予算委員会 第22号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/10
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 本日は、大蔵省不祥事問題等について集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
○石川委員 最初に、事実についてちょっとお伺いしますが、実はこの間、フライデーという本をちょっと買いまして、まず第一ページを開きましたら、ここに「スキャンダルでクビになった男の「執務室」が大蔵省にあった!!」という、こういう「「前事務次官室」の主・小村武氏は秘書付クルマ付」という大きな写真のついたものが載っておりました。 まず、ぜひひとつ、これはお読みになったと思いますが、この内容についての事実関係、そして大臣には、お読みになったかどうか知りませんけれども、これについての御感想をいただければありがたいのです。
○武藤政府委員 小村前次官には、退官後も前事務次官として、一時的に予備の部屋を用意させていただいているのは事実でございます。それから、登庁の際には必要に応じまして車、あるいは関係者との連絡のための職員をつけているところでございます。 これは退官後でありますので、確かに大蔵省の身分がないのは御指摘のとおりでございますけれども、引き続き事務引き継ぎ、あるいは新大臣とのあいさつ回り等のために登庁していただく必要があるものですから、この事務引き継ぎ等がスムーズに行われますように、一時的にそういう用意をさせていただいているということでございます。
○松永国務大臣 御指摘のそのフライデーという雑誌、私、ある人から見せられたので、それに基づく事実関係を聞いてみました。 今官房長が申したとおり、次官をやめられて約一カ月の間は、残務整理、事務引き継ぎ、あるいはまた必要なところへのあいさつ回り等、公務またはそれに準ずる仕事があると思われるので、これはやむを得ない措置かな、こう判断をいたしました。 もう一つは、事務次官をやめられた方について、大蔵省関係の研究会かな、それの顧問という形に次官経験者はなっていられるそうでありますが、そちらの方は顧問全体の、言うなれば共同の部屋は用意してあるけれども、個人個人の部屋はないというふうに聞いておりました。 ほかの省庁のことはどうなっているか知りませんけれども、一カ月程度のことであるならば、事務引き継ぎもあるだろう、残務整理もあるだろうというわけで、やむを得ないことではないかな、こういうふうに私は、それを読んだ時点で、事務方から聞いて判断をしたところでございます。
○石川委員 簡単に言いますと、慣例に従った、こういうことじゃないかと思いますね。 やはり事務次官たる者がやめれば、引き継ぎのこともあるだろうし、あいさつ回りということもあるし、内容はちょっとわかりません、私は。あいさつ回りというのはどういうものだろう。あいさつに回って、何か、変な気持ちもしないわけではありませんが、そういうものもあるのかなとも思うし。 しかし、いずれにしましても、ほかの省庁にありますか、こういうのは。こういう、前次官に対しての特別の部屋を設けて、車をつけて、秘書もつけて、一カ月もそういうあいさつ回りのことをやっているのですか。
○武藤政府委員 他省庁の前次官に対するこのような取り扱いがどうなっておるかということについては、私ども必ずしも完全に掌握しているわけではございませんけれども、省によりましては同様の取り扱いがなされているというようなことを伺っております。
○石川委員 この中にも書いてあるのですよ。ほかの省庁にはほとんどないと書いてありますね。私の知る範囲でも、ないのです。 しかも、この方は、私は個人的に何らの関係ございませんし、感情を持っておりませんが、少なくとも責任をとっておやめになったのですよね、大臣。三塚大臣もやめたのです。そのときに一緒になってやめられた方です。要するに、切腹したわけですよ、昔なら。そういう方が依然として前事務次官室というのは、何ですか、これは。これは国民は怒りますよ、こんなことでは。この感覚が私は大蔵省にないのじゃないかと思う。こういうことがすべて、いろいろ後から後から続出するそういうスキャンダラスな、大蔵省のこの不祥事件につながると私は思うのですね。 この感覚が私は狂っていると思いますが、私の方が狂っているのか、大蔵省の方が正しいのか、その点はどう思いますか。大臣、特に私は大臣の御感想をお願いしたいのです。
○松永国務大臣 おやめになって、そして事務引き継ぎ、残務整理に必要と思われる時間帯のことであるならば、これは容認せざるを得ないのじゃないか。その後も引き続いてそれが残っておるとすれば、それはやめた方がいい、こういうふうに思います。
○石川委員 残念ながら、ちょっと認識が私とは食い違っているようであります。 私は、この前次官が円満退職したならそれでいいと思うのですね。少なくとも辞任をしたのです。責任を感じてみずから、腹を切ったというとちょっと古くさい表現ですが、みずからおやめになったわけです、責任をとって。悪いことをした、悪かったということを国民に謝罪する意味でおやめになったと思うのですね。そういう方が今までの引き継ぎと同じようなことをやっているというのは、おかしいのじゃないですか。こういう感覚が、どうしても国民には納得できないと私は思うのです。 ですから、私は大蔵大臣のお人柄はよく存じておりますし、すばらしい才能であるということも知っております。また、敬愛しております。しかし、ぜひこういう感覚は、私は思い切ってもっと厳しく処せられるべきではなかろうかな。 一般的に、国民のお話を聞いてみると、大蔵官僚のいろいろな不祥事に対して、その都度の大臣の対応がまことにおとなしいというのが一般的な評価であります。私は、もう少し毅然として、この際は強く臨むことが必要であると。余り細かいことは、それこそついても仕方がない。もっと大きな立場ではそのスタンスをきちんとして、きちっとした認識に基づいて対応する方が国民は理解をする。 これはやはり、引き継ぎだから仕方がないだろうなというのは、失礼なことを言うようですが、大臣が大変お人柄がいいから、ちょっとその点、私は弱いような感じがしてならないのですね。もうちょっとそういう点は厳しい方が、私はいいのじゃないかなと。 今、国民が、松永さんという方に大蔵大臣になっていただいたということを非常に期待を持っている。私も期待しております。それは何かというと、やはり今までと違った経歴の持ち主である、そしてすばらしい清廉潔白のそういう政治家である、そこに国民は大きく期待しているわけでありますから、もっともっと厳しい態度で私は大なたを振るっていただきたい、心からお願いをする次第でございます。 次に、そういう前提のもとに、二、三お尋ねをしたい点がございます。 要するに、国民の一般常識、私企業、こういう観点からすると、どうも大蔵省というのは、省庁の中の省と言われる点もありますが、非常に何か一般の常識から見て奇異な感じがする点が多々あるのじゃなかろうかな、こんなふうに思うのです。そういうことを幾つか大きく取り上げてなたを振るうということが、当面の根本的な一つの体質改善につながることではなかろうかな、こんなふうに思って、幾つかの点についてお尋ねをしたいと思います。 まず、現在公務員の定年は六十歳と決められておりますが、特に、各省庁で全くこれは同じであると思いますけれども、例えばキャリア組と言われる方、そういう方が役所に入りまして、そしてお互いにデスクを並べながらも、競って一生懸命仕事をしながら栄進をしているわけであります。そして、その中で同期生の一番最初の方が事務次官になると一斉におやめになってしまうという、何かこれは慣例といいますか慣習といいますか、そういうものがあるらしいのですが、それは事実ですか。
○武藤政府委員 確かに、最終的に次官に御就任するような年次についてその他の方々の状況を見ますと、御指摘のとおり、その前に退官しているといったようなことが一般的でございます。そういう意味では、そのとおりの事実だと思います。
○石川委員 非常に頭脳明晰、優秀な努力家の青年たちが役所に入って、そして次官になる。その年が大体、五十歳前の方がいらっしゃるようでございますが、五十歳前後と聞いておりますが、そういう方が一人だれか次官になると一斉にぱっとやめてしまう。その前から徐々にやめていくでありましょうが、その時を期してぱっと一斉に同期生がやめてしまう。これは私は、そういうことをそのままにして、しきたりをずっと続けていくということはいかがなものか。 結局、こういうまじめな青年であっても、やはり五十歳前後でもってやめるということになると、これは飯を食っていかなきゃならぬ、生きていかなきゃならぬ。そのころは一番お金のかかる過程ではないかと私は思うのです。子供は大学に行く、そういうことで出費が多い。そういう時代にやめていけば、これはそのまま退職していつまでも無職でいるわけにはいきません。当然、これはどこか職を探す。自由です。そういうことから、やはり天下りというものも一層拍車がかかる、こういうふうになるのじゃなかろうかと思います。 したがって、私は、こういう今までの形態を、慣行をもうそろそろここで見直して、そして定年制の延長というものを考えていくべきではなかろうか、こんなふうに思うのですが、大臣の所見をお伺いします。
○松永国務大臣 お答えいたします。 これは中央省庁ほとんどがそうのようでありますけれども、組織の活性化という観点もあって、定年前に勧奨退職という形でやめていかれるキャリアの官僚がいることは事実のようであります。 問題は、やめた方がその後の、まだ二十年あるいはそれ以上の人生をどう社会に貢献しながら生きていくかという問題になってくるわけでありまして、この点については、総理が、公務員制度そのものにかかわる問題であるから、このことについて検討するようにということで指示がございまして、現在公務員制度の見直しという形で検討が進められておるところでございます。その検討状況を私としては厳粛に見守っていきたい、こう考えるわけでございます。
○石川委員 確かに、組織の活性化ということは、これは大切なことであります。しかし、人生八十年あるいは九十年とも言われる今日でございますから、五十年くらいで大蔵省をやめるということになると、ちょっと私はいかがなものか、こんなふうに思っておりますが、今お答えの中に、総理を中心としてそういうものを検討していくということでございますから、ぜひその点も私の意見を頭に入れて御検討いただければありがたい、こんなふうに思っております。 次に、キャリアあるいはノンキャリという言葉がございます。簡単に言えば、採用試験のI種試験に合格する、あるいはしない、このことによって分けられるわけでありますが、昔は、終戦前は恐らく高等官とか、あるいはそうでない名称があったか忘れましたけれども、そういう扱いに分かれていたのじゃなかろうかなと思います。 非常に頭が優秀で試験を通ったということは、確かにこれはある面においてはすばらしいことではございます。試験に合格したということは、だれにもはできないわけですから、これは確かにその点では評価すべきでありましょうが、それが即人格にはつながらないわけでありますから、そういう観点から見ると、私は余りにこの制度を偏重し過ぎる。ということは、これは言い直せば、あるいは学歴偏重ということにもなるかもしれません。 私は、もうこの民主主義の社会においては、余りにもそういう区別をする、ペーパー試験を通ればこちら側、通らない者はこちら側、昔はそういう点ではもっと差別が厳しくて、何かおトイレも使用するところが別々だったということを聞いたこともあります、うそか本当か知りませんけれども。まさかそういうことはないと思いますが、そういうキャリア、ノンキャリアというものに余りにも分け過ぎて、そういうためのいろいろな人格上の差別、そういうことが起こらないのかどうか、私はその点を非常に危惧しておるわけです。 もう少しその点は全体をマイルドにして、そして全体の才能のある、ただペーパー試験だけじゃない総合的な、人間的な力というものを評価して栄進をさせるような方法に私は切りかえていくべきではなかろうかな、こんなふうに思うのですが、いかがですか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今委員の申された制度は、私考えまするに、戦前から終戦直後まで続いておった高等文官試験行政科というのが引きずってきた現在の制度ではなかろうかというふうに思います。 問題は、その国家の試験によってその人のその時点における能力を一応判定し、そしてその人が中央省庁の重要なポストにつくという形での現在の仕組みであろうと思います。問題は、本当に有能な人、本当に立派な人が所を得て国家国民のために一生懸命働けるという仕組み、そういう環境をつくり上げていくことが大事だというふうに思います。そこで、今後とも、意欲と能力のある人、人物の立派な人、これを積極的にキャリアでなくとも登用していく、こういうことにしていくことが大事ではないかというふうに私は思います。 なお、去年の人事院勧告において、II種、III種の職員の登用のための早期選抜の検討がうたわれておりまして、大蔵省としても、人事院における検討状況を見ながら、その方法等について検討していかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。
○石川委員 確かに、一つの試験を経ることによって、その人のポジションを選んで的確に仕事に励ませる、これはまたそれなりの効果はあると私も思います。 そこで、そういうキャリア組が、今までは入省して間もなくたちますと、二十歳代後半にもう既に各地方の税務署長に栄転をされているようなことでございましたが、最近はそれを何か手直しするというようなことも聞いております。 いずれにしましても、それが幾つになるかは知りませんが、一番若い時代に地方の税務署長、こういうポジションにつくわけであります。大蔵大臣も何かのときに御答弁の中で言われたようでありますけれども、若いうちにその地方の名士の上座に座れば、だれだってだんだんいい気持ちになって、そして自分が偉いんだという錯覚を起こす、そんなようなことをお話しされたということを聞いております。 そのとおりだと思いますが、私は、そういう若い方々が地方へ出た場合には、一番先に署長さんにならないで、むしろ第一線に立って徴税の仕事をするというようなこともいいんじゃないか。真偽のほどはわかりませんが、私は、かつて国鉄の中でも、大学を出てエリートの人たちが第一線の切符のチェックをやったというようなことを聞いておりましたが、そういうことをやることも必要ではないか。徴税からまず始めたらいいんじゃないかな、私はこんなふうに思うんですね。 そういう、ただ肩書が長だということではなくして、第一線の仕事からやるというようなことについて、大臣はどのようにお考えになりますか。
○松永国務大臣 いわゆる国家公務員上級職の試験にパスして大蔵省に入った者を、数年後に、税務に関する仕事を現場で習得させるという意味もあって、若いうちに地方の税務署長に任用する、こういうしきたりがあるわけであります。 今委員の御指摘は、署長とかそういうのじゃなくして現場の徴税事務に当たらせろということのようでございますが、私は、徴税事務というのは、ある意味では専門的な能力と経験が必要じゃないかな、その経験のない者が徴税事務に当たってうまくいくだろうかなという感じも持ちます。 問題は、二十代半ばあるいは三十前で税務署の署長などというふうになりますというと、ややともすれば、地方の名士からちやほやされて、その時代に知らず知らずのうちに特権意識というものが身にしみついてくる、そのことがよくないな、そのことがその人本人にとってもプラスにはならない、そういう考え方で私おるわけであります。 そこで、その点を直すことはできないかということを事務方に申しつけたわけでありますが、事務方の方でも既にその点についてお気づきになっておりまして、そこで、地方の税務署長に任命する場合には今までよりも数年後にする、少なくとも三十代の中ごろぐらい、そのころになれば人間としてももう成熟したような状態になるだろうからということで、現在、徐々にそういう方向に持っていこうとしておるわけであります。 そういったことでありますので、今御指摘の点は改善されていくものというふうに考えております。
○石川委員 時間がないのでやりとりがちょっとできないわけでありますが、次にお聞きしたいのは、我が党がさきに行った、政務次官実態調査ということをやったわけですが、そこでは、会議、決裁、人事などに政務次官がかかわっていた事項というものを調べますと、大蔵省はゼロでございます。 今回のこの一連の不祥事を契機として、大臣、政務次官が内部調査を直接指揮できるような仕組みというものが私は必要ではないかと思うんですね。そういうことを考えると、私は、やはり政務次官がそういう部署に当たるということは大変意義があることだと思うんですが、この点についての大臣の所見をお伺いしたい。
○松永国務大臣 政務次官にどういう分野で、どういう場合に積極的な仕事をしていただくかということについては、政務次官制度全体の問題として党でも議論をしていただき、また内閣でも検討していただいているものだというふうに理解をいたしております。 今の直接の御質問は、私どもの方で、大蔵省の職員の中に、特に金融関連部局に在職した職員について内部調査をしておるわけでありますけれども、それにかかわらせるかどうかというのは、実はある程度秘密事項にも関係してくるものですから、それはよく検討させていただかぬと、はい、そうしますと言うわけにはいかぬ問題だろうというふうに思います。
○石川委員 今、公務員の倫理法についていろいろと検討されておるように聞いておりますが、もちろん公務員の倫理というものは、これは法律や何かで規定されるものではなく、最終的には各個人の倫理観というものが支配するわけでありますけれども、しかし、今日のような複雑な近代行政の中においては、やはりそういう法律も必要ではなかろうかと思います。 今これを検討中だということでございますが、これは総理にお伺いしたいのですが、それが今どんなふうに検討されておるか、公務員倫理法についての進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 倫理法の制定を目指すとなりましてから今多少迷っております部分も含め、御報告を申し上げたいと思います。 まず第一に、公務員に倫理を求めるという状況になりまして、それを政府の立法、言いかえればみずからを律する立場の公務員がその立法をすることの可否までを含めて、実は今政府としては検討をいたしております。 そして、その中の、例えば公務員倫理の理念というものを、法案であります場合に当然これを打ち出していくわけでありますけれども、それがどのような規定がふさわしいのか。あるいは、接待、贈与を規制する場合に、禁止事項をどのレベルで規定するべきか、これを法律の中身にするのか、それともその部分を規程に落とすのか。あるいは、資産などの報告について、その資産報告が倫理を守るにつながるのかという議論もありますし、プライバシーの配慮あるいは報告者の対象範囲、報告する資産などの範囲、これらも問題であります。 また、服務規律を遵守させる、これを担保するために罰則を設けるか。その罰則にも刑事罰と行政罰がございます。そして、懲戒処分の対象とするのか。 これらは、実は国家公務員法、刑法、さらには憲法との整合性も確保しなければなりません。こうした点が主要な論点としてございますこと。あるいは、これをそのまま、例えば特殊法人の関係者にも当てはめていいものなのか、そこには一段の差があるべきなのか、あるいは地方公共団体はどうか、こうした点が論点として今議論の問題になっております。 ただし、本質的に、その上でこれを、要するに政府提出の、いわば官僚が官僚の倫理を守るための法律を官僚の手でつくるという形になることがいいかどうかの判断も、実は問題としてございます。
○石川委員 もう時間がなくなりましたので簡単に申し上げます。 私は、昨今のこういう公務員の不祥事件、こういったものを眺め、そしてまた、特にこれは単なるお役人だけじゃなくして、我々一般国民、私企業の中においても、特にまた青少年の中においても、非常に秩序が乱れ、倫理観が少なくなっておる。こういう根本的なことをずっと、どこに原因があるかと。 いろいろとあると思いますが、その一つにはやはり、今、日本人が、日本に生まれてよかった、我々は日本人でよかったという誇り、そういったようなものが非常に私は少なくなっている、そういう点にも一因があるのじゃなかろうかな、私はこんなふうに思うのです。 そういうことを考えると、我々の国家を大切にする、国家ということを思うと、やはり我々の国のシンボルである国旗あるいは国歌というもの、こういったようなものが全然ないがしろにされているということは、私は本当に残念でなりません。 特に学校教育においてはそれが一番必要なわけでありますが、とかく学校では、職員組合が強いのか、会議を開いて一部の先生が反対すれば何にもできない、卒業式もやらないというようなことも出る。全くこれは人間の人格形成の上にゆゆしき問題である。こういうことが、日本人としての自信を失い、誇りを失って、これから先日本はどうなるんだろうというようなことにもなりかねないわけであります。 その点もっともっと、私は法律で規制せよとまでは言いませんが、いわゆる全国の小中学校にそういうことがきちんと守られる、実行できるような方策は、文部大臣、果たしてどういうことがあるだろうかということをお尋ねしておきたいと思います。
○町村国務大臣 国旗・国歌の問題を御指摘いただきました。学校のみならず、家庭あるいはそれぞれの地域社会、企業、団体等々でもそうしたことはぜひ励行していただきたいと思っております。 学校につきましては、指導要領でしっかり明記をされておりますので、今まで累次にわたって指導をやっておりますが、一部の地域、県等でそれが実行されていないというのは先生の御指摘のとおりでございます。先般も三月六日付で文部省から通知を出しまして、入学式、卒業式のシーズンでもございますので、しっかりそれを励行するようにということを、指導をさらに強めているところでございます。
○石川委員 終わります。
○越智委員長 この際、茂木敏充君から関連質疑の申し出があります。石川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。茂木敏充君。
○茂木委員 自由民主党の茂木敏充でございます。 今回の大蔵不祥事に関連いたしまして、特に今回の問題が構造汚職と呼ばれている原因につきまして、引き続き質問をさせていただきたいと思います。 大蔵大臣、まずこちらの図をごらんください。これは、ことしになりまして大蔵省で逮捕された四人の容疑者の金融機関から受けたとされる接待額のそれぞれの合計であります。八百二十六万円、四百五十三万円、二百十三万円、二百七十三万円でございます。これらは、普通の企業でいいますと、交際費ではなくて、サラリーマンにとって年間の給与所得にも当たる額でございます。 現在の不況の中で、中小企業は毎月の資金繰りに苦しみ、そしてそこに勤める人たちは、失業の不安を抱え、週末でも納期とあれば一生懸命働く。そういう中でも、茂木さん、仕事があればまだいいですよ、そういう言葉が返ってきます。 それに対して、一方で、金融機関と大蔵省の接待疑惑はどうでしょうか。週末はゴルフ、旅行の接待。そして、官僚は失業の不安もない、それで湯水のごとく接待費を使う。これでは国民の怒りが爆発するのも当たり前のことだと私は思います。 大蔵大臣、まず、収賄のいかんを問わず、大蔵省の金銭感覚が決定的に間違っている、そのように私は思いますが、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 大蔵省の金銭感覚というよりは、違法行為を行った人の金銭感覚が狂っているというふうに言えば、私も全く同感です。 同時にまた、私が問題にしたい点は、起訴された宮川、谷内にしても、今回逮捕された榊原、宮野にしても、実は長い年月にわたってずっと接待を受けているということなんです。まあ一回でもいけないことでありますけれども、宮川、谷内にしても、古くを言えば平成五年三月から続いている、谷内にしても同じように長く続いている。今回逮捕された者にいたしましても、平成五年、その前もあったのかもしれません。時効の関係で起訴状の被疑事実に書いてないということであるかもしれません。いずれにせよ、一年、二年という長期間にわたって継続して接待を受けておったというところにも大きな問題があるような感じがいたします。 すなわち、委員の言うとおり金銭感覚の麻痺ということもありますが、同時に、何でただ酒を継続してちょうだいするのか、何で継続してゴルフの接待を受けるのか、そこに非常に心の卑しさを私は見るわけでありまして、非常に遺憾なことだ、こう思っております。 先ほどから話が出ておりますように、大蔵省というところは難しい公務員上級職の試験をいい成績で合格した人が集まっている、いわゆるエリートの集まりだと言われておる役所の中で、こういったことが長年にわたって行われてきた。非常に残念なことでありますし、言い方を変えれば、恥ずかしいぐらいに私は思います。 そこで、捜査当局の捜査の対象にならなかった者であっても、これに類する人がいるような指摘がしばしばなされます。そこで、内部調査を徹底してやって、そして問題ある行動のあった人については厳正な処分をして、それらを通じて大蔵省の職員の人心を一新させないかぬ、そして大蔵省を立ち直らせなきゃならない、それをしないといつまでたっても大蔵省に対する信頼は回復しない、そう思うわけでありまして、大蔵省の信頼回復のために、私は全力を挙げて内部調査を含めた大蔵省の改革に取り組んでまいりたい、こう思っているところでございます。
○茂木委員 やはり政治のリーダーシップが必要な時代になっていると私は思います。今回の不祥事にしても、政官業の癒着構造、こんな言葉がよく使われるわけであります。実際に起こっていることは、官僚と金融業界の間の癒着であります。じゃ、どうして政治も含めてそう言われるのか。 考えてみますと、時代の大きな変化の中で、金融のグローバル化、自由化の中で、そういった癒着構造を政策の上で転換していく、これが政治に求められる役割であります。こういった役割を政治がしっかりと果たしていないから、何かの形で政治家も関与しているのじゃないか、関与しているから公務員倫理法もつくれないのじゃないか、こういう疑惑すら、批判すら生むわけであります。 先ほど総理は、やはり公務員倫理法については慎重な検討が必要である、このような御答弁をされておりましたが、公務員倫理法の問題も含めて、この癒着構造をどう断ち切るか、政治のリーダーシップとして総理の御見解を伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 公務員倫理法に私は慎重だと申し上げたつもりはありません。むしろ私は、前に、倫理規程で、これを遵守してくれるであろうと信じて、公務員倫理法制定という声がありましたときに倫理規程をつくりました。ところが、今回明らかにされました被疑事実の中には、その倫理規程をつくった後において同様の行動が継続しているということが発覚されました。これは信じた私自身にも責任のあることでありますが、これでは倫理法をつくらざるを得ない。そのつくらざるを得ないと申し上げた上で、それでは、これだけ批判を浴びている、その公務員倫理法を公務員である政府の手でつくることがよいのかどうか。 政府としては、真剣に今検討をしておりますし、その検討の内容は申し上げたとおりでありますけれども、私たちは、公務員倫理法が必要だ、そういう判断を下して、政府部内でも作業をしています。その上で今回の問題というものを考えましたときに、一番発端になりましたのは、総会屋に対する特定の企業からの利益提供という行動でありました。これが端緒となり、今捜査が進行しつつあります。 その中にありまして、国家公務員である大蔵官僚、その大蔵省のOBである特殊法人の役員、今捜査がどんどん進んでおります。捜査をここまで進めていただいたこと、これだけ捜査をすればもうこれで問題は終わったというところまで捜査はやっていただきたい。 同時に、先刻来大蔵大臣が答弁を申し上げておりますように、法律上の罪は問われないにしても、今議員がパネルをつくって言われましたように、国民の感覚をはるかに超えた、私たちの感覚だって超えています。そういう接待を受けるのが当然と思っているような者がほかにはいないか、今大蔵大臣自身がその調査の指揮をとっておられる。私は、こうした中で、本当に恥ずかしいという思いを皆が思い出してもらいたい、そして、国民に対してこれで顔向けができるのかという思いで、もう一度自分を律してもらいたい。 倫理法はつくらなきゃなりません。しかし、その上で、その倫理法が役に立たない状態ができるのが一番いいことなんです。そういう思いを込めて私は、倫理規程が守られないなら公務員倫理法をと、そのような決断をいたしました。
○茂木委員 総理の方から大変力強い御答弁をいただきましたが、今回の不祥事、言ってみますと構造汚職、こういう側面があるのではないかな、こんなふうに私は考えております。では、この構造汚職がどういうところから来ているか。それを私なりに分析してみますと、大きく三つぐらいの原因があるのではないかな。これをパネルで、三つのSの形であらわしてみました。 今回の構造汚職にかかわる三つの原因、三つのS。一つはスタンダードの問題であります。官僚組織が規範が緩み、そして倫理観が喪失している。これについては、倫理規程をつくったけれどもそれでもだめだ、そこで倫理法まで踏み込んでいかなきゃならない、こういう段階まで来ております。 しかし、この一番目のスタンダードの問題だけではなくて、システム、スタッフにも問題がある。システム。つまり、大蔵省がこれまで行ってきた規制裁量行政、護送船団方式のもとではどうしても金融機関が大蔵省に寄ってきて、そして過剰な接待攻勢が起こる、こういった問題であります。そして三番目にスタッフ。中央省庁の硬直化した人事、人材育成制度、キャリア組、ノンキャリア組、こういったことを含めた問題があるんではないかな、私はそう考えております。したがいまして、この後、システム、スタッフの順で質問をさせていただきたい、こんなふうに考えております。 まず、システムの問題。裁量行政の問題でありますが、企業社会の常識でいえば、新商品のよしあし、これはマーケットメカニズムで顧客が決めるものであります。ところが、日本の金融の世界におきましてはこれが違っておりまして、つまりルールがあいまいである。したがって、ジャッジである大蔵省が、この新商品を出していいですよ、出しちゃいけませんよ、出す時期はいつですよ、こういうことを決めている。したがって、企業である金融機関も、マーケット、顧客の方を向くのではなくて、どうしても大蔵省の方を向いてしまう、過剰なまでの接待攻勢を繰り返す、こういう現実があるわけでございます。 今後の政治、行政の役割は、まず明確なルールをつくる、その上では市場が自由に行動していく、しかし、そのルールが守られているかどうかをチェックしていく、これが行政の役割ではないかな。つまりルールづくりとルールのチェック。しかし、真ん中の部分、一番大切な部分は市場メカニズムに任せる、このような形が必要ではないかなと私は思っております。 今後、金融ビッグバンによりまして大蔵の行政も大きく変わっていくと思います。今度金融システムの改革法案、二十二法案がこの国会にも提出される予定でありますが、確かに、見てみますと、信託約款、新商品の問題につきましては現在の承認制から届け出制に変わる。大きな改善はあります。しかし、それでもまだ、よく見てみると大蔵の裁量行政が残る、温存される余地があるのではないかな、そういった危惧を、私は、銀行関係でも証券会社関係でも投資信託関係でも持つわけでございます。 大蔵大臣、この金融システム改革につきまして、現在出される二十二法案、さらにその先の改革についての意気込み、考え方をお聞かせください。
