消費者問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1998/04/02
会議録
○前田委員長 これより会議を開きます。 物価問題等国民の消費生活に関する件について調査を進めます。 この際、尾身経済企画庁長官から所信を聴取いたします。経済企画庁長官尾身幸次君。
○尾身国務大臣 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、去る二月十六日、本会議場における経済演説において明らかにしたところであります。本日、消費者問題等に関する特別委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し述べさせていただきます。 我が国経済は、最近の株価の動き等金融市場の動向に見られるように、市場心理には一部好転の兆しが見られるものの、金融機関の経営破綻、アジア地域における通貨・金融市場の混乱等を背景に、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼしているなど、景気は引き続き停滞しております。 このような背景には、次のような構造的な問題、すなわち、第一に金融機関や企業の不良債権問題、第二に日本的な経済システムの制度疲労の問題、第三に産業の空洞化の問題があり、これらを早急に解決する必要があります。 このため、私は、民間需要を中心として経済序順調な回復軌道に乗せ、もって豊かな国民生活の実現を図っていくことを基本とし、次の五つの点を中心とした諸施策に取り組んでまいります。 第一に、金融システムの安定性確保と不良債権問題の早期解決であります。 預金者保護と金融システムの安定を図る観点から、合わせて三十兆円の資金を活用できることとしたほか、いわゆる貸し渋りの問題に対しても、総額約二十五兆円の資金を用意するなどの措置を講じてまいります。また、土地の有効利用や土地取引の活性化のため、地価税を凍結し、また、法人の土地譲渡益追加課税の適用停止等の土地税制の改正を行うこととしております。 第二に、規制緩和を初めとする経済構造改革の推進と新たな発展基盤の整備に努めてまいります。 政府は、昨年十一月に、規制緩和を中心とする経済構造改革等を柱とした「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」を取りまとめました。具体的には、情報通信分野の規制緩和、都心の商業地域等における容積率の抜本的緩和等を含め、広範な措置を講ずることといたしました。さらに、そのフォローアップ及び追加策について引き続き検討してまいりましたが、そのうち規制緩和措置につきましては、三月三十一日の規制緩和推進三カ年計画の中に盛り込まれました。政府としては、今後とも引き続き経済活性化の観点から規制緩和を中心とする経済構造改革を推進してまいります。 また、独創的で幅広い産業のフロンティアを開拓する環境を整備するため、産学官連携による研究開発環境の整備を進めるなど、科学技術創造立国を目指して科学技術の発展に重点的に取り組んでまいります。さらに、研究開発力を有する将来有望なベンチャー企業を初めとする新規産業の創出のため、リスクマネーの供給、人材の育成と移動の円滑化、適切な知的財産権の保護の強化等に力を注いでまいります。 なお、経済構造改革とともに、財政構造改革も車の両輪として推進していく必要があると考えております。 第三に、企業にとって魅力ある事業環境を整備し、産業の空洞化に対応してまいります。 法人課税については、その水準を国際水準に近づけていくことが重要であり、国、地方を合わせた法人課税の実効税率を約三・六%引き下げることとしております。また、金融のグローバル化等に対応し、有価証券取引税の税率を当面二分の一に引き下げるなど、金融・証券関係税制を改正することとしております。 第四に、豊かで安心できる国民生活の実現であります。 我が国は、国民一人当たり国内総生産で見れば世界のトップクラスとなっておりますが、経済活性化の成果が生活に反映され、真に豊かさを実感できる経済社会の形成に向けて、なお一層の努力が必要であります。 我が国は、都市における地上過密、空中過疎の問題と、都市と地方の間の過密過疎の問題を抱えており、長期的な視野に立って、ゆとりある居住スペースやオフィススペースの実現、国民の行動範囲の拡大など、スペース拡大を図ってまいります。 また、消費者の自立を支援し、消費者と企業が自己責任に基づいて行動できるような市場ルールを整備することが不可欠であります。現在急増している契約をめぐるトラブルに対応して、消費者利益の擁護、増進を図るため、いわゆる消費者契約法の早期立法化に向けて努力してまいります。 