関して、もしちょっと御意見等ありましたら二青お聞かせいただければと思います。     〔松沢主査代理退席、主査着席〕

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 ただいまの介助者につきましては、現在、介助を必要とする障害の重たい子供たちは、基本的には先ほどから申し上げております 養護学校の高等部に受け入れるということで、そうした学校に交付税上措置をされているのが現状でございます。基本的に、高等学校でそこまではなかなか難しい課題もあろうかと思いますけれども、御提言として承らせていただきたいというふうに思います。

古川元久民友連

○古川分科員 ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて古川元久君の質疑は終了いたしました。  次に、三沢淳君。

三沢淳自由党

○三沢分科員 政府の皆さん、どうも長時間御苦労さまです。よろしくお願いします。  私は、自由党の三沢淳です。  昨今、少年の問題がたくさん起きまして、オリンピックで、そしてパラリンピックで、スポーツの世界は大変すばらしい活躍をしましたけれども、本当に青少年の問題で明暗な記事がいつも新聞に載っておりまして、私もこの世界に入りました決意といいますか、それも、二十一世紀に今の若い子が心身ともに健康でこの日本を支えてくれる、そういう子供たちをつくらなければいけない、そういう意気込みで政治家になりましたので、何とか今の子供たちが本当に健全で、心も体も元気で大きくなってもらいたい、そういうふうに思っております。  そのためには、微力ですけれども、何とか頑張ってまいりたいと思います。そういう観点から質問をさせていただきます。  昨今、いろいろな少年犯罪が起きていますけれども、必ず問われるのが家庭のしつけ、そういうふうに言われております。しかし、科学警察研究所補導研究室によれば、非行少年は家庭内で規範を教えられていないわけではなく、問題は日常的な生活習慣や親子のかかわりから生まれてくる、こういうふうに指摘しております。やはり、生活の世話や学校の行事などへの参加とか、具体的なレベルでは親子の関係が一番必要になってくるのではないか、そういうふうに思っております。  今の親は、子供に気はかけていますが、具体的な子供との接し方あるいはしつけになるとどう行動してよいかわからない親が多いのも事実ではないか、そういうふうに思います。  科学警察研究所の調査によれば、万引きなどで補導された全国の小中学生を見ると、学校行事の参加、誕生日などの祝い事、食事や買い物に連れていくなどなどの親子間の交流があるのと交流がないのと比較した場合に、交流がある、そう答えた子供の非行は、ないと答えた子供の非行より三〇%低くなっております。これから判断しましても、親子の交流、触れ合いがどれだけ大切か、そういうふうな数字をあらわしております。  非行をした子供さんに聞きますと、やはり親への期待として、相談相手になってほしいと望む割合が三分の一を占めておるそうです。このように、子供たちは相談相手を必要としています。親が子供の相談相手になるのが本当は一番なんですけれども、親の仕事の関係、そして親自身がどう子供と接したらよいのかわからないのが今の現状、家庭じゃないか、そういうふうに思います。  文部省におかれましても、教育相談所、教育センター等でさまざまな相談事業を行ってはいますが、親とかあるいは学校の先生が子供たちの相談をする場であって、子供たちが自分の悩みを直接相談できる場とは言いがたいものがあるのではないか、そういうふうに思います。  最近、民間では、文部省の助成を受けて二十四時間子供電話相談、せたがやチャイルドラインが、すばらしいものがスタートいたしました。これは、イギリスで発生したチャイルドラインの日本版ですが、このように子供が直接相談できる窓口を全国にどんどん展開していく必要があるのではないかと思います。その辺のところを文部省はどういうふうにお考えになるのか。  それと、平成十年度の予算措置として、子供が直接相談できる窓口の予算はどのぐらい計上しているのでしょうか。この二点、まず最初にお願いいたします。

長谷川正明文部省生涯学習局長

○長谷川(正)政府委員 お答えいたします。  まず、先生が最初に御指摘になりました子供たちの物事の善悪とかあるいは命の大切さ、あるいは人を愛する心、そういうような人間にとって基本的なところのしつけを担うのは家庭が大事ではないか、こういう御指摘がございました。私どもはそのとおり認識をしております。  一方において、核家族化が進み、あるいは地域の社会というものが、昔のような親しい関係というのが崩れていく中で、また子供たちが非常に少なくなっている、少子化が進むということの中で、家庭での親の教育力というものが落ちてきているのではないか、こういうふうに心配をしておる人たちがたくさんおりますし、また、親自身も、先生が今おっしゃったように、どうしつけていいのか悩んでおる、こういうデータもございます。それで、私どもとしては、一方において、そういう悩める親たちに対しての家庭教育に対する支援、そういうものを強めていくことに力を入れておりますし、今後一層強めてまいりたいというふうに思っております。  そして、今先生がおっしゃいました、子供たちが悩んでおる、だれかに訴えたいけれどもなかなか聞いてもらえる人がいない、こういうことについてそういう窓口をつくっていくということは、特に、いじめの問題とかあるいは最近における信じられないような凶悪な事件が起こる、子供たちがどういうふうな心情におるのかわかりにくいというところの中で、子供たちの声を聞くという体制が極めて大事なことであるというふうに考えております。  今日、都道府県の段階で設けられておる、主として子供たちからの相談に応じる、そういう特に電話を使ったような仕組みとして、教育委員会が行っているもの、あるいは、これは厚生省関係ですけれども、児童相談所が行っているもの、あるいは警察本部が行っているもの、こういうものが少なくとも各県三つはございます。  ただ、それがどのぐらいの時間やっているかということについてはまちまちではございますが、県レベルでもそれだけのものがございますし、あるいは市町村レベル、あるいは場合によっては民間のもの等がございます。  こういうものの体制の整備について、私ども支援していくと同時に、平成十年度の予算において、文部省が直接計上しております予算としては、国立教育会館におきまして、いじめ問題対策情報センター、これは月曜日から日曜日まで、ほぼ朝から七時、土日になりますと五時ぐらいで終わりますけれども、電話で相談を受けられる、そういう体制をしいておるセンターを設けておりますけれども、これらの運営そして機能の充実に資するために、来年度一億二百四十八万円を計上しております。  さらに、生徒指導、教育相談の専門家による巡回教育相談等を実施するためのハートケア教育相談活動モデル推進事業、こういう事業に七千四百万余り。  それから、子供からの相談を受け付ける、電話ではございません、これは学校に置くものとしてのスクールカウンセラーの配置、こういうものを千校から千五百校にふやすというようなことで、三十二億七千七百万円の予算を計上しております。  それから、今先生がお触れになりましたイギリスのチャイルドラインをモデルにした二十四時間の電話相談、これは民間の主導で行う試みとして、世田谷区チャイルドラインというものがこの三月八日から二十一日までの予定で、現在、世田谷区の区役所のそばの一室で実施がされております。これにつきましても、既存の経費を使いまして、私どもとしてもこれを援助しておるところでございます。  いずれにせよ、子供の声を聞く体制の充実ということについては、今の先生のお話も受けまして、さらに充実をさせていきたい、こんなふうに考えております。

三沢淳自由党

○三沢分科員 ぜひこれは、予算は国民の皆さんの税金なものですからむだにしないように、PR といいますか、どこにそんなものあったのか、うちの県で、あの市、あの町にこんな窓口があったの、相談窓口があったのかと、これがやはり各自治体に住んでおられる国民の皆さんにわからないようではつくる意味がないと思いますので、その辺のPRというのはどういうふうにされていくのでしょうか。

長谷川正明文部省生涯学習局長

○長谷川(正)政府委員 各市町村、各県においては、それぞれ持っておる広報資料を使ってそれなりに努力はしていると思いますけれども、今先生おっしゃったように、必ずしも十分ではないと思います。せっかくつくっていながら、存在が知られていないということであれば全くむだになりますので、広報の強化については努力をしたいと思います。  また、今回、先生も御承知と思いますけれども、この間の黒磯の事件を踏まえて文部大臣から緊急アピールというものを出しましたけれども、このアピールを各学校、各教室にお配りして認識していただこうということで、臨時に文部広報というものを大幅に増し刷りをしまして、各県を通じて各学校に配ることとしております。もう既にその作業に入っておりますけれども、その裏、ページを全部使いまして、各県にはこういう相談の窓口があって、子供が相談できますよ、こういう時間に開いていますよ、こういうことを広報する、こういう具体的な努力も今日行い始めたところでございます。

三沢淳自由党

○三沢分科員 ぜひこれが充実いたしまして、一人でも多くの子供たちが、心を閉じておる子供たちが、心を開いてくれれば、そういうふうに思っております。  次に、平成十年度予算には、新規事業として、青少年のための地域社会創生事業として二億五千五百四十五万円計上されていますが、具体的にはこれはどのような事業を行おうとしておられますのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

長谷川正明文部省生涯学習局長

○長谷川(正)政府委員 今先生が御指摘になりました青少年のための地域社会創生事業という事業は、平成十年度の新規事業でございまして、二億五千五百万円を計上しております。  これは、一つは、私ども文部省の方で行う調査研究の事業。  それから、これは金額的には大部分が第二番目の事業で、都道府県の事業として、都道府県に最も適切な場所を選んでいただいて、そこの地域の方々、地域社会のボランティア、あるいはそこで青少年の育成活動に携わっておられる方々、そういう方々も参加をしていただいて、子供たちが学校やうちだけではなくて、地域で自分たちの充実した時間が過ごせるような、そういう試みをやっていただく、こういう事業、都道府県がイニシアチブをとって、地域を定め、その地域の関係者を交えた組織をつくりましてやっていただく事業、そのために文部省の方からお金を出す、こういうこと。  もう一つ、文部省が直接行うものとして、子供たちが地域で充実した自分たちの楽しい生活ができるような地域環境というものをつくるにはどういうふうな工夫が要るのか。従来、町づくりという観点からは、例えば緑あるいは環境、そういうことを中心にした考慮に基づく事業というのはいろいろなところで行われていると思いますけれども、子供たちが楽しく過ごせる、充実した友人との時間を過ごせる、そういうような町をつくるにはどうしたらいいのかというようなことについて、今回、調査研究をやってみたい、こんなふうに考えております。  こういうようなやや異質な内容を含みますけれども、全体として、青少年のための地域社会創生事業という形で、来年度、予算が認めていただければぜひ実施したい、このように考えておる次第でございます。

