商工委員会 第8号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1998/04/10
会議録
○斉藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。堀内通商産業大臣。 ————————————— 商品取引所法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○堀内国務大臣 商品取引所法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 食料、鉱物等の多くを輸入に依存する我が国において、商品先物市場は、価格変動リスクの回避、公正かつ透明な価格指標の提供等の機能を有する重要な産業基盤であります。しかしながら、我が国の商品先物市場は、海外の商品先物市場に比べ、おくれをとっており、外為制度が改正される中、現状のままでは我が国の商品先物市場からの資金流出の進行が懸念されます。 本法律案は、我が国経済の活性化及び経済構造の改革に資する観点から、我が国の商品先物市場が内外の環境の変化に対応し、アジアを代表する市場として発展していくため、委託者保護の強化を図りつつ、その利便性及び信頼性を向上させる措置を講ずるものであります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、我が国商品先物市場の利便性の向上を図ることであります。すなわち、開設期限を定めた商品市場の開設について認可基準を緩和し、円滑かつ的確に商品の上場が行われるようにいたします。また、商品市場の流動性の増大及び取引コストの削減を図るため、従来、個別の商品市場ごとに行っていた商品取引員の許可制度を改善し、複数の商品市場について許可を行うことができることとするとともに、商品取引員に対する委託の取り次ぎの解禁、許可更新の期間の延長、委託手数料の自由化等の措置を講ずることとしております。 第二は、市場の信頼性の向上を図ることであります。すなわち、委託者保護の強化のため、顧客の知識、経験、財産の状況に照らして不適当な勧誘の禁止、誠実、公正義務の導入等を行うこととしております。また、監視、監督及び紛争処理体制の強化のため、公正かつ中立的な自主規制機関として商品取引員により設立される商品先物取引協会において、あっせん、調停委員会の設置、会員に対する制裁等を行うほか、商品取引所における市場取引監視委員会の設置等を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○斉藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○斉藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
○倉田委員 平和・改革の倉田でございます。 質問に資料を使いますので、委員長に御許可をいただいて配らせていただきたいと思いますが。
○斉藤委員長 どうぞ。
○倉田委員 後で使わせていただきますので、よろしくお願いいたします。 今回の商品取引所法の一部を改正する法律案でございますけれども、私は、改正の目的である市場の利便性と信頼性の向上、これは非常によく理解をできるわけであります。 ただ、これから質問いたしますけれども、利便性の向上、これが、利用者の利便性の高い市場という名目で、その実質が新規商品上場の円滑化、あるいは商品取引員資格の見直しや業務規制の緩和など、結局市場の利便性、業界の利便性、こちらの方に主に重点があって、間接的に利用者もその利便性が高まる、つまり市場の利便性ということが利用者自体の利便性の向上ということに間接的にはつながるとしても、利用者自体の利便性という視点がどうなっているのか。 また一方で、利便性の向上ということで、今まで議論になったわけでありますけれども、一般委託者が増大をするということで、この面からのトラブルが増大をしないのか。 また、我が国の先物市場取引では、この市場参加者は、商社とか商品取引業者、一般委託者が主だと言われています。いわゆる当業者参加は非常に少ないと言われている。アメリカあたりの比率からすれば、それは非常に逆転をしている現象がある。本来市場に期待をされているリスクヘッジあるいは価格指標の提供という機能は、本来的に言えば当業者のためにあるのではないのか。 そうだといたしますと、当業者が少なく、一般委託者が市場の主な参加者というこの市場の現状をどう考えればいいのか、そういう問題意識で、私は、特に一般委託者の保護という観点から、現在の営業の実態等々、この点について質問をいたしたいと思います。いわゆる委託者トラブルの適切な防止策の施策なくしてこの法案の一つの目的であります国際化や市場の信頼性の確立というのはあり得ない、こう思うからであります。 そこで、まず、この先物市場ということで、新聞紙上でもいろいろ問題にされていることが多いわけであります。市場の信頼性の向上ということが今回の改正の一つの目的でありますけれども、現在、市場に対する信頼性というのをどうお考えになっているのか、まずこの点からその認識をお伺いしたいと思います。
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。 市場の信頼性の向上という観点につきまして、特に委託者保護という側面から平成二年に商品取引所法改正をしていただきまして、自来、委託者財産の分離保管制度を導入をいたしますとともに、自主規制機関を設立いたしまして、自主規制ルールの整備によりまして委託者保護の改善に取り組んできたわけでございます。しかしながら、依然として委託者からの苦情件数は顕著な減少を見せないという実情にあることは、否めないところでございます。 そのような実情を踏まえまして、今回御提案を申し上げております法律改正案におきまして、誠実、公正義務あるいは適合性原則などの委託者保護に関する制度を新たに法的に導入をいたしまして、同時に、自主規制機関につきましても、法令違反などを行った会員に対する制裁措置の実施を義務づけるという仕組みに変える一あるいは紛争処理の体制を充実するといったような形で、自主規制機関の機能の抜本的な強化を図るということにいたしておるわけでございます。 これらの措置によりまして、一層の市場の信頼性の向上が図られるということを期待しておるということでございます。
○倉田委員 今お答えいただきましたように、今回の改正が委託者保護の強化、さらに紛争処理体制の充実、それを一つの柱としていることは評価ができるわけであります。さらに積極的に進めていただかなければならない、こう思います。 そうしますと、要するに、いわゆる委託者トラブルがいかに少なくなっていくか、それが一つは市場の信頼性の大きな指標だと思うのですね。そういう意味からすれば、今お答えいただいた話もその具体的な内容が問題になるのだと思いますし、市場の実態が問題になるのだろうと思います。今回の法案の中にも適合性原則あるいは誠実、公正原則というのが盛り込まれるわけでありますけれども、その具体的な中身、これが盛り込まれることによっていわゆる委託者トラブル等はどういうふうに少なくなっていくのか、どういうふうに機能していくのか、この点をまず確認しておきたい。
○岩田政府委員 適合性原則あるいは誠実、公正原則の点でございますが、御案内のとおり、適合性原則は、顧客の知識などの状況に照らしまして不適当な勧誘を禁止するというものでございます。 その運用上の具体的基準につきましては、自主規制機関が定める受託業務管理に関するガイドライン、これを策定することを予定いたしておりますが、これに基づきまして、各商品取引員が各取引員の受託業務管理規則で必要な事項を定めることとなるわけでございます。受託業務管理規則あるいはその運用に基づく勧誘が委託者保護に欠けるということになりますれば、自主規制機関のレベルにおきます制裁というような措置、あるいは行政のレベルにおきます業務改善命令などの行政処分というようなものによって是正をさせるということを予定をいたしておるわけでございます。 一方、誠実、公正原則につきましては、顧客利益を尊重して業務を遂行することを求めるものでございまして、契約の締結前、契約の締結後を問わず、商品取引員が顧客との関係すべてにおいて遵守が求められるというものを法律的に明示をいたしたわけでございます。それに反した場合には、これまた自主規制機関におきます制裁等々の措置、あるいは行政レベルにおきます許可の取り消しあるいは受託停止命令というようなことを行うことを予定をいたしておるわけでございます。
○倉田委員 ルールというものが明確になって、そしてそのルールにのっとって市場が動いていく、あるいはそのルールにのっとって営業の実態がある。それに違反したら、違反に対する制裁措置等はきちっとやる、こうやっていかなければならないと思いますし、そうやっていけば、恐らく一般委託者とのトラブルというのは私はずっと減っていくのだと思うのですね。しかし、これは私は昨年の予算委員会の分科会でも質問をさせていただきましたけれども、業界の実態というのは必ずしも今まではそういうふうには動いていない。社団法人日本商品取引員協会の中でも、現在の営業のあり方というものについては相当深刻な問題意識を持っておられることは、私も取り上げさせていただきました。 そのことから、現在まで検討はされている、そして何とかしなければならないという問題意識があったとしても、現在に至ってその抜本的な改善あるいはいわゆる紛争、トラブルあるいは一般委託者の被害感情というのが、被害意識というのが少なくなったとはどうも思えない。この辺、ちょっと一般的になりますけれども、当局としては、一般委託者とのトラブル、先ほど決して減ってはいないという御答弁でありましたけれども、この原因はどこにあるというふうにお考えになっておりますか。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、委託者数が着実に一方で増加している中ではございますけれども、トラブルにつきましてはほぼ横ばいというのが大方の流れでございまして、依然としてあるわけでございます。 その中身について見てみますと、過当勧誘でございますとか仕切り拒否あるいは無断売買といったものが大半でございます。こういったことは、商品取引員あるいはその外務員の営業姿勢のあり方にいまだ問題が残っていると言わざるを得ないというふうに思うわけでございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、今回の改正によって、こういったことを踏まえて委託者保護の拡充を図るということで臨んでおるわけでございます。
○倉田委員 先ほど委員長にお許しをいただいて、委員の皆様方のお手元に資料を二枚配らせていただいております。一枚は、いわゆる専業業者の勤続年数と平均年齢、そして外務員の一人当たりの手数料収入。これは、東洋経済の一九九七年九月十七日に臨時増刊された本の中で「九七年三月期決算 専業八十二社のすべて」という資料の中からこの点のところを抜き出したものであります。 これをちょっと見ていただくとおわかりいただけると思うのですけれども、上の方の表は勤続年数を主なベースとして取り上げております。下の方は平均年齢をベースとして取り上げておりまして、右手の方に外務員一人当たりの手数料収入ということで書いてあります。 一番、二番、三番と大体大きなところはここに入っているというふうに見ていいと思いますが、勤続年数の一番最初のものは、これは一九九六年の設立て九七年三月の決算でありますから勤続年数が〇・四ということで、これはちょっと外に置くといたしましても、いわゆる一九五〇年代から一九六〇年前半にかけてつくられたもので非常に一人当たりの手数料収入が多いと言われるところの勤続年数が、平均的に一年から三年に満たない。これは一般事業員の話であります、事業員の中にもちろん登録外務員という方も含まれるわけであります。平均年齢も大体二十代後半から三十代。平均年齢の上の方から十五位まで見ていけば二十代半ばが中心、こういうふうにこの表は見られると思うわけであります。 私がこの表を見ながらちょっと問題提起をしたいと思いましたのは、平均的に非常に勤続年数が短い、若い人が特にやっている、これはどこに原因があるのだろうか。一般的に人がどんどんかわる。どんどんかわるというふうにこれを見ていいのかどうかということについてはもしかしたら違う意見もあるのかもしれませんけれども、非常に勤続年数が短くて、若い人がやっているということにはやはり問題がありはしないのか、こう思ったわけですね。この原因はどういうふうにお考えになりますか。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の資料で、平均年齢が大変若い企業、あるいは勤続年数が短い企業が挙げられておるわけでございます。ただ、日本商品取引員協会がディスクロージャーの対象としております専業型の商品取引員八十社の平均で見ますと、従業員の平均年齢は三十一・四歳、これは単純平均でございます。それから、平均勤続年数は、これまた単純平均でございますが、五・七年ということでございます。それから、この八十社の中には、平均年齢が四十五歳以上の企業もございますし、勤続年数が十五年以上の企業も数社ございまして、かなり企業によってばらつきがあるというのも実情でございます。 ただ、全産業の平均と比べてみますと、御指摘のとおり、平均年齢あるいは平均勤続年数が短いことも事実でございます。ちなみに、労働省の賃金構造基本統計調査報告によりますと、全産業の平均でいきますと、平均年齢が三十九・三歳、平均勤続年数が十一・六年ということでございまして、やはりこの商品先物の業界の短さということもあるわけでございます。これにつきましては、企業ごとにばらつきがあることとも相まちまして、いろいろな要因があろうかと思うわけでございますが、先物取引そのものが大変ハイリスクでありまして、委託者との間でトラブルが大変生じやすい性格であるといったことも、一つの要因として挙げられるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○倉田委員 委託者との間のトラブルという問題でいえば、協会の方で、登録外務員制度というのか、資格試験をやっておられて、登録外務員という資格を持っておられる方でないと営業はできないわけであります。 