地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1998/01/27
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桑原豊君。
○桑原委員 民主党の桑原でございます。きょうは、野党統一会派民友連の一番手として、今回の二兆円の特別減税についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一は、今なぜ減税なのかということでございます。さきの臨時国会では、我々野党が減税を求めたにもかかわらず、政府は、財政構造改革を優先すべきであるとして、それを拒否し続けてまいりました。そして、今回は百八十度転換をされたわけであります。その理由については、決断された橋本総理もいろいろ答えられておりますし、日本経済の現状を危惧してアメリカ政府の要請に基づくものではないか、そういうふうな観測もございます。 しかし、ここでは私は、所得税に連動して地方税である個人住民税の減税を決断された上杉自治大臣に、その判断の根拠となった情勢認識についてお伺いをまずいたしたいと思います。 また、地方税の減税である以上は、その決定に当たりましては、何といっても地方自治体の要望や意見、そういったものを酌み取るべきだと思いますけれども、そのような具体的な努力をされたのか、そのことについてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○上杉国務大臣 個人住民税の減税を決断したこといかん、こういうことでございますが、このたびの特別減税は、アジアの通貨・金融不安や秋以降の我が国の金融機関の経営問題等の影響によりまして、国民生活の上での家計あるいは企業の景況感の悪化が見られることは御承知のとおりでございまして、そのような中で日本発の経済恐慌は決して起こしてはならないという強い橋本総理の決意のもと、実施の決断がなされたものでございます。 今回、国における所得税にあわせまして地方税制上の住民税の減税という二兆円規模の特別減税とともに、財政金融両面にわたりまして実施されるさまざまの措置が相まって、家計や企業の経済の先行きに対する不透明感を何としてもこれは払拭しなければならない、我が国経済の力強い回復につなげなければならない、このように考えて、国の措置とあわせて決断をいたした次第でございます。 それから、特別減税が地方税の減税である以上、自治体の要望や意見を十分聞いてやったのか、また尊重すべきではないか、こういうことでございますが、地方税制の企画立案を行っていく上で、地方団体の御意見を聞くことは大切なことと考えております。 ただ、国の財政と地方財政は車の両輪でございまして、地方税については国税と共通する税源でございます。この税源により国民に負担していただいているものもございますので、国全体の政策として必要である場合には、一体として減税等を行うこともあるものと考えております。 今般、総理は、アジアの通貨・金融不安や秋以降の我が国の金融機関の経営問題等の影響により、国民生活では家計の上に、あるいは先ほど申し上げました企業の景況感の悪化が見られる中で、何としても日本発の経済恐慌は起こしてはならない、決してそういうことになってはならない、こういう強い決意のもとに特別減税の実施の決断をされたところでございまして、このような総理の決断を受け、私は、個人住民税の特別減税について所要の措置を講じますとともに、特別減税の実施によりまして地方団体の財政運営に支障の生じることのないよう、あわせて必要な措置を講じることといたしたところでございます。
○桑原委員 今ほどの回答、御答弁では、自治体の立場に立って自治体のいろいろな御意見をお聞きして、そして自治大臣としての判断で決断をされたというような、そんな思いがどうも伝わってまいりません。何か、総理の決断は私も耳にたこができるほど聞いておるのですけれども、そのことの繰り返しのような気がいたしました。 それはそれとして先に進みますが、税制を改正するには、その前提として政府税調の議論と答申を踏まえるのが従来の通例でございました。しかし、今回の特別減税にはそれがございません。一昨年末の平成九年度に向けての政府税調答申は、特別減税は危機的な財政状況をさらに悪化させる云々というようなことで、適当でないと指摘をしておりましたし、昨年末の平成十年度に向けた同答申では、構造改革に対応した税制の改革を続けることの必要性を強調し、法人税や土地税制などについては触れていますが、特別減税には言及しておりません。 そういう意味では、今回の特別減税はルール違反ではなかろうか、こういう気がいたします。緊急の景気対策として打ち出され、そういったいとまがなかったということかもしれませんが、税調で議論する気になればできたはずだと思います。なぜそういうことになったのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 政府税制調査会は、内閣総理大臣の諮問を受けまして、国税及び地方税を通じた租税制度に関する基本的な事項を調査審議するため設けられたものと認識をいたしております。税制全般について幅広く審議の上、答申を取りまとめていただいておるところでございます。 その認識に立って申し上げたいと思いますが、毎年度の税制改正に際しましては、このような政府税制調査会の審議とともに、与党における税制についての御論議等も踏まえまして、政府として原案を作成し、国会での御審議を賜っているものでございます。 なお、政府税制調査会の平成十年度税制改正に関する答申では、今回の特別減税については、御指摘のとおり、直接には言及していないところでございます。「当調査会はこれまでも財政構造改革の重要性を指摘してきましたが、これは税制が経済情勢に弾力的に対応していく余地を否定するという意味ではありません。」と述べているところでございます。
○桑原委員 弾力的な対応といたしましても、本当に税調を開いて国民に見えるような形で議論をするいとまがなかったのかどうかという点では、私は非常に疑問が残っております。 そういった、政府税調の議論や答申がないこともありまして、とにかく減税に至る政府の政策判断のプロセスが見えてまいりません。おまけに、百八十度の政策転換をしているのに、政府には、これまでの情勢認識と政策選択について甘さや誤りがあったという反省が全くありません。聞こえてまいりません。国会の審議時間も極めて短い。 この際、我々は国民に対して、誠実な、政府によるアカウンタビリティーが必要だと思われますが、そのことについてどのように思われますか。
○上杉国務大臣 財政構造改革は、御案内のとおり、危機的な状況にございます我が国の財政を健全化いたしますとともに、安心で豊かな福祉社会、健全で活力ある経済の実現等の課題に対応できる財政構造を実現するためのものでございます。その必要性は何ら変わるものではないと思っております。同時に、我が国を取り巻く経済、金融情勢の変化に機敏に対応いたしまして、財政、税制などの措置を講じていくことは当然のことでございます。 両者は二者択一の問題ではないと判断をいたすわけでございまして、政府といたしましては、政策の転換と言われますが、二兆円の特別減税とともに、金融システム安定化のための施策を初め、財政、金融両面にわたるさまざまな措置をとることといたしておるわけでございます。そして、これらの措置を早期に実施に移していくことに全力を挙げて取り組むことによりまして、二兆円の特別減税が平成十一年度以降も必要となるような状況にならないように、景気回復に向けて全力を挙げて努力をしてまいりたいと考えております。 また、この特別減税の、国民の目から見てそのプロセスが見えないじゃないか、こういうことでございますが、今回の二兆円の特別減税については、これは総理自身の強い決断を踏まえまして、関係閣僚と与党幹部との合同会議を招集し、その実施についての協議の結果、方向づけがなされたものでございます。みずから国民に向けて実施の発表を行ったものでございまして、そこに至るプロセスや特別減税の必要性、意義等については、総理みずから予算委員会の審議におきましても、その決意と経過について繰り返し説明をされておるところでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○桑原委員 次に、特別減税の効果についてお尋ねをいたします。 私がプロセスが見えないと申し上げましたのは、そういった減税の具体的な効果などについて、どういつだことが議論をされて予想されているのかというようなことなども全く見えないということをその中身の一つに考えているわけでございます。 まず最初に、今回の特別減税は、従来の定率による減税方式をとらずに、定額による税額控除という異例の方式で行うこととされましたが、その理由についてまずお伺いしたいと思います。
○成瀬政府委員 平成十年度分の個人住民税における特別減税の方式につきましては、まず、所得税、個人住民税一体となって二兆円規模の特別減税を行うものでありますことから、所得税と同じ方式をとることが適当であること、そして、納税者が簡単にみずからの特別減税額を算出できるなど、納税者にとってわかりやすいものとする必要があること、さらには、実務的にも簡便なものとする必要があることなどの理由から、定額による特別減税を行うこととしたものであります。
