厚生委員会 第14号
- 発言数
- 302 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/05/27
会議録
○柳沢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案及び検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城島正光君。
○城島委員 おはようございます。民主党の城島でございます。 きょうは一私の方からは、今の両案につきまして、感染症の予防といったことを中心としながら、特に重要なこの新しい一類あるいは再興・新興感染症の大ざっぱに言うと約半数が動物由来の感染症である、まして、特に一類あたりの、最近新しく報告をされている、あるいは新しく重篤な事態に至る原因の多くのものが動物由来ということもありまして、そういう観点で、特に人畜共通感染症あたりについて、実態面から少し質問をさせていただきたいというふうに思います。 その前に、今回の法改正というのが、言われておりますように、約百年を超す、百年ぶりの大改正である、時代の変化にある面では即した改正をしたいという趣旨であるわけでありますが、内容として、そういった方向に我が国の感染症対策というのが進んでいかざるを得ないという環境にあるというふうに思いますが、率直に申し上げて、それを実効あるものにしていくという観点に立ちますと、やらなければいかぬ課題が山積をしているのではないか。 一言で言いますと、国内の人材の質、量も含めてでありますけれども、研究施設あるいは検疫の体制、さまざまな、一言で言ってインフラの整備が緊急の課題であろうし、そういったものがない限り、なかなか実態としてこれが効果を上げていくということにならないというふうに思いますが、総論的に、厚生省として、この法律案の趣旨に沿った体制がきちっとできていくというためには、今申し上げたような観点からして、一体どの辺に問題がある、あるいは課題があるというふうにとらえられているのか、そしてまた、それに対してどういう方針をお持ちなのかを、まずお伺いしたいというふうに思います。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 感染症対策を進めるに当たりましては、感染症の診断、研究、治療を行うことのできる人材の養成というのが大変重要であります。ところが現在は、大学の教育もありますけれども、また感染症という病気自体も減っているということもあって、まず、基幹になるお医者さんになかなか感染症という学問に乗り出していただけない。やはり学問の研究としては、がんだとか心臓病だとか難病だとかというところに研究者の意識が行ってしまって、なかなか感染症をやっていただける医者が育たないというのが、一つ大変問題があろうかと思っておりますけれども、我々としては、感染症対策をやっていただけるような人材の養成というのが非常に重要だと思っております。 次に、感染症の指定医療機関というのを今度法律上決めまして、そこについては、こういう基準、要件を持ったものをいわゆる指定医療機関にしようということで、要件を定めて今後行くわけですけれども、そういうことによりまして施設とか設備の整備というのをやっていく、そういうことが非常に重要である、このように思っておるわけです。 このため、今後は、国の示す基本指針だとか都道府県が策定する予防計画の中で具体的に定めて、そしてこれを実施へ向けて努力をしていこう、このように考えております。
○城島委員 おっしゃるように、特に人材面では、それこそ質、量ともに早急に対応しなければいかぬわけですけれども、これはちょっとリードタイムがかかるわけですね、時間的には。そういうこともありますし、もちろん基本的な教育もあるでしょうけれども、それにしてもかなり緊急的に、これは医師あるいは獣医も含めてでありますが、この法律案に沿ってきちっと対応ができるような教育というのはなかんずく必須だろうというふうに思いますが、具体的に例えば、予算措置とかあるいは教育の、新しい感染症について、現実に現場でやっている人たちというのは、当然見たことのない人が圧倒的に多いと思いますけれども、その辺の教育というのはいかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 予算については、ちょっと今数字が出てまいりませんけれども、感染症の関係の研究費というのを厚生省では昨年からとっておりまして、その中で、感染症の研究をやっていただくということができるような仕組みを今まず持っております、それが一つ。まず研究費を投入することによって研究者の研究マインドを育てていく、そして対応していく。それから、海外との交流をやることによって、そして研究者も外国へ行く、また外国の研究者も日本に来ていただくということもやっていくというのも、その研究費の一環として、支援事業としてやっておるところであります。 その次に、もう一つは、今先生も御案内と思いますが、MRSAという院内感染のことが大変問題になっておりますが、実は、今回の新しい法案では、MRSAも第四類の感染症と規定をいたしておりまして、これへの対策も今後いよいよ医療機関できちっとやっていただくということになるわけでありますけれども、この法律をまつまでもなく、一部の大学では、感染症対策の重要性というのは非常に認識をされておりまして、一つはやはり、MRSAという菌が出てきて院内感染を起こすということが医療機関として恥ずかしいということの認識を各大学も持たれまして、相当感染症に対して大学が力を入れ始めていらっしゃるということが現実問題として起きてきているということだろうと思うのであります。 それから、今回の新法もあって、私は感染症について国が力を入れるということが、そのことがひいては関係者にもだんだん伝わってふえてくると思います。 ただ、緊急ということになりますと、当面は、国立感染症研究所における研修とかいうところで、まずは公衆衛生で働く保健所のドクターだとか、それからそれ以外でも、衛生研究所だとかそういうところの先生方にまず感染症に対しての教育をきちっとやっていくということが大切で、そこは鋭意努力をしてまいりたい、このように思っております。
○城島委員 現場の特に獣医師の中では、来年の四月から施行になった以降の届け出義務あたりを含めて、新しい病気であるということがあって、若干の不安感があるわけでありまして、その間の教育あたりについての配慮をぜひお願いをしておきたいなというふうに思います。 その流れの一環でありますけれども、今回のこういった、特に検疫あたりを含めてみますと、新しい、特に一類あたりの病気の診断についての施設というか研究体制というのがまた大変問題ではないかな。このままいくと、いわゆる一類あたりの感染症についての診断というのは、今までどおりといいますか、アメリカのCDCに依頼をしなければいかぬ、あるいはそういう協力をいただかないと日本独自の中では対応が難しいということじゃないかと思うのですね。 特に、そのためにはP4の研究施設、これは施設はあるようでありますが、稼働していないということのようであります。しかも、確実な情報ではないかもしれませんが、どうもこのP4の施設というのは、今のところアジアには武蔵村山の一つしかないようでありますが、残念ながら稼働していないということのようであります。この稼働していないことを含めてでありますけれども、これを何とか、やはり本来であればきちっと稼働していくようなことをやらなければいかぬわけですけれども、これについてはどういう状況で、どういう方向になりそうなんでしょうか。
○小林(秀)政府委員 まず最初に、先ほどの研究費の関係でございますが、九年度から新たに設けた研究費でございまして、新興・再興感染症の研究費として新たに十五億円、予算化をいたしております。内訳を言いますと、このうち十一億円が純粋の研究費、四億円が推進事業費といって、外国から先生を呼ぶとかこちらから人を派遣するとかというような事業費が四億円で、合わせて十五億円の予算を確保したところでございます。 次に、P4の施設についてでございますけれども、先生御指摘のとおり、この病原体等安全管理基準のレベル4を満足している施設は日本に一つございますが、稼働をいたしておりません。稼働をしていないのは、地元の市、市議会、住民団体の了解が得られないためにいまだ稼働していない、こういう状況でございます。 しかし、稼働していないために、今先生がおっしゃったように、新感染症だとか一類感染症のような病原体の分離培養ということは実質上できない状況になっておりますが、ただ、実際の一類感染症なんかの診断につきましては、ウイルス性出血熱であってもこうした施設を、P4を必要としない診断が、抗体検査というのは可能でございます。したがいまして、今後は米国の疾病管理センターの協力も含めて必要な検査体制を構築していくとともに、さらに我が国においても必要な体制の整備に努めてまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、早くこのP4の施設を稼働させるように最善の努力をしていかなければならない、このように思っております。
○城島委員 そのP4の施設、住民等の理解がなかなか得られない、得にくいことであることは間違いないわけでありますが、これは今のところ見通しは立たないのでしょうか。
○小林(秀)政府委員 残念ながら、今のところ見通しは立っておりません。
○城島委員 せっかく建てられたこともありますが、もちろん住民の皆さんの理解というのは最低限必須であります。今言ってもしようがないわけでありますが、少なくとも建てる段階で住民の皆さんの理解をきちっと得られていれば恐らくそういうことにならなかったんだろうと思います。いずれにしても、極めて重要な施設であるというふうに思いますので、稼働できるような方向で一層の、しかも早急な対応をぜひお願いしたいなというふうに思います。 それから、感染症予防の中で極めて重要な一つが侵入防止ということでありますが、検疫体制についても、最初申し上げましたように、それこそ人も含めてということになりますが、検疫体制は極めて重要だと思います。今後の新しい感染症への対応等を含めて、検疫体制についての厚生省の御見解、大丈夫なのか、あるいはどういう点に問題があるのか、検疫体制に絞って御見解を承りたいというふうに思います。
○小林(秀)政府委員 検疫法につきましては、新興感染症を初めとした国内には常在しない感染症の海外からの侵入を防止するとともに、国内の感染症対策と連携のとれた検査体制の整備充実を図ることを目的として今回改正案を提出をいたしております。具体的には、検疫感染症の中に一類感染症の追加、それから保健所等の地方機関との連携の強化というような水際作戦をやっておるわけであります。 ただ、体制としては、今の検疫所並びに支所の数のままで対応をしようといたしております。今まで私ども検疫所の運営をしてまいりましたけれども、実際には、特に検疫関係ですと、国民の皆さんから、自分は下痢をしていますとか発熱をしていますとかという症状がある方が申し出られると検査をするという形をしていまして、こちらから一々体温をはかってとか下痢がどうかということを確認をしてからしか通さないという形はとっておりません。それでございますから、今のところは申し出た人を対応する。今度は病気の数はふやすけれども、実際の患者としてはそんなにいるわけではないわけですね、そういうことから、私は今のままの体制で対応できるもの、このように思っておりますが、ただ事態が変わればそれは変わったでまた必要な措置をとる必要があろうか、このように思います。
○城島委員 必ずしもそういうことで急にふえるわけじゃないということでありますが、新しい体制に新しい法案の趣旨に沿ってやるとすれば、法案を改正する一つの背景として環境がかなり変わってきているということもありますので、現段階での体制で必ずしも十分というふうには思えないところが多々あるわけでありますので、そういう点も含めてぜひ検疫体制についても見直しをしていただきたいなというふうに思っております。 次に、この法律案の中の極めて大きなポイントになるというふうに思いますのが、最初申し上げましたように、人畜共通感染症ということが一つ大きく踏み込まれている、この中に趣旨として入ってきたということは今までのあり方とはかなり大きな違った点ではないかということで、この点については評価できるというふうに思っております。 昨年の農水委員会でありましたけれども、家伝法、家畜伝染病予防法の改正のときもこの人畜共通の感染症ということについての視点が抜けているのではないかという質疑を数名の委員がしましたし、私からも強くその辺について、必要あらば厚生省の対応をということを求めたわけでありますが、そういう観点からするとこれは一歩踏み込まれているということだろうというふうに思います。 それで、ちょっと一点だけ論議の前に確認をさせていただきたいわけでありますが、感染症予防法の十三条の「獣医師の届出」のところで、新しく「サルその他の動物」とありますが、「サルその他の動物」は政令で定めるというふうになっていますが、これはどの辺の範囲を想定されているのか。及び、狂犬病予防法の中でも新たに猫がつけ加えられておりますが、これについてもその他政令で定める動物というふうになっていますが、この両方の案について、どの辺の範囲が想定されているのかをお尋ねしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 今回御提案申し上げております法律案の第十三条についてでございますが、一類感染症から三類感染症のうちでも、人への蔓延防止が非常に重要である、また、感染源の遮断ということが極めて重要な感染症の中で、その感染症を人に感染させるおそれが高い動物について政令で定めることとしております。現状におきましては、人に重篤な症状を起こしますエボラ出血熱、あるいはマールブルグ病、あるいは細菌性の赤痢を媒介いたしますおそれの高い猿の類全種につきまして政令で定めまして、獣医師の届け出義務を課すこととしております。 また、狂犬病予防法の関係の御質問でございますが、犬は当然でございますが、猫のほかにスカンク、アライグマ、キツネといったものを考えているところでございます。
○城島委員 大体わかりました。 先ほど申し上げましたように、人畜共通感染症をちょっと調べてみますと、WHOとFAOの合同専門家会議の報告書があるのですが、かなり古い報告書によっても約百三十種類という報告があります。さらに、一昨年のWHOの報告によると、新しく認識された感染症で、局地的あるいは国際的に公衆衛生上問題となる感染症というものをいわゆる新興感染症というふうに定義をしたわけでありますが、さらに、既に知られている感染症で、撲滅に近いような程度にまでなった以降再び流行し始めている感染症、これを再興感染症というふうに定義しているようでありますが、三十種類以上の新興感染症が出現をしているというふうに報告しているわけであります。 このように、新しい病気も再興している感染症も、大変問題なのは、人畜共通感染症、最初に触れましたように、動物由来の感染症が極めて多い。また、一類なんか特にそうでありますが、未知であるということもあって対応策というのがなかなか難しいというところが一つ特徴かなというふうに思われます。 こうした新興あるいは再興感染症の原因というのを調べてみますと、やはり最近の国際化あるいは交通手段のさまざまな発達ということに伴って、動物も含めてでありますが、人、動物の移動の拡大や高速化ということが指摘をされているわけであります。マールブルグウイルス、あるいは最近有名になりましたエボラあたりについてはほとんど猿というふうに思われていますが、猿類を介して原産国からアメリカあるいはヨーロッパに侵入した。これはどうも航空輸送ということによって感染したようであります。 また同時に、こうしたウイルスが、今まではほとんど静かにしていたわけでありますが、本来であると、熱帯雨林とか森林地帯というところに生息する未知の動物が保有していたのではないかというふうに思われるものが、御案内のように、発展途上国における地域の開発等によって猿あたりが奥地に入っていくということによって猿あたりへの感染ということが起き、そのことを通じて人に感染をしていく。そういうことによって人での世界的流行が始まっているのではないかというふうに思われているわけであります。 そうした点からすると、こういった原因を考えると、世界的に今後も、ほっておきますとそれこそ新感染症ということになると思いますが、そういうことが一層ふえていくと同時に、我が国においても例外ではないということが言えるのではないかというふうに思うわけであります。そういう点で、非常に私自身が問題意識で心配しているのは、実は動物の輸入の検疫なんであります。 これも、現実的に、ちょっと調べてみますと、どうも日本においては、僕なりの整理をしますと、我が国はペットという概念が非常に広がっているのではないか。一般的に、欧米先進国というふうに限定をしますと、ペットというと、犬、猫、それから一部の鳥、そういう範囲をペットと称する。ところが、日本の場合は、特にバブルの時代で言うと、場合によっては、エキゾチックアニマルということで、投機の対象ぐらいにまでなる要素もあって、ありとあらゆる動物がと言った方がいいと思いますが、いわゆるペットと称して飼われているし、ペットショップは多いですし、ほとんど輸入が原則フリーになっている。これは欧米先進国から見ると極めて異常な状況にあるのではないかというふうに思うのです。 検疫制度一つ調べても、特に輸入の野生動物ということに限定しますが、その検疫については、例えば、ほとんどの国においてはもちろん、我が国も大については狂犬病の予防接種とか健康証明書が必要であります。今度新たに猫に関して狂犬病の対象になるわけでありますけれども、猿に関しても、野生の猿の輸入についても検疫を行っている国は圧倒的に多いですし、それから、例えばドイツでは研究用とサーカスの使用以外に猿の輸入を禁止している。あるいは、アメリカでは輸入業者の登録制と検疫施設の査察を基本的に課している。それから、ペットとしての猿類の輸入は原則禁止をしている。 今ちょっとアメリカ、ドイツのことを申し上げましたけれども、一般的に押しなべて言いますと、諸外国においては野生動物の輸入というのは原則禁止をしているということだと思いますが、日本の場合は、先ほど申し上げましたようなそういうことからするとほとんどフリーである。もちろん、動物に関しては今まで狂犬病予防法しかなかったからということもありますが、また同時に、ペットの概念としていつの間にかそういうふうに非常に拡大をした、場合によっては投機の対象にもなっていったということもあるのではないかということです。 それで、まず一点、そういう状況を含めて御質問したいわけでありますが、膨大な数があると思われますが、今、いわゆるペット業者と言われている業者の数が一体どれぐらいあるのか。さらには、ペットも含めてでありますが、輸入されている動物の状況、どういう観点で分類されているかはちょっとわかりませんが、どういう状況にあるのか、お尋ねをしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 ペットに関する御質問でございますが、御質問のペット業者の数というのは私どもとしては把握をいたしておりません。 それから、輸入の関係でございますが、猿類につきましては、ここ数年の統計によりますと、年間約三千頭から四千頭が我が国に輸入をされております。なお、これらの多くは学術研究用であるというふうに聞いておりまして、御指摘のように、いわゆるペット用が主流であるというふうには聞いておりません。 その他のペット類の輸入実態についてでございますが、動物検疫所の統計によりますと、犬につきましては年間約一万三千から二万頭、オウム、インコ等の鳥類、鳥でございますが、これは年間約六十万羽であると承知をいたしております。また、食肉目の動物についてでございますが、輸入動物業者団体の調べによりますと、フェレットが年間約一万二千頭、アライグマが年間約五百頭、キツネ、スカンクが年間おのおの約二百頭程度が輸入されているというふうに聞いております。
○城島委員 猿についてはほとんど学術用ということでありますが、データによると、約二割から二五%ぐらいはペット用として輸入されているんじゃないかというように私の方では把握をしているわけでありますが、いずれにしても、今概略御説明あったように、報告されただけでもかなりの数の実はペット用の、ある面でいうといわゆる野生動物を含めてでありますが、輸入をされている。しかも、これがほとんどフリーで入ってきている。現実的には、最初申し上げましたように、動物がまだ、感染症という観点からすると検疫もされないで入ってくるものが多いわけでありますから、非常に危険性もある。必ずしも全部危険だと申し上げているわけではありませんが、危険性もある。 海外のこの分野の専門家と話をしてみますと、最初に申し上げたように、日本というのは極めて特殊な国だという認識なんですね。これだけフリーに野生動物を入れている。ペット業者の幾つかの広告を見ますと、これは誇大広告であるとは思いますが、世界各地からあらゆる野生動物を仕入れることができますというようなったい文句を堂々と広告に出している業者というのは結構いるのですね、調べてみると。 そういう点からしても、海外のこの分野の専門家が言いますと、日本というのは島国ですから、そういう点でいうと、人畜共通感染症のまさしく実験場になっているよということなんですね。これは極めて危険な状況にある、そういう観点からするとですよ、限定して申し上げますけれども。そういう感染症という観点からすると、極めて異常であり、異質であり、実験的な施設になっているように思える。 どういうことがこれから起こってくるか。何にもなければ一番いいわけでありますが、そういう状況にあるということだと言われているわけでありまして、ある面でいうと、検疫を含めてしっかりしていく必要があるのではないかというふうに思っているところであります。 ペットの業者の数も、実は各県単位のデータというのがあるわけでありますが、総数、掌握されていないということでありますが、一言で言って、極めて膨大な数があるんですね。県単位でいっても、少ないところでも四、五百のペットショップがあります。ということで、全国的にいうと膨大なペットショップがあって、そこでも適切な管理がされていると思いますが、厚生省としては、今までの中で一体どういう、この点についての厚生省通達なり、あるいは監視なりということをされてきているのか、あるいは今後について、この辺についての何か問題意識をお持ちなのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○小野(昭)政府委員 先生御指摘のように、動物由来の感染症の予防対策ということを考えていく際には、動物を取り扱います輸入業者等の関係営業者に対します指導、あるいは、動物を飼います国民の皆さんに対しましての動物由来感染症に関する知識の普及が重要であるというふうに考えております。 どういう指導をしたかという御質問でございますが、これまでに、昭和六十二年に「小鳥からの人へのオウム病感染予防方策について」、また昭和六十三年に「ペット動物由来人畜共通伝染病予防方策について」という通知を全国に通知いたしまして、ペット業者等に、自主規制としての衛生管理体制の確立等について指導しているところでございます。 なお、この昭和六十三年の通知の、人畜共通伝染病という言葉についてでございますが、これは適切な見直しが必要であるというふうに考えております。というのは、人畜共通伝染病、例えばO157を例にとりますと、これは、牛には症状をあらわしませんが、人に症状をあらわしますので、共通伝染病と言えるかどうかということはちょっと議論のあるところでございます。 これらを含めまして、今回の法案の成立を見ました段階で、どういった適切な指導が必要かということにつきましては十分検討してまいりたいと考えております。
○城島委員 ペットの効用というか、最近はいろいろな、犬等を使った教育等を含めて、非常に効果があると言われていますから、ペットそのものを私は否定しているわけじゃなくて、そういうことをきちっと、いい方向にいくためにもきちっとした規制というのが、あるいは監視というのがこの部分は逆に必要な分野ではないか。余りにも野放しになっている、危険性が非常に高いというところを指摘をさせていただきたいし、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。 それで、それに関してでありますが、こういう状況でありますから、ペット業者ですとか、あるいはこれからそういう分野に携わる人も含めて、こういった分野においてもそれこそサーベイランスが必要だろうというふうに思うんですね。極めて重要じゃないかというふうに思いますが、この辺についての、健康診断も含めてでありますが、サーベイランスの必要性についてはどういう御見解をお持ちなのかを伺いたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今回の法律の改正案を出すに当たって公衆衛生審議会にお諮りをしておるわけでありますが、その公衆衛生審議会の意見書におきましては、今後の検討課題として、動物実験施設の従事者等の動物由来感染症に感染する危険性の高い動物取扱従事者に対して、定期的な健康診断、抗体保有状況の調査等が指摘をされたところでございます。 今後、法の施行後、動物由来感染症対策を進めていく中で、御指摘のハイリスクグループに対する調査、健康診断を初めとする対策について検討してまいりたい、このように思っております。
