予算委員会 第30号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/30
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成十年度一般会計暫定予算、平成十年度特別会計暫定予算、平成十年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。 まず、三案の趣旨について政府の説明を聴取いたします。松永大蔵大臣。
○松永国務大臣 このたび、平成十年四月一日から同月十八日までの期間につきまして暫定予算を編成することといたしましたが、その概要について御説明申し上げます。 まず、一般会計につきまして申し上げます。 暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定予算におきましても、人件費、事務費等の経常的経費のほか、既存の法令等により支払い期日が到来する経費などについて、暫定予算期間中における行政運営上必要最小限度の経費を計上することとしております。 なお、新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないこととしておりますが、生活扶助基準等の引き上げ、国立大学の学生の増募等教育及び社会政策上等の配慮から特に措置することが適当と認められるものにつきましては、所要額を計上することとしております。 また、公共事業関係費につきましては、暫定予算期間中における事業の継続的執行を図るため、一般公共事業につきましては、平成十年度予算額のおおむね二十分の三を目途に計上することとし、その枠内において積雪寒冷地の事業については、特別の配慮を加える等所要額を計上することとしております。 さらに、地方財政につきましては、四月に交付する地方交付税交付金に係る所要額を計上することとしております。 歳入につきましては、税収及びその他収入の暫定予算期間中の収入見込み額並びに前年度剰余金を計上することといたしております。 以上の結果、今回の一般会計暫定予算の歳入総額は四百九十九億円、歳出総額は七兆八千六百十一億円となります。 なお、七兆八千百十二億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることとしております。 次に、特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましても、一般会計の例に準じて編成いたしております。 なお、財政投融資につきましても、一般会計に準じ、所要の措置を講ずることとし、国民金融公庫、日本道路公団等十六機関に対し、総額四兆二千三百六十二億円を計上しております。 以上、平成十年度暫定予算につきまして、その概要を説明いたしました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○越智委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。 —————————————
○越智委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
○海江田委員 おはようございます。暫定予算の質疑でございますが、その前に、まず総理に自民党総裁としてのお考えを聞きたいと思います。 自民党は、三月二十五日に院内で役員会を開きまして、そこで連合との対応を協議したようでございます。新聞報道によりますと、毎年四月の初めに行っております、総理大臣、それから官房長官もお出ましになっておりますが、これと連合の三役との間のいわゆる政労会見でございますが、この政労会見のあり方も含めて、連合との関係を見直しをしようじゃないだろうかということがこの役員会で決まったやに聞いております。 これは事実かどうか、そして四月の初めの政労会見を打ち切るつもりでおられるのかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今官房長官にも確認をいたしましたが、党の方からこれについて内閣に御連絡は受けておらないようであります。 そして、内閣として、当然のことながら、受けておらない状況でございますから、そういった考え方をまとめているという状況ではありません。
○海江田委員 今私は、冒頭に、自民党総裁としてのお考えをお尋ねしたいということを申し述べましたけれども、最近の自民党が、労働団体、とりわけ連合というのは、これはもう私からるる述べるまでもないと思いますけれども、八百万人の勤労者を組織する日本最大の労働組合の組織でございますけれども、ここが、当然のことながら自分たちの要求を、これはもちろん私どもにもそういう要求は来るわけでございますが、与党の第一党の自民党に対してそういう要求をぶつけたいという、これは当然の要望あるいは当然の考えだろうと思いますけれども、それにつきまして、どうも新しい民主党をつくるのに連合が肩入れをし過ぎているんじゃないだろうかというようなことで、そういう八百万人を擁する労働組合の声を全く無視をするということ、こういう考え方は、政党のあり方として根本的なところで随分間違っているんではないだろうかというふうに私は思うわけでございます。 そういう声が現在党内で出ているということは、もちろん総裁として御存じのはずだろうと思いますが、それをそのまま許しておいていいのかどうなのか。いや、そういう考え方というのはちょっと行き過ぎだから、四月にはこういうような政労の会見もあることだから私はそれに臨みたいというようなことでお考えをお持ちになってもいいと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、党の問題と内閣の問題は分けてお答えをすべきだと思います。 そして、政党という立場になりましたとき、党大会にお招きをし、友好団体として御意見を伺おうとし、拒否をされました場合に、政党という立場からは、当然ながら、友好の手を差し伸べて、切られたという状況になった場合の対応というものはあると思います。それは、お互い党人という立場になったときには御理解のいただけることでありましょう。 同時に、内閣の中には労働省もございますし、またその掲げられる問題によってそれぞれのセクションがあります。国民の声を伺うのに分け隔てをするということも、またこれはいかがなものか。政党と内閣は分けて、そこはお考えをいただくべきではないでしょうか。
○海江田委員 それではお尋ねをしますが、向こうからわざわざ、そういう陳情等はないよ、政策、制度についての要求はないよということであれば、これはもちろんお出ましにならなくてもいいということも考えられます。ただ、これは四月になりますと、毎年の恒例として、政労のトップの会見というのは、これは内閣総理大臣と官房長官が官邸で連合の三役との意見交換をするわけでございますが、向こうから来るという希望があった場合、それは総理はお受けになるつもりがございますか。
○橋本内閣総理大臣 これは日程の調整はさせていただかなきゃなりません。日程の調整はさせていただかなきゃなりません。政府は政府として日々の業務を持っております。また、国会にお呼び出しを受け、関係閣僚、私をも含め不在ということもありましょう。ですけれども、そういう日程調整をして、会いたいと言われるものを、会いませんというお答えをする必要のあるものだとは思いません。 なお、労働大臣も同席いたしますのでお忘れにならぬように。総理と官房長官だけではございません。
○海江田委員 労働大臣にも今お尋ねをするところでございますが、伊吹労働大臣も、先日この委員会で、我が民友連の委員からの、いわゆる横並びの春闘方式についてかなり御意見があるということでございますが、伊吹労働大臣のところでは、これは当然のことながら、連合との交流というのはこれまで以上に活発にやらなければいけない、自民党がどういうことを決めてもというお考えですね。
○伊吹国務大臣 ただいま総理がお答えをいたしましたように、政府としては本当に、働く一人一人の労働者の代表である組織に対しては、いつも窓口はあけております。したがって、できるだけ連合も組織率を上げていただいて、そして働く労働者お一人お一人の立場に立って発言をしていただく限り、常に窓口はあけております。 それから、もう一つ申し上げれば、政府としては例えば経済団体とも意見の交流をいたしておりますが、経済団体としては特定の政党の支持ということは今まで明言されたことはございません。
○海江田委員 一人一人の組織率を上げろというのはこれは余計なことでありまして、きのうの東京四区の投票率だって大変低かったわけでございますから、これはそう簡単には、もちろん努力はしておるわけでございますが、組織率が高かろうが低かろうが、やはり八百万の労働者を、勤労者を代表している組織であるということ、日本で一番大きな勤労者の組織体であるということ、このことはしっかり念頭に置いていただかなければいけないと思います。 それから、総理はこの四月上旬の政労の会見というものをスケジュール等を勘案しながらということを今お話しされましたけれども、私は、冒頭にもお話をしましたけれども、自民党も、確かにきのうの選挙では自民党は勝ったかもしれませんけれども、その勝ちにおごることなく、やはり政党としていろいろな人の意見を聞こうじゃないかということで、政党としてそういういろいろな団体の意見も聞こうということで、窓をあけておくべきだというふうに私は考えております。 この問題は、いずれ国対レベルでもいろいろなお話があると思いますので、この時間では、この場所では、これ以上時間をとらないことにいたします。 さて、きのうは大変暖かい日で、花見日和であったわけでございますが、花見日和になれば、私は真っ先に尾身経済企画庁長官の顔を思い出します。これは、尾身経済企画庁長官は何度もこの席で、桜の花の咲くころと。私が実は一番初めに見たのはESPの年頭の所感のところで、尾身長官は、桜の花が咲くころに景気が回復をするということだったのです。 その後、国会の席では、一体どこの桜なのだということがいろいろな委員から質問が出ました。国会の席では、尾身長官はどの桜だということはおっしゃらなかったのですが、私の友人でテレビを見ていた人間が、どうも某テレビ局で、いや、東京の桜じゃなくて、これは東北の桜が咲くころだということを自分は言ったのだというような発言も私は仄聞をしている。これは直接聞いたわけじゃございませんからしかとはわかりませんけれども。ただ東北の桜にしろ、どうもこの陽気ですと、四月の十日ごろには桜の花が咲くのではないだろうかというふうに思われますので。 それから、大事なことは、減税も、二月、三月にわたって所得税の減税の分というのはそれだけ手取りがふえているわけでございますから、ここ一月ぐらいの間で何か景気の回復あるいは消費の拡大につながるような指標というもの、データというものは出てきているのでしょうか、どうなのでしょうか、お示しをいただきたいと思います。
○尾身国務大臣 桜の咲くころと申し上げましたのは、私は東京の桜という意味で申し上げました。この委員会でも、参議院の方でしたか、答弁をさせていただきました。 その意味は、四月一日の早期是正措置を控えて、三月いっぱい続くであろうクレジットクランチがあるということ、そのことが四月以降は緩和されてくるであろうということ、それから平成十年度予算が三月いっぱいに通ったならば四月一日からまさに各般の仕事ができる、お金が使えるということ、それから規制緩和に関します、例えば電気通信とか土地の有効利用とか、そういう規制緩和の法律が四月になって徐々に通るということなどなどを勘案して、桜の咲くころからは徐々に景気がよくなり始めるというふうに申し上げたわけでございますが、現状、まだ非常に厳しいと考えております。 いずれにいたしましても、一つの要因は、やはり十年度予算が、まだどうもきょう暫定予算の審議をしているような状況でございまして、おくれそうでございますが、一日も早くそういう条件を整えていただくことを切にお願い申し上げる次第でございます。
○海江田委員 今の尾身長官の答弁で、これまでの当予算委員会での答弁と違うところ、これまでの当委員会での答弁では、これは二月二十七日の鈴木委員に対する答弁、それから岩國委員に対する答弁もそうですが、いいですか、この桜の花が咲くころから景気が回復するというところの一番初めに必ず出てきたのが、二兆円の特別減税のことが一番初めに出ている。今、尾身長官は二兆円の特別減税については全くお触れにならなかったのではないですか。 この特別減税の効果はどうなっていますか。
○尾身国務大臣 余り長い答弁をするのもいかがかと思いまして、何回もお答えしていることは申し上げなかったわけでございますが、それでは最初から申し上げます。 最近の経済動向を見ますと、株価の動き等金融市場の動向に見られますように、市場心理には一部好転の兆しが見られますものの、金融機関の経営破綻あるいはアジア地域における通貨・金融市場の混乱等を背景に、家計や企業の景況感の厳しさが実体経済に影響を及ぼしており、景気は引き続き停滞していると考えております。 こういう状況の中で、今回の、先ほどの二兆円の特別減税あるいは既に実施しております緊急経済対策の一部、それから九年度補正予算あるいは金融システム安定化対策、さらには、先ほど申し上げました、法人税の減税あるいは有価証券取引税の減税あるいは土地関係の譲渡益課税の減税などなども含みます予算関連法案、そして十年度予算、そういうことが全体としての相乗効果を持って有効に働いてくるというふうに考えている次第でございまして、そういう政策が四月一日から、先ほどの早期是正措置が一応四月一日に終わるということも含めまして、進んでくる、そういうことを申し上げているわけでございます。 なお、前回申し上げました中で、四月からの経済の統計というものは、やはり全体が出そろうのは二カ月程度おくれるということでございまして、統計数字に出てくるのはそのくらいのタイムラグがあるということもあわせ、たしか前に御答弁を申し上げた次第でございます。
○海江田委員 もちろん、統計数字のタイムラグということは考えていいと思うのですが、私が今ここで議論をしたいのは、実はその特別減税が本当に効果があったのかどうなのか、二兆円の特別減税が。まず、この特別減税の総括をやはりどこかの時点でやらなければいけないのではないだろうか。 といいますのは、本日は暫定予算でございますけれども、もう既に補正は既成の事実になっておる。これは後で総理にもじっくりお考えをお尋ねしなければなりませんけれども。やはり補正の場合も、公共事業か減税なのかという話がございますから。 ですから、ここでまずお尋ねをしたいのは、もちろん完全に資料が今現在出そろっているというわけではありませんが、例えば二月の全国の百貨店の売り上げでありますとか、全国のスーパーの売り上げでありますとか、あるいは車の販売台数でありますとか、そういう消費に結びつきましたデータというのは幾つか出ておるわけでございますね。だから、そういうものを見まして、どうもこの特別減税というのは、確かに当初考えていたように、十全の効果というものを発揮したのかどうなのか。それとも、どうもこの二兆円の特別減税というのは、余り思っていたほどの効果を上げないのではないだろうか。 理由は後からいろいろな理由が考えられると思いますけれども、今現在のところで、もうまさに三月三十日で、先ほど来お話をしておりますように、桜の花も咲いているときですから、やはり桜の花の咲いているときに景気が回復をするということをおっしゃったのならば、最低今の時点で、やはり何といっても、桜の花が咲くころと言った一番大きな理由というのは所得税の特別減税の効果と金融システムの安定化の二つなんですよ、まず真っ先には、この四月ということを言ったのは、桜の花が咲くころと言ったことは。 だから、そこのところの片一方が既に実施をされたわけですから、きのうあたりも、いろいろお忙しかったとは思いますけれども、町の中の様子を見ればどういう状況かというのはわかるわけですから。だから、まず、その特別減税の効果というものはあったのか、ありそうなのか、それともどうも思っていたほどないのではないだろうかというそこのところ、全くわからないのですか。全くゼロなのですか。私どもの方がある程度わかっていますよ。そこをお聞かせください。
