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142回国会衆議院1998/03/18

商工委員会 第5号

発言数
135
登壇者
11
会派数
6
開催日
1998/03/18

会議録

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。末松義規君。

末松義規民友連

○末松委員 民友連の末松義規でございます。  きょうは、ジェトロの関係、そしてあと鉱山保安監督業務の関係について御質問させていただきます。  まず、鉱山保安監督業務に関して質問させていただきます。  三池炭鉱の閉山によりまして、鉱山保安監督局が監督部になるとございますけれども、同時に、機動的な体制を整備した上で、引き続き鉱山保安の確保を図っていくとございます。  昨年来、通産省では閉山対策でいろいろな努力をしてこられたわけですが、今後とも引き続き、特に雇用対策、またさらに閉山に伴う新たな業務の発生もございます。そういった意味で、きちんとした形で引き続きやっていただくようお願いいたしますとともに、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  三井三池炭鉱の閉山に係る対策につきましては、昨年四月二十三日に産炭地域振興関係各省庁等連絡会議というものを開催いたしまして、地元の自治体の御要望等を踏まえまして、炭鉱離職者の再雇用、地元商工業者の経営安定等の緊急対策あるいは新産業の創造、物流機能等の整備あるいはまた都市機能の整備促進、こういうものを柱とする閉山対策を政府で取りまとめたところでございます。  また、昨年の十月六日には対策のフォローアップを行ってまいりました。十月七日から八日にかけまして、同連絡会議による現地視察を行ったところでございます。雇用対策を含む閉山対策が着実に進捗していることを確認いたしたところであります。  具体的には、雇用につきましては、現在までに、三井三池炭鉱の閉山に伴う千四百五十七人の休職者のうち、五百四十四人が就職をいたしました。また、百七十八人が今度は離職のための職業訓練を行っているところでございまして、通産省といたしましては、今後も関係各省庁との緊密な連絡をとりながら、連絡会議を必要に応じて開催いたしまして、対策の進捗状況を把握しながら、閉山対策に遺漏なきよう万全を期してまいりたいと考えております。

末松義規民友連

○末松委員 大臣の御決意を聞きました。ぜひ、引き続き頑張っていただきたいと思います。  では、ジェトロとアジ研の統合問題について質問をさせていただきます。  実は私、アジア経済研究所とのおつき合いをさせていただいた関係が長くて、私は外務省に最初に入りまして、そこでアラピストという形で中東の方も担当しておりました。そして現地に行ってアラビア語を学んだり、あるいはアメリカのプリンストンという大学院で勉強をしておったのですが、そのときに、アジア経済研究所が英語で出しておられるいろいろな研究の書物、その辺は世界的にも、プリンストンでもかなり高い評価を受けておりまして、非常に活用させていただいたということで、ここでジェトロと統合した場合に、そういった機能がひょっとして阻害されることになりはしないかということで、学者さん、学界からも新聞等でさまざまな懸念が示されておりますけれども、そういったところでの思いを私も共通するわけです。  ただ、行政改革ということですから、ある意味では、貿易とかビジネス、こういった動向を踏まえた足の速い研究、これを得意とするジェトロさん、海外調査部、それと同時に、今度は学問研究を中心とした、じっくりと地域研究、基礎研究にいそしんでこられたアジア経済研究所、こういったものが、お互いに片足片足で立っていたのが、今度はこれが統合されて、いわば両足でしっかりとした形で研究を進めていく。  この二つの研究をもとに、一つは足の速い研究、あるいはじっくりとした研究、このそれぞれがお互いにある意味で独立性を保ちながら、そういったオリジナリティーを保ちながら一体となって、このジェトロが遺漏のないきちんとした貿易の実務あるいはそういったコースをたどっていくということが、これから行革を行った後での新しいジェトロのあり方でしょうし、これが日本の貿易、経済にとって大きな役割を果たすということを私も期待するものでございます。  この改正の法律の第一条に「目的」が書いてございまして、そこの中で見ますと、第一条にアジア経済研究所の法律の目的がそのまま入っておりまして、さらには、「業務の範囲」でもほとんどアジア経済研究所の法律がそのまま入っているということで、いわばアジ研の業務を丸抱えした形でこの法律が成っております。  ということは、このアジア経済研究所の業務そのものが一体となって、統合的にこれが入り込んだという目的それから業務の認識でよろしいのでしょうか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 先生の御指摘のとおりでございまして、今回の統合によりまして、日本貿易振興会の貿易・投資振興事業、こういうものと、アジア経済研究所の基礎的な調査研究並びに実際の取り組みを車の両輪としてとらえているわけでありまして、アジア地域等の基礎的なかつ総合的な調査研究は、引き続いて統合後も法人の大変重要な柱として承継をされてまいります。したがいまして、御指摘のとおり、アジア経済研究所法の目的及び業務というものは実際に完全に引き継がれてまいります。  このような観点から、統合後の運営におきましても、アジア地域等の調査研究事業の実施に当たりましては、統合前と同様に、研究者の育成だとかあるいは研究成果の普及、こういうものについて積極的に取り組むことが重要だというふうに認識をいたしております。

末松義規民友連

○末松委員 今大臣の方から大きなお考えは伺いました。  今大臣から少し御指摘もございましたが、第一条の中でこういった文言がございます。「日本貿易振興会は、我が国の貿易の振興に関する事業を総合的かつ効率的に実施すること並びにアジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究」ということです。つまり、私が再三繰り返しております、じっくりとした研究ですね。  今大臣からも御指摘がございましたこの研究につきまして、人材育成あるいは専門性の確保、そういった意味では、従来と変わりなくきちんとした専門家の育成を行っていくということでよろしゅうございますでしょうか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 ただいま委員のおっしゃられたとおりでございまして、今回の統合に当たりましては、現在のアジア経済研究所の基礎的な研究と現在の日本貿易振興会の貿易・投資振興事業、二つを車の両輪としてとらえておりまして、改正後の目的規定におきましても、委員の御指摘のとおり、「基礎的かつ総合的な調査研究」というアジア経済研究所が設置法上持っておりました文言をそのまま引かさせていただくことにいたしたわけでございます。  特に、現アジア経済研究所の基礎的な研究については、いわゆる現地主義と申しますか、先ほど委員のおっしゃられたような、言葉も学んで、アラビア語を学んだりというようなことに基づきながら、各国ごとの専門家による継続的なフィールドワークを通じて行われるものであるということで、これらを担う人材の育成が必要であるという御指摘は、全くそのとおりだと思っております。  このような観点から、統合後の日本貿易振興会におきましても、研究者の育成を担当する部局として研究企画部というのを新たに設置をいたしまして、従来と同様、専門性を重視した研究者の育成を行ってまいりたいと思っております。

末松義規民友連

○末松委員 そういたしますと、例えば外務省でもあったのですが、専門調査員というものがございまして、これは専門にそこを調査する、ある意味では学者さんなんかよくそこで研究を行っているのですけれども、実態は、ある程度大使館のいろいろな忙しいときにちょいと駆り出されて、そういうふうな業務をかなりやらされるという場面も私も何回か目撃したことがあるのです。例えば、ジェトロの足の速い研究が必要だということで、基礎的な研究をやっている人たちがちょっとちょっとということでどんどん駆り出される、そういったことはあってはならないと思うのですけれども、その辺はいかがですか、佐野次長。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 御指摘のように、現在のアジ研と現在の日本貿易振興会、それぞれ実は調査研究あるいは調査というものをやっております。ただ、名前は非常に似ておりますけれども、実態は非常に性格を異にするものでございます。  現在のジェトロの調査と申しますのは、もともと市場調査から出ておりまして、いわばアナリストの仕事でございます。時事的な市場動向、産品の価格等の調査が基本でございます。  これに対しまして、現在のアジア研究所では、これは現地主義と言いならわしておりますけれども、まず専門の地域を決め、その言葉を学び、キャリアの中では一度は現地の研究機関あるいは大学等に行って赴任地に住み、またその後も継続的に現地の新聞、ジャーナル等を読むという極めて地道な、いわば学究的な仕事をしているわけでございます。これはそれぞれ世の中に必要なものでございますので、その特徴を生かすような形で統合後の機関も進められなければならないというふうに考えております。  ただこの二つの調査ないしは調査研究のやり方につきましては連携は大事でございまして、そのために研究コーディネーター等の連携を図るための体制、これをつくっていこうというふうに考えております。     〔委員長退席、石原委員長代理着席〕

末松義規民友連

○末松委員 コーディネートが大事ということはまさしくそこはそうだろうと思います。十分お互いの特質あるいは特性を生かしながらという、そこを最大限尊重していただきたい等も改めてお願いします。  次に、成果なんですけれども、「成果の普及を行い、」ということがございます。アナリストといった場合、いろいろと市場に対する影響も出てくるでしょう。また、通産省が所管しているということもあって、通産省の立場というものもあるし、国の立場というのもあるかもしれません。  ただ、アジア経済研究所の方も同じような立場であったわけですけれども、海外にいろいろな研究を発表して、あるいは国内にも研究をかなり発表しておりますが、その成果の普及といった場合に、この業務の第二十一条の九号でも書いてあるのですが、その成果というものを「定期的に、若しくは時宜に応じて、又は依頼に応じて、提供すること。」というのがございます。  これが、例えばアナリストの立場とかそういうことから、いや、ここの部分は通産省がそう言ったと見られるから困るとか、あるいはジェトロの立場からして大変困るのだとかいってどんどん削減されていって、基礎的な研究そのもの、これは税金を使ってやっているわけですから、単にアジ研、ジェトロの話じゃなくて、あるいは通産省の話じゃなくて、日本国民あるいは全世界的な研究資産になるわけですから、そういった意味で、この公開について制限が加わるのはおかしいと思うのですが、それに対する認識を述べてください。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 今委員のおっしゃるとおりだと思います。  私たち、この新しい法律のもとにおきまして、アジア等に関する基礎的なかつ総合的な調査研究の成果について、この「もって」というところがございますけれども、その後のところで、貿易の拡大や経済協力の促進等に寄与するために行うというところでもございますので、広く政府や学界、産業界の方々に定期的にまたは機動的に情報提供を実施している。現在もしておりますし、今までどおりこれからも続けてまいりたいと思います。  今委員がアラピストだとおっしゃいましたので、たまたま私手元に一部持ってまいりましたが、これは季刊で出ているものでございまして、「イラク・フセイン体制の現状」という、ついこの間出したものでございます。酒井さんという方が取りまとめたものでございますが、この中にはアラブの専門家として、日本人の方々だけでなくて海外の学者の方々も一緒になって一つの編集をして、イラク、フセイン体制はどうなっているのかというのを時宜を得たような形でつくろうといたしまして、たまたま危機そのものはうまく解除ができましたが、そういうようなタイミングを合わせながら、いろいろな定期的な刊行物を出してまいっているところでございます。  このような観点から、現アジア研究所において、従来の出版物の刊行だとか講演会の開催等々、こういう形で成果の普及を積極的に図ってまいりたいと思いますし、おっしゃられたとおり、統合後の日本貿易振興会においても同様の措置が講じられるということが必要であると考えているところでございます。

末松義規民友連

○末松委員 今の次長の言葉を本当に重く受けとめます。ぜひお願いします。  それから、第二十一条の第十号ですか、「前三号に掲げる業務に係る施設を」という言葉がございますが、大臣、この「施設」というのは基本的にはアジ研の施設と考えてよろしゅうございますか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、アジア経済研究所の非常に成果を上げている現在の立場というものは、立派な施設を持ってその中で取り組みをいたしているからでありまして、その施設をそのまま引き継いでいく、また将来幕張に移転をする場合にはさらに充実したものになっていくというふうに考えております。

末松義規民友連

○末松委員 そうしますと、例えば三菱の関係は三菱総研とか、あるいは富士銀行ですか、何かその辺は富士総研とかいろいろありますけれども、例えばジェトロの附属の研究機関のような、そういった位置づけで一般的にはとらえられるし、そうだろうと思うのですが、その辺についてはいかがでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 このアジア経済研究所、これは新しい改正したジェトロ法の中でも新しいジェトロの活動のうちの車の両輪のうちの一つ、こういう位置づけでございますので、非常に大きな位置づけをされているところでございます。  ただ、現在の特殊法人の法律のつくり方といたしまして、その一つの法人の中にある機関を個々に全部書き連ねるということはしないというのが現在の法律のつくり方ですので、これは今度は内部の組織規程等におきまして、きちんとしたアジア経済研究所という名前も使い、そういったものを位置づけて、それで従来どおり、あるいは従来に増して現地主義に基づいたきちんとした調査研究活動ができるようにする、こういう方針でございます。

末松義規民友連

○末松委員 ちょっとわかりにくいのですね。その法律の立て方というのは、法技術的なことはいいのですが、我々一般国民から見てどんなものかと言われたら、附属研究機関のようなものだという説明をしちやいかぬのかということなんです。その辺についてはいかがですか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 附置研究所ということでもちろんよろしいかと存じます。