三沢淳自由党

○三沢分科員 どうもありがとうございます。  文部大臣が来られましたので、最初に質問しようと思ったのですけれども、今質問させていただきます。この続きはまた後にいたします。  長い時間どうも御苦労さまです。  町村文部大臣におかれましては、スポーツマンでもありますし、政治力もあられます。そこで私は、橋本総理大臣が六つの改革を打ち出されまして、その中で教育改革をしなければいけないということを打ち出されましたけれども、ひとつ橋本内閣の閣僚のお一人としてお聞きしたいのです。御飯を食べられた後でちょっと気分が悪いかもわかりませんけれども。  実は、橋本総理が財政構造改革を打ち出されまして、これに関しては中長期的にはすばらしいものだと思いますけれども、国民の皆さんは、今景気が悪くて、今何をやってほしいかというのは、景気を浮揚させてほしい。本当に、中小企業の方は倒産はする、自殺する方もおられる。個人の方もなかなか懐にお金が残らない、本当に苦しい生活をしておる。とにかく景気対策をしてほしい、そういうことを国民の皆さんは望んでおられますけれども、橋本総理は、その中で財政構造改革を打ち出されまして、その後、最近になりまして減税を打ち出されまして、これは全く逆行する政策を打ち出されております。新聞では二枚舌ではないかと載ったりしておりまして、橋本総理もむっとされていましたけれども。  教育の観点からいきまして、やはり今正義感がない。正しいものは正しい、間違っているものは間違っているんだと。大人の世界に今不祥事がたくさん起きまして子供たちにもそういうことが本当に影響しているんじゃないか。私、内閣委員になりまして、この前総務庁長官にもお聞きしたんです。  子供たちがマスメディアなんかで物すごい影響を受けております。先ごろのオリンピックでも、原田選手が大活躍しましたら、原田選手の原田跳びとか何か子供に話題になりましたし、大蔵官僚の方のノーパンしゃぶしゃぶだといえば、それも子供たちの話題になっているそうです。そういう意味で、子供たちには大人の行動というのが非常に影響しております。  そこで、総理は国民を代表するリーダーであります、その総理か政策て間違った転換をしておられるのに、そうじゃないと。間違っていることを間違っていないと。この辺のことがもしいろいろ教育上に出ましたら、総理大臣が間違っていることを間違っていないんだと言い張っているから、おれだって間違っていることは全然間違ったことじゃないじゃないかというような形になっては、これは教育上よくないんじゃないか。  そういう意味で、閣僚のお一人として正義感のある町村文部大臣に、文部大臣の御意見を聞かせていただければ、そういうふうに思っております。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 私は、このいろいろな六大改革と言われている中、財政改革であれ、あるいは各種の社会保障改革であれ、金融改革であれ、景気にとってプラスかマイナスかという観点だけからそれらを見れば、確かにいずれもマイナスという側面が短期的に見れば私は率直に言ってあると思います。それを全部覚悟した上で私どもはあの六大改革というのを進めているつもりであります。  ただ、さはさりながら、では日々の国民生活がどうなってもいいのかといえば、やはりそうではないだろうということからして、私は、総理もそれはまさに苦渋の判断であったと思いますけれども、長い目で見たとき、中長期の方向としての六大改革を進める。  それは、ある意味では今申し上げたように、いずれも景気という観点からはいささかマイナスの影響を与えることであったとしても、中長期的な日本の発展にそれは必要だし、では足元のことは何にも手をつけずに中長期の目標だけ必死に追っていればいいかといえば、やはりそうでもないということで、苦渋の判断ではあったと思いますが減税という対策をとったということであって、二枚舌というような御批判もそれはあるのかもしれませんが、ある意味では、目標とする政策のタイムスパンの違いといいましょうか、私は、そういう意味で総理の判断が間違っているとは言えないのではないのか、こう思っております。  ただ、ぜひ私は、委員にも御理解をいただければと思いますし、国民の多くの皆さん方にも御理解をいただきたいのでありますが、景気、景気と言っていたら多分なかなかいつまでたってもこうした構造改革ができない。どこかで、我々は我々の世代でこれ以上次の世代に赤字の借金のツケを回さないように、多少の厳しさは我々の世代で我慢しようよというそういう思いかなければ、いかなる改革も私は前に進んでいかないだろう、こう思います。  それは、今の景気がじゃほっておいていいかといえばそういう意味じゃないんですけれども、多少のところはやはり我々はどこかで耐え忍ぶ勇気が、覚悟がなければ何にも世の中は変えられない、そんな思いを個人的には持っております。

三沢淳自由党

○三沢分科員 大変な質問をいたしまして大変失礼いたしました。  構造改革は、確かに中期的に見まして若い人たちに借金を残すのはよくありません。しかし、やはり経済再建もこれは両輪だと我々自由党なんかも訴えておりまして、これは予算委員会じゃありませんので、そこまでこの後は申し上げません、難しい問題ですので。ぜひ、正義感の強い町村文部大臣でありますので、橋本総理にいいアドバイスを送ってあげまして、正義感というのはこういうものだと、打ち出している六つの改革の中で教育改革をするんだから、その辺のところを踏まえて総理として勇気を持って答弁をされてこの国の政治を引っ張っていってほしいと、ぜひ町村文部大臣から助言していただければ、そういうふうに思っております。  ちょっと生意気なことを言いまして、どうも大変申しわけありません。  それでは先ほどの続きですけれども、先ほど申し上げましたせたがやチャイルドラインの相談員五十名はボランティアで、その十名ほどの専門家が助言に当たると聞いております。  ここで、相談施設ではありませんが、スウェーデンのお話なんですけれども、スウェーデンの少年院では、少年受刑者が自分の得意な分野で地域社会のボランティア活動に参加していると聞きました。日本では、こんな少年院に入っている受刑者がボランティア活動で表に出ていくなんて考えられませんけれども、このスウェーデンでは、少年院に寝起きしながら地域社会に奉仕しているわけなんです。  そして、社会が自分を必要としている、あるいは、一時の過ちで犯罪は犯してしまったが、こんな自分でも社会は受け入れてくれたと思い、彼らにとってどれだけ自信になり励みになったかわからないそうです。押しつけではなく、進んで地域社会の活動に参加することが何よりの更生事業になる、そういうふうに私も思います。  また、更生じて少年院を退院した少年が、やはり少年院のボランティア職員として自分の経験に基づいて後輩の院生を指導しているそうであります。指導者が自分と同じような境遇で少年院に入り、退院して社会復帰しているありのままの姿を見れば、院生にとってもどれほど励みになるのかわからない、そういうふうに思います。また、指導者が経験者ですから、それこそかゆいところに手が届くのじゃないか、そういうふうに思います。  しかしこれはスウェーデンの話でありまして、日本ではこれはほとんど考えられないことではないか、そういうふうに思います。一度過ちを犯すと社会復帰は容易ではありません。まず社会から、大体少年院や鑑別所を出ますと受け入れてもらえません。そして、仲間として受け入れられないものですから、どうしても少年院や鑑別所を出た子は自分ひとりぼっちになりまして、相手にされないものですからまた悪の道に踏み込んでしまいまして、これの繰り返しで、どんどん悪いことが重なっていくんじゃないか、そういうふうに思います。これは、子供の世界じゃなしに大人の世界にもこれは今本当に言えるんじゃないか、そういうふうに思っております。  私は、少年院や鑑別所、二十過ぎましたら前科がついたりいたしますけれども、犯罪を一度犯したそういう経験の人が立ち直った、そういう人たちをこの少年問題の相談員として登用できないか、そういうふうに思っております。確かに、犯罪を犯して立ち直ったといえども、この人たちを使うには細心な注意が必要だと思いますが、僕は、今子供たち自身が苦しみ、悩んでいる、そういう子供たちにとっては、同じ道を歩んだわけですから、相談する方も相談を受ける方も共通点があり、説得力があるんじゃないか、そういうふうに思っています。  そこで、そういう人たちばかりという意味じゃなしに、専門家等の人をないがしろにするわけではありませんが、専門家の人たちと連携をとりながら解決に当たっていくことで本当の道筋が生まれてくるんじゃないか、そういうふうに思います。文部省の皆さんも少年問題に並々ならぬ努力をされていることは重々承知しておりますが、少年事件は待ったなしのところまで来ております。  そういう意味で、少年院を出られて今更生されているこの人たちを、少年の相談相手、専門の相談の人たちと同じように少年に対して当たっていければと、これは私の案ですけれども、その辺のところはどういうふうにお考えでしょうか。

長谷川正明文部省生涯学習局長

○長谷川(正)政府委員 今先生のお話にありましたチャイルドライン、先ほども私から、三月の二日から二十一日まで実験が行われているということを申し上げましたが、この間、じかにその相談を行っているところへ私もお訪ねして、相談をやっている様子を拝見してまいりました。五十人ほどのボランティアが、これは講習を受けた上でその相談員として、時間を決めて、今まさに二十四時間かかってくる電話に対応していらっしゃいます。その中には、若い方も、それからベテランの方もいらっしゃいました。  かつて自分がそういうある種の非行に走ったような経験のある方がおられるのかどうかということまでは、この間の私がお訪ねしたときの話の限りでは承知しておりませんけれども、今のお話を伺っておりまして、確かに、実際自分が経験した、自分がそうだったんだということであれば、非行に走っておる、あるいはそういう行動に出ざるを得ないような、そういう気持ちでいる人たちの相談に答えるときに、非常にそれにぴったりフィットした、そういう受け答えが当然できるだろうというふうに思います。  今の先生のお話を伺っていながら、そういうことを感じておりまして、今後、子供たちの相談体制の充実ということについては、先ほど申しましたとおり、いろいろ工夫をし努力をしなければならないと思っておりまして、今の点も十分大事な要素として関係の方々とも御相談をしてまいりたい、こんなふうに思っております。

三沢淳自由党

○三沢分科員 文部大臣はどうでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 貴重な御提言として受けとめさせていただきました。今局長が答弁をしたとおりだろう、こう思っておりまして、考えさせていただきたいと思います。

