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142回国会衆議院1998/06/12

予算委員会 第35号

発言数
140
登壇者
15
会派数
3
開催日
1998/06/12

会議録

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これより会議を開きます。  平成十年度一般会計補正予算(第1号)、平成十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。

海江田万里民主党

○海江田委員 総理は今し方本会議場で不信任案が否決をされてほっとしておるかもしれませんが、本日の東京の市場ですね、夕刊を持っておりますが、円が一時百四十四円七十五銭、それから株は一万五千円を割り込みました。ただ一番最後には、終わり値は一万五千円、ぎりぎり戻したようでございますが、いっとき一万四千円台、こういう状況になっております。  これは、もう言うまでもありませんが、市場が橋本内閣に対してノーと言っているということのあらわれだろうと思います。まず一つは円安でございます。この円安につきまして、閣僚の皆様方、きょうはいろいろな、いわゆる私どもの用語でいうぶら下がりというものに遭って、あるいは閣議後の会見などで、いろいろなコメントを出しているようでございます。  尾身経済企画庁長官にお伺いをしたいのですが、尾身経済企画庁長官は、円安は日本経済にマイナスの効果があるとは思わないという趣旨の発言をされているやに新聞報道がございますが、これは事実でございましょうか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 もちろん、いろいろな効果があるわけでございまして、ただ実体経済の面で見ますと、トータルとして、いわゆる産業の競争力あるいは収益という点から見ますと、直接的な効果はむしろプラスの方が多いということも考えられるわけでございます。  しかしながら、心理的な要因等々もありますから、それをトータルとして考えなければいけないと考えておりますが、トータルとして考えて、日本経済にマイナスの結果が来るとは考えていないということは申し上げました。

海江田万里民主党

○海江田委員 トータルの面で考えて日本経済にマイナスでないという発言があったかに思うのですが、大蔵大臣はいかがでございますか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 その点について私は直接的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、日本の国内の企業からすれば、業種によってプラスに作用する業種もあればマイナスに作用する業種もあると思いますが、問題は為替相場が安定することが一番大事なことだというふうに思っております。急激な相場の変動は好ましくないので、私どもとしては常に監視をして、そして為替の安定が望ましいわけでありますから、安定に向けて常に対応は考えておかなければならぬ、こう思っておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 手元の新聞記事のコメントでは、円安には強い懸念を持っている、行き過ぎた円安には断固たる措置をとる意思を常に持っているということが書かれておりますが、まず、強い懸念を持っているかいないか、それから二番目は、断固たる措置、これは市場介入だろうと思いますが、断固たる措置をとる意思を常に持っているのかいないのか、お答えください。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 委員御指摘のように、強い懸念を持っておるところであります。行き過ぎた円安については、時によって断固たる措置をとるという強い意思は持っております。  この問題につきましては、四月のワシントンで行われたG7の会合で、G7の合意文書の中にも出ているところでありますが、G7の国、それぞれ為替の動向については常に注視をし、そして必要に応じて協力していくということが合意されておるわけであります。その趣旨を私どもは踏まえながら対応していきたい、こう考えておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 総理にもお伺いをします。  総理のコメントは、円安が日本経済の実態を反映しているとは思っていない、こういうふうにコメントを出しておられるのですが、これはそのとおりでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 言葉遣いそのものまで正確には覚えておりませんが、私は、確かに今の市場の動きというものを、必ずしも実体経済をそのままに反映しているもの、そうはとっておりません。さまざまな要因で市場は動くわけでありまして、過度に変動することは、いずれの方向であれ、さまざまな問題を醸し出す、そうした思いで見ております。

海江田万里民主党

○海江田委員 これはルービン、アメリカの財務長官の発言でございますけれども、ルービン財務長官は、米国は円安を強く懸念している、ただ、根本的な円安の解決は日本経済の再生しかないということで、つまり、この円安を解決するためには日本経済そのものを再生させなければいけない。つまり、ここでいいますと、この円安は日本経済の実態を反映しているという評価をしていると私は思うんですが、このルービン財務長官の発言に対して、総理はどういうふうにお考えでしょうか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 ルービン長官の発言は発言として、私どもとしては、現在の日本の経済的な諸条件、なるほど今景気は低迷しておるわけでありますけれども、我が国の持っておる輸出競争力あるいは外貨準備高、その他我が国の経済的な条件が、急激に円安を招くほど弱いようなものではない、こういうふうに思っております。  景気の動向だけは厳しいものがありますけれども、これについては、今御審議を願っておる平成十年度補正予算を中心とした新経済対策を実行していくことによって、景気の問題についても着実に回復軌道に乗せていくことができる、こういうふうに思っておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 私は、今の円安というのはまさに日本の経済の弱さを反映している、こういう見方をしているわけでございます。  これは総理にもう一度お尋ねをしますが、この円安というものは、日本の経済の弱さとは切り離した、日本経済はそれほど弱くないんだけれども、円だけが一方的に弱くなっている、こういうような理解をされておるということでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、今やはり、日本の経済というものを考えますときに、金融機関の抱える不良債権処理というものをどう実行に移していくか、これが大きな一つのかぎとなると思っております。  従来、我が国の金融機関、この不良債権の処理というものに、どちらかといいますと、発生するかもしれない不良債権に対し引き当てを行うという手法で対応してくる部分が多くあったわけであります。しかし、それでは本質的な解決にならないという見方が強いことは事実であり、不良債権問題を処理するという課題が、現実に債権の消滅といいますかバランスシートから落とすという努力を求められている、ここに一つのかぎがある、私は今、抽象的な申し上げ方でありますが、そのような認識を持っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 不良債権の問題はこの後で議論をさせていただこうと思いますが、今やはり、差し迫ったこの円安というものに対して、もっと危機感を持つべきではないだろうか。そして、その危機感というのは、実は日本経済が抱えている問題点とやはりこれは非常に密接な関連がある。  つまり、これは、日本経済を抜本的な改革をしまして、そして安定的な成長軌道に戻せば、私は当然この円安といったものも戻ってくるというふうに思っておるのですが、それはいかがでしょうか、総理。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今議員の言われる、不良債権の問題は後で議論すると言われましたけれども、私は、実はこの問題が大きいと思っておりますし、この問題を解決していくプロセスをきちんと仕上げていかなければ、ほかの問題を発生する可能性も、先ほどわざわざ私抽象的にお答えと申し上げましたけれども、同時に、これが日本経済においてさまざまな影響を持っておるわけでありますから、この解決に当たるということは非常に大事なことだ。  そして、そういう中で日本経済に対する信頼が取り戻されていけば、当然それはさまざまな部分に反映するであろう。同時に、それはもう一つの問題として、アジア経済に対してもプラスの影響をもたらすであろう、そうした思いを持っておることは事実です。

海江田万里民主党

○海江田委員 この不良債権の問題は後でというのは、この後すぐやりますから、ただ、話の運びというか筋がありますので、それは御協力をいただきたいわけでございますが、やはりこの円安の問題で、尾身長官はそういう意味では、先ほども改めて御本人の口からお話しいただきましたけれども、トータルでマイナスではないという発言がありましたけれども、これは、アジアの指導者あるいはアジアの財政当局の人たちが聞いたらどんな思いで聞くかということが私はあると思うのですね。  それから、これは大蔵大臣もそうでございますけれども、やはりアジアの経済の問題が、日本の円安によって大変大きな痛みを持っているということ。特に今、きょうは香港も、それからシンガポールも韓国もそうでございます、それから、昨日はタイもそうでありますが、軒並みアジアのマーケットの株価が、あるいは通貨が大変な下落をしているということがある。  とりわけ、それはどうしてかというと、中国の元の引き下げがあるのじゃないだろうかということが、大変今大きな懸念になっている。中国の本土自体は、これは為替管理なんかもかなり厳しくやっておりますから、そのかわりで香港が大変売られているわけですね。そして、やはり今アジアの国々から、日本はどうしたんだと大変な悲鳴が上がっているわけですね。  これは、実は委員長も五月の連休に中国をお訪ねになって、人民銀行の、あのときは総裁がどうしても出てこれなくて、殷さんという副総裁が出てきて、そして副総裁と、時間は短かったけれども、大変濃密な議論をやったわけでございます。  中国は、今一生懸命になって元の切り下げをやらないように努力をしている。しかし、当時の時点で百三十円という数字を挙げておりまして、私は、そういう意味では金額を、百三十円という水準を入れるのは随分思い切った発言だなと思ったわけでございますが、百三十円を、やはりそこからさらに円が弱くなると、これはアジアに対して、とりわけ中国に対して大変大きな影響を与えるから、そこは何とかして頑張ってくれなければ困るという話があったわけでございますね。  そういうようなことがありまして、やはり今回の問題は、私は、今回の円安をきっかけに、これまでのアジアの通貨危機というのが新たな局面に入りつつあるのではないだろうか。それはまさに、第二次アジア危機があるとしたら、それは中国の人民元の切り下げからスタートをするのではないだろうかということは、これは多くのエコノミスト等が、それから委員長を初めここにいらっしゃる委員の皆さん方も、そういう認識を持っておられるのではないだろうか。これはいわば常識になっておるわけでございますが、その中国の元の切り下げにつながるようなこの状況というものが今起こりつつあるのではないだろうか。  そして、細かに調べてみますと、六月の九日でございますけれども、戴さんという、これは中国の人民銀行の行長、日本でいう日銀の総裁でございますけれども、この方がまず一番初めに、円が安くなり始めまして、まさに九日でございますけれども、いち早くこの戴行長が、日本の円安が中国の経済改革にマイナスの影響を与えるということをまず発言があった。  それを受けて、実は香港の株も大きく下がった。香港の通貨も大きく下がったわけですけれども、きのう十一日には外務省の朱邦造報道官が、記者会見の中で、わざわざ日本の円安に触れて、これは報道官ですから外交部の職員なわけでございますけれども、この外交部の職員が、わざわざ、円安が中国と東南アジアの経済に影響を与えている、円の回復に日本政府は毅然とした措置をとるべきである、こういうことまで突っ込んで言っているわけですね。  大変な危機意識を今アジアの国々は日本の円安に対して持っているというとき、そのときに、円安は日本の経済にとってみればトータルで悪いことじゃないというような発言というのは、大変私はそういう意味では、そういう人たちの緊張感といいますか心配といいますか、そういうものに対して、少し自分のことしか考えていないのじゃないかというような批判が出てくると思うのですが、どうぞ、はい。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 まさに海江田委員のおっしゃるような問題点を私も考えておりまして、日本経済だけという点から見れば必ずしも悪い影響とは言えないけれども、アジア、世界その他の点から見て、この円安というのは日本だけの問題ではない、世界経済全体の問題であるということを私はきょう記者会見で申し上げました。したがいまして、報道にはそういうことも出ているわけでございます。  したがって、この問題に対して、世界各国の、経済政策といいますか通貨政策といいますか、そういうリーダーがこの問題について相談をして対処する必要があるのではないかということを一緒に申し上げたわけでございまして、それぞれの国が自分の国だけ、特に日本のような大きい国が、いろいろな意味で影響がありますから、その国の立場だけ考えてこの問題を見ていると、むしろ間違いではないかということを一緒につけ加えて申し上げたわけでございます。  どういう影響があるかということを直接聞かれましたから、前の半分を申し上げましたが、後ろの半分の方を申し上げる伏線として私はそういうことをきょう申し上げたわけでございまして、その点、誤解のないようにしていただきたいと思います。私のちょっと舌足らずでもございました。

海江田万里民主党

○海江田委員 今、経済企画庁長官は、前半分、後ろ半分というお話をしましたけれども、後ろ半分がまた実は前半分に影響を与えてくるわけですよ。  当然のことながら、アジアのこの経済危機がさらに一層深刻化したものになれば、それこそ、総理が先ほど来早く話したがっているようでございますけれども、不良債権の処理の問題も、日本の金融機関が抱えております不良債権がさらに劣化をしてくる、さらにこの額が膨らんでくる、こういう状況があるわけでございますから、そういう意味で言えば、日本経済にマイナスでないということはありませんで、日本の企業の競争力について見れば、ごくごく短期的にこれは確かに競争力が強くなるわけでございますが、トータルの面で考えたら、やはり日本経済そのものにとってもマイナスではないだろうか、私はそういうふうに思うわけでございます。  これは、これ以上お話をしてもしようがありませんので、しようがないということはありませんが、それでもまだ尾身長官が、いや、日本経済にとってプラスだというようなことをおっしゃるのでしたら御答弁いただいて結構でございますが、そこまでは言いませんね、言いますか。はい、どうぞ。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 先ほどの大蔵大臣の答弁にもありましたように、もちろん業種、業態によって違います。しかしながら、全体として、日本は輸出超過、経常収支は黒字でございます。したがいまして、その部分から見れば、マイナスの影響があるとは言えないのではないか。  ただしかし、心理的な面、その他いろいろなことを総合的に考えなきゃならないということも申し上げた上で、この日本の円の問題は、日本だけの問題ではなしに世界全体で、先ほど言いましたアジアの問題等も含めて、この問題に対応する必要があるのではないか、そういうことを申し上げたわけでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 あともう一つ、大蔵大臣から先ほどお話のありました断固たる措置というのはやはり市場介入だろうと思うわけでございますが、ただ、市場介入というのは、これは日本だけがひとりでやったって全然効果のない話でありまして、ここはまさに、アメリカがその気になって、一緒になって市場介入をしてくれるのかどうなのかというのが重要なポイントなんです。  この重要なポイントに一つヒントを与えるのが、実は、ルービン財務長官なんかは、アメリカの上院での証言というのはやっているわけですね。その証言が打ち返されて、さらに円安が進んだというようなこともあるのですが、日本の当局が入った議論というのは、これはパリで実は蔵相代理会議をやっているわけですね。従来でしたら、蔵相代理会議というのは、その中身というのは表に一切発表しないということになっているのですが、今回に限っては、アメリカのサマーズ財務副長官がわざわざ終わった後、記者会見をやっているのですよ。  その一部が日本にも報道されておるのですが、大蔵大臣は、その財務副長官の、蔵相代理のこのやりとりというものを、どのようなやりとりがあったのかというのを、どういうふうに御報告を受けているか、お聞かせいただきたいと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 六月十日に行われたG7Dの会合の話だと思うのでありますが、これは、世界経済に関するさまざまな問題についての意見交換であったわけであります。そして、ロシア経済については外に出ておる話になっておるわけでありますが、そのほかの問題につきましても、いろいろ議論がなされたわけであります。しかし、その議論の具体的な内容は公にしないという約束になっておる関係上、私から申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。  いずれにせよ、先ほどちょっと申し上げましたが、四月十五日の七カ国蔵相会議で、ここでも前に読み上げたことがあったかと思いますが、最後の部分でありますけれども、さらに円の過度の下落を修正することを目的とする日本の適切な行動を支持する、我々は、引き続き為替市場の動向を監視し、適切に協力していくつもりであるというふうに四月十五日に合意がなされ、そしてこれが発表になっておるのでありまして、これはちゃんと生きている合意事項であります。その合意事項に基づいて、適切な対応というものは考えられていくはずだというふうに思っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 そのサマーズさんの発言というのは、どうにでもとれるわけですよ。従来から確認をしていたからそれを改めて確認したという話でありまして、それがやはりこのパリで開かれた六月十日のG7をきっかけに本当にその気になって、事態はますます大蔵大臣が行かれたときの四月末のG7と違ってきておるわけですから、深刻になってきているわけですから、やはりそういう意味では、そういう合意を交わされたのなら、それをまさに実行に移すのが今の時期だと思うわけでございます。  その点、大蔵大臣が大臣として、例えば先ほども紹介しましたけれども、ルービン財務長官が上院に呼ばれてそういう証言をしておるわけでございますが、この間の急激な円安で意見交換などはしておるのですか、どうなんですか。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 この問題は、先ほど私が申したことに尽きるわけでありまして、強い懸念を持っておるということ、それからまた、行き過ぎた円安については、このG7の合意を踏まえながら、断固たる措置をとることは常に用意しておるわけであります。これをとりますよ、とりますよということを言うことは、これは差し控えなければならぬわけでありまして、その決意を持っておるということであります。

