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142回国会衆議院1998/03/02

予算委員会 第16号

発言数
237
登壇者
35
会派数
5
開催日
1998/03/02

会議録

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これより会議を開きます。  平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢成文君。

松沢成文民友連

○松沢委員 皆さん、おはようございます。民友連の松沢成文でございます。  私は通告に従って、政治家と株取引の問題、そして行政改革、特に郵政事業改革の問題、そして羽田空港の再国際化の問題について質問をさせていただきます。  ちょっと通告とは違いますけれども、まず郵政事業改革の問題から質問をさせていただきたいと思うのです。  総理、六つの改革ということで不退転の決意で臨むということで、橋本総理は財政改革と同時に行政改革に大変熱心に取り組んでこられて、行革会議の答申も出て、また省庁の再編成の基本法案も準備された、こういう状況だと思います。  そこで、行政改革の一つの大きな目標は、国でできること以外はできる限り民間に移譲していって、官から民へ権限を移譲していくというのが行政改革の大きなポリシーであったと思います。その中で、政府の持っている大きな現業分野であります郵政三事業、この問題も、総理は改革をしなければいけないということで取り組んできたわけであります。  そこで、まず総理の、郵政改革についてどのような基本ポリシーでこれまで臨んできたのか、まずここからお伺いをしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 既に議員御承知のように、行政改革会議の最終報告が提出をされ、それに基づいて、つけ加えもせず、また削りもせず、基本法をつくり上げ、国会に提出をさせていただきました。ですから、私自体この法律案を提案している立場として、プロセスについて余り長々申し上げることは控えたいと思います。  そして、御承知のように、郵政三事業につきまして、民営化も含め、さまざまな観点からの議論が行われてきました。  そして、行政改革会議の中間報告の時点において、とりあえず、簡易保険事業は民営化する、郵便貯金事業は早期に民営化するための条件整備を行う、そして郵便事業は国営事業とするなどとして、その後の検討にゆだねられました。そして、それを受け、その後の各方面の御論議というものを踏まえ、利用者の利便性に配慮しながら、国民が本当に望んでおられる改革というのはどういうものか、こうした点を十分検討した上、その結果として、郵政事業庁として、さらにこれを自律的、弾力的な経営を可能とする国営の新たな公社に移行することとし、民営化のための見直しは行わないという結論をまとめました。  そして、これによりまして、郵便局の地域に根差した機能というものは維持される。そして、国の企業としての性格にふさわしい、主体的で創造性に富む、柔軟な業務運営を認めることを通じて、この効率性を確保することになりました。  同時に、この郵政三事業というものの議論のそもそもの発端の一つ、それは、郵貯というものが財投機関を流れ、特殊法人を経由することによって非常に問題を発しているのではないか、官業の民業圧迫につながるのではないか、そして、さまざまな行政上の問題を生じている、これが一点。それから、郵便事業へ民間の参入を認めないことの可否。  こうした幾つかの論点があったわけですが、この中では、御承知のように、郵便事業への民間参入を認める方向で検討していきますし、同時に預託制度を廃止する、そして、集められた預貯金というものは自主運用ということに整理がつけられた。当然ながら、これは今後の特殊法人の改革等にも連動していく大きなポイントとして、私自身、評価をいたしております。

松沢成文民友連

○松沢委員 総理は、みずからが会長となって、行政改革会議というのをつくって議論をしてこられた。八月にその中間答申が出ました。  この中間答申は、簡保は民営化していく、そして郵貯も民営化の準備に取りかかる、郵便事業は国営で維持をしていく、そのほかには、今総理おっしゃいましたように、郵貯の資金の財投への預託を禁止、自主運用をするというような方向が出ました。しかし、その後、与党協議を受けて、最終答申では、郵政三事業は三事業一体、国営維持でいくということで、郵政事業庁をつくって、その後新公社化へということであります。  どう見ても、官から民へ、郵政事業の経営形態をできる限り民間にゆだねていくという当初打ち出した方向から見ると、これは、私初め恐らく多くの国民も、この中間答申から最終答申へ向けては、どう見ても後退であったとしか見られないのです。  総理、この中間答申の内容が最終答申でここまで変わってしまった、その最大の原因はどこにあるとお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員は中間報告と最終報告をとらえて言われますが、では現状と比べてどうなのかということもお考えをいただきたいと思います。  そして、現状で持っていた問題点として指摘をされたものは何だったかといえば、一つは預託の問題でありました。そして、郵便事業というものが官の独占であっていいのかということでありました。  最終報告におきましても、「郵便事業への民間企業の参入について、その具体的条件の検討に入る。」ということは明記をされております。また、預託の問題についても「資金運用部への預託を廃止し、全額自主運用とする。」ということは、最終報告にも明記をされております。基本的なポイントをきっちり押さえた上で、その上でのより現実的なバリエーションというものを求めた、それが最終報告であったと私は思います。

松沢成文民友連

○松沢委員 簡保ももう保険業界のさまざまな事業と競合しているわけですね。郵貯についても、これは金融でありますから、銀行と競合している。また郵便事業についても、小包についてはもう民間が参入して競争の市場になっている、唯一信書の配達だけは違うわけでありますけれども。  私は、もう民間がかなりやれる、またやっている実績もあるこの分野では、何もどうしても国がやる必要はない。できる限り民間の市場にゆだねて、あるいは民間の企業でもいろいろなやり方ができるわけですから、そういう方向に持っていくのがこの郵政事業改革の一つの大きな意義であったと思うのです。  総理は、確かに財投の預託禁止は今までのシステムを大きく変える改革につながっているのだとおっしゃいますけれども、私は、郵政三事業を、新しい時代にふさわしい、もう民間に任せていくという方向性に向けては、やはり後退であったとしか見ることはできないのです。総理が、行政改革をやるに当たって、火だるまになる、不退転の決意で臨む、そう言った割には、最後出てきた結果は余り今の形態と変わってないわけです。  私は、大変総理には失礼な言い方になりますけれども、やはり現状を維持したいという、それはもう既得権益がありますから、今の郵政三事業には労働組合もある、あるいは郵便局長の皆さんの意見もある、あるいは郵政省の考えもある、この既得権益を維持したいという皆さんの逆襲に負けてしまったのじゃないか、そういう意味では総理のリーダーシップがやはり発揮できなかったのじゃないか、私はそうとしか言いようがないわけなのであります。  総理、この郵政事業改革について、あなたが中間答申で出したこの方向性が後退してしまった、そこは総理自身のリーダーシップの欠如にあったと私は思うのですが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 中間報告というものはあくまでも議論のプロセスです。そして、最終報告が結論です。そして、その中間報告の段階で、違った御意見もあったことを私は否定をしていません。その上で、現状と比べてと最初に私は申し上げました。現状より改善されたものにはなっていないでしょうか。現状より悪くなるのでしょうか。だとすれば、私は、おしかりを受けなきゃならないと思います。  同時に、議員振り返っていただきたいのでありますけれども、この問題についての御意見というのは、国民の中にさまざまな御意見があったと思います。そして、その中で押さえるべき一番大きなものとしての預託廃止、郵便事業への民間参入、そのポイントは押さえているということを先ほど申し上げました。その上で後退だとおっしゃるなら、それも結構でありますが、特定の人間の、あるいは特定の考え方の、それだけが絶対というものではないと私は思います。そして、その中で押さえるべきポイントとして私が挙げてきましたポイントは、最終報告まで維持されております。

松沢成文民友連

○松沢委員 小泉大臣、あなたは郵政三事業民営化の急先鋒で、さまざまな発言をこれまでなさってきております。私自身、やはり大きな改革をなし遂げるには、小泉大臣のような急先鋒がいなければなかなか世論もできていかない、そういう意味で尊敬を申し上げておりました。  さて、小泉大臣は、この中間報告、そしてその後、与党議論を経て最終報告が出ましたけれども、この中間報告と最終報告についてどのように御評価されていますでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、かねてから郵政三事業は民営化すべしという議論を持っておりましたけれども、今総理が答弁されましたように、現状と最終的に決断された結果を見ますと、結論からいえば、はるかに前進していると考えております。  中間報告ではむしろ、簡保が民営化され、郵貯の民営化の整備、しかし封書、はがきの郵便事業の民間参入が認められていなかった。しかし、最終結論では郵貯の自主運用、いわゆる大蔵省への預託制度が廃止された。これは財政投融資制度改革に大きくつながっていくと思います。それで、郵政三事業が独立採算制をとる。なおかつ、封書、はがきの民間参入を規制していたのが、これを民間参入を認めるとなっております。現状と結果を見れば、これは将来の郵政三事業民営化の布石が打たれた。いつでも環境整備がこれから進んでいくというふうに私はとりました。  全政党が郵政民営化に反対していた。規制緩和、規制緩和と大合唱している中で、どの政党も封書、はがきの民間参入を認めない。賛成する政党は一つもいない。その中で橋本総理だから、私はこの決断ができたんじゃないか。郵政民営化を反対する政党が、橋本総理の行財政改革が不十分だと言う資格はないと私は思っております。

松沢成文民友連

○松沢委員 私は、実は今新しい政党になりまして、我が民政党は郵政三事業についてはまだ方向を決めていませんから、これからぜひとも決めていきたいと思います。  そこで、ちょっと小里総務庁長官に伺いたいのですが、今小泉大臣は、最終答申も将来の民営化に向けての布石が見えるとおっしゃいました。ところが、行革会議の最終答申では、郵政事業はまず総務省のもとに郵政事業庁を置いて、それで将来的に、できれば五年後ぐらいに新型公社に移行するということなんですが、最終答申では、この新型公社も将来的にも民営化しない、こういう結論になっていると思うのですが、総務庁長官、いかがでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 お答え申し上げます。  御承知のとおり、独立行政法人にいたしましても、あるいはまた新たな公社、郵政公社といたしましょうか、それぞれ、御承知のとおり、基本的にいわゆる事前管理を事後評価に切りかえた、ここに根本的な事業体の性質の差がある、かように私は思っております。あわせまして、それぞれ、そのような一つの根本転換を行いますから、新しい事業体は自律的でしかも弾力的な業務の運営が許容せられる、ここにも大きな違いが出てまいります。  それから、先ほど総理及び関係大臣ですか、厚生大臣からもお話がありましたように、いわゆる予算、決算におきましても、繰り越しあるいは移流用あるいは留保金等も、剰余金の留保等も認められるという、いわば民間企業会計原則に基づく財務、業務の運用が認められたというようなところに大変大きな特徴があると思っております。  なおまた、独立採算制も原則といたしますよ、あるいはその他の管理においても、事業体そのものの自主的な管理を認めます、こういう形でございますから、私は、従来とはその組織の性格におきまして、業務の実態におきまして根本的に変質をいたしたものである、さように御理解をいただけると思っております。

松沢成文民友連

○松沢委員 ちょっと答弁がお答えになっていないのですけれども、最終答申の中で、郵政事業については民営化の方向は検討しないということになっているのですか、なっていないのですかということを聞いているのです。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 御案内のとおり、いろいろな議論がありました。殊に、九月三日に中間報告をいたしました。これは、先ほど総理もお話がございましたように、このような重要なる一つの改革でございますから、広く国民の皆さんも議論に参加してくださいという意味におきまして、私は、問題提起であった、さように思っております。  御承知のとおり、この問題提起をいたしましてから、自来、御案内のとおり、大変な議論が沸騰をしてまいりました。総じて申し上げまして、私は、耳をそばだて、嗅覚鋭く、三歩下がって皆さんの、国会内外の皆さんの意見を聞いてみましたけれども、まあ言葉は過ぎるかもしれませんけれども、ほとんどの、国会の内外の政党やあるいは団体あるいは系統機関の皆さんは、この中間報告というのは実質その方向でよかろうけれども、しかし形の上におきましては修正する必要があるよ、私はそういうふうに整理をいたしてみたものと言えると思うのでございます。  そのような過程から、できるだけ従来の政府が直接関与する形を脱皮して、実質、企業性を持たした、そして企業性を前提にした独立採算制というものを根本に置くべきものである、さように考えた次第でございます。先ほど幾たびかお尋ねがあったようでございますが、将来の民営化の問題は、このような大きな変革時におきまするあとう限り改革を求めた結果でありまして、そのただいまのお尋ねは他日の問題であろう、かように考えております。

松沢成文民友連

○松沢委員 小泉大臣が中間答申を見てこうコメントしているのです。私は内心びっくりしました、せいぜい封書、はがきの民間参入を認めるぐらいだろうと見ていた、橋本総理はよくここまで踏み込んだと思いますと、高く評価しているのですね。  そして、その後、与党協議になって、さまざまな議論が出てきて後退するかなという雰囲気になってきた。そのときに、昨年の十月十二日にテレビに出演してこう言っているんです。現状維持でいいなら行革会議などつくる必要はなかった、総理は必ず民営化の方向を出しますと述べて、さらに、もし総理が民営化の方向を出さなかったら私は大臣をやっている必要はない、辞任する、こうきっぱりと言ってのけたのであります。  それで、最終答申を議論して、私はいませんでしたからわかりませんが、与党の中の合意事項は、公社化までは認めたんです。ところが、それ以降の民営化については一切議論しない、民営化はないんだということを合意して最終答申ができた、私はこう理解をしているんです。どう見ても、今回の最終答申は、郵政三事業を将来的に民営化を考えていくということになっていないのであります。  そこで、大臣、政治家として自分の発言にはやはり責任を持たなければいけない。今回の最終答申を受けて、私は、小泉大臣がテレビで発言したこと、これに責任を持つという立場であれば、大臣を辞職すべきだと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、現状維持なら閣僚をやっている必要はないとはっきり言いました。民営化の方向が見えたか見えないかというのは、人によって見方が違う。  今回、郵政三事業、先ほども申しましたけれども、郵貯、簡保資金の預託を廃止したんです。自主運用をするんですよ。しかも、郵政三事業は企業会計原則にのっとってやる。しかも、今まで国営しかできないと言われていた封書、はがきの郵便を民間参入を認めるという。しかも、総論では、民間でできることは全部民間に任せますよということにだれ一人異議を唱える人はいない。何でこれが将来役人じゃなきゃできないという発想につながるのか。しかも、経済の活性化を図るためには、民間の企業がいろいろ活動してもらわないと経済の活性は図れない。  これから増税に反対する。将来、しばらくすれば、増税がいいのか郵政民営化がいいかの議論に必ずなってくる。しかも、民間に任せるものは民間に任せますよということにだれ一人異議を唱えない状況になれば、必ず私は、いずれやはり郵政三事業は民営化した方がいいだろうという結論になるということを確信しております。

松沢成文民友連

○松沢委員 総理、今小泉大臣は、最終答申の小泉大臣の理解は、ここまで財投の改革にもつながっていくだろうし、民間参入も認めるだろうし、民営化の方向に必ずなっていく、こういう御判断を示されましたけれども、総理は、今の小泉大臣の御判断について、いかがお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほど、冒頭申し上げましたように、行革会議の最終報告を受け、それを基本法の形で既に国会に提出をさせていただいております。すべてはそこに盛り込まれたとおりと申し上げるのが、今私のお答えのできるぎりぎりです。

松沢成文民友連

○松沢委員 今回提出された中央省庁改革基本法案の特徴の一つは、その中に独立行政法人というのを新しく位置づけたことだと思うのですね。その定義は長いのですけれども、るる書いてあります。  これは、私は、郵政三事業みたいな現業分野でできるだけ事業体としての効率を高めていけるもの、これは独立行政法人にするのが好ましいと思うのです。そういう議論もあったと思う。ところが、最終答申では、郵政事業庁というのを総務省の下につくって、その後新型公社というのですか、郵政公社というふうに持っていく。新たにここで公社というのがまた出てきたわけです。  小里長官、独立行政法人とこの新型公社というのは、どこがどう違うのでしょうか。私は、郵政事業みたいなものは独立行政法人として位置づける、これが最もわかりやすいし、そう思うのですけれども、長官の御見解をお聞かせください。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 公社議論をするに当たりまして最も肝要なところを今御指摘になった、こう思っております。  御案内のとおり、独立行政法人とは、試験研究機関、検定検査機関等がたくさんございます。あるいはまた、率直に申し上げますと、特殊法人等も八十五あります。これらすべてを対象に一応ひとまず考えますと、百五、六十対象になるのかな、そういう感じがいたしまして、これらの事業体、施設、研究機関を移行しようとしておりまして、念頭に置いておるのが独立行政法人でございます。  ただいま先生が議論になりましたのは、郵政三事業は、それよりも別途に新たな公社をつくるべきではないかという意見が極めて圧倒的にございました。それは、やはり先ほどお話がありましたように、三十数万の大部隊の移行ですよ、そういう巨大な組織、制度の大変革でありますよというところに私は大きな要素があったのではないか、さように思っております。  あわせまして、先ほども申し上げましたが、国会内外におきまして、中間報告を出しまして以来、郵政三事業というのは改革はやらなければいかぬけれども、その移行のための一つの手続あるいは目的とする事業体についてはきちんと考えろよ、こういうお話があったことも、先生御承知のとおりであります。  先ほどお話が出ましたように、圧倒的に、この三事業というのは新しい公社のもとに新しい構想で手をつけるべきであるという御意見でありました。殊に私ども政府・三党におきましては、もう全会一致で、先ほど総理が申し上げましたような形で終結をするべしということになったのであります。  そこで、一言申し上げますと、先ほど申し上げました新たな独立行政法人も、新たな郵政公社の方も、どちらかといいますと、事前管理から事後評価へ変わります。しかも、郵政公社の方は、いわゆる徹底的に自律的、弾力的な運営業務の管理に移行できますよ、これが根幹になっておるところが独立行政法人と違うところであります。  二つ目には、企業性であります。いわゆる企業性を前提にいたしました財務運営の仕組みを、独立採算制で結構ですよ、これも従来の、政府が郵政事業に対しまして毎年度国会に承認を受ける、そしてまた事後チェックも受ける、予算統制を徹底して受けてまいりました実態からいたしますと、大変な隔たりであり、私は進歩であると思う次第であります。  もう一つ、独立行政法人は公共的な事務、サービスの提供等を想定いたしておりますけれども、今申し上げておりまする郵政公社なるものは、その性格から見て、徹底的に企業性を想定した新たな公社の仕組みになっておりまして、先ほど申し上げましたように、企業性を前提としないいわゆる独立行政法人等はこの制度にはなじまない、さように思っておる次第でございます。

松沢成文民友連

○松沢委員 私の判断では、独立行政法人というのは、将来的には民営化を視野に入れて、数年後にはその事業の改廃あるいは民営化を含めて検討するということになっているのですね。  そこで、もう一つのポイントは、その職員は、公務員というよりも新しい形の公務員、さらには、民間に移行する場合に、今の国家公務員とは違った形にしていこう、こういう方向になっているのです。  ところが、やはり郵政三事業の場合は、国営維持を担保するためにどうしても国家公務員でなければいけない、その国家公務員の担保をするには、独立行政法人とは方向が違うわけですから、だから公社という新しいものを残したというか、つくったわけです。これも一つの大きな理由ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 おわかりいただいておりまするように、独立行政法人の場合におきましても、これは国営であるか、あるいは非国営であるかという選択の道も残されております。したがいまして、その根本の分かれによりまして、国家公務員であるかないかということはおのずから整理されてくるわけでございます。  さて、郵政公社の場合はどうであるかと申し上げますと、あくまでこれは国営であります。そして、その身分は国家公務員であります。しかしながら、多少議論が細やかになって恐縮でございますが、郵政公社の国家公務員とは、いわゆる国家行政組織法あるいは総定員法の対象外に置きますという、また基本的な識別もいたしておることも御理解をいただきたいと思う次第であります。

松沢成文民友連

○松沢委員 もう一点伺いますけれども、先ほど小泉大臣が、郵便事業に民間参入を認めたということは大変大きなことだ、これで必ず変わっていくという発言がありました。最終答申の中でも、郵便事業について民間参入を検討するとなっているのです。  そこで、郵政大臣、郵便事業における民間参入について、今後どのような形で進めていくのか、いつごろまでにそれをやっていくのか、その辺の計画はもう既にできているのでしょうか。

自見庄三郎自由民主党郵政大臣

○自見国務大臣 松沢委員からの、郵便事業への民間参入についてどういうことかということでございますけれども、御存じのように、郵便というものは国民の基本的通信手段でございまして、不採算地域を含めて、全国あまねく公平にサービスを提供することが郵便事業の使命でございます。  郵政三事業は、もう先生御存じのように、基本的に、黒字の部分は東京と周辺の関東、それから近畿地方、それから名古屋を中心とした東海地方、この三地域だけが実は黒字でございまして、私の出身は九州でございますが、九州あるいは東北、そういった地域、その三地域以外は実は全部赤字でございます。  そういった中で、要するに、国のユニバーサルサービスと申しますか、あまねく広く国民に、この郵便というのは基本的に同一料金でポスト投函制というのは、近代郵便制度の基本でございますから、国の郵政事業でございますから、そういったユニバーサルサービスが確保されることが大前提とならねばならないというふうに考えております。  そのために、今経済の専門家を招き、この二月から、実はもう二月二十六日に、郵便のユニバーサルサービスの在り方に関する調査研究会というものをつくりまして、座長に佐々木先生という神戸大学の経営学部の教授になっていただきまして、この具体的条件について検討するということでございますから、もう検討を始めております。海外のいろいろな事情を含めて、国の郵政事業によるユニバーサルサービスの確保の方策について調査研究することになっております。その結果を踏まえまして、各界各方面からの意見も賜り、幅広い観点から総合的に検討してまいる次第でございます。  それから、一点、今までいろいろな答弁があったわけでございますが、郵政大臣として、今総理も答えられたとおりでございますが、まさに自主運用をやる、あるいは郵便事業に民間参入の条件を考えるということは、やはり行政改革というのは簡素効率、国民のためでございますから、そういった中で、行政改革の基本的精神にかんがみても、私は大変大きな進歩があったというふうに思っております。そういった中で国民も、世論調査をいたしましても、大体六割から七割は、郵政三事業は国営三事業一体でいいという声もずっと行政改革の期間中も多かったわけでございます。  そういった声を踏まえつつ、また新たな改革もせねばならないわけでございますから、今総理が言われた二点をきちっと改革しつつ、ただし、やはり明治四年以来の創業百二十七年の歴史があるわけでございますし、国民の中に残すべきことはきちっと残していく、新しい時代に対応して改革していくところは改革していく、こういった基本的精神に沿った、最終的には総理の決断ではなかったか、こう私は思うわけでございます。  新たな公社になりまして、これは自律的、弾力的に行うということでございまして、それをもって、やはり国営三事業一体、そして国家公務員としての身分を保障しつつ新たな公社に移行して、これによって民営化等の論議は行わないという結論でございますから、私は、その精神を尊重しつつ、そのことを踏まえてしっかりやっていきたいというふうに思っております。  以上でございます。

松沢成文民友連

○松沢委員 今、各大臣からるる御答弁がありましたけれども、私は、公社として立派な経営体として経営ができるのであれば、もうこれは民間に任せても十分にやっていけると思うのです。やはり行政改革の基本は、どうしても国でなければできない仕事は国でやり、民間でできる仕事はできる限り民間に任せていくという、この基本路線を失ったら行政改革にならないのですね。  そういう意味で、私は、与党協議の中では公社移行後は絶対民営化は検討しないなんてことになっているようにも聞きますけれども、今小泉大臣がおっしゃったように、しっかりと民営化の方向を、将来を見据えてこの郵政改革に取り組んでいっていただきたい、このことを要望させていただきます。  次に、羽田空港の国際空港化について質問させていただきます。  東京、首都圏を世界経済の中心地として維持発展させていくためにも、あるいは首都圏の、あるいは海外からの空港利用者のサービスの向上を図るためにも、あるいは航空自由化が進んでさまざまな乗り入れ希望がある、こういう要望にこたえるためにも、私は、首都圏の航空容量というのですか、これをできるだけ大きくしてハブ空港化を図っていくというのが大変重要だと思うのです。  そこで、政府の第七次空港整備五カ年計画というのですか、その中にも、成田空港の平行滑走路の完成、あるいは羽田空港の沖合展開の早期完成、あるいは首都圏第三空港の事業着手等々がうたわれているわけでありますけれども、もう以前から話は出てはなかなか具現化しないこの首都圏第三空港、この問題は、今政府としてどのように議論され、計画をつくっているのか。まず、運輸大臣にこの点からお伺いしたいと思います。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答え申し上げます。  ただいま松沢委員の御質問の中にありましたように、首都圏の第三空港の整備計画につきましては、九年十二月の第七次空港整備七カ年計画、閣議決定におきまして、東京国際空港の将来における能力の限界に対応いたしまして、海上を中心とした新たな拠点空港を建設することを前提として事業着手を目指し、関係地方公共団体と連携しつつ、総合的な調査検討を進めるということになっておるわけであります。  それを踏まえまして、現在、運輸省といたしましては、今申し上げましたように、関係地方公共団体と構成をいたします首都圏の空港に関する意見交換会という交換会を設けまして、そこにおきまして航空及びその周辺の事情に関する情報の共有化と相互理解を深めているところであります。  今まだそういう状況でありますけれども、いずれにいたしましても、今委員おっしゃられましたように、二十一世紀になりますとどうしてもそれに対応する首都圏内の第三空港が必要であるということは、十分認識しているところでございます。

松沢成文民友連

○松沢委員 計画はあってもなかなか具現化するまでの段階には至っていないと思うのです。  それでは、今、既存の羽田空港、成田空港、これは羽田の方は新C滑走路が完成して、二十四時間化も実現できてきた。しかし今後、沖合展開、まだまだ計画があるのか、それによって航空容量がどれぐらいふえるのか。そして、成田空港の方も、二〇〇〇年に開港を目指す、平行滑走路が完成するか、そうするとどれぐらい容量がふえるのか。ただ、また、二〇〇〇年に開港するには、今の反対派の農家の皆さんをいつごろまでに説得しなければできないのか。この二つの空港についての将来の計画、容量についてお聞かせいただきたいと思います。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。  まず、羽田空港につきまして、現況また将来についての容量等についてお答えをさせていただきます。  委員御存じのとおりだと思いますが、昨年三月に新C滑走路の供用を開始したところでございます。これによりまして、朝六時から二十三時までの発着回数は、それ以前の五百八十回から六百六十回まで増加をしたところでございます。これを年間処理に直しますと、約二十一万回から二十四万回に増大したことになっております。  さらに、平成十一年度末を目途にした新B滑走路、今この供用を開始するため事業着手をいたしております。この新B滑走路が完成したときの具体的な容量、数等々、例えば増枠数であるとかそういった面につきましては、滑走路等の運用方式あるいは環境面、いろいろ影響等を考慮しなければなりませんので、今後とも検討をしていかなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、新B滑走路が完成することにより、かなりの容量が増加することは間違いございません。  それから、成田空港の方でありますが、現在一本の滑走路でございますけれども、発着回数は現在十二万四千回でございます。今委員御質問にありましたように、平行滑走路、いつまでにできるのかというお話でありますが、我々は二〇〇〇年度末までには平行滑走路を完成させたいと今最善の努力をいたしております。十二万四千回という現在の発着回数ですが、平行滑走路ができますと約二十万回にふえるというふうに想定をいたしておるところでございます。  ただ、この成田空港の平行滑走路につきましては、話し合いを前提といたしまして、粘り強く地権者の方々と今話し合いを続けておるところであります。誠心誠意を持って、二〇〇〇年度末までに完成すべく今最善の努力をしているところでございますので、ぜひその点は御理解をいただきたいと存じます。

松沢成文民友連

○松沢委員 大臣の話から考えますと、首都圏の航空容量を満たすのには、本当は新しい空港がもう一つ必要なのです。ところが、第三空港、用地の面もあるでしょう、それからこの財政難のときに新しい財政支出のかかる大型公共投資というのは抵抗もあるでしょう、そういうことでなかなか難しい。そうであれば、やはり既存の成田と羽田をできる限り有効利用して、その航空容量に対応できる体制をつくることが大変重要になってくると思うのですよ。  そこで、多くの皆さんから今要望が出ているのが、羽田空港が新C滑走路ができて二十四時間使えるようになった。もちろん成田が国際拠点空港ですね。羽田が国内拠点空港。この基本は守りつつも、羽田空港の二十四時間化によって夜間が使えるようになった、この夜間を利用して国際線を飛ばしてほしい、そうすれば非常に有効活用ができて便利になる、こういう声が非常に大きくなってきているのです。それはもう大臣も御承知だと思うのです。  せっかく羽田空港で二十四時間化して夜間飛べるようになったのだけれども、国内線じゃ、ほとんど需要がないのですよ。今二十四時間空港になっているのは、千歳、関空、そして沖縄、羽田、この四カ所しかありませんから、ほとんど路線が組めないのです。それで、深夜飛んでも鉄道が動いていないということで、国内線じゃ、私の調査によりますと、十一月のダイヤでは、片道の五便ぐらいしか使えてないのです。せっかく二十四時間化になったのに、ほとんど夜使えない状況が続いてしまっているのです。  これを利用して国際便を飛ばすということが、私は可能じゃないかと思うのです。それで、世界じゅうの、先進国の主要都市を見ても、必ず二十四時間空港が例外なくあるのです。国際線としてあるのですね。今、日本には、羽田が二十四時間になっても国際線は飛べないという状況ですから、この夜の枠を利用してやることができるのじゃないかと思うのです。  そこで、運輸大臣に、羽田の深夜早朝枠を利用した国際便を飛ばすという、このソフトを利用して有効活用しようという構想についてはいかがお考えでしょうか。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 委員御質問ありましたように、昨年三月、羽田空港の二十四時間運用開始に伴いまして、そうした羽田の二十四時間を利用した国際化等々につきましての御意見があることは、承知をいたしておるところでございます。  先ほどもちょっと触れましたように、成田空港との関係、今それを機能的、効率的というお話がございましたけれども、基本的に、首都圏を中心とした国際線の空港は成田空港と位置づけ、そして羽田空港は国内空港として整備していくという基本政策にのっとって現在まで来ているところでございます。  それからいま一つ、羽田を国際線化という御意見なんでございますが、今成田空港、先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年度完成を目指して粘り強く話し合いを続けているところでございます。そうした中で、今大詰めに来ております、大変重要な局面でございますので、こうした局面に対して十分配慮しながら、羽田空港の問題につきましても考えていかなきゃならない、その点はぜひ御理解いただきたいと思います。  それから、国際航空のための拠点空港として整備をしてまいりましたけれども、成田空港を今二本目の平行滑走路を整備するに当たりまして、申し上げたとおり重要な時期に来ておりますけれども、千葉県におかれましても、この空港を受け入れるためにいろいろな御協力、御理解をいただいているところでございますので、そういった問題につきまして、今、現段階で羽田の国際化というのは極めて困難な状況ではなかろうかなとは思っております。  また、深夜、国際線に利用せよという御質問でございますけれども、確かに深夜早朝利用すればいいという御意見は理解できますけれども、現在のところ、その需要は大きく見込むことはなかなか難しいのではないか。実際に経済的な波及効果はほとんど期待できないような状況でございまして、先ほどお話がありましたように、国内線の場合におきましても、深夜便はまだ離発着の回数が非常に少ない。じゃ、国際線ならばというお話でありますけれども、今のところの私どもの理解では、国際線の深夜の経済性あるいは需要というのは、それほどあるとは考えておりません。

