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142回国会衆議院1998/04/30

行政改革に関する特別委員会 第9号

発言数
159
登壇者
16
会派数
6
開催日
1998/04/30

会議録

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中央省庁等改革基本法案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、午前中参考人として徳島県知事圓藤寿穂君、松江市長官岡壽雄君、群馬県上野村長黒澤丈夫君、行政改革会議委員・京都大学大学院法学研究科教授佐藤幸治君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序でありますが、まず各参考人からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  それでは、圓藤参考人にお願いいたします。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 ただいま御紹介いただきました徳島県知事の圓藤寿穂でございます。  諸先生方におかれましては、国政多難な折、本当に御苦労さまでございます。このたびは、発言の機会を与えていただきまして、大変光栄に存じております。  さて、高度経済成長を支えてきた我が国の行政システムは、戦後五十年を経過して制度疲労に陥り、時代に合わなくなってきておりまして、国、地方ともに抜本的な改革を迫られている状況にございます。国におきましては、より自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい新しい行政システムへの転換を図ることを基本理念として、中央省庁等改革基本法を制定し、内閣機能の強化、中央省庁の再編など政府組織を改革し、国家機能を有効に遂行するにふさわしい、簡素で効率的かつ透明な政府を実現されようとしていますことは、まさに時代の要請にこたえるものであるというふうに理解をいたしております。  国におきまして、このような改革を実行されるに当たりまして私から申し上げたいことは、まず、地方分権の推進でございます。  国の行政改革が国民の目から見て真にスリム化、効率化が実感され、国民の理解と協力が得られるためには、地方分権の推進は絶対に必要であるというふうに考えます。とりわけ中央省庁の再編など政府組織の改革は、これまでも全国知事会等で要望してまいりましたように、国と地方の役割分担を明確にし、住民に身近な事務は地方公共団体が実施することにより、初めて真に個性豊かで生き生きとした地域社会をつくることにつながるものと考えます。そして、国は、外交、防衛などの国の存立に係る事務や地方公共団体では処理することが困難な事務、あるいは国が一元的に処理することが適当な事務などを分担することとすべきであり、現在審議されております中央省庁再編案が、従来の省庁の単なる統合にとどまらず、国と地方の新しい役割分担を見据えたものであると理解をし、早期の実現を期待するところでございます。  次に、財政制度の改革について申し上げます。  私たち地方公共団体は、国庫補助負担金制度を中心とする国と地方公共団体間の財政制度の見直しについて、これまで一貫して要請してまいりました。国においても、零細補助金の整理や超過負担の解消など改善されてきてはいますが、いまだ抜本的な改善にはほど遠い状況にございます。今後、地方分権を推進し、国と地方公共団体の関係を対等・協力の関係に移行させ、地方公共団体の自主性、自立性を高めるためには、国から地方公共団体への事務、権限の移譲とともに、財政関係の基本的な見直し、すなわち、地方税源の充実、地方交付税の財源保障、財政調整機能の強化を含めた税財源の国から地方公共団体への移譲も一体として行うべきであります。  現在、国と地方公共団体の支出が一対二の割合に対し、収入は二対一と極めて不自然な状況にあり、このことが、国と地方公共団体の関係において事務の非効率や責任の所在をあいまいにする要因となっていると考えられます。国の改革は地方の改革にも大きな影響を及ぼすものと考えられますが、今回の中央省庁の編成などが国と地方公共団体の間の財政制度も改善し、これら一連の改革が、国、地方を通ずる行政サービスの向上、つまり、国民の福祉向上、利便性の向上に直結することとなるよう期待するところでございます。  このような意味からも、地方分権が進み、国民生活にとって地方自治の重要性が増大すれば、ますます地方行財政制度に関する国と地方公共団体の調整も重要になってくると考えられ、これを所管する国の組織、機関等の確固たる位置づけが必要であると考えておりますので、よろしく御理解をお願いいたしたいと思います。  また、私が知事をしております徳島県におきましては、今月五日に明石海峡大橋が開通し、本県の長年の悲願でありました淡路島を通じた京阪神との陸路直結が実現をいたしました。県といたしましても、この架橋効果を最大限に生かすべく懸命の努力をしているところではありますが、何分にも収入の大半を地方交付税と国庫補助金に依存する財政基盤の脆弱な県であります。このたびの国の省庁再編等行政改革に伴い、社会資本整備の立ちおくれた弱小県が切り捨てられることのないよう、御配慮を切に希望するものでございます。  以上、中央省庁等改革基本法案に関しての私の考えの一端を申し上げました。  次に、徳島県における地方分権の推進、行財政改革の取り組みについて御説明いたします。  本県におきましては、これまでも、時代の推移に応じて、昭和五十年から数次にわたりまして、独自に大規模な行財政改革に取り組んできたところでございます。平成七年六月には、簡素で効率的な行財政システムを構築するために、県民にわかりやすい行財政システムの推進、簡素で効率的な行財政システムの確立、官民の新しい協働システムの構築、人材の育成システムの強化の四つを基本方針といたしまして、その具体策を示した徳島県行財政システム推進大綱を策定し、これまで大綱に基づいて各種施策を展開してきております。  これまでの具体的な取り組み状況といたしましては、簡素で効率的な行財政システムの確立の観点から、時代の潮流を踏まえた組織機構の改革、外郭団体の統廃合を含めた活性化、ボランティア活動の振興など民間活力の導入等に取り組み、また、二十一世紀の新たな徳島を創造するための行財政システムの構築の観点から、政策立案機能の強化と、国への、単なる陳情ではなくて施策提案型要望の実施、新長期計画「いのち輝く世界の郷とくしま」の策定、また、県民への行政サービスの向上と効率的かつ機動的な施策展開を行うための情報化の推進、また、職員を政府機関や民間企業等へ長期派遣し、時代の変化に即応できる人材の育成等に一生懸命取り組んでいるところでございます。  さらに、平成九年度からは、これまでの大綱に基づく実績を踏まえまして、行政と民間、国と地方、県と市町村、本庁と出先機関等の役割と機能分担を見直しますとともに、相互連携システムの再構築を目指す地方分権型行財政システムへの改革、「アクション21」と称しておりますが、これに全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。  その中で、この三月には中間取りまとめといたしまして、現在一万四千件の事務事業のうち三千件につきまして、廃止、規制緩和、市町村への権限移譲、民間活用等の措置を取りまとめますとともに、さらに、出先機関の統廃合を中心とした組織体制の整備につきましても、計画的かつ着実に実施をいたすことにいたしております。また、財政の健全性を確保しつつ、二十一世紀に向けて新長期計画の実現を確かなものとするため、財政健全化推進プログラムを策定したところであります。今後、国における地方分権や行政改革等の具体化を受けた措置計画等の追加、改定を行い、より実効性の高いものにしてまいりたいと考えております。  二十一世紀はまさに地方が主役を担う地方分権型社会であり、県みずからが考え、みずからの責任において自律的で創造的な施策を展開できる、新しい時代における行財政システムを創造することが必要であると考えております。  このように、地方公共団体は、住民のニーズやそれぞれの団体の状況に応じて適時適切に行政組織の改革や財政健全化に向けた取り組みを行ってきておりますが、国の改革と地方分権の進展に合わせて着実に推進してまいる覚悟であることを申し添えまして、私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ありがとうございました。  次に、宮岡参考人にお願いいたします。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 全国市長会の副会長をいたしております島根県松江市長の宮岡でございます。  諸先生方におかれましては、日ごろより格別の御支援、御高配を賜っておりまして、この機会に厚く御礼を申し上げます。また、このたびは発言の機会を与えていただき、深く感謝を申し上げます。  さて、社会経済が大きく変化する中で、我が国の諸制度は多方面にわたりまして見直しを迫られており、中央省庁の行政組織もその例外ではあり得ないと考えております。私は、以下七点につきまして意見を申し述べたいと存じます。  まず第一点は、改革の理念についてでございますが、まず重要なのは、どのような視点に立って検討するかということであろうと存じます。私は、この点については、国、地方を通じて、国民にとって最も適切な行政サービスが効率的に供給される仕組みを確立するとともに、これに見合った行政組織を整備するという考え方に立つべきであろうかと存じます。  それは、もう一歩進めて申し上げますと、国、地方を通じて事務、権限の見直しを行い、民間に任せることを含めて行政事務を整理するとともに、住民に身近な事務はできる限り住民に最も身近な行政主体である市町村が行うこととするなど、地方分権を推進することにより、中央政府の負担を軽くし、その組織のスリム化を図ることであろうかと存じます。  第二番目は、地方分権の確保についてであります。  このような考え方は本法案の基本的な方針にも示されているところであり、例えば法案の第四条「中央省庁等改革の基本方針」によりますと、国の事務及び事業のうち民間または地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りこれらにゆだねること等により、国が果たす役割を重点化することを今回の再編に当たっての基本方針として定め、地方分権の推進と行政組織のスリム化を述べておられます。また、本法案の農林水産省、労働福祉省、教育科学技術省など各省の規定の中にも、地方への分権の推進や地方自治体の役割について重視する規定がございます。このような考え方には私も賛同するところでありますが、問題は、これがどのように具体化されるかであります。  そこで、三番目といたしまして、地方分権下の地方自治所管機構のあり方についてでございます。地方分権が進展したときの地方自治に関する中央政府の組織のあり方について申し上げたいと思います。  今回の法案の基礎となった行政改革会議の御論議においては、地方分権が進めば地方自治を所管する組織は縮小することとすべきだという趣旨の御意見があったと承っております。しかし、私にはこれは逆ではないかと考えられます。  例を申しますと、地方分権が進み、地方公共団体の仕事がふえてまいりますと、これに対処するための財源が必要になりますが、地方財源の確保は国の財政を所管する組織と地方自治を所管する組織との間の大変厳しい折衝によって決定されているように仄聞をいたしております。例えば今回の総合経済対策に伴う地方負担に対する具体的な財政措置も、自治大臣が大蔵大臣に対して強く求め、自治省と大蔵省との間の激しい折衝を経て決定されたと聞いております。  また、地方公共団体の事務とされたものについても、国の法令によりまして相当細かく規定されております。最近の例で申しますと、介護保険制度や容器包装あるいは廃家電製品のリサイクル制度など、地方公共団体が非常に大きな影響を受けることとなる制度が次々に定められております。これらについては、地方の実情に即し円滑な業務運営がなされるよう全国市長会も意見を述べておりますが、なかなか思うようにはまいりません。その中で、具体的な制度化については、政府部内で、その事業を所管する組織と地方自治を所管し地方の立場に立った議論を展開する組織との間で細部にわたるきめ細かい折衝が行われており、そして、重要な事項の多くがその折衝の結果決定されているのが実態であります。  このようなことから、地方分権が進み、地方公共団体の事務がふえればふえるほど、地方公共団体がこれを円滑に実施し、国民生活に寄与していくためには、地方自治を所管する組織が重要な役割を果たすことの必要性は一層増大するとすら考えられるのであります。  地方六団体としては、今回の省庁再編成問題に関し、地方行財政制度の企画立案や国と地方との調整を一体的に所管する組織を設けるとともに、これを専ら担当する大臣を置くこととすべきであると主張してまいりましたが、これは、地方自治が憲法に保障された重要な制度であるとの認識に基づくものであるとともに、ただいま申し上げたような実情を踏まえた考え方によるものであります。地方分権が進み、ますます多くの事務を住民の理解を得ながら円滑に実施するためには、地方の実情が政府部内において十分な力を持って主張され、考慮されることが必要であります。  次に、第四点でございますが、総務省についてでございます。  今回の法案によりますと、地方自治を担当するのは総務省となっておりますが、これは現在の自治省、総務庁、郵政省の業務を行う大きな官庁であり、大変広範な事務を所管することとされております。私どもは、このような多くの異なる行政目的を持つ組織が現実にどのように運営されていくのか、また、その中で地方自治の問題、地方公共団体の実情がどのように扱われることになるのか、正直なところ不安な気持ちであります。  現在は、自治省が専らの事務として地方自治を所管しており、専任の自治大臣もおられます。したがって、地方財政対策のように、国と地方との間で必ずしも利害が一致しないときにも、これが国民のために必要とあれば、自治大臣は地方自治の立場に立った主張を強力にしてくれるという信頼感を持っているわけであります。総務省という大きな組織になりましても同様の信頼感が必要であることは、言うまでもないことでございます。このことは、地方公共団体のためだけに申しているのではありません。国と地方とは、いわば車の両輪として相協力しつつ国民の福祉向上等に努力しなければなりませんが、それはただいま申し上げたような国と地方との信頼関係があってこそ初めて現実のものとなるのであります。  また、総務省内の具体的な組織のあり方等についてこれ以上申し上げることは遠慮いたしますが、以上申し上げた趣旨を踏まえて、十分御検討いただきたいと存じます。  五番目といたしまして、国土交通省についてでございますが、この省は国土の総合的、体系的な開発を担当するもので、現在の建設省、運輸省が一つにまとまった大変大きな官庁となるものであります。  都市自治行政は、各省庁のいわゆる縦割り行政を地域の実情に応じて総合的に調整しつつ展開しており、中央省庁の再編に当たってはこのような総合調整ができる限り円滑に行われるよう配慮される必要があると私どもは要望してまいりました。この点、建設、運輸両省の機能をあわせた新しい官庁には、いわゆる縦割り行政の弊害をなくすことが期待されるところであります。  しかしながら、その公共事業予算が平成十年度でいえば約七兆円にもなる巨大官庁であり、その運営のあり方いかんは大変大きな影響をもたらすこととなります。例えば、都市基盤の整備は都市自治体にとって大きな課題でありますが、これらが縦割りの弊害を解消しつつ、地域の実情に応じ地方主導で適切に実施されるよう願っております。  国土交通省に関する法案の第二十二条第五号に「地方公共団体への権限の委譲、国の関与の縮減等を積極的に進める」とあり、また、第四十六条で公共事業の見直しに関して、「国が直接行うものは、全国的な政策及び計画の企画立案並びに全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業の実施に限定し、その他の事業については、地方公共団体にゆだねていくことを基本とすること。」としています。こうした規定が明確に実現され、地方への権限、事務事業の移譲が進められるよう期待をいたしております。  次に、六番目として郵政三事業について。  全国市長会としては、郵政三事業の民営化問題について、これが過疎地域等の地域事情をますます厳しくするものとして懸念する意見が多い旨申し上げてまいりました。これについては、総務省に、郵政事業の実施に関する機能を担う外局として郵政事業庁を置くこととし、法施行五年後に国営の新たな公社に移行することとされたところでありますが、今後の検討においては、私どもの意見の趣旨を十分反映していただきますようお願いを申し上げます。  最後に、七点目でございますが、権限移譲と関係の深い財政問題について申し上げます。  個性ある豊かな都市づくりのためには、財政の裏づけが伴わなければなりません。財政負担を伴う事務、権限の移譲については、財源の移譲を伴うことが不可欠であります。  また、国の補助金については、私どもは、従来から、整理合理化と必要な一般財源措置を講ずるようお願い申し上げてまいりました。法案第四十四条第二項は、国の補助金等の見直しについて、「地方分権推進委員会の勧告に沿って、その削減又は合理化を推進すること。」及び第四十六条では、公共事業の見直しに関連して、「国が個別に補助金等を交付する事業は、国の直轄事業に関連する事業」等「特に必要があるものに限定し、その他の事業に対する助成については、できる限り、個別の補助金等に代えて、適切な目的を付した統合的な補助金等を交付し、地方公共団体に裁量的に施行させること。」とされています。これらのことが明確な形で広範囲に実施されることが必要であると考えております。  以上、七点について申し上げましたが、地方分権の推進は、具体的な議論になりますと大変難しい面がございます。そのため、これまでしばしば議論をされながらなかなか実現を見ることができませんでした。中央省庁の再編というこの機会に、ぜひとも明確な形で実現をお願いしたいと存じます。  いずれにせよ、中央省庁の行政体制がどのようになるかは、地方自治にとって極めて重要な、切実な問題であります。省庁再編後の新しい体制が地方自治の確立にふさわしいものとなりますことを強く期待をいたしておるところでございます。  以上、私どもの考えを申し述べさせていただいた次第でございますが、諸先生方には引き続き特段の御理解と御支援を賜りますようお願いを申し上げまして、私の意見を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ありがとうございました。  次に、黒澤参考人にお願いいたします。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私は、御紹介をいただきました全国町村会長であります群馬県上野村の村長黒澤でございます。  先生方にはかねてから地方自治行政の振興、地方分権の推進に一方ならない御尽力をいただいておりまして、まことにありがたく、この席をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。また、本日は意見陳述の機会を与えていただき、厚くお礼申し上げます。  さて、行政改革の推進は、昨今におきましては国、地方を通じての最重要課題でありまして、とりわけ中央省庁の再編については、来るべき二十一世紀に向かって、国家行政の減量化とその担うべき役割を明らかにするとともに、縦割り行政の弊害排除を大胆に実行しようとするものであり、我々町村長としては、今後地方分権を積極的に推進する上で大きな期待を抱いておるところであります。  本日は、中央省庁等改革基本法案につきまして、地方分権の推進の観点から意見を申し述べさせていただきたいと存じます。  初めに、地方分権についての基本的な考え方について申し上げます。  私は、多年地方自治に携わってまいりまして、我が国の憲法にうたわれた地方自治の本旨という部分がどれほど生かされているであろうかと考えるわけであります。例えば、一応権限を移譲したことになっている福祉関係の分野においても、なお財政の面や通達等によって国が個別に関与する仕組みが残っております。他の分野でもおおむね同様でありまして、地方の住民が自分たちに直接関係する行政をみずからの意思で処理することができない現状にある部分が相当あります。  国の公務員の方々が国家国民のためを思い、寝食を忘れて頑張っておられることに対しましては敬意を表するものでありますが、気候、風土、歴史や伝統などにおいて実に多様な我が国のそれぞれの地域の実情を十分に知ってすべての仕事を進めることは困難であると思います。現状においては、地方の実情を十分に知らない中央の人たちによる関与が行われていることによって、全国の画一的統制による無理、むだが生じ、あるいは縦割り行政による総合性の欠如といった多くの問題が生じていることを申し上げざるを得ないのであります。  私ども町村長は、直接地域住民に接してその地域行政を預かっておりますことから、最も地域住民の意思を酌み取りやすい立場にあります。しかも、総合的判断のもとにそれぞれの地域の持つ実態に即した最も有利な対策を立案して、乏しい財源で最も効果的に地域のための行政を実施しているといささか自負しております。国内の行政については、お金の使い方を含め、地方公共団体にぜひとも任せるように御配慮をいただきたいというのが基本的な考え方であります。  次に、税財源問題について申し上げます。  改めて申し上げるまでもなく、地方分権を実質的に支えるものは財政の自立てあります。財政面での裏づけがないと、せっかくの地方分権も絵にかいたもちになりかねません。地方分権を進めるに当たっては、地方公共団体が事務事業を自主的、自立的に執行できるよう、事務配分に応じた地方税財源を安定的に確保していくことが絶対に必要であります。  先生方も御承知のとおり、国と地方の歳出純計に占める国と地方の割合はおおむね一対二であるのに対し、租税総額に占める国税と地方税の割合は逆に二対一となっております。この乖離により住民の受益と負担との不一致が生じ、住民の自治意識の涵養の大きな障害となっていることをお酌み取りいただきたいと思います。地方分権を推進し、地方の自主財源を充実させるためにも、この乖離をできるだけ縮小する方向で地方税財源の充実を図ることが必要であります。  分権型社会においては、行政サービスの享受と財源負担のあり方がより住民に身近なところで議論され、決定されるべきであり、地方公共団体は国からの移転財源に依存するのではなく、みずからの判断と責任で財源を確保し、行政を執行していくことが基本でありますが、経済力に大きな格差があり、税源が偏在している中にあって、一定の行政水準とその計画的な運営を保障する上で、その財源調整機能というものは極めて重要であります。  我々町村も、華美やむだを省くとともに、行財政改革を推し進め、行財政の自主的かつ自立的な健全化を図ってまいりますが’それぞれの地域の実態をできるだけ反映させるような、いわばきめ細かい財政需要の算定を行い、それに伴う地方交付税所要額をぜひとも確保していただきたいものであると考えております。  現下の地方財政は、平成六年度以降多額の財政不足が続いたため、平成八年度以降三年連続して地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当するなど、大変厳しい状況にあることは御承知のとおりであります。将来的には地方交付税の税率アップについても検討すべきではないかと存じております。  また、特に財政力の弱い町村の社会資本の整備につきましては、相対的におくれが顕著でありますので、住民がゆとりと豊かさを実感できるよう重点的、計画的に公共投資を行うこととし、特に住民のニーズを自主的に反映できる地方単独事業については、個性ある地域づくりや住民に身近な生活環境施設の整備のため、さらには地域経済への影響等をも勘案して、事業が着実に実施できるよう所要額を確保することが必要であると考えます。  先生方のお力によりまして、ぜひ、これから策定される地方分権推進計画をもとに、町村の意見を最大限に反映した制度改革が実現されますようお願いするとともに、中央省庁再編に関し、各省庁の設置法を検討するに際しては、基本法案の趣旨に沿って地方へのさらなる権限移譲や補助金等の見直し、地方への税財源の充実の観点も十分に踏まえ、地方分権が進むようにしていただきたいと考えております。  次に、地方自治に関する行政機能であります。  地方自治に関する行政機能につきましては、先ほど来申し上げましたが、我が国の憲法は、地方自治のための一章を設けて、地方公共団体の組織、運営の基本を法律で定めることとし、地方行財政を適切に定めることが国の重要な責務とされているところであります。  また、今後、国と地方の新たな関係の構築を目指した地方分権の力強い前進が強く期待されている中にありまして、地方行財政を円滑に推進する上で国と地方が相互に協調することが不可欠であり、今後とも、地方公共団体の意思を国政に反映させる体制を設けていくことが必要であります。  したがいまして、基本法案に示された総務省において、地方自治の維持及び確立という国の重要な役割が十分に果たされるとともに、地方自治関係の事務を他の多くの事務の中に埋没させることがないように対応していただきたいと思っております。この件については、先ほど市長さんからもお話がありましたが、私どもも、埋没されるのではないかという不安をいささか抱いております。  せっかくの機会でありますので、最後に、地方行政体制の確立について申し上げます。  地方分権推進委員会の累次の勧告においては、国と地方との新しい関係や個別行政分野に係る改革のほかに、地方公共団体における行政体制の整備についても指摘されております。私どもとしては、行政体制整備の問題はみずからの課題としてしっかりと受けとめ、一層の努力を続けてまいる決意であります。広域行政、行政改革等により積極的に取り組むことにより、職員の能力向上に特に力を尽くしたいと考えております。  町村の場合、総じて小規模の団体が多いことなどによって、事務執行能力について懸念を持たれる向きもあるように見受けます。そこで、私どもが申し上げたいのは、地方におきましても人材がいるということであります。教育の普及によりまして十分な教育を受け、また、職場でも厳しく訓練を受けた職員も多くなってきております。組織として継続的に事務を処理することによりまして、その事務処理に習熟し、必要な知識や経験は蓄積されてまいります。町村の仕事がふえれば、その結果、職員は育つのであります。専門知識を必要とするような事務であっても、数カ市町村での共同処理、都道府県や他の市町村への委託、または都道府県による補完機能等の発揮などによりまして、十分に処理能力を満たすことができると考えております。このことをぜひ御理解願いたいと思います。  以上、るる申し上げてまいりましたが、先生方におかれましては、私どもの意の存するところをお酌み取りいただきまして、よろしく御配慮を賜りますようお願い申し上げまして、陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ありがとうございました。  次に、佐藤参考人にお願いいたします。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 佐藤でございます。  行政改革会議の委員を務めさせていただきましたが、その後、基本法案につきまして皆様が大変に真摯な御議論を続けていらっしゃることに対して、心から厚く御礼を申し上げます。  それでは、私の考え方を少し、ごく簡潔に申し上げさせていただきたいと存じます。  一体、我々は何のために行政改革をしなければならないのかということでありますが、その辺は、最終報告でもあるいは基本法のところでも既によく反映されていると思いますけれども、あえて簡単に言えば、次の二点になるかと存じます。  一つは、グローバル化の進展する国際社会において、国家として、また国民個人として、有意的に生きる道を探求し、追求しなければならないのではないかということが第一点であります。  それから第二点は、管理され過ぎた国家社会に日本はなってきているのではないか、そういう管理され過ぎた国家社会からの脱却を図り、より自由で公正な社会を築こうということではないかというように思うわけであります。  まず、第一点のグローバル化の問題であります。  申すまでもなく、今日、物のみならず、人も情報も金も、瞬時に国境を越えて容易に移動する、流通する、そういう時代になってまいりました。主権国家の総体化というものが進行しているように思います。  そのことは何を意味するかと申しますと、一つは、国際社会において個人の意味が大きくなってきているのではないかということであります。ちなみに現在、しばらく前から、国際社会における人権という問題が国際社会の関心になってまいりました。そのことは、言いかえますと、今申しましたように、国際社会において国家ではなくて個人の重みがふえてきたということではないかと思います。それが第一点。  とはいえ、人間が生活する基礎的単位である国家の重要性も、なお相当の期間存続するのではないかというように思います。その意味で、日本の国家もそれから国民も、国際社会をいわば与件として受け身的に受け取るのではなくて、主体的かつ有意的に参画する道を探求しなければならない状況にあるのではないかということであります。それが第一点であります。  それから第二点の、自由で公正な社会を築くということであります。  戦前の抑圧的な体制から解放された我々国民は、自由を享受しながら経済的な豊かさを追求してきたわけでありますけれども、その過程で、どうも官民一体の、言ってみれば総動員体制といいますか、あるいは官への国民の依存体質が強まって、いわゆる管理され過ぎる国家社会というものができ上がってしまったのではないか、このままでは国家も国民も、先ほど申し上げた第一の課題であるグローバル化という問題に対応することが非常に難しいのではないかということであります。言ってみれば、このままでは国家も国民も厚着を着たまま海に飛び込むようなことではないかという感じさえするわけであります。  その意味で、政府は余分な仕事をできるだけ整理する、それから、国民はそれぞれの自律性というものを回復しなければならないというように思うわけであります。つまり、我々は、自律的個人を基礎とする自由で公正な社会を築く、そしてそれを可能にする、そして、グローバル化に機敏に対応できる有効な統治構造というものをつくり上げる必要があるのではないかというように思うわけであります。  一国の政治体質は、申すまでもなく、結局のところは、国民の精神のあり方、政治的資質によって規定されてくるということであります。国民の自己統治能力、自己変革能力を高めるということを基本に据えて行政改革も考えられなければならないのではないかというように考える次第であります。  それでは、どのような行政改革をすべきなのか、次にその点に話を移したいと思います。  一口で申せば、それはこういうことかと思います。行政権を国が行うにふさわしいものに限定しつつ、その行政権を国民の手に取り戻すということであります。従来はこういう考え方であったと思います。国民と国会を一体的にとらえてそれを政治と観念し、内閣と行政機関を一体的にとらえてそれを行政というように観念していたのではないか。  しかし、今日の時代環境のもとにおいてはそれではうまくいかないのであって、むしろ、国民、国会、内閣を一体的にとらえてそれを政治と観念し、その政治によって行政機関をコントロールしながら、その専門的能力、情報を存分に活用するという方向が探求されるべきではないかというよ うに思うわけであります。そのことは、国民が政権の選択により直接的な責任を負うということであります。  最終報告と基本法案が、内閣のこの国務を総理するという任務を重視し、そのため、内閣の機能を強化し、内閣総理大臣の国政運営上の指導性をより明確にして、かつ、内閣及び内閣総理大臣の補佐、支援体制を整備しようとしているのはその趣旨であるというように考え、高く評価しているところであります。  憲法六十五条に言う行政権は、法律を誠実に執行するということに尽きるのではありません。それは、法律を執行するということは疑いもなく大事なことでありますが、それに尽きるのではなくて、高度の統治・政治作用、これは総合戦略あるいは総合調整作用と言ってもいいと思いますが、高度の統治・政治作用を含んでいるものであるということを明記すべきではないかと思っている次第であります。そういう意味での内閣機能の強化ということであります。  それから、この内閣機能の強化に比べたときに、中央省庁の再編というのは、私に言わせると、これは私の個人の見解かもしれませんが、より手段的な事柄であると考えます、内閣そのものに比べれば。幾つであるかということはより手段的な問題だというように思います。ただ、長年にわたって行政システムに付着してきたさびを削り取り、部品を取りかえ、あるいは合体したりするということは、行政機関の有効機能に稗益するところが大きいのではないかと思っている次第であります。  省庁を目的別に大きくり編成する。そして、政策立案機能を基軸として編成する。個別的権限がどちらの省にあるのかに血眼になるのではなくて、目的別に政策を競い合う。しかも、それを国民の目に見えるように公然化して、最終的には内閣によって調整を図る。そういう仕組みをつくることは非常に意味があるというように考えている次第であります。  行政改革は国の形の再構築の一部であるということを最後に強調しておきたいと思います。  最終報告でも、内閣機能強化に当たっての留意事項として、地方分権の徹底、国会改革と司法改革の重要性、それから情報公開制の確立の必要性に触れているところであります。国民主権のもとにおける自由な社会にあってこそ、抑制・均衡、チェック・アンド・バランスというものが極めて重要であるということを強調しておきたいと思います。この行政改革が、そうした全体的な国の形の再構築の端緒となることを願ってやみません。  基本法案の内容につきましては、もとよりさまざまな評価、意見があり得ることかと思います。しかし、今大事なことは、国の形の再構築に向けて具体的な第一歩を踏み出すことではないかと思います。国際社会は、日本の国家国民の統治意思、統治能力にかかわる問題として、この行政改革の問題をひそかに注視しているのではないかというように思う次第であります。  前に総務庁の事務次官を務められた増島さんが、「行政改革の視点」という書物の中で、完全主義は不完全であるということをおっしゃっておられます。余り完全を期すためになかなか行動に移らないということは問題であって、やや問題があってもまず踏み出すことだというようにおっしゃっておられます。完全主義は不完全である。私は、この言葉は非常に含蓄のある言葉だというように受けとめております。まず今具体的な第一歩をということを繰り返し述べまして、私の意見とさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸井田徹君。

