予算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 253 件
- 登壇者
- 48 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1998/03/19
会議録
○山本主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府並びに他の分科会の所管以外の事項、なお、総理府につきましては経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管についての審査一を行うことになっております。 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算中皇室費について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。森宮内庁次長。
○森政府委員 平成十年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。 皇室費の平成十年度における歳出予算要求額は六十六億九千三百四十三万三千円でありまして、これを前年度予算額六十七億二千五百十三万五千円と比較いたしますと、三千百七十万二千円の減少となっております。 皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。 以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十億六千二百九十万八千円、皇族に必要な経費三億六百五十二万五千円であります。 次に、その概要を御説明いたします。内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。 宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費六億六千九百七万三千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費五十三億九千三百八十三万五千円でありまして、前年度に比較して三千百七十万二千円の減少となっております。 皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。 以上をもちまして平成十年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。 よろしく御審議くださるようお願いいたします。
○山本主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、皇室費については終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、国会所管について審査を進めます。まず、衆議院関係予算の説明を聴取いたします。谷衆議院事務総長。
○谷事務総長 平成十年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成十年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百八十八億九千九百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、五億五千万円余の減少となっております。 次に、その概略を御説明申し上げます。第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、六百四十九億四千万円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し一億四千八百万円余の減少となっております。これは、行政監視機能の強化のため、事務局に調査局を設置し、法制局に法制企画調整部を設置するために必要な職員の増員等の措置をしているものの、職員の退職手当等の人件費及び憲法施行五十周年記念行事経費等の当然減によるものであります。 なお、国会審議テレビ中継の国民向け放送については、調査・検討経費を計上いたしております。 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、三十九億五千二百万円余を計上いたしております。 この主なものは、国会参観者施設を兼ね備えた国会審議テレビ中継施設の新築費、立法情報ネットワーク整備費及び本館等庁舎の諸整備に要する経費並びに国会周辺等整備に必要な土地購入費でございます。 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。 以上、簡単でありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○山本主査 次に、参議院関係予算の説明を聴取いたします。黒澤参議院事務総長。
○黒澤参議院事務総長 平成十年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成十年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は四百二十五億六百万円余でありまして、これを前年度当初予算額と比較いたしますと、十億五千四百万円余の増加となっております。 次に、その概略を御説明申し上げます。 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、四百一億二千七百万円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し十七億一千七百万円余の増加となっております。 これは、主として第十八回参議院議員通常選挙の実施に伴い見込まれる改選関係経費及び行政監視機能強化経費の計上並びに議員会館議員事務室への端末配備等のための情報化推進関係経費の増加によるものであります。 第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十三億七千四百万円を計上いたしております。これは、第二別館の増築、本館その他庁舎の整備等に要する経費でありまして、前年度に比し六億六千二百万円余の減少となっております。 第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。 以上、平成十年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○山本主査 次に、国立国会図書館関係予算の説明を聴取いたします。緒方国立国会図書館長。
○緒方国立国会図書館長 平成十年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成十年度国会所管国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百三十三億七千三百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、五十四億八千六百万円余の増額となっております。 次に、その概要を御説明申し上げます。 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は百三十三億三千六百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億二千三百万円余の減額となっておりますが、これは主として退職手当等の人件費及び業務の見直しと効率化による運営諸経費の減額に伴うものであります。 第二は、科学技術関係資料の購入に必要な経費でありまして、六億一千百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと、一千九百万円余の増額となっております。 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、九十四億二千六百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと、五十七億八千九百万円余の増額となっておりますが、これは、主として関西館の建設工事に要する経費の計上及び国際子ども図書館設立に係る支部上野図書館庁舎の改修経費等の増額に伴うものであります。 以上、国立国会図書館関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○山本主査 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を聴取いたします。藤田裁判官弾劾裁判所事務局長。
○藤田裁判官弾劾裁判所参事 平成十年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成十年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億二千二百六十九万円余でありまして、これを前年度予算額一億二千七百一万円余に比較いたしますと、四百三十二万円余の減少となっております。 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費であります。 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○山本主査 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を聴取いたします。濱井裁判官訴追委員会事務局長。
○濱井裁判官訴追委員会参事 平成十年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成十年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億四千百八十六万円余でありまして、これを前年度予算額一億四千三百二十六万円余に比較いたしますと、百三十九万円余の減少となっております。 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費であります。 以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○山本主査 以上で説明は終わりました。別に質疑の申し出もありませんので、国会所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、裁判所所管について審査を進めます。 最高裁判所当局から説明を聴取いたします。泉事務総長。
○泉最高裁判所長官代理者 平成十年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。 平成十年度裁判所所管歳出予算要求額の総額は三千百二億二千九百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千百七億八千八百万円に比較いたしますと、差し引き五億五千九百万円の減少となっております。 これは、人件費において十五億七千二百万円が増加いたしましたが、施設費その他において二十一億三千百万円が減少した結果であります。 次に、平成十年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。 まず人的機構の充実、すなわち、裁判官及び書記官の増加の要求であります。 増加し、かつ複雑困難化している民事関係事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官二十人、書記官五十人、合計七十人の増員及び振りかえによる書記官二百人の増加をすることといたしております。 他方、平成十年度の定員削減といたしまして二十九人が減員されることになりますので、差し引き四十一人の定員増となるわけであります。 次に、司法の体制の強化に必要な経費であります。 裁判運営の効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料の整備に要する経費として七億九千八百万円、ワープロ、パソコン等裁判事務能率化器具等の整備に要する経費として四十四億九千百万円、調停委員に支給する手当として八十三億七千四百万円、裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として五十億一千九百万円、証人、司法委員、参与員等旅費として十二億六百万円を計上しております。また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百十九億一千百万円を計上しております。 以上が、平成十年度裁判所所管歳出予算要求額の大要であります。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○山本主査 以上で説明は終わりました。別に質疑の申し出もありませんので、裁判所所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、会計検査院所管について審査を進めます。 会計検査院当局から説明を聴取いたします。中島事務総長。
○中島会計検査院説明員 平成十年度会計検査院所管の歳出予算について御説明いたします。 会計検査院の平成十年度予定経費要求額は百六十一億七千九百八十八万五千円でありまして、これは、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく、本院の一般事務処理及び検査業務を行うために必要な経費であります。 今、要求額の主なものについて申し上げますと、一、人件費として百三十七億二千八百三十九万九千円を計上いたしました。これは総額の八四・八%に当たっております。このうちには、会計検査の充実を図るため、調査官十人を増置する経費も含まれております。 二、旅費として八億四千百三十七万七千円を計上いたしました。このうち主なものは、検査旅費が七億二千四百七十四万一千円、海外検査等外国旅費が三千三百十九万三千円であります。 三、施設整備費として二億四千三百万円を計上いたしました。このうち主なものは、安中研修所工事検査実習施設関係工事費八千九百二十二万九千円、庁舎改修工事費一億三千七百十六万四千円、宿舎敷地造成工事費一千六百六十万七千円であります。 四、その他の経費として十三億六千七百十万九千円を計上いたしました。このうちには、検査の円滑な実施を図るための会計検査活動費二億三百五十三万円、会計検査の充実強化のための経費七千六百四十二万九千円、検査業務の効率化を図るための経費四億五千七百六万五千円及び検査要員等の充実強化のための研修・研究体制の整備経費二億七千二百十二万五千円が含まれております。 ただいま申し上げました平成十年度予定経費要求額百六十一億七千九百八十八万五千円を前年度予算額百六十一億二千五百八十三万七千円に比較いたしますと、五千四百四万八千円の増加となっております。 以上、簡単でありますが、本院の平成十年度予定経費要求額の概要の御説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○山本主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、会計検査院所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、内閣及び総理府、ただし経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。村岡内閣官房長官。
○村岡国務大臣 平成十年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。 内閣所管の平成十年度における歳出予算要求額は百八十五億七千四百万円でありまして、これを前年度当初予算額百八十億三千五百万円に比較いたしますと、五億四千万円の増額となっております。 要求額の内訳といたしまして、内閣官房には、総合調整等のための経費として八十億一千七百万円、内閣法制局には、法令審査等のための経費として十億一千七百万円、人事院には、人事行政等のための経費として九十五億四千百万円を計上いたしております。 次に、総理府所管の平成十年度における歳出予算要求額は九兆一千百六十億四千九百万円でありまして、これを前年度当初予算額九兆二千九十八億九千七百万円に比較いたしますと、九百三十八億四千九百万円の減額となっております。 このうち、経済企画庁、環境庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費のうち主なものについて、以下、順を追って御説明いたします。 総理本府には、政府広報、栄典関係、平和祈念事業特別基金、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業等のための経費として三百八十億百万円、警察庁には、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費として二千五百二十九億六百万円、総務庁には、総務庁一般行政、恩給の支給、統計調査等のための経費として一兆五千二十三億二千百万円、北海道開発庁には、北海道における治山・治水対策、道路整備、港湾・漁港・空港整備、住宅、下水道等の生活環境整備、農業農村整備等の公共事業関係費等として九千二百六十五億九千七百万円、防衛本庁には、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費として四兆三千六百九十一億八千六百万円、防衛施設庁には、基地周辺対策事業、在日米軍駐留経費負担及びSACO関連事業等のための経費として五千七百二億百万円、科学技術庁には、社会的、経済的ニーズに対応した研究開発の推進、新たな研究開発システムの構築と研究開発基盤の整備、国民生活に密着した科学技術の推進等の経費として五千八百五十一億二千二百万円、沖縄開発庁には、自由貿易地域の新規展開基本計画策定、沖縄における教育振興、文化施設整備、保健衛生対策及び農業振興に要する経費並びに沖縄開発事業に要する公共事業関係費等として三千百五十六億六千三百万円、最後になりますが、平成十年度に設置されます金融監督庁には、金融監督庁一般行政、金融機関等の監督、証券取引等監視委員会の運営等のための経費として五十五億一千九百万円を計上いたしております。 以上をもって平成十年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。よろしく御審議くださるようお願いいたします。
○山本主査 以上で説明は終わりました。 ―――――――――――――
○山本主査 内閣について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。
○大口分科員 新党平和・改革の大口でございます。 まず、平成七年の六月に容器包装リサイクル法が成立し、平成九年四月より本格的にこれが施行されております。その際対象になったPETボトルの生産量とそれから回収量、回収率及び再商品化の現状はどうなっているのか、まず厚生、通産、お願いいたします。
○西出説明員 お答えいたします。 PETボトルの生産量、実績及び見通してございますけれども、PETボトル協議会の数字によりますと、容器包装リサイクル法の対象となっておりますPETボトルの樹脂、平成九年の生産量でございますけれども、二十一万八千八百六トンでございます。平成十年につきましては、生産の見通しとして、二十四万八千三百トンとなっているところでございます。
○山田説明員 お答えを申し上げます。 容器包装リサイクル法に基づきまして、PETボトルのリサイクル、昨年四月から十二月まで九カ月間行われまして、その回収量、一万四千五百五十二トンになってございます。それから、まだ数字は出ておりませんけれども、平成九年度全体のPETボトルの収集見込み量が二万一千二百トンでございます。 それで、今通産省の方から平成九年の生産量が二十一万八千八百トンということでお答えがございましたので、ちょっと暦年と年度の比較になって恐縮でございますけれども、PETボトルの回収率、平成九年の四月から十二月までで見ますと七%、それから先ほど申し上げました平成九年度全体の見込み量で比較をいたしますと約一〇%でございます。 それから容器包装リサイクル法に基づきまして分別収集をいたしましたものにつきまして再商品化をしております率、これは十二月現在でございますが、約八五%でございます。
○大口分科員 住民の協力によって市町村がPETボトルを回収して、そして指定法人が再商品化するというシステムになっているわけであります。指定法人がやらないところもありますが。それが、自治体の担当者は、回収に協力した市民に対して、どのようにリサイクルされたのか、何も説明ができなくて困っているというふうに聞いております。 そこで、再商品利用促進の観点から、指定法人が市町村に対して、再資源化から再生品に至る流れが見えるリサイクルの明確な情報提供を十分に行う必要がある、こう考えますが、厚生省、どうでしょうか。
○山田説明員 現在、指定法人の方で、PETボトル、市町村の方で指定保管場所の方にまで持ってまいりますが、そこから引き取りをしております。実際上、指定法人が引き取りを委託した業者がやっているわけでございます。 それで、引き取られたものがどのような経路で、どのような格好で再商品化されているか、その情報が市町村に届いていないかという御質問でございます。指定法人の方では、市町村から引き取ったときに、引き取った量の実績につきましては情報提供しております。ただ、今御指摘のように、その後どのように再商品化されているかということにつきましては情報提供ができておりません。 そういうことで、私どもとしまして、分別収集を市町村にきちっとやっていただくという観点からも、御指摘の情報提供、重要であると認識しておりまして、指定法人に対しまして、再商品化に係る情報、指定法人の方でどのように再商品化をしたか、それについての情報について市町村へ提供するよう指導してまいりたいと思っております。
○大口分科員 このPETボトルのリサイクルで、再資源化の段階で選別が極めて重要になってきます。 せっかく市民の協力を得て回収量がふえても、その選別の段階で、これは例えば一日五トンとして一・五リットル入りのボトルで換算しますと、一本六十グラムなので、約十万本、この十万本の中に塩化ビニール製のボトルが五本混入しているだけで一定の品質の再生原料にならないということなんですね。さらに、その選別の後の、粉砕された一センチくらいのフレークになりますが、このフレークの洗浄が不十分だと赤っぽくなって、用途が狭くなる。この赤っぽくなったのがこれですね。きちっと洗浄してやっていますと、こういう形で、後でワイシャツなんかの、白いワイシャツをつくれるかどうかということに関係してくるわけです。 PETボトルは、集めれば再資源化しやすい素材であります。良質の再生資源にするために、その回収方法とか品質管理、これは非常に大切であると考えますけれども、厚生省の対応、いかがでしょう。
○山田説明員 PETボトルのリサイクルを進める場合に、きちんと分別をしていただくというのがまずスタートだと思っておりまして、そういう意味で、私ども、容器包装リサイクル法に基づきまして分別基準を定めております。 具体的には、PETボトルにつきましては、洗浄していただく、それからキャップを外していただく、それからPET以外の素材の容器が混入しないようにというようなことをきちっとその分別基準で定めておりまして、それに合ったものを集めてリサイクルに回すということにしております。 ただ、容器包装リサイクル法、昨年四月に始まったばかりでございまして、必ずしもその基準に合わないものも出てまいります。これにつきましては、指定法人と市町村の方で今協議をしておりまして、できるだけ分別基準に合うようにお願いをしているところでございます。 私どもとしても、いろいろな形で、きちっと分別基準を仔つたものが出されるよう、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○大口分科員 そういう点で、この分別、非常に大事でございます。このPETボトルの分別収集をする自治体数と収集量の見通しはどれぐらいか、それからまた、PETボトルの生産量の見通し、これはどうか。
○山田説明員 容器包装リサイクル法に基づきまして、市町村の方、平成九年度から平成十三年度までの五年間につきまして、市町村分別収集計画というものを策定することにしております。これを私どもの方で集計をしておりますけれども、平成九年度、分別収集をすると言っております市町村、七百十六でございます。それが、平成十三年度になりますと、二千八十四市町村になります。 それから、年間の収集見込み量でございますが、平成九年度が二万一千二百トン、これに対しまして、平成十三年度は八万九千四百トンの収集見込み量になっております。分別収集を実施いたします市町村の数あるいは年間の収集見込み量、年々増加していく予定でございます。 今後とも、住民、市町村、事業者の理解と協力を得ながら、分別収集、再商品化の一層の推進に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○大口分科員 今答弁ありましたように、生産量が増加傾向である、回収する自治体数も増大をしてきている。そういうことで、リサイクル用品の利用促進が極めて重要になってまいります。 PETボトルが再生され、どういうものになるのかについて、現状は、国、市町村、民間企業、消費者とも、いまだ再生製品の認知度は低いと言わざるを得ません。 容器リサイクル法の第五条では、「国は、物品の調達に当たっては、分別基準適合物の再商品化をして得られた物又はこれを使用した物の利用を促進するよう必要な考慮を払うものとする。」とあります。国の責務を明確にしているわけでございます。 そこで、容器リサイクル法が成立した国会において、国会議員の足元から取り組むべきである、こう思います。まさしく国会の象徴ともいうべき赤じゅうたんにこのPETボトルからの再生素材を使用することによって、大きなインパクトがある、こう考えますが、国会の対応についてお伺いします。
○清土参事 リサイクル製品の利用につきましては、資源の有効利用の観点から、衆議院においても積極的に対応すべきものと考えており、現在、特に事務用品等で製品化されているものについては積極的に利用しているところでございます。 ただいま先生、この国会の中でどういうものかということで、例えば赤じゅうたんにつきましては、現在使用している国会議事堂の赤じゅうたんはウール一〇〇%で織られたものでございますが、リサイクル製品については、汚れにくい反面、耐久性、染色ぐあいの点で研究の余地があるように聞いております。 今後、先生の御提案の趣旨を踏まえて、業者とも相談していきたいと考えております。
○大口分科員 国会で成立した法律に基づいて国会が率先してやるということは、これは非常にアピール性は大きいと思いますね。ですから、早急にこれは検討していただきたい。それで、私も、その状況についてまた継続してちゃんとウォッチをしていきたいな、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いします。 平成五年に環境基本法が成立し、そして平成六年に環境基本計画が閣議決定され、平成七年の六月に、国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取り組みの率先実行計画を閣議決定しています。それを受けて、首相官邸、それから国会でも、事務用品については積極的に再生品を利用しています。 リサイクルの技術が進むにつれて、事務用品だけでなく、さまざまな分野の製品の利用ができるような状況になってきております。そして実は、私が着ているこの背広、それからこのワイシャツ、この背広というかジャケットが二万八千円です。それで、このワイシャツが三千九百円です。きょう質問ということで用意したわけでございますけれども、これはPBTボトルの再生品なんですね。ですけれども、本当に普通のジャケットであり、ワイシャツなわけですね。そういう点で、値段的にも、ジャケット二万八千円ですから、ワイシャツだってこれは三千九百円ということで、これは、どんどん使われれば、僕は、非常にコスト的にもさらに安くなってくるのじゃないかな、こう思っております。 そういうことで、この率先実行計画を見ますと、再生品等の使用の定義の中で、「購入し、使用する文具、機器、作業衣等の物品について、再生材料から作られたものを使用する。」ということですね。作業衣というものも入っているわけです。先ほども申し上げましたように、容器包装リサイクル法ということで本格的に始動して、PETボトルの再生品をどんどんこれから普及していくというような状況になってきております。閣議決定もされて、国が消費者として率先して実行していこう、こういうことなわけですね。 一部の自治体におきましては、もう既に防災の被服、それから女性のユニフォーム、そしてまた防災用の備蓄毛布、それから中学校の男女制服などにも採用されております。私の姿を見ていただいてもわかりますように、これは十分そういうことで実用化されているわけです。そういうことで、国の率先実行計画を見る限りでは、作業衣等の物品についての実績というものはない状況ですね。地方自治体、一部の自治体の方が進んでいるということでございます。 そこで、まず国会について見ますと、制服といいますと衛視さんということになります。国会の衛視さんの制服について、PETボトルの再生品を使うべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○清土参事 衛視の制服についての先生の御提案でございますが、メーカーによりますと、リサイクル素材を使用した制服、それから事務服等を製品化している実績があるようでございますので、今後本院においても積極的に導入を検討いたしたいと考えます。
○大口分科員 国会は真っ先に導入を検討していただきたいと思います。そこら辺、どうですか。もっと積極性がないとだめですよ。どうぞ。
○清土参事 ちょっと表現が悪かったのかもわかりませんけれども、今後本院においても積極的に導入を検討したい、こういうことを申し上げております。
○大口分科員 国権の最高機関であります国会がまず率先するべきである、私はそう思っております。 また、三十万人を有し、広く国民に接しておられる郵便局の職員の方の制服、それから二十数万人の自衛隊員の方の制服、そしてさらに約二十二万人の警察官の方、それから十四万五千人の消防職員の制服、それから地方公共団体の防災服など、段階的にでも率先してPETボトルからの再生品を使用していくことが大事である、こういうふうに思います。 そこで、郵政省、そしてまた防衛庁、警察庁、自治省の取り組みをお伺いしたいと思います。
○山本説明員 お答え申し上げます。 郵政省では、環境基本計画ですとか率先実行計画に基づきまして、郵政省独自の環境基本計画というのを昨年三月に決めております。これに基づきまして、従来から環境保全に資する各種取り組みを積極的に推進してきているところでございまして、使用済みのPETボトルをリサイクルいたしましたユニフォームの調製につきましては、最近の環境問題に対する関心の高まりから、民間企業及び一部の地方自治体等で採用されているというふうに聞いております。当省としても強い関心を寄せているところでございます。 当省のユニフォームヘの採用につきましては、再生の繊維の安定供給の問題ですとか、あるいは品質面における均質性とか耐久性、あるいは調達コスト等を総合的に勘案して検討してまいりたいというふうに考えております。