末松義規民友連

○末松委員 わかりました。  その第二十一条十号で、同じように、その施設を、アジア地域その他の地域の経済及びこれに関連する諸事情に関する調査研究を行う者の共用に供するしとございます。この「共用」というのは非常に新しい言葉なんですけれども、これについて御説明をいただけますか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 この「共用に供する」という言葉でございますけれども、これは、現在のアジア経済研究所の研究者はもちろんでございますけれども、それだけではなく、内外、日本の国内あるいは海外の研究者、あるいはそのほかの方で研究所を訪れた人、これに対しまして一緒に共同研究をする、あるいは一緒にセミナーを開催する、あるいはそれらの人たちに対して研修を施す、図書館を利用してもらう、そういったことを通じてその施設を皆に提供するという趣旨でございます。  なお、この共同研究、研究交流の重要性ということを踏まえまして、現在、この現アジア研究所の施設の移転計画が進んでおりまして、千葉市の幕張に新しい社屋を建設中でございます。ここにおきましては、図書館や共同会議室等を含めまして研究交流施設を約三倍に拡充をするということで、まさにアジア等の基礎的、総合的な調査研究活動のための中核機関、センター・オブ・エクセレンスと申しますか、そういう機関として、現在のアジア研究所の機能、これをさらに充実させていきたいというふうに考えている次第でございます。

末松義規民友連

○末松委員 ちょっとこれも別の角度からお伺いしたいのですが、「アジア地域その他の地域」というのがございます。たしかアジ研の法律にも、アジア地域とさらに業務の支障のない範囲内でその他の途上国の地域というような形の文言があったかと思いますが、新しいジェトロになると、アジア地域とその他の地域といった場合に、どういうふうなデマーケーションといいますか、分け方になっていくのでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 現在のアジア研究所法では、アジア地域を本来業務という位置づけをいたしまして、その他の地域というものを、これも研究してよろしいということになっているわけでございます。  ただ、現在のアジ研の実態を見ますと、もちろんアジアに関する研究者が多いわけでございますけれども、アジアにとどまりませんで、中南米、アフリカ等の途上国地域の専門家が続々と育っているわけでございます。  経済がこれだけグローバル化しているという実態を踏まえますと、国のニーズ、日本の社会のニーズといたしましても、アジアだけに限るというのは本来の趣旨ではなかろうと存じまして、新しいジェトロ法におきましては、アジアその他の地域、アジアを中心としてアジア及びその他の地域をすべて本来業務というふうに位置づけたわけでございます。  ただし、それではアジアというものが埋没してしまうかということで申しますと、それはそうではございませんで、当然、今の日本とアジアとの関係というのは何といっても大事でございますので、アジアを例示として中心に掲げまして、それでその他の地域も本来業務として位置づける、このような立て方にしたわけでございます。

末松義規民友連

○末松委員 そうしますと、日本の貿易の動向というものが非常に大きなこの背景にあって、一番の貿易の相生地域がアジアである、三十数%でしたか、その次がアメリカという話になるかと思いますが、そういった重みは維持しながらも、ほかの地域について、もともとジェトロの海外調査部がやっておられたのは、特に先進国のそういった研究、当然それはアメリカもヨーロッパも我々としては非常に大きな貿易相手国ですし、そういった研究も従来からなされてきたのですよね。ちょっとそこら辺、確認をお願いできますか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 ジェトロは、海外八十カ所に事務所を持っております。そこの中には、アメリカの主要な都市、欧州の主要な国々等をもちろん網羅いたしております。それで、ジェトロの調査部におきましては、それらの地域の分析一市場動向の分析等に関する専門家が、非常に優秀な専門家が育っているところでございます。このような活動は、今後とも日本の貿易、投資の振興という関係からいたしますと、極めて重要な調査活動だと思っております。

末松義規民友連

○末松委員 ちょっと先ほどの施設の話へ戻りますけれども、先ほど幕張の方にやって充実させるのだというお話がございました。その施設は相当規模の、あるいは少なくとも従来の実績なんかを踏まえてきちんとしたものにしていくということは、予算面でも一応確保されているのでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 予算につきましては、財政事情厳しい折から、厳しい査定を受けております。ただ、現在のジェトロ、現在のアジ研部分ともに、この財政事情厳しい中で財政当局と折衝いたしまして、全体としましては若干ふやしていただいております。  ただ、この中身を見ていただきますと、ジェトロにつきましては、為替のレートの問題とかあるいは人件費の当然増等の問題がございます。また、アジ研につきましては、先ほど申し上げました幕張移転に伴います建築関係の費用がございます。そういうことがいわば増分の主たるものでございまして、研究費につきましては、実は若干の削減を余儀なくされておるところでございます。  その中で、私どもといたしましては、この統合のメリットを生かして、重複する部分、これはできるだけ合理化をする、それで新しいニーズにこたえる部分を拡充するというめり張りのついた予算を組んでいるところでございます。

末松義規民友連

○末松委員 統合されますと、結構ブランドというのは大切なもので、というのは、アジア経済研究所という、特に英語なんかそうなんでしょうけれども、名前が法律的には消えるという話なんですけれども、例えば名刺なんかにアジア経済研究所というふうなことは許されてもいいのかなという気もするのですが、その辺の判断についてはいかがですか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 アジア経済研究所、これは、特に途上国におきましては非常に有名になっている名前でございます。また先進国におきましても、この開発研究の世界におきましては評価の確立した名前でございます。したがいまして、この名前は、新しいジェトロの組織規程におきましてアジア経済研究所という名前を残すという方針でございまして、当然、そこで研究に従事する研究者、この名刺にはアジア経済研究所、あるいは英語ではこれはインスティテユート・オブ・ディベロッピング・エコノミーズというのだそうでありますが、その名前は今後とも使用できるようになるというふうに考えております。

末松義規民友連

○末松委員 ちょっと職員の処遇についてお伺いしたいのですが、この統合に伴って、ジェトロの職員さんそれからアジ研の職員さんともども、ひょっとして不利益が生じるのじゃないかということで非常に不安がっている向きが実はあるのですよ。これにつきましては十分に配慮すべきではないかと思うのですが、その辺についてはいかがお考えですか。     〔石原委員長代理退席、委員長着席〕

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 この統合に関しましては、平成八年の十月から九回にわたりまして、通産省の所管部局の幹部と両法人のトップで構成されます統合問題検討委員会というものを開催をいたしております。そこの中で、統合後の法人におきます円滑な職場環境及び組織の確立、事業体制の整備、こういった問題についての検討を精力的に行ってきたところでございます。これと並行いたしまして、実務者レベルでも議論を重ねてまいりました。  今回の統合によりまして、現行のアジア経済研究所の職員、これは新しい日本貿易振興会職員となるわけでございますけれども、その際には、身分の変更に伴う不利益または利益、不利または有利が原則生じないように配慮しながら、今後、具体的な調整が進められるというふうに考えております。

末松義規民友連

○末松委員 今の処遇の件ですけれども、ぜひ十分な御配慮をお願いしたい。と同時に、行政改革の一環ですから、システムそのものを組織的に、ある意味で機能的にやっていく、これもわかるところでございます。  ちょっと話題を転じまして、今度は天下りの問題についてお話をさせていただければと思います。  新しいジェトロでも、また通産省を含む官側から天下りということで、今、世を挙げて天下りについて疑問符も投げかけられているというのは、幾つかの事件が起こったのを見ても理解できるところであろうと思いますし、私もそう思っております。  この天下り問題について、七九年に閣議了解が行われて、そこで官側から特殊法人に対して天下るのは「半数以内にとどめることを目標とする。」そして「民間人等の起用について一層努力する」ということが言われておりますけれども、この実施状況について、たしか総務庁の方が、これは内閣官房の方か、お答えください。

谷口隆司内閣参事官

○谷口説明員 特殊法人常勤役員への国家公務員出身者の登用につきましては、昭和五十二年の閣議決定、そして昭和五十四年の閣議了解におきまして、全特殊法人の常勤役員につきましては国家公務員からの就任者の割合をその半数以内にとどめることといたしているところでございます。  この常勤役員について、国家公務員からの就任者の割合でございますけれども、平成十年の一月一日現在におきまして、その割合は四一・八%となっておりまして、冒頭に申しました閣議決定等の趣旨は達成をされているところでございます。

末松義規民友連

○末松委員 そのときの特殊法人というのは、私、昨日そちらの方から資料をもらったのですが、この「特殊法人一覧」という、平成十年の一月一日現在八十五法人と書かれた、これの特殊法人ということで理解してよろしいですね。

谷口隆司内閣参事官

○谷口説明員 さようでございます。

末松義規民友連

○末松委員 次に、昨年、平成九年ですが、「特殊法人等の整理合理化について」ということで、十二月二十六日に閣議決定がございます。これで、常勤役員について非常にわかりにくい言い方がされているのです。先ほどの七九年の閣議了解の方針に加えと書いてあって、「省庁ごとに主管の特殊法人全体を通じ、その主管省庁からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめるものとする。また、民間人の起用を促進する。」こう書いてあるのですが、この意味が必ずしも一般にはわかっておりません。  ここのところを簡単に説明しようとすると、なかなか簡単にいかないのかもしれませんから、先日御説明いただいたラインで、ちょっと私の方で確認させていただきたいのですが、先ほど申し上げた「特殊法人一覧」というこの八十五法人と、それから、これもやはり平成十年一月一日現在で、「所管省庁別認可法人調べ」という資料をいただきましたけれども、これに数十法人ありますが、この二枚の紙を合わせたものが、この次の役員の異動先の特殊法人等の「等」ですね。まずちょっと、そこの「等」というのはこの二つ合わせたところであるというところを確認させていただけますか。

松田敏明総務庁行政管理局管理官

○松田説明員 御説明申し上げます。  平成九年十二月の閣議決定「特殊法人等の整理合理化について」の特殊法人等の「等」とは、認可法人を指すものでございます。

末松義規民友連

○末松委員 ちょっと話が複雑になって申しわけないのですけれども、いずれにしても、役員の登用先なんですが、この特殊法人の中で、例えば七九年の特殊法人の場合、これは大体八十五法人で、例えば、まだ正確に数えていませんけれども、常勤の役員が八百人ぐらいいるとしますと、それの半分、つまり政府からの天下りは四百人以下にせよというのが努力目標であったかと思います。  今回の場合のこの難しい書き方なんですけれども、先ほどの特殊法人で、これは省庁ごとにと書いておりますが、例えば通産省であれば、この「特殊法人役員任命権一覧」という紙をいただいたのですが、石油公団、金属鉱業事業団、中小企業事業団、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、商工組合中央金庫、電源開発株式会社、日本自転車振興会、日本貿易振興会、アジア経済研究所、それから日本小型自動車振興会、新エネルギー・産業技術総合開発機構、この十一法人について、この法人の常勤役員の半数を占めてはいけない、こういう位置づけなんですか。各省庁ごとにというのは、そういう意味ですか。

谷口隆司内閣参事官

○谷口説明員 まず基本的に、五十四年の閣議了解と、それから先生御指摘の昨年十二月の閣議決定の関係という点について御説明をさせていただきたいと思うわけでございますが、五十四年の閣議了解、これは全特殊法人常勤役員に占める公務員出身者の割合を半数以内ということでございまして、趣旨として、いわば国家公務員出身者の総量を規制するというものでございます。  これに対しまして、昨年の、平成九年の十二月の閣議決定でございますが、その中にも規定してございますとおり、今申し上げました五十四年の閣議了解の方針、これはそのままといたしまして、これに加えて省庁ごとに、その主管しております特殊法人全体を通じまして、当該主管省庁からの国家公務員出身者がその半数以内にとどまるようにする、省庁ごとのいわば総量の規制をする、こういうことでございます。  なお、先生御指摘の一覧表にございますうちのアジア経済研究所につきましては、これは理事につきましては当該省庁の認可といったものを要しないという格好になっておりますので、若干その点が性格が異なっておるということでございます。

末松義規民友連

○末松委員 そうすると、例えば、通産省所管の中、十一法人の中で五割を超えなきゃいいという話なので、例えばアジ研とジェトロ、新ジェトロについても、これは例えばもし十人いるとしましょう、よくわかりませんが。そこの中で、例えば八人通産省から出向していても、全体のパイの、通産省の中で五割を超えていなければ全然構わないという位置づけですかね。

谷口隆司内閣参事官

○谷口説明員 若干繰り返しの御説明となって恐縮でございますが、平成九年にこのような決定をいたしました趣旨は、いわば五十四年の了解に基づく方針だけですと、全省庁を通じての総量規制ということでございますから、省庁による偏りといったものが生じる、そういうおそれもございます。トータルでもちろん半数以下にするというのは五十四年に既に確定しているところでございますけれども、その方針のもとでさらに省庁ごとの偏りもなくす、きめ細かにその規制をしていくという観点から、そちらの観点から追加をして、五十四年の了解の方針に加えまして決定をした、そういう問題意識、観点から新たに規制をつけ加えた、こういう趣旨のもので、そういう観点から御理解いただければありがたいかと思っております。

