予算委員会 第31号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/13
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。 本日は、経済対策について集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。深谷隆司君。
○深谷委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、質問をいたしたいと思います。 去る九日、九八年度の予算の成立を待って、今後の経済運営につきまして、橋本総理は、財政構造改革路線のいわば変更を意味するような発言と、明確な道筋というものを示されたのでございます。バブルが崩壊をいたしました後の長い不況という名のトンネルが続いてなかなか容易に脱出できない、そういう状態の中で、大胆な経済政策の転換というものは国民が強く求めていたものでありますから、橋本総理のこのたびの発表というのは、まさにその国民の意向に沿うたものであると私は評価いたしております。 しかし、率直に申し上げて、なぜもっと早くそれをおやりにならなかったのか、そういう点の懸念が、正直、私どもの心にもあることを申し上げなければなりません。私は、政治というのはタイミングが大変大事だと思います。そういう意味で、私どもは、もっと臨機応変に対応してもよかったのではないか、したがってこのたびの総理大臣の御決意というのは適切ではあるけれどもやや時間がおくれているのではないかという感想を持ちますが、どのようにお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 従来から、私は、財政構造改革というものの必要性はいささかも変わらない、しかし、その置かれている内外の経済あるいは金融情勢等の変化に応じて、政策変更とは申し上げてきませんでした、臨機応変の措置は必要だということは申し上げてまいりました。そして、我が国経済の状況の非常に厳しい中において、三月二十七日、与党三党からも総合経済対策の基本指針をちょうだいいたしました。そして、四月一日から暫定予算、本予算が御審議中ということでの暫定予算の施行に入りました。 私の頭にありましたこと、それは、暫定予算の期間は一日でも短くしたいということであります。なぜなら、暫定予算はあくまでも暫定の予算でありますから、その年度の施策として新たに盛り込まれたものが計上されないということは当然のことでありますけれども、その他の事業を例えば前倒すといっても、それはできない性格のものであります。そうなりますと、一日も早く十年度予算を成立させていただきたい、私は国会にそうお願いし続けてまいりました。 そして、予算が成立をいたしました。そして、十年度の本予算が執行できる状況になりましたとき、国民の皆様の、景気をよくしてほしい、そうした強い要請また御期待に、国会における御審議等を踏まえながら、構造改革を進めながらも、我が国の経済に対する、また経済構造に対する内外の信頼を回復する上で必要な措置をとるべきだと考えておりましたので、これを公表した次第であります。 四兆円を超える減税を行いたい。具体的には、所得税、住民税について、本年中に二兆円の減税を上積みしたい。来年も特別減税を継続したい。政策減税に加えて、所得税、住民税のあり方ある いは法人税のあり方について、政府税制調査会、党税制調査会に検討を至急にお願い申し上げたい。 また、豊かで活力ある経済の構築に向けて、本当に必要な社会資本整備、例えばダイオキシン問題でありますとか地球環境問題に対応するための投資、少子・高齢化社会というものに対応するためにお年寄りの施設あるいは育児施設の整備、あるいは将来の発展基盤につながっていくような科学技術研究あるいは振興、そして高度情報通信網を整備していく、さらに将来を担う人材の教育。後の世代が、こういうものをあのときに整備しておいてくれてよかったと言ってくれるようなものをまとめていきたい。 そして、真水についても、最も有効な経済対策に真に必要な財政負担を大幅に大胆に計上していきたい、国と地方の減税や社会資本整備を合わせると十兆円を超えるということも当然あると予測をしている、総事業規模は恐らく十六兆円を超える過去最大のものになるだろう、そのような決心を申し上げました。 遅いという御批判は議員からもいただきましたが、やはり、その議論に時間をかけ、暫定予算の期間を延ばすことの是非、そして本予算に盛り込まれております新規施策をスタートできるかどうか、暫定では許されないこうしたものも考えました結果、私としてはこのタイミングをとらえたということでございます。
○深谷委員 昨年の十月の補正予算のときに、私は所得減税を主張したのでございます。だけれども、色よい返事がなくて、この間、二兆円減税ということになりましたときに同じく質問に立ちまして、私は、感慨無量でございますとやや皮肉を込めて申し上げたのであります。 そのときに、さらに、この二兆円減税というものが消費に回ってもらうためには、次年度もこの二兆円減税を続けてやるといったようなことをお示しすることが、国民の皆さんが消費をいたす一つのきっかけになるのではないかということで、あわせて申し上げたのでありますが、そのときは、そのような状況にならないような経済状態になることを期待するんだ、そういう旨のお話であった。 このたび、再び減税、しかも合計四兆円でございますが、あのときなぜいい返事がなかったのかなと、いささかの感慨無量の思いがあることを再び申し上げなければならぬことを残念に思っておる次第であります。 しかし、具体的に踏み込んだわけでありますから、これからは勇敢に景気回復、景気浮揚のためにすべてをかける、そこに総理の役割があるのではないかというふうに思うわけであります。恐らく並々ならぬ決意を持って臨まれていると思いますが、その決意の一端をもう一つ伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今議員から、大変ある意味では厳しい御意見をいただきました。 確かに、特別減税を昨年決断いたしましたとき、私は、それを引き続き継続する必要がないような状態になることを願うということを、本当にそう考えてまいりました。しかし、今、残念ながらそういう状況にはない。こうした中で、今、特別減税の問題だけではなく、国会に金融システム安定化政策等も御審議をお願いしてきたわけでありますけれども、こうした点についてもこたえていただきました。 私は、あくまでもこれは緊急避難と位置づけておりますけれども、この緊急避難をする以上、緊急避難が効果のあるだけのものを仕上げていかなければならない。その決意については議員が今御指摘をいただいたとおりでありまして、申し上げたいことはそれはございますけれども、私自身として、この金融経済情勢というものから一刻も早く立ち直れるような経済に日本を持っていきたい、その思いは共有するものと思います。
○深谷委員 私は、賢明な総理のことでございますから、早くこのような状況をつくり出していかなければならないというお気持ちが早々にあったのではないかなというふうに想像はいたしております。ただ、財政構造改革という大きな目標があるために、なかなか踏み切れなかったというのが実際ではないかと思うのであります。 大きな借金を抱えて、その借金を次の世代に残すということは、それはよろしいことではありません。だから、何とかこの構造を変えていって、将来は安定的な経済状態をつくり出す、そのために財政構造改革というのは必要であったと私は思うのであります。しかし、現実に深刻な不況がずっと続いていたのでは税収も上がりませんし、そういうことを繰り返していたのではその大きな目標を達成することができない。だからこのような転換をしなければならないという状況になったのだろうと思うのであります。 それから同時に、もう一つ、なかなか踏み切れなかった理由というのは、この国会のあり方そのものにも大きな原因があるのではないかというふうに思います。一つは、政府が一回提出した政策というのは、途中からなかなか変更しない。野党から攻撃を受けて、批判がありましても、一たん出したものだからなかなか変えようとしない。それが今までのあしき習慣であったような感じがするのであります。 私は、今日のような非常に変化の激しいスピードの時代になってまいりますと、例えば予算編成してから提出して議論する、その間にはさまざまな変化というのは起こってくるわけでありますから、一回出したものはかたくなに守らなければならないという今までのやり方というのは、やはりここで変えていく必要があるのではないかというふうに思うのであります。 一方、野党についても私は申し上げさせていただきたいのは、政府がいささかでも方向転換すると、けしからぬ、責任をとれ、やめろ、こういう話になってくる。これでは、なかなか国民のための結論、すばらしい議論というのは展開できないのではないかと思うのです。 私は、景気浮揚策のために総理が大胆に今度方向転換をなさろうとした、国民は恐らくそれを待っていたと思うのでありますが、きょう集中審議されるこの委員会において、野党がどのような質問の仕方をするのか、大いに私も国民も関心を持っているのであります。これが終始、けしからぬ、けしからぬ、やめろコールであったら、不毛の議論になると思うのであります。 私は、今日は、政府も、与党も、野党も、何が国家国民のためかという一点に問題を絞って、粛々と議論を行い、正しい答えが出るようにしていくような時代だろうと思うのでありますが、総理のお考えを伺いたい。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 私は、国会の御論議に対して論評を加えようとは思いません。 ただ、その上で、本年の予算委員会におきましても、例えば弾力条項に対する問題提起、私は、これは立法政策上一つの判断として、実現はなかなか難しいと思うけれどもと申しながら、その御提案というものを真剣に受けとめました。あるいは、今の国債の区分のあり方を一本にまとめるべきではないかという御意見に、果たしてそれがいいだろうか、むしろ十年とか五年とかいうそうした国債のあり方が議論されてもいいのではないだろうかというようなお返事をいたしました。 残念ながら、それは……(発言する者あり)どうしたとおっしゃるのですから、申し上げましょう。野党の国対委員長の方々から、それはけしからぬというお申し入れをいただく結果になりました。ですから、議論がそこでとまらざるを得ませんでした。(発言する者あり)いや、私は、野党からの御提案を真剣に受けとめて、評価をする御答弁を申し上げた結果のことを申し上げています。 私は、そういう意味では、政府にも、考えていく、御指摘の点はあろうかと思っております。
○深谷委員 総理、私が質問しているのですから、どうぞ私にお答えいただいて、さっきからのやじに一々お答えする必要は全くありませんから、ちょっと御注意を申し上げたいというふうに思います。 いずれにいたしましても、景気浮揚対策に全力を尽くす。さいは投げられたのであります。どうぞ勇敢に実現のために努力をしていただきたいというふうに思います。 そこで、ただいまもお触れになりましたが、具体的な内容についてお尋ねしたいと思うのであります。 財政改革法を何らかの形で改正しなければならない。一体どのような改正を考えておられるのか、そこを伺いたいと思うのであります。例えば、目標達成年次の延長なのか、あるいは弾力条項の創設なのか、あるいは国債区分の見直しなのか、一体どのようなことを総理はお考えになっておられるか、伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 先週金曜日、財政構造改革会議を開かせていただき、その議論のスタートに当たりまして、私としては、財政構造改革というものの必要性、そして財政構造改革法の基本的な骨格、こうしたものの必要性は変わっていない、財政構造改革法の基本は変更せずに、緊急避難的に必要最小限の修正を行うにとめたいと考えているということを申し上げました。 そして、現下の厳しい経済情勢にかんがみますと、緊急避難的に、特例公債を年々縮減する旨の規定について弾力化を可能とする、そうした措置を考えてよいと思っておりますということを申し上げました。これは、いわゆる弾力条項という議論になっていくことだと思いますけれども、類似の規定を持っている国、アメリカにございますが、これは日本の経済指標のとり方等からいきますと、そのままに移しかえるということにはちょっと無理があると思います。 どういう形にこれからそれを整理していくか、議論は始まったばかりでありますけれども、財政構造改革会議には、四月二十日からの週にはこの問題については結論をまとめたいとお願いを申し上げました。 また、恐らくその後になると思いますが、国債の区分の問題、あるいは十年とか五年とかいう、今の六十年をベースとする国債とは異なる、より短い期間の国債というものも御論議を願いたいと思っておりますけれども、それは恐らくその後になるであろうと思っております。
○深谷委員 先ほどの総理の御答弁の中に、弾力条項を主張した野党の声があって、これは一つの大きな参考にしたいという意味のお話もありました。私も、弾力条項をつけ加えるというのが一番適切ではないかなというふうに思います。借金財政から抜け出すために目標を定めて進んでいく、それが財政改革でございますけれども、いわば今日のような不況の状態のときには、緊急避難的に一たんその縛りを外して、景気対策に全力を挙げていく、そういう弾力的な対応というのがやはり一番適切ではないだろうか、私はこう思うわけであります。 財革会議でこれから議論をしていくわけでありますが、どうぞ一刻も早くこれらの問題についての答えを出していただくことが必要だと思います。この改正、いつごろまとめるおつもりでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今、この会議を開くゆとりを国会の方でいつ与えていただけるか、実は日程にも大変苦しんでおります。しかし、今週中には一回どうしても開かせていただきたいと考えておりますし、できれば、この部分につきましてはあと二回ぐらいの御論議の中で集約をさせていただきたい、そんな思いでこの会議をスタートさせました。
○深谷委員 経済企画庁長官に伺いたいと思います。 国民の不況マインドを払拭するための所得減税、私は期待をしているのでありますが、一体どのぐらい効果があるのかという点については、いささか疑問を覚えているのであります。せっかくの所得減税が貯蓄やローンの返済に回ってしまって、消費に行かなければ効果を上げない。 一体、経済企画庁長官は減税効果をどう見ておられるのか、そして、そのことはGDP、国内総生産成長率をどれだけ押し上げるとお考えになっておられるのか、お答え願いたい。
○尾身国務大臣 最近におきます経済の現状を見ますと、昨年来厳しさを増しております家計や企業の経済に対する景況感、いわゆるマインドが経済全体に影響を及ぼしているという状況にございまして、景気は停滞し、厳しさが増しているという状況にございます。 そういう中で、個人消費の動向を見ますと、昨年九月に消費性向七一・九%でございましたものが、その後、相次ぐ金融機関の破綻、アジアの経済状況等を背景として急速に低下をいたしまして、二月には六八・四%と三・五%低下をしているわけでございます。これが、数字に直しますと年率約十兆円を超える低下ということになっておりまして、そういう意味で、消費者のマインドが低下をしていることも経済の状況に対する大きなマイナス効果になっているというふうに考えております。 そういう状況のもとで減税を行うわけでございますが、減税そのものの効果もさることながら、四兆円という数字はかなり大きなものであると考えておりますし、また、そのことによりますいわゆる将来に対する明るさ、そういうものが見えてくること、つまり心理的要因の方もかなりあるというふうに考えております。 ただ、どの程度の数字になるかということにつきましては、全体の十六兆円、真水の部分も含め、全体として総合経済対策を取りまとめる中身によりましてかなり変わってくると思っている次第でございます。私ども、中身をなるべく効果のあるものにしていきたい、経済に本当にプラスになるものにしていきたいと考えている次第でございまして、現段階で、減税だけを取り上げて、具体的にGDPがどのくらいプラスになるかということをここで申し上げるのはちょっと難しい点がございまして、御理解をいただきたいと思います。
○深谷委員 一体消費にどのぐらい向かうかという割合を示すのに平均消費性向というのがあるわけですが、この間の二兆円の結果は六八・四%で、過去最低を更新している。残念ながら十分な効果ではない。 しかし、今回の特別減税というものは、トータルで考えてみると、かなり大きなものであります。二兆円の特別減税というのは、夫婦と子供二人の標準世帯で六万五千円の戻し減税になります。既に二兆円が出ております。その上に二兆円重ねて、来年も二兆円というと、合計六兆円でございますから、一世帯当たり十九万五千円の戻し減税ということになる。かなり大きな額でございますから、今度は、単なるマインドだけではなしに、これが実質的に消費にきちっと回っていけば、景気回復の大きな足がかりになると私は思っているのであります。 そこで、総理にこの際申し上げたいと思うのですが、国民の皆さんの御協力が一番大事です。もし国民に対するメッセージがおありでしたら、この機会におっしゃっていただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 政府は、やるべきことをきちんとこれからも続けていきます。 しかし、今、実体経済にも厳しさが増しているわけでありますけれども、何よりも心の上で非常に不安を持たれているということを、私自身も身の回りを見ておりましても感じます。それだけに、どうぞ、安心をして夢を追えるようにしていきますので、御協力を心からお願い申し上げたい。心からそう願います。
○深谷委員 それでは、次の質問に入ります。 総理は、法人税の見直しを提言されております。今般、法人税は税率を三%引き下げたのでありますが、まだ国際水準には達しておりません。私は、かねてから申し上げておりますけれども、実効税率をあと七%ぐらい引き下げて、そして国際的な水準に達するのではないか、こういうふうに考えているのでございます。 ただ、その際、心しておかなければならないのは中小企業の問題です。よく大蔵省は、法人税の引き下げに当たっては課税ベースを広げる、こうおっしゃっている。しかし、中小企業の軽減税率もあわせて配慮してまいりませんと、課税ベースを広げるというのは、言葉は聞こえやすいのでありますが、中小企業者から上がってきた税収をいわゆる大企業の法人税の引き下げに回す、そういうことになりかねないのであります。 ここは極めて大事なことでありまして、全法人の九割を占めているのは中小企業でございますので、ここに十分な思いをいたさなければならないというふうに考えます。通産大臣、いかがでしょうか。
○堀内国務大臣 先生御指摘のとおり、中小企業に対する税率の引き下げ、今回も二八%から二五%まで三%、同じように引き下げを行いました。今度の法律を通していただきますと、実質減税は今度は中小企業の方が大きいものではないかと感じております。 今後におきましても、中小企業が経済の一番の活力をもたらしているわけでありますから、その点を十分配慮して取り組んでまいる覚悟でございます。
○深谷委員 日本の経済をしっかり支えてまいりましたのが中小企業であることは、言うまでもないことであります。しかし、にもかかわりませず、常に中小企業は不遇であったのです。私は、下町、中小企業の町に住んでおりますから、もう痛いぐらいにその悲鳴に似た声を聞き続けてまいりました。この中小企業がしっかり経営が成り立っていくような状況をつくるということは、日本の将来のためにも大事なことでございます。 ところが、本年四月の中小企業庁による調査を見てまいりますと、中小企業の倒産件数というのは、一月で千四百四十八件、二月で千五百六十件と、一層深刻になっているのでございます。倒産の理由を調べてみますと、いろいろございます。その中の大きな一つが、やっぱり貸し渋りなんですね。あれだけ私たち国会でも主張して、総理も並々ならぬ決意をお見せになって、指導もしてきたのでありますが、残念ながら、民間金融機関の貸し渋りは相変わらず続いていて、いささかも変わっていないのでございます。 貸し渋りをなくすために、政府は十三兆円の資本投下を既に行いました。そして、二兆円以上の公的資金の投入が実施されたのでございます。これを大手銀行二十一行で考えてみますと、計算上は合計二十兆円の融資が可能になるということなんです。公的資金の投入が決まった三月の半ばに、橋本総理大臣は、官邸に都市銀行など大手銀行の頭取を集めて、貸し渋りをやめてほしいと強く迫ったのであります。 しかし、実情は、貸し渋りがなくなるどころか、逆に、貸した資金の回収に走っているという状態なのでございます。これでは中小企業を守り育てることは不可能でございまして、このことが景気回復の足をさらに引っ張っていると言わざるを得ないのであります。 橋本総理は、この現実をどう把握しておられるか、そして、これからどのような具体的な対応をお約束していただけるのか、お伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 まず、ちょっと法人税のお話から始めたいと思うのですが、法人課税について、十年度改正で課税ベースを適正化しながら法人税及び法人事業税の税率を下げましたけれども、その際、中小法人に対してさまざまな配慮を加えてきました。 それは、基本税率の部分について軽減税率も三%下げている。そして法人事業税でも基本税率を一%引き下げた。それだけではなく、軽減税率をそういうふうに引き下げると同時に、課税ベースの方で、むしろ大法人に利用の多い賞与引当金あるいは製品保証等引当金の廃止、あるいは貸倒引当金の法定率の原則廃止など、大法人が利用する率の高い引当金などを中心とした見直しを行ってきました。ですから、中小法人に係る差し引きの減収額は大法人を上回っている、この事実はまず申し上げておきたいと思います。 その上で、今貸し渋りが依然として減少していない。これは調査をいたしてみましても、依然として、五〇%の中小企業者が貸し渋りの状況が続いているという状況を言っておられます。 これは、民間の金融機関自身に一層責任を果たしてもらうように慫慂していく努力を必要とするわけですけれども、同時に、それが動かないのであるならば、政府系金融機関が今こそ前に出てその役割を果たすべき時期だ、そういう信念で、信用保証についても既に枠を広げ、対応できる体制をとっておりますので、これを十分に活用していただきたい。政府系金融機関は、同時にその責任の重さを感じながら、できるだけ手厚くそうした方々の御相談に乗ってあげてほしいと心から願っております。
○深谷委員 民間金融機関の猛省を促したいし、また、その指導に十分当たられるように要望しておきます。 ただいま総理も言われましたが、こういう民間金融機関の貸し渋りが依然として解消できない、こういうときにこそ最も答えを出す効果的なのが政府系金融機関でございます。これは、総理がおっしゃったそのとおりでございます。いわば、特に中小企業者にとっては駆け込み寺、それが政府系金融機関だと思うのであります。ところが、ここに対してもかなりの批判があるということを関係大臣に申し上げなければなりません。 政府系金融機関の融資の総額は、このところ急増しております。昨年十二月から今年三月までの融資総額は、前年同期と比べて二割程度増の約二兆七千億円となっています。 しかし、考えてみますと、政府系金融機関に対して、政府は平成九年度、十年度合わせて新たに二十三兆円の資金量を準備しているのでございます。この全体から見ると、現実に、急増されたとはいいながら、融資されている金額は余りにも少ないと言わざるを得ない。つまり、二十三兆円の資金量を準備しているのに、その中で実際に貸し出されているのは、全体から見てそんな大きなものではないというのが現状なのですね、二兆七千億円ですから。 一体これは何なのだ。なぜなのだ。やはり一種の貸し渋りのような状況があるからではないかなと思わざるを得ないのですが、大蔵大臣、どうお考えでしょうか。
○松永国務大臣 今の経済状態を考える場合に、健全な中小企業その他、企業の側で必要とする資金が円滑に供給されるということが、現在の状況から抜け出すためには極めて大事なことだ。委員御指摘のとおりであります。そういったこともあって、今総理からも話がありましたが、民間金融機関に貸し渋りと言われるような現象があれば、これは政府系金融機関が積極的に前に出ていって、そして適切な融資をすべし、そのとおりでございます。 そういったことから、委員御指摘のような政府系金融機関の資金量の確保がなされておるわけでありますが、去年の十二月一日からことしの三月三十一日までの貸し出しについて見れば、政府系金融機関の貸出量は四兆一千八十九億円になっておるわけでありまして、その伸び率でいえば、先ほど委員御指摘のとおり、金額では一五・三%増、件数では一九・七%増になっております。大蔵省としては、所管の金融機関に対して、より適切に対応するように指導してまいりたいと思います。 同時にまた、民間金融機関についても、もともと企業に対して円滑に資金を供給する、そして利息をちょうだいする、そういう形で民間金融機関というのは成り立っておるわけでありますから、貸し渋りなどという状況は一日も早く解消するようにしてもらわなければ困るわけでありますので、その面についての適切な措置もしっかりやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○深谷委員 私は、昨年十月、この委員会で、政府系金融機関がもっと中小企業者のために適切な対応をすべきだということを主張したのです。そのときに林中小企業庁長官が答弁して、いかにも円滑に進んでいるかのごときお答えだったのですが、実際は決してそうではない。ただいま申し上げたように、全体の融資量からいって、現実に融資に回っている数値はまだ少ないわけでございますから、やはり、何だかんだ言いながら、一種の貸し渋りのような状況があるわけでございます。 きょうは、国民金融公庫総裁にお越しをいただいております。私は、いろいろな注文や抗議が私の手元に来ているのでありますが、その中の一つだけ例にして申し上げますので、お答えいただきたいと思うのです。 この人は、資本金三千万円で、食品の卸、輸入業務などを行っている。国民金融公庫との取引を始めてから二十年、この間、一回のトラブルもなく、返済のおくれもなかった。ところで、今年の二月に融資を申し込んだ、千三百万円。窓口の応対はとても丁寧だった。今の状態なら一千万ぐらいの申し込みにした方がいいのではないですか、こうアドバイスをもらった。そして、それからさまざまな書類を提出しましたら、その後に、かなり離れているところに取引の社長がいるのですが、その人まで呼んで、そして話を聞かせてくれということがあったので、その社長と一緒に三月に行きましたら、余り細かいことを聞かないで、貸し出しは四百万で目いっぱいです、こう返事が返ってきてびっくりしたのです。もうてっきり、そんな話だったから、予定に近い数字が出るだろうと思ったら、全く三分の一、これでは、新規事業に係る費用でございますから、全然使いようがないのでお断りした。せっかく期待をしている政府系金融機関がこういう状態で、一体我々の気持ちをわかってくれているのだろうかという、綿々と書かれた手紙でございます。 国民金融公庫総裁、どうお感じでしょうか。
○尾崎説明員 ただいま委員御指摘の案件につきましては、私もお手紙をちょうだいいたしました。すぐに事実関係を調べさせましたところ、担当支店とお客様との間でお話し合いが中断しているということでございましたので、お客様をお訪ねして十分な話し合いをするように、直ちに申し込み法人の本店に支店長を出向かせると同時に、今委員のお話にございましたように、社長が遠隔地にお住まいでございますので、その地の支店長に社長を訪ねさせ、また理事を一人差し向けまして、お話し合いをさせていただきました。 そして、その法人は、当面、当座の資金は既に民間の金融機関でついたということでございまして、次の資金需要が生じましたときに、また御相談をいただくことになっております。 それで、本件、実は三月三日においでをいただいたのでございますが……
○深谷委員 委員長、ちょっと御注意いただきたい。私は、今の個々の回答をせよと言っているのではないのですよ。全体の姿勢を問うているんだ。
○越智委員長 手短に、総裁、手短に御答弁ください。
○尾崎説明員 今、それを申し上げようとしているところでございます。 その後、三月三日御来店の後に、三月十一日に、これまた委員御指摘のとおり、総理から、利用者との対応ぶりについて……(深谷委員「委員長、御注意ください」と呼ぶ)
○越智委員長 総裁、質問の要旨に答えてください。
○尾崎説明員 はい。利用者との対応ぶりについて……
○深谷委員 ちょっと待ってください。私、限られた時間で質問しているんだから、そんな個々の問題なら、あなたと電話連絡すれば済むことなんだ。だれがそんなことを言っているんだ。下がりなさい。
○尾崎説明員 今、全体の姿勢を申し上げます。(深谷委員「戻りなさい。委員長、整理してください」と呼ぶ)
○越智委員長 深谷君。
○深谷委員 私が一番申し上げたいのは、この問題で、確かに抗議はあなたの方に届いていると思いますが、そういう一つ一つの問題をここで答弁してくれと言ってないのですよ。それじゃ、抗議したり問題にしたら、こたえるということなんですか。これがいわば氷山の一角だと言いたいのです。 せっかく総理大臣が一生懸命考えて、関係大臣も御検討いただいて、融資の手当てをしていて、窓口で円滑に進んでいると思っていたが、実際はそうでない、こういう例もあるのですよ。だとするならば、皆さん方の気持ちが窓口まできちんと伝わっていない、もっと伝わらせて、大勢の困った人たちあるいは御相談に応じた人たちに丁寧、親切にこたえていくという姿勢をつくってほしい、そのことを私は申し上げているのだ。個々の問題で、ここで取り上げて答えを出してくれなどという、そんな政治家ではないことをはっきり断言しておきます。 今のやりとりを聞いていただいて、総理、どうお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 民間金融機関のトップの方々とお話をしましたときに、実は大変きれいなお答えが返ってきました。そして、もしそのとおりだとするならば、現場とトップとの間にどこかで情報が切れているんじゃないですかと、精いっぱいのことを申し上げ、同じ会合をもう一度お願いをしないで済むようにしていただきたいということをそのとき申しました。 その後、政府系金融機関の諸君に集まってもらい、そういう民間の状況だから、諸君、頼むと申しましたが、その政府系金融機関に対し今議員から御指摘の出るような事態を大変申しわけなく思いますし、改めて、それぞれの所管閣僚からそれぞれの機関に対し、より親切な対応、取り扱いというものを指示してもらうようにしたい、そのように思います。
○深谷委員 私はただいまの橋本総理の御発言を大変大事に受けとめます。私は、別にこのことで総理を責めようとか、日銀総裁を責めようとは思っていないのです。ただ、こういうような状態があるということを謙虚に受けとめて、どう変えていったら中小企業の皆さんが助かるかということを考えてほしい、そういう前向きの答弁がほしかった。 国民金融公庫総裁、もう一回お答えください。
○尾崎説明員 総理からも、それから通産大臣、大蔵大臣からも、対応ぶりについては御指示をいただいているところでございます。 私ども二十万件の貸し出しを行いましたが、その中で、一件とはいえ、やはりお客様……(深谷委員「一件じゃない。ほかの例、幾らでも出しますよ。ほかのケースは幾つもあります。その一例を挙げたんだ。あなたもわからない人だな」と呼ぶ)はい、わかりました。例えば一件でもという意味で申し上げたわけでございますが、そういう例が起きることのないよう、気をつけてまいりたいと思います。
