地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1998/01/28
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 自由党の佐藤茂樹でございます。 大臣、お待ち申しておりました。大変御苦労さまでございます。仕切り直しの委員会の冒頭を切って質問をさせていただきます。 まず最初に、特別減税そのものについて、橋本内閣の閣僚の一人である自治大臣に何点かお伺いをし、後に地方財政に対しての影響等、いろいろ御見解をお伺いしたいと思うのですが、この時期にこの特別減税を提案される理由は何かということをまず最初にお聞きしたいのです。 つまり、旧新進党時代に、私たちが昨年の通常国会におきまして、もう御存じのとおり、二兆円の特別減税の打ち切りは早過ぎますよ、そういうように言いまして、恒久化を視野に入れた特別減税の継続を主張し、また法案として国会に提出したわけでございますけれども、自社さ連立与党三党に加え、残念ながら、当時民主党さんまで反対に回られて廃案になった経緯があるわけです。 その後も、橋本総理、また辞意を表明された三塚大蔵大臣も一貫して、財源を特例公債によらざるを得ない特別減税を実施することは適当でない、そういうように予算委員会等も含めて繰り返して答弁をしてこられたわけです。それを、財政構造改革法が成立した今となって、突然、赤字公債を財源に、減税補てん債、後でこれは触れますが、そういうものを財源とする特別減税を実施すると言い出すというのは、一体どういうことなのかさっぱりわからない。 まず、この二法案の提案理由説明のところでは、「当面の経済状況等を踏まえこそういう一文が書いてあるだけなのですけれども、具体的にもう一度国民にわかるように、なぜこの時期に特別減税を実施されようとするのか、提案理由説明について明快に答弁をいただきたいと思うのです。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 たびたびこの委員会でもお答えいたしておりますが、今回の特別減税は、アジアの通貨・金融不安や秋以降の我が国の金融機関の経営問題等の影響によりまして、国民の生活では家計に、また企業等の景況感の悪化が見られておることはもう御案内のとおりでございます。 したがいまして、橋本総理とされましても、日本初の経済恐慌というものは決して起こしてはならない、このような強い決意のもとにこの二兆円の特別減税が決断をされたものと認識をいたしておるわけでございます。 今回の所得税、住民税合わせて二兆円の規模でございますが、特別減税をするとともに、それだけじゃございませんで、財政、金融両面にわたって実施されるさまざまの措置と相まって、家計や企業の経済の先行きに対する不透明感を払拭し、我が国経済の力強い回復につながっていくものと考えておるところでございます。
○佐藤(茂)委員 大臣自身は大蔵大臣でもないので、これ以上経済論議をしたくないのですけれども、ただ、あと二、三お伺いをしょうとは思うのです。 ただ、決まったときの発表が昨年の十二月十七日で、ASEANの会議からお帰りになった総理が突然緊急の記者会見をされて、行ってみたら予想以上にアジアの経済が悪い、そういうようなことを口実にして、急速、今度特別減税の実施に踏み切られたわけです。 外国に行った途端に、ああそうか、やはり大変だな、そう思ったというのは、やはりこれはおかしい。いろいろな情報が内閣には当然入ってきているわけで、聡明な橋本総理が外国へ行くまでそういうことを知らなかったというのは、我々としてはあり得ないだろう。そういうことは、結局、ちゃんと入っていたけれども、ASEANの会議に行ったということを一つのきっかけにして、ぱかっとそれまでの財政構造改革中心の路線から態度を変えられたのではないかな、我々はそういうように認識をしているわけです。 それを認められるか認められないかは別として、我々がいろいろ今回の特別減税の法案も含めて検討いたしました結果、今回の特別減税につい ては大きく二点問題点があるのではないかなというように我々認識しているのです。その一つ一つについて、自治大臣に、閣僚の一人として、御認識、御見解をお伺いしたいのです。 一つの大きな問題点は、英語で言うと、ツーレート・ツーリトル、遅すぎる上に規模が小さ過ぎるのではないのか、そういうことが一つやはり言えるのではないのかなという感じがしているわけです。それはどういうことかというと、同じ特別減税でも、我々が主張していた年初の継続決定と年度末の復活決定では、減税の経済に対するインパクトが決定的に違うということなのですね。この一年間のおくれというのは非常に大きい。 例えば、我々が昨年の通常国会で特別減税継続法案を出しましたときに決めていただいていたのであれば、昨年の六月そして年末の調整で減税二兆円が実施されていた。これが一年間おくれたということによって、経済というのはやはり生き物ですからどんどん弾みがつきます、一度景気後退に弾みがつけば、それをぐっと逆転させるには、当初の景気を続ける以上の大きなエネルギーがやはり必要になるであろう。下を向いて突っ込み始めた経済に向かって、今となって減税規模が二兆円などというのは、大した刺激にはならないのではないか。 特に、きょうの朝日新聞とか日経の一面に出ておりますけれども、見出しが「景気の現状示す一致指数 全指標で悪化、〇・〇%に」。ぱっと読みますと、経済企画庁は二十七日、主要な経済指標を総合した景気動向指数の昨年十一月分を発表した。それによると、景気の現状を示す一致指数は全指標で悪化し、前月の一五・〇%から最低の〇・〇%まで急落、景気判断の分かれ目とされる五〇%を二カ月連続で割り込むなど、不況に突入しかねない様相を示した。この最低水準を記録したのは、バブル崩壊不況のただ中の一九九二年十二月以来、四年十一カ月ぶりである。 そういうところまで下向いてきているのですね。これを本当に上向きにさせるだけの景気対策としての減税として、二兆円というのが果たしてこのタイミングで、その額でいいのか。特に、昨年度九兆円の負担増をやっておいてから、二兆円だけ戻すというのは小さ過ぎるのではないのか。 当委員会ではありませんが、先日の一月二十一日の予算委員会の参考人として来られた日本経済研究センター顧問の金森氏も、その席で次のように意見を陳述されているのです。「減税につきましては、これは規模がいかにも小さい。九兆円、九七年度に国民の方から政府に取り上げたわけですから、そのうち二兆円だけ返したというのではこれは十分な効果を持たないと思います。」そういうふうに述べられておりまして、本当にそういう意味からいうと、有識者もどんどんそういう声を上げてきているのですね。 だから、やはり下向きの経済に大きな刺激になるような、例えば野党が共同して主張しておりますけれども、少なくとも六兆円以上のそういう大きな減税をされるべきだと私たちは思っているのです。 今回の特別減税に対する、また遅過ぎる上におまけに規模が小さ過ぎるという指摘につきまして、自治大臣としてはどういう所見を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
○上杉国務大臣 遅過ぎて小さ過ぎるのではないか、こういう御指摘をいただいた上での御質問でございますが、二兆円の特別減税を初めとする財政、金融両面にわたるさまざまな措置をあわせていたしておるわけでございます。二兆円だけの減税ではございません。財政、金融両面にわたるさまざまな政策的な措置を講じておる、これは御理解をいただきたい。したがって、二兆円の特別減税とともにこれは相乗効果を持って消費者マインドを好転させられる、このように考えておるわけでございます。 このような状況におきまして、特別減税の実施は効果的に今後作用していく、私どもほそう信じております。我が国経済は回復軌道に復帰してくるものと見通しておるわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。 橋本総理が突然という話がございましたが、アジアの会議に出られて、極めて想像を絶するアジア全体の経済の落ち込み、厳しさというものを、私は、会議を通じあるいは関係国の首脳と接せられることにおいて、肌身を通じてそれを受けとめられたからその決断につながったものと受けとめておるところであります。
