予算委員会 第25号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 52 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1998/03/16
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田清司君。
○上田(清)委員 おはようございます。民政党の上田清司でございます。 きょうは、大臣各位、どうも御苦労さまでございます。それでは、早速お尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、省庁再編成法の中で、郵政公社のいわゆる職員の身分についてお伺いをさせていただきたいと思います。 法案の原案の中では、職員については、国家公務員として身分を特別に付与すること等の方針に従い講ずるものとすると。これから郵政公社法なりなんなり、設立法の中で位置づけをされていかれるものだというふうに思いますが、私が知る限りにおいては、国家公務員というものは国家公務員法の中で身分規定があるものだというふうに伺っております。 例外規定があるのかどうかということで確認をしましたところ、昭和二十三年、二十四年当時に、国民金融公庫と住宅金融公庫の二つに限ってはこの法の中で国家公務員とする身分規定があるというふうに聞いております。これはあるいは戦後のまだ十分体制もろもろがこなれていない時期につくられた規定ではなかろうかというふうに理解すると、その後そういうことが一度もないということを考えれば、国家公務員というものは国家公務員法の中で身分が規定されるべきだというふうに考えるべきであります。 にもかかわらず、郵政公社において職員を国家公務員の身分として規定することが本当に可能なのかどうかについて、長官並びに内閣法制局長官に伺いたいと思います。
○小里国務大臣 新たな公社の職員の身分につきまして、大変具体的に探求なさった前提のお話でありますという感じで、お答えを申し上げるわけでございますが、ただいまお話がありましたように、新たな公社の職員の身分については、今提出をいたしておりまする中央省庁等改革基本法の中におきましても、郵政公社を設立する法律において国家公務員としての身分を特別に付与いたしますと、これは御承知のとおりきちんと明記してございます。 そしてまた、その地位については、団結権及び団体交渉権は結構です、ただし争議行為はしてはなりません。その次に大事なことは、一般職の国家公務員と同様の、今念入りにお話がございましたが、国家公務員と同様の身分保障を行います。なおまた、職員の定員については、総定員法及び同法のいわゆる政令による管理の対象といたしませんということを基本として、規定をいたしておるところでございます。 なおまた、今、後の方でお尋ねがございましたいわゆる国家公務員法との関連でございますが、これらも、言うなれば国家公務員の身分には、現行においては、お話がございましたように、一般職と特別職、あるいは現業と非現業などのさまざまな類型がありまして、また過去においても、お話がございましたように、国とは独立の法人格を有するいわゆる公庫の職員等が国家公務員とされてまいりましたいきさつがございます。戦後の若干、何と申し上げますか、統制が徹底しない、秩序が徹底しない状況下の話であったのではないかのごとくおっしゃったと思うのでございますが、そういう意味に解しましても、十分それらのことも参考にしながら対応を進めてまいらなければならないと思う次第でございます。 以上、お答え申し上げます。
○大森政府委員 おおよそのところは、ただいま総務庁長官からお答えがあったとおりでございます。 若干敷衍いたしますと、国家公務員法は国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準等を定める法律でございますが、この法律以外の法律において国家公務員の身分等を規定するということは、特に法制上問題がないというふうに考えております。 国家公務員というのは国の事務事業を担当するということは、これは公務員の必須要件でございますけれども、これを国の行政機関以外の機関に所属して行うかどうかということは必ずしも必須の要件ではないというふうに考えられておりまして、この基本法案に盛り込まれておりますような郵政公社という、これは国の行政機関そのものではないことになろうかと思いますけれども、そこに所属して国の事務を遂行するという場合には、その公社の設立法において国家公務員たる地位を明記するということは、特に問題がないというふうに考えております。 その場合に、一般法たる国家公務員法との関係につきまして、法体系の整合性を図る観点から国家公務員法にも何らかの関連規定を設けるかどうかということはまた別問題でございまして、多分そういう関連規定を若干置く必要が出てくるのではないかというふうには考えております。
○上田(清)委員 内閣法制局長官にお尋ねしますが、そうしますと、特殊法人もすべてそういう規定を設けてあるいは公務員にすることも可能ということで解釈できますが、それでよろしいのでしょうか。
○大森政府委員 一言で特殊法人と申しましても、その行っている業務はいろいろな種類のものがございますが、少なくとも現行法上の特殊法人と申しますのは、形の上では国の事務を処理するものであるという位置づけは受けておらないのではないかと思います。 したがいまして、現在特殊法人が担当しております事務とか業務を、再び国自体の事務業務であるという再評価をした上ならばまたいろいろ考えようがございますが、現在は、特殊法人の職員は国家公務員そのものであるという法律上の位置づけはしていないわけでございます。
○上田(清)委員 総務庁長官におかれましては可能だというニュアンスを出していただいたわけでありますし、長官は、法制上特に問題がない、ただし国家公務員法との関係上、関連規定の中であるいは少し改正なり整備しなければいけない部分があるのではないかというふうなお話を承りました。 私は、例えば、郵政公社が国の事務でないというふうな規定をすればこれはまた国家公務員でないということになってしまいますし、特殊法人においても国の事務だというふうにしてしまえばすべてが国家公務員になるという考え方も成り立つという意味において、これは少し、もっと交通整理された方がよろしいのではなかろうか。根本的な問題を含みますので、ことごとく公務員にできるということにもなりかねない、そういう問題をはらんでいるということを申し上げまして、次の議題に移らせていただきます。 続きまして、ずっと問題になっております本予算と補正予算に関して、いずれ、今与党の最高首脳の方々から、本予算が通過すれば直ちに補正予算で六兆円、十兆円というようなお話も出ておりますので、これが本当に必要なことだというふうに私は思いますが、本来ならば本予算の中で片をつけるべきではなかろうかというふうな考え方に立つときに、あえてこういうことをやっていいのかどうかということを、財政法二十九条との関係の中で改めてお伺いをしたい。 私も、三塚大蔵大臣に昨年の十二月にウルグアイ・ラウンドに関してお話を承ったときに、財政法上の立場からすればウルグアイ・ラウンドの問題は補正予算ではいかがなものかというような否定的なニュアンスで答弁をされていたことがございますし、総理も財政法二十九条を厳格に守る。こういういきさつの中で実は補正予算にまた計上されたという経緯がございますので、改めてこの問題は、やはり国会として憲法や法律にのっとった形で常にきちっとやっていくという姿勢も大事だという意味において、お伺いをしたいと思います。 現在の景気状況を考えれば、いろいろな意味で景気対策をやらなければいけないというのは自明の理でありますが、補正予算で六兆、十兆というような話が、仮定で恐縮でありますが、そういうことが本当に可能なのかどうか、このことを大蔵大臣と法制局長官に伺いたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 我が党の中でいろいろな意見が述べられているということは、私も承知はいたしております。しかし、私どもの考え方としては、あと二週間すれば新年度になるわけでありますが、とにかく、新年度になったならば、できるだけ早く新年度の本予算を成立させていただいて、公共事業その他切れ目のない状態で出動できるような、そういう状態にすることが最も大切なことだ、こう思っております。したがいまして、現段階では補正予算云々ということは私の念頭にはないわけであります。 ただ、一般論として申し上げますと、補正予算のことが正式の議題になりましたならば、当然のことながら財政法二十九条の規定を厳正に解釈して対処してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○大森政府委員 私の方からは、現行制度上、補正予算とはいかなる性質のものとして位置づけられているのかという一般論に限定してお答え申し上げます。 ただいま大蔵大臣から言及がございました財政法二十九条、これによりますと、「内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。」という書き出しを受けまして、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出を行なう場合」というふうに例示がございます。したがいまして、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった場合、こういうことでございます。
○上田(清)委員 ありがとうございました。大蔵大臣と内閣法制局長官のこのきちっとした答弁をよく念頭に置いて、次に補正予算が出てきたときには質疑、追及をさせていただきたいというふうに思っております。 それでは、先般、日銀の天下りリストが決算委員会等々に提出されたわけでございますが、これで私は、検査日があった日と、天下りと言っては大変、俗称でございますのでちょっと恐縮ですので、再就職された月日が余りにも一致している、おかしいんじゃないかという認識のもとに資料を作成させていただきましたので今配付を、日銀の場合は考査でございますが、日銀考査と天下りの再就職の年月日についての関連性があり過ぎてはいけない、こういう認識のもとに資料を精査させていただきまして、取りまとめたのが今お配りをしているところの資料でございます。大臣におかれましては見ていただきたいというふうに思います。 まず第一の資料でございますが、日銀職員の日銀考査後に天下りした年月日についてということで、この表でいきますと、日銀考査日が平成六年の五月にございました。ところが、その一カ月後に東京三菱銀行に考査局長が再就職されている。一カ月後に再就職されている、こういうことがございました。 平成九年の二月に考査日がありまして、同じ六月にみちのく銀行に検査役が再就職されておられる。平成七年四月に紀陽銀行の考査日がございまして、平成七年の六月に、二カ月後に紀陽銀行に検査役が再就職されている。それから、平成七年の八月に日銀考査日がわかしお銀行であったわけでございますが、平成七年の八月には、一カ月たたないうちに検査役が再就職されている。平成八年の五月に神田信用金庫に考査役が、同じように一カ月後に再就職されておられる。若干月日はたちますが、磐田信用金庫にも平成九年五月に、約一年後に再就職されておられる。 こんなふうに、ひどいところではもう一カ月以内に考査役関係者が就職されておる。これは、いかにも日銀考査というものの信用性というものをゆがめるものではなかろうかというふうに私は考えるわけであります。 第二の資料で、逆に考査日の前の方にしっかりと再就職されるというのも、あるいは先輩がお入りになった後にみっちりと日銀考査ができるものかどうかということに心理的な影響を与えるという意味で、逆のケースから第二の資料をつくらせていただきました。 天下りを、再就職を受け入れた日が平成七年の六月なんですが、受け入れ日の一年後の五月に考査日があった。あるいは、平成七年の六月に池田銀行が考査役を、再就職を受け入れたわけでありますが、その二カ月後に考査日があったとか、こういう資料をつくらせていただいた経緯がございます。 これは私にとりまして、余りにも節度がなかろう、こんなふうな認識を持っておりますので、日銀総裁に、この点について、内部の慣習、慣行についてどのような判断をされておられたのか、このことがいいことか悪いことか、私は悪いことだというふうに思っておりますので、お考えをお聞きしたいと思っております。
○松下参考人 私どもにおきましては、考査局を通じまして、平素、取引先金融機関の経営内容を把握し、またリスクの所在を知るという意味から、行政上の処分あるいは検査というものとは違いますけれども、金融機関の内容につきまして考査を行っております。また、他方におきまして、私ども日本銀行に過去に勤務をいたしました者が、その金融に関する知識、経験を買われまして、退職後に金融機関に再就職をいたします場合も多くございました。 ただいま御指摘のような事例は、検査に参りました周期の時期と、それから再就職が行われました時期との接近ということでございますけれども、私どもは、考査を行います場合にも、またこの人事を行います場合にも、その両方のつながりを意識して何かに活用するような意図を持ちましてやってまいったような方針はとっていないところでございます。 ただ、私どもとしましては、やはり考査を行います中央銀行としての公共性を確保し、これに対する一般の信任を維持してまいるということは非常に重要なことであると思っておりますので、この点につきまして、いわゆる退職後の金融機関に対します再就職のあり方につきましては、やはり世上から十分理解をされるようなきちんとした節度が必要であると思ってまいりました。 そこで、今回、この新日銀法が四月の一日から施行されます機会に、この新法におきましては服務に関する準則というものを作成し公表することになっているわけでございますけれども、この服務に関する準則の中で、これは法律上はたしか民間との隔離というような表現でございますけれども、再就職の制限に関しましてもきちんとしたルールを定めさせていただいたところでございます。 それは、一般的には、日本銀行の役員やあるいは幹部クラスの職員で在職中に関係のありました取引先に対する再就職は、退職後二年間は自粛するというものでございますけれども、特に、ただいま御指摘の考査役経験者につきましては、一般的な二年間の自粛に加えまして、実際に考査役として実地考査を行った先への就職は、その実地考査の実施後五年間自粛するというルールを定めたところでございます。 このルールにつきましては、既にこの法律の規定によりまして大蔵大臣に届け出を行い、四月一日から実施をするということになっておりますので、そのような姿勢をどうか御理解いただきたいと思います。
○上田(清)委員 一般論ではそれで結構でありますし、これからのあり方も結構でございますが、現に、先ほど第一の資料で言いましたように、東京三菱銀行に考査後一カ月以内に再就職されるという、これは私は探したのは考査局、検査役関係だけでございます。それも、公表されたのは直近の考査日でございますので、これ、前二回、前三回の部分をずっと照らし合わせていけば、この資料を日銀でつくっていただきたいのですが、もっとたくさん出てきますよ、人数が。これは直近ので合わせただけですから。その前の回、その前の回を合わせれば、もっと出てきますよ、人数が。ぜひ資料を逆につくってもらいたいと思うのですけれども。つくらなければ私つくりますが。 とにかく、こういう接近しているということに関してどう思うかということを私は今お尋ねしたのであって、この問いに関してはお答えになっていない。このことが問われているのですから。どうぞ答えてください。一言で結構ですから。
○松下参考人 先ほどお答え申しましたように、私ども、何らか意図いたしまして考査の期日と再就職の日取りを設定したという方針はなかったものと思いますけれども、ただ、現実にそのような事例がございまして、これに対していろいろと御疑問をいただくという点につきましては、まことに私どももこれは遺憾なことであるというふうに存じております。 今後、この新しいルールのもとにおきまして、このような事例は全く解消するものと考えております。
○上田(清)委員 やっと遺憾という言葉が出てきました。これは遺憾よりも、ノーという意味で、九州弁的に言えばいかぬというふうに本当は言ってほしかったのですが、よくないことだというふうに理解していただきたいと思うのです。実は遺憾ぐらいじゃ困るのです、本当は。遺憾に思うぐらいでは。よくないことなんです、これは常識からして。 検査する人が検査先にすぐ就職したり、検査の直前にOBの偉い人が入って、厳しい検査ができるわけがない、当たり前じゃないか、そういうことがなぜできていなかったのかということを問われているわけでありまして、即座に、こういうことは絶対許されない、こんなことが行われていたのは知らなかったぐらいのことを、まあ知らなかったらなお悪いのですが、言っていただきたいというふうに思うわけであります。 大蔵大臣には本当に率直に常に言及していただいておりますので感謝しておりますが、このことについて率直な御感想を監督官庁の責任者としてお述べいただきたいと思います。
○松永国務大臣 今委員御指摘の問題は、日本銀行の人事の関係、そして考査の関係でございます。 日本銀行の独立性を最大限尊重しながらやっていかなければならぬという時代でございますので、この点についての私からの具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、先ほどの総裁の話によりますというと、来年度早々、四月一日から新法が施行されることになりまして、それに備えて、今委員御指摘のような誤解を受けるようなことがないようにしっかりやっていくというお話でございました。それはそれでいいことであるというふうに思います。
○上田(清)委員 大臣、率直な御感想ありがとうございます。 これは大蔵のOBについても言えることですので、ぜひ大臣の指示の中で、前にさかのぼってこういう考査日の重なりぐあいを内部調査していただきまして、こういうことが二度とないように内部でもきちっとやっていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたしたいと思います。 続きまして、いわゆる貸し渋り対策についてお尋ねをしたいと思います。 公的資金の導入によって、新聞報道でございますが、今井委員のお話によりますと、二十一行に二兆円前後導入されることによりまして、二十兆円は貸し出し余力がふえる、こういうふうなお話が出ております。各銀行で、二十一行でどれだけ貸出枠がふえるという数字をとらえておられるのかについて、預金保険機構の理事長にお尋ねしたいと思います。
○松田参考人 お答えをいたします。 このたびの審査に当たりましては、経営の健全性確保計画というものを出していただきまして、その内容を検討いたしました。その中に、金融の円滑化という欄を設けておりまして、そこで具体的にこのたびの資本注入による貸し渋り解消への努力、対応策についてそれぞれ書いていただき、各頭取からもヒアリングをいたしました。 ただ、先生、これはなかなか難しい問題でございますけれども、数値的、数量的に幾ら貸し渋りに向かえるのかということは一概に申せません。ただ、全体として、分子について、つまり自己資本比率の分子について資本注入いたしましたので、その分だけ余力が出て、普通約十倍と言っておりますけれども、抽象的には十倍の貸し出し余力が生まれ得る、そのための努力を続けていただきたいと。 なお、審査委員会としては、この健全化計画につきましては、公表もいたしておりますし、さらにその後フォローをしまして、場合によりましてはその履行状況について公表もする、そういうことで、貸し渋り解消へ向かっての金融機関の努力を促し、促進していきたい、このように思っております。
○上田(清)委員 数字で把握しておいてほしいという思いが私どもにはありますが、最小限度、例えば五月とか六月に四月の状況、三月と四月でこれだけ変わりましたという数字が出せるのでしょうか。
○松田参考人 どのぐらいの期間をおけば正確な数字が出るか定かではございませんけれども、六月に一部定款変更の時期を迎えておりますので、そこで各金融機関で一部経営の基本的な政策が変わる可能性もございます。そういう場合には、それをとらえてみたい、かように思っております。
○上田(清)委員 六月にとらえたいというふうに私は受けとめました。 この二兆円という金額も半端な数字じゃないという認識を持っていただきたいというふうに思うわけでありまして、安易に資本注入をされているのではないかという国民の疑問もあります。 事実、融資残高に連動するリスクアセットの残高、朝日新聞にちょっと数字が出ておりました。一九九七年の見込みから二〇〇〇年の計画ということで、例えば、中央信託銀行は、これは北海道拓殖銀行の本州部分を継承しますので四八%プラス、日債銀に関しては六%、長銀はほぼ横ばい、第一勧銀は逆にマイナス二%になっている。要するに、融資残高に連動するリスクアセットの残高、そんなに延ばしていないという判断をすれば、必ずしもこの資本注入が貸し渋り対策になり切っていないのではないかという疑問を私は感じるわけでありますけれども、この点についてはいかがですか。
○松田参考人 やや抽象的なお答えになって恐縮でございますけれども、リスクアセットの分母の部分の資産の部分では、例えば先ほど申し上げました経営健全化計画の中の具体的な方策として、証券化を進めるとか、あるいは中小企業向けの貸出枠を広げるとか、そのための商品の開発に努めるとか、それから直接金融でございますね、それについてCPとかそういうものについて支援を行うとか、そういう具体的な方策をそれぞれ立てております。 そういうことでございますので、分子につきましてこのたび資本注入をいたしましたから、その成果はすぐ出るというわけにいかないかもしれませんけれども、いずれ成果は出てくる、かように思っております。
○上田(清)委員 余りはっきりした答えが戻ってきておりませんので、大変不安に思うわけであります。 この二兆円を、公的資金を各金融機関に提供して、貸し渋りに何ら影響を与えなかったという数字が五月、六月、七月、八月に出てくれば、審査委員の皆さんたちは一体何を考えて投入したんだということが問われますが、これは責任問題だというふうに私は思いますけれども、この点についてはいかがですか。きょう三人メンバーがおられますので、大臣と理事長と総裁とお三方にお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 私どもは、我が国の金融システムについての内外の信認を高めていくという見地と、それから今話になっておる融資対応力を高める、それを通じて必要な分野での貸し渋りなどという状態が起こらぬようにする、こういったことを念頭に置きながら厳正に審査をしたつもりであります。 今、松田理事長の話にありましたように、自己資本が充実してくる、そして比率も高まってくる、こうなってくれば、融資対応力が強まってくるわけでありますから、貸し渋りは相当程度改善されてくるものだというふうに私は確信いたしております。
○松下参考人 各金融機関におきましては、今後この経営体質を改善するために、一方におきまして不良資産の償却を進め、また海外における収益性の低い資産を整理するというようなことで資産の圧縮を図りながら、その余力をもちまして、中小企業を重点に真に顧客のお役に立つ融資の増強を図りたいという発言が大変に多く聞かれたところでございます。 私どもも、そういった気持ちで、各経営者が今後この公費の投入額を十分に活用してくれるものと考えております。
○松田参考人 先ほどお答えいたしましたが、審査会の席上で、厳しくと申しますか、各金融機関の経営者にこの方面を問いただしております。なおかつ、先ほど申しましたように、フォローを続ける関係にございますので、金融機関の責任者にとってもこのことは重く受けとめて、その方向に向かって努力するものと確信をいたしております。
○上田(清)委員 ありがとうございました。 大臣以下、各審査委員の皆様方が連日四時間、五時間にわたる審議を深夜に至ってやっていただいているということを承って感動した部分もございます。大蔵省あたりから専門員が来て、それを丸のみされているのではなかろうか、そういう不安もあったのですが、そういう御努力をされているということに高く敬意を表したいと思います。しかしながら、結果がやはりいい形にならなければ委員の方々の御努力も無になりますので、ぜひ引き続き、特に預金保険機構の理事長におかれましては随時注意を促していただきたいというふうに思います。 なおかつ、時間がありませんので私の方から申し上げますが、リストラ計画についても必ずしも私は十分な評価をしておりません。 例えば、一般行員の平均給与も、九七年度の見込みから二〇〇〇年度の計画においても、第一勧銀が、四百六十八万が四百七十三万に逆に上がっております。もちろん人口の高齢化というような問題もありますけれども、なぜ上がるのかということになりかねませんし、日本長期信用銀行も四百九十万が四百九十万で、同レベルであります。また、日本債券銀行も四百十一万が四百三十五万に逆に上がっております。中央信託においては若干下がっておりますが、先行するこの四行に関してもこういう結果を見れば、私は、このリストラ計画というのはいかなるものかと思わざるを得ませんということを、国民の代表者として注意を促しておきたい、こんなふうに思います。 それでは、理事長、総裁、ありがとうございました。どうぞお帰りください。 昨日、一昨日の新聞は、経済企画庁の十月、十一月、十二月のGDPの伸びが大変なものだという一色でございました。かねてから私どもが懸念していた数字が明らかになったわけであります。十月から十二月期、GDPで〇・七%減ということで、この調子でいけば一九九七年度はマイナス成長になりかねないというような指摘が各新聞報道でもなされておりますが、この点について幾つかお尋ねをしておきたい、こんなふうに思います。 このGDPの伸び率をずっと確認しておりましたら、九二年度、平成四年度が〇・四、平成五年度が〇・五、平成六年度が〇・六、平成七年度が二・八、平成八年度が三・二、ここで大分元気が出てきたので増税もいいかという判断をされたのかもしれませんが、この平成七年度、八年度は、尾身長官、これは比較的景気がよかったという判断でよろしいのでしょうか。
○尾身国務大臣 私ども、平成七年度から八年度にかけまして回復基調にあるというふうに認識をしていたわけでございまして、昨年の春から以降はそういう状況にあったというふうに考えております。 ただ、消費税の引き上げに伴います、引き上げの前の駆け込み需要が、平成七年度の末、つまり昨年の一月—三月に相当予想以上に高かったということと、昨年の四月—六月にその反動減がまた予想以上に低く消費に響いてきたという状況がございました。 その後、七—九、第二・四半期あたりはやや回復基調に戻ったかなというふうに考えておりましたところ、秋口にかけまして、アジア経済の動向あるいは金融機関の幾つかの相次ぐ破綻などによりまして、金融システムに対する不安感あるいは経済の将来に対します不安感というものが出てまいりまして、十月以降それが非常に表面化をいたしました。 その不安感の点につきましては、金融システム安定化法案の提出、成立それから実施等によりましてやや気分的な面は改善されてきた。つまり、金融システムが崩壊するのではないかというような意味での不安感はなくなってきたと考えております。しかし、昨年の秋口以降、そのことが実体経済に影響を及ぼしてきておりまして、そういう意味で、実体経済がより厳しくなってきたというふうに理解をしているところでございます。
○上田(清)委員 ちょっと長官、八年度を七年度と言っておられましたので訂正させていただきますが、アジアの通貨危機は、どちらかといえば、十一月末から十二月にかけてというふうな判断をされるのが多いと思いますが、十月期から入れるのはいかがなものかというふうに私は思います。 それから、経済企画庁の判断の中で、回復基調あるという形の中で御判断をされていて、そして四月—六月期に大変な落ち込みがあった。これに対してどういうふうな判断をしなければならなかったかということに関して、いま一つ経済企画庁のリード役がなかったのではなかろうか、私はそう思っておりますが、現在振り返ってみて、長官、いかがでございますか。
○尾身国務大臣 実を申しますと、昨年の後半といいますか、十月、十一月、十二月ごろの状況で、アジアの問題が極めて深刻になってきたなということを、私ども、非常に重要に受けとめるようになりました。 それからまた同時に、十一月ごろの段階で、三洋証券とかあるいは山一証券、北拓等のいわゆる大手の金融関係の機関が相次いで破綻をしたことによりまして、そのことが非常に大きなマインドの下落になってきた、そういうふうに感じている次第でございまして、そのこと自体、そういうような金融機関の相次ぐ破綻というものは私どもの視野になかったところでもございまして、そういう点では、その点が非常に大きな経済へのマイナス効果を及ぼしたというふうに考えている次第でございます。
○上田(清)委員 長官、今振り返って、この四月—六月期の落ち込みを、後知恵ですので我々も後から何とでも言えますが、率直に、このときに相当な覚悟と決意が必要だったんじゃないかなというふうに思っておるんです。このことの認識が、やはり足りなかったのではなかろうか。 年率にあわせて、相当な落ち込みがあったというこの四月—六月期の数字をもって、何らかの形で大きく転換しなければならなかった。秋から冬にかけて、あるいは今年度の予算に関しても。そういう認識を、後知恵だと言ってしまえばそれまでですが、やはりそこの反省もないことには、これからきちっとした経済運営はできないのではなかろうか。 特に、今年度一・九の伸び率を企画されて、昨年末に〇・一%に変更されました。しかし、この状況下でいけば、場合によってはマイナス一・二ぐらいにでもなるかもしれない。これは本当に二十三年ぶり、第一次オイルショック以来だということになりますので、相当深刻なものになるというふうに考えざるを得ません。 その辺を踏まえて、いま一度、長官の御判断というんですか、今振り返ってみて、判断をどうすべきかということに関して、やはりきちっと反省なり総括なりしなければならないんじゃないかというふうに思いますので、承りたいと思います。
○尾身国務大臣 よく言われます消費税の影響云々ということでございますが、私ども、七月—九月には、四月—六月の消費税の駆け込み需要の反動減からやや立ち直ってきておりまして、私自身が九月十一日に就任をしたわけでございますが、そのころには立ち直ってくるかなというふうに実は考えておりました。そういう意味で、九月、十月ごろは緩やかな回復基調にある、そういう表現で月例経済報告等もしていたところでございまして、私は、その時点での経済の判断は、それでそうおかしなものではなかったと考えている次第でございます。 ただしかし、その十月の末から十一月、十二月にかけまして、先ほど申しましたアジア経済の問題、それから金融機関の相次ぐ破綻、これは、ある意味でいいますと、バブルの後の不良債権の処理が終わっていなかったということも大きな原因であると思いますが、そういうことが起こったことによりまして、株価の動向等、マインドが急速に悪化をした、そのことが実は実体経済に影響を及ぼしてきているというふうに考えている次第でございます。 十月—十二月の実質国内総生産がマイナス〇・二%、年率マイナス〇・七%ということになりました。実は、十一月、十二月ごろから急にいわゆるマインドが悪くなってきておりましたので、そういう状況になるかなということは、最近においては私ども、ある意味でいいますと予想していたところでございますが、しかし、結果としてそういうマイナスの数字が出たということを、私どもとしても大変重く受けとめているところでございます。
○上田(清)委員 少し総括的な意見を聞きました。 今長官言われましたように、九七年の一月から三月期がGDPの伸び率が二%、四月から六月がマイナス二・八で、年率換算でマイナス一〇・六。反動で少し回復したというふうな、まだ回復基調にあるというような認識に立たれた七月から九月期が〇・八%で、年率換算で三・二%。一月から三月までの二%も考えると、〇・八というのは、やはりそんなに揺り戻しがなかったというふうに判断すべきだったのではなかろうかということを、私自身は後知恵でございますけれども思いますし、長官の認識も少し一貫して秋口から甘かったんではなかろうか、こういうふうな認識を私は持っております。 これから、結果としてもう十月—十二月が出ましたし、いろいろな統計の仕方もございますが、最終的にはマイナス一%前後になりそうだということでございますので、これをしかと受けとめていただきまして、数字が出るまでなかなか正式なことを言われない、そしてお答えにならないのじゃなくて、もう出そうな数字を明らかに考慮しながら、積極的な経済政策運営に御努力をしていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。 もう大丈夫でございますので、どうぞお休みください、大蔵大臣。(松永国務大臣「私は所管大臣だから」と呼ぶ。)ああ、所管大臣だからだめなんですね。失礼しました。無知でございまして申しわけありません。気持ちの上でお休みください。 それでは、尾身長官、長官は余り御存じないかもしれませんが、経済企画庁の外郭というんでしょうか管轄団体でありますOECFのODA融資に関して、昨年来、私は問題にしておりまして、その資料を詳しく書いております。 会計検査院長にまずお尋ねしたいと思います。 昨年の二月六日の予算委員会で、調査してほしいという申し出の中で、昨年の暮れにきちっと調査をしていただきまして、不当事項の中で、海外経済協力基金の貸付金に関して非常に問題があったということをきっちり書いていただいておりますが、これは、この記述に関しては職責をかけて正当なものというふうに考えておられますか。
○疋田会計検査院長 お答えいたします。 会計検査院といたしましては、ただいま委員御指摘の養鰻事業に対する貸し付けにつきましては、海外経済協力基金から提出されました資料に基づきまして事実関係を確認いたしますとともに、説明を聴取するなどいたしまして、検査を実施いたしました。 その結果、本件貸し付けにおきまして、有効な債権保全措置をとらないまま貸し付けを実行いたしましたために、貸付金十億五千万円の回収が困難になっているという事態を不当と認定いたしまして、検査報告に不当事項として掲記したところでございます。
○上田(清)委員 ありがとうございます。 それで、私が問題にしているのは、OECFの総裁は、以前、決算委員会の答弁の中で、確かに、融資に関しては正しいものであったけれども手続においてミスがあったと。要するに、保証もとらずに貸し付けたので十億五千万の回収ができなくなったというふうな御答弁をされておられましたが、実はこの会計検査院の報告の中に、融資においても問題があったというふうに書いてあります。 要するに、私が指摘したように、一次から三次までの二十三億貸し付けた日盛産業という会社が左前になって、いわば保証能力がない状態であるから、中国との合弁企業をつくってそこに貸し付ける、そういう仕組みを立てたのではないかと私が質問したところ、そうではありません、その当時はそれなりに、立派な状態であったとは言いませんが、ちゃんと健全な状態であったし、それで貸し付けたのだというふうな言い方をされましたが、会計検査院の報告の中ではそういうことは書いてありません。お読みいたしましょうか。 A社では、本件借り受けに当たり、上記第一次から第三次までと同様に、A社が借り受けて現地企業に転貸することを考えたが、A社には既に国内に本邦銀行の支払い保証を受けるだけの担保余力がない状況であった。そこで、A社が資本金の六割を出資して本件貸付対象事業を行うため新たに日中合弁の養鰻業者を設立して、現地資産を担保に現地の銀行から支払い保証を受けることとして、養鰻業者が基金に対して貸付申請を行った。こういうふうに会計検査院は調査をしております。 私が先ほど言いましたように、院長の職責をかけてこういう案件をきちっと調査されたわけでありますが、総裁の答弁は、パイオニア事業であるとか先進的な事業であるとか、私に朗々と、決算委員会総括締めくくり、総理以下全閣僚がいらっしゃる中で、非常に有意義な事業であったと。なおかつ、融資には後でミスがあったけれども、貸し付けそのものには問題がなかったと言っておられますが、私が指摘したとおり会計検査院も言っているではありませんか、この日盛産業はもうその当時に力がなかったと。 こういう認識について、あなたは違う答弁をされておりますが、この点についていかがですか。
○西垣参考人 お答え申し上げます。 今、上田議員から、私の答弁と検査院の報告が食い違っておる、おまえはいいかげんな答弁をしておる、こういうお話がございましたが、私は、そうは考えておりません。今まで、上田議員に対しましては、ほかの委員会も含めて既に五回御答弁申し上げていると思いますが、私が承知していることにつきましては誠実にお答えしているつもりでおります。 それから、会計検査院に対しましては、これはもう当然のことでありますけれども、隠し立てなく御報告するように、御相談するようにという指示をしておりまして、私は、私の答弁と検査院の報告との間に食い違いがないというふうに考えております。
○上田(清)委員 言っているじゃないですか、ちゃんと議事録に書いてありますよ。 私が、日盛産業は極めて財務内容が悪化しつつある中で、そういう保証会社としてなり得なかったのではないかという疑念が私にはございますと言って、あなたは、日盛産業は現に事業をやっておりまして、私どもはそんな危険な状態であるというふうに思っていなかったと言っているじゃないですか。その後に、何と言っているのですか。パイオニア事業だ、地域農民の所得向上だ、雇用促進に役立っている、経済協力性が高い、朗々とあなたは述べたじゃないですか。中身が違うじゃないですか。何が、どこが一致しているのですか。
○西垣参考人 上田議員の御質問に対しまして、私は二つに分けて御説明したわけであります。 つまり、融資決定がいいかげんだったのではないか、そういう趣旨の御質問に対しまして私は、基金としては十分審査をいたしましたということで、経済協力性があること、それから、本件は第四件目の貸し出しでありますが、その前の三つの貸し出しも含めまして、日盛産業グループはそれなりの実績を上げてきている、私どもとしては、経済協力性があるだけではなくて、事業達成の見込みがあるというところをるる御説明したわけでございます。 それで、今、委員が言われましたのは、担保資産の問題だと思いますが、担保資産をとるか保証人をきちんともらうか、どちらでもよろしいわけでありまして、私どもとしては、信用のできる中国銀行の保証がとれるならば、これは貸し出してもよろしい、こういうふうに判断したわけでございます。当時、国内の担保資産があるかどうかということにつきましては、これは、私どもは、十分な担保資産があるとは考えておりませんでしたが、中国銀行の保証さえとれるならば担保としては十分だ、こういう判断をしたわけでございます。
○上田(清)委員 今の答弁は食い違っておりますので、これだと議事ができません。 答弁が食い違っていますよ。担保能力はあると言っていたじゃないですか。今は、担保力がそんなにあるとは思っていませんでしたけれどもと言っていますよ。違うんですよ。第一、一円だって届いていないじゃないか、現地に。
○西垣参考人 速記録をよく見たいと思いますが、私は、議員が言われたような趣旨のことは言っておりません。私どもとしては、中国銀行という信用力のある銀行が保証するならば、物的担保がなくても貸し出せる、こういう判断をしたわけでございます。
○上田(清)委員 答弁が食い違っております、基本的に。 それから、この時期に、現地企業法人の責任者から五月二十八日付で、現地に一円も入っていないという書簡が届いているはずなんです、OECFに。五月二十八日付ですから、六月の初めぐらいには最小限度着いているはずです。にもかかわらず、六月十七日の決算委員会総括締めくくりで、あなたは朗々とこういう話をしているのですよ。 もうその時点で、現地に一円も届いておらない十億五千万の融資がいかなるものであるかということは内部で検討されて、しかも、その六月に弁護士を引き連れて現地に行っているではありませんか、法的措置も含めて何らかの対処をしなければならないということで。それだけわかっていながらも、あなたは、決算委員会で朗々とこういうことを言っているではないですか。今、こういう問題になっております、大変この融資事業がいろいろな意味で疑問になってきておりますということを言わなくてはいけなかったのですよ。日時だって明らかですよ。そういうことができていないのですよ。 委員長、わずかな時間で終わりかかっていたところで恐縮なんですけれども、総裁として大変食い違いがある答弁をされておりまして、これでは私は納得できませんので、きちっともう一回答弁してもらいたいと思います。 もう一回聞きますよ。 あなたは、昨年の六月十七日、総理以下全員おられたのですよ、その中で、日盛産業は現に事業をやっておりまして、私どもはそんな危険な状態であるというふうには思っていなかったと言っていて、その後朗々と、これは正しい融資でありましたと言っているのですよ。もうそのときには既に現地の企業から、一円も入っておりませんよという書簡が届いているのですよ。そして、あなた方は内部で検討して、その六月の間に、何日かわかりませんけれども、弁護士を連れて、法的措置も考えなくてはいけないなという検討をされて、行っているのですよ。 だったら、なぜ六月十七日の決算委員会で朗々と述べるのですか。こういう問題点がもう出てきておりますというふうなことをなぜ言わなかったのですか。私は、二重にあなたは罪を犯しているというのですよ、国会の答弁において。
○西垣参考人 私が、融資決定はきちんと審査をした上で行いましたと申し上げましたのは、融資決定の時点の話でございます。 それから、今言われました届いていないという問題につきましては、これはまだ未確認でございまして、司法措置も含めまして私どもが検討中の案件であったわけでございます。既にそのときにはもう債権の回収の方にかかっているわけでございまして、融資決定がきちんとなされましたというのはその前の話でございまして、そこをごちゃごちゃに議論されると、私が申し上げましたのは融資決定の際には十分に審査をしたということであります。 その後、事業が何とか継続できないかということでいろいろ苦労したあげくに、やはりできないということで、その時点ではもう既に債権回収にかかっておりました。しかし、現地のことでわからないこともいろいろあったのは事実でございまして、それを解明するために努力をしてきたことも事実でございます。 ただ、そこのところは、相手の地方公共団体も含めました刑事事件にかかわる極めてデリケートな問題だったということもありまして、私どもはまだ申し上げる自信がなかったということでございます。
○上田(清)委員 総裁、私が十月に中国に行ってこのことを確認して初めてあなた方はこの問題を明らかにしてきたのじゃないですか。それまで当たり前にいっているような説明をしていたじゃないですか、ずっと一貫して。 第一、審査だっておかしいのですよ。審査だって、三千万円の土地の使用権が、あなた方のところで出された見積もりが四億六千万で出ているのですよ、そんなのだって現地に調査に行ったらわかることなんですよ、それをやっていないと私が指摘したじゃないですか。 それから、監理ミッションを十回出した。この十回出した中でも、あなた方は、養鰻池が九〇%完成していますなんという、他人の池を見てきてだまされてきているのじゃないですか。十回も行ってだまされるのか、私は一回行って見抜いてきたが。 そういうことばかりやっていて、今の答弁はないですよ。改めてこの問題は追及させてもらいます。 委員長、ありがとうございました。理事会で検討とさせていただきますので、よろしくお取り扱いをお願いしたいと思います。