○深谷委員 今の総裁のお言葉には不満が残ります。一件だけを例に挙げて、さも全体を語っているような言い方を殊さら言おうとなさるお気持ちは、理解できません。 私は、政府系金融機関の担当者に、先ほどの橋本総理大臣の気持ちをしっかり伝えて、せっかく政府が考えているような状況を実現させるために、全力を挙げることを強く要求させていただきたいと思います。 経済再生のために、総理は、減税と同時に約六兆円程度の公共事業を打ち出したのであります。公共事業には直接的な需要を押し上げる力がございますから、減税よりも景気刺激という点では効果があることは言うまでもございません。経済企画庁のモデルでは、一兆円の公共事業は初年度で一兆三千二百億円の経済効果を生むとなっております。六兆円の経済効果は約八兆円で、これならGDPを一・六%押し上げる、そういう計算になります。 しかし、公共投資といいましても、一体どのような分野に振り分けるかということが、実は一番大事な問題だと思います。車が通らない道路をつくってもだめだし、釣り堀になってしまったような港でもだめでございますし、飛行機のとまらないような農道空港建設なども考えていかなければなりません。つまり、今までの考え方というのをもう一回反省していただいて、二十一世紀の日本に本当に役立つ事業を選んで、そこに思い切った投資をしていくということが必要だろう、私はこう思います。 いかがでしょうか、総理。
○橋本内閣総理大臣 まさに、私は、議員の御指摘になりましたような方向が、今回の総合経済対策として与党から基本方針を示されましたものの中にも見えていたと思います。そして、政府自身が考えようとしている方向もそうした方向でございます。 私は、記者会見で、例えば今問題になっておりますダイオキシン対策ですとか、あるいは地球環境問題のための投資、あるいは少子・高齢化社会というものを考えましたときに、高齢者に対する福祉施設、あるいは育児のための施設の整備、さらに将来の発展基盤となります科学技術の振興と情報通信の高度化、あるいは将来を担う人材の教育といった分野を例示として挙げてまいりました。 まさに、そうした方向に向けていくことが、後の世代の方々に、こういう分野を整備しておいてもらってよかったと言っていただける分野ではないだろうか、そのような思いでこれを取り上げております。
○深谷委員 総理は、二十一世紀に向けて社会資本整備の具体的なものとして、例えばダイオキシン対策、地球環境、情報通信、人材教育などの分野を挙げて、その投資を強調されたわけであります。私は、これは大変大事なことであると思います。 私も、例えばこういうことはどうかなと考えますが、高齢化対策の現状を考えて、例えばゴールドプランの前倒しによる特別養護老人ホームの建設促進なんかは非常に有効な対応ではないかというふうに思います。あるいは、情報通信分野で言えば、光ファイバー網を早期に全国に張りめぐらす、学校等とも結びつける、そして高度情報社会をつくるための準備を今から始めていく、こういうことが最も有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、今議員から御指摘のありました新ゴールドプラン、新高齢者保健福祉推進十か年戦略、当然ながら具体的な重点分野に含まれると思います。 また、高度情報通信網の整備が必要であることは、今議員から光ファイバーを例示にして御論議をいただきました。私は、高度情報通信は、むしろ、無線あるいは同軸ケーブル、光ファイバー、使えるものは何でも使ってのネットワークの形成を急ぎたいということを通産大臣のころから申してまいりましたが、まさに情報通信の高度化といった分野は、将来を考えるときにも非常に大切な分野の一つだ、そのように考えております。
○深谷委員 私は、景気対策で、直接的な財政出動ばかりでなくて、いろいろな知恵を使って、民間と協力し合っていく、そういう手だてが一番大事ではないかというふうに思います。そこで一つの例を挙げますが、羽田空港の国際化、これなんかを促進いたしますと、かなり経済効果を上げてくるように思います。 羽田空港は、新しいC滑走路の完成によって、二十四時間の運用が平成九年の七月から始まっているのであります。深夜及び早朝を使いまして、今国内線の運行がなされているのでありますが、これを国際線で活用いたしますと、経済的な波及効果は、東京都に限って言っても生産誘発額六兆円という試算が民間で出されています。雇用誘発は約三十四万人に達する、こういうふうに言われているのでございます。 ただ運輸省は、なぜか、国際線は成田、国内線は羽田、こんなふうに頭から決めつけているようでございまして、なかなか羽田空港の国際化というのに踏み出してくれないというのが実際であります。 東京の表玄関成田空港は、年間発着能力は十三万回、これはロンドンのヒースロー空港の三分の一。これでは供給不足になっているというのが現状で、さまざまな国の航空会社が待機をしているというのが実際でございます。首都圏で、成田、羽田両空港の活用で、二十四時間使用可能なハブ体制をとるということで、国際競争力は高まってまいりますし、あわせて大きな経済効果が生まれる、これははっきりしているのであります。 この機会に、思い切って羽田空港の国際化を進めるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 これは、率直に申しまして、私が運輸大臣の当時から賛否両論のある問題でありました。そして、私が運輸大臣のころには、むしろ地域におきましても、まさに周辺の事業者の方々からは二十四時間化とともに国際線化が非常に強い御要請のある部分でありましたが、住宅地の方々からは必ずしもそういう声がなかったというのが当時の実態だったと思います。そして、そうした中で首都圏の拠点空港というものは、従来から、国際線は成田、国内線は羽田ということで進んでまいりました。 そして、今議員から御指摘のありましたような将来図、私は、それを必ずしも否定するものではありません。ただ、今、私自身が細かい羽田の状況を存じておらない。国内線の便数は、これからますます航空による人的輸送というのがふえていくでありましょうから、どの程度のキャパシティーが国内航空の分野で必要なのか、あるいは二十四時間化というものが真に実行ができるのか、あるいは管制の問題といったものを考えまして、私は、羽田の国際空港化になかなか難しい問題があるということは聞いておりました。 ただ、その上で、私は、むしろ国内航空の将来図をどう描くかによって、状況の相当変わってくる問題だと思います。 議員が御指摘になりました視点は、私の運輸大臣当時もまさに、そのころはまだ新規滑走路ができておらなかったころでありますけれども、既にこれができ上がり、沖合展開が進んだ段階で、その跡地をどう利用するかという論議の中で出されており、その中で二十四時間空港化、国際線の乗り入れというものは出ておったテーマでありますから、その後の状況を細かく存じませんので、なかなか難しい問題があるということを聞いてきているというところでとめておきたいと存じます。
○深谷委員 近隣アジア諸国は、例えば韓国あるいは中国、香港では大規模な空港建設が進んでおりまして、そう遠くないうちにこれが運航するような状況になります。そういたしますと、現在のような日本の空港の状態では、日本を素通りされてしまう、取り残されてしまうという危険が非常に多いのであります。 愛知万博に合わせて中部国際空港の建設が決定いたしましたが、この羽田空港、成田空港、その他もろもろの空港のハブ化ということを含めて考えて、こういうアジアの情勢に乗りおくれないように、きちっと対応することが必要であり、今できることというのは羽田空港においても現実あるわけでございますから、ぜひ前向きで御検討いただくように、この機会にお願い申し上げておきたいと思います。 いろいろ申し上げたい点がございます。 例えば、これからの景気浮揚策についての資金の手当てはどこからするのか。すべて国債に任せているということではだめでございますから、前回の質問のときに私は、野中発言を取り入れて、定期郵便貯金がこれから満期になって、そこから上がる金利の国税が六兆円ぐらいあるから、そういうことを当て込んで短期型の国債を出したらどうだ、そういうことを申し上げたわけであります。 湾岸戦争のときの対応で、総理、当時の大臣として短期的な国債を発行した、そしてそれは既に解消している、そういう実際もありますが、こういう工夫も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 そうした議員の御指摘もそうでありましたし、湾岸のときもそうでありましたが、そうした思い出がありましただけに、私は、その国債を現行の償還年のまま特例公債と建設国債の境を廃止するという御議論がありましたときに、むしろ十年とか五年とかという短期の国債を考えることはできないだろうかということを申し上げてまいりました。 しかし、それとは全く別に、間違いなく私は、これから先対策を考えていく上で、安易に公債に頼るということは許されるものではないと思っておりまして、さまざまな財源確保の道というものを政府自身の努力の中で生み出していく。それには国有資産の処分もありましょうし、議員が今触れられましたような、郵貯のちょうど償還年の時点における利子課税の取り扱いとか、さまざまなものがあると思います。 ただ、この利子課税につきましてはどういうふうに、それがまた満額その時期に全部が期限を迎えるかとかいろいろな仮定はあるわけで、そうした点をこの前も申し上げたように思いますが、いずれにしても、みずからが、資産処分等も含めまして、できる限りの財源形成の努力をしなければならないという点は、御指摘のとおりだと思います。
○深谷委員 労働大臣伊吹さんにもおいでいただいて、今日の失業率の問題とか、来年の大学生の新規卒の採用状況等について伺うつもりでございましたが、残念ながら時間がなくなったので、せっかくおいでいただいたのですが申しわけありませんでした。失業率が徐々に高くなっている。就職戦線も容易でない。どうぞ労働大臣は、旧来から頑張っておられますが、一層頑張ってくださいますように心からお願いしたいと思います。 それから、公定歩合が〇・五%、史上最低になっているということで、年金で暮らしている方、あるいは身体障害者の方々、今日の不況の中で非常に御苦労なさっているのでございます。金利を上げる場合にはデメリットも多いですから、直ちにやれということはなかなか言えないし、答えも出てまいりませんが、そういう社会的に弱い立場にある方たちに、一体これから先どうなるんだろうかという、夢や希望をお与えする政策というのはとても大事だというふうに私は思っているのであります。 たまたま私の手元に、八十四歳のお年寄りの方から手紙が参りました。その手紙の冒頭に、「人は希望がなければ生きてゆけない、希望があれば死も怖れない」こう書いていて、お年寄りを大事にする政治をやってくれということが切々と書かれていまして、思わず私は目頭が熱くなったのであります。いろいろありますけれども、国民の皆さんが、老いも若きもこの日本の将来に希望をつなぎ、さまざまな夢を持てるような政治をつくり出すために、お互いさましっかり頑張っていかなければならないと思うのであります。 橋本総理に重ねて申し上げますけれども、中長期的に考えた場合に、財政構造改革は全く正しい考え方です。しかし、現実の不況を克服しなければその目的を果たすことはできません。今回あなたが思い切った方向転換をなさろうとしているその姿、私は真摯に受けとめたいと思うのでございます。 政治家が人生をかけて戦うということは、あるようでめったにあるものではありません。国会議員として最高の位置にお上りになった総理大臣橋本さん、ぜひこの大きな転換、景気回復という国民の求めにこたえることが、今あなたにとっての、政治家としての正念場であるとお考えいただいて、しっかり頑張っていただきたいと思うのであります。 私たちも、全力を挙げてお手伝い申し上げます。野党の皆さんも、国家国民の立場に立って、ともどもに頑張ってくださいますこともあわせ要請して、私の質問を終え、残りの時間を小杉隆さんに譲りたいと思います。 ありがとうございました。
○越智委員長 この際、小杉隆君から関連質疑の申し出があります。深谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小杉隆君。
○小杉委員 尾身経済企画庁長官にまず伺います。 去る四月十日の経済閣僚会議におきまして、月例経済報告を出されました。それによりますと、景気は停滞し、一層深刻さ、厳しさを増している、こういう判断をされたわけでありますが、今の景気の現状認識と、そしてその原因、背景は那辺にあるか、まずお答えいただきたいと思います。
○尾身国務大臣 景気の状況でございますが、昨年の春の消費税の引き上げ、そしてそれに対応する駆け込み需要とその反動の需要減がございました。その後、九月までの間に消費性向の上昇等もございまして、少しよくなったと思っていたわけでございますが、秋口以降、金融機関の相次ぐ破綻、アジアの金融経済情勢の激変等を背景といたしまして、企業及び消費者のいわゆる景況感といいますかマインドが急速に低下をいたしまして、昨年の十二月から一月ごろにかけまして極めて厳しい状況になったというふうに認識しております。 これに対しまして幾つかの対策をやりましたが、その中で、金融システムの安定化、三十兆円に上る対策をやりまして、そのことによって金融システム不安というものはある程度解消したというふうに理解をしております。 しかしながら、その後、いわゆるマインドの低下が実体経済の方に悪影響を及ぼしてきておりまして、消費、投資あるいは失業率、小売販売高等々非常に厳しい数字になっているわけでございます。そこへ加えまして、四月一日の早期是正措置を控えてのいわば貸し渋り現象ということもございました。そういうことを全体として、その結果として、経済の現状、停滞をし、厳しさが一層増しているというふうに認識している次第でございます。
○小杉委員 きょう日銀は、月例の金融経済月報を出す予定になっておりますが、その中でも、景気は極めて厳しい状況にあるという認識を示す予定になっておりますし、先般の財政構造改革会議でもその種の発言をされたわけであります。 総理に対して、この現状認識あるいはその背景、原因について、総理にもお答えをいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今経済企画庁長官からも御答弁を申し上げましたけれども、バブルの形成からその崩壊、そしてその崩壊後の経済状況、既に何回か国会でも御論議をいただき、また御答弁を申し上げてまいりました。そうした中において、各種の施策をとり続けながら今日まで参りましたけれども、今大変厳しい状況にあることは、経企庁長官から御答弁を申し上げたところでございます。 そうした状況の中で、おかげさまで予算を成立させていただき、平成十年度予算が安定をいたしましたこの機に、与党三党からちょうだいしておりました基本方針をベースにしながら、思い切った景気回復への努力をしたい、今そう願い、先日これを公表いたしたところでございまして、ぜひとも、ここで努力をすることによって回復への道をつくり上げていかなければならない、今そう言い聞かせております。
○小杉委員 総理の苦悩に満ちた決断だったと思います。 私は、ここで、今回の総合経済対策と財政構造改革との関連について伺いたいと思います。 昨年の今ごろは、日本の財政状況は、大変深刻、危機的な状況にあって、現在でもそうですが、先進国中最悪の状態でありました。今、減税あるいは公共事業の大合唱でありますけれども、現状の財政状況は一向に、よくなるどころかむしろ悪化しているという現状認識を持たなきゃいけないと思います。 今回、総理が財政構造改革の基本的骨格を維持しつつということを言われたことを、私たちは支持したいと思います。現在五百二十九兆円もの累積赤字のツケを将来の世代に残すということは、我々は避けなければならないことであります。橋本内閣が進めております六大改革も、まさにこうした文脈の中で、財政再建ということを視野に入れて、経済構造も財政構造も金融システムもあるいはまた社会保障構造も変えなきゃいけない、こういう一連の脈絡の中で行政を、政治を進めてきたわけであります。 今、世を挙げて非常に減税の大合唱、あるいは公共事業の大変な主張が飛び交っておりますけれども、私は、もっと複眼的に、一方的な姿勢であってはならない、冷静な対応が必要だ。その意味で、今回の経済対策は、景気対策と財政再建のぎりぎりの決断であったというふうに評価したいと思います。 総理に伺いますが、財政再建と景気対策は二者択一なのか、あるいは両立論であるのか、その点、基本的な考えを伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私は、中期的に考えまして、財政構造が今のままでいいとお考えの方はないと思います。しかし同時に、現在ここで景気回復への努力をすることを本当に求めておられることも間違いないと思います。私どもはこれを両立させていかなければなりません。そうした思いから、財政構造改革法の基本は変更しない、そして緊急避難的に必要最小限の措置をとることでとどめたいということを、私は財政構造改革会議で申し上げてまいりました。 ただ、現下の厳しい経済情勢にかんがみますと、緊急避難的に、特例公債を年々縮減するこの規定について弾力化を可能とする、そうした措置を導入することは考えられてよいと思っております。
○小杉委員 そこで、財政構造改革の骨格というのは、主として財政健全化目標、財政赤字のGDP比を三%以下にする、特例公債依存からの脱却を図る、公債依存度を平成九年度に比べて引き下げる、あるいは主要経費の量的縮減目標、キャップの設定ということがその基本であったと思います。その基本の項目はこれを堅持する、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 先週金曜日、財政構造改革会議をこの問題について初めて開かせていただきました。そして、今申し上げましたように、最小限の修正にとどめたい、その上での弾力条項を考えたいということを、私から開会に当たりまして皆様方に申し上げました。 基本的にはそうした方向についての御同意をいただいた上で、どういう弾力条項のつけ方があるのか、その他について、幾つかの点に議員はお触れになりましたけれども、そうした部分まで論議をするかしないか。論議の大勢としては、必ずしも弾力条項以外の分野の御論議は多かったわけではありませんけれども、今週中に開かせていただく会議までに政府としての考え方を具体的に整理し提出させていただきたい。 それは、まさに、この弾力条項についての考え方をどういう形に具体化すればいいか、そうした考え方で臨むことになります。そこからまた会議としてはいろいろな御議論がありましょうから、最終の図面まで今私が云々をするわけにはまいりません。政府としては、今そのような考え方を持っています。
○小杉委員 先ほどの答弁では、総理は、赤字国債、特例国債の見直しに言及され、その後、国債のあり方の見直しということを言われました。もちろん、これから財政構造改革会議で議論を詰めていくと思うんですが、私はこう考えます。 骨格を維持するということは、やはり当面の目標である財政赤字の対GDP三%以下、この骨格を崩してはいけないと思っております。現状では先進国中最悪の事態であります。 それから、特例公債依存からの脱却、これも私は翻してはならない目標だと思います。もちろん、各年度の発行額の縮減とか平成十五年度までという目標期限、これは弾力化をする必要があろうかと思いますが。 それから三番目に、公債依存度の引き下げ、これも、平成十五年度という目標期限はともかくとして、やはり今日の公債依存度、これほど高まってきたということについては、これは取り下げるべきではない。 その点について、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
○松永国務大臣 財政構造改革法について緊急避難的に必要最小限度の修正を加えたいというのが総理の御発言でございました。そしてそれは、弾力条項を入れて思い切った景気対策がやれるようにしたいというのが、総理の御発言の趣旨だと思っております。 したがって、その趣旨に従って、財政構造改革会議の中で議論をしていただいた上で、必要な弾力条項の挿入等の措置をして、そして景気対策がしっかりやれるように緊急避難の措置としてやっていきたい、こう考えておるわけであります。
○小杉委員 もう一つの骨格である量的縮減目標、キャップの設定でありますが、これは、再三この予算委員会でも議論されましたように、社会保障関係費、平成十年度は三千億円プラス、そして平成十一年、十二年で二%増を上限とする。ODAは一〇%カット、十一年度、十二年度は前年度を下回る。文教費、前年度を上回らない。科学技術費はプラス五%で、平成十一、十二年度は抑制する。そして一般歳出は前年度を下回る。そういうような非常に具体的な縮減目標が設定されているわけであります。 先般来の総理の答弁を聞いておりますと、この中で特に社会保障関係費だけは見直す必要があるのか、工夫の余地があるのではないか、こういうふうに言われましたけれども、そのほかの項目についてはどうお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今議員がずっとそれぞれの個別項目を列挙されました中でもおわかりのように、社会保障関係費というのは、人口の構造の変化に対応していや応なしに当然増の出てくる経費であります。人が毎年一つずつ年をとるというのは変えられるわけではありませんし、そして、現在の制度のもとでそれぞれが新たな年金の受給権を発生させる、あるいは高齢者医療の対象になるということも変わりません。そして、高齢化が進んでいるわけですから、当然その対象人口はふえていきます。 何ら制度を改正しなくても、八千億円強当然増があるというのが社会保障予算の一つの特色であります。他の予算とは異なり、社会保障関係費につきましては三千億円のプラスを見ましたけれども、それでも五千億の縮減を図らなければならないということと、これは同義語であります。当然ながら、社会保障関係費の性格からして、皆が必要とするお金、その種類の中でそれだけの縮減を実際上図るということは、非常に厳しいものになっていることは事実であります。 そして、高齢化の中において、本年、国会での御論議の中におきましても、例えば特別養護老人ホームの建設のピッチと介護保険の、現実に仕組みが動き出す時期までにその特養の整備が進むのかとか、いろいろな角度の御論議がございました。こうしたものをあわせていきますとき、他の経費と社会保障関係費の間には異質の問題を抱えているという気持ちは、確かに、私は、聞かれて、お答えをしております。
○小杉委員 きょうここでは多く申しませんが、私は、社会保障関係費のほかに、例えばODAなんかもマイナス一〇%で、この間は大変な大騒ぎになって、いろいろな工夫をして余り支障を来さないように努力をしたわけですけれども、これは今後ひとつ財政構造改革会議の中で、政府・与党一体で、どうあるべきかについての協議をしていくということで、私はこれ以上は申しません。 ただ、財革法を修正する方法として、延期とか凍結とか弾力条項とか、いろいろ言われておりますけれども、どういう方法が望ましいのか。今、アメリカでOBRAという法律があって、四半期の二期連続マイナスの場合には弾力条項を発動するということになっておりますが、まだアメリカでは一回もその実績がありませんし、今の日本の状況に照らし合わせましても、それは発動の状況にない。 こういうことを考えますと、どういう方法が望ましいのか、今の段階で、もしお考えがあったらお示しいただきたいと思います。
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたが、財政構造改革会議で議論をしていただいて、その議論の集約に基づいての必要最小限度の修正をお願いする、こういうことでありまして、今ここで私から、あるいは政府から申し上げることは適当でない、こういうふうに思っております。
○小杉委員 次の質問は、累次の経済対策についての評価でございます。 昨年の秋以来、私ども、党として四次にわたる経済対策を発表しました。今回、総合経済対策の基本方針を決めたわけですが、今までの政策は何かちまちました政策で、一つも効果を上げていないというような評価をする向きがありますけれども、私は決してそんなことはないと思っております。 今現在、株価は一万六千三百円台、円の相場は百二十八円台ということであります。ひところ、株式相場は一万四千円を切るかというような状況になりましたし、また、円も百三十五円まで下がった時代があります。しかし、累次の経済政策を打ってきた結果、それほどの大きな落ち込みがなくて今日を迎えているということは、私は評価していいと思うのです。 そこで、今までやってきた経済対策、当初、昨年の秋には財政再建ということを念頭に置いて、財政出動によらない、例えば規制緩和とか税制とかあるいは中小企業対策、金融対策ということに重点を置いてやってまいりました。しかし、その後、景気が非常に深刻になってきたということで、総理が二兆円の特別減税を発表し、また私どもも政府・与党一体となって三十兆円の公的資金導入による金融システム安定化、こういうことをやってきたわけであります。 私どものそうした努力というものをどう政府は理解しているのか、まず総理のお答えをいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 党からも数次にわたりさまざまな御提言をいただきました。そして、既に実施をいたしております緊急経済対策、特別減税、九年度補正予算、さらにこれに加えまして金融システム安定化策、国会にも大変御苦労いただきましてこれらの成立にこぎつけ、今この迅速かつ適切な執行というものに努めております。こうした対策は、それぞれ既に実施されつつあります。 例えば、昨年の秋から年初にかけて強まりました金融システムに対する不安感、あるいは預金が返してもらえなくなるのじゃないかといった不安感、こうしたものはおおむねぬぐい去られ、それなりに安定感を取り戻しつつあると私は思いますが、ここから先さらに構造改革を進めながら、我が国の経済並びに経済運営に対する内外の信頼を取り戻すために、必要なまた十分な対策というものに積極的に取り組んでいきたいと考えます。
○小杉委員 私は、こうした一連の経済対策がもしなかったならばもっと日本の経済状況は悲惨な状況に陥った、つまり、こうした政策が日本の経済を下支えし、構造改革を促したという側面を積極的に評価すべきだと考えております。 そこで、今回私ども与党三党でまとめました総合経済対策の指針に沿って、一つ一つお伺いしたいのでありますが、時間の制約もありますので、私は、その中で特に重立ったものを拾って質問したいと思います。 まず最初は、新たな分野の投資と、その財源についてであります。 先ほど来総理から、新しい分野の投資を積極的にやっていきたい、こういうことでありましたけれども、従来ともすると、例えばその財源である建設国債につきましては財政法四条で非常に制約がありまして、どちらかというと土木事業とか営繕事業に集中しておりまして、なかなか新しいタイプの社会資本の整備の方に財源が回らなかった、こういう欠陥があります。 そこで私どもは、この新たな分野への投資とその財源について、例えば建設国債などはもっと工夫していいのじゃないか。今、党の中に国債に関する小委員会を設けましていろいろな角度から検討しております。こうした新たな分野への投資とその財源について、総理もしくは大蔵大臣からお答えいただきたいと思います。
○松永国務大臣 委員もよく御承知と思いますが、我が国の財政法第四条、これはきちっと、公債または借入金以外の歳入をもって財源とすべし、ただし公共事業その他については例外的に云々、こうなっておるわけであります。なぜそうなったのかというと、後世代の人にも便益が及ぶようなものならば、後世代にある程度負担させても世代間の負担の公平を欠くことはなかろう、こういったことでこの仕組みはできているものだというふうに私は理解しております。 したがって、先ほど土木とかなんとかいう言葉が出ましたが、そういう次元で判断するのじゃなくて、長く効用を発揮するようなもの、したがって世代間の負担の公平を欠くことにはならない、そういう考え方でこの点は仕切るべきものだというふうに思います。したがいまして、世代間の負担の公平確保という点、それから公債発行対象の範囲が際限なく拡大するおそれはないかというような点、そういった点をよくよく慎重に検討して対応すべきものだ、こう思っております。 なお、必要な施策については、財源の種類を問わず、きちっと対応していかにゃならぬ。先ほど申された、総理の方針で決められたダイオキシン問題とか地球環境問題、これはきちっとやっていかにゃならぬ、こういうふうに思っております。
○小杉委員 新しい分野の公共投資に十分に財源を確保していかれるように、特段の努力をいただきたいと思います。 私ども、いろいろな議論をしている中で、例えば情報通信のネットワークとか教育研究の施設とか、そういった将来世代に便益をもたらす、そして将来の知的蓄積が残るもの、こういったものも加えていいんじゃないか。 それから、最近のように技術の進歩が激しいものですと、償還年限の多さで判断するということにも限界がある。例えば、リースというようなものも私はこれからの対象にしていいんじゃないかというようなことを申し上げておきます。 それから、私どもは今、PFIという方式、つまり民間資金による社会資本整備という制度を法律案として提出いたしました。これは、民間の経営ノウハウとか機動性あるいは効率性、こういったものを導入して今の財政難を克服していく、こういう新しい方式ですけれども、これについてもぜひ真剣に取り組んでいただきたいということ。 それから、時間の制約がありますから、私、もう二、三点申し上げておきたいと思っております。 税制についてであります。 税制については、今回特別減税あるいは政策減税という形で触れられましたが、私は、所得税、住民税の見直しということは避けられないと思います。法人税についても、三年以内に国際水準にするという総理のお話ですが、これももっと前倒しでやるべきだというふうに考えております。所得税減税、例えば課税最低限が今度、平成十年度には四百万円を超えるというような状況でありますし、また最高税率につきましても、日本は諸外国に比べて高い。そのような所得税のあり方、恒久減税ということについても大いに視野を広めていただきたい。 それからもう一点は、何といっても今回の不況の原因は、一つは不良債権の処理と土地債権の流動化であります。私ども、今党内に、不良債権、土地流動化トータルプランをつくるための調査会をつくってやっておりますけれども、こういった面については、政府の方も具体的、積極的に取り組むべきだと思っております。 以上、私どもが出しました総合経済対策の基本方針の中で、特に強調したい部分を申し上げました。そして、さらに、先ほど触れられました中小企業対策、貸し渋り対策、また北海道の地域の対策など、重要な問題が非常にたくさんございます。こういった問題、一つ一つお伺いする予定でしたけれども、時間の関係で省略をいたしますが、いずれにしても、総理が大変厳しい状況の中でこうした問題にどう対処していくか、最後にその決意を聞いて、終わりたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 もう時間の関係で私も長い答弁は差し控えたいと思いますが、与党においても今、PFI推進のための法整備の検討を進めていただいておりますが、政府としても、中心市街地の活性化などに対する都市開発、これは民間の投資の誘導の考えられる分野でもありますので、こうした考え方を十分生かしながら進めていきたいと考えております。 また、所得税、これは今議員が触れられましたように、最高税率の問題もあります。あるいは資産性所得課税の適正化、あるいは年金課税の問題など、個人所得課税についてはさまざまな議論がありますし、同時に、今議員がおっしゃったように、課税最低限が諸外国に対して低いという議論もあります。 こうした問題すべてを通して、やはり公正、透明な制度改正を目指すための議論というものを政府税制調査会、党税制調査会にお願いしたいと考えておりますし、法人課税につきましても、三年以内、できるだけ早く総合的な税率をということを申し上げ、この場合に、一つの観点としてはグローバルスタンダードというものが出てくるのではないかと考えております。 また、今国会、担保不動産を含む資産流動化の促進を図るべく、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律案を提案させていただきました。こうした中で、土地債権流動化の具体策というものをまとめていこうと考えているさなかでありますので、また御協力をよろしくお願いいたします。
○小杉委員 終わります。
○越智委員長 これにて深谷君、小杉君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○越智委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○越智委員長 次に、菅直人君。
