農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1998/03/18
会議録
○北村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び主要農作物種子法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。漆原良夫君。
○漆原委員 平和・改革の漆原でございます。この三法案につきまして質問させていただきます。 まず、青年の就農促進のための資金の貸し付け等に関する特別措置についてお聞きしますが、この法律は、元来は、農業の将来の担い手として可能性のある青年を対象として、その就農を促進するための就農資金の貸し付け及び農業改良資金の特例という特別措置を講ずることを目的としたものでございます。しかし、今回、この題名及び目的規定を改正し、青年以外の中高年層にまでこの制度適用の趣旨を拡大したことはどういう理由によるものなのか、お答え願いたいと思います。
○島村国務大臣 お答えいたします。 青年就農促進法は、将来の農業を担う青年農業者を確保、育成するためのものである、御指摘のとおりでございます。そして、現在、都道府県による就農促進に関する基本的方針の策定、あるいはまた、青年農業者育成センターによる無利子の資金の貸し付け等の特別措置を内容としてこれを進めているところでございます。 しかしながら、青年の新規就農者につきましては、uターンの就農者を含めまして、平成八年には、数年前とは大きく違いまして、八千五百人まで増加をしてきておりますが、担い手の円滑な世代交代を行う上で望ましい水準にはまだ半分程度といったのが実情でございます。 こうしたことから、一般的には、青年については、少子化の傾向の中で他産業との競合がございますし、また、中山間地域を中心に現に担い手不足が非常に深刻化しておることから、効率的かつ安定的な経営体の育成と、将来にわたって安定的にこの農業を継承していくという上でいろいろな配慮が当然必要となってくるわけであります。 こうしたことから、幅広い層から就農を促進しようということに、いわば範囲を広げまして、就農支援資金の貸し付け等の対象者として、現行制度における青年に加えまして、近代的な農業経営を行うのに必要な知識及び技能を有すると認められる、いろいろな社会で経験を積まれた中高年者を追加するということとしたところでございます。 御承知のように高齢化が進み、その一方では、従来高齢者の年齢層と言われた方たちも大変お元気でございますので、そういう方たちにもむしろ農業にもいそしんでいただこう、こういう意味で範囲を広げたのが今回の改正の趣旨でございます。
○漆原委員 本法案の成立、制定当時、平成七年二月の本会議で、衆参それぞれの農林水産委員会で附帯決議がなされております。衆議院では「政府は、本法の施行に当たり、」「青年農業者の育成確保に遺憾なきを期すべきである。」これは全会一致でございます。参議院では、「近年における農業就業者の急速な減少と高齢化の進展、ウルグァイ・ラウンド農業合意に伴う農業経営環境の厳しさの増大等に対処して、経営感覚に優れた効率的かつ安定的な農業の担い手となることが期待される青年農業者を確保・育成することが急務となっている。」こういう附帯決議が衆参の農林水産委員会で全会一致で決議されておりますが、これを前提にして、三点お尋ねしたいと思います。 この衆参両院の附帯決議の趣旨は、あくまでも農業の担い手となる青年の確保と育成ということでございますが、まず第一に、その附帯決議と本改正法案との整合性は一体どうなるのか、これが第一点でございます。第二点は、政府としては、この附帯決議をどのように尊重し、青年の育成と 就農促進のために今後どう取り組んでいかれるおつもりなのか。第三点目は、将来の担い手として中高年層をどのように位置づけておられるのか。この三点についてお尋ねいたします。
○高木(賢)政府委員 まず、青年についての位置づけでございますが、やはり青年は将来にわたり長く農業に従事し得る可能性が高い年齢層でございます。現実に農業の技術というのは習得にある程度の時間がかかる面もございますし、また、投下したもろもろのお金の回収も長期のものがあって、回収にも時間がかかる面もございます。農業の発展という側面から見ますと、青年ということがやはり他産業と同様に重要な位置づけになるというふうに考えております。したがいまして、青年に対して就農促進の支援をしていくということは依然として重要な課題でありまして、今後とも力を入れていかなければならないというふうに思っております。 それから、位置づけといいますか、中高年齢者の意味合いがどうかということでございますが、これは担い手としての意義が当然あるわけでございますが、単純に量の面からだけではなくて、今後の農業の発展ということを考えますと、質的な側面、つまり、単なる担い手ということではなくて、消費者ニーズとか市場動向に的確に対応できる経営感覚にすぐれた農業者の育成ということが必要になっていると思います。 経営感覚にすぐれた農業者ということになりますと、単純に生産技術だけではなくて、マーケティングとか経営管理とか加工流通とか、こういった狭い意味の、従来からの農業以外の幅広い知識や経験の蓄積が必要だろうと思います。こういう点で、他産業で十分ほかの経験を積みまして、マーケティングとか経営管理などに堪能になった方が農業の世界でその経験や知識を生かしていただきまして、地域農業の振興とか農業経営の体質強化を進めるということは今日的に極めて有効なことであろうと思います。 そういう意味で、担い手の育成、確保という点で今日の情勢を考えますと、単純に年齢層が高い、低いというだけで担い手としての適否を考えるというのはやや狭くなっているのではないか。やはり本人の資質、意欲という点から見て、農業の発展に寄与していただけるのかどうか、農業経営を展開していただけるのかどうかという点で位置づけられるものと考えております。 そういう意味では、多少ウイングは広げておりますけれども、従来、青年に期待していたところのものを、いわば中高年齢者は一般企業におきます中途採用者の採用みたいなものだと思いますけれども、そういった面で農業に寄与できる方をお招きするという点は、これは担い手確保対策としての整合性の範囲に入っているというふうに考えております。
○漆原委員 今るる説明がありましたが、青年の就農促進ということと、中高年の就労とはやはりその趣旨ないし目的が違うのではないかというふうに考えます。私は、青年以外の中高年層にまでこの適用を拡大したことによって、逆に青年の就農促進という本来の目的が薄められてしまうのではないかという危惧を持っております。 今、そうではないのだという御説明を受けましたが、私は、もしそうであれば、立法政策上の問題として、本法の改正ということではなくて、中高年層には別途の施策を講じるべきではなかったのか、法律改正ということではなくて、この法律は法律のままにしておいて、別個の施策を講じるべきではなかったのかという感想を持っておりますが、いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 基本的に新規に就農する方の就農促進ということで、政策目的なり政策の枠組みとしては私は共通性を持っていると思います。 現実にいろいろなお話も伺いますと、例えば、農地に関してこういったところで希望者を募っているとか、そういった情報がございます。それから、それぞれの市町村単独で、定住促進の意味も兼ねまして就農促進の対策を個別自治体でとっているところがございます。 そういう実態を見ますと、実は今青年というのは三十九歳以下ということで運用しておりますけれども、しかと判然として三十九歳以下の人と四十歳以上ということで画然としたといいますか、異なった取り扱いを必ずしもしておらない。現実に我々人間も生きていて、生命をずっと続けていますから、あるときが三十九で、あるときが四十五になったりする、こういうことになるわけでありまして、何というのですか、連続性という点から考えますと、どうも実態として、しかと青年とその他の人というのが画然としておらないというのが現場の実態ではないかというふうに思っております。 そういうことと、先ほど申し上げました就農の促進という点でフレームが近似しておるという点で、この青年就農法の枠組みを活用いたしまして、そこのウイングを広げたということでやったわけでございます。
○漆原委員 重ねてお伺いしますが、現行では「青年農業者の確保」、こういう条文になっております。改正後は「青年農業者その他の農業を担うべき者」、こうなって、青年と並列というか、プラスアルファというか、そういう書き方、規定の仕方になっておりますので、青年に対する就農促進の努力というか、誠意というか、熱意が失われはしないかという心配を持っておるわけなんです。今の説明で、青年の就農促進に対する精神はこの法律改正によってもいささかも変わることがないというふうにお聞きしておきたいと思いますが、大臣はいかがでしょうか。
○島村国務大臣 おっしゃったとおりでございます。 いかがでしょうか。日本人の長寿社会についてはお互いにそれぞれの認識のあるところですけれども、例えば、いろいろな組織の青年部というのがございますが、従前、青年部といいますと三十歳未満であったとか、あるいは三十五歳までとしたとかいうことがございますが、最近は、聞いてみると、六十歳未満も青年部といって、青年部長なんというのはその近くの方が活躍している実例も実はあるわけでございます。 戦後のいろいろな状況を調べてみますと、たまたま昭和二十二年から平成七年までの統計がございますが、これによると、男性は二十六・九五歳、女性は二十九・六三歳それぞれ寿命が延びているということは、四捨五入いたしますと二十七歳と三十歳それぞれ寿命が延びているわけですね。 そういう意味合いからすれば、たまたま私たちと同年代の方々がサラリーマン生活を終えてそろそろ暇な段階に入るわけですけれども、実際につき合ってみればまだまだ意欲も満々ですし、行動力も十分持っているわけです。今までは忍耐、努力、我慢の時代だ、これからがいよいよ君たちの本番だと私はいつも仲間に言うのですが、そういう方たちに農業の分野ででも道を開くということは、これはむしろ時代に適応した非常に的確な対応ではないか、私は実はそう受けとめているわけであります。 そういう意味では、近年着実に増加はしておりますものの、先ほど御説明いたしましたように、たしかさっき申し上げたのは平成二年の記録ですが、四千三百人ぐらいだったものが、平成八年には八千五百人まで伸びておりますものの、実際に望ましいのは一万六千人前後ということでございますから、そういうことごとを考えれば、青年という枠にこだわっておりますと、実質的に充足ができません。 そこで、今回は範囲を広げて、十分働き得る方々に対してはそういう道を開き、こういう仲間にお入りになりやすい、むしろいろいろな意味でお力を発揮していただきたい、そういう願いを込めての今回の改正でございます。