○桑原委員 その方法をとられたという理由はわかりましたが、それでは、従来の定率による減税方式と異なることによって減税の効果にどのような違いが予想されるのか、そのことについて次にお伺いしたいと思います。
○成瀬政府委員 御案内のように、個人住民税は賦課課税の仕組みをとっておりますので、納税義務者みずからが税額計算する必要はありませんけれども、今回の特別減税の定額控除方式であれば、各納税義務者もそれぞれの特別減税額を容易に計算できるということから、今回の特別減税によってどれだけの可処分所得の増になるかというものが容易に計算できる、そういうメリットがあるものと考えております。
○桑原委員 そういうことではなしに、例えば今度の減税方式では、六月分の税額は徴収しない。しかし、そのことによって通年的な税額に過不足がある場合は、その翌月以降の税額で調整する。 そういう中では、例えば、逆に七月以降は税額がふえる、そういうケースも出てくるということでございまして、六月の段階では非常に景気を刺激するような効果もあるだろうと思われますけれども、それ以降についてはそういったこともどうなのかというようなことがあるわけでして、そういうことが景気に本当にプラスになるのかということもあります。それから、いわゆる定額でございますから、低所得層にある意味では厚いといいますか、そういったことにもなろうかと思うのです。 そういったやり方が景気の刺激になるのかどうか、そこら辺の効果をどのように考えているのかということをお聞きしたわけでございます。
○成瀬政府委員 七月以降は通常以上に納税額がふえる納税義務者が出て減税効果が薄くなるのではないかという御指摘であったかと思いますけれども、そのような方につきましても、個人住民税の総額、年間を通じます負担の総額では税負担が軽減されていることは明白でありますし、さらには、できるだけ早期にということで、六月には個人住民税が徴収されない、確実に給与の手取りがふえるというメリットもありますので、それらの事情を勘案しますと、消費の回復に期待することはできるのではないかというふうに思っている次第でございます。
○桑原委員 そういったことなどが議論としてしっかり国民の目に見えてこないというところに、やはり今回のこの特別減税のあり方の問題があったのではないかというふうに思っています。 ともかく、平成十年度予算への一律キャップの導入ですとか、あるいは種々の負担増、金融不安や消費マインド、そういったことなどを含めて、景気は大変冷え込んでいる。減税はやらないよりましたと当然思いますけれども、この程度の減税で効果が期待できるのか、甚だ疑問にも思います。 早くも自民党の幹部の口からは、特別減税の継続や新たな景気対策を求める声も聞こえてまいります。額賀官房副長官のアメリカでの発言報道も取りざたをされておりますし、そうしたもろもろに反応したのか、昨日あたりは株価も上昇いたしました。もし景気対策、新たな減税、そういったものの必要性を認めるなら、時期を失することのないように、思い切った減税の積み増しも決断すべき時期なのかと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか、自治大臣。
○上杉国務大臣 時期を逸することなく機敏に対応していかなければならぬことは御指摘のとおりでございますが、今次の当面の経済状況等を踏まえ、個人住民税につきましては、六千億円の特別減税を行うこととしたところでございます。また、平成十年度の地方税制改正におきまして、法人事業税の税率の引き下げや住民税の土地譲渡益課税の見直しなど、地方税負担の軽減を行うことを予定をいたしておるところでございます。 しかしながら、さらに大規模な減税を実施いたしますためには、そのための財源をどうするかということが必要でございまして、特例的な地方債の大量発行等による大規模な減税の実施は財政構造改革の基本を崩しかねないものでございまして、これを実施することは、さまざまな問題が生じることと考えておるところでございます。
○桑原委員 そこで、今自治大臣、地方財政への影響について言及をされましたので、最後の質問ということで、地方財政への影響についてお尋ねをしたいと思います。 個人住民税の減税による地方税の減収は、減税補てん債の発行が認められることによって補てんされることとなっておりますし、また、所得税の減税による地方交付税の減額分については、国の一般会計からの加算措置により補てんされるということになっております。しかし、いずれの場合も、今後の返済に当たりましては、地方財政を圧迫し、その中央依存的な体質を強めることになるのではないかと憂慮をいたしております。 地方における財政構造改革や地方分権の方向に特別減税がどのような影響を及ぼしていくのか、そのことについてどのように考えておられるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○二橋政府委員 今回の減税によります地方財政への影響につきましては、ただいま委員御指摘のように、住民税関係につきましては減税補てん債によりまして、また、所得税の減税に伴います交付税の減収につきましては、九年度の補正分につきましては国の一般会計の加算、それから十年度の分につきましては交付税特別会計の借り入れという形でそれぞれ補てんをいたしまして、地方財政の運営に支障が生ずることのないように対処をしておるところでございます。 また、これに伴いまして、今後、減税補てん債や交付税特別会計の償還が必要になるのは当然でございますし、また、交付税の法定加算がその分減少するということになることはそのとおりでございますが、一方で、今回の減税が景気の回復を目的として、ねらって行われるものでございまして、そのことによりまして、地方税、地方交付税の増収が期待できるところでございます。 また、今後の地方財政計画の策定に当たりましては、地方財政の所要額を的確に見込みますとともに、地方財政の運営に支障が生じないように必要な財源を確保してまいりたいというふうに考えております。 これらのことによりまして、地方分権の推進、あるいは地方財政の健全化などの、地方団体が現在当面しております諸課題に対処できますように、適切に対応してまいりたいと考えております。
○桑原委員 抽象的な言い方としては、そういうふうに景気を刺激して税収をふやして、そのことによって地方財政への影響を、それを上回る効果があるんだというふうに、一般的に抽象的に言われまずけれども、問題は、具体的にどういつだ、ある意味では数字も挙げてそういった予測ができるのかという議論が国民の目にしっかり見えるようにするということが、私はやはり大事ではなかろうかというふうに思います。そこら辺が非常に大ざっぱで、急ぐ余りというか、大変に議論が抜けているというふうに思わざるを得ません。 今、財政局長御説明をされましたけれども、そんなことは改めてとりたてて私は聞かなくても、そのような中身でなければならないということはわかっておるわけでして、もっとそこら辺を具体的に説明をされて、初めてああそうなのかというふうにそれなりの納得ができるわけでございますから、そのことも一つつけ加えてお話をしておきたいと思います。 そこで、国の景気対策として、国税である所得税を減税するということは私は理解できます。しかし、そのたびごとに地方税の減税が連動させられて、地方財政がある意味では振り回されていく。そういう意味では、地方財政の自主的かつ自立的な健全化、これは財政構造改革の目標にもなっているわけですけれども、そういったものが遠のくのではないのか。効果を上げて、ある意味では景気がぐんぐん上昇したということであればそれはそれでいいわけですけれども、いろいろなケースが考えられるわけですね。 地方財政の負担になるというようなことを想定すれば、そういう意味では非常な負担になっていくのではないかという心配があるわけでございまして、私は考えるに、景気の様相というのは、国全体では大変な厳しい状況があるといっても、地方の様相はそれぞれいろいろ、さまざまだというふうに思っております。 国の景気対策としての減税には、地方税はある意味では含まない、そして、その土地土地の事情を踏まえて自治体の裁量で追加的に地方税の減税ができるような、そういう仕組みにすべきではないかというふうに思っております。地方によっては、景気対策として、減税よりもむしろ公共投資が必要だというようなところもあるわけでございまして、そういう場合には、その貴重な財源でそういったことを選択するというようなことが本当の地方分権ではなかろうか、私はこんなふうにも思います。 そういった地方分権の方向性からいっても、そのような自主的な選択のできるような、そんな制度にすべきだというふうに私は考えるわけですけれども、その点について、自治大臣、どうお考えでしょうか。