○菅(直)委員 きょうは、民友連という会派を民主党という名前にしての最初の質疑であります。 総理が先日、記者会見で、国民の皆さんに新しい経済政策を発表されました。私は、そのこと自体は大変結構なことだと思います。しかし同時に、憲法六十六条には、内閣は連帯して国会に対して責任を負うという言葉があります。先ほど来の質疑を聞いておりましても、何か、内閣よりもあるいは国会よりも、何とか会議の方が重要なような発言が大蔵大臣にも見受けられますが、憲法の原則に基づいて、まず、国会に対してきちんと説明をし、質疑をするのが当然であります。 きょう、我が党を含めた野党の要求に対して、こういう場を嫌々ながら自民党が受け入れられたということを、よく国民の前に申し上げておきたいと思います。十分議論がもし必要であれば、与党から求めればいいわけでありますが、少なくとも与党からの求めがなかったということだけは、はっきり申し上げておきたいと思います。 そこで、総理の記者会見をよく見ておりました。この中に、我が国の経済は極めて深刻な状況にある、こう述べられております。私は、この見解には全く同感であります。そして、この原因として、バブル経済の生成及び崩壊とか、アジアの幾つかの国の金融、経済の混乱など、悪条件が重なってと書いてあります。 何か一つ抜けているのではないでしょうか。この二年三カ月間の橋本政権の政策的失敗という原因が抜けているのではないですか。総理は、現在のこのまさに深刻な状況に対して、みずからの政権の責任ということを一言も触れていない。この二年三カ月の失敗についてどのようにお考えか、まず冒頭にその見解を伺っておきます。
○橋本内閣総理大臣 内閣がスタートをいたしましたとき閣内でともに仕事をしてまいりました議員から御指摘をいただくことを、大変複雑な思いで拝聴いたしております。そして、その時期御努力をいただきました社会保障構造改革等がようやく動き出そうとしている時期でありますだけに、これからも御協力をぜひお願いしたいと冒頭申し上げたいと存じます。 その上で、内閣として、常に、これは私だけではないと思います、どなたが内閣を率いておられるときでも、そのときそのときに必要と判断される施策は当然努力をしてこられたと存じますが、私どももそうした思いで仕事をしてまいりました。しかし、その中に、確かに我々の予測を超える大きな課題が幾つかあったことを私は否定いたしませんし、例えば、我が国の金融機関が私どもが予想していた以上に傷んでいた、それをつかみ切れていなかったのは責任があると言われれば、これは責任のあることだと思います。 あるいは、アジアの金融危機というもの、ただし、これについては、私は、予測をしておられた方がそんなにたくさんおられるとは存じませんでした。むしろ、タイのバーツ危機等は、昨年のサミットごろに日本としては危機感を持ちながらも、それを公に言うわけにいかないことでありますから、それなりの工夫はいたしておりましたが、その後の金融の影響というものが各地に飛び火をする、その深刻さというものを十分に認識していなかったと言われるのなら、これは私は甘受をしなければなりません。 そうしたものを脳裏に置きながらも、今必要な経済政策を世に問いたい、そして、国会においても御協力をいただき、日本の景気をきちんとしたものにしていきたい、そのように考えております。
○菅(直)委員 橋本内閣の第一次内閣で私も厚生大臣を務めさせていただきました。確かにその中でも、例えば規制緩和についての議論をしたことをよく覚えております。しかし、残念ながら、そうしたことが実行過程に移ったかといえば、いろいろ言えばありますけれども、少なくとも景気に対して、あるいは日本の構造改革と言えるにふさわしいものにはなっておりません。 過去のことを言えば、それはいろいろあります。私は、橋本総理とこの場で、大蔵大臣当時のバブルの処理についても、何度も議論をいたしました。つまり橋本総理は、かつてのバブルの崩壊した当時の大蔵大臣であり、あるいは第一次村山内閣の通産大臣であり、そして二年三カ月間の橋本政権のまさに総理であります。 私が任命されたのも総理が任命されたのですから、もしそれが、経済政策上厚生大臣がまずいというならやめさせればよかったわけでありまして、そういうことを言って、何か私とともに責任があって、自分の責任はないかのように言われる。一切ないとは私も言いませんが、少なくとも二年三カ月間の経済政策について第一の責任があるのは、だれが言ったって、橋本総理、あなたじゃないですか。そのことが、今の返事で国民の皆さんにわかるでしょうか。 確かに、アジアの金融情勢はわからなかった。それは、評論家でそう言われるのは結構ですよ。もっと優秀な評論家がいたかもしれないけれども、自分はわからなかった。そうじゃないでしょう。例えば、昨年の夏のころから既に景気の低迷ということは言われていた。あるいは経企庁の中でも、一部にはそういう議論があったとも言われている、後ほど資料要求をしますけれども。 しかし、橋本総理の発言を見ると、去年の十月ごろの発言はどうですか。今年度の終わりごろには回復が力強いものになると考えております、これが昨年十一月十三日の本会議での答弁ですよ。そして、その十一月十三日のわずか四日後に、拓銀は破綻をいたしているわけであります。 まさに、もしこういう答弁が大蔵当局やあるいは経済企画庁当局の指示なりメモで行われているとすれば、橋本総理、あなたはいわば裸の王様じゃないですか。これが立派な洋服です、これが財革法という立派な洋服です、これをやれば国民の皆さんは褒めてくれます、景気は大丈夫です、そういうふうに言われて、ああ立派な洋服だなと思っていたけれども、実は何も着ていなかった、そういう話ではないのでしょうか。 そういう点で、私は、今の橋本総理の答弁は、みずからの見通しの誤りと、さらに言えば、政権の責任者であるというその立場というものを極めてあいまいにしているということを、まず指摘しておきたいと思います。 そこで、先ほど来与党の議員の方から、野党も建設的な議論をしてほしいという要請もいただきましたし、当然のことだと思います。できれば早く橋本政権とかわりたいと思っているものですから、それに備えて、我が党としてのこの問題に対する見解をまず申し上げてみたいと思います。 ここに、平成ニューディール計画という計画、非常に概略だけパネルにいたしてみました。 御承知のように、ニューディール計画というのは、一九二九年、アメリカにおいて大変な不況になったときに、ルーズベルト大統領がとった計画であります。私たちは、内容的には、必ずしもあの公共事業、ダムなどを中心としたニューディール計画そのものがいいとは思っておりません。 しかし、今このままやっていけば、あの一九二九年当時の世界、ブロック経済化し、場合によってはそれが世界のいわゆる戦争への道を招いたという歴史の教訓を考えますと、それに匹敵するぐらいの危機感と重要性を持ってこれに対する対応をしなければならない。そういう意味で、あえて、平成ニューディール計画、自由で安心できる社会を目指して、こういう計画を立ててみたところであります。 そこで……(発言する者あり)さっき言ったでしょう、ダムはつくらないと。よく聞いていなさい。フーバー・ダムというのは、フーバー大統領の名前なんですよ。橋本総理が最近フーバー大統領によく似ているというふうなことを言われているじゃないですか。よく聞いておいてください、変なやじを飛ばすんなら。 ここに、一番大きな違いは何か。恒久減税の六兆円減税というものを我が党は求めております。そして、この恒久減税という意味は、今総理が言われた特別減税と本質的に意味が違います。 何が違うのか。単に恒久、特別じゃありません。つまり、恒久減税というのは、政府に依存した一つの消費や投資から、個人の判断による消費あるいは民間企業の独自な判断による活性化ということであります。つまりは、この問題は、単に恒久か特別かということではなくて、あえて言えば、政府依存か政府依存でないかということの基本的な哲学が異なっているということを申し上げておきたいと思います。 そして、一方で、未来への投資ということを申し上げました。 特に福祉のインフラ整備など、例えば、都市部で電柱がたくさんあるのを地下埋設して、車いすであっても十分歩けるようにする。住宅も、そういう仕様のバリアフリーの住宅にする。 さらには、川を三面張りのコンクリートで固めたり、弧をうねってカヌーにちょうどいい川を真っすぐにしてコンクリートで固めたりするような、自然破壊型の公共事業から自然回復型の公共事業に変えていく。 あるいは、情報通信分野は、総理も言われておりますが、例えば小中学校の子供たちにもパソコンを用意して、まあ学校に通うのが嫌でも、場合によったらそれを通して学ぶこともできるといった、そういうことも含めて、未来への投資というものを提案しております。 申し上げておきますが、これは橋本総理の演説を聞いてから発表したんじゃないですよ。前の日に、少なくとも、私は外国人記者クラブの中で申し上げて、内容的には、民主党はこの国会の始まるときから、六兆円減税ということを主張してきたことは、皆さんもよく御承知のとおりであります。 そういう意味では、私たちが提案して総理が否定してきたものが、先日の段階で総理の方から提案があった。人によれば、いや、菅さんたちが言っているのとよく似ているじゃないか。確かに数字で似たところはありますね、合わせると十兆円なんというところが。しかし、基本的コンセプトが違うわけです。そのことをこれから順次申し上げていきたいというふうに思っております。 それでは、この問題に関連して、次に移りますけれども、まず、総理は、先ほど来の議論の中で、財政構造改革法について、基本的骨格は維持する、そして緊急避難的に最小限の修正を行う、こう言われています。そして、先ほど来の議論でありますと、弾力条項ということが中心になるという答弁であります。一つ一つ聞いていきますから、できるだけ端的にお答えください。 基本的骨格というときに、変えるものと変えないものがあるということですね、基本的骨格は変えないというのだから。そうすると、変えないところがどこで、変えるところはどこなのか。まず、目標期限の平成十五年、二〇〇三年というのは変える方に入るのか、変えない方に入るのか、一言でお答えください。
○橋本内閣総理大臣 議員いろいろお述べになりましたので、一、二、私にも物を言わせていただきたいと思います。 昨年の十月、おまえはこういう答弁をしたと言われましたが、その前提になります七—九のGDPあるいは家計消費支出の数字はプラスになっておりました。確かに一—三月の消費税の引き上げ前の駆け込み需要が我々の予想より多かった、四—六のその分の落ち込みが多かったということは既に私は国会でも答弁で認めております。同時に、七—九が、七月から九月がGDPもプラス、これは前期比も、前期比年率も当然ですが、そして家計消費支出もプラスになっております。(発言する者あり)いやいや、しかし、現実に役所から出てくる数字、世間で通用する数字、七—九はプラスに転じていたということは事実であります。これはまず事実として申し上げておきたいと思います。 また、ニューディールですか、御議論がありました自然回復型の公共事業、まさに数年前から進んでおります愛知万博を、自然と共生できる姿に原案を変え、そして環境とともに共生できる自然と人間の将来を模索するようにテーマを変えていきました、私自身として。まさにそういう方向に、自然というものを見た方向に既に動いておることは、御承知のとおりであります。そういうことを十分、申し上げたいことは多々ありますが、とりあえず今これは私の方から申し上げておかなければなりません。 そして、財政構造改革法の基本は変更せずという点について、私から提起をいたしておりますのは、緊急避難的に、特例公債を年々縮減する旨の規定について、弾力化を可能とする措置を導入することは考えられてよいと思っておりますということを私は財政構造改革会議に提示いたしました。そこから以上の改正を私は求めておりません。必要最小限ということで、この一点を申し上げておるわけであります。 ただ、会議の中でこれからいろいろな御議論が出てくる結論まで私は今予測はできませんが、私は、この緊急避難的な最小限と申しておりますものは、まさにこの部分を体していることでございます。
○菅(直)委員 先ほど、私の方も少し言葉が足りませんでした。 私たちが現在の状況についてどう考え、この平成ニューディール計画というものを私自身の提案として出したかという考え方は、先ほどちょっと触れましたが、今の経済情勢について、やはり短期的なものと中長期のものの考え方をきちんと区別すべきだと基本的に考えているからであります。 つまり、短期的な状況というのはどういうことか。日本は不良債権の処理がおくれました。そして、構造改革も残念ながら進んでおりません。そして、確かにアジアの予想を超えた通貨危機もありました。つまり、現在は、金融が信用創造するのではなくて、逆に金融の信用がどんどん収縮している、まさに金融デフレの状態であります。つまりは、貸し渋りを含めて民間のお金が十分に自由濶達に流れていかない、そういう金融デフレの大変深刻な状況に来ております。 そういう意味で、この金融デフレを解決する、できればなるべく早く解決すべきですが、やはり二年か三年か、対応が悪ければ五年ぐらいかかるかもしれません。その間には残念ながら財政再建を一時停止しても、その間は財政出動でそれにかわるべき政策をきちんと打っていく必要がある。つまり、期限を切るのではなくて、金融デフレという状態をきちんと解決するというところまでは財政が出動しなければ仕方がない。これが政策的な意味での緊急避難、私が申し上げている緊急避難であります。 残念ながら、金融処理の問題、去年の十二月にも私、日本版RTCのことを申し上げましたが、三十兆円のお金を投入すると約束しても、先ほど来深谷議員が言っておるように、貸し渋りは全然解消していない、政策効果を上げていない、金融の信用収縮がとまっていないということなんですね。 ですから、私が申し上げたいのは、それまでは思い切って財政改革法については凍結をしたらどうか。何か弾力条項で何とかするなんという、ブレーキ踏むのかアクセル踏むのか相変わらずわからないようなメッセージを出すこと自体がはっきりしませんから、きちんと凍結なら凍結、どこで解除するんだ、金融デフレが一定のめどがついて、民間に自由に投資が行われ、消費が回復した段階でそれを解除する、そのときには改めて期限を設定する、こうすべきだということを言っているんですよ。 それに対して、今の橋本総理の提案は何ですか。四月—九月のGDPの駆け込みがなんという話は経済企画庁長官で十分ですから、あえてお聞きしません。弾力化について、年々の公債依存率の縮減のところだけを弾力化してもらいたい。ということは、期限の十五年も、先ほどの十五年度におけるGDP比三%も、それはそのまま残すと。それを残して本当にやれるんですか、本当に。 ことしの公債依存率は当初何%の予定でしたか。たしか国と地方の財政赤字のGDP比が四・七%で終わる予定が、十兆円出したらどうなるんですか。一・九%ふえて六・六%の依存率になるんですよ。十兆円出せば、六十年償還であっても年間五千億の財政支出が国債費でかかるんですよ。六十年間でないのにしようかとさっき言われていましたね。もっとかかりますよ。 それで、要調整額はどうなるか。どう考えてみたって、平成十五年にできる形が生まれるとは思えない。もしそれがきちんと説明できるなら、主計局に説明させてください。きのう、説明しろと言ったらだれもできなかった。つまりは、緊急避難というのは何なのか。橋本総理、あなたが総理大臣にいる間の緊急避難じゃないんですか、あるいはあなたが総理大臣であるための緊急避難じゃないですか。 では、どうやってこの十五年の目標値を達成できるのか、弾力化だけで達成できるのか。そして、弾力化をすれば大型減税ができるといって、昨日のテレビでは、平和の皆さんも言われておりました。確かに大型減税、単年度はできるでしょう。じゃ、恒久減税ができるんですか。特別減税を恒久化することは愚の骨頂だとたしか答弁されていますね。しかし、特別減税を一回やり二回やり三回やるというのが提案でしょう。 ですから、特別減税と恒久減税は本質的に違うんですよ。弾力化条項だけでは恒久減税ができないと思いますが、まずその点について、そういう見解を理解されているかどうかお聞きしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に弾力条項、私は、財革会議に弾力条項をつくっていただきたい、緊急避難として、というお願いをいたしました。 そして、議員の今述べられました中には幾つも論点がありますが、例えば五年、十年といった国債をつくる、償還が大変だ、そのとおりであります。しかし、六十年という償還年限にこだわっておりますと、例えばコンピューターでありますとか非常にライフサイクルの長いものではない、しかし必要なもので国債をもって購入したいと思うものが現実には対象にならない。それが、床にボルトで固定してあるとかないとかという、大変つまらないことで議論が出てくるというものがあります。 そうすると、むしろ科学技術関係の投資など比較的足の短いものに対して、そういう土台の上で、時間を切る国債というものを建設国債の世界でも私は考えて、あるいはそれを特例債にするのかもしれません、考えることは決して間違いではないと思います。先般来もいろいろな議論が、本委員会でも過去にございました。そして、両国債のすき間をなくすべきだという御意見、短期国債を出すべきだという御意見、さまざまな御意見がございます。 それから、特別減税と恒久減税、その違いは存じておるつもりです。そして、恒久減税を所得税で考えていきます場合に、ややもすると課税最高限度のところだけが問題になります。しかし、議員がよく御承知のように、所得税体系全体を見ましたとき、課税最低限がほとんどの国より日本は高い。言いかえれば、ほかの国では所得税を負担しておられる層で我が国は所得税を負担せずに済んでおられる方々の幅が広いことも、議員は御承知のとおりであります。さらに、年金に対する課税の問題、あるいは資産型の所得課税の問題、恒久減税を論ずる場合に論点が多数あることも、御承知のとおりであります。 そうしたことを踏まえた上で、所得課税について、私は、政府税制調査会、党税制調査会に早急に検討を始めていただきたい、そう先日も要請をいたしたところでございます。
○菅(直)委員 いいですか、ポイントはどこか、今微妙に総理は言い方を変えましたね。私が会議に申し上げたのは、弾力化を含めて検討してくれと言ったと。前提が抜けているじゃないですか。基本的骨格は維持しながらというのを記者会見で言われたじゃないですか。基本は変更せずというのを言われたじゃないですか、変更せず、緊急避難的な、最小限だと。 だから、一般的に言えば、目標値が、日にちが変わらないのか、目標の三%が変わらないのか、あるいはこの特例公債の縮減は変わらないのか、特例公債からの脱却を十五年までにやるのか、分野別キャップについてどうするのか、これらが骨格でしょう。この骨格のうち、緊急避難的にここだけを変えると言えば、他のものは残るということじゃないですか。先ほど与党の議員に対してもそういう趣旨でした。 ですから、今から聞きますから、いいですか。基本骨格を変えない、つまりは弾力条項は変えてほしいということを言われて弾力条項だけを例えば変えたときに、恒久減税は可能ではないのじゃないか、特別減税以外はできないのではないか、そう申し上げているんですよ。それの認識を聞いているんです。イエスかノーかで答えてください。
○橋本内閣総理大臣 私が提起をしたことを正確にお答え申し上げました。(菅(直)委員「記者会見で言ったこともね」と呼ぶ)記者会見、読みましょうか。(菅(直)委員「書いてありますよ。時間稼ぎはだめですよ、もうわかっているんだから」と呼ぶ)いや、私は何もそれを訂正もしていません。ただ、大変頭ごなしに、あなたに誠実に答えていないかのような言い方をされますので、私は記者会見を本当に読み返そうかと思いました。 記者会見で、私は、基本的な骨格を変えない、基本を変えない、そして緊急避難的に最小限度のという言葉を使いました。改めてもう一度言いましょう。その上で、基本的、最小限と私が考えておりますこと、それを財政構造改革会議に求めましたのはまさに弾力条項の問題である、そうお答えをしております。 その上で、財政構造改革の御論議は、金曜日、第一回をいたしまして、これから後議論が進みます。そこまで私が固定することはできませんので、私が財政構造改革会議に諮りました論点はこういうことだと正確に申し上げております。
○菅(直)委員 いいですか、先ほど来言っているように、会議というのは総理が議長なんですよ。法律は何にも基づかないんですよ。何法もない。憲法六十六条で、内閣は国会に責任を負っているんですよ。その場で答えないで、では会議にかけます、そんな言い逃れがきくんですか。 いいですか、もうちょっと詰めてみます。基本は修正をしない、じゃ、別のことを言いましょう。分野別キャップはどうするんですか、これは変えない方なんですか、変える方なんですか、総理。
○橋本内閣総理大臣 先ほども申し上げておりますように、私が財政構造改革会議にお願いをした、私として考える最小限というのは、弾力条項のことだと申し上げております。 そして、内閣が国会に責任を負うておることは当然でありますし、この議論の上で考えました施策が、それぞれの、あるいは予算、法律として国会の御審議をいただかなければ、国民の手元に届かないということは当然のことであり、私もその程度は存じて、お答えをしております。
○菅(直)委員 また半分でしたね。変えないと言っているんですよ。私が言ったんじゃないですよ。我々は、もっと大胆に凍結しろと言っているんですよ。変えないと言ったのは総理なんですよ、基本的骨格は維持するというのは。だから、この今申し上げたことを全部、行政改革会議ですか、それで検討して全部変えるとなったら、基本骨格は変えたことになるじゃないですか。 だから、変えないという前提であるなら、少なくともこれは変えないでほしいというのがあるはずですよ、だって、そういうふうに言っているんだから。それで、この範囲の中で、特にこれだけは必ずやってほしい、この間は検討してほしい、当然あるでしょう。変えないのはどこですかと聞いているんですよ。キャップの問題も聞いているんですよ。 もし全部が検討事項だと言うんだったら、記者会見あるいは本会議のあの説明は間違っていますよ。骨格を変えないということの言い方が間違っていますよ。きちんと答弁してもらわなきゃ、これは簡単には引き下がれませんからね。きちんと答弁してください。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 先ほどから、記者会見でも、また本院の御論議が始まりましてからも、基本的骨格は変えない、基本は変えない、その上で、私が変えられると考えておりますのは弾力条項の部分ですということを申し上げております。そして、その上で……(菅(直)委員「あんな答弁でいいの、あんな答弁で」と呼ぶ)ちょっと、全部お聞きいただいてから御判断願いたいと思うのです。 先ほど自由民主党からの質問の中でも、社会保障を初めいろいろな部分についてのお尋ねがありました。そして、私は、確かに他のキャップ部分と社会保障の部分とには一つ違いがあるということは、これは既に認めております。それは、人口の高齢化による当然増が非常に大きいという現実の問題であります。 そして、キャップの中でも、ここはプラスというキャップをかぶせたところではありますけれども、十年度においても、八千億円を超える当然増に対して三千億円の当然増でありますから、相当なプレッシャーがかかっていることは、これは間違いがない。そして、一番国民に身近な問題を抱えるところでありますから、ここについては私自身も工夫をしなければならないだろうという思いを、先ほども正直に申し上げております。
○菅(直)委員 いいですか、正直かどうかは別として、私が言っていることについて答えていないですね。なぜ私がこの弾力条項について特に重要視するか、あるいはこの基本骨格について重要視するか、先ほど申し上げました。 我々は、我が党は、金融デフレが続いている限りは仕方ない、思い切って、財政再建はもちろん本質的には将来必ずやらなきゃいけないけれども、ここは凍結してでもきちんと対応しようとはっきりしたメッセージを出すことが内外に必要だと思っているんです。 しかし、この間の議論は何ですか。基本骨格は変えません、何とかは変えません、緊急措置だけです。それで結構とさっき与党の議員も言っていた。本当にいいんですか、そんなことで、与党の議員は。国民的に見たら、全くわからない。ブレーキのベースは踏んでおきながら一部アクセルだけ踏みますと言っているんですよ。 ですから、そこで言う弾力条項だけでいいんですかと。今何かキャップについて、福祉の分野だけは緩めてもいいような悪いようなことを言われました。そうすると、キャップは緩め、弾力条項をして、あと残るのは何ですか。十五年という期限と、GDPの三%という目標。じゃ、この期限と目標は変えるのか変えないのか、言ってください。あるいは、変えることも検討させるのかどうかだけ言ってください。
○橋本内閣総理大臣 先ほどから正確にお答えをしておりますけれども、会議で議論はさまざまな角度で出てくるでありましょう。その出てくる内容を今から私は拘束しておりません。そして、私に……(菅(直)委員「基本を変えないと言ったじゃない。拘束しているんじゃない」と呼ぶ)だから、私は、基本を変えない、基本的性格を変えない、最小限度、弾力条項という言葉で申し上げておりますということも繰り返し申し上げております。
○菅(直)委員 一点だけ、ちょっと一遍方面を変えましょう。 これで、GDPが平成九年が五・九の依存ですよ、財政赤字が。ことしが四・七から六・六になります。来年以降、いろいろ数字が出ています。うまく平成十五年になったら三・〇以下になるような表が何回も配られましたね、予算委員会に。しかし、今回十兆円規模の財政出動をしたら、少なくとも五千億の国債費の積み増しがある。そして、ことしだけやるのですか。ことし四十四兆五千億の一般歳出を、来年はこれの予定だと同じく四十四兆五千億。 つまり、基本的にこのままやろうと思えば、来年度は一切ことしの当初予算を超えられないというこの枠組みでやるのですね。つまり、それでやらないと十五年までにできないのですよ、これは。主計局長、答えられたら答えてみてください。端的でいいよ、端的で。できるかどうかで。十五年でできるかどうかでいいから。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 先ほど先生の方から御指摘のありましたように、数字的には、一兆円の国債を発行いたしますと、定率繰り入れ及び利払い費で年間約五百億円の財政支出の増加になるわけでございます。 ただ、その財政支出の増加分は、この中期試算におきましては最終的には要調整額の増加ということになるわけでございますから、その分だけこの試算よりもさらに一段と厳しい歳出歳入面での見直しが必要であるわけでございますが、だからといって、直ちに十五年の目標が不可能であるということは言えないのではないかと思います。
○菅(直)委員 いいですか、今のを聞いて、形容詞が二つ重なりましたよね。直ちに不可能とは言えない。それはそうでしょう。直ちに不可能とは言えないでしょう。一般的な見通しとして不可能じゃないですかと言って、政治家である総理に聞いているのですよ。 いいですか、このまま行けば、来年度は普通であっても要調整額が四兆円ですよ。今の十兆円がもし国の負担で乗れば四兆五千億ですよ。それで、どうなるのか。ことしの当初予算と同じ予算になるのですよ。いいのですか、与党の皆さん、それを約束して。参議院で私たち言いますよ。ああ、弾力条項、自民党は来年度の予算はことしの当初予算ですよ、一時的には減税が、特別減税がいくかもしれません、しかし弾力条項というのは来年度はことしの当初予算ですよ、それを皆さんオーケーしたのですねと言いますからね、参議院選挙で。それでいいのですね、総理。
○橋本内閣総理大臣 私は、大変申しわけありませんが、議員がどう言われるかまで拘束のできることではございません。ただ、財政構造改革会議がこれから二回目、三回目と議論をされることを私が憶測をもって言えない。私が提起したのはこういうことですというのを私正確に申し上げました。 そして、同時に、今、予算委員会への資料として提出をした、恐らく中期財政試算に基づいての数字を上乗せされたと思います。そして、一定の仮定に基づいて試算をしていくもの、これは、その注書きにもありますように、機械的に推計していく。そして、期間内にこういうふうな数字というところに機械的に落としていくものです。ですから、それに加えて国債の発行高がふえれば、動く部分がございます。一般会計で追加すれば、また動く部分がございます。 そして、それは、重なれば重なるほど苦しくなることは議員も御指摘のとおりですが、同時に、先ほど議員が述べられましたような大変華麗な政策を進めていかれるとしても、例えばその減税財源は当然ながら当面は国債によることになるでありましょうし、同じように財政に影響を与えるということは、財政構造改革法を別にして、影響は当然出るものだと思います。
○菅(直)委員 これ以上、正確に答えていただかなければ、質問できませんよ。いいですか。与党の皆さんもよく聞いてください。 総理は、本会議あるいは記者会見で、基本は変更せずと言われたのですよ。先ほどの小杉あるいは深谷議員の提案に対しても、小杉さんはGDP三%以下は堅持すべきだ、特例公債何とかを堅持すべきだ、そのことを言われて、総理はほぼそれを納得したような顔をされていましたよね、少なくとも否定はされませんでした。 ですから、財政構造改革会議に検討を指示されたのは、その場で何を言われたか私は出ていませんから知りませんが、少なくとも記者会見や本会議のことでいえば、基本骨格は維持しながら緊急避難的な最小限の修正をやってくれ、その最小限のものとして弾力条項について検討してくれ、こう言われたことは予想できますよ。 じゃ、基本骨格を維持しながら変更しないで、変更しないでということは言われたかどうか我々は知りませんよ。しかし、本会議で言われたことは間違いないのだから、その変更しない部分がどこなのかを答えないで、変更する部分だけを言って、基本骨格は変わっていません、だから政治責任はありません、こんなことが通るのですか。 だから、変更しない骨格の部分、維持する部分についてきちんとした答弁がなければ、これ以上質問できません。
○橋本内閣総理大臣 これは財政構造改革会議そのものの発言の要旨であります。(菅(直)委員「本会議です」と呼ぶ)よくお聞きいただきたいのですが、本会議あるいは記者会見と違ったことを申しておりません。 すなわち、財政構造改革法の見直しについては、現在の財政構造改革の基本的骨格は維持しながら、今の深刻な経済情勢にかんがみ、緊急避難的にどのような対応をとるべきか早急に検討をしていただきたいと考えております。そのような緊急対応としての性格を明確にして、特例公債発行枠の弾力化を可能とする措置を導入するということが考えられてよいのではないかと思います。いずれにせよ、財政構造改革法の基本は変更せず、緊急避難的に必要最小限の修正を行うことにとめたいと考えております。これらについてこの財政構造改革会議の皆様にぜひ御議論をいただきたいというのが私のお願いであります。 これが、まさに財政構造改革会議の発言そのものであります。
○菅(直)委員 ですから、聞いているのじゃないですか。だから、その維持するという骨格はこの法律のどの部分なのですか。この財政構造改革法のどの部分が、骨格部分がたくさんありますが、どの部分なのですかと、変えない部分を聞いているのですよ。私は、総理自身が言ったことを聞いているのですよ。 総理自身が、いいですか、ちょっと具体的に答えてください。先ほどから五つ言いました。期限はどうするのですか、GDPの三%はどうするのですか、縮減はわかりました、キャップはどうするのですか、これも変える可能性があるのかないのか、答えてください。
○橋本内閣総理大臣 今、発言をそのとおり申しましたように、これから御議論をいただく。私は、今申し上げたように、この弾力条項、弾力化を可能とする措置を導入するということをお願いしている。正確に今申し上げております。その上で、御議論がこれから始まりました中で、どういう御議論がありますかは、今から私が予測することはできません。 ただ、これを言いかえれば、私は、財政構造改革法の他の部分にできるだけ影響が及ばないようにしていただきたい、弾力条項をここにつけ加えるという程度で何とかとめていただきたいと思っているということは、改めて申し上げます。