三沢淳自由党

○三沢分科員 ぜひ、人生を一度誤った人がもう二度と社会に復帰できないという、そういう社会ではなしに、その人たちもどこかで活躍できる、手助けをできる、今こそそういう人たちの僕は出番じゃないか。成功した人たちが幾ら話し合っても、これは机の上だけの議論でして、実際、現場と、私も評論家と、野球選手で現場でやっていましたけれども、現場で、あそこで勝つのはどれだけ大変か。評論は簡単です。これは簡単に言って通りますけれども、現場でやるという、これがどれだけ大変かという、そういう意味で、今の少年たちが本当に待ったなしのところまで来ておりますので、そういう人たちの手助けも必要じゃないかと思いますので、どうか一考していただければ、そういうふうに思います。  ちょっと時間がなくなりましたけれども、最後に文部大臣にお伺いいたします。  冬季オリンピックがありまして、華々しい、原田選手とか船木選手とか、皆さんすばらしい活躍をされまして、その後、パラリンピックでも感動するシーンがたくさんありまして、障害者の方たちも、本当に不自由の中でトレーニングを重ねられて、あのすばらしい感動を得られたと思います。私も本当に感動いたしましたが、そのパラリンピックの皆さん、障害者の皆さんですけれども、きのうですか、我が自由党といたしまして、パラリンピックでメダルをとった方に報奨金を支給することを厚生大臣に申し上げてまいりました。  そこで、今、障害者の方のスポーツといいますと、厚生省の方ではリハビリという形で考えておられますけれども、障害者の方も健常者の方も、スポーツというのは一緒じゃないか。そういうふうに、私もスポーツをやってきた一人として判断しておりますので、どうか、障害者の皆さん、これはリハビリじゃなしに、文部省と厚生省が背中合わせではなしにこれからは本当に横の連携を、手をとり合って、この障害者の皆さんのスポーツに対する、健常者と同じ扱いをしていただきたい、そういうふうに思っております。  私も政治の世界に入りまして、縦割りのことがなかなかたくさんありまして、これからいろいろ勉強しながら、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、文部大臣に当たられましては、小泉厚生大臣も文部省と連携をとつて考えますということを言われたのですけれども、この障害者の方に関しまして、最後にちょっとお聞きしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 確かに委員御指摘のとおり、今までの障害者の言うならばリハビリ的感覚で、例えばパラリンピックなどというものも見られていたのだろうと思いますが、私も、初めてですが活躍ぶりを見て、これは立派なスポーツだという印象を強く持ちました。  だから、私どもとしては今までも、先般のパラリンピックについても文部省として、あるいはJOCとしてできる限りのサポートはさせていただいたつもりでございますが、今後は、昨年の九月に保健体育審議会というものから答申をいただきまして、その中で、障害者の多用なスポーツのニーズに対応していくべきであるという答申もいただいております。  そうしたことを踏まえながら、今の委員の御意見も踏まえ、厚生省とも連絡をとりながら、スポーツの振興という観点からパラリンピックあるいは障害者のスポーツというものをしっかりとサポートしていきたい、こんなふうに考えております。

三沢淳自由党

○三沢分科員 ぜひ町村文部大臣のお力で何とか障害者の皆さんを助けてあげていただきたい、そういうふうに思っております。  時間が来ましたので、これで質問を終わります。どうもありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて三沢淳君の質疑は終了いたしました。  次に、中林よし子君。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 日本共産党の中林よし子でございます。私は、遺跡保存の問題で質問をさせていただきたいと思います。  今、京阪電鉄がゴルフ場を計画している鳥取県西伯郡大山町、淀江町の妻木晩田遺跡群は、調査、発掘が進むに従ってその重要性が明らかになって、全面保存を求める声が広がっております。  昨年十二月に大山町は、ゴルフ場の全コース部分の発掘調査をほぼ終えて、遺跡を公開いたしました。洞ノ原遺跡からは、弥生時代の後期、国内最多の十八基の四隅突出型墳丘墓が発掘されました。また、ゴルフ場予定地全体に広がる五つの遺跡は同一集落とみなしてよいことが判明いたしました。  ここにちょっと、大臣、見ていただきたいのですけれども、大体の分布図を持ってきて、五つのものが一体とした集落というのは色分けしてあって、これが五つのものでございます。それによりますと、竪穴式住居が三百三.十四棟、それから掘っ立て柱建物が三百三十二棟ということで、村の全体構造が破壊されることなく残っている貴重な遺跡だ、こういうことかわかったわけです。佐賀県の吉野ケ里遺跡を上回る壮大な集落跡だということです。  高地性弥生大集落と四隅突出型墳丘墓がセットで見つかった例としても大変珍しいということが言われて、さまざまな研究者や学者が当地を訪問して、さまざまなコメントを発表しているわけですが、島根大学の田中教授が、五十年前の登呂遺跡以上の発見で、弥生大乱時代の集落構造を知ることができる我が国唯一の遺跡だ、現地がなくなっては国の成り立ちの研究が数十年もおくれをとる、こういう危機感を募らせるコメントを発表しております。  私も現地に行って見ましたし、それから文化庁の方に、地元の晩田山の遺跡保存連絡会の代表の方々と御一緒に、去る二月四日に遺跡の全面保存とそれから国史跡指定を要請してまいりました。文化庁は二月末に鳥取県教育委員会に連絡をとったようなんですけれども、この遺跡の全面保存とそれから国史跡指定についてどのように対処されていくおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  今先生御指摘のように、この妻木晩田遺跡につきましては、その重要性にかんがみまして、昨年の九月ごろから、私ども、保存する方向で検討をするよう鳥取県を指導してまいっております。また、御指摘いただきましたように、ことしの二月には調査官が現地を子細に視察をいたしまして、その重要性というものを確認してきております。そして、さらに保存に向けて一層の検討を指導してきたところでございます。  私どものこの指導を踏まえまして、地元におきましては、鳥取県それから地元大山町、淀江町それから事業者という間で、この保存問題について現在協議をしているというふうに承知をいたしております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 国史跡の指定の可能性についてはいかがでしょうか。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 これにつきましては、さらに発掘調査を完全にして、その上で評価をしてということに手順としてはなると思いますが、見てきた調査官によりますと、これは十分史跡に値するという感想を持っております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 ぜひ国史跡の、そういう感想を現実のものにしていただきたいというふうに思うのです。  実は、この一帯は、先ほど冒頭に触れましたけれども、京阪電鉄が計画している大山スイス村ゴルフ場予定地になっているわけです。京阪電鉄はこれまでに用地取得費三十三億円、それから発掘調査費に七億円、調査関連の設計費、補助工事費など十億円の五十億円を投じているわけですね。だから、現地の淀江町だとか大山町あるいは鳥取県側は、財政負担の問題を大変心配しております。これは鳥取県の教育委員会の方が言っているのですけれども、史跡の価値よりも、保存できるかできないかの問題だ、こういうことが地元の新聞で報道されております。  そういう意味で、国史跡の指定になれば、財政面ではどういう援助がされていくのか。地元の強い要望もありますので、まだ国史跡の指定というふうに決まったわけではないのですけれども、その可能性があるということですので、国史跡指定になればどういう財政援助になるのか、お伺いしたいと思います。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 国が史跡として指定をいたしますと、その土地を民間が所有している場合には、指定後に地方公共団体がその保存のために必要な土地を購入するということが一般的でございます一そうした場合に、地方公共団体が買うわけなんですが、買い上げに必要な経費の一部、これは八割補助という大変高い補助率になっておりますが、補助率としては異例な高さですが、八割補助を国が行うという仕組みになっております。  また、指定後の史跡を保護あるいは保存する、例えば壁が壊れていればそれを補修するとか、そういった保護、保存をするために地方公共団体が修理、整備を行う場合には、それに必要な経費の五割を国が補助する、そういう制度を設けておりまして、予算上も計上いたしておるところでございます。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 実は、文化庁が鳥取県の教育委員会に連絡される前までは、県や町の考えは、この十八基の四隅突出型の墳丘墓はそのまま固めてほかに移築するということの計画でありましたし、それから多数の住居跡などは記録だけ残して破壊していくという方針だと言われていたわけですよ。だから、これだけ学者が指摘しているので、こういう方向は本当にとんでもないことだというふうに私は思います。  そこで、現地を見た、先ほど研究者の発言を一言言いましたけれども、非常に示唆に富んだ、同志社大学の教授で森浩一さんという方が新聞に載せていらっしゃるわけですけれども、この妻木晩田遺跡群の価値をこのように言っております。  「西日本では最も住居が密集した遺跡で、戦後十指に入る大発掘」だ、「これほど広大な土地に遺跡が広がっていたのが判明したのは、戦後五十年あまりの考古学史でも稀なことだ」、こういう指摘をしております。  さらに、「こういう事態に対処するためには、お座なりの文化財行政では歯がたつわけがない。野球場のスタンドが一部できていたのを中止して保存が実現した青森県三内丸山遺跡、中小企業団地を中止して国営の遺跡公園までこぎつけた佐賀県の吉野ケ里遺跡、さらにはこれも開発計画を変更して保護が実現しつつある鹿児島県国分上野原遺跡などでは、不可能を可能にして遺跡保護が実現し、地域の人々にたくましい勇気を与えている」。  「吉野ケ里遺跡を訪れる人は一年間に二百万人近く、今日では九州の新しい名勝であり、JRの収益にも良い影響を与えていると仄聞している。僕が見るところ、大勢の人たちが訪れるのは、有名でも猫の額のような遺跡公園では駄目である。親子連れで半日ぐらいは歩いて見学できるかなり広い遺跡公園が好まれるようだ。それは当然のことだ。しかもごてごてした施設を造ったところより、自然の森も残り、赤土がむき出しになっているところが良い」、こういうことを述べておられるわけです。  そこで、大臣に決意をお伺いしたいと思うのですけれども、こういうさまざまな考古学者の指摘を踏まえて、当然、係の人が国史跡に値するとおっしゃっておりますので、ぜひ国史跡の指定をしていただき、財政的にも十分な援助をいただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。     〔主査退席、江藤主査代理着席〕