○漆原委員 年齢につきましては、この政治の世界に入りまして先輩の姿を見ておりますと、本当に若々しいなというふうに常々感じております。ただ、あくまでも、青年の数が少ない、それを 中高年層で補充をしようというふうな考え方は、これはとってはならない。やはり青年を中心に積極的にその促進をしていくんだ、ただ、中高年層の需要があるからそれもプラスして施策を講じていくんだ、こういうスタンスでやっていただきたいことを御要望しておきます。 本法律は制定から約三年経過しておりますが、就農支援資金の貸し付け等の特別措置によってこれまで青年の就農促進にどのような効果があったのか、どのような役割を果たしてきたのか、どう評価するのか、この辺を教えていただければと思います。
○高木(賢)政府委員 この法律の制定によってどういう効果があったのかということでございますが、まず第一に私どもが大きく評価しておりますのは、やはり全国の都道府県におきまして就農支援の体制が確立されたということでございます。各県に一つセンターというものができまして、まさに今御指摘のように、青年に対して就農支援をしていくんだ、これを国の法制度としてやっていくんだということがはっきりいたしまして、全国、まさに全都道府県におきまして、さらには市町村段階に至るまでそういった趣旨が徹底し、体制が確立したというのが大きなポイントだろうと思います。 それから二番目に、具体的施策として就農支援資金の貸し付けということが現実に行われております。スタートのときは若干出おくれておりましたが、既にかなりの金額が貸し付けられておる。累計でもう三十億円ぐらいの貸し付けということでございまして、このお金を使いまして、研修をし、実地に就農するという人が続々と出つつあるということでございます。 それから、一番目に申し上げた体制の整備と強化ということと関連をいたしますが、センターにおきます相談活動、これも、そういうところで相談をやっているのだということがわかりまして、年々活発化しているということでございます。 結果としてどうかということでございますが、先ほど大臣の答弁にありましたように、平成二年に四千三百人といった青年の新規就農者数が、ほぼ倍の八千五百人というところまで伸びてまいりました。ただ、望ましい水準という点から見ますとまだ半分強ぐらいのところでありまして、さらに私どもはこれに特段の努力をしていかなくてはいかぬというふうに思っております。 具体的には、この青年就農資金につきましても、平成十年度に、貸付限度額の引き上げをするとか償還期間について弾力化をするとかといった運用面の改善を図ることにいたしておりまして、こういったことを活用しながら、さらに新規就農者の拡大に努力していきたいと考えております。
○漆原委員 大臣のお言葉の中でもございましたが、本来、年間一万五千人くらいが望ましい数だということでございました。ぜひ、青年が一万五千くらい集まるように御努力を願いたいと思っております。 それから、これは農業構造動態調査の中に書いてあったのですが、農家の戸数が減っている。平成三年では三百七十万戸あったところが、平成八年では三百三十万戸になっている。五年間で一〇%減って、一年間で約八万戸ぐらいの農家の数が減っている。大変重大な問題だと思うのですが、その原因は一体何なのか。後継者不足ということなのかどうか。また、後継者不足の原因についてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。
○高木(賢)政府委員 農業従事者の減少につきましては、これは、今の農業者の就業の年齢構造といいますか年齢構成のしからしむるところだと思います。 と申しますのは、今、年齢層で、ピークが昭和一けた世代にございまして、これが、いわば団塊の世代的に相当な層の数の方がおられます。したがいまして、この人たちが大体六十から六十五、さらには七十に達しておりまして、人によっては、昭和の初めの方は当然七十歳以上でございますから、徐々に引退をされるということで、この団塊の世代の方の引退が多いということが減少の大きな要因であるというふうに思っております。 次に、後継者がどうかということでございますが、先ほど来申し上げておりますように、うまく世代交代が進むということから数えましての望ましい水準ということになりますと、一万数千人ぐらいが新たに入っていただかないと将来的にうまく回転しないということでございまして、まだ、現実実態としては、先ほど来言っておりますように半分強程度の水準でございます。 その原因は、やはりまだ、農業に対しての魅力というものとか、あるいは農村で居住した場合の魅力といいますか住みやすさとかいう点で、経営規模なり色産基盤なり生活環境なりあるいは農村の慣行なり、そういったいろいろな面で、若い人が魅力を感ずる点が他と比較してやや乏しいのではないかという点がございまして、この点の改善を図らなければならないというふうに思っているわけでございます。
○漆原委員 話題を変えます。 今回、新たに貸付対象となる青年以外の者としては、他産業から転職し、それまでに得た知識や技能を活用しつつ農業経営を開始する中高年齢者というふうにしております。対象年齢は、五十五歳未満の者、都道府県知事の特認によって六十五歳未満の者まで可能だ、こうなっております。青年と比較しますと、体力的にも、また就農しリタイアするまでの期間も短いというハンディがあると思いますが、農業の担い手として政府が将来この中高年齢の人に期待するのはどのような点か、お答えいただきたいと思います。
○高木(賢)政府委員 中高年齢の方は、既に相当な社会的経験も積んだ立派な社会人になっていると思います。加えて、その中高年に達するまでに当然、学校を出てから相当の年数、実社会で職業生活の経験を積んでおられると思います。その間に、農業という狭い世界だけでない、幅広い経営管理の力とか販売とかその他のいろいろな、農業にとっても役に立つ知識、技能を身につけておられるというふうに思います。 一方で、農業の方は、まさに経営者として多彩なる活動を必要とされる、そういう状況に来たと思います。かつてのようにつくって、売るのは農協がやればいいというようなことではなくて、まさに最終的な、自分のつくったものがどこへどういうふうに売れていくのか、消費者のニーズにマッチしているのかどうか、こういう点も十分把握しなければいけない状況であると思いますし、経営におきましても、どんぶり勘定でなくて、きちんとした経営管理をしなければ経営の発展は期しがたい、こういう状況になっていると思います。 そういう点で、いわばよその世界でいろいろ身につけられた知識、経験を農業の世界に注入していただきまして、まさに地域農業の発展なり農業経営の新たな展開という点で、それぞれの場で寄与していただければ大変ありがたいのではないかというふうに思っております。 まさに、中高年齢者に期待するのは、よその世界で得た経験を農業の世界に生かしていただきたい、こういう点にあるというふうに思っております。
○漆原委員 離職就農者の構成、これは農業構造動態調査、平成九年、この数を見ますと、一番割合の高いのが六十歳から六十四歳、一万一千百人、これは全体の二二・七%あります。次は六十五歳から六十九歳、これは九千二百人、全体の一八・八%。三番目が五十五歳から五十九歳、六千三百人、全体の一二・九%。この中高年層の就農者の数、この数値を農水省はどのように分析されておりますでしょうか。
○高木(賢)政府委員 先生が今御指摘になられましたように五十五歳以上の方で数が多くなっておるのは、やはりサラリーマン世界におきます定年制度というものが大きく影響していると思います。やはり定年ということを契機に第二の人生をどういうふうに暮らすかということで、これまで農業をいわば兼業でやっておられた方が本業にす るという形、あるいは定年を機に故郷にお帰りになって農業を始めるという形もあろうかと思います。いずれにしても、この五十五歳以上の方のところに数が多くなっているのは、定年ということが大きくその契機になっているというふうに考えております。
○漆原委員 私もそう思います。そうしますと、中高年層の人が就農する場合には、産業としての農業に参入してくるというよりは、むしろ、ある意味では退職してリタイアした後の趣味の農業というふうな感じで農業に就農されるケースが非常に多いのだというふうに私は考えますが、そういう実態から見て、今回の措置は将来の担い手を確保するために果たして十分なのかどうか、この辺はいかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 御指摘のように、定年を境として就農されるといっても、必ずしも本業でないと評価される方も実際あろうと思います。 ただ同時に、定年ということを待たずといいますか、四十歳代、五十歳代の早い年齢の際にいわゆる脱サラをして、農業を第二か第三かわかりませんが新たな自分の職業として選ぶという方も多いわけでございますし、また、定年を契機にしたといたしましても、ずっと寿命のある限りはそれなりに続けられるわけでありますから、新たな第二の人生として選ばれる方もあろうかと思います。それから、定年に際して持っているお金との関係で、持っているお金の範囲でいいやという程度の方もあろうかと思います。 今回のこの資金の手当ては、やはりそういう中にありましても、お金を借りてまで真剣に勉強をし、またかなりの投資をして、第二、第三の人生を農業でやろう、こういう方につきましての支援措置というふうに位置づけておりまして、この中には現実に、私どもの調査でもいろいろありますが、特に脱サラした人などは相当真剣に取り組んでおられるわけでございまして、そういった方々を中心に支援をするという姿を想定しているわけでございます。
○漆原委員 次に、就農研修についてお伺いしますが、昨年、四十五都道府県の農業会議が過去十年間に新規就農した千八十一人を対象にしたアンケートを実施しました。それによりますと、就農前に技術研修を受けた人が経営自立のめどをつけるのには平均三年かかった。反対に、研修を受けなかった人は五年もかかった。そういう意味で、就農前の研修が経営の自立に大きく左右することがわかったとされております。 これは、就農前の研修が就農に自信をつけさせたり、あるいは農業所得を拡大させる上でいかに重要なことかを示していると思いますが、現在、就農者のための技術研修状況、これはどうなっているのか。青年についてはどうなっているのか、また、これから新たに適用される中高年齢層についてはどのようなことをお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○高木(賢)政府委員 新規就農の際の研修が重要であるということは全く御指摘のとおりだと思います。非常に効果があるというふうに私どもでも考えております。 青年の研修の場合には、まず一つは、各県に大体農業大学校というのが設けられておりますが、その大学校におきます研修がまず一つ考えられます。ただ、これは実践的な研修ももちろんありますけれども、いわゆる学校ですかられの勉強もかなりあるということでございます。 それからもう一つ、本当にさらにその先の段階になりますと、先進農家そのものに住み込んで、朝から晩まで作業をともにしながら実践的な力を身につけるという、先進農家におきます研修がございます。しかしながら、この先進農家の方は実は数が限られておりまして、また、だれもかれも受け入れてくれるということではございません。 そこで、平成九年度から、私どもとしましては現場方式の研修農場、つまり、市町村なりが農場を借り上げるとかあるいは篤農家に委託するというような形で、市町村が主体となって現場で研修をするということが有益ではないかということで、九年度から現場方式、オン・ザ・ジョブ・トレーニング方式と言っておりますが、そういった形での研修を進めております。 いずれにしても、実践的な力をつけるということが青年にとっては特に大事な点であろうというふうに考えまして、その推進を図っております。 次に、中高年齢者の研修でございます。 先ほども御指摘がありましたが、率直に申し上げまして、中高年齢者の方々の幅はかなりあると思います。したがいまして、まずは、サラリーマンなどをしながらでもある程度の勉強ができる、そういう就農準備校というのを平成八年度からつくりましてやっております。これは東京を初めとする大きな都会で行っておりまして、夜間あるいは土曜、日曜という休日に学ぶというものでございます。それから農業大学校、先ほども申し上げましたが、ここにおきましても短期の研修ということで、これまで中高年齢者の方にも道を開いてまいりました。 しかし、いよいよ中高年齢者の方でも本格的に就農しょうという方がある程度出てきた段階になりますと、それだけでは足りないというふうに考えまして、十年度からは、中高年齢者向けの本格的な実践研修を始めようということで、農業大学校におきまして、これもまた中高年齢者の方の幅があるものですから、農業に対する習熟度合いに応じた研修コースを開設するということで、ニーズに応じた形での研修をして効果が上がるようにということで取り組みたいと考えております。
