予算委員会 第21号
- 発言数
- 298 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/09
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 この際、松永大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。松永大蔵大臣。
○松永国務大臣 去る三月五日、大蔵省証券局の課長補佐及び証券取引等監視委員会の上席証券取引検査官が収賄容疑で逮捕されました。 私は、同日夜、次のような談話を発表いたしました。「一、今般、新たに、榊原隆及び宮野敏男が収賄容疑で逮捕されたことはまことに遺憾であります。 二、先般の金融検査部の職員の逮捕に引き続くこの逮捕により、金融行政全般にわたって国民の信頼を損なう結果となったことを深刻に受けとめており、心からおわびを申し上げる次第であります。 三、捜査当局の捜査の進捗状況を踏まえて、本人及び関係監督者に対して、厳正な処分を行う所存でございます。 四、大蔵省は国民の信頼を大きく損なうこととなりましたが、金融システムの安定化を初め、我が国経済をめぐる課題は山積しており、行政の停滞は一刻たりとも許される状況ではありません。この一連の事態の原因を究明し、国民の負託にこたえていかなければならないと考えております。 五、このため、就任直後から取り組んでおります綱紀の一層の保持と、透明性の高い行政への転換について、早期に実質的な成果を目に見えるような形であらわせるように、職員一人一人の自覚を求めつつ、先頭に立って、全力を尽くしてまいる考え方であります。」 以上の談話で申し述べましたように、私としても、国民の信頼回復のために全力を尽くしてまいる所存であります。 —————————————
○越智委員長 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 本日は、景気、経済及び金融問題についての集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保岡興治君。
○保岡委員 自由民主党を代表いたしまして、今越智委員長が言われました課題について、質問をさせていただきたいと思います。 まず、今、国民の皆様は、もう大変厳しい状況の中で、毎日生活や経済活動あるいは子供さんの教育の問題とか必死になって取り組み、頑張っておられるのだろうと思います。一昨日も、鹿児島で自由民主党の県連の会合がございまして、私、帰ってまいったのでございますが、皆さん口々に、地域の経済が大変厳しい、苦しい状況にあるということでございました。地域を守るために、万全の対策をぜひ橋本総理にとっていただけるようによろしくお伝えいただきたいと。鹿児島は、橋本総理のファンがたくさんいるところでございます。 全国に共通する問題だと思いますので、一言、今の国民の直接の声に、総理からお答え、メッセージをいただければ幸いでございます。
○橋本内閣総理大臣 そうした声、いろいろな角度から届けられますものを本当に厳しく受けとめております。そして冒頭、松永大蔵大臣から御報告を申し上げましたように、今、国の行政、その中核としての自負を持っておりました大蔵行政が、大変厳しい国民の御批判を受ける立場になりました。 しかし、そうした中におきましても、国政を停滞させることは許されませんし、一方では、事態の究明、解明を、そしてなぜこうした事件が起きたかをきちんと国民の前に明らかにする努力をしながら、国民の日々の暮らしに御迷惑のかからないような努力をこれからも続けていきたいと考えております。
○保岡委員 今、総理も言われましたとおり、今の時代というのは非常に次々と大変なことが、予想もしないようなことが起こってまいります。オウムの地下鉄サリン事件とか神戸の少年の殺人事件、いじめや自殺、あるいは生徒の教師刺殺事件や、最近は経営者やあるいは国会議員の自殺、ここ数年役所の、厚生省その他、今大蔵大臣や総理からもお話がありました大蔵官僚、官僚中の官僚の大蔵省の不祥事、こういったことが連続して、これでもかこれでもかと襲ってくるように起こってまいります。 これは、私は、日本がやはり大きな歴史の転換期に差しかかっていることを歴史が教えてくれているんだろう、時代がシグナルを送っているんだろう、そう思えてなりません。日本が進むべき新しい道はどうあるべきなのか、日本は未来にどういう国になっていかなきゃならないのかということをしっかりと見出すようにということを歴史が求めているんだろうと思います。 今、総理には、そういう大きな時代的な使命が背負わされている。大変だろうと思いますが、私は、総理に、御自身の信念と価値観を持って、この国に対して本当に未来を開いていく政治のリーダーシップを心から期待するものでございます。 そこで、大蔵省の不祥事の問題でございますけれども、先ほど大蔵大臣からいろいろお話がございました。確かに、官僚の今次の不祥事は、金融検査官とかあるいは証券監視委員会の、いわば準司法というべき部門にまで広がって腐敗が進行している。これは本当に重大な問題だと私も思います。 したがって、大蔵大臣が、調査をしっかりするんだ、そして、した上で、その原因などもよく見きわめた上で厳しい処分をし、けじめをつけると同時に、将来の公務員のあり方を求める、こういう趣旨のお話がございましたが、私も、今次のこの不祥事というものは、単に事件そのものの原因究明や処分という一時の問題にとどまらず、先ほど申し上げたように、新しい日本の官僚像というものをこの際考えよ、そして新しい日本の公務員のあり方、姿というものを私たちがしっかり考えていくことを求めているものだと思われてならないわけでございます。 そういった意味で考えますと、日本の官僚というのは、明治以来、日本の国を引っ張ってきた。そして、我々もまた官僚に大きく依存してやってまいりました。いわばサッカーで、審判が指導員みたいになって選手と一緒にゲームをやってきた。しかしこれからは、審判は審判として、ルールとそして行政のあり方をしっかり説明しながら、司法と一緒になって、官僚のやっていることも準司法的な事後チェック、そういったものに変わっていく転換期にあると思います。 したがって、私は、行政の裁量の大きさ、あるいは公務員の生活として潤滑油という形で半ば習慣になっていたいろんなことなどを改めて、新しい時代の公務員像というものを求めることがとても大切だと思います。 大蔵大臣に、そういった考え方についての所見をお伺いできればありがたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 私は、いつの間にか官僚、公務員の中に、国家国民に奉仕するんだという精神、それが薄らいできた人が相当いるんじゃなかろうか。難しい言葉で言えば倫理観の欠如ということになるのかもしれませんが、少なくとも国家と国民のために一身をなげうって働くんだという気持ち、この気持ちはきちっと持ち続けていただくことが一番大事なことではなかろうか、こう思っております。そういう意味で、公務員本人、一人一人の倫理観をここでしっかり取り戻してもらいたいというのが私の願いの一つです。 もう一つは、先ほど保岡先生が言われたように、行政のあり方というのも変えていかなならぬというふうに思います。今までの行政は、ややともすれば事前指導型あるいは裁量型の行政であったと言って差し支えないと思いますが、これからの行政は、明確なルールを国民の前に明示し、そのルールに従った行為がなされておるかということを事後的にチェックする、そういう事後チェック型の行政に切りかえていくことが大事ではないか、こう思っております。そういう考え方で今後の改革を進めていきたいと考えているところでございます。
○保岡委員 大蔵大臣のまさに言われたとおりだと思うのですね。私は、これから自己責任、確立された自己というものが、創意工夫、本当に濶達に頑張ってこそ新しい日本の活力が出てくるのだろうと思います。そういった意味では、公務員は一歩、事後チェックになるけれども、しかしながらよく法律というものを理解して、アカウンタビリティーというのか情報開示というのか、国民にいろいろきちっと説明していく責任がある。そういうのを明るくオープンに、濶達にやることが私は必要だと思います。 そういった意味で、先ほどお話ししたように、これからの公務員像というのは時代が求める中でどういうものであるべきかということを根本から考えて、この機会に新しい公務員像のスタートが切られた。二十一世紀の日本は、あのときの努力が今日の立派な行政をつくり上げ、公務員の姿を手にすることができたスタートだったということになるように、ぜひ総理や大蔵大臣に、全省庁を頭に置いて問題に取り組んでいただければ幸いだと思います。 次に、金融、経済の問題に移りますが、昨年の暮れ、私は、郷里に帰る途中でタクシーの運転手さんとお話をしました。タクシーの運転手さんというのは経済に大変敏感な方たちで、いつも話題にするわけです。そうすると、そのときに、実は橋本総理が二兆円の減税を決断してくださったおかげでちょっとほっとしたけれども、しかし翌日でしたか、東食の倒産があって、一気に株価がまたそれ以上に下がってしまったというようなことから、こういう状況が続いたら日本は一体どうなるんだろう、私たちの生活や経済はどうなるんだろう。 実は、そのときに話題になったのですが、トイレットペーパー事件というのがオイルショックのときにありました。国民が列をなして店に並びました。異常な姿でありました。そしてまた今次の、十一月の大型金融破綻から生じた国民の経済不安というか、一気に先行きの見通しが立たなくなってきた。この状況は、まさにオイルショックと同じように、消費というものが一気に冷え込んでいく姿であると思います。そういった、今は金庫が売れる、保険も解約すれば損だとわかっていながら解約する、こういった消費者の心理というものは、支出にも大きく響いてくるだろうと容易に想像することができます。こういった状況を運転手さんは簡単な言葉で説明したのだと思います。 しかし、あのときに私は、政調会長と総理大臣の官邸にお訪ねしました。三十兆円規模の金融安定化対策を御説明し、即座に決断をいただきました。そして、それに先立って、政府も経済緊急対策、あるいは自由民主党も国民緊急経済対策を三次にわたって打ち出して、そしてマクロ経済についても、税制を含めてあらゆる対策を講じてまいりました。 そういった、総理を中心とする我が党の政治の決断、リーダーシップが、実は年初来心配され、もっと企業が倒産したらあっという間にもっと経済が混乱して、健全なものまで、金融機関を初め企業が倒れていくような事態になりかねない。世界の経済の成長センターと言われたアジアが、だれも予想しなかった、あっという間に昨年の夏から崩れていったことを想定すると、日本もそういう危機があったのではないだろうか。それが、先ほど申し上げた金融対策、経済対策の我が党の政治のリーダーシップによって、私は未然に防げたものだと思います。 総理に、その点についてのお考えを、御感想をお伺いできればと思います。
○橋本内閣総理大臣 私自身、今議員からも御指摘がございましたように、与党の協力も得まして、経済や金融、あるいはアジアの通貨危機など、国際経済の状況の変化を受けとめながら、臨機応変の政策展開に努めてきました。 私は、このような考え方はいかなるときにも必要な考え方ではないだろうか、そのように思っております。
○保岡委員 次から次へ起こるいろいろな問題に対して、総理が常に臨機応変に決断をして対処していくのは当然だと言われましたが、私もまさにそのように思います。 昨年の夏以来、アジアの経済危機が始まって、国際的な投機筋が日本売りを始めた。株を手放し、売りに走ってまいりました。それが十一月の大型金融破綻と相まって一気に進んで、日本の経済の落差をもうけようと、すごい勢いで日本の売りに入ってまいりました。そういった状況が実はこの一月来ストップしたということが、私は一つの大きな、今、株価が安定している、外人の投資家の動きというものが反映していると思います。 しかし、それは三月期末を考えた政府の強い決意、先ほど申し上げた金融安定化対策あるいは経済マクロ対策、これは幸いに、金融二法案も補正予算も少しおくれはしたものの成立して、今の経済に立派に支えになっていると思います。あの急激に冷えた消費がやっと下げどまり感が出てきたり、住宅の着工件数が横ばいになったことは、非常に、消費者心理がとまった、安定して将来を期待し始めたというふうに見えるのでございます。 そういった意味で、また、アジアの経済危機に対して、貿易が日本は四割も占めている。それが輸出も輸入も、向こうの通貨の関係で輸出は非常に困難になる、激減する。本当は向こうからする輸出はアジアの諸国にとっては大変経済の回復に重要なことであり、我が国もたくさん向こうの輸出を受け入れてあげるという経済環境が必要ですが、それが思うようになっていないで、向こうの輸出が伸び悩んで、アメリカやヨーロッパにそれが流れている傾向にある。 そういったことなどを考えますと、私は、三月期末に対する政府の強い決意というものが、やはり内外の日本の経済の信認というものにつながって、下支えになっている。しかし、私は、先ほど申し上げた、消費が下げどまってきたのはいいとしても、消費の低迷の影響が企業収益に反映して、設備投資とかあるいは雇用というものに今度は重大な影響を与え始めているのではないだろうかということを懸念するのであります。そしてまた、先ほど申し上げたアジアの貿易に対する対処も、アジアの危機に対する日本の責任もあると思います。 また、ビッグバンをこの四月から断固として行うということであれば、これはその国際市場の中で、外国のビジネスチャンスを求めて入ってくる方々と肩を並べて競争して、そこで本当に強い、能力の高い日本の企業というものをつくっていこうということでございますから、体力をつける必要がある。そういった経済の体力。競争するのだったら体力をしっかりつけて競争に臨んで、あすの日本を、構造改革を進めて立派な経済国家にしていく、こういった備えが必要だという意味では、三月期以降、国民が、内外が、本当に臨機応変の経済対策を求めているということは私は間違いないことだろうと思うのです。 しかし、そのためには、私は、総理がたびたび言っておられるように、まず今日まで緊急避難的に行ってきた諸対策、そういったもので小康を得ているが、しかし本当にそれを将来につなぐためには、八千五百億の減税とか、あるいは新しい日本の将来に必要な投資を含んだ十年度予算というものを一日も早く成立させる。そのことが、政治の停滞を招かず、経済に不安を与えない最大の眼目だと思います。 今私が述べたことについて、お考えを聞かせていただければありがたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今日まで、その臨機応変の措置として、補正予算、この中には一兆円の公共事業、一兆五千億円のゼロ国債、特別減税、そして金融システム安定化策など、次々の対応をしてまいりました。そして、十年度予算、今御審議をいただいているわけですが、その中には、将来につながる情報通信産業を初めとする新たな科学技術をいかに産業に結びつけていくか、同時に政策減税等も含まれており、これが一日も早く通過、成立をし、実際の行動に移せることによって相乗効果が上がっていく。これを期待し、一日も早い御審議をお願い申し上げております。
○保岡委員 私は、総理の言われるとおりと思います。いろいろなことが次々起こり、課題は大きいのですけれども、これは、私は今の時代が総理に求めている本当に大きなシグナルだと思います。そしてまた、それを果たしていく責任が日本の総理大臣にはあるのだろうと思っております。 今お話がありましたとおり、経済の状況というものは生き物で、またアナウンス効果とかメッセージというのも非常に大事でございます。私は、いろいろ与野党の内外から起こっておるこういった問題についての議論、これは例えば野党の諸君のように、こういう経済の危機、困難を政争の目的に据えて、失政である、失政だから退陣しろという目的に結びつけていろいろ論陣を張っておられるような、そういう感じもある。そういったものには、私は、世界や日本に対する、国民に対して断固たる姿勢で経済運営をしていく必要があるが、しかし、聞くべき意見というものもその中にたくさんあると思っております。 私も、そういった意味では、我が党の中にもいろいろ議論があるが、そういった意見の中には本当に傾聴に値する意見もあると思います。政府にはいろいろお立場や考え方もあると思いますので、そして、総理はそれに対して臨機応変に対応すると繰り返し言っておられますので、私は、そういった党内や野党の皆様の貴重な意見もまたあわせて心にとめて、今後の経済運営に自信を持って当たっていっていただきたい。 私は、昭和恐慌の例を顧みるまでもなく、やはりこういうときには与野党は協力し合っていく、意見の違いは選挙で問えばいい、私はそう思っているのでございます。そういった意味で、ぜひ総理にリーダーシップを発揮していただければありがたいと思っております。 そこで、今日本が抱えている問題の中で最大の課題は、やはり金融にしても経済にしても、不良債権の処理がおくれたことに私は最大の問題があると思いますし、またこれが、土地の流動化を図るということが、私は非常に大切なメルクマールになるのじゃないかと思います。 そういった意味で、今、党で、不良債権処理トータルプランというものを実行していこうということで、案を党の中でみんなで議論をしているのでございますけれども、その中で一つの大きな柱は、今度政府が提出していただけるSPC法、不良債権や担保不動産を証券化して、流動化して解決していく。こういった市場の環境整備というものを、実は政治的にリーダーシップを持って整えていこうということで努力をいたしております。 その中に、一つは、不良債権をSPCに譲渡するときの評価機関というものが非常に大切だ。その評価機関の公正中立な評価が即国税庁の税務処理、いわゆる無税償却や低廉売却というものの円滑迅速な処理、このことがとても大切なようです。一件の不良債権の処理に三カ月も六カ月もかかるという話を聞くと、このニーズがとても大きいと考えなければなりません。こういった評価機関の設立、あるいは不良債権の回収を実行する民間サービサーの問題、こういった問題を実現していくことが不良債権処理の有効な手段だと思います。 そこで、まず大蔵大臣に、SPCによる不動産証券化の市場の育成、環境整備ということについて、党が努力していることについて、御所見を伺えれば幸いでございます。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今委員も申されましたように、我が国経済の安定的成長を図っていくためには、金融機関の抱えている不良債権の処理は極めて重要なことであると考えております。 そのための一つの方策として、今委員が申されたように、不良債権処理を迅速化させるための仕組みとしてSPCというものが検討されておるわけでありますが、政府としても、SPCによる不動産、債権等の流動化に関する法案及びその整備法案を今国会に提出する予定になっておるのでございます。同法案を成立させていただいて、そうしてSPCの発行する証券の流通市場が発達していけば、不良債権処理の迅速化にも資するものと実は期待をしておるわけであります。 また、今委員の発言の中にもありましたけれども、不良債権処理においては、債権、不動産の評価が適正であるということが求められておると思います。また、自民党内で検討されておるサービサーの問題については、大蔵省としても重要な課題と受けとめているところでございます。
○保岡委員 今、サービサーについては、特にこれは議員立法で努力してやろう、弁護士会と、弁護士業務独占との関係での調整がなかなか時間がかかるということで、実は議員主導でやってもらいたいという考えもありますので、政府と協力してぜひ実現していきたい。 こういった努力というものを、預保の理事長の松田さん、どういうふうに見ておられるか、ちょっとお考えをお聞かせいただければと思います。
○松田参考人 お答えいたします。 一昨年の六月以来、私ども預金保険機構といたしましては、中坊さんが率いております住宅管理機構と、それから水野さんの率いる整理回収銀行と一緒に不良債権の処理に当たっております。現在正念場でございますが、それぞれ頑張っておりますけれども、そういう立場にとりましては、このたびの先生の御指摘、問題意識はまことに力強く、大変にありがたい、こういうように思っております。 と申しますのも、私どもの回収の第一線に当たっております職員の大部分は、破綻をした住専の職員、あるいは破綻した金融機関の職員でございます。そういたしますと、与えられた任務が不良債権の回収でございますので、それをやればやるほど将来性がなくなるといいますか、仕事がなくなる環境にあるわけでございます。 そうしますと、そういう将来に対して不安を持つということは、即回収意欲の阻害にもなりますので、ここで民間サービサーへの再生が将来図れるならば、これに増すことはないということで大変歓迎をいたしておりまして、今後とも私どもも、それにつきましてもし私どもの方で御協力できるところがあれば御協力させていただきたい、このように思っております。 それはそれといたしまして、現状から申しますと、私どもは公的な債権の回収に当たっておりますので、公的なサービサーと言えば言えると思います。なお、その意味でも、与えられました責務につきまして、精いっぱい三機関で力を合わせて回収体制の強化に努めてまいりたいと思っております。
○保岡委員 私も、民間サービサーがアメリカのように主体でなきゃいけない。一般金融機関の不良債権というのは、今預保で扱うことはできない、破綻金融機関の処理になっております。しかし、一般金融機関の不良債権の処理の中にも、権利関係が非常に難しい、あるいは不正な勢力による妨害などが複雑に絡んでいるものもあります。そういったものについては、私は、民間サービサーの委託によって預保が引き受けるというような制度のあり方も、今後検討していければと思っているところでございます。 さらに、SPCの証券化を進める上で、これは先ほど大蔵大臣もいろいろ述べていただきましたが、やはりアメリカでも、市場が根づくまでは政府が不良債権の、トータルで何本も集めますと回収率というのがかなり統計学的に正確に予測できるということで市場が生まれてきたということでありますが、最初はその確率というものを政府が保証するという形で市場の誘導を図ったという例もありますので、私は、大型の公的な投資機関とか民間の生保などが乗り出せるような環境整備には、公的にもある程度支えをして、何らかの誘導策というか、市場を支える、そういった工夫も必要だと思います。 この点についても、また政府にもいろいろ御相談しながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 もう一つ、私はどうしても聞いておかなければならないことがあるわけですが、それは金融安定化の今度の三十兆規模の対策でございます。これは、橋本総理を初め党内の大変な議論の中で、宮澤本部で立案をしたものでございます。しかし、この金融安定化というもののスキームについては、銀行になぜ三十兆も入れるんだというような、国民に疑問のあるのもよく聞かされるところでございます。 しかし、先ほど申し上げたように、金融機関を含む健全な企業体を壊滅的な状況に陥れる金融破綻の恐ろしさということを考えれば、それを未然に防ぐ制度、手段が政府に必要だったことも事実であります。今日、それがあるからこそ小康を得る状況を手にできている、私はそう思います。このことについては、外国も評価している。 しかし、このたび横並びで資金の投入が図られるような動きがあることについて、また護送船団ではないかという意見もあります。しかし私は、この金融に対する資本注入というのは、市場原理からいえばむしろ禁じ手でございまして、護送船団というよりかは危機管理法制、経済危機管理体制というスキームであって、決して通常の政策ではない。そういった意味では、一時的、限定的、緊急的な対策であって、金融が安定化すれば、これはやめなければならない。 私は、そういった意味では、この金融の十三兆の資本注入の手段は、四月から実施されるビッグバンの政府の大方針にいささかも反するものではない、断固ビッグバンはビッグバンで進めるということだと思いますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今回の措置は、委員御指摘のとおり、時限的かつ緊急的な対策でありまして、三年間の時限措置であるわけです。 先ほどから委員の発言の中にありましたように、金融システムについての信頼が揺らいできた場合にどういうことになるかということ、実はそのことが去年の十一月、十二月のあの厳しい日本の経済の状態になった。何としてでも日本の経済を安定させ、将来に向けて安定した成長を確保していくためには、一番大事なのは金融システムの安定あるいは金融システムについての内外の信頼、これが一番大事なことだと思います。それを実現するための緊急的な措置として、今委員御指摘のような、公的資金を活用しての民間金融会社に対する資本の注入、こういうことになったわけであります。 そして、公的資金でございますから、その活用の仕方はあくまでも公正でなければなりませんし、いろいろな面での審査をきちっとやった上でなければなりません。そのために、両院の同意を得て任命をされた三名の民間委員、そして預金保険機構の理事長、日銀総裁そして私で、今、厳重な審査をしながら、資本注入という作業に入っているところでございます。 なお、護送船団方式という言葉が時々聞かれるわけでありますが、申請するかどうかはあくまでも民間金融機関が自主的に判断をして申請をするわけでありますので、今度の場合に護送船団方式という言葉は当たらないというふうに思っております。
○保岡委員 私は、今度の措置は、トリプルAの政府、信認の厚い、世界一の債権国である、あるいは外貨保有高でも群を抜く存在である、こういった我が国の経済の安定した状況というもの、こういったものと信頼の低下した金融とがしっかり手を握って内外に宣明してみせることによって、日本がすきを見せないで、そうして経済を運営していくことにあったと思います。 同時に、貸し渋り対策とかあるいは不良債権の処理とか、そういったことにもこれは結果として大きな意味を持ってくるのでありまして、そういった意味では、これを機会にリストラをしっかりと、やはり金融機関にこれをてこに実行していただく。 そしてまた、私は、そういう中で、あるいは金融の再編という中で淘汰されていく銀行に対しては、預金者保護とそれから受け皿となる銀行に対する十三兆円の資金注入、これがこれからどんどん出てくる可能性もある。私は、そういった意味では、預保が今度審査するに当たっては、そういうことを頭に置いていろいろやってもらえるものだと期待をいたしているところでございます。 そこで、次の質問に移りたいと思いますが、私は先ほど大蔵省の不祥事のところで申し上げたように、行政は性質が変わってきている。事前指導的な立場から事後チェックに、準司法のような形になってきて、むしろリーガルマインド、法のあり方というものを国民によく説明して、その上で国民には自由に濶達にやっていただく。 そういった意味では、行政にかわって実は司法が国民と一緒にゲームをするというのではなくて、行政も準司法的役割、審判に返り、司法はなおさらそれを担保する司法として後ろに控えるが、国民に身近な存在として、行政にかわって大きな社会の枠組みとして重大な使命を帯びてくる。これが、国際的にも日本が信頼される、大きな二十一世紀へ向かっての柱にしなければならないものだと思います。 そういった意味では、総理に昨年の予算委員会で私質問させていただいて、適切に対処していくと決断をいただいて以来、党でも司法制度特別調査会を設けて検討し、グランドデザインを秋にまとめて、今二つの分科会で検討を始めています。これは、司法が国民のニーズにこたえるべきだという意味で、我々が国民を代表する立場で、政党として努力をしているということです。 いずれは政府の方できちっと、行政改革会議の後に続くものとして司法改革の何らかの検討する場をつくっていただいて、そして司法の二十一世紀のあり方を政府でも検討していただいて、幅広く国民が議論していくことによって、行政から司法へという新しい時代をつくっていくことが可能になるものだと思います。 そういった意味で、総理には大変御指導いただきながら頑張ってきたところですので、まず総理から基本的なことだけお答えいただいて、その後大蔵大臣や法務大臣に伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 いわゆる法の支配というものを拡充発展させる、これは一方で、我が国が規制緩和を推進し、あるいは規制の撤廃を推進して、従来の事前管理型の行政から事後監視、救済型の社会に変わっていこうとするとき、これは国際社会の中で信認を得て発展を追求していく場合でも欠くことのできない分野になります。 我が国の社会にとりまして司法が重要である、これは当然のことでありますし、その機能改革をもっと拡充強化すべきだという視点から唱えられた議員の御主張、これは私は確かに同感をし、司法改革の必要性というものをそのとおりに受けとめました。また、昨年十二月の行政改革会議の最終報告でも、同じような指摘をちょうだいをいたしております。 私は、アメリカ型の訴訟社会というものは、必ずしもこれがいいと思ってはおりません。しかし、やはり国民の権利などを保全し、人権を擁護するその重要性というのは当然のことですし、今後、司法の場におきましてさまざまの権利あるいは利益に関する法的な紛争というものをどうやったら適速、適正かつ迅速に、適速という言い方は少し私の造語になっちゃうのですが、そのまさに適速に、的確に迅速に処置、対応することができるか。同時に、さまざまな形の違法行為というものに的確に対処する必要性というのは一層高くなりますし、司法というものがその要請にこたえてもらわなければなりません。 そうした思いで司法改革あるいは司法機能の充実強化にこれからも積極的に取り組んでいきたいと考えますし、議員が今提起をされました何らかの検討の場を設けるべきだという御指摘は、いろいろな考え方があり得ると思います。私は、委員の御提言も含めて、今後考えていきたいと思います。
○保岡委員 今総理が最後に、検討の場をまたいろいろ検討していきたいということをおっしゃっていただきました。これはもう日本にとって大きな、外国から見ても重大な政策の位置づけだろう、そう思います。 そういった意味で、下稲葉法務大臣、私は、国民から幅広く意見を聞く、法曹三者は参考に意見を聞いて、国民が二十一世紀の司法というのはどうしたらいいんだということを検討していただく。しかもその検討の委員会のメンバーは、次の時代の若い世代にできるだけ識者を求めて検討していただくような、そういう形がいいんじゃないか。そういった意味では内閣にそういう機関を設けるのが一番適切ではないかと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○下稲葉国務大臣 今委員御指摘のとおりに、国家の基盤を支える司法の果たすべき役割は今後一層重要になるものだ、基本的にまずそういうふうに認識いたしております。 そこで、お話がございましたように、率直に申し上げまして、国民が司法をもっと身近に感ずるようなことが大切でございますし、紛争を未然に防止するなど社会のニーズにこたえなくちゃならない。 そういうような角度から、法務省といたしましてもいろいろなことをやっておりますが、委員御承知のとおりに、今回、法律を国会にお願いいたしました。裁判所法及び司法試験法の一部を改正する法律案をお願いしてございます。これは、司法修習生の制度の問題でございますとか、あるいはその前提として裁判官の増員等の問題、今七百名を一千名にする、将来はさらにそれを増員しようというようなことを視野に入れてやっておるのは、御承知のとおりでございます。 人権の問題につきましても、これは一昨年法律ができまして、昨年、人権擁護推進審議会というものができました。人権教育、啓発に関する施策について審議いたしておりますけれども、それと同時に、人権侵害の場合の被害者救済施策等々についてもお願いいたしておるわけでございます。これは五年の時限立法でございますので、それはそれとして、いろいろやっておる。 さらに、司法の一角を占めます少年法の問題についても、御承知のとおりに、今議論を始めていることですし、それから法制審の問題につきましても、新聞にも一部報道されているようでございますが、いろいろやっているわけでございます。 そういうふうに法務省としてもいろいろ努力いたしておりますが、今委員御指摘のようにいろいろ重要な問題もございますし、委員の御指摘の趣旨を十分踏まえまして、国民的見地に立って、主体的に司法改革及び司法機能の充実に一生懸命努力してまいりたい、このように思います。
○保岡委員 検討の場についてはできるだけ、またよくみんなで議論して、いいあり方を求めていきたいと思います。 そこで、司法は、弁護士の数が少ない。裁判官の数も、圧倒的に諸外国に比べても少ない。検事も不足して、いろいろな事件が起こってきて、もう検事さんも死に物狂いで、死ぬような思いで頑張っている。法務省もまた、いろいろな法改正で、民事局などはもう徹夜で徹夜で、これまた殺されるのじゃないかというぐらい頑張らざるを得ない。要するに、司法という分野を今まで少し薄く見てきた結果が、今、時代の流れの中で本当に大変な状況をつくり出しているようなところがあります。 大蔵大臣に、実は財革法の中に基本方針、司法の予算は、前年度以下に抑制すべきものというその他の項目にバスケットとして入っているようですが、これはいささか、これから拡充強化していかなきゃならない司法のコストを支える経費の決め方としては、私は問題があるのじゃないだろうかと思いますが、どういう工夫が可能か、司法のこれから必要とするコストについて、大蔵大臣としてのお考えを伺わせていただきたいと思います。
○松永国務大臣 突然のお尋ねでございますので、私が日ごろから考えていることについて申し上げますが、国民の目から見れば、日本の司法、すなわち裁判手続、民事裁判であろうと刑事裁判であろうと非常に時間がかかる、このことについて国民は大変な不満を持っていらっしゃるのだろうと思う。これは、裁判官の不足あるいは検察官の不足もあるのかもしれませんが、要するに、こういう点についての改革をしていかなければ、国民は我が国の司法について本当に信頼していくのだろうかという点を私は考えておりました。 そこで、予算とのかかわりでございますが、今申した司法改革の動向、これをしっかり踏まえる必要がありますし、今後とも、その動向を踏まえつつ、司法当局と相談しながら、必要な分野には予算配分がきちっとなされるように適切に対応していかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。
○保岡委員 その他の経費というのはバスケットだと伺っております。その中ではめり張りがつけられるというふうに伺っていますので、ぜひ司法の予算は、あの決め方の中でもできるだけ膨らませて対応していただけるように、よろしくお願い申し上げます。 これで、質問の時間が参りましたので山本先生に譲りたいと思いますけれども、最後に私は、やはり今の時代は官僚が、縦割りの行政の中で総合的な政策立案にはどうしても時間がかかるし、そして、それぞれの部署が、未来の絵のあった時代、スピードがゆっくりしていた時代には、官僚に何でもお願いをして、そこで答えを出してもらうということが可能で、それがまた安定した日本の発展をつくってきたと思います。 しかしこれからは、急激な変化に対して、先のことは神様しかだれもわからないのですから、政治家がリスクを負って、きちっと自分の価値観と理念で決断をして方向づけて、そうして官僚がその枠組みの中で政策を具体化する、そういった官僚と政治家の協力が非常に重要な、新しい政治の姿だと思います。 そういった意味では、昨年総理に、ストックオプション、自社株消却について議員立法と政府と協力してやれということで、もしあれをやっていなかったら今でもできていないということを考えれば、いかに政治主導でいろいろな対策をやっていくことが大事であるか。今度の金融安定化対策にしても総理の決断、あるいは二兆円の減税にしても総理の決断、こういった決断が間違いなくあすを開いていく。官僚はそのリスクを負うだけの、実は決断の立場にないとむしろ言ってもいいのじゃないだろうか、そう思えてなりません。 私は、これが新しい時代の政治の姿として定着していくことを強く求めながら、また文部大臣に実はお伺いしてみたかったのですが、チャータースクールというのを出して、そしてこれも議員立法でやって、自分たちで工夫する学校というもの、そうしたら、いじめの問題も地域の問題も家庭の問題も自分たちで、文部省がじゃなくて、自分たちが本当にこれならいいというものをつくっていく。そういった、国費が面倒は見るが、学校のあり方は父兄と先生で決めていく、そういう制度をつくったら、公的な学校も刺激を受けて、そして新しい教育がそこから生まれていく。国民の創意工夫の中から実は新しい日本が生まれていくんだという、教育の最も身近なところから、実は新しい時代の国づくりというものが生まれていくのじゃないかと思います。 総理大臣、本当に大変だろうと思いますが、次々押し寄せるいろいろな困難をぜひ時代の求める総理に対する要請と受けとめて、みんなで力を合わせて、知恵を出してこの国難を乗り切って、見事に二十一世紀の将来に結びつけていきたいと思いますので、本当に心からの御健闘を期待しまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○越智委員長 この際、山本有二君から関連質疑の申し出があります。保岡君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山本有二君。