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 この妻木晩田遺跡、文化庁の専門官が行って、これは十分価値のあるものだという確認もしているようでございます。今委員の御指摘もございます。確かに、開発者との調整の問題、あるいは、県とあるいは町村の財政の問題等々あろうかと思いますが、これは貴重なものである、できる限り保存の方向に向けて努力をしていくべき、それだけのまた価値のあるものなんだろう、こう認識をして、その方向で努力をしてまいりたいと思っております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 続いて、広島の原爆遺跡の問題について質問していきたいと思います。  大臣、一九九六年の十二月に原爆ドームが世界遺産に登録されたわけですけれども、なぜ原爆ドームが世界遺産に登録されたのか。もちろん、日本の方が世界遺産に登録を要請して登録されたわけですけれども、それはなぜであったのかということをお答えいただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 原爆ドームは、人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を如実に伝えるものでありまして、時代を超えて核兵器の究極的な廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑として世界遺産に登録された、このように認識をしております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 私も、今大臣がおっしゃった同じ意味合いが、この原爆ドームには世界遺産としての値打ちが秘められているというふうに思います。過去の物語ではなくして、未来に向かって、絶対に核兵器を使用させてはならない、再現させてはならない、その指針としての世界遺産であるというふうに思うのです。  実は、原爆ドームだけ残ればよい、こういうことを言っている人がいるわけですけれども、一つの都市を一発の原爆で破壊された、人類史上初の残虐な行為が、ある部分の見聞だけで語り尽くされるものではないというふうに思います。できるだけたくさん、全面的に保存してこそ、それぞれの関連などを含めて、二度とあってはならない行為の動かしがたい物証となるのではないか、このように思うわけです。  そこで、広島市の平和記念公園の中にある広島市レストハウス、元大正屋呉服店の保存についての問題なんですけれども、これは世界遺産のバッファーゾーンの中にある被爆建物、唯一ある建物です。文化庁もまたユネスコもこの広島市レストハウスは保存すべきとの見解を明らかにされまして、広島市に対しても、しっかり保存するようにと言われていると新聞報道で私、知っているわけですけれども、その経過と現状はどのようになっているでしょうか。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 レストハウスにつきましては、世界遺産に登録されました原爆ドームのバッファーゾーン、緩衝地帯、こう言っておりますが、世界遺産の場合にはそういうものを必ず設けるようになっておりますが、その中に現存する被爆建物であるということから、原爆ドームが世界遺産に登録されました趣旨にかんがみまして、これを解体しないで保存する方向で検討してはどうかという見解を広島の方にお伝えをしております。  広島の方では、これは現在訪問者が利用している場所ですが、非常に老朽化が進んで狭い、そのために建てかえを計画したいというお話だったわけですが、私どもとしては、今申し上げましたように、解体しないで保存する方向で検討してはどうかというふうに見解をお伝えしております。広島市の方におきましては、この見解を踏まえまして再度検討しているというふうに承知をしております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 再度検討はしている、私もそこまでの新聞報道は知っているのですけれども、ぜひ文化庁として、先ほどおっしゃったように、これを建てかえることのないように、やはりしっかり残してこそ遺跡の値打ちがあるしバッファーゾーンの値打ちもあるというふうに思いますので、それは重ねて要求をしておきたいというふうに思います。  さらに、実は、被爆建物はこのレストハウスだけではございません。広島市には、袋町小学校の西校舎一この保存を求める大きな市民運動が今展開を始めております。  この学校は、広島市で最も古い歴史を持つ小学校で、爆心地より四百六十メートルのところにあります。バッファーゾーンではないのですけれども、非常に近いところにある建物です。その日学校にいた教職員それから児童、これは百五十六名のほとんどが死亡しました。生存者は児童が三人と校長と教頭だけ、こういうことになっております。その西校舎は、爆心地に現存する唯一の被爆小学校になっております。  ところが、去年の十一月に、広島市のこの学校の改築基本計画が新聞報道によって初めて市民の前に明らかになりました。それによりますと、まちづくり市民交流ブラザーこれは仮称なんですけれども、交流プラザと学校のスペースを半々にしていくという計画です。被爆校舎の一部、これは、西校舎全体が二千五百平米ですけれども、そのうちの玄関の一部と地下室、合わせて百八十平米だけ、全体からするとわずか七%、それだけしか残さないという計画であったわけですね。  それで、この報道を見た市民が次々と新聞に投書をしています。少し紹介をしたいと思うのです。  私は、被爆直前の昭和二十年三月に当時の袋町国民学校を卒業しました。ともに学んだ友の大半は、八月六日に建物疎開作業をしていて無残な犠牲者となりました。そしてこの校舎は、被爆直後から救援拠点とされたのです。   同じように被災者を収容した同市立本川小学校では取り壊しの際、校地内から多くの犠牲者の遺灰が発掘されたとのことです。しかし本川小は一部を残して壊されました。   平和教育の拠点として活用できる袋町小西校舎は貴重な被爆遺跡です。幼くして未来を奪われた多くの子どもたちや、市民の声なき声に耳を傾け、戦争や歴史を考えるために、補修しながら保存されてきたのです。   被爆建物の保存については今や、世界から注目されつつあり、私たち市民はこの校舎の全体を保存し有効活用する責務を担っていると思います。 という市民の、これは女性の方ですけれども、投書となっております。  さらに、さまざまな投書があるので全文は紹介できませんけれども、ある方は、   広島を訪れる修学旅行生は平和記念公園、原爆資料館等が見学コースである。原爆資料館を見学した後の平和学習センターとして同校の教室を、活用してはどうであろうか。 こういう提起もされているわけです。  これは現在も使っている学校なんですね。だから、そういう意味では教育の場です。そこが被爆して、多くの子供たちが亡くなったということもあります。だから、その学校を残す意味合いと、それから平和教育に生かすという、この二つの意味合いから、当然、この袋町小学校の西校舎は保存すべき被爆建物であると考えるわけですけれども、文化庁はいかがでしょうか。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 お答えいたします。  御指摘の事例につきましては、詳細については私ども承知しておりませんけれども、広島市におきましては、専門家の意見等も踏まえながら、市内の被爆建物の保存、継承、そういった事業を実施しているというふうに聞いております。この袋町小学校につきましても、そうした観点から、その一部を保存する方向で改築の計画をしているというふうに承っております。  ただ、この点につきましては、私ども文化庁の立場からいいますと、国指定史跡以外の個々の被爆建物に関する具体的な保存のあり方というものにつきましては、それぞれの関係地方公共団体で住民の方とよく話をされて、どういった目的で、あるいはどういうふうに使おうかというふうなことを適切にお考えいただくのが基本ではないか、そのように考えております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 一般的な被爆建物はたくさんあるわけですけれども、わけても学校が被爆した、しかもたくさんの児童が未来を失われたということで、しかも現存しているということです。先ほども紹介しましたけれども、本川小学校というのは、一部資料館として残っておりますけれども、壊されております。だから、残された数少ない教育現場のものがあるわけです。  だから、今おっしゃったように、住民の声をよく市が聞いて、コンセンサスをとって、残していくように、一部は残るというようなことも聞いているとおっしゃったわけですけれども、市の計画はわずか七%しか残さないということなんですね。  実は、生き残った教頭先生だとか地下室に残った三人の子供たちが、どういう事態だったかというのを今証言しているわけです。学校がなぜ燃えないで残ったのかということなども、物の陰にあったからではないかとか、そういう非常に貴重な証言をしているわけですから、その地下室だけ残ればいいとか、玄関だけ残ればいいといったたぐいのものではないというふうに思います。  ぜひ文部省として、広島市に対して、市民だとか関係者の意見をよく聞いて今の計画を見直して、全面保存するように強力な指導をかぶせていただければというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

遠藤昭雄文化庁次長

○遠藤(昭)政府委員 同じような答弁になって大変恐縮でございますけれども、やはり文化庁としては、国指定という基準があって、それで代表的な、学術的な価値の高いもの、そういうものを指定していくという役割を担っておりまして、その他のものにつきましては、その地方公共団体がどういう考え方で保存等を、あるいは活用していくかということは、やはり地方公共団体が第一義的にお考えをいただくことではないか、文化庁がこうすべきだというのはいかがかなというふうに考えております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 大臣、これは自治体が主体となって残すべきだ、こういうお話で、国の方が上からというのはなかなかやりにくいというような今の次長のお話だったというふうに思うのですけれども、しかし、私が先ほど原爆ドームの世界遺産の意味合いについて冒頭大臣に御答弁をお伺いしたわけです。やはりいろいろな建物の関連の中から、核兵器の恐ろしさというものを全体として見る必要があるのではないかというふうに思っております。  被爆直後に市内には百四十棟以上の非木造建築物があったのですけれども、これがやはり開発の名前あるいは時代の進展ということなどの流れの中でどんどん壊されてきておりまして、今や被爆建物というのは二十棟余りしか残されておりません。だから、レストハウスだとか、今申し上げました袋町小学校の問題は、当然国が率先して残すべきことだというふうに思うのです。  実はこういうのを保存運動をやっていらっしゃる方がつくっていらっしゃるのですね、「ガイドブックヒロシマ」ということで。遺跡の問題、被爆建物だけではありませんけれども、それぞれ紹介をしております。  その中で、元帝国銀行広島支店で、アンデルセンというパン屋さんが実はこれを買い取って残したという紹介があるのですね。本来ならば、お店の効率などから考えてみると近代的にやりたかったのでしょうけれども、しかし、やはりこの建物を残してこそ広島の値打ちがあるということで、このアンデルセンというお店は、そのままこれをお店に使っているということで幸せな建物だと紹介をされております。  一方、ついこの間まではあったのですけれども、広島赤十字・原爆病院というのがあって、これは窓枠がぐにゃっとひん曲がったりしているわけですけれども、結局これは取り壊されて、爆風でねじ曲げられた窓枠と無数のガラス片が突き刺さった壁がモニュメントとして残されているだけということですから、値打ちが随分下がっているのではないかというふうに思います。さらに、当然文部省として責任を持たなければならない広島大学理学部一号館のように、こういうものも被爆建物としてあるわけです。  ですから、本当に歴史の話りべ、平和を求める証言者としてしっかりと保存すべきものが、そう数が残っていないわけでございますから、原爆ドームが世界遺産に登録された意味合いも考えて、こういった残された被爆建物の保存を文部省としても積極的にやっていっていただきたい。大臣の決意をお聞きしたいというふうに思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 原爆ドームの意義というものにつきましては、先ほど申し上げたとおりの認識でおります。  そういう中で、国としても原爆ドームを史跡として指定をしてきた。その他の重要な建物、被爆関係の建物につきましては、広島市の事業として、現に被爆建物等保存・継承事業という独自の事業を起こしてこれまでも努力をしてこられた。私ども、そうした広島市の御努力は高く評価をしておりますし、共鳴もしているわけでございますので、今委員が言われた小学校等につきましても、私は、ぜひ地元のそうした事業の一環の中に組み込んでいただければいいのではなかろうかな、これはまさに広島市の判断することであって、そこは市民の皆さん方の御判断にゆだねてしかるべきではないのかな、こんなふうに考えております。

中林よし子日本共産党

○中林分科員 唯一被爆国の日本の政府として、やはり必要なものはしっかり残す。もちろん地元の意思というのは非常に重要ではあるというふうには思いますけれども、広島市に対して、地元の声がこれだけ強いわけですから、上から一方的に決めるのではなくて、住民の意向もよく聞いて、やはり世界遺産に原爆ドームが登録されたにふさわしい広島市にすべきだというふうに、ぜひ文部省上しても、あるいは文化庁としても心得ていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