海江田万里民主党

○海江田委員 別に差し控えなくていいのじゃないですか。いけないのですか、それは。そんなことないですよ、やはりこれは。今のような、百四十四円のような円安が本当にこれでいいのかどうなのかということ、そして、それで特にやはりアジアからそういう悲鳴が上がっているわけですから、そのアジアに対するアナウンスは私は必要だろうと思うのですね。  では、財務長官と連絡は一度ぐらいとったのですか、この間の問題で。とったかとらぬか、中身はいいですけれども。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 当然のことながら、財務官から話を聞き、それに基づいて財務官はいろいろ行動しておるということだけは申し上げておきます。

海江田万里民主党

○海江田委員 財務官は榊原さんのことでしょう。榊原さんは代理で行ったのだから、それは報告を受けるのは当然で、そういう話を受けて、アメリカの財務長官とこの間連絡をとったことがあるのかないのか、それをお尋ねしておるわけです。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 今の段階で、とったとかとっていないとかと言うわけにはいきませんけれども、必要な場合には連絡をとることになろうかと思っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 とっていないということですよ、これは。問わず語りというか、とっていないのです。やはりとった方がいいですよ、どういうつもりなんだと。いろいろな連絡、いろいろな新聞報道などはあるけれども、一体何を考えているのか。それを発表しろとか発表するなとかいうのはまた別の問題ですよ。だけれども、やはりそういう機敏な行動というか、これは私は大変必要だと思う。  それから、総理にもこれはぜひやっていただきたいのですけれども、きょう不信任案は否決されたわけでございますが、あしただとかあさってだとか、これはやはりアジアに行かれた方がいいのじゃないですかね。まあいろいろな予定は入っておるようでありますけれども、それは香港ですとかタイですとか、今行けば、それは、本当に日本の総理が何を考えているのか、自分たちに対して一体どういう姿勢で臨んでくれるのかということが全然伝わってこないわけですよ。  特に、先ほどもお話をしましたけれども、やはり中国は大変このアジアの経済危機の一つの環になるところでありまして、委員長は中国に行ったときに、大体百三十円ぐらいで、これよりさらに円が安くなるぞという話がありまして、私は、その後、上海に行って、上海の方がもう少しいろいろフランクに話をしてくれますから、聞きましたら、大体二〇%だというのですよ。当時ちょうど百三十円ぐらいでしたから、二〇%というと百五十円ちょっとぐらいなのですね。百五十五、六円のところがやはり限度ではないだろうかというような発言もあるわけです。  表向き二〇%以内なら平気だということは、経済時報という中国のつい最近の新聞なんかにも書いているのです。やはり二〇%を超えて円が安くなったとき、本当に中国の元が今のような形で、切り下げをせずに我慢ができるのかというと、私は、もう限界に来ているのじゃないだろうかと。  それがアジアに与える大変大きな影響というものがあるわけですから、本来でしたら、これは、すぐにこの円安の問題で緊急の記者会見をやるとか、一番いいのは、やはり飛んでいって、今香港にはタイだとかいろいろなところの大臣も結構集まっておるようでございますから、そういうところへ飛んでいって、説明をすべきではないだろうか。日本は何を考えているのかというような批判があるということを私は指摘しておきたいと思います。  この週末にでも、飛んでいかれるおつもりありますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員の御意見は拝聴いたしました。  その上で、特定国の特定の通貨と連動して論評することは避けたいと思いますが、日本の経済の安定そして市場が安定することが、アジアの経済に影響があり、これがプラスに転じる、そのための努力を必要とする部分があるということは、先ほど御答弁を申し上げ、その認識は持っておるつもりであります。  その上で、政府は、連絡をとった、とらない、とる意思がある、ないを含めまして、そうしたことを公表することがプラスになると判断をいたしましたときには、そうした判断のとおりに行動をいたしますし、また、この場合そうした行動が表面に出ない方がよいと思うときには、そうした行動をとらせていただきます。一般論として、そのようにお答えをしておきたいと存じます。

海江田万里民主党

○海江田委員 まさに今が、表にはっきりと明らかにその決意をする時期ではないだろうか、私はそういうふうに思いますが、それは総理と認識が違うようでございますので、それはいたし方ないというふうに思います。  ただ、先ほども指摘をしましたけれども、この百五十五円を大きく下回るような、下回るというのは円安ですから下回るという言葉を使わせていただきますが、円安に進んだときに、やはりこのアジアの経済がさらに一段と深刻なものになって、その責めを負うのは日本であるということ、このことは私は指摘をしておきたいと思います。  そこで、不良債権の問題でございます。  不良債権の問題を考える場合には、本当にトータルで不良債権がどのくらいあって、そしてそれに対する、まず一番初め、総理は、しきりとバランスシートの上での償却というものは大体終わっているから、今度はそれを実際にこの世の中で流していかなければいけない……(橋本内閣総理大臣「そうは言っていない」と呼ぶ)終わっているとは言いませんけれども、かなり進んでいると。  これはきのう、大蔵大臣も、全体の引き当て率が大体七割ぐらいになっているというような発言もありましたが、少なくとも、バランスシートの上での調整だけは、整理だけは進んでおるというようなことすら、私はどうも本当にそうなんだろうか。その根拠になりますのはやはり不良債権の額でありますから、本当に不良債権がどのくらいだというような認識を持っておられて、そしてそこで、まず少なくともバランスシートの上での整理がどのくらい終わっておるというふうに考えておられるのか。  まず、これは総理の不良債権の認識ですね、お聞かせください。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私が申し上げておらない部分もつけ加えられましたけれども、もう一度、私、整理して申し上げたいと思いますのは、確かに、バランスシート上から不良債権を消すことの大切さを私は今強調しております。そして過去に、一方で、見合う引き当てを準備することによって帳簿上の処理という体制をとっておりましたものですから、それでは不十分だということを、今、当然のことながら関係者も認識をしておるだろうと思います。  その上で、SEC基準で三月期の決算を終わったところ、その数字を見ていただきましても、従来の数字とは大きく変わりました。今私は、その不良債権が総額として幾らかということを申し上げるだけの知識はありませんけれども、それが、逆に言えば、引き当てだけでは市場の信認が回復しないというそのポイントになってくるものと存じます。  それだけに、現実の不良債権が帳簿上から消えるために必要な処置、それは担保つき証券化でありましたり、主として不動産でありましょうから、土地でありましょうから、そうした対応を考えなければなりませんが、そのための仕組みとして、入り組んだ権利義務関係を調整するための仕組みでありますとか、それ自体の市場でありますとか、そうしたものを含めてきちんと仕組みをつくり上げていかなければならない、そうした問題点を脳裏に描きながら、単純化した言い方で、バランスシートから消していくという申し上げ方をしてまいりました。

海江田万里民主党

○海江田委員 今総理がおっしゃった、不良債権のSEC基準での額でございますが、九八年の三月期決算で二十一兆七千七百七十九億円ということで、九七年の九月決算でいいますとこれが十六兆一千億、その前の九七年の三月決算でいうと十六兆四千億ということですから、九七年の九月までは旧来の基準で公表をしてきた。それが一気に五兆ぐらい上乗せになったということでございますね、これは。十六兆が二十一兆になっておりますから。ただ、これは……(橋本内閣総理大臣「従来基準だと十四兆ぐらいだから七兆円」と呼ぶ)ただ、その場合は、SEC基準でやったからという話と、それからもう一つは、やはりこの間に、不良債権の債権の劣化が進んでいるということも片一方にあるわけですよね。  実は、今総理が私が言おうと思ったことをおっしゃっていたんで、従来の基準でいくと十四兆円ぐらいだ、そうすると、十六兆から二兆減ったという話になっていますけれども、では、果たしてそれを本当に信用していいのかどうなのか。  もう一つ、私たちが頭の中に入れておかなきゃいけない数字というのは、ことしの一月になって、これはそれぞれの金融機関が自己査定をしまして、一分類、二分類、三分類、四分類、それぞれの分類ごとの債権額を出した。  一分類というのは、これはもうもちろん皆さん方も御案内だろうと思いますが、健全債権でございますから、これは問題ない。二、三、四でございまして、四分類、これはもうロスでございますから、Lというもので、ロスで二兆一千三十億円。それから三分類、これはダウトと一般に言っておりますね。これはロスの可能性が大変高い債権である、これが六兆九千三百十億円ということ。  問題は第二分類でございまして、これは専門用語ではスローと言っていまして、有担保だよ、担保はあるけれども、その回収に時間がかかる、ゆっくり時間がかかるだろうということでスローと言っておるわけでございますが、問題はやはりこの二分類のところなわけですね。  この一月に発表しました数字というのは、これは銀行が自己査定でございますから、しかも、去年の大体三月末から九月末までのいずれかの時点を各行が任意に選択して行った、だからこの時点はそれぞれの銀行によって違いますよということが断り書きをしてあるわけでございますが、この二分類、三分類、四分類を含めると、全体で五十四兆三千三百六十億円という数字が出てくるわけでございますね。  これは、去年の一番遅くたって九月末までですから、これ以降、実は御案内のような金融破綻というものが出てきた。それから、株の下落というものもあるわけでございます。そうすると、今現在二十一兆七千七百億円だよとか、あるいは従来の基準でいえば十四兆円であるよ、その間順調にこの不良債権の帳簿上の処理が進んでおるということが果たして本当に言えるのかどうなのかということ。  しかも、その引き当て率というのが、これは大蔵大臣が大体七割ぐらいは済んでおるよというようなことをきのうもお話ししていましたね、細かい言い方というのはまだ記録が出てきておりませんけれども。だけれども、七〇%済んでおりますのは、大手十八行の中でたった三行なんですね。引き当てが六〇%を超えて七〇%までの間が六行であって、五〇%から六〇%までが、五〇%台が六行、五〇%以下が二行あるわけですね、どこの銀行がそうだということは言いませんけれども。それから、もちろん、言うまでもありませんけれども、三分類、四分類、とりわけ四分類なんというのはこれはもうロスですから、これは全部引き当てに積んでいなければいけない。  そうすると、こういう数字を見たとき、一番大事なこの二分類のところが果たしてどのくらい引き当てが進んでいるのかということで考えてみると、実は、仮に全体で五〇%引き当てが済んでおるよということを言いましても、それは一〇〇%引き当てなければいけない部分があるわけですから、そうすると、では二分類の引き当てというのは、五〇%ぐらいのところについていえば、これはもうせいぜい三〇%とか四〇%になるかならないか、ぎりぎりぐらいのところなんですね。そのような現実でもって、果たして本当に、少なくとも帳簿上の処理が済んでおると言えるのかどうなのか。  皆さん方にも若干わからないところがあるかもしれませんけれども、それこそ貸付金の中にも、会社がつぶれたって、全部が全部四分類という話でもないわけですよね、取れる部分は二分類に入っている部分もあるわけですから。そういうふうに積み重ねがなっているわけですけれども、この二分類の額が非常に膨大だということと、それから、この二分類の引き当てというものが本当に進んでおるのかどうなのか。  やはり、この二分類の中身というものをもう少し精査してみませんと、私は、そう軽々に帳簿上の処理はある程度順調にいっているよというようなことが言えるのかどうなのか、そういう懸念を持っておるのですけれども、これは大臣、おわかりにならなかったら当局でもよろしゅうございますが、いかがでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  先ほど先生、御披露いただきました数字で、引き当て率のお話がありましたが、これは十九行でいいますと、SEC基準の対比で六三・九%になっております。七割という御紹介をいただきましたが、計算すると六三・九%でございます。  それから、二分類の引き当ての問題でございますが、これは各金融機関が、公認会計士の判断を仰ぎながら、引き当てるべきものを引き当てるということでやっておるわけでございますが、確かに、その引き当てが適正かどうかということにつきましては、これから検査あるいは考査等で見ていくということになろうかと思います。  そういうことで、今回、十九行を見ましても、相当思い切った償却、引き当てをやっているということは、先生の御指摘のとおりでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 私の指摘のとおりだと言うけれども、銀行局長、いいですか、大蔵大臣でもいいですけれども、私が一番言いたいのは、実は、特に二分類の引き当てをめぐって、銀行について言えば、私は、やはり二分類のところの引き当てが随分おくれている銀行がたくさんありますよということを、そういう懸念を大蔵当局なり大蔵大臣なりに持っていただきたいということなんです、わかりやすく言うと。  そういう懸念を私が持つことは間違いですか。そういう懸念を大蔵大臣も、あるいは大蔵省銀行局長も私と共有できるのかどうなのか、そこが大事なところですから。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 基本的に、私は委員とそう認識は違わぬと思いますけれども。  不良債権、不良債権と言いますけれども、中身は三つぐらいに分かれるわけですね。いわゆる回収不能債権、これが不良債権であることは間違いありません。その次は、重大な懸念がある。取り立てに相当苦労をするというものがいわゆる三分類ですね。  二分類というのは、注意をする必要があるよ、こういったことでありまして、その二分類まで全部不良債権という取り扱いをしますというと何が起こるか。二分類にランクされたものに対しては、その後、銀行からの追加貸し出しもなければ、回収一方に走るという、そういうものも出てくる面がありますので、特に二分類の取り扱いは、これは慎重に対応しなければならぬ。  したがって、二分類についてはどの程度の引き当てをしておくべきかという問題は当然あるわけでありますが、処理の仕方として二分類まで不良だというふうに決めつけるわけにはいかぬ。二分類の中には立ち直っていける、そういう分もあるという前提でなければ、例の貸し渋り問題の対応の仕方としては、余り不良だ不良だと不良の方に追いやるのはいかがなものか。  しかし、銀行自身が回収の可能性を判断して決めるわけでありますから、その点は、実情に応じた対応をしていくのがいいのじゃないかというふうに私は思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 今の分類の説明は、大蔵大臣は最近大変勉強をされておって、その勉強の成果を委員会等でも披瀝をしたいのだろうということはよくわかるわけでございますが、ただ、大蔵大臣が言うと長くなるということがありまして、私がさっきわざわざお話をしたわけでございます。  ただ、大蔵大臣、一つ認識を持っていただかなければいけないのは、SEC基準というのは実は二分類がほとんど入るのですよ。そうでしょう。SEC基準になるまでは、その大蔵大臣の答弁でよかったわけですよ。SEC基準というのは、三カ月以上元利金の返済がおくれた場合は、これはまさに不良債権としてカウントするよという話ですから、だから二分類はほとんど入るのですよ。  それから、さっき、余計なことかもしれないけれども、二分類の性格づけのときにお話をしたように、実はこれは、企業自体は破綻をしてしまっているけれども、私は有担保ということをわざわざ言ったわけですよ。企業自体は破綻をしておるけれども、担保がついておるから、だから回収に時間がかかるという意味でのこの債権も二分類なのですよということを言ったわけですよ。  大臣の言い方を聞いておると……(松永国務大臣「それもそう」と呼ぶ)いや、それもそうですよ。だけれども、そういう意味では、SECの基準が入ったときから、これはまさに不良債権と言っていいわけですよ。  では、これは優良債権なのですか、この二分類は。(松永国務大臣「それは優良債権です」と呼ぶ)優良債権。優良でなければ何ですか、不良じゃないですか。(松永国務大臣「そうじゃない、真ん中があるのですよ」と呼ぶ)真ん中なんてないですよ。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  優良か不良かという言葉自体がいろいろな意味を持ちますので、私どもといたしましては、SEC基準そのものもリスク管理債権と呼ばせていただいておりますし、いわゆる二分類は要注意先債権というふうに呼ばせていただいております。