○佐藤(茂)委員 総理を守りたい気持ちはよくわかるのですが、しかしながら、やはり外国に行かれたことをきっかけにして、あえて政策変換と言われてもいいところまでの決断をされたのだというふうに我々は認識をさせてもらっているのです。そのことはどうでもいいのですが、もう一点の、今回の特別減税の問題点についての見解をお聞きしたいのです。 それは、先ほど答弁の中でも、これによって消費者マインドの高揚が図れるのではないのか、そういう答弁を大臣がされましたけれども、我々は、これは本当に平成十年度限りの臨時の一時的措置であるというところに非常に問題点があるのではないのか。特別減税が終われば十年度中に同額の増税が待ち構えているのですね、一時的ですから。 さらに加えて十年度は、先ほど来言っていますが、財政構造改革法によって本年度以上の歳出削減というデフレ予算が強行されようとしているのです。たとえこの特別減税で所得税、住民税合わせて本人に二万六千円、また扶養家族に一万三千円の税金が還付されても、目前に同額の増税が迫っていたら、国民は本当に消費に回すでしょうか。やはり増税や不況に備えて貯蓄に回すのではないのか、その率の方が高いのではないのか。 我々は、そのことを通して、今回の特別減税というのは増税予告つきの減税ではないのかと、そういうことを言っているわけです。本当にそういうことがおそれとしてあるがゆえに、我々としては、とにかくこういう一時的な措置ではなくて、中期的な税制の制度を変えるところまで視野に入れた恒久化を図っていくべきではないのか、恒久減税をやはりきちっとこの際しなければいけない、そういうことを主張しているわけです。 同じ二兆円の財源があれば、最高限界税率が国際的に例のない高さの六五%から、これを五〇%に引き下げて、税率構造のフラット化と簡素化を実現してすべて税率を下げる、そういうことも可能になるわけですから、ぜひ考えていただきたい。 先ほど引用しましたけれども、予算委員会に参考人として来られた金森氏は次のように言われているのですね。「一回限りということでは、これは効果が非常に減殺されてしまうわけでありますので、まずとりあえずは二兆円減税でありますが、これは恒久減税に切りかえていくべきではないかというように思うわけであります。」そういうように識者の一人も言われているわけでして、やはり恒久的な制度減税にすべきであるという我々の主張に対して、自治大臣としてはどういう見解を持っておられるかお聞きしたいと思います。
○上杉国務大臣 率直に申し上げますと、特別減税が平成十一年度以降も必要なことにならないようにこれは精いっぱいの努力をする、経済が回復軌道に乗るようにしなければならない、こう思っております。 それから、政府としては、経済構造改革の方針を曲げたわけではございませんが、二兆円の特別減税とともに、金融システムの安定化の施策を初め、財政、金融両面にわたるさまさまな措置をあわせてとることといたしておるわけでございまして、先ほどもこの点については申し上げました。総合的にこれらのことが効果をあらわしてくるものと私どもは考えておるわけであります。そして、これらの措置を早期に実施していくことに全力を挙げて取り組むことによりまして、特別減税が平成十一年度以降も必要になるような状況にならないように、景気回復に向けて努力をしてまいりたいと考えております。 恒久減税化につきましては、我が国の租税負担率が欧州諸国に比べてかなり低い水準にあることから、税負担のあり方として問題があると考えておるわけでございます。例えば、個人所得税については、中所得者層を初め、負担の軽減が行われた結果もあり、諸外国と比べて相当低い水準にございます。 また、恒久減税を行う場合には恒久的な新たな財源が必要でございまして、現在の危機的な財政状況を考えますと、特別減税を恒久化することは極めて困難と認識をいたしております。
○佐藤(茂)委員 そういう政府の判断とは別に、世論調査なんかを見ますと、きょうも読売と毎日は出ていますが、減税のことについて特に設問されていませんが、十八日の朝日新聞の世論調査の結果によると、特別減税の継続については、財政再建を先延ばしにしても来年度以降も継続した方がよい、そういうふうに答えた人が五三%の過半数を占めていまして、そうは思わないの二九%を大きく上回っている結果も出ておりますので、やはり、少なくとも減税の継続を何らかの形でやっていくことが今の世論の過半数の声にもかなっているということを、まず大臣としてきちっと頭に入れておいていただきたい。 その上で、もう経済論議をしていても仕方がありませんので、特別減税の具体的な今回の中身、またやり方についてお尋ねをしたいと思うのです。 きのうの当委員会でも質問が出ておりましたけれども、今回の特別減税というのは、個人住民税の所得割額から定額による特別減税額を控除する、そういう税額控除方式によるというようにされているのです。 平成六年、七年、八年において実施された減税というのは、平成六年は税額の二〇%カット、平成七年、八年は一五%カットするという定率方式によってやってきたわけですけれども、今回のように所得税、個人住民税一体となって定額による特別減税額を控除する方式というのは今回が初めてである、そういうふうに承っているのです。なぜ定額方式による特別減税を実施されたのか、そのあたりの理由と事情と、定額方式のメリット、デメリット、こういうことにつきまして、まず簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○成瀬政府委員 今回の平成十年度分の個人住民税におきます特別減税の方式について初めての定額減税方式をとりました理由といたしましては、まず所得税、個人住民税一体となって二兆円規模の特別減税を行うものでありますことから、所得税と同じ方式をとることが適当であるということ、そして、納税者が簡単にみずからの特別減税額を算出できるなど、できる限り納税者にとってわかりやすいものとする必要があること、さらには実務的にも簡便なものとする必要があることなどの理由から、定額による特別減税を行うこととしたものであります。
○佐藤(茂)委員 結果として、今回の特別減税のやり方の一つのメリットとしては、今述べられた以外で、家族構成に応じて減税額が決定されることになるので、扶養親族が多いほど納税者というのは減税額が大きくなる、そういうメリットもありますし、そういう意味では評価できる部分もあるのです。 その上で、きのうも質問が出ていたと思うのですが、地方行政を預かる大臣として、所得税と個人住民税が一体となる、そういうやり方に対して、本当にこのままでいいのかという見識と抵抗感をお持ちにならなかったのかどうかということをお聞きしたいのです。 きのうも何人かの委員が言われていましたけれども、所得税のみの特別減税をなぜ今回行わなかったのかということがやはり一つの疑問点としてあるわけですね。所得税のみであれば、二月、三月で、本当に景気に対する即効性ということを要求するのであれば、それで十分効果があるわけです。 特に二十年ぐらい前の過去において、たしか昭和五十二年、五十三年だったと思うのですが、戻し減税という形で、所得税だけの、今回と同じ定額方式の特別減税が行われまして、納税者本人に、その当時は六千円、扶養親族一人当たりに三千円を還付した、そういう事例もあります。また、その三年後の昭和五十六年には、ラーメン減税という名前で納税者本人に五百円、扶養家族に一人当たり五百円が還付された例があるというようにも聞いております。 地方財政への影響度を小さくするということを本当に自治大臣が踏ん張って総理にでも主張されたなら、影響度を小さくするということに重きを置くならば、所得税だけの特別減税というものも今回技術的にやりようによってはできたのではないのかな、そういうふうに思うのですが、なぜ所得税、個人住民税一体となっての特別減税を実施されたのか答弁をいただきたい、そのように思います。