戸井田徹自由民主党

○戸井田委員 自由民主党の戸井田徹であります。  きょうは四参考人においでいただきまして、本当にありがとうございます。  この行革に関連することで、私ども自由民主党は、政府の行革会議と並行して自由民主党の行革本部を設置し、そこで主な議論をしてきました。そして、きょうもそれぞれ参考人の皆さんが御意見を述べられましたけれども、その中に挙がっていないこと、私もこれまで自由民主党の中で言ってきてただ一つ取り上げてもらえなかったこと、言い続けてきたけれども無視されてきたこと、それをこの場で申し上げたい。そして、参考人の御意見もお聞きしたい。  自由民主党は、この行革の委員会が始まって、最初に一人、野呂田理事が一時間質問しただけであります。後は自由民主党はだれも質問に立っておりません。メンバーの中で、当選一回の者が半分、自民党の中にはおります。その中であえて私に質問をさせていただける。その配慮に、自由民主党の中にも心から御礼を申し上げたいと思うわけであります。  そしてまた、私が多分そのことを言うだろうということは、自由民主党のメンバーの人はみんな知っていることだというふうに思うわけであります。しかし、そのことが私自身は大変重要なことだと思いますし、これまで多くの人にその主張をしてきて、多くの方の御賛同をいただいたわけです。そして、自由民主党の中からも過半数を超える人の同意も得た事実があるわけであります。  そのことは何かと申しますと、新省庁の名称の問題であります。私もこの質問をするまでに、もっとほかの質問をしようかなと思いながら、そこに頭に浮かんでくるのは、たかが名称というイメージであります。同時に、私が長い間ずっと主張し続けてきたのは、されど名称なんだという思い。その両方の中で今日まで実は来たわけであります。  そして、私が主張を始めてから、主に厚生大臣が自分の職を賭してということで言ってきたものですから、マスコミはどうもそっちの方に集中してしまう。しかし、我々当選一回の自由民主党の衆議院のメンバーが寄って、そして、本来名前というのは、だれかが勝手に決めるのではなしに、きちっとした場で議論しながら、そして、この行革の新しい一府十二省というものが国民に受け入れられながら、なおかつ期待を込められて、そして命名をされてスタートすべきものじゃないか。そういう意味から考えると名称というのは非常に重要なものなんじゃないかな、そういう気がするわけであります。  そして、最終報告が出されましたけれども、その最初のところに、「従来日本の国民が達成した成果を踏まえつつ、より自由かつ公正な社会の形成を目指して「この国のかたち」の再構築を図る。」、というふうに出ている。「この国のかたち」という言葉を括弧書きにしているわけです。なおかつ、「かたち」は平仮名であります。  この文字を私が見たときに最初に何を感じたかというと、やはり司馬遼太郎さんのことをイメージに浮かべました。そして、著作を全部読んだわけでもありません、しかし、司馬遼太郎さんの何か骨太な、それでいて一本しんの通った、かついろいろなところに目を配った、柔軟な、そういう姿勢というものをイメージしたわけです。「この国のかたち」という一つの文字だけでそれだけのものがイメージできる。そうすると、それが与える影響というのは非常に大きなものがあるのじゃないか。極端な言い方をしたら、内容と全然別のイメージがあったとしても、プラスイメージにはみんなとっているはずなんです。  そして、かつていろいろな政治家がそういうことを利用してきた部分がある。ドイツのヒトラーなんかは、やはり夕暮れどきに、人が何となしに情緒的なムードになるときに、ワーグナーの音楽を流しながら非常に民族的な演説をしていった。それがすべてかどうかわかりませんけれども、国を引っ張っていった事実というものがある。そうすると、言葉一つでもって非常に影響力があるのだということを思わざるを得ないわけであります。  そして、あえて司馬遼太郎さんの「この国のかたち」という括弧書きの言葉を引っ張ってきた行革会議の報告書、それを意識するかのように、週刊朝日に、「司馬遼太郎が語る日本」ということでずっと出てきているんですね。そして、「日本軍は国民の言語能力を利用した。膨大な言語による宣伝をした。しかも全部、嘘だった。」と。みんなやはりそういうことは真剣に考えてはいるのだけれども、その言葉の用い方によってはとんでもない方向に持っていきかねない、そういう部分もあるのだ。ということは、逆に、そのことを真剣に選んで使っていけばそれだけいい方向に持っていけるということの裏返しでもあるのだろうというふうに私は思うわけであります。  そして、この中で、「日本の軍隊は国民に対し、たくさんの新聞を使い、ラジオを使いましたね。膨大な言語量でした。しかも教育の現場でも大変な言語量を費やした。しかも全部といっていいほど、嘘だった。」そういうことが重ねてずっと出てくるのです。そして最後に、インパール作戦のことを言うわけです。当時、東条英機氏がふろに入って、部下からそのインパール作戦のことを聞く。「食糧は大丈夫か」「大丈夫であります」、それ以外のことを次々聞いていく。すべて返事は「大丈夫であります」と。これが司馬遼太郎さんの言われた、うそだ、すべてうそだったということなんだろう。いっか知らないうちに言葉でもってどんどんどんどんそういう方向に持っていかれてしまう。そういうことを考えると、省庁名といえども名前の重要性というものを思わざるを得ないわけであります。  そして、このたびのこの行革会議の経過の概要というものをずっと見ていきました。そうすると、省庁名の議論がどれだけ行われていたのかということを考えてみると、すべて省庁名の後ろには仮称と出ていた。みんな、仮の名前なんだということで真剣な議論はとうとうせずに、そして、一番最後の三十八回目か九回目か、そのころに若干その名称の議論がある。しかし、それも何となく、だれも真剣に議論している雰囲気はこの報告書の中からは見られなかった。そして、結果的に、最後に総理に一任みたいな形になって終わっているような形があるわけであります。  しかし、これがいつどこで我々が主張していったらいいのかな、国会議員でありながらそういうふうに思うわけであります。きょうここで初めて、記録にも残るだろう、そして、自民党だけでなしに野党の委員の方々も聞いておられる、ここでそのことをぜひ主張させていただきたい。名前をつけるということはどういうことなのか。  私は、自民党のその会議のときに、私は兵庫十一区から出ている戸井田徹であります、このたびの選挙のときに、選挙の途中に父が亡くなって急遽立候補することになりました、選挙中に、戸井田徹、戸井田徹、徹、徹、徹と言っていたら通ってしまったと。みんな同じように笑われるわけであります。それで、そのときに、竹下登先生がおられたのですが、そして、私よりもっといい例があると。竹下登元総理、竹下登、竹下登、登、登、登で上り詰めて、とうとう総理大臣になられた。  それぞれがこの世の中に生をうけたときに、そういうふうな人間になると思って親がつけただろうか、わからない、しかし、そういうふうになってほしい、少なくとも、社会に役立つ人間になってほしい、人に迷惑かけない人間になってほしい、そのほかいろいろな思いがあってそれぞれの名前がつけられたはずであります。そして今、日本の教育の中ではそういう教育が行われているのです。小学校のときに、自分の名前はどうしてつけられたか聞いてきなさいということを言われるわけです。私も小学校のときにそういう宿題を受けたのを今でも覚えております。そして、そのときに自分の名前はどうしてつけられたかということを親から聞いて知っている。  そういうことを思ってみると、名前がつけられるということは、そのつけられる当事者にしてみたら、やはり期待にこたえなきゃならない、ひょっとしたら嫌いなときもあるかもわからない、だけれども、年数を経ていろいろな経験を積んでいくうちに、ああ、自分の名前はやはりいい名前なんだと思うこともあるだろう、そういうふうにしてみたときに、やはり自分の名前にだんだん自信を持って、誇りを持てるようになってくる、そういうことなんだろうと思うわけであります。  同時に、役所の名前も一緒であります。組織はやはり有機体だと私は思うわけであります。そして、名前は生きているし、名前には命があるのだ、その命を吹き込むのは何なんだというと、そこの組織体に関係している人たちであり、またそれを見守る周りの人間だ、私はそういうふうに思うわけであります。  その人間一人一人が有機体である限りは、組織の名前にも命がある、それにこたえようとする人間もいるはずだ。今回の事件みたいにそれを忘れていてとんでもないことになる。大蔵省という名前は、やはり歴史のある古い名前である。それが今のこのイメージでいくと決していいものにならない。だから新しいものに変えた方がいい、そういう議論もあるかもわからない。しかし、これまで長い年月引き継いできたその名前をやはりもっと大事にしていって、その本質というものを理解してこれから進んでいく必要があるのじゃないだろうか、そういう考えもあるだろう。それをだれが決めるとかいうことでなしに、みんなが国民の総意として決めていく必要もあるのじゃないだろうか。  行革の内容をすべて理解している人というのは国民の中でどれだけいるだろうか。しかし、名前ぐらいはつけられるという人はいるかもわからない。名前だけはつけてみたい、一府十二省全部は意識にはないけれども、自分の仕事に関係するこの省庁名だけは自分としても真剣に考えたい、そういう人もいるかもわからない。そういうことを一切無視して総理だけにすべてゆだねてしまうということが本当にいいことなんだろうか。五十年、百年に一度しかないようなこの法律改正のときに、すべて、いろいろな人たちが考えて、そこに思いを寄せてくることによって初めてこの一府十二省の組織というものに命が加わってくるのじゃないか、私はそういうふうに思えるわけであります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 戸井田君に申し上げますが、せっかく参考人にお出ましいただいておりますので、参考人に質疑をしてください。

戸井田徹自由民主党

○戸井田委員 わかりました。  ところで、そこで参考人にお聞きしたいわけであります。  今度の省庁名のことに関して、または省庁名のことに関して思わなければ別に構わないのですけれども、それぞれ自治体を代表して来られているわけであります。その自治体の名前もあるはずであります。その名前について真剣に考えたことというのはありますか。お一人ずつ、そして、佐藤参考人には、今私がここにたまりたまったことをとうとうと申し上げてきた、それに対する御感想をひとつよろしくお願いします。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 戸井田先崖御指摘のとおり、名前は非常に大事なことであるということは私も十分理解をするものでございます。  都道府県における組織等の名称につきましては、国に比べてより住民に身近な団体でございますことから、社会経済情勢の変化に対応して、時代の潮流を踏まえながら、かつ県民にわかりやすい名前となるように配慮しておるところでございます。  平成七年に、例えて申しますと、本県でも大きな組織機構の改革を実施したわけでございますけれども、民生部門を構成いたします福祉、生活、保健、環境の四部門を、従来の福祉生活部、保健環境部から、高齢化社会への適切な対応を図るために、保健、医療、福祉の連携強化を目的とした保健福祉部、よりよい生活環境の創造という観点から環境生活部に再編するというふうなことなど、県民の理解を得まして、いろいろな施策が効率的、効果的に実施できるような体制整備に意を用いているところでございます。  国の省庁の名称につきましては、中央省庁等改革基本法の附則で「これを設置する法律案の立案までの間に、当該省が担う任務をより適切に表す名称となるよう検討を行う」というふうにされておりますので、引き続き国において検討がなされるものと承知をいたしておるところでございます。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 名称は大変大切なものだと思っております。  私ども、県庁所在地で県と名前の違うところが十六か十七ありますが、幾つかの問題でいつも悩みがございまして、私の方では、神話にちなみましてくにびきという名称を、島根県松江市ではなしにくにびきという名称を道路、橋あるいは建物に往々につけることがございます。  今回の省庁の再編に当たりまして、地方自治体にゆかりのある国土交通省とかあるいは労働福祉省、教育科学省というのは、私どももどう決めていただくか大変関心を持っております。  今も二文字でというのが大変多いのですが、例えばその中でも二文字を超えるところにつきましては、私どもは、通産省とか農水省とかいう略称で二文字で唱えておりますので、二文字というのが理想ではございますが、二文字でなかなかできないときには、多分労働福祉省は労福省、こういうふうに呼ぶのじゃないかと思います。名は体をあらわすと申しますから、やはり所管の事務なり事業が二文字でわかることがもしございましたら大変私どもは呼びやすくなるのじゃないか、こういうふうに思いますので、しかるべき名前をつけていただくことを期待いたしております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私どもの村の名前をつけた由来につきましては、合併している町村ではございません、明治の時代に先輩がつけた名前である関係もありますが、私は、そういう名前をつける際には、恐らく私どもの先輩、また今合併した町村の名前をつけられる人でも、地域連帯意識の旗印として、その旗のもとに力を結集しようという希望が持てるような名づけをやっているというふうに感じます。  それから、先生が先ほど来御主張なすったことには賛成でございます。私ども町村長から考えましても、中央省庁が名前だけ聞いてもどういう仕事をおやりになっているかわからないような名前では困るような気もいたします。そういう感想だけを述べさせてもらいます。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 ただいまの戸井田先生のお話、非常に強い共感を持って聞かせていただきました。  「この国のかたち」ということをかぎ括弧に入れているのは、これはもちろんおっしゃった司馬さんの引用ということもありまして、この国というのは何かちょっとよそよそしいじゃないかという指摘も、我々が住んでいるのに何がこの国かという御批判もあったことは承知しておりますけれども、司馬さんが描こうとされた我々日本国民の精神のありようというものを示す最も適切な言葉ではないかと思って、私個人ですけれども、万感の思いを込めて使わせていただいた次第であります。  申し上げたかったのは、「この国のかたち」というのは、私の専門で言えばコンスティチューションなんですね。日本国憲法がかくあるべきだと考えていたものとだんだん日本がずれてきた。そのずれを戻して、本当に我々としてどういう社会で生きようと思っているのかというそこにもう一遍戻して考える、そういう言葉としてこの司馬さんの言葉というのは非常に適切じゃないかと思って使わせていただきました。その意味で、戸井田先生おっしゃるように、言葉の重要な意味ということは本当に私も身にしみて感じております。  それで、省庁の方でありますけれども、委員の皆さんはやはりそれぞれのお考えがあるわけですね。それぞれお考えがあるものですから、それをみんなが言い出したら、そこだけでも物すごい議論になってなかなか進まないだろうということで、まずは実態、何をするのか、どういうものにするのか考えようじゃないかということで、中身の話をしてきたわけであります。時間切れになって、その名称が、私個人に言わせると、皆が皆そうだというわけじゃありませんけれども、やや即物的な表現にとどまっているところがあるのじゃないかという感じを持っているところはあります。  ですから、基本法にも、これで決め打ちではなくて、今後考える余地を残しているわけでありまして、その辺については、今後国民各層のいろいろな御意見を聞いて、最もふさわしい名前を政府及び国会でお考えいただき、決めていただきたいというように思っております。  答えになっているかどうかわかりませんが、よろしく。

戸井田徹自由民主党

○戸井田委員 佐藤参考人のお話を聞いておりましたら、この省庁名のことに関しては、私ども言い出してから、新聞でも社説で次々取り上げられました。そして、それぞれの文化人がいろいろな形でもって新聞のコラム等に投書されました。ついこの間までもありました。  同じように雑誌でも、これは中央公論に御厨貴先生がやはり書かれているのですね。それをずっと読んでいきましたら、  昭和十八年、商工省は先に述べた「企画院」と合併し「軍需省」となる。戦争遂行のためというのが一目瞭然の名称である。だからこそ、戦後の解体は著しく早かった。敗戦後わずか十一日にしてGHQの占領指令を待たずに、「軍需省」は、戦前の「商工省」に衣替えしたのである。 ということを書いているのですね。  そうすると、省庁名というのはまさに今の時代を反映したものになってきているのじゃないか、今度の省庁名の出方によって、今回の行革そのものはある意味で後世に評価されることにもつながっていくのじゃないか、そういうふうに思えば思うほど、まさにもっともっと真剣に考えていかなければいけないのじゃないかなという気がするわけであります。  そうすると、この最終報告の  司馬遼太郎氏は、「この国のかたち」のあり様を問い、明治期の近代国家の形成が、合理主義的精神と「公」の思想に富み、清廉にして、自己に誇りと志をもった人たちによって支えられたことを明らかにした。その後の日本は、精神の退廃とそれに伴う悲劇的な犠牲を経験し、その反省の上に戦後の復興と経済的繁栄を築いたが、氏は、現代の日本に生きる個人の誇りや志の喪失と「公」の思想の希薄化を憂いつつ、この世を去られた。 誇りや志の喪失、これは人間の思いであり、人間の情だと思うわけですね。それは今議論されている行革の中身とははるかに違った分野のものだ。しかし、どうしてもこの最終報告の最初のところにこうして出てくる。そこにはやはり自分たちの精神というものが出てくるのだ、情が出てくるのだ、思いが出てくるのだ。そのことを真剣に考えないと、その思いが行革全体のものに反映されてこないということになるのだろうと私は思うわけであります。だからこそ、人から何と言われようとも私はずっとそれを言い続けてきた。  もちろん、中のことがすべてわかるわけじゃない。わからないけれども、名前のことだけはやはり真剣に、だれも訴えないからには訴えていかなければしょうがない。本当は、参考人に質問する場で私がこういうことを言うのでなしに、もっときちっとした別の場で、総理を目の前にして、そして修飾語の大変多い総務庁長官を前にして私は申し上げたかったわけであります。  しかし、こういうことで話をしていると、またそれが風間で飛び散っていって、そういう人の耳にも入るのかな。そうすると、基本法の一番最後の附則の二に「新たな省の名称についての検討」「新たな省の名称については、これを設置する法律案の立案までの間に、当該省が担う任務をより適切に表す名称となるよう検討を行うこと及びその結果に基づきこの法律において規定するものと異なるものとすることを妨げない。」これが生きてくるようにしなければいけない。  そして、総務庁長官の答弁を聞いていると、全員一致でなかったら原案どおりの名称に決まるのだということを公言しておられます。そうすると、さっきの、商工省が軍需省になり、戦争が終わったらあっという間に商工省に戻ってしまった。その名前が象徴するように、今の行革の中身というのは、司馬遼太郎さんを引用した中身でなしに、もっと別の中身になってきてしまうのじゃないかな、私はそう思わざるを得ない。  そして、これから名称をみんなで真剣に変えていくためには、もっと国民運動的なものにしていかなければしょうがないだろうと思うわけであります。参考人の皆さんもそれぞれの立場で、ぜひ国民運動になり得るように、新しい一府十二省の名前はみんなで考える、そういう方向の動きをとっていただきたいと心から願うわけであります。ぜひそういう方向に動いていただけるよう、これも感想で結構ですから、お一方ずつひとつよろしくお願いしたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 戸井田先生おっしゃるとおり、名前は大変大事な問題でございますし、これからの日本の形を規定するといいますか、そういう意味におきましても重要なことだと考えておりますので、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思っております。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 先ほども申し上げましたように、名前というのは大変重要なことでございまして、戸井田先生の御指摘のように、広い範囲でそういったムードが起きますことを願っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 同僚と大いに議論しながら、そういう方向でいささか努めたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 私の場合、やや立場が微妙でございますけれども、それなりの立場で、私個人としての意見もありますので、それを表明すべき場合には表明することがあり得るというように思っております。御趣旨は全く同感であります。

戸井田徹自由民主党

○戸井田委員 参考人に対する質問というよりも、自分勝手な言いたいことを言わせていただいたような結果ではあるのですけれども、しかし、少なくともこの省庁の名称について、たかが名称ということでなしに、されど名称なのだ、名は体をあらわすという趣旨を御理解いただけたのじゃないかなというふうに思うわけであります。  これからもそういう場面がたくさんあるのかと思います。しかし、言葉の一つ一つというものを真剣に考えて、そしてそれが国民一人一人の心にどういう影響を及ぼしていくのか、これから非常に重要な時期に入ってくるわけであります。これから私自身も、自分の主張をさらにしぶとく、根強く続けていきたい。そしていっか、省庁名が国民の総意で決まったのだ、そういう日が来ることを心から願い、そしてその名前をつけるということ、それを国民一人一人が真剣に考えてくれる、そういう日が来ることを願って、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、北脇保之君の質疑に入ります。

北脇保之民主党

○北脇委員 民主党の北脇保之でございます。参考人の皆様方には、本日、意見の陳述をいただきまして本当にありがとうございます。  私は、まず最初に、地方自治関係の皆様方に、地方分権推進の立場から、この基本法案をどのように評価されるかということを中心にお尋ねをいたしたいと思います。  基本法を読んでみますと、地方分権の推進に関しては、五十一条に一条あるわけでございますが、そこで言われていることは、地方分権推進委員会の勧告を尊重して進めるということ、言ってみれば抽象的な規定があるというところにとどまっていると思います。  そこで、地方分権推進委員会の勧告を見てみますと、ただいままで四次の勧告が出ておりますが、権限移譲の点で私ども不十分であると思いますし、また、先ほどの御意見の中にもありました財源の再配分、特に地方自主財源の強化という点についてはほとんど踏み込んでいないという点で不十分なものだと思います。特に、まだ地方分権推進計画が出ておりませんし、さらに委員会においては第五次勧告を出そうとしている、そういう状況でございますから、この法案をもってしては、地方分権が果たして本当に言われるように推進されていくかどうかというところの具体的な担保に乏しいと私どもは思っております。  私どもの考えでは、地方分権の推進をもっと具体的に、こうやっていくのだということをはっきり出して、そういう中で中央省庁のスリム化を進める、その結果として省庁再編をやっていくべきだ、こんな考えでおります。  そこで、質問でございますが、圓藤知事は、先ほど地方分権の推進は絶対に必要だとおっしゃられましたので、今回の基本法案は地方分権推進の見地から見てどのように評価されているか、お尋ねいたします。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 地方分権推進委員会におきます一連の勧告は、機関委任事務制度の廃止など、国と地方の関係を上下・主従の関係から対等・協力の関係に変えるという基本的な考え方に基づきまして地方分権を推進するという観点から行われておりまして、全体としては評価すべき内容であるというふうに考えております。  また、機関委任事務制度の廃止や国の関与の縮小は、地方公共団体の裁量の幅を拡大するものでございまして、実質的な意味での権限移譲と考えることができるわけでございます。  国から地方への事務権限の移譲につきましては、基本的には第一次勧告で述べられました「国と地方の役割分担の原則」に沿って行われるべきものと考えておりまして、御指摘のとおり、我々もこれらの勧告による国から地方への事務権限の移譲はこれで十分だとは考えておりません。今回の中央省庁の改革とあわせ今後一層推進すべきである、この法案で地方分権がきちっとできるかというようなことにつきましては、必ずしもまだ十分ではないということは御指摘のとおりだと思います。  現在、地方分権推進委員会におきまして、国から地方への事務権限の移譲についてさらに検討が行われているというふうに仄聞をいたしておるところでございます。また、これらの事務権限の移譲と一体のものとして税財源の地方への移譲も行われるべきでございまして、移譲すべき税源等の具体的な検討が必要である、このように考えているところでございます。