海江田万里民主党

○海江田委員 私は先ほど来お話をしておりますように、この半年ぐらいの間に、ここの部分がさらに大変劣化をしているということ。  それからもう一つは、やはり株の問題もこれありで、従来でしたら、引き当ての原資というのは含み益だったわけですよ。株に含みがあるうちは、一万七千円とか八千円とか二万円ぐらいあるときは、それでも含みがあって、引き当てができたわけですけれども、今は、まさにぎりぎり、一万幾らですか。一万五千二十円とかなんとか、それくらいですか、これは。だけれども、もう一万四千円に来てしまったわけですよ。そうすると、含みがないわけですよ。含みがなかったら、これからどうやってこの引き当て率を高めていくかというと、業務純益から削っていくしかないわけですよ。  ところが、金融機関の業務純益を見てみると、これが、はっきりいって二極分化しているわけですよ。業務純益が上がっているところと業務純益がちっとも上がっていないところとあるわけですよ。株の含み益があるときは業務純益は関係ないわけですよ、含み益からどんどんどんどん償却をしていくわけだから。  だけれども、まさにその引き当ての原資というものが業務純益に頼らざるを得ないというとき、その業務純益に頼らざるを得ないときに、まさにこの金融機関の中から、十八行とか十九行とか言われているけれども、その中がはっきり二分化して、しかもその業務純益のない金融機関が抱えている二分類の不良債権の部分というのは大変大きいわけですよ。だから、これをどういうふうにやるのかということを、これはよっぽど腹を据えて考えないと、私は重要な問題だと。これは、そういう認識を持っていただかなければいけないのですね。いかがですか、大臣、もし違っておったら。当局でもいいですよ。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  償却、引き当てをするには財源が要る、先生のおっしゃるとおりでございます。業務純益から回すか、あるいは含み益を取り崩すか、内部留保を取り崩すかというような方法があるわけでございます。今回かなりの額の償却、引き当てを行いましたので、一般論で言えば、これからはかなり業務純益ということで対応をしていくという事態が予想されるわけでございます。  確かに、先生がおっしゃいますように、各銀行によっていろいろなばらつきもございます。ただ、これは、各銀行が思い切ったリストラあるいは不採算部門を整理する等の措置によって、業務純益をできるだけ上げるということをやっていくことによって対応していただくということを期待しております。

海江田万里民主党

○海江田委員 大蔵大臣、いいですか。銀行局長はああいう形で言っておりましたが、私は、やはりこの問題はかなり深刻に考えなければいけない問題だと思うのですね。  十八行とか十九行とか言いましたけれども、本当に業務純益でもって引き当てができるところというのは半分もないわけですよ。そうすると、その半分をどうするのか。やはりつぶれる可能性というのも出てくるわけです。  そういう認識を持っていないと、総理は決してそういう言い方をしたんじゃないと言うけれども、やはり一般から聞こえると、とにかく帳簿上の、バランスシート上の償却はもうある程度進んでおるのだからと。それは、従来の考え方の発言をずっと聞いておると、そういうふうに受け取れちゃうわけですよ。あるいは、そうじゃなくても、前の三塚大蔵大臣もそうですが、一々言いませんけれども、不良債権の償却というのは順調に進んでおる、順調に進んでおるとずっと言ってきたわけです。  ところが、現実は全然そういうふうに順調に進んでいなくて、むしろまさにこれから一番の正念場を迎えなければならぬ。やはりそういうような非常に危機感を持って事に当たっていただかなければいけないのではないか。それがあって初めて、じゃどういうような解決策をとっていくのかということをこれから考えていく発想が出てくるわけですよ。  最初のところの情報が極めて楽観的な、あるいは極めて、まあ、のうてんきという言葉を、申しわけないけれどもあえて言わせていただきますけれども、そういうところから出てくれば、やはり解決策を打ち出すときに、スピードという点でも全然おくれてしまうと思うのですね。  総理、何か言いたいことがあるようですから、どうぞ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 言いたいことがあると申しますよりも、先ほど議員は、昨年の十六兆、それが二十一兆に、SEC基準で五兆ふえたと表現されました。大変失礼とは思いながら、不正規発言で、従来のルールであればこれは十四兆台に減っているという答えになったであろうと。それがSEC基準ではじいてみますと二十一兆七千億という数字になったと。私は、実はその五兆と議員が表現されました部分を七兆ととらえた方が、深刻に事態を判断し、物事を進めていく上で大きいと思っておりましたので、先ほど、失礼と思いながら、前の基準だったら十四兆、だから七兆じゃないですかという余計なことを申し上げました。  その意味で、議員が指摘をされておりますいわゆるS、二分類についての御注意というものを、私は真剣に先ほどから聞かせていただいております。

海江田万里民主党

○海江田委員 本当にもう時間がありませんで、かなりはしょった質問になってしまうわけでございます。これは本当はもう少し大蔵大臣ともお話をしたいわけでございますが、どうか本当に、とりわけこの二分類のところの引き当ての問題、それから引き当て原資の問題、これは大変大きな問題を抱えているということを記憶にとどめていただきたい。  それから、いよいよ補正絡みの総合経済対策の問題でございますが、経済企画庁長官、きょう一—三月期のGDPを出しましたね。ちょっと私はまだ聞いておらないので、実質GDP、たしかマイナスになっておるはずでございますが、お聞かせください。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 先ほど発表になりまして、私も先ほど聞いたばかりなのでございますが、一—三月期のGDP、実質国民総生産季節調整済み前期比がマイナス一・三%、年率でマイナス五・三%ということになりました。その結果といたしまして、九年度全体の実質経済成長率はマイナス〇・七%ということになっております。  今回のこのQEを見ますと、民間設備投資が、企業収益や企業の景況感の一層の悪化等を背景といたしまして、季調前期比でマイナス五・一%となっております。それから、財貨・サービスの輸出、純輸出でございますが、アジア向け輸出の減少等から、寄与度がマイナス〇・四%ということになっております。  個人消費は、厳しさを増しております雇用情勢等から雇用者所得が低迷したことも受けまして、季節調整済み前期比は〇・一%のこれはプラスということになっているわけでございまして、六割を占めます個人消費が、前期、十月—十二月期はマイナス一・〇%でございましたが、一—三月期は、わずかでございますが、〇・一%のプラスになりました。この点で、昨年以来の経済の先行きに対する消費者の著しい不透明感というものには落ちつく兆しが見られているというふうに考えております。  以上でございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 私は、数字だけを言っていただければよかったのでございます。やはり数字はうそをつきませんから。ただ、困ったことには、うそつきがよく数字を利用するのですね。私は、西洋の古い言葉にこういうことがあるので、経企庁長官のことを言っているのでは毛頭ありませんから。  マイナス一・三%という数字、これは民間がいろいろな予測を出しておったのですが、大体マイナス〇・六ぐらいだろうとか〇・八ぐらいだろうとか、その辺の話だったわけで、これは大変深刻な問題。年率計算でマイナス五・三%だと。これで本当に、十六兆円の総合経済対策で本当に一・九%の成長ができるのかどうなのか。  結論を若干早目に言いますと、二次補正をやらなければいけない可能性が出てきますよ、もうこの数字で。私はそういう気がしておるのですけれども。  まずその前に、総合経済対策の十六兆円の事業規模で名目GDPを二・一%押し上げをするということになっておるわけですね。これは、総合経済対策の効果の試算ということで、閣僚の皆さん方もそれぞれお持ちだろうと思うのですが。ただ、この計算自体も、私に言わせれば大変げたを履かせた数字だということ、これはやはり指摘をしておかなければいけないわけでございますね。  それから、当委員会でもしきりに、公共事業の乗数効果が高い、乗数効果が高いという話がありますけれども、経済企画庁が利用しておりますこの公共投資の乗数効果、総事業費七・七兆円ということで、波及効果を含めた効果が九・八兆円になって、名目GDPを一・九%押し上げる。この一・九%になる根拠としまして、用地費を除いて乗数一・三二を掛けているということなんですが。  これは、もう経済企画庁長官はつとに御存じだろうと思いますけれども、この一・三二という数字自体が、これは最新の世界モデルだということをおっしゃっていますけれども、調べてみたら、八三年から九二年の間の数字を平準化しまして、そして九五年の五月に公表している。八三年から九二年でありますから、日本でいえばバブル経済のときであったわけでございますから、今現在、もうこれは実は古くなってしまっているわけですよ。  それから、もっとわかりやすい数字で言えば、例えば公共事業が何で効果があるのかといえば、少なくともこれは労働力をたくさん雇用することになるよとか、それから資材をたくさん使うからその資材の生産につながるだろうというようなことを言うわけでございますが、この労働力だって、一番余っているのが建設業ですよ、去年の十一月から。これは労働大臣に聞けばいいですが、黒三角が、ちょっと今細かい数字がありませんけれども、去年の十一月からまさに建設業のところに労働力がだぶついているわけですよ。  それから、経済企画庁からいただいた資料によれば、まさに建設財の在庫のところが、これは一九九五年を一〇〇にしますと、四月現在の速報値でございます一一七・六、三月が一一七・〇、二月が一一九・八とか、一二〇に近い数字になっているわけですね。  ということは、つまりこの建設財、人だって新規の雇用というけれどもだぶついているのがいるわけだから、それを幾分吸収するだろうということ。それから、この建設財だって新規の生産にはつながっていかないわけですね。在庫の整理が若干進むだろうということで、これはどう考えても一・三二なんという乗数を使っていいはずもないわけですよ。だけれども、今はこれしかないからということで使っているということ。  これは、事務方としては世界モデルでやらなければいけませんから、この一・三二を使うということはいたし方ないことだろうと思いますけれども、ただ、労働省の数字でありますとか経済企画庁の数字でありますとか、そういうものをとってみると、この一・三二というのは実際には随分割り引いて考えなければいけないというような認識を持っていただかなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか、経済企画庁長官。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 いろいろな考え方があるわけでございますが、現在あるモデルは、私どもとしては最新のものであるというふうに考えております。  それから、建設資材等の話がございましたが、総合経済対策の一環といたしまして、平成十年度の当初予算の公共事業費の前倒し八一%以上ということをやっているわけでございまして、可能な限りその施行を促進するということでございまして、これもまた、いわゆる建設関係の資材の過剰在庫の解消ということにはプラスになるだろうというふうに考えております。  さらに、社会資本の整備に当たりましては、二十一世紀を見据えまして、環境・新エネルギーとか、あるいは情報通信高度化・科学技術振興、福祉・医療・教育等に重点的な配分を行っているところでございます。それに加えまして、減税もありますし、それから土地の有効利用のための公共用地の先行取得、二・三兆円でありますが、これは実は私どものGDPプラス二%程度と言っている計算には入れておりません。  そういう意味では、私どもとしてはかなりかた目に見積もっているつもりでございまして、全体として見まして、十年度の一・九%程度の成長は実現可能であると考えている次第でございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 お役人がそういう答弁をするのなら構わない。今現在、実はこの乗数自体は改定作業中だから、もう間もなくこれは改定をするのですね。だって、そんな八三年から九二年という数字は古過ぎますもの。だから、まさに今改定作業に入っていて、もうすぐこの改定作業が終わって、新しい数字を使う。そうすれば、恐らくこれは一・三二自体が減るわけですけれども、今現在はまだ改定前ですから、お役人がそれを使うのはいいと思うのですよ。だけれども、それがかた目の数字ではなくて、むしろこれはかなり緩やか目な数字で、ここよりもっと深刻に考えなければいけないなという認識は、やはり政治家というのは持っていただきたい。  それから、今の土地についても、土地の取得費、これはよく真水という議論で出てくるわけですけれども、今回経済企画庁は、一般公共と地方単独事業については五%程度の用地費を含むと、わざわざ五%ということを書いているのです。これは、緊急経済対策であって、補正でもって既に用地の手当てなどもついているだろうとか、土地の値段が安くなっているだろうからということで五%という数字を置いているのですが、従来はこれは一五から二〇%ですよ。五%なんというのは初めてですよ、低く見積もるのは。そうでしょう。  だから、これは、ここの点においても、何とか一・九%の成長に近づけるためにかなり緩目、緩目に見ているということは事実なのですね。違いますか。違うのだったら、どうぞ。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 このたびの経済対策におきましては、建設省等の公共事業の関係官庁とも相談をいたしまして、できるだけ用地費の少ないものに予算をつけようという考え方でございまして、そういう意味で、公共事業の担当の方、いわゆる社会資本整備の担当の方とも十分相談した上で、今回の経済対策に関する用地費は五%程度と見ているわけでございまして、私どもが殊さら計算のためにそういうふうにしたわけではございませんから、誤解をしないでいただきたいと思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 もう時間が来てしまいましたが、冒頭にお話をしましたように、為替と株と、それから、きょう恐らく債券も、ちょっと債券は私は見ておりませんけれども、恐らく安くなっておるだろう。トリプル安になっておる。それから不良債権の帳簿上の償却自体も、これは決して言われているほど進んでいないということ。それから、この十六兆円の問題。  実は、地方公共事業が、単独事業ができるかどうか、これは五〇%じゃないかとか、いろいろ議論がありますが、それはあえてきょうは触れなかったわけですけれども、それ以外の、やはり公共事業の乗数等もかなり甘く見ておりますので、それは経済企画庁長官が言うような、かた目に見て一・九は絶対に自信があるというようなことにならないんではないだろうか。  もう少しシビアに見ていただいて、このままだと経済企画庁長官が出てくるときは軍艦マーチをかけて、大本営発表は必ず軍艦マーチがかかりますから、軍艦マーチをかけてきて、それから答弁をしなきゃいけないような状況になるんではないだろうかと、私は大変厳しくこの状況というものを見ておるということでございます。  総理、ここまで聞きまして、どうでしょうか。これまで以上にやはり厳しい認識を持っていただきたいと思うわけでございますが、最後にお尋ねをします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 それぞれの論点につき、委員のお考えを伺いました。そして、例えば不良債権の部分、先ほど申しましたように、新しい基準で動いた数字というものをそれだけ深刻にとらえておりますと、逆に、たまたま引き当ての数字で議論をされましたが、私自身、そういう意味で、従来基準であればこうであったものが、変えるとこれだけふえる、そういう思いでとらえ、ほかの問題についても同様の問題意識を持ちながら取り組んでおりますということをもってお答えといたします。