○西説明員 お答え申し上げます。 現在、私ども防衛庁の方では、自衛官の制服にはPETボトルから再生した生地は使用しておりません。 しかしながら、私どもといたしましても、リサイクル、環境保全の重要性につきましては承知しておりますので、今後、PETボトルから再生した生地が、自衛官の制服に求められます耐久性や染色、そういった機能的な要件を満たすことができるか、また価格などにつきましてもどうかといった点につきまして総合的に勘案し、その使用について検討してまいりたいと考えております。
○茂田説明員 お答え申し上げます。 警察といたしましても環境保全の重要性については十分認識しておりまして、一部県警察におきまして、いわゆる再生ポリエステルを素材とする作業衣、事務服等を採用しているという報告を受けております。 警察官の制服につきましては、職務の特殊性から、良質かつ斉一であるということが重要でありまして、品質が安定し、耐久性にすぐれているということが条件であります。 再生ポリエステルの使用につきましては、こういう製品の品質、価格等の面を考慮の上、御指摘を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○山口説明員 お答えを申し上げます。 消防職員の制服等についてのお尋ねでございますが、消防の分野におきましては、価格や品質はもとよりでございますが、繊維の難燃性等が特に検討課題になると思われますが、こういった点について考慮するとともに、御指摘の趣旨も踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
○大口分科員 今、考えられるところについて一つ一つお伺いをしたわけでございますけれども、国が率先してやるということは非常に大事でありますので、そのことについて官房長官にお伺いをしたいと思うのですが、環境保全に向けての循環型社会の構築、そして国みずから率先して利用促進に取り組む必要があるわけでございます。そういう点で、政府、内閣のかなめである官房長官にお伺いをしたいと思うわけでございます。 先ほども言いましたけれども、PETボトルの回収量、これが増大をしてきます。再生品の利用促進というのが非常に大事になってまいります。この意識啓蒙を積極的にやるべきである、こう思っておるわけです。 そういう点で、官房長官がある意味ではスポークスマンでございますので、大いに意識啓蒙を国民に向かってやっていただきたい、こう思っております。 私もこうやってジャケットそしてワイシャツを着ておるわけでございますけれども、東京都は青島知事が着用しているようでございます。私は、官房長官にもぜひとも着用していただきたいと思いますし、また、橋本首相を初め各大臣に積極的に着用していただいて、政治家として、まず隗より始めよでございますけれども、そういう姿を見せていただきたいな、こう思っておるわけでございます。 そういう中で、国民も、PETボトルの分別収集に対する協力という意味におきましても、官房長官あるいは総理の着ている背広が我々が分別したPETボトルからできているのだということであるならば、これは非常に啓蒙としての大きな効果があるのじゃないかな、私はこう思っておるのですが、その点につきまして、官房長官の御見解をお伺いしたいと思います。
○村岡国務大臣 大口先生の、今の再生品の製品の利用ということを詳しく聞きました。 平成七年に閣議で決定をいたしまして、文具、機器、作業衣等の物品について、極力再生材料からつくられたものを使用することを関係省庁において申し合わせをいたしておりますが、正直言うと、古紙とかボールペンとか定規とかそういうものはやっておるだろうけれども、まだ作業衣はほとんどない、こういう現状であります。 しかし、容器包装リサイクル法においても、国は率先して再生品の利用を促進する旨を規定しておりますが、実は、PETボトルの再生品の一層の利用拡大についても、買っているのかとお聞きをしたら、まだ買っていないということでありまして、今のお話を聞きまして、環境基本計画推進関係省庁会議にもこれを伝えますし、今、私は実は、先生のそのワイシャツあるいは背広が再生品だと初めてわかったわけでございますが、私も話を、きょう質問がある、こういうのがちゃんとできるよと、こういうのを持っております。 着たらどうかと。売っている場所を教えていただければ私も着用をいたします。方針でもございますから、閣僚にも勧めたい。そしてまた、各省庁でもこの再生品の利用ということは進めてまいりたい、こう思っております。
○大口分科員 官房長官から極めて前向きな、すばらしい御答弁をいただきました。これで橋本内閣の支持率はアップするのではないかな、こう思っておるわけでございます。本当に、そういう点でぜひとも推進方をお願いしたいと思います。 後でまた、どこで買えるかということは官房長官の方にお知らせをしたい、こう思います。 国は当然でございますけれども、さらに地方自治体においても大いにこれは推進をしていくべきである、こういうふうに考えております。今の官房長官のあの前向きな答弁というものを、我々、受けとめていかなければいけないと思いますし、そういう点で、自治体へどう広げていくかということ、これについて自治省にお伺いをしたいと思います。
○山口説明員 お答えを申し上げます。 お話のございましたように、国の率先実行計画におきましては、地方公共団体におきましてもこの計画の趣旨を踏まえた率先的な取り組みが行われることを期待し、国は、計画の周知を図るとともに必要な支援を行うこととされておりますので、自治省としても、そういった形で今後努力をしてまいりたいと存じます。
○大口分科員 官房長官から非常に前向きのすばらしい答弁でございました。私のきょうの質問の目的はこれで一応達せられました。 引き続きこれからも私自身も推進をしてまいりたい、この決意を述べまして、私の質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。
○山本主査 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。 次に、達増拓也君。
○達増分科員 自由党の達増拓也でございます。 官房長官には、多事多難の中、内閣のかなめであります官房長官として、毎日大変お疲れさまでございます。 予算委員会もいよいよ審議が分科会という形になってまいったわけでございますけれども、きのうの予算委員会でも訴えましたように、自由党では、やはり今の予算案は欠陥予算である。政策破綻を来したところ、国会内外、一般の人たちの間にも、また政府・与党の中にも、そしてもちろん野党の側にも、政策転換を求める声が非常に高くなっているわけであります。財革法の廃止、そして予算案を組み替えるべきであるという主張、これを自由党の方では最後の最後まで貫きながら、この分科会にも臨んでまいりたいと思っております。 分科会ということで、さまざまな具体的な分野をめぐる質問をさせていただこうと思っているわけでありますけれども、これまた、きのうの予算委員会で私、質問に立ちまして、今の政府・与党のあり方というものが、日本国憲法が想定しております議院内閣制の本旨から見て、どうも間違った、機能しない形の体制になっているのではないかという指摘をさせていただいたわけでありますけれども、きょうは、予算の制度を通じて、やはり日本国憲法が想定しております三権分立の関係が構造的に非常にゆがんだ形になっているのではないか、そういう問題意識から質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、非常に大きい質問でございますけれども、官房長官は、日本国憲法にも規定されております民主主義の基本原則である三権分立をどう考え、それが今我が国において十分その機能を発揮しているとお考えかどうか、質問させていただきたいと思います。 〔主査退席、河村(建)主査代理着席〕
○村岡国務大臣 先ほど達増先生が、予算のこと、いろいろなことを言われましたが、昨日、六時半ごろでしたか、御党の幹事長、国対委員長から申し入れを私も受けました。これについては、与党であります自民党と相談をして、きょう御返答を申し上げる、こういうことになっております。 お尋ねの件でございますが、三権分立とは、通常、国家作用を立法、司法、行政の三権に分け、おのおのを担当するものを相互に分離、独立をさせ、相互に牽制させる統治組織原理のことを指すものとして使われているものと思っております。 日本国憲法においては、立法権は国会に、行政権は内閣、司法権は裁判所にそれぞれ属することとされており、それらの間には、議院内閣制、内閣の裁判官任免権、違憲立法審査権等の、相互に他を抑制し均衡を保つ仕組みが定められている、こういうふうに私は思っております。
○達増分科員 そうした定めが今実際、運用上も正しく働いている、機能しているというふうにお考えでしょうか。
○村岡国務大臣 今正しく運用されていると私は思っております。
○達増分科員 今官房長官がお答えになりました三権分立の趣旨につきましては私も賛成でございますけれどもへそれが今実際の運用として、また制度面でも正しく行われているかについては、幾つかの疑問点を持っております。その中で、きょう指摘したいのは、どうも三権のうちの内閣が予算という制度を通じて国会と裁判所に対してバランスを欠いた影響力を及ぼしているのではないかということであります。 これにつきまして、現在国会と裁判所の予算がどのように決められているのか、これを財政当局の方に質問したいと思います。
○寺澤政府委員 お答えを申し上げます。 先生御指摘のように、国会、裁判所につきましては、憲法上、政府とは独立をした地位を有しているわけでございます。また、憲法上、予算を作成し国会に提出する事務、いわゆる予算編成権と言っておりますが、これは内閣の事務とされているところでございます。このために、これらの国会、裁判所の独立性を財政面から不当に制約することのないよう、財政法第十七条から第十九条の規定におきまして調整の方法が定められているところでございます。 予算編成の過程で具体的にこの調整がどういうふうに行われているか申し上げますと、予算につきましては、まず概算要求という段階がございます。財政法第十七条第一項によりまして、国会、裁判所は、内閣に対しまして、歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積もりに関する書類を送付されるわけでございます。 概算要求に当たりましては、内閣のもとにございます行政機関は、先生御承知のように、閣議了解ないしは総理の基本方針というものに従いまして概算要求を行わなければならないということになっておりますが、国会や裁判所の独立機関につきましては、内閣から、行政機関はこういった概算要求基準で要求をいたしますよという内容を参考までに送付いたしまして協力を要請しているということにとどまっているわけでございます。 次に、大蔵大臣のもとに送られてきた概算要求をいろいろ議論する、いわゆる査定の段階があるわけでございますが、この段階におきまして、行政府と国会、裁判所との間でさまざまな形で意見調整を行い、合意を得るという手続があるわけでございます。 これにつきまして、意見が調わない場合が発生するわけでございますが、国会や裁判所の意に反しまして行政府において歳出の見積もりを減額して予算を国会に提出するというような場合には、財政法第十九条の規定によりまして、これらの機関の歳出見積もりの詳細を付記をいたしまして、国会が独立機関の歳出額を修正する場合における必要な財源を明記するという形、いわゆる二重予算制度になっているわけでございます。 いずれにいたしましても、現在の予算制度におきましては、国会や裁判所の予算につきまして、その独立性を十分尊重しつつ、合意のもとに予算調整を行うという具体的な編成を行っているところでございます。
○達増分科員 法律上はそのような手続になっているということなのでありますけれども、ポイントは二つあると思います。 一つは、そういった制度を運用して出た結果としてどのくらいの予算が国会、裁判所についているのかという大枠の問題、あとは、国会について、査定ということを通じてその内容に対してかなり介入する形になっているのではないかという問題でございます。 前者の、まず総額の問題についてでありますけれども、例えば国会の予算、これは、政党や政治家の活動にかかわる経費を除いて、制度的な国会を支えるための予算でありますけれども、平成十年度の場合、国会が千三百四十四億円、そして裁判所の予算が三千百二億円。これは、行政府予算の全体と比べますと、それぞれ二・五%、五・九%。これは、予算の総額のバランスで見た場合、三権分立の中で国会や裁判所が行政府から独立しながらその務めを果たしていくという機能をきちっと果たせるようなバランスになっているのかどうか。この点について官房長官の御意見を伺いたいと思います。
○村岡国務大臣 国会とか裁判所の予算で、ただいま事務当局から詳しい説明がございましたが、財政法の規定にのっとりまして、機関から送付された概算要求に基づき、財政当局と十分に調整し、双方が合意されたものと聞いております。 確かに先生がおっしゃるとおり、国会の予算千三百五十億あるいは裁判所三千百二億、パーセントにすれば少ない。だから三権分立は名ばかりだ、こういうことであろうと思いますが、国会とか裁判所というのは事務経費が主でございまして、行政の方は事業経費、社会保障とか地方交付税とかで、パーセントで判断はなかなかできないのではないか。 同時に、私も勉強不足でございますけれども、では、これはどんどん、国会なら例えば二千億必要だ、あるいはまた裁判所が六千億七千億必要だと要求したらそのまま、こういうことも……。やはり双方よく話し合って双方が納得する、こういう状況で今まで来ている。そんな、削られた、不満だと聞いておりませんので、私は、こういうことでいいのではないか、こういうふうに思っております。
○達増分科員 今述べたような三権のそれぞれの予算の総額の割合というもの、これは、今の国の三権のバランスの中で、本来国会の方で中心になってやらなければならない立法の作業について、実質的には政府、内閣の方で官僚が中心になって法案を作成してしまう。そして裁判所の関係につきましても、本来明確なルールに基づいて行われるさまざまな経済社会活動について、トラブルが発生した後、裁判所が事後的に判断する、いい悪いを決めるということではなく、事前の行政指導でありますとか、そのような不透明な指導を行政が行っている。そういう問題がこういう数字となって出てきているところがあると思うのですね。 ですからこれは、きょうは制度的に具体的な話としての質問をしているわけでありますけれども、背景には、そういう行政全体の行政改革ですとか政治のあり方の政治改革、そういった中には司法のあり方も含めた改革も進めていかなければならないのだと思います。 また、制度面にもう一度議論を戻しますけれども、昭和二十二年に国会予備金に関する法律というものが制定されております。また、裁判所についても同様の法律がございます。この両者につきまして官房長官は御存じか、また御存じであれば、どういう趣旨のものであるか、質問したいと思います。
○寺澤政府委員 制度問題でございますので、まず私の方から制度の説明をさせていただきたいと思います。 先生御指摘の国会予備金に関する法律、昭和二十二年に制定されておりますけれども、これは国会法第三十二条におきまして、国会の両議院の経費は国の予算にこれを計上しなければならないという規定の後に「前項の経費中には、予備金を設けることを要する。」と定められております。これに基づきまして、国会の予算につきましては、内閣のもとにございます行政機関とは異なり、独自の予備金を設けることとされておりますけれども、この趣旨は国会の独立性に由来するものと理解しております。国会予備金に関する法律は、このような趣旨のもとで、国会予備金の管理、支出につき定めているものでございます。 裁判所の予備金につきましても同様でございます。
○村岡国務大臣 今事務当局から説明がありまして、私は、議長をやったことないものですから、予備金があるのを初めて知りまして、今の説明を聞いておりました。国会及び裁判所の予測し得ない予算の不足を補い、また、予算外に生じた必要の費用に充てるために計上をされたものと。ちなみに、衆議院七百万、参議院五百万円、裁判所八百万円、こういうふうに聞いております。
○達増分科員 今の法律について言及いたしまして、また質問いたしましたのは、この法律が、立法、司法の独立、国会と裁判所の独立というものが予算上の理由からも制約されてはならない、そういう趣旨を体現している、そういう法律だからということで、その例として挙げたわけでございます。 したがって、そういう立法、司法の独立というもの、これは予算の総額、あるいはその査定の過程で容易に行政の側からコントロールを及ぼそうと思えばできるのだけれども、そういうことをしてはならないという、そういうのを趣旨として、予備金という限られたものについての規定でありますけれども、そういう趣旨を体現したものであると思うわけですけれども、この点、いかがでしょうか。
○村岡国務大臣 国会とか裁判所の独立性ということを強調しているお話だと思いますが、先ほども申し上げましたように、今、七百万だの、五百万だの、八百万だの、こういうことでございますが、私も議運の理事もいたしておりまして、例えば衆議院議長がこれらの使用については議運の理事と相談をするとか、しているかどうかわかりませんけれども、そういう中にあって、予備金が足りないというようなこともまだ聞いたことございませんし、それは話し合って決めているものと了承いたしております。
○達増分科員 予備金の問題もでございますし、また、国会、そして裁判所の予算全体もなんですけれども、もっと国会側あるいは裁判所の側から主体的に自由に予算を編成してそれを使えるような体制になっていくことが重要だと思うのですね。 その際に、先ほど財政当局の方から詳しい説明があったのですけれども、概算要求の後の査定の段階で、調整という形で、財政当局の方から国会、裁判所側の方にかなり細かいところまで一種指導が入るような体制になっている。こういう状態というのが、結局は、予算という手段を使って立法、司法の権限を行政府の側が実質的に侵害しているということになると思うのですけれども、この点、いかがでございましょうか。
○村岡国務大臣 予算というものの権限を使用して、行政が、国会並びに裁判所へ圧力をかけているか制限している、こういうお話でございますが、逆に、自由にひとつ予算請求したら、それを認めろ、こういうことでございますが、例えば裁判所を一つつくるとか、建物にしても、世間一般の常識としては十億円程度のものを、それじゃ三十億も要求したらそのまま認めるのか、これはなかなかやはりそうはいかないのだろう。 ただ、先ほど先生言ったように、立法府は立法するのだ、だからその職員とかいろいろな費用等、それは行政の方で相当やっているというお話は、そういう事情が出てくれば、要求すれば出てくるものだ、こう思っておりまして、裁判所なり国会なりが思い切ったことをどんどんやると、これまた国のお金でございますから、これは当たらない。 ただ、国会でも、あるいは裁判所でも、ぜひ必要だ、あるいは裁判官をふやさなきゃいけない、検察官をふやさなきゃいけない、そういうようなものは、出されてくれば、必要性を認めて、その予算の増額というものはしていかなきゃならないのじゃないか、そう思っております。
○達増分科員 私が今からこの後質問していこうと思った内容について既に答えをいただいたような格好になったわけでございますけれども、官房長官、最後に、もしそういう要求があれば、それについてこたえていかなければならないということで、そういう前向きな考え方というものは……(村岡国務大臣「正当な要求であればね」と呼ぶ)正当な要求であれば。そういう前向きな考え方。そういう積極的な国会側、裁判所側のイニシアチブがきちっと通じる、生きる、そういう予算編成の制度であること、そしてまた、運用もそのような方向性であることを期待いたしますし、そうでなければならないと思うわけであります。 途中にも申し上げましたけれども、これからの日本の国のあり方を考えていく場合に、やはり国会、そして裁判所の活動というものをもっと広げていき、立法作業、それに伴う調査活動等々、今まで役人任せにしてきたようなことも国会の場でやっていく必要があると思います。また、市場のルールですとか社会のルールにつきましても、行政が事前に指導して管理していくというようなやり方ではなくて、やはりそこは自由な中で、明確なルールに従って事後的にきちっと裁くべきものは裁き、結論が出る、そういう形に持っていくことで、二十一世紀の日本、活力のある、責任ある、個人が主役となる、そういう社会になっていくのだと思います。 そういう必要性につきまして指摘して、まだ若干時間はございますけれども、私の質問をこれで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○河村(建)主査代理 これにて達増拓也君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして内閣についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○河村(建)主査代理 次に、科学技術庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木秀典君。
○佐々木(秀)分科員 佐々木秀典でございます。 谷垣長官、きょうは御苦労さまでございます。 私は、北海道の出身でございまして、ただいまの選挙区は北海道の旭川市、北海道六区でございます。それまでは現在の北海道七区、いわゆる道北地域全域も私の選挙区でございました。 この道北の地域に幌延町という町がございます。道北の町はどこも過疎にあえいで、何とか地域の振興を図ろうといろいろな努力をしているわけですけれども、そういうことと絡めてであろうと思いますけれども、実は、一九八一年、今から十七年も前になりましょうか、一月に幌延町議会が原子力関連の施設を誘致したいという決定をいたしました。いわゆる地域振興の苦肉の策としてだったろうと思います。 次いで、翌年の三月に幌延町は低レベル放射性廃棄物貯蔵施設の誘致を表明し、そしてまた、翌年の四月には同町が高レベル放射性廃棄物貯蔵施設の誘致に転換をする。一方、この事業主体であります動燃が貯蔵工学センターの概要を発表いたしました。そして、八五年の六月に動燃は北海道に立地環境の調査を申し入れました。ここからいわゆる幌延での原発廃棄物の処分とその研究に関する施設の設置の問題が具体化してまいります。もう随分長い日がたちました。 しかし、この計画に対しては、北海道は大変慎重でありましたし、また、幌延町を除く周辺の町や村なども、どちらかというと強い懸念あるいは反対の意思を表明してまいりました。また、八五年の六月に動燃が道に立地環境調査を申し入れまして、これに対しては、当時の北海道知事の横路孝弘さん、今私どもとともに同僚の国会議員、衆議院議員をやっておりますけれども、この横路知事が、動燃と科学技術庁に対して、この調査を受け入れることはできないという拒否の回答をいたしました。 ところが、その年の十一月に、動燃は幌延に事務所を設置し、そして立地環境調査に強行着手をした。ここで、現場で反対の人たちとの相当激しい抗争が持ち上がりました。これは、私ども北海道民にとっては大変不幸なことでございました。 そして、この廃棄物持ち込みということに反対をする方々が、これまで、もうどのぐらいになるか回数がわからないぐらい、動燃に対しても科学技術庁に対しても、この計画をやめてもらいたいという要請行動なども行ってきたところでございました。 一方、横路知事はおやめになりまして、一九九五年の四月に堀達也知事が新しい知事に御就任になりましたけれども、そのときにも、知事は公約として、この計画についての見直しと申しますか、これは白紙に戻すということを考えてもらいたい、これを実現したいということを公約にして選挙に臨まれて当選されたという経緯もございました。 こういうことは本当に残念なことでもございましたし、不幸なことでもあったわけですけれども、長いこうした好ましからざる時間が今日まで続いてきたということでございます。 今般、科学技術庁は、去る二月二十六日、北海道知事に対して、この幌延の施設、いわゆる貯蔵工学センターの計画について、現在の計画を取りやめて、新たな提案として深地層試験を推進したいという旨の申し入れをしたわけであります。この内容についてはその後にお伺いするとしまして、これは、ある意味ではこれまでの動燃あるいは科学技術庁としてのいわゆる原子力行政、それに伴う廃棄物処理に関する行政、研究も含めてですけれども、これを大転換するものと受けとめられておるわけです。 内容の問題は後でお聞きしますが、まず、従来の方針が変更されるに至った理由といいますか経緯といいますか、事情などについても科技庁長官から御説明をいただきたいと思います。 なお、言つけ加えておきますけれども、先ほど来申し上げましたように、北海道の方々から、主として反対運動をされている方々からの申し入れ、要請行動がずっと続いてきたわけですけれども、私も何度かこれに同行したことがございますが、昨年の要請行動のときに、動燃の近藤理事長から、従来のこの幌延問題に対する動燃の対応の仕方について、住民の皆様などを含めて、その対応に行き届かないところがあった、あるいは大変申しわけない点があった、これは出発点での、先ほど言った八五年の十一月のことを含めておっしゃっておられる。そして、それに対して遺憾の意というか、謝罪の意の表明がございました。科技庁におきましても、原子力局長から同旨の御発言があって、このことについては初めてそういう遺憾の意の表明、謝罪の意ともとれるような御発言があったということで、この点については、要請の方々も、ある意味で今までにないことだという評価を加えておられたということもございました。 そのことをつけ加えながら、先ほどのことについて長官の御説明をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、佐々木先生からお尋ねのございました幌延町につきましては、昭和五十九年に貯蔵工学センターを幌延町につくりたいという計画を発表したわけでございますが、それからもう十数年経過しておりまして、今、佐々木先生がお触れになりましたように、ぜひっくりたいというお声もあったわけでありますけれども、いや、これには問題があるというお声もあり、さまざまな経過があったと承知しております。 今お触れになりましたように、我が方の対応としても至らぬ点もあったのではないか、こんなふうにも思っております。いずれにいたしましても、計画は発表いたしましたけれども、はかばかしく進捗しない、道民の大方の御理解を得て進むという状況には至っていなかったということは事実でございます。 それで、最近になりまして動燃で一連の問題がございました。そういう中で、動燃も抜本的に改革して改組しなければならないということになってまいりました。現に、この国会でも新しい動燃の改組の法案の御審議をお願いしているわけでありますけれども、その動燃の抜本的な改革という動きが出てまいりました。 それと同時に、高レベル放射性廃棄物の処分につきましても、十数年前とは大分状況も変わってまいりまして、いろいろな取り組みが起こってきたというようなことがございます。 そういう状況を踏まえまして、私どもとしても、この幌延町について、発表した計画が当初と状況が大分変わってきている、こんなふうに感じていたわけであります。 そこで、ことしになりまして、先ほどお触れになりました二月二十六日でございますけれども、私どもの加藤原子力局長の名前で北海道知事に対しましてお申し入れをさせていただきました。 大要は、先生がお触れになりましたように、一つは、貯蔵工学センター計画を取りやめて、新たな提案として北海道幌延町における深地層試験を早急に推進したいということ、もう一つは、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵ということにつきましては、廃棄物政策上その必要性には変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めなければならないが、全国的な見地という考え方も十分に踏まえて取り組みたい、こういう考え方、二点でございますが、お申し入れをしたところでございます。 この申し入れをしましたときに、堀知事からも、国や動燃に対するこれまでの申し入れに対して、国の基本的な考え方がここで示されたと思う、今後申し入れの具体的な内容について検討したいから、詳細な資料等について提供をお願いするという御発言もございました。 私としては、長い間のいろいろな経緯がございます、それから諸情勢の変化もございます、こういうことを正面から真摯に受けとめまして、地元あるいは北海道の方々とのコミュニケーションも十分に図りながら、今回の新たな申し入れでございますが、これについて御理解とまた御信頼をいただいて進められるように努力をしてまいりたい、こんなふうに思っております。
○佐々木(秀)分科員 今長官からお話がありましたように、去る二月二十六日に、お話のように、科技庁の加藤原子力局長から北海道の堀知事あてに提案が新しくなされたということは、私どもも承知をしております。 ところで、この申し入れば書面によって行われておりまして、私どももそれを拝見しております。この中では、前段でいろいろな情勢を話しておられて、それは今長官から御説明があったこととも符合するのだと思いますが、結論の部分では、要は、さきの貯蔵工学センター計画を取りやめて新たな提案として深地層試験を早急に推進したいと考えています、こういうことなわけですね。「先の貯蔵工学センター計画を取り止めて」、こうなっておるわけです。 ところが、これについて記者会見があったようでございますけれども、その際に、加藤局長の御発言がちょっと歯切れが悪かったというか、どうも私は、大体お役所やお役人さんというのはいろいろなことを考える余り、時々すぱっと物を言わないことがあって、物事を非常に複雑にしているという弊があるのではないかとは思うのですけれども。 報道によりますと、特に地元の北海道新聞などによりますと、加藤局長がこの申し入れに関する記者会見で、恐らく記者さんからの質問に答えてだと思いますけれども、これは白紙撤回なのかという御質問があったのじゃないかと思いますけれども、それに対して「白紙撤回とは考えていない」、具体的には「白紙撤回というと全部原点に戻るという意味だが、過去の蓄積に立った上で、方針を変えて提案した」とも発言されておるということで、これは完全に白紙に戻すということにならないのじゃないか。少なくとも白紙撤回ではないのじゃないか。 ということは、もう少しこれをうがって考えると、核廃棄物の中間貯蔵施設の将来的な立地にも含みが残るのじゃないかというように受け取られる向きがあったのですね。 これに対して、道側としても大変に懸念をしておりまして、一体どうなのだろうかというように述べておられるわけです。具体的には、例えば北海道の真田副知事などが、白紙撤回について疑義が生じたと考えている、これについて改めて確認をしなければ先に進めないというような御発言もされているわけですね。 このことについて、翌二十七日、長官は記者会見をされたのでしょうか、その際の御発言として、科学技術庁としては取りやめて新しい提案をするという重い決断をしたのだ、白紙撤回かと問われると、事実上白紙撤回ととらえて構わないという御発言があったというのですけれども、どうもこれをめぐっても、なお胸にすとんと落ちないという思いがするわけです。 なるほどこの幌延計画というのは二つの内容が含まれていたのでしょうね。一つは深地層の試験ということ、そしてもう一つが廃棄物の、しかも高レベル廃棄物についての中間貯蔵ないしは最終処分ということまで一応頭の中に入れておられた計画だったと思うのですね。 それで、貯蔵の方については取りやめるけれども、従来の計画の中に入っている深地層研究というのは残るのだというようなお考えがあるのかとも思うのですけれども、しかし、長官のお話のように、とにかく今までのこの計画はないものにする、白紙に戻す、その上で全く新しい提案としてこの深地層の研究ということを出すんだ、こういうことになるわけですね。 また、長官がおっしゃるように、この事業体というのは動燃であったわけですけれども、その動燃が昨年は本当にいろいろなことがあった。数年前の「もんじゅ」の事故、そして、その後の始末、報告の問題。去年は、私も科学技術委員会の委員をやっていましたけれども、三月十一日だったでしょうか、例のあの事故を初めとして、一連の事故が相次いだ。しかも、事故処理の問題、報告にいろいろな作為があったとか虚偽があったとかで大問題になった。 そこで、動燃はこのままでやらしておけない、解体的な改革をしなければいけないということで、先ほど御説明があったように、新たな事業体に改組をするという法案も準備されているわけですね。これも時間がありましたら後でお聞きしたいと思いますけれども。 ということになると、この事業主体だってどうなるかわからない。そうすると、これからの新提案というものが新たな事業主体のもとで始まるというわけだから、これは今までの継続ということにはならぬと思うのです。あるいは似ているところがあったとしても、それは似て非なるものだと思うのですね。そういう意味では、私は、そうだとすれば、みんなが本当に納得できるように、すぱっと本当にわかりやすくその決断を、そして真意をお示しになることが大事なことじゃないかと思うのですね。 ちなみに、どうも日本語というのはなかなか難しいところもあって、いろいろなニュアンスがあると言われていますけれども、言葉が誤解を招くこともある。そして、無用の混乱を招くこともあるわけですけれども、この際ですから、長官の口からはっきり言ってもらいたいのですが、私の調べたところによりますと、例えば広辞苑で「白紙に戻す」というのは、「これまでのことをなかったことにして、最初の状態に戻す。出発点に立ち戻る。」こういうことだと思うのですが、こういうとらまえ方でいいのでしょうね、このことをひとつしっかりおっしゃってください。
