予算委員会 第29号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/20
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に 五島 正規君 高木 義明君 北側 一雄君 及び 加藤 六月君 を指名いたします。 ――――◇―――――
○越智委員長 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。 第一分科会主査山本有二君。
○山本(有)委員 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、内閣関係では、PETボトルのリサイクル推進の必要性、内閣による国会及び裁判所の予算編成と三権分立との関係など、 次に、科学技術庁関係では、動燃の幌延貯蔵工学センター建設計画の変更問題、原子力防災体制の充実化など、 次に、総務庁関係では、行政及び立法に関する情報公開推進の必要性、交通事故対策への取り組み姿勢など、 次に、警察庁関係では、自動車教習所の産業としての位置づけ、 次に、総理本府関係では、女性に対する暴力の根絶策、法令等における障害者に係る欠格条項見直しの進捗状況など、 最後に、防衛庁関係では、米軍厚木基地における夜間離発着訓練問題、自衛隊における定年制のあり方などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第二分科会主査伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 第二分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、大蔵省関係では、中小企業に対する貸し渋り解消策、格付機関による企業の格付基準の妥当性、大蔵省不祥事問題と対応方針、金融検査体制充実の必要性などについて、 次に、外務省関係では、在日米軍の低空飛行訓練問題、日韓漁業問題への対応方針、アフガニスタン紛争解決への我が国の取り組み姿勢、サハリン残留韓国人問題への取り組みについて、 次に、法務省関係では、法律扶助基本法制定の必要性、司法過程における通訳確保の現状などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第三分科会主査中山利生君。
○中山(利)委員 第三分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、文部省関係では、青少年の凶悪事件及び薬物乱用事件の増加の背景と防止策、養護教諭複数配置促進の必要性、埋蔵文化財等の保護のあり方、学校完全週五日制移行におけるカリキュラム変更のあり方、奨学金制度のあり方、海外からの留学生受け入れ基盤強化策、障害者受験制度改革の必要性、高校入試制度見直しの必要性などであります。 次に、自治省関係では、地方分権の推進と地方財源のあり方、市町村合併の重要性とその推進策、チャイルドシート着用義務化の必要性などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第四分科会主査石川要三君。
○石川委員 第四分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、厚生省関係では、薬価基準への参照価格導入問題、特定保険医療材料の価格是正の必要性、放課後児童健全育成事業拡充の必要性、産業廃棄物不法投棄問題、ダイオキシン発生対策、パラリンピックメダリストへの報奨金制度創設の必要性、平成十年度診療報酬改正と今後の検討課題、介護保険と痴呆性老人対策などであります。 次に、労働省関係では、破綻金融機関従業員の再就職支援策、職業能力開発促進センター統廃合問題などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第五分科会主査関谷勝嗣君。
○関谷委員 第五分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、環境庁関係では、地球温暖化防止への取り組み姿勢、ダイオキシンの人体への影響と規制のあり方、沖縄の海上ヘリポート建設が環境に与える影響などであります。 次に、農林水産省関係では、国有林野事業の抜本的改革のあり方、魅力ある農業の確立策、米の減反政策の見直しの必要性、農作物に対する鳥獣害対策の強化の必要性、畜産農家の保護育成充実策、新たな日韓漁業協定締結の見通し、沖縄振興策における農業の位置づけなどであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第六分科会主査中川昭一君。
○中川(昭)委員 第六分科会について御報告申し上げます。 質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、経済企画庁関係では、景気の現状と展望、海外経済協力基金の融資のあり方などであります。 次に、通商産業省関係では、地場産業及び伝統産業の振興策の必要性、先物取引における消費者保護のあり方、省エネルギー政策推進の必要性、産業の空洞化対策の必要性、中心市街地活性化策、リサイクル法案の概要、愛知万博への支援策、原子力発電の安全確保策などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 第七分科会主査桜井新君。
○桜井(新)委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、運輸省関係では、神戸港の強制水先制度の現状と見直しの必要性、障害者、高齢者に配慮したノンステップバス導入推進策、空港整備の将来展望、青函トンネルの有効活用策、自動車保険料率算定会の損害調査のあり方、沖縄県におけるバス輸送事業の今後の方向性、旧国鉄用地利用についての今後の課題などであります。 次に、郵政省関係では、郵便番号七けた化導入後の現状、郵政事業の経営形態のあり方、コミュニティー放送推進への取り組み方針などであります。 以上であります。
○越智委員長 第八分科会主査小澤潔君。
○小澤(潔)委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。 まず、国土庁関係では、東海地震対策についての国土庁の取り組み状況などであります。 次に、建設省関係では、公営住宅の入居制限見直しの必要性、河川管理における水系一貫主義見直しの必要性、交通渋滞緩和のための都市部の道路整備の必要性、東京湾横断道路開通による経済効果、長期間着工していないダム建設事業見直しの必要性、日本道路公団の経営状況と問題点、沖縄県の道路網整備方針、景気対策としての公共事業の必要性、阪神・淡路大震災被災地土地区画整理事業問題などであります。 以上、御報告申し上げます。
○越智委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。 ―――――――――――――
○越智委員長 これより締めくくり総括質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 二月二十四日に始まりました平成十年度の予算に関する質疑も、いよいよ締めくくり総括質疑ということになりました。この間、想像を絶するような大蔵省の不祥事が拡大をしたり、また、私たちのこの国会に席を同じくします同僚議員がみずから命を絶つという、大変ショッキングな事件もございました。 しかし、そうしたさまざまな厳しい不祥事や事件の中でも、長野のオリンピックは感動的な場面を世界の人々に、特に私たち日本人には忘れることのできない、長野よありがとう、そういう場面でもございました。 そして、この予算委員会の中では、時には与野党の激しい議論もございましたけれども、総じて、今日の景気をどうするか、また、さまざまな改革の先にあすの日本を、どう私たちは新しい日本をつくっていくか、お互いに、与野党を超えて、ともに人々の暮らしを案じ、またこの国の将来を考えながら、真剣な質疑が続けられてきたと思います。 極めて限られた時間でありますので、端的な、具体的な問題について、これまでの質疑を通じて、もう一度確認を込めて、また、これからの問題にどう対応していくかということも含めて、伺ってまいりたいと思います。 具体的な経済対策について伺う前に、明日から外務大臣が訪韓をされるということになりました。金大中大統領、金鍾泌首相、あるいは外相とも会われるということであります。私たちにとって極めて大事な日韓関係、御案内のとおり、漁業問題をめぐって日韓は今厳しい状況下に置かれていることも現実であります。 四月上旬、ロンドンで行われますASEMの会議において日韓首脳会談が行われるわけでありますが、それを前にして、今日の小渕訪韓は極めて重要な両国の会談になると思いますが、どのような決意で訪韓をされるのか、まず外務大臣からお伺いをしたいと思います。
○小渕国務大臣 先般発足いたしました韓国新政権との間で、友好協力関係をさらに強化していく観点から、政府間の対話を進めていきたいと考えております。滞在中に朴定洙外交通商部長官と外相会談を行いまして、懸案の漁業問題を含めた二国間関係の全般や、対北朝鮮政策について意見交換を行う予定にいたしております。 なお、二月二十五日に就任をされた金大中新大統領にも、表敬の機会を得たいと念願しております。 今回の外相会談を通じまして、新任の朴長官と信頼関係をぜひ構築したいと願っており、そして、二十一世紀に向けた両国のパートナーシップ構築へ新しいスタートを切りたいと思っております。 お話しのように、四月のASEMに橋本総理みずからロンドンに参られるということでありますれば、願わくは、金大中大統領との最初の首脳会談を行うことができますように、そうしたお話も申し上げてきたいと思っております。
○伊藤(公)委員 外務大臣の成果を期待させていただきたいと思います。 それでは、まず、経済対策についてお伺いをしたいと思います。 政府は、経済対策として、昨年の暮れに、緊急経済対策、二兆円の特別減税、公共事業の追加も盛り込んだ九年度の補正予算、さらには三十兆円の公的資金を活用いたしましたいわゆる金融システムの安定化対策を的確に実行に移し、景気を今日まで下支えしてきたと思います。 その上に、法人税の減税あるいは土地関連税制の改正も含めました十年度予算を一日も早く速やかに成立させ、切れ目のない予算を執行することで景気は改善されていくことになるであろう、こう期待をしているところでもあります。この予算委員会でも、何度か質疑がございました。桜の咲くころも間もなくでございます。 しかし、一方では、先日発表されました昨年十月から十二月期の国民所得統計速報によりますと、平成九年度が二十三年ぶりのマイナス成長になることが確実視されるようであります。景気の状況は必ずしも予断を許されない状況であります。政府は、経済状況に十分注意しながら、状況によっては、財政再建という大きな目標を持ちながらも、今後思い切った内需の拡大を図るための大型の景気対策を打つべきではないかと私は思います。 実は、党の内外にも財政構造改革法そのものを見直すべきではないかという意見もあります。そして、そうした意見もこの委員会の中でもやりとりがございました。しかし、橋本内閣は、もともと日本改造、さまざまな諸改革を遂げて、痛みを伴う改革を進める、こういう決意で諸改革に取り組んできたはずであります。 もしそうであるならば、さらに大きな借金を次の世代、孫の世代に私たちが残すという選択は正しくないと私は思います。今後、財政構造改革と当面の景気対策を両立しながら、どのような選択をしていくか、今政府には極めて重要な選択が迫られているように思います。 しかし、振り返ってみれば、歴代の内閣、私たちの長い歴史の中には、もっと大変な時期もあったと思います。過去を細かく振り返っている時間は今ありませんけれども、経験豊かな総理が、この難しい我が国のかじ取りを、こうした財政構造改革を未来に向かってやっていかなければいけない、しかし、当面の人々の暮らし、景気も回復していかなければならないというこの両輪をどうかじ取りをしていくか。 予算のこの締めくくり、また新しい経済対策などいろいろ取り組んでいかなければならないこのときに、総理の御所見を伺っておきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 議員からも御指摘がありましたように、私は、財政構造改革の必要性というものはこれからも何ら変わるものではない、そして、今後ともに財政構造改革は着実に進めていかなければならない大切なテーマだと考えておりますが、同時に、経済の実態あるいは金融システムの安定を考えながら、その時々の状況に応じてさまざまな対応措置をとっていくことも、また政府としては当然のことだと思います。 そして、財政構造改革と経済あるいは金融情勢を踏まえた景気対策というのは二者択一のものではない、本院におきましても、繰り返し私はそのように申し上げてまいりました。いわば中期の目標と当面対応という、タイムスパンの異なるものだと考えております。 いずれにいたしましても、二月からの給与所得者などに対する特別減税の実施、また九年度補正予算におきまして、災害復旧事業等公共事業を追加させていただき、また金融システム安定化対策など、こうした措置をとらせていただいたわけでありますが、こうした措置は我が国の経済の回復に役立つものだ、そのように考えてまいりました。 今日、何よりも院に対してお願いを申し上げたいことは、予算の切れ目を生じさせない、そのためにも、できるだけ早い衆参両院における予算の、また予算に関連いたします税制改正等の関連法案の成立を求めることでありまして、そうした努力の中で、一日も早い成立を心から願っております。
○伊藤(公)委員 私たちは、常に臨機応変に、経済は生き物ですから、新しい事態が生まれてくれば、新しい事態に対応していくことは当然なことだと思います。 私、つい最近、個人的な名前を言っていいかどうかわかりませんが、イトーヨーカ堂さんの、今いわゆる総合スーパーでは日本一の利益を上げている社長さんの講演を聞かせていただきました。同時に、そのときに本も読ませていただきました。 今経済は非常にスピーディーだ、そしてその新しいことにどれだけ短時間に早く対応できるかが勝負だ、雨が降ったら何が売れるか、日曜日の午前中は何が売れて、午後には何が売れるか、そういう対応をしなければやっていけない時代が今来ている。私は、今民間の企業の皆さんというのは、そういう真剣勝負をやっておられると思います。そして、それは、国内だけではなくて、国際社会の大きな動きの中で商売をやっていかなければならない時代だと思います。 私たち政治の場にいる者は、国民の皆さんは、この日本の国の一番大事な、言ってみれば株主です、その方々に、国民一人一人に私たちは正当な配当もしなければならないし、そしてその方々が、所得税にしても法人税にしても、この国や自治体に税金を納めてくださるから国も自治体もやっていけるわけであります。 そこで、私たちは、これからどういうふうに当面の問題を乗り切っていくかということが差し迫って、この予算が上がると直ちに私たちはいろいろな対応をしていかなければならないと思います。この国会の中でもいろいろな議論がございました。もちろん、外にもいろいろな専門家の方々の議論があります。 結論だけ申し上げますと、この景気対策に減税をして踏み込んでいく方が景気対策になるか、いやいや、そうではない、公共事業だ、公共投資だ、しかもその公共投資は、今までのような、もう船が入らない港をつくることはしばらくやめよう、永久に採算がとれない新幹線は、地域ではそれはいろいろな熱意があること、私も地方出身ですからわかります、それは少し先に延ばそう。 しかし、何でも公共事業をやらないというわけではない。例えば、私たちは、もっと経済的に厳しかった、もっと国の力も小さかったとき、あの東京オリンピックでは、わずか五年間で五百十五キロの夢の新幹線を実現しました。もちろん、世界銀行の大きな協力もあったことは事実です。 私は、そういうことを考えると、きょうはもうやりとりをするつもりはありませんが、公共事業でも、例えば、東京―大阪間に七千八百万人の人たちが住んでいるとしたら、三千二百三十二市町村とは言わないけれども、圧倒的に多くの人たちが住んでいるこの地域、もう少し快適に住めないか。もう少し通勤者が快適に通勤できる方法はないか。それなら、東京―大阪間を夢のリニアで結ぶ。これは、今中国でも日本のリニアには大変注目しています。 そうした科学技術への観点からの公共事業なら、それは私たちは選択をしていく必要もあると思います。これからの公共投資は、特に日本の、我が国の経済の体質の改革をしていくことだ。国民生活の向上に投資をするという観点から、研究開発の施設あるいは情報通信、物流、福祉施設、産業廃棄物の処理施設あるいはダイオキシン、私たちは、そうした新しい分野での公共事業関係費というものも、その対象を広げていくべきではないか。そういう公共投資ということなら、私は、むしろそのことの方が次の時代への投資になるというふうにも思います。 もちろん、それぞれにメリットとデメリットがあることは私も承知をして申し上げておるわけでありますが、これからの展望に立って、総理は、この減税あるいは公共投資というものに対して、どのような考え方をお持ちになっているかを、この機会に伺っておきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 来年度に向けて今御審議をいただいております予算また税制改正の中にも、議員の御指摘の方向というものは、私は、ある程度方向というものをお見せできたのではないだろうか。例えば、法人課税を国際的な水準に近づけていく。あるいは、金融システム改革にあわせて、証券関係税制の見直しに着手をする。あるいは、今の土地取引というものの実態を踏まえ、地価税に対して、切り口を変え、これを凍結する。また一方では、研究開発あるいは情報通信等々を例示に挙げられましたけれども、そうした意味での将来への方向もお目にかけてきたつもりであります。 例えば、議員が例示に挙げられた公共事業の配分につきまして、経済構造改革の推進に資するためにも、特別枠を活用することによって、プロジェクト中心の物流効率化事業、こうしたものに優先的、重点的な配分を行うと同時に、例えば下水道とか廃棄物処理施設、あるいは自然公園、森林環境など、国民生活の質の向上につながる部分に配分の重点化を引き続き行う、こうした考え方で進めてきました。 また、研究開発や情報通信、あるいはダイオキシン対策、こうした点に対しての御指摘をいただいたわけでありますが、今御審議をいただいております予算におきましても、環境、科学技術、情報通信等、経済構造改革特別調整措置及び物流効率化による経済構造改革特別枠、こうしたものを活用しながら、重点効率化を図っております。 また、引き続き、高齢の方々あるいは障害を持たれる方々の保健福祉施策に対しても、留意をしてまいりました。廃棄物処理対策についても、改正廃棄物処理法の円滑な施行のための所要の事業に配分をいたしております。私は、そうした方向というものはこれからも大事にしていくべきもの、そのように考えている次第であります。
○伊藤(公)委員 極めて限られた時間でありますので、預金保険機構の理事長さん、お見えいただいておりますが、大変恐縮ですが、あとの質問ができないものですから、お願いだけしておきます。 私たちは、国民の大切な税金を三十兆円投入することになりました。(発言する者あり)税金もいろいろ含めましてですね。貸し渋り対策、これからそれに対応するという方向を私たちは示したわけです。それに対して、貸し渋り対策であるとか、そういうことについてきちっとこれから指導していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 大蔵大臣にお伺いをしたいと思いますが、今申し上げた貸し渋り問題は、私たちが地域に行って、やはり非常に切実だと思います。そこで、金融機関がBIS基準八%の達成に縛られているわけでありますけれども、内容のよくない銀行が海外に支店を持っているということは、そういう意味では非常に貸し渋りに影響があるというふうに思いますので、そこは大蔵省としてもきちっとした指導をしていくべきではないかと思いますが、大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。
○松永国務大臣 お答え申し上げます。 今日、貸し渋りと言われる状況を早く解消することは、極めて大事なことだと思っております。今回の金融システム安定化緊急の二法に基づいて、申請銀行に資本注入という施策を講じたのも、一つは、我が国の金融システムを安定させ、内外の信認を高めるための措置でありますが、しかし、資本が注入されれば各銀行の融資対応力が強まるわけで、それを通じて貸し渋りの解消を図ろう、こういうことでやることになったわけであります。 御存じのとおり、二十一行に対して資本注入をするわけでありますが、誤解のないように申し上げますけれども、実は今回の資本注入のお金は、預金保険機構が政府保証に基づいて日銀から融資を受けた金でやるわけでありますから、今回は、その面では税金は使われておらないわけであります。 今申されたBIS基準の関係でございますが、御指摘のとおりでありまして、海外に営業拠点を持たない銀行は、自己資本比率規制について何も八%に固執する必要はないわけです。そこで、この三月期から、海外に営業拠点を持たない銀行の自己資本比率規制については一律に国内基準四%を適用することとしております。 その結果、全国、銀行百四十七行のうち、国際統一基準すなわち八%の適用がある銀行は、去年の九月期の八十行から、ことしの三月期には四十六行に減ります。逆に、国内基準四%適用行は六十七行から百一行に増加する見込みとなっておるわけであります。この点からも、これは貸し渋りの解消にはプラスになる、こう思っているところでございます。
○伊藤(公)委員 時間が参りましたのであれですが、三十兆円のことについては、私もちょっと急いだものですから、大変恐縮でした。 最後に一言だけ、小泉厚生大臣に。 パラリンピックについて、もう少し支援をしてほしいという声が非常に高まっていますけれども、一言だけ、どう対応するかだけお伺いして、質問を終わらせていただきます。
○小泉国務大臣 パラリンピック大会が成功裏に終わりまして、多くの障害者にも希望と勇気を与えたと思います。 そこで、パラリンピック大会を契機に、障害者スポーツのあり方についていろいろな議論が出てきております。厚生省としては、来月にも障害者スポーツのあり方について懇談会を開いて、そこで主な検討課題として四つほど考えております。 一つは障害者の競技スポーツ普及について、二つ目には選手強化について、三つ目にはオリンピックとの連携について、四つ目には報奨金について、これらを主な検討課題として、四月に、障害者スポーツ関係者、経済界、学識経験者によりまして検討会を設置しまして、夏ごろまでにはその結論をまとめるように事務当局に指示をしたところであります。
○伊藤(公)委員 終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて伊藤公介君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず、冒頭でありますけれども、伊吹労働大臣にお伺いをいたします。 報道されるところによりますと、三月十七日、閣議終了後の記者会見の中で労働大臣が、賃金の決定のあり方について、基本的には市場経済の原理原則に合わないことは通らない、業績の悪いところを無理に引っ張り上げ、出せということになれば、長い目で見れば雇用を失う、そして、護送船団方式的な賃金決定のあり方は市場経済に反する、このように発言をされたようであります。 もしもこういうことであるとするならば、私からいたしますと、労働大臣はいかなる認識のもとに労働行政に携わっているのだろうかという感を否めません。 要するに、いわば労働団結権というものをどういうふうに考えるのだろうか。あるいは、賃金引き上げということについて、労働組合のそれぞれの皆さん方がまさに協力をして、共闘をして取り組んでいくということについて、いかなる認識を持つのだろうか。 そしてまた、いわば公正労働基準というようなことを私たちは主張もしたりいたします。これは実は国内の問題もある。あるいは、ひいてはこういう取り組みというのは国際的に見ても、かつて私も、昨年もヨーロッパの会議で、これはEUとの会議でありましたけれども、いわばこれから大競争時代に入ってきて、そして人口四十億の市場経済の中でやっていこうとしたときに、これから国際的な労働基準というものがどんなに重要なことになっていくかということを、その場でも私は述べたりしたわけであります。 そしてまた、護送船団方式的な賃金決定のあり方は、というふうに表現をされたようでありますが、今特に金融機関について、護送船団方式というものがどんなによくないものであるかという形で議論をしていると思うのですね。そういう言葉を連想させる形で表現される話は、いかにもこれはおかしいではないかという感じがいたします。 したがいまして、現在、本当に労働大臣としてどういうふうに思っていらっしゃるのか。自分の認識が間違っていたなら間違っていた、あるいは言葉遣いが間違っていたならばそれはそうだと謝罪するなり、ここでちょっとしっかりさせていただきたい、このように思います。
○伊吹国務大臣 十七日の閣議後の記者会見で、記者の方から少しやりとりがありました。事実を正確に申し上げなければいけませんので、お許しをいただいて、こういう質問でございました。 あすが大手の金属の集中回答日なのですが、金額等に触れるのは大臣として好ましくないということですが、かなりの低額の回答が出てきた場合、春闘とか賃金決定の方式として個人の業績に応じてという話が随分入ってきたりしますが、その賃金決定のあり方について大臣の御意見はございますかと、こう聞かれたわけでございます。 そこで私が答えましたのを、実はこういうことも間々起こりますので、労働省の諸君がテープできちっととってくれております。それを申し上げます。 基本的には市場経済でやっているわけですから、市場経済の原理原則に合わないことは通らないわけで、業績が非常によいところは悪いところに引っ張られて余り出さないということも困るし、悪いところを無理に引っ張り上げて出せということになったら、その企業は結果的に経営難に陥って長い目で見れば雇用の場を失うわけですから、私は余り護送船団方式的な、これは争議とか交渉の仕方を言っているわけじゃございません、余り護送船団方式的な賃金決定のあり方というのは、市場原理の原理原則に反するものだと思っています。いずれにしろ、その内容については、公的に介入したということになるといけないので、言わない方がいいでしょう。私は実はこういう答弁をしているわけです。 だから率直に言いますと、私は実は非常におもしろみのない回答をしてしまっておるわけなんです。ですから、ただ一紙を除いては、ほとんど記事にもされなかったわけです。 ある一紙だけがこういう記事になっているのですね、今申し上げたことが。基本的に市場経済の原理原則に合わないことは通らない、業績の悪いところを無理に出せということになれば長い目で見て雇用を失う、護送船団方式的な決定のあり方は市場経済に反すると述べて、波紋を呼びそうだ、こういうことが書いてあるわけでございます。ですから、テープにとってあるところを申し上げましたのでおわかりいただいたように、前半部分と後半部分は全くちょん切られておるわけであります。 そこで、労組の幹部の方も労働組合も、経営者も経営団体も、これは経済政策、特に労働政策を遂行していく上では我々の重要な窓口でございますし、そのお立場は十分尊重していかねばなりませんが、労働省が考えるべきことは、額に汗をして働いておられる労働者お一人お一人のことでございます。したがって、結果的にそのような方が雇用の場を失うとか、あるいは上げてもらうべき賃金を上げてもらえないというようなことはやはりあってはならないのではないかと私は思うのでございます。 そこで、最後に申しておりますように、その内容についても公的介入に当たるようなことは言わない方がいいでしょう、こう申しておるわけですが、先生今御指摘のようにこの記事だけをごらんになって、金属労協からは、直接ではありませんが、実はこれを書いた新聞の夕刊に、労組の統一闘争方式を護送船団方式と批判したことは云々というような非難をしておられるということをこれもまた書いてあるのです。これもまた新聞のことですから、前後左右を端折っておるのではないかと思いますが。 そこで私は、率直なところ、額に汗する労働者のためにも言うべきことを言わない方が閣僚としていいのか、あるいはまた、すべてノーコメントとして通した方が御批判を受けなくていいのか、いろいろ、どれが政治家としての責任かということを、今もなお考えているところなのでございます。昨日、連合の皆さんからもそういう、困るよというお話が我が省にあったようで、事情を一応御説明したということでございます。
○伊藤(英)委員 護送船団方式というのは、いい意味で使われたのですか、悪い意味で使われたのですか。
○伊吹国務大臣 市場原理原則のもとで、上げてもらえるべき人が、業績が非常によいところが悪いところに引っ張られて余り出ない、また悪いところを無理に引っ張り上げて出させる、そういうことを護送船団方式と申し上げたわけでありまして、結果的に悪い意味かいい意味かは、私は別にどちらとも考えておりません。
○伊藤(英)委員 私は、少なくとも今私たちが護送船団方式というふうに議論をしているのは、例えば国会の場でも、ここもう何年でしょうか、金融機関の護送船団方式について、それを是正しなければならぬとやってきたと思うのですね。 それから僕は、労働大臣は賃金の決定の問題について私なんかとひょっとしたら考え方が違うかもしれないということを今思いました。 実は私自身は組合の経験はそう長くはありません、わずかだったのですが、しかし私は何をその当時考えたかといいますと、ここでその賃金の決定問題について長く時間を費やしたいとは思いませんが、総理もサラリーマンをやっておられたのでよくわかると思いますが、例えば賃金を決定するときに、ある企業体を考えたときに、民間の企業体を考えたときに、いわばその企業としての成果をどのように配分するのだろう、分配するのだろう。 そのときに、今大臣が言われたように、まさに額に汗してまじめに働いた人たちにどういうふうに報いるかという部分がありますね。これは、そこに働いている労働者に対してどうするかという問題であります。それからもう一つは、その株主に対してどういうふうに配分するんだろうか。もう一つは、消費者に対してどういうふうに配分するか。基本的には、私なんかはその三者の問題について考えて、じゃどういうふうにしようというふうに考えられるものだと思います。 そのときに、では賃金は非常に大きな格差がその社会にあっていいんだろうかというと、私は、そうでもない、それなりの幅があっていい。だから、最低賃金をどうしようということを国で定めたりするのはそういう意味だと私は思いますね。そして、全体の水準を上げるためにどういうやり方をするんだろうか。先ほど申し上げたように、ある部分は消費者にというふうに考えれば、いわば価格の引き下げの問題も考えなければなりませんというようなことを考えるわけですね。 そのときに、労働組合の人たちが統一闘争云々といってやることについて、それを、あなたたちはいわば護送船団方式的な賃金引き上げではないかと言うようなことは、いかにも軽率な言葉の使い方をしていると私は思います。労働組合の社会的な役割は何だろうか、社会全体をどうしようか、あるいは社会正義のためにというふうに取り組んでいる組合に対して失礼ではないか、私はこう思うのですよ。どうですか、大臣。