○城島委員 先ほどの、輸入動物の実態というのもなかなか今のところ掌握されない実態であるということでありますが、その辺も含めてでありますが、ぜひきちっとした対応をとっていただきたい。 特に、今度の法律改正でかなりそこは進むとは思いますが、例えば輸入についても、犬等についても、貨物でない限り、手荷物に入りますとこれはノーチェックになるわけでありますし、数も把握されない。しかもこの数は意外と多いのですね、実態として入ってきているのは。そういうこともありますので、その辺のことも含めた対応、それから、今申し上げましたペットに対する検疫のあり方ということも至急検討いただきたいと思います。 そういう状況で、ぜひちょっと大臣の御見解を、ある面でいうと、こういう観点からすると野放しになっているいわゆる野生動物、日本流でいえばペットの輸入実態のあたりについて、極めてこの感染症という観点からすれば課題が多い、あるいは問題が多いというふうに思いますが、大臣の御見解をちょっと承りたいというふうに思います。
○小泉国務大臣 前に、感染症だけでなくて、ペットショップに関しては猛獣なんかの問題でも問題があったことがありますね。ライオンとかトラとか、これは管理の仕方によっては人に対して多大な迷惑をかけるという、管理体制、監視体制。 感染症を考えますと、確かに現在、トカゲとか蛇とかワニとかをペットにしている方もおられるわけですから、今御指摘のように、我々が思っている以上にたくさんあるのかもしれません。こういう問題についても、現状を把握できるような体制、そして適切な指導ができるような体制を、関係者と提携しながら厚生省もとっていく必要があると思います。十分検討させていただきたいと思います。
○城島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後に、猿について、問題の指摘と現状をちょっと把握しておきたいと思うのですが、実は研究用の猿の輸入について、日本の航空会社は、研究用の猿については取り扱いをいまだに停止をしている。いわゆる一般的な野生の猿についての取り扱いをしている。実はこれは研究用の猿については、今、逆にかなりきちっとした管理がされていて、ある面でいうと安全度が高いわけですね、本来は。そうじゃない一方の野生の方がどちらかというと、当然でありますが、安全度からいくと危険性が高い。逆転しているわけですね、私の方から見ると。 けれども、最初の不幸な事故があって以来、依然としてこの実験用、研究用の猿の輸入について日本の航空会社の取り扱いが行われていない、細々と海外の航空会社を使って今輸入をされているわけであります。それは、研究段階で今後も同じようにこの猿を使っていくとすると、極めて研究に対しての支障を来すような実情に今陥りつつあるということでありますが、これについて厚生省、どういう把握をされてどういうふうな対応をとられようとしているのかをお尋ねしたいと思います。
○谷(修)政府委員 今お話ございましたように、特に研究開発、具体的に私どもの関係では製薬企業等が動物モデルとして薬の安全性あるいは有効性の試験のためにこの猿を用いるということで、現在のところ必要最低限のものは確保されているというふうに聞いておりますが、ただ、このまま輸入ができないというような状況が続きますと、研究開発への影響というものが出てくるんじゃないかということを心配をしております。 今回の法案において、先ほど来御議論がございますように、この猿についても輸入検疫を行うということでございますので、新法が施行後日本に入る猿については、安全が確保されたもののみが輸入されるということから、現在この取り扱いをやめております日本の航空会社においてもその取り扱いの推進を図っていただくよう、私どもとしても対応してまいりたいというふうに考えております。
○城島委員 ぜひその辺の、かなり逼迫してきたような状況でありますので、対応をよろしくお願いしたいと思っております。 以上で終わります。
○柳沢委員長 石毛鍈子さん。
○石毛委員 民主党の石毛鍈子でございます。 本日は、公衆衛生審議会伝染病予防部会基本問題検討小委員会、その報告書、「新しい時代の感染症対策について」の報告書、この中での人権に関する規定に沿いながら、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案につきまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。終わりのころになりまして、若干別の観点からの質問を幾つかつけ加えさせていただきたいと思います。 まず第一でございますけれども、この法案では、第二条「基本理念」などのところに端的に示されておりますけれども、さきに申しました基本問題検討小委員会では人権の尊重という表現がされておりましたのが、すべて人権への配慮という表現に置きかえられております。これはなぜ変わったのでしょうかということでございますけれども、もうちょっとつけ加えさせてください。 尊重という表現は、人権に第一義的なプライオリティーを置いているというふうに私は受けとめております。それに比べまして配慮といいますと、心配りをするとかという、主体の側が相手に対してという、相対的な位置関係のウエートの違いが出てくるように思いますし、そういう意味で配慮という言葉は、二義的な、尊重に比べれば二義的な比重になってくると思います。 それで、以下、小委員会というふうに表現させていただきますけれども、小委員会の報告は、人権尊重の視点と、それから感染拡大の防止の両方をきちっと両立させるという考え方が基本になっていたと思います。私もその見解に賛成でございまして、この人権尊重とそれから感染拡大の防止という両方を等価値で置いているというこのとらえ方は、このことを考えていく場合の基本的な認識の立脚点になるというふうに私は受けとめているわけです。 そこで最初に戻りまして、どうして人権の尊重が人権の配慮に置きかわったのでしょうかという、この点をまず大臣にお伺いしたいのですけれども、局長、御答弁になりますか。それでは、お願いいたします。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 「人権に配慮」との表現は、この法律に基づき、感染症を予防するため、国等が必要な施策を実施するに当たって患者等の権利に一定の制限を加えることになるため、人権の尊重の要請との間で最大限の調和を図るため、「人権に配慮」の話を法案の基本理念に用いたものでございます。 こうした考え方そのものは、「患者・感染者の人権の尊重と感染拡大防止の実効性の確保の両立」として公衆衛生審議会の意見においても記載をされておりまして、考え方としては、報告書とこの法案の間に基本的な乖離はないものと考えておるところであります。
○小泉国務大臣 これは人権を尊重するというのは当然なんですけれども、ただ、感染を防止とか感染の拡大を防止するという場合には、ある程度患者・感染者に対して人権というものは制限される場合が出てくると思います。そういう面から、人権への配慮と感染防止の実効性をどう確保するか、これは自由と規律とか権利と義務とか、同じような問題だと私は思います。ある部分の問題と全体の問題ということを考えると、私は人権への配慮というのは適切な表現ではないかなというふうに考えております。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○石毛委員 局長の御答弁も大臣の御答弁も、感染症という疾病の性格からして人権に一定の制限を加えなければならないので、丸ごと「人権の尊重」という、そういう表現で記述するわけにはいかない、こういう御趣旨の御答弁だったかと思いますけれども、この報告書の「基本的方向」あるいは「視点」というところで、少し読ませていただきたいと思いますけれども、こういう文章がございます。「患者・感染者の人権の尊重」という部分でございますけれども、 今回の見直しに当たっては、患者・感染者を社会から切り離すといった視点で捉えるのではなく、患者の人権を尊重し、差別や偏見なく一人一人が安心して医療を受けて早期に社会に復帰できる等の健康な生活を営むことができる権利、個人の意思の尊重、自らの個人情報を知る権利と守る権利等に配慮することが重要である。 こういう一文がございます。 この文章を私が理解しますところ、患者の人権の尊重というのが基本的な立脚点といいますか基盤でありまして、そしてその人権を尊重するというその具体的な内容に即して、安心して医療を受ける、あるいは早期に社会に復帰できる等々の健康な生活を営むことができる権利、あるいは意思の尊重、個人情報を知る権利、守る権利という、そ この配慮というふうに具体化されてきているというふうに私は読ませていただいたわけです。 大臣にお伺いしたいのですが、この小委員会報告の「基本的方向・視点」に盛られております、例えば今読ませていただきました内容につきまして、この基本的立脚点を大臣もお認めになられますでしょうか、共有されますでしょうかという質問でございます。
○小泉国務大臣 基本的には同じであります。 感染症患者に対して適切な医療を提供する。同時に、こういう方が病気が治ったら社会に復帰が自然にできるというような、そういうような配慮というのは当然だ、また重要であるというふうに私は考えております。
○石毛委員 大臣がそうおっしゃってくださいましたならば、思い切りまして、この法案の中の「配慮」という表現を「人権の尊重」というふうに、例えば第二条は、三行目のくだりでございますが、「感染症の患者等の人権を尊重し」という表現に改めていただくというようなことはできませんでしょうか。そういうふうに変えていただきましたとしても、法律の内容につきましては差し当たって不都合は生じないというふうに私は解釈をしておりますけれども、いかがでございましょうか。
○小泉国務大臣 私は、まさに、人権の尊重と、感染防止あるいは感染の拡大を防止するという両方の重要な点を確保する面において、配慮の方が適切だと思います、何ら差し支えないと。
○石毛委員 大臣は配慮の方が適切というふうにおっしゃいましたけれども、人権の尊重というのは、最初の質問に戻らせていただきますけれども、私は、人権の尊重という表現は、人権を享有する主体の権利性、自己決定性等々含めまして、そちらにウエートのかかる表現だと思いますので、私は、ここのところは、尊重しというふうに変えるように要望したいということを申し上げさせていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 先ほどの小委員会報告の中の一部分の記述ですけれども、「早期に社会に復帰できる等」というようなくだりがございますけれども、この法律案の中で、早期に社会に復帰できるというのは具体的にはどのような内容で示されておりますでしょうか。
○小林(秀)政府委員 先生御指摘のとおり、公衆衛生審議会の意見書の中で、今回の見直しに当たっては、患者等が安心して医療を受けて早期に社会に復帰できる等の配慮が重要であると記載をされております。したがいまして、今回の法案においては、「国及び地方公共団体の責務」として感染症患者等に対する良質かつ適切な医療の提供に関する規定を設けるとともに、患者が早期に社会復帰できるよう、感染症指定医療機関制度を創設し、患者の心身の状況を踏まえた総合的な医療サービスが提供できるよう努めることといたしております。
○石毛委員 それでは、少し、先ほどの「配慮」という法文の基本的な理念の具体的な内容がどのようにこの法案の中に具現化されているかということとかかわると思いますが、手続的権利についてお尋ねしたいと思います。 この法案では、第一類、第二類、第三類というふうにそれぞれ、若干項目は違いますけれども、健康診断や就業制限、入院などについて規定されております。その規定につきまして、私は、この法律案の規定は、患者の人権の視点に立ってこれを見る場合に、非常に不十分ではないかというふうに受けとめております。 と申しますのは、いずれも、まず書面による知事の勧告というのが第一段に来まして、そしてその勧告に対応がない場合に、次に強制措置という、そうした段取りといいますか手はずになっているというのが一連の流れでございます。 もう一回小委員会報告に戻りますけれども、小委員会報告では、「可能な限り個人の意思を尊重し、自らの症状、入院治療の必要性等についての十分な説明と同意に基づく入院を促すといった当該患者の自覚に基づく入院を基本に考えることが重要である。」というような記載がございます。そうしますと、勧告の内容、どういう内容が記載されるかということにもかかわる側面もあるかとは思いますけれども、勧告の前後で、いわゆるインフォームド・コンセントの手続というものが法文に明記されているとはとても思えません。これも小委員会報告書を無視しているのではないかというふうに私は考えるのですが、まず、小委員会報告とこの法案との対応関係という基本的なコンセプトの問題でもありますので、この点につきまして大臣にお答えをいただければと存じます。
○小林(秀)政府委員 まず、お答えをさせていただきます。 現行の伝染病予防法におきましては、健康診断や入院について強制的な措置しか規定をされていませんでした。しかし、公衆衛生審議会の基本問題検討小委員会の審議の中で、ほとんどの患者が入院命令といった形式的かつ強制的な手段を講じなくても説明と同意に基づいた本人の判断による入院が期待できるとして、本人の自覚を促す勧告制度の導入を図るべきとの結論が出されたわけでございます。 この結論に基づきまして、今回の法案において、健診や入院を求める場合に、直ちに強制的な措置を講ずるのではなく勧告を行うことを法定化したものでありまして、この勧告の中で必要な説明と同意が図られるものと考えております。
○小泉国務大臣 インフォームド・コンセントの規定がないというような趣旨ですけれども、インフォームド・コンセントというのは医師会の中でも意見が分かれているのですね。この言葉ははっきりしない、使うのはやめようという人もいます。インフォームド・コンセントというのを、私も若干英語を勉強した一人ですけれども、説明を受けて同意することではないか、よく情報を教えてもらってそれで同意するんだと言ったら、同意という言葉は思っていないという医師もいたんですよ、説明と理解ならいい、説明と同意じゃないと。じゃ、何でこんなわからないインフォームド・コンセントを使うんだと。これで英語をすぐ片仮名に直すのは余りよくないという問題に入ってきたんですけれども、わからないのをすぐ英語を直訳して片仮名に直せば、わかったようなふりをする、これは一番よくない。私は、俗に言うインフォームド・コンセントというのは、よく情報を提供して説明をして、そして患者さんから同意を得るということだと思っています。同意を得るというのは考えていないというんだったら、インフォームド・コンセントを使わない方がいい、言葉は。 そういう問題がありますけれども、私は、この法案の中においても、患者に対してはよくお医者さんなり医療機関が説明して、本人も、それだったら自分はやはり入院した方がいいな、健診を受けた方がいいなというような気持ちになるんだと思います。また、現在だってどこか自分がおかしいなと思ったら進んで入院を求める人が多いわけですから、その点はよく配慮するというようなことがこの法案全体に盛り込まれている、また医療機関も医師も一般国民も、そういう点をよく理解して、いざ有事の場合には対処すべきではないかなと私は思っております。
○石毛委員 大臣が、片仮名文字よりは日本語できちっと認識を共有できるようにすべきだというお考えをお持ちであるということを、今御説明を伺いながら思い出したところでございます。 片仮名文字で表現するかどうかというのは別にいたしまして、勧告という二文字は、よく説明を受け、情報提供を受けた上での同意を経てというのとは、やはり日本語の表現内容として違うと思います。勧告と強制入院措置といいますのは、これは感染症予防法における公権力の行使にかかわる部分だと思います。であればこそ、この第十九条の「勧告することができる。」ここにただし書きをつけて、勧告の内容についてはということで、今大臣が御説明くださいましたようなところをきちっと付加していただく、つけ加えていただくということで、感染症の患者さん、ないしはそのおそれがあるというような方にとっては非常に安心感が出てくる。勧告だけで切られますと、例えば、あなたは健康診断を受けなければならない、そのことを勧めます、この一行でも勧告ですし、どのような内容でこれが出されるかということは、患者さん側につきましては、あるいは地域に暮らしている人たちの側にしましては、大変な不安要因だと思いますから、私は、ぜひそこのところは補強をすべきだというふうに考えております。 そしてまた、これは多分趣旨が違うというふうにおっしゃられるかもしれませんけれども、精神保健福祉法の第二十二条の三、これは任意入院ではございますけれども、「本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない。」という法文が現にございます。そして、話が戻りまして、小委員会報告は、強制措置というのは最後の最後の手だてであって、できる限り任意入院になるようにきちっと了解を求めるべきだ、理解を求めるべきだというのが小委員会報告の趣旨だというふうに理解をいたしますと、精神保健福祉法は任意入院についての規定だからというのは、ちょっと当てはまらない。もう少し本筋の話として受けとめていいのではないかというふうに私は思います。 ここの指摘も含めまして、もう一度、十九条の一項、勧告とそれから二項の強制措置との間に、患者さんたちが、あるいは感染者の方たちがきちっと同意するという行為に結びつくような内容の豊富化というのをすべきだというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○小林(秀)政府委員 入院措置は身体に対する拘束という側面を持つために、その実施手続については特段の配慮が必要であると考えております。 したがって、この入院勧告に当たりましては、単にその内容を伝えるだけでなく、当該患者に対し適切な説明を行い、入院の必要性の理解が得られるようできる限り努力することとしており、そうした趣旨の徹底を図ってまいりたい、このように思っております。
○石毛委員 趣旨の徹底を図っていただけるのでしたら、文章記述としましてどこかにきちっとあらわしていただけるというふうに受けとめさせていただいてよろしいのかなというふうにお聞きをいたしました。 質問を続けます。 今の手続的権利等々とかかわりますけれども、この法案の中には、入院患者さんの通信や面会の自由というようなことについて規定がございません。HIV感染症の方も、今では非常に情報が行き渡ったということもございまして、十数年前あるいはほんの少し前の、ある種の非常に社会的に情報が混迷した状況とは違うと思いますけれども、新感染症などというのは、絶えずそういう危険性とか不安という状況に囲まれるのだと思います。 そうしますと、勧告なり強制措置なりを受けまして入院した場合に、医師からは説明はされるでしょうけれども、もっと親しい人に聞いてみたいとか、訴えたいとか、あるいは弁護士に相談してみたいとか、いろいろな不安な状況を抱えながらの入院になるわけですね。その入院も、十日、十日と繰り返されていくということなわけですから、通信、面会の自由ですとか、入院後も外部の方に連絡をとる権利というようなことも、きちっと手続の問題として書面で決めていくべきだというふうに私は考えているわけですけれども、この点はいかがでございましょうか。
○小林(秀)政府委員 感染症患者さんの身体的、精神的ストレスを和らげることができるように、入院患者が家族等と連絡を行えるように配慮することは大変重要だと私も思っております。 新法によります入院患者は、症状が急性で、精神保健福祉法の想定するような長期の入院が考えにくい一類及び二類感染症に係るものでございます。このため、感染症指定医療機関の指定に係る要件といたしまして、電話等の設置を通じた通信の自由の保障等を規定することによって対応したい、このように思っております。 ただ、面会につきましては、呼吸器感染の場合がありますから、面会の自由というところまではなかなか書けないのですけれども、それについても、具体的に、音声だけは通ずるような形のことを工夫できればそういうことも工夫して、基本的には、通信、面会の自由というか、そういう精神だけは生かした要件を書いて、そして、そういうところで一類、二類患者さんの、入院患者のケア、医療をやっていただこう、このように思っております。
○石毛委員 ぜひそれは書面通知でお願いしたいと思います。口頭ですとわからないということもありますし、できればそれは、きちっと第三者の方がそういう通知をするというようなシステムをつくるべきだというふうに私は考えております。具体的な実現をお願いいたします。 時間の関係で、通告させていただきました質問を少し省略させていただきまして、次に、法案第五章だったと思いますけれども、消毒やネズミ等の駆除という部分についてお伺いしたいと思います。 法案では、感染症の蔓延防止のために必要最低限の消毒をすることになる模様ですけれども、この必要最低限ということをめぐりまして、例えば、どういう薬品を使うのかというようなこと、あるいはどのぐらいの量で使うのかというようなことは、どこがチェックをするのでしょうか。どういう仕組みとしてこのことが実行されることになるのでしょうか。そのことをまずお尋ねしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 この法律におきましては、消毒を含む感染拡大防止措置については、「感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。」とされております。また、平時の消毒やハエや蚊の駆除は、この法律に直接基づくものではありませんが、法律の考え方を踏まえ、自治体が具体的な薬剤の使用量等について適切に判断されることを期待をいたしております。
○石毛委員 自治体が使用量等について適切に判断していくということですか。それは平時ですか。
○小林(秀)政府委員 消毒は、県も市も法律に規定がございます。両方あります。
○石毛委員 恐縮ですが、私が適切に局長の御答弁を受けとめることができなかったのだと思いますけれども、この法案の中での消毒ですとか駆除といいますのは、感染症の蔓延防止をする、あるいは発生を防ぐという意味で、具体的に汚染されている地域とかあるいは菌を持っている動物とかというようなところを消毒したり駆除をしたりするという、いわば有事の対応としてこの法案はつくられているのだと思います。ですから、有事ですから、緊急性を持って対応されるのだと思いますけれども、それにしましても、それで使う薬剤の種類ですとか量につきまして、どういうチェックシステムがあるのか、あるいはどういう決定システムを持っているのかというのがまず第一点の質問でございます。
○小林(秀)政府委員 今申し上げましたように、地方自治体が判断をしてやることであります。ただし、国の方でも一定の基準は示そう、このように考えております。
○石毛委員 それは、自治体の方でということで、国の方が一定の基準を示して自治体がその基準に基づいて判断して施行していく、そういう回答でございますね。
○佐藤(剛)委員長代理 明確に答弁してください。
○小林(秀)政府委員 議員の御指摘のとおりであります。
○石毛委員 それでは、平時はどうなりますのでしょうか。現行の伝染病予防法のもとで行われているネズミ等の駆除といいますのは、伝染病予防法はこの法案が成立すれば廃止になるわけでございますから、根拠法令がなくなってくると思いますけれども、この平時の対応はどのようになりますでしょうか。
○小林(秀)政府委員 平時の消毒につきましては、今先生がおっしゃられましたように、この法律に直接基づく規定はありません。それで、各都道府県が予防計画というのを定めることになっておりまして、その予防計画の中で平時の消毒については書かれることがある、書くことは多分あると思います。そういうことになろうかと思っておりますが、その予防計画に基づいて地方自治体、この場合は市町村が具体的な薬剤の使用量について適切に判断をして行うものと考えております。
○石毛委員 現行の伝染病予防法のもとでも、防疫用の指定されている薬剤の中には発がん性のあるもの、その疑いのあるものなどが含まれているというような問題点の指摘もございます。 今、化学物質過敏症というような問題ですとかあるいは環境ホルモンの問題、さまざまに新しい環境不安、健康不安が起こってくる状況で、先ほど局長は国が一定の基準を示すというふうにおっしゃいましたし、本質的には平時の場合は特に固有事務としまして自治体の事務だというふうにおっしゃられまして、そんなものかな、それでは使用できる薬剤につきましての検証、研究体制というのはどこでどのようにされているのだろうかという不安を抱いたのですけれども、いかがなものでしょうか。これは質問の中にはありません。今、局長御答弁で私が思いましたので。
○小林(秀)政府委員 今先生が御指摘のように、化学物質というのは、最近の環境ホルモン等の問題もありまして、国民の皆さん方も大変関心を持って見ていらっしゃるのは御指摘のとおりだと思います。したがいまして、さっきの消毒に使う薬剤についても、その点を十分気をつけて見直しをしていこうと思っております。
○石毛委員 見直しをしていこうと思っておりますということですので、何らかの具体的な手だてがどのように現在なされていて、これからどうしていかれるのかということをぜひ、別の機会で結構ですので、お教えいただけたらと思います。 この件に関しまして、もう一点、費用負担についてお尋ねしたいと思います。 時間もなくなりましたので、少し問題をまとめてしまって恐縮ですけれども、今の局長の御答弁からも、私は薬剤の散布ですとか駆除剤の散布、そういうものが過剰になされるのではないかというような不安感を持ちます。 消毒や駆除に使う費用というのは、法律では第六十三条で、患者やそれから管理者から徴収できるというふうになっています。私は、本来これは感染の拡大を予防するために、社会を守るためにする費用であるから税金でやるのが本筋ではないかというふうに考えているわけですけれども、そこはもう時間がございませんので省略させていただきまして、過剰散布になった場合など、その費用も患者さん、感染者の方が負担するというのはおかしいのではないかというふうに思うのですけれども、この点はいかがなものでございましょうか。