○松永国務大臣 茂木委員、よく分析していただいた。委員の分析と、そしてまた行政の手法の改革、私も全く同感であります。 今までは、御指摘のとおり、役所の方が事前にいろいろな指導をする、そして裁量によって物事が決まる、あるいはまた細かい点まで実は役所が指導する、この事前指導型、裁量型の行政、これを改めなきゃならぬ、委員と私、全く同感であります。そして、事前に透明性のあるルールを確立して、それを明示して、そのルールを遵守しておるかどうかということを事後にチェックする。すなわち、ルール明示、事後チェック、そういう形の行政に根本的に切りかえていかなならぬ、全く私は委員と同感であります。 これから国会に提出され、審議をお願いするいわゆる金融ビッグバン法、これによって、そういった行政に相当大きく変わっていくはずだというふうに思います。
○茂木委員 大臣の答弁によりますと、これから裁量行政の部分はずっと減っていく、そうすると、ルールづくりとルールチェックの方に大蔵省としても大きなエネルギーが割ける、こういう話でございます。 こちらの図をごらんください。現在の大蔵省の銀行局と証券局のスタッフを分析してみました。確かに個別監督の部分にもかなりな人間が割かれている。ここで、検査監視の人員を見てみますと、金融検査部で百五十人、それから証券取引等監視委員会で九十一人。これに対しまして、御案内のように、アメリカでは検査の人員が八千人おります。そしてSECの法務執行部、三百三十八人のプロフェッショナルな人材で証券市場の監視を行っているわけでございます。 私は、やはり日本におきましてもこれから早急に、今は二百四十一人の体制でありますけれども、千人から二千人ぐらいの体制に持っていく、そして銀行に関する検査も四年に一遍ではなくて毎年ぐらいしっかり行っていく。しかもここの中に、例えば、証券取引等監視委員会が日本版のSECと言うんだったら、そこに検事であったり弁護士であったり、プロフェッショナルな人材を大量に投入していく、こういうことが必要であると考えております。 行政改革、いろんな意味でコストを削っていかなきゃならない、そういう面はありますが、必要な分野には人をどんどん投入していく、優秀な人材を入れていく、こういうことが必要だと私は思いますが、総務庁長官のお考えはいかがでしょうか。
○小里国務大臣 お話のとおり、国家公務員の定員につきましては、厳しい行財政事情を踏まえながらも、定員削減をする一方、ただいま議員よりお話がございましたように、真に必要な部門につきましては所要の定員を措置することによりまして、総定員抑制を結果として促進してまいっておるという事情でございます。 ちなみに、平成十年度の定員状況どうかということをちょっと申し上げますと、削減は八千六百三十人行いました。しかしながら逆に、ただいまお話しのような趣旨に沿いまして、必要な部門に対しましては四千九百三十人増員をいたしました。したがいまして、プラスマイナス三千七百人の純減、そういう形になっておりまして、いわば議員御指摘のような一つの方向にあることを御了承いただきたいと思う次第であります。 なおまた、ただいまお話がございました金融検査関係の定員問題でございますが、これも既に、金融監督庁本庁におきましてことし自体十四人をふやしましょう、あるいはまた、財務局におきまして二十人の新規増員を行いまして、いわゆる金融検査体制の中において働く職員が既に合計六百二十三人となっておる実情でございます。
○茂木委員 大蔵大臣、検査の回数の方であります。四年に一遍ぐらいを毎年しっかりやっていく、その点についていかがですか。
○松永国務大臣 ちょっと委員、さっきのパネルを見せてください。 御存じのとおり、銀行局、証券局、これはことしの六月までの間に大蔵省から離れて金融監督庁に行きます。大蔵省には百人未満の小さい金融企画局というのが残るだけでございます。同時にまた、証券等監視委員会、これは独立機関でありますけれども、これも総理府の下に置かれるそちらの方に行ってしまうわけであります。したがいまして、金融機関に対する監督検査の業務は、これは六月までの間に実は金融監督庁に移っていくわけであります。 金融監督庁でどの程度の人数でやっていくのかという問題でございますが、今総務庁長官からお話がありましたように、金融監督庁の中の監督、検査業務に当たる人、その人と、それから地方財務局の方が検査もいたしますので、総合計すれば、先ほど総務庁長官が言われた数字だろうと思います。 もう少し検査の回数をふやすべしということでございますが、これは人数との関係もありましょうし、それからもう一つは、検査のやり方の改革をしていかなければなりません。その改革がうまく進めば、私は、もう少し検査の回数も頻繁に行うことができるようになるのではなかろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
○茂木委員 時間の関係で人事制度の問題に移りたいと思うわけであります。 先ほど石川先生の方からもお話ございましたが、キャリア、ノンキャリアのこれまでの処遇等々、簡単に見ていただきますと、こちらがことしになって逮捕されました四人の容疑者の、これまでの大蔵省でのいわゆる年次別の出世、昇進、こういうことでありますが、御多分に漏れず、キャリア組の榊原前課長補佐は四年目でもう係長になっている。そして、六年で課長補佐待遇で税務署長に出向している。大体ほかのノンキャリ組が課長補佐まで行くのには十五年以上二十年ぐらいかかる、こういうルートであります。 先ほど、この税務署長への出向、これを徐々に見直していくというお話ございましたが、私は、やはり大蔵大臣の決断でできるのじゃないかな、こんなふうに思っております。だれも喜んでいません。地方の税務署の職員も、地方の法人会や商工会やそれから青色申告会の人間も、だれも二十代で来てもらって喜んでいません。また、これらのエリートたちの優秀な官僚にとってもいいことにならない。御決断で、私は、もう二十代で税務署長には出向させない、こういうことを決めていただきたいと思うのですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 二十代での出向はない、それは改革されておるというふうに見ております。あとは徐々にその年代を上げていくという形で対応してまいる所存でございます。
○茂木委員 このキャリア、ノンキャリアの問題に絡みまして、私は、これから人事の採用の問題、それからローテーションの問題というのも検討していく必要があるのではないかな、こんなふうに考えているわけであります。 現在は省庁別の人事になっております。そして、それぞれの省庁によって、キャリア、ノンキャリアの出世のルートもそれぞれ決まっている。人事のローテーション、さまざま工夫はされているようでありますが、まだダイナミックな形にまで来ていない。そこの中から、一方ではキャリア組の特権意識が生まれ、もう一方ではノンキャリの組がやる気をなくす。そういう中で、みんなやっているのだからおれも、そんな気持ちから少しずつ接待攻勢が起こってくる。これも今回の不祥事の一つの原因になっているのではないかな、私はこんなふうに考えている次第であります。 そこで、一つの提案でありますが、こちらをごらんください。現在は省庁別の採用を行う、省庁別の人事を行っている。大体出世のルートも、キャリアでしたら、三十歳で課長補佐、四十歳で課長、五十歳で審議官。それがノンキャリですと、係長、課長補佐、行っても課長補佐か課長まで、こういう形でありますけれども、これからは一括採用を行って、例えばそれぞれの人間の適性がはっきりする三十歳ぐらいまでは一括人事を行っていく。しかし、その上で適性がはっきりし、希望もはっきりしてきたら、省庁別の人事をそれぞれ省庁に配属して行うようにする。ただ、十年に一遍ぐらいやはりもう一回希望をとり、配属の大胆な見直しも行っていく、こういった一括採用、一括人事、こういうことも検討すべき時期ではないかなと思うのですが、総務庁長官、いかがでしょうか。
○小里国務大臣 縦割り行政の弊害を排除し、そういう一つの目的も持ちながら一括採用あるいは一括管理についてのお話でございます。 いわゆる縦割り行政の弊害を排除し、そしてまた各省庁のセクショナリズムにとらわれることなく、国全体を重視できる、国益全体を重視できる公務員を育成する、またそういう一つのシステムをつくるという観点から、国家公務員の人材の一括管理あるいは一括採用を行うべきではないかという議論が、ただいまお話しのとおり、昨今活発に行われております。殊に、昨年十二月三日、行政改革最終報告におきましても、そのことは指摘されたところでありまして、目下、検討を行う必要がある、そのような趣旨で作業を行っておると申し上げましても言い過ぎでないと思う次第でございます。 なおまた、この場合、最終報告を受けまして、総務庁といたしましては、公務員制度調査会における検討を踏まえ、人材情報のいわゆる総合的管理、人事交流の推進、省庁間移籍制度の新設あるいは幹部職員昇任等に関する総合調整等を中心に、人材の一括管理あるいはその一括管理のシステムについてさらに具体的な検討を進めたい、そういう方向で対処いたしておるところでございます。
○茂木委員 最後に、総理に質問させていただきたいと思います。 総理は、今行政改革に先頭になって本当に真剣に取り組んでおられるところであります。その行政改革でありますが、今までごらんいただきましたように、例えば組織というのは組織機構だけで決まるものではない。むしろ、組織のスタイル、官僚体質であったり特権意識を決めるのは、先ほど申し上げたスタンダードやシステムやスタッフの問題に負うところが大きいと私は考えております。 今後、行政改革を具体的に進めていく中で、総理として、この組織規範や運営手法や人事制度、人材育成についてどのように取り組んでいかれるか、簡単で結構でありますからお答えください。
○橋本内閣総理大臣 時間が足りないので、余り長く申し上げられませんけれども、今政府として国会に提出をさせていただいております中央省庁等改革基本法案、この中におきましては、中央省庁の再編成はもちろん入っておりますけれども、政策評価の充実あるいは情報公開の推進など、行政の透明性をどうやって高めていくか、こうした措置、あるいは事前規制型の行政から事後チェック型の行政への転換、行政のあり方の見直し、さらには公務員制度改革まで含めまして、行政の手法、行政運営のあり方にも幅広く踏み込んでおります。 こうした点をぜひ踏まえていただき、中央省庁などの行政改革を進めるに当たりましても、組織あるいは機構改革と、政策あるいは行政運営のあり方に対する改革、これは一体に進めていかなければなりません。今回提出いたしました基本法は、そのような内容を持っておりますので、ぜひ早期に御審議をいただき、成立させていただきたいと願っております。
○茂木委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて石川君、茂木君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田克也君。
○岡田委員 民友連の岡田克也です。 きょうは、まず、公務員倫理の問題から質問したいと思います。 この問題は、きょうも少し議論になりましたし、今までも何度も議論になっているわけでありますが、例えば昨日の質疑の中で、公務員倫理法を昨年の通常国会で提出をしなかったということについて、総理は、大変申しわけないと思っている、もし公務員倫理法があれば今回の大蔵不祥事の抑止力になったと思うという趣旨のことをお話しになったと思いますが、私は、何度お聞きしておりましても、なぜ昨年公務員倫理法をつくろうという気持ちに総理がならなかったのか、そこがひとつ釈然としないわけでございまして、総理の率直なお気持ちを聞かせていただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 確かに、なぜと言われれば、公務員の諸君の良心を信じたいという思いがありました、一言で申し上げるならそういうお答えになろうかと思います。 昨日も議論になっておりましたけれども、たしか昭和五十四年に、大蔵省に対するある特殊法人の接待問題が俎上に上り、それ以外の幾つかのケースも大変大きな議論を呼んで、そのときに大蔵省がルールづくりをしたことを私自身記憶に残しておりました。そして、それがいつの間にかまた緩んでしまったということもある程度私なりに感じておりましたけれども、やはりきちんとした倫理規程というものを政府自身が各省において統一してつくっていく、こうしたものをすることによって、私は、綱紀にもう一度きちんとした歯どめがかかる、また、日本の公務員諸君はそれだけの良心を持ってくれていると信じておりました。ですから、この点はおわびをするしか私にはありませんが、まさにそういう思いだったのです。 ところが、今回、本当に総会屋に対する利益提供という発端から始まりまして、捜査が進むにつれてついに逮捕者を出す事態になりました。そして、その倫理規程制定後においても、それ以前の行動が全く変わっていなかったということを知って、私は本当に大変情けない思いをしておりますし、その意味で申しわけないという思いもございます。ただし、今もなお、私は、公務員の諸君の良心を信じたいという思いは、率直に言って胸の中にございます。 その上で、こうした事件が出てきた以上、倫理法をつくらずに済むものではない。政府としての作業に取りかかりました。そして、今、他の質問者に率直にお答えをしたとおり、その作業を現在進めておりますけれども、果たしてその公務員の倫理について、公務員によって構成される行政府がこれを立法する資格というものについても複雑な思いは今持っております。しかし、政府自身がやはりその倫理法はつくる責任もある、そんな思いでこの問題に取り組んでおります。
○岡田委員 私もかつて官僚でありましたが、今の総理のおっしゃったお話の中で、公務員全体をバッシングするような風潮は非常によくないというふうに思います。 もちろん、今回の大蔵不祥事、大変なことであります。ですから、そういうものは徹底的にうみを出す必要がある、そういうふうに思いますけれども、多くの公務員は朝から晩まで一生懸命仕事をしている。民間と比べれば確かに給料も安い、そういう中で頑張っているということも事実でありますので、きょうはテレビ放映されておりますけれども、そういうことも私は国民の皆さんにもわかっていただきたい。その上で、しかし、その多くのまじめな公務員、その信頼を損なうような行為をした者については徹底的にこれを罰していく、そのことが非常に大事だというふうに思うわけでございます。 そこで、総理は昨年、役人の良心を信じたい、そういうふうに思って公務員倫理法を制定しなかったというふうにおっしゃったわけですけれども、昨年この国会でなぜ公務員倫理の問題が取り上げられたか。これは、いろいろ事件がありましたが、最大のものは岡光前厚生事務次官の収賄事件であります。 昨年の三月二十六日にこの岡光前厚生事務次官の初公判が行われまして、検察側の冒頭陳述、東京地裁でありますけれども、行われました。そのコピーを私きょう持ってまいりました。少し読み上げたいと思いますが、この事件では、贈賄側は小山であります。 「小山は、九四年七月」、途中を飛ばしますが、「茶封筒に二千万円を入れ、自ら官房長室において「これ手付け分です。使ってください」などと手渡した。岡光は「悪いね。ありがとう」と言って受け取った。」 同じく小山は、「九四年八月二十三日ころ、官房長室で岡光と会い、「これ、四千万円入っていますから」などと言いながら、かばんに入れた現金四千万円を手渡した。岡光は「悪いね」と言ってこれを受け取った。」 現役の官房長、しかも、その後事務次官まで務める人間が、役所の官房長室で、二千万、四千万、合わせて六千万の現金を受け取ったという、これは大変なショックな事件であります。 総理は、この事件についてどのように認識しておられたのか。先ほど、公務員の良心を信じたい、だから法律をつくらずに倫理規程で何とかなると思ったと言われましたが、総理もこの岡光という男をよく御存じだと思いますが、こういう事件が起きたことについて、やはり事態の認識が甘過ぎたのじゃないか。もっとあのときに物事の重要性を認識して、そしてきちんと法律をつくるべきでなかったか、そういう思いがするわけでございますが、いかがでございましょうか。
○橋本内閣総理大臣 今の御指摘は、私は素直にそのとおりに受けたいと存じます。 なぜなら、確かに私は、多分課長になるかならないかぐらいのころから、当時、厚生委員会と労働委員会が合体しておりました社会労働委員会の理事として、彼と仕事上触れ合う機会は何遍もありました。その後においてもよく知っている人間でございます。ただし、そのような問題を抱えているとは全く存じませんでしたし、もしそれがわかっておりましたら、官房長からその後の経路をたどって事務次官にというコースも歩まなかったでありましょう。同じ省内のほかの人たちもわからなかった。私どももそれはわかりませんでした。 そして、余りにこの事件は強烈な事件でありましたから、むしろその強烈な事件というもの、個人の属性に類する部分をすべての公務員に当てはめて考えるということは、本当に私はいかがなものかという思いがあった。それは先ほど隠さずに申し上げたとおりです。 ただ、それが今回の捜査の中から、根広く、しかも継続し、倫理規程をつくってもなおかつそれが継続しているという状態の中で、私は本当に公務員というものを信じておりましたけれども、それを裏切られた思いを持ちました。 同時に、議員も触れられましたように、すべての公務員がそんな人間ばかりでないことを私も知っているつもりです。そして、いたずらに善良な公務員のお子さんが学校でいじめられるような風潮というものを、私は本当に情けないと思います。 ただ、その汚名を晴らすためにも倫理法が必要ではないのかという思いで、作業を命じたところであります。
○岡田委員 実は、私どもは、前国会、通常国会では新進党でありましたけれども、公務員倫理法を提出しております。通常国会に提出をいたしました。この法律が、野党第一党が出した法律であるにもかかわらず、一度も審議を経ないで廃案になっているわけですね。 私は、これはこの法律に限らず一般論として申し上げたいと思いますが、国会の場で野党第一党が、別に第一党でなくてもいいと思いますが、ある程度の議員がまとまって出した議員立法というものを審議もしないで葬り去るというばかげたことはやめるべきだ。 国会というのは、国民を代表して出てきているわけであります。選ばれて出てきているわけであります。そして、そこで、一人二人が言うならともかく、一定の人間がきちんと議論をし、努力をして法案を出す。法案一つつくるのは大変な作業であります。役所がつくる閣法は、公務員の皆さんが膨大な時間をかけてつくられるわけでありますが、議員が本来の仕事の時間を割いて法案を詰めていくというのは、大変な作業であります。それを審議もしないでやめてしまう、そういう慣行はやめるべきだ、私はそういうふうに思うわけでございますが、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 これは、私は、政府の立場としてお答えをすべきことではないように思います。 その上で、私は逆に、終始自由民主党所属の議員でありますけれども、むしろ政府と対立をしながら、当時における与野党が協力をして、何本かの議員立法を自分で書き上げ、成立もさせてまいりました。 例えば、たしか昭和五十二年から三年にかけての特定不況産業、特定不況業種という言葉がありました当時、特定不況業種離職者臨時措置法は私自身書きました。この解説書も自分で出版をしております。あるいは、今の障害者基本法の土台になりました、たしか昭和四十五年ぐらいに、むしろこれは私が委員会を去りました後、超党派で成立をいたしましたが、障害者基本法、心身障害者対策基本法の素案づくりを書き上げましたのも、私自身で書き上げてきました。あるいは水道法改正法。幾つかの議員立法を与野党が協力をしながら、むしろ政府とぶつかり合って、あるときは政府の協力を得て、議員立法を私はいたしてまいりました。 ただ、その当時を振り返って申し上げますならば、特定の党が特定の政党として議員立法をというのはなかなかその当時でも難しかったように思います。与党の私どもの立場で、与党だけで単独での議員立法という考え方ではなく、むしろ私どもは、与野党がそろってそうした考え方を、どこの党がイニシアチブをとる、それはそのときそのときでありました。しかし、そうした体験は私自身が持っております。
○岡田委員 総理は上手にちょっと論点を変えられたと思うのですが、私が申し上げましたのは、この国会に、これは野党でも与党でもいいのですけれども、議員立法が出てきた場合には原則としてそれを議論するという、当たり前のことなんですが、その当たり前のことをきちんとやることが重要であるということを申し上げたわけでございます。これは、総理というよりは自民党総裁という立場で私はお聞きをしたわけでございます。 さて、与党の方もあるいは政府の方も、今公務員倫理法を御検討中だというふうに聞いております。私ども民友連を中心に、平和やあるいは自由党の皆さんとも一緒に公務員倫理法を既にこの国会でも提出しております。その中身は、二千円以上の接待を受けたり物をもらったりした場合には全部届け出をしなさい、その届け出を怠った場合には罰則をかけます、そして資産の公開もしなさい、これについても罰則をかけます、こういう中身でございます。 政府の方でも公務員倫理法を御検討中だ、そういうふうに聞いておりますが、基本的にどういう考え方で倫理法をお考えなのか。倫理法が必要であるということは、総理は何度もこの場で明らかにしておられるわけでありますが、中身については余りお聞きをしておりませんので、細かいところはまだ決まっていないと思いますが、基本的な考え方だけお聞かせをいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 本日の時点におきましては、まだ作業の途中であります。議員の御指摘のとおりですので、主要な検討事項として今あるものを申し上げたいと思います。 一つは、公務員の倫理、その理念をどう書き上げるか。これは、法律によって守るべき公務員の倫理とは一体何だ、そのためにどんな規定が必要か。それから、接待、贈与等の規制につきましては、禁止事項をどのレベルで規定をするのか。法律事項とするか、倫理規定として、具体的なものは例えば政令に落とすのか。あるいは、その限度額を設けるか、設けるとすればどうするか。あるいは資産等の報告。これは、資産報告というものが倫理を守るのにつながるのかという意見もあります。これはもう正直に御披露しておきます。また、プライバシーへの配慮という議論もあります。それと、報告者の対象範囲、そして報告する資産等の範囲。 また、服務規律遵守の担保をどこに設けるか。言いかえれば、罰則を設けるのか。これは刑事罰、行政罰、両面があります。そして、懲戒処分の対象とするのかという問題点もあります。これは、国家公務員法、刑法、さらには憲法とも整合性を持たせなければなりません。何らかの、もちろん必要なんですけれども、他の先行している法律との関係の調整の問題があります。 そして同時に、一体政府部内における体制を各省庁の体制とするのか、あるいは横断的な審査委員会のような形を設けるのかという形の問題があります。さらに、特殊法人、特にこれは役職員、両方ありますけれども、あるいは地方公共団体等に対しての規定のしぶりをどうするか。こうした問題点が現在整理中の問題点であります。
○岡田委員 私どももいろいろ議論したような論点を網羅的に並べていただきましたが、その中で最大のポイントは、私はやはり罰則の問題だと思います。総理は行政罰、刑事罰、両方あるという御説明で、今罰則を設けるかどうかについても検討中だという趣旨だと私は理解いたしましたが、もし罰則がなければ、それは倫理規程と余り変わらないわけですね。ただ倫理規程に書いてあることが法律になっただけだ、こういうことになるわけでありますので、きちんとした罰則で担保するというところに私は法律にする意味がある、そういうふうに思うわけでございます。 これはまだ御検討中だと思いますが、私は、やはり罰則をつけるということはぜひ総理にこの場できちっと宣言していただいて、総理がこの法律をつくるべきだとおっしゃっているわけでありますから、その骨格については、やはり総理のリーダーシップというものが要ると思うのです。罰則はつけますということを一言言っていただければ、大分実のある倫理規定になるのだなということになりますし、先ほど総理がおっしゃった、与野党で協議する、そういう一つのきっかけにもなると思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 罰則はいずれにしても必要なんです。今も私は、罰則規定が全く要らないと申し上げておりません。ここはもう間違えないようにしていただきたい。その上で、この法律で罰則を定めるのか、あるいはそれに違反した者を例えば国家公務員法上の懲戒規定に当てはめていくのかとか、そういう法律上の位置づけの問題は確かにあります。 これは、今まさに幾つかの考え方があり得るわけですけれども、いずれにしても、罰則が要らないと思っているわけではありません。これははっきり申し上げた上で、その上でそれを、国家公務員法上の処分、あるいは刑法の担保するもの、こうしたものとどう整合させていくかという問題点は、法技術上、確かにまだ残っております。
○岡田委員 国家公務員法上の処分といいますと、今回の大蔵の不祥事でもいろいろな処分がその上司あるいは本人に対してもなされましたけれども、余り意味がない。結局、それは役所の中の論理で、処分を受けても、かえってそれが勲章みたいになっている部分もある。 ですから、やはりここは刑事罰をきちんとつける、そこが私はポイントだと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 ですから、その違反の種類にもよると思うのですよ。例えばうっかりミスみたいなものに刑事罰をかけられるのか。私は、これはやはり問題だと思います。 ですから、そういうところは、罰則がなくて済むと思っておりませんと申し上げた上でまじめにお答えを申し上げたとおりに、私は、その処分というものは、国家公務員法上の処分につながるものもあり得る、刑事罰につながるものもあり得る、そこをきちんとブリッジしておかなければならないと繰り返し申し上げているわけです。
○岡田委員 そういたしますと、確認いたしますが、非常に悪質にこの報告義務を怠ったような場合には、非常にそれが作為的で悪質な場合には刑事罰をかける、そういうふうに理解してよろしいですね。
○橋本内閣総理大臣 それは怠るのじゃなくて、これはもう完全に偽りですよね、今議員が言われるのは。 怠るというのは、むしろうっかり何日までの提出を忘れちゃったとか、あれを書くのを忘れちゃったとかいうのがうっかりでありまして、私は、ですから、そのうっかりまで刑事罰というのは本当に疑問を持ちます。これは率直に持ちます。 しかし、偽りの意思を持って報告を行う、これはまさに偽りなのですから、これは罰則がかかっても当然のことではないでしょうか。
○岡田委員 今総理から、偽りの報告を行った場合には罰則、これは刑事罰という意味だと思いますが、それをちゃんと整備するんだ、こういう答弁をいただいたと私は理解をいたします。 さて、その上で、今我々、政治家と株の問題というのもいろいろ議論しております。与党の中でもいろいろ議論があって、当初は百万円以上の利益を出したり損をした場合には届け出をするという話だったのが、自民党の中で議論した結果、いや、やはり全面公開すべきだ、こういうお話になったと報道で承知をしております。 私ども民友連も、今政治家と株の問題について鋭意議論中でありますが、基本的な方向はもう既に出ております。一つは、全面的に公開していこうということであります。そして、その範囲については、本人だけじゃなくて、例えば同居の家族でありますとかあるいは秘書も含めていこう、同時に、ここもやはり罰則できちんと担保していこう、こういうことでございます。 こういう政治家と株の問題について、私どもは今言ったような考え方で検討しておりますけれども、総理のお考えはいかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私自身は、もともと自分がかつて在社したその会社の株を、残念ながら今その会社は他の会社に合併されまして名称が変わっておりますけれども、みずからの青春の記念のような思いで持っておりますほかに、父親から郷里の関係の株式を一部相続し、それをそのまま持ち続け、今日に至っております。 しかし、国会議員の株取引というものについてはさまざまな御意見があります。そして、過去においても随分いろいろな議論がありました。そして、その御議論の上で、平成四年末に、政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律、長い名前ですけれども、この法律が制定をされ、株式についても公開されることになりました。 私は、個人としては公開論者です。その上で、今現在、自民党におきまして政治改革本部、また与党三党におきましても与党政治改革プロジェクトチームで検討されておりまして、今議員が御指摘をされた御党の御意見等も含めて、各党各会派、さらには国会議員同士の間で十分議論していただきたいと思います。 私自身はということを申し上げましたのは、既にこの御答弁は他の委員にも申し上げておりますので、私はそう思うということを申し上げました。
○岡田委員 そこで、今総理も言及された政治家の資産公開法であります。 先ほど罰則の議論をいたしまして、総理は、公務員倫理法については、偽りの報告をした場合には、そういう場合にはやはり罰則だ、こういうふうにおっしゃったわけですが、私は、この政治家の資産公開法ができたときに、本会議場で、これは変だなというふうに、賛成をしながら思ったことを思い出します。つまり、この政治家の資産公開法には罰則がないのです。もちろん、うっかりミスとかそういう場合は別として、偽りの報告をしているような非常に悪質な場合に、それでも罰則がないというのは、私は、法律としての体をなしていないし、今総理みずから、公務員の場合には罰則できちっと最終的には担保しなければいけないということをおっしゃったが、政治家だけやはり甘いというわけにはいかないと思うのですよ。 政治家の資産公開法にも同じように、偽りの報告を行ったような場合には罰則をつける、当然だと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私どもは、率直に申し上げまして、就任時、そして退任時、完全な資産公開をルールによって既に内閣は継続して行っています。そして、閣僚在任中の株式等の取引は、当然のことながら皆自粛をしておりますし、保有する株式は信託に付しております。そして、それは透明に、完全に行われておりますし、政務次官等にもこれが準用されていることは御承知のとおりです。ただし、これにもその意味では罰則はございません。 私は、こういうものに罰則をつけろつけろと、たまたま今議員からそういう御意見が出ましたから、今政府の中で検討している中でも、どういうふうにすればこれが遵守されるかという点から議論をしていますと申し上げましたけれども、そして、まさに人間のすることでうっかりミスというのは避けられないことですから、そうしたことまで脅かすようなものはいけないけれども、全く偽りの意思を持って報告をつくる、これは当然ながら罰則があってもおかしくないと申し上げました。 政治家の場合でも、私は、偽りの意思を持って、報告すべきことを架空といいますか、捏造するといいますか、そういうものがペナルティーを受けるということは、これは政治家であってもなくても、正確に報告するとルールで決められているものを故意に偽れば、ペナルティーを受けるのは当然じゃないでしょうか。
○岡田委員 総理の御意見もいただきましたので、この問題は、政治家と株の問題と並んで、この政治家の資産公開法の罰則の問題、私どももきちんと提起をしたいと思いますので、与党におかれてもしっかり受けとめて、ともに議論していただきたい、そういうふうに御要望申し上げておきたいと思います。 さて、少し順序を変えまして恐縮ですが、景気対策を少し議論させていただきたいと思います。 総理、何度も何度も恐縮なんですけれども、総理は昨年の春に、俗に言う九兆円の負担増というものを実行されました。言うまでもなく、消費税の引き上げで約五兆円、そして所得税の減税をやめたことで約二兆円、医療費の値上げで約二兆円、合計九兆円であります。九兆円の負担増というのはかなりのものだと私は思うのですが、総理、どういう気持ちでこの九兆円の負担増というのをお決めになりましたか。