○谷垣国務大臣 二月二十六日のお申し入れば、先生のおっしゃったように文書でお申し入れをさせていただいたわけでありますが、その真意をめぐってその後いろいろな御議論があったということは私も承知をしておりまして、いささか明快を欠くところがあるいはあったのかな、こう思っております。 今、先生、広辞苑をお引きになって、今回の、白紙に戻すものであるかどうかということでございますけれども、私としましては、これは、その中にいろいろな方の賛成、反対、いろいろな思いがあったと思いますが、そういう長い経緯があって、その上で、当庁としてさきの計画を取りやめるという決断、これはなかなか重い決断であったと、当事者の立場でございますけれども、あえて申し上げたいと思います。 先生、今明らかにせよとおっしゃいましたが、結果として前の計画がなくなった状態になっているということでありますから、これは貯蔵工学センター計画を事実上白紙に戻したものだというふうに私は考えております。考えていると言うと、何だ、おまえだけが考えているのかということになりますから、事実上白紙に戻したものであると言い切らしていただきたいと思います。
○佐々木(秀)分科員 しっかりと白紙に戻したんだと受けとめさせていただきます。長官のお口から、行政庁の最高責任者からお聞きしたわけですから。 何にしても事業主体である動燃がないのですから、原子力行政あるいは廃棄物の処理を含めての行政の監督官庁であり、その行政を進める責任官庁が科学技術庁だということでこのお話をなすったのだろうと思いますけれども、今後、状況のいかんによりますけれども、新たな提案がなされる事業主体がまだはっきりしていないわけですから、この動燃にかわる組織がどうなるかということについては、これから私どももしっかりまた議論をさせていただきたいと思っております。 何にいたしましても、今までの計画というのはないことになったのだ。白紙というのは、真っさらなのですから、何も書いてないことなのですから。その上での新しい提案を、それが確認された上で、さらに御提案があった場合には北海道としても前向きに真剣に考えることになる、こういうことになるのだろうと思うのですね。 その場合に、もう一つ確認をしておかなければならないのは、新たな提案での深地層研究というのは核のいわゆる持ち込みですね。核廃棄物の貯蔵なんということは考えていないし、もちろんその研究についても核の持ち込みというものとは切り離されている、核の持ち込みはないのだ、これも断言できるのでしょうか。
○加藤(康)政府委員 深地層試験施設には再処理工場の廃棄物は持ち込みません。
○佐々木(秀)分科員 そういう廃棄物がなくても研究はできるのですか。
○加藤(康)政府委員 今回の深地層研究所は、地層の研究をする、岩石の性質とか、そういうところを水がどのように流れているかとか。そういうことをして、そういう地層に将来処分場をつくった場合の安全性を確認するための必要なデータを出す。だから、地層の研究でございますので、廃棄物を持ち込まなくてもできるところをやらせていただきます。
○佐々木(秀)分科員 これは、後日新たな御提案が出されるような状況になって、その御提案があったときにまた考える、検討させていただくということになるのだろうと思いますので、きょうは、とにもかくにも、まずその大前提として、今までの計画というものは白紙に戻されたのだということの確認を私はさせていただいた次第でございました。 ただ、私どもとしては、原発にエネルギーの多くを頼るということは余り好ましいことではない。ヨーロッパの各国、日本よりも原発先進国と言われるような国々でも、最近は安全性を含めた問題で原子力行政についてはいろいろな見直し、消極の見直しがかかっているようにも聞いておるのですけれども、しかし、実際に我が国においても原発が稼働しておって、相当なエネルギー源になっているということを考えると、廃棄物の処分の研究というのは確かに必要だし、どこかで何らかのことをやらなければならないとは思うのですけれども、今後、政府はこの研究開発への取り組みというのをどんな方針、どんな方向でやられるおつもりなのか、これをお聞きしておきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 御指摘のように、高レベル放射性廃棄物の処分の問題は、これから原子力発電を進めるために非常に重要な、しかも一番難しい問題と認識しております。 したがいまして、この問題につきましては、従来から原子力委員会におきまして、処分の技術的な側面と社会経済的な側面の二つに分けまして審議を行っておりますが、その審議を加速しているところでございます。特に、処分事業の実施体制につきましては、実施主体、事業資金の確保の問題、処分地選定のプロセス、そういう具体策を取りまとめまして、それにつきまして国民の皆様の意見を聞くために全国五カ所でいろいろな会合を開いたところでございまして、問もなく原子力委員会の意見もまとまるかと思っております。 それから、御質問の研究開発の方でございますが、一つは、動燃、原研、通産省の地質調査所あるいは大学等、そういう研究機関が二〇〇〇年の前までに技術報告書、これは第二次取りまとめと言っておりますが、その案を作成しまして、ことしじゅうに公表し、国際的な意見も聞きまして、そういう取りまとめをまとめる予定にしております。 それから、研究面では、動燃事業団東海事業所の地層処分の基盤研究施設、これは平成五年にできておりますが、この研究室で、深地層を模擬しまして、地下水とか岩石の挙動を研究しているわけでございます。 それから、ことしから、実際に放射性廃棄物が深地層の中でどのように移動するか、そういうことを研究するために、これは先ほど申しましたように、現地には持ち込めませんので、東海の研究室にそういう施設をつくりまして、実際に放射性物質がどう動くかを研究する、そういう施設を現在つくり始めております。来年から本格的な研究が始まる予定でございます。 それから、深地層の研究につきましては、二カ所を予定しております。一つは岐阜県の瑞浪市に、これは平成七年からいろいろと進めておりますが、こちらは花嵐岩と淡水、そういう点に着目した研究をさせていただきたいと思っております。また、幌延町におきましても、深地層研究では、日本は花山岡岩と堆積岩の二種類ございますので、堆積岩系と、あそこは塩水が地下にあるようでございますから塩水の関係の研究、そういうものを実施したいと考えている次第でございます。 いずれにしましても、処分に関します研究開発は加速していかなければいけないと思っておりますし、二〇〇〇年を目途に処分事業の実施主体を設立するなど、政府一体となって全力で取り組んでいきたいと考えている次第でございます。
○佐々木(秀)分科員 時間がそろそろまいりましたので終わりたいと思いますけれども、文書でもそうですし、会見での発言でもやはり気にする人は気にするようなことがあったと思うのです。 例えば、今の研究所の設置についても、地元の方々の御理解を得ながらと言っているわけですから、こことここに決めてやるというのではなくて、全国的な見地に立つというのだったら、本当に真っさらの状態で、ただし、ずっとこういうところが適地じゃないかとピックアップしていくのはあるのでしょうけれども、しかし、それについても地元の十分な御協議と御理解と御同意がなければならないわけですから、決めて押しつけるというやり方だけは絶対にやめてもらいたいと思うのですね。 幌延の場合には、今までそれだったのですよ。幌延ありきだったのです。これでは全国的な見地でということにはならぬわけです。 それから、今加藤局長が御発言されましたけれども、この間の提案についても、加藤局長の記者会見が実は物議を醸しているわけです。長官がきょうは白紙に戻すことについて明言なさったわけですけれども、またこういう官僚の方々の発言でその真意がゆがめられたり、ゆがめてというか、故意にゆがめなくても、いろいろな誤解を招くようなことになったら、これは画竜点睛を欠くことになるわけですよ。そんなことのないように、長官、監督者なのですから、十分に官僚の皆さんを監督し、そのことは慎重であるように努めていただきたいと思うのです。
○谷垣国務大臣 今佐々木先生からいろいろ御指摘もいただき、また当庁の行政の進め方についておしかりもいただいたわけでありますけれども、いずれにせよ、今のこういう情勢の中で原子力政策を進めていくためには、一番大事なことは、やはり国民の御理解をいただく、それぞれの地域、地元での御理解をいただく、このことを欠いては原子力政策はもう一回国民の信頼を取り戻すことはできないと思いますし、動燃改革も成功しないと思っております。 今先生から御指摘いただいた点は、我々も十分注意して進んでまいりたい、このように思っております。
○佐々木(秀)分科員 時間でございますので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○河村(建)主査代理 これにて佐々木秀典君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島分科員 日本共産党の木島日出夫でございます。 私は、原子力発電所の安全対策を中心に、幾つかのテーマについてお聞きしたいと思うのです。 最初に、一昨日、財団法人放射線影響協会が実施した低レベル放射線の疫学調査で、北海道の泊原発二号機分のようでありますが、作業員七百二十六人分の調査票、データが紛失してしまったということが明らかにされました。なぜこんなことが起きるのか、紛失事故のてんまつと今後の対策をどうするのか、報告願いたい。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 今回御報告申し上げなければいけないことは、私ども、低線量、低いレベルの放射線の影響について、財団法人でございます放射線影響協会に委託しまして、疫学的な調査としまして平成二年度から実施しております。 今回、この調査の一環として、調査の信頼性を一層高めるという観点から、作業従事者の方がたばこを吸うかどうかとか、あるいはお酒を飲むかどうか、そういったことを調査しているわけでございます。昨年の秋から各原子力施設の従事者に対してそういうアンケート調査をしておりまして、今回紛失した調査票は、北海道の泊発電所で記入されたものの一部、七百二十六人分でございました。 当庁では、先週金曜日に本件について連絡を受けたわけでございますけれども、大事なデータでございますから、この協会に対しましては引き続きしっかり探してくれといった指示をしてまいりました。しかしながら、火曜日に至りまして、このアンケート集計業務の委託先におきまして、誤って廃棄書類に混入して焼却されたものと判断される旨の報告があった次第でございます。 このようなことが起こりまして、特にこれは多くの方にアンケート調査に記入させる等の負担もおかけしているわけでございますし、御協力いただいた方々には大変申しわけないことで、私ども、おわび申し上げる次第でございます。 今後、この調査はまだ途中でございますが、調査の実施に当たりましては、情報管理、こういったことは徹底いたしまして、二度とこのような事態が起きないように努めてまいる所存でございます。
○木島分科員 全然具体的じゃないので、どこが発注して、どこが委託を受けて、委託からさらに下へ行ったのか、どこでどうなくしたのか、紛失したのか、燃えてしまったというようなマスコミ報道もありますが、やはり具体的に報告してくださいよ。ごまかしてはだめですよ。
○池田政府委員 今回の調査の仕組みについて御説明申し上げます。 私どもの責任で行っている事業でございますけれども、これは財団法人の放射線影響協会に委託をしております。この協会が、実際に調査票の作成でございますとか調査票の配付につきましては株式会社三菱総合研究所に委託をしているわけでございます。しかしながら、実際に、アンケート票、相当多くの数に上るわけでございますけれども、これの印刷でございますとか発送、こういったことにつきましては株式会社サーベイリサーチセンターという組織に委託をしておりました。 今回北海道から送られてきたものの七百二十六通は、この株式会社サーベイリサーチセンターに届いた段階で、そこまでは確認してございますけれども、そこで紛失したということでございます。ちょうど昨年の十二月でございましたから、この集計したものが、ちょうどこの組織で年末の大掃除、そういったことの中に紛れて紛失し、ごみと一緒に焼却されたものということで、現在そこまでは見きわめたところでございます。
○木島分科員 原発にかかわる労働者の被曝問題というのは非常に大きなテーマであります。その対策のために行われた調査票が、何か下請、孫請の会社の年末の大掃除のごみと一緒に焼却されたかもしらぬ、とんでもないことだと思うのですよ。 長官、厳正に調査して、しっかりした処分をするように求めたいと思いますが、どうですか、一言。
○谷垣国務大臣 これは、私どもも大変残念なことだと思っております。 今局長が答弁申し上げましたように、大勢の方々を煩わせましてこういう調査に協力をしていただいた。こういうことが二度とないようにきちっと配慮してまいりたい、このように思っております。
○木島分科員 しっかり調査してしかるべき処分をやって、二度とこんなことがないように取り計らわれることを要望し、見守っていきたいと思うのです。 次に、緊急時対策の一つの重要な観点である沃素剤の配備問題についてお聞きをしたいと思うのです。 原発立地自治体住民の非常に強い要望の一つに、沃素剤の配備があるのです。沃素剤整備に関しては、原子力安全委員会でつくった防災指針に一定のことが書き込まれておりますが、それによりますと、対象地域が原発施設から十キロ圏内としているのですね。そのため、例えば私の北陸信越の中の福井県の敦賀市などでは、人口の二二%分しか保管されないわけです。そのため、市内を含む近隣自治体住民からも非常に大きな不安の声が強まっているわけであります。 もっとこれを拡大してもらいたいというのが質問の趣旨でありますが、例えば、旧ソ連のチェルノブイルの教訓などもぜひ参考にしてもらいたい。チェルノブイルの事故のときには、住民の移動が必要とされる一平方キロメートル当たり四十キュリーの高汚染地域は、何と原発から二百ないし三百キロの距離までまだら状に分布しているわけであります。大変なことであります。 九〇年に日本科学者会議を中心とするチェルノブイリ原発事故被災者救援調査団がベラルーシを訪れたときに、地元の担当者からも、沃素剤投与をやったが遅過ぎた、最初の数時間が勝負だった。事故発生五日後になって初めて投与したが、その結果、ロシア、ベラルーシ、ウクライナにある五つの医療センターによる九一年から九四年にかけての約八万五千人の子供の調査では、甲状腺がんの発生率が〇・〇四%で、日本の百倍になっておる。汚染地域の中心では四百倍もの高率になっておる。こういう調査結果もあるわけでありますから、何とも、日本の防災指針の十キロ圏内だけに配備する、これでは全然だめだと思うわけであります。 まず、その点についての改善方をお願いしたいと思うのですが、科技庁、どうでしょう。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から、沃素剤の配付の距離についての御指摘がございました。 沃素剤配付も原子力施設の防災対策の一環でございまして、そもそもこういう施策を講じますときに、私ども、原子力安全委員会におきまして指針を定めております。技術的な側面に加えまして、その当該地域の人口分布ですとか、あるいは行政区画、地勢でございますとか地域に固有の特徴、それから、いろいろ災害応急対策を実施するわけでございますけれども、この実効性等を検討する場合に、原子力発電所等を中心としまして半径が八キロないし十キロの地域が提案されてございます。そうした観点から、この沃素剤の配付対象地域につきましても、同様に八キロないし十キロ圏内に措置させていただいているところでございます。
○木島分科員 全然だめだと思うのですね。現に、シビアアクシデントが起こったソ連のチェルノブイルで、百キロ、二百キロ圏でもう人が住めない状態が現にあるわけですよ。日本の沃素剤配備十キロ圏、これでは全然だめなんですね。 しかも、沃素剤がどういう配備状況になっているかというと、ほとんどの地方自治体で保健所に一括管理です。保健所にのみ一括管理させているのですよ。もし重大事故が起きたときには、全部交通網は遮断されるでしょう。一体だれが保健所からその沃素剤を取り出して各戸に配付するのですか。こんなのは全然だめですよ。 本来なら、緊急時対応できるように各家庭に配備すべきではないのですか。スイスでは、半径四キロ以内では各家庭に配付されているとお聞きをしております。十キロ圏を外してもっと広範囲にまできちっと配備すること、そういう近間なところには各家庭に配備すること、少なくとも保健所だけなんということはやめて、医療機関、学校、保育所など、しかるべきところに分散配置する、そのくらいはやるべきじゃないのでしょうか。 本当に今の科技庁の態度は国民の安全というのを歯牙にもかけていない、そういう態度に思えてなりません。改善方お願いしたい。科技庁長官、どうですか。
○谷垣国務大臣 率直に申し上げて、今安全局長からお答えをした以上のことを今私は申し上げる用意はございません。 ただ、やはり私どもも実効性ということを考えなければなりません。今局長から御答弁申し上げたように、沃素剤の副作用とか、あるいはそれを服用する場合のいろいろな医学的な問題等も一方に頭に置かなければなりませんし、また自治体がどうお考えかというようなことも頭に置いて考えなければなりませんし、今後問題意識として絶えずいろいろ念頭には置いておきたい、このように思っております。
○木島分科員 副作用なんというようなことを言って配備を抑えようとしている。本当に私は本末転倒だと思うのですよ。原発が立地している地域住民は本当に一生懸命、真剣に考えていますよ。こういう沃素剤が各家庭に配備され、あるいは近間な関係機関に配備されて、それでそれを乱用されるなんということ、そんな心配をして配備をやらせないようにしている。いざというときに全然使い物にならないじゃないですか。何でそういう地域住民を信頼できないのですか、副作用なんというようなことだけを強調して。私はその姿勢を変えてもらわなきゃいかぬと思うのです。どうですか。変わりませんか、長官。
○谷垣国務大臣 何度も立たせていただいたからといって前と違う御答弁をするわけにはいかないのでございますけれども、御指摘の点は頭に置いて、今後も、何というのでしょうか、全く頭の中から抜けているということは申し上げるつもりはございません。
○木島分科員 何か一歩見直しの方向に顔が向いた、そういう答弁だと理解をし、本当に抜本的にこれは見直して、地域住民がそういう要望でありますから、受けとめていただきたいと思います。次に、駆け足でありますが、敦賀にある高速増殖炉「もんじゅ」の事故に絡んで、運転再開の抜本的見直しをやってもらいたい、運転再開の動きもあるようでありますが、これはやめてもらいたいということを中心に要望したいと思うのですが、その前に、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事件の事故調査体制について一点質問しておきたいと思います。 今この重大事故の調査体制として、科学技術庁の内部に特別作業班、タスクフォースというのですか、これがあります。また、原子力安全委員会の中にもワーキンググループというのがつくられまして事故調査をやっておられるようでございますが、その調査メンバーの中に「もんじゅ」の安全審査を担当した人物が入っておるとお聞きいたしております。一体タスクフォースなりワーキンググループなりは、調査員は何人で、そのうち「もんじゅ」の安全審査そのものに携わった人が何人占めているのか、まず数字を明らかにしてもらいたい。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 科学技術庁のタスクフォース、メンバー十二名につきましては、そのうち四名が「もんじゅ」の設置許可に関する安全審査に加わっておりました。安全委員会の方のワーキンググループ、これはワーキンググループと安全委員が会合ごとに一緒に作業してございましたけれども、これは十六名のうちの四名が当時の安全審査に加わったことがございます。
○木島分科員 御案内のように、「もんじゅ」のナトリウム漏えい、これは漏えいだけじゃなくて漏えい火災事故なんですが、温度計の折損、そこからナトリウムが噴き出した、こういう大変な事故だったわけなんです。ですから、当然この重大事故の事故調査は、そもそも「もんじゅ」の安全審査がまともにやられていたかどうか、そこまで踏み込んで立ち入って審査がなされなければ、まともな事故調査にならぬわけですよ。 しかし、実際に、今お聞きしたように、タスクフォースでは十二人の調査員のうち四名が安全審査に携わった人間だ、ワーキンググループも十六人のうち四名が安全審査に携わった人間が占めておる。大体、自分が安全審査に携わった、その安全審査がいいかどうかが問われているその事故調査を自分がやれるでしょうか。やれるはずないですよ。判断は善意に見ても甘くなるか、普通に考えれば、そもそもの「もんじゅ」の安全審査の部分は、安全審査がまともだったかどうかはもう調査から外せ、外してしまうというような観点に立つのは当たり前じゃないですか。 こんな人員構成で、あの「もんじゅ」のナトリウム火災漏えい事故という重大事故の事故調査がまともにできるはずがありません。どうですか、大臣。そう思いませんか。そして、こういう人物は外してこそ本当の事故調査になるのじゃないのでしょうか。私は常識的な当然のことを聞いているつもりなんで、大臣の御所見を。
○谷垣国務大臣 私は、今回の事故調査は適切に行っていただいたと思っております。きちっと原因を解明していただいたというふうに思っておりますし、また今いろいろ、同じ人間でできるのかという御批判がございましたけれども、これは中身の検討は技術的なものなわけですね。それから、特別に動燃と利害関係があったという方が含まれているわけでもありません。それから、結論からいいましても、私は適切な御審理をいただいた、こういうふうに思っております。
○木島分科員 私は、事故直後早速現場に行って、つぶさに調査もしております。大体きょうは時間の制約もあって、科学技術委員会そのものでもありませんから、立ち入ったくはありませんが、温度計のさや管、あのさや管のつくり方なんて本当に折れてくださいと言わんばかりの構造ですよ。恐らく長官も御存じのとおりだ。くびれているのですよ。そのくびれたところから折れちゃったのですよ。何であんなものが「もんじゅ」の安全審査のときにパスしたのか、そういうところを何で安全審査でチェックできなかったのか、まさにそこが問われている事故だったのじゃないですか。 そんな人物が、みずからがした安全審査が不十分だったなんという事故調査は書けっこないのですよ。だから、今ここにも第三次報告なるものを持っていますけれども、そんな不十分な調査でよしとしたら到底地域住民の理解は得られないと思いますよ。こんな調査が続いたのじゃ、「もんじゅ」を再開させてくださいなんということをとても言えたものじゃないと思うのです。どうですか。
○池田政府委員 ただいま先生からは温度計の設計について御指摘がございました。これも安全審査の欠陥ではないかという御指摘がございましたけれども、なぜこういう温度計のさやについての設計がなされたかといったことにつきましては、これまで行政庁それから安全委員会の報告書におきましても、設計にミスがあったといったことについてはその事情を明らかにしてございます。 それに、これは安全審査と申しますよりも、「常陽」ではせっかく十八年もの安全な運転の実績がありながら、その経験を踏まえることができなかった、むしろ動燃事業団からメーカーに対しての発注のあり方、メーカーにおける設計においてのミスがあったといったことも報告書で明らかにしてございますけれども、これはむしろ詳細設計以降実際の設備をどうっくるかといったところに誤りがあったということでございまして、報告書でも以前に明らかにしてございますけれども、行政庁がみずからの設計工事方法においてチェックをする、あるいは検査をするといった対象に選ばなかった、むしろ、「常陽」の経験があるためにそこは動燃の自主保安に任せていたといったところに、今回の過ちが通ってしまったといったことに誤りがあったといったことも既に報告書で明らかにさせていただいたところでございます。
○木島分科員 逆の立場、観点から聞きたいのですが、なぜわざわざ事故調査委員会のメンバーに四人ずつも審査に携わった人を入れなければならないのか。なぜわざわざ入れなければならないのか。日本に科学者はたんといるでしょう。そこを答えてください。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 これはむしろ、こういう技術的、専門的な検討でございますけれども、多くの学識経験者が参加して議論いたしますときに、当時の安全審査の状況に精通された方が道案内役としても議論をスムーズに進めるために役立っていただくという意味で入っていただいたという事情にございます。
○木島分科員 安全審査に携わって精通した人だからこそ、私は、事故調査に影響を与えてしまう、だから公正な調査が曲げられてしまうという危惧をせざるを得ないのです。 私どもは事故直後から第三者機関による公正な徹底した調査を求め続けてきましたが、引き続き大臣には、私のきょうのこの質問の趣旨をよく受けとめて、今後の調査に配慮をしていただきたいと思います。 次に、「もんじゅ」の運転再開の問題について質問いたします。 何しろ今のような科学技術庁の態度ですから、こんな態度では、福井県民として、敦賀周辺の住民として、とても「もんじゅ」の運転再開なんて認められるものじゃないですよ。こういう態度をとっているのですからね。 どういう状況か。福井県民八十三万人のうち既に二十二万人が「もんじゅ」再開するな、こういう署名をして請願をしているのです。昨年十二月の地元新聞が行った現職の福井県議会議員の皆さんに対するアンケート調査によりましても、もう保守だ革新だ関係なく、七割の議員さんが運転再開に懸念を持っています。この地元の声を真正面から受けとめて運転再開はやめる、ここで長官から明確なる答弁を求めたいと思います。どうでしょうか。
○加藤(康)政府委員 高速増殖炉につきましては、昨年の十二月、原子力委員会の高速増殖炉懇談会で報告書が出されております。非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として実用化の可能性を追求する、そのためにも研究開発を進めることが妥当とされておりまして、「もんじゅ」もその研究開発の場の一つとして位置づけられているところでございます。また、先ほど御指摘ございましたように、原子力安全委員会におきましても、今般、再発防止策としての最終報告書を取りまとめまして、現在一般の方々からの意見の募集中でございます。 このように、「もんじゅ」に関連する種々の案件が段階を踏んで着実に進められてきているとは認識はしておりますが、現時点におきまして運転の再開について議論をする段階ではないとは考えております。 今後は、設置変更許可申請に基づきます国の安全審査によりまして、ナトリウム漏えいに係る安全性を確認していきたいと考えております。また、安全性総点検でも指摘されております運転マニュアル、品質保証等の安全審査の対象外の問題、それにつきましても、原子力安全委員会の決定等を踏まえながら安全性の確認を行っていくことになります。そうした上で、「もんじゅ」の安全性が確認された段階で、改めて運転再開などについて地元の了解を得ていく、そういうことが必要と考えております。 いずれにいたしましても、安全の確保を第一といたしまして、地元の方々と相談しながら、段階を踏んで着実に進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○木島分科員 現時点は安全性の点検の段階である、運転再開を検討する段階ではない、もしそういう段階になったら地元の了解が必要だと考えている。これは、地元の了解は基本的な前提だという今の御答弁を堅持してもらいたいと思います。 私は、安全性の点検をする以前の段階として、地元はこういう意見なんですから、もう今の段階でそういう検討は打ち切って、運転再開は永久にやめるという決断に向かって科学技術庁が方向を定められんことを、長官にお願いしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 「もんじゅ」の運転再開はこの時点でやめるようにという御指摘でございますが、先ほど原子力局長の御答弁の中でも申し上げておりますように、高速増殖炉をどう位置づけていくか、研究開発の場の一つとして「もんじゅ」を位置づけていくというのが私どもの方針でございます。 現段階において、先ほど局長から答弁いたしましたように、再開の時期を云々する状況ではない、また、安全性を点検しながら地元の御理解もいろいろ勘案していかなければならないということは当然のことでございますけれども、今、木島先生の御意見に直ちに、大変お言葉を返すようでございますけれども、わかったとは申し上げられないことでございます。
○木島分科員 研究開発の場の一つとして「もんじゅ」を位置づけていくという御答弁でありますが、先進五カ国、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの高速増殖炉の状況はどうか。 日本が追いつけ追い越せでモデルとしようとした、一番進んだ研究段階にあったフランスは、もう御案内のとおり、実証炉スーパーフェニックスは廃炉を決定しているのですよ。アメリカ、ドイツ、イギリスはそんな段階ではありませんが、既に明確に国家意思として高速増殖炉路線から撤退しているのですよ。先進五カ国のうち日本だけですよ。 もう時間も迫っておりますので、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカはなぜこの路線から撤退したのか、つまびらかに説明していただけますか。