海江田万里民主党

○海江田委員 どうもありがとうございました。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。  次に、石井紘基君。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 防衛庁の装備品の発注に係るところの過払いの問題、その整理の仕方につきまして、これは国家予算の何百億を超える金額の支出の問題でありますので、大変重大な疑惑であります。この問題から質問をいたします。  まず、今までいろんな委員会でやったことは言いませんから、これまでの経過が、お聞きの皆さんはよくわからないかもしれませんが、時間の関係でお許しをいただきたいと思います。  まず、この過払い分の整理をしたとき、これはいわゆる民法で言うと和解契約的なものだというような説明でありまして、まことにあいまいで、何でこれが和解契約なのかと思うわけであります。  そこで、覚書を、例えばこの業者、問題になっているところの四社のうちの一つの東洋通信機という場合は、平成六年の七月に覚書というものを結んだそうであります。ほかの社とも結んだのでしょう。それで、その覚書というものを見せてもらわないと、どういう条件になっていたのかということがわからぬわけであります。  この覚書というのを出してくれるようにというのを前から言っているんですが、きょうも言ってあるんですが、いかがですか。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○鴇田政府委員 お答えをいたします。  先日来、各委員会で先生の御質問にお答えをしているわけでありますが、覚書につきましては、前提といたしまして、私法上の一種の和解契約の形で、返納額について債権債務関係を新たに生じさせるということで、御指摘のように結んでおります。(石井(紘)委員「出すか、出さないかだけ」と呼ぶ)それにつきましては、当該覚書の内容が私法上の契約でございますので、私ども、一当事者の一存でこちらにお出しをするという判断ができませんので、その点については慎重に検討させていただきたいと思います。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 それは非常におかしいので、それがないとこれは議論ができませんが、どうしてそれは議論ができないかというのもまたわかりにくいでしょうから、先に進めていきたいと思います。  今、いわゆる私法上の一種の和解と言いましたが、ここで取り交わされたものはどういうものかというと、平成五年ぐらいからさかのぼって、ずっと倍ぐらいの過払いが、装備品の業者に対する過払いがあったわけですね。それを、内部告発があって、整理をしなきゃいかぬ、チェックしてみなきゃいかぬということになった。  ところが、そのやり方は、当然それはいろいろな資料を見比べてみて、もう一度、企業にも、これは税法にちゃんと規定されてあって、五年間はあらゆる財務上の書類、資料というものを残しておかなきゃならないわけですから、それを見れば一目瞭然でわかるものを、そうしないで、わざわざ極めて理解のできない方法でもって金額を決めた。  その過程には、さて何十億、あるいはさて二十四億とか、そうやってきて、結局は東洋通信機の場合は約八億七千万ということで、そこで両者でもって決めたという形になっているわけですが、この際にいろいろな条件がありまして、一つはその延納利息の問題、もう一つはその返済方法の問題であります。  その返済方法の問題からいきますと、二社については、即金でもって現金払いということで返させた。しかし、どういうわけか、他の二社については、今進行中の契約の中から、それを支払うときに差っ引きますよというような内容になっているということを聞いているわけでありますが、こういう返済の仕方、返還の仕方というものは、財政法からいっても会計法からいっても、明らかに違反である。  そこで、覚書の内容というものはどういうことになっているのかということを明らかにしてもらわなきゃいかぬわけですよ。いいですか。  会計法には、そういった過払いの返納金については、雑収入としてその年度で繰り入れなきゃいけない。いずれにしても、これはなかなか難しいのであれですが、雑収入として入れなきゃならないというふうになっているわけで、会計検査院もこの点は決算行政監視委員会で、これはおかしい、こういうふうに言っているわけですよ。  原契約でということになりますと、例えば平成六年なら平成六年に、東洋通信機なら東洋通信機との間にたくさんのいろいろな契約があったでしょうね。その動いている契約の中で、納入されるときに支払う、あるいはこの支払い時期に結局その支払うべき金額の中から差っ引くということだと思いますが、それはその年度のうちにできないじゃないですか。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○鴇田政府委員 お答えいたします。  委員御指摘のように、四社のうち二社につきましては、現在履行中の契約の中から金額を減額するということで処置をいたしました。全体的な話で申し上げますと、私法上の契約で、既に債権債務関係が終わっているものについて、新たに返納義務を生じさせるということで覚書を結んだわけであります。  御承知のように、原価差異の返納という事案は、全く調達実施本部にとりましても初めてのケースでありまして、これについての具体的な、統一的な処理基準というのは決まっておりませんでした。したがいまして、こういった形の私法上の和解契約の一つの形態として、二社につきましては、先方からの要請もあり、原契約を修正するということをやらせていただいたわけであります。  例えば東洋通信機の場合ですと、平成元年から五年までの分についての原価差異額につきまして、平成六年度に、現在履行中、つまりこれから代金を払う分について調整をさせていただいたわけでありますので、事実上技術的には可能でございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 それは、技術的には可能かもしれないけれども、法律的な問題を言っているのですよ。そのときに進行していた契約というものは、大体でき上がったときですから、もし一〇〇%その年度中に支払いの時期が来るとしても、そうしたらその年度で払えることじゃないですか。何もそんな、百も二百もある契約の中に埋め込んでしまって、そこから一々引くというようなことをする必要は全くないじゃないですか。どうしてそういうことをやったのか。これは全く理解に苦しむところですね。  法制局は来ているのですか。法制局、どうですか。会計法に照らしてこうした方法、今の答弁では、今までこういう例がない、例がないのは当たり前ですよ。不正を前提にしてこんなものを例をつくっておくわけないわけですから、例がないのは当たり前であって、そういう場合は法律に従ってやるのですよ。法制局長官、それは、会計法でいったら、当然そういうことになるでしょう。