○伊吹国務大臣 企業が一つの社会的な存在として活動しているわけで、それは、働く人と資本と技術が結合して社会的な役割を果たしているわけです。したがって、生産性が向上した分は、言うまでもなく、先生がおっしゃったように、これは株主と、社会に価格低下という形と、もちろん働いている人、それからあえて言えば、一種の法人格を持った社会的存在ですから、将来に備えての企業の内部留保、四つに分けられる、私はこれはもう当然のことだと思います。 したがって、国として最低賃金を決めて、その上で今のような配分をしていただきたいということは申し上げているわけですが、赤字であって、例えば配当ができなくて、そして価格も引き下げられないという状態のときに、私はそうしろと言っているわけではございませんよ、今先生が御質問だからあえて申し上げているわけですが、経済理論からいって、つまりそれは生産性が上がっていないからそういうことになるわけでして、そういう企業に賃金を大幅にアップさせるということは、結果的に企業の体力を失わせてしまうという部分は否定できないのです。 それから同時に、たくさん利益が上がっているのに、働く人たちに配分せずに、まあ価格低下に回してもらえばいいですが、内部留保と配当とだけにということも、これまたやはり計画経済の世の中でない限りは私は許されないことだと思うのですね。 ですから、私の真意は、本当に額に汗して働いた人で、出せる人には出してあげてもらいたい。そして無理なところは、無理をすると長期的には本当に働く場を失われたらえらいことになるから、働く人のためを思えばと思って実は私は申し上げたわけですが、それについて一部、前後左右をカットしてコメントをつけて記事にされまして、そのことが組合の方々に誤解を与えたということであれば私はまことに遺憾なことだと思っております。
○伊藤(英)委員 誤解を与えたとすれば遺憾でありますという話なんですが、私は今のお話を聞いていても思うのですが、ひょっとしたら大臣は、一般の民間企業に対して今の銀行と同じように考えているのじゃないかしらと思うのですね。赤字になって倒れそうになった、そうしたら国が公的資金を投入して助けてくれるだろう、そんなふうに一般の民間企業が思っているわけがありませんね。 先ほど例を出されまして、企業がつぶれるかもしれない、そういうところを引き上げたら云々という話がありました。多分そのときには、引き上げなければ人も集まってこない、人もやめてしまう、やむにやまれずどれだけか出すという話だろうと私は思うのですよ。もちろん状況によっても違いますよ。どこかが上げろと言ったから、おれのところはつぶれそうだけど上げますよなんて、そんな、企業がやるだろうか。 そんなことを考えているから、今回の銀行の問題でもみんな同じですよね、けしからんと僕は思うのですよ。護送船団方式なんて、それは取り消していただきたい。今の発言は許せない。
○伊吹国務大臣 私は企業を銀行のようには思っておりません。実は私の生家は、百人に満たない人たちと額に汗して働いている中小企業であります。今も経営の苦労をしながらやっております。利益が上がらないときは配当も取りません。しかし同時に、一緒に働いてくれている人も歯を食いしばって頑張ってくれるのです。そこで、業績がよくなったときにはそれに報いる、これが中小企業の本当の姿です。
○伊藤(英)委員 それは実態だと思うのですよ。だから、護送船団方式というような言い方はやめていただきたいと僕は言っているのです。
○伊吹国務大臣 だからこそ、だからこそ、何千円プラス幾らなどということは、同じ企業の同じ業種の我々の仲間では通りません、中小企業の中では。
○伊藤(英)委員 現実に今取り組んでおられる問題についても、当然かなりの格差もある。上げられるところもあれば上げられないところもある。しかし、いかにして全体を上げようかという取り組みをしているわけですね。それを護送船団方式云々と言うのは、ちょっと僕は言葉が違うのではないかと思いますよ。
○伊吹国務大臣 失礼でございますが、全体として景気を浮揚させて、そして生産性を上げて、みんなが少しずつ実質賃金が上がっていくような仕組みを、経済状況をつくり出すために、政府も与野党も一体となって今、予算を通し、そして法案を通そうとして御努力をいただいているわけで、そのことは私はもちろんそうだと思います。しかし、与えられた現時点において、赤字の企業も黒字の企業もあるわけでございますから、それを同じように扱うというやり方は、将来的にはちょっと難しいのではないか。 実はこの議論をここで申し上げていること自体が、率直に言うと私は、また一部だけ取り上げられると、労働大臣がこう言ったからといって働く人たちが不利になったりすると困りますが、お尋ねですから申し上げているわけです。 ですから、全体としての底上げにはみんなで力を合わせてやっていって、そしてその中で何とか少しでも、長い目で見て雇用の場を確保し、実質賃金を上げていくように努力をする。そして、労働者一人一人のことを念頭に置きながらやる役所が労働省であって、労働組合も労働組合の幹部も、経営者も経営団体も、立派な交渉の窓口でございますが、ねらいはあくまで額に汗して働く労働者その人であるということを私は申し上げたいと思います。
○伊藤(英)委員 私は、最後に言われた、本当に額に汗して働く人のために、まじめに働いていくその人たちの生活のために、あるいはそうして成り立つ社会のためにと思って言っているつもりです。だから、もうこれ以上あれしませんが、しかし僕は、労働大臣のさっきいろいろ言われた、賃金引き上げという問題について組合が取り組んでいることについて、いわば赤字でつぶれそうな会社のことについても触れられました。そういうようなことについての、今の賃金引き上げの仕方の認識の問題について言えば、現実をひょっとして御認識ではないのではないか、私はこういうふうに思います。 どうか、ぜひ真実のところを酌んでやっていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。 予算等々の問題に入りたいと思うのですが、先ほど同僚議員の方からもちょっと話が出たことについて、若干私からも申し上げたいと思うのです。現在の世界はどんなふうに動いているのだろうかということについて、もちろん総理は十分にお考えだと思うのですが、私はこんなふうに思っております。 これは、私の友人の本を見ながらといいましょうか文章を見ながら、まさにそうだという思いで申し上げるわけですが、ざっと一九八〇年代を見たときに、私たちは本当に、日本経済の成長についての確信を持っていたり、あるいは安心をできた国という感じがかなりあったと思うのですね。しかし、現在はどうもおかしいじゃないか、我が日本の経済もほころびつつあるのかな、あるいは、言い方をかえれば、日本という国全体が漂流をしつつあるかもしれないというような思いを持っている方はたくさんいると私は思うのですね。 最近の状況を見ても、例えば九〇年代に入ってからも、景気対策等々で公共事業投資云々といって七十兆円も使ったりもいたしました。しかし、それは一時は景気をぽっと上げたかもしれない、だけれどもすぐにまた戻ってしまうというような感じだったと思うのです。消費者の心理にしても、先行き明るくないというイメージが非常に強い。だからなかなかよくならない。時々言われることですが、モルヒネを打って一たんは気分はよくなるかもしれない、しかしすぐその後はもとのもくあみだ、こんな感じになっているんだと思うのですね。 では、なぜそんなふうになっているんだろうかということでもあるわけですが、現在の世界の経済の動きというのはどんなふうになっているんだろうか。その特徴は、私は大きく分けると二つだと思うのです。一つは、体制とかあるいは制度における壁がなくなった、その壁が崩れてしまったということが第一点。第二点は、いわばスピードだ、変化のスピードということだと思うのです。 最初の、体制とか制度における壁が崩れたという話を申し上げましたけれども、これはもう言うまでもなく、いわばベルリンの壁が云々という話に端を発しまして、世界の市場経済も、それ以前は人口で言えば約十億の市場経済でしたね、ところが社会主義圏等々がずっと動きまして市場経済を採用するようになったのです、人口で言えば約四十億の人になりました。だから、そこに大競争時代と言われるベースがあるわけですね。そのまた一方で、いわば規制緩和等のいろいろな規制の撤廃、そういう壁をどんどんなくしているという状況が起こっているということです。 そしてまた、先ほど変化のスピードと言いましたけれども、これは技術的な問題が非常に大きいわけですね。こういうテクノロジーの進歩による変化というのが非常に多い。だから、いわゆるデジタル技術等々によるわけでありますが、そうしたことで、先ほど申し上げたように壁がなくなる、一気に世界はその中で猛烈に動く、そしてそのスピードが非常に速い状況で動いていくという意味で、私は先ほど二つの特徴を申し上げました。 総理、どう思われますか。今の時代の認識あるいは特徴ということについて、私は今その二つを申し上げましたけれども、総理はどんなふうに思われますか。
○橋本内閣総理大臣 私は、大きくとらえたとき、議員の御指摘は非常に、私どもが持っておる認識と同様のものだと思います。 その上であえて補足をいたしますなら、体制といいますかシステムと申しますか、資本主義経済と計画経済の中で、いつの間にか計画経済というものが否定をされ、市場経済原理が優勢を占める時代になった。しかし、その変化の中でなお戸惑っている、あるいはその移行のプロセスに苦しんでいる、そうした国々が現実に存しており、そうしたところに我々が留意すべき問題点を持っている、一つはそう思います。その上で、私は、今の第一の論点には異論がありません。 また、第二の論点につきましても、私は同様だと思います。まさに、技術革新という言葉それ自体がある意味では古めかしい言葉に感じられるぐらいに消費者のニーズが多様化していく、その中で、商品の寿命というものも短期化しています。あるいは、情報化、ソフト化の進展の中で、コミュニケーションの迅速化が求められる。その意味では、技術革新というものが個々の商品の寿命を縮めているというとらえ方もあるいはできるのではないか。 そういう意味では、私は、問題の焦点をこの二つにいわば集約された、その考え方に基本的に食い違いはないと存じます。
○伊藤(英)委員 そういうふうに考えたときに、何が一番必要とされるのだろうかというふうになりますと、それは、実は企業にとっても同じでしょうし、いわゆる国という、国家にとっても私は全く同じだと思うのですが、いかに柔軟に対応するか、いかに意思決定や行動のスピードが要求されるかということなんですね。先ほどもちょっとそんな話もありました。まさにこれが、現代における、少なくとも現在における最も重要なファクターだと私は思います。 最近、ここ一、二年でしょうか、いろいろなところで使われる言葉に、英語でファスト・イーツ・スローという言葉がある。ファストは、速い、速いもの。速いものが、スロー、ゆっくりのものを食べてしまうという意味です。今は実は大きい小さいはそう大したことではない、いかに果敢に速く決定なり行動ができるかということがそれを決定していくということであります。 そういえば、ファスト・イーツ・スローと私は申し上げましたけれども、かつてビッグ・イーツ・スモールという言葉がありました。大きいものが小さいものを食べてしまうということもあったのですね。今はそうでもありませんよ、いかに速く考え、決断するかということが勝負なんだよという意味であります。私は、最近の国家間の競争力についてもそういうことがあらわれているのではないかとさえ思うのです。 これもよく言われることでありますが、スイスの民間調査機関が、国としての競争力の評価をして発表したりいたします。これは、実際には国内経済だとかあるいは科学技術だとか、国際化の度合いだとか金融等々のことについて評価をするわけであります。かつて、一九八〇年代、日本は本当によかった。あるいは九〇年の初めぐらいですと、アメリカに次いで二位が日本でありました。以後、九四年、九五年、九六年、九七年とまいりまして、九七年はこの調査では第九位に落ちました。第九位になっております。 私は、今、日本がそういう意味で本当にいろいろなことを、いかに柔軟で、いかに意思決定のスピードを速くしなければいけないかということを思ったりするのですが、総理はどうですか。
○橋本内閣総理大臣 私は、今のファスト・イーツ・スロー、日本だと早い者勝ちでしょうか、この言葉は実は耳なれない言葉として伺いましたけれども、これを言いかえれば、時間という要素を考えないと企業であれ国であれ競争におくれをとるというような意味かと、今議員の御質問に対して自分なりに答えを出しておりました。 そして、それは確かに私は一つの要素だと思います。国際社会においても、非常に機敏な行動を必要とされる場面、求められる場面は多々あります。同時に、国内においても同様のことはあるわけであります。 その上で今考えてみますと、私は逆に、日本の社会が今まで持ってまいりました、まさに議員が、八〇年代は非常によかった、そう言われた中には、日本の社会システムの中で、例えば終身雇用制とか、こうした仕組みというものもその評価の要素にあったと思います。そして、時間ということからだけ考えました場合に、産業間における労働移動とかいろいろなことを考えますと、こうした日本型の社会の仕組みというものに今いろいろな議論が出てきております。 それはそれぞれに理のあるところですけれども、では、我々が今まで築いてきた仕組みがすべて否定されなければならないのか。乱暴な言い方をしますと、例えば、非常に簡単に労働移動ができる、あるいは、組織の意思決定は非常に早いがそれに対する回答も非常に短期間の回答を求められる、言いかえれば長期戦略が立てにくいといったような形と、どちらを選ぶのだということになりました場合に、私は必ずしも時間との勝負だけがすべてのファクターではないと思います。 もとより、現在の日本のシステムについて、これを変えなければならないということは私自身繰り返し申し上げてまいりましたし、また、国会にもさまざまな角度でこれについての御協力をいただいております。しかし、その合意形成というものを無視した、時間だけを選んだやり方が日本に合うかといえば、必ずしも合わないでしょう。この辺は、なお議論を深めるべき価値のある問題提起だと思います。
○伊藤(英)委員 私が申し上げたのは、もちろん時間だけのファクターではない。しかし、かつてと比べますと、時間のファクターはそういうふうに現在重要な要素になっているのだということですね。 実は、例えば行政改革の問題でもそうでありますが、今私が申し上げたような、世界の動きに対してどう対応していこうかと考えたときに、そのうちの最も大きな問題は、やはり私は行政改革の話だろうと思うのです。行政改革はまさに日本の将来にとって死活的に重要だから、これも本当に時間を待たない感じで、もう一刻も早くやらなければならぬ、こういう思いであります。もちろん総理もそういう思いで現在も取り組んでいると思うのですが、私から見れば、もっと早く、もっと本当に意味のあることを、こういうふうに思っております。今の日本の官僚システムというのは、やはり本当に考え直さないといかぬということを痛切に思うからであります。 そこで、今私は、本当に日本が、世界の経済の動き等々を見たときに、どんなに早くいろいろなことをやらなければならないかということを、しかも積極果敢にやらなければならないという意味で申し上げたつもりなのですが、では我が日本の状況を見たときに、最大の問題は何といっても経済、景気の問題であります。 そして、この景気の問題について、昨年来の消費税の引き上げの問題等々今日までの具体的に行われてきた政策について、あるいは昨年末の財政構造改革法の問題等々、そうした問題について、私たちも申し上げますが、世間も、今の状況は文字どおり政策不況ではないか、橋本政権の政策不況ではないか、こういうふうな言い方をされます。これは、私もそう思います。 そうしたことについて、今日の深刻な不況を招いた責任ということについて、改めて総理に、どのように認識しておられるか、お伺いいたします。
○橋本内閣総理大臣 これは申し上げるまでもなく、大変厳しい状況にあることを強く受けとめております。 そして、我が国の経済の現状は、バブルの後遺症といった経済社会の構造問題に加えまして、アジアの通貨あるいは金融不安、さらに我が国の金融機関の破綻による金融システムへの信頼低下、こうした影響のある中で、家計にも、また企業にも景況感の厳しさが強まってきました。そして、それが個人消費や設備投資に影響を与えていることも、そのとおりに私は認識しているつもりです。 特にその中で、韓国あるいはタイは、私は危機から脱して新たな歩みを始めたように思いますけれども、インドネシアは大変な苦労をしておられる。先週、土日を利して私自身が現地に行きましたけれども、その影響もまた我々としては受けとめなければなりませんし、日本にはその意味での責任があることも事実であります。 こうした状況の中におきまして、私は今までとってきた対策をもう一度繰り返そうとは思いませんけれども、同時に、この十年度予算が切れ目なしに執行できる状態で九年度補正予算に継続をしていく、これが非常に大事なことは議員もよく御理解をいただけると思います。 政府として、予算案の通過、成立に院の御協力をいただきたいと繰り返しお願いを申し上げておりますのもこうしたことでありますし、御論議があることも承知はいたしておりますが、法人課税あるいは証券関係税制等々政策減税にいたしましても、年首にこれがぴたりと施行できる、言いかえれば年度内に通過、成立をさせていただくことがどれほどこの国の経済に大きな意味を持つかはよく御理解をいただいていることでありまして、ぜひとも院の御協力を賜りたいと心から願っております。
○伊藤(英)委員 もう一つ英語のフレーズを申し上げますと、よく日本の状況について、これはアメリカサイドからと言った方がいいかもしれません、余りにもツーリトル・ツーレートではないのか。そもそもどういうふうにやらねばならぬかというので言うのが、ボールド・アンド・ブレーブ、大胆かつ果敢にやれ、こういう経済の状況のときにはそういうふうにしなければならぬ、こう言うのですね。 そしてまた、政策転換したのかしないのかという議論も、ここでもいろいろされました。こうしたことについても、官僚の皆さんでも、外国に行きますと、もう政策転換をしたんだよ、当然だと。そしてまた、この国会周辺から外に出ますと、これまた、政策転換したのは当たり前だということを言ったりします。しかし、例えばこの国会の中ですと、そんなもの、政策転換しておりませんというようなことをいろいろ言う。常にそういうような議論が行われるわけですね。いかにも奇妙な議論が日本では行われているのだなと。 私は、よく株式市場がどうのこうのと言ったりしますが、やはりそれは、株式市場も評価せざるを得ないような状況が現象としていろいろなところにあるなということだと思います。 けさもテレビのニュースで言っていました。何と言っていたかというと、そこでは、日米の危険なゲームという言葉が言われていました。 そこでちょっと言われていたのは、日本は口約束をしても実行しない。そのときは役人はと言っていたと私は思いますが、ひょっとしたら聞き間違いであったかもしれません。口約束をしても実行しない。日本発の恐慌をしないと橋本総理は言うけれども、米国の大恐慌のことを勉強したのかしらんという表現だったと私は思います。あるいは、アジア発の恐慌を絶対に避けたいと言うんだけれども、日本がしっかりしなきゃそうならないんじゃないか。あるいは、橋本総理のところには確かな情報が、あるいはアメリカの意見がということかもしれませんが、そもそも話が届いているのかしらんというようなことがきょうの朝のニュースで報道されておりました。 総理、どう思われますか。
○橋本内閣総理大臣 今、テレビと言われましたが、私はテレビではなくて、同じものをラジオで聞いておりました。そして、まさに今議員が紹介されましたような論調であったことを私も印象深く聞きました。同時に、日本自身が日本を考える、またアジアの一角にある日本としてその役回りを考える、そのために臨機の措置をとっていく必要があることは、他国から言われなくても私は理解をしているつもりです。そして、そうした努力は今までもしてまいったつもりであります。 その上で、他国が求めることが必ずしも自国のプラスにならない場合もあるということは、私はそのラジオを聞きながら感じておりました。これは、総理という立場ではございません、今までの閣僚経験の中で対外交渉に当たってまいりました者として、どこの国もみずからの国の国益で相手に要求を突きつける。交渉担当者は、自国の利益を考えながら、同時に世界全体の中でどのような役割を担わなければならないかを絶えず考えつつ我が国は努力をしてきた。その状況は今も同じ問題として継続しておると考えております。
○伊藤(英)委員 きょうは予算の締めくくり総括ということでありますから、改めて伺います。 今、平成十年度の予算案が審議されているわけでありますが、一方では補正予算云々ということが取りざたされております。そこで伺うのですが、総理は、この平成十年度予算案について今のこの時点でどのように評価をされておりますか。先般、これは最善のものだという話をされました。今でもそういうふうに思っていらっしゃるのか。内容は不十分だけれども通してくれ、こういうこともあるのでしょうか。いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 繰り返し先ほども私は同じような趣旨を申し述べたつもりでありますけれども、政府として現在申し上げたいことは、御提案申し上げております平成十年度予算並びに関連法案をともかく一日も早く成立をさせていただきたい、これにすべてが尽きております。
○伊藤(英)委員 もう一度伺うのですが、今総理の言われたことは聞きました。その中身について、これは最善のものだからという意味でしょうか。
○橋本内閣総理大臣 政府としては、与えられている条件の中で最善を尽くして、与党との相談のもとに編成を考え、そして政府の責任においてこの予算案を編成いたしました。この中には、税制改正あるいはその他の、将来につながる我々の大切にしていかなければならない例えば科学技術、研究開発といった分野を含めまして存在をいたしております。こうした諸施策を盛り込みました平成十年度予算並びに予算関連法案を早期に成立をさせていただきたい。早急に、先ほど議員からも時間という要素を非常に重点を置いて言われましたけれども、早急に実施に移すことが今一番急がれること、そのように考えております。
○伊藤(英)委員 ちょっと伺いますが、今、公共事業を中心とした補正予算案の話が出たりいたしますね。これはどういうふうになるのか知りませんが、もしも公共事業を中心とした補正予算案が出てくるような話が出てくれば、各閣僚の皆さん方はどういうふうに考えられるのだろうかという意味で伺うわけです。 昨年の平成十年度の予算を決定するときに多分、それぞれの各大臣の皆さん方は、自分のところの役所としてどういう仕事をしたい、こういう思いであったろうと思うんです。そのときに、財革法の問題もある、あるいは七%削減等々の話もあるということで、いわば我慢をしながらこれでいこうというふうに決定をされたと私は思うんですね。そういう意味で、もう一回申し上げますが、もしも公共事業を中心とした補正予算案というような話が出てきたときにはどういうふうに考えられるんだろうか。まず厚生大臣、どうでしょうか。
○小泉国務大臣 昨年末の予算編成におきましては、各省庁マイナス予算を組む、厚生省におきましても五千億円程度削減しなければならないという中で、あらゆる既定の歳出項目を聖域なく見直さなきゃならないということで、四苦八苦しながら予算編成したものであります。 今のところ本予算を通すことに全力投球しております。補正予算の話は全く聞いておりませんが、仮に公共事業等の今のお話が現実の話題として供された場合というお尋ねだと思うのであります。その際には改めて、今までの本予算等の関係、財政構造改革の目指すところ、それぞれ意見があると思いますので、その点も含んで議論をしなければならないと思っております。
○伊藤(英)委員 文部大臣、どう思われますか。
○町村国務大臣 今、厚生大臣が大変なかなか微妙な表現をしておられましたが、私どもは、与えられた条件の中で昨年の年末、最善の予算をつくった、こう思っておりますので、一刻も早くこれを通していただきたいというのが現在の率直な心境でございます。
○伊藤(英)委員 防衛庁長官、先般のでもどんなに無理をした予算を組んだろうと長官としては思っていると私は思うのですね。先ほど申し上げたように、もしも公共事業を中心にした補正予算というような話が出たら、防衛庁長官はいかなる考え方で対処しますか。
○久間国務大臣 限られた財政の中で私どももかなり、無理をと言いませんけれども、かなり努力して現在の予算を組んだわけでございまして、これが最善の予算と思っております。 補正予算につきましては、これは財政法二十九条等で補正予算を組む場合のことは規定されておりますから、そういうのが出たときにまた判断していけばいいのじゃないかと思っております。
○伊藤(英)委員 総理に伺いますけれども、補正予算は近いうちには考えないと考えていいのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 同様の御質問が本委員会開会後、何回かございました。 私は今、平成十年度予算を一日も早く通過させていただき、参議院において御審議をいただき、暫定予算といったような議論を生むことなしに、いわば切れ目を生じずに平成十年度予算を九年度補正予算につないでいくことができますようにお願いを申し上げております。その後のことについて申し上げることは全くございません。今、私の役割、これは十年度予算を年度内に通過、成立をさせていただくため、参議院の審議を控え、衆議院としても一刻も早く通過させていただきたいということを繰り返しお願いを申し上げております。
○伊藤(英)委員 では、補正予算を組むことに結びつくであろう景気対策の追加策を近いうちに発表するということはないと考えていいのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 これは何度お尋ねをいただきましても、私は今、十年度予算を通していただきたいとお願いをいたしております。それをまず、先ほど議員が御指摘になりましたように、時が大事なのでありまして、ぜひお願いをいたしたいと思います。
○伊藤(英)委員 本当に必要があるなら、今の予算でも速やかに修正するなり、それが時間、スピードということだと私は思います。 では、本日の新聞にも出ておりますが、これは自民党ということでありますが、十兆円の経済対策を来週にでも発表する趣旨の記事が出ております。自民党総裁としての総理にお伺いいたしますが、来週にでもこの経済対策を発表する予定なんでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 党は党としての立場において、当然ながらさまざまな勉強を今までもいたしてまいりました。そして、その中から第一次、第二次、第三次、第四次、その都度必要と思われる施策を世に問うてまいりました。政府としても、連立与党との相談の上で、その中で進められるものは進めてまいりましたし、また、党の考え方に加えて政府自身の判断における規制緩和等、進めておるものもございます。そうした勉強を私は封ぜられるものではないと思います。
○伊藤(英)委員 勉強はみんながするのがいい。そうなんですが、いわば今月中にでも発表するのじゃないでしょうか。なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、要するに、予算案を審議する国会とは何だろう、あるいは、政府は国会というものに対してどういうふうに考えているのだろうかという原則の問題になるだろうと思うから、こういうふうに申し上げております。 もしも近々にそれこそ補正予算を組まなければならないような状況であるとするならば、これは一刻も早く今審議している予算案を修正すべき話ですね。そして、景気の見通しに対して誤りばかり繰り返しているならば、今の経済企画庁、これは経企庁長官かもしれませんが、一体どういうことなんだろうかという話になっていくわけですね。 だからそういう意味で、この十兆円経済対策ということが言われたりするのは、今ここで予算の審議のさなかですよね、まだ衆議院で審議しているときに、いかにも与党としても不見識でないか。そういうふうに考えるなら一刻も早く予算を修正すべしと思いますが、いかがですか。
○尾身国務大臣 経済の現状につきましては、昨年の十月―十二月の四半期の数字が出まして、対前期比で〇・二%マイナスという状況でございまして、昨年末ごろのアジアの経済の困難、それからまた金融機関の相次ぐ破綻等を背景といたしまして、企業や消費者のマインドが低下していることがそういう面にあらわれてきているというふうに考えている次第でございます。 株価等に反映されておりますように、金融システム改革の施策が実行に移されることによりまして、マインドそのものは金融システムの不安感というものがかなり解消したという意味でよくなっていると思いますが、実体経済の面ではまだ停滞し、厳しさが続いているというふうに考えている次第でございます。 そういう状況でございまして、私どもも規制緩和を中心とする経済活性化等につきましては鋭意検討しているところでございますし、経済の実情、金融の実情に応じて臨機応変、適時適切な対策を進めていきたいと考えているわけでございますが、当面、この十年度予算の成立をぜひ早急にお願いし、四月の一日から予算が使えるようになり、そして関係の法案が通りますように、法人税の減税等が実施されますようにぜひお願いをしたいと考えている次第でございます。
○伊藤(英)委員 私が経企庁長官に申し上げたかったことは、余りにも景気予測というのが間違い過ぎている、そしてほとんどの人は今は経企庁の発表なんというのは信用してないのじゃないかというくらいの状況なんですね。予測の部分等について言えば、経企庁としてはやらずに、もうやめて、民間の研究機関等を使うようにした方がいい、私は経企庁の方々にはそういうふうに申し上げているのですが、本当にそうした方がいい、こういうふうに思います。 時間が余りありませんので、北海道拓殖銀行の問題についてお伺いをいたします。 昨年、北海道拓殖銀行が破綻をいたしまして、特に北海道方面の中小企業等、なかなか大変な状況にあるというふうに聞くわけですが、この拓銀の破綻の問題について、当然のことながら歴代の経営者の責任は非常に大きいわけですね。そのときに、その歴代の経営者たちはどういうふうにその後なっているのだろうか。例えば退職金をどうしたのだろう、あるいは私財をどうかしたというような話があるのだろうか等々、どういうふうに経営者はその責任をとっているのだろうか。大蔵大臣、どうでしょうか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 昨年十一月の十七日に破綻が公表されましたが、当時の頭取でありました河谷さんは二十一日に辞職しておりまして、退職慰労金が支払われる場合には、今後、株主総会での議決になりますが、今のところそうした予定はないと聞いております。株主総会に退職慰労金を議決に諮るという話はまだ聞いておりません。それから、その前任の方、それからその前の方、両名については、退任後の株主総会の議決で退職慰労金が支払われております。この三名の方は、いずれも現在は特定の職にはついておられません。 ただ、この件につきましては、今後の問題でもございますが、預金保険機構等へ資産譲渡が行われます。そうすると、同機構におきましては、拓銀の営業に係る実態解明、厳格な責任追及、これは責任解明委員会というのをつくってありますので、そこで責任追及の問題が取り組まれます。さらに、こうした責任追及に関しまして、大蔵省より拓銀に対し、昨年十二月二十六日、業務改善命令を発出しまして、弁護士等第三者で構成される調査委員会を設け、具体的な調査を行っているところでございます。
○伊藤(英)委員 局長、今のその三人の頭取については、これからこの責任解明委員会で責任を追及されることになるであろうという意味なのでしょうか。
○山口政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○伊藤(英)委員 今度予算委員会に出された検査報告書、それによりますと、大蔵省が、平成六年八月の検査で既に拓銀が債務超過であると認識をしていたと報道をされております。それから、その三年前の平成三年一月の検査で分類資産二千八百五十億円だったにもかかわらず、わずか三年半の間に約七倍の二兆円まで膨れ上がったと報道もされているわけでありますが、大蔵大臣、この時点で債務超過であったのは間違いないのですね。