○加藤(康)政府委員 まずアメリカでございますが、アメリカは、プルトニウムを商業的に使わない、そういう核不拡散政策がカーター政権時代に確立されまして、そのためにプルトニウムを利用する高速増殖炉の開発を途中でやめております。 それからイギリスでございますが、イギリスは、日本の「もんじゅ」に相当するPFRという二十五万キロワットの原子力発電所でございますが、それを二十年以上既に運転をしまして年数を経過いたしましたから、その成果を取りまとめて、いつでも次のステップに入れる、そういう状況で中止をしております。また、ヨーロッパ全体での商業用の研究には参加しております。 それからドイツでございますが、ドイツは州政府に許認可の権限がございまして、たまたま「もんじゅ」とほぼ同規模のものをつくっておりましたが、なかなかその許可がおりなくて、それで途中で断念しております。 それからフランスでございますが、フランスはまだFBRの開発路線を続けております。御指摘のスーパーフェニックスは百二十万キロワットという今の日本にある軽水炉と同じ規模の大きさの発電所でございますが、それは経済性という理由で中止いたしましたが、やはり「もんじゅ」と同じ規模の単なるフェニックスという原型炉、二十五万キロワットのものでございますが、これにつきましては、過去二十年ぐらい運転しておりまして、これが二十年たちましたので少し老朽化しておりますが、それを点検いたしまして、このたび再びそれを運転するということでございまして、フランスは引き続き続けていると承知しております。
○木島分科員 そんな答弁でありますが、実際上、先進五カ国のうち、日本を除く四カ国は、高速増殖炉路線というのは安全性の問題からも採算性の問題からも見通しが立たない、撤退の方向にかじを切っているのですよ。日本だけですよ、世界の中でおかしな潮流を歩もうとしているのは。 これまで高速増殖炉開発に一兆円もの血税が投入されているのです。今、日本の財政が大変な状況であることは御案内のとおりでしょう。これ以上ああいうところに投入するのがむだであるというのは常識ではないのでしょうか。この路線をきっぱりと断念して、高速増殖炉推進路線を転換し、そして、少なくとも地元住民が納得しない「もんじゅ」の運転再開だけはきっぱりとやめてもらいたいということを強く科学技術庁長官に要望して、時間ですから、終わります。
○河村(建)主査代理 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。 次に、桑原豊君。
○桑原分科員 民友連の桑原でございます。 私の方からは、原子力災害、あってはならないことなのですけれども、万が一に備えてどうすべきか、そういう問題で少し御質問をしたいと思います。 一昨年、今お話がございました「もんじゅ」の事故がございました。昨年は、東海村の事業所での爆発事故、そしてまた人形峠の排水処理の問題も問われておったわけでございまして、そういった動燃関連の事故が相次いで、私もその都度行って、見てまいりましたけれども、そういったことの反省の中から、動燃の抜本的な、ある意味では解体的な改革といいますか、出直し改革が求められておりまして、動燃法の改正がこれから議論されようということでございます。 また、いろいろと議論をした中で特に強く感じましたのは、よく言われることですけれども、事故や、原子力の関連施設の危険性といいますか、そういったものに対する事業者や行政側の認識、意識と、一般の国民の皆さんの意識との間に相当大きな乖離があるということを常々感じておりましたし、そういった延長線上にもあると思うのですけれども、日本の原子力行政のあり方がこれでいいのかということもやはり大きく問われているのだろうというふうに思います。 幸いにして、それらの動燃関連の事故も、住民の皆さんを巻き込んでどうこうというところにまで至らなかったわけでございますので、そういう意味では幸いしたわけですが、ぜひこの機会に、やはりそういったことをしっかり教訓として受けとめて、万が一の事態に備えていく姿勢が必要なのではないか、こういうふうに私は思っております。 そこでお尋ねをいたしますが、まず最初に、こういった原子力災害の場合に、その災害が発生したときに、まず一体どこが災害防止の責任を持って事に当たるのかということであります。サイト内の事故であれば、当然事業者がその責任においてこれを処理すべきだ、対応すべきだということはもう言うまでもないと思うのですけれども、それがサイト外に災害として及んだ場合ですね。 私どもも、そういった施設の立地市町村の皆さん方とか立地県の方々ともお話をいたしますと、原子力関係のそういったものは国策でやっているのだ、万が一の場合にも、立地の市町村なんかには、そういったことに対応する能力とか技術力、専門的な知識、資機材を含めた対応、そういうものは極めて不十分なので、それに責任をおっかぶされても弱る、これはもう当然国が責任を持って対応すべき事柄だ、これに市町村や県が精いっぱいの協力をしていく、こういうあり方が基本だ、こういうふうにおっしゃる方々が多いわけでございます。しかし、一方では、そういった施設の誘致を市町村あるいは県がやったということもあり得ますし、また、住民の生命財産をまず守るのは基礎自治体の任務だ、そういうふうなことを考えると、それは国の責任だというふうに規定してしまうということにもならないのではないかというふうに思います。 そういった点で、いろいろ議論の多いところではございますけれども、地方分権の時代で、基礎自治体がどう責任を持って対処するのかというところが出発点ではなかろうかと思うのですが、その点について、科技庁として、長官としてどういうふうに責任の所在を考えておられるのかということをまずお聞きいたしたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生は現状の仕組みについても言及なさいました。確かに、防災対策は、原子力につきましても地域の実情に応じた対応というのが必要でございまして、現状は、災害対策基本法でございますとか地方自治法に基づいて、住民の安全を保持する立場から、自治体が主となって、国はこれを支援するという仕組みで防災対策の基本的な枠組みがされてございます。 ただ、原子力施設につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、仮に事故が起こった場合には、当該事業者が災害防止のための措置を講ずることになっておりますし、規制をいたします私どもからも、この措置に遺漏がないように、必要な指示とか命令をするようなことになってございます。 原子力につきましてはそういう仕組みがあるわけでございます。 そういうことで、具体的には、仮にサイトの外に、敷地の外に影響が及ぶような場合ということでございますけれども、放射線による災害を防止するといった意味からは、地方公共団体が住民に対して、屋内待避でございますとか、あるいは避難誘導、こういった防護対策を実施することになってございます。国はこれに対しまして、専門的な観点からの指導ですとか助言、こういった支援措置を実施いたします。そのために所管の省庁が事故対策本部を設けるとか、あるいは、専門家、医療チーム、こういったものが必要ならば現地へ派遣するといったことでバックアップをするといったぐあいになってございます。 〔河村(建)主査代理退席、越智(通)主査 代理着席〕
○桑原分科員 理屈の世界ではそういうことになるわけですけれども、実際に、では万が一の事態が発生した場合にそういったことできちっと動くのだろうかということになると甚だ心もとない、不安がたくさんあるのではないかというふうに私は思っています。一義的には基礎自治体が対応するということになればなおのこと、常々からそうした基礎自治体の対応力というものをどうつけていくのかということが非常に大切なことになるというふうに思います。その議論を一々やりますとあれですから、これは一般的に、そうした力をつけていくにはどうしたらいいのかということについては検討をさらに深めていただいて、しっかりした体制ができるように心がけていただきたいというふうに思います。 そこで次に、災害が発生した場合に、言うまでもなく、大きくなって、そして右往左往するということになる前に、初期的な対応でしっかり抑えていくということが、これはもう何にも増して大切だというふうに思います。迅速で適切な対応をして、初期対応でそれを抑えていくということになろうかと思うのです。どこまでが初期対応なのかというのはかなり定義も難しいかとも思いますけれども、現状、そうした初期対応というものをどういうふうに想定して考えておられるのかということをひとつお聞きしたいと思います。 私どもは、実はいろいろそういったことを検討していくことの中で、いや応なしに対応せざるを得ない現地の自治体、市町村を支援して対応していくために、防災専門官という、国の派遣した常駐の専門官が現地にしっかり配置をされていて、そして即いろいろな指導、指揮、指示、そういったものができるような体制が一番いいのではないか、こういうふうに考えているわけです。現在、立地点では安全管理の点では安全運転の専門官が既に配置をされておるわけでございまして、そういう意味では、安全の面と防災の面と両方からしっかり現地をバックアップしていく、常に備えていく、そういうことが必要ではなかろうか、こういうふうに思うのですが、その点も含めて、初期対応の問題を少しお答えをいただきたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 初期対応についてでございますけれども、原子力施設におきまして事故が発生しました場合、これは、事業者はもとより私ども国の立場におきましても、まず的確な状況把握と迅速な情報伝達、さらに、これに基づきます適切な判断でございますとか必要な意思決定をすることが極めて重要だと考えております。 科学技術庁の例を御紹介申し上げますと、一連の事故の教訓を踏まえまして、二十四時間の通報連絡体制を設けております。事故情報を迅速に入手する、あるいは必要な場合には直ちに現地に対応できるようなチームを派遣する、こういったことも用意してございます。また、事業者において適切な対応がとられるように日ごろからこういうことで準備をさせていただいております。また、一元的な情報の集約でございますとか意思決定を行うために、私ども科学技術庁の中にも緊急時対策センターといったものを開設したところでございます。こういったことで、初期対応について万遺漏のないように対応をさせていただきたいと思っております。 それからもう一つ、防災専門官についての御指摘がございました。 こういう原子力施設において事故が起きました場合に、どうやったら現場の状況を的確に把握できるかといったことでございますけれども、これは、何よりも日ごろからこの施設について熟知している、運転状況を把握しているということが大事だと思っております。 私ども主要な施設につきましては、先ほども御指摘ございましたけれども、運転管理専門官というのを常駐させております。こういった専門官が、事故時には現地において、私どもが派遣します安全規制担当の職員から成るチームを受け入れて、早急な対策を実際に講ずるといったことができるように、私ども準備をしているところでございます。こういう対応をして、適切、的確な初期対応ができると思っておりますけれども、ただいま先生から、専ら防災について取り組む原子力防災専門官を置いてはどうかといった御指摘がございました。 これにつきましては、私ども、防災に備える体制につきましてはできる限り改善をしたいと思っておりますし、現状は先ほど御紹介したところで取り組ませていただいておりますけれども、ただいま申し上げましたような実効性を高めるという観点から必要な検討も行ってまいりたいと思っている次第でございます。
○桑原分科員 私は、初期対応の一つのポイントはやはり現地で機敏な対応がどこまでできるのかということに尽きるというふうに思います。確かに、集中管理で、中央でそういった対応をしていくということで、万が一には緊急派遣をして対応するのだということも、それは一つの理屈かもしれませんけれども、やはり現地では生身のいろいろな事象が起きて、そして今そのことにどう対応しなければならぬのかということがまさにリアルタイムで問われていくわけでございますから、そういう意味では、現地の体制をどう高めていくのかということをぜひ念頭に置かれて、この防災専門官の配置についても十分に考えていただきたいな、こういうふうに思っております。 次に、今ほどのお答えの中にもございましたけれども、原子力施設の稼働情報を含めて、その環境情報、そういったものがどれだけリアルタイムで防災関係者にキャッチし得るのか、どこまでそういった情報が公開されていくのかということも、適切な対応をしていくためには本当に大事なポイントではないかというふうに思います。情報の公開を徹底していくということだろうと思います。 特に、この間の事故が相次いだことの反省の中から、やはり情報の扱い、そういうものが非常に大切だ、どこまで公開していくのか、そういった問題が非常に問われているわけでございまして、ぜひその情報の公開を徹底してやっていただきたいというふうに思います。これは、異常時になったからそうするとか、平常時だからしないとかいうことではなしに、常々そういった万が一に備えた情報の伝達体制をとっておくということが大事だろうというふうに思います。 そこで、現状では、商業用の原子力発電所などでは、周辺環境のデータや敷地境界での環境データ、そういったものは常にモニターできるような状況になっておりますし、相次ぐ事故隠しですとか通報おくれというようなことの結果、単なる環境データだけではなしに、例えば排気筒であるとか排水口であるとか、そういった放出源のデータも常時通報して把握できる、そういう体制にしなければならぬという趨勢になってきているというふうに思います。 今後は、いわゆる原子炉の炉の稼働状況、炉内の状況、そういったものが常時把握できるような、そんなことも展望しながら、そういったものが課題になっているのではないかというふうに私は思うのです。そういうふうにかなり前進しつつあるわけですけれども、こうしたリアルタイムでの情報伝達、このことがやはり事故対応の一つの大前提になるというふうに思いますので、現状と将来、どういうふうな整備を考えておられるのか、この点についてお聞きをしたいと思います。 〔越智(通)主査代理退席、河村(建)主査 代理着席〕
○池田政府委員 お答え申し上げます。 原子力施設周辺におきます放射性物質のモニタリングデータをリアルタイムで監視するシステムの構築ということでございますけれども、これは先生御指摘のとおりに、情報公開、ふだんからその施設の運転状況についての理解を深めるといった観点からも大事なことと考えておりますし、また自治体の側において、何か異常があったときに、その事故に対する初期対応を迅速に行うという意味でも非常に意義のあることと考えております。 そうした意味で、当庁の関係で申し上げますれば、例えば「ふげん」ですとか「もんじゅ」、こういった原子力施設につきましては、その排水中のモニタリングデータ、これを既に県に提供できるようにしてございます。それから、排気中の放射性物質のモニタリングデータ、これも提供する方向で検討がされているところでございます。 こういう周辺環境に対する放射能の放出、こういったデータをリアルタイムで提供するといったことにつきましては、私ども、県の要望を踏まえながら、適切に対応されることを期待しているところでございますし、必要な指導もしてまいりたいと考えております。
○桑原分科員 ぜひ早い段階で、原子力関係のそういった施設のすべてにそうした情報伝達のシステムが、原子炉の稼働状況なども含めた、より精密なものができるように、少しテンポを速めていただきたいな、こういうふうに思っております。 それから、青森県の知事さんが例の放射性廃棄物の陸揚げを一時拒否されたというようなお話もございました。青森県などは、この原子力問題には非常に敏感になっているわけでございます。私は石川県ですけれども、立地が集中しているお隣の福井県さんなども非常に敏感になっておられます。青森県知事が、御自分が選挙に出られるときの公約にもあったそうですけれども、ぜひ、万が一の緊急時の対応のために、例えば災害の拡大を防止するとか被災者の救助救出ですとか緊急時の医療活動、そういったものも含めて、原子力災害のためのレスキュー隊を設置するんだ、設置してほしい、こういうような青森県の強い要望もあるわけでございますが、その他の立地県でもやはりそういったことをみんな頭の中に描いておられるようです。 例えば、油災害のときには海上保安庁の、本当に荒波の中でロープを巻いて大変な作業をしていろいろな救難活動をやったというような、ああいう部隊もあるわけですし、また、火事にでもなれば火の中に飛び込んで命をかけてやる、こういうようなこともやられているわけですけれども、原子力の場合は、さて、これもまた特殊性からいいましても、レスキュー隊をつくることはいいのですが、つくられた隊員にとっては本当に命がけの大変な仕事になるわけです。 そうしたものの必要性というのは、私は原子力の場合にはやはり災害の特殊性からいって特に必要性があるのではないかなというような気もいたしております。その点についてどのようにお考えなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の原子力レスキュー隊につきましては、私ども、地元の要望を受けまして、一昨年来でございますけれども、専門家を集めた検討会を科学技術庁に置きまして、検討してまいりました。ちょうどきょう、その検討会において報告書がまとめられたところでございますけれども、この中で、レスキュー隊を初めとする地方公共団体の要望について、その実現に向けて積極的に検討を進めていく必要があるといった旨述べられたところでございます。 こういったことで、私ども、このレスキュー隊の設置につきましては、ただいま先生が御指摘のように、法的な位置づけでございますとかいろいろ検討課題はあると思っております。しかしながら、青森県を初めとする原子力所在立地県、私ども、この検討会には自治体の方も入っていただいたわけですけれども、原子力所在の立地県が連名でこのレスキュー隊を含む特別措置ということの要望もございました。そういったことも踏まえますと、当庁としてもこういった趣旨を尊重して努力してまいりたいと考えております。 具体的には、既に原子力安全委員会におきまして、この防災対策についての実効性を高めるということで最近審議を開始しておりまして、こういった一環としてこのレスキュー隊等の検討につきましても取り上げていただけるということでございますし、私ども、関係各省の協力を求めながら積極的にそういう審議に参画してまいりたいと考えているところでございます。
○桑原分科員 そういった検討結果の報告もおありのようですので、ぜひ前向きに、積極的に対応していただきたいと思います。 それから、事故が起きたとき、どういった機関がその事故を調査して、そしてその中から教訓を引き出して対策を立てていくのかということが非常に大事だというふうに思うのです。航空機事故の場合は、いわゆる第三者的な専門の委員会が設置をされておりまして、それがそういった対応をするわけですけれども、原子力の事故の場合にはそういうものがございません。 そこで、日本の原子力行政というのは今、ある意味では、安全規制の部分とそれから推進をしていくという部分が行政の中ではきちっと区分けをされているというような状態ではございません。はっきり申し上げて、かなりダブっているというか融合している部分があるわけでございまして、そういう意味では、行政にすべてをゆだねていくというやり方ではなしに、第三者的なそういった機関を設置して、航空機事故調査委員会のようなものを設置して、それが具体的な調査をして対応策をつくっていく、こういうことがぜひ必要ではないか。 そういったことによるさまざまな知見というものが集積をされていきますと、恐らく日本の原子力行政も本当に国民からも信頼される、万が一の事故があっても、それがきちっと教訓化されるというような方向に発展していけるのではないか、こういうふうにも思いますので、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 原子力施設で事故が起こりました場合には、御指摘のように、まず当該施設の規制官庁、「もんじゅ」あるいは東海のアスファルト固化処理施設等につきましては科学技術庁でございますけれども、科学技術庁が学識経験者の協力を得まして、その事故原因ですとか再発防止対策について調査検討を行ってきたところでございます。 また、安全委員会におきましても、これは行政庁とは離れた独自の立場から、行政庁が行います事故についての報告を適宜聴取する、必要に応じて御自身が現地調査を行うといったことで、こういう事故に対する調査審議を実施しております。「もんじゅ」の場合には、安全委員会自身が別に専門家を集めて検討したといった経緯もございます。アスファルト固化処理施設の場合には、これは行政庁の調査委員会自身が全面公開で行いました。審議の過程を全部公開して行ったわけでございますけれども、これには安全委員会自身が常時、実際に会合をモニターするといったことでも参画されましたし、適宜その報告についての御意見を述べるといった格好で、安全委員会が行政庁から離れた立場でこの調査に対して必要な第三者としての調査をなさったといった経緯がございます。 こうした体制で、私どもは、「もんじゅ」事故あるいはアスファルト固化処理施設の事故、こういった動燃の一連の事故につきましては有効に機能したと考えているところでございますけれども、今後とも、これまでの経験を踏まえまして、こういう原子力施設の事故に対して適切かつ迅速に対応できるように工夫させていただきたいと思っております。
○桑原分科員 安全委員会そのものが本当の意味で独立性が強くて、そして公正な立場からいろいろな判断ができるような強力な機能を備えているということであれば、私はそれも当然だというふうに思うのですけれども、残念ながら、現状は、安全委員会といいましても、科技庁のそういった事務局の上に乗っている。独立性の点ではかなりまだまだという、そんな感がいたしますので、そういう意味では、こういった場合にはやはり第三者的な機関が必要ではなかろうかというふうに思いますので、そのことも含めて今後の検討課題にしていただきたいと思います。 それで、最後に長官にぜひお答えをいただきたいと思うのですが、原子力の災害というのは本当にあってはならないわけでございまして、未然にこれを防止するというのが一番大事なことなのだろうと思います。しかし、万が一に備えていく体制も一方ではしっかり備えていくということになろうかと思うのです。 加えて、災害の特殊性といいますか、五感に本当に感じられないというか、そして万が一のときには大変な被害、現在段階だけではなしに後世にわたって非常に大きな被害が及ぶ。そして、ちょっとした事故が地球的な規模で広がってしまうというような、そんな伝播力も非常に大きいわけですし、そうした災害に対する対応の仕方というのは、基本的には災害対策基本法の枠の中で考えていけばいいと思うのですけれども、災害の特殊性からして、いろいろな複雑な特殊な対応というのが求められていくというふうに思うのです。 そういう意味では、私は災害対策基本法の一つの考え方の上に立って、その上に特別立法としてこの対策を考えていくということがぜひとも必要ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。 科技庁の方でも、そういったことを立地県などからの要望に基づいていろいろ御検討されているようでございますけれども、立地県などの要望も踏まえて、特別立法、特別措置法、そういうものについて、ぜひ早急に踏み込んだ検討と取り組みをしていただきたいと思うのですが、そのことについて最後にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○谷垣国務大臣 今御議論になりました原子力防災特別措置法と申しますか、これについては、桑原先生御指摘のように、今までも関係の自治体からたびたび御要望がございました。それから、そこに大野科学技術委員長がいらっしゃいますが、科学技術委員会でもたびたびこのことは議論をされております。また、御党でも、この特別措置法に向けていろいろ中で真剣に御議論がなされていることも伺っておりまして、今先生の御議論を聞いておりましたが、そういう御検討の中でのいろいろな御造詣がうかがわれる具体的な問題提起があったなと思って拝聴いたしておりました。 先ほど、原子力レスキューに関連しまして安全局長からお答えを申し上げましたけれども、そういう地元自治体等の御要望も踏まえまして、原子力防災検討会、これは関係自治体にも御参加をいただいていろいろ検討を重ねてまいりまして、先ほど御答弁申し上げておりましたように、実はきょう午後報告書をまとめていただきました。 私、きょう午後委員会がいろいろございまして、具体的にそれを、どういうことかとまだ承知しているわけではありませんが、今までの防災検討会の御議論の報告を受けておりますところによりますと、いろいろな多面的な論点があるように思っております。きょうの報告書でも恐らくそのような多面的な論点が示された御報告をいただいているのではないかと思いますが、そういう論点を詰めていくためには、科技庁だけではなくて、関連した省庁の緊密な取り組みがなければならないだろうと思っております。 私、科学技術庁としては、関係省庁と協力をしまして、こういう論点を積極的に煮詰めていきたい、こう思っております。
○桑原分科員 どうもありがとうございました。
○河村(建)主査代理 これにて桑原豊君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして科学技術庁についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○河村(建)主査代理 次に、総務庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野由利子君。
○大野(由)分科員 新党平和の大野由利子でございます。 本日は、立法府と行政府の情報公開についてお伺いしたい、このように思っております。 初めに、小里総務庁長官にお伺いしたいのでございますが、アメリカの連邦情報自由法におくれること三十年にして、ようやく行政機関に対する情報公開法が間もなく国会に提出されるということで、国民の皆さんの大変な注目を浴びているわけでございますが、いっ国会に提出をされ、いっ議論が始まるかということが一点。 もう一点は、昨日の毎日新聞に掲載をされておりましたけれども、衆参の全国会議員にアンケートをとったところ、特殊法人に関する情報について、何らかの形で特殊法人も情報公開の対象にすべきであるというのが七三%、それから国民主権の理念を象徴する知る権利について、六八%が明記すべきである、このようなアンケート結果が昨日の新聞に出ておりました。 この新聞のアンケート結果によりますと、政府案について多くの国会議員が不満を持っている、もしくは修正を要望している、このように受け取れるようなアンケート結果になっているわけでございますが、この点についてお尋ねしたいと思います。
○小里国務大臣 お答え申し上げます。 情報公開法の制定の重要性、ただいま議員よりお聞かせいただいたとおりでございまして、私どもも、行政あるいは政治を国民により多く、そしてできるだけ早く、正確にお知らせを申し上げる、そしてまた政治、行政に対する国民の参画を強力に促していかなければならない、そういう視点からも十分考えておるところでございます。さて、国会にいっその情報公開法を提出するのかというお話でございますが、平成九年度中に提出をいたします、すなわち、三月中に提出をいたさなければならない、この目標のもとに、今鋭意関係政党などと中身を集中的に詰めておるところでございます。 それから、特殊法人に対するお話でございますが、特殊法人に対するこの情報公開法の位置づけ、あるいはそれをどうするかということは、ただいまお話がございましたように、国会議員の皆さんを初め、内外の皆さんの関心が大変高い、さように判断をいたしております。それらの問題につきましても、目下関係政党と十分協議を詰めておる最中でございます。
○大野(由)分科員 法案の成立がおくれた分、ぜひ内容の充実した、すばらしい法律にしていただきたい、このように思うわけでございます。 法案の案文、内容は、一般国民の皆さんは、いつ、どこで、どのように知ることができるか、手に入れることができるか、伺いたいと思います。
○瀧上政府委員 ただいま政府が検討をいたしております情報公開法案の内容につきましては、政府といたしまして、閣議決定をいたしました後公表させていただきます。
○大野(由)分科員 その文章は、一般国民はどこで、どのように手に入るかということを伺っているのです。一部マスコミに報道されるかと思いますが、しかし、全法案の文章がマスコミに出るわけでもないでしょうし、国民が今大変関心を寄せている法律でございます。この情報公開法の中身がどうなっているか、詳しい中身を一行一行見たい、知りたいと関心を持っている国民が多いわけですが、その法律の案文をどこで、どのように手に入れることができるか伺っております。
○小里国務大臣 お話がございますように、国民の立場から見ましてもできるだけ早く知りたい、また、政府・与党にとりましても、私ども政府の立場から見ましても、できるだけ早く知らしめなければならないということは大きな一つの留意点であると思うのでございますが、御承知のとおり、このように大変高度な、しかも専門的な構成を要する法案の作成でございまして、各視点に立ちまして、目下これを議論を詰めておるところでございます。 お話がございましたように、一部、過程におきまして漏えいと申し上げますか、情報が出てくるじゃないかというお話でございますが、率直に申し上げまして、そういう事実もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、精度の高い、しかも最終責任を持って国会に提出できる中身というものを国民により早くお知らせしなければならない、さように心がけておるところでございます。
○大野(由)分科員 平成九年度中に国会に提出されるとなりますと、三月末まであと十日しかないわけでございます。もう間もなく提出されるのだと思うのですけれども、しかし、これがいっ提出されるかもまだはっきりしたことがわかっておりません。そして、この法案が提出されて、本当にすぐ審議が始まると思いますが、国民の皆さんに中身が情報公開されないで情報公開法の審議がされるというのは、これはまさにブラックユーモアではないか、私はこのように思うのです。 これは情報公開法だけではございません。日本は今まで、すべての法案がそうでございました。ともかく成立をしてから委員会の会議録等々ができ上がって初めて国民は手に入れることができるのでございまして、案の段階で知りたくても知れない、こういう状況があるわけです。 私の聞くところによりますと、アメリカでは、法案の段階で全部インターネットですべての一般国民もアクセスできて、この法案について私はこう思う、ああ思う、そういう意見がわっと寄せられて、そして一般国民の意見が法案審議に十分生かされて、そして法案の修正段階、刻々と修正される、そういう修正も国民がみんな知ることができる、このように伺っているわけでございますが、余りにも日本の状況とかけ離れているのではないか、このように思うわけです。 アメリカの連邦議会の図書館はこういうことにどのように対応しているかについて伺いたいと思います。