○山本(有)委員 自民党の山本有二でございます。 私からは、公的資金の導入、低金利政策、日本の国力維持、これらを主にお伺いさせていただきたいと思います。 今回の不況は、バブル崩壊後のそれと違いまして、地方都市の落ち込みが激しいという特徴がございます。中小の商店街は後継者難、大型店の進出、さらに大型店間の競争の激化、そのまた周辺では一次産業の不振、農家は米余りによる減反、転作作物は輸入農産物の安値に押されて悲鳴を上げるというような事態がございます。 この不況脱出のため公的資金導入のスキームができたのでありますが、郷里高知県で何人かにお伺いしてみますと、まだ十分理解をされていないというように思いました。そこで、システムの安定、預金者保護、さらに責任追及、こうした公的資金の導入についてのポイントをお伺いさせていただきます。 まず第一に、中小企業の方々は、おれたちは今まで法人税も所得税もさんざん払ってきて、国に大変な貢献をしたつもりだ、しかし政府は、金融機関ばかり優遇して、おれたちの産業をどうしてくれるんだというような不公平感がございます。この点について、大蔵大臣、どうお答えになるか、お伺いいたします。
○松永国務大臣 お答えいたします。 先ほどから話が出ておりましたけれども、金融というのは経済の血液だ、金融システムというのは経済にとっては動脈の役割を果たすものだということがよく言われますが、私はそのとおりであると思います。動脈が傷んできたら、これは経済そのものが大変な傷みを生じてくるわけでありまして、そのことによる中小企業者を含む国民のマイナスははかり知れないものがあるというふうに思います。 今度の緊急措置というのは、一面においては預金の全額保護を徹底する、もう一つは、金融システムそのものについての内外の信頼が揺らいできておるということから、ぜひ信頼の回復を早急に図る必要がある、そのために公的資金を活用しての資本注入、こうなってきたわけであります。資本が注入されれば、個々の金融機関の貸し出し能力は拡大してくるわけでありますから、結果においては、中小企業等に対する貸し渋りの解消にも大きく資するものだというふうに考えているところであります。 なお、中小企業等の資金需要に応ずるためには、政府系金融機関の融資量を二十五兆用意いたしまして、そしてそれぞれの政府系金融機関の支店の窓口等には相談所を設けて、そして中小企業者の資金需要に親切に応じているはずだ、こういうふうに思っております。
○山本(有)委員 金融システムについてみじんも不安を与えない、こういう覚悟で臨んでいらっしゃるわけでありまして、私もじっと考えてみますと、金融システムにもしほころびができますと、これがまた恐慌という事態になりかねません。恐慌という事態になりますと、社会不安が起こります。社会不安が起こりますと、テロとか内乱、果ては戦争、こういう事態になるわけであります。 七十年前の三月十四日、この予算委員会で、大蔵大臣のたまたまの発言で昭和恐慌が起こってまいりました。賢者は歴史に学ぶといいますけれども、まさに我々日本人は昭和恐慌という大変な事態を経験しております。これによりましてあの大戦の引き金が引かれたと言っても過言でありません。いわば早期発見、早期治療、今やれば三十兆で済む。ところが、戦争になって三十兆で済むか。済まない。だから、今この処方せんをきちっとやっておくことが必要だということを思います。 次に、大蔵大臣に貸し渋りについてお伺いさせていただきます。 大手二十一行に二兆円の資金を投入する、そういうような申請がございました。これをもって資本比率八%を堅持するといたしまして、どこまで貸せるかというと、二兆円を八%の資本金の引き当て財産に考えれば、その十二・五倍の二十五兆円までリミットとして貸し出すことができる、だから貸し渋りがなくなる、こういうような考え方でございます。 しかし、地元の若手経営者に言わせれば、どうせ銀行は、自分の不良債権処理にこの金を充てて、貸し付けには回さないんじゃないか。そして、不良債権を処理しなければ格付が上がらないから、やっぱり銀行というのは、幾ら我々が一生懸命銀行を助けよう、システムを維持しようと公的資金を投入しても、十分に貸し出しに回してくれない。こういう点が一つ。 それから、銀行は今まで、雨のときは傘を貸してくれなかった、しかし、晴れたら傘を何本も貸してくれる、こういうような体質があって、この体質を直すのが先じゃないか。 三番目には、銀行の本音というのは、BISとかビッグバンとか、あるいは四%、八%という言葉を並べて、実は業況不振企業の切り捨てをやっておって、本当は資金回収が本音だというように言われる向きもございます。 この点において、本当に貸し渋りを解消することができるのかどうか、大蔵大臣にお答えをいただきます。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今委員御指摘のように、銀行というのは、晴れたときに傘を貸してくれるが、雨が降ってきたら取り上げるなどという、そういう言葉を私は前に聞いたことはございます。 今度の資金注入の施策を具体的にやっていく場合には、既に公表されていることでありますから御存じと思いますが、審査基準、そしてもう一つは経営の健全性確保のための計画、それをきちっと審査委員会に提出させることになっております。 その健全性確保のための計画の中に、資本注入を受けて、そして経営が健全化してくるとなってきた場合に、資金提供、すなわち融資ですね、どの程度ふやしてやっていけるのかということも具体的に審査委員会に報告をさせる、こういう仕組みになっております。 銀行と、それから資金を必要とする中小企業者等借り主との間の、融資をするかどうかというのは民間同士の契約でございますから、それほどまで強くは介入できないわけでありますけれども、今度、経営の健全性確保のための計画の中で、資本が充実してくればこれだけ金融の円滑化を図ることができるという、そういったことの方針を審査委員会に出していただいた以上は、それをもとにして、その金融機関の行動等をウオッチしていくことができることになると思うのですね。そして、その様子はやはり世の中に明らかにするチャンスも出てくるだろう。 私は、その意味では、貸し渋りの解消、そういう面からも資するものだというふうに考えているところでございます。
○山本(有)委員 ぜひ貸し渋りが解消されるように、御努力をお願いいたします。 次に、預金者保護について大蔵大臣にお伺いいたします。 橋本内閣の六大改革の一つに金融改革がございます。原理原則は、フリー、フェア、グローバルでございます。この預金者保護という点、これについて、四月一日から改正外為法が施行になるならば、外資系の銀行に預金者が、実は預金を邦銀から外資系に移す、その作業が殺到していくのではないかというように危惧するところでございます。 どういうことかと申しますと、銀行金利、このことでございます。預金金利は、一番国内で有利なものでも、一千万円以上お預け入れの大口定期で年利〇・三五%でございます。外資系のある銀行のイギリス・ポンド建ての預金であるならば、一千万円預けますと年利四・三五%。すなわち一年間で、邦銀は三万五千円、外資系は四十三万五千円の金利がつくわけであります。その差が四十万円。これで、生活防衛、将来の不安解消のための預金というものが外資系に流れないという方が逆におかしくなるわけであります。 そうしたら、日本の銀行に預金すれば保護する、外資系に預ければ保護されない、このことをしっかりうたっておかないと、私は、預金者が四月一日から迷うというように思いますが、この点、いかがですか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 現在の預金保険制度は、外国銀行の在日支店については預金保険制度の適用がありません。ただ、この問題につきましては、当該支店の経営に破綻が生ずるかどうかということについては、あくまで本国の本店の方の経営状態をだれがチェックできるかという問題とかかわるわけでございます。そこで、検査とか監督ということがきっちり行われているかどうかを我々が知り得る立場にありますれば、うまくその対応はできるという面もありますが、その点が一つ難しいという点。 それから、我が国の預金保険制度は強制加入であります。本邦の銀行、あるいは現地法人でも日本の銀行になっている場合は、これは強制加入でございます。ただ、外銀の在日支店となりますと、それを強制加入していいのかどうか、あるいは任意にすべきなのかというような問題があります。 非常に難しい問題でございますが、しかし、先生の御指摘、大変重要な点でもございます。したがって、これは慎重に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○山本(有)委員 そのとおりでありまして、しかし、実は、この預金者保護というのは、ビッグバンが完成する二〇〇一年三月までしか日本の銀行でも預金者は保護されません。すなわち、フリー、フェア、自己責任で自由に、何かやってもその責任はみずからとる、こういうような世界のルール、これに日本の銀行も突入するわけでありますが、猶予期間が二〇〇一年三月末まである、こういうことであります。 逆に言えば、日本の国民の皆さんにもこのことをよく承知していただいて、例えばイギリスのポンド建てで買えばどうなのか、あるいはタイのバーツで買えばどうなのか、アメリカのドルで買えばどうなのか。為替リスクというものも十分あるんだということをだんだんに知っていただいて、いよいよ二〇〇一年に思い切ってメガコンペティション、すなわち大競争時代を迎える、こういうためのいわば措置だろうというように思いますので、ひとつ大蔵大臣にこの点の御配慮もお願いをさせていただきたいと思います。 次に、公的資金導入に不可欠なのが二点ございます。一つは不良債権をきちっと回収するということ、もう一つは、この不良債権の原因をつくったふらちな銀行役員らの追及を徹底的に行うこと、このことが大事でございます。この三十兆円の投入及び責任追及の両者を任せられたのが預金保険機構の松田昇理事長でございます。 理事長、二月三日に責任解明委員会を預金保険機構に設置されました。そのときに特別顧問を置かれました。特別顧問の名前を見てまいりますと四人ございます。前警察庁長官国松孝次、元検事総長神谷尚男、元弁護士会会長阿部三郎、元広島高裁長官藤田耕三。いわばプロに御就任をいただいております。そして、実行部隊として、マル査の国税査察官、現役の警察官をメンバーに、東京、大阪に機動調査課を設置する、こう予定をされております。 いわば理事長においてその方針、目標を掲げられて、いよいよ責任追及を急にするというような体制固めができたと思うのでありますが、その点、理事長から詳しく御説明を賜りたいと思います。
○松田参考人 お答えをいたします。 金融破綻に伴います貸し手、借り手の責任追及につきましては、委員御指摘のとおりだと思います。 先ほどお話ございましたように、特に、このたびの公的資金が導入されたことと、整理回収銀行が一般金融機関の受け皿銀行になった、二つを踏まえまして、二月の三日に当預金保険機構の中に責任解明委員会を設けました。委員長には、不敏でございますが私が就任をいたしまして、なお、外部の特別顧問として、先ほど御指摘の四名の重鎮の方に御就任をいただいたところでございます。 従来までも住管機構あるいは整理回収銀行と協定をいたしまして、刑事告発で申しますと合計で四十件ほどやってまいりました。しかし、今後は、破綻金融機関全般にわたりまして経営者の刑事責任、民事責任の追及に向けて、実動の部門としての機動調査課、先ほどお話ございました機動調査課を東京、大阪に設けましたので、それと一緒に活用しながら、顧問弁護士さんとも協議をよくよく重ねまして責任追及の実を果たしてまいりたい、このように考えております。
○山本(有)委員 住専処理機構は預金保険機構のいわば組織の中にありますが、その社長の中坊さんが末野興産の責任追及をした例を挙げますと、末野興産に対して貸付金は二千三百億円ございました。第四分類の回収不能債権がそのうち一千八百億円でございました。もうこれはお手上げ、こういう事態に、こつこつこつこつ現役の警察官や検察官や、国税庁の職員やあるいは弁護士さんが一生懸命調べ上げて、刑事責任を追及することができました。そうすると自動的に民事の回収が進んでいきまして、今では七〇%回収ができている、こういうことでございます。 こういうように、第四分類でさえ回収できるということを示していただくならば、公的資金導入というのはちゅうちょがないわけでありまして、悪を眠らさない、やみの世界にメスを入れるというようなこと、フェアというビッグバンに対する答えが具現されてくるわけでございます。 システムが安定して、預金者を保護しなくてもよくて、そして不良債権がどんどん回収できた、こういうことになりますと、三十兆円を投入いたしましても、逆に、優先株、劣後債の高利回りで国はかえってお金が入ってくる、臨時収入がある、こういうことに結果的になるわけでございます。 その点において松田理事長に期待するわけでありますが、理事長は、かつて東京地検におられましたときに、ロッキード事件の児玉誉士夫の捜査検事でございました。児玉被告人は、松田検事なら自白してもよいと言われて、罪につかれたと言われております。その後、地検特捜部の部長として御活躍でございましたが、私は、そういう松田理事長の手腕、力量を物すごく買っております。どうかひとつ御活躍をお祈り申し上げます。 質問が終わりましたので、御退席をお願いします。 次に、日本銀行総裁にお尋ねいたします。 冒頭、大変恐縮でございますが、通告をしていない事項について、少しお伺いいたします。 大蔵省の検査官等の不祥事が続々と出てまいりました。これに関して、日本銀行も関係なしとしないと私は思っております。特に、接待においては、かなり日本銀行でも証拠が挙がっているように思われてなりません。そうしたときに、もし今後日本銀行の行員に不祥事が発覚したとするならば、どのような対処をするべきか、どのような対処をお考えか、お答えください。
○松下参考人 私どもの日本銀行に関連をいたしますいわゆる接待の問題につきましては、先般来いろいろと新聞報道等もございましたので、私どももそれを踏まえまして、まず行内におきます実態の把握をいたさなければならないという考えによりまして、現在、行内の管理職の全員約六百名に対しまして、過去五年間における接待等の事実関係の把握のための調査を行っているところでございます。そのようにして、私どもといたしましては、厳しい姿勢をもってこれらの問題に対しては対処をしてまいらなければならないというふうに考えているところでございます。 また、ただいまのお尋ねの中には、今後、仮にこの問題が拡大をいたしました場合の問題ということがございましたけれども、私といたしましては、現在、総裁の命を受けましてその任にあります間は、中央銀行の使命を達成いたしますために最大限の努力をしてまいりますことは、私自身に課せられた使命であるというふうに考えております。
○山本(有)委員 それでは次の質問、低金利政策についてお伺いをいたします。 日銀総裁、この一月に、再び日銀の金融政策決定会合で、総裁は議長として公定歩合を〇・五%にするということを再確認されております。なぜこうした膠着した消費低迷期で〇・五%を維持されたのか、手短で結構でございますので、お答えください。
○松下参考人 私どもは、日本経済をしっかりとした自律的な回復軌道に乗せることを目的といたしまして、九五年の九月以降、現在の金融緩和政策をとり続けているものでございます。その間におきまして、この金融緩和政策は、さまざまな経路を通じまして経済の下支えに役に立ってきたものと考えておりますけれども、なお現状を見ますというと、我が国の経済は、企業や金融機関の不良資産問題等のおもしを引きずりながら、なお自律的な回復軌道にしっかりと乗ってまいるところには至っておりませんで、最近はむしろ停滞を続けている状態でございます。 こういった金融緩和政策のもとにおきまして、特に金利収入に多くを依存していらっしゃる家計の方々にとりましては、現状、大変厳しい状況にあるということは私どもも十分理解をしているつもりでございますけれども、今仮に金利の引き上げということになりますというと、それは、家計部門の利息収入の増加を来すものではございますけれども、他面におきまして、企業収益の減少や投資採算の悪化あるいは株価等の資産価額の下落などを通じまして、全体としての経済活動を抑制することに相なります。 これが、ひいて、雇用やあるいは勤労所得に対するマイナスの影響を及ぼすことも心配をされますので、私どもは、当面の情勢におきましては、なお金融面から経済活動全体をしっかりと下支えしてまいることが第一に必要なことであるという判断で、先般の日本銀行政策委員会の金融政策決定会合におきましても、討議の結果、当面そのような政策を維持することを決定した次第でございます。
○山本(有)委員 この低金利政策、大いに疑問がございます。 まず、各国の例を見ます。アメリカの公定歩合五%、イギリスの公定歩合六・二五%、イタリアの公定歩合六・七五%、日本の公定歩合〇・五%。預金金利、これをもし公定歩合で引き直せば、六・二五%イタリアと違うわけであります。もしイタリア・リラで預金すると、一千万円預ければ、日本の銀行と六十二万五千円の差ができるわけですよね。それで邦銀を四月一日の外為法施行から守り切れるんですか、一体これ。 それから、九一年の七月に三重野総裁が六%から五・五%にして、その後九回、全部公定歩合を下げています。九五年の九月に松下総裁が〇・五%としておるわけでありまして、二年半もこの金利が続いています。これ以上不況が、もし今よりももっと不況になったとき、〇・五%からまた下げるんですか。限りなく〇%に近くなるというのは、金利政策としてこれはおかしいんじゃないですか。 歴史的に見ますと、昭和恐慌でも〇・五%以上ありました。ずっと見てまいりますと、日本では〇・五%というのは、今が一番低いんですよ。この例があるのは唯一アメリカで、一九四二年から四六年まで、第二次世界大戦のときのみの話でありまして、いわば、この公定歩合というのは、戦争状態か恐慌状態の公定歩合なんです。 それから、設備投資というのは、九四年から上向きになっておりません。〇・五%公定歩合にして、九五年からもうずっと低迷しております。住宅ローンも全然だめなんですよ。百三十六万戸で、百四十万戸をついに六年ぶりに割りました。そうすると、設備投資、住宅ローンにも全然これは関係ない。 それから企業も、企業の下支えというけれども、低金利を長期化することによってありがたみが消えて、企業の活力に影響がないと言われています。 一番問題点は、家計から企業に所得移転があることでございます。家計から企業への所得移転は、私に言わせれば、七兆円あると思いますよ。GDPの六〇%が消費支出であるということを考えれば、景気の主人公はあくまで消費でなければなりません。 その点において、橋本総理も思い切って二兆円減税を断行しました。個人資産を一千二百二十三兆円とした場合、預貯金は約七百兆円ございます。これは一%金利を上げたら、家計に七兆円の所得ができます。二兆円と七兆円を足せば九兆円です。九兆円で消費を喚起すれば、私は消費は上向いてくると思うんですよ。このことを考えたとき、私は、一刻も早く金利は是正すべきだというように思います。 特に、総裁は、産業の、企業の下支えというよりも何を考えていらっしゃるかというのは、銀行の不良債権処理のことに専念をされるから金利を一生懸命下げているんじゃないか、私はそういうように思えてならぬのですよ。私は、不良債権処理というのは、まず消費を喚起して景気を回復傾向に向かわせる、その次に不動産を流動化させて担保にとった土地をどんどん消化していく、このことによって、これしか不良債権の処理というのはできないと思うんですよ。だから、一%上げて、早急に景気回復に向かっていただきたいということを要望いたします。 次に、これはもう時間がないので、総裁にどうしてもお願いしておきたい点がございます。 この低金利政策を実行いたしますと、実は銀行の業務純益が上がります。つまり、家計の七兆円を銀行の業務純益の利益に出すわけでありますから、その七兆円で不良債権を処理しているわけであります。そうするとどういうことかというたら、このことに銀行の方々が感謝してくれているかどうかでございます。業務利益なのだから、利益処分は会社の判断に任せられていい、こういう考え方がないかどうか、ここが問題なんですよ。 つまり、銀行というのは他人のお金を預かって、しかも免許制ですから、我々が特別にこの銀行業務をやっているという、そういう姿がないんです。他産業に比べて、賃金と退職金が大き過ぎます。 私は、信じたくないんですけれども、このような記事を見てびっくりしました。「破綻したある銀行が元頭取に退職金二十五億円」、こんなばかなことがあってはならぬと思って、大蔵省銀行局を通じて調査いたしました。そうすると、プライバシーだから答えられない、こういう回答でございます。こういう銀行の体質は、これは国民を欺くものですよ。だから、私は頑張ってやっていただきたいと思いますし、それから、最近では、何とことし百歳になる相談役に銀行は報酬を払っているというようなこともあります。 そんなことを考えたときに、要は、リストラをしなければならぬ、そして低金利について銀行はもっと国民に感謝してほしい、そういうことをきちんと説明して銀行を引っ張っていただかないと、この公的資金導入、システム維持、こういうことに対して国民は納得できません。ですから、その点においてよろしくお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○越智委員長 この際、林幹雄君から関連質疑の申し出があります。保岡君の持ち時間の範囲内でこれを許します。林幹雄君。
○林(幹)委員 自由民主党の林幹雄でございます。 私は、景気対策を中心に、総理並びに関係閣僚に質問をいたしたいと思います。 テレビ、マスコミ等で、このところ連日のように腐敗、汚職そして倒産、不景気等報じられておりますが、私は、この不況は多分に気分的なものが影響しているところがあるのではないかと思います。いわゆる不況マインドであります。 本予算委員会総括質疑で我が党の深谷筆頭理事が既に指摘しておりますように、我が国は世界有数の債権国家であり、一千二百兆円を超える個人の金融資産を保有しながら、個人消費はしない。史上空前の超低金利政策が続いているにもかかわらず、企業は設備投資をしない。つまり、お金を使おうとはしないのです。このことは、政治が自信を持ってしっかりとしたビジョンを示していないからだと思います。 昭和四十八年十一月、当時の福田大蔵大臣は、日本経済は全治三年と宣言し、思い切った経済再生の処方せんを示しました。すなわち、列島改造ブームに第一次石油ショックが重なり、卸売物価が年率で二二・六%もの上昇を示す大インフレ下であります。そんな中で、公共事業の抑制、公定歩合の五次にわたる引き上げ、金融機関の貸し出しを抑える等々、徹底した総需要抑制策を打ったのであります。この強力なリーダーシップにより、翌年二月には物価は鎮静化の兆候を見せ始めまして、国民生活は平穏を取り戻していったのであります。 今、最も望まれるのは、政治のリーダーシップであります。橋本総理が不退転の決意で推し進めておられます六大改革、これは、国際的な大競争時代を迎えていること、世界に類を見ないスピードで少子・高齢化が進んでいること、財政赤字が膨れ上がっていることなどなど、今、行政改革、財政構造改革を初め六大改革を断行しなければ、あすの日本はないとの考えからだと思います。 チャレンジは今まさに始まったばかりであります。国民の中には、不安や痛みを訴える声もあるかもしれません。しかし、我々の子供や孫の時代のことを思い、元気な日本にするため、いわば産みの苦しみではないかと思います。 そこで、この六大改革をなし遂げたときの我が国の姿はどのようになっているのか、具体的に、わかりやすく国民に示すことが肝心だろうと思います。そして、橋本総理が強力なリーダーシップを発揮して、不況マインドを払拭して、一千二百兆円と言われている個人金融資産が消費に回るようなそんな総合的対策を講じる、いわゆる処方せんを示すことが大事だろうと思いますけれども、総理の御所見をお伺いいたします。
○橋本内閣総理大臣 大きく二つの大事な問題を提起されました。 六つの改革、一体その実現の後にどんな社会が見えるんだ。私は、その場合、こんな言い方をしたいと思うんです。この日本という社会を支えている、それは皆一人一人、個人です。そして、その個人がそれぞれに皆自分の夢あるいは希望、そして能力に応じて学ぶこと、働くこと、これが自由に選べることが活力ある社会だと思いますし、そういう中でこそ国全体の力がわいてくると思います。 例えば教育でも、画一性を排する。もちろん、最低限常識的な知識は必要です。その上で、基本は、子供たちの個性をどうやって引っ張り出していけるのか、あるいは好奇心を引き出すことができるのか。その中から本当に自分が勉強したいこと、やりたいことを見つけていく、そういうみずからの道を選択できる社会ということが大事でしょう。 また、経済の面でも、知恵あるいは技術力などを生かして新しい企業を起こしたり、個人が新しい仕事を始める、それに対して、お役所に何十個も判をもらわなきゃいけないような書類を出さなきゃいけない、そんな状況から変えていきたい。ただし、その場合、成功も失敗も、これはみずからの責任です。 また、社会の面では、個人の自立というものを基礎としながら、家庭の中でやはり親から子供へ、あるいは地域においてそれぞれの世代から次の世代へ、生活の知恵あるいは正義感などというものがきちんと伝承される、そして、真に手を差し伸べなければならない部分にセーフティーネットとしての社会保障が用意される、そんな社会が描けると思います。十分な姿ではないかもしれませんけれども、そのような感じが描けるようにこの時代を持っていきたいと私は願います。 また、今経済についての御論議もいただきました。本当に日本は有能な人材もあります、また技術力、技能もありますし、何といっても千二百兆円という個人の金融資産があります。私は悲観論をとらないと申し上げてきているのは、まさにそうした資産を我々は持っているわけです。 これがより有利に運用される、そうした機会を広げていく。そして、次の時代を担う成長産業や新たに生まれてくるであろう産業に資金がきちんと供給される、こうしたことが金融改革を進めていかなければならない最大の理由ですし、そうした中から、情報通信だとか環境だとかあるいは社会保障に関連して新しい産業が生み出されるように、規制の撤廃、緩和あるいは技術開発などの経済構造改革も進めなきゃなりません。こうした構造改革を進めていく結果として、環境に優しい商品の開発といったものも位置づけられていくようになる、私はそう考えています。
○林(幹)委員 景気の「気」は元気の「気」、やる気の「気」であります。この元気、やる気を持たせられるよう、総理得意の剣道の気合いをもって強力なリーダーシップをしていただきたいと思います。期待いたします。 それでは、具体的な質問に入りますので、よろしくお願いいたします。 クリントン大統領が昨年の一般教書演説の中で、すべての子供が八歳で読むことができ、十二歳でインターネットを使えるようになること、これを目標の一つとして取り上げました。二〇〇〇年までにすべての教室と図書館をインターネットで結ぶことを目指しております。また、イギリスやフランスでも学校をインターネットに接続する計画を進めておりますし、シンガポールにおいては情報教育マスタープランを制定、二〇〇〇年を目標に掲げ、国を挙げて力を入れていると聞いております。 今後、情報化はますます進むものと思われますが、あすの社会を担っていく子供たち、コンピューターを使いこなす、情報を活用できる、そのような能力は必須なものであります。我が国においても諸外国におくれをとることのないように、今後、情報教育を一層充実すべきだと思いますけれども、文部大臣の見解をお伺いいたします。
○町村国務大臣 今委員御指摘のとおり、情報教育に諸外国は大変に熱を入れ、力を入れてやっているわけでございます。日本におきましても、かなりこれは進んできたかなとも思っております。私も今まで幾つかの小学校あるいは中高を見てまいりましたが、それはもう私どもが学校へ行っていたころとはさま変わりでございまして、すばらしい端末機がばあっと並んでいるというような学校もありますし、実はまだまだというところもあるようでございます。 そんなことで、今、小学校あるいは特に中学校では、選択の領域ということで技術・家庭科でやっておりますし、高校では数学とか物理とかそういう科目でもやっておりますが、これではいささか不十分であろうということで、昨年の秋、教育課程審議会から、これからの新しい教育課程の中間報告を出してもらいましたが、その中では、大いに意欲的にこれからやっていこうということで、例えば小学校では総合的な学習の時間の中でコンピューター、端末に触れ、そして親しみ、さらに使えるようにする、そういうことを目標にしますし、中学では、技術・家庭科の中で情報基礎領域というのを必修にしていこうということでございます。 さらに、高等学校では、新しい、情報という、これは仮称でございますが、教科を立てるというようなことで取り組んでいこう、こう思っておりまして、委員御指摘の方向で文部省としても大いに努力をしてまいりたい。 なお、インターネットのお話がございましたが、現在、各学校における平均的なインターネットの接続率が一〇%弱という状態にとどまっております。これを平成十三年度までにはすべての中学校、高等学校、特殊教育諸学校、そして平成十五年にはすべての小学校という目標で、現在、自治省などの御協力もいただいて、必要な予算措置を地方交付税で措置をするということにしてございます。 また今、郵政省と共同で、どうやったら教育分野におけるインターネットの利用が拡大できるだろうか、教育の内容の話とか、あるいは接続料金をもうちょっと安くできないだろうかとか、あるいは、中には、有害情報にどんどん接続するというのではやはり困りますので、これらにどう適切に対応できるか、そんなことを含めて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○林(幹)委員 インターネットに関しては、今大臣の答弁がありましたように、相当進んでいる学校もあるというふうに聞いております。しかし、インターネットを利用すれば、ホームページなどから授業に役立つ情報が教室にいながら手に入るとか、あるいは国内の学校と交流することができますし、外国とも交流が可能になるということになるわけでありますから、十分に教育に活用していただきたいと思います。 次の時代を背負う、そしてまたあすの日本を担う子供たちの教育は、これは遠慮なく、そして惜しむことなく自信を持って推し進めてもらいたいというふうに思います。アメリカやシンガポールに少なくともおくれをとってはならない、おくれないようにお願いしたいわけであります。そういう意味では、自治大臣にも全面的なバックアップをお願いしたいと存じます。 そして、今話されました計画でありますけれども、四年とか六年とかじゃなくて、この際その半分にして、二年、三年ぐらいでやっていただきたい。つまり、もうそれぐらいスピードが速いものですから、ゆっくりしておったのでは間に合わないのではないかというふうに思いますので、即実行してもらえるように強く要望をしておきます。これはまた内需拡大そして景気浮揚にも実際につながるものでありますから、ぜひそういうものを加味してお願いをしたいと存じます。 そこで、内需拡大と景気浮揚対策でありますけれども、今、国、県、市町村、一様に財政危機の悲鳴が聞こえてまいります。我が国の公共事業費は、昨年に比べて、ことし平成十年度は七・八%の減であります。景気浮揚対策の一つとして前倒し発注が取りざたされておりますけれども、こういうときこそ民間の資金力、経営力、技術力を生かした社会資本の整備が重要だろうと思います。 いわゆるPFIであります。内需拡大、景気対策の観点からも、PFI方式による社会資本整備は必要であります。我が国においては、道路、下水道、空港等、公共事業の整備運営を行うのは国、地方自治体、公社公団に限られております。PFIを推進するためには、こうした公共事業についても幅広く民間の事業者の参入ができるようにすることが必要だろう、このように思います。 公共事業の所管官庁であります建設大臣、こうした民間事業者の参入について、基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
○瓦国務大臣 林委員にお答えをいたします。 御指摘のPFIにつきまして、今、政党でも御研究をいただき、林委員にもいろいろ御提言をいただいておりますことを感謝申し上げる次第であります。 PFIは、御案内のとおり、民間資金を活用して社会資本の整備を行うことでございまして、イギリスにおきましても近年さような作業が行われております。我が国も、歴史的には多少さきから取り組んでおりまして、一つには、開発利益を充当した社会資本整備を行うという面では、区画整理事業でありますとかニュータウン開発等行っておるわけでありますし、また、利用者から料金徴収をいたしまして整備を進めるということになりますと、有料道路、こういった事業を行っておるわけであります。 財政的には大変厳しい中でございますが、民間の活力を大いに活用していく、そのことは今時非常に重要なことであろう、こう思っておりまして、一層の民間活力の活用、こういったことを念頭に置きながら取り組んでまいりたい。 それにつきましては、研究を始めていなければなりませんので、昨年十一月末から各分野の専門家の方々にお集まりをいただきまして、埼玉大学の西野教授を委員長として、学識経験者、建設業界、金融機関等によりまして、民間投資を誘導する新しい社会資本整備検討委員会を設置いたしまして検討いただいておるところであります。導入が期待できる分野、また整備すべき条件、これらにつきまして、この四月くらいまでにはガイドラインを策定いたしたい、こう思っております。 いずれにいたしましても、我が国の社会資本整備、積極的に民間の力も取り込みながら整備を進めたい、かように念じておるところであります。
○林(幹)委員 我が国の場合、まず、事業を進めるに当たり大変なのは用地取得だろうと思います。この用地取得、用地が確保できれば事業の七割とも八割とも完成したと言われているくらいでありまして、その上、この取得するためのコストが莫大なものになるわけであります。 そこで、国や地方自治体が、例えば保有する遊休地を提供するとか、あるいはまた民間事業者のために取得費の負担をしてあげるとか、さらには土地収用権を与えるなど、難しい問題もあろうかと思いますけれども、何らかの手段を講ずる必要があると思うのです。建設大臣の考えはいかがでしょうか。
○瓦国務大臣 お答えいたします。 今、用地問題についてお触れでございますが、いずれにいたしましても、官民の役割分担でございますとか事業の採算性、いろいろさまざまな問題がございますので、先ほど申し上げました検討委員会で今検討をいただいておるところでございます。 いずれにいたしましても、用地問題に限らず、事業の重要度に対しましてある程度の支援を行うということは一般的にあり得ることでございますし、今鋭意検討をいただきながら、ネックを一つ一つ解決しながら、できる方策を講じてまいりたい、検討してまいりたいと思っておるところであります。 いずれにいたしましても、建設省のみならず各省庁にかかわる分野もございまして、先般、総理からのイニシアチブもございまして、さらに検討、研究を進めてはどうかというお話もちょうだいいたしておりまして、関係省庁含めまして十分検討してまいりたい、成果を上げるように努力をいたしたい、かように考えております。
○林(幹)委員 そもそも公共事業というのは、収益性はほとんど考えませんね。つまり、いかにもうけるかという感覚がないわけであります。ただ、民間事業者はそうはまいりませんで、収益性、つまり採算を考えます。 そこで、この収益性を高めるには、例えば地方債や地方交付税交付金の活用、あるいは財投の活用、あるいはまた固定資産税の減免など、民間事業者を支援する必要があろうかと思いますけれども、大蔵大臣そして自治大臣に、その考え方、実現の可能性があるかどうかも含めてお願いいたします。