○原口政府委員 お答えをいたします。 六年八月の前回検査におきまして、バブル崩壊等の影響で分類資産が相当増加した、これは事実でございますが、その六年八月、大蔵省検査時におきます資産査定により把握されたロス額、企業会計上直ちに償却、引き当てすべきいわゆる四分類は千七百億でございます。また、時期、金額が確定しないものの、その回収に重大な懸念のある資産として四千七百億を査定しております。これをかた目に全部償却するといたしましても合計六千四百億でございますが、他方、この検査のときに、ロス処理に充当可能な自己資本の額として約七千四百億円ございました。 したがいまして、前回の検査時点においては、債務超過の状況にはなかったというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 大蔵省がそこで検査をして、実際どういう指導をしたのでしょうか。あるいは、それに加えて、拓銀の方はどういう経営努力を行ったのでしょうか。
○原口政府委員 拓銀に対する大蔵省の検査におきましては、資産内容の改善、あるいは融資の資産管理の充実強化、あるいは分類資産等の適切な管理、あるいは内部管理の充実等を指摘いたしております。また、検査において指摘したこれらの問題点について、同行から改善方針あるいは具体的措置についての回答を求めたということでございます。
○伊藤(英)委員 拓銀の破綻について大蔵省としては、ちょっともう一回再確認なのですが、どのくらい本当に実態をつかんでいて、そして本当にそれに対してどういうふうにアクションがとられたのだろう、フォローがされたのだろうというのはどうですか。
○山口政府委員 お答えを申し上げます。 平成六年八月の検査結果を踏まえまして、例えば役員賞与や配当など社外流出、これを極力抑えるということを強く指導してきたところであります。社外流出を抑えながら不良債権の償却をできるだけ進めるということが基本的な方針だったわけでございますが、拓銀もこうした状況を踏まえまして真剣に取り組んできたとは思うのでございますけれども、地価の下落等を背景として、不良債権の増加がその処理策を上回りまして、不良債権の増大に至ったという事態でございます。 そうした中で、昨年、幾つかの他の金融機関の破綻がございまして、コール市場の状況が極めて逼迫した関係上、資金繰りに行き詰まってしまったという経緯でございます。
○伊藤(英)委員 私の時間がもうなくなったものですからこれ以上申し上げませんが、実は私が拓銀の問題で冒頭申し上げたのは、その経営責任の話を伺いました。今度公的資金ということで二十一行に対して投入をされた問題についても、私は、本当にそれぞれ責任を持って経営をしているのだろうか、あるいは大蔵省も本当に責任を感じてやってくれているのかなということについて、極めて疑問を持つのですね。 今通常国会の最初の予算委員会の総括質疑のときに私がここで申し上げたのは、いわば公的資金絡みの問題に集中をさせていただきました。いかに今日本が、日本がというのは言い過ぎかもしれません、しかし少なくとも金融機関や大蔵省が関係している部分について、どんなに無責任と思われる状況が多々あるかということなんです。本当にそれで責任をとってもらっているのだろうか。 今日の不良債権問題、あるいは景気の悪い状況も、あるいはバブルをつくり出したのも、基本的には金融機関が一番悪かったと私は思うのですね。少なくとも銀行関係の経営者がいわば銀行法第一条にうたわれているように行動しておれば、多分こんなふうにはならなかったのだろう。そして、その責任を金融機関の人たちはどのくらい感じているのだろうか。ほとんどそれが見えない格好で、自分たちの経営の努力不足によって例えば自己資本比率が低いのだよ、だから公的資金を投入してくださいというのがのうのうと出てくるというのはどういうことかということですよね。一体どういう国なのだろうかとさえ思います。だから、私はきょうは二十一行のそれぞれのことについても実は伺おうと思いましたけれども、時間がありませんからもうそれは伺いませんが、いかにも安易に公的資金を導入しているのではないか。 それぞれの役員のみならず従業員も、もしも常識以上に給料等が高いならば、あるいは福利厚生でも同じですが、それは直さなきゃいけませんよね、公的資金を入れるというのだから。では、どこにそのぐらいの努力があるのだろう。あるいは、不良債権額を新しい基準で発表しているところも二十一行のうち三行しかないのでしょう、なぜそんなものも出させずに簡単に金を貸すのだろうか。そんなことがなぜ許されるのだろうか。本当に我が国はフェアな国なんだろうか、公正なんだろうかということを私は非常に思うのですね。 そのことについて大蔵大臣と総理大臣にお伺いして、終わります。
○松永国務大臣 お答えいたします。 バブル発生期から今日までの間、銀行の経営責任者が果たしてしっかり責任を果たしてきただろうか、こういうふうに問われれば、私は、とてもじゃないけれども、果たしてきたと言う自信はありません。相当な責任があるというふうに思っております。 今回の緊急措置法による金融システム安定化のための方策、その一つとしての申請する銀行に対する資本注入。これを申請した場合には、経営健全化計画というのを出させることになっておることは委員もよく御承知と思います。 その中身につきましては、相当厳しく、健全化のための努力、それから明確な理念を示せということで、そういったものも示させたつもりでありますし、それからまた、資本注入を受けることによって資本が充実するわけでありますから、それによっていわゆる貸し渋りの解消のためにどれだけのことができるのか、金融の円滑化のための計画とその努力、そういったものをしっかり出させたわけでありまして、その内容は既に公表されておりますので御存じと思います。 そしてまた、合理化等につきましても、重役の相当な縮減、それから従業員につきましても合理化でございますから縮減、そして店舗の縮減、それから海外の店などの縮減、そういったものもきちっと約束させた上で審査をして、そして注入を認めたという結果になっておるわけであります。 そのことは、これからも預金保険機構が中心になって、今後とも注視してその実行を促してまいる、こういうことになっておるわけでございます。
○橋本内閣総理大臣 具体的に大蔵大臣から申しましたので、本日の議員の御質問全体に対して、私から申し上げたいと存じます。 大学を出まして、私が胸を膨らませながら志望し入社をいたしました会社は、現在既に他社に合併をされまして、その姿をとどめておりません。当時、私と一緒に入社をいたしました仲間の運命も、それに伴って随分変化をいたしました。その意味では、冒頭に議員が述べられた労働者の団結権に関連する部分についての御議論というもの、これには私なりにさまざま感じるところもありました。 そして最後に、締めくくりに当たって、金融機関とその金融機関の監督責任を有する行政当局である大蔵省に対し、一体どうなってしまったのだという、いわば非常に素朴な、しかし基本的な問いかけをされた。その気持ちを私は理解しないものではありません。しかし、どうしてこんなになっちゃったんだと言って終わるわけにはいきません。 そして、金融システム安定化策を御審議いただき、お許しをいただき、今これを実行しつつあり、金融システムについて、今大蔵大臣から御報告をいたしましたような方向がようやく見えてまいりましたが、これが現実の例えば貸し渋りに対し影響を及ぼすというところまではまだ至っていないことも事実であります。 監督当局である大蔵省が、その信頼を回復するための目に見える姿をとっている状況ではありません。同時に、日々の業務も彼らにはこなしてもらわなければなりません。その双方に全力を尽くしながらも、過ちなきを期すように努力をしていきたい、そのように思います。
○伊藤(英)委員 終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて伊藤英成君の質疑は終了いたしました。 次に、土肥隆一君。
○土肥委員 民友連の土肥隆一でございます。予算委員会で初めてお目にかかります。 私は、阪神・淡路大震災の被災地、ど真ん中の第三選挙区、須磨・垂水区という選挙区から出ておる者でございますが、大震災が起きまして三年がたちました。きょうは震災を中心に政府のお考えをお聞きしたい、こう思っております。 前回の予算委員会で、岩國議員が大蔵大臣のお墓の話をお聞きになったようでございますが、実は、神戸でも墓地がいっぱい地震でひっくり返りまして、そして、まだ墓地まで手が回らない人というのはいっぱいいるわけです。だから、そこらじゅうにごろごろ墓石が転がっておりまして、ぼつぼつ建ち上がっておりますけれども、基盤が全部だめなところはもうだめということになります。それも活断層が走っておるところがやられるわけでありまして、すべての墓地がそうであるわけではございませんけれども。 しかし、このたび松永大蔵大臣は立派な墓地をお求めになって、立派な墓石を建てられたという話でございまして、岩國議員の質問の議事録を読んでおりましてももう一つ明快になりませんし、お墓というのはやはり、松永大臣がおっしゃっているように、親を大事にしたいとかあるいは親孝行のしるしとしてお建てになったということでございますから、この際、締め総でもありますから、はっきりとこの事態を御説明いただきたい。 特に、いつごろ見積もりなどおとりになって、予算を聞いて、それは永代使用料と墓石料がありますが、そしてどういうふうな決断をして、そしてお建てになって代金をお払いになったのか、その辺のところをお述べいただきたい、このように思います。
○松永国務大臣 前回、岩國委員の御質問に対してお答えしたわけでありますが、まず、私が亡父の墓をつくろうと決意をしたいきさつは、ダブるかもしれませんけれども、私の父は、厳密に言えば私のおじであり養父でありますけれども、昭和七年から三十八年まで本院に議席を有しておりました。それで、昭和四十三年一月二十二日に亡くなりました。墓は九州長崎県の島原半島の雲仙岳の中腹にあるわけでありますが。 ところが、私の亡父は非常に人から親しまれる人でありまして、今でも七十代、八十代の人が私よりも私の亡父の方に親しみを感じているようなんです。私のことを若先生と言い、亡くなったおやじのことを今でも大先生と言う。大先生の墓参りをしたいのだけれども、もうこの年になったら九州まで行けない、だから浦和のどこかに九州から分骨してもらってきて墓をつくってくれぬかね、こういうことを言ってくる人が何人もおったのです。 私は、その人たちの気持ちに感激しました。同時にまた今度は、新しい人は私のおやじのことを知らないのです。そういうこともあるので、これは古くからの支援をしてくれた人の気持ちを酌み、また、長年苦労して浦和中心で政治をやってきた私の亡父のことを後まで残るようにしてあげるのも私の務めだろう、こう思って、周辺の人に、いい墓地はないかというわけで探させておったのでありますけれども、なかなかないのです、人口増加地帯でございますから。 そうこうしているときに、去年の一月の末ごろであったと思いますが、私のおやじの応援者でもあったわけでありますが、幼稚園と高等学校を経営している学校法人の理事長が、私と会ったときに、実は野球場として買った土地が野球場として使えないから、そこを墓地霊園にすることにして、もうある程度お客さんに売っておるけれども、大先生のもここにつくったらどうかねというふうなお誘いがあったのです。それで私は、その現場を見まして、大変環境もいいところでありますから、それじゃお願いしますかと。 そのとき、幾らでつくってくれるかということを明確には決めませんでしたけれども、二つありました。一つは、墓の方の値段は、知り合いの人に鑑定させてくれた価格でいいよということでした。それから永代使用料、これはきちっと払わなければいかぬ、こういう大体の合意でした。 それに基づいて、理事長の方で工事に入ってくれたわけでありますが、去年の八月末ごろ、大体でき上がりかかったころに、良光院という小さいお寺さんが、その公園墓地は所有権ないしは管理権は自分の方にあるんだ、だから高橋理事長の方には権利はないということで、訴訟が起こったのです、仮処分の訴訟が。 そうすると、所有権ないし管理権についての訴訟でありますから、これはどちらに永代使用料等を払っていいかわからない。したがって、訴訟が終わるまでは払えないです、これは。そしてまた、私自身が使い始めるわけにはまいりません。そこで、去年の九月以降、実は分骨の手続などもせず、納骨もせず、訴訟の解決を待っておる、こういうことなのでございます。 しかし、去年の暮れになりまして、もう実際、墓はおおよそできておるわけでありますから、そこで、このままだというとその工事をした人に損害をかける。私の応援者でもありますから。そこで、とりあえず実費だけは払わなければいかぬなというわけで、去年の暮れ、十二月の二十九日ということがわかりましたが、その日に私は秘書を連れて理事長の自宅を訪れて、実はお世話になっている墓地のことについてごあいさつに来ましたと。 そうしたら、その人は事務長を呼びまして、四人の間で、私が、これは墓地のことについての内金のつもりですからお受け取りくださいというわけで差し上げて、言うなればお預けして、帰ってきたわけです。そうしたら、その事務長の方から私の秘書に、ではあれは内金としていただくことにしたからという返事があったそうであります。 今度、雑誌に書かれたものですから、念のためにその理事長さんがやっておる墓石を建設するところに確認をしてもらったら、私がお払いした、あるいはお渡ししたお金は、理事長さんの方の霊園墓地とそれからその会社の方の預金通帳に、きちっと入金されていることが明確になりました。それは、一つは浦和市野田農業協同組合の預金通帳、一つは王子信用金庫蕨支店の通帳に、きちっと私の名前を入れて、ちゃんと入金になっております。必要がありますればこれをお見せして結構ですが。
○土肥委員 そうすると、額は五百万というのを前回おっしゃっていますね。五百万を、これは永代使用料ですか、それとも墓石料。そして、その値段は、今二つの口座に振り込まれているというふうにおっしゃいましたけれども、幾らずつ入っているのですか。
○松永国務大臣 私は、実際かかった経費を払わないまま長く置いては悪いという気持ちで、実費のつもりでこれをというわけで、お渡ししてきたわけです。そうしたら、受け取った側は、四百万が墓石代、百万は永代使用料の内金ということに向こうさんでは受け取ったようでありますが、永代使用料については、本当を言うと訴訟が解決しなければどちらに払うべきものか明確にはならないのですけれども、先方の方でそうしていただいているということが帳簿によって明確になりました。
○土肥委員 永代使用料が百万ということですが、永代使用料は、内金ですが、これは良光院の収入にならなければいけない、良光院の口座に入らなければいけないのですが、それはどうしてですか。
○松永国務大臣 先ほど申し上げておりますように、良光院の方が自分の方の所有権ないしは使用権だということで、理事長の方と争いになっているわけですね。裁判でそれが決まったならば、どちらかに私が金額を決めてもらって払う、こういう仕組みなんですね。まだ訴訟中でありますから、どちらとも言えない。 そこで私は、今までにおかけしている実費、損害をかけてはいかぬというわけで、概略五百万ということで、内金としてくださいというわけで置いてきたわけなんです。
○土肥委員 今まで工事を頼んだ実費というのは、やはり、墓石、墓園をつくるときには永代使用料と石代ときっちり分けなければいけないのです。ですから、これは大臣が墓を頼むときのそもそもの出発があいまいなんですね。なぜ設計やら予算を、見積もりなどをとらなかったのですか。
○松永国務大臣 恐縮でございますが、私の父の代からの応援者で、私の応援者でもある人が、私のここをどうですか、私の方で責任を持っていいのをつくりますから、こう言われたから、そこでお願いしますと……(発言する者あり)いやいや、ただということではございません。
○越智委員長 お静かに願います。
○土肥委員 そうすると、あと幾ら払うのですか。
○松永国務大臣 永代使用料については、後で資料を見せてもらいましたが、実は一応の決まりは、私の分は八百万になるということが、後で資料を見ました。墓石の方は、先ほど申したとおり理事長さんが、知り合いの人に見てもらったその価格でいいよという話なんです。
○土肥委員 それは幾らですか。
○松永国務大臣 それが、知り合いの人と私の友人のお寺の住職さん、それに見てもらったら、四、五百万はかかっているなという話でございましたから、そこで五百万を内金として置いてきた、こういうことでございます。
○土肥委員 いろいろ御批判はあるようですけれども、この締めくくりではっきりしてほしいということです。別に大臣を責めているつもりじゃなく、もうこれでなしにしましょうよ。 ですから、では、あと八百万お支払いになる予定ですね。
○松永国務大臣 私の腹づもりは、永代使用料の方は、何か印刷物を見ましたら、私の分は八百万になる大きさらしいのです。それで、私がお預けした五百万のうち四百万は石の方に入金されておるのですね。そうすると、ああ理事長さんは四百万にしてくれたのかなと。そして、百万の方が永代使用料の内金というふうになっているようです。そうすると当然七百万でございますが、訴訟が解決すればいつでもそれをお払いする用意があります。 それを払った上、九州から分骨をしてもらって、それを納骨して初めて使用開始、こうなるものだと思っております。
○土肥委員 では、総額一千二百万の墓園、墓地ということになりますね。それでいいのですね。それで、先生はお払いになるわけですね。(松永国務大臣「そうです」と呼ぶ)わかりました。 お墓をつくるときには庶民はもっと真剣に、人からどうですかと言われてまあこれはいいわということで、そして瞬く間にお墓ができ上がって、立派な墓石が座っているようではございますが、もう少し庶民の気持ちを考えたら、やはり一生一代のものを建てるわけでございまして、ひとつそういうことも配慮してお建ていただきたい、このように思う次第でございます。 ただ一つ、私は週刊誌で写真を見せていただきましたが、相当高い墓石でございまして、上に何か屋根が載っておりますね。あれは地震が来たら一遍で落ちますので、中をどういうふうに工事しているかごらんになった方がいいと思います。 しかし私は、やはり政治家はいろいろなことを言われないように、自分のお墓などというものは自分の祖先や先祖をお祭りするものでありますから、誤解の受けないようにきちっと説明していただきたい。きょう大臣からそういう説明を受けましたから、それはそうだろうということをのみ込みまして、私はこれ以上大臣に申し上げません。 さて、神戸では、三年がたちまして、先ほど申し上げましたように墓の修理もできないという人もおるわけでございます。この三年間の行政の、これは国も地方もそうでありますが、行政の震災対策、特に大規模な都市災害の復旧、復興の手法をこの際全部改めて考え直さないと、結局、俗に言う、インフラはできたけれども個人の復興はできないというふうな問題を必ず残すわけであります。 したがいまして、きょうは、これからどういう震災復興をやっていくかという残された課題について私は皆さんにお聞きし、かつ私の提言もしてみたい、このように思っております。 まず、総理大臣の、これまでの震災復興を進めておいでになりまして、今までのこと、そして今後のことについてどういう認識を持っておられるか、お聞かせください。
○橋本内閣総理大臣 本年の追悼式典にも神戸を訪れさせていただきましたけれども、その神戸を初めとする阪神・淡路地域、これは、政府あるいは地元地方公共団体、地元住民の方々の一体となった努力のもとで、主要なインフラ施設については復旧が完了したと思います。 その一方で、今なお約二万三千世帯の方々が仮設住宅で生活を送っておられ、また地域の産業につきましても、全体としては震災に伴う大きな落ち込みから回復しつつありますけれども、例えばケミカルシューズでありますとか、あるいは淡路がわらでありますとか、業種、業態によりましては依然厳しい状況が見られるなど、残された課題が存在することも事実であると私も思います。 そして、政府としてこれまでとってまいりました細かいことを一つずつ申し上げるつもりはございませんけれども、生活再建の前提となります住宅に対し、公営住宅の大量供給とその家賃の大幅な引き下げを実施しておりますことは委員御承知のとおりでありますし、また、阪神・淡路大震災復興基金を増額し、生活再建支援給付金を支給するなど、きめ細かな施策も講じております。 また、産業復興対策としては、被災直後における仮設工場、仮設店舗の建設以来、さまざまな措置を講じてまいりましたが、今、被災企業に対し、低利融資等金融上の支援措置など、さまざまな支援措置を講じております。 今後とも、阪神・淡路地域復興のために、こうした支援策を着実に進めてまいりたいと考えております。
○土肥委員 私が冒頭申しましたように、従来の震災復興、大規模都市型震災復興の手法を変えてみよう、変えて考えてみなきゃならない時期に来たということを強く申し上げたいのは、いろいろなさまざまな、なお二万四千人からの方が仮設住宅に入っておられて、そして、なるほど、震災復興住宅あるいは公営住宅がどんどん建って、やがてすべての人がどこかに落ちついてもらうことができるでありましょうけれども、いよいよ被災市民の生活実態というのが非常に個別化してきたわけです。一人一人状況が違うわけです。一人一人持っている問題が違うわけですね。この一人一人の問題点にどう触れるか、行政がどう触れ合うか。 どうも、一くくり、十把一からげと申しますけれども、そういう行政スタイル。くくってしか、あるいは大ざっぱにしか考えられないような震災復興のシステムでは、これはもうずっと被災市民の間にはうっせきした、自分には何ら具体的な救援の手が差し伸べられない、自分のところまでは来ない、それは仮設住宅までは入りましたよ、その先のことは自分にはもう手が届かないんだ、届けられないんだという意識があります。そして、徐々に自分の生き方を放棄してまいります。自分がどうやったら立ち直れるのか、あるいはどうしたら今後生き延びていけるのかというようなことについても、自分自身を放棄してしまうんです。 ですから、昨年の十月に兵庫県が被災世帯健康調査というのをいたしましたけれども、かなり状況は悪いのでございます。三千六百四十四人の調査が出ておりますけれども、仮設住宅では三八・五%の人が病気をしている、災害復興公営住宅に入っても三四・二%の人が病気中であるというようなこと。そして、精神面でも非常に問題がある、あるいはアルコールに走る、こういうこと。そして、さまざまな個人的な要望が出てまいります。 そういう中で一体、行政というのは、本当にそういう人たち一人一人の問題にどうやったら出会い、そして助言をし、そして立ち上がりのための援助ができるのかということを考えない限り、広大な捨てられた民、棄民が阪神・淡路の地域に残っていくということが想定されます。 そこで、今までやってきた行政システムの中で一番私が注目しておりますのは、国の復興本部と県、市が共通して持っております協議会、兵庫県、神戸市と復興本部との協議会というのが六回か七回か行われているようでございます。この協議会の報告はほとんどないです、広報紙に若干、こういう人たちが集まってこういう話をしましたという項目が出るだけでありまして。実はこの協議会というのがこの復興対策のいわば最前線ではないか、このように思いますが、今、協議会というのはどのようなふうに持たれ、そこで何が決定されるのか、お述べいただきたいと思います。
○田中(正)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の協議会、これは復興過程におきます具体的な問題の把握とそれから処理などを目指しまして、阪神・淡路復興対策本部事務局長など政府の幹部とそれから兵庫県知事、神戸市長さんらが率直な意見交換を行うために平成八年に設置され、その後随時開催されてきておるものでございます。 この協議会の協議内容でございますが、平成八年にできましたときの当初、これはやはり被災者の方々の生活再建の前提となる住宅対策、これに取り組んでおりました。それで、その次の段階が、今お話もちょっと出てまいりましたが、被災者の健康や福祉あるいは生きがい対策などを含めましたきめ細かな生活対策、こういったものを取り上げております。それから、直近の前回では、経済、産業の復興について意見交換を行ってきておるわけでございます。 このように、この協議会は、復興の進捗に応じまして、その時々の重要テーマについて意見交換を行うことによりまして、地元、県、市と政府との間で連携を保ちながら復興対策を進めていく、まさに基礎となっているものでございます。
○土肥委員 その場で、その復興協議会の中で、今、市民がどういうところに置かれているか、どういう状態にあるかというようなことをフィードバックする、つまり市民のあり方を、状況を把握して、今こうなっています、こういうことが大問題ですというようなことが絶えず復興協議会の中で行き来して、そして市民のその刻々の要望が復興協議会に届けられるというようなシステムはあるんでしょうか。
○田中(正)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、確かに、政府と地元自治体とで連携を保っていろいろな問題の把握や処理をしている、こういう状態ということをやはり知っていただくこと、これは大事なことでございます。 もちろん、県と市も、被災者向けに広報ということに意を尽くしておるところでございますが、実は、この復興協議会が始まるとほぼ同時の時期でございますけれども、政府としても、復興だよりというものをつくらせていただきまして、これを閣議の後の閣僚協議会にも御報告させていただいていますし、また、地元の方にもお配りも申し上げておりますし、被災地の方々に見ていただくような幅広い配布というようなものも心がけておるところでございます。
○土肥委員 その努力は多とするわけですが、本当に市民の要望が見える形で伝わっているのかなというふうに思うんですね。 例えば、私、地元の政治家として、ほとんど復興協議会に物を言うチャンスがないわけです。言ってみれば、ああ、もう政治は終わりました、行政の、行政マンの手法でこれからの震災復興をやってまいります、ですからどうぞ御心配なくというふうに聞こえるわけですね。地元住民の実情を吸い上げる場合に、行政だけの災害復興対策になるということは非常に問題だ、つまり、行政の枠内での震災復興ということは大変問題だと思うのであります。 したがいまして、例えば復興協議会を公開にするとか、あるいは、広報とおっしゃいましたけれども、テレビ等で市民に公開するとか、そういうふうにして、時々刻々、復興協議会がまさに実務を担当しているわけでありますから、そういう面で、神戸市民が、ああこういうふうに検討してくれるんだなというふうに理解できるような方法というのは考えられないでしょうか。
○田中(正)政府委員 お答え申し上げます。 今、先生から御提案をいただいたわけでございますが、この協議会の場というものは決してクローズに行っているわけではございませんけれども、やはり先生御自身がおっしゃられましたように、被災地では、まさに個別化し多様化するいろいろな問題を忌憚ない意見交換をして、その中から次への施策の合意なり協議の方向を見出していく、こういう性格もございます。そういったことも考えながら運営をしている、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○土肥委員 官房長官にお聞きいたします。 私も、復興プロジェクトで、村山内閣のときに半年ぐらい御一緒して、地元の復興について考えました。あのときは、仮設住宅を建てる、入り口に屋根がないから屋根をつける、それからクーラーをつける、大体そこまでだったと思うんですね。 どうでしょうか。もうその後復興プロジェクトは余り動いていないようでございますが、今、座長として責任を持ってこられた長官として、これに残された個人的な要望にどうこたえるかということについての御意見をお聞きしたいと思います。
○村岡国務大臣 土肥委員が今おっしゃいましたように、この大震災の直後、与党のプロジェクトチームの座長として、あのときは政府としては小里長官がもう大変な活躍をされた、我々は与党としてこちらにおって、緊急にやらなきゃいけない。もう交通は途絶、水はない、電気はだめだ、下水の方はだめだ。何もかにも、もう急速に、各役所、徹夜その他で、立法措置もとれ、何もとれ、お金はもうとにかく後から算出してよい、使え、そういうことを相当やったわけですね。これは土肥委員、おわかりであろうと思います。 ところが先ほどの話を聞きますと、やり方を変えろと。これはなかなか変えられない。あのやり方が、高速道路でも何でもやりました、あるいは地すべりもございました、このやり方でそれでも相当な、港もあのとおりやられました、それでも一年や一年半かかったと思います。国のお金も四兆三千六百億以上出ていると思います。 ただ現在、先ほども話が出ましたように、二万三千世帯の方々が仮設住宅にいる。まだ神戸港がもとの状況に直らない。また、企業の方もなかなか直らないという困難な状況があることは事実でございます。 しかし、一人ずつのことを聞いて、それは一人ずついろいろな意見がありますから、これを政府で聞いて、私どもうんと聞いていましたよ、私も現地に行きまして仮設住宅のいろいろな苦情や要望も聞きましたよ。ただしこれは、一番わかっているのは市であり、県であり、その意見を聞きながら対策を立てる。一番弱ったのは、学校の敷地まで仮設住宅を建てたでしょう。住んで、そのままいた人もいるでしょう。まず先に、仮設住宅を建てる場所をとにかく確保するのに大変であった、ようやく確保しておくれたこともあります。 今、公営住宅を建てておりますが、今度は何とか立派なものができましたからそこへ移ってくださいと言うと、聞きますと、もとのところへ移りたい。なかなかこれは、そこにはもう建てられないんですよ。県、市でも、何とか土地をやって、できるだけ近くのところへ建てようといっても、なかなか建てられない。遠くのところに当たる人もいる。幸いいい人もいるけれども、先生の言う個人個人が、私はあそこへ行きたい、もとここにいたんだからと。これまでも、これは県も市も聞きましたよ、なかなかそれはできませんと。それは何かいろいろ事情もありますけれども、ようやく今、三万九千戸建てるうちの三万八千戸着工いたしまして、そのうちの二万戸できているわけであります。 これはひとつ、先生は地元でございますから、協議会がないなどとかなんとか、出席させられないとか言わないで、市でも県でも堂々と行って、そしてまた、国会議員でございますから国土庁でも建設省でもどんどん行って、地元の事情を伝えて、私でも結構であります、一緒にやった間柄でございます。どうぞひとつそのように、一生懸命頑張っていこう、こう思っております。
○土肥委員 長官の座長時代の御苦労は、もうよく知っているわけです。しかし、家が倒れた、仮設に入った、公営住宅を建てたからといって、人を右から左に運び込むようなふうにはいかないということですね。 そして、震災前に住んでいた町には、それぞれの町の風土があり、住居形態があり、そして収入の差があり、いろいろと多様な人が住んでいるわけですね、多様な人がいるわけですよ。多様な人に多様に対応するにはどうしたらいいかということが最大の問題なんです。ですから、従来の考え方を変えてくれというのは、そういうことなんです。 それで、もう時間がありませんので、私が提案いたします。 一つは、やはり政治というのは個人に触れなきゃだめだということです。そして、可能な限り個人にどう出会うかということです。 私は復興基金の使い方がかぎだと思うんですけれども、復興基金を見てまいりますと、九十数項目メニューがありまして、そして生活関連でも何十とあるわけです。一体これは何だろうか。サービスの出てくる場所がみんな違うわけです。何十のいろいろな種類のサービスがあっても、次から次に被災者のところにやってきたって、何のことかわからないわけです。 ですから、私が提言したいのは、復興基金の使い方を徹底的に組みかえて、そして、一人の相談員が、これは有給でも、僕はボランティアは無理だと思いますけれども、一人の相談員が三十人か五十人ぐらい担当いたしまして、繰り返し繰り返しその人に出会って、そしてもろもろのことを聞いてあげながら将来の人生設計の立て上げの応援をするということなんです。 ですから、そういう意味で、私は、この復興基金の使い方の見直しを、ぜひとも変えていただきまして、サービスメニューをたくさんするのではなくて、ある特定の人がいつもその人をケアしている、出会っている、そういう状況をつくるというふうな組みかえ方が一体できるのかどうか、復興基金の担当の方に御質問いたします。