そうすると、その資格を持っておられる方々とその委託者との間でトラブルが起こっている。そこで、この登録外務員の資格試験というのは一体どういうものなんだろう。先物取引自体が非常に難しいものだと思われている。この試験というのは、ではその難しい取引を扱う難しい試験なのかどうかということで、ちょっと私もそちらの方の資料を調べてみたわけでありますけれども、平成三年度で四千六十八名、平成九年で四千百三十七名の受験者があって、平成三年度では三千七百三十七名、平成九年度では三千五百九十八名が合格をされておられる。八三%から八五%、大体八〇%以上の合格率の試験である。 それで、先ほどの最初の方の表、登録外務員一人当たりの手数料収入、この一番のところは、下の方の表で、平均年齢が二十六・一歳で勤続年数は三・九年、この二番のところは、勤続年数は一・四年で平均年齢は二十八歳。やはりどうも定着率も悪いし、この資格試験そのものも何か問題があるのではないのかという気もしてならないわけです。 一般委託者が登録外務員資格証という身分証明書を見せられて、私は登録外務員の資格を持っておりますということになると、委託者の方はその資格を見てそもそも安心するのではないのか。こういう試験に通って資格を持った人が勧誘してくれるわけだから、きっといいかげんなことはするわけがない、こういうふうに思うのではないのかと思うのですね。 そういたしますと、一方で、その資格に伴う責任というのか、それが果たしてきちっと果たされているのかどうか。場合によれば、これは全体ではないと思いますけれども、悪質な登録外務員がいれば、まさにこの登録外務員証そのものが一般委託者をその勧誘に引き込む。ある意味では、ハイリスク・ハイリターンということは説明しなければいけないのですけれども、絶対もうかりますよ、ちゃんとこの資格は公的なものなんですよなんという話りで勧誘の道具に使われているのではないのか。悪い言葉で言えば、詐欺的な勧誘方法をやっていれば、この資格のカードそのものがだましの手口に道具として使われている可能性があるのではないのか。 私は、そういう資格試験がきちっとあるのであるとすれば、一方で、その資格に伴う責任ということが、まさにこの市場に対する信頼性を高めるためにはそちらの側面の方が必要なんだろう、こう思うわけです。 それで、この試験と資格については、通産省はどう関与しておられますか。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 登録外務員の資格試験でございますが、これは、外務員の登録に際しまして、商品市場における取引の受託または委託の勧誘等を行うために十分な知識を有しているかどうかを審査するものでございまして、現在は日本商品取引員協会において実施されておるということでございます。
○倉田委員 通産省は、そういう資格試験があって、その資格を持っていないと営業はできないよということは承知をしておられるわけですけれども、この資格試験あるいは登録外務員の方が実際に営業をやっていて委託者との間に非常にトラブルが生じているという現実、これを考えたときに、これがいいのかどうかちょっと私もわかりません、通産省が、逆にこの資格試験に関与して、まさにこれは通産省公認の、お墨つきの資格試験ですよとなったときに、ますますみんな安心して被害が大きくなってくるという現実も逆に出てくるのではないのかなという気が私はするわけです。 一方で資格試験があって、資格があって、委託者に安心をさせるということであれば、やはりもっと何らかこの資格制度あるいはその登録外務員の資格証というものに対して、重い責任とペナルティーを科す必要があるのではないのか、こう思いますけれども、この点はどうですか。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 この登録外務員の制度でございますけれども、商品取引所の登録を受けるに当たって資格試験をやっておるということでございますが、御指摘のように、この資格とそれに伴う責任というのは大変重要でございますし、私どもとしては、この資格にふさわしい行動をとっていただきたいというふうに思っておるわけでございますが、今回の制度改正におきまして、この外務員登録を主務大臣が行う事務ということにいたしておりますので、こういったことから、これを機会に、今後とも必要に応じて外務員の資質の向上に資する上でどういう外務員試験あるいは資格のあり方がふさわしいか、改めて見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
○倉田委員 まさにその資格に伴う責任という側面から、これはぜひ見直していただきたいと思いますし、検討していただきたいと思います。 そこで、大臣、先ほど表もごらんになっていただいたと思うのですけれども、例えば、外務員手数料が一人当たり五千五百十万を上げている業者は、勤続年数は三・九年、平均年齢は二十六・一歳。五千二百八十万を上げている会社は、平均年齢二十八歳、勤続年数一・四年。私は、定着率としてはやはり非常に悪いと思うのです。この定着率の悪さ、あるいはこの現状というものについて、大臣はどうお考えになりますか。
○堀内国務大臣 先生の御指摘の資料によりましても、定着率の悪さというのが非常にはっきり出ているわけでございます。 先ほど政府委員の方で御答弁申し上げましたように、商品先物取引市場の業界における従業員や外務員の平均勤務年数が短いというのにはいろいろな理由があると思いますが、やはり商品取引員に対する一つの信頼性や市場が確立されていないという、不安定な面というものがやはりあるのではないかというふうな感じもいたしますし、いろいろの問題点があると思います。 先生からいろいろ御指摘いただいたような問題点もあると思いますが、商品取引員の従業員の年齢構成やあるいは経営姿勢が委託者の利益を損なうことにつながるようなことになってはいけないというふうに考えますので、外務員を初めとして、しっかりとした体制の中で取り組ませることをしていかなければならないというふうに考えております。 そういう意味で、今回の改正においては、外務員についても、通産大臣の許可に切りかえをするようなことをいたしましたり、あるいは顧客の知識だとか財産だとかあるいは経験というものに照らして、そういうものをよく熟知した上での勧誘をしなければいけない。無差別に勧誘をして、また老人などの方々に、ハイリスク・ハイリターンということではなくて、もうかりますよということだけを言って勧誘するような、そういうような勧誘を禁止する、いわゆる適合性の原則を導入いたしましたり、委託者保護の強化を行うということを今度の法律で行っているわけであります。 こうした制度の改正によりまして、商品取引員の企業体質が向上し、あるいは経営姿勢がよい方に向かい、それに伴ってまた外務員も資質の向上が行われるようになるというふうに考えて、この改正に取り組んでいるわけでございます。
○倉田委員 私は、国際的にも信用される、あるいは国内においても信頼される市場であるためには、委託者とのトラブル防止の施策というものがきちっとなければならない、こう思うのです。現状を見ながら、どうしたらそれができるのか、一方では、参加者の適格性審査の問題というのがあるのだと思うのですね。営業というのですか、資格、どういう人たちが先物取引市場に入っていったらいいのかという適格性の問題、それから勧誘の実態、どういう勧誘をやっているのか、そこをやはりきちっと見なければならない、こう思うのです。 私が申し上げた定着率の悪さ、あるいは一般的に若いというこの問題は、一方で、会社の営業成績至上主義で、ともかく成績を上げろというふうに外務員に過酷なノルマが課されているとすれば、やはり外務員の方も、だんだん委託者とのトラブルに巻き込まれて、なかなか同じところにはおれなくなってしまう、こういう問題があるのだと思うのです。そして一方で、無理な勧誘というのも出てくるし、やめたいと言ってもなかなかやめさせてくれないという、いわゆる仕切り拒否の問題が出てくる。 もう一枚の資料にちょっとお目通しいただきたいと思うのですけれども、一般委託者の方々が、どういう人たちが大体この取引に参加をしているかと見ると、本当にごく普通のサラリーマンの方も相当大量に参加をしておられるわけです。この先物取引という非常に難しい市場に、委託金が一割だから、実際に動いている金額は本当に何千万、何億という単位を、委託金が百万で済むとか二百万で済むとかという金額で動くわけでありますけれども、その実態を見れば、果たして今この表に出てくる委託者層が、この先物市場に参加をする資格があるのか、適正な層なのかなと思うと、これも私は非常に疑問に思うわけです。 それで、協会の自主規制規則の中に、この業者というか、各会社は受託業務管理規則というのをつくらなければいけないことになっている。受託業務管理規則の中に商品先物取引の不適格者の参入防止ということで、例えば、未成年者とか禁治産者、精神障害者はだめですよ。恩給、年金、退職金、保険金等によって生計を立てる人はだめですよ。あるいは、母子家庭及び生活保護適用者はだめですよ。長期療養者及びこれに準ずる者はだめですよ。それから、一定の所得を有しない者もだめですよ。あるいは、農業、漁業等の協同組合、信用組合、信用金庫等及び公共団体の公金支出管理者もだめですよ。 こういうふうに、先物取引不適格者の参入防止ということで、各会社で業務管理規則というのをつくってある。この状況の中で、先ほどお示しをしました表みたいに、ごく普通の人が参加する、年収三百万から五百万ぐらいの人たちが参加をして、三百万も五百万も損失をしてしまったら、まさに生活が破綻するわけです。そうすると、この不適格者の参入防止のところも、「一定の所得を有しない者」とあるけれども、ここも何らか歯どめをかける必要があるのではないのか、こう思いますが、この点はどうでしょう。
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。 今御指摘ございましたように、これまで、商品取引員の各社に対しまして、日本商品取引員協会が定めます規則に基づいて、適切な委託者管理とそれに対応する社内管理体制の整備を行うように指導を行ってきているわけでございますが、お示しの資料も含めまして、先物取引になじまない者が勧誘されている場合もあり得ると推定せざるを得ないと私どもも理解をいたしております。 その意味におきましては、これまでの社内管理体制が徹底しなかった面があったということもこれまた否めないのではないかと私ども考えておるわけでございまして、そのような実情を踏まえまして、今回、法的に適合性の原則を導入いたしまして、ある意味で残念なことではあるわけでございますが、自主規制機関による制裁でございますとか行政処分の強化というような、あるいは罰則の強化というような形の体制を整えることによりまして、これに対応しようということを考えたわけでございます。 同時に、自主規制の一環といたしましては、社内体制として、営業部門と管理部門によります二重チェックの体制、顧客の意思の確認等々につきまして、営業部隊が確認をいたしましたというだけではなくて、管理部門が改めて意思の確認をするというような二重チェック体制というような体制を整備させることによりまして、委託者の保護を図るという対応をしようということで御提案をいたしておるわけでございます。
○倉田委員 この受託業務管理規則の中には、各社内に審査部を設けて、適格性審査だとか勧誘審査だとかやっているのだと思うのですけれども、会社として、営業成績を上げるということが主になってくると、こういう社内審査というのが果たして適切に働いているのかどうかということも私は疑問なわけです。 そうすると、参入資格の問題とか勧誘の問題でもう少し何かきちっとしたルールがなければならない。もう時間があと残り少なくなりましたので、私は、この勧誘の問題と仕切り拒否の問題、最後に罰則の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。 一般委託者が一番市場に入ってくるのは電話勧誘なんですね。電話勧誘というのは営業にとって最大の営業手段なんだろうと思うのですけれども、実は、受ける方にとっては最も不意打ちで、最も攻撃的な方法なんです。この電話勧誘ということについて、私はやめた方がいいのじゃないのかと思うぐらいなんですけれども、何か今回の改正の中でやはりきちっとした区分、ルールというのが必要なのではないのか、この点については大臣にお伺いをしたい、こう思います。
○堀内国務大臣 委員おっしゃるとおり、電話勧誘、我々のところにもよく電話がかかってまいりまして、非常に不愉快な思いをすることが多いのでありますが、電話勧誘を断った者に対する再勧誘の禁止ということをうたっておりまして、今度の改正におきましては、再勧誘したような場合には、はっきりとお申し出れば、業務改善命令というのが出せるようになっております。また、相手方が迷惑を覚える時間帯、これも人によってもなかなか違うわけでありますけれども、迷惑を覚える時間帯の電話勧誘の禁止ということも規定をいたしております。 今回の制度改正におきまして、これらに加えて、委託者の保護の充実を図るために、電話勧誘の際に、必ず会社名と商品先物取引の勧誘であるということをまず最初に明示をした上で電話の勧誘を行わなければいかぬ、それを義務づけることにいたしておりまして、これに反する場合には行政処分を行うことができる対象といたしているわけでございます。 こういう制度をつくりまして、こういうルールの厳正な運用を図ることによって、電話勧誘によるトラブルというものが少しでも防止できればというふうに思っておりますし、完全な禁止を行うことができるか大分検討はいたしたのでありますが、ちょっとそれは不可能ではないかというようなこともございまして、再度の勧誘とか勧誘の際の義務どか、そういうものを今度の制度では切りかえたということでございます。