○松永国務大臣 お答えいたします。 いわゆる日本版PFIにつきましては、現在、自民党においてそのスキーム等を検討していただいているというように聞いているところであります。その段階でありますから私の方で具体的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、一般論として申し上げれば、財政投融資の活用の点については、十年度予算においても、中部国際空港、これについてPFI手法を活用しながら中部国際空港株式会社において事業を実施することとし、同会社を財政投融資対象機関としたところであります。 今後とも、財政投融資を活用するのにふさわしいものがあるのかどうか、検討して判断してまいりたい、こう考えるところでございます。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 その前に、先ほど、学校に対するインターネットの接続の問題について自治省の協力をということでございましたが、未来を担う青少年の教育にとって必要な課題でもございますから、これまで地方財政で措置をいたしておるところでございまして、十分御意見は受けとめまして、対応を今後もいたしてまいりたいと考えております。 先ほどの質問でございますが、財政の制約が大変厳しい中、社会資本整備にPFI方式を導入することは極めて有効な方策と考えております。自治省におきましても、地域に受益の大きいプロジェクトにつきまして、地方団体が出資等の形で参加する場合の財政措置については、関係省庁と十分連携をとりつつ、幅広く検討いたしておるところでございます。
○林(幹)委員 国そして県、市町村の財政が極めて悪化して、その結果、今回のように公共事業の削減が余儀なくされておる。こういうとき、やはり民間の技術力、資金そして経営ノウハウを活用した新しい事業手法、つまりPFI、これを導入して質の高いサービスを提供し、そして民間にとっても新しい事業機会をつくれるということでありますから、ぜひ進めていただければと思うわけであります。 自民党においても、山崎政調会長をトップとした民間資本主導の社会資本整備(PFI)推進調査会を二月に立ち上げ、PFI事業の推進を図るための法案作成に向け、精力的に審議を進めているところであります。政府においても、日本型PFI方式による社会資本の整備に真剣に取り組んでいただくことを要望いたします。 時間がなくなってまいりましたので、通産大臣にお聞きすることがあったのですが、次の問題に移らせていただきます。 今最も急がなければならないのは、平成十年度予算案を一日も早く成立させて、我が国の経済の回復の足取りを確かなものにすることであります。そこで、景気対策や経済問題を議論するとき、国の隠れ借金問題を未解決のままほうっておくわけにはいかないと思います。 特に、二十八兆円にも上る国鉄長期債務問題の具体的な処理に当たり、JRの負担問題をめぐってさまざまな報道がされております。議論もされております。いわく、JRに負担させるのは憲法違反ではないか、いわく、厚生年金移換金は平成八年閣議決定で国が負担することが決定している、さらに、株主の利益の侵害であり、投資家の信頼を失う等々であります。 私は、年金というのはみずからが負担するのが当然だと思います。JRの年金だけは国が云々と言われるものに対して大変疑問を感じるものでありますけれども、この国鉄長期債務問題は、国民に対して今後六十年間にわたって一兆円を超える負担をお願いする問題であります。これに関しては、当事者のJRはもとより、国民によく理解を求めて実施することが必要だと思いますけれども、もう先送りはできません。国鉄長期債務の本格的処理に向けて、運輸大臣の決意あるいは見解をお聞かせ願いたいと思います。
○藤井国務大臣 お答えいたします。 国鉄長期債務の処理につきましては、これまで資産の処分に全力を挙げてまいりました。しかし、地価高騰問題に対処するための土地の売却の見合わせ等、いろいろな、さまざまな状況から、結果として資産処分が思いどおり進まなかったことは事実でございます。 これらの結果、国鉄改革時、昭和六十二年度二十五兆五千億であった国鉄清算事業団の債務は、平成十年度首には二十七兆八千億円に達する見込みであります。まず、事業団の債務が結果として増加する、こういうことになりましたことはまことに遺憾であると考えております。 また、この間、政府といたしましてもその情勢の中でそれぞれ最善の措置を講じてまいりましたけれども、結果的にはもっと早く抜本的な処理をすべきではなかったかという御指摘につきましては、私どもは謙虚に受けとめなければならないと思っております。 そうした反省の中に立ちまして、この問題は、今委員おっしゃられましたとおり、もはや先送り、放置することはできない、こういうことを踏まえまして、運輸省といたしましても、平成十年度に抜本的な処理を実現するための最大限の努力を図っているところでございます。 そこで、JRの負担の問題でありますが、残念なことに、委員も御指摘のとおりでありますが、正確な情報や事実に基づかない点が報道あるいは議論されている、まことに残念なことでございます。今回JRにお願いしている基本は、まずこれは年金の問題でございまして、決して、昭和六十二年度改革時に国鉄清算事業団が負った債務をJRにお願いしている問題ではございません。まず、この点を明らかにしておきたいと思っております。 そこで、今回JRに負担をお願いした中身につきましては、委員の御指摘のとおり、JRの共済を厚生年金に統合するに当たって必要になった移換金七千七百億円の一部であり、そのうちJRの社員分三千六百億円、毎年二百四十億円の負担をお願いしているものであります。この分につきましてもだれかに負担していただかざるを得ないということで、これを一般国民のいわゆる税金にお願いするのか、あるいはその社員の事業主であるJRの負担でお願いするのか、このことが現在問題になっているところでございます。 JRの社員分の移換金につきましては、JRの社員の年金のための負担であり、JRにとって自分の社員の福利厚生のための費用であります。実は、JRは昨年度まで年金のために毎年二百二十億円を任意で負担していただきました。今回も、これも同様に、自分の社員の福利厚生のための年金の負担を行うものでございます。 また、先般も他の委員からの御指摘もありましたけれども、JRの共済に全く関係のない厚生年金等の他の制度から、これまでも九千三百億円の支援をいただいてまいりましたけれども、今後ともそうした他の制度から四十年間にわたって毎年一千五百億円、総額六兆円の支援をいただかなければならないものであります。 いずれにいたしましても、我々、誤解を招いている、憲法に反するような措置を講ずるものではなく、また民間企業に対して不合理な負担を強制したり、あるいはまた、海外投資家を含め株主の正当な利益や信頼を損なうものではございません。まさに年金制度の基本であります社員の福利厚生のためのものでありますから、その事業主であるJRの負担とすることが適当であると判断したところでございます。 いずれにいたしましても、JRは国鉄期間分の年金には無関係であるかのような御意見がありますが、昭和六十二年の国鉄民営化を行った国鉄改革では、確かに鉄道の経営形態や労働関係等については国鉄とJRとを明確に断ち切ることにいたしましたけれども、共済年金につきましては、職員の利益を守るための共済制度を継続したものでありますので、どうかこの点の御理解をぜひともお願いいたしたいと思うわけです。
○越智委員長 質疑時間が終了いたしております。
○藤井国務大臣 今後とも、いろいろ御質問があろうと思いますが、私どもといたしましては、誠心誠意、一つ一つ丁寧に、御理解を深めるためにまた努力をしていかなければならないと思っております。 以上でございます。
○林(幹)委員 終わります。ありがとうございました。
○越智委員長 これにて保岡君、山本君、林君の質疑は終了いたしました。 次に、川端達夫君。
○川端委員 民友連、新党友愛の川端達夫です。総理ほか関係大臣、大変御苦労さんでございます。よろしくお願いしたいと思います。 初めに、委員長に一言お願いを申し上げたいというふうに思います。恐縮でございます。 三月四日の当委員会での公聴会日程採決について、三月六日、委員長から、去る四日の委員会において、公聴会開催承認要求の議事につきまして、委員長として不手際な面がございましたことをおわび申し上げます、今後、委員会運営に当たりましては、より一層、公正かつ円満な運営に努めてまいりたいと存じますという御発言がございました。 今後、この委員会、大変重要な時期を迎えております。委員長におかれましては、民主的で公正な委員会運営がされますようにお願い申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○越智委員長 了解いたします。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○川端委員 ことしも、はや三月半ばになってまいりました。一年の年末に、たしか京都清水寺の貫主さんが、一年を総括する字というのを非常に大きなふすま大のところに書をしたためられまして、去年は「倒」、倒れるという字でございました。まさに、象徴するような出来事ばかりの年であったというふうに思います。 正月を迎えて、国民のみんなは、どうかしてことしこそ希望の持てる、安心できる世の中になってほしいと新年を迎えたというふうに思います。総理におかれましても、当然リーダーとしてそういう御決意でお迎えになったことだというふうに思います。 しかし、現実には、この倒れるという字、気の早い人は、ことしはもう破れるとか倒壊の壊だとかいうふうな人がおられるように、大変厳しい環境の中に現在推移をしている。そして、象徴的に申し上げれば、国民の気持ちは不安と不信でいっぱいである。日々の暮らし、老後、健康そして教育、いろいろなことが、家庭でさえ、地域でさえ、学校現場でさえ、企業でさえというものに信用ができなくなってきた。そういう大変ゆゆしき国の状況ではないかなというふうに思っております。 そういう中で、まさに私たち政治にある者の責任として、この国民の皆さんの不安と不信を解きほぐして、活力ある日本をつくっていくということが共通の責任であろうというふうに考えております。 そういう中で、大変残念でありますが、去る五日、かねてからうわさがありましたけれども、大蔵省のキャリアを含む課長補佐ら二人が逮捕された。容疑は、金融商品の導入などに便宜を図った見返りに計七十八回、総額四百八十六万円余りの飲食、ゴルフ接待を受けており、業界の接待攻勢が同省の金融行政全体をむしばんでいた実態が浮き彫りになった云々ということで、二人逮捕されたということであります。 今の国の状況の中で、不安を解消する、とりわけそのために不信が蔓延している政治、行政に対して本当に真っ正面から取り組まなければいけないこのときに、こういう不祥事が起こったということは、本当に言いようのない憤りを覚えるものでございまして、国民の皆さんも余計不信を増幅しているのではないかというふうに思います。 直接の所管であります大蔵大臣と、それからトップリーダーとしての総理の御所見を賜れれば幸いでございます。
○松永国務大臣 お答えいたします。 この委員会の冒頭にも申し上げたところでありますが、先般逮捕され、そして二回にわたって起訴をされた金融検査官のほかに、今回いわゆるキャリアを含む二人の大蔵省の職員が逮捕されたということは、まことに遺憾千万、ざんきにたえないところでありまして、私は、この事態を深刻に受けとめ、心からおわびを申し上げる次第でございます。 私は、この四人の行った行為を、四人の起訴状あるいは逮捕状の被疑事実を見まして、よくもここまで堕落した人間が大蔵省におったのだなと、情けない、そういう気持ちでいっぱいです。 捜査当局の刑事捜査の対象になった者については捜査当局が厳正に真相解明をすることになりますので、それに対しては大蔵省としては全面的に協力するわけでありますが、先ほど不規則発言の中にもありましたように、そのほかにもいるのではなかろうかという話、そういう感じがしないわけではありません。 そこで、この機会にそういったものも内部的な調査をして、そして厳しい処分をしなければ、いわゆるうみを出さなければ、大蔵省の信頼というものは回復できるものではない、こう私は思っております。大蔵省の信頼が回復されなければ、実は行政全般の信頼にすら傷がつくわけでありますから、何としてでも、間違ったことをした者については、徹底した調査をした上、厳正な対応をしていかなければならぬ、こう思っております。 とにかく、日本の中のエリートが集まっておる役所が大蔵省だ、こう言われておる。そのエリートと言われる人たちのやっていることを見ますというと、今委員の発言の中にもありましたように、二年、三年の間に接待を受けること六十回、七十回と、普通の人間でも、友人からこんなにごちそうを受けるなどということは、これは恥ずかしいことだと私は思っております。ましていわんや、役人が自分の職分に関係のある者からこれほどまで数多く接待を受ける、中には自分の方から要求したような感じ、これはすなわちたかりであります。 こんなことが絶対に許されてはなりませんし、逮捕された者だけではないということもよく言われることでありますので、この機会に徹底してうみを出すという考え方で、内部調査も速やかにかつ厳格に行って、そして厳正な処分をして、大蔵省の信頼をぜひとも回復したい、この気持ちでこれから頑張っていく所存でございます。
○橋本内閣総理大臣 今松永大蔵大臣から大蔵大臣としての気持ちを率直に話されました。私自身、昨年、総会屋への利益提供事件に端を発し、さまざまな議論がされ始めましたときから、捜査を始める以上徹底的に調べていき、本当に疑問点を洗い出してほしいということを申してまいりました。そして、なお捜査が継続いたしております。 私は決して逮捕者がふえることを希望するものではありませんけれども、ここまで捜査を進めてきていただいた。これをきちんと捜査を完結し、これで一つの問題はすべて表に出したと捜査当局が言っていただけるだけの捜査をしていただきたいと思いますし、その中において法に触れるものがあるならばきちんとした処分をしてもらいたい、当然またそうなるであろうと思います。 ただ、それと同時に、こうした事態が起こるその土壌というものが官僚だけのものであったのか。接待をする側には、あるいはその行政をリードしていくべき政治の立場に、我々もまた官に対し、その辺の甘えを許すものがなかったか、みずからの心に問いかけておるさなかであります。 いずれにいたしましても、この捜査というものを、逆に国民が信頼をしていただける行政をつくるためのその厳しい試練として受けとめて、その中から出てくるものを大切にしながら進んでいきたいと思います。
○川端委員 ありがとうございました。 こういう事件が初めて起こったのであれば、私は今の言葉は真っ正面に評価をさせていただいたかもしれない。 しかし、一月二十七日、三塚大蔵大臣は一連の不祥事の責任をとって辞任をされた。そして、そのときに辞任の弁で、記者会見で、大臣が辞めることで大蔵省の体質は本当に変わりますかという問いに対して、大蔵改革を断行することによってのみ信頼を取り戻せる、幹部に集まってもらったが、総ざんげの中であらゆる努力をしなければならないという決意表明があった、自分の辞任がそのことにプラスになると信じたい、そういう思いを込めて辞任をされた。 そして、松永大蔵大臣は就任の弁で、これも会見で、大蔵省の不祥事に関し、この機会に徹底した綱紀粛正を行う、誤ったこと、誤った人があれば厳正に対処し、国民の信頼を回復することが何よりも大事だと、今と同じことを言っておられるのですね。 そして総理も、松永氏起用の理由について、記者団に、今回は、通常の仕事以外に汚職事件の、これは言っておられないのですが、調査をするということ、書類などが押収されているが、調査をする厳しさが必要だ、そういうことを考えて決めたと述べた。 こういうことで、一月末の大臣就任は、まさに不祥事が発生し大蔵省の信用が地に落ちた、そのことに対して、もちろん金融システムの安定という大変大きな責任ある仕事をこなすと同時に、構造的に体質的にもうどうしようもなく大蔵省はなっているのではないか、このことを真っ正面から取り組んでいける人として、検事もやっておられたという経歴も含めて、大きな期待を込めて起用されたのだと私は思います。 そして、この委員会で、まさに大臣就任一時間前ですよ、この席に座っておられた。そして、今は亡くなられました新井代議士のいわゆる株取引問題で、日興証券の元役員がここで答弁された。同僚委員がいろいろ質問した。 これは、ちょうどその部分は天声人語にも引用されました。新井将敬代議士、故人への日興証券の利益供与問題について参考人質疑があった。同証券の幹部は、捜査を受けている立場なので答えられないと繰り返した。すると、委員長席から松永氏の厳しい声が飛んだ。捜査に関係がない、答えなさい。 私はそのシーンを鮮明に覚えております。まさにここで、同僚議員が真相を迫るのにいろいろ質問してものらりくらりと、しかも捜査に支障があるからと言うときに、まさに委員長、めったにそういうことをこの席の委員長は言われない立場、委員長がみずから、それではだめだ、関係ないから本当のことをちゃんと答えなさいと。私は胸のすく思いで当時の松永委員長のその采配を見ておりました。その一時間後に大臣に就任をされた。るる申し上げたような期待を込めてのことであったと思います。 前回、いろいろな不祥事がありました。逮捕者が出ました。今回、逮捕者が出ました。そして先ほども、徹底的にこの機会にうみを出して、やらなければいけないとおっしゃった。今初めてあったら、ここから始まります。就任のときに既にそういう状況であったという部分で、この間にどういうふうに徹底的にうみを出し、内部調査をし、やってこられたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 お答えいたします。 時の経過は委員仰せのとおりであります。そしてまた、前三塚大蔵大臣の辞任の際の言葉、そして私に引き継がれたこと、それもそのとおりであります。 すなわち、三塚大蔵大臣は、辞任する前日だったか、その日だったか、徹底した内部調査を進めるために金融服務監査官という仕組みをつくっていただきました。その三塚大蔵大臣につくっていただいた金融服務監査官を中心にしながら、従来からある各局の服務管理官、それらが中心になって、まず本人の自主申告、そしてそれに基づく聞き取り調査、こういったものが今続けられているところであります。 そして、私の脳裏にあるのは、実は、三塚大蔵大臣の当時、第一勧業銀行の関係で起こったことでありましたが、内部調査を、去年の七月でしたか十月ですか、されたのでありますけれども、その中身が非常に不十分だった。 なぜ不十分だったかというと、実は、接待をした銀行等の資料が全部捜査当局に押収されておりましたし、また、銀行当局に対する捜査当局の捜査が進んでおったということもあって、銀行関係者等から、反面調査という言葉が正しいかどうかわかりませんけれども、事情を聞くなどということができないままの状態での一応の内部調査になってしまった。その結果が、ずさんであったという批判を招く結果になった。 私は、今度の調査は、そんなものであってはならぬと思っておるわけでありまして、ぜひ徹底したものにしていかなければならぬ。そういう考え方で今事務方に督促をしておりまして、いずれは私自身も、事務方で内部調査したことをもとにしながら、さらにより正確な真相がつかめるように仕事をしていかなければならぬ、こう思っているところでございます。
○川端委員 私がお尋ねしたのは、前回大蔵省は、本当に総ざんげをして、やり直さなければいけないんだと。それは捜査資料のこともあるでしょう。しかし、そういう内部調査、監査室までつくって、今日に至るまでの間に、この二人のことを具体的に聞きます。逮捕された二人のことはどういう調査だったのですか。 これも天声人語に引用されているのですけれども、就任後の記者会見で新蔵相は語ったと。不祥事が報道された場合、そのときは、事実はどうなんだということを内部的に調査して、内部的に措置することが大切だ、それを刑事問題になるまで放置しておくとだんだん習慣的になってしまう恐れがあると。 まさにそうじゃないですか。いろいろな不祥事でいったら、あのときもう既に山盛りの接待をされている人がいっぱいいるということが報じられているわけですね。だから調べようということだったのでしょう。逮捕者まで出したんだ。というときに、今回逮捕された二人の人に対してはどういう内部調査であったのか、お答えいただきたい。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○武藤政府委員 今回逮捕されました二名に対します省内調査は、現段階におきましては、本人と服務管理官との間で進められている段階でございました。そういう意味では、調査の中途段階であったということであります。 今回の逮捕によりまして司法手続が開始されましたので、今後は、私どもといたしましては、捜査に全面的に協力いたしまして、それによります事実関係の解明をまちたいというふうに考えております。
○川端委員 まさに、内部的に調査して、内部的に措置することが大切だ、それを刑事問題まで放置しておくと、だんだん習慣的になってしまう恐れがあると大臣が言われたとおりなんですよ。 今までの分で、服務監査官室が調べた。これは事実かどうか私はわかりません。報道だけでございます。これは、まず自主申告を受けるのですね、何回ぐらい接待を受けたかという。どういう人と出会いましたかというのをみんな申告しなさいと言っているわけですね、この調査というのは。 そして、問題あるケースはまず所属部局の上司が事情聴取し、監査室に報告している。こうした調査の過程で、榊原、宮野両容疑者は金融機関から接待を受けていたことを自主申告したため、それぞれの上司が二人を事情聴取した上で、二月半ば、監査官室に対し、調査と処分が必要と思われると報告を上げていた。 しかし、この報告段階では、二人が受けた接待の時期や趣旨、その見返りの内容などがあいまいだったため、監査官室は、所属部署の上司にもう少し詳しく事情を聞くようにと差し戻し、二人から直接事情を聞くなどの本格調査は行っていなかったと報じられているのです。この監査室というのは何のためにあるのですかと思わざるを得ない。 そういう意味で、今回、今お尋ねすると、接待をこの二人が受けていたというのはわかっていたと。そうしたら、もう少し聞きます。先ほど言いましたように、榊原さんは一九九三年から九七年で三十八回受けている、宮野氏が何十回ですか、受けているという部分でいえば、そういう回数は把握しておられたのですか。
○松永国務大臣 今委員からの発言の中にも出てきましたが、本人は幾つかのことについては服務管理官に話をしておったようでありますが、私が先ほど申し述べましたことは、犯罪行為を犯す人は、あるいは違法を犯す人は、最初ちょっとしたことから始まるのですね。それが放置されていけば、だんだん回数を重ねて習慣になってしまう。したがって、そうなる前に発見することができれば初歩の段階で実はとめることができる、そういう私の考え方を申し上げたことが、今委員の申されたところであります。 性格もあるかもしれません。しかし、常に初歩の段階で措置することが、その後の累犯を重ねることを防止する道じゃないかというふうに私は学生時代に教わりました。その考え方なんでありまして、したがって、早い段階に発見をして、そして措置をするということが大事だということを申し上げたわけであります。 今度のことにつきましては、委員の発言の中にもありましたけれども、金融服務監査官の方は局の服務管理官に対してもう少し詳しくというふうに申し入れたようでありますが、いずれにせよ、この榊原そして宮野の二人が行った犯行というのは、逮捕状の被疑事実によりますというと、平成五年からずっと続いているという話であります。恐らく、その前からもあったのかもしれません。 長い間のことなんでありますが、そういったことについて、今まさに、捜査当局が二人を逮捕して強制捜査に入っておるわけでありますから、この件については、強制捜査による真相解明をしばらく待たないかぬ、そして、解明がなされると同時に二人の処分及び監督者の監督責任、こういったものはきちっとやらなきゃならぬと思います。 同時にまた、先ほども申したように、捜査の対象になっていない人の中に間違ったことをしている人がいる可能性がある。それも考えまして、内部調査を徹底してやって、そして問題ある者について厳正な処分をすることによって大蔵省のうみを出し切りたい、そして大蔵省の立て直しを図り、国民の信頼を回復したい、こういったことで私は頑張っていきたいと考えておるわけであります。
○川端委員 一つは、先ほど冒頭に大臣は、よくもここまで堕落した人がいたものだとおっしゃった。個人の問題なんですかね。今のを聞いていると、何か個々の、こういう人が個人でずるずるずるずるはまっていったように聞こえるんですよ。そして、その人を見つけたら処分するんだと。それは処分は必要ですよ。今言われているのは、業界との癒着体質の中で、たかりまで含めた接待漬けの中で裁量行政が行われているということに対する批判じゃないんですか。 例えばそういう部分で、そうしたら、今まで内部監査室ですか、いろいろ報告を受けてこられたということですが、この二人は突出していたんですか、報告書として。監査室の中でいろいろ自主申告を受けた中で、捕まった二人だけは突出した回数だったんですか、内部調査の段階で。いかがですか。
○武藤政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、事実関係の確認作業を進めておりました最中でございますので、その最中に今回のような逮捕ということになりました。 私どもとしては、まだそれを、具体的にどういう回数であったとかいうことを最終的に確認する段階に至っていない、中途段階であったわけでございます。
○川端委員 本気でやる気があるのかということなんですよ。大蔵省の信用失墜がどれだけ世の中に悪影響を与えているか。その部分で大臣は就任されたのです。こんな程度の調査でだらだらやっているときに、一体何をやっているんだというのを指導する立場にあるんじゃないですか。今お伺いすれば、調査をしている段階ではまだ個別のことは聞いていないとか、やる気がないとしか見えない。日本は言霊の国と言われている。言葉に魂がある。大臣は本当にその決意を込めて就任をされたという言葉が端々に会見で見えていたから、私は期待をしていた。 今回、事件が起こった。この部分は、逮捕者が出ることは、避けられなかったというより、むしろ検察が努力したんだと思う。しかし、その部分と、そのほかの部分にまで、内部的にはこういう問題があるということがわかっているのだろうかというと、どうも今のおざなりの、組織をつくって内部調査をしているという部分で、総ざんげで死に物狂いで調査をするという姿勢が私には見えない。その部分で、これから、先ほどまた内部でこの機会に徹底的にうみを出してとおっしゃったけれども、悲しいながら、余り期待が持てない。 今までとこれからの内部調査、どういうことをどういうふうに調べて、どういう結果であったか、個人のプライバシーの問題はあるでしょう、それに配慮する中で、調査結果の公開はしていただけるのでしょうか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 先ほどから申し上げておりますように、これほどの回数を重ねて、接待を受ける。余りにもひどいじゃないか、情けない、恥ずかしいという感じを私は持っておるわけです。しかも、それが、先ほどから話が出ておりますように、今まで逮捕された人四名、それ以外にも問題がある人がいるらしいという情報が飛び交っております。したがってこの機会に、刑事捜査の対象にならなかった人の中に問題がある人がいるんじゃなかろうか、そういう疑いが持たれますので、徹底した調査をして、そして厳正な処分をするということを申し上げておるわけであります。 そして、先ほど、個人の倫理の問題ですかという話がございましたが、私は、大蔵省の官僚の中にも、夜遅くまで、明け方まで一生懸命仕事をしておる職員がいることも事実であると思います。したがって、基本的には、実は本人の倫理観の問題がもとにはある。 行政のやり方としては、今までの事前指導型、裁量型の行政から、事前に明確なルールを明らかにした上で、そのルールに従った行為がなされているかどうか、それを事後にチェックするという事後チェック型の行政に根本的に転換をしていかなならぬということも、しばしば申し上げているところであります。 それはそれとして、行政のあり方の問題それから個人の倫理の問題双方から、私は、この問題には対応していかなければならぬ、こう思っております。 それから、問題ある者については、先ほども申したとおり、厳正な処分をするわけでありますから、処分の結果は明らかにしなければならぬ、こういうふうに思っております。
○川端委員 処分されたら、それは法に基づいて処分されるのですから、公開されるのは当たり前ですよ。要するに、大臣も言っておられるように、司直の手を煩わして、犯罪を起こした人なんというのはもう論外ですよ。だけれども、内部調査でいえば、好ましくない接待を、これは対象にもよるでしょう、程度にもよるでしょう、回数にもよるでしょう、こんな実態でしたということは公開されるべきじゃないですか。だからこそ、まさに総ざんげをしてやり直すのです。 個人の部分でちょろっとして、やった人の部分は、捕まって書類はありませんからわかりませんが、いろいろ調べて、今聞いているところです、生まれ変わってやり直しますと言っても、何にも信用できないですよ。 先ほどお尋ねしたのは、そういう部分でいろいろな内部調査の結果は報告していただけるのでしょうねということをお尋ねしたのです。大臣、ずっと答弁された中にそのお答えはなかったので、もう一度聞きます。
○松永国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、調査を厳格にやって、そして顧問弁護士さんもお願いしておるわけでありますから、その助けもかり、私もみずからそのことに関与して、そして厳正な処分をするということを申し上げました。そして、問題のある者については公表するというふうに申し上げるわけであります。
○川端委員 実際にどういう実態であったかを公表していただきたい。 私は民間の製造業に勤めておりました。起こってはいけないことですが、たまには事故、災害が起こります。階段から踏み外してけがをする場合もあれば、機械に巻き込まれて大けがをするということもあります。ちょっと性格が違いますけれども、こういう災害が起こったときというのは、本当に徹底して、なぜ例えばここに指を持っていったんだ、どういう経過の作業の中でそういうことをしてしまったのか、機械の構造上の問題、その人の心理、仕事の流れ、とことん分析をして、事故の原因というのは究明します。 同時に、よく似た仕事、同じようなことが起こり得ることがほかの仕事のときにないのだろうか、とことん調べますよ。そして、そういう事故の二度とないように。これは、標語で安全第一とよく言いますね。働いている人がけがをするなんということは不幸なことですよ。そして会社も大変なんです。そして社会的にもよくない。その使命感と責任感があるから、一生懸命やるのですよ。大蔵省の使命感、責任感ははるかに重いのじゃないですか。 そういうときにこういう疑惑が出た。そうしたら、先ほど場外から、魔女狩りはやめろと。そんなことを言っているのじゃないですよ。どんな実態なのかという事実もわからずに対策を打てるはずがないじゃないですか。一度起こって、二度目にまだまだというのは最悪ですよ、これは。 そういう部分で、その部分をどう取り組もうとされるかの中の一つに、まずは調査の段階の報告は、処分した人云々ではなくて御報告いただきたいという部分は、個人の名前とか云々ではなくて、こんな実態でしたという実態を御報告いただきたい、そういうことを含めて確認をしておきたいと思います。 二月三日の大蔵委員会の民友連の日野委員の御質問で、「大蔵省の中でまた司直の手が及ぶというようなケースが出てきた場合、あなたの前任者の時代の話であっても、政治家の責任というのは結果責任というのがよく言われることなので、そのときの大臣の身の処し方いかん、こういうことです。」という質問がありました。 大臣は、「大変難しい御質問でございまして、私は、大蔵省の中からさらなる逮捕者その他が出ないことを心から願っておるわけであります。そしてまた、省内のことを考えますと、この際、内部調査を厳格にやって、そして捜査当局の手を煩わすことなく、誤ったことをした人があれば内部的にもきちっとチェックをして厳正な処置をしていきたい、こう考えておるわけであります。 もしという話でございますが、もしの場合には、そのときにおいていろいろな点を総合的に判断して、政治家としてのきちっとした身の処し方をしたい、こう考えております。」こう述べられております。 この前段の部分が今言われたことなんでしょう、内部的にきちっとチェックをして。この部分で、一つは、この二人に対しては、既に逮捕されたに至るまでに大蔵省としてはどういう調査をしていたのかということがどうも明らかでない。 それから、先ほどの、調査するというのはいつごろまでにおやりになるのかということも含めて、今大蔵大臣は、この件に関してどこまでおやりになるのか、その決意が、前のときに決意を述べられて、今回どうももう一つ感じられないということですが、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 前に逮捕されて起訴が済んだ二人、今度新たに逮捕された二人、いずれも平成五年以降ずっとやっておるというケースなのでありまして、その前もあるのかもしれません。恐らく時効の関係で逮捕状の被疑事実に書かれていないとか、あるいは起訴されていなかったというふうな感じすらいたします。したがって、最近急に起こったこととは思われない。その意味では、根が深いといえば根が深いです。その根を断ち切ることが大事なことだというふうに思います。 そのために、先ほど申したとおり、まず大蔵省の名誉を回復したいという気持ちをみんなが持って、そして二度と関係業者の接待を受けるなどということがないように、意識の改革を徹底してやってもらいたい。それともう一つは、行政のあり方、仕組み、先ほど申したとおり、裁量行政から事後チェック型にやっていきたい、こういうふうな改革をしていきたい、こう考えておるわけであります。 なお、先ほど申したとおり、三塚さんは非常な責任を痛感されておやめになったわけでありますが、私に課せられた使命は、三塚前大臣が大蔵改革の筋道を大体立てていただきました。それはすなわち、金融監督庁の設置であり、あるいはまた日銀法の改正による日銀の独立性の確保であり、そしてさらには中央省庁再編基本法に基づく大蔵省のさらなる権限の縮小等々あるわけであります。 そうした三塚さんの敷いてくれた大蔵改革の基本、そしてさらに、みずから金融服務監査官室をつくっていただいたので、そうした三塚さんの敷かれたそのレールをしっかり踏み締めて、そして真相解明から、大蔵改革の実施から、全力を尽くしていくのが私に課せられた任務だろう。総理からもそういったことを指示されておるわけでありますので、その指示に誠実にこたえて、文字どおり、一身をなげうって頑張っていくのが私の政治家としての責任だろう、こう考えておるところであります。 なお、先ほど答弁漏れになっておったようでありますが、先ほど委員のお言葉の中に、こういう実態でした、こういうことでしたということ、これについては、問題者の処分をするときにその内容もやはり明らかにしなければならぬだろう、こう思っております。