大森政輔内閣法制局長官

○大森政府委員 お尋ねの事案につきまして、委員から御質問の趣旨の御連絡を受けまして、若干議事録その他の資料を集めてみたわけでございますが、何分にも、この問題につきましては、防衛庁から法律相談を受けたわけでもございませんし、また詳細なる事実の説明を受けたわけでもない。また、調査権をもって調査し得る立場にもないというのが法制局の立場でございまして、ただいまのお尋ねの件につきましては、確たる事実を承知していないというのが本当のところでございます。  したがいまして、お尋ねのそれについて、法律上どうかということにつきましても、確たるお答えをし得る立場にもありませんし、また、しろと言われてもできないということを御了解いただきたいと思います。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 明らかにこれは後年度に支払い時期が来るものはかなりあるわけですね。そうすると、自後の年度において返還、返納されるべきものを受け取るということでありまして、予算は憲法によって単年度主義ですから、そういう中で、この返納金については、防衛庁の処理の仕方はどういうことをやっているのですか。帳簿上、この返納金はどういうふうに処理しているのですか。その返納がちゃんと行われたのかどうなのか、そういう資料はあるのですか。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○鴇田政府委員 御指摘の二社につきましての契約変更による原価差異額の返納につきましては、先ほど申し上げましたように、平成六年度の契約の中で支払いの中から落としているわけでございまして、それについての格別の手続はとっておりません。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 その覚書がどういうふうになっているのか。  今の問題はまだきちっとした答弁がないから残しておきますが、例えばもう一つの問題は、利息の問題ですね。  この利子について、一方は八・二五%という国の債権管理法に基づく利率を決めているわけです。一方は四・八六%、今の東洋通信機なんかも四・八六%というふうにしておる。この返納の方法も、東洋通信機とニコー電子については、両方とも利子の安い方です。これは結局、契約の中から差し引きますよと。他の二社については、これは即金で、現金で払いなさい、しかも利率も罰則の利率になっている。これはどういうわけですか。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○鴇田政府委員 御指摘の返納金に係る延滞利息の話でありますが、委員御指摘のように、二社につきましては、国の債権の管理等に関する法律に基づく債権の延納利息を準用させていただいておりまして、八・二五%でございます。他の二社につきましては、防衛庁調達実施本部が契約の中で使っております過去五年の標準実績金利の平均率を使いまして、当時では四・八六%であったと聞いております。  いずれにいたしましても、今御指摘はいただきましたが、こういった原価差異額の返納についての処理基準というものはございませんでした。したがいまして、各担当部担当部ごとに、これら四件、二年間にわたって処理をさせていただく中で、そういった基準のない中でどういった金利を模索するかということで対応したわけでございます。  したがいまして、国庫一括返納の場合の二社につきましては、先ほど申し上げた八・二五%、国に対する債権にかかわる金利を適用いたしましたし、契約変更で臨んでほしい、それによって私法上の和解契約を成就できる、そういった二社につきましては、我々が契約上通常使っております標準実績金利の平均金利を使った。その結果具体的な数字が異なってきたというように、対策特別委員会から報告を受けております。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 私はなぜそういうふうになっているのかと聞いているのに、あなたは、私が言ったことを繰り返しただけでしょう。そういうふうに人の質問時間を引き延ばすような答弁はやめなさいよ。ともかく、こうやって引き延ばされるものだから、これでとまっちゃうと次へ進めないわけで、困っちゃうわけです。  要するに、あなたたちも理由を言えないのですね。なぜそういうふうなやり方をしたかということはわからない。しかも、なぜ、東洋通信機で言えば八億七千万にしたかということもわからない。しかも、今までのやりとりでいけば、その原価を示す資料というものがなかったというようなことを言っているわけです。  この問題は、要するに、これは防衛庁長官の答弁にもありましたけれども、ずっと長いこと、ただ五年間だけじゃないのです、ずっと倍ぐらいの、倍という言葉も長官の方から出ました、倍ぐらいの水増し請求をやってきた、企業の方が。それは防衛庁がやらせたのかどうか知りませんが、やってきた。ずっと払い続けてきた。  それで、それが発覚したのが平成五、六年ごろだから、そうすると、商法の時効の期限によって、五年間だけさかのぼってやりましょうとやって、五年間の資料というものは税法上あるはずなのに、それがないといって、そして、わけのわからない今の答弁のような説明のつかない金額を決めた。この結果、何十億あるいは百億という単位の国の損失が出ているわけです、財政上の。そういう重大な問題なんですよ。  その調本の当時の副本部長という人が、上野さんという人ですが、恐らくこの人が指揮をとってこういうことをやっていたと私は感じているわけですが、そのときにその下におられたのは、井内さんという今大阪にいる方です。さらに、そのとき補佐をやっておられたのは安藤さんという方です。その方はきょうお見えいただいていますか。いらっしゃいますね。じゃ、安藤さんにちょっと。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 ちょっと待ってください。参考人でございますか。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 参考人で言ってあるはずなんですが。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 私の方には届いておりませんが、どういう身分の方ですか。お役人ですか。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 ええ、今防衛庁の調本の本部にいる方です。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 政府委員の発令はなっていますか。——防衛庁長官。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 先ほどからお話がございましたが、調達実施本部のこの問題につきましては、私どもとしましても、実は昨年九月に差額事案対策委員会というのをつくりまして、ずっと調査をしてきているわけでございます。現在もまだやっておりますけれども、それに基づいて、どういう経緯の中でこの問題が発生したのか、そのときにどういう対策をその当時講じたのか、そして今後こういうことが起きないためにはどうすればいいのか、そういうことをやってきております。  先ほど言われましたように、金利の問題、あるいはまたそういう一括返還等、あるいはまたそのときの相手との交渉で契約を変更してやる問題、こういうまちまちの問題ではいけないということで、一つの方針が決まってないから、そのときに相手から言われれば、いや、しようがない、返してもらうためにはこれでやろうというような形になったようでございますから、そういうようなことから、一つの方針を決めようということで、先般、三月にその方針を決めたわけでございます。  それと、調達実施本部の職員につきましては、原価差異事案等、そういうことに携わりますので、従来から政府委員としては任命しておりませんので、その辺については御理解賜りたいと思います。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 私は、非常にけしからぬと思うのですよね。こういう質問をしても、そういうふうに、せいぜいよくて、聞いておりますというような答弁しかできないのですよ。当事者がいるのですから、今調本の中に。その現に携わった人を再三要求しても出してこない。きょうだって要求しているのに出してこない。おかしいじゃないですか、それは。これはおかしい。もう再三、きのうから言っているわけですから。正式にも出しているわけですから。まあ来てないものはしようがない。また改めてやるしかないです。  今言いましたように、大臣も再三答弁されておりますように、この金額というものは、そういうように根拠がない。両者の和解でできた金額だと、ただそれだけですよ。何で和解でその金額ができたのかというのは一言も言わないわけです。それで、その過程では、答弁にも以前ありましたように、こうこうこういう方法をとればこういう金額になる、こういう方法をとればそれより多い金額になるとか、何通りか案がございましたということは、装備局長の答弁で何度か出ているわけですね。  ということは、そのやり方の中で、私なんかが直接聞いている話では、いろいろな数字が出てきて、一時は二十四億という数字が出た。そうすると、さっき言った副本部長が、いや十億以内に減らせということで指示をした。それで結局八億七千五百万円になったということなんですよ。いいですか。  これを、長官もお認めのように、これは確かにその以前のこともありますから、国に損害を与えておりますということですね、そしてその責任もあるでしょうと言ったのに対して、責任もございますという答弁をされました。ただ、その責任については、和解契約があった以前についてでしょうというようなことをおっしゃったと思います。  しかし、この和解契約がどう履行されているかということは今わからないと言っているわけですね。つまり、資料を出せない。まあ、それは今押収されているのでしょうから、それは資料が出せないというのは私もわかります、今出せないというのは。  しかし、なぜこの金額になったのか。それだったら、当事者をなぜ出さないのか。当事者を出せばそのことはわかるわけですよ。いいですか。それは今押収されちゃっているから、当事者を出さなければだれもわからないと。それはそうですよ。わからないですよ。そういうことをやっているから、東京地検が押収してからもうかなり時間がたっているのですね。だから、こういうものも、地検も早くこれをやるならやってもらわないと、あるいはやめるならやめるで早くやってもらわないと、防衛庁もやはり資料が出せないという点でお困りだろうと思います。あっても出さないのかもしれませんが。  前の装備局長の答弁では、その当時資料がなかったという答弁が議事録にもあるわけですが、それは訂正してもらわなきゃなりませんが、今いろいろのむだな答弁がありましたので時間がたったから、先に進みます。  そうしますと、防衛庁としては、その以前の分は少なくとも民事の解決も何もやっていないわけで、これは国損を与えているので、やはり、今のこの処理の仕方について、いまだにこんなぐあいであるということで、これは、責任を何らかの形で、例えば日銀とか大蔵省とかいうのを徹底調査を、徹底した調査をしませんでしたけれども、一応調査はした、そして処分をした。そうしないと今後のことにつながっていかないわけですね。今後こういうふうにしたらいいということは、過去の実態をよく調査して、そしてそれなりの責任を明らかにして、その上でないと、今後の適正な運営というものができ上がっていかないわけですよ。  防衛庁長官、これはそこまで、再三答弁のぎくしゃくがあって、そして陳謝もされたりいろいろなことをして、いまだに全くあいまいなんですから、それはきちっと調査をして、そして責任をはっきりさせるということを言わなきゃいけないのじゃないですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 国損を与えたといいますか、要するに、五年前までさかのぼって、これだけは取り返しができるということで、要するに時効にもなっていないから取り返しができるということでやったわけでございまして、その当時、だから五年以上前にさかのぼっては調査をしていないわけでございます。  だから、それについては、私の類推でございますけれども、そのとき以降きちっと出てきたわけじゃなくて、過払いは恐らくそれ以前にもあったであろう、そういうことは類推できるということを申し上げたわけでございます。  しかしながら、この問題が発覚して調査をした時点で、それからさかのぼって過払いだからということで取り返しができるのが五年間しか、商法上の時効でもできないし、相手との交渉でも、裁判に持っていってもできないからということで、そこで一種の和解契約みたいな形で、とにかくその分を一生懸命取り返そうとした。  ただ、取り返す方法等について、その当時一つの方針が決まっておりませんでしたので、一括払いでしたり、しかも金利を、債権管理法の金利を使ってみたり、契約上の金利を使ってみたりした。そういうふうなことについては統一を欠いておったから、それについてはきちっとしなければならないということで、きちっとしたわけでございます。  そして、この問題につきましては、じゃ適正であったかどうかについては、今言われますように、マスコミ等ではいろいろな数字が出ておりますけれども、その数字等については、二十四億も言われました、そういうような数字も、しかし、私どもはそういう数字をつかんでいないわけでございます。  そして、先ほど全く資料がないというのだけれども、原価元帳はあるわけですけれども、その原価元帳等に載っている工数等の数量を、これは正しいかとこちらが調べるその資料がない、そのためにこれをさらに突っ込んでなかなかできない、そういう状況でございますので、何度も言っていますように、強制調査力がない私どもとしては、会社側あるいはまたその当時の担当者に聞いてみても、これ以上、不適切であったという確証を得るような材料がございませんので、それによって現在一応処理がされたというふうに思っているわけでございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 いろいろ言われますけれども、それは、そう言われると私も本当のことを、きちっとしたことを言わなければならないけれども、時間の関係で。  いいですか。これは、防衛庁は和解と言うけれども、和解というものは、双方に金銭上の利害が対立しておって争いが起こって、これを調整するのが和解であって、この件については、一方的に業者の方が、悪うございました、うその申告をしました、その結果、それで価格を決めたのですと言っているわけです。調本が提示した金額もすんなりそのまま受け入れているわけです。  いいですか。これは明らかに国に対する背任行為でしょう。この業者の方がうその申告をして、それによって不当な利得を得たわけですよ。そうしたら、和解も何もないわけですよ。これは防衛庁は、直ちに不法行為あるいは不当利得あるいは背任で訴えなければいけないわけですよ。いいですか。そういう問題なんです。そのことについてもうやりとりをやっている時間がありません。そういう問題なんです。この事件というものは、さまざまな不明朗な疑惑が山積しているから、こうやって大きな事件になっているわけです。  いいですか。これは企業の方も、みんな書類を持っていかれたと言っているわけですよ。企業の方は、当時ちゃんと書類はありました、防衛庁がそれは見ませんでしたとやっているだけで、防衛庁がこういう問題をこのままにしておくということは、しかも悪いことをした人たちをかばうようなそういう答弁をしていたのじゃ、今後の予算の執行に大変な問題を残すということになるわけです。  そこで、きちっと返還をされたのかどうかということは、私たち、確認する権利があると思います。その覚書を出す。それからまた、資料が整うのであれば、いつ幾ら何の契約の中からどういうふうに引いて、そして八億七千万になりましたというようなものは出してもらわなければ困ります。覚書も出してくださいよ。簡単にお願いします。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 覚書につきましては、先ほど局長が言いましたように、これはあくまで相手方との覚書でございますから、相手の了解なしに出すわけにはまいりません。  しかしながら、八億七千万という金が返ったかどうかについては、それは確たるものを示さないといけないわけでございますので、それはきちっと返還があったということを何らかの形で示さなければいけないと思います。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 委員長にお願いしたいのですが、この覚書というものは、これに利息をどうする、支払い方法をどうするということが書かれているのだと私は思うのです。そこで、これは、きょうここで出さないというわけですから、予算委員会としてぜひ要求していただきたい。いかがですか。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 ただいまの防衛庁長官並びに装備局長の話を聞いておりますと、いろいろ問題があるようでございますが、御党の理事からお申し出があれば理事会において検討いたします。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 いろいろな問題を言いましたけれども、例えば一つ、今度はシー・キューブド・アイという会社ができたのですね。これは、当時の調本の、今の張本人ですよ、調本の張本人の上野さんという人が率先していろいろ人を集めてつくった会社です。こういう会社はたくさんあるんですが、ここにこの上野さんという人もまた顧問として行っているわけですが、このシー・キューブド・アイという会社が設立されたのは平成六年。これは、調本の本部でこの発会式は行われませんでしたか。その当時、多分官房長の大越さんはその場におられたんじゃないかと思いますが、大越さん、いらっしゃいますか。

大越康弘防衛庁長官官房長

○大越政府委員 お答え申し上げます。  私は平成六年から七年まで副本部長をやっておりましたが、そのような会社の発足式に、調本の中で行われたかどうか私承知しておりませんし、そういうところには同席しておりません。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 その会社の設立の時期に調本の本部で行われた設立パーティーというものは全然知らない、そうおっしゃるんでしたら、それで聞きおくことにしたいと思いますが。  こういうところにも自分が天下っているとか、あるいは防衛装備協会というような、財団法人、そこの専務理事になるとか、あるいは今問題になっている藤倉航装というような会社からゴルフの会員権をもらったり、あるいは株を五万株譲ってもらったり、あるいはコンサルタント料等々をもう四六時中もらっておるというような癒着があった。  そういう中で天下りを、まさに駆け引きといいますか、余り駆け引きにもなっていないんですが、その過払い金額、返済金額を決めるのが平成六年の四月から七月ぐらいまでの間です、七月二十六日に覚書ができたんですから。その間に、今まで二、二、二、一で、陸海空二、二、二の調本が一人で七人だったものを二人ふやした。その年に結局三人、翌年にも一人はかかっておりますが、そのふえた分は、その年に七月ごろからもう、七月、十月ともう就職しているわけですよ、天下りを。  そういう、もし和解契約ということでもって、金銭上の争いがあったというのであれば、そういうときに、従来の枠、枠というものがあったようですが、まあそれ自体がおかしいんですが、それにさらに二人を追加させる、こういうことを同時にやったという事実は、これは明らかに普通のことじゃないじゃないですか。これは、明らかにそれが一つの交換条件となってこういう決着が起こってきているわけでしょう。  利息も特別安くする、あるいは返済の方法も、東洋通信機なんて年間何百億もやっているところが、八億のお金が払えないというわけですか。そんなことはないでしょう。これは明らかに、防衛庁がやった、調本がやったことは贈収賄でもあり、背任の行為ですよ。どうですか、簡単に。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 この事案を私どもも本当に真剣にいろいろと調査をやってまいりましたし、現在もやっております。  そして、その場合には、今委員が御指摘になられましたような、そういうようなことまで視野に入れてやってまいりましたけれども、そういうようなことはつかんでいないだけに、私は、個人の名前を挙げて、あるいはまたそのときの行かれた人の名前等を挙げるわけにもいかぬので今日言っておりませんけれども、今まで私どもが調べて聞いておる範囲では、そういうような、この問題を解決する、そのかわりに人をやりとりするというような、そういうことはなかったというふうに、あくまでそれは会社側の希望で、その人の識見、経験、そういうのを欲しいということで、後から入ったのだということを聞いております。  ただ、そういう疑惑といいますか、そういうことを持たれること自体が、私としては好ましいことではなかったのではないか、そういう気は今でもいたしております。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 防衛庁長官、何か防衛庁の内部で、こういった事件を起こし、さらに現状でもそれが極めて不明瞭な状態でいる。疑惑を持たれて、それが日増しに拡大していくような状態だ。そういう中で、防衛庁はやはり、何か内部で責任をきちっとするとか、そういうことは全然考えないのですか。この前のときは、責任があるとおっしゃったのだけれども、そういうことは全然考えないのですか。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○久間国務大臣 過払いの事件が起きたのも事実でございます。また、それをどうやっていわゆる取り返すかということで整理して、取り返したのも事実でございます。しかしながら、その当時のそういうやり方が適切であったかどうかについて、今言われるようなそういう疑惑を持たれているのも事実でございます。  したがいまして、私どもの責任としては、こういう問題がどういうところから起きてきたのか、今後こういう問題が発生しないためにはどうすればいいのか、その間にもし不正その他があったならばどういうふうにそれを取り上げていくか、そういう角度から、現在その問題については引き続き調査等をやっているわけでございますが、残念ながら、今まで言いましたように、そういう問題については、委員御指摘のような、そういう状況には私どもはまだ到達していないということでございます。(石井(紘)委員「今後やるのですか」と呼ぶ)今後は、一生懸命またこれから先も引き続き調査をするつもりでございます。  しかしながら、何分過去の問題でもあるし、相手が多数でもございまして、なかなかその辺、私ども、先ほど言いますように、強制的に調査する力がございませんので、なかなか解明といいますか完全なものができないのかもしれませんが、引き続き私どもは、現在もやっておりますし、今後こういうことが起こらないように、それについては十分注意をして、一つの方策を今発表しているところでございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 大蔵省でも日銀でも、強制的な捜査権なんというのを持っているわけじゃないけれどもそこそこやっているわけですから、そういうふうな言い方というのはちょっとどうかと思いますね。  そこで、今度は別の問題に移ります。  石油公団が大変な経営危機に陥っておって、そういう中でもって、報道によりますと、通産大臣は総裁を更迭するということでありますが、これは、更迭するのかやめるのか知りませんが、まだ二年任期が残っているわけであります。石油公団の総裁にお見えいただいているのですが、総裁、どういうわけでおやめになるのですか。

小松國夫石油公団総裁

○小松参考人 お答え申し上げます。  大臣からも、現在の石油公団の業務改善を含めた今後の石油の自主開発体制についての再検討の御指摘もございましたし、それを踏まえて今後それに臨む体制としては、むしろ新しい体制でこの問題に取り組むのが適当ではないか、そういうふうに考えまして、私は大臣に辞任の届けを提出したわけでございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 そうすると、石油公団がもう現状では立ち行かないから、ひとつ再建しなければならぬ、それにはあなたやめてくれ、こういうふうに言われたというふうに受けとめるわけですが。  そこで、そうすると、総裁のお考えと石油公団なり通産省のエネルギー政策というようなものと、どの辺が違っているのでしょうか。総裁、いかがですか。あなた、総裁になったのですか。私は、通産大臣にも後で伺わせていただきますので。恐れ入ります。