○成瀬政府委員 今回の二兆円規模の特別減税を国と地方一体となって取り組むこととなりましたのは、昨日もいろいろ大臣の方からもお答え申し上げておりますけれども、国の財政と地方の財政、いわば公経済を担う車の両輪でありまして、国全体の景気対策、経済振興対策として減税を行う必要がある場合には、国税のみでなく地方税においても一体として減税を行うことも必要であるという観点からとられたものというふうに認識をいたしております。御質問にもありましたけれども、平成六年度、七年度、八年度の特別減税も、国、地方一体となって取り組まれているものでございます。 御質問の中にございました五十年代の所得税の戻し減税とかあるいはラーメン減税といった御指摘でございますが、このときには所得税だけで、個人住民税につきまして減税を行いませんでしたのは、これは、所得税と住民税の課税方式の違いによるところが大きいということがございます。 御案内のように、住民税の場合には、年度当初に市町村が税額を確定をいたしまして、これを毎月あるいは毎納付期ごとに徴収するものでありまして、申告納付または年末調整により最終的に税額を確定、精算するシステムをとっております所得税とは異なりまして、年度中途に所得税の方の減税が行われても直ちに住民税の方ではそれには応じがたい、そういう課税方式の相違からくる対応の難しさというものがありまして、五十年代の所得税限りの減税のときには住民税はやらなかったというのは、そのような事情があることを御理解いただきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 今の答弁でもう一度ちょっとお答えいただきたいのですが、景気対策としてやられた所得税、個人住民税一体となっての減税であるということなのですが、所得税は二月、三月にすぐに影響が出てきますけれども、このやり方でいくと、個人住民税は六月以降なのですね。特に六月なのですね。今のこの景気に、果たして本当にすぐ好影響が出てくるのかどうか、その辺については自治省としてどういうように考えておられるのですか。
○成瀬政府委員 ただいま申し上げましたように、個人住民税の場合には前年所得課税ということで、年度当初に税額が確定されまして、それを毎月あるいは毎納付期ごとに納めていただくということでありますので、今回、どんなに早く実施するといたしましても、ことしの六月、最初の納期のときからということになることを御理解いただきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 だから、どんなに早くても六月にしかならない個人住民税の減税というのが景気対策として即効性があるのですか。だから、そういうことで本当に景気対策を重視するなら、わざわざ個人住民税まで絡めなくてもいいのじゃないですか、そういうことをお聞きしているのです。
○成瀬政府委員 確かに、実施をされますのは六月の徴収分、六月においては一切徴収しないということでありますので、現実に手取り額がふえるのは六月でございますけれども、今回法案を通していただきますれば、今の時点で国税、地方税あわせて、妻、子二人の四人の世帯であれば、全体 として六月までには六万五千円の可処分所得、手取り額がふえるということが担保をされますので、そういうことを期待していろいろ消費をしていただけたらというふうに思う次第でございます。
○佐藤(茂)委員 これ以上自治省と話しても仕方がないのですが、先を見越して本当に経済がよくなるのであればどんどん使おうという感じになるかもわかりませんけれども、やはり先行きどうなるかわからぬままであれば、当然、この六月までを含めて貯蓄に回すのではないかな、そういう感じがいたします。 とともに、これからちょっとお聞きしたいのですけれども、個人住民税を抜きにした所得税だけであれば地方交付税絡みの地方財政への影響しか出ないのに、個人住民税を減税することによって、地方財政に対してこの平成十年度以降、予算で非常にやはり補てん措置をしないといけない、そういう影響が出てくるんですね。 具体的に言いますと、今回の特別減税というのは、特に国税の減税額を見ますと、七割程度の九千七百九十億というのが平成九年度補正予算でこれは処理されるわけです。で、三割程度の四千二百四十億円が平成十年度予算になるのですね。 ところが、これに対して地方税の分を見ますと、個人住民税六千二百四十億円の減収がすべて平成十年度予算になるのにあらわれているように、今回の特別減税による地方財政への影響額というのは全体で一兆七百三十億と言われているのですが、そのうちの約三割の三千百三十三億円がこの平成九年度の補正で補てん措置を必要としているのに対して、約七割の七千五百九十七億が平成十年度予算での減収になって補てん措置を講ずるという結果になっているのです。 何が言いたいのかというと、国税分は七割を平成九年度補正予算で処理して、三割は平成十年度予算で処理をしますよと、ところが地方税は全く逆で、三割を平成九年度補正予算で処理して、七割を平成十年度予算で処理するという結果を招いているんですね。だから、今回の特別減税のこういうやり方によって、一言で言うと、平成十年度の地方の予算に大きな負担がかかって、地方財政に非常に影響が出てくるということが懸念されるのではないかというように思うのですが、これについて自治省または大臣としてはどういうように受けとめておられるのか、御見解を伺いたいと思います。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 今回の特別減税で地方にしわ寄せが来るのじゃないか、こういう御指摘を受けた上での御質問でございますが、今回の特別減税に伴い、地方財政におきましては平成九年度に三千百億円、平成十年度には地方税、地方交付税で七千六百億円の影響が生じるところでございます。 これらにつきましては、個人住民税の特別減税に伴う減収は減税補てん債によりまして、所得税の特別減税に伴う地方交付税の減収につきましては、国の一般会計加算及び交付税の特別会計の借入金によりましてそれぞれ補てんをいたすところでございます。 地方財政の運営に支障の生じることのないように対処いたしたところでございまして、地方財政へのしわ寄せばないものと考えておるところでございます。
○佐藤(茂)委員 それで、今のやり方は、どういうように数字を補てんしたかというのはわかっているのです。それは要するに、今言われたように、七千六百億のうち千四百億については交付税特別会計借入金で補てんして残りの約六千二百億については減税補てん債で補てんする、そういうことをせざるを得ない状況に追い込まれるのですね、今回の特別減税によって。それは今大臣答弁されたとおりなんです。 しかし、これは昨年通しました財政構造改革法のもとになる六月三日の閣議決定、財政構造改革の推進についての地方財政の項でどういうように書いてあるかというと、地方財政の赤字の縮小は、財源不足を補てんするための特例的な借入金に依存する財政構造の改革であり、地方自治、地方分権の推進並びに国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しによる地方負担の縮減が不可欠である。地方の財政赤字については、再建目標期間中に、交付税特別会計借入金や財源対策債を圧縮することにより、これを縮減し、国及び地方の財政赤字の対GDP比三%以下を達成するというようにあるわけです。 結果として、この平成十年度の財政改革の初年度から、ここに出てきます交付税特別会計借入金、千四百億円をふやす、さらには、ここでは財源対策債というようになっていますが、減税補てん債どいう名前で六千二百億の額がふえる。 結局、ここに書いてある財政構造改革の方針または方策というものに矛盾するような形にこの平成十年度からなってしまうのではないのかなというように私は懸念を持つのですけれども、自治省、また大臣としてはどういうように考えておられるのか、答弁をいただきたいと思います。
○二橋政府委員 財政構造改革の目標なり進め方につきましては、今委員が御指摘になったようなとおりでございます。 具体的な再建目標は、二〇〇三年において国、地方を通ずる財政赤字を対GDP比三%以下にする、そういうことに持っていくために国、地方を通ずる歳出の抑制を図る、特に一般歳出の抑制を図るということでございまして、そういうためには、今委員も御指摘になりました特別会計の借り入れでありますとか財源対策債、これはもちろん減税補てん債のようなものを含みます、そういう特例的な借入金を順次縮小していかなくてはいけないということでございます。 こういう目標は、二〇〇三年までの中期の目標として設定されておるわけでございまして、そういうことをもちろん十分に頭に置きながら、私どもも九年度から十年度にかけての財政対策を考えておりますが、今度の特別減税によりまして、確かに特会の借り入れなり財源対策債の圧縮の幅というのはその分少なくなったということは事実でございます。 しかしながら片方で、この財政再建の目標に掲げておりました平成十年度の一般歳出マイナスというのはマイナス一・六ということになっておりますし、財政赤字も九年度の二・三から一・九見込みというふうに財政赤字縮小ということになっておりまして、当面のこの経済状況に対応するために特別減税が行われる、これはまた、後ほどの景気回復、それに伴う地方税なり交付税の増収を期待する措置でございますので、全般的に財政構造改革の基本はきちっと守られているというふうに私どもは考えております。