○菅(直)委員 いいですか、もう一回だけ申し上げますけれども、これは国民の皆さんによくおわかりいただきたいからもう一回だけ申し上げます。 弾力条項で済ませるのか。それとも、我が党が言っているような、あるいは他党は廃止ということも言われていますが、凍結とか廃止とは、一つは、まさにマインドが違いますね。しかし、それだけじゃないんです。思い切った恒久減税に踏み込めるか、それとも特別減税でしかやれないか。それから、来年度の予算がことしの当初予算を超えられないという原則でいくのか、それも金融情勢によっては思い切ってこれも仕方がないというのか。この二つで違うんですよ。だから、聞いているんですよ。私は、決して揚げ足をとるつもりはない。それが答えられないで、では何が骨格を維持するんですか。 私は、骨格は少なくとも何年間かは放棄しろと言っているんですよ、凍結というのは。そのぐらいにこの金融デフレは、状況は悪いんだ。そこは一たん放棄した上で、もう一回改めて、二年たったとき三年たったときに新たな形で再スタートできるような条件整備をしろと言っているんですよ。そこをはっきり言わないで、相変わらずブレーキは踏んだままアクセルを踏むんですか。壊れちゃいますよ、この国は。 もう一回だけ、国民の皆さんがわかるように答えてください。
○橋本内閣総理大臣 今、菅議員からの御主張は、財政構造改革法を凍結あるいは放棄、何でもいいです、要するにストップしてしまえ、そして思い切った財政政策を行え、そういうことになるんだと思います。 私は、中長期的に財政構造改革の必要というものがある限り、その努力はできる限りしていかなければならないという必要性は一方に存在すると思っています。その上で、今この状況を景気回復に向けていくために何をすればいいのかを考えております。 そして、議員にはお気に召さないからの御質問だと思いますけれども、所得税あるいは法人税、根本的に税制を変えていこうとするならば、それだけの議論は尽くしていくべきだと思います。所得税を論ずるとき、最高限度額だけを論ずるんでしょうか。それとも……(菅(直)委員「まだ言ってない」と呼ぶ)いや、言ってないと言われますが、議員が先ほどから提起をされている問題ですから、逆に私はお尋ねを申し上げる。あるいは、各国に比して高い課税最低限を見るのか見ないのか。あるいは、どういう形に例えば年金課税、資産型の所得課税を組み立てていくのか。 私は、本格的にこれを議論しようとすれば、それだけの責任はあると思います。ですから、政府税制調査会にも党の税制調査会にも、早急な検討を開始するというお願いをしますということを申し上げてきました。その中身に対してどうお考えになっておるのかも、私はお聞かせを願いたいと思うのであります。
○菅(直)委員 大いに答えたいと思います。しかし、その前提としては、弾力条項ではそれは基本的にやらないということを言っているんじゃないですかということを言っているんですよ。我々は、先ほど言ったように、恒久減税というのは、まさに今言われたように、課税最低限をどうするのか、もっとフラット化をどうするのか、大いに議論しましょうと言っていますよ、もちろん。しかし、弾力条項というのは単年度の赤字国債の発行を緩めるだけですよ。だから特別減税しかできないんでしょう。ですから、そのことを聞いているんですよ、今。 こんなことが答えられないで、あの本会議の演説や記者会見は何だったんですか。骨格を変えると言うんならいいですよ。骨格は変えないでと見えを切った。その変えない部分を説明できないで、少なくともこの部分について答弁が十分だと思いませんけれども、委員長、どう思われます。委員長がちゃんと指導しなければ、ここは国会なんですからね。国民のかわりに聞いていて、どうですか。骨格を変えないといって、どこを変えないのかということを聞いてください、総理に。
○橋本内閣総理大臣 先ほどから私、別に見えを切ったつもりはありませんけれども、そのときの思いをそのままに申し上げてきました。そして、その上で、先ほどから、財政構造改革会議で発言をしたそのとおりの言葉で申し上げて、私が求めているのは弾力条項の話でございます、言いかえれば、ほかの部分はできるだけこのままに残したいと思いますということを申し上げました。
○越智委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○越智委員長 速記を起こしてください。 内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 先ほど来御答弁を申し上げておりますように、私が先週金曜日の財政構造改革会議にお願いをいたしましたことは、まさに緊急避難的に、特例公債を年々縮減する旨の規定について、弾力化を可能にする措置を導入することは考えられてよいと思っておりますということであります。 これは、政府・与党一体の財政構造改革会議でありますから、これから、その日もいろいろな御議論は財構法関連ばかりではなくいろいろな御議論がございましたけれども、この議論というものを踏まえて判断をしていきたいと考えております。
○菅(直)委員 じゃ、もう一度お尋ねしますよ。 そうすると、その財政構造改革会議、みずからが議長さんの会議にお願いをした、弾力条項については検討してくれと、一般的には基本は変えずにと。 そうすると、その議論の中で、具体的に言いますよ、目標年次が変わるということもあっても、総理は、もしそういう結論になったら、それに従うということですね。あるいは、GDPの三%、これも変わることがあっても、これに従うということですか。分野別のキャップについても、これを変えるということになったら、従うということですか。つまり、それらの判断も含めて改革会議に任せたという意味ですか、今の答弁は。
○橋本内閣総理大臣 先ほどから繰り返して申し上げておりますように、私は、まさにその弾力条項を具体的なテーマとして、会議の席上、検討されてよい事項と考えるということを申しました。ですから、逆に言えば、最小限にとお願いをしておることとこれは裏腹の言葉であります。 これからどういう問題点を議論されるか、これはわかりませんし、その議論の推移を今から決定的にどうこうと申し上げるわけにはいきません。ただ、私としては、この弾力条項というものをぜひ御検討いただきたいということでお願いを申し上げ、これからの御議論の中で出てまいりますもの、最終的には、その会議の判断を私自身もしていきたいと考えております。
○菅(直)委員 もう総理はわかっていて、ああいう答弁なんですよね。簡単に言えば、財政構造改革法の基本は変更せず、緊急避難的に最小限の修正を行う、これが本会議なり記者会見なり、先ほどの改革会議で言われたことだと認められた。 だから、この財政構造改革法の基本は変更せず、普通、変更せずということをわざわざ本人が言われた以上は、少なくともここは変えないで残してください、この部分は場合によっては変えることで検討してください、そういう意味合いですよね。これは、日本語として当然ですよね。全部を変えるか変えないかお任せするのだったら、財政構造改革の見直しについて検討してください、全部を検討してくださいというのが普通の言い方ですよ。 そのことが何にかかわってくるかというと、財政構造改革は基本は変えません、だから政治的な責任なんか関係ありませんという居直りにつながってきているから、国民は集中的に見ているのですよ。 ですから、今申し上げたことを具体的に聞きました。一点ずつ聞いてもいいですよ。何が財政構造改革法の基本で、総理が変更すべきでないと考えている部分なのかを、御本人が言われたのだから、それを返事するか、それとも、それができないのなら、そこも含めて会議にお任せするのですか。それならそれで、はっきりさせてください。はっきり答えてください。
○橋本内閣総理大臣 先ほどから私は随分正確にお答えをしておるつもりでありますけれども、財政構造改革会議に、私の方から、変えることあるいは新たにつくることをお考えいただきたいと申し上げたのは弾力条項だけなんです。そして、そのほかの問題について私は触れませんでした。議員の言われる部分の裏表にどうも答えがなっているのかもしれませんけれども、まさに弾力条項の検討を、特例公債を可能にならしめるということでお願いをしている。(発言する者あり)いやいや、違うのです。ちょっと整理させてください。いや、整理させてください。 私自身が申し上げたのは、何遍も繰り返して恐縮ですけれども、現下の厳しい経済情勢にかんがみ、緊急避難的に、特例公債を年々縮減する旨の規定について弾力化を可能とする措置を導入することは考えられてよいと思っておりますということを申し上げているわけであります。
○菅(直)委員 いいですか、先ほど来総理は、この財政構造改革会議の議論についてこういう言い方をされましたね。いろいろな議論がある、どういう問題点が出てくるかわからない、決定的なことをここで言えない、そう言われましたね、つい今。しかし、もともと決定的なことを言っておられたじゃないですか。つまり、財政構造改革法の基本は変更せずという大方針を、総理は言われているじゃないですか。その大方針の中身を聞いているのですよ。何回もわざとすれ違いをさせているのは総理の方じゃないですか。 ここだけ変えることを検討してくださいと言ったけれども、ほかのことは何も言っていません。とんでもない、言っているじゃないですか。基本は変えないでくださいと言っているじゃないですか。基本を変えないというところが、どこが基本なんですか、変えたくない基本は。だから、さっきから具体的に言っているじゃないですか。 例えば、じゃ一つずつ聞きましょう。目標年次十五年というのは、これは変更可能性がある討議として考えられているのですか。平成十五年の目標年度、まずそれから答えてください。
○橋本内閣総理大臣 少なくとも、先日の時点におきまして、両方の御論議がこのメンバーの中にはございます。
○菅(直)委員 いいですか、今のは私流に解釈すれば、この議論が、そこの中で議論があるということを答えられて、否定されなかったということは、変えることがあるという言い方ですよね。 じゃ次、三%以下というのはどうですか。
○橋本内閣総理大臣 大変恐縮ですが、そういう決めつけになるのだと、お答えをまたもとに戻さなければなりません。現実に存在した議論が両論あったという報告をいたしますと、その一方の結論に結論づけてしまわれるのであれば……(菅(直)委員「そんなこと言ってないよ」と呼ぶ)いやいや、今議員はそういう言い方をされましたので、あえて私は改めてその点は申し上げます。 論議がありましたこと、左右といいますか、両極の御議論がありましたから、両極の御議論がありましたとそのとおりにお答えをしました。議員がそのうちの一方を導いて決められるのであれば、これは建設的なその場における議論がなされたと私は喜んでおりましたけれども、その建設的な議論というものが一方に偏して結論を出されてしまうということになります。
○菅(直)委員 三%についてはどうですか。議論もあったんですか。総理はどう思われているんですか、三%について。
○橋本内閣総理大臣 財政構造改革会議の先日の場面におきまして、その三%の是非について論じられた方はございません。
○菅(直)委員 キャップについてはどうですか、分野別の。
○橋本内閣総理大臣 キャップについては守るべきという御意見がございました。
○菅(直)委員 そうすると、最初の話にもう一度戻ります。 十五年度の期限について議論があった。私は結論を言っているんじゃないですよ。議論があった。総理がそういうふうに言われるということは、その議論の結果、それはやはり十五年で頑張りましょうというか、いや、これは変えようという結論になるか、現時点ではわからないという意味ですね。
○橋本内閣総理大臣 私はどちらとも決めつけておりません。
○菅(直)委員 ということは、財政改革法の基本というのは何ですか。 今の話だと、骨格、基本という言葉もありますが、期限も決めつけていない。GDP比三%は議論はないと言ったけれども、これもそのまま守るとは言われない。それから弾力条項はもちろん大いにやってくれ。キャップについても、守るとは言われない。 そうすると、確実に変更しないというこの基本というのは、一点でもいいですから答えてください、抽象的な理念なんですか、それとも条項なんですか。変更しないというこの財政改革法の基本、御本人がしゃべったんですからね、私が言ったんじゃないですよ、一点でもいいですからお答えください。
○橋本内閣総理大臣 先ほど来、私は、この部分について見直していただいてよいのではないかということを申しましたということを申し上げました。言いかえれば、他の部分についてはできるだけ現在のままでいっていただきたいということを願っておりますということも、先ほどもお答えをいたしました。
○菅(直)委員 願っているというのはおかしいじゃないですか。ここで、変更せずと自分で言っているんじゃないですか。自分が言っているんですよ。変更せずと国民の前で言った。骨格は変えません、この法律の基本は変更しません。自分が言っておいて、願っているとはどういうことですか。 では、その願いが聞き届けられないときもあるということですか、つまりは基本が変更することもあるということですかと聞いているんですよ。
○橋本内閣総理大臣 私は、会議というものを、自由に議論をしていただいた上で、最終的にそれを自分の責任でまとめていくものだと思っています。そして、素直にそのとおりのことを申し上げてまいりました。私は、自分の今素直に考えていることを会見でも国会でも御答弁を申し上げてきましたし、同時に、会議にも私自身のスタンスを明らかにした上で、皆さんの御意見を交わしていただこうとしております。
○菅(直)委員 そういう答弁なら、本会議の質疑を取り消していただきたいですね。あるいは、この記者会見の中身は間違っていましたと言ってもらいたいですね。 つまり、財政改革法の基本は変更せずと言ったけれども、いや、それは財政改革会議に議論をお任せして最終的に判断します、今の話はそうでしたから。では、変更してもらえますね。
○橋本内閣総理大臣 たしか私は、財政構造改革会議を記者会見の日からですと明日開いて、御論議をいただきたいということを申し上げていたと思います。
○菅(直)委員 何を答弁ですか。国民に対して、国会で、法の基本は変更せずと言ったんでしょう。それが、今の話だと、会議の中身によっては、自由に議論をしてもらって、いろいろな議論が出る可能性があります。 ということは、変更する可能性がある、変更しませんと言ったことは間違いでした、早く結論を出し過ぎました、そういうことを言っているんですね。そういう理解でいいですか。
○橋本内閣総理大臣 間違いなく、私は、骨格は変えない、あるいは基本は変えないということを申しました。その上で、そのためにもこういう部分をということで、財政構造改革会議を、記者会見の時点では、翌日開かせていただこうと思っているということを申し上げたと思います。 私自身の気持ちは明らかにいたしました上で、今議員が言われるように、一〇〇%物事を正確に言わなければならないといたしますならば、今申し上げたことは私の気持ちとして申し上げたことでありますが、すべては財政構造改革会議をもって決定をすべきことと考えておりますというふうに申し上げるべきだったということでありますなら、確かにそこまでは申し上げませんでした。
○菅(直)委員 今の、ちょっと最後のところを確認します。 今の最後の表現は、そうすると、本会議で言われた、基本は変更せず、記者会見で言われた、法の基本は変更せずという言い方は言い過ぎていた、間違っていた、そういう意味ですね。これははっきりさせてもらわなきゃ、あれですよ。そう言ったじゃないですか。
○橋本内閣総理大臣 繰り返し申し上げておりますように、私自身の気持ちとして、基本は変えない、骨格は変えない、私自身の気持ちとしてそのとおり申し上げてまいりました。それが間違いだったと言うつもりはございません。今も基本は変えない、その上で、変えていただくべき点について、願っておりますものは明らかにいたしております。
○越智委員長 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○越智委員長 速記を起こしてください。 菅君。
○菅(直)委員 総理の答弁はこれ以上出ない、そういうことのようであります。私は全く納得できません。つまり、憲法六十六条で言う、国会に対して政府が責任を持つという立場を持つ総理なら、このこと自体が重大な責任だ。 つまりは、国会が聞いていることに、少なくとも私は普通の言葉で聞いているつもりです。特別なことを聞いているつもりはありません。総理がみずから発言をした、この財政構造改革法の基本は変更しない。じゃ、変更しないと言われた基本というのは、この法律でいうとどの部分が変えたくないところなんですかと何度聞いても、それは答えない。自分の私的諮問機関の中で議論するから、だから全部議論するのですかと言ったら、それもしない。するかしないか、わからない。 このことは、決して単に言葉じりをとらえての問題ではなくて、まさに、この間、後ほど申し上げようと思いましたが、総理の言うことは全く市場が信用しない。こうやれと言っても、また逆になる。あるいは、政府が言っていることも信用しない。こうやれと言っても、また逆になる。 今回も、思い切った景気対策をやると一方で言いながら、一方で財政構造改革のこの法律の基本は変えないというと、先ほど申し上げたように、十五年ということが期限のままであったとすれば、今までの予定でいえば、ことし、総理が本会議で言われた十兆円規模の財政出動をやったとしても、来年は、少なくとも従来の計画でいえば今年度当初予算と全く同じ。それをやるにも要調整額は、要調整額という言葉がわかりにくいかもしれませんが、国民の皆さんには。 簡単に言えば、従来と同じような枠組みでいえば、どこかで削らなければいけない部分が四兆円、さらにはこの十兆の償還払いを含めれば四兆五千億は出てくる。それだけ削っても実はことしの当初予算と同じものにしかなりませんよ、そういう狭い狭い枠組みで今のこの景気に対する対応ができるのですかと、ここで聞いているわけです。 それで、私たちの案、先ほど来、与党の皆さんいろいろ言われていますが、先ほどもお見せした平成ニューディール計画という考え方は、実はもうちょっと長期的な発想に立っております。 つまり、将来はどういうことか。まさに金融のデフレが、どこかできちんとやらなければいけない。これも、日本版RTCをつくってきちんとやれと申し上げたけれども、非常にいいかげんなものしかできていないから、三十兆も金を投入する枠をつくりながら、貸し渋りがとまらないわけです。そのきちんとしたことをやった中で、金融がちゃんと信用創造という段階に戻ってくれば、その段階では思い切った構造改革をやらなければいけない。 まさに、この構造改革について今から申し上げたい、こう思っているわけです。ですから、全く総理の答弁は納得できないということを申し上げて、あえてこの後の質問を続けたいと思います。 そこで、結局、橋本政権というのはどういう政権だったのか。皆さんにはコピーをお渡ししていると思います。つまり、橋本政権というのは自民党政権です。そして、その自民党政権というのは官僚主導政権であります。そして、この官僚主導政権の中で行き詰まりが来ているというのは、だれの目にも明らかであります。 どういう意味で行き詰まりが来ているのか。一つは、構造改革なき経済政策。今回、中央省庁の改革案を出されたようであります。しかし、例えばあの中で最も大きな財政を握るであろう国土交通省が従来と同じようなむだ遣いをしていたら日本は沈没してしまう、こういうふうに言われた方があります。だれか、住田正二さん。まさに国土交通省に一緒になる運輸省の元事務次官御本人が、今までのようなやり方をとっていれば日本は沈没してしまう、後輩に対してこういうことを言うのはきついかもしれないけれども、大義親を滅すというのが自分の今の心境だといって、こういう本を書かれたことは総理も多分御存じだと思います。 つまりは、構造改革ができないわけですよ。つまり、役所と族議員と業界がつながっているから、ここはもっと要らないのではないかと元事務次官が思うようなところでも、もうその構造ができ上がっているから、そういうことでできないのですよ。(発言する者あり)その時代にやればいいのですよ、自民党も。深谷さんも運輸大臣やったのでしょう。そんなやじを飛ばすのならやればいいのですよ、自分で。では自分でやればいいじゃないですか、大臣のころに。 ですから、やじを飛ばすのならそのぐらいの覚悟で飛ばしてもらいたいわけですが、そういう中で、官僚コントロールのもとでこれまで金融や公共事業や農業政策がやられていて、癒着の構造があるわけです。 最近、そういえば、癒着の問題でいうと、自民党と社民党とさきがけの間で、この癒着を防ぐためにあっせん利得罪を含む政治腐敗防止法をつくる、こういうニュースが流れております。先日、私、見てみました。そうしたら、社会党の機関紙であります社会新報に、橋本総理が土井党首との話し合いの中で、これに対して橋本総理は、自民党内の事情で約束の期限に合意できなかったことをおわびしたいと陳謝した上で、今国会中に同法を成立させることを明言した、こういうふうに報道されております。 大変重大な私は関心を持っております。これはこのとおりですか、総理。
○橋本内閣総理大臣 大変失礼ですが、それは何日の。と申しますのは、十日の金曜日、確かに私は土井党首にお電話で、十日を作業の日程の最終日としておりましたものが……(菅(直)委員「四月八日の社会新報です」と呼ぶ)そうですか。いや、私はたしか先週の金曜日に土井党首にお電話をいたしまして、そのときに、作業のお約束の時間までに我が党の中の意見がまだ集約できていないということをおわびを確かにいたしました。そして、その作業の取りまとめにあと一週間程度の時間をいただきたいということをお願い申し上げました。それが、正確に私の記憶をいたしておりますのは、先週の金曜日の夜、財政構造改革会議が終わりました後にお電話をしたと記憶をいたしております。
○菅(直)委員 ということはあれですか、この四月八日の社会新報に書かれていることは、少なくとも正確でないと言われるのですか。それとも、その後変わったと言うのですか。 ここでは、ちょっと前から読みますと、三党首会談で土井党首は、三月末までに結論を得ることで合意していた問題であり、これ以上の引き延ばしは公党間の信義に反する、約束したことは守るべきだと迫った。これに対し橋本総理は、先ほど申し上げたように、自民党内の事情で約束の期限内に合意できなかったことはおわびしたいと陳謝した上で、今国会中に同法を成立させることを明言した、こういうふうに報道されている。 明言されたかどうか、この時点で結構です。この三党首会談、少なくとも報道が四月八日ですから、それより前にあった三党首会談でそのことを明言されたのですか。されていないとしたら、この報道が間違っているのですか。そこだけはっきりしてください。
○橋本内閣総理大臣 正確にちょっと日にちが思い出せませんけれども、多分、その内容からいきますと、三月の末に行った党首会談、土井党首、堂本党首とともに行ったときの記事ではないかと思います。それが八日という時点の掲載になりました理由は、私は存じません。ほぼそうした内容の議論のあったのが三月末の党首会談であったと思います。
○菅(直)委員 ですから、そのとき明言されたのですか。
○橋本内閣総理大臣 三党でこうした法律をつくらなければならないということで今日までも作業を続けてまいりました。党内の議論がまとまらず、その時間の延長をお願いした。そのときに、今国会でぜひというお話があり、当然そのために努力するということを申し上げたことは間違いないと思います。
○菅(直)委員 正確に言ってくださいよ。ここには、橋本総理は今国会で同法を成立させることを明言したと書いてあります。御本人が明言をされたんですか。御本人に聞いているんです。
○橋本内閣総理大臣 ですから、先ほど、それは失礼ですがいつの日付のものでございましょうと伺いました。なぜなら、四月十日は電話でありましたから、会談と言われるのが、いつの新聞に出ていたものだろう。それが、今のお話ですと、四月八日の新聞だそうでありますから、多分三月の下旬の会合だと思います。そして、議事録をとっておるわけではありませんから、正確な言い回しは、私は、そのとおりかと言われれば、そのとおりですと申し上げるほど、正確な自信はありません。 その上で、確かに、取りまとめの日限を延ばしていただきたい、そう言って、私の方からおわびをしたことも事実でありますし、その時点で、法律制定を前提にして、何としてもこれをまとめていこうということを言ったことは間違いないのでありますから、そういう意味で、大体正確であろうと申し上げましたが、一字一句正確に覚えておりません。
○菅(直)委員 本当に、総理の答弁というのは、部分的に非常に細かくなったり、部分的に非常に逃げたりですね。私は、言葉として何と言われたかということを聞いたんじゃなくて、明言するというのは日本語としてあるわけですよ。はっきりとそのことを約束するということですから、はっきりと約束されたんですかということを言っているのに、電話だから、電話でないからとか、わけのわからないことを言われている。だから、もし明言されたんならちゃんと守られればいいし、明言されていないんなら、明言されていない、趣旨が違っていると言われればいいんですよ。 そこで、せっかくですから、日銀総裁においでいただいて大変恐縮しておりますが、一つだけちょっと日銀について、後で申し上げようと思ったんですが、先に申し上げておきます。 先日、日銀はいろいろな不祥事についての処分を発表されました。この処分の発表の中身が必ずしもはっきりしない。どういうことでどういう処分になったかということが必ずしも明確になっておりませんが、この点についてもう少しきちんとした資料をお出しいただきたいと思いますが、この点について一言、せっかくおいでいただいたので、日銀総裁、発言があればお聞きしたいと思います。
○速水参考人 菅委員の御質問に答えまして、日本銀行の前営業局証券課長の逮捕に端を発しました不祥事の処分の経緯につきまして、簡単に御説明させていただきます。 この件につきまして、監督責任をとって、松下前総裁、福井前副総裁は引責辞任をいたしました。その前後から、その一月ぐらい前から、行内におきまして、調査役以上六百人、これは理事を含めてですが、過去五年間における取引先との交際の実態につきまして、不正がなかったか、不適切なものがなかったか、頻度、内容等につきまして個々に調査をいたしました。中には調査役以下の者も含まれております。 調査の方法といたしましては、約二月かけまして、自主申告をもとにしたヒアリングでございました。詳細がさらに必要だと思われた者につきましては、対象者を絞り込みまして、さらなる調査を実施いたしました。この場合には、外部の専門家も入れて調査をいたしました。必要に応じまして、取引先金融機関にも照会を出して、答えをいただいております。 その結果がまとまって出てきたわけでございますが、要するに、自己規律という点では徹底を欠いているということを、全体として強く感じた次第でございます。そのことを受けて、かなり広範な処分をいたしました。御承知のように、五名の減給、譴責を含む、これは公表もいたしましたが、九十八名の処分を先週金曜日に発表いたしたわけでございます。それぞれの段階がございますけれども、全体として申し上げられるのは、上位者にかなり厳しくいたしております。 今後の決意といたしましては、これから日本銀行の取引というのは主としてマーケット中心になってまいりますから、マーケットとの対話をどうしていくか、それから金融機関との接点を、いずれにしても取引先との話し合いはしなきゃならないわけですから、その持ち方をどうすべきか、新しい日銀法のもとで、新しいスタイルでこのやり方を構築し、考えていくことにいたしております。 新任の正副総裁も、この新しい決意のもとに役員俸給二〇%を返上いたしまして、今後の日本銀行を内外に信頼されるものに持っていきたいということで努力いたしたいと思っておりますので、どうぞひとつよく見ていていただきたいと思います。
○菅(直)委員 今の日銀総裁のせっかくの御答弁ですが、もう少し、全容の資料を提出すること、あるいは大蔵省の調査の結果についてさらに資料をお願いしたい、あるいは経企庁の景気基準日検討委員会のいろいろな議事資料について資料をお願いしたい。さらに、この予算委員会で証人喚問をお願いしております山一元社長三木氏の証人喚問、さらに自民党政調会長山崎拓氏の証人喚問、これらについて、ぜひ委員長の方でお取り計らいいただきたい、このことをまず申し上げます。
○越智委員長 理事会において検討いたします。
○菅(直)委員 それでは、時間もそろそろ終わりになりそうなので、最後に申し上げたいと思います。 橋本政権誕生から二年三カ月を経過いたしました。この間でどういうことが政権で行われてきたのか、私なりにパネルにしてみました。 最近のことからいえば、景気対策は、今も議論がありましたが、デフレ政策をとったために大失敗をいたしております。財政再建は、まさに今やるべきときでない、こういうことで失敗をいたしました。金融改革は、三十兆円投入しても貸し渋りが続く状況で、決して成功したとは言えないわけであります。行政改革は、省庁が巨大化するだけで仕事の中身は全く変わらない、これも失敗であります。普天間基地の返還、これは大変難しい問題だということは私も承知しておりますが、県内移転で合意が得られるという見通しが全く崩れて、これもデッドロックに乗り上げているわけであります。 こうやって見ますと、橋本総理がこの二年三カ月間やってこられた公約すべてが失敗という結果になっております。私は、橋本総理の気持ちを別に疑うわけではありません。しかし、結果においてそのことがすべて失敗しているというのは、客観的に事実であります。 先日もある新聞が、市場は首相を信じていない、首相が言ったことは必ずそれがまた変わるというふうなことを確信している、そういう記事を載せておりました。そういう点で、首相としては、どこかの議論でされておりましたが、もし自分が退陣して株価が上がり、景気がよくなるならいつでもやめる、こうおっしゃいました。私は、総理が退陣したらすべてがよくなるとまでは言いません。大変です、後はだれがやっても。 しかし、少なくとも、総理が言うことを国民が信用しない、マーケットが信用しない、このことだけは事実でありまして、総理が交代されればそのことは変わってくるだろう、こう私は思いますが、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 議員の御意見は承りました。市場がどういう情報にどう反応するか、それがどのような影響を与えるか、さまざまな見方がありますだけに、議員の御見識としてちょうだいをしておきます。
○菅(直)委員 見識であるかどうかは別として、マーケットが実際にそういう反応を示しているというのは、これは私の見識ではなくて、あえて言えば、マーケットの見識なのですね。きょうも余りマーケットはいい様子ではありません。 こういうことを申し上げて、一つだけ先ほどの問題点に戻っておきたいのですが、私は今非常に厳しい状況だと思います。なぜこんなに厳しくなったかということを私なりに考えてみますと、やはり、もっと早くから取り組むべき構造改革に我が国は取り組んでこなかった。 きょうは小泉厚生大臣もおられますけれども、厚生省が抱えているようないろいろな構造改革もあります。しかし、それと同時に、一般に言われておりますように、公共事業に代表される、あるいはこの住田元次官が言われているように、福祉の問題というのは、構造改革をしたからといって、半分とか三分の一になるような問題ではありません。高齢化に備えてある程度の必要経費はかかる、その中でいかに効率化するかだと私は思います。 しかし、国がお金を集めて、国が投資をする、そういうやり方は基本的には発展途上国のやり方であって、経済が発展した国においては、日本のような公共事業の比率が、つまり国が関与したそういう事業の比率が高い国はないわけであります。 せっかくですから、小泉大臣、こういった問題を含めて、小泉大臣のこの財政再建に関する御所見、いろいろ新聞では聞いておりますが、お聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 なぜ財政構造改革、行政改革が必要か、財政再建が必要か。それは、税の大きな財源というと、所得税、法人税、消費税だと思います。所得税、法人税に至っては、減税の声があっても増税の声はない。消費税一つとっても、三%から五%へ引き上げる、しかも三年間先行して所得税、住民税を減税して、なおかつ三%から五%に上げますよと、所得税、住民税減税の財源確保のためのあの引き上げでも実に強い抵抗があった。どこを見ても、増税しようという声は一つもない。 国債、既に十七兆円の利払いで苦しんでいる。十五兆円、国債を発行しても、ただただ、何の新規の政策事業に回せないで、今までの利払いに払ってなお税金を投入しなければならない。こういう状況だからこそ、もう増税はできません、国債も増発できません、そこで行財政改革をしようということになったのじゃないでしょうか。 その行財政改革、総論ではなくて、じゃ、どこの行政改革をするのか、どこの財政構造を変えるのか、ほっておいたら、予算を削減しろと言いますけれども、実際は、削減したところは不満、批判が出て、足りないからもっとやれという声が圧倒的に多い。歳出膨張圧力をどう変えるかというのが、私は行財政改革であると思います。その問題に着手しようというのが財政構造改革基本法であって、その経緯と、そしてその覚悟というものを、本気ならばやろうじゃないかということで、昨年財革法を成立させたわけであります。 私は本格的に財政構造改革をしないと、国債増発ということは若い世代の増税です。口はいいけれども、借金して減税しろ、こういうことをやっていたならば、私はますます財政破綻を恐れるのです。財政は経済のためにあるのだ、財政のために経済があるのではないというのはわかります。しかし、財政が破綻して経済の発展はあり得ないと思っております。私は、今こそ本格的な行財政改革に取り組まないと、ますます増税路線、国債増発、若い人に増税を押しつけるような路線に行くことを憂えております。