小松國夫石油公団総裁

○小松参考人 お答えいたします。  通産省のエネルギー政策と私ども公団は、その政策を実施する実施母体といたしまして、政策的な見解その他で相違はございません。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 政策的な相違はないというのだったら、どうしておやめになるのか、よく理解ができません。  では、通産大臣も何か答弁をなさりたいようでありますので。  石油公団は実際、会社を二百六十六社出資してつくってきた。このうち百四十四社は整理することにした、あるいは整理したのもある。そうすると、これによって三千七百億の欠損を出した。現在、百二十二社の中でも採算がまあまあとれているのは六社か七社か、そのぐらいしかないというわけですね。  これに対して、国の予算が幾ら使われているかというと、毎年開発に一千億、備蓄に三千億、計四千億というものが出ている。財投からの借入残高は幾らになるかというと、これは政府保証も含めて約二兆円。さらに、これまで政府が公団に対して出してきた出資金とか交付金、補給金等の政府支出の累計総額は四兆一千七百億円ということになっているわけであります。  それで、何しろ千三つと言われる商売ですから、千穴を掘ると三つ当たるか当たらないかと、かつてはよく言われたわけですが、今は五%ぐらい当たるといえば当たるのかもしれませんが、要するに、これだけのお金を使って穴を掘って、穴にお金を埋めてくるようなものですね。ばくちというか、当たればいい、当たらなきゃそのままというようなことで、ざぶざぶお金が行きますから。  結局は、あのベトナム石油が始まったころ、この間の政倫審でのお話にもあったように、ちょうどあのころ、二億何千万というものがどこかから回ってきて、お金がどこかへ回っていく。こういうようなことは、あのベトナム石油には、あれは三菱がやったものですが、公団は約百五十億出しているわけですね。それは三菱としては、百五十億出してもらえば、二億じゃ足りないでしょう、十億や二十億出したって、ありがたい話で、どうということはないということになるわけで、そういうお金が回ってきちゃうわけですよ。だから、どこかで石油の開発の計画があるというと、そこへ、何かワールドカップみたいに、わっといろいろな人が集まっちゃう、こういうようなのが石油公団のやっていることの一面ですね。  そこで、この十社を整理すると、大体一兆円の損失が出る。それを覚悟でこれは整理した方がいいということにしたようですが、いいですか、もし、さっき言ったように、残った百二十二社の中でも六社か八社ぐらいしか採算がとれているところはないわけですから、見通しの立たないところ、その他も整理するとしたら、損失というのはどのぐらいになるのでしょうか。それをちょっと聞かせてください。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答え申し上げます。  先ほどからの御意見の中で、自主開発というもの、これは我が国の石油の安定供給のために必要な課題であると私は認識をいたしております。ただ、公団への投資とか融資とかいうものの財源が政府の公的な資金であるだけに、その運営だとかそういうものについては慎重に取り組まなければいけないということが基本の姿勢でありまして、そのために、いろいろと当省の中でも検討した。  先ほどの政策の問題でございますが、やはり公団というのは一つの大きな流れの中にありまして、メジャーによって支配されている当時の石油あるいは市場、あるいはOPECによって支配されて価格が決められるような時代の問題、そういうところから時代が変わってまいりまして、今は非常に市場メカニズムでもって動ける状態になってまいりましたから、そういうものに合った政策に切りかわっていかなければならない。  ただ、公団というものは、長い流れの中で、一つの踏襲してきているものをここで切りかえるということになりますと、やはり新しい人がやられたらどうだということでございまして、新しい人によって新しい方向に向かって取り組んでもらおうということでございます。  そのために、当省としては、いろいろ調査をした結果、早急に石油公団の再建に向けて委員会を設けまして、公認会計士などの外部のコンサルタントからも意見を聴取しながら、本年秋を目途に、現在のプロジェクト、つまり公団の子会社の出資会社、そういうものについての整理統合について検討を進めていこうということになっているわけであります。  現在の公団の経理の処理のあり方だとか、あるいは事業の運営のあり方、こういうものについても、あるいは子会社との関連なども含めまして、透明性を持たせて、そういう観点から見直しを行っていこうということでありまして……(石井(紘)委員「聞いていることに答えていないので」と呼ぶ)はい。そういうことでございますので……(石井(紘)委員「質問に答えてもらわなければ困る」と呼ぶ)委員の御質問が非常に多岐にわたっておりましたから、それを全体にわたってお答えを申し上げているわけでございまして、石油のこれからの問題について慎重に取り組んでまいりたいと思っております。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 結局何にも質問には答えなかった。ほかのものを整理したらどのぐらいになるのかということを聞いたのに、全然関係のないことを五分ぐらいお話しになられました。ありがとうございました。  そこで、今度は後任に鎌田吉郎さんという方、これは資源エネルギー庁の長官をやった方を任命すると新聞に出ています。  これは今までの、通産省ですよ、石油公団といったって石油公団が悪いんじゃない、これは総裁もどこかマスコミで言っておられるように、言ってしまえば、公団は通産省の政策的な指示を受けてやっているだけなのですから、通産省のエネルギー政策が間違ったのですよ。公団政策が間違ったのですよ。だから、やめさせるというのはおかしいのだけれどもね。そうしたら今度は、後任にまた資源エネルギー庁を通産省は持ってきた。これはだめですよ、こういうことは。  これはもう、いいですよ。ちょっと通産大臣、恐縮ですが答弁長いので、総理大臣、閣議でこれは決めるのですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 現在、まだ後任については白紙の状態でございまして、これからこの問題については、やはり根本的に新しく取り組むための合理化だとかそういうことができる人であり、またエネルギー政策にも通じているような人、そういうことを考えていろいろと検討をしているところでございまして、現在まだ白紙の状態でございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 白紙でも、新聞には黒い字で載ってしまうわけですが、これはどういうわけかなと思います。  ちなみに、恐縮ですが、総裁は七年近く御苦労いただいたわけでございますが、退職金はどのぐらいもらうのでしょうか。

村田成二通商産業大臣官房長

○村田政府委員 お答え申し上げます。  石油公団総裁は現在まだ在職中でございます。またプライバシーの問題もございますので、金額につきましては、答弁を控えさせていただきます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 一遍で答えなければだめですよ。それはだめですよ。そんな、プライバシーなんて通らない。国の予算を使うのが何がプライバシーだ。そんな答弁はだめです。はっきり言いなさいよ。

村田成二通商産業大臣官房長

○村田政府委員 在任中ということでございますので、先ほどのような御答弁を申し上げましたが、仮定の問題として、小松総裁は平成三年八月に就任しております。したがいまして、今までの在職期間は約六年十一カ月でございますが、この退職手当を全特殊法人共通の計算式に従いまして試算いたしますと、約四千六百万円ということになります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 石井君、時間が来ております。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 では、以前、通産省を退職されたときの退職金は、通産省、幾らでしたか。

村田成二通商産業大臣官房長

○村田政府委員 小松総裁は五十九年六月に通商産業審議官で退職したわけでございますけれども、その際に、所定の計算式に基づきまして計算され支給された退職手当は、約四千五百万円でございます。