○佐藤(茂)委員 守られていると考えているというのは全然信用できないのですけれども、時間が大分迫っていますので、あともう一回、この特別減税法案に関して最後に質問したいのです。 先ほど言いました六千二百億円の地方税の減少を埋めるために、地方財政法を改正して地方債の特例措置を講じようとされているのですね。これは提案理由のところにも書いています。そのために、平成十年度に限り、地方財政法第五条の特例として各地方公共団体に対し減税補てん債の発行を許可することにして、第三十三条の五というのを地方財政法に追加する、そういうことになっているのです。 しかし、この三十三条の五の前後を見ますと、これは三十三条というのがありまして、平成六年から六年、七年、八年、そして今回十年と連続してこれずうっと追加されてきているんですね。要するに、十年度に限りと言いながら、結局、特例、特例というのが六年、七年、八年と続いていくことによって、第五条の地方債の制限をうたったこの精神一具体的には、「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」という条文が意味をなさなくなるのではないのかな、そういう気がして、私自身勉強させていただいておったのですが、これについて自治省としてどう考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○二橋政府委員 このいわゆる特例的な地方債の発行の状況は今委員御指摘のとおりでございまして、六年度以降、特別減税が行われておりますので、毎年度毎年度の特例措置としての地方債の発行という地方財政法の特例規定を設けているわけでございます。これは、不交付団体も含めました個々の地方団体への影響を全体として補てんする必要があるということから、いわば本来期待できる地方税が特別減税によってその収入が入ってこなくなるものですから、地方税にかわる財源として措置する必要があるということから、特例地方債という、こういう形にならざるを得ないわけでございます。 これにつきましては、先ほど申しましたように特例的なものでありますから、財政再建を図っていく上で順次縮小していかなくてはいけないということは当然でございますが、今年度の場合には、先ほど申しましたようなことで、特例的な借入金というのは九年度に比べまして五千億の減少、予定よりはその分は少なくなったということは確かでございます心 ただ、全体の地方債の発行規模につきましては、十年度において、今のこの五千億のほかに通常債についても新規の借入金を九千億減額いたしておりまして、地方債全体としては発行規模の抑制に努めて、九年度に比べて、これは十年度、これから御審議いただくわけでございますが、マイナスの九・一%ぐらいに抑えておるということは御理解いただきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 減税関係はこれで終わりまして、きょう警察庁来ていただいています。 それで、きのうも当委員会で同僚委員から質問がありましたけれども、最近、大蔵省の金融検査部職員の逮捕によって大臣が引責辞任されるということとか、その前の週には日本道路公団の財務担当理事、これは大蔵OBですけれども、同じように収賄容疑で逮捕されるという事件がありました。 しかし、その前にこの口火を切ったのは、警視庁の現職警部が捜索場所であるとか供述調書などを、そういう捜査情報を次々に流した見返りとして、証券大手の大和証券から三百九十万円相当のわいろを受け取った、そういう収賄容疑で逮捕されたという事件がやはり一つの皮切りになったのではないかな、そういうふうに思うわけです。 これは特に、きのうも指摘されたかもわかりませんけれども、現場の警察と違う重要な立場の人間がそういうことをしたということが非常にポイントではないか。特に、九五年に警察庁の刑事局捜査二課に出向後も、金融問題であるとか不良債権関連事犯について、全国の事件についての調整作業とか、また会議なんかの運営をもされていたり、指導する立場にあったそういう人間が、こういう収賄容疑で逮捕されたという点に、非常にやはり重要な反省しなければいけない点があるのではないのか。 きのりも指摘されていましたけれども、警視庁として、やはり身内意識を捨てて、なぜ起きたのか、またこの捜査のときに、国立支店の事件ですけれども、手心を加えて捜査そのものがゆがめられた形跡はないのか。また、接待を受けたのは捕まった本峠容疑者一人なのかどうか、これは報道によると、ほかの警察庁職員も接待を受けたのではないのかという報道が何紙かにされています。また、なぜそんなことが行われているのに四年間も発覚しなかったのか。 それを、きのうも質問されていましたけれども、まず徹底的に警察庁として調べて解明してもらいたい。そして国民の前に何らかの形で、こういう結果でございましたという、やはり公表をまずしてもらいたいと思うのですけれども、警察庁としての御見解を伺いたいと思います。
○佐藤(英)政府委員 本件が発覚しなかった原因でありますとか、あるいは本件の原因動機という問題は相互に関連をいたしておりまして、御承知のように現在捜査中でございますので、明確に申し上げることはできないところではございますけれども、本件の原因となりましたいわゆる大和証券の詐欺横領事件の経緯から判明している事項等について申し述べてみたいと存じます。 この大和証券の事件の端緒は、実は、今回逮捕されました当該警部補に対する大和証券会社からの相談でございました。その相談の内容といいますのは、国立支店長が証券を偽造するなどして客から金を引いているのではないかとの風評があるということで、そういう相談であったわけであります。同警部補が相談を受けて内偵を始めましたところ、その支店長は、大和証券の組合の委員長を過去にいたしておりまして、そのときに形成をいたしました人脈を使って、情を知らない社員を利用してその顧客から金を引いているという状況がうかがえたということで、捜査体制を整えて捜査を開始したのであります。 その結果、その支店長は、ギャンブルあるいは女性問題等でその詐取した金額の大半を投入している、あるいは大和証券自体が被害に遭っている、つまり、保護預かりをしていた株券等を引き出されておりまして、そういうことで被害会社であるということも明らかになってまいりました。そして、裏づけをしたところ、その警部補の情報と符合したのであります。したがって検挙に着手したということでございます。 したがって、そのときの直属の上司といたしましては、捜査は所期の方針どおりに推進をしている、遂行できているという認識を持っておりまして、特段の不審を感じなかったということであります。 しかし、本人は一方で、御指摘のようなわいろを収受しておりまして、その原因といたしましては、今のところの判断では、大和証券はあくまでも被害会社であるという認識が彼にはあったのではないか、しかも大会社の幹部であるということから、それも遺憾なことではございますけれども、何かしらの安心感を抱いていたのではないか。そのようなすきがあったところに思惑を持った会社側につけ込まれまして、ずるずると、今回検挙になったようなわいろを収受するに至ったということではなかろうかと現時点では考えているところでございます。 なお、捜査がゆがんだのではないかということでございますけれども、この事件につきましては、今申し上げました経緯から捜査本部を設置をいたしまして、百名を超す被害者それから二十に近い被害会社がございますが、これらの関係者それから多数の大和証券の社員を取り調べをいたしておりまして、そのような資料から判断をしたのであります。 その結果、詐取総額二百四十七億円、横領額三十七億円という巨額の事件であるということがわかりまして、これを検挙し送致をいたしたものでありまして、警部補であり、かつ特定の事項しか捜査を担当していないこの警部補が、捜査の方針を左右することはあり得ないというぐあいに考えているところでございます。 なお、被疑者以外にも接待を受けた者がいるのではないかという御指摘でございますけれども、確かにこれまでの報告では、彼と同席していた職員があるという報告を受けております。現在、詳細については捜査中でありますけれども、現時点のところでは、それらの職員につきまして刑罰法令に触れるような接待等の行為があったとの報告は受けておりません。