○菅(直)委員 私は、小泉厚生大臣の基本的な考え方には、同感なところは大変多いわけであります。つまり、今行政改革、財政再建に取り組まなければならない、そういう理念については共感するべきところが多いわけです。 しかし、先ほど来申し上げておりますように、現時点そのものの状況は、つまりは、体が弱り切ったところにそういう大きな手術をしようとすれば、手術そのもので命がなくなってしまう。 私も韓国に出かけました。あるいはタイやインドネシアの状況もいろいろ聞きました。つまりは、アジアの経済というのは、日本が内需拡大という方向をとらないと、本当に通貨の問題で破綻しかねない大変危機的状態が続いていると私は見ております。 ですから、そういう意味で、先ほど来申し上げましたように、我が党としては、金融のデフレ状況あるいはそういう危機的状況がある間は、一時的には残念ながら財政再建という道を一たん凍結をしても、それの回復まではやるべきだ、その上でまさに徹底的な行財政構造改革が必要だ、そういう点では共通いたしております。 しかし、今一生懸命与党の皆さん何か言われておりましたが、最もそれに抵抗されているのが、私は与党族議員の皆さんだと言わざるを得ない。つまりは、先ほどこの住田元次官のことも言いましたけれども、最も構造改革をやらなければいけないのは、いまだに社会主義的自由経済をやっている自民党政権、官僚政権なんですよ。社会主義的自由経済でしょう。 いいですか。一つだけ言いますけれども、官僚の顔色を見なければ商売ができないというのは、これは社会主義国です。官僚の顔色を見て、予算配分をそこに依存しなければ経済が動かないというのは社会主義経済です。それを進めてきたのが自民党政権であり、官僚政権なんですよ。
○越智委員長 持ち時間が来ておりますので。
○菅(直)委員 そこを根本から変えるということを次の世代に対する私たちがやらなければならないこと、それを強く認識しながら、あえてこの時点における……
○越智委員長 質疑時間が来ております。
○菅(直)委員 金融デフレに対する対策としての私たちの提案であることを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○越智委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、岩國哲人君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岩國哲人君。
○岩國委員 民主党菅直人委員に引き続きまして、関連し質問をさせていただきます。 総理は、四月九日の記者会見で、九八年分の所得減税そして住民税の特別減税に二兆円上積みをして四兆円の減税を実施すること、九九年にも二兆円の特別減税を実施すること、各種の政策減税を実施すること、経済対策のための財政出動は十兆円とすることなどを骨子とする新総合経済対策を発表されました。 この予算委員会の場で、たび重なる野党各党の政策転換の要求に対して、減税の必要性を否定されてきた総理の明らかな路線転換と考えますが、いかがでしょうか。 この点に関連して、大蔵大臣にもお尋ねしたいと思います。 あなたが、財政法二十九条によって、総理に補正予算をすべきと進言されたのはいつごろのことですか。大体の時間で結構です。また、今回の措置によって、成長率の一・九%という当初の見込みはどれぐらいに上がるとお考えになっておられますか。大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。先に大臣の方にお願いします。
○松永国務大臣 今回の対策につきましては、総理みずからが、熟慮に熟慮を重ねて決断をされたわけであります。それを受けて大蔵省としては、財政法二十九条の精神を厳正に解釈して、そして適切な補正予算を組むということになると思うのであります。 その結果として成長率がどういうふうになるかということにつきましては、事務方から答弁をさせたいと思います。
○岩國委員 大臣自身が頭に持っていらっしゃる成長率は幾らか。
○松永国務大臣 十兆円の経済対策をやるわけでありますから、波及効果も考えますというと、政府が当初から計画をしておる一・九%になるもの、なるようにやっていかにゃならぬ、こう思っておるところでございます。
○岩國委員 その一・九%というのは、補正予算を前提としない本予算の説明のときに一・九%という説明をされたわけです。それに加えて十兆円、十六兆円という財政出動をされるのであれば、それで一・九%になるということは、最初から、本予算の説明のときから、もう補正予算というものを前提にしてそのような計算を事務当局がやっておったということなんですか。 大蔵大臣が、最終的に、この本予算では不十分だ、今の景気対策には大型の補正予算が必要だということを橋本総理に進言されたのはいつごろですか。重ねて聞きます。
○松永国務大臣 お答えいたします。 私の方から進言したのではなくして、総理みずからが現在の厳しい景気の状況について熟慮に熟慮を重ねられて、そしてまたその前に与党の方で十六兆の経済対策の基本方針というものを決められました、それらを受けられて、総理がみずから判断されたことであるわけでございます。
○岩國委員 総理からその話を聞かれたのは、いつごろですか。総理が決断された。これは経済にお詳しい総理としても立派なことだと思いますけれども、大蔵大臣に相談もなかった、お知らせもなかったということはあり得ないと思います。総理から大蔵大臣に、本格的な大規模な補正予算を組むのだということについてお話があったのは、いつごろですか。 それからもう一つ、いまだにお答えいただいていないのは、成長率の一・九%。これはもう各種の新聞等でも報道されております。これは補正予算前の数字でありますから、当然大蔵大臣の頭の中には、これよりももっと高い数字を事務局からいただいて、そして、それに基づいてこれからの経済運営をやっていこうということを決めておられるはずでしょう。その数字が頭にも腹にもないということはあり得ないと思います。 この二点、お願いいたします。
○松永国務大臣 平成十年度の予算を通していただいたその翌日の昼でございましたか、昼に、大蔵大臣たる私、その他二、三名の閣僚が官邸に呼ばれまして、そして、総理の決断を伺いました。私どもそれに了承をし、それを受けて、総理が党の政策担当者その他をお呼びになって、そして最終的に決まり、記者会見、こういう手順になったわけであります。 私どもとしては、今、総理の決断を受けて、総理の決断に従う補正予算という手順になってくるわけでありまして、当然のことながら、十年度当初予算で予定しておる一・九%を上回る成長率が達成できるようにしなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。どれだけ上回るかということは、最終的には、補正予算を積み上げて決定した段階で決まるものだ、こういうふうに私は思います。
○岩國委員 総理から補正予算の必要性について相談を受けた、連絡を受けたのは四月九日のお昼ごろというふうに今答弁いただきましたけれども、これは全然違うじゃないでしょうか。 外国の新聞記者は、日本の政治はいつもスローモーで時間がかかってしようがないと。ところが、今のお話を聞きますと、電光石火のごとく、本予算が通過する、次のお昼に、そして夕方には記者会見がちゃんと実現する。このようなスピードで日本の政治が動いているということは、世界も、国内の新聞記者も知らなかったことではないでしょうか。私は、そういう点で、非常に感銘深く今の答弁を伺いました。 総理から戦後最大の規模の補正予算を組むという話をお受けになったとき、これは青天のへきれきでしたか、それとも、いよいよと、予期しておられたような感じで対応されたのですか。大臣の御答弁をお願いします。
○松永国務大臣 その前に、与党の方で、十六兆円の規模にわたる経済対策の基本方針というのを決めておられました。私どもとしては、それを受けて、内々勉強をし、検討を続けてきておったわけであります。(岩國委員「いつごろからですか」と呼ぶ)それは、与党の方の経済政策の基本方針というのが決められまして、それの報告を受けてから、私どもとしては研究に入ったわけであります。 そして、平成十年度の予算を成立させていただいたその翌日に、総理の方からの御連絡がございましたので、総理のところに行って、総理の決意を承った、こういう経過でございます。
○岩國委員 それでは、その成長率について重ねてお伺いします。 一・九%がどれぐらい十六兆円の規模によって、もちろんこれは中身によって成長率というのは違ってくるというのは当然ですけれども、中身のいかんにかかわらず少なくとも〇・六%かさ上げし、中身によってはさらに一%かさ上げが可能であるというふうなことを、大蔵大臣としては、当然事務局といろいろと議論をしながら準備していらっしゃるのじゃないんですか。 それから、大型補正予算の準備、勉強ということをさっきおっしゃいました。この予算委員会で何度も何度も、そういう必要性を認識しておられるかということについては、全く今の本予算こそ最善のものであって、したがって、国民の皆さんにとっては補正予算というものは全く、かけらも、つゆ一つも必要ない、そのような答弁を押し通してこられたのです。 しかし、暮夜ひそかにか深夜ひそかにかわかりませんけれども、大型補正予算の準備を勉強しておられたということは、当時のこの予算委員会であるいは本会議で答弁してこられた、この予算こそ最善の予算である、この予算を通すことが景気対策の第一歩であるということを強弁、詭弁してこられました。そのことを私たちは大変残念に思います。 景気対策については、我々も必要だということを主張してまいりました。ですから、もっとこういう委員会ではオープンに、そういう必要があるならば、予算そのものの組み替えということも我々要求したではありませんか。それに耳をかすことなく、これは最善の予算でありますと。予算が通ったら、十二時間後に早速大蔵大臣をお呼びになる。それから六時間後には記者会見がセットされる。こんなことは、全くこの予算委員会を無視し、軽視していると私は思います。 地方自治体においては空出張、空会議。国会の中では空審議。本予算のほかに、全然そういう補正予算の規模さえも我々見ることなしにあの本予算を通してしまったということについて反省しております。だからといって、この補正予算に、私は、全面的に意味はないということを申し上げるわけではありません。 しかし、菅委員からも、この国会における審議のあり方ということについてお話もありました。また、深谷自民党筆頭理事の方からも、この予算委員会の審議のあり方について、もうそろそろ変える時期が来たのじゃないか。私は、その最もいい例が、本予算と補正予算のこの問題ではないかと思います。 大臣自身が、そのことを考えて準備しておられるとき、全然この予算委員会にそのことをお触れにもならない。そして、びた一文変えることなく大蔵省が準備した予算を我々は通させられる。こんな国会がどこにありますか。寂しい限りです。 総理は、今回の政策転換に関して、臨機応変の対応であると言われました。しかし、国内では北拓、山一の破綻の足音が聞こえ、そして海外ではアジア・バブルのとどろきが世界を震撼させるような事件が進行しているのに、それに目をつぶって、あえて申し上げますが、不要不急の法案に熱中していたのではないでしょうか。これを臨機応変というなら、手をこまねいて傍観する拱手傍観と臨機応変の差別が、学校の生徒にはつかなくなるのじゃないでしょうか。 委員長、大蔵大臣にいただけなかった答弁を補完する意味で、所得減税が一兆円の場合、二兆円の場合、大蔵省はこれは以前に新聞には発表したことがあります、これを特別減税の場合と恒久減税の場合とに分けて、その資料請求をお願いいたします。四兆円の場合にどれだけのインパクトがあるのか。これは、事務局では当然そのような作業はしていらっしゃるはずです。 一兆円の場合、二兆円の場合、四兆円の場合、特別減税だけの場合と恒久減税の場合、それぞれに分けて、どれだけのインパクトが日本経済にあるのか。我々は、その数字を見てこれから審議させていただきたいと思いますから、その資料請求をさせていただきたいと思います。
○越智委員長 まず御質問なさってはいかがですか。
○岩國委員 それはできておりますか。できておれば、それは時間もありますから、できておるということだけで、後ほど。
○松永国務大臣 先ほどの答弁の中にちょっと漏れた点がございました。 補正予算を前もって準備をしておったということはございません。総理の決断を聞いた後に検討に入ったということでございますので、その点、誤解のないようにしていただきたいと思います。 なお、成長率の関係は経済企画庁の方で詳細は予測するわけでありますので、私どもとしてはそういうことで実は対応していくということでございます。
○岩國委員 先ほどの答弁と大変違うように印象を受けております。そうした本予算の審議をしているその段階から、早くもその必要性を認識しておられて、与党幹部のそういう意見にも耳をかしてこられたというふうに我々は受け取りました。 ところが、四月九日のお昼御飯を食べられたかどうかわかりませんけれども、昼が過ぎてからそういう準備を開始された。私は、十六兆円という大きな金額の補正予算の作業がそんなに短期間で決断され、あるいは準備が始まるとはとても信じられません。 ここは豆腐屋じゃありませんから、二チョウだ、十チョウだ、十六チョウだ、三十チョウだ、三十六チョウだ。もう最近は、このごろは全部兆単位でしょう。そんなに簡単に十六兆というお金を右から左へ動かす場所じゃないと私は思っております。 再度、それまでは一切そのような書類に目を触れたこともない、そういう会議に出席されたこともない、情報公開の精神に基づいて、誠実にお答えいただきたいと思います。
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたように、与党の方で十六兆円規模の経済対策の基本方針というのを決められました。決められた後数日して、正式にその報告を受けました。その時点はこの衆議院の予算委員会の審議は終わっておったかと思うのでありますが、その与党の経済対策の基本方針というのを受けて、それで勉強を始めたわけであります。補正予算云々の話は、その同時には私どもの方で勉強するなどということはございませんでした。 具体的にこれは補正予算が必要になってきたなというふうになってきたのは、九日になりますか、参議院で予算を成立させていただいたその翌日に、総理官邸で総理からの決断を承ってから、これをどうすべきかということの検討に入ったというのが、これは全く事実そのものでございます。
○岩國委員 それでは、主税局長、先ほどの一兆円、二兆円、四兆円の減税のシミュレーション、その資料ができているかどうかだけ、それだけで結構ですから。
○尾原政府委員 今回の特別減税は、他の施策と相まって消費マインドを改善するという面もございまして、そういう意味でのシミュレーションは行っていないところでございます。 なお、従来、経済企画庁の世界経済モデルを通じまして、そこの部分だけに着目した乗数効果の数字はございますが、これは特別減税、恒久減税の区別のない数字になっているところでございます。
○岩國委員 昨年、こうした減税論議が、野党を中心にいろいろな要求があり提案があったときに、大蔵省が新聞に報道したことがあります。経済企画庁だったかどうか。要するに、一兆円の特別減税をやった場合にどれだけの効果があるか。非常にそれは消極的な結果が出ておりました。つまり、所得減税論議に、ある意味では水をかけるような結果が、そのように新聞に流されておったわけです。 ところが、今度は、いよいよ本格的に総理みずから決断して減税をやろうというときに、なぜ事務局はもっと一生懸命そういったシミュレーションをやってみないんですか。いろいろな前提を置いてでも、国民の皆さんや我々にわかりやすいように。それがあなた方の仕事じゃありませんか。 人が頼みもしないときにそんな作業をやっておいて、そしていいかげんな、マイナスの、後ろ向きの数字だけは熱心に流して、今必要なときになぜそういう作業をやらないんですか。早急に、そんな作業ぐらいすぐできるはずですから、ぜひやっていただきたいと思いますし、委員長に、ぜひ理事会でそれをお取り上げいただきいと思います。
○越智委員長 もう一遍、主税局長。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 確かに、大蔵省の方から、減税による効果というのを出したことがございます。これは、あくまでも経済企画庁の第五次世界経済モデルに基づき、減税の乗数がどうかという数字に基づいて試算をしたものでございます。私ども承知する限り、その部分だけに着目いたしました減税の効果は、この数字しかないものと承知しております。
○岩國委員 総理は、二月二十四日、二月二十七日の、ことしの話ですけれども、予算委員会で、鹿野委員、生方委員の質問に対して、本予算は最善と信じて予算提出いたしました、最善の予算と考え、編成をし、提出しと、それぞれ答弁で最善を強調されてきました。国会も結果的にそれを受け入れて、この本予算を成立させたのが四月八日の十九時過ぎでした。それから二十四時間後の九日夕方に、先ほど私がお尋ねしましたけれども、臨機応変の変事があったのでしょう、そのような政策転換をされました。 この一年間あるいは一年半の橋本総理の政策を振り返ってみますと、消費税、所得税、医療費が上がり、景気、株価、金利は下がりました。つまり、上げてはいけないものがすべて上がり、下げてほしくないものは全部下がりました。二十四年ぶりの不況も当然のことです。 橋本内閣発足時の東証日経平均は二万三百七十七円、当時のニューヨークは三千三百二十九ドル、それが日本は一万六千円、ニューヨークは九千ドルです。八年間を見ますと、アメリカは好景気で、八年で四倍になっています。日本では半分になっています。この違いは、政策の違いに求めざるを得ないと思います。株価の違いに為替の違いを加味すれば、格差は八年で十倍に開いております。 株式の時価総額は、橋本内閣発足時の三百八十八兆円から昨年は二百七十九兆円と約百兆円の目減り。これほど短期的に国民の資産価値破壊をもたらした政権を、西側先進国の中では見たことがありません。あえて前例を探すなら、崩壊直前のソ連の状態でしょうか。この点、総理はどのようにお考えですか。簡単に、御感想だけで結構でございます。
○橋本内閣総理大臣 簡単にと言われましても、大変難しい問題を御提起でありますけれども、間違いなく申し上げなければならないことは、昨年の秋、大手金融機関の相次ぐ破綻、そして、これによって金融システムが信頼を低下させた。これは、それを予見しなかったと言われれば、確かにその予見が足りなかったという御指摘は受けなければなりません。また、アジアにおける昨年の夏以来の通貨・金融市場における変動、こうしたものも予見して事前にという御指摘がありましたなら、これは、それを受けざるを得ない部分があります。 しかし、恐らく議員がおっしゃりたいことは、昨年の消費税率の引き上げといったようなことにまでさかのぼってのことだと思います。そして、そこまでいきますと、むしろ、消費税率の引き上げを決定いたしましたのはたしか平成六年であったかと思いますけれども、その時点で減税が先行していた。そして、減税が先行し、それを埋めるために二%の引き上げを、しかも一%は地方に充てる財源でありますが、ということに対してはお触れがほとんどいただけません。 しかし、そうした影響の中で努力はしてまいりましたが、すべてがうまくいっているなどということを申し上げるつもりは私もありません。おしかりは甘受をいたします。
○岩國委員 世界大不況のときに政策を誤ったということで有名なアメリカのフーバー大統領の名前は、ほとんど新聞、雑誌に登場することはありませんでした。これが昨年秋以来、大変我々日本にとっては残念ですけれども、橋本総理の名前とペアを組むことによって、フーバー橋本として新聞、マスコミに登場することが多くなってきました。 一方では、外国の専門家あるいは政府筋からも、日本の内閣の優柔不断な姿勢に批判も高まっております。弱体な国家は常に優柔不断である。決断に手間取ることは有害である。この種の国家の打ち出す政策は、何かの圧力に屈したあげく、やむを得ずなされたものになる。これはイタリアの政治学者マキャベリの言葉でありますけれども、現在の日本のために用意されていた言葉のように思えます。 湾岸戦争のときを思い出しても、初め小出しの四十億ドル、それが不評を買うや九十億ドルを積み増した、合わせて百三十億ドル。そこまではいいけれども、その段階では戦争は既に終わってしまっており、何の感謝もされなかったばかりか、自主決断能力を欠く日本に対する評価が円レートを押し下げてしまい、五億ドルの損失補てんを当時の橋本大蔵大臣がさせられてしまったのです。 いつもアメリカの外圧を待って行動するのではなく、これからは、いつもワシントンの圧力を待つことなく、もっと自主的な政策決定がなされるように、それこそが、私は、ムーディーズのトリプルAの格付を維持する最善の方向ではないか、そのように思います。 時間が大変短くて、終了しましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。
○越智委員長 これにて菅君、岩國君の質疑は終了いたしました。 次に、北側一雄君。
○北側委員 平和・改革の北側一雄でございます。 まず最初に、午前中の質疑に関連しまして、総理にお聞きをしたいわけでございますが、午前中、財政構造改革の基本とか骨格ということで、かなり議論をされておりました。 この財政構造改革の基本とか骨格というふうに言った場合に、総理はなかなか明快なお答えがなかったわけでございますが、私が思うには、これは、私たちの子孫に重い負担を残さないために、できるだけ近い将来に、一つは、特例公債発行をゼロにすること、二つは、財政赤字を三%にすること。なぜ三%かといえば、三%にすることによってストックとしての累積債務残高がほぼ一定になります。だから三%でございます。三つ目に、公債依存度を引き下げる。 この三つが財政構造改革の基本であり骨格であるというふうに私は思うのですが、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 午前中もお答えを申し上げたことですけれども、基本とか基本的骨格とか申し上げたことが、私、そんなに間違ったことを申し上げたんだろうかと思っているのです。 そして、まさに私は特例国債において弾力的な対応ができるようにという点を申し上げて、これは記者会見でもそうですし、国会でもそうであります、財政構造改革会議にもそういう趣旨を、私の最小限、緊急避難で手直しをしたいところというふうに申し上げてまいりました。そして、先ほど来の御論議の中でも、言いかえれば、ここだけ直したいという気持ちを率直に申し上げましたということも御答弁を申し上げてまいりました。
○北側委員 この議論をするとまた午前中みたいに長くなってしまいますので、やめておきます。 それでは、ちょっとパネルを。きょう、皆様のお手元の方にも二枚の資料をお配りいたしました。一枚目が、平成八年度、九年度の四半期別の実質GDPの伸び率でございます。これは対前年同期比でございます。 総理、ごらんになっていただきたいのですけれども、平成八年度というのは実績三・二%あったわけですね。ところが、九年度になりまして、第一・四半期、昨年の四月から六月でございますが、前年同期比で〇・一%。前期比ではマイナス二・八なんですけれども、前年同期比では〇・一%でございます。そして、七、八、九月の第二・四半期でございますが、これは一%。若干上がるわけですね。ただ、上がったといっても一%でございまして、そんなに上がったわけではございません。そして第三・四半期、十、十一、十二月がマイナス〇・二でございます。そして第四・四半期、これはもっと落ちるだろうというふうに言われております。民間の機関によりますと、見通しは九年度全体でマイナス〇・五程度じゃないか。マイナス〇・七とか、これよりも低く見ているところもございます。 このように、平成八年度と九年度とを比べてみますと、これは歴然としておるわけでございまして、景気、経済状況の差ははっきりしております。何でこんなふうになってしまったのかでございますけれども、まず、経企庁長官にお聞きをいたします。 長官は、ことしの一月八日にワシントンで、このとき一番最初におっしゃったみたいでございますが、桜が花開き始めるころには日本の経済は回復し始める、このようにおっしゃいましたね。この予算委員会でも、何度もそういうことが議論になりまして、そのようにおっしゃいました。野党委員からの、それは一体日本列島のどこの桜だという質問に対しては、これは東京の桜であるというふうに御丁寧にお答えもございました。 ところが、東京の桜はもう今は散りかけておりますが、東京の桜がちょうど満開のころの四月三日、総理が、これも海外でございますけれども、ロンドンで、日本の景気は恐らく第二次世界大戦後初めての極めて厳しい状況に直面している、このように、東京の桜が満開のときに、厳しい認識をおっしゃっておられるわけでございます。 私も、全くそのとおりの状況である、景気は回復どころか、もう最悪、どしゃ降り、そういう状況であると思うわけでございますが、これは、長官、あなたの景気見通しはもう明らかに間違ったわけでございまして、これはどう責任をおとりになられるのでしょうか。
○尾身国務大臣 私が一月に景気の見通し、先行き等について申し上げましたのは、そのとおりでございます。 その意味は、実は、四月になりますと、十年度予算が、順調にいきますと通るであろうという前提でございました。これが多少おくれました。それからもう一つは、三月まで続きますクレジットクランチ、いわゆる貸し渋り現象が、四月一日の早期是正措置が終わったころからは、多少緩むであろうということでございました。それからもう一つは、電気通信とかあるいは土地の有効利用等に関する規制緩和の法律案、十一月に決定をして、今国会に出されているわけでございますが、その種の規制緩和、経済活性化のための法律が国会を通るであろうということがございました。 そういういろいろなことを含めまして、景気は四月以降は回復し始めるのではないか、こういう趣旨を申し上げたわけでございます。いろいろな事情から多少おくれていると思いますが、経済は生き物でございまして、私ども、この景気の現状、ただ私自身は、四月から出てくる統計は必ずしも悪くないのではないかというふうには考えております。 ただ、今の景気の状況の判断の統計数字というのはほとんど全部二月でございまして、私は、二月と三月は、金融関係の貸し渋りという現象もございますから、なかなか厳しいというふうに前から考えておりまして、四月からは貸し渋りの現象も緩和されてくる、そういう意味で新しい展開がなされるであろう、こういうふうに考えていたわけでございます。 ただしかし、いずれにいたしましても、景気の現状、停滞をし厳しさが増している状況ではございます。そういう状況を踏まえて、橋本総理が四月九日に十六兆円を上回る経済対策をやるということを決断していただいたわけでございまして、私ども、その内容についての詰めをできるだけ早急にやりまして、景気を反転回復させて、正常な回復軌道に乗せていく、そのために全力を尽くしたいと考えている次第でございます。
○北側委員 今長官のおっしゃった理由というのは、全然理由になっておらないです。十年度予算の成立がおくれたといっても、四月八日じゃないですか。八日間でそんなに違うんですか。そんなわけないでしょう。貸し渋りなんというのは昔からあったんですよ。去年の秋からあったわけですよ。規制緩和の効果なんというのはずっと先に出るわけです。こんなことで、長官のおっしゃった、桜の花の咲くころは景気が回復するなんという状況にはなっていなくて、全く逆になっているわけじゃないですか。 あなたの景気認識は明らかに誤っていたわけで、私はその責任を感じるべきだと思う。経企庁長官なわけですから、後々、何カ月前の経済指標がどうでしたよと出すのが経企庁の仕事ではなくて、今の経済政策をどうするかというその前提としての景気判断、状況を見るのが経企庁の仕事でしょう。それが全然間違っていたということでして、その責任は極めて私は重いというふうに思いますよ。 この桜の話だけじゃなくて、その前からそうなんですよ。長官のおっしゃっているのはいつも甘い、景気見通しが。 例えば去年の十一月四日、予算委員会です。この十一月四日という時期は、先ほど示しました経済成長の図を見ていただいてもわかるとおり、第三・四半期はマイナス成長になっています。経済指標がみんなマイナスになっています。そんな状況のときです。 そういうときの予算委員会の審議で、ある委員が、この十月—十二月期は極めて厳しいんじゃないか、そういう質問をしました。 そうしたら、長官は何とお答えか。消費者の懐は、例えば個人所得、賃金所得それから雇用等の数字は改善をしておりまして、そこそこ豊かになっている。それから企業収益も改善をしておりまして、いわゆる設備の過剰感も低くなっているという中から、設備投資はそこそこの伸びを示しているわけでございます。輸出も順調に伸びている。そういうことを総合的に見まして、経済の回復基調は変わっていない。このようにおっしゃっているんですよ。 実態は、今振り返れば、年率マイナス〇・七%、このような状況ですよ。長官の景気認識はもうずっと誤っている。認識が甘い。そういうことは明らかだというふうに私は思うわけでございます。 もう一つ言わせていただきますと、平成九年度全体では、当初は、成長率の見通しは一・九でしたよね。ことしの一月に〇・一に下方修正されました。そうでしょう。そして三月に、二カ月しかたっていない三月には、この〇・一も事実上困難だというふうに修正されている。一体どうなっているんだ、経企庁というのは一体何のためにあるのか、そのように私は思わざるを得ないわけでございます。 総理に質問させていただきますが、先週、四月九日、参議院で十年度予算が可決、成立した翌日に、総理はこの経済対策の発表をされました。この経済対策の発表というのは、十年度の補正予算の早期の提出を伴うものでございます。これまで総理は、本会議でも委員会でも、十年度予算というのは最善であるということを何度も御答弁されておられました。 総理、率直にお聞きをいたします。参議院で予算が通った翌日に補正予算を伴う経済対策を発表されたわけでございますから、この十年度補正予算を伴う追加的な景気対策が必要と考えていたのは、いつごろからそのようにお考えであったのか、ぜひお答えを願いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 確かに私は、予算を国会に提出いたしましてから御審議が始まりましてしばらくの間、最善の予算、あるいは現状において最善の予算という言い方を使って御答弁をしておりました。私も正確に覚えておりませんけれども、どのころからか、その言葉を使わずに、とにかく一日も早く予算を通していただきたいという言い方に答弁は変わりました。あるいは変えましたと申し上げていいと思います。 そして、本当にこれはいかぬという感じを持ち始めましたのは、インドネシアにおけるIMFとの合意、これは一月のたしか十五日だったと思うのですが、それが非常に不協和音を発し始め、他の国々とともに、途中までは電話でありまして、最後に自分でジャカルタに参りましたけれども、IMFとインドネシアとの関係といいますか対話といいますかを継続させ、対策をまとめていく、このプロセスの中で、どの時点か私も正確に今、これはいかぬという感じを持ち始めたことは事実でございます。