末松義規民友連

○末松委員 そうしますと、特殊法人ごとに何割を超えてはいけないということは、まだそれは何らの規制もないという位置づけであることがはっきりしたわけです。これはちょっと私の方の質問及び要望なんですけれども、今度の新ジェトロにつきましても、これはできる限り、天下りについても世間の厳しい目があるのだということはしっかりと認識していただいて、できれば本当に天下りはこの新ジェトロについても半数以内というようなことが望ましいのじゃないか、私はそう考えておりますが、そこの点が一点。  それから、いろいろな整理合理化という話も将来出てくるかもしれない。そういった場合であっても、当該労働組合も含めて関係者との協議は十分に尽くしながら、先ほど大臣からもお話をいただきましたけれども、統合は統合できちんとするけれども、生首とかいろいろな大変な問題があります。その辺はきちんと関係者と十分協議をするということについて、そこらは配慮すべしと思いますが、いかがですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 ただいまも御質疑がございましたように、特殊法人の役員の構成のあり方につきましては、その経営の活性化を図る観点から累次にわたって議論を行ってきておりまして直近では、ただいま御報告を申し上げたような、昨年の十二月二十六日の特殊法人等の整理合理化についての閣議決定においても、主管官庁からの就任者の抑制について言及がされているところでございますので、具体的な役員の構成あるいは役員間の業務の配分等につきましては、七月の統合に向けて今後調整をいたしてまいることになると思います。  閣議決定の趣旨を踏まえながら、統合後の法人の適切な、効果的な業務執行を図るということをしっかりととり行ってまいりたいと思いますし、また、先ほどからの組合を初めとする各関係者との話し合いにつきましては、十分行ってまいりたいと考えております。