○村岡国務大臣 復興基金、これは県、市の地元の要望によりまして、当初六千億、また生活者支援として三千億という基金であります。多少、進言、助言はしておりますけれども、この使い方その他は、県とか市とか、そういう何十項目あるかもしれません、基本的には個々の人の意見を聞いて、実際は地元の県とか市の人が被災者と会って、話を聞いてやっているわけであります。したがいまして、そのやり方が悪いということであれば、また県、市と相談をしながら勘案をしていかなければならぬ問題であろう。 実は、私どもいろいろな苦情も聞いておりますけれども、なかなか県としても市としても、一人一人聞いて、要望だけ、あなたはどこへ入りますとか、こことかというのは、県だって市だってできないと言っているんですよ。これは実情を見ればおわかりであると思います。 それでは、記者会見の時間でございますので、失礼させていただきます。
○土肥委員 まあ、もういいです。記者会見に行ってください。 そのできないというところに行政手法の誤りがあると思うんです。被災者一人一人になれば、できないなんということでほっておかれたのじゃ、それはたまったものじゃないです。ですからそれは、何かしてくれ、あれもしてくれというのではなくて、自分がいつもこの人と出会っておればいろいろな相談ができて、そして円滑に住みかえもできると言っているんです。何も、行政のメニューをたくさん持っていってあれこれカードを出すようにしてやれと言うのじゃないんです。行政から一人の人が来て、そしていつもその人が自分の生活を大局的に見てくれているという、そういう安心システムというのがないからなんです。 それを無理だとか行政の手法に合わないと言うならば、介護保険ですよ。介護保険というのは、今度は一人一人のお宅に出かけていくんですよ。介護保険の事業を達成しようと思えば、一人一人のところに出かけていってお世話するということを始めない限りできないんです。 厚生省はどうでしょうか。介護保険を今進めておられますけれども、対応のあり方として、一人一人の対応が行政にはできないと言うことはできますか。
○羽毛田政府委員 介護保険におきましては、制度の仕組みは公としてつくりまして、できるだけサービス展開については民間の方々も含めた幅広い事業者によって展開をしていただく。そのことのサービス展開の支援をするためにまた介護支援計画というようなものを、これもできるだけ、民間も含めました、いわゆるケアプランをつくるための事業者というようなことも含めましてやっていくという仕掛けでやっております。 したがって、具体的なサービスはできるだけ民間も含めた中でやるという考え方に立ってやっておりますが、制度の仕組みは公的につくっているということでございます。やや先生の問題意識からすると直にはないかもしれませんけれども、そういう仕組みでございます。
○土肥委員 それはおかしいですよ。だれがやるにしろ介護保険制度に乗っかってサービスするんでしょう。一軒一軒に行くんでしょうが。一軒一軒に行けないんですか。行政はそこまで考えなくていいということですか。
○羽毛田政府委員 サービス展開は、サービスそのものは、それぞれのニーズがあります要介護の人あるいは要支援の方々のところにサービスが行くようにやられるというのは、それは当然そのようにやられることになります。
○土肥委員 だから、やるんですよ。やらなきゃいけないんですよ。そういう意味を込めて、被災市民個人個人の要求を聞けないというようなことはあり得ない、そういうことを申し上げたいというふうに思います。 最後に、私も今国会を振り返って、橋本総理率いる現政府が提案してまいりました予算案、これは最善のものであると。しかしながら、最善のものであるというのは、結局、日本の国の予算というものが、政府の予算というものがいわばオールマイティーであって、その政府の全政策体系を体現しているというふうに振りかぶりますと、これはもうにっちもさっちもいかないわけで、各大臣も本音が言えないということになるのでありましょう。 そこで、私たち野党は繰り返し繰り返しさまざまな要求を出してまいりましたが、この予算の組み替えを要求いたしました。これからも要求を出します、これが終わった後。この組み替え要求というようなものについて、橋本総理はそれをどう考えるのか。組み替えなどというものは橋本政権を土台からひっくり返すものであるから認めないのか、それとも、組み替え動議に意味があれば、メンツやあるいは従来の政府予算の出し方とは別に考慮してもいいとお考えなのか。その辺の判断の根拠、我々が組み替えやさまざまな要求をいたしましたけれども、できないとおっしゃってきた、最善のものだとおっしゃってこられたことの理由をお示しください。
○橋本内閣総理大臣 これは申し上げるまでもなく、政府としての立場は、政府が予算編成権を持ち、責任を持って編成し、国会に提出した予算でありますから、当然のことながら、それを最善と信じ、御審議をいただくということであります。 しかし同時に、国会は国会としての審議権をお持ちであります。政府は国会の審議権を拘束することは当然ながらできませんし、またすべきことでもございません。その上で、国会は与党、野党から構成され、それぞれの委員会、本会議等の運営は、それぞれの責任者において論議をされておることであります。 政府として持つものは、予算の編成の権限であり、これを国会に提出する責任であり、国会の御審議は審議権に基づくものとして行われる。あえてお尋ねがありますなら、そのようにお答えを申し上げます。
○土肥委員 組み替えは受け入れないということですね。もう一遍御答弁ください。
○橋本内閣総理大臣 大変恐縮でありますけれども、内閣が国会の審議権を拘束することはできないと存じます。その上で、国会は与党と野党において構成されておるわけでありますから、政党間の話し合いというお答えをすべきなのでありましょう。しかし、そこまでお答えをすることも本当は国会に対して失礼なのかもしれません。ただ、政府は、政府の責任において予算案を提出し、御審議を願い、成立を図るために努力をするとのみ申し上げます。
○越智委員長 質疑時間が来ております。
○土肥委員 ではもう一回、もう三十秒やらせてください。 そうすると、補正の話が盛んに自民党筋の外野から出てくるのですが、財政法の二十九条を見ますと……
○越智委員長 これ以上の質問はおやめください。
○土肥委員 「経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加」こう出ていますが、そういうものは想定されないのですね。
○橋本内閣総理大臣 どう申し上げたらいいのでしょう。議員の今の御質問は、新しい御質問をつけて言われましたが、そういう点について、議員に対し私は御答弁を申し上げておりません。
○越智委員長 これにて土肥君の質疑は終了いたしました。 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 平和・改革の斉藤鉄夫でございます。 資料をお配りさせていただきとうございます。この資料は、三月に入りましてから発表され、新聞で報道された経済動向、景気指標などをピックアップして書き写したものでございます。私の目に入ったものをメモしたものですので、重要なものが入っていないかもしれませんが、こうやって並べてみますと、ことごとく前期比マイナスとか前年同期比マイナスでございます。 GDPの六割を占めると言われる個人消費につきましては、三月九日の総務庁の一月の家計調査、サラリーマン世帯平均消費性向が、九七年九月から三・三ポイント下がって、いよいよ七〇%を割り込んだ。また、一月の実質消費支出がマイナス五・九%、全世帯の一月実質消費支出がマイナス四%。 また、三月十七日の百貨店協会の二月売上高調査によりますと、東京地区で前年同月比マイナス五・四%、近畿百貨店協会でマイナス九・八%と、物すごい落ち込みを示しております。 また、GDPの二割を占める民間設備投資につきましても、三月十八日に開銀が九八年度の設備投資計画動向を出しておりますけれども、非製造業でマイナス二・七%、製造業はマイナス六・七%、こういう数字が出てきております。 私の地元は広島でございますが、広島は、造船、重機、自動車それから鉄鋼など、製造業の比率の非常に高いところでございます。設備投資計画などを見ますと、製造業は非製造業に比べて非常に落ち込みが大きいわけですけれども、それを裏づけるかのごとく、広島は全国平均よりも景気が悪く、大手製造業を支えている中小企業、協力会社はまさに悲鳴を上げている、倒産も非常に多いという状況でございまして、私も、この表を書きながら、私が地元で実感しているのと全く同じだな、本当に実感している厳しさがこの数字に出てきているなということを感じた次第でございます。 そういう意味で景気は、停滞といった生易しいものではなく、まさに後退局面にあると思うわけですが、総理、こういう黒三角がずらっと並んだような経済の状況下で、景気に対してほとんど配慮の見られない平成十年度本予算案、総理は今でも、この予算案が最善のものである、このようにお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今改めて、議員のまとめられたこの指標を拝見いたしました。それぞれに報告を受けている、あるいは報道等で存じておる数字でありますけれども、本当にその厳しさというものを感じております。そして、それぞれに私はこの数字には意味のある中身を含んでいると思います。 その上で、これはあえて議員の意に反するかもしれませんけれども、私は、本年の通常国会を例年より早くお開きいただき、特別減税、金融システム安定化策、補正予算の御審議をお願いいたしました。現在、おかげさまで、それぞれに国会の御承認をいただき、それらの施策が動き始めております。安定化策は成立から動き出しに多少の時間を要しましたから、効果はまだ心理的なものにとどまっておりましょう。 その上で、現時点において繰り返しお願いを申し上げておりますことは、予算に切れ目を生じるということが私は非常に心配であります。また、税制改正を初めといたしました予算に関連する法律案、年度内に成立をさせていただかなければ困るものが税制を初めございます。こうしたものを一刻も早く通過、成立させ、実行に移させていただきたい。 今何となく、昨日私のところにお見えになったお客様方も、例えば、予算は成立してしまった、あるいは税制改正の関係法案の審議は国会で終わってしまったような感覚で物を言われまして、今審議中だということを改めて申し上げると、びっくりして帰られました。改めてびっくりされた。 そういうことだけに、今お話しのとおり、私は、市場として織り込んでいるものが期日どおりにきちんと届けられるように、ぜひ御協力を賜りたいと願っております。
○斉藤(鉄)委員 私は、現在の経済状況を織り込んでいない予算案を通すことの方が、かえって景気にはマイナスであると思います。 では、次の角度からちょっと質問をさせていただきます。 今年度の各四半期ごとのGDPを見ますと、昨年の四月から六月、第一・四半期で前期比マイナス二・八%。これは消費税駆け込み需要の反動だ、こういうふうに説明がついております。七月から九月まで、第二・四半期がプラス〇・八%。しかし、第三・四半期、十月―十二月でマイナス〇・二%ということになりました。第四・四半期、一月から三月も多分マイナスになるだろう、こう言われております。 この平成十年度予算の大枠が決められた昨年夏ごろは第二・四半期で、GDPは、先ほど申し上げましたように、プラス〇・八%。消費税上げ前の駆け込み需要の反動から立ち直り、景気はこれから緩やかに回復していくだろうという希望的観測を持たれたのは、ある程度理解ができます。私たちは、景気の現状はそんな生易しいものではないと見ておりましたし、主張しておりましたけれども、百歩譲って、第二・四半期GDPがプラスに転じたので希望的観測を持たれたという気持ちは理解できます。 そこで財革法を閣議決定し、そのキャップがかかった形で平成十年度予算案の大枠が決められたわけでございます。しかし、経済は希望的観測どおりにいかなかった。状況は変わったわけでございます。第三・四半期のGDPは前期比マイナス〇・二%、年率に直しますとマイナス〇・七%です。大変な落ち込みです。この一―三月、第四・四半期も、先ほど見たような経済動向、黒三角がずらっと並んでいるような経済動向を考えれば、多分確実にマイナスでしょう。二期連続マイナス。 状況は、この平成十年度の予算案の骨格がつくられた去年の夏、財革法がつくられた時点から大きく変わっている、こう申し上げたいわけでございます。この経済状況の変化がこの予算案に反映されていない。この状況の変化を考慮に入れて修正をする、予算案を、予算の切れ目のないようにするというのが本来の国会の役目なのじゃないでしょうか。 それでも、総理は、本予算は最善のものである、このようにお考えでしょうか。再度聞かせていただきます。
○橋本内閣総理大臣 先ほど他の委員から、国会での審議権、政府の予算提出権の関連についてのお尋ねがございました。 そして、私は、政府としては予算編成権を持ち、そして提出する責任を有する、国会は審議権を有しておられ、その審議権に政府は介入する立場ではない、また当然してはならない、その上で、国会が与野党で構成されている意義というものを改めて申し上げ、政府としてその審議権に介入のできるものではないということを申し上げました。 その上で、今議員からいろいろ御指摘をいただきましたけれども、確かに、概算要求の時点からその後における状況の変化が、我々に非常に大きな経済的な課題を投げかけてまいりました。そして、そういう中でこの予算は編成をいたしてまいったわけであります。 歳入の面から申し上げるなら、十年度税制改正におきまして、特別減税を既に実施させていただいているわけでありますけれども、法人課税について、あるいは土地住宅税制について、あるいは金融関係税制につきましても、その後の推移を当然のことながら考慮しつつ、政府税制調査会も、また党の方でも御論議をいただき、その結果としての政策減税をさせていただく内容を今御審議いただいております。 また、金融システム安定化をここで論じようとは思いませんけれども、歳出面におきましても、将来の経済発展に向けた基盤整備をいたしますために、科学技術振興に対しまして意を用い、創造的、基礎的研究の充実に配慮をする、また公共事業につきまして、七・八%の縮減を図りましたけれども、物流の効率化対策に資する、こうしたものを中心とした経済構造改革関連の社会資本及び生活関連の社会資本について、重点的にこれを取り上げる、そうした考え方をこの編成の中に盛り込んでまいりました。 したがって、十年度予算が経済情勢に的確に対応していないという御指摘は、私は、必ずしも当たるものではないと思います。 その上で、なお私どもとしては、こうしたさまざまな施策を盛り込みました十年度予算案並びに関連法案を早期に成立させていただく、そして九年度補正予算との切れ目をつくらないということに対するお願いを、繰り返して申し上げたいと存じます。
○斉藤(鉄)委員 総理は審議権ということをおっしゃいましたけれども、総理は、確かに行政の長でございますが、議院内閣制における国会の与党第一党の責任者でもあるわけでございます。この国会の審議を本当の意味で実質化する意味におきましても、この予算委員会での審議で、確かにここは修正すべきだ、直すべきだ、そういうことになればそれは直していく、またそのようにリーダーシップを発揮されていくのが、私は、総理の、与党第一党の責任者としてのお役目ではないかとも考えるわけでございます。 財革法の絡みでもう一つ質問させていただきます。 これは、この予算委員会の場で、我が会派の神崎委員、北側委員も取り上げましたけれども、アメリカの包括財政調整法には、財政支出のキャップを経済状況の変化に応じて外すという運用停止条項が入っております。二四半期連続して年率一%未満の低成長の報告がなされた場合、または二四半期連続してマイナス成長が予想される場合でございます。 今の我が国の経済の状況はまさしく、アメリカでいえば財革法の運用を停止して経済活性化に全力を挙げる、そうしなければ経済そのものが破滅をしてしまう、そういう時期だと思うわけでございます。しかし、我が国では、この財革法の縛りがかかったままの平成十年度予算案を、そのままお通しになろうとしている。これは国民から見てどうしても理解できない、このように思うわけですが、いかがでございましょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、財政構造改革の必要性というものはこれからも変わらないと思っておりますし、それ自体は議員も決して否定されるものではないと思います。 そして、私は、この問題に対して、今まで何遍か御答弁を申し上げてきました。我々としては、当然ながら財政構造改革という目標を追っていかなければなりませんが、同時に、当面する課題に対する臨機応変の対応というものを拘束されるものではないということも、申し上げてまいりました。そして、そうした考え方で、さまざまな御議論を院にもお願いを申し上げてきたところであります。 また、御指摘のありましたアメリカの包括財政調整法、この御論議は、北側議員から提起されましたのを初め、神崎議員あるいは石井議員、同じことを何回かお尋ねをいただきました。そして、私は最初から、この御論議を本院において初めてちょうだいいたしましたときから、立法政策上一つの判断ということを申し上げ、しかし同時に、なかなか難しい問題点を持っているということをお答え申し上げました。 そうした意味では、現時点におきましても、私は、立法政策上の一つの判断ということ以上の御答弁は、その後の御審議を踏まえましても、控えるべきであろうと存じます。その上で、私は、実行上なかなか難しい問題もありますということも、申し添えさせていただかなければなりません。
○斉藤(鉄)委員 この問題についてはなかなか議論がかみ合わないという感じを持っておりますが、次の質問に移ります。 平成十年度の経済見通しについてお伺いします。 一月十九日、経済企画庁は、平成十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度を発表されました。ここで、平成九年度当初の一・九%のGDP実質成長率は無理と正式に判断されて、平成九年度の我が国経済は、国内総生産の実質成長率が〇・一%程度になるというふうに規定をされました。 しかし、尾身長官、先日の予算委員会の質疑で、この〇・一%達成も厳しい状況だ、このようにおっしゃいましたけれども、間違いございませんね。
○尾身国務大臣 十月―十二月のQEが発表になりまして、マイナス〇・二%になりました。先ほど斉藤委員のお話しのとおりでございます。 そういう状況を踏まえまして、九年度の政府見通し〇・一%を達成いたしますためには、一月―三月が一・六%成長ということが必要でございまして、現状、いろいろな状況を考えますと、なかなか厳しい状況にあると認識している次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 平成九年度の補正予算は、この〇・一%実質見込みを主要な根拠として組み立てられました。そして、一般会計分五十六兆二千二百六十億の税収ということが補正で認められたわけでございますが、この税収はどうなるのでしょうか。 大蔵大臣、先ほど、この〇・一%達成は困難だというふうに尾身長官はおっしゃいました。この〇・一%を根拠にして計算されたこの五十六兆という平成九年度税収見込み、これは大丈夫ですか。
○尾原政府委員 九年度税収の見通しについてお尋ねがございました。今、先生からお話がございましたように、補正予算におきましては、一兆五千七百六十億円減額補正いたしまして、五十六兆二千二百六十億円と見込んでいるところでございます。 なお、この九年度補正予算でございますが、これは、経済成長率等から機械的に見積もりを行ったものではございませんで、それまでの課税実績や大法人に対する聞き取り調査等を踏まえて、個別税目ごとに積み上げにより見積もりを行ったところでございます。 なお、現時点で判明している直近の税収の実績は、平成十年一月末の税収累計でございます。これで見ますと、一〇四・五%となっております。確かに補正後予算の伸び一〇八%よりも低いわけでございますが、実は消費税につきまして、税率の引き上げによる増収効果が年度の後半に集中してあらわれてくるということを勘案いたしますと、全体として、おおむね補正後税収の見積もりにおいて想定しました税収動向の基調に沿ったものと考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、九年度税収についてはまだ四割程度の収納が残されておりまして、所得税の確定申告さらには三月決算法人に係る法人の税収の動向について、十分注視してまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 全く甘い見方だと言わざるを得ません。平成九年度一月末租税及び印紙収入、収入額調べを見ますと、特に法人税の落ち込みがひどくて、本来一〇一・九という数字でなければならないのに対して九五・七。六ポイント程度低いわけでございます。 では、これが今後回復する見込みがあるのかと見ますと、先ほど見ていただきましたように、民間設備投資、個人消費また企業収益についても、非常に厳しい数字がここに出ている。今後このおくれている六ポイントをカバーする、六ポイント追いつけるということはほぼ不可能だ、私はこのように思うわけです。 大蔵大臣、税収欠陥は出ない、当初〇・一%実質見込みの根拠でつくった平成九年度税収見込みは欠陥が出ない、このようにお考えでしょうか。
○尾原政府委員 お答えいたします。 ただいまの一月末の法人税収、前年度比九五・七%ではないか、低過ぎるではないかというお話がございました。 実は、昨年度の税収の中には、金融機関の不良債権の償却の関係で、臨時的な税収が含まれておりまして、この特殊要因を除いて一月末で比較いたしますと、ほぼ前年並みではないかというのが我々の判断しているところでございます。 それから、確かに民間調査機関が、企業収益の見通しについて悪化しているというような数字を発表されているわけでございますが、経常利益ベースの発表が多いようでございまして、法人税の課税ベースとは必ずしも一致していないわけでございます。また、赤字法人のいわば経常損失と黒字法人の経常利益がネット表示されているわけでございまして、この点も、法人税収とはベースが異なるものではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、法人税収、三月決算法人に係る税収の動向をこれから注視してまいりたい、こう考えているわけでございます。
○斉藤(鉄)委員 例えば所得税等についてはまあまあいい数字なんですが、しかし、これは一月末の数字。二月、三月と、いわゆる減税で所得税の税収が大幅に落ち込むわけです。そういうことも考えれば、私は、今の御説明は全く国民を欺くものだ、このように言わざるを得ないわけです。 税収欠陥が生ずれば、大蔵大臣、責任をとられますか。
○松永国務大臣 先ほど主税局が申し上げましたとおり、九年度税収についてはまだ四割程度の収納が残されておるという段階、それから所得税の確定申告の結果、三月決算法人に係る法人税の確定申告の動向等々を十分注意してまいる、こういうことでございます。 なお、先ほどの話にありましたけれども、消費税の関係では、年度後半の方がより多く入ってくるという可能性があるわけでありますので、まずはそういう点を十分注視していけば、御指摘のようなことはないのじゃなかろうかというふうに思います。
○斉藤(鉄)委員 御指摘のようなことはないということは、あった場合は責任をとる、こういうことでございますね。
○松永国務大臣 そうは申しておりません。
○斉藤(鉄)委員 私は国会に入ってきて四年半ですが、どうしてこう国会というのは建前の議論しかできないのかというふうに思います。民間企業で二十年間働きましたが、民間企業では、社長が出してきた案だって、若い者がみんなで討議をして、ここはこう直そう、本音の部分で話し合って、正しいデータを出して議論するものですが、どうしてそういう議論ができないのか、本当に歯がゆく感じます。 平成十年度予算案は、GDP実質成長率一・九%を根拠として組まれました。今度は平成十年度予算案です。一・九%を根拠として組まれました。しかし、この一・九%という予算の大前提が崩れてきているのではないか、このように思います。 そう考える理由は二つです。 一つは、先ほどの平成九年度の実質見込み〇・一%と、平成十年度の実質見込み一・九%、経済企画庁の方では、同じ時期にほぼ同じデータを使って出されたわけでございます。そのうち九年度の〇・一%は、先ほど尾身長官がおっしゃいましたように、もう達成困難だということになりました。ということは、十年度の一・九%も達成困難だということになりはしないか、こう思うわけでございます。 もう一つの根拠は、経企庁の先ほどのデータですけれども、一・九%になるその理由として、「(個人消費)個人消費については、駆け込み需要の反動等の要因が剥落する中で、雇用者所得の回復などから、回復していくものと見込まれる。」「(民間設備投資)民間設備投資については、バブル期に積み上がった資本設備の調整の進展により回復の基盤がととのっていること、企業収益が引き続き改善していくことなどから、製造業を中心に緩やかな増加が見込まれる。」 全然現状とかけ離れた分析、また分析から積み上げられた平成十年度の一・九%、こう思うわけでございます。先ほどの現状の経済指標から見ても、この平成十年度一・九%の根拠はもう崩れている。崩れている以上、やはり本予算を修正して、正しい経済見通し、正しい経済状況の上に組み立て直すのが本旨ではないでしょうか。それが国会の役目ではないでしょうか。
○尾身国務大臣 平成九年度の見通しにつきましては、確かにかなり厳しい状況にあるというふうに申し上げました。平成十年度につきましては、これから規制緩和の効果等が出てくる。それから何よりも数字の点で申し上げますと、昨年の十一月前後にアジアの経済の問題、金融機関の相次ぐ破綻等によりまして、企業及び消費者の先行きに対する信頼感というものが非常に低くなりました。そのことが実は消費者マインドを大いに冷やしまして、それによって消費が急速に低下したという実態がございます。 数字で申し上げますと、九月には、家計の消費性向でございますが、七一・九%でございましたが、それが十月、十一月、十二月、一月と急速に下がりまして、一月には消費性向六八・六%と四カ月間で三・三ポイント下がっているわけでございます。その三・三ポイントという数字はGDPに直しますと十兆円を超える数字でございまして、年率十兆円もの消費性向の低下が四カ月間にあったということでございます。 しかし、このことは、結果的に消費者のマインドの低下が実体経済に影響を及ぼしているわけでございまして、私自身、必要な施策をしっかりととっていくならば、この消費性向の低下はそんなに遠くないうちにノーマルな水準に戻ってくるというふうに考えておりまして、何よりもしっかりとした対策をして消費者のマインドを高めることが必要である、そしてそのことによって、私は、十年度の成長率は一・九%を実現できるものと考えている次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 今尾身長官がお答えになったことは、平成九年度の〇・一%の根拠としておっしゃったことと全く同じです。その〇・一がもう崩れたわけですから、同じ根拠の一・九%も崩れるというのが当然ではないでしょうか。一・九%の根拠を示してください。
○尾身国務大臣 十一月、十二月、一月の家計調査によります消費性向、一月の六八・六%という数字は非常に低い数字である。したがいまして、消費者及び企業の経済の先行きに対する信頼感が回復すれば、私は正常化するものと考えております。そういう……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○尾身国務大臣 そういう根拠で、消費者マインドはいずれ正常化してくる、企業家の将来に対する信頼感も正常化してくる、そういう前提のもとで、消費及び設備投資が十年度におきましては順調な状況に戻ってくるというふうに考えているわけでございます。したがいまして、私ども、十年度の一・九%の成長は実現できると考えている次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 納得できません。 例えば、日本リサーチ総合研究所の消費者心理調査の中に、今後一年間に失業するかもしれないと考えている方は五九・二%もいらっしゃる。半分以上の方が雇用不安におびえながら今生きていらっしゃる。そういう中で、今の尾身長官の、これから個人消費は回復するということは全く根拠がないと思います。また、〇・一%と同じ根拠で一・九%を出された、その〇・一%が崩れたわけですから一・九%も崩れるという私の質問に対してはお答えになっていないと思います。 一・九%の根拠を文書で提出願いたいと思います。委員長、いかがでしょうか。
○越智委員長 尾身長官、答えてください。
○尾身国務大臣 やや詳しく申し上げることをお許しいただきますと、個人消費につきましては、先ほど申し上げました二兆円の特別減税あるいは金融システム安定化対策が、法案が通り施策が実施をされている次第でございます。そういうことが家計の将来に対するマインドを上昇させるというふうに考えております。それから、昨年ありました消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動減という要因もなくなるわけでございます。それから、全般として、緩やかながら雇用者所得も改善すると見込まれるわけでございまして、そういうことが消費の増大につながってくるというふうに考えている次第でございます。 民間の設備投資につきましては、ストック調整が進展していることに加えまして、先ほど申し上げました諸般の施策によりまして、経済の先行きに対する信頼感が高まることが想定される。そういうことによりまして、伸び率三・五%を見込んでいるところでございます。 なお、経済企画庁といたしましては、先般の総理の御指示もございまして、自民党の第四次緊急経済対策を受け、昨年十一月の規制緩和を中心とする緊急経済対策のフォローアップ、さらに追加的な規制緩和等の経済の活性化のための具体策につきまして、現在検討をしているところでございます。 経済は停滞を示しておりますが、こういう厳しい状況が続いている今こそ、まさに我が国経済の再構築を大胆に進める好機ともとらえることができるわけでございまして、民間活力中心の経済構造を構築し、我が国経済を中長期的に体質を強化改善する、そういう方向での対策を進めてまいりたい。もとより経済は生き物でございますから、今後、臨機応変、適宜適切な経済運営に努めてまいり、それによって政府見通しの一・九%は必ず達成し、また達成できるものと考えている次第でございます。 そして、そういう中で、とにかく平成十年度の予算を今年度中に通していただきまして、四月初めから切れ目なく予算が使えるように、支出ができるように、また減税が実現できるようにすることが、経済を順調な回復軌道に乗せる前提であるというふうに考えておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
○越智委員長 斉藤君、時間が来ています。