○越智委員長 理事のお申し出に従って検討いたします。 これにて上田君の質疑は終了いたしました。 次に、生方幸夫君。
○生方委員 民友連の生方幸夫でございます。 私は、日銀と大蔵の不祥事について、最初に質問させていただきたいと思います。 日銀の前営業局の証券課長であった吉沢容疑者が逮捕をされました。いろいろな、我々が信じられないような事実が明らかになっていて、日本銀行という日本の中央銀行に対する不信というものがまさにきわまったという感じがございます。 私たちは、日々、日銀が発行しているお札を使っております。基本的には日銀の信用というもので私たちはお金を使っているわけです。そのお金を日々動かしている日銀の信頼というものがなくなっては、私たちも安心してお金を使っているわけにいかなくなっちゃうわけですね。私たちばかりではなく、海外からも日本の銀行に対する不信というのはきわまっているというふうに私は考えております。 金曜日の討議でも、日銀総裁にいろいろな角度から皆さん質問をされましたが、私、最初に伺いたいのですが、日銀が内部で調査を行っているこの吉沢元課長に対する調査内容はどういうものであったのか、総裁はそれをどのように把握していたのか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
○松下参考人 このたびの事件につきましては、私どももまことに申しわけないことであると痛感をいたしております。初めにおわびを申し上げます。 次に、御質問の、この私どもの行っております内部調査でございますけれども、私どもでは、これまでの日本銀行職員に関しますさまざまな報道も踏まえまして、まずもって職員と外部の方々との交際の実態を把握することが必要であるという考え方から、今度の事件が捜査段階に入ります前から内部調査を開始いたしていたところでございます。 この調査は、行内の役員及び管理職以上の職員全員を対象といたしまして、過去五年間におけるそれぞれの取引先金融機関との交際の実態を明らかにするということを目的としておりまして、このために、各人の自己申告をもとにしながら、職場職場の実情に即してきめの細かいヒアリング調査を行うという形で取り進めているところでございます。 現段階におきまして、対象者から一通りのヒアリングを終わりまして、これを踏まえて全体を見直して、その中でさらに詳細な調査を行っていくことが必要と認められるものを絞り込みまして、これについて今後さらに詳細な調査を行っていく考えでございます。その際には、必要に応じまして、内部の者だけでなくて、法律専門家などの第三者の力もかりて調査に当たりたいというふうに考えているところでございます。 このような調査をできるだけ速急に進めてまいることによりまして、全体の事態の解明を行い、それに立脚した、私どもの今後の信用回復につながるいろいろの措置について、ぜひともしっかりとしたものを考えてまいりたいと思っております。
○生方委員 総裁、私は、吉沢容疑者に対する調査はどうであったかと聞いたのであって、簡潔にお答えいただきたいです。今はいいですけれども、ほかのことはいいですから、これからの質問も、ほかのことはいいですから、私が聞いたことだけ答えてください。 吉沢容疑者というのはもともと、その名前も私たちが知っているぐらい、内部では疑惑があるというふうに言われた人物です。その人物に対する調査を、逮捕前の時点であなたはどのぐらいその内容について知っていたのか、それをお伺いしているわけです。
○松下参考人 本人に対します調査を行っておりました。その調査につきましては、ただ、私どもとしまして、これがその他のいろいろの違法行為につながっていくという点までは把握をし切れていなかったところでございます。
○生方委員 そんな調査じゃ、これからの調査も内容はそんなものだというふうになっちゃいますよ。聞いているのでしょう、話を。きちんとヒアリングをして。 この人たちはもう、吉沢さんとかその他の人たち、私たちはもう事前に一週間ぐらい前から、逮捕されるであろうというふうに、外部の我々ですら知っていたわけですよ。内部のあなたたちが、逮捕される前に自分たちで調査して処分するぐらいのことをしなければ、そんな司直の手が及ぶまで待っていることなく、自分たちで処分できるということもあり得るわけでしょう。 だから、あなたがどういうふうな調査を聞いていて、あなたはこれなら大丈夫というふうに思ったのですか、この時点は、これじゃ逮捕されることもないだろうというふうに思ったのですか。それとも、これは大変だからその前にもうちゃんと処分しなければいけないというふうに思ったのか。どちらですか。
○松下参考人 この本人につきまして、外部との交際の回数が非常に頻繁であるという事情は聞いておりました。 ただ、この関係につきましては、さらに職務上のつながりとどういうふうに関連していくかという点等におきましては、例えば相手方の話も伺わなければこの詳細のところは把握できないことでございます。それらのやり方をどういうふうに行うかということを検討いたしております段階で、事案が刑事捜査の段階に入りましたので、それ以後は刑事捜査の方が優先でございますから、私どもの内容としましては、今捜査の進展を見守っている段階でございます。
○生方委員 この吉沢さんに対しては、だれがヒアリングを行ったのですか。
○松下参考人 直属の上司である営業局長でございます。
○生方委員 営業局長その人が、都銀十行の資金担当部長でつくっている懇親会である三明会というところから、飲食やゴルフなど多額の接待を受けたというふうに報じられているのですよ。接待を受けている局長が接待を受けている部下を調査する、そんなばかな話がありますか。自分でも接待を受けている人間が、おまえ接待受けているだろうなんて言えないでしょう。そうじゃないですか、一般的、常識的に考えて。
○松下参考人 職場職場でヒアリングを行っておりますのは、私どもの業務の内容がそれぞれに違いますために、関係の取引先との接触の仕方等も違ってまいりますので、それを判断するためでございます。 ただ、その職場の上司は、調査を行う立場でございますけれども、これも調査対象者でありますので、これに対しましては、また担当の、例えば人事部局の者等がいろいろの交際の内容につきましては調査を行うところでございます。
○生方委員 じゃ、この営業局長に対するヒアリングはだれがやって、この新聞で報じられたような事実について、どのように日銀側は把握しているんですか。
○松下参考人 担当の理事がこの関係は調査をいたしておりますが、ただ、私どもも、最初に申し上げましたように、全体の調査の中からさらに詳細な調査を必要とするということでございますので、まだ私自身も個別の者のそれぞれの具体的な調査内容については把握をいたしておりません。
○生方委員 新聞に出ているんですよ。新聞にあれだけ大きく出て、個別のことは知らないというわけはないでしょう。一般、全部を調べろと言っているんじゃない。新聞に出ているこの事例について、どのようなヒアリングがあってどうだった、そんなことも知らないで、調査していますなんて言えないでしょう。 現時点でどういう報告を受けているんですか、この新聞について。新聞が報道されたら当然総裁のところにも、こういう新聞報道がありましたと報告が来ますよね。そうしたら聞くでしょう、これはどういう内容なんだと。どういう報告を受けているんですか。それだけでいいですからね。
○松下参考人 個別の事案でございますので、新聞に出ておりますけれども、私のところでは、まだその内容を聞いて対策を考えるというところまで進んでおりませんでした。
○生方委員 こんな重大な問題ですよ。日銀の信用にかかわる問題で、何でそんなのんびりしていられるんですか。じゃ、聞いていないんですか、本当に内容について。全く把握していないのか、聞いているのか、どっちですか。
○松下参考人 まだ、局長クラスの調査、ヒアリングにつきましては整理が終わっておりませんために、私のところまで報告が上がってきてはおりませんでした。
○生方委員 これは日銀の信用にかかわることですから、あなたも国会で行ったり来たりして忙しいでしょうけれども、じゃ、あなた自身の責任で、きょうの夜にでも聞くとここで約束してくださいよ。呼んで十分もあれば済む話でしょう、新聞に出ているこの事実について事実なのかどうなのか。どうですか、あしたまで。あしたまたここでだれかが質問するときに、それをお答えすることができますか。どうですか。
○松下参考人 これはやはり全体を……(生方委員「やはりじゃなくて、今言っていることに対してだけ答えてください。きょうの夜聞くつもりがあるのかどうかだけ」と呼ぶ)
○越智委員長 答弁中はお静かに願います。
○松下参考人 本人の話を聞くということは可能でございますけれども、ただ、私どもとしましては、こういう種類の調査でございますから、必要がございますと例えば相手先に確かめるとかいろいろのことを措置をとりませんと、やはりこれは本人自身の信用その他にかかわりますので、そういう手順を踏んでまいりたいと思っております。
○生方委員 本人自身の名誉にかかわることだから、早く聞いた方がいいと言うんですよ。こういう報道はひとり歩きしちゃうんですよ。私たち見て、ああ、こうだったのかと。反論がなければ、これは事実だったんだなと思うんですよ。本人の名誉のためにも、きょうの夜聞いてあげて、あした、聞いたけれどもこうだったと。新聞の報道が例えば間違えていたら間違えていたということを報告するということが、事は日銀の信用なんですよ。 一般の銀行であればいいということはないですけれども、一般の銀行ならともかく、日本銀行という日本の中央銀行の中でこういう疑惑が起こるということ自体が恥ずかしくて、それが課長でとどまるんじゃなくて局長にも、局長もこのようなざぶんだ、どぼんだでやっていたということで、日本の信用全体が今問われているときでありますから、私は調査をきちっとしろと言っているんですよ。 何も私は個人的にこの局長さんとか課長さんがどうということじゃないんですよ。これは日銀の体質に根差したものであるということで私聞いているんですから、その辺はなるべく早く調査をしていただきたいというふうに考えております。 これは営業局長だけじゃなくて、また新聞の報道で申しわけないんですけれども、営業局の審議役、この方も過去五年間に日本興業銀行から百五十万円を超える接待を受けていた。これに三和銀行などの銀行を加えると、総額は三百万円を上回るというふうに言われていると報道されているんですが、この審議役の件については、総裁はどのように把握されていますか。
○松下参考人 さきに申し上げましたように、第一次のヒアリングの結果でさらに調査を要するというものにつきましては、これから直ちにより深い調査を行ってまいりますが、その際には、内部の職員だけでなくて外部の法律専門家、例えば適当な弁護士さんのお力をかりまして、きちんとした調査を行ってまいりたいと思います。できるだけ早く行うようにいたします。
○生方委員 このほかでも、金融課長の疑惑というのも報じられていますし、考査担当の検査官が接待漬けだったというようなことも報道されているわけですね。だから、まさに組織ぐるみというか、日銀の体質としてこういうことが行われていた。 要するに、情報を収集するために相手方と会う必要があるというふうにたびたび言っていますね、ここで。情報を収集する。私たちも情報を収集しています。ここだって一種の情報収集の場でありますけれども、ここはお酒出ていないですよ。お酒とか食べ物がないと情報が収集できない体質になっているんですか。いかがですか。
○松下参考人 その点につきましては、私どもも従来きちっとした対処方針というものを具体的に示してこなかった点につきまして、これを改める必要があると思いまして、今回、日本銀行員の心得という形で、それらの外部との会食等につきましてきちんとした方針を決め、例えば無償の会食等には応じないというようなことをやってまいります。
○生方委員 あなたは一九七九年に大蔵省の官房長として、鉄建公団の例の官官接待、そのときの綱紀総点検委員長として報告を出していますね。このとき国民から大きな批判がございましたよね、官官接待と。あなたは捜査を、捜査というか、その接待問題で綱紀総点検委員会の委員長をして、その結果としてあなたは、ほとんどが社会常識の範囲内で法律違反などもないという報告を出しているんですよ。 あなた自身が、そうしたものが社会常識であるという認識を持っていた。それが銀行に行って、日銀に行った。そういう方がトップにいたから、この課長とか営業局長が出るんじゃないですか。まさに今回の日銀の不祥事というのは、あなたの身から出たさびなんじゃないですか。あなたにとっての、ここで言う、ほとんどが社会常識の範囲内。社会常識というのは一体何ですか。
○松下参考人 当時の問題となりましたいわゆる官官接待の実情を調査いたしたのでございますけれども、その当時は、会食が非常に多数にわたったということでございましたけれども、大体の内容は、予算折衝、予算の説明等を通じまして、その間に、昼食とか夕食とかというものを相手方の負担で食事をしていたということがほとんどでございました。そういうことから、当時の、個別に見ますというと非常に華美にわたるとか過度に大きいというようなものではございませんでしたけれども、ただ、いかにもそれは回数も多いし、大変ルーズなことであるということで、これを厳に禁止しますと同時に、その際問題になりましたのは、そのための食糧費を拠出いたしますために、一部の省庁、政府関係機関におきまして、架空経費の計上が行われた点が大きな問題であったわけでございます。 それらの点につきましては、私どもは厳に是正をさせまして、その以後、そのような架空経費による接待というようなことはなくなったものと私も思っております。
○生方委員 一九七九年の時点ですからね。あなたが日銀に行ったときに、大蔵省でもこんなことがあった、厳に慎むべきだぐらいのことを最初に言ってもいいんじゃないですか。あなただって、日銀に行って職員のあれを見れば、日常どんなことをやっているのかぐらいは把握できるでしょう。それを見て、何ら注意をしてこなかった。 あなたは責任をとってやめればいいかもしれませんけれども、これまでの、あなたがこういうふうにやってきてつくってきたいわば伝統ですね、それについて何で注意ができなかったのかということを自分自身で反省していただかないと、次に日銀総裁になった方が何年かたったときに、またこういう問題が起きてきてしまうと思うのですよ。 あなたが日銀総裁になってから、大蔵省で自分が綱紀総点検委員会として出した報告を踏まえて、どんな注意を払うように、注意をしてきたのかあるいはしてこなかったのか、この次の日銀総裁になる方にどんな注意をするべきかということをここでちょっと述べていただけますか。
○松下参考人 私も就任以来、各行員に対していろいろ話をいたします機会には、中央銀行の職員としての節度を決して忘れないようにという点は必ずつけ加えて話をしてまいったつもりでございます。ただ、こうやって現実いろいろの事案が表に出ますというと、やはりその点は私の至らざるところもございましたし、また問題が私の気づかないところでいろいろとあったことも気がついている次第でございます。 ただ、今後につきましては、日銀自体が、この刑事問題が起こります前に、先ほど申し述べました日本銀行員の心得という形におきまして、内部で具体的に浄化作用を徹底するようなルールをつくって、これの実行にもう移っているという点がございますので、この点を今後厳に実行の手綱を緩めないように、今回の事件を教訓としまして今後の日銀全体の信用回復を図ってまいることが大事だと思っております。
○生方委員 今まで新聞に出たこの営業局長、それから審議役、それから金融課長、それから考査担当の検査官という人たちに対するヒアリングというのをいつまでにやって、その結果を、少なくとも予算委員会が開かれている今週中にでも出していただきたいというふうに思います。これは相手があることですからすぐにどうのこうのということではないでしょうけれども、今総裁のお考えで、例えば三、四日中に全力でやるというようなお答えをいただければ大変ありがたいのですが、いかがですか。
○松下参考人 ただいま御指摘がありましたようなものに関連をいたしまして、今の、第二次の調査を開始いたします。それにはもう外部の弁護士さんも協力を仰ぎまして、厳正にやってまいります。それでございますので、数日間でこれをやり上げるという自信はございませんけれども、ただ、私としましては、問題の重要性は非常に強く痛感をしているところでございますから、できるだけ速やかにこの調査を終えてまいりたいというふうに強く考えております。
○生方委員 総裁がおやめになる前にぜひともこれをきちんと明らかにし、もちろん個人のプライバシーの問題もございますが、公開できるものはできるだけ公開して、二度とこのようなことがないようにというふうに、飛ぶ鳥跡を濁さないようにしていただきたい。これだけでもう結構でございますから。 次に、大蔵大臣にお伺いしたいと思います。 これは叙勲に絡んで、疑惑というのですか、出ているのがございますので、その点についてお伺いしたいんですが、三和銀行の川勝堅二元会長が勲一等を受けております。今まで銀行の頭取、これは大蔵事務次官出身者以外ですね、全銀協の会長をしている方以外で勲一等を受けた方はいらっしゃらないわけですが、この川勝さんも全銀協の会長はしていないんですが、この方が勲一等を受けたことは、これは通常だというふうにお考えになっていますか。
○武藤政府委員 叙勲につきましては、御承知のとおり、担当省庁におきまして申請をいたしまして、賞勲局のもとで最終的には厳正なる審査の上で決定されるわけでございまして、私どもは、そういうときの基準がどんなものであるか、それは賞勲局の御判断であるというふうに考えております。 金融機関におきましても、いろいろな前例がございますけれども、今御指摘のあった方々についても従来と同様にこの手続の中で厳正な御判断があったものというふうに承知しております。
○生方委員 同じ時期に日興証券の梅村正司元会長が勲一等を受けております。これは、九一年の証券スキャンダルが起こったときに会長を務めていた方ですね。スキャンダルが起きて国民の批判が非常に高まっていたときに、日興証券の会長を務めていたこの方が勲一等を受けるということについても、これも普通のことでございますか。
○武藤政府委員 今の御質問は突然のことでありますので、私どもとしてそれが通常であるかどうかというようなことについての判断をする立場にはないものと理解いたします。あくまでも、先ほど申し上げましたとおり、賞勲局におきまして最終的には御判断いただいたものというふうに考えております。
○生方委員 叙勲については、大蔵省の官房課長が総理府の賞勲局に叙勲候補者というのを推挙するというのが普通になっているそうでございます。この官房課長が、官房課長時代に、今私が指摘いたしました三和銀行や日興証券から多額の接待を受けていたというふうに報じられています。確かに、官房課長が推挙するということであればここに職務権限というのが発生するのではないか。それで、その当事者である三和銀行やあるいは日興証券から接待を受けていた、これが事実であるとすれば大変大きな問題だと思うのですが、大蔵大臣、いかがお考えになりますか。
○松永国務大臣 先ほど官房長がお答えを申し上げましたように、叙勲というのは総理府の賞勲局で非常に厳正な審査の上決められるものだというふうに私は理解しておりますし、そう信じて今日まで来ました。したがって、そういう厳正な審査の結果でございますから、その結果についてあれこれ言うのは私は余りいいことではない。賞勲局の審査をあくまでも尊重していくという姿勢で私はおるわけでありまして、したがって、先ほどのように例があるとかないとかということについては私はコメントは差し控えさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。
○生方委員 この連日報道されている官房幹部については、住専処理のスキームづくりを担当した、それに関連してかどうかわかりませんが、都銀や長信銀から接待を受けていたというふうに報じられています。その総額は一千万前後にも達するというふうに、非常に大きい額だというふうに言われておるのですが、大蔵省もさっき、日銀と同様に内部調査をしているということですが、この審議官についてどのような調査をなさって、どういう結果が出ておるのですか。
○武藤政府委員 ただいま御指摘になりましたような報道があることは私どもとしても十分承知しております。現在、内部調査を行っておるわけでございますけれども、この報道されたことにつきましても念頭に置いて調査を進めておるわけでございます。現在そういう意味では調査中ということでございますが、調査の結果問題があるということであれば厳正に対処したいと考えております。
○生方委員 これは、大蔵大臣はこの調査の内容について何か報告は受けておりますか。
○松永国務大臣 しばしばお答え申し上げておりますように、過去にさかのぼって金融関連部局に在職した者が実は調査の対象でございますが、いろいろ調べてみますというと、本省の総務課長以上の人は、ほとんど全部と言っていいぐらい金融関連部局に在職した人に実はなることがわかりました。そこで、いわゆる幹部と言われる者については全部調査してみよう、調査の対象にしようという方向で現在調査を進めているところでございます。 そして、しばしば御指摘も受けておるわけでありますが、急ぐべし、もっと急いでくれということを私は事務方に強く指示しておるわけでございます。
○生方委員 非常にこの方は大物だというふうに言われておりますので、そういう方にすら疑惑が及んでいるということですから、もし報道が行き過ぎているような部分があるのであれば、それはそれで早目にやはり、ここの部分は行き過ぎている、ここは違っているというようなことを言わないと。 日銀も大蔵も、報道がひとり歩きしてしまう部分があって、私も全部が全部必ずしも本当だというふうには思っておりませんが、ただ、もし本当でないのであれば、すかさずこれは事実でないと新聞社に対して抗議するとかということがなければ、一般の国民の人たちは、またあれもかということで疑惑がどんどん膨らんでいって、また、国民の方だけじゃなくて海外からも、大蔵省も日銀もこんなことをやっていたのではということで、せっかく今予算を審議していて景気対策を立てようというときに、まさに景気に水を差してしまうことになると私は思うのですよ。 我々が一生懸命ここで論議していても、スキャンダルが出るたびに株価はまた下がってしまうというようなことになってしまうのではないかというので、私は一日も早い調査とその報告というのを望みます。 次の質問に移りたいのですが、株価の問題です。 政府・自民党が、株価を維持するために、郵便貯金や簡易保険などの公的資金一兆三千億円を株式市場に投入して株価を買い支えるという、いわゆるPKOということが報じられておりますが、これは事実なんでしょうか。
○松永国務大臣 自民党の中でそういう論議がなされているということは私も報道で承知いたしておりますが、私の方に正式に、こうしたいからということの連絡はまだ来ておりません。 簡保資金を活用しての話のようでありますが、これはいわゆる指定単という仕組みを使ってのことだろうというふうに推測できるわけでありますが、いずれにせよ主体的に決めていただくのは実は郵政省であるわけでありまして、郵政省の方で指定単の活用額をふやすとかなんとかということがまず決められるのでしょう。そうしたならば私どもの方にも協議があるという仕組みになっておりますけれども、まだ郵政省の方で決められたという話も聞きませんし、協議の申し入れもありません。 したがいまして、この段階で私の方からコメントすることは適切でない、こう思っておるわけでございます。
○生方委員 株式市場というのは本来自由ですよね。開かれたものであって、自由なところ。そこへ、株価を維持しなければいけないという至上命題があったとしても、政府が株式市場に介入して株価を維持するということが、市場をゆがめる危険が非常にあると私は思うのです。 一般論で結構ですけれども、大蔵大臣、政府が株式市場に手を出すというのですか、資金を導入して株価を維持するということが、市場をゆがめることになると思いますか、そうではなくて、やはり株価を維持するためにはそれはやむを得ない措置だというふうにお考えになりますか、どちらでございましょうか。一般論で結構ですから。
○松永国務大臣 一般論としては、簡保資金等の運用は、安全であるということ、それから有利であるということ、こういった原則に基づいて運用さるべきものだ、こう思っておるわけでありまして、その観点から郵政省の方でまずは決められるべきものだ、こういうふうに思っております。
○生方委員 証券会社の人に聞きますと、三月末までPKOが行われるから株価は維持できるだろう、しかし、その後は必ず下がるんじゃないかというふうに証券会社の方は言っているわけですね。そうなりますと、簡易保険も郵便貯金も国民の皆様方からお預かりした大事なお金なわけで、一生懸命投入しても、その後株価がどんと下がれば、いわば国民の皆様方に損をさせてしまうことにもなるわけですね。これを、PKOで一兆三千億円入れて、株価が仮に四月になって下がって国民の皆様方に損をさせたということになったとしたら、この責任は一体だれにあるということになるのですか。
○松永国務大臣 株価というのはいろいろな要素に基づいて市場で決まるものだと思うのでありまして、私の方から株価そのものについての発言は控えさせていただきますが、いずれにせよ、先ほども申し上げましたように、簡保資金あるいは郵貯資金でも同じと思いますけれども、まずは国民の預けたものでありますから、したがって、その資金の運用というものは、安全で確実で有利だという原則に基づいて郵政省が中心になってその運用方法を決められるものだ。 仕組みにつきましては指定単という仕組みでなされるものだと思うのでありまして、大蔵省の方では、それをうんとふやすような場合に協議の申し込みがあるそうでありますから、そのときに協議に応ずるという、そういう関係でございます。 したがって、まずは郵政省の方で、先ほど申し上げました、安全で確実で有利だというその原則から判断さるべきものだというふうに思っております。
○生方委員 厚生大臣にはダイオキシンの問題でお越しいただいていて、申しわけないのですけれども、今の問題についてお伺いしたいのですが、簡易保険とか郵便貯金のお金を株価を維持するために政府が投入するということについて、厚生大臣としてのお考えをお伺いしたいのですが。失礼しました、厚生大臣ではなくて小泉さん、政治家としての御意見をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 政府が株価操作の疑いを持たれるようなことは、やめた方がいいと思います。
○生方委員 私も小泉大臣と同じような意見でございます。自由である株式市場にPKOを、しかも公然とやるんだと、その額まで言って維持した相場であるとすれば必ずこれは崩れますので、今の大蔵大臣だと、崩れた後の反動の責任を郵政大臣がとるのだかだれがとるのだか知りませんが、そういう責任もはっきりしないようなお金を投入されるということはぜひしないように私は要望をしておきます。 次に、予算のことでお伺いしたいと思います。 もうこの場でも何度も論議されておりますが、何度論議されても納得できないので確認をしたいのですが、政府は財政再建路線を堅持するというふうに、ずっと大蔵大臣も橋本総理も言い続けているわけです。ところが、ここを一歩外へ出ますと、自民党首脳を初め国民のだれもが、もう既に政策転換が行われ、景気対策路線に移っていき、予算成立後に大型の補正予算が組まれるというふうに考えているわけですね。 今の段階になってもまだ大蔵大臣は、路線転換というのは行われていないというふうにここで断言できるわけですか。いや、財政再建路線からの転換というのが行われていないというふうに断言できますか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 まず第一に、私の立場は、予算は法律に基づいて、また法律の規定に従って編成作業をし、そして閣議の決定をして予算を提出させていただいておるわけでございます。しかも、あと十五、六日しますというと新年度になります。その新年度から新年度の予算が着実に実行できるようにしていくことが、景気を考えた場合でも大事なことだというふうに思っております。 なお、我が党の中でいろんな議論がなされておるということは報道等で私の耳にも入っておりますけれども、そのことに基づいて私の方に党の方から何も言ってきておりません。したがいまして、今の段階では、先ほど申したとおり、新年度から切れ目なく新年度の予算が実行できるようにさせていただきたいというふうにお願い申し上げるのが現在ただいまの私の立場でございます。
○生方委員 日本の景気がなかなか回復しないというのは、政府に対する信頼というものが海外から薄れているということも私はあるんじゃないかと思うんですよ。やはり、片方で政府の方たちが財政再建路線を堅持すると言いながら、片方で大型の補正予算が既に既成事実化しちゃっている。こういう、片方で違うこと、片方で違うことをやっているということ自体が政府に対する信用をなくしていることだと私は思うんですよ。 これは、財政再建路線を放棄したということであればすぐ政治責任ということには私はつながらないと思うんですよ。財政法二十九条だって、いろいろな事情によって補正予算を組んでいいということは言っているわけですから。 確かに、去年の暮れからことしにかけて大きく状況は変わっているんですよ。それはもうもちろん四月からのずっと変わっている中で、さらにアジアの問題があり、金融危機の問題がありという形で変わっているわけですからね。当然、補正予算を組んでいいのなら組んでいいわけですよ。それをやはりしっかりと政府が言って、国の内外にそれを示すことが日本政府に対する信頼を取り戻すことになって、それが私は景気対策にもなると思うんですね。それを、ここでは財政再建を維持するんだと言いながら、そのすぐ後で補正予算を組むんだというようなことになってしまえば、予算そのものに対する信頼性というものが私はなくなってしまうと思うんですよ。 だから私は、さっき上田議員も言いましたように、補正予算を組んででも景気対策をしなければいけないというふうには考えておりますが、でも、現実に今私たちはここで本年度予算案を論じているわけで、その予算が最善であるというふうに再三にわたって橋本総理は述べられているわけで、もし仮に、この予算が成立した後すぐに、四月とか五月という段階で大型の補正予算を組むというようなことになれば、私は当然政治責任が発生する、それは当然松永大蔵大臣の政治責任も発生すると思いますが、これから四月か五月にかけて特段の大きな経済変動というのがない場合に補正予算を組む、出すとしたら、その責任はあるというふうにお考えになりますか。
○松永国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、補正予算云々という話は、我が党の中でいろいろ発言する人がいるということは私の耳には入っておりますけれども、党の方から私の方にそのことについての話はまだありません。 私の立場は、先ほど申したとおり、間もなく新年度に入ります。新年度に入って新年度の予算が執行できないという状況、これが一番当面の景気には悪い影響になる。したがって、新年度の予算を新年度になってから直ちに実行できるような状態にしていただきたいというのが私の立場でございます。 なお、一般論でございますが、補正予算云々という話が正式に出てきた場合には、当然のことながら、財政法二十九条の趣旨を厳正に適用、判断をして、そして適正な対応をするというのが、これが大蔵大臣のとるべき仕事だろう、こういうふうに思っております。
○生方委員 繰り返しになって申しわけないんですけれども、補正予算が今既に、もう株式市場にも何ももう既に盛り込まれちゃっているわけですね。だから、本当は何かこれから後で新しい事態が起こらない限り四月か五月に補正予算を組むことは本来できないわけですよ、何か特段の事態が起こらない限り。だけれども、それが既成事実化されているということであれば、四月か五月に補正予算を組んだ場合の責任、逆に言えば今度は組まなかった場合の責任というのも出てきちゃうような感じもするんですけれども、組んだ場合の責任というのはきちんと私はやはり明らかにするべきだと思うので、重ねてお伺いしたいんですが、どういう条件があったら補正予算を組む、どういう条件もなければ補正予算は組まない、これを明らかにしていただきたいんですが。
○松永国務大臣 仮定のお話でありますし、私は一般論としてしかお答えできないわけでありますけれども、財政法二十九条の規定、その精神、これをきちっと踏まえて対処していくというのが大蔵大臣の務めであろう、こういうふうに思っております。
○生方委員 私は、やはり政府と自民党は一体でございますから、それは、違ったことをどんどん報道されれば政府の政策に対する信頼というものがなくなってしまうわけですから、ぜひともその辺の一致というものをきちんとするように、すり合わせていただきたいというふうにお願いを申し上げます。 それでは、次の問題に移りたいと思います。 ダイオキシンの問題に移っていきたいと思います。 小泉厚生大臣は、昨年、所沢に出かけられて、ごみの焼却場を視察したというふうに報道されておりました。そのときの目的は何で、どのような感想をお持ちになったのか、まずお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 当時、廃棄物が非常に乱雑に処理されているということが指摘されておりまして、その主要な地域である埼玉県の所沢市、住民の方々が大きな不安を感じている。厚生省としても実際現地を見て、どのような状況か確認しておいた方がいいということで、私は視察に伺いました。 実際に、かなり一地域に廃棄物処理場が集中しておりまして、住民が不安に感ずるのも当然だな、この不安を何とか解消するよう努力しなきゃいけないということを痛感いたしまして、去年の八月末には廃棄物処理法に基づく政省令を改正いたしまして、ダイオキシンに関する規制の強化を図るとともに、十年度予算案の中でもダイオキシン類の総合的対策のための予算を充実させたところであります。
○生方委員 日本の大気中のダイオキシンの濃度は、世界の先進国に比べて極めて高いというふうに言われております。私もいろいろ調べたんですけれども、調査の内容というんですか、調査が非常に希薄に行われていて、これで本当にいいのかどうか私もわからないんですが、日本の大気中のダイオキシン濃度、一・〇二ピコグラム。これは、ドイツの〇・一二、オランダの〇・〇八、アメリカの〇・〇九より、これだけ、数字だけ見ても十倍以上ある。 このダイオキシンが非常に多いのは、世界の焼却炉のうちの実に七〇%以上が日本に集中しているという、ごみをすべて、すべてというか、ごみを焼却してしまうという日本の焼却炉に問題があるのではないかというふうに指摘されているわけですが、この大気中のダイオキシン濃度が高いのか低いのか、どの程度把握をされておるんでしょうか。
○大木国務大臣 具体的な数字がもし必要でございましたら後で政府委員からも御説明いたしますが、今数字を挙げられました。必ずしも私は日本が極端に低い数字だけを基準にしておると思いませんので、後でその辺は説明させますけれども、ただ、調査が非常に地点が少ないとか、その点は確かにそういう感じを持っております。 ということですから、九年度と十年度を比べますと、環境庁の方でも地点を倍増いたします。それからまた地方公共団体、特に都道府県につきましては、多少補助も考えながら、ひとつその地点を、たしか九年度は二百地点ぐらいで調査していただいていると思いますが、これも四百ぐらいに増加したいということでございますから、調査の方はできるだけ、限られた予算ではありますけれども、その中でできるだけこれから促進をしたいと思っております。
○生方委員 大気中のダイオキシン濃度だけじゃなくて、一日に摂取しているダイオキシンの量も非常に多いと言われていて、新聞等でよく言われている、大阪のお母さんの母乳に含まれるダイオキシンの量が非常に、世界一高いというようなことも指摘されております。また、体重一キログラム当たりの量でいいますと二十五・五ピコグラムで、欧米人の二・五倍から二百二十五倍だというふうにも言われております。ダイオキシンは、魚等を通ってその脂肪やたんぱく質に蓄積されたのを人間が食べて、人間の体内に蓄積されるというふうに言われております。 この一日に摂取しているダイオキシンの量というのは、どのように調査されておるんですか。
○小野(昭)政府委員 ダイオキシンの摂取量の調査方法についての御質問でございますが、これは一般的に、例えば魚介類あるいは肉類、野菜類、あるいは水、大気等に、多少幅がございますので平均的に含まれております量というものを勘案いたしまして、例えば厚生省が行っております栄養調査というのがございますが、それによりまして、どういう種類の食品をどの程度摂取しているか、あるいは一日当たりの水の摂取量はどの程度か、一日当たりどの程度の大気を吸っているかというふうな量を勘案いたしまして、一日当たりの摂取量を推測しているところでございます。
○生方委員 これは何地点で、どれぐらい調査をなさっておるんですか。
○小野(昭)政府委員 食品について申し上げますと、平成四年度よりダイオキシン類によります汚染実態調査を実施、拡充してきたところでございまして、平成九年度におきましては、調査地域を、それまでは重点的な地域でやっておりましたけれども、全国に調査地域を広げまして、およそ二百三十の検体につきまして調査を進めているところでございます。 それから、先ほど御指摘のございました母乳につきましても、平成六年度より調査を実施いたしたところでございますが、平成九年度におきましては、問題の重要性にかんがみまして、母乳の調査内容も拡充をいたしました。さらに、血液等の人体のサンプルを用いました汚染実態に関する調査研究にも着手をしたところでございます。 平成十年度におきましては、これらをさらに拡充したいと考えておりますし、環境庁等関係省庁と連携をとりながら調査を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○生方委員 ダイオキシンというふうに言うと、なかなか、実際の被害が出ているわけではないということで、国民の方たちも漠然とした不安を持っておられる。 それから、ダイオキシンを含むいわゆる環境ホルモンというのが非常にふえていて、これは報道で私どもも知っているだけなんですけれども、精子の数が非常に減ってしまうとか、雌の雄化が起こるとか、非常に人類の生存そのものを脅かすような不気味な結果というのが出ているわけですね。 これは厚生大臣と環境庁長官両方にお伺いしたいんですが、事が露見して何か被害が出てきたときはもうとてもじゃないけれども対応できないような、何かそういう不気味さを感じるんですが、環境庁長官の方から最初に、環境ホルモンとかダイオキシンということについて、どのように政府が認識なさって、これからどのような対策をお立てになろうとしているのか、お伺いしたいんですが。
○大木国務大臣 環境ホルモンにつきましては、いろいろと、ある意味では非常にショッキングな話というとちょっと失礼ですけれども、いろいろな情報が出ております。ただ、なかなかこれは科学的あるいは医学的にどういうことだという解明がなされておりません。 うちの方でも、国立環境研究所の方で、既に平成二年から五年ほどかけましていろいろ調査はいたしましたが、残念ながらまだこうだと言い切れないわけでございますので、引き続き調査は進めておるということでございます。 今まで、必ずしも環境ホルモンというようなところに、完全にそこだけに焦点を当ててというような調査はなかなかできないものでありますから、予算も必ずしもそこに焦点が当たっていない気味がございましたけれども、今年度、五千三百万円でしたか、そういったいわゆる内分泌物に対する影響ということで、環境ホルモンに焦点を当てた予算も多少とりましたし、引き続き研究所では勉強を進めてまいりたいと思っております。 それから、物によりましては外国の方がむしろ進んでおるというようなところもございますから、そういうところとも協調して研究を進めたい。 ただ、今それじゃ具体的にどう対策をするかということになりますと、実態がよくわからぬものですから、残念ながら、今のところ環境行政としてこういうことをするというところまでは行っておりませんけれども、逐次、いろいろな研究の得られた知見というものは、できるだけ広くまたひとつ国民の皆様方にもお知らせしたいというふうに考えております。
○小泉国務大臣 環境ホルモンというのがどういうものなのか、確実にわかっているというよりも、むしろまだわからない部分が多いものですが、しかしながら、既にそういう物質が魚介類を初め人体に大きな影響を及ぼすんじゃないかということでありますので、平成十年度において、厚生科学研究ということで、厚生省としてもその実態の解明、調査研究を進めていきたいと思っております。
○生方委員 自然流産発生率の変化について調査をしたことがございますか。
○小野(昭)政府委員 いわゆる御指摘の流産とか死産といった、流産はちょっとなかなか、非常に早い時期の流産というのは把握できませんので、死産等につきましては、厚生省におきまして人口動態統計という統計がございまして、これによりまして刻々その状況を把握し、年報にして公表しております。 それから、委員、ダイオキシンのことをちょっと視野に置いて御質問されたのかもしれませんが、埼玉県を中心にいたしまして、非常にそういう問題があるんではないかという御指摘があることは承知をいたしております。この問題につきましては国会でも御議論がされたところでございまして、現在、埼玉県にお願いをいたしましてそういった面での調査が進行しているというふうに聞いておりますが、まだ数値がまとまったというふうには聞いておりません。
○生方委員 このダイオキシンの問題、非常に重要な問題でありますので、ぜひともきちんと処理をしていただきたいと思います。 ダイオキシンが出てくるのは、やはり焼却炉というものから一番出てくる。この間、先ほど厚生大臣もおっしゃいましたが、焼却炉について規制を行っていっていろいろ措置をしているようでございますが、小規模の焼却炉についての調査がなされておらない、あるいは規制が一切されておらないというようなことを聞きましたのですが、この小規模の焼却炉について、今後どのように調査をし、どのように規制をしていくおつもりがあるのか、お伺いしたいのですが。
○小野(昭)政府委員 小規模の焼却炉についても規制を拡大すべきではないかという御指摘は、従前から国会でも随分なされてきたところでございます。 そこで、厚生省といたしましては、従来よりもより小規模な焼却炉まで規制対象といたしますために、昨年の八月に廃棄物処理法の施行令を改正いたしまして、構造基準及び維持管理基準が適用されます施設の処理能力というものを、従来一日当たり五トン以上としていたわけでございますが、一時間当たり二百キログラム以上にまで引き下げたところでございます。これによりまして、規制対象の焼却施設は、約五千から一万二千に増加するものと見込まれております。 また、焼却の施設の規模にかかわりませず、廃棄物を焼却する際に守らなければならない処理基準というのがございます。規模に関係ございません、廃棄物を燃やせば全部かかる基準でございますが、これにつきましては、焼却施設の構造及び焼却方法に関します基準をより明確化いたしまして、よく言われております野焼き同然に焼却されているというようなものにつきまして規制をしたところでございまして、小型の小規模な焼却炉につきましてもこの処理基準が適用されますことから、適正な処理に向けて改善が図られるものというふうに考えております。