○倉田委員 もう一点、仕切り拒否の問題です。 仕切り拒否もなかなか判定が難しくて、最終的に、わかりました、お願いしますと言えば、途中の交渉の経過は全部その委託者がオーケーをしたのだということになってしまう。私は、やはりこの問題も、本当にやめたいと思ったときはすぐやめられるような方法、例えばクーリングオフ制度の導入とか、あるいはこの先物取引市場にそのクーリングオフというのがどうしてもなじまないとすれば、将来に向かって解約をできる解約告知権、そういうものを簡便に認めるということを検討したらどうかと思うのですけれども、最後にこの点をお尋ねして、終わりたいと思います。
○堀内国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘をいただいた問題については非常に重要な問題と考えておりまして、委託者から客観的にわかる形で明確な意思表示がなされた場合、例えば、委託者が取引を中止したい旨の内容証明郵便を商品取引員に送付をしたような場合には、委託者の翻意を促すための説得を行ったり、取引の中止を不当に遅延させたりするようなことは一切禁止をするということでありまして、この内容証明郵便による取引の停止という制度は一歩前進をさせたものではないかというふうに思っておりまして、これをもっとさらに進めることができないかということは、我々のところでも検討をいたしているところでございます。
○倉田委員 その点は非常に大切なことだと私は思いますので、ぜひさらに検討を進めていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、西川太一郎君。
○西川(太)委員 自由党の西川太一郎でございます。この法律案につきまして極めてオーソドックスなお尋ねを申し上げたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 初めに総論的なお尋ねをさせていただきますが、商品について公正かつ透明な価格を形成し、さらに、市場経済のもとで日々変動する価格について、その変動に伴うリスクをヘッジする先物市場は、自由主義市場経済において極めて重要な機能を果たしていると認識をいたしております。その証左に、ソ連邦の崩壊を契機として、旧社会主義経済圏が日々市場経済に移行するプロセスの中で商品取引所の設立に熱心に取り組んでいるという事実は、このことを雄弁に物語っていると思うわけであります。 世界全体が市場経済に向かっていく中で、世界の商品先物市場はボーダーレスになって、活発に取引が行われているわけでありますが、ここで、我が国の立場に立ってみますと、このたびの外為法の改正によって、国内の資金が海外に流出するということが一般的に懸念されているわけでありますけれども、こういう中で、日本の商品先物市場、これも国際化の中でおくれをとってはならない、きちっとした対応をしていかなければいけない、つまり空洞化の危機というものを防いでいかなければならない、こういうことだろうと思うわけであります。日本の立場というもの、ヨーロッパやアメリカ、具体的に言えばロンドン、ニューヨーク、シカゴのそうした商品先物市場に比べて確固たる地位に日本を上げていかなければいけない、こういうふうにも思うわけであります。 そこで、まずお尋ねをするわけでありますが、日本とイギリス、アメリカの商品先物市場における商品上場の実態の違いというもの、それからもう一点は、取引業者の数も相当違うと聞いておるわけでありますが、この商品上場の実態、業者の数、これについてお尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。まず、日本と米英両国との商品先物市場における商品上場についてでございますが、昨年の十二月末の時点で、上場商品数で申しますと、我が国では三十二商品でございます。これに対しまして、米国では百十三商品、イギリスでは三十五商品ということでございます。具体的な商品といたしましては、シカゴでは穀物等、ニューヨークでは石油や貴金属等、ロンドンでは非鉄金属や石油等が大変活発に取引されておりまして、こういった商品について、これらの市場が世界の中心的なマーケットを形成しておるということでございます。 我が国の取引所を海外の取引所と比べてみますと、貴金属でありますとかゴムでありますとか、取引量の面において世界的に見てかなりの水準に達しておるものもあるわけでございますが、新規の商品上場という観点から申しますと、過去十年間で、我が国が七商品に対しまして米国が九十商品、イギリスが三十二商品ということで、かなり大きな違いがあるわけでございます。 それから、もう一つお尋ねでございますが、取引業者の数について申し上げますと、日本の商品取引員でございますが、本年三月末現在で百二十一社でございます。アメリカ、イギリスにつきましてこれにきっちり対応するデータは持ち合わせておらないのでございますが、アメリカの場合でございますと全米先物協会、イギリスの場合で申しますと証券・先物協会ということで見てみますと、アメリカが二百三十七社、イギリスは千三百六十三社ということで、そのまま比較はできませんが、およその感じが出ておるわけでございます。
○西川(太)委員 日本はアメリカの二十五、六分の一ですが、稚内から指宿までは二千キロで、これはコペンハーゲンからナポリまでの距離ですから、ヨーロッパに比べたら遜色ないのですけれども、ただ、無資源国家で、米と野菜と石灰石しかとれない。石油は秋田の沖でちょっととれても、これはライターで使ってしまえばおしまいになるぐらい。だから、そういう意味では商品の取引、輸入ということは大変重要であって、私は日本は絶対戦争できない国だと思っているのは、そういう条件があるからですね。 そんなわけで、今百十三種類の商品を上場しているアメリカと、わずか三十二種類の日本、それから業者の数もかなり違う、こういう我が国の現状において、このたびの法改正において国際水準に遜色ないものにしていこう、こういう目的があるわけでございますが、今回の基本的な改正、先ほど趣旨の御説明がございましたけれども、大臣にもう少し敷衍していただきたい、こう思うわけであります。
○堀内国務大臣 商品先物市場というのは、委員のよく御存じのとおり、価格変動リスクというものの回避をできるシステムでありますし、また公正かつ透明な価格指標を提供することによって、商品市場の安定なども取り入れることのできる機能を有する非常に重要な産業基盤であるというふうに思っております。 我が国の商品先物市場は、先ほど政府委員から御説明を申し上げましたように、海外の商品先物市場に比べますと大変おくれをとっているというふうに思いますし、外為制度が改正される中で、現状のままでは我が国の商品先物市場から資金が流出をしてしまう、あるいは取引は外国の方で行われてしまうというようなことが懸念されるわけでございます。 そういう意味で、今回の改正というものは、我が国の経済の活性化とかあるいは経済構造の改革というような問題に資する観点から、我が国の商品先物市場が内外の環境の変化に対応して発展していくための対策を今度の改正案で行っているということになります。 その主たるものは、委託者保護の強化を図りながら、その利便性、今まで上場するのに非常に時間がかかったり制限があったものを、上場ができるだけ早く行えるように、試験的な上場が楽に行えるようにするとか、あるいは手数料を自由化するというような問題や、あるいは信頼性の向上ということで、委託者保護のルールを強化するというようなことを行いまして、そういう基本方針のもとに立案をいたしたわけでありまして、これによって我が国の商品先物市場というものが相当、外国との競争の中で第一歩を踏み出すことができるだろうというふうに思っております。
○西川(太)委員 今の御答弁で、利便性を高め、また経済の活性化を促進させるために欠かせない改正である、私も全く同感でございます。さらに、規制緩和を推進されることによって市場の活性化を生み出す、こういうこともおっしゃるとおりだろうというふうに存じます。 商品取引につきましては、取引所と、その構成員でありますブローカー業務を行う業界、つまり商品取引員との健全な形での調和、発展がなければならないわけであります。そういうためには規制緩和がさらに進むことが大事であって、今まで、大臣のお言葉にもありましたが、新しい商品を上場しようとしてもなかなか役所の許可が得にくかった、そのためにチャンスを逸することも残念ながらあった、こういうような業界の意向も聞いております。 そこで、お尋ねをいたすわけでありますが、海外にも、先ほど来お話しのとおりロンドンやニューヨーク、シカゴ等にあるわけですが、そうした海外の先物市場を利用するということが、日本もこれからリニューアルして、レベルアップして対応していこうというわけですけれども、とりあえず海外の市場を活発に利用するということはどうして問題があるのか、それだけではなぜ不十分なのか、こういう疑問に当然突き当たりますよね。くどいようですけれども、日本だけが中をリニューアルして、どうぞいらっしゃい、いらっしゃい、こうやるんじゃなくて、外国だってそうやっているのだからそこを何で利用しないのか、こういうことになりますね。何でですか。
○岩田政府委員 お答えを申し上げます。 御質問に対しまして、自前の市場を持つことの意味合いという形で御答弁をさしていただきたいと思いますが、一つには、自前の商品先物市場を持っておりますれば、まさに、その地元は、日本でいえば、我が国の需給というものを的確に反映をした価格指標が提供されるということでございまして、海外の市場では必ずしも日本における需給を十分に反映した価格水準にはならない可能性があるということでございます。 同時に、そういうことを通じまして、商品によりましては、俗にプレミアムと呼ばれております、これを支払わないといけないというような事態になりまして、我が国の業界にとりましては、価格の交渉力という意味において、自前の市場を持たない場合には不利になる、逆に言えば、自前の市場を持てば価格交渉力が改善をされるというメリットがございます。 また、我が国に市場がございます場合には、現物の受け渡しが行われる場合には受け渡しも我が国の中で行われるわけでございますから、そうした受け渡しまでを含めたすべての価格変動要因につきまして有効なリスクヘッジが可能になる、このようなメリットがあるわけでございます。 また、国内の商品取引所につきましては、日本のビジネス時間に取引が可能であるということに加えまして、円建てで取引をすることによりまして為替リスクをあわせて結果としてヘッジしているということになりますので、そうした為替リスクのヘッジも可能となるという長所があるわけでございます。 この結果、海外の取引所取引に直接参加することが困難な中小企業にとりましても利用することが可能になるということでございまして、このような観点から、私どもは、我が国において上場商品の拡大を進めて我が国の商品先物市場を整備していくことが不可欠である、このように考えておるわけでございます。
○西川(太)委員 私、野党ですから意地悪なことを言いますけれども、何でそんないいことをもっと早くやらなかったのか、これは一言言っておきます。 そこで、今の御答弁で、結構ずくめというか、大変日本は外国に頼って、たくさんの、百八十幾つの国から、例えばアフリカのジンバブエなんていうところからチョコレートの豆まで買っているわけですから、今のようなことは大変結構だと思います。 今回の改正で、生産者や流通業者の意向を無視した上場は行われない、むしろ有利になる、こういうことでありますが、さっき大臣のお言葉にありましたが、新規商品の上場が円滑化されるというのは、どんなふうな措置によってそれが実現するか、この一点、ちょっと伺っておきたいと思います。
○岩田政府委員 お答え申し上げます。 新規商品の上場につきましては、平成二年の法律改正におきまして、本土場とは別に試験上場の制度というものを導入していただきました。これは、期間を限りまして、まさに名前のとおり試験的に上場をして、本土場に移すのが適当かどうかというようなことで導入をしていただいたわけでございますが、この試験上場制度というものの認可基準が平成二年の改正の内容では本土場と全く同じ基準になっておりまして、私どもは、そこにも一つ、その後新規上場が多数出てこない一つの理由があるかというふうに考えまして、今回、この試験上場制度の認可基準を緩和をするということを御提案を申し上げております。 具体的には、上場しようとする商品の生産及び流通に著しい支障を及ぼすことがないと認められれば、つまり支障がないと認められれば上場、試験上場は認めていこう。支障がないだけではなくて、大変有効であるとか大量の取引が行われるということが確実であるというような要件まではっきりしていなくても、試験的に行うものであればこれを認めようというようなことで、認可基準を改めて御提案をしているところでございます。
○西川(太)委員 次に、商品取引員については、代価とサービスの多様な関係を各会社が生み出せるように固定手数料という規制を改めていくこと、すなわち手数料の自由化、これが必要だ、今回、こういうことでありますね。 日本の商品先物市場も非常に頑張っておられるようでありますが、手数料がまだ自由化されてない。英米の商品先物市場は自由化を既に実現している。これは早期に自由化しないと日本の商品先物市場が魅力のないものになってしまう、こういう懸念が当然あるわけです。そこが今回の法改正のねらいでもあるわけですね。 しかし、委託手数料の完全自由化が二〇〇四年の末ということになっているのは、ちょっと遅過ぎるのじゃないかという気がいたします。これが一点。それから、二〇〇四年末までにどういうスケジュールで委託手数料の自由化を進めていくのか、この二点をあわせてお尋ねをしたいと思います。