松沢成文民友連

○松沢委員 成田と羽田のこの議論になると、せっかく成田空港を国際線として整備してきたのに、またここで羽田に国際機能を持たせると成田が衰退してしまうのじゃないか、あるいは、今成田で最後の交渉を滑走路をつくるためにやっているのに、それに影響を与えてしまうのじゃないか、やはりこういう心配があると思うのですが、私は基本的に成田と羽田のすみ分けは十分可能だと思っているのです。  まず、航空容量というか、他国の航空会社も、四十カ国近くは首都圏の空港に乗り入れたい、乗り入れたいと言っている。それを、滑走路がないために実現できないのです。ですから、羽田に国際機能を持たせても成田は衰退するなんということはありません。どんどんもっと大きくなる可能性が強いわけです。  それから、成田の滑走路というのは四千メーター級滑走路。これは、ジャンボジェットが燃料を積むと、四千メーターなければ飛び立てないのです。ところが、羽田の方は三千メーターですから、これは逆に、ヨーロッパやあるいは北米に行くジャンボジェットは飛べないわけです。したがって、成田の国際空港は今までのヨーロッパやアメリカ路線が十分使えるわけですね。羽田の夜間は、三千メーターと滑走路が短いですから、近距離、例えばアジア・太平洋便、こういうものを夜飛ばすときに使う。非常にすみ分けもできると思うのです。  そして、成田の方は騒音問題がありますから、二十四時間化はできないのです。羽田は騒音問題がようやく解決しましたので、二十四時間化になったのです。先ほどから言っているように、今、二十四時間空港を持っていない大都市というのは東京だけですよ。そういう意味でも、二十四時間使える空港を持てたのだから、私は使うべきだと思います。  そして、これはアジアの中の経済競争になってきていまして、大都市にハブ空港を持つということは日本の生き残りにもかかっている。今はもう逆に、ソウルに行ってからアメリカに行くような日本パッシングが起きちゃっているのです。ですから、ソウルにも新メトロポリタン空港ですか、あるいは上海にも大きな空港ができる。香港にもできる。バンコクにもできます。マレーシアもつくります。これはみんな四千メーター級滑走路が三本から五本もある。もう成田の何倍も大きな空港をつくるわけです。これじゃ、日本がアジアの経済の中心地として競争できなくなってしまうと思うんですよ。  そういう意味で、運輸大臣、私は、成田の国際拠点空港、羽田の国内拠点空港という基本は守りつつも、羽田を、二十四時間になったのであれば、夜間を国際線を利用して、そして国際線と国内線が乗り継ぎができるのじゃないと本当のハブ空港と言わないんですよ。今それを日本はできないんですから、首都圏では。ですから、成田も、国際線と、将来もっと大きくなったら国内線も入れて、二つの国内、国際の乗り継ぎができる国際ハブ空港を持って、この二つの空港の間を高速鉄道か何かでつないで、より便利にする、これぐらい積極的に考えていかないと、今とても日本の首都圏の航空容量はないし、利用者は本当に不便なんですね。  それぐらいの御判断を私は運輸大臣にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。  今委員のおっしゃられることは、私運輸大臣としても、十分理解をいたしているところでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、成田空港が国際空港として、羽田空港が国内空港としての位置づけは、今後とも堅持をしていかなければならないと思います。  そして、今後、将来に向けての、先ほど冒頭にも御質問ありましたように、首都圏第三空港も必要であろうということなど勘案しながら、そしてまずもって私どもが今やらなきゃならないことは、成田空港の平行滑走路の早期完成でございます。その完成が実現すれば、また今委員がおっしゃられる成田空港と羽田空港との効率的な、効果的な組み合わせによる使用等々についてのいろいろなことは十分私は考えられると思いますが、現況は、私どもが申し上げられることは、成田空港の平行滑走路を一日も早く完成すべく最善の努力をすることをぜひ御理解いただきたいと思います。

松沢成文民友連

○松沢委員 興味深いデータがありまして、これは三和総研が研究発表したデータなんですけれども、今、長引く経済の低迷で、首都圏、特に東京の産業の空洞化がひどいというんですね。それで、東京証券取引所の外国の会社の株式、これは、一九九一年に外国の会社は百二十五社参入している。それが一九九六年には六十七社に、半分に減っちゃっているんです。そして、東京の製造業の工場数というのが、九〇年代に全体の一五%に当たる一万二千の工場が倒産し、姿を消しているというんです。  三和総研によりますと、羽田空港の深夜早朝枠を使った国際化の経済効果として、空港周辺の企業立地、空港関連施設の売り上げ、タクシーの売り上げ、ホテルの売り上げ、そして国際航空貨物産業、その他、あるいは日本人、外国人の観光客、ビジネス客も相当集まるようになるだろう。そして、その結果、週二百八十便の国際線を飛ばした場合に、生産誘発額として二兆三千五百億円、雇用誘発として十三万七千人、東京都の生産額は一・五%アップする、全国の生産額は〇・三%アップする。大変大きな経済波及効果が期待される。これは週二百八十便ですから、やろうと思えば週七百便ぐらいまで飛ばせますから、そうしたら、GNPを一%上げるというんですよ。それぐらいの試算も出ているんです。  さて、通産大臣、済みません、長引く経済の低迷で、日本の空洞化あるいは首都圏の空洞化が大変大きな問題になっている。羽田の国際化によってこれだけの経済が誘発される可能性が大だ。通産大臣として、羽田の国際化についていかがお考えでしょうか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生おっしゃるとおり、近年の経済社会の環境というものは大変急速に変化をいたしておりまして、経済活動のグローバル化が進んでおりますし、企業が国境を越えて最適な立地を求めて入ってくる時代になってきております。  そのために、通産省といたしましては、地域の産業集積、活性化を初めとして、このような立地競争力の強化の施策というものを積極的に進めているところでございまして、先生の御指摘のようなお話、非常に関心を持っているところではございます。  国際空港を初めとする国際ネットワークを整備いたしまして、人や物の流れ、こういうものを効率化し活性化していくことは、今のような経済のグローバル化の中で、地域の事業環境の魅力を高めていくという意味で、我が国の経済社会の円滑な発展を図る上で極めて重要だと認識をいたしております。  ただ、個別の空港の問題につきましては、国際化の是非について、政府としての総合的な交通体系、こういうものの中で決定されるものでございまして、通産大臣としての答えは控えさせていただきたいと思います。

松沢成文民友連

○松沢委員 この羽田空港の国際化については、地元の東京都から強い要望が出ているんですね。それで、自民党の東京都連も、ここに会長がいらっしゃいますけれども、会長が先頭に立って、この問題、都議選では自民党都議団の公約にも掲げて、その後、選挙後も積極的に活動して、運輸省にも要望書を出しているんです。会長はこちらで聞けないので、きょうは島村先生がいらっしゃいまして、東京都連のまた有力なメンバーであります。島村先生もこの問題については熱心に取り組んでいる、また、何か党の会議でも発言をなされているというふうに聞いておりますけれども、島村大臣は東京都選出の代議士としてこの羽田の国際化に賛成でしょうか、それとも反対でしょうか。どういう御意見をお持ちでしょうか。(発言する者あり)ああ、委員長もそうですね。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 今お気づきのように、委員長も我が東京都連の元会長、深谷理事も現会長でございます。  農林水産大臣としての答弁というよりは政治家として、まさに世は国際化時代、ボーダーレスの時代と言われる中で、貿易立国を国是とする我が国が現在のようにいわば本格的なハブ空港を首都圏に持たない、こう言っても言い過ぎでないと思いますが、これをこのまま放置することは私は決して適当なことでないし、先ほど委員が御指摘になったように、ジャパン・パッシングの憂き目も見ないではないぞ、これも決して杞憂にすぎないことではないと思います。  そこで、私どもは、実はたまたま私も十年ほど前に運輸委員長等を務めまして、その当時から実はこの問題、いろいろやってきたところであります。ただ、その後、運輸省あるいは千葉県御当局等々いろいろ御努力をいただいて、成田がようやく話し合い路線が定着して、いわば平行滑走路ができそうな段階にある。今までのいろいろな経過に照らして、これを余り混乱させてもいけないという配慮があることが一つありますが、また、御承知のように、羽田は今一日たしか六百二十便飛んでいるはずであります。成田は三百六十便ですが、いずれもある意味ではいっぱいいっぱいのところでございますけれども、問題は、国際空港が二十四時間飛べないということをこのまま放置していいのか。  やはりそれらについては私たちは十分、可及的速やかに、こういう問題に対する解決に我が党は取り組まなきゃいけませんし、また同時に、万が一成田に何か事故その他があった、これは考えたくもないことでありますが、そういう場合に備えて羽田を補助的に使えるように、三千メートル二本、二千五百メートル一本と記憶しますが、これをもう少し規模拡大をして、有機的に使えるようにするということは当然必要なんだろう、こんなふうに考えております。

松沢成文民友連

○松沢委員 最後に、総理の御意見もお聞きしたいんです。  私がこれまで主張してきましたように、羽田空港の国際空港化というのは、首都圏の空港需要を賄うためにも大変重要だと思いますし、また、成田空港との役割分担で国際ハブ空港機能を充実させるという意味でも大変重要だと思います。そして、アジア諸国との国際経済競争の中で、東京首都圏の空洞化を防いで、アジア経済推進の役割を果たす、そういう意味でも必要だと思います。そして、空港利用者の利便性向上を図るという意味でも必要だと思います。さらには、首都圏への経済波及効果によって財政上の負担が伴わずに景気対策にもなる、こういう意味も持っていると思うんです。  総理も海外に飛び立つときに専用機で羽田から行きますね、やはり羽田からの方が便利だからじゃないですか。やはり首都圏の利用者もみんなそういう部分を持っているんです。ただ、国際空港は成田ですから成田に行っていますよ。でも、夜間使える時間があって、羽田から飛び立てる飛行機があれば、ああそれを利用してみようかな、これは非常に利便性も上がると思うのですね。  私は、ぜひともこれは政治的に大きな決断をいただいて、今理由を挙げましたけれども、総合的な判断として総理大臣にもぜひとも御意見をいただき、前向きな検討をいただきたいと思いますので、一言お願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今の御議論を伺いながら一つ足りないなと思ったのは、航空管制上の問題です。  というのは、同じような感覚を持った時期、私、運輸大臣のころにもありました。殊に、成田の二期工事を着工いたしましたために、当時私はその過激派のねらい対象にされまして重警備の中だったのです。それだけに、こういう状況で成田がほぐれなかったときに、一体どうなんだろう、そんな思いもありまして、今議員が述べられたような感覚での考え方というのもとってみました。  その上で、東京航空管制へ行きまして、肝をつぶしましたのは、想像以上の空の過密化です。そうすると、今度は国際線というものを都心に近いところに持ち込むことの安全性、管制機能の上での問題は果たしてどうなのかという感じは、率直に私はその当時に持ちました。そして、今羽田は、より当時よりも新たな滑走路がふえ、国内空港としてのウエートは非常に大きくなっております。  そうなると、果たして管制の上でどうなんだろうなという思いを持ってずっと聞いておりました。そして、私自身が、その後羽田の皆さんに話し合いの場所に呼ばれたり、いろいろなことをしてそれなりのことを考えてきましたが、まずやはり我々は、成田を早く仕上げたいということを国の立場とすれば申し上げることになるのじゃないでしょうか。その上で、航空管制の上からもう少し運輸大臣に調べてもらって、新しい知識をもらいたいな、今そんな思いをしております。

松沢成文民友連

○松沢委員 今後の検討をお願いします。  時間ですので、終わります。どうもありがとうございました。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて松沢君の質疑は終了いたしました。  次に、岩國哲人君。

岩國哲人民友連

○岩國委員 おはようございます。民友連を代表いたしまして、政府の経済運営そして防災対策、あるいは金融不祥事についてお伺いしたいと思います。  今、私の前に、松沢委員がたまたまそうした羽田の国際空港化ということを取り上げ、また私も通告の中にそれを入れておりますので、前後いたしますけれども、そこからお伺いしたいと思います。  最近二十年間、東京が世界の国際都市として魅力ある、発展性がある、そういう人気投票というのはいろいろな雑誌で行われておりました。二十年前、十年前はいつも東京というのは一番か二番か三番にあったのです。最近五年間は十位以内にその名前を見ることはできません。十三位か十六位であります。その理由の大きな一つは、今松沢委員が取り上げた、空の国際競争力において日本は敗れているからであります。  ジャパン・バッシングの時代からジャパン・パッシングの時代に移ったということがよく言われますけれども、そのジャパン・パッシングの一番大きな理由は、東京が不便になってしまったからです。国際化時代というのは、釈迦に説法ですけれども、物、金、人、情報は空から入る時代を国際化時代といいます。その国際化時代に一番大切な空の表玄関を、羽田から田舎の、田舎と言ってはいけませんけれども、不便な千葉県へ持っていった。その二十年前の国際化時代に逆行するような決定が、結局東京の活力を弱めてしまった。  それから何が起きたか。外国の企業は次々と東京をパスして、ソウル、香港、上海、シンガポール、そういうところへ行くようになってしまいました。古い戦争用語を使って恐縮ですけれども、日本は空の制空権を失ってしまったんです。国土を広げることはできません。海を広げることにも問題があります。しかし、広げてもいい空は逆に小さくしてしまった。これが二十年間の日本の国際競争力における戦略の失敗だったと私は思います。  ソウルへ行ってみてください、ソウルの郊外に。新しい国際空港、幅八キロ。幅八キロというのは、瀬戸内海の幅が九キロですから、瀬戸内海を埋め尽くすくらいの大きな空港が今完成されつつあります。二十一世紀の初めに、成田と羽田を合わせたよりも大きな空港が、国際線が使えて、夜も使える。韓国の三倍の経済力、三倍の人口を持っている日本が、そのソウルの新しい空港の半分さえもない。しかも、夜は使えない、国際線は使えない、これでどうやってアジアの経済競争に勝つことができるんですか。  私は、こうしたアジアにおける今後の経済競争、また、他国よりも強くなろうということだけではなくて、他国と競争しながら日本のそうした競争力を強くする意味でも、これは私は根本的に羽田を見直す必要がもう十分に来ていると思います。羽田か成田かということではなくて、羽田も成田も伸ばさなければ他国との競争に追いつかない、それが日本の現状ではないでしょうか。  そうした大きなアジアにおける経済競争という観点から、運輸大臣の御所見をお願いしたいと思います。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。  先ほど松沢委員の方からも御質問がありまして、今岩國委員からの御質問でありますが、両委員のおっしゃられること、私十分理解しているつもりでございます。  こうした一千万人を超える、そしてその周辺地域とすれば大変な多くの人口が集中しているこの東京を中心とした東京圏の空の航空需要にどうこたえていくか。それだからこそ、私どもは、成田の平行滑走路を何とか一日も早く完成させたいということで、地権者の皆さん方と話し合いを前提に今続けておるところであります。  この成田空港のいろいろな経緯につきましてはこの場では申し上げませんけれども、そういったことを踏まえ、そしてさらに昨年三月、羽田空港も、騒音、環境、大変ないろんな経緯がございました。しかし、地元の皆さん方の御協力をいただきながら、沖合展開の整備が進み、昨年三月から二十四時間運用が可能になったということであります。本当にそうした関係の皆さん方の努力に、心から感謝をいたしております。  そういう中で、今委員のおっしゃられたことを十分踏まえた上で、現在申し上げられることは、そのことを頭に入れながら、今私どもは、何とか一日も早く成田の平行滑走路を完成させること、そこに最大の努力を注いでいるところでございます。  そういう中で、東京都の選出の国会議員の皆様方初め首都圏の議員の方からの御要望もありますけれども、千葉県の選出の国会議員の皆様方からも、私どもの方に強く、成田の国際化を堅持するように、そして東京の羽田空港の国際化に反対するという意見も一方にございまして、そういった間の中で、私どもは、国際空港のあり方をどうあるべきかを、今後ともそういったことを踏まえながら頑張っていきたいと思う次第であります。  どうぞよろしく御理解いただきたいと思います。

岩國哲人民友連

○岩國委員 こうした国際的な競争力の強化という観点からは、羽田空港だけでは私は不十分だと申し上げております。成田も合わせて、総合的な航空力の強化ということを、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思います。  また、この羽田については、こうした競争力の強化あるいは東京のための活力という視点と、またもう一つ、防災体制としてこの羽田空港は非常に大切だと思います。  震度七、震度八が今夜東京に起きた場合に、世界の救援隊は東京にやってきます。必ずやってきます。どこへやってくるのですか。夜どこへ着くことができるんですか、限られたそういうところへ。関西空港は夜使えるでしょう。しかし、東名高速はつぶれています。新幹線はとまっています。首都圏三千万の命綱がどこにあるんですか。私は、防災体制という点からも、この羽田空港の強化ということは一刻も早く急がなければならないのではないでしょうか。  東京都民は、三年前のあの阪神大震災を見て、恐ろしさにおののき、しかし三年間これという命綱の準備はできていないということに不満を持っております。大森、蒲田、以前はこうした夜の発着に反対をされた地域の住民の方も、今は考えが変わっています。選挙をやるときも、都議選もそうです。あるいは、今月行われる衆議院の補欠選挙においてもそうです。羽田空港の強化あるいは二十四時間国際空港化を言わなければ票にならない時代になっているじゃないですか。二十年間にもう時代は変わっています。そして、その考え方の一つがこうした防災体制のために羽田が必要だということであります。これについて国土庁長官の御所見をお願いいたします。

亀井久興自由民主党国土庁長官

○亀井国務大臣 今委員から、空港に関連をして防災対策上の御質問でございますけれども、申し上げるまでもなく、首都圏におきましては、人口やさまざまな機能が集積しておるわけでございますから、地震等の災害によりまして大きな被害が生じやすい状況等になっております。そうしたことでございますから、当然のことながら、災害に強い基盤施設等の整備を初めとする震災対策を積極的に進める必要があると考えております。  このため、防災基本計画におきまして、首都圏における都市防災構造化対策等、防災対策を推進するものとしておりますほかに、特に首都圏を含む南関東地域につきましては、中央防災会議において、南関東地域直下の地震対策に関する大綱を決定し、地震に強い町づくりを積極的に推進するものとして位置づけております。  特に、先ほど御指摘のございました空港ばかりではございません。道路、鉄道等の交通基盤施設等につきましては、個々の施設、構造物の耐震性を確保するとともに、代替性の確保さらに多重化等によりまして、総合的にシステムの機能の確保とネットワークの充実を図ることが必要であると認識をいたしております。  国土庁におきましては、今後とも、各機関と連携をとりながら、首都圏の防災対策の推進に努めてまいりたいと考えております。

岩國哲人民友連

○岩國委員 こうした防災体制という点から、積極的にぜひ、国土庁長官のみならず建設大臣あるいはその他の関係大臣の皆さんが取り組んでいただきたいと思います。  東京都民にとっても夢のあるプロジェクト、夢だけではなくて、自分たちの命の不安のためにもこうした公共事業は私は必要であると思っております。  先ほど島村大臣が、東京出身の国会議員の一人として自分も賛成だということをおっしゃっていただきました。であるならば、私は、必要な公共事業、こういうのは積極的に必要なスーパー必要公共事業の中に位置づけていただいて、そして同時に、公共事業の中でも国民から非難の強い、例えば島根県の宍道湖中海のああいう干拓事業のような時代おくれの公共事業は積極的に見直すことによって、こういうところへ公共事業の資金を投下できるような取り組みもぜひお願いしたい、そのように思います。  こうした成田、それから羽田、この二つの空港だけで三千万の首都圏住民の命を守ることが十分できるのかどうか。私は、横田基地の早期返還も求めて、そして横田、成田、羽田、この三角形で二十四時間体制のそういう防災体制を完成させるべきではないか、そのように思います。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。  また、この羽田だけが整備されればいいということではなくて、今国土庁長官がおっしゃっていただきました面的な整備、他の交通機関とのアクセス、これには東京の場合には環八、これは委員長も大変熱心に十年間取り組んでこられたすばらしいプロジェクトであります。問題は、すばらし過ぎて一メートルもできてないということなんです。こうした環八の地下を利用して、羽田空港へ着いた救援隊、救援物資、フランスの犬、スイスの犬、これが大田区だけではなくて世田谷へも板橋の方へも行くことによって、初めて防災体制が改善されるわけでありますから、こうした十年前からあったエイトライナー、これは環八の地下に地下鉄を走らせようという構想であります。これは当然運輸大臣の御所管でありますけれども、地下鉄よりもむしろ今は高速道路の方が必要ではないかと思います。  まさに二十四時間いつでも使える、物を運ぶこともできる、こうしたエイトライナー構想について、運輸大臣としてこれから積極的に取り組むお考えがおありかどうか、お考えを聞かせていただきたいと思います。また、国土庁長官からも、そうした防災体制の点からどのようにこれを評価していらっしゃるか、それもお伺いしたいと思います。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。  環状八号線の地下を利用する鉄道、地下鉄あるいは今委員の方から地下道路といいますか、そういうお話がありましたけれども、実は、私は地元は岐阜県でございますが、東京の家は、先生は世田谷だと思いますが、私は杉並の高井戸でございます。まさに環八沿いに住んでおるわけでありますから、私も個人的にあの環八の地下に地下鉄なり高速道路が走れば大変便利だなということは、十分私もそういう認識に立っておるところでございます。  ただ、地下鉄ということになりますと、それはそれとしての東京都の考え方がございますし、現に、東京都におきまして生活都市東京構想という中で実現化に向けた調査検討を行っていくということになっておられます。現在、東京都におかれては、需要、収支採算性、事業手法、町づくりへの効果等の広範な調査を行っていると承知をいたしておるところでございます。  今後、そういう東京都の、今調査されている、検討されていることを運輸省といたしましても踏まえて対応していきたいと思いますが、政治家藤井孝男としては、先生の考え方を非常に私も理解をするものでございます。  以上でございます。

亀井久興自由民主党国土庁長官

○亀井国務大臣 先ほども御答弁いたしたところでございますが、防災対策上、特に交通基盤ネットワークをいかに確保し守っていくかということは重要でございまして、やはり構造上の耐震性を確保するということも申し上げましたけれども、特に代替性そしてまた多重性を持つということも大事でございまして、総合的にそうしたネットワークを確保するということが特に防災対策上も必要であろうというように思っております。  個々の施設整備等につきましては、それぞれの所管官庁がございますし、また地方公共団体が十分に検討もされておるところでございますので、そうした関係機関とも十分に御相談をしながら防災対策を一層推進していきたい、そのように考えております。

岩國哲人民友連

○岩國委員 環八を今私は取り上げておりますけれども、この環八の地下というのは建設省の所管というふうに理解しております。建設大臣、地下鉄を走らせるということよりもむしろ高速道路を走らせる方がいいのではないか、あるいは同じような工事であれば同時に並行して地下鉄も高速道路も。実際あの地域にはそれだけの昼間の需要というものも十分あるわけですけれども、これについて、建設省としてそういう交通対策あるいは環八の地下利用という観点から、積極的にそういう研究を進めていらっしゃるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

瓦力自由民主党建設大臣

○瓦国務大臣 建設大臣でございますが、岩國議員にお答えをいたします。  我が国の国土に照らしてみますと、安心、安全という問題、いわゆるこれから大競争時代に入る中で我が国土はどうあるべきかという視点もございましたので、若干申し上げますと、我が国土は災害、地震であるとかあるいは水害であるとかそういった災害が非常に多い国でございますし、地盤も大変軟弱でございます。一〇%の沖積層に五〇%の人間が住んで、七五%の経済活動をやっておるということでありますから、安心できる国土というのは非常に重要だ、私はこう考えております。  そういった面でまた東京を考えてみますと、今、環七、環八を含めまして幹線道路の問題も御指摘にございました。これは、阪神・淡路の大震災というのは非常に大きな教訓でございまして、これらを踏まえて、首都がいわゆる強い、強靱な、やはり安心できる地域でなければならぬと思っております。  そういった面におきましては、今、目下橋脚補強等を進めておりますし、また、河川につきましてもスーパー堤防等を考えまして、それぞれのライフライン確保に努めておるところでございますが、今、道路の地下の問題につきまして、環七、環八についてのお話がありましたが、地下鉄の横断とか、橋梁基礎が相当深く入っておりますので、今御指摘のような問題に取り組むことにはいささか困難な問題がございます。  いわゆる地下を鉄道であるとかあるいは道路であるとかを並行して走らせるということになりますと、鉄道、地下鉄は深度を深く掘ってまいって結構でございますが、道路はやはりすぐそれぞれ出入り口に出なければなりませんので、そういう技術的な問題もございまして、大変苦慮しているところでございます。  それぞれに性格が違う問題もありますが、これらの問題につきましては、長期的に、幹線道路ネットワークをどうするか、東京都ともよく御相談をしながら、安全確保、交通量の確保のために努めてまいりたい、こう考えております。

岩國哲人民友連

○岩國委員 ありがとうございました。  今、大臣もライフラインということをおっしゃっていただきましたけれども、やはり東京の住民千二百万、あるいは首都圏三千万人の命綱を一日も早く完成させるという観点からいえば、エイトライナーあるいは環七を使ったメトロセブン、こうした構想も御存じだと思います。これをあわせてライフラインあるいはライフライナー計画として一日も早く、税金だけは払わされるけれども、自分たちの税金は東京をよくするために使われていないという都民の不満と、そして震災に対する不安にこたえるような公共事業を一日も早く実施をしていただきたい、取り組んでいただきたい、そのように要望して、次の質問に移らせていただきます。  経済運営について、最近の景気について、この委員会でも非常に熱心に、活発にその審議が行われておりますけれども、まず最初に通産大臣、最近の中小企業等を中心にいたしまして、ことしに入ってからの景気の情勢を実感としてどういうふうにとらえておられるのか。そして、補正予算が必要だという声もありますけれども、補正予算は必要ないぐらいにはっきりと変わってきているのか、あるいは補正予算が必要な状態なのか。景気の現状と補正予算についてのお考えを通産大臣にお伺いしたいと思います。  書いたものでなくても、御実感だけで結構でございます。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えいたします。  突然の御質問でございますので、資料は用意いたしておりません。  私の認識といたしましては、現在、平成九年度の補正予算が成立をいたしまして、その実行に移っているところでございます。したがいまして、公共事業あるいはゼロ国債による一兆五千億の早期発注、その他の問題、並びに平成十年度の予算、ただいま御審議を賜っておりますが、この中における景気諸対策、こういうものを実現いたしてまいりました場合には、私は、これからの景気といたしましては、各経営者の方々、実業界が、景気に対して前向きな姿勢で取り組むことのできる十分な対策が行われているというふうに思っております。  特に法人税につきまして考えますと、三%の法人税の減税ということによりまして、米国よりは〇・五%下回りますところの三四・五%という税率になりましたし、あるいは地価税約一千五百億円の減税、あるいは有取税の減税というようなものを考えてまいりますと、実質の減税は別といたしまして、表面税率による減税は二兆数千億円に達するわけでございます。こういうようなものを中心といたしまして、少なくとも経営企業者が前向きに取り組んでまいることは考えられるところであります。さらに、二兆円の所得税減税は既に実施に移されておりますし、これによる民間の消費というものも刺激をされてまいってくるところでございます。  こういうものを総合的に判断いたしますと、これから四月まで、三月末までの状況というものを眺めながら、対応ということをひとつ考えなければならないと思っております。着実に景気が進展をすれば、それによって四月以降の景気の上昇というものは考えられると思います。  同時にまた、今、アジアの問題が非常に大きくなってきております。アジア経済の混乱というものに対して、これをやはり日本の経済がしっかりと支えてまいりませんと、総理の言われる日本発の世界恐慌というものは避けなければならぬということになってまいります。こういうアジア経済に対する問題も含めて、景気対策というものを、その時点においてしっかりと取り組んで検討しなければならない時期が来ているというふうに考えております。  景気の総合的判断につきましては、経済企画庁長官からお答えをすべきだと思いますので、私の認識としているところを一言申し上げました。

岩國哲人民友連

○岩國委員 我が国企業を所管される通産大臣の御所見としてお伺いいたしましたけれども、景気の実勢というのは、三月の終わりまでは模様眺め、しかし、四月に入れば景気回復もあり得る、このような御所感と承りました。したがって、補正予算を四月中に出すなどということは、今の段階では全く必要もないし、準備もないということに理解させていただきます。  次に、労働大臣、同じように今の景気の実態を雇用の面から、停滞なのか、後退なのか、足踏みなのか、緩やかな回復なのか、その辺を中心に御所感を、ごく簡単で結構ですからお願いいたします。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 先週もお答えいたしましたように、現在発表されております三・五という失業率、また有効求人倍率から見ますと、従来の日本的感覚からいうと大変厳しい状況にあると考えております。  したがって、中長期的には構造対策をやらねばなりませんが、短期的には、これは経済運営というか有効需要によって雇用というものは左右されるわけであります。企画庁長官も再三お答えを申し上げておりますように、一年間終わって締めてみれば損益計算書は黒字になっているのに、運転資金が貸し渋りの結果、調達できないという不安感の上に、現在私は不況があるのではないかという判断をいたしております。  金融二法が通過をして、これが本格的に動き出し、そして四月、桜の花の咲くころと企画庁長官は申しておりますが、その数字が出るのは大体二カ月おくれでございますから、今先生がおっしゃった七月ということに当たると思いますが、しばらくやはり様子を見ないと、雇用だけを回復する、景気だけを回復するというやり方は幾つもあります。しかし同時に、国家の財政を直し、日本人の社会構造を直していくという方程式の解もまた満たさねばならない中でやっているわけでございますから、私は、政府としての今の判断を尊重したいと思っております。

岩國哲人民友連

○岩國委員 雇用をどう改善するかということよりも、今の雇用の現状をどのように判断していらっしゃるかをお伺いしたかったわけであります。  新聞等では、雇用の悪化は、昨日も大きな見出しでいろいろと出ておりました。雇用の悪化は、大臣のおっしゃるような、一年締めてみたらどうだったかというふうな悠長な話ではなくて、毎日毎日、我々ここで審議している時間においてさえも、職を失っていく人が何人も何十人も何百人も出ているわけでありますから、そういう現状について、どれだけの緊迫感を持って今の景気を見ておられるかということをお伺いしたかったわけであります。  同じように、建設大臣にもお伺いしたいと思います。  今の景気は、緩やかな回復なのか、停滞なのか、足踏みなのか、後退なのか、地方の建設業の情勢も含めて、御所感を簡潔にお願いいたします。

瓦力自由民主党建設大臣

○瓦国務大臣 地方の状況におきましても、大変建設関係の状況は悪化をいたしておりまして、景況は極めて困難な状況にあります。そのため、建設省といたしましては、八分野二十七項目にわたる対応を示しながら、それぞれ不況に対応すべく今取り組んでおるところでございまして、それぞれの業界におきましても、今その資金繰りにつきましても、金融機関等に強力に指導し、協力を求めておるところでございます。