末松義規民友連

○末松委員 そういった趣旨を踏まえながら、そして統合の成果がきちんと出されるよう、私も心からお祈りを申し上げます。  どうもありがとうございました。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 次に、太田昭宏君。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 新党平和の太田昭宏です。  まず、今も質問に出ましたが、統合されるアジ研の存在がどうなっているか、非常に心配をする声も聞くわけで、アジ研所属の方々からも要望書等が出されたりして今日まで来ていると思います。  そこで、現アジア研究所法における組織の目的が今回の改正案でどのように反映をされたのか、そして、基礎的研究を主な目的とするアジ研の性格と自主的運営が改正案の中でどこまで担保をされるのか、それらについてお伺いをしたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 お答え申し上げます。  今回の統合に当たりましては、現在のジェトロの貿易・投資振興事業、それから現在のアジ研の基礎的な調査研究事業、これを車の両輪というふうに考えているわけでございます。  アジア地域等の基礎的かつ総合的な調査研究というものは、引き続き統合後の法人の主要な柱として承継されるわけでございます。したがいまして、まず、アジア研究所法の現在の法律の目的及び業務を新ジェトロ法の法文上きちんと引き継ぐこととしておるところでございます。  さらに、組織面について申し上げますと、必要な合理化は当然図るわけでございますけれども、基礎的かつ総合的な調査研究を行います地域研究を充実するために地域研究部というものがありますけれども、この統合に際しまして、この地域研究部、これはアジ研のいわば核心部分でございますが、これを二部体制に拡充をするということにいたしたいと存じております。さらに、研究の企画立案あるいは研究者の育成、配置といった専門的な見地からの組織運営ということを行いますために、研究企画部その他の組織を確保いたしたいと考えております。  また、調査研究活動の自主性につきましては、引き続き調査研究テーマの選定等におきまして、研究者の提案をもとに運営をするということにいたしております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 私、日本という国の今後を考えますと、私も理科系でありますけれども、研究室にいたこともありまして、非常に薄っぺらな基礎という上には建物が建たない、そういう気がするわけで、アジ研の方々が大変に心配をしているというのは非常にもっともなことだろう、私はこういうふうに思います。  ジェトロの方からいくならば、それは、ある意味ではじっくりした研究のものを活用しながら、新しい深みのある展開をするということが当然できると思いますけれども、じっくりと研究する、基礎的に研究するということが損なわれては絶対にならないと思います。それについて重ねてお願いをするとともに、しっかりその辺は見据えていただきたいということを申し上げたいと思いますが、一言大臣からお願いします。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 アジア経済研究所の従来の成果というものは大変高く評価をされておりまして、アジア地域におきましても、世界的にも、国内におきましても この研究成果というもの、取り組みというものに対して、我々は今まで以上に伸ばしていかなきゃならないというふうに思っているわけでありまして、ジェトロと一体になることによって、現実のジェトロの動きにアジア経済研究所の方が引きずられて、しっかりとした研究体制がとれなくなるようなことは絶対にないように取り組んでまいる覚悟でございます。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 そこで、ジェトロの側からいきますと、アジア貿易が拡大をする、さらに通貨危機に直面をしているアジアである、アジ研とジェトロがその中で統合していく。私は、極めてその役割は大きいと思いますし、問題は、何事もそうでありますけれども、統合した、ある一つのものができ上がりました、それが果たして価値を生ずるかどうかという問題が非常に大事だと思います。  先日も何人かの中堅製造業の方々と懇談をいたしました。悲鳴にも似た声を随分聞きました。平成十年、最も気になるのは二つある、一つは東南アジアのマーケット、この動向、もう非常に気にしていますね。もう一つは設備投資、ことしはこの二つがだめなので、先行きは真っ暗である、そういうような話もありまして、相当政府への批判もありました。  設備投資は、これまで引っ張ってきた四業種、自動車、電機、半導体、通信機器、これがプラスからマイナスになった、これは極めて大事な要素である。価格競争も激しくてもうめちゃくちゃな状況だ、日本経済は急速冷蔵庫に入ったと、なかなかの表現をしておりましたね。製造業を何とか支援しないと大変なことになると。  これは、昨年四月の消費税増税を初めとするデフレ政策によることは明らかだと私は思いますが、もう一つはアジアのマーケット、彼らはこう言うわけですね。アジアの通貨危機が日本の産業に大変なダメージを与えている。日本にとって対アジア貿易は輸出面でも輸入面でも大きなウエートを占めていて、非常にこれが増大をしているわけです。  例えば、この十年間、日本全体の貿易に占める対アジア貿易の割合、これが一体どのように推移をしているのか、まずお答えいただきたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 お答え申し上げます。  我が国の対アジア貿易でございますけれども、近年一輸出入ともに拡大を続けております。  地域別、国別に見てみますと、ASEAN四カ国及び中国への輸出と輸入が大きゅうございまして、九〇年から九七年にかけて、例えば、マレーシアに対する輸出は二・二倍、輸入が一・八倍、中国との関係で申しますと、輸出入ともに約三倍という高い伸びとなっているわけでございます。  財別に見ますと、資本財のシェアが非常に伸びております。アジアNIES、ASEAN四カ国、中国、九カ国ベースで見ますと、輸出が九〇年の五二%から九六年の五九%、輸入が九〇年の九・九%から九六年の二五%というふうに、輸出入ともに非常に高まっている次第でございます。  これは、我が国のアジアヘの直接投資の拡大等によりまして、製造業の国際分業が進展しているということをあらわしているものと考えております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 まさに今御答弁いただいたように、またその内容においても、資本財がふえて消費財が低下をしている、非常に世界的なリンクをしている、そういう状況になって、二十年前ぐらいとは随分異なった様相を呈しているのだと思います。  そこで、きょうの日経新聞等を見ますと、非常に貿易が大変であるということで、「「悪い・やや悪い」十業種三月の産業動向」を見ますと、アジア危機が大変響いている、こういうデータ、これはきのう経企庁の方から発表されたデータからきたわけなんですが、そうした大変なアジア危機の影響ということもありますし、三月の月例経済報告、貿易について極めて厳しい結果が出ているということで、非常に如実に出ているわけなんです。特にASEAN4、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、さらに韓国、香港、台湾、シンガポール、このNIES、こういうところが昨年の第四・四半期からことしにかけて大変な急落をしている、こういう状況があるわけです。  これは、アジア通貨危機でございますというだけでは済まされない内容をまたはらんでいると私は思いますが、このアジア経済というもの、そして貿易の内容のあり方、それらについての通産省の認識をまずお伺いしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 ASEAN四カ国及び韓国も含めまして輸出が減少しているということは、昨年の七月ごろから当該国の通貨の下落という問題が出てまいりまして、それに伴う経済混乱の影響が大きいということは言うまでもないと思います。また、ASEAN四カ国及びアジアNIESからの輸入が減少しているというのは、やはり我が国の景気の停滞が反映をしているというふうに考えているわけであります。  こういう問題で、九七年の第四・四半期を眺めてみますと、我が国の対アジア貿易は、輸出について、ASEAN4向けば対前年同期比で八・二%の減少というのが出ておりますし、韓国向けは対前年同期比で六・五%の減少というふうになっているわけでありまして、そういうASEAN及び韓国向けの輸出が減少しているということは、日本の景気の動向が大きく影響しているというふうに考えていいことだというふうに思います。  また、輸入につきましては、先生がおっしゃいましたとおり、九七年の第四・四半期にはASEAN4からが対前年同期比四・八%の減少になっておりますし、韓国を含むアジアのNIESからも対前年同期比八・四%の減少となっておりますので、こういう問題につきましても、我が国の景気の動向というものにしっかりこれから取り組んでまいらなければならないと考えております。  ただ、今、私どもの感じといたしましては、九年度の補正予算がようやく通り、それが実施に移されてきたところでございますし、昨年の一月、二月、三月というのは、消費税の税率のアップに対応する駆け込み需要が非常に多かったところでございますから、対前年との比較ということは必ずしも正確な数字を示しているものということにはならないと私は感じておりまして、その数字よりも、やはりこれからの、九年度の補正予算による二兆円の特別減税あるいは緊急経済対策、一兆円の公共事業及び一兆五千億円のゼロ国債の補正予算、この経済対策の効果というものがこれからあらわれると同時に、金融システムの安定化の対策も早急に行った結果、的確な執行に努めておりますので、これも大きくこれから影響を出してくるというふうに思っております。  また、現在審議中の平成十年度の予算に加えて、平成十年度の税制の改正では、御存じのように、米国を下回る法人税率への引き下げというものが行われましたし、有価証券取引税の半減、地価税の凍結、こういうものを考えてまいりますと、この減税規模だけで試算をすれば約二兆数千億円に達するわけでございます。さらに、九千数百億円に及びますところの電気料及び電話料の引き下げなどというものも、これは消費に大きく影響をしてくるはずでもございます。  こういう施策によって、消費者あるいは企業を取り巻く環境というものが改善をされていって、少なくとも、先を見る経営者のマインドというものが前向きに転じてくるはずだと考えておりますし、企業活動が活性化することによって、国内景気というもの全体に大きく反映をされてくる。  そういうものの動きによってこれからのアジアからの、NIESあるいはASEAN関係からの輸入の問題、あるいは貿易保険を通じての輸出の問題、こういう問題をひとつ取り組みながら、アジア対策というものをしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 まさに産業界、製造業の人々が一番その置かれている状況を、先ほど私は急速令蔵庫とか急速冷凍庫という表現を皆さんがしているという話をしましたが、これだけ手を打ちました、ゼロ国債もあります、恐らく公共事業の前倒しもするでしょう、税制もさまざまな手を打ちました、二兆円もやりました。しかし、それが現実にはなかなかさいていないところに現場の苦しさというものがあると思います。  今度は、貿易ということを考えてみましても、ある経済誌だと、例えばこのアジア、東南アジアの側から見ますと、アジ研の人が言っているのですが、バーツ安によりタイ経済が混乱している反面、バーツ相場の調整は既に貿易面で好影響をもたらしている、そこで内需の冷え込みを十分に補えるだけ輸出が急回復する、タイについてはこういうふうに見ている。私は経済誌で見たのですが、そういう認識は今も共有されているのですか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 今委員のおっしゃられるように、タイにつきましては、昨年の七月以降、七月二日から始まったと記憶しておりますが、タイ・バーツが急落をいたしまして、経済が混乱に陥ったわけでございますが、八月にIMFとの合意に達し、十一月には新たなチュアン政権が新政権として発足をいたしまして、金融セクターの大幅な改革や財政支出の削減等、IMFとのコンディショナリティーと申しますか、合意事項の着実な実施をするということになりまして、タイ経済に対する国際的な信認が回復した。そのために昨年の十二月ごろから通貨も安定しつつある、こういうふうに認識をいたしております。  そういう意味で、委員御指摘のとおり、従来は貿易赤字があったわけでございましたが、昨年の九月以降、タイは輸出の拡大により、既に貿易収支は黒字基調に転換をいたしております。  しかし、委員のおっしゃられるところで、私たちと先ほどのアジア経済研究所の専門家の方と少し認識が違うところがあるのかもしれませんが、それは、一方でタイ政府が、IMFとの合意事項の中も含めて経済政策と経済見通しを発表いたしておりまして、そのタイ政府の発表によれば、実質経済成長は九七年については〇・四%のマイナスでございます。九八年につきましても、全体としての国際収支の改善はございますが、三%から三・五%程度のマイナスになる。その程度の財政緊縮をしながらやっていこうというのが同国の考え方になっております。  そのようなことではございますが、タイの経済発展の潜在力そのものは、労働人口の多さや貯蓄率が基本的には非常に高いものがございますので、今後当面の間、金融危機の後の経済の低成長というか、若干苦しいところがあるかと思いますが、私たちは、その後再び成長軌道に復帰するというふうに確信をいたしております。  その意味におきまして、我が国といたしましても、このようなタイ政府の構造改善の取り組みが国際社会に受け入れられつつあるということを高く評価をしておりまして、同政府の努力に対して、人材の育成面とか、すそ野産業だとか中小企業の育成、それから残されたインフラの整備等々について支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 私も、このアジ研の方の言うよりももう少し十分な回復ではない、しかし、数年ぶりに貿易は黒字になってきたというその事実というものを踏まえたということであろうというふうに思います。  この間総理が行きましたインドネシアの場合、これはなかなか難しい問題もさまざまあります。ジェトロのジャカルタ事務所の所長さん、去年、私質問しましたら答弁側で通産省にいらっしゃって、古紙問題を扱っている人が突然名前が出てきましたから私は驚いたのですが、今、ジャカルタの所長さんをやっているそうです。名前は言いませんが、この方が、タイは典型的なマクロ経済の失敗であり、インドネシアは、心理の問題と、なかなかデリケートな発言をしているわけなんです。要因には異なることがあることは当然としまして、結果として、輸出という面においてタイとは異なった展開を見せると認識をしているのか。これは現在進行形ですからなかなか言いにくいことかもしれませんが、異なる展開を見せると思われているのか、どちらですか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 本日、ハビビ副大統領がインドネシアから訪日をされておられまして、いろいろな形でこれからインドネシアの状況について親密にお話を続けられることになるだろうと思いますが、アジアの通貨危機は、先ほど申し上げましたように、昨年七月のタイ・バーツの下落というのが始まりであったと思いますけれども、それがASEANの各国に伝播をいたしまして、インドネシアも例外なくそうであったわけでございますが、昨年の十一月にIMFに対して支援を要請いたしました。そして、その支援を受けることになったわけでございますが、しかしながら、スハルト政権、現政権によるIMFの合意の実施について国際的には若干の懸念が示されておりまして、十二月の半ばくらいから本年の一月以降、本格的にルピアは一層の下落をしているわけでございます。  そういう意味で、先ほど申し上げたタイ・バーツの安定というところが回復しつつある中で、インドネシアは通貨が不安定で、その結果、対外債務が大変な増大を見ておりまして、経済が引き続き混乱に陥っている、こういうふうに認識をいたしておりまして、タイとはかなり事情の違うことになっていると思っております。  したがって、インドネシアの最大の課題と言えるのは、国際合意に基づく同国の国内改革をちゃんとやるということによって、同国の経済、インドネシア経済が国際社会の信認を獲得するというところがスタートラインではないかというふうに認識をいたしております。  そういう状況の中で、橋本総理も事態に対して大変憂慮されまして、急遽インドネシアを先般訪問されたわけでございます。国際的ルールに基づく改革が重要であるということを説得され、スハルト大統領とともにそれについて合意をされたわけてございまして、インドネシアが国際社会の信認を得るための努力を行うということを確認をいたし、日本としても、医薬品の供与だとか食糧支援とか貿易保険の引き受け等の支援を続けていくということを発表いたしたところでございます。  先ほど申し上げましたように、ハビビ副大統領がお見えになられて、もっと具体的なことについていろいろお話をしながら、日本としてのできる協力、そしてインドネシアが早く国際信認を回復して、成長軌道と申しますか、安定基調に戻ることを期待したいと思っております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 まさにきょうからそうした具体的な展開ということで、あえて私はこのインドネシアのことを言うのですが、そういう場合の一番底流となる物事のとらえ方、情報、そういうものがまさにジェトロ、そしてそこの深みを持つものとしてアジ研の存在がなくてはならないということで、もう一歩私は、全体的なアジア、ASEAN、これらの諸国について申し上げたいのですが、成長神話は崩れたけれども、立ち直りは早いであろうという見方が非常に多いわけなんですが、そういう認識をしているのかどうか。  例えば、東京工大の渡辺利夫先生、今回のアジア通貨危機によって出てきたアジア成長懐疑論はいささか過剰である、こういう表現をして論文を書いていらっしゃいます。アジア経済の発展を支えるメカニズムとその潜在成長力を長期的に見ていかなければならない。  私は、一つ一つの外交交渉とかいうときに、どういう見方でやるかという政府の中の一つの基盤となる物の考え方というものをしっかり踏まえておかなければ、まさに場当たり的な交渉ということがあってはならないということであえて申し上げているわけなんですが、アジアの成長神話は崩れたが立ち直りは早いとか、アジア成長懐疑論はいささか早計であるという考え方について、どのようにお考えですか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 アジア諸国のいわゆるファンダメンタルズと申しますか、全体の人口の規模だとか、ほかの地域に比べてすぐれた教育の程度だとか、高い貯蓄・投資率だとか、大変そういう意味では基礎的な諸条件というのは備わっていたわけでございまして、ASEAN諸国の中期的な、中長期的と申した方がいいかもしれませんが、経済発展の潜在力というのはやはり大きいというふうに私たちは信じて、認識をいたしております。  そういう意味で、委員のおっしゃられる、そこの点については全くそのとおりでございますし、また、委員がおっしゃられるところで、では成長神話は終えんしたのか、またはすぐ回復するのかというと、それはそういう簡単なものではないという御認識についても、全く同感をするものでございます。  そういう意味で、片方で成長神話終えん論みたいなことを言い、片方では非常にそうではなくて強いと言うのは、もう少し細かく見ていく必要があろうかと思っておるわけでございますけれども、そういう中で申し上げますと、昨年九月のアジア欧州会合の経済閣僚会合とか十一月のAPECの首脳会議なんかにおきましても、アジア地域の中期的発展のポテンシャルについては共通の認識が得られているわけです。しかし、そのためにはアジア諸国がグローバルな経済、世界経済の進行の中で透明でかつ開放的な市場環境を整備していく、いわゆる経済構造改革を進めていくということが必要なんだ、これが一つの必要な条件だということを言っております。  その上で、先ほど申し上げたアジアが持っております潜在力を生かして、中長期的な産業競争力を強化するために、我が通産省といたしましても、すそ野産業だとか中小企業育成、人材、インフラ等々につきまして、アジア諸国と連携をとりながら着実に推進をしてまいりたいと思っております。  なお、手前みそでございますが、アジア経済研究所とジェトロでは、昨年の八月にアジアの通貨危機が起こった後、すぐに、アジア諸国についてどういうことが起こっていて何が必要かということについて緊急なレポートを、両方が共同作業をいたしまして、そういうものをさせていただきました。その結果、ある一つの形ができてきたということで、私たちも政策に反映をさせていただくというような行動をとって、こういうことになりつつあるというふうに認識をいたしております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 私は、今のこのアジアの見方というので、中期的なポテンシャルは高い、潜在力はある、なぜ中期的なポテンシャルは高いのか、そこの中には構造がある、こう思うわけですね。例えば、先ほど私が申し上げた渡辺先生なんかもそういう指摘をしているし、通産にいらっしゃって今ジェトロの方にいる畠山さんが四日ほど前の産経新聞ですかに書いていることも、私は基本的には同じような趣旨であろうというふうに思います。  どちらかというと、アジアは循環論的に成長してきた。日本が先行した、それに続いて群団があらわれて、日本が受け入れのキャパシティーを持った。そこに出す形で次の群団が出てきた。NIES諸国が出た。NIESというものが、今度は輸出をするというだけでなくて受け入れるというキャパシティーを持つに至った。第三群団がまた出ている。そういうような構造というもの、それ自体は壊れているわけではない。したがって、アジアの成長というものは、そういう構造というものを見ながらやっていくという必要があるのだという循環論的な指摘をされ、それゆえに畠山さんなんかも、民間の借り入れの増大とかアジア全体の供給過剰が通貨危機として今回あらわれている、顕在化している、その循環的成長構造が崩れたわけではないのだと。  そうしますと、やはりそこを踏まえて対処をするということも大事だし、そして、この二月のG7が、G6が日本を攻撃するというような中には、通貨危機というもののある意味では遠因といいますか、触媒的な働きとして、これは一月十三日のタイムズなんかにも論文が出ているのですが、そういうことの要因を日本はつくってしまったよ、同時に、九四年のメキシコの危機のように、ちゃんとアメリカはあのときには随分受け入れましたよ、そういうようなものができていないじゃないかと。一番先頭を走っていた日本が緊縮財政をしていくという、そして財政改革法なんかをやってしまうから、次に続く群団が崩れ、次の群団が崩れていくというような構造がある。だから、私たちはもう一遍、その景気対策というような誤り自体が、全部とは言いませんよ、それはそういうような一端があるという、世界の批判があるということを政府として真剣に考えていかなくちゃならない。  インドネシアの対応というようなことについても、それはこうやって援助すべし、あなたたちはこうあるべきですよ、IMFの緊縮型かどうかわかりませんが、そういうことを言う前に、日本の経済というものが一体どういう影響を与えていて、政府の昨年一年間の、政策不況ということを私たちは言っているわけなんですが、それが実は大変な世界の不満となってアジアにも影響を与えているという認識を持たなくちゃいけないということだと思いますが、この辺は、短い答弁で結構ですが、通産大臣、閣僚の一人としていかがですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 今度の通貨危機の一番の遠因を眺めますと、やはり九四年の中国の平価切り下げという問題が、元の切り下げというものが一つ契機になり、それ以来、中国の輸出が非常に伸びてきている。また同時に、時を一にしましてNAFTAが誕生して、今までASEAN地域からのNAFTA地域への輸出というものが多かったのですが、それが急減したというところから始まって、それから通貨の問題に移っていったというような一つの大きな循環が始まってきているというふうに私は思っているわけであります。  したがいまして、一つの基本としては、通貨の安定というものをひとつここでしっかりと取り組まなければならないというのがございます。そのためにG7での取り組みというものがございましたし、また、タイにおきましても韓国におきましても、通貨問題をひとまず切り抜けたことによって、あとは経済基盤というものが輸出入を通じて堅実になりつつある、貿易を通じて堅実になりつつあるというふうに考えられますし、インドネシアについても、そういう意味で、今千四百億ドルと言われるような対外債務というものをどういうぐあいに処理するかということがまず第一の問題点として出てきている。そのために、IMFを中心とする、日本の援助を含めて、橋本総理が緊急に十四、十五日にスハルト大統領との会談を行い、通貨をひとつまず安定させるということに大きな力を、力点を置いたというふうに思っております。  それを踏まえた上で、今度は貿易の面での経済基盤を活性化させるということ、そして同時に、今の日本も、これからの、四、五月を越えてからの、大きな、景気を少し活性化した中での輸出入がASEANとの間で取り組みが行われるようになり、また、貿易保険を通じたり、あるいはその他のすそ野産業を初めとするいろいろな日本の協力体制というものをもとにして、アジア、インドネシアを中心とするASEANの経済的な安定化を図っていく。そのためには、やはり日本の景気回復というものが重要なファクターを持っているというふうに思っております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 最後に二つだけ聞きたいと思います。  一つは、ジェトロの海外スタッフ、これはそういう意味ではますます大事になると私は思います。全世界に散らばっていて、大変な働きをしているというふうに聞いていますし、あるところでは一人か二人しかいなくて、日本からのミッションを案内するのに必死であって、ひいひいするような状況であるというような、出迎えが来ないじゃないかなんというような批判があったりするという話を聞いております。アジアが大変だ、貿易も、冒頭に示されているように、半分ぐらいが対アジアの貿易であるということを考えると、そのスタッフもアジアに重点的に配置するというようなことを、いわゆるお役所仕事のようなものではなくて、柔軟に、弾力的にアジアに配置をするということが一つは大事なのではないか。  もう一つは、ジェトロというべきか通産省というべきかは別にして、単なる水先案内人とか便利屋さんになるのではなくて、このアジ研が加わったということの中で、もっと各国についての戦略性とか、あるいは地域別の対策とかいうことが、もう一歩深く、単なる便利屋を超えたものにこの機会にしなくてはいけないということが大事だし、そういうふうになったときに初めてこの統合が意味あるものになるのではないか、私はこのように思います。  アジアへの弾力的な配備という点と、それから、より国別、地域別の戦略をこの機会に立てようという二点について、最後に御質問をしたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 ジェトロの海外事務所及び人員の配置でございますけれども、アジアが重要であるということの委員の御指摘、そのとおりでございます。  現在までどういう努力をしてきたかということでございますけれども、ジェトロのアジアの事務所、これは平成元年度、十三事務所ございまして、その定員は五十五名でございました。これを平成九年度について見ますと、十七事務所、定員八十七名と、事務所、定員ともに増加をしているところでございます。財政厳しい折ではございますけれども、今後とも財政当局とも協議をしながら、このような適正な事務所、定員の確保、配置に努めてまいりたいと考えております。  それから、今後のジェトロの戦略的な展開ということでございますけれども、今回、アジア経済研究所と一緒になって、アジア経済研究所の地域研究という深い研究の裏づけを得た政策展開ができるというふうになりましたことは、ジェトロにとりましては最大の好機でございます。この機会を生かすために、現在、この七月一日の統合に向けまして、種々の組織上の工夫等を行って検討しているところでございます。  その一端を御紹介申し上げますと、現在のジェトロ、これは機能別の組織になっておりまして、輸入の促進をするところとか、あるいは広報をするところとか、そういうふうに機能別の組織になっているのでございますけれども、ジェトロの中に事業推進主幹という新しい立場の人間、組織を設けまして、国別、地域別に戦略を立てる、その際には、アジア経済研究所の地域研究の成果も取り入れた形で現在のジェトロの貿易通商投資戦略を立てるという組織を設けることといたしました。  もちろん、研究そのものにつきましても、現在の調査部の主任調査研究員という制度がございますけれども、現在のジェトロ側ではその主任調査研究員の職にある者、また、アジ研の側では新たに研究コーディネーターという調整役を設けまして、この二つの部門の調整と協力ということを図っていくことにいたしております。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 終わります。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 次に、達増拓也君。