○岩田政府委員 お答え申し上げます。 委託者の利便性の向上でございますとか国際的に競争力のある取引コストということを実現するためには、御指摘のように、商品先物取引の委託手数料の自由化を可能な限り早期に行うことが私どもも適当であるというふうに考えておるわけでございますが、他方、商品取引員の実態を見ますと、その収入の九割以上を委託手数料に依存をしているという現状にございまして、完全自由化を行いますまでには一定の期間を置くことが必要であると判断をいたしておるところでございます。このような点を踏まえまして、完全自由化の時期を御指摘のように二〇〇四年末といたしまして、それまでに段階的に自由化を進めていこうということでございます。 この場合に、実は先行いたしております証券業界がございまして、証券業界におきまして手数料の完全自由化が決定以来約八年をかけて行われたということでありまして、私ども、二〇〇四年末ということになりますと約七年ということでございますが、必ずしも証券との並びで議論のできるものではございませんけれども、そうしたものも考慮をいたしまして二〇〇四年末というふうに設定をさせていただきました。 また、ただいま申し上げましたように、段階的な自由化ということを考えておりますので、二〇〇四年末の完全自由化までの間に、私ども、まず特定の電子取引、インターネットを使って行うような取引及び商品投資顧問業者、いわゆる商品ファンドにより運用される資金につきましての取引につきましては、本年末、一九九八年末に自由化をしたいというふうに考えておりまして、さらに、その後、大口の取引あるいは商品の生産、流通に携わります、当業者と呼びますが、これからの受託につきましては、可能な限り二〇〇四年末の前にそれぞれ自由化を先行的に行っていきたい、このように考えているところでございます。
○西川(太)委員 手数料の自由化ばかりを主張したのではこれは片手落ちでありまして、取引員の経営基盤の強化ということも当然考慮を払わなければいけない、健全な市場は両方でできるわけですから。そういう意味では、商品取引員の方々が十分に戦える道具を、武器を与えなければ、料金だけ自由化して経営を苦しいものにするということは私のお尋ねの本意ではないわけで、規制緩和をどんどん進めて、そういう経営基盤の強化ということは当然必要になってくると思う。この業務規制の緩和について、どんなお考えというかメニューを用意しておられるのか、お尋ねをします。 〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
○古田(肇)政府委員 御指摘ございましたように、手数料自由化といった規制緩和でありますとかあるいは海外との競争の激化に備えまして、商品取引員がみずからの経営を効率化し、あるいは多様化をしていくということの環境整備が大変重要でございまして、そういった観点から、今般、業務規制の緩和について幾つかの措置を講ずることにしておるわけでございます。 まず、従来、個別の商品市場ごとに行っておりました許可制度を改善いたしまして、複数の商品市場について一括して許可できることといたしております。さらに、委託の取り次ぎについて解禁いたしておりますし、また、許可の有効期間につきまして、従来の四年から六年というふうに延長させていただくこととしております。また、店舗の開設許可制につきまして、届け出制への移行というような措置も講ずることにしておるわけでございます。 こういった措置を着実に実施することによりまして、商品取引員が多様な業務展開を行い、業務コストの低減を図ることを可能にしていくものと考えておるわけでございます。
○西川(太)委員 実は、かく言う私も、学生時代に乾繭相場というのをやったのですよ。自分の経験からいくと、毎日短波放送を聞いて、けい線を引いて、今大学の教授になっている人と三人でやったのですが、もうけたのです。御多分に漏れず損をするのじゃなくて、私はもうけた。すぐやめましたけれども、そのときの経験で、業界に客殺しなんという隠語があるのですよ。だから、委託者のトラブルを避けるためには、暇もなければいけないし、専門的知識と判断力がなければいけないし、それから何よりも、これは危ないですよという正直な業界の情報、リスクの情報の開示がなければトラブルは避けられないですよね。 先ほど倉田委員から弁護士としての専門的お立場から大変いい御質問があったと拝聴しておりましたけれども、私も地方議員が長かったのですが、地方議員の時代から、こういう外務員にだまされたというようなお年寄りのトラブルの訴えは随分ありました。やはりきちっとその部分では、規制といいますかルールといいますか、これをやりませんと、結局、この業界が国際的に立派な仕事をしているという、後ほどちょっと申し上げたいと思いますが、そういう観点が忘却されて、何か相場を張ってもうける、損するという範疇の話ばかりになる、私はそのことを非常に心配しております。 そこで、いわゆるトラブルの数というのも相当あるのだろうと思います。種類もいろいろあるのだと思いますが、それは時間の関係で省略するとして、自己責任というものを担って委託者がこの取引に参加するためには、ただいま申し上げましたような取引についての情報のディスクロージャーやリスクについての開示がなければならない、こう思いますけれども、今回の改正ではその点についてどんな配慮をされておりますでしょうか。
○岩田政府委員 お答え申し上げます。 商品取引員のディスクロージャーにつきましては、日本商品取引員協会が定めました実施要領に基づきまして、各社が現在実施をいたしておるところでございます。その開示項目の中には、商品取引員が抱えます苦情、紛争、訴訟に関する事項も含まれておりまして、委託者は商品取引員の財務の内容といったようなものだけではなくて、その商品取引員にかかわりますトラブルの状況というものも知ることができるようになっておるところでございます。 また、商品先物取引のリスクの開示につきましては、現在、取引の開始に先立ちまして、先物取引の仕組みですとかその危険性などを記載した書面を委託者に交付いたしまして、先物取引の危険性を十分承知をした上で取引を行うということでございまして、また、それを承知した上で取引を行うということを承諾した旨の書面を受領することを商品取引員に対して義務づけておるところでございます。 御指摘のように、商品取引員についてのディスクロージャーあるいはリスクの開示というものが、商品先物取引というものの実態をよく承知していただいて委託者にこの市場に参加をしていただくために極めて重要なことでございますので、その意味で、そうした情報の提供ということで、開示の項目あるいは内容、方法などにつきましては一層充実を図りますように、今後、この法改正を踏まえまして、引き続き指導に努力をしていきたい、このように考えております。
○西川(太)委員 あと二問質問を用意してございますので、一番最後の質問は大臣に伺うわけですが、その前に一問だけ政府委員に伺いますので、簡単に御答弁をいただきたいのです。 規制を緩和してフリーにする、しかし同時に市場はフェアでなければいけない。このたびいわゆる市場取引監視委員会というのを設置するわけでありますけれども、どういう方が監視委員になられるのかというのは非常に大事なことですが、どういう構成を予定しておられるのか、具体的などなたがということじゃなくて、お尋ねをしたいと思います。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、今回、市場取引監視委員会というものを商品取引所に設けることにいたしたいと考えておるわけでございますが、この性格上、執行委員会である理事会とは独立した公正中立な第三者により構成されるものということになるのではないかということでございます。具体的にはこれから詰めてまいりますが、委員会のメンバーといたしましては、そういった趣旨にかんがみまして、商品取引員との利害関係がなく、商品市場における取引について高度な学識経験を有し、大所高所の立場から理事長に意見を述べる第三者ということを想定している次第でございます。
○西川(太)委員 今、小学校高学年、中学校低学年の社会科の教科書で、ある国との商品の輸出入の実態を国名を伏せて子供に見せると、ある国からは機械やハイテク関係の商品がたくさん輸出されて、ある国からは大豆や小麦や農産品が来る、これはどことどこの取引だと思うと言うと、大概の子供が逆を言うそうですね。農産品を出しているのは日本であって、機械やハイテクはアメリカから来ていると思っているらしいのです。 ところが、全く逆で、アメリカからは農産品を買い、日本はそれをいろいろな意味で、エネルギー自給率に換算すれば四七%とか、三七%とか、何かそういう数字があるのですけれども、それはさておくとして、徳川末期のあのペリーが来たときに、当時のフィルモアという大統領からだったと思いますけれども、お土産は、将軍の目の前で蒸気機関車の模型が江戸城の大広間を動いたんだそうです。その返礼に日本が差し上げたものは、干しアワビだとか、それからわらでつくったいろいろな加工したもの、民芸品だったそうです。まさに逆転したわけであります。 冒頭申し上げましたとおり、日本はそういう世界に商品を求めて、そして立国している貿易立国の国であるわけでございますが、株にしても金融にしてもこの先物商品にしても、本来自由主義市場経済の本当に中核になる機能が、今、派生的な分野でいろいろな問題を起こして、その本来の評価を残念ながら損なっているということは、まことに遺憾であります。 私は、そういう意味で最後に大臣に御決意を伺いたいのですが、日本の先物商品取引所のあり方といいますか、これをどういうふうに御認識なのかを伺って、まことに時間を超過して失礼でありますが、委員長にお許しいただいて答弁をお願いしたいと思います。
○堀内国務大臣 商品先物市場は、先ほどからのいろいろの質疑の中にもございましたように、金融ビッグバンだとかあるいはいろいろの規制緩和というような問題で、社会情勢が大変変化をいたしております中で、経済の活性化だとか、あるいは経済構造の変革、改革というようなものに資する産業基盤として、これからますます重要性が高まってくると私も認識をいたしております。 我が国の商品先物市場は、こうした社会環境の変化に的確に対応していくことが求められていると思っております。その中でも特に日本の商品先物市場の弱点というのは、当業者の参加が非常に少ない状態だということでありまして、生産者あるいは輸入を行っている流通関係の当業者がこれに積極的にもっと大きく参加ができるような体制をつくっていく、価格指標を公正に提供できるということや、あるいはリスクヘッジがはっきりと行えるようにするというような意味で、この当業者の参加をふやしていくということが一つ。また、投資家にとりましても利便性が高い、かつ信頼性の高い市場に育てていかなければならないと思っておりますし、また取引員の場合でも、先ほど手数料の問題がございましたけれども、手数料を将来早く自由化しなければいかぬ。 一方では、やはりそれ以外の企業活動というものが必要になってくるわけでありまして、一面では、昨年から行われておりますような規制緩和で商品ファンドの自由化が行われてまいっておりまして、これは、取引員を初めとしてこの関係者が商品ファンドを通じて市場の活性化だとか参加だとかいうようなものに非常に大きなウエートを持つことができるのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味で、これから我が国の商品先物市場を、シカゴやニューヨーク、ロンドン等の海外の商品先物市場に比べて引けをとらないような、アジアを代表する市場に整備をしてまいりたいというふうに思っております。
○西川(太)委員 どうもありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。私は、前回のジェトロ法のときに引き続きまして、天下りの問題について最初に少し伺いたいと思います。 東京工業品取引所の歴代の常勤役員は、八四年十一月の発足以来、通産省OBの天下り指定席と言われておりますが、理事長ポストは、これは一貫して通産省OBです。この理事長、専務、常務を含む理事になった十九人中九人、約半数がOBということではないかと思いますが、まずこの点を最初に確認しておきたいと思います。
○岩田政府委員 東京工業品取引所の現在の役員は全体で三十四名でございますが、このうち、かつて通産省の幹部職員、本省の課長職相当以上に在職したことのある者は、現時点におきまして一名でございます。なお、過去において東京工業品取引所の役員であった者のうち、通産省幹部職員として在籍したことのある者は三名でございます。
○吉井委員 私、ちゃんとこの歴代常勤役員を既にあらかじめいただいているわけですが、数を数えますと、これは十九人中九人、約半数がOBということ、これは間違いないですね。
○岩田政府委員 ただいま通産省の本省の課長職相当以上の経験者で申し上げましたが、御指摘のように、係員でございますとか係長でございますとか通産局の職員であった者というようなことを加えますと、九名になるかと存じます。
○吉井委員 次に、東京穀物商品取引所についても、理事長は一貫して農水省OBですが、理事までの歴代常勤役員十六人中八人が農水省のOBというのは間違いありませんか。
○本田政府委員 お答えいたします。 東京穀物商品取引所の現在の役員、これは十九名でございますけれども、かつて農林水産省の幹部職員として在職したことのある者は三人でございます。ただ、係員、それから係長その他を含めますと、御指摘のような状況でございます。
○吉井委員 それで、実はキャリア、ノンキャリアともそれぞれ意味があるのですが、時間が余りありませんので、きょうはそこのところは置いておきますが、東京工業品取引所の理事長間渕直三氏は、四期十一年務めていらっしゃる。通産官僚OBで、役所を退官後十年以上も務めている理事長というのは、ほかにどれぐらいいらっしゃるのですか。
○岩田政府委員 東京工業品取引所について申し上げますれば、歴代理事長の中で、かつ役人の経験のある方の中で十年を超えてされた方はいないというふうに理解をいたしております。