○漆原委員 これまでの就農支援資金の貸し付け状況はどんな実績になっておりますか。人数、金額、あるいは今まで、この制度の適用を受けたけれども、志半ばにしてやめてしまって、場合によっては本資金の一時返還を要求されたというふうな例があるのかないのか。いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 就農支援資金のこれまでの貸付実績でございますが、平成八年度末までの累計で、貸付件数千七百十三件、貸付金額十七億三千七百万円でございます。 この中で、全部就農したのかということでございますが、ごく一部には、家庭の事情で就農を断念いたしまして他産業に就職をした例があるというふうに承知をいたしております。
○漆原委員 技術研修では、ハードも大事なことでございますが、教える方のレベルアップや指導者の育成などソフトの面も重要だと考えております。その点、国民、消費者のニーズは多様化して、それに対応した情報と技術が望まれておりますが、この教える方の、指導者の育成ということについてはどのような措置をとっておりますか。
○高木(賢)政府委員 現場で新規就農者に対しまして教える方々の技術の向上あるいは教える力の向上という点は、非常に重要だと思います。具体的にはどういう人がその指導に当たるのかということでございますが、研修を受ける人と、施設といいますかコースとの裏返してございますが、農業大学校の職員あるいは現場の篤農家というような方々があると思います。 特に大学校の指導職員につきましては、バイテクなどの新しい、本当に先進的な技術の習得のための研修とか、それからカリキュラムの編成とか教育手法といった、いわゆる指導力の方の向上に資する研修ということを行っております。また、指導職員に対して上から何か注入するというのではなくて、指導職員の方々が、みずから共同で新しい課題に取り組んでの研究活動ということを実施いたしまして、教育力のアップということに努めております。 現場の篤農家で教えられる方という点につきましては、篤農家の方々を、特に、その御希望といいますか御承諾いただける方には指導農業士というふうに県で称号を出してもらいまして、この指導農業士というふうに位置づけられた方々が教育に当たる、こういうシステムにしております。 この指導農業士の方々は既に相当な篤農家なのでありますけれども、やはりそれだけでは情報も足りないということもありますので、全国で指導農業士の会合を、研究会という形なりあるいは交 流会という形で開いていただきまして、最新の農業技術の情報なりというものを得ていただくことにしております。 また、やはりみずから課題に取り組むということも重要でございますので、指導農業士の方々は、地域ごとにそれぞれの農業の抱える課題につきまして事例研究をするとか意見交換をするとかということで取り組んでおられます。 こういうことに対しまして、国としても支援をしておりますが、さらに充実強化に努めたいというふうに考えております。
○漆原委員 この指導農業士についてもう一点だけ、全国でどのぐらいいるのかということと、それから、今後この指導農業士をふやす方向で進めているのかどうか、いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 指導農業士は、ちょっと古くて恐縮でございますが、平成七年三月では七千六百二十六人おりました。うち女性の方が百六十六人でございます。これはふやす方向で対処しておりますので、現在は、ちょっとまだ積算がきちんとできておりませんが、八千人を超える数になっております。
○漆原委員 続いて、就農支援資金についてお尋ねします。 現在の就農支援資金は無利子でございますが、その償還期間、平場では十二年間、条件不利地域では二十年、こうなっております。今回対象となります青年以外の者については、平場では七年間、条件不利地域については十二年以内、こういう青年と差をつけて貸し付けするような、償還期間の貸し付け差があるように聞いておりますが、このような差を設けた理由をお聞きします。
○高木(賢)政府委員 中高年齢者の方は、青年に比べますと、年齢の関係ということもありまして、できるだけ早く実際の経営を開始したいという希望が強うございます。また、通常家族をお持ちでありまして、研修期間というのを短期で実効が上がるようにというビヘービアをとられる、こういう実態にございます。したがって、研修に要する期間が実態として短いということもございまして、研修に要する費用、借り受け額も少ないというのが一般的でございます。 そういうことから、借り受け額が現実問題としては、多分といいますか、青年に比べますと相当少ないということが見込まれまして、そういうことであるならばまた早く返し得るということで、青年と比べた場合に短い償還期間ということに設定しているところでございます。
○漆原委員 中高年につきましては、七年、十二年という期間でございますが、年齢は五十五歳未満あるいは特認の場合は六十五歳未満、六十四歳までということになりますね。この上限がこういう大分御高齢の上限になるわけなんですが、償還期間との関係から見てこの上限を、五十五歳未満、特例で六十五歳未満という上限というのは果たして妥当なのかな、もっと下げるべきじゃないのかなという考えもあるのです。例えば六十四歳の方に十二年間償還期間を定めるというのは非常に先の長い話になるわけでありまして、その辺の上限の設定の仕方はどうだったのかな、妥当性があるのかなという考えを持つのですが、いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 この十二年とか七年というのはいわば上限でございますので、もちろん実態に応じてそれより短くてもいいという方はそれに応じた期間設定ができると思います。 それから、一般的に申し上げますと、定年ぐらいになりますと退職金などもございまして、だんだんお年を召されるにつれて借入金に対する依存度というものは低くなる傾向があるのではないかというふうにも見ております。
○漆原委員 それでは、種子法の方に移りたいと思います。 主要農作物種子制度というのは、優良な種子の生産及び普及を促進するために、都道府県に対して種子生産圃場の指定や種子の審査、原種及び原原種の生産を義務づけて、その事務費用の一部を補助する、こうなっております。 今回の改正は、地方分権推進委員会の第二次勧告において、主要農作物種子の審査制度を維持しながら、これを一般財源化すべきであるという指摘に基づいて、従来の国の補助に関する規定を廃止しようとするものであるわけですが、まず、昭和二十七年本法制定以来、本制度の果たしてきた役割について、どのように評価されているのか、また今後この制度を積極的に評価をしながら存続を図っていくのかどうか、その辺のお考えを大臣にお聞きしたいと思います。——局長じゃない、大臣。
○高木(賢)政府委員 まず評価を実務的にさせていただきたいと思います。 御案内のように、稲、麦、大豆の主要農作物は国民の基本的な食糧でありますとともに、地域農業におきます基幹作物でございます。したがって、その安定した生産を確保しなければならないのは当然でございます。そういう点で、この主要農作物種子法は、優良な種子の生産と供給につきまして非常に大きな役割を果たしたと思います。 と申しますのは、主要農作物の場合、一般の作物生産と種子生産の生産物が同じであるということで、種子に特別な付加価値がつきにくい事情にあります。何か種屋さんがやるとうんともうかるとか、こういうことがないものですから、民間種苗会社が参入するということはございません。しかし一方、できた農産物というのは非常に重要な農産物でございますから、その間を公的機関がしっかりと面倒を見て優良な種子を確保する、こういうことが必要だということでございますし、現にそうしてきたと思います。 そこで、各都道府県におきましては、地域条件に適した優良な品種の決定試験とか優良な原種の生産とか種子の審査ということを通じまして、今日に至るまで稲、麦、大豆の安定生産に寄与したというふうに考えております。
○漆原委員 積極的な方向で評価されているというふうにお聞きしておきたいと思いますが、従来の補助金が変わる、補助金を廃止するという今後のこの制度については、やはり同じように積極的な評価をされた上で維持存続していくのかどうか、この辺は大臣はいかがでしょうか。
○島村国務大臣 おっしゃったとおりに私は考えてはおりますが。
○漆原委員 いや、その一言が欲しくてしつこく申し上げておりました。 国の補助の段階では使途の目的が明確でありましたが、これを廃止することによりまして、今後審査制度というのが今までどおり維持できるのかどうか、また、円滑着実な実施に支障を来すのではないかという心配を持っておるのですが、その辺はいかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 今度の法改正でお願いしておりますのは、補助金に関する規定を削除するという点でございますが、その他の条文はすべてこれまでどおり残すということでございます。したがいまして、法制度として都道府県が実施しなければならない事務というものは明確にあるわけでございますから、法律違反があって都道府県がやらないなどということは当然あり得ないし、また私どももこれまでどおりきちんとやっていただかなければいけないということを十分お話し申し上げていきたいというふうに思います。 そうは申しましても、補助金の分だけ金が減って、その分だけは仕事ができないじゃないかというおそれはございます。そこで、地方交付税におきまして財源手当てをするということで自治省と話を詰めまして、補助金で減る分の額以上の額を地方交付税の算定上、計算上見ておる、それで地方公共団体に配賦されるという確約を得ておりますので、金の面、制度の仕組みの面、両方相まってこの主要農作物の種子の審査体制などは守られるというふうに考えております。