達増拓也自由党

○達増委員 自由党の達増拓也でございます。  本日審議しておりますジェトロとアジ研の統合に関する法律案でございますけれども、これはもともと村山内閣のときに、村山内閣、行革の断行を内閣の重要課題とするということで、火だるまという言葉は村山内閣は使わなかったのですけれども、行革の断行に非常に力を入れてスタートした。その内閣が行革の一環として特殊法人改革に取り組み、そのときに決定した事項が今法律の形になって出てきているということと理解しております。  行革の断行といって、まず特殊法人からということで、かなり思い切った大胆なものが出てくることを期待していたわけでございますけれども、大山鳴動して何とやらという言葉がございますが、出てきた案は特殊法人全体が抱えている問題からいたしますと非常に乏しい内容で、それをもって特殊法人改革、まして行革の断行と言われてはしようがないなというようなものでございました。  全体を見て、なくて当然とすぐ思えるようなものの廃止、また、本当に同じようなことをしているなというものの統合、いろいろあったわけでありますけれども、その中で、ジェトロとアジ研の統合につきましては、正直言って、個人的にそれを見た瞬間には、おや、こういうくっつけ方もあるんだなということで、そういうものを、いわばこれで行革の断行なんだ、特殊法人改革なんだといって小出しにする、本質的な改革は先送りにする中でそういう統合案が出てきたのを見て、ちょっとかわいそうな気持ちもしたりしたのでありますけれども。  ただ、そのかわいそうな気持ちがしたのは一瞬でございまして、本当にこの特殊法人改革というのを考えれば、今あるすべての特殊法人について、原則廃止、そしてサンセット方式で必要なものだけを立ち上げるというくらいの思い切った改革をしていかなければ、特殊法人、そして、ひいては行政全体の改革にはつながっていかない。そういう問題意識の上に立ちますと、かわいそうだという思いは吹っ飛びまして、とにかくできる改革はどんどんやっていかなければならないということになるわけであります。  そういう背景の中、そういう問題意識に基づきまして質問をさせていただきますけれども、そもそも論でございますが、今回の統合につきまして、行革の観点からいかなるメリットがあるのか、お示しいただきたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 今回の統合に当たりましては、まず、行政改革の趣旨を踏まえまして、合理化できる分野は可能な限りその徹底を図る、また、時代のニーズに的確に対応するため、必要な業務の効率化、充実を図る、さらに、総合的な情報機能の強化とそれに立脚した貿易・投資振興事業の効果を高めるための体制づくりを行う、こういったことを基本方針として検討を進めてきたところでございます。  具体的に申し上げますと、まず、両法人の管理部門、調査部門等につきましては、機構、定員の合理化をできるだけ進めることといたしまして、全体としても組織のスリム化、定員の削減を実現をいたしております。また、その効果を活用いたしまして、アジア地域を中心としながらも、その他の途上国の地域研究につきまして、これを充実をする。さらには、我が国の地域経済の国際化、活性化を図るための対日投資誘致の促進など、世の中の新しいニーズに対応した業務の拡充を行うということといたしております。  また、このアジア研究所の基礎的な研究と現在のジェトロの時事的な調査、これはいわばそれぞれの持ち味を生かしながらこの両事業間の密接な連携を図るということが重要でございまして、そのための連携組織を新設いたしますとともに、その成果を活用しまして、国、地域ごとの支援ニーズを十分に検討して、より戦略的に貿易・投資振興事業を展開していけるよう体制を整備することといたしております。

達増拓也自由党

○達増委員 一つ確認をしておきたい点があるのですけれども、ジェトロ、日本貿易振興会というものは、歴史を振り返りますれば、もともとは日本の輸出振興のためにつくられた。それなりの役割を日本の戦後の歩みの中で果たしてきたと思うわけでありますけれども、その日本の貿易構造、戦後五十年以上経る中で、すっかりさま変わりいたしまして、日本の貿易上の課題が、輸出をふやさなきやということから、むしろ貿易摩擦の解消、そして輸入振興ということになり、ジェトロの期待される役割についても、輸入振興の方にその重点が移ってきているというふうに承知しております。  統合後ですけれども、ジェトロの貿易振興というその基本的な中核の業務、任務の重点ほどの辺に置かれていくことになると考えておりますでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 先生御指摘のとおり、当初、ジェトロが設立されましたときには輸出振興がまさに国家的な命題でございまして、そのための調査、展示、取引あっせん、こういったものを行うということがジェトロの主たる業務でございました。  その後、時代が大きく変わりまして、現在のジェトロでは、御指摘の輸入促進事業、これは通商関係の健全な発展、我が国の国民生活の向上や中小企業の活性化という観点から、非常に重要な事業と位置づけております。また、我が国各地の地域経済の活性化、このための国際交流や対内投資の促進、これも重要な柱でございます。三番目に、アジア地域を中心としました発展途上国の貿易振興や産業への協力、これは輸入促進をいたしますにも、肝心の地場産業が育つ、あるいはその貿易体制が整備されるということが重要でございますので、そういった面での協力に今力を注いでいるところでございます。  統合後におきましても、我が国を取り巻きます環境の変化に対応いたしまして、社会のニーズにこたえる効率的な事業展開を図ってまいりたいと考えております。

達増拓也自由党

○達増委員 戦後の早い段階における輸出振興ということは、日本の国益にとりましても極めて重要なことでありまして、そこで、その特殊法人としてのジェトロが活躍する場もあったし、またその必要性も高かったと思うのですけれども。  輸入振興についてですけれども、今も、発展途上国からの輸入振興をしていくときに、発展途上国の経済基盤自身への協力ということが出たわけですが、日本に対して輸出する、その輸入の相手国にとっての国益でもあるわけであります。したがって、最近、しばらく前からですけれども、日本にどんどん輸出しようとする国々や、またアメリカであれば各州ですね、そういったところが日本に事務所を置いたり、あるいはいろいろなイベントを開いたり、日本にとっては輸入振興ですけれども、相手国や州、そういった地方の政府にとっては輸出振興について、非常に力を入れていると思うのですね。  相手の方は相手の方で、税金を使って、あるときは国策として官民一体となってそういうことをやっている中で、あえて日本が、特殊法人であるところのジェトロがそういう輸入振興について取り組む、その必要性というのはどの辺にあるのか、ここも確認したいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 先生御指摘ございましたように、欧州、アメリカ、その他の多くの国におきまして対日輸出促進キャンペーンをいたしております。これは、私の記憶する限りでは一番早い例がサッチャーの時代のイギリスでございます。当時、ヨーロッパでは日本などという国は閉鎖的で相手にしてもしょうがないという雰囲気がありました中で、オポチュニティージャパン、日本はそうではない、ヨーロッパにとってはチャンスである、オポチュニティーである、こういうキャンペーンをされたわけでございます。それ以来、フランスでもドイツでも、またそのほかの国々でも盛んに対日輸出促進キャンペーンを行いました。日本とヨーロッパとの関係の増進という関係から考えますと、これらのキャンペーンの成功ということは極めて大事でございます。  そういうことで、ジェトロにおきましてもこれらのキャンペーンとタイアップをいたしまして、結局、向こうがキャンペーンをいたしましてミッションを送ってきましても、今度は日本で受け入れないといけません。いろいろな企業に紹介をしたり、あるいはセミナーを開くのを手伝ってあげたり、そういった仕事が実は逆にふえるわけでございます。  また、アメリカの各州なども東京に事務所を持っている州もございます。これにつきましても、やはりジェトロを頼ってこられるといいますか、手伝ってくれという話が非常に多うございます。これにつきましては積極的にジェトロは協力をいたしておりまして、そのせいもございまして、最近、各国の閣僚、場合によっては首脳が貿易関係で訪日されますときには、ジェトロを訪問される方が実は非常に多くなっているのが実態でございます。  そういうことで、各国が対日輸出促進キャンペーンをやっているのを成功させるためにも、ジェトロの役割というのは極めて大きいというふうに考えております。  もちろん、この輸入促進というのは外国のためだけではございませんで、これによって我が国の国民生活が向上する、あるいは中小企業を初めとする日本の産業の活性化に資するという、国益そのものであるというふうに私ども考えている次第でございます。

達増拓也自由党

○達増委員 この機会に、ジェトロの歴史的に果たしてきた役割、そして今果たしている役割、そういうのを振り返りながら、いろいろ問題点があれば洗い出していきたいと思っているわけであります。  平成七年の六月ごろでしたけれども、ニューヨーク・ジェトロの所長さんがアメリカの内政、外交上の問題についてジェトロの広報誌に見解を載せた記事がアメリカで問題になって、日本でも新聞等で報道されたことがございました。産業、貿易振興ということを中心に、そういう役割を持って海外でいろいろ活動する特殊法人なんでしょうけれども、その職員、産業調査員あるいは関係省庁からの出向者を含めた一部の職員が、日本政府あるいは日本の通産省の代表だと、特殊法人の職員なんですけれども、政府を代表する立場にあるかのごとく称して対外的な活動を行って、二国間関係ですとかあるいは国際機関との関係を混乱させた例が少なからず発生していると聞いております。  この点について通産省としてはどのように対応しているでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 日本貿易振興会の海外活動につきましては、同会が設立されました昭和三十三年、このときの閣議了解がございまして、これに基づきまして外務省との間で事業内容等につきまして連絡調整が図られております。また、派遣職員につきましては、在外公館との間で密接な連携が図られるよう努めてきているところでございます。  御指摘のございましたニューヨーク・センター所長の件でございますけれども、個人的な見解をコメントとして出したわけでございますけれども、その発表の方法につきまして慎重に注意が払われたかどうかが問題になったケース、こういうことは確かにございます。当省といたしましても、相手国で無用の誤解が生ずることのないよう指導を行ったところでございます。  また、日本貿易振興会がアメリカを含む諸外国におきまして経済動向調査あるいは輸入促進事業等を実施しておる、その一環として、ジェトロの職員が諸外国の政府や民間企業等との間で意見交換をしたり、情報収集をしたりしておるわけでございます。現時点で、それらの活動につきまして諸外国政府あるいは国際機関との間で混乱や問題が生じているということは承知はいたしておりませんけれども、今後ともそういった問題が生ずることのないよう、当省としても適切に対処してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、ジェトロの海外活動につきましては、外務省それから在外公館との間で緊密な連携を引き続き図っていくということを基本方針といたしたいと存じます。