○上杉国務大臣 最初指摘をいただきました件でございますが、これだけ減税したからこれだけ経済効果があるという数字を出すべきだ、こういうことでございますが、いろいろな議論があることは承知いたしておりますが、減税でこれだけ景気を上げる、経済を上げる、こういうことは数字的にお示しすることは非常に困難なことではないか、こう思っております。 それから、地方において景気対策をどうするかというのをやるべきだ、こういうことでございます。また前段の、国家で決めたことだから地方にしわ寄せするな、こういう御指摘がございましたが、との点については、地方財政の自主性の強化という課題については、これからも引き続き取り組まなければならぬことは十分認識をし、承知をいたしておるつもりでございます。 しかしながら、国の財政と地方の財政は、よく言われるように車の両輪でございまして、国全体の政策として景気対策のために減税を行う必要がある場合には、国税のみではなくて、地方税においても一体として減税等を行うことが必要であると考えております。 また、減税という方策だけではなくて、これだけ厳しい財政状況のもとでございますが、御案内のとおり、公共事業等については国、地方の七%というキャップを上へはめておるわけです。特に、私、宮崎ですが、宮崎の公共事業は、全体の経済構造の中のシェアで三〇・一%を占めておるわけです。御指摘のとおり、公共事業の率が下がることについては、地域住民の生活に影響が出ることは当然のことでございます。それは全国、地方を通じて言えることだと思います。 したがって、私は、苦しい財政状況のもとでございますが、地方単独事業、最も機動性があってニーズの高い事業でございますが、地方単独事業については四%とさせていただきました。しかも、それらにまた影響のないように、三千億程度の調整のための地方債の枠を用意いたしておるところでございまして、御指摘の点についてはできる限りの努力をして、そのような対応をさせていただいておるところでございます。
○桑原委員 時間がもう終了しましたので終えますが、これから地方分権をやっていくに当たって、財政の自立、自主的な健全性の回復、そういうものが大変大事だというふうに思います。そういう意味では、私は地方税は減税するなというようなことを言っておるわけではございません。 地方税というのは地方のための税金なんだから、減税するときも地方の判断で、地方の自立性でしっかりやれるような仕組みをつくっていくのが地方分権なんだ一そういう点で考えたときには、いつもいつも国に連動さえしていればいい、そういうものではないんだというところをしっかりわきまえて、これからやっていただきたいということを改めて申し上げて、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○加藤委員長 松崎公昭君。
○松崎委員 民友連に所属しております民政党の松崎公昭でございます。民友連の二番手ということです。 実は、今、桑原先生が詳しくお話しになりましたが、冒頭に、これは通告をしていないのですけれども、ゆうべの大蔵省への家宅捜索、検査官の逮捕、これは直接は大蔵委員会でやっていただいていることだとは思いますが、日本の官僚制度の最もトップであります大蔵省が、今までの戦後五十二年たった、特に官僚体制のいろいろな矛盾がここへ来て集約されてきた。 そこで、この逮捕に関しまして、これは大蔵省だけの問題じゃない。つまり、自治省も起債の問題やらいろいろなところとの関係があって、あるいは銀行も関係があるでしょう、自治省の方々も関係がある。また、地方にも大きな公務員の数がおるわけであります。 このことに関しましては、一説によりますと、もう既に蔵相の辞任の問題があるとか、あるいは小里長官も公務員の倫理法をもう一回しっかりとやるべきだ、そういう発言もされているようであります。けさも閣僚の懇談会があったとは思いますが、その辺の自治大臣の御感想と、今後の公務員倫理法に対する、あるいは公務員の倫理に関しまして大変なお立場でありますので、これは他山の石じゃないので、まさに日本の官僚制度の一番大事な一角だということで、大臣の見解をお聞かせいただきたい。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 大蔵省の今回のことは、あってはならないことがあったわけでございまして、極めて厳しく受けとめておるところでございます。 なお、ちょうど今、行財政改革や金融システムの改革等、国民の皆様により理解を求め、行政府が信頼をから取らなければならない、その上に立ってこれらのことに取り組まなければならない最も大切な時期にこのような事件が起こったことは、極めて遺憾千万と思っております。 なお、けさほどの閣議におきましても、綱紀粛正について厳しく総理あるいは官房長官、関係大臣からもあったところでございまして、今後、この大蔵省の問題は大蔵省だけの問題とすることなく、綱紀の粛正、また責任ある行政府としての行政執行について、このようなことのないようにさらに対応してまいりたいと考えております。
○松崎委員 まさに大臣のおっしゃるとおりでありまして、これは単に大蔵大臣が辞任するとかしないという問題ではなくて、最近の、この国会でもそうでありますけれども、大きないろいろな問題の本質論として出てきているわけであります。 特に、きょう、この法案とも関係する、先ほど桑原先生もお話しになっておりまして、私も同じ論点でありますけれども、結局、大蔵省を中心とした日本の財政システム、そういったところがら、中央、地方の関係も大蔵省がほとんど日本の財政機構を形づくっている。そこから出てきた今回の法案も関係するわけでありますので、そういう意味で、大蔵省に対する信頼が薄い場合に、これはなかなか地方に対しても説得ができないのではないか、そんなふうに私は危惧をしておりますので、大臣の見解をお聞きしたというわけであります。 さて、二兆円の減税問題でございますけれども、多くは大蔵委員会等で、あるいは本会議でも随分議論のあるところであります。 私どもも、地方自治体というものが、しっかりこれから分権の中で自治自身をから取っていく、そういう視点からまいりますと、大蔵省なり国の減税策、つまり、これは国の失政といいましょうか、国の大きな政策転換から地方に影響が出ている、そういうことでありまして、主体性のあるこれからの地方自治体をつくるという点では、常に国の意向によって左右されている、それが大変これから問題ではないかというふうに私も思っております。 特に、総理大臣がクアラルンプールから帰国して、十七日の朝、突然に表明された。その前日には九八年度の税制大綱も出たわけでありますので、先ほどの御指摘のとおり税調の軽視ではないか、そういう段階での十七日の突然の表明ということでございます。 時あたかも財革法をつくり、しっかりと六年間の縛りをしたところで、特に我々野党側は、今の日本の経済の状況は、あるいは戦後五十年、最近のバブル以降の経済が回復していないところに九兆円もの増税をした、その政策の失敗だということを常に言ってきて、また我々は、六兆円という減税をすべきだということを主張してあったわけでありますけれども、そういうことを全部はねのけてあったところで、これは外圧かもしれませんけれども、二兆円の減税を、私も、あの日は朝たまたまテレビを見ていて、突然の発表でびっくりしたわけであります。 さて、大臣は、いつ、どういうところでこういう連絡を受けて、この必要性というものを本当に感じたのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○上杉国務大臣 私が一番最初にお聞きいたしましたのは、十二月十七日の朝に招集されました官邸における、政府それから関係閣僚と与党でございますが、合同の会議が持たれたわけでございます。総理からその朝、私は二兆円の特別減税のお話をお伺いいたしまして、その場で関係閣僚と与党の間で、実施の方向づけに、協議の結果なった、こういうふうに記憶をいたしております。 総理は、アジアの通貨、特に金融不安や秋以降の我が国の金融機関の経営問題等の影響によりまして、国民生活では家計の上に、あるいは企業の景況感の悪化が見られますように、たびたび先ほどもお答えいたしましたが、何としても、日本が発信をする経済恐慌というものは決して起こしてはならないのだ、そのようにかたい決意を持って特別減税の実施を決めた、心にそういう決断をした、こういう真情も吐露いただきまして、そのようなことで政府が決断をされ、それを受けた関係閣僚と政府・与党の協議の結果、これは方向づけになったもの、このように考えておりますし、また、総理の現状認識については私どもも理解をするところでございます。 今回の二兆円規模の特別減税とともに、また財政金融両面にわたるさまざまな措置と相まって、家計や企業の経済に対する先行きが極めて不透明感を強くしておるわけでございますが、これをこの方向で対応することによりまして払拭をいたしまして、我が国経済の力強い回復につながるものと受けとめておるところでございます。
○松崎委員 そのお答えは、各委員会でも総理もおっしゃっていますし、当然内閣の一致性からいっても、よく理解というかわかります。 さて、財政構造改革法案が通っているわけでありまして、この辺が地方の方々に、先ほどもちょっとあったのですけれども、どうやって説明ができるのか。 これは国が決めたことだから、今までの制度でいけば、先ほどの大臣のお話のように、地方と国は二輪だから当然こういうことになるのだ、あるいは七対三で、所得税と住民税がこういう場合にも必ずやるのだというふうに言われております。私はまだ一年ちょっとしか国会に来ておりませんので、どうもわからないのですね。何で国と地方が常に一体でなければいけないのか。 というのは、分権を今進めているわけであります。推進委員会も頑張りましたけれども、大変な省庁の反対とか圧力で後退、後退してきた。しかし、分権をやるのだということはもう法律で決まっているわけでありまして、そういう中でもっと地方の主体性というものを出していかなければだめなのじゃないか。国の政策の失敗のツケを地方も三割全部受けるのだ、そういうことで果たしていいのかどうか。まして、ここで財政構造改革法案ができたばかりで、これは国会は、我々がこういう深い議論をしているところはわかりますけれども、一般国民あるいは地方の方々は、どうなっているのだろうというふうに思うと思うのですね。 ですから、その辺を自治省として、財政構造改革法との整合性をどのように地方に説明いたしますか。
