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142回国会衆議院1998/01/16

予算委員会 第3号

発言数
44
登壇者
8
会派数
1
開催日
1998/01/16

会議録

松永光自由民主党

○松永委員長 これより会議を開きます。  平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中川昭一君。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 橋本総理は、就任以来二年を経過されましたが、バブルの崩壊を初めとする過去の負の遺産を何とか解決しなきゃいけない、と同時に、力強い二十一世紀を目指して、六大改革を初めとする将来に向かっての大きな作業も今やられておるわけでありまして、二つながら大変大きな使命を連日果たされていることに心から敬意を表したいと思います。  そのかいがあってか、きょう、為替市場も、また株価も、特に株価が五百円以上上がっていると前場は聞いておりますけれども、マーケットもやはりきちっとやればきちっと評価をしてくれるのかな、今の時点ではそういうふうに言えるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、当面今やるべき一番大きな仕事は、すべての国民に関係のあります経済、金融を、いかに一日も早く健全な状態に力強く回復をさせていくかということだろうと思っております。  そういう意味で、今回の景気というのは、単なる循環型ではなくて、体力が弱っているとか体の一部の臓器がおかしいということだけではなくて、体全体をめぐっている血液あるいは血管そのものが大変傷んできている、それが今回の大きな大きな金融システム不安とか、あるいは景気が非常に悪いという、悪い意味の相乗効果になっているというふうに私は理解をしております。  したがいまして、財政改革にしても、世界経済のために日本経済が貢献できるという方向に向けましても、もちろん財政改革あるいは金融システムの安定、景気回復を含めて、これはもう密接不可分のものである、全体をよくしていかなければならないと思うのです。逆に言うと、一つがよくなれば連鎖的によくなっていくということも考えられると私は思っておるわけでありまして、そういう観点から質問を進めさせていただきたいと思います。  そこで、まず、今の経済の状況をどういうふうに見るかということでありますが、現時点で本年度の経済成長率は〇・一%、マイナスではないけれども、ほぼゼロに近いという状況。しかも、その内容を見ますと、非常に在庫がふえているでありますとか、あるいはまた物価が安定をしているといいましょうか、卸売物価、それから最近は消費者物価も含めまして、物価が下落をしている。  この物価が下落をしているというのは、実質成長率という観点から、普通、名目マイナス物価イコール実質的なとらえ方をしがちでありますから、そうしますと、物価がマイナスということになりますと、〇・一%といえどもふえているという数字が実質的に出てくるのですが、実は、物価がマイナスであるならば、名目成長率はマイナスであってもいい。  つまり、経済全体は実はしぼんでいても、物価のいたずらといいましょうか、計算の結果として実質成長率がプラスになっているというふうに結果的に見ざるを得ないのではないかという私は疑問を持つわけであります。もっと端的に申し上げますと、経済実態が収縮しているにもかかわらず、実質成長率はプラスを保っているという状況にもなりかねない。そうすると、数字の実態と経済の実態とが非常に変わってくると言わざるを得ないわけであります。  特に、家計の消費支出、あるいはまた住宅着工件数、さらには倒産件数、去年大きな倒産が幾つかありましたけれども、特に、ことしになってからも、私の地元の北海道なんかは、一億円とか二億円という、金額的には大きくないかもしれませんけれども、そういうものが連鎖しますと地域経済に非常に大きな影響を与える。そしてまた、特に釧路、根室といった漁業地帯では、漁業会社が相次いで倒産が続いている。これは地域経済にとって非常に大きな影響を与えておるわけでありまして、特に中央の新聞に載らないような倒産が実は地方で続発をしているというのが今の状況ではないかなというふうに思って、大変心配をしているところであります。  そういう意味で、昨年、七年目を迎えたという景気が悪い状態に、四月に消費税のアップがありました。三月に大きな駆け込み需要があって、その反動が私は今回の景気に大きな影響を与えていると考えておりますし、また七月以降、予期せぬアジアの金融危機、不安が発生いたしましたし、それらが相まちまして、十月、十一月以降、倒産も続いているし、経済指標がさらに悪くなっている、こういう認識を持っておるわけでありますが、その辺につきまして、まず経済企画庁長官に、その辺の認識をどうお考えになっているかを踏まえた上で、総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 経済の動向でございますが、設備投資は、設備過剰感が薄れてきたというようなことを背景といたしまして、製造業を中心に緩やかに増加をしているという現状でございます。それから、純輸出でありますが、これは増加傾向にある。しかしながら、住宅建設は、下げどまりの兆しは見られますけれども、依然として弱い動きが続いているということでございます。  それから、委員特に御指摘の個人消費につきましては、今年度当初は、先ほどのお話のとおり、消費税の引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が四月以降ございまして、大きく減ったわけでありますけれども、その後、一時回復の動きが見られました。しかし、秋口にかけまして、相次ぐ金融機関の破綻あるいは株価の下落等を背景といたしまして、非常に弱い状況になってきております。十一月の実質消費支出で見ますと、前年同月比で二・一%減、それから小売販売額も同じく前年同月比で四・七%減というような数字でございまして、経済の先行きに対する家計の不透明感もございまして、弱含みに推移しているわけでございます。  景気全体としても、そういうわけで、足踏み状態とも言える状態でございますが、景気の先行き、あるいは特に金融システムに対する不安感が秋口から強くなってきたこと等を背景といたしまして、一層厳しさが増しているというふうに考えている次第でございます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、経済企画庁長官から基本的な認識についてお話を申し上げましたが、その上で私から申し上げなければならないこと、それは、我が国では昨年の秋以来、北海道拓殖銀行など大手の金融機関が相次いで破綻をいたしました。これらの金融機関それぞれに、実はバブル当時安易な貸し付けを行う、その他それぞれに原因はあるわけでありますけれども、こうした中で、金融システムそのものに対する信頼感が低下をしている。同時に、貸し渋りと言われるように、資産を圧縮する動きも出ております。  こうした状況の中で不安感をお持ちになる方があることはやむを得ないことでありますけれども、多少消費に対して消極的になられる、あるいは企業によっては、事業展開を考えておられるにかかわらず、十分な資金が得られず思うように事業展開ができない、こうした現象が存在をいたします。  また、アジアでは、本当に昨年の夏以降、幾つかの国で通貨・金融市場に大きな変動が生じました。そして、現在もなおその激しい動きというものは続いておるわけであります。そして、その影響は非常に不安定な状況を出していることも間違いがありません。  そうした中で、昨日、IMFのカムドシュ専務理事とインドネシアのスハルト大統領との間で、インドネシアの通貨情勢に対応した、また経済情勢に対応したIMFとの間のパッケージが合意をされ、これが公表され、そしてインドネシアは、このIMFとの約束をきちんと守るという非常に強い姿勢を出されました。私は、これは非常に歓迎をしておりますし、日本としても、この点は非常に評価しながら、同時に長い友人として、既に第二線準備、我々は約束をしておるわけでありますけれども、こうした支援の仕組みも動かしていかなければならないと思います。  しかし、そういった状況の中で、各国ごとにそれぞれ状況は違いますけれども、経済状況が予想していた以上に深刻なものになっておることも否めません。御指摘のように、現在の状況というのは単なる景気循環で説明できるものではなく、金融システムの安定を確立すること、そして不安感を除いて、安心して消費や事業を行っていただけるような状態にする、あるいは貸し渋りに対する対応を果断に行いながら、平たい言い方で申しますなら、世の中にお金がスムーズに回るような、そういう状況にしていくことがまず重要なことだと考えております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 今の総理の御答弁につきましては後ほどまた個別に質問をさせていただきますが、経企庁長官からは、足踏みというのが今の内閣の景気の見方だと。足踏みというのはどういうことかというと、体は動いているけれども前に進んでいないということを足踏みというのだと思いますが、率直に言えば、実は体も硬直してしまって、そして前に行くどころか、だんだんその場で小さくなっているというふうな実感を私は持たざるを得ないのであります。  経企庁の地域経済動向を見ましても、ほとんどの地域で足踏みという表現が使われております。特に私の北海道、大手、世界的な二十行はつぶれないという国民の期待が、残念ながら経営の問題もあってこういう破綻という状況になったわけでありますけれども、これは実は極めて地域にとっては大きな大きな影響を与えております。  金融機関、特に北海道の二割から三割のウエートを占める金融機関でありますから、預金者の不安、そしてまた貸出先がそれによって、メーンバンク、拓銀がしっかりしていればこんなことにならなかったのにというような倒産の例が幾つかあるわけであります。それは、拓銀の不良資産、六月末時点で自己資本からの繰り入れを引きますと四千五百億円であったものが、十一月の破綻時点では結局八千四百億円の債務超過、つまり四千億ほどふえている。これは多分、拓銀が健全であったならばふえなかったであろう不良債権、あるいは拓銀の関連会社、系列会社ということも入っての数字の膨張だと思います。  拓銀がこの先スムーズに北洋銀行へ、東京の店舗等の、あるいは人員等のスムーズな移行をすることによって、随分とこれはまた北海道に対する景気の回復が力強いものに早期になっていくと期待をしておるわけでありまして、そのためにも、ひとつ大蔵当局には万全の体制をとっていただきたい。まだやるべきことがいっぱいあると思いますので、これは後ほど事務当局にその辺の状況を御説明いただきたいと思います。  とにかく私が申し上げたいのは、北海道が、拓銀の破綻によって極めて大きな経済的そして精神的なショックを受けた。  