○北側委員 今のお話では、ことしの相当早い時期から、これはいかぬという認識を持たれ始めたという御答弁でございました。 であるならば、私は、これから一つ一つ議論をさせていただきますが、なぜもっと早く政策転換をされなかったのか、予算の思い切った修正をされなかったのかというふうに思うわけです。 そこで、私は、総理との間で、この第一委員室で、この数年間何度も議論をさせていただきました。私は、そのときのいろいろな議論をもう一度読ませていただいて、総理に対して、政策転換をすべき時期というのはもっと早い時期にあったのではないのかということを議論させていただきたいわけでございます。 まず、総理、九七年度、昨年度でございますが、この九七年度の予算というのは、先ほどの成長率を見ていただいたらわかるとおり、八年度と九年度とはもう歴然とした差がございます。この九七年度の予算は、その後の経済への影響とかその後の経済の見通しを明らかに誤ったものだというふうに言わざるを得ないと私は思うのです、先ほどの成長率の歴然とした差を見る限りは。 やはりこれは、もう皆さんおっしゃいますけれども、消費税率の引き上げ、特別減税の不継続、医療費の国民負担増等々の九兆円の国民負担増、それも、異常な超低金利下でそのような九兆円の国民負担増を一気になされたこの平成九年度の予算は、やはり経済見通しを誤り、経済への影響を甘く見たというふうに私は言わざるを得ないと思うのです。 総理も、この間の木曜日の会見で、バブル経済の生成及び崩壊の後に、我が国の経済は大きなダメージを受け、その後遺症からいまだに抜け切れていません、昨年はこの端的なあらわれとして大型金融機関の破綻が相次ぎました、このようにおっしゃっておられます。 総理のこの認識のように、まだ我が国経済はバブル崩壊の後遺症から立ち直っておらない中で、九兆円もの国民負担増を一気にしてしまったわけでございまして、これはやはり、病み上がりの経済に、まだ体のあちこちに後遺症が残っている中に冷や水をかけたようなものでございまして、これで個人の消費活動が鈍るのは当たり前の話でございます。 我々がそのとき申し上げたのは、もう少しタイミングを見るべきだということを、あのころ再三、消費税率の引き上げ問題でも特別減税の継続問題でも我々は申しておったわけでございます。私は、少なくとも、公定歩合が〇・五、このような超低金利を引き上げられるような環境、条件になって、初めてこのような政策が発動されるべきであったのではないか。 そういう意味で、ここはやはり政策の誤りであったということを総理は認めるべきであるというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 確かに、議員としばしば論議を交わさせていただきました。そして、そのおおよその方向、議員が要約されたとおりのことを私も議論してまいりました。そしてその中で、消費税率の引き上げの影響が、引き上げ前、引き上げ後、すなわち昨年の一—三、四—六月それぞれに、私どもが考えておりましたよりもその幅が大きかったというのは、これは議員の御質問であったかどうか覚えておりませんけれども、これは確かに私も既に認めました。 ただ、事実として本当に私は申し上げたいと思いますのは、七—九のGDP、それだけの影響があると議員が御指摘になりました昨年の七月から九月のGDP、あるいは九七年、昨年の七—九の家計消費支出、これがいずれもプラスに転じているという事実であります。これは、必ずしも高い数字ではないことは私も認めます。 しかし、その前の四—六で落ち込みましたものが、七—九で、GDPにいたしましても家計消費支出にしても、プラスに転じております。そして、そういう数字があった事実は、これはまたお認めをいただきたいと思います。そして、その当時、弱いながらプラスに転じているということで、そのまま回復基調は続くであろうという御答弁を申し上げたという御指摘もあるかもしれませんが、この七—九の戻りを見て、そのようにその当時考えたことも事実でありました。
○北側委員 総理、消費税率をあの時点で二%引き上げた影響というのは、それはもう下半期も含めて大きな影響が残っておるという認識をお持ちじゃないのでしょうか。それはもう解消されておるというふうにお思いなんでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私、今も申し上げましたように、消費税率の引き上げが影響がなかったなどと申し上げておりません。むしろ、昨年の一—三月、消費税引き上げ前の駆け込み需要というものが我々の予測より大きかった。その反動として、四—六月期落ち込みが私どもの予想以上でありました。その上で、しかし、七—九にプラスに転じていた家計消費支出というものも事実存在したわけであります。 ですから、私は、事実はそういうことでありましたと申し上げておりますけれども、その後の状況等を見ておりましても、やはりその影響、心理的に特に残っておる部分は大きいと思います。そして、信用収縮と言われるような厳しい今の状況の中において、消費を手控えさせている要因の中にこれが全くないと申し上げるつもりはありません。
○北側委員 いずれにしましても、第二・四半期といったって、七—九といったって、前期比は〇・八プラスでございます。落ちたものの〇・八なんですね。だから、本当にわずか七—九で伸びただけでございまして、そのことも、また特に強調されるようなものではないと思いますよ。 次に、金融システム安定化対策の問題についてお聞きをいたします。 この問題も、ことし二月に預金保険法が改正されまして、十三兆円もの公的資金が預金保険機構に投入される道が開かれました。ただ、これについても、成立したのはことしの二月なんですけれども、大分前からこの委員会で、また別の委員会で、これでいいのかという議論はされていたわけでございます。 去年の二月七日、もう一年以上前でございます。一年以上前に、総理と私との間で、信用組合とその他の金融機関を区別するようなスキームはいいのか、これは見直しが必要じゃないか。特に金融自由化を進めていく中で、金融機関は、当然これは大競争になってくるわけでございまして、当然ここでは淘汰される金融機関も出てきて、金融機関の破綻という問題も出てくるだろう。だから、信用組合についてのみ最終的に公的資金導入を予定しておるような金融三法のスキームではなくて、その他の金融機関についてもそのような預金者保護のためのシステムをつくる必要がある、このような質問をこの委員会でさせていただいているわけですよ。 それに対して総理は、信用組合を除く部分について公金の支出はいたしません、この三法、金融三法の中で最善の努力をしていくんだ、このような御答弁なんですね。 本来ならば、もっと早い段階で、この金融不安に対する対策を打てたんじゃないですか。やはりここも政策のおくれがあったんじゃないでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 確かに、今振り返りましたときに、日本の民間金融機関というものがこれだけ傷んでいるという点について、洞察が足りなかったという御指摘は、私は甘受しなければならないと思います。 今議員からちょうだいをした資料でも、そのやりとりがありましたのは昨年の二月七日の予算委員会ということでありますけれども、当時におきまして、私どもは、信用組合というところまでを考え、オーバーナイトのコールがとれないといったような状態が起き、それによっての破綻が起こるというような想定をいたしておりませんでした。それは、確かに私が御指摘を受けなければならないと思います。
○北側委員 三点目に、財政構造改革法の問題でございます。 この法律は、十一月二十八日に参議院を通りまして、十二月五日に施行されています。ところが、先ほどの図表のとおり、この財政構造改革法を審議しているときというのは昨年の十—十二月期でございますので、マイナス成長のときです。大変経済が悪化をしていったときでございます。こういうときに財政構造改革法案が審議をされておりました。 これは十月三十一日でございます。ちょっと長いですけれども、読ませていただきます。これも私が質問をさせていただいたところでございますが、去年の十月三十一日です。 この時期にこの法案を通してしまっていいのか。今のこの経済情勢、景気情勢の中で、ある意味じゃ財政の手足を縛ってしまうわけですね。財政出動の機動性を奪ってしまう。そういう法案をこのタイミングで通すことが一体どうなんだろうか。現在の先行き不透明な経済情勢、こういうことを考えますと、少なくとも政府が、総理が予見をされておった様相と少し違ってきているのではないか。六月三日の閣議決定に基づいてこの法案はつくられているわけですが、その六月三日の時点とは、政府の予想した経済状況とは相当様相が違ってきているのではないか。恐らく政府は、四、五、六ぐらいで消費税引き上げの消費の低迷もおさまるだろう、七月、夏場からはもとに戻るだろう、こういう前提でこの法案を臨時国会に出そうというふうに考えられたと思うのですけれども、でも、現在の経済状況はそうなっておらない。景気の状況は、私どもから見れば極めて悪い。日本の経済、先行き不透明です。いろいろな不安定な要素がございます。この法案につきましては、今国会で成立させるというのではなくて、少し先に延ばしたらどうですか。こういう質問をしているのです。 また、九兆円の負担増がことしございました。消費が低迷しております。この消費の低迷は、恐らく政府からすれば予想外に長く低迷をしておる。これは、経企庁長官もそういうお話をされておられます。超低金利、公定歩合〇・五%、もう異常です。これは二年以上続いている。異常な状況ですよ。年金生活者は大変です。この公定歩合の引き上げが、なかなかしたいけれどもできない、いまだにそういう経済環境、経済条件になっているんですね。金融不安もささやかれております。また、金融本来の機能が今果たされていない。貸し渋り、来年の自己資本比率を維持するために何とか資産の内容を健全化しないとということで、今、金融機関はもうきゅうきゅうとしています。不良債権の処理、貸出資産の圧縮に一生懸命、だから貸し渋りであり、厳しい取り立てが進む。だから、中小企業の倒産が今史上最高です。そういうふうな状況。一方では、アジア経済が低迷している。アジアの通貨の価値が低下する。これは日本の外需に、輸出に大きな影響を与えることは必至です。日本の外需の四割を占めています。こういうふうな環境下で、財政の出動を縛ってしまう、機動性を縛ってしまうこの法案をこのタイミングで通してしまったら、私は、後で困ってしまうんじゃないかと思います。こういう質問をさせていただいている。 そして、私は、あえて、この財政構造改革法案については来年の通常国会までもう少し継続にして様子を見ませんか、こういう質問をしているわけなのですね。指摘をきちんとさせていただいております。 当時の総理のお答えは、私どもは、あくまでもこの国会でこれを成立させていただきたい、そして、国の財政運営、その方向を明示いたしたい、そのようにお答えです。 ところがどうですか。今もう財革法の修正でしょう。私の言ったとおりになっているじゃないですか。これは、私は、明らかにやはり政策判断、経済運営が間違った、そのように認めざるを得ないと思いますよ。どうですか。
○橋本内閣総理大臣 確かに、大型の金融機関の破綻、あるいは、予想を超えて深刻になり、しかも、特にインドネシアは民間債務について今ようやく話し合いがテーブルに着いて行われ始めたところでありますけれども、韓国、タイは一応安定したとはいいながら、これからまだ回復までには長い道のりがある、そのほかの国々にも影響は出ておるというアジアの状況は私どもの予測をはるかに超えたものであった、今もその影響が深刻に出つつあるということは私は否定できないこと、その意味において、考えに甘さがあったことは認めます。
○北側委員 今、平成九年のデフレ予算の話をしました。金融安定化の話をしました。財政構造改革法の話をしました。私から言わせれば、これは全部誤った政策であったというふうに言わざるを得ないと思いますし、総理も、一部それについては認めていらっしゃるというふうに思います。 四点目に、私はここも政策転換のチャンスがあったと思いますのは、去年の十二月十七日なんですよ。特別減税二兆円をやると判断された、表明されたそのときでございます。これは平成十年度の予算編成の前でございます。 平成十年度予算編成の前の平成九年の十二月十七日に、総理は、ASEANの非公式首脳会議から帰ってこられて、そして二兆円の特別減税をやりますよ、そのように表明をされました。そのときの記者会見の内容を読みますと、景気が厳しい、我が国の金融システムやアジアの経済状況など、また家計あるいは企業の景況感に厳しさが見られて、国民の不安感が払拭できない状況にある、このようにおっしゃって、二兆円の特別減税を実施する、このようにおっしゃったのです。 ところが、これは平成九年度の補正で組む話でございます。ところが、この平成十年度の予算編成は、先ほど来の財政構造改革法の縛りを、しっかりキャップをかけられた緊縮の本予算、一緒に提出した平成九年度補正予算は、二兆円の特別減税、そして一兆円近くの景気対策の公共事業、一兆五千億のゼロ国債発行による公共投資、こういうことをやっているわけでしょう。全く不整合な平成九年度補正予算と十年度の緊縮予算とが同時に提出されている。 私は、ここでやはり総理は決断をすべきだったと思うのです。平成十年度の予算についても、編成がおくれてもいいから、抜本的に直して、景気対策中心のそういう本予算を組むべき政策転換のチャンスであったと思うのですが、総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 これは、私は、議員の御意見として甘受をいたします。と同時に、お考えをいただきたいことは、暫定予算の期間を一日でも短くしていただきたいと私がお願いをし続けた、その真意についてもであります。 暫定予算の期間が延びる、それは、既定経費の枠の中で日割りでの予算をお認めいただき対応することにしかなりません。政策経費は暫定予算に盛り込むことができないわけです。こういうことを考えましたときに、私は、選択として、少しでも暫定の期間を短くしたい、これは事実本当にそう思いました。あえて申し上げるなら、暫定の期間をなしにでも平成十年度予算を成立させていただくこと、それは非常に大事なことだと私は本当に考えました。
○北側委員 総理、暫定予算の話をおっしゃるけれども、本予算の審議というのは、通常でも三月のいっぱいまでかかるわけでしょう。そうしたら、総理は、少なくとも十二月の中旬の時点では、やはり景気状況厳しいよ、そういう認識を明確に持たれて、二兆円の特別減税を含めた補正予算をやるぞ、このように決められたわけですよ。その時点で、中途半端な形にしないで、本予算についても景気に配慮した対策を打つべきだったのです。三カ月も四カ月もおくれたわけじゃないですか。それが景気の悪化にさらに拍車をかけている。その責任はやはり総理にあるぞというふうに私は思わざるを得ないわけでございます。 五点目に、ことしになってからの、今国会での予算審議でございます。 先ほど来も議論がございましたけれども、経済情勢は日に日に悪化をしている、一方で、予算委員会の外で、国会の外で、与党幹部の皆さんの、自民党幹部の皆さんの口先介入が次々続く、こういう状態が続いておりました。 一月の二十六日でございます。この予算委員会で、私は、財革法を改正すべきである、そして積極的な財政出動をするべきである、具体的に財革法の改正についても提案をしたのは一月の二十六日でございます。もうそれから二カ月半たっているわけでございまして、その間、景気はさらに悪化をしているわけでございます。 私は、ことしに入ってからの予算委員会でも、率直に総理がこの景気の状況について認識されておるわけでしょうから、積極的な財政出動ができるような予算の修正、財革法の改正をもっと早い時期にやるべきであった、それが国民の生活を守ることにつながったというふうに私は思うのですが、総理がずっとおっしゃったのは、早く本予算を通してもらいたい、この一点張りでした。 総理が発言しないと、幾ら自民党の幹事長やどなたかが発言されても、総理がやはりリーダーシップを発揮して発言されないと、それは信用しませんよ。私はやはり、ここも総理の政策判断がおくれたんじゃないのか、そのように思いますが、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 結果責任でおしかりを受ける部分は甘受をいたしますけれども、私は、議員の御質問の中で、財革法の中に弾力条項を取り入れるべきだという御指摘がありましたとき、非常に素直に、一つの立法政策上の判断だと。 ただ、要するに、議員はたしかアメリカの例を引かれたと思います、二四半期連続ということですと、日本の場合にちょうど数字はそうなっていない、そういう思いもありまして、これを移しかえて、日本でこれを法律に仕組むのはなかなか技術的に困難な点があるという率直な感想とともに、立法政策上一つの御判断であるということを私は素直にあのとき申しました。 ただ、それが残念ながら、神崎議員からもそういう御指摘をいただきまして同様の御答弁を申し上げたと記憶をしておりますが、その後そういう検討という雰囲気ではない方向に状況がありましたことも申し添えます。
○北側委員 私、今、五点ほど総理のこの一年余りの間の経済政策、経済運営について、これは誤っていたのではないか、これは時期がおくれてしまったのではないか、政策転換をそのときにすべきじゃなかったのかという話をさせてもらいました。 ちょっと二枚目のパネルを出していただけますか。皆様のお手元にお配りしました資料の二ページ目でございますが、これは簡単にまとめてみますと、この橋本内閣について経済政策に関する答弁、発言が、ここでは五点だけ書いてみましたけれども、変わってしまっているんですね。 一つは、特別減税についても、平成九年の一月の時点では、特別減税の継続は財源を赤字国債に頼らねばならず、危機的な財政状況をさらに悪化する可能性があるため実施しないこととしたというふうに明確におっしゃったのが、去年の年末に、十二月の十七日に特別減税二兆円を復活され、そして今また二兆円を上積みし、来年も二兆円の特別減税を継続しますよとおっしゃっておる。一年前の御答弁と違うわけでございます。 財政構造改革法についても、先ほど私が申し述べましたように、財革法の成立を先延ばししたらどうかという質問に対して、政府としては今国会にこれを提案し成立させるんだというふうにお答えになられ、また、ことしになってからも、財革法の修正について総理の念頭にあるのかという質問に対して、今そのようなことは念頭にありませんと、三月の九日にお答えになっておられるわけなんです。ところが、今回、今国会で財革法の改正をお願いしたい、財政構造改革会議を再開というふうになっておる。 さらには、金融機関への公的資金導入についても、昨年の二月七日、公金の支出はいたしませんと明確におっしゃっておった。それが、ことしの二月、預金保険法を改正して総額三十兆、預金者保護のためには十七兆でございますけれども、金融機関に対する公的資金導入のスキームを創設した。 平成十年度予算についても、最善のものであるというふうにおっしゃっておった。ところが、参議院の方で予算が通過し成立した翌日に、十六兆円規模の総合経済対策を発表されている。 景気の見通しについては、冒頭やったとおりでございます。桜の花が咲いても、回復どころか悪化も……(橋本内閣総理大臣「それは私じゃない」と呼ぶ)それは総理じゃございません。経企庁の長官でございます。極めて厳しい状況になっておると。これに「橋本内閣」と書いてあるわけでございましてね。 というふうに、この一年間でもう全く正反対に経済政策、経済運営がなっておるわけでございまして、私は、やはり橋本内閣の政治責任、総理の政治責任というのは、これは指摘せざるを得ないと思うんです。 総理は四月九日の会見で、仮に政治責任の追及ということを恐れて、必要な政策を実施できないということだったら、私はその方が政治責任だと思うんです、このようにおっしゃっているんですね。 私、そのまま総理にこの言葉を返したいんですよ。仮に政治責任の追及ということを恐れて、必要な政策を実施できないということだったら、私はその方が政治責任がある。今まで政策転換のチャンスは何度もあったにもかかわらず、政治責任の追及を恐れて、政策を実施しなかったというふうに私は言わざるを得ないと思うわけでございます。 総理、きょうも午前中、政治責任の議論がございました。私は、政治責任というのは、政策転換をしたこと、そのことが直ちに政治責任があるというふうに思いません。そうではなくて、政策転換をせざるを得なかったこと、すなわち、この問題でありましたら、不況を、景気低迷を招いたことに、また景気低迷を拡大させたことに責任があるかどうかがまさしく問題ですし、それが政治責任の対象とされるべきことだと思うのです。 また、本来、そのときの経済状況から見るならば、政策転換すべきときにきちんとやらなかった、総理のよく使われる臨機応変の措置がされなかった、中途半端な対策しか打てなかった、去年の十二月十七日に特別減税二兆円しかしなかった、なすべき政策転換がおくれた、これこそが、私は政治責任の対象とすべき事柄ではないかというふうに思うわけでございまして、その意味で、総理の政治責任というのはやはり極めて重いというふうに思うわけでございます。 総理、私は、大変残念でございますけれども、やはり先ほど来申し上げていますように、橋本内閣の昨年、一昨年来の経済政策、経済運営について、政策の誤り、政策転換のおくれ、景気認識の甘さというものが今日の不況をもたらした大きな原因、少なくとも増大させた大きな原因ではないかというふうに思いますし、総理は昨年来の経済運営と経済政策の誤りを率直に認めていただかないといけない、そのように思うのですが、どうですか。
○橋本内閣総理大臣 今、幾つかの節目をとらえて御批判をいただきました。私は、その議員の御議論を真っ向から否定するつもりもありませんし、責任を回避するつもりもありません。日々責任は重いこの職責である、そのように思います。
○北側委員 日々責任が重いのじゃなくて、これまでとられた経済政策について、失敗だったのじゃないかと私申し上げているのです。政策転換が遅かったのじゃないかというふうに申し上げているわけでございます。 大変残念でございますけれども、私は、総理には経済政策の失敗者というイメージがもうつくられてしまっているのではないのか、内外において経済政策の失敗者というイメージがつくられ、総理としての信任が失われてしまっているのではないかというふうに思うわけでございます。 日本経済を本当に一から立て直していこうとするならば、私は、ここは、新しい総理のもとで日本経済の立て直しを行うべき時期が来ているのではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 その交代の瞬間まで全力を尽くす責任があると思っています。
○北側委員 それでは、ちょっと別の質問をさせていただきたいと思いますが、特別減税の問題でございます。 この特別減税というのが、どれだけ景気浮揚効果があるのか。九八年に特別減税を二兆円追加するというお話でございます。ところが、現に九年度補正で二兆円の特別減税を実施しましたが、きょう午前中も議論がございましたけれども、二月の消費性向は過去最低の六八・四%。何か新聞で見ましたら、総理が会見されたと同じころに、加藤自民党幹事長は、特別減税で景気がよくなったという話は聞こえてこない、上積みしてどの程度効果があるか疑問だと、身内の幹事長がそのようなことをおっしゃっているというような報道がございました。 総理、今回実施されようとされています二兆円の追加、さらに来年の二兆円ですか、この景気浮揚効果はどうごらんになっておられるのですか。
○橋本内閣総理大臣 これは、私は、経済企画庁に専門家としての数字の御答弁はさせていただきたい、そして定量的なその効果は、はっきり言って、自分で計算する能力はありませんということを申し上げざるを得ないと思います。 その上で、減税というものに対し、これが貯蓄に回ってしまうのではないか、あるいはローンの返済に回ってしまうのではないかという声がありながら、なおかつ減税を求める心理的な要因というものも計算に入れていただく必要はあろうかと思います。 今定量的に求められました部分は、私自身では計算ができませんので、企画庁に答弁をゆだねたいと思います。
○北側委員 定量以下の答弁は結構でございます。 それで、この特別減税の景気浮揚効果というのが、私はかなり限られているのではないかというふうに思っているのです。というのは、既に実施されている特別減税で、課税最低限が上がっております。さらに二兆円の追加特別減税をやっても、その恩恵を得る人はさらに限られてくる。 本年二月から実施されている特別減税によって、所得税を課税されていない人がどの程度ふえたのか、また就業者総数のうち、所得があっても所得税を課税されない人は全体でどれくらいの人数で、就業者総数のどれくらいの割合か、概数の結論だけで結構でございますので、事務当局、答えてください。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 本年二月から実施しております特別減税によりまして、標準世帯、夫婦子二人の場合ですが、課税最低限は三百六十一万六千円から四百二十三万二千円に上がっておりまして、所得税の納税者数は、これによりまして四百万人から五百万人程度減少するものと見込んでいるところでございます。 なお、所得税を支払っていない方の数でございますが、何を母集団にするか、幾つかの考え方がございますが、御質問のように、就業者総数六千六百万人程度を分母といたしまして計算いたしますと、二割強程度と見込まれるわけでございます。 なお、二割強程度と申し上げましたが、実は所得の少ないパートの方あるいは年金受給者の方が入っておられまして、これらの方は被扶養者等にもなっていると見込まれますので、間接的には今回の特別減税の恩恵を受けられている方もおられるのかと思っております。
○北側委員 総理、六千六百万人程度の就業者総数がいらっしゃって、そのうちの二割強というお答えでして、一千三百万から一千四百万ぐらいの方々が所得があっても所得税は課税されていないという状況で、こういう中で二兆円の追加特別減税をやっても、この方々には何ら恩恵がないわけなのですね。一方では、所得が高い人ほど消費性向は低い、所得が低い方ほど消費性向は高いわけでございまして、景気刺激ということを考えたら、やはりこの所得税をお払いになっていない方にも景気効果が及ぶようなことをしないといけないわけでございます。 ということで、この就業者総数の二割強の人、約一千四百万人ぐらいの就業者が、本年は所得税が課税されていない、特別減税を実施してもこれらの方々には減税の恩恵は及ばない。今回の景気後退、景気低迷の引き金を引いたのは消費税率の引き上げであったことは、先ほど来のお話から明らかでございまして、そういう意味では、この一年分の消費税率アップ分相当額を国民に戻すようなことを考えるべきだ。 四兆円程度の戻し金、国民一人当たり一律に三万円、四人家族の標準世帯で十二万円程度を戻す、このようなことを検討すべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、所得税減税というものについて、本院でも私しばしば答弁でも申し上げておりますが、課税最高限度額の問題、課税最低限の問題、さらに資産性所得課税、年金課税等の問題が議論されないと、本当に公平な所得税の議論にはならないのではなかろうか。そして、我が国の場合課税最低限は既に、ヨーロッパと比しても、非常に高い水準にあるということを申し上げてきました。そして、特別減税の部分でこれがなお押し上がっている、これは今政府側の答弁のとおりであります。 これに対して、今議員から、戻し金構想、消費税率のアップ分を戻し金で国民に支給されるということでありますなら、これは税というよりも、むしろ給付金、歳出措置ですね。こういう形態のもの、これが金券なのか商品券なのか、どういう形かわかりませんけれども、これは確かに、そういう形での給付を行えば、ほとんどが消費につながるであろうということは理解ができることです。 しかし、同時に、非常に大きな財源を必要とするのではないだろうか。ちょっと今とっさに計算ができませんけれども、それだけの財源に見合う、これは恐らく赤字国債にならざるを得ないと思いますので、その場合の効果はどのようなものかなと率直に今思いますけれども。これは、実務的に、本当は、二重給付を防ぐための本人確認の問題とか、結構、執行上いろいろな問題が出てくるのではないかという感じがいたしますけれども。 いずれにいたしましても、税というより、これは歳出の世界のお話かなと。そして、それだけの財源、容易なことではないなという感じを率直に今持ちました。
○北側委員 厚生大臣、一点お聞きします。 景気対策ということで公共事業が大きく上積みされまして、社会保障予算がこのように実質削減されたままでいいのか。特に、難病患者の自己負担増とか児童扶養手当の所得制限の引き下げ等、社会的弱者と呼ばれている方々の予算が切り詰められております。 私は、やはりこの社会保障予算についても検討が必要じゃないかと思いますが、厚生大臣、いかがですか。
○小泉国務大臣 十年度予算は、財革法の枠の中で予算編成しております。その際、各省庁マイナスということで、社会保障関係予算も厳しい枠の中で組んでおります。マイナス予算の前提を変えるというんであったらば、ほかの予算はふやします、社会保障関係はそのままですということでは承知できないということを、既に閣僚懇談会におきましても、総理に対しても全閣僚の前で発言しております。
○北側委員 時間が参りましたので、終わりたいと思います。 文部大臣、環境庁長官、建設大臣、済みません、本当に。申しわけございません。また改めて質問をさせていただきます。 以上で終わります。
○越智委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。 次に、野田毅君。
○野田(毅)委員 午前中からの総理と各委員とのやりとりを聞いておりまして、何か非常に悲しい思いをしたんですよ。 今の北側さんとのやりとりでも、所々方々、今までの経済政策の失敗についてお認めになっている。言葉巧みに、甘受するとか、甘受という言葉がやたら出てきた。だけれども、責任のとり方はというと、日々責任がございますと言う。これは、全然責任をとっていることにならないんですね。 それから、菅さんとのやりとりの中で、私は大事なポイントの一つだったなと思うのは、記者会見などで総理が、財政構造改革法の基本、骨格は変えないとこれは言い切ってきている。 だけれども、一方で、財政構造改革会議ですか、だれが入っているのかよくわかりませんが、言うなら任意団体みたいなものだ。国会で決めたわけでもないし、オーソライズされているわけじゃない。あくまで政府と与党の中で、言うなら橋本総理が判断を決定するときのいわば材料にしようというお勉強会だということですよね、位置づけは。それは、何らオーソライズされたものじゃないんですね。そういうところに、会議に全部お任せするような雰囲気があって、どこが基本であり、どこが骨格なのかということは、かなり具体的なやりとりがあったけれども、結局は何もなかった。 私は、どうも総理は、言葉では財革法の基本は変えないと言う一方で、さっきのやりとりを見ていますと、基本は変えたくないというのと両方使っているのですよ。だから、総理は変えたくないのだけれども、会議が変えろと言われたらやはりそれに従うのかなということになるのですよ。 じゃ、だれが一体政策の決定をしているのか。総理が決めるのか、会議が決めるのか。この辺が実際に、総理は言葉巧みに責任逃れを、あるいは責任転嫁を一生懸命しているのじゃないんですか。何か会議というものを隠れみのにして、後になって食言にならぬように一生懸命知恵を絞っておられる。今大事なのは、そんな責任転嫁をどうやって、言葉じりをどうするかじゃなくて、本当に総理自身が、今日の経済危機を乗り越えるために自分としてはどういう基本哲学でやりたいのかということが出てこなければ、実はこれはどうにもならないのですよね。 もう一遍、ここのところを、総理自身が、言うならその財政構造改革会議にお願いをされた検討テーマの範囲、どこまでならば総理としては許容できるのか、その点について。菅さんからいろいろお話があった、平成十五年という期限はどうなのか、三%ということはどうなのか、あるいはキャップはどうなのか、あるいは赤字国債のゼロにしていくその道筋がどうなのか、幾つかのポイントがあると思いますね。 じゃ、弾力条項というのはどこをどういうふうに弾力的にするのかということについて、もう一遍ちょっと復習をさせてください。