○中川国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。 先生御指摘の立法情報システムは、アメリカの議会図書館が作成しておりますトーマスのことだと思いますので、トーマスについて御説明させていただきます。 このトーマスと申しますのは、合衆国第三代大統領トーマス・ジェファーソンにちなんで命名された、立法情報に関するインターネット上のホームページの一つでございます。 このホームページは、連邦議会の立法活動に関する情報を国民に無料で直接提供するという理念に基づきまして、米国議会図書館が議会の指示を受けて一九九五年一月より提供を開始したものでございます。 トーマスというこのホームページを通じて、現在、過去五年分の会議録本文、その索引が提供されておりますが、必要に応じて、議員名や期間を特定した上でのキーワード検索もできるようになっております。 このトーマスでは、会議録ばかりでなく、他のデータベースの提供も行っております。幾つか例を挙げますと、次のようなものでございます。 議会に諮られる法律案、目下の重要法案をめぐる上下両院の動きなど、これが「議会は、今」というような目次のもとに提供されております。そのほか、今会期の主要法律案の要旨及び審議経過、法律本文などが「法律案」という項目のもとに提供されておりますし、委員会報告本文、委員会のホームページヘのリンクなど、これも「委員会情報」のもとに提供されております。 そのほか「立法過程」、法律の立案から審議、制定までの過程の説明のほか、非常に特色のあるものといたしましては、「歴史的文書」ということで、アメリカの初期の議会に関係するような歴史的な記録類、例えば独立宣言の本文等も提供されて、国民が見られるようになっております。 また、上下両院、議会図書館、政府印刷局、会計検査院、議会予算局などの議会関係機関のほか、行政、司法各機関のホームページヘもリンクが張られており、国民はこのトーマスを通じて広範囲な政府情報に接することができるようになっております。
○大野(由)分科員 日本がいかにおくれているかということが今のお答えを聞いてもわかるわけでございますが、日本の国会図書館におきましても、国会会議録のフルテキスト・データベース・システムの構築が、現在、衆議院、参議院、国立国会図書館の共同事業で進められている、このように伺っております。 平成十一年度に完成予定で一般国民も利用が可能になる、こういうお話を聞いて、随分ここまで努力をしてきていただいているのだなとは思うわけですが、平成十一年度、まだまだ二年もかかるのかな、こんなに、二年もまだかかっていいのかしら、こういう思いがするわけです。 私は、これをもっと前倒しすべきじゃないか。漏れ聞くところによりますと、与党も今、平成十年度の予算が成立いたしましたら、補正予算を審議して、情報インフラ等々公共投資に大いに予算をつぎ込むつもりである、このような話も情報として伝わってきております。私は、これをもっと早く前倒しにすべきじゃないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
○緒方国立国会図書館長 ただいま先生のお触れになりました国会会議録フルテキスト・データベース・システムでございますが、これは、国会会議録を電子情報として蓄積いたしまして、議員の皆様方、さらには広く国民が容易に迅速に会議録を利用できるようにすることを目的といたしまして、ただいまお話のございましたように、衆参両院事務局と国立国会図書館が共同で開発をしているシステムでございます。 このシステムによりまして、手元のパーソナルコンピューターから会議録を、例えば事項別に必要な箇所を検索してすぐ見ることができるようになる、こういうシステムでございます。また、現在よりも早く会議録が利用できるようになる、こういう大変メリットのあるシステムでございます。 このシステムは、平成八年度から開発に着手いたしまして、平成十一年度までの四カ年の予定で行っておるわけでございまして、大体平成十年と十一年におきましては完成をしたいというふうに考えているわけです。 十二年度以降におきましては、過去の会議録を遡及して入力したいと考えております。ただいまおっしゃいました利用の状況なんですけれども、三機関それぞれ、鋭意、力を入れて努力をしておるところでございますが、現在のところの予定としては、基本的なシステムは平成九年度に一応でき上がっておりますので、大体本年の六月くらいから試験的に国会内でごらんいただけるようにしたいというふうに思っております。ただ、当面は本会議と予算委員会の会議録というところからスタートすることになると思っております。 平成十一年度までには両院事務局の会議録作成システムが最終的に完成いたしまして、そのための体制もでき上がる予定ですので、平成十二年からはすべての会議録を電子的に提供できるようにする予定でございます。 一般国民には、これはインターネット対応のシステムとして開発をしておりますので、完成すればすぐインターネットに流せるわけでございまして、先生御指摘のように、今できるだけ繰り上げて御利用いただけるように鋭意努力しておるわけでございますけれども、現在のところ、平成十一年のできるだけ早い時期に一般の国民にごらんいただけるようにということで鋭意努力している最中でございます。
○大野(由)分科員 長官に伺いたいのですが、情報公開の中で情報提供というのは非常に大きなウエートがあるわけでございます。 一例を申しますと、アメリカはすべての連邦法が詰まっています米国法典、三万ページ、全部で二十巻、冊数はもっと多いそうですが、重さ六十五キロ、並べると一・五メートルあるそうでございます。印刷物ですと千二百ドル、日本円にして約十五万円するものが、一枚のCD-ROMになりますと三十ドル、四千円弱で購入できる、こういうふうになっているのですね。インターネットですと無料。電話代も、アメリカは日本に比べますと比較にならないほど安い、こういう状況です。 どうしてこんなに安いのかと申しますと、アメリカは、米国政府印刷局の刊行物は安くするようにと法律で義務づけられているのだそうです。各省庁が税金によって情報を作成するコストというのは製品価格に入れてはいけない。媒体転換や製造、発送などの付加コス十分のみチャージする。 具体的には、これらの実際のコストと、それにプラス五〇%の料金にする、こういう法的規定があるということで、随分安いということなのですね。それ以外にもアメリカの例がいろいろありますが、ちょっと時間もないので省略させていただきます。 一方、日本はどうかと申しますと、長官、二月二十六日に朝日新聞に掲載されていましたので御存じだと思うのですが、総務庁の外郭団体が法律の条文データ、一巻十万円で販売されているのです。電子データ化された法律の条文を国から無償で提供され、これを民間に独占販売している。総務庁の外郭団体、社団法人行政情報システム研究所、理事長は、総務庁の元事務次官が理事長になっていらっしゃる。 それで、国民の税金で集められた情報、国民の税金でつくられた法律、こういうものは本来無料で提供すべき、どうしてもかかる実費というのはあるでしょうが、本来はそういう性格であるにもかかわらず、どうしてこれが一巻十万円で売られているのか。アメリカのCD-ROMのように安い値段で提供すべきじゃないか、このように思うわけでございます。その点について、長官、どのようにお考えでしょうか。
○瀧上政府委員 ただいまの法令データの提供の問題につきましては、民間等の要請にこたえまして、行政機関が保有する磁気データの社会的活用を進めるという政府の方針に基づきまして実施をいたしているものでございます。 法令データの提供の実施に当たりましては、利用者に対する公正公明な提供と適正な提供料金による提供が行えるよう、公益法人を介して提供をしているものでございます。 そしてまた、御指摘の法人が徴収をしております対価は、法人が行った磁気データの複写、加工等に要する経費、データベースの構築に要する支援業務と管理に要する経費等を実費の範囲内で徴収をいたしているものでございまして、新聞に書いてあるように、無料で入手したものを高価に販売しているというものではございません。
○大野(由)分科員 国民の皆さんの税金で手に入れたもの、それは本来は無料で提供するものだ、こういう姿勢がないのじゃないか。今おっしゃいました、これは十万円が実費なんでしょうか。 あわせてちょっと長官に伺いたいと思うのですが、大蔵省の印刷局で出しています「電子出版製品総合カタログ」、こういうのがございます。このカタログを見ますと、驚くべきことなんですが、官公庁職員録平成九年版があて名印刷機能つき検索ソフトCDIROMが何と四十五万円で売られているのですね。何であて名印刷機能つきの検索ソフトなどが要るのか、そういうふうにも思いますが、省庁の幹部の自宅住所まで出ているのです。本来省庁の幹部は役所の住所で十分なはずですが、自宅住所まで。これは個人のプライバシーを守るという面からも問題があるのじゃないか、このようにも思いますし、これを購入した業者は一体何に使うのだろうか。ダイレクトメールを送るのに使うのか、ちょっとうがった見方をすると、大蔵省が購入者に省庁幹部へのっけ届けを奨励しているようにも見える。これはうがつた見方かもしれませんが、どうして自宅の住所まで載せる必要があるのか。 こういう職員録がございます。上下二つあるわけですが、これは印刷物にしますと、一巻、上下それぞれ九千八百円なんですね。それがあて名印刷機能つき検索のCD-ROMになったらどうして四十五万円、CD-ROMだけだと六万円、それ以外の検索ソフトがついたら十七万円とか、あて名印刷の機能までつくと四十五万円。こんな膨大な値段がついているわけでございますが、総務庁長官は各省庁の監督をしていらっしゃる、行政監督の立場でもあるわけですけれども、果たしてこういうことをこのまま黙認していいのかどうか。 それと、もう一回あわせて伺いますけれども、各省庁がCD-ROMで白書を出しているのです、それぞれの白書。この白書もCD-ROMで大体一万円前後。省庁によって多少値段は違うようですが、大体一万円前後で売られているのです。白書というのは印刷物で、値段で言いますと千五百円程度のものです。これがCD-ROMになって売られたら一万円前後。 私は、こういう情報提供はもっと国民の皆さんに安価で、本当に最低限の必要な実費で販売する、こういう立場でなければいけないのに、これで利潤を上げるとすればおかしいし、四十五万円なんかだとそんなに買われないと思うのですけれども、この辺についての見解を伺いたいと思います。
○小里国務大臣 先ほど審議官の方から御説明申し上げましたように、支援業務あるいは管理に要する実費の範囲内におきまして算定してさようなことに至っておりますという説明を申し上げたわけでございますが、ただいま白書についての御意見などをお聞かせいただきました。御発言あるいは御指摘の趣旨は、それらの対応は、非常に仕事の態様が拡大してくるそもそもの問題でございますから、これから十分検討もいたさなければならないし、より安く、より正確に、そしてまたより早く国民の皆さんに知らしめるということが政府の基本的な心得でなければならない、さように思っておる次第でございます。
○大野(由)分科員 先ほどの総務庁の外郭団体、一巻十万円、これも実際には余り売れていないそうなんですが、売れないでこれを貸し出しして使用料を稼いでいて、それで六百万円余りを稼いでいるというのですが、こういうもので稼ぐというのも本来おかしい、私はこのように思うわけでございますので、ぜひ長官、この点は国民の皆さんが本当に国の情報を、また官庁が税金でもって集めた情報、税金でもってつくったいろいろな情報というものは本来全部無料で提供する、こういう形でやっていただきたい。 実は、東京都で三月十七日に発売いたしまして、私も早速手に入れたのですが、こういうCD-ROM、これは東京都で一九九五年八月から九七年の十二月まで約二年五カ月のデータ、審議から東京都のすべての情報が入っているのです。売られている値段が千百二十円。私はやはりこれが相当な値段だと思うのです。一万円なんてとんでもないことであって、千円とか、高くても二千円とか、そういう値段で利用に供するようにぜひこれはお願いしたい、このように思います。 それから、国会図書館から、一般国民の皆さんがアクセスして、M議事録なりなんなり全部アクセスするようになるのにまだもうちょっと時間がかかるということなんですが、今議事録が配付されているわけでございますが、実は私、東京都の三多摩地域、多摩地域に住んでいるのです。私の多摩地域でも、市立中央図書館に行って、議事録を手に入れたい、閲覧したい、このように言ったところが、東京都の中央図書館へ行ってくださいと言われた。それしか閲覧できない。中央図書館へ行くのに二時間かかるわけですね。それ以外に新聞の「声」の欄、投書欄にも出ておりました。公聴会の模様を知りたいと思って問い合わせたところが、三カ月たっても手に入らない。こういう状況なんですが、これは何とかしなければどうしようもない、このように思うわけですが、衆議院の事務局の方に伺いたいと思います。
○清土参事 委員会議録につきましては、会議日からおおむね一週間から十日で作成され、その後、配付されておりますが、国民の皆さんには、従来から、衆議院、国会図書館、都道府県議会及び政令指定都市議会の図書館で閲覧できるほか、国会図書館及びこれらの公共図書館で有料により複写をすることができるようになっております。 さらに、委員会議録が国民の要望に沿うようにということで、国会改革の一環として、議院運営委員会での協議に基づき、平成六年十二月には衆議院規則を改正いたしまして、一般頒布ができるように措置をされ、実費相当額をいただき実施しております。 この場合の申し込みは、大蔵省の印刷局の増刷作業またその手続等の事務処理の関係もあり、会期の初めあるいは委員会開会の翌々日とする取り扱いとなっております。 先生の御指摘の点につきまして、委員会議録の重要性にかんがみ、現行より弾力的な取り扱いが可能なのか、検討していきたいと考えております。
○大野(由)分科員 憲法五十七条に、「両議院の会議は、公開とする。」また、一部の「秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。」憲法五十七条の中にあるのですが、実態はどうなっているかと申しますと、今お答えもありましたけれども、委員会の会議録の申し込み期限は委員会開会日の翌々日までに申し込まなければいけない。 先ほど長官にも伺いました、情報公開法はいつ審議されますかと。あと十日しかないのに、いまだに国会に提出される日もわからない、委員会審議がいっかもわからない、それなのに開会日の翌々日までに申し込まなければいけない。国会議員でも自分の所属する委員会以外はいつ開かれているかわからない、こういう状況です。翌々日までに申し込まなければいけないというのでは、実際には手に入らないのも同然なんですね。 また、値段が一枚二ページで四十八円。高いなと思います。すぐ二十枚ぐらいになりますよ、一回の分。すぐ千円ぐらいかかってしまう。これも高いな、もうちょっと何とかならないか、このように思います。そしてまた、過去にさかのぼって委員会のものがいろいろ知りたいと思えば、一枚十円の実費でコピーできるというふうにしてあげなければいけない、このようにも思うのですね。 また、もう一つ、本会議の会議録というのは、全国の政府サービスセンター及び官報販売所で販売しているのですね。ところが、委員会の会議録を販売しているところとは違うのです。場所も違う。こういうのがお役所仕事の典型じゃないか、このように私は思うわけでございますが、本当にいろいろ関心を持っている人にもっとこちらから積極的に情報を提供する。これは、立法府にいます議員として、私自身も今まで一生懸命取り組んでこなかったことを恥じるわけでございます。議運の委員会でもこういうことをもっと真剣に取り上げてもらいたいと思いますが、事務局も、形だけやっているというのじゃなくて、本当に国民の皆さんに便利なようにぜひやっていただきたい、積極的な努力をしていただきたい、このように思いまして、ちょっと最後の決意だけ伺わせていただいて、終わりたいと思います。
○清土参事 先生御指摘の件でございますけれども、本会議録については官報の号外という形で、憲法上の規定から官報という形で配付されていたということでございます。 委員会議録の方については、制限的公開ということがあった関係で会議録を持ち出すことができなかったということで、平成六年十二月の衆議院規則の改正というところまで現実的には出せなかったということでございます。 そういうことがありましたもので、その取り扱いが、本会議録と委員会の会議録において違いがあるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○大野(由)分科員 以上で終わります。
○河村(建)主査代理 これにて大野由利子君の質疑は終了いたしました。 次に、福岡宗也君。
○福岡分科員 民友連の福岡宗也でございます。 私は、公務員の倫理の確立という問題について御質問をいたしたいと存じます。 一昨年に惹起をいたしました岡光厚生事務次官の汚職事件の発生以来今日まで、約一年余になるわけでありますけれども、その間に官業癒着の構造的汚職が本当に多発をしてまいりました。特に、大蔵省が監督すべき金融機関等からの接待漬け、こういうことの実態は、国民の公務員に対する信頼を大きく失わしめる結果となり、その国民の怒りはまさに頂点に達しようとしているわけでございます。 私たち政治の場に身を置く者といたしましては、おのれ自身も身を正すとともに、公務員の倫理を確立するための諸方策についても早急に実施をする、国民の行政に対する信頼を回復する、こういった責務があるというふうに思うわけでございます。 そして、岡光事件が発生をした直後の昨年の二月五日に、私は衆議院の予算委員会において、政治倫理、それからさらに公務員の倫理の確立について、総理に対しまして御質問を申し上げました。 若干要旨を申し上げますと、国民の政治、行政に対する不信が高まる今日、我々は政治不信を解消するために、みずからも厳しく律するために、政治倫理法と公務員倫理法を制定する必要があると考えます。総理はさきに、公務員倫理法におきましては、各省庁における公務員倫理規程をつくるということで、その自浄能力に期待するとも述べられているようであります。しかし、国民は、このような内部規制方策では、現在のこういった危機の中で到底納得をするとは考えられないのであります。一罰百戒のことわざもありますように、厳しい制裁を盛り込んだ政治倫理法、公務員倫理法の制定こそが肝要であると考えます。こう申し上げまして、総理に対して、直ちに公務員倫理法の制定を求めたのであります。 しかしながら、橋本総理の答弁はこういうものでありました。公務員倫理法という問題を視野に入れていなかったわけではありません。しかし、同時に私どもは、法をもって抑える以前に、圧倒的多数の公務員の諸君が持っているみずからの恥を知る心、あるいは良心と言いかえても結構です。そうした気持ちというものにもう一度望みを託してみたい。そして、全省庁において、法規範性を持つ訓令としての公務員倫理規程が制定されたわけであります。今後、その厳格なる遵守を図ることによって、政府を挙げて、綱紀の粛正を徹底しながら国民の信頼を回復するよう努力していく。こういうふうに答弁されまして、結論的に言えば、規則に従ってやれば十分だ、そして倫理法制定については否定をされたわけであります。 しかし、その後の状況を見ますと、私が予想をしたように、その後も公務員の汚職は大蔵省を中心に多発しましたし、大蔵関連で最後には特殊法人の日銀まで波及する、こういう状況になっております。そうして、大蔵大臣も責任をとって辞任をするという事態に発展をしたわけであります。そこで、橋本総理もようやく重い腰を上げて、1政治倫理法と公務員倫理法を罰則を含むものとして制定をしようということを宣言されたわけでございます。 総理のこのような決断というものは、遅すぎた感はありますけれども、それはそれとして歓迎すべきことだというふうに思っております。しかしながら、その内容と施策が問題であります。倫理の確立ということは、単に倫理法を制定すれば済むという問題ではないわけであります。いろいろな角度からこれを検討してその要因を探る、そしてこれに対する的確な諸施策を総合的に実施する必要があるというふうに考えるものであります。 そこで、その要因を検討するのに参考になる一つとして、汚職事件、刑事事件として逮捕された人、ここのところ一年間で数名ありますけれども、こういった汚職事件発覚の端緒は一体何だったかということを考えてみたいと思うのですけれども、いずれの事件も、これはすべて検察庁が他の事件で捜査をした、そのときの証拠書類を検討しておって発覚した事件ばかりであります。岡光事件も、県の職員の汚職事件の捜査の関連で発覚をしておりますし、それ以外の事件も、もとはといえば総会屋への利益供与事件というものに端を発して銀行が調べられた、その中の資料の中にあったということでやっと発覚したという、これは全部刑事事件であります。省庁内の本当の自主的な調査といいますか、そういったものによって事件が明るみに出たというのは皆無と言っていいわけでございます。刑事事件に関しては皆無であります。 ということは、どういうことかというと、実質的に、総理は倫理規程を厳格に適用するとおっしゃったけれども、厳格に適用なんかされていないということ、全く機能していなかったということの証拠だというふうに私は思っております。 そこで、ちょっとここで公務員の倫理に関する関係の規定を見てまいりますと、まず国家公務員法にもそれ相当の規定はちゃんとあるのですね。八十二条に、「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」として、まず第一号は法律違反ですね。それから次に職務義務違反というのがあります。それから最後に「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」というので、まさに関係業者からの接待漬けみたいなことはこれにもう明白に該当するということなんですけれども、どこまでが正当か正当じゃないかなどという議論で、金額をどう定めようかなどという議論が今されているというところであります。 それからさらに、先ほど話題になりました各省庁の倫理規程というものを見ますと、これは大蔵省の倫理規程もほかの省庁もほとんど同じでありますけれども、第五条を見ますと、「職員は、関係業者等との間で、次に掲げる行為を行ってはならない。」として、第一号で「接待を受けること。」会食をすること、遊技、転任に関するところのせんべつはいかぬとか、ずっと十二項目あります。それで、最後に「一切の利益や便宜の供与を受けること。」という総括的な規定も置いてあります。結構これは網羅的で、しかもびっしりとした規定であります。 こういう規定を置いて、さらに十一条でもってどうなっているかというと、これに違反をした場合には、任命権者またはその命を受けた者はこれについて懲戒処分をすることができるのだということを置いて、そしてその懲戒処分としては免職、停職、減給、戒告、こういうものも置いておるわけであります。はっきり言えば、この四つのことで、そういう事態があったということになれば、直ちにこれはどれかの処分をしていいのですね。 そして、しかも一応審査機関も設けているのです。これは、事実を調査し、必要な助言や監督をするための、また指導をするための使命を有しておる服務管理官というのを、総括服務管理官というものも定めておるわけですから、これのところで取り上げて、疑いがある場合は直ちに調査をすればいいわけであります。 したがって、この規程どおり実際に行われれば、ある程度の実際の庁内の不祥事というものについての摘発というのは可能であったわけですし、刑事事件もむしろこれらの調査に基づいて摘発されたということになれば、なるほど、自浄作用があるなという形で、これはまた将来に期待ができるというわけでありますけれども、実態はそうではないわけであります。 そうすると、それが機能しない理由というのは何かということなんですけれども、結局のところは、長い間の官業癒着体質というものから生まれてくる構造汚職であって、特に一部の不心得者、とんでもない性質の人間というのはどこでもおるわけですよ。そういう連中がやった単発的なそういう事件ではないということなんですね。省庁全体の中にそういう体質がしみついておるとしか考えようがないわけです。そして、そのような中で、監督、指導、調査もするという服務管理官が身内であるということであって、独立した第三者機関ではないということもあって、全く機能しなかったわけであります。 そういう意味で、今回審議されておりますところの、公務員の倫理規程というものをやるときには、構造そのものに対して本質的に考え方を変えないといけないというふうに思っているわけですね。そういうことであります。 そこで、まず第一の質問でありますけれども、先ほど言いましたように、刑事事件となる事件については、発覚の端緒はすべて、一〇〇%検察庁の他事件の調査に基づいて発覚したものであるのですけれども、それ以外の、刑事事件以外の倫理規程違反事件で、服務管理官の方の調査によって懲戒処分を受けたような事件がこの規則制定後あるのかどうか、あればその件数と、それからその中で大蔵関係の職員関係の件数というのが何件ぐらいあるかということ、それからさらに、大蔵関係の事件の概要ですね、簡単でよろしいですが、概要とその処分というのがどういうものであったかということをまずお伺いしたいと思います。
○中川(良)政府委員 公務員のいわゆる不祥事につきましては、ことしの二月二十日に衆議院の議院運営委員会に調査結果として御提出申し上げました。この調査は、平成五年一月一日から平成十年二月二十日までの間に、本省庁の課長相当職以上の者を対象になされました収賄でありますとか外部との交友等の関係の処分の件数等を調べたものでございます。 このうち、いわゆる倫理規程が制定されました後に行われました処分でございますが、件数といたしましては、外務省の一件、それから大蔵省の七件、郵政省の二件ということになってございますが、これらは倫理規程制定後になされました処分の件数でございまして、処分の対象となった行為自体は倫理規程制定以前のものも含まれているわけでございます。 それから、大蔵省関係でございますが、いわゆる監督責任を問われましたものを除いた具体の事例について概要を申し上げます。 まず一つには、平成九年一月に、主税局長が政治資金パーティーに講師として出席し講演を行ったことにつきまして、文書厳重注意を受けております。 それから、平成九年一月には、官房長が、さほど親しくもない人物から美術品を受け取ったことにつきまして、口頭厳重注意を受けております。 さらに、平成九年七月には、大臣官房付及び大臣官房金融検査部の室長が、金融検査の期間中、検査対象行の行員と飲食をともにし、費用を相手方に支払ってもらったこと等について戒告処分を受けておりまして、なお、このうち室長については、本年一月、収賄容疑で逮捕されております。 なお、これらの具体事例に係りまして、事件が発覚した経緯等については、今回は調査をいたしておりません。
○福岡分科員 そうしますと、今御説明のありました三件の事案ですけれども、これについても具体的にどういうことで発覚したのかということは調査されておらないということですけれども、これについては、当局の方ではある程度見解という一ものは持っておられるのでしょうか。それとも、まだ、どういう端緒で発覚したということについては全くわからないということでいいのですか。
○中川(良)政府委員 国家公務員法上、懲戒に関しては人事院が所管するという体系になってございます。 それから、懲戒処分を実際に行うのは各任命権者でございまして、各任命権者がそれぞれの事例にふさわしい処分をするという仕組みになっておるわけでございまして、その結果につきましては、人事院の方に報告が行われることがございますけれども、私ども総務庁としては、それをシステム的に調べるという仕組みには今のところなっておりません。
○福岡分科員 そうすると、一番、発覚の端緒というのは、なぜ私はこだわるかといいますと、先ほど言いましたように、こういったものを規制をしていく場合に、そういうことをした場合に、捜査をするときにある程度端緒というものが必要なんですけれども、その端緒というものを何にするかが非常に大事なことだと思うのですね。例えば国民の申し立てであるとか、それから庁内の同僚からの申告であるとか、いろいろなことがあると思うのですけれども、したがって、それを無視するということは余りよろしくないというふうに思うわけです。 それで、私なりに先ほどの三件を見てまいりますと、政治パーティーという問題については、政治家の人たちで政治パーティーに出席する人はたくさんいますから、公務員がいればすぐばれるので、これはばればれ。当然そうでしょう。それから、絵画なんかについては、調べてみるとこれは例の泉井の事件なんですね。あの泉井さんからの贈り物です。結局は、あの泉井事件で検察庁が調べたら出てきたのですよ。それから、宮川事件はそうではないようですけれども、ここで問題なのは、宮川室長の事件は、このときに徹底的に調べていれば検察庁の調べた事件も出てきたはずなのに、これは戒告だけで終わっちゃった。 そういうようなことで、結構ここのところは重要な問題であるので、総務庁としても、できればこういった事件について、どういうような端緒であったのかという点もあわせて把握するような体制をとっていただいた方がいいのじゃないかな。これは意見でございますけれども。 それから次に、今私申し上げましたように、国家公務員法や大蔵職員倫理規程、その他の省庁のものもありますけれども、これが実質的に機能していないという理由なんです。 これについては、総務庁は、今回法律を制定をするに当たりまして、その要因を探っておかなければいかぬというので分析されておると思うのですけれども、これについての所見を、特に大臣としてはどのように考えておられるのか、ちょっと御意見を承りたいのです。
○中川(良)政府委員 この倫理規程を定めまして以降、申し合わせ自体にもございますが、倫理規程を職員全員に周知徹底をする、あるいはそのために必要な研修等も工夫してやっていくという仕組みを考えておったわけでございますが、今回発覚した事件で、それにもかかわらずこういう事態があったということがわかったわけでございます。 恐らく大部分の公務員は、この倫理規程をつくりました一昨年十二月以降は、その趣旨を十分理解していただいているのではないかと思いますが、こうした中で、一部とはいえ、こういった不祥事によりまして行政と公務員に対する信頼を著しく傷つけるに至ったのは極めて遺憾ということでございます。 現在、政府及び与党において公務員倫理法の制定について検討をいたしておるわけでございますが、この過程におきまして、私ども、倫理規程について反省すべき点はどういった点があったのか、事務的に十分詰めて、検討のために活用していく必要があろうかというふうに思っております。
○福岡分科員 どうも私の質問に対して直接の答えになっておりません。 要するに、そういったものが機能しなかった理由は、先ほどもちょっと触れましたけれども、けしからぬ人間がたまたまやったというのじゃなくて、庁内全体にそういう風潮が蔓延しているということだから、省内全部が基本的にそういう意識を改めるというような研修その他の制度をするということがなかったことが一つの理由。 それからさらに、審査をする監督機関、これが形骸化しておって、第三者機関じゃなかったという点。 それからさらには、調査開始の要件がどうなっているかというと、上司からの申し出とか服務管理官がみずから疑わしいと思ったときだとかいうふうになっているので、開始要件が極めて閉鎖的なんだというところ。 この三点にあるのじゃないでしょうか。どうでしょう。簡単に結論だけ。