○斉藤(鉄)委員 私は一・九%の根拠を聞いたわけですけれども、お答えになっていないと思います。 総理、この平成十年度実質見込み一・九%、このことについてどのようにお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今、委員と経済企画庁長官、それぞれの御質問と御答弁を申し上げ、その中に私からつけ加えるべきものは特にありません。 ただ、強いて申し上げますならば、私は、同じことを一回申し上げましたところ、外国のせいにするというやじをいただいて、それ以来黙っておりましたけれども、アジアの通貨不安、金融不安というものは、やはり我々として十分注意を払っていかなければならないと思っております。 その中で、まさにそれが一層私は家計あるいは企業の景況感の厳しさにも拍車をかけている部分があると思っておりますが、特に、韓国あるいはタイは危機から脱して新たな歩みを始めたように思いますけれども、インドネシアはまだ大変な苦労をしておられる。先日私も国会御審議のない土日を使って現地に参りましたが、今IMFと話し合いが継続をいたしております。こうした点については、私どもとしても十分注意を持って見ていかなければなりません。 その上で、経済企画庁長官は先ほど来、この一・九%というものに対し経済企画庁としての、これはすなわち政府のまさに見通しということになるわけでありますけれども、その内容を御答弁申し上げております。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○越智委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。 次に、上田勇君。
○上田(勇)委員 今斉藤委員の質問の成長率の問題、これは今度の予算の根幹にかかわる非常に重要な部分であるというふうに思います。これが予算の前提になっているわけでありますし、今斉藤委員の方から書面でそのことについての見解を求めたわけでありまして、ぜひ委員長の方でその点についてお取り計らいをいただきたいと思います。
○越智委員長 いえ、既に答弁をいたしておりますし、締めくくり総括でございますから。
○上田(勇)委員 いや、今の答弁は、その根拠という問いに対して、その根拠に対する答えはなかったというふうに思います。 何とか達成できるんではないかというような希望的な観測が示されただけで、何で一・九なのかという根拠、また、〇・一というのがもう既に達成不可能になっているという中で、なぜ一・九の方だけは達成できるのか、その辺の根拠が示されておりませんので、今のはお答えになっていないというふうに思いますので、ぜひともその見解はきちっとしたものを書面にて提出をお願いしたいというふうに思いますが、委員長、お取り計らいをお願いします。
○越智委員長 それは考えられません。どうぞ質問してください。おたくの党の質問時間でございますから、どうぞ御質問ください。御質問でよろしゅうございますか。 速記とめておいて。 〔速記中止〕
○越智委員長 それでは、速記を起こして。 ただいまの上田君の質疑に対し、経済企画庁長官より、委員諸氏の理解が得られるようなしっかりした答弁をしてください。
○尾身国務大臣 十年度の政府経済見通しにおきましては、実質経済成長率を一・九%程度と見ているわけでございます。その内訳といたしましては、個人消費の伸びを二・五%程度、設備投資の伸びを三・五%程度と見込んでおります。 政府といたしましては、現在の経済の停滞状況に対応するため、二兆円の特別減税、九年度補正予算を決定し、そして金融システム安定化対策とともに、この迅速かつ的確な施行に努めることにしているところでございます。 十年度の我が国経済につきましては、昨年末に見られました国民の皆様の金融システムに対する不安感がほぼ解消していること、それから四月一日以降の早期是正措置を控えての貸し渋りが四月一日以降は緩和されるということに加えまして、先ほど来申し上げております規制緩和等の諸般の施策が、十年度予算及び関連法案が予定どおり成立し、そして四月からお金が使えるようになること、同時に、電気通信あるいは労働者派遣業、土地の有効利用などに関します規制緩和の立法、現在国会に提案されているものが大部分でございますが、これが四月、五月には順調に成立すること等の各般の対策が、相乗効果を持って企業や消費者の経済の先行きに対する信頼感を回復し、そしてそれによりまして、四月以後、次第に順調な回復軌道に経済が乗っていくというふうに見ているところでございます。 具体的に申し上げますと、個人消費につきましては、先ほど申し上げました二兆円の特別減税や金融システム安定化対策等の施策によりまして、経済の先行きに対する展望が開け、家計の消費者マインドの回復が期待されること、消費税率引き上げに伴います駆け込み反動減等のマイナス要因がなくなること、さらに、景気の緩やかな回復に伴う雇用所得等が改善される見込みであるということ、かつ物価の安定的な推移も見込めますことから実質所得の増加が期待できることなどから、個人消費は回復していくものと見込んでおりまして、その伸び率を二・五%程度と見込んでいるところでございます。 設備投資につきましては、ストック調整が進展していることに加えまして、先ほど申し上げましたような諸般の施策によりまして、企業の経済の先行きに対する信頼感が高まることが予想されるため、伸び率を三・五%程度と見込んでいるところでございます。 経済企画庁といたしましては、総理の御指示もございまして、自民党の第四次経済対策等を受け、昨年十一月の規制緩和を中心といたします緊急経済対策のフォローアップと追加的な規制緩和等経済活性化のための具体策を現在検討中でございます。 経済は生き物でございまして、今後とも内外の金融、経済の実情等に応じまして適時適切な経済運営に努め、政府経済見通しの十年度実質経済成長率一・九%を達成したい、また達成できると考えております。そのためにも、十年度予算及び法人税減税あるいは地価税の凍結、土地譲渡益課税の減税等を含みます税制関連法案をぜひ順調に国会を通していただいて、四月の初めから施行できるようにお願いをしているところでございます。
○上田(勇)委員 長々と御答弁いただいたのですけれども、ちょっと角度を変えてこの問題を聞かせていただきます。 今、尾身長官がいろいろ御説明していただいた要因というのは、補正予算のときの成長率を決めるときに既に織り込まれていた内容であります。唯一これらの規制緩和というような話もありましたが、それを除けば、ほとんどはもう補正予算のときに織り込まれていた話であります。それが達成不可能だと。ところが、本予算は一・九、これは達成可能だと。 では、ここでちょっとお聞きしますけれども、十年度につきましては、補正予算の編成がなくてもこの一・九%の成長は可能であるということ、ひとつ総理、御見解を伺いたいと思います。
○越智委員長 簡潔にお願いいたします。
○尾身国務大臣 先ほど申しましたとおり、十一月の二十一世紀を切りひらく緊急経済対策のフォローアップ及びさらなる規制緩和の追加策等については、十二月の時点では予定をしておりませんでした。そういうものについても現在検討中でございます。 さらに、経済は生き物でございます。アジアの状況、その他の状況を踏まえて適宜適切な対応をするということは決めているわけでございまして、いずれにいたしましても、全体の経済の将来に対します企業の皆様、それから一般の国民の皆様の信頼感を回復することが何より大事であるというふうに考えておりまして、そういうことのためにもぜひ十年度の予算を、予定どおりお金が使えるようにしていただきたい。そのことが当面最大の景気対策であると考えている次第でございます。(発言する者あり)
○越智委員長 再答弁を願います。
○尾身国務大臣 先ほどから申し上げておりますが、そういう適時適切な経済運営に努めていくことも含めまして、十年度一・九%の成長は達成できる、また達成していかなければならないと考えている次第でございます。 私どもの説明はこういうことでございますが、この十年度の見通しにつきまして国会の中でいろいろな御意見がある。これは見通しの違いであり、見解の違いでありますが、私どもとしてはそういう見通しを持っておる次第でございます。
○上田(勇)委員 非常に不明瞭な面が多かったのですけれども、私は、今政府の方は、補正予算の編成なしに平成十年度は現時点において一・九%の成長見込みは可能であるということであるというふうに理解いたしました。それでよろしいでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 繰り返し申し上げておりますように、私どもは、そうした努力を払いますためにも、予算並びに関連法案を一日も早く成立させていただきたい、そうお願いを申し上げております。 そして、同時に申し上げておりますことは、中期的な財政再建の目標は当面する緊急対応の場合の手足を縛るものではないということも、繰り返し申し上げてまいりました。 今、私は、予算の一日も早い成立と関連法案の通過、成立に御協力をいただきたい、繰り返しお願いを申し上げております。
○上田(勇)委員 いや、この経済成長率というのは、予算の実はベースになる重要な数字でありまして、それについての見方がどうも納得できません。やはり平成十年度の予算はもう初めから前提が崩れた予算というふうに、今経済企画庁長官の答弁を伺っても、そういうふうにしか思えないのであります。 そういう意味でこの予算案は根本的な部分から修正をしていかなければいけないというふうに再度考えるわけでありますし、そういう意味で、我々といたしましても、この予算について組み替えの提案をさせていただきたいというふうに思うわけであります。 この後ちょっと別な話に移らせていただくんですが、まず、金融安定化対策について質問させていただきます。 まず初めに、十三兆円の政府保証債が予算で確保されました。ところが、実際に銀行の方から申請があったのは二兆円だった。それも、報道によりますと、ちゅうちょする金融機関を説得して申請させたのが二兆円であると。しかも、一千億円という申請額が十一行で横並び。どうもこれは金融機関の方から見ると、この安定化対策というのは本当に金融の安定化対策になるのだろうか、そういうことを評価してないのではないかというふうに思われるわけであります。 一方、申請時に提出された金融機関の経営健全化計画では、貸し出しは六兆円しかふえない。これでは貸し渋り対策にもならない。この政府の公的資金の投入スキームというのは、金融システムの安定化にもならないし、貸し渋り対策にもならない。そういう意味では間違ったスキームだったんじゃないかというふうに思うのですけれども、大蔵大臣、いかがお考えでしょうか。
○松永国務大臣 今の金融安定化対策としての十三兆円の資金でございますが、委員ちょっと計算間違いというか、政府保証債が十兆で、交付国債が三兆、合計十三兆でありますが、今回の措置は、交付国債の方は全然手をつけずに、預金保険機構が政府保証を受けて、それで日銀等から融資をして調達した資金で優先株等の引き受けをするということに決めたわけであります。 まず、総額十三兆用意してあるのに二兆そこそこじゃなかったかという話でございますが、これは、申請銀行がそれぞれ自分で判断をされて申請してきたわけでありまして、大蔵省の方がああしろこうしろという接触をしたという事実は全くありません。 御存じと思いますが、これはただでもらえる金じゃないんでございますからね。要するに、各銀行が優先株を発行する、その優先株には利息がつくわけでありますから、それだけの負担を申請銀行が負うことになりますね。劣後債の場合も同じなんです。したがって、自分のところの経営方針その他を考えられて、そして申請をされたものというふうに私は理解をしておるわけであります。 なお、貸し渋りに効き目がないじゃないかという話でございますが、あの六兆という数字は三月末のリスクアセットの増加額を言っていることなんでありまして、少なくともその額以上の融資対応力の強化がなされることは間違いありません。 それからまた、審査の場合に経営健全化計画を出させたわけでありますが、その中で、特に資本注入を受けた、そして資本が充実した場合に、中小企業を中心にして貸し渋り解消のためにどれだけ貴銀行は努力をするんですかということを強く確かめをし、そしてそれぞれの銀行が、これこれ融資を拡大するように用意しますという実は回答も得ておるわけであります。 その中身は既に公表されておるので、公表された文書を見ていただければおわかり願えると思うのでありますが、そういったことで、貸し渋りの解消のためには相当な力があるものというふうに私は考えております。
○上田(勇)委員 二十一行から申請がありまして、長銀と債券信用銀行についてはいわゆる劣後ローンが、ティア2がもういっぱいだから自己資本の充実にはプラスにならないということで、申請は却下されました。 一方で、今、政府あるいは与党の方のいろいろな経済対策の中で、株式の評価を低価法から原価法との選択制にするというようなことももう既に決まっておりますし、あるいは土地の再評価というのも今審議中であります。あるいは、与党の方からは、自民党の方から株価対策についてもいろいろな提案がされている。 そうすると、こうした政府や与党がいろいろと対策を立てられると、これはいずれもティア2の方の額が、補完的項目の額が上昇するような対策であります。先ほどの考えから言うと、ティア2がそうするともっとふえるのでありますから、ティア2のすき間というのが少なくなるんですけれども、そうした場合には、さっきの論理からすれば、不要となる公的資金が出てくるんじゃないかというふうに思いますが、これは、そういうふうになった場合には見直すおつもりなんですか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 審査時点での計算でございますので、その後の事情では見直しはいたしません。
○上田(勇)委員 済みません、もう時間が終了したんですが、最後に、今は申請後のことだというふうにおっしゃいました。しかしこれは、同じ政府と与党がいろいろな対策を講じられているわけですね。つまり、金融対策が全部ちぐはぐ、ばらばらに行われていたところに問題があるんじゃないかと思うんですね。 ですから、目先に出てくるアイデアというのは、十分に検討もしない、議論もしないままに経済対策にとにかく羅列して、したがって、個別の効果の検証も不十分になってしまう。そうした考え方の一貫性がないことが、今のこの金融システムのむしろ不信感をあおっているんじゃないかというふうに私は思います。 今、金融システムの危機がこれほど深刻さを増しているというのは、これはやはり、そういったちぐはぐの政策をとっている橋本内閣とそれから与党の政策の失敗によるものだ。今このような対応に終始しているのは、今後同じような対応をしていれば、一向に解決しないというふうに考えるわけでありまして、このことについてちょっと最後に、この責任と、それから、こういうちぐはぐなものを今後どういうふうにされていくような考え方なのか、最後に総理にひとつ御意見を伺って、終わらせていただきたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 委員は、土地の再評価に関する法律案について御指摘でございましたが、国会に提出され、現在御審議をいただいているところでありますから、同法案の成立を前提にして議論するということには、私どもまた参加できないわけであります。 いずれにいたしましても、今回の金融システム安定化のための法律を通していただき、そしてまた予算を通していただき、そしてそれを実行に移してきた。まだ現実には移されていませんけれども、そこを進んできたことによって、日本の金融システムについての内外の信認がある程度高まってきたことは間違いないと思うのですね。したがって、安定化に資する施策になっておるというふうに御理解を願いたいわけであります。
○越智委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。 平成十年度予算の最終の質疑をやらせていただきたいと思います。 私は、最初に、この十年度予算と、足元の景気あるいは今後の十年度経済見通しとの整合性のチェックから話を始めたいと思いましたところ、平和・改革の斉藤、上田両委員が鋭く質問をされました。私は、重複を避けたいと思いますが、この御討論を伺いながら、これはちょっと納得できない、承服できないという御説明が幾つかありましたから、少し角度を変えて、やはりこの問題から入りたいというふうに思います。 足元の景気が非常に悪いことは両委員御指摘のとおりでありまして、特にことしに入って、一月の景気指標が出そろって、消費も住宅投資もみんな悪い、それから設備投資も先行きおかしくなりそうだという状況でありますが、私、政府の御答弁を聞いていて、どうも何か勘違いしているのじゃないかと思うことがあるのですね。それはこういうことであります。 この景気後退というのは、最初の引き金を引いたのは、疑いもなく、九兆円の国民負担増と公共投資カットを含む超デフレ予算である平成九年度予算であります。一たび景気後退が始まりますと、それによって過剰在庫が積み上がる、生産調整が始まる、生産が落ちてくると時間外手当が減る、ボーナスが減る、失業者がふえるというので、雇用、賃金面から所得が減ってきて、そっちからまた需要が減って、これがまた過剰在庫をつくって生産減という悪循環が始まっているわけですね。 今は、そういう自律的悪循環が始まっている。最初は外生的に、デフレ予算がぽんと来て落ち始めたのですが、今は内生的に、自分の動きで経済は下降局面に入っている。そういう中で、今、二つの重大なことが起きています。 一つは、消費性向が下がってきているということなんですね。先ほど尾身長官は、何か消費性向が下がったことを他人事のような、いわば外から与えられた他律的な動きみたいなことを言っていたけれども、これこそが自律的な景気後退のメカニズムであります。雇用情勢が悪化してくる、だから先行き不安で消費性向が下がる、それがまた景気を弱くしてという悪循環なんですね。 それからもう一つ、設備投資について、尾身長官はのんきなことを言っておられて、ストック調整が進展しておるから設備投資はまだふえる。こんなのは過去二、三年のせりふですよ。今はそれどころの話じゃない。本年度マイナス成長になりそうですから、デフレギャップはどんどんどんどん拡大して、設備の過剰がはっきり出てきてしまった。ストック調整完了どころじゃない、新たなストック調整要因が形成されてきたということなんですね。 その証拠はたくさんありまして、企画庁さん自身が調査しておる法人企業動向調査、法人企業の動向の予測調査があるのです。これを見ましても、設備投資は、本年一―三マイナス二・二、四―六マイナス三・七と、どんどん加速しながら落ちていく予測になっています。さらに、半年ぐらい先を示している機械受注なんというのは、昨年十―十二月期に前年比マイナス一三・四ですよ。 さらに、来年度の投資計画、日本経済新聞、日本債券信用銀行それから開銀と、もう三本出ていますが、全部マイナスですね。マイナス一・四からマイナス四・〇まで、ずらっとマイナスです。ストック調整が進捗どころじゃありませんよ。ストック調整が完了して、ストック調整原理で今、設備投資が落ち始めた。 今まで何とか景気を支えていた設備投資が自律的に落ち始めたということと、個人消費も、雇用と生産の悪循環で自律的に落ち始めた、これこそが今の深刻な事態の本質なんですね。 ですから、こういう日本経済に向けて、本年度予算、補正後の九年度に比べれば、一般歳出で二・二兆円カットだ。公共事業だけ見ると、何と一四・六%もカットしておる。これは額でいえば一・五兆円ですから、ネット減税額一・二兆円以上に公共投資だけでもカットしているんですね。こういうデフレ予算を、自律的な景気後退局面に入った日本経済にぶつけていくというのは、一体どういうつもりですか。 総理、こういう危険を冒してよろしいのでしょうか。いかがでしょう。
○尾身国務大臣 一つは、先ほどのお話で、消費が下がっているのは雇用が下がっているからであるというようなお話がございましたが、消費は、消費性向を家計調査で見ますと、一月、二月、三月ごろが大体七二%から七四%とかなり高い水準でございました。これが、四月、五月には消費税の駆け込み需要の反動減によりまして下がりまして、そして、八月にはまた七二・二%まで回復をしているわけであります。九月も大体七二%の水準であります。 それが、十月、十一月、十二月、一月と急速に三・三ポイント下がって、六八・六%になっているわけでございまして、このことは、例えば山一とかあるいは三洋証券とか北拓とか、ああいう大きな金融関係機関の相次ぐ破綻によりまして……(鈴木(淑)委員「それは十一月でしょう。一月もまだ下がっているんですよ」と呼ぶ)十一月です。その心理的な状況が実体経済にきているのが、私は、十一月、十二月、一月であるというふうに申し上げているわけでございます。 したがいまして、そういう消費者マインドの低下ということが問題である。したがいまして、これは、現実に実体経済が悪いというよりも、先行きに対する不安感というものが非常に大きく影響してきているというふうに考えているわけでございます。 設備投資の方につきましては、先ほどのお話がございましたが、稼働率もずっと徐々に上がってきておりまして、そういう意味で、これまた一つは、先ほどの経済の先行きに対する不安感の問題と、もう一つは、やはり三月までのいわば金融機関の貸し出し態度が非常に慎重になっていること、そのことが一月―三月までの間の設備投資の思ったほど伸びない状況に反映をされているというふうに考えているわけでございます。 全体として、景況感が非常に両方とも問題がある、そういうふうに考えている次第でございます。
○鈴木(淑)委員 先ほど長官は、三十兆円の対策を講じたから、ようやく国民も安心して、金融不安が落ちついたと言ったのですよ。それなのに、消費性向は、落ちついた今日まで下がっているんですよ。一月が最新の数字で、消費性向は下がっているんですよ。今あなたは、その理由を十一月の金融不安で説明しましたね。大臣、それは違うんですよ。 だから、私が言っているのは、そういう一時的な金融不安とかなんとかではなくて、自律的な景気後退メカニズムの中で消費マインドが冷えているのだ、賃金、雇用不安があるから消費マインドが冷えているのだ、これが消費性向の低下なのだ、こう言っているわけであります。 先へ進みたいと思います。 こういう状況ですから、幾ら何でも、橋本政権、一時尾身長官がおっしゃったわけですが、桜の咲くころには景気回復なんて言っておられましたが、もう北海道の桜が咲いたって、とても景気回復ということはあり得ないと考えておられると思いますが、この予算案を執行して、こういう経済にぶつけていって、総理、一体いつ景気後退がとまって、回復になるとお考えですか。ウドンゲの花が咲くころという言葉がありますが、そういうことでもお考えですか。
○橋本内閣総理大臣 大変学識豊かな議員の御議論でありますから、大変傾聴しておりました。 そして、私は、いつ云々という言葉を申し上げたことはないと存じます。そして、その上で、政府は、経済企画庁の経済見通しの上に立って、今予算の御論議をいただいております。そして、先刻も申し上げたことになりますけれども、まず、よく委員御承知のように、市場が織り込んでいるものは織り込んでいる時期にきちんと市場に届けられることがまず私は一番大事なこと、そして……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 そして、そのようなお問いかけでありますなら、私どもが、一日も早くこの予算を現実のものとして、景気の振興のために、回復のために使えるようにさせていただきたい、全力を尽くしてまいろうと努力をしておるということを申し上げたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 橋本政権は、景気回復はウドンゲの咲くころだと考えておられるということで、先へ進みたいと思います。(発言する者あり)だって、桜だの何だの、とにかく去年から、考えてごらんなさい、夏には回復します、下期には回復します、桜の咲くころには回復します、まだ見通しが立たない、そういうのをウドンゲというのですよ。 さて、総理、失礼な言葉は控えますが、念のために確認いたします。 これは、自由民主党の国対委員長保利先生からの我々野党に対する回答でございまして、三月三日付で再確認をしたことでございますが、現在でも、平成十年度予算が最善のものであって、平成十年度補正予算については全く検討していない、ここでもう一度確認させていただきますが、これで間違いございませんか、総理。(発言する者あり)政府が出したものじゃないとおっしゃるから、読み上げましょう。「自由民主党として先にご回答申し上げた政府の基本的認識と同じ」と書いてある。これは政府なのです。しかも、総理は自由民主党の総裁でいらっしゃいます。それで、議院内閣制では政府・与党は一体でしょう。だから、これはもう一体のものとしての回答書ですよ。 ですから、ここでもう一度確認をしておきたい。こんなひどい経済状態に、今のこの審議中の十年度予算をぶつけていく、これが最善だと依然として考えている、補正予算も全く検討していないということですね。お答えください。
○橋本内閣総理大臣 内閣として確認を申し上げることではないと存じますが、院を構成いたします会派の中で、与党である、与党三党のうち自由民主党の国会対策委員長から他党の国会対策委員長にあててお答えをしたもの、今与党理事からも説明を受けました。 国会対策委員長は国会対策委員長としての立場において責任を持ってお答えを申し上げたもの、内閣の立場から申し上げるなら、そのようにお答えをさせていただきます。
○鈴木(淑)委員 議院内閣制のもとで一体の存在である政府・与党、しかも与党の国対委員長が、政府の基本的認識と同じといってこの二つのことを言っておるわけでありますから、今の総理のお答え、非常に言葉をお選びになって慎重におっしゃいましたが、一体のものとしての政府の現時点の御見解でもあるというふうに私は判断をさせていただきまして、先へ進んでまいりたいというふうに思います。 総理は、今もおっしゃいました、先ほど来のほかの委員の質問にもお答えになっておられるのですけれども、今の予算を一刻も早く成立させて、切れ目のない執行をすることが景気にもいいのだという言い方を繰り返しされますね。 私は政治家としてはもうほんの未熟な駆け出しでございますので、あるいは不思議に思うのかもしれませんが、過去においても、若干の成立のおくれが生じましても、暫定予算をつくることによって切れ目なく執行されていくわけで、特に今回の場合は、いよいよ衆議院でもうこの予算大詰めに来ているわけですから、そんな大きな切れ目が生じるはずはない。 とすれば、ここで我々野党がこぞって要求しておりますように、景気刺激策を加えて、減税等を加えて組み替えをしたところで、それによる予算成立のおくれの期間なんというのは知れたものだと思います。経済に対するインパクトからいいますと、この組み替えをやるよということになったら、もうそれだけで株価は反応しますでしょうね。そして、ビジネスマインド、消費者マインドも好転しますでしょう。 だから、切れ目どころの話じゃないのですね。今予算組み替えを決断して景気刺激策を入れるということは、経済に対しては切れ目なんということは、逆に、大きな景気刺激の効果を持つだろうというふうに私は思います。そのことをお断りしておきたいのであります。 さて、次に、私ども、このままではとても日本経済もたないと思いますから組み替え要求を出したいと思いますが、政府におかれましても、これはだめだということになれば、いずれ補正予算をお組みになるだろうということは目に見えております。ただ、その場合に、財政構造改革法が生きておりますと、相当強い制約がある。ですから、私どもは、もうこの際、財政構造改革法を廃止した方がいいというふうに考えておりますが、三段階で無理が来るわけですね。 まず第一に、赤字国債発行額は前年度に比べてふやしてはいけないと言っていますから、この先補正を組んでも、一兆三千八百八十億円以内しか発行できませんね。ということは、減税と建設国債対象にならない情報通信等の公共投資がこの一兆三千の中に入ってしまうわけですよ。こんな小さな対策では、景気に対する効果は小さいし、経済構造改革に対する効果だって極めて限られてしまう。これが第一点ですね。 それから二番目に、これはもう何回もここで確認をさせていただきましたから、もう議事録を引いては申しませんが、総理と私の間で確認した財革法の解釈の中で、赤字国債のみならず赤字全体を年々縮減していくというのが法の精神だとお答えになっております。もし総理がその法の精神をお守りになりますと、赤字をふやさないということで計算してみると、三・九八兆円の補正予算しか組めません。これは小さい。三・九八兆円では小さい。今言われている規模よりはるかに小さいですね。ここにもう一つ制約がかかっていますね。 それから、もし、この歳出のキャップは当初予算だけにかかるので補正予算は全然関係ないのだといってうわっとやる、そして赤字全体は膨らんでしまったって、二〇〇三年までにGDPの三%以下に下げればいいんだという非常に乱暴な解釈をして大きな補正予算をお組みになりますと、これは一体構造改革はどこへ行ってしまったのかという結果になります。なぜなら、さっきも申しましたように、赤字国債のところには上限一・三兆円というのがかかっていますから、そうしますと、建設国債を財源とする在来型の公共投資ばかりがふえてしまうわけですね。 小泉厚生大臣、先日御答弁の中で、そういうことになったら構造改革はどこへ行っちゃったのだということになる、自分はそういう、建設国債を財源とする公共投資の拡大を中心に十兆円規模なんといったら、どうしたってそのうちの八兆七千億がそういうものになっちゃうのですよ、これは構造改革いずこへということで反対だとおっしゃいましたが、小泉大臣は今でもそういうお考えでございますか。この財革法をきちっと守って、この範囲内で、今私が申し上げた制約の範囲内でしか、仮に将来補正予算を組むとしても、組まないという御決意でございますか。お答え願います。
○小泉国務大臣 私は補正予算の話は全く聞いておりません。しかしながら、ちらほら耳にするところによりますと、補正予算等の話が新聞等で出ているようでありますが、そこの話によりますと、景気のいい、兆円単位の話が出ております。 しかし、昨年の暮れの予算編成におきましては、全省庁マイナスの中で、厚生省関係、社会保障関係予算も一切の聖域なし、あらゆる歳出項目を見直す、ぎりぎりの削減をしなきゃならないということで四苦八苦して組んだ予算であります。数十億円、数百億円削るのに大変な苦労をしたわけです。 そこで、今の話、公共事業、兆円単位の上積みをするというような話が出ておりますから、もしも仮に将来そういう状況になって、現実の話となってきた場合に、公共事業は兆円単位でやりますよ、社会保障関係予算、厚生省関係予算はそのままマイナスですよというのでは話が違うのではないか、財政構造改革法の整合性も問わなきゃならないし、厚生大臣としての私の主張もある、そのときはきちんと議論しなければならないということを言ったわけであります。