○川端委員 なぜこのことを何度もお尋ねしたかといいますと、課長補佐というのにそんなに大きな権限があるんだろうか。いろいろな決裁をするには当然上位者があるわけですね。課長補佐だけで物事を決めるわけではないという役所のシステムです。 そして、いろいろな業界、企業が課長補佐に重点的に接待をしたというけれども、課長補佐にはするけれども、課長やその上の人には一切接待をしないということがあり得るんだろうか、お願いもしないということがあるんだろうかということで、請託と職務権限、そこに金品の授受という部分には及ばないという部分もあるのかもしれない。これは検察の仕事です。 職務権限という部分でいえば、例えば、俗に言われるキャリアという人は非常に短い、ころころかわられる。だから、ノンキャリと言われる人が比較的長くいて、やられる。やられると言ったら変ですけれども、罪になる。 俗世間で言うと、その接待のオーダーは、行く店からランクから費用から、一けた違うと言われる人がのほほんとしているではないかという批判が世の中に満ち満ちているし、実態として言えば、それはそうではないのじゃないかということではないキャリアの高級官僚まで、この人たちのモラルはここまで地に落ちたのかと言わざるを得ないような実態である。 そのことに対して、検察の手が及ぶ及ばないではなくて、大蔵省としてこんなことでありましたとおわび申し上げると同時に、起訴されたから処分するじゃなくて、内部の処分も、それから、これからちゃんとしますということもきちっと出さないで、どうして信用が回復され、信頼が回復されるのかと言わざるを得ない。 その部分に関して、大臣は、今まさにそういうことをきちっとやるということが私の責任だとおっしゃった。それも政治の責任としては一つのとり方だと思う。 そういう中で、例えば今回の部分でも、その周辺でいえば上司の問題。具体的に言えば、その人の上司が、ずっとつながった部分で、そこがどれだけ接待を受けたのか調べようと思ったら事情を聞けばいいわけですから。ということも含めて、具体的にそういうことをみんな自主申告しなさいよでは、言うはずないですよ、そんなもの。そのために監査室をつくったのでしょう。きちっとそういうことをやるという姿勢がなかったら、ひっかかったのは運が悪いやつだということで、これは終わりませんよ。どうですか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 委員が申されたとおり、ひっかかったやつが運が悪いんだなんというようなことであってはいけないのです。だから、捜査の対象にならなかった人であっても、いろいろうわさのあるような人については厳しく調査もしなきゃなりません。それから、自主申告あるいは聞き取り、それをもとにして、顧問弁護士さんの意見も聞いて、そしてさらに調査を深めて、私自身も最終的にはみずから関係していかなければならぬ、そういう決意をしておるわけであります。 そういったことをやって、今委員の仰せのとおり、徹底した調査をしたなと評価される調査結果を出したい、そして処分もしたい、こう考えているところであります。
○川端委員 今具体的に申し上げました、今回の逮捕者の周辺、職務上の上位者のこういう接待事実等々を調査して、御報告いただけないでしょうか。
○松永国務大臣 今回の逮捕者の関係は、今まさに捜査当局が強制捜査に入って捜査をしているところでありますから、これは我々は捜査に協力するという立場もとらなければいけませんから、しばらく実は待たなければいかぬというふうに思います。別だとおっしゃいますけれども、実際はそうなんですよ。したがって、この関係だけはしばらく待ってもらわなければならぬ、こういうふうに思います。
○川端委員 大蔵省にいる、当時の上司であった人を大蔵省として調べるのにどうして支障があるのか理解ができませんが、どうなんですか。捜査には支障がないじゃないですか。そのときの、課長補佐のときの課長や局長に、あなたは今言われているこの関係で接待を受けましたかと、申告させ、聞き取りをすることがどうしてできないのですか。
○松永国務大臣 日興証券の関係者を証人質問したときに、証人として出てきた人がしばしば証言をあれしましたね。これは、私はもうすれすれまで証言をさせたいと思っておったのでありますけれども、恐らくあのときには捜査当局から何らかの注意は受けておったのじゃなかろうか。捜査の妨げになるようなことはできるだけ、そのことを言って、対応してくれということであったかもしれません。 そういったことで御理解願えると思うのでありますけれども、この二人のその関係については、しばらく待っていただければより正確な調査が我々の側でできるのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでありまして、捜査の邪魔にならぬような形でぜひひとつ徹底した内部調査を遂行してまいりたい、こう思っているところでございます。
○川端委員 ということは、既に、そういう関係者は当局の事情聴取を受けている対象であるからということですか。そうでなかったら別にここの、弁護士云々で、刑事訴追を受けるおそれがあるから答えられませんなんという話を、例えば大蔵省の服務監査室が調査して、課長に聞いたら、私は訴えられるかもしれませんから答えられません、こういうことを言うということですか。ちょっと理解ができないのですけれども。
○松永国務大臣 誤解があるといけませんから。そういったことを申したつもりじゃありません。だから……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○松永国務大臣 この榊原の関係は、平成五年から平成九年七月の間、宮野については平成五年四月から平成八年二月の間における長い間の実は接待を受けたという被疑事実でありまして、それに関連するところは捜査の妨げになっちゃいかぬという感じがいたしますので。別にそう言われたわけじゃありませんから。 したがって、その点は、後になるかもしれませんが、いずれにしても調査は徹底してやります。そうして、先ほど言ったように、こういうことでしたという問題者の処分の内容と、そして、こういうことでしたという事実関係、これは皆さん方に報告しなきゃならぬ、こう思っております。
○川端委員 こればっかりやっていると時間があれなんですけれども。 先ほども紹介しましたけれども、不祥事が報道された場合、そのときは、事実はどうなんだろうということを内部的に調査して、内部的に措置することが大切だ、それを刑事事件になるまで放置しておくとだんだん習慣的になってしまうおそれがある、こうおっしゃっているわけです。 本当にこの個人はとんでもない接待をした、ここまで堕落した人かと大臣おっしゃいましたけれども、という人であって、あとの周りの人はそうでない、ちゃんとしたことをやっていました、信頼して大丈夫ですということを明らかにするというのが大臣の責任じゃないですか。そのために、上司を、あなた、これだけ行ったときに同席していたの、あるいは、こういう人とどれだけ飯食ったのと調べることが、どうしていけないのですか。理解できないのです。
○松永国務大臣 お答えいたします。 長い間の接待のようでありますが、内容が明らかになってくれば、当然のことながら、そのときに同席した人もおのずから明らかになってくるでしょう。さすれば、同席者についても当然のことながら調査をする、そして正確なところを把握するという形で調査は進めていかなければならぬ、こういうことであると思います。
○川端委員 総理にお伺いしたいのです。 今回、二兆円強の公的資金の導入で、金融安定化システムの部分がいよいよ政府の法律に基づいて動き出そうとしている。先ほどの委員会の質疑でも、いろんな部分で、なぜ公的資金がそうなんだとかいう議論はありますけれども、一応システムとしては動き出す。こういういろいろな議論のある中でまでこういう対策をとろうという部分に至った、金融システムが大変な状況になったという部分は、いろいろな側面があると思うのですね。国際化にきちっとするのにどう対処するのか、バブルが崩壊した後遺症をどうするのか。しかし、その中で、やはり昨年、山一の破綻、そして拓銀の破綻、これが大変大きな引き金というか、事態を、不安を拡大したことは間違いないと思うのです。 この拓銀の検査に手心を加えたのが、これは谷内さんというのですか、前に捕まった人ですね。山一の検査の現場の責任者が宮川さん。山一証券のいろいろな飛ばしの部分を含めて、証券取引等監視委員会の上席ですか、逮捕されたのが宮野さん。特捜部に逮捕されたのが五日で、四日には、特捜部と合同で山一証券を家宅捜索した。証券取引等監視委員会は特捜部と合同で四日には山一に家宅捜索に入って、次の日にはその一緒にいた人の中の上席検査官が逮捕されているのです。漫画ですよ、こんなの。そして、まさにビッグバンの部分でいえば、自己責任、国際競争力を持った体質強化という部分をやっていこうというときに、裁量行政で手心を加えたのは榊原さん。 山一と拓銀だけを見ても、本当に大蔵省の検査や監督や行政というものが公平に、公正に、的確に行われていたら、ここまで山一は破綻しなかったのではないだろうか。拓銀はつぶれなくて済んだのではないだろうか。被害はもっと最小限で済んだのではないだろうか。こういう事件を見ると、大蔵省の体質的、構造的なものがこの金融不安の状況に大きな大きな責任を持っていると私は感じます。 いろいろなシステムを、いや、公金投入だと、これは起こった現象に対しての対策なんですよ。根っこの部分でこの大蔵の改革というのが大変大きな意味を持っているから、私は、しつこいかもしれないけれども、大蔵大臣に聞いた。どこまでそのことを自覚して、死に物狂いでやろうとするのかという決意が、残念ながら私には余り感じられなかった。精いっぱい頑張っていただきたいと思います。 この一連の金融不安が云々と言われ、金融システムの安定化が一番大事な国の課題だと言われる部分に関して、今回の一連の不祥事を含めて、改めて総理の御見解をお尋ねします。
○橋本内閣総理大臣 先刻私は、特定の総会屋への利益提供事件から端を発したという申し上げ方を答弁で申し上げたと存じます。 今、さまざまな角度から、議員、御論議がございました。そして、私に今改めて、その逮捕者四名と、そして山一、北拓の両社名を挙げられまして、その両社の節目に、今回逮捕された、被疑者となった人間がかかわっている、どうしてこういうものが信じられるかという御指摘をいただきました。 私自身、特定の個人にすべてを帰すべく、それで終われる話ではないと思います。そして、こういう状況にいつの間にかなってしまったと、本当にそういう感じなのだろうと思うのです、関係者からすれば。しかし、接待を当然のものとする風土、受け入れる側においても、行う側においても、そうした風土が自然自然に拡大し、それが悪質な道に入っていき、行政を監督すべき我々もまた、そこに甘えがあったのではないだろうかということを、率直に先ほど私は申し上げました。 今、当然ながら、大蔵大臣は、五百五十名に上ると聞きましたが、過去五年間の金融検査部関係の人間の行動のチェックを指示してやらせておられます。これはまず大事なことでありますし、これもまた個人にかかわることでありますから、正確を期すだけのきちんとしたものにしてもらわなければなりません。そして、それはまた逆に、誤っておりましたらその本人を傷つけることだってあるわけですから、この調査は慎重にやらなければなりませんけれども、それはそれ、捜査は捜査として続けていただく。 しかし、基本的なところで、本当に従来の行政というものを根底から見直し、組み立て直し、あるべき姿を模索する。それはまさに、事前管理型の行政というものから、官僚たちが今持っている権限を思い切って捨て、そのかわり関係者の自己責任原則というものを認め、その上で事後チェック型の行政に変わる。その間における情報のできる限りの公開を行うといった気持ちを持たなければならないと思いますし、これは、ひとり大蔵省だけではなく、今後行政として考えていくべきものではないか、そのように思います。
○川端委員 時間が残り少なくなってまいりましたので、経企庁長官にお尋ねをしたいというふうに思います。 月例経済報告が三月六日に出ました。停滞とあるのですけれども、前回二月は、停滞というのは足踏みと弱含みの中間だというふうな解説がありまして、長官は下向いてはいないとおっしゃったのです、停滞だと。今までの部分でいえば、回復基調にあるもののから始まったわけですけれども、だんだんそういう言葉がなくなって、停滞だというふうに前回なった。今回も停滞だという部分は、前月と並んで同じような状況だというのか。 報道ですからあれですけれども、前回は、停滞というのはどういう意味ですかというのは、いろいろな議論があって、足踏みと弱含みの中間だったのです。今回は、弱含みと同等だ、これは報道ですから。ということで、何か、正直言ってどうなの、どう思っておられるのというふうに思うのですよ。 これは、例えばいわゆる景気の一致指数は、九月が五四・五。これは五〇を切ったらという数字ですけれども、これが既に十月、十一月、十二月で一五、ゼロ、ゼロ。一致指数が三カ月連続して五〇を切った場合には、景気は後退期間に入っていると普通言われる。しかも、〇・〇という部分は、もう間違いなくその部分で景気は後退していると判断するというのが、過去何十回かの部分でいうと、ほとんどそういう状況の分析になるというのに、まだ後退でないとおっしゃる。いろいろな数字を見れば、男性の失業率は最悪、企業倒産件数も最悪。この景況判断は間違っているのではないですかということが一つ。 それから、そういう状態で、政府はこの予算と関連法案を成立させれば政府の経済見通し一・九%は達成できると、桜の花の咲くころにはという何か付録がついていたようですけれども、そういうふうになぜなるのか、理解ができないのです。そこのつじつま合わせのために、そういう表現で、後退していると言ったら、今の予算では一・九%、桜の花の咲くころどころではなくてということになるから、実態と違う発表をされる。そのことがどれだけ経済に悪影響を与え、国際的な信用をなくしているか。 そして一方では、官房長官、わざわざ突然においでいただいたのですが、地元では大熱弁を振るって、一九九八年度経済成長率一・九%を達成できるよう渾身の努力を込めて研究している、内外の経済情勢に機動的、弾力的に対応するのが政治の責任だ、いろいろなものを適宜適切に努力すると述べた。おっしゃっていることはそれだけですけれども、見出しは「大型補正に意欲」と、こう載るわけですね。 そういう部分で、長官に、この経済見通しで、今の予算と法案でちゃんと一・九%が達成できるということですねということを確認させていただきたい。 そして、官房長官はこのようにおっしゃっているけれども、ゆめゆめ補正なんか組むなんということは全く考えていませんということでしょうね。確認させてください。
○尾身国務大臣 まず景況判断についてでございますが、私ども、経済の現状を正しく客観的に判断して、それを国民の皆様にお知らせするのが経済企画庁の職務であるというふうに考えておりまして、できるだけ客観的に判断をし、公表しているつもりでございます。 現在の景況判断でございますが、先ほど来いろいろなお話がございましたが、一つ一つの項目について見ますと、時間もございますから簡単に申し上げますが、純輸出については、輸出強含み、輸入がおおむね横ばいということで、増加傾向にあります。 設備投資は、全体として伸びが鈍化しているというふうに考えております。 住宅建設は、住宅着工、年率百三十万戸前後でございまして、依然としてその水準は低いというふうに理解をしております。 個人消費でございますが、消費税率引き上げに伴います駆け込み需要の反動減がございましたが、その後、一時持ち直した感がございましたが、昨年の十月、十一月、十二月ごろになりまして、アジア経済の問題、あるいは大型の金融機関の破綻等によりまして、いわゆる景況感が急速に悪化をいたしまして、将来の先行きに対する不安感というものが出てまいりました。その結果、大幅に消費が停滞をいたしました。九月消費性向七二・五%でありましたものが、十二月には三・五ポイント下がって六九%に下がるという状況になったわけでございます。 そういういわゆる景況感の悪化が経済の実態に、十二月、一月、二月ごろにあらわれてきているというふうに考えております。 弱含みであるか停滞であるかということについてはいろいろ御議論がございますが、私自身は、停滞の方が弱含みよりも弱い表現であるというふうに実は理解をしておりまして、その後、当庁の担当者が、停滞というのは足踏みと弱含みの間であるというような解説をしたこともございまして、いろいろと部内で調整をいたしました。 その結果といたしまして、停滞という表現は弱含みという表現とほぼ同じであるというふうに意見を統一したところでございます。むしろ、この点は、実は私自身、部内で議論をしないで、停滞という表現を使う方がいいというふうに判断をしたわけでございますが、この機会にお話をさせていただく次第でございます。 なお、将来の動向でございますが、金融システムの安定化のための施策が実施をされたことに伴いまして、株価等の動向に見られますように、景況感につきましては実は好転をしているというふうに考えております。しかしながら、その景況感の悪さというのが一月から三月ごろの実体経済の悪いところに反映をしているという状況でございます。
○越智委員長 時間が来ております。
○尾身国務大臣 しかし、質問がございましたのでお答えをさせていただきたいと思います。 そういう状況でございますので、私どもは、十年度予算を第一に通していただくことが必要でございますし、それから、経済企画庁といたしましては、昨年十一月の緊急経済対策のフォローアップや規制緩和をさらに進めるというような問題についても、現在検討をしております。 もとより、経済は生き物でございますから、その状況、金融の実情等に応じまして、適宜適切、臨機応変な対応をとることは、私どもとして当然のことであると理解をしております。
○村岡国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。 しばらくぶりで、ことし初めてでございますが、地元秋田へ、土曜日、日曜日、戻りました。 どうやってこういう報道になるのか。九年度の補正予算についてはいろいろ説明をいたしました。また、検査官を増員した方がいいという発言はいたしました。大型補正予算については一言も触れておりません。同行した記者と今確認をしてまいりました。 以上でございます。
○川端委員 質問時間が来てしまいました。 最後に一言だけ申し上げたいのですが、こういう場で聞くと、今の予算がベストで、そして一・九%経済成長率ができるのだ、いろいろなことで、我々、六兆円の減税、そして場合によっては財政改革法の弾力運用、改正を含めて、本当にやるべきだというときに、いやいやそれは正しいことなのですとおっしゃりながら、場外では、例えば政調会長は十兆円規模をやるんだというふうにして言われることが、いかに政治に対して不信を招いているか、国内だけではなくて国際的にということを、きちっと改めて、真っ正面に取り組んでいただきたいことを申し上げて終わりにいたします。
○越智委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、生方幸夫君から関連質疑の申し出があります。川端君の持ち時間の範囲内でこれを許します。生方幸夫君。
○生方委員 民友連の生方でございます。 午前中、同僚議員の質問にもございましたが、先週また、大蔵省のキャリアの方ともう一人の方が逮捕されるという不祥事が起きました。新聞で私も見て驚いたのですが、キャリアの方の逮捕というのは実に、一九四八年、当時の主計局長が逮捕されて以来五十年ぶりだということでございます。私は、その五十年の長さに驚くよりも、むしろ、五十年という期間キャリアに一切捜査の手が及ばなかった、さすがに官庁の中の官庁と言われた大蔵省に法務省といえども手が出せなかったという事実があったのではないか、その時間の長さに非常に驚きを感じます。 総理、五十年ぶりにキャリアの方が逮捕されたということについて、どんな思いがございますでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 私は、だれであれ、逮捕者が出たということ自体を非常に重いものだと思います。そして、先刻も御答弁を申し上げたことですけれども、総会屋に対する民間企業の利益提供の事件から、この事件がいわば糸を手繰るような形で出てまいりました。そして、今も捜査が継続をされております。私は、この全体を大変情けない思いで受けとめるとともに、この捜査を徹底して、これで捜査としてはもうないと言えるところまできちんとやっていただきたい、それが行政に対する信頼を取り戻すその第一歩にもなる、そんな思いを持っております。 と同時に、もう一つ、私自身として非常に情けない思いがしておりますことは、公務員倫理規程というものをもって公務員の倫理が正される、私は本当に二年前そう思っておりました。それが、今回逮捕されたその被疑事実を見ますとき、倫理規程をつくりました後においても、なおそうした行動が続いていた。それが捜査によって摘発をされた。私は、キャリアであるとかないとかということではなく、倫理規程がつくられた後も守られなかった、それが非常に悔しい思いであります。 そして、それが、従来申し上げておりましたものと違い、残念ながら、いわゆる公務員倫理法といった法をもって行動を規制しなければならないというところまで考えるそのきっかけにもなりました。その意味では、私は、極めて情けない思いで見守りつつ、同時に、この捜査がきちんと行われ、これでもうこれについて問題はないと捜査当局が言ってくれるところまでの捜査を期待し、そこから信頼の回復に努めていきたい、そのように思います。
○生方委員 今回のキャリアの方の課長補佐の容疑は、証券会社から接待を受けて、新金融商品の許認可に便宜供与を行ったというものでございます。一方、もう一人の証券監視委員会の検査官も、野村証券で起きました外国債の販売に絡むトラブルを早期解決したということで接待を受けておりました。 これまで大蔵省はたびたび、接待を受けたことによって行政がゆがめられたことはないというふうに答弁をなさっておりましたが、今回の事例は明らかに行政をゆがめたと言わざるを得ません。私は、総理大臣、行政の長として総理大臣にもやはり政治責任というものがあると思うのですが、総理御自身の政治責任について、どのようにお考えになっておられるでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今、私は私なりにそれを申し上げたつもりでおりましたが、それでは、もう一度きちんと申し上げたいと思います。 確かに私は、こうした不祥事が倫理規程によって、彼ら自身の倫理観で対応されると思っておりました。そして、国会で公務員倫理法の制定を求める御意見がありました際に、私は法をもって果たして倫理を規制すべきかと逆に問いかけをし、公務員倫理規程で対応しようといたしました。 今回逮捕されました複数名の中に、倫理規程制定後において、なお容疑事実を捜査当局として挙げられているケースがあります。私にとりましては、これは本当に情けないという思いでありますが、同時に、倫理規程で足るという判断をしたことが誤りであったことは、私自身率直におわびを申し上げます。 そして、その中から、信頼を取り戻すために全力を尽くすのが、今果たさなければならない責任の一つ、そのように思います。
○生方委員 大蔵大臣にもお伺いしたいと思います。 午前中に同僚議員の方からの質問もあったと思いますが、前回の大蔵委員会の席で、大臣は、司直の手が及ぶような事態になったら、総合的に判断して、政治家としてのきちっとした身の処し方をしたいというふうに答弁をなさっております。 この答弁どおり、私は、きちっとやはり上に立つ者が責任をとるということが不祥事防止に非常に役に立つのではないかというふうに考えますので、重ねて大臣の御答弁をお願いいたします。
○松永国務大臣 お答えいたします。 私は、大蔵大臣を任命されるときに総理から、大蔵改革を断行して大蔵省を生まれ変わらせることに全力を尽くしてもらいたい、そして国民の信頼を回復するために全力を尽くすように指示をされました。 私自身は、その総理の指示を受けて、二度と大蔵省が国民の大変な非難を受けるような事態が起こらぬように、徹底して職員の倫理観を喚起し、同時にまた大蔵行政のあり方も、今までの事前指導型の、あるいは裁量型の行政から、事前にルールを明示して、そしてそのルールに従った行動がなされているかどうかを事後にチェックする、事後チェック型の大蔵行政に転換をする、そういったこともやり遂げると同時に、既に路線が敷かれておるいろいろの大蔵改革に関する事項をしっかりやり遂げていくというのが私の務めだろう、こう思っております。 同時にまた、先ほどから委員が申しておられますように、今回の事態を見ますと、非常に残念な、また非常に恥ずかしい、そういう事態でございます。根は深いような感じがいたします。起訴事実や逮捕状に書いてある被疑事実から見ますと、平成五年からになっておりますけれども、恐らくその前もあったのかもしれません。時効の関係で、それが起訴状とか被疑事実に載ってないのかもしれません。 いずれにせよ、長年にわたって何十回にわたって関係業界から接待を受ける、こんなに恥ずかしいことを繰り返しやるような職員が大蔵省に何人もいたのか、こう思うと、まことに残念、恥ずかしい限りです。しかも、今まで、大蔵省というところはエリートの集まっているところだ、こう言われておっただけに、これは残念至極であって、これは根本的に倫理観に立ち返って、そして、真っ当な公務員としての行状を今後ともしてもらうように、私は大蔵省の全職員に強く求めておるところでございます。
○生方委員 大蔵省は一月から調査を行っている、対象者は五百五十人から六百人というふうに聞いております。私の手元にその調査表というのがございます。大蔵省が実際に職員の方に配ったものです。これを見ますと、日時、区分、相手方業者名、場所、当方の同席者、費用負担、備考、これだけのものです。これだけのものを見せられて、一年前、二年前、三年前について書けといっても、私も、これじゃ書けないと思うのですね。 例えば、もし本当に調査をする気であるのならば、銀行、少なくとも大手銀行、それから長信銀、あるいは証券会社、そこと、どこで、いつ、どう会ったのか、最低でも金額はやはり書く欄がなければ、調査のしようがないですよ。二人の方が調査表を出していた、一度突き返されたというのも、これだったら何にもわかりようがございませんよ。 だから、もし本当に調査をする気があるのであれば、もっときちんと実態がわかるような調査の仕方というのがあると思うのですよ。たった一枚のこの紙で、しかも、もしここに書くのであれば、下に署名する欄があって、この調査表に書いた記述に間違いがあったら私は責任とりますという一言でもなければ、これをただ出して、もし私が仮に非常に悪い人間であれば、十回行ったところを一回だけしか書かないかもしれない、そんなことになっちゃうかもしれないじゃないですか。 その注意を喚起するためにも、もっとこの調査表を工夫してしかるべきだと思いますが、大臣、もう一度、いや大臣です、大臣、もう一度新しくこれを書きかえるつもりがあるのかどうか、お伺いしたいのです。
○武藤政府委員 今御指摘のありました調査表でございますけれども、私どもは、この調査表がすべてであるというふうには考えておりません。 御指摘のとおり、五年にさかのぼりますと、人によっては非常に記憶が薄れていることもあるわけでございますので、むしろ何らかのメモを出していただきまして、服務管理官なり監査官なりとそれをチェックしながら、よりいろいろな事実を明らかにしていくといったようなことを考えております。 費用負担の問題もございましたけれども、接待を受けたときに、それが幾らであるかというのはむしろわからない方が一般的なのではないか。だから、自分が負担したときは幾らかというのを書いていただきたい。むしろ、その調査の過程で、それがどこであったか、場所等がわかればおのずと推察がつく、そういうようなことになっておるわけでございます。
○生方委員 仮にそうであったとしても、この調査表では、記憶を喚起するという工夫がなされていないわけですね。もし本当に調査をする気があるのであれば、記憶を喚起するようなきちんとしたつくり方というのがあるはずなんですよ。ただこれ一枚出して、あなた、だれとどこかで飲んだのを書きなさいと言われても、大臣だって、書けないですね、これだけじゃ。いかがですか。本当に調査をする気であるのならば、この調査表自体から書きかえるべきじゃないかというふうに私は思うのです。
○松永国務大臣 お答えいたします。 今委員のおっしゃったことは、あるいは参考になる御意見であるかもしれません。しかし、今回大蔵省がやっておる内部調査というのは、それはそれでありますけれども、それに基づいて服務管理官が聞き取り調査をし、そして、それを土台にして金融服務監査官が、顧問弁護士の意見も徴しながら、さらに調査を進めていく、実はこういうやり方になっておるわけであります。それは調査のスタートなんです。そういうふうに御理解願えればありがたい、こう思うのです。
○生方委員 調査のスタートであって、これに基づいてきちんとした調査がなされるということを私も望んでやみません。 しかし、もう一点この調査には欠陥があるというふうに私は思っております。この調査をしているのが、金融部局に関連した方たちだけである。大蔵省の中の大蔵省というふうに言われている主計局にいた方についての調査というのが行われていないわけですね。 私も友人の信託銀行のMOF担の方に聞いたことがございますが、やはり主計局の役人というのは違う、つき合い方も我々おのずから違ってくるのだという言い方をしておりました。まさに、ノンキャリアとキャリアの方たちのつき合いが違うのと一緒に、主計局はまたその他の局と違うつき合いがあるのだ、それはむしろ、もっと深いつき合いというか、もっと額が大きかったり、違った場所になったりというつき合いがあるというふうに言っているわけです。 すなわち、実際の職務権限というのは主計局にはないとしても、実際、予算を配分するという、権力がいわば集中しているところでございますから、どこでもその主計局の役人とつき合いたいという意思は持っているわけです。したがって、大蔵省の腐敗というものを根本的に直すというのであれば、当然、主計局にいた、いるキャリアの方についてもきちんと調査をするべきだというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○松永国務大臣 今回の調査は、金融関連部局、したがって、銀行局、証券局、それから国際金融局の一部、理財局の一部等々になるわけでありますが、過去にさかのぼってそういう部局に在籍した者について調査をいたしますから、現在は今申した部局にいないにしても過去におったという人は相当いるわけでありまして、主計局の中でも相当数の者が在籍した方のようであります。したがって、実際上はそこまで広がるわけなんであります。それで総計五百五十名ということが予想されるわけであります。 なお、前にもお答えしたことがございましたけれども、雑誌とか新聞等に何か言われたような人については、それはそれなりにその真否その他も確かめる必要がある、こういうふうには思っておるわけでありまして、そういう関連での調査はしなきゃならぬ、こう思っております。
○生方委員 大蔵省にいるキャリアの方は全部で八百人だというふうに報道されております。今回の調査が五百五十人から六百人ということでありますから、あと二百ないし二百五十人、これは時間がかかっても結構でございますので、いずれ、この第一次調査というようなものが終わりましたら、二次調査としても全員のキャリアの方に少なくとも調査をしていただきたいということをお願い申し上げます。 それから、午前中にもございましたが、その調査の内容をやはり私は明らかにする必要があると思います。五百五十人なり六百人、どういうような結果で、これは個人名はプライバシーの問題もございますでしょうから結構でございますから、どんな接待を受けて、どんな状態であったのかというのを、大蔵大臣、いつまでに私たちに明らかにしていただけますでしょうか。
○松永国務大臣 調査の内容と結果をお知らせするという問題でございますが、当然のことながら、問題がある者については厳正な処分をするわけでありますから、それは当然のことながら報告になることになります。全くなかったという者については、今委員もおっしゃいましたように、プライバシーの問題等も考えて、プライバシー侵害にならないという形をとりながら、その背景的な事実その他についてお知らせするというふうにしなきゃならぬかなというふうに思っております。 それから、時期の問題でございますが、これは前からもしばしば言われていたことでありますけれども、実は、去年の秋の調査が結果においては非常に不十分なものでありました。それで、今回はそういうことがあってはならぬ、こう思っておるわけでありまして、急がせてはおりますけれども、もう少し時間がかかるということを御理解賜りたいわけであります。 特に、接待をした方の側について、まだいろいろな書類は当局に押収されているところでありますし、また、今のような状況ではなかなか接待した側も口が重いということもありますので、もう少し時間がかかるということを御了承願いたいと思います。
○生方委員 部下は上司の背中を見て育つというようなことも言われます。この若いキャリアも、きっと上司の姿を見ながら、自分もいわば接待地獄というようなものに陥ってしまったのではないかというふうに懸念をいたします。 そこで、証券局のトップである長野証券局長にお伺いしたいと思います。 長野さん、昭和五十四年十月に「綱紀の厳正な保持について」という、当時の松下官房長の通達が出ておりますが、これは御存じですか。
○長野政府委員 承知いたしております。
○生方委員 事実関係は私はわかりませんが、あなたは、平成五年六月から平成七年五月までの間に、興銀からゴルフや料理屋の接待などで百五十万円に上る接待を受けていたというふうに報道されております。こうした事実はございますでしょうか。
○長野政府委員 お答え申し上げます。 私は、銀行局に仰せのとおり二年間審議官として勤務いたしました。その当時の民間金融機関との会食等の持ちようでございますけれども、これは、今日においてはある意味でおしかりいただくような状況になったかと存じますけれども、ある程度、当時の感覚では、本音を言える、聞けるような人間的な信頼関係を持つためには、場合により、そういった会食等をともにすることは仕事上も許されるのではないかという考え方を持っておったことは、率直に言って事実でございまして、そのような観点から、幾つかの銀行といろいろな会合を持っておりました。 ただし、私自身は、そのような枠の中で、こちらから御要求することはしない、それから同一の方と反復継続することはしない、それから特定の方に偏らないという形でおつき合いをいたしておりました。 当時、銀行局の、ありのままに申し上げますと、銀行局長以下の幹部と相手先の銀行の頭取以下の幹部の方と、年に一度、顔合わせ的な会合を持つということはございました。それから、そのほかに時折、副頭取の方あるいは役員の方といったような方と会合を持つことが、率直に申しまして、大きな銀行で、私自身の場合ですと年に二、三度あったと存じます。それは、先ほど申しましたような趣旨で、そのようなおつき合いはございました。 ただいまのお尋ねは、興銀という特定のお尋ねでございますけれども、そういった意味で、ただいま申し上げた範囲で興銀とおつき合いがあったことはそのとおりでございます。ただし、それが金額に換算いたしまして今仰せの金額でありますと、私はちょっと、とてもそのような金額になるはずがないと考えておりますし、一部報道で、私のこととして、ゴルフもとございましたけれども、当時、私は興銀の方とゴルフを一緒にした記憶がないのでございます。 ただ、いずれにいたしましても、これは興銀の方がいろいろな調べを受けておられるようでありますから、興銀と私のかかわりにつきまして、興銀の方で許される状況になりましたら、私もちょっと、自分の名誉を守る必要がございますので、興銀の方とのおつき合いの状況を突き合わせができれば私も幸せだと思っております。
○生方委員 私の方でも調べておって、長野局長は非常に克明にメモをつける方だというようなことを聞いております。 そうしますと、一年半ぐらいで約八百六十万円に上る接待を受けたのではないかというような疑惑もあるのですが、銀行を特定はしません。しかし、管轄なさっている銀行、証券会社は非常にたくさんあるわけで、仮に一年に一、二回各行と満遍なくやったとしても、回数は大変な回数になり、額も大変な額になってしまうのですね。この八百六十万円という額について、これはどうですか、事実関係は。
○長野政府委員 率直に申しまして、金額につきましては、私は見当がつきかねます。 もちろん、長い経験がございますので、この料亭は高そうだとか、ここはこのぐらいであろうという感度を全然持っていなかったわけではございませんけれども、言われました金額につきましては、びっくりはいたしますけれども、それにつきまして、私が、実は幾らの金額でありますというのを集計できる状況にございませんので、コメントのしようがございません。 ただ、先ほど申しましたように、都銀、いわゆる銀行局長が時々申します二十行とかそういったレベルで言えば、率直に申しまして、回数的に数多くの人とつき合ったろうという仰せに対しましては、それは率直に、幅広くそういった人間関係をつくっておりましたと申し上げるほかございません。
○生方委員 五十四年十月の松下官房長の通達というのは、「綱紀の保持については、従来から繰り返し注意を喚起してきたところであるが、最近に至り大蔵省職員が他省庁等から接待を受けていること等が問題とされ、世の厳しい批判を受けていることは誠に遺憾である。」これは昭和五十四年ですからね、現在ではございませんよ。それで、通知すると。「記」とあって、「会食等について 職務上の関係者からの会食等への招待には、原則として応じないこと。」こう書いてあるわけです。原則としては応じないんですよ。 これは昭和五十四年ですから、あなたが今おっしゃった、いろいろな銀行と会食をして幾らだか額がわからないと言ったのはその後でございますから、明らかに、あなたの行為は、この昭和五十四年の通達に違反しているんじゃないですか。