○橋本内閣総理大臣 また言い方が違うとかということになりませんように、今改めて申し上げたいと思いますが、先ほど来繰り返し申し上げてきましたように、私が財政構造改革会議に対して申し上げたこと、必要最小限の修正という言葉の後に私がつけましたことは、現下の厳しい経済情勢にかんがみ、緊急避難的に特例公債を年々縮減する旨の規定について弾力化を可能とする措置を導入するということは考えられてよいと思いますということを申し上げました。 そして、これについて御検討を願いたいという後に自由討論に移りましたので、自由討論の中にはさまざまな意見がございました。 ただ、その上で、政府側としてこの弾力化という部分について具体的な案を用意して次回の会議に臨むということに一応終わりの時点で整理をいたしまして、第二回目以降の論議は、こうしたものを具体的に我々が用意した段階から議論が始まると考えております。
○野田(毅)委員 私は、会議の模様をお伺いしているのではないのです。自由討論でだれがどういう意見を吐いたということも聞きたくないのです。私は、総理自身がどう考えておるかということを聞きたいのですよ。
○橋本内閣総理大臣 ですから、私の考え方は、何遍も申し上げておりますように、緊急避難的に特例公債を年々縮減する旨の規定について弾力化を可能とする措置を導入することは考えられてよいと思っておりますということを申し上げ、これは反射的にそれ以外のものを例示しておらないわけでありますから、そのほかの部分についての変更はできるだけ避けたいという思いを込めてのものだということも先ほど来の答弁で申し上げております。
○野田(毅)委員 思いはわかったのですよ。だけれども、それ以外のことでも、社会保障に関するキャップですか、そういったことに大変理解があるようなことをおっしゃるものですから。 それ以外のことについての、例えば、会議で総理の思いと違った結論が出てきた場合にはやはりそれに従う、こういうことになるのなら、総理は何をするのかということがまだ何も示されていない、こういうことになるのですね。 この問題は午前中大分やりとりがあった結果、結局あいまいなままになってしまったので、私の時間を浪費するのはもったいないので、やむを得ないのですけれども。ただ、私は、この姿を見ると、総理自身、日本国の最高責任者、だれが統治しているのか、ここが全く見えないのですよ。 橋本総理は思いはいろいろおっしゃるけれども、先ほど来いろいろお話があったように、ころっと変わるのですよね。わずか一週間ぐらいで随分違っているのですよ、言っていることとやっていることが。だから、総理自身がもう何を言っても信用されない状況になってしまった。実際、僕はその点が……(発言する者あり)ちょっと自民党、うるさいね。あなた方、少し聞いていなさいよ。この点は後ほどもう少し敷衍して申し上げておきたい。 そこで、今自民党からいろいろやじがあるのですが、深谷さんが冒頭ちょっと妙なことをおっしゃったので、あえて申し上げておかなきゃならぬ。それは、野党についても申し上げたい、政府がいささかでも方向転換しようとすると、けしからぬ、責任とれ、やめろという話になってくる、こういう言い方をしているのですよ。 とんでもないのです。我々が責任を追及しているのは、転換をするなと言っているのじゃないのですよ。いいですか。我々は、今まで転換をしていなかった、さっきの北側さんの話にもあるように、転換すべきときに転換しないで、そして結果としてこの経済の状況をますます深刻化させてきた経済失政の責任をとれと、こう言っているのですよ。転換をしないようにしろと言っているのじゃないのですよ。この点を……(発言する者あり)まあ前向きも後ろ向きも、あなた方はそういうことを言うと、総理、自民党の皆さんもこういう無責任なことを……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○野田(毅)委員 私はこういう議論を聞いていると、総理自身、今民間企業でも大変な経営難に陥って、次々と社長も交代していくのですよ。経営危機に陥った社長が潔く責任をとるということは、居座るということじゃないのですよ。つまり、企業を経営悪化させた、あるいは倒産をさせた責任をとるということは、社長をやめるということなんですよ。 今みたいな総理の責任についての御発言であれば、それはまるで、経営悪化して倒産した社長が、立て直すために私は責任をとって頑張りますと言うのと同じじゃないですか。開き直り、居座り、責任逃れの論理じゃないですか。どう思いますか。(発言する者あり)
○越智委員長 静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 国会において議員の発言権は確保されておりますが、政府がどこまで許されるのか私にはわかりません。しかし、人間、やはり、ひきょうというような言葉を使われることは名誉ではありません、質問者がお使いになったのではありませんが。質問者がお使いになったのではありませんが。 その上で、責任というものの受けとめ、とり方、それぞれいろいろな考え方があると思います。今与えられた職責の中で全力を尽くしていく、私はそう申し上げたいと思います。
○野田(毅)委員 これはまた後ほど、責任問題、いろいろ申し上げたいと思うんですが、さっき北側さんがいろいろな問題を言われました。戦でもそうなんですけれども、やっぱり敗戦の将は責任をとらなきゃいけないんですよ。それが責任ということなんです。 言うなら、今日までの橋本内閣における経済政策は、いわば負けたんですよ。それが今日の状況になっているんですよ。政策が的確であれば、本来なら、転換すべきときに転換しておけば、あるいは倒産だってしなかったような中小企業もたくさんあるだろうし、失業しなかった人もたくさんいるだろうし、不幸なことにもなっているわけですよ。 与党の皆さんも、言うなら連帯責任なんだ。それを、自分たちの責任逃れをするためにいろいろやじっておりますが、そんな話じゃないんです。もう少し、あなた方も良心というものがあるならば、少し胸に手を当てて考えてみてください。私はそのことを思います。 そこで、経済対策の話ですけれども……(発言する者あり)ちょっと委員長、注意してください。 十六兆円というこの数字、総理はどこからお出しになったのでしょうか。いわゆる与党で決めたからということでは困るんですよ。やっぱり総理は与党の最高責任者なんだ。議院内閣制の中で、政府と与党という使い分けは、それはまた詭弁なんですよね。総理の意向を無視して、与党だけが勝手に政策を出すことはあり得ないんですよね。だから、当然総理自身の理解と了承の上で十六兆円という数字が出ているはずだ。この十六兆という数字は、一体どこから、何を根拠に十六という数字をお出しになったのか。 私は、なぜそれを聞くかというと、実は総理の会見の中で、おもしろいなと思って、ほうと思って見たのが、景気認識の中で、内外の悪条件が重なり、日本経済は極めて深刻な状況にあると。いろいろあって、日本経済に対する内外の信頼を回復するために必要かつ十分な規模の経済対策を講じることを決意したと。つまり、規模だけなんですね。この規模ということに大変力点を置いているんですよ。 これは、かつて与党の政策責任者があるテレビの討論で、十六兆の根拠として、まあ早く言うならデフレギャップというんですかね、需要不足がある、大体GDPの三%相当分だということをめどにしましたということを言っているんですが、総理自身もそういう判断なのですか。
○橋本内閣総理大臣 今議員が引用されましたような考え方、もちろんございますし、それから議員は、それでは困ると仰せられますけれども、まさに政党政治の中で、与党三党の緊急総合経済対策の基本的な方向の中で求められていた方向というものを踏まえてということで数字が形成されていくことは当然のことであろうと存じます。
○野田(毅)委員 では、与党が出したことをうのみにされたと。そうすると、その根拠は、いわゆるデフレギャップを埋めるためだ、こういう認識ですか。三%相当分をめどにしたということは、同じ認識を共有しておられるということでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、踏まえてと申しました。うのみとは申しておりません。
○野田(毅)委員 言葉の遊びをしているんではなくて、いいですよ、踏まえてでも、うのみでなくてもいいんですが、要するに、三%相当分を念頭に置いているということは、その考えは共有しているんですかと聞いているんですよ。
○橋本内閣総理大臣 むしろ、私どものところで作業をいたしましたとき、減税規模、特別減税の規模をどうするか、そして、そこに四兆という数字を置いてまいりますと、それに見合う真水、全体合わせていきますと大体十兆円ぐらい、その場合のはね返り等を計算していきますと、規模は十六兆を超えるであろう、税及び社会資本整備を足していくとといったような頭の整理でございます。
○野田(毅)委員 余り細かいことを言いませんけれども、特別減税四兆円追加ですか、本年度二兆、来年度二兆。だけれども、来年度分の二兆円というのは、今年度は有効ではないということなんですよね。 これを真水の中に入れているというのは、今まで政府が出した経済対策の中で、本年度中に実施されないような数字を一緒に入れて数字を膨らますというのは、今回初めて。言うなら、粉飾なんですよ。だったら、二兆円を外した数字を出さなければいけないのですよ。そうでしょう。四兆円というと、まるで今年度中に四兆円やるような錯覚に陥っている。来年度で手当てをするのなら、それは来年度の話であって、今回の十六兆の中に入ること自体がナンセンスではないですか。 この点はこれ以上細かいことを言いませんけれども、どうも、数字の規模を大きくしたい、要するに、見せかけをしたい、中身よりも見せかけの数字にこだわっているんだということを世の中に明らかにしているんだということではないのでしょうかね。何か御意見はありますか。
○橋本内閣総理大臣 微妙に私の発言を変えられましたが、私は、本年中に二兆、来年二兆というふうに申したと思います。 今、秘書官に、本年度、来年度と言ったかと確認をいたしまして、度という文字はつけていないということでありました。
○野田(毅)委員 では、ことしの二月にやったようなことを来年二月にもやろう、そういうことですか。そうすると、またばらまき型のことをやろう、そういうことなんでしょうかね。 今回、我々は、少なくとも、規模よりも中身をぜひ大事にしてもらいたい。というのは、総理自身がお認めになると思うけれども、きょうも株価が下がっていますよね。(橋本内閣総理大臣「見ていない」と呼ぶ)下がっているのですよ。 それで、一生懸命おやりになるのだけれども、今までこれで何回目でしょうかね、景気対策が出されたのが。昨年の十月から連続して、一、二、三、四、五ですか。十月、十一月、十二月、一月が休んで、二月、三月だ。三月は与党が出して、この四月にまた総理がお出しになった。事実上六回目ということになるかもしれません。そのたびに実は株価が下がっているんだ。それはなぜだと思います、率直に。総理の感想を聞きたいのです。
○橋本内閣総理大臣 私ども、市場は常に注目しておりますけれども、その水準に対して論評等をすべきではないと習ってまいりました。そして、その上で、よくそうしたことも御承知の上で議員のお尋ねでありましょうから、これからも私どもは注意深く見守ってまいります。
○野田(毅)委員 大体、公定歩合だとかそういうことは一切口にしてはならぬのでね。しかし、今の総理の答弁であれば、それは本当に総理自身、注意された方がいいですね、特に株価水準について。年度末の株価の水準が幾らでなければ責任問題などと言って、そういう方が与党の政策責任者なんですよね。 私は、午前のやりとりもありましたけれども、それは率直に言って、市場がもはや政府自身の経済政策を信用していない、いわば橋本内閣を信用していないということのあらわれなのではないですか。だから、失礼な言い方だけれども、何か、総理の辞任説が走ったら株価が上がって、景気対策が出たら株価が下がるというのは実に皮肉な状況であって、我々日本人としてこんな悲しいことはないのですよ。 それは、一つは総理自身の問題があるのですよ。さっきから言っていますように、幾ら与党のおかげで総理になっておられるとしても、今の日本の置かれている経済状況からいえば、ただみんなで相談をして仲よくわいわいやって、みんなで渡れば怖くないというようなことじゃないのであって、むしろこの国の経済をどうやって立て直すかという基本戦略というものが明確にあるということが大事なことなんですね。責任転嫁、あちこちに責任を振り回すのじゃないのですよ。みんなで渡れば怖くないという発想じゃなくて、総理自身がおっしゃったことはきちっとおやりにならなければだめなんですよ。 総理は、国会では、この予算がベストだ、ベストだということを言い続けてきたんだ。私は自分で数えてみたのですよ。私の質問に対する答弁の中でも、今年度の当初予算がベストでございますということを二回も言っているんですよ。 一方で、今度は、与党の中では早々と大型補正論議が出てきて、そして、アナウンスなき政策転換だなどということが堂々と出てきて、結果的に、総理が国会で答弁をされたこととは違って、総理の答弁とは違った結果に現になっているのですよ。 では、だれが日本国の政策の責任者なんですか。そうであれば、総理自身が何をおっしゃっても、ああ、また変わるんだと、全然市場は信頼しないじゃないですか。その点について、こういう使い分けの、責任分散の論理をそろそろ本筋に戻して、自分が責任は一手に引き受ける、そういうところに軌道修正をする気持ちはありませんか。
○橋本内閣総理大臣 いつもそうしたつもりでしたし、今回おしかりを受けております記者会見自身、私の責任でいたした記者会見でございます。
○野田(毅)委員 何か悲しい答弁ですね。僕は記者会見の話を聞いているのじゃないのですよ。だけれども、総理は今記者会見の話を出されたが、その記者会見のことでさえ、財政構造改革会議にお願いをして、その結果を受けてということじゃないですか。午前中の菅さんに対する答弁でも、そうでしょう。そういうふうに軌道修正されたじゃないですか、菅さんに対する答弁の中で。 ですから、私は、総理自身がこれからもそういうことでおっしゃるのなら、結果的に政府・与党全体としては二枚舌を使ってきているということなんですよ。国会ではAということを言い、別の場では党幹部の口をかりて別のことを言っているんだ。 だったら、正直に、何も我々は与野党で攻撃しようとかそんなことじゃないのですよ。この日本をどうするかという、本当に総理が真摯な思いを、今日までの反省と国民へのおわびを含めて、正直に、堂々と真情を吐露されるべきじゃないですか。 この前の総理の会見でも、国民へのおわびと反省の弁は一言もないんだ。そして、言葉だけは巧みに、何か弾力条項を入れるような、そのほかも変えてもいいような悪いような、そういうことを一体いつまでお続けになるのでしょうか。こういうことをやっていたら、私は、本当に、橋本内閣が続く限り日本の景気回復は無理だと思いますよ。 もう既に、今までの第六次にわたる対策を出すたびに、株価が下がることを予想して次の手を用意していますよということを、もう言外に言ってしまっているのですよ。そうでしょう。特別減税だけでなお足りないということになれば、政策減税も幾らか上積みしますよ、それだけじゃなくて、法人税については、何か三年内か二年内か知りませんが、それまでやってもいいのですよと。恒久減税なんでしょう、法人減税も。 あるいは、所得税について、まあ私は予想しているんですが、五月か六月ごろに多分、制度減税を総理はおっしゃるんじゃないかな、参議院選挙を前にして。そこまで選挙対策でとっているんじゃないかな。どうもそのように見えるんだな。いや、それは、そうでなければ、この日本の経済を本当に立て直すことはできないんですよ。特別減税というのは、やっぱり、ばらまきの一つなんですよ。それは総理自身もわかるでしょう。それは、今の日本の経済の危機というものの本質をどうとらえているかということと関連するからなんです。 今回の中で、よく、政策転換をしたのかしないのかという議論があるんです。私は、総理はまだ政策転換はしていないと思っています。だから問題なんです。いいですか、それが問題なんです。 政策転換したから問題だと言っているんじゃないんだ。こんなものは政策転換でも何でもないんだ。政策破綻しただけの話なんだ。そうでしょう。まだ相変わらず、この財政構造改革の基本をどうのこうのとかいうことにこだわっている。何か、マインドコントロールを受けているみたいになっちゃって、自分でそれを旗を立てちゃったから。 私は、今の日本の経済というものの危機の本質を、単なる景気循環的な話だとか、あるいは、それに、金融のクランチが予想以上に大きかったからというだけのことではないと思う。だから、根本的に経済を立て直すという戦略が全然見えないんです。ただひたすら総理のおっしゃっていることは、財政再建ということ、これだけはということなんです。その前に、経済をどう再建させるかという基本戦略をぜひ聞かせてもらいたい。総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 大変注意深くチェックをしていただきましたので、法人課税あるいは所得税、住民税の見直しに言及した部分を御承知と存じます。そして、いろいろな御批判をいただきました。 そして、先刻来も御答弁を申し上げておりますけれども、所得税を議論するとき、ややもすると課税最高限度額だけが問題になります。ややもすると課税最高限度が問題になります。(野田(毅)委員「最低限度」と呼ぶ)いえ、最高限度額を下げろという議論が出てきます。しかし、今まで、同時に、議論がここ……(発言する者あり)失礼、最高税率です。ごめんなさい。失礼しました。同じことを何遍も言っているうちに混線しました。 同時に、課税最低限、世界の中において日本は高い。この特別減税を行ったことによって、なお高くなっているという御指摘もありました。さらに、所得税の議論として、年金課税の問題、資産性所得課税の問題等々の議論が行われなければ、きちんとした結論には達しないと思います。 法人課税につきましても、私は、三年以内のできるだけ早くと確かに申しました。グローバルスタンダードというものを頭に描きながら、きちんとした改正をしていこうとすれば、それなりに私は世論の御協力を得なければなりませんし、全体の、いかにすれば公正中立といった税の性格をきちんと把握した税制になるか、それだけの議論は必要だと存じます。それを、方向性を明らかにするためにも、グローバルスタンダードという方向性を示唆しながら、私は将来に向けての動きを開始したい。 そして、これは、やはり政府税制調査会、与党税制調査会に審議をいただかなければならないものですから、そのとおり私は率直に申し上げております。
○野田(毅)委員 私の聞き方がちょっと悪かったのかもしれませんね。再建戦略というか望ましい方向というか、何とかしてやっていかなきゃならぬという方向を今総理がお話しになった。それはそのとおりなのです。だけれども、では、それをどうやって今の現実の経済状況の中で達成していくか、問題はその戦略が大事なんですね。それには今の日本の経済の実力のほど、体力のほどということをしっかりと把握してかからなければどうにもならぬという、ここが一番大事なところなんですよ。 そういう点で、いわば、さっきからいろいろ話がありましたが、橋本内閣において、住専処理にだけ目を奪われて不良債権処理について誤った。我々は二年前から、日本版RTCをつくれ、そして来るべき金融自由化の本格的な到来の前に不良債権問題を一刻も早く処理するということが一番大事なのだということを言って、あえて銀行が破綻した場合には公的資金を入れるべきじゃないかということを言ってきた。だけれども、二年前はあの住専国会の中で違った対応をしてきてしまった。 二年のおくれということが、この四月から、ビッグバンなり早期是正措置ということを前にして、そのことが相当金融クランチにもやはり影響しているのだということ、これはやはり経済失政の一つなんですよ。そういう意味で、我々は、今置かれている環境というのは、確かに資産デフレあるいはそれに基づく不良債権処理という大きな後ろ向きの課題を一つ抱えています。しかし、それをさらに影響を深くした責任というのは一つある。 それから、いま一つは、前向きの問題として、日本の経済構造、これは金融ビッグバンも金融の構造改革の一環だと思います。それはあらゆる産業分野が、特に規制緩和、撤廃などを中心とした構造改革をしていかなきゃならぬ。ところが、その構造改革をするということは言葉で言うほど簡単なものじゃなくて、今までのビジネスのビヘービアを変える話なのです。今までの営業の仕方なり、今までのやり方の延長ではできないのだという現実になってきて、では新たなビジネスのノウハウが確立されているかというと、まだ確立されていないのです。それが実は構造改革なんです。 したがって、本気で日本の経済の構造改革をしていこうとするならば、必ずと言っていいほどデフレ要因を伴うのですよ、足元は。だけれども、越えなきゃならぬ一つのトンネルなんですよ。だから、規制緩和をすればすぐ景気がよくなるというのは、これはうそなんです。規制緩和をすればいっときはむしろデフレ要素が強まるのですよ。そして、しかし、それをやった後で初めていろいろなビジネスチャンスが広がっていくんですよ。だから、いいですか、やじるばっかりじゃだめなんだよ。 だから、本当にそれを成功させようとするのならば、そこに財政デフレを加算しちゃだめなんですよ。坂道を上ろうというときに、あるいは重荷をぶら下げながら坂道を上らなきゃならぬという日本の経済の今日の現況の中において、バックギアを入れちゃったのが去年でしょう。まさに逆噴射しちゃったのでしょう、九兆円の。だから、本当にそういった反省をやはりしっかりしなきゃだめなんですよ。 その上で、それこそその上でというのは総理の大変お好きな言葉なのだが、その上で、ではどうやって今の日本の経済、あるいはひいては財政を立て直していくかという戦略を立てなきゃならぬ。 そういう点からいえば、当面、今世紀中、特に集中三カ年というのは、実は財政赤字を減らすための集中三カ年じゃないのですよ。日本経済を再建するための集中三カ年なのですよ。この集中三カ年のターゲットを間違えてしまったんだ。財政赤字の目先の縮小だけにとらわれてしまったんだ。ここが実は、この財政構造改革法が、単なる弾力条項がどうだとかそんな小手先じゃなくて、根本が間違ってしまった、ここが一番大事なポイントなんですよ。 そういう点からいえば、これは弾力条項やそこらで乗り越えられる世界じゃないんです。総理自身おわかりのはずなんだ。だったら素直に、今までの戦略が前後してしまった、だから転換をするのならするというふうにはっきりした方がいいんですよ。だけれどもまだ、答弁は、何か政策転換しろと言う人に対しては、したようなふりができる、しちゃだめだよと言う人に対しては、いや、しておりませんという答弁ができるという、どうも、一体どっちなんだということがはっきりしないんですよ。 そういう点で、総理、どうですか。あなたはそういう意味では本当にあくまで目先の財政赤字縮小最優先という路線を相変わらずお続けになるつもりなのか。あるいはここで根本的に、その問題は、財政再建の必要性は当然ですよ、こんなことは法律にしなくたって当たり前の話なんだ、だけれども、今何にターゲットを置いて我々は取り組むべきか、経済再建ということにターゲットを絞るべきなんだということの政策転換をする考えはないんですか。
○橋本内閣総理大臣 何回か、タイムラグの違う話をという御答弁も申し上げました。ですから、これを申し上げるとまたしかられるのかもしれませんけれども、私は、本当に今景気のためにやらなきゃならないこと、財政で長期的に考えていくこと、タイムスパンが違うと思っています。そして、そのタイムスパンが違うということを申し上げますと、それにもせせら笑う声がよく聞こえました。(野田(毅)委員「そんなことはない」と呼ぶ)いいえ、今後ろでそのとおりと言っていらっしゃる方もあります。しかし、恐らくその方はそう思っておられるのだと思います。 その上で、私は本当に、タイムスパンの違う話を一つの平面で答えることは大変難しいと思いますから、今当面の景気を回復するための手法が必要だと私は思い、それを考えようとしております。そのために、財政構造改革会議に財革法の見直しをお願いもいたしました。 悪いと言われましても、これは私は政府・与党の関係の中でお願いをしていることです。そして、その結論を受けて経済対策をまとめるということに踏み切り、それは経企庁長官を中心に関係閣僚に既に指示をいたしております。当面、景気対策を必要とする、このために努力をしようとしている、今そういう状況にあります。
○野田(毅)委員 私は今度の、つまり景気対策という言葉は総理もお使いになるんですが、実は私たち、今は自由党でありますが、私自身も、今我々がやるべきことは景気対策的発想じゃないんです。だから、私は景気対策という言葉は使わないようにしてきたんです。 それは、経済対策、経済の根本に対する対策を立てなければ、ストップ・アンド・ゴーで、目先が悪くなったから何かちょこちょこやりますよということをやっていたら、過去と同じ過ちを繰り返すんです。だから、我々は、恒久減税をやるべきだというのはそこにあるんですよ、あるいは法人減税もやるべきだというのはそこにあるんですよ。ポイントはそこなんですよ。 今の総理のお話も、どうも景気対策。だから、いろいろ意見もあって、商品券で返したらどうかとかいろいろな話もある。あるいは公共事業、極端に言えば、在来型であれ何であれ、天からお金でもばらまけば目先の需要追加にはなるんでしょうね。しかし、それでは、経済を根本的に立て直していくということからすれば、一体どれだけの意味があるのか。我々は、それは循環論的な問題なのではなくて、そういう意味での構造的な問題を抱えているからだ。 ではどうやったらそれを克服できるのかということについて、我々は既に一年以上も前から言ってきた。それは、まさに中長期的には我々は十八兆円減税すべきだと思います。当面、少なくとも所得、法人課税において十兆円の恒久減税をすべきだと思っています。あなた方は、与党の皆さんは、去年はせせら笑っていたんだ。だけれども、今はどうですか。現に与党の内部でも十兆円減税論、出てきているじゃない。そうでしょう。 私は、そういう中で、そういう再建戦略という、この日本の経済の根本問題をどう乗り越えるか。十兆円のうちの、我々が考えているのは、所得税。例えば課税最低限は動かさない、税率の累進構造を緩和する。現在の一〇、二〇、三〇、四〇、五〇という所得税の税率を、我々は五、一五、二五、三五、最高税率三五で結構だ。地方税合わせて五〇%だ。そういうふうにやれば、もちろんブラケット、間差額等の問題、刻みがありますが、恐らくサラリーマンで千五百万ぐらいの方々は、多分それ以下の人は所得税は現在の半分になるはずであります。 あるいは、法人課税についても基本税率等、地方税を含めてやるべきでしょうね。あるいは連結納税制度、こういったことも入れるべきでしょう。 我々は、そういう、まず税金を国に吸い上げて、国が仕事をやっていくという形の国づくりをするのではなくて、むしろお金は民の懐に残していくということ。そしてその財源、今言っていますが、本気でやればできるんだ。やる気がないからできないんだ。行財政改革ということで大胆なる削減が一つ。いま一つは、経済が軌道に乗ることによって、当然ながら税の自然増収ができてくるという、これが一つであります。その腹があって初めて本当の規制緩和、行政改革が進んでいくということであります。そうでなければ、何のための行革か意味がない、何のための規制緩和か意味がない、ここが実は一番大事なポイントだと思います。 いま一つ申し上げておきたい。それは、不良債権処理について、余りにもこの二年間の手おくれというのは致命的に厳しい状況になりました。だから我々は、あの十三兆使った資本注入の話は、いわゆる金融のビッグバンに逆行する発想であって、ナンセンスだと思う。しかし、このまま何も手をこまねいてやらないでいるとすれば容易なことではないな、これを乗り越えるのはまだまだ容易じゃありません。 私の計算では、バブル崩壊後の資産デフレによるいわゆる資産喪失額は、恐らく千兆を超えているはずであります、土地の下落あるいは株価の下落等々によって。千兆を超えるということは、GDPの二年分なんですよ。これは大変な資産喪失だ。だからほとんどのところは、今までの含み益経済という姿から、含み損を抱える企業がやたらふえてしまった。この含み損が顕在化させられない。顕在化したら債務超過に陥ってしまう、これが実はジャパン・プレミアムの大きな原因になっているんです。 それをどうやって乗り越えるか。これは、この前やった株式の評価益だけを計上させていくというやり方だけではだめなんです。評価益を出させるやり方だけでは、これはバブルを乗り越えられない。むしろ逆に評価損を出させないと、本当の体力は回復できないんですよ。 いいですか、この含み損経済からどう脱却するかが、実はこの不良債権問題を乗り越える本質なんですよ。ここをやるためには、思い切って評価損益を通算させる手を打ってごらんなさい。我々はこれを提案いたします。このことによってでないと、不良債権問題、これを乗り越えることは容易なことではない。この含み損が金融機関にまだまだしこりとしてたくさん残っている限りはそう簡単に金融クランチが直るものではない、このことを申し上げておきたいと思います。 最後に、総理、剣道の達人ですから、ただ、どうも見ていると、総理は、その構えは大上段なんだけれども、どうも打つ手はみんな小手ばかり打っているような感じがしてしようがない。本当に正面からずばっといくようなことを何にもおやりになっていない。それで、特に総理は誇り高き人だと思います。そうであれば、こういうことを言うとなんですけれども、人からとやかく言われる前に、武道のシンボルでしょう、そうであるなら、人からいろいろ言われる前にみずから身を捨てて国を守るの気概ぐらいなければ、私はそのことを最後に、総理にぜひ胸に手を当てて反省の上で御答弁願いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 一点申し上げたいと思いますのは、バブルから議論を始められましたけれども、私は、不良資産についての議員の御指摘は間違っていると決して申し上げません。しかし、そのバブルのときというものは、やはり、土地でも株でも資産価格は経済的に合理化のできないレベルにまでむちゃくちゃに上がっていた、そういうことを考えれば、崩壊というのはやはり私は歴史の必然だと思います。 それから、プライドが高いと褒めていただき、ありがとうございました。実は、私は剣道で上段をとるほど腕はよくありません。いつも中段です。そして、もし本当に私が誇り高い人間であったとするならば、この国会始まってから今日まで相当誇りはもうずたずたに破られた、それぐらいのばりざんぼうもちょうだいしたと思っております。
○越智委員長 これにて野田君の質疑は終了いたしました。 次に、志位和夫君。
○志位委員 私は、日本共産党を代表して、橋本総理に、今日の深刻な経済危機を招いた政治責任と今後の対応について質問いたします。 今の不況の実態というのは、戦後最悪ともいうべき深刻なものとなっております。個人消費は、七〇年代の石油ショック以来の落ち込みが続いております。中小企業の不況型倒産は戦後最悪となり、経営が行き詰まり、追い詰められての自殺という悲劇が後を絶ちません。失業率も過去最悪を記録し、雇用不安が社会全体を今覆っております。 総理も、九日の記者会見で、我が国経済は極めて深刻な状況にあるとお認めになりました。ところが、不況をここまで深刻化させたみずからの政治責任については一切口をぬぐったままでした。景気をここまで深刻にさせた政治責任はないとおっしゃるのですか。端的にお答えください。
○橋本内閣総理大臣 今までに、私は全く責任がないなどという御答弁は申し上げておらぬと存じます。ただし、負うべからざるものまで負うとも申し上げておりません。 そして、往々にして御論議をいただきました消費税率の引き上げ等、私は、昨年の一—三月の、また、その影響を受けての四—六月期の数字とともに、七—九の数字も個人消費の関係では見ていただきたいということを申し上げてまいりました。
○志位委員 総理が、景気を深刻化させた内外の悪条件として、あの記者会見でお述べになったのは、具体的には二つでした。アジアの経済危機、金融機関の破綻であります。しかし、昨年総理が強行した消費税増税などの九兆円の負担増の政策が不況を悪化させる引き金になったことは、私は紛れもない事実だと思います。 先ほど、去年の四月—六月期が落ち込んだけれども、七月—九月期がプラスになったというような趣旨のことをおっしゃいましたね。しかし、それは見せかけの数字なんですよ。 なぜかといいますと、去年の七—九の数字というのはおととしに比べての若干のプラスなんです。ところが、おととしというのは、O157の事件があって、九五年、さきおととしに比べれば家計消費がマイナス三・〇%落ち込んだ。その落ち込んだときに比べて若干のプラスだっただけのことであって、九五年に比べれば昨年の七—九もマイナス一・四%、マイナスがずっと続いていたのです。四—六も落ち込んでいたし、七—九も落ち込んでいた。今でも影響は続いているのですよ。 私、ここに、八日付で出されたOECD、経済協力開発機構のエコノミック・アウトルック、経済見通しの写しを持ってまいりました。ここでは、日本経済は景気後退の瀬戸際と評価し、日本経済の弱さの原因として三つ挙げております。第一は一九九七年の急激な財政緊縮、第二は国内の金融不安と経済の信認の低下、第三はアジア諸国の経済危機であります。このOECDのレポートでも、第一番目の原因として挙げているのは、急激な財政緊縮、それは何かといえば、詳しく書いてありますが、消費税率の引き上げを初めとする九兆円の負担増政策であった。これはOECDも認めているのですね。 総理はこの前の記者会見の中で、内外の悪条件が重なって今の深刻な不景気を招いたとおっしゃいました。この内外の悪条件の中に九兆円の負担増政策は入っているのですか、入っていないのですか。OECDもこうはっきり認定しているわけですから、お答えください。