それで、こんな報道まであります。十一月二十二日、つまり拓銀が破綻をした日でありますけれども、北海道の新聞各紙に載っておりますが、学校、小学校、中学校の先生が不用意発言、一部の小中学校でありますけれども、ホームルームの時間に、拓銀が破綻した問題を議題にして、この中にお父さんが拓銀に勤めている人、いますか、手を挙げなさいと言って、手を挙げさせたという学校が二、三あったということが、こういう報道が各紙に出ておりました。  これは一部のことでありますから、全部ではないにいたしましても、教育委員会としては、プライバシーの問題だということで厳重注意ということでありますけれども、これはまさに、私は、これをやった教師の見識を疑いたいというふうにさえ、怒りすら覚えるわけでありますが、とにかくそのぐらいにみんなうろたえたということは事実なのであります。  それを、北海道のようなことを、ほかの地域に密着した大きな銀行がおかしくなることによって第二の北海道、あるいは日本全体が今の北海道化するなんということには絶対にさせてはならないというふうに思うわけでありますので、その辺を、拓銀に対する今後の処理、そしてまた今私が申し上げたことに対しまして、大蔵大臣、ひとつ御決意をお願いいたしたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 具体的な内容は政府委員からとさせていただきます。  拓銀の破綻は、お触れになりましたとおり、経営失敗が一つございました。それと、国際展開をいたしております我が国を代表する二十行については、何としても破綻しないように、リストラ、健全化に向けての努力をサポートする、こういうことで昨年努力をしてきたことは御案内のとおりでございます。  リストラの一環として、御承知のとおり、国際展開を拓銀はやめました。北海道に特化をして地域金融に献身しよう、こういう中で、第二の銀行であります北海道銀行との合体が……(中川(昭)委員「北洋銀行」と呼ぶ)いやいや最初、第二銀行の北海道銀行との合併が進むやに見えたのでありますが、これがうまくいかない、延期になるというところから、市場がこれを見放すという深刻な状態に相なりました。  しかし、北海道地域に対する影響力は極めて高い銀行でございましたから、北洋銀行との、営業譲渡を前提として、業務譲渡を前提として、話が進みまして、受け皿銀行として、北海道地域に対する金融が破綻、障害がありませんように努力をするということでございます。営業譲渡までの間、拓銀は今日も整然と営業が展開をされておるわけでありますが、そういう中で金融のスムーズな進行ができ得ますように、当局としても意を用いて努力をいたしております。  特に雇用の問題、極めて深刻でございますものですから、本件についても、労働省との提携、政府としても道庁との連携を保ちながらそのことについて努力を今傾注いたしておるところであります。東京地区における支店の譲渡についても、できるだけの努力を今行っておるというのが現状であります。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 当局の方の御説明は結構でございます。  大蔵大臣から強い決意と、それからできるだけ早急に、ひとつ東京部門も含めて、すんなりと移行できるようにぜひとも御努力をお願いいたしたいと思います。  そういうことで、日本経済は非常に厳しい状況にある。しかし、それを乗り切るために、今まさに補正予算、金融システム安定等々、減税、さまざまな施策、規制緩和等々をやって、総合的に日本の景気をよくしていこうということでありますが、先ほど私がいろいろ例示を挙げました中で、一つ指摘しておきたいと思いますのは、個人の破産件数というものも非常に最近ふえてきておる。いわゆる自己破産ですね。  これはある民間の調査機関の数字でありますけれども、八五年からの数字ですが、八七、八八と一万件を切っておりますけれども、それが一万件になり二万件になり三万件になり、九五年には四万三千件、九六年には五万六千件、ことしはさらにふえるだろうと言われておりますから、こういう個人破産、これも慎重にやってくださいよということもありますし、また、うまくいけばその利便性もあるわけでありますけれども、個人破産なんというものの増加も大きな、今の景気動向をある意味ではあらわす一つの数字ではないかなと思います。  そこで、次に移りますが、アジア経済との関係について御質問いたしたいと思います。  先ほども申し上げましたように、アジアが世界の経済を引っ張っていっているんだ、成長のトップランナーだと言われていたのはつい最近のことでありましたが、システムそのものからくるドミノ的な各国にわたる相場の下落あるいは短期資金の流出、国家に対する信用の低下というものがもう連鎖的になってまいりました。これは、日本にとっても決して無関係なものではない。  総理は常々、アジア諸国はカリの群れが空を飛んでいくような形で飛んでいっておる。多分その先頭には日本がいたし、これからも、少なくとも中期的、長期的にも日本がその先頭に立って、アジアの力強い発展というものにみんなで頑張っていかなければならないというふうに考えておるわけであります。そしてまた、アジア経済の不振あるいは破綻が日本にも、こういう時期にもかかわらず、さらにマイナスの要因を与えておるわけであります。  今後のアジア諸国の経済あるいは金融の回復のために日本も協力すべきでありますし、総理もクリントン大統領と電話等で何回もこの問題について熱心に協議をされ、対策をお考えになっていらっしゃると聞いております。これ以上アジア通貨の切り下げ、切り下げ競争といいましょうか、切り下げによって、安値輸出競争みたいなものが始まりますと、これはまさに大恐慌の前のような状況になってくるわけでありまして、これを阻止するというのは、これは世界的にいっても、また総理御自身の御認識からいっても、断じて許すことはできないというふうに思います。これ以上のマイナスの連鎖は防がなければならないわけであります。  そこで、私は、外交当局と金融当局との密接な連携というものがこれからますます重要になってくると思いますけれども、その上で総理の御決断あるいは行動というものがあると思いますが、今後のアジアの通貨あるいはまた金融、そして諸国の発展に日本としてどのように対処していくのか、総理の御決意をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まず一つ申し上げたいのは、マニラ・フレームと言われるアジアの金融に対する合意であります。これは文字どおり、昨年、この通貨混乱の中で、マニラにおいて結ばれた世界各国における一つの合意事項でありまして、これは今後とも我々は大事にしていかなければなりません。  同時に、いろいろな言い方をされる方がありますけれども、一番大事なことは何かといいますなら、それぞれの国に民間資本が引き続きこれからも投入される、供給されるということであります。しかし、それぞれの通貨の信認が揺らいでいる中では、民間資金はなかなかそこに出ていきません。ここにIMFとのフレームの合意というものが存在をし、IMFが一つの保証をきちんとつけることによって民間資金が引き続き供給されていくであろうという我々は期待を持つことができます。  金融の国際化、情報化が進んでおります中で、国境を越えた市場取引を通じて日本の金融システムというものは世界のマーケットと直結しています。それだけに、我が国の金融システムが安定をする、これは、この安定の確保というものは、アジア地域ばかりではなく、世界の金融市場にとりましても非常に重要なことになるわけです。  そして、今申し上げなければならないことは、どこの国であれ、為替の急激な大幅な変動というものは、どちらに振れる場合であっても、よい結果は生まないわけであります。そうした中で、アジア経済というものは、ある意味では日本の経済の動向に大きく左右される様相を持ちますし、我々もまた、アジアの経済が不安定であり不況であるならば、これに影響を受けることは当然のことであります。  それだけに、日本の経済を回復軌道に乗せていくこと、そして日本の金融システムの安定性を確保する、これはアジア経済のためにも離せないことであり、我々がその責任はきちんと負っていかなければならない、私は今そのように考えております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 ぜひ総理の御決意で、日米が共同して、先頭に立って、文字どおり、引き続きカリの群れが力強く羽ばたいていけるような体制にしていただきたいと思います。  次に、突然話は変わりますが、たんす預金なるものについて質問させていただきます。  たんす預金、つまり、家の中のたんすの奥に大事なお金をしまっておくという意味でありますが、昔から一つのお金の保管方法としてはあったのでありましょうが、今の金融経済情勢を見ますと、このたんす預金というものが、国民経済的に見て、無視できない状況になってきているのではないかと私は思っているわけであります。  個人のたんす預金もさることながら、金融機関が、先ほど総理もおっしゃられました貸し渋りという形で、たんす預金とは言わないでしょうけれども、金庫預金、自分のところの金庫にしまっておく。あるいは企業も、余裕資金を外に出さないで自分の金庫の中にしまっておく。個人でも、たんすというよりも小さな金庫を買ってということになるのだと思いますから、最近、金庫の売れ行きが物すごくいいという話も聞いたことがありますけれども、いずれにしても、お金が外に出ていかない。  なぜ出ていかないか。それは、一つには、相次ぐ金融機関の破綻によって、金融機関にお金を預けるのは果たして大丈夫なのか。これは後ほど総理の口からもはっきり御答弁をいただきますが、預金は全額保護をいたしますという今の態勢があるわけでありますから、これは、実は預金しても不安だということにはならないという万全の対策をとっておるわけであります。もう一方、金利が安いから預けても大したことにならない、普通預金ですけれども、〇・〇何%なんという金利ではしようがない。それと、もう一つは、将来への不安という問題もあるのだろうと思います。  本来の健全な経済では、個人にしろ企業にしろ、お金を金融機関に預けて、そこから利息をもらう。そして、預かった金融機関はしっかりと貸し出しをやって、そこに金利がまた発生するわけでありまして、必要な企業やその他の経済活動が有効にそのお金を使うことによって経済活動に資する、これが信用創造ということで、百万円なら百万円のお金が、金融機関を通じて回ることによって何倍にもその価値が生まれていくというのが、本来の健全な経済下における信用創造であります。  ところが、今は百万円はたんすの中にあるきりでありますから、もちろん百万円は百万円でありますけれども、国民経済的に言うと、これはもう全く意味のないお金、死んだお金としか言わざるを得ないわけであります。  そのシステムの中にお金を入れることによって、そのお金が何倍もの効果を生んでいくということによって、資本主義経済といいましょうか自由主義経済が成り立っている、信用経済というものが成り立っているわけでありますが、今は全く逆。