○漆原委員 地方交付税という交付金によって今までの補助金が今度一般財源化されることになるわけですが、従来から補助対象となっていた諸経費の算定ができなくなるのではないかなという心配を持っております。また、具体的に、今そんな ことはないんだとおっしゃいましたが、どのように算定をしていくのか、その辺はいかがなっていますでしょうか。
○高木(賢)政府委員 現行の補助金の積算内容でございますが、現在の主要農作物種子法の施行令に定められております。これは、旅費とか備品費とか消耗品費というようなことが事細かに書いてございます。これは、審査に要する経費だとか、あるいは原種の生産に要する経費とか、こういういわゆる事務費でございます。これを廃止はいたしますが、こういった経費を積算をして、地方交付税上、いわゆる単位費用としてカウントするというのが自治省の方の財政措置でございます。
○漆原委員 現行法に基づく補助金の金額は、平成九年度予算において八千二百万、都道府県に割り振りますと百七十四万という、ある意味ではわずかなものになってしまいますが、これが補助金廃止によって、一般財源化されることによってその使途、目的があいまいになって、結局手当てされないでカットされてしまって都道府県の方の負担になってしまうケースが出てくるのではないか。 また、各都道府県によっては、その事務経費の態様に差異が出てくる。こちらは厚く、こちらは薄くといったような差別が、差異が出てくるようなことになりはしないか、心配をしておりますが、いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 地方交付税の算定に当たりまして、単位費用算定の基礎というものが明らかにされております。その中では、都道府県に対する交付金、交付税の根拠となる項目が明記されておりまして、その中に農作物対策費、その中で主要農作物等対策費というのが柱として明記されております。こういうお金が積算に入って都道府県に行っているんだということは、各都道府県が十分おわかりになるようになっております。 したがって、何かわからないとんぶり勘定の中から出すんだということではなくて、そのお金がふえる、今度九年度と十年度を対比いたしますとふえることになるわけですけれども、それは各都道府県において明確にわかっている事態でございます。 したがいまして、そのお金をどこかへ使うというようなことはもちろん、厳密な意味の補助金的拘束はないわけでございますけれども、それは問題であるというふうに言わざるを得ないと思います。 それから、そうは言っても県で取り扱いに違いがあるんじゃないかということでございますが、まさに、優良な種子をその県で供給したり、審査していい種が農家に供給されるかどうかということはその県の農業にとっても浮沈の問題でございますから、その県がまさか自分の県の農家がどうなってもいいというふうなビヘービアをとるということは考えにくいと私ども思っておりますけれども、なお、どこか隣接県ではこういうこともやっているとかいうことの情報の提供などにつきましては意を用いまして、どこかの県だけが損を、レベルが落ちるとか、そういうことのないようにしていきたいと思います。
○漆原委員 種子の生産については、これは例えば周辺圃場との交雑を防ぐために仕切りを設けるとか、あるいは病虫害を防ぐとか、あるいは突然変異体の変異株の抜き取りとか、いろいろ高度な知識と経験が要求されるわけでございます。しかも農家の高齢化、担い手の減少など非常に課題が多いという、種子生産地の脆弱化が今懸念されておりますが、今後どのようにしてこの種子生産地の育成や安定的な生産供給体制に政府としては取り組んでいくのか、この辺をお答えいただきたいと思います。
○高木(賢)政府委員 御指摘のように、種子の生産は、一般の農産物の生産に比べますと、より難しいものでございます。高度な知識、技術力、きめ細かな栽培管理を必要とするということで、通常以上の力を必要とするわけでございます。したがいまして、種子の産地におきます技術向上あるいは担い手の確保といったことが非常に重要でございまして、従来からも支援をしてまいりましたけれども、十年度以降は特にしっかりやりたいというふうに考えております。 具体的に何をやるのかということでありますが、技術力の強化という点につきましては種子の生産管理技術のマニュアル化とか、新しい品種につきましては、特にどういう栽培方法をするのかということが難しいものですから、栽培技術の実証をするとか技術研修会を実施するとか、さらには圃場とか農家ごとに栽培管理情報をデータベース化いたしまして、これに基づいて営農を指導するといったソフトの面の指導強化を図っていきたいと思います。 それから、あわせて、種子の乾燥調製施設とか種子用のコンバインとか、種子の品質向上のための施設、機械の整備ということにつきましても拡充を図ってまいりたい。九年度二億円の予算を十年度は三億九千万に拡充して、これに取り組みたいというふうに考えております。
○漆原委員 もう一点だけ種子についてお尋ねしたいのですが、主要農作物の豊凶の変動、これは当然種子の生産にも大きく影響を及ぼしてまいります。特に不作時においては、次期作に用いるための種子の確保が大事となって,種子生産の安定化を図るためには計画的な生産見通しが必要である、こう思います。この豊凶変動や、それに伴う生産あるいは生産調整に対応して優良な種子の安定供給体制をどのように進めていくのか、お考えを聞きたいと思います。
○高木(賢)政府委員 種子の安定供給体制でございます。これにつきましては、各県で都道府県の種子計画、どの程度需要があるかということと生産の計画を策定していただくというのをまず第一のステップにしております。 ただ、これは先ほど申し上げましたように、その県は自分の県の農家のことを考えるために、どちらかというと多目に種子の生産が行われる可能性がございます。そうなりますと、種子の過剰供給ということでまたこの値段が下がってしまいまして、種子の生産農家に御迷惑がかかる、こういうことになりますので、都道府県がつくります種子計画をもとにはいたしますが、これを集めただけではやはり多過ぎるということでございます。全国種子計画ということで国において調整をさせていただきまして、都道府県別の種子の生産の、面積でこれは示しますけれども、上限を設定するということで、計画的な生産供給を図っているわけでございます。 そうなりますと、どの程度のものが通常の作柄の場合にできるかということでございますが、大体需要の一割程度の余裕を持った生産計画ということにしておりまして、過剰生産による種子の価格の下落を防止する一方で、種が足りなくなってうまく植えつけができないということが起こらないような、そういうゆとりのある生産計画ということにしているわけでございます。 なお、実際に種子ができたときに、豊凶変動でA県とB県の間で過不足が生ずるというような場合には、国が仲介をいたしまして、都道府県間のやりとりをするということで県間の過不足の調整をしております。
○漆原委員 最後に、復旧事業費についてお尋ね申し上げますが、今回の改正は、暫定法の補助対象となる一カ所の工事費用の最低限度額を従前の三十万から四十万に引き上げ、あわせて一カ所の工事とみなすことのできる範囲を百メートルから百五十メートルに拡大しておりますが、この最低限度の引き上げと拡大の根拠は何でしょうか。
○山本(徹)政府委員 先生御指摘の第一点の、補助対象となる最低限の三十万から四十万の引き上げの根拠でございますけれども、現在の災害暫定法が最終改正されましたのは昭和五十九年でございますが、これ以降十四年間が経過いたしておりまして、この間工事価格は約一・五倍に上昇いたしております。したがって、この工事価格を勘案して最低限度額を引き上げるということになりますと、三十万、四十五万という数字になりますけれども、これを切りのいい数字にして四十万とい う形にしたわけでございまして、引き上げ率としては一・三倍、三割の引き上げになります。なお、この十四年間の農業所得の上昇というのは一・四倍でございまして、こういったことも勘案して適当な水準であると考えております。 それから、一カ所の工事とみなす範囲、これは現在百メートルと百メートルの円の中に災害復旧事業の対象となる被害が三十万以上ある場合にこれを対象にするわけでございますが、この百メートルの考え方というのは、圃場整備がこれまで進められてまいりましたけれども、三十アール区画を一つの標準としておりまして、三十アールというのは縦、横は百メートルと三十メートルでございます。それで、圃場が被害を受けた場合、当然これを暫定法の対象にいたすわけでございますけれども、百メートル、百メートルの円というのは、おおむね三十アールの圃場がその中に入る程度の範囲ということで百メートルを考えておりましたけれども、圃場整備も大区画の圃場整備を進めて、さらに農業経営の効率化を図るということでございます。 ということで、一ヘクタール以上の圃場整備を今進めておりますけれども、これは百メートル四万の、百メートル、百メートルの圃場になります。これをもし一つの円で囲みますと、ちょうど百五十メートルの円の中にこの百メートル、百メートルの一ヘクタールの圃場が入る形になりまして、この百五十メートルの円の中にこの圃場が入るということを勘案して、これが災害の査定の能率的な推進あるいは一カ所工事としてまとまった被害を、これを積算する場合に適当な基準であるとして百メートルを百五十メートルにさせていただいたところでございまして、面積としてはおおむね二倍になるわけでございます。 以上でございます。
○漆原委員 最後に、災害復旧作業というのは早期完成、完了が不可欠でございまして、原則として三年以内で完了することとされておるようです。しかし、その実施に当たっては、各年度の予算上の制約があるため一様でないとされておりますが、最近ではどのような措置を講じられて弾力的な運用をされているかどうか、教えていただきたいと思います。
○山本(徹)政府委員 ただいま先生御指摘のように、災害復旧というのはもう一日も早く、一刻も早く復旧工事を完成させて、地元の農家の方々の農業経営の安定、また生活の安定を図る必要がございます。したがって、この災害復旧については、早期の完了のためにさまざまな工夫をしているところでございますけれども、補助対象の災害復旧事業というのは三カ年度内に完了することができるように、財政の許す範囲内において必要な措置を講ずるということになっております。 これまで過去五年間の農地あるいは農業用施設の災害復旧進度の実績を見てまいりますと、初年度に大体八五から九〇%、それから二年度目に五%、それから最終の三年度目に五から一〇%ということで、相当部分が初年度で完了いたす格好になります。災害の個別の被害状況によって、それぞれの年度にどの程度進むかというのは変わってまいりますけれども、このように現在では初年度に相当の部分を完了するということで、現地の御期待に沿うように努力しているところでございます。
○漆原委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○北村委員長 次に、藤田スミさん。