岩國哲人民友連

○岩國委員 尾身長官にお伺いいたします。  いろいろと現場を担当していらっしゃるそれぞれの大臣の御所見を伺いましたけれども、経済見通し、景気見通し、これについて経企庁長官は一・九%という見通しを、これは去年の今ごろどこかで聞いたような数字でもございます。そして、去年、この委員会で大蔵大臣が、あるいは当時の経済企画庁長官がおっしゃった一・九%。一・九%をはるかに上回る、一・九%にプラスオンして、こういう答弁を我々聞かされました。一・九%にプラスオンどころか、さっぱりのパアだったではありませんか。ことしの一・九%はどのような自信を持っておっしゃっているのか。  また、尾身長官はいろいろな場面で、ことしの景気について、桜の咲くころということもおっしゃっています。桜の咲くというのは、沖縄の桜なのか、あるいは吉野の桜なのか、世田谷の桜なのか、どの辺の桜を大体読んでいらっしゃるのか、それも伺わせていただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 昨年の経済の状況は、簡単に申しますと、バブルの後遺症であります不良債権の処理がおくれたこと、あるいはアジアの状況、金融機関の幾つかの破綻等がございまして、昨年の秋口から急速に、将来のいわゆる景況感といいますか、マインドといいますか、そういうものが低下をし、その結果として景気が、緩やかな回復、足踏み、停滞というふうに私ども表現を変えてまいりましたが、そういう状況になってまいりましたことは御存じのとおりでございます。  これからの問題でございますが、整理をして申し上げますと、昨年の十一月、十二月ごろ決定をいたしました幾つかの政策を逐次実施をしている段階でございます。  既に実施したものといたしましては、二兆円の特別減税、それから金融システム安定化対策、あるいは補正予算、九年度の補正予算などでございまして、これも実際に金が出ているのは、例えば特別減税もここ一週間くらいのうちに、そのうちの六割ぐらいのお金が回っているということでございますし、金融システムにつきましては、三月の末ぐらいに出るという感じでございます。  それから、現在審議しております平成十年度の予算及び法人税の減税等を含めました関連法案、これが予定どおりいきますと三月の末に通させていただく、こういうふうに私どもは期待をしているわけでございますが、これはまだ現実には効果を発揮する段階になっていないわけであります。  それから、さらに、例えば農地転用とか市街化調整区域における開発許可の弾力化の問題、あるいは電気通信分野の規制緩和の問題、人材派遣業の業務拡大の問題等々、いわゆる昨年の十一月に決めました規制緩和対策の大部分が、これから国会に提出をされて、四、五月ぐらいに国会で通ってこれが実施に移される、そういうことでございまして、そういう政策全体が相乗効果を持って企業や消費者の経済の先行きに対する信頼感を回復し、それで経済が順調な回復過程に乗るというふうに考えている次第でございます。  さらに、三月いっぱいは、御存じの四月一日の早期是正措置を控えて、どうしてもいわゆる貸し渋り現象というのが残るというおそれもあるわけでございまして、それらを総合的に考えて、どういうタイミングかということになりますと、四月一日の早期是正措置以後はいわゆるクレジットクランチ的な貸し渋り現象も緩和されてくるであろう、それからまた各種の政策がいろいろな意味で実現をされてきて、それが実施に移される、そういうタイミングで考えておりますので、桜は東京の桜というふうに私自身は考えて申し上げました。  ただ、先ほど労働大臣のお話にありましたように、一つは、予算及び関連法案が三月三十一日までに通ることが前提条件の見通しでございまして、その予算の方がおくれますと、当然時期が来れば、自然現象でございますから、時間がたてば世の中だんだん暖かくなりまして桜の花は予定どおり咲きますが、経済は予定どおりいかない危険性もあるわけでございます。そういう点も含めまして、ぜひ予定どおりこの予算を通していただいて、予定どおり順調に、桜の咲くころには経済の回復が実現し始めるという状況を実現させていただきたいと考えている次第でございます。  なお、先ほど労働大臣のお話にございましたように、統計が実際に出てまいりますのは多少おくれますので、その点についても御理解をいただきたいと思います。

岩國哲人民友連

○岩國委員 桜というのは群馬県の桜じゃなくて東京の桜だということをはっきりと御答弁いただいたわけでありますけれども、しかし、この予算を早く通すか通さないか、ここに大きな問題があります。  先ほどいろいろな大臣からお話をいただきました。温度差があります。そして、この予算を通した後一カ月以内に次の補正予算が必要になるような経済の悪さ、あるいは、裏返せば、本予算が必ずしもそういう実態を十分に把握した本予算ではないという意見はどなたからもありませんでした。  逆に言いますと、この本予算を早く通せ、早く通せと総理も長官もおっしゃいますが、早く通せということは、こういうむだな審議はできるだけ早く切り上げて、やることが最大の景気対策だ、予算委員会の審議を早く打ち切ることが最大の景気対策だと聞こえんばかりの、最近の早く通せ、早く通せ。早く通せということは、結果的にはゆっくり審議するなということではありませんか。早く通せということであれば、もっと早く我々はこの審議を打ち切らなければならないし、一人ずつの審議時間、質問時間も打ち切らなければならないしという暴論に私には聞こえてまいります。  現に、補正予算という声が次々聞こえて、既に準備に入っているということであれば、補正予算が一カ月以内にもう顔を出してくるということは、今我々がここで審議しなければならない本予算は欠陥予算ではありませんか。それを、欠陥予算をとらえて大蔵大臣も総理も、最善と信じている、こうおっしゃいます。最善でありベストのものであれば、それは二カ月、三カ月は十分その予算が執行されて、それを見てから欠陥がわかるというのがある程度正常な予算ではないでしょうか。執行する前から、もう次を追いかけるようにして補正予算が出てくるものがなぜ最善の予算ということが言えるんですか。  また、政策転換が行われたか行われていないかについても非常に不透明であります。これは自民党の、外野席とはあえて言いませんけれども、外野席というよりもあるいは監督かもしれない、ベンチかもしれませんけれども、政策転換が行われたというふうに解釈すべきだと、はっきりと、あるいは間接的にそのようにおっしゃっています。政策転換が行われたとするならば、当然、金融政策の転換もそれに並行しなければならない。ところが、公定歩合の引き上げということはいまだに行われないままであります。  きょう、松下総裁に御足労いただいておりますけれども、松下総裁は、こうした政策転換が行われたという判断を日銀の中でされておるのかどうか。また、公定歩合を上げるか現状維持かという議論をされたときに、政策転換は依然として行われていないという判断に立たれたのか。この政策転換が行われたか行われていないかという日銀からの判断と、そして、公定歩合はなぜ据え置かれたままになっているのか。戦後五十年間、世界の先進国で、一%以内に公定歩合がかくも長き二年も三年も据え置かれた例があるかどうかもあわせて御答弁いただきたいと思います。

松下康雄日本銀行総裁

○松下参考人 初めに、私どもが現在とっております金融政策の姿勢につきましての御説明をいたしたいと思います。  私どもは平素、政府の経済政策も含めまして、そのときそのときの経済情勢全般の動きに対応いたしまして、物価の安定と、それを通じた持続的成長の達成という観点から、適切な金融政策運営に努めているところでございます。  そこで、現状の国内経済の状況でございますけれども、このところ、個人消費中心に内需減速の影響が生産面あるいは雇用、所得面にも及んできておりますので、現状、景気は停滞をいたしております。また、アジア経済の調整や金融機関の融資態度の慎重化などが実体経済に及ぼす影響につきましても、引き続いて十分な注意を払っていく必要があると判断いたしているところでございます。  私どもでは、こういった経済情勢を踏まえまして、現状、引き続き金融面から経済活動をしっかりと下支えをするということが重要なことであると考えておりまして、そういった認識のもとで、先週も、日銀政策委員会の金融政策決定会合を開催いたしましたが、その席上、討議の結果、当面これまでの金融緩和基調を維持するということを決定いたした次第でございます。  後段の、現在の低金利が非常に長期間継続している点についての御質問でございますけれども、御指摘がございましたように、現在の〇・五%という公定歩合の水準は、これは過去にさかのぼってみましても、前例のない低い水準の公定歩合でございます。  これを採用いたしましたときには、皆様よく御承知のような、二年有余前の非常な円高の影響あるいは構造問題に対しての重圧というようなもとで非常に経済が苦境に陥りまして、デフレのスパイラルに陥ることも懸念された、そういった情勢の中で、経済の下支えのために踏み切ったものでございます。  その後、今日までの間に相当の期間が経過しておりますけれども、この金利の水準によりまして企業の資金調達コストが非常に低下をいたしましたので、このことは企業収益の改善に役立ち、またそれが、ひいて、設備投資意欲を高めるとかあるいは生産の増加をもたらすというような効果もございました。それがひいて、雇用、賃金等につきましても緩やかな改善の原因になってまいったと思っております。  ただ、日本の経済におきましては、他面で、例えば金融システムに対するいろいろな不安の発生でありますとか、あるいはアジアの経済、金融・通貨不安の発生でありますとか、また、経済自体の中での構造的ないろいろの問題に直面をしておりまして、そういったものの影響から、経済自体の推移は、緩やかな回復の状況から、やや現状、総需要の伸びが力がなくなっているという状況に至るまで、現状でのこの緩和した金融政策の手直しができるような状況にはなかったということも事実であると思っております。  ただ、私どもとしましては、今後ともこの情勢の変化につきましてはよく見守りまして、適切に対応してまいりたいと思います。

岩國哲人民友連

○岩國委員 こうした一%未満に長い期間据え置かれる、そして二年半にわたって中央銀行が公定歩合を上げも下げもしない。高い給料をもらっていらっしゃる方もおられると思いますけれども、決して私は給料を公定歩合に連動させろとは申し上げません。しかし、心の中では、気持ちの上では、それぐらいの気持ちで、私は、ほとんどゼロに近い預金金利を受け取っておられる方たちの気持ちをいつも敏感に酌み取って仕事をしていただきたい、そのように思います。  大企業、そうしたところは確かに低金利で恩恵を受けています。しかし、今の不況の原因は、貸し渋りよりも私は買い渋りだと思っております。買い渋りを起こしたのは何か。消費税を上げたこと、同時に預金金利を下げたことじゃありませんか。毎年毎年四兆円の得べかりし預金利子が奪われている、使われたであろう四兆円が結局自分の手に入ってこない、そういうことが買い渋りの相乗効果を起こして、そして失業率は最低、失業者がふえるからまた不景気が深刻、したがってみんなはまたお金を使わない。  今の低金利政策は、結果的には今の不況の一番の根源をなしているかもしれないということをぜひお考えいただいて、私は、こうした、いつまでも毎月毎月何もしないで、公定歩合はいじりもしないという状態は、一日も早くお考え直しいただきたいと思います。  次に、視点を変えまして、行政改革についてお伺いしたいと思います。  総務庁長官も、総理にもお伺いしたいと思いますけれども、中央官庁が二十二省庁の体制から一府十二省庁に変わる、こういう今動きでありますけれども、私はこれは間違いではないかと思います。  私も、短い期間ながら地方自治体で責任者をしておりました。そうしたときに、今までよりも省の数が小さくなる、それは結果的に、一つの省庁が扱う財源が大きくなる、予算が大きくなる、権限が大きくなる、そして一人の大臣の権限が大き過ぎて、結局自分の省庁の把握もできない、そういうことにつながっていくわけであります。そうした今までの二十二の小さなふろしきに包まれていたものを少しずつ大きなふろしきにまとめ上げて、外から見えにくくなる。一つずつのふろしきは大きく、持ち運びも難しい。これを行政改革というならば、これこそ大ぶろしきだと私は思うのです。  本当の行政改革は、もっと小さくふろしきを分けることじゃないでしょうか。省庁の数を小さくすることは、大きな省庁、大きな権限、大きな財源、そして結果的には中央集権体制の強化に私はつながっていくと思います。  むしろ、中央集権体制を弱体化させるのであれば、小さな省庁を数多くつくった方がいいのではありませんか。無理にまとめるから、名前は長く、権限は多く、そして、大きな権力は大きく腐敗します。小さな権力は小さく腐敗します。なぜ大きな腐敗を生むような大きな省庁づくりを今考えておられるのか。  私は、これは逆転の発想で、思い切って省庁の数をふやす。名前は短くなる、権限は小さくなる、急に任命された大臣も自分の省庁の仕事はよく見える、政治家の感覚はそういう行政の合理化にもよく浸透する、そのような方向に一日も早く私は改められるべきだと思います。  長官の御所見をお伺いいたします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 先生も御承知のとおり、改革の本旨は、行政の簡素化、効率化、あるいはまた機動的、効果的な政策遂行能力を再編成することである、私はさように思っております。  したがいまして、ただいまのお話は、大きな力、大きな組織、大きな財政力、あるいは巨大な人的、一つの規制化された力、そういうものを一挙に集めれば、ますますそれは巨大化するのではないかというお話のようでございますが、私どもはさような手続、方式は一切否定しておるところであります。  御承知のとおり、官から民へ、民間にゆだねられるべきものは徹底的にゆだねてまいりますよ、あるいはまた、政府の既存組織あるいは事務事業そのものもこの際徹底的に、相当な血も出るだろう、あるいはまた摩擦も起きるけれども、この法律を制定していただきました後、省庁再編成までに徹底的なその辺の精査、洗い直しをやろうという前提もあります。  あるいはまた、さきにやっていただいておりまする規制緩和等も先生御承知のとおりでありまして、今先生が憂えておられる既存の品物、既存の人的要素というものをきちんと絞り込んでまいりました前提の私どもは一府十二省庁でございますから、言葉をかえて言いますと、二十一世紀において担うべき国家機能、あるいは課題解決を的確に推進するための精力的な、そして合理的な体制というものを整えるというのが大前提でございますから、ぜひさよう御理解をいただきたいと思う次第であります。  要約して申し上げますと、一府十二省庁体制というのは、むしろスリム化であり、それが最たる目標であり、そして集約化であり、決して逆の巨大化ではございません。そういうことを私どもは趣旨といたしておりますから、御理解をいただきたいと思います。

岩國哲人民友連

○岩國委員 長官のお言葉ではありますけれども、一府十二省体制ができた場合に、今のそれぞれの省庁よりはもっと小さな予算、小さな権限をはっきりと使うということが担保されない限り、これは全くスリム化とは逆行し、透明度をむしろ低下させる。大きなふろしきの中で何が行われるか、外から見えにくい。小さなふろしきに包みかえれば外から見えやすくなります。行政というのは、決して省庁の数を小さくすることがスリム化だということにはならない、同じ努力をするんだったら省庁の数をむしろふやす方向でやればもっと効果は出るということを、私は申し上げたかったわけであります。  地方行革について自治大臣にお伺いしたいと思いますけれども、前自治大臣は、市町村合併というこれからの行政改革、行政合理化について、一千程度の市町村という答弁をいただいたことがあります。自治大臣も、同じような市町村合併の目標として一千という数字を頭に描いておられるのか、あるいはもっと小さな思い切った数字を持っておられるのか、まずお伺いしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 お答えいたします。  市町村のあり方につきましてはさまざまな議論があるところでございまして、前白川大臣の千程度がよいと言われたその発言に基づいての御質問でございますが、市町村は、住民に身近な地方公共団体として、幅広い分野にわたる事業に取り組んで総合的に実施いたしておるところでございます。それぞれの行政分野ごとに望ましい市町村の規模は違っておりまして、また各地域においても重点的に取り組むものは違うと私は思っております。  さような意味で、市町村は地域の整備や振興を担う地域経営主体でございまして、地域が自立をするための振興、あるいは活性化を図る上でも、自然的、社会的条件の違いを考えなければならないのではないか。例えば、大都市周辺の地域と山村地域とではその実情が違うわけでございまして、このようなことは十分考えていかなければならない。  前提でそれを申し上げた上で申し上げますが、こうした観点から、地域を通じた市町村の適正規模を一律に論じたり市町村数を最初から定めることについては、これは難しいことではないのか、このように考えております。  白川大臣の発言につきましては、実は千程度と言われたことでございますが、これにつきましては、現在の市が六百七十、郡の数が五百五十九ございますから、このようなものを足しますと千二百程度になるわけでございますが、こういうことを勘案して発言をされたことではないのか、このように考えております。

岩國哲人民友連

○岩國委員 もう時間が迫ってまいりましたけれども、先ほどの本予算の審議あるいは補正との関連についても、私は、この国会の中で、やはり最善と思われるものであれば、審議は熱心にやるべきだと思います。それから、法案、例えば行政改革法案につきましても、自民党には自民党の、また内閣には内閣のお考えもおありだと思いますけれども、しかし、野党には野党の意見も、提言もございます。  私は、国会というところは、とりわけ委員会を中心にして、野党の意見も十分に入れながら、提案されたものをよりベターなものに仕上げていく、それが私は国会というところだというふうに誤解しておりました。  私がこの一年間見てきたものは、要するに何が何でも出されたものは、とにかく言葉一つ、数字は一円たりとも手をつけないで、オール・オア・ナッシングでとにかく通過させなければならない。そして、野党の意見は一つも反映されない。私は、そのような議会が本当に国民の信頼を得られるような法案を、あるいは予算をつくる場として機能しているのだろうか。  私は、人の意見も入れてよりベターなものに、人間のつくる予算、法案でありますから、ベストなものはあり得ないと思います。しかし、よりベターなものに一緒に作業をする場所が国会であり、委員会であるならば、私は総理に、これからのこうした本予算についても行革についても、一日も早く本当の、六つの改革より一番必要なことは、この国会の意識改革ではないかと思います。不毛の議論が繰り返されて、ただ時計を見ながら早く通せ、早く通せという、早く通せば何か成績が上がるかのような国会審議のあり方というのは、国民はさめた目で見ているのじゃないでしょうか。  少しでも野党の意見というものが盛り込まれて、与党の意見だけではなくて野党の意見も入れられたからよりベターなものができたと国民の皆さんに思ってもらえれば、私は、その方が政治不信の解消にもつながるのではないかと思います。  私は、出雲におりましたとき、総理の奥様がおいでになられたとき、出雲文化伝承館というところへおいでいただきました。それはお茶の道では大変有名なところでありますけれども、決して私は茶道そのものの専門家でもございません。しかし、お茶の言葉に、お茶は、作法というのは大変難しい、作法を守ることそれがすべてだ、そう思いこんでいる方が多いわけですけれども、茶道の達人宗旦は、吟味なき茶は茶にあらず。常に作法を壊してみせる。作法を変えてみせる。吟味なき茶は茶にあらず。  私は、国会の審議こそ、そういう意味の吟味が必要ではないか。そして、それが作法を超える。単に法案を手つかずで通す、あるいは予算がびた一文変えられないで通過してしまう、そういう場ではなくて、常にそこには英知をもとにした吟味がなされている。たとえ党派の違う立場の意見であっても、必ず国会ではそのような吟味が行われている、そのような場であることを私は念願いたします。  総理の御所感をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、今の議員の提言には、基本的に全く反論するつもりはありません。  私は、国会に議席を持つようになりましてから、随分長い間、社会労働委員会と言われる、厚生、労働関係の法案を扱う委員会に属しておりました。この委員会におきましては、与野党が政府の提出した法律案を修正する、そうした経験を随分多く持って育ってまいりました。  ただ、その上で、一点、私はお聞きをいただきたいのは、今国会におきまして、野党の方の御質問に対し、政策的な意味で評価をするという御答弁をいたしたことがございますが、その直後に、野党三党の国対委員長から我が党の国対委員長に対し、けしからぬという御注意をいただく羽目になりました。伺ってみますと、全体が伝わっていなかったようでありまして、その報道にあった部分のみをとられたようでありますが、これは大変心外であります。  私は、今までも、委員の方の御質問の中で、なるほどと思った御意見、同時に私はこう思うと感じた問題に、そのようなお答えをさせていただいてきたつもりであります。

岩國哲人民友連

○岩國委員 質問を終わります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて岩國君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時一分休憩      ————◇—————     午後一時開議

越智通雄自由民主党

○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小林守君。

小林守民友連

○小林(守)委員 民友連の小林守でございます。  私は、二十一世紀を目前にいたしまして、今日の我が国の現状は、金融破綻、景気、経済の低迷の中で、人々のモラルの崩壊、子供たちの心の荒廃がますます深刻になっているという状況、二十一世紀に向かってどのような日本の経済、社会、文化のシステムがつくられなければならないのか、深く思い悩んでいる一人でございます。千年に一度とも言える大世紀末の現状でありますけれども、これまでの政治や経済や社会のシステムがすべて行き詰まり、さらに新たな理念とシステムはまだ形成過程にある、こんな状況かと思います。  私は、きょうの質疑のテーマといたしまして、環境と開発の新しいあり方、そして国と地方との新しいあり方、こういう観点から質問をしていきたい、このように考えます。二十一世紀の理念と経済、社会のシステム、そして、それを支え運用する人のあり方、自立した市民に支えられる二十一世紀の経済、社会の姿形を、論議の中から明らかにしていきたいと考えているところであります。  環境と開発の新しいあり方という観点で考えるならば、別の言葉で申すならば、地球環境の保全と経済成長、こういうとらえ方もできると思いますし、また、人と自然との共生とか、科学と政治のあり方とか、こういう問題にかかわってくる切り口もあろうかと思います。  昨年の十二月に、日本が議長国として開催いたしました地球温暖化防止の国際会議、京都会議がございました。その中で、将来世代への責任とか、国家益、国益を超えた地球益、地球市民益というような考え方がひとしく国際社会の共通のテーマになり、京都議定書が採択されたということでございます。  そういう観点に立って、まず最初に、環境と開発の問題について、総理は、自民党の政務調査会長の当時、「未来につながる環境対策」という論文を「環境保全社会企業論序説」という本の中に投稿されております。そしてその中では「山登り屋として感じる経済発展と環境との不幸な関係」こういうテーマで論文を展開されておるわけでありますけれども、私自身も、このような観点から、今まで幾つかの言葉を思い出しているところでございます。  明治三十四年十二月に、第十六回の帝国議会開会式に出席された明治天皇の列に、足尾鉱毒事件の問題解決のために、天皇に走り寄って直訴をされた田中正造の言葉でございます。  御承知のように、足尾銅山の鉱害の問題で、渡良瀬川流域住民の立場に立って、必死になってその対策を訴え求めて、頑張ってこられた栃木県の先人でございます。義人とも言われている方でございますけれども、その田中正造は、真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし、こういう言葉を残しております。  また、現役でございますけれども、静岡県の掛川の市長さんであります榛村純一氏は、「随所の時代の生涯学習」という本の中で、もみじの美しいところは貧しい、水の清く澄んでいるところは人は住みにくい、緑の豊かなところは不便だ、こういう矛盾を「哀しい矛盾」という言葉で表現をされております。生涯教育に熱心な、地方分権の旗手とも言われる方でございますけれども、このような日本の地域社会の抱えている本質的な問題に、真正面から取り組んでおられる方の言葉だというふうに思います。  二十世紀の歴史は、大量生産、大量消費、大量廃棄による経済発展でありました。また、化石燃料、電力エネルギーの開発と技術革新が経済の発展に大きく貢献してきた時代でありました。そして一方で、CO2等の排出、夢の物質とまで言われた特定フロンによるオゾン層の破壊、そして今日では、環境ホルモン、ダイオキシンの問題、予測し切れなかった問題がクローズアップされ、人類の生存にとってもゆゆしき事態が多々発生してきていることも事実であります。  今日までの産業革命後の世界の歴史、そして日本の明治以来の近代化、都市化、工業化の歴史は、先ほどの田中正造の言葉をかりるならば、山を荒らし、川を汚し、村を水没させ、あるいは村落共同体を破壊し、人を殺してきた時代であったと思わざるを得ません。経済的発展と自然破壊の「哀しい矛盾」が険しい姿で目に浮かんでまいります。  橋本総理も「未来につながる環境対策」という論文の中で、経済発展と環境との不幸な関係ということをおっしゃっておりますが、この気持ちを大切にして、この矛盾やジレンマを解決していくための構造的な政策を生み出していくために、これからもぜひ政治に努力していただきたい、このように思うわけであります。  さて、政策課題の観点から、環境と開発について論議を進めていきたいと思いますけれども、昨年十二月の京都会議、この会議は、私は、科学が、科学的知見が、国際政治や経済を動かした人類史上二番目の事例と言えるものだと思っております。  ちなみに、第一番目というのは、一九八七年、オゾン層保護のためのモントリオール議定書であります。国際社会が、人類の存亡、破局を避けるために、英知を結集して、国益、さまざまな利害の対立を乗り越えて、協定をした最初のものがオゾン層保護の対策でございました。  そして、昨年の十二月に行われた気候変動枠組条約第三回締約国会議、地球温暖化防止の京都会議は、まさに第二回目の、人類の英知を結集した温暖化防止のためのスタートラインの約束だったというふうに思います。  さて、その京都会議の閣僚級会合の開会宣言で、橋本総理は次のように述べております。  「基本的認識」という部分では、「人類はこれまで、地球上の資源を利用し、特に、産業革命以来、大量の化石燃料を使用し、繁栄を築いて参りました。その一方、近年の爆発的な開発は地球環境に様々なゆがみを生じさせてきました。とりわけ、地球温暖化問題は人類の生存に直接関わってくる深刻な問題」と述べております。  さらに、温暖化防止の「第一の取組は、エネルギー効率の改善のための制度の整備です。 二酸化炭素の削減のために厳格なルールを定めることは、経済に悪影響を及ぼすと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。しかしながら、私は、きちんとしたルールの設定こそが、かえって、商品の品質向上や生産コスト削減のためのイノベーションの引金を引く契機となると考えます。そして、それが、設備投資を促進し、新たな需要を創出し、新規産業を生み出し、更には、地球環境の保全と経済発展のトレードオフを終結に導くのです。」このように述べられております。  そこで、総理、開発と環境の新しい関係のあり方について、京都会議の開会宣言の総理の言葉にもあられますけれども、先ほど取り上げさせていただきました総理の、経済発展と環境との不幸な関係、これをどう克服しようとしているのか。今日のグローバルな状況を踏まえて、現在のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 余り注目されませんでした論文だけに、ああしたものに目を通していただいていたことに、まずお礼を申し上げたいと思います。  その論文は、もともとはリオの環境サミットの際、ストロング事務局長から御依頼を受け、まとめましたものに多少加筆をし、その後の状況とわかりやすさを考えてまとめたものでございますが、そこに書きました考え方というものは、その中に引用いたしました環境庁の諸君の作業、並びに翌年の公害白書に関する考え方を含めて、今日も変わっておりません。  その上で、まさに京都会議直後、内閣としては、私が本部長になりまして、地球温暖化対策推進本部を設置いたしました。そして、地球温暖化対策の今後の取り組みというものについて方向を決定いたしましたが、今後、この問題を内閣の最重要課題の一つとして、このとき、日本が挑戦する目標として渡されました六%の削減目標の達成というものに向けて、具体的であり、かつ実効の上がる対策というものを総合的に進めていきたいと考えております。  お許しいただいて、多少補足したいと思いますが、この六%の削減目標そのものにつきまして、当面、私どもはこのような方針で進もうと考えております。  まず第一に、CO2、メタン、亜酸化窒素の排出量につきましては、平成九年十一月の関係審議会合同会議のとりまとめによりまして、従来の、京都会議が始まります以前の日本提案のベースとなっておりました、エネルギー需給両面の対策や革新的技術開発、国民各界各層のさらなる努力などを着実に進めていくことによって二・五%の削減を達成する。  次に、HFC、PFC、SF6の排出量につきましては、これを何とかプラス二%程度の影響にとどめるように、極力排出の抑制に努力をする。  また、吸収源につきましては、京都議定書の規定では、〇・三%の削減が見込まれているわけでありますけれども、これから二〇一〇年ごろまでに、我が国の森林造成の努力の中で、我が国全体の森林などによります純吸収量が三・七%程度と推計をされておりまして、今後の国際交渉において必要な追加的吸収分が確保されるように、適切な方法論などの確立に努める。  同時に、今回、制度の導入が決定されました共同実施あるいはクリーン開発メカニズム、排出権取引などの活用を図る。  日本としては、こうした対策を進めていくことにおいて、国内経済へはそんなに大きな影響をもたらさずに目標達成を実施できると考えておりますが、これは、議員今お触れになりましたように、日本だけの問題ではございません。  それだけに、今後他の国々に対しましても、日本の技術を提供する、あるいは、かつて日本自身が公害列島と言われるような環境汚染を体験し、これを克服することに大変なエネルギーを注いできたわけでありますが、その経験、発生の原因からこれを回復するに至るまでのすべての経験も提供することによって、これ以上の地球全体の環境の悪化を防ぐ努力をしてまいりたい。既に、例えば環境庁創設以来のプラス、マイナス、これはオーストラリアの環境庁が生まれるとき、非常に大きな役割を果たす、またそれだけのデータの提供もいたしてまいりました。  今後におきましても、そうした努力も一方では積み重ねていきたい、そして国内だけではなく国際社会においても、より健全な環境を取り戻すための努力をしていきたい、そのように思います。

小林守民友連

○小林(守)委員 総理の認識に変わりはないというようなお話もございました。  私は、環境と開発の問題については、どなたも、バランスのとり方とか、要は環境へ配慮した経済の成長とか、そういう考え方というのは理解されている時代状況だろうというふうに思うんですけれども、実は、具体的な問題にかかわっていろいろと見ていきますると、決してそうではない。なかなか、その考え方というものが具体的な利害の問題のところにかかわると、もとに戻ってしまうみたいな、先祖返りの発想に押し戻されてしまう、こんなことが多々見受けられるわけであります。  そんなことがございまして、一つただしておきたいというふうに思いますのは、日本案が、五%削減という案が提案されたわけでありますけれども、その五%の中身も極めて抜け穴の多い、我々そのように見ておりますけれども、抜け穴の多い五%であったわけでありますけれども、実はその案が決まる過程の中で、大変な問題を感じたことがございます。  これは九月二十九日のマスコミ発表の記事でございます。通産省は、CO2、九〇年比五%削減なら、二〇一〇年には雇用が百十七万人から百七十五万人減る、そしてGDPが一・七%から二・六%減少する、減るというようなことを大々的に、これは一マスコミではなくてほとんどのマスコミに出ておりますから、試算を発表したというものが出たわけなものですから、どういう趣旨で出されたのか。少なくとも、五%削減するとこのような悪影響が日本の経済社会にあるんですよというような、おどしとも言えるような試算の発表があったわけであります。  基本的には、EUではもう一五%削減、もちろんEUバブルという方式の中での話でございますけれども、アメリカはゼロ%以下だというような意向が出されていた。それにつられるかのように、日本も、環境庁と通産省では相当厳しい議論がなされてきたというようなお話を聞いておりますけれども、通産省はこの時点でこのような大々的な後ろ向きのアピールというか、後ろ向きの試算を発表したわけでありまして、こういう試算がどのようにして出されたのか。  そして、通産省は、少なくとも総理が開会宣言のあいさつの中で申し上げたいわゆる経済と環境との関係、これについては全く関知していないような、全く、ただ単に現在までの高度成長とか、そういう路線の上に立った考え方にしか立っていないのではないか、そういうことを恐れるわけであります。  まさに非常識というか、国際社会からも笑い物にされたわけでありますけれども、この辺について、少なくとも総理の演説内容と違うわけでありますから、通産省としては、この京都会議における六%の削減という議定書、そして総理の発言、これらについてどのように今受けとめているのか、考え方を変えるのかどうか、その辺について明らかにしていただきたいというふうに思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えをいたします。  先ほどの、アピールとおっしゃられた数字については、私はちょっと理解をいたしておりませんので、後ほどエネルギー庁長官から御説明を申し上げます。  エネルギー起源の二酸化炭素の削減対策というものにつきましては、昨年の地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会の合同会議において、最大限の省エネルギー対策など、エネルギーの需給両面にわたりまして、ぎりぎりの政策努力を積み上げてきたところでございます。これらのぎりぎりの政策努力を総動員いたしましても、エネルギー起源による二酸化炭素の排出量は、二〇一〇年における排出量を一九九〇年レベルにとどめるということが精いっぱいだということでありました。  こういう厳しい状況でありますので、さらなる二%の削減のためには、現在の想定を超えた技術的な革新、あるいは国民各層におけるさらなる協力を期待することによって初めて可能になる、大変な努力目標でございます。  しかし、先ほどの総理のお話のとおり、この目標に向かってしっかりと取り組んでいかなければならないという決意のもとに現在取り組みをいたしておりまして、現在、総合エネルギー調査会需給部会におきまして、関係審議会の合同会議における先ほどのエネルギーの需給両面にわたる問題について、当面、ぎりぎりの政策努力の実現を目指しまして、長期エネルギー需給見通しの改定の審議を行っているところでございます。  この審議を通じて、経済の成長、エネルギーセキュリティー及び環境保全の調和のとれたエネルギー需給構造を示しまして、COP3で定められた目標の達成に寄与すべく最善の努力をしてまいる覚悟でございます。  数字につきましては、エネルギー庁長官から説明を申し上げます。