○尾身国務大臣 二兆円の特別減税の実施時期でございますが、そのうちの一兆円は二月末から三月にかけて、給与所得者を中心とする所得税の戻しという形で行われたわけでございます。それから、事業所得についての戻しは大体六月ごろに、国税の場合でございますが、行われるということでありまして、それが四千億円。それから、同じく、同じぐらいのころに地方税の戻しが六千億円ということでございます。 二兆円のうち一兆円は既に二月の末から三月にかけて出されているわけでございますが、まだ残りの一兆円はこれから、六月前後ということになっているということでございます。したがいまして、その効果というのは、数字に出てくるとすれば三月以降になるのではないかというふうに考えているところでございます。 この二兆円の特別減税は、先ほど申し上げましたとおり、二月、三月は実体経済の面で、早期是正措置を控えての金融状況、あるいは十年度予算がまだ支出されないという状況、そういう状況を踏まえますと、経済にとって大変大事な時期に当たるというふうに考えておりまして、その時期に、現実には一兆円程度でございますが、支出がされたということは非常に効果があった、あるはずであるというふうに考えております。 ただ、統計数字に出てくるのは、まだしばらく待たないと出てこないというふうに考えている次第でございます。
○海江田委員 特別減税のやり方がどういう時期でということは、これはもう皆さん知っておることであります。 私ども、本来でしたらこれは昨年末の年末調整などでやった方が効果がいいのではないですかというような議論をやったときに、二月、三月というのはまさに平ったく言えば物入りの時期だし、この時期に適宜適切に二兆円、実際には一兆、一兆ちょうどじゃないですよ、一兆よりもう少し多いわけですけれども、そういう時期で適宜適切に、つまり非常に簡単な戻し税の形ですから、手取りがふえるわけですから、それが消費に回るじゃないですかということは、長官おっしゃったのじゃないですか。 何で二月、三月にやるかといったら、まさに平ったく言えば、そのころは入学もあるし、進学もあるし、それからいろいろ転勤だとか何だとかもあるし、物入りのころだから、そのころに減税をやればそれなりの効果はあるのではないですかということをおっしゃったのじゃないですか。 それがどうなったかということを、この三月の末にお尋ねしているのです。
○尾身国務大臣 二月の末にも海江田委員から同じようなお話があったと思いますが、そのときもこの席で申し上げましたが、とにかく減税をして、夫婦子供二人の標準世帯のサラリーマン一世帯四万五千円程度減税になるわけでございますので、ぜひそれを使っていただきたいと。使わなければ経済に対する効果はゼロでございまして、使っていただく限りにおいて効果が出るということでございますから、使っていただきたいというふうに申し上げました。 それで、どの程度それが出てきたかということについては、まだ統計に出てきていないわけでございますが、経済全体としてはいろいろな状況もございます。景気自体は停滞しているという状況でございますので、その結果がどういうふうに出てくるか、もう少し様子を見なければならないと考えている次第でございます。
○海江田委員 私も自分の事務所で人を使っておりますから、独身者がいまして、独身者にはこの間一万八千円戻しましたよ。それから、奥さんがいて子供もいる人間にはもうちょっと、三万円から四万円ぐらい戻しをしましたけれども、聞いてみたら、使っていませんよ。それから、そのほかの人たちに聞いても、使っていないのですよ。私が、何で使わなかったのだということを聞きましたら、理由を二つ挙げましたね。 一つは、やはり額が少ないからだということを言っていました。まあ多ければ多いほどいいのでしょうけれども、これはいろいろな考え方がありまして、そんなむやみやたらというわけにはいきませんけれども、今言ったような単身者で一万八千円とか、世帯を抱えている人で、これは所得税分ですから、この二月、三月ではせいぜい三万円から四万円です。これでは少な過ぎますよという意見が一つ。 それからもう一つの意見は、一回こっきりでしょうと。ここで手取りがふえてしまえば、この後はまたいつ増税になるかわからないから、一回こっきりの減税ではだめですよという、この二つの理由なんですよね。 だから、もしこれから減税をやるとすれば、やはりこの二つのポイント、なぜ消費に向かわなかったかということをある程度考えて、そういう考え方に対してきちっとこうだからだよということを説明しなければいけないと思うのですけれども、今、たまたま私が聞いてみた意見の中にあったこの二つの理由、額が少ない、それからもう一つは、一回こっきりではだめですよという意見、こういうような意見があって使わなかったという人に対して、尾身長官はどういうふうにお答えをしますか。
○尾身国務大臣 使わなかった人ばかりではなく、使った人もかなりいると思うのでございますが、たまたま海江田委員が聞いた方が使わなかったということではないかと思います。 それから、現在の消費に対する効果という点でございますが、消費性向がここ数年ずっと下がってきております。そして、その下がってきているのは二つ要因があると考えておりまして、長期のトレンドの話でございますが、一つは、やはり失業率がここ七、八年の間に二・一%程度から最近の三・六%まで徐々に上がってきていること。それからもう一つは、株あるいは土地の価格が下がりまして、資産デフレが非常に大きかったこと。そういうことが構造的な要因で消費性向が下がってきている。そのことが、経済がなかなか立ち上がりにくい原因であろうと考えている次第でございます。 それからもう一つは、これは昨年の暮れからのことでございますが、九月の時点で家計調査の消費性向は七一・九%でございましたが、一月までの四カ月間にこれが三・三ポイント下がりまして、六八・六%にまで急速に下がってきている。このことは、実は、昨年のアジアの経済の動向あるいは金融システム不安等によります景気の先行きに対する信頼感というものが非常に低くなってきていて、そのことが非常に大きな影響を消費マインド、消費性向に及ぼしているということでございます。 基本的には、将来の展望がしっかり開けるようになることが、消費が拡大してくる要因であるというふうに考えておりまして、それには、十年度予算も含め各般の施策を行って、日本経済そのものを全体としてしっかりとした回復軌道に乗せ、そして回復軌道に乗っていくなということについて、消費者のマインドが自信を持ってそういう見通しが得られるようになりました際には、徐々に消費は回復してくるものと考えている次第でございます。
○海江田委員 今るるお話がありましたけれども、私がお尋ねをしました、額が少なかった、それから一回限りだったということ、このことは、これから、補正で減税の話も出ておりますが、修正をされなければいけないことになるだろう、今度減税をやる場合は。 ただ、もう一つ問題なのは、今尾身長官からもお話がございましたけれども、やはり雇用の問題でございますね。 参議院でも、実はこれは労働大臣がお答えになりましたかね。今度いよいよ学校を卒業して、そして就職できない人たちが現実に今いるわけですよ。私の周りにもいるわけですけれどもね。こういう人たちが、今の失業率の上にさらに上乗せになる。そういう統計が、これもまた何カ月かおくれて、恐らく六月ぐらいに発表されるであろう。 ということになりますと、どうですか、これはちょっと通告してございませんでしたけれども、雇用の情勢は、ここ半年ぐらいで回復する可能性というのはありますか、数字がよくなる可能性というのはありますか。
○伊吹国務大臣 まず、参議院でお答えをいたしましたのは、御質問が、今就職できていない人はどの程度いるかという御質問でございました。正確な数字はちょっと手元にございませんが、そのうちの大体四分の三の方が年度末いっぱい、つまり三月いっぱいで就職をされるというのが従来の数字的な趨勢でございます。そうしますと、それが失業率に与える影響は〇・〇幾らだということを実は私はお答えしたわけでございます。 それから、全般的な雇用は、先生がおっしゃったように、中長期的な問題は別としまして、当面はやはり景気状況に左右されます。したがって、これは経済企画庁長官に御答弁をお任せしなければならないのですが、やはり金融不安を起因として、構造的に消費性向が非常に落ちております。 これは、七二あった消費性向が今六八ぐらいになっておるわけでして、それだけ消費が落ち込めば当然生産も落ち込んでまいるわけですから、この消費性向が落ちた原因が何に起因するのかということを突き詰めることが最大の景気対策であって、私は、やはりそれは金融不安による貸し渋り、資産の目減りにあると思いますから、金融二法が着実に実行されることによって貸し渋りが解消されるということが一番大きな景気対策だと思っております。 それに、法人税減税等を含めた現在お願いしておる平成十年度予算関連法案が通りますれば、まあ企画庁長官は桜の花の咲くころ、しかし、先生御承知のとおり、数字は二、三カ月おくれますから、私はその状況を見きわめるということが一番大切だと思っております。
○海江田委員 それだったら、これは本当に補正は要らない話になってきますよ。 それから、大蔵大臣、今労働大臣は、まず貸し渋りだ、この貸し渋りが何とかなれば、それは当然のことながら景気回復に大きく役立つんだというお話をされておりましたけれども、どうですか、大臣、貸し渋りは本当に解消するんですか。この間、ああいう形で金融機関から資本注入の申し出があって、それぞれ資本注入をしました、優先株だとか劣後債だとか劣後ローンで。これで本当に貸し渋りが解消するんですか。 私がここで審査委員会の佐々波委員長などにもお尋ねをしたとき、貸し渋りということよりもシステム全体の安定の方が第一義なんだということで、余り貸し渋りに力点を置いていなかったように私は受け取っているんですよ。 現実問題、本当に貸し渋りを解消するためには、例えば地方銀行なんかが資本注入の申し出をしなければいけないのに、地方銀行でやっていたのは横浜銀行、これはまあ会長行ですからおつき合いでやらなければいけない、あとは足利銀行と北陸銀行、この三つだけですからね。本当にあれで貸し渋りが解消できるんですかね。 私は、むしろ大きな流れからいったら、貸し渋りというのは、これまで日本はそういう意味ではいわゆる銀行からの間接金融に頼り過ぎをしていたので、だから、貸し渋りがあると一遍に困るわけですよ。そうじゃなくて、直接金融、マーケットから企業がそれぞれに直接資金を調達する、そういうものをやはり育てていかなければいけない。 貸し渋り、貸し渋りというところだけに焦点を当てて、そして貸し渋りを解消させるためにあれだけの資本注入をやったんだというようなことを言っていますけれども、これは本当に貸し渋りが解消できるんですか。そういうのが、間もなくあと一カ月か二カ月でもってデータにあらわれて出てくるんですか、どうなんですか。大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 委員もよく御承知のとおり、今回の金融安定化緊急措置法、法律の条文に書いてありますとおり、一番大事なのは、やはり日本の金融システム全体についての内外の信認が揺らいでおったわけでありますから、それを解決していくというのが主たる目的でありますけれども、同時に、銀行の自己資本が充実してくれば健全な中小企業等に融資をして、そして利息をちょうだいするというのが本来的な銀行等の業務であります。 今直接金融の話がありましたが、市場で社債を発行して資金を獲得できる企業というものは、これは大きな企業に限られます。中小零細企業はいわゆる間接金融、銀行等の融資に頼らざるを得ない、こういうことでありますから、その意味では、銀行等の自己資本充実を通じて中小、中堅、零細、そういった企業に対して順調に資金が流れていくということ、これが経済の安定のために極めて大事なことだ、こういうふうに私は思います。 今回の資本注入措置によりまして、明らかに自己資本はその分だけ充実してくるわけでありますし、同時にまた、審査の過程において、申請銀行から経営健全計画というのを出させました。その健全計画の中に、すべての申請銀行から、金融の円滑化をこれこれこういうやり方でやりますというふうな約束も取りつけておるわけでありますし、そしてまた、この間はわざわざ総理がみずから金融界の首脳を集めまして、金融の円滑化についての要請もしたところであります。 私は、こういった措置、申請銀行のリスクアセットの増加額の合計が六兆円となっておるわけでありますが、これは三月末時点における増加額が六兆円、こういうことになっておると思うのでありまして、今後ともそれだけ融資の枠を拡大するという方針を各行持っておるわけでありますから、私は、金融機関の貸し渋りというものも徐々に解消していくはずだ。 解消しないのであれば、大蔵省としては、いろいろな機会を通じて今実態も調べておりますし、それからまた、少なくとも審査委員会に対して、金融の円滑化をやります、こう言っている銀行に対しては今後とも十分フォローしていって、そして貸し渋りがなくなるように今後とも努力をしていきたい、こう考えておるわけであります。
○海江田委員 これは大蔵大臣でなくて政府委員でもいいかと思いますけれども、この間資本注入をしました各行で、計算上貸出枠が広がるということはわかるんですけれども、今大臣から、お尋ねをすれば、円滑化についてこれこれこういう円滑化の方策をとりますよというお約束をしたそうですが、じゃトータルで幾らぐらい新規の貸し出しをしますというような約束は取りつけたんですか。枠は計算をやればすぐできるんですけれども、大体何カ月ぐらいの間にこのくらい貸し出しをしますよというお話はあるんですか、どうなんですか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 健全化計画の中に、資本注入前と資本注入後でリスクアセットがどういうふうに変わるかという資料もとってございます。それによりますと、大臣が申し上げた約六兆円が増となっております。 ただ、資本注入前というのを物すごく厳しく見ていますと、資本注入後というものの水準というものは別途問題になろうかと思いますが、いずれにせよ、資本注入によるリスクアセットの効果というのは六兆円という数字は一応出ております。
○海江田委員 それはもうわかり切った話であって、資本注入することによってリスクアセットの金額が六兆円、さっき大臣が言ったとおりなんですが、これは別に、各金融機関から、じゃそれならば幾ら枠を拡大してそれを実行しますよなんという約束はとっていないんですよ。 これは、別に、とることがいいことだとは私は思いませんよ。とることがいいことだとは思わないけれども、さもこの資本注入によってすぐ融資の枠が拡大をされて、企業の人たちが金融機関に訪ねていけば、ああいらっしゃいいらっしゃい、今度は貸し出しをしますよというような錯覚を与えやしないだろうか。そんなことには全然ならないんですね。これまでと同じなんですね。あるいは、場合によってはこれまでより厳しいかもしれない。 ですから、この資本注入の話、金融システム安定化の話というのは、本当にすぐに効果があるんだろうかどうなんだろうかということ。確かに、目に見える形で金融機関の倒産というものはなくなるかもしれない。それから株価も、これも後で時間があればお尋ねをしますけれども、プライス・キーピング・オペレーションで何とか維持がされるかもしれない。だけれども、本当は、金融機関や証券市場が抱えている問題というのは全然解決をしていないんだということ、このことはお話しをしておきます。この後恐らく補正予算でも質問の機会があると思いますからそちらに譲ります。 これから総理に幾つかお尋ねをしますけれども、手始めに、東京四区の衆議院補選、昨日自民党さんの公認候補がお勝ちになりました。総理も、一昨日応援に行っておりますが、街頭だということもありまして、それから、やはり選挙、まさしく翌日が投票日なわけですから、大変張り切られて演説をされまして、ここのこの委員会などで議論をしているより若干やはりトーンが上がったようでございますね。 そこでおっしゃられたことというのは、まず減税についてですけれども、政府の立場だけでなく、国会の立場からいただく議論の中で、使える意見はどんどん使わせていただき、その中でこの国の経済を回復軌道に乗せようとしている、それからもう一つ、与党の方から大きな将来に向けての経済対策が政府に届けられた、私たちはこれを勉強し、実現するよう努力しなければならないということですけれども、このとおりの発言を、蒲田ですか大森ですか、駅頭でなさいましたね。
○橋本内閣総理大臣 多少不正確だとは思いますけれども、おおよそそういう趣旨の話はいたしております。間違いなく、国会での御論議、それ以外のところから届けられる御意見、さまざまな御意見の中でよいものは使わせていただく、そして与党から経済対策が提起をされた、重く受けとめという言葉を私は使ったと思いますが、重く受けとめ勉強させていただく、そして、それを実現していく努力もしなければならないという趣旨のことは申したと存じます。