○長野政府委員 この通達は、私も、五十四年、主計局に私が行きましたときに鉄建公団事件がございましたので、克明に覚えておることでございます。したがいまして、その通達の趣旨というものはわきまえて対応してきたつもりでございます。 片や一方、先ほどから正直に申し上げておりますようなつき合いがあったということにつきましては、それも、おいしい食事をごちそうになりたいとか、何か特定の者に便宜を図ってもらいたいという意味ではなくて、いわば会話がごちそうと申しますか、一定の範囲で率直な意見交換ができるような状況をつくるというのは、原則としてという範囲内でも許されるのではなかろうかと考えて、やっておったということでございます。
○生方委員 大蔵大臣にもお伺いいたしますが、八百六十万、額はともかくとして、四百回とかも言われているわけです、年間に。年間に四百回ですよ。はしごしなければ四百回こなせないわけですよ。そんな回数を本当に飲食を伴ってやっていいものか。事実、通達に、会食等への招待には原則として応じないことと書いてあるんですよ。応じているのは、応じないということに関して、きちんと違反しているんでしょう。 違反していることは認めるんですね。それだけでいいですから、認めるのか認めないのか。
○長野政府委員 克明なメモをとっておると仰せいただきましたけれども、私もできるだけの記憶をたどって現在御報告いたしておりますが、認める前提で、四百回と仰せられましたけれども、それはあり得ないことだと考えておりますが、一部の方には、不思議なことに、私が同じ日に四つの証券会社に同時に接待になっておるという事実が判明したということを社会部から取材されたことがございますので、そういった点は訂正させていただきます。
○生方委員 半分ならいいとか十回ならいいとかと言っているんじゃないんです。これは、原則として認めないと書いてあるんですよ。その通達にあなたは局長として違反したのか違反しなかったのか、お答えください。
○長野政府委員 私どもは、当時のことはその通達の……(生方委員「私どもじゃない。あなたですよ、あなた」と呼ぶ)局として幹部一同そろって対応いたしておりましたので私どもと言わせていただきましたけれども、その原則としてという範囲で許されるのではなかろうかと考えておったことでございますが、それが甘いのでなかったかという点は、その後の倫理規程の制定等につながっていったと思います。
○生方委員 きちんと答弁してください、きちんと。 この通達に違反していたのか違反していなかったのか、あなた自身がどう思っているのか、答えてください。
○長野政府委員 当時は、この通達のもとで許される範囲だと考えておりました。
○生方委員 では、原則として応じないことと書いてあるこの通達は何なんですか。じゃ、この文章が間違えているということですか。 この日本語を普通に読んで、職務上の関係者、これは、あなたにとっては銀行や証券会社は職務上の関係者ですね。関係者からの会食等への招待には原則として応じない。お金を自分で払わないのを普通招待と言うんですよ。自分で払うのは招待と言いませんけれどもね。あなたは払ってないんでしょう、払っているときもあったかもしれないけれども。払っていない招待に少なくとも最低でも一回や二回は応じているわけでしょう。だから、あなたはこの通達に違反しているのか、違反していないのか、それだけ答えてください。
○長野政府委員 たびたび同じ御答弁になりますけれども、そのような人間的な関係をつくることも、仕事上必要なものとして許されると考えておりました。
○生方委員 私、あなたの小学校時代の友人というのにこの間会って、話を聞いたのですが、いきなりどこかから転校してきて、非常に頭のいい子だったという話をしておりました。頭のいい子がこれを読んで、私だってこれを読んだら、いや、応じちゃいけないなぐらいわかるのですけれども、頭のいい子でもわからないのですかね、これを読んで、会食に応じちゃいけないと。そういう態度を見て、あのキャリアも、当然、自分もやっていいだろうというふうになるのですよ。 あなたみたいな方がきちんと襟を正して、もし行くのなら、自分のお金で払えばいいじゃないですか。あなただって、多分、大分高い給与をもらっているはずでしょう。私たちだって、人と会うときには自分でお金を払うのは原則ですよ。当たり前の話ですよ。私は、それだけでも責任は十分にあると思います。あなたがこの通達に違反していた行為を行ってきたということだけでも十分責任があると思います。 さらに加えて、今度は直属の部下が、キャリアが逮捕されている。あなた自身の責任をどういうふうにとるおつもりなんですか。
○長野政府委員 昨年の夏以来、私の部下として働いてくれました職員が今回このような事態になりましたことは、大変残念でございますし、申しわけないと思いますし、職場の同僚として、皆様方におわび申し上げなければならないと考えております。 監督の責任というものにつきましては、いずれ捜査状況の解明等が進んだ段階で、監督責任という問題も人事担当者の方からごさたがあろうと思っておりますから、それに服するつもりでございます。
○生方委員 大蔵大臣にお伺いしたいのですが、今のやりとりを聞いていたと思うのですが、大臣は、長野証券局長の行為、これが五十四年の通達に違反していたというふうにお考えになりますでしょうか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 内部調査の対象に当然入るわけですね。内部調査をした上で、今言ったことを含めて、違反する行為があるという場合には、これは何回も繰り返し答弁しておりますように、厳正に処分をしていくということでありますから、内部調査の結果によってきちっとやっていく、これが私の態度でございます。
○生方委員 この五十四年の内部通達にはもう一つ、「職務上の関係者から歳暮、中元等の提供がなされるような場合には、これを受取らないこと。」と書いてあります。それから「公私の峻別 大蔵省職員として、いやしくも外部からの批判を招かないよう常に公私の区別を明確にすること。」と書いてございます。 そこで、涌井主計局長にお伺いいたします。 あなたは、結婚式の祝いとして、石油商の泉井純一氏から版画を受け取ったという事実が報道されております。 この事実、まず第一点、どういう版画であったのかという点と、これが今の通達に違反するのかしないのか、御答弁をお願いします。
○涌井政府委員 お答えいたします。 私は、おととしに再婚いたしました。それで、大蔵省の官房長という立場で再婚いたしました。その間、役人になってから三十数年たっておりますから、披露宴は百人ぐらいのものだったですけれども、やはり地方勤務時代の人あるいはその他長年のつき合いがありましたから、それは大変ないろいろな人からお祝いをいただいたことは事実でございます。 その中で、たまたま泉井さんという人から、結婚されたので版画を贈りますということで、結婚のお祝いですからいただきました。そのかわり内祝いといたしまして、一枚八千円のお皿五枚、約四万円相当のものを内祝いとしてお返しいたしました。 ところが、それは、泉井さんという人が脱税事件になると私も全然その段階でもちろん知りませんし、多分贈ってきたときにはまだ査察事件はなかったと思うのですけれども、翌年になって、春ごろですか、夜、酒を飲んでいる世界で、霞が関の仲間で飲んでいたらそういう話がありまして、私は昔、二十年前ですけれども、査察部長をやったものですから、やはりこれは脱税で査察をやった方から、私の場合そういう経歴があるものですから、いただくのはいかがかなということで、告発される段階で私はそれを送り返させていただきました。 その絵というのは、今いろいろピカソかとか言われておりますが、それは間違いなく、ピカソとかそういうものではありません。額は、これは三塚大臣が答弁されていますが、非常に大きな額だったのですけれども、版画そのものは非常に、単色の、単純な、ちょっと鉛筆画か、いずれにしてもこれはリトグラフであると、シャガールのリトグラフだと彼が言っていたような記憶で、私は全然そういう確認する能力がございませんのでわかりませんけれども、事実関係はそういうことでございます。 それからもう一つ、例の通達違反かどうかでございますけれども、当然のことながらこの通達は関係業界とのつき合いの関係を書いてありまして、ですから、いわゆるお香典とか結婚のお祝いについては、これは個人の問題ですから、それは例えば親戚の関係の人だったら五十万、百万のお祝いを出すこともあるというふうに承知しております。それから、人によって、要するに違うということで、この通達ではそういうものは規制しておりません。
○生方委員 規制している、規制していないといっても、要するに大蔵省職員としていやしくも外部から批判を招かないように、よく知らない人から絵をもらうということは、普通はあり得ないわけですよ。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○生方委員 私が結婚したって、よく知らない人から何か絵が来たら、その場で返しますよ。その人が脱税で何かしてから返すなんということじゃなくて、よく知らない人から来たら、それはもういやしくも外部からの批判を招くような行為であるのですよ。官房長はこういうのを出す立場にある人でしょう。その立場の人がこんなことをやってはしようがないじゃないですか。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○生方委員 もう一点伺います。 先週、大蔵省に捜索が入りました。このとき、長野局長さんの部屋も捜索を受けたというふうに報道されております。これは、どんな容疑に基づいて長野局長の部屋が調べられたのですか。
○長野政府委員 捜査につきましてどこまで御答弁していいか判断しかねますけれども、たしか捜査当局の方で記者に示されたと承知いたしておりますからお答えを申し上げますと、山一証券の粉飾決算に関して、その経緯に関して調べる必要があるからということだったと思います。
○生方委員 法務大臣にお伺いしますが、長野局長の局長室を捜索した目的は何だったのでございますか。
○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。 捜査の具体的な状況の中で、捜索差し押さえ令状を裁判官が出されております。それにつきましては、現在捜査中の一連の山一関係の事件等に係るものということで、関係資料の捜索差し押さえが許されたということでございまして、その関連性等々につきましては、法務当局から現在お答え申し上げるのは適切でないと思いますので、その点、御容赦いただきたいと存じます。
○生方委員 疑惑の追及は同僚の議員に譲るとして、もう一点だけ総理にお伺いしたいのですが、やはり大蔵省でこうした不祥事が相次ぐというのは、大蔵省に権限が集中し過ぎているのが原因ではないかというふうに私は考えております。 したがって、大蔵省の不祥事が起こらないためには、倫理法の規定というのももちろん大事ですし、それと同時に、情報公開をきっちりとしていき、大蔵省の政策過程というものを明らかにする必要があるのではないか。 それと、もう一点、裁量行政の余地をなくすということが大事だと思いますが、総理、御見解をお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今議員から御指摘を受けました二点、すなわち情報公開それから裁量行政を減らしていく努力、これはいずれも大事だと思います。 殊に情報公開は、私は、大蔵省の得る情報の中に、例えば国税の関係でいうなら、個人のまた企業の非常に大きなプライバシーにかかわる部分がありますから、これが完全に公開できるとは思いません。 しかし、裁量行政にかかわる部分は、今までの事前管理型の行政から事後チェック型に変えていかなければならないわけでありますから、私は、議員の御指摘は非常に大事な御指摘だと、そのとおりに思います。
○生方委員 これで終わります。
○越智委員長 この際、山花貞夫君から関連質疑の申し出があります。川端君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山花貞夫君。
○山花委員 今同僚議員の質疑を聞いていまして、やっぱり黙っていられない、こういう気持ちで、二、三、先に、直接的に関連することについて伺いたいと思います。 まず、涌井さんの関係。泉井被告から絵画をもらったということについては、一年たって返したということを含めて、これまで国会でも議論されました。大臣に伺いたいと思うんですけれども、先ほど、綱紀粛正のための内部の調査については、メモも出してもらっているけれども、その他資料にあらわれたケースについては調べているはずである、こうおっしゃいました。 実は、過日の泉井石油商についての証人喚問の機会に、国会の要求によって備忘録というものが出されました。備忘録なるいわば獄中の日記によりますと、泉井さんは、大蔵省の中でも涌井さんと何かと話したということについて触れております。あるいは、料亭で接待したことについても触れております。 私が一番気になりましたのは、取り調べ検事とのやりとりの中でこう言っています。「涌井氏は告発が決定された直後」これは泉井被告に対する国税の告発です、「首脳部に」検察の首脳部という意味だと思います、「泉井の件は如何なりやと尋ねて来たそうである」自分が心配だから泉井さんの件どうなるのと検察に尋ねてきた、こういう記載があります。 もしそういうことをしていたとするならば、いわば大蔵省の幹部として、国税のこの査察に対して、泉井の動向、泉井についての取り扱いを聞く、許しがたい疑惑を招く行為だと思っています。 こういうような記録等についても、先ほど大臣はいろいろなものにあらわれた者については調べるとおっしゃいましたけれども、調べているんでしょうか。この点、伺いたいと思います。
○涌井政府委員 お答えいたします。 特に、事実……
○山花委員 私は、そういうものを大臣が、聞いたことに対して調べているかと。あなたに聞こうと思っていないんです。あなたには、その後聞く。事実関係じゃない。そういうことも調べているのかと聞いているんですから。
○松永国務大臣 お答えいたします。 先ほど申しましたように、過去にさかのぼって、金融関連部局に在職した者は当然のことながら内部調査の対象でございます。 同時にまた、今の泉井氏絡みでいろいろ報道されておる点もありますので、その関係からいえば、私は、涌井氏についても内部調査はしなきゃならぬ対象であろう、こういうふうに思っております。
○山花委員 今のお答えでは、調べたかどうかわかりませんけれども、そういうことも調べて、後で伺いたいと思いますけれども、事実があったなかったを含めて、私は大蔵省は調べるべきだと思っています。 長野局長の関係。先ほど、通達に趣旨としては反していない、こうおっしゃいました。どう考えたって、あの文書を見てみれば趣旨に反している。今局長がそういう気持ちでいるというところに、今の大蔵省の実態があるのじゃないかと思っています。大臣、どうですか。あの通達に反しているとは思いませんか、大臣は。
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、長野局長の件は、当然のことながら内部調査の対象でありますので、どういう事情でいろいろな会合に出たのか等々、これは内部調査できちっと調査をすることになります。 なお、涌井氏の件につきましては、言うなれば泉井氏の備忘録によるものでありますから、したがって、本人の弁解は聞いてやらなければいかぬのじゃないかなというふうに思います。いわゆる伝聞証拠的なものがあの備忘録でしょう。さすれば、本人がそう言ったことがあるのかどうか、これは本人からの話を聞いてやるのが適正じゃないかなというふうに思います。だから、答弁させてください。
○越智委員長 ちょっと待ってください。 涌井主計局長。指名いたしました。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 法務、検察に聞いていただければ結構ですけれども、そういう事実は全くございません。 それから、私は、二十年前ですけれども、査察部長をやっていますから、査察事件というのは、国税が半年、一年間調べた上で、これは事件として告発できるかどうかを検察と相談した上で告発するわけですから、それは事件になるのは決まっているわけですから、そういう問い合わせをするはずもないし、それは事実、法務、検察にそうした事実があったかどうかを尋ねていただければ、それは事実関係は明白だと思います。
○山花委員 私は、泉井の調書の中に出てきた、国会で取り寄せたものです、その事実について知っているかどうかということについて伺ったわけです。まず、涌井さんは、この泉井の備忘録について該当部分を読んだのかどうかということも抜きにして、今お答えになりましたけれども、私は、この問題について、なおそれぞれが調査をして、改めて取り上げたいと思っています。 長野さんの問題について。先ほど、通達の趣旨をわきまえているけれども、許される範囲であると考えている、こうおっしゃいました。この文章を見て、それでいいのでしょうか。私は、ここに、今そういう皆さん、キャリアの皆さんが上司としていらっしゃる。問題点があるのじゃなかろうかと思っています。 もう既に二次にわたる検察の捜査が、逮捕、起訴と始まりつつあります。さきに逮捕された宮川証券検査官室長は、これはマスコミに載っていました特捜部に対する話だけれども、天国から地獄に落ちた気持ちである、銀行のわなにはまったとおっしゃっているそうです。接待にどっぷり漬かっていた大蔵省のその時代の天国から、地獄のような拘置所に落とされた、それは銀行の甘いわなだったというこの心境、大臣、どう思いますか。
○松永国務大臣 宮川氏の心境のことでございますね。それは宮川氏でなければ、私はちょっと、どういう心境なのか推測をしかねるわけでございます。
○山花委員 それがわからないというところに、そうした考え方がやはりあったということであります。 今度の第二次の榊原さんにつきましても、二十八歳で税務署の署長になられた。現在三十八歳。これは大臣も経験がおありのことだから、大体一般的にこの贈収賄罪、わいろをもらう側というのはある程度の地位、権限がある。だからわいろも行くのでしょう。こんな若くしてということが、大変かわいそうだなという気を含めて、疑問となります。 一般に、わいろを受ける方というのは、偉い人という感じがあるんじゃないでしょうか。二十八歳で、二十歳代で署長となって、三十八歳になって、こんな若くして偉い人の仲間入りをしておった、これが大蔵省の職員の意識にあるんじゃないですか。大臣、どう思いますか。
○松永国務大臣 以前にもしばしば御答弁申し上げましたけれども、二十代の後半で税務署の署長になるということは、知らず知らずのうちに、特権意識といいましょうか、自分は偉くなったという気持ちになりかねない、しかもその地方の名士からちやほやされるなどという事態があれば若い者はそうなりがち、そのことは本人自身にとってもプラスではない、私はそう考えましたので、大臣になってから事務方にそういうことを申し上げましたところ、役所の方では既に、それはそうだということで、署長に任用する年齢を二十代の後半などというのではなくして、三十代の半ば程度などをめどに税務署長への任用の仕方は改める方向で、徐々に実行に移しておるというふうに承知いたしております。
○山花委員 先ほども問題になりました綱紀関連調査表について伺いたいと思います。 大臣は、内部でしっかり調査をやって厳正に臨む、こうお話しになっております。この調査表に関してですけれども、これは、大体五百五十、まあ六百と聞いていますけれども、もう皆さんから集まったんですか。どうなっていますでしょうか。この点について伺いたいと思います。
○武藤政府委員 調査表につきましては、現在担当、それぞれの局の服務管理官のところに大体提出されてきております。
○山花委員 今おっしゃった服務管理官というのは、言葉をかえれば上司ということだと思います。 伺っておるところでは、十九日に相談して、二十日から庁内ずっと集め始めた、約二週間で庁内については集まった、庁外からもあるいは海外からも集める手続をしている、こう聞いていますけれども、第二次の逮捕になりましたお二人につきましては、恐らく二月の早々にはこの調査表が上がっていたんじゃなかろうかと思っています。そこまでですね。 大臣はこれを調査のスタートだとおっしゃったけれども、スタートでおしまい、これが現状じゃないですか。ということでないとするならば、その後、ヒアリングその他調査は進んだのかどうか。このことについて、今度逮捕された二人について伺いたいと思います。
○武藤政府委員 それぞれの服務管理官のもとに集められました本人のメモをもとに、現在、服務管理官が確認作業を進めております。これと並行いたしまして、金融服務監査官室におきまして、いろいろな情報収集とかあるいは顧問弁護士との打ち合わせ等、事実の確認に努めているところでございます。 このたび逮捕されました二名につきましては、それぞれの今申し上げました服務管理官との間で調査が進められておりました。そういう意味で、まだ中途段階であったということでございます。
○山花委員 服務管理官というのは、要するに上司の課長さんでしょう。総務課長さんだと思います。いかがですか。
○武藤政府委員 原則として、各局の総務課長でございます。
○山花委員 実は、私がこの間大蔵省から伺っておるところでは、そこで今度の事件になったものですから調査が進んでいない、こういうように聞いています。大臣でも官房長でも結構ですけれども、一体この調査がこれでできるんだろうかということは先ほど来質問があったところですけれども、このお二人につきまして、今それぞれ、一方は別のところだと思いますけれども、メモが出ているはずでありますから、一体どんなことを自己申告しておったのかということについて見せていただきますと、この作業の価値がわかると思うんですけれども、このお二人につきまして、規律関係調査表、本人が自己申告したものについて国会に提出していただきたい、こう思いますけれども、官房長、いかがですか。
○武藤政府委員 まず一つ申し上げておかなければならないのは、先ほど調査表調査表と御指摘がありましたものは、我々内部で、まず本人が五年にさかのぼって記憶を呼び覚まして、できる限りここに書き込んでいただくということでございます。それがすべてを網羅しているものかどうか、これはわかりません。本人の申告という意味で、私どもは、それが真実かどうかということについてはわからないわけでございます。 したがいまして、それがどの程度のものであるかを服務管理官なりあるいは金融服務監査官なりがいろいろチェックをするわけでございます。そういうチェックをいたしました上で、これは大臣からきつくその指示を受けているわけでございますけれども、できる限り厳正にその事実に基づいて処分をするということでございますので、この実態が本当にそういうものであるのかどうかということになるまで、この調査表というものは完成しないわけでございます。そういう意味では、まだ本人の手元にあるメモという位置づけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○山花委員 今、完成しないとおっしゃったけれども、私がいろいろ伺った中での感触としては、これは完成しないまま終わるのじゃなかろうかという心配を持ちます。このメモについてまずは出していただきたいということです。 今の事情があるとしても、これは大臣に伺いたいのですけれども、全体としてそうした大蔵省の内部調査の最終報告もあるでしょうし、その前に中間報告があると思いますけれども、こうした形でこういう調査を行ったということについて、中間報告はしていただけますでしょうか、大臣に伺いたいと思います。
○松永国務大臣 もう先生御存じと思いますけれども、文字どおり、内部調査のそれは初期の段階なんですね。それに基づいて服務管理官が聞き取り調査をする。それを参考にしながら、金融服務監査官がさらに打ち合わせをしながら聞き取り調査をする。そして顧問の弁護士さんとも相談する。一方、可能な限り、接待したと思われるような人などからの事情の報告もいただく。そういったことをして、できる限り真実に近いものを何としてでも積み上げていきたい。 それを待って最終的な判断をし、そして厳正な処分をする、こういう順序になるわけでありますから、したがってその前の段階で中間報告的なものはちょっとできないのじゃないかな、こういうふうに思っております。
○山花委員 先日の大臣の記者会見でも、捜査当局の捜査の進捗状況を踏まえて、こうおっしゃっていました、その厳正な処分について。それから、ほかの記者会見の場所におきましては、一体今後どうするんだということについては、裁判の進行など、検察の進行などを見て、こういう形でおっしゃっておりまして、何か内部調査が進むようだけれども、実際は限界があって、全部捜査の進捗あるいは裁判の進捗を見なければなかなか結論が出ない、こういうように私は印象としては伺っているわけであります。 そうなってくると、大蔵省独自の調査ではこうなったということが全く出ないで終わるのじゃなかろうか、こういうように思うわけでありまして、改めて、できたところまででも、大臣、委員会その他の場面で、こうなっていますということはやはり国会に報告すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 今先生の私の記者会見での発言、少し取り違えていらっしゃるような感じがします。私が申したのは、逮捕された人、その人に対する行政処分は、既に二人は厳しくやったわけでありますけれども、新たな人にとっては、捜査当局の捜査の進捗を見て、そして行政処分をする、こういう意味なんでございます。 同時にまた、監督者の責任などもそれを見てやるということなのでありまして、それと内部調査とは別のことでございますので、御理解賜りたいと思います。 同時にまた、より精度の高い調査をしとうございますので、途中で外に出すのはちょっと御勘弁願いたい。しっかりやるために、どうぞ、よろしくお願いします。
○越智委員長 質疑時間が来ております。
○山花委員 海外にいらっしゃる方についても調査しているのですか。
○武藤政府委員 現時点で海外にいる者につきましても、調査の対象となる者につきましては調査を今進めております。
○山花委員 以上で終わります。
○越智委員長 これにて川端君、生方君、山花君の質疑は終了いたしました。 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 平和・改革の石井啓一でございます。 質問に入ります前に、冒頭申し上げたいと存じますが、きょうの委員会の冒頭、大蔵不祥事に関しまして大臣の発言がございました。また、これまでも大蔵省の不祥事に関しまして種々の質疑があったわけでございますけれども、大蔵大臣の答弁を伺っておりますと、私には、大臣の危機感というのが全然伝わってきません。 今回の事態を本当に深刻にとらえていらっしゃるのなら、例えば、今までも大蔵省の内部調査、随分質疑がございましたけれども、その内部調査の結果を公表する、あるいは内部調査の対象を金融関連部局に限らず拡大をする、こういったことについてはもっと誠実に取り組むべきだと思うのです。そういった点につきまして、私は非常に残念である、このように思います。 また、今回の事態で、大蔵大臣の責任が問われているわけでございますけれども、今後捜査の進展によっては局長クラスの幹部にまで捜査の手が及ぶこともあり得る、こういうふうに報じられております。そういう事態になりますと、これはもう大蔵大臣の責任にとどまらず、内閣自体の責任が問われる事態になる、こういう深刻な事態であるということを私は厳しく受けとめていただきたいと存じます。 それでは、山一証券の事件につきまして質問をいたしますが、山一証券の粉飾決算事件で、三月四日に行平前会長、三木前社長、白井前副社長の三名が証券取引法違反容疑で逮捕をされました。 この事件では、山一証券が一九九一年から、ペーパーカンパニーあるいは海外の子会社などを使って二千六百億円にも上る巨額な簿外債務、帳簿外の債務、粉飾決算を行っていた、こういうことなわけですけれども、私は、どうしても疑問に思いますのは、納得できませんのは、この二千六百億にも上るような粉飾決算を行っていながら、これまでの大蔵省の検査、あるいは証券取引等監視委員会の検査でどうしてこれが発見できなかったのか、こういう点でございます。これについて大臣の答弁を求めます。
○松永国務大臣 いわゆる飛ばしというのは、証券会社の帳簿にはそれ自体の痕跡が残らない、そういう取引のようであります。また、飛ばしに伴う資金の流れが帳簿上残っていたとしても、それは通常の一般的取引の一環として行われることが多いものですから、そこで把握するに至らなかった、こういうことだと承知しております。
○石井(啓)委員 帳簿外だから発見できにくかった、こういうことかと思いますけれども、ただやはり、これだけの巨額の簿外債務を検査できなかった、これは私はやはり重大なミスといいますか、反省を迫られる問題だと思うのですね。 ちょっと大蔵省、政府委員に確認したいのですが、九一年秋の大蔵省証券局の特別検査で山一の飛ばし取引の一端を見つけていた、また、九三年十月の証券取引等監視委員会の定期検査でも飛ばしの痕跡をつかんでいた、こういうふうに報道されておりますけれども、これが事実かどうか。そして、その際どういう指導を山一に対して行っているのか、この点についてお答えください。
○長野政府委員 平成三年、一九九一年にいわゆる証券会社の損失補てんということが問題になりまして、当時特別検査等々行いまして、損失補てんの実態の把握と公表、国会への御報告をいたしました。 その過程で、山一証券につきましては、損失補てんに至っていない、あるいは、該当するものではないけれども、二十六の顧客につきまして、簿価ベースで合計二千五百八十億円の現先取引というものがございまして、その現先取引は含み損を抱えた状態でございました。したがいまして、この含み損を抱えた現先取引といいますのは、企業間でそのまま取引が結了すれば通常の金融取引で何ら問題ないということでございますけれども、その含み損を抱えたものを証券会社が引き取るということになりますと、これは損失補てんに当たる危険性があるということで、これをイヤマークして、私どもはその取引が、最終的にロス負担がどういう形で処理されるのかということをフォローいたしました。 その結果、一九九三年、平成五年の検査までに、当該取引は山一から損失補てんが行われることなく当事者間で解消されたということを確認したわけでございますけれども、率直に申し上げますと、そういった二十六顧客先、二千五百八十億円の取引と別に、当時私どもが把握し切れていなかった別途の取引があったということになろうかなと、今日では考えております。
○石井(啓)委員 九三年十月の証券取引等監視委員会のこの結果はどうですか。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。 私どもは一九九三年の二月に山一証券の検査に着手しておりますけれども、その検査に当たりましては、かつて行われた証券局の検査結果を参考にいたしまして、それを踏まえまして検査をしております。 ただいま証券局長からお話し申し上げました、二十六顧客の現先取引の履行状況について不分明な点があったということでございまして、私どもは、その二月に着手した検査におきまして、それが顧客の負担において処理されたかどうかというのを点検しております。その結果、先ほど証券局長が申し上げましたように当事者間で解消したということでございまして、結果として私ども、損失補てんあるいは飛ばしとして指摘するような取引を見出すには至らなかった、その問題について勧告等は行っていないということでございます。
○石井(啓)委員 いずれにいたしましても、今証券局長の答弁もありましたように、飛ばしを行っていたということは把握しているのですね。その飛ばしが、現先取引といいますけれども、簡単に言えば飛ばしですね。含み損を抱えているような飛ばしを現に山一は行っていた。把握しているわけですよ、もうその当時に。ですから、もっと追跡してきちんと調査をやっていれば、この簿外債務も十分発見できた可能性はあるわけです。 だから私は、こういう甘い検査、この手ぬるい検査というのが、結果として山一の破綻という事態に至らせてしまった。その点について、私はやはり厳しく反省をしていただかなければいけないと思うのです。 先日、大蔵省の金融検査部の職員が逮捕されたときにも、銀行から接待を受けて、その銀行に対する検査に手心を加えていた、こういうことがはっきりしましたけれども、今回も、証券会社に対する検査、私はやはり甘いと言わざるを得ない。こういう検査を行っていた結果、北海道拓殖銀行あるいは山一証券が破綻してしまった。もっと大蔵省で厳しく検査が行われていれば、拓銀の不良債権ももっと早く把握できていたであろう。あるいは、山一のこの簿外債務というものももっと早く把握できていたであろう。そうすれば、破綻という最悪の事態は免れたのじゃないか。 私は、そういう意味では非常に残念でしようがないのです。そういう意味では、今後、金融検査の体制というのは、本当に抜本的に充実を迫られていると思うのですね。 アメリカのサマーズ財務副長官が、六日、これは副長官の発言が明らかになっていますけれども、わずか数百人が金融機関の規制、監督に当たるとは信じがたい、これは日本のあれですが、これでは十分な監督能力が持てない、金融監督者の人数が極端に少ない、監督者、検査官の数を大幅にふやさなければ世界の金融界の信頼は得られない、こういうふうにアメリカからも注文がつけられている、こういう状況でございます。 この六月には金融監督庁が発足する、こういうことになっているわけですけれども、私は、今後、検査機能の充実というのは本当に抜本的に見直す必要がある、こういうふうに思います。この点について総理の答弁を求めます。
○橋本内閣総理大臣 問題としての御指摘は、私はそのまま素直に受けとめなければならないと思います。いかなる理由にせよ、簿外債務の発見ができなかった、これはそのとおりに受けとめなければなりません。 そして、根本的に、事前管理の行政からルールを明確にした上での事後チェックの行政に変えていくという基本的なあり方、これをまず問題にした上で検査の基本的なやり方も変えていかなければなりません。厳正で実効性の上がる検査体制、その手法というものを確立するために、事後的にルールがきちんと遵守されているか、そういった状況の把握に重点を置いた検査のあり方、さらに、民間の専門家をどうすれば登用できるか、同時に、研修の充実強化と並んで主要国の検査監督当局との人材交流といったことも考えなければならないと思います。 既に事務方としてはこうした点の検討に入っていると聞いておりまして、早急に具体策をまとめて実施を図らせたいと思います。 そして、検査官の増員という問題はその次の問題として考えていくべき、あるいは並行して考えていくべき問題、私はそのように考えておりまして、まず、外部から民間の専門家が登用できるか、あるいは事後的なルールの遵守というものに視点を合わせた、そうした検査のやり方というものがうまくできるか、こうしたところからきちんと押さえていきたい、そのように思います。
○石井(啓)委員 それでは、続いて山一証券の飛ばしによる簿外債務、これは大蔵省の関与があったのかどうかということについて尋ねます。 九一年の年末に、三木前社長が当時の大蔵省の松野証券局長を訪ねて、飛ばしに関する相談をした。松野局長は、これは二月四日の大蔵委員会の参考人質疑で元局長自身がお答えになっていますが、仲介行為をするだけなら相手先が海外企業でも違法にはならないという趣旨の助言をした、こういうことであります。ある意味で、飛ばしを示唆する、あるいはあうんの呼吸で勧める、そういうふうに受けとめられかねない助言を行っているわけですね。これでは、当初から大蔵省が山一の飛ばしに関与した、こういうふうに言わざるを得ませんが、大臣、いかがですか。
○長野政府委員 松野元証券局長は、二月四日の参考人質疑におきましても、いろいろなやりとりの可能性につきまして申し上げた上で、違法な簿外処理を示唆したり指導したことは断じてない、こう申しておられます。 私は、大蔵委員会でも、私の立場で松野を弁護することも非難することもいたしません、こう申し上げておりますけれども、いささか、コメントしたことが指導したとか、言葉がずれて伝わっているような感じは、松野の答弁に対します評価としてフェアではないという感じは持っております。