小林守民友連

○小林(守)委員 総理がそういう方向で決断されたわけでありますから、とにかく省益みたいな、また業界益みたいなそういう立場を超えて、少なくとも環境行政と通産行政がこれからしっかりと手を結んで、十分連携をとってやっていってもらわないと、日本は本当にどうなっているんだというようなことになるのではないかというふうに私は思えてなりません。  それで、エネルギー需給の見通しとか、そういうところの細かい数値については後の議論にさせていただきまして、要は六%削減というのは国際的な法的拘束力を持ったものでありますから、日本の都合でできなかったというわけにはまいりません。  そういうことで、少なくとも先ほどの総理のお話の中で、温暖化対象物質である対象六ガスですね、これらについてのお話がございました。数値的にいうと、炭酸ガスとかメタンとか亜酸化窒素、これで数%下げて、そして代替フロン、いわゆるHFCとかPFC、パーフルオロカーボンとか、そのほかの六弗化硫黄とか、こういう新たな物質については、特定フロンのかわりの物質として、オゾン層を破壊しない物質として開発して進められてきたというような経過もございまして、すぐ取りかえろ、すぐに製造を禁止しろというのもなかなか難しいのは現実の話として私もわかるわけなんですけれども、これらについては、どうしても三・五%ぐらい、このままだと、もう現状で既に三・五%ぐらいの温暖化係数の物質としてカウントされる、それを何とかプラス二%ぐらいに抑えようではないか、こんな数字が出ておりました。  ということになりますると、吸収源の問題とか排出権の取引の問題、極めて不確定な基準、ルールでありまして、何とも言えないものなのですけれども、少なくともその六ガスの中で、CO2それからメタン、亜酸化窒素でマイナス二・五%という数値は既に政府で発表されているわけですね。  ということは、炭酸ガスにかかわる削減はどういう数値を考えられているのか。メタンや亜酸化窒素の場合は発生源がある程度特定できる。しかし、確かにメタンでも畜産とか耕地とか、土壌から出てくるメタンの場合はなかなか測定方法もわからぬというのが現実の話なのですけれども、しかしながら、一定の排出源を特定することによって、〇・五%ぐらい削減できるのではないかというような科学的な試算も出されているようでありますから、ということは、CO2において二%削減しなければならないということであります。ということは、相当厳しい取り組みが要求されているというのが現実だろうと思うのですね。  そういうことで、通産省にもう一度お聞きしたいのですけれども、エネルギー需給見通しも含めて、炭酸ガスの排出削減、九〇年比でマイナス二%ということは、現在既に九〇年から九%ぐらい日本は温暖化ガスがプラスになっておりますから、少なくとも一〇%以上の炭酸ガスの削減を求められているということになります。その辺の決意や覚悟や計画があるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

稲川泰弘資源エネルギー庁長官

○稲川政府委員 御指摘のございましたように、世界では三ガスでマイナス二・五%というものを、努力目標を含めた対象と考えてございます。  具体的には、御指摘のございましたように、メタン、〇・五マイナスでございますが、それから炭酸ガスは、主にエネルギーでございますけれども、いろいろな対策を含めて九〇年レベルで安定化する。御指摘のように、今からいえばマイナス一〇%強の削減でございますけれども、それに向けて努力をし、さらに通産大臣が申し上げましたように、今後の、今は予見できないような技術開発、国民の努力などを重ねて、三ガスでマイナス二・五を実現に向けて最大限の努力をするということでございまして、こういう前提のもとに、御指摘のございました総合エネルギー調査会でも、その政策的対応のあり方という観点で検討を行っているところでございます。

小林守民友連

○小林(守)委員 少なくとも相当厳しい法的な規制、それから経済的な手法、それから国民のまたは業界団体の自主的な取り組み、このような最低三つぐらいの手順や手法を総動員しながら取り組んでいかないと、とてもとても達成できる数字ではなかろう。  しかし、人々の意識の変化というのですか、この温暖化の問題で世論調査をした結果が、ちょうど五%削減の問題のときにありました。国民の多くは、一九八五年レベルでもいいから温暖化防止には取り組んでほしい、そのためにはエネルギーの節約とか資源の節約には協力するのだ、アンケートではこういう多くの支持が出ているのですね。  そういうことで、国民の意識からいうと、温暖化防止のために、環境保全のために、一定の生活の不便さとか、そういうものは甘んじようというような考え方が非常に出てきているということを決して忘れてはならないというふうに思いますし、また、国民の多くの中で、やはりライフスタイルの改革とか、そういうものを求めていこうではないかというような考え方が非常に広まってきているのは事実でありますから、ただ単に今までの経済政策それからエネルギー政策の延長線上で、二十一世紀の日本はこうあるべきだ、国際競争に勝っていくためにはこうしなければならぬというようなただ単なる延長路線上の考え方では、到底これは解決できる問題ではないし、達成できる問題ではなかろう、このように思うわけです。  そういうことで、やはり国民全体のライフスタイルやさまざまな考え方を変えていく。そういう取り組みが前提にあって、もちろん技術の開発とか、それから税、財政、金融にかかわる経済的手法の導入によってインセンティブを与えていく。こういうことを総動員することによって、達成がだんだん加速度的に、削減していく数値が、また率が加速度的に高まっていくのではないか、このように私は予想しているわけでありますが、そのためにも、相当思い切ったあらゆる政策を動員しなければならないということになろうかと思うのであります。  そこで、現在、通産省の方が直接所管でございますが、省エネ法の改正案について今国会に出されることになっております。エネルギーの使用の合理化に関する法律ということでございます。  今お話ししたように、温暖化防止のための炭酸ガスの排出抑制というのは、極めて重大な最大の課題になっているわけであります。この辺について、私は、少なくとも、通産省の一つの縄張りといっていいかどうか、通産省の論理は論理で、あると思うのです。エネルギーの長期安定的な供給を確保していかなきゃならぬ、こういう課題は、通産省の行政課題としてあると思うのです。  しかし、環境行政の立場から見た、温暖化防止の立場から見たエネルギー行政というのはまた当然あるわけでありまして、これがそれぞれ省庁省庁ごとにやっていくと、やはり京都会議の数値の問題のように、それぞれがその自己の省益みたいな、または自己のかかわる産業界の要望とか事情によって数値を出していってしまう、こんなことが起こってしまうわけですね。  そういう観点で、できるならば、エネルギー需給の長期見通し、現在これが改定作業に入ったというふうに聞いておりますけれども、省エネ法の改正も含めて、私は、環境行政と通産行政が最大の連携を深めて取り組んでいかなければならない問題ではないのか、このように思うわけであります。  しかし、省エネ法の改正の中で、調べてみましたらば、この法律の中では、通産大臣は、建設大臣や運輸大臣とは協議することになっております。政府の閣議決定を受ける前に、通産大臣が、建設行政や運輸行政にかかわる部分について協議をすることになっている。特にエネルギーの使用に関してのことですからそういうことになるんだろうと思うのですけれども、そこに環境庁長官は入っていない。こういう現実がございます。エネルギーの問題に対して、CO2の問題を最大の問題として掲げていられながら、日本の法体系の中では環境庁長官が物申すことができていない、こんなことが実態としてあるわけであります。  実は、総理が先ごろ書かれた論文の中で、環境庁はあらゆる行政にとにかく片っ端から口を出していける、そういうふうにならなければだめなんだということを言っております。もっともなことだというふうに私は思うわけなんですが、これ、読んでみますか、出ていますから。  そういう観点からいうならば、少なくとも、今度の省エネ法の改正の中で、なぜ、環境庁がこのエネルギーの問題について協議を受けられる立場に法的にも保障されていないのか。運輸大臣と建設大臣はきちっと法文に書かれているんですが、環境庁長官は入っていないのです。話では、環境と開発、経済成長というのは調和していかなくちゃならぬと言っていながら、具体的な問題になると外されているんですね。  環境庁長官、どうですか、これ。けしからぬじゃないですか。

大木浩自由民主党環境庁長官

○大木国務大臣 今の省エネの法案につきましては、まさしく今ちょうど調整中でございまして、今先生のおっしゃいました、建設省やほかのところは入っておるけれども環境庁は入っていないという姿ではなくて、通産省が一応その主管官庁でございますけれども、どこまで各省庁が協議にあずかるかということについて、まさに今協議中でございます。  私どもとしては、当然に、環境の立場からいろいろと意見を申し上げるということは保障させていただきたいということで、ただ、形につきましては今議論中でございますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。

小林守民友連

○小林(守)委員 環境庁長官は少し遠慮されてお話しだったと思いますが、環境委員会の中で我々が質問すると、もっと強い言葉が出てくるはずなんでありますが、まあこういう席ですから。  それでは、通産大臣にぜひ聞きたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  地球環境問題への取り組みは政府全体の最重要課題の一つであると認識をいたしておりまして、私自身その重要性は十分認識をいたしておりまして、関係省庁と十分に連絡をし、連携をし、対応に万全を期していく所存でございます。  省エネルギー法の改正法案につきましては、今国会に提出をするように現在政府部内で準備を行っているところでございます。関係省庁と十分調整をした上で、国会で御審議をいただくことになっております。  御指摘の基本方針につきましては、現行法においても、関係省庁との連携を担保するため閣議の決定を経ることとなっておりまして、法改正後におきましても、引き続き環境庁を初め各省庁と密接な連携を図っていく方針でございます。

小林守民友連

○小林(守)委員 法改正後では困るんですよ。やはりその法改正の中できちっとした、第三条の中に運輸大臣、建設大臣も協議に、きちっとこれは法的に位置づけられているのですよ。三条の中に環境庁長官が入っていないということは、やはりエネルギー政策は根本的に、まだエネルギーの安定した供給確保だけが主眼であるということしかないんですよ。だめですよ。これは三条にきちっと入れるという形での確約をしてもらえませんか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 先ほども申し上げましたように、提出前には各省庁との連携をしっかりとった上で閣議の決定をとって提出するものでありますから、その際にいろいろの御意見を承るようにいたしてまいりたいと思っております。

小林守民友連

○小林(守)委員 総理、環境と経済開発との不幸な関係を打破していく意味でも、新しい関係をつくっていく意味でも、きちっと、少なくとも協議の場には常に口が挟めるというか、環境行政の視点から、環境への負荷の最小化というような視点から、やはり環境庁が物を申すことができる、少なくとも法的な制度の枠組みはつくるべきじゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 例えば、中央省庁等改革基本法の中におきまして、府省の間の政策調整の制度の整備に関する規定を設けておりますが、特にその環境の部分、環境省という形を考えております。その編成方針として、他の府省が所管する事務及び事業について環境の見地から必要な勧告などを行うこと、及び環境行政における横断的な調整機能を十全に発揮すること等の規定を盛り込んでおります。  私は、新しく設けられることになるであろう環境省、今とは全く違った新たな機能あるいは業務を所管することになるわけであって、適切な調整を行っていくことになると思います。  今の議員の御指摘、それ以前の問題として今日ある問題につきましては、今政府部内の調整を行っているという御報告がございました。その中で適切な調整が図られるように注意していきたいと思います。

小林守民友連

○小林(守)委員 少なくとも形の上からも、法文上に環境庁長官とも協議するというようなことが必ず入れられるように。確かに具体的な編成方針の中では、環境行政で、それから地球環境の温暖化の問題で、大切なんだという言葉は入っているんです。しかし、法律本体の中に環境庁長官との協議の部分がないんです。これはやはり問題だというふうに思いますので、ぜひ、首相のリーダーシップのもとで、少なくとも新しい環境と経済開発との関係をつくり上げていくように御努力をお願いしたい、このように要請しておきたいと思います。  それでは次に、先ほども申したとおり、やはり二十一世紀に向かって、私は、理念や経済社会のシステム、そしてそれを支える人づくりというものが極めて重大だというふうなことを申しておきましたけれども、今日、子供たちの教育現場は大変荒れているわけであります。  特異な事例かどうかはわかりませんが、象徴的な事件として、神戸須磨区のあの事件、そして最近の我が栃木県の黒磯市における中学生の教師の刺殺事件がございました。子供を持つ親にとっても、また教師自身にとっても大変ショッキングな出来事でございました。  なぜ、こういうことが起こるのか。大変心を痛め、そして対処をしたい気持ちはありながらも、どうやったらいいのか、なかなかその方策が見つからない問題だというふうに思っております。  宇都宮家庭裁判所の島田裁判官は、この生徒を教護院に送致するという保護処分の決定に際しまして、その理由として、「少年はいまだ事件の重大さや深刻さを十分に理解できていない面があると見受けられ、生命の尊さを教えて、今後どのように生きていくべきかを学ばせることが必要だ」、このようにその処分の理由の中で述べております。  私も、命のとうとさというものをきちっと教える、どのように生きていくべきかということを子供たちにきちっと語っていく、教えていく、これが今の教育の中で欠けている大きな柱ではないのか、このように思えてならないわけであります。  もちろん文部省といたしましても、中教審の答申においても「生きる力」とか、今日では「心の教育」とか、そういうさまざまな提言や審議をしていただいている状況でありますけれども、先ほど冒頭に、田中正造の、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべしというような言葉、榛村氏の「哀しい矛盾」、こういうようなものが、私は、今日までの経済社会のゆがみがやはり子供たちの中に象徴的にあらわれているのではないか、このように思えてならないわけであります。  子供たちは、あり余る情報の中で、本当に必要な大切な情報は極めて少ないのではないか、真実の言葉を与えられていないのではないか、こんなことを強く感じているわけでありますし、また、教師自身がいかに生きるべきかという理念を語る場が欠けているのではないか、このようにも思えてなりません。  ちなみに、江戸時代の良寛というお坊さん、俳句を物する有名なお坊さんがおりました。江戸時代といえば、もちろん封建社会の方であります。封建社会でありますけれども、しかし、物質循環の観点から見ると、まさにリサイクルな、物質循環の時代だったんですね。  そういう時代背景をもとにして、ある人が良寛和尚に、幸せとは何かということを問うたそうであります。そうしたらば、良寛和尚は、「焚くほどに風のもてくる落葉かな」、こういう俳句で、幸せとはこういうものだということを示したそうであります。「焚くほどに風のもてくる落葉かな」。要は、飯を煮炊きする落ち葉を風が運んできてくれるじゃないか、これが本当の幸せだというようなことを実感するというような言葉だったろうというように思いますが、解釈はもうちょっと別のこともあるかと思いますけれども。  もう一方で、同じ新潟県出身の方で、まさに高度経済成長時代の我が国の宰相であった田中角栄氏は、幸せとは何かという質問に対して、道をどんどんつくり、山や森を切り開いていくことが幸せにつながるんだ、こういうことをはっきり言っているわけであります。  これは非常に極端な話をちょっと取り上げているわけなんですけれども、時代の経済社会の仕組みの違いが、こういう幸せの考え方の違いにあらわれているんだと思います。もちろんそういう時代時代があったわけですから、それぞれを今の視点から批判するのはたやすいことでありますけれども、その時代時代のやはり背景があった言葉だというふうに思うんです。やはりこれからの子供たちに対しても、幸せとは何なのかということを教育の現場で議論するような、話し合うようなことが求められているのではないかな、このように私は考える次第であります。  そういう点で、命のとうとさとか「生きる力」とか「心の教育」という、その前提となる、基盤となるものは、やはり人と自然とのかかわり方、命とのかかわり方、我々三十六億年の歴史の過程の中でほんの一瞬の生命を与えられているんだというようなことを考えるならば、子供らにも、命への慈しみみたいな、そういう共生観というか友愛観というか、そういうものを、やはりいろいろな教材を用いて、自然観察を通してもいいでしょう、動物や植物を飼育する、育てる、そういう作業を通して得ることも大事だと思います。あらゆる文学作品や過去の人たちの言葉、自然とのつき合い方、そういうことの中からも学べると思うんです。  そういう教育の視点に立って環境教育というものが求められているのではないか、私は、こんなふうに考えているところでございますけれども、文部大臣として、命のとうとさを教える教育というのはどういうことなのか所見を伺い、今後、環境教育をどのように進めていかれようとするのか。  これは、別に環境教育という言葉じゃなくても結構です。命の大切さ、自然とのかかわり、これをきちっと教えていく。私は、二十一世紀の地球環境の時代に生きる人間というのは、循環型の経済社会でなければならないという考え方を持っておりますが、そういう視点に立った教育理念というものがあらなければならないのではないか、このように考えますけれども、文部大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 今、小林委員から、良寛ら田中角栄まで、幅広い、歴史的な洞察に立っての、あるいは足尾銅山のお話等々、大変感銘深く、また考えさせられる御質問をいただきました。  短い時間ですべてお答えをし尽くすことは大変難しい問題だと思っておりますが、やはり、今御指摘のあったこの環境の問題は、何といっても、これからの社会経済システム全体についてのあり方、あるいは個々人の生活様式、あるいは社会全体の生活様式にかかわる非常に大きな問題を内包しているテーマであろう、こう考えております。  したがいまして、特定の分野で環境ということを、例えば学校教育の中で取り上げるということは難しゅうございますが、理科とか社会とか、あるいは特別活動とか、あるいは道徳の時間とか、あらゆる機会を使って、環境の問題について子供たちに考えさせる、そういうきっかけを与えるようにということで取り組んでおります。  もとより、学校だけではなくて、家庭の中でもそうでしょうし、あるいは地域社会でも、公民館とか博物館、そういったいろいろな機会を通じて環境について子供たちが考える。そして、今委員御指摘のように、自然に触れることの重要性でありますとか、あるいはそれを通じて環境を守ることの重要性ということで、かなりはっきりとした意識を持って、例えば学校教育の場でも環境という言葉を使い、学習指導要領の中でもそのことにしっかり触れてございます。これからも、さらにこの点は充実をさせていきたい。  例えば、新しい教育課程を今準備しているところでございますが、総合学習の時間というのをつくろうかな、こういうことを今検討してございます。例えば、そこの中で一つ大きく取り上げる、要するに、理科とか社会とか分断されたものではなくて、総合学習の時間で、含めてそこでトータルの環境問題を一年かけて取り上げるといったようなことも大変有効なのではなかろうか。  そのようなことで、今後とも環境教育の充実に向けて最大限の努力をしていきたいと考えております。

小林守民友連

○小林(守)委員 それじゃ、次に、砂漠化防止条約の締結の問題について、お聞きをしたいと思います。  砂漠化というのは、まさに地球環境問題の大きな問題の一つでありますけれども、なぜ砂漠化が進むのかということについては、科学的には、いわゆる先進工業国の資源の多消費、そして、炭酸ガス等の地球温暖化、気候変動というような形によって砂漠化が進行するというようなことが一つ言われます。  それからもう一つは、いわゆる貧困で、飢えている、そういう途上国の人たちが、貧困ゆえに人口増というような形で、さらに、食糧を求めて、その土地の生産力以上に、オーバーした耕作とか、それから動物等の飼料をそこでとってしまう、さらには燃料としてどんどん切ってしまう、こういう問題が重なって、南の国の内部的な原因による砂漠化も進行する。  もちろん北の工業国の、飽食の国と言われますけれども、飽食の代償として、その結果、遠い国ではまさに砂漠化が進んでいる。こういう、北と南が同時にこの地球上において砂漠化を進めてしまっているというようなことになろうかというふうに思うわけであります。この砂漠化の問題について、ただ単に途上国の問題だけではなくて、これは、そこから資源をいただいている、それから労働力をいただいている、地球環境は一つであるという観点に立つならば、まさに先進工業国の責任でもあるわけです。  そういう観点に立って、この問題についても、九四年に条約が採択されたわけでありますが、日本はどうなっているのか。まだ条約は批准していないというようなお話を聞いたものですから、何をやっているんだというようなことで、少なくとも京都会議の議長国としてやったからには、率先してこれは批准をしていかなければならない国際的な信用の問題だというふうに思えてならないわけであります。  もちろん、条約はまだ批准していないようでありますが、日本としては、砂漠化に対して緑化のためのODAとかそういう活動は一生懸命やっているということは認められるわけでありますけれども、しかし、何といっても、例えば熱帯林の乱伐、どんどん木を切って日本に輸入してきた。最大の緑の収奪の先進国である日本の責任として、この砂漠化の問題については、それは罪滅ぼしということではないんですけれども、責任があるということは最大の課題であろうというふうに思うんですね。  そういう点で、この砂漠化防止条約について早急に批准をすべきではないか、こういうことを申し上げたいわけなんですが、現状はどうなっているのか。外務大臣または環境庁長官にお聞きしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 委員御指摘のように、世界の中で非常に砂漠化が進んでおるという事態は、大変憂慮すべき状況だろうと思います。そういう意味で、我が国は、我が国自体は緑濃き国土を持っておりますので、比較的感覚的にこういった問題の取り組みが、国民全体の意識としてまだ十分だと言いがたいところがあります。  ただ、今御指摘のように、ODAその他を通じまして、中国の砂漠化の問題、アフリカの問題等につきまして積極的に参加いたしておりますが、条約といたしましては、砂漠化防止条約というものに既に署名をしておりまして、この批准のために、現下、政府としてはその作業を全力を挙げて努力いたしておりまして、十一月には第二回の締結国会議が開かれるんだそうでございますので、願わくはぜひそれまでにということで、今全力を挙げて努力いたしております。  昨年は、御案内のように、温暖化防止条約京都会議というところでこの問題に精力的に取り組んでおりました。であるがゆえにとは申しませんが、一生懸命この問題も取り組みまして、できる限り早い機会に、早期に実現できるように、引き続いて努力をいたしてまいりたいと思っております。  ちなみに、この条約につきましては、今そうしたことになっておりませんが、日本としては、いろいろな資金を拠出いたしまして、この砂漠化防止につきましては全力を挙げて御協力申し上げていることも事実でございます。

小林守民友連

○小林(守)委員 環境庁長官の砂漠化に対する認識と今後の取り組みの姿勢について、ちょっとお聞かせいただきます。

大木浩自由民主党環境庁長官

○大木国務大臣 もう既に先生の方からもお話がございましたように、実質的には、砂漠化の防止については、いろいろと各国と協力を進めております。  ただ、今批准がおくれておりますのは、今御説明ございましたように、むしろ、多少、国会の方のいろいろと提出する順番等がございまして、実は正直に申し上げて、処理し切れなかったというのが状況でございますけれども、外務省にもお願いいたしまして、できるだけ早く批准をしていただくように努力しておりますので、そういうことで御了解いただきたいと思います。

小林守民友連

○小林(守)委員 何か、京都会議で、温暖化防止の数値目標の問題で、世界の環境NGOとかEUなどの諸国から、また北欧の諸国の皆さんから非常にひんしゅくを買っていたというか、批判を受けていた日本とかアメリカとかオーストラリアとか、この辺の国々がまだ批准をしていないんだそうなんですね。  なぜしないのか、ちょっと理屈がわからないんですが、日本の場合は温暖化防止のための取り組みで忙しかったということなんでしょうか。それが理由になるのかどうか、ちょっと納得いきませんので、何か事情があったのかどうか、何かクリアしなければならない国内的な対策の問題があったのかどうか。これは怠慢そのものではないのかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

大木浩自由民主党環境庁長官

○大木国務大臣 先ほど外務大臣からも御説明がございましたけれども、別に怠慢というわけじゃないのですけれども、条約が非常に多かったものですから多少おくれたということは、実は正直に申し上げてそういう事情はございましたけれども、実質的に国内的に問題があるということではございませんので、専ら早くひとつ批准手続をしていただくということで、国会にも、含めてお願いをしておるところでございます。

小林守民友連

○小林(守)委員 そうすると、六月までの今国会に出されるということで確認してよろしいのでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 精力的に今作業を進めておりまして、国会がなければこれは批准に至りませんのですが、最善を尽くして努力をしてまいりたいというふうに思っております。ただ、この時点で、何月までということを申し上げられないことは申しわけないと思っております。

小林守民友連

○小林(守)委員 随分時間が過ぎてしまいまして、まだまだ三分の一ぐらいしか進んでおりません。  そういうことで、次の一般質疑の場でも引き続き環境と経済の関係から、特に二十一世紀に向かって、先ほども申し上げさせていただいておりますが、やはり資源循環型の、物質循環型の経済社会を展望していかない限り、やはりもたなくなっているというふうに私は強く感じておりますし、その辺の物質循環の、資源循環の経済社会をどうつくっていくのか。  そのために、先ほどから申し上げましたように、あらゆる国の行政に対して環境行政という視点から物が申せるというか、常に環境の視点で環境負荷の最小化とか物の流れ、物質の流れを総体的にチェックしていく、しかも全部ごみに出していかない、廃棄物にしないような仕組みをつくらせていくとか、それからエネルギーの効率の問題もありますけれども、CO2の視点から温暖化物質の問題。  例えばフロンの問題で一言例で言うならば、要は、オゾン層は破壊しない物質を代替フロンとしてつくった。しかし、これはCO2換算ではとにかく千倍から二万倍近い温暖化の効力を持ってしまう物質なんですね。しかし、今この代替フロンについてはどうにもならぬ。今すぐこれをやめなさいと言ったら、じゃ自動車はどうするのですか、カーエアコンはどうするのですか、それからルームエアコンはどうするのですか、冷蔵庫はどうするのですかということで、新たな技術開発もまだできていない。これをすぐやめなさいというふうにやはりなかなか言えませんね。  しかし、近い将来、これは代替技術なり代替物質でやはり考えていかなければならない問題だろうというふうに思いますし、温暖化の数値を下げるためにも、削減する数値からいっても、相当これは、やれば数値にすぐあらわれてくる、カウントできる施策だと思います。  ですから、特定フロンのオゾン層破壊の物質を生産しないという形になりましたけれども、そのかわりの物質が今度はとんでもない温暖化の物質だったということになるわけでありまして、やはりエネルギー行政だけではどうにもならぬという時代が来ているのじゃないでしょうか。  例えば環境ホルモンの問題とか、そういう問題を考えても、非常に便利で軽くて効率的なプラスチックとか、そのほかのそういう化学物質が大変な問題を引き起こしてしまっている。生殖毒性の問題など本当によくわかりませんけれども、何かあるというようなことが大分科学者の知見の中で明らかになってきているようであります。  少なくとも、いわゆる工業社会的な論理だけでこれからの経済社会というのは成り立たないし、人間が最後には自分の首を絞めてしまうということになるわけでありますから、やはり科学者の知見を集めた健康被害の未然防止、そういう観点からも、ぜひ環境行政が責任を持って、もちろんそれは厚生行政もあると思います。人の命、健康を守るための厚生行政の責任もあるでしょう。  しかし、生態系の上にある人間の命というものをきちっと科学的に百年先まで展望するような、そういう科学的なものの集積を持って、未然に、事前に評価して、そして警告をする、方向選択を過たらしめない、そういうことが今求められているのではないかな、このように思いまして、とりあえずそういう点で、まず環境行政が、また命を守る厚生行政が、それから人権を守る、命を守る教育行政が、あらゆる面で物申すことができるような、省庁再編の柱として、従来ずっと今日までも議論されているわけであります。  省庁再編の中に、そういう二十一世紀の重要な政治課題、政策課題の柱で、あらゆる行政が点検できる、また意見を申し上げられる、協議できる、そういう仕組みをつくり上げていかなければならないのではないか、このように私は考えているわけでありますが、省庁再編の問題とか、国と地方の新しい関係のあり方等については次回に譲りまして、私の質問を終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて小林君の質疑は終了いたしました。  次に、前原誠司君。

前原誠司民友連

○前原委員 まず、沖縄の基地問題につきまして、御質問したいと思います。  総理と、まず二年前の状況について、回想をともにさせていただきたいというふうに思っております。  二年前の二月、私、当時さきがけにおりまして、安全保障の担当をしておりました。二月に、中山太郎先生を団長として、自社さで米軍基地問題の調査プロジェクトチームというものの一員として、私もワシントン、ホノルルにともに行きました。  その二月の初めの状況はどういう雰囲気、アメリカがどうだったかといいますと、普天間の返還などというものはとんでもない、米軍の兵力の話し合いをするなんということはとんでもない、こういう状況でございました。私もペリー長官やあるいはキャンベル国防次官補代理などにもお会いいたしました。その中で、今のような意見の表明があったのをよく覚えております。  与党の中の議論も同じでありました。特に、与党の中の多数を占めている自民党さんの中では、SACOの報告書に対する与党案というものに対しても、普天間の言葉を入れること自体まかりならないという空気でありました。当時問題になっておりました十四事案の中の一つに普天間が入っていたわけでありますけれども、十四事案の早期解決という言葉自身もなかなか認められないぐらい、非常にかたいものでございました。  そういった中で、総理は、御自身の政治的な決断の中で、普天間の返還というものを何とかしなきゃいけない、沖縄の気持ちにこたえるためには何とかしなきゃいけないということをお感じになっていたんだと思います。二月の末にはサンタモニカに飛ばれました。その中で、クリントン大統領との話し合いもされたわけでございます。  忘れもしませんけれども、四月の十一日か十二日、朝まだ寝ておりましたら、幾つかの新聞記者から電話がありました。日経新聞の一面トップに普天間返還合意という記事が載っていたわけでありますが、それについてのコメントを求められまして、まさに文字どおり寝耳に水、こういう感じでございました。  私は、与党の中でそういう話が一切なかったとか、そういう低い次元の話をしようとは思っておりませんし、また私は、当時の総理のそういったトップダウンの決断というものを高く評価していた一人でございます。  一体いつからこういう決断をされていたのかということと、それからもう一つ、私がきょう総理にぜひともお伺いしたかったのは、一番初めにこの合意をされたとき、当時朝日新聞のワシントン支局長をされていた船橋洋一さんが最近「同盟漂流」という本を書かれておりまして、その中にも、総理がその合意をされたとき、つまり、当時モンデール大使あるいは臼井防衛庁長官それから池田外務大臣等々を官邸に呼ばれて、そして大田知事に電話をされたというくだりが載っております。  そこにいたのではないかというぐらい詳しい状況がこの船橋さんの本には書かれております。後で私も船橋さんに伺いますと、いろいろな方に、そこにおられた方々に取材をされた、そして極めて詳しいその状況というものを取材した、こういうことを言われておりました。  私がお伺いしたいのは、そのとき、大田知事に総理がお電話をされましたけれども、普天間返還を総理が伝えられたときに、大田知事からどういうお返事があったのか。そのときには、県内移転ですけれども構わないですかということを聞かれたというふうにこの本の中には記述をされておりますし、私もいろいろな方々からお話をそのように伺いました。  実際、そういう県内移転でも構いませんかという条件つきの中で、大田知事からどういう御返答があったのか。初めにお伺いした、いつからそういう普天間返還を御決断されたのかということも踏まえて、この二点、総理に御答弁をいただければと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 大変申しわけないことでありますけれども、まず第一点の、いつからという点については、正確な日時を記憶いたしておりません。  なぜなら、当時、サンタモニカに出発いたします前、政府部内における、また、そのほかからの私に対する助言は、サンタモニカで普天間の問題を取り上げるべきではないという意見具申のみでありました。それだけに、現地に参りますまで私自身が心の中で、取り上げるべきかどうかを自問自答しておったことも事実です。  その上で、クリントン大統領との話の流れの中に普天間の問題を取り上げて、それ以降さまざまなプロセスがありましたが、四月十二日に当時のモンデール駐日大使とお目にかかります直前、私から大田知事にお電話をいたしましたこと、そして普天間飛行場の返還に関するアメリカ側との調整状況を御連絡したことは、議員御指摘のとおりであります。そしてその際、普天間飛行場の返還が実現されるためには、県内に代替施設をつくることが前提にならざるを得ないということは、はっきりと申し上げたと記憶をしております。  大田知事がもちろんもろ手を挙げて喜んでくだすったわけではありません。しかし、現状よりも一歩前進、県としても協力という御返事をいただき、これを踏まえて、最終的な回答をアメリカ側に伝達し、普天間飛行場の全面返還についての日米合意に至りました。  なお、この点について、私の言葉ではなく、その後、知事さんがその十二日に記者会見をされまして、次のような言い方をしておられます。「夕方六時すぎに橋本総理から直接電話があり、普天間基地の機能を維持しながら五年ないし七年で全面移転することで合意したと連絡を受けた。今後、国と県で協力し、跡利用や返還に反対している地主の心配、懸念を解くなど、その他の面で努力し、全面返還を実現させて欲しいと要請された。」そして、ちょっと二行ほど飛ばさせていただきますが、「県内の移設がどのような形になるかは何とも言えない。より望ましいのは無条件返還だが、厳しい情勢の中でそれを県が望めば、普天間基地の返還は実現できない。だが、なぜ普天間基地の返還かについては、普天間が街のど真ん中にあり、人命の危険への懸念が強い。その懸念を解決できる。」これが、モンデールさんとお目にかかった後、大田さんがなされた会見のそのままの報道による記録であります。