○佐藤(茂)委員 時間が参りましたので、ぜひ国民の信頼を本当に回復するためにも、また、日々不正の摘発に頑張っておられる第一線の警察の皆さんの努力にこたえるためにも、本当にこの事件を機にもう一回やはり組織をチェックし直して、再発防止策をどういうようにつくったのかということを国民に公表していただくことをお願いをいたしまして、少し長くなりましたが、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○加藤委員長 春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 昨日来、特別減税についての議論がされておりますが、私もまず最初にこの問題について、特に 大臣にお伺いをしていきたいと思います。 九八年度の本予算の審議が始まる前から補正予算が問題になるというような状況であります。景気の後退は深刻です。そこで、最初にお聞きしたいのですが、今までの議論も聞いていまして、今回の二兆円の特別減税でこの冷えた景気を回復させる効果が十分ある、大臣自身はそういう御認識なのかどうかをまず最初にお聞かせいただきたい。
○上杉国務大臣 たびたびお答えいたしておりますが、今回の景気対策をにらんだ二兆円の特別減税は、単独での減税だけではございませんで、これに伴います金融システムの安定化の施策を初めといたしまして、財政、金融両面にわたるさまざまな政策的な措置をとることといたしておるわけでございます。そして、これらの措置を早期に実施に移していくことに全力を挙げて取り組むことによりまして、二兆円特別減税が平成十一年度以降も必要となるような状況にならないように、効果のあるものとして景気回復に向けて努力をしてまいりたい、このように考えております。
○春名委員 そこで、今のお話でも、金融システムの安定化のためのさまざまな措置を一緒にやっていくので、再来年度以降は必要ないようにしていきたいという御決意だと思うのですけれども、この不況の最大の原因は、もう周知の事実になっていますけれども、消費不況であって、昨年九兆円の負担を国民の懐にかぶせたというところに一番のどん底になった要因があるということ、私はその認識がまず大事ではないかなと思うのです。 さまざまな措置はもちろん必要かもしれませんけれども、その消費の購買力を直接本気で暖めていくということがかぎだと思うのですね。いろいろな不況の形はあると思いますけれども、今回の場合、そこがかぎだと思うのです。そういう、消費を暖めていく、国民の懐を直接暖かくしていくということがかぎだという御認識はいかがなのでしょうか。その辺はどうですか、大臣。
○上杉国務大臣 私どもは、今回とっております特別減税、これは必ず消費者心理には影響があるものと思いますし、国民の皆様から安心をしていただくためにも、総合的なこの金融システム、さらには国民の皆様が安心して暮らしをしていただくような政策を織りまぜて、その相乗効果というものを我々は期待しておるわけでございまして、必ず消費者心理には影響を及ぼすもの、効果あるもの、このように考えております。
○春名委員 だから、私は特別なことを聞いているのではなくて、九兆円の負担をかぶせてどん底になったわけであって、だから、先ほどの御質問もありましたけれども、それを上回る本気で本格的な対策が今本当に問われているということだと思うのです。その一歩を政府の方からいえば特別減税という形で踏み出すということになるのかもしれませんけれども、そういうお気持ちがあるのであれば、少なくとも、この二兆円の減税を引き続き、直接懐を豊かにしていく減税を続けていくという決断を私はやるべきだと考えます。 そして、お答えの中でよく出てきますけれども、来年度以降、再来年度以降、そういうことが必要でないような状況をこれからいろいろ努力してつくっていくのだとおっしゃるわけですが、本会議でも私たち質問したのですけれども、そういう継続しないでも大丈夫な経済状態、こういうことが実現できる根拠といいますか、それは一体どこにあるのかということが、今日をもっても、議論をずっと私予算委員会にも出ていって聞いていますけれども、見えてまいりません。 来年度以降継続する必要はないというふうに、ないようにしたいという努力をするということですが、そういうふうに言えるその根拠、そこは大臣、どうお考えでしょうか。それはやってみなければわからないということになるのかもしれませんが、どうですか。
○上杉国務大臣 たびたび申し上げておりますように、二兆円の特別減税とあわせて財政、金融両面にわたる対応をいたしておるわけでございます。したがって、景気には必ずこれは効果あらしめる、景気がよくなれば税収が伸びてくるわけでございますから、そこに私どもは効果あるものという一つの見通しを持って、この政策について御理解をいただくべくお願いをし、法案を審議いただいておるところでございます。
○春名委員 私は、消費税率をもとに戻すことが必要だと考えますし、同時に、住民税の特別減税も九八年度限りとしないでそれ以降も続けるべきだということを強く訴えたいと思います。いろいろな対策をやられて何とかなるだろうというふうにおっしゃるわけですけれども、やはり今までの議論を通じて、私たちも、そういうことで終わらせるのではなしに、直接国民の人たちが、苦しめられている国民の人たちが、本当に今、少なくともこの住民税、所得税もそうなのですが、減税を継続してやるということを示すことによって、そういう立場にいる国民が安心していけるように努力をすることが問われていると思います。 それで、最後に私ちょっとお聞きしておきますけれども、もし継続が必要だというような事態に、自治大臣自身が一人の政治家としてそういうお考えになった場合は、総理大臣に進言をするといいますか、そういうお考えもおありかどうか。そういうことが必要だというふうにもし判断した場合に、総理大臣にも進言をしたい、そういう御決意はおありかどうか、その点をお聞かせいただけますか。
○上杉国務大臣 前提を置いての答えというのはなかなか申し上げにくいわけでございますが、経済は生き物でございますし、また、それに伴います税収でありますとか国家財政は連動したものでございます。政府としては、あらゆることを視野の中に入れて万全を期していくべきものと考えております。
○春名委員 私たちは、来年度以降も特別減税を継続させたいという修正案も提案させていただこうかなと思っておりますけれども、ぜひそういう検討も含めて今後考えていただきたいと思っています。 次に、地方交付税法の一部改正についての法案、これについて御質問させていただきます。 時事の配信で、十二月十七日の記者会見で、自治大臣は、特別減税は国の政治決断なので地方に迷惑をかけないようにする、こういうふうに発言されたと報道されておりますし、議論の中でもそういうふうにおっしゃっておられます。私はこの発言も聞きまして、新聞で読みまして、注目もし、評価もさせていただいたわけですけれども、しかし、出てきた法案自身は、大臣の発言と少し違うのじゃないかなというふうに思うのです。 十二月に発言されたその内容と、今回の地方交付税法の一部改正、特別減税に関してとられた減収分の補てん、これは一貫していないのじゃないかと思うのですけれども、そうではありませんか、どうでしょう。