さらに、国際化や高齢化の進展などの環境変化の中で、いわゆるNPOは今後重要な役割を果たすものと考えられ、その活動を促進するための環境整備を積極的に図ってまいります。 物価につきましては、国民生活への影響が大きい公共料金について、事業の効率化を通じ低廉化を進めるため、参入規制の緩和により公共料金分野に競争を導入するとともに、コスト引き下げ努力を促すような価格設定方式の改革、事業効率化の監視のための情報公開を推進してまいります。 第五に、我が国が世界とともに繁栄していくため、世界経済の持続的発展に貢献してまいります。 通貨・金融市場の混乱等の困難に直面しているアジア諸国に対し、IMFを中心とする枠組みの中でできる限りの支援を行うとともに、経済協力の面でも、アジア地域に重点を置き、経済インフラの整備、人材育成、中小企業・すそ野産業育成等を重視した支援を行い、この地域の発展を一層促進するよう努めます。 平成十年度経済は、以上申し上げた政策対応に加え、二兆円規模の特別減税を行うことにより、これらの効果が徐々に本格化し、また、平成十年度予算及び関連法案を早期に成立させていただくことにより、企業や消費者の我が国経済の先行きに対する信頼感の回復が期待されることから、次第に順調な回復軌道に復帰してくると考えております。 もとより政府としては、今後とも、内外の経済、金融の実情に応じて、経済活性化に向けて、適時適切な経済運営に努めていくことは言うまでもありません。先般、与党三党より御提案いただいた総合経済対策の基本方針につきましては、これを重く受けとめ、政府としての対応について結論を出してまいります。 我が国経済は、二十一世紀の新たな発展のために、従来の発想を抜本的に転換し、民間部門中心の強靱で活力に満ちた経済へと体質を変えていくべき極めて重要な段階にあります。そして、政府の役割は、規制緩和等を通じて、民間部門の活力を最大限に発揮できるよう、発展のための基盤を整備することにあると考えます。 我が国は、これまでに蓄積してきた千二百兆円の個人金融資産等の資本、教育水準の高い人的資源、高度な技術基盤やそれを支える文化的基盤など、新たな発展を実現するための高い潜在的能力を有しております。構造的諸問題を克服し、将来世代のためにこれらのプラスの蓄積を未来に向けて発展、継承していかなければなりません。 そして、経済構造改革の必要性については、国民的コンセンサスがあります。経済の実情に応じた各種の施策の総合的推進により明るい展望が開かれ、一たん回復軌道に乗れば徐々に力強い足取りの景気拡大につながっていくものと考えます。 改革と展望が生み出す活力ある二十一世紀を目指して、国民の皆様が元気を出して仕事に取り組んでいただけるよう、私は微力ながら精いっぱい努力してまいります。 本委員会の皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)
○前田委員長 次に、消費者行政及び物価対策関係経費の概要につきまして、政府から説明を聴取いたします。経済企画政務次官栗本慎一郎君。
○栗本政府委員 平成十年度の消費者行政及び物価対策の関係経費の概要について御説明申し上げます。 政府は、現在、経済構造改革を強力に推進し、生活者・消費者重視の経済社会の実現に努めているところでございます。御承知のように、消費者を取り巻く環境が急速に多様化、複雑化する中で、消費者取引におけるトラブルの急増に対応するためには、消費者政策の重心を消費者の保護から自立に対する支援へと移行し、消費者と事業者の間の市場ルールの整備や活用を図ることが重要となっております。また、現在、物価は極めて安定しておりますが、引き続き国民生活安定の基礎である物価安定の維持に努めるとともに、我が国経済の高コスト構造の是正を一層進めていくことが重要です。 政府としては、こうした認識に基づき、消費者行政及び物価対策を重点的に展開することといたします。 まず、平成十年度の消費者行政関係経費でございますが、お手元に配付されております資料に、各省庁の消費者行政に係る経費を整理してお示ししております。 一枚目、二枚目は、消費者行政関係経費を消費者保護基本法の体系に沿って十二の項目に分類しており、「危害の防止」から「契約の適正化」までの最初の六項目は、主として事業者活動の適正化を内容とする事項であります。項目七の「消費者啓発」以下の諸項目は、主として消費者が自主的、合理的な消費生活を営むことを支援する内容のむのであります。 消費者行政関係経費を合計いたしますと、二枚目の表の一番下の欄にありますように、約二百四十四億円となり、前年度に比べ三・七%の増となっております。 