○橋本内閣総理大臣 どういう気持ちと言われますと、多分反発を受けるだろうなと。しかし、少なくとも衆議院選において消費税率の引き上げというものを私は訴えて、そして当選をさせていただいた。率直に言えば、そうした思いがなかったわけではありません。 なぜなら、その税制改革について、公正で活力のある高齢化社会の実現を目指すためには、個人所得課税の負担軽減、そして消費課税の充実による税体系の見直しを提言した政府税制調査会の答申は、平成五年の十一月に行われたものでありました。そして、この中期答申の考え方を踏まえて、当時の細川内閣、そして羽田内閣を通じて、所得、消費、資産等との間におけるバランスのとれた税体系とはということで精力的な議論が行われてきたことは、議員御承知のとおりであります。そして、それは最終的に村山内閣に引き継がれまして、与党税調を中心に各界各層との意見交換などの手順を踏みながら議論が進められまして、平成六年九月に連立与党の税制改革大綱という形で決定を見ることになりました。 こうした意味では、この平成六年秋の税制改革、これは政策決定プロセス自体、その間幾つかの政権の交代とともに視点も変わりながら継続して議論をされ、その意味では、私は、今までにない、慎重な上にも慎重な、いろいろな角度からの議論があったものだと思っております。そして、平成六年十月に決定をいたしました税制改革要綱に基づいて国会に提出をされた関連法案についても、こうした意味では十分な議論をされた上で可決をされたもの、そしてそれを、言いかえれば減税の部分は先行し、消費税を引き上げる責任が私のところに来た、率直に言えばそういう思いはありました。 そしてその上で、衆議院選において私はその二%を引き上げさせていただきたいということを自分の行く先々で訴えながら選挙戦を戦わせていただき、確かに、街頭で申し上げるたびに皆さん、そこはうれしそうな顔はなさいませんでしたから、その上で我々に政権を与えていただいたということから、これを推し進めていかなければならないのが私の役割だと考えたことは事実です。 また、これは消費税だけではなく、御承知のように医療保険改革の問題もあります。この問題についても、社会保障構造全体が、まさに高齢・少子社会というものに今はっきりと足を踏み込んだ日本の中で、改革をしなければならないものであることは皆さんが認めていただいていましたし、その上で医療保険審議会等で十分な議論をし、まとめられましたものを受けとめて進めていくのが役割、そのように考えておりました。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○岡田委員 一つ一つをとれば、今総理御説明のとおりだと思います。 消費税の引き上げは、個々の自民党所属の候補者がどうであったかということはひとつおくとして、自民党としては、あるいは政府としては、消費税の引き上げを訴えて衆議院選挙をやった。我々は据え置きを主張いたしました。選挙の結果は御案内のとおりであります。選挙で過半数はとれませんでしたけれども、自民党が勝ったということで引き上げをした。一つの理屈だと思います。あるいは、所得税の減税を去年の春やめるということは既定方針だった、決まっていたことだ。医療費も、健康保険組合、経営が大変ですし、上げないと赤字組合が続出する。一つ一つはわかるのですが、しかし、それはいわば官の論理じゃないかなと私は思うのですね。そこにもう一つ、政治家の判断というものがあってしかるべきだったんじゃないかと私は思うのです。 非常にわかりやすい話をいたしますと、九兆円というものがどういう位置づけを持つか。国民一億三千万であると、一人七万円であります。五人家族で三十五万円であります。年間の可処分所得の中で三十五万円の可処分所得が減れば、それは消費者は財布のひもをかたくするのは当たり前であります。ですから、今の景気の後退というものを招くことは、この九兆円の負担増を決めたときにもうはっきりわかっていた。なぜそこに総理は思いをされなかったのか。 一つ一つは、それはそれぞれの論理でわかりますけれども、全体として一遍にやったときにどういうことが起こるかということは、当時としてわかっていたはずだと思うのです。私は、そういう中で、例えば二兆円の所得減税をやめるということを少し先送りしようとか、いろいろな選択肢があり得たと思うわけですが、いかがお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 歴史にもしは禁物ということが言われますが、確かに、もしということになって議論すれば、私はいろいろな議論、御批判もあることを決して否定をいたしません。その上で、今ちょっと手元に、もう一回確認しようとして見つからなかったのですが、確かに、その消費税率の引き上げの影響は我々が予測した以上に大きく出たということは、国会でも御答弁を申し上げました。 すなわち、昨年の一—三月期に駆け込み需要が予想よりも多く発生をした、それは四—六でまさに予想よりも落ち込み幅が大きく出てきた。ただし、七—九において消費性向が回復の方向に向かっていたことは数字としてお認めいただけると思うのです。言いかえれば、消費税の影響というものは四—六には確実にあると予測をしておりましたが、その予測は予測幅より大きいものでした。しかし、家計消費支出等を振り返ってみましても、七—九は改善に向かっておりました。そういうことも事実としては申し上げておきたいと思うのであります。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田委員 私は、今の説明は、少し違う考え方を持っております。七—九に若干消費性向が上がったことは統計が示しておりますけれども、私は、その七—九の間に生産がやはり落ち込んできた、そのことが回り回ってまた消費性向に影響してきた、そういう面は見逃せないと思うのです。 総理は、アジアの経済の破綻というものが、あるいは金融の国内の破綻というものが消費性向に影響を及ぼしている、そういうお考えだと思いますが、私もそのことは否定をいたしませんが、消費税の引き上げ、あるいは所得減税をやめたこと、そういう影響も非常に深刻だというふうに思います。だからこそ、総理も二兆円の、一度はやめたはずの所得税の減税を、少し形が違いますけれども復活されたんだ、そういうふうに思うわけでございます。 そこで、経済企画庁長官にお聞きをしたいと思います。端的にお答えをいただきたいと思いますが、企画庁長官はたびたびこの場で、桜が咲くころには景気は回復基調に乗るということを繰り返しておられるわけでございます。具体的な中身は、長官にお話しいただくと少し熱弁を振るわれますので、私の方で要約をしておきたいと思いますが、今までの答弁では、来年度予算案が、あるいは関連法案が順調に通過をして、そして四月からいわゆるクレジットクランチの問題、つまり貸し渋りが早期是正措置が三月末で終わるという形でなくなるという状況を考えると、全体としては順調な回復軌道に乗ってくる、要約しますとこういうふうにお答えになっていると思います。 それでは、その桜の咲くころに景気が回復基調に乗る、あるいは乗らない、そういう判断はいつされますか。
○尾身国務大臣 経済は現在停滞しているという状況にあるというふうにかねがね申し上げております。私が桜の咲くころに景気が回復し始めると申し上げましたのは、幾つかの要因がございまして、今委員がおっしゃったのはその一部でございます。 既に行いました対策、二兆円の特別減税あるいは九年度補正予算、金融システム改革法の施行などが二月、三月に行われるわけでございます。そして、十年度予算及び法人税の減税等を含みます税制改革等の法案を順調に通していただけるならば、四月の一日から十年度のお金が出てくる、減税も実現をされるということになります。 それに加えまして、昨年の十一月に決めました電気通信とか情報あるいは土地の有効利用等に関する規制緩和の法案が、現在ほとんど提出をされておりまして、これが通過するのが四月、五月ごろであろうというふうに想定をしております。 そのことに加えて、今のお話のとおり、いわゆる銀行の貸し渋り現象は、早期是正措置の実施が四月一日でございますから、それ以後は緩和されるであろう。以上のことを全体として見て、四月からは徐々に回復軌道に乗り始めるというふうに申し上げている次第でございます。 もとより、私ども、経済の現状を正確にいつもいつも把握をして皆様にお伝えすることが私どもの責務でございまして、今後とも、景気の動向等については注意深く見きわめていきたいと考えておりますが、これが統計にあらわれますのは、やはり一カ月、二カ月のタイムラグがあることも事実でございまして、四月の数字は五月、六月ごろには出てくるだろうというふうに考えている次第でございます。 いずれにいたしましても、経済は生き物でございまして、私ども、金融、経済の状況に応じて適宜適切に経済運営の実現を図ってまいりまして、政府の経済見通しの一・九%という数字はぜひとも達成をしたいと思っておりますし、また達成できると考えている次第でございます。そのためにも、十年度予算及び関係法案の三月いっぱいでの通過をぜひともお願い申し上げる次第でございます。
○岡田委員 経済企画庁長官、若干表現を変えられましたね。今、四月になると回復基調に乗り始めるとおっしゃいましたね。従来の答弁は違うんですよ。桜の咲くころには経済は順調な回復軌道に乗ると考えていると。乗ると、乗り始めるは大分違いますね。 それからもう一つは、経済は生き物だという言葉を非常にたくさん挟まれるようになりました。若干私は景気認識について、政府の景気認識が違ってきているんじゃないか、変わってきているんじゃないかなという感じをいたします。 今企画庁長官がおっしゃったように、四月のいろいろな景気の指標が数字として出てくるのは、大体五月末から六月初めであります。例えば鉱工業生産指数、速報値が出るのは、四月の数字が出るのは五月の末、二十八日ぐらい。小売の販売額もそうであります。あるいは住宅の着工も五月末、失業率も五月末であります。設備投資をあらわす指標である機械受注については六月の上旬、こういうことでありますから、逆に言いますと、基本的に政府としては、桜の咲くころには景気は回復基調に乗るというふうに思っておられて、それがそうじゃなかったということがわかるのが五月末から六月初めということでありますから、少なくともそれまでの間は補正予算などという話は出てきませんね。いかがですか。
○尾身国務大臣 私が初めて公式に、桜の咲くころに景気がよくなり始めるというふうに申し上げましたのは、一月七日のワシントンにおける講演でございまして、英語で言いますとビギン・ツー・ピックアップという表現を使っております。したがいまして、私自身はその表現を変えているつもりはございません。 それから、経済は、そういう意味で数字的にはややおくれると思いますけれども、いろいろな状況を見ながら適切に対応していくというのは総理の御方針でもありますし、私どもも、適宜適切に対応をしていきたい、そのように考えている次第でございます。
○岡田委員 ワシントンの言い方と国内の国会での言い方が少し違うんではないか、そういう気もいたしますが、しかし、いずれにしろ、桜の咲くころに景気が回復基調に乗る、あるいは乗り始めるという答弁は、聞いているあるいはテレビを見ておられる国民の皆さんも非常に白けて聞いていると思うんですね。 例えば、きのうの夕刊各紙は、自民党は十兆円の景気対策を決めた、あるいは固めた、こういう報道を一面トップでみんな報じているわけであります。政府の方は、いやいや、そうじゃありません、もう景気は順調に回復していくんですと言い続けている。自民党の方は、いやいや、十兆円の景気対策は必要なんだと。その前提として、景気の実態が深刻であるという認識があると思うんですね。どうして与党と政府の間でこれだけギャップがあるんですか。 例えば橋本総理は、その十兆円の景気対策を自民党が固めたということについて、どういうふうに説明されますか。
○尾身国務大臣 私自身は、ここで景気がいいというふうに一言も申し上げておりません。景気は停滞をしていて厳しい状況にある、そういう意味で、私ども、国民の皆様の景気の実感と私どもの景気に対する認識については感覚的な差はない、非常に厳しい状態であるということはしっかりと認識しているつもりでございます。
○橋本内閣総理大臣 私は今まで、党の中で議論、これは全く私は封ずるものじゃない、むしろ問題提起としていいことだということを本委員会でも御答弁をいたしました。しかし、要らざる誤解を生じることも望ましいことではない。 昨日、委員会で申し上げましたとおり、委員会が終わりました後の党の役員会において、いたずらに政府・与党が異なる政策をとっているかのような誤解を与えることは避けなければならない、発言にはきちんと注意してもらいたい、政府・与党一体でなければ困るということを申し上げてきたばかりです。
○岡田委員 総理が幾らおっしゃっても、どんどんいろんな発言が相次ぐ。 日曜日のテレビ討論でも、山崎政調会長は、民放、NHK含めて、十兆円やりますとか、私は言ったことは必ずやりますとか、何度も強調されていましたね。あるいは、きのうの夜、与党三党の幹事長が集まって、そして予算の衆議院通過前に三党で景気対策を検討するということを合意した、こういう報道もあります。 総理が幾ら、自民党と政府の間で意見が違う印象を与えるのは困るとおっしゃっても、現実は違うじゃないですか、どんどん進んでいるじゃないですか。いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 今、日曜日、政調会長がこう言ったではないかということを言われました。私は昨日、昨日は月曜日です、昨日、党の役員会にやっと出席する時間を得て、そういうことを言いましたということを申し上げました。 その上で、政党同士の幹事長が話し合おうとされる、私は、これは幹事長は幹事長としての職責でそれぞれ動いておられるものと思います。そして政府は、何よりもこの十年度予算を早く通していただきたい、関連法案を早く通していただきたい、それがすべての基礎であり、年度の切れ目にむしろ予算が切れるというような事態を避けさせていただきたいということを繰り返して申し上げてきました。 けさ、閣議の前に経済四団体の皆さんにお集まりをいただいて、貸し渋りの状況その他を、それぞれの団体でお集めになりました話を聞かせていただきました。そのときにも、とにかくまず早く予算を通してくれというお話がございましたことを御披露いたします。
○岡田委員 端的に聞きたいと思いますが、総理は補正予算をお考えですか。
○橋本内閣総理大臣 今考えていることは、一日も早く、御審議をいただいている平成十年度予算並びに関連法案を、税法も含め、年度にまたがらないように通過、成立をさせていただきたいということであります。
○岡田委員 私の質問に対してお答えいただけないわけですね。今、この予算を早く通すことが大事だ、それは結構です。しかし、補正予算をその後考えているのかどうかと私は聞いているわけです。これは非常に大事なことなんですよ。 総理は、憲法八十六条を御存じですか。「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」この規定は、これは法律を国会が決めるのと同じように、政府がつくった予算の案を国民を代表する国会が議論して、そしてそこで承認を与えるという民主主義の根幹であります。 今総理がやろうとしていることは、言を左右にして補正予算をやるともやらないとも言わず、とにかく今の予算を通せ。しかし、その後補正をお考えなのかお考えでないのか、あるいはその大前提として、景気について、おっしゃるように春先に桜の咲くころに回復するというのか、それとももっと深刻なのか、そういうことがきちんと議論できなければ、この国会でのこの議論は何なんですか。そういうことが、私は政治というものに対する国民の不信を招くし、そして、国会というものを非常に地位をおとしめていると思うんです。そういう感覚はありませんか。
○橋本内閣総理大臣 なぜなんでしょう。私どもは、現在、平成十年度予算を提出して、それに関連する予算関連法案を提出して、また、法人課税、証券関連税制、土地関連税制等、制度減税をお願いする法律案を含めて御審議をお願い申し上げております。年度がわりは三月三十一日でありまして、私どもとしては、全力を挙げて、これが年度の切れ目を生じないように御審議を願いたいとお願いしております。 これらの施策は、それぞれが相まって景気に影響を与えるものばかりであります。その後をどうこうというよりも、まず、これをやらせていただきたいとお願いをしている。政府の立場はそのとおりであります。
○岡田委員 私は、基本的に間違っていると思います。例えば、この本予算、出てきたのはいつですか、二月ですよ。そのころにはもう大体わかっていたじゃないですか。どうして本予算を修正する勇気を持たなかったんですか。どうしてこんなデフレ予算を出して、しゃあしゃあとして早く通せ、後のことは知らない、そんな無責任なことが言えるんですか。いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 その無責任というお言葉は、ちょっと私は非常に残念に思います。 少なくとも、昨年末、政府は、与党とともに真剣に予算編成をいたしました。そして、例年よりも早く国会を召集させていただき、お願いをし、九年度補正予算、特別減税、そして金融システム安定化のための対策の御審議をお願いいたしました。そして今、それらの施策はそれぞれに実行段階にあります。 そして補正予算の中には、申し上げるまでもなく、いろいろな御批判がありましたけれども、一兆円の公共事業並びに一兆五千億円のゼロ国債があります。こうしたものが平成十年度予算に切れ目なくつないでいけるように、そうお願いを申し上げるのが私は無責任だとは思いません。
○岡田委員 無責任という言葉が言い過ぎであれば取り消しますが、私がそういう言葉を使いましたのは、とにかくこの予算が出てきたのが二月十六日、所信表明なんですね。それからの話であります。そして、私には、とにかく今の予算が最善である、これを通せとおっしゃるその総理を見ておりますと、去年の春の九兆円の負担増をやってしまったことに対する責任の回避、現在の不況を招いたことに対して、もし本予算を増額修正すれば、そういうことの責任が全部かぶってくる、だから、そういうものは認めないためにこの欠陥予算を通せ通せ、こういうふうに言っているように見えるから、私は先ほどの表現を使ったわけであります。国民はみんなそう思っていますよ。 総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 今議員がお触れになりませんでしたけれども、冒頭私に聞かれたのは、どういう気持ちでと言われましたから、まさに、消費税二%の引き上げを国民にお願いする前にどのような経緯があったか、そしてその中で、どんな思いで衆議院選において私はそれを国民に訴えたか、そうしたことを申し上げ、その上で私は、昨年の一—三、四—六それぞれにおいてその影響幅を、確かに我々は一方では過大に、一方では過小に見積もりましたということも認め、七—九においてその数字が家計調査等についても上昇に転じていたことも事実として申し上げました。そういう中で進めてきたものでございます。
○岡田委員 私は、先ほどの繰り返しになりますが、全体で九兆円、一人七万円、五人家族で三十五万円という負担増が景気の後退を招かない、そういう発想そのものがリアリティーを欠いている、そういうふうに思います。 さて、私は、ある意味で総理が非常に追い詰められているんじゃないかと思うんですね。先ほど党との関係をお話しになりましたが、総理がどういうことをおっしゃっても、党の方はどんどん景気対策を打ち出しているじゃないですか。先ほど、きのうの夕方、党の幹部とお話し合いになったとおっしゃいますが、であれば、きょう以降、党の幹事長や政調会長は景気対策について発言がなくなるんですか。私は恐らくそうじゃないと思うんですよ。 そして現実には、政府の方は、早く予算を通せ通せ、景気は春ごろよくなる、そう言い続ける。自民党の方は、やれ十兆円だ、あるいはそれ以上の景気対策をどんどん打ち出す。結局、景気対策を決めているのはだれなのかという議論です、これは。それは自民党の幹事長や政調会長が決めているんじゃないか、総理が知らないところで決まっているんじゃないかという、私は、橋本総理にとって非常によくない状況になっている。 それは同時に、政府が案を出して、そして国会の場できちんと議論をしていく、そういう手順にも明らかに違っている、こういう状態が私は望ましくないと思いますし、総理御自身もそういう形でどんどん追い詰められているんじゃないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 追い詰められているかどうかというのはむしろ主観の問題でしょうし、私は、就任して以来、余裕のある気持ちというのは味わう暇を全然持たずにこの二年余りを過ごしてきました。 そして同時に、私は、臨機応変の措置が、経済政策というものの中で金融あるいは経済情勢、国際市況等を考えたときに必要だということも今まで申し上げてきました。議員はよく御承知でありますから、あえて私はその言葉を繰り返しませんでしたけれども、私どもは、そうしたそのときそのときにおける対応の必要性というものと、財政構造改革という中長期の目標との間にはタイムスパンのあることだということも繰り返して申し上げてきました。 そして現在、景気回復への努力が必要であることを否定される方もないと同様に、財政構造をこのままでいいとおっしゃる方もないはずです。その範囲内においていろいろな議論がこれからも行われるということを、私は別にそれが悪いことだと思っておりません。 ただ、政府・与党の間で意見が食い違うかのごとき姿はよくない、これは私は、きのう御指摘を受けて素直にそう思いましたから、役員会において、政府・与党がばらばらであるような印象を与えることはよくない、よく相談しながら物事を進めていこうと。それは政党政治として私は当然のことだと考えておりますし、同時に、内閣として十年度予算の早期成立を一日も早くとお願いすることがおしかりを受ける材料だとは思いません。
○岡田委員 私は、臨機応変の景気対策というものを否定しているわけではありません。むしろ、それが必要だという立場であります。 今の総理のお話、党と政府が歩調を合わせなければいけない、それはそのとおりだと思います。であれば、どっちに合わせるのかという問題ですね。私は、今の慎重な、あるいはよくわからない政府の立場に合わせるのじゃなくて、今自民党でいろいろな発言がある、今の景気が非常に深刻だ、だから景気対策が必要だ、あるいは財政的な措置も要る、そういうところに、総理も本当は思っておられると思うのですが、この委員会での答弁も合わせていただいて、そういう中から議論が始まるのじゃありませんか。 我々は、もう既に六兆円の減税というものを打ち出しております。どうも聞くところによりますと、自民党は公共事業中心だとおっしゃる。それは議論があっていいと思います。我々も減税だけに固執するわけではありません。しかし、そういう議論が、この国会の場で総理を相手にできないということは、私は非常に残念なことだと思う。 あるいは、今、公共事業がなぜ中心になるかということの理由として、財政構造改革法があるからという話が出てくる。我々は、財政構造改革法を改正することに具体的な提案をしていますよ。別に後ろを向いているつもりじゃありません。 そこまできちんと我々野党が言っているにもかかわらず、ただ単に形式論で、いやいや、春先には景気はよくなるとか臨機応変とか、いろいろなことは言われますけれども、結局は早く予算を通せ通せということでは、本当に私はこの国会の議論というものが形骸化している、これは政治家が自分で自分の足を縛っているようなものだと思うのですよ。いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 前にも議員と同じような議論になり、そして、野党議員の方の御質問の中の評価すべき点を、私は素直に立法政策上一つの判断と評価をし、その上で政府としての考え方をお示しした、そこから出た論議について御報告をいたしたことがあります。 私は、政府が、積極的に展開をされました質問される方の御意見の中に評価すべきものがあれば、素直に評価をし、同時に、それに対してどういう問題点を政府としては感じるということが、せめて答弁で許されるぐらいの論議であってほしいという思いはございます。
○岡田委員 総理が言及された問題は、結局、従来の補正は考えていないという自民党国対委員長の、その趣旨と矛盾している。だからどうなんだということを言っているわけであります。だから、補正は実は考えているんだ、そういうふうにおっしゃれば、そこで終わった話であります。それをあくまでも否定し続けるから、議論がそこで切れてしまうわけであります。 時間が参りましたので、ここで終わりたいと思いますが、私は、総理にぜひ、まず大前提として、国の指導者として、今までの政策の中に幾つか間違いがあったということを率直に認めていただきたいと思います。だから謝れなどということを私は言うつもりはありません。率直に認めた上で、だからこういった景気対策が必要だ、そういうふうに提案していただければ、我々野党として、それを真摯に受けとめて議論していきたいと思います。そういうことがないから、この予算委員会での議論が非常にわかりにくくなっている。そしてそのことが、いろいろな意味で、日本の政治そのものの不信を招いているし、あるいは政治家そのものを国民から見たときの立場というものをおかしくしている。そのことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 —————————————
○越智委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度総予算審査のため、本日、参考人として金融危機管理審査委員会委員長佐々波楊子さんの出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○越智委員長 この際、海江田万里君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。海江田万里君。
○海江田委員 民友連の海江田でございます。 持ち時間が四十分と限られておりますので、答弁もなるべく短目にお願いをしたいと思います。 最近、大蔵省の不祥事あるいは大蔵省の職員の接待でございますが、国民はもうどんな記事が出ても驚かなくなったということもあるかと思うのですが、きょう新聞を見ておりましたら、またまた一つ金融機関との結びつきが明らかになっておりました。 これは東京新聞でございますけれども、大蔵省の職員が部署を異動する際にせんべつをもらっていた、これはいわば異動のボーナスのようなものだというのでございます。もらっていた人の中には一人で四百万円ももらった人があるということなのですが、これは大蔵省、どなたがよろしゅうございますか。実際、最近異動されたのは、大蔵省の銀行局の審議官から証券局長に平成七年に長野さんが異動されておりますので、恐縮でございますが、こういう異動ボーナス、せんべつというようなものが金融機関からあったのかどうなのか、お教えいただきたいと思います。
○長野政府委員 数年前に私、銀行局から他の職へ異動いたしました。せんべつに類するものは何もいただいたことはございません。
○海江田委員 官房長にお尋ねをしますが、こういうようなせんべつというのは、全くこれまでなかったですか、ありましたか。あるいは、今度の内部の調査でこの種の調査というものはやっておりますか、どうでしょうか。
○武藤政府委員 まず、今まであったかなかったかというお話でございますけれども、私どもは、現時点でそれにお答えするだけの準備ができておりません。 現在、調査をしておりますけれども、その調査の中には、例の倫理規程に触れるようなことについては調査事項になっておりますので、現在、調査を行っているということでございます。
○海江田委員 今、官房長は、非常に言葉を選んでおりましたね。そういう習慣がなかったとは言わずに、お答えをするだけの準備ができていないということでございますから、これはそのまま聞けば、なかったということは言っていないのですね。 それからもう一つ、今調査をしているのかということについては、今調査をしているということでございますが、昨日当委員会でもお示しがありましたこの調査表、これが一番取っかかりだということでございますけれども、この調査表はあくまでも接待でございまして、いつ、どこで、だれと会って、そして同行したのはだれで、大体幾らぐらいか、こういうような項目でございますから、いわゆるせんべつについての調査は私はないというふうに考えておるのですが、どうでしょうか。本当に調べておるのなら、じゃ、そこでせんべつというものが出てきておるかどうかも、あわせてお答え願いたいと思います。
○武藤政府委員 せんべつというものを具体的に指示して書き込むということは、そういう指示は行っておりませんけれども、御承知のとおり、中元とか歳暮とか、いろいろ贈答があったかどうかということも対象になっております。そういう意味では全体が対象になっておるというふうに考えております。
○海江田委員 これが今出てきましたけれども、この調査表の欄でございますけれども、ここには、先ほどもお話をしましたけれども、日時、区分、相手方業者名、場所、当方の同席者、費用負担、備考ということで、少なくともこの紙にはせんべつというものを書く欄はないということでございますね。それは間違いありませんね。そうすると、せんべつがある人の場合は、この紙には書かずに口頭で申し出をするんですか、どうですか。
○武藤政府委員 ただいま委員がお触れになりました紙と申しますのは、この調査の対象になった者が自分の記憶を呼び覚ましてこういう形でメモをつくってほしい、こういうことでございます。 対象になっておりますのは会食ばかりでございませんで、その他ゴルフでありますとか、中元、歳暮のたぐいでありますとか、あるいは講演でありますとか、そういうことであります。そういう通達に触れるような行為でございますので、今御指摘のありましたようなことも、もしあれば、これは本人が申告するかどうかということはまた別問題でございますけれども、申告すべきものにはなっておるというふうに考えられます。
○海江田委員 この新聞にキャリアの方が証言をしているわけでございますけれども、一人最高で四百万円もある。相手方に要求されることはない、だが、はっきり言って断った人は一人もいなかったというふうに書いてございます。 そういう意味では、この異動の際のせんべつ、これは幹部でございますけれども、幹部がこういうせんべつをもらうということが恒例化をしていた、私はそういうふうに考えますので、これは大蔵大臣、ぜひこの点もきつく調べるようにということを特に指示をしてください。
○松永国務大臣 お答えいたします。 大変よろしくないことであると思いますので、その点もきちっと調査するように指示したい、こういうふうに思います。