石井紘基民主党

○石井(紘)委員 総裁、大変失礼いたしました。  以上で終わります。どうもありがとうございました。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。  次に、西村眞悟君。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 お疲れのところでございましょうけれども、これから一時間、務めを果たさせていただきます。  まず、質問は二つございまして、関連する国については、北朝鮮と中国という関連した国に関する問題でございます。  まず、北朝鮮の日本人拉致の問題。これは、議連の中山先生もおられますが、党派を超えた日本人の課題でございます。  四月三十日の本会議において、総理は、異例の、北朝鮮最高指導者に対する呼びかけをなさるとともに、問題の解決に向けて最大限の努力を払う決意である、このようにおっしゃったわけでございます。そして、この呼びかけに対して北朝鮮から返されてきた返事は、行方不明者は存在しないということでございました。  この向こうからの回答に対して具体的にいかに行動されるのかということを、これはどうしてもお聞きしなければならないのです。抽象的に全力を尽くす等々の議論をしても仕方がございませんので、私が、往来をストップしたらどうか、送金をストップしたらどうか、こういうことは前の本会議でも申しました。もはや、具体的に何を決断されて、少々の波風が立とうとも、何を決断されるのかということをお聞きしなければならない段階に来ているのだと私は思っております。  かの国においては、伝えられているところによると、日本は恫喝すれば済むんだというふうな意見も最高首脳の間で伝えられているように聞いております。しかし、我が国は一貫して、さきに外務大臣も触れられましたけれども、イソップの童話ではありませんが、北風と太陽の寓話で、余りきついことを言わずに経過してまいりました。しかし、日本人が拉致されて、帰国を待っている家族がいることも、これは確かでございます。  まず総理にお答えいただきたいのは、在日朝鮮人の往来をストップされる具体策を講じられるのか、在日朝鮮人の方々の本国への送金を停止されるのか、朝鮮銀行などの徹底的監査をされるのか、朝鮮総連等の活動を厳しく監視する指示をなされるのか、この四つについて総理のお考えをお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 北朝鮮によりまして拉致の疑惑が持たれている事件について、従来からこの問題解決に向け、議員も議連として御努力をいただいておるようでありますけれども、最大限努力をしなければならない、そう決意をし、努力をしてきておる。その点は従来から今日も変わるものではありませんし、先般も、議員の御質問に答える形で、北朝鮮側、とりわけ最高指導者に対して真剣な対応を呼びかけました。  今回、北朝鮮側の対応として、そのままの言い方でありますなら、行方不明者の調査の結果、該当者はいなかった、そういう対応がございましたものは、これは到底受け入れられるものではありません。そして私どもは、我が国の国民の生命の安全に係るそうした問題、そう従来からも考えてまいりましたし、これから先も同じ姿勢でこの問題に取り組んでいき、北朝鮮側の真摯な真剣な対応を粘り強く求めていかなければならないと考えております。  今、議員から四つのケースという御指摘がございました。私は、そうしたお考えもあるということは承知をいたしておりますが、それぞれの法制について問題のあるところ、それを超えることは、やはり困難な問題は困難であると思っております。  その上で、私どもは、政府間における話し合いというものを、国交の正常化という観点から求めてまいりました。現在、極めてこれは難航いたしておりますけれども、これを政府レベルにおける話し合いの中に持ち込んでいかなければならない。しかし、相手側が応じてこない状況の中で、逆に、我々がとり得る手段というものは極めて限られた対応にならざるを得ないのではないだろうか、そのような危惧の念も持っております。  個別の法制につきましては、それぞれ所管閣僚からお答えを申し上げる、そうさせていただきたいと思います。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 どうしますか。いいですか。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 いいえ、結構でございます。法務大臣、失礼いたしました。今お聞きしたので。  きょうは、具体的にというよりも、本件に関しては一つ総理大臣にお願いしたいことがございます。  総理大臣は、同じこの日本にいて、東京にいて、関東地方にいて、拉致された子供たちの帰国を待つ家族に会われたことはないと思います。政治を突き動かすものは理屈を超えた情でございます。情に突き動かされて、そして努力をする、閉じられた窓をこじあけていく、これが政治の努力を支える一つの情というものだと思います。  これは五月二十八日のことですが、「「花の女王」とニコニコ歓談」という総理の写真がございます。激務の中でこういう政争を忘れたひとときがあるということを、私も含めて国民の多くは、ある意味ではほっとしている一瞬があるんだなというふうに感じている方々がおりますが、拉致された家族の方々だけは、なぜこのような、このようなと言ったら申しわけないですが、花の女王とかいう方々とたびたび会われて、それが写真に、新聞に報道されているのに、なぜ我々と会ってくれないんだと、この日本国政府から疎外された気持ちを持っておるということはどうしてもお伝えしなければなりません。  昨年の八月二十七日、横田めぐみさんの御両親初め数名が、一カ月前から総理に面会してお願いしたいということを求めておりました、首相官邸に行けたのは八月二十七日でございました。そのときは官房副長官が会われたわけでございます。五十万以上の署名を持って、救出の日本人の署名を持って行かれました。  署名活動というものは組織立ってやったのではなくて、横田めぐみさんの御両親初め数名がやむにやまれず街頭で立っただけで、五十万がすぐ集まったのでございます。そして総理に、首相官邸に行って五十万の署名をお渡ししたいということで、一カ月待っておりましたけれども、八月二十七日に首相官邸に行って、総理には会えずに、官房副長官に会うことになりました。  しかし、総理は、そのときの日程は、官邸におられたのです。そして、八月二十八日付の新聞で、二十七日の総理の一日ということが出ておりますが、この先ほど紹介した五月二十八日の新聞にありますように、写真つきで、備前小町ら表敬ということで、総理もにこやかに写っておられる。そして、四時十五分には東京・三田の慶応義塾武道館に学生らと剣道のけいこに行かれた。そして、それから、ハーバード大学の学生らが来られていたから合同訓練で、そして六時二十分から彼らの送別会をしたわけです。総理のこの一日、横田めぐみさんの両親初め、すがる思いで官邸に行ったときに、総理は会う時間はあったのです。  だから、先ほどから申し上げているように、政治とは情である。ぜひ会っていただきたい、同じ日本人なのですから。いろいろな表敬訪問を受けるでございましょう。しかし、日本の国内で神隠しのように自分の娘や息子が行方不明になって、今北朝鮮におるということがわかった家族の心情を、総理はじかに接して聞くべきだと私は思う。  総理は本会議で、全力を挙げるとおっしゃられた。その全力を挙げる内容は何かと今私は申し上げた。しかし、総理の発言は、私が具体的に詰めていく、我が国が持っているカードを切るのか切らないのかという問題に関しては、詰めてお答えにならなかった。  したがって、政治を突き動かすものは情でございます。拉致された家族に会うということでございます。どうかこれから、短時間でも結構ですから、お会いしていただきたい。これはお願い申し上げますけれども、総理はお会いする気はあるのですか、ないのですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず第一に申し上げたいことは、日朝間において、我々は、国交の正常化を初め多くの課題を抱えておるわけでありますが、人の命というもの、国民の安全というものが最も大事なものであることを私自身存じておるつもりでありますし、こういう北朝鮮側の一連の対応というものは、我が国がさまざまな課題の中で前向きの対応をすることを極めて困難なものにしたということは、まず冒頭申し上げたいと思います。  その上で、日にちを特定され、その日の日程まで御紹介で、なぜ会わないのかという御指摘をいただきました。  私自身、その日、副長官がかわりにお会いをすることになっておった、そして御家族が見えるということを知っておったわけではありませんので、その非礼はお許しをいただきたいと思います。なぜなら、さまざまな面会あるいは日程と申しますのは、それは秘書官のところで整理をし、その中から取捨選択をされて日程が決まっていきますので、私自身、何日に何がということを前もってすべて存じているわけではありません。  その上で、私は、時期を今いつとお約束はできませんが、先日もファクスをいただいたところであり、タイミングを見てお目にかかることはここで申し上げたいと存じます。その上で、日程等を特定されました場合には、これは改めてまた礼を失してはいけませんので、そういう点につきましては御相談をし、その上でお目にかかる機会がありましたならそのとおりにいたしたい、そう申し上げておきたいと思います。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 お会いする用意があるとおっしゃっていただいて、非常にありがたい。やはりじかに会っていただかなければ、最高責任者として全力を尽くすとまで言い切ったものの、本質がわからないのです。  ただ、今御答弁で残念なのは、備前小町さんとか花の女王のことはすぐ総理のところに行く。しかし、総理が外国元首に直接呼びかけるという異例な声明を発し、また全力を挙げるという、この拉致された日本人の救出という国家の重大問題についての情報は、総理に届かない。一つの官邸の欠陥ではないのでしょうか。問題意識の欠如ではないのですか、このように私は思わざるを得ない。そのような思いで聞いておりました。(橋本内閣総理大臣「いや、ちゃんとファクスをいただいたのを拝見しておりますということを申し上げたわけです」と呼ぶ)まあ、よろしい。  総理が先ほど、私の方は来られるということは知りませんでしたと。備前小町が来られるということは知っておられたのでしょうけれども。だから、総理には情報が届かない、国家の重大問題についての情報が。そのことを私は憂慮しておって、総理を非難しているわけではないのです。  では、次の問題に移りたいと存じます。  次のこの問題は、通告もしております。私は、事実を愚直にお聞きするのが私の務めだろうと思っております。立場の違う者が議論するのが、国会の一つの務めでございます。ただ、聞く方の私も、お答えいただく総理も、これは愉快な問題ではございません。しかし、我々の主観を超えて、この問題はやはり国会で取り上げねばならない問題だと私は確信しておるのです。  それは、言うまでもなく、今は日本人になられましたけれども、総理がお会いされたときには、中国の、総理がいわくの衛生部の通訳であられた方との交際の実態はどういうふうなことであったのかということに尽きるわけでございます。  総理が昨年の十月三十日にどうお答えになったかを再現した上で、質問に入っていきたいと思います。  以後、この李維平という方のことを、彼女とか、この人物とかということで申しておられます。雑誌にもこの議事録は紹介されておりますので、要点だけ述べますと、「私は確かに、本当に苦労をかけましたから、自分で御飯をごちそうしたこともありますので、そういうときに話したこと、これはむしろ通訳という職分からすべてを聞いております。」  それからまた、飛びまして、「最初通訳として、そして最後まで通訳の立場で、その間、日本に来たときに、確かに私は慰労をいたしました。そして、最後に彼女が来られたのは、結婚されて、その御主人と一緒に事務所を訪ねてくれた。そのときは通訳ではありません。結婚して御主人と来られた。そして、任地に出ていかれた。」  それで、この質問が終わった後で、記者団の質問に答えられている。「その女性を知っているかと聞かれれば、知っていると答える。中国衛生部の通訳としていろんな会議に同席し、一部始終を通訳してくれた。何べんか個人的に、ご苦労様ということでごちそうしたこともある。手紙を出したし、礼状も来た。だから個人的交際があったかと言えば、間違いなくあった。」  それで、記者団が「深い関係にあったとのウワサがある。」総理が答えられる。「深いとはいったい何を指すのか。そういうことに対しては論評もしたくない。だいたい彼女は今、よその奥さんで幸せな家庭を築いている。夫は確か日本人で、ワシントンかニューヨークかどちらかに勤務している。」  「情報部員かどうか調べるのか。」という質問に対して、「そんなの調べられるか。聞いてわかるぐらいなら情報部とは言えないだろう。大事な会議の通訳はどこの国でも簡単には代えない。専門用語や過去の流れやぼくの話の組み立て方を知っているかどうかで全然違う。情けない質問を受けるなあ、と思っていた。」このように答えられておるわけです。  それで、今までいろいろな、相手の人物に関してのマスコミ等々がございます。しかし、今私が注目しているのは、個人的な交際があったといえば確かにあったと答えられたので、これから、先ほど申し上げたように、ただ事実のみを聞いていきます。  総理にとっては、この人物が最初通訳として、そして最後まで通訳だったということはこの質問の前提といたしておきます。総理から見て、そういう人物であったんでしょう。  では、個人的な交際もあったと認められたこの人物はどういう人物であるかということ、私は、この女性の身柄はもう割れていると思っています。世界のすべての、我々と同じ価値観を持つ民主主義国家の目から見れば、この人物は割れておる。どういうふうに割れておるか。明らかなことから順に行きます。  女であるということ。二つ目、日本語が堪能であるということ。総理が会われたときは中国の公務員であるということ。日本大使館に一九八五年六月二十二日から八七年十月十七日まで勤務されていたということ。しかし、日本大使館勤務の公務員でありながら、平成八年一月、総理が総理大臣に就任されてから帰化申請して、同年暮れにこの人物は日本人になっております。  出入国記録によると、三通のパスポートを持っております。公用パスポート一通、一般パスポート二通でございます。この出入国記録、パスポート、帰化申請には生年月日は二種類使い分けられております。一九五五年生まれのものと一九五三年生まれのものでございます。  この人物はみずから、昨年十二月四日、日本の裁判所で、北京公安局に勤務したことがあると証言いたしました。もう一つ、ベチューン医科大学援助に関する日本側資料には、明らかに、彼女は通訳ではなく、衛生部外事司官員として記載がございます。そして、相手方交渉者の一覧表の中では必ず、彼女以外に、通訳というものが記載されておるということです。こういう人物でございます。  さて、いささかこちらから聞いていかねばなりません。  初めてこの人物と会ったのは、きのう質問取りに来られた方にはどうか記憶を喚起しておいていただきたいというふうに申しておきましたけれども、いつごろで、どこだったのだろうか、これは総理いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私自身、その方を、一〇〇%正確と申し上げる自信はございません、その上で、通訳であると意識をいたしましたのは、多分八八年八月の訪中のときであったと思っております。そして、大変うまい通訳だと思った記憶がございます。多分このときが最初であろうと思いますが、例えば大きなところでどこか隅にいたとか、そういうことになれば、これはわかりません。  私自身、記憶をいたしておりますのは、八八年、すなわち昭和六十三年の八月の訪中のとき通訳をしてもらったということで記憶をしております。多分このときは北京、そしてベチューン大学のあります長春、これを衛生部の招待で訪問したときであったと思っております。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 八八年八月の総理の立場は大臣ではございませんでしたね。  この人物と総理が個人的交際があると言われておって、けんかしたとは聞いておりませんので、この方とは、それ以後現在に至るまで連絡はあるのでございますか。それとも、現在はないと言われるのならば、いつごろまで連絡がありましたのでしょうか。こういう聞き方をするのは非常に失礼とは思いますけれども、どうかよろしくお願いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 いや、結構です。議員としては大切と思ってお尋ねでありましょうから。  そして、まず第一に、個人的な関係という言葉に大変こだわられます。確かに、衛生部長あるいは中日友好病院長等が訪ねてこられるときに、通訳として一緒に来られたとき、私は食事をごちそうしたという意味、そしてそのお礼状をもらって、また返事を書いたという意味では個人的な交際があると私は正直に申し上げております。  その上で、最後にお目にかかりましたのは、これは議員のお話がありましたので調べ直してみましたが、平成三年の九月、結婚をされ、そしてアメリカに御夫君ともども行かれるということであいさつに見えたのが最後であったと思います。その上で、それ以後、特段の交流はございません。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 私も質問のスタイルをいろいろ考えました。しかし、この国会に、今この場におる議員諸兄氏にも御理解していただきたい。今、アメリカのファイナンシャル・タイムズもウォールストリート・ジャーナルもこの問題を報道しておる。我が国総理大臣の疑惑を晴らすのは、こういう質問の仕方しかない。評価を争っていては、事実で崩されるじゃないですか。事実を詰めてやる以外にないと私は思っておるのです。だから、総理大臣、本当によく忍んでお答えいただいておって、本当に感謝いたします。これからもよろしくお願いします。  それで……(発言する者あり)いやいや、嫌みじゃないですよ。本質論は事実の積み合わせの中にあると私は思っておりますので。  それで、食事をごちそうされたとおっしゃっておられました。何回ぐらいで、日本でごちそうされたのですか。そして、個人的交際があったと言われておりましたけれども、個人的交際というのは何を意味するのでしょうか。二人で食事をしたということを意味するのでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、議員がお尋ねになりましたこと、先ほど私はお答えをしたと思っております。  中国衛生部あるいは中日友好病院の関係者が見えましたとき、私のところはよく訪ねていただくことがございました、その当時。そして、六十三年、すなわち八八年の夏だったと思いますけれども、中国衛生部の招請に応じて訪問をいたしましたときに、大変優秀な、うまい通訳をしてもらうと思いました。  そしてその後、何遍か将来においてこういうお尋ねを受けなければならないとわかっておりましたなら、回数も記憶をしておったでありましょう。ただ、そういうお尋ねを受けることになるとは全く考えておりませんでしたから、回数等について記憶はございません。  その上で、私は食事をごちそうしたこともあります、手紙をいただき、返事を書いたこともあります、それを交際と申し上げております。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 まだまだ続けます。  苦労をかけたので慰労したと言われましたけれども、これは、この通訳していただいた方にどういう苦労をかけたのでしょうか。同時に、総理大臣、通訳を受けた方には必ず総理は慰労しておられるのでしょうか、慰労の食事を。そうではないならば、この人物との間で、苦労をかけて慰労をするという特別なことがあったのでしょうか。これは私はお聞きしなければなりません。つまり、他の通訳にも総理はごちそうされておるのか、こういうことですよ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今までに議員が何を想定してというか、だれを想定してそういうお尋ねをいただいておるのかわかりませんが、女性の、私に対して通訳に当たってくれた方は、日本人でも何人かおられます。その中には、食事をごちそうし、それをもってお礼とした方もございます。あるいは、それこそ家内とともにプレゼントを贈った方もございます。  ただ、私は、通訳の巧拙というのは、その会談あるいは会議を成功に導けるかどうかの大きなかぎだと思っておりますから、常に、通訳に当たってくださる方は大切にしてきたつもりであります。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 今、贈り物もしたと言われましたけれども、九七年十一月十三日の週刊新潮、また九八年、本年の六月十八日の週刊新潮では、その人物に、カトレアの花、ドレス、ネグリジェを贈った。それで、日比谷花壇から花を贈った、こうあるんですが、このようなことはあったんでしょうか。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 西村議員に御注意申し上げます。  国会法百十九条、「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」とありますから、十分御念頭に置いて御発言願います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず第一に、女性に対し、衣類等を贈る……(発言する者あり)