○鈴木(淑)委員 全くそのとおりだと私も思います。ぜひとも今おっしゃった信念を曲げることなく、閣内におかれても、また自民党の中におかれても主張されますことを私は強く御期待申し上げるものであります。もしどうしてもだめだというなら、ここは小泉大臣と私と意見が違うだろうと思いますが、私は財革法廃止というふうに考えます。 さて、これを確認させていただいた上で、次の話に入りたいと思います。 さっきもちょっと申し上げましたけれども、この三十兆円の金融システム対策によって、確かに大型の金融倒産はなくなりました。何か一見、落ちついたような気分でございます。ですから、尾身長官のように、国民はもうこれで不安がなくなったという御発言も出るのかと思いますが、これは、冷静に考えてみたらそうではないのですね。これは大蔵大臣に私はお伺いしたいのであります。 まず、十七兆円というのは、金融機関が破綻したときの事後的処理ですよね、預金者に迷惑をかけないための。だから、これは破綻そのものを防ぐことではない。したがって、この十七兆円には、破綻が起きる、金融不安が起きるというときに、預金者の不安をなだめる効果はあっても、破綻そのものを防ぐ効果はないです。それはおわかりでしょう。預金者の保護であって、金融機関の破綻を防ぐものじゃないですよ、十七兆円は。こんなものを救済のために使ったら、全然話は違う。 救済のために使おうとすると、例の特定合併という抜け道を使う以外にないんですね。だけれども、特定合併方式を使うのは経営救済であって、それをやったら国民は強く批判しますよね。私ももちろん反対であります。野党はこぞって反対しました。だから、あの特定合併という抜け道を使わない限り、これは金融機関の破綻を防ぐ効果はないのですね。 それから、十三兆円の方でありますが、これについても実施に移されております。しかし政府は、当然の方針ですが、経営救済のために資本注入しないということでやっていますね。これは当然です。ですが、経営救済のために資本注入しないのですから、これも破綻防止ではないのですね。これは、自己資本比率が低いための貸し渋り防止にはなるけれども、別に破綻防止ではない。 そうしますと、十七兆円も十三兆円も破綻防止ではない。そういう意味で、不良債権を大量に抱え込んでしまって、それが根本的な原因で動揺する、不安が発生している日本の金融システムを安定化させる効果はないのですよ。今までに比べれば、それは不安は少しは静まりましたよ。だけれども、これで金融機関の破綻が防げるという性格のものではありません。それは蔵相、おわかりいただけますね。いかがでしょう。
○松永国務大臣 お答えいたします。 委員御指摘のように、あの十七兆分は、文字どおり、預金者の不安を一〇〇%なくする、あなたの預金は利息も含めて一〇〇%守ります、その金はこれですというふうに天下に明らかにするための措置だというふうに思います。 そういたしますと、いろいろな風聞が流れたり、いろいろなことがあったりして、弱そうな銀行の預金者が自分の預金を下げに行きますね。一種の取りつけですね。それで破綻をするという事態は、この絶対守りますよという宣言で、私はそれはとまるだろうと思います。その意味では、破綻を防止する効果はあるわけですね。これがなければ、取りつけに行けば、相当健全なものだって危なくなりますから。それが防止できるという効果はあるのじゃないでしょうか。 それから、二番目の十三兆分でございますが、これは法律にも書いてありますように、法の三条ですか、経営状況が著しく悪化してないことというのが資本注入の前提でございます。著しく悪化しているところを救っていこうという、個別銀行の救済じゃなくして、金融システムの安定化を図るということでございますから、今委員御指摘のように、悪くなった銀行を破綻から防止するためのやり方では十三兆の分はありません。健全な銀行に資本を注入してやることによって全体としての日本の金融システムを安定化させる、こういうことでございます。
○鈴木(淑)委員 十七兆円について、預金が全額保証されないかもしれないという不安を持っている国民がもしいたとすれば、そしてそういう連中が取りつけに来る危険があったとすれば、それを静める効果はあるというのはおっしゃるとおりですね。だけれども、それはそもそも根拠のない不安なんですね。ペイオフせずということは政府はきちんと言っておられるのだから。そして、ペイオフしないためには事後的にでも公的資金を投入せざるを得ないという公約をしているわけですから。まあしかし、それはそういうことで、念のためにそういう取りつけを防ぐ効果はあるというふうに思います。 ですから、私どもはこの十七兆円側は賛成しているわけですが、何としてもこの十三兆円はおかしい。経営救済をしてはいけない。経営救済をしてはいけないのだったら、これはほとんどの銀行は、自己責任で市場調達あるいは土地の再評価等々で自己資本比率を達成できるのですから。ですから、私どもは、この十三兆円に係る十兆円の債務負担行為のところは反対、予算から削除すべきであるというふうに要求をするものであります。 ですから、さっき申し上げた、この減税額が全然足りない、景気がこんなときにこんな予算を執行したらえらいことになりますぞという意味での組み替え要求と、それから、今のこの十三兆円に見合った十兆円の債務負担行為は要らないという、この二点の主張を確認していきたいと思います。 総理、最後に、私は総理とじっくりお話ししたいことがございます。それは、総理と私とかなり認識の一致しているところ、しかしあるところから違っちゃうことなんですね。 今の経済危機というのが、単純な景気循環的な意味の景気後退だけではないというふうに私は思っております。恐らく総理もそう考えておられるんじゃないでしょうか。単なる景気循環的な後退ではない。そうではなくて、構造的な危機を含んでおる。したがって、今必要な対策は、単純に景気対策であってはならないのであって、構造的な経済対策でなければ構造的な問題は解決できない。ここまでは、恐らく私と総理は一致しているんだと思うのです。 では、構造的な経済対策というのは何だ、構造危機はどこにあるという話になったとき、総理は、構造危機はいろいろあるが、その最たるものが財政構造危機だとおっしゃる。財政赤字だとおっしゃる。したがって、財政赤字縮小のための財政構造改革が最優先だ、そう言って財政構造改革法をおつくりになっちゃった。 ところが、私は、そうではなくて、今の経済危機を引き起こしている構造問題の最たるものは金融の方だと思っています。財政赤字が今の経済危機を引き起こし、経済を停滞させるとは思いません。今は金がじゃぶじゃぶ余る貯蓄超過の状態ですから、財政赤字が金を吸い上げちゃってどうかするという状況ではないのですから、同じ構造問題の中でも、財政赤字という財政構造の問題を最優先で片づけないと日本の危機が救えないということではないですね。 今、最優先で片づけなければいけない構造的な危機というのは、不良債権の存在ですよ。バブルの崩壊で発生した不良債権。それも、もう八年目だというのに、きれいに処理できないでいる。だから、私は、財政赤字削減を最優先するのじゃなくて、不良債権の早期処理こそ最優先すべきだ。そして、そのための受け皿としてもある程度景気を回復させる手も同時に必要だというふうに思っていますが、資産デフレを根っこから断つ、こういう構造対策こそが最優先だと思っております。 総理、いかがでございましょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、今議員が、あるいはおまえはここからは反対かもしれないがと言われました不良資産、あるいは不良債権と言いかえてもいいのかもしれません、その不良資産の処理が非常に大切であるということを、全く否定するつもりはありません。そして、現在も金融機関に対し不良債権の早期処理を促しておりますし、金融システム安定性の確保に努めながらも、金融システム改革を着実に進めていかなければならない。私は、この点について議員と見解を異にすると思いません。 殊に、金融機関の体力を回復させていくということで考えましても、早期に不良債権の問題から脱却する必要があることは、これまただれも否定するものはないでありましょう。これまでも、金融機関に対しての最大限の自助努力というものを勧めて、慫慂してまいりました、勧めるというのはそういう意味です、勧めてまいりましたのも、そうした見地であります。 そして、私はその比重がどちらかと言われて、議員は財政構造改革の方は急がないと言われました、だからこそ、我々も中期的なスパンでこの問題はとらえるべきであり、短期に我々がその場の臨機応変の措置をとることを規制するものではないということも繰り返して申し上げております。 ただ、それだけで議論をして本当に私は済むかと思いますのは、例えば、今アジアで起きております金融情勢というものは、今までとはちょっと違った流れの中で起きているものではないのか。そして、その民間資金の短期の移動というものに対する国際的な備えが必ずしも十分ではなかった。 それが、マニラ・フレームワーク等をつくり、また今インドネシアがIMFとの交渉を続けているところにも響くわけでありますけれども、こうした要因というものも考えなければならなくなったという意味では、私は、より問題の解決策を見出す方程式は複雑になったと思っております。そして、これが急激に数カ国で連鎖反応的に起きました影響というものが、それぞれの国は当然でありますけれども、市場全体に与える影響、これも議員はよく御承知のとおりであります。 こうしたものを考えてまいりましたときに、我々は、金融システム改革という言葉の中に包含してお話を申し上げてまいりましたけれども、不良債権の処理というものが急ぐべきものであることを否定するものではありません。同時にそれは、短期的にはそのときそのときに必要と思われる手は打ちながら、財政構造改革を放てきしてよいということにもならない、そのように思います。
○鈴木(淑)委員 今総理のお言葉の中で、幾つか私はしっかりと確認しなきゃと思ったのでありますが、一つは、財政構造改革は中期の目標だ、それで短期的には臨機応変に考えることあるべしとおっしゃった。臨機応変という言葉をお使いになった。 しかし、臨機応変に動きたくても動けないのが財政構造改革法の縛りであります。さっき、私は具体的に申しました。ですから、そこに矛盾があるということをはっきり指摘したいと思います。財政構造改革法を廃止しない限りは、その臨機応変というのはすごく制約されている。さっき私、数字を挙げて申し上げたでしょう。それを確認します。 それからもう一つ、確かに、アジアの通貨危機なんか出てきたので方程式が複雑になったというのは、そのとおりではございます。 しかし、基本的には、日本が自分の国の中の不良債権処理がおくれてしまって、それに足をとられて八年間も経済が停滞していて、円安になって余りアジアから輸入してあげられない、どんどんお金はアジアから出ていってと、この一連の動きの中で出ていることでありますから、方程式が複雑にはなりましたが、しかしどこから解くのかといえば、やはり日本経済の危機を解決するというところから解くべきであって、そしてその場合に、不良債権処理が非常に大事だということだと思います。 そこで、総理、失礼な言葉を使いたくないわけでありますが、ここに、あらかじめ出しておいた質問書の中に書いてありますが、不良債権の早期処理ということと、それからこの四月から始める早期是正措置ですね、自己資本比率を上げるというやつ、また同じく四月から加速してくる金融ビッグバン、私は、この三つというのは相互に矛盾したところがあるんだということをお考えいただかないと困ると思うのですよ。 それで、その矛盾点を整理した上で、順番というのはそこで出てくるわけですよ、矛盾しているから、一遍にはできないから。ところが、それを何か一遍にやろうとしているから、今いろいろな混乱が起きているというふうに思います。 例えば、総理も蔵相にもよく聞いていただきたいのですが、早期処理というのは自己資本を傷めるのですね。自己資本で償却しちゃえとか引き当てしていけというと、自己資本にとってマイナスでしょう。それはおわかりいただけますね。自己資本にとってマイナスなことですよ。だから、これは自己資本比率が下がっちゃうのですよ。 ということは、早期是正措置をやれという要請と、早く処理しろという要請は、完全に矛盾しているのですよ。今、政府は矛盾したことを一遍にやろうとするから、あちこちでおかしなことになっているのです。 それから、金融ビッグバンというのは、申すまでもなく海外の金融機関と自由に競争させようということでありますね。ということは、日本の金融機関の競争力をつけようということです。競争力をつけようということは、例えば、自己資本収益率、ROEといいますね、リターン・オン・エクイティー、こういうものが高くならなきゃ、海外と競争して負けちゃうわけですよね。ROEを高めようと思ったら、資本なんてやたらにふやしちゃいけないんですよ。それよりも、リストラをしてコストを下げて、資本一単位当たりの収益率を上げていかなきゃいけない。 日本の銀行の資本というのは、国際比較してみますと、決して少なくないんです。むしろ、一流銀行同士ぶつけたら、アメリカの大銀行の二倍ぐらい持っています。ところが、その資本の一単位当たりの収益力が低いんですね。だから、金融ビッグバンというときには、資本をふやせふやせじゃないんですよ。今度、自社株買いの法律ができましたが、私もあれは大賛成ですが、むしろ過剰資本を是正しなきゃいけない、金融機関も。金融機関も過剰資本を是正しなきゃいけないという要請がビッグバン上から出てくるのであります。 これと、公的資金による資本注入というのは真っ向から矛盾しちゃっているんですね。そうでしょう。この三つはそういうふうに矛盾するものがあるんですよ。ですから、総理に私申し上げたいのは、そこの矛盾ということをお認めになるなら、どういう順番でいくのかということをよくお考えにならないといけない。どういう順番でいくのか。 アメリカがやったのは、不良債権の早期処理を先にやったんです。それの結果、資本は傷みますよ。だけれども、早期処理した。その次の段階で、資本の足りないところは自己資本比率規制でいろいろ指導をしながらいった。と同時に、徹底的なリストラをしたわけですね。 日本は、この三つが矛盾しているという問題意識が、失礼ながら政府にない。僕は大蔵省にもないと思う。その大蔵省にもないものだから、大蔵省をシンクタンクとしている政府にもない。この順番が、私に言わせれば全くおかしいんですよ、この三つを出してきた順番が。同時にぞろぞろと出しちゃった。これが今の混乱のもとですよ。そして、それが今の経済危機の一つの大きな原因です。 不良債権早期処理から入ってくれば、これは、今の経済危機の根っこにある構造的な要因をまず処理するということになるでしょう。そこから今度はビッグバン対応、そして資本の足りないやつは増強しなさい。 だけれども、何度も言いますけれども、日本の銀行というのはむしろ過剰資本なんですよ、国際比較したら。だからROEが低いんですよ。だから競争力が弱いんですよ。彼らに言うべきことは、不良債権を早期処理した後は、一生懸命リストラをしてROEを上げろという指導なんですね。場合によったら自社株買いをしてでもROEを上げろという指導なんですよ。そうしないとビッグバンに間に合わないんですよ。 そのことを私はきょうは御指摘申し上げておきたいんですね。いかがでございますか、今の話をお聞きになって。どうぞ。
○橋本内閣総理大臣 場合によりましては専門家から答弁をさせようかと思いましたけれども、私なりに考えてみますと、私は、不良資産の、あるいは不良債権の処理、すなわちその償却を急がなければならないということについて、議員と見解を異にしないと申し上げました。 その上で申し上げたいこと、それは、当然ながら、議員が御指摘のとおり、不良債権の償却等によりますと自己資本比率は低下をいたします。そして、その向上については、本来なら、各金融機関が最大限の自助努力によって、今議員はリストラを例に挙げられましたけれども、そうした自助努力によって取り組むべきものでありますけれども、昨年秋以来の危機的な状況の中で、私どもは、議員には賛成をいただけませんでした、半分賛成で半分反対と言われましたけれども、金融システムの機能強化のために、金融安定化二法などさまざまな自己資本の増強策を講じるという判断をいたしました。 そして、その資本注入を行いました場合に、自己資本の増加による分母の増加、これが短期的に自己資本利益率を引き下げる、これは私も、それも全然間違っている指摘だとは思いません。しかし、同時に、議員の御議論の中で、あえてお触れにならなかったと思いますけれども、結果として、金融機関の信用力の向上によりまして調達コストが低下するといった、そうした側面は、当然のことながら私は考慮に入れていいものだと思います。 私が申し上げたいことは、いずれにいたしましても、各金融機関それぞれの経営責任の中でこうしたプラスマイナスを十分勘案した上で行動していく、独自の経営判断に基づいて、例えば資本注入に係る申請を行う、あるいは行わない、これはそれぞれの判断であるということだけは申しておきたいと思います。
○鈴木(淑)委員 総理にある程度御理解いただきまして私も大変うれしいのでありますが、私ども自由党がこの予算案に反対している理由は、単に景気循環的な意味の景気刺激策が足りないということではないんですよね。私どもは、これは同時に、構造的な経済危機に陥っている日本経済に対して構造的な対策が不十分だという観点なんです。 ですから、私どもは、十兆円減税、四兆円の法人課税減税と六兆円の個人所得課税減税と言っていますが、これは単に景気刺激で言っているわけではありません。やはり、サプライサイドから民間経済の活性を強めて、中期的に強めていく、短期的には公共投資をふやした方が乗数効果が大きいに決まっているんだけれども、中期的に日本経済を構造改革していくための国際標準並みの税率の引き下げという観点で言っているわけです。 それから、十三兆円絡みの資本注入に反対して、十兆円の債務負担行為は削減と言っているのも、また、この資本注入という形で、経営救済はやりません、要らない人に無理やりにつぎ込みますみたいなのは、今言った一連の早期処理、早期是正措置、ビッグバンという流れの中で考えると、余計なことですね。だから反対しているんです。 もう一度確認しますけれども、早期処理をすれば自己資本比率が下がっちゃう、自己資本比率が下がっちゃって大変だといって早期是正措置で持ち上げればROEが下がっちゃう、ROEが下がっちゃえば、金融ビッグバンで日本の金融機関は競争に負けちゃうんですね。 そういうことでございますから、総理にもこの点御理解いただいて、私、非常にうれしいです。蔵相もぜひこの点御理解いただいて、順番は、早期是正措置ではなくて、不良債権処理から入るんだ、そういう構造改革の根本的な政策思想がこの予算案に全然ないんじゃないのかというのが私ども一番大きな反対の理由でございます。構造的な危機なんですから、その構造に対処する政策を含んだ予算案でなければならないというふうに考えております。 その点で、ちょっと余計なことで、やじで怒られるかもしれませんが、例えば、梶山構想の二番目のやつというのは、ある意味でいい方向を向いていると私思っておりますよ。あれ、不良債権の早期処理のところにウエートがかかって、その次に早期是正措置が出てくるんですね。あのままじゃワーカブルじゃない、うまくいかないと思いますが、考え方の順序がしっかりしている。 党内でああいういい意見も出ているんですから、大いに御研究いただいて、私ども自由党が言っているような、こういう順序、こういう構造改革の政策、構造改革を通じる日本経済の再活性化ということをお考えいただきたいと思います。 これで私の質問を終わりますが、もし御意見がございましたら、総理からちょうだいいたしたいと思います。よろしゅうございますか。蔵相もよろしゅうございますか。 では、どうもありがとうございました。
○越智委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。締めくくり総括質疑も、野党最後の質問となりました。 九八年度政府予算の審議は、二つの大きな背景と環境のもとで行われていると私は考えます。 一つは、我が国経済と国民生活を襲っている未曾有の危機的状況であります。したがって、新年度政府予算は何よりも、この深刻な不況を打開する、そして二十一世紀に向かって国民に希望と展望を示すものでなくてはならぬということであります。 もう一つは、この予算編成に直接かかわって、我が国の財政、金融、経済に絶大な影響力を及ぼし続けている大蔵省そしてまた日銀の、かつてない腐敗、不祥事が次々と明らかになる中での予算審議でありました。したがって、国会は、審議を通じて、構造汚職の根源にまで徹底的にメスを入れて真相を明らかにする、そして腐敗を一掃して、国民の皆さんに政治、行政に対する信頼を回復していただく、そういうものでなければならなかったはずであります。 しかし、残念ながら、橋本内閣の提出してきた予算案も、また審議を通じて明らかとなった政府・与党の姿勢も、この二つの責務にこたえるどころか、逆に、不況を一層深刻にする国民生活破壊型の予算、自民党内からも批判が起こっているようにお聞きしております、これに固執している。そして、大蔵・金融不祥事の真相解明には背を向け続けている。疑惑官僚をかばい続け、政官財癒着構造の温存を専らとするものと言っても過言ではありません。 以下、わずかの時間でありますが、幾つかの問題について総理の所見をただしたいと思います。 最初は、深刻な不況打開のための決め手、国民総消費の六割を占める個人消費をいかに伸ばすか、それを伸ばすための直接的効果を持つ消費税率三%への引き下げの問題であります。 我が党は、この予算審議を通じて一貫してこれを主張し続けてきましたが、きょうの日経新聞の朝刊に興味ある記事が載っておりました。アメリカのエコノミストや金融機関経営者らから、日本は消費税率を引き下げるべきだという声が上がり始めたという記事であります。紹介をいたします。 調査会社社長兼チーフ・グローバル・エコノミストのサイナイ氏……(発言する者あり)黙って聞いてください。
○越智委員長 お静かに願います。
○木島委員 日本の消費者は所得税減税などで金が返ってきてもすぐには消費に回さないと指摘、消費税の税率引き下げは理想的な処方せんだと述べた。 二つ、アメリカ大手保険AIG社のグリーンバーグ会長兼最高経営責任者も今月初めにニューヨークで開かれた宮澤元首相などとのパネルディスカッションの中で、所得税減税などに加え消費税率引き下げも検討すべきだと強調した。 三つ、ほかにも大手資産運用会社MFR社の国際エコノミスト、コス氏が先週末の日本経済新聞社の聞き取り調査に対して、十兆円規模の消費刺激策を主張した上で、場合によっては消費税率の引き下げも必要と説明した。 四つ、調査会社A・Gシリングのシリング社長は、消費税をゼロにするような思い切った政策をとるべきだと語った。 そして、この記事は、こういう人たちは、これが難しいということは、至難のこととも述べているし、それでも消費税の減税に言及するようになったことは、日本経済への悲観的な見方が、アメリカで広がっていることのあらわれと言える、大変興味ある指摘がなされているわけであります。 それで、総理、海の向こうからのこういう声に対してどんな御所見か、総理、御所見をいただきたい。こういう海の向こうからの意見に対する御所見。
○橋本内閣総理大臣 これはちょっとふまじめとしかられるかもしれないこと、いや、感想は、率直に申し上げまして、共産党の皆さんが本当にアメリカの世論をこんなに引用されてその政策を言われたというのは、本当に……(木島委員「ふまじめですよ、そういう言い方は。まじめじゃないでしょう。まじめに答えてください。ふまじめですよ」と呼ぶ)いやいや、だから、ふまじめと言われるかもしれません。その上で、私はむしろ申し上げたいことは、直間比率を直していかなければならないというかつての議論はどこに行ったのだろう。 次に……(木島委員「ふまじめじゃないですか」と呼ぶ)いや、今私はまじめにお答え申し上げています。(木島委員「こういう意見に対してどう思うかと聞いている」と呼ぶ)ですから、率直に思ったことをお答え申し上げております。 そして、その中で、一方で直接税のウエートを減らす、そうした流れの中で、アメリカあるいはヨーロッパをごらんください。アメリカは確かに所得税中心の、非常に大きな率を占める国です。しかし、我が国の消費税に当たるような各税の税率は、日本より高いはずであります。ヨーロッパも、ごく一部の国を除きまして、日本の所得税の体系に比べて課税最低限が低いことは御承知のとおりでありますから、その上での付加価値税の税率は、非常に日本に比べて高い状況であります。 そうした中で、しかし我が国は今、この経済情勢の中で景気を回復軌道に乗せなければなりません。ですからこそ、法人課税あるいは証券関係税制、地価税等、今国会においても政策減税を行う御審議をお願いし、十年度予算と関連して成立をお願いいたしております。 私は、日本の中で、日本から国際社会を見ながらこれからも努力をしていくべきだと思っておりますが、さまざまな御意見というものは国の内外でございましょう、その国の内外の御意見は参考にしながらも、日本自身の判断をしてまいりたいと思います。
○木島委員 今の大変深刻な不況は、構造的な不況であると同時に、その中心が消費不況だ、失政による国民所得の落ち込みを通じての個人消費の落ち込みなんだ。それを回復する一番の決め手、個人所得を、可処分所得をふやすこと、それに一番即効性のあるのが消費税の率の引き下げなんだということは、我が党も主張し続けてきたし、日本国内にもたくさんの世論があるということを指摘して、次の質問に移ります。 大蔵・金融不祥事の真相解明と、政治の姿勢の問題であります。 政府・自民党の抵抗にもかかわらず、本予算委員会では、故新井将敬議員の参考人質問、松野元大蔵省証券局長の証人喚問が実施され、一定の真相の解明がなされてきたと思います。 しかしながら、大蔵省と銀行、証券との醜い癒着構造の真相を明らかにするために不可欠な、四つの大手都市銀行の大蔵検査資料の提出を求めた国会に対する政府、大蔵省の極めて不当な態度、大蔵省の内部調査についての極めて消極的としか見えない姿勢、さらに山崎自民党政調会長の証人喚問要求に対する自民党のかたくななまでの拒否の姿勢など、結局、真相の解明を阻んでいるのは政府・自民党の政治姿勢であることが明らかになったと私は思います。 政府・自民党と銀行、証券を初めとする業財界との癒着を断つことなしに、結局、政治に対する国民の信頼は回復できないということが、この審議を通じて明らかとなったのじゃないのでしょうか。 そのために、私たちは、癒着の一つの側面である政治と金の問題、企業献金の全面禁止に踏み出すこと、少なくとも公金投入を受ける銀行業界からの政治献金についてはきっぱりと拒否することを総理に求め続けてきたわけであります。しかし、これまでの橋本総理の態度は極めて消極的。 重ねて、最後ですから、お聞きいたします。これまでの立場を変えて、銀行業界からの政治献金を直ちにやめるべきではないかと思うのですが、そのつもりはないのでしょうか。総理にお答えをいただきたい。
○橋本内閣総理大臣 今までお答えを申したとおりでありまして、借金返済分を除いて自粛する、そうした姿勢に変わりはございません。
○木島委員 我が党の春名議員からも指摘してきましたが、政治資金規正法の二十二条の三は、国から資本金等の拠出を受けている企業は政治献金をしてはならない、国から補助金等の交付を受けた企業もその後一年は政治献金をしてはならないと定めております。また、公職選挙法百九十九条にも、国や地方公共団体から請負等の特別の利益を受けている企業は選挙に関する寄附をしてはならないという定めがあります。 私は、ここで細かい法律論争を総理としようとは思いません。昨年の予算委員会で、私は、総理自身の政治献金問題、大阪のある医療法人からの違法な献金問題を取り上げたことがありますけれども、それはともかくとして、少なくとも今私が指摘した政治資金規正法や公職選挙法等の法律の趣旨は、国から特別の利益供与を受けている企業が政治献金をすることは政治をゆがめるから好ましくない、そういう基本的な理念を示していることは明らかではないのでしょうか。 せめて銀行業界からの政治献金は拒絶するという態度をとることは私は当然だと思うのですが、細かい法律論争じゃありません、政治姿勢について重ねて質問をいたします。
○橋本内閣総理大臣 法律論争をするつもりはないと言われました。しかし、我々は法律にのっとった行動をしていきます。そしてその上で、先ほどお答えを申し上げたとおりです。
○木島委員 政治論を言います。住専処理のときに、自民党は銀行業界からの献金は一時やめたのじゃないでしょうか。たしか私の調べでは、証券スキャンダルの後、自民党は証券会社からの献金がとまった。今もとまり続けているはずであります。 国民の大きな反対で、三十兆円もの公的資金を銀行業界に注入する、そんな政策をとっておきながら、そして銀行業界から大変な大蔵、日銀官僚への接待が噴き出しているこんな時期に、なぜ住専のときや証券スキャンダルのときにとった態度をとれないのでしょうか。なぜなのでしょうか。私は不思議でならないのです。どうですか。
○橋本内閣総理大臣 ですから、何遍も繰り返しお答えを申し上げております。借金返済を除く寄附の受け入れはいたさない、自粛している。繰り返して申し上げています。
○木島委員 借金返済を棒引きすることと、使える金をもらうことは同じだという答弁をしていたじゃないですか。全然理屈になっていない。 しかし、次の質問に移ります。 大蔵官僚や日銀官僚が日常茶飯事のごとくに行ってきた接待に、初めてかもしれませんが、大なたが振るわれたのが今回の一連の金融不祥事問題でありました。これまでも、二信組問題や厚生省の不祥事などが明るみに出るたびに官僚の綱紀粛正が叫ばれてきたにもかかわらず、一向に是正されてこなかった。なぜなのか。何でなのだ。私は、その背景には、やはり政治家と銀行、証券などの業財界との癒着があるからだと思うのです。 親の背を見て子供は育つといいます。政治家が銀行、証券から高級料亭で平気で接待を受けています。お車代などのお金も受け取っておる。政治家には政治献金という逃げ道が用意されておりますから、堂々と金を受け取る。そう国民には映っているのではないでしょうか。こうした状況を手にとるように知っている官僚に、官僚だけは接待はいけないと言っても、私は通用するはずはないと思います。 大蔵大臣が、大蔵省内での調査あるいは中島元主計局次長の脱税問題での再調査も国会で約束しておきながら、結局できなくなってしまった、高級官僚の巻き返しに遭ってしまったのも、私はここに原因があるからではないかと思うのです。 政党、政治家への企業献金をやめるだけではなくて、こうした業界からの政治家の接待も自粛するのが当然だ。それがなければ、国民の政治に対する信頼は回復できないと私は思うのですが、総理の所見を、政治家としての所見をお聞かせ願いたい。
○橋本内閣総理大臣 これは私がお答えをすべきなのか、党対党でお話しになるべきなのか、よくわからない部分があります。(木島委員「政治姿勢」と呼ぶ)しかし、政治姿勢と言われますならば、どうぞ皆さん、毎日の私の行動は全部新聞で報道されております。議員が言われるように、金融、証券にごちそうになり云々と言われることは、私は大変迷惑です。同時に、ここにおられる与野党の委員の方々だって、今のお言葉に対しては、そのような実態はないとおっしゃりたい方が多数おられると思います。
○木島委員 問題をそらさないでいただきたい。私の質問は、総理個人がそういうことをやっていると一言も言っていないのです。 しかし、日本の政治家がこういう金融業界あるいは業界の皆さんから料亭で接待を受けているということは、国民から見ると、政治的な常識じゃないのでしょうか。そういうことをきっぱりとやめる。政治の最高責任者である総理からこの予算委員会の場で国民に向かってその立場を披露することが、政治も改まった、政治家も改まった、じゃ、おれも官僚だけれども、政治家が姿勢を改めたのなら官僚も姿勢を改めなければいかぬなと思うのは当たり前じゃないですか。 そこがしゃきっとしてないから、官僚の業界との癒着や接待が改まらぬ。幾ら綱紀粛正の通達を出しても改まらぬと思うわけでありまして、私は、政治姿勢の根本を問うているわけでありまして、これではやはり政治はよくならぬと思わざるを得ません。 次の質問に移ります。 今度の国会での大きな問題の一つが、銀行への公的資金の投入の問題であります。既に二十一の銀行に対して一兆八千百五十六億円の公的資金の投入が閣議決定され、去る十七日には、受け入れ二十一行から経営の健全性の確保のための計画が発表されました。 これはこの一つの東京三菱銀行の計画であります。政府の公的資金投入の最大の論拠の一つが、銀行の自己資本比率を高め、国際基準の八%をクリアさせ、よって貸し渋り対策とするというものでありました。しかし、この計画を見ますと、こうした言いわけが成り立たないということが明らかじゃないのでしょうか。二十一行中十九行で八%が既に達成されているじゃないですか。公的資金を投入してやる必要性が初めからないじゃないですか。特に東京三菱とさくらの二つの銀行は、自己資本比率増加はこの計画でゼロとなっているじゃないですか。 こんな銀行に対して、なぜ公的資金投入が必要なのですか。答弁してください。