江藤隆美自由民主党

○江藤主査代理 これにて中林よし子さんの質疑は終了いたしました。  次に、島津尚純君。

島津尚純民友連

○島津分科員 民友連の島津尚純であります。  文部大臣にはお疲れのところを大変恐縮でございますが、おつき合いをいただきたいというふうに思います。  私は、きょうは留学生問題につきましてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  今、我が国の留学生対策は大きな転機に立っているというふうに思われます。一九八三年に中曽根内閣のもとで、将来の国際化時代に対応してつくられた留学生受け入れ十万人計画、二〇〇〇年に向かりてですね、これは、一九九三年までは順調にその数を伸ばしてきたわけでありますが、その後は横ばい状態となっておりまして、一昨年の九六年にはついに減少し始めた。九百二十六人も前年に比べて減少した。五万二千九百二十一人となっておるわけでありまして、実に、政府の目標に比べましたら一万人以上の減少になっておるというようなことであります。  世界はどうかといいますと、九〇年代に入って国際化の時代に、ますます国際化になってきたわけでありまして、世界の学生で、外国に出る学生の数は年率三%から四%上昇している。特に我が国にたくさん留学に来られますアジアの各国を見ましても、さらにその数字は大きくて、六%から七%の勢いでふえてきておる。しかしながら、残念なことに、この増加している学生の皆さん方の大部分は、我が国に来てくれるのではなくて、アメリカやカナダやオーストラリアの国々に行ってしまわれる、このような状況であります。  大臣におかれましては、このような留学生の減少傾向につきましてどのようにお考えになっておられるか、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 島津委員御指摘の留学生受け入れ十万人計画、確かに昭和五十八年の計画でございまして、順調にふえてまいりましたが、委員御指摘のように、ここ一、二年はやや前年を下回り、五万人程度という状態でございます。  いろいろな理由があろうかと思います。やはり日本の生活コストが、しかも日本の大学がどうしても大都市部にあるものですから、どうしてもそこの生活費が高くなるとか、あるいは日本の経済不況というのが、卒業して日本で働くという可能性が、前はもうちょっとあったのだけれども、今はそれも何か薄らいできたとか、あるいはもう一つは、これはやむを得ないのかなと思うのですが、それぞれの国での高等教育機関というのがそれなりに整備が図られてきたといったような状況など、幾つかの状況が重なっているのだろうな、こう思っております。  率直に申し上げますと、この十万人計画というのは、二十一世紀初頭、なかなかこれは厳しい状況に立ち至ったな、そんな現状認識を持っているところであります。

島津尚純民友連

○島津分科員 今、いろいろその理由、原因になるようなものをお答えいただいたわけですが、確かにそのような問題があると思います。  同時に、日本のバブルがはじけて、やはり経済的な停滞の中で日本の魅力が、輝きが失われてきたのではないかというようなこと。それと同時に、日本の宿舎とか留学生会館とかそういう基本的なものが相当不足しているのではないか。それからまた奨学金制度、こういう基本的な問題。  私は、もう二十数年前になりますけれども、アメリカの大学に留学をした経験があるわけですが、実に手厚いといいましょうか、そして、宿舎にしても本当にすばらしい環境の中で学生生活を送らせてもらったのですね。  私はそのとき、逆に、日本の学生は立派だなと思ったのですね。日本の掌生というのは、要するに、非常に貧困な大学の設備とかマスプロ教育とか、それから大学の寮なんというのは本当にもうお粗末なものだ。みんな、アパートにしても三畳か四畳の本当に貧しい生活をしながら日本人は学んでおって、その中でアメリカと伍して経済的な大国となっていっておるということで、こんなすばらしい環境で学問するアメリカ人は何をやっておるのだというような気持ちを逆に私は持ったのですが、実はそのぐらいすばらしかった。  現在の私を見てみると、そういう中で、すばらしい友人に出会ったり先生方に出会ったり、温かくしてもらった。それから、感謝祭とかそういう長い休みになると、地域のいろいろな団体、協会が、留学生は寂しいだろう、帰る家がないというので、皆さん方をお招きしてくれるというようなことも大学が率先してあっせんをするとか。そういうふうなことがありまして、帰ってきた今日でも、本当にアメリカの国及び人々の行動に対して、言うならば少しでも理解をしてやりたいなというような気持ちは現在でもあるし、そういうふうなアメリカに対して非常に好意を持った人間になってきているわけですね。  果たして、では日本はどうなのか。こういうものが基本的に欠けておる。日本が好きでたまらないといって来た人たちが、果たしてどういう気持ちで帰っていくのか、そういうことを思うわけでありまして、こういうような基本的な留学生受け入れの基盤といいましょうか、そういうものを今後どうしようかというようなお考えはございませんか。

雨宮忠文部省学術国際局長

○雨宮政府委員 先生御指摘のように、留学生の受け入れということを考えましたときに、大きく言いまして二つあるわけでございます。  一つは、先生が今御指摘のように、住宅の問題でありますとか、あるいは奨学金の問題でありますとか、留学生の生活基盤にかかわること、これが一つでございます。  それからもう一つは、受け入れる教育機関としての大学が、一体、留学生を受け入れて、留学生が求める成果を得られるような教育指導体制を組めているだろうかどうかという教育指導の問題、これが二つ目でございます。  いずれもこれは、先生御推察のように、アメリカとか、あるいは旧植民地に対しますヨーロッパの宗主国におきます留学生の受け入れの長い歴史を持っているところに比べまして、やはり我が国はハンディキャップを負っておったということは否めないことであろうかと思うわけでございます。五十八年に十万人受け入れ計画、当時はまだ一万人足らずぐらいのところでございました。今申しましたその二つのことを中心にいろいろ努力してきたわけでございます。  宿舎の問題につきましても、大学に宿舎を設ける、あるいは地方公共団体が宿舎を設けるというときには援助をする。民間の御努力にもできるだけの援助をする。奨学金団体もできるだけたくさんの奨学金を受けられるように措置する。いろいろな努力をしてきたわけでございます。  また、教育指導の面につきましても、できるだけ留学生のニーズに合うような教育をするということで、大学にもお願いしてきたわけでございます。  基本的には、私どもといたしましては、その努力の方向自体は間違っていなかったと思っているわけでございますが、ただ、今後、いろいろ改善すべき点もあろうかと思うわけでございまして、いろいろな方々の御意見も伺いながら、改善すべき点はなお改善のための努力を払ってまいりたい、かように思っておるところでございます。

島津尚純民友連

○島津分科員 今政府委員の方から御答弁をいただいたわけでありますが、まさに御指導された方向は間違っていなかったけれども、私は、成果は余りなかったのではないかな、申しわけないけれどもこのように思わせていただくわけであります。  私もそのような留学の経験がありますから、諸外国から来た留学生の皆さん方の保証人になったり相談に乗ったり悩みを聞いたり、そのようなこともやっておるわけであります。  一人だけひとつ紹介をしますと、中国出身の、現在東京大学大学院で人文系で学んでおられる私費留学生、五年前にあこがれの日本に留学してこられまして、そして、一定の勉学を終わられたら中国と日本のかけ橋になろうというような希望に燃えて来られたわけですね。ところが、現在はどうかというと、現在では生活が苦しく、また、多くの苦労と悩みのために落ち着いて勉強をすることができないということを私に切々と訴えられるわけであります。また、そのほかの皆さんからの話も大体、大同小異、共通項が非常にあるわけですね。  その中国人留学生が言ったことを箇条書き的に申し上げますと、まず、日本に来るためのビザの取得が大変時間がかかった。  日本では何をするにも身元保証人が必要なため、なっていただく人を探すのに大変な苦労をしている。これは、大学の入学であるとか、アパートの入居であるとか、あるいはアルバイトとか、そういうことであります。  また、先ほど大臣がおっしゃったように生活コストが大変高いので、アルバイトをしなければならぬので、とれも大変です。  それから、先ほど局長がおっしゃいましたけれども、大学の指導体制なんですけれども、この人は博士課程なんですね。ところが、研究室も教授室しかなくて、そこへ行っても机もロッカーもコートかけも何にもない。  それから、パソコンさえもない、たまにあったとしてもそれは日本人が使っておる、こういう状況であります。  さらに、工学部、技術系ではなくて、人文系の場合は、博士号を取得するのに日本では非常に時間がかかる、難しい。五年から、下手をすれば十二年ぐらいかかるというのですね。ですから、仲間の中には、もう日本での博士号の取得をあきらめて、アメリカ留学に切りかえるというような人たちも実際おりました。このようなことであります。  さらには、奨学金を受けるために、何枚も何枚も推薦状を書いていただく人を探さなければならない、こういうことであります。  それから、先ほど言ったように、博士号を取得するのに時間がかかるわけです。しかしながら、奨学金は三十五歳までという年齢制限がある。ですから、この制限も解いてもらいたいのだ。  このような具体的な悩みを私たちは聞いておるわけであります。  このような留学生の実に具体的な声、悩みをお聞きになりまして、これに対しての何か手だてはないものかと思うわけでありますが、お答えをいただきたいと思います。

雨宮忠文部省学術国際局長

○雨宮政府委員 今先生御指摘の留学生は、多分、私費で我が国に来ておられる留学生のことかと思うわけでございます。  まず第一に、ビザや、あるいはアパートを借りるときの保証人の問題について御指摘がございました。  ビザに関する限りは既に保証人ということは要らないようなことになっておりますけれども、ただ、現在七割余りがいわゆる民間アパートに住んでいるわけでございますけれども、我が国の社会慣行としてどうしても保証人というのが必要である、それを見つけにくいというのは確かにあるわけでございます。  地方によりましては、その地域のいろいろな国際交流団体がその保証を肩がわりするというような形で見つけやすくするというようなことをやっているところもあるわけでございますし、また今、内外学生センターという財団法人におきまして.これをできるたけ全国的なものにしたいということで、保険会社等とも相談いたしまして一種の保険制度を設けて、保証人が引き受けやすくするというような準備を今しておるところでもございます。  それから二点目の、日ごろの生活の問題でございます。  私費留学生に対する学習奨励費というものを今八千五百人余り措置しておるわけでございまして、来年度もその数を確保するつもりでおるわけでございます。また、私立大学は特に学費がかさむということでもございますので、私費留学生が私立大学に通っている場合にその私立大学が学費をある程度免除するという場合には、それに対して補助をするというような手だても講じておるわけでございます。  ただ、それで十分かといいますれば、それは、いろいろ民間団体のお力もございますけれども、まだ不十分なところがある。これはまだ努力しなきゃならないかと思うわけでございます。  三つ目と四つ目でおっしゃいました、研究室の問題あるいはドクターを取りにくいという問題は、これはある意味で日本人学生と共通した問題であるわけでございまして、特に大学院のレベルで、ある特定の大学の例えば工学関係の研究室ということになりますと非常に留学生の希望が集中して、先生先ほど御指摘のような状況がないとは言えないわけでございます。これは事実でございます。  これにつきましては、私ども、できるだけ余り集中しないような配置をするということに心がけてはおりますけれども、しかしながら、やはり基本的には大学院の施設設備というものを、これは、日本人だから留学生だからということではなくて、共通の問題として整備を推進していかなければならないと思っております。  ドクターを取るのに時間がかかるという御指摘がございました。おっしゃるとおりでございます。  私ども、大学に対しまして、えてしていわゆる碩学泰斗にならないとドクターを出さないというような慣行はやめてもらいたい、研究者のいわばこれからスタートラインにつける、それだけの資格があるかどうかという判定をもってしてドクターをやるやらないというものを決めてもらいたいということを言っておるわけでございまして、これは日本人学生に対しても同様でございます。  統計の示すところでは、日本人学生に比べると留学生に対しての授与率というのが若干は上回っておるわけでございますが、基本的な問題としてその点はございます。これはなお大学に大いに努力をしてもらわなきゃならない、こういうことでございます。  最後に、国費留学生の受給資格ということで年齢制限のお話がございました。  民間の奨学団体の中におきましては必ずしも年齢制限を付していないところもございます。ただ、私ども、国の費用で前途有為な青年を受け入れて、それで母国に送り返して、そこでまた活躍していただくという国費留学生の制度の趣旨、あるいは諸外国の同種の制度との均衡というようなことを考えた場合に、三十五歳という現在の国費留学生の年齢制限というのは妥当なものではなかろうかなというように考えておるところでございます。     〔江藤主査代理退席、主査着席〕