信用収縮、いわゆるデフレーションという状況、空気が抜けてしぼんでいく状況が今あるというふうに思うわけであります。  何としてもこの収縮という状況をストップさせなければならない。先ほど総理もおっしゃっておられました。しかし、まだ大丈夫だから預けなさいと言っても、それだけではなかなか国民もそう簡単には、じゃ、たんすの中から全部金融機関に預けますかということにはならない。つまり、現在の雇用あるいは将来に対する不安というものも、やはりたんす預金になる一つの原因だというふうに考えられるわけであります。  そこで、こういう信用収縮という異常な状態から早く健全な信用創造状態に戻すためにも、今申し上げた雇用の不安あるいは将来に対する不安をぬぐうために、社会保障的なものも含めて、あるいはまた今回の金融システム安定化の対策も含めまして、補正予算、減税、あらゆる対策を今一生懸命やることによって、早くこういう金融収縮状態、マイナスの連鎖、収縮の連鎖が一日も早くストップして、正常な状態になるようにすべきだ。  これは緊急な課題だと思いますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 非常に大きな問題を提起されましたけれども、金利の水準というものは日銀の専管事項でありますから、私は、客観的な事実だけをこれについては申し上げたいと思うのです。  これは間違いなく、よく言われますように、低い金利が設備投資とか住宅取得を助けて景気を下支えする、その面から国民の皆さんの所得を支えていることは事実だ、これが今までよく申し上げてきた答え方であります。その事実の上で、低金利というものの中で貯蓄に対する利子が少なくなる、議員が御指摘になりましたとおりであります。  そして、その影響を受けておられる方々に対しては、本当にお気の毒だということを我々自身感じますし、同時に、そういうところから、今議員が御指摘になるように、たんす預金といった形で市場のメカニズムに乗ってこないお金がふえているとすれば、これは我々としては本当に深刻に受けとめなければなりません。  今議員御自身から御指摘がありましたように、個人消費というものが経済的需要の中で最も大きい部分でありますし、景気を回復していくためには、どんなことがあっても力強い個人消費というものが不可欠です。  そして、今の状況の中で、その個人消費のためにも金融システムの信頼性を確保するということがまず必要になります。そして、私どもは、三十兆円の公的資金を活用できるようにして、同時に、預金は完全に保護いたしますということを申し上げて、金融システム安定化に対する信頼確保の努力を今鋭意行っております。と同時に、二兆円の所得・住民税減税というものをできるだけ早く実施したい、二月からでも実施させていただきたい、国会にもお願いを申し上げているわけであります。  同時に、議員が御指摘になりましたような、将来への不安というものからのたんす預金といいますか、そういうものも、これは私はあるかもしれないと今お話を聞きながらも思います。そうした場合に、社会保障が果たす役割は何だ。これは、まさにセーフティーネットの役なんです。  そうすると、そのセーフティーネットというのは、将来にわたって安定した、国民が安心していただけるような制度を構築することが極めて重要になります。今、昨年介護保険をシステムとしてお認めをいただき社会保障の構造改革を進めているのも、まさにセーフティーネットとしての役割が将来ともに維持できるようにということでありまして、私どもは、決して国民にむだ遣いをしてくださいとお願いをするつもりはありませんけれども、必要な国民の消費というものがこの国の将来にとって必要なんですということは改めて申し上げたいと思います。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 総理が最後に、むだ遣いをしろとは言わないけれども安心してくださいという御答弁は、後ほどの質問の中でいただこうと実は思っていたわけでありますが……(橋本内閣総理大臣「何遍でもいたします」と呼ぶ)何遍でもこれはお答えをいただきたい、重要なポイントだと思いますので。  今総理から、冒頭、低金利というものの意味というものをおっしゃいました。確かに高金利には高金利のプラスマイナスがありますし、低金利には低金利のプラスもマイナスもある。総理は、現在の低金利、これだけ景気が悪いんだから企業活動を助けるために低金利、これはもう当然のことだろうと思います。しかし、これだけ長い間低金利が続きますと、国際的に言っても、日米の金利差あるいはアジア諸国との金利差等でどんどんお金が海外に行ってしまうということもありますし、言うまでもないことですが、金利を生活の糧としておる国民の皆さんにはこれは大打撃であります。  そういう意味で、公定歩合は〇・五、あるいは預金金利が〇・何%という時代が何年も続いておるわけでありますが、この際思い切って、例えば一千二百兆円の個人資産のうちの半分以上が預貯金というふうに聞いておりますから、これ、一%上げたら六兆円国民にお金が入ってくる。まあ、六兆円減税なんということを言っている人がいるようでありますが、財源の裏づけのない無責任な私は議論だと思いますけれども、しかし、仮に金利を一%上げればそれと同じような効果が、政府サイドのコストはゼロでできるという理論も一方では成り立つわけであります。  これは、先ほど申し上げたように、上げようが下げようがプラスマイナス両方ありますから、あえて総理の御答弁はいただかないことにいたしますが、低金利政策というものも、総理はいい面もあるとおっしゃいましたが、景気に与える悪い面もありますよということも私は認識をさせていただきたいと思います。  次に、いわゆるマーケットというものを、総理、政府はどういうふうに認識されているかということについて、お伺いをしたいと思います。  為替マーケット、株式マーケット、その他いろいろマーケットがありますが、とにかく今マーケット、一喜一憂、きょうは一喜でございまして、総理の施策、党の施策が評価されて五百円以上株価が上がっているということで一喜の方でありますが、とにかく一喜一憂を繰り返している。  しかし、マーケット、為替あるいは株式のマーケットだけが日本の経済状態を全部左右する。しかも、その左右する人たちは日本経済のためにやっているのではなくて、全部とは言いませんけれども、それでお仕事をされている人は、とにかくもうけなきゃいかぬ、もうけるためにはいろいろなことを言ったりやったりして、そしてその中でもうけを出そうとしておる、国民経済にプラスになるかとかそんなことは一切考えていない。本当に、市場の暴力という言葉が最近出ておりますけれども、とにかく無責任といいましょうか、自分のもうけのためだけにマーケットを動かし、それに政府が関心を持たざるを得ない状況になってきております。  株価平均なんていうのも、二百二十五社ぐらいの、代表的な企業でありますけれども、全体から見ればごく一部の株価の平均。その中には超優良企業もあれば不振企業もあって、極端に言えば、株価はもう二極化しているというふうに言っている人すらおるわけであります。  したがって、株価安定あるいは株価が健全に上昇していくということはもちろん大事なことであります。必要なことであります。しかし一方で、マーケットのことはマーケットに聞けとか、あるいはマーケットが退場を命じたんだということを、少なくとも政府の経済や金融を預かる責任者の立場の方が軽々には申すべきではないというふうに私は思うわけであります。  マーケットがなすがままでいいんだということであれば、何のために政策を打っているんだということになります。健全な株式市場の発展、健全な金融取引、為替取引というものをつくり上げていくために、政府として、総理みずから、大蔵大臣みずから大変な御努力をされていると私は認識をしておるわけであります。  マーケットは、弱い者を見つけて攻撃してもうけるというのが常でありますから、それに対して、政府としては国家の意思というものをはっきりとマーケットにぶつける、それが私は、アジアに対してもアメリカに対しても、信頼される大きなサインになっていくと思いますので、こういう私の考え方に対して、総理はどのようにお考えになっていらっしゃるか、御答弁をお願いいたしたいと存じます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今議員は非常に極端な表現をところどころ選ばれましたけれども、私は、マーケットの動向というものはやはり常に注視をしておくべきものであると思っておりますし、その限りにおいて、マーケットの動きというものは、国際経済の中におきましても、日本自身におきましても、それなりの必要性を持つものだと思っております。  その上で、例えば風評被害という言葉がこのごろよく出てまいります。意図的な市場操作というものは、これは許されていいものではないと私は思います。同時に、マーケットが評価をされる施策だけが国の政策として必要なものばかりではないことも、また事実であります。マーケットにとってはうれしくない、しかし国としてはやらなければならないという政策も存在をいたします。  ですから、私どもがそのときそのときの状況を見ながら適切な施策を選択するという意味では、やはりマーケットというものは注視をしていくべきもの、ただし、それがすべてではないよという御指摘は、私もそのとおりに思います。  今回、特別減税を含む予算、税制面の措置、あるいは金融システム安定化のための三十兆円の公的資金の活用、こうしたものについては、いろいろな御意見がありますけれども、市場は既にこれを織り込んでいるわけでありますから、むしろ今度は、その織り込んだものがなかなか手元に届かないということで混乱を生じさせないように、今私は、本当にその意味では、政府が市場に対して送った内容はきちんとそのとおりに届けられることが大事だと思っております。  先般、本会議でも同様の趣旨で御答弁を申し上げたところですが、補正予算、関連する法律案、さらには次年度予算等が、適切な時期にきちんと市場に現実のものとして使える状態で届けられるように、これは本当に心からそう願っております。また、そういうことが、私は、不透明感をなくしていく上でも大事なことだ、そのように思います。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 私が申し上げたかったのは、マーケットは関係ないよということもおかしいし、マーケットだけを重視することもおかしいという意味で総理の御答弁があったと私も思いますので、ありがとうございました。  先ほど、冒頭、総理からも御指摘のありました金融機関の貸し渋りという問題について、御質問したいと思います。  貸し渋り、銀行が貸さない、けしからぬ、だから非常に厳しいんだということで、年末をどうしのいでいくか、あるいは今後どうしていくかという大きな問題があります。  