○海江田委員 まず、国会の立場からいただく御議論ということでございますけれども、国会の立場からやっております議論というのは、これはわけても野党でございますけれども、これはもう口をそろえまして、減税の話なんですね。これ以外の話は、若干後で触れます財政構造改革法の話もございますけれども、では、減税以外に何だというふうにお考えになって、何を念頭に置いて、そしてこういう発言をなさったんですか。
○橋本内閣総理大臣 お互い、選挙のときには、それぞれ国民に訴えるべきことを一生懸命に訴えます。 その上で、私は、国会での御議論と申しますならば、例えば、財革法に関連し弾力条項の御提起があったこと、あるいは議員から建設公債と特例公債の区分をなくせという御意見があり、私はそれは必ずしも賛成をいたさず、むしろ期間の短い国債をというような御議論をいたしたこともございます。そのようなさまざまなことを頭に浮かべながら、国民への訴えはいたしておりました。
○海江田委員 今、総理は、財革法の弾力条項のことと、それから財革法の中の建設公債、赤字公債の話だということですけれども……(橋本内閣総理大臣「いや、例示で挙げました」と呼ぶ)例示で挙げましたけれども、減税については、これだけ多くの野党の委員の方々からの声が上がっている。それから、これは与党の中だって本当は上がっているんですよ、それぞれが地元に帰りますと。あるいは地元に帰らなくても、国会の中の、この委員会での議論というのは余りありませんけれども、それぞれの立場で……(発言する者あり)今深谷筆頭から、あったということを言っておりますが、これはまず、もちろん弾力条項のこともこの後でお話をしなきゃいけませんけれども、やっぱり今一番国民が期待をしておりますのは、国民だけじゃなくてマーケットもそうなんですけれども、減税を一体どうするんだ、まさにそこの一点にそれこそ国民の目は全部集まっている。 それから、国民だけじゃない。これから総理は、いよいよ明々後日の、二日ですか、ここでもお話をいただきましたASEMにお出かけになるということもあるわけですから、そのときは、みんな注目をしているのは、総理の口から減税という言葉が出るかどうかということを期待しているわけですよ。それがなければ、おめおめと帰ってこれるんですかね、どうなんですかね、これは。私は、大変それを危惧をしております。日本の国にとりまして、そこはどうなんですか。
○橋本内閣総理大臣 おめおめと帰ってくるというお言葉は、私は多少不穏当なお言葉だと思います。 国益を守るための議論をするのは当然でありますし、その議論、推移はわかりません。しかし、日本国として、私は尽くせるだけの努力をして帰るつもりであります。
○海江田委員 今ちょっと私の言葉じりをとらえた御答弁で、肝心の方は……(橋本内閣総理大臣「言葉じりじゃありません」と呼ぶ)いやいや、私が何でおめおめとかと言うかといいますと、この減税の問題につきましては、与党の間からも、やっぱりこれを断固やるべしだという声があるんですよ。 総理は、四面楚歌という言葉の意味を御存じですか。
○橋本内閣総理大臣 私も中国史はそれほど読まない方ではないと存じます。恐らく、項羽の心境はいかばかりかという答えを御期待かもしれません。 そして、その上で、税制の御議論があったことを、決して私は否定もいたしておりません。そして、その上で、それぞれの税制について御論議がありました。そして、例えば所得税減税について、私は慎重な検討を要するというお答えをしてきております。 同時に、わざわざ選挙演説を引用されましたので、私の方で一つつけ加えますならば、その前に、これは選挙とはかかわりなく、今までにも実は機会を見て、私は、大田区というのは中小企業の非常に技術的集積の高い地域ということで、通産大臣のときも運輸大臣のときも、いろいろな角度でこの地域の方々の意見を伺ってきました。 そして、先日伺いましたとき、この中で、税に触れられた方もございました。そして、より共通して深刻に出てまいりましたのが、後継者を含めた人材確保、技術者養成という問題であり、また、我々が気づいていなかった問題として、高度化資金の問題がありました。そうした御意見というのは、私は大事に受けとめて、これからの検討の中で生かしていきたいと考えておることは事実であります。
○海江田委員 さっき、ちょっと項羽の話が出ました、四面楚歌ですけれども。私、四面楚歌という言葉を読んだとき、最初はちょっと誤解をしていたんですね。項羽というのは楚の国ですね、片一方の劉邦は漢の国ですね。あれは、垓下の戦いというところがありまして、追い詰められたのは項羽なんですよ。項羽が、周りがずっと敵に囲まれて、その敵から実は楚の歌、自分のふるさとの歌が聞こえてきた。これはもう総理、よく御存じだろうと思いますけれども、やはりそこに彼の二重の苦しみというのはあった。 敵の漢の国の歌が聞こえてくる分にはこれは別に構わぬわけですけれども、まさに自分のふるさとの歌が聞こえてきたわけですから、そこで項羽は、最後に、本当は船が出てきて長江を渡って自分の国へ帰ることができたんだけれども、あそこでもって、自分は何のかんばせあって、何の面目があって帰ることができようかと言って、自分でおりていって死んだわけですよね。だから、そういうことを念頭に置いて、おめおめと何で帰れようかという、それくらいの決意で私は臨んでいただきたいということでお話をしたわけです。 この減税の問題につきまして、私は、総理とも何度か少し一般論でもって議論をしましたけれども、課税最低限をこれ以上上げるようなことというのはやるべきでないだろう、世界的に見まして。そうなりますと、一つ問題があるのは、今、日本の場合、税率の刻みが一〇%から五〇%まで五本になっていて、そして住民税の一五%を入れると、最高税率でいうと六五%で、世界の、アメリカは四〇%ぐらい、ヨーロッパは五〇%ぐらいというところから比べると、やはりかなり高いんですね。 この税率の刻みをどうするかということは、当然議論をしなければいけないというふうになるだろうと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、ですから、税制のときに、逆に課税最低限の問題は、あえて答弁の中でも提起をさせていただいてきました。上限についての御論議は特段私からいたしておりません。なぜなら、今まで往々にして、上限の御論議が行われますとき、院の御論議の中において、金持ち優遇という声が非常に大きく吹いていたことを思い起こしておったからであります。 同時に、税制というものの持つ公正性、中立性、簡素性というものを考えていきますときに、前回までの改正で随分簡素化したことは、これはお認めをいただけると思います。そして、その時点における上限の御論議というものも存在をいたしました。そうしたこと全体を思い起こしながら、私は、慎重な検討を要すると思いますというお答えを申し上げてきたと記憶をいたします。
○海江田委員 確かに、最高税率の引き下げをすると、これは金持ち優遇だという声が出るのは当然なんですが、ただ、私は、先ほどるる経企庁長官と今度の特別減税の議論をさせていただきましたけれども、もし特別減税が効果がなかったとするならば、やはり今度のようないわばばらまき型の減税というのが果たしていいんだろうかどうなんだろうか。 それから、これは委員会でも言わせていただきましたけれども、今回のような減税のやり方というのは、一回限りならばそれでいいかもしれない。私は愚の骨頂と言いましたかね。そしたら総理も、確かに愚の骨頂だという御返事をいただいたと思うのですが、恒久減税にするのならば、やはりかなりきちっとした制度減税をやらなきゃいけないということ、このことは総理と私とそんなに考え方は違わないだろう。 しかも、そのとき、住民税も入れて六五%をもう少しやはり下げるということは、これは考えなければいけないんだろうというような認識を持っているということ、このことはお伝えをしておきたいと思います。 これ以上ちょっと時間がありませんので議論できませんが、もう一つだけどうしてもお尋ねをしておきたいのは、私は今回、もう一度改めて今財革法の見直し、総理は、財革法の弾力的な運用というお話がありました、あるいは弾力条項を設けるというお話がありましたけれども、もう一つ議論で出ておりますのは二〇〇三年ですね、財革法のゴールを二〇〇三年と定めることはどういうものだろうというような議論がございますね。 これは、ずっときのう昔の資料を取り戻して読んでみましたら、二〇〇三年までということを言い出したのはまさにこれは総理なんですね。これはもう一番御本人がよく……(橋本内閣総理大臣「形式的には」と呼ぶ)形式的にはということですけれども、最初に、その前からの話では、二〇〇五年までのできるだけ早期にということでずっと言ってきておるわけですね。それまで、二〇〇五年までのできるだけ早期に国及び地方の財政赤字の対GDP比三%云々、それから特例公債から脱却するということ、全部二〇〇五年までのできるだけ早期という書き方をしておるのです。 そして、それがこの二〇〇三年に決まりましたのが、去年の三月十八日の財政構造改革五原則の提案の中で、財政構造改革の当面の目標は二〇〇三年にするというふうに決まっているわけですね。これは、二〇〇五年までのできるだけ早期というのを、どうして二〇〇三年と区切られたんですか。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○橋本内閣総理大臣 ちょっと細かいやりとりは忘れましたけれども、大ざっぱに言いますならば、二〇〇五年までのできるだけ早い時期というのに対して、もっと時期を明確にすべきという御論議があり、それを受けての結果であったと思います。
○海江田委員 では、これは二〇〇四年でもいいわけですね。 あるいは、去年の三月というのは、先ほど来お話がありましたけれども、四月一日から消費税が上がるわけですから、まさに去年のきょうあたりなんかは、この三月の三十日とか三十一日は、みんなスーパーに行って買い物したり、それから百貨店に行って買い物をしたりとかいうことで、大変消費が伸びていた時期ですね。それから景気も何とかよくなるんじゃないだろうかということで、そういう意味では、当時としては二〇〇三年ということも一つの考え方かもしれませんけれども、この二〇〇三年を二〇〇五年に延ばすとか、そういうようなお考えは全く考えておられませんか、どうですか。
○橋本内閣総理大臣 今、財政構造改革の必要性ということは議員も御否定にならないという前提で私は申し上げたいと思うのですけれども、今までも私は、財政構造改革の必要性というものの中で、当面とらなければならない対策については臨機応変の措置ということを繰り返して申し上げてまいりました。そして、そういう意味では私はいわば当然のことを申し上げてきたと考えておりますし、今も同じことを申し上げます。 その上で、さらに申し上げれば、今、財政構造改革法の見直しを具体的に念頭に置いて申し上げているわけではないということは付言させていただきたいと思います。
○海江田委員 持ち時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○伊藤(公)委員長代理 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。 次に、北側一雄君。
○北側委員 平和・改革の北側一雄でございます。 まず最初に、現在の経済情勢の認識についてお聞きをしたいというふうに思っております。 御承知のように、先般発表されました九七年十月から十二月期、第三・四半期の実質経済成長率は、年率にしますとマイナス〇・七%ということが三月十三日に経企庁から発表されました。また、当委員会でも経企庁の長官から、九七年度は、この一月の補正の段階で、一・九%から〇・一というふうに下方修正されました。 ところが、この下方修正した〇・一%も、どうも達成は困難であるという御答弁もされております。〇・一%というふうに、一・九から〇・一に修正したのは一月十九日でございますので、二カ月足らずで、その見通しを事実上放棄されたということでございます。 先般の総括質疑でも同僚委員から質疑がございましたが、今連日のように出ております経済指標を見てみますと、どれもこれも極めて悪い。史上最低だとか、何年ぶりだとかという言葉が次から次へと続いておるわけでございます。 先ほど来も話が出ておりましたが、失業率は、先週の末に発表されましたが、過去最悪の三・六%。 さらに、百貨店とかスーパーの売り上げも本当に悪い状況でございまして、ことしの二月の売上高が、ことしの二月というわけですから既に特別減税が実施されております、この二月の売上高が、百貨店が六・六%減、スーパーが五・〇%減、十一カ月連続前年割れ、特別減税の効果が全く出ておらない、こういうふうな報道も出ております。消費も極めて低迷しておる。 先ほど来お話がございました消費性向も、七〇%を切って六八%台、これも史上最低でございます。さらに九八年春闘も、賃上げ率は史上過去最低でございまして、どうも平均二・七%どまりではないかと言われています。企業収益も、四年ぶりの減少であるというのが出ております。企業倒産は、一方では史上最高でございます。設備投資の話は後でまた詳しくやりたいと思いますが、設備投資も、極めて見通しが厳しい状況の報告がなされております。住宅建設も思うように伸びない。 こうした経済指標が連日のように次から次から出ておるわけでございまして、先ほども話が出ていましたが、景気の現状は、桜の咲くころには回復どころか、ますます景気後退の局面に入ってしまっておるというのが明らかな事実であると思うわけでございます。 最近、この一週間ぐらいで、日本のシンクタンクがさまざまな研究成果を発表しております。九七年度、九八年度の経済成長がどうなるのかということを、この一週間ぐらいで次々に発表をしております。 ちょっと御紹介をさせていただきますと、例えば三月二十五日、五日前には、野村総研が九八年度の経済見通しを発表いたしました。それを見ますと、九八年は、公共事業費の追加真水ベースと減税の合計でそれぞれ五、六兆円の大型経済対策が実施されることを前提にして、九八年度の実質経済成長率は〇・一、そして九九年度は〇・五と、辛うじてマイナス成長を回避するにとどまる、このような予測を野村総研がしております。 さらには、大和総研は三月二十三日にやはり経済予測をしております。景気後退の長期化が懸念される日本経済、こういう見出しで、どういう予測をしておるかといいますと、九七年度、今年度は実質経済成長率はマイナス〇・七だ、そして九八年度はマイナス〇・五だ、二年間マイナス成長が続く、このような報告をしております。 この大和総研の経済予測も前提がございまして、この前提がやはり経済対策をするのをもう既に織り込んでおりまして、九八年四月以降に検討されるであろう経済対策は事業規模十兆円、内訳は公共投資五兆円、財投を通じた政府系金融機関融資枠の拡大五兆円、公共投資のうち真水の部分は四兆円、こういう前提で、先ほど申し上げた九七年度マイナス〇・七、九八年度マイナス〇・五と二年間マイナス成長が続く、こういう予測をしております。これが三月二十三日でございます。 先週この二つが発表されたのですけれども、ちょっと前に日本経済研究センターもやはり予測をしておりまして、これは、九七年度予測がマイナス〇・五、そして九八年度予測は一・二、このような予測をしておるわけでございます。 こうした、最近ここずっと出ておる、消費だとか、設備投資だとか、生産だとか、所得だとか、雇用だとか、それから在庫だとか、こういう経済指標が極めて私は厳しいと思うのですけれども、そういう経済指標をごらんになられて、また、今私が申し上げた、日本の権威ある研究機関が今年度、来年度の経済成長を見通しております。極めて悪い。政府の言っておるのと全く違う。こうした報告を当然総理はごらんになられておると思いますけれども、総理、現在の経済情勢をどのようにごらんになっておられるでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 極めて厳しく受けとめておりますけれども、専門家としての立場から、経済企画庁長官の答弁をお許しいただきたいと思います。