○吉井委員 東京工業品取引所というのは、これは歴史的に見てもそう長い話じゃありませんが、全体から見ても、官僚OBの方で、退官後七十有余歳になるまで、十年以上、十有余年にわたって理事長を務められる、こういう例はほとんどないわけですね。 それで、この中で、長期にわたって専横な振る舞いということで、プロパーの職員から批判があっても、批判した者が押しつぶされていると言われるような事態も伺っております。ただ、それは私は伺っているということでとどめておきますが、日経新聞の昨年九月二十三日付によると、約一億八千万円の申告漏れ、そのうち約二千五百万円は架空経費の計上で、東京国税局から約七千万円の追徴課税を受け、地方税分二千七百十四万円、合わせて約九千七百万円の追徴課税を受けた、また、日本共産党と旧公明を除く政治家四、五十名の政治家パーティー券の購入にも使っていたとされております。これは、日経だけじゃなしに各紙も一斉に報道をしておりました。商品取引所法第百十九条では、主務大臣は報告及び資料の提出を求めるとして、第百二十条で立入検査も定めております。 そこで、私は伺いたいのですけれども、こういう事態が報道された後、まず、調査をされたのかどうか、これを伺いたいと思います。
○岩田政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の件につきましては、当時、取引所から報告を求めまして、税務当局の調査の結果、税務処理が不適切ということで、平成八年三月期までの四年間について約一億四千万円の課税所得の申告漏れの指摘がございまして、その結果追徴課税が求められた、このようなものとして報告を受けているところでございます。
○吉井委員 これは、今のお話ですと、税務申告が不備であったということで、追徴課税の事実を確認したということだけでおしまいという感じなんですが、今の法第一条で商品取引所の健全な運営を確保するというのを目的にうたっているわけですね。こういうふうな運営のされ方というのは、私は、世間の常識からすると、到底これは健全な運営確保とは思えないのですね。第四条で本来業務に「附帯する業務以外の業務を営んではならない。」としておりますね。この所得隠しと新聞報道されたものというのは、これは本来業務でも附帯業務でもないと思うのですが、どうですか。
○岩田政府委員 申告漏れの内容として税務当局から指摘をされた内容は、電算化事業を進めましたときのソフトウエアの開発費用の税務上の処理、それから関係団体に対します出向者の給与の税務上の処理、それから広告宣伝費として関係団体に支出をいたしましたものの税務上の処理、これが不適当であったということで、税務処理の問題として追徴課税が求められたということでございます。
○吉井委員 本当はそれだけの話じゃないですね。これは、広告費という形で出しておいて、それがまた戻ってきていろいろな形に使われていたという問題などが指摘をされております。 それで、私は、今のようにこれは税務処理の問題だということで済ませてしまうのか、これはそんな問題じゃないでしょう。所得隠しとそれからパーティー券購入というのは、直ちにこういうことがわいろの提供とかいうことになるわけじゃありませんが、例えば百五十四条第三項に「賄ろを供与し、」云々とあって、「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」とあるように、運営上のさまざまな問題については、やはりこれは公益性の高い法人なんですから、文字どおり健全な運営がなされるように罰則つきで厳しい規定を設けているわけでしょう。 プロ野球の選手の場合であれば、どういう名目をつけようと、税務申告の扱いが不適切であったとあなたがおっしゃったような言い方にしても、それは所得隠しということで刑事上の処置を受けたり、あるいは出場停止処分という厳しい扱いがされているのに、官僚OBが最高責任者として所得隠しをやって見つかっても何のとがめもなし。これでは世間は通用しないのじゃないですか。やはり法令や定款に違反する行為をしたときの定めもあるわけで、主務大臣の監督上の処分権限も法律にちゃんと明記されているわけです。 そこで、通産大臣、天下りの問題というのは、従来からこの間ずっと国会でいろいろな角度から議論されております。天下り官僚の接待だ、汚職だ、何だというのもありました。それから、天下った先で専横な振る舞いとか、いろいろな批判もありました。そういう問題があるときに、OBの方だからということで、担当の方は、現役の方は遠慮があるかと思いますけれども、やはり通産大臣として、こういうふうな問題が新聞報道されているときにあいまいな形で置いておく、他に例を見ないような、天下って十有余年にわたって理事長でずっとやってこられて、さまざまな批判や問題があって、きちんと調査をして本来対処すべきものを大臣があいまいにしておったというのでは、私はこれはやはり問題が残ると思うのですね。 ですから、細かいことは、大臣が指示されて直接の通産省の方が今後さらにされるにしても、やはり私は、これだけ天下り問題が問題になっているときに、これはあいまいにはしない、きちんとみずから調査をしてしかるべき判断を下される、そういうことだけは大臣としてお考えいただくべきじゃないかと思うのですが、この点、大臣に伺いたいと思います。
○岩田政府委員 御指摘の点と商品取引所法との関係にお触れでございますので、若干その点について事務的に御説明をさせていただきます。 本件につきましては、商品取引所法は、市場操作の防止といった商品取引所の市場管理のあり方などについて定めるものでございまして、商品取引所における公正な価格の形成及び委託者保護を目的とする法律でございます。追徴課税を受けました本件に関しては、それ自身、商品取引所法違反となるものではないと考えておるわけでございます。 あわせまして、ただ、今回のことが追徴課税あるいは税務処理の問題として問題になったわけでございますので、私どもといたしましては、このことを踏まえまして、同取引所に対しまして、外部監査を含めて会計処理の適正化を徹底するための措置をとるように指示をいたしましたところでございまして、現在は既に外部監査制度を導入して外部監査が行われているというところでございます。
○堀内国務大臣 ただいまの事件というか問題の新聞発表が、私が就任した日かその辺のことだろうと思うので、私もよく理解をしてないのですが、覚えておりませんが、今いろいろと御指摘をいただきながら、過去の問題としての処理を確かめております。 本件については、東京工業商品取引所が追徴課税に至ったことはまことに遺憾であって、同取引所からの報告を受け、直ちに同取引所に対し、外部監査の導入を含め、会計処理の適正化を徹底するための措置を早急に検討するように指示がされております。また、本件については、理事長並びに担当役員及び担当部長の減給処分を行った旨の報告が取引所から行われておりますということを申し上げておきます。
○吉井委員 大臣、今から出ていかれる、それは理解していますので、一問だけ。 所得隠しの問題というのは、全部、税務処理に不備があったということで後は処理されているのですよ。そういうのを全部所得隠しというのです。所得隠しの問題は後からいろいろ理屈をつけてもだめなんです。 ですから、私が言っているのは——大臣、出ていかれる前に一言。だから、この問題についてはあいまいにしないと、大臣として、やはりこれだけ天下り問題が問題になっているとき、きちんと改めて調査をして、そして十有余年にわたるこういう理事長の存在、専横な問題とかいろいろあっても続いている、それらについてみずから調べてきちんと対処する、この一点だけ最後に伺っておきたいと思うのです。
○堀内国務大臣 ただいまの処分がどの時点で行われているのか、どういう形でなされているか、私の就任以前に処分が行われているものをさらにもう一回検討するというわけにもいかないと思いますし、その点は内容を調査いたしてみたいと思っております。
○吉井委員 これは通産省としてきちんと対処する、それをやってもらわないと、しかもこの追徴課税が行われた問題について何か手続上のミスだなんだということであいまいにして、しかしこれは理事長個人が支払っているわけじゃないでしょう。総額九千七百万円の追徴課税は個人の責任で個人資産で納税しているわけじゃないのですよ。こういうふうなことがあって、全部、問題を何か単なる手続上の問題で済ませてしまう。世の中はそういうことじゃ通用しないと思うのですよ。それをまた、OBの方に対する後輩の遠慮かなんか知らないけれども、今みたいな対応では、私はこれは通用する話じゃないと思います。ですから、きちっと、ちゃんと対処されるように改めて申し上げておきたいと思います。 次に、九〇年の法改正で社団法人日本商品取引員協会がつくられたわけですが、ことし三月十六日に国民生活センターがまとめた商品先物取引に関する苦情によると、九〇年の千四百一件が、九六年、九七年になると二千七、八百件へと二倍にふえています。 同時に、先物取引にかかわる犯罪がふえています。九四年十月十二日付の朝日を見ますと、先物取引をやっている会社員を刺殺、七千万円を損させられて、というのが出ておりました。九四年七月二十六日の朝日には、山田市信用農協の支所長が預金八千万円流用、先物取引につぎ込む。九五年十月十三日の西日本新聞では、十六億円横領容疑で逮捕、九州花王販売社員先物取引で、というのもありました。九七年二月十七日の日経では、千四百万円横領、水産組合課長逮捕、これも先物取引によるものです。九七年六月号の「先物経済界」で紹介されているものでは、先物会社にも責任あり、拘置所から四千万円請求、丹生漁協横領元課長、福井地裁に提訴というのもありました。 こういうふうに、先物取引をめぐって、殺人事件を含めて非常にたくさんの犯罪が生まれているのですね。それだけに、適合性の原則の徹底というのは、これは法律上書き込めば済むというものじゃなくて、本当にこれを徹底しないと、非常にリスクの多いもので、ハイリスク・ハイリターンとはいいますが、こういう問題になっているのは全部ハイリスク・ローリターンどころかマイナスリターンなんですよ。だからこういう問題が起こっているのですよ。 ですから、この問題について、適合性原則の徹底、本当にこれを進めるということについてはきちっとした見解というものを、決意というものをお聞きしておきたいと思います。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘ございましたように、適合性原則は顧客の知識等の状況に照らして不適当な勧誘を禁止するものでございまして、今回の改正の理念でございます信頼性の向上という面で、私どもとしては大変重要な点であると思っております。 その具体的な運用上の基準につきましては、新たに設置されます自主規制機関が定める受託業務管理に関するガイドラインに基づきまして、各商品取引員がその受託業務管理規則で必要な事項を定めるということといたしたいと考えているわけでございます。現在、このガイドラインのあり方について、どのような内容を盛り込むべきか、さまざまな検討も進んでおるところでございます。 そうした運用のあり方につきまして、主務省庁といたしましては、受託業務管理規則なりあるいはそれに基づく各商品取引員の行為が委託者保護に欠けるようなものであります場合には、業務改善命令を発しまして、その規則の内容でありますとか運用につきまして是正を命じるというような措置が講じられるわけでございまして、こういった点を通じまして、適切に徹底した適合性原則が貫かれるように対応してまいりたいというふうに考えております。
○吉井委員 それで、私はこの問題にかかわって、日弁連の消費者問題対策委員会、先物取引被害全国研究会などが提起しております電話、訪問による勧誘の禁止、これはやはり考えていかなければいけないと思うのです。大体客の九割が素人なんですよ。欧米は九割が玄人なんですよ。日本の場合はそこが問題なんですよ。そういう点についてどういうふうに検討をしていらっしゃるかを伺いたい。
○岩田政府委員 電話勧誘につきましては先ほど来御質問が出ておるわけでございますが、商品先物取引の取引あるいはそのための必要な契約が成立する仕組みというものは、電話勧誘のみによって成立するものではないわけでございます。法律的にも、事前に契約前における書面の交付義務ないしはその説明の義務というものを課し、同時にその書面の中に商品先物取引の危険性に関することを説明しなければならないということになっておりまして、いわゆるリスクを承知の上で、了承した上でその契約に入るという承諾をする旨の書面の提示ということをもって商品先物取引の契約は成立するわけでございまして、電話勧誘そのもの、それ自体によって契約が成立するわけではないということでございます。 そういう仕組みであるということでございますが、ただ私どもは、先ほど来御答弁申し上げておりますように、電話勧誘が一方においていろいろな形での御迷惑というか、そういうことがあり得るということで、不適切な時間帯の電話勧誘とかいうようなことを禁止し、今回はさらにいろいろな、商品先物取引であることの明示、あるいは会社の名前を明示する、そういったような新たな義務づけを今回の法律改正を機に設けることにした、このようなことでございます。
○吉井委員 今そういうふうにおっしゃったのだけれども、電話勧誘を出発点にして、さらに後行かれるわけですね。 それで、社団法人日本商品取引員協会の九六年度事業報告書に示されております苦情相談の四四・七%が過当勧誘なんですよ。これははっきりしているのです。入り口は、まず電話でしつこくやっておいて、ひっかかったなと思うとさらに行ってやっているのですよ。だから、私はそこについて、やはり日弁連の皆さんなど関係する皆さんのこういう貴重な提起というものをしっかり踏まえた対応というものが必要だと思います。 最後に、もう一つの問題で熟慮期間の設定、いわゆるクーリングオフの問題が必要だと私は思うのです。契約し、その後人から忠告を受けてやめようかなと考えておる間にも売買が行われて損を出す、こういう事例が多いわけですね。無断売買の苦情相談が、農水、通産の調査によると二二・八%という事態でしょう。ですから、契約して、熟慮する期間ですね。 具体的に言えば、例えば弁護士さんなどは、契約締結の日から十四日を経過した日以降でなければ顧客の売買指示を受けてはならないなどという、十分な時間をとって、それを明記するということを提起しておられます。熟慮期間の設定というものについてもきちんと考えていくべき問題じゃないかと私は思うのですが、最後にこの問題についてお聞きして、質問を終わるようにしたいと思います。