○小林(秀)政府委員 感染症の発生、蔓延の防止のためには、言うまでもなく、国民一人一人が感染症の予防に必要な注意を払うよう努めなければならないと思います。このような観点から、感染症の病原体に汚染された場所の消毒につきましては、当該場所の管理者等に一義的な消毒の義務を課し、感染症蔓延防止のために真に緊急的な必要がある場合に、補完的に市町村が消毒を行うことにいたしております。 この消毒の費用については、本来、汚染場所の管理者等に消毒の責務があることから、管理者等が消毒を怠る場合には費用徴収ができるものとしたものでございます。このため、感染症の蔓延防止のために一刻も猶予の許されないために管理者にかわって市町村が消毒を行う場合など管理者等の責に帰さない場合には、費用徴収を行わないこともあり得るものと考えております。
○石毛委員 管理者等というのはもちろん個人も入るのだと思いますけれども、責任に帰さない場合には公費負担という御答弁でございますね。今、そう御答弁いただいたということですね。
○小林(秀)政府委員 公費負担という言葉が適切かどうかわかりませんが、費用徴収は行わないこともあり得ると思います。
○石毛委員 今の御答弁をいただきましても、なおかつ、例えば仮に個人に責があったといたしまして、そこに散布されました例えば消事業の量が適切であったか、あるいは過少であったか過剰であったかという問題は起こってくると思います。 過剰であった場合に、それはやはり散布する側の、これは平時か有事かは別にしまして、自治体が判断してなさるわけですから、その判断の責任は自治体の側にあるわけですから、私はその場合には、公費、どこが出すかは別にしまして、本人負担になるというのは矛盾ではないかというふうに御指摘をさせていただきたいということで、あと最後にもう一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。 この法案の第十条でございますけれども、第九条で感染症に関しまして厚生大臣が基本指針を定めて、第十条では都道府県が予防計画を策定するというふうに規定されてございます。 この第十条の予防計画の策定に関しまして、第四項に関連してでございますけれども、この第四項には、「都道府県は、予防計画を定め、」ちょっと途中を省略します、「ときは、あらかじめ、市町村及び診療に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。」というふうにございます。 私は、感染症という、その種類等々も勘案してみまして、感染症に関します啓発ですとか、あるいは情報の伝達、相談、そういったところで、患者さん団体、あるいは関係する市民団体の方々がこの間に果たしてこられた社会的役割は非常に大きなものがあったというふうに認識しております。せっかく、この予防計画の内容の中には、第二項のたしか第四号で知識の普及というような事柄も入っておりますし、啓発というようなことも、予防計画の大変重要な内容になると思います。 そこで、この第十条第四項の「学識経験者の団体」に加えまして、さらに、患者団体や関係市民団体等の意見を聞かなければならないというような内容を、ぜひ十条の中に実現していただきたいというふうに考えるところでございます。 これは、介護保険法の中でも、介護保険事業計画をつくるというようなところで、被保険者代表の参画というようなことも実現してきておりますし、社会の趨勢はそういう方向に動いている、向かっているというふうに私は認識しておりますので、ぜひ、第十条の四項に関しまして、補強の方向でお考えいただきたいというふうに思うのですけれども、これは質問になるのか自分でも、質問じゃなくて、なぜ入っていないのですかというような質問なんでしょうけれども、時間がありませんので、ぜひその方向でお考えいただきたいということを質問として申し述べさせていただきます。お願いいたします。
○佐藤(剛)委員長代理 答える必要はあるんですか。
○石毛委員 はい。補強の方向で。方向でですから、位置づけていただけますでしょうかという質問です。
○小泉国務大臣 予防計画というのは、都道府県がいろいろ学識経験者等、いわゆる診療の専門家等の意見を聞いて立てるわけですが、これは当然、市民団体の意見を直接聞くということでもなくて、学識経験者等の意見というのは、一般市民等の意見を反映したものになってくるんじゃないでしょうか。 私は、そこまで規定をしなければならないのか、その必要はないのじゃないかと。当然、この予防計画というのは一般市民に大きな影響を与えてくるわけですから、その点は、専門家の良識を期待してもいいんじゃないでしょうか。
○石毛委員 大臣の御答弁でございますけれども、学識経験者の方たちがすべて問題を持つとか、私はそういうことを言っているわけではございません。 今までの経験からいたしましても、やはり患者さんや関係する市民団体の方々の御活動、そうした事柄が、この感染症の法律を見直して、新しく制定に向けていくという意味でも、やはり大きな力を発揮されたというふうに思います。 ですから、学識経験者の方々も当然お受けとめになられますでしょうけれども、今申し上げましたことを、何らかの形で明らかに表現していただくということを私は要望させていただきまして、少し時間が過ぎまして申しわけございませんけれども、これで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○佐藤(剛)委員長代理 家西悟君。 着席のままどうぞ。
○家西委員 民主党の家西です。 私は、当事者として、HIV感染、そして、B型肝炎、C型肝炎を持っています。四類になるわけですけれども、四類に分類される疾病を持っている者として、また、今までずっと運動をやってきた者の一人として、意見として言わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず最初にですけれども、やはり私の場合、エイズ予防法の制定について質問したいと思います。 予備的調査の報告書によると、最初、エイズ予防法が、一九八七年二月十日の時点で伝染病予防法の特例等に関する法律としてなっていたものが、それが、三日後の二月十三日にエイズ予防法案に変わったということ、このことについて、後天性免疫不全症候群、いわゆるエイズという名前を法律の名称に冠することについて、エイズパニックを一層助長されるおそれがあるという認識はなかったのかということについて、まず厚生省にお伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えをいたします。 エイズ予防法は、諸外国で急速に広まりつつある、治療法も未確立と。そして、感染症の拡大を未然に防ぎ、かつ、昭和六十二年一月の我が国初の女性患者報告を契機に広まったエイズパニックと呼ばれる状況を急速に鎮静化することを意図として、政府部内での検討を経て提案されたものと理解をいたしております。 その際、既存の伝染病予防法の一部適用などの可能性も検討されましたが、HIVウイルスの特性から隔離を必要としないことなどから、既存の法の一部適用で対応することは、不適切のみならず、エイズ患者を隔離するとの誤解を招きやすいのではないかとの懸念を踏まえ、新法として法案を作成したものであり、このため、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律という名称にしたところでございます。 したがいまして、エイズパニックが一層助長されたとする御意見は、法制定にかかわった者が全く予想しなかったことであると思っております。
○家西委員 今お答えいただいた中で、エイズは治療法がなかった、HIV自体は、当時として治療法がなかったというふうにおっしゃいましたけれども、本当にそうだったんでしょうか。事実の認識を誤っておられるのではないかというふうに私は思えてなりません。 今言われましたので、質疑の順番を若干変えますけれども、その点御了承いただきたいと思います。 当時、AZTは、もう既に認可されていたんじゃなかったんですか。では、AZTは何のために認可されたのか、その辺をお答えいただければありがたいのですけれども。
○小林(秀)政府委員 AZTは、日本の承認は一九八七年、昭和六十二年の九月に承認をされております。
○家西委員 今御答弁いただいたように、昭和六十二年の段階で、AZTというものは、抗HIV薬として認可されているわけですね。治療法がなかったと果たして言えるのかという部分について、私は、言えないと思います。 その辺について、厚生省としてどうお考えなんですか。
○小林(秀)政府委員 まず、この薬が承認されたのは、エイズ予防法が国会に提出された後承認をされたということをまず申し上げたいと思います。 それから、エイズの治療についてAZTが承認されたことと、それが結局使われて患者さんにどの程度の効果を上げたのかということが、その時点では私はわかっていなかったのではないかと。それで、当時は多くの学者の先生方が、エイズにかかられた方々は大変致命的で大変お気の毒だと、怖い病気だという認識が一般的ではなかったかと、このように思っております。
○家西委員 今、怖い病気とかいうふうにおっしゃいましたけれども、当時の医学的に専門家と言われる人たち、感染症の専門家の人たち、また「ネーチャー」とか「ランセット」には書かれていましたよね。HIVというものは血液を介する病気であると。しかも、八三年の段階で、HIVはウイルスであるということも固定されましたよね。フランスのモンタニエ博士、そしてアメリカのロバート・ギャロ先生によって、これはウイルスであるということを固定されて、一九八五年の段階で厚生省は検査キットを認可されていますね。そして、感染力というものは非常に弱いものであるということは、もう当時既に知られていたのじゃなかったのですか。
○小林(秀)政府委員 国会にエイズ予防法を提出する時点では、感染力が弱い病気であるということは厚生省の方も見解として述べておるところであります。
○家西委員 弱いということを認めておられながら、どうしてこの予防法が必要であったのかという点についてお答えいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 当時、エイズというのはなかなか感染しないものであるということは承知をしておりましたが、感染経路については非常に、当時私ほかの仕事をしていたのですが、例えばおちよこの回し飲みでもうつるのではないかとか、はしのやりとりだとか歯ブラシを共有すると危ないではないかとか、これはB型肝炎のときも同じような話があったのでありますけれども、そういう感染経路のことについても、もともとそのエイズというのが、私ども最初に聞いたのは、麻薬の関係で注射の回し打ちだとか同性愛の方に起きる病気だというふうに、私ら第一報を聞かされた記憶がございまして、結局感染についてどういう形態だったかというのはいささかよくわからなかった面がある。性行為でうつるということはよくわかっていたわけですが。そのほか、周りのところに何があるのかよくわからない。 それから、感染した方々が、その発病阻止も、それから発病されてからの予後も決してよくない、大変危険だということが認識をされて、それが国民の皆さんが、エイズは怖いという認識を持たれたのではないかと私は思っております。
○家西委員 今御説明いただいたのは、一般的な知識というかそういううわさだったわけで、厚生省としては、実際の問題として医学的な見地、そういったものから判断しなければならなかったのではないですか。そして、献杯によってうつるということは、これはもう否定されていたわけですよね。蚊によって感染するということも否定されているわけですし、ましてや、その当時と言われることは、八一年とか八二年の段階の話じゃないのですか。
○小林(秀)政府委員 少しダブつたお答えになるかもしれませんが、当時の状況は、発病後五年以内にほぼ全例が死亡するという医療関係者の発言や、先進諸外国では急速に感染が拡大しているという状況にあって、我が国でも昭和六十二年一月に初の女性患者が報告をされたところであります。これを契機として、いわゆるエイズパニックという状況が生じたわけで、この事態の鎮静化を図るということ、そして感染の拡大を未然に防ぐ必要が強く認識をされていたわけでございます。 こうした中で、厚生省といたしましては、六十二年の二月二十六日付で厚生省感染症対策室長の「AIDS感染予防に関する留意点について」という通知の中で、エイズウイルスの感染により引き起こされ、細胞性免疫不全状態を主な病態とする疾患であること、それから予防ワクチン未開発、発病後の治療方法も未確立、したがって対症療法が中心となること、三つ目に、感染経路はほぼ血液による汚染または性的接触に限られていること、四、感染様式はB型肝炎ウイルスと類似しているが感染力はそれより弱いこと等の認識を示しておりました。 こういう状況下の中で、エイズに対してこのパニックを何とか防ごう、それから対応をしなければ、諸外国で物すごくエイズ患者さんがふえられたと同じことを日本も呈するのではないかということで、当時法案の提出をされたものと思っております。
○家西委員 蔓延を防止するためにつくられた、そしてパニックを抑えるためにつくったんだということをおっしゃいましたよね。私たちの経験からすると、あのパニックというものは、正直なところ、ある種つくられたものであるというふうにも思います。まず長野での事件が起こりましたね。その後、神戸事件、そして高知事件というような形で、三つの事件が連続して起こっていく中で、エイズ予防法の制定へというふうな動きがあったはずですね。そういう中において、このHIVというものはそれほどの感染力がないということはもう事実としてわかっていながら、法律を策定されていって上程されたわけですよね。そして審議になっていく。そういうことを考えたときに、当時のことというものは非常に情報が操作されたような危惧を私は抱いています。 なぜならば、蚊でうつることもない、献杯でうつることもない、要は、感染するのは血液であり体液でありそして母乳であるということは、もう当時の医学的水準から考えてもはっきりとしていたわけです。にもかかわらず、その後つくられているわけですね、法律というものを。八五年の段階では既に歴然と、血友病患者が推定約二千人ぐらい感染しているであろうということがもう明確にわかっていて、日本での全HIV感染者の九四%ぐらいが血友病患者であるということは、当時としてもう認識されていたわけですよね。そして、この二次感染をいかに防ぐかというところに主眼を置いた法律ではなかったのかというふうに私は思います。 この予備的調査の報告書の前の方の部分ですけれども、当時の感染対策室長であった伊藤審議官が述べられている部分が結構あるわけですけれども、二次感染、三次感染をいかに防ぐかということが課題であったようなことがしきりに言われています。私は、それを目的とした法律ではなかったのか。血友病患者の感染はやむを得ないけれども、それ以上に血友病患者から介していく二次感染、三次感染をいかに防止するかというところに主眼を置いた法律ではなかったのかということを私は思うのですけれども、その辺、いかがなんですか。
○佐藤(剛)委員長代理 はっきりと答弁してください。
○小林(秀)政府委員 当時としては、感染源の把握が二次感染の防止に効果があるということで、二次感染も防ぐということが大きな目的であったことは事実であります。 それは、ただ、薬害エイズの患者さんからの感染を防ぐということが目的ではなくて、エイズが他の人に、次に二次感染または三次感染を起こさないようにすることが目的であったことは事実でございます。
○家西委員 要するに、これはやはり血友病患者を対象、当時全体の九四%ぐらいあったわけですからね。血友病患者だった以上、これは患者を取り締まるというか患者を規制すると。本来、予防というものはもっと早い段階で、一九八二年の段階で当時の郡司篤晃氏は資料を集めているわけですよね、HIVに関しての、エイズの資料を。公開されましたエイズファイル、郡司ファイルと言われるものにも、厚生省が公開されましたファイルの中にも、もう当時八二年ぐらいからその資料を集められていて、やはり一番問題は、予防ということをおっしゃるならば、こういった感染の疑いがあるという段階で対応しなければならなかったのに、それをせずに、なってしまった現状に対して、二次感染、三次感染を防ごうという法律というものはおかしいんじゃないかと。 そして今まさに、感染予防・医療法という、今回提出されています法律によってエイズ予防法を廃止されようとしていますけれども、まず、あれは過ちであったということをお認めになることが一番大事ではないかと私は思うのですけれども、お認めになりますか。エイズ予防法は間違いであったということをお認めいただけるんでしょうか。このことは、小林局長、言われていますね、参議院の国民福祉委員会でも、当時としては正しかったとおっしゃっていますけれども、本当にそれがいまだに言えるんでしょうか。その辺についてお答えいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 まず、エイズ予防法は、先ほども申し上げましたが、昭和六十二年の一月に、我が国初の女性患者の報告でエイズパニックという状況が生まれて、その中で、政府部内での検討を経て、法案が提出されたものでございます。 さらに、医学水準や社会環境から見ますと、現在は治療法も進み、長期間生存できる病気となってきておりますが、エイズ予防法制定当時は、我が国と同様アメリカにおいても、一度発病すると数年以内に死に至る病気であったこと、それから、欧米諸国では急速に感染が広がっている中で、我が国においては、感染拡大を未然に防止する必要があることが強く要請されたことから現行のエイズ予防法が定められたものであり、これらの医学的、社会的状況を考えると、総理の答弁にもあるように、当時としてはやむを得なかったものと考えております。
○家西委員 今、いろいろとおっしゃっていただきましたけれども、しかし、小林局長、これは日精協誌、日本精神病院協会の雑誌ですけれども、それに、「これからの精神医療」という形で、基調講演という形でされている資料なんですけれども、そこに、小林局長はこのようなことをおっしゃっていますよね。 厚生省は、実はハンセン病という病気で大変な失敗をしましたと。菅直人元厚生大臣がらい予防法の廃止が大変おくれて申しわけなかったと言って謝罪をしておりますと。結局、もっと早く廃止すべきだったと。一般国民の方から、ハンセン病という病気がわからないから怖いと。わかっていれば何も怖くはないわけであります。それからエイズの話でも、エイズ予防法ができてほぼ十年になります。十年前にはみんな物すごく怖がったものでありますが、やはり情報提供をして、世の中の人々がわかってくればくるほど怖くないんです。実は、エイズという病気はB型肝炎より怖くない病気だと思います。B型肝炎の方が、医学的にはもっと怖い病気でしょう。しかし、知らないことが怖いんだということをおっしゃって、これを読んでみると、らい予防法も大変な失敗をしたということをおっしゃって、その後、続きで、HIVのことも触れられておりますよね。 ということは、これは、自分たちとしてもミスをしたということをお認めになっているのじゃないかと私は思うのですけれども、いかがなんですか。
○小林(秀)政府委員 それは私、どこで述べたかわかりませんけれども、ただ、実際の……(家西委員「いや、写真に写っていますよ、ここに」と呼ぶ)いやいや、そのことの中身、内容を否定しているわけではございません。ハンセン予防法については、私は、法律を廃止するのがおくれた、そのように思っているので、そう申し上げたわけでございます。
○家西委員 じゃ、ここでHIV・エイズのことを触れられて、正しい情報、知識さえあれば怖くはないんだということを局長みずからおっしゃっておられますよね。ということは、当時としても、正しい知識、正しい情報を伝えていれば、エイズ予防法の制定が本当に必要だったのかということを私は先ほどから申し上げているわけで、そして、正しい情報がなかった、提供しなかったということにおいて、パニックが起こり、そして、法律を施行するべきだというような国民世論もあったというふうにも私は思います。だけれども、それは間違っているんだという否定を厚生省としてすべきではなかったのかというふうに思いますけれども、いかがなんですか。
○小林(秀)政府委員 繰り返しの答弁になるかもしれませんが、当時のエイズの状況については、先ほど答弁申し上げましたように、結局治療法としては対症療法しかない、予後が悪い、それから、患者さんの感染が広がっていくという状況観を皆さんが見られて、あの法律について国会で御審議の上、法案ができたもの、このように思っております。
○家西委員 対症療法しかなかったというふうにおっしゃいますけれども、いまだにそうなんですよ。いまだに対症療法しかないんですよ。根治療法はないんですよ、HIVは。 ただし、AZTができる前というものは、発症してから五年以内ですべてが亡くなっていかれるということは事実です。そして、AZTができて、その五年がある程度延びました。これも事実です。そして、その当時として、日和見感染症を起こした場合の対症療法というか、日和見感染症の治療薬というものは、数は結構あったはずなんですよね。飛躍的に出てきた。カリニ肺炎に対する治療薬ペンタミジンや、そしてST合剤とか、いろいろありましたよね、カンジダ食道炎に対しての治療薬とか。そういったものがもう既にどんどんできつつある時代において、どうして正しい知識を提供しなかったのか、そして、どうしてこういうふうな法律になっていったのかということについて御説明いただきたい。そうしないと、私は納得できない。 新しい感染予防・医療法に移行することは私は決して否定はしません。そして予防も否定していません。しかしながら、こういった事実関係をしっかり認識した上でやらない限りは同じ過ちを繰り返すのではないか、らい予防法やエイズ予防法のような差別や偏見を助長する法律になってしまうんじゃないかという危惧を私は持っています。 そして、私も感染者の一人ではありますけれども、そんなことは全然関係ないんですよ。社会防衛だけじゃなくて、国民として、また議員の一人として、委員の一人として、やはり蔓延の拡大を防止しなければならない。だけれども、それ以上に、人権というものも考えていかなければならない。こういったものが両輪でなければならないということを考えるからこそ、今、この点についてしっかりと答えていただかないと次のステップが踏めないと私は思うのですけれども、その辺について、先ほど申し上げた点についてはお答えいただけたらなと思います。
○小林(秀)政府委員 当時、エイズに対する正しい知識の普及を担当者もされたものと私は思っております。その当時の担当者は、そのつもりで一生懸命知識の普及をやられたもの、そして、こういう結果になったものと思っております。 ただ、先生、一番関係者ですから一番よく御存じなので、その先生の認識とほかの学者の先生方の認識、また厚生省の認識との間にずれがあったかどうかというのは、そこはちょっと私の段階ではわからないのであります。 しかし、当時は、本当に真剣に、何とかこのエイズの感染拡大を防ごう、患者さんを助けよう、そういうことで必死になって、いわゆる知識の普及というのも法律に盛り込んだはずだと思いますが、そういうことで、本人たち、担当者たちは必死に頑張ったものと理解をいたしております。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○家西委員 今、当時の担当者は必死におやりになったということをおっしゃっていただきましたけれども、当時のことを私、今ふと思い出しました。当時の結核・感染症対策室の伊藤室長、今現在審議官ですけれども、あの方は私たちの前ではっきりと言われました。当時、その審議にかかる直前というか、国会に提出される直前に私たちとお会いしたときに、私たち患者と会ってこういう話をされたことがあるのかと言うと、初めてですと。そして、エイズ予防法が国会に審議されるようになったときに、最終段階において伊藤審議官は私たちに、どうぞエイズ予防法をつぶしてくださいと、間違っていましたということを私たちの前で明言されました。そして当時の補佐の方が、私たちとは別に、東京の今の原告団の方々の前で、間違っていたと、つぶしてくださいと、自民党の幹部の方にお願いしてこの法律をどうぞ廃止してください、廃案にしてくださいということを言われたそうです。こういった事実があるのにかかわらず、真剣にやったというのはおかしいのではないですか。
○小林(秀)政府委員 先生の御発言ですが、私は、伊藤審議官がそう発言したことは承知をいたしておりません。
○家西委員 ぜひとも聞いていただきたいし、ここへ呼んでいただきたいと思います。これは事実です。厚生省内におられる幹部でしょう。呼んでいただいて、私たちの前で言われたのですよ、はっきりと。 厚生省の結核・感染症対策室の部屋で、私たちの前で、五人ぐらい私たちは行きました、陳情に。その前ではっきりと、つぶしてください、間違っておりましたということを、私たちの前ではっきりと当時言われたのですよ。法律を施行する前に、そして私たちの手ではどうすることもできなくなりました。もう既に、私たちの手を離れて、国会という場に行ってしまいました。手の出しようがありません。あとは皆さんのお力でつぶしてください、廃案にしてくださいということを言われたわけですよ。ぜひとも呼んでいただきたいと思いますけれども、その辺、委員長、いかがでしょうか。
○柳沢委員長 急のことでございますので、今すぐにということにもなかなかなり得ないと思います。したがって、この問題についての処理は、また後ほど、後刻理事会において協議させていただきたい、このように思います。