○尾身国務大臣 先ほど委員のお話しのとおり、昨年の十月—十二月のGDPが対前期比でマイナス〇・二%ということになりました。いろいろな、アジア経済の動向とか金融機関の相次ぐ破綻等によりまして、消費者及び企業家のマインドが昨年の十一月前後から極めて急速に低下をしてきていたという実情を考えますと、ある意味でいいますと予想もされていたところでございますが、現実にマイナス〇・二%という数字が出てきたということは、大変厳しいものと受けとめている次第でございます。 したがいまして、先ほどもお話がございましたが、平成九年度の〇・一%という修正された経済見通しの達成につきましては、かなり厳しい状況になってきているという認識を持っている次第でございます。 それで、本年に入りまして、一—三月も今のような状況でございまして、景気は停滞をし厳しい状況にあるという認識をしている次第でございます。私ども、平成十年度の予算及び関連法案の早期成立が何よりも重要であるというふうに考えているわけでございますが、経済の状況に応じまして、適宜適切な対応をしていく必要があると考えております。 そういう意味で、与党三党が先般、我が国の経済状況が極めて厳しいという認識のもとで、総合経済対策の基本方針を正式に提案されたわけでございまして、私ども、その提案を高く評価し、重く受けとめているところでございます。これにつきましては、またしっかりと検討の上、具体的な結論を出してまいりたいと考えております。 それで、各般の施策、昨年十一月の経済対策、あるいは二兆円の特別減税、あるいは金融システム安定化法案等々の施策とも相まちまして、そういう適切な施策を講ずることによりまして、十年度の見通し一・九%は実現できる、また実現していかなければならないと考えているところでございます。
○北側委員 ちょっと今の経企庁長官、最後のお話がよくわからないのですが、先般自民党の景気対策が出されましたが、それを前提として一・九とおっしゃっているのじゃないでしょう。そもそもこの本予算案の前提として、平成十年度は実質経済成長率一・九というふうに見られているわけでしょう。
○尾身国務大臣 かねがね総理も申し上げておりますとおり、経済は生き物でございますから、適宜適切な対応、臨機応変な対応をするということも含めまして、一・九%を実現していきたいとかねがね申しているとおりでございます。
○北側委員 それではこれまでの長官の御答弁とちょっと違いますよ。 これまでは、この本予算案を早く通してもらいたい、そうすれば一・九できるんだ、こういう御答弁をずっとされておられたわけでございます。今の話は、あれですか、こう言いかえましょう、この平成十年度の本予算案だけでは一・九%の平成十年度の経済成長達成は無理だというふうな認識をされたんですか。
○尾身国務大臣 かねがね申し上げておりましたのは、経済は生き物でございますから、臨機応変、適時適切な対応をとる必要がある、そういうことで、規制緩和等各般の施策を検討しております、そして、当面、十年度予算をきちっとした期限内に通していただくことが何よりもの経済対策であるというふうに申し上げました。 十年度の一・九%の見通しにつきましては、これらの施策を総合的に推進することによって十年度の一・九%は達成していけるものと考えておりますという答弁を私自身は申し上げてきておりまして、議事録もお調べいただきたいと思います。
○北側委員 では、もう一遍聞きますよ。長官、この平成十年度の本予算案に、さまざまなメニューが入っておりますね。こうしたさまざまなメニュー、平成十年度本予算案が通り、執行されれば、現時点でも、この平成十年度の経済成長率一・九%達成は当然可能である、そのように認識をされておられるんですね。
○尾身国務大臣 経済の実態に応じて適時適切な対策をするという総理の御方針もございます。そういうことも含めていく必要があるということは当然のことだと思っておりますが、当面、十年度予算の期限どおりの成立が一番大事な景気対策であるというふうに申し上げてまいりました。 そういう各般の施策を総合的に推進することによって、十年度見通し一・九%は実現できるし、また実現していかなければならないというふうに申し上げてまいりました。
○北側委員 私も、先般の我が会派の斉藤委員また上田委員の質疑を、もう一遍議事録を読ませていただきました。なぜこの十年度一・九なのかという根拠としておっしゃっているのを見ますと、要するに、この平成十年度は、民間消費支出が二・五いくだろう、そして民間企業設備は三・五いくだろう、こういう数字をお挙げになられて、一・九できるんだ、このようにおっしゃっているんですね。 一月十九日に経企庁が発表したこの平成十年度の経済見通しを読ませていただきますと、確かに、個人消費や民間設備投資が十年度は回復するんだという前提で、一・九%というふうに結論を導かれておるわけなんです。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、例えば設備投資の問題でございます。この設備投資は九年度の経済の下支えをした非常に大きな要因であったと思うんですけれども、この設備投資が、最近発表されているいろんな指標、報告等を見ますと、平成十年度は極めて厳しいんではないかというのが、次から次へ続いておるんですね。 ちょっと御紹介をさせていただきますと、順不同でやらせていただきますが、二月十八日に日本債券信用銀行が、設備投資についての調査結果を発表しております。これを見ますと、九八年度の設備投資は前年度比マイナス一・四%、一・四%減だと書いてあるのですね。経企庁は、先ほど申し上げたように、この一・九の前提として三・五というふうに言っているのですよ。日本債券信用銀行は、一・四%の減少である、なおかつ製造業が厳しい、製造業全体としては五・八%の減だというふうに報告しています。ところが、この経企庁の報告は全く逆、製造業を中心に回復、増加が見込まれる、こんなふうに書いてあるのですよ。全く相反しております。 さらに、開銀が九八年三月、最近、設備投資計画について調査結果を発表しております。製造業、非製造業ともに減少して、四年ぶりの減少だと。九八年度は、製造業は六・七%減、減少に転じるのだ、非製造業は二・七%減、全体で四年ぶりの減少となる、このように報告をしておるわけでございます。全産業では設備投資四%減、なかんずく製造業が六・七%減、製造業の方の見通しが厳しいよという、同じような報告をやはり開銀がしております。 さらに、これはついこの間、商工中金が三月二十六日に、中小企業の設備投資動向を調査しまして、その結果を発表しました。そうしますと、九八年度の当初計画は、当初計画というのは大体低く見積もるものなんですけれども、前年度比四〇・四のマイナス。設備投資動向九八年度当初計画はマイナス四〇・四%になっている。昨年の九七年度は当初計画マイナス三〇・一です。マイナス三〇・一が、ことしは四〇・四の当初計画マイナスになっておる。投資マインドが極めて減退しておるのが報告されております。 さらには日本長期信用銀行、これは三月二十七日に、先週の金曜日ですけれども、日本長期信用銀行が、九八年度の企業設備投資がどうなるか、これを予測しておりまして、前年度比三・九%減、九四年以来四年ぶりの減少だ。製造業については特に八・二%の減、非製造業が二・二%の減。 私、今幾つか、最近、つい最近のものばかりです、設備投資について報告をしているものを紹介させていただきました。日債銀、開銀、日本長期信用銀行、商工中金、さらには、先ほど紹介した大和総研や野村総研の経済成長の前提となる予測の内容を見てみましたら、これもほぼ同じような数値が、設備投資、九八年度の見通しとして記載されております。 この十年度の経企庁の発表した、三・五成長するんだ、それも製造業を中心として三・五%設備投資が前年度比ふえるんだ、これはもう完璧に崩れている、したがって一・九は全く根拠がない、そういうふうに言わざるを得ないと私は思いますが、経企庁長官、いかがですか。
○尾身国務大臣 現在の景気の状況から抜け出すために、二兆円の特別減税あるいは九年度の補正予算を決定いたしましたし、金融システム安定化対策等も実施したわけでございます。 次年度の経済につきましては、昨年末に見られます金融システムに対する不安感がほぼ解消いたしましたこと、四月以降は貸し渋り等の影響も緩和されてくるであろうというふうに見通されますことに加えまして、十年度の予算及び関連法案が成立をする、そして電気通信とか労働者派遣事業とか、あるいは土地の有効利用等に対します規制緩和の法案が徐々に国会で成立をして施行されるというようなことが相乗効果を持ちまして、企業や消費者の経済の先行きに対する信頼感を回復させ、そして次第に順調な回復軌道に乗ってくるというふうに考えているわけでございます。 当面は、先ほど申し上げましたように、十年度予算及び関連法案を一日も早く通していただくことが何よりも大事な対策であるというふうに考えているわけでございますが、経済は生き物でございまして、二十一世紀の日本の経済社会のあるべき姿を実現するための経済運営の基本的な方向を踏まえつつ、民間活力中心でやるという基本的方向を踏まえつつ、その時々の状況に応じて経済活性化に向けて適時適切な対応をしていく、そのことによって一・九%程度を達成していきたいと考えている次第でございます。 そういう中におきまして、与党が先般、総合経済対策の基本方針を正式に提案されましたことは、極めて時宜を得たものであると重く受けとめているわけでございまして、これらの提案も含めまして今後検討を進めてまいりたい、そういうふうに考えております。それによりまして、十年度の先ほどの見通しを実現していきたいと考えている次第でございます。
○北側委員 また長官、変なことを言いましたよ。自民党のこの景気対策を実施することによって、自民党の景気対策を踏まえて政府で経済対策をつくられて、それを実施することによって一・九が達成可能だというふうにおっしゃっているのですか。
○尾身国務大臣 経済の実情に応じまして適時適切な対応をするという、そういうことを含めて一・九%を達成していきたいと申し上げているわけでございまして、もしこの自民党の対策で不足であるということであれば、またさらに、ある日、いずれの日にか必要な対策をやるということは、経済運営の基本方針として当然のことだと考えております。
○北側委員 私、そんなこと聞いてないですよ。長官、そんなこと私聞いてないのですよ。この一月から始まった予算委員会で、経企庁長官はここで何度も答弁をなされておられた。その内容は、この本予算案が通るならば一・九は可能ですよとおっしゃっておられたわけですよ。 もう一度聞きますよ。この本予算案が通れば、一・九、また特に民間企業設備が前年度比三・五%増加するというふうにおっしゃっています、この経済成長の見通しでは。これを前提にして本予算案ができているわけでしょう。それは、今でも認識は変わらないわけですか。一・九、三・五という数字は今でも、これからの対策は関係ないですよ、現時点での対策で可能だというふうに認識をされておられるのでしょうか。
○尾身国務大臣 何回も繰り返すようで恐縮でございますが、経済は生き物でございますから、適時適切な対策をするということを必ず私自身はつけ加えさせていただいて、そういう中で、当面、十年度予算及び関連法案の予定どおりの成立が、現在ただいまの最重点の景気対策であるというふうに申し上げてまいりました。
○北側委員 もう一回聞きます。 これまで既に政府から発表されている、本予算案も含めて、この経済対策で一・九が平成十年度可能だという認識を持たれているのかどうか。特に設備投資について、平成十年度、三・五なんてばかげた数字を今でもそのように認識されておられるのかどうか、ここをイエスかノーかはっきり答えてください。
○尾身国務大臣 経済は生き物でございますから、適時適切な対策をとるということをつけ加えた上で、私は一・九%という数字を従来ずっと申し上げてきております。
○北側委員 私の質問に答えてないのです。経済は生き物だから適時適切な対策をとる、当たり前の話です、こんなことは。私が聞いているのは、現時点で、この数カ月間ずっと経企庁長官とのやりとりで、野党の予算委員のメンバー、この繰り返しですけれども、現時点での経済対策で一・九とか三・五という数字は可能なのかというふうに申し上げているのです。イエスかノーか、現時点での経済状況、現時点での経済対策でそれが可能というふうに認識しているのかというふうに聞いているわけです。イエスかノーか、おっしゃってください。
○尾身国務大臣 ですから、経済の実情の変化に応じて適時適切な対策をやる、そのことも含めて一・九%を実現してまいりたいとかねがね申し上げているとおりでございます。
○北側委員 総理、私はこういう御答弁だったら、一体本当にこの予算委員会の審議とは何なのだろうとか、経済企画庁というのは一体何のためにあるのだろうとか思わざるを得ないのですよ。だって、客観状況の、この数々の経済指標をもとにして私は質問しているわけです。単に私の勘だけで質問しているわけじゃありません。 数々の経済指標をもとに、またさまざまな機関の見通しをもとに、特にその中身である設備投資については、製造業を中心に平成十年度は極めて厳しいよという予測がずらっと並んでいるわけでして、そういう前提で質問していて、今のようなお答えだったら、これは論議にならないじゃないですか。総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 適時適切なというところをおしかりを受けているのかもしれませんけれども、私は、企画庁長官は一生懸命にそのときそのときの状況の中で御説明を申し上げてきていると思っております。 そして、先ほど来アジアということを長官から申し上げますたびに、委員会内に失笑が出ております。しかし、今この直接のアジアの経済状況というもの、実は輸出への影響が顕著に見られ始めております。ASEAN向けあるいは韓国向けの輸出がこのところ減少し始めています。また、現実の問題として輸入の方におきましても、相手側の供給力あるいは金融面の混乱もあって、減少が出ているといった状況があります。 こうしたことも景況感をより厳しいものにさせている、悪化させている、そしてマイナスの影響をもたらしているということは事実として申し上げて、御論議をお進め願いたいと存じます。
○北側委員 恐らくきょうから何か経企庁長官の答弁が大分変わっていますから、これは、だから結局、一・九はこの本予算案では無理だということを今からおっしゃっておられるようでございますね。だから、自民党の景気対策云々ということをおっしゃって、要するに、次の大型補正で何とか一・九頑張るんだというお答えでしょう。答弁は結構でございますけれども。 それで、今総理もちょっとおっしゃいましたけれども、じゃ、こういう景気後退を招いた原因は一体どこにあったのかということなんですけれども、ここまで厳しい状況になってしまった、明確に景気後退です、一体どこに原因があったのか。 今アジアの通貨危機、経済危機のお話をされました。これだって、ちょっと話を戻しますと、アジアへの日本からの輸出というのは四割を占めています。ということは、外需に平成十年度は九年度ほど依存できないという要素なんですよ、これ。だから、ますます一・九というのは困難になってくるわけです。外需依存によって何とか日本の経済はもっていたというのが実情でございまして、そういう意味では、アジアの経済危機というのはさらに平成十年度の日本の経済に対しては、大変厳しい状況に追い込まれていくのだろうというふうに思わざるを得ません。 それで、一体こうした景気後退は何が原因だったのかということでございますが、総理、これは私は率直にぜひ認めていただきたいわけでございますけれども、これは、やはり昨年の消費税率の二%の引き上げや特別減税の継続をしなかったことや、さらには国民医療費を引き上げたこと。それぞれ財政再建という理由はありました。ありましたが、景気の見通しの認識を誤って、こうした経済政策、経済運営がやはり昨年失敗であったのだというふうに私は率直に総理は認めるべきであると思いますが、総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 何回か同様の御答弁を申し上げてきたと存じますけれども、先行している所得減税等に見合うための消費税率の引き上げ、これが当然影響が出るという予測をいたしてはおりましたけれども、一—三月の駆け込み需要、これは我々の予測よりも大きなものがございました。そして、その反動として四—六の落ち込みは予測しておりましたけれども、それはより大きくその影響がマイナスに出ました。これを私否定いたしておりません。しかし同時に、七—九がプラスに転じていたことも、御承知のとおりであります。 しかし、そこにアジアの金融の問題が、またその後、秋以降我が国の金融機関の大型倒産が相次ぐという中で、先行き不安感の中から家計にも企業にも非常に厳しいものが生まれ、それが消費の減ということを生んできました。 ただ、そこで本当に往々にして忘れられますのは、七—九が弱いながらもプラスに転じていた。しかし、そこにアジアの金融危機というものが来た、そして我が国の金融機関の大型倒産が続いた、そういう状況の中で、今日我が国の経済をどう立て直していくか。その中で、今私どもは、一日も早い予算の成立と関連法案の成立をお願いし、残念ながら、国会に暫定予算の審議をお願いいたさなければならない状況に今立ち至っております。