○藤田(ス)委員 三法案の質疑に入る前に、一言申し上げておきたいと思います。 今回は青年等の就農促進のための特別措置法外二法案一括質疑ということになっておりますけれども、これは理事会の中でも与野党とも確認をいたしましたが、異例中の異例、特例中の特例、言いかえれば、今後あってはならない姿ということを確認しておりますので、申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ。インドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する件ということで委員会の決議が行われるわけでありますけれども、大臣に一言だけお伺いをしておきたいのは、総理がスハルト大統領との首脳会談において、この食糧援助に関してどういう意見を表明されたのか、それをここで明らかにしておいてください。
○高木(勇)政府委員 事実関係でございますので、私の方から答弁をさせていただきます。 御案内のとおり、首脳会談は二人だけということでございますので、細かいことは私どもも当然承知していないわけでございますが、要するに、公表された事実というものの中に、日本政府は食糧支援を行うということになっております。したがいまして、首脳会談の中でこの食糧支援の問題が話し合われ、日本政府としての対応方針が示されたというふうに理解をしております。
○島村国務大臣 私の立場からも御報告いたしますが、インドネシアは大変に厳しい経済情勢、そしてまた食糧事情下に置かれていることは御高承のとおりです。このことはもう既に国際的にも認知されておりまして、さきのOECDの農相会議の際にも、各国の代表から幾つかその話が出ました。そして、その内容についてでございますが、実は政府からも調査団が行き、また我が党からも調査団が行きました。政府の側が行きましたことにつきましては正式に、事情が厳しいというお話こそあっても、具体的にどういう支援をという内容に触れたものはございません。我が党の代表団に対しましては、伝えられるように百万トンぐらいは何とかしてほしいというお話があったそうでありますが、ただ、その要請をした方はその当時の米問題いわば食糧問題の責任ある立場におった方ではありません。現在はまたそういうような立場に立たれましたけれども、その時点でのお話でありますので、我々は非公式なお考えとして、一応参考の意見として承っているところでございます。 なお、インドネシアは御承知のように東西冷戦当時も東西どちらにもくみせず、しかも非同盟国のリーダーあるいはASEANとかAPECとか、こういう組織の活動の中でも中心的役割をなし、かつ人口も二億を超える大国でありますし、石油や天然ガスの供給基地あるいは三万に及ぶ島を持った国、地政学的にも大変重要な位置を占めている国、私はこう受けとめております。したがいまして、長い間の日本とインドネシアの友好関係に照らしましても、我々は、向こうからの要請があれば、私たちの力の及ぶ、また国際環境が許す範囲の中で我々の最善を尽くして御協力を申し上げるべき、こう受けとめております。
○藤田(ス)委員 それでは本論に入ります。 最初に、新規就農対策について質問をいたします。 もう大臣も十分御承知だと思いますけれども、九七年度の農業構造動態調査の結果を見ましても農業就業者は七百一万三千人で、前年に比べて十一万三千人減少し、農業就業人口に至っては三百九十三万一千人になり、この一年間に三万九千人減って一九六〇年当時の二七%にまで減少しているわけであります。このうち、六十五歳以上の者について見ましても、農業従事者は三〇・一%、農業就業人口は四七・七%を占めておりまして、農業労働力の激減とともに、高齢化も加速度的に進行しています。 これは、離農が進む一方で、農業に参入する青年が余りにも少ないからであることは言うまでもありません。先ほどからの御紹介にありますように、一九八五年には二万人余りであったものが九六年には八千五百人、新規学卒就農者は二千人以下にとどまっている、こういう実情であります。 大臣は、後継者ができない、青年が就農しない、この要因をどのように考えていらっしゃるか、簡潔にお願いいたします。 〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
○島村国務大臣 簡潔と言われますといろいろ話がしにくくなりますが、誠意を持ってお答えをしたいと思います。 確かに、一時期は大変就農される青年が多かったわけでありますが、一時期は大分落ち込みまし て、平成二年当時は、先ほども数字が出ましたけれども四千三百人ぐらいまで落ち込みました。その後いろいろ盛り返しつつありまして、平成八年には八千五百人というところまで盛り返しておりますものの、やはり将来ともに農業を健全な形で運営していくとなれば、約一万六千人と俗に言われておりますが、それぐらいの新規就農者が必要である、こういう判断がなされています。 さはさりながら、例えば都会と農村の社会資本の格差、あるいは文化その他の、若い人の求めるいわば環境の格差等もございましょうし、最近は余り手を汚し、体を汚すよりは、背広を着、ネクタイを締めた仕事にあこがれるような面もございましょうし、あらゆる面で便利で情報の得やすい都会へあこがれる若い人の心理、わからなくはございません。 しかしながら、そういう中にあっても、我が国の農業は農林水産物を提供しているだけでなくて、まさに農山漁村の果たしている役割は、多面的機能によって国全体を守り、我々の誇る自然を守り、かつ交通機関その他が成り立つのもそれぞれの地域に根差す方々がおられるわけでありますから、これらについては、たとえどういう批判があろうとも、私は、手厚く、その人たちにやりがいのある、またその仕事に従事していることに誇りの持てる環境をつくっていくのが我々の責務である、こう受けとめております。
○藤田(ス)委員 いささか御答弁にずれがあるわけですが、私は、政府の政策が農業に対する将来の希望を奪ってきたこと、これが青年に農業を選択させない最大の要因ではないかというふうに考えています。 酪農家は、政府の方針に従って長時間過重労働に耐えて、規模拡大だコスト削減だと進めた結果が、価格を引き下げられていく、巨額の負債を抱えていくということで、今大量の農家が離農に追い込まれています。米農家も、輸入しながら減反を押しつけられ、その末が価格の暴落、さらなる減反拡大ということで、大規模農家や専業農家ほど大きな打撃を受けている。 政府は、WTO協定の再交渉に向けても、自由化をきっぱり拒否して我が国に農業、食糧を守る立場をなかなか明確にしていただけない。 これで本当に青年に農業をやってくれと自信を持って言えるのかというふうに言いたいわけでありますが、大臣御自身も、食糧自給率の低下に歯どめをかけ、引き上げなければならないとしばしば決意を示されておりまして、その点では食糧自給率の低下は農業生産の衰退と不可分のものであって、青年が農業に希望の持てる農政に転換をしていくことが必要であるということを新規就農対策の前提として私は申し上げておきたいと思います。これはもう答弁を求めませんが。 同時に、新規就農者を確保するために、本格的な手厚い支援対策が必要になっていることは、これもまた言うまでもありません。その点で、現在の新規就農対策は不十分であるというふうに私は考えるわけです。 第一に、認定就農者としての規模要件を設けて最初から選別する、そういう必要があるのかという問題であります。 私は、この質問に当たって、幾つかの県の就農促進方針に目を通してきました。都道府県によって違いはありますけれども、規模に関する要件を設け、数年後には認定農家になるということが支援対象となる前提になっているわけであります。 しかしこれでは、規模は小さくても有機農業で消費者と直接結びついて経営していこうという人や、あるいは中高年で就農し、大規模経営、専業経営にこだわらないで兼業でスタートしていこうという人が対象にならないケースが出てくるのじゃないか。法律上は、なるほど知事の就農促進方針に規模要件は入っていません。 したがって、本気で農業に取り組もうという人はみんな農業の担い手として支援対象にし、経営規模等で選別するような要件は設けるべきではないのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。 〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○高木(賢)政府委員 本法に基づいて支援措置を受けて新たに就農しょうとする人につきましては、今お話がありましたように、いわゆる就農に関する計画を作成いたしまして、都道府県知事の認定を受けるということになっております。 その認定基準は、都道府県で定める就農促進方針に照らし適切なものであることということになっておりますけれども、その具体的内容につきましては各都道府県の判断にゆだねられておりまして、国として経営規模について何らかの要件を定めているということは一切ございません。 実際に、ではどういうことを定めているかということでございますが、私どもも当然いろいろな県のを承知いたしておりますが、これはさまざまでございます。ある県は、技術、経営資金確保能力等から見て適切な規模であるという、非常に抽象的なものもございますし、ある県は、県の方針に掲げている経営体の所得水準の三割程度が確保できる規模とか、四割程度が確保できる規模とか、書いてあるとしてもそういう程度のことでございまして、一律に、例えば面積何ヘクタールなくてはいかぬとか、そういうたぐいの要件を課している県はないというふうに承知をいたしております。
○藤田(ス)委員 今、大規模農家は、酪農でも稲作農家でも、価格が下落をして大変な痛手を受けております。まして、技術的にも資金的にも不十分な新規就農者に担い手だからと規模拡大を迫っていけば、返済でこれが行き詰まってくることになることは明らかであります。今後、この農業労働力の減少、高齢化が深刻化することを踏まえていけば、また農地の荒廃を防いで地域農業の衰退に歯どめをかけていくためには、農業に意欲のある人を幅広く支援することが必要であります。 この点は、全国新規就農ガイドセンターの新規参入者に対する実態調査の報告書、あるいはまたそれらをもとにして農水省農業総合研究所の研究員の分析を見ましても、今後の新規就農対策の課題として、新規参入を担い手として位置づけるだけではなく、定住対策の一環として幅広く位置づける方向が問題提起されているわけであります。 農業に本気で取り組もうという者が、その人なりの経営が成り立ち、地域に定着できるよう、そういう点では、担い手に限定された新規就農支援対策という方向ではなく、先ほどからも御説明があったように、国は別に基準を定めているわけじゃないということでありますので、その点をはっきりさせていくべきじゃないでしょうか。
○高木(賢)政府委員 先ほどから申し上げておるように、基準は定めておりませんし、これから定めるつもりもございません。
○藤田(ス)委員 ということは、別に基準を定めていなくても、それじゃ、県が独自の判断でそういうふうに幅広く新規就農者ということで認定して、取り組みを進めていこうというところは、それでも融資の対象になるというふうに理解しておいてよろしいですね。
○高木(賢)政府委員 その点につきましては、それぞれの県の基本方針の御判断ということでございますが、やはりその県の県税を使った財源でございますから、その県なりの御納得のいく基準というか、物差しができるものと思っております。