前原誠司民友連

○前原委員 私が、まず、質問に入る前になぜこういう質問をしたかと申しますと、この普天間返還という大きな問題の具体的なプロセスの出発点になると思いますのが、総理と知事がどういう話をされたのか。これは、信義の問題というのは大変重要な問題だと思うわけであります。  普天間返還が県内移設でも仕方がない、こういうことははっきり述べられたということを今おっしゃいました。そして知事からも、全面返還がより望ましいけれども、しかしながら、町のど真ん中、宜野湾のど真ん中にある普天間の返還というものをかち取れるならば県としても協力をする、こういう趣旨のことをおっしゃられたということであります。  しかし、海上ヘリポートがいいか悪いかという問題を、私の感覚からすれば、度外視をして、何か今大田知事のスタンスというのは、県内移設そのものに否定的なコメントになり始めているのではないかということであります。  そういったときに、初めの総理と大田知事との約束というものを、どちらが信義を守られているのかというところは、今どうなっているかという問題は別として、その点はやはり国民に広く知らしめておくということ、今こういう状況になっている時点で再度知らしめておくということは、私は大変重要なことではないかというふうに思います。  しかしながら、その前提でお話をいたしますけれども、今知事の態度というものは、最初の合意、そのときに感じた普天間返還の期待からは大分後退をして、ヘリポート基地には反対、あるいは県内移設にも反対ということで、随分そのニュアンスというものは変わってきているのではないかと思います。それ自体、私は、知事を責めるとかどうとかいうことは余りこの場では申し上げたくありません。  では、現状において、この普天間返還という政治的な判断において、交渉で得られたものをいかに現実なものにしていくかということを考えたときに、では次善の策として、どういった方策がとり得るのかということも考えていかなければならないところであります。その点で、私は、総理が今まで最も大切にされてきたのは、大田知事を初め沖縄県との心情、つまり信頼関係であったと思います。  大田知事もよくおっしゃっておりましたのは、今までの政府と沖縄県の距離は極めて遠かったけれども、村山政権から以後、橋本政権にかけて、政府との距離というものは近くなってきた、信頼関係というものは築かれてきた、こういうことも言われてきたと思いますし、その延長線上で、この普天間の問題にしてもあるいは沖縄の振興にしても、語られてきたのだろうと私は思っております。  普天間の返還でさらに質問に入らせていただく前に、そういう今まで築き上げられてきた知事と政府、あるいは橋本総理と言ってもいいのかもしれませんが、それにしては、私は解せないことがつい最近ございました。これは、沖縄振興開発の閣議決定をめぐるどたばた劇でございます。  二月十日までに予算関連法案については閣議決定をする、こういうことでございましたけれども、沖縄振興開発法の閣議決定がおくれました。名護の市長選挙がその前後にあったということもありますけれども、もしヘリポート反対派が勝っていれば、あの振興法は、果たしてあのように急転直下すぐに閣議決定をされたのかどうか。  あるいは、言ってみれば、自民党も推されていた候補が勝ったからこの閣議決定というものが、まあ新聞の報道等によりますとそういうことが言われているし、沖縄開発庁長官もここにおられますけれども、あの当時、賛成派が、賛成派というか、反対派ではない方が勝ったからこれは早くやらなきゃいけないということもコメントをされておりました。これは、私は、今まで沖縄県と培われてきた信義という問題では、少々異なった対応をされたのではないか、そういう気がしてなりません。  予算委員会がございまして、私はこの場で総理にそのときも質問をいたしました。そのときに、SACOのプロセスの追求というものと、それから沖縄振興策というものを尋ねたときに、私はうっかりと、沖縄振興策につきましては沖縄の顔を立てるためにという言い方をいたしました。そのときに答弁に立たれた総理は、私をその点でおとがめになりまして、私もその点は、総理のおっしゃるとおり、リンケージをさせる問題ではないという立場から、その点については、言葉が過ぎたというか、うかつであったということも訂正をさせていただきました。  私自身、そういうことをおっしゃっていた総理からすれば、あの沖縄振興開発法の閣議決定というものが余りにも即物的ではなさ過ぎたのかというふうに思うわけでございまして、もし反対派が勝っていたらどうなっていたのか、あるいは、あの名護市の市長選挙と、閣議決定がおくれて、急転直下閣議決定をされたということに関連があったのかどうか、はっきりと総理の口からそのことについては御見解を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 そういう御質問になるのでありましたら、先ほどの発言に一つ追加をお許しいただきたいと存じます。  それは、SACOの中間報告が出ました段階で、やはり記者会見で知事さんが述べられたことであります。「基本的には、日米両政府が県民の要請を受け入れる形で、特別委などを設置し、沖縄の基地問題に取り組んでくれた。危険度の高い普天間飛行場や県道一〇四号線越え実弾砲撃演習の問題など、沖縄側の意向を取り入れる形でやってもらったことに率直に感謝したい。」これが四月十五日、SACOの中間報告を受けての会見の知事さんのお話でございます。  そして、その上で、今議員からお話がありましたが、私どもは、沖縄県の抱えている問題、これは大きく基地問題と地域振興という問題があると考えています。両方重要な問題です。そして、沖縄振興開発特別措置法の改正案は、政府としては、与党の手続を見守ってまいりましたが、先般、閣議決定を終了して、提出をすることができました。そして、ぜひ、これは沖縄の振興のために重要な法案ですから、成立をさせていただきたいと私どもは願っております。  そして、その上で、いろいろなもうプロセスについて申し上げることは控えたいと思いますが、問題として申し上げなければならないことが一つあると存じます。  政府としては、今後ともに、米軍基地の整理、統合、縮小の進展を踏まえながら、これはすなわち両国政府が最大限の努力を払いましたSACO合意の実施でありますが、北部振興策も含め、振興策について国民の理解と協力を得ながら、最大限努力をしていきたいと考えております。  その上で、この普天間基地の移設という問題が未解決の場合、あるいは動きがとれないような状態になっている場合、基地問題の解決と地域振興を密接に関連する形で取り上げておられる県の国際都市形成構想を、今後どのような形で取り扱っていくのかという課題がありまして、振興策を進める上での前提が大きく変化するのではないかという問題意識は持っております。  しかし、いずれにいたしましても、進めるべきものは我々は進めなければなりません。振興策というもの、そういう意味で非常に大事なものだ、今も私はそう思っております。

前原誠司民友連

○前原委員 それでは、直接はお述べになりませんでしたけれども、市長選と閣議決定がおくれたということについては関連がないということでよろしゅうございますか。総理から。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私はそう考えておりません。

前原誠司民友連

○前原委員 しかしながら、今絡みはないということをお答えされましたけれども、どうぞ。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 ですから、絡みはあるのですよ。というのは、振興策と普天間基地の移設が関係がないと言われましたけれども、今申し上げたとおりに、普天間基地が移設されることが国際都市形成構想の土台にあるわけですから、その意味で影響がないわけはないのです。  ただ、議員がお尋ねになりましたような、意地の悪い絡め方をしているつもりはないということを申し上げております。

前原誠司民友連

○前原委員 意地の悪いということをおっしゃいましたけれども、私は、基本的に、ですから、沖縄の基地の問題とそれから経済振興を絡めるということになると、つまり、今まで問題になってきたように、札束で沖縄県民の気持ちを逆なでする、そのことによっていわゆる基地というものの存在を認めてもらうというような気持ちが根底にあるというのが続いてきたわけですよ。それが、総理自身が、私がこの間質問したときに、沖縄の顔を立てるというところでおとがめになったその大きなポイントなんですよ。  ですから、そういう気持ちではないということをおっしゃったなら、それはそれでいいです。意地の悪いことではなくて、それは、沖縄県に対してそういう前提でないと今でもそう思っていますよ、沖縄は。あの閣議決定がおくれたのは、名護でもし反対派が勝ったならどうなったのだろうかなというふうに私自身も思っていましたし、今総理にお伺いする前までは私はそういうふうには思わなかったですよ。意地の悪いということだったら結構です、それはそれで。ただし、もう誤解は、違うということをおっしゃっているのですから、それはそれとして私は受けとめさせていただきます。いや、その答弁は結構です。  さらに、続いて質問をいたします。  私自身は、そのプロセスの問題は別として、今の流れからして、知事が海上ヘリポートの建設には反対だということをおっしゃっている。そして、政府の考えとしては、沖縄の海上ヘリポートそのものが普天間の移設先として前提条件だということもおっしゃっている、こういうことであります。  これはなかなか私はうまくいかない。もうどっちがいいとか、あるいはもともとどう言ったんだからそれで納得しろという問題を超えて、これはうまくいかない状況になりつつあるのではないか。言ってみれば、三事案の一つの那覇軍港と同じような形にはまりつつあるのではないかと思っております。  政府の公式な答弁としては、これからも沖縄県を説得して、そして海上ヘリポートが最善のものとして考えていると繰り返し総理が答弁されてきましたので、私はまたそれについてお伺いしようとは思いません。お伺いしても、多分同じようなお答えが返ってくるのだろうと思います。  しかし、私自身、これは時間がたてばたつほど、極めてより難しい状況に陥ってしまうのではないか、そういう懸念を持っております。つまり、海上ヘリポートが普天間の代替だ、唯一の解決策だということを政府が言う。しかし、沖縄県は海上ヘリポートではだめだということをおっしゃっている。それが続けば、結局は問題の解決にはならない。  そこで、私は、新たな取り組みというものを政府としてやっていかなくてはいけない時期に来ているのではないか、このように思っております。これはどういうことかといいますと、今兵力構成そのものをアメリカと議論するべきかどうか、こういう点であります。  今まで何度もこの点については議論をさせていただきました。北朝鮮の問題等々で今のアジアの情勢が不安定な要因の中で、兵力構成そのものを議論する状況にないということも何度もお答えをされました。  もしこれを今お尋ねすれば、北朝鮮の問題だけではなくて、アジアの通貨危機によって安全保障の状況にも極めて重大な不安定な状況が起きてきて、重大な問題が生じる可能性がある、なおさら今このアジアの地域においては兵力構成というものを議論するということは難しいんではないか、こういう御答弁になるんではないかと思っております。  そうすれば、今まで、朝鮮半島の事態がある程度落ちつけば、沖縄の陸上兵力、つまり海兵隊の撤退といいますか、あるいは沖縄からの移動というものについても議論をする素地はあったのかもしれないけれども、しかしながらこういう状況ではなかなか難しいし、さらに、アジアの通貨不安の中でそれがより難しくなってきているということになれば、では一体いつ、この沖縄の基地の問題というものは、ある程度沖縄県が納得していただける中で解決をするんだろうか、こういう気がしてなりません。  ここでちょっと委員長にお許しをいただきまして、新聞のコピーを総理にお渡ししたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  これは一九九五年十一月十八日の朝日新聞の主張・解説のところでございますが、私が大学のときにお世話になりました高坂正堯先生のインタビューが載っております。その翌年に亡くなられまして、大変惜しい方を亡くしたという思いで私は本当に残念でございますが、この高坂先生がこういうことをおっしゃっております。総理、アンダーラインを引いてある部分でございますけれども、「本土の利己主義とアメリカの戦略面から基地が沖縄に集中した。このままでは維持不可能です。何よりも悪いことは、沖縄には第二次大戦のとき米軍が占領した基地がそのまま続いていることで、アメリカ側に征服者の心理が残っていて、外国の領土を借りているという感覚がないことです。もう一つは、本土の基地は海空軍が多く、日本の立場を少しは理解し、自分たちはお客さんだということをわきまえている。しかし、沖縄は違う。陸戦の実戦部隊が多すぎるので、地元のつきあいも変わってくる。 日米関係を長続きさせることを考えたら、この二つのことを解決しなくてはならない。そのためには双務性を回復させることと、陸戦の実戦部隊をいずれはなくし、海空軍だけを残すということを将来の目標にすべきでしょうね。」こういうことをインタビューの中で述べられております。  SACOの最終報告のときに、自社さでまとめたものの中にも、ただ単に沖縄の基地の整理縮小、十四事案の解決ということを言っていたわけではありません。その要望の中に、これは当時の社会党も含めて、述べられていたのは、日本の新たな役割を模索する、こういう項目が書かれておりました。  つまり、ただ単に国内問題としての沖縄基地の問題を、国内問題が解決できないから、アメリカに対して、何とかこれを削減してくれと言うのは、なかなかこれは外交交渉としても言いにくい、しかし、日米安保というものを将来も長続きさせるためには、七五%も集中をしている沖縄の負担の軽減なしには図られないのだ、日米関係を逆により長く続けるために、この海兵隊の問題を今一番沖縄は重視されているんだ、そのかわりとして日本は新たな役割というものを求めていくということで、ガイドラインの見直しもそうでありましょうし、新たな法整備もそうでありましょう。  私は、こういう点も踏まえて、今北朝鮮の問題、まだまだ解決は見えていない。しかも、通貨不安定の中で、アジアというものが逆に危機的な状況をはらむ可能性というものがある。そういう中で、兵力構成というものを話し合うのは難しいとは思っております。  しかし、より長い目で、日本もこれだけのことをしますから、アメリカに対しても要求をしていくというスタンスがとれないかどうか。私は、普天間の返還というものはこの一点に、今この膠着した状況の中では解決策は尽きるのではないかと思いますけれども、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、今議員が触れられたような問題点を抜きにして在日米軍の兵力構成を話し合えと言われましたら、先ほど議員が、多分こう答えるであろうと述べられたお答えにとどまると思います。  その上で、今議員の御質問を伺いながら、高坂さんのこのインタビューの論文を見ておりました。そして議員が、「日米関係を長続きさせることを考えたら、」というフレーズでおとめになりましたけれども、実は、その条件を満たすための問題として、要するに、この文章の中では、日米の双務性の回復ということを高坂さんは言っておられます。そして、この部分がないと、今述べられた議論は完結しないのじゃないかと私は思うのです。  そして、それは、その日米の双務性の回復とは具体的には何かという問いかけに対して、「集団的自衛権の承認です。憲法の解釈もあるが、日本国憲法が集団的自衛権を否定しているとは、どう読んでも私には思えない。自衛の能力を否定しているという解釈の方がまだましだ。個別的自衛権なら認めているというのはようわかりません。」そしてその後で、わざわざ自分の意見は極めて少数派だということを述べて御意見をまとめておられるわけですが、私は、ここまで御紹介をいただかないと、高坂先生の問題提起が半端になってしまうのではないかという感じを持ちました。

前原誠司民友連

○前原委員 私が後で質問しようとしたところ、アンダーラインまたそこも引いてありますから、そこを述べようとしてアンダーラインを引いていたわけです。  私は、別に、沖縄の基地だけ返せ、こういうことだけで今の議論をしたわけではありません。新たな役割というものを認めなければいけないというのは、今総理が読んでいただいたところは全くそのとおりで、今からそれを読み上げようとしていたわけであります。  私がこの次お伺いしたかったのは、集団的自衛権を認めるかどうかということになると、憲法解釈にもなります。その部分をお伺いしようと思ったのですけれども、私が今伺ったことで総理がお答えになっていないのは、要は、そういう新たな役割というものを求めた上でも、兵力の構成について今アメリカと交渉するつもりはないのかどうか、その点ちょっとお答えをいただかなかったので、お答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、先ほど議員御自身が、沖縄の声にこたえた在日米軍の兵力構成を今米国と話し合うつもりはないか、そう問いかけた場合には、多分、こういう状況で今その環境にない、いずれにしても、政府は機会を見つけるごとにそういう協議をしていくという答えをするであろうと要約をされたものですから、もうそれ以上のお答えの必要がないと思って、同じことの繰り返しは避けました。  ただ、今お尋ねをいただくなら、やはり私は、正確に申し上げるならば、国際社会において引き続き不安定要因が存在する中において、沖縄に駐留する海兵隊等の在日米軍、これは我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると認識しており、現時点においてはその削減や撤退を求めることは考えていない。同時に、政府としては、日米安保共同宣言で確認されたとおり、国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応して、両国の必要性を最もよく満たすような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢について米国政府と緊密かつ積極的に協議を継続していく。いずれにせよ、政府としては、米軍施設・区域の整理、統合、縮小について、日米両国政府が最大限の努力を払った結果取りまとめたSACO最終合意の着実な実施が、沖縄県民の方々の御負担を軽減する最も確実な道であると考えており、今後とも、その実現に向けて最大限努力を行ってまいりたいという公式の答弁を議事録にとどめたいと思います。

前原誠司民友連

○前原委員 さて、その集団的自衛権の解釈であります。  私自身も、この間、ガイドラインが国会で御報告された中で質問に立たせていただきまして、質問をしたことでございますけれども、なかなか明確な御答弁はいただけませんでした。簡単に言えば、憲法解釈を変えるつもりはない、今までの政府の見解がそのものである、こういうことでございましょう。  ただ、私は、この憲法九条を読んで、この新聞記事にも載っておりますけれども、どこをどういうふうに読んで集団的自衛権が違憲と解釈できるのかというのは、なかなかわかりにくいわけであります。  この記事にも書いてあるのは、言ってみれば、個別的自衛権なら認めているということはよくわからない、集団的自衛権はだめで個別的自衛権はよいということはよくわからない、自衛の能力を否定しているという解釈の方がまだましである、こういうことが書かれております。  私は、本会議で質問いたしましたのは、例えば日米安保そのもの自体、武力行使との一体化ということが今集団的自衛権の一つの尺度になっておりますけれども、基地を貸すこと自体も、第三国から見れば、集団的自衛権の行使というものをしているように思われるのではないかとか、あるいは湾岸戦争の拠出金にしても、ただ単にお金を出したから武力行使をしていないということでありますけれども、しかし、そのお金が回り回って武力行使につながっている、あるいは寄与しているということであれば、それも集団的自衛権の行使になるのではないか、こういうことを申し上げました。  私は、法制局長官から御答弁をいただくつもりはございません。(橋本内閣総理大臣「法制局長官から正確に」と呼ぶ)これは総理のお口から、憲法九条を読んで集団的自衛権というものが違憲と解釈できるのかどうか、その点についてお伺いしたい。総理からお願いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 これは、政府として従来から同種の御質問がありましたときお答えをしておりましたものを、そのとおりに申し上げるということになります。  国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有しているものとされている。我が国が国際法上このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然である。しかし、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権は、我が国を防衛するため必要最小限の範囲にとどまるべきであり、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、憲法上許されていないと考えている。  ここからまだ設問によって、今まで御答弁を申し上げてきている内閣の答えというものは共通したものになっております。

前原誠司民友連

○前原委員 憲法解釈ですから、総理自身がなかなか政治的な判断のもとで答えにくいというのはわかりますけれども、先ほどからちょっと態度を見ておりますと、誠実にお答えいただいているのかどうかということで、私は極めて疑問を抱かざるを得ない。何かばかにされているような気がしてならないわけです。私の質問に対して真摯にお答えをいただきたい。  何か、答えるのだったら答えるというような言い方は、私はいかがかと思いますよ。そういう態度というのはよくないと思います。私の質問について、そういうことなら、憲法解釈なので、実際問題自分は答えられないから法制局長官に答えさせますということをここでしっかり言われればいい。そういうことを言われずに、その場でそういうことをおっしゃるのは、態度としては極めて、私、不愉快です。そのことだけはきっちり申し上げたい。  私自身は、この集団的自衛権の解釈そのものをやはり変えていかないと、なかなかガイドラインの具体的な行使というふうなものも難しくなると思います。すべて拡大解釈、自衛権の行使あるいはこのガイドラインに認められる防衛協力についても、必ずこの集団的自衛権とのグレーゾーンでひっかかってくる場合が出てくると私は思います。そのときにどういうふうに対処をするのかということを、私は、今からこういう憲法解釈そのものも、拡大拡大あるいはゆがんできたものを変えていかないといけないということで提起をさせていただきました。  総理が、今までの解釈そのものについて変えるつもりはない、そしてそのことを読まれるということだったら、それについてはこれ以上質問してもむだだと思いますから、そのことについては、ぜひ私は、政権交代を果たしたときに、今の憲法解釈そのものを変えていくという議論も含めてやっていかなくてはいけないということを申し上げたいと思います。  私自身の問題として、次に進ませていただきたいと思います。  まず、中央省庁再編と財政投融資改革について質問をさせていただきたい。  中央省庁の再編については、これから行革委等で具体的な議論がされることだと思いますし、細かな議論については、そこにゆだねていきたいというふうに思います。しかし私は、この中央省庁再編について、私自身の思いというものをまず一点申し上げたい。それは、なかなか評価ができるものではないということであります。  よく言われておりますように、一本のようかんを今まで二十二個に切っていたのを十三個に切り分けている。あるいは、二十二個の袋に入っていたものを十三の袋に分ける。つまり、どれだけリストラをされて、そして地方に移譲をして、そしてまた民間に委託をして、その残った部分についての中央省庁再編ということならよくわかるけれども、そういうビジョンというものがこの改革案を見てもなかなか伝わってこない。しかも、公務員総定数を十年後に一割削減も、これは後で決まった議論、後出しの議論でありました。切り込み方も極めて不十分であります。そういう意味では、私は、これについては総じて評価ができないということをまず申し上げたいと思います。  そして、大きなポイントというのは財投の問題であります。午前中に同僚の松沢議員も聞かれたものでございますが、重なる部分も出てくると思いますけれども、含めて私はお尋ねをしたいと思います。  中間報告では、財投改革につきまして、まずは簡保は民営化、郵貯五年後見直し、そして民営化の方向で、こういう議論が出てまいりました。私は、はっきり言って、この中間報告を見たときには、かなり踏み込んだなというふうにある程度一定の評価をしておりました。しかし、最終報告が出てきたときには、もとに戻ったといいますか、公社化、立場は公務員、そして民営化はしないということをはっきり書かれているわけであります。  それで、お伺いをしたいわけでありますけれども、中間報告で、簡保は民営化、郵貯五年後見直し、そして民営化の道筋を探るということでありましたけれども、中間報告ではそういうことを言われているわけですね。中間報告で、簡保と郵貯についてこういう報告を出されたという趣旨はどこにあったのか、その点を総理にお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず第一に、答弁の態度が悪いというおしかりをいただきました。その点はおわびをいたします。そして、自後、気をつけるようにいたします。事柄の性質上、私は、法制局長官から従来の内閣の見解というものをきちんとしたお答えをすべきであると思って、法制局長官と申しました。それがお気に召さなかったということは、私の不行き届きであります。そして、私は、法制局長官にと申し上げた、席に着いたまま申し上げたというのが非礼であったということについては、おわびをいたします。  また、今行政改革会議の中間報告、最終報告、そして最終報告を評価せずという前置きを置かれた上で、中間報告の内容についてのお尋ねがございました。  中間報告には、簡保事業は民営化する、郵便貯金事業は早期に民営化するための条件整備を行う、郵便事業は国営化するなどといたしておりました。そして、その後の検討にゆだねておりました。その後の結論は最終報告のとおりであります。

前原誠司民友連

○前原委員 お伺いしたかったのは、簡保民営化、そして郵貯五年後見直しをして、そして民営化する条件が整えば民営化という趣旨は何だったのかということをお伺いしているわけです。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 まず、今お話がございます、昨年九月三日、中間報告のいわば意味するものということから申し上げた方がいいんじゃないかと思うのでございます。  中間報告は、その現在時におきまするいわゆる行政改革会議の審議の状況を国民の前に明らかにしよう、そして国民の意見なりあるいはいろいろな助言等もいただくのがしかるべきではないかという、言いかえますと、問題提起という概念が非常に強かった、私はさように思っております。しかも、あの当時の行政改革会議における各学者、評論家、専門家等の記述をずっと翻って見ますと、まさに中間的な報告であったのだな、そういう印象を強くいたしております。  それからもう一つは、先ほどお話がございましたように、あの中間報告の時点におきましては、簡保と貯金事業は民営化でどうだろうかということが整理されておりますことも事実であります。私は、むしろこれを、中間報告であったにせよ、行革会議の志向する方向を国民の前に、なかんずく国会等に率直に報告申し上げて、結果としてよかったな、そういう感じさえ持っておるところであります。  午前中も申し上げましたが、また先生も御承知のとおり、中間報告に対しましてさまざまな観点から非常に広い範囲で議論がありました。その中でも最も比重のかかった議論の一つがこの三郵政事業であったのではないか、そういう感じを受けます。殊にこの三郵政事業に対しましては、国民各界各層から限りなく多くの問題提起がなされたことも御承知であり、あるいはまた、先生方の手元にもいろいろな観点から議論がたくさん殺到したであろうと思うのです。  要約して申し上げまするなれば、これは、民営化もよろしかろうけれども、もっとこの郵政事業の過去の歴史も、その功罪等を含めて議論をすべし、さらにまた、午前中も話が出ておりましたが、全国津々浦々あまねく、百三十年前後にわたってこれが貢献してきた功績も、それから、今日的視点から、その行政実績というものも大きな要素に置きながらこの際考えるべきではないかという意見が非常に強かったことも御承知のとおりでありまして、私どもは、したがいまして新型公社という一つの構想を立てました。  その中に、簡素化も効率化も、そしてまた国民の、いわゆる利用者の利便性に立ったことも、あるいは公益性も十分勘案しながら、この最終報告にございましたとおり、本法案に盛り込んだ次第でございます。

前原誠司民友連

○前原委員 議論が全然かみ合っていないのですけれども、要は、私の言った趣旨というのは、郵貯、簡保、年金という入り口の部分でお金が集まる、そして運用の仕方、簡保だけはちょっと別建てになりますけれども、基本的には、資金運用部というところで国債を買ったりとか財投機関に対しての貸し付けなどを行う、こういう流れですね。  それで、実際問題、出口の財投機関等にいろいろな焦げつきとかあるいはむだな部分とか、そういうものが資金の供給が続く限り存続されてしまう、あるいは巨大な不良債権というものを生んでしまっているのではないか。国鉄清算事業団とかあるいは林野なんかが一つのポイントになっています。私なんかは、道路公団というのはすごく大きな問題をこれから抱えていると思います、それについての細かい点は除きますけれども。  そういう財投という流れの中で、入り口をまずどのように扱うかという、言ってみれば、郵貯と簡保、郵貯というのは郵便貯金、簡保というのは簡易保険、今はもう民間でやっていますよね。いろいろな金融機関がある、生保もある。昔は、それは国でやるべきであったことかもしれないけれども、今はもう民間でもやっているし、簡保にしては、安い積立金でやるものが民間になかったからそれを政府がという趣旨でつくられた、そういう役割はあったと思いますよ。  しかし、そういう流れの中で財投という全体を考えたときに、果たして郵貯とか簡保というものを今本当に国がやる役割があるのかどうか、こういう議論が私はあったと思うのです、行革会議の中で。  しかも、私自身のことを申し上げると、私は、前の選挙で郵政三事業の民営化というのを公約で掲げた数少ない候補者なんです。うちの党でもなかなかこれは珍しいぐらいの候補者でありまして、これは、私自身の考えとしては、もはやビッグバンとか、あるいは出口に対するむだが多いという中で、少なくともやはり自主運用というものをやって、運用リスクを負うということをやっていかなくてはいけないということで、私は、この自主運用ということ、あるいは将来的な民営化というのは必要だと申し上げたわけです。  そこで、厚生大臣にお伺いをしたいわけでございますけれども、さっき松沢先輩が聞かれていましたけれども、何でこういう最終報告でよしとされたのか。全然、初めおっしゃっていたことと、わからない、理解ができない。  特に、完全自主運用ということになったから一歩前進だというふうなことをさっき御答弁でおっしゃっていましたよね。私は、逆なんですよ。これは、民営化で自主運用だったらわかるけれども、国がやっていて自主運用というのは全くよくわからない。意味がなくなるわけですよ。公社化して完全自主運用というのは、何をするのですか、国が金を集めて。しかも、ほかの金融機関がある、生命保険なんかもある、そういう中で金を集めて自主運用ということ自体、意味がないわけです。  国がお金を集める必要性があるとおっしゃるかもしれない。しかし、今郵貯の限度額は一千万ですよ。ペイオフは、これから、二〇〇一年の四月からどうするのかといったら、限度額一千万にしようということで、別に国に預けなくても一千万円の預金なら預金者保護ができるわけです。国がなぜ集めなければいけないのか。  公社化して自主運用になったことで、私はますますわからなくなった。そういうますますわからなくなったものに対して一歩前進だという厚生大臣のおっしゃり方は、ますますわからない。御答弁をいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 自主運用ということは、これは役人が運用することはできないと思います。必然的に民間に運用を任せざるを得ない。しかも、郵貯資金を運用するわけですから、有利かつ確実に運用しなければならない。今までみたいに、不利であるけれども、民間がやっていないから不利なところでもやるんだ、国民が必要だからやるんだと言ったら、預金者に失礼です。そういうこともできない。必然的にこれは民営化の道を走らざるを得ない、名前は公社化であっても。しかも、企業会計原則にのっとって運営する独立行政法人だと言っているのです。何のために公社化するのかという問題が必ず出てくる。  しかも、財政投融資制度の根幹ですから、今までの行政改革というと特殊法人の整理統廃合ばかりやっていた。この特殊法人の整理統廃合、二つや三つの特殊法人をなくしたり統合したりしても大した行政改革にならないから、もとの財政投融資制度改革をしよう、さらには、資金はどこから来ているかということで、橋本内閣になって初めて、根本的に、総合的にとらえようという行政改革に踏み込んだのです。  しかも、今回は、今まで役人しかできないと言われていた封書、はがきの郵便事業も、民間の参入を規制する、規制するという声をはねのけて、橋本総理は民間参入を決断したんですね。ということは、郵政三事業で、すべて民間でやれるような体制がこれから整うというからには、民間でできることは全部民間に任せようというのが行政改革の本旨だということを全部言っているのです。  ということで、これから、簡素な政府をつくろう、民間にゆだねるものは民間にゆだねていこう、地方にゆだねていくのは地方にゆだねようという趣旨にのっとって行政改革を進めていくならば、なおかつ民間の活性化を図ろうというならば、いずれ近い将来、郵政三事業の民営化ということを図らないと、必ず日本は増税路線に走ってしまうという意見になってくるというふうに私は考えております。見方の問題であります。  しかも、中間報告が出てきてから、すべての政党は郵政民営化反対を主張したのですよ。郵政民営化をしろと言った政党は一つもないのです。規制緩和と言いながら、民間の郵便事業参入しようというのを規制しろという声ばかりだったではないですか。どの政党が郵便事業に対しては民間参入させようと言ったでしょうか。一つもないのです。  そういう中で橋本内閣は、すべての政党が反対する中で、将来の行く末を見据えて、現状より一歩改革しようと踏み込んだ、その点を私は評価します。

前原誠司民友連

○前原委員 こういう公社化の自主運用は将来的な民営化につながるということでありますけれども、ここに書かれているのは、ずっと国営を維持するということが書いてありますよ、この行革会議の中に。おっしゃっていることと違うじゃないですか。だって民営化を将来するということになったら、これの趣旨と反することが将来は起こり得るだろうということで、厚生大臣は、だからそれは同床異夢ですよ、皆さんの中で。閣内不一致になるじゃないですか。当面はいいとおっしゃるかもしれないけれども、将来的には民営化だと思っておられないですよ、ほかの方々は。それだったら、書いてあることと趣旨が違うじゃないですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 当面は、この数年は民営化しないでしょう。しかし、将来民営化するかどうかは、それぞれ個人の判断の問題です。