○家西委員 ぜひとも協議していただきまして、この辺の事実をはっきりさせておかないと、この新法が、なかなか難しい問題だと思います。言った言わないの話ではなくて、実際に言われたという記憶もあります。そして、現場にいた人たちも何人かは生存されております。そういう事実もあります。そして、そういったことをやらない限りは次のステップは絶対踏めないと思うのですけれども、それをぜひともお願いしたいと思います。 そして、エイズ予防法の問題点というのは多々あったと思います。その辺について、反省というか謝罪というか、そういうことについてお伺いしたいと思います。 これは、これを提出されるときに、橋本総理の方から答弁をしていただいたわけですけれども、「今振り返れば、私たちが後悔すること、反省すべきこと、その上でおわびを申し上げることは、振り返って、あったと思います。そして、その気持ちを率直に私は、議員を通じて申し上げたいと思います。」ということは、これは謝罪なんですか。謝罪と受けとめてよろしいんでしょうか。いかがでしょう。
○小泉国務大臣 私は、総理が本会議で述べられた答弁、あれは率直な気持ちをあらわしているのではないか、素直に受けとめればいいのではないかと思っております。
○家西委員 では、これは公式な謝罪ということで受けとめさせていただいていいというふうに思うわけですけれども……(発言する者あり)そうなんですよね。
○柳沢委員長 不規則発言は御注意ください。 家西悟君。
○家西委員 今ちょっと注意されましたけれども、確かにそのとおりであって、内閣総理大臣は謝っているんですよね。 先ほども申し上げましたけれども、今振り返れば、私たちが後悔すること、反省すべきこと、その上でおわび申し上げますということを言われていて、なぜ局長は申しわけなかったと言えないのでしょうか。エイズ予防法を含めて、感染症対策において、人権、そういったものに対しての侵害があったということについて、おわび申し上げることは振り返ってあったと思うと総理はお答えいただいたわけです。でも、局長の方は、当時としては間違っていなかったということをしきりにおっしゃっていますけれども、それではおかしいのではないですか。
○小林(秀)政府委員 私が申し上げたのは、当時の判断はやむを得なかった、このように申し上げた次第でございます。私どもは、エイズ予防法の関係でエイズの患者さん方が大変苦しまれたということに対しては、私たちもよく理解できることであり、そういう意味で、今回はそういう差別が起きないようにしていくことがより大切だという観点で、今回エイズ予防法は廃止して、しかし、感染症でございますので、感染症の中の一つとして位置づけて、そして今回新しく法律を出したということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○家西委員 では、先ほど来から繰り返しになりますけれども、エイズ予防法は間違っていたということで反省はされるということですか。
○小林(秀)政府委員 今の時点で考えれば、当時としては、私は、参議院の委員会でも適切という言葉を使っておりますが、当時の判断は適切だったと思う、こう述べておりますが、今総理も、やむを得ないということをおっしゃっておりますし、私どもも、政府としてはやむを得ない……(家西委員「やむを得ないとは言っておられませんよ、おわび申し上げると」と呼ぶ)はい。その後、おわびを申し上げるという話が出てまいりますけれども、やむを得なかったと判断をしているわけです。 そういうことから、私どもは、エイズ予防法が起こしたというか、惹起してきた副反応的なことといいますか、そういうエイズの患者さん方に対し苦しみを与えたということに対して、もうこういうことは起こしてはいけない、そういうことから、新しく法律を調製をしたということで御理解をいただきたいと思います。
○家西委員 今そういうふうにおっしゃっていただいた以上は、先ほどの石毛委員やらの発言にありました、人権への配慮から尊重ではないんですか。この方が正しくなるのではないでしょうか。その辺、いかがですか。
○小林(秀)政府委員 今回の感染症法案は、一類感染症のような大変怖い病気がある。この場合は、原則として入院措置ということに、もちろん入院勧告があって、そしてその後説明をきちっとして、それから入院ということになるわけでありますけれども、こういう方々にはある意味では行動制限になるわけで、そういう意味では、本人の持っている権利の一部を抑えることになる、そういうことから、それと、そういう権利の一部を抑えることと人権との関係でどう調整をするかということで、「人権に配慮」という言葉を使っているわけであります。 先ほど、石毛先生もおっしゃられましたように、尊重という言葉と配慮という言葉の意味の違いということについて、私も石毛先生のように同感に思っているわけですし、国民の皆さん方も同じように思っていらっしゃると思うのであります。ここの場合には、どうしても、感染症の発生の予防と、それから蔓延の防止というためには行動制限が起き得るわけでありますから、そういう意味では配慮という言葉を使うのが適切だ、このように思っております。
○家西委員 先ほどから聞いていますと、一類感染症は大変怖い病気である、怖い怖いというふうにおっしゃっていますけれども、これも私は間違いだと思います。あくまでも重篤な感染症であって、怖いわけではないんですよね。正しい知識を持っていれば、それでいいわけですよ。 例えば、エボラが怖いとおっしゃっていますよね。大変怖い、エボラが怖いというふうに言われていますけれども、エボラにしたって、これはもうはっきりしてきているんではないですか。空気感染ではなくて、血液や体液、そしてそういったもの、空気感染するものではないということはもうはっきりしているのに、怖い怖いと言っていること自体が私はおかしいのではないかと。 そうではなくて、そういった重篤な感染症ほど人権に配慮しなければならないのではないか、配慮というよりも尊重しなければならないのではないかということを思うので、ぜひとも、配慮でなく尊重の方で御検討いただけないのでしょうかねということをいま一度申し上げたいと思います。
○小林(秀)政府委員 先ほど怖いという表現を使ったのですが、例えばエボラ出血熱でいきますと、先生がおっしゃられますように、空気感染はしないということは今はわかっておるわけですね。一部、それに関する映画ができたときは、空気感染もあるということで、世界の人を大変驚かせたと思うのですけれども、それはなくて、実際には空気感染はない。そういう意味では、感染力の意味ではそんなに怖くはない。しかし、エボラ出血熱は、罹患をすると致命率が高いということで私は怖い病気だと申し上げたわけであります。そこは御理解をいただければと思う次第でございます。 そして、尊重と配慮については先ほどの答弁と同じでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○家西委員 私はなぜ怖い云々というのを言ったのか、これはまさしくエイズの問題と一緒なんですよ。あの当時、怖い怖いエイズということをしきりに言われました。そして誤解を生み、差別を生み、偏見を生んでいったわけです。それなのに、政府委員である方が誤った知識を普及しているのじゃないですか。こういった感染症に対しては正しい知識を普及させなければならないお立場の方が、怖い怖いエボラと言い続ければ、国民は必然的にこれは怖い病気であるというふうになって、近寄ってはいけない、さわってはいけないというふうになっていくのじゃないですか。正しい知識を普及するのがあなたたちの責務ではないんでしょうか。その辺、いかがなんでしょう。
○小林(秀)政府委員 今、エボラ出血熱の話をもう少し具体的に御説明してお答えにかえさせていただきたいと思います。 エボラ出血熱は、感染力等ではペストほどではないにしても、感染力が強く、また致命率が五〇ないし八〇%と極めて高い感染症でありまして、人類に対する危険性の極めて高い新興感染症として米国疾病管理センター、CDCを初め世界的にも認識をされていることから一類感染症と分類をしているということでございます。
○家西委員 私は分類の話をしているわけじゃないのです。怖い怖いエボラとか怖い怖い何々とかいうような表現を使ってはならないんじゃないですかということを言っているんですよ。正しい知識を普及しなければならないわけであって、これはペストほどの感染力はありません、しかしながら罹患することによって重篤な症状を起こします。しかし、死亡率は一〇〇%あるわけじゃありません。助かる人もいます。そういった人があるので、これに対しての差別・偏見が起こらないようなシステムをつくることが大事であるのにかかわらず、つくる前から、これは怖い怖いと言い続けることの方が最も差別や偏見を生むのではないのかということについて申し上げたわけですよ。 その辺について、分類の仕方がどうのこうのということを言っているのじゃない、正しい知識を普及しなければならない立場の人間がそういうことを言えば当然国民はそのようになっていくということを考えないんですか。いかがですか。
○小林(秀)政府委員 私が怖いという表現を使ったのはまことに不適切で申しわけない、これは謝りたいと思います。 それで、確かに、今エボラ出血熱というのが実態どうなのかということを明らかにしていくことがより重要であることも先生の御指摘のとおりであります。したがって、この病気の分類についても、法案では五年ごとに見直しておくという規定を入れておるわけでございまして、絶えず病気の見直しというのは、先生がおっしゃられるように、きちっと正しく判断をして、そのときのきちっとした科学知識による適正な分類をすることが必要だ、このように私も思います。
○家西委員 ですから、そのようなことをしっかりやっていただければHIVだってこれほどの問題にはならなかったんですよ、正直言って。だけれども、あの当時も同じなんですよ。いよいよ日本に怖い怖いエイズが上陸したというふうな報道をされ、そして女性への感染というようなことを、そのときに厚生省として一切否定していないんですよね、そのことに関して、怖いのじゃないということ。そして、これはこういったケース、感染症であって、血液や精液、体液によって伝播していく病気であるということを本来もっと声高らかにあの当時やっていれば今のような差別は起こってこない。にもかかわらず、エイズ予防法を制定され、しかもそれによって差別・偏見が助長していった事実はあるわけですよ。 今回、新しい予防法においては、医療とかそういうふうになりました。これは画期的だと思います、明文上は。あとは内容なんですね。二度とああいうことをやってはならないと言いつつ、先ほどからそういうことを言われるし、いろいろなものを見ると怖いエボラとか怖い何々とかいって、これは国民に恐怖を与えているとしか私は思えません。本当の情報を与えること、知識を持っていただくことが蔓延の防止に最大限に効果を発揮するものだと私は思います。この辺についていかがなんですか。
○小泉国務大臣 言葉じりで言うわけじゃないのですけれども、怖い病気というのはよく使う言葉なんですね。糖尿病は怖い病気ですよ、がんというのは怖い病気ですよと。問題は、正しく認識してください、どうやって予防するかと。ところが、ある問題については、その怖いという言葉が人によってさまざまな解釈をされる。正式な意図が人によってはよく受け取られないというのはよくあることです。お医者さんにしても、これは怖い病気だからねというのは私もよく聞きます。エイズ以外の問題でですよ。心臓病も怖い病気ですよ、高血圧も怖い病気ですよと。もうしょっちゅう、頻繁に聞きます。 要は、病気に対して正しい認識をどうやって持つか。国民の意識の問題もあると思います。この点については、厚生省としてもできるだけ正確な情報をいかにわかりやすく国民に伝えるかという点については、今までのいろいろな法律の経緯も踏まえて反省しながら今後対応すべきだと思っております。
○家西委員 質問時間がなくなりました。ですけれども、今大臣おっしゃるとおりで、いろいろな病気に使われます。これは事実です。だけれども、この怖いということはひとり歩きします、怖い部分だけで。がんや糖尿病とはまた違うんですね。なぜか。感染症だからです。人への感染をしていく病気であるからこそ、怖いという言葉を安易に使うことは差別や偏見を助長することにもつながっていくわけですから、この言葉を厚生省やそういった知識を普及される方は慎むべきだと私は思います。そうしない限り同じことの繰り返しになっていくんだというふうに思います。 そして、予定していました質問のまだ前半でした。また次回、時間をつくっていただきましたらこの続きをやりたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。 質問を終わります。ありがとうございました。
○柳沢委員長 青山二三さん。
○青山(二)委員 平和・改革の青山二三でございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。 明治三十年に制定されました伝染病予防法は、今日まで基本的に当初の形のまま百一年が経過をいたしました。その間、医学医療の進歩、そして国民の衛生意識の向上、人権の尊重などといった環境の変化に対応できないという視点から、ようやく今回の法律案、すなわち感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案が提出されました。今までこのような状況の変化に目を閉ざして、一律に隔離を原則とした法律によってきたことは大きな問題であると言わざるを得ません。感染症対策の見直しは遅きに失した感がありますけれども、百年という長い年月を費やした見直しであることからも、私は百年ぶりの改正にふさわしい人権の尊重に配慮した、そして国民が安心できる感染症対策でなければならない、このように考えておりますが、大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 WHOが一九九六年に、我々は、今や地球規模で感染症による危機に瀕している、もはやどの国も安全ではないという警告を発しているとおり、新興あるいは再興感染症が人類に対して脅威を与えているのは事実だと思います。 そういうことから、これにどういうふうに対応していくか。百年前と比べれば医学医療の進歩も格段に進んでいる。そして、今までのいろいろな法律の反省も踏まえまして、患者に対する人権の尊重、そして、この感染症をどうやって防止していくか、あるいは拡大を防いでいくかという点、この両立を図るということから、特に人権への配慮と感染症蔓延の防止を両立していかなきゃいけないという面において、私は、現行の法律から今回新たな法律を設定したということによりまして大きな前進が図られるのではないかというふうに考えております。
○青山(二)委員 それでは、先ほど来質問に出ております過去に対する反省について伺いたいと思います。 伝染病予防法の廃止とともに、HIV患者への差別・偏見を助長するとして批判のあったエイズ予防法も廃止をされ、本法案に統合されることになりました。感染予防と患者管理に偏り過ぎて、基本的人権とプライバシーの保護に欠けるエイズ予防法を多くの人たちの反対を押し切って成立させた経緯を振り返るとき、厚生省はいかに人権意識が欠如していたかを今回の法案提出を機に深く反省すべきであると思っております。 一昨年、らい予防法が廃止されましたとき、当時の厚生大臣が「陳謝の念と深い反省」を表明され、その提案理由説明において明記されたところでありますが、今回も同様に、エイズ予防法の廃止に伴い、制定過程の検証、そして、その反省に基づいて新たに今回の法律を制定することになった経緯、さらに、HIV患者に対する偏見を社会に定着させることになった歴史的事実についての謝罪を、前回と同じように提案理由に示すべきであると思いますけれども、小泉大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小泉国務大臣 まさに過去のらい予防法とかエイズ予防法、この法律制定の経過とか、あるいは、実際に制定して、意図していない面が出てきた、当時の患者さんにとってはいわれなき偏見やら差別で深刻な影響を受けた、こういう点を反省して今回新法を制定するということになったわけでありまして、その点は、今までの経緯というものを十分反省しながら、今後法の運用に当たっていくべきだと思います。
○青山(二)委員 反省しながらこの法律を提出されたという大臣のただいまの御答弁でございましたけれども、先ほど来の質疑の中でも、橋本総理も謝罪したととらえてもよろしいというこんな大臣の答弁がありましたので、ぜひこの提案理由にきちっと示すべきである、このように思いますがいかがでしょうかという質問をしたわけでございますので、もう一度御答弁をお願いいたします。
○小泉国務大臣 既に提案理由をしておりますように、その中で読んでいただきたいと。 私は、そのような趣旨というものを十分生かして今後運用できると思っております。
○青山(二)委員 大変残念な御答弁でございましたが、大臣がそのようにおっしゃるなら、そのような気持ちでこの法律を我々は読んでいこうと思います。 それでは次に、感染症の患者の人権の尊重について伺いたいと思います。 今回の法案は、らい予防法やエイズ予防法の教訓を今後の感染症患者の方々の人権擁護や最善の治療を受ける権利に生かされるものでなければなりません。しかし、多くの委員が指摘しておりますように、昨年十二月に提出されました公衆衛生審議会小委員会の報告書から見ますと、人権尊重の視点が後退し、社会防衛的色彩が大変濃くなったとの批判の声が上がっております。ハンセン病患者やHIV感染症患者などに対する差別や偏見が行われた事実、さらには、硬直化した基本的な法律の見直しを行ってエイズ予防法などの個別法を設けて対処してきたことが必要以上のおそれや偏見を助長する結果を招いた事実を政府は真摯に受けとめ、感染症の患者等の人権を十分に尊重すべきであります。そして、今後こうした過ちを二度と繰り返さないためにも、人権尊重の考えは繰り返し、繰り返し強調される必要があると考えております。 そこで、患者の人権にも配慮した新たな時代に対応する法案として、また、人権への配慮と危機管理対策とのバランスのとれた感染症対策であることを示すためにも、私は、この法案の目的条項に、患者の良質かつ適切な医療を受ける権利やプライバシーの保護など、患者・感染者の人権を最大限に保障し尊重することを明記するべきであると考えております。多くの委員もこのような提言をされておりましたが、いま一度大臣の御所見をお伺いいたします。
○小泉国務大臣 これは、患者の人権を尊重するというのは当然ですし、同時に、感染症の予防なり感染症拡大を防止しなければならない社会的防衛の面もあります。その両方をいかに効率的に確立していくか、この両者の調整を図ったという面において、私は、今回の法律というのは十分に機能していくというふうに考えております。
○青山(二)委員 大臣の御答弁は同じようなものでございますから、これ以上質問はいたしませんので、次の質問に移らさせていただきます。 今、日本では、若い研究者のうちで病原・細菌学を専攻する後継者が極端に不足しているということでございます。抗菌剤への過信とその乱用が医師にも患者にも感染症の恐ろしさ、細菌感染症の恐ろしさをすっかり忘れさせてしまったとの指摘がありますように、大学では伝染病の講義などはおざなりになりつつあるようでございまして、そして、細菌学者が、病原・細菌学者と言うのでしょうか、この学者が一人もいない医科大学や医学部があるということでございます。また、腸チフスや赤痢の患者すら診たことのない医師がいる現状であるということも聞いております。このような状況で果たして今後新興感染症また再興感染症に対応できると言えるのかどうか、大変不安を感じております。 感染症に関する人材の養成は、感染症の患者に対しまして、先ほど述べましたように、人権に配慮した良質かつ適切な医療の提供がなされるためにも大変に重要な問題であります。そのためには、医師、看護婦等の医療従事者の教育や研修、感染症専門医の育成、そして、患者の医療相談に応じる体制の整備に積極的に取り組むべきであると思いますけれども、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 感染症対策を進めていく上で、まず医師が、というより一般の先生方が、お医者さんが感染症についてある程度の知識を持たれることが私は大変重要だと思います。 というのは、感染症というのはポピュラーなものであります。今回、新しい法律で一類とか二類と言っているのは数が少ないのですが、普通の感染症というのはたくさんあるわけでありまして、そういう意味では、まず一般の先生方が感染症に対する理解をきちっと持っていただくことが大事、それへの対処法もきちっとしていただくことが大事であります。 そういう意味では、大学で、先生が御指摘になったように、医学教育の中で実際どうされているのかというところ、私も、文部省の関係でございましてそこの内容まで存じませんけれども、感染症のコースへ勉強を進まれるという方が非常に少ないということは私どもも聞いて、心配をしておるところであります。まずはその大学での教育ということが大事だと思います。 二つ目に、今度は感染症の専門家の養成ということは、さっき先生がおっしゃいましたように、その講座に進む人がいないとかいうことも、大変大切なことなんで、そういう養成をやっていく。 だから、医師も、一般の医師も専門医もこの養成をきちっとしておくということが、我が国の感染症対策をやる上で非常に重要なことだと私は認識をいたしておる、厚生省として認識もいたしておるところでございます。 そういうことで、厚生省でできるということになりますと、先ほども御答弁を少しさせていただきましたけれども、感染症に関する研究費というのを確保して、そしてその研究費を出すことによって研究者の方々が育つ、そういうような仕組みにしていくことが必要、それからもう一つは、海外との交流で、日本の先生方が外国へ出ていって感染症を勉強される、また外国の専門家が日本に来て勉強をされるというようなことをやる、そういうことが大変必要、平成九年度の予算で十五億の予算を確保したというのも先ほど申し上げたわけでありまして、新たに設けたわけです。そういう意味で、その研究費による研究とかそれから派遣事業、それから招聘事業ということをきちっとやっていくことが大変大切だと思います。 その次に、今度は厚生省と関係の大変深い、保健所のドクターだとかそれから地方の衛生研究所のドクターだとか、そういう方々にも、どうも従来ですと化学物質だとか公害とか、そういうこともあったんでしょう、そちらの勉強も大分進んだようでありますけれども、感染症に関する関係はなかなか進まない、そういうところについては、国立感染症研究所とか公衆衛生院での研修でもって現在実施をしておりますが、そういうところにもつと呼びかけてきちっとした研修をやってまいりたい、このように思っておるところであります。
○青山(二)委員 御答弁いただきましたように、きちっと対応していただきたいと思います。 それでは、問題となる感染症が発生した場合に、機敏に対応できる体制の整備について伺いたいと思います。 感染症の突発的な発生による脅威を考えますときに、機敏に対応できる組織の構築が重要であります。アメリカでは、このような事態に対応できるCDC、疾病対策予防センターがありまして、六千五百人の職員と年間六十億ドルの予算を持っております。一方、日本の場合、国立感染症研究所は四百人弱という体制であります。このような体制で、突発的な感染症が起きた場合、国民を守る適切な対応ができるのでしょうか。これも、心配をいたしております。 参議院におきましても、この新感染症の発生に対しまして、直ちに専門家から成るプロジェクトチームを結成するなど、国の積極的な対策について議論がありましたけれども、危機管理の観点からも、私は日本におきましてもCDCに匹敵するような、機敏に対応でき国民から信頼され得る体制を整備すべきではないかと思うのでございますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○小泉国務大臣 私は、御意見に賛成であります。 現在、厚生省としても、健康危機管理調整会議を設置して、この感染症対策等危機管理、全力を挙げて取り組んでいこう、特に国立感染症研究所については、平成九年四月に国立予防衛生研究所を改組し感染症情報センターを設置している、その施設設備の充実に努めておりますが、今御指摘のアメリカのCDCですか、疾病予防センター、疾病対策予防センターというのですか、この米国のCDCとか、あるいは地方衛生研究所など、国内国外を問わず、必要な関係機関と連携をとりながら、協力をしながら、今後、感染症に関する体制の強化を図っていきたいと考えております。
○青山(二)委員 ぜひ大臣、よろしくお願いいたします。 それでは、体制の整備についてもう一点お伺いをしたいと思います。 年間一千七百万人近くが海外へ出かける時代になりまして、いつどのような形で新しい感染症があらわれるか予想ができず、また国内で発生した場合でもたちまち被害が拡大する危険性をはらんでおります。水際の防衛体制の強化はもちろんですが国内の情報収集、発信体制など、発生動向調査の体制を整えることが重要であります。 今回の法案では、これまで予算事業として行われていた結核・感染症サーベイランス事業が法体系として位置づけられておりますが、昨年十一月、総務庁の行政監察において、厚生省と都道府県や市町村との情報の報告、還元などのおくれが指摘されているところでございます。これでは、今回の法案が目指す事前対応型行政ができるのか危ぶまれるところでございますが、この点につきましてはきちんとした対応を考えておられますでしょうか。