北脇保之民主党

○北脇委員 同じく基本法案に対する評価を黒澤村長さんにお聞きしたいと思うのです。  村長さんは先ほど、実践的な立場から今の行政を見ると、縦割りの弊害も非常に多いし、また中央で全国画一的な扱いがいろいろある、そしてまた、中央の役所にいる方は地方の実情が往々にしてわかっていないのじゃないかと感じるところがあるということをおっしゃられました。  そういう点から見て、今回の中央省庁等改革基本法案を見たときに、では、地方分権はどんなふうに進んでいくかという具体的なイメージが持てるのか、そして、地方分権が進んでいくんだなという確信が持てるのかどうか、そういう点を含めて、この基本法案を地方分権推進の立場からどのように評価されているか、これをお尋ねしたいと思います。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 地方分権の問題につきましては、私どもは、このたびの地方分権は、政府においては、または国会においては本気でおやりになるなという感じを持って、つい昨今まではその方向で事が確実に進むという自信を持って、住民にもこれからの地方自治はこういう方向に進むのだと言い切ることができました。しかし、昨今の姿は、先生が御指摘になるように、どうも成り行きが怪しいという不安の感を私どもに持たせていると思います。  特に税財源の問題、財政対策を十分に論じ、そして具体的にこうするのだというものが目に見えてこないと、絵にかいたもちになってしまうのだというような不安を持つようにさせられているということは、私の心がそう動いていることをもって私は言えると思うのであります。もう余りはっきり、このことについては住民にこうなるのだと今の状況においては言えないので、私は村内におきましては、議会等の発言においてトーンダウンした発言にしております。

北脇保之民主党

○北脇委員 今、村長さんからは非常に率直な明快な御見解をいただきまして、私、本当に尊敬いたします。成り行きが怪しいのじゃないかということ、それからまた知事さんも、この法案は必ずしも十分ではない、やはり地方への財源、そして権限などの移譲について十分な検討が必要だという御意見をいただきました。その点については私どもも全く同感ですので、ここはぜひひとつ、政府の皆様もまた与党の皆様も、こうした参考人の御意見をしっかり受けとめていただいて、地方分権、今の状態では、これで本当に実りある成果が出ると必ずしも期待できない、そういう見方もあるのだということを肝に銘じていただきたい、そんなふうに思います。  次に、地方分権推進の中央における組織のあり方についてお尋ねをしたいのですが、自治省が総務省の一部になることについて心配といいますか、疑問の念が表明をされました。特に宮岡市長さんからは、総務省という大きな省の中に今までの自治省が入ることになると埋没してしまうのではないか、少なくとも専任の大臣を置くべきではないかという御意見がございました。  そうした点から見ますと、今の基本法案でいえば、総務省というのは一つの省ですから、大臣はやはり当然一人ということで、その大臣は、今の総務庁の役割であります中央省庁の組織管理というようなことから郵政事業、そしてさらにまた地方自治の問題、その全部を一人でやる大臣になってしまうということで、この法案は市長さんの意には沿わないのじゃないかと思うのですが、この点においては基本法案に反対だということなのか、その点をもう一度確認させていただきたいと思います。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 先ほどの意見の中でも述べさせていただきましたし、地方六団体の意見としても文書でそのあたりにつきましてはかねて申し上げさせていただいております。  これは自治体では、それぞれ市長会とか知事会とか、六団体を設けて、いろいろな意見を集約しながら中央へ意見具申をさせていただく機会もございますが、やはり全国的なデータなり、あるいは制度を企画したりまた調整したり、いろいろな立場におきまして中央各省と地方自治体というのは利害が必ずしも一致しない場合もございますし、いろいろな制度なりが次々変わってまいりますし、財源の問題もございます。  したがって、自治省というのは中央の一省ではございますが、大変私どもはかねてから信頼し、またいろいろな依存関係にございますので、今後とも、自治体の分権が大きくなればなるだけその存在というのは大変大きいものがありますので、先ほど申し上げましたように、私どもは、やはり自治省というものを所管する大臣が望ましいというふうに思っておる次第でございます。

北脇保之民主党

○北脇委員 今のお考えに関連してもう少しお聞きさせていただきたいのですが、今の自治省にしても、これから総務省の中で担われるとされている機能にしても、やはりそれは中央政府の一部であるということには変わりがないと思うのです。  先ほど市長さんは、今回の経済対策における地方財政措置についても、大蔵省と自治省の非常に厳しい折衝の中で地方財政措置が講じられた、これからも地方の役割が大きくなればなるほど、中央政府におけるそのような折衝というものが重みを持つのだ、重要性を増すのだということをおっしゃられたと思います。  しかし、それは翻って言えば、やはりそういう形で中央省庁の中で地方財政措置の手当てといいますか、そういうものがされないと地方自治体は自分たちの仕事ができないということでは、これはかえって地方自治体の中央依存というものを強めることになるのではないかと思うのです。  そういう点では、私どもは思い切って、中央政府頼りじゃなくても地方自治体が仕事ができるような、そういう権限と財源を地方自治体が持つ、こういう体制に抜本的に変えていかなければいけないのではないか、こういう意見を持っているわけでございます。  この点に関して、再度市長さん、どのようにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 基本的には、権限、財源が一括して地方それぞれの地域づくりができる、そういう制度が望ましいと思っておりますが、しかし、やはり財源につきましては、今回の分権計画の中でも不透明なところがございます。また、それぞれに財源が十分確保されたとしましても、地域によって財政力にかなり差がございまして、これをある程度均衡化するには、交付税というような、そういった制度はこれからもより充実したものに願っておりまして、何らかのそういう全国的な制度の企画なりあるいは調整システムをやる所管というのが中央にあることは、決して地方分権制度に相反するものではない、こう思っております。

北脇保之民主党

○北脇委員 同じく、中央における地方自治の担当の組織はいかにあるべきかということについて、特に今回の総務省という案をどう評価するか、これを圓藤知事さんにお尋ねいたします。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 先ほどの御指摘の点も含めて、私なりの感想でございますけれども、地方分権といったからといって、あしたからそれが完全に実現されるわけじゃない。権限の問題もありましょうし、それから財源の問題もございます。そういう中におきまして、国と地方との関係の総合調整といいますか、そういった役割というのは極めて大事であり、かつ、そういう仕事量はふえてくると思うわけでございます。  先ほど宮岡市長さんの方からもお話がございましたように、やはり自治省というようなことについても本来ならば担当する専任の大臣があればいい、そのように感じておりますけれども、それはかなわぬまでも、いろいろな組織体制をぴちっと強化していただくということは、地方団体全体の立場としてどうしても不可欠で必要なことだというふうに認識をいたしております。  私個人の考えということで言いますれば、総務省でございますか、総務省の中に埋没してしまうというようなことにつきましては、若干寂しいような、何かはっきりイメージができないようなといいますか、そういう気持ちがぬぐい去れないという気持ちを持っております。

北脇保之民主党

○北脇委員 同じ質問について、黒澤村長さんはいかがでございましょうか。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私は、憲法に自治という一章が設けられて地方自治が真に確立するようにすべきものであるという認識に立って考えるならば、地方自治を担当する省庁は単純に国家の、国政の中だけで考えるべき問題ではない、したがいまして、自治を担当する省庁は独立したものが欲しい、そういうふうに思っております。

北脇保之民主党

○北脇委員 今皆さんの御意見を拝聴していますと、地方自治を担当する組織、省、やはり中央省庁の中でも独立したものが必要だというような御意見かと思います。  ただいままでの論点について、佐藤先生にもちょっと御意見を伺いたいのですが、一つは、今回の基本法案では必ずしも地方分権の推進が担保されていないのではないかという点、それから総務省案というふうに具体化されている中央組織における地方自治担当組織のあり方について、行革会議の委員のお立場でございますから今回の案を肯定されるということになるかもしれませんが、先生の御意見を改めてお伺いしたいと思いま す。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 ただいまの御指摘の点は、会議にとっても大変重要な問題でありまして、最終報告をごらんいただきますと、地方自治のところはいろいろなところに出てまいります。中央省庁の再編、国の形の再編の中で地方自治というものが、地方分権の推進というものが大前提にあるということはいろいろなところに出てきておりまして、それは私どもの会議の率直な気持ちの表現だというように思います。  ただ、具体的にそれではどうするのかということですけれども、御承知のように地方分権推進委員会がありまして、そこでこの問題について鋭意努力しておられ、機関委任事務について御承知のような答申が出てきているわけでありまして、私どもはそういう成果を前提にしながら考えてきたということであります。直接地方分権の問題について、会議としてそれ自体を特化して立ち入って議論をするという時間的な余裕はなかなかなかったのですけれども、今言いましたように、地方分権推進委員会の方のことがあったものですから、そちらにまずはおゆだねするということでありました。  ただ、これも最終報告の最後のところをお読みいただくとおわかりかと思いますけれども、この地方分権の問題は、ある意味では日本の権力構造そのものであります。ここに本当に立ち入るということについては相当なエネルギーが必要だろうという認識は、私個人としても強く持っております。ですから、その方法論として、まずそこからというお考えもあり得るかと思います。私に言わせれば、それは一挙に本丸に攻めるということだろうと思いますが、課題をアタックするについてはいろいろな方法があり得るのであって、まず国の中央省庁の再編、内閣機能の整備、強化ということから進んでいって、最後はその問題として本当の力を入れて取り組もう、そういうことではないかという認識がその最終報告の最後のところでにじみ出ているということは御理解賜りたいと思っております。  それから、総務省の点でございますが、これについてもいろいろな評価があり得るということは、新聞あるいは友人などのコメントでいろいろいただいております。総務庁あるいは郵政省あるいは自治省のいろいろなものが入ってきて、これで本当にまとまりのある仕事ができるのだろうかという懸念の表明も伺っております。それから逆に、これだけのものが一つの省にまとまるということは、これは非常に巨大化し過ぎるのではないかという懸念も個人的に承っております。  ここは、今後どういう形に進展するのかというのは必ずしも予断を許さないところがあるかと思いますけれども、この問題は多かれ少なかれほかの省庁にもあるわけですね。ですから、担当する者、それから政府あるいは国会の議論、監視などによってそこはきちっと進むように見ていただくということになるのではないかというように思います。  ただ、ここで強調しておきたいのは、情報公開というものと私どもセットに考えておりまして、省庁の活動についてはできるだけ透明性を高めていこうということでありますので、大きくなり過ぎる懸念についてはいろいろな手だてが用意されているというように考えております。  他面、総務省で自治の問題について十分面倒を見れないのじゃないかという先ほど来のお話について最後に触れておきたいと思いますけれども、これも最終報告をお読みいただくと御理解いただけるかと思いますけれども、国の地方自治についての関与というのはできるだけ少なくしていこう、それが地方自治のあるべき姿ではないかという基本的な認識はあると思います。  ですから、そういう方向に持っていくについて、最終報告でも基本法でも、いろいろなところで国の関与を少なくしていこう、総務省の自治についての関与は、国と地方との関係の基本的な制度設計のところにできるだけ集中して考えていただくということにして、細かな問題についてはできるだけ地方公共団体に任せていこう、そういう方向で今後考えていくべきではないかというのが基本法に流れている思想ではないかと私は理解しております。それが十分か十分でないかということについては、これ自体はまたいろいろな評価があり得ると思いますけれども、基本的な思想としてはそういうことではないかと理解しております。

北脇保之民主党

○北脇委員 今度は少し観点を変えてのお尋ねですけれども、地方自治体というのは、財政規模で見ても、地方財政計画と国の一般会計はほぼ匹敵するものがありますし、また公務員数で見れば、国家公務員が丸めて言えば百万人に対して地方公務員三百万人ということで、地方公務員の方がはるかに多いわけなんです。ですから、行政改革ということを考えたときに、地方自治体の行政改革の責務というのも非常に大きいと思います。  その点で、先ほど圓藤知事さん、行政改革に取り組んでいくのだというお話がございましたが、私は、その際大事なことは、やはり数値目標をはっきり定めてやっていくことだ。そして、目標が達成されたかどうかということが国民から見て評価できるような、そういう形で進めていかないとなし崩しになってしまうのじゃないかという懸念がございます。  その点で、徳島県においては、例えば県職員数の削減とか、そういったもろもろの面について数値的目標を立てて取り組んでいらっしゃるのか、またそういう取り組みのお考えがあるか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 先ほど私が冒頭に申し上げましたことに関連しての御質問でございますけれども、徳島県におきましては、今3Cプロジェクトということで、一万四千件ぐらいある事務事業のうち三千件につきましては、これは規制緩和だとか市町村への権限移譲だとか規制の廃止、そういったことを今やろうということで年次計画を立てまして、これからどんどん進んでいくだろうということでございます。  そういうこととあわせまして、地方分権の進みぐあいということも職員の数ということと非常に関係してくるわけでございます。地方分権で国の権限がどういうふうに地方に移譲されるのか、そのうち、県に移譲されたもののうち市町村にどの部分を移譲するのか、トータルで仕事量がどのように変化するのかということを見きわめながら職員の定数問題も考えていくべきだろうというふうに考えておりまして、徳島県といたしましても、そういった状況を見ながら、議員御指摘のような数値目標も含めまして今検討をしている最中でございまして、今後お示しをすることも含めまして考えてまいりたいと考えております。

北脇保之民主党

○北脇委員 確かに知事さんおっしゃるとおり、国の地方分権推進がどうなるかということが一刻も早く示されなければ、県や市、それから町村としても具体的な計画の立てようがないという事情はあると思います。ですから、政府においては、一刻も早く地方分権推進計画を初めとして具体的な中身を作成し発表するべきである、このことを申し上げておきたいと思います。  そして、私どもは、これからの地方自治の中でやはり中心的役割を担うのは、基礎的自治体としての市町村だと思っております。そこで、きょうは松江市長さんがおいでですので、市長さん、ちょっと二つお尋ねをいたします。  一つは、地方分権をスピードアップしていくときに、広域圏行政、地方自治組合、広域圏組合といったものが現に制度としてありますが、こういったものをベースとした広域圏行政を中心に進めていくのがいいのか、それとも市町村合併を中心にして受け皿をつくっていくのがいいのか、この点どうお考えになっているかということが一点。  それからもう一つは、自治省に相当する部分の強化をすべきだという御意見は先ほど伺いましたが、市町村という基礎的自治体という立場から、県についてはどう考えるか。強化すべきか、それとも権限や職員数の面でもっと軽くしていくべきと思っているか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 まず、かねてから地方分権というのが叫ばれながら、一方で、中央におきましては地方に対する不信感があったということは率直に理解しておりまして、分権においては、やはり私どもも受け皿づくりをというのを第一番に考えております。それは一つには、先ほどの、行革をやりながら、いま一方では広域行政なりあるいは合併というものをにらんで、質の面と量の面と両方の改革が必要だというふうに思っております。  まず、広域行政の問題でございますが、地方におきましては、最近は自動車等の発達によりまして生活圏域と行政圏域がかなり乖離しておりまして、私どもも、私の市と近隣の八町村とが、消防とかあるいはごみの問題等では既に一部事務組合をつくっておりますが、今回、介護保険という問題がございまして、大変広域的な実施というのが迫られておりまして、これは私の方だけではなしに、全県下で今介護保険に向けまして広域的な取り組みをやっております。私は、一部事務組合も結構ではございますが、単一の行政組織としてよりも何か違和感がございまして、これからの時代は、やはり相望むならば合併というものを志向していきたいと思っております。  先般、私の方の全県下の市町村長会議とそれから知事との会議がございまして、そのときも、やはりいろいろ事情はございますが、今回の合併につきましては、市町村の自主合併ということが一つ中心にはなっておりますが、国の制度のあり方とかあるいは県の役割というのが大変大きいものがあると思いますので、県が、そういった合併に向けての意識の啓発だとか、あるいはその他合併パターンを示していただけるとか、よりバックアップを私どもは期待をしておるところでございます。  それから、県と市町村の関係でございますが、私どもの県におきましては、既に数年前に県と市町村との権限移譲という問題を話し合いまして、三十数項目でございますが、法律の範囲内で移譲できるものを三カ年にわたってやろうということで、平成八年、九年、本年十年度にわたって三カ年でやることにいたしておりますが、今回、いろいろな分権に対する規定が新たにできるわけで、その分権による権限移譲につきましても県と話し合いたいと思っております。  いずれにしましても、これからの地方行政というのは、やはり最も身近な市町村がより重要だということは御指摘をいただいておりますので、県はやはり全県下にわたる問題とかあるいは県下の調整ということに徹していただきまして、できるだけ市町村が強化し、また市町村、我々も規模がいろいろございますので一律にはいかない点もございますが、これからの市民生活あるいは住民生活にとって必要なものにつきましては、極力市町村がまずやり得る体力なり熱意というものを持って取り組んでいきたい、かように思っております。

北脇保之民主党

○北脇委員 どうもありがとうございました。  次に、もう一つの大きな問題として、今回の行革会議から基本法案への一連の流れのことについて、主に佐藤先生の方にお尋ねをしたいと思います。  先ほど先生は、行革の必要性ということについて、グローバル化していく国際社会の中で、国家も国民も有意的な生き方ができるような、そういう方向を目指していく必要があるのだということをおっしゃいました。しかし、この基本法案を見ると、私は、必ずしもそうした理念といいますか、そういったことが具体的に見えないのじゃないかというふうに思うのです。  というのは、例えば一つは、先ほど先生は、国の行政権というのを限定していく必要があるとおっしゃいました。そうであるならば、この基本法案の中に何らかの形で国の行政権の限定ということを盛り込むべきではないかということが一点です。  それともう一つは、ただいま先生がおっしゃったような、グローバル化の中で自由で公正な社会をつくっていくという一つの方向性を持って行革に取り組むということであれば、例えば省庁再編という中でも、今中央政府がやっている仕事そして権限の中で、もう要らなくなったものはやめるとか、そしてこれから二十一世紀に向けて重要性を増してくるところについては強化していくとか、そういった方向性が必要だと思うのです。それはやはり、各省庁の局とか課とかというような内部組織のあり方に踏み込んで検討してそれを法案に反映するということでないと、今言った理念を法案の中に示すということはできないのじゃないかと思うのです。  この点において、私は、この基本法案は不十分であり、先生の目指される理念というものが十分に生かされていないのではないかと思うのですが、この点、いかがでしょうか。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 それではお答えします。  行政権の限定ということでありますけれども、これもいろいろなところでうたわれているところですが、規制緩和を一層徹底していかなければいけないということと、これは先ほどの話になりますが、地方分権というのも本当に言葉ではなくて実際に進めていかなければならないということ、これも最終報告でうたわれ、基本法でもその思想は忠実に再現されているというように私自身は評価しております。それが大前提にありまして、基本的には、何事も一度にいきませんので、大きな枠組みをつくって、その進むべき方向を基本法ではかなり明確に示しているのではないかというように私は評価しております。  それから、それが具体的にこの省庁のあり方のところにあらわれていないではないかという御指摘でありますけれども、二点を指摘しておきたいと思います。  一点は、国としての総合戦略機能というものを強化する、それは内閣機能、内閣官房、内閣府のところでやっていただくという方向、そこは出ているというように私は思います。  そしてもう一つは、各省で出ていないじゃないかということですが、それはこれから設置法をつくる中で、この基本法の大きな精神、枠を受けながら設置法の中で具体的にどうするのかということはこれからの詰めていただくべき課題でありまして、これもそこまで会議でやるべきだという御指摘のようでありますけれども、一年ぐらいの間でそこまで切り込んでやるということは相当困難なことであります。しかし、少なくとも進むべき国の形、構造の骨格は基本法の中に表現されているのではないかというように承知しております。

北脇保之民主党

○北脇委員 今の、今後設置法にゆだねられるということについてはまた後ほど御質問いたしますが、もう一つの、行革の理念ということで先生がおっしゃられたことに関連して質問いたします。  先生は、行革の一つのねらいというのは国民の統治意識の変革だということをおっしゃられました。行政権を国民の手に取り戻すんだということでございました。その点で考えますと、この行政改革会議という検討の場の設定、果たしてそれは、国民の統治意識を変革する、国民がまさに主役になって政治、行政を動かしていく、そのための行革の出発点として適切なものであったのかどうかという点に疑問を持つわけでございます。  先生は行政改革会議の委員として任命を受けられて活躍された立場ですので、これから質問することはちょっとお答えしにくいのかもしれませんが、あえてお尋ねしますが、行政改革会議というのは、国会の審議を経ない総理府令で設置されております。委員の任命についても、国会の同意は必要ないということで国会は関与していません。ほかの大きな審議会の場合は設置法があり、かつまた委員は国会同意人事であるということで、国会が関与してスタートしているわけでございます。  それに引きかえ、行政改革会議というのは総理府令で設置されているということで、これほど日 本の第三の転換と言われるような、国家百年の計という、「この国のかたち」とさつきからおっしゃっていましたけれども、そういうものを審議する舞台としてはちょっと軽いと言うと言い方が変ですが、法律設置であるか政令設置であるかということで比較すれば、あえて軽い設置の仕方だと申し上げても過言ではないと思うのです。そういう形でこの舞台が設置されたということは、国民本位の行政改革という点では舞台として適切ではなかったのではないかという疑問があるのですが、先生はどのようにお考えでしょうか。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 先生が御指摘のように、私は任命された立場なものですから、この点についていろいろ申し上げにくいことがありますけれども、この会議は政令で、通常の審議会と同じような形で迅速に事を明らかにしよう、そういう趣旨で行われたのではないかと理解しております。  といいますのも、今、日本が置かれている国際社会の中における非常に厳しい状況というものがあって、国際社会が、日本の国家としての方向、あるいは大きく言えば統治意識といいますか、そういうものはどうするんだということを突きつけている、ある意味ではそういう非常に厳しい状況であると私個人は思っております。この会議をこういう迅速な形で、こういう形式でとられたということは、恐らく総理などがそういう認識で、日本の姿勢を早急に示す必要がある、そういう思いでこういう形をとられたのではないか。これは私の憶測でありまして、当たっているかどうかわかりませんけれども、そういうように思っております。  問題は、今ここで、国会で御議論いただいているわけですね。私どもは問題の提起です。提起をして、そしてそれを受けて準備室で基本法をつくられ、国会にかけて、今こういうように議論されているわけでありまして、それが大事だ。そこで存分に御議論いただいて、それから先ほど出ました戸井田先生の省庁の名称もそうでありますけれども、これをきっかけにして、日本は今非常に厳しい状況に置かれているということを国民の皆さんに御理解いただいて、早急に日本の国家国民としての意思を示すべきときではないか。今それが現実に行われつつあるというように私は理解しております。