○山口政府委員 今先生は東京三菱銀行の例をお挙げになりましたが、確かに資本注入後も自己資本比率は上がっておりませんが、それはなぜかというと、リスクアセットが一兆二千億ふえるからです。リスクアセットをふやすということは、貸し渋りをやらないために貸し付け等をふやすということなんです。 逆に、自己資本を上げるということは、資産に比べて分子をふやすということでございます。したがって、自己資本比率が十分に上がってないということは、逆に、資産をそれだけふやすということでございます。
○木島委員 健全化計画をまとめてみますと、二十一行のリスクアセット、危険資産の増加額は五兆九千四百二十二億円にすぎません。自己資本比率計算式の分子である自己資本が一兆八千百五十六億円政府の援助で増加するわけでありますから、八%の自己資本比率のもとでは、分母である貸出金などのリスクアセットは八分の百、十二・五倍になってしかるべきであります。十二・五倍というと二十二兆六千九百五十億円であります。しかし、さっき言ったように、二十一行の計画では五兆九千四百二十二億円にすぎません。 今大蔵省銀行局長が数字を言いました。これを見ても、公的資金の投入がほとんど貸し渋りに役に立たないということを、数字が物語っているのじゃありませんか。
○山口政府委員 今先生御披露いただきましたように、約六兆円のリスクアセットの増加が見込まれております。これはリスクアセットでございますので、貸し出しとしてはこれよりもっとふえる部分があります。 それから、そうでない部分は自己資本の増加に充てられておりますが、これは、そういう財務体質をよくすることによって、将来の貸し出し余力をふやすという意味もあるわけでございます。そういうふうに御理解いただきますと、今回の措置がこうした中小企業等に対する貸し出しに大変に役に立つものだということは、御理解いただけるものと思います。
○木島委員 だから、私、言ったでしょう。二十一行中のほとんどすべてが八%をもうクリアしてしまっているのじゃないでしょうか。クリアできてないのはわずか二つ、日債銀と足銀だけ。もう八%、全部達成しちゃっているんだから、何が自己資本比率は高めなきゃいけないんでしょうか。 ですから、リスクアセットをふやすことができるんです。八分の百になるはずです。八分の百になるのなら、二十二兆六千九百五十億円の金が中小企業を助けるためにつぎ込まれていいはずなんですが、この計画、二十一全部足し算しても五兆九千四百二十二億円にしかならない。 だから、これは、私どもが言うように、銀行を助けるためのものにすぎない。もう飽くなき、BIS基準による自己資本比率を、八なんというものじゃない、九、一〇、一一、一二、一三、一四と上げ続ける。そして、国際的な銀行間の激烈な競争に勝ち抜くそのために公的資金をどばっと入れる。そのためだったんじゃないかと言っているわけですよ。だから、はしなくも、それが明らかになったと思うのですね。 ですから、私は、公的資金の投入が貸し渋り対策であって日本の中小企業の窮状を助けるためだなんていうのが、真っ赤なうそ偽りだということが明らかになったと思うのです。だからこそ一般新聞も一様に、貸し渋りに効果薄と書き始めているのじゃないでしょうか。 次に移ります。 公的資金を受け入れる十二の都市銀行、長期信用銀行のうち、実に九つ、十二分の九までが、大蔵省、日本銀行、道路公団の官僚を接待漬けにして、検査や金融新商品の承認などで便宜を受ける、そして本当に重要な情報を不正に入手する、あるいは日銀融資にも便宜を受けるというゆゆしい疑惑を受けている銀行だ。このことは本当に重大だと思うのです。 例えば、補助金についても、不正なことをした団体や企業は、国からの補助金を受けることができないばかりではなくて、既に交付された補助金の返還命令を受けるのです。そのぐらい公金の使途というのは厳しく規制されているはずなんです。 総理に私はお聞きしたい。なぜ銀行に対してだけ今回このような破格の扱いをするのか、答弁願いたい。
○松永国務大臣 今回の措置は、何回も申し上げますとおり、個別の銀行を救済するためではなくして、我が国の金融システムの安定化のための措置であります。したがって、個々の銀行の中で、別の件で不祥事があったとしても、それのみをもって申請銀行から外すということはしないということを審査委員会で決めた上で審査に入ったという点が一つ。 もう一つは、公金を入れたとおっしゃいますが、資本注入のお金は、政府保証による日銀等からの借り入れを預金保険機構がいたしまして、その金が整理回収銀行を通じて優先株等の引き受けをしたわけでありまして、ただ単にお金を渡したというのではありません。 しかも、優先株等を買い取ることになるわけでありますが、それには利息に二%か三%かがついてくるわけでありまして、そして、しかもまた二、三年のうちには適当な時期にその優先株等は売却いたしますから、したがって黒字になって、そして返ってくるという可能性が大いにあるというケースなんであります。 したがいまして、国の金をだれかに渡したというケースとは違うということを御理解願いたいのです。
○木島委員 私どもが公金投入と言っているのは、政治的な言葉なんですよ。日銀からの借り入れに対して政府保証をつける、そして返せなかったら、結局穴があいたときには政府が責任をしょう、そういう全体のスキームを当然承知の上で、そういうスキームをこれは公金投入ではないかと言っているのですよ。 それで、私の質問はさっき言ったとおりですよ。補助金等に関する法律では、本当に、曲がったことをしたら補助金返還命令を受けるのですよ。(松永国務大臣「補助金とは違うんだ」と呼ぶ)いや、そのぐらい厳しいというのですよ。公金の使い方や、政府保証も同じですよ、経済的には、その持つ意味というのは。 なぜ、銀行に対してだけこんな破格の扱いをするのかと言うのですよ。その説明に全然なっていないと私は思うのです。私は、その秘密は、さきに戻りますけれども、自民党が銀行業界から政治献金をもらっている、そこにやはり行き着くのじゃないかと思うのです。 今回の公金投入が、もう全部一千億横並び、最悪の護送船団と評されるのも当然なんですが、私はちょっと調べてみたのですが、日本の銀行からの自民党への公然たる政治献金、これも本当に見事なまでの護送船団ですよね。 九六年には、第一勧銀から埼玉銀行まで、都市銀行全部、これは見事にそろって、表へ出た献金が千八百四十八億円。九五年は全部同じく、これは大和銀行だけを除いて、全部四千二百九十一億円。九四年は、これまた全部同じく四千六百四十八億円。ちょっと違うのは拓銀だけ。こういうことは、銀行献金も、もうみんな……
○越智委員長 発言に問題がありますので。内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 大変恐縮ですが、公党の名誉にもかかわりますので、数字を改めてお述べいただきたいと思います。
○木島委員 失礼しました。億が万と間違ったということですね。そこは訂正します。億と万の、それは錯誤です。それは、じゃ、億を万にかえてください。それはもう、委員長、それはいいです。失礼しました。万です。これはもう錯誤です。それはもう、今の言葉は、じゃ、億を万にします。万であります。そういう、万であります。 そうしまして、九六年は、すべての銀行が千八百四十八万円横並び、そして一千億の公金投入を受ける。そして、割り算をすると、何と五千四百十一倍なんですよ。千八百四十八万円をもらって一千億円を投入してもらうと五千四百十一倍、こういう数字なんですね。九五年は四千二百九十一万ですから二千三百三十倍になる。こういう今度の公金投入は、やはり銀行献金の見返りだと言われても仕方がないのではないでしょうか。 私は、こうした政府の姿勢が、九八年度予算案についても、結局国民生活へ犠牲のみを押しつけて、むだと浪費を温存して、財政の立て直しも全く役立たないような財政構造改革法の路線を突っ走る、そういう最悪の不況促進の予算になっていることに、そこのところでつながっていると思うのです。 政府がこれを撤回して、後に我が党からも提出します動議の提案理由の説明でも明らかにするそういう方向で、速やかに組み替えられんことを求めて、私の総括質疑を終わらせていただきます。
○越智委員長 木島君の質疑を終わるに当たり、一言御注意申し上げます。 国会法百十九条、百二十条においては、無礼の言論等をしてはならないことになっております。ただいまの発言中、問題の点につきまして、理事から申し出がありましたので、後日理事会において検討させていただきます。 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 締めくくり総括の最後の締めとなりました。短い時間でございますけれども、社民党の意見も加えて、三点だけ御見解を伺いたいというふうに思います。今、議長の御発言がございましたが、私どもは、与野党を超えて、議会人として建設的な議論を行い、そして国のため社会のために実りをつくるというのが使命であろう、私はそんな気持ちも含めまして、三点質問を申し上げます。 一つは、今後の経済運営の問題に関してでございます。 この予算を、いよいよ締めとなりましたが、早期に成立させ、その的確な執行と、今後絶え間なく努力をさらにしなければならない、緊張した努力をしなければならない。今置かれている状況であると思います。三つほど、今までの長い議論を伺いながら、私の感想がございます。 一つは、財政再建と景気対策、財政構造改革と当面する経済対策の問題でございまして、総理も二律背反ではないと言われております。全くそのとおりでありまして、やはり当面はマイナス経済からプラスになるように早急な努力をしなければならぬ、その上に立って的確な日本の財政の再建を図らなければならぬ、まさにこれは国家的、国民的な大事業と言わなければならぬ、当たり前のことであります。 したがいまして、そういうものをどうしていくのかということにつきまして、私は注文なんですが、二律背反ではない、両方大事です、当たり前のことであります。そういうものをもっと国民の皆さんに理解できるように、安心できるように、信頼ができるように、何かもう一歩、やはり中期の展望戦略と申しましょうか、そういうものをつくって、これは経企庁が勉強するのかどうか知りませんが、あるいは閣議決定、閣議了解を出せるものか知りませんが、そういうものを出して、国民に展望と信頼と安心、希望を持たせるという努力をさらに積極的にやるべきではないだろうかという気持ちがいたします。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕 それからもう一つ、二つ目に感想を持ちますことは、きょうも夕刊を読んでおりましたら、アメリカのサマーズ財務副長官が、見出しでは十兆円程度の規模の財政出動を求めるというふうなことがございました。この間、四兆、六兆、八兆、十兆、十二兆とか、何か金額のアドバルーンが盛んに上がっております。 私は、例えば公共事業を考えてみましても、やはり新しい発想による展開をどうするのか、今度の予算の執行も含めてそういう時期に置かれている。財政構造改革のそういう議論でも随分やらせていただいたわけでございまして、いろいろな意味での二十一世紀の国づくりにふさわしい発想、あるいは従来のハードとソフトの概念を超える、あるいは現在の財政法のあり方の研究などもあってもいいと個人的には思っておりますが、そういう発想を持った努力をすべきではないだろうか、そういうことをまたビジョンとして議論し合うということが必要ではないだろうかという感想を持ちます。 もう一つは、我が党は、生活を大事にする、弱者の味方というのが基本でございますから、また、消費にもっと元気をつけることが重要な柱であるということは言うまでもございませんし、そういう意味で申しますと、減税の継続の問題も主張したいと思います。福祉型税制にもしたいと思います。 さらには、これから先さらにお互いに知恵を絞りながら、少子化社会の流れを変えるような、フランスなんかでも随分そういう努力をしたわけですが、そういう次の社会目標に向けた柱を立てるとか、いろいろな新しい発想が前向きに建設的に求められるというのが、これから先の予算の執行と経済政策に求められるということを私は感ずるわけでありますし、また与党の一員としてそういう議論も協議の中でも真剣にやってまいりたい、そういうふうに思いますが、細かい具体的なことは別にいたしまして、御所見だけ総理から承りたい。
○橋本内閣総理大臣 今議員から、財政構造改革の必要性と当面する景気回復のために対応の措置を講ずることが両立するものと自分も思うと言っていただいたこと、これは私は非常にありがとうございますと申し上げるべきなのか、それとも、その中で両立をさせていく上に一層の御協力を賜りたいと申し上げるべきか、これは両面の問題を含むと思います。 そして同時に、その中で御議論のありました、例えば公共投資のあり方について、もっと今までとは違った考え方があっていい、そうした御意見の中から、十年度予算につきましても、経済構造改革関連あるいは生活関連の社会資本への重点化というようなものも目指してまいりました。例示を挙げることは控えますけれども、一層こうした面はこれからも我々が努力をしていかなければならないと思います。 また、減税についてもさまざまな御議論が存在することは承知をいたしております。その上で、我が国の租税負担率、これが欧州諸国に比べてかなり低い水準であるといったことも踏まえた上で、冷静な議論を必要とする。その中において、社民党として、国民の暮らしに密接に関連する部分をとらえて議論をしていきたい、従来もそのような姿勢をもって政策論議に臨んでいただいたと承知をいたしますし、今後におきましても、そのような論議というものは私は有益なものである、そのように思います。
○伊藤(茂)委員 金融に関連をいたしまして、同じく一、二私の感想を述べて、所見を承りたいと思います。 日本銀行、新しい総裁が任命され、新日銀法が施行され、私どもとしては、このような経過を経ましただけに、本当に文字どおり、日本の中央銀行にふさわしい新たな出発をしてもらいたい。大蔵にかかわるPTにかかわった者として、また総理も、勉強会を設置されましてやった経過で、同じような思いであろうというふうに思います。 独立性と責任ということが改正の大きな趣旨でございましたから、政府の立場からさまざまどう論評するのかということは一つ立場はあろうかと思います。ただ、これからの日本を考えますと、例えば政策委員会、スリーピングではない、活性化をする、もっと透明性を増すというだけではなくて、金利政策や公定歩合についても、産業政策的見地もございましょう、あるいは年金生活者の社会政策から見てどうかという御意見もございます。各般の御意見が活発に行われて、そういうことが透明性を通じて国民には理解される。私は、できれば中央銀行の社会の窓口は、本当は議会、アメリカの銀行委員会、グリーンスパンさんの証言のような、そういうことが望ましいという気もいたしますけれども、そういう意味での活性化というものが望まれるというふうなことだと思います。 これは、これからの政府と中央銀行、議会との関係、さらなる努力を積み重ねなければならぬというふうに思いますが、任命された立場から、また政府として差し支えない範囲でどうお考えになるのか。 それから、大蔵大臣への注文が一つございます。同じく大蔵改革などに携わりながら、与党で合意をして実現をいたします金融監督庁、間もなくスタートをするわけであります。この間、さまざまの監督上の問題、監督をする方が監督をされる方から供応を受けるとか、いろいろな不祥事がございました。そういう体質のまま移行することはまさか大蔵大臣はお考えにもなっていない、これも文字どおり新しい出発をしなくちゃならぬとお考えになっていると思います。 長官人事も非常に大事だと思います。権威ある任命をしていただきたいと思いますし、それから、そういう新しいお役所の運営のセンター体制と申しましょうかね、今までの考えだけではなくて、何かやはりそれにふさわしいような仕組みを考えてスタートをするということも重要な責任ではないだろうかというふうに思います。 それから、関連して、これは総理に重ねて恐縮ですが、財政・金融の分離の問題で、与党間でもさまざま議論し、国会でもさまざま議論をちょうだいいたしました。私は、この経過を見ますと、内外に信頼性の高い日本の金融政策、あるいは金融に関するところの構えというものを、信頼性の高いものをばんとスタートするということが大事なときではないだろうか。そういうことで申しますと、やはり総理の御決断でそういう方向が求められるということではないだろうかという気持ちがいたします。その辺のお考えだけ、総理と大蔵大臣にお伺いいたします。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○橋本内閣総理大臣 まず、私に対する御質問の方から先にお答えをしたいと思いますが、改正日銀法、すなわちこの四月から施行されます新日銀法は、日本銀行がより開かれた独立性というものを基本理念として、その中で、日本銀行の金融政策における自主性の尊重と意思決定の透明性の確保、これが明らかに定められております。 そうした中で、今、政策委員会が従来とは違った役割を果たす、委員からも御指摘がありました。まさにそうした運営に当然なっていく。法の精神からしても、日銀の仕組みからしてもそういうことになっていく。そして、その中におきまして日銀が、今回の不祥事、そしてその中で大きく揺れ動いた中から国民の信頼を取り戻していくために今まで以上に必要なことは、意思決定の内容と過程を国民に明らかにする、こうした説明責任というものが大事になるであろうと思います。 そうしたことを含めて、新総裁、新副総裁のリーダーシップのもとに、私は、当然ながら、日銀が果たすべき業務の上に信任回復というその役割をこのコンビが果たしていただけることを信じております。 また、もう一点、議員から、財政・金融分離の問題について御意見がございました。 これは、もう経過を申し上げるまでもなく、与党三党の合意の結果を内容に忠実に盛り込みまして、中央省庁等改革基本法を国会に提出させていただいております。ぜひとも予算に続きましてこの御審議をいただき、その中において、より一層国民にこうした点も御説明をする機会を与えていただきたい、そのように私としては考えております。
○松永国務大臣 お答え申し上げます。 昨年、委員を初め多くの人たちの努力によって金融監督庁設置法が成立し、六月までの間に、金融機関に対する監督検査という機能が大蔵省から分離して、新しくできる金融監督庁に移るわけであります。同時にまた、証券取引等監視委員会の方も金融監督庁の方の傘下に入る、こうなるわけでありまして、これは、言うなれば、財政と金融の分離という面からも大変大きな変革の一つだろうというふうに思います。 そこで、金融監督庁をどのような体制とするかということについては、これは総理府の方からお答えなさるのが筋なんでありますけれども、私から申させていただきますれば、十年度予算で、金融監督庁の検査監督機能を充実するために三十人の新規増員が認められておるところであります。 同時にまた、金融監督庁の新体制が機構改革の趣旨に沿って力強いものとなっていくことが重要でありまして、そのためには、立派な人材を長官に任命するということ、これは総理府の方でございますが、そして立派な仕事をする監督庁になるように、大蔵省としても、ふさわしい有為な人材を確保できるように協力するなど、できるだけの支援をしていかなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。
○伊藤(茂)委員 最後に二つ、総理の御所見を伺いまして、質問を終わりたいと思います。 一つは、この国会中にもさまざまな議論がございました政治改革あるいは政治倫理などに関する問題でございます。 町を行きますと言われますけれども、あの長野オリンピックのドラマとかパラリンピックの感動とか、ああいうことがやはり政治の世界で生まれるように、逆のことのない政治が生まれるようにというようなことを言われましたが、私どももやはりともに努力をしなければならない、今日の私どもの使命であろうというふうな思いがいたします。 そういうことを考えますと、例えば公務員倫理法、これは作業がいろいろ進んでいるわけでありますけれども、これは、今国会に提出、今国会成立、そういう節目の議会に、参議院選挙ありますけれども、国民の信を問う前にやはりすべきではないだろうかというふうにも思います。政治改革に関連をいたしました情報公開法の問題なども、大詰めの御相談もさせていただいております。 また、与党間では、三党党首の直轄のあれも、三月三十一日か、月末までやるということで精力的な議論をしていただいております。エープリルフールに当たらぬように、今月中にいい結論を見たい。誠心誠意、全力を挙げてその大詰めの議論を私どももしてまいりたいというふうに思っておりますが、総理のお気持ち。 それから、もう一つ伺いたいのは、やはりアジアとか平和とかいろいろなことを細かく申す時間もございませんけれども、沖縄のことでありまして、連立三党でスタートして以来、三年前のあの衝撃的な事件以来、私は連立与党の中で今までにない、いろいろな努力を真剣にやってきた。私も一方の担当をしていたから言うわけではありませんが、そう私は振り返っております。同時に、今また難しい時局にぶつかっているというのも事実でございます。 ぜひやはり真剣なお互いの理解、日米間でも沖縄との間でも出るような真剣な努力、絶え間なくやはり共通の理解と打開ができるような努力を続けていただきたいというふうにお願いをしてまいりたいと思いますが、いかがでございましょう。
○橋本内閣総理大臣 三点にわたってのお尋ねでありますが、まず、一月二十一日、与党政治改革協議会が三党首の党首会談に報告をされ、三党首会談で確認をいたしました内容のうち、三月末を目途に結論を得るものとするとされた五項目、これは現在与党政治改革プロジェクトチームにおいて検討が続けられていると承知をしておりますし、たしか今週も二回、大変真剣な議論を続けていただいていると聞いております。そして、その後集中的に議論をすることを確認したものとして、政治資金規正法の附則九条の取り扱いの問題があることも記憶をいたしております。 今、もう一点お触れになりました公務員倫理法、政府としてもこの倫理法の策定作業を急いでおり、与党で御相談をいただいておることも存じております。そして、政府としてもこれにおくれずに作業を合わせていきたいと考えておりますが、その上で、一点ためらいがありますのは、公務員倫理法という法を、公務員で構成している政府が提出するということ、この点多少ためらいがありまして、むしろ与党とよく御相談をし、その提出の形態もまた考えたいと思います。 また、沖縄の問題というものは、議員から御指摘を受けましたとおり、非常に大事なことでありますし、今までの経緯を改めてここで繰り返そうとは思いません。しかし、私どもは、今後とも大田知事を初め地元の皆さんに、さまざまな問題について御理解も御協力も得なければこの解決はできないことでありますから、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。 そうした思いの中で、去る十一日、内政審議室、外務省、防衛庁の審議官などを派遣いたしまして、大田知事初め県の首脳部と忌憚のない意見交換の場を持たせていただきました。私は、もし県の方でそうした話し合いを続けてくださる意思があるならば、こうした論議というものは、なお、前に向かっていくためにも必要な場だと思います。 そして、沖縄の、存在をいたします米軍基地の整理、統合、縮小に対する努力とともに、振興策というものを我々は真剣に進めていく責任があります。言いかえますなら、基地依存型の経済から自立型の経済へその移行を図ろうという県の考え方、これを重く受けとめながら、我々としては最大限努力していかなければなりません。ぜひそうした点についての御協力も賜りたい、政府としてはそのように考えております。
○伊藤(茂)委員 時間ですから終わらせていただきますが、申し上げました気持ちで、審議でも、また協議にも積極的に私も当たっていきたいという気持ちを申し述べまして、時間ですから、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○越智委員長 これにて伊藤茂君の質疑は終了いたしました。 これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成十年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。 ―――――――――――――
○越智委員長 ただいままでに、民友連五島正規君外一名から、また平和・改革北側一雄君から、また自由党加藤六月君外三名から、さらに日本共産党木島日出夫君外二名から、それぞれ平成十年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。 この際、各動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。まず、五島正規君。
○五島委員 私は、民友連を代表して、平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算について、政府はこれを撤回し、速やかに次の要領に基づき編成替えを行い、再提出することを求める動議を提出いたします。 提案理由及びその概要を御説明いたします。 橋本内閣は、まじめに働く国民や民間企業の切実な声に耳を傾けず、景気は回復基調にあるとする官僚エコノミストの大本営発表を信じ込み、誤った経済政策をとり続け、その結果、対策は後手後手に回り、また、結果として景気回復の芽を摘み取り、経済危機を拡大してきました。今や日本経済が瀕死の状態にあることが浮き彫りとなってきています。 生産、消費、設備投資はともに低迷し、回復の兆しは見えていません。失業率は過去最高水準に達し、中小企業を中心とする倒産もとどまるところを知らない状態となっています。超低金利による高齢者の生活圧迫、金融機関の破綻などにより、国民生活は根底から脅かされています。 しかるに、橋本内閣は、みずから招いた不況、金融危機に全く反省なく、無責任な政策転換を行い、慌てて二兆円の特別減税を実施したものの、景気浮揚効果は期待できない状態となっています。 また、政府が金融行政の失敗の責任を棚上げにして、預金者保護だけでなく金融機関救済のために最大三十兆円もの公的資金を投入する仕組みをつくったことは、護送船団行政の復活であり、我が国の金融市場に対する信頼をかえって損ね、一連の不祥事の温床となっている大蔵、日銀、金融機関の構造的癒着を正当化しようとするものであると言わざるを得ません。 さらに、平成十年度予算の修正、組み替えを拒否しつつ、議場外においては、その成立後を想定して、自民党幹部、政府要人が大型景気対策追加、補正予算編成にたびたび言及していることは、本予算が欠陥予算であることをみずから認めるものであり、到底容認できることではありません。 我々は、経済構造改革を推進することによって、日本経済を自律的な成長軌道に乗せ、景気回復を図るべきだと考えます。そのために、制度減税による所得税減税、企業の国際的競争力の回復に資する法人関係税減税を柱とする大規模減税を断行すべきであります。 以上の諸点にかんがみ、これ以上の景気の悪化を防ぎ、国民生活を守るため、政府に対し、平成十年度予算案を撤回し、以下の重点事項に基づいて、抜本的な組み替えを行うように求めます。 その第一は、六兆円減税の実施であります。 税率構造の緩和、諸控除の拡充などによる三兆円規模の所得税の恒久減税、法人課税の実効税率四〇%への引き下げ、有価証券取引税、取引所税の廃止、住宅環境などを改善するための政策減税を柱とする計六兆円規模の減税を行うこと。なお、その財源措置として、償還期間十年以内で借りかえを認めない公債を発行すること。 その二は、預金保険機構の金融危機管理業務に係る債務への政府保証の削除であります。 予算総則において、預金保険機構が負担する債務のうち金融危機管理業務に関する十兆円の政府保証に係る記述を削除すること。 その三は、財政構造改革法の改正であります。 財政構造改革法は、当面の景気回復政策の阻害要因となっています。このため、特例公債と建設公債との区別をなくするとともに、これに伴い、特例公債の毎年度の減額、平成十五年度までに特例公債の発行額をゼロとする目標を廃止すること、平成十五年度までに国と地方の財政赤字を対GDP比三%以下にすることとする規定の再検討を行うこと、項目別のキャップを外し、これにかわって、本当の意味での構造改革の具体策を規定すること、経済成長率が一%を下回る見通しの場合には柔軟に対応できるようにすることなどの改正を行うことを求めます。 その四は、公共事業のコスト削減及び投資の見直しです。 公共事業のコストを削減し、投資の重点化、効率化を図ること。 以上が民友連提出の動議の概要でございます。 委員各位におかれましては、現在の日本経済の置かれている危機的状況、爆発寸前とも言える国民の不信と不安を十分に認識され、本動議に御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○越智委員長 次に、北側一雄君。
○北側委員 私は、平和・改革を代表して、平成十年度総予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議につき、趣旨の弁明をいたします。 昨年の九兆円の国民負担増に象徴されるデフレ予算以降、橋本内閣による経済失政によって、日本経済は完全に冷え切り、平成九年度は二十三年ぶりのマイナス成長となることが確実となるなど、立ち直る曙光すら見えてこない深刻な事態に立ち至っております。にもかかわらず、政府が提出した平成十年度予算案は、国民の立場に立った予算とは到底認めがたいものであります。 本来、平成十年度予算において政府が行うべき施策は、何よりもまず、不況にあえぐ日本経済を回復軌道に乗せること、そして、少子・高齢社会に向け、あらゆる構造改革を断行することであります。 我々は、財政構造改革の必要性を否定するものではありませんが、これほどまでに景気が落ち込んでいる中で硬直的に緊縮財政路線を強引に推し進めれば、底なしのデフレスパイラルへと転落することを強く危惧するものであります。 以上の視点に立って、平和・改革は、政府に対し、以下の重点項目に絞って、平成十年度予算案を撤回の上、組み替えることを求めるものであります。 以下、概要を申し述べます。 第一には、日本経済を確かな回復軌道に乗せるため、景気対策として、総額六兆円規模の所得税及び法人関係税の減税を直ちに実施することであります。 所得税については、税率構造の緩和などによって総額二兆円規模とし、他方、法人関係税については、実効税率を四〇%程度とすることなどによって、平成九年度ベースから見て約四兆円規模とすべきと考えます。また、あわせて有価証券取引税、取引所税も撤廃すべきと考えます。 第二には、予算総則に盛り込まれている預金保険機構が負担する債務のうち、金融危機管理業務に関する十兆円の政府保証に係る記述を削除すべきであります。 金融安定化を名目とした金融機関救済策は、市場原理と自己責任を重視し金融行政の透明化を目指す金融ビッグバンの流れに逆行するものであり、護送船団方式そのものであります。金融機関の経営にモラルハザードを引き起こしかねず、直ちに中止すべきであります。 第三には、国民生活に密着した少子化対策、高齢者対策、教育対策などの充実と、平成十年度予算で切り捨てられた福祉関係予算の復活であります。 具体的には、子育て減税として、現行の特定扶養親族の対象年齢を新たにゼロ歳から七歳未満までの就学前児童に拡大すること、また、福祉関係予算の復活として、児童扶養手当の所得制限の引き下げ、難病患者に対する自己負担増などをそれぞれ中止すること、さらには、育英奨学金の貸与人員の増員やダイオキシン対策の充実などを図ることであります。 第四には、社会資本の整備として、構造改革を進めるとともに、予算単価の削減によって事業量の拡大を図るとともに、さらに追加的に国費ベース二兆円規模の投資を行うこととしております。 ただし、これらの投資については、生活に密着した、新婚家庭向け優遇住宅の建設や、光ファイバー敷設などの情報通信基盤整備、高齢者向けのグループホームの建設など、福祉、医療に係る分野などに限定し、国が決めるのではなく、地方公共団体がみずから優先すべきとする事業を決定するものとしております。 減税等に係る財源につきましては、不要不急の経費の節減に努め、足らざる部分については国債を発行することとしております。また、二兆円の追加投資については、平成十年度においては、ただいま申し上げました重点分野に限定することを前提に、発行対象と支払い方法について規定するための特別法を制定すべきと考えております。 なお、現在の財政構造改革法においては、特例公債の発行限度額に上限があるため、経済情勢等を勘案した弾力条項を盛り込む等の改正を行い、現不況下において特例公債発行が可能となるようにすることとしております。 委員各位の御賛同を心から期待し、私の趣旨弁明を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、加藤六月君。