島津尚純民友連

○島津分科員 ありがとうございました。  私は九州の福岡の出身でございますので、ちょっと九州・福岡のこともお話をさしてもらいたいと思うのです。  日本に来る留学生の数が全国レベルで減少しておるわけですが、この九州に関しましては、減少しないところか増加をしておるということで、九六年には四千六百人を超えたというようなことであります。これは、アジアから日本に来られる留学生が非常に多い、九割ぐらいらしいですね。やはり地理的に近いというようなこともあるかと思いますけれども、よく我々が調べてみますと、例 えば福岡あたりでは、恐らくはかではやっていないような独特のことをやっている。先ほど御質問申し上げた保証人の問題ですね、一番困っているという。こういう問題の解決のために新しい制度を設けているんですね。  それは何かというと、なかなか個人では保証人になってくれないというようなことなものですから、県で例えば国際交流センターとか、あるいは、福岡市とか北九州市で同じような国際交流協会とかそういうものをつくって、人じゃなくて、機関が保証人になるというような留学生住宅保証制度というものを福岡県ではやっておって、これが大変喜ばれておるというようなことがあります。例えば、先ほども別の意味の保証制度とおっしゃったけれども、こういうふうな人を介在しない保証制度が一番やりやすいんじゃないかなというふうにも思いますので、こういうものを全国的に御検討されるのもいいんじゃないかなということが質問の一点であります。  いま一つは、既に文部省の方に参っていると思うんですが、九州知事会の方から、要するに、九州はアジアの窓口ということで頑張っておるわけですね。そのためには、アジアの学生の皆さん方にたくさん来てもらって、九州を理解してもらって、また帰ってもらって交流をしたいというようなことで、留学生対策に対して非常に熱心に取り組んでいる地域なわけですね。その九州知事会の方から、留学生対策に対する援助の拡大であるとか、あるいは、先ほど申し上げた留学生用の宿舎の建設をする場合の補助制度の拡大とか、そういうものをぜひODA等を使って検討してもらえないかというようなことが既に要望書として提出されていると思うんですが、その辺について、二点目としてお尋ねをさしてもらいたいと思います。

雨宮忠文部省学術国際局長

○雨宮政府委員 まず、第一点の保証人についてのお尋ねでございます。  現状はと申しますと、非常に多くの場合に知人に保証人をお願いする、これが一番多うございます。それから、ちょっと差がございますけれども、次にお願いしておりますのが大学関係者、例えば指導教授でありますとか、あるいは機関としての大学というようなところに保証人を頼むというのが二番目でございます。  確かに、先生御指摘のように、なかなか個人の善意だけに頼って保証人をということには、もちろんそれはそれとしてありがたいことには違いないわけでございますが、常にそういうことを期待するというのはどうだろうかというのは私どもとしても理解しているつもりでございます。  そういう意味で、先生今御紹介の、福岡県で国際交流団体が保証人を引き受ける、肩がわりするということは私どもにとりまして大変ありがたいことであるわけでございまして、このような動きがいろいろな地域で行われることを私どもとしても期待いたしたい。それで、先ほども申しましたように、これを全国的なものにしたいということで、保険制度ではございますけれども、財団法人の内外学生センターが保険制度を設けるというようなことで、来年度中にもそれを発足させるということで準備を進めておるということでございまして、このような動きにも私ども期待しているところでございます。  それから二番目に、九州地区の留学生でございます。  現在、我が国で五万一千名余りの留学生を引き受けているわけでございますが、九州地区で四千二百名余りを引き受けていただいておるわけでございまして、そのうちの約半分が福岡県、こういうことになっておるわけでございます。  もともと、留学生関係の予算、今は四百億余りございますけれども、その九割余りはODAの予算を活用しておるわけでございまして、今後とも、ODA予算をできるだけ活用して留学生受け入れの施策に活用したい、こういうふうに思っておるわけでございます。  九州に留学生を多く配置するということ自体、留学生の希望もございます。したがって、希望に逆らってどうこうというようなことをやるわけにまいりませんけれども、ただ先生御指摘のように、えてしてやはり関東地区に偏りがちだというのは事実でございます。したがいまして、私ども、私費留学生の場合、なかなかこれは、個人の希望ということでございますので、私どもがそれをねじ曲げてということにならないわけでございますが、例えば国費留学生の場合でしたならば、いろいろな希望のうちで余り特定の大学に、あるいは特定の地域に偏らないような配置に心がけるということをかねてから行っておるところでございまして、そのような意味合いにおきまして、九州も含めましていわゆる首都圏以外のところにも大勢の留学生が配置されるようにというような努力は、今後とも続けてまいりたいと思っております。

島津尚純民友連

○島津分科員 ありがとうございました。  時間が参りましたので最後の質問になるわけでございますが、私は、前段でも申し上げましたように、留学生の皆さん方を温かく遇するということは、我が国にとって大変重要なことだろうというふうに思っております。  それはなぜかといいますと、この無資源国家の日本が、海外から原材料を入れて、それを加工して、この通商立国の中で一億二千万の国民が生活をしていくという中にあって、やはり日本は、言うならば世界じゅうから生かされている最大の国家だろう、このように思うのですね。そうなってくると、やはり少しでも日本を愛するような、親日的な人たちを世界じゅうにたくさん持っておくということが日本の国益に絶対つながるものである、このように確信をしておるわけであります。そのような中で、八三年に二〇〇〇年に向かって十万人構想ということは、本当に先見性のある立派な政策であった、このように思うわけです。  と同時に、多少のバブルがはじけたといいましても、私は、世界における、特にアジアの学生にとっての、若者にとっての日本の存在というものはまだまだ輝きのある存在である、このように確信をしておるわけであります。そうであるならば、それであるにもかかわらず減少しておるということは、日本の政府及び大学の対策にやはり何か決定的なものが欠けているというふうに考えざるを得ないのであります。  例えば、アメリカは四十五万人ですよ、フランスは十四万人、ドイツは十二万人、このような留学生が集まっておる。日本は五万ちょっとだということです。このまま対策をしないで放置しておったならば、五万人を割ってしまうかもしれませんね。  そういう意味から、ぜひやはりこの十万人に向かって御尽力を賜りたいというふうに思うわけですが、最後に大臣のその辺のお考えを聞かせてもらって、質問を終わらせてもらいたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 私も、個人的なことを申し上げますと、約三十年前にアメリカに留学をした経験がございます。今委員が冒頭言われた全く同じような感じを、私も一年間いた後つくづく感じて帰ってきたわけでございまして、さらにそれを今の日本に置きかえてみますと、その意義、重要性、まさに今委員が御指摘をされたとおりであろう、こう思っております。  今、文部省でも、留学生の今後の政策のあり方ということで、江崎玲於奈筑波大学学長に座長をお願いしまして留学生政策懇談会というものを開いておりまして、提言をいただいたりなんかしておりまして、先ほど局長が申し上げました幾つかの対策、さらにそれにまた足らざる部分をつけ加えながら、当面はこの十万人政策を何とか実現すべく努力をしてまいりますが、たまたま今、時期が悪いといいましょうか、御承知のように財政集中改革三年間ということで、ODAの予算も全体としては一〇%減という中で、それでも留学生予算はその削減幅をできるだけ小さくするということで何とか維持をしておりますが、そろそろその辺も、限界が早晩来るのかもしれない。  そんなことを踏まえながら、今のところはこの十万人計画でいきたいと思いますが、いずれかの時点でまたそれを抜本的に見直す時期もそう遠くないうちに来るのかな、そんな感じもいたしておりまして、いずれにしても留学生が本当に減らないように、むしろ再び逆転して増加に転ずるように各般の施策を努力してまいりたいと考えておりますので、また格段の御指導をいただきますようにお願いを申し上げます。