○海江田委員 それでは本題に入りますが、山一証券、自主廃業したわけでございますけれども、せんだっては会長とそれから社長ですね、前会長、前社長でございますが、この二名が逮捕をされたということもありまして、山一をつぶしたのは一体だれなのかということ。私は、これは大蔵省が大いに関与をしているという見方をとっておるんでございますが、この問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、ざっとこの山一の問題の整理をしてみますが、飛ばしをやって、その飛ばしで出た損失が結局最終的に簿外債務になったということでございますけれども、この飛ばしというのは、実は一九八〇年代の後半、八六年ごろから始まった。その飛ばしになるのは、営業特金というのがありまして、これは少し難しいんですけれども、山一証券というのは、法人の山一と言われていたように、企業から資金を集める。一億でありますとか、二億でありますとか、三億でありますとか、かなりのボリュームの資金を集めて、そしてその集めた資金を証券会社が自分の判断でもって運用する。これが営業特金と言われていたわけですけれども、株価が値下がりをしますと、当然のことながらそこに含みの損が出てくる。 その含みの損を、例えば企業はそれぞれ決算があるわけですけれども、その企業の決算のときに、含み損を抱えていると決算が赤字になったり、あるいは決算の収益がへこみますので、これを別のところにつけかえをしなければいけないというのが、これがいわば飛ばしということでございます。 この飛ばしの原因になる営業特金、これは八九年になりまして、十二月に、大蔵省がまずこの営業特金の禁止の通達をしたということでございます。既にこの八九年というのは一番株価が上がっていたときでございますけれども、株価全体、日経平均は上がりましても、個別の銘柄につきましてはやはり上がり下がりがありますので、ここで値下がりをした株を持ってしまった企業に対して損失補てんがあった。この損失補てんが最初に問題になりますのが、この八九年の年末でございます。そこで、大蔵省がこの十二月に営業特金の禁止の通達をしたということでございます。 そして、株価は、平均株価が九〇年の一月から徐々に下がり始めるわけでございますけれども、九一年の七月になりましていわゆる証券不祥事が起きます。この証券不祥事というのは、非常に大規模に、ほとんどの証券会社、大手の証券会社が軒並み損失補てんをやっていたということでございますけれども、その中でも山一証券は四百五十六億円の損失補てんをやりまして、業界の中で損失補てんの額がトップであったということでございます。 そして、この七月、こういう業界を挙げての損失補てんがありましたから、いよいよ証券取引法を改正しなければいけないということで、損失補てん禁止の証券取引法が改正になった運びでございます。そして、この損失補てん禁止を盛り込みました、改正されました証券取引法の施行は、翌年の一月一日でございます。 ここまでずっとまくし立てましたけれども、ここからがいよいよ本論でございまして、つまり九一年、平成三年の十月に証券取引法が改正になった。しかしそれが施行になるまでは、翌年の一月でございますから、二カ月以上の期間があるということ。山一は、大変これまで損失補てんもたくさんやっておりましたし、それから、今現在まだ損失補てんはしていないけれども、飛ばしということで、値下がりをしてしまった株をたくさん企業に持ってもらっていた、こういう状況があるわけです。 このときの社長が行平社長、副社長が三木副社長。このお二人は被疑者として現在逮捕されているということは、もう御案内のとおりだろうと思います。この行平社長、それから三木副社長、それから本部の企画の人たちが中心になりまして、この飛ばしをしておりまして、たくさん抱えた含み損の出ております株を一体どういうふうにしようかということで、これは連日のように会議をしていたということで、これはまあ当然のことだろうと思います。 この飛ばしをやりました、そして損失を出してしまった株というものは、企業に対して、しかもそれは一任で、証券会社にとにかく任せてください、証券会社に任せてくれれば上手に運用しますよといって集めたお金ですから、それが証券会社に任せたところ赤字が出てしまったわけですから、これは何とかしなければいけない。何とかする方法としては、一つは損失補てんですね。申しわけない、こっちが悪かったからといって損失補てんをする。 だけど、この損失補てんのやり方というのは、これはまさに、法律が改正になって、来年の一月一日になったらこれはもう禁じられてしまうよということで、さあどうしたらいいかということになって考えてくるのが、ここで出てくるのが簿外債務ということになるわけですね。損失補てんか簿外債務か。 もう一つは、裁判をやってそこで決着をつけようという話があるわけですけれども、裁判をやれば当然のことながらいろんな問題が明るみになりますから、裁判を回避するということでいえば損失補てんをやるか簿外債務か。しかも、損失補てんが閉じられている、閉じられるようになったということ。 そこで山一は何をするかというと、九一年になりますと、一生懸命になってペーパーカンパニーをつくります。九一年の二月にはエヌエフキャピタル、エヌエフ企業、それから十一月に入りますとエムアイエス商会、アイオーシーという会社、全部片仮名の会社でございますが、こういういわゆるペーパーカンパニー、山一の子会社のあるところに事務所だけを、看板だけを立てて、そしてこういうペーパーカンパニーをつくる。ペーパーカンパニーをつくって、それで簿外で処理をしようじゃないかというふうに、これは社長、副社長、亡くなられた方がもう一人いらっしゃいますけれども、その方がそういうことを発案された。 そして、いよいよこの九一年の暮れになりますと、これももう大蔵委員会あるいは当委員会でも議論になりましたけれども、松野証券局長と三木副社長の面談があるわけでございますね。場所は大蔵省の証券局長室でございます。これについて大蔵省は、確かにこの松野証券局長と三木副社長の面談はあった、しかし、面談はあったけれども、そこでもって松野証券局長は、法律に触れるようなことは全くしていない、法律に触れるようなアドバイスをした覚えはない、一般的なアドバイスはしたけれども、法律に触れるアドバイスはしていないと。これは当たり前といえば当たり前で、法律に触れるアドバイスをしたなんというようなことは言えるはずもないわけでございますけれども。 ところが、この問題につきまして、証券監視委員会が三木被疑者、当時の三木副社長から事情聴取を行ったということがあるわけでございます。これは当然のことでございますが、山一が破綻をしましたので、その後始末をしなければいけないということで証券取引等監視委員会は各種の事情聴取をやっておるわけです。 その事情聴取の中で、いや、これは松野証券局長が、このときいろんな事情をよく知っていて、そして、松野証券局長の方から東急百貨店の件はどうなっているのかと聞かれたということ、松野証券局長の方から三木副社長の方にそういう話があったということがこの新聞記事に出ておるんですけれども、証券取引等監視委員会、そういうような事実があるかどうかということの確認でございます。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 現在、私どもは、昨年の十一月の末から、金融検査部と一緒に特別検査に山一証券に入っておりまして、その中で、いわゆる飛ばし取引も一つ一つ丹念に追跡いたしまして、その全容を解明したい、その際には、またその発生の経緯についても十分把握したいと思って、今検査をしているところでございます。 また、その過程で何らかの法令違反行為がなかったのかどうかということを今念査しているということでございます。
○海江田委員 その中身というのは、今ここではお話しになれないわけですか。当然のことながら、これは三木前社長、当時の三木副社長ですけれども、この方に対してそういう調査をやった、事情聴取をやったということは確かですね。それだけでも確認ください。
○堀田政府委員 検査をいたします際には、経営トップを含め、多くの関係者から事情を聞くということは当然やるところでございますが、具体的にどなたからどういう形でやったかということにつきましては、この問題は、現在、犯則調査中と申しますか、捜査当局の捜査にかかわる問題になっておりますので、内容を申し上げることは御容赦いただきたいと思います。
○海江田委員 この三木前社長、それから行平前会長、この方たちは、先ほどもお話をしましたけれども、今、逮捕、勾留中でありますから、これから恐らく起訴になれば公判が維持をされる、その公判の中で当然のことながらそういう事実関係がはっきりしてくるわけでございますから、私は、この場ではこれ以上証券監視委員会の方に対して質問はしませんけれども、やはり松野証券局長がこの時点で既に、この山一証券の飛ばしの問題それから簿外債務の問題ということに非常に深くかかわっていたということ、このことは状況から見て明らかであるということ、そのことだけはお話をしておきたいと思います。 それから、松野証券局長でございますけれども、昨日、参考人でこの委員会にお越し願いたいということを言っておりましたけれども、私も、いずれ参考人でお呼びをするか、あるいは、場合によってはやはり証人として来ていただかなければいけないんではないだろうかというふうに考えております。 この松野証券局長は、二月四日の衆議院の大蔵委員会で、初めてこの三木副社長との九一年十二月の面談というものを認めたわけでございますけれども、それまでは、ついその一週間前の一月三十日、日経新聞の記者さんが面談をして、取材をしておる。そのときも、全くそういう記憶はない、三木容疑者と会ったという記憶も何も全くないと一月三十日まで言っていたわけですね。それが二月の四日になって、確かに会ったことは思い出したということでございますけれども、自分は細かな話は全然していない、そういうアドバイスは全然していない、違法につながるような、簿外取引につながるようなアドバイスは全くしていないということを言っているわけですから、ぜひこれは当委員会にお出ましを願って、そして記憶を思い出していただきたいということでございます。 それから、この松野証券局長と三木副社長の面談があって、そして、年が明けます。年が明けまして、いよいよ、先ほどもお話をしましたけれども、改正証取法が施行をされまして、そして損失補てんはもうできなくなったということでございます。この一月に、当時の行平社長と三木副社長が証券局長を再び訪ねて、そして面談をしているということでございますが、九二年の一月にもこの行平社長と三木副社長が証券局長を訪ねているということの確認というものは、これは大蔵省はできておるんでしょうか、どうでしょうか。
○長野政府委員 松野証券局長は、年が明けてから行平さんあるいは三木さんとお会いした記憶はないと申しておられますし、大蔵委員会の参考人の質疑のときにもそういうふうにおっしゃったのではなかろうかと記憶いたしております。
○海江田委員 まあ、一週間ぐらいたつと記憶が戻ることもありますので、これは本当に当委員会できちっとお話をしていただかなければいけないと思いますが、この九二年一月に大蔵省の証券局長を訪ねて、ここで、先ほどもお話をしましたけれども、東急百貨店の問題で大変松野証券局長が心配をしていたわけですから、東急百貨店の問題はきちっと処理をしましたと。このきちっとというのは、つまり簿外で処理をしましたということにつながってくるわけでございますが。 この九二年には、七月二十日でございますけれども、先ほど事務局長にお話しいただきましたけれども、証券取引等監視委員会が発足をしているわけでございます。そして、証券取引等監視委員会が発足をしまして、翌年の九三年の二月から、これは十一月まで九カ月にわたって山一証券の検査に証券取引等監視委員会が入っておりますけれども、そういう事実の確認をお願いしたいと思います。
○堀田政府委員 平成五年の二月から十月の末まで、山一証券に対する検査に入っております。
○海江田委員 そこで、その検査の結果でございますけれども、検査をしました結果、どういうことがわかりましたか。
○堀田政府委員 検査をいたしますときには、これはどの証券会社もそうでございますけれども、法令や協会の自主ルール等に反する行為がなかったのかどうか、あるいは顧客の投資勧誘をする際に適正な投資勧誘を行っていたのかどうか、そういう営業姿勢はどうか、あるいは内部の管理体制が適切に仕組まれ、またワークしているかというようなことを重点的にチェックをしているということでございます。 この山一証券の平成五年の検査につきましては、法令違反行為等があれば大蔵大臣に対する行政処分の勧告を行うというのは私どもの対応でございますけれども、この平成五年の検査につきましては、その勧告等は行っておりません。行っておりませんけれども、先ほど申し上げました営業上の問題あるいは内部管理の問題につきまして、会社側に問題点を指摘いたしております。 今いろいろと問題になっております、簿外で転々と売買されるいわゆる飛ばし取引という取引につきましては、遺憾ながらこれを把握するには至らなかった、この点についてはおわびを申し上げたいと思っているところでございます。
○海江田委員 まさに二月から十一月まで、九カ月でございますが、九カ月やってわからなかったということを言っていますが、わからなかったんじゃないんですね、わかっているんですね。 私の調べでは、夏に、英国のペーパー会社を使った約八十億円の債権隠しとでもいいますか、これが実は簿外債務につながっていくわけですけれども、これを発見した。発見をしたところで証券局に相談をしています。山一本体がこれに関与をしますと損失補てんに抵触するからということで、わざわざバーレーンの現地法人に移しかえてこの債務を償却したということがあるわけでございますが、証券局はこのような相談を、あるいは報告を証券取引等監視委員会から受けたことがございますか。九三年の夏でございます。
○長野政府委員 現在その報道につきましては確認をしておるところでございますけれども、当時の担当者の記憶によれば、山一証券本体ではなく海外の現地法人においてそのような問題があった、それは日本の法制の及ばない範囲であるので、その海外の法制に従って処理するようにという話があったやに聞いております。
○海江田委員 今海外にあったと長野証券局長はおっしゃいましたけれども、その海外の手があるよということを教えたのが、アドバイスをしたのが、まさにこれは松野証券局長なわけですね。ですから、松野証券局長の言うとおりにやっているわけですね。しかも、これを国内に持ってきますと、それこそ山一本体の簿外債務になるから、これをバーレーンの、これもまさに海外です、海外でもって償却をしろ、こういうことを言っておるということだろうと私は思います。 これ以上言いましても返答は返ってこないので、いずれこのことも明らかになりますので、これは皆さんよく注目をしておいていただきたい。 それから、いよいよ九七年の、去年の十一月になりまして、山一の自主廃業に向かっていくわけでございますけれども、山一破綻の最初のシグナルは、これは実は十一月六日でございまして、ムーディーズの山一証券の格下げ報道があったわけでございますね。これはムーディーズという、世界的に有名な格付の東京ムーディーズ・インベスターズ・サービスというところが、これはわざわざ記者に対してリリースをつくりまして、そしてこういう形で格下げをやりますよという、これが十一月六日でございますね、そういう予告がある。このことは十一月六日の新聞にも、夕刊にも出て いるわけですね。 ここいらから、実はいよいよ山一が破綻に向かって、自主廃業に向かってまっしぐらに進んでいくわけでございますけれども、大蔵省は、ムーディーズがこの六日の段階で、そういう意味では、山一の大幅な格下げをやるという報道があった時点、あるいはそういうニュースを聞いた時点で、ムーディーズに対して、どうしてそういうことになるのだというような確認はしませんでしたか。
○長野政府委員 格付は民間の格付会社の責任において行われておるものでございまして、私ども、格付につきまして、民間の格付機関に対して照会をしたり、関与することは一切いたしておりません。
○海江田委員 そこで、実は、照会をしないということは、私はこれは職務の懈怠だというふうに考えますが、長野証券局長が山一の簿外債務を知ったのは十一月十七日月曜日だということ、これは何度も御本人の口から聞いておりますのでそれ以上確認はしませんが、十一月十七日にこの膨大な簿外債務の存在を知った。そうしまして、実際に破綻をしますのは二十四日でございます。十一月十七日が月曜日でございますけれども、この週、山一の株価は大変大きく乱高下をしているわけですね。十七日は終わり値が百八円でございますけれども、十九日には終わり値で六十五円、それが二十一日にはまた百二円になるということでございます。 長野証券局長は、山一が膨大な簿外債務があるということを知っていて、それでどうしてこの山一証券の株を売買停止にしなかったのか、このことをお尋ねしたいと思います。
○長野政府委員 簿外債務の問題は大変重要な会社経営の判断事項でございますから、その間、確認の作業を監視委員会にお願いすると同時に、まとまっておるのであれば、一刻も早くタイムリーディスクロージャーをすべきであるということを山一証券に慫慂しておりました。
○海江田委員 これは、証券取引所、東証の売買停止というのは、まさに大蔵省が、証券局長がやらなきゃいけないのじゃないですか、あるいは東証の理事長でありますとか。 ここに「山一証券最後の一週間 ある中堅社員の告白」という、エコノミストという雑誌でございますけれども、去年の十二月九日号に書いているのですね。自分のところが破綻をしてしまったということで、中堅社員は非常に苦しい胸のうちを開陳しているわけでございますけれども、「二四日の三塚大蔵大臣の記者会見で一つだけ釈然としない点があります。巨額の簿外債務の存在をいつ知ったかという質問に、大臣は一一月一七日と答えました。」これは長野局長もそうですが、「これは明らかに投資家にとって重大な事実ですから、翌日以降なぜ山一証券株が売買停止にならなかったのか理解に苦しみます。隠れた債務の金額がこの時点で不明であったとしても」幾らかということは、正確なのは不明であったとしても、「売買を止めない理由にはなりませんし、精査と報告を命ずる以外にするべきことがあったはずです。市場に生きてきた者の端くれとして、山一証券が市場の審判の下に廃業のやむなきに至ることに異議を申し立てようとは思いません。しかし、情報開示あってこその市場原理です。少なくとも証券局長には重大な手落ちがあったと考えざるを得ません。長野証券局長も自主廃業すべきなのではないでしょうか。」と書いておるわけでございますが、市場をとめなかった、山一の株を売買停止にしなかったということについて、全く問題はなしとされておるわけですか。
○長野政府委員 経営に重大な事実が未確認のものとして市場に流れた場合に、取引を停止するのは東京証券取引所において行われることでございます。 その時点、十一月十七日の週で、大変難しい状況にございましたのは、株式の売買のほかに、山一証券は海外におきましては銀行も抱えまして多大の取引を行っておりましたので、問題は、実態関係をきちんと整理し、そしてそれに対する対応ということがなければ、株の売買は停止したとしても、例えばその金融取引をめぐりまして事実上のデフォルトということが起こります。そういったものに対してどういう対応をすべきかということは、私どもとしても十分、早急に詰める必要があった状況でございます。
○海江田委員 あなたは証券局長ですから、証券局長は、そういう重要な事実を知ったらその株の売買を停止をする義務があるわけですよ。あなたはその義務をやらなかったということだろうと思います。 この問題は、実際にそれで投資家が大変な損をこうむっているわけですから、この損をこうむった投資家が、当然これは賠償の対象になるということで、被害者の訴訟、アメリカなんかでよく起きていることでございますけれども、当然これから被害者の訴訟が起きてくると思いますので、大蔵省も、そういう意味ではこの問題についての対応というものをきちっとしておかなければいけない。私は、山一の、この十七日の時点で売買を停止するということは必要な処理だったと思っております。 これは何もこの中堅の社員がそういうことを言っておるだけじゃなくて、日経金融新聞というところでも、山一の破綻について七つの問題がある。一々ここで挙げていくわけにはいきませんけれども、その中の一つとして、市場運営。簿外債務の報告を受けたとされる十一月十七日の後、二十一日まで山一株は大商いで売買された、当然売買停止すべきであり、証券局長の市場判断のミスだった、接待よりもこちらの方が大問題だと思う、こういうような指摘もあるということ、このことはお伝えをしておかなければいけないと思います。 この山一の問題、本当にまだまだあります。本当に債務超過でないのかどうなのか、これも一体だれが責任を負うのか。債務超過であったら日銀からの特融というのはできないわけでございますから、本当に債務超過でなかったのかどうなのか。これもやがて明らかになると思いますから、またその折に私は国会で質問をさせていただこうと思います。 ただ、ここで一つ問題にしておかなければいけないのは、山一の今回の粉飾決算でございますけれども、私も決算書を読んでみましたけれども、これは前にも委員会で指摘をしたことでございますけれども、例えば特定金銭信託というところが、平成四年の四月から平成五年の三月まで、これは第五十三期のところで二千四百三十九億六千二百万円ということで、その前の第五十二期と比べますと、第五十二期は特定金銭信託が七百四十四億一千八百万円、特定金銭信託の方が異常に膨らんでいるわけですよ。何倍ですか、これは。三倍以上に膨らんでおるということがあるわけでございますけれども、これだけやはり膨らめばおかしいと思う方が普通なんですけれども、これについても、監査報告書というのが出まして、これは当時は中央新光監査法人、今は中央監査法人でございますけれども、この監査法人が全く問題はないということをわざわざ報告書に、ちゃんと実印もついて、会社の代表印も押して、そしてやっておるわけですね。 どうもこの監査報告書がいいかげんなのじゃないだろうかというふうに私は思うわけでございますけれども、大蔵省はOBが監査法人に大変たくさん天下りをしておりますね。この中央監査法人にももちろん天下りをしておりますが、監査法人に対する天下りの実態というものを、大蔵省、これは既に資料要求をしておりまして、私は手元にいただいておりますけれども、念のため、監査法人に天下りをしております大蔵省出身者の人数でよろしゅうございます、お教えください。
○長野政府委員 お答え申し上げます。 大蔵省出身者の監査法人への就職につきましては、公認会計士資格を持ちまして監査法人に所属している者を除かせていただきますと、平成十年二月末で、大手監査法人、いわゆる六法人におきまして、会長職にある者が四名、それから常勤する者が五名と承知いたしております。
○海江田委員 六法人のうち会長が四名大蔵省のOBということで、はっきり申し上げまして、ここにも大蔵省のOBが天下りをしておりまして、そういう意味では、まあ一々、一つ一つの監査についてもちろん目配りをしているということではないわけでございますけれども、やはりそこは監査法人と大蔵省との癒着というものがあるわけでございます。 総理は、これからの金融ビッグバンの中で監査法人の果たす役割というもの、これは非常に大切だということを何度もおっしゃっておりますけれども、改めて、監査法人に大蔵省の出身者が天下りをすることについての御感想をお聞かせ願いたいと思います。
○松永国務大臣 監査法人あるいは公認会計士、いずれもその専門的な能力、実力、実務経験に基づいて、独立かつ公正、不偏不党の立場から適切な監査手続をするべき義務がある、こう思うわけであります。 したがって、大蔵省関係者が監査法人や被監査企業へ就職する、こういったことによって会計検査の内容に影響を与えるというようなことがあってはならないことだというふうに私は思います。
○海江田委員 もちろんそういう影響を与えることがあってはいけないわけでございますけれども、やはり私は、これからの時代というのは、この監査法人が本当にどこまできちっと企業の内容についてチェックができるのか。とりわけ、金融機関に対しましてはこの四月から早期是正があるわけですから、その早期是正の中で自主申告をしなければいけないということになるわけですから、私は、監査法人が今のようななれ合いの監査であっていいというふうには全く思わないわけでございますね。 とりわけ、破綻した金融機関、これは破綻した金融機関だけじゃありませんけれども、破綻した企業の監査の報告が、全部これは問題なし、問題なしということで判こを押しているということ、このこともやはり改めなければいけない。それから、場合によってはそういう監査法人の責任あるいは公認会計士等の責任なども問わなければいけない、そういうふうに思うわけでございます。 それから、きょうはわざわざ佐々波先生にお越しをいただきまして、時間が大幅に、私ちょっと計算違いをしてしまいまして、余り長くお聞きをすることができないのですが、先生がこの審査会の委員を務めておられます。これは要するに、金融機関に公的な資金を導入する、どこの金融機関に公的な資金を導入をしたらいいのか、注入をしたらいいのかということの審査に当たっておられるわけでございますが、正直を申し上げまして、この審査委員会の審査というものにつきまして、これは大変評判が悪いんですね。 先生も慶応大学でございますが、私も慶応大学でございますので、大変言いにくいことでございますけれども、まず、基準を決める、どういう金融機関に公的資金を注入するかという基準を決める、その基準を決めるところで、どうも本当に委員の方々がしっかりとチェックをしていなかったんじゃないだろうかという指摘がある。つまり、横並びで全部の金融機関、問題のないような健全な金融機関に対してもやはり資本注入をしているということでかなり批判があるわけでございますが、とりわけ、この基準を決めるまでの期間が余りにも短過ぎたのじゃないだろうかという指摘があるわけです。 わずか二回でその基準を決めてしまったということでございますが、そういうような批判に対して先生はどういうふうにお考えになっておるのか。本当に、その基準を決めるについて御自分たちで一生懸命議論をなさってそういう決め方をしたのか、それとも、事務方が準備してくれるものを、そのままそれを基準というふうにしてしまったのかということをお尋ねしたいと思います。
○佐々波参考人 最初から評判が悪いというお話なので、一応幾つかの点についてお答えしたいと思います。 まず、個別のお話から入ったわけですけれども、そもそも今度の安定化の目的というのは、日本の金融システム全体を安定化させて、日本経済の成長、安定に資するというのが目的でございます。全体のお話というのは当然個別のお話にもかかわるのですけれども、その点に関しましては、経営の健全性確保の計画というのを出していただいておりまして、その中に、例えば今問題になっております、皆さんの御関心の的であります貸し渋りの問題でありますとか、それについてのチェック項目としまして金融の円滑化というものを出していただいております。それが個別と全体との関連でございます。 審議が簡単過ぎる、短過ぎるという点につきましては、今回の会合では、最初の二回で、今御指摘のありました審査基準でありますとか計画について審査したわけですけれども、実際の審査は二回ですけれども、その準備段階での、審査会に参加する者での意見の集約、それに使いました時間、私自身について申し上げますと、講義は、例えば四十分のときには三時間から五時間かけますけれども、それ以上の時間をかけさせていただいていることを申し上げたいというふうに思います。 以上でございます。
○越智委員長 海江田君、時間が来ています。
○海江田委員 審査委員会の皆さん方、本当に連日、土日も返上してやっておられるということで、大変それは敬意を表するわけでございますが、今の接待の問題とか何だとかでいろいろ問題のある金融機関にも恐らくこの公的資金の投入が行われるということで、やはりもう少し国民感情にも配慮をした、そういうような公的資金の投入というものをやらなければいけないんじゃないだろうか、そういうふうに思いますので、どうか慎重に御審議をいただきたいと思います。わざわざお越しいただきまして、本当にありがとうございました。 持ち時間を終わりましたので、これで終わります。
○越智委員長 この際、五島正規君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。五島正規君。
○五島委員 引き続き質問させていただきたいと思います。持ち時間、大変少のうございますので、簡単に、要領よくお答えいただきたいと思います。 まず最初に、今年度の予算、実施されるならば景気の回復はあるだろう、あるいは、補正予算を組まなくてもいいようになることを期待している等々のお話がございました。問題は、確かに、総理も経企庁長官もおっしゃっておられましたが、経済は生き物でございます。そういう意味におきまして、この予算が実施されたとしても、やはり一定の景気の回復がなければ何らかの財政対策をとらざるを得ない、これははっきりしているわけでございます。 そういう意味におきまして、総理は、今年度の予算が成立した場合、この予算を前倒しして実施する等々のことを既にお考えなのかどうか、あるいはまた、どういう状況になれば補正予算を組まなければいけない、補正予算を組むとすればどういう状況になった場合に組むのだ、そういう一定の基準をお持ちなのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今私どもは、平成十年度予算の御審議をいただいております。さきには、平成九年度補正予算並びに予算関連法案を成立させていただきました。そして、二月からの給与所得者等に対する特別減税の実施に加えて、一兆円規模の公共事業の追加、また一兆五千億円規模のゼロ国債等についても鋭意執行に努めております。 そして、私どもは、すき間を生ぜずに、平成十年度税制改正や金融システム安定化策などといった財政、金融両面にわたる幅広い措置が相乗効果を持って我が国の経済に力をかす、回復に力をかす、そう申し上げ続けてまいりました。そのためにも、十年度予算あるいは予算関連法案の成立を急ぎたいということを、お願いを繰り返してきたわけでありまして、今議員からはその前倒し云々というお話がございました。 実は、この委員会で、我が党の深谷議員からも同じような御質問がございました。そして、むしろそういう問題について今申し上げるよりも、早く本当に通していただきたいんだということと同時に、公共事業の部分について、そのとき触れましたのは、地方の消化能力、そうしたものも十分に考えに入れながらこれから考えていくべきことだ、その時点でお答えを申し上げたのと同様のお答えを申し上げたいと存じます。
○五島委員 同じ質問について再度問い直す時間、実はないわけでございますが、今、マスコミを含めて、また各党、政治家の間におきまして、経済界におきましても、補正というものを前提としたこれからの日本の景気対策についての御議論が一般的でございます。政府だけが、補正は要らない、この予算ができれば要らない、要らなくなることが期待できるというようなことをおっしゃっているわけでございまして、このことを何ぼ政府が言われても、連日、マスコミには補正を前提としたキャンペーンがある。言いかえれば、政府の御発言というものに全然重きを置いていないという状況が続いているわけでございます。 こういうふうな状況であればこそ、政治の信頼を取り戻すためにも、内閣の立場でこの予算を早く上げてほしいとおっしゃるのは、これは当然の立場だろうと思います。しかし、一定の条件のもとにおいて、どういう状況になれば補正を組まなければいけないとかいうようなことを考えておかなければならない時期であることも、これは間違いない。そこのところが率直におっしゃっていただけないということが非常に問題だということを指摘して、次の問題に移りたいと思います。 昨日、長野証券局長は、過去における接待について同僚の生方議員から質問されまして、そして、回数、金額は別として、何回かのそういう関係業者との会食あるいは情報収集のためのそういうふうな接待があったというお話になりました。これは九三年から九五年の間の、審議官の時代のお話だと思います。 そして、御案内のように、九六年の十二月に、事務次官会議の中において、これの一定の規制ができました。そして、その中に、例外となる手続という形で、職務として必要な会議等において会食をするなど例外となり得る場合もあるが、職員は、例外としてこれらの行為を行う場合は、服務管理官に事前に届け出て、その了承を得るものとする、やむを得ない事情により事前に届け出できない者は、事後に速やかに服務管理官に報告しなければならないということになっております。そして、この服務管理官、いわゆる総括服務管理官は官房長ということになっております。 大蔵省の業務として、そういうふうな情報収集ということで会食をしなければいけないということがあるとするならば、金融状況が極めて混乱してきた今日において、そういうことは当然あるだろうと思われるわけでございます。 官房長、この一昨年の、九六年の十二月以後、こうした業務上必要であるということで届けられた会食はどれぐらいあったでしょうか。