○成瀬政府委員 特別減税と財政構造改革法との整合性はどうかという御質問であったかと思います。 財政構造改革は、危機的な状況にあります我が国の財政を健全化するとともに、安心で豊かな福祉社会、健全で活力ある経済の実現等の課題に対応できる財政構造を実現するためのものであり、その必要性、重要性は何ら変わるものではないというふうに思っております。 と同時に、我が国を取り巻く経済金融情勢の変化に機敏に対応いたしまして、財政、税制などに要請されます所要の措置を講じていくこともあわせ配慮されなければならない事柄と考えられ、両者は常に二者択一の問題ということではなく、いわば二〇〇三年度までの中期の目標と当面の対応という、タイムスパンの異なる問題とも言えるのではないかというふうに考えております。
○松崎委員 何か自治省が出している本の解説文を何度も聞かされているみたいです。 私は本質論を言っているのです。分権推進をやろうといって、自治体にもっと裁量権を持たせよう、しかし、財源の問題もやろうとしたらそれも全部オミットされた、これでは中央集権体制は全然変わらないのです。そういう中でのこういう問題だから、地方にちゃんと説明できるのかと私は言った。それで説明できるのでしょうかね。私はよくわかりません。だから、ちょっとその辺が残念な話でありまして、これは構造を全部変えなければだめだなということをつくづく感じるわけであります。 それでは、その一体化論はわかりますけれども、この減税はちびちびやっているわけですね。しかも、よく見ると、一年以上にわたる場合もある。地方税なんかもそうですね。それから、一部所得税もそうかもしれません。少なくとも、四カ月はずれているわけですね。ですから、これでは減税効果、つまり、景気回復をするためにということが非常に薄いような感じが私はいたします。であったら、もっと二月、三月、所得税一本でどんとやった方が減税効果があるのじゃないか。 だから、そういう意味で、地方税をセットにするということが本当に減税をし景気浮揚をするための効果としてどうなんだ、そういうことなのですね。ですから、地方のそういう減税は余り効果がないから、それはもう所得税一本でやってみたらどうか、私なんかは本当に短い期間ですから、単純に国民的な発想で思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○上杉国務大臣 今回の二兆円の特別減税につきましては、地方の方は個人住民税の減税としたことはもう御承知のとおりでございます。地方税は国の税と違いまして、二年にまたがることも事実でございまして、御指摘のとおりでございます。 ただ、これを所得税一本にするということでございますが、地方が約六千億、国が一兆四千億でございますが、その場合、一兆四千億、所得税でやりますと、このはね返り分として交付税に四千五百億の穴があくわけでございます。そのようなこと等もございまして、国、地方、合わせて二兆円という地方税の方の減税も、議論の末そうなったわけでございまして、やった以上はこれを効果あらしめるものとしなければならないし、また、私どもは、効果あるものと確信をして今後対応をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○松崎委員 それはそういう答えになってしまうのでしょうけれども、減税効果であったら、やはり恒久減税にすべきだと思うのですよね。我々も特に、本当にこれからの景気を考えた場合に、だらだらやっているのではなくて、要するに消費マインドを上げるということでありますから、そういう意味では、本当の減税効果をし、景気に反映するのであれば、恒久減税をしてしっかりと消費マインドを上げる、そういう方針に切りかえるべきだと前々から私たちは言っておるわけであります。 私は、今言った大臣の方式では、そういうふうに決まっているからやらざるを得ないという答えであって、それでは本当の効果は出ないのじゃないかと。ですから、恒久減税化すべきだという議論を我々は常にしているわけでありますけれども、これは所得税とともにでございますが、その辺はどうお考えでしょうか。
○上杉国務大臣 減税のあり方、景気対策としてさまざまな議論があることはよく承知をいたしております。恒久減税については政府としては今考えていないところでございまして、とにかく今度の二兆円の特別減税等によりまして、全力を挙げて景気対策、国民の生活を支えるために努力をしなければならない、このように考えております。
○松崎委員 それでは、先ほどもちょっと出たのですけれども、特別減税による地方財政への影響という問題で、今回の減税によって、一兆七百億が地方財政全体に影響を与えます。九年度分が三千百億、これも地方交付税に影響が出るわけですね、足らなくなる。これは一般会計から加算措置で処理をする。要するに、国がちゃんと面倒を見る、ですから、ちゃんと聞けよと。 しかし、この仕組みには幾つか疑問があるわけでありまして、国税の精算分、八年分と九年分、プラス、マイナスをやるわけですけれども、九百億円もその中に入れてしまって計算する。これは私たちから見ると、その精算分というのは本来地方の取り分ではないか。ですからこれを、国の政策からきて減税を無理やりにした、交付税にも影響が出てしまったからそれは面倒を見ますよ、まではいいのですけれども、地方の取り分まで組み込んで計算をして二千幾らにしてしまう、それはちょっとおかしいのじゃないか、二千二百億になってしまうわけですね。これは筋違いじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○二橋政府委員 この特別減税に伴います地方財政への影響に対します手当てでありますが、過去いろいろなケースがございまして、その時々の国と地方の財政状況を考慮しながら措置してきておるところでございます。 今回の場合には、今委員が御指摘になりましたように、九年度の補正で九年度分の影響額の手当てをいたしておりまして、そのときに八年度の精算増分を使っているではないかということでございます。これにつきましても、過去、昭和五十八年あるいは昭和六十二年、昭和六十三年といったような年度に同じような事態がございまして、そのときに、精算増によります交付税の増額をこの減収に補てんをいたしておるわけでございます。 八年度の今の精算増が出てまいりますが、八年度につきましては、御案内のように財源不足が当初からございましたので、国、地方の折半によって交付税の総額を確保いたしております。したがいまして、精算増が出てまいりました八年度に精算増が出ないような税収見積もりになっておったと仮に仮定いたしますと、そのときの国、地方のそれぞれの負担をいたします借入金、折半の借入金でありますが、それだけ減ってくるという性格になるわけでございます。 したがいまして、そういうことから申しますと、今の八年度生じました精算額を今回の減収の補てんに使うということは必ずしもおかしいことではないのではないかというふうに考えて、過去の五十八、六十二、六十三といった年度と同様の措置としてこの精算増を一部充て、残りの分につきましては、二千億余でございますが、これにつきましては国の一般会計からの加算により補てんをするということにして、地方財政の運営に支障が生ずることのないように措置をしたところでございます。
○松崎委員 今までの例はそうでしょうけれども、最近は地方でも分権のことが非常に意識が高くなってきて、財源問題ということも、昔は、私も地方議会をやっていましたけれども、はっきり言いましてこういう財政の調整の問題は議会でもそう問題にならないくらい、もうお役人に任せておけばいい、国とか地方のシステムに任せておけばいいという感じでいたわけですけれども、今我々は分権ということを意識して、財源がどうなんだ、こうなんだ、中央のどこをどう変えれば分権が実現するんだ、そういう極めて関心の強い状況になっているわけです。 そこで、前の年、今までもこうやっていましたからというのは、それはわかりますよ、制度ですから。でも、我々からすると何か解せない。地方で、これは本来増収になったら、三二%の範囲かもしれませんけれども、この辺もこれから議論になるわけでありますが、ちょっと解せない。そういうことでやめておきますけれども。 それから、もう一つ同じような問題で、先ほども出ましたけれども、補てんを地方交付税の後年度加算額にツケ回しをしていく。本来、加算額というのはいろいろな要素から、地方が当然取る分だ、つけますよというところにあるわけですけれども、それをまた、今出てきた補てん分を後で加算額から減額する、十三年から二十年で。これもちょっと解せないのですけれども、これも筋違いじゃないかと。どうでしょうか。