○加藤(六)委員 私は、自由党を代表して、平成十年度予算案外二案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。 この深刻な経済危機の直接の原因が、橋本内閣の経済財政政策の失敗によるものであることは言うまでもありません。しかも、経済危機の本質的な原因は、今までの不況とは異なり、日本経済が構造変革を迫られているにもかかわらず、何ら抜本的改革をなし遂げられないことにあり、そのことが事態を一層深刻化させているのであります。 みずから否定していた二兆円の特別減税を突然復活するなど、まさに支離滅裂であり、平成十年度予算の審議中に政府・与党幹部が大型補正予算にたびたび言及すること自体、この平成十年度予算案が欠陥予算であり、デフレ促進予算であることの証明であります。日本経済が単純な循環的要因による不況でない以上、これらの従来型景気対策はすべて小手先のびほう策であり、かえって財政を悪化させるのみで、何ら問題の解決になりません。 また、橋本総理は、財政構造改革法に拘泥する余り、経済危機を悪化させ、対外関係を悪化させております。財政構造改革法は、目先の財政の帳じり合わせのみを主眼に置き、歳出の一律削減を規定し、構造改革、経済再建を不可能とし、かえって財政再建を妨げるものであり、廃止すべきであります。財政再建は、国、地方をあわせた行財政構造の徹底的見直しによる歳出縮減と、経済再建と景気回復による租税収入の増加により行わなければなりません。 平成十年度予算案は、財政構造改革法に縛られた史上空前のデフレ予算であり、日本経済に致命的なダメージを与えかねないものであります。真の改革を避け続けている橋本内閣が続く限り、日本経済が立ち直ることはあり得ません。速やかに財政構造改革法とともに退陣すべきであります。 次に、組み替えの重点事項について申し述べます。 日本経済は、小手先の従来型景気対策では立て直せない状況にあります。超少子・高齢化社会にあっても、民間活力が最大限に発揮でき、世界経済とも調和可能な、経済の根本からの再構築が必要であり、民力を養う政策が必要です。国民の可処分所得をふやし、民間企業のやる気を刺激しなければなりません。 したがって、第一は、所得課税の最高限界税率を五〇%とし、税率構造のフラット化、簡素化を実現し、すべての税率を下げ、六兆円規模の減税を恒久減税として行うことであります。 第二は、法人課税の実効税率を、基本税率の引き下げ、連結納税制度の導入により四〇%に引き下げ、四兆円規模の減税を恒久減税として行うことであります。 第三は、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律による預金保険機構の借入金のうち、金融危機管理業務に関する債務に対する保証十兆円は、これを削除することであります。 第四は、公共投資は、入札制度等の制度改革、構造改革等により単価を見直した上で事業量の拡大を図り、我が国の社会構造転換に資するため、情報通信関連を初めとする新社会資本整備、高齢者福祉施設等に重点投資を行うことであります。 なお、組み替えに伴う歳出歳入措置に係る財源対策については、歳出について聖域を設けず、思い切った見直しを行うとともに、公債の発行を含め万全の措置を講ずることといたしております。 以上が動議の概要であります。 委員各位におかれましては、本動議の趣旨を御理解いただきまして、御賛同賜りますようお願い申し上げまして、趣旨弁明といたします。(拍手)
○越智委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 私は、日本共産党を代表して、平成十年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。 国民生活は今、未曾有の危機にさらされています。昨年強行された消費税増税、医療改悪など国民への九兆円もの負担増によって、可処分所得と消費支出はかつてなく落ち込み、消費不況が一層深刻化しております。完全失業率は史上最悪の水準を続け、一月の男性の失業率は三・七%にまで達しました。不況の激化と銀行による貸し渋りによって、中小企業の経営危機、倒産が相次ぎ、民間企業の設備投資までもが四年ぶりに減少に転じました。 これらはすべて、橋本内閣が強行した九兆円負担増や財政構造改革路線がもたらしたものであり、その責任は極めて重大であります。 ところが、政府・与党は、三十兆円もの銀行支援に続き、四月補正などと言って、銀行とゼネコンのための株価や土地対策、従来型の公共投資の積み増しなど、その破綻が明瞭になった政策に何の反省もなく、これら大企業、財界への奉仕を一層強めようとしているのであります。橋本内閣が誤った政策を改める意思も、また今日の国民生活の危機を打開する能力も展望も持ち合わせていないことは、今やだれの目にも明らかであります。 与党からさえ大型補正の声が公然と上がるような政府予算案は、失格の烙印を押されたも同然であり、不況打開、国民生活最優先の予算案に抜本的に組み替えることは、まさに政治の責任であります。 今こそ、逆立ちした財政構造の転換へと踏み出すときであります。日本では、国、地方を合わせた公共投資の総額は年間五十兆円にも達する一方で、社会保障の国、地方の負担は二十兆円、公共事業の四割にしかなりません。アメリカでは社会保障費が公共事業費の四倍、ドイツは三倍、イギリスは六倍という実態と比べても、その逆立ちぶりは明瞭でありまして、このような予算案は直ちに撤回して、抜本的に組み替えるべきであります。 次に、組み替えの概要について述べます。 第一は、消費税減税などで国民の所得、消費を直接温めることであります。 消費税を当面三%に引き下げることは、国民の購買力を五兆円規模で引き上げ、個人消費拡大に最も効果があります。身銭を切って消費税を負担している中小業者やその従業員の所得をふやすことにもなるのであります。また、二兆円の特別減税は、一時的な措置とせず、恒久化すべきであります。 第二は、社会保障の改悪をやめ、国民生活予算を充実させることであります。 社会保障、教育、農業、中小企業対策など、国民の暮らしに直結する分野の抑制だけが無慈悲に続けられる財政構造改革法は、直ちに廃止すべきであります。 第三は、公約を踏みにじる、一片の道理もない銀行支援のための三十兆円投入を直ちに中止するとともに、六百三十兆円もの公共投資基本計画の廃止を初めとしたゼネコン浪費型公共事業を大幅に縮減し、生活密着型中心に内容を転換するなど、財政構造の転換を本気で図ることであります。 以上が動議の概要であります。委員各位の御賛同を期待いたしまして、趣旨弁明といたします。(拍手)
○越智委員長 これにて各動議の趣旨弁明は終了いたしました。 ―――――――――――――
○越智委員長 これより討論に入ります。 平成十年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議四件を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、順次これを許します。石川要三君。
○石川委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成十年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。 平成十年度予算は、二〇〇三年度までの中期的な目標である財政構造改革の推進と、当面の、アジアを初めとする内外の厳しい経済金融情勢に臨機応変に対応するという二つの要請にこたえるものであります。 以下、本予算案に賛成する主な理由を順次申し述べます。 賛成の第一の理由は、本予算案が、内外の厳しい経済金融情勢に配慮するものとなっている点であります。 平成十年度予算は、厳しい経済情勢を踏まえ、歳入面では、法人課税については、法人税の基本税率の三%引き下げ、法人事業税の基本税率の一%引き下げ等を行うとともに、課税ベースの適正化を図り、土地住宅税制についても、地価税の課税停止、土地譲渡益課税の軽減、居住用財産の譲渡損失の繰越控除の創設などの措置を講じ、金融関係税制についても、有価証券取引税や取引所税の税率を半減することとし、国、地方合わせて八千四百億円の思い切った減税を行うこととしております。 また、金融システム安定化対策の一環として、預金保険機構の借入金等に係る二十兆円の政府保証額を十年度予算総則において設定することとしております。 なお、歳出面においても、例えば、将来の経済発展に向けての基盤整備のため、科学技術振興費に関し、創造的、基礎的研究の充実に配慮し、対前年度四・九%を増額したところであります。 さらに、公共事業関係費については、七・八%の縮減を図ったものの、物流の効率化対策に資するものを中心とした経済構造改革関連の社会資本及び生活関連の社会資本について、重点的に整備することとしたところであります。 賛成の第二の理由としては、本予算が、財政の中身の改革に踏み込んだ、財政構造改革の観点を踏まえたものとなっていることであります。 十年度予算においては、財政構造改革法の量的縮減目標を達成するとともに、歳出の中身について、公共事業の再評価システムの導入等、各般の制度改革を含めた徹底的な見直しを行うこと等により、財政構造改革のさらなる第一歩を踏み出すことができたと評価できるものであります。 賛成の理由の第三は、厳しい歳出削減に取り組む一方、社会経済情勢の変化に対応した真に必要な財政需要に対して、財源の重点的、効率的配分を行っていることであります。 具体的には、例えば社会保障関係費については、少子・高齢化が急速に進む中で、安定的な社会保障制度を構築する観点から、医療分野において、薬価の大幅引き下げや老人医療費の負担の公平化を図るための制度改革を行うなどの措置を講じております。 文教及び科学振興費については、創造的で活力に富んだ国家を目指して、教育環境の整備、高等教育、学術研究の充実、創造的、基礎的研究に重点を置いた科学技術の振興等の施策の推進に努めております。 中小企業対策費については、厳しい経営環境に配慮し、中心市街地活性化、金融対策等に重点を置いて施策の充実を図っております。 以上、賛成理由を申し述べましたが、私は、本予算がこのように必要かつ不可欠なものであるとして、賛成の意を表明するものであります。本予算を初めとするさまざまな取り組みなどが、相乗効果をもって我が国経済の回復をもたらすものであり、そのためにも本予算の一日も早い成立を期することがぜひとも必要であります。 また、政府におかれましても、本予算の成立の後は、諸施策が速やかにかつ着実に実施されますよう強く要望をいたします。 なお、野党各党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、残念ながら、いずれも見解を異にするものであり、反対の意思を表明することにし、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 私は、民友連を代表し、政府提出の平成十年度一般会計予算外二案に反対し、民友連の撤回のうえ編成替えを求める動議に賛成する立場で討論を行います。 言うまでもなく、安心とゆとりを実感できる国民生活を実現するためには、我が国の社会経済が民間中心の自律的体質に移行できるかどうかにかかっており、景気の動向に十分に配慮し、持続的な経済成長を維持することが最も重要であります。 しかるに、橋本内閣は、昨年、国民に九兆円の負担増を強いるデフレ予算を強行し、景気回復の腰を折ってしまいました。さらに、近視眼的な財政均衡を優先させる財政構造改革法を拙速に成立させました。 官僚の思惑や誤った経済認識をうのみにし、日本経済をどん底に陥れた橋本内閣の政治責任は極めて重大であります。 以下、平成十年度予算政府案に反対する理由を申し述べます。 まず、第一の理由は、金融機関への公的資金の投入であります。 政府は、一昨年、公的資金の投入は住専と信用組合に限定すると明言しながらも、今般、最大三十兆円もの公的資金を投入し、預金者保護だけではなく、金融機関の支援救済策を盛り込みました。これは、大蔵省、日銀に絡む一連の不祥事の元凶となっている大蔵省の裁量行政による護送船団方式そのものであり、大蔵省と金融機関の癒着構造をなお引きずっているからであります。 反対する第二の理由は、歳出構造の改革とはほど遠い内容だからであります。 本予算案は、公共事業のシェアが従来型でほとんど変動なく、国の将来を見据えてどこに重点投資するのかという発想が感じられず、これまでのばらまき型構造がそのまま温存されているからであります。 反対する第三の理由は、深刻な景気への有効な対応策が欠如していることであります。 財政構造改革法が機能するのは、経済が成長を続けていることが前提であり、そもそもスタートからその前提は崩れているのであります。現に、自民党幹部などが相次いで予算成立後の大型補正に言及しており、全く無責任で、本予算が欠陥予算であることを証明するものであります。 したがって、本予算案は、思い切った修正を行い、組み替えるべきであります。 これに対し、民友連の予算組み替え案は、第一に、三兆円規模の所得税の恒久減税、法人税の実効税率四〇%への引き下げ等、合計六兆円規模の減税を行うものであります。 これは、国民の可処分所得を引き上げて個人消費を伸ばし、また、企業の競争力を高め活力を引き出すことによって、景気を回復させ、我が国の経済を自律的な成長軌道に乗せようとするものであります。 第二に、預金保険機構の金融危機管理業務に係る債務への政府保証の削減であります。 これは、信用される健全な金融市場を構築しようとするものであります。 第三は、財政構造改革法の改正であります。 これは、当面の課題である景気回復策の阻害要因となっている部分を取り除き、本来の構造改革の具体策の規定を求めるものであります。 第四は、公共事業のコストを削減し、投資の重点化、効率化を図るものであります。 このように、民友連の予算組み替え案は、将来を展望し、我が国がとるべき最善の策と確信をいたします。 終わりに、改めて政府の欠陥予算と大蔵省に絡む数々の不祥事を厳しく糾弾し、私の討論といたします。(拍手)
○越智委員長 次に、西川知雄君。
○西川(知)委員 私は、平和・改革を代表して、平成十年度一般会計予算案外二案に対し、反対の立場から討論を行います。 二十三年ぶりのマイナス経済成長率に至ることとなった、今日のゆゆしき景気の状況を生み出した元凶は、我々の強い反対にもかかわらずに強行された、昨年四月以降の消費税率五%への引き上げ、二兆円の特別減税の打ち切り、医療費の引き上げによる約九兆円のデフレ政策であることは、今やだれの目にも明白であります。 今申し述べましたように、経済企画庁によると、平成九年度全体でマイナス成長となることがほぼ確定いたしました。このことは、ただいま議題となっている平成十年度予算案の土台となる経済指標の前提、すなわち実質経済成長率を一・九%として作成された本年度の予算案の前提が、完全に崩れ去ってしまったことを意味しているのであります。間違った経済状態を前提として作成された予算案は、正しい、現実の経済状態を前提として修正、組み替えをすべきであります。 橋本内閣は、平成九年度の補正予算において、我々の従来からの主張である減税要求の一部をやっと受諾し、二兆円の特別減税と、景気対策として約一兆円規模の公共事業を盛り込み、財政構造改革路線を明らかに転換しておきながら、平成十年度予算では緊縮路線へと逆戻りしています。もはや、橋本自社さ政権の経済失政は、米国、財界、労働界、消費者のすべてから指摘されており、明白であります。 以下、順次、反対する主な理由三点を簡潔に申し述べます。 反対の第一の理由は、国民的な要求である景気の速やかな回復を図るために、平成十年度予算において的確な景気対策を打つ必要があったにもかかわらず、その対応が全くなされておらず、逆に、景気を一層悪くするための予算案が提出されているということであります。 我々平和・改革は、現下の不況を断ち切り、景気回復を図る観点から、六兆円規模の所得税、法人税の減税と、構造改革や予算単価の削減などを前提としつつ、従来型ではなく、福祉、文教、環境さらには情報通信基盤整備などに重点を置いた新社会資本の整備による二兆円の公共投資を主張しております。 減税の主張は、野党のみならず、経済四団体、労働界も一致して主張しているところであります。 減税するに当たっては、当然、財政構造改革法の見直しが必要でありますが、我々は、経済財政の機動的運営を拘束している財政構造改革法の弊害を是正するため、経済がこのように悪化している現状のもとでは、アメリカの包括財政調整法における運用停止条項のような、経済情勢等を勘案して一部同法の執行を停止する旨を規定した弾力条項を設ける改正をすべきであると考え、その旨の法案を提出する予定であります。 反対する第二の理由は、平成十年度予算案は、財政構造改革の名のもとでの、本来、国家が十分な手当てをすべきである社会的弱者に対する配慮に欠けた、福祉切り捨て予算であるということであります。 私は、社会保障分野も、現在の縦割り行政から脱却し、福祉、医療、年金の連携のとれた構造へと変革して、効率化を図っていくべきであろうと考えます。しかし、今の政府は、医療にしても介護にしても、国民への負担増だけは常に先行し、抜本的な構造改革は後回しという手段を繰り返しており、国民は、明るい明確な将来の社会保障像を描くことができず、国家に対する不信、不安が増大しております。 本年度予算案は福祉を切り捨ててしまっており、全く言語道断であります。むしろ、今日の経済情勢を考えれば、こうしたときにこそ、高齢化、少子化の時代に対応した予算にして、政治が温かい手を差し伸べるべきであると考えるのであります。 反対の第三の理由は、今申し述べましたように、社会的弱者への福祉を切り捨てておきながら、金融安定化と称して、金融機関の不良債権の実態を明確にしないまま、また経営陣の刑事、民事上での責任を十分に追及しないままに、金融機関の優先株等を引き受けるための公的資金を導入する財政的な手当てが予算総則に盛り込まれていることであります。 これらの救済スキームは、金融不安解消という名のもとに、実際上は銀行救済以外の何物でもなく、また、多くの重要事項が政令、省令に委任されており、官僚主導の従来の護送船団方式そのものであります。各行が策定した経営健全性確保計画を見ても、国民が求めるほどのリストラ策や情報開示にはほど遠く、不良債権の開示に至っては、まだ数行しか公表していないというありさまであります。 いずれにしても、私は、社会的弱者への配慮を欠く一方で、ずさんな経営のツケを国民に回す金融機関救済の公的資金導入には反対であり、予算総則の十兆円の政府保証は削除すべきであると考えます。 以上、主な反対の理由を申し述べましたが、平成十年度予算は、景気対策を中心にするとともに、社会的弱者にも十分に配慮した予算にするべきであり、そのためには、さきに動議で要求したとおりの修正、組み替えが当然であると強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 私は、自由党を代表し、政府提出、平成十年度予算外二案に反対をし、自由党提出の組み替え動議に賛成する討論を行います。 今、日本経済は深刻な危機に直面しております。対応を誤れば大恐慌にさえなりかねない危機をはらんでおり、国民は生活不安におびえているのであります。 九七年度十―十二月期の国内総生産は実質で年率〇・七%のマイナス成長であり、九七年度の成長率が第一次オイルショック以来の実質マイナスになることも確実であります。我が国経済が立ち直りかけつつあった昨年、総理自身が、我々の、財政再建のためにもまず経済再建、そして日本経済を回復軌道に乗せるための減税との主張を一顧だにせず、自信満々に行ってきた数々の施策の結果がこのありさまであり、まさに橋本不況であります。 今日の経済危機の本質的な原因は、今までの単なる不況とは異なり、日本経済が構造変革を迫られていることにあります。にもかかわらず、橋本内閣が何ら抜本的改革をなし遂げられないことが事態を一層深刻化させているのであります。 総理は、みずから招いたこの不況に反省も謝罪もなく、みずから否定し続けていた、赤字国債を財源とする二兆円の特別減税を平成十年にずれ込みながら突如復活させました。まさに二枚舌であります。また、本予算を審議している最中に自民党幹部や大蔵省首脳が大型補正に言及するのをとめようともしません。財政民主主義に著しく反し、また平成十年度予算案が欠陥予算であることを与党みずから示すものであり、政府・与党の対応は支離滅裂であります。 日本経済が単純な循環的要因による不況でない以上、これらの従来型景気対策はすべて小手先のびほう策であり、かえって財政を悪化させるのみで、何ら問題の解決にはならないのであります。 今我が国が行わなければならないのは、政治、行政、経済、社会のすべてにわたる構造改革の断行であり、特に経済改革においては、民間活力が最大限に発揮でき、世界経済とも調和可能な、経済の根本からの再構築であります。そのためには、国民の可処分所得をふやし、民間企業の活力を刺激するサプライサイド政策、つまり民力の回復のための政策が必要であり、経済の根本からの立て直しを何よりも優先しなければなりません。 橋本内閣には、これらの視点が一切ありません。抜本的な構造改革を行う必要があるにもかかわらず、目先の景気状況、財政状況にとらわれ、従来型のばらまき型景気対策と財政構造改革法による財政帳じり合わせを交互に行うのみであります。 財政再建は、国、地方をあわせた行財政構造の徹底的な見直しによる歳出削減と、経済再建による租税増収により行うべきであり、財政構造改革法は廃止するべきであります。平成十年度予算案も、財政構造改革法に縛られた史上空前のデフレ予算であり、日本経済に致命的なダメージを与えかねません。 思えば橋本内閣は、経済の見通しを繰り返し誤ったばかりでなく、不良債権処理の見通しを誤り、本当の改革を避け続けてきました。国民が不安、不信を抱いているのは、政策の失敗についてももちろんのことながら、総理のこの先見性のなさ、抜本改革を行わない政治姿勢であります。橋本内閣が続く限り、日本経済が立ち直り、国際信用が回復することはありません。速やかに財政構造改革法の廃止とともに退陣するべきであります。 以上、平成十年度予算案外二案に賛成できる理由は一つもありません。政府は、我々の動議に基づき、予算案を撤回し、組み替えの上再提出するべきであります。 以上、政府提出、平成十年度予算案外二案に反対をし、自由党提出の組み替え動議に賛成する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になりました平成十年度予算三案について、反対の討論を行います。 我が国経済が今直面している最大の問題は、国民経済の六割を占める個人消費が氷のように冷え込んでいることであります。冷え込んだ消費を温めることで、不況を打開し、日本経済の立て直しを図る、これが今政治に求められている最重要の課題であります。 ところが、橋本内閣による予算案は、三十兆円の血税投入に代表されるように、大銀行、大企業支援には手厚いが、国民生活は乱暴に切り捨て、踏みつけ同然の扱いではありませんか。橋本内閣による経済かじ取りでは、日本経済の先行きは、危機打開どころか、一層の苦境に転落させられかねません。 反対理由の第一は、不況の最大の原因である個人消費を直接温める対策は皆無であり、消費不況の一層の拡大をもたらす最悪の予算であるからであります。 政府は、昨年、国民の強い反対の声を無視して、消費税率の引き上げなど九兆円の国民負担増を強行しました。今日の深刻な不況はこの結果であることは明瞭で、二十三年ぶりにマイナス成長に転落しようとしています。橋本内閣は消費税の影響は一過性などと言っていましたが、この見通しが誤っていたことは、既に議論の余地のないところであります。 ところが、首相は、我が党の志位書記局長が数字を示して具体的に指摘したのに対して、多少の影響はあると述べただけで、反省の言葉一つありませんでした。多少どころではありません。消費税増税が景気にどれだけ悪影響を与えたか、首相はこのことを直視することができないのです。政府税調専門委員をしている神野直彦東大教授も、景気刺激のためには消費税をダウンするしかないと明言しているほどです。 反対理由の第二は、社会保障の連続改悪を初め、教育や中小企業など国民生活関係予算の大幅切り捨てであります。 昨年秋に成立した財政構造改革法によって、社会保障を初めとする生活関連予算がことごとく大幅削減の対象となったのであります。高齢化等による当然増経費が抑えられ、社会保障予算は実質的大幅削減にほかなりません。難病患者の九割に自己負担を押しつけ、母子家庭の命綱ともいうべき児童扶養手当の所得制限を強化して、支給対象から七万四千人も削減したのです。 病気になっても病院に行けない医療改悪の実態、保険料を払っても年金がもらえるかわからないという将来不安の年金、加えて保険あって介護なしの介護保険などなど、一体、政府は国民に何を信頼せよというのですか。 第三の理由は、国民には財政危機を言いながら、財政の浪費構造、すなわち、公共投資、軍事費、大企業優遇税制という浪費の三つの聖域にメスを入れることなしに、これを温存し拡大する予算であるからであります。 最後に、三十兆円銀行支援と大蔵省汚職に対する国民の怒りであります。 三十兆円の血税投入は、国会と国民に対する公約違反であり、その裏に隠れて行っていたのが大銀行と大蔵省高級官僚との接待癒着であります。国民の信頼を裏切る汚職腐敗政治の温床こそ、自民党政治の責任そのものにほかなりません。今国民の信頼を取り戻すためには、国会を解散し総選挙で国民の信を問う道しかないことを強調するものであります。 なお、他の三党から提出されております組み替え動議は、残念ながら賛成できない部分があることを最後に申し上げて、討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となっております平成十年度予算案に対し、賛成の討論を行うものであります。 賛成する第一の理由は、本予算案が現下の厳しい経済情勢を踏まえつつ、景気対策と政治経済の構造的改革の観点からも時宜にかなったものとなっている点です。 本予算案は、停滞する景気を初めとする経済情勢を踏まえ、法人課税については、中小企業等への大胆な軽減措置が取り組まれております。また、土地住宅税制では、土地譲渡益課税の軽減措置等を講じ、金融関係税制に関しても、有価証券取引税等の税率を半減するなど、国、地方合わせて八千四百億円の思い切った減税を行うこととしております。 これらは、強力な景気回復手段と同時に、可処分所得の低下に悩む国民の生活実感にこたえるものであり、私たち社民党が強く求めた二兆円の所得税、住民税の特別減税と合わせるならば、実に三兆円規模の減税が断行されることになります。 さらに、資金繰りが困難となっている中小企業等への政策として、信用保証協会の保証枠の拡充などによる貸し渋り対策の強化等も図られております。 賛成の第二の理由は、厳しい財政状況の中にあっても、社会的に弱い立場の方々に対する適切な配慮がなされている点であります。 先般の特別減税の実施に伴い、対象範囲を拡大した上での、低所得者への給付金が支給されることになっております。 また、社会保障関係費については、一般歳出全体として大幅なマイナス予算を計上されているにもかかわらず、安定的な社会保障制度を構築する観点も踏まえ、子供、高齢者などにかかわる福祉関係予算の適切な重点化を図り、社会保障全体として二%の伸びを確保しているところであります。 制度の改革に当たっても、医療分野における薬価の大幅引き下げなど、患者の立場にも配慮した苦労が見られます。 さらに、きめ細かな弱者への配慮として、地方バス路線の維持や超低床ノンステップバスの導入推進など、交通弱者対策もなされております。 賛成の第三の理由は、むだを省き、国民生活をより重視しようとする政策転換となっている点であります。 公共事業については、コスト削減や財政構造改革会議の議論なども踏まえ、七・八%の縮減を図っております。他方では、生活関連の社会資本など、国民生活に真に必要なものについては、重点的に整備が行われることになっております。 農林水産関係予算に関しても、米づくり担い手の支援策を行うとともに、中山間地域対策として保全基金を創設するなど、環境への適切な配慮もなされております。 防衛関係費については、正面装備をできるだけ縮減し、効率的で節度ある防衛力の整備が図られようとしております。 以上の理由により、本予算案が景気対策と政治経済の構造改革に資するものであり、また、社会的弱者への適切な配慮がなされているものであることから、賛成の意を表明するものでありますが、予算案審議を通して、我が党初め、指摘された建設的な提言や意見について、政府が配慮してもらうよう強く要望しておきます。 社会民主党は、停滞著しい景気の現状と厳しさを増す国民生活を打開するため、平成十年度予算案に引き続く積極的な経済対策を推進することを初め、財政、金融、教育、政治・公務員倫理、沖縄問題など、山積する国政の諸課題を解決するため、全力を尽くすことを表明し、平成十年度総予算案に賛成し、野党各党提案の組み替え動議に残念ながら反対して、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○越智委員長 これより採決に入ります。 まず、五島正規君外一名提出の平成十年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立少数。よって、五島正規君外一名提出の動議は否決されました。 次に、北側一雄君提出の平成十年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立少数。よって、北側一雄君提出の動議は否決されました。 次に、加藤六月君外三名提出の平成十年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立少数。よって、加藤六月君外三名提出の動議は否決されました。 次に、木島日出夫君外二名提出の平成十年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立少数。よって、木島日出夫君外二名提出の動議は否決されました。 次に、平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、平成十年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) お諮りいたします。 ただいま議決いたしました平成十年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○越智委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る二月十九日の審査開始以来、終始真剣なる論議を重ねていただき、本日ここに審査を終了いたしました。 これもひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。ここに深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十七分散会