北脇保之民主党

○北脇委員 今回の行政改革会議というのは、非常に変則的な会議だったと思うのです。普通の審議会であれば、学識経験者とか各界の代表が委員になって、一つの答申をまとめるということでございます。したがって、そういうやり方というのは物事を決めるときに常に、非常に難しい話なんですけれども、将来を見越して、客観的に何が正しい考え方であるかということを極力追求していくというような審議会の持ち方、そういうのが一つあると思うのです。  それともう一つ、やはり重要な政策決定をするというのは常に政治の問題であって、この世の中を構成しているいろいろな人たちがそれぞれの利害を抱えて、それを調整して一つの結論を導いていくというのが政治の働きだと思うのです。これは必ずしも、神様じゃないのですから、長期的に見たときに正しい結論であるかどうかということよりも、その手続を大事にするのだということで、一つの割り切りとしてのやり方だと思うのです。  それが、今回の行革会議の場合は、総理でありかつ与党の総裁である橋本総理が会長になった。そして学者を集めて、学者という一つの閉鎖的な、学者といいますか、学識経験者とか、そういう委員会という一つの閉ざされた中で議論をしてきた。総理・総裁というのはあくまでも政治家ですから、外に開かれているわけですね。その総理が会議の中に入ってきてやっている。ここは非常に中途半端な変則的な進め方だったと思うのですね。ですから、中間報告のときは、いわゆる専門的な立場に立って出された意見が中間報告としてまとめられたと私は思うのですね。それが、その後の政治過程の中で形が変わって最終報告になった。  ですから、学識経験者として委員というお立場で参加された佐藤先生の立場から見ると、中間報告というのが委員のメンバーの中での考えとしては一番いいと思っていた考えなのじゃないか、それが後は政治的な一つの妥協として最終報告に変わってしまったのではないかというふうに外から見ると見えるのですが、先生はこの点についてどのようにお受けとめでございましょうか。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 第一点は、閉ざされた中でとおっしゃいましたけれども、御承知のように、この会議は基本的に皆、即会議の概要は外に出され、実際は非常にオープンな形で進められたのではないか。私がいっどこにどう言ったかというのは大体すぐ外に出ておりまして、それは、各委員の皆さん、みんなそうだったと思います。非常にオープンな形で進められたということはぜひとも御理解賜りたいと思います。  それから、総理が会長になってということは従来の審議会から比べるとやや変則的ではないかという御指摘でございますけれども、これも先ほど申し上げたことですけれども、これはまさに日本の国家の骨格にかかわる事柄であります。そして、御承知のように、第一次臨調、第二次臨調、行革審といろいろ努力されてきて、なかなか実現できないところがある。中には立派に実現できたものはありますけれども、そこで描かれた日本の進むべき青写真がどこまで実現したかということは、御承知のように非常に心もとないところがございます。  そして同時に、先ほど申し上げたことですけれども、日本の置かれている、現在の国家としての置かれている状況というのは非常に厳しいものがある。恐らく総理は、そういうことを総合的に御判断になって、こういう形で進めようというように選択されたのではないか、それはそれなりの一つの理屈のある選び方ではなかったかと私自身は理解しております。  そしてまた、今申し上げたように、第一次臨調から始まってなかなか実現しなかったこの課題を迅速にやるには、総理みずからが会長となって、そこで会議をリードするということでなければ、恐らくもっと時間がかかり、どういう結論が出てきたかということは、私自身は自信がありません。むしろこういう形をとったことによって、一年ばかりの間に、要するに省庁をいじるというところまで来た。  それから、内閣機能の強化というのは、これはもう御承知のように戦前からあるわけです。戦前から、内閣を強化しなければいけない、内閣総理大臣の指導性を強めなければいけないと言われながら、依然として実現できなかった。それがようやくこういう形で実現しようとしているということについては、やはり結果的に見ましても、こういう形をとったことはよかったのじゃないか、私は個人として、自分が委員だからこういうことを申し上げると手前みそになるかもしれませんが、そういうように理解しております。  それから、基本法の構造でありますけれども、中間報告からこの最終報告にかけていろいろな世評があるということは私自身も承知しておりますけれども、これも結論から申し上げると、基本は変わっていない。実際に改革を実現しようとすれば、もちろん政党の理解も必要です。そういう中で、中間報告の精神は引き継いでいただいて、これならやれるよという形で基本法におまとめいただいたのではないかというように私自身は理解しております。決して中間報告から大きく変わったという認識は私にはございません。

北脇保之民主党

○北脇委員 今の問題は、例えば内閣機能の強化とか、それから公共事業の改革、財政投融資の改革、そういったことは今すぐやろうと思えばできると思うのですね。それぞれ個別課題ごとに具体策を出して、これをこうやるんだとやっていくということ、それはやってできないことではないし、もう目前の焦眉の急としてあると思うのです。それを、省庁再編ということを一つの重要な要素として取り込んで、すべてこういう包括的なものにして、さあこれからやるということについては、私はやり方としてむしろ迅速を欠くのではないかと思っておりますので、そのことをちょっと言わせていただきたいと思います。  そして、先ほど先生、これからは省庁再編の中身は設置法の策定の段階で具体的に詰めていくとおっしゃられましたけれども、仕組みとしてはそうだと思います。しかし、そうなると、私は、またしても設置法策定の段階で官僚機構が自分たちの思うとおりにやってしまうという懸念を非常に強く持つのです。  私は、この基本法というのが、それを阻むだけの、官僚機構に対する拘束力の強いものだというふうに思えないのです。例えば省庁再編の方針なんかにしても、省庁間の利害が相反するような部分についてこの法案でさばいているということはないと思うのです。となると、また権限争いがあったり、そして既存の権限をできるだけ残そうとするというような、官僚の一つの惰性といいましょうか、そういう作用が出てきてしまうという心配が非常にあります。  そこで、私どもは、基本的には、こういう行政組織の改編とか大きな行政改革というのは国会主導でやるべきだという考えを持っておりますが、少なくとも総理大臣の参与の皆様方が提案しているような第三者的機関、今後の行革の推進を監視していくといいますか、法の遵守を担保するような第三者機関が必要だという提言がありますが、これについてはどうお考えか。もしそれが必要だと先生がお考えであれば、この基本法案の中にそういうことが盛り込まれるべきだと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 お答えいたします。  要するに、今の御指摘は、今度の推進本部ですか、そういうものができるときに、第三者的な監視の目があるようにという御趣旨でございますが、その点は、今御指摘のように、参与もそういう点を指摘しておられました。  法律に明文化するかどうかは別として、そういう趣旨のことは、恐らく、ここでただいまのような御議論があれば、そういう趣旨のことが具体的に盛り込まれて進行していくのではないかというように私は考え、期待しております。

北脇保之民主党

○北脇委員 質問を終わります。ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、福留泰蔵君の質疑に入ります。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 新党平和の福留泰蔵でございます。  本日は、圓藤寿穂徳島県知事、宮岡壽雄松江市長、黒澤丈夫上野村村長さん、それから行革会議の委員でいらっしゃいました佐藤幸治京大教授、この委員会にお見えいただいて貴重なる御意見を賜りまして、大変ありがとうございます。  きょうは、参考人の質疑は、特に、地方公共団体の方々がお見えでございますので、地方自治とそれから国の行政のあり方というふうな形で、今回の中央省庁等改革基本法案をどういうふうに見るかという観点から質問をさせていただきたいと思うわけでございますが、その前に、まず佐藤先生に若干お伺いをしたいと思います。  佐藤先生から大変貴重な御意見を賜りました。これからの日本の社会のあるべき姿について、さまざまな議論を経て、その御意見を伺ったわけでございますが、日本はこれからは自由で公正な自立した社会になっていかなければならない、そのための今回の行革ととらえていらっしゃるわけでございますが、率直に申し上げると、不十分ではあるけれども第一歩を踏み出すことが大事である、完全主義は不完全であるという増島先生のお言葉を引かれて御説明なさったわけでございますが、その自由で公正な自立した社会を目指すに当たって、これが第一歩であるというお話がありました。  先ほど来のさまざまな質疑の中でも、特に、その前提として地方分権が欠かせないし、そしてさらに、先ほど先生からも規制緩和というものがどうしても必要であるという趣旨のお話がありました。今回の行革が第一歩であるとすれば、その次がどのようになっていくのか、先生はどのようにお考えでいらっしゃるか、まずお尋ねしたいと思います。     〔委員長退席、虎島委員長代理着席〕

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 この基本法が成立すれば、国の形の大きなところがそれによって固まってくるというように理解しております。  それを受けて、先ほど来から申し上げてきているように、その大前提として地方分権、規制緩和ということを一層精力的に進めていく必要があるかと思いますが、同時に、あわせてここでちょっと強調をしておきたいのは、この規制緩和、地方分権だけで済むのかという話であります。それは決してそうではない。  これは、最初の話のときに申し上げたことですけれども、国の形を再構築するということについては、行政改革はその一つにすぎないのであって、社会の、国会のあり方もそうですし、それから司法改革。司法改革というのは、これはもう不可欠の検討事項、取り組まなければならない事項だろうと思います。自立した個人と抽象的に言うのは簡単ですけれども、自立した個人として生きられる社会の仕組みというものをぜひ考える必要があります。それはやはり法曹の力、司法の力というもの、あるいは司法のプレゼンスをもっと高める必要がある。ぜひとも、この司法改革については精力的に国会としても取り組んでいただきたいという気持ちを持っております。そういう総体の中で日本は具体的に進んでいくし、また、そういう方向をこの基本法で示しているのではないかと。基本法の中でも司法改革の必要性をうたっておりますが、そういう全体像を持っております。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 もう一つ具体的なお尋ねをこれに関連して申し上げますけれども、この行革というのは、我々国民から見ると、規制緩和にしてもそうなのですが、小さな政府ができていくのではないか、行政が大変スリム化していくのではないかという期待があるわけでございます。端的な質問で大変申しわけないのですが、この観点から、先生はどのように今回の行革を受けとめていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 大きな政府から小さな政府へ、あるいは積極国家から消極国家へという考え方があることは承知しておりますが、行政改革会議の考え方が小さな政府あるいは消極国家ということを至上命題にしているかというと、そうではないというように私は理解しております。小さくあればいいということではなくて、余分なものを整理して、必要なものは有効に、もっと積極的にやれるような体制をつくろうということなのでありまして、場合によっては強化しなければいけない部分もあり得るというように理解しております。  ですから、この会議の報告、考え方、さらに基本法が小さな政府を目指しているというようにとらえるのは、やや短絡に過ぎるのではないかというように理解しております。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 もう少しはっきりお答えをいただきたかったのですが、もう少し具体的にイメージを御提示いただければと思うのですが。おっしゃることはよくわかるのですけれども。  強化する部分もあるのではないかという御趣旨のお話ですが、具体的には、どういう部分を強化すべきであるというふうなイメージを持っていらっしゃるのか、御意見があれば伺いたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 それは、いろいろな面を指摘できるかと思いますけれども、やはり第一に強調したいのは、内閣機能、内閣総理大臣の指導性の強化。これは、国際社会に対応していくのに不可欠だということを申しましたが、それを可能にする補佐あるいは支援体制、そういうものの強化ということがここで強く出ているということに御理解賜りたいと思います。  個人的な感想でありますが、私は行革会議に入って、今までの総理府あるいは官房などの情報の収集の仕方とかいろいろなことを見聞するにつけて、やはり非常に不十分だったのではないかという思いを強くいたしました。そういうところがもっと世界の情報を体系的に集め、分析し、そしてそれを政策に反映させていく、そういう仕組みというものはぜひとも強化しなければならない。それは、内閣官房や内閣府の強化のところに具体的に表現されているというように理解しております。  そのほか、私は大学人で、もう一つだけ申し上げますが、今まで日本は、研究教育に対する投資と申しますか、そういうものが著しく不十分であった。世界的に見ましても、現在、公共事業費は先進国は軒並み下がってきております。研究教育に対しての投資は、非常に厳しい中でも大きなものがありますが、日本の場合、残念なことにその面についての投資が非常に不十分である。その辺を考えて、内閣府の中に総合科学技術会議というものを設けて、そこで日本の今後の研究教育のあり方を精力的に推進していく母体としようというように考えたのでありまして、それがそういう形であらわれている。  ほかにもいろいろな指摘ができると思いますが、一点だけ私の近いところで申せば、そういうことであります。     〔虎島委員長代理退席、委員長着席〕

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 何か持って回ったようなお尋ねをして大変恐縮でございますが、私の意見として、心配事として申し上げたかったことは、自由で公正な社会、自立した社会を築くということで行革をやっていらっしゃる。行革というのは、国民の目から見れば、大変スリムな行政になっていくのではないか、経費が削減できるのではないかというイメージがあるわけです。その前提として地方分権があって規制緩和があるということでありますが、自由で公平な社会というのは規制緩和の流れが前提であるとすれば、さまざまな規制がなくなると、そこには公平さというものが前提であります。  今は規制があるからできないということがありますが、極端な話を申し上げると、すべてを自由にやってよろしいということになると、社会的な混乱が生ずるおそれがある。規制を緩和すればするほど、きちっとそれをコントロールしていく部分は必要になってくる。逆に言えば、行政機能というのは、ある意味で言えば強化しなければならないのではないか、監視する人たちをふやしていかなければならないのではないかというふうな発想もあるようでございます。  これは、私はまだ十分理解していないのですけれども、伊東光晴先生はそのようなことをおっしゃっているようでございます。先ほど佐藤先生の方からは、そのような趣旨と通じると思うのですが、司法改革ということをおっしゃられましたけれども、それと通じるのかなという感じで私は伺ったわけでございます。  どうも規制緩和なり行政改革、こういうことをやっていくと、自由で公平な社会ができたら、実はそれが実現したら巨大な政府ができ上がっているんだと、それを実現するためには。そんなおそれというか、そういうことが国民はなかなか理解できていないのではないかなという感じも私はするわけでございまして、そういうところを少しはっきりしていく必要もあるのではないかなと思っていたものですから、きょうはあえて先ほどお話を伺ったので、まず冒頭お聞きした次第でございます。  この件について、佐藤先生の御意見があれば伺いたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 ごく一言で申し上げます。  今最後におっしゃったところでありますけれども、規制をなくすると公正さが失われるという面は確かにあることはあるだろうと思います。だから国に規制してくれということが今までじゃなかったのでしょうか。その行き過ぎた結果が今の状況である、これはまた厳然たる事実ではないかと思います。  それではいけないのであって、規制をできるだけ少なくしていこう、そして事前規制から事後規制へという形で持っていこうというわけであります。問題が起きたときに、そしてその問題に直面した人たちが問題を提起して争う場を設けよう、設けなければいけない。ですから、行政改革だけをやって司法改革を怠るならば、それはもとのもくあみか、もっとひどくなるかもしれません。  ですから、その意味で、司法改革というのは不可分一体のものだ、事前規制から事後規制の社会へと、そして、それによって公正さを担保するためのものとして司法改革というのはぜひとも必要だということを強調しておきたいと思います。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 今先生のお話を伺って、私も全く同感であるという思いをしております。今後の行革また規制緩和の推進に当たっては、そういうところを注意深く見守っていかなければならないと私も考えているところでございます。  さて、国の行政の中における地方自治のあり方について、きょう地方公共団体の首長さんがお見えでございますので、お尋ねしたいと思います。  先ほど来、お三方の御意見を伺って、基本的にこの改革法案についてどのように評価されているかという意見については、前向きに評価されているというようなスタンスだったと思いますが、しかしながら、本音のところでは大変心配していらっしゃるというのが私の受けとめた感想でございます。  一つは、ずっと進めてこられました地方分権推進というものが、今回この省庁再編問題で水を差されてしまうのではないかというおそれがあるのではないか。それからまた、今回は地方自治を所掌していました自治省が総務省というところに入るわけですけれども、この総務省がマンモス省庁になってしまうということで、総務省内における地方自治行政が地盤沈下してしまうのではないかというおそれ。それからさらに、宮岡市長さんからのお話で言われました国土交通省の問題がございましたけれども、この国土交通省という巨大省ができるということで、逆にこういう巨大省からの地方に対する締めつけが厳しくなってしまうのではないかというおそれがあるのではないか、私はそんなふうな思いがしているわけでございます。  総務省は、今回、自治省と総務庁と郵政省が合体してっくられるということを聞いているわけですが、人員が三十一万余人、それから予算は地方交付税交付金を含めると十四兆円を超えるということでありまして、新しく再編される一府十二省庁のうちで、人員では第一位、予算規模では第二位という巨大省になるわけであります。  行革会議のいろいろな論議の過程を振り返りますと、先ほども若干お話がありましたけれども、総務省は当初の省庁再編構想では全く想定されていなかったのではないかとも聞いているわけでございまして、中間報告の段階まで、自治省については、地方分権の推進に伴う機能縮小を想定して、地方自治庁に格下げする意見が大勢を占めたと私は聞いているわけでございます。また総務庁についても、行政監察や人事、機構管理などの業務を内閣府に移管する方向で固まっていた。自治省にしても総務庁にしても、整理縮小という方向が中間報告の段階までの議論であったと承知しているわけでございます。  しかしながら、内閣機能の強化を進めるということが今回の改革の骨子でございますが、そのことによって内閣府の権限集中というのが膨大になり過ぎるのではないかということが懸念されて、橋本総理が補佐、支援体制の分散を提案された。そして、自治省と総務庁を統合して総務省を創設することが決まった。自治省と総務庁を統合して総務省を創設するということは、各省庁間の総合調整、そして中央と地方の間に立って総合調整を進めるという意味で、ある意味では似通った総合調整をする機関として理解ができるものがあったわけですが、その後、最終報告の段階に至って、これが大変私にとっては、不幸な状況になってしまったのではないかと思える部分があるわけでございます。  先ほどもさまざま質疑がありましたけれども、いわゆる政治決着が図られて郵政省が入ってきたということになっているわけであります。この解体されるはずだった郵政省が、官労一体となって、族議員を巻き込んで醜い巻き返しを展開した。その結果、解体されるはずだった郵政省がそっくり残されて、その人員三十万人と郵政三事業を持って総務省になだれ込んできた。それで結果として、統括的な行政目標を持てない総務省ができ上がった。寄せ集め官庁と言われても仕方がないと言われているわけでございます。  先ほど、この件について佐藤先生は見解を述べていらっしゃいましたけれども、この点について御意見があればお伺いしたいと思います。

佐藤幸治京都大学大学院法学研究科教授

○佐藤参考人 今御指摘のように、自治省がどういう形になるか、あるいは郵政省がどういう形になるかについてはいろいろな議論の展開があったということは御指摘のとおりでありますけれども、しかしながら結果的に、いろいろ業務を一府十二省という形で切り分けていく中で、結局はこういう形しかなかったのかなという思いがあります。  郵政事業については、私はそれは個人としての考え方もないわけではありませんが、あの中間報告以降、国民の多くの皆さんがこの郵政事業について非常に強いある思いを持っていらっしゃるということが明らかになりまして、政治的に実現可能な案をつくるということになれば、やはりそういう国民の強い声も無視するわけにはいかないということもあって、結局こういう形で落ちついてきたのではないかと理解しております。  そして、さっき申し上げたことですけれども、いろいろ枠の中で事務を切り分けていくときには、結局は総務省、この総務省というのは、人事管理、行政監察の機能、それは全省庁にまたがる話であります。それから中央と地方との関係、これも全省庁にまたがる横断的な話であります。それから郵政事業の話も国民一般に広くわたる横断的な業務の面もあります。そういうものをまとめてどこに持っていくかということになれば、総務省ということに落ちつかざるを得なかったところがあるのではないかというように思っております。  御指摘のように、あるいは既にいろいろ御批判がありますように、さっき申し上げたことですが、これがうまく機能するのか、あるいはかえって機能し過ぎて困るところもあるのじゃないかという指摘もありますけれども、これは地方分権の推進、情報公開とかさまざまな仕組みの中でそういう懸念さるべき問題は克服していくしかない。完全な答えはなくて、まずこういうところから出発してはいかがかというように思っている次第です。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 御意見は先ほど来伺っているので、承っておきます。  せっかくお見えでございますので、まず圓藤知事にお伺いしたいと思いますが、先ほど私が申し上げました、今回、中央省庁が再編によって大変巨大化していくわけでございまして、巨大化することによって都道府県へもかなり影響が出てくるのではないかと思うわけでございます。そのことについて知事はどのように受けとめていらっしゃるか、御見解を伺いたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 現在の省庁の事務、権限の統合自体が当然に都道府県に影響するとは考えにくいわけでございますが、統合によっていわば省庁間の谷間が深くなって、結果としていわゆる縦割り行政が強化されるようなことは断じてあってはならない、このように思っております。むしろ、これに伴いまして、事務の統合、国庫補助負担金の整理合理化や国と都道府県の各種の事務手続の簡素化が行われることを期待いたしているところでございます。  そのためにも、中央省庁の事務、権限の統合に際しましては地方分権の推進という観点をあわせて行うべきである、このように考えております。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 再度圓藤知事にお伺いいたします。  今回の改革基本法案の第四十五条関係の中にあるわけですが、今御説明ありました、中央省庁の巨大化を防ぐために地方支分部局の強化というのが考えられるわけでございますが、このことについてどのようにお考えか、御意見を伺いたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 現在中央省庁で処理されている事務、権限を地方支分部局に行わせること自体は、都道府県との連絡調整や事務手続も従来よりは容易になるというメリットもあるというふうに考えております。  ただし、地方支分部局へ事務手続的なもののみが委譲されて、最後は本省でなければ実質的に事務が完結しないというような状況になりますれば、屋上屋を重ねることになりまして、事務手続を現在より煩雑で非効率なものにしてしまう、こういうことにもなりかねないということでございます。そういう点に十分配慮してほしい、このように思っております。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 先ほども質疑があった件でございますけれども、今回、中央省庁が再編されることになりますと、当然、都道府県もそれに伴って組織を変えていかなければならないと思うわけでございます。そのことについてどのようにお考えなのか。また、特に今回は、国と地方の関係もさることながら、都道府県と市町村の関係も見直ししなければならないと私は思うわけでございます。都道府県から市町村への細かな指導、干渉、関与は大幅に削減すべきであるというふうに考えているわけでございますが、この点について圓藤知事と、それから宮岡市長と黒澤村長の三人に後段の件、御意見を伺いたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 都道府県の行政組織でございますが、現在でも国の省庁の編成単位とそれぞれ相応するような姿には必ずしもなっておりません。例えば、県に土木部というのがございますが、これは建設省と運輸省の公共事業部門を一緒にしたような格好になっておりますし、商工労働部というのもございますけれども、これは労働省と通商産業省を一緒にしたような格好になっております。  そういうことで、必ずしもリンクをしておらないということでございまして、住民のニーズに適合し、かつ効率的な行政運営が行われるように、各団体ごとに適切に定めているところでございます。中央省庁の再編の影響は全くないとは言えないかもしれないわけでございますけれども、今後といえどもその基本は変わらず、それぞれの団体が行政需要の動向と簡素効率化の観点を踏まえまして適時適切に対応していくことになる、このように考えております。  あと、市町村に対する都道府県の規制緩和といいますか、権限移譲というようなことにつきましては、本当にこれから真剣に検討していかなければいけないというふうに思っておりますし、徳島県におきましては、全体の事務事業一万四千件のうち三千件につきましては、市町村への権限移譲とかあるいは規制緩和とか、そういった項目を具体的に実施していくということを決めたところでございますので、これから着実に推進をしていきたい。  そのときに、市町村の御意見といいますか、御意向ということもやはり十分踏まえていかなければいけない。市町村は、県の権限を全部自分たちによこしてくれというようなことばかり望んでいるわけでは必ずしもない。そこら辺の話し合いが大事なことではないかな、こう思っております。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 今回の省庁再編の問題と地方分権の問題は表裏一体であるというふうに思っておりまして、今回の省庁再編、一府二十一省が一府十二省にということで九つ削減されたということですが、この削減され統合された省庁というのがほとんど地方に関係する省庁ばかりでございまして、先はどのように大変巨大化されまして縦割りの行政が是正されるということを期待しておりますが、これが一方で地方分権が不十分でございますと、巨大化されただけでまたいろいろ弊害もあるわけでございます。したがって、私どもも地方分権というものをぜひやっていただきたい。  今回の地方分権というのは、多少、権限の移譲よりも、最初のころには関与の是正ということで、機関委任事務を地方の事務に、そういう関与是正がまずございまして、関与の是正は必ずしも権限の移譲ではなかったと思います。したがって、第四次のときに地方移譲というのが出てきたわけでございますが、今回の地方分権に当たりましては、実現可能性ということで、ある程度省庁が地方に権限を移譲できるという合意のもとにされた三十数項目だけに限られておりまして、必ずしも地方分権が十分されたかというと、やや疑問もあるわけでございまして、総理の方で第五次勧告で一層地方分権を強化せよ、こういう指令もあったようで、今回の第五次の勧告というものを私ども期待いたしております。  一方、今回の地方分権というのは、どちらかというと中央と地方ということで、地方の中の県と市町村というものでの区分けというのがやや不十分な面もございますので、第五次を含めまして、これから地方分権計画がいかようになるかということを関心を持っております。  いずれにしましても、私どもの島根県におきましては、既に平成七年までに県と市町村で地方の分権委員会というのをつくりまして、県の持っている事項を法律の範囲内で三十数項目市町村に、規模別ではございますが、移譲した経緯がございます。したがって、今回の法律の中で県あるいは市町村に移譲されるもの、特に県に移譲されるものにつきましては、極力地元で話し合いながら市町村に分権を受けるように努力していきたい、かように思っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 省庁の改編に伴う町村への影響という問題については、県段階におけるほど、まだ具体的に町村にどういう影響が出てくるのかということについて議論の声は高まっておりません。  そういう中で、県と市町村との事務の分担につきましては、松江の市長さんからもお話がありましたが、私の県でも町村と県の間で話し合いが始まっておりまして、それに基づいて、どういう事務は町村におろしていいかというのをまず、早く合意ができたものからだんだんとおろしていこう。それで、それ一回で終わらせるということでなくて、さらに話を進めながらそれを広い範囲に広げていきたい、そんな考え方で話し合っている次第であります。

福留泰蔵平和・改革

○福留委員 大変貴重な御意見ありがとうございました。  以上で終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、佐々木洋平君の質疑に入ります。