○小林(秀)政府委員 今回の法律では、第四類として挙げた疾患がございます。これらの四類の病気というのは、国民の皆さんに正確な情報を提供することによって国民の皆さんにそれぞれの病気に対する対応をとっていただきたい、国民に情報を提供できなかったら国民の方も対応のしようがない、そういうことはやっちゃいけないということで第四類という病気を位置づけたわけであります。 そういたしまして、先ほど先生がおっしゃったように、従来からの、かつてサーベイランス、今は発生動向調査と申していますが、これについての、従来は予算補助でやっていた事業を今回は法定化をしたわけであります。そして、お医者さんにも届け出を義務づける等という措置もとっているわけでございまして、今回の法律の改正では私は非常に重要なポイントだ、そう考えておるところでございます。 したがいまして、今回は、患者数の多い病気は定点観測を、そうでない病気は全数報告をという形で、各定点だとか現場のお医者さんから患者数を上げていただくと同時に、場合によっては、各都道府県段階で積極的疫学調査、ここは何かどうもおかしいというときには、そこについて積極的に県が疫学調査をできるという規定も盛り込んでおりまして、そういたしまして、国民にいつも正しい情報を伝えていくのだという精神でこの法律を書いておるところでございます。 それで、国から都道府県、それから市町村との情報伝達が悪いような御指摘があるというお話でございましたが、今私どもが気にしておりますのは、厚生省から都道府県、都道府県から市町村ということでいきますと、そこもおくれていると言われればおくれているのかもしれない、一生懸命やらなくてはいけないと思いますが、もっと心配していますのは、検疫所で入ってきた病気が、検疫所でつかんだ情報が都道府県に直接出ないというところが実はありまして、規定がしていなかったのでありますが、今回は、検疫法の改正で、そこについても法律できちっと明記をすることにいたしまして、より一層の情報の伝達がスムーズにいくように対応をとったところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○青山(二)委員 それでは、どんな事態にも迅速に対応するためには、その感染症対策の中核的機関となります保健所の足腰の強化が課題となってまいります。 現在、保健所は既に感染症部門を縮小して、もとに戻すのは容易でない状態になっていることが指摘をされております。それに加えまして、病院の方も経営の合理化が進みまして、いざというときに心配だという声もございます。国や地方の役割分担を明確にいたしまして、緊密な連携を図るとともに、保健所が地域における感染症対策の中核的機関として十分に機能できるような体制強化を図るべきであると考えております。今回の法律案を機に、保健所の感染症部分を今申し上げましたような内容でより充実させるべきであると思いますが、具体的な対応策について伺いたいど思います。
○小林(秀)政府委員 先生御指摘のように、現在、保健所というのは、各都道府県ではだんだん数が減らされている、減らされていると言うと実は被害者的で申しわけございません、減っているのが現状であることは承知をいたしておりますが、それは、保健所の業務というのがだんだん時代とともに少しずつ変わってきまして、そして地方自治体としては、業務の合理化という観点から、その合理化、それから強化という面から集約化が行われているものと理解をいたしておるところでございます。 新法におきましては、感染症対策の広域性、専門性等の観点から、これまでは市町村長の事務とされていました入院等の対応を保健所を所管する都道府県知事の事務に移管するなど、地域における感染症対策の中核機関として保健所を位置づけたところでございます。 本法実施に当たりましては、この保健所の職員が、感染症対策や食品保健に関する知識、技術面での研さんに努めることができるように、国立感染症研究所、公衆衛生院における研修体制の充実に努めて、そして本当にこの感染症対策が機敏に、的確に、迅速に行われるように、職員の質を上げていくということが大変大切だ、このように思っております。
○青山(二)委員 その感染症対策で重要な役割を果たします保健所の数がまだ、先ほどちょっとお口から出ましたけれども、減らされているというようなことでございますけれども、ちなみに、平成三年度に八百五十二カ所全国にございました保健所の数が、何と平成十年では六百六十三に減っております。私の住んでおります栃木県では、ずっと平成元年から十一カ所でございましたけれども、何と平成十年度は半分の五カ所ということでございまして、こんなに減らされているというか減っているというか、その理由をこの機会にお伺いしておきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 保健所の設置数は、先生おっしゃいましたように、平成元年三月当時で八百四十八ありましたものが、平成十年の四月で六百六十三という数字になっております。これは、保健衛生サービスの部門でも一番大きなのが、母子保健というのが大変大きかったわけでありますけれども、これは母子保健法の改正でもって市町村長のいわゆる義務に変わってまいりました。ということで、結局福祉の方でも同じようなことで、県でやっている仕事をだんだん市町村でやるというふうに、住民の身近な自治体でサービスをすることの方が、よりトータルとして国民に対するサービスがよくなるという基本的な考え方に基づいて、福祉も衛生サイドもそういうふうに地方に移譲ということをやっているわけですが、そうすると県の仕事がだんだん少なくなってきている。 それと同時に、もう一つ、検査ということでも、従来ですと例えば簡単に済む検査が、だんだん高度の機器を使うようになってまいります。そういたしますと、やはり機器をむだに整備するというわけにもいきませんので、数を限ってくるとかというようなこともありまして、各自治体では保健所の数が減っている。 ある意味でいいますと、前からあるのですが、今各都道府県でいきますと広域市町村圏というような考え、厚生省はそれを使ってほぼ医療圏という、医療圏だとか保健福祉圏だとかいうのは各県単位でできておりますが、大体基本的には各都道府県ともその広域市町村圏だとか医療圏にできるだけ合わせる形でもって保健所の整備強化を進めておるのではないかな、このように思っております。 突然の御質問で、そこまで細かいことはちょっと危ないところはありますけれども、大体そんなような基本的な考え方で整備が進められていて、今回感染症法案ができますと、これで逆に今まで市町村がやっていた仕事を今度は県に移して、そこで、これは結局感染症の患者自体の数は減っています。病気はふえていますけれども、数は減っている。そういうことでの対応では、都道府県が対応することがよりよいと判断をして、今回の措置をとったところであります。
○青山(二)委員 先ほどから質疑の中で、その保健所の機能が大変重要だ、それから先ほどの御答弁の中では、保健所のドクターも重要な位置を占めているというような御答弁がございましたけれども、これだけ保健所を少なくして、そのような対応ができるのかと。 ちなみに、ただいま答弁がありまして、平成元年は八百四十八でございました。それで、ずっと二年、三年とふやす傾向にあったようですね、この資料から見ますと。八百五十二にふやして、そこでずっとここから減ってくるわけでございまして、県のやるべきことを市町村でもやれる、そういう部門を保健センターという形で設置していった、このように思っているのでございますけれども、このたび、この感染症に対応する強力な体制を整備するというのであれば、この保健所の数というのはこれでよろしいのかなというふうにも思います。 そして、保健所のドクターということではどのような配置を考えておられるのでしょうか。所長さんがただ一人ドクターの免許を持っているというような現実が保健所にはあるわけですね。突発的なこういう感染症が発生したときに、本当にこれで対応できるのかなと身近に不安を感じているわけでございますので、その辺のところどのようにお考えか、もう一度御答弁をお願いします。
○小林(秀)政府委員 まず、保健所長は医師であるべきかということが、ひところ行政改革の中でいろいろ御議論がありました。政府部内でも検討をいたしました。その結果、こういう感染症対策だとかというところのリーダーとなっていくのは、やはり基礎的には医学がベースだということで、今後も引き続き保健所長は医師であるべきということを堅持していくというふうに厚生省では方針を立てておるところでございます。 ただ問題は、その数が一名でいいのか、二名でいいのか、三名でいいのかというところまでは、まだ現実問題、厚生省としてしっかり論及しているわけではない。しかし私は、所長さん一人ではとても足りないのではないか、こんなふうにまずは思っているところでございます。 次に、保健所の数では、私も言いましたように、六百六十三という数は、広域市町村圏の数からいくと、全国で広域市町村圏は四百弱でございますから、そういう面でいけば、まだ六百六十三というのは実はそこまで行っているわけではないのです。ただ、各都道府県別、政令市別に見ていきますと、実は保健所を所管する課も私の局の中にありまして、私が所管をいたしておりますが、そこで見ますと、実は都道府県というより指定都市の方が多いのでありますが、そういうところも実は心配なところがあります。そこについては、今後この法律が通ったときには、知事さんとか市長さんによくお話を申し上げて、感染症対策に抜かりのないようにきちっとやっていただくよう指導してまいりたい、このように思っております。
○青山(二)委員 それでは、局長の御答弁を信じまして、私たちが不安にならないような、そんな体制ができる、このように安心をさせていただきます。 それでは次に、健康危機管理の観点から、高齢者のインフルエンザ予防接種について伺いたいと思います。 昨年、特別養護老人ホームに入所しているお年寄りがインフルエンザに集団感染をいたしまして、死亡した例が相次ぎました。その実態を見てみますと、平成八年十一月から九年一月までの三カ月間で九十二名のお年寄りが死亡しております。 高齢者にとりまして、インフルエンザは命にかかわる病気であると従来から指摘されておりますように、平成八年までの十年間では、インフルエンザによる死亡者のうち六十五歳以上のお年寄りが九割前後を占めております。私の住む栃木県におきましても、平成五年から八年の四年間にインフルエンザで亡くなった方は十八人おりますが、すべて六十五歳以上の高齢者であります。 御承知のように、平成六年、予防接種法の改正で、インフルエンザ予防接種は対象疾患から外されておりまして、任意接種となったために、六千円から一万円と言われる費用はすべて自己負担となりました。そういうことでもあるのでしょうか、その接種率が年々下がっていることがとても心配でございます。国民の健康を守るのが厚生省の基本理念でございますので、政府は、感染すると命にかかわる高齢者につきましては、このまま何もせずに手をこまねいている場合ではないと思います。 そこで、高齢者へのインフルエンザ予防接種につきましては、国費や医療保険で負担するなど、老人医療の一環として、また、新しい高齢者対策として考える必要があると思います。このインフルエンザの予防接種を制度化すべきであると考えますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○小泉国務大臣 インフルエンザ予防接種については、当初はこれは子供に対してだったんですね。中にはこの副作用が問題になった時期がありました。そういうことから、強制ということから任意になって、最近はまた今度は、高齢者に対する今御指摘のような問題が出てきたわけです。 これは、平成六年に改正された予防接種法の附則において、法律の施行後五年、といいますと平成十一年ですが、施行後五年を目途として必要がある場合には所要の措置を講じるとされておりますので、近々このインフルエンザ予防接種のための委員会を設置したいと考えております。そして、この委員会において、近年の疾病の流行状況の変化あるいは予防接種の接種率、健康被害の発生状況を分析して、高齢者に対しての予防接種のあり方を含めた予防接種対策全般、この問題を検討して、必要な措置を講じていきたいというふうに考えております。
○青山(二)委員 大臣の大変前向きな御答弁をいただきましたけれども、ぜひそのようにお願いをしたいと思います。 私の質問は午前午後に分かれてしまいましたので、午前の最後の質問ということで、国際協力体制の推進について伺って午前の質問を終わりたいと思います。 この一世紀の間に医学や医療が進歩いたしまして、国民の健康意識は向上しておりますが、一方、森林開発や都市化によって病原体との接触の機会が増大しまして、交通機関の発達に伴う病原体の地球規模の移動や薬剤乱用による耐性菌の増加など、新型や復活型の感染症も勢いを増しておりまして、WHOは、感染症では、先ほど大臣からお話がありましたように、もはやどの国も安全ではないと警告を発しているところでございます。 さらに、近年の地球温暖化に伴いまして、熱帯でも最も深刻な寄生虫病でありますマラリアが先進国に広がる可能性が出てきておりまして、地球規模の取り組みが必要となっております。 昨年六月のデンバー・サミットにおきまして、橋本総理は寄生虫病対策について日本が先進国の中で主導する意向を表明しており、感染症制圧に実績のある日本が主導的な役割を果たすことに期待の声が高まっております。そして、さきのバーミンガム・サミットの首脳宣言におきまして、地球規模の感染症及び寄生虫症に関する相互協力の強化がうたわれていることからも、国際協力の視点が欠かせないことは明らかであります。 日本における感染症対策の水準の向上を図るためにも、海外の感染症研究機関との交流やあるいは研修の充実など、感染症に関する国際協力を一層推進することが必要であり、この点につきましては公衆衛生審議会小委員会におきましても指摘されているところでございます。 したがいまして、今回の法案に国際機関との連携のもとに専門家の派遣や諸外国との感染症対策に関する協力協定を盛り込むべきであると考えますけれども、大臣の御所見をお伺いして、ひとまずは質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 世界は狭くなりました。人の交流、物の交流あるいは動物の交流といいますか、ペットにおいても、いろいろな方々が世界各地から日本に、輸入といいますか、持ってくる。感染症の脅威というのはいつ起こるかわからない。 そういう点から考えますと、国際協力はこれから大変重要なことでありまして、現在でも、WHOとか、あるいはCDCですか、米国疾病管理センター等に国立感染症研究所の職員を派遣しておりますし、今後も、世界におけるこの新興・再興感染症の出現に対してどうやって国際交流を活発化しながらお互い協力体制を構築していくかということについては、各国も私は共通の認識を持っていると思います。 日本も、この国際協力の重要性を十分認識して、感染症対策に取り組むためには、人材の派遣においても体制の整備においても、国際協力という視点も十分に考えて体制を組んでいきたいと考えております。
○青山(二)委員 大変ありがとうございました。 それでは、また午後もよろしくお願いをいたします。
○柳沢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○柳沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。青山二三さん。
○青山(二)委員 それでは、午前に引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。午後からは、今大変大きな問題になっております脳代謝改善薬についてお伺いしたいと思います。 先月、私は本委員会におきまして、有効性が疑われている脳代謝改善薬について質問いたしましたが、このたび、脳循環代謝改善剤の再評価のための審査を続けてきました中央薬事審議会の調査会と特別部会は、審査対象五成分のりち四成分につきまして、医療上の有効性が確認できないとの結論を出したとの報道がございました。 これら四成分の薬につきましては、一九八〇年代後半に承認されましてから実に十数年を経て、このたび医薬品としての承認が取り消されたわけでございますが、なぜ効果のない薬が認められ、長い間使われてきたのか、多くの国民が疑問を持ち、今後の対応に注目をいたしております。そして、今まで総額八千七百五十億円の売り上げを記録していることも国民に大きな不信を抱かせております。 医療上の有用性が認められないとした中央薬事審議会の結論に対しまして、小泉大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小泉国務大臣 薬が効いているか効いていないか、後で再評価してみたら余り効き目がなかったということで、これは私も率直に言って、効き目のない薬をどうしてそんなにみんな使っていたのだろうかと疑問に思っているのです。しかし、効いているという人もいるわけですね。薬というのは、人によって効く場合とそうでない場合は、この脳代謝薬でなくてもほかにもあると思うのです。 私は、評価する場合、審査する場合の審査の方法とか基準、再評価のあり方、今までのやり方について正すべき点はなかったか、これをしっかり国民の誤解なりを解いて、理解に対して十分な情報を提供するように、また今後とも、審査のあり方についても改善すべきは改善するようにしなければならない。今後、そういう点を含めて、できるだけわかりやすい情報、透明性を図るような審査体制をつくっていかなければならないと思っております。
○青山(二)委員 大臣のそういう御答弁ではございますけれども、厚生省は、今回の再評価結果を発表いたしました際に、薬の薬理効果が否定されたのではありませんと、承認取り消しが決まった薬をあたかも擁護するような発言をされたとの新聞報道がございますが、この事実を確認したいと思います。また、この発言が本意であるならば、厚生省は、医療上の有用性が認められないとの中央薬事審議会の結論を否定したと考えてよろしいのでしょうか、御説明を伺いたいと思います。 さらに、承認そのものに問題はなかったと行政の責任を否定しておられますけれども、本当に承認審査に問題はなかったと言い切れるのでしょうか、その根拠を伺っておきたいと思います。
○中西政府委員 四成分につきまして、今回の臨床試験成績では、脳梗塞、脳出血による後遺症に対して、試験薬群すなわち四成分の薬の群でございますが、そういった試験薬群では、全般改善度として二〇%台半ばから三〇%台半ばの改善が見られた。しかしながら、これはプラセボ、にせ薬、偽薬を対象として二重盲検試験、ダブル・ブラインド・テストでございますが、これを行ったわけでございますが、プラセポ群の改善率との間には統計的に有意な差が認められなかったというのが今回の臨床試験成績の結果でございます。 要するに、今回の臨床試験では、さまざまな日常の治療に、実薬あるいはプラセポがそれぞれ上乗せした形で二重盲検比較試験が実施されておりまして、これは試験の設計として問題がないわけではないという指摘を中央薬事審議会は行っておりますが、そういったことも一つの原因であろうかと思いますが、プラセポ群自体の改善率が相当高くなっているというのがこの試験の結果でございます。 これは、いろいろな推測が成り立つわけでありますが、中央薬事審議会の四成分についての全体的評価によりますと、今回の臨床試験をもってこれらの薬剤の薬理効果は否定されるものではないが、要するに、医療環境そのものが、例えば脳梗塞等において、CTやMRIの普及等によって、早期診断、外科療法の進歩、救命救急体制の整備等による早期診断、早期治療が可能となって、治療効果が全般的に改善してきたこと、あるいは抗血小板薬とか血管拡張薬とか、そういった併用薬が使われておりまして、こういった基礎治療が充実してきていること、それからリハビリテーションの内容の向上や介護、看護等の療養環境が改善してきておる、こういった医療環境が改善してきたことから、これらの薬剤の医療上の有用性は承認当時に比較すると低下したものというふうに考えられるというのが中央薬事審議会の判断でございます。したがって、これら四成分についてはいずれも提出された資料からは現時点におげる医療上の有用性を確認することはできないということになったわけでございます。 承認時の御議論でございますが、中央薬事審議会におきましても、今回の再評価に係る四成分は、承認時において薬理効果や医療上の有用性が認められ、それは現在の審査で用いられている解析方法によっても検証できる。その薬理効果の面から考えますと、これらの薬剤の中には、欧米では、例えば投与量、投薬の量でございますが、これを相当ふやしてアルツハイマーの薬効をねらって、数社においては臨床試験を実施しておるという実態もあるわけでございます。そうしたことから見ても、別の適応や用法、用量等を設定して、今回の臨床試験の分析結果も参考とし、その用法、用量を変えることによって医療上の有用性を示していく可能性は残されている。ただ、その場合は新たな臨床試験をもって立証していくことは当然である、これが中央薬事審議会の四成分についての全体的評価でございます。
○青山(二)委員 大変長い御答弁をいただきましたけれども、私がお聞きしたいのは、薬の薬理効果が果たす病気の改善でございます。薬理効果が問題になっているのではなくて、毒にも薬にもならない薬を効くということで、それを信じて飲み続けている患者さんがいる、そういうことを考えましたときに、このような薬が十年以上も売り続けられてきたこと自体大きな問題ではないのか、大切な医療費が使われてきたことに厚生省は責任がないのでしょうか、こういうことをお聞きしたいわけでございますが、大臣はどのように思われますか。
○小泉国務大臣 これはいろいろ説明を聞いてみまして、わかりにくいところがあるのですよ、率直に言うと。効かない薬を何で渡したのだろうか。今になってわかったと。当時はわからなかったのか。しかしながら、今有効だという薬でも、人によって効かない薬もあると思いますね、いろいろな薬が。あの人には効くけれども、この人には効かないという薬があるのです、現実に。丸山ワクチンだって、人によっては、効くと信じている人がいるわけでしょう。しかし、専門家に言わせると、はっきりとした薬理効果は見えない、薬としては認められないという人もいるわけです。 この点は、どういうふうに問題を理解して今後に生かすかということなんですが、私は、薬の有効性の審査体制についてもっとわかりやすいような方法がないものか。そして、薬効というもの、薬の効き目というもの、当然副作用も伴うと思うのですけれども、毒にもなれば薬にもなるというのが薬だと思うのです。有効性も含めて透明化を図ると同時に、より一層評価の問題について工夫なり努力をすべき点が多々あるのではないかと思います。いろいろ難しい専門家の議論もあるようですが、今回の問題というものはおろそかにしていい問題じゃない、できるだけ国民に説明のしやすいようなわかりやすい体制を今後とっていくためにこの問題を十分慎重に今後も検討すべきであるというふうに考えております。
○青山(二)委員 以前にも、効果が疑問視されておりました抗がん剤が長年使用されまして、その有効性が否定されるまでに約一兆円もの医療費が使われてきたことがございました。そしてまた、今回も再評価の対象となった効かない薬に、大臣は効くか効かないかわからない、人によっては効くこともあるいは効かないこともあるというようなお話がございましたけれども、あくまでもこれは効かないという審議会の報告が出ておりますので、このような薬に莫大なお金が使われたということをやはり真剣に受けとめなければいけないと思います。この薬剤費を痴呆症のお年寄りの介護のサービスに向けた方がどんなに有益だったか知れません。 新聞報道によりますと、今回再評価の対象となりました五種類の薬は一九八〇年代後半に承認されましたが、その承認審査の前提となった臨床試験の薬は、にせ薬のプラセポと比較したのではなく、その当時年間百数十億円の売り上げがあったホパテという薬と比べて同等の効果があるというお墨つきを得て承認されたということでございます。 しかし、その基準となったホパテという薬は、その有効性が本当に証明されていたのか疑問視されておりまして、一九九〇年十二月に、副作用がきっかけとなって脳血管障害の後遺症の改善薬としての効能が取り消されたものであります。つまり、評価の定まっていない薬をもとにして同等の効果があったとして許可されたのが今回の再評価対象となった五種類の薬であります。その上に、九〇年から本年、八年間も経て、少なくともホパテの効果が取り消された時点で再評価をすべきであったと私は思うわけでございます。このことは、国民の前に新薬の審査過程を細かく公表する義務があることを明確に物語っております。 今回の反省を踏まえて、厚生省は各社の承認審査の過程について国民の前にすべて明らかにすべきであると思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○中西政府委員 ちょっと最初に、誤解があるようなのでお話し申し上げますが、ホパテにつきましては、これはまさに安全上の問題で効能が取り消されたということでございまして、有効性があるなしを問うて削ったという話ではございません。 そもそも、この四成分につきましては、一番当初、ホパテの承認時の臨床試験におきまして、ホパテがプラセポの投与群を対照に臨床試験をやって、有意差をもってホパテが勝った、そのホパテを対照薬としてこの四種類の成分について臨床試験が行われて同等性が証明され、その結果承認がなされたというのが事実でございます。 それから、医薬品の承認審査過程につきましては、先生おっしゃるとおり、私どもとしてもできるだけ国民にわかりやすく、それから審議の経過というものを明らかにしていかなければならないというふうに考えておりまして、従来から中央薬事審議会の議事録あるいは詳細な個別品目の調査報告書を公表してきているところでございますが、さらに個別の品目に関する臨床試験等の資料や承認審査の概要を取りまとめた文書を作成し、順次公表していく、あるいは国民すべてが利用し得るような医薬品情報提供システム、これは今作業をやっておりますが、何とか十一年度から実行に移したいというふうに考えておりまして、そういったシステムを整備していくなど、透明性の確保に努力していきたい、かように考えております。
○青山(二)委員 ぜひそのようにしていただきたいと思います。 一九八八年に改められました現行の再評価制度で、有用性がないとして承認が取り消された医薬品はこれまでに十六品目あるということでございますが、現在保険が適用されている医薬品約一万三千品目については毒にも薬にもならないというものが相当含まれている、そのように聞いております。 そこで、有用性に疑問があると言われている多くの薬の再評価を早急に実施するとともに、医薬品が再評価されるまでの期間の短縮、そして再評価制度の見直しを考えるべきではないかと思います。 小泉大臣、この際思い切って医薬品の総点検をなさってはいかがでございましょうか。再評価制度の見直しについて御所見を伺います。