達増拓也自由党

○達増委員 貿易の問題は、時には国家間の問題として、国会によって民主的なコントロールがきく、政府が責任を持ってやっていかなければならないところもあると思うので、そういう場合にはきちんと政府が組織的に対応し、またジェトロはジェトロでその任務、役目を果たすように、そういうふうなやり方が必要であると思います。  それで、二番目の私の質問、統合後のジェトロの貿易振興の重点についてお尋ねした際、答えの中に地域経済活性化という話もございました。貿易は、そういう国家間の問題になったりすることもあれば、地方の中小企業、本当に小さい中小企業が思い切って前向きに世界を相手に商売してやろうということで、それで貿易に乗り出すこともあるわけであります。  地方には、私の周りにも非常にやる気のある、またすごい大胆な経営者の皆さんがありまして、一人でシルクロードを旅してきたりとか、いろいろなすごい人たちがいるのですけれども、他方、やはり貿易のノウハウということに関しますと、本当にいろいろな複雑な手続、また最新情報ということについては、なかなかそういうのを地方の中小企業で入手していくのは難しいですし、また、実際の取引に当たっても、特に新しく始めようなんというときにはなかなか大変なようなんですね。  この点につきまして、最近の取り組みぶりにつきまして、もう少し詳しく伺いたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 ジェトロは海外に八十カ所事務所を持っておりますが、同時に国内にも、東京及び大阪の本部以外に三十三カ所の貿易情報センターというものを各都道府県等に配置をいたしております。これは大変なネットワークでございまして、日本の国にとりましても、また中小企業を含む日本の産業界にとりましても大変な資産、財産であろうかと存じます。このネットワークを活用いたしまして、ジェトロは国内の中小企業に対しまして種々の貿易促進事業をきめ細かくやっているところでございます。  三つほど例を申し上げたいと存じますけれども、一つは、中小企業輸入促進データベース情報提供事業と申しますけれども、海外情報や商品情報あるいは輸入商品手続、こういったものの情報をデータベース化いたしておりまして、個々の中小企業の事業者が知りたいときに、そのニーズに応じて情報提供を行う仕組みを持っております。  二番目に、中小企業輸入商品調達力強化事業という事業をいたしております。これは中小の流通業者のためのものでございますけれども、ジェトロが専門家を海外に派遣いたします。この専門家が発掘いたしました有望商品を一堂に集めまして、サンプル展示商談会を行うものでございます。  三番目に、中小企業海外情報普及事業というものをやっております。これは、中小企業のニーズを踏まえまして、地場業界の関心の深い商品あるいは投資あるいは海外市場の情報につきまして、専門家、有識者によります講演会やセミナーを各地で行うものでございます。  以上は例示でございますけれども、この地方の貿易情報センターだけで年間約六万件の相談が参っております。  こういうことで、地方の中小企業の皆さんのお役にも立っていると思いますけれども、この分野はジェトロの極めて大事な事業分野というふうに私どもも考えておりまして、今後ともその拡充を図ってまいりたいと存じております。

達増拓也自由党

○達増委員 この地域経済活性化、また地方の中小企業の貿易、海外取引の支援、手伝いということにつきましては、広く、今の日本経済が抱えている問題を克服して、今政府が進めている経済構造改革、日本の経済の体質を大きく変革して、そして活力のある力強い国民経済をつくっていく、その中にあっては、中央の大企業が中心の国民経済じゃなく、やはり地方の中小企業が元気があって、アメリカの最近の経済もそうなっているというふうに聞いているのですけれども、ベンチャービジネスを中心とした地方の中小企業が頑張ってどんどん国民経済全体を引っ張っていくような、そういう自由で活力がある日本経済を目指すに当たっては非常に重要な、また意義ある分野だと思うのですね。  それで、そういった大所高所、広く日本の経済構造改革とか今後の日本経済のあり方とかいった観点からのこの問題についての大臣の御意見を伺いたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 達増先生の御意見、大変示唆に富んだものと存じております。  地域産業、特に中小企業、こういうものの活性化を図るためには国際化への取り組みというものが重要でありまして、それを支援をしていくこと、これは重要なことたと思います。  日本貿易振興会の事業展開におきましても、こういう国際化への中小企業の取り組みということを重要な課題の一つであると認識をいたして取り組んでまいりたいと思っております。したがいまして、中小企業に対する海外の情報の提供だとかあるいは貿易や投資に関するノウハウの提供、こういうものについて充実した状態をひとつ引き続き図ってまいりたいというふうに思っております。  現在、ジェトロにおきましては、より具体的なビジネスに直結する事業、こういうものを対象として取り組みを行っておりまして、いわゆるローカル・ツー・ローカル事業というような表現で取り組みをいたしておりまして、開始をいたしております。  これは、海外事務所と地方にある貿易情報センターのネットワークを活用いたしまして、国内の産地と海外の産地を直接交流をさせていくというような意味での事業を行っているわけでございまして、例えば、既に行っておりますところでは、北陸の繊維産地、石川県などでございますが、これとイタリアのファッション産業を結びつける、あるいは広島の自動車部品関連企業、こういうものと、韓国の同じような部品関連企業、こういうものを具体的に交流をさせていくというようなことも進んでいるわけであります。こういうものを通じて産地の企業の国際化だとか活性化に大いに貢献をしてまいりたいというふうに思っているところです。  今後も、ただいま達増先生の御指摘もございましたように、こういうような事業を積極的に展開をいたしまして、地域中小企業の活性化に努めてまいりたいと思っております。

達増拓也自由党

○達増委員 では次に、アジ研の関係の質問をさせていただきたいと思います。  先ほど他の委員からの質問の中にも出てきましたけれども、アジ研の今までのよさが今後もそのまま生かされていくのかどうかということに対し、各方面からいろいろな懸念とかが出てきておりまして、私も、改めてアジ研ファンというものが日本のあちこちにいるなということに気づかされました。  それで、アジ研は、政策に直接役立つようなものもさることながら、その調査研究は、学術的色彩の濃い基礎的研究、総合的研究にすぐれたものが多いということがあるわけであります。それが、ジェトロと統合することによりまして、貿易振興とか狭い目的、枠の中にそうしたアジ研の調査研究が閉じ込められて、息の長い今までやってきたような研究が果たして今後も続けられるのかどうかという疑問があちこちから寄せられているのですけれども、この点、いかがでしょうか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 そういう御心配は確かにございます。  そういうこともございまして、我々といたしましては、しっかりその点は取り組みをいたしてまいりたいと思っておりまして、今回の統合に当たりましては、日本貿易振興会の貿易・投資振興事業というものが片方で一つ確立をされておりますが、一方において、アジア経済研究所の基礎的な調査研究というもの、これをしっかりと確立をさせておきまして、双方を車の両輪のような関係でとらえてまいりたいというふうに思っております。  アジア地域の基礎的なかつ総合的な調査研究というものは、引き続き統合後の新法人の中においても大変主要な、大きな柱として取り組んでまいります。

達増拓也自由党

○達増委員 アジ研の職員の皆さんは、特殊法人の職員ということで、大学の研究者、学者とはもちろん立場や任務は違うわけではありますけれども、ただ、その調査研究という仕事の性質上、かなり外部の研究者ですとかジャーナリスト等と交わって知見を交換することで、研究員自身の業務遂行にも役立ててきたというところが今まであると思うわけですけれども、今後もそうしたことは続けられるわけでしょうか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 委員のおっしゃられるとおりでございまして、アジア等の基礎的かつ総合的な調査研究に係る成果の充実を図る観点から、我が国めみならず欧米の先進国や途上国の研究者、そしてまたジャーナリスト、政策担当者等との多岐にわたる分野の専門家との交流を進めていくことが非常に重要であるということは、全くそのとおりだと思います。  このため、統合後の日本貿易振興会におきましても、シンポジウムへの参加だとか研究論文の発表等による外部研究者、専門家との研究交流というのは引き続き維持されることになっております。  さらに、近年のアジア地域との相互依存関係の深まりに伴いまして、APECとかASEMを初めとしたアジア地域との経済協力、交流の重要性というのは非常に高まってまいっているわけでございます。そういう中で、それらの地域との研究交流の充実がより一層必要であるという認識に立っておりまして、千葉県の幕張に建設中の新施設におきましては、研究交流施設の大幅な拡充を図っているところでございます。

達増拓也自由党

○達増委員 では、最後の質問にさしていただきたいと思いますけれども、先ほど太田委員の方から突っ込んだ質問がなされましたように、今アジアの経済が大きい問題に直面しているという現状があるわけでありますけれども、せっかくアジ研がジェトロと統合されるということで、今日のアジア経済の問題に対しまして、統合された新しい新生ジェトロがどういうふうに取り組んでいくべきかというお考えを伺いたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 政策を企画立案するという政府にとって考えますと、また同時に、一方で海外に仕事を展開しようとする民間企業にとりましては、アジア経済の問題への諸般の対応ということを進めるに当たりまして、マクロ経済の動向に加えて、現地の情勢だとか情報だとか、そういうような動向や生の声をしっかりとっかまえるということは非常に重要なことであるわけであります。日本貿易振興会は、アジア地域に十七カ所の事務所を持っておりまして、通貨危機の発生以来、逐次その状況についての報告を寄せてきておりまして、適切な我々の判断のもとになっているわけであります。  また、アジア経済研究所におきましては、国ごとに専門家を用意いたしまして、それぞれ、アジア経済研究所に入ると同時にどこか一つの国をしっかりと勉強する、専門家になるというような指導のもとに取り組みをいたしておりますので、国ごとの専門家がおりまして、それが今度の通貨危機の背景におきましても、経済だとか政治だとか社会等の各方面における深く掘り下げた知見を有して、それを報告をいたしてきてもらっております。そういう意味で、今回におきましても、従来にない非常に幅広い機動的な分析が進められております。  こういう両法人の機能を活用した具体的な例としまして、先ほども太田先生のときにもございましたけれども、昨年の十二月には、両法人の専門スタッフによるプロジェクトチームによって、九七年アジア通貨危機に関する緊急レポートというものが取りまとめられまして、政府のアジア対策の非常に重要な基礎資料になって、今取り組んでいるところでございます。  今回統合ということになりまして、両法人の調査研究機能がさらに効果的にマッチしまして、そして効力が発揮できるように体制の整備を図ってまいりたいと思っておりますし、その成果を生かしながら、アジア地域における輸出の拡大、すそ野産業の振興、これに必要な人材の育成、こういうような事業をきめ細かに展開をしてまいりたいと思っております。