○武藤政府委員 現在、長野証券局長も調査の対象者の一人として、調査を行っている最中でございます。そういうことでございますので、いずれ調査の結果が判明しましたならば、その上でどのような判断がなされるか、どのような処分があり得るのか、そういうことを全部勘案した上で、ただいまお話ししたようなことも含めて明らかになると思います。 現時点におきましては、届け出があったものもありますし、ないものもあると思われますけれども、それにつきまして現在調査を進めておるということでございます。
○五島委員 全然質問に答えていません。 私は、長野さんに限った話ではございません。大蔵省が業務を遂行する上において、こういう例外規定を決めてある。大蔵省に限りませんが、公務員として業務を遂行する上において必要な会食はあるだろう、それについては、かくかくの手続をもってやりなさい、その場合には服務官に届けなさいとなっているわけです。 だから、私は、その届けられた会食というのは現実にどれぐらいあったのですかと聞いているわけで、答弁してください。
○武藤政府委員 失礼いたしました。 この倫理規程に基づきまして、平成八年十二月二十六日以降、昨年の十二月三十一日までの届け出件数の調べでございますけれども、これは大蔵省全体で七百七十四件の会食の届け出はございます。
○五島委員 この七百七十四件、業務上必要であるという会食があった。これは大変多い。恐らくその以前においては想像を絶する会食があったのだろうな、マスコミの報道も、やはりそうだったのかなという感じを持つわけでございますが、これらにつきましても、後日、具体的な中身を含めて提出していただきたいと思います。 また、本日の新聞等によりましても書かれているわけでございますが、これまで、こうした接待問題について、証券局を中心としたところが非常に問題になっておりますが、銀行局においてもそういうふうな問題があったのではないかということが非常に大きく載せられています。 とりわけ、住専問題との関係においての記事が出ているわけでございますが、銀行局の中において、こうした問題について現在庁内における自主的な調査をされているのか。これまた検察にすべて任せて、検察から告発をされて初めてこの問題に取り組まれるのか。どのような状態になっているか、お伺いしたいと思います。
○武藤政府委員 現在進めております大蔵省の内部調査におきまして、銀行局の職員も当然対象になっております。 現時点は、先ほど申し上げましたとおり、調査のちょうど最中ということでございます。したがいまして、具体的な、報じられるようなことがどういうことであったのかということをここで今お答えするだけの段階ではないわけでございますが、引き続き鋭意調査を進めさせていただきたいというふうに思います。
○五島委員 こうした問題は、個々の職員の名誉にもかかわる問題です。マスコミにここまで、そういう、どなたであるかということが類推できる形でまで書かれている。そのことに対して、事実が全くないのなら、ない、あるいはそういう事実と思われるような節があるのであれば、それに対して今の時期厳しく調査をしていく、こうしたことが当然必要であろうと思います。 先ほどの質問の中にもございましたが、厚生省のあの事件の中において、ある審議官の場合は、百万受け取った、そしてそれは返した、しかし、これは公務員の倫理にもとるということで懲戒免職になった。何かせんべつだという名目であれば四百万受け取った、いや、おれは受け取ってないよ、そういういいかげんな話で済む話ではない。 やはりこうした処分に関して、あるいは発生したこうした不祥事に対して、きちっとした、毅然とした態度をとるという意味において、各省庁において非常に基準がばらつきが大きい。とりわけ大蔵省に関しては、内部の職員に対する規律の維持という面において非常にあいまいであるというふうに感じられるわけでございますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 先ほども、どの委員からでございましたか、せんべつの話が出ました。これはまことによろしくないことでありますので、その点も厳しく調査するように指示をします、こう申し上げたわけでありますが、そのとおりすることをお約束いたします。 いずれにせよ、金銭感覚が麻痺しているなどという批判も浴びておるわけでありまして、そういった問題も含めて、内部調査は厳しく徹底してやって、そして問題ある者については厳正な処分をし、かつ事実関係も明らかにしていきたい、こう考えておるところでございます。
○五島委員 十分納得できる結論ではないけれども、時間の関係上、次の問題に進まざるを得ません。 先ほど来経企庁の長官も、現在景気の停滞状況であるということを深刻に受けとめているんだというお話でございました。景気対策としてさまざまな措置をとらなければいけないわけでございますが、その中におきましても、景気対策という側面と、同時に何が何でも近い将来において、近未来において整備をしていかなければいけないさまざまなインフラの整備というのは現実に存在します。こういう時期であるからこそ、そうしたインフラの整備というのは前倒ししてやっていくという大胆な判断があっていいのではないか。とりわけ、市民生活と非常に関係のあります下水の整備であったり、ごみの焼却や廃棄物対策といったような問題はもちろんでございますが、特に情報通信網の整備というものは前倒しをして行うべきではないかというふうに考えます。 例えば、今の時代において、オープン・コンピューター・ネットワーク、すなわち現在の電話回線を使って情報通信を行っていく上において、御案内のように、百二十八キロボーのスピードでもって行うOCNというシステムがございます。これは平成十年度中に全国にこれが使われるという話でございますが、現実には、エコノミーという形で百二十八キロボーのこのOCNを利用する場合に、全国的には三万八千円でやっている。ところが、高知の場合はその整備がおくれているために、これをつなごうとすると十九万八千円かかる。これが今年度中にどこまで実施できるのかと見てみますと、高知の場合は人口も少ないからという形で、市のレベルまでも広がらない。その最大の理由は採算性だ、こう言うわけですね。 ところが、情報社会というのは、これまでの感覚、すなわち人口が集中しているところにこうしたものがより多く使われるという感じでもって対応してはだめである。例えば、高知の中で池川町という大変田舎がございます。日本でも高齢率が二番目ぐらいの高齢化の進んでいるところです。そこの中には一日当たり二万五千件を超えるアクセスをする、そういうホームページを出しておられるグループがございます。 そういうふうに、こういうコンピューターネットというものができ上がれば、そこにはさまざまな新しいビジネスチャンスが生まれてくるわけでございまして、こうしたものを従来の交通インフラと同じような感覚で通信インフラの整備を進めていくというのは、とんでもない間違いである。 こうしたOCNの普及というのは、実はそれほど大した問題ではございません。ブースターを各NTTに取りつければいい。ただ、問題は、これを全国で取り扱っているのが、金沢のNTTの中にある三十名足らずのところでこれを全国一手に引き受けているために、そういうふうなことになっているという話でございます。 また、光ファイバーの問題につきましても、光ファイバーが入りますと、一・五メガバイトの量でもっての情報網が確保できます。これが二〇〇五年までには日本もという形で前倒しされました。しかし、既にアメリカやシンガポールにおいてこれがどんどん進んでいて、この情報網の上において新しいビジネスや新しいソフトが生み出されている。 そのことを考えた場合に、これからの七年間も日本がおくれるということでいいのかどうか。こうしたものについては思い切った前倒しでの整備をやっていくべきである。それに対しては、民間だけでやれということではなしに、積極的な財政援助も必要なんではないか。そういうことについて思うわけでございますが、時間もなくなりましたから、郵政大臣、簡単にお答えをちょうだいしたいと思います。
○自見国務大臣 五島委員にお答えをいたします。 インターネットの活用ができる環境を全国どこでも整備をしてほしい、したらどうかというふうな御質問だった、こう思っておりますが、民間のプロバイダーのアクセスポイントの整備促進とともに、今先生の御質問の中にございましたNTTのOCNサービスの全国展開が必要だというふうに、先生の御指摘どおり思っております。 その中で、NTTにおいては、OCNのダイヤルアップサービスが、これは平成十年度中におおむね全国の単位料金区域、これは三分十円でかかる地域でございますが、これにアクセスポイントを設置するという計画でございます。 それからもう一つ、OCNの中には二つあるわけでございますが、一つがダイヤルアップサービス、もう一つは今先生の御指摘のございましたようにエコノミーサービス、これは月額三万八千円の定額料金で常時幾らでもOCNを使えるという形態のものでございますが、この需要の動向を見ながら、平成十年度までに約七百五十の加入区域で提供できるように、当初の計画を前倒しして整備を推し進めているところでございます。 また、NTT以外の民間プロバイダーにつきましても、実は昨年の十一月の緊急経済対策に基づきまして、日本開発銀行の超低利融資に基づいて全国の単位料金区域へのアクセスポイントの整備を支援しているところでございます。 また、光ファイバーの整備につきましては、御存じのように、二〇〇五年までに全国整備という前倒しをさせていただくわけでございます。当初の計画は二〇一〇年でございまして、これは五年前倒しをするということは大変なことであったと私は思いますが、これは民間電気通信事業者に御協力いただく話でございますから、二〇〇五年に向けてしっかり整備をさせていただきたいというふうに思っております。
○五島委員 時間が参りましたので、残念ですが終わります。
○越智委員長 これにて岡田君、海江田君、五島君の質疑は終了いたしました。 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後二時二十三分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。河上覃雄君。
○河上委員 平和・改革の河上覃雄でございます。 きょうは、大蔵不祥事と政治倫理を中心に質問をいたしたいと思います。 まず、一連の不祥事は一向に改まらないばかりか、ことしに入りまして、ついに、将来の幹部候補生でありますキャリア組を含めまして四名の逮捕者を出したわけであります。さらになお逮捕者が出るかもしれないと言われております。 その意味で、まさに大蔵省は地に落ちた感を深くするわけでありますけれども、問題の本質は、大蔵省そのものの体質にあるのではないのか。従来のように陳謝あるいは通達等の小手先の対応で対処する姿勢を改めまして、根本的な解決を図らなければならない段階を迎えたと言えるわけであります。 そのためには、まず、みずからの不正に対してみずからを厳しく律することこそ大切だと考えます。今こそ、何よりも大蔵省の組織そのものを、新しい時代に対応できる組織に抜本的に改革する必要があると考えております。自己改革ができない組織は国民に信頼を得ることはできません。また関係者にも信頼を得ることができないと思うわけであります。 そこで、この腐敗きわまった大蔵省の体質につきまして、総理あるいは大蔵大臣に、一体どこにその根本的な原因、本質があるのか、まずこの点をお尋ねいたしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私は、基本的には、まず個々人の倫理観の欠如ということは当然のこととして申し上げなければなりませんけれども、長い間、大蔵省、殊にその主管いたします金融関係に対する行政というものが、国民の自己責任というものではなく、むしろ大蔵省の事前管理によってその安定を保つという考え方で、すべての行政が行われてきた。そしてそれが、時代とともに変化すべきものが変化し切れないままに、いつの間にか時代におくれた行政になった。そして今、その事前管理型の行政から、ルールを明確にした上で、事後チェック型の行政に変わらなければならないとする、その流れのちょうど途中で、積年の弊とでもいうべきものが噴出してきているように思います。 そして、今大蔵官僚のみが批判を浴びている格好でありますけれども、またこれはOBまで含めまして、そうした大蔵省の姿勢というものに鈍感であった私たちにも、やはりその一部はある。 そして、その事前管理型の行政というものに甘え、その中で平和をむさぼってきたという言い方が適切かどうか、この場合わかりません、しかし、それなりの業界秩序の中に甘えてきた金融機関の体質。それぞれが問題を拡大したもの、私はそのように受けとめております。
○松永国務大臣 お答えを申し上げます。 総理からも話がありましたように、まず一つは大蔵省の職員の倫理観の欠如、これが一つあると思いますが、同時に、今までの大蔵省の行政、なかんずく銀行等金融関連の行政が事前指導型の行政であり、そして、ある程度配慮がなされるという行政、細かい点まで大蔵省が認可をする、許可をする、そういう行政であったことは事実でございます。 そこで、競争が激しくなるに従って、民間金融機関が大蔵省の担当者に接近をして、他の業者よりも先にいい商品についての認可を得たいなどということから近づいてきて、接待が始まる。役人の側が倫理観が欠如しておるものですから、その誘いに応じて、そうして接待が繰り返されてきたという面があると思います。 同時にまた、銀行等の検査の関係でございますが、やはり穏便な検査で済ませてもらいたいという気持ちが銀行側にあるのでしょう、そこから金融検査官に対する接待攻勢が始まった。役人の側に厳しい倫理観があれば、それはきちっと断れたはずなんでありますけれども、倫理観が欠如しているから接待に応ずる。それがだんだん続いてきて、だんだんでかくなってきた、ここらに原因があるような感じがいたします。 そこで、大蔵省の職員たるもの、人からよく言われるように、非常に権限を持っている役所でありましたから、それだけにより強い倫理観、より厳しい倫理観を持って職務に精励する、そういう意識改革をしてもらうことが一つ。 もう一つは、今までの事前指導型の裁量行政という行政のやり方から、事前に明確なルールを示し、そのルールが遵守されているかどうかということを事後にチェックするという事後チェック型の行政、こういった方向に大転換をしていくことが大切なことではないか、こう思っておるわけであります。 同時にまた、起訴された者も含めて既に四名逮捕されておりますけれども、あれにとどまることなく、ほかにも実は倫理にもとる行為をした者がいるのではないかという話でございます。 この点については、大蔵省みずからが内部調査を徹底してやって、そして仮に捜査当局の捜査の対象にならなかったとしても、その人の犯したことが倫理にもとることであるならば、厳正な処分をすることによって、大蔵省職員の意識改革、そして大蔵省の立て直し、これをやり遂げていって、大蔵省の信頼をぜひ回復しなければならぬ、こう思っておるところであります。一生懸命やりたい、こう思っております。
○河上委員 総理、私は大蔵省が不祥事を繰り返す要因についての本質的な原因、この見解、見方を求めたのでありまして、今後どうするかという表層的な、技術的な点を聞いたわけではないわけでございます。私は、これではなかなか納得はしないし、逃げともとられることにもつながると思います。 二月二十五日、この衆議院の予算委員会で武藤官房長は、いみじくも次のような答弁をいたしました。大蔵省では、ただいま申し上げましたように、綱紀の保持ということでいろいろ努力をしてきたわけでございますけれども、緊張感にたるみが生じたこともあったのではないかというふうに反省をいたしております。緊張感に緩みが生じたのではないかと反省をいたしております、こういう答弁をいたしました。 武藤官房長にも一点だけ今の問題についてお尋ねをしたいわけでありますが、私はこの程度の認識なのかと思いました。不祥事の本質や原因が緊張感に緩みが生じた点にあった程度で、何を考えているのか。自殺者も出たわけでありますし、逮捕者は続出しているわけでありますし、むしろたるみは上にあるのであって下ではない、私はこうも思うわけであります。 武藤官房長、この二月二十五日の衆議院予算委員会における答弁をもとにいたしまして、今私が総理、大蔵大臣に申し上げた問題について、もう一度御答弁ください。
○武藤政府委員 私があのとき、今御指摘のありましたような答弁を申し上げましたのは、大蔵省におきまして、昭和五十四年当時、やはり同じような不祥事件が起こりまして、そのもとに綱紀の通達が出されました。また、平成七年には、いわゆる田谷・中島事件といったような大変残念な事件が起こりまして、ここでも紀律保持委員会を設けるなど、いろいろな措置を講じました。また、平成八年十二月には、御承知のとおり、公務員の倫理規程を大蔵省も制定いたしたわけでございます。 しかし、それにもかかわらず今回のような事件が起こったということについて、これは何とも弁解のしようのないことであって、そのたびごとにいろいろな綱紀粛正の措置を講じてきたわけでありますけれども、時間の経過とともにそういう緊張感に緩みが生じたのではないかということを申し上げたわけでございます。 問題の本質の根の深さといいますか、御指摘の点につきましては、私どもも十分にそれを理解して、根本から、再びこういうことが起こらないような、そういう大蔵省にならなければならない、これは松永大臣からもきつく指示を受けておるところでありまして、今私ども職員一同、そういう気持ちでいっぱいであります。
○河上委員 この問いはいつまでたっても同じだと思いますので、これから具体的な、現在進めていらっしゃる内部調査等につきまして質問をいたしたいと思いますが、質問に当たりまして、大蔵省から内部調査に関する三点の資料をいただきました。 その中で、調査要領を見てまいりますと、今回の内部調査の対象者と報告内容が記されているわけでございますが、この五百五十名を対象にいたしました調査表の提出時期が示されてないように思うのです。いつまでこの調査表を提出されることになっているのか、そしてまた、内部調査はいつまでに完了させようと考えていらっしゃるのか、まず明確にお答えいただきたい。
○武藤政府委員 内部調査に当たりまして、本人がみずからの記録なり記憶なりによってメモをつくって提出をしていただくということにいたしておりますけれども、大体二月の中旬までにそれを出すようにということでやってまいりました。これは海外の者もおりますので確定の日付ではございませんけれども、できるだけ早く出すようにということでやってまいりました。 大体の者は既にこのメモが作成されておるわけでございますけれども、中には記憶がなかなかはっきりしない者、要するに、自分として納得いくものがなかなかできないというような事情があって、まだ現在提出のない者も、これはそう多くはありませんけれども、何人かおります。しかし、大半の者はそういうものを作成いたしましたので、現在、服務管理官がそのメモをもとに、個人、その本人からヒアリングを行っている、そういう状況にあります。 いつ調査が終了するのかというお尋ねでございますけれども、大臣からは、できるだけ早く結果を取りまとめるようにという御指示でございます。同時に、やはりずさんな調査となってはかえって信頼を失うということでございますから、そういうことのないようにしっかり調査をするようにということでございます。 現在、鋭意やっておりますけれども、五百五十名を上回るような、今までやったことのないような人数について調査をしておりますし、また、その中には、捜査当局の捜査が行われ、周辺の捜査の関係の中で我々だけが独自にどんどん調査を進めていけるという状況でないような状況もございます。 そういう意味で、現段階におきましては、いつという具体的な日付を申し上げるような、そういう状況になっておりません。
○河上委員 調査はいつまでたっても出てこないようなお答えなんです。 捜査の進展状況、あるいはずさんな調査であってはならない、この点は事実でしょう。しかし、六月には金融監督庁に三百七十名のメンバーが移行なさるのでしょう。大臣は前の質疑においても、その人たちは清廉潔白な人たちを送るんだ、こういう御答弁をなさっているわけです。おのずと幅というものがあるはずでありまして、そこをきちっと押さえて調査を進めないと、ずさんと官房長は言いましたが、まさにずさんになりますよ。 あわせて、もう一点ここでお聞きしたいのは、私は、本当にこの調査で厳正な調査が実施できるのかという思いを持っております。 それは、今回の内部調査は、前の質疑でも出ておりました調査表、こういうものを配っておるわけであります。あるいは、私は調査要領というものもちょうだいいたしました。これに基づいて見ますと、まず一点は、内部が内部を調査するという視点であります。また、二つ目には、調査対象者の自主性に基づいてこの調査の申告がなされるのだろう、このように思います。果たしてこれで厳正な調査になるだろうかという疑問があるのです。 例えば、既に逮捕されました金融検査官の宮川室長の事例でいえば、飲食接待やゴルフのほかに、平成九年七月、自宅マンションの購入に当たって、あさひ銀行子会社の昭和地所から、一般の売買価格と比べて四百万円安く購入をしている事実があるわけであります。この宮川室長の場合、平成八年十二月におつくりになられた大蔵省の職員倫理規程そのものに違反するわけですよ。この倫理規程を無視して、隠してわからなかったところ、ここに問題がある。自主的な申告であれば、このような事実をみずから記載しようとは思わないでしょう。 この事例の場合、それでは官房長、職員五百五十名の皆様に渡しました調査表にこれはどうやって書くのですか。今の宮川室長のマンション購入の場合、これはどうやって書くのか、お答えください。
○武藤政府委員 まず、調査を終える時期でございますけれども、現時点で具体的に時期を申し上げることは難しいと申し上げましたが、大臣からは、いずれにいたしましても春のうちに結論を出すように、そういう指示を受けております。 それから幾つか、まず、内部調査であって、中の者が中の者を調べるのは限界があるという御指摘がございました。 それは、そういう意味では、確かに内部調査という限界があると言われてもやむを得ない面があるかもしれません。ただ、私どもは、これは自主的な調査でございますから、内部の調査をできるだけきっちりと正確に行いたい、特に大臣からいろいろ指示を得まして、できるだけ公正なものにしていきたい、その努力をしていきたい、このように思います。 それから、自主的な申告であるからなかなか本当のところは言わないのではないかというような趣旨のことがございましたが、それも、確かに私どもの調査は強制捜査権を持っているわけではございませんので、その意味ではそのとおりだと思います。 ただ、これも、金融服務監査官制度というのを今回そのために、そういう問題意識を持ってつくりました。これは、やはり自主的な申告だけに依存して判断するのではなくて、各種の周辺情報というのでしょうか、あるいはヒアリング等を通じてより客観性を得るようにしよう、こういうことでございます。 最後に、宮川の例を引いて、マンション購入の場合にはこの調査書にどうなるのだというお話がございました。 この調査書は接待を中心としてつくられておりますけれども、ここに書かれるべきことは、平成八年の十二月に制定いたしました倫理規程第五条において禁止されている行為、それに触れるおそれのあるものを書け、こういう趣旨でございます。 でございますので、接待はもちろんでございますけれども、その他のスポーツ等の遊技でありますとか、贈答品でありますとか、商品券の贈与でありますとか、そういうものも入りますし、さらには役務の提供とか、そういうことも広く、一切の利益や便宜の供与というものを禁じておりますので、そういう意味では、この表の体裁はちょっと一々そういうためになっておりませんけれども、あくまでもこれはそういうひな形でございまして、今までの第五条にありますようなことでみずから申告すべきことがあればそこは書いていただく、こういうことで今進めておるわけでございます。
○河上委員 ひな形なんですよね、今ひな形とおっしゃいましたが。 だから、この倫理規程の第五条、十二項目あるわけでしょう。今宮川事例で申し上げたわけですが、一つは接待を受けることですよ。二つは会食、パーティー。三つはスポーツ、遊技、旅行。こういうのは書けますよ。四つ、朝、若干出ておりましたが、転勤、海外出張に伴うせんべつ。五つ、中元、歳暮、贈答。六つ、講演、出版物への寄稿等に伴い報酬を受けること。七つ、金銭、祝儀を含む、小切手、商品券の贈与を受けること。八、本来みずからが負担すべき債務を負担させること。九、対価を支払わず役務の提供を受けること。十、対価を支払わずに不動産、物品の貸与を受けること。十一、未公開株式を譲り受けること。十二、前各号に掲げるもののほか、一切の利益や便宜の供与を受けること。これは全部、この行為は行ってはならない、禁止されているということですね。 ですから、この一、二、五、六番目ぐらいはこれで書けるのです。でも、ひな形をつくりますと、このひな形はひとり歩きしまして、これだけ出せばいいというふうになるのです。だから、それ以外のもの、今私は宮川事例で申し上げました。こういうのも、では、こうやってひな形をつくりなさいよ。つくってきちっと一から十二に対応できるようなあり方を示しませんと、私が申し上げたいのは、調査も限界があるとおっしゃったけれども、本気ではありませんよということを申し上げたいのです。本気さがうかがえないということを申し上げたいわけでありまして、もう一遍官房長、答弁を。
○武藤政府委員 今御指摘になっておりますその調査表といいますのは、これはあくまでも、本人が調査を受けるに当たりまして、自分の記憶なりあるいは何らか残されておる記録をもとに、自分の考えを整理していただくものでございます。私どもは、その表がすべてを決めるものというふうには全く考えておりません。 すなわち、八年十二月の倫理規程で禁止されていることですから、本来あってはならないことでありますが、しかしそれが守られていなかったということが問題でありますので、全般のことについてやはり調べる。したがいまして、服務管理官が直接ヒアリングをいたしますとか、金融服務監査官がいろいろ周辺情報、各種情報を収集するという形でその他のことについても調べようということでございます。決して、その表がすべてを決めるというような位置づけでこの表をつくったわけではございません。
○河上委員 いろいろと多分出ると思いますが、時間に制約もありますので、次に、対象者の拡大という視点で御質問をいたしたいと思います。 この要領を見ますと、主計局や官房が外れております。あくまでも五百五十名という金融関連部局に在籍をしていた、しかも五年間、その人が対象となっているわけでありますが、私は、これでは実態の解明ができない。 既に報道でも明らかなように、大蔵の不祥事は一金融関連部局に限らず広く全体に及んでいるわけでありまして、大蔵省そのものの体質だという点も指摘をされているわけであります。そしてまた、三月五日に新たな逮捕者を出したという状況でありますし、これらの状況を考えれば、改めて、主計局も官房も含めて私は調査対象を拡大すべきであろうと考えます。 また、さらにもう一点、私は先ほども申し上げましたが、この内部調査、現職の事務次官を初めといたしまして、幹部すべての人たちが対象となっているんでしょうか。もし対象となっていない方がいらっしゃったら名前を明らかにしていただきたいわけであります。 なぜこの点を申し上げるかといえば、上から正すべきだと私はあえて申し上げたいからでありまして、衆目の一致するところ、幹部の皆さん方、そしてキャリアの皆さん方、上から実態を明らかにしなければ内部だって納得しないと思いますよ。大蔵の下の方々も納得できないと思いますよ。その意味で、まずこの内部調査は幹部職員から始めるべきだ、私はこう思いますが、大臣並びに事務方の説明をいただきたい。
○武藤政府委員 まず、金融当局の職員について種々の疑惑が指摘されたということで、金融行政そのものに対する不信感が高まっている状況のもとで、今般、金融関連部局に在籍経験のある職員について調べる。それは、ずっと昔であっても、一たび金融関連部局に在籍すればその者について調べるということであります。過去五年ということではなくて、そういうことであります。 そういうことでありますので、私どもはかなりの人間が対象になると考えておりまして、官房長経験者は検査部を所管しているという形で対象になりますし、次官も対象になります。全員がその対象になっているかどうか、今手元で名前を一人一人具体的に申し上げるような準備がありませんけれども、要するに、基本的にはかなりの者が対象になるというふうに考えております。また、仮に、それと関係なく具体的に重大な疑惑があるといったような場合には、もちろんこれはこれとして調査を行うということで考えておるわけでございます。
○松永国務大臣 今までの考え方は、官房長が今申したとおりでございます。すなわち、金融関連部局に在職した者について過去五年の間の行為について調査、こうなっておるわけであります。したがって、現在は金融関連部局にいなくとも、過去におったことがあれば調査の対象になる。そうすると、相当程度がカバーできるなという考え方でやってきたわけであります。 同時にまた、その網から外におる人であっても、新聞や雑誌等に名前が出ていろいろ言われた人などについては、これまたそういう事実があるのかどうか、これは調査をしなきゃならぬということを申し上げてきたわけでありますが、今委員のおっしゃった、上からやれというのは一つの御提案だというふうに思います。私は、そのことも念頭に置いて考えさせていただきたいというふうに思います。
○河上委員 大蔵大臣から今、上からという前向きの御発言をいただきました。ぜひとも上からやりまして、そして、全体の調査はさることながら、上の報告、上の結果、私は、きちんとしかるべき時期にぜひとも公開してもらいたい、これをお願いしておきたいと思います。 なぜこういうふうに私は申し上げるかといいますと、これまでさまざまな不祥事を起こしてまいりました大蔵省の処分も、断固たる対応ができなかった事例が余りにも多くあるからであります。 例えば、平成七年の三月、東京協和、安全信組の破綻処理に絡みまして、田谷東京税関長は理事長の自家用ジェット機で香港旅行をしています。これはもう事実であります。田谷東京税関長は万人が認める事務次官候補だったとも言われているわけでございますが、結局、当時のトップは、国家公務員法に基づく処分ができない、内規による訓告で済ませたわけです。最終的には、官房付で長く謹慎しておったようでありますけれども、依願退職でおやめになられた、こういうケースがある。 中島主計局次長も処分に付されました。理由は、その当時、二回のゴルフと数回の料亭接待としか説明されなかった。二回のゴルフと数回の料亭接待の説明だけだったのですよ。それが、平成七年の七月になりますと、不正蓄財疑惑が発覚して辞職届を御本人が提出するという事態になった。当時の事務次官が監督不十分で処分をされましたが、中島主計局次長は、退職した方を処分することはできないという理由で無傷です。さらにその後、主計局次長は巨額の申告漏れも明らかになっている。しかし、所得税法違反の告発はなかった。幹部です、全部。 一例でありますけれども、結果、大蔵省の処分や調査は一貫して甘かったのは私は事実だと思うし、私は、特に幹部に甘い対応であったと指摘せざるを得ないわけであります。 この委員会か大蔵委員会だか、これはこの委員会ですね。人事院総裁もここで答弁をされていまして、ここ数年の状況を振り返ると不祥事が幹部職員に多くなっている、そうすると、幹部職員の場合はどうしても内部調査が甘くなる、あるいは懲戒処分についても厳正さが疑われる、この衆議院予算委員会でこうやって人事院総裁も答弁しているわけです。 そこで、一点お伺いしたいのですが、昨日も涌井主計局長にはここにお立ちいただきました、五十四年の通達に基づく質問だったように記憶をしておりますが。涌井当時官房長の処分は口頭による注意でございました。しかし、主計局長、平成七年の暮れに泉井石油商から絵画を受け取った。平成七年の暮れですね。あなたが官房長に就任したのが平成七年の五月です。絵画の受領は官房長就任およそ半年未満ということになる。 問題は、あなたの官房長の就任と軌を一にして、東京協和信組に絡む中島主計局次長や田谷東京税関長の過剰接待問題の反省から、接待等に関する綱紀の厳正な保持を求める官房長通達が、あなたの就任する同年同月、出ているわけですよ。官房長通達、これ二弾目です。そしてあなたは平成七年五月に官房長になられた。その半年未満の間に絵画を受領している、一年後にお返しになられたというわけでありますけれども。 私が申し上げたいのは、綱紀を担当する中心者の官房長が、大蔵省全体にかかわるような立場の方が、こうして就任直後に絵画を受領して、みずから通達を破るという行為、この行為についてあなたは事実を認めますか、それだけお答えください、説明は結構ですから。