○藤田(ス)委員 現在は、農地取得のための資金は就農開始資金の対象にはなっておりません。経営資源が全くない参入者の就農後の経営は、経営のスタート地点での負担をどれだけ軽減していくかということによって大きく左右されてくるわけであります。地方自治体によっては、農地のリース制度を設けるなど、新規参入の際のハードルをいかに低くするかということで苦心をしているところもありますが、しかし、支援対策のなされていない場合は、個別の努力に任されているということになっておりまして、就農時に農地取得のために多くの資金を費やしております。新規参入者の負担軽減のために、農地取得を就農開始資金の対象にしていくべきではありませんか。
○高木(賢)政府委員 現在、就農支援資金なり経 営開始資金におきまして、無利子の制度といたしておりますが、これは、新しく農業につくという方の立ち上がりのときのリスクの負担や、その負担の軽減を図るというためのものでございます。したがいまして、技術の習得とか就農準備とか、まさに経営の立ち上がりのときの機械、施設の整備というものが対象になっております。 一方、農地についてどうかということでございますが、これは農業生産の手段としての価値を持つという点もありますが、同時に、永続的な個人資産という側面も持っております。新規就農者の農地取得に対し無利子資金を貸し付けるということになりますと、既にもう農業を営んで久しい方の規模拡大のための農地の取得とのバランス、こういうものを考えなくてはならないと思います。 そういう点から見まして、農地というものの持つ性格と既就農者とのバランスという面から見ますと、新規就農者だけに無利子の農地取得資金というのは大変難しいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 経営立ち上がりのときの就農準備に、実は農地取得というのが大きな障害になっておりますので、私は、融資の対象にするべきだということを重ねて要望しておきたいと思います。 私は、この法が制定された当時、この委員会で、農業の公共性から考えて、この資金に償還免除制度を設けるべきだということを質問をいたしました。現在、独自に就農支援資金の償還免除制度を設けている自治体は幾つありますか。
○高木(賢)政府委員 県によって、どういう範囲を免除の対象にしているかというのはかなり異なっておりますが、それらの一部のものを含めますと十五府県ということでございます。
○藤田(ス)委員 十五府県ということになりますと、やはり償還免除制度の必要性、より抜本的には助成制度の導入の必要性をよくあらわしている数字ではないかというふうに思います。 大臣、ぜひお時間があるときに一度、新規就農者の就農実態等調査報告書というのをお読みいただけたらと思いますが、全国新規就農ガイドセンターが行った調査であります。この中にも、借入金の返済がいかに生活に重くのしかかっているかということが大変具体的な言葉で報告されております。 私は、一々ここで御紹介するというわけにはいきませんけれども、ふうんと思いましたのは、長野県の青木村の方が、就農するときには、印刷業を整理してつくった資金、わずかではあったけれども、それをほとんど親子四人の生活費に充てて暮らした。ところが、その後、農協プロパー資金を借り入れて、その借金返済で兼業せざるを得なくなって、そうして結局、四十キロ離れた工場に働きに出て、それも十九時半から朝の六時半までというのですから夜勤になりますが、そういうところで兼業して、ようやく生活を支えているんだと。読んだだけで、うわあ、この人本当に定着するかなという不安に駆られますが、そういう例がたくさんあります。 そういうような実態を反映して、農業生産の現状に危機感を持つ自治体が、政府の施策を補完せざるを得なくなって、いろいろのことをやっております。 実は、私の友人も、北海道中川郡中川町に、当時中学生の息子を連れて親子三人で就農しました。八年たちます。そして今、二十町ばかりの畑作農業を営んでおりまして、幸いなことに、高校を卒業した息子さんは、自分も農業を継ぐといってやってくれておりまして、こういう例を見ますと、ああ希望が持てるという思いに駆られるわけでありますが、秘密は、生活費に対する助成をこの中川町は当時十五万、今二十万ですが、とにかく二年間続けてくれたというのです。それから、土地のリース料に対する助成とともに、制度資金を借り入れれば、これに対しても二〇%助成をするというような、そういう応援があってやってこれたし、跡継ぎもできたと。中川町の関係者は、今思い切った助成をしなければ定着しないんだということを言い切っておられるわけであります。 この点については、日本共産党も、日本の米を守る緊急提案として、四十歳未満の新規就農者に対して月額十五万を保障する青年農業者支援制度を創設することを提起しているわけであります。 私は、新規就農者に対する助成制度をつくり、最低限、政府の責任で就農支援資金に何らかの償還免除制度を設けるべきじゃないかというふうに思います。これはもう現実には、お医者さんなりあるいは教職員の皆さんには適用されている制度でありますから、御答弁を求めたいわけです。
○高木(賢)政府委員 新規就農を担当している者からいたしますと、新規就農のための支援措置をできるだけ手厚くしたいという気持ちも持っておりますが、同時に、ほかの産業におきましても、必ずしも後継者に潤沢に恵まれていない、新しく後継者に来てほしいという分野は相当あると思います。町の魚屋さん、八百屋さん、商店等々、中小企業の方々についても同じような御希望があるかと思います。 そういう中で、農業についても大いに来てもらいたいという状況にあるわけですけれども、農業だけにつきまして特別な優遇的な措置がとれるのかということになりますと、全体のバランスから見てなかなか難しい面があるのではないか。大いに懐が豊かで、いろいろな産業を通じてできるという事情にも現在ないわけでございます。 それからもう一つ、医師とか教師とかということになりますと、これは職業としての性格が非常に公共的な性格になっているという側面がございます。農業についても、当然公益的な機能ということがいろいろ言われるわけでございますが、主たる側面が公共的な仕事だというところまではなかなか現在言いがたいのではないかというふうに思います。 そういった仕事の性格と他産業とのバランスということを考えますと、各県で今行われております、始めております償還免除というのを国として一律にやるという段階にはないものと考えております。
○藤田(ス)委員 このパンフレットを見ましても、現在、せっかく就農したけれども農業所得で生活できないんだと回答している人が五二・四%、生活できると答えている人が三九・九%ですから、今農業で自立できないんだ、その不足分を兼業収入や就農前の貯蓄で補っているんだということを言っておりますし、中でも、水稲だとか露地野菜、露地花卉、施設野菜、果樹では生活できると回答している人がわずか一〇%から三〇%の水準にしかすぎないわけであります。先ほど、医師、教職員の皆さんの性格は公共的な性格を持っているんだということを御答弁されました。それならやれるではないかと私は言いたいわけです。 大臣、大変に有能な大臣だと私は思っておりますので、この際、十分理論的にも武装して、農業がいかに今公共的な性格に大きく変化しているか。だってそうでしょう、自給率が国際的にも異例に低い、そしてそれを高めなければならない国際的責務、国民の要求がある。そして一にかかってそれができるのは農家の皆さんしかないわけですから、だから、国民の食糧、生産を預けている大事な公共的性格を持って、まさに的確な対象だというふうに考えますので、この点は、ひとつ道を開くために汗を流していただきたい。大臣の御答弁を求めます。
○島村国務大臣 私は東京の人間なんですけれども、農業も、あるいは林業、水産業、それぞれ非常に重要なものだと受けとめていることにおいては人後に落ちないつもりでありますし、今はもう可能な限り全国を飛び回って現地の実情に触れるように努力をしております。 そこで感じますことは、それぞれの地域の土壌の差、土壌の豊かさの差といいましょうか、あるいはまた規模の格差、あるいは自然の影響を受けた地域、受けない地域、いろいろございまして、まさに千差万別です。 しかし、いつも申し上げておりますように、農 業あるいは林業、水産業は、農林水産物を供給するという局限された仕事でなくて、まさにこの国を守っている、大事な役割を担っているわけですから、その方たちがこの仕事に取り組み、将来に希望を持ってお仕事に取り組んでいただける環境づくりに最善を尽くしていきたい、こう考えます。
○藤田(ス)委員 巧みに、最善を尽くしていきたいという言葉の中に、突破口をつくるためにひとつ汗を流そうというお気持ちが十二分に込められているというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○島村国務大臣 正しく御理解いただきまして、感謝いたします。
○藤田(ス)委員 私は、実はこの二月に北海道に農業調査に参りました。自治体の関係者の皆さんは、後継者対策や新規就農対策で、自分たちとしては相当のことをやっているというふうに自負している、しかしながら自治体の努力に限界がある、もちろんそれは財政的な問題もそうでしょうが、しかし何よりも、農業は今の政治の大きな仕組みの中でつぶされていっているんだ、これはどうしようもないんだということを訴えられました。そして、そのとき、今一番問題になっているのが麦問題研究会の報告だと訴えられたわけであります。 そこで、私は一この問題に関して二、三質問をしておきたいと思います。 国民食糧の大事な供給基地であり農業が地域経済の柱になっている北海道で、今その小麦が大問題になっているわけですが、北海道では、輪作体系の中でバレイショ、ビート、そして麦などと三つ組み合わされた三本柱の一つであります。したがって、麦の問題は単に麦に終わる問題ではなしに、北海道の畑作全体の問題でもあります。 昨年の十二月に麦問題研究報告が出されております。食糧庁長官にお伺いいたしますが、この報告に基づいて、どういう検討をしていらっしゃるのか。
○高木(勇)政府委員 お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、麦の我が国における重要さというのは、北海道のみならず全国的にも重要な作目であります。したがいまして、米価審議会でもこれまでいろいろな議論がございました。 平成七年の十二月に米価審議会からの答申の中で、麦管理のあり方の検討に着手すべきだということが言われました。また平成八年六月には、生産、流通、輸入、加工にわたる幅広い観点からの体系的な検討を早急に行うべきだという答申も出されました。また一番最近では平成九年十二月に、「麦問題研究会の報告については、早急に具体策の検討を深め、その実現を図ること。」というふうに答申がなされております。また政府における規制緩和小委員会でも、平成八年十二月、平成九年十二月と、同じような指摘がなされてきているわけであります。 今の麦の現状を見ますと、需要と生産というのがマッチしていない面がございます。実は、昨年の九年産の買い入れ麦価の決定と合わせまして決めました良品質麦の安定供給対策という対策がございます。これは、十年産麦の生産に向けて良質の麦をつくろうというための対策でございますが、そこで需要の程度を実需者に、いわゆる自分の欲しい麦、国内麦はどんなものかということで調査をいたしましたところ、これはもちろん同じ銘柄であっても地域によって違うわけでございますが、五倍という倍率のついた麦から全然買い手のつかない麦まであるわけでございます。今の現状の中で、なかなか面積がふえない、また生産性の向上、品質の改善が進まない、こういった状況が続きますと、結局、麦生産が衰退していくことになるということでございます。 そういった問題意識の中で麦問題研究会が、民間流通への移行と生産者に対する新たな措置の導入とか、政府売り渡し価格の算定方式の見直し、それから生産対策と研究開発への積極的取り組みといったような幅広い検討方法を示したわけでございます。 現在私ども、関係方面といろいろな意見交換を重ねております。そういった中から、平成十年産麦の政府買い入れ価格の決定、これは六月ごろになるかと思いますが、そのころには一定の方向をまとめていきたい、こういうことで現在検討をしているところであります。