○上杉国務大臣 御指摘のように、私が記者会見で申し上げたことは事実でございまして、地方行財政をあずかる大臣として当然のことと私は思っております。そのような意味で、経済の変動や政策減税等によりまして地方交付税の所要額が不足をいたします場合には、地方財政の運営に支障が生じることのないように補てん措置を講じることは、当然これは国の責務と私は思っておるわけでございます。その財源を国が負担するか地方の負担とするか、具体的にどのような補てん措置を講じるかは、その時々の国、地方の財政状況等を総合的に勘案した対応をしていかなければならない、これも当然のことだと思います。 その際に、昭和五十年代における措置のように、政策減税による年度中途の国税の減額補正に伴います地方交付税の減収の全額を国が負担して補てんしておる例がございます。しかし、昭和五十九年度の地方財政対策の見直し以降、近年におきましては、まず地方財政は国の財政と並ぶ公経済の車の両輪として経済に大きな地位を占めておる、二つ目には、政策減税によりまして景気回復の効果は地方税、地方交付税の増収によって地方財政にもこれは及ぶものであることなどから、国 の負担によって補てん措置を講じますことは行われておりません。 例えば、当初予算における減税で、影響も多額でありました平成六年度及び平成八年度の特別減税による影響につきましては、交付税特別会計の借入金で対処し、平成六年度においては元利とも地方が、平成八年度においては、元金は地方、利子は国が負担することにいたしておる実績がございます。 また、政策減税によります影響が比較的少額でありました平成五年度補正や平成七年度補正、平成五年度は四百六十億、七年度は三百八十億でございますが、これは地方交付税法附則第三条の規定に基づきまして一般会計からの加算により対処をいたしておるところでございまして、後年度に精算を行うこととされたわけでございます。 今回の補正における補てん措置につきましては、このような状況を踏まえつつ検討を行ってきたところでございまして、平成五年度補正や平成七年度の補正と比べまして、補てん所要額が二千億余と極めて多額に上っておるわけでございますが、今回の特別減税の趣旨を踏まえて国の一般会計からの加算により所要額を補てんすることとされたわけでございます。この補てんについては、決して地方財政にしわ寄せがあったり地方財政に支障を来した、こういうことのないように措置をいたしたところでございます。
○春名委員 最後に言われた、結局一般会計から補てんをして二千億円ぐらいに上っているけれども、支障がないようにされたということを今おっしゃったと思うんですね。 私は、そこで注目をしたのは、今大臣もおっしゃったけれども、特別減税は国の政治決断だから地方に迷惑はかけないようにするとおっしゃったことと、それから、今回のこの法案の改定の中身は、現時点ですぐに地方に支障を来すということにはもちろんならないように努力をされているわけですけれども、後にそういう問題が出てくるわけですね、今お話も出ましたけれども。そこで、それがいいのかどうか等々について聞きたいと思うのです。 交付税法の附則第四条の二の第三項の額が減額をされていくということになるわけですね。平成十三年度以降、最初が幾らでしたか、それで二百三十億円ずつですか、ずっと減額されていく、精算するということになるわけであります。そういう措置をとって、自治大臣と大蔵大臣との覚書でそういう措置をとられるということにしているわけであります。 ですから、そこで一つこれは確認ですけれども、この交付税法の附則の第四条の二第三項の額というのはどこの財源かということなんです。余り聞くまでもないかもしれませんが、この財源は国の財源なのか地方の財源なのか、ここをまず答弁をしていただきたい。
○二橋政府委員 今委員がお挙げになりました交付税法の附則四条の二第三項の加算額、私ども通常、法定加算額というように申しておりますが、これは各年度の一般会計から加算される額が法律で定められておるものでございまして、毎年度の国税の五税の一定割合を地方の固有財源として交付いたします国税五税定率分とは異なる面はありますが、いずれにいたしましても、一般会計から交付税特別会計に繰り入れられて地方交付税の総額に加算されるべきものでございます。
○春名委員 加算される額だということで、これは地方の財源だというお話だと思います。地方の財源で、これを平成十三年度以降で精算をしていくという措置をとられることにしたわけです。先ほど最初の大臣のお話で出ましたけれども、昭和五十年代には全額国でやった例もある、しかし最近はそういうふうにはなかなかできない、国の財政、地方の財政両輪だということと、この措置で景気が回復してきてふえるだろうということなどもあるという議論を先ほどされました。 私は、地方に迷惑をかけないというのであれば、過去、その昭和五十年代、五十二年と五十三年、一九七七年、七八年などで元利とも国負担というやり方を、筋を通して、文字どおり地方に負担を後にもかけないというやり方をとられていた時期があるわけです。私はこれが、地方に迷惑をかけないというのであれば、まさに筋中の筋ではないかなと考える次第であります。 今回そういう措置をあえてとられなかった、先ほど少し御説明もされていましたけれども、自治大臣としては、あるいは自治省の皆さんとしては、大蔵との関係で、そういうやり方も前あったから、地方に本当の意味で迷惑をかけないということでやってもらいたいというような、そういう働きかけはしなかったのか。なぜ今まで筋を通してやったことがあるのにそのことを今回おやりにならないのか。そのことをちょっとぜひ聞かせていただきたい。
○二橋政府委員 この点につきましては、先ほど大臣から過去の経緯についてのお話がございましたが、一つの節目は、やはり昭和五十九年度の地方財政対策の抜本的な見直しということが一つの節目かと思います。したがいまして、昭和五十年代の比較的前半の場合には、この政策減税によります年度中途の交付税の減収を全額国が負担したというふうな例がございますが、五十九年度の地方財政対策の見直し以降の近年におきましては、先ほど大臣からお話がございましたような趣旨で、そういう考え方のもとに、一般会計からの加算とか、あるいはその年度の当初のものにつきましては交付税特別会計の借り入れという形で対応してきているというのがそれ以降の例でございます。 そういうことを踏まえて、私どもとしては、今回の九年度分の二千億余でございますが、これにつきましても、この一般会計の加算というのは国の側からいたしますと赤字国債を発行して加算するということになりますので、ややつらいところはございますが、私どもとしては、そこはやはりこれまでの加算した金額よりかなり大きな金額にはなるけれども、これは今回の特別減税の趣旨なりあるいは時期なりといったことから考えて一般会計からの加算ということでやってほしいということで折衝して、今回のような形になっておるものでございます。 これを、さっきお挙げになりましたように平成十三年度以降の法定加算と要するに差し引きずるという形で、法案の御審議を今回お願いすることになっておりますが、そこはさっき申しましたように、法定加算は本来地方の方に一般会計から加算をされて交付税になるものでありますから、いわば地方の方の権利のある金でございます。精算は、今言いましたようなことでマイナス精算をするわけでありますから、それと加減算をするということは、その一般会計の加算というやり方をとる以上は、そのやり方をするということは特に問題ではないというふうに考えておるわけでございます。
○春名委員 私が聞いているのは、今お話が出ましたけれども、最終的にはそういう精算をするわけでしょう、十三年度以降。そういう問題じゃないというふうに言われたけれども、それ自身が、そういうやり方が地方の財源を毎年毎年減らしていく。本当は加算しなければならないものを減らしていくというやり方をとっているので、それが問題じゃないかと。 今まで、昭和五十年代、五十二年、五十三年は、金額も小さかったという面もあるのかもしれないけれども、しかし、そういう措置をとらずに、全額文字どおり国の責任でやられてきた例があったわけであります。そして何よりも、今回は橋本総理を初め政府の皆さんが、政策として決断をされて減税を実施するわけであります。地方には責任はありません。だから、大臣も会見の中で、地方に迷惑がかからないように措置をするということをおっしゃったわけであります。私はそれを非常に喜びましたけれども、しかし、中身は結局地方の財源として法定されているものから精算されていくという仕組みをやられようとしているわけです。 そこはおかしいのじゃないか。もとに戻って筋 を通して、特別減税を国の政策としてやるのであれば、地方に本当の意味で迷惑がかからないようにおやりになるのが私は当たり前だと思いますし、国の財政も大変だからとおっしゃるのかもしれないけれども、なぜ自治大臣、自治省はそういう立場で頑張っていただけないのか、そこを聞きたいわけであります。