○涌井政府委員 お答えいたします。 昨日も申し上げましたように、これはあくまでも結婚のお祝いとして送ってきたものでございまして、当然のことながら、結婚のお祝いですから、私は内祝いもそれもお返ししているわけです。 それほど親しくない人から結婚のお祝いをいただくのはどうかという御批判はありますし、その批判は甘受しなくちゃいけないと思いますけれども、当時、私といたしましては、その段階ではまだ脱税がないわけですから、お祝いをいただいて、それを返すという判断は、私には、残念ながら私の判断ではできませんでした。結果として、後で脱税をしていたということがわかったものですから、お返ししたわけでございます。 その点につきまして、先ほども申し上げましたように、お香典とか結婚のお祝いとか個人のものについては、これはいわゆる役所の通達で縛るものではないということは先ほど答弁したとおりでございます。
○河上委員 こういう事実が多いわけでございます。 もう一点だけ、次の質問者がおりますが。 証券取引監視委員会の宮野上席検査官が逮捕をされました。 監視委員会の性格は、摘発する権限も持っておりまして、公平さも求められ、証券業界をチェックする立場にあります。私は、九三年から九六年、約三年間、過剰な接待を受けていたこういう方がこの証券取引委員会を担当するということ自体そら恐ろしい気持ちがするわけでありますが、この宮野氏につきましてはいろいろある。 これは、事務局長、本当にあなたの部下でありますし、どう受けとめるか、きちっとしておきたいのですが、宮野容疑者が関与したいろいろな事件がございます、検査をしたいろいろな問題がございます。宮野容疑者が検査をしたこの点、改めて見直す考えはございますか。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘がございましたように、私どもの職員が、容疑の内容は監視委員会に移ってまいります前の証券局時代、あるいは地方の財務所長をしていた時代のことではございますけれども、このたび逮捕をされたということは、まことに残念なことだと思っております。 ただ、ここで私は申し上げたいと思うのでございますけれども、私どもの組織は、平成三年の証券不祥事を契機といたしまして、市場の公正性、透明性を客観的、中立的に判断する、監視するという組織としてできたものでございまして、大蔵省からは独立した組織としてできております。私どもは、事務職員は独立して職権を行使されるということになっておりますけれども、委員長それから二人の委員に厳しく指導していただいておりまして、個々の証券会社の検査の結果等につきましても厳しく御指摘をいただいて、繰り返し委員会で議論をして結論を出しているということでございます。 検査の内容を見直す必要があるのではないかというお話がございましたけれども、私どもは、そういった経過を踏まえて、そういったマインドでやっておりますので、こういった疑念を持たれるような人がいたということをもって私どもの検査が曲げられたということは絶対にないと確信をしているところでございます。
○河上委員 以上で終わります。
○越智委員長 この際、上田勇君から関連質疑の申し出があります。河上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上田勇君。
○上田(勇)委員 平和・改革の上田でございます。 まず初めに、きょうも新聞、もう一面で取り扱われている日銀の接待疑惑につきまして、きょうは総裁にもお見えになっていただいておりまして、この問題につきまして若干御質問をさせていただきたいというふうに思います。 事件の容疑の内容、報道されている内容につきましては、もう新聞等で御存じのことであるので御紹介は避けますが、この営業局の幹部が日本興業銀行や三和銀行、数行から総額七百万円相当の接待を受けたというような報道がされております。株取引や資金調達を他に比べて有利にできる、こういった日銀の金融情報などを特別に手に入れるあるいは漏えいしてもらうといったことというのは、インサイダー取引などの可能性もあることでありまして、私は極めて重大なことだというふうに考えているわけであります。 関係者からいろいろ話を聴取したところ、大蔵省への接待が法令改正だとか許認可だとかそういったものにかかわるのに比べて、日銀のは、そういう日銀の金融情報というのは銀行の日常的な収益に直接、ダイレクトに関係してくるもので、むしろ大蔵省への接待よりも日銀に接待した方が有効なんだというような関係者の話も伺いました。また、この日銀の営業局に対するそうした接待であるとかそういうつき合いというのは、本当にもう広範に、日常的に行われているというふうにも聞いているわけであります。 これまで総裁は、きのうも含めまして、日銀の内部調査を徹底して行うというふうに御説明をいただいているわけでありますけれども、もう少し具体的にこの実態を、本当に解明が急務であるということを考えますと、だれを対象に、どのような方法で、どういう行為に対して、またどういうスケジュールでこの内部調査を行っていくのか、もう少し具体的に御説明願いたいということ。また、この調査結果、これはいつごろ御報告いただけるのか。また、現時点において、この調査の状況について御報告いただけることがあれば御説明いただきたいというふうに思います。
○松下参考人 現在、私ども日本銀行の職員に関しまして、外部との交際に関連をいたしまして、御指摘のようなさまざまな報道が行われておりますけれども、私どもも、そういった報道も踏まえまして、まずもって全体の行内の実態を把握することが重要であると考えまして、現在、過去五年間におきます取引先金融機関等との交際の実態につきましての内部調査を行っているところでございます。 この調査は、役員及び管理職職員の全員のおよそ六百名を対象とするものでございまして、調査のやり方といたしましては、これは職場職場によりまして業務内容や職責が異なっておりますことを踏まえまして、基本は自己申告ということで、各人から過去五年間におきます取引先との交際、会食等の実態につきましての報告を求め、そして、これに即しまして、それぞれの部署の上司がまずきめの細かいヒアリングを行うという形で取り進めております。 現状におきましては、今なおこの自己申告をもとにする職場職場でのヒアリングが進行している段階でございまして、私どもも、まだ全体について、例えば計数的に、あるいは具体的な内容に即しましてどういう事実が判明をしてまいっているというところまで取りまとめるところには至っておりません。 また、さらに申しますと、この職場職場でのヒアリングというのは、やはり直接の上司は、自分の職場におきますいろいろな外部とのつき合いの状況でありますとか仕事の内容でありますとか、それについて知識をよく持っておりますから、最もこのヒアリングに適しておりますけれども、さらにいろいろな問題がある分につきましては、それぞれの人事の担当部局あるいは担当の役員というものがさらにそれをチェックしていくという形で取り進めているところでございます。 内容につきまして、ただいま申し上げましたように、まだ具体的にお答えできるところまでは進んでおりませんけれども、これにつきましては、私どもも、調査結果がまとまり次第、しかるべき形でお示しをしてまいりたいと考えながら、今調査を行っております。
○上田(勇)委員 今御説明をいただきまして、大蔵省の方では、それぞれ関係があると思われるところに調査表を配って、それに記入してもらって回収して、それを今調査を行おうということでありますし、またその調査結果の取りまとめも春の間にはというふうな答弁が先ほどありました。 今、ちょっと残念ながら、総裁の方からは取りまとまり次第ということであったのですが、この作業の目標というのでしょうか、いつごろまでに取りまとめられるのか。非常に重大で、また緊急な実態解明が必要だと思うのですが、その辺はどういうふうにお考えなのか、重ねてお伺いします。
○松下参考人 私どもも、調査を開始いたしますときには、できるだけめどをつけながら進行してまいりたいと考えてこれを始めようとしたわけでございますけれども、何分にも対象者の数が非常に多うございますことと、実際を申しまして、従来このような形での調査を行ったことがございません。どういう形での結果が出てくるか予想がつかないという面もございました。 そして、予想がつかない状態の中で、いろいろ問題を含んだと思われるような調査結果が出てまいりますと、それに対してはそれぞれさらに個別に事情を詳しく調べるというような形で、かなり時間をかけて調査せざるを得ないということも考えられますので、私どもとしましては、できるだけ全体を早く取りまとめるようにということは指示をいたしておりますけれども、恐縮でございますけれども、現状、時期的にいつごろになるとめどがつきますということをまだはっきり申し上げられません。取り急いで調査を進めるように、さらに督励をいたします。
○上田(勇)委員 この事態の深刻さに対して、できるだけ早くとか取りまとまり次第というのは、私は、甚だ不十分なことでありますし、極めてふまじめな対応であるということを指摘せざるを得ないというふうに思います。できるだけ速やかに、これは本当に大蔵省と、大蔵省の調査も今進んでいるわけでありますし、少なくともそれに合わせるぐらいのタイミングで調査を急ぐように、重ねて要望いたします。 もう一つ、これまで私も数人の関係の人からいろいろな事情について伺った中で、日銀営業局への接待というのは、これは銀行などの金融機関からもかなり一般的に広範に行われていると同時に、銀行などよりも短資会社、短期資本からの接待というのはもっと多い。なおかつ、この短資というのは金利情報に大きく収益が影響するということであると思うので、この短資会社からの接待、こうした実態については把握されているのか、また、今回の内部調査に含めて調査を行っていただくべきだと思いますけれども、それについてはどうお考えでしょうか。
○松下参考人 先ほど申し上げましたように、私ども、取引先の金融機関との交際についての調査をいたしておりますが、短資関係の会社も日銀と取引を持っております金融関係の機関でございますので、この短資会社との間の交際も含めまして、全体の調査を進めているところでございます。
○上田(勇)委員 次に、大蔵省関係のことについて若干質問させていただきますが、大蔵省には紀律保持委員会、先ほどの答弁の中にもありましたが、これが設置されました。平成七年三月に、当時の武村大蔵大臣が中島さんの事件を受けて、実態の解明と汚職事件の再発防止、これに万全を期していくという目的で設置したというふうに理解しております。以来、平成七年から今日まで計二十三回、平成七年には十一回開催されているのですが、その後は年五、六回、ことしは一回開催されて、計二十三回であります。 これは、何も解決されていないのに開催回数が減っているということも私は問題であるとは思うのですが、しかもこのメンバー、これは官房長が委員長を務められておりまして、委員はすべて各局の課長さんであります。この会議にはこれまでどういう方が出席されていたのかと聞くと、残念ながら官房長とかそれから各局の局長、この方々も審査部会とかのメンバーにはなっているにもかかわらず、ほとんど課長任せになっている。課長しか会議には出席していないというような御報告をいただきました。 これは、この問題に対して、本当に大蔵省の幹部の皆さんの認識が全く甘いということを物語っているのじゃないかというふうに思うんですね。万全を期していく、再発防止というふうに言ってつくった委員会、これが当初、平成七年は何回も、月に二回ぐらいの割合で開いていた、年間通すと十一回だった。それが、ちょっとのど元通れば熱さ忘れるで、次の年は半分になっちゃう。しかも、ずっとこの間、官房長を初め各局の局長の方々は御出席されていないわけであります。 それが、その結果かどうかはわかりませんけれども、結局は今回四名の逮捕者を出してしまった。この紀律保持委員会、結局、つくったけれども何も機能してこなかったということだというふうに思います。 大蔵省の中で官僚の皆さんの自浄能力、これがもう今回、ないということが、この紀律保持委員会は何ら機能しなかったということでわかったわけでありますので、ぜひともここは、官僚だけに任せておくのじゃなくて、大臣にもこの紀律保持委員会を主宰していただいて、会議にも、もちろん大臣いろいろとお忙しいでしょうけれども、大蔵省には立派な政務次官がお二人もおられるわけですから、政治家が責任を持ってこの紀律保持委員会をリードする。官僚任せにするのじゃなくて、しかもそれが、紀律保持委員会、結局は官房長や局長の方々が会議にも出ない、そういったことではなくて、大臣、政務次官、ぜひともこれは政治家の責任において徹底究明と厳正処分、そして再発防止に取り組むべきだというふうに思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 実際上の私の体を考えていただきたいと思うのです。私は、政務次官に任せたくないのです。私の責任でこれは徹底してやりたい、こう思っておるわけでありますし、総理からもそう言われておるわけでありますから、そこで、今部下を督励しておるというところでございます。ある程度体に余裕が出てきたならば、私自身もさらに督励して真相解明その他に取り組みたい、こう考えておるわけでございます。
○上田(勇)委員 もちろん大臣のその責任感については評価をいたしますけれども、これ、二年間、結局は官僚に任せて何の成果も上がらなかった。それは、やはり大臣、松永大臣の責任ではありませんけれども、ずっと大臣が政治家としてこの問題に真剣に取り組んでいくという姿勢がなかったからだというふうに思わざるを得ません。 けさほども与党の委員から御質問がありました。小村事務次官が責任をとってやめたのにもかかわらず、いまだに、何の責任もなかったかのように部屋を与えられて、秘書や車までついている。それが大蔵省の官僚の認識の甘さなんですよ。だからこそ、大臣そして政務次官が今この問題に真剣に取り組んでいかなければいけないときであります。 もちろん、大臣が御自身で責任を持って取り組んでいく、まあお忙しいでしょう、だから政務次官の方にも加わっていただいたらどうなんですか、大変立派な方が二人もいらっしゃいます、そのことを御提案したわけでありまして、ぜひとも、これは政治家が責任を持ってこの問題の究明に当たっていくという姿勢をぜひ示していただきたいというふうに思うわけであります。 特に、けさほど与党の石川委員からも質問があった小村事務次官の問題も、私は、小村事務次官がおやめになった理由というのは、単に官僚の最高責任者として監督責任を問われたというだけじゃなくて、この小村事務次官は、こうした一連の金融検査部の接待疑惑が発生した当時の、直接監督する官房長でもあったわけでありますし、同時に、先ほど申し上げました紀律保持委員会を最初につくった、しかも、何も成果が上がらなかったことからいえば、その責任を問われても当然なわけでありまして、にもかかわらず、その認識が余りにも甘過ぎる。 そういった意味で、ぜひとも大臣にもっとリーダーシップを発揮していただきまして、もちろん大蔵省の官僚の方々に任せるところは任せても結構でありますけれども、任せっきりにするんじゃなくて、ぜひとももっと強いリーダーシップを発揮していただいて、この問題の徹底究明と再発防止に心がけていただきたいと思います。大臣、ひとつよろしくお願いいたします。
○松永国務大臣 私がみずからやりたいと申し上げたのは、自分の責任において内部調査を徹底してやりたい、こういう私の強い意思のあらわれだというふうに受けとめていただきたいんです。 私は、二人の政務次官を信頼しないわけじゃありません。今の点は二人の政務次官とよく相談をして、意見を聞いて、そして私がこの予算委員会やその他の委員会で体がとられているというような場合には、政務次官として私のかわりに動いてくれるようにしてもらえるかどうか、よく相談をしてやっていきたい、こう考えております。
○上田(勇)委員 もう時間でありますが、この接待の問題というのは、金融機関から接待の費用が出ていたとはいっても、めぐりめぐってみれば、今回、公的資金の投入であるとか超低金利政策の継続など、結局は国民の負担から出ていることであります。にもかかわらず、先ほど午前中の質問にあったように、責任をとってやめられた前次官がなおかつ国民の税金を浪費しているというようなことは、これは断じて許せないことであると思いますので、ぜひともこれは即刻やめていただくように御要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○越智委員長 これにて河上君、上田君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。 大蔵省の金融行政にかかわる構造汚職、その温床となっている密室指導型の裁量行政、さらには、その帰結として今日出ております金融危機の問題などについて、順次お尋ねしたいと思います。 御承知のように、キャリア組の課長補佐ほか、二人が逮捕されました。私は新聞でその容疑をずっと見たのでありますが、ほとんどが金融新商品の開発に関する認可です。やらせてほしいんだ、自分たちが考えた新商品だから先にやらせてくれとか、タイミングを早めてほしい。例の日経三〇〇株価指数連動型の上場投資信託、株式累投、累積の投資、いわゆる累投ですね。それからMMFの取引単価を下げてほしい。こういう新商品にかかわる認可の話、またそれに関連した税制、それから業務多様化、多角化に関係した、金融の垣根を低めて違う業態が相互乗り入れをする、銀行業界から証券業界、保険業界へ乗り入れする、そのまた逆、こういうことについて大蔵省の役人が行政権限で裁量的に処理してきた、このあり方こそが今回の構造汚職の温床であるというふうに思います。 ですから、先ほど来伺っておりまして、総理も、蔵相も、個人の倫理観の問題であることは言うまでもないが、同時に行政のあり方に問題があったということを言っておられまして、私は全くそういうふうに思います。もっと早く金融の自由化が進んでおれば、こういう汚職は起こり得なかったなというふうに思うのであります。 ところが、こういう金融新商品を出させてくれよとか、業務多様化をもういいかげんに認めてよ、世界ではもうそうなっているじゃないかという話にかかわる汚職よりももっと重大な、大きな問題がけさの朝日新聞の一面トップに報道されたわけでありまして、恐らく、閣僚の皆様も委員の皆様もごらんになったのではないかと思います。 それは、一昨年の初めの住専処理にかかわる疑惑でございます。思い出していただきたいと思いますが、あのとき、住専に対する債権者がどうやってこの住専の損失を負担するかという議論があったわけでございますね。債権者の債権の額に比例して、いわゆるプロラタ方式で比例して負担させようという案がこっちにある。反対の極には、いやいや、母体行が悪いんだ、母体行が住専にどんどんこういう野方図な貸し出しをさせたから悪いんで、母体行が負担しろという母体行方式というもの。この両方の中間に、まあ、そうはいっても、母体行に少し負担させるにしても、全然母体行以外は負担しなくていいというのもおかしいじゃないかといって、いわゆる修正母体行方式で決着したわけでございますね。 ところが、この修正母体行方式というのは、今言ったように、両極端なやつは割とはっきりしているんですが、真ん中に持ってくるということは非常に裁量が入る。この裁量をつかさどっていたといいますか、その責任者の一人であった人が、これは主計局の次長でありましたが、このとき、二月に銀行局の兼務を命ぜられて、この人がその担当に当たったわけですね。 けさ報じられた疑惑は、その人が、自分の部下を連れて高額な飲食をした会食の場に、後から銀行のMOF担を呼び出して代金を払わせる、事実上のツケ回しがあった、また、高額な接待を受けることも数多くあったと言われているというわけであります。 もし、この疑惑が本当だとしますと、最初に申し上げましたような認許可にかかわる話でなくて、この結果は、それぞれの銀行の負担額が決まったわけではない最後のしり、足りなかった六千八百五十億円というのは国民の血税でありましたから、この血税投入額をも左右する立場にあった大蔵省の官僚が、そこに絡む銀行、証券、生保あるいは農林系統金融機関から高額な接待を受けた疑いがあるという報道であります。 ですから、これは、今逮捕されている課長補佐たちの罪状とはちょっとけたが違って、質的に重大な問題だと思います。 刑事局長、見えていますね、これについて今お調べが進んでいるのでありますか。もし進んでいないとしたらこれは大変な問題だと思いますが、まずそれをお答えいただきたいと思います。
○原田(明)政府委員 お答えを申し上げます。 個別の具体的な事件につきまして、検察官におきましてどのような事象について捜査するかということは、まさに個別の具体的な証拠に基づきまして判断すべきものと考えます。したがいまして、検察官がどのような事実を把握しているか、あるいはどのような事項について捜査しているかにつきましては、検察官の捜査内容にかかわる事柄でございますので、法務当局としてお答えを申し上げることは適切でないと考えますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 では、仮に朝日新聞の報道どおりだったとすれば、刑法の第何条に違反する疑いがありますか。
○原田(明)政府委員 大変恐縮でございますが、やはり、新聞報道、私も読ませていただきましたが、一定の状況を想定して犯罪の成否を論ずることは極めて適切でないと思います。そのことを前提にいたしまして、適用罰条に関しましてのお尋ねでございますが、これも、法務当局として御答弁申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 松永大蔵大臣にお伺いいたします。 今の件でございますが、内部調査をしておられるわけですが、この件についても、当然、期間からいって対象になると思いますが、御調査の対象になっておりますんでしょうね。いかがですか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 御指摘の新聞報道、私も見たわけでありますが、銀行局兼務であったならば、金融関連部局に在職した者ということになりますので、内部調査の対象者になるわけでございます。
○鈴木(淑)委員 委員長にお願いをしたいと思います。 先ほど法務当局を代表して、刑事局長は、現時点では答えられないと言われましたが、この問題について、一定の結論が出た段階で当委員会に報告をしていただきたい。 また、蔵相にもお願いをいたします。桜の咲くころか何か知りませんが、今の内部の御調査の結果が出たときに、この件はどうだったのかということをはっきり当委員会に御報告をいただきたい。 以上二点、委員長にお願いをいたします。
○越智委員長 お申し出の件につきましては、理事会にお諮りいたします。
○鈴木(淑)委員 それでは、よろしくお願いいたします。 さて、この六千八百五十億円、どういうところからこういう金額が出てきたのかは、これを担当していた、今の疑惑の人物を初めとする官僚の諸君、あるいはこれにかかわった政府・自民党の関連の議員の皆様以外は知る由もないかもしれませんが、この直後にもう一つ疑惑の対象となった動きがあります。 これは、昨年の十月二十日のやはり朝日新聞夕刊で報じておるわけでありますが、住専処理お礼五千七百七十万円政治献金、農協幹部団体、族議員らに、昨秋の総選挙直前という見出しで報じられております。 この件については、我が自由党の西川太一郎議員が昨年の十一月四日の予算委員会において取り上げまして、質問を申し上げております。 この朝日新聞の記事どおり、農業と緑の代表を国会に送る会、これは何と総選挙の五日前に急遽できた会だそうですが、この責任者の高野さんという方は、全国農業協同組合中央会の常務理事でもいらっしゃって、この団体はJAビル、農協のビルの四階にある役員室の中にあるということですから、何か一人二役のようであります。この団体から五千七百七十八万円の政治献金がなされて、このうちの九一%は自由民主党の、主として農林族の方々に配られた。総理にも二回にわたって、百万円と五十万円、合計百五十万円配られたというわけであります。総理もこの事実は、この予算委員会の際、率直にお認めになりました。 これはもちろん政治献金として合法なんだという御主張でございますが、私は、今ここで合法かどうかを問おうとしているのではありません。裁量行政、裁量的な政治が絡んでこの住専処理が決まりました。そして、六千八百五十億円の血税が投じられたわけであります。そうしましたところ、その後に、この朝日新聞の記事を引用するまでもなく、これはどう見ても成功報酬かなと思われる政治献金が自由民主党の方々に渡っているわけであります。ですから、行政の構造汚職の問題とこの利益誘導型の政治というのは完全に一体のものであるということを、この事例はよく示しているのではないかというふうに思います。 農林大臣、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。私は、この六千八百五十億円を投入された、そして経営救済された農林系統金融機関、その後どういうリストラをして、今どういう状況なのか。御承知のように、農林系統以外の民間の金融機関は、例の早期是正措置を控えて、自己資本比率四%をクリアするためにさまざまの経営努力を払っているわけでございます。 農協の場合は、これは組合組織なものですから、個人から出資金をどんどん取っちゃえば、健全な農協なら自己資本比率、出資金比率を上げることは簡単でありますから、恐らくそういう農協が大部分であろうかと思います。しかし、中には、六千八百五十億円もの住専関係の貸し金補てんに救われたにもかかわらず、やはり経営困難なところもあろうかと思いますが、農林大臣、現状は、農林系統金融機関の経営のリストラ、自己資本比率、まあ出資金比率ですが、その状況はどういうふうになっておりますでしょうか。
○島村国務大臣 まず、農協系統の債務状況等から御説明いたしたいと思います。 昨年十二月、大蔵省銀行局から公表されました預金取扱金融機関の不良債権等の状況、これは九年九月期のものでございますが、によりますと、農協系統金融機関の不良債権額は、農林中金及び信連の合計で四千四百七十億円であり、貸出金の二%となっております。 農協につきましては、本年三月以降すべての農協において不良債権額が開示されることになっておりまして、本年後半には取りまとめることができるものと考えております。なお、組合員貸し出しが主体であること等から、他の金融業態と比較すれば、いわゆるバブル崩壊の影響による不良債権は少ない、こう承知いたしております。 自己資本比率の状況につきましてですが、平成八年度のデータに基づき当方で試算したところによりますと、二千二百八十四農協のうち四%以上の農協が九三・五%、二千百三十五組合となっております。 また、この強化策でございますが、これにつきましては、本年四月からの早期是正措置の導入に向けて、農協系統におきましては、県内関係機関の支援等を得ながら、一、組合員によるいわば増資等の自助努力による再建、二、近隣農協との合併、この二つの道から取り組んでいるところであります。これらの取り組みによりまして、ほとんどの農協は、自助努力または近隣農協との合併によりまして、基準の達成が可能と考えております。 なお、都道府県段階で対応が困難な農協につきましては、合併に当たり貯金保険機構からの資金援助の道が開かれておりますが、その支援を要するものはごく一部と見込んでおります。 以上であります。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。 六千八百五十億円もの国民の血税が回っているわけでございますから、間もなく情報開示するということでございますが、どうぞ正確に国民の前に不良債権の状況を開示されまして、債務超過で経営困難なところは、一般の民間銀行と同じように、経営を安易に救済することなく、合併その他さまざまな形で整理をするなど、再建策を、みんなが見ている前で、透明な形で実行されたいと思います。 さて、先ほど申し上げました五千七百七十万円、これは政治献金で出てきたという話でございますが、先ほども言いましたように、これは国民の皆さんの方から見てもよくわかることだと思うのですが、要するに陳情行政。業界が行政に陳情をする、陳情行政をする。密室で、国民が見えないところで行政と業界が相談をする、そこに政治家、族議員も絡んで、最終的に利益誘導型の政治献金を得るというこの関係こそが、私は、今この構造汚職に際して問わるべき行政改革のポイントであり、政治改革のポイントだというふうに思います。 私どもは、旧新進党時代、この住専処理に際して、会社更生法を前提とする法律的な処理を主張しました。そして、それを前提にした不良債権処理公社案なるものを出したわけであります。私どもの主張はもうあのときから、一年半前から、こういうものの処理は事前に明らかにしたルール、すなわち法律にのっとって処理をすべきであって、今問題にした、朝日新聞が取り上げているような密室での官僚による相談、指導、そしてそこに族議員が絡むという形の処理はすべきでないということを主張しておりました。 総理、この住専処理というのは、今こういう大蔵省の構造汚職に直面してもう一度振り返ってみると、あのときの処理の仕方も、全然、事前に明らかにしたルールにのっとった行政ではなかったし、もう典型的な裁量行政であったし、そういうところからけさの朝日新聞に報じられるような構造汚職の疑惑が出ている、このようにお考えになりませんでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 住専の処理について、その公的資金の投入並びにその額の決定をいたしました時点では、私は他の分野の責任者でございましたから、その決定の時点におきましては、そのプロセスすべてを存じているわけではございません。しかし、内閣を引き継ぎましてから、国会で御審議をいただくに際し、でき得る限りの御説明を関係当局はさせていただいたと存じます。 そして……(鈴木(淑)委員「橋本内閣ですよね」と呼ぶ)ですから、スキームが決まりましたときには、私は予算編成の他の分野を担当しておりましたから直接には携わっておりませんが、内閣として引き続いてと申し上げております。時系列的にきちんと申し上げております。その上で、国会において御審議をいただきました際にはでき得る限りの御説明を関係者は申し上げ、御審議を願い、御承認をいただいたと存じます。 けさの朝日新聞の記事は、けさ私は七時前に既に官邸に出てきておりまして、ちょうど私が出てくる直前に配達されましたので全部に目を通しておりませんが、見出しだけはぱっと目にいたしました。そうした問題が事実であるかないかは、これは、先ほど大蔵大臣の方で調べておりますという対象者の、金融関係部局にいるとすれば対象であるということでありますから、大蔵省としての自主調査の中においてどういうふうな答えを出されるのか、これは私、今わかりません。 しかし、住専の処理というものが契機となり、ようやく不良債権の処理というものに皆が真剣になってくれたことだけは、私はほっとしております。