これは、逆の言い方をすると、金融機関がこういう厳しい状況でありますから、金融機関側から見ると、貸し渋りというのは、ある意味では自分たちのリストラ策だというふうにも言えるのだと言っている人がおります。つまり、自分の経営体質を強化する、例のBIS基準あるいは国内四%基準をクリアするという健全性、さらには、こういう御時世ですから、優良取引先にお金をお貸しする、危ないところには貸せないという、これは銀行の論理であるわけであります。  しかし、国民経済的に見れば、先ほどのたんす預金じゃありませんけれども、たんす預金するよりは消費に回していただいた方が一番いいと私は思うのでありますけれども、消費にも行かないということであれば、安定した金融システムの中で、金融機関の流れの中に、システムの流れの中にそのお金がどんどん入っていくのが健全だと思いますが、金融機関の方は、今言ったような状況で、非常に、貸したくても貸せない。  特に、円安という状況で、海外資産までまた膨らんじゃって、分母がふえちゃうというような状況で、来年度からはいわゆる国際的BIS八%という問題もあるわけでありまして、そういう中で、この貸し渋りというものが今の金融システム、経済に与える影響が極めて大きい。きょうの新聞によりますと、現在の貸し渋りで経済成長率を一%下げる効果といいましょうか、影響がある。これで、〇・一がさらにまた下がるという要素にもなりかねないわけであります。  やはり、お金というのはぐるぐる回ってこそ初めてお金なんであると先ほども申し上げましたが、去年の十一月にばたばたと大手金融機関がいろいろな形で破綻をいたしました。単純に考えますと、三洋証券の資金繰りがだめになって、山一がコールの出し手から借り手になって、それで、拓銀がつぶれて、そして山一もとうとうおかしくなった、そして北海道は今めちゃくちゃになっておる、こういう一本の線でつながってしまうわけであります。そのぐらいに金融機関同士のやりとりというものが非常に微妙になってきておる。金融機関がたんす預金をやっていると先ほど申し上げたのは、そういうことにも関連しておるわけであります。  ですから、この際、後で具体的に申し上げますけれども、一つの大きなポイントは、私は、優先株等の自己資本の充実だろうと思います。金融システム安定化法案のところでもう一度優先株についてはお伺いしますが、これも新聞報道でありますけれども、大手十九行で現在授権されておる優先株の発行限度は、二兆六千億余力がまだあるそうであります。これと同額ティア2を乗っけると、全体で二十五倍になりますから六十五兆円。つまり、今の状態で余っている優先株を全部発行すると、価格とかいろいろ条件はありますけれども、ティア1とティア2と、ティア2も同じ分ふやしていくと、六十五兆円分融資することができるというような試算も出ておりました。  やはり私は、この貸し渋りというものをどうやってなくしていったらいいか。今申し上げたように、金融機関には金融機関の理屈がある。しかし、何よりも、借りる方は、先ほどの拓銀じゃありませんけれども、ちょっと助けてくれたらいいのに、ちょっとお金を貸してくれないばかりに経営が苦しくなる、倒産になるという状況、極めてボーダーのところで、ちょっとちょっとというところが会社の運命を決めてしまうというのは、私は大変問題だろうと思います。  政府としては、今回の対策で、信用保証も含めて二十五兆円の融資対策をとっておられる。しかし、これも緊急な重要な措置ではありますけれども、本来であれば、これは民間が第一義的にやるべき問題であろうと思いますし、これは、民間が心配だから公的な機関に行って、お金が集まって、それで公的な機関から、財投を通じて政府系金融機関から出るということであります。  極端に言えば、民間のお金が政府の方に流れていって、政府の窓口から出てくる、こういうふうにも言えなくもないわけでありまして、私は、本来的なものではない、あくまでも緊急的な措置だと思いますけれども、この貸し渋りに対しまして、先ほど総理からちょっと言及されましたけれども、改めて、この問題に対しての取り組み、つまり金融システム安定化法がこれを大きく打開するのだというふうに期待をしておりますので、御決意をお願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 まさに、本質的な部分は、金融機関の自己資本を増強することにより、確実に分子の部分も大きくしていく、それだけの貸し付け余力を拡大していくということに尽きるのだと思います。  ただ、現実の状況としては、我々の身近におきましても、現実の貸し渋りというものの中で苦しんでいる人々の話を聞く機会がふえております。そうした中で、今議員は、こちらから回るものがこちら側に、言いかえれば、民間の金融機関に預金をしていただければ民間の金融の中で資金供給が行われる、それが、国の方にお預けをいただき、それが財投として政府系金融機関から出てくるんだからと言われましたが、まさにそうなんですけれども、今は、私は、その政府系金融機関を最大限に使ってでもこの貸し渋りという状況に対応する必要があると思っております。  そして、それは従来は中小企業だけでしたが、それを中堅企業まで広げたのも、そして政府系金融機関に新たな融資制度を創設することで信用保証と合わせて総額二十五兆という枠をとりましたのも、このときにこそ、こういうときにこそ政府系金融機関はその責任を果たせ、役割をきちんと果たしていくことでその責任にこたえていく。  しかし、本筋としては、やはり民間金融機関が資金供給の円滑化にかけて一層努力をされることを期待する、同時に、国内基準適用行に対する早期是正措置の運用を弾力化いたしましたけれども、こうしたことによって金融機関の融資対応力の強化に努める、これが本筋だと思います。そして、そういう意味で三十兆円の中に線引きをし、預金者の完全な保護とあわせて対応を考えているのも御理解をいただきたいと思うのです。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 次に、金融機関のいわゆる不良債権についてお伺いいたしたいと思います。  新聞、テレビ等、特にテレビのニュースショーのおもしろおかしい報道によりますと、日本の金融機関は二十八兆円しか不良債権がないと常々言っていたのに、よく調べてみたらというか、やっと白状した数字が七十五兆円、三・何倍、三・五倍もあったじゃないかというような説明をしております。  本来これは、二十八兆円という数字と七十五兆円という数字は、基本的に質の違う、また目的の違う数字だと思います。その辺を大蔵大臣からよく御説明をいただきたいと思いますし、今後もこの試験的にやった、私は結論から申し上げると、個別的にこの数字、七十五兆円のベースになった経営の判断に基づく数字を個別に出すことは考えていないと思いますし、私も出すべきではないと思っております。  企業の経営の秘密というものも一方ではあるわけですから、ディスクロージャーと同時に、企業経営の秘密というものも合法的な範囲内で当然あるわけでありますから、今後全体的な数字としてこれを続けていかれるのかということも含めまして、ひとつ大蔵大臣から御説明をいただきたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 御案内のとおり、全銀協、全国銀行協会統一基準によって不良債権の発表を半期ごとにやらせていただいておるところでございます。既に昨年九月の締めでは二十八兆円、こういうふうに公示をいたしたところでございます。これは六カ月以上の延滞債権等、客観的に比較いたしたものであります。全銀協統一開示基準と言っております。  これに対し、今回発表いたしました七十七兆円は、発表を見ておられる方はおわかりかと思うのでございますが、各金融機関が実際の回収可能性に着目して分類をした自己査定結果についての公表であります。といいますのは、初めて当局が、みずから出してみてくださいという四分類の基準を明示いたしまして、集計をして発表いたしたということでございます。  御指摘のとおり、試行段階であります。比較可能性等の問題はありますけれども、今般の公的資金の活用を含む金融システム安定化のための緊急対策、大変な御議論を御展開いただくものと考えておるわけでございますが、国会の御議論の参考に資する観点から、集計し公表いたしました。  したがいまして、七十七兆円の中には、全銀協統一基準による公表不良債権の定義から外れていましても、実質的に見て回収が多少なりとも問題がある債権は幅広く含まれるということになりました。一般に、公表不良債権の額より多くなるものと考えられた結果がこうなりました。  また、ここの七十七兆円の中には、回収不能な債権等のほかにも、債権管理上注意を怠らなければ損失が発生しない債権、こういう位置づけのものが第二分類のところに出ておるわけでございますが、これが第二分類の中で多く含まれておりまして、七十七兆という集計は二分類、三分類、四分類。  ちなみに申し上げます。二分類は、各金融機関において債権管理上注意を怠らなければ、リスク管理をきっちりやっておりますならば損失が発生しない債権が多数含まれておるというところで、自主判断を金融機関に任せましたのが第二分類でございます。六十五兆二千八百九十億円となっております。そして第三分類は、回収に重大な懸念があるものという認定のもとで出させましたのが、八兆七千二百四十億円であります。そして第四分類は、回収不可能、ロスになりますという部分は二兆六千九百億円、こういうことで、この集計が七十六兆七千億円、いわゆる七十七兆というところに絞られるところでございます。  こういうことの観点から、まさに先ほど申し上げましたとおり、国会の御論議の資料として真剣にこの点がただされていき、その実態が明確になってまいりますと、我が国の金融システム安定のために、不良債権が最大のものであると。これが五十兆円であったり、八十兆円であったり、百兆円でと、いろいろ風説が飛んでおる中で、みずから出したというところに基本的な重みがありますし、出した責任もあるわけでございますから、そういう点で出させていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、二十八兆円と七十七兆円は、基準のとらえ方が異なっておるということを御理解をいただきます。金融安定化策の議論の材料としてぜひとも御活用いただき、議論を賜りたいと存じます。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 今後どうしたらいいですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 今後につきましては、さらにこの論議の中で、論議を踏まえ、当局として、指導というんでしょうか要請というんでしょうか、当然ながら金融機関として信頼を得るためにはみずからやらなければならぬことでありますから、そういう方向に行くように期待をしながら、サポートをしてまいりたい、こう思っております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 今大蔵大臣がおっしゃられたように、七十六兆、まあ七十七兆のうち、六十五兆が第二分類。