○小泉国務大臣 御指摘、賛成です。今回の問題というものは、医薬品に対して国民の疑問やら不信を招いたわけですから、今後厚生省としても、この国民の医薬品に対する不信を取り除くためにも、審査体制のあり方、国民に正確な情報を提供する等、そのような整備により一層取り組む必要がある、透明化を含めて改善措置を講じたいと思います。
○青山(二)委員 大臣の大変前向きな御答弁をいただきました。 これで午前と午後にわたります私の質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○柳沢委員長 武山百合子さん。
○武山委員 自由党の武山百合子です。早速質問に移らせていただきます。 きょう、皆さんの厚生省とのやりとりを聞いておりまして、厚生省も国民の足元に少しずつ近づいていきつつある、お互いにキャッチボールのやりとりであるなという感想を持ちながら今聞いておりました。 早速ですけれども、今回の法改正の時期についてちょっとお伺いしたいと思います。 伝染病予防法が制定されて百年以上が経過したわけですけれども、その間、天然痘の撲滅宣言というのが昭和五十五年にWHOの方で何かあったということを聞いております。また、国内的には昭和六十二年にエイズパニックというわけで、公衆衛生上日本では大きな出来事があったわけですね。 それで、このたび伝染病予防法を見直すということで、この百年の間には幾度となくそういう見直す機会があったのではないかと思います。その辺の中身の、百年間も御説明していただきたいというのは無理なお話だと思いますけれども、幾度となく見直す機会はあったのではなかろうかと思っておりますので、そのポイントだけぜひ御説明していただけますでしょうか。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 これまでの、現行の伝染病予防法に基づく取り組みを進める中で、法定伝染病は患者が非常に減ってきたこと、それから指定感染症制度というのがありまして、例えば旧来の伝染病予防法で全然書いてない病気が出た場合に、指定制度というのが実はありまして、それらによって状況の変化に対応ができたこと等あって、これまでも伝染病予防法の抜本的見直しは行われず今日に至った次第でございます。 しかしながら、近年の新興・再興感染症の出現、それから人権への配慮の社会的要請、それから国際交流の活発化等、的確に対応する必要があることから、今般感染症対策の抜本的見直しを行い、本法案を提出したところでございます。 それで、このような考え方がいつの時点でなされたのかということを特定することは非常に困難であると考えております。と思いますのは、新しい理念の形成というのは医学医療の進歩に合わせて段階的に醸成をされてくると私たち考えておりまして、一番きっかけになったといえば、午前中でも答弁申し上げたと思いますが、一九九六年にWHOが、今や感染症で世界じゅうどこでも安全なところはないんだ、こうWHOが言ったことあたりが、今回もうしなければ、こう思い立った一つのきっかけではないのか、こんなふうに思っております。
○武山委員 日本もようやく国際基準に近づけようという思いはみんな持っているということを感じましたけれども、今回、新たな感染症対策ということで法案が提出されたわけです。この法案に対して皆さん本当にいろいろ御議論を今までやってまいりましたけれども、この法案の中でエイズ予防法や性病予防法の廃止をしたわけですね。戦後の混乱期における時期があり、またエイズの蔓延が世界的な大問題となったという背景があったわけですけれども、この両法律が廃止されて、それでこの新しい法律になった、これからなるわけですけれども、これも含めて、二つの法案を廃止して、それで一つのものにしたというところにどのような公衆衛生上の役割を果たしてきたのか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今先生は、伝染病予防法それからエイズ予防法それから性病予防法の果たしてきた役割という御質問だったでございましょうか。(武山委員「はい」と呼ぶ) まず、伝染病予防法というのは、今までも先生方おっしゃられておりますように、基本はまず治療法がないから隔離というような、今から百年前の考え方が中心になって法律ができておりまして、それで、実際には日本の公衆衛生の状態がよくなってきて、それから抗生物質の開発とか医薬品もよくなり、医療レベルも上がってきて、この伝染病予防法がねらいとした急性の感染症というのが著しく減ってきたということなんだと思うのであります。 したがいまして、伝染病予防法があったから何か国民の健康がすごく守られたかということではなくて、医学の進歩だとか周りの環境の変化で、実は直さなくても大体対応できたというようなことではないかな、こんなふうに思っておるところであります。 それから、性病予防法につきましては、性病予防法の最大のポイントは、実は、梅毒のコントロールというのですか、梅毒を減らしていくということが非常に大きな目的ではなかったかと思います。これは御案内だと思いますけれども、婚姻時には、お互いに性病の検査をして、梅毒にはかかっていませんという証明書をお互いに交換をしましょうというようなことを書いてあるわけですけれども、こういうことが、そのこと自体が影響したかということはなかなか判定は難しいのでありますけれども、やはり性病予防法があったおかげで、エイズだとか淋病とか軟性下疳とか、そういうものに対して国民の理解が進んで、減ったのではないかな、こんなふうに私は思っております。 エイズ予防法につきましては、先ほどもいろいろ御議論いただいたのですが、よかったという判定がこれはなかなか難しいのかもしれませんけれども、我々としては、エイズ予防法ができて、そしてそれによってエイズの患者さんの発生ということについてもいささか抑えられた、発生が減らされたのではないかな、こんなふうに思っております。 今回、この法律を調製するときに当たりましては、今先生、エイズ予防法と性病予防法を廃止してと、こうおっしゃられたのですが、実は、伝染病予防法も含めて三つを廃止をして、新しい感染症法案をつくって国会に提出をしたということでございます。そういう意味では、それなりに、突然の質問なものですから大体私が了解していることでお話を申し上げていますけれども、それぞれ少しずつ効果を上げてきた。しかし、それよりも本当に大きいのは、科学の進歩だとか医療技術の進歩だとか公衆衛生の改善だとか、そういうことが非常に大きくして国民がこれだけ長寿を全うできるようになったのではないかな、こんなふうに思っておる次第でございます。
○武山委員 伝染病予防法が制定されて百年ということですけれども、今回の法案が法律として通りましてから百年ももたせようなんというお考えは毛頭ないと思いますけれども、これからの日本の公衆衛生上、やはりどんな事態が起きるかわかりませんし、またグローバル化はどんどん進んでいきますので、臨機応変に対応できるような法律でなければならないと思いますし、やはりその都度見直して、つけ加えて、そしてもうその時代の役目を終えたものはそこで廃止していく、そういう基本的な考え方をやはり貫き通して、百年ももたせようなんということは絶対お考えにならないでいただきたいと思います。 次に移りますけれども、感染者等の人権の保護ということで、ちょっと、エイズ患者がいまだに、歯科の治療ですか、そのときに出血を伴う、そういうときに相変わらず医療機関から敬遠されることが多い、そういうことを実際に聞いているわけですね。それで、このようなことが起こらないように、医療関係者の責任と義務として、感染者に対する適切な医療の提供をしなければいけないということを条文上明記する必要があるのではないかと思いますけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。 それで、明記されていないわけですけれども、そうするならば、感染者が受診を拒否されることがないように、どうその辺を担保するのか、その辺お聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 医師がエイズ患者さんの診療を忌避したのではないかということに関連しての御質問でございますが、医療法の第一条の二におきまして、 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨と し、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医 療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基 づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じ て行われるとともに、その内容は、単に治療の みならず、疾病の予防のための措置及びリハビ リテーションを含む良質かつ適切なものでなけ ればならない。と規定をされております。 本条は、医療内容の一層の充実に資することを目的として、医療提供のあるべき姿を法律上明確にし、関係者がこの共通の理念に沿って医療を提供する責務を有することを明らかにしたものであり、医師が正当な理由なくエイズ患者に対する医療提供を忌避したような場合には、この医療提供の理念に反するものであると考えておるわけでございます。
○武山委員 では、反したときはどうするのですか。それはだれも判断できないと思うんですよね。それは、今おっしゃることはまさに教科書の一部分でして、それはだれでも言うことなんですよね。そういう議論を実はしているわけではないのです。実質的に、実際にどうするかという問題なんですね。
○小林(秀)政府委員 診療に従事する医師は患者から診察治療の求めがあった場合には正当な事由がなければこれを拒んではならないこととされておりまして、診察治療を拒むことができる正当な事由は、医師の専門、人的体制、物的設備の程度等の医療側の事情と緊急性の有無等の患者側の事情を総合的に考慮して判断されるものであり、その有無は個々の事例ごとに判断されるべきものであるが、正当な事由なく診察治療の求めを拒んだ医師があるとすれば、医師法に違反するものであり、まことに遺憾なことであります。このような違反を行った医師については、医道審議会の意見を聞いた上で判断することとなるが、違反の内容によっては、医師法上の免許の取り消し、停止の対象となる場合もあり得るということでございます。
○武山委員 今のでわかりましたけれども、やはり啓蒙活動というのですか、医師としての責務、責任、義務がどういうことかということを、もちろん文言ではわかっていても実際に正しい認識がないと、私が例えば医者とした場合、正しい認識がなければちょっとした上っ面だけで拒否するということもあり得ると思いますし、また、正しく認識していれば人間としてきちっと対応すると思うのですね。その辺、やはりいまだに言われているということは、数としてどのくらいあるかといいましたらわかりませんけれども、正しい認識に近づいて、医師がそういう正しい認識を持っていると今は判断しますけれども、エイズに対する認識というものも大分きちっとされるようになってきたと思っておりますので、ただ、実際に本当にそういうことが行われ、かつ拒否されたということになれば、今の、いわゆる医師の免許の取り消しですか、そこまで最終的には行くということは事実なんですね。
○小林(秀)政府委員 先ほどもお答えをいたしましたように、このような違反を行った医師については、医道審議会にかかる、そして場合によっては厳しい処分があるということでございます。
○武山委員 はい、わかりました。 それでは、次に移ります。 感染症の予防対策として、患者の発生状況を把握するための動向調査ということを今度するわけですね。方法を間違えると、感染症患者のプライバシーが侵害され、社会から疎んじられるというか、そういうおそれが一部分であると言われているわけですけれども、この動向調査の法制化に当たり、どのような点に配慮したのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今回の新しい法案では、いわゆる患者の動向調査というのは、実は、国民に情報を提供して、それによって四類感染症を防いでいただこうという目的で、ワンセットというのですかね、組み合わせになっている大事なところでございます。 そして、この情報収集については、四類感染症を対象にして実施をいたしますが、四類感染症の中にも、病気の数が多いものと少ないものがあります。少ないものについては、全数報告をいただくという形を考えておりますし、病気の数が多いものについては、定点で、あらかじめポイントを決めて、その医療機関にかかった者は報告してくださいという形をとることを考えておりまして、もちろん患者さんの氏名なんというのは入っておりません。そういうものをなくして、性、年齢と、それから住所地でも、何々県、都道府県名が入るということの情報提供をいただくことといたしております。 それを厚生省の方に収集して、そしてそれをまとめて、国民に還元をする。国民の皆さんがそれを見て、今インフルエンザがふえているとか、MRSAがこんなにふえてきたとかということがわかって、国民の皆さんもそれに関心を持たれて、当然それは医療関係者も同じように見られて、そして最善の努力を図っていただくように、今度は国民みずからがそういうことをやっていただくということに、力になっていくようにしているわけでございます。
○武山委員 今のお話の中で、インフルエンザは地域でわかると思うのですけれども、いわゆる感染症の予防という意味で、感染症は広く新感染症から、一類から四類まであるわけですね。 それで、検疫で見つかる場合、それから病院で見つかる場合、いろいろなケースが考えられると思うのです。そのケースを、どんなケースで、どういうふうに発生状況を確認するのか、ちょっと発生状況を説明していただけますか。
○小林(秀)政府委員 例えばインフルエンザを事例にとりますと、インフルエンザの患者さんが出ますね。そうすると、その方は医療機関に行かれる。医療機関の方では、診察の結果インフルエンザと診断した場合には、そのインフルエンザについて、さっき言った、性と年齢とそれから何々県だということを、その情報を、保健所を経由して都道府県から厚生省に情報が上がってくる、こういう仕組みになっておるわけであります。 それによって足していくわけですが、ただ、若干欠点がありますのは、一人の患者さんが二カ所の医療機関に行った場合、インフルエンザのようなものは数が多いものですから定点で観測してやりますから、そうそうダブることはないのですが、数の少ない病気で二医療機関にもし行くようなことをすると、ダブルでカウントすることもあり得るわけです、そんなたくさん起きるわけではないのですが。実際には、今言ったように医療機関から上がってくる。したがって、患者さんが医療機関に行かないのを、こちらから患者さんをチェックに行って、診断に行って、それでそれを数えるということは、このいわゆる動向調査では対象にいたしておりません。
○武山委員 もう一回、ちょっと初めからそこの部分を説明していただきたいのですけれども、最初、どのようにそれを発見するのか。今回の法改正のポイントで、新感染症、一類、二類、これは入院を伴うわけですね。そうしますと、まず最初の着地点からなんですけれども、まずこれをどこで発見するのか。検疫、いわゆる空港や港湾、それから地域で、症状がおかしいとかそういうことで始まるわけですね。その最初の段階の例というのですか、どういうところでどう発見するのか、ちょっとお話ししていただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 ちょっと、先生、少し整理をしないといけないところがあろうかと思いますが、実は、今回のサーベイランスという事業は四類感染症を対象といたしております。一類、二類、三類という感染症、入院を伴うもの、または行動制限を伴うものは、これは措置が伴いますので、これは実は氏名も性別も年齢も出てまいります。これはいわゆる患者発生動向調査とはちょっと別に考えていただきたいと思います。(武山委員「はい。四類の方はですね。」と呼ぶ) 問題は、四類の方については、そもそも四類を、どうやってこの法律で感染症を防いでいこうか、感染を防止していこうかということのポイントは、この患者の動向調査を国民に提供することによって、国民に理解を深めていただいて態度の変容を期待する、例えばインフルエンザが流行するなら、人込みに出かけるのはやめましょうとかいうことになります。 もとのスタートはどこかといいますと、個人の方が医療機関に行って、その医療機関で診察を受けた結果、四類感染症の場合に、それが全数報告の病気であれば、それは保健所を経由して都道府県、それから厚生省へと来ます。それから、そうでなくて、定点の場合には、定点医療機関にかかった場合のみ、それは数で上がってきます。こういうことでございます。だから、もともと、医療機関に患者さんが来るところからスタートが始まります。(武山委員「それは四類ですね」と呼ぶ)四類です。 それから、一類、二類、三類でも、もともと患者さんが医療機関に来なければ、一類、二類、三類の場合でも、初めは発動しません。ただ、今度は、検疫伝染病の場合には、検疫伝染病に書いてある病気の方が検疫所を通りますと、それはそこで、チェックで、全員に網をかけて診断をするわけではなくて、本人が実際に申し出たときに、検便をするとか血液を検査するとかいうことで始まって診断がつく。そこからスタートをするということになるわけであります。
○武山委員 そうしましたら、今、一類、二類、三類で、検疫所あるいは病院で疑いがある、例えば私がその疑いがあるとしますね。それで、疑いがあるとわかったときに、私がどのような経過を通って、病院に入院して退院するまでを、ちょっとわかりやすく、私、質問しながらキャッチボールしたいと思っておるのですけれども。 まず、二つの例がありますね。病院でわかる場合と、それから検疫所で、外国から帰ってきた場合、それから、病院でちょっと調子がおかしいとか、二つの例がありますね。二つの例でも、まず、そこからどこへ行くわけですか。行政手続上、どこに行きますか。
○小林(秀)政府委員 まず、検疫の場合でございますか。検疫の場合には、先生が外国から帰ってみえた、それで何か症状が、調子がおかしいとか症状があるといった場合に、検疫所のドクターに診察を申し出る。そこで診察の結果、これはコレラだとわかったとします。そうすると、検疫所の方で、今回は感染症の指定医療機関の方に患者さんを……
○武山委員 ちょっと待ってください。今その中で、一つお聞きしたいことがあります。 その検疫所に来たときに、まず最初にすることというのは、アンケートか何かとるのでしょうか。それとも、そういう疑いのある地域に旅行したとか、疑いのある地域に行ったために、それに対して検査を受けなければいけないということがもう決まっているんでしょうか。それとも、自主的に、そのときにアンケート調査か何かにチェックするのでしょうか。まず第一に、どういうことをするかということなんですけれども。
○小林(秀)政府委員 外国から帰ってみえますと、今、質問票はお配りしますが、基本的に、自主的に書かれるわけであります。あくまでも自主的に申し出られて、そして診察をして、その結果によって、医療機関に入っていただく方は医療機関に入っていただくということになるわけであります。
○武山委員 そのとき、明らかに、これはおかしいなとわかる場合、それから、チェックの後、そのチェックをしたものをまたチェックするわけですね。本人がアンケートに答えた内容を、その後検疫官が検査する、検査というか、チェックするわけですね。これは疑わしきなし、これはちょっと疑いがある、これは確実に疑う、幾つかに分かれると思うんですね。 それで、まさに疑いがあるという場合、私個人でしたら、これはどこかかかったかなと思って、じゃ、診てもらおう、その次の手続をとろうと私は判断しますけれども、中にはいろいろな方がいらっしゃいますので、そのとき拒否しますね。いや、私はそんな疑わしいことはないと。そのとき、健診を拒否した場合はどうなりますか。
○小林(秀)政府委員 今、質問票があって、そこに何も書かれないという場合は、実際には本人が拒否をされた場合、それはそのまま国内に、ほかのことで、入国管理制度とか何かでチェックされることはあるかもしれませんけれども、検疫の関係でいえば、そのままフリーパスで通っていくことができます。 本人が申告した場合のみ、検疫所のドクターが診察をいたします。そして、これが検疫伝染病であれば、さっきも言いましたように、強制的入院ですね、まず。本人に入院を勧告して、それで、本人がオーケーと言えば入られる、本人がノーと言えば、まことに申しわけないけれどもと言って説明をして、強制入院で入っていただくということになるわけです。 その他の伝染病ですと、感染症ですと、隔離を必要としないものについては、検疫所から各都道府県へ御連絡をするということをさせていただくということでございます。 そして、最初に隔離された方は、そこで治療を受けられて、そして、治られると解除になって、自宅にお帰りになる、こういうことになります。都道府県に帰った場合には、都道府県の方でその後の汚染調査等を実施されるということでございます。
○武山委員 自主的に検疫を受けるということですけれども、検疫を受けたくない、自分は疑いがないということで、検疫を受けないで地元に帰って、後から発病するという例もありますね。 それで、今のお話で、検疫を受けて疑わしきは、拒否した場合、そこでどうしても、説明をして、それで健康診断を受けるということですね、今のお話ですと。 検疫を受けて疑わしきと思われたときに、健康診断を受けなければいけないわけですね。そのときにまたそこで、すんなりいく場合はもう問題ないんですけれども、すんなりいかない場合があると思うんですね。そのときをポイントに今お聞きしているんですけれども、すんなりいかない場合、疑いがあったと言われても私は健康診断を受けたくないという場合は、強制的に、意地でも捕まえて検査をする、そういう感じなんでしょうか。それとも、もちろん、今回は人権に配慮してということですから、きちっと説明をされて、その説明も本当に懇切丁寧に、本当に人間的に説明をされて、それで同意を求めるというのがこの法案の趣旨だと思いますけれども、例外に対してそのときどうするかというところで、強制的にという、強制という意味を、中身をちょっと説明していただきたいと思うんです。
○小林(秀)政府委員 本人が検疫所に申し出て、検疫所のドクターによる診察を受けて、そして検疫伝染病に該当すると言われた場合には、感染症の指定病院に入ってくださいというふうに勧告を申し上げます。 しかし、本人がノーと言って拒否をされた場合、今回の検疫法では、それを強制的に入院させることの規定には法律上なっておりません。
○武山委員 健康診断について、お願いします。
○小林(秀)政府委員 済みません。間違えました。 健康診断については忌避をすることができます。しかし、診断がついて感染症指定病院に行くときには、これは強制力が伴います。もちろん、本人に勧告をして、本人が御了解されて入られればそれでよろしいわけですが、本人が入らないと言った場合には、強制的に入院ということになります。強制措置になります。
○武山委員 そうしますと、その前に、入院の前に、健康診断の拒否はどうなりますか。もちろん健康診断も、疑わしきとわかったときは、はっきりと、させるということですか。
○小林(秀)政府委員 健康診断を受けない場合には、それは、受けずに入国することになります。しかし、今度は、入国した場合ですから、国内の問題として、何かあれば対応することになるわけであります。しかし、実際的には、検疫法としては、通過することができるということであります。
○武山委員 ちょっとわかりにくいんですけれども。何が何だかわからなくなってしまったんですけれども。 まず、そこでアンケートに答えて、疑わしきとなった場合に健康診断を受けるような流れになるんですけれども、常識では健康診断を受けますけれども、その中に受けたくないという方がいたら、それは強制的にでも健康診断を受けるんでしょうかという意味なんです。それは、強制的ですから、逃げ回るようだったら押さえつけてでも、最悪、そういうことも起こり得るという意味なんでしょうかという意味です。
○小林(秀)政府委員 検疫法では、強制的な健康診断はできません。それで今度は、入国したことになりますので、国内法で、新感染症法でもって健康診断をすることになる、こういうことでございます。
○武山委員 そうしますと、強制的にはできないということですので、そこではしないということですね。それで、お帰りになっていただいてしまうということですか、強制的にしないということでしたら。そこでお帰りになっていただくということですね。
○柳沢委員長 もっと明快に答えてください。
○小林(秀)政府委員 ですから、検疫法では、健康診断は強制力がありません。そして、これについては、後は国内法の適用で、本人はもちろん自宅に帰っていただいていいですが、検疫所から連絡をいたしますので、今度は国内法での健康診断の対応になりまして、これは知事が、正当な疑いがあるという場合には、強制的に検査をすることが可能であります。
○武山委員 そうしますと、いきなり勧告ということになってしまうんですか。
○柳沢委員長 許可を求めて発言してください。
○武山委員 済みません。 そうしますと、健康診断は強制力がないということですので、本人はそのまま自宅にお帰りになるわけですね。そうしますと、後で、帰った後何日間かたって出頭するとか、県知事の勧告書を持っていくとか、そういう手続になるんでしょうか。 そうしますと、もしそこに疑わしきとあれば、最悪を考えたときは、一日、二日でも感染するわけですね。その辺ははっきりと議論されていますでしょうか。 〔委員長退席、長勢委員長代理着席〕