○生方委員 この間の新聞を見ましても、ごみの最終処分場で五百三十八施設で汚染防止策なし、ここにはダイオキシンを含む焼却灰も多く捨てられているというようなことでございますので、ぜひとも抜本的な対策というものを立てていただきたい。 最後に厚生大臣にお伺いしたいんですが、ドイツなどでは、ダイオキシンが出るそのもののもとである塩化ビニールやポリ塩化ビニリデンなど、プラスチック類そのものを使わないか、ないしは完全に再生をするというような体制を整えることによって、ダイオキシンの量を十分の一に減らしたというような実績があるようです。 日本は今現在でどのぐらいの数値かわかりませんが、世界でほとんど最高の水準のダイオキシン濃度を検出しているわけでございますから、そこら辺まで踏み込んだ規制をするべきだというふうに私は考えておりますが、大臣のお考えを最後にお伺いさせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 ドイツがかなり進んだ対策をとっておられるということでありますが、実情を調べてみますと、人口の密集度も日本とドイツとでは違いますし、焼却炉の数も全然違います。 しかし、そういう進んだ対策を参考にしながら、今後、ダイオキシン対策、果たして燃やさなきゃごみは処理できないのか、科学技術の研究によってほかのよりよい対策はできないか。そして、いろいろ、ごみを減らすとか、循環型社会の構築に向けてより一層環境に対する配慮というものを国民全体で関心を持つように、厚生省が大きな役割を担っているんだという認識のもとに、このごみ焼却炉の問題、ダイオキシン対策の問題、全力で取り組んでいきたいと思っております。
○生方委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 これで終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。 平成十年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(ただし経済企画庁、環境庁、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外の事項 第二分科会は、法務省、外務省、大蔵省所管 第三分科会は、文部省、自治省所管 第四分科会は、厚生省、労働省所管 第五分科会は、総理府(環境庁)、農林水産省所管 第六分科会は、総理府(経済企画庁)、通商産業省所管 第七分科会は、運輸省、郵政省所管 第八分科会は、総理府(国土庁)、建設省所管 以上のとおりとし、来る十九日、二十日の両日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 お諮りいたします。 分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次いで、お諮りいたします。 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○越智委員長 質疑を続行いたします。高木義明君。
○高木委員 民友連の高木でございます。 連日のように相次ぐ大蔵省の不祥事あるいは日銀の不祥事等が議論をされておりまして、私は、この際、改めて大蔵大臣に政治責任の重みをしっかりと受けとめていただきたいと要請をしておきたいと思います。 きょうは視点を変えまして、懸案の課題の中から、本四架橋建設に伴う雇用問題からお尋ねをしてまいりたいと思っております。 いよいよ四月五日、本四架橋、世界で最長のつり橋、明石海峡大橋が開通する運びになっております。昭和六十一年四月の起工式から十二年目を迎え、昭和三十年の調査開始から何と四十三年、総工費五千億という半世紀に及ぶ国家プロジェクトでございます。 今、この橋が開通しますと、兵庫県から四国の徳島県が陸路で結ばれるわけでありまして、地元はもちろん、新しい交通ネットワークの整備、地域経済の発展のためには想像以上の効果があると期待をされておりますし、私も国民の一人として大変喜ばしい思いをいたしております。特に、連日、祝賀行事があちこちから報道されておりますが、本当に長い間すばらしい事業の推進で今日まで来たな、そういう感を持つわけであります。 ところが、その一方におきまして、いわゆる船員の雇用問題が今日まで残されておるわけであります。光の反面で決して忘れてはならないのは、航路の廃止、縮小に伴う、事業者はもとより船員の雇用対策、離職を余儀なくされる方々の対策についてはしっかりと政治責任を持って対応しなければならぬ、これは言うまでもないところでございます。 この四国と本州の本四架橋につきましては、御承知のとおり、昭和五十六年に本四の特措法が公布されました。いわゆる航路事業等の再編成、事業を営む者への措置、あるいは離職者に関する措置、そして第二十三条には離職者の再就職の促進に必要な措置を講じるよう努力規定も明記されております。もちろん、公団もそうでありますが、国、地方公共団体もそのような責務が明確になっておるわけでございますが、まだまだ離職者が三百名近くなかなか職が見当たらない、こういうことになっております。 海上運送法からいいましても、いわゆるテープカットのぎりぎりまで、事業計画の求むる運航を怠ってはならないという義務もありまして、なかなか次の仕事の職業訓練やあるいは職場探し、こういうものに費やす時間的な余裕はありません。直前までぎりぎり職場で勤務をするという、いわゆる船員労働者としての宿命があるわけでございます。 そういう意味で、今どのような離職者対策の状況なのか、いわゆる離職を余儀なくされる方々はどの程度であるのか、まずはその点について御報告をいただきたい。
○土橋政府委員 お答え申し上げます。 本四架橋関係の離職者の現況についてお尋ねでございますけれども、明石海峡大橋関係離職者対策といたしましては、関係省庁あるいは関係地方公共団体などと協力いたしまして、離職前の職業訓練を実施いたしておりますし、さらに、一番の大事な事項でございます再就職先の確保についても一生懸命努力をしておるところでございます。 これまでに提示されました再就職の受け皿の総数といたしましては、約三千八百人分ほどのポストが提供されてきておりまして、現在、個々の従業者の希望に応じながら、具体的な再就職先のあっせん作業を、事業主あるいはそのほか関係の方々の御協力を得ながら進めておるところでございます。 それで、再就職の状況につきましては、現在のところ、離職見込み者数が約千五百四十名ございますけれども、その中で、自己都合等によりまして特に再就職のあっせんは希望しないと言われる方もおられます。そういうようなのを除きまして、再就職のためのあっせんを希望したいと言われる方々は約八百二十名、このあっせん希望者のうちに既に再就職先が内定しておられる方は約五百四十名、ちょうど三分の二ほどでございます。 以上でございます。
○高木委員 ただいまお示しがございましたとおり、まだ三百名近い方々が再就職未定者と言われております。もちろん、これまで政府、運輸省、建設省、労働省、自治省、各省庁で連携をとって、雇用対策にはかなりの努力がなされたことは私も評価をするわけでございます。しかし、現実的に職業とのミスマッチ、とりわけ四十五歳以上の中高年層におかれましてはなかなかそのような実態が浮かんでこない。 特に、世界では評価されております我が国の海員の技術というものは、しかし、おかに上がってはなかなか通用しない。海から海への職場開拓がなかなか難しい。また、職はあっても、やはり失業保険を下回るような賃金では家庭の生活もなかなか守れない。そういう意味で、ある意味では非常に袋小路に入ったという船員の皆さん方の実態でございます。 この船員の特殊事情について、運輸大臣、どのように思われておりますか。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 高木委員今御指摘のとおりでございますが、こうした大きな国家的なプロジェクト、いよいよ四月には明石大橋が供用開始になるわけですが、このこと自体大変喜ばしいことであり、地域の活性化、また本四両岸にわたるいろんな意味での経済的な波及効果があることは、まさに委員と認識を一にするところでございます。 ただ、お話がありましたように、こうした大きな事業がなされますと、やはり光の部分と影の部分がございまして、光の部分だけを求めてまいりますと、えてして、その影になる方々、地域というものをないがしろにしてはならない、これが一番大事なところだと思います。 そうした中で、今御質問にありましたように、再就職の問題につきましては、運輸省といたしましてもこれまでも、再就職を希望される方々に対しまして、受け入れにつきまして最大限の努力をしてまいりました。しかしながら、とりわけ中高年齢層の再就職というものが非常に厳しいということは現実としてございます。 したがいまして、そういう中で、求人数は非常に、三千八百と先ほど船員部長の方からお答え申し上げましたように、まだ三百名弱の再就職を求める方の十倍近い求人数が今ありますけれども、ミスマッチをしている部分がございます。そうしたことが極力ないように、これからも私どもといたしましては積極的に、そういった方々、とりわけ中高年層に対する再就職に対しましては最大限の努力を傾注していきたい、こういう考えでおるところでございます。
○高木委員 昨年の九月には、いら立ちから闘争態勢まで進んできたわけでございますが、関係者の努力によって、そのこともなくて今日に及んでおります。現地では、国と関係自治体、本四公団、事業者等で構成をする本四関係再就職促進会議が設置をされております。この会議を通じまして、いわゆる再就職の努力が行われております。もちろんこれは自己努力というのが前提でございますが、それも限界がある。特に、先ほど申し上げましたように、海から海への職場開拓は大変難しい。 そういう中で、やはり優先枠を確保していただく、こういうことを十分配慮されながら、建設大臣、今までも御努力をされておりますが、これが、テープカットが終わったら、はい、それまでよ、こういうことでは、政治としてあるべき姿ではないと私は思っております。したがって、この本四関係再就職促進会議というものを、今後も、開通後も再就職の目鼻がつくまで継続をして努力していただきたい。いかがでしょうか。
○瓦国務大臣 高木委員は、さきにも関係者の方々をお連れしながら、上京に対しまして建設省まで足をお運びをいただきました。今運輸大臣からもお話がありましたが、再雇用の対策を進めることは、本四の、影の部分とは申しませんが、非常に重要な課題だと認識をいたしております。 よって、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法、いわゆる本四特措法、これに基づきまして、関係省庁、地方公共団体が協力し合って、離職前就職訓練の実施であるとか再就職の受け皿の確保、これらについて所要の対策を講じてまいったところでございます。 今委員御指摘のように、それではその後の再就職対策をどうするかということでございますので、この本四特措法の趣旨を十分踏まえまして、供用後も引き続きまして再就職促進会議を継続いたし、離職者の円滑な再就職の促進が図られるよう努力いたしてまいりたい、こう存じております。
○高木委員 ぜひ、そのことをもって、全省庁挙げたさらなる努力を強く要請しておきたいと思っております。 次に、中小造船業並びに内航海運対策についてお尋ねをしてまいります。 この中小造船業、これは、いわゆる船どころと言われる瀬戸内海あるいは九州、地域的にも、地場産業として地域の経済あるいは雇用、生活に非常にかかわりが深いところでございますが、最近、この中小造船業が青息吐息、まさに仕事量が大きく減少しておる。もちろん、今御案内の内需の低迷、不況のどん底でございまして、しかし、今回の不況というのは今までのものとは違った異質なものであろう、私はこのように問題認識をいたしております。 したがって、まずは中小造船業の最近の仕事量、経営状況、どのように把握をされておるのか、この点についてお尋ねをしておきたい。
○山本(孝)政府委員 中小造船事業者が主たる市場としております内航船等の受注量は、先生御指摘のとおり、平成八年秋ごろより、従来の約三分の一から半分程度まで落ち込んでおります。このため、中小造船事業者の手持ち工事量は漸減し、手持ち工事量が底をつく事業者も出現しているような状況にございます。 中小造船事業者の経営状況は、平成六年度以降、営業利益率一%前後で推移しておりましたが、現状は利益がほとんどない状態でございまして、平成八年以降の急激な受注量の落ち込みにより、さらに悪化しているところでございます。
○高木委員 この建造需要が落ち込んだ要因をどのように把握しておられますか。同時に、これに対する対策、取り組みについてあわせてお伺いしたいわけでございます。
○山本(孝)政府委員 今次の中小造船業が見舞われております深刻な不況の原因につきましては、一つには、内航船の過剰船腹が増加し、需要が減退したこと。それから二つには、これに加えまして、内航船腹調整事業の解消問題により、平成八年秋以降に建造が手控えられたこと。今次不況は、国内物流コストダウンによる需要構造の大幅な変化による構造的なものと認識しております。 このような認識のもと、運輸省にございます海運造船合理化審議会造船対策部会は、昨年十二月、中小造船業に対する構造対策といたしまして、一つ、構造的需給ギャップに対応するための生産能力の削減、二つ目でございますが、需要構造の変化に対応した造船技術力の向上、三つ目でございますが、当面の極端な需給ギャップに対応するための需要喚起対策及び雇用安定策の対策をとることを提言しております。 これを受けまして、目下、一つには、業界による生産能力削減を支援いたしますため、造船業基盤整備事業協会による造船設備の買収制度の活用、二つ目としまして、中小企業近代化促進法を活用した設備近代化、あるいは技術開発等による構造改善の実施が円滑に行えるように、諸対策に取り組んでおるところでございます。
○高木委員 我が国の輸送貨物量の約四三%を内航海運で占めておられる。その内航海運の供給先が中小造船業ということになっておるわけです。これは、今この業界、大変な厳しい北風の時代でございますが、とりわけ物流の効率化、いわゆる運賃の低減あるいは輸送の合理化とともに、先ほども出ましたように、船腹調整事業の行方が不透明だということが特異な事情であろうと私は思っております。 しかし、これに手をこまねいて、そのままにしておくわけにはまいりません。したがって、我々は、いわゆるモーダルシフト、物流コストの低減、合理化、競争力の強化、こういうことを踏まえつつ、いかにして今閉塞状況にある内航海運の問題を解決していくかということが、今一つの大きな政治的テーマだと私は思っております。 そこで、船腹調整事業というのが、海運造船審議会からつい最近答申が出されておりまして、今からこの解消問題についてどうなのかという議論が始まってくるわけであります。私は、今危機的な状況でございますから、そんなに時間をかけてこれをまないたにのせておくわけにはいかない。内航船主が建造意欲がわかない、踏み切れないのは、やはりこれが最も大きな要因であります。 したがって、この船腹調整事業の解消問題、いわゆる今あっておる船腹調整事業を廃止していく、これらについての見通しについてお尋ねをしておきます。
○藤井国務大臣 詳しくは政府委員の方から御説明を申し上げますが、船腹調整事業の今後の見通しということにつきましては、まず私の方から。 去る三月六日に海運造船合理化審議会内航部会から、運輸大臣に対して、私に対しまして報告、建議が行われたところでございます。私ども運輸省といたしましても、これらを踏まえまして、今後この建議を踏まえて、平成十年度なるべく早い時期に暫定措置事業を導入し、船腹調整事業を前倒しで解消すべく、対応を急ぐ考えでございます。 詳しくは、海上交通局長の方から御説明をさせていただきます。
○岩村政府委員 船腹調整事業につきましては、今大臣の方から御答弁申し上げましたように、去る三月六日に海運造船合理化審議会の内航部会から報告、建議が行われたところでございます。 建議の中では、先生御指摘のように、船腹調整事業をなるべく早く解消すべきであるということで、ただ、その際に、船腹調整事業、これまで三十余年にわたり続けてまいりました。その結果として、いわゆる引き当て資格が財産的価値を有しておるということになっておりまして、調整事業を直ちに解消してしまいますと、そこが無価値になってしまう。これまた内航海運業界にとって大変大混乱を招くということで、この無価値化してしまう引き当て資格に対する措置として、転廃業事業者に対して交付金を交付する等の内航海運暫定措置事業を導入するということを提唱しておるわけでございます。 これまた大臣の方から御答弁申し上げましたが、この建議を踏まえまして、船腹調整事業を前倒しで解消すべく、平成十年度早期にこの解消ができるように対応をしてまいりたいというふうに思います。 なお、この提言によりますように、引き当て資格についての手当てをいたしますので、船腹調整事業の解消問題の先行きの不透明感というものが払拭され、船舶の建造の手控えといったことがなくなるという効果も期待されておるところでございます。
○高木委員 きょうは予算委員会ですから、余り小さなことは触れません。 この船腹調整事業というのは、言われましたけれども、三十年来の歴史があるわけでございます。この船腹事業の成果につきましては、私は、今日まで適正船腹量、いわゆる過当競争の廃止等、成果があったと思うわけであります。しかし、やはり今日に来まして、先ほど申し上げましたように、いわゆるグローバルスタンダード、市場原理、そういう流れの中で、まさにこの事業にいまいち活力がなくなってきた。そういうことから、規制緩和の動きもあり、こういった構造改革の努力が当然ながら迫られておるわけです。 しかし、急激な船腹調整の廃止は、約九割と言われる方々が一杯船主でございます、まさに零細でございます。そういうことになりますと、いわゆる大きな壊滅状態、大混乱ということになりますが、そういう意味で、スローダウンをしながらこの調整事業の終了を図っていく、こういうことだろうと思っております。 暫定措置事業のスキームを見てみますと、転廃業の所有船の解撤を促進して、いわゆる過剰船腹の解消、内航海運の構造改善、これを目指してはおられますけれども、しかし具体的な内容を見てみますと、例えば内航船の船主が船舶建造に踏み切る見きわめができるかどうか、非常に不透明であります。例えば、交付金が多過ぎて債務超過をしていくのじゃないか、ましてや、その交付金と相対するところの納付金、この納付金の徴収のめどはあるのか、そういう問題が今危惧されております。 私は、三十年間政策として続いたこの事業、これはそれなりに政治責任もあると思っております。しかし、やはり構造改善するときには厳しい対応も必要であろう。したがって、構造改革は避けて通れない、活力をもう一度よみがえらせる。そういう意味では、いわゆる金融機関への公的支援という話がよく出ておりますけれども、私は、こういうときこそ、公的資金を使ってでも、物流の最前線、こういったところの構造改革をして、我が国の経済をもう一度立て直す、こういう意味で考えていいのじゃないか。 特に、関係者からもこの調整事業の廃止に向けては、できるだけ建造納付金を低めてもらいたい、あるいは実施期間を短縮してほしい、いわゆる暫定措置事業ですね、そういうことを強く要望されております。私は、そのことによって、お互いに共倒れをしない、いわゆる内航海運業、そしてその供給に当たる中小造船業、こういう方々が生き残る道を探し出す、こうすべきだと思っておりますが、この点について大臣の御所見を賜りたい。
○藤井国務大臣 先ほど、明石海峡大橋の件につきましても委員御質問ございましたように、新しい国家的プロジェクトをなし遂げるということは大変大きな意義がありますけれども、光と影というバランス、光の部分、影の部分、そういう御指摘がございました。 今般のこの船腹調整事業の件につきましても、造船関係の皆様方、それから内航海運の今の現況等を見ますと、大変厳しいものがございます。一方では、グローバルスタンダードというお言葉がありましたように、私どもはやはり、国際化あるいは激しい競争社会に打ちかつために構造改革も進めていかなければならない。そういう中で、今、暫定措置ということの前倒しを含めて進めていかなければならないということは、既に私からも、また岩村局長の方からも申し上げました。 いずれにいたしましても、この暫定措置事業の導入によりまして、これがスムーズにそういった導入が遂行できるように、今御指摘のございました納付金の問題等々につきまして十分慎重に配慮をしながら、この暫定措置事業が円滑に進めるように、また、それぞれの事業当事者にとっても御理解いただけるように努力をしていかなければならないと考えておるところでございます。
○高木委員 最後、あと一点ですけれども、これまでは、海運経営者が船をつくる場合に船舶整備公団を活用して船をつくっておりました。もちろん、この船舶整備公団は統廃合に遭いまして、今は運輸施設整備事業団という名称になっております。この運輸施設整備事業団の役割について、今こそ私は大切になるのではなかろうか、このように認識をいたしております。 経営不振がまさに内航海運の実態でございまして、特にバブル期に高金利で建造し船舶をつくっておった方々、この方々は、何とか金利を引き下げてもらえないだろうか、あるいは使用料の元本返済猶予はできないのだろうか、あるいはまた一括返済の残存金利の縮小、こういったことを切実に要望しております。 例えば、政府は、平成七年度から九年度まで、補正予算で五%を超える高金利共有船については金利の減免措置を実施いたしました。運輸施設整備事業団では半年でございます。しかし、同じ政府系の金融機関である中小企業金融公庫では、この措置を、一年間減免措置をしたわけでございます。ここに半年の違いがある。なぜこの事業団がそういうことができないのか、していってやるべきじゃないか、私はそのように思うわけです。きょうは大蔵大臣もおられますので、よくお聞きをしておっていただきたいと思います。 したがって、今この事業団の内航海運に対する目の向け方をもう一度開いていただいて、それらの要望にこたえる柔軟な手だて、こういうものをすべきじゃないか。まさに、先ほども申し上げましたように、公的資金はこういうところに投入しても国民の皆さん方は反対しないのじゃないか、私はそう思うわけです。この点について、どうでしょうか。
○岩村政府委員 先生御指摘の、事業団から高金利の時代に船をつくった者が、その金利を下げていただきたい、さらには早期償還をさせてほしいという御要望があることは承知をいたしております。 ただ、事業団は、共有船舶の共有期間、大体十五年程度でございますが、それを前提といたしまして財投資金を資金といたしておりますので、例えばその早期買い取り等をいたしますと事業団の経営に大きな影響が及んでしまうという、そういった事情があることをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○高木委員 あと少しの時間でございますので、残りわずかでありますが、JRの追加負担問題について一言私の意見を申し上げ、所見を賜っておきたい。 投資家向けの広報コンサルタント会社テクニメトリクス、アメリカのニューヨークに本社がありますが、ここの社から、旧国鉄債務の処理策でJRに三千六百億の追加負担を求める問題で、日米欧の機関投資家三十四社にアンケートを出した。そうすると、追加負担は妥当ではない、全社がこのように答えた。法案が成立したらJR株購入に慎重になる、こういうことであります。追加負担に反対しているJRは、株主への説明がつかないことを理由に今反対をしておると聞いております。 私は、今日までの流れをずっと見てみますと、今回の措置は行き当たりばったりではないか。国鉄再建監理委員会が答申をしたあの内容、いわゆる第二の国鉄をつくるな、しかも、民間会社として今後さらに発展をするためにいかにすればいいのかという議論の中で、十四・五兆円という負担は、もうぎりぎりの負担だ、私はこのように認識をしております。そして、年金の問題が平成八年度の閣議でまとまりました。そのときは、年金の移換金としてJRが一千七百億、国鉄清算事業団が七千七百億、こういうことで私は決着をしたと思っております。 ところが、この予算委員会の中でも、政府はそれは違うのだという答弁を繰り返しております。私は、今回の一般会計が承継するということは、事業主体が国にある、このように思っております。国鉄の改革の原点は、まさにいわゆる当事者能力、経営責任、これが最も大切な要件ではなかったかと思うわけであります。平成八年のときにそのようなことをしながら、取りやすいところを取る。 JRだって大変経営が厳しいのです。とりわけいわゆる三島会社と言われている北海道、四国、九州、JR貨物、大変厳しい状況にもあります。一回ゴールを決めて、そしてそのゴールまで一生懸命走ったところが、そのゴールが先にまた延ばされた、三千六百億負担しろと言っておる。これでは、一生懸命やってみんなが頑張ってきて、その成果はないじゃないですか。これを政治介入と言わずに何と言おうか、私はそう思うわけであります。 むしろ、国が処理するとするならば、一般会計で受けとめていくべきではないか。今一生懸命JRの皆さん方は日夜働いておられる、そして、働いた分の成果をより多くかち取って地域に還元をし、そしてみずからの生活にと思っておられる。ところが、そういうことが、行き当たりばったりでやっていくと、本当に経営者の責任なんて一体どこにあるのだろうか、またぞろ不透明な、JRの経営を侵害することになってくるのではなかろうか、私はそういう危惧をしております。 したがって、この三千六百億の追加負担はするべきではない、こういうことでございますが、どうでしょう。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 委員幾つかの質問をまとめておっしゃられたので、これを一つ一つ御答弁するには相当時間がかかりますが、時間の制約がございますので、簡略に答弁をさせていただきたいと思います。 まず一つ、外国人投資家の関係で引用されましたコンサルタント会社ですか、会社の名前を今ちょっと忘れましたが、その辺につきまして、すべて今回のJRに対する負担はノーであるという趣旨の記事が載っておったことを私は承知いたしておりますが、しかし、この設問も実は承知いたしておりますが、その設問の仕方にも私はいかがなものがあるのではないかなという点をここで改めて申し上げておきたいなと思っております。きょうここでは詳しく申し上げませんが。 それから、年金のJR負担につきましては、これは前々からこの委員会でもたびたび答弁を申し上げましたように、昭和六十二年の改革当時の国鉄清算事業団が負った債務について、今般、JRの方に対しましてそれらの債務について一切負担をしていただいておりません。このことはまず御理解いただきたいと思います。この年金移換金の問題は六十年以降に発生した問題でありますので、昭和六十二年の改革時には予定されなかったものでございます。また、平成八年に年金統合という問題が出てきた時点で、この移換金の問題がいわゆる問題として提起されたところでございます。 その七千七百億円の事業団の年金の負債について、今回これをどう負担するかということで、平成八年のときに国において処理するということにいたしましたけれども、これは決して、すべて、清算事業団が持っている債務について、イコール国民の負担というものではございません。 一つ一つの債務について、これを国民の負担にすべきものか、あるいはその他の手段にすべきものか、あるいはJR各社さんにお願いすべきものか、そういった合理的な内容がなければなりませんので、それを十分精査した上で、これは年金の問題でありますから、年金の原則にのっとりまして、年金の共済というのはその企業の事業主及び社員の福利厚生のものでありますから、その事業主にぜひこのJR社員分につきましては御負担願いたい、そういうことで御理解を願っておるところでございます。 決して、高木委員がおっしゃられましたように、強制的に何か押し切った、国が民間会社に負担を強いているというふうに、そういった誤解がなかなか解けないというのは非常に残念でございますけれども、これは、年金の負担を国民の負担にするのか、あるいは事業者の負担にするのか、そのどちらかにするという問題ではなかろうかなというふうに私は考えているところでございます。
○高木委員 終わります。
○越智委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。 次に、五島正規君。
○五島委員 私は、前回も若干質問したわけでございますが、引き続きまして、介護保険の実施、平成十二年度からでございますが、それに向けた取り組み及びそれとの関連で、今年度予算の問題についてお伺いしたいと思います。 この介護保険は平成十二年度から実施される予定でございますが、それに先立ちまして、平成十一年度末までに新ゴールドプランが実施されるということが基盤整備として前提になっておりますし、さらには、老人の社会的入院等々の問題の中においても、病院の中において療養型病床を十九万床つくるというふうなことが前提となっているわけでございます。 とりわけ、新ゴールドプランを実施する中において、介護保険との関連で言うならば、在宅における介護というものが実施できるための基盤整備というものが極めて重要になってくるわけでございます。ところで、現在の実施状況並びに今年度の予算の状況を見ますと、在宅介護をやっていく上において、新ゴールドプランの中でとりわけ注目しなければいけないのは、一つは在宅介護支援センターであり、もう一つはケアハウスであるだろうというふうに考えます。 ところが、この二つが、その他の特別養護老人ホームや老人保健施設あるいはショートステイといったりする箱物に比べまして、大変進捗状況がおくれている。そして、今年度の予算の中におきましても、例えばケアハウスにつきましては約一万三千百五十人分、前年度が一万三千百五十人で、同じ数が予定されております。この状況でいきますと、平成十一年度、すなわち来年度には一挙にこの倍以上の三万五千五百人分のケアハウスが整備されないと、平成十一年度末、新ゴールドプランが予定した十万人分のケアハウスというのは達成できないわけでございます。 この辺について、どのようにしようとお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。 また、あわせまして、施設における療養の中におきまして、新々ゴールドプラン等々の声もあるわけでございますが、とりあえず、この新ゴールドプランで予定しております特別養護老人ホーム二十九万床、あるいは老人保健施設二十八万床等を中心に、加えまして療養型病床を十九万床整備していくということでこの準備が議論されてきたと思うわけでございますが、療養型病床について見てみますと、平成七年度につくられた療養型病床は約一万一千床、平成八年度が約二万五百床、平成九年度が二万四千床でございますが、今年一月一日の速報値で見ますと、平成十一年度の末ということを前提に考えた場合に、まだ七万一千床しか整備されていない。十二万床をどうするのか。 この十二万床は、再々この場においても指摘してまいりましたが、今までどおりの施策では到底達成することはできない。このことをするためには、建設大臣にもお願いしてまいりましたが、やはり大胆な土地利用あるいは規制緩和といったような措置がない限り、この十九万床の療養型病床の達成というのは困難ではないかと考えているわけでございますが、この点について、厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 先生のお尋ねのうちで、在宅介護支援センター、それからケアハウスの整備につきまして、私からお答えをさせていただきます。 いわゆる介護利用型の軽費老人ホーム、ケアハウスでございますが、それから在宅介護支援センター、いずれも、今後、介護保険をにらみまして、在宅サービスのための基盤整備としては大事な整備だというふうに思っております。 これにつきましては、予算の面では、平成十年度につきましては、在宅介護支援センターは約八〇%までの整備ができる予算を、そしていわゆるケアハウスにつきましては六五%が整備できるまでの予算を確保しておりますが、先生今御指摘のございましたように、予算もさることながら、その予算の前としまして、実は需要という形で上がってきている部分が非常に少ないということが今までございまして、予算まで整備が追いついていないという状態がございまして、整備がおくれがちであることは御指摘のとおりでございます。 これにつきましては、いろいろ経済情勢ももちろんございますし、あるいは在宅介護支援センターにつきましては立ち上がりが、でき上がったのが少し遅い施設であるというような点もございますけれども、これからさらに力を入れて私どもやっていかなければならない。そのために、都道府県等からもそういった施設が上がるようにやっていかなければならないと思っております。 そういった工夫として、例えばケアハウスにつきましては、やはり今後のことを考えますと、住むという要素と介護サービスというような要素とがうまく組み合わさった施設として言えば、特別養護老人ホームまでに至らない施設としてそういった施設が非常に大事でございますから、そういった意味で、特別養護老人ホームの入退所の円滑化を図るというようなことを中心にしていわゆるケアハウスの需要が出てくるような方向に持っていって、在宅サービスを利用しながら生活する施設として今後利用促進を図る方向を目指してまいりたい。そういった中で、施設整備についても消化を図ってまいりたいというふうに思っております。 それから、在宅介護支援センターでございますけれども、これにつきましては制度化が少しおくれたということもございまして、まだ整備が進んでおらないということもございますので、私ども、地域の実情に合わせまして少し弾力的な運用と申しますか、簡易な形態での設置といったようなことも含めて、あるいは民間企業等も事業主体になっていただくというような点を含めまして、これが整備、普及がされるように力を入れてまいりたいというふうに思っております。 予算の面での確保に力を入れますと同時に、そういった面で実質的に整備が促進をされますように、そういった整備の機運が行き渡りますように、引き続き努力をいたしていきたいと思います。 療養型病床群につきましては、健康政策局長からお答えを申し上げます。
○谷(修)政府委員 療養型病床群についての御質問にお答えを申し上げます。 療養型病床群につきましては、先生先ほどお触れになりましたように、平成十二年度当初においては、既存の療養型病床群と、それから療養型病床群への転換が見込まれますいわゆる介護力強化病院、これらを含めて約十九万床ということを目標にしております。 療養型病床群につきましては、先ほどもお話ございましたように約七万床が現在までに整備をされておりますが、一方、介護力強化病院というのは現在約十四万床あるということでございますので、数の上では必要数は確保されるということではございますが、介護力強化病院につきましては療養環境が十分でない、部屋が狭いといったようなことがございますので、療養型病床群への転換をできる限り進めるというようなことで、補助金あるいは融資というような制度を活用いたしまして、今後とも整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○五島委員 お二人の局長は全然答弁になっていない。聞いていることをわかってはいながら、答えていないと思いますね。 介護支援センターについては、既に八割ぐらいまで行っているわけですから、これは何とかなっていくだろうと思います。また、やらざるを得ない。これがない限り介護保険は実施できないわけです。 いま一つの問題は、お年寄りの居住をどうするのかという問題でございます。 例えば、北海道や高知、非常にベッド数が多いということで批判を受けております。しかし、これには社会的根拠があるわけでございまして、大体、高校を卒業すると県外の学校へ行ってしまう、そのまま就職してしまう。そして、両親がお年を召してもし病気になったとしても、入院して、今度は家に帰ってどなたがとかといっても、家族がいない。まして、都市部以外の山間地帯においての高齢化が一層進んでいる。そういう状況の中で、施設で長期療養しているお年寄りが多いということは厚生省も知っておられるはずです。北海道の場合も同じです。 そういうものを考えた場合に、このケアハウスのような施設が整備されないと、在宅介護が進まない。十分わかっているはずです。 さらに加えて、介護保険をつくるのについて、これまでさんざん批判されてきた昭和二十年代初期につくられた医療法に基づく非常に療養環境の悪いところでやっていく、そして非常に医療費が高くつく、そのことについて、平成十二年度までに十九万床の療養型病床をつくっていこう、現在のいわゆる介護力強化病院についてもそれを療養型病床に変えていこうという方向が基本であったはずです。 それがおくれている。大変おくれている。予算面でも、来年一年間で三五%の予算をつけないといけない。実績はと言えば、もっともっとおくれている。療養型病床については、まだ必要なベッド数の十九万床に対して七万床しかない。これはお金の問題だけじゃなくて、各医療機関がその方向に努力するにしても、土地の利用その他の面での規制緩和を大胆に進めないとそういうものはできないよと再々申し上げてきたはずです。 それについてどのようにお考えになっているのか、あるいはそういう基盤整備がないままでも介護保険の導入は大丈夫だと考えておられるのか、この点についてどうなのか。もう一度、大臣、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 昨年介護保険法が成立いたしまして、これから本格的に各地方自治体が整備に乗り出してくると思います。去年の段階においてはまだ、疑念といいますか、本当にこの介護保険制度が成立するのかどうかなと。また、具体的な指針といいますか、方向についてはっきり打ち出していない、政省令にゆだねられた面が随分多いものですから、その点において地方自治体がまだ定かでない部分があったということから、御指摘のとおり、整備がおくれたりあるいは準備が整わなかったり、あると思います。 しかしながら、本格的に介護保険制度が成立いたしまして、十二年度導入を目指して今動き出しました。これから、いやでも応でも十二年四月からこの保険制度が導入されるわけですので、自治体におきましても厚生省としてもそのときまでに、いざ、保険あって介護なしというような状況をつくらないように、整備状況を見ながら、また実態を見ながら、当面今までのゴールドプラン等の目標達成に努力いたしますが、それでも仮に足りない面があったらば、その導入までにいろいろな不足がないような手を打たなきゃならないというふうに考えております。
○五島委員 私は、平成十二年度の介護保険の導入が決まった以上、それに向けての基盤整備というのは、今までの、新ゴールドプランを確実に実施します、療養型病床はつくります、そしてヘルパーさんについても十七万人のヘルパーさんでとりあえずやっていきます、それで果たしてうまくいくのか、あるいはその目標値が達成できるのか、この辺をやはりもう一度きちっと再検討していただきたいと思います。 そこのところに不安がある限り、依然としてまだ地方自治体の中においても、介護保険の導入に対して非常に重たいとお考えになっている自治体がたくさんございます。 本当にがんじがらめに規制をかけて、ケアハウス、仮にできたとしても、本人負担が月に十三万、十五万というふうなものがいいのかどうか。もっと高齢者を対象としたような住宅政策、あるいは医療機関がそういうふうなものについての責任を持った形での、介護を兼ねたような居住の場の提供、あるいは福祉施設が居住の場の提供、幅広く採用させてもいいのではないか。そうしないと介護保険が実施できないとするならば、そこまで踏み込むべき時期ではないのか。 あるいは、療養型病床についても、何か金を国から出して、それで療養型病床を進めようという発想は、もう余りする必要はないのではないか。それよりは、毎回申し上げておりますが、そうした施設の容積率等々の緩和というものをすることによって、療養型病床に変わらざるを得ないと考えている医療機関が自発的にもっともっと変わりやすくするような制度上の手はず、それを厚生省は他省庁とも協議して進められるということが、今、介護保険実施に向かって本当は一番大事なものではないか。 その点について、改めてこの場をかりて厚生大臣に強く御要望を申し上げておきたいと思います。 続きまして、こうした問題とも関連いたしまして、昨年、与党の方においても、医療保険制度の抜本改革の基本方針というのをお示しになられました。また、厚生省もお出しになられました。今回、診療報酬の改定の過程の中で、介護についての看護単位というもの、まあ話が専門的になりますが、議論もございまして変更があったわけでございますが、実は、この問題をめぐってさまざまな議論がございました。 これは、医療経営の問題というのを離れて、やはり、医療というのは、狭義の治療と看護、この二つから成り立つだろう。これは院内においてもそうでしょうし、在宅においてもそうだろうと思われます。そうだとすると、今議論の一つとして、アメリカにございます疾病別の医療費、いわゆるDRGの導入というものも一つの議論になっております。私は、これが看護についても導入されるべきではないか。その点は、昨年度の答申の中におきましても、厚生省の試案の中においても、全く抜け落ちております。 疾病によって、単に期間だけじゃなくて、疾病によって看護力というのは随分変わっていく。今の長い間の基本的な中において、診療報酬は、バナナのたたき合いといえばしかられるのかもわかりませんが、余り論理性のない点数表に、電話帳に成り下がっていると私は思っています。 例えば、最近、白血病という病気がかなりふえてきています。この病気の治療について言えば、大体、数週間薬を使って一たん白血球の数をゼロにしてしまう。そして、そこで悪性の血液の、骨髄の部分をたたきまして、今度はお薬を使ったり何かして白血球を自然に回復させていく。そして、普通の社会生活をしても感染しない数まで白血球が戻ってくると、数週間退院させて、そしてまた入院させて、同じことを繰り返していく。大体二年間ぐらいのクールがかかります。その都度白血球をゼロまでするわけですから、あらゆる感染に対する予防が必要です。看護についても医療についても、その都度極めて緊張を要する疾病です。これは白血病を例にしましたが、そういうふうな血液疾患はたくさんございます。 そうした問題を考えますと、単に療養期間が長いから看護が介護に変わっていくだろうという単純なものでもない。そういう意味で考えますと、病院単位で、ある看護婦の数を置いて、そしてそれを固定的に考えるというよりも、やはり疾病単位での看護力というものを決めていく、そういうDRG方式というのがいいのではないか。その辺についてどうお考えなのかお伺いしたいと思います。 あわせて、時間がございませんのでそのほかの分野についても申し上げますが、前回も実はこの場におきまして文部大臣に申し上げたわけでございますが、今の小児科、子供あるいは幼児に対する育児の問題、病児介護の問題、大変問題が出てきています。 ある特定の、ぜんそくその他に関してはそういうことが疾病別に保障されているわけでございますが、先日も小児科の専門の先生方とお話をしていると、小学校入学前後の子供で、病気になって親御さんが医療機関に子供を連れてくる比率が非常に少なくなっている。慢性の患者でも、毎回のように連れてくるのは保育園の保母さんである、そういうふうな事例が非常にふえている。 子供に対してインフォームド・コンセントといっても、これは無理でございます。基本的には御両親に対して、病児に対する健康管理、あるいは治療方法、あるいは禁止事項等々を指導しなければいけないけれども、両親に会えない、そういうふうな子供がたくさんふえてきている。 それに対して、今はどうしているか。高知においても、熱心な小児科の先生は、土曜日の休診の日を使ってボランティアで、その子供の、特に指導が必要だと思う子供の両親のところを追いかけて、そしてカウンセリングしておられる。私は、こうした病児に対する、両親に対するカウンセリング、こういうふうなものは、病気の重い軽いにかかわらず、子育て全体の観点から見るならば、これはやはりどうしても今必要になってきているのではないか。 あるいは、子供が入院しているけれども、その入院中、子供の付き添いは祖父母だけであったというケースがございます。しかし、退院すれば両親と生活するということであれば、どうしても親御さんのところを訪問して、そしてその指導をしないといけない。そこまで今、子育ての問題については荒廃している。そうした社会的な背景というものも、やはり診療報酬の中においても処理していく、そのことが実は大事になってきているのではないか。 そういう観点からも、医療制度の見直しの中において、看護の問題やそういう新しい処理の問題等々を導入して検討していただくということをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○高木(俊)政府委員 今、医療保険制度の抜本的な改革に向けて、関係の審議会で御議論をいただいております。まず、診療報酬体系の見直し、それからまた薬価基準制度の見直しということから御議論をいただいておるわけであります。 そこで、今先生のお話の中で二点ございましたが、最初の看護体制についても、やはりDRGのような形で評価していくようなことを検討してはどうかということが一点ございます。 まさに、この抜本的な見直しというのは、これからの新しい時代にふさわしいような、そういった医療保険制度あるいは診療報酬体系というものをどうつくっていくかということが基本でございます。そういった意味で、今先生御指摘のように、看護についてもDRGのような形での評価というものも今後やはり考えていかなければいけないというふうに思います。ただ、このDRGの導入をどうすべきかということについては、いろいろ、賛否ございます。そういった中で、私ども、今御指摘の点も含めて念頭に置いて、今後考えていきたいというふうに考えております。 それから、もう一つの子供の関係でありますが、まさにこの少子化の社会の中で、しかも共働きの世帯がふえている、あるいはまた一般化している中で、今御指摘のような視点からの子供の健康対策というものを考えていくということは大事なことだろうというふうに私は思います。 ただ、問題は、これを診療報酬の中でどういうふうに評価をしていくのかというのは、やはりかなり検討しなければならない問題を含んでいるというふうに思っておりますが、御指摘の点も踏まえまして、私どもとしても十分研究させていただきたいというふうに考えております。