島津尚純民友連

○島津分科員 終わります。どうもありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて島津尚純君の質疑は終了いたしました。  次に、大村秀章君。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 自由民主党の大村秀章でございます。  本日、この予算委員会第三分科会でのラストバッターということでございまして、もう時間も九時を越えておりますが、大変お疲れのところ、しばらくの間おつき合いのほどをお願いしたいと思います。  町村文部大臣、そして官房長初め文部省の方々、そしてまた中山主査、本当にお疲れさまでございます。  町村文部大臣は、自民党きっての論客、そしてまたいつも沈着冷静で、私も常に尊敬を申し上げているわけでございまして、きょうこういう形で質疑させていただくことを大変光栄に思っております。明快な御答弁、よろしくお願い申し上げます。  それでは、きょうは私は高校入試の問題につきましてお伺いをしたいと思っておりますが、その前に、最近大変大きな話題になっております中学生による刃物を利用した一連の事件につきまして、冒頭まずお伺いをしたいと思っております。  一月二十八日に、栃木県におきまして大変悲しい事件が起きました。中学の一年生が先生を刺したということでございます。そしてその後、二月には東京で警察官のけん銃を奪おうとした事件でございますとか、また三月には中学生同士がナイフで同級生を刺殺したというような事件が起こっております。こういう痛ましい事件が続いておりまして、私も三人の子供がおりますが、子供を持つ親の一人といたしまして、ここまで子供たちが追い詰められているのかなというのは、大変深刻に考えるわけでございます。  そこで、まず、こうした事件がここに来て立て続けに起こっているということについての背景といいますか、こういった事態について、文部省御当局におかれましてはこの実態をどのように把握し、どういうふうに対応しておられるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 私ども、実情把握をする主としたルートといたしましては、各県の教育委員会を通して学校から情報を入手するという方法と、それから警察庁御当局からそれぞれのお立場で情報を入手するという、この二つのルートがあるわけでございます。昨年の神戸の事件をきっかけといたしまして、私ども、できるだけアンテナを高く張って、情報収集に全力を尽くすということでこれまでまいりました。  個々の事件の背景等について正確な分析をするというのはなかなか難しいわけでございますけれども、私どもが情報として持っておりました第一点は、私どもが行っております調査、校内暴力の発生件数あるいはいじめの発生件数といった私どもが持っております情報からいいましても、校内暴力の件数が増加しているということで、一つの危機意識を持っておりました。それが一つでございます。それからもう一つは、警察庁御当局におかれまして、第四のピークというような言い方を警察庁はされておりましたが、少年の突発型の犯罪の増加、犯罪を犯す者の低年齢化というようなことが言われていたわけでございます。そういうことで、私ども大変危機意識を持っておりました。  それで、そういう傾向の中で、ではどうしてこうした事件が起こるのかということでございますが、これはなかなか難しいことでございます。  分析は難しいわけでございますけれども、一つは、子供たち自身の規範意識といったものの欠如というものが一つあるのではないか。それから二つ目といたしましては、経済的な豊かさの中での忍耐心とか自制心の欠如といったものもあるのではないか。あるいは、学校教育の中で学校にマッチできない。あるいは、いわゆる学歴偏重と言われるような風潮の中でストレスをためているのではないか等々、学校、家庭、地域社会、それぞれの要因があって今回のような事件が起こってきているのではないか、こんなふうに考えております。  まだまだいろいろな要因があろうかと思いますけれども、私ども、そんな状況をポイントとして押さえているところでございます。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 確かに、大変難しいいろいろな背景、要因が絡み合っている、なかなか一筋縄ではいかない問題だろうと私は思っております。そういう意味で、学校現場も、そして保護者の方も、それから社会全体としてやはりこれは見ていかなければいけない、取り組んでいかなければいけない問題だろうと思っ.ております。  そうした中で、今回、文部大臣の緊急アピールという形で、子供たちそしてまた保護者、学校関係者に、町村大臣みずから直接語りかけておられるわけでございます。このことは大変私はすばらしいことだと思っております。この文面そのものも、やはり大臣の本当に率直なお気持ちを訴えておられるというような感じが私はするわけでございまして、こうしたことをぜひ本当に現場の方まで浸透させていただく、そうしたことがこれから必要じゃないかと思うわけでございます。  そして、その中でも特に、もちろん所持品検査といったようなことは全般にやるというのはなかなか難しい点はあるかと思いますけれども、そういったことも必要であればやっていくということも行いながら、この際、この問題を現場そしてまた保護者の方々に本当に真剣に考えてもらうということを繰り返しやっていく必要があると思っております。  そういう意味で、この問題、とりあえずまず今の時点での大臣のお考えをぜひお伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 今、大村委員御指摘のように、本当に残念な、また悲しむべき事態であるし、そういう事件が相次いでおります。  一月二十八日の事件、そしてその後の相次ぐ事件、どこかで食いとめたい、そんな思いが強くしたものですから、どれだけの効果があるかわからないけれども、とにかく自分の考えでいることを直接一人一人の生徒さんに言うつもりでこのアピールというものを発表させていただき、同時に、学校や家庭の親御さんや社会全体にも訴えたい、そんな思いであのアピールを出したところでありまして、今大量に印刷をして、各学校のそれぞれのクラスにこれが行き渡るようにということで努力もしております。  ただ、これだけで、一言言って終わりかという御指摘もあります。これはあくまでも緊急避難であり、あるいは所持品検査等々も、当面、この何か異常な雰囲気で広がっているものを何とか食いとめたいという一つの方法としてあり得るのかなという問題提起をしたわけでございます。  もちろん、中長期的なというか、根本的なことはいろいろまた考えなければならないと思います。学校でどうやってゆとりのある勉強、ゆとりのある生活を回復できるだろうかとか、立派な、やはり指導力のある先生をどうやって養成していったらいいだろうかとか、あるいは、私は今、学校週五日にして、そして教えること、覚えることを厳選していくといったようなこととか、その辺が根本対策だろうと思いますが、それを言ってもまた少し先過ぎるかもしれません。  例えば、来年のできるだけ早くに、今空き教室や何かも相当できてきておりますから、その一画を改造してカウンセリングルーム、今でもカウンセラーというのが少しずつ配置をされたり巡回してもらったりしておりますが、各学校に一部屋つくって、そこに一人の人を置いて、それは退職の先生であるかもしれないしカウンセラーさんであるかもしれないし、そういう人にいつもいてもらう。子供たちが今は保健室にすぐ行っちゃうようでありますが、保健室は保健室としての仕事がありますので、そういうところに、常に自分の心を打ち明けられるようなそんな場を、心の安らぐ場を各学校に平成十年度できるだけ早くつくるといったようなことも、当面の対応として今検討をしたりしているところでございます。  効果のありそうなことはもう何でもやっていこう、そういう思いでおりますので、またいい御示唆があれば、ぜひ御指導いただければと思っております。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 ぜひそういう方向でお取り組みをいただければと思っております。  それでは、この問題はこれでおきまして、本日私がぜひお伺いをしたいと思っております高校入試の点につきまして、お伺いをしたいと思っております。  今、いろいろな意味で、少子・高齢化一経済のボーダーレス化という形で、日本の社会、経済が本当に曲がり角に来ておると思っておりますし、そういう意味では、これまでの制度を思い切って見直す、変えていく、そういう時期だろうと思っております。まさしく、橋本内閣挙げて、六大改革そしてまた日本の構造改革に取り組んでいるわけでございまして、そういう意味で、戦後、日本がこういう形で短期間で欧米に追いつき、ある意味では追い越したということは、まさしく、生産活動を優先し、そして経営資源を企業に集中して、その成果を国民に均等に配分したということにあるんだろうと思っております。  これは一橋大学の野口教授が一九四〇年体制というようなことで著書に書かれておられるわけでありますが、ある意味では私は、そのとおり、そういう面もあると思っておりますし、そういったことを支えたのは、教育が果たしてきた役割は大変大きいのだろうと思っております。そういう意味で、レベルの高い均質な労働力、マンパワーといったことを育ててきたといいますか、輩出をしたのがこの日本の教育制度であったというふうに思っておるわけでございます。  しかしながら、まさしくこれからは時代が変わるわけでございまして、そういう意味では、今いろいろな事件が経済の分野でも起きておりますが、どうもこれまでの成功体験が余り通用しないというような時代ではないか。まさしく、世界的な大競争の中で新しい技術、新しい産業を興していかなきゃいけない。そういうときには、どうも、これまで日本がやってきたような教育制度、ある意味では知識が大変レベルを高くする、そういった教育の制度もこの際見直していく必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、これから二十一世紀の日本をつくっていくのは個人の創造性、個性、これを大事にしていく、そういう社会をつくっていかなければいけないし、それを育てるのがやはり小、中、高、大学という教育制度であると私は思うわけでございます。  それぞれに課せられた課題、大変大きく重いわけでございますが、その中でも特に、中学校から高校に行くこの時期、最も人間の精神といいますか人間そのものが形成をされる大変多感な時期に、ある意味では、個人の、その人の方向を、人生の方向づけを、もちろんこれがすべてではありませんけれども、決めていく大変重要な時点だと私は思うわけでございます。そういう意味で、人生の方向づけを行う大変重要な高校入試、入学者の選抜につきましてお伺いをしたいと思います。  これまでにも、この点については、中央教育審議会答申、累次のそういった答申にも指摘されておるわけでございますが、まさしく、子供にゆとりを与える、生きる力を育成するというためには、これは戦後ずっと言われ続けてきたことかもしれませんけれども、過度の受験競争といったものは緩和をしていかなければいけないと思うわけでございます。そういう意味で、この高校入試について、これまで改善をされてこられた、これまで文部省が講じてこられた措置について、まず概略お伺いできればと思っております。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 これまで文部省が講じてまいりました措置につきまして簡単にお話を申し上げたいと思いますが、基本的な考え方は今先生御指摘のとおりでございまして、一つの尺度で選抜をするということではなく、選抜尺度の多元化、多様化というふうに言えようかと思います。そうした観点に立って、私どもこの入試改革に努めてまいりました。  具体的には、平成五年でございますけれども、第十四期中央教育審議会の答申等を踏まえまして各都道府県教育委員会に通知を発しておりますが、そのポイントは、各学校、学科等の特色に応じた多様な選抜の実施、それから調査書と学力検査の成績の比重の置き方の弾力化、それからスポーツ活動とか文化活動とかボランティア活動など学科以外の子供たちの能力等を評価する調査書等の活用といったものが主なものかと思います。  それから、さらに引き続きまして、昨年の十一月でございますけれども、これは昨年の中教審第二次答申を踏まえまして発出したものでございます。そこでは、学力検査で一定以上の点数を得ていれば他の資料によって選抜を行う方法とか、生徒の進学動機あるいは中学時代に主体的に取り組んだ事項等の活用といったこと、それにあわせまして、入学者選抜方法の内容につきまして中学校や生徒、保護者等に正確な情報を伝えて、それぞれに合った学校を選択できるようにというようなこと、こういったものがポイントでございます。  そういった観点に立ちまして、改善に努めてきたということでございます。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 今局長が言われましたように、文部省御当局そして各都道府県の教育委員会が、高校入試の改善、もちろん制度にベストというのはなかなかないわけでありますが、よりよいものを求めて改善をしていく、その御努力を続けておられることは大変評価をするわけでございます。しかしながら、この十一月の通達にも言われておりますように、まさしく現場に行けば、いわゆる特定の名門校、いわゆる影響力のある特定の学校という言い方をされておられますけれども、これをめぐりまして受験競争が大変厳しいというのは現実だろうと私は思っております。  もちろん、私は競争を否定するわけではございません。特定の志望校に入りたい、こういうことを私はやりたい、そのために努力をする、それをまた達成する、これは大変とうといことでございます。そうしたことを中学生の時代にしっかりやるということは、これはあってしかるべきだと私は思うわけでありますが、問題は程度問題でございます。これが余りにも行き過ぎて、クラブ活動もできない、そしてまた中学校から塾通いをしなければいけない、それから遠距離通学するとか越境が当たり前だとか、僕は、そういうことはやはりおかしいなと。  そしてまた、高校も、それぞれの地域には地域の伝統、文化、風土があるわけでありまして、多様な校風を競ってやっていくということが今望まれておるのだろうと思うわけでございます。  しかしながら、一方で序列化といいますか、特定の名門校があって一その次にはここがというような順番がずっとつけられてまいりますと、これは、そんな校風もそういったものも全部台なしになってしまうわけでございまして、高校が本当に、この高校は一番、次は二番、これは三番という形でまたイメージが固定化をする、このことも問題ではないかと思うわけでございます。  そういう意味では、まさしく、学力試験を偏重するのではなくて多様な能力、適性を見られる、そういったものをぜひ求めていただきたい。先ほどの局長の御答弁にも一部あったかと思いますけれども、改めてこの点について、御認識及びどのような対応をされるのか、お伺いをしたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 先ほど申し上げましたような基本的な考え方に立ちまして、私ども、県の教育委員会に呼びかけ、それを受けて各県各県でそれぞれ工夫をしていると思います。  私どもといたしましては、子供たちの能力、適性、興味、関心あるいは将来の進路の希望等、個性を重視すればするほど一人一人のそうした違いをむしろ大切にする、そういう教育が大事なのではないかというふうに思います。そこで、私どもは、まず高等学校自体が特色を競い合う、そういう関係にしていく必要があるのではないかと思っております。  現在、普通科、専門学科に並んで総合学科というものができまして、十年度には百校を超えます。それぞれが特色を競い合う方向に進んでいると思いますが、さらにその方向を進めて、真の意味で特色を競い合う。学力の点だけで序列化して学校を評価するということではなくて、横並びで競い合うような高等学校の状況というものをまずつくり出していくというのが一つ。  それを中学生や保護者等に十分に伝えて、どこの高校に学ぶことがその子供にとって一番ふさわしいのかということを本当に自分の頭で考えて学校を選ぶように、情報提供を充実するというのが二つ。  それから三つ目は、入学試験におきまして、やはり、一つの尺度ではなくてさまざまな方法を用いた評価尺度の多元化、多様化というものを徹底する。具体的には、先ほど申し上げましたような調査書とか学力試験とか、その他さまざまな資料があるわけでございますので、そういうものをそれぞれの学校にふさわしい形で活用して選抜をする、そういうことを真に取り組む。  この三つを並行して進めて、さらに一人一人の子を大切にする高校生活が送れるような、そういう入試環境あるいは高等学校教育というものをぜひ進めていきたいものだ、こんなふうに思っております。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 まさしく私も同感でございまして、特に、入試選抜の多元化そしてまた情報提供はもちろんですが、その受け皿の高校が、それぞれの地域といいますか、伝統そしてまた校風というのを、本当に特色を競い合う、私はまさしくおっしゃるとおりであると思うわけであります。  そういう観点からいたしまして、実は、私の地元の愛知県のことを少し申し上げたいわけでございます。  そういう意味で、愛知県の高校入試は平成元年から今の制度になっておるとお聞きをしておりますけれども、この入試の実態を見ると、愛知県というのは尾張と三河がありまして、それぞれを学区にして、そこを一部と二群、それをA、Bに分けて、四つに分けるわけですね。そこで、A、B日程で両方受けられますよということなんですが、それをやりますと、それぞれのグループごとの一番いい、いわゆる伝統校というところが一番上に来てしまって、あとは完全な序列化ができておるというふうに、実際多くの高校の先生、中学校の先生からそういう点を私はよくお聞きするわけでございます。  これは県の教育委員会にも話をすればいいのだろうと私は思うわけでありますけれども、結果として、この元年から導入された愛知県の高校入試制度、複合選抜というふうに言われておるようでございますけれども、このことによって高校が完全に序列化が行われたということをよくお聞きをいたします。そのことによって、遠距離通学が当たり前になり、また、高校の多様性というのは完全に抑えられてしまったというようなこともお聞きをするわけでございますし、私は大変問題が多いと思うわけでございます。  愛知県のことでありますので、どこまで把握をされておられるかあれでございますけれども、この点についての認識といいますか、この際お伺いできればと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 私ども、県の教育委員会の方を通しまして承知しておることで申し上げさせていただきたいと思います。  学校序列ということで、やはり受験が大変過熱したということを踏まえて、昭和四十八年に学校群制度というものを導入したと聞いております。学校群制度といいますのは、普通科高校二校を一つの群としてたくさんの群をつくる、子供たちはその群を志望する、合格いたしますとどちらかの学校に振り分けられる、そういうやり方であったと聞いております。  そういうふうにいたしますと、受験生本人の希望がA校であっても、同じ群の中でB校に行くというようなこともあり、あるいは特色ある学校をつくるといいましても、今のような関係でなかなかつくりにくい。それから、二校一つになって群がたくさんできるわけですが、その群の間の格差が非常に広がってきたというような経過を踏まえまして、さまざまな検討をした結果、平成元年に、今先生お述べになりましたような、大きく分けて複数受験ができるという形の制度に切りかえたというふうに聞いております。  今回の状況につきまして評価することは大変難しいわけでございますけれども、確かに、本人の希望によって学校を選択するということができたという点では、学校群制度が持っておりました問題点を克服したということになるわけでございますけれども、一方で、今のようにたくさんの学校の中から選択できるということで、そこへ向けて、一面ではチャレンジ意欲を高めるということなんですが、一面では、どうしてもその学校にという形で集中するというような傾向があるという指摘もあるというふうには聞いております。  ただいずれにしろ、昭和四十八年度そして平成元年度と長い期間をかけまして、愛知県におかれまして、それぞれの保護者の意向や生徒たちの動向、教育関係者の意向等を踏まえましてつくり出されてきた仕組みでございますので、これにつきまして、国の立場でこれを云々、評価するというのは差し控えさせていただきたいと思います。  要は、子供にとってよりよい選抜、これは非常に抽象的なことでございますけれども、それに向けてそれぞれの努力をされているわけでございますので、我々としてはそうしたものを見守りつつ、さらにさまざまな工夫改善の努力が続けられることを期待したいというふうに思っておる次第でございます。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 確かに、県の教育委員会が一義的にこれをやられると思うわけでございますが、さらに申し上げれば、例えば私の地元のある市で新設高校を二十年ぐらい前につくった。これをみんなで、地域で育てていこうということで、いわゆる学力の優秀な中学生をそこにある時期集めた、それである程度の成果が上がった。ところが、この制度が導入されて、伝統校にみんなやられてしまったというような例。例えば、これも私の地元でありますが、ある高校はサッカーが大変強かった、進学校でありながらサッカーも強かった。何年に一回かは全国大会へ出ていた。ところが、そのことによって、確かに東大へ行くのはふえたかもしれませんけれども、全然出られなくなってしまった、もう選手も集まらないというようなこと。  そういう意味では、確かにいろいろな議論は、まあ議論なしで決めたとは私は言いませんけれども、結果として完全な序列化をつくってしまったという意味で、私ははっきりとこの制度は見直すべきだと思っておりますし、今後関係方面にこれを問いかけていきたいと思っておるわけでございまして、そういう意味で、結果がそういうことになっているということであれば、昨年十一月に出された通達の趣旨からすると、文部省の指導の方針からすると、やはり私は問題が多いのではないかと思うわけでございます。  こうした点につきまして、この際、関係者のヒアリングを含めて、ぜひ私は適切な指導をしていただきたいと思うわけでございますが、一言、御意見をといいますか、御認識をお伺いできればと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 これは各県がそれぞれ工夫をして決めているものでございますので、文部省が、これはだめ、これをこうしなさいと言うのはなかなか難しいわけでございます。  ただ、私ども、全国的な入試改善の取り組み状況というようなものをお聞きするチャンスはございます。そういうときに、その成果をどう見ているかとか、何か問題点はありますかというようなやりとりの中で、新しく導入された仕組みがどんな成果を生み出しているのか、そういったことについては私どもとしても十分にお聞きして、施策の参考にさせていただくような形でお話を聞いてみたいというふうには思います。