第二分類は、今おっしゃられたように、個々の経営判断できちっとできますよというものもあれば、いや、なかなか厳しいですよというものまで、結構幅広いものがあるわけでありますから、これは冒頭申し上げたように、経済がよくなれば、あるいは地価の底値感が超えて、さあ、そろそろ地価は上がっていくぞみたいな雰囲気が出てくれば、有担保主義の日本の金融貸し出しでありますし、その大宗は不動産でありますから、これから先、地価はどんどん反転上昇してくるぞみたいな雰囲気になれば、たちまちこの不良資産というものは大きく、極端に言えば変わってくるという、極めて変動的な、逆の部分ももちろん考えられますけれども、そういうものだろうと思いますから、そういう観点からも、景気回復あるいは減税、いろいろな対策がセットで必要になってくるということだろうと思います。  この際申し上げますけれども、財政改革も、私は経済の発展あっての財政改革だと思いますので、そういう意味でも、今回のいろいろな諸問題はそれぞれ密接不可分だというふうに考えております。  さて、そういう中で、先ほどからいろいろ話を申し上げておりました金融システムの安定のための対策という法案がこれから審議をされるわけでありますが、大蔵省がこういうパンフレットをつくっております。法律ができる前にこういうパンフレットをつくるというのは極めて珍しいことでありますけれども、国民一人一人に全く無関係ではない、借り手からいっても預金者からいっても、多くの国民に大きな関心のある問題でありますから、こういうパンフレットを、国民の皆さんに審議の段階でよく理解をしていただく、法案を審議するに当たっての参考資料として国民に見てもらうという意味で極めて意味のある資料だという意味で、このパンフレットに基づいて質問をさせていただきたいと思います。ここには多くの国民の素朴な疑問に対する回答もあります。  そこで、石崎岳議員にお手伝いをいただきまして、このパンフレットそのままをパネルにいたしましたので、これに基づいてひとつ質問をさせていただきたいと思います。大事な法案、政府・与党一体となって一日も早く上げなければいけない法案を国民の理解の中で一緒になって御議論をいただくということは、私は極めていいことだと思いますので、私はそういう方針でこれから質問をさせていただきたいと思います。  まず、今回のこのスキームでありますけれども、二十兆円の日銀等からの融資を受ける、それに対して政府が保証します、そして十兆円交付国債で、これはいつでも現金化できますというスキームになっておりますが、この右の下の十兆、二十兆、三十兆というスキームでありますが、預金の全額保護に十兆円使われます、それから、十兆の交付国債のうちの七兆円を預金の全額保護のために使いますということでありますが、この日銀等からの政府保証と交付国債を現金化することによって得られる七兆円というものの違い、順序、それについてまず御説明をいただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  預金の全額保護のための業務を行う特例業務勘定におきましては、七兆円の国債につきまして、金融機関の破綻処理に際し、保険料では賄えない債務超過相当分に対する資金贈与などに充て、十兆円の政府保証限度枠が付されている日銀等からの借入金につきましては、資金繰りとしての性格を踏まえ、破綻金融機関の資産の買い取り等の資金に活用することが考えられます。  他方、優先株等の引き受け等を行う金融危機管理勘定におきましては、三兆円の国債については、優先株等の引き受け及び引き受けた優先株等の売却等に伴う損失が発生した場合その損失の補てんに充て、十兆円の政府保証枠が付されている日銀等からの借入金などについては、資金繰りとしての性格を踏まえまして、優先株等の資産の買い取り資金に活用することが考えられます。  以上でございます。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 パンフレットに基づいて説明していただきたいと思うのと、私は金融危機管理勘定についてはまだ聞いてないのですよね。  それで、クエスチョン一、経営の悪い金融機関を救うため、私たちの税金が使われちゃうのですかと。税金が使われるか使われないかは後でまた出てきますから、この際、経営の悪い金融機関とは一体何なんだろうか。  銀行あるいは金融機関、今いろいろな言い方があります。優良、健全、不振、不良、問題、破綻、あるいはうわさベースの話、さらには、今はいいけれども将来悪くなるかもしれない、あるいはまた、今は若干よくないけれどもこのスキームによってよくなる。そういう意味で、悪いという表現は非常にわかりやすいですけれども、こういう大事な国民的な公的なお金を投入する以上は、その悪いという意味の定義をある程度はっきりしておかなければいけないと思うんです。  やはり銀行に税金を使う。何か赤旗によると、一家四人で百万円の税金を銀行につぎ込むんだみたいな報道がされておるようでありますけれども、私はやはり、自分の預けている銀行あるいは信金あるいはまた農協、これはやはりみんな心配です、気になります。元気になってもらいたいと思うわけでありますから、ここで言う悪いというのは、もう少し具体的に、大臣、ひとつ御説明いただけますでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 これは、悪いというのは悪いという。客観的な基準は何かということになりますと、銀行検査部の検査の結果を見てやらなければならない。風説によってあそこは悪いんだろうということで、悪いという決めつけ方が難しい、こう思いますから、悪いというものは悪いということを前段申し上げましたことであります。  しかし、三党が示した基準、それを、閣法でございますから大蔵が中心となりまして、最終の詰めをほぼ完了しつつあるかな、提案できる段階まで参りました。その内容によりますと、審査委員会ができます。その審査委員会が状態を審査をして決めるということになって、そこで初めて判定が出る、こういうことであります。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 悪いから悪いんだということは非常にわかりやすいんですけれども、実は全国に数千ある金融機関の中で、微妙な仕分けですね。さっきも申し上げたように、三洋から山一に至る破綻は一連のものであったわけでありますから、自分が悪くなくても、とばっちりが来る。ある日の資金繰りで突然おかしくなるということも十分考えられます。あるいは、ある日の資金繰りでもって、そこでもってぐっと体力を、乗り切ってよくなることもあります。  そこで、悪いという意味、それから全額預金を保護しますとありますけれども、この全額保護するというのは利息も含めてでしょうか。あるいは、預金以外の金融商品、例えば外貨預金とか金銭信託とか金融債とかいったものも含めて保護されているんでしょうか。御答弁をお願いいたします。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 預金者の保護の形につきましては、現在の金融三法によりまして、特例的な業務を行うことができることになっています。二〇〇一年の三月までは、預金につきましては全額保護、これは利息も含みますし、あるいはもともと対象に予定しておりませんでした今おっしゃったような外貨預金、公金預金等も全部保護し得る形にしてあります。したがって、そういうものも全部保護するための財源としての性格を持たせるというものでございます。(中川(昭)委員「利息も」と呼ぶ)利息も入ります。(中川(昭)委員「利息も入る」と呼ぶ)はい、入ります。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 今度は、全体のスキームの右側の方の、さっきの金融危機管理勘定の方でありますが、これがいわゆる金融システム安定のために、金融機関に優先株等でお金を出資する、あるいはまた債券を買うということでありますけれども、優先株等ということで、劣後債、劣後ローンということでありますが、いわゆる公的なお金で民間金融機関の株を買うということは、やはりこれは慎重を期さなければいけないと思います。当然のことだと思います。  それは、先ほど大臣からもおっしゃられた審査委員会の審査、あるいはその後の議事の公表、いろいろ手続が厳重になっておるわけでありますが、一つは、これはやはり先ほど申し上げたように、ある日一日の資金繰りによって金融機関がよくなったりおかしくなったりするわけでありますから、この審査機関がきちっと機能を果たすためには、迅速性、スピードというものが極めて私は要求されると思います。それに十分たえ得るようになっているのか。  それからもう一つ。これはクエスチョンの四ですけれども、金融機関の側、優先株を発行する立場から見ますと、これはやはり申請をして、そして承認を受けるに当たって計画書を出さなければいけないということで、ある意味ではお上に契約書を出すという非常にややこしい作業があります。  さらには、優先株が認められますと、これはそれ以外の株主、特に一般株主から見れば、株数がふえるわけでありますから一株当たりのいわゆるROEが下がってしまう。それでなくても、アメリカの十分の一と言われている日本の金融機関の一株当たり利益であります。こういうこと等を考えますと、株価の下落要因になる。株主重視の観点からはいかがなものか。その結果として、トータルとして、いわゆる格付機関の格付というものにもいい影響を与えないのではないか。  さらには、定款の中に、優先株を発行できることがまだ定款にない金融機関もあります。これは、臨時株主総会を開いて、価格あるいは発行限度を含めて優先株を発行する権限を株主から授与されるわけで、これには一、二カ月がかかると言われております。我々、当面の大きな山は三月末だという認識に立っておるわけでありますから、それから逆算すると、果たしてこのスキーム、できるだけ早く法案が成立したとしても三月には間に合うのか。  これらの諸点について、御質問したいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、この対応策につきましては、現下の経済情勢、金融を取り巻く環境、期末のBIS規制の問題等を考えますと、極めて迅速に対応する必要があるわけでございます。したがいまして、いろいろ申請が出てきたときには速やかに対応できるような仕組みを早急に構築する必要があると考えて、全力を挙げてまいりたいと思っております。  それから、株数がふえる等の問題につきましては、優先株だけではございません、今回対応を考えておりますのは、そうした場合には劣後債あるいは劣後ローンという自己資本を充実する他の手段も用意してございますので、それをぜひ活用していただければと思うわけでございます。