佐々木洋平自由党

○佐々木(洋)委員 自由党の佐々木洋平です。  きょうは、参考人各位におかれましては、公務御多端の折大変貴重なお時間をいただきまして、そしてまた貴重な御提言をいただきましたこと、心から御礼を申し上げたいと思います。  きょうは各自治体の責任者が見えておりますので、その辺を中心に御質問したいと思います。  先ほどもお話があったわけですけれども、行政改革が成功するかしないかはやはり地方分権の推進にあるというふうに私は認識をしております。そのためには、やはり都道府県そしてまた市町村という地方公共団体のあり方自体を抜本的に改革をする。先ほどもございましたとおり、例えば市町村の合併あるいは道州制という考え方もあるわけでございます。  一昨年の四月に、住民発議制度を盛り込んだ市町村合併法が施行されたわけでございますけれども、しかしながら、合併協議会の設置に至ってはほとんどなされていない。市町村長の判断といいますか議会の意向といいますか、そういう意味でなかなか設置できない、これが大方なんですね。現状は、なかなか市町村の枠組みに手を入れるということは、首長さんを初め議会の皆さん方、住民も、その辺もあるのではないかと思いますが、非常に抵抗が強いわけでございます。  現在三千三百余の市町村があるわけでございますけれども、これがすべて分権の受け皿になるということにはならないであろうと私は思うのです。我が党では三百にしようということでいろいろ主張をしておりますが、逆に、地方分権が進まない一番の理由は、市町村の合併といいますか、受け皿ができないから進まないと言ってもいいのではないかなと私は思うのです。  そこで、先ほどもあったのですが、圓藤知事さんに道州制に対する考え方と、それから宮岡参考人、黒澤参考人に、具体的に市町村の合併というものは何か手だてがあるのかどうか。あるいはまた知事からは、行政的な指導、県の立場で指導する気持ちといいますか、そういうものがあるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 議員御指摘のとおり、今三千幾つか市町村の数がある、都道府県は四十七ということでございますけれども。特に市町村の数の三千幾つというのは、昭和三十年代の初めにほぼ現在の数が決まっておる。それから後、合併というのが余りなされていないというのが現状であろうかと思うわけでございます。  当時と比べてみますと、当時は歩くか自転車かというふうなことが主たる交通機関であったわけでございますけれども、今はモータリゼーションがどんどん進んでおるというふうなことで、本当はもっともっと市町村合併ということは進めていかなければならない。そして、市町村の数も減ったという暁には、道州制というものを導入していくというようなことも一つの考えであろうというふうに私は思っておるわけであります。  そういう意味におきまして、地方分権ということを我々の側から主張するだけではなくて、まさに地方分権の受け皿としての市町村なり県のあり方というようなことを、我々の側としても十分な体制整備ということを心がけていかなければならないと常々私も考えておるところでございます。  そういう意味におきまして、例えば徳島県の例で申し上げますと、平成十年度の予算におきまして、今、市町村の合併といいましても昔と違って、どちらかといいますと民主主義が非常に発達をしております。ですから、ではだれかがこう言ったから市町村合併がどんどん進んでいくというような状況になかなかなりません。ですから今、国の方でといいますか、自治省の方でも自主的合併ということを言っておるわけでございますが、それは当然のこととして、しかし県の方で、例えばこういうような合併のパターンというのが考えられるのではありませんかというような、合併のパターンを提示申し上げる。もちろん、それに対していろいろ賛否両論あるでしょう。そういったことを議論の俎上にのせるというふうなことから始めたいと思って、そういうことに対する予算も組んでいるところでございます。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 市町村の合併につきましては、確かに、昭和の合併というのが新制中学校を建設、運営するためにやられたと言われておりますし、平成の合併というのは、先ほどの介護保険なりこれからの地方分権というものを実施するためにはぜひ必要だというふうに私は思っております。現に農協とか経済団体というのは、かなり合併をしたりあるいは合併をしようとしている機運がございまして、行政がやや出おくれている感じを受けます。  合併のパターンにつきましては、母都市である市が周辺の町村とやる場合と、市対市あるいは町村対町村という幾つかの、三つぐらいに分かれますが、若干その合併の態様によって機運が違いますが、私の方では市を中心として、その周辺のものにつきましては今の介護保険の問題でこの機運が少しずつ出てまいっておりますし、経済団体、農協団体からもっと合併を前向きにということを最近要請を受けておりますので、今の地方分権というのがより具体的になりますと、私は少しずつ動き出すのではないかというふうに思っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 合併の問題につきましては、基本 的には住民意思に任せるべきであるというふうに私は考えるわけでございます。合併の問題が、中央においては合併をさせる方向で強く叫ばれておりますが、その議論は、町村の能力や財政力を中心とした論議の中から生まれてきているように私は思います。私は町村の立場に立ちまして、その前に、住民が持っておる自治権が行使できるのかということを皆さんに考えていただきたい、こういうふうに思います。  例えば、本土を相当離れたところにある小さな島の一つの村が、どこへ合併したらその村のことを今の住民本意の村と同じように考えていただけるのか、よそと合併したら、恐らくそれは住民の多く住んでいる市街地の方々に自治権を持たれてしまって、まあ表現が悪いかもしれませんが、奪われてしまって、他治になるのだ、自治ではなくなるのだと。そこら辺は先生方にも十分お考えいただきたい、私はそういうふうに思います。  それで、もう一つ先生方におわかりいただきたいのは、私の村はあの日航機が落ちた群馬県の端っこの村で、人口は千七百人きりありません。ですが、今自治で一番問題になっている、そうして相当難しいとどなたも思っている介護保険制度の問題について、私の村は、つい数日前も自治医大の学生が二週間ぐらいいて見て帰って、その報告書の内容を残していってくれました。それを見ても、いろいろなところを知っているその学生が、介護の問題についてはこんな進んだことをやっているのか、こんな総合的に医療を、保険制度を、福祉の制度を要領よくやっているのかというような評価をしてくれているわけでございます。  私は、今介護の問題が市町村にとって最も難しい問題だと思うのであります。わずか千七百人の私の村が自信を持ってそれがやれているという姿のもの、それは、連帯意識を我々が強く持って、既に三七%になろうとしている高齢化比率の社会に対して、お互いが助け合いで老後を守り合っていこうじゃないか、同時にまた、若いときから、老齢化してもぼけたり寝たきりにならないようにしようじゃないか、そういう考えに基づいて適切な保健対策を積極的に行ってきている、その結果のたまものでもあると私は考える。そういうことを考えますというと、今度は難しいところもあるけれども、やろうという自信を持って自治を進めている村もあるのだということをも御理解いただきたいと思っております。  それから、住民の発意によって合併、合併と言うのを私ども市町村長や議員が嫌がって防いでいるのじゃないかという推量があるように私は察します。しかし、私どもはそんな気持ちはないつもりであります。住民の方がむしろ、私どもなんかが合併しようと言ったら私の首は飛んでしまう、議員も大概は当選できない、そういう状況でもございます。ですから、この合併の問題は短兵急に、住民意思を無視して誘導したり強制すべき問題では絶対ない。私は地方制度調査会でもそういうことを言ってきております。御理解をいただきたいと思います。道州制の問題はその後に考えるべきことであって、今すぐ県をなくしてしまうということは、一遍にやったら相当地方に混乱を招くというふうに考えております。

佐々木洋平自由党

○佐々木(洋)委員 それぞれ貴重な御意見をいただきまして、まさに住民の自主性というものが大事だというお話がございました。  大変恐縮でございますけれども、私は岩手県でございますが、岩手の増田知事は、実は分権の受け皿を何としても早急にという考えのもとに、それぞれ都道府県に振興局があるのだろうと思いますが、岩手県では十二の振興局がございます。振興局の基本はあくまでも広域行政という観点から、今徐々にではございますけれども、権限あるいはお金の問題とかあるいはまた人事の問題を整備し、今まさに広域行政の中で事業が遂行できるようなことにしようと。県の場合は、どちらかといいますと各市町村ごとの対応というのが多いわけですけれども、あくまでも振興局は広域行政だと。  例えば、特養老人ホームを一つつくろうとどこかの市町村から出た場合、必ずその振興局内の協議の中で進められる。道路一本つくるにしても、あるいはまた市が体育館をつくるにしても、すべて振興局といいますか、各市町村の意見がないとつくれないという仕組みを今とっております。そして、いずれ振興局長は県の部長クラスを据えようと、そしてほとんど県は調整機能といいますか、国とのいろいろな関係の中で、その受け皿としての機能を早くつくろうというのが今言われておるわけでございます。いずれ、それぞれの都道府県が地方分権に向けて、あるいは市町村も大変な努力をされておるわけでございますので、ぜひこの受け皿をつくるべく、お互いに意見を出し合いながら進めていければなというふうに思っております。  次に進めさせていただきます。許認可の問題でございます。  国から地方公共団体に権限がどんどんおりておるわけでございますが、また新たに国も許認可権を大幅にふやしておる。行政監察局の調査によりますと、昭和六十年度末では一万件ちょっとあったのが現在では二万件弱と、約倍ぐらいにふえているのですね。この内容も、許可あるいは認可、免許と。こういう増加をしておるわけでございますが、国の持つ許認可権が、はっきり言って地方自治、自立といいますか、そういうものに対する阻害要因になっているのではないかというふうにも思われるわけです。  例えば、その許認可権が、各地方公共団体では、役所の体制を考えたときにスムーズに対応できるのかどうか。あるいはまた、こういう国の握っている許認可をぜひ地方にくれ、こういうのはぜひ欲しいんだというようなものもあるのではないか。そういうのがもしあったら、こういうものはぜひ早く地方におろしてもらいたい、あるいはまた、現在、こういう問題が起きた、許認可が来たんだ、非常に困難をしておるというものもあるのではないかなと思うのです。  先ほど介護保険の問題で、実は、そういうお互いに市町村で助け合いながらこれを乗り越えようとする、そういう意味では結果としていい方向に行くかもしれませんが、これとて、この介護保険の問題は、地方自治体から見た場合、大変な権限の移譲だと思うのですね。そういったものも含めて、それぞれ自治体の責任者の方々に御意見をいただければありがたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 国から地方への権限移譲の問題じゃないかと私は思いますけれども、第一次勧告におきましても、たくさんの権限移譲についてそれぞれ大変な御苦労をされたというふうに伺っておるわけでございます。各省庁とこの法律の権限について、なぜ国が規制をしなければいけないのか、あるいはなぜ都道府県にやらせることができないのかと、相当ぎりぎりした精緻な議論を展開した上でこの勧告が出されたというふうに伺っておるわけでございます。私どもは、そういう意味におきまして、大変これまでの御苦労を多とするわけでございます。  例えば、農地転用につきましては、二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用の許可を都道府県に移譲する、あるいは保安林の解除の問題、あるいは鳥獣保護に関する規制の問題、あるいは流域別下水道の整備総合計画の国の承認制を廃止するとか、あるいは公共下水道事業に係る国の認可を都道府県に移譲するとか、あるいは工場立地規制につきましても、五万平米以上の特定工場に係る新増設の届け出受理とか、そういったような事務を都道府県に移譲するとか、また水道事業についてもしかりでございます。  以下、二次勧告においても、権限の移譲とかそういったことはそれぞれ勧告をされておるわけでございまして、このことによって非常に手続が簡素化されるとか、いろいろな面で大いにメリットがある。まだまだ不十分な点もあろうかと思いますけれども、これからさらにもっともっと都道府県あるいは市町村に対して権限移譲する分野があるのかないのか、もっともっと検討していかなければいけない課題だと私どもは思っております。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 権限の問題と財源の問題、いろいろ今の地方分権の中でございますが、私は、両方とも大事ではございますが、権限というのが最も重要なことだと思っております。  例えば、今いろいろな規制がございますが、すべての規制が、人口がどんどんふえて右肩上がりの規制というのが大変多くて、私どもの島根県では既に人口が減って右肩下がりになっております。例えば私の方でも、市街地の区域の一三%が市街化区域で、あとは市街化調整区域でございますが、これをもっと市街化調整区域を緩和していただいて、そのあたりの農地の利用というのが市町村でできますと、まさに今の、財源がなくても地域づくりができ、それが地域の活性化につながるという、そういったことは大変多いのではないかと思っておりますので、ぜひ思い切った、今の全国画一的な規制から地域の実情に応じた規制に緩めていただきたい、かように思っております。  今回の中でも、経済的な規制は外し社会的な規制を最小限に、こういう御趣旨がございますので、そういったあたりをもっともっとかみしめていただきまして、思い切った市町村なり県への権限の移譲をぜひお願いしたいと思います。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 権限移譲、その中にはいろいろ規制要件が入っているようなものが相当あります。そういうものについてはなるべく幅広く、余り細かいことまで中央でかじをとるといったって無理です。それは、わかっていないところのことを遠くの人が指図するようなことになりますので、ぜひもっと国民を信頼していただきたい、率直に申し上げて。我々も四年に一回全住民の勤務評定を受けるのですから、そんなばかなことはやらないつもりであります。  ぜひそういう点を御理解いただきまして、農地の規制の問題にしても鳥獣保護の問題等々にしましても、いろいろ、こんなものまで国や県が物を言うのかというものもあります。そういうものは、ひとつ早くおおらかな気持ちで規制を解き、我々に任せていただきたいと思います。

佐々木洋平自由党

○佐々木(洋)委員 大変力強い御意見をいただきました。  今度はちょっと話が飛びますが、税の問題でございます。  全租税の六一・六%を国が徴収する、残りの三八・四%を地方公共団体が徴収、こういう非常にアンバランスな割合になっているわけでございますが、地方財政を健全にするためにも、やはり税源の見直しといいますか、あるいはまた税収の適正化というのを図るべきだと思うのです。  それぞれ、もし御意見があったらで結構ですが、地方公共団体がこれからこういう税金をぜひ創設したいというような御意見があったら、何でも結構ですから、こんな税がぜひ地方に必要だというものがあったらお示しいただければありがたいと思います。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私は、町村の立場からつくづく平素感じておりますのでお願いしたいと思いますが、今の税は、人が払うのだから、人本位の考え方に基づいている部分が多くて、それが税収の偏在にもなってきているというふうに思うわけであります。  そういう中でしみじみと思うことは、私ども市町村は国土の一部を預かっているわけであります。国土を管理するという仕事をやっているわけでございます。そういう意味合いにおいて、これは私的な意見でございますのでそのようにお受け取りいただきたいと思いますが、私はかねて、政府は市町村に対して面積に応じて国土管理税を払ってもらいたい、そういうふうに思っております。相当、補助金を整理することによって国費が浮いてくる部分があるだろうと思うのです。私は、その三分の二ぐらいは国土管理税で市町村に払っていただきたい、そういう考え方を持っており、かねて主張もしておりますので、お願い申し上げます。

佐々木洋平自由党

○佐々木(洋)委員 国土管理税というお話がございまして、これまた本当にすばらしい提案だと思います。しっかりと勉強させていただきます。  もう時間がないので、恐縮ですが、もう一点だけお伺いしておきたいと思います。  今の補助金あるいは地方交付税等々の問題についてお伺いしたいと思うのですが、いずれ地方で使うお金あるいは税収、ギャップがあるわけですから、そのギャップを補助金あるいはまた地方交付税で埋める、こういう仕組みになっておるのですけれども、補助金についてはいろいろな条件がついておる。先ほど来いろいろな、全国画一的な問題が出てきたというようなこともございまして、まさに地方の自立に大きな問題を起こしておると思いますが、今補助金制度自体を見直そうというような、我々も、党でも第二交付税というシステムを、交付税の形でやろうという考え方を持っておるわけでございますが、この補助金制度。そしてまた、今まさに皆さん方が大変苦労なさっている陳情政治。市町村長さんは、知事を初め大変な苦労をされている。そのエネルギー、そしてまたお金、それを考えたときに、こういう問題についてそれぞれどのような御見解を持っておられるか、お伺いします。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 国庫補助負担金につきましては、これは整理合理化をできるだけしていかなければいけないということは当然のことでございましょうし、その過程において、できるだけメニュー化、総合化をしていくというようなことも一つの方法であろうかというふうに私自身は考えております。余りひもつきで細かい要件まで定めたような補助金というのは特に好ましくないのではないかな、このように思います。  しかし、この国庫補助金を廃止とか縮減を行うということだけで事が済むわけではなくて、やはりその仕事が必要であれば、その事業が必要であればやらなければいけないわけですから、お金が要るわけです。ですから、それに見返りとして、地方税とか地方交付税等の一般財源の確保ということによって、事務執行に支障がないようにぜひともしていただかなければ困るということを申し添えておきたいと思います。  また陳情につきましては、私ども、私が知事になりましてから、特に私が陳情するときに随行するとかいう人数をできるだけ減らして、効率的にやっていこうということで、基本的には私一人で各省庁に行ってもいいんだというぐらいの気持ちでやっております。  そういうことで、経費とかそういった面につきましては極力節減を図っているわけでございますけれども、御指摘のような点もあろうかと思いますので、その望ましいあり方については検討する必要がある、このように考えております。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 補助金の問題につきましては、できるだけ削減をしていただいて、交付税その他の措置でできるようにしていただきたいと思います。ただ、かなり全国的には財政力に格差がございまして、やはり税というのは所得なり資源の再配分機能がございますので、何らかのそういった交付税措置のような形で全国的な行政の最小限のバランスを図る、そういった財源対策というのはぜひ必要ではないかと思っております。  それから陳情につきまして、私どもも極力陳情がない行政というのが理想でございますが、基準を公平に全国画一につくるというのはなかなか至難のわざでございまして、外国でもロビイストがあるように、日本でも多少は陳情というのも、ある反面では地元の熱意のあらわれであり、それがまた地域エゴにつながってエネルギーが出るもとだという感じもいたしますが、ほど合いの問題ではないかというふうに思っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 補助金の問題については、私は、この補助金が自治意識を乏しくしてしまっているという罪が大きいと思います。  私は四十年に村長になりましたが、そのころまでは、地域で少し大きな仕事をするという場合には、地域住民がある程度の負担をする準備をしまして、これをやるから村や町でこれをやってくれという陳情がありました。それが、だんだん国力が増強されていって、中央においてお金がいっぱい税として集まるものでありますから、どんどん補助制度は拡充強化され、そうして、それをいただき、その足らないところを起債に仰ぐならば住民から負担を求めなくてもそれができるような方向で今の自治が進められてきた。  そのためにどうなったか。住民は、中央には養老の滝のような財源があるか打ち出の小づちのようなものがあって、中央に頼っていれば幾らでもお金がもらえる、もらえないのは村長の陳情が足りないんだ、こういうような単純な考え方になって自治意識を薄めているという、このことは重大なマイナスであると私は思います。  自治意識が低下するということは、ひいては国民意識が低下する、こういうことにつながるのでありまして、補助金を少なくする、その反面において自主財源はちゃんと手当てをしていただきたい。補助金の方だけ言っていて自主財源のことを言わなかったと言われては困りますので、自主財源の方を強化してもらわなければ補助金を減らしても困りますので、自主財源とあわせ考えていただくという意味において、補助金は必要の最小限度にするという方向で進んでいただくべきだというふうに思います。  そうすると、必然的に陳情は少なくなってもいいのでございまして、国会議員の先生には、政府の先生方には国のことを一生懸命やってもらって、私どもは地方のことを一生懸命やって、落ち度のないように努めたいと思います。

佐々木洋平自由党

○佐々木(洋)委員 どうもありがとうございました。終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、平賀高成君の質疑に入ります。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。  きょうは、大変お忙しい中にもかかわらずこうして御参加をいただきまして、心からまずお礼を申し上げさせていただきます。  私は、時間も限定されておりますので、自治体の首長の皆さん三名にお伺いをしたいと思います。  最初に圓藤参考人からは、今後、地方分権を推進し、国と地方の対等平等の関係が必要である、そして事務、権限の移譲と財源保障を一体として行うべきである、さらに、事務量が国と地方の比率は一対二でありますが、財政比率は二対一で極めて不自然だ、こういう趣旨のお話がありました。  そして宮岡参考人の方からは、地方分権後の地方組織のあり方は縮小すべきとの意見があったが、逆だと思うと。実際には地方分権で仕事がふえる、しかし財政は、担当省庁の厳しいせめぎ合いによって、国の法令でも介護保険法やリサイクル法など、地方公共団体がやる仕事が次々と出てきている、そういう趣旨のお話がありました。  さらに黒澤参考人の方からは、一応権限を移譲したということになっているが、財政面などでは通達により関与するため、自分たちに直接関係する問題を自分の意思で決められない、財政の裏づけがないと絵にかいたもちになる、厳しい状況によって将来的には地方交付税率のアップが必要だという趣旨のお話がそれぞれ三名の方からありました。  私も山間部の地方自治体の首長の皆さんと懇談する機会がありましたが、やはり一番心配しておられるのは、介護保険制度などによってその受け皿をどうつくっていくのか、特別養護老人ホームの建設だとかヘルパーさんの確保だとか、さらには地方の公共交通の整備ですね。こういう問題をいろいろ心配しておられたわけです。  ところが、今回の省庁再編の問題でいいますと、地方分権の問題が言われておりますが、同時に、財政構造改革によって、今後三年間、毎年一〇%補助金が削られるということにもなっているわけです。私は三名の皆さんのお話を伺いまして、こういう状況の中で果たしてうまくいくと見ておられるのかどうなのか、その辺のところを、同じ質問ですが、三名の方に伺いたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 うまくいくと見ているかどうかというようなことでございますけれども、これは何としてでもそういうことでうまくいくように配慮してもらわなければ困るということだと思います。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 今回の地方分権の問題に当たりましては、関与の是正とかあるいは権限の移譲等につきましてはある程度期待できるところもある感じを受けますが、財源の問題につきましては、先はどのような中央の財政構造改革の法律なり、そういうさなかでございまして、若干不透明で、かつこれから問題があるかな、そういった印象も受けてはおりますが、しかし先ほどの中央省庁の再編あるいは地方分権、一体のものでございまして、私どもも、受け皿づくりにつきましては十分心して取り組みたいと思っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 いろいろな問題がありますが、権限を移譲するということについて、先ほども申し上げましたけれども、難しい介護保険の問題が手がけていけるのならば大概のことはやれるというふうに私は思っております。  それで、介護保険の問題をまた中心にお話しするのでありますが、小さい町村で総合病院を持つわけにもまいりません。また人口が少なければ、特別養護老人ホームを自分のところで持ったところで能率的ではございません。そういうようなこともありますから、いろいろと広域的に連合してやるべき問題もあります。ですから、総合病院は一部事務組合でやる、老健施設もそれにくっつける、または、今度はその中の限られた部分については各町村が連携し共同して特別養護老人ホームをつくる、そういうようなことが現実に行われているわけでございまして、私は、やらせていただければできるというふうに思っております。そういう中で、何度も申し上げますが、財政的に自立てきる姿になっていなければ、それは絵にかいたもちになってしまうということでございます。  それからもう一つ、同じ自治体の中におきましても、過疎化が急で、若い定住者を急に多くしなければならないような政策を急いでやらなければならないところもあります。または離島のようなところもあります。そういうところもありますから、今の政策をぱたっと変えて、過疎債もないわ、離島振興法も御破算だというようなことでは、これは一時的に大きな混乱や地域社会の崩壊を早めるような結果も招くと思うので、今の政策とあわせ考えながら、じわじわと自立自存できる部分を多くしつつ、その中で権限もなるべく多く与えてもらう。中央や県が持っていなくてもいいような、例えて言うならば、害をなす鳥獣の問題等々につきましても、一々県の許可を仰がなければそれが始末できないというようなことでは困るので、そういうようなところからだんだんと権限を我々のところに回してもらってもできることでもございますし、そういうことによって自治意識も増していくと思います。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 ありがとうございました。  次に、今回の行政改革のそもそもの発端が、国の場合でいいますと、大体四百兆から五百兆の財政赤字があるというふうなことが行政改革の最終答申でも言われておりました。しかし、今回の大くくりの省庁再編によって、例えば国土交通省などについて言いますと、今まで国が進めてきた大規模な国家的なプロジェクトを進めていくという、こういうふうな内容にもなっているわけです。  私もせんだってこの問題で、この場で橋本首相ともいろいろ質問をやりましたが、政府の説明というのは、阪神・淡路大震災の教訓から複数の国土軸が必要だと。ですから、東京湾口道路だとか伊勢湾口道路だとか、さらには関門海峡道路だとか、そういう六つの巨大な橋などをつくっていくという、こういうふうな計画が今予定をされているわけです。  私が考えているのは、こういう大規模な公共事業をやることによって、やはり地方自治体の財政にいろいろな形で負担をかけるということがあると思うのです。ですから、財政の問題について言いますと、こういう地方に負担をかけるようなやり方ではなくて、もっと社会保障を充実するような、そういう公共事業の方向に切りかえていくことが大事だと私は思っております。  私が伺いたいのは、今、国の方も財政的には大変厳しい状況があります。同時に地方の財政も厳しい状況にあると思いますが、やはり地方財政で厳しい一番の原因は何だと分析をされているのか、お考えになっているのか、その辺をそれぞれ伺いたいと思います。

圓藤寿穂徳島県知事

○圓藤参考人 例えば徳島県で申し上げますと、予算規模が大体五千四百億円ぐらいということでございますけれども、平成九年度末には恐らく起債残高が六千億円ということで、年間の予算規模を上回るというようなことになると予想されるわけでございます。  そういうことで、県といたしましては、これからの起債の制限額といいますか限度額というもの、大体年間四百五十億円、これはいわゆる補正予算債とか財源対策債というような交付税措置が後でなされるものじゃなくて、一般の起債ということでございますけれども、そういったものにつきましては一定の制限を課すというようなことを考えていきたいというふうに思います。  これまでこのように財政が悪化した原因というのは、これはもちろん県において、明石海峡大橋が開通するということを目指していろいろな県土整備を行ってきた、そういったこともございましょうし、また政府においていろいろな補正予算、公共事業の促進、景気対策ということで補正予算も組まれた、そういったこともございましょう。いろいろなものが複合的に絡んでいるわけでございますけれども、福祉なのか公共事業なのかという問い自体が私は極めて、ナンセンスと言っては非常に語弊がありますけれども、これは県によって大分違うのじゃないかと思うのですね。私どものような社会資本整備が非常におくれておる、道路の整備率にいたしましても全国と比べまして二〇%以上も改良率がおくれておる、下水道に至っては下から二番目というような状況でございます。ですから、そういったこともきちっとやっていかなければいけないということでございますから、福祉か公共事業かなどというようなこと自体が、これはやはり、余りそれにお答えするというような立場にはないと思います。ただ、原因はそういうことだということを申し上げておきます。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 宮岡参考人、恐縮ですが、時間が限られておりますので、なるべく簡潔にお願いします。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 地方の行政にとりましては、今二つの大きな課題があると思っております。  一つは福祉、医療あるいは教育という人づくりの問題と、もう一つは地域の雇用なりあるいは基盤づくり、こういうことでございまして、福祉も大変重要ではございますが、福祉だけではなしに、それを支える地域の雇用だとかあるいは産業づくり、そういう両方が相まって、安心した活力のある地域づくりができる、こういうふうに思っております。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私は、今までの政府の施策、都道府県の施策によりまして、市町村が求めているハードの部分の整備というものは相当進んできているというふうに思います。これは皆様の御高配のたまものでありまして、厚くお礼申し上げますが、今後は、高齢化の問題、少子化の問題等々を考えますと、福祉の問題等々についてソフトの面で財政を投入していく、そういう面がふえてくるというふうに思います。  そういうことを考えますと、なるべく今後、国も地方も要領よく、まだハードの部分の整備が進んでいないところに重点的に投資を行っていただいて、その後、今後必要となってくるソフトの部分に対して財政力を投入する構えが整えられるように、お互いに心がけるべきであると思っております。