○石井(啓)委員 飛ばし自体は当時違法でなかったとしても、それは好ましい取引でなかったことは明らかなんですね。これは松野さん自身がおっしゃっているわけですよ、好ましくない取引だったと。だけれども、これは自己責任の世界なんだ、こういうふうに言っているわけなんですけれども。ですから、彼は、松野さんは、好ましくない取引をやめさせるどころか、むしろあいまいな指導をしたことによって勧める形になっているわけです。 しかも、これは簡単に説明しますと、含み損を持った株式をある会社からある会社に移す、これが飛ばし。これを仲介すること自体は違法ではない。ただ、この株価が、含み損が解消せずに最終的に証券会社が引き受けることになると、これは損失補てんで違法行為であるし、山一はなおかつその損失を海外の子会社だとかペーパーカンパニーに移したということで、粉飾決算、こういうことになっているわけでありますけれども、当時、証券局長は飛ばしの相談を受けていたわけですから、山一が飛ばしに関与しているということは十分わかっていたはずなんです。なおかつ、当時の株価の下落の傾向からすると、最終的にこれを山一が引き受けざるを得なくなるのではないかということも十分予想ができたはずなんですよ。 どういうことかといいますと、この山一の飛ばしが、結局、最終的に破綻をして山一自身が受けざるを得なくなる、損失補てんせざるを得なくなる。それを表に出さないとしたら、それは簿外債務という形で処理せざるを得なくなる、処理してしまった、こういうことが十分予想できたはずなんですね。しかし、大蔵省としては、相談を受けていたにもかかわらず、その後何の手も打っていない。九三年の証券取引等監視委員会の検査でも、突っ込んで検査をしていない。これでは、飛ばしによる簿外債務の可能性を、可能性をですよ、知りながらも見過ごしていた、黙認をしていた、こういうふうに受け取らざるを得ないわけです。大臣、いかがでしょう。
○松永国務大臣 お答えいたします。 この松野元証券局長の答弁をどう見るかということでございますが、私としては、松野氏の国会における答弁によれば、山一証券との面会は平成三年十一月か十二月ごろ、その際松野氏が申したことは、顧客とのトラブルというのは基本的には当事者間の訴訟等で解決されるべきであり、当局として判断するような問題ではないというふうに答えたということになっておるわけでありまして、松野氏が違法な簿外処理などを示唆したり指導したというようなことはないものと私どもは考えておるわけです。
○石井(啓)委員 いずれにいたしましても、先ほどのこの委員会での質疑によっても、大蔵省の証券局長室が捜査をされた、その目的がこの山一の粉飾決算の関連だった、こういう答弁がございました。局長自身が明らかにしました。捜査当局としても重大な関心を持っている、こういうことであろうかと思いますけれども、この件については、やはり国会としてもきちんと調査をする必要があると思います。 私は、改めて松野元証券局長を当委員会に参考人招致をすることを求めたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
○越智委員長 理事会にお諮りいたします。
○石井(啓)委員 それでは、きょうは日銀総裁にお越しをいただいていますので、総裁にお尋ねをいたします。 日銀においては、銀行あるいは証券会社、こういった業界の関係の会社とのおつき合い、飲食を伴うようなおつき合いというのはございますか。
○松下参考人 私どもにおきましては、仕事の性格上、金融界を初めとします各方面の方々と金融経済情勢などに関しまして意見交換をする機会は多くございます。また、私どもも、職員につきまして、広く各方面の方々と接触をし、中央銀行員としての視野を広げるように求めてきたところでございます。 ただ、その際におきまして、中央銀行員としての節度を持って対応をするように行内でも徹底を図ってきたところでございますけれども、会食を伴った会合に出席すること自体を組織として明確には禁止してこなかったのも事実でございます。 それから、外部の方々との接し方というものは、やはりあり方は時代とともに変わるべきものでございますし、また中央銀行の公共性にかんがみますというと、職務の公正性を確保していくということが強く求められるものと認識をいたしておりますので、私ども、今般、四月に施行されます新日銀法の規定に基づきまして服務準則を政策委員会で決定いたしますとともに、これに伴って、外部の方々との接し方に当たっての具体的な行動指針としまして日本銀行員の心得を策定いたしました。これによりまして、職務上の関係者との無償での会食につきましては明確に禁止をするということにいたした次第でございます。
○石井(啓)委員 そういたしますと、従来はそれは禁止されてなかった、こういうことのようでありますが、日銀の幹部が繰り返し接待を受け、特定の銀行に便宜を図った疑い、これが報じられております。 もし日銀幹部が逮捕されるような事態が生じた場合、総裁としてはどういうふうに責任をおとりになりますか。
○松下参考人 日銀幹部に対しますいわゆる接待の点につきましては、先般来、種々報道もなされております。 私どもも、それらを見まして、このまま放置しておくことはできないことだという考えのもとに、現在、日銀内の管理職の全員と役員、合わせまして約六百名につきまして、過去五年間における接待の実情等につきまして調査を行っているところでございます。私どもは、この調査の結果、万が一にでも非常に不適切なつき合いの仕方というものがございました場合には、厳しい態度でこれの是正を図ってまいらなければならないと考えております。 また、私自身についてのお尋ねでございますけれども、私といたしましては、総裁を命じられてその任にあります間は、中央銀行の使命の達成に向けて、誠心誠意最大限の努力をしてまいることが私に与えられた責務であるというふうに考えております。
○石井(啓)委員 与党の幹部も、今回の大蔵省の汚職事件に絡んで、松下総裁が元大蔵事務次官である、そういう責任をとって辞任することを求めていらっしゃいますけれども、総裁はこれはどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○松下参考人 ただいまもお答えを申し上げたところでございますけれども、私といたしましては、ただいま総裁を命じられてその任にあります間は、中央銀行の使命の達成のために最大限の努力を果たしていくということが私に課せられた責務であると考えております。
○石井(啓)委員 今申し上げましたように、松下総裁、ある意味で二重の責任を問われているわけです。 一つは、元大蔵省の事務次官。今回の大蔵省の接待汚職というのは、特定の個人ではなく、大蔵省の構造汚職、大蔵省の土壌がそういう接待を受け付けるような土壌であった、こういうことですね。ですから、元事務次官、その組織のトップであった者の責任というのは、私はやはり免れないであろうと思うのですよ。特定の個人ではなく、大蔵省組織としての責任が問われているわけです。もう一つ、直接、日銀の幹部が逮捕されるような事態になった場合には、今度は日銀の組織のトップとしての責任が問われる。 そういう意味で、私は、総裁は二重の責任を問われる、大変重たい事態であるというふうにやはり受けとめなければいけないと思うのですね。 もう一度御答弁ください。
○松下参考人 前段の方は、日銀総裁としての立場でなくお答えを申し上げますけれども、過去におきまして、私も大蔵省に籍を置きました。その間には、いろいろと庁内の規律の保持ということにかかわる責任のある部署にもおりました。そういう点で、当時、十数年前になりますけれども、私としても、いろいろと規律の維持、保持という点につきまして努力をしたと思いますけれども、今日の結果を見ますときに、その点につきましては、やはり私どもの努力が足りなかった面もあるというふうに考えております。 また、日銀の方におきます私の立場というものは、現状におきます接待の事実というのはいまだ明らかでございませんので、この事実を明らかにし、そして、これに対してけじめをつけてまいることが現在の私の責任であると考えております。
○石井(啓)委員 日銀幹部が逮捕されるような事態になれば総裁の責任は厳しく問われる、このことを重ねて申し上げたいと存じます。 それでは、質問を変えまして、景気対策について質問を申し上げたいと思います。 この予算委員会での最大の争点は景気対策でございます。私どもは大型減税を含む景気対策を求めておりますけれども、総理は、本予算が最善であり、年度内に予算を通過、成立させてほしいと繰り返す、こういうやりとりが続いているわけです。一方で、財政支出を含む追加の景気対策、補正予算に言及する与党の幹部の発言が数限りなく相次いでいるわけであります。 委員長、ここでちょっとパネルを使用したいと思いますが、よろしゅうございますか。
○越智委員長 結構です。
○石井(啓)委員 ちょっとこれは総理にもごらんいただきたいと思うのですけれども、ことしに入りましてからの与党幹部の景気対策に関します主な発言を拾ってみました。 まず一月二十日、加藤幹事長は、財政再建の基本原則は堅持しつつも、事態が改善しないときは時間を延ばして機動的な対応をしていくと、財政再建目標は延期することを示唆している。 あるいは一月三十一日、野中幹事長代理は、これはもうはっきり、六兆円規模の経済対策を提案する、こういうふうにおっしゃっている。 また二月二十四日、山崎政調会長は、十分な内需振興策を講じる、こういうふうに語って、公共事業の追加を中心とする補正予算に言及をしているわけであります。 また、二月二十七日には野中幹事長代理が、橋本内閣として既にアナウンスなき政策転換をした、財政再建路線から景気対策路線への政策転換をしたということを明言されております。 あるいは三月一日、山崎政調会長は、これは株価対策でございますけれども、郵便貯金や簡易保険の自主運用資金を直接株式の購入に充てる。 また三月四日、加藤幹事長は、追加景気対策について、現行の財政構造改革法のもとでという前提のもとで、情報通信の関連とか科学技術振興など質のよい公共事業をやろうと思えばかなりできるということで、当初予算後の公共事業を中心とした追加景気対策について言及をしております。 また昨日は、これはテレビでございましたけれども、やはり山崎政調会長は、予算成立後の追加景気対策として、公共事業を中心として十兆円の経済対策をとる、こういう発言をしているわけであります。 このように、六兆円だ、十兆円だ、景気対策をやる、追加補正をやる、こういうふうに次から次へと言っている。総理の国会での発言と全く違ったことを与党の幹部が次から次へと言うわけですけれども、総理は、こういう総理の発言と違う与党の幹部の発言をどうして放置されているのか、黙認されているのか、このことについてちょっとお答えをください。
○橋本内閣総理大臣 現在提案をし御審議をいただいている平成十年度予算、この成立に政府として全力を傾けているということは繰り返し申し上げてまいりましたし、また、一日も早い成立に向けてぜひ御理解をいただきたいということも申し上げてきました。 そして、我が党の幹部の発言について以前にも御質問をいただきましたが、私は、地元経済の実態などを見ながら自由に問題提起をすることは、国民的な議論のために私はよいことだと思うし、とめる気はないということを申し上げました。 同時に、大変これはおしかりを受けるかもしれませんが、国会にくぎづけになっておりますと、党の役員会に出席することもできません。ただ、きょう久しぶりに、委員会が終わりましてから、本来なら昼お目にかかるはずでありましたニュージーランドの首相との会談、国会の御審議で夕刻以降にずらしていただきましたので、役員会に参りまして、政府、党としての足並みに乱れを生じないようにということはきちんと申し上げてこようと思っております。
○石井(啓)委員 総理、これは一人、二人がたまたまぽろっと漏らしたという程度ならわかるんですけれども、先ほどの表で見ましたように、まさに自民党の幹部そのものですよね、幹事長、政調会長、幹事長代理。こういう方々、要するに自民党のトップの方が、五月雨式に次から次へと補正予算だ、追加景気対策だとおっしゃる。これはちょっと私は信じられないといいますか、予算の審議というのはどこでやっているのかな、そういう思いがいたします。 といいますのは、総理みずからが補正予算に言及すると野党に予算修正を迫られる、だから補正予算に言及しない。一方で、国会の外では、与党の幹部が役割分担をして次から次へと言っている。当初予算成立の直後に補正予算を組むんだ、ここまで口にしているわけです。国会の外で実質的にそういう流れをつくっている。私は、これは、予算の審議を全く軽視する国会軽視にほかならないんじゃないかと思うんです。総理、いかがですか。
○橋本内閣総理大臣 今、私の率直な感じを申し上げたところでありますが、私は、一日も早く予算を成立させていただきたい、同時に、関連する各種の法案、例えば法人課税、証券関連税制、あるいは地価税の凍結を含む土地関連税制、さまざまな税制改革を含む関連法案を年度の切れ目を生じないように成立させていただきたいということを、繰り返しお願い申し上げてまいりました。 同時に、私どもの党、本当に自由濶達に議論をしますから、いろんな御意見が出る。ある。それはそうです、私にやめちゃえと言う方もいるんですから、同じ党の中で。そして、それを何も封じてもおりません。 ただ、今委員にお答えを申し上げましたように、きょうは久しぶりに役員会に出られる、出席できる時間に予算委員会から解放していただけますので、ニュージーランドの首相にお目にかかるまでの間を利用して、政府・与党の歩調が崩れないようにという意思の確認をしようと思っております。
○石井(啓)委員 いや、総理、役員会に出られなかったから自分の意思をきちんと伝えられなかったというのは、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。電話だってできるわけですから、それは私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますよ。 では、ちょっと視点を変えて、財政構造改革法と景気対策の関係について質問をいたします。 二月二十五日、当委員会において私どもの神崎代表が質問いたしまして、現在の財政構造改革法が景気対策の足かせになっている、もっと柔軟にこれを修正すべきだ、米国の例に倣って、経済が低成長の場合に運用停止条項を設けたり、あるいは歳出項目の上限を外したりとか、財政再建の目標を二、三年先延ばしにする、そういう柔軟性を設けるべきだというふうに主張いたしました。総理は前向きの答弁をいただいたと思いますけれども、この財政構造改革法の修正について総理の念頭にあるのかどうか、お答えを伺いたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 確かに、それ以前から御意見をいただき、神崎議員の御質問のときにも、アメリカの例に倣って免責条項の議論を展開されましたとき、立法政策上一つの判断だと申し上げつつ、なかなか難しい問題点を持っているというお答えを申し上げました。 私は、野党の御意見でありましても、評価すべきものは評価すると申し上げて当然だと思っております。しかし、その御答弁を、後で実行性は難しいということまで申し上げたにかかわらず、どういうわけか誤解を生じまして、今そのようなことは念頭にありません。
○石井(啓)委員 今というふうにおっしゃいましたから、将来は可能性がある、こういうふうに受けとめてもいいのかもしれませんが、では角度を変えて、現在の財政構造改革法の枠内でどういう追加の景気対策が可能かという観点でちょっと質問したいと思うのです。 財政構造改革法自体は、毎年、特例公債、すなわち赤字国債の発行額を削減することが義務づけられております。そういたしますと、赤字国債の発行額について見ますと、平成九年度に発行した額と平成十年度当初予算との額の差は一兆三千八百八十億円ございます。したがいまして、平成十年度中に一兆三千八百八十億円までは赤字国債を追加で発行することが財政構造改革法上、可能である、こういうことになると思うのですが、この点について、総理、確認いたします。
○涌井政府委員 財革法上、特例債につきましては前年度より減額しなくてはいけないということになっておりますので、先生のおっしゃるとおりでございます。
○石井(啓)委員 そういうことですね。したがって、この一兆三千八百八十億を超えるような赤字国債を発行する事態になると、これはもう財政構造改革法を修正しなければいけない、改正しなければいけない、こういうことでございます。 それからもう一つ、建設国債についてでございますが、これが論議を呼ぶところでございます。 今、与党幹部の発言を伺いますと、建設国債は法律上の縛りがないので、この十年度の補正にどれだけ出しても構わない、こういう発言を耳にするわけでございますが、これについては、三月三日、当委員会において私どもの北側一雄議員が議論をしております。 すなわち、この財政構造改革法上の法律の趣旨からいたしますと、建設国債には明示的な規定はないとしても、やはり財政赤字というのは毎年削減をしていく必要がある、努力していく必要がある。財政構造改革法では、国と地方を合わせた財政赤字を平成十五年度までにGDPの三%以内に抑える、こういうことで、この財政赤字のGDPに対する比率を平成九年度は五・九%、これも平成十年度、その五・九%以内に抑える、そういう前提で試算をしていくと、平成十年度のこの追加国債、赤字国債と建設国債合わせた追加国債の発行可能額は三兆九千八百億円である。これは三月三日のこの委員会で、政府委員から確認をしているところであります。 したがって、財政構造改革法の趣旨からすると、この十年度、三兆九千八百億円までは追加国債を発行しても大丈夫だ、こういうことでよろしいと思うのですが、その点について、総理、確認します。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 前回御答弁申し上げた点につきましては、これは一定のルールのもとに計算したら幾らになるかということで申し上げたわけでございまして、財革法上は、国、地方の財政赤字のGDP比三%につきましては、途中年度の制約は法律上の規定はございません。平成十五年度に三%以下にしなければならないというのが法律上の規定でございます。
○石井(啓)委員 いや、私は法律上の規定じゃなくて、法律の趣旨を聞いたのです。 総理もちょっとお答えにくいようですから改めて確認をしますけれども、この財政構造改革法の趣旨からすると、財政赤字のGDPに占める比率を毎年下げていく必要がある、努力していく必要がある。あるいは公債依存度が、やはりこれも毎年下げていく必要がある、少なくともその努力をする必要がある。これが財政構造改革法の趣旨である、そういうことでよろしいですね。総理、ちょっとこれを御答弁ください。
○橋本内閣総理大臣 他の議員とも同じような議論をさせていただいたことがありますけれども、財革法の定める目標、すなわち、我が国の財政状態、財政構造を変えていかなければならない、赤字体質を変えなければならないという中長期の目標には、皆さんにも御異論はないと思うのです。 それと、現時点において、そのときそのときの経済情勢、金融情勢あるいは国際的な情勢を判断して、よく私は臨機応変という言葉を使いますけれども、そのときに必要な施策を実行しようとすることを、これは封ずるものではないと私は思います。
○石井(啓)委員 時間になりましたので最後に申し上げたいと思いますけれども、私は、こういう議論が最も重要だと思うのですよね。 といいますのは、補正予算編成というのはもう半ば常識化しているというか既定路線化されつつあるわけですから、どういう財政構造改革法の前提で考えているのか、そこら辺をきちんと詰めておくことが必要であると思うのです。この点については、引き続き議論が深まることを期待したいと思います。 時間が参りましたので、以上で終わります。
○越智委員長 この際、石田勝之君から関連質疑の申し出があります。石井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石田勝之君。
○石田(勝)委員 平和・改革の石田勝之でございます。石井委員の関連質問をさせていただきたいと存じます。 大蔵省と金融機関の不祥事は、とうとうキャリア官僚の逮捕まで発展をいたしました。官業癒着の根深さはとどまるところを知らず、国民の金融行政と金融機関に対する不信はまさしく頂点に達しています。この事件の全容について一日も早く解明されることを期待しておりますが、二度とこのような不祥事が起こらないためにも、大蔵省による裁量行政の打破、また大蔵権限の分散化、そして金融をめぐる透明なルールの確立などが焦眉の課題となろうかと思います。 さて、大蔵省と金融機関の不祥事が次々と明るみに出る中で、先般成立した金融安定化法案に基づいて、大手二十一行が二兆一千億円に上る公的資金投入の申請をいたしました。近日中に審査委員会で議決がなされるものであろうと思いますが、国民の間からは、汚職銀行に追い銭じゃないか、こういうふうな批判も高まっておるわけであります。 そこで、きょうは時間も限られておりますから、公的資金の投入問題に絞って質問をさせていただきたいと思います。 まず、審査委員会がつくった審査基準についてお伺いをしたいと思います。 これは審査委員会がつくったと言っておりますが、実際は大蔵省がつくったわけであります。その審査基準について、この間も私はこの場で議論をさせていただきましたが、どのような議論を経て基準が決まったのか、また国会審議で明らかになったさまざまな疑問を解消するような議論だったのかどうかということも確認をするために、私は、たしか三月の四日だと思いましたが、三月四日に議事概要の公開を実は求めたところでございます。 それは、二十三日と二十六日に審査委員会が行われたということも伺っておりまして、その議事概要、議事要旨について教えてほしいということを審査委員会事務局にお尋ねをいたしました。そうしたら事務局は、忙しくてつくっていない、こういうことでございました。公開するかどうかも決めていない、こういうことでありました。 金融安定化法第二十五条第一項では、審査委員会が公的資金投入の議決を行った際には、その議事概要を速やかに公表することになっているわけであります。つまり、できる限りディスクロージャーをします、そういう精神で立法されたはずであろうと思います。 議事概要が出ないのか、提出を要求したいと思いますが、預金保険機構から御答弁をいただきたいと思います。
○松田参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、金融危機管理委員会では、議事の概要と議事録につきまして、御指摘の条文によりまして、引き受けを承認する場合には速やかに公表するということになっておりますが、お尋ねの審査基準あるいは経営健全化計画をつくるときの審議については、法律上は作成が義務づけられていない関係にございます。しかし、さはさりながら、これまでやりました二回の審査基準をめぐる審議の後で、委員長がそのときの状況について記者会見を行いまして概要をお伝えする、こういうことにいたしております。 ただ、今お話もございまして、私どもも大変忙しい中でやっておりますけれども、この二回の議事の概要、または将来はこれに関する議事録の公開に向けて前向きに検討させていただきたい、このように思っております。
○石田(勝)委員 二十三日、二十六日の議論というのは、極めて公的資金の投入の基礎、基本の部分について議論されたことだろう、かように思います。 私は、電話して聞きましたら、いや、そういうのはつくっていないのですよと。忙しくてつくれないというふうなことではなくて、ディスクロージャーという精神でこの法律ができたわけですから、これは速やかに私は出すべきだろうと思います。そこのところを強く指摘をいたしております。 次に、受け皿銀行ではなくて、一般の金融機関に公的資金を入れる場合の基準についてお尋ねをしたいと思います。 政府は、経営の状況が著しく悪化していないことを資金注入の条件に挙げてきたわけであります。そこで、審査委員会がつくった基準ではこれを少し具体化して、最近三年連続して赤字決算または無配でないこと、こういう基準になったわけであります。 そこで、二期連続赤字がよくて三期連続赤字がだめだ、こういうことでありますが、これはなぜ二期連続がよくて三期連続がだめなのか、その理由について御説明をいただきたいと思います。
○松田参考人 お答えをいたします。 委員御指摘の基準は、今般の資本注入の措置が、個別金融機関の救済ではなくて、我が国金融システムの安定化に向けた緊急措置であるということから、もともと経営状態が悪化していて破綻に陥らざるを得ないような金融機関は承認の対象としないという条文をもとにつくった基準でございます。 ただ、その審査基準では、ただいま御指摘のとおり、三年連続の赤字決算ないし無配当を条件の一つと定めておりますけれども、これは、例えば健全な金融機関でございましても、不良債権処理の結果、一時的に赤字決算をすることが十分あり得るのでございますので、単に一時期の損益の状況で承認の対象から排除することは適当でないというところから、ある程度のスパンを見ようということで始まりました。 ただ、それが二年でなくてなぜ三年かと言われると多少悩ましいところもあるのでございますけれども、かれこれいろいろ考えまして、総合的に判断して、まあ三年連続という要件で当該申請金融機関の経営状態を判断するのが相当ではないかということで、決めさせていただいた次第でございます。
○石田(勝)委員 では、大蔵省にお聞きしますが、都市銀行、長信銀、信託、地方銀行、第二地方銀行の、いわゆる全国銀行の百四十六社のうち、最近三年連続して赤字決算または無配という銀行は幾つありますか。それはどこですか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 全国銀行百四十六行のうち、平成六年度、七年度、八年度と三期連続して赤字決算の銀行は、一行でございます。また、三期連続して無配当の銀行も、その同じ銀行でございます。 ただ、この銀行は、親銀行が実はございまして、その支援を受けることが決まっておりまして、速やかに財務体質の改善がなされることが確実になっておりますので、特にこの銀行が問題になるということはないとは思いますが、一応基準には当てはまるわけでございます。
○石田(勝)委員 今答弁にありましたように、百四十六のうち、たった一つなんです。もっと言えば、四百十の信用金庫の中でこの基準に抵触するものはゼロ、三百六十三の信用組合の中で抵触するのは十六。つまり、農協系を除く全国九百十九の金融機関のうち、この基準に抵触するのはたったの十七、割合にすると二%以下ということになります。 国会論議で総理や蔵相は、中立公正な審査委員が厳正に審査をするということを再三この場で繰り返しておられましたが、ほとんどの金融機関が公的資金の投入を満たしているじゃないですか。こんな甘いことでは基準とは言えないと私は思います。実際に、この日本債券信用銀行を投入対象に含めるためにこういう基準にしたのではないか。お手盛りの審査基準と言われても、私はしようがないのではないかと思います。 それで、もう一つの基準、早期是正措置の発動区分としての第三区分、これは自己資本比率ゼロ%未満でありますが、この場合には投入しない、こうなっているわけであります。 破綻銀行やその受け皿銀行を除いた一般行でこの基準に抵触する金融機関は幾つあるのか、お答えをいただきたいと思います。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 昨年九月末現在で自己資本比率がゼロ%以下の銀行は一行でございますが、これも先ほどの銀行と同じ銀行でございまして、親銀行の支援によりまして、今期の三月期末は問題のない自己資本水準に達する見込みでございます。
○石田(勝)委員 これでは事実上の無条件投入じゃないですか。最初から公的資金導入ありきなんですよ、これ。これでは、審査といったって、ただのセレモニーでしかないと思います。審査基準については、時間がきょうは限られておりますからこれ以上私も触れませんが、例えば劣後債それから優先株の配当の水準だとか、ほかにも問題点が多々あることを指摘しておきます。 次に、分類債権に移りますが、銀行が提出する経営の健全性の確保のための計画の中に、個別の銀行が抱える不良債権に関する情報を盛り込まなければいけないことになっているわけであります。公表ベースの不良債権について、当然公表されることになっていますが、これは、言ってみれば形式的な基準に基づいた数字であります。ところが、より実態に近い銀行の自己査定に基づく分類債権の数字は、審査委員会には提出されるが、国民には非公開になっている。 今日、金融不安、また金融機関に対する不信の根源は、情報開示が少ないというところにあるんですよ。自己査定に基づく分類債権も公表すべきではないか、私はかように思います。これはもともとあったんですが、最終案から外されたんです。その点について御答弁をいただきたいと思います。
○松田参考人 お答えをいたします。 不良債権につきましては、先生御指摘の経営の健全性確保計画の中におきまして、グローバルスタンダードによるディスクロージャーということで、米国のSEC基準並みの不良債権の開示を求めております。他方、御指摘の自己査定に基づく不良債権の分類や償却、引き当ての方針が実務指針等に基づきまして適正に行われているかどうかについても、それを書いてもらって、厳正に審査をすることになっております。承認をした場合には、それも含め、原則公表することになっております。 別途、審査委員会では、第二回の委員会におきまして、重要な審査資料として、申請各行から本年三月末の不良債権の自己査定額の見込みと分類債権ごとの償却、引き当ての状況を提出させる旨、決定をいたしました。それに従いまして出してもらっているものを受け、昨日から個別の審査に入っているわけでございますけれども、これらの不良債権の償却、引き当て等が、企業会計原則や日本公認会計士協会作成のガイドラインに従って、公認会計士のチェックを受けて適正に処理されているかどうか、その内容について、ヒアリング等を通して確認をいたしております。場合によりましては追加の資料を補充させるなどいたしておりまして、努めて正確を期したいと思っております。 また、事案に応じまして、委員であります大蔵大臣、日銀総裁から、当局の検査や考査の結果を踏まえました意見を求めております。正確性の担保に留意をしつつ審査が進められている、そのように考えております。
○石田(勝)委員 いや、審査が進められているといっても、この分類債権を公表すべきというふうな御回答がないわけであります。 公的資金を投入するということは、当然これは税金であります。金融機関の自己資本比率をふやすために国民のお金を投入する、これは国民は一種債権者の立場にあるわけです。それで、債権者として、各銀行が抱える不良債権の額を知って、経営内容や詳しいリストラ計画を知って公的資金の投入の是非に関する判断材料にする。原資は税金でありますから、そう思うのは私は当然だろうと思います。その点、総理、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今、議員、不良債権を取り上げられました。そして、預金保険機構側から、松田さんから御答弁がありましたように、その不良債権については、申請金融機関から提出をされる経営の健全性の確保のための計画において、従来の全銀協の統一基準に加えて、アメリカのSECの基準を踏まえたディスクロージャーが求められている。そして、企業会計原則などに従った適切な償却、引き当て方針についても、具体的にこれを示せということを求めている。そして、この計画が、優先株などの引き受けが承認されたときには公表されることになっている。言いかえれば、これを実行に移せるという判断をした瞬間に、この健全性の計画そのもの、当然その中には不良債権を含んでいるものが公表されるとお答えをしたと思います。 私は、いずれにしても、審査委員会が審査基準に基づいて提出されました申請、経営の健全性確保計画などを厳正に検討して適切な判断を下してくれるもの、そう考えています。
○石田(勝)委員 それでは、次の質問に移りますが、大蔵大臣にお尋ねをいたします。 各都市銀行が、今回、横並びで大体一千億円の申請となりました。それで、東京三菱から下位の銀行まで入れて、格付も違うし、自己資本比率も当然これは違うわけであります。それで、各行それぞれ違って、自己資本の押し上げ効果も〇・一六から〇・八までさまざまであります。それだけ違うのに、何でこれは横並びで一千億円の申請になったんですか。大蔵大臣、お答えいただきたいと思います。
○松永国務大臣 横並びとおっしゃるわけでありますけれども、御存じのとおり、優先株については四行三千二百十億円、劣後債については十二行一兆八百億円、劣後ローンについては八行から六千六百八十億円、それぞれ申請銀行の発行する優先株あるいは劣後債等別々なのでありまして、それぞれの銀行が、自分の銀行の立場からすればどれがいいかというわけで、自分の判断で申請したものというふうに理解をしておるわけであります。
○石田(勝)委員 自分の判断というよりは、これは圧力がかかって、みんな右へ倣え、こういうふうにしろ、こういうことであります。 もう最後の質問に入りますが、銀行は不良債権処理を当初の予定より上積む可能性があります。貸し渋りが解消されるかどうかでありますが、そこで上積む可能性があって、自己資本が目減りをします。自己資本率の押し上げが相殺されてしまうわけであります。貸し渋り効果は、私は限定されてしまうんだろうと思います。官業癒着の中で、手形を落とすのに四苦八苦している中小企業業者は私の地元にもたくさんいますが、末端で、貸し渋りどころか取り立てが始まっているということで悲鳴を上げています。十三兆円ものお金を銀行に回すんだったら、一部でも我々に回してほしい、こういうことであります。 それで、午前中の質問でこの貸し渋りについての質問があったときに、蔵相は、民間のことなのでそれほど強く介入できないと言っているけれども、だからこそ努力目標ではなく必ず実行させるように強く指導すべきだと私は思うんです。この際、貸出資産を何月までに総量でこのぐらいふやせということを銀行に強く条件をつけるべきだろう、私はかように思います。総理も近々銀行の首脳とお会いになるということでありますので、そういう条件をつけて私はお会いになるべきだろうと思いますが、最後に総理の御答弁をいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今銀行からお話が始まりましたけれども、経済界、金融機関、またその金融機関も民間、政府系金融機関それぞれに、私は今週できるだけ早い時期に会いたいと考えておりました。国会の下さる時間の合間を見てお目にかかるつもりです。そのときには、今の議員の御指摘も脳裏に置きながらそれぞれの話を聞きたい、また、こちら側からの要望もしたいと思います。
○石田(勝)委員 終わります。
○越智委員長 これにて石井君、石田君の質疑は終了いたしました。 次に、加藤六月君。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○加藤(六)委員 本日、本委員会冒頭、大蔵大臣から、一連の不祥事についての御発言、おわびの言葉がありました。それから、先般来、総理、大蔵大臣が、こういう事態に接して、徹底してうみを出す、こうおっしゃっておられました。私は、うみを出すのも大切だけれども、切開手術が必要ではないか、こうも思うわけでございます。 それは、一連の大蔵汚職の原因というものは、もうこの予算委員会、大蔵委員会でたびたび議論になっておりましたが、裁量行政というものが根源にある、あるいは護送船団方式を続けてきた結果である、こうも多くの同僚議員から議論いたしておるのでございます。大蔵大臣、どうお考えになられますか。
○松永国務大臣 今、加藤先生、うみを出す程度じゃいかぬ、切開手術をという話がございましたが、心は同じなんですよ。どう表現するかという問題でありまして、今までの大蔵省の中にあると言われる体質を抜本的に改革していこう、こういう意味でございまして、まあ、心としては、うみを出すのも切開手術をするのも同じような意味だというふうに先生にとっていただければありがたいと思います。 大変なことでありますけれども、しかし、その背景にあるものは、今先生御指摘のように、裁量行政あるいは事前指導型の行政を改めなければなりません。事前に明確なルールを示して、そのルール遵守状況を事後にチェックするという形の行政にしていかなければならぬ、こう思っているわけでございます。
○加藤(六)委員 大臣が後半おっしゃいましたそこらの問題については後から御質問申し上げたい、こう思っておるところでございます。 一昨年の厚生省汚職などの官僚の不祥事が発生いたしましたときに、新進党は、昨年の通常国会に国家公務員倫理法を提案いたしました。しかし、その案は、与党は、公務員倫理規程でいいんだということ等で、公務員倫理規程で対応をされるようになったのは、皆さん御存じのとおりでございます。 今日になってようやく、それではやはりだめだ、法整備の必要性に触れられ、また与党並びに内閣において、こういった問題についての法をつくろう、倫理法をつくろうという御意見が起こっており、また努力をされておるやに聞いております。 総理、昨年の通常国会で公務員倫理法をつくっておったら、今回の一連の不祥事は少しでも抑えることができておったとお考えか、あるいは、間に合わなかったとお考えか。行政の最高責任者としての総理の御感想とお考えを承っておきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 確かに、議員御指摘のように、厚生省の問題が起こりました時点、またそれ以前から、公務員に対し倫理法をつくれという御意見は各所にありました。そして、公務員倫理法というその当時の御意見に対し、私は、公務員諸君の倫理観というものに期待をかけ、倫理規程をつくることで、彼らがそのプライドにかけても行動を慎むものと期待をいたしておったことは間違いありません。 ところが、今回、総会屋に対する利益提供から端を発し、次々に捜査の進んでいきますプロセスで四名の逮捕者を出しました大蔵省の中において、実は数内閣、内閣の数にすると数内閣前から続いていたかもしれないケースであって、しかも倫理規程がつくられた後に、被疑事実として述べられているところでは、そうした行動が続いているという結果が出てまいりました。これが、私自身、人間を信じたことがいけなかったという以外にないのかという情けない思いとともに、公務員倫理法を制定しなければならないという決断を下すに至った理由であります。 仮に公務員倫理法ができておりまして、こうした犯罪行為として司直の手にかかるような容疑事実がなくなったかどうかといえば、これは何とも言えませんけれども、少なくともこうした行為に対する抑止力にはなったであろう。そう考えれば、倫理規程で足れりと考えましたことを大変申しわけなかったと思っております。