○鈴木(淑)委員 とにかく、六千八百五十億円という血税の投入を左右した構造汚職である可能性があるわけでございますから、ぜひとも、一日も早くこの真相を明らかにして、当委員会に報告をしていただきたいと思います。 総理、私はこの住専問題は、その後、今日直面している金融システムの不安、またそういう中で噴出してきた、表面化してきた金融行政の構造汚職の根っこにあるというふうに思うのですよ。ある意味では、すべてはあのときの処理の仕方の失敗が尾を引いているなというふうに思います。なぜなら、預金も貯金も取り扱っていないノンバンクである住専に、預金者の保証ならいいですよ、そんなものを取り扱っていない住専に、何で六千八百五十億円もの血税を投入したのか。これは国民に対して説明がつかないでしょう。 だから、あのころの世論調査を見てごらんなさい。九割の国民が反対したのですよ。九割の国民が反対したものを、これを強行された。強行されたはいいが、これだけ国民に反対されたら大変だということで、何をおっしゃったか。 まず第一に、住専はもちろんのこと、預金、貯金を扱っていないノンバンクには以後一切公的資金は投入しませんと言ったのですね。二番目に、預金、貯金を取り扱っている金融機関であっても、信用組合の場合は、これはひょっとすると預金保険料の形で積んであるお金じゃ足りなくなるかもしれないから、その場合は預金の保証のために公的資金を投入することはあり得るという金融三法の中での枠組みをつくった。しかし、信用組合以外はびた一文公的資金を入れないというのがあの金融三法の構えである。 そういうふうにして、激高するといいますか、この血税の六千八百五十億円投入を強く批判している国民を一生懸命なだめる。そして他方では、いや、皆さん、大銀行は絶対につぶしません、二〇〇一年三月まではペイオフはいたしません、預貯金は全額保証です、皆さん大丈夫です、大丈夫ですと言って、何にも金融システムの安定対策を打ってこなかった。こういう金融システム安定対策に対する無策、これこそが現在の金融不安の二つの大きな原因のうちの一つだというふうに私は思います。 ですから、根っこが、住専処理のばかげたあの形のごまかしにあったというふうに申し上げているのであります。総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 ばかげたという議員の御評価でありますけれども、当時、私たちは、日本の不良債権処理、不良資産処理の象徴的な問題として、この住専の問題を突破口に取り組みました。十分御論議をいただけた方、いただけなかった方、いろいろあったかもしれません。しかし、その中で、今、住専処理機構が一生懸命に努力してくれておりますことは、議員も御承知のとおりでございます。 そして、その後、金融システムの安定のための努力の中において、金融機関の不良資産の処理がさまざまな角度で問題になっております。そして金融三法も、当時信用組合を対象として考えておりました。それが今日、秋以降、金融機関に大きな変化が生じております中で、今、安定化対策を御審議いただき、お許しを得て動かそうといたしております。私どもは、全力を尽くしてこの安定に努力をしていくことが今大切なことだと考えております。
○鈴木(淑)委員 このでたらめな住専処理の仕方に端を発した金融システム対策の無策と……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○鈴木(淑)委員 もう一つ、本年度、九七年度の超デフレ予算、この二つがそろえば、間違いなく経済は不況に陥り、金融システム不安が噴出しますぞ、出てきますぞということは、私はもう一年ちょっと前に、この場で総理に御指摘したではありませんか。 そのとき総理は何とおっしゃったか。そのとき総理は、あなたが言っているほど景気が悪くなるとも思わないし、金融三法の枠組みで十分やっていけると思うというふうにおっしゃったのですよね。ここにちゃんと私はそのときの議事録を持っています。平成九年二月十日の予算委員会であります。 私がここではっきり申し上げたのは、「ノンバンクに一切公的資金を投入しない、それから信用組合以外の預金取扱金融機関に公的資金を投入しないというお約束と、二十行」当時は二十行ですね、「二十行の大銀行は破綻させないというお約束、この二つを維持していくというのは、現在のような、」去年の四月以降経済がほぼゼロ成長に陥ることは間違いないと私は予想していましたから、間違いないと思いますので、「そういう状況のもとでは大変きつい」、とても息できない。ですから、どうか私がこれを指摘したということを、総理、覚えていてください。もし私の言うとおりになったら、今からわかっていたのにそうしなかったのだから責任とっていただきたいのだという発言をしているのですよ。 去年の二月ですよ。もう去年の二月の時点で私はそれは指摘を申し上げたのですよ。それを一切聞かないで過ごしてきたのが橋本内閣であるし、やじっているだけでまともに考えていなかったのが自由民主党の先生方であります。私は指摘したのですから、ちゃんと。私はちゃんと指摘をしているわけであります。 ですから、今の金融危機というのは、住専処理をああいうでたらめな形でやったために、もうこれ以上金融システム対策は打てなくなってしまったということと、本年度の超デフレ予算でゼロ成長に日本経済を突き落としてしまった。この九六年、おととしは暦年でいえば三・九%成長しているのですよ。日本経済は二、三%成長するのがやっとこさだ、いや、三%無理だなんと言う人がいるけれども、三・九成長していた。そこまで回復した日本経済を、この超デフレ予算でたたき落としてしまったわけです。 私は、このことも非常に早くから指摘しました。おととし、総選挙直後、九六年十二月九日の予算委員会で既に総理に申し上げた。あのときは企画庁長官は尾身さんではないのですが、総理と三塚大蔵大臣にはっきり指摘した。私、トリプルパンチという言葉を使ったのであります。 トリプルパンチとは何かというと、消費税率引き上げ前の買い急ぎの反動が出て落ち込むだろう。これは政府も言っておられた。しかし、それだけではないよ、あと二つあるよ。九兆円の国民負担増で、実質可処分所得の増加がとまってしまうのですよ。それから三番目に、もう一昨年の七—九月期から公共投資は落ち始めているのですね、四半期推移で見れば。それを、どんどんこの本年度予算では落としていくという形になります。このデフレ効果も相当なことになる。 このトリプルパンチで間違いなく日本経済ゼロ成長になるということを、おととしの時点でここで申し上げているのですよ、理由もはっきり申し上げて。 そして、さらにその後、消費税の据え置き法案。こんなときに税率引き上げて五兆円負担させたら本当に大変なことになりますぞ、これは十二月十二日の税特委であります、このときも同じことを申し上げた。それから、去年の三月六日の特別減税の据え置き法案のときもそういうことを申し上げた。 何回も何回も、閣僚の皆さん方は大変楽観的なことを言っておるが、四月以降間違いなく日本経済は停滞しますぞ、そのときに金融システムに対して何も手を打たないで来たら、まず再び不安が起きるでしょうということを警告し続けてきたのですよ。それにもかかわらず、橋本内閣はこの警告に対して一顧だにしていない。 その上で、今ここへ来て重ねてもう一つ、一つではない、もう二つですね、大きな政策的な失敗を重ねました。 一つは、去年の十二月に財政構造改革法案をつくって財政運営の手足を二〇〇三年まで縛ったこと。そしてもう一つは、金融二法を新しく出してきて三十兆円を準備したこと。これはさらに失敗を重ねているということにほかなりません。もう一回このことも警告しておきます。 この警告に対して皆さん方、総理、恐らく私がこれから言うような方へ政策転換せざるを得なくなるのは、一カ月後でしょうね。一カ月後でしょう。さっきお話ししたのは一年たってお気づきになったと思うが、今度はもう恐らく腹の中ではそう思っていて、一カ月後に転換するのではないですか。 財革法に縛られた平成十年度予算、これは一般歳出が二兆二千億のマイナス、四・八%のマイナスであります。公共投資に至っては何と一四・六%のマイナスであります。若干の減税をしたからといって、この歳出減を補えるものではない。その意味で、これは明らかにデフレ予算だ、財政構造改革法案をつくったがゆえに避けることのできないデフレ予算であります。 しかも、現在ゼロ%成長に落ち込んでいる日本経済に向かってこれをぶつけていこうという、何といいますか、海外の人たちから見たら、気は確かかと言いたいような大変な予算を出そうと、成立させようとしているのですよね。 ですから、与党の方では、自由民主党の中では、もうすぐに大型補正予算を出すのだ出すのだという議論をしております。総理はこの席では全くそんなことは考えていないという、だれが聞いてもすぐわかる二枚舌を使っておられますけれども、テレビの前にいる国民の皆さんだって、与党の自由民主党の幹事長やら幹事長代理やらあるいは政調会長が言っていて、その与党の総裁であり総理大臣である橋本総理が考えてもいないなんというのは、うそに決まっている、こんなことはわかっていますよ。国民の皆さんだって、こんな見え透いた二枚舌を何で使うのだろうと思っているに違いありません。 なぜそういう、一国の総理が、だれにでもわかる、子供にでもわかるような二枚舌を使い続けるのでしょうか。これも財政構造改革法案のせいでしょうね。財政構造改革法案に縛られておりますと、今総理は否定しておられるが、自民党の内部で検討しておられる大型補正予算も大変ゆがんだものになります。 財政構造改革法の四条では、赤字国債の発行を年々減らせと言っていますね。そうしますと、補正後の九七年度予算に比べて九八年度予算の赤字国債発行額、一兆三千八百八十億円カットされておる。ということは、赤字国債の発行の限度が一兆三千八百八十だということですね。 そうしますと、赤字国債を財源にせざるを得ない減税とか、あるいは建設国債対象になっていない情報通信関係の公共投資などは、一兆三千八百八十というキャップをかぶってしまっているということですよ。そうしますと、大型補正、大型補正、十兆円を超えるなんと言っておるが、今言った一番必要な減税とか情報通信関係公共投資、一兆三千八百八十しかできないじゃないですか。こういうゆがみを持っています。 さらに、これは前回の予算委員会でも確認をさせていただきましたが、総理は、この財政構造改革法の精神は、当然のことながら毎年財政赤字を縮減していくことだとおっしゃいました。そうしますと、補正後の本年度予算に比べて、来年度の予算で赤字を縮減するのだということになりますと、この赤字国債を財源とするものだけに限らず、全体でも三・九八兆円しか補正予算が組めないのですね。このことも、実は先日の予算委員会で同僚議員が確認したことであります。大蔵省が計算して答えた。それが三・九八兆円なんですよ。 これだけの縛りがかかってしまっているときに、どうして十兆円を超える補正予算を組めるのですか。これを組むためには、総理が私に去年十月二十一日の財政構造改革の推進等に関する特別委員会でお答えになった、そして私が今読み上げた、当然のことながら毎年の財政赤字縮減に努めていく必要がある、これは私は議員の提起されたとおりだと思うと。この総理の答弁を踏みにじらない限り、十兆円を超える補正予算なんか組めないですよ。 総理、いかがですか。総理の配下の、総理が総裁をしておられる自由民主党の指導者たちが、総理の答弁を踏みにじってこういうことを言っているのですよ。総理、どうお考えですか。
○橋本内閣総理大臣 まず私は、一点議員に申し上げたいと存じます。政府税制調査会の委員として我々もお世話になってまいりました、尊敬するエコノミストであるあなたから、二枚舌という言葉を使われました。私は、これは幾ら何でも、ほかの方はともかく、議員と今まで真剣に議論をしてきた私としては、少し過ぎたお言葉ではないかと思います。 そしてその上で、議員はさまざまな数字を駆使していろいろな議論を展開されました。それは……(発言する者あり)お答えをしている最中です。
○越智委員長 お静かに願います。
○橋本内閣総理大臣 財革法のもとにおける公債のすき間、あるいはそれぞれの数字をお挙げになって御自分の議論を組み立てられました。 経企庁長官が、赤字国債は歯どめがないと申しておりましたけれども、それをあえて私は御答弁を申し上げるものではありません。そして同時に、昨日、本委員会で私はその意思を明らかにし、予算委員会終了後の我が党の役員会において、政府・与党の一体を疑われるような発言は慎んでもらいたいということをきのう言ったばかりです。そしてその上で、私は、平成十年度予算の早期成立と、関連する法律案を年度のかわらないうちに、特に税制について、通過、成立をさせていただきたいという以上の言葉を本委員会で吐いておりません。
○鈴木(淑)委員 きのう、自民党総裁としてそういうふうにおっしゃったということでございますが、きょうからまた、相変わらず自民党の指導者の方々、責任の地位にある方々は補正予算のことをしゃべり続けておられます。ですから、そのことについて、国民の皆さんの前で、これはせっかくNHKが中継しているのでございますから、国民は、一体どうなっているのだろう、どうしてああいう二枚舌になるのだろうと不思議に思っているわけですから、総理にお答えいただきたいと思ったわけですが、今のお答えでは、どうも国民の皆さんは依然納得しないだろうというふうに思います。 時間の制約もございますから、もう一つ、総理はまた新しい間違いをしているということを申し上げたい。それは、三十兆円のうちの十三兆円を公的資本注入という形で民間の銀行に注入しようとしていることであります。これは、我が自由党を初めとして野党はみんな反対した。なぜ反対したかといいますと、最初に申し上げた構造汚職の温床である裁量行政に逆戻りしてしまうからなのです。 蔵相、蔵相に御質問いたしますから、よくお聞きいただきたいと思いますが、これは、優良な銀行は当初要らないと言ったのですね。 私ども、実は大銀行、地方銀行、第二地方銀行、全体に対してアンケートを出しました。百四十七行。そうしましたところ、御協力いただいて、九十八行、回答率六六・六%、三分の二の銀行さんがお答えくださいました。 この結果を見ますと、昨年九月末現在で、お答えいただいた銀行さん、全部自己資本比率をクリアしております。それから、この銀行さんに、年度末、この三月末はどうですか、株価一万六千五百円ぐらいでどうですかと聞きましたところ、もうクリアできていると。無回答のところが三行ございました。ここはちょっと危ないのかもしれません。それ以外は、全部めどが立っているという答えでありました。そしてさらに、今後の対策として何をしたいかと聞きましたところ、公的資金を受け入れたいと答えたのは全体の二〇%ぐらいです。五割前後は、不動産の再評価をやらせてもらえるようになったら、これでかなり充実できるというふうに答えているのですね。 このアンケート調査でもわかりますように、公的資本を注入されて、これに伴ってさまざまの形で経営干渉を受けるのは嫌だというのが本音の銀行がかなりある。しかし、それだと今度は本当に公的資金を欲しがっている銀行が不良行の烙印を押されるということもあって、まさに横並びの護送船団方式で、いい銀行は悪い銀行に足並みをそろえなさいという形で、密室で裁量的に指導して全部に受け入れさせたのじゃないですか。 大蔵大臣、今の点について、そういう指導をしたのかしないのか、お答えください。
○松永国務大臣 全くそういったことはしておりません。
○鈴木(淑)委員 私は、実はそういう指導を受けたという話を何行かの首脳者から聞いております。だけれども、これは言うわけにはいかない。そんなことを言ったら大変なことになる。 ここに、もっと別の、引用するべきいい文献があります。これは今週号のロンドン・エコノミストであります。この今週号のロンドン・エコノミストが何と書いているか。日本の政府はまたしても金融自由化のペダルを逆回転させている、逆戻りさせていると。何のことを言っているのかなと思ったら、二つ挙げているのですね。一つは、年度末に何とか日経平均株価を一万八千円に持っていきたいんだと。これは政府の発言と自民党の政調会長の発言をごっちゃにして書いているのですね。もう一つは、まさに政府の責任でありますが、健全なる銀行の腕をねじり上げて、腕をねじり上げてというのはアームツイストというのですが、腕をねじり上げて無理やりタックスマネー、税金の受け入れをアクセプトさせた、受け入れを認めさせたとここに書いてあります。それで、それはもっと悪い銀行を救うためなんだというふうに書いてありまして、フリー、フェア、グローバルなマーケットに向かって金融ビッグバンをやっていくと言っておるが、日本の政府は全然この言葉の意味をわかっちゃいないねというふうに書いてあるのですよ。 海外だってそうです。蔵相は、こういう海外の反響、特にこの十三兆円の公的資本注入というのは、海外で大変評判が悪いですよ。レーティングをする、格付をする会社だって、こんなお金入ったって、全然格付上げないと言っているし、大変評判が悪い。蔵相は、そういう海外の情報というのは入手してない、集めておられないのですか。
○松永国務大臣 今、英国かどこかの新聞社の、どこでしたか、ロンドン・エコノミスト、その雑誌の話がありましたけれども、私は、これは大変な誤解だろうというふうに思います。 二つ申し上げます。 一つは、G7におきましても、日本の金融強化策を評価してくれたわけなんです。それが一つ。 もう一つは、あの法律に基づいて、経営がよくない銀行は、これは対象にしないということが法律に書いてあるのですね。したがって、今委員のおっしゃった、弱い銀行に公的資金を入れて強くするという方策は、あの法律の規定からいえばやれないわけなんですね。 そこで、三番目には、今護送船団方式と言われましたけれども、実際、大蔵省が金融機関に対して、この件について指導したとか慫慂したということは全くございません。そのことは、実は間違いないわけです。 そしてもう一つは、申請してきましたその申請行は、それぞれ自分の銀行のことを考えて申請したのですよ。それはなぜかというと、申請する場合には、当然のことながら、経営の健全性確保に関する計画書、それを出すべきということになっておりますし、その計画書の中に、これこれこういうことを具体的に計画を立てろ、こうなっていますね。それを金融危機管理審査委員会の方に出します。そして、委員会の方でそのことも実は注視していくわけであります。また、同時に、リストラのこともきちっと計画を立てて、そして申し出てくることになっております。 そういった制約を受けるということは嫌だという銀行もあるかもしれませんが、そうであっても、指導したことは全くありません。それぞれのことで、この審査基準と、それから経営の健全性確保のための計画、こういったことを踏まえた上で、各行がそれぞれ自分の判断で申請してきたことは間違いありません。 したがって、資本注入を受ける受け方としても、優先株で受けたいという人もあれば、劣後ローンで受けたいという人もあれば、劣後債で受けたいという人もあるということ。それをとっても、いわゆる護送船団方式でないことは、私は御理解願えるのではないかな、こういうふうに思います。
○鈴木(淑)委員 さっきも申しましたように、このアンケート調査を見ると、そんな公的資金を入れてもらわなくたって、年度末の自己資本比率は八%をクリアできるとみんな答えている。九%以上ですよ。ですから、そういう銀行が、さまざまの経営干渉を受けるような公的資金の受け入れを、政府からの働きかけなしに受け入れるわけないじゃないですか。こんなことは常識的にわかるじゃありませんか。 私は、時間がなくなりましたから、最後にまとめとして申し上げますけれども、最初に言いましたように、もちろん大蔵省の構造汚職というのは個人の倫理観の問題が基本にありますが、罪を憎んで人を憎まずという言葉に私はもう一つつけ加えたい。罪の温床になっている行政のあり方、そのシステムこそこの際憎んで、これを直さなきゃいけない。事後チェック型のルール行政に切りかえることを急がなければいけない。それが、同時に、利益誘導型の政治と表裏の関係になっているということをさっき申し上げました。
○越智委員長 質問の時間が経過いたしております。
○鈴木(淑)委員 最後ですから、総理に申し上げておきますが、さっき言った五千七百万円、農業関係からの政治献金、さっきの説明でおわかりだと思いますが、これは利益誘導型の政治と、それから構造汚職の行政が一体になっているということではないでしょうか。
○越智委員長 質問の時間が経過いたしております。
○鈴木(淑)委員 委員長、結論を申し上げさせてください。 このような大不況、そして、こういう金融システム対策の無策ということに対する……
○越智委員長 質問をおやめください。
○鈴木(淑)委員 国民の批判というのは、いろいろなところに出ている。 時間でございますので、委員長、これでやめにいたしたいと思います。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。 まず最初に、続出している官僚の不祥事について、総理の責任、責務についてお聞きしたいと思います。 大蔵省大臣官房金融検査部の幹部二人の逮捕に続きまして、証券局のキャリア官僚と証券取引等監視委員会の上席検査官、ナンバーツーとも言われておりますが、新しい金融商品の承認などの便宜を図った疑いで逮捕されました。高額な接待が収賄に当たるとされたものでありますが、これは氷山の一角にすぎません。その後も、叙勲に絡む接待、住専問題に絡む接待など、次々と大蔵官僚が接待漬けになっている様子がマスコミを通じて明らかにされ始めております。銀行、証券業界と大蔵官僚との底なしの癒着、腐敗を示すものであります。 問題は大蔵省だけではありません。さきの総選挙後に、通産省汚職、厚生省汚職、それに続く大蔵省汚職、高級官僚の不祥事が相次いでおります。どういうわけか、総理がかつて大臣の職にあったところばかりでありますが、国民の行政不信、政治不信は頂点に達しております。 行政府の最高責任者である総理は、このような事態をどう受けとめ、具体的にどのように公務規律の確立を図るつもりなのか。総理は、これまで答弁で、公務員倫理規則では残念ながらだめだった、公務員倫理法制定のために今法的検討に入っているという答弁をお聞きいたしました。 細かい内容は先ほど私お聞きしましたから要りませんが、橋本内閣としては、いつまでに公務員倫理法をきちんとつくり国会に提出するつもりなのか、時期を明示してほしいのです。時間はそんなに悠長には与えられていないと思うのです。いつまでに国会に出すつもりなのか、答弁願いたい。
○橋本内閣総理大臣 確かに、公務員倫理規程で対応が可能であると思いました。それは裏切られまして、倫理法の制定というところまで踏み切りました。そして、先刻来他の議員に答弁をしておりましたのもお聞きでありましょうから、重複は避けさせていただきます。 できる限り、本当に四月中には終わりたいと思っておりますけれども、今、私自身も、こうして毎日国会に呼ばれておりまして、作業の状況を十分チェックいたしておりません。しかし、いずれにしても、できる限り早く、ちょうど与党三党も作業をしていただいておりますので、それとも連携をとりながら、できるだけ急ぎたいと思っています。
○木島委員 一般的に、できる限り早くという答弁しかいただけませんでしたが、それでは次に、大蔵省が今内部でやっている調査について、一点だけ大蔵大臣に要望したいと思います。 完璧なものをやりたい、大臣みずからが直接調べたいという大変熱意ある答弁があったわけでありますが、それも結構なんですが、タイミングを失すればやはりいかぬと思うのです。一日も早くできる省内調査をやって、中間報告でも結構ですから、この予算委員会へ出してほしい。立派なものでも時期を失すれば価値がなくなる。証文の出しおくれということもあるわけであります。法律家の言葉では、時機におくれた抗弁というのもあるわけですから、中間報告を一刻も早く出してほしい、それだけ要望しておきます。
○松永国務大臣 委員の急げという話、中間報告という話でございますが、私は、急いだ余りずさんな結果になってはえらいことだなと。したがって、これは多少の時間はかしていただきませんと、一応評価の得られる調査にはならないのです。 そこで、先ほど来いろいろな議論があっておりますので、やり方は御存じでしょう。まず本人から自主申告をさせて、それに基づいて服務管理官が聞き取り調査をする、あるいは金融服務監査官が顧問弁護士のアドバイスも受けながらさらに念入りにチェックをする、そして、できることならば、接待したと思われるようなところからの話も聞いてまとめ上げたいというのが実は私の希望なんです。 中間報告というのは、それは、一応調査がこの程度まとまりましたという段階で一緒に厳正な処分をするわけでありますから、私は、中間報告をするのにはなじまないケースじゃないかな、こう思っておるわけでございます。
○木島委員 残念ですが、先ほど来、春ごろまでにというお話がありました。もう春は立っているわけでありますから、一日も早く出してほしいと思います。 時間も限られておりますから、一般的な話じゃなくて、大蔵省と証券業界の癒着をあらわす一つの具体的な問題として、私は、山一証券問題についてお聞きしたいと思います。 最初に一点、総理にお聞きしたいと思います。 昨年十一月、四大証券の一つ、山一証券が自主廃業し、百年の歴史に終止符を打ちました。この三月末で七千五百人の社員全員の解雇となります。長い間会社のために頑張ってきた社員の皆さんとその家族のことを思うとき、山一証券経営陣の責任は重大であります。山一証券破綻の最大の原因が、隠し続けてきた二千六百四十八億円の簿外債務にあることは明らかであります。 去る四日、行平次雄前会長と三木淳夫前社長が有価証券虚偽記載の容疑で逮捕されました。しかし、責任を山一証券の旧経営陣のみに押しつけることは、私は公正ではないと思います。事態の全容を考えれば、監督権限を持っていた大蔵省の責任こそ問われなければならないのではないかと思います。 簿外債務問題の原点は、損失補てん問題が噴き出した九一年六月であります。当時、山一証券には一兆円を超えるとも言われる営業特金、いわゆる一任勘定があり、これが株価の下落によって大きな損失を発生させました。山一証券をして損失補てんしなければならぬような状況に追い込んだのであります。当時の大蔵大臣は、橋本総理、あなたであります。大蔵省としては、徹底した検査によって営業特金や損失処理の状況を明らかにすること、そして、きちんとした処理策を指導すべきであったのではないのでしょうか。 あのとき大蔵省が徹底した検査と正しい指導をしていれば、今日の山一証券の破綻はなかったのではないかという多くの声が、山一証券の中にも外にもあります。これに総理はどう答えるのでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 一九九一年、平成三年に、これは山一だけではありません、証券会社の損失補てんが明らかになりまして以来、私は大蔵大臣として、証券会社などに対して処分を行う、あるいは新たな検査監視機関の設置についての道筋をつける、そして損失補てんや一任勘定取引を禁止する証券取引法の改正を行うなどの措置をとった上で、十月に大蔵大臣の職を辞任しました。 その過程におきまして、大手四社に対しての特別検査を実施するなど、損失補てんなどの実態把握に努めましたけれども、残念ながら、当時、これは恐らく能力を超えていたのかもしれませんし、簿外ということで、損失補てんを中心に考え、見落としたのかもしれませんが、今回の簿外債務の問題を把握することができなかったということは本当に残念です。 その点は、確かに私は、非常に私自身が残念な思いをかみしめておりますが、その時点において、なお損失補てん以外の違法取引を行っている、そこまで想像力がなかったというおしかりは甘受いたします。
○木島委員 九一年十二月に、当時の松野証券局長は、山一証券の三木副社長から、山一証券が一任勘定で買い、株価下落によって含み損を出している株の処理の仕方について相談を受けております。明確な事実であります。ことし二月四日の衆議院大蔵委員会での松野元証券局長の答弁は大変あいまいな点はありますけれども、この松野・三木会談の結果、山一証券経営陣が、飛ばしや簿外処理をしても大蔵省は目をつぶってくれる、検査対象から外してくれる、こう確信をした、そして、そのような違法なことにのめり込んでいったことは間違いないと、経過から私は思います。 そこで、きょう配付した資料一にも示されておりますが、大蔵省の報告によりますと、当時の大蔵省大臣官房金融検査部は、平成三年、一九九一年七月十七日、山一証券に特別検査に入っております。この表にありますように、特別検査はやった。しかし、示達書はない、示達回答書はないというのが私に対する大蔵省からの答弁であります。 示達書というのは、検査をやって、これこれこういう問題点が発見されましたよということを大蔵省から検査対象の山一証券に示すものであります、こういう点を改善しなさいということを示すものであります。大変な不祥事が発覚して、非常に長い特別検査の結果、示達書がない。なぜ山一証券に改善命令、示達書がなされなかったのでしょうか。その理由を述べてください、大蔵省。
○長野政府委員 お答え申し上げます。 平成三年の特別検査は、まさに言葉どおりの意味で特別でございました。と申しますのは、これは、国会で損失補てんということが問題になり、平成元年度中の損失補てんにつきましては証券業協会を通じて発表がなされましたが、平成二年度以降も損失補てんが継続しているのではないか、それを大蔵省において四大証券を通じて検査をして国会に報告せよという御指示がございまして、それに基づきまして国会に御報告すべきものがまさに検査報告書ということになりますけれども、そういったものを把握する、そして、その内容を二度にわたりまして国会に御報告したという内容でございました。 通常の検査と全く異なりまして、損失補てんの把握、それから東急電鉄に絡みます株価操縦の問題が加わっておりましたけれども、そういった国会に御報告する内容を把握するための検査でございました。
○木島委員 今の答弁、私は全く詭弁だと思うのですね。損失補てんの有無のみを検査したから、そのほかの問題は検査しなかった、示達書は出さなかった。損失補てんの温床が、一兆円を超えるとも言われる膨大な、山一に特に、あれは法人の山一と言われていましたから、言われた営業特金であり一任勘定であり、それでどんな株を買ってしまったのか。それが株価が下がった、その含み損を解決する一つの手が損失補てんなんでしょう。 さっきも同僚委員から質問されました。損失補てんの道を歩むのか、隠すのか、二つに一つの道。その温床を調べなきゃ何のための検査ですか。そんな詭弁は私には通用しない。それなら検査報告書を国会に出していただけますか。
○長野政府委員 当時、九月、十二月に国会にお出ししましたものが検査報告書でございます。