○北側委員 私から申し上げますと、何で暫定予算を組まざるを得なかったかといったら、平成九年度の補正予算を組まざるを得なかったからなんですよ。平成九年度の補正の中で、金融二法そして特別減税、こうした審議をしなきゃいけなかったから、異例の審議を通常国会冒頭にしないといけなかったから暫定予算を組まざるを得なくなったわけで、もとをただせば、昨年の経済認識の誤り、昨年の経済運営、経済政策の失敗から、私は暫定に追い込まれたというふうに言わざるを得ないというふうに思いますよ。 そこで、今の総理の答弁を踏まえまして、私、総理とこの委員会だとかいろんな委員会で何度も議論させていただいています。総理からは、私、議事録読ませていただいても、非常に真摯な御答弁を毎回いただいておりますが、それを改めて読み返してみましたら、例えば昨年の秋ですよ、あの財革法が審議されている委員会で、総理と私との間でどういう議論をしたか。 これは十月三十一日です。そのときに私は、この財革法についてはちょっと先延ばししろという提案をしております。 なぜかといったら、一つは九兆円の負担増で消費が低迷していますね、公定歩合〇・五%、異常な公定歩合が、超低金利が二年間も続いていますよ、金融不安もささやかれていますよ、貸し渋りも言われていますよ、そしてアジア経済の危機も、私そのときに言っているのです。その上で、この財革法については、既に夏に閣議決定して概算要求がそれでされているのだから、この法案については先延ばししてはどうですかということも提案をしました。 また、もうちょっとさかのぼって、金融不安の問題を言わせていただくならば、昨年の二月の予算委員会です。これも総理と私とのやりとりで、私はこのように総理に申し上げました。 信用組合とその他の金融機関を区別するようなスキームというのは見直しが必要だ、金融三法、これは前々年、おととしの金融三法は、信用組合について公的資金導入を最終的に予定しておるが、その他の金融機関はそうでない、この見直しは今必要ではないかということを申し上げたら、総理は、いや、もう今のこの金融三法の枠内でやっていくんだ、努力するんだ、こういう御答弁なんですよ。 これまでも私は、この金融不安の問題も、そして財革法の問題も、こういう提案をさせていただいております。 そういう意味で、私は、当委員会でもまたほかの委員会でもそういう議論はきちんとされておったわけでございまして、やはり総理の経済政策の過ちということはぜひ認めていただきたいと思います。どうですか。
○橋本内閣総理大臣 私は確かに、議員の御質問をいつも評価し、真剣にその議論も伺い、そのときそのとき私は真剣に御答弁を申し上げてまいりました。 例えば財革法の問題で、私に対して弾力条項の問題を提起された最初の委員はまさにあなたです。そして私は、立法政策上一つの判断と評価をいたしました。そして、その上でということをそのときにも申し上げました。そのように私は誠実に御答弁を申し上げてきたはずですが、それが後に問題になり、三党の国対委員長からけしからぬというお申し入れをいただきました。 私は、そうした意味で、真剣な論議ができる、また、しようと思って提起をされる問題にお答えをする、それはそれでまた国会もお許しをいただきたいと存じます。
○北側委員 総理、今お話が出ました財革法の改正問題でございますが、最近、新聞等をにぎわしておるようでございます。この財革法の改正問題、私ども改めて総理に申し上げますが、きょう、ずっと衆議院法制局との間で内容を詰めておりまして、きょう午後にでもその内容、骨格を、詰まっておりますので、発表したいと思っておるのですが、総理の方にもまた具体的に提出をさせていただきたいと思います。 我々の考え方は、経済企画庁が各四半期の実質経済成長率またはその見通しの報告を行った場合において、当該実質経済成長率またはその見通しが次に掲げる要件の一に該当するときは、特例適用年度の特例公債、特例公債の発行の問題です、これは前年度の発行額を超えて発行することができる、こういう内容でございます。 二四半期というのは、二四半期の実質経済成長率がゼロ未満であるという報告があったということ。それから、経済見通し報告期間内の連続する二四半期の実質経済成長率の見通しがそれぞれゼロ未満であるということ。もしくは、当該実質経済成長率の見通しの報告を行った月の属する四半期の前々四半期の実質経済成長率がゼロ未満であり、かつ、前四半期の実質経済成長率の見通しがゼロ未満。 例えば十から十二は、これはもう先ほどのお話のとおりマイナス成長でございます。年率〇・七。この一—三も、先ほどの経済指標からわかるとおり、これはもうまずマイナス成長でしょう。二四半期連続してマイナスでございます。これはもう、アメリカの場合であれば、まさしく運用停止条項が働く場面になっておるわけでございます。 特に、我々の主張としては、大型の減税を実施するためにぜひともこの財革法の縛りを外さないといけない、そのように思っておりまして、この財革法の改正を提案させていただきたいと思っております。今のような内容で提案させていただきたいと思います。 総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 御党の御主張として何回か提起をされました問題、そして私も、立法政策上一つの判断という、評価をするという御答弁を議員を含め複数の方々にお答えをいたしたことを自分なりにきちんと記憶いたしております。そして、その御意見というものを、今述べられたような体系づけをしておられるということは承りました。 その上で、私の立場から今お答えを申しますならば、評価する、しない、いずれの答弁をいたすことも報道機関に非常に誤解を与えかねない要素を持っておりますので、財政構造改革法の見直しを具体的に今念頭に置いてこの論議をさせていただいているわけではないということを、申し添えさせていただくということでとどめたいと思います。
○北側委員 終わります。
○越智委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。 次に、中井洽君。
○中井委員 最初に、総理大臣に、今回の日銀新総裁、副総裁を御任命されました件で、お考えをお伺いいたします。 二十日に、新しい総裁、副総裁を任命されました。同時に、二十日に、四月一日からの新しい副総裁あるいは政策委員会の審議委員四人のメンバーの国会同意を求める案件が提出されて、本日本会議で諮られると聞いております。 私ども、総裁、副総裁あるいは本日の国会の同意人事で諮られます方々はそれぞれ立派な専門家で、大変金融政策が難しい時期、本当に頑張ってほしい、こういう思いであることは間違いありませんが、現行法、新法、それぞれあるということは十分承知をいたしておりますが、こういう任命と同意人事のあり方というのが同じ日に、あるいは同じ前後に行われる、これは政治的にどうなんだろう、こんな思いを強く抱いています。 総理大臣として、どういうお考えでこういう任命あるいは同意人事のあり方をなすったのか、御説明をいただきます。
○橋本内閣総理大臣 新しい日銀法附則第一条第一項ただし書きの規定に、四月一日以降に任命する総裁、副総裁についての国会同意手続を施行日(四月一日)前にもとることができる旨の根拠を定めた規定がございます。言いかえれば、施行日前、三月三十一日までに行われる任命は、現行法の定めにより行われることになります。 そして、御承知のように、日銀の幹部職員から贈収賄に関する容疑で逮捕者を出すという事態になり、日銀は大きくその信頼を失墜しかねない場面に立ちました。そして、その直後、松下総裁からは辞任の意向が、そして、その同じ週の週末、金曜日であったと存じますけれども、当時の福井副総裁からも、松下当時総裁を通じて辞任の意思がもたらされました。 そして、国際金融の世界における中央銀行総裁、副総裁の役割、あるいは国内における金融システム安定化の努力の中における中央銀行である日銀の落ちつきを一刻も早く取り戻し、仕事を軌道に乗せていくためにも、総裁、副総裁の辞意を受け入れ、後任の選定を急ぐ必要があると考えました。そして、私なりに適任と思われる後任者を用意することができ、三月二十日に、松下当時の総裁、福井当時の副総裁の辞表を受理し、あわせて新たな総裁、副総裁の発令を行ったところでございます。 しかし、新しい日銀法におきまして、なお一名の副総裁、また政策委員の役割が大きく変わり、そしてこの四月一日から責任を負うことになります、その部分についての国会の御承認をお願い申し上げたい、並行しながらそうした作業も続けてまいりました。適任、適材と思われる人材を、国会の御同意を得るために今手続をとっております。そうした状況でございます。
○中井委員 四月一日から施行されます日銀法は大改正でありまして、ビッグバンをにらみ、ありとあらゆるところで、過去の日銀のあり方、大蔵省との関連のあり方を含めて激しい議論を積み重ね、そして、その中でああいう、今お話がございました附則が第一条の中につけられて成立をいたしたわけでございます。 もちろんそのときに、松下、福井、お二人の総裁、副総裁が辞表を出されるとはだれも思っておりませず、任期的にいけば一年数カ月で新しい総裁、副総裁になられる、国会承認についてはそのときでいいのじゃないか、しかし、新しくもう一人任命される副総裁、新たな政策委員で任期を新しく迎える方については、四月一日から立ち上がるためには、やはり四月一日前に国会の承認を得るというのが法の精神だろう、こういうことであの法律がつくられたと、私どもは、法案説明等、あるいは国会の議論等、いろいろな形で承知をいたしております。 しかし、今回の総理の御処置によりますと、法律違反とは、そんなことは申しません、しかし、このまま新総裁、副総裁が五年間の任期を全うされるとしましたら、五年間、副総裁と、あるいは四年間、三年間の政策委員の皆さん方は国会承認でお選びになられた、しかしお二人は内閣任命だ、こういうおかしな形が続くのではないでしょうか。 私は、そういったことを御判断なされれば、総理としてあるいは内閣として、今回の総裁、副総裁の任命の仕方あるいは国会への何らかの事前の了解、こういったことがあってしかるべきであった、私はこのように考えますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 御指摘のような、三月中に現行法に基づいて任命することになる、それに対して御意見が生ずるのではないかという考え方も確かにありました。同時に、前総裁の辞意をめぐる経緯、あるいは現在の経済金融情勢の中において、我が国の金融システムに対する国の内外の信認を確保するために、一刻も早く人事を確定することが大切という考え、双方の考え方はあり得たと思います。 その上で、私は、一刻も早く人事を確定させる、これが大切と考えまして、現行法で任命をいたしました。
○中井委員 そういたしますと、私どもは、お二人の総裁、副総裁がお元気で五年間任務をお果たしいただくことを望むわけでありますが、しかし、五年間、国会承認の人事ではないという事実は残るわけであります。ここのところの、日銀の新しいスタートに際しての感覚の相違、あるいは五年間もそういったものが残り続けるという違和感、そういったものは、これからの金融行政、こういったものに微妙に影響するんじゃないかと私は心配をいたしております。 官房長官、お聞きでしょうか。例えば、官房長官は国対の委員長もやられた。官房副長官は議運も長くやられた。どうして、補佐をされて、議運なりあるいは各党に、こういうことで今の法律でいきますが御理解をと事前の同意なりなんなりをおとりする、あるいは根回しをされる、こういう努力をされなかったのですか。
○村岡国務大臣 ただいま指摘された議運その他にはそういうことは言いませんでした。しかし、急を要する、こういうような判断で、旧法というか、そういうことでさせていただいたと思っておりますが、今後、こういうことがあった場合に、今度はこれは日銀の場合は新法になるわけでございますが、今までもそういうような同意の場合は私もやってきたと思っておりますが、この場合は、総裁、副総裁ということで、国会の同意でない、こう判断したものですから、そういうことはいかなかった、こういうことであります。
○中井委員 御承知だと思いますが、今後、こういうことはもうないわけでございまして、すべて新法で同意人事になります。 私は、急がれたということもよくわかります。しかし、たった一回、四月一日からきれいな形で、国会を含めて、新しい日銀がスタートをする、このことは、金融秩序あるいは金融システムの維持ということに関して大変苦労をしているときに、当然すっきりと考えていく、このことが必要であった。したがいまして、今回の任命、人選的には確かに立派な人選をなすったとは思いますが、手続においてまことに残念なやり方であった、このことをあえて申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 大蔵大臣にお尋ねをいたします。 あしたで税務署納税の日にちが終わるわけでございますが、税収について私は大変心配をいたしております。 いただきました資料等を見ますと、二月の補正でかなりの減額修正をしたにもかかわらず、一月末の税収の実績数値というのは不況を的確に反映しておって、補正後の予算額、平成九年度の予算額を到底確保できないと私どもは見ておりますが、どのようにお考えでしょうか。
○松永国務大臣 中井先生、事務的な見積もりその他の問題でございますので、局長の方から答弁することをお許し願います。
○尾原政府委員 九年度税収の見通しについてお尋ねがございました。 補正予算におきましては、委員御指摘のとおり、一兆五千七百六十億円減額補正いたしました。したがいまして、九年度の見通しは五十六兆二千二百六十億円と見込んでいるところでございます。 それから、委員から十年一月末の税収累計で、前年比についてのお尋ねがございました。 一月末の税収が現時点で判明している直近の実績になっているわけでございます。これで伸び率を見ますと、一〇四・五%ということになっておりまして、補正後予算の伸びが一〇八%でございますから、これを下回っているわけでございます。 ただ、消費税につきましては、税率の引き上げによる税収効果が年度の後半に集中してあらわれてくるということなどの要因を勘案いたしますと、全体として、おおむね補正後税収の見積もりにおいて想定した税収動向の基調に大きな変化は認めがたいのではないかと考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、九年度税収でございますが、まだ四割程度の収納が残されている段階でございます。所得税の確定申告の結果、さらには三月決算法人に係る法人税の確定申告の動向等について、十分注視してまいりたいと考えているところでございます。
○中井委員 主税局長としては当然そういう御答弁であろうかと思いますが、平成九年度一月末の累計というのをお出しいただいて、見ておりますと、所得税については、昨年の今ごろが八四・四%の進捗率でありましたが、ことしは進捗率八八・九%。これはどうしてこんなに進捗率が高いかといいますと、特別減税分と、それから九年度補正予算で五千億ぐらいの減額をした。平成八年度も不景気でしたが、千二百億ぐらいしか減額を補正ではしなかった。こういうことで、あらかじめ低く予算を直した、こういうところであろうかと思います。 消費税についてお述べになりましたけれども、消費税も、平成八年度は補正のときには一千億増額で見込まれておる、後半にふえるということで見込まれておるが、平成九年度の補正では一千四百四十億減額をされておるのです。その減額をされておって一月末で進捗割合は四四・二%だ。昨年は一千億増額をして一月末で進捗率五一・五%、こういう状況。 あるいはまた印紙収入も、昨年は一千九百六十億円増額の修正、平成九年は二千億減額の修正をしておる。にもかかわらず、昨年の進捗率は八二・七、本年度の進捗率は七六・六と極めて悪い数値になっております。 こういう数値で、本当に予定どおりの補正後の予算額というものが確保されるのか。大蔵大臣、これは大蔵大臣の一番関心を持たなければならない数値でございます。事務方は出納閉鎖まで、できるできるとおっしゃるのでしょうが、大蔵大臣、本当にこれで予算額が確保できるとお考えでしょうか。
○松永国務大臣 先ほど局長が申したとおりでありますけれども、全体として見れば、補正後税収の見積もりの税収動向の基調には大きな変化はないので見込んだ税収が得られるだろう、こう局長が答弁いたしました。 なお、九年度におきましては、四月から消費税率の引き上げがありましたが、そのことによるプラス分は後半の方に集中的に出てくるという見通しでもありますので、ほぼ確保できるものだというふうに私は思っております。