達増拓也自由党

○達増委員 行政改革、特殊法人改革という観点からは、まだまだ組織のあり方、業務の中身について見ていかなければならないと思いますけれども、他方、緊急な課題等、求められていることも多々あると思います。ですから、そういうことを踏まえましてきょう我が党も採決に臨むところでございますけれども、そのことを指摘さしていただいて、私の質問を終わらしていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 次に、吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 日本共産党の吉井でございます。  私、最初にアジア経済研究所の問題から質問をしたいと思います。  アジアの一国である日本にとって、当面の貿易や投資の振興のためという事業目的だけでなくて、二十一世紀のアジアにどのようにかかわり、どのように貢献していくかということを考えたときに、現地に精通した継続的な基礎研究が非常に重要だと思うわけです。この点では、アジア経済研究所のような、お聞きしているところでは研究者だけで百八十名ほどいらっしゃるということですが、これだけの陣容を持った研究所はまず国内にありません。  世界的に見て、アジアを初めとする発展途上地域全体を対象として取り組んでいる研究所は、どの国に、研究者の数でどれぐらいの研究者を擁してつくられているか、これを最初に伺いたいと思います。     〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 アジア経済研究所のような研究機関、ちょっと今手元の資料を見ますが、アメリカには例えばブルツキングス・インスティテユーションというのがございます。こういうような、マクロ経済だとか政治だとかいろいろなこともやっておりますけれども、地域経済問題もやっている研究所がございます。欧米には、地域経済に関する研究機関というのは、地域研究だけをしているということではない研究機関が多うございますが、たくさん研究機関が存在をいたしております。例えばアメリカには、ブルッキングスのほかにハワイにはイースト・ウエスト・センターとか、それから、イギリスには海外開発研究所だとか、ドイツのドイツ開発研究所というようなものが挙げられるわけでございまして、それ以外に、今申し上げました米国ブルッキングス研究所などのような総合的な研究所の中でも地域研究が行われていると承知いたしております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 事前に通産省からいろいろ教えていただきましたので、お持ちの資料と全く違わないものをいただいて勉強させてもらいましたが、ナメリカの場合は、今おっしゃったホノルルの研究所で五十五名の研究員、ですから日本の三分の一弱なんですね。それで、イギリスの場合が、ロンドンで三十九名、これが五分の一強。オランダで八十八名ですから二分の一弱。ですから、そういう諸外国の研究所の陣容と比べてみても、日本は非常にすぐれたものを、物すごい財産を持っていると思うのです。  アジ研の特徴というのは、現地語を学び、現地資料を収集、保存して、そして、何年も住み続ける現地滞在を重視すると聞いております。この三現主義に基づいて基礎研究を重ねてきたわけですが、これから二十一世紀に向けて、アジアを初め発展途上国の自国の諸問題への取り組みに協力して、この地域の飢餓や貧困の克服、食糧、自然環境、エネルギー、産業など、政治、経済、社会などあらゆる面でその国の自主的で自律的な均衡ある発展に貢献していくということは、日本の平和的な国際貢献の面でも最も重要なことだと思うのです。  私は、恐らくこの点では通産大臣と考えはぴったりじゃないかなと思っているのです。そういう中で、アジ研の果たしている役割というのは今は極めて貴重で、国際的にも誇るべきものじゃないかというふうに思うのです。この誇るべきものだという点では恐らく考えは一緒だと思うのですが、この点だけ最初に伺っておきたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 全く委員と同意見でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 そういうふうに思っていただくと、私はジェトロとの統合じゃなくて、アジ研を独立した機関として予算でも人員でも組織面でも拡充するということが、国際的に見ても非常に大事じゃないかと思うのです。  実は一九六〇年二月二十六日のアジア経済研究所法の運用に関する閣議了解というのでは、「調査研究機関としての特殊性にかんがみ監督規定の運用に当たっては、その自主的かつ効率的調査活動を助長するよう努めるものとする。」としております。この点で、この閣議了解が今日までアジ研の調査研究活動の自主性の確保や積極的な研究の展開に大いに役割を果たしてきたというふうに思うわけです。この六〇年二月の閣議了解の立場というのは、これからも当然まず尊重されるべきものだというふうに思うのですね。大臣、この点はどうでしょうね、これも一緒だと思うのですけれども。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、当時昭和三十五年の閣議了解、ただいま委員読み上げられたとおりの閣議了解がなされております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 これからも尊重するのでしょう、この形は。その点だけですから。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 はい。統合後につきましても、当然我が国の当面する貿易の振興及び経済協力の促進に直接寄与して、国の要請にこたえるということと同時に、基礎的、総合的な調査研究の成果を最大限に上げるため、その自主性、効率性を重視する、こういった二つのことを運営の基本方針といたしたいと考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 当然尊重するのですね。私一言でいいのです。閣議了解のこの立場はこれからも尊重するんだなということです。それだけ確認しておきたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 ただいま申し上げたとおりでございまして、自主性、効率性の重視ということは運営の基本方針の大事な柱の一つでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 そこで、アジ研の所長や会長を務められた元政府税調会長もなさった小倉武一氏は、雑誌「世界」で、「アジ研は発展途上国の経済や社会に関する基礎的研究を行う機関であり、他方ジェトロは貿易や投資の振興を行う機関である。二つの機関の性格は相当に異なる」、この「組織の機能や役割を無視した「行革」は、日本の将来にとって重要な機能の弱体化を招くだけであろう。」という批判をしておられます。  私は、行革というのだったら役所の数合わせの論理ではなくて、やはりそれぞれの機関には目的というものがあるのですから、アジ研の目的、二十一世紀に向けて果たすべき役割、あるいは今基礎研究ただ乗り論なんという批判が国際的にされている中で、基礎研究というこれまでの日本で最も弱かった部分で、この六〇年二月の閣議了解にあるように、自主的、効率的調査活動を支援する、そのことにさらに力を尽くすということが、大臣、これは必要なんじゃないでしょうか。     〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 行政改革は橋本内閣の最重要な課題でございますし、二十一世紀を展望いたしまして、我が国が真に豊かな経済社会を維持発展させていくというためにも、行政のあり方、組織を抜本的に見直していく必要があるということであります。  こういうような観点から、今回の統合に当たりましても、合理化できる分野は可能な限り徹底を図っていきたいということが一つございますし、また、時代のニーズに的確に対応するために、必要な業務の効率化あるいは充実というものを図っていかなければならない。さらに、調査研究事業の融合というものによる総合的な情報提供機能の強化というものと、それに立脚した貿易・投資振興事業、この二つがばらばらのものではなくて、国策として、国益として考えていった場合には、この投資振興事業の効果を高めるというものに役立たせる、そういう体制づくりを行っていきたい、こういうことは基本的にあるわけでございます。  したがいまして、今回の統合によりまして、地域の研究と、貿易あるいは投資振興事業を一体的に実施する中核機関が整備されるということになるわけでありまして、統合の実を真に上げるために、統合の基本方針に沿って今後の実際の運営が行われるようにいたしてまいりたいと思っております。  したがいまして、先ほどからも申し上げておりますように、二つのものが両輪となって、それぞれが今までと同じようにさらに充実した形の中で取り組みが行われ、さらにそれが統合された中で大きな成果を上げていくということになるわけでありまして、そういう意味での効果をねらっているものであります。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 行革というのは、本来数合わせじゃないはずなんです。どれだけ目的がきちんと達せられるようになるか、そのために力を入れるということが本来の行革のあるべき姿だと思います。さて次に、ジェトロの方を見ておきたいと思うのですが、これの運営審議会委員というのは、大企業代表の方と官僚OBの方だけです。学者、研究者など、純粋に学識経験者と言える方は一人もいらっしゃらないのじゃないですか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 現在のジェトロの運営審議会は定員十五名でございますけれども、ただいま手元に……(吉井委員「学者、研究者はいらっしゃるか」と呼ぶ)名簿がございますが、いわゆる大学等に在籍しておられるような学者とおっしゃられる方はおられません。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 ジェトロの理事長は一九七八年から二十年間、副理事長は一九五八年から四十年間通産省OBで、通産審議官とかあるいは資源エネルギー庁長官など、天下りの指定席になっています。大臣御存じなかったかもしれませんが、これが現実の姿です。副理事長はできたときからずっと天下りの指定席です。また、理事六名中四名が通産、大蔵外務、農水のOBですが、すべて設立された五八年から四十年間ずっとその出身省庁の指定席になっております。  通産大臣は、去る三月四日の予算委員会で、我が党の矢島議員の質問に対して橋本総理が、特定の省庁の出身の人たちが特定の特殊法人における特定の地位を独占するような、いわば指定席と批判を浴びるようなことは慎むべきだという御指摘はそのとおりだと答弁されたのを横で聞いていらっしゃったわけですが、通産大臣、私は、この総理答弁にあるように、これはちょっと異常過ぎると思うのですよ。直ちに改めるようにこれは大臣として検討するべきではありませんか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 ジェトロと深い関係を有する行政分野に知見あるいは経験というものを有する方がジェトロ事業にも貢献をされる、今後も、統合に向けて役員構成等の検討に当たっては政府の方針を踏まえてまいりますが、従来の中においては大きな成果を上げてきているというふうに私は存じております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 ジェトロの中に、ずっとたたき上げできている、おっしゃったような精通した人はたくさんいるわけですよ。しかし、今問題になっているのは、先ほど来松委員からも指摘があったように、天下りの問題ですね、指定席になっている。これは本当に異常な事態ですよ。ジェトロの海外センターの事務所長、次長も六六%が通産省からの出向者です。  大蔵、日銀汚職で今大問題になっていますよね。現役のときに何か面倒を見て金をもらったり接待を受けると、これは汚職ですよ。しかし、将来のポスト、つまり報酬や高額退職金と引きかえに便宜を図ったって、これは捕まらないですよ。だからこれは、言ってみれば天下りというのは汚職の先物取引だということで、これは国民の間で非常に大きな怒りや批判の的になってきているときなんですよ。  それが今の大臣の答弁では、私はこういうことでは国民の中では許されないことだと思いますよ。だから、行革を口にするのだったら、天下りの指定席の是正を図るのだ、少なくとも検討しますぐらいはやはりおっしゃるべきじゃないですか。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 現状のことを今お話しいただきましたから、現在までの状態において大いにしっかりと仕事をしていただいているということを申し上げただけでございまして、統合後の具体的な役員の構成、役員間の業務の配分等については、七月の統合に向けて今後調整されていくこととなりますが、閣議決定の趣旨を踏まえながら、統合後の法人の適切かつ効果的な業務執行を図るという観点から検討をしてまいりたいと思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 天下りの指定席、これはどの分野でもそうですけれども、余りにも異常ですよ。四十年間ですよ。できたときから指定席ですよ。これをあいまいにしておいて、今度統合するから若干考えようかというような、そういう問題じゃないということをしっかり受けとめていただきたい、その必要があると思います。  運営審議会委員は十五名中十二名が大企業の代表で、そのかなりの企業の事業者団体がジェトロの海外事務所に自分たちの共同事務所を置いています。これでは、ジェトロは事実上、大企業、産業界の意向を推進する機関になっていると言われても仕方がないというふうに思うのです。そして、先ほど指摘したように、純粋の学者、専門家はいないわけですから、結局そういうふうなところヘアジ研の運営をゆだねるということになれば、これは機能や役割の低下につながるということを私ははっきり見なきゃならぬと思います。  時間があと数分になってまいりましたので、一方、アジ研の方の状況を見ますと、石川、中根両先生を除けば、全員が全銀協会長と、これまた九人の通産、大蔵、外務、農水、文部、経企の官僚OBなんです。ここも官僚の天下り指定席となっています。そして、それが基礎研究、自主的、自律的な研究の障害になっているということが実は九五年十二月二十五日付朝日に紹介されました。  アジ研のワールド・トレンドという月刊誌での座談会に出席した学者が当時通産大臣だった橋本現総理について発言したことが気に入らないと言って、通産省OBの所長が圧力をかけて修正せよと求めたという問題です。最終的には、結果として学者の抗議によって発言のとおり掲載されることとなりましたが、私は、アジ研の基礎研究や自由濶達な議論が通産省や産業界の意向でゆがめられるというのは、もってのほかだと思うのです。  こういうふうな干渉が二度と引き起こされることのないように、統合をすれば、よほど考えないと、これはいよいよ大変なんですよ。こういうふうにゆがめられる危険性があります。だから、アジ研の運営とか調査研究活動の自主性がきちんと確保されるように、私は、最初に戻って一九六〇年の閣議了解も踏まえて、特段の配慮がなされるようにされるべきだ。これは大臣の決意というものをひとつ聞いておきたいと思います。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 現在、アジ研、アジア経済研究所におきましては、職員が業務を通じて知り得ました情報、これをもとにいたしまして論文を書いたり講演をしたりする、こういった場合には所長の承認を得るということになっております。他方、研究所の業務と関係なく自主的な論文発表を行う、これは自由ということになっておるわけでございます。今後とも、統合後におきましても同様の措置が講ぜられるということを考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 私のお聞きしていることと全然ずれたことをおっしゃっておられるのだけれども、九五年十二月に問題になったのは、アジア経済研究所発行の月刊誌、ワールド・トレンド十二月号に掲載されるため企画された座談会で、学者の方たちが当時の橋本通産大臣についての発言をした、その発言が気に入らないからといって、同省OB山田勝久所長が発言部分の修正を求めたことがわかった。また、意見をチェックし、修正を求めるのは当然の行為だというふうに所長が言ったものですから、これは検閲じゃないか、出版、研究の自由が侵されるという批判が出て、雑誌そのものの発行は一度延期になったのですが、結局、学者の方の抗議によって発言どおり掲載されたのですよ。  問題は、アジ研の基礎研究や自由濶達な議論がこういう形でゆがめられてはならぬ。それをやったら、せっかくの基礎研究をやるところが、魂が死んでしまうわけですよ。だから私は、これは最後に大臣に一言、やはりこれだけは聞いておきたいのだが、一九六〇年の閣議了解も踏まえて、やはりこういうことがないように、きちんとアジ研の運営や調査研究活動の自主性が守られるように特段の配慮をするべきだ。この点は大臣にひとつ決意というものを聞かせていただきたいと思うのです。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 現在のアジ研が新しいジェトロに統合された後も、現在のアジ研に適用されておりますような効率性、自主性を重んじた運営というものは、今後ともなされていくものと思っております。  学問の自由との関係でございますけれども、これは基本的人権として当然あるわけでございますけれども、アジ研の業務として調査研究を行うという場合には、これまた当然のことながら、アジア研究所の目的に沿って実施するということが求められるわけでございます。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 ただいま局長から申し上げたとおりでございまして、同時にまた、先ほどのいろいろの御指摘の事項につきましては、きょう初めて聞かされたものでございますから、それに対する感想は差し控えさせていただきます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 時間が参りましたので、終わります。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 次に、横光克彦君。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 社民党の横光克彦でございます。  このたび統合が予定されております日本貿易振興会、そしてまたアジア経済研究所、これは双方ともに長い歴史を有しており、私は一定の任務を果たしてきたと評価いたしております。今日までさまざまな場で、行政改革、そしてまた特殊法人改革の問題などが、これまたさまざまな角度から議論されてまいりました。  今回、日本貿易振興会にアジア経済研究所の任務を付与した、統合された日本貿易振興会となるわけでございますが、これが単につけ足したりしただけではなく、また、先ほどから言われておりますように、数合わせに終わるのではなくて、将来、これによって任務の遂行を図っていくのだ、この方向が一つの合理性もあり、効率性があるのだ、こういった考え方に基づいて提議されたものだと思いますし、また、そうでなければならない、このように思っております。  今回の統合、大きなジェトロに小さな組織でありますアジ研が統合されるわけでございますが、そうなりますと、統合される方々の不安といいましょうか、これは、私ははかり知れないものがあると思うわけでございます。ですから、こういった問題も含めまして、質問をさせていただきます。  まず最初に、統合後は、より実利面に重きを置いた研究が期待されるかと存じますが、アジ研は人員に限りのある組織でありますし、その点が過度に強調されますと、従来実績を上げてきた幅広く多角的な研究が軽視されることになるのではないか、そんな懸念もあるわけでございます。きめ細かく多分野に目を配っていけるよう、研究にかかわる事業体が研究事業の発案から実行まで自発的に携わって、そして研究者の豊かな発想を生かせるシステム、これを尊重していくべきではないか、このように考えておりますが、いかがでしょうか。