○藤田(ス)委員 かなり詳しく報告の中身を御説明いただきましたけれども、この報告の中では、おっしゃったように、麦政策を見直すんだということで、三年から五年で民間流通に移行し、「現行の政府による国内産麦の無制限買入れは、段階的に廃止する」こういうふうに書いているわけです。民間流通が進めば政府の買い入れの必要がなくなっていくということでしょう。身近に米価の暴落を体験している農家の皆さんが、民間流通で麦の生産者価格が引き下げられるのではないか、そういうことになっていくだろうという予想をするのは当然のことであります。 北海道では、民間に移行すれば今までの大型麦乾燥施設やあるいはコンバインなどの機械設備に対する投資の負債の返済が本当にできるようになるのか、そういう深刻な不安を巻き起こしております。 民間流通への移行に当たっては、基本的に外国産麦の売買に係る利益を財源に生産者の経営安定を図る新たな措置を検討するということをおっしゃっているわけでありますけれども、生産者価格の下落を招かないということを長官は断言できますか。
○高木(勇)政府委員 お答え申し上げます。 もう私の方から申し上げるまでもなく、需要があって生産があるわけでございます。 先ほど現在の状況も申し上げましたけれども、いわゆる製粉業界、実需者は、国内産麦で欲しい麦というのがあるわけでございます。そういった麦が品質のいいものとしてつくられれば、それは、私どもから申し上げられるのは、そういった農家の努力が反映されるようなシステムがこの民間流通によってでき上がることをねらっているわけでございまして、そういうことによって実需者がきちんとその麦を評価して買い入れる、こういうシステムによって生産者の創意工夫が、また努力が報われる、こういうことをねらっているわけであります。
○藤田(ス)委員 牛肉のときも、ミカンのときも、そして米のときも、いいものをつくれば値が上がってそして値が下がらないんだということをずっと言いながら、実際に生産者が見たものは、全部価格の暴落に遭ったわけです。だから、麦の価格は暴落、下落をしないという保証があるのかと。あなたはそこのところを率直に答えていらっしゃらない。農家の努力次第だとおっしゃるわけですが、そんな御答弁は答弁になっていませんよ。言えないでしょう。 ミスマッチの問題はさっきからるるお話しであります。実需者ニーズ、需要と生産のミスマッチ、こういうことを言われるわけですが、これこそ研究体制や種子の確保を含めてきめ細かく農水省が取り組んでいけばいいのであって、それはまさに農水省の御自身の仕事の、本業にかかわる問題じゃありませんか。そして、民間流通にすれば万事うまくいくという言い方は、私はあなた方の責任逃れだと言いたいわけであります。 第六回研究会の議事要旨を見ましても、民間流通に移行しなくても現在の制度を機能させれば十分品質の向上は図られる、こういう意見も出されております。 歴代政府の一貫した小麦の外国依存政策のもとで、米に比べても人員も予算も大変少ない。そういう状態の中でも、生産者、研究者の皆さんは、これまでも品種の改良や生産技術の向上に努めながら、どちらかといえば麦づくりに気象の合わないところでも、現場での努力が今日の麦生産を支えているわけです。 しかし、もっと麦の自給率を上げなければならないときです。 北海道の町長を初め多数の農家の方々が、小麦の民間流通への移行ではなく、価格の安定と品質 改良による国内小麦振興を図るよう、こういう請願を上げてきています。 今大事なことは、この現在の体制、水準を維持して、積極的な手だてをとることであって、民間流通ということになれば、国の責任の放棄ということにつながることになる。私は、あえて申し上げておきたいと思うのです。したがって、国内麦の生産縮小を招いてしまう、そういう危惧をするわけでありますが、大丈夫なのですか。
○高木(勇)政府委員 お答え申し上げます。 今再三申し上げておりますとおり、今の現状というものを打開して、生産者が創意工夫をし、また努力をする、それが報われるシステムというのはどういうものかという観点から取り組んでいるわけでございます。そういう方向でこれから具体的な検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○藤田(ス)委員 私は、網走市だとか、あるいは斜里町だとか小清水町というような役場にも行ってきましたし、全国的に模範的な活動をしているオホーツク網走農協の営農集団利用組合というような方や、それから斜里農協なども訪問をし、農家の皆さんの話も聞いてきました。 なるほどなと思いましたのは、ビートとバレイショと麦の三作のどれが欠けてもこの寒冷地の農業は決定的な打撃を受けることになるのだ、こういうことなのですね。つまり、バレイショやてん菜ばかりでは土がやせてしまうのです。土がだめになってしまうのです。 だから、地方維持のために麦はこの地方では欠かせないものであって、歴史をかけて輪作体系で土地を守り、畑作農業をつくり上げてきたのに、仮に現行の価格が二割でも落ちてしまうと、もうこの地域の農業は崩壊してしまうのだ、こういうつらい訴えをこもごもに私にぶつけてこられました。 国内の麦の主産地であり、特に北海道では輪作体系の柱になっているこの麦の問題について、一体農水省としてはどういう評価、認識をされているのか、もう一度明らかにしてください。
○高木(賢)政府委員 麦が農業生産の面におきまして、今御指摘のように網走地域におきましては三作輪作体系、十勝へ行きますればこれに豆が加わりまして四作輪作体系、あるいは北海道以外、北海道もそうですが、水田営農におきましては、稲作との結びつきによりまして土地利用の高度化を図る上での重要な作物である、こういう位置づけの認識については変わりがございません。 当然そういう中で麦作の経営の安定が図られるようにしていかなければいけないわけですけれども、従来と同じ方法をとってそれが可能なのかどうかということは十分考えていかなければならない。そういう意味での麦問題の研究会の問題意識であろうというふうに思っております。
○藤田(ス)委員 大臣、私が言うことをわかっていただいたでしょうか。 私も本当に、農業をおまえ知っているのかと言われれば、大臣と同じ立場であります。 しかし、北海道のあの寒冷地で、私が行ったときにはマイナス七度で、例年よりも暖かいなんて言われましたけれども、そういう寒冷地で、でも土を守って、そして三輪作であるいは四輪作で本当に畑作農業を営んでいる、そういう人たちにとって、今回のこの研究会報告というのは大変大きな衝撃になっております。 したがって、私は、もう本当に米の二の舞は懲り懲りだし、それから今現在でも小麦は一〇%にも満たない自給率で、お笑いのような数字であります。したがって、どうしてもこの農家の皆さんが十分に経営体としてやっていける政策をこれからも進めていかなければ取り返しのつかないことになるという点で、私は最後に大臣の御答弁を求めておきたいと思います。
○島村国務大臣 先ほど来、いろいろ北海道のお立場に立っての御指摘、私もよく理解できますし、ある意味で同感でございます。 ただ、御承知のように、昨年十一月、新たな米対策を打ち出しました際にも、我が国が今たしか九三%ぐらいは輸入に依存しております麦、あるいは九八%依存している大豆等々、むしろ国が必要としておるものについて転作をしてくださる方には、かなり踏み込んで手厚く、我々もその促進方をお願いする体制をつくってきたつもりでありますし、実際に従事している方々にとっても、よくあそこまで思い切って考えられましたな、ここまで言ってくださるように、今までとは随分趣の変わったものになってきているはずであります。 ただ、これで十分とは申せません。もともと何といっても高温多湿、特に北海道みたいな寒冷地、自然環境の厳しいところで農業に従事される方々のお立場というのは、言うべくして容易なことでないことは重々承知をいたしておりますし、これからもたくさんの、いわば輪作をなさりながら農業の道に従事される方々が、やりがいがあり、結果において報われるようになったというものにしていくのが我々の役割だと受けとめておりますので、これからも努力をしていきたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 次に、主要農作物種子法の一部改正案についてお伺いいたします。 言うまでもなく、稲、麦、大豆などの農作物の優良な種子生産は、日本の農業生産にとって不可欠であって、かつ極めて重要な役割を負っています。当然、国がこの種子生産についてその生産及び普及を促進する責務を負い、そのために助成することが必要であるということで、主要農作物種子法が制定されたわけであります。 したがって、国の助成措置というのは、実はこの主要農作物種子法の目的そのものなのであります。だから、その助成を削除するということは、主要農作物種子法の存在自身を否定することにつながりかねないものではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○高木(賢)政府委員 主要農作物種子法は、優良な種子の生産供給体制をつくるために、都道府県の事務といたしまして、種子の審査あるいは原種の供給、さらには地域に適した種子の適合性の試験、こういったものを義務づけておるわけでございます。 その裏づけの一つとして、補助金ということを規定しておるということでございまして、補助金の規定がなくなるから全体系が崩れるのだ、そういうことにはなっておりません。事務は事務として都道府県にきちんとやっていただくということで、法制度上整理しているところでございます。
○藤田(ス)委員 一般財源化が農政を進めるに当たって障害になることは、実は皆さんが一番よく知っておられることではないかというふうに私は思うわけです。 政府は、所要の経費を地方交付税等の地方一般財源として確保した上で国庫補助負担金を廃止するというふうに説明をしておられるわけですが、主要農作物種子法の改正絡みで交付税が幾ら上がるのかということの計算は可能ですか。
○高木(賢)政府委員 主要農作物種子法の改正に伴いまして、自治省と地方交付税の財源措置については十分協議をいたしました。その結果、平成十年度と九年度を比較いたしますと、道府県の標準団体、これは地方公共団体のことでありますが、この標準団体におきます主要農作物対策費は七百十万円の増額ということでございます。その中で、主要農作物種子法の一般財源化に伴う増額分は三百五十万ということでございます。 補助金の方は、御案内のように、全国で八千二百万円ということでありまして、機械的に一県平均を出しますと百七十万円ということでございますから、十分その辺のところは勘案されているというふうに思います。