○中井委員 数値をごらんいただいておっしゃっておられるのですか。去年が一月末に五一・五、ことしは四四・二、かなり減額しているのですよ、こう申し上げております。 経企庁長官、こういう税の実態の中で、まだ経企庁長官、二月、三月、このお打ちになった諸政策で景気が上向いてくる、こういうことを言えると思われますか。
○尾身国務大臣 平成九年度の見通しにつきましては、十月—十二月のマイナス〇・二%という数字が出ておりまして、その後、一月—三月もかなり厳しい数字が続いているというふうに厳しく受けとめております。そういう状況の中におきまして、平成九年度の修正された経済見通し〇・一%プラスという数字につきましては、なかなか厳しい状況にあるというふうに認識しております。
○中井委員 減額をされましたときに、補正予算で一兆五千億ゼロ国債を発行されて、平成十年度の公共事業前倒しでやられておられます。この前倒しされた公共事業のいわゆる契約状況というのは、建設大臣、どういうパーセントになっているかおわかりですか。
○瓦国務大臣 御高承のとおり、ゼロ国債は史上最大規模でございまして、補正予算成立後二カ月弱という限られた期間でございまして、直ちに各機関に対しまして、二月四日でございますが、次官通達をもって取り組みを発したところでございます。 入札手続に関する期間の短縮等も含めまして、速やかな執行に努めておるところでございまして、年度末もうぎりぎりでございますが、ゼロ国債の契約、執行は順調に進んでおる、厳しい中で急がせておるわけであります。(中井委員「進捗率どのくらいです」と呼ぶ)これは、率で申し上げるのは、期間が短いものですから、年度にもう制約がありますから、今申し上げましたように、それぞれ次官通達をもって二月四日に取り組むように指示をして、急がせておるところであります。
○中井委員 尾身長官にお尋ねいたしますが、一つは、平成十年度予算が最善のものだ、いまだにこうお考えになっていらっしゃるのでしょうか。これが一つ。 それから、二つ目は、既にもう一兆五千億平成九年度で前倒しをやっております。そういう中で、先ほど北側議員のお話のありましたように、大変厳しい経済環境、私の挙げましたような税収の数値等あります。この本予算で平成十年度お約束の経済成長ができると確信をしておられますか。
○尾身国務大臣 平成十年度の本予算につきましては、最善のものであるという考え方のもとに提案をさせていただきました。そして、それが一日も早く通過いたしますことが、当面何よりも大事な景気対策であるというふうに考えている次第でございます。 その後、その過程におきまして、かねがね御答弁申し上げておりますとおり、経済は生き物でございますから、適時適切な対応を臨機応変にとりながら経済運営に努めてまいりたいと考えているわけでございまして、先般も、自民党を中心とする三党から、総合経済対策の基本的考え方についての取りまとめが私どもの方に提示をされたわけでございまして、それも含みまして、重く受けとめながら検討を進めてまいりたい、そして、それらの施策を総合的に進めることによりまして、十年度の一・九%の見通しは実現をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○中井委員 私、余り予算委員会に国会議員の間所属したことはありませんが、しかし、国会議員生活十八年ぐらいになりますが、この間、これほど予算の審議中に、今も本予算は参議院ですから、補正予算だ、新たな景気対策だということがどんどこ出てきて、しかもそれを閣僚の皆さん方までがおっしゃる、こういうところは、私は、どうなんだろう。 国会にはいろいろな慣例があって、直していけばいいこともありますし、議論の中で進めていけばいいこともあると思います。しかし、今の内閣は、すべての方を含めて閣僚は、出された予算は最善のものである、こういうことを言い続けてこられた。最善のものだということは、例えば一・九は達成できるということでやっていらっしゃるんでしょう。 しかし、いろいろなことをやらなきゃ達成できないんだというのは、それはその後でおっしゃることであって、やっている最中にそういうことがどんどん与党から出てくる、それを閣僚の皆さんが、結構だ、それも含めて考えるなんということは、余りにもプライドがなさ過ぎるのではないか。また、予算のこの重々しい、数カ月かけて審議をやるという国会のスタイルからいってどうなんだ。これらを含めて私は大変な問題だ、こう考えております。 また、総理並びに大蔵大臣は、昨年からたびたび補正予算についてもお触れになられて、財政法二十九条を厳正に判断する、こういうことを繰り返し言われてまいりました。そういう中で本当に、お話のあるような、補正予算の予算成立後の検討というのがやられるのか。 あるいはまた、昨年十月、十一月、私自身は財政構造改革特別委員会の理事をいたしまして、約二カ月間ほとんど選挙区へも帰れずに議論いたしました。この法案、違うじゃないかということをたびたび申し上げましたが、総理以下皆さん方は、これを通して景気対策をやるんだとか、これはどうしても国のために必要だと言われて、あの法案を強引にやられた。ところが、結局、三月も四月もたたない今になって、もう修正だ、廃案だ、こういう話が平気で出てくる。これは一体どうなっておるんですか。 世の中の動きは急激だ、こう言うことはわかります。日本が今大変な時期に置かれておるというのもわかります。しかし、三月四月先も見通せない内閣、読めない政治の与党の責任、こういったことを真剣にお考えになったことがありますか。私は、そういったことを痛切に感じております。そういった意味で、総理のお考えをお聞かせください。
○橋本内閣総理大臣 確かに、タイのバーツ危機から始まる一連の通貨の不安、懸念は持ちながらも、その起こった後の影響の拡大、これは私の予想を超えておりました。そして、我が国の金融機関の相次ぐ大型の破綻というものが今も非常に厳しくのしかかっておることも事実でございます。そして、そういう意味では、大蔵省、日銀の不祥事というものが、贈賄側企業の行動とともに、ボディーブローのように今我々の上にのしかかっていることも私は否定をいたしません。 同時に、その中の一部のことは想定の中にあったことかもしれませんが、そのすべてを見通していなかったのはけしからぬと言われれば、おしかりは甘受いたします。
○中井委員 私は、橋本総理の国会における答弁を長きにわたって聞かせていただいてまいりました。大変博識で、また過去の議論の中身等も本当に頭の中にたたき込まれて、真摯にお答えをされておる。このことは、お目にかかったときにも申し上げたとおり、尊敬を申し上げております。また同時に、国政全般、ありとあらゆることに本当に真剣に取り組んでおられる。このことも、私は、野党ではありますけれども、それはそれなりに評価をさせていただいております。 しかし、橋本内閣全体として今日までお取り組みになられた例えば六つの改革、これは欲張り過ぎたのじゃないか。一つの内閣でこれだけ大きなことを全部やろうとしたところが少し違ったのじゃないか。あるいは、お取り組みになる順番を間違えたのじゃないか。私どもがたびたび申し上げたように、景気回復、経済構造の改善、こういったことを真っ先にお取り組みになって、他は少しおくらす、あるいは犠牲にする、こういったことも必要ではなかったのか。 したがって、今ここでいろいろな景気対策をやろうとしたら、従来おやりになってきたことはみんな自縄自縛で、ますますアリ地獄に入っておる、こういう感を強くいたしております。お互い政治家でありますから、こういう難しい時期を思い切って展開をしていくためには、従来と同じ発想で、手法でやるべきでない、こういったことはお互いが、政党、政治家が責任を感じて大胆な転換を遂げる、こういったことが必要だ、私はあえてこの機会に総理に申し上げておきます。 あと十分時間がありますので、暫定そのもののことについてお尋ねをいたします。 暫定予算というのは、私が言うまでもなく、必要経費だけを計上する、こういうことであろうかと思います。そういう中に社会保障費がだんだん入ってくる、また公共事業費も入ってくる。十八日間ですが、今回七兆八千億という大きな数値になってまいります。しかし、私は、暫定というのは、やはりその期間の必要経費だけを計上して、短い期間の審議でやっていく、したがって、各党も余り反対をしない、こういうことで今日まで来た。これは守るべきだと考えています。 そういう意味で、小さな数値で恐縮ですが、経済協力費百三十億という数値が入っています。その百三十億の中身はと聞きますと、三十五億は必要経費だ、こう言われますが、残りは必要経費ではないのではないか。私は、あえてこの九十五億というのは必要がない、暫定に組まれる理由はない、このように思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 確かに、経済協力関係の費用をこうした場合暫定予算に計上するというのは異例かもしれません。しかし、その中に含まれております内容は、一つは経済構造改善努力支援無償あるいは緊急無償、それぞれが三十億ずつ、あるいは食糧増産等援助費三十五億、これが今議員の御指摘になりました数字であります。そしてこれは、現在インドネシアを初めとするアジア経済の安定化に緊急に対応する必要が生じる可能性があるということを申し上げなければなりません。 先般来から、例えば人道無償におきまして、日本は注射のセットあるいは粉ミルクといった人道支援に応じてきておりますけれども、この緊急支援の可能性がありますことから、その必要性が生じました場合、迅速に対応できる費目について必要最小限と考えられる額を計上させていただいております。
○中井委員 お話は承りますが、私は、この緊急無償、食糧援助等々の九十五億円、何もこんなところへ暫定で入れる必要はないのだろう。もし万一、十八日間でそういう事態が起こったとして、八十億円の予備費をお使いになればいいのだろう、こういうふうに思っております。このことを、暫定予算の審議でありますから、申し上げておきます。 それから、二つ目は公共事業でございます。 公共事業関係費一兆四千六百六十六億円が暫定に計上されております。暫定に計上されました理由は、根拠の数値は聞かせていただいております。 先ほど建設大臣にお尋ねをいたしましたが、二月四日に通りました補正予算での一兆五千億の進捗率というのか契約率というのが、あのお答えでは一〇〇%いっているとは到底私は思いません。まだ本年度にも繰り越してやるのだ、こういうお話でございました。 そうしますと、四十五日も五十日もかかって一兆五千億を消化し切れないときに、十八日間で一兆四千六百六十六億を一〇〇%消化できるのでしょうか。これは大蔵省ですか、建設大臣ですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、今回の暫定予算におきまして、一兆四千億円余りの公共事業関係費を計上したわけでございますが、この考え方は、直近三年間の四月の契約実績二五%を前提につくりました。 それで、まずゼロ国につきましては、国庫債務負担行為の権限は、補正予算に計上いたしました一兆五千億につきましては、三月三十一日までに契約しないと、これは契約権限ですから、翌年度には持ち越せません。ですから、我々は一兆五千億が当然契約される、それで新年度に入っていくということを考えています。 それからもう一つ、一兆四千億円の数字でございますが、これは、要するに、なぜ従来の契約実績を念頭に積算したかと申し上げますと、先生御案内のとおり、歳出予算というのは、契約権限と同時に予算の支払いと両方の権限があるわけでございます。そうしますと、先ほど申し上げましたように、契約実績が約二五%、その十八日分というのは、つまり、前年度のゼロ国以外に、用地国債だとかあるいはその他の債務負担行為の、契約して繰り越してくるものがございます。それの支払いに対応できるような考え方でこのような数字をつくったわけでございます。
○中井委員 そうしますと、この公共事業関連事業におきましては既存の継続の事業、新規事業は一切入っていない、こういうように理解しますが、よろしいですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 過年度の繰り越しの歳出化と同時に、新規の契約につきましては、原則として、継続事業の契約権限を与えるということでございます。
○中井委員 原則としてという言葉がどうも気になるところでございますが、暫定は、政策的な歳入歳出、そういったものは入れない、これがルールだ、このことをきちっとお守りいただいてこれからも予算編成をやっていただく、このことを強く申し上げておきます。 最後に、総理並びに大蔵大臣は、銀行、金融機関あるいは証券のいろいろな不祥事あるいは倫理の問題のたびに、口をそろえて、いろいろな反省の中で、事前の指導型の行政から事後のチェック型の行政に改めるんだ、これが一番大事なことだ、こう言われ続けてまいりました。私もそのとおりだろうと思っています。 これは、総理、大蔵省だけじゃなしに、全省庁、全行政にわたってそういう発想で転換をされるということが基本理念だろうと思いますが、間違いないですか。
○橋本内閣総理大臣 例えば外交とか防衛とか、そういう分類に適さない行政があると思いますけれども、そうした特殊なケースを除きまして、当然ながら、その方向性というものは同一だと思います。
○中井委員 過般からいろいろな形で、官僚等の接待ということがマスコミを通じて、揣摩憶測も含めて報じられる。国民全般のまゆをひそめさせているわけでございます。そのときに、必ずいろいろな役所の方々が、当然民間の意見を聞くのに会食、会合が必要だ、こういうことを言われる。 私は、このことは違うと思うのですね。事前指導型であるならば、業界、団体の意見というのは、ある意味でいろいろな機会に聞けばいいんでしょう。だけれども、その事前指導はもうやめるんだ、そして自由にやる、フェア、フリー、グローバルとよくおっしゃいますが、そういう基準でやるんだ、そして法律に違反したりルールを破ったときに厳しくチェックするんだ、罰するんだ、こういうことであるならば、私は、接待というのはもう全然要らないんだろうと思っております。 そういう意味で、幾らだからいいとか、幾らだからどうだということではなしに、公務員たるものは接待を受けない、こういう厳しい姿勢が必要である、まして官官接待とかそういったことは当然のことだ、私はこのように考えております。 そういった意味で、内閣全体、行政全体、また我々全体も引き締めてやっていかなければ、到底この厳しい時期を乗り切っていけない、こんなことを一言つけ加えまして、質問を終わります。
○越智委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。 昨年の十月の予算委員会以来、最近の消費税五%へアップ後の深刻な不況の問題、景気対策の問題について、何度か橋本総理と議論をしてまいりました。 昨年の九兆円負担増が消費を冷え込ませ、景気を落ち込ませた問題について、総理は、予想した以上にその影響が尾を引いたということをあえて言えとおっしゃるなら、その影響が現実にあったことを認めておりますと私に答弁されました。しかし、ちょっと影響があったなどという生易しいものじゃないというのが現実の姿です。 ところで、この点では、きょうも先ほど同僚委員の質問に対する中で、総理は、消費税導入の問題について、昨年一—三月期は駆け込み需要があり、四—六月期は反動減があって、七—九月期には前年同期比プラスに転じていた、そして、景気回復のはずが、秋からの金融不安とアジア経済の危機によって消費マインドが冷え込んだということでもって、消費税導入による影響よりも、外因論とでも申しますか、そちらを強調しておられたわけです。 しかし、少し振り返ってみると、昨年の七—九月期の伸びというのは、ちょうど一年前の同じ時期が、O157と冷夏の影響で物すごく景気が落ち込んでいたときなんです。そのときに比べて少しプラスになったとしても、それは全体として見れば、消費税の導入による深刻な影響が、とてもじゃないが、回復されたなどというようなものではありません。 実際、九五年の七—九月期と比較した場合に、一昨年九六年の七—九月期というのは、これはマイナス三・〇%、物すごい落ち込みなんですよ。これが昨年の七—九月期、九六年と比較すれば確かに少しプラスになるわけですが、それを九五年の七—九月期と比較をいたしますと、実はマイナス一・四%。ですから、消費税増税による消費の落ち込みが鮮明に出ていたというのが昨年の七—九月期の実態です。 また、そういう中で、秋以降の消費マインドの冷え込みというのは、九月の消費税増税の上にさらにプラスされた医療保険制度の改悪、そして社会保障の連続的な切り下げを決めた財政構造改革法が押しつけられて、将来に対する不安が増大したためにマインドが冷え込んだ。これが今日の実態であります。 そこで、総理、私は、消費税増税等によって国民が今本当に苦しんでいるんだ、この深刻な不況の責任というものをやはり総理として今はっきりと認められるべきだと思うのです。どうですか、総理。