前原誠司民友連

○前原委員 それぞれの判断、その時々の政権の判断になるかもしれませんが、それぞれの判断で国営か民営かということは、それはおかしいですよ、厚生大臣。  趣旨は、財投改革をしなくてはいけないし、将来民営化せざるを得ないというのも私は厚生大臣と一緒で、だから考え方は共有できていると思うのです。だからこそ、国営を維持したまま自主運用ということ自体が非常にわかりにくいものになっているのに、なぜ賛成されたのかなということを申し上げているわけで、これはまた多分行革会議の中でしょっちゅう答弁に立たされると思いますから、ぜひはっきりとお答えをいただきたいと思います。  きょうは、質問の残り時間わずかになりましたけれども、まことに申しわけありません、預金保険機構の理事長にも来ていただきまして、ありがとうございました。もう時間がなくなってまいりましたけれども、一点だけお伺いをしたいことがあります。  それは、今度つくられた審査委員会で、十三兆円のお金、これは貸し渋り対策で、言ってみれば、申請のあった金融機関に対して資本注入を行っていくというものでございます。  それで、それで本当に貸し渋り対策になるのかという声がよく聞こえてくるわけでありますけれども、要は、私はこのシステム自体には反対で、その全体像を今申し上げる時間はございませんけれども、言ってみれば、資本注入をした後に、本当にその資本注入した金融機関が貸し出しに転じているかどうかということをチェックすることに私は意義があると思うのです。そのとき初めて、このスキームは貸し渋り対策なんですよということが実証できる。これはどういうふうに実証されていくおつもりなのですか、お聞かせいただけますか。

松田昇預金保険機構理事長

○松田参考人 お答えをいたします。  今般の自己資本充実方策というのは、先生御案内のとおりでございまして、金融システムの安定を図ることを目的といたしております。同時に、金融機関の自己資本比率を上昇させることによりまして、いわゆる貸し渋りの解消とか緩和など、取引先企業に対する円滑な資金供給に資することなどを期待しているところでございます。  お尋ねがありましたように、今般の措置の実施によりましてどの程度貸し渋りが解消されるのかという点は、現在のところの審査基準その他では定量的、数量的には具体的に把握することは困難でございますけれども、優先株等の引き受けを申請いたします金融機関等が当審査会に提出いたします経営健全化計画というのがございますが、その中で、申請金融機関は、資本注入による経営基盤の充実が確固として、資金供給などの金融の円滑化に資するものとなることを示すことといたしております。  その中で申請金融機関の貸し出しに対する考え方、つまり融資対応力の強化が明らかになりますので、その点は審査をさせていただきたいと考えておりますし、また同時に、このたびの法令の措置によりまして当機構に設けられました審査委員会におきましては、当該の金融機関から提出されたこれらの健全化計画そのものについて、その後の履行状態につきまして報告を求め、必要に応じてこれを公表することができることになっておりますので、それを活用してまいりたい、このように考えております。

前原誠司民友連

○前原委員 私の時間が参りましたので、これで質問は終わらせていただきますけれども、委員長にちょっとお諮りをさせていただきたいと思います。  今の御答弁も不十分でございますし、また、金融危機管理審査委員会の七名のうち、三名は民間の方になられました。できたてのものでございますので、これからどういう判断基準での資本注入を行っていくのか、あるいは事後の検査をしていくのかということもきっちりとやはり国会として聞かなきゃいけないということでございますので、ぜひこの三人の民間人の方の予算委員会での参考人招致をお願いしたいと思いますので、議論をしていただけますでしょうか。  そのことと、もう一つ、経済企画庁が、きのうの毎日新聞によりますと、景気判断のための検討委員会の方々が随分前から景気後退ということをおっしゃっていたそうでありますけれども、それを押し隠す形で、いわゆる政府の経済見通しというものを変えてこなかったということが書かれていました。それが真偽かどうかわかりません。わかりませんので、この委員会のメンバーの方もあわせて参考人招致をしていただくように理事会でお諮りをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 各党の理事よりお申し出があれば、理事会においてお諮りいたします。

前原誠司民友連

○前原委員 じゃ、私の質問を終わります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。  次に、長内順一君。

長内順一平和・改革

○長内委員 平和・改革の長内順一でございます。  私は、この予算委員会の総括質疑、初めて質問に立たせていただくわけでございます。今、私の選出されているのは北海道でございますが、貸し渋りの問題を初めさまざまな、景気の問題を初めとする厳しい問題が山積をしているわけでございまして、きょうは率直に、ストレートに地元の声を総理にお伝えするという気持ちで質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  初めに、ただいまも経済の問題、さまざまな形で質問がございましたが、やはり今、景気をどうするのか、そして経済の血液ともいうべき金融をどうしていくのか、これは大きな課題になっているわけでございます。特に、公的な資金をこれから金融機関に投入し、そしてそこを強化して経済を再生させていくという政府の方針をお示しになっているわけでございまして、そんな中で、実は初めに総理と大蔵大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。  実は、けさの新聞なんでございますが、山一の例の行平会長がいわゆる粉飾決算をしていたということで大変な数字が挙がってまいりまして、そしてこれに対する事情聴取が行われるというような記事が載ってございました。  総理と大蔵大臣に初めに、申しわけありませんけれども、この件につきましての率直な御所見をお伺いいたしたいと思います。     〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 報道で私もそれ自体は見ました。その上で、これは具体的な事件に関することでありますから答弁を控えるべきことでありましょうし、また、その記事に報じられていることの真実であるか否かを聞いておる状況でもございません。  ただ、一般論として申し上げれば、これは関係当局において、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、その法と証拠に基づいて適正に対処するものと思います。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 山一の件は、証券取引等監視委員会が特別検査をやっておったところなのでございまして、内容については、証券取引等監視委員会の事務局が来ておりますので、必要があれば答弁させます。  なお、これが捜査当局の捜査の対象になれば、これはもう捜査当局の捜査にゆだねるしかない、こういうふうに思っております。

長内順一平和・改革

○長内委員 私は、やはりこういう問題を通じて、例の大蔵省の検査部の問題、特にMOF担等の問題が大きくクローズアップされてきまして、そして今、金融機関がこれからどうあるべきなのかといったときに、少なくとも大蔵省としては検査部において、蔵検というのですか、検査をしている、そしてその後適切な指導をしている、このように私は実は認識をしているわけであります。しかしながら、実際はたび重なるこのような問題が噴出してくる。  私は、大蔵省にお伺いしたいのですが、今申し上げました大蔵省の金融機関における検査、対象機関というのは全金融機関になっているのかどうなのか。要するに、蔵検の調査の範囲について大蔵省にお伺いしたいと思います。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 お答えをいたします。  金融機関の検査でございますが、一部信用組合の検査につきましては都道府県に機関委任をしております。それ以外の金融機関、保険会社、証券会社あるいは投資顧問会社等を含めて、これは大蔵省の金融検査部あるいは財務局の方で担当しております。

長内順一平和・改革

○長内委員 それで、この蔵検、いわゆる大蔵省の検査、検査の後は示達書を出して指導しています。これは間違いありませんか。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 御指摘のように、検査が終わりました場合、原則として示達という格好でその検査の内容あるいは改善すべき事項等について指摘をしているところでございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 そこで、かなりこれはもうメジャーな話といいますか、一般的な話になっておるのですが、太陽火災には入ったことがございますか。いわゆる検査に入ったことがございますか。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 一般論として申し上げますと、各金融機関、これはある一定の期間を置いて検査に入っております。そういう意味におきまして、御指摘の保険会社もその例外ではあり得ないということでございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 その検査に入った時期はいつになりますか。直近では、検査をしたのはいつになりますか。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 当該御指摘の会社につきましては、たしか、平成八年九月に検査に入っておるということでございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 それでは、当然これは、先ほどお話ございましたように、示達書を出していることになるわけですね。これは示達書を出しているのは、直近ではいつになりますか。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 検査の結果につきましては、平成九年の二月に示達書を出しております。

長内順一平和・改革

○長内委員 実は、この示達書につきましては、報道機関、それから何か出版物も今出ているそうでございまして、かなり一般的な話になってしまっているわけでございます。私もその資料を読みましたし、それから私自身も調査をいたしました。  これはふだんなかなか、どうなんでしょうか、表に出るようなものではない。しかしながら、蔵検第七号だとか蔵銀第二一号、きちっと一連ナンバーが振ってありまして、しかもここには大蔵省の銀行局長の山口局長の立派な判までどんと押してあるという、非常に信憑性の高いものであります。  これがどこから出たのかここから出たのかということは別にいたしまして、これだけ出回っていることですからいいのですが、この中身ですね、中身。これは私は非常に大変なことだと思いますよ。この中に書いてあることは、こういうことが本当にあるのであれば、こういうことがやみからやみに葬られていく、そうして最後になったら、さまざまな破綻だとかそれから責任の所在だとか、こういうことがなしに、結局は国民の方にその負担が来るという、この事態はゆゆしき事態であると私は思います。  この示達書、お持ちになられない方もいらっしゃると思いますので、中身についてちょっと紹介させていただきます。  まず、会社は少なくとも保険会社ですから、何かあったときに保険が出てくる、そのために契約者はずっと保険を掛けていくわけでありますが、調べた結果は、事故がたとえあったとしても保険金を支払っていない。それから、この会社の中身につきましては、利益操作を目的とした配当取り等の早期是正と、損益、収益の改善を図る必要がある。  中身をずっと読んでいきますと、「決算対応を念頭においた配当取り等による収益確保を恒常的に行っており、この結果、多額の含み損を内包している。」こうなってきますと、これは粉飾決算をやっているわけですよ。そうしてその結果、財務内容が悪化しているわけです。こういうことが世の中に出てこない。しかも、これで大蔵省が果たしてどのような行政指導をしているのか私は疑問に思うわけであります。  大蔵大臣、この件につきまして大蔵省はどのような指導をしているのか、お伺いをいたしたいと思います。

原口恒和大蔵大臣官房金融検査部長

○原口政府委員 まず、いろいろ報道されたことについての御質問でございますが、その点につきますと、まず個別の検査結果、そういうものについて、これは我々も守秘義務もございますし、行政権に基づいてやった検査の結果でございます。それを前提としたお答えというのはとりあえず差し控えさせていただきたいと思います。

長内順一平和・改革

○長内委員 今の答弁は大変失礼だと思いますよ。これは大蔵大臣、きちっと答弁してください。今のじゃいけません。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 委員も御承知のことと思いますけれども、示達書というのは、検査部が検査をして、その会社に、こういう点が問題ですよ、これはよくありませんよというわけで、改善措置を指示する文書なんですね。それに対して、後で、こういう点はこう直しましたというふうに当該会社からは返ってくる、それを示達回答書というらしいですな。  これは、示達書が実は外に出ているということでありまして、大蔵省としてはこれは実はある意味では、守秘義務のかかっている文書なんです。向こうに出した、言うならば注意書きというか改善の指示をした文書、こういうことですね。それがこの示達書だというふうに御理解を願いたい。よく御存じと思いますけれども。

長内順一平和・改革

○長内委員 今のお話、よそに出るものじゃないと。それが今出回っちゃっている。そして、今確認をしたら、中身もそのとおりであるというようなことなんですが、今の大臣のお話で、示達書を出すと示達回答書が来るんですか。(松永国務大臣「改善をしてから」と呼ぶ)改善をして。  それで、その後はどうなっているんでしょうか。というのは、種々行政指導しますよ。そうして、向こうから、このように改善しますという回答書が来るという今大臣のお話です。それを受けて、それはそのままなんでしょうか。さらに間髪入れず、改善をしたかどうかというようなことを調べたりなんかはしているんでしょうか。  というのは、この中に一項目あるわけですよ。それは何かというと、さっき御紹介いたしました粉飾決算、この件については、前回の調査のときに指摘をしているんですよ、ここでは。指摘をしているのにもかかわらず、改善されていないんです。したがって、大蔵省では、さらにこの今回の調査の中で、示達書においてきっと返答が来たんでしょう。でも、再度調べた結果、さっぱりこれは改善されていないということで、速やかな対応をせよ、こういうふうに言っているわけですよ。  ですから大臣、ただ単に指導した、回答書が来ました、やっていない、これが結局今の金融の混乱の、金融機関のさまざまな問題の元凶だと私は思いますよ。どうですか、大蔵大臣。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 先ほど申したとおり、検査の結果、問題点を発見しますね、発見したら、それを直しなさいという行政指導といいますか、注意書きが示達書なわけですね。通常は、その示達書に書いてあることを真摯に受けとめて、そして改善措置をして、これこれしかじか改善しましたという回答書が示達回答書、こういうものだと私は理解しておるわけです。  それから先をどうするかということは、これは行政事務の実態でございますから、事務方の方に詳しくは答弁させます。

長内順一平和・改革

○長内委員 大臣、それでは、今、金融機関のこういう混乱の状況、それから、その中に少なくとも公的資金という国民のお金を投入して、何とかこの再生を図ろうという今、非常に大事なときなわけです。そのときに、その元締め、検査をして、そしてその検査どおりやらない、そういうところに対して、大臣、どういうふうに対応するかということは、私は、極めて国民的課題でありますし、大事な問題だ、こういうふうに思うわけであります。  もう一度答弁をお願いします。

松永光自由民主党大蔵大臣

○松永国務大臣 先ほど申したとおり、問題ある会社だということで、問題点を指摘して改善措置を指示したのが示達書ですね。その示達書が外に出るというのはおかしいのでありますが、回答書について、普通ならばきちっと改善をして示達回答書を送ってくるはずなんです。ところが、それが改善されていないのならば、さらなる検査その他で改善措置を命ずる、こういうふうにせなければならぬというふうに思います。

長内順一平和・改革

○長内委員 いや、これは堂々めぐりでどうしようもないんですが、もうちょっと誠実に答えなかったらだめですよ。  なぜかというと、これは犯罪ですよ、こんなことをやっているのは。しかも、それを大蔵省が知っていて、それで対応しない。指示をするかもしれないけれども、そのとおりやっていないわけですから、これは大変大きな問題。この辺をきちっとしなかったらだめですよ、これは。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○福田政府委員 ちょっと大臣に補足させていただきます。  一般論でございますが、保険会社についてのお尋ねでございますので私の方から申し上げますが、検査において問題点が把握された場合、行政としても、金融機関に対しまして、その検査で把握された問題点に基づきまして適切な対応を求めているところでございます。  なお、例えば保険会社につきましては、保険業法に基づきまして、検査に限らず、保険会社の業務または財産の状況に照らして、必要がある場合には監督上必要な措置を命ずることができることになっております。

長内順一平和・改革

○長内委員 一般論を話しているんじゃないんですよ、私は。いいですか。大臣、私は一般論を話しているんではないんです。  要するに、大蔵省から指示があって、指導があって、なおかつ改善されていないというふうになっていますよ。何でこれを見逃している。大臣、厳密に言うと、国家公務員の告発義務、これにも違反する。それから商法、まさにここは保険会社ですから、保険業法、これにも違反するじゃないですか。これはどうなるんですか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○福田政府委員 先ほど検査部長が申し上げましたように、検査の内容そのものについては申し上げられないわけでございますが、御指摘の太陽火災社につきましては、今般第三者割り当て増資を行ったと聞いておりまして、これは、リスクの巨大化に備えて担保力を強化し、多様化する社会ニーズにこたえるとともに、信用の向上に資するものと考えております。  いずれにしましても、大蔵省としましては、今後とも損害保険契約者保護を図ることを基本に、損保会社に対して適切な監督に努力いたす所存でございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 ちょっと、具体例ですから、これはだめですよ。難しいことを聞いているわけじゃありませんから。

伊藤公介自由民主党

○伊藤(公)委員長代理 それでは、具体的なテーマでありますから、具体的にどう対応されたかをきちっとお答えください。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○福田政府委員 若干答弁が不足しておりましたが、検査の示達書等が出された場合につきましては、その示達内容に即して経営改善等を進めることを指導しております。また、それに反するような事態ということであれば、それにつきましてはたび重ねて指導いたしますが、法令上申し上げれば、先ほど申し上げました保険業法等に基づく監督上必要な措置を命ずるわけですが、それに反する場合については罰則等もございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 もう一度申し上げます。  ここで時間をこんなにとる予定じゃないですから、的確にお答えいただきたいと思うんですが、要するに、示達書を出す、そうすると相手方は、大臣のお話では示達回答書というのを、要するに改善書を出してくるわけでしょう。ところが、これを見ると、出したままで知らぬふりしているんです。あなたのところにきっと示達書があると思いますけれども。それで、なおかつ今回、もう一度、これは前回指摘した点だけれども直ってないよ、特に粉飾決算のところはひどいですよ、こういうことを言っているわけですよ。これは、要するに回答書だけではどうにもならない。だから、これはどうするのという話なんですよ、この後。それから、どうすべきなのか。

福田誠大蔵省銀行局保険部長

○福田政府委員 重ねて御答弁申し上げますが、示達書に対する回答書等に基づいて改善措置を指導しているわけでございます。また、示達書に反するような事態があれば、先ほど申し上げましたように、厳しい対応をしてまいるということでございます。

長内順一平和・改革

○長内委員 これは、これ以上どうしようもありません。  大蔵省、これはもっとまじめに取り組んでいかないと、国民の皆さんからすれば、こんな違法行為がまかり通っている。しかも……(発言する者あり)いやいや、全然違いますよ。しかも、指導して言うことを聞かないんだもの。それに対してどうするかというのを決めるのは、これは当然じゃありませんか。それを見逃しておいて、逆に、そこらここらにあるような問題を厳しく指摘をするというのは本末転倒だ、私はこういうふうに思います。  ただ、ここでこればっかりやっているわけにいきませんので……(発言する者あり)

伊藤公介自由民主党

○伊藤(公)委員長代理 今質問しますから、ちょっと静かにしてください。

長内順一平和・改革

○長内委員 それでは、委員長、お願い申し上げます。  私が今申し上げました示達書、それから該当するその企業の示達回答書、この資料提出を求めたいと思います。

伊藤公介自由民主党

○伊藤(公)委員長代理 後日理事会で協議させていただきます。

長内順一平和・改革

○長内委員 それでは、随分時間がたちました。次に、私は、大変申しわけありませんけれども、地元の問題を通して御指摘を申し上げたいと思います。  それは、国家的プロジェクト、それから大規模プロジェクト、こういうことに対する対応でございます。その象徴的なものとして我が北海道の苫小牧東部開発、この国家プロジェクトがあるわけでございまして、この件につきまして率直にお伺いをさせていただきたい、こんなふうに思います。  苫小牧東部地域の開発につきましては、一九七〇年に閣議決定されました第三期北海道総合開発計画に基づきまして、七一年に北海道開発庁による苫小牧東部開発基本計画が策定されまして、このときから十三省庁体制でスタートした、まさしく国家プロジェクトなのであります。  当初、北海道は一次産業が中心でございましたから、ここに第二次産業の大きな基地ができるということで、道民挙げて、私も学生でございましたけれども、あのころは苫小牧東部にいよいよ一次産業から今度は工業基地ができるんだ、こういうことで、大変に期待をしたものでございます。  当初は、鉄鋼、石油精製などのいわゆる重工業中心の企業立地を目指したわけでありますが、石油危機や円高、こういう外的な影響もありまして、一九九五年にはこの開発方針を大きく転換いたしました。そして、新計画を策定いたしたのであります。しかし、新しく掲げた産官学遊というこの新計画も、実は思うようには進んではおりません。  官民協調の第三セクターとして設立された苫小牧東部開発株式会社の経営状況を申し上げますと、現在、この分譲計画面積五千五百ヘクタールのうち、実際に分譲、販売された面積が八百二十ヘクタール、一四・四%のみであります。そして、ただいまは借入金残高は一千八百億円、そして、この元利返済年九十億。毎年毎年九十億を支払うのに対しまして、収入は幾らあるかというと、何と四億しかないわけであります。したがって、何をやっているかというと、借金の利払いをまた借金をしながら返している、こういう状況なのであります。  ところが、昨年十一月にあの拓銀が破綻をいたしました。それで、北東公庫とこの金融団、民間の金融団なのでありますが、いわゆる苫小牧開発への協調融資を停止したわけであります。したがって、ただいまはこの苫小牧開発株式会社という民間会社は債務不履行、借金を返せない状況にあるのであります。  この裏づけは何かというと、実に十三省庁から成る国家プロジェクトだということで、ここに地元の皆さんも大変な期待をして投資をしているわけであります。私は、このような状態をこのまま続けるわけにはいかない、このように思うものであります。  北海道開発庁長官にお伺いいたします。債務不履行の、いわゆる債務滞納の状況、これをどういうふうに乗り越えて、そして今後の状況をどう開いていかれるおつもりなのか、お願いをいたしたいと思います。

鈴木宗男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○鈴木国務大臣 長内先生御指摘のとおり、今、苫東開発株式会社、これは第三セクターの国家プロジェクトでスタートしたわけですけれども、円高だとかオイルショック等の影響をもろに受けまして、大変な状況であることは、今先生御指摘のとおりであります。  しかし、私は、あの広大な苫東の土地は必ずいつか生かせられるものだ、また、生かさなくてはいけないという思いを持ちながら、苫東開発株式会社のリストラ、さらには北海道庁を初め関係機関の支援、そして、今先生が御指摘ありました九十億という利払いですけれども、正確には八十七億でありますけれども、この棚上げ等をそれぞれの機関にも今お願いをしておりますので、何とか今は乗り切ることに全力を尽くしていきたい、こんなふうに思っております。  同時に、昨年の九月二十四日には、特殊法人等の整理合理化についての閣議決定もありますから、この新金融機関、今北東が一番の、九百三十一億円で、千七百七十一億円の借入残高のうち一番の債権を持っておりますから、この北東公庫のまた意向、動きが大きなポイントでもありますので、この閣議決定も踏まえながら、できるだけ早く関係者間で検討して方向づけはしていきたい、こんなふうに思っております。

長内順一平和・改革

○長内委員 鈴木大臣は、私と同じ北海道の出身でございます。きっと、私が言っていることはおわかりいただけると思います。  要するに、苫東というのは、略して苫東と申し上げますけれども、北海道のこのプロジェクト、北海道を開発する非常に大事なポイントでありまして、私どもも、先ほど申し上げましたように、大変な期待をしておるわけであります。  しかしながら、この中身を見たら、これはひど過ぎますよ、大臣。何でこんなに負債が次から次に積み重なっていくのか。だって、年間で支払い九十億、まあ八十七億ですか、約九十億。そして収入が四億しかないのですから、毎日毎日、一日たつごとにだんだん膨れ上がって、きっと第二の国鉄になってしまいますよ。だから、これは今どうのこうのするのじゃなくて、少なくとも十年前には、私も改めて資料を見てわかりましたけれども、ちょっと物を考える方であれば、これは先行きどうなるかわかるはずなんですよ。  大臣、もうここまで来ていますから、これはどうですか、大変厳しいことを言うかもしれない、もうこの辺で、この会社を継続させるのか清算をするのか、これは私はもちろん継続させてという気持ちはありますよ、でも、この後のことを考えたら、そういうところまで来ているんじゃないか。大臣、決断すべき時期だと思いますが、いかがでございましょうか。

鈴木宗男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○鈴木国務大臣 私も、十年前に北海道開発庁長官になっておったら別な判断をできたかなという思いを、今、率直に思っております。  ただ、今、長内先生の数字を挙げての御指摘は御無理ごもっともでありますから、私としましては、概算要求までには明確な結論を出したい、こんなふうに思っております。

長内順一平和・改革

○長内委員 今、概算要求までに答えを出したいと。どうも私の言っていることが御理解いただいていないようであります。  というのは、概算要求というのは、大臣、昨年の、平成九年の九月二十四日に閣議決定がありますね。どんな閣議決定かというと、特殊法人をいわゆる統合するという話ですよ。  ここの出資者の千八百億の中身を言いますと、ちょうど半分に分けていらっしゃる。片方は官です。片方は民です。官の方は北東公庫なんですね。それから民の方は、これは破綻した拓銀が幹事会社で、三十九の金融機関で成り立っているわけです。簡単に言えば、九百、九百、こういう形で成り立っているわけです。ところが、昨年の十一月十七日に拓銀が破綻してしまった。ここから、ここにいる金融機関の皆さんが、言うなれば腰を引いたわけですよ。次から次に、もう融資はできないというふうになってきた。  ですから、今大臣がおっしゃったのは、いわゆる冒頭の閣議決定、北東公庫はもう間もなくしたら、これは開発銀行と一緒になっちゃうんですよ。統合されちゃうんです。責任の所在がわからなくなります。ですから、大臣がおっしゃったのは、その閣議決定の中に、この統合の期日がいつまでかというと、平成十一年の通常国会まで、これまでに統合すると言っているわけです。そうなると、一年前に概算要求、いわゆることしの八月までに、いいですか大臣、このための、統合のためのその期日として、この間から皆さんがおっしゃっている八月というのはわかります。でも、これはそんな内容じゃないんですよ。  ですから、私は、少なくともそんなに時間をかけていられない。だって、利息だけでこれは大変ですよ。九百億というのは、いわゆる四日で一億ですよ、四日で一億ずつ積み重なっていくんです。そんな悠長なことを言ってられぬと思いますよ。大臣も北海道の状況を知っているはずだ。北海道の経済再生のためには、ここはシンボル的なところですから、きちっとしなければなりません。もう一度答弁をお願いしたいと思います。

鈴木宗男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○鈴木国務大臣 私も何とかしたいという思いで今答弁させてもらっておりますけれども、また、今苫東を初めあるいは北東公庫、さらには北海道庁もいろいろ、何か企業の進出はないかとか、あるいは新たな創出はないかとかという努力もしておりますから、このやる気もぜひとも認めていただきたい。そんな思いの中で、私は、今、概算要求時までにという話をしましたけれども、六月末までには結論を出したい、こう思っております。

長内順一平和・改革

○長内委員 六月末までという明確な話がありました。私は、何度も言いますけれども、これはもう時間がないからきょう私は細かいことを一切やっていませんけれども、この内容は大臣知ってのとおり大変な状況でありますから、六月は六月として、私は、一刻も早くこの問題をどうするのか、そして、もし継続をするのであればリニューアルされた姿で、新事業計画、それから新資金計画双方をきちっと並べて、それで提示をすべきというふうに思います。六月は六月として受けとめさせていただきますけれども、さらなる御努力をお願いいたしたいと思います。  この問題に対する総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私も、最近苫東を拝見する機会がございませんけれども、何回か見せていただく機会がありました。  御承知のように、国が計画を行い、また国や地方公共団体が基盤整備を、そして第三セクターである苫小牧東部開発株式会社が、まさに委員御指摘のように、北東公庫あるいは民間銀行などから融資を受けて土地の取得、造成、分譲を行うという役割分担で進んできたものです。そして、当時苫小牧新港がつくられたとき、技術的にも私どもは非常に高い評価をし、掘り込み港湾というものを、一つのモデルをあそこに見ました。  それが、今議員から御指摘を受けましたように、また北海道開発庁長官が御答弁をいたしましたような状況の中にあることは大変残念なことでありますし、関係者が連携を強化してこの状況に的確に対処することが今何より重要だ、そのような感じを御議論を拝聴しながら受けておりました。

長内順一平和・改革

○長内委員 金融機関の検査の問題で、質問する内容の半分もできなくて、本当に私は残念でなりません。  せめて大蔵大臣、これは質問ではありませんけれども、今のようなことでは、私は本当に国民の負託にこたえるというふうにはならないと思います。金融問題、きょう本当は大臣とさまざまな形で議論したかったわけでありますが、できないわけでありますけれども、どうか、大臣が就任されたその意味、なぜ大臣だったのか、なぜ松永大臣なのかということをしっかり受けとめていただいて、対応をいただきたいと思います。  終わります。どうもありがとうございました。

伊藤公介自由民主党

○伊藤(公)委員長代理 これにて長内君の質疑は終了いたしました。  次に、児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。  総理は、先日の施政方針演説の冒頭で、人口の少子・高齢化、これを内外情勢の大きな変化の一つの要因としてお挙げになった。いうところの高齢化社会が少子化の進行によってもたらされたものである、そして、この問題に対する対処は二十一世紀に向けた国づくりの基本である、こういう点で多くの国民の合意ができていると思います。  ある全国紙ですが、「日本の人口百年後は半減?」こういう大きな見出しを掲げて、その中でこう書いている。「高齢者のための「介護保険法案」の説明で首相官邸を訪れた厚生省幹部に、政府首脳が「介護保険もいいが、子供の数は大丈夫か」と問いただす一幕もあったという。」私は、なるほどと思ってこれを読みました。  私は、ここで出生率一般の議論をするつもりはありません。それをやれば、高学歴化だとか女性の晩婚化、未婚率云々、この議論になっていきます。そういった議論ではなく、もしこの問題が二十一世紀に向けた国づくりの基本であるとすれば、一、二の省庁の問題ではなく、政府が一致して取り組まなきゃいけないことだ。そしてその際、就業し結婚している女性が、この女性の数は一昨年専業主婦の数を上回りました。この方たちが働きながらみずからの意思で子供を産み、育てることを支える、国が何をその点で支援策として押し出すべきか、この点に絞って、まず質問いたします。  最初に、経済企画庁は昨年十一月に、「国民生活白書 働く女性—新しい社会システムを求めて」、この中で、短大卒相当の女性を例にお挙げになって、就職後、出産、子育て、そのことで仕事をやめる、五年後に再就職した場合、生涯受けるべき収入の損失額、これを一般の再就職の場合とパートとして再就職した場合の二つのモデルを示しております。ごく簡潔にその中身を御説明いただきたい。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 昨年の国民生活白書の分析でございますが、働く女性が出産、育児のために就業を中断せざるを得ない場合に、生涯賃金の中でどのくらい金銭的減少額があるかということでございますが、二十歳のときに就職をして六十歳まで働くという前提でございますが、生涯賃金はトータルで、そのまま働いていた場合に約二億三千六百万になるわけでございます。二十七歳のときに一たん子育てのために退職をし、五年後の三十二歳のときに同じ種類の職業にフルタイマーとして再就職したケースにおきましては、生涯賃金は六千三百万円、二六・八%ほど減少するという試算になっております。  なお、二十七歳のときに同じく退職をいたしまして、三十二歳のときに今度は年収百万のパートタイマーとして再就職したケースにおきましては、生涯賃金は約一億八千五百万、七八・四%減少することとなっております。  ただ、これは同じ種類の職業にまた別の場所でつくということを前提としておりまして、仮に同じ会社に勤める、それも、例えば二人子供をお産みになって三年後にそのまま同じ会社に勤めるという前提で考えますと、この減少額は大幅に減りまして、先ほどのトータル、生涯賃金が二億三千六百万でございますが、千三百三十三万だけの減少になるという結果も私ども試算をしておる次第でございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 これを拝見して、仕事につき、その仕事に熱意を持っている、社会的に貢献しているという意欲が十分おありの女性が、結婚して子育てのために退職をすることになる。その場合に、前者の例でいえば約六千三百万の損失、後者でいえば約一億八千万。  私は、総理に最初にお伺いしたいんですが、女性が仕事を中断することなく、みずからの意思で子供を産み、育てることを国が支えていく、それを今始めていくことが、二十一世紀に向けて少子・高齢化社会を私たちが前進的に乗り越えていく重要なポイントだと思うんです。その点で、総理のお考えをお聞きしたい。実施すべきときに来ているのではないか、こう思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今議員から、国民生活白書のモデルをもとにした、既婚女性の出産、子育てによる就業中断についてのケースのお尋ねがございました。まさに、そうしたケースの場合に、生涯賃金を算定します場合に、金銭的な損失は小さくはないということは事実であります。  そして、これに対する答えは、私もこれは議員と議論をするんじゃないんです。議員も既に御承知の、人口問題審議会の「少子化に関する基本的考え方について」というモデルを見てまいりますと、少子化の原因の中に、未婚率の上昇とともに、育児に対する負担感、家事、育児と仕事の両立に対する負担感、そして同時に、その対応に何が必要とされるのか。  まさに、いわゆる我が国社会全体のあり方の中で、固定的な男女の役割分担あるいは雇用慣行を是正し、男女共同参画社会の実現など新たな枠組みを目指すこととともに、子育てを支援するためのさまざまな施策、特に育児と仕事の両立の支援施策の総合的かつ効果的な推進を図る。  特にここが私は非常に大事なことだと思いますけれども、特に、その後に、とりわけという言葉から始まります、固定的な雇用慣行を改めること、年齢や性別による垣根を取り払う新たな雇用環境の創出が重要という指摘がなされておりまして、私は、この人口問題審議会の報告書の意義は非常に大きいとこれを受けたときにも感じました。  ここから先、個別施策の話になって議員と意見が一緒になるかどうかわかりませんけれども、問題意識は私は同じようなところにあるように今拝聴していて思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今総理がお挙げになった昨年十月の人口問題審議会の文章、非常に興味深く読んだのですが、その中で、生き方の多様性について触れた部分で、結婚、出産を望んだ場合、それが妨げられないようにする支援策の問題、これが非常に私はこの報告のポイントだと思うのです。そのとき、雇用環境を自由にするというのは、先ほどの国民生活白書で言う同一の仕事に戻る場合の損失額が極めて少なくなっていくというその方向に離反するものだということは、一つ指摘しておきたいと思うのです。  そこで、議論を進めますが、皆さん方に今簡単な資料をお配りしています。それは、昨年十一月にこの国民生活白書の中で、就業している既婚女性の出生率、女性一般ではなくて就業している既婚女性の出生率、都道府県別に示されています。これは幾つかの資料を非常に複雑な作業をなさって複合されたデータだと私は拝見しているのですが、一九九〇年の時点を軸にして作成されたものです。  ごらんのとおり、一九九〇年を一つの軸とした場合に、全女性の出生率は一・五四です。就業している既婚女性の出生率は〇・七八。ほぼ二分の一です。神奈川県の場合は〇・四九、東京都の場合は〇・五一、大阪府〇・五二。現在、内閣が進めているエンゼルプランの推進や育児休業給付の活用促進、そういう政策が進められている中で、既婚女性の出生率が急速に下がってきている。恐らく、今日はそれがさらに激しくなっているだろうと思うのです。言うまでもなく、神奈川、東京、大阪は日本で働く女性が一番集中している地域です。  そこで、一つの方策としては、国際的に見ても、育児休業制度です。これを抜本的に充実しなければならない。出産した女子労働者のための育児休業取得者の比率、それから平成八年、九六年の場合だけで結構ですが、休業を取得された方の中で、育児休業の取得期間が十カ月以上になっているケースの比率を労働省、お答えいただきたいと思います。     〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕

太田芳枝労働省女性局長

○太田(芳)政府委員 お答えいたします。  育児休業制度は男女ともに取得できる制度として設定されておりますが、現状では圧倒的に女性労働者が取得しているわけでございます。  私どもの調査によりますと、出産いたしました女性労働者のうち、育児休業を取得した者の割合は平成八年度で四四・五%でございます。また、平成八年度に育児休業を取得した者のうち、十カ月以上取得した者は三三・四%となっております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 九六年、四四・五%。その前に労働省がお調べになった一九九三年の場合は四八・一%ですから、上がっているのでなくて、逆に三・六%取得が低下しています。そして、今のお答えからも明らかなように、制度としては十二カ月の取得が保障されているけれども、実際に十カ月以上取得した方は、これは企業によっては二年、三年という取得期間を延長している企業もありますから、そこまでも含めて三三・四%ですから、総理、三人のうちの二人は、一年と言うけれども十カ月未満しか取得をしておりません。この状態は早急に改める必要がある。  法律の附則第三条に、「この法律の施行後適当な時期において、子を養育する労働者の福祉の増進の観点からこの法律に規定する育児休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と明記されています。そろそろその時期に来ているのではないか。  労働大臣、お答えをいただきたい。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 お答えを申し上げます。  今、政府委員がお答えをいたしましたとおりの数字でありますが、同時にまた、平成五年では十カ月以上取得をされた女子は約二〇%でございますが、平成八年度は今おっしゃったように三三・六というふうにこれは上がってきているということもお認めいただきたい。  それから、私はマルクス主義者じゃございませんので唯物論者ではございませんが、単に賃金とか労働条件だけで必ずしも女性の少子化というものは決まってくるんじゃなくて、私は、一番最初、先生がここは話さないとおっしゃったところが実は非常に大きな問題を含んでいると思います。  その関係で申し上げれば、育児休業だけではなくて、それ以外に、勤務時間の短縮でございますとか、あるいは退職後また再就職できる道を開いているとか、いろいろなことが総合的に勘案されて、女性の引き続き働くという意欲あるいは出産という問題にかかわってくるんだと思いますので、恐縮でございますが……(児玉委員「検討してください」と呼ぶ)ええ、検討はいたしますが、一番最初に、ここは議論をしないとおっしゃったところを避けて通ってはこの問題は論じられないということだけは、ひとつ御認識いただきたいと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 避けて通ったのでなくて、論点を絞ろうと言ったのが一つ。それからもう一つは、これは大臣、明確に言いますが、科学的社会主義というのは事実に立脚します。あくまで事実に立脚して議論をするので、その立場はあなたも御理解をいただきたい。  そこで言いたいんですが、ドイツではどうかというと、産後三カ月目から子が満三歳になるまでの取得、この間休業が保障されていますね。フランスでは、三歳になるまで原則一年、二回の延長が認められています。それぞれ少子化で非常に今苦労している国です。  それらの国の努力も見ながら、私はこの際、さきの本会議で総理は、中野寛成議員に対する御答弁の中で育児休業制度の定着促進とおっしゃったけれども、定着促進は私たちは必要なことだと思う。そこにとどまらずに、もう一歩踏み込んで検討すると今労働大臣のお答えもありましたが、それを総理としてプッシュしていただきたい。いかがでしょう。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 労働大臣をバックアップしていくのは当然のことです。  ただ、私は、本当にその育児休業というものを、当初、教職と看護職と福祉職、公務員だけの育児休業制度をスタートさせるときに各党で話し合ったときの自民党の責任者でありました。提案理由説明をしてきた一人です。そして、その時代から見れば今、大変な変化をしたなと思いつつ、同時に、思ったより普及しないな。思ったより普及しないな。  そして依然として、残念ですけれども、私は零歳児保育というのは本来好きではありません。むしろ育児休業がこれにかわってくれることを願いますけれども、残念ながら、零歳児保育がある程度の需要を持っている。これにはさまざまな理由がありましょうけれども、必要な方があることですからこの部分も対応はしていきますけれども、育児休業が一層普及してくれて零歳児保育というもののウエートが減ることが本当に望ましいと私は願っております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今、総理がお触れになったゼロ歳児保育ですね、低年齢児保育一般ではなくゼロ歳児保育。これは、育児休業の取得が半ばになっておりませんから、さっき明らかにされたように、なおさらこのゼロ歳児保育の重要性が緊要です、まさに。  その点で私は指摘をしたいのですが、先ほど挙げた東京、大阪、神奈川、この三つの地域、東京都のゼロ歳児の待機児童数は千二百五十一名、待機率一五・七%。以下、待機率だけ示しますが、大阪府一三・五%、神奈川県一二・七%。全国の待機率は一〇・八%ですから、それよりかなり上へ行っているのですね。  ここのところの解消が非常に急務であって、そしてその点の解消は、ただ一般的に努力をするというにとどまらず、いついつまでにゼロ歳児の待機児童については基本的に解消する、そこまで踏み込んだ政策を出すことが、就業している働く女性を大きく励ます、このように思うのですが、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 今先生が御指摘の点については、厚生省、労働省を含め、各省いろいろな分野にまたがっておりますが、私どものやっておりますところでは、まず育児休業をとりやすくする、そのためには、やはり育児休業者に対して育児休業取得前の賃金額の助成をするとか、あるいは子育てをしながら働き続けていただくためには、今おっしゃったような育児、介護費用の助成をするとか、あるいは事業所内託児施設の助成をするとか、こういうこともございますし、それから先ほど申し上げたように、育児をした後、職場をかわってもう一度再就職をしたいという方にはそのごあっせんを申し上げる、あるいはまた勤務時間を全体として短縮していく、こういうことが一緒になって、厚生省の方でも一般の保育所があると思いますので、今おっしゃっているような形になると思います。  しかし、同時に我々は、市場経済の中で会社が運営されていて、その中でみんなが勤務をし、そして所得を得ているわけですから、親元が市場経済の原理原則に離れるようなことがあっては、結局は労働者が一番困るわけですから、その間のバランスをとりながら、御趣旨に沿ってやらせていただきたいと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 少子化の課題というのは、本当に国を挙げて乗り越えるべき課題ですね。  さて、その結果生まれた高齢化社会、これは私は喜ぶべきことだと思う。半世紀にわたって私たちが日本国憲法をしっかり守って戦争をしなかった、そして多くの医療関係者その他が懸命に努力をした結果、高齢化社会が生まれている。  これまた二月十九日の衆議院本会議における私どもの委員長、不破議員に対する首相答弁の中で、少子・高齢化の進行に伴う国民の需要の変化に適切に対応する、こう言われた。そのことに介護保険がこたえているかどうか、この点について、私は、これまた論議を避けるのではなく、二つの点に絞って伺いたい、こう思います。  その一つは、保険料、利用料の問題です。  保険料は、九五年度価格でおおむね二千五百円、これがひとり走りをしています。この二千五百円というのは、九二年の人口推計で六十五歳以上の高齢者が二千百七十万、これを基礎にするものだと私は承知している。九七年一月の新しい人口推計では、その部分は二千百八十七万人になった。これに伴う介護費用の増加額、保険料月額へのはね返りは幾らになるのか、厚生省は示してください。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。  今先生お挙げをいただいた介護保険のスタート、平成十二年度における保険料月額でございます。いずれ、先ほど先生お挙げいただいた二千五百円という数字も、今の段階での一つの見込みとして、ある種のサービス水準というものを前提にしながら計算したものでございます。  そういう同じベースのもので、そこを単純に人口推計の部分だけ新しいベースに置きかえるとしますと、先ほどの数字で申し上げれば、保険料月額が二千六百円程度になるものと、これもまだ今のところの見込みでございますけれども、そのようになろうかと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 二千五百円ではなく月額二千六百円、そしてこれに九五年度以降の物価、人件費等が加算されることになりますから、私の推計では二千七百円をかなり上回ることになるだろう、こういうふうに思います。  そこで、この二千六百円、二千七百円の保険料は、扶養者、被扶養者の別を問わず、第一号被保険者についていえば全員から徴収されることになります。第二の消費税ではないか、こういう声が出てくるのは当然のことです。この部分に対して、国の責任でどのような対策を講ずるか。これがあと実施まで二年ある、そういうふうに皆さんが言っている介護保険制度、確かに法律では二年少々ありますが、国民の願いとの巨大な乖離を埋めるためには、ここに対して適切な対策を国が講ずる必要がある、私はそれを強く最初に述べておきたいと思うのです。  一番国民の期待の強い特別養護老人ホームの場合、今度の法律では指定介護老人福祉施設というちょっと耳なれない言い方になっている。入所者の負担が月額四万七千円、これは現在の入所者の七五%の方にとって負担増になります。ホームヘルパー、先日私どものスタッフが行った武蔵野市では、週三回九時間のホームヘルプまでは無料です。そして、現在ホームヘルプを受けている方の八五%の方が無料です。現行の福祉制度はそうなっているのに、介護保険制度が導入されたら、これらが有料化されてしまう。  私は、総理に率直に聞いていただきたい。ここは総理の考えを聞きたいのですが、日本の高齢者の二分の一は年金だけで暮らしています。リッチなお年寄りという言葉がよくあるけれども、それはまれにはいらっしゃるでしょう。特にここには大勢いらっしゃる。しかし、日本の高齢者の二分の一は年金だけで暮らしています。そして、年金受給者の五五%が、千百二十七万人に上りますが、国民年金、月額平均四万四千七百円ですね。そういう方から月額二千六百円を超す保険料をいただく。所得の多少に関係のない一律の利用料。私はこれは本来廃止すべきだと思う、利用料は。  日本共産党は、さきの国会審議の中で、利用料の廃止を修正案として提出いたしました。昨年十二月に法律が成立してから市町村の関係者が最も憂慮しているのは、経済的な負担から、介護保険の給付が認定されても辞退される方が続出されるのではないか、この点を多くの方が憂慮されています。高齢者、低所得者に対して、少なくとも現行の福祉制度から後退することがない、こういった措置をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 介護保険制度というのは、個人や家族の問題というよりも、介護問題というものを社会的にとらえようじゃないか、個人や家族の負担には限度がある、社会的に支えようということで、この介護保険の問題、高齢社会に備えまして、税金と保険料を半分によってこの介護保険制度というものを構築しよう、利用者に一割の負担ということなんです。  この一割負担でも払えないじゃないか、無理じゃないかという御指摘なんですが、医療保険についても、例えば三割負担にしても二割負担にしても、今一般の方は上限が六万三千六百円です。低所得者はその約半分。今回の介護保険制度におきましても一割負担ということを決めておりますけれども、この一割負担でありますけれども、それでは上限をどうするかということによって十分低所得者にも私は配慮できる、この上限を幾らにするかというのはこれから検討して決めたい、低所得者に十分配慮していきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私はそこまで細かいことを申し上げられる自信はございませんでしたけれども、特に、議員は利用料について触れられたわけです。利用料負担、確かに存在します。しかし、まさに利用料負担が高額になる場合におきまして高額介護サービス費を支給する、これによって負担に上限を設ける、そしてその所得の低い方に対してはこの負担上限額を低く設定する、これによって低所得の方に対する利用料負担の頭打ちを一般より低くする、いろいろな工夫をしていることを私から申し添えます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 私は、まず保険料の問題から論じていきたいんです。  先ほど、週三回九時間まではホームヘルプは無料、東京都の武蔵野市がお出しになっているパンフレットです。この中で、介護保険は第二の国保だと言われることが多いというけれども、その国保よりさらに過酷な部分が幾つもある。  例えば保険料ですが、このパンフレットによれば、老齢福祉年金受給者本人の年収は四十万二千四百円。これは、御承知のように、保険料を五段階に分けた一番下の段階、月額千二百五十円、そこに照応しますが、収入に対する比率は三・七三%です。そして、年金収入のみで市町村民税非課税、二百六十六万円、この方に対する保険料の年額は、二千五百円として年に三万円、一・一三%。年収一千万の人、この場合は〇・四五%です。三・七%から〇・四五%、大変な逆進性がある。  さて、私は、第二の国保ということがよく言われるんだけれども、現在の国民健康保険制度には若干の経過がありますけれども、明年度から、保険者たる市町村が保険料の軽減を行った場合、その額について国が二分の一、都道府県と市町村が各四分の一負担するという制度が確立をしております。これを介護保険についても、少なくともこれより後退することがないという形で設定すべきではないでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。  介護保険の保険料につきましては、そもそも国民健康保険におきます医療の保険料よりも、総体額としては、絶対額として小さい額になっております。  そうした中で、やはり所得に応じた負担ということで、これは最終的には各市町村の条例ということになりますから条例で定めていただきますけれども、標準となる考え方としては、五段階の所得段階別で設定をしていただくということになろうかと思います。こういった段階別の保険料設定をすることによりまして、今おっしゃったような配慮は十分できるのではないかというふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そのままだったら、国民健康保険制度にすら存在する減額措置を介護保険制度は想定していないということになりますからね。これは大きな問題であるという点を一つは指摘しておきましょう。  そして、次は利用料の問題です。先ほど、医療保険制度における利用料のことが大臣からお話があった。六万三千六百円。そして、年に三回以上月六万三千六百円を上回った場合、その場合は三万七千二百円ですね。低所得者に対しては三万五千四百円。これは同様、四回から二万四千六百円にする。  さて、介護保険の利用料というのはどういうものか。療養型病床群、よく四十三万円月額と言われる。そこで保険給付は、厚生省が一月の課長会議で配った資料によれば、保険給付は三十七・七万円。特別養護老人ホームは、さっきの保険給付が二十三・三万円ですから、利用料が約二万四千円、それに食費その他で四万七千円。医療保険制度と横並びというのであれば、何段階かに分けて、思い切って低いところから刻んで設定すべきだと思いますが、いかがですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 その点につきましては、上限をどこにするか、また一般者と低所得者についてどの程度の差を設けるべきかにつきましては、医療保険福祉審議会で検討していただきまして、その検討結果を待って決定したいと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 繰り返しそれはお聞きしましたが、厚生省はどう考えているのですか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。  今、大臣からお答えを申し上げましたように、審議会に諮って最終的に決定をするわけでございますけれども、そのときの考え方の要素といたしましては、やはり一つは定率で一割負担を設けている趣旨、ある種の公平というようなことを考えての受益に応じた負担という趣旨をどこまで考えるか。それに対して、やはり負担能力というものについて劣っておられる低所得者の方々に対する配慮をどのように考えるか。それから、医療保険あるいは老人保健制度の一部負担との均衡をどのように考えるかというようなことを総合的に勘案しなければならないというふうに思っております。  その際には、医療と、それからいわゆる介護というような形で長期的に療養しなければならないといったような点をどのようにその中で考えていくか、こういった諸要素を総合的に勘案して決めてまいりたいというふうに思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 この問題が、介護保険法案の審議のときに杳としてこの中身を知らされることがなかったという点は、私は大きな問題だったと思う。そして、再来年の四月から始まろうとしているとき、この衆議院の九八年度予算を審議する総括質問の場というのは、非常に貴重な場です。そこで、私は具体的に聞いているのです。  医療保険制度では何段階か刻みがある。医療保険制度の場合、給付の上限は、厚生大臣よく御存じのように、何百万、一千万という場合だってあるんですよ、そして、その中で六万三千六百円。介護保険の給付の場合は、上限は恐らく五万までいかないでしょう。そういうときに、この利用料、本来廃止すべきものです、これは。どうしても皆さんたちがそれにこだわるというのであれば、せめてそれについて何段階、どのくらいのところで低所得者、高齢者に対する国の施策を示すのか、もう一回答えてください。審議会に提起するというだけでは、この場は済まされません。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。  現に医療保険においてもありますような一つの段階ごとの刻みというものがございます。これを当然一つ勘案をしなければならないと思います。  それと同時に、今お話のございました、そもそも医療費それぞれの単価からいえば、医療保険のように非常に大きな額が突如として出てくるというような場合はございません。したがって、こういったことについての配慮をどうするか。  であるけれども、逆に、そのかわり、医療保険のように、病気になられたというところで一時的にはふえるけれども、ずっとそういう状態ということには必ずしもならないということを考えますと、介護保険の場合には長期化をするわけでございますから、その長期化をした場合の負担ということも考えなければなりませんので、そういったことをあわせ考えまして具体的な水準を決めてまいる、こういうことになろうと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 総理がちょっと欠席されていますから小泉大臣に私は伺いたいんですが、法律が成立して以後、私たちは随分市町村を手分けして回りました。そのとき、幾つかの市町村では、現実に、保険料の減免について条例によって準備をしたい、そして利用料については、共済制度、いざというときに出し合って、市町村からもそれに基金を出して共済制度で、高齢者の介護給付について辞退者が出ないような、そういう準備をしなきゃいけない。利用料の貸付制度、これも検討されています。  他の院のことではあるけれども、昨年十二月三日、参議院本会議において全会派一致で採択された、異例のことでしたけれども、本会議で本当に異例に採択された介護サービスに関する決議、その中で、すべての国民が介護サービスを利用することができるよう、低所得者に対する必要な措置を講ずること、これが政府に対する要求として出ていますね。大臣、この要求にどのようにこたえますか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 介護保険制度が導入されて、平成十二年度に実施されるために今準備を進めているわけですが、その際には、今言われました国会決議の趣旨を尊重して、保険あって介護なしというような状況がないような体制を整備していきたいと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 次に、介護保険の導入と高齢者医療の今後の問題について、私はこれまた限定して議論をしたいと思います。  総理は、昨年の初頭、インフルエンザで特別養護老人ホームにおいて多数の死者が出たことを御記憶だろうと思います。厚生省が私たちに出した報告によれば、昨年の一月二十二日現在ですが、特別養護老人ホームにおける肺炎その他による死者は九十二名、報道によれば三十都道府県で二百四十九名という数字も出ていました。一つの特別養護老人ホームで七名のインフルエンザによる死者を出したところもありました。  去年の四月、介護保険法案に関する審議で、参考人として御出席くださった日本医師会の糸氏副会長、糸氏さんは、高齢者の心身の特性について、医師として次のように言われた。高齢者は、一つの病気が起こると治りにくい、多くの病気を多発しやすい、病状が激変し、容易に死への転帰をとる。インフルエンザのときがまさしくそれでしたね。  国民の不安の一つは、介護保険の導入で高齢者の医療が後退するのではないだろうか、ここにあります。施設介護、とりわけ特別養護老人ホームにおける医療は、昨年のインフルエンザのあの痛ましい教訓から、思い切って充実させられなければいけない、こう私は考えますが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 現行の制度について改めて申し上げる必要はありませんが、介護保険が導入されました場合、現在とどう変わるか、そして、そこで問題を生じないように注意すべきであるというのが議員の御指摘だと思います。  介護保険制度が導入されました後においての特別養護老人ホーム、これは配置医師による健康管理が行われ、これに対する給付は介護保険から行われるわけであります。そして、当然ながら、重複がないように所要の調整は行う必要があることは今と同じですけれども、入院医療あるいは緊急の場合などにおける入院外の医療など、これは現行どおり医療保険の対象になります。  その上で、あらかじめ定められた協力病院等によって給付が受けられるように、既に現在でも配慮はいたしておりますけれども、そうした点についても十分注意を払っていかなければいけないものであることは御指摘のとおりです。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 私の母は今九十二歳で、特別養護老人ホームに入っています。社会的な国民全体の善意というか支えを受けている、私はそう思っています。残念ながら、肺炎で時々入院をすることもありました。  私のおります北海道の札幌市、特別養護老人ホームはかなりの数ありますけれども、そのうちの一割は、配置医と今総理はおっしゃったけれども、その配置医の中で常勤の医者がいらっしゃいます。現行の福祉制度は、常勤医の人件費を含めて、一定の措置をしています。  先ほど言いました去年の一月のインフルエンザの流行のとき、ある常勤医の配置されている特別養護老人ホームでは、正午の段階で、高齢者がどのくらい水分をとったかというのを一人一人きちんと点検をして、そして足りない部分については常勤医の医師の指示によって点滴を行った。その結果、あの時期、インフルエンザ、肺炎というケースは一件も出なかったのですね。この特別養護老人ホームにおける高齢者医療をもっと手厚くする、そのことが今本当に多くの国民の願いです。  その際、私は言いたいのだけれども、特別養護老人ホームの入所者がどうしても急性の病状その他で病院に入院した場合、特別養護老人ホームに戻れなくなるのではないかという不安が非常に強く存在をしています。  現行の福祉制度では、入院等の場合、おおむね三カ月以上にわたるまでは、特別養護老人ホームへの入所措置が変更されることはありません。このことが、今高齢者の介護と医療を、非常に不十分ではあるけれども、ともかく辛うじて維持している制度上の非常に重要なポイントだと思います。この部分が後退することがないように、多くの市町村の関係者、そして福祉施設の関係者、何より入所者、家族の方々が切に願っています。この願いにこたえていただきたいと思うのですが、総理、どうでしょう。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先ほどもお答え申しましたように、議員は先ほど来、介護保険の仕組みが動き出したとき、現行との間に痛みを生じるような変化が起こらないようにという指摘をされました。その上で、今、配置医師による健康管理の一つの例として、現行措置費で賄われているわけでありますけれども、札幌市の例を、御自身のお母様、御母堂との体験も含めて述べられました。  私は、注意深く今も拝聴していたつもりですけれども、やはりあらかじめ定めた協力病院などでということを申し上げております点、そうした不安を少しでも、特に御家族に持たれないで治療に専念していただけるといったような思いもここにはあると思います。  介護保険制度におきましても、医療保険との間に所要の調整を行いながら必要な医療が受けられる、こうした配慮をしていきたいと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 先ほど述べた広い方たちの切実な願いに政府は真剣にこたえていただきたい、私はそのことを強く要望します。  さて、最後の問題です。  総理は、先日の我が党の志位書記局長との社会保障をめぐる論議の中で、みずからの老後に対する一つの自衛という気持ちが確実に存在すると私は思います、こういうふうに御答弁になった。今、政府が進めようとしている言うところの社会保障の改革、私の見るところ三本の柱があると思います、高齢者に絞って言えば。  一つは医療の改革、私はこれに括弧をつけたいと思う。そして、年金、介護に関する改革ですね。見事にこの三つの改革は相互に関連し合い、リンクし合っています。しかも、好ましくない方向でそれはリンクしています。  例えば、先ほどから議論をしている介護保険における一割の利用料の徴収。これは、政府・与党が計画している高齢者医療保険制度における患者の一割、二割と言われる定率負担、高齢者のための独立した医療保険制度、そこで言われている定率窓口負担ですね、そことリンクしている、というよりは、むしろそこに道をあけようとしていると私は考えざるを得ない。  それから、先ほども言った介護保険制度にあっては、扶養者、被扶養者の別なく第一号被保険者全員から保険料を徴収する、そのことと、これまた厚生省と与党が考えていらっしゃるこの高齢者の医療保険制度、ここでは、現在三百四十万人いらっしゃる全国の医療保険制度の被扶養者、自民党のこの分野の責任者は恐らく保険料月額五千円程度になるだろうと言われているから、それをトータルしただけで二千億を超しますね、それがこれまたリンクし合っている。そして、特別養護老人ホームなど施設に長期にわたって入所される方、その人たちが月額の保険料に加えて、例えば特養の場合、月四万七千円の利用料も負担させられる。  そのことを無視して、この厚生省が出した今度の年金白書では、年金給付の減額、停止措置さえ検討されているという。これでは、多くの国民がますます老後に備えて自衛という気持ちを強くせざるを得ないのではないだろうか。負担はふやすけれども給付は減ずる、この方向性は誤っていると思います。抜本的に改めるべきではないでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 年金にしても医療にしても介護にしても、社会保障制度の抜本的な改革を図るために、今もろもろの制度の見直しを行っているわけです。その際に、ぜひとも考えていかなきゃならないのは、だれもが給付は多ければ多いほどいいと言うに決まっているのです。しかし、その給付の裏に必ず負担する方がいる。  この給付と負担の均衡を図るということが、今後できるだけ増税しないという中で、どのような効率的な社会保障制度を構築するかというのが大事な視点であって、できれば我々も利用料はただの方がいい、給付は多い方がいい、だれもそう言いますよ。  しかし、その給付を支える、負担している方々に、給付と負担というのは切り離すことはできないのだ、その総合的な視点を持っていただきまして、それでは給付をどのぐらいにしようか、負担をどのぐらいにしようか、税金はどのぐらい投入しようか、自分たちの受益者負担は自己でどのぐらい支払うか、そういうことを総合的に勘案して、これからの効率的な社会保障制度改革に取り組まなければいけないということをぜひとも御理解いただきたいと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今の問題ですが、非常に手落ちですね。  厚生省に聞きますが、九五年度価格を前提にして介護保険制度が二〇〇〇年度に実施されたとする場合、国の負担すべき額が一兆何がしから一兆何がしに減るはずです。その金額を示してください。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 国庫負担でございますけれども、現行制度でいきました場合に、ちょっと足し算をしていませんで恐縮でございますが、一兆五千五百億がたしか約三千七百億程度減るという数字であったというふうに思っております。ちょっと手元になくて申しわけありません。ちょっと引っ込みまして、もしあれしましたら、もう一回申し上げます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 厚生大臣、私が手落ちと言ったのは、この点で調べてみましたら、九五年度価格、二〇〇〇年度実施の場合、国の負担は、一兆五千五百億から介護保険の導入によって一兆一千八百億円に、三千七百億円減じます。国民に対しては負担をふやさせ、そして国の負担は減ずる、こういう形で介護制度を導入した国は世界にありません。その点を真剣に考えるべきですよ。  そして、社会保障に対する給付というのは、現物給付であれ、そして現金給付であれ、すぐれて個人消費に直結します。そしてこの後、確実に雇用の新しい分野を開拓していきます。そのことを考えれば、負担はふやすけれども給付は減らすというやり方は、方向性として全く百八十度逆ですね。それを改めなければいけない。そして、その点は、日本の経済の再建のためにも非常に必要なことだ。社会保障の充実は、決して日本経済の発展の重荷ではありません。むしろ前進的な要因です。  その点で、昨年十二月十八日に日本総合研究所が将来所得の減少が萎縮させる家計行動という非常に興味深いレポートを出していらっしゃる。その中で、三十歳の男性、年収五百万円、妻と子二人、六十歳までの将来可処分所得を厚生年金保険料率、健康保険料率の引き上げ、介護保険の導入で累計九百二十万円、年間三十万円減少させる、こう言っていますね。  寓話に「太陽と北風」というのがあります。旅人のマントを脱がせようと思って、年金は半分にするぞ、保険料は倍にするぞ、介護保険は無理やり取るぞ、そう言って北風を吹きまくってマントをぐっと抱きしめさせるか。それとも、消費税を五%から三%にし、そして個人消費を前進させ、社会保障を充実させる暖かい光で、総理の言葉をおかりすれば自衛の心を、むしろ老後は社会に任せるという方向に事実を伴って変えていくか。そこが日本経済再建にとっても勘どころだと思うのですが、この点は総理の考えを聞きたい。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員も研究所の資料を引用されましたので、私も、平成七年七月の社会保障制度審議会、「社会保障体制の再構築」という勧告、副題が「安心して暮らせる二十一世紀の社会を目指して」、その第一章の中で「社会保障の基本的考え方」、そして第二節には「社会保障を巡る問題」、「社会保障と経済」といった一連のものがございます。  本当は、まだ時間があれば、私、この中で読みたい部分があるのですが、私は、ここに言われているもの、それは、今後予想される社会保障負担の急速な増大傾向に耐え得るような、合理的で効率的なものであること、制度がそういう制度であることが求められるというところに尽きていると思います。  そして、そうした意味で、将来ともに維持し得る、役に立つ社会保障制度を構築していきたいと努力をしてまいりますし、議員は「北風と太陽」をイソップの中から選ばれましたが、「アリとキリギリス」を引用されないで済むような日本にしたいと存じます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今の寓話ですが、どうやって個人消費を伸ばすかという場合に、太陽の暖かさが必要ですね。  時間が来ましたから、私は最後に言いたいけれども、総理のお述べになっている改革の中で、現在、日本の高齢者の生活をより手厚く支えるものが一つでもあるか。一つもない。ここを改める必要があると強く述べて、質問を終わります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて児玉君の質疑は終了いたしました。  次に、北沢清功君。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 私は、社会民主党の北沢でございます。  きょうは、長野冬季オリンピックについて、二月二十二日に御承知のとおり閉幕され、この五日から身障者のパラオリンピックが開催されます。世の中非常に暗い話の多い中で、何か日本の隅々まで希望の持てる明るい映像というものが鮮明に映し出されまして、私は非常に、私自身長野の出身でございまして、特に県会議員を二十数年間やりまして、オリンピックの誘致については、名乗りを上げるときから実は努力をしてまいりました。  特に、今回は、橋本総理、町村文部大臣、その他閣僚の皆さんも多数開会式に御出席をされまして、なおかつ、この間大変な御支援をいただいたことに、改めてこの席からお礼を申し上げたいと思います。  その中身は、日本がかつてないような、十個というメダルをとったわけでございまして、非常に日本の選手団の活躍があったのでありますが、特に地元の皆さんやボランティアの方々の協力によりまして、大変な成功裏に、数々の貴重な遺産を残すことができたことを私は実は非常に誇りに思っております。  開会式の中でも、議員の皆さんも見られまして、強調されたことは、今オリンピック大会のメーンテーマは、平和と自然そして子供の未来というこの三つのテーマでございました。そのことは、最後の聖火台の点火について、英国の、地雷によって片手片足を失った方が義足をはきまして、なおかつ、失明された少女をみんなの子供が支えて会場を回ったことでございます。そういうことで、実はそこが一番感動したのではないでしょうか。やはり、ともに生きる社会というもの、そして日本、世界の今の情勢をスポーツの分野においても発揮されたということでございます。  それから、閉会式も、長野県の伝統文化といいますか、祭りや郷土芸能というものが世界に幅広く映し出されまして、いわゆるふるさとはいろいろ個々にはあるけれども、世界がふるさとである、そういうテーマでございました。  そういう意味で、私は、特に今国会における総理の施政方針の中の前段に、豊かな自然や伝統、文化を大切に守り、また、年長者を敬い、親から子へと心の大切さや生活の知恵を伝えていくことのできる社会、そういう認識がこれからの私の進めている改革である、そういう表現をされておりますし、また、今、ナイフや子供いじめが進んでいる中で、教科書にないような大きな感動があの映像を通じて全世界に伝わったわけであります。  そのことを思うときに、後で、質問外でございますが、総理からも御感想をお述べいただければと思いますが、そのことを含めて、大きな役割を果たしたのではないかという思いでいっぱいでございます。また、これからのパラオリンピックも、恐らくそれ以上の感動を与えていただくのではないかというふうに私は思っております。  そういう中で、実は長野県は大変な負担でございまして、これは競技施設に約一千億円、それから、いろいろの形で開催地以外の町村も不満があったわけでございますし、また長野市では一戸当たり二十七万円の負担だというようなこともささやかれておりますけれども、しかし、そういうものを乗り越えて、一致してこのことを成功させたということ、そういう中で、私としては、新設されました競技場など施設の後利用のことがやはり大切ではないか。  オリンピックは成功したけれどもそれから後は不成功だったということは、北海道のあのかつての札幌オリンピックの施設も荒廃しておりましたことも非常に残念でありますが、年間十二億円と言われる維持管理費が必要とされるわけでございまして、サマランチIOC会長も、これらの競技施設の有効な活用を実は県知事に求めておりました。もちろんこれは県の問題でございますが、将来に向けて、お互いに知恵を出し合って、建設的な方向になるように、ぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。  このことについて、文部大臣のお考えをお伺いいたし、最後に総理から御一言いただきたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 長野オリンピックの施設の後利用の問題について御指摘がございました。  御承知のように、平成元年六月の閣議了解におきまして、財政厳しい折ということが既に平成元年の時点から認識をされておりましたものですから、新設する施設の将来にわたる管理、運営については地元の責任と負担を主体として行われるものとすること、実はこういう閣議了解があるわけでございまして、基本的には長野市等において検討して決定をしていただきたい、こう思っているわけでございます。  ただ、委員御指摘のとおり、大変にすばらしい施設、世界に冠たる施設ができたわけでございますから、こうしたスポーツの大会、あるいは、トレーニングのみならず、イベントとか子供たちの利用とか、いろいろな生涯スポーツの場としても多様多面に活用していただきたい、こう期待をしているわけでございます。  こういうようなことでございますので、今後地元ともよく御相談をしてまいりたい、こう思っているところでございます。中には、国がこれをナショナルトレーニングセンターとして活用したらどうだろうか、そんな御指摘もいただいておりますが、その点につきましては、今、平成九年、十年、二年度で調査結果を出そうかな、こう思っておりますので、そうした結論なども踏まえて、よく御相談をさせていただければ、こう思っております。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 長野オリンピックが与えた感動というものは、委員が述べられましたように、選手だけではなく、それを形づくったすべての方々の助力のおかげであろうと思いますし、議員からもお触れになりましたように、視覚障害を持つお子さんが、地雷により片手片足を失ったムーンさんとともに走る。あの光景ばかりではなく、むしろ競技の中において、メダルには届かなかった、入賞はできなかったかもしれないけれども、オリンピック本番で自己の持つ記録を書きかえた諸君が何人かあった。私は、自分も多少とも運動競技をしてきた人間として、大きな大会で自分の自己最高記録を書きかえるというのがいかに大変なことかというのは、もっと評価してあげてほしいという思いがいたしました。  きょう、パラリンピックの選手団の結団式が行われ、予算委員会、休憩をいただきました昼の時間に、官邸で選手の皆さんを激励して、またこちらに戻ってきたわけでありますが、このパラリンピックの開催も冬季は初めてでありますから、恐らく国内に大きな感動を与えるだろうと私は思います。  その上で、今文部大臣から御答弁がありましたけれども、私は、地元ということだけではなく、競技団体の皆さんにもこの後利用についてはよく考えていただきたいと思うのです。どんなに管理しようとしたって、そのスポーツをやろうという方がなかったら、その施設は使われません。ですから、地元の責任と負担を主としてという言い方になっておりますけれども、私は、まさに、広く地域や国内外のさまざまな活動の場としてこれが有効に活用されることを願いますし、殊に競技団体の皆さんがその後利用について途切れないような工夫をしていただきたい、これは私自身そう思います。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 ありがとうございました。  やはり前向きに、しかも知恵を出し合ってということが非常に大事でありますから、私ども、県としての責任もさることながら、ひとつ幅広い支援によって、立派に将来にわたって活用できますことを心からお願い申し上げたいと思っております。  次でございますが、地球温暖化の問題、COP3の問題でございます。  これもやはり、オリンピックの与えたあの世界的な感動と同時に、二十一世紀における大きな、今すぐから取り組まなければならない課題であります。たまたま今、何か景気対策とか不況とか、そういう面で大変な論議をされているわけですが、そういう中で、ともすれば埋められがちな問題でございますが、これはやはり地球そのものの生存にかかわる問題であります。  特に、昨年の十二月の京都会議というものは、いわゆる気候変動枠組条約の第三回の国際会議でありますが、特に日本が議長国を務めまして、私も国会の派遣で参りましたし、また与党のCOP3の委員として、非常にこの問題は勉強したつもりでございます。  特に、日本が当初出された削減率は二・五%でございますけれども、そのことが果たして議長国として、またこれからの日本の使命として適当かどうかということ、ともすれば、やや通産省寄りの業界の意見もあるわけでありますから、そういう面で若干問題があるのじゃないかということは全部の共通認識でありまして、そういうことを含めて、実は大木環境庁長官、調整役として夜を徹しての大変な御苦労をされておるわけですから、激励かたがた参りました。  しかし、幸いにしてこれをまとめられたということは、私は非常にその労を多といたしまして、よかったことだと思いますけれども、問題は、今後の問題であります。実は、いわゆる日本の六%という削減は、既に先ほども小林委員から御質問がございまして、実際、一九九〇年から見ると、十数%の削減が必要になるわけであります。  そこで、お尋ねをしたいわけでありますが、この目標の達成のために、政府はどのような対策に取り組み、考えておられるか、それぞれの省庁にお尋ねをいたしたいと思います。  そこで、通産省は、エネルギーの使用の合理化に関する法律、いわゆる省エネ法を改正することでどの程度の効果を見込んでおられますか。また、これに関連して四年ぶりに、いわゆる長期エネルギー需給見直しとの関係は、されるわけですが、どうなっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  政府といたしましては、今回の省エネルギー法の改正に係る措置や、経団連の自主行動計画、こういうものの事業者の自主的な取り組みを一緒にあわせまして、フォローアップなどと相まって、昨年の秋に地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会の合同会議というものを開きまして、それによって示されました一連の省エネ対策の効果は、原油換算大体五千六百万キロリットルのうち、約五割程度がこれによって実現されるというふうに考えております。  これに加えまして、省エネルギー法に基づく建築物の判断の基準の強化、あるいは省エネルギー法に規定された国民の努力、あるいは技術開発などの努力目標、こういうものの実施を勘案いたしますと、全体で省エネルギーの約八割程度が実現をされるというふうに考えて、取り組んでいるところでございます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 そこで、いわゆる地球温暖化問題はエネルギー問題だと言っていいほど、両者は密接な関係があると思われます。温暖化対策が、六省庁九審議会から成る地球温暖化問題関係審議会合同会議という長い名でございますが、いわゆる温暖化合同会議で審議されるのであるから、また通産省が単独で今回の需給見直しをするというのは、温暖化政策の総合的な観点から、実はどうかと思われるわけであります。いわゆる総合的な計画の中でお互いに進めていかないと、そして、そのことが横に連絡されないと、やはり生かされないのではないかという思いでありますが、いかがでしょうか。