○上杉国務大臣 事務方からもお答えいたしましたが、法定加算すべきものは加算すべきだという基本的な姿勢は、私どもは捨てていません。自治省はそれを放棄していません。しかし、国の財政事情もございます。国と地方の財政というものは、先ほどから申し上げておりますように、車の両輪という一つの基本的な考え方を持っておるわけでございまして、最近におきましては、そういう一つの財政運営におきまして、不足分というか減収分の補てんについては、国と地方が合わせて一緒になってこれを負担しておる、こういう実態でございます。 法定的に加算すべきものをそれはいいんだとは我々は一度も言っていないし、また、そのような一つの考え方、地方財政の立場というものを捨てたわけじゃございません。ですから、それは矛盾しないし、その点については御理解をいただきたい。
○春名委員 いや、矛盾しないと言いまずけれども、今度の法律の改正というのは、加算すべきものはすべきだという決意はあるとおっしゃるわけですけれども、現実には、精算されて何年度かにわたってやられていくというやり方になっているわけです。 今大臣は、国の財政事情も検討しなければならない、地方の財政も両輪であるということをおっしゃいました。確かに、国も地方も今借金を大きなものを抱えて、この解決のために苦労しているわけです。しかし、よく見てみれば、財政の大変さ、厳しさということでいえば、地方の方が進行が速いのですね。そうでしょう。物すごいスピードで悪化していっている。その進み方は地方の方が大変なわけです。 私は、財政構造改革法案の質疑のときにも、短い時間でしたけれども、地方に対して新たな負担をこれは事実上求めるものになっていくということを質問させていただいたのですけれども、この間、実際、地方へのさまざまな形の負担転嫁、補助金のカットによる一般財源化とか、いろいろな形で、実質的には地方に負担がかぶさっていくやり方がとられてきたと思います。 そういう流れの中で、今回の地方交付税の一部改正ということも、国の政策的な減税としてやるのにもかかわらず、結局は地方に負担がかぶさっていくものにやはりなっていっていると思うのですね。そこのところをやはり、何というか、防波堤になって自治省の皆さんが頑張っていただかないと、地方は泣くに泣けないというふうに私は考える次第であります。 そういう決意や決断が、今度のやり方はそういうものが残念ながら、将来的にはですよ、なくなってしまっているといいますか、すぐには支障は出ないということはよくわかりますけれども、そういうやり方は自治省としてどうでしょうか。過去にやったこともあるということなわけですから、もう一度原点に戻って検討していただくということが必要なんじゃないでしょうか。そのことを私は強く訴えたいと思いますけれども、改めて、大臣、どうでしょうか。
○上杉国務大臣 国の財政、地方の財政ともに、言い分だけで通るものじゃないことは私が申すまでもないことでございまして、そのような整合性を持って、今回の法案は地方としてもしわ寄せの来ないように、地方財政を運営するに支障のないようにぎりぎりのところで国との調整の結果このような形になった、こういうことでございまして、御理解をいただきまして一日も早くこの法案をお通しいただきたい、このように思っております。
○春名委員 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
○加藤委員長 畠山健治郎君。
○畠山委員 数年前から官官接待問題で世論が大変厳しい折に、きのうのような大蔵の事件が起こるなんて、本当にびっくりいたしておったところであります。その種の議論もありますけれども、きょうは時間がございません。早速中身に入らせていただきたいというふうに思います。 我が党は、個人の所得課税に対する減税を求めてきたところでございます。今度の減税幅あるいは単年度の措置に対する適否はともかくといたしまして、我が党の主張に政府の施策が近づいてきたというようなことで、大いに歓迎するところであります。しかし、減税政策の経緯やこれがもたらす地方財政への影響とその補てん方法を見ますと、問題がないわけではないというふうに思います。そこで、議題となっております両法案を中心にお尋ねをいたしたいと思います。 大臣は、きのう、減税についての御相談は十二月十七日の朝だというふうにお答えになりました。このお答えを聞きまして、こんなに大事な問題がなぜ一体発表の直前であったのかな、こういうことからすれば、自治大臣並びに自治省や地方税が軽視された、そう言われても仕方がないような気がしてならないわけであります。御所見を少しお聞かせをいただきたいというふうに思います。 それからいま一つには、所得税と個人住民税の軽減割合が七対三と従来の特別減税と同じ比率になっておりますが、この減税割合は所与的なものであったのか、それとも総理の指示あるいは大蔵との折衝によって決まったのか、その辺のところをお伺いをいたしたいと思います。
○上杉国務大臣 その経過の中で地方財政、地方行政が無視されたのじゃないか、こういうことでございますが、私からお答えをいたしておきたいと思います。 前回もこの委員会審議でお答えいたしましたが、私どもは、十二月十七日の朝に総理が招集をされました総理官邸における関係閣僚と与党三党幹部との合同会議におきまして、二兆円の特別減税を総理からお聞きしたことには間違いがございません。その場でそのような意向が示されました。心情を吐露されたわけでございますが、その中で、総理は、アジアの通貨・金融不安や秋以降の我が国の金融機関の経営問題等の影響によりまして、国民生活の上に、家計あるいは企業の景況感の悪化というものが見られる、何としてもこの日本発の経済恐慌というものは起こしてはならない、このような話がございました。 もう一つは、このアジアの会議に行ってみて、我々が情報を集め、またそれを分析し理解をしておった、想像しておった以上というか、想像を絶するという言葉を私は使われたと記憶しておりますが、アジアの通貨、金融の不安、厳しさというものは想像を絶するものがあった、しかるに、かたい決意を持って、この特別減税の二兆円というものを何としても御理解いただきたいし、速やかにこの実施をしたい、こういうことでございました。 また、二兆円の減税については、国の方では所得税、地方においては個人住民税、このような形が方向づけになったわけでございますが、その場合、個人住民税は約六千億、所得税につきましては一兆四千億、しかし、一兆四千億のはね返りが交付税四千五百億ございますから、ほぼ二兆円は一兆、一兆ということに最終的にはなるわけでございまして、これらの措置について御理解をいただくべく、法案を提出し、御審議をいただいておるところでございまして、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○畠山委員 次に、今年度の税収見通しについて大蔵、自治省にお尋ねをいたしたいと思います。 十一月段階での国税収入を対前年同月比累計で見ますと、法人税では四・二%減とかなり落ち込みとなっているにもかかわらず、補正予算では、所得税減税を除いた租税等の収入については約六千億の減収と見込んでいるにすぎません。年度初めからの急速な景気後退を見ますと、果たしてこ の程度の減収で済むのか、粉飾予算と言うには少し語弊があるかもしれませんが、景気の実態と補正予算とにかなり落差があるように思われますが、大蔵省の見解をいただきたいと思います。 また、法人税の落ち込みは当然地方税にも影響を与え、十月段階での法人県民税は五・一%、法人事業税で七・三%の減となっております。このような税の鈍化について、自治省は今後どう見込んでおられるのか。また、自治体の決算が困難となるほどに税収が落ち込んだ場合、当然、減収補てん策が講ぜられるものと考えますが、この点についてお伺いをいたします。