○五島委員 医療の制度というのは、法律と、それからある意味においては診療報酬のありようによって、医療の内容は誘導できます。そういう意味において、エンゼルプランという側面にも配慮したそういう検討というのをぜひ進めていただきたいと思います。 時間がございませんので、ちょっと大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、私どもも、医療や教育というのは消費税は非課税ということになっているというふうに聞かされています。大臣、今医療は消費税非課税なんですか。お伺いします。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 今先生お尋ねの社会保険医療サービスでございますが、これは、国民の負担をできる限り低く抑える、抑えながらサービスを提供するとの観点から、消費税におきましても、政策的観点から非課税とされているわけでございます。 この非課税ということでございますが、御承知のように、非課税売り上げに対応する課税仕入れ部分については、仕入れ税額控除の対象となってまいりません。したがいまして、仕入れに含まれる税負担分だけについては、価格の引き上げによって転嫁を図るというのが基本的な考え方となっているわけでございます。 したがいまして、消費税導入当時には、この仕入れにかかる消費税のコストアップ分を勘案し、社会保険診療報酬等の引き上げが行われたわけでございます。また、昨年四月の消費税率引き上げに際しましても、社会保険診療報酬の改定により、その影響に対して適切な対応がなされたと承知しております。
○五島委員 非課税だけれども、医療を提供する段階においては消費税はかかっている。それで、その消費税の処理が、医療機関の方は、これは外税だとかなんとかいう声があります。一方、そのことは診療報酬で処理したというお話でしょう。そのことは、私はここで議論するつもりはございません。 問題は、医療にかかるさまざまなコストは消費税がかかってきています。その消費税に相当する部分を、診療報酬の改定、引き上げによって穴埋めをしている。診療報酬で決まった費用は、社会保険料並びに本人の自己負担によって払われているわけです。 言いかえれば、これは一部分については受診者、患者さんの負担として消費税は上乗せされているわけですし、残りの部分は社会保険料という形で、国民すべてが医療のために必要としてプールしている保険料から支払われているわけでございますから、これは、消費税は非課税でなくて、直接その患者さんが懐から五%の消費税という目に見える形で取られていないだけで、例えば三割の分については本人が払い、七割については保険が払うという形で、その消費税は支払われている、そのように考えていいわけですね。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 消費税の非課税ということになってまいりますと、ただいま申し上げましたように、その非課税の売り上げに対応する課税仕入れについては仕入れ税額控除の対象とならない、したがいまして、その税負担分についてだけは価格の引き上げによって転嫁を図っていただく以外ないということになってまいります。これが非課税というものの取り扱いでございます。 それで、この非課税という取り扱いでございますが、広く一律に負担を求める消費税の仕組みの中でとり得るぎりぎりの仕組みだと我々は理解しております。したがいまして、この非課税という取り扱いでございますが、日本以外の諸外国の付加価値税においても同様の非課税という取り扱いがなされていることも御理解いただければというふうに思っているわけでございます。
○五島委員 それでは、いろいろな欠点がございますが、いわゆる医療にかかってきているところの消費税、これは結局、患者さんに提供される前にもろもろかかってくるそういうサービス料、あるいは材料の購入費等にかかってくる消費税ですが、それは幾らありますか。
○尾原政府委員 失礼いたします、その仕入れにかかっている消費税分がどれだけあるかというお尋ねでございますが、私ども、ちょっと数字の持ち合わせがございません。
○五島委員 数字の持ち合わせがないなんというようなばかげた話はないのだと思いますが、推論で物を言っても仕方ないわけですが、大体、医療費の四割ぐらいが消費税対象額になってきているはずです。それに対する五%ということですから、かなり大きな医療サイドからの消費税収入はあるはずでございまして、その資料、また後ほど出していただきたいと思います。 問題は、こうした消費税というものが、非課税だといいながら、なぜ診療報酬という、非常に保険そのものが財政的に危機的状況にある保険によってしりぬぐいするのか。 もし非課税だという原則でやるのなら、これはゼロ税率の複数税率をとろうとも、還付方式をとろうとも、税の世界の中で解決する方法はございます。課税をするというのなら課税をするということで理解できる。しかし、現実には、課税はされているのだけれども、本人から消費税という名目で取らずに診療報酬という名目で取っている、その意味がよくわからない。 しかも、今のこの医療消費税の欠点というのは、御案内のように、医療そのものが近代化していく上において、転嫁ができない部分があるがゆえに、非常に問題を含んでいます。 例えば、今回も診療報酬の改定の中で、寝具や病衣、これは診療報酬の点数から外されました。この寝具や病衣を医療機関が無料で提供し洗濯している限りは、消費税の対象にならない、その分だけ医療のコストがたくさんかかってくる。しかし、これを全部下請に出してしまうということになってくれば、当然それはサービスのあれとして消費税の対象になっていきます。 すなわち、サービスという形で、医療の経営というものあるいは医療の形態というものをより多くの分野において共同して支えていくという方法をとろうとすればするほど、この消費税の問題というものはしこりになってまいります。 消費税、これは今のようないいかげんな形で非課税というやり方がいいのか、それとも、本当に非課税にするという国民の約束を守るということであれば、ゼロ税率にするなり還付制度とするなりすべきではないかと思いますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 消費税の影響を完全に患者さんに及ばないようにするため、医療サービスについてゼロ税率のような制度を適用すべきではないかというお尋ねかと思います。 この消費税のゼロ税率でございますが、やはり、一たん採用いたしますと、とめどなく波及するということで、広く公平に課税する消費税の趣旨が根本から崩されるおそれがあるという問題が一つあろうかと思います。それからまた、EC諸国におきましても、先ほど申し上げましたが、日本と同様医療は非課税でございまして、そもそもゼロ税率は設けないというのが基本的考え方というふうに承知しているわけでございます。 したがいまして、非課税というのがわかりにくいという御指摘でございましたけれども、ただいま申し上げましたように、ゼロ税率等を適用することについてはこのような問題がございまして、その採用は困難であるというふうに考えているところでございます。
○五島委員 私は、ゼロ税率にやれと固定的に言っているわけではないわけで、非課税というなら非課税のやり方があるでしょう、あるいは、その方針を変えて広く消費税を患者さんに転嫁するのですか、それも一つの方法でしょうと申し上げたわけです。 いずれにしても、課税をしておきながら非課税という表現というのはおかしいのじゃないかということを申し上げているわけでございまして、しかも、ゼロ税率の問題にいたしましても、広く広がるだろうとおっしゃいますが、医療機関は、病院会計則によってきちっとやっていくとするならば、仕入れその他についての追求は可能でございます。したがいまして、それについて困難であるという理由は余りないというふうに思いますし、また、還付をさせるという方法であれば、それぞれの医療にかかった消費税をそれぞれの医療機関において証明させ、それによって還付させるという方法もあるわけでございます。 ただ非課税という名前だけで、実際上こういう形で課税していく。医療費の四割の五%といいますと、二%です。これが社会保険料ということになっていきますと、非常に今の医療保険制度全体が財政的にも厳しくなってきている中において、これがそれでいいのかということを検討しなければいけないというふうに思っているわけですが、大蔵大臣、もう官僚の方はいいですから、厚生大臣、その辺、どうお考えですか。
○松永国務大臣 私は税の方は全くの専門家じゃありませんが、今委員のおっしゃることは、診療報酬は非課税ということになっておる、その結果、今度は、診療機関がいろいろな材料その他を仕入れる、その分についての、前の段階で払ったという控除が受けられない。その分をどうするか。現在の制度では、社会保険診療報酬等の形で、実際は患者さんから事実上取る形になっている。非課税と言っておりながら、それはおかしいじゃないか、こういう御議論と承りました。 したがって、それをどういうふうにすれば委員の御疑問に答えることができるか、こういう問題だというふうに思います。そうなってきますというと、これはもう税の専門家にひとつ答弁してもらうしか方法がないわけでありまして、私は、これは非常に研究をしなければならぬ課題だな、こういうふうに思いました。
○五島委員 いや、税の専門家に任せているからこんなばかげたことになっているのだと思います。 税が取りやすいのは、確かに診療報酬から取るのが取りやすいのです。だけれども、医療を非課税と言ったのであれば、これは基本的にインボイスを、インボイスにかわるものとして病院会計則を使うなり、使って、それできちっと複数税率を入れるなり、ゼロ税率を入れるなり、あるいは消費税を還付するなりやっていかないと、非課税にならないでしょう。それをやらずに、現実には、患者さんの懐から直接取っているわけでないように見せかけて、患者の自己負担分と消費税の分も、人によって、健保の本人であれば一割、国保であれば三割を、消費税の三割を本人からちょうだいし、そして残りを社会保険から取っている。 こんなばかげたことはないでしょう、これはどう考えますかという問題で、税の専門家と御相談されないと結論が出ないのであれば、これはそういう問題として、大蔵大臣、ぜひ大臣としてこの問題を大蔵省の中において十分指揮して検討させていただきたい。 また、厚生大臣にも、今医療保険そのものの財源が非常に厳しい厳しいと言っておりながら、なぜ税のしりぬぐいを社会保険でするという、それも、医療費を、医療に関しては非課税だ、そういうような公約実現のために、結局はそのしりぬぐいを社会保険でしている。こんなことを認めてもいいのかどうか。その点についても、ぜひ大蔵省との間において御協議をお願いしたいと思います。 余りこればかりやっておりますとほかのができませんので、どうせきょうここでやってみても結論は出ないでしょうから、そのことについて御要望しておきたいと思います。 次に、あわせて厚生省の方にお伺いしたいわけですが、この点につきましても前回申し上げましたが、どうもそれから後、厚生省の幹部職員の皆さんの御意見を聞いても私はぴんときません。そこで、改めてもう一度お伺いします。感染症予防法についてでございます。 感染症の医療についてのありよう、あるいはこれまでの伝染病予防法が極めて人権感覚のないひどい法案であった。これは伝染病予防法だけではございません。既に先年廃案になりましたらい予防法を含めまして、日本の伝染病対策というのは、まず選別をし、管理をし、そしていざとなれば隔離する、それだけで参ったわけでございます。 ただ、技術としては、御案内のように、伝染病に対しては、病原対策と感染経路対策、そしてさらには可能なものについては感受性対策としてワクチネーションをやっていくというようなことが現実にはとられてきた。その中で、あれだけひどい、法案を丸々読めばとんでもないと思われる伝染病予防法でありながらも、ひどい人権侵害というもの数々ございましたけれども、まあどうにかここまで持ってこれた。 ところが今回、感染症予防法になって驚いたことは、感染症の予防ということ、すなわち防疫ということです。これに対する国の責務というのがほとんどない。そして、それにかわって存在するのが、いわゆる厚生大臣なり都道府県知事が行うところの基本指針というものをあらかじめつくるという内容になっています。厚生省をしても、あるいは私がいる高知県をしても、予想されない伝染病、その発症のときにどう対応するかという指針をあらかじめつくるとするならば、これまでどおりの隔離方法しかないのじゃないですか。 例えば、この場においても問題になりましたが、今、人から人に感染すると言われている新しいインフルエンザウイルス、香港から出ています。可能性の問題ですが、インフルエンザウイルスの特徴として、いずれは一番感染しやすいもの同士が感染する、そういう性格を持つ危険性は十二分に考えられる。すなわち、あのウイルスが人から人に感染する危険性は当然厚生省も考えておられると思う。 そのことを想定した場合、これまで全く予防接種も何もない新しいインフルエンザウイルスである。致命率は、これから先わかりませんが、現在のところは二〇%もあるよ。これがもし今ばっと入りますと、かつてのスペイン風邪並みの脅威になってくる危険性はあります。危険性です、あくまでも。それに対して厚生省として、今回の感染症予防法に基づいてどのような基本指針がつくれますか。そんな話じゃないはずです。 いかにいち早く、病原体、これは恐らく遺伝子操作によってきちっと、高度の能力でもってその病原体がどうなのかということを確定すること。そして、その確定した病原体、それが予防接種のワクチンとしてできるのかどうか、もし予防接種がつくれるとすれば、そういう事態においてはいち早く予防接種ワクチンを大量につくるということ。そしてさらには、それに引き続いて、それに対する治療方法を集中的に検討して全国に流すということ。そういうことがまず感染症に対しては当然求められるだろう。 これは、一体どこがするのですか。国なんですか、地方自治体なんですか、民間なんですか。それがこの法律で見えないのです。どうお考えなのか、お教えください。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 まず、今から百一年前にできました伝染病予防法は、今回新しく、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案ということで、国会に新しい法案を提出させていただきました。 その中で、今先生が御心配になられました、従来にない新しい病気、それも重篤な病気になる、命に関係するような病気への対応ということが大変大切だとおっしゃられたのは、そのとおりであります。 私どもとしては、その新しい法案の中で、これを新感染症という名前で定義をしておりまして、従来ではそういう概念がなかったものを、今度新しく新感染症という定義をつくりました。そしてその新感染症については、この新しい法案の中では、エボラ出血のような、ああいう恐ろしい第一類に分類してある病気と同等の医療体制をしくという形をとっております。そういう意味では、私どもは、今度の新しい法律で、今まで知られなかった新しい病気に対してもきちんと対応できていける体制をつくった、このように考えております。 それで、まず、この法律の目的でありますけれども、目的を申し上げますと、前段ちょっと略しまして、「感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。」こういう法律の目的を書いておりまして、そしてこれを実際具体的に実施するためには、国、地方公共団体、それから医師、獣医師その他医療関係者の責務並びに国民の責務まで法律で規定をいたしておるところでございます。これら関係者のみんなの努力によってこの法律の目的を達成しよう、このように考えておるところであります。 それで、具体的には先ほど先生がおっしゃいましたように、国が策定する基本指針の中で、国の役割それから都道府県の役割というのをきちっと規定をして、それによって業務を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。 特に、今先生が御心配の新型インフルエンザの件でございますが、我々の方としては、インフルエンザというのは従来からあるものを含めまして一応第四類の感染症というふうに考えておりますけれども、それについては先ほど出た基本指針でやってまいると思いますが、ただ、感染症というのはすべての病気にワクチンがあるわけでもございませんし、予防方法も確立できないものもあるかもしれませんし、治療方法がないものもあるかもしれません。それは何も日本だけの問題ではなくて、世界じゅう皆同じように苦労することでございまして、これは皆さん、科学者ともども行政官も、皆さん力を合わせて対応していくことが必要か、このように思っております。
○五島委員 質問すると非常にピント外れの答弁が長く来るので困るのです。 これについても、先ほどから質問しているのは、例えばO157にしても、これが病原大腸菌であって、それがベロ毒素産出のそういう遺伝子的能力を持ってしまった、そういうものとしてあるんだということがわかり、それに対する治療方法がわかれば、こんなもの、ほかの赤痢菌なりあるいはそのほかの食中毒と同じように、国がどうのこうのやらなくたって、日本の医療機関なら十分対応できるのです。新感染症と言われてみても、そういうことをきちっと整備さえすれば、それ以上のことは余りする必要はない。 問題は、例えば新しい感染症が出てきた場合、致命的であるかどうかということだけでなくて、瞬間的であっても、どれだけの労働能力を失う危険性があるかということまで含めて考えた場合に、そういう新しいウイルスなり細菌を診断していけるその能力、あるいはいざというときに予防接種なら予防接種を大量につくっていけるその能力、そういうふうなものは国としてお持ちにならないと、それが大事なんでしょう。 ところが、この法案は、新感染症といっても、エボラは別として、エボラ並みと言っているけれども、新感染症というのは、その病原菌がわかって、感染経路がわかって、治療方法がわかればもう新じゃないのです。そんな漫画みたいなことだけを書いてある。肝心の、疾病を防疫するというところでの国の役割は何なのかということが極めて不鮮明だということを申し上げたのですが、そこまでにしておきます。 ほかにも厚生省に対してはまたさまざまな、規制緩和についても、あるいは医療材料の問題についてもお聞きしようと思ったのですが、時間が参りましたので、労働省の方にお伺いしたいと思います。 労働省は、労災保険会計の中において労災病院というものを運営しておられるわけでございますが、なぜ労災保険が病院を経営しなければいけないのか、お伺いしたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 労災保険で労災病院を運営している趣旨でございますが、労災保険法におきまして、適用労働者の療養あるいは社会復帰のためのリハビリテーション、これらを行うための施設を運営することを定めておりまして、それに従い運営しておるわけでございます。 私ども、そういった趣旨に従いまして、政策的に必要な最小限の範囲で、労災の被災者あるいは職業性の疾病の患者につきまして、高度の医療サービスあるいは社会復帰を目指すリハビリテーションができる施設として労災病院の運営を、労働福祉事業団を通じていたしておるところでございます。
○五島委員 労災患者の治療、リハのために労災病院が必要であるというお話でございます。 そうであるとすれば、例えば最新の労災病院、たしか横浜労災病院が一番デラックスで新しいかと思いますね。あるいは逆に古くから有名な、北海道のじん肺労災病院等々ございます。それらの労災病院において、入院患者並びに外来患者それぞれの中における労災の患者の比率は何%ぐらいございますか。
○伊藤(庄)政府委員 御指摘ございました労災病院における入院患者、外来患者の比率でございますが、一般患者を含めました患者数全体に占める労災患者の比率、平成八年度におきまして、入院の方で六・二%、外来の方で三・五%でございまして、両方合計いたしますと四・四%という数字になっております。
○五島委員 労災の患者さんの割合というのは四・四%、入院、外来平均して四・四%であるというお話でございます。 そして、労災保険全体の中における労災病院の経営の収支を見させていただきました。これを見ますと、労災病院全体でございますが、医療収入が全体で二千五百七十一億円。それに対して医療の経費が、医療経費だけ見まして二千八百二十六億円。完全な赤字でございます。そして、当期の損失金は百七十一億円というふうな数字が出ております。それは、労災保険の方から約二百億円余のお金を投入した上でなおかつこれだけの赤字を出しております。 四%の患者さんを診るために、これだけ大きな赤字を出しながら労災病院をなぜ運営しなければいけないのか、理解に苦しむところでございますが、実は、労災保険というのは非常に豊かな保険会計だと思います。今、労災保険は、総額で約二兆円ぐらいの保険収入があると聞いております。その中で、患者さんに対して、治療費、あるいはさまざまな生活補償費、あるいは年金等々の給付額は幾らぐらいでございましょうか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいま御指摘ございました労災保険の財政状況、特に保険給付の関係でございますが、保険料収納額が一兆五千億、全体の収入が一兆八千億になっておりますが、そのうち保険給付費等に充てておりますのが約九千七百四十八億円でございます。そのほか、ただいま申し上げました労災病院を含めまして、労働災害の予防等に充てている経費が労働福祉事業費として一千五百七十二億、あるいは現在年金の支給を行っておりますが、将来の年金のための積み立て五千二百八十億余になっております。
○五島委員 労災保険の年金積み立てを毎年積み増ししておられるわけですが、幸いなことに、労災保険の発生率というのは減少傾向がずっと続いています。もちろん高齢化でございますから、年金に対して準備しなければいけないということについてはよく理解するわけですが、果たしてそんなに積み増ししていかなければいけないのかなという思いがします。 本当に、この労災保険、一兆八千億という労災収入の中で、半数以上がいわゆる労災患者さんの療養生活費以外のところに充てられ、多くのところが徴収勘定の中に入り、さまざま別のことに使われている。これで果たしていいのかなというふうに思うわけでございますが、その点について、またまた時間が参りましたのでこれで終わりますが、また改めてこの場におきまして、労働省のこの労災保険問題について議論したいと思います。 終わります。
○越智委員長 これにて五島君の質疑は終了いたしました。 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 まず最初に、道路施設協会の問題について、建設省並びに道路公団にお伺いをしたいと思います。 閣議決定に基づいて、この財団法人道路施設協会の出資企業については、株式の処分、これは私に言わせれば株の処分というよりは出資の解消ということだと思いますが、こういうことになってきていると思います。そもそも、なぜこういうふうに出資の解消をしなければいけないのかということの議論は、経過があったわけでありますので、やはりその趣旨に沿った適切な、株の処分なら処分ということを進めてもらわなければ困るわけであります。 申し上げますと、例えば公益法人というものの趣旨を、この財団法人、具体的にいえば道路施設協会というのは逸脱しているのじゃないのか、まあこの協会に限りませんけれども。あるいは、民業を著しく圧迫している。官営企業がはびこり過ぎて、やはり経済の全体のあり方にも大きな悪影響を及ぼしている。あるいは、市場経済を破壊している。むだ遣いが多過ぎて、しかも非常にコストが高いものになっている。 こういうようないろいろな議論の中でこういうふうになってきたわけでありまして、財団法人道路施設協会の出資の解消について、どういうことになっているのか、現状を簡単に説明してもらいたいと思います。
○佐藤(正)政府委員 お答えいたします。 公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とする非営利の法人でありますことから、営利企業の設立等を行うことが不適当と考えられます。 このような観点から、公益法人の設立許可及び指導監督基準におきまして、株式の保有につきましては、運用財産の管理運用の場合に公開市場等を通ずるいわゆるポートフォリオ運用であることが明らかな場合、あるいは財団法人におきまして基本財産として寄附された場合を除きまして、原則禁止とする旨を規定したところでございます。 現在、株式を保有しております公益法人につきましては、平成十一年の九月末までに株式の処分をする必要がございますが……(石井(紘)委員「そういうことは全部わかっていることだからいいんだ。道路施設協会のことだけお答えください、時間がないのだから」と呼ぶ)はい。具体的に申しますと、各具体的な法人につきましては、所管の監督官庁の適切な指導のもとに処分を行っているものと考えております。
○佐藤(信彦)政府委員 公益法人の民間会社の株式所有につきましては、今説明ありましたように、八年九月の閣議決定に基づきまして、公益法人は原則として営利企業の株式保有等を行ってはならないとされているところでありまして、道路施設協会につきましても、平成十年度後半までに大部分のところの処分を行うという予定でございます。
○石井(紘)委員 ちょっと、てきぱき答弁してもらわないと困るのだけれども。 それでは、出資の解消の方法について、これはどういう方法でやるのか。例えば株処分ということで考えているのであれば、施設協会についてですよ、株を簿価で評価してそれをどこかに売り渡すということで考えているのか。私は、そういうことであれば全く微々たる金額にしかならないことなので、ここのところは大きな問題だと思うのですね。 ですから、たくさん出資をして、そして会社をたくさんつくって、それにいろいろ仕事を与えて企業を太らせて、今や一千億をはるかに超える大きな資産になっているわけですから、この純資産をどう評価するのかという方法で、少なくてもこの処分を考えるか、あるいはまた解散、整理して、それを財団法人の道路公団の方に、最初は財団法人でしょうが、財団法人の方に回収してくるか、その上でこの財団法人を、財団法人というのはこれを整理する場合には国庫に入れることができるわけでありますから、そういう方法をとるのか。 そこで、整理の仕方についてどういうふうに考えているのかということを、簡単に一言で言ってください。
○瓦国務大臣 石井委員の御質問は公団側からお答えをさせた方がよろしいかと思うわけでございますが、先に私から申し上げますと、昭和四十年代から五十年代にかけまして、いわゆるこの業務を専門的に行う民間業者というのはいなかったわけでありますから、ある面ではこれらの道路管理につきまして施設協会がその分野を受け持つ、そういう中で財団法人としての職務を果たしてきたわけでございますが、今般、御案内のとおり、平成十年度後半におきまして協会の二分割、これらを踏まえて、これらの改革を行うというようなことにいたしておるわけであります。 よって、これらの改革につきまして総裁初め全力を挙げて今取り組んでいただいておるわけですが、具体的な処分方法につきましては協会側は検討中でございますが、今日まで取り組んできた歴史的経過を踏まえますと、私は、このたびの改革は、指弾を受けないように、さらに、サービス業務は、御案内のとおり高速道路という特殊な面もございますので、それらの分野もよく理解をしながら分割に入らなきゃならぬ、改革に入らなきゃならぬ、かように考えておりまして、今、総裁のもとにそれぞれ改革に取り組んでおるところでございます。 これらをまた前提にして、具体的な質問に答えさせたいと思います。
○石井(紘)委員 では、総理府に一言だけ聞きましょうか。 この閣議決定をした際に、あるいはそれ以降、出資の解消ないし株の処分方法についてはどのような考えでおられるのかということを、何かありましたら言ってください。
○佐藤(正)政府委員 お答えいたします。 個別具体的な公益法人の株式の処分につきましては、個々の事情に応じまして所管の省庁が適切な指導を行うものと考えております。
○石井(紘)委員 では大臣、これは私、さっき資産が一千億を超えると言いましたが、恐らく数千億という巨額なものだと思うのですね。そこで、これをただ単に簿価でもってちょこちょこっと株を引き揚げる。例えば肉牛やなんかの話で持ち出しますと、種つけをしてそれにえさをどんどん与えて、そして人も与えてすっかり面倒見て、そしてその種だけを返してもらうというのでは、やはり国民が許さないだろうと思いますし、これは税務署なんかでも通らないはずです。 そこで、少なくとも簿価での株の処分なんというばかげたことはやらないということだけでも、大臣、言えませんか。
○瓦国務大臣 それらを含めて、いかなる方法がよろしいかということを今検討いただいておるということでございます。
○石井(紘)委員 今の私の意見を十分念頭に置いていただかなければ困ると思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、井坂前理事の問題があったわけですが、これに関連して、小林行雄さんという現在の資金課長の疑惑もあるわけでありまして、これらをあわせて建設省の調査結果を報告してください。
○鈴木参考人 先生、今建設省とおっしゃいましたけれども、道路公団の方から答えさせていただきます。 資金課長につきましては、公団内部での聞き取り等による確認を行っております。前理事とともに、野村証券、日本興業銀行その他の金融機関との会食に同席していることは確認しております。 内訳につきましては、私どもが確認したところでは、これは会食でございますが、野村と七回、国内二回、海外五回、興銀が六回で、国内三回、海外三回、それからその他の金融機関と、今回起訴猶予になりました金融機関とは一ないし二回同席をして会食したという事実を確認しております。
○石井(紘)委員 井坂さんについては前に出ているので、今は小林さんのことのみを言われたと思うのですが、井坂氏の場合もそうですけれども、検察の方の内容と、接待の回数等について、あるいは金額等について、随分隔たりが大きいんですね。 この小林さんを戒告処分ということにしたわけですが、これはそういう調査結果に基づいてこういう処分にしたんですか。公団の内部の結果を参考にしてこういう処分にしたんですか。
○鈴木参考人 今申し上げました公団内部の確認と、それから、その間、外債発行に係る主幹事選定に当たりまして井坂理事の容疑がはっきりしているわけでございますけれども、小林課長自身がその場合に職務上不正な行為を行った事実があるかどうかについても、いろいろ本人から聞きただしたところでございますけれども、そういった事実は確認しておりません。しかしながら、外債発行業務に密接に関連した相手と知りながら、前理事に誘われるまま金融機関との会食に同席したということは、疑惑を招く行為であり、課長という責任ある立場上適切さを欠いたものと言わざるを得ず、戒告処分としたものであります。 ただ、今後、公判等におきまして新たな事実が判明した場合には、さらに適切な対処をしたいというふうに考えております。
○石井(紘)委員 今後、公判等において新たな事実が判明された場合、あるいは裏づけられた場合には、適切な処分をさらに加えていくという答弁だったかと思います。 もう一つ、大蔵省に帰ってしまった人たちがいるわけですね。これは当時の経理部長と資金課長。この二名については、帰ってしまったから公団は調査をしていないということなんだろうと思うんですが、大蔵省は調査したんですか。
○武藤政府委員 ただいま御指摘のありました二名につきましては、現在、金融関連部局に在籍した職員の調査を進めておるわけでございますけれども、この二名につきましても、具体的な問題が指摘されておりますので、その一環として現在調査を行っているところでございます。この結果、必要があれば、厳正な処分を行いたいと考えております。
○石井(紘)委員 それでは大蔵大臣、今のそういう答弁でありましたけれども、今後、この二名について、調査の結果をもって適切な処分等を行うということでよろしいですか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今官房長が答弁申し上げたとおりでありますが、今回の事件で金融機関との疑惑が生じたことでもありますので、今大蔵省でやっておる金融関連部局に在職した者の調査とあわせて、これらの者についても調査を行い、調査の結果、問題があるということになれば処分をすることになるわけでございまして、そうしたい、こういうふうに思っております。
○石井(紘)委員 大蔵省は、この道路公団に限らず、他のさまざまな特殊法人へ出向者を出しておりまして、その中には、財務担当、あるいはなかんずく外債の担当ということをやっている例が幾つかありますが、大蔵省は、それらの担当者についても実情を調査するようなことはあったんでしょうか、あるいは、そういうことを行うつもりがあるんでしょうか。
○武藤政府委員 既に何度もお答え申し上げましたとおり、現在の内部調査は金融関連部局におった者について調査をしているわけでございます。その他の者につきましても、具体的な問題が指摘された場合には調査をしたいというふうに考えておりまして、このたびの御指摘の道路公団についても、そういうことで調査をしておるわけでございます。 ほかの者についてどうかというお尋ねでございますけれども、具体的な問題が現にあれば、それはそれで調査はしたいというふうに考えております。
○石井(紘)委員 具体的な問題があればといったって、現に外債の主幹事の選定をめぐって問題が起こっているわけですから、ほかの特殊法人に行っている大蔵省からの出向者についても、その任にある者については調査しなきゃいけないんじゃないですか。
○武藤政府委員 公団の経理にいるという理由で調査をするというふうには現在の調査はなっておらないわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、具体的な疑惑が指摘されておればそれは調査したい、こういうことでございます。
○石井(紘)委員 何も別に、処分をするのが目的で、それがいいことというわけじゃありませんけれども、この際やはり、道路公団はつい三月の二日にも、これは前から指摘されていた問題のある業者からの収賄事件で逮捕者も出ているわけであります。 やはり、道路公団の外債を中心とした経営、あるいはまた公団の事実上の関連団体である財団法人道路施設協会、ここも捜査の手が入った。この出資をしている六十六社のうちの五社についても手入れが入った。こういうことで、内部の金銭をめぐる、あるいは経理をめぐる問題というものが非常に噴出しているわけでありますので、この点はきちっと調査をしなければ、後でまた責任をとらなければならぬことになってくるわけでありましょうから、ぜひ真剣に対応をしてもらいたい。 時間が参りましたので以上で終わりますけれども、ひとつ大蔵省も、あるいは道路公団、建設省も一層綱紀を引き締めて、そして、この経済状況の厳しい中でもってしっかりと業務に邁進していただきたいということを申し上げまして、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○越智委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。 次に、福島豊君。
○福島委員 平和・改革の福島豊でございます。 本日は、平成十年度の予算につきまして、厚生省関係の内容につきまして、私はお尋ねをさせていただきたいと思っております。 財政構造改革の旗のもとに組まれました平成十年度の予算でございますが、一つ一つ中身を確かめていくと、構造改革が行われたというよりは、むしろそのつじつま合わせを社会保障の予算そしてまた福祉関連の予算に押しつけている、いわゆる福祉切り捨ての予算なのではないかという思いがしてならないわけでございます。 本日は、児童扶養手当また難病対策についてお尋ねをするわけでございますが、制度のあり方そのものを見直すような大きな踏み込みがなされていると考えざるを得ません。とりわけ難病対策につきましては、今回の平成十年度の予算の編成に当たりましては、特定疾患ということで今まで公費によって負担をされておりました医療に自己負担を導入するという大きな転換がなされたわけでございます。 額そのものは、厚生省の御説明では、入院の場合には月額一万四千円、外来の場合には二千円、決して大きな負担ではないという御説明がございましたけれども、今まで公費で賄っておりました難病の治療に対して自己負担を導入するということ自体が、私は制度の質的な転換であると考えざるを得ないと思っております。当初はその額が比較的低額にたとえ抑えられていたにせよ、それが今後引き上げられていく道をつくったという意味においては、私としては、断固これは撤回すべき提案ではないかというふうに考えておるわけでございます。 また、児童扶養手当の所得制限の大幅な引き下げにつきましてもそうでございます。大変今経済状況は厳しいわけでございまして、多くの方が生活に困っております。母子家庭とてもその状況は同じでございます。いや、むしろ大変厳しい状況であると言わざるを得ないのではないか、私はそのように思います。 多くの国民が生活防衛のために切り詰めて生活をしている。そういう中にありまして、こうした母子家庭でありますとか難病患者さんでありますとか、経済的にも大変に弱い立場に置かれている人たちに今まで以上に負担を求めるというあり方、それが果たして許されるのだろうか、私はそのように思っております。 まず、児童扶養手当の所得制限の強化についてお尋ねをしたいと思っております。 今回厚生省が提案されました制度の改正におきましては、現在、制度は母子二人世帯で年収二百四万八千円未満の場合には月四万一千三百九十円、年収四百四万八千円未満の世帯には一部減額されまして月二万七千六百九十円が支給されているわけでございますが、この四百四万八千円という所得制限が三百万円未満と大幅に引き下げられるわけでございます。年収が三百万円を超す場合には児童扶養手当が支給されない。 このような制度改正の前提となっております児童福祉審議会の答申は、次のようなことをうたっているわけでございます。現行の児童扶養手当制度を母子家庭の自立支援を重点にして、就労支援、福祉貸し付け、専門相談、緊急避難等も含めた総合的自立支援制度に再編成し、給付の重点化、効率化を図る、さらに、政策効果、現行制度からの円滑な移行、大幅な行政コスト増大の抑制の必要性等を勘案するとこうした制度改正が最も現実的だ、このような答申をいたしているわけでございます。 ここからうかがえますことは、総合的な自立支援制度ということを言ってはおりますけれども、しかし、突き詰めて言うと、行政コストをいかに抑制するのか、その一点で今回のこの改正が提案された、そのように私は考えざるを得ないというふうに思っております。 この大幅な所得制限の強化につきましては、さまざまな声が上がっております。このさまざまな声を本日は大臣にお聞きいただきたいというふうに私は思っております。 まず、都道府県から早速に提出されました要望書には、次のようなことが記載されております。母子家庭の就労状況について、現在、常用雇用は四六・三%である。つまり半分に満たない。半分以上の人は常用雇用ではない。臨時雇用、パートの人は二七・二%にもわたる。このように、極めて不安定な環境の中で母子家庭の人は生活をしているということでございます。平均年収も二百十五万円という非常に低い水準にとどまっているというのが現状でございます。ここのところを私はよく理解していただきたいと思っております。 そしてまた、最近、国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部第一室長の福田さんという方の論文でございますが、社会保険旬報に本年二月に発表されました。この中で、次のような分析を彼は行っております。 まず第一点は、母子世帯の実収入、可処分所得は標準世帯の約二分の一にすぎない。大変少ない。また、世帯人数一人当たりの所得は標準世帯の約八割にとどまる。これが、日本の経済の状況がよくて、だんだんだんだん改善されてきている、そしてまた女性の労働条件が改善されてだんだんだんだんこの差が縮まってきているというのであればいいわけでございますが、近年、この標準世帯との一人当たりの所得の格差は、縮まるどころか、一貫して拡大しているというのが実態でございます。 それはなぜか。母子家庭の母の勤め先からの収入の伸びというのは、標準世帯の有業者の収入の伸びに比べてかなり低い。極めて環境の悪い中で彼女らは働いておるということでございます。 ここで、私は大阪出身でございますが、大阪府の母子寡婦福祉連合会の皆様から寄せられた声を御紹介したいと思います。 今申し上げました点につきましては、こういう御意見があります。同じ仕事をしても男性並みの給料は得られない現状では、扶養手当がなくなると生活していけません。また、こういう声もあります。中高年の女性が朝から晩まで働いても、食べていけない、子どもを育てていけない、情けない、男に生まれたかった。また、女性が幾ら常勤で一生懸命働いたとしても得られる金額は限られたものです、手当を合わせて何とか生活させてもらっています、医療費の負担もかかってくるとどうして暮らしたらいいでしょう。これは、医療費の補助がこの制度に連動しておりまして、これも影響を受けるということでこのような発言になっているわけでございます。 そしてまた、母子世帯の収入の中で社会保障給付費が占める割合でございますが、七・二%を占めている。また、平均水準の母子世帯ですと、月平均十九万円の収入ですが、全体の勤め先収入の一四%に相当する部分が児童扶養手当である、このような分析もなされております。この点につきまして、この児童扶養手当というのが低所得の母子家庭にとっては極めて大切な収入源になっているということでございます。 またここで、先ほどの地元の母子家庭のお母さんの声を紹介させていただきたいと思います。 児童扶養手当のおかげで親子三人の生活が成り立っています、現在仕事も少ないし生活も切り詰めて暮らしています、高校もあきらめなければならない状況です。このように、この扶養手当というものを厳しく制限するという施策が与える影響は甚大なものであると私は思います。 また、先日、厚生省統計情報部から、離婚家庭の子供をテーマといたしました人口動態社会経済面調査というのが行われて、結果が発表されました。 その中で、離婚後の悩みで最も多いのは経済的なことでございまして、七三%に及ぶわけでございます。今回のこの改正によりまして支給停止となる対象の方は約七万人を超えるわけでございまして、現在支給されている人の一割以上という実態もある。 そしてまた、さらに言えば、児童扶養手当は、先ほども申し上げましたけれども、医療費の補助であるとか、そしてまた母子家庭及び寡婦介護人派遣事業というようなものもございますけれども、そういうさまざまな福祉施策と連動した制度になっているわけです。ですから、今回、所得制限を厳しくするということは、そのほかの施策と連動して母子家庭というものをさらに厳しい状況に追い込む、そう言わざるを得ないわけでございます。 そういう意味で、大変今経済状況が厳しいわけでございまして、パートとてもいつ首を切られるかわからない。こういう中で、大臣は、こうした施策をどうしてもやろうとするのかどうか。私は、再考をしていただきたい、もう一度考え直していただきたい、そのように思うわけでございますが、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 今回の厚生省関係予算は、各省庁がマイナスになる中で、厚生省予算も約五千五百億円削減しなきゃならない。あらゆる制度を見直そう、負担していただける方には負担もお願いしなきゃならない、厳しい財政状況の中で組まれたものであります。増税はしない、国債増発はしない、財政構造改革をやるんだという大方針のもとに組まれた予算であります。 そこで、この児童扶養手当制度につきましても、昭和三十六年に創設されて、現在どうなっているのか。三十年以上経過いたしまして、創設当初は受給者の四割にとどまっていた離婚世帯が現在、離婚の増加に伴いまして、九割を占めるに至っております。給付費総額も、平成九年度予算で三千百三十六億円に上っております。 こういうことから、かねがね、この児童扶養手当制度について二つの問題点が指摘されておりました。一つは、離婚した母子家庭のうち、別れた夫から養育費を受け取っている者の割合は一五%程度にすぎない、これは国が一律に離婚手当を支給しているようなものではないかといった批判が一つであります。二つ目においては、同じような収入の児童養育世帯であっても、児童扶養手当を受けられない世帯が母子家庭以外に二百万世帯近く存在しておる、不公平ではないかとの問題点が指摘されたところであります。 今回の所得制限の見直しは、そういう問題もありますので、受給者の約九割を占める年収約三百万円未満の母子家庭に対する給付は従来どおりとしたい、しかし、年収三百万円以上の母子家庭について、同じような収入の一般児童養育世帯との均衡も勘案して、所得制限を設けたわけでありますので、御理解をいただきたいと思います。