○加藤(六)委員 大蔵大臣、現在、大蔵省の許認可権限というか、許認可権を持っておる件数はどのぐらいございますか。
○武藤政府委員 許認可等の数につきましては、総務庁におきまして毎年統一的に把握されております。 この場合の国の許認可等の範囲は、国民の申請、出願に基づきまして行政庁が行います処分及びこれに類似するもので、法律、政令、省令及び告示におきまして許可、認可、免許、承認、検査、登録、届け出、報告等の用語を使用しているもので、根拠法令の項ごとに一事項として数えるということで、この基準で数えますと、平成九年三月三十一日現在、大蔵省の許認可等は千四百六十九事項でございます。
○加藤(六)委員 五日の二人の官僚の逮捕状の中身を見ても、金融商品や販売手法の認可制度、法律の根拠のない通達、行政指導などによる護送船団方式が大蔵省の一連のあしき裁量行政をはびこらせておる、こう多くの皆さんが考えておるわけでございますが、大蔵大臣、明文化されていない解釈や審査が多過ぎるとはお考えになりませんか。
○松永国務大臣 お答えいたします。 そこで、事前にルールを明示する、それがまずあるわけですね。そうしてそのルールの遵守状況を事後にチェックする、そういう形の行政にしていかなければならない、こういうことでございます。
○加藤(六)委員 そういう考え方、流れは私も全く同感で、ぜひそうあってほしい、こう思っておるわけでございます。 個別商品の許可だとか認可だとか、金融機関、証券が出してくるのではなしに、そういった個別商品のリスクというものは商品の提供者が全面的に情報を提示し、そしてお客さん、顧客は自己責任で選択する、これが金融市場のあるべき方向であり、それが金融商品の提供側や選択する側の原則であって、まあどういいますか、原則として届け出制によるこういう方法を早く実施しておれば、私は今回のような問題は起こらなかったのではないかと思っておるのでございます。 しかし、結論的に申し上げますと、昨年あるいは一昨年以来、大蔵問題についてはいろいろな熱心な議論が展開されてきました。そして、金融監督庁をつくる、あるいは財政と金融の分離論、あるいは一連の問題で金融機関がMOF担を廃止する、あるいは冒頭申し上げました公務員倫理法を制定するというようないろいろ解決策を、与野党、国民を通じて今議論されておるところでございます。 私は、しからば、それで一連の腐敗、汚職は解決できるかというと、冒頭申し上げました切開手術という言葉で表現して、大蔵大臣はそれはうみを徹底して出すのと同じであるというようなお答えもございましたが、我々政治家、国会議員、いろいろ考えておるのでございますが、端的に言いますと、権力のあるところ腐敗あり、裁量行政と認可行政のある周辺に汚職と不祥事件が発生する、そしてそこに根源がある、この認識をどこまで持つかということではないかと思います。 すなわち、私たちが今強く主張いたしておりますのは、行政の中身を徹底的に改革し、体質を変え、許認可権限を見直す、そして、規制緩和と徹底した情報公開を徹底して行うということが汚職根絶のもとになってくる、こう思うわけでございます。総理の御所見をお伺いしておきます。
○橋本内閣総理大臣 私は、行政全般を通じて、情報公開の必要性、さらに規制の撤廃、緩和、また行政が行わなければならない行為の中でも地方に譲っていくべきこと、こうした努力を払うことは当然のことと思い、その点では議員の御指摘のとおりだと思います。 そして、その上で、私どもが今特に国民から大変厳しい御批判を浴びておりますさなかのこの大蔵省そして金融行政、いかにすれば行政の裁量幅をできる限り減らして、自己責任原則に基づいた市場というものの存在、言いかえるなら、市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政に変えていくことができるかと苦しんでおります。 議員が御指摘になりました情報開示の促進、また早期是正措置などのルールの明確化、こうしたものは必要な措置であり、こうしたものを講じることによって、自由であり、透明な、そして信頼できる市場というものを再構築していかなければなりません。 同時に、今御指摘がありましたように、各金融機関がそれぞれの特色を生かしながら、お客様のニーズというものに合致したさまざまな金融商品あるいはサービスを提供する、そしてそれが、情報としては当然ながらその提供する機関自身の努力によって進められるものであると同時に、お客様も自己責任というものを踏まえて対応される、こうした金融システム改革というものを着実に進めていかなければなりません。 こういう努力の中で、初めて、いわゆる横並びを意識した経営とか、あるいは規制に安住する経営というものが本当に許されない、そういうものになっていくと私は思っております。
○加藤(六)委員 いよいよ我が日本も金融ビッグバンが始まるわけであります。そうすると、外国の金融機関がどんどん日本の市場に入ってきます。あいまいな裁量行政で対応できない。したがって、金融ビッグバンの目標とするフリー、フェア、グローバルの原則を名実ともに確立していかなければならない。もしそれを誤ると、諸外国の大きな不信を招くようになります。 したがって、たびたび申し上げておるようなあいまいな裁量の余地というものを排除し、民間に競争と自己責任原則を定着させる、そうしてやっていかないと、我が日本はこのビッグバンにたえることはできない、こう思うわけでございます。 今回の汚職、不祥事件というものを契機として、私は、逆にビッグバンに備える、裁量行政その他不明朗な問題を排除していくことが今こそ必要になってきた、こう強く思いまして、あす同僚議員が汚職問題については強く申し上げますから、次に移らせていただきます。 次は、預金保険機構に設置せられました、先般の国会でたびたび議論せられました金融危機管理審査委員会の件について、お伺いいたしたいと思います。 まず、今日までに何行の申し込みがあり、総額は幾らになり、また、さらに追加があるのかないのか、そこら辺のことについてお伺いいたします。
○松田参考人 お答えをいたします。 三月五日までに整理回収銀行を介しまして当預金保険機構に申し込みがなされました概要でございますが、まず、優先株については四行ございまして、三千二百十億円でございました。それから、劣後債の関係では十二行から申し込みがございました。合計で一兆八百億円でございます。それから、劣後ローンが八行でございまして、六千六百八十億円。延べで、二つ重なっているのがありますけれども、銀行数にしますと二十一行、合計二兆六百九十億円の申し込みがあったわけでございます。 追加の申し込みを受けるかどうかにつきましては、期限が三年間の緊急期間の措置でございますので、もちろん、申し込みがあれば受け付けることになっております。
○加藤(六)委員 先ほど同僚の石田議員からも、審査基準その他については厳しい御意見がありましたが、そこで、我々が政府あるいはこの審査委員会の動きを見ておりますと、いよいよ審査が始まったわけだ、こうなるわけでございます。そして、審査委員会で今おっしゃった各行の中身が審査され、そして閣議でこれら一連の問題で決定して、公的資金の導入が決まるということになってくると思うのでございます。 きょう、この委員会には審査委員会の委員が三人おられるわけです。ところが、この審査委員会の発足では、六人で発足しておる。法律では七人と書いてある。六人で発足するということは、欠陥を持った発足になるかならぬか。これは大蔵委員会においても議論されたから、そこをどうとかこうとか申すのではございませんが、そのうちで民間人が、一人はいないわけですから、審議は六人でやる。全会一致である。その場合に、三人は大蔵大臣と日銀総裁と理事長である、あと三人は民間人である。 そういう点から、審査基準のいい悪いという問題が今議論されましたが、さらに私はここで質問いたしたい。 理事長が答弁されるかと思いますが、民間人からお入りになった三人はいろいろな資料で勉強していただくんだろうと思うのですが、事務局として、これら委員全部にあるいは民間人三人の皆さん方に、過去の大蔵省の、ただいまお申し込みがあった二十一行の検査報告書あるいは検査示達書、そしてまた当該金融機関のそれに対する示達回答書、これを大蔵大臣や日銀総裁はごらんになっておる、あるいは調べたりお読みになっておることがあるかもわかりませんが、民間三人の方に、過去何回かの二十一行の検査報告書や検査示達書や示達回答書をごらんに入れて審査をしていただくんですか、いただかないんですか。お知らせください。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○松田参考人 お答えをいたします。 私がお答えするのが適当かどうか定かではございませんけれども、六人の一人としてお答えをさせていただきます。 委員御指摘の資料は、民間の審議委員にお見せしたことは今までのところありません。 ただ、一般論で申しますと、いろいろ個別審査を始めておりますので、例えば不良債権に関する申告の正確性の担保その他につきましては、審査委員であられる大蔵大臣や日銀総裁から、検査、考査等の立場に基づいて御意見をいただいております。
○加藤(六)委員 そこが大きな問題になってくるんです。 今回、各行が申請書を出すに当たって、横並びのようにリストラ計画というものをいろいろ出してきておりますね。そのリストラ計画というのは、それはそれで意義があると思う。 ところが、日銀の考査、大蔵省の検査書というものは随分の中身を指摘しているはずです。そして示達をしておるわけですね。そうすると、各行がそれに従って示達回答書を出しておるわけです。それは、今までの銀行法その他によって出してきておるわけでありますが、今度は公的資金を導入するわけでありますから、今までの示達回答書と今回出してきたリストラの中身というものを、委員の皆さん方が徹底的に勉強しないと審査したことにならない。 そこら辺の問題でもう一度お伺いしますが、これは大蔵大臣、今申し上げた検査報告書や検査示達書、示達回答書、これは大蔵大臣の権限下にあるのでありますが、これを、民間の審査委員の皆さん方から要求があった場合は、お見せするのですか、しないのですか。
○原口政府委員 お答えします。 審査委員会から資料の提出の要請があった場合、大蔵省としては、審査委員会における議論に資するため、可能な範囲で必要な資料の提出などにより協力したいと考えております。 ただ、提出要請のあった資料につきましては、大蔵省としての守秘義務と、資料を提出することによって得られるべき公益とを比較考量した上で判断をするということになりますが、今御指摘のような、例えばリストラ計画といったようなことについては、御要請があればそれは最大限努力したいと考えております。
○加藤(六)委員 これは、委員である方々が答弁するのであって、事務局や何かが答弁するようになっていません。 それなら、三人の委員の皆さんに一人ずつ。要望があれば出さす、出ささない、そこら辺について一言ずつお答えください。
○松永国務大臣 審査に当たっては、大蔵省の方は、銀行法二十四条に基づいていろいろ調べた結果がございますので、その結果に基づいての大蔵大臣としての意見を述べ、あるいは注意事項の指摘をする、こういったことで審査を進めておるところでございます。
○松下参考人 日本銀行といたしましても、この審査委員会の席上におきまして、個別の銀行ごとに銀行の行っております例えば自己査定の内容を、私どもの目から見まして、どういうふうに判断をするかということは御説明いたしております。 ただ、基本になりますいろいろの資料等につきましては、私どももみなし公務員といたしまして一定の守秘義務を持っておりますことからも、内容につきまして、そのままお出しできるものもあり、また御遠慮させていただくものもあるかと存じております。
○松田参考人 お答えいたします。 先ほど少し申し上げさせていただいたのですけれども、個別審査をいたしております最中に、それぞれ、例えば不良債権、経営の健全性を審議する上で最も大事な不良債権等につきましては、資料をお持ちの大蔵省と日本銀行の代表者が審査委員になっておられますので、その方々の御意見を必ず冒頭に伺って、その上で審議に入るように尽くしております。 今後、必要があれば、ただいまと同じように、大蔵大臣もしくは日本銀行総裁に、委員の立場からお尋ねをし、資料を出してもらうようにいたしたいと思います。
○加藤(六)委員 私は念を押しておきます。 今申し上げた二十一行のこれらの三点セット、これを十分に審査せずして、いろいろな結果が出ていくというのは大変不十分であり、まやかしがある、こう申し上げておきます。 なお、先週六日の我が予算委員会において、これは二十一行ではございません、四行に対して、政府に対して、過去三回分のそれぞれの資料を要求しておる、これは証言法一条に基づいて当委員会も要求しておるということを申し上げておきます。 私が今なぜこの三点セットの問題を申し上げたかというと、申請してきておる二十一行、いろいろありますが、横並びの問題が非常に多い。例えば一千億円ずつ、これがあります。 ところが、銀行というものは、それぞれの銀行において体質が違う、特質が違う、いろいろ違う、体力が違う、そして上場されておる株価が違う。もし、この審査委員会が横並びで同じように、金額が横並びか、申請した率が横並びか、あるいは差をつけるかつけぬか、ここを国民が注視しておるのです。 同率で、同額で申請したものが、閣議で決定されたら皆横並びであった。こうなったら、不祥事のときに申し上げましたが、やはり裁量行政である。それからある面では、この一連の、住専から始まった金融行政における責任者の責任隠しである。それから、ビッグバンへの逆行である。すなわち、今までどおりの護送船団方式へ返ってきて、世界の目標とするフリー、フェア、グローバルな原則が実態的に確立できないということになる。 そこら辺で、今回の審査委員、特に、四人というが一人おらぬが、政府側の三人も見識のある人々であります。そしてまた、政府は民間の三人の方に対しても、平成の三賢人だというぐらいの気持ちで選んでいただいたのだろうと思うのでありますが、審査、そして閣議に行くのがもうすぐ来るのでありますが、もう一度繰り返して言っておきますよ。 申請どおりの各行同率か、同額か、査定というものが各銀行について厳重についておるかついていないか、この結果を国会も国民も注視しておるのだ。それが汚職を防ぐもとになると冒頭申し上げました、裁量行政を残すか残さぬか、護送船団方式に逆戻りするのかしないのか、ここら辺になるわけであります。そこら辺につきまして、私なりの注意を喚起しておきます。 次に、経企庁長官においでいただいておるわけでありますが、経企庁長官、平成九年度の当初予算を決定したときの経済成長の見通しは幾らであったか。そして、もうすぐ三月末が来ますが、その三月末に実際にはその数字が幾らになるのか、まず簡単に御報告を願いたいと思います。
○尾身国務大臣 九年度の当初予算を決定したときの政府見通しは、一・九%実質成長ということでございました。その後、昨年の十二月に平成十年度の見通しを決定いたしました際に、〇・一%に修正見通しをしたわけでございます。
○加藤(六)委員 そこで、私たちも毎月の経企庁の月例経済報告というのを読んで、国民とともに大変今日の我が国の景気状態、経済状態等心配いたしておるのでございますが、その月例経済報告に表現される言葉が次々と変わってきておるわけでございますけれども、まずお聞かせ願いたいのは、足踏みというのと停滞というのと、これはどう違うのでしょうか。
○尾身国務大臣 経済企画庁、私自身九月に就任して以来、いわゆる政府見通しは甘過ぎるのではないかという一部の方々の批判もございまして、特にこの見通し、月例経済報告等につきましては、その時々の経済情勢をできるだけ客観的に、公平に判断をして、国民の皆様にお知らせするようにしてきたところでございます。 そこで、昨年の十一月の月例経済報告から本年一月にかけましては、多少のニュアンスの違いがございますが、足踏み状態という表現をしてまいりました。その後、本年二月及び三月に、これまた多少の表現の違いはございますが、停滞をしているという認識を示してきたところでございます。 それは、経済の状況が、アジアの状況あるいは金融機関の相次ぐ破綻等によりまして、消費者及び企業の景気の将来に対する信頼感が低下したこと等を原因といたしまして、景気が、この足踏みという表現よりも、やや厳しい状態になったということで、停滞という表現にしたものでございます。
○加藤(六)委員 私は、足踏みと停滞はどう違うのかという御質問を申し上げた。もちろん、いつから足踏みが停滞になったかとお聞きしたのでありますが、今の経企庁長官のお答えで見て、既に、予算の編成作業に入り予算の概算閣議をされる前後は、足踏みから停滞に変わりつつあったわけですか、なかったわけですか。
○尾身国務大臣 月例経済報告の景気の判断は、主としてその時々の統計的に出ました日本経済の状況を表現するというふうにしておるところでございますが、九月以降、アジアの経済の状況あるいは金融機関の破綻等によりまして、いわゆる景気の将来に対する信頼感が低下をしたことによりまして、実体経済面にも、十一月、十二月、一月、二月とその状況があらわれてきている。そういうことを、その時々の経済情勢を正確に判断し、正確に表現するということを心がけながら、月例経済報告に記述しているところでございます。
○加藤(六)委員 そういう中で、当委員会においても公定歩合、超低金利問題について、たびたび今まで議論があってきたわけでございます。ある面でいいますと、世界史上に例のない〇・五%の超低金利状態が二年半も続いておる。ここからいろいろな問題がある。 政府の、足踏みから停滞という変化の中に、いろいろこの公定歩合論争があってきたのでございますけれども、ある面では、この〇・五%にしたときに、カンフル注射的なといいますか、景気の底抜けを防ぐ手段としては私は有効な効果があった、こう思うわけでございますが、最近になってこの問題を考えますと、逆に、低金利政策を続けざるを得ないのは景気が失速状態のままになっておるからだ。さらに言うと、一向に景気が上向く気配がないから超低金利を続けなくてはならぬ。 言葉をかえて言いますと、景気対策が無策であるから、策がないから、経済失政が続くので金利政策に過重な役割を負わせざるを得ない。したがって、低金利政策というものと経済運営の失政、失敗というのが表裏の関係にある、最近このことを強く我々が主張しておるわけでありますが、学者の方にも、そうだという同調者が最近多くふえてきたのであります。この中身については私は余り多くのことを申し上げません。 時間がございませんが、そこで、先ほど来の情勢を見て、このままの経済を見て、平成十年度の予算というものが修正も何もされずにもし通ったとして、果たして一・九%の政府見通しが達成できるかできないかというのが、ある面で申し上げますと、国会の大きな議論になってきておるわけでございます。 当委員会においてもたびたび議論になっておるのは、一つは、政府経済見通しが正しいのか正しくないのか。それからいま一つは、予算成立前の大型補正論議というのが、国会と委員会では言われずに、ほかのところでいろいろ言われておるという問題。それからもう一つは、財政構造改革路線というものと補正予算との絡み、国債発行の問題あるいは公共事業の問題。大きく分けてこの三つが当予算委員会の審議の中心になってきておるわけでございます。 そういうところで、経企庁長官にはことしの予算編成のときの一・九%という数字についてはもう説明を受けておりますが、官房長官に、お忙しい中で来ていただいた官房長官、七日にあなたは、一・九%達成に渾身の努力をする、こう言われたのですね。なかなかいいことを言われたのです。しかし、お伺いしますが、この渾身の努力というのは、平成十年度の予算で実現して一・九%になるのですか。後の補正予算というものを出すというのを頭の中に入れて一・九%達成する、こう言われたのですか。どちらですか。
○村岡国務大臣 お答えを申し上げます。 午前中も川端委員の、大型補正に言及したのかと。時間がございませんでしたので、その背景でございます。 しばらく帰っておりませんので、地元で四カ所、二千数百人の方で講演を行いました。いろいろ経済の停滞、金融の不安、雇用等ありまして、九年度の補正予算、公共事業の災害復旧等一兆円、ゼロ国債一・五兆円、こういうもので橋本内閣も一生懸命景気のことも考えておりますよと。それから二兆円の減税、こんなことを考えておりますと。ただ、私は、尾身長官の来年度の経済見通しで一・九%、なかなか、質問等で甘いんじゃないか、こういう話もあるけれども、政府としてはこの一・九%の達成のために一生懸命頑張っていかなければいけないだろう、こういう話をしたことは事実でございます。 大型補正については一切触れておりませんし、念頭に置いてもおらないということで、どうしてああいうような記事になっているのか私も不思議でしようがない。これは一緒に同行記者も十人も行っておりますから、聞いてもらっても結構であります。 以上でございます。
○加藤(六)委員 私は、官房長官、口で言うたんじゃない、頭の中にあって言ったか、こう聞いたのでありますが、まあ結構です。 大蔵大臣、政府提出の予算案を減税で、議会の要求で修正した例があるのを御存じですか。
○松永国務大臣 あったそうです。
○加藤(六)委員 昭和五十二年、福田内閣で、これは私が去年出した本の中にも書いておるのでありますが、議会が減税要求の強いものがあった、そこで、議論に議論を重ねて、最終的に政府が減税で修正して国会を通したという例があります。これは昭和五十二年度予算の修正であります。今、我々がいろいろ要求しておる減税というのを、政府がやろうと思えばできるという前例は、減税で政府が修正しておる、こういう前例があることを申し上げておきます。 そして今度は、総理にこれは思い出してもらいたい。総理が大蔵大臣、私が与党の政調会長のときにいわゆる湾岸戦争が起こりました、湾岸戦争があった。いろいろ私たちはそれに対して次々相談し、知恵を出し合いながら、国際国家日本としてどうやってその責任を果たしていくかというので努力し、苦労したわけでございます。 今、私が冒頭大蔵大臣に質問したのは、減税の予算修正を政府がやった、昭和五十二年度の予算ですよと。これが一つでありますが、これは例になるかならぬかは別として、これも、一番新しい先例としては、平成三年度予算、湾岸戦争のときに私たちは政府修正をいたしたわけであります。 その経緯と経過はここに詳しくあるのでありますが、政府は平成三年一月二十五日に予算案を国会に提出し、一月三十日に提案理由の説明をし、二月四日に総括が始まったという経緯と経過があります。その間に、その年の初めに中山外務大臣もアメリカへ行く、総理の大蔵大臣もアメリカへ行って、日本としてどんな協力ができるか、いろいろな議論をされて、御存じの九十億ドルの問題が出てきた。 そこで、党と政府は一体になって、その問題をどう扱っていくかということで、国会はいろいろそれでストップをしたり、あるいは予算委員会は湾岸問題の集中審議を二月十四日、十五日にやる。政府と党はその間大変な苦労と努力をしまして、湾岸地域における平和回復活動に対する我が国の支援に係る財源措置の大綱というのを一月三十一日に決め、九十億ドルを決めたのは、総理御存じのように、一月二十四日の朝、総理官邸の小食堂で決めました。 そして、それをやって、党との折衝をいろいろやりながら、二月十五日にその湾岸地域における平和回復活動の大綱を閣議了解され、二十五日に政府から平成三年度予算修正の話が出て、二十五日にこれを委員会で質疑し、修正が成るということになって、結局いろいろ延びたのでありますが、三月十四日に締めくくり総括が行われ、討論、採決で衆議院を通過、成立という経過になるのです。 総理、きょうは、今日の我が国の経済の苦しい実態、不景気の問題、いろいろ十分に申し上げる時間がなくて、すぐ予算修正の問題に入ったんですが、今私は、二つの例を申し上げたわけです。 一つは減税で、政府が申し出て、修正した。一つは、日本が国際国家として生きていくためにぎりぎりの貢献をどうやったらいいか、あの湾岸戦争が起こったときに、というので英知を絞り、そして我々当時の与党は、公明党、民社党の皆さんに本当に血の出るような説得とお話をして、御賛成をいただくという経緯と経過があり、そしてまた、政府の別の意味の計画、予算も削ろうというので、削るのに血の出るような努力をしました。 今日、多くのことは申し上げませんが、国民の置かれておる実態、先ほどの公的資金を金融機関に入れるといった問題だけではない、史上最悪の男性の失業率、国民の消費の低下、機械発注の減、いろいろな問題が山積しておる。だからこそ、与党の多くの皆さん方が、あちこちの講演や演説で補正を、大型なのをやります、やります、やりますと。あるいはまた、アメリカのいろいろな人に対して、我が日本政府はこう考えております、こうおっしゃっておるんであります。 私も、景気対策の王道、本筋というのは、一つは減税、一つは新しい社会資本の公共事業、そして三つは徹底した規制緩和。この三つが初めて景気を回復させ、また国民が、将来に向かって少し安心できるのかなという期待を持っていただけるようになるのではないか、こう思うのであります。 そういう中で、私は減税を特に強く主張いたしております。我が党としては、所得税は大幅減税して五〇%に落とす。法人税は四〇%に落とす。大幅減税をやるということであります。いろいろ議論があって、当面は六兆円でもいいじゃないかという議論もある。ところが、まだそこまで議論がいっていない。なぜいっていないかというと、二兆円の減税が恒久化するしないという論争がある。情けない話でありますが、私は、今まで申し上げた経過から申し上げますと、総理、減税は決断すればすぐできるんです。あとの公共事業的なものは、これは積み上げが要る。箇所が要る。いろいろな問題があります。 したがって、この本予算では、まず政府が減税を決意する、今まで以上の減税を行います、これを強く打ち出していただき、そして、与党の一部から言われておるように、それ以外の問題については、与野党で議論するのならするとしても、この際は、総理がこの席で減税をやりますと、政府修正しますと、これが日本を救う、国民を救う、この道になる、こう確信しておるのでありますが、御決意のほどをお伺いいたします。(発言する者あり)
○橋本内閣総理大臣 ちゃんとお答えをいたしますから、静かにお聞きをいただきたい。 五十二年の福田内閣のときの修正、これは私は、当時、党の中でほかの仕事の責任者でありましたために、直接は携わりませんでした。そして、湾岸危機から湾岸戦争の折は、私自身が交渉責任者でありましたし、議員は、我が党の政調会長として、取りまとめの努力をしていただいたお一人でありますから、当時の御記憶は正確でありましたし、私自身も、今も極めて印象の深い出来事であったことは御指摘のとおりであります。 そして、御意見は承りました。私どもは、今政府として、ぜひ、予算案の早期の成立とともに、政府が提案をいたしております法人課税を初めとする政策減税の一連の法律案、予算関連法案の一日も早い成立をお願い申し上げたい。これによって切れ目を年度の間に起こすことなく、経済運営に全力を挙げさせていただきたい、心からお願いを申し上げております。
○加藤(六)委員 今の御答弁はもう何十回も聞いたことでございますが、それでも、今からでも遅くない、総理の決断を心からお願いして、私の質問を終わります。
○越智委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 きょう、あすの集中審議で、あすは金融問題について我が党の同僚が行いますし、私は景気問題に絞って橋本総理大臣にお聞きします。 昨年の十二月の個人消費はマイナス五%、二十数年ぶりという深刻かつ一刻の猶予もできない事態にあります。国内総生産の六割を占める個人消費が、冷え込むという事態から、凍りついた状態に至っている、こういうマスコミも報道しているような状況です。 この最大の原因は、政府が強行した九兆円の負担増が国民の所得を奪ったことにあります。国民の猛反対を押し切って行った消費税増税、医療保険改悪、特別減税廃止による所得税の増税が、国民の家計から所得を奪い、消費を凍りつかせた、こんなふうに言って差し支えないと思います。 そこで私はお聞きしたいのです。 総理は、消費税率の引き上げが景気を悪化させ、不況を深刻化させるとの私どもの追及に対し、当時、不破委員長に対して、自律的回復が実現されていくとともに持続的成長への道が開かれていくものと考えると答弁しました。 つまり、一時的な負担増はあっても、景気回復の足取りは確かだから、雇用情勢が好転することによって雇用者所得がふえ、マイナス面を吸収してプラスに転じる自律的回復のシナリオを描いて、雇用者所得がふえるから消費税のアップ分はカバーできる、大丈夫だと繰り返しおっしゃってまいりました。そして、その最大の根拠として、雇用情勢が好転し、雇用者所得がふえるということを強調してきました。 果たして、総理、政府のシナリオどおりになったかどうか、ここをお聞きしたいと思います。 まず、失業率は史上最悪、雇用者所得はふえるどころかマイナスになり、実質賃金ばかりか名目賃金も大きく減。結局、消費税の影響を吸収してプラスに転じることはなかった。この事実はお認めになりますね。
○橋本内閣総理大臣 私は、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたように、消費税率の引き上げを含む一連の制度改革が九年度経済に与えた影響を否定しておりません。 ただ、委員がそこまでお聞きくださるのであれば、あえて私はお答えをしたいと思いますけれども、消費税率の引き上げを含んだ平成六年秋の税制改革が経済に与えた影響というものをもし考えるとすれば、十六兆五千億円という先行減税の実施というもの、その影響をやはり計算していただいてお考えをいただくべきではないでしょうか。九年度のみの税負担をとらえると、これは増であります。しかし、先行減税というものがあったということ、これはやはり経済水準を高める効果があったものと私は思います。 また、平成九年四月の消費税率の引き上げ、これが経済に及ぼした影響。我々は確かに、その前の駆け込み需要とそしてその影響を少し見違えていたことは、これは隠していません。しかし同時に、消費動向を示している指数、平成九年の第三・四半期に持ち直していたということは、改めて私は申し上げたいと思うのであります。家計消費支出、九年の一—三月は二・〇が、確かに四—六はマイナス二・五になりました。しかし、七—九ではこれが一・九に戻っております。民間最終消費支出にいたしましても、一—三が四・六でありました。四—六がマイナス〇・四でありましたが、七—九は一・〇と、回復の傾向を見せていたということは事実問題として改めて申し上げておきたいと思います。
○穀田委員 今、るる数字がございました。まず、大枠として否定していないということも言われましたし、支出も言われました。問題は結局、生産増が雇用者増に結びつく、雇用の改善が家計消費にさらに結びついて増になる、そして回ってきて生産増が設備投資増につながる、こういう形で見通しを示していました。 今お話あったように、私は、あなた方が示していた、根拠とした、雇用情勢が好転して雇用者所得がふえることはなかったということをまずお聞きしているわけです。その点はもう一度いかがですか。
○尾身国務大臣 私ども、年度当初、緩やかな回復過程にあるというふうに申し上げてきたわけでございますが、昨年の九月以降、アジアの状況あるいは金融機関の相次ぐ破綻等によりまして、消費者や企業の景気の将来に対する信頼感というものが低下をいたしました。そのことが実は生産活動に反映をされ、景気が停滞をし、その結果として雇用面でも厳しい状況になったというふうに理解をしているところでございます。
○穀田委員 いつも総理も企画庁長官も外因説をお述べになって、大体同じような答弁をされますし、消費税問題をお聞きすると、必ず先行減税のお話をされます。それは、少なくともネットで増税になっているという問題は何度も指摘してきたところです。 そこで、今お話あった、九月からそういう打撃を受けたという話がありましたので、パネルを示したいと思います。 やはり、政府が言うところの自律的回復のキーワードである雇用者所得、この推移を見てほしいのですね。上の緑の方は、これは現金給与総額です。下の赤は実質賃金の推移です。先ほどあった七月の問題などは、まさに大きく六月に落ち込んで、ボーナスがずれ込んだという結果であることはもう既に論駁されている事実でございます。政府の予測で言えば、これらの緑のグラフ、折れ線の棒、これが上昇することによって、消費税による目減りはあっても、物価上昇による二%の差はついたとしても、実質賃金も上がる、そして家計消費も緩やかな増加、こういうシナリオだったわけです。 ところが実際はどうかというと、見てわかるとおり、四月を境に大きく下落をしています。だから、九月以降という話もございましたけれども、まず大きな境目は四月にあったということがおわかりいただけると思うのです。これ以降、境に減少しており、そして昨年四月以降実質賃金の伸びはマイナス、その後の推移はまさに下落の一途だった、こういう異常な事態になっているわけです。ですから、消費税の増税による所得減少、これが消費の減少につながり、さらに景気の悪化をもたらしていく、こういう悪循環に踏み込んだと言うことができると思うんです。 そこで、先ほどありました生産の問題でも同様ですが、実質賃金の減少が続くことで消費が落ち込む、そしてそのために雇用情勢はさらに悪化し、政府の言う自律的回復の好循環どころか、逆の回転が起こっていることがおわかりいただけたと思うんですね。どう見たって、グラフはずっと下がっていますよね。 ですから、昨年四月に消費税の税率を上げたことによって、やはり回復できていない。それが家計の消費を冷え込ませ、不況を深刻化させ、そして中小企業の経営を圧迫し、さらに仕事が減るし残業も減る、雇用情勢を悪化させ失業もふえる、こういうふうな形で悪循環に陥ったことを示していると思うんですね。だから、こういう点での重大性をしっかりお認めいただきたい、ここの点を私は総理に述べたんです。総理、いかがでしょうか。
○尾身国務大臣 私ども、消費税の引き上げの影響というものをある程度、第一・四半期、つまり昨年の四月—六月は見込んでいたところでございます。しかし、それが予想外に大きかったということも事実でございます。 しかしながら、七月—九月ごろから徐々に景気が回復に向かうというふうに予想をしていたところでございますし、消費活動もかなりの状況になってきておりまして、例えば家計調査によります消費性向は、九月の段階で、実はきょう新しい数字が出ましたので数字が変わっておりますが、七一・九%という数字でございました。しかしながら、その後十月、十一月、十二月にかけまして、先ほど申し上げましたようなアジアの動向あるいは金融機関の相次ぐ破綻等の状況によりまして、消費者や企業の将来に対する信頼感が急速に低下をいたしました。 その結果といたしまして、この家計の消費性向でございますが、九月には七一・九%でございましたが、これが十月、十一月、十二月、一月と急速に下がりまして、四カ月間で三・三ポイント下がりまして、一月の数字が六八・六%という非常に低い数字になっております。つまり、このことは、消費者の景気の将来に対する信頼感が低下して消費性向が急速に低下したということでございまして、三・三ポイントということは、金額ベースの年率に直しますと、年率十兆円を超える需要減になったということでございます。 そういう将来に対するマインドの低下というのが、実は現在の景気の大きな課題、問題であるというふうに考えておりまして、これからの各種施策によりましてその信頼感を回復することが何より最優先の課題であると考えている次第でございます。