○西原説明員 お答え申し上げます。 今回の補正予算の編成に当たりましては、この九年度税収の見積もりにつきまして、特別減税の実施、それから最近までの課税実績、こういったものを勘案いたしまして個別税目ごとに積み上げて見直しを行いまして、それで、当初予算に対しましてその見積もりから一兆五千七百六十億円、これだけ減額補正をいたしているところでございます。 このうち、いわゆる特別減税、それに伴う減収見込みというのが九千七百九十億円、それ以外の税収の減収見積もり、つまり、最近までの課税実績等を勘案いたしまして見積もりを減ずるということで、先生御指摘いただきましたように、約六千億、五千九百七十億という減収を見込んでおります。 先生の御指摘のこの約六千億という程度の減収というのは、そういう減収幅で済むのかというのが御指摘の点であろうかと思います。 それで、現在判明しております直近の税収の実績と申しますのは、十一月末税収ということになるわけですが、それを拝見いたしますと、いわゆる法人税というものにつきましては、御指摘のとおり対前年四・二%のマイナスであるということですが、税収全体につきましては、累計では対前年比の四%増という形になっております。 一方、今回の補正後の九年度税収というものは対前年比八%増というふうに今見積もっておるわけなのですが、それは、それではなぜこのように十一月末の税収よりも補正後の九年度税収を高く見積もっているのか、こういう点があろうかと思いますが、この要因は、一つは消費税でございます。 消費税につきましては、税率の引き上げといった増収の効果というものが出てくるのですが、これは納期の関係がございまして、年度の後半に集中して出てまいります。こういった要素が一つ。それから、御指摘の法人税につきましてもちょっと要因がございまして、これは特殊な要因がございます。これは、八年度、昨年度でございますが、その前半に、いわゆる金融機関の不良債権処理の関係、こういつたことの関係で臨時的な税収増がございました。そういう影響で、今年度の十一月末の時点での法人税の対前年比というものが逆に低く出ているというのが現状でございます。 そのようなことを勘案いたしますと、現時点での十一月末税収というのはやや低目に出ているということでございまして、したがって、補正後の税収の見積もりということにつきましては、おおむね想定した線になっていくのかなというふうに考えております。 以上でございます。
○成瀬政府委員 平成九年度の地方税収につきましては、道府県税の十月末現在の状況で見ますと、地方財政計画ベースの調定額累計で見まして、個人道府県民税は対前年度比一〇六・九%となっておりますものの、法人道府県民税が九四・九%、法人事業税が九二・六%と落ち込んでいることなどによりまして、全体として対前年度比九九・九%にとどまっております。 なお、市町村税につきましては、道府県庁所在市、政令指定市などの四十九団体の抽出調査によりますれば、九月末現在、個人市町村民税は対前年度比一一〇・八%、固定資産税は一〇〇・五%となっておりますものの、法人市町村民税が八五・七%と落ち込んでいることなどによりまして、全体で対前年度比一〇二・二%にとどまっております。 今後の税収動向につきましては、今後とも注意深く見守っていく必要がありますけれども、現在の状況がこのまま推移するとしますと、今年度の地方税収額は地方財政計画額をかなり下回るおそれがあるのではないかというふうに考えております。
○畠山委員 次に、補てんの方法についてお伺いをいたします。 今回の減税による交付税への影響額は三千百三十三億とされております。交付税総額の安定確保という大原則からすれば、中央政府の政策変更あるいは経済変動による交付税総額の減は中央政府が責任を持って補てんするのが基本であろうかと思います。減税を歓迎する立場であっても、交付税制度のこの大原則は尊重されるべきであり、影響額は一般会計からの加算によって補てんするのが基本と考えますが、いかがでしょうか。
○二橋政府委員 最初に、先ほどのお尋ねで、本年度の地方税が減収になって決算が困難になるところがあるのではないか、こういうお話でございます。 私ども、今聞いておりますところでは、本年度の地方税は、一兆円前後の減収が生ずるのではないかという見込みと聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、これらにつきましては、年度の中途でございまして、減収補てん債の発行により対応することにいたしておりまして、この旨につきましては、国の補正予算の取り扱いとあわせまして、昨年末、地方団体にも連絡をいたしたところでございます。 それから、今の減税に伴います交付税への影響でございますが、こういう減税に伴いまして地方交付税の所要額が不足する場合に、地方財政の運営に支障が生ずることのないように補てん措置を講ずることは、国の責務であると考えておりますが、具体的にどのような補てん措置を講ずるかということは、その時々の国、地方の財政状況などを総合的に勘案して対応してきたところでございます。 その際には、五十年代の特に前半のように、政策減税によります年度中途の国税の減額補正に伴います交付税の減収を全額国が負担したという例はございますが、昭和五十九年度の地方財政対策の見直しを一つの境といたしまして、近年におきましては、地方財政は国の財政と並ぶ車の両輪であります。それから、所得課税につきましては、国と地方は、交付税まで織り込んで考えますと、おおむね一対一という財源配分になっております。 したがって、今回のように景気回復をねらった減税というのは、その効果が地方財政にもその割合で及んでくるというものでございまして、そういうことから、近年では、国の負担によって補てん措置を講ずるということは行われておりません。 今回の補正におきまして、二千億余の補てんということにいたしたわけでございますが、これは、これまでのいろいろな状況を踏まえつつ検討いたしてまいりましたが、結果的に、平成五年度の補正あるいは平成七年度の補正のときの減税の処理の仕方、このときは金額は今回に比べてかなり少のうございましたけれども、そういったようなことも考え合わせまして、この平成八年度の精算増等の差し引きをいたしました二千億余につきましては、今回の特別減税の趣旨を踏まえて、国の一般会計からの加算によって所要額を補てんすることにいたしたものでございます。御理解いただきたいと思います。
○畠山委員 時間になりましたから終わりますけれども、最後に一言だけ。 今回、来年度の予算に自治省として、国土保全対策事業を初め、大臣の肝いりで新たな政策を盛り込んだことを高く評価を申し上げたいというふうに思います。ぜひひとつ今後も御努力を願いまして、終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○加藤委員長 この際、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 本案に対し、春名直章君から修正案が提出されております。 修正案の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。春名直章君。 ————————————— 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律 案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○春名委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由及び概要を御説明申し上げます。 今日の不況の原因が、消費税の税率引き上げを初めとする国民への九兆円もの負担増にあることは、今や国民周知のことになっております。その施策の一部手直しを迫られた橋本総理が、二兆円の特別減税の実施を打ち出しましたが、規模が小さい上に、一時的措置ということもあって、冷え込んだ消費を温める力にはなっておりません。回答者の五三%が減税の継続を求めているという世論調査もあります。 修正案は、こうした国民の声にこたえて、政府案で平成十年度限りとされている住民税所得割の特別減税を平成十一年度以降当分の間継続するというものであります。 慎重審議の上、何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げまして、説明といたします。
○加藤委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○加藤委員長 これより原案及びこれに対する修正案の討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、春名直章君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立少数。よって、春名直章君提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 地方交付税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会 ————◇—————