○小林(秀)政府委員 今言いましたように、検疫所で本人が健康診断を申告もせずに受けないというときには、そのままフリーパスで行きます。これは申し上げたとおりであります。したがって、本人は診察を受ける義務はないわけですね。だから、健康診断は、受けませんと言って拒否できるわけです。だから、そのままずっと行ってしまって、何も後の情報をつかめないときには、これは、後は国内で、その病気をだれかにうつしたとか何か症状が出たときに、国内法の適用になるということになるわけであります。 したがって、検疫法では、そこで強制検査をやって、そして何かするという仕組みにはなっていない、あとはもう入国してしまったら国内法の対応でございます、こういうふうに申し上げているわけであります。
○武山委員 それはわかりました。 何かまた押し問答になって時間が非常にむだなんですけれども、アンケート調査で、これは疑わしいと検疫官がお認めになって、それで健康診断を受けてくださいといった場合に、ではそのときはどうなんですかとお聞きしましたら、局長さんは、それは強制力がありません、それで帰ってしまっても結構ですとお答えになったわけですね。 そうしますと、そこでは常に、何というのですか、拒否をした場合は全部お帰りになってもらうということですね。それで、きちっと健康診断を受けて、疑わしかったら説明をして、それで入院をするということですね。 そうしましたら、その次ですけれども、そこで見逃した人が地元にお帰りになって、医者に行って、それでこれは疑わしきとわかりますね。疑わしきとわかった場合に、今度は地域の医師が保健所に報告をして、それから県に行くわけですか。それで、県の方から知事の勧告を受けるという意味でしょうか。ちょっとその辺、順番にわかりやすく説明していただけますか。
○小林(秀)政府委員 まず、ちょっとこんがらかるかもしれませんから、少し説明をさせていただきますと、一類感染症については疑似症というのが措置の対象になります。それから、二類感染症は、疑いというのは一般の方と同じで、その病気にはなりませんということを、まず先生、二つに分けていただきたいと思います。 それで、本人は何も申告もせずに入国された。しかし、入国してから症状が何かおかしいので医療機関に行かれる。医療機関で診断がついて、そうすれば今度はその人が保健所長に届け出る。一類でも二類でも、保健所長に届けられます。二類の場合には疑いは届ける必要はありません。二類の患者さんは真性のものだけ、真性とは本当の病気ということですね。一類の感染症は疑いのものも届け出ていただく。 そうすると、法律上は都道府県知事が措置をすると言っていますが、実際には権限の移譲でもって保健所長さんが入院の勧告、まず最初に本人にお勧めをしてという形になるわけであります。そして、あとは本人が入るか入らぬか、入らないときには強制力もあり得る、こういうことであります。
○武山委員 ちょっとその流れについて今後もお聞きしたいと思いますけれども。 権限の移譲で保健所長さんが入院の勧告をするということですね。それで、入院の勧告をする理由を明示した書面を今回交付するわけですけれども、その書面によって、懇切丁寧な説明と同意を求めるということで、一般的にはほとんどの方は入院をされると思いますけれども、例外として、それを拒否した場合の強制というのはどういうふうな強制になりますでしょうか。
○小林(秀)政府委員 新法案におきましては、一類感染症の患者等の入院について、これまでの強制措置の規定を改めまして、勧告を行う手続を創設したところでございます。こうした勧告によって実際上は大多数の者が勧告に応じて入院に応ずるものと考えますが、どうしても勧告に応じない者に対しては、感染症の蔓延防止の観点から、強制的に入院措置を実施すべきことが法文上規定をされております。 実際の入院の強制措置としては、入院措置を実施する等について書面通知を行った上で、都道府県職員により、患者所在地に感染症指定医療機関まで搬送するための車を差し向けて強制措置を実施するといった対応を行うことになります。 こうした措置の実施に当たっては、できるだけ当該者の人権に配慮した形で行うことが必要と考えられるわけであります。
○武山委員 ありがとうございます。 お話の流れをちょっと私を患者と仕立ててお聞きしているわけなんですけれども。 そうしまして、入院しまして、応急入院という形になるわけですね。七十二時間、三日間応急入院するわけですけれども、その入院の間の人権というのは、例えば、先ほど午前中の質問にも出ておりましたけれども、家族とのいわゆる電話連絡、テレビ等、そういう通信網は直接使えるようなこともここではお考えでしょうか。
○小林(秀)政府委員 入院患者さんが精神的にも不安定な状態に追い込まれないように、患者さんが家族や弁護士さんと通信、面会を行うことができるようにすることは重要なことだと認識をいたしております。 このため、電話の設置等を通じ通信の自由を保障し、面会については、空気感染もありますので、面会窓やインターホンによる面会の自由というのが尊重できるように、感染症指定医療機関の指定にかかわる要件に書き加えることによって、結局その要件がなければ指定医療機関になりませんということですが、そういう要件に加えることによって配慮してまいろう、このように考えています。
○武山委員 そうしますと、三日で退院する方とまた改めて新たに入院を継続しなければいけない方とにそこで分かれるわけですね。 それで、今回、入院を継続しなければいけない方の場合のみについてちょっと聞きたいと思いますけれども、今度、都道府県知事による勧告措置による本入院十日間ということですけれども、これは三日間と同じように、もちろん人権も守られ、診査に十日間というのは本入院という形で入院をされるわけですね。そうしまして、そのとき、保健所に設置された感染症の診査に関する協議会での本入院の必要性の診査をするわけですね。メンバーはどのような方々がまずメンバーなんでしょうか。
○小林(秀)政府委員 保健所に設置する診査協議会のメンバーですが、まず感染症の専門であります感染症指定医療機関の医師、それから感染症の患者の医療に関し学識経験を有する者、この場合は感染症指定医療機関の医師を除きます、及び医療以外の学識経験を有する者のうちから都道府県知事が任命する者が担当されるということになっております。
○武山委員 そこで、非常に人数を確保することが難しいのではなかろうか。いろいろお話を聞いておりまして、感染症に対するいわゆる学識経験者、また医療に従事する医師も少ないということですけれども、その辺は必要数確保できる予定があるのかどうか。 それから、協議会の委員は都道府県知事が任命することにはなっていますけれども、きちっと任命できるのかどうか。地域によっては非常に格差があると思うのですね。一律にというわけにはいかないと思いますけれども、その辺は確保できないのじゃないかというような懸念もあるのですけれども、説明をちょっとお願いいたします。
○小林(秀)政府委員 感染症に関する専門医が大変少ないということでの、一番隘路はそこになると思います。ですが、少ないといえども、感染症指定医療機関は広域市町村圏内に大体一カ所程度が一番小さな規模ですから、そのレベルでしたら、私どもは、感染症に関する専門家は確保することがほぼ可能である、このように思っております。 あと、地域医療の医師については確保はできると思いますし、それから医療以外の専門家についても、これは法律家だとか弁護士さんだとかソーシャルワーカーの人だとか、いろいろな人を考えられるわけでございまして、そこは都道府県知事の判断で選んでいただくことができるわけで、確保は容易だろうと思います。 ただ、まだそれでも不安の場合には、これは各保健所ごとに置くとなっていますが、場合によっては、二保健所をまとめて一つの診査協議会で対応するということも法律では可能になっております。複数の保健所管内で対応するということも可能になっておりますので、私どもとしては、この診査協議会については十分対応できる、このように思っております。
○武山委員 一類感染症などの場合は確定診断も難しいのじゃないかなと思っておりますけれども、難しいからといって、事はいざというときはどんどん進んでいってしまいますので、やはり前に向かって、そういう場合は難局を乗り切っていかなければいけませんので、あの手この手で事に当たると思いますけれども、やはりきちっとした判断をして、そして人的対応も充実させて、そしていいものをつくっていかなければいけないと思います。ぜひその点でよろしくお願いしたいと思います。 それから、交通の制限それから遮断ということが、この場合、「交通の制限又は遮断」ということで伝染病予防法の中の規定がここに引き継がれているわけですけれども、これは可能なものか。ばっと強権的にやらざるを得ないというようなイメージなんですけれども、この規定がこの法案に残されたわけですよね。実際に強権的な規定の存在のようにも思うのですけれども、これを残した理由というのですか、その辺の説明をお聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 交通の制限または遮断については、現行の伝染病予防法において発動されたという記憶は残っておりませんが、エボラ出血熱等の、感染力が強く、重篤になる感染症が一定の地域において短期間に多数発生し、地域の消毒や患者の入院等の対応では感染症の蔓延が防止できないような緊急の場合が考えられることから、交通の制限及び遮断の規定を盛り込んだものでございます。 この規定を設けることにより、緊急の事態が発生した場合に、地域の交通を制限または遮断して、集中的に健康診断、消毒の措置等を実施して、病原体の外部への流出を確実に防止することができるものと考えております。 なお、本条文の適用については、エボラ出血熱等の一類感染症に限定するとともに、措置の実施について必要最小限にとどめるべきことを明文化し、実施期間についても七十二時間を限定することにより、発動条件を厳しく限定しているところでございます。 それから、先生、まことに申しわけないのですが、先ほど答弁を間違えたので、若干直させていただきます。 疑似症の扱いですが、二類のうち、ジフテリア、ポリオは疑似症はいいのですが、コレラ、赤痢、腸チフス、パラチフスは、疑似症も二類感染症扱いだとのことでございますので、訂正させていただきます。二類も一類も。
○武山委員 そうしますと、これを行う者は警察と考えてよろしいわけですね。警察がするということですね。 それから、この交通の制限または遮断は、期間とか手続とか公表とか通知したり、いろいろそこに伴う問題があると思うのですけれども、そういうこともきちっともちろん加味したことをここでは言っているわけですね。
○小林(秀)政府委員 まず、この措置をとるのは警察当局ではなくて、衛生当局で実施をいたします。 それから、後段の質問、ちょっと意味が理解できなかったので、済みませんが、再度御質問いただけませんでしょうか。
○武山委員 この交通規制または遮断を行う者は、交通の制限または遮断ということで、私は、警察が行うのかなと思って、警察ですかというふうにお聞きしたので、それは公衆……。
○小林(秀)政府委員 遮断を行うのは衛生当局であります。 だから、公衆衛生というのですか、衛生部門、厚生省関連の仕事をやっている各県の衛生部局が担当いたします。
○武山委員 県の衛生部局ですか。県の衛生部局が交通の遮断や制限を行うということですか。
○小林(秀)政府委員 各都道府県の、通称は衛生主管部局と言っておりますが、そこが担当をいたします。
○武山委員 どうもありがとうございました。 たしか大臣が出られるということで、私の持ち時間がなくなってしまいましたけれども、またこの続きは別な日にしたいと思います。どうもありがとうございました。
○長勢委員長代理 松本純君。
○松本(純)委員 自民党の松本純でございます。 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律は、伝染病予防法、性病予防法及び後天性免疫不全症候群の予防に関する法律、いわゆるエイズ予防法という感染症予防に関する三つの法律を廃止し、新しい時代の感染症対策にふさわしい総合的な新法に集約、統合するものであります。 また、国民生活や公衆衛生水準の向上、国民の健康意識の向上、医学医療の進歩あるいは人権の尊重、行政の透明化等、時代の要請にこたえるとともに、ウイルス性出血熱のような新しい感染症の出現にも対応できる感染症の危機管理体制を構築しようとするものであると理解をしているところであります。 したがいまして、私は、百年前につくられました伝染病予防法を初め他の二法についても、現行制度の不適当な点は改め、至らざる点あるいは不十分な点を補うことに意を注いできたものであると確信をしているところであります。 このたびの新法には、感染症の発生を未然に防ぎ、拡大を防止するという目的を果たしつつ、患者を単に社会から切り離すのではなく、患者に適切で良質な医療を提供することを通じ、不幸にして感染症に罹患をしてしまった患者さんに万全な手を尽くすことができるよう、この法律を整備しているところでありますが、この万全な手を尽くすということについても、人権と感染予防、両面への配慮が必要であります。 各委員よりさまざまな御意見を伺っておりますと、新法の成立によって、現行法による対策よりもむしろ後退するのではないかというような御心配や誤解を持たれているのではないかとすら感じられるところがありますが、この新法による対策がいささかも後退しないところか、よりよい対策が講じられることをきちっと説明をし、理解をしてもらう必要があるのではないかと感じております。本日は、法案に関連をいたしまして、幾つかポイントを絞って質問をさせていただきたいと思っております。 今回の感染症新法の提案によりますと、エイズ予防法は、新法成立とともに、内容的には新法に取り込まれ、エイズ予防法自体は廃止されると伺っております。その理由は、医学医療の進歩や正しい知識の普及等の状況の変化を踏まえたものと説明されているわけでありますが、このようにあっさり廃止するのではなく、エイズ予防法は誤った意図のもとにつくられた法律であるので、反省、謝罪すべきであるとの御意見がこの委員会でも繰り返し述べられたところでもあります。 それを検証するとして、去る三月二十四日に、予備的調査要請書が衆議院議長に提出され、今般報告書が取りまとめられたところでありますが、果たして、立法当時の厚生省の考え方は非難されるような誤った意図に基づくものであったのかどうか。改めて、立法当時の厚生省の考え方について、保健医療局長の明快な御答弁をいただきたいと存じます。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 当時、エイズは有効な治療法がない死亡率の高い病気であり、我が国においても急速な感染の拡大が危惧され、大きな社会問題と認識されるに至ったため、患者等の数が少ない時点で感染予防対策を確立し、国民の不安を鎮静化することが必要であると考えられました。 このような状況認識に立って、感染源の把握、二次感染の防止、患者等の人権を尊重した最小限の規制の三点を基本に立法を考えたと承知をいたしております。
○松本(純)委員 立法当時の厚生省の考えを伺ったわけでありますが、思い起こせば、当時は欧米で急速に感染拡大が見られていたエイズ、これがついに日本にも上陸して急速な拡大を見るのではないかという危機感が大変多かったように思うところであります。 法案提出の昭和六十二年の二月ころには、確かにエイズパニックとも言える状況で、新聞も週刊誌もエイズの記事で埋め尽くされていた感があります。その後状況は一応鎮静化をし、今度は、血液製剤により不幸にして感染された血友病患者の方々への補償といった問題がエイズ問題の前面に出てきたところであります。その印象が余りにも強かったので、今や多くの国民にとっては、エイズは何か一部の方々のまことにお気の毒な病気といった認識が多く、関心も薄れつつあるのではないでしょうか。 そこで、このエイズの現状についてどのように認識をされているのか、保健医療局長の御答弁をいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 現在、我が国におけるエイズの感染状況は、平成十年四月末までで報告された累積患者数は千七百五十七人、感染者数は四千百十八人であり、我が国では依然として感染拡大の傾向が続いております。 しかしながら、保健所において実施している匿名かつ無料の抗体検査受診数や相談件数を見ると、近年減少傾向にあることから、御指摘のような関心の低下も懸念されることから、エイズ対策については今後とも適切な対応をとっていく必要があると認識をいたしておるところでございます。
○松本(純)委員 ただいま、エイズの感染拡大は、いまだ我が国では継続をしているとのお話でございます。また、欧米諸外国では、感染の頭打ち傾向や、エイズ死亡数が減少に転じているとの報告もあるようであります。このような状況を勘案した場合、エイズ対策は前進させることこそ必要で、法律を廃止して対策が後退しないか。法律を持っていることは、国としてこの問題は大切ですよという意思表示と理解するのが素朴な考えなのでありますから、単純に考えれば、国の力のかけ方が変わるのかと誤解をされかねないと思うのであります。 そこで、予防法廃止後の対策はどのように進めていくのか、まずその基本的な姿勢を政務次官にお尋ねをしたいと思います。
○原田(義)政府委員 我が国のエイズは、血液製剤に起因する患者・感染者が多いことが特徴でございまして、平成八年のHIV訴訟和解に基づく恒久対策について、これを誠実に履行していくということが必要だと考えております。 あわせて、近年、性的接触による患者・感染者が増加しておりまして、この面での対応も極めて重要であるというふうに考えております。 そこで、今後のエイズ対策につきましては、発生の予防、蔓延の防止、医療の提供、研究開発の推進などに関する総合的な対策の推進を図る必要があるため、この新しい法律に基づきまして、エイズに関する特定感染症予防指針を作成することとしており、今後とも、各方面の意見を伺いながら、エイズ対策が万全に行われるよう適切な対策をとってまいりたい、こういうふうに考えております。
○松本(純)委員 ありがとうございました。 さて、このたびの新法の論議の中核問題の一つが、感染症の拡大予防と感染症にかかった方への医療の提供のあり方であると思いますが、私は、予防と医療がバランスよく進まないと効果的な対策とはなり得ないと理念的には思うのでありますが、具体的にイメージをしてとらえることがなかなか困難であります。 そこで、エイズについて、新規感染の予防と医療対策についてどのように進めようとしていらっしゃるのか、具体的に説明をいただきますよう、保健医療局長にお尋ねをいたします。
○小林(秀)政府委員 感染の予防策と今先生が御質問いただきましたこの予防には、新規の感染の発生を予防することと、それから蔓延の防止という二つがこの予防の中に入っていると私たちは認識をしております。その予防策と患者・感染者への医療対策が均衡よく進められるべきことは、御指摘のとおり重要なことだと考えておるところでございます。 具体的には、新規感染症の予防策としては、患者・感染者の発生動向を把握、解析し、啓発活動の重点化につなげることとし、医療対策については、拠点病院やブロック拠点病院の活用を図るなどにより、感染者の早期発見を確実に治療に結びつけるべく努めてまいりたい、このように考えております。
○松本(純)委員 さて、近年の医療、特にエイズ治療薬の進歩は目をみはるものがあるところであります。世界で初めてのエイズ治療薬のAZTが我が国で承認されたのは、エイズ予防法が国会提出後の昭和六十二年九月であり、その後、カリニ肺炎などの合併症への対応の向上とも相まって、治療の光明がわずかながら見え始めたところであります。 このような流れは、平成八年にカナダのバンクーバーで開催されました国際エイズ会議における多剤併用療法による治療効果の発表によって決定づけられたのであります。現在では、エイズはもはや特別な感染症ではなく、慢性病に近くなったと表現をする専門医の方も多いと聞いております。だからこそ、最新のエイズの研究を進め、エイズ患者・感染者に最新の医療を提供することが非常に重要であると考えますが、厚生省はどのような方策を講じているのか、お尋ねをいたします。 また、精神面からのケアやサポートが最新の薬物治療と同じぐらい重要であることが指摘をされているところでありますが、このような役目を担うカウンセラーの養成が重要と考えておりますが、厚生省は今後どのような対応をされていくのか、あわせてお伺いをいたします。
○小林(秀)政府委員 厚生省におきましても、最新のエイズの研究を進め、エイズ患者・感染者に最新の医療提供をすることや、患者・感染者の精神的ケアについては非常に重要であると考えておりまして、そのため、施策として、平成六年度を初年度といたしますエイズストップ作戦というのを策定をいたしておりまして、西暦二〇〇〇年までの目標として、一つに、特効薬及びワクチンの開発、このワクチンの開発につきましては、今、ほかの国とも競争をしながら開発を進めておるところでございまして、日本の開発も相当有力であると私どもは今認識をして、科学技術庁にも応援をいただきまして、鋭意進めておるところでございます。二番目に、我が国におけるエイズの流行阻止、それから三つ目に、アジア地域におけるエイズの流行阻止のための支援を掲げ、医療体制の充実や治療薬の開発、国際協力の推進、正しい知識の普及など、総合的、集中的に施策を展開しているところであります。 具体的には、既に平成九年に、国立国際医療センター内にエイズ治療・研究開発センターを設立いたしました。このもとに、全国八カ所のブロック拠点病院の協力連携体制を立ち上げたところであり、また、患者・感染者に対し心理的ケアを行う体制推進のため、都道府県等におけるカウンセラーの雇い上げによる医療機関への派遣や、拠点病院でのカウンセラー雇い上げに対する経費負担等に対する補助等を実施をしているところでございます。 新法におきましても、発生の予防、医療の提供、研究開発の推進等に関するエイズに関する特定感染症予防指針を策定し、エイズに対する総合的な対策の推進を図っていくこととしたいと思っております。 〔長勢委員長代理退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○松本(純)委員 ありがとうございました。 次に、少し角度を変えまして、感染症新法の施行と地方自治体の受け入れ体制の問題についてお尋ねをいたします。 言うまでもなく、感染症対策は、新法の責務規定にもありますように国と地方の密接な連携が極めて重要であり、地方自治体の全面的な協力なしには機能し得ないと考えております。新法の施行時期は来年の四月となっておりますが、さまざまな新しい役割分担が義務づけられることとなる自治体の受け入れ体制が整っているのか、幾つかの点について確認をさせていただきたいと思います。 まず、感染症指定医療機関の確保の問題でありますが、感染症の予防において、コレラや細菌性赤痢など第二種感染症の指定医療機関は、原則として二次医療圏ごとに一カ所を整備しなければならないと言われておりますが、例えば政令指定都市の横浜などの、複数の二次医療圏を有する場合、この場合には指定医療機関をふやさなければならないということなのかどうか。第二種感染症の指定医療機関の配置基準についてお考えをお伺いをいたします。
○小林(秀)政府委員 まず、感染症患者に対する医療、特に入院医療について、国民の皆さん方も大変イメージを持っていらっしゃるのは、現在市町村に設置をされているところのいわゆる伝染病隔離病舎というイメージを持っていらっしゃって、一般医療と何か切り離したようにお考えになっていらっしゃるのでありますが、我々の考え方は、感染症患者に対する医療というのは今や何も特殊な医療ではない、こう考えておりまして、一般医療の延長線上で行われるものだ、このように思っておるわけであります。 したがいまして、従来ある伝染病棟を指定をするというような考え方ではなくて、一般医療機関の中で感染症を一生懸命やりましょうというところを指定をするという考え方でありまして、これは、市町村立の病院だとか県立の病院でなくちゃならないとかというような考え方だけではなくて、民間の病院であっても、きちっとした感染症対策をとれる、それから、もちろん専門医がいるとかそういう要件があるわけですが、その要件を満足する医療機関であれば、そのことはそれで県が指定をすればいいということであります。もちろん、要件の中にはある程度、施設の整備要件だとか設備の要件というのは、先ほども言ったように通信、面会の問題だとか、それから、他への感染があってはいけないので、重い者についての措置。特に、県に一つの場合だとそういうことが起きてくるのでありますけれども、基本的には一般医療とそう変わるわけではないということをまずもって御理解をいただきたいと思います。そして、この第二種の感染症指定医療機関は、原則として二次医療圏ごとに一カ所程度確保することを想定をいたしておるところでございます。 また、感染症の指定医療機関の配置基準、構造基準等については、まだ決めていないわけですけれども、今後できるだけ早く、公衆衛生審議会の御意見を伺いながら具体的に定めることといたしておりまして、それらの基準及び国の定める基本指針に即して各都道府県が定める予防計画に基づき、整備が進められるものと考えているわけであります。 問題は、広域市町村圏を考えたときに、感染症を預かれるような病院があるのかないのかということですが、私は、国立、公立だけで考えるとそんなふうに思われたり、かえって旧来の隔離病舎というのをイメージされる方が多いかと思いますが、そうではなくて、一般医療機関の中で対応できるということでございます。例えば、国立病院の国立国際医療センターというのが新宿区戸山町にあります。そこにエイズの専門病棟がありますが、ここには、この中で行かれた先生もいらっしゃるかと思いますが、普通から見ると特に何も変わらないような、階が違いますけれども、ある階だけが、階の半分がそうしてあるのですが、患者が入っていかれても、特に何か変わった病院だなというようなイメージではなくて、普通の病院だというふうに考えていただけます。 なお、御指摘の、横浜市だとか政令都市については、広域市町村圏というもの自体が全国一律であるわけではありませんので、必ずしも厚生省は広域市町村圏に一つなくちゃならぬというふうに決めつけているということではなく、若干の弾力性というか、柔軟に運用ということは考えることができるのではないかと思っております。