○二橋政府委員 ただいまの委員の御指摘は、九年度の地方交付税の影響額に対します一般会計の加算、二千億余でありますが、それを後年度精算するのはおかしいのではないか、こういう御指摘かと思います。 これも、先ほどちょっと申しましたように、いろいろなケースでいろいろな補てんの仕方が過去ございましたが、近年は、この特別減税のようなものが当初であります場合と、それから今回のように一部補正に係るものとの違いはございますが、補正の場合に加算措置で対応するケースが比較的多く、当初の場合には特会の借り入れという形で対応するという場合が比較的多いわけでございます。 そういうふうに対応いたしました場合に、交付税法の考え方は、昭和五十九年度を境にして、基本的にその加算、減算で対応するという仕組みになってまいりまして、そういうものに準じた加算措置ということでありますので、後年度精算をするということになっておるわけでございます。 これは逆に、地方交付税を国の方に貸した場合には、当然また特例の減額という形でこちらの方に返してこなくてはいけないということになるわけでありますが、そういうことになっておるわけでありまして、今委員御指摘のように、地方財政全体が、今の分権という問題の中で、いろいろな角度から十分健全化あるいはその充実を検討しなくてはいけないわけであります。 今の全体の税源配分から申しますと、所得課税につきましては、交付税も計算いたしますと、国と地方がおおむね一対一になるような大きな財源シェアになっておりまして、そういうことから、今回の特別減税のように景気の回復をねらって減税が行われます場合には、当然景気回復に伴う税収の増、これも交付税を通じて半々で国と地方にはね返ってくるということでございまして、そういうことを踏まえて、ただいま申しましたような形の加算措置、それを後年度精算をする、そういう考え方になっておるものでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○松崎委員 この議論はかなり深く、広くまたやらないと、財源問題、それから国と地方の大きな関係、それが将来分権にどういう形になっていくか、非常に大きな問題を常にはらみながら、各年にこういう問題が出てくるのではないかと思いますので、議論は尽きないわけであります。 特に、私の町は不交付団体でありまして、よく私は不交付団体の問題をいたしますが、それは裕福なんだから黙っていろということかもしれませんけれども、そうではないのでありまして、私の町でもやはり十数億円の減税による影響が出るということで四苦八苦しております。やはり不交付団体の問題等も今後もしっかりといきませんと、非常にいつまでも問題になるというふうに思っております。 時間がなくなりました。最後に大臣に、これは質問ではありません、要望であります。地方分権推進委員会、頑張っておりましたけれども、最近総理大臣が、五次勧告とは言っていないようでありますけれども、権限、国と地方の役割分担等を明確にしていけということで、もう一回分権推進委員会をやってくださいというお話があったそうでありますけれども、こういった分権推進の問題が非常に、まさにこの財源問題も含めて重要であります。また、計画が六月ぐらいまでに出るわけでありますけれども、今後とも頑張っていただきたい、そのように要望を申し上げまして、終わりにいたします。 ありがとうございました。
○加藤委員長 桝屋敬悟君。
○桝屋委員 新党平和の桝屋敬悟でございます。平和・改革を代表いたしまして、今回の補正予算関連法案、質疑をさせていただきます。 上杉自治大臣には初めて委員会でお目にかかります。私は今までずっと長い間厚生をやっておりまして、本当に福祉をやろうと思えば、やはり地方の行財政に手をつけない限り本当の福祉は実現できないという思いから、この国会から地行でしっかり仕事をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 そうは言いつつも、最初の法案が余りうれしくない法案でありまして、今、この席に大変悩みながら立っておるわけであります。 と申しますのは、まあ減税法案ですから、本当に多くの国民にとりましては、一日も早くやれ、我々野党も、新進党時代から大型減税については主張してきたわけであります。まあツーリトル・ツーレートという話もありまして、規模は小さいわけではありますが、しかし、我々が言ってきたことでもあるわけでありまして、そういう意味では早くやらなければいかぬなという思いもありますし、先ほどからの同僚委員のお話を聞いておりまして、やはり地方財政に大変大きな影響を与える補正だな、こういう思いもするわけであります。そんな悩ましい思いでこの席に立っております。 特に、私は、地方の職員を衆議院議員になる前にやっておりまして、知事さんとか副知事さんとか偉い立場ではありませんで、まさに現場で、自治省や厚生省や国の方針が出るたびに右往左往しながら、特に平成の時代になりましてからの地方行政の変化といいますのは、大変に厳しい財政事情の中で大変に苦労しておるという状況もあるわけであります。この法案に関しても、あるいはこれからの当初予算の議論に際しましても、そういう地方の声もしっかり大臣に聞いていただきたい、こんな思いで私は議論をさせていただきたいと思います。 最初に、今回の特別減税でございます。先ほどから同僚委員の話がいろいろありましたが、二兆円の減税をする、我々野党にとっては、要求はし続けてきたものの、突然でありますから、まことにびっくりしたわけであります。 二兆円の減税というのは、先ほどのお話をずっと聞いておりますと、国と地方、車の両輪だというお話もありまして、結果的に二兆円の中で、もちろん景気が活発になって経済が活性化して増収になるかもしれないけれども、今の状況から見るとまことに厳しいわけでありますから、二兆円、税が入ってこないわけでありますから、それは国と地方で車の両輪で負担をするんだ。国は結局のところ、私はようわかりませんが、二兆円のうち一兆円は地方が負担をする、財政の裏づけをしなければならぬというように私は理解をしておりますが、それでよろしゅうございますか。
○二橋政府委員 今回の特別減税は二兆二百億でありますが、交付税へのはね返り分まで含めますと、今委員御指摘のように一兆七百億円ぐらいは地方の方への影響額になるということでございます。
○桝屋委員 これは、私も減税法案を聞いたときは大変喜んだわけでありますけれども、実際、地方の負担を考えますと、一兆円は明らかに、まあ先ほどからの同僚委員の質問、議論の中で、一般会計における地方交付税の加算措置でありますとか、減税補てん債などなどによりまして当面の措置は出されるものの、しょせんそれは地方の負担として残るわけでありますから、これは決して小さい数字ではないわけであります。 そこで、先ほどから議論が出ておりましたけれども、やはり一つのポイントは、昨年の暮れに財政構造改革、これも私ども反対しました。財政構造改革という国、地方の財政の枠をはめておいて、しかる後に、今の話じゃありませんが一兆円は地方の負担になるんだというような、まさに私どもの新党平和の神崎代表がよく言っているのですけれども、今の政府のやり方はブレーキとアクセルを同時に踏んでいるんだ、したがって国民はむち打ち症になってしまうぞ、こういう指摘もしているわけでありますが、その現象というのは、国よりも地方自治体にまさに出ているわけであります。 財政構造改革法で枠はきちっとはめられたわけです、これから二〇〇三年に向かってしっかりと財政構造改革をやりましょうと。端的に言うと、財政構造改革の本義というのは、これ以上財政赤字をふやすのはやめましょうということだろうと思うのですね。しっかりと枠がはまって、それでもって減税ですから、一兆円をどうするかという話でありますから、まことに地方の立場は、住民の立場からすれば喜ぶ話かもしれませんが、地方財政を担当するものにとってはまことに私は切実な問題だろうと思うのです。 そこでお聞きしますが、今回の二兆円減税も含めて、九年度、十年度、地方の長期債務は一体どういうふうになるのか。 財政構造改革法案のときにいろいろ議論があったようでありますが、私もつぶさに後から資料を見させていただきました。あの法案を議論するときは、平成九年度末で長期債務残高百四十七兆円という資料、これは調査室ですか、つくられた資料を見ておりますが、百四十七兆という数字がありました。しかし、最近の新聞を見ますと、一月十五日の日経には、国、地方の借金残高五百二十九兆円。そのうち地方の借入金の残高は百五十六兆円になるというような話。百四十七兆というように私は理解をしておりましたけれども、この新聞を見ますと百五十六兆。これは九年、十年で一体どういう赤字がふえていくのか、この辺の実態というのはどうなるのか、よくよく御説明をいただきたい。 それから、今回の二兆円の減税でこれにどういう影響が出ているのか、まず御説明をいただきたいと思います。
○二橋政府委員 ただいま委員がお挙げになりました百四十七兆円という数字は、平成九年度末の地方の長期債務の当時の見込みでありました。その後、今の特別減税なりあるいは補正予算におきます事業の追加がございまして、それで、平成九年度末は百四十九兆円、その百四十七が百四十九兆円になっております。 今回、地方財政対策を講じまして、十年度の予算、あるいは地方財政対策によりまして十年度末を見込みますと、今委員がお挙げになりました百五十六兆円になるという見込み、これは十年度末の見込みでございます。