平賀高成日本共産党

○平賀委員 時間が来ましたから以上で終わります。ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、深田肇君の質疑に入ります。

深田肇社会民主党・市民連合

○深田委員 先生方、御苦労さまでございます。もうお昼もずっとたっていますから、私の方は、先輩、同僚議員の質問を聞いておりまして、冒頭先生方がお話しになった話との関連の中でもう大体物事をよく理解できましたから、基本的には、しゃべり残ったことがあればこの機会に、最後ですから、一言言っていただけばいいぐらいのつもりでおります。  そういうことを申し上げた上で、細かい御質問はもう要らないだろうと思っておりますが、せっかくの機会でございますから、社民党としては、憲法の精神に合う地方自治をしっかり守って、これをやるのが今の憲法を生活に生かすための一番大きな課題だと思っていますから、その点では先生方との間に大きな違いはないと思います。  そのことを申し上げた上で、本当ですと地方自治省ぐらいつくってもらいたいというので、今与党でありますから自民党さんに随分お願いをしたのでありますが、これはなかなかそういうふうにいかなかったという現状もあるようですけれども、そういう精神だけひとつこの機会に申し上げて、御理解いただいた上で、事務的なことを一つだけにいたします。  もう時間がありませんから、知事の方はいいことにして、市長会の方にちょっと伺いたいと思います。  与党の立場におりますし、いろいろなことがありますけれども、内容的にはどんどん少し注文をつけながらも、このいわゆる基本法は成立することになるだろうと思うのです。それで、でき上がる。でき上がることを前提として、市長会としては、これだけは困るのだよ、現在あなたが研究されて、ここだけはどうしてもまずいよというのがあれば、ひとつばっと言ってくれますか。なければもうそのまま行ってしまう、こういうふうになるだろうと思いますので、それが一つです。  あとは、大先輩、私、たまたま北関東ですから、群馬にお世話になっておるのですが、うれしい話をきょうずっと聞かせてもらいました。そういう民主主義の原点のような村づくりがあり、そこで住民がしっかりと、村長を中心にしてまさに憲法の具体化のようなものが行われているということについては、すばらしいことだなと伺いました。これまた、ひとつこの機会にこれだけつけ加えておこうというのがありましたらつけ加えていただけばいいのでありますが、私は、やはりどうもひっかかりますのは、もっともっと地方自治を強化しなければいかぬときに、これはもうこの前申し上げたのでありますが、こういう大官庁ができてくるという状況の中で、それで総務省の中に皆、これは巻き込まれると言ったらしかられたのでありますが、巻き込まれてしまう。一番肝心かなめの、一人一人の住民や国民の意識からすれば一番大切である地方自治がその中に吸い込まれる、巻き込まれる。まあ埋没という言葉の方がいいと思いますが、その点を大変危険視しておるわけでございまして、それに対してどうしたらいいのか。  これは通すのですから、通してはいけないとおっしゃっても、もう私どもは通すことになっておるわけですから、いくことになっていますから、どうしたらいいか。ここだけはしっかり深田、考えておけよということをひとつ村長の方からお言葉としていただければありがたいな、参考にしたいなと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

宮岡壽雄松江市長

○宮岡参考人 困るというよりも、やや不安という点につきましては、地方に関連する省庁が一省、それぞれおまとめいただきましたが、大変巨大になるという、それが果たしてうまくいけるものかどうか。また、私ども地方にとって、それがより地方分権に幸いするかどうか。先はどのようにぜひ地方分権、それから地方支局にいろいろな権限委譲をされるときに、二重の行政にならないような御配慮をいただきたい、かように思います。

黒澤丈夫群馬県上野村長

○黒澤参考人 私は、地方自治の問題につきましては、省庁の数を決めてしまっている中でああいう案をおつくりになったから、自治を担当するお役所ができないことになったのでありますが、地方自治を担当するお役所は、国政だけの問題じゃないのですよね。我々自治をやっている方の側も、そのお役所には我々の意見を持ち寄って合議し、それを国政に持っていって相談するお役所でもあると思うのです。一方的に国政がおやりになることだけではない。そういうことを考えるならば、一つ数の中からはみ出してもらって、自治を担当するお役所を置いていただけたらありがたいとお願い申し上げます。  もう一つ、地方分権を進める上において、何度も申し上げますが、財政の独立ができるように御配慮をいただきたい。これは何度でもですが、重ね重ねお願い申し上げます。

深田肇社会民主党・市民連合

○深田委員 もうこれでいいと思いますけれども……(発言する者あり)いいと言っていますから終わりたいと思いますが、ちょっと最近、中央の政治の乱れがどこまで響いたかわかりませんが、首長さんのところへどんどんといろいろなことが出ていくようになりましたね。これは末期の状況だから一番末端まで行ったというのか、それとも今まで積み重なったのかということで、大変心配事であることを申し上げておきたいと思います。  いま一つは、もうお答えいただかなくていいのでありますが、私の埼玉県などは、いろいろな諸要件について住民投票を提起いたしまして、いわゆるルール上からいえば数倍の署名を持って届けを出したのでありますが、ある町議会の方では、町長の音頭によって、住民投票制をやらないということをわざわざ多数決で決めてしまって、そうなるとこれはもうリコールをやるしかない、こういうことまで起きてくるわけです。やはりその点は、地方自治の精神が住民の中にしっかり定着しつつあるわけですから、議会筋はきょうお見えではありませんけれども、議会筋の方も積極的に地方自治のあり方等々、特に住民本位の政治をやるためにいかにあるべきか、民主主義の原点だと思いますので、そういったことも一言申し上げて、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。  参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十三分休憩      ――――◇―――――     午後三時十九分開議

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午後は、行政改革会議事務局長水野清君に御出席をいただいております。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤忠治君。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。  水野先生には、大変御多用の中を、貴重なお時間を割いていただきまして御出席をいただきました。ありがとうございます。心からお礼を申し上げます。  行革会議が府令のもとに設置をされまして、いわば総理の特命という格好で事務局長の任に当たられたわけでございまして、一年間その作業に当たってこられた先生でございますが、極めて大変な御苦労があった、このようにお察しをしているわけでございます。  私の持ち時間は限られておりますが、これまで当委員会では、基本法案の審議を随分時間をかけて今日までやってまいりました。ところが、どうもかみ合わない部分も多うございまして、お互いにすれ違うというのでしょうか、そういう場面が少なからずございます。きょうは、事務局長をなさいました先生に、せっかくの機会、お越しをいただきましたので、私どもの気持ちとしましては、行間を埋める、にじみ出るような、そういうお話を例えれば非常にありがたいし、これからの審議が随分と充実したものになっていくのではなかろうか、こういう期待を込めまして、時間は限られておりますが、質問をさせていただきます。  まず第一点でございますが、基本法ができ上がりまして法案として今審議しておりますが、行革会議一連の議論、まとめ作業に携わってこられました先生としまして、この法案をどのように評価をなさっているのか、その点、お伺いをしたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 まず最初にお礼を申し上げますが、この行政改革特別委員会におかれまして、政府がお願いをしております基本法につきまして大変御熱心に、また、国会におきましては重要法案がたくさんありますのに、この委員会に時間を割いて御審議を賜りまして、大変心から感謝を申し上げております。  なかなか行政改革の問題というのは複雑多岐でございましたが、委員から今お話がございましたように、点数をつけろということで、これはよく地方でも言われますが、つくった自分で点数をつけるということは非常に難しい気持ちでございます。私は、いろいろな情勢からいえば、百二十点とも言えるし、六十点とも言える、こういう内容だと思っております。  あえて言わせていただければ、今までの臨調その他で、国土三庁の合併問題というのが出ております。御承知のとおり、国土庁と北海道開発庁と沖縄開発庁の三庁を統合するという案が出ましたが、全くそれは案で終わってしまいまして、法案にもならなかったわけでございます。  一昨年、総選挙の後の衆議院の本会議で、総理が省庁を約半減したいという提案をなさいました。私は自民党の一昨年の総選挙の公約もつくってまいりましたので、みずからそうではあるがと思いましたが、大変大きな冒険だし、各省がどういう態度で出るだろうかということを非常に危惧をしておったわけでございます。  先ほど申し上げましたように、たった三庁の合同でさえも実は手がつかなかったのに、全部の省庁に手をつけるということが果たしてできるか、こう思ったのでございますが、行政改革というのは不思議なものでございまして、各省は、自分のところだけでないと割合に文句を言わない。  かつて佐藤内閣で、一局削減というのがございました。各省が一局ずつ削減をしてやった行政改革でございますが、ああいう手法がいいのかなと思っておったわけでございますが、総理がそういう方針を出されましたので、私どもは、全部ガラガラポンだと。俗な言葉で申し上げれば、ガラガラポンにして新しい役所をつくろう。当初は一府十二省という形ではございませんでしたけれども、およそ半分ということであったわけでございます。その過程において、司法、警察、外交、財政、防衛、この五つは最初から合併の対象にしない、こういうことでございましたが、そのほかはすべて対象にするということで臨んだことも御承知のとおりだと思います。  その過程におきまして、大変抵抗があると思ったのでございますが、一府十二省にまとめます過程において、いろいろな行き来はありましたけれども、総じて、各省は割合に半分にするということについては大きな抵抗がなかった。私にとっては非常に不思議なぐらいだと思いまして、かつて佐藤内閣がやった各省の一局削減というあの手法がやはりどの行革でも通用するのかな、こう思ったわけでございます。  しかし、現実にやってまいりますと、いろいろな問題があったことは御承知のとおりでございますが、ともかくこの基本法はまだ一種のスケジュール法でございまして、役所と役所の間の縄張りといいますか、権限争いみたいなものはまだ出てこない。役所と役所の間隔が、国境で言えばかなり離れている。一センチもすきがないというのはこれからのことだと思いますが、そういう状態でございまして、私は全体を動かしたということではよくできたかな、こう思っております。  さらに、全体を、二つを一つにした、いろいろな役所がございますが、その中で大きな役所をつくった、これが世間の御批判を受けておりますが、それは私は当たらない、こう思っております。何となれば、今度の省庁の統廃合の中では、政策立案と実施部門を分離するというのが基本理念でございます。実施部門をなるべく外に出せばそんな大きな役所にならない。  これはほんの試算でございますが、これは行革会議の席ではございませんが、かつて自民党で首都機能の移転ということをやってみたわけでございますが、極限までいきますと、政策立案の官庁のお役人は三万ぐらいで済む。ですから、三万人のお役人を連れてどこかの新しい首都に引っ越すということならば可能だ、こういうふうにも思っているわけでございまして、政策立案と実施機能を完全に分離する、各省をそういう考えで全部切っていくということは、これは七月以降の問題だと思いますが、果たしてできるかどうか。これこそ大変だと思いますが、そういう思想でこの一府十二省をつくったわけでございます。  例えば国土交通省の中にあります公共事業の配分とかいろいろな問題がございますが、これは地方支分部局、東北地方でいいますと東北国土局と申しますか、そういうような仮の名前がまだついておりませんが、そういったものに予算の要求権、一括請求権も与える、こういったふうにやっていきますと、国土交通省は非常に大きな役所と見られておりますが、かなり小さくなっていくのではないか、私はこう思っているわけでございます。  点数で言えば、ずうずうしく言えば、私は百二十点かな。しかし、マスコミの皆さんからよく言われますが、辛く見れば六十点かもしれぬな。しかし、すべてこれからであるというふうに存じております。  少し長い話になって失礼いたしました。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 ありがとうございます。実際に携わってこられましたお話だけに、私たちが審議の中では聞けない部分も多うございまして非常に勉強させられるわけでございます。  それに関連をして次にお聞きしたいのですが、政策部門と実施部門の役割分担、思い切ってこれにメスを入れていくということを中心にお話がございました。つまり国の役割分担を、これは総理答弁でも明らかにされておりますが、限定的なものにしたい、こういうことでございます。  私たちもそのことを一連の行革では強く求めているわけでございますが、抽象論では言われるのですが、じゃその基本法案の中に読み取れるものがあるのかということについては、抽象的な表現はございますが、じゃこれからどのようにそれを具体化するかというところの議論まではまだ行っておりません。まだ議論は残っておりますけれども、その点について、一連の議論の中でどのように議論が闘わされたのか、先生御自身のお考えはどのように具体的なイメージをお持ちなのか、お聞かせいただければありがたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 先生御承知のとおり、この三年来、行政機構の中でいろいろな事件がございました。例えば厚生省の業務局の事件もそうでございますし、大蔵省の銀行局、証券局もそうでございますが、いずれも、今までは政策立案もやるし、検査もやるし、業者行政もやる、こういうような仕組みになっておったことは御承知のとおりであります。  あの教訓をもとにしまして、例えば業務局も行革に先立って改革をされましたし、大蔵省の銀行局も証券局もこの行革に先立って金融監督庁という役所ができたわけでございますが、大体日本の行政は、主として消費者の立場でなくて業者行政をやっている。これは今までは、高度成長の時代はそれで間に合ったかもしれませんが、やはり業者行政だけをやっておっていい時代ではない。こういう観点から、先ほど申し上げた政策立案と実施機能を分けたわけでございます。  そこで、実施機能を分けるといっても、なかなかこれは分け方に問題がございますし、総理も答弁をしておられますが、お役所の人員削減の問題とも絡んで、どうしても現業の方には外に出ていただこう、要するに本省の外に出ていただこう、こういうような思想で始めたわけでございます。  それが独立行政法人でございまして、御承知のとおり、もとはイギリスのエージェンシーの視察などをしてきて始めたわけでございますが、イギリスのものとは違いまして、日本のものはいろいろな法制度を整備しなくちゃいけない。今回の基本法が通りましたら、多分独立行政法人法という法律自身が次のステップで国会の御審議をいただくようになるのだと思いますが、そういう観点であったわけでございます。  そこで、独立行政法人の対象として何と何があるか。これは審議の過程の話でございますからお許しをいただきたいと思いますが、いろいろな各省の現業的なものを羅列してみたわけでございます。また、各省のお役所ともある程度ディスカッションをしまして、幾つかのお役所からは、大勢がそうなら、先ほどの話じゃございませんが、よその省でも出すならうちでも出します、よそが一つ出すならうちも一つ出します、こういうようなお話がありまして、かなりの目星をつけたわけでございますが、最終的にはそれは表は除外をして、ですから最終報告には表がついておりますが、法案には表がついておりません。そういう関係でやったわけでございます。  具体的な事例につきましては、ほんの下話をしたわけでございますから国会の席でもございますからお許しをいただきたいと思うわけでございます。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 独立行政法人のお話が出ましたので、このことに関連してお聞きをしたいと思います。  独立行政法人を初めて今回の基本法案で採用していくわけですが、市場原理を導入する、言うならば民間の企業会計を導入する、仕事のやり方もそれに対応してフレキシブルなものにしていってやる気を出させるということなんですが、トータルで聞きますと、身分は国家公務員の身分もあればそうでないところもあればということで、どうもすっきりしないのです。もう少し切り込んで、外部に出すというのであれば、そこに企業性を持たせたような組織にして、身分の扱いも本当にやる気が出るような体制に整備した方がいいのではないか、こんな印象を強く持っております。もちろん、これもこれからの議論で詰めなければいけないと思っておりますが、大変失礼な言い方ですが、中途半端じゃないか、こう思わざるを得ないのです。  それで、独立行政法人に対する一つの考え方というのがこれは敷衍していまして、例えば郵政事業庁も私、そんな気がするのです。どうも思想的にはつながっていまして、こちらも不十分。特に郵政事業庁の場合は、政治的な判断というのがその中にかなり入ったと思いますから、理論的にはつじつまの合わないようなことになっているのではないかな、こう思わざるを得ないのです。  先生がおっしゃるように、言うならば役割分担で、中央政府の政策の部分は、極端に言えば、今例に言われましたように例えば三万人ぐらいでいけるんだというぐらい絞れると思うのですね。そうしたら、あとはどのようにやるかということになれば、これはアウトソーシングの一つの形態だろうと思いますが、そこに求めていくのは、やはり市場原理の導入を思い切ってやらないことには、その意図が結局成果として生かされていかないのではないのか、このように思えてならないのですが、その点については、ちょっと私の聞き方がまずいでしょうか、御理解いただければその点についてのお考えを聞かせていただきたい、このように思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 実は、独立行政法人の問題でございますが、日本の国は実に法治主義の、非常に法で縦横に厳重に規制をしてやるやり方でございますし、イギリスの場合は、慣行法みたいなもので割合に法律の現実を無視してやっております。ですから、イギリスに行って見てまいりまして、実は、余り法制度でこれをやるのはなかなか難しいと思ったわけでございます。それは御承知のとおりだと思います。  そごで、まず最初に行革会議に提案をいたしましたときには、これは資料もございますが、まず独立行政法人で外に出てもらうわけでございます。ですから、民間の立場でやる、要するに非公務員型でやるという提案をしたわけでございます。  その中で、これも御承知だと思いますが、独立行政法人というのは予算の運用を非常に柔軟にしていこう。ですから、年度内に金を使ってしまわなくてもいい、金を余せば翌年度に回してもいい、節約をすれば、その分だけ翌年度に使うなり、またメリットを考えよう。あるいは定数につきましても、定数に縛られて仕事をしないでいいじゃないか、民間の株式会社と同じような運用をしよう、こういうわけでこの案をつくって提案をしたわけでございます。  実は、これは予算の単年度主義というのがあることは御承知のとおりです。ですから、この予算の単年度主義との問題で、果たして内閣の法制局の理解を得られるかどうか、非常に心配をしたわけでございますが、独立行政法人という概念についてようやく両者の理解が得られまして、そういう制度設計をして出したわけでございます。  それから、御承知のとおり、おおむねやっていったわけでございますが、三現業の場合、必ずしも郵政事業だけではなくて、造幣、印刷もそうでございますが、三現業の場合については、どうしても最後まで公務員でなくては嫌だということが一つ出てまいりました。それと同時に、公務員であるのだが、最終的には、この最終報告にも八十ページにその点が非常によく書かれておりまして、一般の独立行政法人と新型の公社というものが比較ができておりますが、私は、結論としてはそんな大きな違いはないな、運用上の違いはないなと。ただ、国家公務員の型でいくのかどうか、こういうことでございました。最終報告をつくるころになりまして、やはり公務員型と非公務員型と二つをつくる以外はないということで、これを二つつくったわけでございます。  ところが、さっきの三現業におかれましては、独立行政法人という名前が嫌だ、そういう名前を聞くのも嫌だ、こういうようなお話。多分、この独立行政法人というのは、公務員型でつくってもその次にいずれ民営化の道があるのだろう、それを伏せてそういうふうに持ってきているのだろうという疑いを持っておられたと思うのですが、どうしても困るということでありまして、そこで、これは実は行革会議の方でつくった案ではございませんで、与党三党でおつくりになった案でございますが、新型の公社、これは今の公社とは違いまして、お金の運用とかいろいろな面について非常に柔軟性のあるものでありまして、私はあえて、そういうことを言うとおしかりを受けるかもしれませんが、ライスカレーとカレーライスぐらいに違うのかな、こう思って善意に理解をしているわけでございます。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 自分のことを言うのはなんですが、私は国家公務員で就職しまして、それから公社で一人前になりまして、それから民間に移ったのです。ですから、この変遷を一人でずっと経験をさせていただきまして、その経験を通して見ましても、この一連の、今回の新たなこれは目玉、ある意味では目玉なんですよね。どうも一貫していないし、中途半端なんですね。本来、公社組織というのは、今回の事業庁ですか、それから新たな公社にいくのですか、私は思うのですが、事業に求められるもの、そこで成績が上がれば、労使関係のもとに労働条件なり待遇が決まるわけですね。これはやはり成果配分だと思うのですよ。それがやる気を起こさせるような、言うなら職員の向上、レベルアップだと思うのです。そういうものがやはり仕事の中身と表裏一体のものでかかわってくると思うのです。それでなければなかなか職場というのは動いていかないと思うのですね。そういうことを政府の方も求められているし、そのような仕事に変わっていってほしいというのはやはり利用者の願いでも私はあると思っているわけです。  ところが、今回のこれを見ますと、極めて中途半端というのか、いいところまで箱をつくっても、働く人が公務員だというのですね。これはある意味では非常に手足を縛るような格好になるのじゃないでしょうか。私はそう思っています。そのように疑問を投げかけますと、答弁で返ってくるのは、いやいや、これは従来になかった新たな仕組みなので、在来の既成の公社方式ということと比べると、うんと斬新で、言うならばこれが二十一世紀に望まれる経営形態のあり方だというような答弁が結構あるのですが、私はこれは矛盾していると思うのです。  そこはもう政治的な判断でこういう結論に落ちついたのだろうと思いますが、実際に二十一世紀を展望した場合に、よく言われますのは、これも恐らく議論になったと思いますが、郵便局というのは二万五千を超えるとかというので立派なネットワークですね。これはある意味では国の財産だと思いますよ。このネットワークを大事にして、二十一世紀の社会変化に適合できるようにこれをどう生かしていくかという観点をやはりもっと持ちたいなと私自身は思っているのです。  例えば、過疎化がどんどん進みますね。そうしますと、モータリゼーション、それから少子化、そして高齢者の皆さんがどうしても地域社会に住まわれる。行動範囲が、足回りがなくなればどうしたって不便になりますよね。  それで、これはスイスの例ですが、私はスイスに行かせていただいて、実際にスイスの郵政公社というのですか、見学させていただきました。歴史的にそうなんですが、あそこも山国でして、今では立派な黄色のバスが各村々を、これは郵便局のバスなんですよ、走っています。これは日本に置きかえますと、私鉄なんかのバスですよね。これは東京のバスに例えてもいいのですが、立派なバスが走っていて、そのバスは普通のバスのように走っていますが、そのバスに郵袋を載っけて郵便を運んでいるわけですね。これは歴史がございまして、社会がどんどんと発展をして今日はこういう立派なバスになったというので喜んでいましたが、そのように地域の足も同時に守っているのです。ですから、このバスを抜きにして村の生活は成り立たないということになっていました。  日本の場合も、やはりネットワークという点に着目をしていけば、一方では、バス会社は空気ばかり運んでいて、補助金は余りもらえないからどうしてくれるんだというので、随分これは問題になっているじゃないですか。県に言っても県は余りくれないというので。ところが、それは社会政策の面もあわせて、それこそ総合的に今のネットワークを生かし、再生をさせ、二十一世紀の社会変化に役立っていけるように、私は、これを発展させていくという発想が求められているのじゃないかと思っているのです。  そういう視点からいいますと、いかにもお役所のかいた絵であり、政治的に出された結論なのかな、まさしくこれは惜しいなと思いますね。ネットワークは縮んでしまいますよね。だから、広げていくようなことがどうしてこの議論になかったのかな、こう私は思うのですが、そういう議論というのはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 そういう、特に郵便局のネットワークをどう生かすかという議論は大変盛んにさせていただきました。  私は、今先生のお話の前半の話でございます が、行革会議に全電通の方、たばこの労働組合の方々にもおいでいただいて、民営化することのメリットという話も聞かせていただきました。あるいはその独立行政法人については非常に否定的な、先ほどの郵政省の全逓、全郵政の方々、あるいは全林野、それから造幣、印刷の組合の委員長さん方にもおいでいただいてお話を聞きましたけれども、公社の方々はどうしても国営でなくちゃだめだということをおっしゃっておられました。  ただ、私は、一般的な問題として話を戻しますと、今、郵政省の特に郵便は民間企業と物すごい競争をしておりまして、外国へ行ったら結構民間企業以上の、外国もいろいろありますけれども、少なくともラテン系の国や中南米なんかへ行きましたら、とても民間企業以上の大変能率的な仕事をしておられる、私はこう思っておるわけでございます。  行革会議の中でも議論がありましたのは、むしろ事業そのものよりは、御承知のとおり郵便貯金や簡易保険のお金が財政投融資資金に入って、そこから先特殊法人にそれが配分されて、それがどうなっているかという問題からいろいろな議論が展開されたわけでございまして、その中で、これは郵政省も同意をされて、少なくとも郵貯、簡保の財投への預託は、今法律的に決められておりますが、しないということに落ちついたわけでございます。  ですから、これは私は大きな収穫であったと思っておりますし、もう一遍申し上げますと、新型の公社でございますが、今の郵政三事業でも大変能率的にやっておられます。新型の公社になれば、特に会計法が今の単年度主義から変わりますから、もっと能率的になって、先生のお話のようなことは多分ないのじゃないか。これはそうしてみなければわかりませんが、私は、そういう御懸念は極めて少ないのじゃないかというふうに希望的に思っております。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 これとも関連するのですが、中間報告では、行政委員会方式ですね、これが通信・放送ですか、この分野で行政委員会が中間報告で出まして、最終報告で消えたのですね。この行政委員会というものをどのように位置づけられて議論がなされたのか、最終報告ではなぜ消えたのかなという点についてお聞かせをいただきたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 中間報告で出ました行政委員会方式は、電波の割り当てについて、これはアメリカでやっておりますFCCの組織を頭の中に描きながらっくったわけでございますけれども、大変評判が悪うございまして、結局これは引っ込めたわけでございます。  そうなりますと、結局は今あります電気通信・放送の事業というものは今のままでやるしかないかな。ただ、電気通信にしましても、これは一種の手段でございますから、やはり普遍的な意味で各省が利用する一つの手段だと私ども思っております。電話もそうでございます。そういう形で総務省に置いた、こういう経過でございます。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 これに関連をするのですが、もう先生は歴史も御承知だと思うのですけれども、この通産とある意味では共管みたいなものですが、情報産業振興という意味で通産が持ちまして、それから電気通信という分野は郵政省が持つというふうに分かれているわけですね。私も、これは十五年も前から、行革がこういう格好に進む前の話ですが、これからは情報化社会ですから、情報通信の世界ですから、これは情報通信省というものにむしろつくりかえて一元的な国の政策というものをやるべきじゃないのかということを強く主張してきたのですが、ここに来まして、もっともとから行政改革は変えていかなければいかぬということですので、トーンがかなり違ったと思いますね。  ところが、今回はいい機会ですから、情報化が進む中での我が国の一元的な政策をつかさどるところをやはり行政改革という中できちっと縛るべきだというか、置くべきだと私は思っているわけですが、従来型の、権益を守るような格好でお互いばらばらでやっていくというのは、どうもこれはよくないと私は思っているわけですよ。  行政委員会の機能の問題は、おっしゃいますようにいろいろな議論があると思います。しかし、行政委員会という、我が国にとってはかってなかったような一つの組織をつくってやっていこうという試みは私は高く評価したいと思いますし、私たち自身としてもそのことはそうやるべきだと思っている一人でございまして、党としてはそういう要求をこれからも主張したいと思っておりますが、もう一つ、今申し上げましたように、なぜ通産と郵政が分けて持たなければいかぬのか。これは一元的にやはり政策の統一指導というものはこの際やるべきじゃないのかな、こう思うのですが、そのことについてどうお考えでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 御承知のように、電気通信というのは、先ほど申し上げましたように、一つの手段でございます。その手段をどうするかということでありまして、結局、いろいろな議論がございましたけれども、最終的には総務省に置こう、今まで郵政省というのは、郵政省の方には失礼ですが、どちらかというと多くのお役所の中で現業官庁、こういう感じで、割合に隅の方に置かれておりましたけれども、それじゃ総務省に持ってきて、各省が利用できるような電気通信事業といいますか、電気通信行政というものにしていく必要があるのではないか、こういうふうに考えたわけでございます。  郵政事業庁の話はまた別でございますけれども、いずれにしても、そのために今の通産省、経済産業省の持っている通信産業の方でございますね、産業の方まで入れますと、これは入れるのも一つの考え方でございますが、どちらかといえばそれは各省でやる仕事である、こういうふうに理解をしたわけでございます。  例えば、国土交通省にも通信事業を利用するいろいろな仕事というものが出てくるわけでございますから、交通管制みたいなものもございますし、交通情報とか、今も高速道路で渋滞なんかを表示しておりますけれども、一昔前までは考えられなかったような交通情報というものが非常に国民生活に必要になってまいります。  同時に、私は、今の通産省がやっております通信産業というようなものもこれから大きく発展をすると思いますし、通産省とだけ合併して、さあそこでうまく発展をするのかな、別の役所に問題が発生しないかという懸念から、今のとおりにして、そのかわり総務省に持ってきて、一つの手段でありますから、各省がこの手段を利用しやすいようにしていったらどうか、こういう制度設計をしたわけでございます。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 最後になりますが、先生おっしゃいましたように、まず今回のこの省庁再編というのは、中央政府の、言うならば大くくりにして半分にする、もちろん内閣機能の強化というのは一番中心に据わっていますわね。まずそれなんだと。地方分権というのは我々は一体的にとらえますが、このことがどうしても行革会議の議論としては薄かった。それは次の段階に、すべては二段階論のような格好で行革会議の議論というのは運ばれたような気がしてならぬわけですが、失礼な言い方になるかもわかりませんが、そんな印象を持つのです。  本来、行政改革といいますのは、もちろん国の役割というのは、これをどう求めるかということは、まさしく地方分権と一体でありますし、国全体の行政組織のあり方をどうイメージするかということにかかわると思うのです。私らとしては、菅さんがよく言いますように分権連邦型、一方では統治型行政という、その議論はまた空中戦になるから横に置くとしましても、やはりこれからは、住民に直接接する地方自治体の行政サービスが一番基本に据わっていって、そこで行政に対する利便さや信頼も回復をする、もちろん中央政府の役割はある、だから、お互いにこれは分権というのですか、自立というのですか、言うならば対等な関係で国づくりをやっていこう、こういうことだろうと思うのですね。  ところが、議論の経過を読ませていただきますと、どうも地方分権が後追いの格好でこれからやっていくことになりますが、この点について、先生としては、かなり気持ちを使われていたと思うのですね。これでいいのかなというような疑問があったのではないかと思うのですが、その辺はどうでございますか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 ちょっと先生にこれを差し上げて説明させていただきます。その図で、後でコピーして委員部で先生方に配付していただきたいと思います。  それでごらんになるとおり、この行革の話といいますのは、細川内閣以来始まったわけでございまして、最初は規制緩和が中心であった、御承知のとおりであります。そこで、行政改革委員会というものができまして、これは昨年の十二月に時限立法で消滅をいたしましたけれども、そこで情報公開の小委員会ができたり、それから規制緩和の小委員会ができたりしてやってきたわけでございます。  それで、同時に、これは村山内閣のときでございますが、地方分権推進委員会というものができまして、これはまだあと存続の期間が二年ございます。御承知のとおり、諸井虔さんが委員長で、そういう小委員会をつくってやっておられます。同じことを議論をしましても、与えられた時間がございます。行革会議におきましてはおよそ一年で成案をつくる。一年は長いというおしかりも大分あるようでありますが、一年というのは瞬く間に過ぎるほど短い時間でございまして、一年間でやるには、地方分権は諸井さんの方にお願いをする、そのかわり諸井さんに行革会議のメンバーに入っていただいて、こっちの様子も見ながら進行させていただく、こういう話になったわけでございます。  そこで、地方分権の話は、おっしゃるとおり、進行状態を私どもは気にはしておりましたけれども、行革会議としては正式に議題としてはいたさなかった、規制緩和の問題も議題としては扱わなかった、こういうわけでございます。そのほか、よくある議論でございますが、省庁の組織いじりだけして財政の方がお留守だったじゃないかというおしかりもありますが、これはまた後ほどやらせていただきますが、それぞれ手分けをして、そういうふうに分けてきたわけでございます。