越智通雄自由民主党

○越智委員長 お静かに願います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 衣類等をお贈りするという風習は、私にはございません。  それから、花と言われますと、これは例えば事務所の諸君が、特に海外からのお客様等、贈るときはありますので、これは私自身、正確なことは申し上げられませんが、日比谷花壇から云々というお話でありますと、普段私が使っておりました花屋さんとは違うように思います。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 私は、報道されたことをもって何を申し上げたいかと言えば、この報道は、あたかも我が国の総理大臣と中国の公務員が特殊な男女関係にあるような報道なんです。だからこれに、クリントン氏も明確に弁明しているように、いろいろな報道が積み重なっておって、総理は沈黙しておられる、弁明すべきはやはり弁明すべきだと思うんです。  そして、こういうふうな週刊新潮の記事が事実に反して、それが誘導するところが総理の名誉を傷つけるならば、やはり対抗措置をとられたらいかがかな、私はこう思っているんです。これについてはいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私ども、それぞれの考え方がありましょう。私は、無視するものは無視するということも、これは私自身が決めることでありますが。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 これは、ファイナンシャル・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、こういうことにも報道されております。ただ、総理が今、我が国、この日本の中で発言されているのは私もわかります。無視することは無視する。しかし、かの国では、やはり事実に反することを指摘されれば、明確に反論しなければその事実を認めたことになってしまう。これがそうなんです。  だから、「レイプ・オブ・南京」というふうな出版物がアメリカで出版されました。それに対してアメリカの親日家は、産経新聞にもありますように、日本はどうしているんだ、事実に反することを書かれているならば、それを明確に指摘しなければその事実を認めたことになりますよ、こういうことを言っております。  我が国は一国だけで存在するのではありません。総理大臣は、海外に出られて仕事をされる、各国元首と話し合われる。だから、私としては、明確に反論もし、弁明もしていただきたい。そういう意味で、それは対外的に、あるのですかと今お聞きしたわけです。総理大臣の立場としては、今お答えいただいたように、沈黙しているということでございましょうけれども、その立場では国益を損すると私は思っております。  さて、このベチューン医科大学に関する援助においてこの人物と初めに会われたと先ほど総理はおっしゃいました。八八年八月が最初だとおっしゃったわけですね。それで、ベチューン医科大学のパンフレットには、ベチューン医科大学学長の方が書いておりまして、日本国厚生大臣、運輸大臣、大蔵省大臣、我が校名誉教授橋本龍太郎先生と書かれておって、中国語は余り読めませんけれども、橋本龍太郎先生の絶大なる温かい御支援があった、こういうふうに紹介されているわけです。  この中国というのは、御承知のとおり、一九九六年七月まで四十五回の核実験をしております。御承知のとおり、天安門事件ではああいう騒動がございました。それでまた、いまだに政治犯というものがおる国でございます。  総理の過去のことはいいのですが、今、中国はODA四原則における、軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入などの動向に十分注意を払うこと、そして、民主化の促進、市場志向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障に十分注意を払うこと、この観点から見ますならば、天安門事件直後、今でもそうですが、直後というのは、さらに注意を払うべき状況であったと私は思うのです。  私は、中国に対してODAが日本の最大になっているという、このことについて、総理大臣の御所見をお伺いしたいのです。私の考えを申し上げますと、私としては、中国にODAは要らない、日本に届くミサイルを持って、原水爆の開発をしている国に要らないと思っています。総理はいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員の御意見は議員の御見解として拝聴をいたしました。  その上で、私は、近代化への努力を続け、市場経済へ移行を努力し、そして、我が国との間に、国交正常化以来、また、平和友好条約締結以来、さまざまな曲折は経ながら、今良好な関係を持っております中国という国に、私どもがよりその改革に対しての支援を行うことが我が国の国益に反するとは考えておりません。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 支援はわかりますが、我が国は、無原則に支援をできる国ではないわけですね。ODA四原則というのがあるじゃないですか。このODA四原則に該当する国というのは、核を持っている国なんです、ミサイルを開発している国なんです。すべて中国に該当するのです。そして、天安門事件以後は本当に、あれはいまだに何人死んだかわからぬ、軍隊が水平に銃を構えて乱射して、その軍隊は覚せい剤を飲んでおったという新聞報道もある、こういう国なのですよ。  だから、この基準に見合って、中国に対する総理の支援、このベチューン医科大学にも非常に御支援を受けたと学長が書いております、橋本龍太郎先生と。これはいかがなものか。総理の判断が違うというなら違う、私と見解を異にすると言われるけれども、ここに基準があるのですから。中国は核を持っていないのですか、ミサイルの開発をしていないのですか。そして、そのミサイルは日本に届かないのですか。民主化は、政治犯はいないのですか。どうなのですか、総理。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 どうも議員の御論議と私、かみ合わないのかもしれないので、その点はお許しください。  まず第一に、八八年という時点は天安門事件の起きる以前の時期であります。そして、先ほど来、特定の方との結びつきにおいてのみ、そのベチューン医科大学について語られますけれども、多分、ベチューン医科大学に対する協力の問題というのは、私の記憶では、昭和五十六年ぐらいから始まっていたと思います。  それは、北京にあります日中友好病院を、私が最初、阿波丸の遺骨を引き取りに中国に参りましたとき論議をし、大平総理の訪中で決定をいたしましたプロジェクトでありますから、これが当時としては、中国の伝統医学と日本の医学を一緒に交流させることによって何か新たなものが生まれるのではないかという期待をかけ、そうした思想のもとに進められたプロジェクトでありました。  しかし、日本のティーチングスタッフが一定の年数の後、全員が任期が切れてしまうことを考えますと、バックアップ体制を工夫しなければならないという話がその当時からございました。そして、日本語で医学教育をしているということもあり、ベチューン医科大学がその対象としてクローズアップされてきて、たしか昭和五十六年ぐらいからだったと思います。そして、私は、これは本当にいいことだと思いましたから、一生懸命にそういう方向に進むように議論をしてきました。  そして、八八年に衛生部からお招きをいただいて、確かに私は現地も拝見しましたし、この問題で議論をいたしました。議員がさまざまに位置づけて語られる方がそのときの通訳であったことを私は全く隠しておりません。  その後、天安門事件が起こりました。そして、我が国が厳しい対応をとっていた時期があったことを御記憶だと思います。そして、正確な日時を記憶いたしておりませんけれども、当時の内閣としてその方針を緩和した、厳しい姿勢から緩和をした。当時、私は確かに閣僚の一人でありました。同時に、国際社会の空気も中国に対して変わっていたと思います。それ以来、また歳月が流れております。  そして現在、私は、アジアの安定、平和というものを考えますときに、日米、日中、米中、この関係がしっくりといくかどうかというのは非常に大切なことだと思っております。そして、中国の改革への努力を支援することは、我が国のただ単に利益のみならず、アジアの安定という視点からも極めて大事なことだと考えております。その点で、残念でありますが、議員の中国に対する御見解と一致いたしておらぬようであります。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 私の見解はODA四原則に基づいております。そして、今お聞きしたのは、まさにODA四原則の第三号に該当するのが、我が国の近くでは中国であるということを申し上げ、これを否定するか否定しないかという御意見をいただこうと思っておりましたけれども。  日中友好は当たり前でございます。しかし、我が国のODAの戦略的意義は、核兵器を開発する金で必要な医療施設に回せるじゃないか、まずそれをやってくれ、四原則の意味はそういうことなんです。つい一九九六年七月まで、四十五回もやっている国に対してそのことを一言も言わずに、日中友好の美名のもとに流れ来って、今何がなっているか。  中国人のほとんどは日本を憎いと思っている。前の委員会でも御紹介しました。日本人も、何か中国というのは居丈高だ。我が国の戦死者の霊を祭る、軍国主義を賛美するとかそんなことは全くない、我々日本人の伝統的心情に対してけちをつけてくる、こういう思いであるのです。だから、今お聞きしなければならないと思ってお聞きしたのです。決して先ほどの人物とこね合わせてお聞きしているわけではありません。  これは、我が国は早晩明確にしなければならないことだと私は思います。言うべきことを言うべきだと思います。そして、総理においても、堂々と靖国神社に参拝すべきだと私は思っておるのです。  さて、私の先ほどの質問は、総理、よく忍んでお答えいただいていたと思います。なぜこういう質問がこの場でなされねばならないのかと言えば、やはりここに公人の出処進退というものがあるのですよ。総理は御否定になるかもわからぬ。御否定になっております。しかし、我が国のマスコミ、そしてそれを読む国民は、やはり何らかの疑惑を持っておるのです。  ここでテストケースの、西ドイツのブラント首相の身に降りかかったギョーム事件というのを御紹介しますと、ギョームという私設秘書がブラント首相の周囲におった。この私設秘書は東側のスパイだったのですが、どういうふうな情報を東側に流したかどうかは関係なく、こういう疑惑のある人物が周りにおったということで、ブラント首相は辞任するわけですね。  これは、ある意味では、日本の今行われているようなこのジレンマ、この何か雲が晴れないような状態は国益に反するのだ。だから、やはり公人としては、弁明して晴れるのならばいい、しかし弁明しないならば、ブラント首相のように、その疑惑を受けたこと自体によって出処進退まで影響すると私は思います。  総理は、ブラント首相がこのように辞任したことをどう評価されているのですか。これは辞任すべきではなかったと思われているのですか。それとも、身の処し方として評価できると思われているのですか。どちらですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員がお尋ねがあるということで、ギョーム事件というものをもう一度資料として取り寄せてみました。  一九七四年四月二十四日、ブラント首相の私設秘書(党務担当)であるギュンター・ギョームが、東独の諜報機関のスパイ容疑で逮捕された。一九七五年の十二月にギョーム本人には懲役十三年、妻クリステルには八年の刑が言い渡された。ブラント首相はこの事件の責任をとり五月六日に辞任をしたというのが記録として残っております。そして、そうした問題があったことを、議員の御質問で改めて思い出しております。  そして、その当時の西ドイツというのがどういう状況にあったかを振り返ってみれば、東西冷戦の最先端、西側の最先端の位置を占めておりました。そうした中における事件で、ブラント元首相はみずからの、自身が判断を下した政治的決断をもって行動をされたと思っておりますが、第三者としての私から何らかの評価を述べるべきではないと思います。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 どう御質問を申し上げようかと思って、私、今、まあ正直申し上げて、迷っております。ただ、委員長において、先ほど私の質問が無礼の言に当たるというふうな指摘をされたんですか、気をつけてと。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 いいえ。条文をお読みしました。気をつけて御発言をと申しました。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 わかりました。ただ、事実だけお聞きすることは無礼の言には当たらないと思います。したがって、事実だけをお聞きします。(発言する者あり)そうですか。だから、お聞きします。私はそういう判断でお聞きします。  あの人物が日本で結婚されたときに、その結婚式に出席されましたか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 全然。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 まあ、これも先ほどの繰り返しになるからやめますけれども、出席された、一緒に写真に写っているというその写真があるというふうに報道されているわけですよ。そして、総理としては、記者の質問に答えて、その人物はたしか日本人だったと思うというふうに答えられておりますけれども、このベチューン医科大学の日本側資料、援助の日本側資料によると、この日本側の担当者でも相手の方はある。そして、中国側の担当者は当該彼女である。こういうことで、総理が、たしか日本人だったと思うというふうなことは言えるはずはないと私は思っておったんだ。だから、総理は全く知らなかったのかどうかということはお聞きしなければならないと思った。総理が弁明されないから、こういう質問も出てくるわけです。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、平成三年の九月に御夫妻で私の事務所に来られた。そのときに、その男性がどこの国籍であるか、名刺をいただいて、日本人だったことを私覚えていますから、日本人だということを申し上げたんじゃないでしょうか。だけれども、結婚式、お招きをいただく筋でもありませんし、また、出席をする筋でもありません。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 いや、私は、総理は、ベチューン医科大学で、学長から最大限の祝辞を向こうのパンフレットに書かれておられる方です。そして、この医科大学に対する援助を行った日本の担当者が、今総理が名刺をいただいた方なんですね。だから、知らないというのは不自然だなと思ってお聞きしたんです。知らないとおっしゃったら、それで結構です。  六月三日の参議院の行財政改革等の特別委員会、この中で、総理は、当該人物のことを、極めて有能な通訳をしていただいた方だと思っております、このようにおっしゃいました。  私の疑問は、総理は、前の予算委員会でも述べられたように、中国語がわからない。では、総理がしゃべった日本語が、総理のしゃべった意味どおりに中国語に訳されているのかどうか、また、中国人が言った中国語はそのとおり総理に対して日本語に訳されているのか否か、これはだれがチェックしていたんですか。これは、およそ総理の地位にある方、当時の閣僚、そういう方が外国との話をするときに、そのチェックなく話をしていたということは考えられないんですよ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず第一に、八八年、私は閣僚ではなかったと記憶をいたしております。昭和六十三年というのは、たしか私は閣僚ではなかったと記憶をいたしております。まずこれが第一点であります。  そして、これはどうお答えをすべきか大変難しいのですが、私は確かに語学ができません。現在でも海外のお客様とお目にかかるときには、どこの方であれ、通訳の諸君に苦労をかけます。総理という職分になりましてから、その役割は外務省の諸君がしてくれております。閣僚としておりましたときにも、必ずしもその省庁の人間だけが通訳の役割を果たしてくれていたわけではございません。それぞれの専門家を使用する、通訳の専門家を使用する、そういうこともございました。  その上で、受け答え、言いかえますなら、私が申しましたことに相手側がどう言われるか、少なくとも日本語としてそのやりとりで判断をする以外に、私は、現在でも、正確に私の言葉が他の国語に変換されているかどうかを知るほどの能力は全くございません。  その上で、そのやりとりというものは、またその通訳の能力というものは、話す、日本語の場合、あるいは相手国の言葉の流れ、流暢さといったもので、ある程度は判断がつくものではないでしょうか。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 今、第三者的なチェックはなかったというふうな御答弁の流れでしたですね。  これは反対側、角度を変えてお聞きいたしますよ。  我々が海外に行って、日本の在外公館から便宜供与ということで通訳を依頼する、こういうことはよくあります。今、総理のお答えで、こう解釈したらよろしいのですか。総理大臣は、その当時、大臣であるなしにかかわらず、我々が我が国大使館から便宜供与を受ける、その便宜供与を中国側から受けておったというふうに解釈していいのですね。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、さっきから申し上げているように、中国語を含めて外国語の才能がございません。ですから、在外公館の便宜供与は今までも受けておりました。第一、飛行場からどういうふうに行っていいかだって、宿までもわからないケースもしばしばあります。当然そのときも協力は得ていたと思いますが、今細かいことを思い出せと言われましても、私自身がそれはわかりませんが、当然ながら在外公館の協力はあったと思っておりますし、また、なければ、私はその会談場まで行くことすらできないでありましょう。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 いやいや、我が国在外公館のあれはあったでしょう、総理の地位でしたら。ただ、総理は、極めて有能な通訳をしていただいた方だと思っておると述べられて、総理のメーンの通訳はその方がやっておるとするならば、我が国国会議員に対して我が国大使館がする便宜供与というものを中国側から受けておったのですかと聞いているのですよ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 正確にそのときにだれが一緒にいたかを覚えておるほど、私自身、記憶力がいいとは言えません。  ただ、例えば平成三年に大蔵大臣として訪中いたしましたとき、これは閣僚でありますから、当然ながら大使館なりなんなりから協力を得たと思っておりますが、中国側の通訳を行っておった記憶があります。非常にうまかったと、私は本当に日本語がうまかったと思っておりますし、そういう印象というものは自然に受けるものではないでしょうか。  私自身、先ほど議員が聞かれたような意味でありましたなら、本当に言葉はわからないんですから、正確にどう訳されているかがわかるぐらいであれば、私自身、自分で話すでしょう。しかし、閣僚としてあるいは総理として、公式に行動をいたします場合でありましても、例えば職業通訳の方にお世話になることはございます。そして、閣僚ではない形で参りましたときに、だれが一緒に行動をしてくれたか私は覚えておりませんし、確かに非常に有能な日本語の通訳と、そう記憶したことを素直に私は申し上げております。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 総理が雇った通訳じゃなくて、総理自身が認めておるように、中国の公務員であったことは確かですから、その中国の公務員が総理のメーンの通訳をするということは、中国政府から便宜供与を受けたのですかと私はお聞きしたんです。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 中国衛生部というのは、日本でいいますなら厚生省に当たる中国の官庁であります。その招請で、その関係者、衛生部長あるいは病院長といった方々と会いますときに、当然ながら中国側が用意される通訳の方は公務員でありましょう。  まさに、中国という国が今ほど開放の政策をとっていた時代でもないわけでありますし、当然ながら中国の公務員、衛生部そのものが公務員なんですから、そういう意味で……(西村(眞)委員「中国政府から便宜供与を受けたんですかとお聞きしたんです」と呼ぶ)便宜供与という言葉、通訳をしてもらったと、招待を受け、訪中し、その会談の中で通訳をしてもらったと繰り返し御説明を申し上げております。  そして、日本側でだれが当時中国大使館から協力をしてくれたのか私は覚えておりませんと、それも正直に申し上げております。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 質疑時間が終了いたしました。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 わかりました。  これで終わります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて西村君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時二十八分散会

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