○橋本内閣総理大臣 御意見は承りました。ただ、議員もお認めになりましたように、一—三の影響が四—六で出た、しかし七—九は回復している。それをどう理解なさるかはまた別の問題でありますが、七—九は回復しているということは、数字の上でお認めをいただいたと思います。それにはそれなりの説明をつけられました。 そして、私どもは、この国の将来を考えるときに、医療制度を含めました社会保障が真に国民のセーフティーネットとして将来にもきちんと位置づけていくことができますように、将来世代も支えていけるような仕組みづくりを進めております。 また、消費税創設という言葉を使われましたが、消費税は既にありまして、私は、所得税減税等先行した減税の……(吉井委員「消費税増税ですね」と呼ぶ)いいえ、先ほど、そういう言葉ではなく、創設とお使いになったと私は聞きましたが……(吉井委員「それは十年前の話」と呼ぶ)はい、そういう言葉をお使いになったと思いましたので、私は、税率を二%引き上げさせていただいたことはそのとおりでありますが、それが先行する減税に対する財源という意味合いがあったことを落とさないでいただきたいと存じます。
○吉井委員 つくったのは十年前の話ですから、昨年の四月からは増税です。 それで、私は、昨年の七—九月期についても、とても回復したなどということには当たらないということを、もともと、前々年度、九五年との比較で見なければならぬということ言っているんです。九六年は極端に落ち込んでいるんですから、これが七—九月期が回復したなどということはとてもじゃないが言える話じゃありません。依然として深刻な中で、さらに医療保険制度改悪によってさらに国民の負担が大きくなった。これが問題なんです。 そこで、せんだって、毎日新聞の三月二十七日付「首都迷彩」というのが載っておりましたが、実は私が大田の方で、商工業者や業界幹部、商店街振興組合の幹部の皆さんなどから聞いたことと非常によく一致している話を毎日新聞が伝えておりました。 全然商品が動かない、薬局店主は言う。ことしになって落ち込んだ売り上げが、今月さらにがくんと落ちた。消費税五%化がずしんときいてきた。暴動、革命、何店もの白髪の商店主から物騒な言葉を聞いた。こんな政治を続けるのだけはやめなきゃと商店街の集まりで必ず話が出る、五十代の店主が言う。伝統的な保守地盤に地崩れが始まっている。消費税五%化のとき問題にしなかったおれらも悪い。でも、政治家はどうだ。生き残るために党をくらがえするとか、票がとれそうな芸能人だとか、ばかにしているよな。不満が出口を失っている。 これは毎日の紹介していたところですが、昨日のテレビの特集でも、おすし屋さんが、売り上げが激減して、しかし消費税の納税額は二倍になって、もうどうにも立ち行かないということで自殺された痛ましい話も出ておりました。 私は、今のこういう政治に対して非常に厳しい怒りや、また恨みの声、政策不況に対する責任追及というものが国民の間で広がっているということ、それが、選挙に行かない、棄権という形であらわされることがあって投票率はうんと低くなるなど、こういう事態にはっきりあらわれていると思うのです。 そこで、総理、消費の落ち込みが今日の不況を深刻にしている、この点については総理も認められますね。
○橋本内閣総理大臣 消費が減少していることが影響しておりますこと、そしてその消費をいかにすれば回復できるか、その点について、本日一日でありましても各党からさまざまな御意見があったのは議員お聞きのとおりであります。
○吉井委員 消費の落ち込みが今日の不況を深刻にしているということについては認められたわけでありますが、これは、先日発表された経企庁の国民所得統計速報によりましても、年率マイナス〇・七%成長、九七年度は二十三年ぶりのマイナス成長に転ずる見通しということで、その原因が、個人消費の低迷が響いているということは、これは大方の指摘しているところでありますし、経企庁の糠谷事務次官も、消費の落ち込みが大きかった、これがこのGDP落ち込みの最大要因の一つだと、個人消費の低迷を挙げていることによってもはっきりしていると思うのです。 そこで、次に、景気対策の問題ですが、その基本に、国民の懐を直接暖かくするということと、もう一つは、消費マインドを冷え込ませている原因を取り除いて消費拡大を図る、このことを基本に据えなければならぬと思うわけです。 ところが、自民党の発表した十六兆円を超える総合経済対策の基本方針では、景気対策の中心は、効果がない、むだ遣いが多いと内外から批判の強い公共事業であって、前倒し率を過去最高、上期契約率八〇%以上に引き上げるなど、相変わらずゼネコン型公共事業への財政の重点投入というのが特徴的です。 先ほども総理は、大森の駅前で、与党から経済対策をいただいた、よく勉強して実現するよう努力していかなければならないと述べられたことを認めていらっしゃいましたが、自民党の経済対策では、この大きな柱として公共事業を打ち出しているわけですが、これは、バブル後の景気対策として公共事業をかなりやってきたが、景気対策効果には限界があったというのが、今日では、総理、明らかになっているのではありませんか。
○橋本内閣総理大臣 しかし、依然として国民の中に公共事業を求める声が非常に強いことを、国民とともに歩むと言っておられる御党が見落としておられることはないと思います。
○吉井委員 問題にしておりますのは、生活密着型の公共投資ではなくて、ゼネコン中心の大型公共事業のむだ遣いのことを言っているのです。 財政制度審議会の財政構造改革特別部会最終報告でも、これまで景気対策のための公共投資の大幅な追加が行われてきたが、欧米諸国の経験に照らし、こうした過度に財政に依存した経済運営について見直すべき時期にきている。 総理は、この立場は尊重して臨まれるわけですね。
○橋本内閣総理大臣 その大森の駅前で申し上げたことでも、重く受けとめている、よく勉強してと申し上げております。
○吉井委員 勉強してということでおっしゃるわけだけれども、しかし、実際に政府自身が今進めていることが、大森の駅でおっしゃったように、単なる勉強だけではなくて、きょうもおっしゃったように、重く受けとめて実現する努力をすると言っておられるわけですから、この十六兆円の中の公共投資の問題についても重く受けとめて実施に移すという立場をきょうも答えられたところです。 それで、特に今度の経済対策の中でも、物流の効率化の観点に立って集中的な投資を行うなど、これまでとは違った方向があるかのように見えますけれども、しかし、今考えられていることは、物流の効率化として、例えば横浜港に一兆円かけて超大型コンテナ船用の大水深バースを四つつくる計画が進められています。 これに対して、住田正二元運輸事務次官が、著書「お役人の無駄遣い」の中で、国の港湾計画のむだ遣いを批判して、大深度コンテナ埠頭は必要ないとしています。一方、利用する側の日本船主協会の会長である日本郵船河村健太郎社長も、二十五日の記者会見で、本当に需要があるのか海運会社の意見を聞いてほしい、現在海運各社が使用しているバースでも超大型コンテナは十分対応できる、たとえ大水深、高規格バースができ、そこに移ったとしても、今使っているバースはだれが使うのかと疑問を投げかけています。 私は、これからよく勉強してと総理はおっしゃったんだが、物流の効率化などということを挙げながらも、結局従来型の公共事業中心に今進めていこうという方向が考えられておりますが、これでは、景気の効果はなかったと指摘されていることの繰り返しになるのではありませんか。 ですから、公共投資、公共事業の問題について、それはやはり財政制度審議会の最終報告にあるように、これまで景気対策のための公共投資の大幅な追加が行われてきたが、欧米諸国の経験に照らし、こうした過度に財政に依存した経済運営について見直すべき時期にきている。 私は、このことをしっかり踏まえたことを総理としてお考えになる必要があると思うのですが、もう一度聞いておきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 御教示を受けて感謝いたします。 その上で、今大規模港湾を例に引かれ、バースの問題を取り上げられました。今我々は、本当に阪神・淡路大震災の反省の上に立って、多軸型の国土の形成を一方では目指していきますとともに、国際的な物流の中で、ハブ空港あるいはハブ港湾を整備していかないと、その主要な路線から外れてしまうのではないかという問題を持っておることを、議員はお忘れではないと思います。 そして、その中で特に港湾を例に挙げられました。そして、現在我が国の持っております船舶あるいはコンテナ、そして国際的に今動いておりますものが、将来どう変わっていくかという予測も、これは必要なことであろうと存じます。 そして、ただ単に、港湾というのはバースだけがそろえば国際競争力を持つものではないことは、議員の御指摘のとおりでありまして、これからの港湾整備を行うとするならば、運輸省と建設省とけんかをして、足の引っ張り合いなんてやられたんじゃ困るのでありまして、港湾を整備すると同時に、その港湾インフラとしての後背地整備、道路の整備等も、きちんとこれは計画的に連係プレーをとって進めてもらわなければなりません。物流拠点の整備という意味でも、こうした目をもって港湾を眺めなければならないということは、大きな、これから先の問題にもかかわってくることでございます。 そして、貨物の輸送の形態もまた変化いたしております。そして、航空機がその中で演じる役割が大きくなっておりますことも事実でありますが、国際的な物流の中で、大量、定期、できるだけ低廉なコストという選択肢の中で、海運の持つ役割というものは将来ともに当然のことながら残るでありましょうし、その中におけるスーパーコンテナといったものの将来も見越した計画が必要であるとは私は思います。
○吉井委員 今総理は、相変わらずの従来型の大型公共事業という方向を答えられました。 港湾について見ますと、現に私も各地を見てきておりますが、二百億円の釣り堀と言われるものとか四百億円の釣り堀と言われるものが現に各地に散在しております。そういう中で、つくってきた側の建設省の幹部も現に使う側の方たちも、これはもう要らないんだと言っているけれども、さらにこれを進めていこうと。これは、私は、公共事業のあり方として今本当に根本的に見直しをやらなければならぬときに、とんでもない話だと思います。 九兆円の負担増で、国民の消費が落ち込んでいる、不況を深刻にしている。もう天下公知の事実になっていますよ、今日の不況の深刻さというものは。こういうときに、総理は、では今のようなやり方で公共事業を進めれば、これで今の不況を打開するものになる、こういうふうにお考えですか。
○橋本内閣総理大臣 港湾の問題を出されたのは、私の方から言い出したのじゃないのでして、委員が言い出されたので、私は、議員がおっしゃるような話ばかりではございません。わざわざ御党が写してこられた非常に閑散とした港の写真は、昨年幾つも見せていただきました。ああいうものをつくるのが目的ではございません。今委員が例示を挙げられましたのも、主要港湾として現に我が国の海の窓、ドアとして非常に大きなウエートを担っております港湾の名前を挙げて、そこのバースの話をされました。だから私はバースの話をしたのです。 そして、従来型のとか、自分たちは違った公共事業というのを考えているんだとおっしゃいますけれども、いずれにしても、公共事業と税と、この景気刺激に対する役割の評価につきましてはいろいろな議論があることは、御承知のとおりです。そして、私は何も偏った議論をいたしておりません。議員が港湾を提起されましたので、港湾はこういう考え方もありますと申し上げただけであります。
○吉井委員 私が今聞いていますのは、公共事業が今の不況を打開するものになるというお考えかということを聞いているのです。
○尾身国務大臣 公共事業の景気浮揚に対する効果でございますが、公共事業それ自身需要となるということで、乗数効果も通じまして経済に好影響を与えるものであると理解をしている次第でございます。 減税との比較を時々議論になりますが、減税は、可処分所得の増加による消費の刺激を通じて経済に好影響を与えるということでございまして、その時々の経済状況によって異なるわけでございますけれども、乗数効果としては公共事業の方が多いというふうに一般的に言われている次第でございます。
○吉井委員 その乗数効果の話をいつも出されるわけだけれども、しかし、これは経企庁の試算によって、財政構造改革特別部会最終報告に出てまいりますが、一九七四年と八五年、九四年、発表するたびに乗数はどんどん小さくなってきているわけです。経企庁の試算する公共事業の乗数効果は、近時低下傾向にあると。経企庁の新保調査局長は昨年の九月の新聞紙上で言っておられましたが、いまだに景気対策として公共事業をやれと言っているのは日本だけだという指摘もしておりますね。 それで、実際に減税と公共投資の効果については、これは以前も議論したことがありますが、今日のように第三次産業の比率がうんと高くなった時代においては、公共投資の効果は第二次産業の建設業と製造業の二業種に集中する、所得税減税の効果は広範囲の業種に及ぶ、だから、景気浮揚策影響試算によると、生産誘発効果では公共事業と所得税減税の間に大きな違いはないけれども、増加労働者数では所得税減税の方が効果が大きい、こういう研究もあるわけです。 ですから、これまでは乗数効果論によって進めてきたけれども、これはもう、それは言い切れない時代になってきておる。しかも、宮澤内閣以来、六回にわたって累計六十兆円の公共事業中心の景気対策を進めてきて、しかし今日GDPの六割を占める個人消費が冷え込んだままで消費不況が深刻になっている、これが現状であるわけですから、公共事業依存というやり方では景気の効果は出てこないということをはっきり見なきゃならぬと思うわけです。 今必要なのは、やはり国民の消費を伸ばす方です。それには、政府が言っているような、アジアの動向あるいは金融機関の相次ぐ破綻によって消費者や企業の将来に対する信頼感が急速に低下した、その結果、消費性向が十月以来急速に低下した、それで消費が落ち込んだとする分析なのですが、結果として消費マインドが冷え込んだと言っているその原因を今取り除くことが必要であります。 消費性向の低下という点でいえば、十月から急にアジアの動向と金融危機によって始まったというものではありません。経企庁自身が、消費税率引き上げによる物価上昇は消費性向への押し下げ要因になるということは、九七年版の白書で指摘していたところであり、実際、消費性向の低下というのは、アジアの動向や金融危機以前からのものです。可処分所得のうち、預貯金など消費以外に振り向ける支出がふえたからこうなっているわけですが、それは、将来への不安からこういうことになってきました。 実際、前年同期比で、預貯金の純増額というのを昨年四月の消費税五%への引き上げ以降見てみますと、四—六月期がプラス一八・三%、七—九月期がプラス二二・八%、十—十二月期がプラス一六・二%。だから、十月からというのは事実ではありません。実際には、五%への消費税率引き上げ以降大幅にふえてきているわけです。 可処分所得に対する預貯金の純増額の割合というのを見ますと、これは一九九四年のプラス九・八%、九五年のプラス九・七%、九六年のプラス九・九%と、ずっとこの三年間横ばいなのです。九七年、昨年、これがプラス一一・五%、明らかに預貯金の急増。これによって消費性向が低下に変わってきた、このことがはっきり示されているわけです。 ですから、昨年の九月からの医療保険改悪による負担増、財政構造改革法による社会保障の毎年連続しての切り下げ改悪、これが将来に対する不安をさらに大きくしてきて、これで消費性向が低下してくるのは当然のことです。 ですから、消費マインドということを言うのならば、これは、総理、財政構造改革法で社会保障の連続切り下げを決めている、ここをやはり廃止しないと、消費マインドは温まってこない。消費性向を改善して、消費不況を打開することにはならないということは、総理、これははっきり認めなきゃいけないんじゃないですか。
○橋本内閣総理大臣 一方では、高齢・少子化を言われる。そして、御党はかつて、従属人口に大した変化がないのだから、高齢者人口がふえ、出生率が低下しても社会保障で大変だと言う必要はないという議論を展開された時期もおありでありますけれども、このごろ社会保障に非常に論議を集約されるようになられました。 しかし、今の体系をそのまま維持して、これがいつまで維持できるとお考えでありましょう。国民生活のセーフティーネットとして、将来ともにバランスのとれた仕組みをつくろうとすれば、今やっていかなければならないことは非常にたくさんあると私は思います。