なお、本年は、消費者保護基本法が制定されて三十周年を迎えます。これを機に、消費者政策の一層の展開を図ってまいりますが、委員各位におかれては、今度とも御理解、御協力、御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、平成十年度の物価対策関係経費でございますが、お手元に配付されております資料の三枚目、四枚目に、「低生産性部門の生産性向上」、「生活必需物資等の安定的供給」等、物価の安定に資することとなる各省庁の経費を七項目に分類整理してお示ししております。 物価対策関係経費を合計いたしますと、四枚目の表の一番下の欄にありますように、四兆八千二百三十三億円と、前年度予算に比べ六・九%の減となっております。主要経費を項目別に見ますと、競争条件の整備のための経費が増加している一方、その他の経費は公共事業関連予算の削減等の関係で減少しております。 最後に、五枚目は、診療報酬及び薬価基準の改定等、平成十年度予算に関連する主要な公共料金の改定をまとめたものでございます。 以上、平成十年度の消費者行政及び物価対策の関係経費の概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○前田委員長 次に、平成九年における公正取引委員会の業務の概略につきまして、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。公正取引委員会委員長根來泰周君。
○根來政府委員 平成九年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の違反行為については、内外の事業者の公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を確保するとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合等二十七件について法的措置をとり、違反行為の排除を命じたほか、十三件の警告を行いました。また、十件の価格カルテル、入札談合事件について、総額五十九億千百八十四万円の課徴金の納付を命じました。さらに、東京都発注の水道メーターに係る入札談合事件について、製造業者等二十五社及び受注業務に従事していた者三十四名を検事総長に告発しました。 独占禁止法における企業結合規制については、持ち株会社の全面的な禁止を改め、事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社のみを禁止することとされましたところ、これとあわせて、禁止される持ち株会社の解釈を明らかにし、法運用の透明性を高めるため、「事業支配力が過度に集中することとなる持株会社の考え方」を公表しております。 独占禁止法の適用除外カルテル等制度については、一括整理法により二十の個別法に基づく三十五の制度について廃止等の措置が講じられましたところ、残されたものについて引き続き検討を行ってきたところであります。 また、再販適用除外制度については、公正取引委員会の指定により再販適用除外が認められていた化粧品等二十八品目の指定を平成九年四月から取り消しており、これによって再販指定商品はすべてなくなっております。さらに、著作物の再販適用除外制度の見直しについては、公正取引委員会としての結論を得るため、必要な検討を行ってきたところであります。 事業活動及び経済実態調査については、競争政策の観点から、一般用カラー写真フィルム及びカラー写真用印画紙に関する企業間取引の実態調査、ペースメーカー等医療用具の流通・取引慣行に関する実態調査等を行い、それぞれ結果を公表しました。 不当景品類及び不当表示防止法に係る業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示、の排除に努め、四件の排除命令を行ったほか、四百六十二件の警告を行いました。また、消費者に対する適切な情報提供等の観点から、有料老人ホームの表示・契約等の実態について調査を行い、その結果を公表しております。さらに、景品規制の見直しを進め、業種別の景品規制について、平成九年末時点で、二十九の業種別告示のいち、二十八について見直しを完了しております。 以上、簡単でございますが、業務の概略について御説明申し上げました。 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手)
○前田委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十六分散会