○中川(良)政府委員 私どもとしては、倫理規程をつくりますときに、ただいま先生御指摘になった問題点にも一応対応可能なシステムということでつくったわけでございますが、現実に、今回それが徹底されていなかったということがございまして、それの原因につきましては、先生からただいま御指摘をいただきました点も含めまして、十分検討する必要があろうかというふうに思っております。
○福岡分科員 わかりました。 十分な検討を、原因を分析して、それに対する対応をきちっと考えて、今度は倫理法をつくったけれども何にもならなかったという形にならないようにしていただきたいと思うのであります。そこで、私、若干私見を申し上げますと、私としましては、公務員の倫理を確立するための方策としては次のようなことが大切だと思っているのですね。 まず、先ほど言いましたように、蔓延化している倫理意識の欠如というものを排除するためには何が必要かといいますと、まず、採用時に当たっても、専門的な知識とかいろいろなものを試験として科目で重視するのは結構だと思いますけれども、それ以外に、倫理的な、公務員のあるべき姿みたいなものについての基本的な考え方というものも重視するというような形が必要でありましょう。 それから、研修制度も、新人から中堅からまたベテランも含めて定期的に研修会をする。特に、ケーススタディー的なもので論議をしていくというようなことが必要だと思うのですね。 私、弁護士をしておりますけれども、やはり弁護士でも、もうこの年になっても研修会に出ているのですよ。なぜかというと、ケーススタディー的にこういう問題についてはやはり慎重にいかないといけないということで、倫理というものはそういうものなんですね。刑事事件に触れなきゃいいという問題じゃないわけです。だから、そういう点の研修を充実強化するということ。 それから、今問題になっております公務員倫理法の整備ということであります。 整備するといっても、勝手に何でもかんでも整備するというのじゃないのですよ。やはり整備するポイントがあります。これは罰則まで伴うわけですから、倫理違反行為というものは明確に規定をする。そのうち処罰に値する構成要件、これは犯罪の構成要件と同じですね。これは処罰されますから、公務員の人権もありますから、そのうち処罰に値する行為は何かということを明確に特定をする。 それから、懲戒内容もばらつきがあっても困りますから、こういうような内容は大体どういうものであるかということもできる限り明確にするということ。 それから、先ほども言いましたように、懲戒の審査機関の独立性ですね。学識経験者であるとか、国会議員も含んでもよろしいし、それから法律専門家を含んでもよろしいでしょう。そういう形の構成による審議機関というものを設ける。裁判所の訴追委員会、弾劾裁判の場合はどうなっておるかといいますと、これは国会議員でありますけれども、これは第三者機関ということと、三権分立のところでそういうようなことになっているわけです。裁判官ですらそうなっているわけです。 それから、調査手続の中では、やはり大事なのは手続開始要件です。国民主権のもと、行政監視ということですから、それに対して倫理的に重大な違反の行為があった、こういう場合に、国民の方からこれに対する処分を求める機会を与えるということが必要であります。 現在の規則はどうなっているかといいますと、上司からの申し立てたとか、先ほども言いましたように服務管理官等が疑わしいと思ったときにやると言いますけれども、疑わしいと思わなければ全然発動されないのでは困るのです。 先ほど、私、訴追委員会のことを触れましたけれども、訴追委員会もそうなっています。何人も裁判官に対して、非行があった場合には、弾劾の訴追をすることができる、こうなっているのですね。 それと同時に、審査会の権限の強化であります。ある程度強制捜査まで、どこまでできるかは別としまして、ある程度のそういったもの、出頭義務を求める、こういうようなきちっとした手続規定の整備というような形が、不祥事件を防ぐということと自覚を高めることになるというふうに思っておるわけであります。 このような私の考え方について、大臣としては、ある程度そういった意見も取り入れて、特に独立した機関であるとか国民の申し立て権を入れるとかということについては御検討をいただける余地があるのかどうか、簡潔に御答弁をお願いします。
○小里国務大臣 大変重要な当面の問題、なかんずく公務員倫理の確立について、いろいろな視点から大変貴重な御意見をお聞かせいただきました。厳粛に、かつまた胸を痛めながらお聞き申し上げたところでございます。 お話がございましたように、一昨年、公務員倫理規程をつくりました。そして対処してまいったわけでございますが、遺憾ながら、先生御指摘のとおり、大変具体的にいろいろな問題が頻発をいたしておりまするゆゆしき状況でございます。 今次、いよいよ総理も強い意思のもとに、倫理法を制定しよう、その方向で目下、政府あるいは政党関係等、鋭意これが準備作業を急いでおるところでございまして、御指摘いただきましたことなども十分参考にさせていただきながら対処してまいりたい、さように思っております。
○福岡分科員 現在、今大臣のお話がありましたように、総理もその決意のようで、与党三党の中で、こういった法案づくり、議論が闘わされておるようであります。そこで、先ほど私、重要な点だということを四点ぐらい挙げましたけれども、与党内において、こういう公務員倫理法を策定する場合の基本的な柱といいますか、重要な柱、どんなことが討議されているか、ちょっと簡単に大臣に御答弁いただきたいと思います。まあ、これは当局でもよろしいですね。
○中川(良)政府委員 私ども、必ずしも正確に把握していない面もあろうかと思いますが、知っている限りで申し上げますと、例えば、現在検討が行われて、今後詰めていくべき問題といたしまして、先ほど法律上の禁止事項の話がございましたが、その禁止事項について、どういう形で規定をするのか、法律で個々にやるのか、あるいはもう少し下位の法令で具体的に定めることが適当なのかというふうな御議論があると承知しております。 また、一般的に、かねてこの倫理法が議論されるときに、アメリカの倫理法等も参考にいたしますと、一定の贈与とか、あるいは資産につきまして、一定レベル以上の公務員に報告義務を課したり、あるいは、そのうち一部のものについて公表させたりというような制度があるわけでございますが、そういったようなものを日本の場合、どう考えるか。さらには、その場合に、公表する資産等の範囲をどのようにするのか、あるいはプライバシーとの関係をどう整理したらいいのかというような御議論があろうかと思います。 さらに、公務員といってもいろいろな種類の公務員がおりますので、倫理法の対象といたしますこれらの公務員の範囲をどういうふうに考えるべきであるかというような論点もあるわけでございます。 それから、この倫理法あるいは倫理法に基づきます倫理規程に違反した場合の制裁措置につきましては、まず、懲戒処分で対応する場合には、現在の国家公務員法上の懲戒処分との関係をどう整理するか。それから、仮に罰則を設ける場合には、これは刑法との関係をどう整理するかということになりますが、今のところ、与党におかれましては、どちらかというと懲戒処分で対応する方向での検討がなされているというふうに私どもは承っております。 なお、審査機関につきましても、審査するとした場合にどの程度の権限を持たせた機関として設置するのが適当か、そこいち辺について今議論がなされているというふうに承知いたしております。
○福岡分科員 ついでにちょっと答えてもらえますか。請求の申し立て権者としては、だれが申し立てをできるかという問題については、討議されていませんか。
○中川(良)政府委員 個々の先生方にそれぞれいろいろな御意見があるということは承っておりますけれども、私どもが承知しております限りは、そういう外部からの申し立てというものを具体的に盛り込むべきというところまでの議論にはまだ至っていないというふうに承知しております。
○福岡分科員 どうもありがとうございました。 もう時間が参ったようでございますので、最後に一言だけ申し上げておきます。先ほどもちょっと触れましたけれども、公務員の倫理確立ということのためには、やはりよって来る要因をはっきりさせるということが必要だったのです。そして、それに対する対策をきちっと立てるということで、やはり自覚と誇りを高めるところの研修であるとか、それからさらには、具体的な行為というものについて禁止規定を明確に置いて、独立した公正な機関によって裁かれる。一番大切なことは、何といっても、私、最後にも申し上げました、国民主権のもと、国民が行政監視ができるという建前からして申し立て権を認める、しかも、その申し立て権を認めるためには、今問題になっております行政情報の公開が広くなされるということがまたこれは不可欠であります。 それからさらには、これも非常に批判の的になっております公務員の天下りの全面禁止もしくは、それはちょっと難しいとしても、少なくとも大幅な制限ということが必要だろうと思います。大蔵のOBが在職中に監督する金融機関内に二百三名、特殊法人に百七十二名、ほとんど金融機関のトップですね、これに天下りするという体質は官業癒着の最たるものであるわけですから、これを放置しておいて、癒着をなくせと言っても、これは無理だということであります。そういうような点も総合的に検討した上で公務員の倫理確立の方策というものを練り上げていく、そういうことでなければ本当の倫理確立はできないというふうに思いますので、ぜひとも、総務庁の方はそういったものの倫理関係の中心の、集約的なお役所でありますので、他のお役所に対しても指導的立場で御指導していただいて、与党内においてもそれらの意見が反映できるような形の法案づくりということに御努力をいただきたいということで、これは答弁は結構でございますので、意見を申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○河村(建)主査代理 これにて福岡宗也君の質疑は終了いたしました。 次に、山本孝史君。
○山本(孝)分科員 民政党の山本孝史でございます。 大臣には御苦労さまでございます。この委員会でございますと、大変いろいろな問題に幅広く質疑が行われていると思いますが、きょうは、私の方は、交通事故の防止と被害者の救済という問題について、関係省庁の皆さんにお伺いをさせていただきたいと思います。 この問題は多省庁にまたがっておりまして、総務庁長官が総括的に御担当しておられるという問題でございます。したがいまして、質問が多省庁にわたります関係で、長官にはお聞きいただく時間が大変に長くなりますけれども、お耳の方をぜひおかしいただきたいというふうに思います。 まず最初に、長官に御質問させていただきたいと思いますが、昨年、総務庁は初めて、交通事故の社会的な損失というものについて、金額に換算されて計算をされました。九三年の交通事故による社会的損失は四兆三千五百億円、GDPの〇・九%に当たるという数字を御発表でございます。交通事故の死亡者だけで見ましても、昨年は九千六百四十人に上っておりまして、これは事故後二十四時間以内に亡くなった方の数でございますので、実数はもっと多うございます。大臣は阪神・淡路の震災担当大臣として大変御尽力をいただきましたけれども、あの震災でお亡くなりになった方が大体六千人くらいと言われております。そうしますと、この一年間にあの震災が大体二回起こるくらいの方が交通事故で亡くなるというのが現在の日本の姿でございます。 そういう意味合いも含めまして、一向に減らない交通事故というものについて大臣はどのようなお気持ちをお持ちになって今お仕事に取り組んでいただいているのか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小里国務大臣 ただいま議員もお話がございましたように、人的な被害、あるいはまた総務庁で試算をいたしました社会的な損失、そのような一つの視点から見ました、いわば国家・社会的な損失は大変顕著なものである、大きく胸を痛める次第でございます。 今お話がありましたように、平成九年までに交通事故死者数を一万人以下といたしますよ、さらに十二年までに九千人以下とするような目標を持ちながら今取り組んでまいっておるところでございますが、ただいま議員も御指摘のとおり、依然として一万人近くの大変多くの方が交通事故により亡くなっておりまして、このような一年間の社会的、経済的損失が四兆円強の金額が推計されているところでありまして、この数字は非常に重大に政府としても受けとめなければならない、さように思っておる次第でございます。
○山本(孝)分科員 実は私も、もう四十年以上前になりますけれども、私の兄を交通事故で亡くしました。それがありまして交通遺児育英会に奉職をさせていただき、あるいはその後議員活動をさせていただいているわけですけれども、今この一万二千人あるいは九千人を目標として落とすという、以前にも質問主意書をお出しをさせていただきましたけれども、交通事故一件一件に実は大変な悲しい思いが詰まっております。それを全体数として、いや九千だというふうなことを言うのは、被害者の皆さんあるいは御遺族の皆さんにとっては、大変に失礼な話になるのだろうというふうに思うのですけれども、やはりここの数はできるだけ減らしていかなければいけない。これは長年国が取り組んできている大変重要な問題である、この点は大臣と私も認識を一にするものであります。 交通事故被害者の皆さんの気持ちはいろいろありまして、一つには、事故の真相を知りたいというお気持ち、それから、正当な補償をしてほしいというお気持ち、もう一つには、加害者を厳罰に処してほしいというお気持ち。どういう事故で一体私の家族は亡くなったのか、それに対して補償はどうなのだろうか、あるいは、その事故にかかわっておられる当事者、今は自損事故もありますから必ずしもこうは言えませんけれども、加害者の皆さんたちはどうしておられるのだろうか、この三点が交通事故被害者については大変に大きな問題であります。 この三点についてそれぞれお聞かせをいただきたいと思っておりますが、事故の真実を知る一つの方策は、警察が作成をされる実況見分調書あるいは供述調書、ここにあるわけですね。この調書の開示をどのように今取り扱っておられるのか、御担当から御説明をいただきます。
○藤田説明員 刑事事件に関しまして警察で作成をされました実況見分調書等は、通常は事件送致とともに検察庁に送られてまいります。その後の開示につきましては幾つかの段階がございまして、それに応じて御説明を申し上げますけれども、まず捜査中の記録ということになりますと、これは、刑事事件における関係者の名誉、人権の保護、あるいは捜査、公判に対する不当な影響の防止というような観点から、非公開が原則とされておるところでございます。 起訴後に裁判が確定いたしました場合には、その記録につきましては、法律に基づいて検察庁が保管しておりまして、原則として何人に対しても閲覧が認められておるところでございます。 それから、不起訴記録でございますけれども、これにつきましては非公開が原則でございますけれども、交通事故における実況見分調書は、これは代替性がない客観的な証拠であること、それから民事上の権利行使のために必要であるということなどを勘案いたしまして、弁護士等を介して閲覧が求められますと、そのほとんどについて開示が行われているというのが現状でございます。
○山本(孝)分科員 御丁寧に御説明いただきまして、私の質問の意図もおわかりをいただいた上での御答弁だったと思いますけれども、調書を見ることがなかなかできません。被害者にとっては、一刻も早く知りたい。今お触れになったように、民事の問題もありますし刑事の問題もあるわけですけれども、一体どうなったのだということが一番の問題点なのですね。ここがすっきりしないことにおいては気持ちがおさまらないというところがありますので、今お取り組みをしていただいているという御説明があったわけですけれども、もっとここを進めていただきたいというふうに私は思っております。そういう形でお取り組みをもう少し御検討いただいて、ぜひ開示がスムーズに進むようにしていただきたいと思います。 あわせて、これは御答弁いただかなくても結構ですが、警察庁の方で実況見分に当たられる警察官の数の問題。大変少ないのできっちりとした調査ができない、あるいは本当はもう少し専門的な方がおやりいただいた方がよろしいのですけれども、資質の問題等もあろうと思いますので、ここのところも御検討いただきたいというふうに思います。これは御要望にさせていただきます。 それから二番目の、正当な補償をしてほしいという問題については、国で行っております自賠責保険というものがございます。被害者に過失があった場合は、その度合いによって加害者の責任が減免される仕組みになっております。加害者の過失ゼロというふうに判定されるケースも随分ございまして、かねてから問題になっておりました。いろいろなキャンペーン等もございまして、今回、それがきっかけになりまして、自動車保険料率算定会の業務の改善を運輸省がお命じになったということになっております。 運輸省に御質問ですけれども、この有無責等の再審査会あるいは後遺障害の再審査会の委員の人選が公正に行われるということは当然ですけれども、この決定された自算会の意思というものが保険会社を通じて被害者側に伝えられる。保険会社というのは、事故がありますと一番先に出てくる、いわゆる示談屋さんみたいなものですから、その人たちから聞く再審査の内容というものが本当に正確なのかどうかというのは、再審査を要求している側からすれば極めて問題なわけですね。これは、その再調査をされた自算会の審査会自身が、保険会社を通じずに直接その再審査を要求された方に、こういう調査の結果でしたということをお伝えされるべきではないかというふうに思うのですが、お考えをお聞かせいただきます。
○大野説明員 ただいまの御質問のとおり、今運輸省の方では自算会に対する改善策を指示しているわけでございますが、御質問の点につきましては、まず直接には、自賠責保険の損害調査に関しましては、自算会はあくまでも保険会社から調査を委託されているという立場でございますので、やはり保険会社が第一の窓口にならざるを得ないと思っております。 ただ、現実にそういったことで十分な説明がなされていないということで不満がある場合もあるわけでございます。そこで、自算会への指導及び回答を通じまして、自算会は被害者等に対しましては保険会社と協力してできるだけ具体的な意思決定理由の開示を徹底するという回答が来ております。これが昨年の十二月に参りましたので、運輸省といたしましては、本年の一月十二日付で、全部で五十社になりますが、保険会社等に自算会の改善策への協力を指示した中で、自算会の意思決定理由について、自算会と協力して被害者等に対してきるだけ具体的に説明することという指示を行っております。 これに対する回答はまだ来ておりませんけれども、三月末までに前向きの回答が得られるというふうに確信しておりますし、四月一日から改善策が実施されるわけでございますから、被害者の方が御納得がいただけるような改善策に本当になるのかどうかということを運輸省といたしましても注意深く見守りまして、必要があれば新たな措置も講じてまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)分科員 自賠責の仕組みの中でいけば、各保険会社の向こう側にいわば一種附属機関として算定会があるということは理解しますけれども、要は、そこは保険会社がお金を出し合ってつくっている話なので、そういうところがやっていることが本当に正しいかというのは、これは第三者的な機関という意味でもありませんし、透明性がどこまで確保できるのかというのは極めて問題なんですね。 現在の体制の中で対応しようとすれば今お答えになったとおりなんですが、この赤本の中に、「自賠責保険の損害調査について」ということで、算定会の審理部長の近江さんが講演をされた内容が載っておりまして、こういうふうなお話をされたことになっているのですね。 今まで自算会でやる調査について開示しなかった理由というのは、唯一我々が直接話法で話をする立場にないというのがその建前の話でありますから、開示したくないということではないのです、しかも新民訴法が施行されるわけですから、当事者照会であるとか文書提出命令であるとかそういう新しい制度もにらみますと、私どもとしては、自分たちがやった作業、私どもが作成した書類についての開示は殊さらに拒む意図は毛頭ありませんというふうにおっしゃっておられるので、直接的に開示をしなさいということを言えば開示をするとおっしゃっておられるわけですから、保険会社を通じずにやった方がより透明性が高いというふうに思いますので、そうしませんか。
○大野説明員 御指摘の点も含めて対処いたしますが、自算会が保険会社を通じてでないと回答しないというのは、実はこの改善策のもう一つ前の段階で、問題があるということで我々課長通達を出しまして、被害者から申し入れがあったら自算会が直接回答してください、あるいは、保険会社も、保険会社を通じない限り回答してはいかぬということを言わないでくださいということで御指示申し上げ、御理解を得ていると思いますので、そういうことがないように今後も万全を尽くしてまいりたいと思います。
○山本(孝)分科員 ぜひ徹底をしていただいて、だめなときはこのシステムそのものを変えていくということも考えていただきたいというふうに思います。 引き続き運輸省さんにお尋ねでございますけれども、この自賠責特別会計の累積運用益は平成九年度末で一兆五千億円になっております。余りにも累積額が多いものですから、保険料率を下げてドライバーの方に還元するということをなさっておられるわけですけれども、ドライバーに還元するということと同時に、被害者に対する補償限度額の引き上げというのは検討されなかったのか。 今、死亡限度額は三千万円ですけれども、これは決して高い金額ではないというふうに私は思っておりまして、お互いがリスクを保障し合うという意味合いからいっても、保険という制度からいっても、この死亡限度額の引き上げを検討したらどうか。あるいは、死亡者に対する補償金額に対する自賠責保険のカバー率は四九%という数字をいただきましたけれども、半分ぐらいしかカバーしない。お金があるんだから、もっとカバー率を高めてもいいのではないかというふうに思うわけですが、この点についての御認識をお聞かせください。
○大野説明員 実は、保険金の支払い限度額につきましては、平成三年に保険料の引き下げを行いました際に、死亡限度額を二千五百万円から三千万円に引き上げてございます。そして、その後の動向につきましては、もちろん毎年注視いたしまして、必要がございましたら、これは大蔵省さんとも協力の上、引き上げを検討するわけなんですが、現状では、示談等の傾向を見ますと、全支払い件数の約八割について支払い額が現行の限度額の範囲におさまっている。それから、三千万円を次に引き上げるとすれば三千五百万円というのが常識的だと思いますが、これは約八%のアップになるわけでございますが、最終引き上げの平成三年からの消費者物価上昇率がまだ約四%でございます。 こういったことを考えまして、それからもう一つ、従来の基本原則といたしまして、事故の五〇%以上が自賠責保険だけでカバーできなくなったら、それからはみ出てしまいましたら引き上げるというような考え方がございますので、今までも検討はしておりますが、引き上げには至っていないわけでございます。 ただ、今後は、そういった意味で支払われる保険金額の動向等を注視しつつ、御指摘のとおり、ともかく被害者保護のための制度でございますので、その重要性を肝に銘じまして、引き上げがおくれることのないように対応してまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)分科員 大臣、自賠責の死亡限度額が三千万ということになっている。 今の御答弁の趣旨は二つありまして、一つは、物価スライドはしましようという話になっている。もう一つは、ほかのいろいろな民事訴訟上の問題があるから大体横並びでこういう数字なんだという形で抑え込んでおられるようなんですね。カバー率云々というのは、それは低いから、結局本当はもっと補償がたくさんあっていいのではないか。 いみじくもおっしゃったように、国が責任を持って自動車事故被害者を救済しようということでつくったこの保険制度ですから、よそがどうだからという話ではなくて、この制度の中でしっかりと被害者を救済するという意味合いにおいて、この補償金額を見直すというのは十分私はあり得る理屈だというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小里国務大臣 私の総務庁の方でどの程度この問題にかかわり合いを持ち得るのか、ちょっとつまびらかでございませんけれども、ただいまの議論は十分お聞き申し上げました。可能な限り参考にしながら、関与でき得る範囲で検討してまいりたいと思います。
○山本(孝)分科員 大蔵省にお伺いをします。 この七月から損害保険が自由化されます。自由化されるということになれば、事故率の高い人たちには任意保険料が高くなるということになります。そうすると加入する人が減るのではないか、そういうことの影響が心配されておりますけれども、何らかの対応をお考えでいらっしゃいましょうか。
○藤塚説明員 本年七月から予定されております損害保険料率の自由化におきまして、任意の自動車保険につきましてもその自由化の対象となる予定でございます。 こうした任意自動車保険の料率の自由化によりまして多様な商品開発が促進される、その結果、保険契約者の選択の幅が広がる、そういう利便性の向上も期待されるわけでございますが、その反面で、先生御指摘のように、例えば事故率の高い若年契約者等の保険料が大幅に上昇するおそれがあるのではないか、そういった意見があることも承知しておりますが、その影響につきまして、なかなか現時点で確たることは申し上げられないところでございます。 いずれにしましても、大蔵省としては、その自由化措置の結果といたしまして、国民生活に不可欠な保険の安定供給が著しく損なわれることのないように、例えば昨年六月には保険審議会報告がございまして、それに基づきまして、保険料率算出上のリスク要因に係る料率格差の上限、料率が余り広がらないようにしよう、格差が広がらないようにしようという上限や、引受拒否の原則禁止、そういった任意自動車保険の商品・料率認可に関する審査基準や指導事項をガイドラインとして発しているところでございます。 また、今後とも、損害保険の商品や料率に関しまして、料率三原則等の法令の審査基準に照らしたチェック、こうしたことを行いまして、必要な監督を実施して、料率自由化後におきましても、被害者救済の観点で問題が生じないように適切に対処してまいりたいと思っております。
○山本(孝)分科員 これは、会社としては当然営業を考えておやりになるわけですから、事故率の少ない人を集めた方が保険としてはもうかるわけで、当然そういう設定にならざるを得ないわけですね。そうすると、事故率の高い人はまさに保険に入らなくなるということは当然考えられる問題なので、十分な対応をしていただきたいというふうに思います。 それから、きょうは裁判所の方にも来ていただいているのですが、いわゆる裁判所で決まります被害者の逸失利益の問題ですけれども、東京方式と大阪方式というふうに言われておりまして、裁判所によって実は計算式が決まっております。あるいは、ある意味でいけば違います。日本の中に東京方式と大阪方式という形で二つ計算式があります。それは、前提となる賃金を、生涯を通じての賃金平均をとるか、初任給のところをとるか、あるいは五%の中間利息の控除の仕方を複利でやるか単利でやるかによって全く金額が違ってきます。これは、裁判所に言わせると、これは弁護士がそういう請求をするんだからとおっしゃっているのですが、そういう形になっておりまして、ある意味におけば法のもとにおける平等に反しているのではないか。 これはぜひ皆さんも読んでいただきたいのですが、二木雄策先生がお書きになった「交通死」という、かなりこの本は売れていると私は思いますけれども、二十になるお嬢さんを交通事故で亡くされた経済学部の先生が独力で調査をされて書かれた本ですけれども、男女差でも随分違います。年齢差でも随分違います。なぜこういう違いが出てしまうのか、それは本当にそれでいいのかという御認識を、これは裁判所に聞いても実はなかなか難しい問題なんですが、どういうふうなお取り扱いをしておられるのか、お聞きをいたしたいと思います。
○石垣最高裁判所長官代理者 お尋ねの論点が事件処理の内容にかかわることなものですから、事務当局としてはコメントに限界があるということを御了承いただきたいと思います。 交通事故に関する損害賠償について、今委員がお触れになりました逸失利益の算出方法に関しては、いわゆる東京方式と大阪方式の違いがあるということは言われていることのようでございまして、承知をしているつもりでございます。特に、中間利息の引き方といいますか、東京はライプニッツで、大阪はホフマン方式。あるいは平均給与のとり方ということにも違いがあるようであるということは事実のようでございます。 ただ、損害賠償額の算定に当たっては、いろいろな要素がまたかかわってまいりますし、それから具体的な事案にもよりますので、裁判所がいずれの方式を選択するかによって、それだけで直ちに認容額に大きな差が出てきているというふうには一概には言えないのではなかろうかというふうに思っております。 しかし、大きな不公平があってはいけないことは事実でございますので、いろいろ研究は進めなきゃいかぬところではございますが、一応、最高裁自身も、ライプニッツ方式、ホフマン方式のいずれを採用されることも許されると言っております。そういうこともございますので、さらにいろいろな機会に研究は進めるべき事案であろうと思います。 ただ、ほかに、実は慰謝料の取り方の基準といいますか、そういうことでもそれぞれ調整をとっているようでございますので、大きな不公平まではいっていないというのが今の私どもの認識ではございます。御指摘は大変ありがたく承っておきたいと思います。
○山本(孝)分科員 御認識はいただいているということですので、引き続きお取り組みをしていただきたいと思います。 法務省さんにお伺いをしたいのですけれども、交通事犯の起訴率が最近大変低くなってきております。かつて、八五年ぐらいまでは七〇%以上、交通事犯で起訴されていたというふうに私は思いますけれども、いただきました資料では、平成五年の二八・四%が平成九年にはさらに下がって一四・六%になっております。 科せられる刑罰も大変軽くなってきておりまして、人を殺しても罰金で済むという形が大変多くなってきている。あるいは、実刑判決が出ましてもほとんどの場合は執行猶予がついておりまして、その意味では、交通犯罪に対する寛容化傾向があるのじゃないかと言われております。重い罰則をつければそれで交通事故が減るかどうかというのはいろいろ議論のあるところですけれども、被害者側から考えますと、肉親をひき殺した運転手が次の日から同じように車を運転しているというところはどうしても心情的に納得のできない部分で、被害者の心の立ち直りを大変に妨げているというふうに私は認識をしております。 そういう意味で、もっと積極的にといいましょうか、起訴率をもとの状況に戻すというか高めていくべきじゃないだろうか。あるいは、処罰の内容についてももう少し厳罰に処していいのではないかというふうに思うわけですが、法務省の御見解をお聞かせいただきます。