○桝屋委員 先ほど言いましたように、財政構造改革の審議のときに実はこういうスキームが出ていまして、国、地方合わせてこのときは五・四%の財政赤字がある、これを二〇〇三年までに三%にとどめ置くんだ、これが目標でしょう。これは法文の中にも入っているわけでありまして、この中で、地方は、二・二%、これを一・一%程度にするのだ、こういうスキームでだんだんと減っていく、こういう方向ですね。 これがひとり歩きしているのですよ。私も地方で見せてもらいました。大変な時代が来る、どうしましょうかと地方の財政担当はみんな悩んでいますよ。 そんな中で、今のお話じゃありませんが、この財政構造改革の目標を立てたときは百四十七兆であったけれども、九年度末は、これは減税ではない、恐らく補正絡みだろうと思いますが、百四十九兆円、二兆円既にふえておる。それから十年度は、恐らくこの減税の影響もあり、減税は一兆円ですか、二兆円かな、影響が出てきて、百五十六兆程度になる。 果たして財政構造改革というのはちゃんといくのだろうか、こんなスキームどおりいくのだろうか。もちろんこのスキームは、いかなければまた追加措置をとりますよというようなことは書いてあるけれども、実際に地方は目標を与えられて頑張っているわけであります。私は、本当に今回のこの状況というのは、確かにタイムスパンの説明はもう先ほどから何度も聞きました、耳にたこができるほど伺いました。財政構造改革と景気対策は二者択一の問題ではない、二〇〇三年までの中期目標と当面の対応というタイムスパンの問題だと、タイムスパンの異なる問題だと嫌というほど聞きました。 だけれども、地方の財政担当にとってみれば、今のスキームのように、年々歳々、特に十年、十一年、十二年というのは強化年間ですか、このときに本気でやるんだよ、立ち上げのときに、ということでしょう。それで財政構造改革の本義は、さっきも言いましたように、赤字をふやさないということなのですから。しかもふえている。ただ、GDP比は一・九%という何かわけのわからぬ、これも国民から見てもわかりませんよ。ただしかし、十二月に発表になったのは一・九%で、去年が二・三%で、赤字も減っていますというのだけれども、今の話じゃないけれども、長期債務はどんどんふえている。 私は、よく言うのですけれども、サラ金を借りている一般国民の方がよく私のところに市民相談で来られます。聞くと、必ずあっちこっち借金してわけがわからぬようになっています。御自分もわからぬようになっている。まさにこういう状況ですよ、今は。本当に財政構造改革の目標は堅持されるのか。何かもう既に与党の幹部の中では、目標をちょっとずらそうか、もともと二〇〇五年だったんだなんというような議論もありまずけれども。 その辺、大臣、本当に財政構造改革、いくのですね。二兆円減税、大丈夫ですか、こんなことをやって。ちょっと大臣のお話を聞きたいのです。
○二橋政府委員 大臣のお答えの前に若干説明をさせていただきますが、財政構造改革法で決めました一番中心は、委員もお挙げになりました、財政赤字を二〇〇三年まで六年間でGDP比の三%以下にするということであります。その考え方は、もう一つお挙げになりました長期債務の残高、これが累増しないような体質にする、そのために二〇〇三年までに三%に抑えていく、こういうことでございます。 そういうことから、財政構造改革会議で議論いたしました各分野ごとの主要な歳出についてキャップをかける、このうちの特に教育でありますとかあるいは社会福祉でありますとか公共事業関係というのは、直接地方にも非常に影響が大きゅうございます。 したがって、そういう形で主要な歳出にキャップをかければ、国、地方を通ずる歳出の抑制が図られる、そういうことから、十年度は、私どもの地方財政計画の一般歳出はマイナスの一・六ということになっておりますし、国の予算の一般歳出は三角の一・三になっております。それから財政赤字、これは、そのとき、毎年のネットの赤字の増分を財政赤字というふうに考えております。これは国際的な共通の概念でございますが、そういうことでとらえておりますので、平成九年度の二・三が十年度一・九になっております。 ということから申しまして、今の減税によって、その分の借入金の減が、その分だけ減少するスピードが落ちたといいますか、少なくなったということはございますが、基本的な財政構造改革で目指した枠組みというのは、十年度の地方財政対策におきましても守られているというふうに私どもは考えております。
○上杉国務大臣 政府が財政構造改革をやろうとしておるわけですから、地方財政構造の改革もあわせてこれはやらなければならぬ、こういうことでございまして、この問題についての基本を変えるつもりはございません。また、そうしなければならぬ、こう思うのです。 特に、委員は地方財政を非常に心配されておりますが、国との連動として申し上げれば、地方財政の大方を占める、例えば教育、それから社会保障、公共事業で地方財政の七〇%を占めるわけでございます。ですから、地方単独でどうだこうだと言えるようなものではありませんが、地方から見れば特に財政が厳しいわけでございますから、補助事業を受け入れるそのための裏負担、これは、交付税措置として足らなければ、当然、国が国債に頼っております以上は、足りない分はこれは借金をしなければならない。 また、地方単独事業等も、これは大変機動性があって地域住民の皆さんのニーズの高い事業でございますが、これらについても、財源措置がどうしてもできないということであれば、これも借金に頼って財源措置をしなければならぬ、こういうものもあるわけです。 ただ、どういうことを平成十年度を目指して努力しておるかというと、そのようなことを十分踏まえて、財政構造改革、国も地方も財政事情の大変厳しい状態ではありますが、精いっぱいの努力をしておる。例えば地方交付税、地方の方の唯一の自主財源というか財源でございますが、例えば対平成八年度、平成九年度地方交付税の伸びは、一・七でございました。平成十年度は、新年度予算を御協議いただくときに説明も申し上げますが、平成九年度に対しては二・三の地方交付税の伸びというものを示して、新年度予算に対する御論議をいただくということにいたしておるわけであります。そのような努力は非常に厳しい状況の中でもしておる、この事実だけは御理解をいただきたい。
○桝屋委員 大臣は宮崎御出身でありまして、宮崎も大変に地方財政、豊かなところでもないように私も理解しております。地方の状況というのはよくよく御理解を賜りたいとお願いを申し上げておきたいと思うのであります。 特に地方は、本当に、財政構造改革の目標を与えられて、これからどうしていくのかということは、先ほどの、何度も言いまずけれども、何度も言われたから何度も言うのですが、タイムスパンの異なる問題ですよなんというような問題で片づけられたらたまらぬぐらい、地方はこの十年、十一年、十二年、あるいはそれから先のことも、毎年の地方財政、将来の財政赤字の状況も勘案しながら苦労しているわけでありますから、そういうときに今回の二兆円減税の話がぽんと、先ほどの同僚議員の話じゃありませんが、地方に何の説明もなく出てくるということは、地方にとってはたまらない、悲鳴に似た声が出るのではないかと私は思うわけであります。結局どうなるかというと、地方は大変に厳しい財政状況にあるわけでありますから、結局のところ、今言われましたように、こんな財政構造改革に加えて二兆円減税なんということをやられますと、十年、十一年、十二年あたりの強化をしなければならぬこの三カ年については、まさに地方単独事業や一般事業を切り詰めるしかない。それはとどのつまり、福祉予算や特に単独でやっている県、市町村の福祉の事業あたりをばっさり切り捨てる、切り捨てざるを得ないみたいな状況が出てくるのではないかということを私は大変に懸念をいたします。 もう一つ考えられるのは、今借りている借金をどんどん、借金はふえるわけですから、借金を先延べするしかないということで、きのうの、これも日経ですか、自治省は償還期間の延長要請、公債費負担を平準化しなさい、こんな記事が出ておりました。特に、地方縁故債等では借りかえをする、大体三年据え置きで十年ということですけれども、これを二十年にしろとか、そういう手しかなくなってくるわけですね。この中には最後にとんでもない言葉がありまして、実施しない自治体に対しては、起債枠の削減など強硬手段も辞さない構えであるというようなことになってくると、さっきの議論ではありませんが、一体、地方分権というのはどうなるのかということになるわけであります。 先ほどから出ておりますけれども、財政構造改革のあの閣議決定のときも、財政構造改革の中で地方自治あるいは地方分権推進の視点に十分留意するということも出ているのだけれども、全く反するのじゃないか、私たちはそういう気がするわけであります。 この日経の記事の最後の起債枠の削減など強硬手段も辞さないというのは、これは本当ですか。