大村秀章自由民主党

○大村分科員 いずれにいたしましても、この高校入試の問題は、大変重要な問題であるわけでございます。  冒頭私が申し上げました、二十一世紀の日本は、本当に個性あふれる人間、創造力のあふれる人間、これを生かしていくことが求められるわけでございまして、そのためにはやはり、多様な校風、多様な学校、そして、その高校では本当に何か個性あふれる子供たちが競い合う、もちろん学力だけではなくていろいろな意味で競い合う、そうした学校を私はつくっていかなければならないのではないかと思うわけでございます。こういう意味で、これからもこの点につきましては関係者と十分議論を積み重ねながら、私自身の考えも問いかけていきたいと思いますし、働きかけていきたいと思っております。  どうか今後とも、文部省当局の引き続きの御努力、中高一貫教育につきましてもお聞きしたかったのでありますが、これはぜひお進めいただきたいと思いますし、そのことも申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。  大変遅くまで本当にお疲れでございました。ありがとうございました。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 大村委員から貴重なお話を承りました。なかなか、試験の制度というのは、これがまずいというので変えてみる、変えてみるとまたまずい。私は都立高校に通っておったのでありますが、やはり学校群制度というのを入れて、余り個人的な思いを言ってはいけないかもしれませんが、率直に言って大失敗だったと私は思っております。  いずれにいたしましても、先ほど局長がお答えを申し上げましたように、学力あるいは偏差値という非常に単純なバロメーターだけですべてを決めてしまうという、どうしてこうワンパターン化していくのだろうかと思うのですが、現実にそうなっている。  いかにして多様な入学試験、高校入試の仕組みをつくるかということと同時に、先ほど委員言っておられたように、要はいかに個々の高校が、僕は小学校からそれをやらなければいけないと思いますが、小学校であれ中学校であれ、まして高校、大学であれば、よりそれぞれの学校の特色というものをつくる努力を、学校の校長先生以下それぞれ工夫して、その学校づくり、特色ある学校づくりに努力をする。そのことをもっと積極的に情報発信をする。それを受けた親やあるいは子供が、そうか、それならこの学校に行ってみようかと興味を持っていくようになる。  そういうことが相まって、きっと、多様な入試、偏差値なり点数だけに偏しない、そうした高校入試あるいは大学入試というものができ上がっていくのだろうな、こんなふうに思っておりまして、そうした多様な受験制度あるいは多様な学校制度のあり方ということが今の教育改革の中で重要な柱である、こう位置づけながら、努力をしてまいりたいと思っております。

中山利生自由民主党

○中山主査 これにて大村秀章君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十日午前九時から開会し、自治省所管及び文部省所管について審査を行うことといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後九時三十五分散会

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