伊藤忠治民主党

○伊藤(忠)委員 時間が参りましたので私は終わらせていただきますが、また機会を得ましたならばお聞かせをいただきたい、こう思っております。ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、倉田栄喜君の質疑に入ります。

倉田栄喜平和・改革

○倉田委員 平和・改革の倉田でございます。  水野行政改革会議事務局長にはこの法案の取りまとめに至るまで大変大きな御苦労をいただいたのではないのか、このように新聞報道等々を見る限り推察をいたしております。  そこで、きょうは率直に、局長のこの中央省庁等改革基本法案について思っておられることをお伺いできればと思うわけでございますけれども、先ほどのお答えの中で、自分で評価をすれば、百二十点の部分と、辛く見れば六十点の部分、こういうふうなお話でございました。確かに、省庁全体を一府十二省庁ということで、大きく動かすという意味ではなかなかこれは大変な事業だったのだろうな、まさに局長がおっしゃるとおりなのだろう、こう思います。  そこで、私がぜひ局長にお聞きをいたしたいのは、省庁再編基本法案ができました、それで、これはいわばスケジュール法であって、まだ今後その権限等の問題でいろいろ問題が、これからが大変な作業なのではないのか、こういうふうなお答えでありましたけれども、まさにその点、これが成立をして、そして実際に行政改革として国民が求めるもの、その中身、まさに総理が言われる火だるまになっても実現しようとされるその中身が問題であるとすれば、さっき言われた六十点あるかどうか、あるいは、局長が言われる六十点だとしても残りの四十点の部分、これが私は問題なのだろう、こう思うわけです。  そこで、評価ということは局長からお答えをいただいたわけでございますので、局長自身が、この法案が持っているこれからの課題、そして、先ほど権限のこともいろいろお話がありましたけれども、これからこういうことが問題になるのではないのか、だからこのことは少なくとも注意をしなければならない、そういう課題的なこと、それをまずお尋ねをしたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 一つの問題は、やはり各省の任務の問題でございます。これはこの法案の六十三ページにございますが、例えば総務省はどんなことをするか、主な任務というのが書いてあります。しかし、どこにも書いていない問題がたくさんありますし、非常に類似の問題がたくさんあるわけでございます。それは、どちらかといえば経済産業省であるとか国土交通省、農林水産省あたりに問題点が集中しているのかな、こう思います。それをあえて私どもは深くは追わなかったわけでございます。  例えば国土交通省の主な仕事を申し上げますと、「国土計画、都市整備、住宅・土地、治水・水利、公共施設整備・管理」、これは道路、鉄道、空港、港湾の管理でございます。それから「北海道開発、運輸事業、運輸安全、海上保安、気象、観光等」まで書いてありますが、「等」と書いてあるのです。この「等」に入るものが非常に多い。  そして、それは各省の実はかぶさるような問題が非常に多いわけでございまして、例えば観光の問題でも、これは農水省でも似たような仕事をやっておりますし、ほかのお役所でも、文部省にも似たようなお仕事があるわけであります。それをどこをどう整理するかということが多分新しい設置法の中で出てくるのであろう、こう思うわけでございます。これは多分、非常に簡単に考えておりますが、非常な難事業になるだろうと思います。相当専門的な法律の知識がないとなかなかこれはできない、とても私などではできない話だな、こう思っております。それが一つであります。  それから、先ほど申し上げましたが、やはり、独立行政法人の対象をどことどことどこにするか、どの範囲まで持っていくか、これは大きなことでありまして、独立行政法人の組織が余りできなければ、これは中央省庁、一府十二省は大変大きな役所になってしまう、権限が集中してしまうわけでございます。独立行政法人というものを各省が進んでやっていただくようにしなくちゃいけない。そのためには、逆に、私は、独立行政法人という制度を相当幅のある、先ほどは、公務員型もあるし非公務員型もあるじゃないか、何だかのっぺらぼうじゃないか、つかみようがないというようなおしかりを受けましたが、私は、これからの制度設計だなと思っているわけでございます。その二つが非常に大きな問題かなと思っております。

倉田栄喜平和・改革

○倉田委員 今、局長の、まさにこれから出るであろう設置法の中身、これが一つの大きな問題であろうと。それは、今行政が一つの縦割りということになっている中で、そのさまざまな弊害が出ている、先ほども指摘がありましたけれども、同じような仕事を違う役所でやっている、それを水平的に、機能的に組み直さなければいけないのではないのか、こういう指摘があるわけですね。今回の基本法案の中身はまだこれからのことだ、それができなければ、局長がおっしゃっておられるように、四十点の分あるいはそれ以上の分が点数としてつかないのではないのか、こういうふうに思うわけでありまして、そこがまさに行政をある意味では簡素効率的にするという大きなポイントなのではないか、こう思うわけです。  そこで、それに関連をしていきますけれども、先ほど局長の方からは、行政改革会議の最初の仕事としては、いわゆる地方分権の話も規制緩和の話も最初に役割としてあった仕事ではないのだと。だから、どうしても、私どもが新聞報道で見ている限りは、本当にこの話どうなっているのだろうなというじくじたるような、歯がゆいようなところがあった。  そこで、確かに、そこを中心的に議論されてこられたのではなくて、現在ある省庁を州府十二省にするためにはどうしたらいいかということが議論の中心だったのだろうとは思うのですけれども、しかし、行政改革に求められたもの、あるいはさまざまな審議会で答申をされてきているものの中心は、やはりよく言われる官から民へという規制緩和の問題、中央から地方へという地方分権の問題、これが非常に大きな命題であると私は思っております。  行政改革に事務局長としてずっと取り組んでこられて、そして、まだまだこれからだ、こう今お答えになったわけでありますけれども、官から民という規制緩和の部分、中央から地方へという地方分権の部分、この問題については今から議論するとしても、局長としては、このことをやらなければならない、あるいはこのことには注意をしなければならない、そういう思いをお持ちだと思いますけれども、その点について御所見をお伺いできればと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 これは個人的な意見でよろしゅうございますか。(倉田委員「はい」と呼ぶ)行革会議の意見ではございませんから、それを念を押して申し上げますが、御承知のとおり、地方分権推進委員会では三次にわたって勧告を取りまとめられまして、閣議決定もして既に進んでおります。それは、今までおやりになったのは主に機関委任事務であります。機関委任事務というのは、御承知のとおり、中央の省庁の大臣も権限を持っているし、その一部を都道府県知事あるいは市町村に委任をするという形でやっておりますが、責任の所在がはっきりしない。うまくいくときは中央省庁で手柄を取り上げてしまって、うまくいかないときは地方の市町村に押しつける、こういうような現状が間々あるわけでございます。この面は、おおむね機関委任事務は私は整理をされたなと思っております。  次の問題は、やはり地方分権をやりますには受け皿が大事である、受け皿といいますのは、これは私の個人的な意見でございますが、市町村の合併ではないかと思います。  今、市町村に広域行政というのがございまして、例えば消防であるとかし尿処理とか、そういったものは一カ町村でやると非能率だというので、数カ町村で組織をつくって、議会もつくって運営をしておられます。それが今大体千ぐらいにまでなっているそうでございます。それを、単に部分的な合併ではなくて、町村合併をして、少なくとも、理想は、私は、今の小選挙区に近いぐらいの大きな自治体をつくって、そして人材も集め、財源の問題がこれからございますけれども、やっていかないと、本当の地方分権といいますか、地方自治の行政というのはうまくいかないのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。  むしろ、今の地方自治体は、人口が少なくて、よくそういうところがありますが、八割ぐらい中央からお金をいただいて大変幸福にやっているという自治体もあるわけですね。千名、二千名ぐらいの小さい自治体ですが、非常にうまくいっている。それはうまくいくわけで、中央からの補助金とか交付金とか、いろいろなものが来てやっているわけであります。ただ、そのやり方で果たしていいのかな。私は、やはり町村合併をして大きな自治体をつくっていく。  ただ、その過程においては大変道が険しいと思います。御承知のとおり、町村合併をやるには地方議会が賛成をしていただかなきゃいけない。その地方議会の方々は、どちらかといえば合併しない方がいい。市町村長さん方も合併をすればお一人になるわけでありますから、これもどうするか。いろいろなことがあって、調べてみますと、昭和二十九年のときに自治省が音頭をとってやった町村合併というのは大変大胆なことをやっておりまして、例えば議員さんの任期を、幾つかの市町村で合併をするときに、その中の議員さんの任期を一番遠いところへ持っていく、来年選挙の方も三年先まで任期を延ばしてやるよ、こういうようなやり方をしたり、それから交付税の配分も、合併をしてうまくいくようなところに交付税を傾斜的に渡すとか、いろいろなことを工夫しておられます。  私は、必ずしも理想だけでなくて、やや下世話な話ですけれども、そういうことも考えていかなければ町村合併は進まないのかな、これは個人的な意見でございますけれども、そういうふうに思って拝見をしているわけでございます。

倉田栄喜平和・改革

○倉田委員 今お答えがありましたように、地方分権の場合は受け皿がきちっとなければならない、受け皿をどうつくるか、なかなか町村合併というのも難しい話なのではないのか、確かにその点はそのとおりだと思いますが、一方で、今の中央政府が抱えている仕事がこれでいいのか、仕事を抱え過ぎているがゆえに、本来やらなければならないことが手薄になっているのではないのか、こういう指摘もあるわけですね。  同時に、地方分権推進委員会の議論の中でも、やはりどうしても組織というのは一度握った権限を手放すのは非常にためらいを感じる、手放したくはない。だから、地方分権の本来のあり方から考えてみても、本来からいえば、権限を移譲する、その受け皿がきちんとあることも前提なのでしょうけれども、現在の都道府県、市町村の権限に関しても思い切って権限を移譲してしまう、それが本来的な地方分権の私は姿なのだろうと思うのですが、しかし、なかなかそれでは、受け皿の問題もこれあり、あるいは権限を手放してしまうことのためらいがありということで、権限は残しておきながら一応やってみなさい、こういうふうにある程度委任をする、いわば関与縮小型というのでしょうか、関与を少なくしていく方向をとらざるを得なかったのではないのか。本来の地方分権からいえば、もっと権限を大胆に移譲すべきではないのか、こういう指摘があるわけでございますが、この点については局長はどうお考えになるかということが一点。  それから、先ほど規制緩和の部分、官から民へという部分を私はお伺いいたしました。その点について、これも局長御自身のお考えで結構でございますので、お考えをお聞きできればと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 前半のお話は、今政令都市というのがございます。大体百万前後になりますと、財政とかいろいろな、内容は検討されますけれども、県に相当するような政令都市というのが生まれてまいります。私は、あの基準をもっと下げれば一つの方向がまた出てくる。五十万前後でも、あるいは三十万ぐらいでも政令都市に準ずるようなことをして、地方には地方で県対市町村の一つの分権問題がありますから、県の干渉を余り受けないようにして、市町村が単独でやっていければいいようにしてやる、こういう問題はたくさんあると思います。  先ほどの話からちょっともとへ戻りますが、例えば文部省なんかは先んじて教育長の任命を、今までは文部大臣が都道府県の教育長を任命しておりましたが、これは都道府県自身がやるようになった、あるいは市町村の教育長も市町村でやるようになった、遅いといえば遅いかもしれませんが、そういうところも出てきたということでございます。  それから、先ほどの国土交通省の中にございますが、地方の公共事業、今でいえば建設省の地方建設局と運輸省の港湾局のようなものを合併をさせる、予算も一括請求をする。今は中央で予算の配分、市町村の配分までやっているところが多いわけですけれども、それを少なくともブロック局には配分権を与える、予算の一括請求をするわけですから当然配分権もそこに分散していくだろう、それをさらに都道府県に与えることができないだろうか、こういうような検討は若干行革会議 でもしたわけでございます。  規制緩和の問題でございますが、これは規制緩和の三カ年計画が終わって今新たな三カ年計画に入ったわけでございますが、非常に複雑多岐であります。よく一万一千件の規制があると言われておりまして、毎年毎年五百件、千件と規制を緩和するのですけれども、さっぱり減らない。どうも規制というのは、片方でまた規制をつくっている面もあるわけで、サリンの事件があればサリンをつくっちゃいかぬとか持って歩いちゃいかぬというのも規制の一つでありますから、そういうのもふえてくるわけでありますけれども、私は基本的には、各省各局の持っている、何といいますか、基本法に近いような、例えば今度の外為法の改正なんかは、これは大蔵省の国際金融局の持っている一つの骨組みであります。これ自身を規制緩和といいますか、改正しましたら、一挙に大きな規制緩和が発生するわけであります。そういうものを各省各局みんな持っております。そこに規制緩和の問題が届かなければ、本格的には規制緩和はできない。  私の知識の範囲で申し上げますと、例えば建設省の住宅局がやりました建築基準法の改正というのは、これは大改革であります。それから、大蔵省の国金局の外為法もそうでありますし、運輸省の、需給調整を、五年以内でありますけれども、廃止するというのも大改革でございます。あるいは労働省の、労働派遣業のネガティブリストを実現しようとしておりますが、これも私は大改革だと。やはりそういう大きな改革をしないと、各省は小骨を出してきて数だけ合わせるというのが毎年毎年の規制緩和のどうも悪しき慣例になっているように思いますので、これはもう絶えずこの問題を取り上げていくしかない。幸い、内閣で今新しい規制緩和委員会、今度は内閣の行政改革推進本部の下に置かれるわけでございます。それが近々発足するだろう、こう言われておるわけでございますが、そこに大いに期待をしているわけでございます。

倉田栄喜平和・改革

○倉田委員 その規制緩和の部分についても、官と民という二つのセクターがある中で、我が国の官と民のあり方そのものも、どこまでが官なのか、どこからが民なのか。つまり、官というのは、民に対しても非常に影響力、行政指導を持っているわけですね。だから、まさに官民一体としているような状況もあるわけです。  そうしますと、いわゆる行政ができることはどこまでなのか、本当に事前にやるべきことは何なのか。基本的には事後でチェックする形にならなければいけないんだと思うのですけれども、そういう一つ一つの行政が今持っている根拠法、権限を行使する根拠法、それから同時に、今盛んに言われている行政裁量についてどこまで根本的な見直しができるのか、そこもきちっとやらなければならないのではないのか、こう思います。そうでなければ、官から民に分けましたといっても、先ほどの独立行政法人みたいな形にしても、官なのか民なのか、一体どこで仕分けするのか。今行政の簡素効率化、費用対効果の問題で、より効率的にはどうしたらいいのかということになかなか切り込めないのではないのか、こう思います。  時間がもうなくなってまいりますので、最後に二点だけ。  私は、行政、そして官と民の関係についても、まさに先ほどお話がありましたけれども、やはり競争原理というのを特に行政の中においても導入していかなければならない。それが、一つの独立行政法人、英国のエージェンシーと我が国の独立行政法人の考え方がどうなのがということはこれからさらに議論が詰められるだろうと思いますけれども、一つのいわゆる行為というものに対する評価基準、評価というものがきちんと入り込まなければならないと思うのです。この仕事をするためにどれだけのお金、予算がかかったのか、あるいは民間でほかの部分でやらせたらどうなのか、そういう行政評価システムというのですか、そういうことも導入されなければならないと思いますので、この点について局長御自身はどうお考えなのかということが一点。  それから、私は、行政改革全般にわたって我が国の公務員制度を見たときに、これは一つは、先ほど民と官の一体的なことも申し上げましたけれども、雇用の問題が非常に大きくある。先ほど独立行政法人が公務員なのか公務員でないのかとかいう議論がありましたけれども、さまざまな形で、行政あるいは特殊法人あるいは独立行政法人、その周辺に関与する部分で、まさに大きな雇用の場でもあるのだと思うのですね。そこが公という形の中で非効率な部分が非常に大きく出ているのではないのか、それを切ってしまうと非常に大きな雇用の問題というのも発生をしてくる。この行政改革と雇用という問題について局長自身はどういうふうなお考えを持っておられるのか、このこともお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 最初に、評価の問題でございますが、これは今度の基本法にも書き込んでございます。  今の総務庁にあります行政管理局、これは新しくは総務省にできるわけでございます。それには、事前に評価をやる、こういうふうになっております。それから、大変大きな公共事業なんかの何カ年計画のようなものは、それ自体が経済財政諮問会議に、そこで議論をされた後に、財政とのつけ合わせをした後に実施に移る、そういう思想で書かれております。  評価の問題は、そういうわけで大変議論になってまいりました。最近は、公共事業のお役所でも評価機能ということをやっておりますが、自分のところでやったのではやはり点数が甘い。そこで、総務省の、行政管理局という名前が多分残るのだと思いますが、行政管理局というのは、今まで仕事のやった後を監督、検査をしているわけですけれども、そうでなくて、やる以前に、この事業はやっていいのかどうか、果たして経済採算性があるのかということを検討するように、こういうことを既に織り込んでございます。  それから、二番目の雇用の問題は、実は、総理大臣の演説にもございましたように、一人の生首も切らないと、西欧に言わせるとそんな手品はできない、こう言われましたが、私は、独立行政法人という制度の中にそういうものを含めて制度設計をした、こう思っております。  雇用の問題はなかなか大変でございますけれども、独立採算制をとれば、大体国家公務員でも年間一万前後は自然退職をするわけです。それを大体補充をしているわけです、半分ぐらい。これを補充して得なのか損なのかということは職場の人たちがわかっているわけです。今は予算制度でありますから、一人やめたら一人とらなきゃ損だ、こういう考え方になるわけです。私は、そういう考え方を持たないでいただければ、一人減ったら、この我々の会計の中で一人給料を払わないで済むわけですから、その分だけ自分たちのメリットになるような制度をつくれば、急激な問題としてはなかなか減らないと私は思いますが、漸減していくだろう。自然に減らした方が自分たちは得でございますから、独立行政法人ではそういう思想で制度設計をさせていただいた、こういうことでございます。

倉田栄喜平和・改革

○倉田委員 時間が参りましたので、以上で終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、中井洽君の質疑に入ります。

中井洽自由党

○中井委員 ごぶさたしております。きょうは、お忙しいところをありがとうございます。  実は、かつて新進党をつくりましたときに、私は第一回の行政改革担当大臣を新進党内でいたしまして、平成八年の参議院選挙に向かって、我が党の中央省庁の統廃合、特殊法人の統廃合案をまとめました。野党案でありましたが、中央省庁のいろいろな動きというのはすさまじいものでございまして、時にはばり雑言を浴びせられたこともございました。そんな経験を思い出しながら、大変御苦労いただいたのだろう、こうお察しを申し上げております。  そういう中で、私どもはその後も、中央省庁を含めた行政改革のあり方の論議をしてまいりました。また、総理みずから責任を持ってお取り組みになられたこの中央省庁の再編、ある意味では大変楽しみにもしておったわけでございます。しかし、今回こういう結論に立たれたのを見ますと、まことに残念な形になっておるなと思わざるを得ない、こう実感いたしております。そんな思いの中から、幾つか経過等お聞かせをいただきたいと考えております。  まず最初に、今回この基本法をつくって、それからいろいろな事務手続に入って二〇〇一年から、こういうことでございます。私どものつくりました法案は、いろいろ論議はあったのですが、まず政権をとったら十五にするんだ、それを先に大臣が兼務しちゃうんだ、そしてその中で法律をつくってもらうんだ、こういう手法をとりまして直ちに大臣を減らしてしまう、こういうことを訴えておりました。  法案を見ますと、大臣は十七から十五、こういう形になっております。そこへ特命の大臣等を入れられる。結局大臣の数も余り減らないのかなという思いを持ちながら、このやり方でいって二〇〇一年に本当に目に見えた行政改革というものができるのか。まあ、形だけ考えたときになかなか中身まで国民はわからない、そういう思いを抱かれるのじゃないか、こんなことを思いますが、いかがでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 これは先生からお話があったように、二〇〇一年の一月一日には新体制に入る、こういうことであります。それを逆算してまいりますと、この法案がこの国会で成立させていただければ、七月から直ちに次の準備のための事務局ができて、一府十二省の設置法とかそれに伴ういろいろな各種の法律の改正を考えるような段階になります。それを来年の通常国会には審議をお願いしなければならない、こういう手順になるわけでございます。来年の通常国会といいましても、恐らく予算が成立した後だと思います。  それで、来年の夏には概算要求をして、要するに一九九九年の十二月には予算編成に入って初めて二〇〇〇年の予算ができるわけでございますから、なかなか時間的にはないと思います、スケジュールからいえば。この法案が通って初めて、橋本総理の言葉をかりればベースキャンプができるだけの話でございますから、非常に時間的には追われている、私はそういうふうに思っております。  その中で、大きな役所をつくって大丈夫かいなというようなお話だと思います、あるいは閣僚の数をどのぐらい減らすのかというお話でございますが、閣僚の数は、最初は一府十二省、一府の府は総理と官房長官がそこにつくわけでありますから、総理も入れて十四人の各省の閣僚で押さえる。今二十人でございますから、六人がそこですき間ができる。  そのうち、例えば沖縄担当は特命相を置くというふうに既に巷間言われております。たしか総理も答弁でおっしゃったのじゃないでしょうか。どこかでおっしゃったように思います。あるいは、金融監督庁の担当大臣も置くような話が既に出ているわけであります。そうすると、三人ぐらい閣僚の数が減るのかな、こう思っております。  ただ、特命大臣というのは今までの特命大臣とは大変違うわけでありまして、非常に強力な調整権を持った特命大臣でございますから、そこはひとつ御理解をいただきたい、こう思っております。