今野秀洋通商産業省貿易局長

○今野政府委員 統合後の日本貿易振興会におきましては、現在のアジ研が行っております基礎的、総合的な調査研究というものは大事な車の両輪の一つ、柱というふうに位置づけております。具体的にもそれを担保するような制度、体制をつくる必要があるというふうに考えております。  具体的に申し上げますと、現在のアジ研部分がやっておりますような基礎的かつ総合的な調査研究につきましては、その企画立案、研究評価等を担当する組織といたしまして研究企画部というものを設置する予定でございます。すべての研究者が提案する調査研究課題をもとに、研究所全体の調査研究計画として取りまとめていくというプロセスをとりたいというふうに考えております。  また、統合に当たりましては、管理部門の重複等の排除、これによって組織の合理化を図るという要請は当然のことでございますけれども、それと同時に、調査研究自体の重要性ということにかんがみまして、専門的な知見を有する組織において企画立案を行うということが不可欠であるということで、このような研究企画部の設置が政府全体の調整の中でも認められたものというふうに考えております。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 ただいま、研究企画部を設置する、そこで企画立案等を行うということでございます。  次に、アジ研のこれまでの研究業務、これは研究内容に熟知、また精通してきた研究支援部門によって支えられてきましたし、また、研究にかかわるスムーズな事務処理が実施されてきました。このことを重視し、不要かつ短絡的な人事異動を急ぐことでこうした研究事業体としての有機的な調和が乱されることがないように配慮すべきだと思いますが、この点はいかがですか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 今委員御指摘の、研究者についての専門性を考えた人事異動ということでございますが、特殊法人の統合に当たりましては、人事、採用を含めて、組織全体としての一体的な運用というのが求められるわけでございますが、今回の統合に際しましては、調査研究の重要性にかんがみまして、すぐれた研究者の育成、研究者の適正な配置を行うためには、専門的な知見を有する組織が対応することが必要であるという観点から、研究部門においてこれらを担当する組織を設置することといたしております。  研究者の採用につきましても、法人全体としての採用の中で、研究部門が採用計画を作成するほか、必要な人材の中途採用も可能とする制度とすることにいたしているところでございます。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 今、そういった形での採用制度も取り入れるということでございますが、アジ研においては、専門家育成の観点から採用や人事異動がなされてきているわけでございます。質の高い途上国研究を実施するためには、対象国の言語や文化に精通した専門家が必要であるということは申すまでもないわけで、研究に携わる事業体の大事につきましては、研究支援部門も含めて、専門性を重視した採用、人事異動を維持することが大事だと思っております。もう一度この点、お聞かせください。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 繰り返してはございますが、調査研究の重要性にかんがみまして、すぐれた研究者の育成、そして研究者の適正な配置等々を含めまして、研究企画部、研究支援部という新しい部を二つつくらせていただいているわけでございますが、それらのところで、専門的な知見を有する組織が対応することが必要であるという観点から、この両研究部門について、これらを担当する組織を設置することといたします。委員のおっしゃるとおりにいたします。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 次に、研究事業において得られた知識、情報は、広く国民に公開されるべきものと考えております。そのため、成果発表について、これは研究機関において厳正に検討され、質的に問題なしとされたもののみが研究者の責任において発表されておるわけですが、その点を十分に生かして、特定団体の利に偏ることのないよう、かつ各方面に幅広い判断材料を提供するため、成果発表の責任は研究者及び研究に携わる機関に置かれるのが適切であると考えておりますが、この点はいかがですか。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 統合後の日本貿易振興会におきましては、組織の合理化を図る観点から、一般的な情報提供、広報につきましては、広範な内外のネットワークを有する情報サービス部門が一元的に担当することといたしております。しかしながら、今委員のおっしゃられましたアジ研の調査研究成果につきましては、その専門性及び重要性にかんがみまして、先ほど申し上げました研究支援部に研究成果の編集及び普及のための専門的な知見、機能を有する組織を設置いたしまして、途上国研究機関としての今までの高い評価を維持するべく、内外に有するネットワークを通じて情報提供を行っていくことといたしたいと存じます。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 その研究支援部において、従来にも増してこの提供、普及を行っていただきたいと思っております。  次に、アジア経済研究所というこの名前、これは特に出版物を通じて国内外に知れ渡っておるわけでございます。統合後も研究成果の質を維持し、そしてまた向上させていくことを内外に周知徹底させるためにも、また成果の受け取り手に不要な混乱を招くことがないように、運用上、このアジア経済研究所という名前を使用していくことが望ましいと考えておりますが、この点が一つ。  そしてまた、途上国関連図書館として我が国最大のアジ研図書館は、貴重な存在として海外でも有名でありますが、その評判を損ねることのないように維持すべきだと思いますが、この二点についてお聞かせください。

佐野忠克通商産業省通商政策局次長

○佐野政府委員 アジア経済研究所というその名称でございますが、統合後の日本貿易振興会における研究機関といたしまして、組織規程ではございますが、運用上、アジア経済研究所という名称が位置づけられるということでございます。  これに加えまして、アジア経済研究所の施設、幕張につくります新しい施設になりますが、内外の研究者の活動だとか研究交流の場として、法文上にも新たに規定をさせていただいておりまして、アジア経済研究所を途上国研究の中核機関として位置づけさせていただいております。  また、図書館につきましては、委員がおっしゃられるとおり、建物という意味ではなくて、中身、蔵書等を含めまして、今大変立派なものを、私たちは誇れるものを持っているかと思っております。ちなみに、蔵書は全体で四十五万冊ございますし、地図等も、かなり古いものも含めて五万くらいの地図を有しているこの図書館でございますが、現行のこのアジア経済研究所図書館機能というのを維持することはもとよりでございますけれども、利用者の便宜を図ることを考えておりまして、幕張と現行の日本貿易振興会、虎ノ門と分かれているわけでございますが、日本貿易振興会のライブラリーと機能上統合することによって新たに図書館部という部を設置させていただいておりまして、移転後の幕張部局において一体的に運用をしていこうというふうに考えております。  なお、そのアジア経済研究所の図書資料部におきましては、千葉への移転に伴いまして、先ほど申し上げた蔵書はいろいろなところに分散して入れているわけでございますが、これからは、四倍に面積が広がって抜本的に拡充をされるというふうになっているところでございます。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 さらに施設の大きさ、そういったこと等も含めて充実されるという話でございます。  最後に、大臣にお伺いいたしますが、日本貿易振興会は政策実施機関として、またアジア経済研究所は学術研究機関として、それぞれに活躍をしてまいったわけでございますが、特にアジ研は、日本のみならず世界でも有数の研究機関としてその実績は高く評価されているわけでございます。統合の効果を上げること、これはもちろん当然のごとく重要でございますが、アジ研のこれまでの研究機能を生かすためにもその自主性が保たれることが私は大切だと思っております。大臣から、最後に誠意のある御答弁をお願いしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 先生御指摘のとおり、アジア経済研究所は、非常に高い評価を持った、世間的にも評価をいただいているものでございまして、これは大事にしていかなければならないと思っております。  今回の統合に当たりましても、日本貿易振興会の貿易・投資振興というものと、ただいま申し上げたアジア経済研究所の基礎的な調査研究というもの、この両方とも、車の両輪としてとらえていくというふうに考えておりまして、アジア地域等の基礎的かつ総合的な調査研究は引き続き統合後の法人の主要な柱として承継してまいる覚悟でございます。  このような観点から、統合後の法人の調査研究事業につきましては、第一に、我が国の当面する貿易の振興及び経済協力の促進に直接寄与し、国の要請にこたえられること、第二に、基礎的かつ総合的な調査研究の成果を最大限に上げることの重要性にかんがみまして、その自主性と同時に効率性を重視するようにしてまいりたい、それを基本方針として運営してまいりたいと思っております。

横光克彦社会民主党・市民連合

○横光委員 終わります。ありがとうございました。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。  反対理由の第一は、貿易、投資等に関する振興事業推進機関である日本貿易振興会、ジェトロにアジア経済研究所、アジ研を統合することが、基礎的な調査研究機関としてのアジ研の性格をゆがめ、自主性を損ない、機能を弱めるからです。  ジェトロの主な活動は、貿易と投資の促進、支援事業、産業協力の推進、海外情報の収集、提供などです。中でも近年、日米貿易摩擦のもとでアメリカの対日要求に基づく自動車、住宅の輸入拡大事業、我が国大企業の海外進出に対応したアジア地域等での輸出産業育成、工業化支援事業などに積極的に取り組んでいます。  アジ研は、アジアを中心として発展途上国・地域全体の経済、政治、社会に関する諸問題について基礎的、総合的な調査研究を実施しています。とりわけ現地主義、実証主義に基づく調査研究と成果の普及、国際、国内の共同研究と研究交流、資料収集、人材育成は国際的にも高く評価されています。  かつて所長、会長としてアジ研に在籍した元政府税調会長の小倉武一氏も、アジ研とジェトロについて、二つの機関の性格は相当に異なる、組織の機能や役割を無視した行革は日本の将来にとって重要な機能の弱体化を招くだけだろうと指摘しているのであります。  反対理由の第二は、我が国が発展途上国の自主的、自律的な成長、発展のためにもつと協力すべきであり、アジ研を拡充するのではなくジェトロへ統合することは、日本に求められている国際的役割に反するからであります。  これから二十一世紀に向けて、飢餓、貧困の克服、砂漠化防止など、発展途上国・地域の抱える諸問題を解決することは全地球的課題となっています。その中で、とりわけ我が国を含む先進諸国の役割は重大です。  こうした中で、アジ研がIDE東京として広く世界に知られ、発展途上国・地域を対象とする世界最大規模の研究所として活動していることは、世界的に基礎研究ただ乗り論や貿易黒字ひとり占めなどの批判もある我が国において極めて貴重なことです。統合でなく、世界に誇る伝統、実績を持つアジ研を独立した研究所として残し、予算、人員、組織等の面でさらに充実させることこそ、世界第二の経済力を持つ日本が国際的に果たすべき役割であります。  反対理由の第三は、天下り指定席の廃止、ジェトロの大企業奉仕部門の縮小など、本来行うべき改革に手をつけていないことです。  ジェトロの役員は、理事長が一九七八年以来二十年間、副理事長がジェトロ発足の五八年以来四十年間、一貫して通産省の幹部出身者です。理事六名のうち四名も、通産、大蔵、外務、農水省出身者の指定席となっています。アジ研の所長及び理事一名も通産省出身者の指定席となっています。また、ジェトロには通産省から海外事務所に多数の職員が出向していますが、実態は、ニューヨーク、パリ・センターなど有力な海外センター、事務所の所長、次長を八事務所で独占し、さらに所長を八事務所で独占しています。民間事業団体との海外共同事務所も多数開設しています。ジェトロの運営審議会も、十五名のうち十二名は経団連、日本貿易会代表など大企業の会長等で占められ、ジェトロが日米多国籍企業の要求に沿った事業を進める要因となっています。  行政改革を言うのなら、こうした現状を国民本位に改めることこそまず行うべきであります。以上で反対討論を終わります。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、岸田文雄君外四名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。太田昭宏君。

太田昭宏平和・改革

○太田(昭)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 統合の実をあげるため、両機関の既存の業務・人員配置の全般について、重複を排除するのみならず、その政策効果の評価を徹底して行い、新機関の的確かつ効率的な運営に努めること。  二 現アジア経済研究所の移転後においても、調査研究事業及び貿易・投資振興事業の運営については、新機関が一体となって総合力を発揮するとともに、調査研究の成果を公表する等利用者の利便性の確保にも十分留意すること。  三 新機関がアジア地域等の基礎的かつ総合的な調査研究を行うに際しては、我が国の当面する貿易の振興及び経済協力の推進に寄与し、国の要請に応えうるよう措置するとともに、自主的かつ効率的な調査研究活動を促進するよう努めること。  四 従来のアジア経済研究所の職員の処遇については、身分の変更に伴う不利益が生ずることがないよう十分配慮すること。  五 ボーダレス経済化が急速に進展する一方、アジア地域の経済が厳しい状況下で、我が国としても貢献が求められる今日、新機関の果たすべき役割について、長期ビジョンを確立するとともに、新機関の事業展開に積極的な取組みを行うこと。    また、民間への情報提供についてもそのニーズを常に汲み上げ、求めるものが的確に提供できるよう特段の努力を行うこと。 以上であります。  附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。  この際、堀内通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀内通商産業大臣。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。     —————————————

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十分散会

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