○木島委員 私も見ました。本当に簡単なものですよ。 大体、このときの検査は非常に長くやっているんですね。それで、なぜこれらの検査で大蔵省が、社会的に大問題になった事件です、今明らかですが、二千六百億を超える簿外債務、あるいはその前提となる飛ばし、あるいは一任勘定等の不正を発見できなかったのか。 私は、ここに大蔵省大臣官房金融検査部が発行している「検査資料の様式と作成要領」の証券会社分を持ってきております。これを見ますと、特金口座の概要を全部明らかにさせるとあるんですよ。すごいですよ。特金口座の概況の作成の趣旨に、本表は被検査会社における特金口座について、投資顧問契約の有無、特金契約金額、決算期及び運用結果の状況等を把握する、こう書かれてあります。そして、記載要領として、全ての特金口座について記載する、顧客名欄は信託銀行名でなく原顧客名を記載する、特金契約金額欄は検査日現在の特金契約金額を記載すると、もう徹底的に、一兆円とも言われる営業特金の全容を把握できる仕組みを持っていたんですね。 それを徹底的に洗えば、それによってどんな株が買われたのか、株がどう下落していったのか、それをどのように隠そうとしているのか、全部暴き出したはずなんですよ。 私は、一九九一年にこれだけの特別検査をやりながら、大蔵省が、そういう温床になっている部分、あるいはそれが頭が出たのは損失補てんですが、なぜそれを発見することができなかったのか、非常に不思議でなりません。疑惑を思うわけであります。 むしろ、その後の今日までの六年間の経過をずっと追ってみますと、逆に、松野・三木会談もありましたけれども、山一証券の飛ばし疑惑がマスコミによって大きく報道されることが再三ありました。そうしますと、大蔵省証券局も、証券取引等監視委員会、できたばかりのこの委員会も、一緒になってその問題を否定する。とんでもない役割を果たしているんですね。全く逆立ちした態度をとったのであります。 一例として、お渡ししている資料六、七、八、九をごらんください。二年後の九三年十月三日、朝日新聞が一面トップで「山一が「飛ばし」七百億円」という記事を載せまして、その手口についても詳しい解説を載せているんです。 そうすると、どうなったか。証券取引等監視委員会は、慌てて法令違反の事実はないとして、確認書なるものを山一からとっているんです。資料八、資料九のところで書かれております。確認書、免罪符ですよね。大蔵省証券局も、不適切な取引はなかったとのコメントを出し、処理は済んでいると説明をしているんです。二年後です。 この時期には、もう今日では事実は明らかです、逮捕された山一の旧幹部等が中心になってペーパーカンパニーをつくり、海外にも飛ばしをやって、隠ぺい工作が完璧に行われたその後の時期ですよ。そして、その一角が朝日新聞の記事によって表へ出てきた。何でこんな態度を、当時の証券取引等監視委員会も大蔵省証券局もとったんでしょうか。全容が明らかになった今日から見れば、こうした態度が間違いであったことは明らかだと思います。それは確認していいですね、監視委員会、大蔵省。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 監視委員会は、先生御配付いただきました資料にもございますけれども、平成五年と平成七年と二回にわたりまして、いわゆる飛ばしについていろいろなうわさもございましたものですから、その点を念頭に置いて山一証券に検査に入ったところでございますけれども、結果として、いわゆる簿外で転々とする飛ばし取引を把握するには至らなかったということでございます。 ただ、私ども現在、特別検査を昨年の十一月の末から実施しておりますけれども、その中で、これは簿外取引ではございましたけれども、どうすればこの取引を把握できるようになるのか、検査手法のどういう改善が必要かというようなことを検討していきたいと思っております。
○木島委員 今から四年前、九三年十月に噴き出したこの問題、要するに、一部簿外が表へ頭を出したんです。それならば、その温床である膨大な営業特金をどう山一は処理したんだ、どういう株を買ったんだ、どこへその株を持っていっちゃったんだと。宇宙遊泳をどうさせたんだと、全貌をつかむチャンスがあったじゃないですか。 やっているんでしょう。本当はやっているんでしょう。しかし、違法はなかったというようなことを言って、確認書を出させる。その確認書をここで出してください、読んでください、どういう確認書だったのか。
○堀田政府委員 先生は資料の中の新聞の報道を引いて御説明いただいておりますけれども、この報道の内容になっておりますのは、いわゆる飛ばし、今の二千数百億円に上る簿外債務の発生の契機となった飛ばし取引ではなくて、この委員会でも時々証券局長からも御説明しておりますけれども、いわゆるグレーな現先取引があって、その現先取引が適正に解消されていたということを確認したということでございます。 もう一つの確認書についてのお尋ねでございますけれども、私どもいろいろな形で、経営トップを含めまして、いろいろ事情を検査あるいは調査の際に伺いますけれども、また、確認書を徴求するということも間々あり得るものと思っておりますけれども、ただ、この問題につきましては、現在、特別検査をしているほかに、有価証券の虚偽記載につきまして、東京地検と連携をとりつつ犯則調査を実施しております。事は捜査当局の捜査にも絡む問題になっておりますので、その内容について、あるいは有無について御説明することは御容赦いただきたいと思います。
○木島委員 全然今の検査をやっていることと関係ないじゃないですか。九三年にどうして、再三疑惑が指摘されたのにもかかわらず、山一も否定し続けてきた、大蔵省も証券監視委員会も否定し続けてきた。しかし、それが表へ出てきた。確かに、朝日が指摘した七百億円については、一定の経過はわかりますよ、そんなことは朝日新聞を読めばわかりますよ。しかし、大事なことは、これを追及すればそこで温床が見えたはずだと言うんですよ。何でそれをやらなかったのか。そして、確認書なんという免罪符をとってうやむやにしてしまった。本当にこれは松野・三木会談に続く疑惑であります。 そこで、私は委員長に、資料一として出した部分、平成三年、平成五年、平成七年、平成九年の大蔵省が山一に対して行った検査の検査報告書あるいは示達書、示達回答書、これを全部出してもらいたい。証券等監視委員会が行った山一に対する検査、平成五年二月、平成七年十一月、平成九年十一月、検査報告書、示達書にかわって検査結果通知書と言うようです、示達回答書、これを全部当予算委員会に提出すること、並びに確認書をこの予算委員会に提出すること、並びに松野証券局長を参考人あるいは証人として当委員会に呼ぶことを求めます。
○越智委員長 いずれの御要求につきましても、理事会にお諮りいたします。
○木島委員 私は、これで本当に、大蔵省と山一との癒着というのをかいま見る思いであります。大蔵省証券局と証券取引等監視委員会の検査担当者が、山一証券から接待を受けて飛ばしや簿外債務について目をつぶったことは本当にないか、こういう疑惑を持たれても仕方がないと私は思います。松野・三木会談を受けて大蔵省証券局は、この問題はもう自後ずっと目をつむるのだ、そういう引き継ぎが行われたのではないかという疑惑を持たれても、私は仕方がないと思います。 先日、収賄容疑で逮捕されたキャリア官僚榊原隆、証券取引等監視委員会の宮野敏男は、私、調べたら、驚きました、二人とも山一証券のこの損失補てん問題が噴き出した九一年六月当時、証券局業務課課長補佐の職にありました。それから平成七年でしたか、資料の三と四を見ていただければ明らかであります、本当に二人とも、そろって平成七年の六月、七月まで証券局業務課に在籍しているわけであります。見事なものであります。 そして、資料五を見てください。証券業務課の職務分掌、大蔵省組織令であります。第六十四条、証券業務課というのは何をやるのか。第三号「証券取引法第六十五条の二第一項の規定により銀行、信託会社その他の金融機関が営む業務を認可し、当該業務につきこれらの者を監督すること。」こういう地位にいたわけであります。私が先ほど指摘した疑惑を一層大きくするものではないかと私は思います。 そこで、大蔵大臣にお願いしたい。大蔵大臣、私が今指摘した一連の疑惑について、九一年にさかのぼって徹底した調査を行い、その結果をこの予算委員会に報告してもらいたい。七千五百人の山一に働く労働者が全員解雇になる、百年の歴史を持った山一証券が廃業になる、そういう結果をもたらした疑惑であります。お願いしたい。どうですか。 調査を徹底してやって、報告していただく、当然ではないですか。大臣の決断ですよ、こんな重大な疑惑。今まで私がずっと言っていた、松野・三木会談、それから、この九三年のときの疑惑、それから、なぜ一体これらの検査でこういう飛ばしを見つけ出すことができなかったのかという、そういう根本的な問題。だから、それを徹底して内部調査をやっていただきたい。当然、この委員会に報告があってしかるべきだ。
○長野政府委員 証券取引等をめぐる法令違反等の問題につきまして、現在、既に報道されておりますとおり、山一証券の粉飾決算という問題が強制捜査の対象になっておりますけれども、大蔵省におきましては、独立して職権を行使いたします証券取引等監視委員会が先ほど御答弁いたしておりますように今検査中でございます、その中で解明されていくものと考えております。
○木島委員 こんな重大な疑惑について、徹底的に調査をして、その報告を予算委員会、国会にするなんというのは当たり前だと思うのです。 私は、大蔵大臣が、今噴き出している部下の大蔵省官僚の接待疑惑について本当に綱紀粛正を図るというのなら、まず、この問題について徹底して調査をして問題点を明らかにする、松野・三木会談がどうだったのか徹底して明らかにして報告するのは当たり前ではないですか。なぜ、証券取引等監視委員会があんないいかげんな免罪符なるものでうやむやにしてしまったのか。その二人が大事な証券業務課にいたわけでしょう。今はそれで逮捕されているのでしょう、別件で、野村証券その他の関係で。当たり前ではないですか。私は、全く綱紀粛正を図るなんというのは口先だけだということを感じます。 どうも、最近の新聞報道等によりますと、銀行救済支援のための三十兆円の公金投入に続いて、証券や保険に対しても公的資金投入の仕組みをつくるような動きが浮上しているようであります。山一証券破綻の経過を見ましても明らかなとおり、経営陣と大蔵省が一体となって簿外債務隠しを行ったのではないか。その結果、山一証券は破綻に追い込まれたのではないか。こういう疑惑にふたをかぶせたまま、証券、保険にまで税金投入することなど断じて認められないということを、私はここで申し述べたいと思います。 時間があと四分しかありません。銀行、証券業界から自民党への政治献金について質問する予定でしたが、それはカットします。 そして次に、政治家の株取引について一言質問をいたします。 新井前議員の事件がありました。国会議員は、政治を動かし、株価に影響を与え、株価変動に関する情報を知り得る立場にあり、その取引はインサイダー疑惑を常にはらんでおります。また、国会議員の投機的株取引は、多くは政治資金目当てであります。その特別の地位から、証券会社として絶対に損をさせるわけにはいかないということから、常に利益保証や損失補てんなどの違法取引につながる可能性をはらんでいるわけであります。だからこそ、国会議員の株取引は、相続などによってたまたま取得した株を売るなんという場合を除いて、原則的に禁止をして、例外的に売買するときはその都度届け出るべきではないのでしょうか。 既に当予算委員会には、日興証券には現在二十二件の現職衆参両院議員の株取引口座があること、野村証券には何と百十一件の国会議員の株取引口座があることが報告されております。 私ども日本共産党は、現職国会議員の株取引を原則禁止すること、相続などにより取得した株の売却などの取引についてはその都度衆参両院議長に報告することなどを柱とした、国会議員の株取引の規制に関する法律案大綱を発表いたしました。超党派で、何としてもこの法律制定を目指したいと思います。 総理は、国会議員の株取引は禁止という手法にはなじまないと、禁止には消極的な答弁をしております。公開というのが筋道の通る形だと思うと答弁されております。最近の自民党内の議論を見ましても、株取引は容認、報告も、一銘柄一年の取引で百万円以上の損益のみ報告させてはなんという、非常に消極的な意見も噴き出しているようであります。これでは、国民の政治や証券業界に対する不信を解消することはできません。 国会議員在職中に限って株取引を原則禁止することがなぜできないのか。ぜひ私は、この場で、総理に一歩踏み込んだ答弁をお願いしたい。
○橋本内閣総理大臣 大変失礼でありますが、私は、公開の方がいいということは確かに申し上げております。しかし、それは今あなたがイメージをつくられているような話ではありません。私自身が既に何遍も御答弁を申し上げておりますけれども、私自身は株を保有しています。それは、私が青春時代に勤めた会社の、今はなくなってしまった会社ですが、その合併後の株を依然として持っています。そして、父親から相続した地方の株も持っています。 その上で、今、閣僚及び政務次官は、全部、株式等有価証券の取引を自粛するとともに、在任期間中、保有株式を信託する、これをきちんと行っているわけですが、私は、やはり同じような感覚は、一般の国会議員の場合に、禁止という形がなじむとは本当に思わないのです。仕事を持っておられて、むしろ実業家から政界に転身してこられる方々、そういう方々も現実にはあるわけです。要は、不正がないような取引が行われればいいわけですから、私は、公開というのが悪いと本当に思いません。 ただ、従来から、この点についてはいろいろな御議論がありました。そして、現在、平成四年末にできた政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律で、株式についても公開が行われているはずです。まだ、我が党においては政治改革本部、与党三党でも政治改革プロジェクトチームで検討をいたしておりまして、今議員の御意見も伺いましたが、本質的には、私は各党各会派、さらには国会議員それぞれが十分にお互いに議論して決める話だと思います。その上で、私は公開がいいと考えているということを申し添えます。
○木島委員 熱意ある答弁を得ることができなくて残念であります。これでは私は、政治、行政に対する国民の信頼は回復することができない、橋本内閣には政治不信を解消する能力も意思もないということを、こういう内閣には速やかに退陣願いたいということを申し述べまして、質問を終わります。
○越智委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 次に、北沢清功君。
○北沢委員 社会民主党の北沢清功でございます。 昨日から、大蔵不祥事について今回集中審議を進めておりまして、私は非常にやりきれない思いと、実は国民の不信をいかに政治家として払拭しなければならないかということについては、かたい決意を一層固めた次第でございますが、特に公務員倫理規程というものができて、かくも、事態に対する重大性というものが当事者たちにはやはりわかっておらなかったということ、それから、再発防止を目的とした規程も、内部調査は何の役にも立っていないことが実は明白になりました。 私ども社民党は、土井党首を中心に、去年から政治倫理の問題については与党内で協議を進めておりますし、主張してまいりました。私自身も、公務員倫理についてはきょうで三回目でございます。一番最近はあの公団の井坂理事のあの問題のときでございますが、一月の十九日でございます。やはりそのときも、いわゆる政府の中には、私もそうですが、公務員の皆さんは信頼しているわけです。今もまじめな皆さんもおるわけでありますから。ただ、問題は、比較的上層部の中にこのような不祥事を持たれるということが問題なわけでありまして、当時は、公務員の士気にかかわる問題である、そういう実は御答弁がございました。 私は、やはり先輩がこのような反国民的なことをすることの方が非常に恥ずかしいことであるので、いわゆるアメリカの二十ドル委員会というのがございまして、接待なりまたは贈答についてはある一定額や回数を制限して、禁止をしております。これは、今もこの問題を討議する場合は、届け出制にしようか禁止にしようかということで実は協議を進めておりますが、やはり公務員の立場から見れば、はっきりと禁止した方が、私は、本人の皆さんも気楽であるし、また国民もそういう意味で、業界もそういう意味で再び過ちを犯さないような状況をつくり出せるのではないか、そういう実は思いでございます。 したがって、やはり与党の内部において急速に制定に向けて取り組み、成案を得ることが非常に大事であろう、そういうふうに考えております。 それからもう一つ、私どもがそういう問題を取り上げたということは、実はきのうきょうと、公務員の皆さん、特に大蔵省に対する集中砲火の中で、公務員ばかりではなくてやはり政治家自身がもっと率先して襟を正す必要があるのではないか、そういうことを実は私どもいろいろの面で感じております。特に、業界との中であっせん利得罪、これはいわゆる政治腐敗防止法の制定ということで、今、近くいろいろな面での成案を得るべく努力をしています。また、やはりさきの与党の党首会談でも合意をしました献金自粛の対象を、銀行ばかりではなくて、やはり証券会社や保険会社等にも拡大をすべきだ、全金融機関に、もう政治献金を受けないということを私は積極的に進めるべきだ。そういう意味で、総理のお考えをいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 順番を逆さにお答えすることをお許しいただきたいと思うのですが、後半提起をされました、いわゆる政治腐敗防止のための特別立法の措置、これは今、よく御承知のように、与党の政治改革プロジェクトチームにおいて検討が続けられており、その議論の推移を見守りながら適切に対処していくということをお答えしたいと思います。これは御承知のように、与党三党首の話の中からこの議論を三党で進めることになって、今議論を一生懸命にしていただいています。 また、金融機関からの政治献金の取り扱い、これは、同じこの与党政治改革プロジェクトチームにおいて社会民主党から関連する御提案がなされたと承知をしておりますが、実は、私はまだ細部を十分承っておりません。いずれにしても、ここで適切に議論をされるものだと思っております。 その上で、公務員倫理法について先ほどお尋ねをいただきましたが、私は、本当に倫理規程で対応できると信じておりましたものが、今回の事件、被疑事実を見て、真っ向から裏切られた思いでありました。そして、倫理法の制定に踏み切らざるを得ないという決断をいたしました。同時に、この中には、法律で規制すべきものがどのようなものになるのか、あるいは国家公務員法上の懲戒処分あるいは刑法の関係をどうするか、対象とする公務員をどの範囲にするのか、こうした論点についてまだ論議が残っておることも事実でありますが、政府としても真剣に今その作業を進めております。 現在、自由民主党でもこうした問題に関する委員会が行われておりますし、与党三党の間でも協議をしていただいております。これらと連携をしながら早急に作業を進めていきたい、政府としても努力をしてまいりたいと考えております。
○北沢委員 また、私は、公務員の倫理の質を高めるということはぜひともなさなければならないことでありますが、倫理法の制定だけでは不十分である、官僚機構そのものを見直さなければならないのではないかというふうに思っております。私どもは、勇ましい、激しい糾弾はいたしませんけれども、現実的に、政治を着実に変えていくことに実は努力をしております。それだからこそ、私どもはこの問題が大きくならない前からこの問題に積極的に取り組んでいるという、私は証左であろうというふうに思っております。 私は、巨大な権限を持つ官と業界という構造に抜本的にメスを入れない限りは、システム的な不正が生まれる癒着を断ち切ることは不可能だと思います。その土壌を培う大きな一つの要因というものが、やはり民間企業や特殊法人への官僚の天下りだというふうに思っております。天下りの先が変わるたびに数千万の巨額な退職金を取っておるというようなことも報道されておりまして、とてもこのことは国民の納得を得られるところではありません。 それと同時に、私は、大蔵省ばかりではなくて、今のこの政治というのは、今まで、最近は自粛されてきておりますけれども、全官庁にわたっておりますし、また、いわゆるMOF担にかわるものが、都道府県また市町村の陳情政治である。公共事業の獲得ですけれども、公共事業の単価を何としてもあれして公共事業を伸ばしていかなきゃいけないということの中にも、いわゆる中間経費というのは二五%ございます。実体の建設の資金、事業というものよりも、やはり二五%あるわけですね。そういうものが、やはり景気の好不況により、今言ったようなむだをなくする、そういうものをやってこないと、なかなか公共事業そのものの改革というものは、私はできないんじゃないかというふうに思っております。 そういうことを含めて、やはり天下りを何としてもなくするような努力をしなければいけない。そういう意味で、公務員の再任用の制度を、規制強化を考える上においてすべきだというふうに考えております。そういう意味で、総理のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、いわゆる天下り問題という言葉で形容されます公務員の再就職の問題、これは議員が御指摘になりましたように、公務員と行政に対する国民の信頼を確保していく観点からも、速やかに対応しなければならない問題であるということは、確かに私もそう思いますし、その思いで、政府部内における速やかな検討も指示し、今鋭意検討を進めさせております。 ただ、お考えをいただきたいのは、現実に今人生八十年を超える時代になりまして、現職公務員の諸君が五十歳前後、相当長くその職にとどまったケースでも、五十歳を過ぎてそれほど時間のないうちに退職をしていくケースが圧倒的に多いという中で、第二の人生を職業を持たずに済ませられるほど国は公務員に給与を支払っておりません。そうすると、公務員の退職、再就職のあり方というのは、まさに公務員のライフサイクル全般に係る問題として検討を行わなければなりません。 今、公務員制度調査会におきまして、平成十年度内の基本答申に向けて調査審議をいただいておるわけでありますから、逆に、そのまま単純に、定年まで全部いていいよ、これは総定員法との関係で、若い人々の公務員への道を閉ざす危険性もあります。さまざまな角度からライフサイクル全体としてとらえていかなければならない問題であることは、ぜひ御理解を、この機会を利して国民にも得たいと考えております。
○北沢委員 ライフサイクルの問題も出ましたけれども、今のキャリアと呼ばれる皆さんの退職も、やはり、上の方よりもそのキャリアが届かない場合は五十歳ぐらいでやめるというような、やめざるを得ないというそういう問題もあるわけですね。ですから、そういうことを含めると、やはりもう一度そこら辺の、有能な皆さんがさらに力を発揮できるような位置づけというものがあっていいんではないか、私はそういうように思いますので、この面についてはぜひ御研究をいただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、今回のいわゆる公的資金の問題でございますが、日本のバブルが九一、九二年にいわゆる崩壊をしました。今までの高度成長政策から、その破綻が、金融機関を中心とした、法外な資金を出すことによって、土地というもの、裏づけのない土地というものを担保にして貸し出したわけであります。そのことがずっと今日まで本当の意味で処理をされたかどうかということは、私は非常に疑問だろうと思いますね。当時資産価値を失ったのは一千兆円ではないか。利息まで入れれば一千二百兆円だろうというふうに言われるくらい、実は日本の金融すべて含めて大きなものを失っています。 そういう意味で、この処理がおくれたというか、特にアメリカやイギリスの例を見ると、早くこのことに取り組んでおります。そのことの可否は私はいろいろあると思いますけれども、いわゆる不良債権に取り組んだわけでありまして、RTCというような形でその責任を、法的な処理によって当時二千五百人の人が監獄へ送られたと言われております。 我が国は、バブルの破裂後今日まで、金融機関の不良債権は、早く言えば先送りをされたわけですね。それが突然、拓銀、山一の倒産によって一挙に今日の金融不安というものが噴き出まして、実はそのことが深刻化をしておるということが現実の姿であります。 今回は、深刻化する事態を収拾して、要するに金融制度の安定、預金者の保護という名目で三十兆円の財政投入がされることになりました。私は、不祥事を起こした金融機関への公的資金の投入は、国民のまだまだ支援が得られておらぬように思うわけです。 いろいろそれには原因がありますが、まだまだ不透明なところが残っているからでございまして、今回の公的資金の投入に当たっては、銀行の不良債権処理が前提となっておりますが、現在、銀行の大半が所有している不良債権というものの総額はどのくらいあるかということ、そして、どのような形でその不良資金の見込みをつけるかということ。これも初めはたしか二十三兆から七十六兆、中には百兆というふうに言われていますが、この辺が非常に不透明だということが、やはり見通しのつかない問題でありますから、これを把握しておりましたら、またここで御披露いただきたいと思います。 また、今回申請を受け付けたわけでありますが、公的資金の投入の見通しは、今回で終わるのかどうかということですね、二兆一千億円ですが。そのことが、今回の処置によって、貸し渋り現象とか、または特に言われる銀行による資金の引き揚げ、そういうことでやはり倒産が起きていますし、また中小企業が大変な苦労をしておるわけでありますから、そこら辺について明確なお答えをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 今委員から、大蔵省の職員に対する過剰接待などをした行員のいる銀行については、公的資金の注入は国民の理解がまだ得られないのではなかろうかという御意見でございました。 しかし、これは冷静に考えていただきたいわけでありますが、今回の自己資本充実のための緊急対策というものは、個別の金融機関の安定のためにやることじゃなくして、日本の金融システム全体の安定のために資本注入をするわけでありますので、個別の金融機関の行為とは切り離して考えるべきだということを審査委員会で決められたわけであります。それに基づいて対応されてきたわけでありますが、現在、銀行が申請をして審査委員会で審査がなされているところでございます。 その申請に当たっては、申請銀行は、実は経営の健全性確保のための計画書というのを出すことになっております。その計画書の中で、実は銀行の社会性、公共性を踏まえた適切な経営理念が明確に示されていること、こういった項目があるわけでありまして、その中で、不祥事を起こさないということのための努力がその書類の中に書かれることになっております。それからまた貸し渋りの対策でございますが、これも経営基盤の充実が資金供給など金融円滑化に資するものになること、そういったことも書いて出すことになっております。 そういったことが書いて出されますというと、資本充実のために公的資金の注入を受けた銀行というものは自分で書いて出したわけでございますから、貸し渋りなどをしないで、これこれこういうわけで金融の円滑化に努めますということを書いて出したわけでありますから、そのことを実は誠実に守っていく責任が出てくるのじゃないか、こう私は思いますし、それからまた、審査委員会の方ではその状況を実は注視していくということになってまいりますので、そういうこととあわせて、資本が充実してくれば融資の資金量がふえることになりますので、私は、貸し渋りの解消にも相当に貢献するものだというふうに考えておるところでございます。
○北沢委員 やはり金融機関の経営責任というものが棚上げされたような形でそこに入るわけでして、そういう面では、そこら辺は、今後国民の税金を注入するわけでありますから、厳しくひとつ対処していただくように特に要望しておきたいと思います。 次の問題に入りますが、いわゆる金融ビッグバンの問題で、この四月から行われるわけでございます。 その目指すところはいろいろあると思いますが、そこら辺も含めて、日本の金融状況がこういう状況でございますから、いわゆる国際化ということでありますから、外貨の草刈り場になりはしないか。または、日本の低金利問題。昨日も我が党の上原議員からお話、要望がございましたとおり、そういうことを含めて、日本の資金が非常に外国に流れていく。そういう意味で、日本としての環境なり準備なり、そういうものがあと一月のところでございますから、どのように整備されておるかということをお尋ねしたい。 それと同時に、私は、消費者の面から見て、非常に、既に外国資本が入りまして、あらゆる面で、契約だとかそういう面で無防備な状態であります。したがって、競争は激化するけれども、やはりまだまだ自己責任の中にあるわけでございますが、しかし、消費者から見ると、いろいろな抵当証券だとか変額保険問題を含めて、訴訟が続発をしています。 ですから、そういう意味で、もっと国内の消費者に対する保護というものが、現行の枠を乗り越えて、金融サービス法というようなものがセットされていくことが必要ではないかというふうに考えるわけですが、政府としてのお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今議員からも、消費者という言葉で、利用される方々の利便というものを強調されながら金融システム改革についてお触れをいただきました。 これは何といいましても、一つは、個人金融資産がより有利な運用、あるいは成長産業に円滑な資金供給が得やすくできるように、我が国の金融システム自体をすぐれたものにしていきたい、そして、我が国の金融・資本市場というものを抜本的な構造改革をしたいというものでございます。 当然ながら、これは市場を利用する人々の視点に立って進められるものでありますけれども、同時に、これは証券会社の専業義務の撤廃あるいは金融持ち株会社制度の整備など、金融仲介者のビジネスチャンスも拡大する、そうした施策もこの中には盛り込まれています。そして、そうした施策を踏まえて、それぞれの仲介者が創意工夫を凝らしながら競争を行っていくということは期待されるわけであります。 同時に、一般の利用者が、今幾つかの商品名を議員もお触れになりましたけれども、多様化、高度化した金融商品、サービス、これをそれぞれの目的、ハイリスク・ハイリターンを考えられるのか、それとも安定した運用を考えられるのか、それぞれの利用者の選択にかかるわけでありますけれども、これを安心して享受できるように適切な情報を提供するという、利用者保護のためのルールの整備などを行おうとしているわけであります。 今後とも、この金融システムの安定性確保というものには万全を期していきながら、同時に、既に明らかにしたスケジュールに従って、一般の利用者の保護というものも当然視野に置きながら改革を着実に進めていきたいと考えており、委員の御協力もぜひ願いたいと考えております。
○北沢委員 やはり、特に競争原理といいますか、そういうものが激しくなってまいりまして、私は、ずっと耳を澄まして、金融に限らず国民の暮らしの中に、例えばリストラとかまたは失業問題が相当深刻になっています。これは相当景気の回復の足を引っ張る大きな要素になるわけでありますから、その中身も派遣労働者だとかパートというものが多くなっておりまして、そういう面では、一家の主人である成人の方が失業されるということはこれは大変なことですね。 ですから、そういう意味で、いわゆる市場原理や競争原理や、または規制緩和がすべてだという形で考えていくと、私は大きなひびが入るんではないか。これは、既にイギリスやフランスやドイツの例を見ても、最近の政変の中心はそこにあるわけですから、そういうことを含めてひとつ慎重な対応をしていただきたい。 視点も、やはり弱者やまたは実際に毎日まじめに働く皆さんのところに視線を上げたような目配りをしていかないと、思わない障害にぶつかるのではないか、そういう気持ちで私はいっぱいでございます。 そのことを特にお願いし、首相の御決意をいただいて、終わりたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今申し上げましたように、確かに、金融システム改革というものの中から新たな仲介業者とか分野が生まれてくることも期待されますし、同時に我々は、一般の利用される方々の安全というものを常に考えなければなりません。 議員からは、これに加えて、雇用問題に対する対応というものも御指摘をいただきました。特に今、失業率三・五という極めて私どもにとって深刻な数字を抱えている状況であります。御注意にも十分留意してまいりたいと思います。
○北沢委員 終わります。
○越智委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、大蔵省不祥事問題等についての集中審議は終了いたしました。 次回は、明十一日午前十時より公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十三分散会