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 もちろん緊急性あるいは経営判断でもって、優先株ではなくて劣後債、劣後ローンということもありますが、劣後債を発行するに当たっても、金利条件とかいろいろな条件、また非常に手数のかかる微妙な問題もありますから、ぜひそのこともひとつ、これは緊急性というものが、さっき言ったようにスピードというものが一番要求される大きなポイントだと思います。  私は、今回のこのスキーム、決して三十兆円の税金を投入するなんというものではない。少なくともこのスキームでおさまっていれば、政府保証の十兆、十兆、合計二十兆が、保証が履行される。つまり、一般会計からの繰り入れが行われる可能性は極めて少ない、ほとんどないと言ってもいいと私は思っておるわけであります、資金繰りの問題でございますから。そして、仮に贈与、融資等でロスが出たときには、七兆円で見ますと。  あるいは、優先株につきましても、これは株ですから上がったり下がったりするわけでありますが、これはやはり今、優先株、劣後債を引き受けてもいいですよという銀行がちらほら出始めております。そういう中で参考になるのがアメリカの例だと思いますけれども、アメリカが過去、こういう形で金融システムを安定化させたことがありますが、アメリカの場合、特に優先株を買い入れるときに、どういう状況であって、結果的にどうなったのかということを簡潔に御説明いただきたいと思います。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 米国におきましては、一九三〇年の初めのころですから三二年、三三年、三四年のころに、大量の優先株の引き受けあるいは債券の引き受けをやっております。結果としましては、政府の方が黒字になったという、持ち出しは逆になかったというふうなことが記録に残っております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 やりようによっては、あるいは過去の参考例としては、アメリカは、いろいろいいところも悪いところも引き受けたけれども、結果的には勘定は黒字になって終わったということであります。  このシステムは預金者保護というのが最終判断でありますけれども、預金者保護になるためには、金融機関が破綻したりあるいは営業譲渡をしたりということで物すごくコストがかかる。したがって、預金者保護というのがある意味では一番コストのかかるものでありますから、金融システムを安定化させるためのこの危機管理勘定からの優先株等の引き受けというものの方がはるかにコストが安い、そして迅速だろうと私は思うわけであります。  以上の質問、やりとりを踏まえて、総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 確かに、金融機関が破綻をしその預金を全額保護するという事態の積み重ねというものは、事務的なコストも相当なものですし、かかる費用というものも非常に大きなものになることは間違いがありません。  今回の金融安定化対策、既に議員が御指摘のように、十兆円の国債と二十兆円の政府保証、その限度額の合計、合わせて三十兆円の公的資金を活用する仕組みになっている。そして、まさに御指摘のとおり、その三十兆円というのを丸々使ってしまうというものではないわけです。  例えば、その国債十兆円のうちの七兆円は預金の全額保護に充てるわけですから、これは金融機関がしっかりしていればそれはオーバーしていきません。あるいはどの程度の資金が必要になるかというのは、まさにその破綻状況その他で全然違ってきます。同時に、優先株などの取得につきましても、経営に失敗し破綻している、あるいは破綻に直面しているそういう金融機関など、損失が出る可能性の高いものは対象とすべきではないのです。  ですから、三十兆円のうちには、むしろ金融システムの安定という要素が確保された暁には返ってくる、そういう性格のお金が多く含まれているということをぜひ御理解いただかなきゃなりません。そういう意味では、議員が今御指摘になりましたように、安全性の高いといいますか安定性が高いといいますか、よりコストを少なくしてシステムの安定化が早期に実現し得る仕組み、私どもはそのように考えて、御審議をお願いしたいと考えております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 これこそまさにスピード、一日も早い成立、実施ということでありますので、我々としても全力を挙げて審議をしていきたいと思います。  補正予算、減税、ちょっと時間の関係で、まとめて御質問をいたします。  景気回復のために、事業費一兆円規模あるいはゼロ国一・五兆円という公共事業を含めた補正予算が今回の審議で行われるわけでありますが、特に公共事業に当たっては、公共事業の伸び率が非常に例年に比べて悪い、少ない。特に地方における影響が大きい。私の地元の建設業協会の新年会でのあいさつというのは、来年の新年会には一体何社残れるでしょうねというのが協会長さんのあいさつでありまして、みんな、冗談半分で聞いている人はだれもいなかったというぐらいの状況であります。  したがって、この公共事業も、予算を一日も早く上げることによって、一日も早い施行ということにしていただく配慮が必要でありますし、特に中小零細さらには地方というものに十分御配慮をいただいて執行していただくことを、この際お願いだけさせていただきたいと思います。大蔵大臣もお願いいたします。  税について、一問、御質問をいたします。  今回の減税は、総理の御決断によって二兆円減税ということを年末ぎりぎりになってやって、事務当局も年末年始なしの作業で進めてきておるわけでありますが、今回の減税の特徴、つまり、できるだけ早い時期にやろう、二月からやろう、さらには一定額まで定額でもってやっていきますよということ等が特徴であります。  そういう意味で、なぜそういうふうにしたのかということについての御説明と、よく言われているのは給与所得者とか源泉徴収者でありますけれども、対象はほかにもどういう方がいて、どのぐらいの人にこの恩恵があるのかということを、説明をお願いいたしたいと思います。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 十年度分所得税についての特別減税についての御質問でございます。  今回、十二月末に決めたものではございますが、景気の実情を考えまして、直ちにこれが適用できるようにということで、法律をこれから御審議いただかなければなりませんので、二月からでも実施できるようにということで工夫をしたものでございます。  年末調整が既に終わっておりますので、十年分所得税についてさせていただきます。そういたしますと、源泉徴収は一月から始まっておりますけれども、法律が通っておりませんので、法律を通していただけるならば、二月からの源泉徴収で対応させていただく。そういたしますと、四千七百万人からのサラリーマンの減税が二月から始まるということになります。年金所得者の方も同じように、これは二月の支給のときに対応ができると思っております。  事業所得者の場合は、まだ所得が発生し始めたところで、一年かかりますので、これは来年ということになってしまいますが、それでは遅過ぎるということで、七月に予定納税があります、このときに対応させていただきたいと思っております。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 とにかく、景気回復のためにもできるだけ早く減税をやるということで目いっぱい、これはもう理論的にも可能な限りということで二月実行ということでありますから、ぜひとも今月中に法律を上げていかなければならないわけであります。  そしてまた、減税で戻ってきた分については、これは私の全く個人的な考えなんですけれども、ぜひこれは有効な需要に回していただきたい。これも、そのままたんすの中にしまわれたのでは何の意味もない。国民経済的に見て何の意味もないということでありますから、ぜひ、先ほどのたんす預金じゃありませんけれども、この際思い切ってお子さんのために何か文学全集を買うとか、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんの健康に役立つものを何か買うというような形で、有効な需要にひとつ使っていただくことが、二兆円の減税が逆に何兆円かの需要創出効果、そして税収に回ってくるというふうに思うわけであります。  これと関連しまして、最後でありますけれども、総理におかれましては、先ほどの二兆円減税の御決断と同様に、今後、今総理はやるべきことがたくさんありますし、それぞれ重要ですから、それを一日も早く全力を挙げてやっていく。やっていって、景気がよくなる、金融システムが安定する、これがもう目的でありますけれども、景気も経済も生き物でありますから、そのときにまた突発的なことがあったりなんかして、それでもさらに厳しいということになったときには、さらなる財政の追加措置、あるいは減税の継続といった問題も最初から排除することなく、今回の対策をもって打ちどめだということではない柔軟な姿勢で、今後のリーダーシップ、政権運営をやっていただきたいと思います。  今回、いろいろ一喜一憂するような政策と実体経済との間の関係がありました。私は、これからの政府というのは、ますます説明責任というものが大事になってくるんだろうと思います。これだけいいことをやりましたと言っても、きょう……(発言する者あり)わかっているよと後ろから話がありましたが、わかっていることでも、こうやってテレビの前で総理の口から、大蔵大臣の口から直接国民に語りかける、あるいは、こういうものは、国会の法案の議論のときに、国民にも一緒にこれでもって考えてもらうということも必要だと思います。スピードというものが大事であります。  さらには柔軟性ということで、今も申し上げましたように、基本的な六大改革というのは、これはもう中長期的な最大の目標でありますが、しかし日々の状況に対応する政策に対応していくという柔軟性と基本公約とは、決して私は矛盾はしないと思います。同時に存在できるものだと思います。  そういう意味で、一日も早い景気の回復、あるいは金融システム安定のために、総理のリーダーシップと果断な御決意のもとで、スピードとメリット、それから柔軟性と透明性というものをぜひ重視した形で、これから自信を持ってリーダーシップを発揮して政権に取り組んでいただきたいと思いますので、先ほどいろいろ申し上げたことも含めまして、何か物を、使ってくれということも申し上げましたけれども、それも含めまして、最後に総理の御決意をお伺いしまして、私の質問を終わらせていただきます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 いろいろな角度から御意見をいただきましたが、中川議員のお話、要するに、縮み志向になるな、そしてそれだけの、むしろ消費を拡大できるだけの自信を国民に持っていただくように努めろということだと思います。そうしたことを念頭に置きながら、これからも努力をしていきたい、そのように思います。