○藤田説明員 ただいま御指摘の業務上過失致死傷事件の起訴率でございますけれども、軽い結果、例えば傷害の程度が一、二週間以下のものでございますとか、あるいは、示談が成立いたしまして、被害者ももはや宥恕をしているというような事案も多々あるわけでございます。全体をひっくるめて見ますと、必ずしも高い起訴率ではないということは御指摘のとおりでございます。ただ、非常に重大な結果が生じました業務上過失致死事件に限って見てみますと、証拠上、犯罪の嫌疑が認められる場合でございましたならば九〇%に近い起訴率を維持いたしておりまして、そういう意味におきましては、検察当局といたしましては、いわば寛厳よろしきを得た検察運営をやろうというふうに努めていることが数字上は言えようかなと思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、過失が認められる事案につきましては、過失の重大性でございますとかあるいは結果の重大性でございますとか、それから、申し上げるまでもございませんけれども、被害者であるとか遺族であるとか、そういう方々の心情というものを十分に考慮をいたしまして、寛厳よろしきを得た捜査処理を引き続きやってまいるべきであるというふうに存じております。この点を踏まえて、検察当局におきましては、悪質な事案であるとかあるいは重大な事案に特に力を注ぎまして、引き続き厳正に対処してまいるものと存じております。 〔河村(建)主査代理退席、主査着席〕
○山本(孝)分科員 時間がなくなりますので、きょうこの席にお集まりの皆さん、大臣含めて、単行本でございます、新書判ですから簡単に読めますので、ぜひお読みをいただきたいというふうに思っております。 あわせまして、かつては交通安全対策特別委員会という委員会がございまして、各関係省庁の皆さんへの御質問がしゃすかったのですけれども、委員会がなくなってしまいましたので、きょうはこういう場をおかりいたしましたけれども、大臣としては、関係している省庁が多うございまして、それぞれつかさつかさでやっていただくというお考えなのだと思います。しかしながら、どなたかがリーダーシップをとっていただかないと、これは総理大臣が一番上におられる交通安全対策問題でございますので、しっかりとお取り組みをいただきたい。 最後に御決意をお聞かせをいただいて、質問を終わります。
○小里国務大臣 きょうの質疑は、大変重く傾聴させていただきました。 率直に申し上げまして、一面からいいますと社会問題として、あるいはまた政府の行政施策として大変重要な問題であるのでございますけれども、また一面からは大変地味な問題でもございまして、それにもかかわりませず、議員がひたむきにこの問題を、しかも集中的に対応しておいでになるその背景あるいは根拠あるいはお気持ちなどをきょうは十分お聞かせをいただきまして、心から敬意を表する次第でございます。 いろいろお聞かせいただきました問題は、最後にお話がございましたように、総務庁で交通安全対策問題、一応大づかみに掌握はさせていただいておりますけれども、決してこれがおろそかにならないように、ますます重要な国策の一つである、またその最たるものだ、そういう自覚を持ちながら、きょうのお話も参考にさせていただきまして、対処してまいりたいと思います。
○山本(孝)分科員 どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○山本主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総務庁についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、警察庁について質疑の申し出がありますので、これを許します。今田保典君。
○今田分科員 私は、民友連の新党友愛の今田保典でございます。 きょうは、自動車教習所の産業のあり方についてお尋ねをしたい、このように思っております。 我が国は、今、国民皆免許時代と言われております。免許適齢人口の七割弱が自動車運転免許を持っています。毎年の新規運転免許取得者は二百二十万人前後ですが、このうち九五%が指定自動車教習所で免許を取っています。この車社会にあって、自動車教習所は交通安全に大きな役割を果たしているというのは当然でございます。自動車教習所の産業としての面にスポットを当てられるのは、こういう役割を果たしていながら、今まで少なかったように思われてなりません。私は、この機会に、自動車教習所の産業としての問題点や課題について、事業監督官庁の警察庁に質問いたしたいと思っております。 まず最初に、自動車教習所産業の現状についてお尋ねをします。 この事業は公安委員会の指定と非指定に分かれていますが、非指定者を含めまして業界全体の事業者数、従事者数、年商売上高と従業員の平均年齢あるいは平均勤続年数について、さらに経常収支の概要についてお尋ねをします。 また、この事業は広大な敷地を必要としますが、一教習所平均の事業用土地面積について、さらにまた、生徒が免許を取得するに当たっての平均的な時間数あるいは費用はどうなっているのか、このことについてお聞きをしたいと思います。
○玉造政府委員 お答えいたします。 自動車教習所の現状でございますけれども、平成八年末現在、事業者数につきましては、指定自動車教習所数は千五百三十、指定を受けない届け出自動車教習所の数は二百七十でございます。 従業者数でございますが、平成八年末現在、指定自動車教習所における教習指導員及び技能検定員の数は四万四千人でございます。従事者の平均年齢、平均勤続年数につきましては、申しわけございませんけれども資料がございません。 年商売上高につきましては、統計はございませんけれども、年間の卒業者数等から数千億円程度ではないかというふうに推認しているところでございます。なお、経常収支につきましては承知しておりません。 次に、事業用の土地面積でございますが、指定自動車教習所が普通自動車の教習につきまして指定を受けますためには、八千平方メートル以上のコース敷地を有することが必要でございます。平成九年末現在の指定自動車教習所のコース敷地の平均面積は、約一万五千平方メートルとなっております。 免許取得に当たっての時間数でございますが、指定自動車教習所における一般的な普通自動車教習の場合、最低教習時限数が三十四時限でございますが、平成八年末の平均時限数は約三十九時限でございます。 費用につきましては、指定自動車教習所の普通自動車教習におきましては十六万円から三十五万円程度ということでございます。 なお、資料が整いませず、答弁に足らざるところがございますが、今後、さらに必要な資料の収集、整備に努めまして実態把握に努めてまいりたいと思いますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
○今田分科員 産業の現状について今御報告をいただきましたが、基本的な部分の従事者数あるいは年商売上高の把握等について、監督官庁としては、私から言わせればまことに十分に把握していないと言わざるを得ないわけであります。 私どもの調べたところによりますと、そこに従事されておる方は約六万人、年間の売上高はざっと六千億円。こういうふうに把握をしているのですが、これもまた古いデータでございますので若干最近の状況は変わっておるかと思いますけれども、そういう状況を見ますと、小なりとはいえ立派な産業であるわけであります。 ところが、この産業は極めて不安定な状態に現在置かれております。この産業を位置づけているのは道路交通法ですが、そこでは教習所の設置と管理の基準を定めているのみでありまして、産業としての位置づけは全くなされておりません。業界の中には、事業法として自動車教習所法の制定を求める要求が出されております。この事業法制定の問題については今回の質問では触れませんけれども、そのぐらい教習所の事業者の方は思われているということを御認識をいただきたい。 そこで、国家公安委員長にお尋ねしますが、こういう車社会で非常に重要な役割を担っている自動車教習所、あるいは社会的にも非常に重要な役割を担っている自動車教習所産業でありますが、この産業の基本的なあり方あるいは産業の将来ビジョンについてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○上杉国務大臣 お答えをいたします。 自動車教習所は、運転免許を取得しようとする者に対し、初心者運転教育の中心的な役割を果たしておるわけでございます。同時に、地域住民のニーズにこたえまして、地域における交通安全教育機関としての役割も果たしておると認識をいたしております。 このように、安全な交通社会の実現に向けまして、自動車教習所は重要な役割を担っており、責任も担っておるわけでございます。今後とも、運転者教育の中心機関としてその役割を果たし、健全に発展していくことが望ましいと考えております。 特に教習所の充実につきましては、年間一万人に及ぶような死亡者が出ておる昨今でございまして、教習所で交通安全教育あるいは交通道徳等をしっかり教育をいただくことは、またかけがえのない命を守る意味からも、問題となっております交通事故の死亡者の軽減を図る意味からも大きな役割を果たすものではないか、このように認識しております。
○今田分科員 今長官からお答えいただいたように、社会的に非常に重要な役割を担っている産業でございますので、このことについては十分これからも御認識をいただいて、産業発展のために御尽力をいただきたい、このように思っているところであります。 そこで、教習所機能の有効活用についてお尋ねをしたいと思います。 教習所事業の現状ですが、免許取得年齢であります十八歳人口の減少が現在続いております。非常に厳しい経営環境にあるわけでございます。この厳しい環境に耐え切れずに、転業あるいは廃業する事業者も出ているというふうにお聞きしているところであります。私としては、広大な土地を初めとする施設面とともに、交通安全に対するノウハウを蓄えた教習所がこのまま衰退をしていくことは非常に残念でなりません。 そこでお尋ねしますが、こうした施設面とノウハウなど自動車教習所の機能の有効活用を図る意味から、免許行政が抱える業務について、もっと積極的に教習所に委託すべきではないのかというふうに考えておるところであります。 例えば、その業務として、残念ながらいろいろな事故を起こしたあるいは違反をした、そういった方々の処分者教習、さらに学科試験、適性試験の補助業務などのほか、新規業務としてバスの運転手あるいはハイヤーの運転手などが必要とする二種免許の教習制度などがあるわけでありますけれども、これらについてこういった教習所を利用する、あるいは事故の起きないように十分に活用すべきではないかというふうに思いますが、これらについてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○玉造政府委員 自動車教習所でございますが、これから免許を取得しようとしている者に対する教習を行っているのみならず、その有する施設あるいは能力を活用して、運転免許に関する講習のうち、初心運転者講習あるいは取得時講習について公安委員会からゆだねられて実施しているなど、初心運転者教育の中心的な機関として役割を果たしているところでございます。 また、地域住民に対しまして、例えば市町村からの委託等によります各種の交通安全講習会であるとか、あるいは春秋の交通安全運動の機会に施設の開放であるとか、交通安全教育の地域における中心的な機関として役割を果たしているところでもございます。本年十月一日に施行されます高齢者講習につきましても、多くの都道府県におきましては、自動車教習所に委託が行われるものと聞いております。 なお、指定自動車教習所における第二種免許の教習及び技能検定制度の導入についてでございますけれども、今後、部外有識者あるいは関係者において議論をさせていただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。 今後とも、自動車教習所の有する施設あるいは能力を有効に活用すべく適切な指導監督を行ってまいりたいと考えております。
○今田分科員 ぜひ先ほど言ったようなことを御検討いただければ大変ありがたい、このように思っているところであります。 次に、教習所で一つの義務としております高速道路の教習における安全性の強化についてお尋ねをしたいわけであります。 教習車両に回転灯を装備すべきではないかというようなことで、昨年の三月三日の分科会の中で私は質問をさせていただいたわけですが、あるいは提起をさせていただいたわけでありますけれども、当時の田中交通局長は、今後いろいろと検討させていただきます、こういうお約束をいただいたわけでございますけれども、一向に具体的な動きが見えないというのが実態でございます。その後の検討結果をお尋ねしたいわけですが、どうですか。
○玉造政府委員 高速道路教習に当たりましては、あらかじめ指定自動車教習所から教習コース及び教習車両等を明示しました具体的な教習計画を提出させまして、これに基づいて道路公団等と緊密な連絡をとるなど、事故防止上問題がないかどうかを確認いたしまして、その上で円滑な教習が実施されるように指導しているところでございます。また、教習計画の策定に当たりましては、事前に教習予定コースを実地踏査いたしました上で、教習に適した区間あるいは距離、時間帯等について綿密な検討をさせるなど、必要な安全対策を講じているところでございます。 また、現在、高速道路の教習も含めまして、仮免許を受けた者が練習のために自動車を運転、使用させる場合でございますが、外部から一見して仮免許による運転をされているということを明らかにするために、自動車の前面及び後面に仮免許練習中という標識をつけなければならないということになっております。 これらに加えまして、高速道路教習の一層の安全を確保するための対策につきまして、例えば高速道路教習中である旨の表示の方法等を含めまして、多面的に検討を行っているところでございます。
○今田分科員 この回転灯につきましては、車両の保安基準ということにかかわる問題でございますので、当然これは運輸省の管轄でございます。 このことについては、運輸省では装備することについては別に問題はないだろう、こういうふうに聞いておるわけでありますけれども、ただ、先ほど言ったように、あくまでもこれは安全性を高めるためだということでございまして、回転灯よりもまださらに安全性の高いものがあるとすれば、それはそれで結構なのですが、今のところそういったことはちょっと考えられない、とりあえず回転灯が一番いいのではないかという私の認識でございますので、ぜひ今後も御検討いただければ大変ありがたい、このように思っておるところであります。 次に、同じく高速道路の教習が義務となっているわけでありますが、それ以降、当然教習生と指導員の安全対策が大きな問題になっております。そういう意味で、先ほどの回転灯の装備もその一つであるわけでありますが、現在の交通事情を考えれば、いつ事故が起きても不思議ではありません。ましてや、高速道路教習ではそれが大事故につながりかねません。こうした状況の中で、教習生と指導員に対する万一の場合の災害補償制度が確立していれば、安心して教え、安心して教わることができるのではないでしょうか。 具体的に言いますと、自賠責の搭乗者保険に加入することでありますが、この業界は、先ほど申し上げましたように、文字どおり中小零細企業が多いわけでありますので、業界として統一加入が望ましいのではないかというふうに考えられます。 こうした災害補償制度の必要性について、どのようにお考えでしょうか。また、業界団体に強力に指導すべきではないのかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○玉造政府委員 指導員あるいは教習生の災害に対する補償は、委員のお話にございましたように、安心して教える、そして安心して教わるということにつながるわけでございます。教習水準の維持向上にとっても重要なことであるというふうに認識しております。 警察庁といたしましては、従前から、全日本指定自動車教習所協会連合会等を通じまして指導を実施しているところであり、同連合会におきましても保険のあっせん等を行っているところではございますが、引き続いて強く指導してまいりたいというふうに思っております。
○今田分科員 これは本当に教える側も教わる側も大変不安なことでございますので、今後も強力に業界団体を通じましていろいろと御検討いただければいいのではないかというふうに思いますので、ぜひそのようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、教習所に勤めている労働者、指導員も含めて労働者が大変な時間外労働を今強いられておるわけであります。いわば恒常的な時間外労働を続けている、こういうふうに言われておるわけでありまして、ある関係する調査によりますと、年間の時間外労働が四百三十時間を超えていると言われておるわけであります。この時間外労働がすべて毎日の勤務に最初から組み込まれている、つまり、恒常的になっているというのが実態でございます。 私としては時間外労働を否定するものではございませんけれども、四百三十時間にもなること、それが恒常的にされていることが大きな問題だと思うわけでございます。特に、恒常的な時間外労働は労働基準法の精神に反するものであるわけでありまして、この恒常的な時間外労働は、業界の体質としてもう既に定着しているというのが実態でございます。こうした労働時間の問題は、基本的には労使間の問題でありますけれども、業界全体が法の精神に反するような状態になっているのではないか、このまま放置できない大きな問題ではないのかというふうに思っておるところであります。 これは労働省とのかかわりもあるのでしょうけれども、業界の監督官庁として、警察庁はどのようにお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○玉造政府委員 勤務時間あるいは福利厚生の問題につきましては、基本的には労使間で解決すべきものであると考えておりますが、他方で、恒常的な長時間労働によりまして教習水準の低下、あるいは教習中の事故の危険性を生じさせることとならないようにすることも、これまた必要なことでございます。 今後とも、各都道府県警察及び全日本指定自動車教習所協会連合会等を通じまして、適正な教習の確保等の観点から、必要と認められる場合には指導助言を行っていきたいと考えております。
○今田分科員 私、この問題を取り上げたのは、運転の初歩的なものから指導する自動車学校ですので、こういう時間外を多くやって、指導あるいは教育、そういったものがおろそかになっては交通安全面からいってもまずいのではないかというふうに思うわけでありまして、このことについて監督官庁である警察庁で十分御指導いただければありがたい、このように思っているところであります。 次に、事業監督官庁としての責務についてお尋ねをしたいわけであります。国家公安委員長に、この自動車教習所産業について、責任といいますか責務といいますか、そういったものについてお尋ねをしたいわけです。 この自動車教習所産業は、小なりとも立派な産業であるわけであります。社会の重要性あるいは役割を果たしておるわけでございます。私は、今回の質問において、自動車教習所のいわば産業としての問題点を中心に質問いたしたわけでありますが、私が考えますには、産業を所管する行政官庁は、経営、労働のさまざまな業界問題に対して指導監督する責任があるのではないかというふうに理解をしておるわけでございます。 この認識のもとに現状を見てみますと、警察庁の対応に問題があると言わざるを得ない部分があるわけであります。警察行政の立場から、産業行政に戸惑いがあるかもしれませんけれども、現実に産業を所管しているわけでありますので、もっと積極的に業界への指導監督を行うべきであります。現状のままでは、働く者の生活向上や産業の健全な発展は望めないと言っても過言ではないわけであります。 そこでお尋ねをしたいわけですが、国家公安委員長として、今ほど申し上げたことにつきまして御見解をお聞かせをいただきたい、このように思っております。
○上杉国務大臣 警察庁は自動車教習所を所管しておりまして、自動車教習所が業として成り立つためにさまざまな問題があるわけでございますが、適正に教習所としての役割を果たすように指導監督する責務を担うものでございます。 これが産業として成り立っためには、警察だけで対応できるものではないと考えております。教習がそのように適切かつ効果的に実施されるよう指導監督を行ってまいりましたが、これからもその考え方、基本的な姿勢は変わるものではございません。必要な税制上の措置等もいたしまして、自動車教習所の健全な発展に努めてまいりたいと考えております。
○今田分科員 私の用意した質問はこれで終了するのですが、昨年の三月三日に同じく分科会で質問した内容について、一点だけお聞かせをいただきたいと思います。 今子供さんの痛ましい事故がいろいろなところで発生をしております。そこで、日本でも車の中にチャイルドシートを義務づけるべきではないか、またそのことについて警察庁として今後検討すべきではないかというようなことをお尋ねしました。そのときには、前向きに検討したいというような御返答だったのですが、このことについて、どのように進んでいらっしゃるのか、最後にお尋ねをしたいと思います。
○玉造政府委員 チャイルドシートにつきましては、交通事故の発生時における子供の保護に高い効果を有するものでございます。その一層の普及による着用率の向上が望まれるところであるというふうに考えております。 着用義務の問題をどういうふうに持っていくかということでございますけれども、最近、この問題に関する世論が明らかに高まってきております。また、着用率につきましても、まだまだ不十分ではございますけれども、向上しつつあるということも認められるところでございます。 したがいまして、国内における普及の状況、さらに国民の意識等、さらにはチャイルドシートに関します外国の制度等がどうなっておるかということにつきましても調査研究をさらに深めてまいりまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○今田分科員 この件については、今、親御さんは大変そのことに神経を使って運転をされておるわけでありますので、ぜひその方向で御検討いただいて、よりよいチャイルドシートの開発に努めていただきたい、このようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山本主査 これにて今田保典君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして警察庁についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○山本主査 次に、総理本府について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。肥田美代子君。
○肥田分科員 民主党の肥田美代子でございます。 私は、女性に対する暴力問題について質問させていただきたいと思います。 これまで家庭内暴力といいますと、日本においては思春期の子供が親に対して振るう暴力をイメージしてきましたが、今女性に対する家庭内暴力、夫婦間の暴力が深刻な社会問題としてクローズアップされてきております。 暴力の形態は、夫から妻への身体的暴力から心理的暴力、性的暴力に至るまでいろいろな形をとっております。私は、こうした女性に対する暴力は、単なる夫婦げんかや私ごとではなく、はっきりと犯罪として認識すべきであると考えております。 そこで、官房長官は、女性に対する夫、恋人の身体的、性的暴力をどのように認識されておられるのか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○村岡国務大臣 女性に対する男性からの暴力、妻に対する夫の暴力という概念は、必ずしも明確でありませんが、その身体、行動、意思等の自由を侵害する行為等については、刑法その他の法令に種々の罰則が設けられており、事案により、刑法上の強制わいせつ罪、強姦罪、暴行罪、脅迫罪、傷害罪、逮捕監禁罪等が成立し得るところであると思っておるところであります。
○肥田分科員 女性に対する暴力を、夫婦げんかが延長したものでなくて、犯罪として認識する立場に立てば、その犯罪の発生率は年間どのくらいあるのか、実態調査を急ぐ必要があると思います。なぜならば、女性に対する暴力の実態に関する公的機関の統計資料は極めて不十分であります。公的な統計資料としては、平成九年の男女共同参画白書でも紹介されております司法統計年報がございます。 これによりますと、家庭裁判所に離婚を申し立てた女性の申し立て理由、すなわち、調停離婚の一位は、性格が合わない、一万七千二百二件、それに次いで、暴力を振るうが二位で一万一千五百十九件、精神的に虐待するが五位で七千三百十八件となっておりますっ両者を合わせますと、一位の性格が合わないを超えているわけであります。これは、女性に対する暴力が離婚の最大の原因になっているということを示しているわけであります。 しかし、これは氷山の一角と見るべきであり、民間団体の御協力も得ながら、総理府男女共同参画室の御努力のもとで、ぜひ暴力に関する実態調査を実施していただきたい、そう思うのでございますが、積極的な御答弁をお願いします。
○榊政府委員 お答えいたします。 今御質問の点でございますが、女性に対する暴力につきましての実態調査なりデータの御質問であったわけでございますが、暴力の概念というものは非常に広範囲にわたるということと、この被害が性格上潜在化する傾向があるということで、表にあらわれない暴力を含めまして、実態をとらえるというのは現実の問題として非常に難しい問題がございます。ただ、統計的に私どもが今承知しておりますのは、警察が検挙した事件の件数ということで、夫から妻への殺人、暴行、傷害等を含めまして三百六十五件あるというふうに承知しております。 ただ、この問題につきましては、被害を受けた女性が相談や被害の訴えをしやすい環境を整備するということが極めて被害の実態を明らかにすることにつながるものというふうに考えておりまして、それらの面についての努力もさせていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○肥田分科員 女性の立場に立って総合的な問題提起ができると期待されているのは、やはり男女共同参画担当大臣を持つ総理府であろうと思います。その意欲的な基本姿勢は、男女共同参画二〇〇〇年プランに、国内行動計画の最重要課題として「女性に対するあらゆる暴力の根絶」を盛り込んだことにも示されているわけでございます。私は、この方針を積極的に評価したいと思います。 しかし、国内の取り組みは市民レベルで始まったばかりであり、政府レベルの取り組みは極めておくれているように思います。例えば、アメリカでは、一九九四年でございますが、女性に対する暴力防止法が制定されております。さらに、家庭内暴力一掃法は、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンなど主要先進国の多くの国々で成立しております。 その意味で、日本は法的保護の面でも大層おくれているわけですが、女性への暴力に対する先進国の取り組みをどう評価されますか。官房長官、お願いいたします。
○上田政府委員 国連におきまして、人権委員会のもとでの特別報告者でございますクマラスワミ女史が調査をされまして、そのようなことから私どもが把握していることがございます。御指摘のとおり、カナダでありますとか豪州でありますとか、そういった国々が、家庭内暴力のさまざまな形態について、それに関する規定を設けておられることは承知しております。 日本におきます扱いその他につきましては、担当のところからお答えがあると存じます。
○榊政府委員 お答えいたします。 今先生から御質問のございました、諸外国における女性への暴力に対する対策の方法として法律の定めがある、これについて政府としてどうとらえておるか、こういう御質問だったわけでございますが、外国の例そのものについては、私どもある程度の状況を把握しているわけですが、それなりの歴史的な背景なり社会的な状況を踏まえて、それなりの対策の一つとして法律的な手当てというのがあるというふうに考えております。 ただ、私ども日本の政府といたしましては、一つは、いろいろな法律がございまして、その厳正な適用をすることによって、ある程度女性に対する暴力の根絶に向けての取り組みができるのかなと。それからもう一点は、先ほど先生からお話がありましたように、男女共同参画二〇〇〇年プランというのを政府として決めたわけでございまして、この中に、いろいろな方面から大変細かな施策を具体的に定めておるということでございますので、この施策を進めていくことによって、男女共同参画二〇〇〇年プランが目指しているところに向かって進んでいけるのじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○村岡国務大臣 ただいまこの問題につきまして政府委員から説明がございました。 その国々によっての背景その他あろうかと思います。我が国の方は、二〇〇〇年プランという問題に、男女共同参画ということで、その中で取り上げて、暴力を、ないというようなことで取り上げていきたいし、現在の日本の法律でも対応できる、こういうふうに思っておるところであります。
○肥田分科員 今、御答弁をお聞きしましたけれども、やはり私は、率直に申し上げて、今の既成の法律では対応し切れないのじゃないかなというのが正直な気持ちでございます。 政府レベルの対応がおくれている背景には、やはり日本は欧米ほど暴力がひどくない、そういう見方があるのではないかと思うのですね。もしそうした認識をお持ちであれば、改める必要があると私は思います。 東京都の調査によれば、夫や恋人による身体的暴力を受けたという回答は一五%、言葉の暴力は二二%、立ち上がれなくなるまで何度も暴力を受けたという回答は一%です。実は、この一%という数字は、東京の成人女性に当てはめると、三万人近い数の女性に当たります。新・女と男のジャンプ・プランで暴力の撤廃を目指している大阪府が実施した調査でも、夫や恋人の暴力に関する相談は八百五十一件、過去最高を記録しております。 こうした暴力の実態を前に、総理府はどのような暴力の未然防止策をお考えであろうか、お尋ねしたいと思います。
○榊政府委員 お答えいたします。 女性に対する暴力といたしましては、性犯罪、あるいは売買春、家庭内暴力、セクシュアルハラスメントを含む、極めて広範な概念というふうに私どもとらえております。 こうした女性に対する暴力は、女性の基本的人権の享受を妨げ、自由を制約するということで、あってはならないものというふうに受けとめているわけでございまして、先ほど来お話ししております男女共同参画二〇〇〇年プランにおいても、初めて女性に対する暴力の防止ということを改めて取り上げて、重点目標の一つということで取り上げさせていただいておるわけでございます。先ほど申しましたように、その中におきまして、具体的な施策、かなり具体的に細かく定めておりますので、これを一つずつ着実にやることによって、それなりの目標を達成できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○村岡国務大臣 今答弁もございましたけれども、男女共同参画二〇〇〇年プランというのは、私が官房長官になってから、今までは女性担当大臣ということでしたが、初めて男女共同参画担当大臣と。そして、この組織も充実をいたしまして、まだ実態調査もいろいろなものもこれから聞くというような、そういう状況でございますが、またこれは、国会とか、いろいろな検討をいろいろなものでしていきたい。 今先生がおっしゃる実態も、言葉の暴力といっても相当あるかと思いますが、実際上はなかなか調べていないという実態もございます。もう少し検討をしていかなければならぬ、今までの法律で対応はできる、こういうことは申し上げましたけれども、もう少し実態を見ながら検討していかなければならぬ問題ではないか、こう思っております。