中井洽自由党

○中井委員 私が申し上げたのは、逆に言えば、結局大臣が三人減るぐらいの改革でしかないのだろう。従来のあれからいけば大変な御苦労だということはよくわかりますが、今の日本の置かれた状況、あるいは国民全体にある行政改革に対する強い待望、熱望から見たら、三年もかけて結局大臣が三人しか減らないのか、こういうことになるのじゃないか。それなら、もっと早く橋本総理が総理の間に兼務されてでもおやりになる、そういう手法というのはあったのじゃないか。こういう問いかけをいたしたわけでございます。  同じように問いかけとして申し上げたいことは、大臣の数はそういうことでありますが、局の数とそれから課の数は、キャップ制みたいにどれぐらい減らすのだということは大体書いてある。しかし、公務員の数あるいは仕事量、こういったことについて書かれていない。あるいは通達、あるいは先ほどから議論がありました規制緩和、こういったことについても、検討するとか協議するとかいろいろなことは書かれておるけれども、具体的にどう減らすんだとかいうことが書かれていない。人数につきましても、十年で一〇%以上ということでありますが、これは純減じゃない、こういう御答弁でもございます。  そうしますと、簡素化、効率化、機動化、こう言われるけれども、一体どこが簡素になり機動的になり効率的になっているのだろうか、このことを思わざるを得ません。かなりの論議の中で局と課だけ数がかかった、減らす目標値ができた、あとはできていない、ここら辺のところはどういう論議がなされて、結果そういうふうになられたのか。お差し支えなかったらお教えをいただきたいと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 先ほど申し上げましたように、独立行政法人というものをつくって、政策立案部門と実施部門を分けて外に出てもらう。しかし、ただ出てもらうといいましても、なかなか出るのが嫌だという職場もありますし、いろいろな問題がありますが、そこで中から押し出す力をつくろう、こういうわけで、一つは一府十二省という、まず省の数を減らした。  それから次に、局の数を、今の国家行政組織法では百二十八の局になっておりますが、これを、九十まではいかないと思いますが、およそ頭の中で考えておりますのは九十に近い局まで減らそう。課の数も、約千二百ありますが、当面は千にする。その千をでき得れば九百まで持っていく。  そういうことでございまして、公務員の数はではどうするんだ。これは、これにも書いてございますが、約一割を削減する、こういうわけであります。これは総定員法の公務員を一割削減するということでありまして、さっきも話が出ましたが、郵政三事業の職員は、国家公務員ではありますけれども、いずれ郵政公社になります。そうすると、八十三万という総定員法の中から約三十万が切れる。残りの五十万から一割の五万を減らすというのは、今の行政組織で考えれば大変な話だ、私はこう思うわけでございます。  大臣の数を三人ぐらい減らしてもだめだという先生のお話でありますけれども、私は、大臣の数を減らすというのは確かに国民の受けはいい、何か大臣の数を半分にしたらキャッチフレーズとしてはいいと思いますが、これだけ行政が複雑多岐になってきております。大きな役所をつくりますが、例えばイギリスなんかも一つの役所で大臣が三人も四人もいるというのは、たしか御承知だと思いますが、そういうようなこともあり得るの一じゃないか、こういうふうに思っております。

中井洽自由党

○中井委員 公務員の数は八十万ですか。一水野説明員「八十三万」と呼ぶ)八十三万。百二十万というのは……(水野説明員「総定員法の中の……」と呼ぶ)総定員法の方ね。(水野説明員「そのほかに自衛隊や何かの」と呼ぶ)はい、承りました。  水野さんおっしゃいますが、総理以下、担当大臣も、郵政の法人化ということで、その人数を含めて大変な数だ、こうおっしゃるが、実際は、純減で考えたときに果たしてどうなんだろう。これから、例えば中部国際空港ができると人も要るとか、いろいろな増加する人数等を考えていきますと、二〇〇一年から十年間で一〇%という減は大した目標じゃないだろう、私どもはこういうふうに考えております。  生首を切らずにやる、私どもも、それはその手法しかないだろう、しかし、もっと思い切って仕事を減らす、あるいは採用をストップする、こういったことを含めて考えていくべきであると思っています。  私の小さな経験で恐縮ですが、私が三十四歳で初当選をしました直後に、郷里、人口六万の町が赤字再建団体に指定されました。このときに市役所と私どもで協議して、要するに六年間採用ゼロ、これだけで乗り切りました。職員組合初め少し反対もありましたが、実際は六年間採用ゼロにしても何ら労働的に過重という形にならなかったし、今もその減らしたままの人数で実はやれているわけでございます。  そういったことを考えると、私は、思い切ってもっと人数を減らすということをおやりになるべきであったのじゃないか、このことをあえて申し上げておきたい、このように思います。  それからもう一つ、郷里のことで申しわけありませんが、今、日本じゅうで一番行政改革に熱心な知事というのは三重県の北川知事でございます。さっき言いましたように、この四月一日からいろいろな改革をやりました。  その中で、本当に一番大事なことは、しょっちゅう議論の中でも私どもも注文をしているわけですが、県庁職員の意識改革なんですね。この行政改革で中央省庁の再編、目的はいろいろ書いてございますが、公務員の方々が本当にこの目的を十分認識して協力していくかどうか、このことが一番大事なことだ。どこでどうやって公務員の方々は、この基本法あるいはこれからの設置法の精神を学んでいくのだろう。  例えば、総理はたびたび、事前型のチェックから事後規制に行政の体質を変えていくのだ、こう言われる。しかし、本当に各省庁、キャリア組を含めて末端の人たちまで、そういう方向に変わるのか、こういったことを勉強されるのだろうか。この国会での質疑を聞きながら、これから設置法はいろいろとやっていく、こうおっしゃるが、いつも聞いておるのはあの三人ぐらいで、だれも中央省庁の人たちは国会の議論なんか聞いていない。  そうすると、結局、これから設置法の中で、従来型の役所のいろいろな駆け引きや、縦割りの業界指導型の行政の弊害が巧みに残された形での設置法というのが出てくる。国会は国会でもちろんチェックしますが、そういったところをきちっとやらないと、二十一世紀、機動的で効率的な行政、目的とされるようなことはなかなかできないのじゃないか。やってみたけれどもやはり一緒だったな、こういう結果だけ残るのじゃないかと心配をいたしていますが、その辺のところはどのようにお考えでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 私は、中井先生と同じ心配をしております。  これは、結局は、自由民主党がやっている橋本内閣の行政改革であるとかそういうことでなくて、国会全体が行政改革に長期的に取り組んでいただく。絶えず行政改革の問題というのは、次々といろいろな事件も起こりますから、出てまいりますから、それはそれなりに検討をして追求をしていただく。  やはり、今の省庁統廃合にしましても、ようやくこういう法案が、先生余り点数をよくおつけいただけないようでありますけれども、ともかくこういう法案がここへ出てきたということは、私は今までになかったことだと思います。  去年の今ごろ、あるいはおととしの今ごろ、こんな法案ができてきて、特に独立行政法人なんというような思想が法律になって国会の御審議で議論をしていただくというようなことはかって考えられなかったわけでありますから、私は、先生の御懸念というのは私どもも共通して持っておりますし、決して完全無欠だからこれをということではなくて、どうぞひとつ、それこそ御指導をいただいていいものをつくっていく、こういうふうにお考えいただけないかと思うわけでございます。

中井洽自由党

○中井委員 大変御丁寧にお答えを賜りましたが、中身にはお答えをいただいておりませんで、これからのやり方の中で、その八十万の公務員の方々に本当に徹底して二十一世紀の行政の仕組みのあり方ということを理解してもらってやっていく、新しいものをつくっていく、こういうシステムができておる、あるいはこれからできるのだ、このようにお考えでしょうか。準備できるとお思いでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 今、これは行政改革会議と並行して公務員制度調査会というのが既にやっております。これも約二年ないし三年かかって、あと二年ぐらいかかってやり遂げるわけでございますけれども、いろいろな事件が起こってもおりますし、私はそういうところで新たな命題も含めて検討をしていただきたいと思っているわけです。  行政改革会議では公務員制度の問題も二、三取り上げましたけれども、残念ながら全体としては取り上げる時間がなくてそちらにお願いをした、こういうわけであります。

中井洽自由党

○中井委員 冒頭申し上げました私どもの行革の中では、そういう定数の問題あるいは公務員の現行のシステムの改革の問題、あわせてこの法案としまして、二回にわたって十三本の法律で国会に出したのですが、二回とも審議もいただけずに否決されて、私どもは、実際はこういう時期に、時期は少しずれましたけれども、対比しながらの論議ができれば本当はよかったのだろうな、こういうことを痛感いたしております。  そういう意味で、この行革会議そのものは六月で終えられる。そうすると、後、どういう形で行革会議の方々は最終答申やらの方向をチェックされていくのか。国会は国会でいろいろなチェックの仕方があると思うのですが、行革会議そのものはこれでもう終わり、こういう形に考えてよろしゅうございますか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 行革会議の法律は時限立法でありますから、六月いっぱいで消滅をいたします。そうすると、七月以降は、この基本法に基づいて新しい出発をするわけでございますが、第三者機関をどうするかという御議論がたびたび出ておりますが、それについては、これは総理が何かお考えのようでありますけれども、まだ表面には出ていない。恐らく法律が制定された後方法を講じられるのだろうと私どもは期待をしております。

中井洽自由党

○中井委員 またそういう機会に水野先生の御活躍の場もあることを僕らは少し期待もいたしておりますが、一つだけ注文をつけておきたい。  僕は、前に一度どこかの委員会でちょっと申し上げたのですが、この行革会議の皆さん、極めて熱心に、短期間に御熱意ある御議論をいただいたと思います。しかし私は、この中にNHKの会長が入っておったのを大変残念に思っています。  私も逓信委員、長うございまして、放送行政の中立性、あるいはNHKの世界にも珍しい立場等を考えると、野党でこの法案に賛成するのはどこもないのですね。そういう結論をお出しになったところにNHK会長がおられる。NHK会長がおられるから、NHKが朝から晩まで行革会議のニュースを流す。それじゃ、反対のところも流してくれたらいいのだけれども、ちっとも流さない。こういうのは、僕は、NHKのやり方として少しおかしいと。それならば、行革で国民にとって一番わかりやすいのはNHKを民営化することですよ、民放化すること。こんなに喜ばれることはありません。だから、そういうことは一切議論なしにやられるということを含めて、私はこの行革会議、それだけは少し残念なことだった、こんなことを申し上げて、時間でございますので終わらせていただきます。  ありがとうございました。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、松本善明君の質疑に入ります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 早速質問に入らせていただきたいと思います。  きょうも本会議で、大蔵省の処分の問題が問題になりました。やはり今の行政組織の腐敗といいますか、これが非常に大きな関心事になっております。  この行政改革会議が発足をして初会議を行った後に、水野さん、朝日新聞に語っているのを覚えていらっしゃいますか。片一方では佐藤孝行さんが自民党の本部長、片一方は水野さん。それで、水野さん、住専問題、大和銀行事件、薬害エイズ事件と続いている。けしからぬことだが、行革にとってはかえってやりやすいというようなことから始まっているのですけれども、この当時から行政機構の腐敗問題というのは大問題だったのですね。ところが、この中央省庁再編の法律にはそれにかかわるものは何もない。当時からそういうことは、この法律をつくるについては意識になかったのではないか。片一方では佐藤孝行さんの事件がありました。選任、辞任。やはりそういう政官財の癒着とか、あるいは行政機構の腐敗をなくすとか、あるいは天下りを是正するとか、そういう考えはなかったのじゃないですか、この法律をつくるに関しては。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 この最終報告に出ておりますが、これは公平で透明なものをつくろうということで始めたわけでございます。公平で透明だということは、今先生の御指摘のような問題を十二分に含んでいる、私はこういうふうに思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 言葉では公平、透明ということがありますが、その具体策は何にもないということではないかと思います。  私も総理大臣にもお聞きしましたけれども、佐藤孝行さんの事件というものが、やはりそういうことが別の意識になっていたのではないかということを思います。  もう一つ、これも、あなたが行政改革会議の事務局長として方々でいろいろなことをしゃべっておられるわけでございます。この間も総理にもお聞きしたのですけれども、あなたにも率直な感想をお聞きしておきたいと思います。  九五年十二月十七日に産経新聞でお話しになっている。これは、今私どもが言っているむだ遣いというものについて、全部同じように水野さんが当時は考えていたということがわかるようなものでございます。  ちょっと一部紹介をしておきますと、北東公庫、北海道東北開発公庫を通じて融資をしている苫小牧開発、それからむつ小川原の開発、それぞれ一千億以上の穴をあけている、返す当てはない。それから、本四架橋公団は、財投の借り入れその他で、最大になるとマイナス五兆円の借金ができるので見直そうということになった、大体四国に橋を三本かける必要はなかったのです、ほっておくと紀淡海峡に橋をかけるとかまた金のかかる手法等をつくり出す、これ以上のむだ遣いはやめましょう、我々の周辺で大型プロジェクトは全部穴があいていますよ、東京湾の横断道路だって、こういうふうに言われているのです。私ども、これは今、ここであなたが九五年に言われたことはみんなむだ遣いだと思っています。  ところが、本委員会の審議でも、五全総、再々問題にしましたが、北東公庫の苫小牧の問題もむつ小川原の問題も続けていくと。それから橋については、あなたの言われる紀淡海峡に橋をかけることを含めて六つの、さらにもっと大きな、東京湾の横断道路の外側ですからね、あるいはもっと金のかかる事業をやろうとしている。  そうすると、一体行政改革会議であなたは何をやってきたのだろうか。この委員会は一体何をやってきたのだろうか。むだをなくすということで出発をしたのだろうと思うのだけれども、結果は、むだ遣いをそのまま二十一世紀に温存するということになるのじゃないか。こういうことを発言されたあなたとしては、現在どうお考えになっているか、お聞きしたいものだと思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 まず、それを私が申し上げた時点は、まだ衆議院議員として、たしか自民党で特殊法人の問題を扱っていたときの話であります。ですから、その当時、一つ一つ点検をして、これはおかしいということを私が申し上げて、たしかそれを産経か何か、一週間ぐらい続き物で載せたその記事を読んでいらっしゃると思います。  私は、個人的にはそう思ってまいりましたけれども、行革会議に入ってから、その辺はそれはそれとして、行革会議の事務局長としては逸脱した話でありますから、不用心なことは言わないようにして、心の中に秘めてやってきた、こういうわけでございます。  それから、本四公団の問題は、村山内閣のときに野坂建設大臣が本四公団の見直しということを提案されて、たしか特殊法人の統廃合の中で、五年後に見直しをするということを既に閣議決定をしているはずであります。  それから、先生のもう一つの御質問の中にありますが、こういうむだを五全総で提案しているじゃないか、こういうお話ですが、行革会議としては、全国総合開発計画であるとか各種の公共事業の何カ年計画というものは経済財政諮問会議に諮るような制度設計をしてあります。ですから、当然、財政と相談の上で、そういう大きな仕事ができるかどうかということについては、この行革の基本法が通り、経済財政諮問会議というものができましたら、そこの議を経なければかかれないようになるであろう。あるいは、総務庁の行政管理局が原型になると思いますが、そこで、公共事業その他大型の事業については、費用対効果というようなことを考えて評価の任務を与えるというふうな制度設計になっております。  ですから、その両面からこういうようなものを、これは今の国土庁が、これは各省の分担管理ということで、国土庁は国土庁としてそういうものをお考えになって出してきたのだろうと思いますが、この行革基本法が成立して新しい制度ができましたら、そういうものは現実の問題としては多分難しくなっていくだろう、またそういうふうにしていかなければいけないのじゃないか、私はそういう信念でやっております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 このときの水野さんの資格は自民党行政改革推進本部長。その後が佐藤孝行さんなんでしょう。それは、いわば自民党、与党の中で行政改革会議をつくっていこう、こういう形の議論をしている中心におられたわけですよ。その人が、いや、これはこれ、それはそれ、行革会議の事務局長として実際の仕事になったときには自民党の行革本部長として言ったことはもうすっかり忘れてしまってというのは、これは私は話が通らぬのじゃないかというふうに思います。  総理自身が行革会議の会長になられたわけでしょう。五全総は五全総、行革会議は行革会議、それは通らない。やはりむだ遣いをなくそう、あるいは行政機構の腐敗をなくそう、そういうことが総合的に討議をされないと行政改革にならないですよ。  私は、時間の関係もありますから、もう一つ伺いますが、そのことについての反論があればもちろんおっしゃっても結構ですけれども、あなたもきょうお話しになりましたが、行政改革会議の最終報告で国の形ということが問題になって、いわば国づくりですね、国家百年の大計ということも書いてあります。そういうことを本気で論議をするということになると、部分部分ということではないはずなんですよ。国家を、これからの日本という国を、二十一世紀を通じてどういうふうにするかという問題になるわけです。  あなたも先ほど国会全体として長期的に取り組んでほしい、まさに国権の最高機関である国会が、それこそ野党が全部反対だというような結論では私はだめだと思います。百年のことですから、二十一世紀のことですから、それはとことんまで論議をして、いろいろな問題があります。行政改革会議だけでもこんなたくさんの議事概要、議事録は出ていませんけれども、議事概要だけでも膨大なものです。国権の最高機関の論議はあの議事概要の何倍も議論がされて当然だろうと思います。  私は、先ほどあなたが長期的に取り組んでほしい、まさにこの法案の審議などは、やはり行革会議が、一年半まではいきませんが、一年有余論議した。国会もそれと同じぐらい当然論議をして、あらゆる角度から論議をして、そして国会がなるほどこういうことでいこうじゃないかということにならないと国民は納得しないと思いますけれども、どう思います。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 この法案というのは、御承知のとおり基本法でございまして、これからまだいろいろな問題が出てくるわけです。  私は、今お話しのような速成だという御指摘ならば速成だということになるかもしれませんが、これからともかく真剣な討議をしていただけばいいのでございまして、それから、野党が反対だから法案を出してはいかぬ、全部が賛成する法案というのは、これはまた非常に出にくいな、私はこう思っているのです。これは、やはり国会でございますから、部分的には賛成だとお思いになるところがあっても、全体として反対をなさるというお立場もあろうと思いますし、全部が賛成するというやり方はなかなか難しいかなと。  今のお話を聞いておりまして、私は、最近、中国の行政改革の話、余計なことですが、朱鎔基が行政改革をやるのに、各省大臣を呼んで三十分ずつしゃべらせて、二度呼んだときには五分ずつで結論を出して、これで帰れといって追い返してしまった。これは中国共産党ならやれるのですけれども、日本は民主主義でありまして、なかなかそう簡単にはいかない。いろいろな角度から検討し、おしかりを受けて、その中からいいものが出ていくのだろうと思いますし、先生の御指摘の点は私も同感しているところはたくさんあるわけです。  ただ、おまえ、そう思っていて行革会議でやらなかったじゃないかとおっしゃいますけれども、行革会議のテーマというものはおのずと決まっていたわけですし、私は、ともかく取りまとめをして少しでも前進させるということが最大使命だと思ってやっておりますから、部分的には先ほどの地方分権の話もありますし、規制緩和の話もありますし、公務員制度の問題もありますし、そういった問題はそれぞれのところでやっておられて、そういうものをこれから総合的にやっていただくのは内閣であり、全体でお考えいただくのだろう。私のところはいわば部分的な作業をやってきた、こう思っているわけでございまして、若干御不満のようですが、御理解いただけますか。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 もう時間がありませんので、簡潔に最後のまとめとしたいと思います。  私は、行政改革ということで、中身は違うけれども、みんなそれが必要だということについては、中身は全く別の方向のことを考えているかもしれませんが、行政改革をやらなくてはいかぬということについてはみんな一致していると思うのです。それでとことんまで議論をしていけば議論も詰まっていくと思います。  ただ、やはり国民から信頼されていないとこれはできないのです。今、野党は全部橋本内閣の退陣を言っています。ポスト橋本ということまで、ちょっと橋本さんには失礼かもしれないけれども、言われています。そういうような状態の内閣が国家百年の大計を提案して、そして野党のみんなの反対を押し切って、果たして国民が納得するだろうか。一言、簡潔にお答えいただきたい。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 松本先生、私は今国会議員でございませんので、国権の最高の問題をここで云々して御答弁申し上げる資格も何もないわけでございます。  どうぞひとつ、この法案につきまして、御不満だと思いますが、早々と成立させていただきますように切にお願いを申し上げます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次に、深田肇君の質疑に入ります。

深田肇社会民主党・市民連合

○深田委員 水野先生、もう少しですから、ちょっとおつき合いください。社民党の深田肇でございます。  私の方は、いろいろ注文をつけながらもこの法案を仕上げたいと思っている側でございますので、その意味では、ちょっと中身のことについて二つほど簡単に御質問申し上げます。  土井党首が大変感銘しておるのでありますが、環境省に昇格してもらったことについて大変喜んでおります。これは土井さん個人だけではなくて、私どもの周辺の市民団体等々も大変関心を持って喜んでおることを申し上げて、そこへいくまでの経過、特に事務局長の御苦労話でもあれば少し聞いておいたらどうかという話がありますので、ありましたらひとつお話を伺っておきたいと思います。  同時に、環境省という立場から考えますと、各省に少しまたがるような意味合いにおいて、勧告権みたいなものを与えることはできないのかな。どうしても最後は環境省なり環境庁が押されて、なかなかうまくいかぬなというのを実感として持っておるものですから、その辺はどの程度議論があったのでしょうか、将来の可能性はないのでしょうかというのを、ちょっとこの機会にお答えいただければありがたいと思います。  いま一つの問題は、従来もあるわけでありますが、男女の共同参画会議というのがありますけれども、ぱっと見た感じでは、従来の官房長官が兼務されておるところと余り変わらないのではないかと思ったりしますが、そこは、今度の行革で出てくるものはレベルが違うとか、質が違うとか、こういう点が違うのだよというようなことがありましたら、少し例えればありがたいと思っておるところであります。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 環境省の昇格の問題は、ちょうど昨年のCOP3ですか、京都会議が開かれるという社会的な環境もございまして、非常に多くの方々から、環境省に昇格をせよ、こういうお話がございました。  その中で、行革会議でもこれを反対なさる方はほとんどいなかった。総理自身も強い意欲を持っておられてここに至った。その至る途中において土井党首のところへ、私は昔、外務委員会でずっと御一緒しておったものですから、御意向を聞きに行きましたら、環境省にしなきゃだめよ、こういうお話がございまして、それから男女共同参画のところを強くお話がありました。ですから、それは土井党首の御意見も含めて推進をしたわけでございます。  それから、男女共同参画のところは、諸外国のいろいろな議論も出ましたが、御承知のとおり、少子・高齢化の時代になってきている、女の方に社会の真ん中に座って半分を支えていただくためには、いかにも今の日本の社会構造といいますか、職場環境は男社会に尽きるではないか、これをどうしたらいいのかという議論がありまして、そこからいろいろ出発したわけでございますが、今労働省に女性局というのがありますが、女性担当省みたいなのをつくるのは、省というのは役所の省で、どうもまずい。むしろ、内閣の中心に男女共同参画ということを考えるところを置いて、そこに官房長官が座長になって座って各省ににらみをきかせる。各省で新しい法律が出てくると、その際に男女共同参画の問題についてチェックをする。こういう組織にしたらどうだろう。こういうことで内閣府の中に男女共同参画の会議というものを、これは諮問委員会よりもっと強いものであります、これをつくってそこで議論をしていただく、こういうふうになったわけであります。

深田肇社会民主党・市民連合

○深田委員 ちょっとお話しいただけなかったのだなと思いますが、私の説明も悪かったのかもしれませんが、環境大臣の権限の中に、各省庁との関係で、アセスを含めて何か優越的な権限を与えてもらうようなことはできないものかなという感じを持っているのですが、いかがなものでしょうか。

水野清行政改革会議事務局長

○水野説明員 これはまさにこれから設置法の各段階の一つの問題点だと思います。

深田肇社会民主党・市民連合

○深田委員 どうもありがとうございました。これで終わります。

高鳥修自由民主党

○高鳥委員長 次回は、来る五月六日水曜日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十四分散会

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