○岩田政府委員 お答えをいたします。 熟慮期間でございますが、これを義務づけるということにつきましては、実は商品取引所審議会で、この改正法案を提出させていただく前提となる議論の中におきましても、新規委託者とのトラブル防止の観点から一定の効果を有するというふうにはされておるわけでございますが、同時に、新規委託者との取引開始を一律に制約するというものはやはり問題であるという指摘もあったわけでございます。 その関係で、私どもは、顧客の知識等の状況に照らして不適当な勧誘を禁止する適合性原則をこの法案の中で明示をさせていただき、それによって、自主規制機関の対応あるいは行政処分ということで対応しようということで御提案をしているところでございます。
○吉井委員 時間が参りましたので、終わります。
○斉藤委員長 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 民友連を代表して、質問をさせていただきたいと思います。 民主党の大畠章宏でございます。 きょうは、委員会の御配慮で時間をちょっとずらしていただきまして、最後に質問させていただきますが、既にこの法律の改正案については、西川太一郎委員、さらには吉井委員の方からもさまざまな観点から御質問がありまして、一番最後に質問するのは大変難しいということも実感しながら、改めて問題点を少し整理しながら御質問をさせていただきたいと思います。 きょうは、今大臣が都合で退席をされておりますが、通産省のナンバーツーであります遠藤政務次官もおられますし、最初に遠藤政務次官にお伺いをしたいと思います。 今、吉井委員からも、この商品の先物取引というものの問題点も何点か的を絞って御質問がございましたけれども、ちょっと委員の皆さん初め遠藤政務次官にも聞いていただきたいと思うのですけれども、何点か具体的な事例について指摘しているものがございますので、これを御披露して、この問題に対する御認識等々を最初にお伺いしたいと思うのです。 最初の事例は、これは四十三歳の会社員の方です。 契約していないのに先物取引業者にトウモロコシの取引をしたからお金を出せと要求されている、こういう相談でございまして、この方の事例によりますと、出身校の後輩だと名乗る社員が十日前に相談者、この会社員の勤め先を訪問して、会社案内や名刺などを置いていった。そして、次の日に何かその人の上長だという人から、今トウモロコシが値上がりしている、買えるかどうかわからない、後でまた電話すると言って切った。その会社員は、会議で忙しく、はいと答えて電話を切ったというのですね。 追ってまた電話があって、三十枚取引したと、そして三百万円を要求された。その会社員は頼んだつもりはなく、契約書も交わしていないので拒否をした。しかし、業者は、電話でも契約は成立する、あなたははいと応諾したじゃないかと、先刻の電話のやりとりをちゃんと録音していて、それを電話の向こうから聞かせるわけですね。相談者がはいと言った部分を相談者に聞かせた。そして夕方、業者が訪ねてきて重ねて契約を迫り、相談者、会社員は何とか頑張ってその場を引き取ってもらった。 そこで、国民生活センターというところに駆け込んで、相談に入ってもらった。結局、この場合には不成立じゃないかということで、国民生活センターが入って、これは一件落着したところであります。 もう一つの事例、これは八十五歳のお年寄りの方ですね。 母校の、これも学校の後輩だと言って面談をした、それで、二十日の間に東京トウモロコシの先物取引を契約して、たちまち取引をふやされて、現金と株券合わせて六千万円も入れさせられた、取引をやめてくれと言っても一向に応じてくれない、こういうふうな相談があったのだそうです。 このときのやりとりを見ますと、ひどい話がいろいろあるのですが、これも国民生活センターの方に相談をした内容の一つなんですが、もうやめてくれと言ったら、今やめると四千万円の損をしますよと。このお年寄りの方は、やむを得ないから全部やめてくれと。そうしたら、損金は現金でその日に入れてもらわなければ困る、株券は返すから、やるのならいつでもやるぞ、こういうふうな話で、それでもやめてくれと言ったら、五、六千万円の損になるかもしれない、損をしてでもやめるか、こういうふうに言うのです。そうすると、株券をすぐ売却しなければならない、その日のうちに売却する、それでもいいのか、それで足りなかったらどうするのだと言うから、それでもいいからやめてくれというふうにお願いをするような感じでやったのですが、なかなからちが明かないので、センターの方に相談に来たというのですね。 その相談者がセンターでいろいろ、とにかくそれはやめさせましようという話なんだけれども、相談者がセンターから帰宅したら業者が自宅に押しかけてきて、やめるのを撤回してくれということで、この相談者と門を隔ててやりとりをした。そしてまた、センターにもう一度相談に行って、結局、最終的には一千万円の差し引き損。だから、これは結局一千万円損して新たに一千万円払うことになったのですけれども、結局これで終わったという話なんです。 先ほどの吉井委員からの話もあるように、この先物取引の被害者というのはずっと絶えないのですよ。ちょうど平成二年に改正がされたのですけれども、それでこの契約のトラブルというのは減るのかなと思うと、減らない。ある一定の被害者というのはずっと続いているのですね。 今回の法改正は一定の前進だと私は思うのですけれども、通産省として、どちらかというと増加傾向もあらわれている状況ですが、この増加傾向、こういうトラブル、被害というのは、これからこの法律を改正することによって減ると認識しているかどうか。これは大変重要な政策の方針ですから、遠藤政務次官にお伺いしたいと思います。
○遠藤(武)政府委員 御指名でございますので、お答えさせていただきます。 激減するかと言われれば、減るかと言われれば、これは比較、実態の表現ですから何とも言えないところもあるわけですが、先ほど来、委員が実例を挙げてくださいましたけれども、お聞きしておりまして、怒りすら覚えるような実態であります。ひとえにこれは業者と取引員の営業姿勢にあるという感じがいたしました。そういう実態を私どもも把握いたしておりますので、より一層委託者の保護に力を入れなきゃならないということでこのたびの法改正をお願いをしたわけであります。 したがいまして、今後、取引に対しては、委託者に対して誠実に、正確に応対するように義務づけておりますし、公正さ、これらも義務づけております。また、委託者の財産の状態や経験、あるいは先物取引に対する知識等についても十分なものがあるかどうかということも判断して、過当な勧誘にならないようにということ、そういう一面もこの法律に盛り込んでおるわけです。さらに、自主規制についても協会に対して徹底するように義務づけておりますから、このような措置によって、おっしゃられるような事例が少なくなってくれればいいと期待をしているところでございます。
○大畠委員 政務次官のお話でありますが、どうも私はまだまだ、今お話をいただきましたけれども、今回の改正は前進ではありますけれども、さらに突っ込んでやらなきゃならない問題が幾つかあるのじゃないかという感じがします。 大臣お帰りになりましたけれども、特に電話勧誘の問題が吉井委員からもお話がありましたけれども、電話勧誘で、客があいまいな返事をしょうものなら買ったことにしてしまう。あるいは、枠がとれたと言って強引に取引に取り込む、そういうこと。あるいはまた、法律で禁止されているのに、損が出ることについては全く触れず、絶対にもうかるから、あるいはまた三カ月以内に倍になるからとか二カ月で何割もうかるとか、そういう話をする。あるいは、客に無断で勝手に売買をやってしまう。あるいは、無意味な売買を繰り返して手数料を稼ぐとか、また客のお金が残っているうちは客が取引の終了を求めてもなかなか応じない、あるいはやっと取引が終了しても、わずかに残った清算金すらなかなか返却しないという非常に悪質な例が目立つのですね。 欧米並みの先物取引市場にしようというこの法律改正の趣旨については私も賛成しますけれども、実態が追いついていない、そういうことを十・分認識しながら、私たちはこの法律改正に臨まなきゃならないという感じを持ちます。 そこで、二点目にちょっとお伺いしたいのは、委託者の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当な勧誘の禁止をするという適合性原則というものを法文化したことは、これは今回の法律は前進でありますけれども、これが既に導入されている証券取引でも消費者トラブルは後を絶たないという現実もあります。 そこで、この適合性原則ということを法文化したのですが、他の委員からも御指摘があるのですけれども、この法文化したということをどのような形で担保をしていくのか、あるいは実効性あるものにしていくのか、改めて当局の考えをお伺いしたいと思います。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 今回適合性原則を法文化いたしましたことに伴いまして、その運用上、まず自主規制機関が受託業務管理に関するガイドラインを定めていただいて、それにのっとって各商品取引員が受託業務管理規則を設けて必要な事項を定めていく、こういう考え方をとっておるわけでございます。 特に、この自主規制機関が定めるガイドラインの内容につきましては、ただいま御指摘のありましたいろいろな問題を踏まえまして、例えば社内の管理組織、責任体制をどうするかといった点、あるいは適格性の審査をどのように具体的に進めていったらいいかという点、あるいは契約時の説明のあり方、あるいは委託者が説明内容を理解したことについての確認の手続のあり方でありますとか、そういったことについての手順、あるいは勧誘、契約、売買指示の各段階における委託者の取引意思の確認のための手続、そういったことについてきっちりとした内容のものを定めていただいて、それにのっとって適合性原則を具体的に運用していただきたいというふうに考えておるわけでございます。 また、私ども政府といたしましては、そういった具体的な行為なりあるいはその前提となりますルールが委託者保護に欠けるような点がありますれば、業務改善命令を発しまして、その規則の内容でありますとか運用について是正を命ずるといったような措置を講じてまいる考えでございます。
○大畠委員 そういうものがあれば適切な処置をとるというけれども、もしもやっていれば先はどのような事例が起きないんじゃないですか。 会社で仕事をしていた、何か忙しい。あなたの大学の、学校の後輩です、実はこういうことでいい話があるのですが、ちょっと頼みますよ。いや、ちょっと今仕事で忙しいんだ。いやいや、いい話があるんですから。わかったわかったとかなんとかと言って電話を切って、またあって、それからまたがたがたとするという事例がずっと続いているわけですよ。 前から大豆の先物取引で大もうけしたとか大損したとか、先物取引というものに対する日本の社会の中のイメージは非常に悪いですね。この原因は、先ほども他の委員からもあったように、非常に個人取引が多い、そういうところも一つ大きな問題になるかもしれませんけれども。 そこで、具体的にちょっと申し上げたいと思うのですけれども、先ほど、ガイドラインのあり方について検討中というのですけれども、私は、もう幾つかの具体的なことをやるべきだと思うのです。こういうものは、検討中というよりも、こういうことを検討していますということを少し言うべき段階だと思うのですけれども、新規委託者のトラブルというものを避けるためには、さきの適合性原則というものも基本になることですけれども、私は、契約の前に取引の概要の書面をお客さんに示して十分に説明する必要がある。その際には、訪問販売法にもありますとおり、八ポイント以上の赤い字で、赤枠で囲み、わかりやすい言葉、表現で次の四点を明示させるということを私は義務づけるべきだと思うのです。 それはどういうことかというと、第一番目に、先物取引というものは元金が保証されるわけではないのだということ。それから第二番目には、元金を失うこともある、さらになお損金が出ることもある。さっきのおじいさんなんかは一千万円ぐらい余分に払わせられたと思うのですね。六千万円追加しながら、さらに一千万ぐらいお金を取られているわけですよ。そういうふうなこともあるのだということも明記する。さらには、取引の損と得との割合というのは大体八対二ですよ。これも統計上出ているのですね。だから、先物取引した人のもうかっている人の割合は大体二割、あと八割の人は損をするのです。そういうことも明記する。さらに、この取引は、あなたが出資した額の二十倍の取引が行われる。 これは平成九年の九月八日の農水省と通産省の中間取りまとめ、委託者保護に関する研究会の中間まとめというものの内容をまとめてこの四項目というものを出しているわけでありますが、このくらいの内容をきちっと明記して、それでもなおかつ、委託者がそのリスクを冒してまで、先ほどハイリスク・ノーリターンと言っていたけれども、ハイリスク・ノーリターンどころじゃなくて損することもあるのですから、そういった実態をきちっと委託者が理解をした上で、そのリスクを押してもやります、二割のもうかっている人もいるのですから私はその二割の方にかけてやりますよ、そういう体制を私はつくるべきだと思うのです。もうちょっと具体的な、ガイドラインの、今提言したようなことをやるべきだと思うのですが、どう考えておられるでしょうか。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘ございましたように、商品先物取引の危険性といいますか、リスクというものについてわかりやすく明快に説明した書面の交付というものが大変重要であるということは、私どももそのように認識しておるわけでございます。 現在、現行法にのっとりまして、商品取引員は、商品先物取引の受託契約を締結しますときに、締結前に、先物取引の概要及び先物取引には危険を伴うといった旨を記載した書面の交付をしなければならないことになっておるわけでございます。この点につきましては、具体的には、日本商品取引員協会の指導によりまして、各取引員が「委託のガイド」というものを交付しておるわけでございますが、その「委託のガイド」の中には、赤枠で、八ポイント以上の文字で現在指摘をしておるわけでございます。文字そのものは黒字でございますけれども、「商品先物取引の危険性について」ということで、例えば「先物取引は、利益や元金が保証されているものではありません。また、総取引金額に比較して少額の委託証拠金をもって取引するため、多額の利益となることもありますが、逆に預託した証拠金以上の多額の損失となる危険性もあります。」云々ということでガイドを出していただいておるわけでございます。 また、商品取引員に対しましては、取引開始に先立ちまして、先物取引の危険性を承知した上で取引を行うことを承諾する旨の書面を委託者から受領した後でなければ取引の委託を受けてはならないということも、受託契約準則で行っておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、いろいろなトラブルにかんがみまして、十分実態を見ながら、よりわかりやすく明快に商品先物取引の危険性について書面の交付が行われ、顧客がそれを理解して臨むということができますように、御指摘の幾つかの点も御参考にさせていただきながら、引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。