○福島委員 今、大臣から二点にわたりまして御説明がありましたが、私は、その二点ともに承服しかねると申し上げざるを得ません。 確かに離婚がふえているのは事実だというふうに思います。しかし、離婚の中にも、例えばこういう御意見もありました。 母子家庭になったのは十一年前、四女が小三のときのこと、夫もどこにいるのかわからず、四人の娘を抱えて、援助を頼める人もなく大変な苦労をしたが、やっと一番下の子も高校を卒業した、ここまでこられたのは児童扶養手当のおかげです。このような御意見もありました。 みずから望んで離婚する人もいます。そうでない人もいます。それを一緒くたに考えるのは、私は間違っているというふうに思います。 そしてまた、児童扶養手当を受けることのできない、母子家庭ではない所得の低い世帯があるということも事実かと思います。しかし、それは、二十一世紀に向かって少子化時代を迎える中でどのように子育てを支援するのかということで、どうするのかということをむしろ前向きに考えるべきであって、その低い水準に合わせましょうという話では私はないのではないかというふうに思います。 財政構造改革ということでは、大変厳しい課題が課せられているのは私はわかります。しかし、本当の意味での構造改革というのは、このような弱者切り捨てのところにないのではないか。そして、その構造改革は大変厳しいかもしれないけれども、そういうむしろもっと大きなところに私は取り組んでいただきたい、そのようにも思います。 次に、難病対策につきましてお尋ねをしたいと思います。 難病対策につきましては、今回、特定疾患の中で、重症患者に対しては全額の公費負担を継続するけれども、一般の患者、何が一般なのかよくわかりませんけれども、先ほど申し上げましたような、入院の場合には月額一万四千円、そして外来の場合には二千円の定額負担を導入するというふうにされております。 まずお聞きしたいのは、この重症患者と一般患者をどのように分けるのかということでございます。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 重症患者の認定につきましては、特定疾患の主要な要因として、身体の機能障害が永続しまたは長期安静を必要とする状態にあるため、日常生活に著しい支障のある患者を考えております。具体的には、疾患の重症度や疾患による日常生活動作の状況等を勘案し、身体障害者の一級及び二級、障害年金の一級の認定基準を参考に、客観的な指標を新たに作成したいと考えておりまして、この場合、重症患者の見込み数は大体六ないし一〇%の範囲内になるのではないか、このように思っております。
○福島委員 重症患者の見込み数がおおむね六ないし一〇%ということは、現在、特定疾患ということで公費負担の医療の対象になっている方のほとんどに自己負担が導入されるということだというふうに思います。 ここでまた、難病患者さんの声を御紹介したいというふうに思います。これはパーキンソン病、これも特定疾患の一つでございますが、このような声がございます。この方はまだ働いてはいるのです。働いてはいます。ただ、大変に不自由なさっております。 六十歳の定年まであと七年ありますが、進行性の病気のためいつまで勤務を続けられるか本当に不安です。市バスと地下鉄での通勤ですが、特に帰途混雑するので、体調が悪いときはやむを得ずタクシーを利用することがあります。また、薬の服用量を抑えるため鍼灸院ではり治療も行っています。不自由な身体のため、仕事の内容も限定され、当然昇進もできず、月々の給料も低額です。このような状況のもとで治療費の負担が必要となることは、日常生活を圧迫するもので、到底納得ができません。 確かに、ほかの患者さんと比較してどうなんだ、負担を求めるべきではないかという観点もあろうかと思います。ただ、私が思いますのは、このように特定疾患いわゆる難病というものを抱えている方は、たとえ若い人であったとしても、就労ということについて大変大きな障害があるわけです。パーキンソンの人も、これはなかなかはたから見ているとわからないけれども、体が思うように動かない。思うように動かなければ、どんな仕事でもできるというわけではない。 また、これは従前の調査でございますが、難病の患者さんの生活実態、これはなかなか具体的な数字が多くはございませんけれども、御紹介しますと、東京都で、平成二年、都の医療費助成、これは特定疾患とほぼ重なるわけでございますが、患者さんの世帯の所得ということでございますけれども、三百万円未満の世帯というのが三四・九%。そしてまた広島県で行いました、治療、研究治療を受けているもの、これは平成三年でございますが、三二・二%と、三分の一は三百万未満の世帯ということでございます。 これは、一般の世帯ですと二〇%をちょっと超える程度でございますから、やはり全体として難病の患者さんの所得は低い、そういう実態があるということを私は認識をしなければいかぬというふうに思います。 また、医療といいましても、今この声を紹介いたしましたけれども、体が自由に動かないということは、病院に行くまでもお金がかかる、病院から帰ってくるにもお金がかかる、それ以外の部分でさまざまな形で負担がかかるということなんです。こういった中で、所得も低い、そしてまたさまざまな負担がある、そしてまたさらに自己負担をしなければいかぬ、じゃ、どうするのだということで、難病の患者さんは大変に不安に追い込まれている。 こんな話もございました。これもまた全国パーキンソン病友の会の会報に載っておりましたけれども、もう既に医療費自己負担導入のニュースによって生きる希望をなくし一命を失ってしまったパーキンソン病患者さんの知らせが届いています。 これは、難病対策というのは、私は、今まで厚生省の非常に大きな成果だと思っています。それは、治療法もない、希望もない、その中で国がこうやって前向きに取り組んでくれているのだなと。それで病気がすぐよくなるわけじゃありません。だけれども、患者さんにとっては、そういう国の取り組みというのが一つの支えだったわけです。支えとして、彼らは、彼女らは生きてきた。それを断ち切るということと私は同じなんだというふうに思います。 ほかの病気との公平さという話もありますけれども、私はこんなふうに考えています。 これは、特定疾患というのは治療の研究事業だという考え方も一つある。それはそうだと思うのですけれども、ただ、病気というのは、先ほど申しましたように、治せば治るという部分、治しても治らないという部分、その治療の部分もあります。そして、介護保険ということで医療の中から取り出されたのは、介護という部分ですね。介護という部分もあるということが取り出された。そしてまた、ここにもう一つつけ加わるのは、私は、先ほどの就労、その人の生活、働くということ、また所得を得るというようなこと、そういうことも病気と分かちがたく絡み合っているわけです。 ですから、この事業というのは医療だけをやっているのですよ、治療研究だけをやっているのですよと厚生省は思っておられるかもしれないけれども、実際に受けてきた方というのはそうじゃない。それは生活を支えるという部分もある。介護の部分もある。介護の部分は非常に薄かったですけれども、最近大分広がってきました。そういう一つの全体的な支えとして彼らは受け取ってきたわけです。 それを厚生省が、それはそうじゃないのだ、我々はそう考えていなかったのだ、だから縮めるのだと。それも一つの考え方かもしれませんけれども、しかし、私は、単に医療ということにとどまらず、包括的に悩める患者さんを支えようというこの事業を決して縮小させるべきではないのだというふうに思っております。 この点につきまして、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 今回の予算編成におきましても、あらゆる制度を見直していこうということで手をつけたわけでありまして、この難病対策にしても、制度発足後二十五年間経過しております。その間の医学とか治療の進歩は目覚ましいものがあると思いますけれども、今回も特に重症患者に重点を置こうじゃないか。今までの形のものをそのまま温存して予算をふやせばいいという問題じゃないだろう。 難病に指定されていながら、実際は指定されていない患者よりも軽い患者さんもいる、こういう問題もあったということで、今回は重症患者に重点を置いて、特にこの難病対策事業を充実させていこうという観点からやったわけでありまして、一部負担をいただく場合にも、一般の方よりもごく低い負担をお願いしている。 さらに、厚生省全体の予算は、五千五百億円程度削減する中で、実際は三千億弱増額が認められたわけでありますが、全体として二%程度の伸びがしていますけれども、この難病対策については二〇%伸ばしている。難病対策を充実させているのです。それは、重症患者に重点を置こうということから、これからもこの難病患者に鋭意取り組んでいく姿勢を示したものであるということを、ぜひとも御理解いただきたいと思います。
○福島委員 本年の、平成十年度の予算の中で、大臣おっしゃいますように、難病対策の予算は私はふやしましたと、それは私もよくわかっております。ただ、それは質的なものが違う。 ALSの患者さんから昨年の国会でさまざまに陳情をいただきました。そういった極めて重症の患者さんに対して、今の医療の中でそれを支える仕組みが余りないわけです。本当に家族の人は苦しんでおられる。その施策というものを充実させなければいかぬというような観点から、今回さまざまな措置を盛り込んでいただいたということについては、私は大変感謝をいたしております。そしてまた、率直に評価も申し上げるつもりでございますけれども、しかし、それは、本来そこまでカバーすべき対策をすべきだ。 先ほども言いましたように、単に病気を治すということだけではない。治らないわけですから。なかなか治らないわけですから。治療法は将来見つかるかもしれないけれども、現状では困難だ。そこにさまざまな、所得の問題も絡んでくる、そしてまた介護の問題も絡んでくる。そういうものを全体として支える仕組みとして充実させるということであれば、今回のような増額というのは、もっと私は早くやっておくべきことだったのではないかというふうにすら思うわけでございます。 しかし、前進は前進でございます。しかし、だからといって、一般の難病の患者さんのほとんど、六%から一〇%を除きますと残りは八〇%、九〇%ということですね。その方に自己負担を求めるという考え方とは、私はこれは別の話ではないかというふうに思います。 そしてまた、重症患者と一般患者の分け方、先ほど御説明が厚生省の局長からございましたけれども、そこのところの区分というのも、甚だ私はあいまいな話だというふうに思うのです。 先日いただきましたこの資料の中では、例えば心臓疾患の場合には、重症の判定の指標というのは、安静時にも心不全症状または狭心症症状が起こり、安静から外すと訴えが増強する。これはじっとしていなければいけませんね。そしてまた、身体活動を極度に制限する必要のある心臓病患者で、身の回りのことはかろうじてできるが、それ以上の活動では心不全が起こる。 ということでしたら、こういう人は働けませんよ。働けないです。そういう患者の自己負担を求める。だから、重症患者の枠をどうするのか、ここのところはもうちょっときちっと考えていただかなければいかぬ。 そしてまた、パーキンソン病の方でしたら、症状が日によって変動するということがあります。オン、オフということがあります。ですから、医者にかかってみて、診断書を書くぞといったときに、そのときはうまく動いていても、家に帰ると途端に動かなくなるということもあるわけです。そこのところをしゃくし定規に切り捨てられると、これもまた現実にそぐわない話となるわけでございまして、この分類というところについては、もし施行するということでありましても、私は十分な検討をしていただきたいと思います。 時間がそろそろ参りましたので、最後に、私は大蔵大臣にお聞きをしたいわけでございます。 財政構造改革、確かに聖域なき見直しだというのもわかります。しかし、一つ一つ取り上げてみると、もっと削るところがあるのじゃないかというような思いも私はします。そして、小さなところですけれども、難病対策だとか児童扶養手当の問題だとか、本当に困っている人、苦しい人、そういう人のところの施策を削るということについて、大臣としてはどのようにお考えですか。
○松永国務大臣 お答え申し上げます。 先ほど、児童扶養手当に係る所得制限の見直しの問題、これは厚生大臣から御答弁がございました。また、難病医療費に係る患者負担制の導入、これにつきましても厚生大臣から話がございました。要するに、難病対策を重症患者対策に重点を置いて、そして再編成するための改革の一環だというふうな御説明があったわけでありますが、私もそのようなものと承知しているところでございます。 そういう中で、財政構造改革との絡みで、これからの社会保障関係あるいは福祉関係の予算をどうするかという最終的な委員の御質問であったわけであります。 私どもとしては、急速な少子・高齢化が進んでくる、そういう中で社会保障に係る国民の負担が増大することが見込まれる、そういったことの中で、経済の発展や社会の活力を損なわないように、社会保障制度の効率化、重点化を進め、将来にわたり安定的に運営できる社会保障制度を築くための構造改革を進めていく必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。 平成十年度の予算のことにつきましては、先ほどお話を申し上げましたように、医療、年金、福祉の各分野において、効率化、重点化という考え方から見直しを行い、御審議を願っている予算の内容にいたした次第でございますので、ぜひひとつ御理解を賜りたい、こう思う次第でございます。
○福島委員 時間が参りましたので、最後に、一言だけ申し上げたいと思います。 重点化、効率化ということですけれども、これを金科玉条のようにして語るのはいかがなものかなという気がいたします。それよりも、重点化、効率化の向こうで国民がどういう声を発しているのか、悩んでおられる人がどういうことを言っているのか、そこのところに私は政治家としてしっかりと耳を傾けていただきたい、そのように申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○越智委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。 次に、丸谷佳織さん。
○丸谷委員 新党平和の丸谷佳織と申します。予算委員会では初めての質問となりまして、大変緊張しておりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。 本日は、青少年の麻薬乱用対策、そして、夫婦別姓問題、夫婦別姓制度の導入について、二つのテーマをお伺いしたいと思っておりますけれども、まず最初に、青少年の薬物乱用対策から始めさせていただきたいと思います。 けさの新聞を読んでいますと、茨城県の水戸市で、女子中学生二人が覚せい剤の使用で補導、逮捕されていたことが報道されていました。また、最近では、ナイフを使った少年犯罪が多発しておりまして、本当に急速に対処をしていかなければいけない昨今なのですけれども、同様に、薬物の依存度というのも年々高くなってきているというふうに言うこともできると思います。 今月に入りまして、青少年の覚せい剤使用は、栃木県で男子高校生が所持品検査の中で覚せい剤を持っているのが見つかった、そして東京都内では十七歳の女子高生が所持をしていた、また私の地元の北海道の帯広市で女子中学生が学校内で覚せい剤を使用しているところが見つかったなど、中高生の薬物汚染が報道されない日がないと言っても過言ではないと思います。 また、帯広市といえば大都市の札幌から約二百六十キロ離れている地方都市でございますけれども、このように、薬物が地方都市にまで広がっているということに大変大きなショックを覚えることもあります。 なぜ今普通の中高生にまで薬物汚染が広がっているのかといいますと、今までは高額過ぎて買うことができなかったけれども、少量化あるいは低価格にすることによってお小遣いで買うことができるようになった。あるいは、携帯電話の普及ですとかポケットベルで、コミュニケーションの枠が広がってきた。あるいは、テレクラの利用ということで、今まで知ることができなかった大人の世界あるいは大人のネットワーク、大人に促されるままに薬物を利用するというパターンもふえてきているのではないかというふうに思います。 薬物の使用に関しましては、まだいろいろと現状ございまして、今までは注射器による使用から、今度はアルミホイルに薬物を入れて、そしてそれを熱して気化させて、周りにいる全員で吸引をする、そういうようなところまで広がってきているのですけれども、こういった薬物依存が高まる社会的な状況を小泉厚生大臣はどのようにごらんになっているのか、お伺いします。
○小泉国務大臣 薬物がだんだん低学年に波及している、しかも薬物による中毒症状になりますと、自分自身も大きな被害を受けるだけでなく、他人に対してまでも大きな影響を与えていくという面において、何とかこの薬物の恐ろしさを低学年の児童生徒にも理解していただき、少しでも予防対策に努めなきゃいけないと思っております。 これは、単に厚生省だけでできる問題ではないと思います。今、麻薬取締官のOBとか専門家を活用して、できるだけこの薬物の恐ろしさというものを、まだその薬物に手を染めていない児童に対しても理解してもらわなきゃならない。これは、一度薬物中毒に陥ってから治すよりも、まず、その薬物に手を出さない、使わないということが大事でありますので、不断の啓発活動が大変大事だと思います。 そういう点については、学校、文部省にも御協力いただきまして、低学年のときから、できれば学校教育の一環として、薬物に手を出すな、「ダメ。ゼッタイ。」という標語がありますけれども、絶対手を出してはだめですよと、「ダメ。ゼッタイ。」運動というものを全国的に広げていって、治療よりも予防が大事だという観点から、この運動に取り組んでいきたいと思っております。
○丸谷委員 ただいま厚生大臣おっしゃいましたように、やはり未然に防ぐという観点が非常に大切だと私も思いますし、また、厚生省だけで決して取り組んでいける問題ではない、そういうお話もありました。 橋本総理大臣も、運輸大臣当時には、海上保安庁が行う麻薬、覚せい剤等の密輸入の水際防御に大変御尽力をされた。また、去年は、内閣に設置をされました薬物乱用対策推進本部のみずから長としておつきになられて、薬物対策に大変積極的に取り組んでいらっしゃるというふうに、大変敬意を表している次第でもあります。 しかし、国連麻薬乱用撲滅の十年が一九九一年から始まりまして、そして、この十年ですから、二〇〇〇年までことしを含めましてあと三年というところにありながら、年々薬物乱用の青少年の割合がふえている。非常に残念な状況にあると言うこともできると思いますが、きょう、総理がいらっしゃいませんので、官房長官は、現在のこの薬物対策につきましてどのような御見解をお持ちか、お聞かせください。
○村岡国務大臣 丸谷委員の今おっしゃるとおり、薬物の乱用というものには、政府も大変重要なことだと、推進本部を昨年の一月十七日に決定いたしました。総理大臣が本部長、私も副本部長でございますが、副本部長は八名ございまして、厚生大臣も法務大臣も副本部長でございます。 先生のおっしゃることは、いわゆるキャラバンカーというのが、ここにありますけれども、こういう「ダメ。ゼッタイ。」と、こういう車があります。ありますけれども、これは一台しか現在ございません。これでは、全国回ってもなかなかできない。こういうことで、来年度、厚生省と警察庁で五台の予算要求をいたします。そうなりますと六台、こういうことになるわけでございます。 それから、各高校に、九年度で、ビデオやパンフレット、五千六百本、防止とか、乱用したらこういうことになりますよという教育用、啓蒙用のビデオ。ビデオは九年度分で全部配付をいたします。ただ、学校がその対応をしてくれるかどうか。ただビデオを持ちっ放しではだめなので、文部省にもお願いをして、そういうものをちゃんと課外授業でも、授業中でもやっていただく。 こういうことで、十年度からは、先ほども、中学生が今度入ってきたということで、中学校にもこういうビデオとかあるいはパンフレット、そしてまたこのキャラバンカーもやっていく。重要性にかんがみまして、しっかり頑張っていきたい、こう思っているところであります。
○丸谷委員 ただいまキャラバンカーのお話が出ましたけれども、現在は全国に一台しかない。昨年はこの一台が約二百日稼働しまして、約五万人の人が見学した。そういう中で、本当に非常にこれは効率のあることだなと思いましたのは、このキャラバンカーによる健康教室の感想文というのを、見た中学生、高校生に書いてもらっているので、それを少し御紹介させていただきたいと思うのです。 中学校一年生の女子です。シンナーのことは全然知りませんでした。こんなにシンナーにおぼれている人がいることもわかりました。体をだめにする危ない薬物が世界に広まっていることは、とても怖いと思います。いつ、どこでそういうことに出会うかわかりません。そのとき、自分はどのように対応していくべきなのか。自分で断ることが一番だとわかりました。 そして、中学校三年生、同じく女子なんですけれども、麻薬と覚せい剤が違うものだとは全然知りませんでした。キャラバンカーはとてもわかりやすかったです。今までこのような薬物に対する関心は余りありませんでしたが、きょうの健康教室で気をつけなくちゃなと思い、手に入れようと思えば中学生でも手に入れられる怖さを知りました。脳や呼吸器の故障や幻覚に陥り、自分のほか何もかも見えなくなるのは悲しいことだと思いました。 こういう感想文等々が多く寄せられている。こういう現状を見ましても、本当に、中学生、高校生、子供たちの目線で、どれだけ薬が怖いものかということを訴える効果は十分にあると思うのですが、何せ台数が少ないものですから、できれば四十七都道府県に一台ずつ置いていただきたい。 今回五台ふえるということで、計六台になるわけなんですけれども、理想的には四十七都道府県に一台ずつ、近々には麻薬取締官事務所があります八地区、これは十二カ所なんですが、この八地区にできれば一台ずつ増設をして対応していただきたいなと強く思うのですが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 それは多ければ多いほどいいと思うのですが、これも予算の関係もあります。また、各局、各部、それぞれお金があればやりたいことがたくさんあるわけでありますが、今回、不十分でありますけれども、一台からもう少しふやそうということで、ふやす計画を立てております。 さらに、このキャラバンカー、大型バスの一種だと思うのですが、これに対して、麻薬なり薬物防止活動のためにどうしたら有効な、また多くの人が理解していただくかということを考えても、できるだけ若い人たちがその話に関心を持っていただく人を選ぶ必要もあるのではないか。大型バス、キャラバンカーをふやすのも一策でありますけれども、同時に、できるだけ理解されるような人と場所を選んで、効果的に、この薬物「ダメ。ゼッタイ。」運動が多くの国民に理解されるように努めていかなきゃならないと考えております。
○丸谷委員 ありがとうございます。 厚生省では一台、警察庁では四台ふやしていただいて、計六台になります。管理体制がしかれている八地区まであと二台となっておりますので、本当に何とかあと二台お願いしたいなというふうに強く思うわけなんです。 今厚生大臣が、こういった啓発運動をしていくときに、より多くの青少年が関心を持つような人を選んでやっていかなければいけないという大変大切な視点でお話しになりましたけれども、この薬物対策啓発運動のイエス・トゥ・ライフ・ヤングフェスティバルというのが毎年行われているのです。 この東京大会では、二千人の枠に対しまして中高生が十二万人応募するという、非常に高い関心を集めた啓発運動の一環のフェスティバルがあるのです。これは、先ほども言いましたが、イエス・トゥ・ライフ・ヤングフェスティバルというふうにありまして、薬物に対する啓発運動では、六月二十六日の国際麻薬乱用撲滅デーのイベントとともに、年に二回、大きなイベントになっているのです。 昨年はどういったイベントだったかと申しますと、若い人ならだれでも知っているのですが、小室哲哉さんとか、大臣も御存じですか、安室奈美恵さんとか、小室ファミリーが大変人気を集めているということで集合しまして、そこに十二万人の応募があった。 それだけに、歌を披露するだけじゃなくて、自分たちがふだんあこがれている、あるいは身近に感じているアーティストから、麻薬は絶対によくないよ、全然格好いいものでもないし、ファッション性なんて一つもないんだよといったようなメッセージを子供たちが実際に受けることによって、大人が説得するよりも、心にすとんと落ちてくる部分が非常にあるのじゃないかというふうに思います。 また、ことし六月二十六日の国際麻薬乱用撲滅デーももうすぐなわけなんですけれども、できれば、こういった本当により多くの青少年の関心を集めるような、例えば、ことしは長野オリンピックがありまして、本当にスター選手も登場しましたし、多くの感動を与えてくれたメダリストそれから選手もたくさんいるわけですから、そういった青少年が同じ目線で語れるような人を集めて、また大きなイベントを開催していただきたいというふうに思います。 大臣のお考えをお聞かせください。
○小泉国務大臣 せっかくそういう啓発事業のイベントをやるのだったら、いい人を活用すべきだ、また若い人が共感を得るような、素直に胸にすとんと落ちるような人選が大事じゃないかということだと思います。これは、私は、大変大事なことだと思います。 自分のあこがれのスター、好きなスターということなら、胸を開いて素直に聞いていただけると思うのです。専門家よりも、より一層多くの方々も耳を傾けるし、なおかつ人も集まるというので、効率的、効果的ということを考える上においても、若い人が素直に聞いてくれるような人選を考えていきたいと思います。
○丸谷委員 よろしくお願いいたします。 ことしの六月二十六日の国際麻薬乱用撲滅デー、本当に期待をして、私も参加をして、応援をしていきたいというふうに思います。 両大臣、どうもありがとうございました。 続きまして、夫婦別姓制度の方に移らせていただきたいと思うのですけれども、民法の一部改正に関してなんですが、私は、特に選択的夫婦別姓制度導入の問題を取り上げさせていただきたいと思います。 九一年より法制審の方で五年余り審議をされまして、そして九六年の二月に答申が出されました。今まで法務委員会等で審議をされました会議録はすべて読んだのですけれども、時の大臣によりましてお考えが消極的だったり積極的だったりと、大臣によってやはり違うものなのかなというふうにも思いながら会議録を読んでおりましたが、今回、下稲葉法務大臣は、この選択的夫婦別姓制度の導入について、いかがお考えか、お聞かせください。
○下稲葉国務大臣 今お話しの問題でございますが、昨年、私の前任者の松浦法務大臣が、大臣の所信の中で、民法の改正は、国民生活に密接なかかわりを有する重要な問題であります、特に選択的夫婦別姓制度の導入につきましてはなおさまざまな御意見があるところでありますので、問題の所在を正しく御理解いただいた上で関係各方面において適切な御議論をしていただき、国民の皆様の御理解を得ることができる状況で改正法案を国会に提出するよう努力してまいりたいと考えております、こういうふうに前任者は申し上げております。私も、全く同じ気持ちでございます。
○丸谷委員 今おっしゃいました、国民の理解がまだ得られていないというふうな内容だったと思うのですけれども、何を判断材料にされてそのような見解となるのか。お願いします。
○下稲葉国務大臣 お答え申し上げます。 この問題につきましては、法制審の答申が出ました。選択的夫婦別姓の問題は、社会や家族のあり方に直接影響を及ぼすものでございます。国民のお一人お一人に直接影響を与え、また価値観の問題でもあり、文化の問題でもある、このように思います。 そういうふうなことから、平成八年六月に総理府が実施した世論調査の結果等によりますと、民法改正につきまして、いまだ国民の大方の支持が得られたとは言いがたい状態であった。具体的に申し上げますと、別姓賛成という方は三二・五%でございました。別姓反対というのが三九・八%でございました。 ほかに、嫡出子以外の子に対する相続の問題等についてどうするか等々の世論調査もいたしましたが、やはり、今御質問の選択的夫婦別姓制度につきましては、別姓反対の方が多いという状態でございました。 そういうふうな結果を踏まえまして、やはりその辺のところをもう少し見きわめてから政府としては対処したらどうかというふうな判断で、今日に至っているわけでございます。
○丸谷委員 今おっしゃいました平成八年六月の世論調査、これは全国の二十以上三千人を対象にした調査だと思うのですけれども、法律を改める必要はないが三九・八%で、改めてもよいが三二・五%と、この差がわずか七・三%と言うこともできますし、まだ七・三%の方が、認める必要はないという人が多いと言うこともできるとは思うのです。 これは無作為抽出法での調査なので仕方がないと思うのですけれども、フェースシートを見てみますと、回答者の既婚者率、これは有配偶者率に限らせていただいても八〇・六%、そして未婚者率が一一・八%なんです。お子さんがいらっしゃる方が九二・六%、そしてお子さんがいない回答者は七・四%というふうになっています。 ただ、結婚もされてお子さんもいらっしゃる方が八割以上いる中でのこの七・三%の差しかないこの別姓問題の国民の理解度というのは、余り理解されていないとは言えないのじゃないかなというふうに私は思います。 これを、もし、例えば今後実際に結婚していくような現在の二十代あるいは三十代の人、また未婚の人を中心にこの割合が多くなれば、もちろんこの数字というのは違ってくると思いますし、こういった世論調査をやはり細かく続けていく必要があるのではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○下稲葉国務大臣 お答えいたします。 きょう、手元にちょっと資料を持ってまいりませんでしたけれども、大分前の調査ですと、別姓反対が過半数を超していたという数字も私心得ております。これは新聞社等の調査でございます。先ほど申し上げましたのは総理府の調査です。 その調査も、年齢別に分析したのを見てみますと、若い年齢の人の方が別姓賛成という傾向にあるわけでございまして、お年寄りの方たちの方がこれは圧倒的に別姓反対ということになっているわけですね。ですから、考えようによりましては、やはり年とともにそういうふうなものは推移するのかなというふうな感じがしないでもございません。 したがいまして、今お話しのような形で、適時適切に世論調査等々をしながら、世論の動向等も踏まえてまいりたいと思いますが、やはり国民のお一人お一人の問題にもかかわることでございますから、やはり相当数の方が御賛成いただくというふうな形で決着するのが本当はいいのじゃないか。何か五分五分ぐらいの形で、さあそれでいいのだろうかどうか。 それからもう一つは、選択的夫婦別姓でございますので、そうすると、選択しない人と選択する人と、隣の人またその隣のうちが違うような選択をなさるというふうなことにもなるわけでございますね。まだその辺の議論というのは余り十分なされておりません。そういうふうなことをも踏まえてちょっと議論してみることも必要ではなかろうか、このように思います。
○丸谷委員 五年余りに及び法制審の方でその点はもうしっかり審議をされて、そして各関係者あるいは学識者の意見を聞いて、九六年二月の答申が出てきたのじゃないかなというふうに私は理解をしているのですけれども、今大臣がおっしゃいました、五分五分ではまだちょっとだめだということは、圧倒的に選択的夫婦別姓を認める世論の声が、例えば六割なのか七割なのかわからないのですけれども、盛り上がったときにこの法案を国会に上程されるというおつもりなんだというふうに理解をさせていただきました。 しかし、世論が勝手にこの法案について盛り上がってくる、別姓問題について日常議論をして自然発生的に生まれてくるというのは、ちょっと難しいのではないか。五年余り法制審でせっかく審議をされたというのも、その理由があったからであって、それを望む人がいるという理由があったからだと思うのですね。 その中で審議をされたものを国会に上程して、そして国会の場で議論をすることによって、国民の理解また関心が深まっていって、その中で世論調査をして、国民の理解度というのは判断していくべきではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○下稲葉国務大臣 お答えいたします。 先ほど別姓と別姓でないのとでいろいろ議論し尽くしてないということを申し上げましたのは、法制審とは別な議論でございまして、世論調査の段階でそういうようなことをやったことはないということでございまして、言葉足らずでございました。 これは、国民のお一人お一人、身近な問題に全部返ってくるわけでございます。それだけに、私は、六〇%がいいとか七〇%がいいとは申しません。国民の大多数の方々が、もう皆さんに、お一人お一人に直接関係のあることでございますので、やはりその辺のところを踏まえて判断いたしたい、そのように思います。
○丸谷委員 今、別姓に賛成の方もあるいは反対の方も、いろいろな意見があって当たり前だと思うのですね。みんな、家族、夫婦によって、同じスタイルあるいは同じ価値観であるということは、もう今の女性の生き方の多様化、あるいは男性の生き方も多様化していると思います。この二十一世紀に、今後この多様性をそれぞれが認めていくような社会に変革をしていってもいい時期なのではないかなというふうに思いますし、また、今後結婚という問題に直面していく世代の人たちの意見をやはり多く聞くような場、あるいは調査というのをぜひしていただきたいと思います。 私たちの党でもこれは議員立法として提出をさせていただいて、しっかり審議をして成立をさせてまいりたいというふうに申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて丸谷さんの質疑は終了いたしました。 次に、中野清君。
○中野(清)委員 平和・改革の中野清でございます。 まず、委員長に、私の質問に際しまして、参考として、盛岡市商店街連合会の岩手日報への意見広告を配付することをお許し願いたいと思います。
○越智委員長 了解します。
○中野(清)委員 今日、我が国の中心市街地の衰退、空洞化の現状は、だれもが認め、憂慮する政治問題になっております。我が国には一万九千近くの商店街がありまして、その中で、停滞及び衰退している商店街というのは、平成八年には実に九四%になっております。 今御配付いただきました「いま、盛岡を守りたい!」私たちは巨大なショッピングセンターの進出に反対いたしますという盛岡商連の意見広告というものは、大店法廃止後の政治に対応しての地域の声、現場の声、商店街の声の象徴と考えましたので、御参考にしていただきたいと思います。 盛岡市内には、中小小売商が約四千店あります。その店舗面積は、合わせて十六万平方メートルであります。これに対して、巨大なショッピングセンター店舗面積の新しい計画は十八万平方メートルになります。これは、百貨店、スーパー、郊外店など今の盛岡市の既存の大型店の合計面積十九万平方メートルに匹敵をします。今の盛岡の全店舗面積の半分以上を占める計画がたった三カ所でもってできておるわけであります。 この計画に対しまして、杜と水の都盛岡とみんながはぐくんできた美しい町が失われてしまう。計画は余りにも無謀な大きさだ。おなかいっぱいの赤ちゃんの口に無理やりに三本の哺乳瓶を突っ込むようなものだ。今までの都市計画を踏みにじり、農業振興法をないがしろにするものだ。そして何よりも、巨大なショッピングセンターの進出で、町と市民のコミュニティーが破壊されるという問題があっております。これはひとつ盛岡だけではございません。 この盛岡商連の主張、私は川越市で商店街連合会の正副会長を二十五年間、商人としても三十九年やってまいりまして、大店法の成立から今日まで全部見ておりますから、よくわかるわけでございます。その点で、このことについて、まずお伺いをしたいと思います。 それからもう一つは、今、大手スーパーのダイエーと西友グループが大きな話題になっております。大きな赤字の中で、ダイエーは三年間で五十店、西友は三十店を閉鎖しようという計画が伝えられておるわけでございます。今まで地元に対して大きな社会問題になるような無理を言って、と言っては申しわけありませんけれども、出店をして、今経営不振だから閉店をして、現状の地域や商店街に大きな影響を与えている。 平成九年の日商の調査では、大型店の撤退が八店あった都市が二都市、六店あった都市が二都市、五店が三都市、四店が六都市と、これでは町が、都市が壊れてしまいます。 しかし、その反対に、大型店はスクラップ・アンド・ビルドで、新しいところへ出店を計画しているわけでございます。平成元年には大型店出店は七百九十四件、それが平成八年には二千二百六十九件、三倍近くになっております。また、ことし、九八年だけでも、ダイエーは五店、イトーヨーカ堂は十店、ジャスコは二十店を開こうとしております。 特に盛岡については、五十店閉店しようというダイエーがこの中で十万平方メートルのショッピングセンターをつくりたい、そういうことがございますから、これを私が出したわけでございます。こういう巨大なショッピングセンターというものは地域、盛岡を創造し、はぐくむものではありません、利益採算が合わなければいつでも地域を捨てるだけだというこの盛岡商連の主張というものを、私は本当だと思っております。 つまり、企業の経済の効率性の勝手な論理から出退店を繰り返すこと、大型店の市場の論理を認めることが、今までの大店法の、国の政策だったのだろうか、この大型店のあり方が本当に消費者の保護になったのだろうか、地域のためになっていたのだろうか、私は疑問を持たざるを得ないのであります。 こういう中で、今大店法が消える日が現実のものとなりつつあります。この盛岡に代表される全国各地の中小小売業、そしてまた大型店のあり方、地元の声について、橋本内閣の主要閣僚として対外交渉の責任者でありますし、これから総理にいつかなっていただきたいと期待しております外務大臣に、御認識をまずお伺いしたいと思います。 それから、この資料につきましては、十二月五日に通産大臣にもお見せいたしました。そのとき、答申の前でございましたから、大臣からは、当時、建設という手法論での御答弁しかできませんでしたが、今、大店法を廃止して新しいスキームをしようとしている通産大臣、このことについてどうお考えか、お伺いしたいと思うのです。 この問題は、お二人に申し上げますけれども、今、国会に提出されております中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、都市計画法の改正、こういう問題とある意味では一番根幹的な問題でございますので、御答弁願いたいと思います。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○小渕国務大臣 大店法といいますか、大型店がそれぞれの地域の消費者のために果たしてきた役割は、それなりに大きかったと思っております。が、同時に、今委員御指摘のように、この出店舗その他がその地域の商店街に与える影響がまことに大きいことも承知をいたしております。したがいまして、この大店法に関する我が国の制度の見直しにつきましては、広く内外の意見を聴取いたしておるところでありまして、国内の現状も踏まえて進めていく必要があると考えております。 いろいろと、特に米国からもいろいろな考え方を示されておりますが、そうした外からの意見もこれまたお聞きをするということもあり得ますが、地域のコミュニティーの中核として地域社会において重要な役割を果たしておる中心市街地の商店街の活性化のために、委員御指摘のような中心市街地活性化法案が今国会に提出をされておるところでございますので、こうした法案の審議を通じまして、中心市街地の問題につきましても十分考慮いたしていかなきゃならぬ、このように考えております。