○橋本内閣総理大臣 どう議員から御議論をいただきましょうとも、昨年の七—九の前期比がプラスになっておりましたという事実は事実であります。事実であります。 そして、その上で、私は消費税の影響が全くないなどとは申し上げておりません。現に、一—三月駆け込み需要は、私たちの予想を超える需要が発生をいたしました。その反動減は、四—六月で私どもの予測よりもこの落ち込みを拡大いたしました。ただし、七—九がプラスになったということは、そのとおり、また事実の問題であります。 ただ、その後、アジアの金融情勢あるいは我が国における金融機関倒産等々の中で、心理的に冷えをもたらす原因の一つにこの消費税というものが存在したであろうことを私は否定はいたしておりません。
○志位委員 消費税の影響というのは二重にあったというように私は考えております。家計の所得を実質ベースで奪ったこと、つまり財布の中身を奪ったことです。もう一つは消費マインドを冷え込ませた。この点は今お認めになりましたけれども、その点だけではなくて、可処分所得を実質ベースで奪ったという、二重に消費を冷え込ませたというのが消費税の増税でありました。 あなたはまた七—九のことを言うので、もう一点だけ言いましょう。 去年の統計を見ますと、ボーナスが六月から七月にずれ込んでいるのですよ。不景気のためなんです。ですから、これも特殊要因なんです。だから、そういう特殊要因で七月に若干のプラスが起こったということなのであって、それをもって消費税の影響がもう何か非常に経済成長によって吸収されたかのようにこれを見るのは、全然成り立たない議論だということははっきり言っておきたいと思います。 総理は、専らまたアジアの金融危機と金融機関の破綻、これに不況の深刻化の原因を求めておりますが、私、それでは次に聞きましょう。そういう事態が起きたときにあなたは一体何をやったのかという問題であります。 私、こういうパネルをつくってまいりました。簡単な時系列のパネルでありますが、アジアの通貨危機が始まったのは、タイのバーツの暴落が五月ぐらいからですから、これぐらいの時期です。そして秋口まで続きました。そのさなかに、九月一日に二兆円の医療費の値上げを強行したわけです。金融破綻はどうかといいますと、拓銀の破綻が十一月十七日、山一の破綻が十一月二十二日ですよ。その中で、雇用の不安が社会を覆っている中で、我々は反対にもかかわらず、十一月二十八日に財政構造改革法を強行した。そして、それに基づく予算を十二月二十五日に決定し、強行した。無修正で強行した。これはあなた方のやってきた事実の経過であります。これが景気にどういう作用を働かせたかは、もう今では私は明瞭だと思います。 医療費の負担増が、これはお金の心配で病院にかかれないという受診抑制を深刻化させたということはもう広く指摘されていることでありますが、消費の冷え込みにもつながりました。 私、一つ、昨日付の朝日新聞でこういう声が出されているということを読者の声としてあなたに紹介したい。「高額医療費で不安増す老後」という題であります。「こんな不安な老後をかかえてどうして消費することができましょう。病気になった時の不安がなければものも買えるでしょう。でも、入院してこんなにお金がかかるのでは、通院していてもクスリ代が高額なのでは、倹約しなければなりません。それが庶民の生活です。高齢化社会を迎えて医療費を改悪しておいて、どうして消費が上がりますか。政治家は考えてほしい。」まさに、二兆円の医療費の負担増は、消費に冷や水を浴びせる結果をもたらしました。 その次の財政構造改革法、これは将来にわたって社会保障をカットしていこうという法律ですから、これも負担増に働きます。 これは、もう一つ紹介したいのは土志田前経済企画庁調整局長の発言です。財政構造改革法について、将来負担がふえるというメッセージばかり、この結果、消費者は不安から財布のひもを引き締めた、上がるはずの消費性向が下がっているのもそのあらわれでしょう。 まさに、財政構造改革法は、これも消費を引き下げる、消費大不況を悪化させる方向に作用したのは明瞭です。これをやったのは、あなた。アジアの通貨危機や金融破綻が起こった後、あるいはそのさなかにそれをやってきたわけですよ。この財革法の成立だって、予算案だってそうでしょう。それに対して責任はないのですか、はっきりお答えください。政治責任はありませんか。
○橋本内閣総理大臣 例えば、インドネシアとIMFの最初の合意は、本年一月十五日に結ばれたと記憶をいたしております。その後、それが履行が難しくなり、先般再交渉が行われ、今民間債務の交渉が行われております。日本はこれに対して、取りまとめへの協力こそいたしましたものの、インドネシアにわざわざルピア下落の原因をつくりに行ったとは考えておりません。
○志位委員 IMFの話を聞いているのじゃなくて、国内の景気がこんなに冷え込んだときに、その景気にまさに逆噴射をかける、不況を悪化させる、加速させる、そういう政策をとった責任について聞いているのです。もう一回お答えください。
○橋本内閣総理大臣 これは大変失礼しました。アジアの通貨危機というお尋ねでありましたから、今のような答えを申しました。今のは私が取り違えたので、先ほどの答弁は取り消させていただきます。 その上で、そのときそのとき政府として全力を尽くしながら努力をしております。その中には、将来にわたって国民生活のセーフティーネットとして我が国の社会保障が存在し続けるために、今から改革を進めていかなければならないというテーマもございます。それぞれのテーマ、これを一つずつ全力を挙げて解決のために努力をいたしております。
○志位委員 責任を全くお認めにならないお話です。 しかし、今、財政構造改革法の改正が問題になり、補正予算を組まなければならないということ自体が、政策破綻の証明なんですよ。しかも、その財革法は破綻している、財革法はもうまさに骨格部分が破綻してしまった。公共事業を何兆円も積み増すという方向でしょう。一切の聖域なしというのがうたい文句だったはずなのに、まさに大きな聖域をつくってしまったわけですから、それ自体がもう根底から破綻した。 それなのに、社会保障の方は依然として歳出のキャップをつけたままで、この抑圧政策を続けていく。だから、先ほどもお話ありましたけれども、小泉厚生大臣が、公共事業費は上積みして社会保障の方は抑えているというのじゃ納得いかないと。まさにこれが破綻の証明なんですよ。 私は、そういう財革法自体の破綻の責任、重大だと思いますし、破綻したものは撤廃し、公共事業の上積みでなく福祉に金を使うという方向での財政の立て直しということが必要になってくると思います。 私、総理とこれまでいろいろな議論をしてまいりましたけれども、一つ言いたいのは、保守政治にもやはり一定の見通しとそれから一貫性というのが要るんですよ。これは立場は違いますけれども、政権を担う以上、見通しと一貫性、要るんです。この点で、あなたはそういう保守政治なりの一貫性や見通しもないではないか。 大体、財政構造改革法というのは、今後六年にわたって国の財政の方向を決定づける法律であります。ところが、四カ月でそれを改正すると言う。予算案というのは、向こう一年にわたっての国の財政の方針であります。それを、成立した次の日に、それでは足らないといって補正予算を組むと言う。 総理がこの間、臨機応変という言葉を随分お使いになってこられました。しかし、臨機応変とは何か、私は広辞苑で引いてみました。こう書いてあります。機に臨み変に応じて手段を講じること。いいですか、状況の変化に応じてそれにふさわしい対応をとることが臨機応変なんですよ。 それでは一体どういう状況の変化があったのか。本予算を成立させた四月八日から、補正予算を宣言した四月九日までに、一体どういう状況の変化があったのか。内外の悪条件が一夜に生まれたんですか。はっきりお答えください。あなたが臨機応変、臨機応変と言うから、その点はっきり聞いてみたいと思う。いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 四月に入ってからという御質問でありますけれども、強いてお答えを申し上げるならば、予算編成を終わって提出をした後と言う方が正確ではないかと思います。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 そして、そういう意味でこれを考えますとき、予算作成後、十月から十二月のQE、あるいは二月の失業率等が新たな経済指標として出てまいりました。あるいは日銀短観等もその一つであります。あるいは、まさにインドネシアなどアジアの経済金融情勢の影響というものは、輸出の減少等によってはっきりとした数字の上で影響が出てまいりました。こうした影響というものは、間違いなく問題として出てきております。
○志位委員 全く答弁になっておりません。予算の提出の時期が問題だと言ったけれども、提出された予算を国会で審議して、我々は修正を求めた、組み替えを求めた。それを、最善の予算と言い続けて最後まで頑張ったじゃないですか。最後のぎりぎりまで最善と言ってきたじゃないですか。今の答弁では全く納得できません。 私、総理のやっていることは臨機応変じゃないと思うんですよ。右往左往ですよ。右往左往というのを私ちなみに広辞苑で引いてみました。秩序なくあっちへ行ったりこっちへ行ったりすること。まさに今の総理の姿そのものではないか、私はそう思います。 私、やはり保守政治にも、先ほども言ったように、見通しと一貫性というのは必要だ。それであってこそ初めて政権を担う資格が出てくる。ところが、それがない総理には、これは、いろいろな対策を打つ以前に、何をやっても信頼は生まれないのじゃないか、こう言わざるを得ません。 そこで、もう一つ問題は移りますが、失政への責任をおとりにならないから、今度出した対策もまともなものが出てこない、私、こう思うんですね。 今度の十六兆円の総合経済対策にはことしと来年の二兆円の特別減税が含まれておりますが、その中心は公共投資の積み増しであります。しかし、景気対策として公共投資を積み増すやり方は、当初は一定の効果があっても、中長期的には膨大な財政赤字をつくり経済にマイナスに働くとして、政府も一度は否定したはずの、いわば禁じ手のはずであります。 私、ここに持ってまいりましたが、これは九五年十二月に出された財政制度審議会の報告でありますが、ここでは、「欧米諸国においては、拡張的財政政策は」公共投資積み増しのやり方ですが「当初は一定の効果はあるとしても、中長期的な経済成長をもたらすものではなく、むしろ、経済成長のためにマイナスでしかないと認識されるに至った」、こういう判定を下しています。 次の年、これが九六年十二月の財政制度審議会の最終報告ですが、ここでは、「これまで景気対策のための公共投資の大幅な追加が行われてきたが、欧米諸国の経験にも照らし、こうした過度に財政に依存した経済運営について見直すべき時期にきている。」こうはっきり書いてありますよ。 これは、この考えが土台になって財政構造改革法をつくったわけでしょう。総理は、この考え方はお捨てになったのですか。お聞きしたい。
○橋本内閣総理大臣 新しい社会資本の整備、次の世代の人たちが、あのときやっておいてもらってよかったなと言ってくださるような社会資本を整備したいということを私は確かに申しました。 例示としてそこで引きましたもの、それはダイオキシン対策であり、あるいは地球環境問題に対応するものであり、さらに、特別養護老人ホームとかあるいは保育所等に代表されます少子・高齢社会に対する対応であり、科学技術研究開発への投資であり、高度情報通信システム、あるいは人の教育に係るものといった、そうしたものをやっていきたいということを申しております。
○志位委員 そんな大事なものだったら、本予算に盛り込めばいいのですよ。大体、本予算では福祉予算をカットしているじゃないですか、今福祉だなんだと言ったけれども。九五年に景気対策がとられたときにも、情報だ、通信だ、科学だ、環境だと華々しく言われましたよ。しかし、十四兆の対策のうち、そういうものに使われたのはわずか九千億、十五分の一ですよ。あとは従来型の公共事業がずらっと並んだ。ゼネコン型の巨大開発がずらっと並んだ。 あなたはそういうことをおっしゃいますけれども、あなた方の内閣で先日、新全国総合開発計画、五全総というのをお決めになりましたね。これを私、ずっと読ませていただいて、驚きました。 この期に及んで、日本列島に六つもの巨大な橋をかける。今、本四架橋の公団だって大赤字でしょう。東京湾横断道路だって採算の見通しがないのですよ。そのときに、東京湾にもう一つ、湾口に橋をかける。伊勢湾にもかける。豊予にもかける。本当に巨大な公共事業のオンパレード。そして、例えばもう既に破綻した北海道の苫小牧東部開発だとかむつ小川原の開発だとか、こんなものまで推進すると書いてある。まさに従来型の公共事業。 私は、財政支出をやるというのだったら、公共事業ではなく、まず社会福祉に回すべきだと思います。そして、公共事業は、こういうゼネコン型じゃなくて生活福祉型に重点を移し、そして、例えば中小企業の皆さんに対する官公需の比率が落ちているわけですから、これを引き上げるということが今求められていると思います。 私、いま一つ対策としてお聞きしたいのは、減税の問題です。 景気対策として減税の効果を図る場合、それがどれだけ消費に結びつくかが大事な物差しになると思います。そのことは総理も否定されないと思います。だからこそ、総理自身、先日の記者会見で減税の効果を問われて、どれだけ国民が消費に回してくださるか、あるいは貯蓄に回していかれるかが問題だという趣旨のことをお述べになりました。 私たちは、消費税の三%への引き下げとともに、低所得者が潤う所得減税の恒久化を求めておりますが、所得税の減税というのはすべてが消費に結びつくわけではない、そういう制約があるということもよく承知しております。まして、総理の言う二年限りのものでは、なおさら消費に回る分は少なくなります。ところが、消費税の減税というのは、物を買うこと、すなわち消費があって初めて減税が生まれる。これは貯蓄に回る心配はないわけであります。まさに消費と結びついた減税が消費税の減税だと私は考えます。 総理に伺いたいのですが、これは事実の認識の問題として伺いたいのですが、消費税の減税がそういう意味で消費に直結した減税だ、そういう性格を持つということはお認めになりますね。いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、私どもは公共事業はすべて悪だという考え方はとっておりません。(発言する者あり)先ほど述べられたことに対して意見は申し上げさせていただきたい。 そして、その公共事業の中で、議員はいろいろな形容詞をお使いになりましたけれども、例えば、私たち、阪神・淡路大震災の結果として、国土軸が一本しかない国の弱さというものをあのとき痛感いたしました。私どもは、複数の国土軸がこの長い日本列島には必要だと考えておりますし、その複数の国土軸をいわばそれぞれの地域で連結する、そうした役割の総合交通体系というものは必要だと考えておることをまず申し上げておきます。 その上で、消費税が消費に直結した税であること、消費税の減税がこれも消費に直結している、これは、消費に対して課税しているわけでありますから消費に直結していることは確かでありますし、そしてそれを減税するのが消費にやはり直結していることはそのとおりでございます。
○志位委員 まず、公共事業について総理の方からお話があったので、私言っておきますが、私は公共事業がすべて悪などと申しておりません。先ほども言ったように、ゼネコンだけが潤って、後に残ったのは借金だと言われるような、そういう浪費型の公共事業が全国にあるではないか、これを問題にしているのであります。 阪神大震災を引いて、国土軸を結ぶものが必要なんだということをおっしゃいました。その国土軸を結ぶということで橋もつくるのでしょう。いろいろな言いわけができるものだと思いましたが、私は、それを言うのだったら、まず被災者に対する公的支援に踏み切るべきだ、こう思いますよ。 ただ、その中で、総理が一点お認めになった点は非常に重要だ。消費税の減税は確かに消費に直結すると。(橋本内閣総理大臣「いや、消費税は消費に直結した税であり」と呼ぶ)はい、だから、消費税の減税は消費の拡大に直結するという趣旨のことをおっしゃいました。そうだとするならば、いいですか、そうだとするならば、私、これは景気対策として一番効果がある、このことは明瞭なんですね。 これは政府税調の専門委員の神野東大教授も、景気刺激効果を期待するのであれば、消費税をダウンするしかない、こう言っておられます。第一勧銀総研の専務理事の山家悠紀夫さんも、一番効果的なのは消費税の減税ですと。アメリカの高官からさえ、これは要求する筋じゃないと思いますけれども、消費税減税の声は聞こえてまいります。 やはりここが一番効果的だということは明瞭なんですから、これは踏み切るべきじゃありませんか。いかがでしょう。
○橋本内閣総理大臣 議員、大変巧妙に一言だけをつけ加えられて全然イメージを変えられたのですが、私は、消費税が消費に直結した税制であり、当然ながら消費税の減税もその消費に連結したものであるということは申し上げましたが、消費の拡大という言葉までは私は使っておりませんが、そこを議員は大変巧妙にお使いになりました。 そして、消費税の税率の引き上げというものが、既往の所得税、住民税等の減税先行の裏を打つものであり、同時に税体系全体のバランスの中で、今まで消費に対する課税というものが一定のウエートを持つべきだという直間比率の議論等々がありました中から今日を迎えておることも、ぜひ、よく議員は御承知でありますので、そうした点も触れていただきたいと存じます。
○志位委員 私は巧妙にあなたの答弁をねじ曲げたりしておりません。消費税の減税が消費に連結するとおっしゃったでしょう。消費に連結するというのは、消費に直結する、消費に結びつくと同じ意味じゃありませんか。そう認めた以上、それをやったらどうかと私は言ったんです。 それから、先行減税、先行の所得税の減税に対応するものだと、もう耳にたこができるぐらい聞いた。私はそのたびに反論してまいりましたけれども、こんなことを、もう余りこんな議論はやりたくないので、きょうは、そう言うだろうと思ってパネルをつくってまいりました。 これが一九九三年と一九九七年の税負担率の階層別の変化であります。青い方が九三年、赤いのが九七年、そのうち濃い部分が消費税分ですよ。ごらんになっていただけたらわかるように、第一分位から第四分位までは差し引き増税でしょう。差し引き減税になっているのは第五分位だけですよ。ですから、先行減税のためといったって、差し引き、庶民には増税をかぶせているのですから。これが不況を招いているわけですから。 私、きょういろいろ議論してまいりましたけれども、私は、あなたの答弁は、全体として、日本経済よりも自己の政権の延命を上に置いていると思う。国益よりもあなたの保身を上に置いていると思う。そういう総理には退陣を願うしかありません。そして、私は、解散・総選挙を行い、日本の経済の立て直しの方途について国民の審判を仰ぐべきだということを最後に主張いたしまして、質問を終わります。
○越智委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原委員 社民党を代表して、お尋ねをさせていただきたいと思います。 けさほど来、与党の先生方、また野党の各委員の方から大変手厳しい御質問がございました。野党ですから、確かに内閣の責任を追及する、あるいは与党の政治運営に対していろいろ御指摘をするのは当然かと思うのですが、同時に、私は破綻という断定はいたしませんけれども、こういう事態を一日も早くどう打開をしていくかということに、橋本総理初め内閣・与党は一体となって努力をしてきているわけでありまして、ぜひひとつ国民の皆さんもそのことを御理解願いたいと存じます。 そこで、持ち時間がわずかしかありませんので、二、三問しかお尋ねできないと思うのですが、野党の方々の御指摘に対してもぜひ謙虚に耳を傾けることは、私は政治運営の一つの重要なポイントだと思いますので、その点も踏まえながら、もう一つ、総理が九日に記者会見なされた中で、若干気になることがございます。 今回、政策転換と見ていいかと思うのですが、景気の現状からやむを得ないものと考えて、総理が四兆円の追加減税を決断なさった、これは九日の朝だったという報道がなされております。マスコミ報道でしかわかりませんが、自民党の一部にも、総理のこの決断に対して、十分な事前の打ち合わせがなかったというコメントがございました。 今一番大事なことは、与党内の政策調整あるいは協力関係を維持していくということと、とりわけ、その主軸となっている自民党内の不協和音等があってはいかないと私は思うのですね。そういう点についてもう少し御説明を願いたいということと、一部にはまた、米国からの要求に屈したものではないのか、こういう厳しいマスコミ等の指摘もあるわけですが、総理が四兆円の追加減税を決断するに至った直接の理由について、もう一度国民へのメッセージをお願いできればと存じます。
○橋本内閣総理大臣 自分なりに考えて行動をいたしますと説明がないといってしかられ、説明をいたしますと自分の考えを言わないといってしかられる。きょうも大変その意味では複雑な立場で御答弁を申し上げることになります。 その上で、確かに私は、九日に入りましてから与党三党、率直に申しますと閣僚の諸君にも九日に入りましてから相談をいたしました。それだけに、説明不十分というおしかりは、これは私は甘受しなければならないことであろうと存じます。 ただ同時に、ちょうどその前後、非常にタイミングのいい報道がどこかにあったと思うのですが、アメリカが我が党の大先輩に対して消費税の減税を要望し、その先輩は断固断ったという記事でありました。事実、是非はともかくも、先ほどの御質問に対しても、消費税、私は引き下げる意思なしという御答弁を申し上げましたが、私はやはり、おっしゃることはどこの方がおっしゃろうとそれはおっしゃる方の自由でありますが、日本として決めることは日本自身が判断をするということではなかろうかと思います。
○上原委員 そこは国民の間に誤解があったり、私もアメリカは余りにも我が国に対する内政干渉がましいことを言い過ぎる面があるのじゃないかと思うのですね、経済にしても、安全保障にしても。そのことを指摘して、今総理の御発言を是としたいと思います。 そこで、先ほど来議論になっておりますように、私は今回の総理の決断というのは評価をいたしたいと存じます。 問題は、この中で、四兆円を上回る大幅減税を行う。所得税、住民税については今年既に二兆円の減税を実施中であるが、さらに今年中に二兆円の減税を上積みをし、来年二兆円の特別減税を継続します。そのほか国民生活や経済活動にとって必要かつ有効な税制上の特別措置を講じたいと思う。いわゆる政策減税と言われるものです。福祉、教育あるいは投資など、さまざまなお考えがありますけれども、このような考え方を念頭に置いて、よく検討して結論を出していく。こういう記者会見の内容であります。 ここいらは、特別減税をぜひ恒久減税にしてもらいたいという強い要求があることは、総理、とっくにもう御承知おきのことでありましょう。マスコミの指摘も大体そういう点では共通しているやに思います。 その点を含めて、この必要かつ有効な税制上の特別措置を講ずると同時に、いわゆる政策減税という、福祉、教育あるいは投資などさまざまな、まあ税制全般の改正も含めてのことを御念頭に置いておられるかと思うのですが、このくだりは最も国民が関心を持つところだと思いますので、もう少し具体的な中身をひとつ総理の口から御説明をいただければと思います。
○橋本内閣総理大臣 政策減税というものにつきましては、本委員会におきましてもさまざまな角度からの御提案がございました。ある方からは、例えば住宅ローンの負担という部分に着目しての、ある方からは、育児というものにかかる費用というものに関し、さらに投資の、あるいは教育の負担の、さまざまな角度から御提言がございました。 私どもは、こうした点につきましても十分検討をさせていただきたいと考えておりますし、それぞれの御主張、それなりの理屈があり、それなりの根拠もお持ちなわけでありますけれども、すべてを一遍にすることもできない。その中で、おのずから優先度合いを判断していくプロセスにおいて、やはり社会的に必要とするもの、真に必要とするものがあるという視点から、これらの問題の検討もいたしたいと考えております。
○上原委員 私は、税制というのは全く素人でよくわかりませんが、直間比率の問題とか、あるいは法人税、あるいはまた課税最低限の問題とか、いわゆるグローバルスタンダードというのをどう是正していくかということも一応全体の仕組みの中ではお考えにならなければいかない点だと思うのです。 ただ、社民党としても、我々が強く要望しておきたい、また主張したいことは、要するに、所得税減税の対象にならない人、社会的に弱いお立場の方々にどう政治の光を与えていくのか、税制の配当をやっていくのか、減税とか福祉とかそういう面で。その点はひとつ、大蔵大臣も経企庁長官も、もう時間がありませんのでそれぞれ御答弁いただけませんが、強く御配慮を要望しておきたいと思います。 そこで、もう一点。特別減税を目に見える形で行うに当たって、今はもうおわかりのようにみんな給与は銀行振り込みなんですよね。だから、減税されても幾らされたのか、どうなっているのか、本人もわからなければ、奥さんも知らない、家庭も知らぬという、よくそういう茶飲み話があるわけです、お互いの会話の中に。せめて公務員関係だけでも、いろいろ技術的に難しいかもしれませんが、直接キャッシュで本人に給与の還元をするという点もお考えになった方が、私は、景気対策にもなるし、これを望んでいると思うのですが、これはどなたでしょうか、大蔵大臣かね。総理から。
○橋本内閣総理大臣 きょう、予算委員会のちょうどお昼の休憩時間、連合との政労会見の席でも、連合の皆さんから今の御提案と同じ御提案が出ました。とっさに、これ、皆さんの会社に言ってよと。たまたま民間単産の方が多かったものですから、皆さんの会社に言ってよと申し上げたのですけれども。 既に今、給与が自動振り込みになっております中で、果たして、これだけが減税分という現金をうまく手渡すような仕組みができるのかどうか。これ、私、結構大変ではないかと思うな、お互いにちょっと勉強してみようかと言いながら、実はまたすぐ予算委員会に戻らなければいけなかったので、議論はそこまででとまりました。 しかし、そうした御意見が、連合という労働者の極めて大きな組織体の中から意見として出てくる。やはりそれは減税というものを実感したいという思いからの御発言だろうと思い、私自身もこれを聞かせていただきました。 実施ができるかどうかというのは、これは個別企業によりましても相当開きがあります。議員からは今、公務員という御指摘でありましたが、果たしてこの公務員の給与のソフトに、こうしたものが別に手渡せるようなソフトができるのかどうか。これはむしろ現場の諸君にゆだねたいと思います。
○上原委員 今、私がこのことを言うだけでもここは明るくなっているじゃないですか、この委員会もね。これを五、六百万、七、八百万のサラリーマンにやることによって、明るくなりますよ。そうすることが、橋本総理のまた支持率も上がると思いますから、ぜひ実行してください。要望しておきます。 最後に、もう一点。総理の記者会見の中で大事な点が、別に意識してお触れにならなかったとは思いませんけれども、厳しい雇用情勢について、雇用対策に触れられておられないのですね、この間の記者会見、九日のことで。しかし、今もありましたが、労働者の生活擁護、権利保護等々の関係、あるいは企業倒産その他によって大変な雇用不安があるし、また現に起きている。 そういうことについては、やはり内閣として、きょう労働大臣おいでいただけませんでしたが、総理大臣、これもきちっと経済対策というか景気対策の中でやっていかれるということが大事だと思いますので、この点についてもひとつ総理の御見解と、こうしたいという御決意があればお聞かせを願いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 これは本来、労働大臣がおりますならもっと正確な御答弁を申し上げると存じますが、先日、同趣旨の御質問が他で出ましたときに、労働大臣が、二つのポイントに分けてこの問題について御答弁をいたしておりました。 一つは若年の方々の雇用の問題でありまして、ここも失業率は決して低くありません。ただ、ここは有効求人倍率も一を超え、ある程度の高さがある。ということは、職場はあるが自分の行きたい職場がないために就職をしておられない方がこの中にはある程度存在をする、こういうことが言えるのではなかろうかというのが、労働大臣のそのときの分析の一つの柱でありました。 そして、それに対して、中高年の場合に、有効求人倍率そのものが低い。それだけに、ここは非常に深刻にとらえている。そして、まず失業の予防と同時に、職を失ってしまわれた場合の再就職の促進などの雇用対策に力を入れなければならず、労働省として全力を挙げてそういう視点から取り組んでいく。ただ、基本的にも、雇用というものが短期的には景気や経済運営から影響を受ける部分を持っているので、早急に総合経済対策を策定し、景気回復の努力を続ける中に必要な雇用対策というものも位置づけたい、そのような趣旨であったと思います。 私も、そうした考え方でこの問題を眺め、そして自分たちのものとしてとらえ、今後の施策の中に位置づけていこうと考えております。
○上原委員 あと一、二分ありますから、もう一点。 先ほど私が意見を交えて要望しました特別減税を恒久減税化していくということについては、いろいろ御検討なさると思うのですが、その点はどうお考えかということをできればお聞かせ願いたいということ。 もう一つ。財政構造改革法、財革法の改正についてはいろいろあるでしょう。だが、これは改正をしないと景気、経済対策が難しい。一つ大きな抑止になる、抑制されている。二十四日までに政府並びに与党の方で総合経済対策を決めて、そして財革法は今国会中にぜひ改正の方向に持っていきたい、これが総理のこの間のお考えのように受けとめております。 これをやるには、けさほど来の議論がありますように、やはり野党の皆さんの協力も得たいという、もっと政府全体としても何か、与党だけの話もいいんだが、時には総理みずから野党の方にも協力を呼びかけるというぐらいの、もちろん与党の方のあれはやってからのことだと思うのですが、私は今そういう重要な時期だと思うのですね、総理。 やはりこの危機を乗り切るには、第一義的には与党の責任ではあるけれども、野党だって責任がないとは言えない。その点は、私は、やはり総理の問題提起の仕方によってはそういう雰囲気も出ると思うのですが、お聞かせを願いたいと存じます。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、所得税等の恒久減税化という点についての御質問をいただきました。 先般来も、本日もまた同じように御答弁を申し上げておりますけれども、やはりグローバルスタンダードというものがこの場合にも必要であろうと存じます。 その場合に、最高限度が高いということ、課税最低限がほかの国々に比べてより高いということ、それ以外に、年金課税あるいは資産性の所得課税の問題もあわせて議論をしなければならないということが言われております。 そして、そういう問題点があることを踏まえました上で、グローバルスタンダードというものを念頭に置きながら、政府及び党の税制調査会に早急に検討をお願いしたいということを要請いたしております。
○上原委員 終わります。
○越智委員長 これにて上原君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして経済対策についての集中審議は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会