大木浩自由民主党環境庁長官

○大木国務大臣 お答え申し上げます。  先ほど総理からも小林議員に対するお答えで御説明がありましたと思いますが、京都会議の直後に、政府としては総理を本部長とする対策推進本部をつくりまして、これは政府自身としても審議をしておる。それから、いろいろと各省庁が持っておる審議会がございますから、今のところは、とりあえず各審議会でいろいろと勉強していただいておるということで、環境庁でいいますと、中央環境審議会が京都会議の後を受けまして、これからの温暖化対策について総合的に今勉強していただいております。いずれも、間もなく、数日中にそちらからも答申が出てくると思います。  先生、今まで本件につきましてはよくフォローしておられますので、釈迦に説法でございますけれども、これからの対策ということになりますと、大別すれば、温暖化ガスの排出、吸収、それから国際的ないろいろな取り組みによる、これも一種の削減ということがいろいろあるわけでございますので、これらを総合的に検討しておるということでございまして、通産で今進めておられます省エネの方はこの重要な一部をなすものと思います。  これについて、私どももいろいろと、今これからの取り扱いについては協議をさせていただいておりますけれども、そういったものを総合して、いずれ各省庁で検討しておられる審議会というものを全部集めて、どこかで合同ということも当然考えられるわけでございますが、とりあえずは今それぞれの審議会で勉強していただいておる。それから、私の方は、間もなく、三月六日ごろには答申が出てくると思いますが、総合的なものをいただくという状況でございます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 今、総理が推進委員会の長としてやられるということは私は進歩だと思いますが、私は、後段で、やはり事の重大であるなりきに、組織的な提案を実は申し上げたいと思っております。  いわゆる削減値が示されたけれども、本来の温暖化をとめるということになると、やはり削減値だけでは間に合わないことはもうはっきりしているのです。だから、より厳しい世界的な対応が迫られるわけでありまして、そういう意味で、本来の省エネもさることながら、森林の吸収率だとかまたは他の国の削減率を買ってつじつまを合わせるというネット方式、これも非常に問題を含んでおります。  そういう中で、農林大臣、特に林野庁にお願いをしたいのですが、森林によるところの二酸化炭素の吸収率は〇・三%を目標値で達成できると言っておりますけれども、その見通しをお持ちですか。策定対象にできるものは、一九九〇年以降に行われた植林の面積の実態を見ても、やはり限られておりまして、この分野だけではいかがでございましょうか。  農林大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 お答え申し上げます。  地球温暖化ガスの削減目標期間である二〇〇八年から二〇一二年にかけての年平均の森林による二酸化炭素の吸収量は、京都議定書に規定されている方式に従って計算いたしますと、約百万トンと見込まれます。これは、一九九〇年の温室効果ガス総排出量三億三千四百万トンの約〇・三%に当たります。この数値は、森林、林業を取り巻く状況の中で現状程度の政策の努力を維持するとした場合には実現し得るものと考えておりますが、農林水産省といたしましては、森林の二酸化炭素吸収源としての機能の発揮等の観点も踏まえ、今後とも再植林、新規造植林の推進に努めてまいりたい、こう考えております。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 御答弁ございましたが、私は、今の森林の情勢等から見て、やはり機能としては森林はいろいろな面で危機的な状況に置かれております。  特に、先進国や途上国を問わず、産業として、我が国の林業というのは、実際、末端の実情を見て、斜陽になっておりまして、それらの問題を考えると、もっと前向きに環境、国土資源のストックというような評価をして、日本林業の再興のために将来的な対策をもっと積極的に立てる必要があるのではないか、そういうことを要望いたしたいと思いますが、お考えを農林大臣に再度お伺いいたしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 我が国は、御高承のとおり、六六%の森林率を誇っておりますが、何といっても七割弱は急峻な山に覆われるという国土の特徴に照らしまして、やはり森林の果たす役割というのは、はたで見ているよりは、はるかに大きなものがあるわけであります。  そういう意味で、先生には長らく林野行政に大変な深い御理解をいただいて感謝いたしているところですけれども、実は、間伐材が売れなくなりまして、また木材価格が極端に低落したり、あるいはまた伐採可能な木材が非常に減ったこともこれあり、国有林、民有林を問わず、大変に経営難に陥っているというのが実態であります。  しかし、これを放置いたしますと、やはり、未然に防がれている、いわば土砂崩れその他災害の防止もおぼつかなくなりますし、また我々が知らず知らずに恩恵を受けている水資源の涵養とか清浄な空気の維持等につきましても、これらをみすみす侵されていくことにもなりかねませんので、これからも林野行政というのはさらに深く皆様に御理解をいただき、進めていく必要がある、こう考えております。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 やはり、森林の占める経済効果は一年に二十七兆円という試算が実は上っております。ですから、今言われたような森林の事業というものを、もっと環境保全の面からも積極的にすべきだということを私は特に訴えておきます。  京都会議の目的達成に向けて、それぞれの省庁は縦割りで対策を立てておるような印象を実は私は持ちます。このようなやり方で実質的な効果が期待できるかどうか、大きな懸念を覚えております。  例えば、さきにも申し上げた温暖化合同会議のような、特定省庁ではなく、やはり首相直結として、総合的な、なおかつ抜本的な対策をとれる組織が必要だと思います。そして、その構成員も、例えばスウェーデンの例に倣いましても、もちろん官界、業界、NPO、市民団体、NGOですね。私、京都へ行って感じたことは、世界のこの問題を非常に積極的に進めているのはNGOですね。それからやはり政党。  そういうことで、このことは、大きな目標としては、官主導ではなくて、国民のすべてが主体となって、地球の未来にとって重要な目的達成に向けて努力をするチャンスだと思います。総理のリーダーシップを発揮していただきますが、総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 議員の御指摘には二通りの問題があろうかと思います。  一つは、COP3で合意をされましたその目標達成のために、政府として取り組むその姿勢についてでありましょう。  これは、京都会議直後、私が本部長となりまして、地球温暖化対策推進本部を内閣に設置いたしまして、今後の取り組みについて決定をいたしました。  この際、今後、重点的に取り組むべき事項として、省エネルギー法の抜本改正、あるいは、ライフスタイルの見直しに向け国民に自主的に取り組みをお願い申し上げる、そのための広報の強化、あるいは革新的技術の研究開発の推進、途上国取り組み支援を初めとする国際協力の推進などを挙げているわけでありますが、これからこの推進本部におきまして、具体的にまたかつ実効のある対策というものを総合的に進めてまいりたいと思います。  もう一点は、森林という点についてであろうと存じます。  我が国の国有林の状況は議員御承知のとおりでありますが、同時に、世界遺産の中に含まれることになりました白神山地のような貴重な植生も今日まだ存在をいたしております。私どもの身の回りには、注意を払えば、わずかに手を加えることによってよみがえる自然も決して少なくありませんし、かつて我々の先祖は、明治神宮の森に代表される、計画的な複層林をみずから設計し、つくり上げたという歴史も持っております。今後、そうした意味での緑の国土づくりというものにも努力をしてまいりたい、そのように考えております。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。  次に、私は、いわゆる組織的犯罪の対策法と呼ばれる三法案についてお尋ねをいたしたいと思います。  これは、一つは、通信傍受、いわゆる盗聴を捜査機関に認める制度でございます。  この問題について議論をする前に、これまで警察が違法な盗聴行為を行っていたかどうかということをまず確認しなければならないと思います。  また、これに関係しまして、与党組織犯罪対策法協議会で、自民党の皆さんから、一九八六年当時、共産党国際部長緒方氏宅が神奈川県警察現職警察官によって盗聴された事件は、神奈川県警の組織的犯行であるということを認めるような御説明がございました。法務大臣またそれから国家公安委員長は、警察の組織的犯行であると認識されているかどうかということについて、それぞれお答えをいただきたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○下稲葉国務大臣 お尋ねの事件は昭和六十一年十一月ごろの事件だと思いますが、その事件を捜査いたしました東京地方検察庁においては、立件した被疑者二名がその首謀者ないし責任的立場にある者であるとは認めがたいとしておりますが、被疑者二名以外に盗聴に具体的にかかわった者を認定し、刑事事件として積極的に本件を組織的犯行であるとまで認定し得るに足る証拠は認めるに至らなかったもの、そういうふうに承知いたしております。  法務大臣といたしましても、十一年前のそのような検察庁の処置でございますし、具体的な事件についてこれ以上意見を申し述べるのは差し控えたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 お答えいたします。  御指摘の事件については、当時の神奈川県警における調査によりますと、県警が組織として本件に関与したことはなかったとの報告を受けていると承知いたしております。  しかしながら、その後の一連の本件関係訴訟において、国及び神奈川県の主張の多くの部分が認められず、結果的に警察活動の一部に疑惑を持たれるところとなったことは、警察におきましても厳粛に受けとめていると承知いたしております。  警察といたしましては、事件発生後十年余にわたりまして、より一層適正な職務執行に努めてきたことを承知しておりますが、今後とも、そのように努めていくべきものと考えております。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 やはり、法の行政的な権威者である法務大臣は、否定的な御答弁をいただきました。既に民事判決も出され、判決文でも、組織犯罪であるというのが、実は結審されました高裁の判決でございます。これを否定されるのかどうかということについて、お尋ねをしたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○下稲葉国務大臣 お答え申し上げます。  東京高等裁判所で、高裁の判決が確定いたしております。  その要旨を申し上げますと、本件盗聴事件は、神奈川県警察本部警備部の警察官が実行したものと推認できる、これが一つでございます。それから、県警本部長または警備部長らが本件盗聴につき、共謀、指示、企図、容認ないし奨励等を行わせたとは認められない、しかしながら、本件盗聴は、県警警備部の警察官が関与し、かつ長期間にわたって継続的に行っていたものであるから、県警警備部長には、本件盗聴行為を回避しなかった点において過失がある、県は、本件警察官のした行為につき国家賠償法第一条の責任がある、国は、県警警備部長の給与の負担者として、これは警視正以上は国家公務員でございますから、国家賠償法三条の責任があるというふうなことで、慰謝料等の支払いの義務があるという判決をいたしておりまして、これは確定いたしております。  以上でございます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 そうなると、やはり高裁で確定をされたというふうに私は理解をいたします。  この事件の以降、違法な情報収集は行っていないということは明言できますか。

伊達興治警察庁警備局長

○伊達政府委員 警察は、御指摘のような違法な行為は一切行っておりません。  なお、警察としましては、昭和六十二年当時、現職の警察官が検察庁の事情聴取を受けるという遺憾な事態を招いたことを踏まえまして、その当時、国民の信頼回復に努めたところでございますが、その後十余年にわたりまして、より一層適切な職務執行に努めてまいった所存であります。今後とも、そのように努めてまいる所存でございます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 それは明言できるということで、結構なことであろうと私は思います。  ここで思い出すと、事件の後、警察庁長官から末端職員に至るまで退職とか配転等の処分があったわけですが、これもやはり事件との関連があったかどうかということ、そういう意味で証左であろうと思いますが、その点も改めて御確認をいただきたいと思います。

伊達興治警察庁警備局長

○伊達政府委員 御指摘の事件後の人事異動につきましては、昭和六十二年当時、先ほども申し上げましたとおり、現職の警察官が検察庁の事情聴取を受けるという遺憾な事態を招いたことを踏まえ、警察の行う情報収集活動について、国民からいささかの疑惑も招いてはならないという立場に立ちまして、人心を一新して国民の期待にこたえる警察活動を展開すべく、定期異動において必要な人事の刷新が行われたものであると理解しております。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 この法案に対して、団体つぶしではないかと市民の不安が実は高まっております。また、弁護士会等においてもこの問題に危惧の念を持っておりますが、やはり団体の定義というものが非常に、二人以上であれば、いかなる人的結合、態様を含めて、観念が団体というふうになるわけでありまして、しかも適用される罪名は、逮捕監禁、強要、信用毀損、業務妨害、威力業務妨害など、これまでいろいろと住民運動や市民運動や労働運動などでたびたび恣意的に適用された罪名が並んでおります。  法務省の、組織的犯罪の名のもとに、NPOだとかNGOなどの多様な市民運動や労働運動の弾圧につながるのではないかというふうに心配されております。この点についても、再度私はお尋ねをいたしたいのでありますが、いかがでしょうか。

下稲葉耕吉自由民主党法務大臣

○下稲葉国務大臣 お答え申し上げます。  正当な目的で行われる通常の団体活動が該当するとは考えられませんし、したがって市民団体や労働団体及びその活動などに影響を与える心配はございません。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 私も今までいろいろ、こういう問題は、法律というのはひとり歩きするというか、エスカレートするわけでありまして、大事なプライバシーの侵害とか、またかつてのようなスパイ国家というようなことになると大変でありますので、特にこの点については懸念を表明しておきます。  最後に、私は、最近の失業雇用問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。  特に最近、大同コンクリートなどは貸し渋りのために黒字倒産をする。また中小企業の社長さんが、自分の死んだ後、生命保険をぜひ従業員のために、会社に使ってくれということで、三人が同時自殺をするというような極めて痛ましい実態が出ております。  きのうも、男子の失業率は戦後最悪で、三・七%とありまして、これと同時に、企業は非常にリストラをしております。そして、それにかわるものとして女性の派遣労働者、パートなどが若干ふえておるわけでありまして、一家の主人公である、大黒柱である働き盛りの男性が失業するということは、私はその家にとっては極めて深刻な影響を与えると思いますし、また、そのことが経済の回復にとって非常に手足まといになる問題だろうと思います。そして、これらの女性の皆さんも、勤め先はほとんど年金や社会保険にも入らないというのが半数以上でありまして、これは大変な問題を持っているのではないか。  そういうことで、今後の雇用問題の見通しについて、この厳しい雇用失業情勢について、労働大臣からお答えをいただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 今先生御指摘になりましたように、先般発表いたしました失業率は三・五、有効求人倍率は〇・六四ということでございますから、従来の日本の数字から見て、非常に厳しい状況だと認識をいたしております。  中長期的には、もちろん規制緩和、構造改革等によって新しい働き口を見つけねばなりませんが、当面は、景気の動向によって雇用というのは左右されます。したがって、先般金融二法を国会でお通しいただきました。今御指摘がございましたように、貸し渋りということが企業の倒産、失業あるいはリストラに大変な影響を与えております。そこで、一年間締めてみれば損益計算書は黒字になる企業が、貸し渋りのために資金繰りがつかずに倒産するというような事態が非常に多うございますので、これは国会を通過した法案によって徐々に私は解決をしていくと思います。  それにしても、摩擦的な失業をできるだけ解消したいと思いまして、実は先週、各都道府県にもお願いをし、それから商工会議所、中小企業団体中央会それから日経連に私、出向きまして、少しでも今御指摘の中高年齢の方々に何らかの形の職を与えていただく求人の道がある場合には、こちらから積極的にお訪ねをいたします、したがってそれをぜひリストアップして都道府県ごとにお示しください、また中高年齢の方を雇用された場合には高齢者の雇用助成金という制度が、実は御存じのない方が多うございますが、これがございます、そういうことを積極的に申し上げて、できるだけの雇用の、むしろこちらがお得意さん訪問をして、積極的に摩擦的失業の解消に努めたいと思っておりますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたします。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 えてしてこういう商店、零細商店もそうですが、私の町では、もう既に大型店のために零細商店がシャッターをおろしています。そういうところがふえています。借金を持ちながら返すことができない、そうかといって、毎日お客がないということは、これは失業と同じことなんですね。私は、労働者ばかりではなくて、商店の皆さんの、父祖伝来ののれんを持ちながら、胸の中で泣けるような思いをして実はこの状況を見ております。どうか救えないか。  私は、一番厳しいのはやはり中小企業なり中小商店、そして、そこに働く弱いところへどんどんとしわ寄せが行くというのが今の状況であると。率直に言って、そういう状況であります。  最近の雇用不安または不況、そういう一例として、建設業の中の倒産、そして建設業に従事している労働者の雇用が極めて厳しい。これは、日本労働研究機構の試算によりますと、十年先の二〇一〇年には、現在六百五十一万いる労働者が二六%減るという調べが出ておりまして、特に深刻なのはゼネコンの下請企業の労働者の雇用だ、私は、実はそういう見方をしております。  ゼネコン、御承知のとおり、実際の建設工事を行っているのは、協力会という下請業者グループを多数持っておりまして、ゼネコンの倒産によってこれらの下請業者は、労働者も多数失業に直面をしております。これらは恐らく、統計の上では出なくて、潜在的な失業者になっているんじゃないか。そういう意味で、これらの問題をもっとやはり把握する必要があるんじゃないかと思うのです。  それから、ゼネコン自体がもう他人のことを構っていられないくらい大変な状況でありまして、ましてや下請、そしてそこに働く皆さんも、制度を利用するということのいろいろ問題があるわけで、もっと制度を活用できるように、その説明を聞かないということで放任されているということも、実態に出ております。  そんなこととあわせて、やはりこのことについては、もっと建設省、労働省、しっかりと把握をして、指導するものは指導すべき、そういうふうに私は考えておりますが、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 お答え申し上げます。  一般的に雇用状況は非常に厳しゅうございますが、特に、今先生御指摘のように、建設業におきましては、バブルのときの過大投資というもののツケがやはり大きくのしかかってきておりまして、先般来も、東海興業あるいは大都工業、多田建設というような上場企業において倒産が見られたところであります。  そこで、これらのゼネコンにつきましては、御承知のような雇用調整助成金、これは、大型倒産が起こりました場合に、今御指摘のございました下請関連企業等にそれが波及しないように、下請関連企業等の雇用者に対して賃金等を助成する措置でございますが、これを発動して、最小限にその影響を食いとめているところでございますし、また、この制度が、御指摘のように、必ずしも多くの方々がすべて御存じであるということではございません。  したがいまして、建設省や中小企業庁と連絡を密にとりまして、関係団体を通じて、もちろん大型倒産があると困るわけですが、万一の場合にはこういう制度があるということを周知徹底いたしております。  なお、ゼネコン等の下請については、御指摘のように、非常に複雑な雇用関係がございまして、必ずしも表に出てきていない苦しみをなめていらっしゃる方が多いということは私ども十分認識をいたしておりますので、今後とも、建設省や中小企業庁とできるだけ連絡をとって、関係団体と連絡を密にしながら、弱い人たちのところにしわが寄ることを少しでも防止するように全力を挙げたいと思っております。

瓦力自由民主党建設大臣

○瓦国務大臣 北沢議員御指摘のように、建設業界も極めて厳しい困難な状況にございます。いわゆる企業者数等、また発注高が大変、この環境の中で、従来にも増して厳しい環境にあることも主因の一つかと思うわけでありますが、業者数も多数おる業界でございますので、鋭意努力をしていかなきゃならぬ問題がある、かように認識をいたしております。  格別、元請、下請関係の適正化は大変重要な課題でございます。このことを認識しつつ、下請代金支払いの実態を把握いたしまして、適正化の指導に活用すべく、元請建設業者に対しまして、下請代金支払い状況等実態調査を実施いたしております。  改善が必要な場合には、個別業者に対しまして改善指導をきめ細かくいたしておるわけでございますし、また、一月三十日に建設業の経営改善に関する対策、及び二月四日の中建審、中央建設業審議会の建議を踏まえまして、調査対象の増加並びに個別指導の充実を図ることといたしておるわけであります。建設経済局も、各地方にも、今委員御指摘のように、この窮地をどう脱するかということにつきまして、あとう努力を、説明をいたしましたり、また、協力をそれぞれに、元請、下請の関係につきましても今配慮をいたして、全力を挙げて取り組んでおるところでございます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 建設大臣からは、下請代金の遅払いというか、そこらを含めて御答弁をいただきまして、私ども、実は、下請ホットラインという電話を開設して、八日間で二百件来たんですね。その多くは、やはり元請や一次下請というのは比較的有利な状況にありますから、その末端の孫の孫というのは、契約金を全部支払ってもらえないとか、最後の段階で値切られるとか、雇用もさることながら、大変な状況でございます。しかし、そういう中で、ぜひ、法の中で、規則等で検討すべきものは、やはり保護する件については十二分にひとつ建設省等で御検討をいただきたい、そう思っています。  最後に、私は、もっと質問したいんですけれども、全般的な失業雇用の問題というのは、市場原理、規制緩和という形や、今言ったような不況、そして公共事業の抑制というようなことで、実際の被害は出ておるわけですが、今までの予算委員会の論議を見ても、何か、不況対策、財政再建というような問題が出てきております。それで、やはり不況対策については、かつて、今までに七十兆使っておるんですが、なかなかその実効が見えてこないんですね。  私は、雇用の問題、特に総理にお願いしたい点は、やはり雇用をもう一方ではふやすことを考えていかないと大変になる。じゃ、その雇用をふやす産業は何かということですね。そういうことに取り組まないと、雇用を吸収するような、福祉雇用と言われていますし、または環境雇用という形で、先ほどの省エネなんかも出てきておりますし、または自動車の問題等を含めて、そういう意味での新しい産業や情報産業における活発化ということが出ております。  そのことをやはり論議しておかないと、みんな減税、減税という形で、所得税も減税を恒久化しろ、それから企業の法人税も一〇%下げろということで、これはアメリカと同じことを言っているけれども、実際、アメリカはいわゆる租税特別措置法のようなものはないわけですから。  そういう意味において私は一概に言えないと思いますが、じゃ、その財源不足やそういうものが将来、今五百二十兆ある財政赤字にどういうふうに加わってきて、そういう中ではどういうことをしなければいけないかということ。私が非常に心配する点は、もちろん不況対策も減税も必要だと思います。それは、銀行救済の三十兆よりも、景気を冷やすというのを解消する意味では有効な手段だと思いますが、しかし、そういう長期的なものを見ておかないと、やはり結果としては、一番弱いところに行くような消費税の財源しかなくなるのですね。  減税、減税、証券でも取らない、土地税も下げる。じゃ、それだけの経済効果によって増税がそこら辺で期せられればいいけれども、おいしい話ばかりしていて、やはり元も考えていかないと、そういう面で非常に問題でありますから、これは税制の問題も含まれますし、また総合課税の問題も出てくるわけですから、そういうものも含めてもっと予算委員会の論議も深めていかないと、私は本当の意味の日本の将来における解決にならぬと思います。  私は、昨年、一昨年、ヨーロッパへ七回行ってきました。いやもう大変な状況です。そのことを話せば非常にためになると思うのですが、その時間がございませんが、それらを含めて、ひとつ首相の雇用の創出、それらについての考え方について、最後にお尋ねをいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 もしかすれば、議員に御答弁申し上げるのに、数年前の産構審の答申の中から出てまいりました新産業の創出に係る、例えば情報通信、医療、福祉あるいは環境といった産業別の分野からお話を申し上げるべきなのかもしれません。  しかし、先ほど来御論議がありますように、今の雇用情勢あるいは失業率というものは私どもの上に大変重くのしかかっております。こうした点について、当然ながら現行の制度を最大限活用しつつ、状況に応じた対策を積極的に進めていくことでこの状況に対処したい、根本的には経済のあり方の中で新たな産業分野を創出することをもってこれにこたえたいと考えておりますということを申し上げて、御答弁にさせていただきます。

北沢清功社会民主党・市民連合

○北沢委員 終わります。

越智通雄自由民主党

○越智委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。  次回は、明三日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十四分散会

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