○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。 大型店の問題でありますが、大型店の出店あるいは退店というものにつきましては、一義的には企業の経営判断にゆだねられているというふうに考えられておりまして、そういう問題ではございますが、特に大型店の新増設につきましては、近ごろ大規模店舗の周辺に、騒音の問題とかあるいは交通の渋滞だとかごみの問題だとか、いろんな社会問題化されている問題が大変提起されております。 これらの交通あるいは環境問題、こういう問題への対応及び計画的な地域づくりというような意味合いの整合性を確保することを通じまして、小売業者の健全な発展と地域社会との調和を図るために、実効性のある制度を構築する必要があるというふうに考えておりまして、このため、今国会に必要な法律案を提出したところでございます。 他方、退店の方につきましては、基本的にはやはり経営上の不都合によるものが多いわけでありまして、事前に予測が可能でない面がございます。そういう意味で、予測をすることに限界があることからも、この問題は、政府による一律の規制だとか指導だとかいうものにはなじんでいかないのではないか。したがいまして、社会的な責任を踏まえた上で、企業の自主的な判断にゆだねるべきものだというふうに考えているわけであります。 同時に、それよりも、むしろ大型店の閉店によって影響を受けた商店街を含む中心市街地の問題、こういうものの活性化に向けて、地域の実情に応じた取り組みを前向きにしっかり行っていきたい。そういうものを支援することによって対応することが適当ではないかというふうに考えております。 そういう意味で、十一省庁がそれぞれ連携をとりながら、総合的な取り組みを展開いたしておりまして、中心市街地活性化法案をこの国会に提出させていただいたわけでございます。この制度の見直しに際しましては、よく先生方のお声をちょうだいした上で取り組みをいたしてまいったと思っております。
○中野(清)委員 私は、せっかく外務大臣がいらっしゃいますから、外交姿勢といいましょうか、アメリカとの問題についてお伺いしたいと思います。 十二月の商工委員会で、ある委員から外務省の小寺国際経済第一課長に伺ったところ、こういう答えが出ました。 アメリカがフランスやドイツやイギリスに対して、これらの国の規制が流通障壁になっていることを指摘したり、その規制を緩和し撤廃せよと求めた例があったらお示し願いたいと。そうしたら、小寺課長から、私どもとしては、アメリカが御指摘のような規制緩和要求をフランス、ドイツ、イギリス等に対して行ったという情報は持ち合わせていませんという答弁がございました。 これはこのとおりでよろしいでしょうか。簡単で結構です。
○大島(正)政府委員 私どもとして、まだ持ち合わせておりません。
○中野(清)委員 それでは、そういう前提の中で申したいと思いますけれども、在日アメリカ大使館のローレンス・グリーンウッド経済担当公使は、日経新聞のインタビューに答えまして、大店法を廃止すると新たな規制が生まれる危険性があり、都市計画で大型店をシャットアウトするおそれがあると述べております。この当のアメリカ自身は、御存じのとおり、ゾーニングということでもって、環境規制や都市計画規制というもので大型店をかなり厳しく規制しているという事実は周知のとおりであります。 私は、外務大臣にお伺いしたいんですけれども、我が国へのあたかも内政干渉としか思えないような発言でありますし、矛盾した発言だと思います。そしてこれは、この方だけじゃなくて、いろんなところで言われておりますから、これについてのお考えを伺いたい。 それから建設大臣に、今いろいろと通産大臣がおっしゃいましたけれども、今度の都市計画法の改正というものは、アメリカが言うように、大型店をシャットアウトするためにやるのか、そういうことを言われるのじゃなくて、もっと私は次元が高いものだと思っておりますけれども、この点についても簡単に御答弁願いたいと思います。
○小渕国務大臣 アメリカ側の責任者がいろんな御発言をされておるんだろうと思いますが、これが内政干渉に当たるのか、あるいは強い関心の意思の表明なのかという点はなかなか判断に迷うところでございますが、この問題のみならず、種々経済的な摩擦と称するものが日米間にありまして、そういった点を解消すべく、双方政府としても努力をしながら今日まで来っておるわけでございます。 そういう意味で、この大店法につきましても、アメリカ側としていろいろと考え方を申し述べられておることは承知をいたしておりますが、日本政府としては、先ほどの新しい法律もつくるというような趣旨も踏まえまして、商店街というものもしっかり残していかなきゃらならぬという立場で、この大店法に対する諸外国の意見というものも謙虚に承ることは承ってまいりますが、日本としては日本の考え方で対処していくべきものと思っております。
○瓦国務大臣 中野委員にお答えをいたします。 今回の都市計画法の改正案は、広い意味での地方分権の一環として、地域の実情に応じた町づくりを可能にするよう、特別用途地区の多様化を盛り込んだものでございます。 よって、今回の改正は大型店の立地を規制することのみを目的としているものではございませんで、この改正によって、大店舗の立地についても、地方公共団体の主体的な判断のもとで、地域の実情に応じた町づくりを進めていこうとする際に、よりきめ細やかな規制を行うことは可能でございます。 いずれにいたしましても、地方公共団体の制度の適切な運用、地域の課題に的確に対応していくことができるように周知を徹底してまいらなきゃならぬ、かように理解をいたしております。
○中野(清)委員 大店法のときいろいろ言われたことにロワイエ法がございますから、大店法がなくなるときでございますから、もう一回聞かせていただきますけれども、フランスは、失業の増加とか郊外型出店による中心部の空洞化などの社会問題に対処するため、ロワイエ法を強化して、アメリカの規制というのを突っぱねておりますね。 フランスと同様に、日本もWTOに対して留保をしなかった理由はどうなのか、お伺いをしたいと思っております。日本とフランスは、同じ状況の中でもって、片方は留保して、片方はしなかった。これはちょっと古い問題ですけれども、まず伺います。
○大島(正)政府委員 日本の大店法をWTOとの関係で留保しなかったということについての御質問にお答え申し上げます。 一般に、WTOのもとでのサービスの貿易に関する一般協定では、各国が自国の約束表において別段の留保をしていない限り、サービスの総産出量の制限等の措置による市場アクセスの制限をしてはならないという規定がございます。 これに対して、大店法では、開店日の繰り下げ、店舗面積の削減、閉店時刻の繰り上げ、休業日数の増加等、そういったものについての変更勧告及び変更命令を実施できることを定めておりますが、こうした大店法上の措置は、小売業者の新規出店を禁止するものではなく、また直接に売上高を制限するものでもないため、WTOのサービス貿易一般協定に整合しない措置には当たらないと考えております。 したがって、協定に参加しましたときに、我が国としては、自国の約束表において大店法に関する別段の留保を行わなかったわけでございます。
○中野(清)委員 それでは、今の件は、当時大店法があったからWTOの留保をしなかったというふうに理解をさせていただきます。 そして、これと一緒に、WTOについてもう少し伺いますと、WTOでフィルムの問題については、日本がはっきりと勝訴といいますか、立場がはっきりしたわけですね、決着をした。しかし、GATSの違反について、今お話しの、平成八年六月十三日、アメリカより二国間協議が要請されまして、合意に至らなかったことによって、現在アメリカはパネルの権利、裁判の権利は発生しているが、今日まで動いていないということは事実かどうか、まず一点確認させていただきたい。 それから、我が国に対して、大店法等の流通規制に関してアメリカが盛んに言っておりますけれども、アメリカがWTOに提訴した事実というものがあるかどうか。 この二点についてお伺いしたい。
○大島(正)政府委員 アメリカがフィルムに関連しましてWTOに問題提起をしました際に、サービスの協定、GATSに基づきましても、日本に対して協議を要請いたしました。これに対して、先生御指摘のとおり、協議を行っておりますけれども、過去二回、去年の七月と十一月でございますけれども、その後、本件取り扱いについては、今のところ、アメリカ側が検討しているという状況で、動きはございません。 また、提訴ということがあったかという御質問でございますけれども、WTO協定の規定上、問題の申し立て、問題の提起あるいは協議の要請という言葉は書いてございますが、提訴という表現は協定上ございません。一般の報道等で使用されていることはございますけれども、協定上はございません。
○中野(清)委員 今、提訴の話が出ました。ですから、このWTO提訴という表現に対して、私は外務省の認識をお伺いしたいと思うんですよ。 大店法の見直しについて、いわゆる通産省の産構審それから中政審の合同会議によりますと、大店法の見直しの背景、WTO協定への整合性の項目で、アメリカは大店法がWTOルールに違反しているとして、その廃止を求めて提訴を行ったとしています。いわゆる新聞報道では、一般にWTOルールに基づく二国間協議要請があった場合にWTO提訴という言葉を多用していますけれども、これが本当に正確かどうか。 外務省として、裁判所的な性格を持つパネル設置のような場合であればいざ知らず、二国間協議要請の段階で提訴という強い表現を用いることは誤解を招く可能性があり、余り適切でないと考えていると言われております。提訴という表現は、GATSやガットの紛争処理に関する規定の中にもなく、通常は、二国間協議要請、パネル設置という当該規定の中で使用している表現を用いていると言われております。 そうしますと、大臣、通産省と外務省の中にどうも微妙な差があるような気がするんです。しかし、これは初めは微妙でも、実は今日までの大店法の対応については大きな問題でございますので、WTO提訴という表現に対して、政府としての御見解をひとつお願いしたいと思います。
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。 御指摘のように、産構審、中政審の答申におきましては提訴という言葉が使われておるわけでございますが、WTO協定に基づきます紛争解決手続におきましては、協議の要請でございますとかパネルの設置の要請といった一連の手続が定められておりまして、こうした一連の手続を、本件に限らず、一般的にWTO提訴と総称されていると認識をいたしておるわけでございます。
○中野(清)委員 外務省、どうですか。
○大島(正)政府委員 お答えいたします。 協定上は提訴という言葉は使っておりません。したがいまして、一般的な形としてそういう表現が使われることはございましょうが、協定上は提訴ということにはなっておりません。
○中野(清)委員 実は、この問題は我が国の姿勢として大事だと思いましたので申し上げたわけでございますけれども、今、使っていない。そうしますと、この合同会議の答申でも提訴、提訴と言っているわけです。それで、これからの問題なんかにしましても、自民党さんもWTOによって了解したと、すべてWTOの問題が中心になってくるんですよ。そのときに、認識として問題があるんじゃないだろうか。 そうしますと、では、もう一回通産省にお伺いしますけれども、GATSやガットの紛争処理の規定の中にない、あっても一般的に使われていないWTOへの提訴という言葉を、今言ったように、どうして使ってきたのか。これについてもう一回答えてください。
○岩田政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、通産省といたしましては、一般的な表現として、一連の手続を提訴という言葉で表現をしてきたということでございます。
○中野(清)委員 大蔵大臣なんかは専門家だと思うんですけれども、裁判のとき、裁判所に訴えたときには提訴であって、その前に弁護士さんとか当事者で話し合うのが提訴だと私は思わない。ですから、それを、それまでも実は通産省の方は全部包括して提訴だ提訴だと言っていたということは、私はちょっと問題があるんじゃないか。その姿勢は実は問題があるような気がするんですよ。 そうしますと、先ほどWTOの留保の問題がございましたけれども、例えばドイツのように、留保は確かにしていません、しかし都市計画的な手法によって、新しい規制でもって大型店の問題も調節している国もあるんです。もちろん、そのときは、いわゆる中小小売店保護というような立場ではございませんけれども、都市計画の立場でやっております。 私たちは今まで、特に中小小売店が求めてきたのは、大型店をなくせということじゃないんです。さっき盛岡が言ったように、自分たちの町を守りたい、その中心の役割を果たすところの商店街や中小小売業を守りたいというのが本音なんです。 そういうところで、今までの三度にわたる大店法の改正は、アメリカの要求を、先ほど言ったように、ドイツやフランスやイギリスには言わないで、日本だけに言ってきたということを含めまして、うのみにしたんじゃないだろうか。アメリカがやっているような都市計画による大型店の適正立地の方向がなぜできなかったんだろうか。今回の改正でも、どっちかというと、そういうアメリカに対する気兼ねが多いような気がしますので、お伺いをいたします。 それは、なぜWTOの留保をドイツやフランスのようにしなかったという問題と思いますが、これは私は、やはり一つは政治の失敗ではなかったろうか。そのツケを中小の商店街に回すのは間違いではなかったろうか。政府として、政治として反省すべき点があったかどうか。私は、別にそれ以上文句を言うわけじゃありませんけれども、出発点でございますから、通産大臣と建設大臣に簡単にお答え願いたいと思います。
○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。 大規模小売店舗立地法というのは、先生のお話のように、今のゾーニングをもとにして考えているわけでありまして、従来の店舗面積だとか出店の閉店時間だとか、そういうようなものによる制限というものは、やはりWTOの協定の中からいいますと問題になってきて、範疇に入らないことになってまいります。 したがいまして、そういうものを含めて、今度は時代の変化に対応しまして、店舗面積の大小のみに着目をした経済的規制ではなくて、従来の大店法から政策の転換を行って、交通だとか、先ほども申し上げましたけれども、環境の問題とか、そういうものの対応及び計画的な地域づくりというような整合性の確保を図るために政策転換を行ってきたというわけであります。 こういうような考え方は産業構造審議会や中小企業政策審議会の合同会議の答申にも明記をされているところでありますし、今度の制度は、これを踏まえまして、その具体化を図ってまいっているものでありまして、欧米諸国の多くでもとられている手法であるというふうに私は認識いたしております。
○瓦国務大臣 ただいま通産大臣から御答弁があったとおりでございまして、都市計画制度につきましては、地方公共団体が良好な町づくりを進めることができるよう、逐次改正を行ってきたところでございまして、地方公共団体の主体的な判断により、従来以上に積極的な町づくりへの取り組みが進められる中で、大型店についても適切な配慮が行われるべきである、かように考えます。
○中野(清)委員 今大体質問いたしまして、私は、特に通産省に、これからのこの大型店の問題について、確かにWTOを遵守するのは当然と思いますけれども、余りにもそれだけをやって、どっちかというと、私から言わせれば、外圧を利用して大型店の撤廃をやったというふうな批判さえあるわけでございますけれども、その点だけ、どうでしょうか。
○堀内国務大臣 先生の御指摘のような外圧を利用してというような考え方は毛頭ございませんし、WTOに違反するところの経済的規制というものを外して、各諸外国で行われておりますようなゾーニングによる規制といいますか、環境面その他を含めた規制の方に切りかえを行ってきたということでございます。
○中野(清)委員 今ので大体この問題については伺いましたが、最後に申し上げたいと思いますので、少し内容について、二点ばかりお伺いしたいと思います。 一点は、農林大臣、先ほどからお待ちいただいておりますので申し上げますけれども、大型店出店の多くというものは、いわゆる市街化区域の、これは後ほど言いますけれども、問題なしに、三百八十六万ヘクタールありますところの市街化調整区域や四百六万ヘクタールの未線引きの白地地域など、用途規制が行われていない広大な地域があります。もちろん、農地もその中に当然入るわけですけれども、その中に展開しているというのが実情だと思うのです。 大型店のある人は、今後新規に出店する立地は、カエルが鳴き、イタチがはねるようなところが主流になるだろうと言っているんですよ。 そうしますと、農林省でも建設省でもそうだと思いますが、市街化区域や未線引き都市計画区域における一定規模以上の開発行為は開発許可が必要だ、それから市街化調整区域における開発行為については、原則として開発を認めない厳しい基準が適用されるということで、大型店の出店は簡単にできないと普通言われております。 しかし、現実には、法的にクリアされて、広い農地が一挙に開発されて、そこに巨大なショッピングセンターがつくられております。例をいっぱい持っておりますから、きょう、後で申し上げますけれども、全国にたくさんございます。 このような乱開発を放置しておいては、大型店の立地の適正化とか町づくりという問題はもう本当に足元から崩されてしまいますし、農政の立場からいっても、農地のいわゆる計画的な利用とか優良農地の保全なんというのは不可能になるはずなんです。 このように全国各地に起きている、本当にこれは問題はひとり盛岡だけの話ではないのでございますけれども、これについて農林大臣はどのようにお考えか、まず伺いたいと思います。
○島村国務大臣 御高承のとおり、我が国の食糧自給率はカロリー換算四二%、穀物自給率は二九%。言うならば、先進国の中で極端に低い自給率であります。こういう厳しい自給率を背景に、これからも食糧の供給に責任を持っていくとなれば、当然、優良な農地の確保は必要となってくるわけです。 一方、農村では二種兼業農家が約三分の二に及んでおりまして、いわば地域の農業を維持していく上でも、就業機会の増加や人口の定着などを進めて、農村の活性化を図る必要があります。 こういうことごとを含めて我々は総合的な判断をしていくわけでありますが、農村の土地利用につきましては、農地転用許可制度及び農振制度を適切に運用することによりまして、集団的で生産力の高い農地を確保することを基本としており、工場、商業施設など、農村の活性化につながる施設につきましては、立地の代替性あるいは周辺農地への影響等を考慮しつつ対処していくところであります。
○中野(清)委員 終わります。
○伊藤(公)委員長代理 これにて中野君の質疑は終了いたしました。 次に、久保哲司君。
○久保委員 私は、きょうの委員会、機会をいただきましたので、運輸大臣を中心に、航空問題ないしは空港整備、さらにはこれに基づく観光振興といったことについてお尋ねをさせていただきたい、このように思います。よろしくお願いをいたします。 まず最初に、我が国の空港整備のあり方ということについて多少議論をさせていただきたいのでありますけれども、今空港整備のネックになっている話は、いわゆる第七次空港整備五カ年計画、この空港整備五カ年計画の中では、今後とも安定した発展を持続し、国際社会に一定の地位を確保していくためには、空港の整備、とりわけ航空ネットワークの拠点となる国際ハブ空港や国内拠点空港の整備を時期を失することなく進めなければならぬ、このように書かれています。さらにその後には、空港がボトルネックとならないように努めることが喫緊の課題だというふうにも言われています。 確かに考えてみますと、日本というのは四方海ですし、してみれば、江戸三百年間のように、自分の国だけで、よそとはつき合いをせずに国民が生きていけるという状況であるならばいざ知らず、そうでない今日の状況にかんがみますと、日本が、資源も何もない国が、この一億二千万国民の二十一世紀の豊かな生活、安心できる生活というものを確保するためには、やはり世界の中で、世界の各国と仲よくしながら国民の生活を安定させていくということを念頭に置かなければならない。 そんなことを考えますと、昔は船だったんでしょうけれども、今は空にすべてのポイントを置いていくことが必要ではないか、そんな思いが非常に強いのであります。そんな中で、昨年、私は希代の悪法だと思っていますけれども、財政構造改革法という法律が通りました。それを受けて、各省庁ともに、さまざまな五カ年計画あるいは十カ年計画というものの先延ばしがされたわけであります。御多分に漏れず、空港整備五カ年計画についても、五カ年というものを七カ年に改める、このような決定がなされております。 聞くところによりますと、空港整備五カ年計画というのは年々予算措置をしていくものであるので、三兆六千億という金額が、そんなに気にせずとも、過去何回かあった五カ年計画それぞれに、投資金額が予定よりも減ったときもあればふえたときもある、まあまあ大丈夫ですよ、こんな話も聞くわけでありますけれども、私が先ほど申し上げたような、国の根幹にかかわる点ということを考えたときに、この空港整備は、財政構造改革法という網がかぶった状況の中で本当に大丈夫なんだろうか、そんなことが非常に気になります。 そこで、大臣の所信の中で、国際ハブ空港を初めとする大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として取り組んでいくんだ、このようにおっしゃっておられるわけでありますけれども、この点について、空港、航空、私の今提起しました問題点について、大臣としてどのようにお考えになっておられるのか。 さらには、先日の委員会における大臣所信の中では、厳しい財政的な制約の中で、投資の重点化、建設コストの縮減等に特に留意しつつ、社会資本整備に一層努めてまいります、このように仰せでありますけれども、空港ということについてどのようにお考えか、まず冒頭、所信を伺いたい。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 久保委員は、とりわけ行政マンとして、関西空港の事業化につきましても大変御尽力、また専門的な立場からいろいろ御指導いただいて、まことに感謝を申し上げる次第でございます。 ただいま御質問にありましたように、実は、国会のお許しをいただきまして、一昨日、ワシントンに参りまして、スレーター運輸長官と日米航空協定の調印式に出席をさせていただきました。 これは四十六年ぶりの改定と申しましょうか、昭和二十七年に協定が結ばれまして、あの当時は日本は戦後まだ混乱期でございまして、国際定期便が飛んでいない時期に結ばれた協定が今日まで続いていた。大変不平等な協定でございましたけれども、今回、これが平等な立場で調印をいたしまして、そして、御指摘のありましたように、これからの新たな大交流時代に、やはりその主たる担い手として航空業界の果たす役割は非常に大きいということで、私も大変な時期に運輸大臣を拝命したなということをつくづく思いました。 そのときに、トンボ返りでしたけれども、ロサンゼルス、それからワシントンのダレス空港、ラガーディア空港、ジョン・F・ケネディ空港、乗り継ぎ乗り継ぎだったものですから、各空港を視察するわけじゃなかったのですけれども、結果的に四空港を見てまいりました。 確かに国土が広くて、ああいう国でもう本当にハブ空港としての役割を十分機能している空港をまざまざと見せつけられまして、本当に我が国も、これからの二十一世紀、世界に伍して競争力をつけながら交流の時代を迎えるに当たって、この歴然とした格差に、私もつくづく急がなければならないなという感じを持って戻ってきたわけであります。 そういう中で、財政構造改革、やはり私どもも構造改革をやらなければならない、そういう一環として、五カ年計画が二年間延びたわけでございます。 しかしながら、所信にも申し述べましたように、また委員おっしゃられましたように、これからも重点的にハブ空港をしっかりと整備していかなければ、とても世界に伍してこの競争の時代に打ちかつことはできないということで、大変厳しい財政状況でありますけれども、その中でも、大都市圏を中心とした拠点ハブ空港を重点的にこれから整備を進めていかなければならない、このように考えているところでございます。
○久保委員 確かに今後の空港というのは、どう考えてみたって、そう簡単にできるとは思いません。思いませんが、しかし、これなくして日本が諸外国とのおつき合いを続けていくわけにはいかない。 こんなことを考えますと、今大臣さまざまお述べになりましたけれども、とにかくここは、一部には本予算が上がったら補正云々なんという話もありますけれども、もしまかり間違ってそんなことになるのなら、一番最初にその金をとってきて空港をつくってもらいたいぐらいの思いでありますが、よろしくお願いをしたいと思います。 いずれにしても、この空港という問題、今大臣からもおっしゃっていただきましたけれども、私も約十数年かかわりました。そんな中で、空港づくりが大変であること、成田空港に至っては、それこそ火炎瓶が飛び交っておったのが昭和四十年代後半から五十年代冒頭であります。五十三年に開港して、今なお二本目がまだ供用開始できない。こういう状況を考えたときに、そんなに簡単なことではないなという思いは非常に強くいたします。 と同時に、世界各国、今も大臣、いろいろなところを見てきたとおっしゃっておられましたけれども、空港というのは常に音の問題がつきまといます。アメリカのダラス・フォートワース空港というのは七千二百ヘクタールある空港だと言われています。滑走路は将来十本だ。それをコンピューターで騒音のシミュレーションをやって、七十WECPNLと言われる基準がひっかかるところは全部用地買収した。にもかかわらず、やはり音がやかましいというので訴訟が起こっている。 こんなふうに言われている空港を考えたときに、国土の狭い日本では、首都圏第三空港もいわゆる海の中でということも言われておりますけれども、結局はそういったことにしかならないのかな。そんなことを考えますと、私は自分がかかわったから言うわけじゃございませんが、関西国際空港というのは、高いどうのこうのと言われていますが、英断をもって大阪湾の中につくっていただいて、南北七十キロ、東西三十キロの中に空港滑走路があるわけでありますから、そういう意味では、バッファーゾーンを考えたら世界一広い空港かな、そんなふうにも思います。 そんなところで、いずれにしろ、先ほどちょっと触れましたけれども、第七次空港整備五カ年計画の中では、大都市圏における拠点的空港、ハブ空港を最優先して整備していくんだ、このようにお述べになっておられるわけでありますが、そこで、一つ一つちょっとお尋ねをしたいのであります。 これもまた大臣は、今国会、運輸大臣としての所信表明の中で、成田空港について、また中部国際空港について、関西国際空港についてお述べになっておられます。 その中で成田空港の二本目の滑走路について、西暦二〇〇〇年度完成を目指して、このようにおっしゃっておられるわけでありますけれども、ここは確かに長年もめているわけですから、ややこしかったわけですから、微妙な問題がおありなんでしょう。だからこういう表現しかできないのかもわかりませんが、なぜ供用開始というところまでいけないのか、表現できないのか。 そういうことも含めて、この成田、僕は先ほど関西国際空港のことをええ格好言いましたけれども、何やかんや言ったって日本の中心は東京であります。国会移転の話もありますが、それでもここに厳然と国会があり、中央省庁がある以上、世界各国の人たちは東京を目指してやってくるわけです。そこの空港を本当に使い勝手がいいなと言っていただける空港にすること、これこそがまず第一の要諦だろうと思うのであります。 この成田空港についての今後の見通しといいますか、状況、現状、これについて一つはお尋ねをしたいと思います。
○藤井国務大臣 新東京国際空港、成田空港の整備につきましては、私ども、二〇〇〇年度末までには平行滑走路二千五百メーターをぜひとも完成させたいという目標で、現在、話し合いという前提のもとに、粘り強く、地権者の方々も含めまして、また円卓会議の結論に従って、今申し上げたように、話し合いを前提に今進めているところでございます。 おっしゃられましたように、一日も早く私どもはこの平行滑走路を完成させたいと思っております。しかし、委員御承知のとおり、この成田空港につきましてはさまざまな経緯がございまして、歴代の運輸大臣も本当に大変御苦労され、また現在、成田空港公団、中村総裁を初めといたしまして、関係市町村の、また千葉県の御理解、御協力を得ながら、今大詰めのところに差しかかっておるところであります。 したがいまして、今歯切れの悪いという御趣旨のお言葉がございましたけれども、私どもは一日も早くという気持ちには変わりございません。今後ともそういう中で、関係者の皆さん方の理解を得るべく、また御了解を得るべく、最善の努力を図ってまいりたいと思っているところでございます。
○久保委員 大臣所信に加えて今なおこうやって御答弁をいただいても、正直言って、すかっとしません。しませんが、これは早い話が、一番最初のボタンのかけ違いがすべてなんだろう、そんな思いがいたします。 そういう意味では、関西国際空港は既に動き出しておりますけれども、今後中部国際空港がいよいよ動き出す、法案が今国会に提案されているわけでありますけれども、くれぐれもボタンのかけ違いのないようにされたい、こんなふうな思いが非常に強いところであります。 関西国際空港は、それこそ大臣所信の中でも、ここだけは明確に二〇〇七年と書いていただいておるので、これ以上はこれはもう申し上げません。と同時に、関空は二〇〇七年に二本目の滑走路を供用開始するんだ。大阪市はそれに合わせて、二〇〇八年オリンピック誘致ということで頑張っておられます。 そんな中で、中部国際空港でありますが、こちらの方は、二〇〇五年に万博が愛知県瀬戸市で行われるということが決定しております。地元の方々としては、当然それに合わせて、新しい空港で外国のお客さんを迎えたい、こんな思いが強いことなんだろうというふうに推測するわけでありますが、大臣所信その他、書面の中では、二十一世紀初頭の開港を目指して、このようになっております。 そこで、この中部国際空港について、今後委員会等でさらに詳しい審議がなされるのだと思いますけれども、先ほどと同じでありますけれども、二十一世紀初頭というのはそもそもどういうことなんですかということをお尋ねしたいと思います。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 中部新国際空港につきましては、平成十年度に事業化に向けての予算化をいたしまして、また今国会におきまして、これを進めるべく法案も国会に提出させていただいているところでございます。 先ほどお話がありましたように、関空の第二期工事につきましての供用の目標は、二〇〇八年に大阪におきましてオリンピック誘致を、盛んに運動を展開されておりますので、私どもは二〇〇七年までにこの供用開始をさせていくべく、最善の努力をいたしたいというふうに申し上げております。 また一方、中部新国際空港につきましては、二〇〇五年に愛知県の瀬戸市で、御案内のとおり、国際博覧会が開かれます。私どもは、でき得れば、この二〇〇五年の愛知万博に間に合わせるように最善の努力を図ってまいりたいと思っております。 関空におきまする大変な御苦労をいただきました土木技術を駆使いたしまして、あの海底の地質の状況の悪い中ですばらしい空港ができ、その技術、経験を生かしながら愛知県の常滑沖に新しい空港をつくりますけれども、幸いなことに愛知県の常滑沖の岩盤は非常に堅固なものでございますので、そうした貴重な経験を、得た技術を駆使いたしまして、できるだけ早い時期に、そして二〇〇五年の愛知万博に間に合うように私どもは供用開始を目指して頑張っていきたい、そういう決意でおります。
○久保委員 地元の熱意も含め、せっかく国費も含めて投ずるわけですから、一番有効な形での供用開始ができればベストなんだろう。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 次に、これも大臣も十分御承知のように、アジアというのは今それこそ空港の建設ラッシュであります。しかも、それぞれの国がハブ空港を目指して、それこそ百メーター競走のスタートダッシュを切ったがごとき状態で、二〇〇〇年前後開港という形での、競争と言ったらおかしいですけれども、それぞれの国がやはり自分の国の二十一世紀、未来をかけてさまざまなことをやっておられます。 ソウルの空港しかり、また上海の空港もしかりでありますし、バンコクの空港はちょっととんざしたやに伺いましたけれども、シンガポールのチャンギ空港あるいはクアラルンプールの空港にしても、それぞれが大変な状況で今進めておられる。 そんなことを考えますと、なお先ほどの大臣の所信の中で述べておられる新東京の一日も早い完成と、そしてまた関西国際空港、そして中部というこの拠点空港を、アジアの各国に伍して、あるいはそれ以上に、やはりアジアの中で最先端を行く日本が、その顔をつぶすことのない形での建設促進をぜひお願いしたいと思うわけであります。 香港にあるマーケットビヘービアという会社がビジネストラベラーという本を出していまして、これは大体年に一回だと思うのですけれども、空港、エアライン、渡航先あるいは渡航先におけるホテル、こういったものについてアンケートをとっています。 このアジアにあっては、大体アジア太平洋地域の話なんですけれども、アジア太平洋関係の就航している路線に乗られるビジネスマンを対象にアンケートをなさっておられるのですが、過去二十年、ずっとこの仕事が始まって以来、空港に関しては日本の空港がそれに名を連ねたことはございません。あったときには五十番か六十番というような状態でございまして、幸い、ちょっと古い一九九六年のアンケートなんですけれども、人気空港のランキングで、大阪の関西国際空港が第五位にランクされました。 何がよかったのかなと思ってずっと見ていたら、景観がいい、このように書いてありまして、確かにあれだけ金をかけてつくれば、それはいいものもできるだろうというふうに思いますけれども、今後、先ほど申し上げたアジアの国々の空港が新しい滑走路、そして新しいターミナルビルをつくり上げてデビューしてきたときに、日本が、国力とは別に、空港の点だけはがたっと落ちてしまうというような状況になるのは、どう考えても忍びぬ思いでもございます。 そういう意味では、先ほどの日本における拠点空港の建設を、一日でも早くぜひすばらしいものをつくり上げていただきたいわけでありますけれども、今御承知の状態の中で、日本を取り巻く周辺のアジア各国のいわゆるハブ空港の建設状況をお知らせいただければと思います。
○楠木政府委員 お答えをいたします。 韓国、中国等の東アジア地域におきましては、二十一世紀に向けて増大する航空需要に対応するために、国際空港の建設が先生御指摘のとおり進められているところでございます。 まず、韓国の仁川でございますが、二〇〇一年、これは一時二〇〇〇年と言っておりましたが、最近少しずれて二〇〇一年、こう言っておりますが、二〇〇一年の開港を目指しまして、面積千百七十四ヘクタール、三千七百五十メーターの滑走路二本の仁川国際空港を建設中でございます。 それから、中国でございますが、中国の上海におきましては、一九九九年の開港を目指しまして、面積千二百ヘクタール、四千メーターの滑走路一本の上海浦東国際空港を建設中でございます。 それから、香港でございますが、チェク・ラップ・コック島を中心とした地区に、本年七月の開港を目指して、面積千二百四十八ヘクタール、三千八百メーターの滑走路一本の香港国際空港、正式名称は香港国際空港となったようでございますが、これを建設中でございます。 それからなお、シンガポールのチャンギ空港でございますが、これは面積千六百六十三ヘクタール、四千メーターの滑走路二本で供用されておりますけれども、現在第三旅客ターミナルビルを建設中でありますとともに、第三滑走路及び第四の旅客ターミナルビルの用地を埋め立て中でございます。 以上でございます。
○久保委員 今御説明いただいた中で、確かにチャンギ国際空港というのは、先ほど私が御紹介を申し上げた雑誌の中でも、過去ずっと空港ランキングではトップを走ってきたような空港であります。 考えられぬ話でありますけれども、それこそ今の予算委員会の状況ではないですが、向こうのターミナルビルへ行ったら、がらんがらんなのに横で工事をやっている、何をやっているんだと言ったら、込んできた、だから次のものをつくっているんだ、こんなことをかつておっしゃっておられたのを聞いたことがありますけれども、日本とはまるで根本的に発想、感覚が違うのかなと。日本の大阪でいえば淡路島ぐらいの広さしかなく、人口も二百数十万人しかおらぬ国が滑走路二本、三本のすばらしい空港を持っておる。 日本はちょっと片肺飛行のような、大阪湾に滑走路が一本あって、成田に一本あって、こういう状況なのかなと思ったときに、非常に悲しい思いがするわけでありますが、これ以上ごちゃごちゃ言っても始まりませんので、これは置いておきまして、いずれにしろ、それは頑張った上で二十一世紀、諸外国ときっちりつながっていく。 しかし、そのつながったものを今度は国内でもって日本各地に、別にどこもかしこも東京のようにせいとか大阪のようにせいという意味ではなくて、諸外国との、異文明、異文化との触れ合い、そういったものを日本各地にきっちりと日本国民が共通の土壌で享受できるためにも、言うならば、今度は逆に日本国内の輸送網といいますか交通網、これの整備が非常に重要なんだろうと思うのです。 今現在、いわゆる三種空港と呼ばれるものまで含めますと、日本国内には百ほどの空港がありますけれども、今後、空港整備法で言うところのいわゆる二種空港、三種空港に当たるのですか、これについて今どのように整備計画をお持ちなのか、これをちょっと伺いたいと思います。
○楠木政府委員 お答えいたします。 地方の空港の配置につきましては、二大都市圏と結ぶネットワーク、これは東京、大阪を中心の二眼レフの構造になっておりますが、そういうネットワークを形成するジェット化空港の配置及び大型機の就航を図るための滑走路の延長はおおむね完成しつつあるとの認識を持っております。 第七次空港整備七カ年計画におきましては、大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として取り組んでおりますけれども、地方の空港につきましても、国際及び国内の航空ネットワークの充実を図るために、需要への対応を基本としながら、既存の空港の高質化等を推進することといたしております。
○久保委員 空港は、ある意味で、数でいえばほぼ充足しているのかなと思いますが、今度はその上を飛ぶエアラインを通じての地域へのサービス提供、これが大事な話になってきます。 きょうの新聞の社説の中で、需給調整の規制撤廃を受けて今審議会が審議を進めておるということで、航空運賃の値下げができるのではないかという期待のような社説が載っておりました。 この中でも指摘されておるのは、需給調整が撤廃されれば、エアラインはある意味で、競って安くなるところは安くなるんでしょうけれども、単独のエアラインしか入っていないところになれば、これは会社の思いのままの料金設定になるし、一方、一つ間違えば、採算が合わないところ、乗客率の悪いところは、今度は路線が減らされ、路線そのものが撤廃されるのではないか、このような心配がございます。 そういう意味では、日本は周辺に数多くの島を持っておるわけでありますけれども、いわゆる第三種空港の中でも、陸はつながっておればどないかして車でも行けますけれども、孤島というのは、それは船もあると言うかもしらぬけれども、大変です。 そういう意味では、離島の足の確保ということを、運輸省としては需給調整規制が撤廃された後も間違いなく確保していくといったことを表明していただけるのかどうか、その点お願いをしたい。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 一昨年、運輸省といたしましては、政策の大転換を図りまして、需給調整の規制を撤廃する、それも目標年次を掲げまして、今その規制緩和に向けて行政を進めているところでございます。 しかしながら、規制緩和というのはある面では非常にドライな面がございますので、御指摘がありましたように、非常にもうかるところ、採算が合うところは競争が激しくなり、あるいは運賃も安くなり、消費者、いわゆる利用者にとっては非常に利便性が高くなる、サービスも向上してくる。 しかし、いわゆる生活路線、これは空港に限らず、船におきましても、鉄道におきましても、またバスにおきましても、地方、とりわけ離島といった関係の生活路線としての主軸が今飛行機になってきておるわけですから、そういった生活路線としての離島航空の問題につきましては、これは十分運輸省といたしましても、規制緩和の方向は変わりませんけれども、それがしっかりと確保されるように、さまざまな形で、そこは補助と申しましょうか、制度的な面でもいろいろな面でも確保していくべく努力をしなければならないと思っておるところでございます。