○穀田委員 いつも企画庁長官はそうおっしゃるんですよね。確かに消費性向は落ちたことも事実です。しかし、この消費性向の家計調査の資料は、同じく消費税を税率アップしたときにも非常に大きく、三%以上の落ち込みを見せています。ですから、同様に将来の不安ということでもございます。問題は、じゃ、あなたいつもおっしゃるんだが、経済企画庁はみずからどう言っていたかという問題について、ぜひ見ていただきたい。 まず、前回も経済企画庁のみずからの内部文書についてなかなか御存じないという実態がございましたけれども、この年次経済の報告書では、やはり、「消費税率引上げ等が、このところつながってきた所得から消費へのリンクに影響を及ぼす可能性はないとはいえないが、」これは先ほどおっしゃったように、影響がないとは言えないということを言っていましたよね。そこで、その後なんですよ。「雇用情勢の改善のプラス面がマイナス影響を相殺することが期待され、個人消費の腰折れにつながるものではないと考えられる。」としていたんですね。当時の考え方はこうなんですよ。だから、相殺するはずの雇用情勢がプラスにならなかった、このことが個人消費の腰折れになったということははっきりしていると思うんですね。 そこでもう少し、じゃ、どういったところに重大な影響を及ぼしたかということについて、これは総理と議論をしたいと思うんですね。 消費税の増税後、昨年の四月から十二月までの勤め先からの収入を、先ほど大臣もおっしゃった家計調査で見てみましょう。 この家計調査の、家計の年間収入が四百九十四万円以下の世帯、いわゆる第一分位ですね、そこでの内容を見ますと、四月から十二月までの収入は二百八十一万二千三百八十三円、前年の同時期に比べてたった一万三千八十三円しかふえていないのですね。月当たりでは一千四百五十四円、率でいうならばたった〇・五%の増なのです。だから、いわば消費税の増税分二%の四分の一しか収入ではカバーできていない実態なのです。 私はここを言いたいのですね。つまり、所得の低い層で今回の消費税増税による家計の収入への影響が大きいということなのです。増税分を勤め先からの収入でカバーできるなどというものでは、とてもじゃないけれどもないということがお認めいただけると思うのです。 前回の、私どもの志位書記局長も皆さんと質疑を交わした際に、消費についても、家計調査によれば、昨年一年間通して消費支出は第一分位及び第二分位で実質減少となって、いわば雇用者所得の減が個人消費の減退に直接つながったことを示しています。今述べましたように、この所得の減をこうむった階層というのは、収入で見ると相対的に低から中、どちらかといえば低い層、年収六百万円以下の層ですよね。最もこの消費が落ち込んでいる。ここが大事だと私は思っています。 だから、この所得の相対的に低い層にあって、肝心の消費を高める手段として消費税減税が有効と考えないかどうか、ここをぜひ総理にお答えいただきたいと思います。
○新保政府委員 先生の御質問の中で、企画庁の年間回顧を引用されて、消費税の負担増の影響が非常に大きいという点を強調されましたが、この年間回顧のデータは去年の十月までのデータに基づいた分析でありまして、その後大きな変化が起きておるわけであります。 大臣からも申し上げましたけれども、アジアの不安、金融システム不安等で消費性向が非常に落ち込んでいった。三・三ポイント落ちているわけですが、三百三十兆円の可処分所得がありますので、三・三ポイント消費性向が落ちるということは、年率で十兆円以上の消費減の効果が起きているわけです。 したがって、十月までの消費動向と十月以降の消費動向の説明は全く違ってきておるわけです。十月までは先生の御指摘のような負担増の影響の方が目立っていたかもしれませんが、十月以降の消費減退は消費性向の低下によって説明される。したがって、消費性向を改善するという点がより重要なファクターであるというふうに考えております。
○橋本内閣総理大臣 申しわけありません。専門家が、自分の方の資料を引用されたものですから、専門家の立場としてお話を申し上げたかったようです。 ただ、私、本当に消費税という税、本来の性格として、所得の低い方により厳しさを持つ税であるという性格は否定をいたしません。所得に応じて課税される所得税等とは違った制度です。だからこそ、税制は複数の税制を組み合わせてその公平性を確保していく。 その中において、今消費税の問題を取り上げられたわけですけれども、やはり私は、先ほど企画庁長官が述べられましたように、我が国経済全般を考えたときには、家計あるいは企業の景況感の厳しさというものがまさに個人消費や設備投資に影響を及ぼしている、そして、そうした中で経済活動が力強さに乏しくて雇用者の所得にも影響が及んでいる、そうとらえたい。とらえたいというより、とらえた方が正確ではないか、そのように思います。
○穀田委員 まず、先ほど、専門家というお話でしたけれども、私が引用したのはあくまでも年次経済報告だということをもう一度申し述べておきたいと思うんです。これでわざわざ言っているんですからね。それが一つ。 それから二つ目に、負担増は、その当時、いずれにしてもその前半期も含めて、そういうことがあったということは否定されなかった。同時にまた総理は、逆進性の問題について否定されなかった。 経済全般を考えたときにというお話がございました。そこで、この前、共産党としての議論を展開したように、いわば個人消費を落としたその原因となっているのは可処分所得の減だということを明らかにし、また、そういうところで、先ほどお話があった経済企画庁の回顧と課題ということも引用させていただいたところです。その点をよく見ていただきたいと思うんです。 そこで、資料の問題がありましたので、それじゃ、新しい資料でひとついってみましょう。今お話ししたのは、所得の低い層、働いている方々に直接打撃が加わっている状況の中で、消費を上げるための対策として消費税が有効かどうかということを私は聞いたつもりです。そこで次は、明確にお答えにならなかったので、新しい資料に基づいて、中小企業の深刻な実態との関係で伺いたいと思います。 今述べた、所得の相対的に低い、六百万円以下の方々というのは、御承知のとおり中小企業で働いている方が多いわけです。民間企業の九割以上、従業者数では七六・五%を占めているわけです。 中小企業の深刻な実態は、先週六日に発表された月例経済報告に詳しく述べています。そしてその中で、「企業収益は、中小企業では減益が見込まれるなど全体として伸びが低下している。また、企業の業況判断は、厳しさが増している。」ということで触れています。例えば日本銀行の企業短期経済観測調査によれば、企業収益でいうならば、中小企業の前年同期比、九七年度下期の予測で、製造業ではマイナス九・五%、全産業でもマイナス六・五%。業況判断になりますと、よいと見る企業の割合から悪いと見る企業の割合の差、これは九八年三月までの予測でいいますと、製造業、非製造業ともマイナス三三%という最大の数値を示しているんですね。 企業の倒産の状況も過去最高を記録している。ありとあらゆる指標が、今日に至ってもその影響を引き続き及ぼしている。だから、今お話ししたように、この中小企業の実態から見ても、深刻な実態を立て直す上で、消費税の減税が有効じゃないだろうかということを総理にもう一度お聞きしたいと思うんです。いいんです、総理にお願いしたいんです、もう時間がありませんから。 なぜかというと、中小企業は今、この前私どもがお話ししたように、まず第一、直接の売り上げ減で打撃を受けています。二つ目に、消費税分を価格に転嫁できないという、これまた打撃を受けている。さらに、この間、貸し渋りという打撃を受けている。その上に、今ちょうど税納入の時期を迎えて、赤字なのに消費税の納入が迫られる、そして、中小企業の特例措置の廃止によって今までの十倍もの消費税を納入しなくちゃならぬ。この四つ、いわば四重苦というものを抱えていると思うんですね。 こういうときだからこそ、私は、今の中小企業の状況を見た場合に、判断その他はいろいろあるだろうけれども、明確な形で、ここに有効な対策として消費税減税があるんじゃないかということを総理にお聞きしたいと思うんです。
○橋本内閣総理大臣 私も、議員が先ほど来使われた数字を否定いたしません。そのかわり、私が消費動向を指す指数として、平成九年の第三・四半期で、家計消費支出あるいは民間最終消費支出で申し上げた数字も、これは事実としてお認めをいただきたいと思います。回復をしてきていたということは、これは事実問題として認めていただきたいと思うのです。 その上で、議員は、消費税率の引き下げが景気に対して非常に大きな効果があるという議論を展開されました。しかしこれは、平成七年度から先行実施してきていた所得税や個人住民税の恒久減税の規模を踏まえ、同時に新たな老人介護等の財源を考えながら、ぎりぎりの負担の範囲ということで平成六年秋に決定をし、平成九年四月から実施をされました。この増減税一体の税制改革というものが、高齢化の進展という日本の人口構造における大きな構造変化に税制面から対応するものであることは、繰り返し申し上げてきたと存じます。 そして、引き上げた消費税五%、しかし、そのうちの一%が地方に財源として付与されることを考えますとき、三%の税率をベースに二%を引き上げた、その一%分が国に残る税率だということもお考えをいただきたいと思うのです。 同時に、同種の税制を採用している他の国の税率をぜひお調べをいただきたい。どこがどうと私は申し上げるつもりもありませんけれども、つい数日前に引き上げを決定した国もあります。そして、その幅は相当なものがあります。 そうしたことを考えますとき、なかなか議員の御提案に、私どもとして、将来を考えましたときにも、人口構造の変化に対応していく一つのお互いが支え合う仕組みとしての税、その性格を御理解賜りたいと思います。
○穀田委員 この議論を行うと大体、総理も、高齢化社会ということでお話があります。それから大体、先行減税、プラス・マイナス・ゼロだ、こう来ます。だけれども、何度も私ども主張していますように、当時からこれは指摘してきたことですが、年収八百万円以下の者にとってみるならば、ネットで差し引き増だということを繰り返し述べてきたところです。そして、高齢化対策というのであれば、まさに今の高齢化社会に対して、介護の問題やその他で事実上大変な目に遭わせている実態について、これはるる、前回も私ども、この間いろいろな議論で展開してきたところです。 ですから、今大事なことは、そういう意味での税制論について私どもとしてはあれこれ言うつもりはないのですね。今お話ししたように、打撃を受けている。雇用者所得が減っている。それから、中小企業もそういった状態の中でいわば困難にあえいでいる、四重苦も抱えている。だから、全体として、景気対策として、では税制論をわきに置いて何が有効かということを私どもとしては提起しているところなんですね。消費不況というのは、もうみんなが認めているところです。だれもが認めるこの消費不況をどうしたら脱出できるか。私どもとしては消費税減税を提起しているということなんです。 この問題が議論になった昨年の二月、総理は私どもの志位書記局長の質問に答えて、依然として雇用情勢が非常に厳しい、こう言っています。当時は、税率アップの問題をめぐった議論の中では、このことも言っていました。 私どもは先ほど言いましたように、雇用者所得という問題を言いましたよね。それの前提となっている現状が、いわば雇用がさらに悪化している、その結果、雇用者所得を伸ばす状況にない、それで、悪循環になって、それでまた中小企業も打撃を受けている。既にこういう問題について述べているのは私どもだけじゃないのですね。先ほど外国の例がありましたが、今私どもが議論しているのは、日本の今の直面している経済、景気の実態で何が有効かということを議論しているわけです。 その点で言うならば、ついせんだっての日経は、九七年度は約九兆円の国民負担増によって所得の一部が国庫に吸い上げられた格好だ、こうでしょう。だから、そういう、いわば吸い上げられた格好の中で、逆回転を起こして困難になっている。そこのところを、消費税減税で事実上国民に所得を返すこと、そして景気対策としても有効なのだということを我々は言っているわけなんです。 我々の案を、いつもそうおっしゃるのだと総理はおっしゃいますけれども、では逆に、総理は、そういうことに対して、どうすればいいということで我々の提案に対して答えるのか、そこを最後に聞きたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 我々は、確かに消費税減税という考え方は、むしろ高齢社会というもの、そしてこれに伴う従属人口の変化というもの、言いかえれば高齢人口の増と年少人口の減、これを考える場合に、将来を見据えて必要な税制だと考えております。この点は確かに御党とは考え方に違いがあるかもしれません。 その上で私たちは、一つは、先ほど来御論議になっておられる中小企業に対する支援というものは、きょう通産大臣をお招きいただいておりませんので詳しく御説明ができないのが大変残念なのですが、二十五兆円の資金を用意し、信用保証の付与を含めた貸し渋り対策というものを、一方では政府系金融機関を中心に組み上げております。 また、御審議をいただいております予算の中にもさまざまな施策が含まれており、これらが相まって中小企業を支援するとともに、新たな業を立ち上げようとする方々に対する支援の措置を組んでおることも御承知のとおりであります。 私どもは、今確かに失業率が非常に厳しい状況にある、その中で、在来型の産業ではなく新たな産業を何とか立ち上げたい、新たな技術開発の中からこれを立ち上げたいと考えておることも事実でありますし、また、中小企業を支えていかなければならない、在来型の中小企業に対しても支援策を必要とする、その状態は認識し、それは二十五兆円の貸し渋り対策に対する資金の手当て等を含めて用意をいたしております。 もっと申し上げたいのですけれども、もうここでとどめておきましょう。
○穀田委員 今お話しがあった二十五兆円というのは、財政資金などを活用した融資枠のことだけなんですね。その一方、おっしゃらなかったけれども、今議論をしている本予算の中で、いわば一般会計の中小企業対策予算はマイナス七億円と減らしているのですね。こんなことがあろうかと私は思うのです。 さらにもう一つ言えば、経済企画庁の月例報告の中に書いていますが、中小企業金融公庫の中小企業景況調査によりますと、いわば売り上げ見通しのDIについて言うならば、これはことしの二月中旬の調査ですよ、三カ月続いてずっと悪くなると言っているのですね。こういう時期にそんなふうな対策しかとられないというのでは、まさにだめだと私は思っています。 そこで、時間もありませんので、山崎政調会長の十兆円発言に関して一つだけお聞きします。 今の予算に基づく対策で景気はよくならぬということについては、多くの与党幹部でさえいわば追加景気対策の必要性を述べているほどでして、大体共通の認識になりつつあります。きのうのテレビで今度は、山崎さんは自民党の政策責任者ですよ、十兆円を上回る総合経済対策と、規模まで公言するようなありさまです。これでは、審議をしている予算案に失格の烙印をみずから与党が押しているということになりはしませんか。まさに組み替えをして提出すべきではありませんか。 同時に、検討されている総合対策は従来型の公共事業の積み増しと伝えられています。私どもは、生活基盤重視の投資は当然だとしても、ゼネコン奉仕型の大型プロジェクトでは今日の消費不況から脱却できない、このことは明らかだと指摘しておきたいと思うのです。 したがって、消費税を三%に引き下げること、並びに二兆円の特別減税の恒久化、そして財政構造改革法を白紙に戻して社会保障と雇用の不安を解消する、こういう大まかに言って三点ぐらいで予算の抜本的組み替えが必要だと思うが、最後に総理の見解をお聞きしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今の御提案をそのまま数字に移しましたとき、恐らく、シミュレーションに当てはめてみましたときに、我が国の財政破綻は非常な加速をいたすもの、そのような心配があります。率直に申し上げて、御意見には従いかねます。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原委員 私は、社会民主党を代表して、まず、今も御質問ありましたが景気対策、それから若干、日銀問題そして大蔵不祥事と公務員の人事システムについて、お尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、総理でも結構ですし経企庁長官でも、余り長い話をしていただいたら困りますが、結構ですが、もう既に、なぜこれだけ不景気になり国民生活が非常に深刻になっているのか、中小企業あるいは企業への貸し渋り等々大変深刻な事態になっている要因等については、けさほど来、あるいは本予算委員会を通しての質疑応答で出てきていると思います。 そろそろ、政府あるいは与党として打ち出してきたいろいろの財政金融の再建策あるいは景気対策等々の、点滴をしてきたその効果はあらわれてくるものと期待をいたしております。 だが、先ほど来ありますように、これだけいろいろの諸対策を講じてきたにもかかわらず、なお先行き不透明、国民の将来に対する不安というものが非常に強い。要するに、消費者マインドというものをもっと明るくしていかなければ、景気の浮揚というものはなかなか容易でないと思うんですね。 そういう意味で、問題はいろいろ野党の皆さんからも指摘されましたし、我々社民党としてもこれまで委員会審議を通して意見等も申し上げてまいりましたが、今、消費者マインド、国民のそういった景気や経済に対する明るさを取り戻していくための対策というものを、私はもっと前広に、そして積極的に打ち出すべき段階だと思うのです。これに対する政府の御見解をお示し願いたいと存じます。
○尾身国務大臣 現在の経済の状況でございますが、先ほど来申し上げておりますとおり、バブルの後遺症でありました不良債権の処理のおくれ等が景気回復の足かせになっておりますし、また、金融機関の相次ぐ破綻や、アジア地域における金融、通貨の混乱等を背景といたしまして、今委員おっしゃいましたとおり、消費者マインドの低下、それから企業もまた景況感を悪くしているわけでございますが、そういう状況の中で、景気は引き続き停滞していると認識をしている次第でございます。 これに対しまして、昨年の十一月の二十一世紀を切りひらく緊急経済対策、規制緩和等を中心とする施策を進めているところでありますし、二兆円の特別減税あるいは九年度の補正予算等と同時に、金融システム安定化のための政策を実行しているところでございます。 この中で、昨年の十二月の初めごろの状況と現在ただいま、三月上旬の状況を比べてみますと、金融システム安定化法案の施行等によりまして、一番厳しい危機的な状況は心理面においては過ぎ去ったというふうに理解をしているところでございまして、そういうことが株価の動向等にあらわれているというふうに考えております。 ただしかし、実体経済はなお厳しい状況でございます。そういう中で十年度予算あるいは各種の規制緩和等を進めているところでございますが、さらに、総理の御指示もございまして、自民党の緊急国民経済対策等を受けまして、十一月の規制緩和等の緊急対策のフォローアップ、さらには一層の規制緩和等、経済活性化のための具体策を各省庁と協力をしながら検討を進めているところでございます。 もとより経済は生き物でございまして、今後とも、内外の経済金融情勢に応じまして適時適切な経済運営に努めてまいりまして、全力を尽くしていきたい、そのように考えている次第でございます。
○上原委員 総理を初め経企庁長官あるいは各閣僚の、積極的といいますか、本当に真剣な御努力については多としながらも、今いろいろるるお述べになったようなことがなされてきたにもかかわらず、先ほど私が指摘をしましたように、なかなか先行きは明るくならない。その根本をどう手だてをしていくかということが今問われていると思うのですね。 そこで、総理もしばしばお述べになっておられるわけですが、私も長期的な財政改革と当面の景気対策は矛盾する面があるといえば矛盾すると思うのですが、これはしかし、我が国としてやらなければいかない重要な課題なのですね。だが同時に、既存のルールやこれまでの政府がおとりになってきた政策に余り固執して、みずから抜け道を狭めている面がないのかどうか、この点が若干気になるところです。 また、貸し渋りや預金者の不安心理を抑えるため、今もお述べになりましたが、中小企業対策等々で二十五兆円、あるいは公的資金投入でも、さっき申し上げましたように、いろいろ御批判や御意見はあるにしても、金融システムの安定化ということを国民が理解をしてくだされば、私はこれも功を奏することになると思うのですね。 ですから、結局は、二兆円の特別減税であるとか、あるいは補正予算であるとか、それだけではまだ消費者として気持ちを広げるわけにはいかない、財布のひもを緩めるわけにはいかないという、これをどう打開していくかということだと思うのですね。 そういう意味で、橋本総理としては、今私が指摘をしたようなことなどを含めて、この状況を打開して国民に安心感を与える、景気を刺激をしていく、消費も刺激をしていくというためにどういう決断をなされようとしているのか、改めてお伺いをしておきたいと存じます。
○橋本内閣総理大臣 本日だけではなく、国会が召集されましてから、繰り返し私は同じ趣旨のお答えを申し上げてまいりました。 また同じことを言うとしかられるかもしれませんが、私どもは本当に今、平成十年度予算の御審議をお願いし、一日も早くこれを通過させていただきたいという立場でございます。さらに、それに関連する政策減税を含めました予算関連法案、年度のかわりをきちんと継続できますように、また新年度から新たな制度が動き出せますように審議をお願いしたいと申し上げております。そして、それらが相まって状況を変えていく、そう繰り返し申し上げてまいりました。 同じ御質問に対して同じ御答弁を申し上げること、おしかりかもしれませんけれども、まさに同じことを申し上げたいと存じます。
○上原委員 いや、その姿勢というかお考えは結構といいますか、それは内閣として、また最高責任者として当然だと思うのですね。私も、平成十年度予算、今審議をしている予算は一日も早く成立をさせて、その上でさらに与野党、協議をして、この難局をどう打開していくかということを真摯に話し合うべきだと思うのです。 ただ問題は、そういう中で、この消費者マインド、あるいは国民の消費刺激や景気刺激をしていく上で、やはり政策課題としてもっとなすべきことがあるのではないか、できる面があるのではないかという気がしてならないわけです。それは、当委員会でも何度ももう議論をされてまいりましたように、低金利政策は見直すべきであるというのが国民の声であり、私もそう思うのですね、全く素人ですが。 例えば、平成八年度の家計部門と金融機関の純受取財産所得は、家計が五年連続減少の十五兆円程度のようですね、いろいろな専門家の推測によりますと。金融機関はむしろ過去最大の二十四兆円の利益を上げている。この乖離というか、こういう低金利政策をとるがゆえに九兆円もの差が生じて、家計からは利子所得を奪い取って、銀行の不良債権とかそういう銀行救済のために低金利政策をずっと続けているのではないか、この不満は強いと思うのですね。 公定歩合問題と解散についてはうそをついてもいいということをよく聞かされたりするのですが、確かに日銀の専管事項かもしらないが、今日の金融不祥事、あるいはいろいろな景気問題等々、経済の落ち込みということを考えた場合に、私は、内閣全体として低金利政策の是正というものはもうやるべき段階だ、もう時期に来ている、遅きに失していると思うのですね。そういう面をいかように内閣としてあるいは与党としてやっていくかということが大事だと思うのですが、この件に対しての御所見を、これは大蔵大臣ですか、どなたか聞かせてください。総理でも結構です。
○橋本内閣総理大臣 確かに、先般来、こうした御意見を何遍か拝聴いたしました。しかし、改正日銀法によりましても、日本銀行の権限は一層責任とともに重くなりますし、公定歩合の操作など金融政策はまさに日銀の所管事項であります。 私は、この低金利というのは確かに両面があると思います。よく日銀総裁が言われるように、設備投資や住宅投資を助けるという面も確かにありましょう。しかし同時に、低金利のもとで貯蓄に対する利子が少なくなり、この影響を受ける方々にとってはお気の毒な状況にあることは間違いありません。むしろそれだけに、日銀総裁が公定歩合の問題に真正面から取り組めるだけの景気動向をつくり上げていくことが我々の責任であると考えておりますし、ぜひ御協力を賜りたいと存じます。
○上原委員 それはけさも与党の自民党の山本先生からも御指摘がありましたが、日本の公定歩合はまさに御承知のように〇・五%ですね。これは、平成七年の九月に改定をして、その以降もうずっと約二年半続いているわけでしょう。米国は五・〇%、ドイツは二・五%、フランスは三・三、イギリスは何と七・二五。こういうことは国民の皆さんもよくおわかりなんですよね。だから、これはいろいろ両面あるでしょうが、私は、やはりもうこの状態というものは改善をすべきだということを改めて申し上げておきたい。 同時に、これは意見として申し上げておきますが、公定歩合の引き上げが直ちに実現しないというのであれば、さっき総理もお述べになっておられたのですが、やはり年金生活者あるいは低所得者が、消費税その他の負担で最も被害というか打撃を受けていらっしゃるのですよ。そうであるならば、利子所得に大きく依存している年金生活者に対して、超低金利政策によって目減りした利子所得に対して何らかの政策的手だてというものができないのかどうか、そういうものもあわせて考えていただきたい。これは、社民党としては強くその点を要望申し上げておきたいと存じます。後ほど、御意見があれば、御所見があればお聞かせを願いたいと存じます。 そこで、日銀総裁に来ていただきましたが、私は余りこういう経済や金融問題には詳しくありませんので、日銀総裁までのお尋ねは遠慮しておったのですが、今の公定歩合の長く据え置かれているということとあわせて、大変残念ながら、我が国の銀行あるいは証券会社、大蔵等の不祥事が相次ぎますと、やはり日銀に対しても何らかのそういった危惧がないのかどうか非常に気になるところなんですね、正直申し上げて。 マスコミの報道は、日銀幹部近く立件か、東京地検が捜査に入った、捜査というかそういう裏の捜査をしているという報道が大きくなされている。あるいはその他いろんな日銀幹部に対する接待交際というものが続いておったということが、けさほども御指摘がありましたが、一体、松下総裁として、本当に日銀は全くこういう不祥事とは関係ないということが言い切れるのかどうか。万一あった場合のあなたを含め日銀の責任というものはどうおとりになるのか、これが一つ。 もう一つ、日銀法の改正とあわせて、ようやく役職員の給与、手当等についても四月以降改正をなさるということが報道されておりますが、これも余り立ち入ることは申し上げたくありませんが、私は余りにも遅きに失したと思うのですね。こういうことがやはり今日の金融の不祥事というものを、護送船団方式というか、もたれ合いというのか、あるいはお互いにまあまあ主義でやってきたんじゃないのかと。この国民の厳しい目に対してどうお答えになるのか、ひとつ簡潔にお答えいただきたい。
○松下参考人 初めに、私ども日本銀行におきましては、仕事の性格もございまして、金融界、経済界、各方面の方々と経済情勢等についての意見交換を行う機会も多うございますので、この点につきましては私どもも、中央銀行員としての節度を持ちながら対応するように行内でも徹底を図ってまいりましたけれども、会食を伴った会合に出席すること自体を組織としてはっきりと禁止はしてこなかったのは事実でございます。 ただ、私どもも、外部の方々との接し方も、それは時代とともに変わってまいるべきものでございますし、中央銀行としての公共性を考えますと、職務の公共性を確保することが非常に大事であるというふうに認識をいたしております。 そういうことで、まず一つは、私どもは、いろいろの報道もございまして、行内におきますそういう外部とのつき合いの仕方の実態をまず把握をしなければならないということで、管理職の全員、役員につきまして、過去五年間にわたる外部との交際の実態についての調査を現在行っているところでございます。この調査の結果によりまして、私どもは、必要があれば、不適切な交際等がございましたならば、そういうものを絶滅するように厳しい対応をとらなければならないと考えているところでございます。 また、この点につきまして、私どもとしましては、四月から新日銀法が施行されますが、その規定に基づきまして服務準則というものを決定をいたしました。この服務準則の具体的な行動指針として、外部の方々との接し方につきましても、日本銀行員の心得というものを策定いたしまして、これに基づいて、例えば職務上の関係者との無償の会食等は明確に禁止をすることにし、その部分は既に公表して実行に移したところでございます。 このようにして、この問題につきましては私どももけじめをつけてまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、御指摘の給与でございますけれども、役職員の給与につきましては、これも新日銀法の改正に伴いましていろいろ国会でも御論議をいただきまして、役職員の給与の定め方の基準が新しい法律の中に盛り込まれております。私どもは、この法律は四月からの施行でございますから、それに備えまして、役員給与のあり方につきまして有識者の方々の委員会をお願いをいたして、そこでの検討を経ました結果、役員に関します給与の四月一日からの見直し、引き下げを決定いたしまして、その内容につきましては既に公表いたしております。 それから同時に、役職員の職務の適切な執行を確保するためのさきの服務準則の中におきまして、例えば再就職に関します自粛のルールの決定をいたします等の心得を定めまして、役員、職員全般にわたっての中央銀行の職員にふさわしいあり方というものを今後きちんと実行してまいる考えでございます。
○上原委員 時間がありませんので、もう少しお尋ねしたいこともありますが、その内部調査結果については公示いたしますね、明らかにしていただきたいということ。それと、大蔵がこう不祥事が続いておって、日銀がそういった自発的になさるというのは遅きに失した感はしなくもないが、まあ、やらぬよりはいいでしょうね。ぜひきちっとやっていただきたい。 そこで、今、その内部調査結果は明らかになさるかどうか、国会に報告するかどうかだけお答えください。
○松下参考人 結果につきましては、終了いたしました段階で、しかるべき形で公表いたします。
○上原委員 結構ですから、日銀総裁、お引き取りください。 最後に、大蔵不祥事の件についてお尋ねをしたいと思います。 松永大臣、大変な時期にお引き受けになって御心労も多いかと思うのですが、しかし、もうこれは本当に地に落ちましたね、この相次ぐ不祥事というのは。一体再発防止がどういうふうになるのか、私は、やはりもう構造的体質の問題じゃないかと思うのですね。そう大臣の決意だけで果たして、きちっとした調査をし綱紀が確立できるかどうか、大変疑問を持っているのですが、先ほどの局長の答弁を聞いても何か開き直ったような態度のように見えますね、あれ、国民から見ると。大変残念、私ら与党という立場で見ても、ああいう態度を見ると。どうなさいますか。
○松永国務大臣 大蔵省の職員の既に二名が起訴されておるわけでありますが、今度新たに二名が逮捕されておる状況です。このことによって大蔵省に対する国民の信頼は著しく低下した、これはゆゆしきことだというふうに思っております。この地に落ちたと言っても言い過ぎでないぐらいの大蔵省に対する国民の信頼の低下、何としてでもこれを回復するような最大限の努力をしていかなきゃなりません。 そのためには、午前中からしばしば申し上げてきたところでありますけれども、まず一つには、大蔵省の職員に、国民のために公に奉仕しておる者だという、そういう公務員としての倫理観をしっかり持ってもらうことが一つ。二番目には、大蔵省の行政のやり方。従来の裁量型行政から事後チェック型の行政に抜本的に切りかえていくことが一つ。もう一つは、内部調査というものを徹底してやって、そしてうみを出し切る。先ほどは加藤委員、切開手術するという話でございましたが、要するに、徹底した粛正をやっていく必要があるというふうに思っております。 それの実現に向けて、懸命にひとつ頑張っていく所存でございます。
○上原委員 ぜひその決意で、自浄能力を発揮していただきたいと思うんです。 それと、きょう時間があとわずかしかありませんので、私は、公務員のこういう不祥事はだれしもこれは心が痛いことですし、同時に、政治そのものも襟を正さねばいかぬということを申し上げておきたいと思いますね。キャリアであろうがノンキャリアであろうが、やはりそういういろいろな接待とか癒着というものは役人だけじゃないはずなんだ。必ずそれをリードしている、あるいはそれと一体となっている政治家がいるはずなんだな。そこについても、本当に党派を問わず自覚をする必要があるということだけを申し上げておきます。 それともう一点。今日のこの公務員の不祥事ということについては、まじめに働いている公務員の皆さんは迷惑千万だと思うのですね。そこで、私はかねて内閣委員会でも大分鍛えられた経験がありますので、人事院総裁も総務庁長官もおいでになったし、これは橋本総理も非常にお詳しい。私は、今の公務員の人事システムというものを抜本的に改革をする必要があるのじゃないかと思うんですね。 時間がありませんからたくさんは申し上げられませんが、例えば、大蔵省の事務次官、局長、審議官の退職年齢というのは、事務次官が五十八歳で、局長は五十二歳、五十一歳、五十歳前段というのが多いんですね。中には、審議官の皆さんなら五十歳だという。こうなりますと、まさに人生、仕事の面で脂が乗った時期なんですよね。先行き不安だから、いろいろ天下りの問題とか仕事で銀行やいろいろな企業との関連を持とうとするのは、これは人情、ある面では。 かばうつもりは毛頭ない。罰すべきところはきちっと罰していただいて、この際、公務員制度のあり方、人事院の任用のあり方、一遍高級試験を通ればもう次官にもなる、局長にもなるということでなくして、中途で試験をするとか、公務員制度、人事院システム全体についてきちっと、公務員が不安なく仕事が遂行できるように身分を保障するということも、あわせて罰則も十分やるということでないと、これは一方的になりますとバランスがとれない。 その点について、総務庁長官と人事院総裁の御見解を聞いて、そしてまとめとして総理大臣の御見解もお聞かせ願いたいと存じます。
○小里国務大臣 第一点目は、現在の六十歳定年制というものをもっと年齢を引き上げる方策はないのかというお尋ねでございますが、目下私どもは、天下り問題につきましても、特に総理からの指示を受けまして、公務員と行政に対する信頼回復というものを基本に置きまして、現在検討を進めておるところでございます。 特に、先生の方からお話がございました、公務員の人生設計全体の問題としてももっと根本的に検討する必要があるのではないか、さようなお話でございますが、ちょうど、退職の在り方に関する検討グループもいよいよ明日設置をいたしまして、これが検討を進めるところでございます。 それから、一つはキャリアの、いわゆる途中におきまする、適正でかつまた忠実に働いておるかどうか、その辺のチェックの機関なりあるいは機会も必要であるのじゃないかというお話でございますが、最も大事な要素であろうと考えております。
○中島政府委員 早期退職慣行を是正する必要があるだろう、そのためには、今総務庁長官がお話しになりましたように、今までの任用慣行とかあるいはまた組織管理とか給与管理、そういうものを総合的に検討していく必要があるだろうというふうに思います。総務庁と力を合わせながら検討していきたい。 もう一つは、キャリアの昇進管理でございますけれども、おっしゃるように能力あるいは適性に応じた対応というのをしていかなきゃならないというふうに考えます。
○橋本内閣総理大臣 既にお二人からお答えをしておりますけれども、私は、定年に関しては、現在せっかく六十歳定年まで持ってきた制度が、はるかに早いところで退職をしていく状態自体が本当に問題だと思います。 同時に、キャリアの中途チェックといいますか、ということも含めての公務員制度についての御意見、これは私どもも参考にさせていただきたいと思いますし、公務員制度調査会、審議会、いろいろな角度から議論をしておりますので、今後ともに議論を深めてもらいたい、そのように思います。
○上原委員 時間ですから終わりますが、法律や制度を改めるのは容易じゃありません。与党といえども容易じゃありません、自民党だけでも大変だと思うのですが、しかし、このことを根本的に今改革しないと、公務員の不祥事の問題は私は絶えないと思います。ぜひ政府として特段の御配慮と御努力をお願いして、終わります。
○越智委員長 これにて上原君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして景気、経済及び金融問題についての集中審議は終了いたしました。 次回は、明十日午前九時より委員会を開会し、大蔵省不祥事問題等についての集中審議を行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会