中川昭一自由民主党

○中川(昭)委員 ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 この際、大原一三君から関連質疑の申し出があります。中川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大原一三君。

大原一三自由民主党

○大原委員 私は、いささか変わった角度から、総理、大蔵大臣、関連大臣に御質問をしたいと思うのです。  大蔵大臣初め総理大臣、現在の金融危機にいろいろな問題を提起され、果断に対応していらっしゃることに対して、私も敬意を表したいと思う者の一人であります。  実は、私が申し上げたいのは、特に金融機関が持っております土地について再評価をしたらどうだろうか、こういう問題でございます。  日本だけの例ではございませんで、既にECの統一指令、一九七八年だったと思うのでありますが、これについては、ヨーロッパ、EC関連各国は、土地の再評価を、金融機関を含め一般にも認めております。さらにまたバーゼルの委員会におきましても、金融機関が不動産の再評価をやった場合には、これをバランスシートに載っけるときには、これをBISの自己資本の対象にしますということが明示されているわけであります。  そういう問題もございまして、イギリスの場合は、サッチャーさんが七九年に総理になられ、八六年、ビッグバンの開始と同時に、八五年、カンパニーアクトを改正、商法を改正されまして、そして金融機関を含むすべての企業について、土地の再評価を含んでおやりください、こういうことをやりまして、自己資本の充実を図ってきたわけであります。  一九九二年には、ドイツでは、むしろこれはもう政策目的が非常にはっきりしておりまして、銀行法を改正して、銀行、金融金庫だけについて資産の再評価を認める、そして自己資本を充実するという仕組みをつくったわけであります。  これについては、実はバーゼル委員会から、ドイツについては若干クレームがつきました。なぜクレームがついたかということは、これは私、銀行局とも議論をしたのでありますが、銀行に限定したことをクレームつけたわけではないのです。貸借対照表に載っけないで括弧書きで注欄に土地の再評価を併記したものですから、バーゼルがクレームをつけたわけであります。したがって、これをバランスシートに載っける以上はバーゼルも批判はできないだろう。  したがって、我々、党内においていろいろ勉強会をやりましていろいろ研究をいたしましたが、銀行だけに限定すべきであるという議論が一部にございました。銀行だけにやってもバーゼルからの批判は出ないんではないのかな、こういうことで、そういう議論もございました。しかしながら、これは税制上の特典と申しますか恩典がやはりどうしても必要でございます。  御承知のように、私は昭和二十六年に大蔵省に入った者でございますが、そのときに、二十五年に資産再評価法をつくり、それでもおやりにならなかった。やらぬ理由は、経済、景気が悪い、そんなところへ固定資産の評価をして、特に償却資産について償却しても損金の計上ができないからやっても意味がない。これが二十五年、戦後直後の実態でございました。  したがって、さらに二十六年にもう一年ぽっきり、ことしじゅうやってやんなさいという法律を出しました。これも十分おやりにならない。そこで二十八年、もう一回やりました。これでも効果がなかった。したがって、二十九年に資本充実法をつくりまして、償却資産については、当時五千万円以上でございましたが、上場会社については強制をいたしたわけであります。強制的資本充実をやったわけでございます。  しかしながら、四次にわたる改正の中で、土地はずっと任意でございました。常に放置されておるわけでございますから、金融機関、特に銀行がお持ちになっている土地は、不良債権はございません。不良債権の原因は銀行のお得意さんが持っていらっしゃるわけでございまして、金融機関そのものはお持ちになっておりません。したがって、中には明治時代のもの、大正時代のもの、昭和初期の土地をお持ちになっていると思うのです。  バブルがはじけましたけれども、日本ほど帳簿価額と時価との乖離の大きい国はないわけでございまして、それをとらえて自己資本充実、ECの統一指令でもおやりになっておる、ドイツ、イギリス、フランスもおやりになっておる、同じことをなぜ日本でやっていけないのだろうか。こういう疑問を持ちまして、我々は、金融機関、特に金融機関についての土地を再評価して自己資本に入れる。これは、財政資金も要りません。御自分で評価をされて、そうして開示をすれば、その分だけ貸し渋りが減るだろう、自己資本が充実できるわけでございます。  そういう意味で、バーゼルのやつをよく読みますと、準備金については四五%、つまり本源的な資本ではなくて、いわゆるティア2と申しますが、補完的自己資本であるということで、準備金については四五%の評価を認めるということになっております。  よく見ますと、どうも優先株も四五%というような基準にひっかかりそうでございますね。劣後債は、永久であれ、臨時のものであれ、一時のものであれ、全部ティア2、補完的自己資本になっております。ところが、本源的な自己資本の中には、いわゆる発行済みの株式、これは当然でございます、それから準備金と書いてございます。これが何を意味するのか、その辺の議論も十分今後していかなければなりません。  したがって、優先株は、いろいろ議論をしていますと、これは、例えば今度の緊急対策でお買いになりますと、一時的優先株、期限つき優先株はどうも、株式でありながら、ティア1に入りそうでございません。ただし、永久的、恒久的優先株については、ティア1に入る可能性があるという議論もございます。私はおかしいと思うのですね。優先株だって、劣後であろうが何であろうが株でありますから、これはやはり自己資本に入れるべきではないのか、いわゆる本源的自己資本、一〇〇%自己資本に算入すべきではないのか、こういう議論をさせていただいておるわけであります。  何はともあれ、外国でもやっているのですから、この問題を我々が提起しましたところ、マスコミの一部には、いわゆる国際的信用の増大にはならない、問題がある、批判をされる可能性がある。そんな心配は要らないのです。ECの統一指令は七八年に出ておるわけでございまして、それに基づいてEUの金融機関が全部土地の再評価をして、自己資本に入れているわけでございます。何らこれは遠慮の要らぬことであります。  私が試算しますところ、一応上位十九行のいわゆる都市銀行でございますが、約四兆円の含み益が出るようでございます。一説には、別の会社の資料によりますと、きのうの新聞に出ておりましたが、約六兆円、十九行で含み益が出る。仮にこれが四五%、私は、その準備金というものの性格をもう一回バーゼルで、大蔵大臣、ぜひとも詰めていただいて、一〇〇%入れば御の字でございますが、仮に四五%ないし五〇%としますと、四兆円ないしは六兆円の半分、二兆円ないし三兆円の十二・五倍の貸し渋りがなくなる計算だ。  これはマキシマムでございまして、全部これ、今度の仮に法律を出すとして、上限、いわゆる公示価格の上限を書きますと、これは半強制的になりますので、上限を限度とするという仕組みで入れざるを得ないだろう。だから、さっき申しました数字はマキシマムでございまして、これは十九行だけの数字でございます。  ところが、地方銀行、いわゆる第一地銀、第二地銀、百五十ございますが、さらにまた信用組合、信用金庫、約八百ございます。さらにまた農協系統の金融機関、二千数百ございます。それらをトータルしますと、やはり相当の金額の固定資産の含み益が出るはずでございます。  私はある宮崎の農協へ参りましたら、何か新聞で見ました、私のところは三洋証券に大変な不良債権を持つことになりました、うちの農協の土地を評価しますと、これは明治時代の農地である、したがってかなりの評価益が出ます、自己資本の充実をしたいというような意見も、地方の単協でございますが、私は耳にしたところであります。  ところで、これはいきなり中川さんの総括質問の全体的な金融政策から、多少技術論になりますので、我々が考えておることを御披露申し上げまして、後で総理並びに大蔵大臣の御意見を承りたいと思うわけでございます。  ところで、まず第一は、これを銀行だけに限るのはいかがなものであろうか。税法上非課税の特典をつくるならば、何で銀行だけ非課税になるんですか、私の方も入れてくださいという、行儀のいい、いわゆる銀行以外の会社も私はあると思うんです。したがって、これを排除する理由がない。したがって、すべての上場会社についてこれを適用すべきであると思うんです。上場会社に限定した経緯が既に資本充実法にございますので、上場会社だけにやっても、既に経験済みのことでございますので差し支えなかろうではないか。  ところが、上場会社といいますと、非上場の大企業があることは御存じのとおりであります。建設会社にもございますし、銀行についても相互会社がございます。したがって、商法に書いてありますところのいわゆる商法上の監査特例法人という形に持っていけば、資本金五億円以上、さらにまた負債総額が二百億以上という基準がございますので、これを採用したらどうだろうか。  そうなりますと上場会社のほとんどは入りますが、そのほかに約五千社ぐらいのものは入ります。したがって、八千ぐらいがこの対象企業になりはしないか。経団連等にも御意見を伺いましたら、やはり私の方も金融機関に限定しないで入れてほしいという議論でございました。  評価の限度額でございますが、やはり公示価格と書きますと半ば強制になりますので、公示価格を上限とする。  戦後の資産再評価法を見ますと、評価の方法についての規定がとにかくすごい緻密なものが入っております。なぜかならば、固定資産税の評価も各町村別にばらばら。評価の基準が、当時は昭和二十五年でございますから、大正時代の資産も持っているであろう、戦前の資産も持っているであろう、ばらばらでございましたから、評価基準を設定するのに一苦労の法律で、膨大な法律になっております。  しかるに現在は、いわゆる地価税、来年からなくなりますけれども、この地価税の評価を特に上場会社についてはお願いしてありますので、簡単に取得価格と時価との差額が出るわけでございます。したがって、地価税の範囲内において評価をしていただく、こういうことが適切ではないのか、こう思っているところでございます。  それから、たくさんございますけれども、時間がございませんので主な点だけを申し上げますが、再評価の経理でございます。  経理につきましては、これは戦後再評価でおやりになったように、特別勘定をつくって再評価準備金をつくっていただく。一般準備金には入れないという仕組みで再評価準備金としてバランスシート上明記をする。明記をして、そうしてそれを恒久に帳簿価額だけは保存をしなければ、売ったときの課税という問題がございますので、ここらは経理をしっかりと保存していただく、こういうことになろうかと思うわけでございます。  そこで、きょうは主税局長お見えでありますが、ひとつ私からお願い、答えは要りません。  いろいろ議論をしていますと、三次、二十八年の資産の再評価のときには資本組み入れを認めているのですね。したがって、これは自己資本で一〇〇%ティア1になるわけでございますけれども、その際に、実は資本充実法のときに、税金を全部非課税というのはおかしいじゃないか、売ったときに課税されるのなら、売るまでの間、その当時の市中金利並みの税金をかけよう、いわゆる法人税の延納分でございますから。  それが非常に高いのですね。当時六%でございます。恐らく公定歩合も六%だったかと思いますけれども、今は〇・五%。それを課税しておりまして、四十数%という高い法人税は課税しておりません。ないにかかわらず、六%を納めたら、利子税相当額を納めたら一〇〇%自己資本への算入を認めますという規定が、主税局長、ありますので、この辺が、今回仮に法人税を非課税とした場合、その帳簿価額を永久保存といった場合に、こういう仕組みができるのかできないのか。  やはりこれは、検討項目でございますので、今後御議論をいただいて、答弁は要りません、もう時間がないので、答えはそういうことで、よく勉強してほしい。この点は、ひとつ御指摘だけは申し上げておきたいと思うわけであります。  それから、再評価の実施方法で、ここまで議論するつもりはなかったのでございますが、任意、こうなっているわけであります。土地は過去の例においても任意でございましたので、任意と書かざるを得ない。そうなりますと、ある会社が持っておる、銀行が持っておるある土地は評価して、ある土地は評価しないということができるかできないか。この問題がございまして、我々議論をしてみたところ、過去の再評価法においては、つまみ食いができるとなっております。つまり、好きなところを評価しなさい、優秀なところだけ評価しなさい、あとは要りませんと、読めば、そういうふうに読めるわけでございます。  さて、この議論を銀行局といたしますと、やはりバーゼルとの議論があって、つまみ食いはいかぬだろう、その銀行が土地の再評価をするのなら、その銀行が持っているすべての土地について再評価をすべきではないかというのが大蔵当局の意見でございました。  しかし、私は、過去の再評価法の例を見て、そこまでこだわる必要があるのか。BISの問題は、これはすぐれて大蔵大臣の政治的な御判断の要る問題でございまして、我々が、ヨーロッパがやっているのですから遠慮は要りません、堂々とやりました、資本準備金に繰り入れます、こういう形でいって、各行政当局、各国の金融事情その他によって、かなり弾力的な判断の余地があるのではないのか。  そういうことであれば、大蔵大臣に特にお願いでありますが、この問題がBISから指摘された場合には、指摘されなければ私はやっていいと思うのですよ、堂々と。書いてあるのですから。やっていいのですが、これをティア1、つまり本源的な自己資本に入れるか、あるいは補完的なティア2、自己資本に入れるかの議論もぜひその際展開をしていただきたい、これは私の希望でございます。  以上、この法律の概要を申し上げたのですが、これは枝葉の議論は、まあ、私がつくるとしたらこういうことでございます。これは、これからどう相談していくかはこれから国対筋とも十分議論をし、そして特に関係当局、大蔵、法務そして通産、この三省については特に各大臣の御理解と御協力をお願いしなければなりません。  これは商法の例外規定になるわけでございます。御承知のように、商法ではいわゆる原価主義をとっております。固定資産を時価に評価するということは、商法の原則に反する。しかしながら、既に二十五年から二十九年にこの法律は経験済みであります。法務省のその関係筋も、結構でございますという私はお答えをいただいておりますので、法務大臣、ぜひその点についても御協力をお願い申し上げたい、こう思うところでございます。  ところで、まず、以上のような論点で、もうとにかく大変な御苦労をなすっている今の金融制度の改革の中で、外国はやっているのですから、できることは何でも遠慮なくやったらいかがなものかというのが私の議論でございまして、まず大蔵大臣、私の所見についてどのようにお考えか、御意見をいただきたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 大原委員の多年にわたるノウハウの御研究の成果、御披露をいただきました。御披露をいただく前に、与党でございますから、当然概要についても知っておるわけでございますが、税務官僚としての経験、外国の経過、反応等すべて御紹介をいただきました。  現下の情勢は、景気対策、金融が金融本来の姿を取り戻し、経済の血液と言われるならば、その社会的責任を十二分に果たしていかなければならぬというのが今日的な大きな課題であろうと思っております。よって、補正予算そして当初予算におきましても、その下支えになり、そして経済が安定的な形になりますよう御提案を申し上げておるところであり、貸し渋りの二十五兆円にいたしましても、さらに金融安定化新法がいずれ十九日には出るという予定で最後の手続を経ておるわけでございますが、総理言われましたとおり、まさに三十兆円、こういう手だてを講じ、なおかつ生きておる経済、金融の中で有効なものであるということであれば、真剣にこれを検討していくことは政治の場面において重要な課題だと思っております。  今後、党及び三党の御協議を経られると思うのでありますが、その結論を最大の関心を持ち、お待ち申し上げております。重ねて、御見識に敬意を表する次第であります。