○久保委員 確かに今大臣がおっしゃったように、規制撤廃して一〇〇%商業ベースとなれば、別の意味での格差が出てくるという心配があります。しかし、これは、そこのところを穴埋めするためにこそ、最小限の行政、政治の目配り、気配りというものが必要なんだろうというふうに思います。 次に、観点を変えまして、観光政策について、ちょっとやりとりをさせていただきたいのです。 海外旅行者数あるいは海外から日本に来られる訪日外国人の数、これはかつてテン・ミリオン計画ということで、日本人が外国へどんどん行こうということで、昭和六十二年に五カ年計画が立てられました。一千万人突破を目指すんだと。五カ年計画だったのですけれども、三年後に一千九十九万人ぐらいまでいきました。その後いっときちょっと下がりましたけれども、なぜか海外旅行だけはバブル関係なしか、どんどん右肩上がりで上がっていまして、平成八年の統計では千六百六十九万五千人が海外に出られた。 ところが一方、外国の方が日本にやってこられた数というのは、四分の一を下回る三百八十三万七千人という数字であります。何でこんなことになるのか。 確かに、日本は先ほど来申し上げておりますように島国ですし、慣習も違う、貿易摩擦の障害にもなっているような慣習の違いもある。そういったことも多々あるのかもわかりませんが、この数字の落差というのはある意味では余りにも大き過ぎるのではないか、そんな思いが非常に強いです。 別に貿易やおまへんから、合わぬとあかんという話じゃないですが、ここのところは、観光行政を担当しておられる運輸省として、一体どこに原因がおありと考えておられるのか。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。 委員の御質問の中にありましたとおり、まことに残念なことですが、観光という面につきまして、日本から海外に行かれる日本人の方々、それはもう約千七百万人近くなってきている。一方、外国から日本に来られる方々が三百八十万人程度ということ。正式に今後発表がなされると思いますが、昨年は四百万人を超えたようでございますけれども、また最近の東南アジア諸国の金融不安、経済不安というものがどう影響するのか。平成十年は四百万人をまた割ってしまうのではないかという心配もあります。いずれにしましても、四分の一以下という大変な格差があるわけであります。 この原因というのはいろいろあろうかと思いますけれども、まず一つは、戦後日本が経済復興というものに先人の皆さん方が頑張ってこられて、今日経済大国という国になってきたわけでございますけれども、アメリカに追いつけ、ヨーロッパを追い越せというような形で進んでまいりまして、先ほど委員の御質問にもありましたように、倍増計画ということで一千万人を目指して、その結果、今千七百万人近い日本人の観光客の方が外国へ行かれている。 そういうことの原因というのは、一言で申し上げれば、日本の国にすばらしい観光資源があり、すばらしい文化があり、伝統があるにもかかわらず、それを広く外国の方々に宣伝すると申しましょうか、啓蒙する努力が足りないといえば足りなかったのかなと私は思います。 これから、そういう中で、景気対策等々ございますけれども、私は運輸大臣に就任いたしまして、観光産業を振興するということは、余りお金のかからない中で、むしろすそ野の広い景気対策に地域におきましてもなるのではないかと思って、今、省内におきましても、観光振興、とりわけ外国から来る方々が一人でも多く来られるような受け入れ体制、そういったものにどこに問題点があるのか、どうすべきかを今指示しているところであります。 一概には申し上げられませんけれども、言ってみればそういった努力が足りなかったのかな、むしろ外へ外へという、そちらの方の動きが非常に活発であったという結果ではないかなと思います。 いずれにしましても、また今後ともいろいろな御指摘、御指導をいただきながら、日本の文化、伝統、そしてすばらしい自然環境というものも広く啓蒙するように努力をしなければならないと思っているところでございます。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○久保委員 確かに、ちょうど平成八年からですか、運輸省ではウェルカムプラン21ということで、一つは言葉の障害がある、物価が高いという大きな問題点に対処するために、費用の低廉化、あるいは複雑な交通機関の乗りおり等の利便に供するためにということで、さまざまなことを今地方公共団体と一緒になって進めていただいているというのはお伺いをしております。 ただ、そんな中で私が思いますのは、先ほど申し上げました、大臣もおっしゃいましたが、約千七百万人と四百万人、二千百万人の人間が行き来をしておるわけでありますけれども、今日本に来る方が少ないというのは、このウェルカムプランでもって対処しようとなさっておられる障害がほんまに原因なのか、それとも、もっとほかに物理的な障害があるのと違うだろうかというのが私の意見でございます。 といいますのは、来ようと思ったって、先ほどからのお話ではないですが、飛行機のキャパがなければ来られぬわけで、飛行機を仮に飛ばそうと思ったって、空港の容量が少なければこれまた来られぬわけで、こんなことを思いましていろいろ調べますと、いわゆるロードファクターと言われる乗車率といいますか、これが、日本の国際線就航のエアラインの平均が七一・四、これは七年度の数字であります。世界の主要なエアラインは、大体六三から七五ぐらいの数字であります。それから見る限り、日本の七一・四というのは、JAL、ANAを中心として、どちらかといったら結構高い方に位置しているのではないか。さらには、日本のエアラインの国際線における旅客シェアというのは三四%、便数におけるシェアというのは三〇%。 そう考えますと、日本人はやはり日本のエアラインの方が乗りやすいからそうなっているのかなとも思うのですけれども、確かに、エアラインすべての提供座席数とかいうのは把握は難しいのかとも思いますけれども、これは事務方、政府委員の方が内容を把握しておられるのかもわかりませんが、ここのところ、本当に問題ないのでしょうか。仮に、外人が一千万人日本に行くよといったときに、来られるのかどうか、いかがでしょうか。
○楠木政府委員 観光客が日本に来にくい理由として、先生御指摘の点ももちろんあろうかと思います。 それで、実は、国際航空旅客のうち約八割は日本の場合成田空港と関西空港を利用しているというふうに集中をしておるわけでございまして、私どもの方もデータをとってみますと、先生おっしゃるような点、確かにあるわけでございます。 したがいまして、どうしてももとの問題に行くわけでございますけれども、そういうふうにロードファクターが高くなっていることから考えても、やはり平行滑走路等を成田につきましては二〇〇〇年度に完成させたい、そして関西空港につきましては、先ほど来御発言がございますように、二期事業に着工して二〇〇七年に平行滑走路供用を目指したい、こういうところで推進しておるところでございます。
○久保委員 そういう意味では、片や運輸政策局で進めておられるウェルカムプラン、これは当然今後キャパが広がって、お越しになった方が不愉快な思いをされぬためにも進めていただかぬといかぬわけでありますけれども、それができたからといって、どうも今の空港、航空の現状を見ている限りでは、来られるという状況ではないのだろうというふうに思いますので、その点はあわせてお願いをしたいと思います。 時間も迫ってまいりましたのでちょっと飛びますけれども、最後に、国内の観光産業ということについて、きのうの新聞に大きくどかどかと載っていましたけれども、土曜、日曜、月曜のいわゆる三連休化、これによって経済効果があるんだと。新聞はおもしろおかしく、与党と野党とやろうとしている回数が違うよといってまたけんかネタをつくろうとしているようでありますけれども、そのことは横へ置いておくとしましても、大臣も所信の中で、所信ばかり引っ張り出しますけれども、所信の中でも三連休化については進めていきたいという御意見をおっしゃっておいででございました。 自由時間の拡大というのは、確かに人間に本当の意味でのゆとりをもたらすものでありましょうし、日本人は勤勉勤勉と昔から言われます。労働省のデータを見ても、いわゆる年次有給休暇というのは、大企業、中小企業、そして零細企業によってとり方が違いますし、与えられている日数も違うようでありますけれども、平均して日本人は年次有給休暇は五割少々しかとっていない。 これもまた含めて、三連休化ができて、ハッピーマンデーという言われ方もしておりますけれども、これにプラス年次休暇等がもしもっともっと自由にとれるような社会風土ができたときには、本当の意味でゆとりのある状況をつくり出せるのではないか、そんなふうに思うのであります。 我が党の二階国対委員長は観光の方の責任者もやっておられますけれども、ことし初頭、運輸大臣が二階さんと対談されている雑誌を私も拝見いたしましたが、この三連休化について、大臣御自身、現時点でどのようにしようと思っておられるか。
○藤井国務大臣 一部の祝日を月曜日に指定することによりまして、いわゆる祝日三連休化という運動が活発に今民間の推進会議等、あるいはもう三十七道府県におきまして祝日連休化に対する決議がなされているところであります。 また、今二階議員のお話がありましたけれども、二階議員も大変この連休化につきましては熱心に活動を広げられており、私も、今御披瀝がありましたように、ある雑誌を通じまして対談をさせていただきました。 運輸省といたしましては、所信表明におきましても、この祝日三連休化について支援をしてまいるということを表明いたしておりますので、現在国会におきまして、議員立法の形の中で、月曜日を祝日にすることによって三連休化を図る、そういう法案提出の動きがあることは承知をいたしております。 私どもは、ゆとりある、潤いのあるそうした祝日ができれば、先ほど申し上げましたように、観光振興にも、あるいは地域の経済、地域の振興にも役立つと考えておりますので、その法案の成り行きにつきまして大変注目をして見守っているところでございます。
○久保委員 先ほど大臣もおっしゃった対談の中でもさまざまお述べになっておられることでありますけれども、人間、余裕ができれば親子の対話もできますし、そういうことが重なっていけば、子供は親の背中を見て育つといいますけれども、いわゆるバタフライナイフを持って走り回る子供が減るのではないかとも思いますし、いろいろな意味で私は、これはそれこそ、日本人、そんなに急いでどこに行くなんという言葉もありますが、急がぬ、ゆとりのある国民性をつくる上でも大事なことかな、そんな思いがいたします。 これが旅行という形になってあらわれれば、家でじっとされたのでは経済効果は余りないかもわかりませんが、今もおっしゃったように、まさに経済効果、ある試算によれば一兆円というお話もございますが、大いなるものが出てくるのだろう。 また、これも農水省等とも一緒になって進めておられる、国内における多様な旅行形態の中で、グリーンツーリズムあるいはエコツーリズムというものもございますけれども、そういうところに親子して参加するということによって、親子が貴重な体験を共有することによって、親子のきずなというものがさらに深まっていくのではないか、そういうさまざまなこと。 また、お金を使わずとも、三連休になれば、そのうち一日はそれこそボランティアに従事するとかということによって、ハードという面ではまるでない、しかも投資が要らない形での日本の本当の基盤づくりというものができ上がってくるのではないのかな、このように思います。 つきましては、新聞報道によれば、与党の方も今国会に提案をされるということでございますし、また野党の方も提案をする。その中には、先ほど申し上げましたように、二回と四回という違いはあるようでありますけれども、これは何としても実現をして、今私が申し上げましたような意味での有効化が図られれば最高だな、そんなふうにも思いますので、ぜひ大臣の方も、そのことについての御決意をお願いしたいと思います。
○藤井国務大臣 今久保委員がおっしゃられたことは、私はまさに同じ認識を持っておるところであります。 ただレジャーのためということではなくて、これが実現すれば、まさに家族との触れ合い、最近の中学生による痛ましいいろいろな事件が起き、残念に思っております。例えば、一月十五日成人の日、あるいは九月の敬老の日、この日を連休化した場合には、地方から東京あるいは首都圏、都市圏に出てきた我が息子、我が娘が二十になった、そして、親元へ帰り親に対して感謝をする。あるいは敬老の日にしましても、おじいちゃん、おばあちゃんに対して激励する、そういった触れ合いというものも大事であります。 そういう意味で、私どもは、先ほど申し上げましたように、今後この国会での法案提出の動きに対して注目すると申し上げておりましたが、ぜひよい方向でこれが実現されるように心から祈っております。期待をいたしておりますし、私どもも、先ほど来お話がありましたように、久保委員と同じ認識のもとで、これからそういった観光振興の面についても努力をしてまいりますので、また一層の御指導をいただければと思っております。
○久保委員 私の持ち時間が参りましたので終わりますが、いずれにいたしましても、陸海空という三つにわたっての交通を所管される運輸省、観光もあわせて、その足の確保ということを念頭に置いていただいて、ゆとりある国民生活を確保するために邁進していただきたいことを念願いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○越智委員長 これにて久保君の質疑は終了いたしました。 次に、一川保夫君。
○一川委員 自由党の一川保夫でございます。 我々、毎週選挙区へ帰ったり、一般の国民と常日ごろ接触しているわけですけれども、いろいろな国民の話題がたくさんある中で、特に私なりに気になることを御質問させていただきたい、そのように思っております。 まず最初に、先ほども質問が出たと思いますけれども、道路公団のことについて、若干確認を含めて、御質問をさせていただきたいと思っております。 それは、特殊法人の中でも道路公団というのは相当大きな公団であり、また相当の事業費をこなしている、そういう公団だというふうに認識しているわけでございますけれども、そういう公団にあって、最近不祥事がいろいろと重なってきておるということは、非常に残念に思っているわけでございます。 そういう中で、道路公団の方で、まず、今日までいろいろ不祥事が起こった実態、これまでの現状、そういったものを簡潔に御報告願いたいと思います。
○鈴木参考人 今回、当公団の前経理担当理事が逮捕、起訴され、また、東京第一管理局の施設第二課長が逮捕され、公団に対する大きな社会的不信を招いたことは極めて遺憾であり、公団の責任者として深くおわび申し上げます。 実態につきましては、前理事の事件につきましては、当公団の発行する外債の引き受けにかかわる主幹事等の指名について便宜を図った見返りとして、証券会社や銀行八社、野村、興銀、長銀ほか五社の役員等からわいろを収受したとの罪で起訴されたものであります。 それから、東京第一管理局施設第二課長の事件は、道路情報板の改良等の発注に絡んで便宜を図った見返りとして、電機メーカー二社からわいろを収受した容疑で逮捕されたものであり、公団としては、今後、捜査に全面的に協力し、その捜査結果を踏まえ、厳正な措置を講じてまいりたいと考えております。
○一川委員 そういうような事件があって、報道にもございましたけれども、その当事者そのものはいろいろな処分を受けていると思いますけれども、私は、道路公団の、総裁を初めトップの方々の責任というものが、もう少し国民にわかりやすい責任のとり方があっていいのではないかなというふうに考えるわけです。 どうもそのあたりの責任のとり方が非常に甘いというような感じを受けるわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○鈴木参考人 今回の不祥事件に対しまして、大臣から私に対して、かかる不祥事を生じたことに対する厳重注意があり、公団に対する国民の皆様の信頼回復を図るため、綱紀の粛正を含む再発防止に全力を挙げるよう御指示がございました。 そこで、まず、起訴された経理担当理事につきましては二月六日付で解任すると同時に、私を含む関係者につきましても、その責任を明らかにするために減給等の処分を実施いたしました。 今後、綱紀の粛正を含む再発防止を進めていくことが私の責任であると考えております。
○一川委員 その責任の問題はまた今後の問題としまして、再発防止ということがこれからの公団にとっても大変重要な課題になるわけです。 具体的に、再発防止ということで、平成九年度からも若干、これまでファミリー企業と言われていたそういう企業以外に、新たな企業に対しても指名等行いながら、いろいろな競争原理を導入するというような方式を導入してきたというふうに聞いておりますけれども、今後具体的にどのような改善策をとっていこうとしておられるのか、そのあたりを御説明願いたいと思います。
○鈴木参考人 先生御指摘の事項につきましては、業務委託契約にかかわる道路公団の改善計画ということについてだと思いますが、高速道路等の維持管理業務につきましては、これまで随意契約によって民間会社に委託してきたところであります。今後、競争性及び透明性を確保する観点から、平成九年度から順次競争入札を導入することとしております。 実態につきましては、まず、平成九年度におきましては、維持修繕業務と一部の新規開通区間の料金収受業務に競争入札を導入いたしました。 具体的内容につきましては、維持修繕業務につきましては、平成九年度発注の六十六件、約二百四十一億円の入札が終了しておりますが、このうち、新しい会社が四十七件、七一・二%の入札に参加して、十六件、二四・二%、受注額は約四億円でございますが、その契約を落札したところであります。 それから料金収受業務につきましては、平成九年度新規供用区間からということで六件発注いたしまして、約一億八千万円の入札が終了したところでございますが、このうち、新しい会社が三件、五〇%の入札に参加し、その三件、五〇%、約一億二千万円を新規会社が落札したところでございます。 今後さらに競争性の拡大を図るため、維持修繕業務につきましては、平成十一年度までに残るすべての契約に競争入札を導入するとともに、既開通区間の料金収受業務及び保全点検業務につきましても、平成十年度から順次競争入札を導入する予定であります。
○一川委員 今ほど順次というお話もございましたけれども、一応そういう改善計画というものを、ほぼ目標としている状態にするのに、今後大体何年ぐらいかかって実施しようとしておられるですか。
○鈴木参考人 維持修繕業務につきましては平成十一年度まで、それから料金収受業務計画及び保全点検業務については三カ年を予定しております。平成十年を含めて十二年までに終了するという目的で行っております。
○一川委員 道路公団の方でも今回の事件を受けていろいろな改善の方向に向けてこれから具体的に取り組む、やっと動き出したというような状況でございますけれども、監督官庁の建設省としまして、これから道路公団に対して、今回の事件の処理のあり方に対するいろいろな指導も含めて、また今後の道路公団に対する指導方針、そういったようなところを建設大臣の方からお聞かせ願いたいと思います。
○瓦国務大臣 一川委員にお答えをいたします。 冒頭質問があり、公団総裁から経緯等について報告がございましたが、過ぐる不祥事につきましては、極めて遺憾であり、かつ残念なことだと認識をいたしております。 私といたしましては、理事の不祥事の直後、総裁に対しまして再発防止に全力を挙げるよう直接指示をいたしたわけであります。また、一月二十一日に、所管の公庫公団長に対しまして、倫理規程の制定と資金調達システムにおける客観性、透明性を高めるため改善を指示したところでございまして、さらに一月二十八日は、事務次官より、綱紀の粛正について通達を発出させたわけであります。 今回の一連の不祥事を厳しく受けとめておりまして、国民の信頼回復に努めなければなりませんから、綱紀の粛正と再発防止について、引き続き公団に対しまして強く指導してまいりたい、かように存じております。 なお、公団の改革につきまして、ただいまこれまた総裁から答弁がございましたが、維持修繕業務並びに料金収受業務につきまして、いろいろこれは改革をしていかなければならぬ、道筋を立てて今全力を挙げて取り組んでもらっておるところでありまして、これらを私といたしましても総裁に対しまして強く指示し、今懸命に取り組んでおります、かようにお答えをさせていただきたいと思います。
○一川委員 冒頭言いましたように、特殊法人の中でも相当大きい特殊法人でもございますので、今回の改善策が今後具体的にどういうふうに進んでいくのか、我々も十分関心を持って見守っていきたい、そのように思っております。 では、次の話題に移らせていただきます。 最近、景気対策云々という議論がこういった場でも相当盛んになってまいりましたけれども、そういう中にあって、私自身も地方に位置する人間でございますけれども、公共事業の役割みたいなものの議論はこれまで幾つかいろいろありました。 特に、昨年の財政構造改革に絡んで当時もいろいろなやりとりがございました。当時、建設大臣も公共事業の問題についてはそう満足げな表情でもなかったと私は思いますけれども、そういういろいろなキャップをはめる中で平成十年度の予算案が作成されておるわけです。 景気がその後ますますいろいろな面で低迷してきておるという中で、地方にあっては、地域経済の活性化という観点から、やはり公共事業に対する根強い期待感というのは私はあると思うのです。 ただしかし、不要不急の事業なり、またそういった大型プロジェクトにむやみにつぎ込むというようなことに対する若干の批判はあると思いますけれども、しかし、やはりそれぞれの地域の特性を生かす中で、生活の利便性なり生活環境を改善していくという観点での公共投資というのは、これからの後世に対する社会資本を整備していくという観点でも、やはり物事を計画的に進めていくということが非常に大切だろうというふうに私は考えるわけです。 一方、間接効果としましても、当然、地域に対する経済効果というのがあるわけですけれども、そういった公共事業の地域経済に対する波及効果等々につきまして、建設大臣も私と同県でございますし、特に能登半島で、そういう面では非常にそういう事業に対する期待感の強い地域の御出身でもございますけれども、こういう問題について基本的にどういうお考えをお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○瓦国務大臣 一川委員の御質問は、公共事業が地域経済にいかなる影響を与えておるか、こういうことでございまして、一川委員も既に地域状況には深くかかわった政治家でございますし、委員の父君もさようでございますから、格別、昨今の景況といいますか経済状況が悪化しておる中で、地域経済を御心配されるのも当然かと思うわけであります。 御案内のとおり、公共事業効果というのは、ストックとしての効果にとどまらずフロー効果も有するわけでありまして、また地方圏では、都市圏に比較をいたしますと、生産力を誘発する、また就業機会を創出する上で重要な役割を果たしておりますことは、御案内のとおりでございます。 具体的に申し上げれば、地方圏では都市圏のおおむね二倍でございまして、加えて、公共事業が就業機会に与える影響につきましても、例えて申し上げれば、北海道で全国平均の二倍。地方経済に及ぼす影響は、大変大きなものがあるわけでございます。 よって、建設省といたしましては、財政構造改革の推進について、これら基本的な課題を踏まえまして、地域経済への配慮は十分に行っていかなければならぬ、また公共事業を適切に執行してまいらなければならぬ、こういうぐあいに心して取り組んでおるものでございます。
○一川委員 農水大臣にも御出席をしていただいておりますけれども、農林水産省の予算の中にも当然公共事業があるわけです。 先般、農水委員会でも若干触れさせていただきましたけれども、ウルグアイ・ラウンド対策費と称する対策の中にも相当の公共事業費が盛られているわけです。これは、二カ年延長していくという一つの方向が出ているというふうに聞いておりますけれども、農業は農業問題のいろんな節目節目の施策ということで、当然緊急を要するわけです。 公共事業という範疇の中で議論すれば、やはり地域経済に対する農林水産省の公共事業の波及効果というのも当然あると思うし、特に農村地域というのは、面積的にももう七割以上全国面積からカバーしているわけです。それからまた、市町村の数からしても、もう八割近い市町村は農村地域を抱えているわけです。そういうことからすれば、やはりそういったきめ細かな事業の実施というのは当然望まれるというふうに私は思います。 特に、UR対策という観点からしましても、農業の構造なり日本の農業の体質を早期に改善していくという大義名分が一方であるわけですので、農林水産省の公共事業も、そういった、地域にとって要望の強いようなものにつきましてはやはり計画的に進めていくということが農業者の意欲にもつながる、また農村地域の皆さん方の生活環境を改善するという状況にもつながるというふうに思いますけれども、大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○島村国務大臣 ウルグアイ・ラウンド農業合意を受け入れたということは、条件的には必ずしも恵まれない、むしろ大変に劣る環境に置かれている我が国農業がにわかに世界の波をかぶるということでございまして、そのためには、当然にその対策としていろいろなものが求められるわけでありますが、農業農村整備事業は、その意味で農業の体質強化と農村の活性化を図るため事業を加速的に推進するというためのものであります。 本事業は、昨年の財政構造改革の閣議決定を踏まえまして対策期間を二年延長いたしましたが、これまでの実績の検証を行いつつ、より効率的な事業内容となるように見直しを行ったところであります。 この事業の実施に当たりましては、まずウルグアイ・ラウンド対策の計画に位置づけられた各種事業を、例えば圃場整備と農道を一体的に行う等、有機的な連携を持って実施することに配慮しつつ、担い手への農地利用の集積を加速するため、圃場整備事業等の面整備を主体とした事業への重点的な予算の配分を行い、事業効果の早期発現を図るとともに、費用対効果分析の充実、あるいはコスト縮減の推進等による事業の効率化を図り、あわせて環境への配慮に努めてまいることとしておるわけであります。
○一川委員 建設大臣にお伺いしたいわけですけれども、平成十年度の当初予算の考え方に対して、この予算がベストだというような言い方でのやりとりが、この委員会でも中心にいろんなお話があるわけです。 公共事業を主に所管されておる建設大臣としまして、やはりこの当初予算では景気対策も含めて不十分だ、しっかり補正を組んでほしいというようなお考えを、現時点でお持ちなんでしょうか。そのあたり、現時点での大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○瓦国務大臣 一川委員にお答えいたしますが、まず、私は、精魂傾けてきた平成十年度予算でございますから、これを精力的に御審議いただきまして、まず執行できる体制をおつくりいただきたい、ひたすらそれを願っておりまして、まず執行することにつきましてのまた取り組みも出てこようかと思うわけであります。目下全力を挙げて予算成立を目指しておるわけでありまして、そのところは御了承を賜りたい、こう思うわけであります。
○一川委員 まあ、何となくわかったようなわからないような、本心は何となく理解できますけれども。 そこで、今事務当局としては、恐らく平成十年度の当初予算、各箇所別にいろいろな作業を進めているといいますか、ほぼでき上がっているような状態だろうと思いますけれども、こういう厳しい総枠の中でそういった公共予算を地域に配分していくわけです。 当然、従来と同じような考え方で配分していては、なかなか施策そのものがうまく回転していかないだろうというふうに私は認識するわけですけれども、建設省として、特に各箇所づけといいますか、都道府県別配分なり市町村別配分なり、そういう地域に具体的に予算を配分するに当たりまして、今後何か新たな考え方でやっていこうというようなお気持ちがあるのかどうか。 私は、やはりそういうめり張りのきいた予算の配分の仕方というのは当然あっていいというふうに思いますが、そのあたりの基本的なお考えを聞かせていただきたい、そのように思います。
○瓦国務大臣 委員御指摘のように、地域別配分であるとか箇所づけについてめり張りをつけて考えていくべきではないか、こういう質問でございますが、当然でございまして、先ほど質問がありましたように、財政構造改革の推進についての閣議決定におきましても、地域経済への配慮を行うとともに国土の均衡ある発展と整備水準についての地域間の格差の是正、こういうことを指摘しておるわけでございます。 この視点に留意しながら、平成十年度予算案につきましても、例えば生活関連の社会資本について、下水道でありますとか、本当に整備がおくれている分野、地域への重点化、こうしたものについて手だてを講ずる。 こういう面におきましては、高度情報通信社会に向けた情報ハイウエーの構築支援には、厳しい中でございますが、一二%増であるとか、地域高規格道路の整備についても七%のめり張りをつけるとか、生活関連の事業への重点化の例をとりますと、町村のおくれた下水道整備、これらは全国的に見てバランスがとれるようにしなければなりませんので四%増であるとか、あるいは高齢者向けの住宅供給につきましても三三%増というぐあいに、めり張りをつけさせていただいておるわけであります。 また、経済に与える影響も勘案いたしまして、用地補償費率が低いものほど短期間に高い事業効果が出る、こういった分野への重点も配慮いたして取り組んでおるところでございまして、緊急土砂災害防止対策に六八%増であるとか、あるいは河川海岸堤防の耐震化等につきましても配慮をさせていただいておるところでございます。 これらのめり張りを持ちながら、また閣議決定の趣旨を踏まえまして、地方におきまして適切な事業の実施に努めてまいりたい、こういうぐあいに今取り組んでおります。
○一川委員 農水大臣に一言お伺いしたいのです。 今の建設大臣と同じような質問の趣旨なのですけれども、農林省の公共事業の場合、特色としまして、関係受益者の同意を取得するというような、そういうそれぞれの関係者の同意をほぼ一〇〇%取りつけながら仕事をやっていくという性格の仕事が多いわけですけれども、当然ある程度、事前の準備期間というのは相当あるわけですね。せっかく全員の同意を取得して、これから仕事をやろうといったときに、何か予算ががくっと落ちてしまったというようなケースというのは、まあまあお話を聞くときがあるわけです。 そういう地域でのいろいろなコンセンサスの状況なり、そういうものをやはりある程度見きわめながら、本当に意欲を持ってそういった農業に関する基盤整備的なものに取り組む地域については、その意欲をそがないような格好での予算の手当てというのは私はあっていいと思うのですけれども、そういったことも含めて、農水省としての各地域に対する、箇所別に対する基本的な配分の考え方というのですか、そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。
○島村国務大臣 当省といたしましては、各県を初めとしてそれぞれの地元の意向を十分に聴取いたしまして、いわばかなり期間を使って円満にお互いが了解を得るようなまず接点を見出しつつ事業を行うように、私からも強く指導をしているところでございますが、また逆に、時間が経過してそれぞれの地域の実情にそぐわない事態が生じるという面も実は出てきているわけでありまして、それらを総合的に勘案して、結果において、早期に効果が発現できるような配慮をしておるところであります。
○一川委員 こういった公共事業に対するそれぞれの地域でのいろいろな期待感というのはいろいろあろうかと思いまして、こういう景気対策の問題等々が議論されればされるほどそういうことも話題に出ますし、また一方では、財政が厳しいという中で、事業の進め方に対するいろいろな指摘も当然あるわけでございまして、そういった中身の点検は当然必要でございますが、やはり必要なものについては計画的にしっかりと進めていくということは、一方では非常に大切なことであろうというふうに思いますので、そのあたりをひとつよろしくお願い申し上げたい、そのように思います。 以上で、私は公共事業関係の質問は終わらせていただきますので、建設大臣、農水大臣、これで結構でございます。ありがとうございました。 次に、私は、沖縄の問題について、ちょっと通告の順番と違うかもしれませんけれども、お聞かせ願いたいと思うのです。 私もかつて、こういった政治の世界に入る前に、実は沖縄の仕事をちょっと担当した時期があるのです。返還された直後、当時昭和四十七年ですか、あのころも何回か沖縄へ出向いたことがありますけれども、それと、今日の状況というのは相当さま変わりしている。正直言って、沖縄の本島へおりてからのいろいろな外観的な眺めからしても、もう景色が変わってしまっている。そういった感じを受けておりますし、そういった面では、一時期日本列島改造論という時代がありましたけれども、まさしく沖縄の本島が相当改造されたという印象を受けてまいったわけです。 今日、例の普天間基地の話題等々を含めて、沖縄の件が非常にこの国会でも話題になっております。そういう面で、私は、沖縄に住んでいる県民の方々の気持ちということを察すれば察するほど、この問題は非常に難しい問題であり、重要な問題であるというふうに思っているわけです。 ただ、私が今回、国会等でいろいろなやりとりを聞いておりまして、すかっと理解できないといいますか、非常にわかりづらいのは、SACOの最終報告等に盛られている普天間基地の移転にかかわるようなそういう問題というのが、沖縄県知事のいろいろな発言等々もございまして、なかなか物事が円滑に進んでいないということなんです。 沖縄のこういう問題にかかわる大臣として、外務大臣なり防衛庁長官なり沖縄開発庁長官なりというのは、それぞれいろいろな問題で沖縄にかかわっていらっしゃるというふうに私は理解するわけですけれども、今日のこの沖縄の普天間基地の移転問題、あるいは沖縄のいろいろな振興策等々の話題に関連しまして、三人の大臣の皆さん方、現時点で沖縄の問題についてどういうお考えをお持ちなのか、ちょっと一言ずつお聞かせ願いたいと思うのです。
○小渕国務大臣 沖縄県が、基地としては米軍基地が県の面積の七五プロも占めるという状況の中で大変御苦心をされていることに対しましては常々深い、この基地の整理、統合、縮小というものを政府としては念願してきておったのは事実でございまして、そのために、SACOの最終報告を定めて、現実的には一つ一つ解決していこうということで努力をしているわけでございますが、最も大きな問題として、普天間の移転の問題が現下解決の方向に向かっておらないことはまことに残念でございます。 外務省といたしましても、今後とも、最善の努力をしながら、地元の御理解を得ながら、この象徴的とも申すべき普天間の移転問題が解決のできるように最善の努力を今後とも続けてまいりたい、このように考えております。
○久間国務大臣 私も就任以来、この沖縄の問題につきましては非常に神経を使ってまいりました。何とか沖縄を開発していくと同時に、基地をなくしていきたい、そういう気持ちもございまして、いろいろ考えましたけれども、やはり一遍に、なかなかオール・オア・ナッシングにいかないので、一歩ずつやっていかざるを得ない。そういうことでSACOの最終報告をまとめまして、これがすべてではないけれども、まずこれをすることによってかなり前進できる、そういう期待を持って最終報告を出したわけでございます。 ところが、その後の推移を見ておりますと若干、そのSACOの最終報告をまとめます間には県とは、直接SACOの委員会の中には入っていませんけれども、タスクフォースなんかをつくりまして、いろいろな連絡はしながらやってきておったので、かなり理解していただけると思っておりましたし、実際理解していただいておったわけでございます、その後の大田知事さんの記者会見その他の発言を見ましても。 しかしながら、沖縄の現状というのがなかなか、民意といいますか、そういう形では違うのだということを最近になってはっきりとおっしゃられるようになってまいりまして、やはりその辺のいろいろな変化もあったのではないかという気がいたします。 ということは、この問題は本当に難しいなということで、正直言って、これから先どういう形で御理解を得ていくか考えておりますけれども、基本的には、現在の国際情勢の中でやはり米軍の、例えば海兵隊なら海兵隊につきましても、すぐ削減が可能であるというようなそういう認識をしておられる方々と、やはりそうはいかないのだ、そういうような間違ったシグナルを送るわけにはいかぬというような考え方、現状の中でやっていかなければならぬ、そういう私たちの考え方との、何といいますか、基本的なところでずれがあるのじゃないかなという、それが率直に言って私の感じでございます。
○鈴木国務大臣 沖縄開発庁は振興策を引き受けているわけでありますけれども、ただ、振興策と基地の整理、縮小、統合というのは、やはりこれは切っても切り離せない問題であります。ですので、一昨年の十二月にまとまったSACO、これが着実に進められますと、今の基地の二一%は縮小されるわけであります。五千二ヘクタールなくなるわけでありますから、このことを整々と進める、そして同時に振興策もきちっとやっていくという関係かな、私はこういうふうに考えております。
○一川委員 鈴木長官は、お見受けしたところ大変行動派の大臣だというふうに私は受けとめるわけですけれども、今お話を聞いても何か相当、沖縄でマラソンを走られたというお話も聞きましたけれども、そういう面で、沖縄県民のいろいろなお気持ちも十分理解していらっしゃるというふうに思います。 先般の本会議でもちょっと議論をされましたように、今回の沖縄特別開発促進法ですか、この一部改正等の議論の中でも、要するにこれからの沖縄という県を、どういう方向づけをしていくかというところが非常に関心のあるところでございます。そうかといって、現実問題として相当の基地を抱えている中で、しかも周りすべてを海に囲まれた割と狭い面積の中で立地されているわけですので、要するに、どういう方向づけをしていくかというところが一番ポイントになると思います。 そのあたりの基本的な、大臣としての沖縄の今後のあり方というものに対する何か御自身の哲学めいたものがございましたら、御披露していただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 哲学めいたものはないのでありますけれども、一つ言えますことは、沖縄はやはり観光立県として自立したいということ。さらに大田知事さんは、国際都市形成構想というものを言っておられます。それに沿った形でいわゆる沖振法の一部改正案も出しておりまして、デューティーフリーショップをつくったり、あるいは課税の特例なんかを設けるような法律を今出しているわけなんですね。ですから、私は、知事さんの意向あるいは県民の意向に沿った施策を展開するしかないなと。 しからば、昨年なんかも、航空運賃を往復八千円安くしたことによって四十一万人観光客がふえたそうであります。このペースでいきますと、沖縄が目指している観光客の数は五百万人ですから、あと三年ぐらいで達成できるわけですね。そうなると、まさに経済の活力も出る、あるいは企業の創出もあるかな、こんなふうに思っております。 特に、沖縄の場合は失業者が多いわけですね。本土の約二倍弱の失業者。一月の数字でも、本土が三・六%、沖縄は六・五%でありますから、雇用の確保の意味からもやはり今ある産業基盤を生かさなくてはいけない。こういうことも考えながら、同時に、やはり観光で生きていくならば、基本的インフラ、空港、道路、港湾、こういったものもきちっとやっていかなければいけない。同時に、戦争の傷跡と、さらに二十七年間アメリカの施政権下にあったということで、まだ復帰二十五周年でありますから、このこともあわせ考えながら、きちっと私は県民のニーズにこたえていきたい、こう思っております。
○一川委員 私自身も、沖縄という県は、地球儀の中での立地場所、そういった自然条件等々を生かした今後のあり方というのは当然検討されるべきだというふうに思います。沖縄の実情を直接見た方々はある程度理解できると思いますけれども、まだ日本国民の相当の部分の方々は、直接沖縄は恐らく見ていらっしゃらないと思うのです。 そういう面では、私はもっと沖縄県に本土の皆さん方が、こういういろいろな話題があるときに、観光旅行でも何でもいいと思いますけれども、直接沖縄へ入っていくような、そういういろいろな便宜供与というのですか、そういう何かある程度の施策をこの際配慮しながら、全国民がやはり沖縄の実態を割と気楽に見聞できるような、そういう施策というのはあった方が、私は世論づくりとしては非常に望ましいのじゃないかというふうに考えるわけです。 相当航空運賃も高いですし、なかなか簡単には行けない実態ではございますけれども、そういうことについても何らかの格好で、やはり日本国民全体の世論が一つの方向に向かうような格好に私はぜひすべきじゃないかなというふうに思います。 それで、ちょっと最後というか、この沖縄問題に関連しますけれども、さっき、SACOの最終報告の議論がちょっとございましたけれども、どちらの大臣の所管になるかわかりませんけれども、今のような実情が何となくずるずるといった場合にSACOの最終報告そのものを改定せざるを得ないというようなことが何となく考えられるわけですけれども、そのあたりはどういうふうにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 現在、私どもは、SACOの最終報告を着実に実施していくことが沖縄の基地の整理、縮小、統合につながっていくという考え方でやっております。そういうことで、これから先もできるだけ理解を得るように努力していきたいと思っております。
○一川委員 ぜひ、そういう沖縄県民のいろんな思い、またそういう中にあって日米のいろんな信頼関係、そういう位置づけの中で、非常に難しい問題でございますけれども、しっかりとした責任ある取り組みを要請しておきたい、そのように思っております。 最後に、ちょっと外務大臣にお聞きしたいわけです。 私自身も同志の皆さん方と昨年ちょっと参加させていただいたんですけれども、ペルーという国へ初めて、昨年、独立記念日の前後に訪問したことがございまして、当時日本大使公邸が大変な事件に巻き込まれたその後でございました。そういう面では、ペルーという国の実態というのを一目見たいという気持ちも当時ございまして訪問したわけでございます。 正直言って、ペルーという国は、海岸べりは大体砂漠地帯、それから真ん中に相当標高の高い山岳地帯があって、その奥地にはアマゾン川の上流といいますか、そういうジャングル地帯があるような感じがいたしますけれども、そういう面では自然条件の相当厳しい中でフジモリ大統領が一つの国づくりの方向を目指して頑張っておられる、そういう状態を見てきたわけです。 ただ、残念なのは、先般、早稲田大学の学生がアマゾン川の上流でペルーの軍隊に属する人たちに殺害されたということが報道されたわけですね。それに対して、どうも日本政府の対応というのが我々国民にとってはちょっとわかりづらい対応じゃなかったかな、やはりもっとしっかりと抗議をするときには抗議をする、そういっためり張りがきいてないような気がいたして仕方なかったわけです。 そのあたり、ペルーという国は非常に特殊な国、これからも日本とのいろんな友好関係を保っていきたい、また大使公邸でああいう事件もあった、そういう事情はそれはそれなりにわかりますけれども、やはり向こうのそういう軍隊に属する人たちが殺害したということが明らかであれば、日本政府としてはもっとしっかりした対応をすべきじゃなかったかというふうに私は考えるわけです。 当時の対応のやり方なり、そういうことも含めて、外務省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○小渕国務大臣 いろいろと御批判もちょうだいいたしておりますが、外務省としては、この事件に関しましては、ペルー軍人の関与が確認されましたのを受けまして、当時の状況の中で、その真相究明や、究明後、事件に関した者に厳正な処罰を行うよう申し入れいたしております。こうした申し入れを踏まえまして、ペルー政府としては、迅速に司法手続を開始するなど事件の真相の解明に努めております。 また、フジモリ大統領は、橋本総理にあてた昨年十二月二十九日付の親書の中で、犠牲者の方々に哀悼の意を表明するとともに、ペルー司法当局が事件の責任者に対し厳罰を適用するよう、できる限り行うことを表明しております。 本年一月四日、リマで行われた合同仮葬儀でも、ペルーから外務大臣、法務大臣が出席をいたしまして、哀悼の意が表明されております。さらに、一昨日行われました早稲田大学探検部合同慰霊祭では、フジモリ大統領から御遺族にあてられた弔意をあらわす書簡が在京ペルー臨時代理大使から読み上げられたところでございます。 政府としては、できる限りこの事件に対しまして適切な処置をとってきたと認識をいたしておりますが、御批判をいただきましたので、今後さらに、今後の扱いにつきましても政府としての考え方を伝えてまいりたいと思っております。