○大畠委員 これは、私たち、今回の法律改正に立ち会うといいますか、かかわる商工委員会のメンバーは、通産省もそうなんだけれども、本当に責任を持たなければならないと思うのですよ。毎日毎日、毎日毎日なんというのはオーバーかもしれませんけれども、いずれにしても、こういうよくわからない人に無理やり押しつけて利益を上げているという実態があるのですね。したがって、今のお話、本当に責任持ってやってくださいよ。 それから、今の話なんですけれども、例えばそういう書面でやらなければならないとか、いろいろ取り決めがあるのですね。あるのですけれども、先ほど、四十三歳の会社員の話で、三百万円お金出せという話をしたのだけれども、センターがいろいろ尋ねていったら、結局、まだ取引はしてませんとこの会社が言ったのですね。取引したから三百万円よこせと言ったのだけれども、実際、よく調べていったら取引してなかったということもわかったのですね。 したがって、私たちが今話しているのは、ひょっとしたらこういうのは建前だけで、実際とは随分違うところを話しているかもしれないのですよ。そこに、実際のところに踏み込んで何か手当てをしなければ、どんなに書面上ではきちっとしたって、実際の社会でそれが守られてなかったらどうにもならないのですね。それで、一方では、さっき言ったように六千万も株券とか現金を投入してなおかつ一千万損するという、それも八十三歳の年寄りの方がそういう被害に遭っているわけですよ。 だから、そういうことも、今、古田審議官ですか、答弁されましたけれども、やはり官僚は官僚としての責任を持ってもらわなければならない。これは、単なるこの委員会だけで質問者に対して適切な答弁があればそれでいいのだというわけにはいかないのですよ。私たちは、日本人の生活あるいは安全を保障をしなければならないことは確かですが、実生活上そういう問題が出ているとしたら、今、古田審議官がおっしゃったけれども、それは責任持ってそのとおりにしてくださいよ。 それからもう一つ、今回導入されたフロントランニングの禁止については、私はそういう意味ではいいことだと思うのですね。しかし、それと同時に、ざらば取引または板寄せ方式についても、顧客の注文時刻、取引成立の時刻、こういうものをきちっと記録してお客さんに交付するということは当然だと思うのですね。そんなことがないから、さっき言ったような、四十三歳のサラリーマンについては、取引したといって金を出せと言うのだけれども、実際、ずっと追っかけていったら取引はしていなかったというのですね、センターが入ったら。どうもあいまいなんですよ。そこら辺の、こういう事実関係をきちっと記録をして提示するということに対してはどういうふうに考えておられるのですか。
○岩田政府委員 お答え申し上げます。 今回の改正では、今御指摘のように、フロントランニングの防止条項を入れるというようなことも含めまして、これまでは、取引の内容につきまして、成立した際に種類ごとの数量、対価、あるいは日にちというようなものは通知をすることにいたしてきたわけでございますけれども、今回新たに、日にちのさらに先に、注文時間及び成立の時間というものを追加をして通知をする義務をかけるということを予定いたしておるわけでございます。
○大畠委員 この問題も、私は申し上げたいのは、今の御答弁が末端まできちっと担保されるようにするのにはどうしたらいいかということを少し考えてもらいたいと思うのですよ。 なぜそんなことを言っているかというと、日本の先物取引業者の実態についての資料、これは先ほどの通産省と農水省でまとめた資料の一部だと思うのですけれども、先物取引市場と証券市場の比較なんですが、委託者数、先物取引では十万人のお客さん、証券業界は一千九百万人のお客さん。それで、受け取り委託手数料、年間ですが、先物取引の方は三千百十八億円、それから証券業界が一兆六千三百二十四億円。そして、その関係筋、業界の人ですが、総役職員数、先物取引が一万九千人、証券業界は十一万九千人。そして、一人の職員に対するお客さんといいますか委託者数、これは先物取引の方は五人なんですね。一人の職員の人が五人を相手にしている。それから、証券業界の方は一人の職員の人が百六十人のお客さんを相手にしている。受け取り委託手数料を総職員数で割った、いわゆる一人頭どのぐらいの手数料を、収益を上げているのかというと、先物取引の方では一人頭一千六百万、証券業界の方では一千四百万。逆に言えば、お客さん一人頭どのぐらいの手数料を手に入れているのかというと、証券業界の方では一人頭八万六千円ぐらいですが、先物取引の方では一人頭三百十二万円も手数料として手に入れています。 先物取引の業界の、いわゆる一人の職員の方が相手にしているお客さんは非常に少なく、一人頭三百十二万円もの手数料を手に入れていることになるのです。日本の先物取引市場を運営している業界というのが、どうもいま一つ、皆さんが話している、私たちが話しているものと実態とかけ離れたものになっているのではないか。 先ほど吉井委員からも指摘がありましたけれども、私たちの国の先物取引では、客の九割が一般の素人、そして商社などの玄人投資家というのは一割にしかすぎない。欧米では逆に九割が玄人投資家が入っている。いわゆる大豆とかトウモロコシとかそういうふうな先物取引というものに対して、玄人筋が九割入っているのですよ。私は、その方が健全な市場だと思う。こんなところに、要するに八割が損して二割が得する、こういう危険きわまりない先物取引の分野に、九割も、それも素人筋の一般国民が巻き込まれているとすれば、今私たちが議論をしている、今お話があったような、これをきちっとさせますと言うのだけれども、その一方では、そういう欧米とはちょっと異なる状況になっているのですね。 この状況をどう改善していくのか。逆に言えば、国際的な先物取引市場にしようというのであれば、欧米並みに九割は玄人筋の企業といいますか、商社等が参入できるような、そういう市場にしなければならないと私は思うのですよ。 したがって、先ほどのフロントランニングの禁止なんというのは当たり前なんですが、遅きに失した感じもあるのです。ちょっとこれは質問通告にないかもしれないけれども、今回の法改正で本当に商社なんかが九割ぐらいも先物取引市場に入ってくるような余地というのはあるのですか。逆に言えば、どうも後手後手、あるいは問題が起こったからそこに対応しようというだけで、国際的な欧米並みの先物取引市場にしようといううたい文句はあるのだけれども、具体的に今回の法改正で本当に、九割が素人で一割がプロの商社という実態を逆転させて、九割ぐらいは商社が参入してくるというような市場になると思いますか。
○岩田政府委員 九割かどうかは別にいたしまして、私どもも、先生の御指摘のとおりでございまして、当業者あるいは機関投資家というものが我が国の商品先物市場により多く参加をするようなことを理念的な姿として描いているわけでございます。そのためにも、一方におきまして、やはり市場の利便性というものが高まって、多くの方々がそこに参加をしようという気持ちになっていただくということが重要でございます。 同時に、これまた一方で、信頼性ということもないと参加をしようという気にもなっていただけないかもしれないということでございまして、利便性、信頼性の問題というのは、そうした欧米型の市場に一歩でも二歩でも近づけるためにも、今回御提案申し上げているようなことをまさに一生懸命になって実現をしていくということが大事ではないかと考えておるわけでございます。
○大畠委員 そのためには、先物取引の企業というものの指導というか育成というのも、私は今回の法改正は一歩前進、二歩前進だと思うのですが、法律の、本当の意味で欧米並みの先物取引市場にしよう、もうちょっと明るい、そしてまた金融ビッグバンというものが始まったというのですが、この先物取引についても本当に根幹から変えて、まさにハイリスクなんだけれどもハイリターン、失敗するときは大変なんだけれどもという、そういうリスクを負いながらも商社がそこに突っ込んでいく。そういう環境をつくるべきであって、九割も素人筋を相変わらず巻き込むような、そういう先物取引市場の現状については根底から変えていく、変わっていく、そういうものを目指すべきだと私は思うのです。そういうことを目指しているのだと思うのですけれども、どうも私は、今の実態においては不十分ではないかと思うのです。 次の質問に移ります。 いわゆる先物取引市場の業界を監督、指導する、あるいは紛争なんかがあった場合に、処理体制の充実を図るということは重要ですが、今回、取引員の制裁権限まで付与されて、紛争解決のあっせん、調停まで行う新自主規制団体というのができたわけですね。この役割は私は非常に重要だと思うのです。言ってみればその業界を取り締まる一つの裁判所といいますか、その裁判所の手前の団体、管理団体ですね。 現在、社団法人の日本商品取引員協会というのがあるわけですが、過当勧誘が多く問題化した取引員を譴責処分こそしましたけれども、その会社の名前あるいはまた業者の名前というものは、その業者の反対というのがあって、これまでは公表してこなかったのですね。譴責処分まではしましたけれども、この業者の氏名は公表しなかった。 これでは、言ってみれば社団法人日本商品取引員協会というものは仲よしクラブじゃないかと言われても仕方ないという声が一部に上がっていたわけですが、今回つくる自主規制団体、これはまさに公益団体でありまして、公益性をイの一番に考えた団体運営をすることが大変重要だ。その第一歩は、まず、業界からいろいろ圧力をかけられたとしても公正な判断ができるような市場取引監視委員会の構成、すなわち、理事会の構成が重要なんですね。 そこで、先ほども委員から御指摘がありましたけれども、この新しい公益団体の理事の問題でありますが、公益法人という性格上、先ほど言いましたように、公正さ、中立性というのが求められているわけです。この理事会の構成については、九六年九月の閣議了解事項となっている、公益法人の理事については同一業界関係者は全体の二分の一以下にするということはもちろんでありますけれども、取引所の理事長が加わるときはこの理事長は業界関係者の中にカウントされるということでないと、公益理事がなかなか半数以下にならないのですね。したがって、この新しくできる自主規制団体の理事会のあり方について、今申し上げた九六年九月の閣議了解事項となっているこの項目に照らして、どういう構想で考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○岩田政府委員 新しい自主規制機関でございます商品先物取引協会につきましては、御指摘のように委託者と商品取引員間のあっせん、調停、協会員に対する制裁といったような新たな業務がより適正に実行されるということが極めて重要でございます。これまで以上に団体の中立性、公正性が必要になるものと私どもも考えております。 このために、執行機関である理事につきましては、商品取引員を協会員として、自主規制を行う非営利法人という団体の性格に留意しながら、公益理事を理事全体の二分の一以上とするというように、その構成において団体自体の中立、公正性が確保されるように、国としても適切に指導監督を行っていきたいと考えております。 もう一つ御指摘のございました、取引所の理事長の件でございますが、商品取引所の理事長が新自主規制機関の団体の理事となる場合の取り扱いにつきましては、閣議決定されました公益法人の設立許可及び指導監督基準のこれまでの運用例を参考といたしまして、検討をさせていただきたいと考えております。
○大畠委員 わかりました。 それから、今私の質問の中で、これから、今回の法律に触れるような行動をした取引員についてはもちろん罰則がついているわけですが、その業者、その取引員の所属する会社名というものを世間に公表するということは、これはどうですか。
○岩田政府委員 お答えをいたします。 私どもは、行政の処分の対象といたしましたものについては公表をさせていただきたいと考えております。
○大畠委員 ともかく今申し上げたように、私たちがここの商工委員会でいろいろな質疑をしているというものの前提条件とはかなり異なるのが実態だと考えなければならないと思うのですね。その実態をいかにして、私たちが目指す欧米並みの先物取引市場にしようというのであれば、いわゆる世間常識に反している行為は一つ一つ排除していかなければならないのですよ。 だから、そういう意味で、今お話がありましたように、もちろんこの法律に抵触した取引員についてはきちっと処罰をすると同時に、そういうことをやった所属の企業については企業名をきちっと公表する。今、公表するという話はありましたけれども、そういうことを一つ一つ積み重ねない限り、日本の先物取引市場の業界を取り巻く何となくうさん臭いといいますか、暗雲が立ち込めたといいますか、そういう雰囲気はなかなか直らないと私は思うのです。そのことについては、今おっしゃったことをきちっと守っていただけますようにお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ、最近、外為法の改正に伴いましてさまざまな動きが出てきておるのですが、日本の先物取引市場と海外の先物取引市場があるわけであります。それで、最近の事例では、海外のオプション取引のトラブルがふえてきているという話も聞いておりますし、警視庁なども海外先物取引規制法違反容疑でいろいろと家宅捜査したとか何かということも聞いておるわけでありますけれども、どうも、国内先物取引については新法の網がかぶさり、海外先物取引も海先法というもので規制されているのですけれども、この海外オプション取引というのは海先法の指定対象にはなっていないということなんですね。 したがって、なかなかこの法律を適用していろいろ発動することができないというような話でもございますし、この際、私は、この問題についても何らかの対策をとらないと、いわゆる詐欺的行為が蔓延するのじゃないか。したがって、私は、この際、この分野に対する被害を拡大させないためにも、海先法の指定対象にこういう今指定されないところも加えるべきじゃないかと思っておるのですが、その件についての考えをお伺いしたいと思います。