○藤田(ス)委員 それは平成九年と十年ですから、ことしから早速落ちていったら話になりませんよ。だから私は、その御答弁は甚だ説得力がないというふうに申し上げたいと思います。それどころか、この法に基づいて諸業務が決められているわけでありますけれども、それさえも縮小していく事態、そういうことになりはしないかというふうに危惧するわけであります。 日本の農業は政府の輸入自由化政策のもとでどんどん縮小を迫られておりまして、地方においても、農業施策が他の産業施策や一般行政施策に比べて重視しづらくなっている中で、地方財政の危機的な状況下で農業補助金の一般財源化ということになりますと、これは農業施策の縮小、そういうものにもつながりかねないものだと言わざるを得ませんが、そうならないという歯どめは一体どこにあるのでしょうか。大臣に、重要なことなので御答弁をお願いします。
○島村国務大臣 お答えいたします。 農林水産関係の補助金は、全国的な見地から、食糧の安定供給あるいは農林水産業の生産性の向上などの政策課題を達成していくために極めて重要な役割を果たしているものでありますし、農林水産省といたしましても、多年にわたって、それぞれの地域あるいはそれぞれのお取り組みになるお仕事に応じて、適時適切にこの補助金を使用してきたという自負を持っているところであります。 さはさりながら、財政構造改革や地方分権の推進が重要な課題となる中で、社会情勢の変化に応じた重点化、効率化や、あるいは地域の特性、ニーズに応じた見直しを図っていくことが必要であるという面も否定できないわけであります。 特に、一般財源化につきましては、地方分権推進委員会から、このような見地からすれば、地方公共団体における同化、定着の状況や、地方財源による事業の適切な実施が可能かどうか等、かなりもう定着を見ているのではないか、このような御指摘もいただいているところでありまして、我々は、それらの御意見を十分尊重しながらも、将来に向けて農林水産業を守るという立場から、これらへの対応をしていこうと考えております。 そういう意味で、一般財源化を含め、農林水産関係補助金の見直しに当たりましては、それぞれの補助金の役割や機能、制度の適切な運営の確保等の観点を踏まえた上で、農林水産行政の円滑な推進に支障が生ずることのないように十分意を用いて取り組んでいきたい、こう考えます。
○藤田(ス)委員 大変長い御答弁ですが、どうも確信を持って、そういう歯どめ、農業の施策の縮小につながるようなことにはならないんだという、納得のいく内容にはなっておりませんが、時間がもうありませんので、最後に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置法の一部改正案についてお伺いをいたします。 今回の改正で、一件当たりの工事費が三十万円以上四十万円未満のものは、暫定法の対象から外されることになるわけであります。農民負担を回避しようとすれば自治体が発行する地方債で救済することになるわけですが、自治体がそれをしなければ被災農民の負担が強まるわけです。いずれにせよ、自治体及び被災農民の負担は避けられないことになるというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○山本(徹)政府委員 先生ただいま御指摘のように、暫定法の前回の改正、五十九年以降、十四年たっておりまして、この間の事情を勘案して、災害復旧工事の規模を三十万から四十万円に引き上げさせていただく法案を今御審議いただいておるところでございますけれども、この根拠は、工事価格がこの十四年間に約一・五倍に上昇いたしております。したがって、災害復旧工事につきましてもこれと同じ条件で改定するとすると四十五万という形になりますけれども、これは端数を切り捨てて事務処理の簡便化を図るということで、三十万円を四十万円に、一・三倍に改定させていただくことにしたわけでございます。この間の農業所得の上昇が一・四倍になっておりますので、これは私ども、合理的な水準であると思っております。 また、これとあわせまして、一カ所工事とみなす範囲、これは圃場整備が三十アール区画から一ヘクタール区画にだんだんと大区画化が進展しているというようなことを勘案いたしまして、百メートルの円の中で三十万円の事業を拾うという仕組みから、百五十メートル、これは面積としては二倍になりますけれども、この百五十メートルの円の中で四十万円の事業を拾う、こういうことにな。ますので、一カ所工事とみなす範囲の拡大によって、結果としては災害復旧の採択がより円滑になる面もあるわけでございます。 それから、先生御指摘のように、四十万円未満の事業につきましては市町村等の単独事業という形になりますけれども、これは、起債を認め、またこれの償還金については、地方交付税の基準財政需要額へ算入する等の地方財政措置を講ずることとしているところでございます。 また、農家や地元の市町村の期待にこたえて農業経営また農村の生活の安定を図るためには、災害復旧を一日も早く完了するということが大変重要なことでございます。そういった現場の声、現場の期待にこたえまして、私ども、いろいろな施策をきめ細かく進めることにいたしております。市町村の災害の申請事務に必要な事務費に対する助成を拡充したり、また、災害の査定手続を迅速化、簡素化する、一日も早く査定し、工事に着工できるように手続を簡素化する、また、大きな災害等については、直ちに専門家を派遣いたしまして適切な復旧事業が早期に実施できるような方策を決定する、また、工事につきましても、三年の中で一日も早く円滑に完了できるように、さまざまな努力を行っているところでございます。こういった努力によって、災害については特に中山間地域等が大変多いわけでございますけれども、こういった地域の農業経営また農村の生活の安定と安心が実現できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○藤田(ス)委員 この点でも大変御丁寧な御答弁をいただいているわけでありますが、その分、皆さんの御心配が反映しているような気がするのは、ちょっと言い過ぎでしょうか。 しかし、実際、地方債の発行要件でも、十万から十三万に引き上げられたために、十三万円未満の事業は、従来の十万円未満の事業とともに補助対象から切り捨てられることになって、何ら救済措置もない中で、被災農家は、融資か自治体独自の財政措置か、それも不可能なときは個人負担か被災のまま放置されるということになるわけです。さらに、災害が激甚災に指定されない場合は、地方債の発行対象には農地や共同利用施設は含まれないことになるわけでありまして、このような小規模な災害では、被災農民の負担が一層強まる可能性が強いと言わざるを得ません。 全く影響がないと言い切れるのか言い切れないのか、そこのところだけ一言答えてくださいませんか。全く影響ありませんと言い切れますか。
○山本(徹)政府委員 今地方債の改定についても御指摘ございましたけれども、これらにつきましても、十四年間の工事費あるいは物価の上昇等を勘案して決定いたしたものでございまして、したがって、十四年前と何ら事情は変わらない水準になる、その範囲内におさまるはずでございます。 先ほど申し上げましたように、事業の一日も早い査定、また事業の完了が基本的に重要なことでございますので、こういった点、現場の声をよく聞いて、現場の期待にこたえた事業を実施することによって、農村の農業経営、また生活の安定と安心の実現に努力したいと思っております。
○藤田(ス)委員 これで終わりにいたしますが、農作物も家も被害を受けて、災害で泣いている農家の負担をふやすというような方向を打ち出したのは、まさに泣いている子の頭をたたくような大変冷たいやり方だと。しかし、今回のこの法律というのは財政構造改革法に基づいて実施されてきたものでありまして、この財政構造改革法というものの中身がどういうものかということをリアルにあらわしていると思う。私は、そういう点からも、このような国民いじめの財政構造改革法というのは一刻も早く廃止すべきものであるということを申し上げて、きょうの質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、松岡利勝君外六名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び岩浅嘉仁君の共同提案によるインドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。木幡弘道君。
○木幡委員 私は、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び岩浅嘉仁君を代表して、インドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する件の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 インドネシアに対する緊急食糧援助の実施に関する件(案) 本委員会は、去る第百三十八回国会の閉会後の委員会において、「食糧・農業関連援助の拡充に関する件」について決議を行った。 最近、インドネシアにおいては、エルニーニョ現象に起因する干ばつの発生、経済困難から生じた通貨危機による米輸入の途絶等により深刻な食糧不足に見舞われ、我が国に対し米の援助要請が行われている。 本支援要請に対し、橋本首相は、去る三月十五日のスハルト大統領との首脳会談において、これに応える意向を表明したところである。 よって政府は、広く人道的見地に立ち、同国経済の実情等をも考慮し、早急に米援助の具体化を図るべきである。 また、本支援に当たっては、在庫米を有効利用すべきとの前記本委員会決議の趣旨を尊重すべきである。 なお、この際、新たな援助の枠組みを検討すべきである。 右決議する。 以上の決議案の趣旨につきましては、委員各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 以上です。
○北村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 松岡利勝君外六名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○北村委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。 この際、ただいまの決議につきまして政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣島村宜伸君。
○島村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、関係省庁との連携を図りつつ十分努力してまいる所存でございます。
○北村委員長 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明十九日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十分散会