○二橋政府委員 最初に、最後のお尋ねから申し上げますが、今の地方債の償還期間というのは団体でまちまちでございますが、例えば県で申しますと、十年で二回借りかえて三十年で実際に返しているというところが十団体、それから一回だけ借りかえて二十年でやっているところが十七団体ございます。その片方で、十年で返しているところが十九団体ございます。御案内のように、国の方は国債は六十年で返しておるわけであります。 そういうことから、地方団体の公債費負担が最近急増いたしております。その一つの要因として、これは地方債は施設をつくる等、投資に見合って行っておりますが、その施設の耐用年数を考えて償還期限を設定しなくてはいけないわけでありますが、三十年とか五十年とかという耐用年数になりますが、それに比べて十年というのはいかにも短い。そういうことから非常に急速に公債費負担が急増してきて、私どもにいろいろ財政窮迫の御相談があるケースがございます。 そういう耐用年数に比べて極端に短いところについては、これから金融機関といろいろな条件交渉を設定される際に、そういうことを踏まえて、十年というような極端に短いものについては、もう少し延ばすということをお考えになったらどうかということを申し上げておるわけでございます。そういうことの性格上、今何か制裁的なことをするのじゃないかということが新聞に書かれておりますが、それは全くの誤解でありまして、そんなことをするつもりは毛頭ございません。 それからもう一つ、先ほど、構造改革ももちろん進めなくてはいけませんが、私どもは、その中で地方分権は非常に大事でございますので、構造改革を進めるに当たりましても、構造改革会議の過程、ずっと私ども関与いたしておりましたけれども、その中で、個々の地方団体を拘束するような手法は絶対とるべきではない、したがって、地方財政計画というマクロの中で全体の指標を講じていくべきだというふうに申しております。 そういうことを踏まえて、十年度の場合でも、先ほど大臣が御答弁申しましたように、例えば地方単独事業投資分につきましては、公共事業が七%カットの中で四%のカットにとどめておるとか、それから福祉の関係は、特に私どもは、単独の福祉について地方財政計画で重点的にその財源の確保をしなくてはいかぬということを考えておりまして、十年度の場合には、この一般財源化ということも含めまして四・九%の増ということで、単独の福祉経費というのを地方財政計画で確保している、そういう形で、地方の政策的な予算、政策的な取り組みについての財源確保というのは、その中で精いっぱい努めておるということは御理解いただきたいと思います。
○桝屋委員 私がきょう申し上げたいことは、本当に地方自治体の状況から考えると中途半端な政策はぜひやめてもらいたい。本当に減税をやるのであれば、大胆にしっかり地方にその説明をしてやるべきであるし、場合によっては目標年次を延ばすなど明確な指針を国として示すべきだ。そうでないと、大臣、やはり地方の財政担当は、何度も言いまずけれどもたまらない。地方税や地方交付税の原資となる国税の伸び悩みも当然予想されるわけでありますし、公債費の累積あるいはこれに、減税に伴ういろんな財源手当てということになりますと、本当に地方はどうやっていいかわからないという実態ではないか。 先ほど福祉の問題で、できる限りの努力と言っていますけれども、つぶさにこれも今度当初予算でやりますけれども、何だかんだ言いながら介護保険あたりの基盤整備も、一般の公共事業の歳出減が七%ぐらいですけれども、一〇%近いカットに補助金もなっているという事実もあるわけでありますから、決して、大臣がおっしゃっているようにできるだけやっているなんというようなものじゃなくて、財政構造改革は大変な影響がある。それにまた、わけのわからない減税が出てきているということを私は御指摘を申し上げたいと思うわけであります。 大臣、もう一度確認いたしますけれども、こういう財政構造改革の目標については変えない、考え方も変えないということでありましたけれども、そうであるならば、これ以上の緊急対策、もう与党の幹部が、今度は法人税あたりも実効税率を下げるなんという話も出ているわけでありますから、こういうものがまたぞろ出てきやしないかということを大変懸念するわけであります。株価だってそういう追加措置を期待してきのうだって上がっているわけでありますから、これはまたおやりになるんじゃないですか。そこを最後に大臣にお聞きしておきたいと思います。
○上杉国務大臣 景気対策でさらに追加措置をするのじゃないか、こういうことでありますが、我々は二兆円の特別減税をより効果あらしめるものとして、全力を挙げてこれに取り組み、景気回復というものに方向づけをしなければならない、このように考えておるわけでございまして、後に追加措置がないように、これを実効あるものにしなければならないと考えております。
○桝屋委員 ないようにということですが、大臣、今度出たらちゃんと閣議で、総理から話があったときはちゃんと地方の実情を訴えてもらいたい。ああそうですがなんということで終わらないでいただきたい。ぜひお願いを申し上げて、あとは関連質問で同僚の議員に譲りたいと思います。
○加藤委員長 この際、富田茂之君から関連質疑の申し出があります。桝屋君の持ち時間の範囲内でこれを許します。富田茂之君。
○富田委員 平和・改革の富田でございます。桝屋委員の持ち時間の範囲内で関連質問をさせていただきます。 私の方からは、一月十四日に、元警視庁の捜査二課で汚職捜査を担当していた警察の幹部が逮捕されるという、本当に信じられないような事件が起きました。また、きのうは大蔵省にも捜索が入って大蔵省の幹部が逮捕されておりますけれども、このところ本当に信じられないような事件ばかり続いておりまして、その件に関しまして、警察庁長官と国家公安委員長お二人にお尋ねをしたいと思います。 警察庁の方はこの事件に関しまして、一月二十二日付で「警察職員の規律の振粛について」というふうに題した官房長通達を出しているようであります。新聞報道でこの事実を知りまして、どういう通達が出たんだとお尋ねしましたら、一枚のペーパーで、その要旨だということでいただきました。三点ほど書いてありまして、職業倫理教養及び基本を遵守した職務執行の徹底、これが第一点。第二点として、捜査幹部による捜査管理の徹底。第三点として、身上監督の徹底という通達を出されたようであります。 このような通達が果たしてどの程度の効果が期待できるのか、同じことを繰り返しているんじゃないかというような感じを抱いております。 実は、昨年六月十日のこの委員会におきまして、私の方から、当時警視庁の城東署の巡査長らによる覚せい剤事件のでっち上げ事件というのがありまして、それにつきまして質問をさせていただいた際に、関口長官の方からこういう御答弁をいただきました。「現在、警視庁におきまして、本件事案の徹底捜査を推進いたしますとともに、副総監を中心といたしました検討グループを組織いたしまして、本件事案を惹起しました原因を徹底的に究明し、再発防止を図ることとしております。警察庁としても、既に、職責の自覚と厳正な規律の保持、教養の徹底、さらに、適正な職務執行の確保と中間幹部の業務管理の徹底を内容とする緊急通達を全国警察に発出をいたしまして指導しているところでございます。」というふうな御答弁でありました。 このときの通達とまた今回出された通達、ほぼ内容も似通っておりますし、事件が起きるたびにこういう通達を出しても結局再発防止には役立たなかったのじゃないか。また、このときの長官の御答弁の中の検討グループによる協議の成果ということで、昨年六月に、事件のありました城東署とか新宿署など大規模警察署八署に警務官のポストを新たに創設されまして、署員の指導や勤務評価体制を強化するなど、不祥事の再発防止に力を入れたというふうにも報道されておりました。 このように経過をされたと思うのですが、今回のまたこういう幹部警察官の汚職事件の発生を見ますと、これまで警察庁のとられた通達とか再発防止策というのは結局実らなかった、実効性がなかったのじゃないかというふうに私は思えるのですが、その点、長官はどのように考えていらっしゃいますか。
○野田(健)政府委員 委員から、昨年発生いたしました警視庁城東警察署の不祥事案に関する質問をいただきました。警察としても真剣に再発防止に取り組んでいるところでございます。 当時、まずすぐ気がつきましたのは、国民のための警察という原点を忘れた職務執行が行われて、警察官としての職業倫理の自覚に欠けているのではないか、あるいは警察署長以下の各級幹部の業務管理が十分ではなかったのではないか、そして地域警察官の実績評価が、評価しやすいものに偏りがちであったというような反省点が見られましたので、それに対する対応をすぐ打つように指示したところでございます。 警視庁では、今委員からもお話がありましたように、グループをつくりましていろいろ検討し、一つは、大規模署に警務官を配置したほか、地域課課長代理制の拡充であるとか、個人の業績の評価あるいは実績の評価についてあり方の見直しをする、それから職業倫理の一層の徹底のため、中堅職員の集合教養であるとか、各任用科あるいは昇任時の入校教養におきまして、職業倫理教養の充実を図るというような措置を講じているところでございます。 今回の事案は、これら通達が発出される前に行われていた事件ではありますけれども、今回、このような事件が発生し、さらにいろいろ検討してみますと、とりあえずのところでありますが、基本を遵守した職務執行の徹底とか、あるいは捜査幹部による捜査管理の徹底ということに欠けているのではないかということがありまして、先日、官房長通達を発出し、それぞれ各都道府県警察において措置をとるように指示したところであります。 このほかに、警察庁といたしましては、臨時の全国総務・警務部長会議を開催して、規律の振粛について強い指示を行った、あるいは、本年の教養の重点の第一に職業倫理教養の推進ということを掲げまして、学校教養あるいは職場教養において職業倫理の確保を図るように努力しているところでございます。 