○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。 海外商品市場についてのトラブルでございますが、このところかなり減ってきておりますが、その中で、特に御指摘のあったオプション取引につきましては、ここ数年増加をしておるということでございます。 それで、これまで海外商品オプション取引のトラブルの問題についてさまざまな形で普及啓発はやってきておるところでございますけれども、御指摘のような事情も踏まえまして、今後私どもとしては、オプション取引についてさらに被害防止のための普及啓発活動を思い切って強化をしたい、あるいは警察当局との連携による悪質業者摘発への協力など、そういった面でより一層の被害防止に努力してまいる考えでございます。 こういった努力をしつつ、かつ、オプション取引についての被害の状況でありますとか実態でありますとか、そういったことを十分に把握し勘案しながら、御指摘の海先法への取り込みについては今後の課題として検討してまいりたいと思っております。
○大畠委員 今後の課題ということでありますが、いろいろトラブルが発生してからでは遅いわけでありまして、今後の課題と言わずに検討を開始してもらいたい。いつも後手後手なんですよ。これまでもそうでしょう。平成二年に改正してから平成十年まで約八年間ずっと改正がなかったのですけれども、先はどのような事例がずっと続いていたのです。続いていたにもかかわらず、というのは、八年前と今日ではかなり市場が変わりましたね。日本の社会も変わりましたよ。一人頭のお金の持ち方も変わってきた。お年寄りの方もふえてきた。 そういう状況の中で、被害者が増加傾向にあるということであれば、やはり適切にきちっと手を打っていくべきだと思いますが、今のように、今後検討課題とさせていただきますという答えも一つの答えなんでしょうけれども、やはり問題が起こって被害者が出始めてからでは遅いのじゃないですか。したがって、そういう問題についても、その状況について検討を開始してもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
○古田(肇)政府委員 本件の重要性にかんがみまして、検討を開始し、十分実態それから対応の方向について煮詰めてまいりたいと思っております。
○大畠委員 とにかく、日本の政治は、何か問題が起こらないと動かないということを常々言われていますから、欧米並みの先物取引市場を目指すということであれば、いろいろな可能性に思いを寄せて、一つ一つ国内のそういう問題点は厳罰に処しながら、何とか透明性を高めた市場にしようという努力とともに、そういう国際間の取引などの落とし穴があれば、ここにいろいろと着目して対策すべきです。だから、ぜひ、それは今おっしゃったような形で検討を開始して、しかるべき方向性を出してもらいたいと思います。 それから、先ほども同僚委員からお話もあったのでありますが、今回の法律改正の審議過程の中でいわゆる熟慮期間の設置というものを検討したけれども、導入は見送ったという話も漏れ承っておるのですね。この熟慮期間の設置というのは、契約締結から十四日間を経過した以降でなければ取引、市場で売買をしてはならないということなんですけれども、これは非常に有効な対策ではないのか。 先ほどの事例二つ、ちょっと大臣がおられないときに申し上げたのですが、四十三歳のサラリーマンが、会社で大学の後輩と称する人から電話を受けて、あいまいな返事をしたところ、早速その会社の上長という人から、もうやったよ、だから三百万よこせというのを夕方言われて、びっくりしたという話なんですよ。それで、押し問答しながら、おかしいじゃないかというので、一応、国民生活センターというのが仲介してチャラにしたのですね。 それから、もう一つは、八十五歳の無職の男性が、株券と現金を六千万円投入してやったのだけれども、よくわからないからもうやめたいと。それでもやめさせてくれなかった。今やめたら四千万損しますよ、五千万損しますよというわけで、なかなかやめてくれない。しかし、もうやめたいと言って、結局、国民生活センターが入っていろいろやった結果、一千万ぐらいの損失といいますか、新たな損で終わったという話が出ているのですけれども、どうも、そんなことを考えますと、先ほどの四十三歳の会社員の例でいえば、この熟慮期間の設置というものをきちっとやってもらえば、こういう事例が起こらないのですよ。 したがって、私は、なぜ、熟慮期間の設置というものを検討しながら、今回の法改正に入れなかったのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
○岩田政府委員 熟慮期間の問題につきましては、商品取引所審議会におきましても議論が行われたところでございますが、新規委託者とのトラブル防止という観点からは一定の効果を有するわけでございますけれども、一方、委託者になりたいと考える人たちを一律に制約をするというものであるということで、むしろ、適合性の原則の導入でございますとか自主規制の強化でございますとかというようなことによって対応することが望ましいということでございます。 なお、今お示しいただきました幾つかの例に関して申しますと、熟慮期間の問題というよりは、いわゆる仕切りの問題というようなことも含まれておるかと存じます。仕切りの問題につきましては、先ほども御答弁させていただきましたが、客観的に意思の表明が明らかになっているというような場合、先ほど申し上げましたように、内容証明によって、文書によって連絡があったような場合に、さらにそれに加えて電話でもう一遍再勧誘をするとかいうようなことは、むしろ仕切り拒否に該当するものとしてこれを禁止するというようなことの措置も今回新たに導入をする、そういう方向で指導していきたい、このように考えておるところでございます。
○大畠委員 私、時間配分を間違えまして、ちょっと時間が来たようですが、最後に、大臣、やはりいろいろやってきますと、どうも素人がひっかかるのは電話勧誘なんですね。したがって、私は、先ほどの委員からも御指摘がありましたが、電話勧誘というものを禁止するということを検討するか、あるいは、氏名の明示等々、何らかのきちっとした制約を設けるべきだと思うのですが、この件についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○堀内国務大臣 委員のお話のとおり、電話による勧誘というのは非常に、夜分だとかいろいろはた迷惑なこともございますが、それによって勧誘を受けて大変な大損をしたというような人も大勢ございます。そういう意味で、電話勧誘につきましては、従来から、電話勧誘を断った者に対する再勧誘は禁止するということになっており、また、相手方が迷惑を覚える時間帯の電話勧誘は禁止するということになっておりますが、それに加えまして、今度は、電話勧誘の際には、まず会社名、それから先物取引の勧誘であるということをはっきり明示をしてから勧誘をしなきゃいかぬということになりまして、これを行わない場合には行政処分の対象にするということになっております。 また、今回の改正におきまして、今までの御質疑の中にもございましたが、顧客の知識だとか経験だとか財産というようなものをしっかりつかまえて、その相手を理解した上で、適切でないという方に対して不適当な勧誘は禁止するということがはっきり行われております。いわゆる適合性の原則を導入をいたしました。そしてまた、こういうような不適当な勧誘を行って委託者の保護に欠けるようなことになるおそれがある場合には、業務改善命令等を行うことができるようにいたしてございます。 さらに、自主的な規制機関ではありますが、今度その機能の抜本的強化を図ることとして、特に制裁については、商品取引員がルールに違反していないということをはっきり証明できない、グレーゾーンの場合はすべて厳格な制裁を加えるということになっております。 こういうような法律の厳正な運用を図ることによりまして、電話勧誘に対するトラブルを初めとして、また委託者のトラブルの防止を徹底して、この商品取引、先物取引の信頼性というものをまず高めていきたいというふうに考えております。
○大畠委員 終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○斉藤委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、商品取引所法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。 反対理由の第一は、法案が、石油、米など新規上場商品の拡大を図りやすくするとともに、商品取引員の資格要件の緩和や取次業務の解禁など、日本版ビッグバンに合わせて制度を改革することです。このことは、極めてリスクの高い商品先物市場を拡大し、市場への大銀行、大商社、証券会社などの参入を促進し、その利益に奉仕するとともに、日本経済の投機化を一層促進するからであります。 反対する第二の理由は、当業者主義の確立を見送り、消費者被害を一層拡大することです。 商品先物取引は、買い注文と売り注文が同数で、各注文の利益は他の注文の損失の上にのみ生じるものであり、株式取引等に比べて危険性が格段に大きいことは明らかです。現に、通産省、農水省の研究会報告によっても、委託者全体の八割弱が損害を受けています。取引を委託した一般消費者の圧倒的多数は損害を受けていることになるのです。したがって、先物取引はあくまで実際に商品の生産、流通に関係する当業者に限るべきであるにもかかわらず、法案で先物市場を拡大することは、消費者被害を一層拡大することになるからであります。 最後に、現実に商品先物取引の消費者被害が拡大しているもとで、商品取引所、商品取引員への監視、監督を厳正に行うとともに、自主規制団体の機能も実効性が上がるように強化し、委託者保護を徹底して強めるよう要求し、討論を終わります。 以上であります。
○斉藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○斉藤委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、商品取引所法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○斉藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、岸田文雄君外四名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。伊藤達也君。
○伊藤(達)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 商品取引所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、我が国商品先物市場が世界的な変革の潮流の中でその遅れを取り戻し、健全な発展を図るとともに、委託者保護の徹底を図る見地から、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 我が国商品先物市場の空洞化を防ぐため、商品取引員の経営基盤の強化を図りつつ、委託手数料の段階的自由化を早期に実施すること。 二 市場取引監視委員会がその市場監視機能の充実を図り、公正、透明な商品市場を実現できるよう委員構成、機能、運営面について特段の措置を講ずること。 三 「適合性原則」、「フロントランニングの禁止」、電話勧誘等の委託者勧誘に関するルールの徹底した遵守のための措置を講ずること。とりわけ、登録外務員に対する教育の徹底、社内管理体制の強化等についてより一層実効ある措置を講ずるよう指導すること。 四 商品取引員の許可の更新に当たっては、各種相談窓口等に寄せられる情報等を踏まえ、営業姿勢等について厳格に審査するとともに、委託取次ぎの新業務については、責任の所在が不明確とならないよう措置すること。 五 新自主規制団体の理事会の構成については、その中立性、公益性を確保できるようなものとするとともに、本団体による会員制裁及びあっせん・調停制度等については、より信頼される運営を行い、取引の公正の確保、委託者保護に万全を期すこと。 六 改正外国為替及び外国貿易法の施行に伴い、海外先物取引、海外オプション取引等による紛争を防止する見地から適切な措置を講ずること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、子細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○斉藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、堀内通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀内通商産業大臣。
○堀内国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 —————————————
○斉藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会 ————◇—————