大原一三自由民主党

○大原委員 総理大臣。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、手元の資料を見ながら、昭和二十五年から二十九年の間、四次にわたって資産の再評価が行われ、その中で土地の再評価が企業の任意とされた、あるいは二十九年、第四次の資産評価につきまして、その資本充実法においてどういう経緯があったのか、そうしたところを見、あるいは八八年バーゼル合意のBIS規制の、再評価準備金として貸借対照表上に載せている場合に限り自己資本に算入できるといった、こうした内容のものを今改めて目を通しておりました。  私ども、間違いなく現在の金融経済情勢の中において、これに対応する対応策、でき得る限りあらゆるものを臨機応変に活用していくことは極めて必要だと考えておりますし、そうした観点から、この土地の再評価の問題については、私自身も関心を持って党に対して検討を要請したものでございます。今委員が中心となって鋭意検討が進められていると承知をしておりまして、その検討結果を待ちたいと考えております。

大原一三自由民主党

○大原委員 税制の問題もこれあり、党の税調がございますから、そこらとも十分根回しを今後していかなければならぬと思っております。  実は、大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、端的に申して、仮に六兆円、十九行で出た場合に、四五%、アバウト三兆円でございますから、その三兆円の十二・五倍、約十三倍で計算しますと、これはとにかく三十六兆円近くになるわけです。三十六兆円の貸し渋りはなくなるだろう。これはマキシマムの計算でございます。  地方銀行に至っては、四%のところがございます。仮に、先ほど申しましたところが一兆円出ますと、これは二千何ぼになるんでありますが、仮に一兆円出ますとその二十五倍、百分の四でございますから、分子が一ポイントふえれば二十五倍貸し渋りがなくなる。つまり、一兆円出れば二十五兆円の中小企業に対する貸し渋りがなくなる計算であります。  実態がどうなるかは各金融機関の都合、さらにまた評価の基準がマキシマムでありますから、その範囲内におやりになることでありますから、私は、そういう計算も可能だ、こういうふうに胸算用をいたしているところであります。  ところで、いろいろ調べてみますと、現在の八%、四%の自己資本基準というのは、金融機関によって任意なんですね、これは。ある地方銀行の頭取に聞きました。あなたのところは外国に支店も持っていない、出張所も持っていないのに、何で八%ですかと聞いたら、ここで言っていいかどうかわかりませんが、ほかの銀行がやっていらっしゃるので横並びでやりましたというお話でございます。意味ないんですね、これは。  いわゆるBISの規制によれば、国際取引をしている者、国際活動をしている者以外は四%国内基準で結構でありますから、特に地方銀行の中で、六十四行ある中で五十二行は都市銀行と同じ八%をとっておるんですね。意味ないです、これは。外国に支店を持っている地方銀行は別ですよ。こんなことを今の段階でやっておく必要は私はないと思うので、これは大蔵省が法律をつくるわけにはいかぬ、行政指導するわけにはいかぬ。だから、以心伝心で、こういったところはもうおやめになったらいい。そうすれば四%になるんですから、二十五倍貸し出しができるんですよ。そういう意味で、私はこの辺について無理をされる必要はなかろうと思いますので、お心がけ願いたい。それから、六十五ある第二地銀の中でも九行が、支店も何にもないのに八%をとっていらっしゃるということ、これも無意味であります。  そういった御指導ができ得ればやっていただきたいと、私は銀行協会にも提案したいのでありますが、仮に私の出身の宮崎銀行だけやりますと、だめなんです、これは。ああ、あそこは危ないらしい、それで四%に下げたらしい。これじゃ困るので、やはり一、二の三で全部銀行協会あたりでやっていただければ、私がさっき申し上げた固定資産の再評価よりは、そっちの方が効き目があるんですよ。そういったこともひとつ御検討願い、これは、総理大臣にやりなさいと言うわけにいかないんですよ、任意ですから。そういったことも、きょうお聞きになっておる金融機関の皆さん、ぜひともこういった問題でも自主的に御協力を願えたらありがたい、こう思っております。  以上が私の提案理由でございまして、これはもう提案でも何でもない、法律もない、恐らく野党の皆さんから怒られると思うのですが、これから野党の皆さんの政策委員長クラスの方々にもひとつ足を運んで細かく御説明しながら、御協力いただけたら、やはり現在の金融政策に何らかのプラスアルファの効果を持つんではないのかな、委員長、こう思いまして、質問をしたわけでございます。  これから細かい点については、さっき申しました各三省庁と十分議論をしてまいりますので、ぜひとも御協力をお願いして、私の質問を終わります。  以上であります。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて中川君、大原君の質疑は終了いたしました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  平成九年度補正予算三案審査のため、来る二十一日午前九時に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永光自由民主党

○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る十九日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十五分散会

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