これらの指示を受けまして、各都道府県警察においてはすべての警察職員にその趣旨が伝わり、実践されるよう、具体的な方策を今後講じていくということを期待しているところでございます。 本件の事案の発生につきましては、まことに国民の信頼を損なったことでありまして、遺憾に存じているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○富田委員 何か、今の答弁を聞いていますと、前の通達を出す前にもともと起きていた事件だから、またいろいろ考えてもう一回通達を出し直したのだというふうに答弁しているように聞こえるのですけれども、そんなことはないのですね。 今回の事件について、各マスコミがどういう報道をしているか、ちょっと紹介させていただきますと、例えば一月十六日の朝日の社説では、警視庁は警部や上司の懲戒だけで済ませず、このような事件が二度と起きないように、具体的な対策を明らかにして信頼を取り戻す努力をしてもらいたい。あるいは一月十七日の日経の社説では、警察にも回ったバブルの毒というふうな表題をつけて、警察組織全体の点検が必要だ、相互チェックが働く柔軟性を組織に取り入れる必要があるというような指摘をしています。 また、一月十六日の毎日の社説では、事件を徹底的に捜査するのは言うまでもないことだが、なぜ起きたのか、どうして早期にチェックできなかったのかを解明し、国民に明らかにしてほしい、どうして組織のチェックが機能しなかったのか、どこに問題があるのかを調査し、再発を防ぐために何を直すのかを公表する必要がある、こういうふうに批判しています。 去年の六月の委員会のときに、私も、また共産党の穀田委員も同趣旨の質問をされておりましたが、問題点と再発防止の具体策をきちんと国民に明らかにしろということを私も穀田委員もお願いしました。どういう経過でこういう事件が起きたのか、また、警察庁として本当にどういうふうに取り組んでいくのかをきちんと国民の目に明らかにしてほしいというふうにお願いしましたが、そういうことはされずに、委員会の翌日、こういう処分をしましたという一枚っぺらが、委員部の方から、警察庁の方から来たのかよくわかりませんが、回ってきた。 そういうふうな体質が、やはり今回のような事件をまた起こしてきているんじゃないかと思うのですね。通達前の事件だからもう一回通達を出したんだというのは、それはとても納得できない今回はきちんと問題点をえぐり出して、本当に具体的な再発防止策を警察の方で検討して、国民の前に明らかにすべきだと思いますが、長官、その点どうですか。
○関口政府委員 委員御指摘のとおり、警察職員による不祥事案が依然として発生をいたしておりますことをまことに遺憾に存ずるところでございます。その発生の都度、私どもとしては、その原因究明、そしてまた対策ということを考えているところでございますが、委員御指摘のとおり、一片の通達によって実効が上がるものとは私考えておりません。問題は、その通達の趣旨なりなんなりというものを第一線の警察職員一人一人にいかに浸透させていくかということでございまして、そのことに腐心をしているわけでございます。 いかにしてもこうした不祥事案というものをなくしていかなければいかぬということでございまして、通達を発しますとともに、ただいま官房長が御説明を申し上げたとおり、その関係者の会議等を開き、具体的にそれをどうするかというふうな問題あるいは仕組みをどうするかということ等につきまして、種々検討をし、また実践をしているところでございます。 そして、第一線におきましては、これは例えばの例でございますけれども、各所属ごとに具体的な例を引きながら、グループ討論するなりあるいは意見発表会をするなり、三分間スピーチというふうなことで自分の所見を述べさせるなり等々の工夫をいたしているところでございます。 今後とも、職員個々の倫理意識の高揚等に最大限の努力を図りながら、この種事案の絶無というものを期してまいる所存でございます。
○富田委員 長官の御苦労はよくわかるのですけれども、私の質問に何も答えていないんだ。国民に明らかにする、公表してほしいということについてどう考えるかとお尋ねしているのに、それについては何も答えない。まあ何度聞いても同じ答えでしょうから、委員長、ぜひお願いしますが、当委員会あるいは理事会に、今回の事件、なぜこういう事件が起きたのか、また、どういう具体的な再発防止策を警察庁としてとろうとしているのか、きちんと報告させていただいて、委員会で審議するなり、また、理事会できちんと協議していただきたいと思いますが、その点、委員長にぜひお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。 あと、もう時間もありませんので、国家公安委員長に最後にお尋ねしますが、本件に関して、国家公安委員長は、一月十六日の閣議後の記者会見とか、あるいは一月十九日の予算委員会の答弁に立たれて、国家公安委員会としても、綱紀の粛正あるいは職業倫理の確立について徹底していくというような御答弁、また、この責任問題について何らかの形でけじめをつけなければならないというふうに御答弁されております。具体的には、これはどういうことを考えられているのかというのが一点。 もう一つ、ちょっと時間がありませんので一緒に質問させていただきますが、こういう事件が起きたときに、先週末、ちょっと新聞を見ていて唖然としたのですが、今、国家公安委員である一人の委員、長岡さんという委員がいらっしゃると思うのですが、この方が今度プロ野球のセ・リーグ会長になる、国家公安委員の兼務を許可されたらセ・リーグ会長になりますと。何を考えているんだ、国家公安委員というのはそんな軽いものなのか。 今回、警察でこういう事件が起きているのに、自分は国家公安委員を兼務してプロ野球のセ・リーグ会長もやらせてもらいたい、こういう不見識な発言をしないように、国家公安委員長としてもきちんと指導をしていくべきじゃないか。また、これは総理の許可が要るようですが、こんなことを許可しては絶対いけないと思うのですね。 一線の警察官は、何だと思うでしょう。国家公安委員がこういうふうに兼務してプロ野球の会長もやる、そういうところがら緩みが出てくるのじゃないかというふうに私は思うのですが、その点について、国家公安委員長の御意見を伺いたいと思います。
○上杉国務大臣 最初の質問にお答えしますが、私の気持ちの中にありますものは、事件が今解明をいたしておるわけでございます、解明の途中でございますから、時期の問題もあろうと思いますが、事件が解明した後は、これは当然厳正に責任問題の対処というものをやらなければならないと考えております。それは、当然そうされるべきものと私は信じておるわけでございます。 また、なぜこういう問題が起こったかということについての私の考えを申し上げれば、捜査段階における情報の管理というものは組織でやっているわけですから、情報を個人で管理すべきものではない。情報は、組織の中で、公のものとして、これをそういうことにしておればこういう事態にはならなかったのではないか、そのような気持ちがいたします。 それから、先ほどの、報道に基づくプロ野球セ・リーグの問題でございますが、これについては、国家公安委員の長岡さんから二十三日に私には直接電話がございました。 先日、この連絡を受けまして、実は私がやるということではなくて、事務局からこういう要請があった、こういうことでございます。この問題については、私はやるとかやらないとかいうことではなくて、この対応に大変苦慮しておったわけでございますが、マスコミの察知するところとなり、この問題について要請があったということを申し上げ、また、許可がなければできるものではないからというような、新聞に出る前のことでありますから、そういう話でございました。 それで、同会長の就任につきましては、御指摘の点、国民の皆さんから意見があることも当然のことと思います。法律によりますと、内閣総理大臣の承認を要することになっておりますから、これは当然、総理としても、法律に基づきまして、国家公安委員会の委員としての職務に支障があるかどうかについては十分検討されなければならないであろう。 十分検討した上で、また、警察における不祥事が次々起こっておることでございまして、その委員会の委員として問題ないのか。これは、私の聞くところでは、就任のめどは三月の六日のようでございますが、それまで時間もあることでございますから、当然時間をかけて慎重にこれは協議をされ、検討され、そして判断をされるべきものと考えております。
○富田委員 国家公安委員というのは本当に重要な立場ですので、できる限り兼務のないように、そういう人選をするという方向で多分これまでも動いてきたと思いますので、今国家公安委員になっている方が別の職務を兼務するというのは非常に不自然だと思いますから、その点、大臣の方からもぜひ総理に意見を言っていただきたいと思います。 時間が来ましたので、質問を終わります。
○加藤委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○加藤委員長 速記を起こしてください。 正午より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時二十三分休憩 ————◇————— 午後零時四分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