○肥田分科員 民間や自治体による調査を見て考えますことは、暴力を受ける女性の逃げ場がないということでございます。早急に受け皿をつくる必要があると私は考えます。 政府や自治体の援助がないまま、女性たちは自主的にシェルターをつくり、暴力を受けた女性たちを保護するよう取り組みを始めております。 例えば、大阪府茨木市に住む女性は、長年働いてためた退職金の一部をはたいて九六年にシェルターを開設して、昨年十二月までに延べ四十七人の女性を受け入れております。このほかにも常設の民間女性シェルターは東京、大阪、千葉などにありますが、そのほとんどが財源は賛同者から集めて、無給のボランティアに支えられております。 民間団体の調査ではアメリカには一千二百カ所のシェルターがあり、そのほとんどが公的な補助金を受けていると言われておりますが、我が国もこれを学ぶべきであると私は思います。 民間シェルターの運営が極めて困難な状況にあることは、九七年十一月十日の参議院行革特別委員会でも指摘されて、その際、村岡官房長官は女性シェルターの実態を把握して支援策を検討すると答えていらっしゃいます。 その後、シェルターの実態把握はどこまで進んだのか、先ほど官房長官はこれから頑張りますというふうにお答えいただきましたけれども、少なくともあの御答弁から後、どういう支援策がとられ、どのあたりまで進んだかということをお答えいただきたいと思います。
○榊政府委員 お答えいたします。 民間シェルターの実態把握ということでお尋ねでございますが、昨年の秋、国会の中でも議論があったということを承知しております。 ただ、個別に実態を把握するというのが、はっきり言いましてなかなか難しゅうございます。いろいろ聞いておりますと、かなり小さな団体で全国的に散らばっておるということと、長期的に同じ場所にいる場合もありますし、また場所を移動しておられたりするということで、通常の統計をとるような形での実態把握というのは、現実の問題としてはいろいろ問題が現在あるなと思っております。 ただ、私どもは男女共同参画を担当する組織として、できるだけ、活動されている方とかからいろいろお話を聞いたり、あるいはマスコミで出ているような情報あるいは活動されている団体の人との情報交換等を通じて、実態の把握に現在努めているところでございまして、今後も努力はさせていただきたいと思っております。
○村岡国務大臣 実は、実態を申しますと、総理府というのは大変間口が広くて、なかなか各省で担当できないところが総理府に集まっている、こんな感じさえするわけでございます。 したがって、今予算上も大変に少ない。特に、この男女共同参画なんというのは、私は数億ぐらいじゃないか、人員も少ない。こういうことで、実態調査とか対処というのはなかなか難しい現状にありますけれども、この中で、外国のシェルター千二百カ所もある、どのような公的資金を出しているのか、こういうこともよく実態を調べてみまして対応策を検討していきたい。 何しろ人員が数人ぐらいで予算も数億円ぐらい、こんな状況なのが実情でございます。正直に申し上げます。対応策も検討もしていかなければならぬ、こう思っております。
○肥田分科員 今官房長官から正直なお答えをいただきました。男女共同参画室をやはりもう少し格上げしていただいて、他省庁に少しはにらみがきかせるような、そういう立場であってほしいし、確かに予算ももっと欲しいと思います。 お願いしたいことは、昨年秋の答弁で、官房長官が女性シェルターの実態を把握して支援策を検討するということをお答えになったことですから、事務方はこの官房長官のお気持ちをしっかりと仕事の上で支えていただき、実現していただきたいと私は思います。 それから、我が国にはアジアからたくさんの女性が働きに来ておりますが、その女性たちが男性から暴力の被害を受けた場合、逃げ場がないという現実がございます。この人たちは今どのように保護されておりますか。
○榊政府委員 お答えいたします。 外国から見えた女性の暴力問題に関しましては、外国人女性ということではなくて、売春を行うおそれのある要保護女子の保護更生に関しましては、売春防止法に基づきまして、外国人女性も含めまして、婦人相談所の一時保護所において緊急一時的な保護を行う。また、さらに中長期的な保護更生が必要な場合には婦人保護更生施設において収容保護を行っており、これらの婦人保護施設に対しては費用を補助しているというふうに承知しているところでございます。
○肥田分科員 憲法が高らかにうたいとげているように日本が国際社会で名誉ある地位を占めるためには、虐待されたり暴力を振るわれた女性に対する十分な保護策をとり、国際社会に胸を張れるだけの支援が必要である。それが国連で採択されました女性に対する暴力の撤廃に関する宣言の趣旨にこたえることになろうかと思います。 人権擁護と暴力の根絶は国境を越えた普遍的なテーマであり、総理府は公共団体やNPOともしっかり連携して、アジアの女性がいざというときに逃げ込むことのできる緊急避難所の充実に取り組まれることをお願いしたいと思います。 このことについて前向きな御意見がございましたら、お願いいたします。
○榊政府委員 今の御質問の点でございますが、その問題につきましても、先ほど来申しておりますように、男女共同参画二〇〇〇年プランの中におきましても、今後、地方公共団体やNGOが運営する相談・救援施設との連携を強めるとともにそれらに対する支援方策を検討するというふうに定めてございますので、この線に沿って努力させていただきたいと思っております。
○肥田分科員 先ほどから何度も総理府の方から出ております二〇〇〇年プランにつきまして私がぜひお願いしたいことは、このプランがプランで終わらないように、実際に女性たちの幸せのためにこれが稼働することを祈らずにはおられません。 それで、最後の一問になりますが、実はパラリンピックについてお伺いしたいと思います。 長野で開かれたパラリンピックは、これまでの障害者スポーツのことを何も知らなかった人々にも多くの感動を与える機会となりました。私は、長野パラリンピックが、障害者が健常者のよりよいパートナーとして生きる存在であることを多くの国民に再認識され、障害者に対する偏見や差別の心を克服していく転機となったと思っております。 さて、オリンピックのメダリストには政府の報奨金が出されておりますが、パラリンピックの選手には報奨金がないため、多くの人々から報奨金を出したらどうかという提言がなされております。現在、与党内ではこのような議論もなされているようでございますし、厚生省の方でも検討中というような話も漏れ伝わってくるわけでございます。 実は総理大臣は、パラリンピックのユニフォームについて、オリンピックの選手のものと区別すべきでないとおっしゃって、そのことが実現したようでございます。 こういうことからいたしましても、ぜひ総理にリーダーシップを発揮していただきまして、みんなの雰囲気が熱いうちに報奨金についても実現していただけないかなと願うわけでございますが、官房長官、いかがでございましょう。
○村岡国務大臣 今肥田先生から、パラリンピックのメダル獲得者が報奨金を受けられるように、こういうことがございました。 実は、私も調べましたら、オリンピックにおける報奨金は、日本のオリンピック委員会が企業からの協賛金等を財源として独自に出している。もちろん国から選手の強化費とか何かというものは出しておりますが、報奨金については国の方からは出ていない、こういうふうに聞いております。 今後の障害者スポーツの充実を考えた場合、報奨金制度よりも競技の普及や選手強化等、優先させるべき課題があるとの声も相当ありますが、厚生省において、この問題も含め、今後の障害者スポーツのあり方について幅広く関係者の意見を聞く場を設けることとしたい、こう思っているところであります。
○肥田分科員 総理は、お父上のことに関連して、パラリンピックについて特段のお心を寄せていらっしゃると私は思います。 ですから、今おっしゃいました、国から報奨金が出ていないということでございますが、総理のお気持ちによってどうにでもなることではないかと私は思います。官房長官の強い応援歌をいただいて、総理がその気持ちになられるように頑張っていただきたいと思うのですが、最後にいかがでございましょうか。
○村岡国務大臣 総理が決めればどうにでもなるということでもないので、総理にもお伝えしますが、そういう協議の場を、幅広く意見を聞く場を持ちたい。総理が言ったからといって、何でもかんでもどうにでもなって出るわけでもございませんが、お伝えもしますし、それからまた、そういう場で御意見を聞きたい、こう思っております。
○肥田分科員 ありがとうございました。終わります。
○山本主査 これにて肥田美代子君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前巖君。
○寺前分科員 私は、今から二十三年前になりますか、一九七五年の予算委員会の集中審議でした、障害者の代表に来てもらって集中的にやったことがあります。 ちょうどその前に、ある聾唖者に会ったところ、銀行に行っても金を貸してくれないのだという話を聞かされた。正直言って、私、そんな社会があるのかいなと。それで、銀行へ行ったら確かにそうなのですね。それで、もうちょっと上の方へ行って聞いてみると、銀行局長通達というのが出ておって、何が書いてあるかというと、聾唖者というのは準禁治産者として扱うことができる、こういう内容の文書が出ておる。 準禁治産者とは何か。要するに、親の財産を受け継ぐこともできなければ、金を借りるようなそういう人間じゃないのだという扱いだ。これはまだ二十五年前の話なのですね。ほう、そういうことになっているのかと。これは、当時、聾唖連盟の書記長さんにもここで手話通訳を入れてお話を聞きましたし、私自身もそれを問題にした。 それから、一九七九年になるのですか、民法にそれがきちんと書いてあるものだから、民法の十一条から聾者、唖者、盲者という言葉を削って、そういう扱いをすることができるというものがなくなりました。非常に関係者から喜ばれたのですよ、人さん並みの扱いを受けるようになったと。私はそうだろうと思うのです。 それから八〇年代になってきますと、八一年に国際障害者年というのが展開されてくる、世界的になされる。それで、八二年から障害者に関する長期計画の実施。こうやって八〇年代ずっと、障害者が社会参加をさらに前進させるためにというのでいろいろな声を出されるようになった。歴史はそうやって今日まで進んできたと思うのです。 それで、特に九三年になりますと、障害者に関する新しい長期計画を実施する。これは私は画期的な提言だと思うのです。そしてその中には、障害者なるがゆえにということで、法律で欠格条項として外されているものがたくさんあるじゃないか、それを早く見直さなかったら、社会参加を妨げているじゃないか、社会制度が妨げているということになるじゃないか。こうやって歴史は発展してきたと思うのです。 官房長官は、先ほどからお話を聞いていると、総合的な話はここへ全部持ち込まれできますのや、ちょっと抜けている分野があったら官房長官のところの仕事だと、総合調整をおやりになって、非常に貴重な役割をしておられるお方だと私も思います。 そこで、民法が七九年に改正されて新しいスタートが始まった。それでは、その後一体どういうふうに各省が見直しをやってくれたのだろうか。私は当時、聾唖者の問題と限って問題を提起してきていましたけれども、聾唖者に限らない。ずっといろいろな欠格条項が各分野にあると思うのですが、九三年のその画期的な段階までの間に、それではどの省が何をやってくれたのか、御存じだったらお教えをいただきたいと思います。事務当局からでも結構です。
○榊政府委員 今の、九三年以前に欠格事由の見直しをした省庁、あるいは具体的な内容についての御質問でございますが、その当時、総理府が全体を把握している状況にはまだなかったものですから、現在把握している範囲でお答え申し上げますと、厚生省と郵政省において見直しが行われております。 具体的に申しますと、厚生省におきましては、公衆浴場の入場について、精神に障害のある方はそれまで認められなかったわけですが、昭和六十二年から認めるように改正しているところでございます。 それから、もう一つの郵政省の関係でございますが、これは無線技師の免許の関係でございます。 目の不自由な方のアマチュア無線技師の免許取得の関係でございますが、郵政省におきましては、昭和三十三年、四十年、五十三年ということで、一応各級ごとに資格要件の撤廃を行ってきてございます。したがいまして、五十三年以降におきましては、目の不自由な方はすべて免許取得できるようになっておるというところでございます。 また、昭和五十七年にはアマチュアの無線技師について、耳の不自由な方の関係でございますが、現在の四級につきましては免許取得が可能になってございます。 また、平成四年には、これは陸上の特殊無線技士の資格の関係でございますが、第三級につきましては、目の不自由な方につきましても免許取得が可能になっているという状況でございます。
○寺前分科員 今二つの省で取り組みなさったというのは、ほかの省は一体それじゃどうしておったんだろうかな。この画期的な、金が借りられる、財産がもらえるようになる、ほんまに社会参加の、一人前の、人さん並みの扱いへの道が始まったときに、自分の所管のところは考えないんだろうかというふうに、私、率直に言って感じますわ。八〇年代はそういう国際障害者年で、社会参加への声を出す時代があったのに、その時代に各省は一体何をしておったんだろうか。 九三年のこの画期的な段階以後、今日まで五年余りたつてきたのですが、それではこの間に各省がおやりになったことはどんなことがあるだろうか、御存じだったらお聞かせをいただきたいと思います。
○榊政府委員 お答えいたします。 新長期計画が九三年以降開始されたわけでございますが、それ以降の見直しの状態でございます。 一つは、厚生省におきまして、平成五年六月でございますが、それまでは精神に障害のある方については認められていませんでした栄養士、診療放射線技師、調理師、製菓衛生師の免許及びケシの栽培の許可について、障害の程度により認めることもあるという扱いに変更されているところでございます。 また、これは平成七年の六月でございますが、同じ厚生省でございますが、精神に障害のある方には認められていなかった理容師、美容師の免許についても、障害の程度により認めることもあるという扱いに変更してございます。なお、この改正の施行は平成十年四月からとなっております。 さらに、郵政省の方でございますが、先ほど申しました無線技士の関係でございますが、平成七年十月におきまして、耳の不自由な方につきまして第一級から第三級までのアマチュア無線技士の免許を取得できるように改正しているところでございます。 以上でございます。
○寺前分科員 そうすると、民法が改正されて十九年からになるわけですけれども、また、そういうふうに総理府が九三年にお出しになってから五年になるわけですが、それじゃ、その他の省にはそういう欠格条項というのを持っている法律はあるのかないのか、これはどうだったんだろうか。ありますのかいな、各省とも。ないのですか、それは。どうなのです。状況をちょっと聞かせてください。
○榊政府委員 お答えいたします。 先生今言われましたように、確かに五年過ぎておるわけでございまして、私どもの受けとめ方としては、必ずしも欠格事由の見直しについて十分に進展していないのではないかというふうに考えております。 したがいまして、私ども、現在、私ども総理府が中心になって、政府全体の資格制限の状況を把握する作業を進めておるところでございます。この把握をした上で、次の段階といたしまして、見直しについての検討を後ろ押ししていく、プッシュしていくための方策なりを検討させていただこうということで今考えておるところでございます。
○寺前分科員 総理府さんの方は、プッシュして、整理をして、指導していこうと。私、非常に大事な役割を、それこそ調整の役割としてもおやりになっているということを今聞いて、官房長官、頑張ってやと言いとうなるのです。 それにしても、私、この間のことを、ずっとこの間うちから整理してみて感じました。 例えば一九八七年、九三年のをお出しになる前、あれだけ国際障害者年をめぐって障害者がわあわあいろいろな発言をしている時期ですよ。この時期に、精神衛生法等の一部改正というのが国会にかかっているのです。 その附則を見ると、第九条に、政府は、この法律の施行後五年を目途として新規の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときには新規の規定に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする、こう書いてあるのです。欠格条項をわざわざ入れておるのかといえば、そうじゃない。 参議院の厚生委員会ですか、附帯決議をつけて、「精神障害者に対する資格制限等について検討を行うとともに、社会における精神障害者に対する不当な差別・偏見を解消するために必要な努力を払うこと。」と、わざわざこれは欠格条項の一つの問題について指摘をしているのですよね。国会ではんと指摘を受けるまでこの問題についてメスを入れようともしていない姿が、この八七年の法改正を見ておると今出てくるわけです。 さらに、九七年十二月、去年のことですわ。言語聴覚士法、そこを見ていると、また附帯決議がついているのです。障害者が障害のない者と同等に生活し、活動する社会づくり、ノーマライゼーションを行うこと、その際、総理府を中心に行っている障害者に係る欠格条項の見直しに関する検討結果に基づきこれを行うことという附帯決議がつけられるわけや。 これは、法務省が民法の改正問題をやったかもしらぬけれども、障害者の問題について言えば、厚生省というのは一番いろいろなことをいっぱい抱えているところやろうと思うのです。何でその見直しの体制に省がならぬのかいな。なっているのかいな。これが気になってしゃあない。こうやって、国会でその都度その都度欠格条項問題をいろいろな角度で指摘をせんならぬぐらいですから。専門のそれぞれの自分のところの分野においてメスを入れるくらいのことは自分でやってほしいな、私はそう思うのですよ。 今日、新長期計画が出されて五年たってきているのだけれども、官房長官は、この欠格事由の見直しが進んでいるというふうにお思いになるのか、これではえらいこつちゃなというふうにお思いになるのか。思うということが次への出発の基礎になりますから。そういう点では、連絡調整をおやりになっておられる官房長官は一体どうお考えになっているのかな、せっかくの機会だから聞かせてほしい、そういうふうに思うわけです。
○村岡国務大臣 寺前先生のお話を聞いておりました。大分前から障害者のこの壁というものを取り払ってきた、しかし、今話されたように、また答えたように、なかなか進んでいない、こういうような話もございました。 障害者対策に関する新長期計画においては、除去を目指すべき四つの障壁の一つに資格制限等による制度的な障壁が掲げられており、また、各種の資格制限が障害者の社会参加を不当に阻む障害要因とならないよう必要な見直しについての検討を行うとされております。 このように、障害者の社会への完全参加と平等を図っていく上で、欠格事由の見直しを進めることは非常に重要なことと認識をいたしております。政府としては、このような認識に立って、新長期計画の期間内のできるだけ早い時期に見直しについての検討を終了できるように努めたい、こういうふうに思っているところであります。
○寺前分科員 できるだけ早く進めたい、こういうお話でしたが、大臣、まあ原稿を別にして、今まで挙がった省というのは、厚生省の話がちょっと出ましたわいな。郵政省の話がちょっと出ました。あとの話は、まあ民法改正を法務省がやったのだから、それが一つあるぐらい。それにしても、余りにも遅過ぎるというふうに率直にお思いになりませんか。私は率直にそう思うのだけれども、大臣、おくれているというふうに思いませんかいな。
○村岡国務大臣 二省庁で直したということで、私も率直に言ってこの問題の知識に詳しくございません。各省にどういうような障害があるかということもまだ詳しく存じておりません。 今言ったように、おくれていると思っております。それを調べて対策を立てたい、こう思っております。
○寺前分科員 事務当局が手を挙げておられたようですから、何か発言があったらしてください。
○榊政府委員 お答えいたします。 現在の新長期計画の性格と申しますか、これについてちょっと補足的に御説明させていただきたいと思って、答弁させていただきます。 新長期計画というのは、総理府に置かれております障害者施策推進本部、これは十九省庁で、総理大臣が本部長でございますが、そこの本部においてこの計画を作成したということでございまして、本来ですと各省がそれぞれの立場で決められたことをやっていただくという性格のものでございまして、私どもも、それに沿って各省がそれなりの努力をしていただけるものというふうに理解していたわけでございますが、先ほど申しましたように、今、五年も過ぎまして、必ずしも検討が進んでいない状況でもございますので、先ほど来申しましたように、現在どのぐらい欠格条項なるものがあって、それを踏まえた上で、見直しの検討を進めていくために今後どういう対応をしていこうかということを考えさせていただきたいと思っている次第でございます。
○寺前分科員 それで、各省の状況調査か何か今やっているの。
○榊政府委員 今現在やってございまして、三月末には、ある程度整理といいますか作業が終了できるのではないかというところでございます。
○寺前分科員 ぜひともそれをさっさと指摘をして、指摘をしなかったら進まへんと思うわ、ぜひ前進するようにしてほしいと思うのです。 厚生省、お見えでしょうか。厚生省にお聞きしますけれども、私は、やはりあなたのところの省が、いろいろな法律では一番お世話になるのだろうと思うのですわ、この問題についていうと。私が知る限りでは、四十ぐらいの法律にかかわるのじゃないかなというふうに思っているのですが、どのぐらいの法律があるというふうに見ているのですか。そして、それをどういうふうにして計画的に解決しようとしておられるのか、すぐにでも解決できるものは手を打っていくというふうにやっておられるのかどうか、 ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○林説明員 お答え申し上げます。 厚生省所管の法令で、例えばそういう方を欠格事由としております法律の数は三十弱であろうと思っております。それにつきまして、今総理府の方からもお話がありましたように、あわせて再サーベイをいたしておるところでございます。 また、先ほど来お話にもありましたように、先般来、厚生省としては幾つかの見直しを行ってまいったところでございまして、先ほどのお話の精神保健法につきまして、平成五年の改正のときに栄養士、調理師等の五つの資格の欠格事由の見直しを行ったところでございます。 現在、総理府を中心に現況の取りまとめが行われておりまして、これを踏まえて、今後具体的な検討をしていくという段階になるわけであると承知をいたしておりますので、厚生省といたしましても、ノーマライゼーションを推進するという観点から、総理府と連携をとりながらこの問題に取り組んでまいりたいというように考えております。
○寺前分科員 これは、すぐにでもやるという話になる法律はないのかいな。私は、もう本当にもどかしく思いますね。 例えば衛生検査技師についていうと、医療関係にかかわる欠格事由の中で、衛生検査技師という職種は患者とほとんど接せず、検査業務の仲間の中でのコミュニケーションさえ保証できれば仕事はできる、こんなふうに言われるのですね。資格も、国家試験があるわけでもない。何でこんな分野で、口のきけない者が、耳の聞こえない者が絶対的に排除されなければならないのだろうか、すぐにでもこれを解決したらどうなんやろうか。そうはいきまへんのかいな、これ。
○尾嵜説明員 衛生検査技師を含めまして、医療関係資格における障害者に係ります欠格事由の見直しは私ども行うことにしておりまして、今後、先ほどお話ございました総理府の調査等を踏まえました形で検討してまいりたいというふうに考えております。 今先生御指摘ございました衛生検査技師については、確かに名称独占でございますけれども、本規定につきましては、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律にその規定が定められておりまして、臨床検査技師の欠格事由とも関連を持っておる内容でございます。 私どもとしましては、衛生検査技師及び臨床検査技師を含めました医療関係資格全体としてその欠格事由の見直しを行う、その中で検討をやりたいというふうに考えておるところでございます。
○寺前分科員 もうさっさとできそうなものは、やはりその法律によって社会参加から排除されておるのだから、早く解決してやるという立場に立たなんだら、いや、ほかがどうやとかここがどうやとか、そんなことばかり言っておったら解決せえへんのだから、できるところから速やかにやっていくという態度でこの問題に真剣に取り組んでほしいなというふうに私は思うのです。 この際、私、大きな役割を果たしているようですから、ちょっと総理府に聞きますけれども、九三年十二月に改正された障害者基本法第七条の二において、「障害者のための施策に関する基本的な計画を策定しなければならない。」こうやって、九五年五月から市町村の障害者計画を九六年をめどに策定されたというふうに聞いておるのですが、一体この進捗状況というのはどんな状況になっているのか、聞かせてくれますか。
○榊政府委員 お答えいたします。 先生御質問の障害者基本法の第七条の二に基づきまして、都道府県、市町村につきましては障害者計画を策定するように努めなければならないという規定がございまして、それを受けまして、それぞれ都道府県なり市町村においてこれまで鋭意努力をしているわけでございます。 現在の策定状況ということでございますが、都道府県あるいは指定都市においてはすべて策定済みになっておるところでございます。また、市町村につきましては、現在策定作業が進められておるということでございます。 ただ、市町村は、こういう計画をつくるのは初めてという経験のことでもございますので、私ども総理府としては、関係省庁と連携をとりながら、平成七年の五月に市町村障害者計画策定指針、ガイドラインみたいなものを一応おつくりしまして、市町村に通知しておるわけでございます。 これまでの策定状況でございますが、一九九五年五月末の策定状況が九・二%でございます。それから、九六年四月末が一〇・三%、九七年三月末の策定率、これは去年の三月末でございますが、一七・九%という状態にあります。 ただ、内容を見ますと、どうしても人口規模の小さい町村ほどおくれておるということでございますので、先ほど申しましたように、一つは、平成七年十二月に指針を作成した、来年度からは、優良事例集というのですか、そういうものもつくりまして、市町村が障害者計画を策定できるよう支援をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○寺前分科員 第一線になると、こうやってなかなか大変なんです。しかし、各省だから、国の機関だから、僕はもっと真剣にやり上げるように叱咤激励して調整をしていただきたいということを思うわけです。 この間も病院の精神科のお医者さんに会ったのですよ。この方は三十二歳の時に完全失聴し聞こえなくなって、四十五歳からある病院の聴覚障害者への精神科外来を開設しておられる。そうすると、聴覚障害を持つ患者が遠くの方からだあっと訪ねてくるというんだね。要するに私たちの気持ちが一番よくわかる。しかし、この人にとって大事なことは、私はこれを皆さんに訴えに参りたいと言ったら、自分の首が飛んでしまうことになるのじゃないだろうか、資格を奪われるのじゃないだろうか。事実そういうことになりかねないんだ。 そこで、お医者さんだって、聞こえなくたって仕事ができるというやり方というのを考えなければいかぬことになっているんだ。現にやられているんだから。非常に大きな信頼をかち取っているんだから。形式的なことだけで言ったら、あんたあかんでということになるかもしらぬけれども、そうは言えない。たくさんの信頼して集まってきている姿を見たときに、ああ、どういうふうにこの資格問題というのは考えたらいいのだろうかと私も改めて感じました。 だから、そういう意味では、大臣、総理府と相談いたしまして、まあ相談もいいけれども、相談待ちにしないようにやるということと、一番の、出ていって言いがたい問題を持っているのだから、そこをどう聞き出すかという推進本部にしてほしい。この二つの問題についての大臣の決意を聞きたいと思うのです。
○村岡国務大臣 今までのやりとりを聞いておりまして、世間一般で言われるように、役所の仕事は時間がかかる、長い、こういうふうに感じました。理由があって長いのならいいけれども、怠慢ではこれはだめなのでありまして、私も、今先生からお聞きしましたので、この問題に真剣に取り組んで、督促もいたしたいし、そういう方々の御意見等も聞いて対処してまいりたい、こう思っております。
○寺前分科員 時間が来ましたので、最後に一言だけ運輸省の方に、せっかくの機会ですから御答弁いただきたいと思います。 障害者に対する運賃割引制度について、第一種障害者とその付添人に対する百一キロ以下の列車旅行の際の自動販売機での切符購入の改善をやってほしいという要求が前々から出ているのです。 要するに、子供のところで買わなければならぬ。あそこに障害者用とちゃんと書いてくれたら、そうしたら障害者は堂々とそこで切符を買うことができる。そういう条件を持っていながら、切符を買うところの機械そのものに障害者用と書いていないために、何となしに気持ちの気の下がる、そういう要素を持っているんだ。 そこを改めてほしいという問題と同時に、運賃割引制度の精神障害者への適用ということ。今まで何回も国会で問題になって、それこそ前向きに善処をするということを大臣から答弁が出ているのに、これがいつまでも改善されない。私は何とか早く改善してほしい。御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
○安原説明員 お答え申し上げたいと思います。 最初の、障害者の割引乗車券の購入につきましては一原則的には窓口で障害者手帳を提示して購入していただくということになっておりますが、近距離区間につきましては自動券売機で今御指摘のように小児券を購入していただく、こういうことが一般的に行われているわけでございます。 また、一部では小児券とは別に障害者用ボタンというものを設置しているケースもございますが、それはまだ数が少のうございます。本日の御指摘のように、例えば障害者用のシールを張るなど、そういった形でわかりやすい方法も今後検討していく必要があろうというふうに考えてございます。 それから二点目の、精神障害者の方を割引対象に加えるということでございますが、これも従来から要望がなされているところでございます。私どもも、JR、関係民鉄に対して従来から協力要請というものをやっているところでございます。 ただ、運賃を割り引くかどうかということは基本的には個々の事業者が経営判断すべき問題でございまして、現時点のところ、一部の事業者では導入しているところでございますが、JR等におきましては、昨今の非常に厳しい経営環境の中でこれ以上の割引の拡大というのはなかなか難しいというふうな意見を持っているところでございます。 そういうことでございますが、私ども、引き続き事業者に対して検討方を要請していくと同時に、こういった障害者割引運賃のあり方について現在厚生省との間で検討会を持って議論をしている、そういう状況でございます。
○寺前分科員 時間が来ました。どうも失礼しました。終わります。
○山本主査 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理本府についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二十日午前九時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時四十七分散会