○吉井委員 高齢化社会を支えるというのは、これは高齢化していく人も実際には働いて一緒に支えていく社会であるわけです。そこのところをいつも切り捨てて議論をされるのですが、消費性向低下の要因というのは、さらにリストラの進行、雇用不安の深刻化というのが問題になってきています。将来ますますこれで不安になるから、消費性向が低下するわけです。 現に完全失業率は三・六%となっておりますが、中でも、実は五十五歳から六十四歳の男性の完全失業率は六・二%。読売新聞は、就業あきらめる高齢者と書いています。その上、政府がやろうとしているのが労働法制の抜本改悪ですから、これではますます消費性向を低下させるばかりですよ。 社会保障制度の連続改悪を決めた財政構造改革法はやはり廃止をする、そのことをはっきり示すことによって、消費マインドが冷え込んだ原因を取り除く、このことに努めなければならぬのではないですか。
○尾身国務大臣 消費性向が構造的に長期にわたって下がってまいりました理由は、一つは、雇用状況が厳しくなってきているということ、それからもう一つは、株価それから地価等の下落によりますいわゆる資産デフレの効果が消費に影響を及ぼしているということであろうかと思います。 短期的には、昨年の秋以降に起こりました、いわゆる将来に対する、経済に対する信頼感というものが低くなってきたことが影響を及ぼしていると考えているわけでございまして、そういう意味で、各般の施策によりまして、将来に対する期待感、信頼感、そういうものを高めることが基本的には大切な対策であると考えております。
○吉井委員 時間が参りますので、締めくくって、終わりたいと思います。 今、少なくともこれだけ国民の懐が冷え込んできた中で、直接暖めるのは消費税の減税でありますし、そして、消費マインドが冷え込んだのを、その原因を取り除くという点では、これは医療保険制度の改悪とか、さらに連続的に切り下げを決めた財政構造改革法、こういうものを廃止して、やはり国民が、本当に将来にもっと安心して消費に向かっていく、貯蓄に向かうのではなくて消費が進むようにしなければならない。そのことを指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。
○越智委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原委員 総理を初め各閣僚の皆さん、大変御苦労さまです。時間も時間ですから、できるだけ簡潔にお尋ねをしますので、お答えを願いたいと思います。 まず、今もいろいろお尋ねがありましたが、私も景気対策について、まず総理の御見解を聞かせていただきたいと思います。 先日、あえて与党と言わせていただきますが、与党が取りまとめた総額十六兆円を上回る景気対策が具体化されてきますと、いろいろ問題含みではありますが、私は、景気の先行きはかなり明るくなっていくと期待をいたしております。 そこで、しばしば議論されてまいりましたように、所得税減税についての結論は先送りされている。これは理解はいたします。それが不透明であるがゆえに、国民の景気の先行きに対する不安というか、あるいは、せっかく十六兆円を景気対策に回そうというのに、影響力がどうなっていくかという面があるのではないかと思うのです。 そこで、総理は、所得税減税ということには非常に慎重で、税制度全般について検討の上でないとという含みの御発言もあったように思うのですが、それも、グローバルスタンダードというか、いろいろ素人ですがよく検討してみると、おっしゃらんとすることはわかります。 だが、景気対策をさらに力強く推進して景気を回復していく道筋を立てていくためには、この時点でやはり総理が国民に明るいメッセージをもう少しおやりになるということが、消費マインド問題を含めて、景気の先行きを明るくしていく非常に大きな影響力をもたらすと思うのですが、その点が一つであります。 もう一点は、その場合に、所得税減税の問題と、やはり政策減税についても、与党間でも、自民党さんもいろいろ御検討いただいているようですが、もちろん野党もそうでしょうが、子育て世帯に向けての減税等の政策減税をやはり早期に実現をしていただきたい。 来年度の税制改正を待つということではなくして、こういうのは、もっと前倒しというか、先手先手でやっていく。同時に、規模についてもできるだけ思い切った政策減税というものを、景気浮揚の効果をもたらすという意味でやれば、少子化対策としても非常に政策面で国民の期待にこたえていくことになりますし、また、大規模な政策減税を早期実現に向けてやるんだという橋本内閣の国民へのメッセージにもなると思うのですが、この二点について総理の御見解をお聞かせ願いたいと存じます。
○橋本内閣総理大臣 もう議員よく御承知のことでありますけれども、税制改正に至ります手順、これは後々にも影響を及ぼすことでありますがゆえに、与党の中におきましても、また政府税制調査会におきましても、非常に慎重な、真剣な議論を例年繰り返し、年末に向けてその議論を集約させております。 そして、今、所得減税そして政策減税、二つの問題についてお触れになりながら、御論議をいただきました。ただ、いつも、これは議員だけを言うのではありません、皆さん減税の話はたくさんくださいますけれども、その財源をどうするというお話はなかなか実はちょうだいができないわけであります。 そして、今本院におきましても、私は繰り返し、むしろ現在既に国会に御提案を申し上げている税制改正、これがすぐにでも使えるように早く成立をさせていただきたい、予算についてもというお願いを申し上げてまいりました。 今、議員は、今回の与党でおまとめをいただきました総合経済対策の基本方針にも触れられました。これは与党の案として我々は受けとめて、勉強させていただきたいと考えております。 その上で、恐らく議員のお考えの所得減税というものは相当大きなものを意味しておられると思いますが、これは、ただ単に特例公債の大量発行を伴うといったことだけではなく、今までもしばしば申し上げてまいりましたように、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い、言いかえれば、欧州諸国の場合あるいはアメリカの場合には所得税を負担していただいているクラスの方で日本では所得税を負担しておられない方はたくさんおられる、そういう状況もやはり慎重に考えて、制度としては組み立てていかなければならないのではないでしょうか。 また、特に子育て世帯の減税という御指摘もございました。今回も、教育費などの支出のかさむ中堅所得者層の税負担に配慮した特別扶養控除額の引き上げ等、きめの細かい措置を行っておりますし、こうしたこととの対比でも十分御論議をいただきたい、また我々も論議をしてみなければいけない、そういう課題であると思います。その上で、与党の一員である議員からこの問題が提起されたことを真剣に受けとめて、これからの論議もいたしたいと思います。
○上原委員 確かに、今総理がおっしゃる、いろいろの課題を検討した上でということは一定の理解をいたします。もちろん財革法との関係がありますから、もし大幅所得税減税を断行というか実行していく上では特例公債ということを考えなければいかないでしょう。そのことは、もう時間もありませんから、ぜひひとつ十分、政策減税を含めて、政府としてもお考えになっていただきたいと思います。 そこで、今も公共事業をめぐっていろいろ御議論がありました。私は、公共事業を追加することについていろいろな御意見、批判があることはわかりますが、我が国の社会資本の整備、ハード面がすべてこれでいいというわけでもないでしょう。また、ソフト面は特に重要だと思うのですね。 そういう面で、せんだっても一言、二言申し上げたのですが、いわゆる国民生活の質を改革していく、改善していく、公共事業についても開発土木型から生活文化型へということが言われて久しいのですが、なかなかそういう方向になっていないような気がいたします。例えば社会資本の整備目標の達成状況を見ましても、大都市圏の住宅とか道路の緑化、あるいは車いすを利用しやすい幅員の広い歩道をつけるとか、情報化、教育環境の整備などには著しいおくれが見られます。 ですから、今後の景気回復あるいは公共事業をやっていく上においては、環境福祉型の産業経済を目標とする。これは総理も所信表明かどこかで明言しておったような気がいたしますが、そういうことを我が国が率先してやることによって、地球の温暖化の防止とか、他方では、今申し上げました少子社会、高齢化社会への対応にもなっていくと思います。 こういうことについては、総理も御異存がないと思うのですが、どういう方針で進めていかれようとするのか御見解を聞いて、また、厚生大臣もせんだって、福祉型の予算に転換、もし新たな措置をするならばという御意見もありましたが、ひとつお聞かせを願いたいと存じます。
○小泉国務大臣 まだ補正予算の話は聞いておりませんが、今後仮に公共事業等の話が出てきた場合、今までの省庁の枠に上積みを乗せるということでは構造改革にならない、やるべきところはほかにたくさんありますから。全省庁マイナスという前提で厚生省の関係予算は組んでおります。ほかの予算がこの前提が崩れるというのだったらば話が違いますから、そのときには、またそれなりの話をさせていただくということであります。
○橋本内閣総理大臣 今上原議員、公共事業に限定してのお尋ねだと思います。そして私は、公共事業を必ずしも否定する立場ではございません。というよりも、なお整備をしなければならない公共事業の分野があると私は思っております。 そして、大きくは多軸型の国土形成ということでありますけれども、例えば、先般来、特に参議院に舞台が移りましてから集中的に御質問のありますダイオキシン対策、言いかえますならば、現在の焼却炉、こうした問題を初めとするごみの、これは産業、生活両方を含みますけれども、その廃棄物の処理体制を再構築する問題、あるいは、先ほどたまたま御論議がありましたけれども、港湾あるいは空港の整備と道路の整備との一体性、そして、それが都市のインフラとしてどう役立つかといった組み合わせ、さらに、高齢社会というものを考えていきますなら避けて通れない高齢者向けの施設整備の必要性、これはソフトの面も含むわけでありますけれども、ハードの面でもその問題は指摘をされております。 そうしたさまざまな角度からの公共事業というものが、従来の形にとらわれるのではなく、有機的に活用されて、よりよい国土づくりに役立つべきであるということ、この御指摘は私もそのとおりに思います。
○上原委員 これは当然、社民党としてもまた与党の中でも、総合経済対策の中で、いわゆるソフト面への建設国債の活用というようなこと等を含めて検討されていくと思いますので、ぜひひとつ今申し上げたこと等についても、十分内閣としても御配慮を願いたいと思います。 次に、これは予算とちょっと関係はありませんが、総理にお尋ねさせておいていただきたいのです。 例の与党の政治改革プロジェクトの中で政治腐敗防止法案について今いろいろ御議論がなされて、与党としては、プロジェクトとしては一定の方向が出ましたが、自民党さんの政治改革本部の中でもいろいろな御意見、御議論があったようで、私は、あっせん利得罪といいますか、政治腐敗防止法案というものは、この時期にやはりきちっと方向づけをしておくべきだと思うのですね。もちろん、このことについては、今三党の幹事長レベルでいろいろ御検討して、与党でまとめていくという方向で議論されているようであります。 総理も、役所への口ききそのものを禁止するのではなく、それによって何らかの利益を受けなければ問題はない、こういうことでしょうということを、報道の上ですが、見ておりまして、私はこれは至極当然の御見識だと思うのですね。改めて橋本総理の御見解を聞かせておいていただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今御引用になりましたのは、数日前に番記者の諸君から質問がありましたことに対し私が答えたその記事の引用であろうと思います。必ずしも正確ではありませんけれども、おおむねそのような答え方をいたしました。 そして、お尋ねの、国会議員等が公務員に対しあっせん行為をすることの報酬として利益を収受する、こうしたことを罰する、罪の新設を含む政治腐敗防止のための立法措置、この問題については、現在引き続き与党政治改革協議会において検討されているものと承知をしておりまして、私はこの議論の推移を見守りながら適切に対処していきたいと思います。
○上原委員 申し上げるまでもありませんが、総理は自民党の総裁でもあられるわけですから、ぜひこの問題には十分なリーダーシップを発揮していただくことを強く要望申し上げておきます。 最後に、ASEMのことでちょっとだけお尋ねをさせていただきたいと思います。 四月二日からアジア欧州会議がロンドンで開催される。ここはアジアのいろいろ金融、経済問題が中心になるかと思うのですが、同時に、日韓首脳会談あるいは日中の首脳会談も当然あると思います。特に日韓関係、漁業交渉問題を含めて重要な課題であると同時に、特に金大中大統領が御就任なさって以降最初の日韓の首脳会談にあるいはなるかと思いますので、総理の御決意と、このASEM会談にお臨みになる御意見を聞かせていただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 四月のASEMの首脳会合、これは今想定されておりますのが、アジアの通貨問題等の経済問題に加え、政治対話、またASEMの将来に関する議論ということになりそうです。 そして、特にその政治対話の中で、アジアと欧州が関心を共有する地域、国際情勢についての率直な論議、さらには新規加盟国、そうした問題が相当程度率直な議論になるであろうというのが前回の会議の様子を見ても想定ができますし、アジア各国の通貨問題につきましても相当な議論をすることになると思います。その中で、率直に日本の立場も話しながら、役割を果たしていきたいと考えております。 今、二国間の首脳会談、幾つかお挙げをいただきましたけれども、まだ調整を続けておりますが、韓国及び中国との会談は、実現をすることができますといずれも首脳としての初顔合わせの場になりますので、私としては重視し、この二カ国との対談が実現するように事務方に努力を依頼しております。 殊に、委員から御指摘のありました韓国との会談、金大中大統領とこれまで実は十分な面識が私はございません。私の方からは存じ上げておりましても、大統領の方は恐らくその当時御認識はなかったろうと思います。 ですから、今幾つか具体的な問題にお触れになりながらの御激励をいただきましたけれども、今度恐らく、余り個別具体的な問題に深入りをするということよりも、お互いが何を考え、将来に向けて日韓両国どのような立場で、どんなテーマについて協力していこうとしているのか、そういったむしろ友好協力の関係をそれぞれの歴史を踏まえながら交わしていく、私は、そういったところに重点が置かれるであろうと思いますし、また、置きたいと思います。 そして、当然ながら、その中では、対北朝鮮政策あるいはアジア経済などについても意見交換をさせていただければと思っておりますが、まだ確定をしておりませんので、これが実現をいたしますなら、それだけの時間を割いていただいた価値があったと言っていただけるような会談にしたい、そのように思います。
○上原委員 頑張ってください。 時間ですから、終わります。
○越智委員長 これにて上原君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成十年度暫定予算三案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○越智委員長 三案につきましては、日本共産党から討論の通告がありましたが、理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。 これより採決に入ります。 平成十年度一般会計暫定予算、平成十年度特別会計暫定予算、平成十年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、平成十年度暫定予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました平成十年度暫定予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時八分散会