○一川委員 以上で私、質問を終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて一川君の質疑は終了いたしました。 次に、大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。 労働大臣、去る七日には連合、翌八日には全労連が同じ代々木公園で、春闘とともに労働法制改悪反対などのスローガンも掲げて集会を開きました。それぞれ五万人あるいは十二万人と大きな盛り上がりを見せたわけでありますけれども、二つのナショナルセンターが同じ会場を使って、共通する課題を掲げて、しかも二日連続で大規模な集会を開くということは、それほど、今国会に提出をされ、行われようとしております労働法制改定、これが大きな問題になっていることを示しているのではないかと思います。 そこで、きょう私はこの問題で質問をさせていただきたいと思います。 伊吹労働大臣には先般も申し上げましたけれども、今回予定をされております労働法制の改定、その中身であります裁量労働制やら変形労働時間やら、あるいは有期雇用形態の導入とか、さらに派遣労働、こういうものが本来は労働基準法に照らしても大変問題があるということで、大変な制約が設けられ、例外的あるいは特殊的な適用しかされてこなかった。 しかし、これはもう労働大臣もわざわざ強調されたように、裁量労働制をホワイトカラーに適用するのを初めとして、全体として制約を外して広範な労働者にこれらを適用していくということだと思いますが、これらが結局は、私は、労働者の生活やあるいは雇用に大変深刻な影響をもたらすということを指摘したいと思います。 ひいては、労基法の基本的な理念、原則にも反するような、そういう結果をもたらすものであるということとあわせて、これは五千四百万人の日本の労働者と、加えてその家族、合わせますと日本の人口の四分の三にも相当するこういう人たちにも大きな影響が出てくる。そういう意味では、それこそ社会のあり方にも強く影響が出てくるんじゃないか。この点で、既にそうした労働形態が持ち込まれている職場の実態を見れば、これは明らかではないかと思います。 そこで、まず裁量労働についてお伺いをしたいと思います。 いろいろな説明はあると思うんですが、要するに裁量労働制とは、一日十時間働こうが十二時間働こうが、あらかじめ労使の協議で決めた労働時間だけ働いたものとみなす、そういう制度と理解をしておりますが、これはそのとおりですね。
○伊藤(庄)政府委員 ただいま先生から御指摘がございました裁量労働制、現行の裁量労働制について申し上げれば、これは研究開発等の専門職種に限定いたしまして、労使間であらかじめ、その業務を実施するに当たっての事業主の指示をしないこと、また一定の時間をもって働いたものとみなすこと等の措置をいたしております。 それで、先生から御指摘のありました、今回提案申し上げている労働基準法の中での新しい裁量労働制は、本社等の中枢部門、いわば事業の運営に関する重要な事項の決定等にかかわりまして企画、調査、分析等の業務を行う人たちで、事業主から業務上の指示をしないこととされている人たちを対象としているものでございます。 さらに、今回は、従前の裁量労働制と異なりまして、事業場内に、賃金、労働時間等労働条件全般について調査審議する労使委員会を恒常的に設置して、具体的に業務の範囲、労働者の範囲を特定するとともに、働いた勤務時間の状況に応じまして、働き過ぎの防止、それから健康管理のための措置、こういうことをあらかじめ全員合意で決定して、労働基準監督署に届けることを実施の要件といたしております。 このように新しい裁量労働制は、ホワイトカラーのそういった中枢部門で働いている人たちということを対象にしておりますが、そのように新しい裁量労働であるだけに、厳しい、また働き過ぎの防止、健康管理等についても、全員一致でそういったルールを決めた上で実施することを要件にいたしておるものでございます。
○大森委員 いろいろ言われましたけれども、要するに、何時間働こうが、労使であらかじめ決めた労働時間、それを働いた時間とみなすという制度だと思います。 では、裁量労働制が一体どういう結果をもたらすか、実際の例で見てみたいと思います。 電通事件、これは日本の裁判史上初めて社員の自殺に企業の責任が認められた、つまり自殺過労死で企業の責任が問われた事件であります。これを労働大臣も当然御存じだと思いますけれども、この事件では、東京地裁も高裁も、異常な長時間労働が自殺の原因であったということを認定しているわけであります。 本当にこれは痛ましい事件です。前途洋々たる二十四歳の青年、大嶋一郎さんといいますけれども、常軌を逸した長時間労働の末に、体も心もぼろぼろになって、ついにみずからの命を絶ってしまった。私もほぼ同じ年齢の既に企業人となった息子がおりますけれども、本当に身につまされる話であります。過労死という言葉が生まれ、今度は自殺過労死、こういう言葉が今生まれてきているわけであります。 日本の職場でこんなことは絶対二度と起こしてはならないと思いますけれども、労働大臣、この点、いかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 具体的な事実関係等については、一審、二審、まあ地裁、高裁ですね、判決が出まして、そして今最高裁で争われていることですから、三権分立の立場上、行政府の一員であり、かつ立法府に議席を持つ私が裁判に影響を与えるようなコメントはこの際差し控えたいと思います。 大森先生が今おっしゃったこの具体的なケースについては、裁量労働制がということを今おっしゃいましたが、本来ホワイトカラーのこのケースについては、これから法改正が行われる分野のお仕事をしておられた方であって、裁量労働制の結果今問題になっているようなことが起こったという御説明の仕方は、私は、やや無理があるんだと思います。 それから、あえて申せば、法律的にはまだ通っていないんですけれども、実質的にそういうことをおやりになっている電機関係のホワイトカラーの方々でアンケートをとったところ、大体六割から七割の方がやってよかったというお答えを出しておられるということも事実です。 そして、専門家の先生にあえてこういうことを申し上げる必要はありませんが、戦後の労働時間の管理というのはすべてお上に任せて、お上の労働基準という、警察権力によってこれを管理していくというやり方をとっていました。 しかし、豊かになった中で、自分たちが、例えば、能力に応じて仕事さえ与えてもらえば、それを三十時間で処理したいという方もおられるわけです。そして、先生が今おっしゃったように、無理なことを強いられて、結果的には四十時間を超えるというケースも想定の上ではないことはないと思います。したがって、それらについては、労使を代表する方々の意見の一致がなければ採用できないという歯どめをかけておるわけでございます。 どのような制度にも、うまくいかなかった場合の心配と、うまくいく場合の希望と、両方がございます。うまくいかなかった場合のことだけを心配していれば新しい歴史は開かれないわけでして、私は、基本的に日本の伝統的な終身雇用制を守るという観点からも、そういう形で働きたいという方にはその道だけは開いておくというのがやはり政府を預かっている者の責任だと考えております。
○大森委員 私が今労働大臣に伺ったのは、こういうことが二度と起こってはならないと思うがどうかということで、この点でのお答えはありませんでした。 この点で、私は申し上げますけれども、確かに新しい裁量労働制は制度化されていないんですが、しかし、実態的には、この電通社員の場合、ラジオ広告のセールスと企画の業務につかれて、事実上裁量労働の対象業務でありますよ。しかし、この青年は、日中は折衝、雑用、会議と追いまくられて、とても自己の裁量を働かす余裕などない。 結局、スポンサー向けの企画書を書き始めるのは午後八時ごろからになるわけですよ。仕事は連日、深夜早朝に及ぶ。深夜二時以降の退社が、入社一年目、一九九〇年ですが、平均月四回、翌九一年一月から死亡するまで、七カ月余りの間ですけれども、実に七十回、休日を含めて四日に一回の午前二時以降の深夜退社、そのうち四十九回は午前四時以降となっているわけであります。午前二時以降の深夜退社は、七月には十二回、死の直前の八月には二十二日までに十回。しかも七月、八月には特に徹夜が多い。四日に一回。つまり、四日に一回は朝六時半まで、こういう残業になっているわけですね。 それで、きょうお配りをしております資料、これはお父さんの大嶋久光さんが苦労の末つくられた、八月の大嶋一郎さんの行動記録表です。もうすさまじいばかりの労働になっているわけですね。ちなみに十二日からを見ますと、十二日は午前二時半の帰宅。それで、同じ日の九時十五分にはもう会社に入っている。さらに、ずっとその日は徹夜で、翌十三日も朝の六時半まで。続いて、数時間自宅にいただけで、九時半には再び会社で、その夜は徹夜。信じられないようなすさまじい労働がやられているわけであります。 これは、担当の藤本弁護士の計算では、平均残業時間、これは月間、年間じゃなくて月間ですが、百四十七時間以上だというわけです。所定労働時間と同じ、そういうものをやらせている。年間合計で三千五百二十八時間、優に過労死のボーダーライン三千時間を突破している。まさに常軌を逸した、想像を絶するすさまじい労働になっているわけであります。 これに対して会社はどういう主張をしたのか、この点、どうでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいま御指摘がありました会社側の主張、先ほど労働大臣から申し上げましたとおり、現在引き続き司法の方で係争中の事件でございますので、立ち入ることは御容赦願いたいと思います。 ただ、事実関係を簡単に申し上げれば、今回の事案は、原告、労働者側からは、過酷な長時間労働が原因となってうつ病等の問題が起きた、そこに至るまでの会社側の、健康が害されないようにしていく等の安全配慮義務、こういった点に欠けていたということを理由とするものでございます。 これに対して、被告、会社側からは、社員の健康管理あるいは労働時間の面で十分な配慮をしていたこととか、あるいは、該自殺された社員が、自分の能力、結果にこだわり過ぎて仕事にのめり込み過ぎたというようなこと等を挙げて、そういった安全配慮義務につきまして十全をなしていたというようなことを主張しているというふうに承知しております。 裁判の結果では、一審、二審がそれぞれ事業主側の安全配慮義務の瑕疵を認めて、二審では過失相殺分がございましたが、事業主側に一定の損害賠償額を命じた事案というふうに承知いたしております。 この事案につきまして、先生御指摘のありました、非常に長時間労働、今いただきました資料を見ましても、これが労働時間すべてであるとすれば、非常に長い異常な労働時間であるというふうに私どもも認識いたしております。ただ、こういう実態を、どうして会社内で上司が許し、また同僚が許し、あるいは労働組合が許していたのか。 今御提案申し上げている裁量労働制におきましては、こういったことが生じないように、この方が裁量労働制の対象になるかどうかはやや問題でございますが、裁量労働制の対象になるとすれば、やはり今回提案申し上げているように、労使委員会において、安全面の配慮義務ということでいえば、労働状況を把握し、健康管理、働き過ぎの防止のための措置を労使が全員一致で合意して、苦情処理等にも対応していく、そういう体制をとった上で行われていれば、こういう不幸な事態を避け得たのかなという気もいたしているところでございます。
○大森委員 この電通の場合も、当然労働組合もある、三六協定も当然あるわけであります。しかしこういう事態が起こっている。しかも、これは大嶋さんのケースを紹介したわけなのですが、一人や二人じゃないということなのですね。 しかも、私は、労働省、労働行政自体が問われている面もやはりこれはあるのじゃないか。この点は、例えば、労働省は調査に入りましたけれども、裁判が提訴されてから三年も四年もたってから初めてやるとか、そういう意味では、労働行政そのものがこれは問われているということも指摘をしなくてはならないと思うのです。 今回のこの場合、今ではもうどこの職場でもそうですけれども、とにかく電通の職場でもタイムカードがない。これはもう裁量労働制なら当然そうなるわけなのですが、自主申告制度になっているわけですね。ところが、会社の指導もあって、実際の残業とは違う申告をさせられる。これは、判決も、自主申告は事実を反映していないと認定しているわけなのですけれども、いわゆるサービス残業をやっている共通のやり方がここでもとられているわけですね。 ところが裁判では、会社側は、こういう自主申告をとっていることを逆手にとって、一日、三、四時間しか残業をしていないと主張をしたわけですね。会社側は、労働時間管理に責任を持たない、実際の残業時間を申告しにくい状況を放置しておいて、実際には平均しても一カ月百四十七時間の残業に対して、自主申告に基づいて五十時間から七十時間余りしかしてなかったと平然とこれを主張をしていたわけですね。 広告業界では最高峰、しかも単独の広告会社としては二十四年間世界のトップを走る企業にしてこういうことをやるわけであり、労使協定を無視してやるわけです。 この裁判における会社側のうそを暴いたのが、最愛の息子を失ったお父さんの熱意だったのですね。たまたま、深夜退館記録、こういうものがお父さんの努力の中で入手できたわけですね。この深夜退館記録とは、電通本社ビルは午前二時から六時半までは玄関通用口は閉鎖される、その間に退社する社員は社内電話で管理員に開扉を頼み、退社時刻記録に氏名、部署などを記入していた。同時に、こういう退勤者の記録が出てきて、彼が会社の中で残っていたということが証明された。 加えて、これは警備会社との関係なのですが、警備員、管理員が、委託警備会社が館内を一時間ごとに巡視する、そのときの記録も残っていた。だれだれが何時現在残っていたというような形で記録も残っていて、これが物を言って、会社側のうそが覆されたわけですね。 その責任を問われて、東京地裁では、賠償額は史上最高の一億二千六百万、高裁でも、減額になりましたけれども、それでも八千九百万円の支払いを命じられた、こういうこの事件の性格だと思うのですが、この点、どうですか。
○伊吹国務大臣 一審、二審の判決の内容については、今先生がおっしゃったとおりだと思います。 この事案について、現在の労働基準行政上の問題として、あるいは会社の労働者に対する姿勢としてこの問題をお取り上げになっているということは、私は先生の一つの見識だと思います。しかし、このことと、今御提案申し上げている裁量労働制を結びつけられて、裁量労働制について御批判になるのは、私はちょっと方向が違うのではないかと思うのですね。 率直に申し上げまして、残念ながら、連合も、その他の組合も合わせまして、組織率は今二十数%しかございません。そして、本社のホワイトカラーの方については、さらに組織率は低うございます。今回のような、今御提案申し上げている裁量労働制というものは、それを何もメーンな道にしようということではないわけであって、この制度は、御希望を労使ともになさる場合に、働く人たちの代表を入れた労使協議会の合意が成り立てば入るわけですね。 ですから、今のこの電通のケースでおっしゃっているようなところへもし裁量労働制を入れれば、組合がなければ労働者の代表の委員会が新たにできるわけですし、組合も、組織化のまさに非常にいい手がかりをつかむという、もう少し積極的にこのことをお取り上げいただいて、すべてをお上の労働基準の管理監督に任せずに、自分たちも自分たちで労働時間を管理して、できれば週二十時間で仕事を完了して、あと二十時間つくりたいという人にもその道はやはり開いてあげるべきだ、私はそのように思っております。
○大森委員 先ほど大臣は、この裁量労働制をやっているある企業で、六割、七割がよかったという回答もあるということをお話しになりました。それが行われたのは、数年前に裁量労働制を導入した富士通だと思うのですね。そこの状況がどういう状況か、最近の新聞の報道で、これは朝日新聞に紹介されておりましたけれども、労使協定では本人の同意が裁量労働の条件だが、上司から一対一で社の方針と言われると従うしかない、こういうことを言われているわけですね。 しかも、このアンケートを、私、原文を取り寄せました。また、直接、裁量労働に当たっている労働者の話も聞きました。その制度、富士通の場合SPIRIT制度というわけなのですが、勤務制度、これは労使で決めて導入したわけですが、このアンケート自体がそれのアンケートだということも見なければいけないわけなのですが、やはり、そういう中でも、例えば残業と制度の不適合、勤務時間が自由にならない、工場部門では不向き等々、さまざまな意見が出されているわけですね。 ある報道機関が、この裁量労働制について労働者にアンケートをとったものを見せてほしいと言ったら、余りリアル過ぎてお見せできないということを言われたらしいのですよ。ですから、先ほどいろいろ言われたのですけれども、現実はそういう生易しいものではないということを私は申し上げたいと思います。 加えて、盛んにお上、お上と言われますけれども、労働者がみずから労働力を売る上で、本当に助けるものはお上しかないわけであります。それがもともと労働基準法の立法の精神じゃないかと思うのですね。この点を申し上げておきたいと思います。 そこでお聞きをしたいのですが、裁量労働制、確かに先ほど紹介しました電通の青年は裁量労働そのものじゃないかもしれない。しかし、本質は全く共通していると思うのですよ。時間の管理を完全に免責してしまう。ですから一人の青年を死に追いやった年間四千時間の長時間労働、これが見えなくなってしまうわけでしょう。そういうことだと思うのですよ。この青年が裁量労働制のもとにおいて四千時間近く働いていても、あらかじめ労使で決めたそういう労働時間にしか見られないということになるわけであります。 ですから、今回、この裁判の最大の争点が、長時間労働があったのかなかったのか、これが争点になっている。この点で会社はなかったと言ったわけで、これを覆したのが先ほど紹介した深夜退館記録なわけなのですけれども、これがもしなければ会社の主張が通っていたかもしれない。 ですから、裁量労働制になれば、これはもう会社の主張が合法的なものになってしまう、こういう危険性がやはり生じてくるものと思うのですよ。いかがですか。
○伊藤(庄)政府委員 先生のただいまの御質問について、事実関係も含めてお話し申し上げなくてはならないと思いますが、まず、最初に御指摘のありました富士通のSPIRITという制度、実は、これは、今回の労働基準法を御提案申し上げるに当たって関係の審議会でいろいろ議論する過程で、労使双方から、この富士通のSPIRIT制度についてヒアリング等も実施いたしました。 労使並んでヒアリングの場に臨んだわけでございますが、労使ともこの制度を評価しつつ、ただいま先生御指摘ありました、一対一で言われればというお話がございましたが、そういったことがないように苦情処理等の制度も設け、もし本人がSPIRIT制度から抜けるということを希望するときは抜けられる、そういったこともやっておるので、そういったことはない、こういう事実も私どもヒアリングの過程で聞いているところでございます。 それからなおもう一つ、先生のお話しございましたこの電通の事案につきまして、事実関係についてはまだ係争中でございますが、私ども裁判の過程から把握している限りでは、この方はラジオ推進部というところにおられて、スポンサーを決めてその方とのフォロー、いわば営業のかなり現業的な部門を担当されておりました。 今回提案申し上げている新しい裁量労働制は、事業運営の重要な事項を決定する部門で、その事業運営に関する企画、立案、調査等を行うわけでございまして、もし営業政策等の立案をする方であればこの裁量労働制になじむ可能性があるわけですが、御指摘のこのケースについて、裁量労働制になじむかどうかという問題がございます。私ども、むしろ、こういった点については、現行基準法の徹底を関係方面にいろいろ期していかなくちゃいかぬ。 そういう意味では、本来なら今回の裁量労働制に盛り込んでいますような労使委員会というようなものが職場に広く設置されて、労働条件全般また勤務状況の把握、今回の裁量労働制ではその点も実施要件といたしておりますが、勤務状況の把握等を労使がしっかりとやってもらうような体制を私どもが十分監督指導していく、こういった体制をもって、こういった事案が二度と発生しないように、最善の努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○大森委員 現在の裁量労働制でも、これは労働省自身も御承知のように、もうそれこそ脱法的に、疑似的に本来やってはならない、にもかかわらず、そういうのは現実にやられているわけですよ。ですから、今いろいろ、今回も対象についてこうするという、それがどんどん拡大されないという保証は、法律的にはこれは何一つやはりないんじゃないかと思うわけですね。 そこで、電通は一審で敗訴をして後、それから数カ月後に、当時の電通の木暮剛平会長が代表しております広告業協会が労働大臣あてに昨年の二月、要望書を労働法制に関して出されるわけですね。この労働法制に関する広告業協会の要望書というのは、中身は何ですか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいまの要望書につきましては、手元にございません。今内容については承知いたしておりません。
○大森委員 あらかじめ御通告をしておいたはずなんですが、私の方から申し上げましょう。 この労働大臣あてに昨年の二月二十七日に出されたのが、広告業界における裁量労働制適用に関する要望、これで先ほどの大嶋一郎さんなんかが担当していた業務も裁量労働に入れてほしい、こういう要望を出されているんですよ。つまり、広範に不当な残業が行われている職場の実態を法律に合わせて変えるんじゃなくて、法律の方を職場の実態に合わせて変えようとしている、こういう性格だと私は思うんですよ。 この点、どうでしょう。
○伊吹国務大臣 先ほど政府委員が御説明申し上げたように、ただいま大森委員が御指摘になりましたケースは、今回御提案している法案が国会の御審議を経て議決された場合には、その対象にまことになじみにくい業務であるということを、先ほど政府委員が申し上げたと思います。 同時にまた、この法律が国会の御審議を経て実施されるということになれば、当然職場における働く人たちの代表の合意を得なければできないという縛りもまたかかるわけでございますので、私が実は労働大臣に就任するまでの要望書でございますけれども、今先生が教えてくだすった内容であるとすれば、かえってそのような御要望は、今回の法改正の結果、できないことになるんではないでしょうか。
○大森委員 私は、今回の裁量労働制の、本質的には時間管理を企業がしない、先ほど労使のことを言われましたけれども、現実の問題として三六協定等が効果を発揮していないということも現実にあると思うのですよ。そういう面で、こうした裁量労働制が新たに導入される、先ほども申し上げましたけれども、この間の労働大臣の答弁ではホワイトカラーに拡大するんだということをおっしゃって、きょうは中枢部分というような注釈がつきましたけれども、しかし、それがどんどん拡大されない保証は何一つないということを重ねて申し上げたいと思います。 ですから、本質的な問題として、裁量労働制の持つ害悪がこの電通事件にやはり示されておるんじゃないか。第一が、労働時間の上限規制が形の上でもなくなってしまう。ですから、必然的に長時間労働になる。しかも、ノルマや目標と結びついて、それを一層加速すると思うのですよ。 大臣はたびたび、週四十時間のところを能力のある人は二十時間でも済ませることができるんです、あとは子供の授業の参観でも行ってなさいと。わかりやすくおっしゃっているつもりでしょうけれども、例えばこの富士通のSPIRIT制度、二十時間で目標を立てられるようなそういう状況はまず労働者の側にないということですよ。二十時間で済むのであれば、さらにもう二十時間の目標が必ず来るわけですよ。目標を設定するのはだれか、その成果を評価するのはだれか、労働者じゃないんですよ。その点はよく御理解いただきたいと思うのです。 もう一つは膨大なサービス残業、これも申し上げましょう。先ほど申し上げた、これは同じ朝日新聞で報道された、やはり富士通ですよ。目標を半年ごとに立てており査定に直結する、取引先への納期もある、残業は月六十時間から九十時間になるが、残業代がなくなるかわりについた裁量労働の手当は三十時間分、年間百万円以上の減収になった、こう記者に語っておられるわけですよ。 先般の労働委員会での質疑の中で、大臣は、収入がふえる人もあれば減る人もある、問題は経済の底上げだ、そして、こういう労働法制の改定を通じて経済の活性化を図るかのような、そういう答弁をされました。しかし、これは私は、大変重大な問題を含んでいる発言だと思うのですね。 つまり、かつて当委員会でも、労働条件を競争の武器にしてはならないというのが、当時私ども日本共産党の追及の中で、当時の労働大臣が共感を示されました。労働基準法というのは、本来労働者が人たるに値する生活を営むに必要な最低の条件、基準を決める、こういうものだと思うのですよ。労働者の暮らしを守る、権利を守る、それが労基法じゃないか。 それを、経済活性化の道具にするなどというのは、これはやはり大変問題があるのではないかと思います。問題は、こうした裁量労働制について、先ほど労使を呼んで話を聞かれたというお話もありましたけれども、もっとこういう実態を調べるべきじゃないかと思います。 裁量労働の持つそういう害悪のもう一つのものとして、やはり全体として収入が減ってしまう、労働者の賃金が減ってしまう。 これは、確かにふえる人もあるでしょう。先ほどの富士通のSPIRIT、SAのランクに位置づけられた特別の手当がつくわけです。しかし、それにしても、本当に彼が働いた時間にふさわしいものになっているかどうか、これは疑問だ。しかし、それにしてもSAに相当するのは、相対評価でわずか一〇%しかないという状況なわけですね。 ですから、私は、もし本当に経済活性化を言うのであれば、ホワイトカラー二千万とも三千万とも言われるわけですが、その人たちの収入が全体としてどうなるのか、購買力が全体として拡大されるかどうか、この点をやはりしっかりと見るべきではないかと思います。 加えてもう一つ、変形労働時間、これについても本当は私どもが調べた実態をお知らせしたいところなんですが、時間がありませんので割愛しますが、ただ申し上げておきたいのは、変形労働時間については既に四十数%の企業が導入している、そこでどういう実態が起きているのか。 それを非常に詳細にアンケートをとった広島電鉄の暮らしや健康、労働実態アンケート、これは、会社でもない組合でもない任意の団体によって、七百人の皆さんのアンケート回答が寄せられているわけでありますけれども、その結論は、とにかく年間拘束時間が逆に四百時間ふえてしまった、収入の方は七割の方が平均四万円減ってしまった、こう言われているわけですね。しかも、そういう中で私自身も衝撃を受けたのは、週休完全二日制なんというのはもうやめてほしい、このアンケートの中にはそういう七百人の労働者の皆さんのまさに叫びが含まれているわけなんですよ。 ですから、裁量労働にしろあるいは変形労働にしろ、結局労働者にとっていいことは何一つないじゃないか。大臣は各所で何事も効果もあれば副作用もあるんだとおっしゃっているわけなんですが、私は、こういう労働法制の改定は、効果は資本の側に、副作用は労働者の側に、こういうことが、現に行われている職場の実態を見ても明らかではないかと思います。 だからこそ、労働法制の規制緩和を財界はこぞって要望したと思うのです。政府への規制緩和要望、これらの労働法制の改定について要望を出した団体を調べてみました。労働省も調べました。 裁量労働制の適用対象業務の拡大、経団連、日経連、日商、経済同友会、日本自動車工業会、電気事業連合会等々、企業団体ばかりですよ。変形労働時間の規制緩和、同じく経済四団体に加えて、日本自動車工業会、日本電子工業振興協会。さらに労働契約期間の上限についての規制緩和、これは経団連、日商、経済同友会、日本チェーンストア協会等々。労働者派遣事業の原則自由化などの大幅拡大、これも経済四団体や地銀協会等々になっているわけです。ただ一つの例外もなく、すべて企業側、財界側の要望ばかりだと思うのです。 この労基法、今回の建議から法案の提出に至る経過の中で、労働者委員、労働団体はどういう要望、どういう意見を審議会なりで出されたのでしょうか。
○伊吹国務大臣 事実関係は後ほど政府委員から答弁をさせますが、まず、大森先生、はっきりさせておきたいのは、経済の活性化のためにのみこの労働法制の幾つもの改正をやるべきだと私が労働委員会で答弁をしたことはございません。それは議事録をきちっと調べていただかないと困ります。 大体、そういうことを一方的におっしゃって、こちらが反論しないと、何かこちらが言ったような事実としていろいろな活字になるという例が非常に多うございますので、この際、率直に申し上げておきます。 私が申し上げているのは、基本的には、日本のよき伝統と文化のあらわれである終身雇用制というものを必ず維持していきたい、それをメーンの道としたい。しかし、経済が豊かになった中で、多様な働き方を期待する人もいるから、その人たちにバイパスとしていろいろな道を開いておくということが今回の法制の基本であるということは、これは再三、先生が耳にたこができるほどお聞きになったと思います。決して私は経営者の立場だけに立ってこのことをやるつもりはありません。 したがって、幾つもの経営者が通らねばならないハードルや、働く人たちのための予防措置を講じているつもりでありますから、そのことだけははっきり申し上げておきます。
○大森委員 先ほどの伊吹労働大臣の労働委員会での議事録、私どもも起こしたものもあるわけなのですが、ここではっきりやはりおっしゃっているわけです。 私の持ち時間もなくなりましたので、ただいま申し上げましたように、今回の労働法制改定については、例えばごく最近も、連合大阪法曹団、大阪社会文化法律センター、大阪労働者弁護団、自由法曹大阪支部団等々、これまでの労働団体やあるいは政党との関係の枠組みを超えた、共同の強い調子の反対声明も私のもとに届けられました。 私は、今回の労働法制の改定の中身が、本当に多くの広範な労働者に伝わっていけばいくほど、こういう従来の枠組みを超えた広範な反対の世論が広がるということを申し上げて、同僚委員の質問に交代をしたいと思います。
○越智委員長 これにて大森君の質疑は終了いたしました。 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 大蔵大臣、私は、去る三月四日、当委員会で、大蔵の調査の問題で質問いたしました。その調査にかかわる問題として、きょうは引き続きただしていきたいと思います。 まず、長野証券局長については、衆参両院の予算委員会や大蔵委員会でさまざまな角度から問題が指摘され、今日に至っていると思います。その中で、三月九日の当委員会での局長の答弁で、都銀二十行というレベルでいえば、率直に申しまして、回数的に数多くの人とつき合った、幅広くそういう人間関係をつくりましたと言っている。それから、二月二日の参議院の予算委員会の方ですが、長野局長は、大蔵省の内部調査についての質問に対して、私の復元できる限りの報告をいたしております、と答弁しているのです。 そこで大臣、この長野局長の申告といいますか報告、これを受けていらっしゃいますか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今回進めておる内部調査、どういう範囲でやっているのか、そのことはもう御存じと思いますけれども、では何のためにやるかといえば、実は国家公務員法等に基づく行政上の処分をやる前提としての調査でもあるわけです。 したがいまして、一人だけを特定してこれをやれというわけではないのですよ。全部を、まず自分でとりあえず記憶に基づいて文書を出してもらう、それをチェックしていく、そのチェックの上にさらに念を入れて、金融服務監査官そしてまた顧問弁護士、こういったことで、より精度のある調査結果を出したい、こういったことで今やっておるわけでありまして、今それを非常に急がせているところなのであります。したがって、私のところまでその書類は上がってきておりません。
○矢島委員 そういうメモといいますか、記憶をメモしたものを頼りに、それぞれヒアリングが行われてきているわけですね。長野局長の報告に対してのヒアリングというのは行われたのですか、行われているのですか。
○武藤政府委員 これは、それぞれのレベルに応じまして、それぞれの上司の者がやっておりまして、現在やっている最中でございます。
○矢島委員 局長、やっている最中ということは、やっているということですね、ヒアリングを。
○武藤政府委員 個別にこの人を今やっているとかなんとかということを申し上げるわけにはまいりませんけれども、全般的にあらゆるレベルでやっている最中であります。
○矢島委員 どうもはっきりしないですが、大臣、三月十日の当委員会で、幹部職員からひとつ調査をやったらどうだという質問に対して、大臣は、今委員のおっしゃった、上からやれというのは一つの御提案だというふうに思います、私はそのことを念頭に置いて考えさせていただきたいと思いますと。局長の調査というのはだれがやるんですか。大臣みずから局長へのヒアリングをやるつもりなんですか。
○松永国務大臣 大体の考え方を申し上げますと、一つは、私自身が、委員会の審議その他で時間がとられて、今のところは調査に充てる時間が非常に限られておるということ等もありまして、前の委員会で、政務次官を活用したらどうだというアドバイスがありました。これはいい提案だと思って、今、政務次官のお手伝いも受けて進めたい、こういうふうに思っておりますが、最終的には、事務次官、財務官、官房長、これは私がきちっとやる。それから、局長については、事務次官が最終的にやるということでありますが、私自身もその調査の結果には目を通してみたい、こう思っておるところでございます。
○矢島委員 先ほど、大臣も、いろんな忙しさの中、それから、全体を把握した上で処分ということも含めて進めているということですが、今、上からということで進めていったらどうかという提案があって、そういう方向で考えていきましょう、こういうことになっているわけなので、この問題は、五百五十人の、今全体に広げている対象というものとは同一に考えていただくのは困る。つまり、これは特別の問題だとして、可及的速やかに調査を完了させて本委員会に報告すべきだ、このことに対してはいかがですか。
○松永国務大臣 一つの提案だと思いますけれども、国家公務員法等に基づく行政上の処分を前提にした調査でもあるわけでありますから、特定個人を挙げて、それだけ先に調査するということはいかがなものかな。しかし、上の方からやるという一般的な考え方は参考にさせていただきますが、やはり、一応の順序を考えながらやっていくのが妥当であるというふうに私は考えておるわけです。
○矢島委員 どうも納得いかないです。これだけ騒がれている問題をほかと同一に考えていくというべき問題ではないということを指摘して、そういうことだったら、私、本人に聞きます。 長野証券局長、あなたの接待感覚というものは非常に重大な問題だと思うのですよ。再三論議になっているわけですね、その問題で。そこで、あなた自身、復元できる限りの報告をしていると。何回接待があったか、その内容を含めて本委員会に明らかにしてもらいたいと私は思うのですが、いかがですか。
○長野政府委員 お答え申し上げます。 私につきましては、全く身に覚えのないさまざまなでっち上げの報道が行われておりまして、それに対しましては今裁判の手続も行っておりますけれども、私自身の名誉を守る必要があるとも考えておりますので、そういう点も含めまして、復元できる限りの報告をいたしておるということを御答弁申し上げた次第でございまして、その後のお取り扱いは官房の方でお考えになることだと思います。
○矢島委員 局長、ずっとあなたに聞きますので、できるだけこっちの近い方にいてもらいたいと思うのです。 刑事的責任を問われなければ何をやってもいいとか、そういう問題じゃないんですね。身に覚えのないでっち上げがあったというので訴えていること、これは私も知っていますよ。しかし、全部が全部身に覚えのないものなのか。 しかも、その中で、報告をできる限りやったという答弁がある。何回接待があって、その内容がどうなのか。これだけ騒がれている問題で、きちんとやる、これは、今大蔵省の自浄能力が問われているんですよ。みずから身の潔白を証明するというならば、そのためにも、この内部調査で報告したところの内容を当委員会に明らかにすべきだと思うのですが、やる意思はありませんか。
○長野政府委員 御指摘の趣旨も念頭にございまして、前回、生方先生の御質問のときでありましたか、私は、当時どのような会食等の機会があったかということを、かなりつぶさにお話ししたつもりでございます。 その中には、私の上司でありました局長以下が皆そろって出る会合、これが年に一回ぐらいあったということも申し上げましたし、それから、そのほか副頭取さんや専務さんといった方々とのレベルでの会合も、多い銀行によって年間に二、三ありましたということも申し上げました。全然ない銀行もございますけれども、それをもって推しはかっていただきたいと思います。
○矢島委員 あなたが調査に応じて、知り得る限りのこと、思い出した限りのこと、これを報告しているわけですからね。確かに、生方委員の質問に対してあなたは答えていますよ。そうじゃなくて、報告したそのものをここに出しなさいということを私は今要求したわけですよ。 私は、長野局長の答弁をずっと調べてみました。大変な認識のずれがあるということをつくづく感じました。国民世論の感覚との重大な食い違いというものを非常に痛感したわけです。 例えば二月三日参議院の予算委員会では、社会的儀礼の範囲で許されるものと考えていた。三月九日当委員会、会食等をともにすることは仕事上も許されるのではないか。 局長、全銀協の新しい会長が就任の記者会見をしたんですよ。接待の問題でこういうことをその記者会見で言った。社会通念の範囲内であり、過剰ではなかったと言ったのです。これに対して、翌日、大蔵委員会に参考人としてこの新会長が出てまいります。そのときには、この問題をただされて、全面的に取り消した。そして、適切でなかったということで謝罪したのです。 あなたのこの社会的儀礼の範囲あるいは仕事上会食は許される、こういう認識、ここに重大な問題があると私は思うのですよ。 というのは、長野局長、あなたが許されるものと考えていた、こういうふうに言っているそれは、会合とか会食じゃないのですよ、一般的常識から考えたって。銀行による接待そのものなんです。接待だから絶対許されない。まして、大蔵省の監督下にある免許業者からの接待です。これが問題なんですよ。あの綱紀粛正の対象となってきたことは、確かに明らかなんです。 大体、接待とは何かということ。会食の中には、接待と接待でないものがあるんですよ。接待というのを辞書で引きますと、湯茶、食事などを出して振る舞うことなんです。この違いがどこにあるかといえば、問題は、ごちそうになったのか割り勘でやったかなんですよ、会食といっても。 あなたは、いろいろと思い出しているんだろうと思うのですが、自分のポケットマネーで払ったということがあるんですか。あればその具体的な事実を示してもらいたい。
○長野政府委員 もちろん、私がお招きしたようなケースもありますし、自分の負担を支払ったこともございます。しかし、自分が負担してないというものが問題であるという認識の上に立ちまして、自分が負担してないケースにつきまして御答弁を申し上げてまいりました。 それで、私は、今日の時点から考えまして、決して当時の接待というものが健全なものであったという考え方を申し上げ、何も問題なかったということを申し上げるつもりは毛頭ございません。 その反省がございましたがゆえに、八年の暮れに公務員倫理規程というものができまして、割り勘の場合にはこうだ、ごちそうになる場合だったらこうだという形の規程になりまして、ごちそうになる場合には、それが一般的な人間関係を深めるというようなことではだめで、その日にそういう会合を持つ必要性というもの、相手方というものをきちんと届け出て、すなわち、自分一人の倫理観で判断するのではなくて、服務管理者にきちんと届け出て対応するようにということに相なりましたので、その後はそれに服しております。 したがいまして、そういった倫理規程が要るようになったということは、それ以前のありようというものが改めるべきものがあったということにつきましては、率直に私どももそう思いますし、その改めた仕組みに従っておるということでございます。残念ながら、その新しい仕組みのもとでも、それに従わなかったという者がおることは残念だということも感じます。
○矢島委員 局長、あなたが近畿財務局長のとき、平成四年六月から平成五年五月まで、この間のことです。時間の関係で三つまとめて聞きますから、それぞれ余り長くならずに的確に答えていただきたい。 この近畿財務局長のときに、この時期、接待はどれくらいあったかということが一つ。もう一つ、関西興銀から接待を受けたことがあるかということが一つ。次、大阪ミナミの大和屋という料亭を御存じかどうか、この三つの点。
○長野政府委員 財務局長在任時の後半の半年がちょうど現在官房の方に報告すべき時期に対応しておりますので、その報告はいたしております。それが第一点のお答えでございます。 第二点、関西興銀の御質問でございました。この点が、先ほど御質問に長くお答えさせていただきましたけれども、全くの事実無根で、関西興銀の方と、そういう報道があるようでございますけれども、ごちそうになったこともございませんし、ゴルフにお供したこともございませんし、何やらツケ回しをしたような報道があるように、私、直接読んでおりませんけれども、そういった報道があるようで、それも全くございません。 大阪に御指摘のありました料亭があることは存じ上げておりますし、そこに参ったこともございます。
○矢島委員 この問題については、私、時間の関係もありますので、続きをあしたやっていきたいと思うので、ぜひいろいろ思い出しておいていただきたいのです。この先の問題についてお聞きいたします。 大臣、お聞きのように、やはり局長といえども大臣がお考えのようにきちんと調査すべきだと思いますし、また、そういう調査に臨む大臣の姿勢が本当に今問われているところだと思いますので、そういう意味ではしっかりやっていただきたいと思います。 さて、私、別の問題で、ちょっと一つだけ、時間の関係でお聞きします。 私も大臣と同じ埼玉県人であります。埼玉県の問題については日々関心を持っております。実は大臣の周りにかかわる問題で、いろいろと聞こえてくるし、私もその後調査した問題もあります。 例えば、埼玉県内の市役所や国の出先機関のビル清掃管理の委託事業をめぐっての問題です。あなたの秘書が、大宮市内のある業者のところへ行って、仕事を回せとかいろいろやっておりますが、この問題はこっちに置いておいてまたの機会にして、もう一つあります。 社長は浦和に住んでおるらしいですが、この問題については私の方で……
○松永国務大臣 どこの社長ですか。
○矢島委員 浦和です。
○松永国務大臣 何という会社の社長。
○矢島委員 浦和に住んでいる方ですね、社長は。
○松永国務大臣 何という会社。会社の名前。
○矢島委員 ビル清掃管理をやっておる会社です。 時間の関係があるので、またあしたお聞きしたいというのがもう一つあるのです。というのは、墓石の問題なのです。結論だけ聞きます。 浦和学院の理事長、何か後援会の役員をやっていらっしゃる、その方が霊園をつくられた。そこに大臣の墓石が、大きいのが、立派なのがあります。これは私もちょっと見に行きました。その中で、その墓石が、実は中国から持ってきた石だと言われておりますが、千二百万円だと言われています。この墓石について、そういう状況については、この墓石は全部プレゼントされたわけなのですか。
○松永国務大臣 プレゼントされたものではありません。専門家に鑑定してもらって、鑑定というほどではありませんけれども、それで内金を払ってあります。
○越智委員長 時間が経過いたしております。
○矢島委員 これで終わります。
○越智委員長 これにて矢島君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十七日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五分散会