○松本(純)委員 今のお答えで、普通のところで、特に隔離をするというイメージではないような状況で手を打っていくということでありますが、そうすればそうするほど、これは来年の四月から法律の施行ということになっていくわけでありますので、当然、感染症の指定医療機関の配置だとか設備の基準というのは早く示していただかないと、時間がないというようなことにもつながってくるわけであります。それだけ、緩やかにさまざまな考え方を受け入れられるということであればあるほど、早くお知らせいただきたいということになるわけでありますが、その辺の、地方と国とのスケジュールの立て方というのでしょうか、その辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 先生の御指摘のとおり、法律、これは国会で通していただきますといよいよ施行ということになる、施行までの日にちがないので大変心配であるという先生の御質問、ごもっともなことだと思っております。 私どもは、各都道府県が管内の医療機関の開設者等と指定に関する具体的な協議に着手するためには、できるだけ早く感染症指定医療機関の配置基準や設備基準を基本指針等において各地方自治体に提示する必要があると考えております。 このため、新法の附則の第十三条に、基本指針等を定めようとする場合には、法律の施行日前においても公衆衛生審議会の意見を聞くこと及び関係機関の長との協議が行えるとの規定を定めたところでございまして、法案が成立した後、速やかに基準等の策定作業に入りたいと考えておりまして、各地方自治体に御迷惑をかけないよう最善の努力をしてまいろうと思っております。
○松本(純)委員 ぜひとも速やかなる対応をいただいて、早く情報を流していただき、その準備ができるような体制づくりが地方でもできるようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、患者の移送業務についてお尋ねをいたします。 現在市町村が行っております患者の移送事務、新法におきましては都道府県の事務ということになりますが、これについても、来年四月までという短期間の間に、都道府県が患者搬送車の確保を行うなど、移送業務の実施主体の移行が円滑に行えないのではないかと心配をしております。どのような方策をとって対処していくおつもりなのか、その考え方をお尋ねをいたします。
○小林(秀)政府委員 新法におきましては、一類感染症や二類感染症の患者等が入院する場合には、病院または診療所に移送を行うときは、従来は市町村でありましたが、都道府県知事の業務として今般位置づけているところでございます。 患者の移送につきましては基本指針に規定することとしておりまして、各都道府県は、基本指針に即しまして定める予防計画に基づき、地域の実情に即して患者の移送体制の確立を進めることになりますが、その際、関係自治体、指定医療機関等の関係各機関の密接な連携が重要であると考えて おります。 したがいまして、患者の移送については、都道府県の搬送車の利用、民間への委託等、種々の形態が想定をされますが、いずれの場合も所要経費に対する国庫負担制度を設けるなど、新法施行時における患者移送体制の万全を期すことにいたしておるところでございます。
○松本(純)委員 この点につきましても、体制が整うよう、あわせてよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、感染症の治療、予防に関して、抗生物質がさまざま使われるわけでありますが、この抗生物質の開発は、医学医療の大きな進歩をもたらしているとともに、感染症対策に大きく貢献をしてきているところであります。しかし、一方で、抗生物質の乱用などによりまして、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、MRSAなどの抗生物質に対する耐性菌の出現が問題となってきております。また、他方で、高齢化の進展や、骨髄移植、腎臓移植など免疫抑制を伴った高度医療を受けている患者、また抗がん剤治療を受けている患者など、免疫力の低下した患者に対して、日和見感染のように、病原力の弱い菌により感染症が引き起こってしまうという例も出現をしているところであります。 こうした中で、最近、MRSAの中でバンコマイシン低感受性菌が問題となっておりますが、この問題につきまして、厚生省はどのように、何を把握をしていらっしゃるか、まずお答えをいただきたいと思います。
○中西政府委員 従来のMRSAにつきましてはバンコマイシンが効力を発揮する、こういうことであるわけでございますが、今御指摘のバンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌、これはバンコマイシンが効きにくい感染症として注目を集めているということでございまして、今まで、日本では一例、米国では新聞報道を含めまして三例の報告がなされております。ただ、これらの例につきましては、バンコマイシン以外の数種類の抗生物質に対して感受性があったというふうに聞いておるところでございます。 現在、私どもといたしましては、このバンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌につきまして、バンコマイシン低感受性MRSA等の実態に関する緊急調査研究班、感染症研究所の研究者等を中心として編成した研究班におきまして、およそ三百施設の医療機関の協力を得て調査をやっておる最中でございまして、その結果を踏まえて適切に対応していきたい、かように考えております。
○松本(純)委員 MRSA、すなわちメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対してはバンコマイシンが有効であるとされておりますが、このバンコマイシンが効かないMRSAが出現したとするこの問題でありますが、十分に注意が必要だと思っております。 さらに、アメリカでは、バンコマイシンが効かない腸球菌、VREが問題となってきていると聞いております。従来、腸球菌は健康人でも腸内に常在しております菌でありまして、病原性を持っていないわけでありますが、免疫が極度に低下している患者に対して時として感染の原因になり、問題となることがあるそうであります。バンコマイシン耐性菌を蔓延させないための対策は検討されているのかどうか、また、厚生省として各医療機関に適切に指導をしているのかどうか、それについてお答えをいただきたいと思います。
○中西政府委員 御指摘のVRE、バンコマイシン耐性腸球菌の問題でございますが、平成八年十二月から、薬剤耐性菌対策に関する専門家会議を開催いたしまして、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、これは今まだ見つかっておりませんが、こういったものを含む薬剤耐性菌全般についての対策を検討いたしまして、一つは薬剤耐性菌研究を推進する、もう一つは薬剤耐性菌発生動向調査体制を確立していく、こういう結論を得たところでございます。 この検討結果につきましては、都道府県を通じて医療機関に対して周知徹底いたしますとともに、あわせて、そうした耐性菌を検出した医療機関は報告をするようにというふうに求めてきているところでございます。また、この検討結果に基づきまして、薬剤耐性菌の耐性のメカニズムや発生動向調査等に関する研究班をつくりまして、より適切な情報収集体制の構築等について検討をいただいているところでございます。
○松本(純)委員 感染症に対して用いられる抗生物質等の抗菌薬につきましては、当面する患者の病態に見合った抗菌薬を選択し、適切な用量を正しい使用法で使うことは言うまでもないことでありますが、こうした抗生物質の耐性菌は、抗生物質の不適切な使用によりまして出現をしやすいということが言われております。 使用基準などに適正に使用されるための対策が何かなされているのかどうか、また、是正をすることがあるとすれば、どのようにするのか、それについてお答えをいただければと思います。
○中西政府委員 御指摘の抗生物質の適正使用というのは、こういう耐性菌をできるだけ抑えていくためには極めて重要な課題であると認識しております。 平成五年に抗生物質製剤の添付文書の使用上の注意を改定いたしまして、抗生物質の投与に当たっては、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間に投与をとどめるよう注意喚起をしてきているところでございますし、厚生省と日本医師会が協力いたしまして「抗菌薬療法診療のてびき」をつくりまして、これにつきましても広く普及に努めてきているところでございます。 さらに、日本感染症学会と協力いたしまして院内感染対策講習会を開催してきているところでございますが、この中で、抗生物質の適正使用の啓発普及、これも一つの大きな課題として推進しておるところであります。こういったいろいろな手段を通じて抗生物質の適正使用の推進に努めていきたい、かように考えております。
○小林(秀)政府委員 院内感染防止に関してはMRSAというのが指標になるわけでありますけれども、今回のこの感染症新法におきましては、MRSAは四類の感染症に入っております。したがいまして、これはいわゆるサーベイランス、患者発生動向調査の対象になりまして、MRSAというのは発生頻度が相当あるものですから、定点観測の対象として定点を定め、その定点からMRSAのデータが今度は上がってくることになります。それを公表することによって、MRSAの対策がどの程度進んだのかということ、また逆に言うと、対策が進んでいないためにすごくふえてきたとかということが、今回の新法が通ると、MRSA対策の推進に大いに役立つものと私どもも期待をしている新法であります。
○松本(純)委員 今のお答えは、定点観測ですか。
○小林(秀)政府委員 定点観測ですから、すべての病院ではなくて、どこどこ病院と病院を指定して、その病院から出たMRSAを報告する。そして全国集計をすると、全国でどういう動向になっているのかということの把握ができるようになります。 そういう指標があることが、実は院内感染対策を進める上で大変役に立つ。そういうのが今回の新感染症法の大きな目的でありますので、少しコマーシャル、PRになりますけれども、その効果として御説明をさせていただきました。
○松本(純)委員 今の調査をするところというのは、全国ではどれぐらいの件数でお考えになっていらっしゃるのですか。
○小林(秀)政府委員 定点観測のポイント数についてはまだ決めておりません。これから専門家の意見も徴して定めたいと考えております。
○松本(純)委員 それから、医師会などとともに手引書をつくっていらっしゃるということですが、この手引書の中身そのものについては、これは医師向けあるいは病院の医療従事者向けにお使いになる手引であるのか、患者さんあてにということなんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○中西政府委員 医師向けの手引書でございます。
○松本(純)委員 耐性菌等の院内での蔓延を防止するためには、抗生物質の適正使用とともに、それぞれの医療機関の中で働く医療従事者の意識や取り組みが重要であります。また、医療機関として、院内感染防止対策検討会を設置するなど、取り組みが進められていると聞いております。耐性菌等による院内感染への対策としては、医療機関における管理体制が重要であると考えられるわけでありますが、MRSA等院内感染防止対策検討会が適切に機能しなければ困るわけでありますが、それに対して厚生省はどのような指導をしていらっしゃるのか、その内容も含めて御説明をいただきたいと思います。
○中西政府委員 各病院における院内感染対策、これを徹底していただくという趣旨で、それぞれの病院に院内感染対策委員会を設けていただく。その上で、医療従事者を含めて職員の教育を徹底していただく。それから、院内での発生動向をいち早くキャッチするべく調査を行う。それから、先ほど先生から御指摘ございました抗生物質の使用の適正化に努める。そういった院内感染防止対策を着実に取り組んでいただくよう、私どもとして従来から指導してきているところであります。 効果的な院内感染対策を院内でやっていただくためには、医師、薬剤師、看護婦、それから事務部門も当然あると思いますが、院内の各部門、各職種から成る委員会を組織して、具体的かつ総合的な対策を講じていくことが重要でありまして、そうした対策を進め得るよう、先ほども申し上げました院内感染対策講習会、それから都道府県を通じて、趣旨の徹底に努めているところであります。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○松本(純)委員 院内感染対策には、今お話のありました医師、看護婦、薬剤師など、医療機関における医療従事者がチームをつくって、それぞれの専門性を生かして取り組んでいくことが大変重要でありますが、耐性菌等による院内感染対策には院内の抗生物質の使用基準の作成や使用量の把握などが重要であります。病院の薬剤師さんが大きな役割を果たしていくところだと思うのでありますが、どのように受けとめられていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
○中西政府委員 病院の薬剤師さんは、当然院内感染対策委員会のメンバーとして参画していただくとともに、その専門性を生かして院内の抗菌薬、抗生物質なり抗菌剤あるいは消事業の使用状況の把握、それから血中濃度モニタリング業務を通じた適正な抗菌薬使用の推進等々、やっていただくべき役割というのは非常に大きいわけでありまして、その専門性の上に立って、ほかの職種と十分連携をとりつつ院内感染対策に貢献していただく、当然そういう役割が期待されているものというふうに認識いたしております。
○松本(純)委員 病院薬剤師の配置基準が今現在見直しが行われていると聞いております。その中で、個々の患者に対する薬剤師調剤業務が業務量の換算の中心になっているとお伺いしておりますが、院内感染対策委員会などでの中央の管理業務についても重要な役割を果たしていくことになるのではないだろうかと考えられるわけでありますが、これらの点についてどのようにお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 病院薬剤師の配置基準の見直しにつきましては、この委員会でも何回かお尋ねがございました。現在、医療審議会において引き続き議論をいただいております。 見直しに当たりましては、今おっしゃるような院内感染に関する委員会、そういうところでの薬剤師の役割というものも考えていかなければいけないというふうに考えておりますが、この見直しについて議論をしております。その具体的な考え方ということについて、幾つかあわせて御説明をさせていただきたいというふうに思います。 もともとは、これは現在の医療法に基づきます人員配置基準の中で、薬剤師の配置については八十調剤に一人という大分以前に決められたものがそのまま残っているというところに端を発しているわけでございまして、先生が御指摘になりましたように、調剤数によって薬剤師の数を決めるというのは現状に合っていないのじゃないか、そういう基本的な認識でございます。 そういう意味で、現在検討しております議論の中では、薬剤師が服薬指導等のいわゆる病棟において果たしている役割、それから外来患者に対して調剤等の病院外来において果たしている役割、それをそれぞれ考慮した基準にすべきではないかということが一つでございます。 それから、具体的な基準の設定に当たっては、現在の病院薬剤師の数、そういう実態と率直に言って余りかけ離れたものにするわけにはいかないだろうということで、実態を踏まえたものというふうにすべきではないかということがもう一点でございます。 それからもう一つ、先ほど言いました、入院患者、いわゆる病棟における薬剤師の果たすべき役割ということにつきましては、薬剤師さんが実際にやっておられる病棟業務の状況というものをいろいろ分析してみますと、やはりある程度入院患者さんの状況、それを端的にあらわすものとしては、病床の種別というものによって見るべきではないかということで、病床の種別ごとにこれを整理するべきではないかというような議論をいたしております。 このため、基本的には、療養型病床群とそれ以外の一般病床を分けた方がいいのじゃないかということで、療養型病床群を除く一般病床と療養型病床群、それからそれ以外の、それ以外のといいますか、老人病院あるいは老人病棟、それから当然のことながら精神病床、結核病床、それから今現在この委員会で議論されております伝染病床あるいは感染症病床といったような、それぞれの病床の種別に応じて考えるべきではないかということであります。 それから一方、外来におきます薬剤師さんの果たす役割ということに関連いたしましては、薬剤師さんの外来における役割、当然調剤ということがあるわけですが、調剤というものを具体的にどういう形でこの基準の中にあらわしていくかということで、具体的には処方せんの枚数といったようなことを考えたらどうかということでございます。 それで、具体的な数値はまだ出ていないわけでございますが、今までこの問題についての議論をする際の基礎データとしては、厚生省がやりました医療施設調査、それから日本病院薬剤師会が行いました調査、この二つのデータをもとにして検討してまいりました。 ただ、この二つのデータはいずれも全数調査ではなくて抽出調査でございますので、いろいろ分析をしてみると、比較的大きな病院の状況というものがよく反映はされているけれども、どちらかというと小さな病院、中小の病院の状況が余り反映されていないのじゃないかというような議論が出てまいりまして、それを受けて、五月の初めから、全日本病院協会あるいは医療法人協会あるいは精神病院協会、そういうようなところが中心になりまして、主として中小の病院を対象にした調査を現在行っております。その調査の結果がまとまり次第、その調査と今までのデータも一緒に、あわせて議論をしてこの基準を決めていきたい、このように考えております。 大分長くなりましたけれども、先生御指摘になりました院内感染についてのいわゆる薬剤師さんの果たす役割、そういうようなものも、当然のことながら、その業務は現在調べている調査の中には数値としてあらわれるというふうな前提で考えているところでございます。
○松本(純)委員 ありがとうございました。 病院内でそれぞれの医療従事者が力を合わせてこの院内感染症についても対応していく、この努力が大変重要なことと思っております。 また、この委員会、家西委員のきょうの御質疑の中にもありましたように、人権と感染予防の両立、両輪というような問題についても大変重要な案件を含んでいる大変重大な法案の審議だと私は受けとめさせていただいております。 そして、将来にわたってどのような新しい感染症が出てくるかもわからない状況で、これが絶対という手はないのでありましょうが、いかなる状況にも素早く対応することができるような前向きな取り組み方をこれからもしていかなければならないところではないかと思うのであります。 ただいま厚生大臣がお戻りになられました。私の質問につきましてお聞きをいただくことができなかったわけでありますが、大臣には、この感染症新法の成立にかける意気込み、決意といったものにつきましてぜひとも表明をいただき、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 参議院の特別委員会に出席していたものですから、委員の御意見また質問を聞けなくて大変残念だったのですが、法案に対しまして、百年ぶりの改正なんですね。この新法に反対する方も、それでは旧法と新法とどっちがいいかといえば新法の方が格段にすぐれていると思います。一〇〇%自分の意見が通るというのは大変難しいわけでありますから、比較していただいて、新法の方がはるかによかったらぜひとも賛成していただいて、一日も早くこの法案を成立させていただき、今後また問題点が出てきたら改正をするという姿勢で臨んでいただければ大変ありがたいと思っております。
○松本(純)委員 以上で私の質問を終わります。
○柳沢委員長 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 公衆衛生審議会の中にある基本問題検討小委員会が昨年十二月八日に提出した報告書「新しい時代の感染症対策について」、これは、公衆衛生審議会もこの報告書について、我が国における感染症対策の方向を提示する提言として基本的に妥当である、このように評価しておりますが、この小委員会の報告書は法案審議に際して重要な基準になるべきものだ、私はそのように考えております。 まず、一つの問題は、感染症類型の再整理についてです。小委員会の報告ではこう言っています。「感染症類型の再整理にあたっては、法律上の分類が新たな差別・偏見につながらないように、法制度の構築・実施に向けて一般国民、医療関係者等の理解と協力が得られるように努めていくことが必要である。」非常に重要な指摘だと思いますね。感染症の類型についても、わかりやすくなければ国民の理解は得られない。 そこで、きょうはこの後の論議のための若干の確認をしておきたいので、厚生省には簡潔な御答弁を私は要望しますが、この小委員会報告では、一号感染症、二号感染症、以下四号感染症、それぞれについて定義といいますか、説明をしています。この説明は、法案第六条における四類感染症、三類感染症、二類感染症、一類感染症、それぞれに当てはまると理解していいのかどうか、まずその点から。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 今回の感染症類型の見直しは、先生御指摘のとおり、公衆衛生審議会の基本問題検討小委員会において、その感染症の感染力、罹患した場合の重篤性、予防方法や治療方法の有効性等に基づく……(児玉委員「そのように理解していいかどうかと聞いているのです」と呼ぶ)はい、わかりました。ちょっとお待ちください。これらに基づいて一類から四類まで類型化をいたしております。 そして、その並べ方につきましては、報告書の方の一号、二号、三号、四号と、法律の一類、二類、三類、四類については逆の並べ方になっておりますが、内容としては一類から四類というのは基本的に同じものであります。ただし、法律における四類の感染症については、その後の検討の結果若干の削除が入っている、このように理解をしております。
○児玉委員 質問に答えてほしいのです。私が聞いているのは、一号の感染症の説明は四類の感染症の説明に当てはまるのかどうか、そこを聞いているのです。以下四つについて、それぞれ当てはまるのかどうか。疾病に若干の、特に皆さんが言う四類感染症について若干の削除があるというのはもう百も承知で聞いているので、そういうことについては答えていただく必要はないのです。定義が妥当するのかどうか。どうです。
○小林(秀)政府委員 基本問題小委の並べ方と法律の並べ方は逆に並んでおりますが、病気の入っているグループとしてはほぼ妥当なものである、若干入れかえがあるということだけでございます。
○児玉委員 疾病についてどうかと聞いているのでなく、カテゴリーとして、小委員会報告における一号感染症についてのカテゴリーの説明、定義が、法案第六条における、逆になったその部分のカテゴリーの定義に当てはまるのかどうか。イエスかノーで答えてください。
○小林(秀)政府委員 カテゴリーグループとしては同じであります。
○児玉委員 それで最初から答えていただければよかったんですよ。 そこで、次に同様に質問をするんですが、小委員会報告の、原因不明の感染症という定義があります。これは、法案第六条の7に言う新感染症の定義に当てはまるのかどうか。これもイエスかノーかで答えてください。
○小林(秀)政府委員 当てはまります。
○児玉委員 そこまではそのように答えていただくことで、この小委員会報告を読めばどんなものかというのがかなりはっきりしてきます。 そこで、次なんですが、法案第六条の6、指定感染症。もちろん先ほどの新感染症がどのようなものかというのはこの後十分論議したいと思うのです。今ここではその論議は省きます。 出されてきているものの中で、新感染症と指定感染症なるものについてはなかなか理解がしがたい。特に指定感染症についてはその感が強い。そこで、この指定感染症に関して、小委員会では何らかの論議がなされたのかどうか、なされたとすればどのような論議がなされたのか、この点をお答えいただきたい。
○小林(秀)政府委員 新法において指定感染症とされた制度的な考え方については、公衆衛生審議会の基本問題検討小委員会における検討の中で新感染症とともにその取り扱いが検討されたところでありまして、特に、平成九年十月二十二日の同小委員会の審議において法的位置づけが具体的に審議されたところでございます。 最終的な意見書においても、予想されない感染症に関して、その都度所要の措置を的確に講ずる必要性が指摘されており、指定感染症はこれを制度化したものでございます。 小委員会の個々の委員の御理解についても、十分承知しているものではございませんが、少なくとも指定感染症の法律上の必要性、意義については大方の委員の理解を得たものと考えておるところであります。
○児玉委員 ただいまの議論に対する私のコメントは、次回の質問に保留しておきたいと思うのです。 そこで、次ですが、WHOは、現在、国際保健規則、IHRの改定を進めていると聞いております。この国際保健規則の新しいドラフト、プロビジョナルドラフト、一九九八年一月、日本にも届けられていると思いますが、受け取ったのはいつでしょうか。
○小林(秀)政府委員 本年の二月に受け取っております。
○児玉委員 このドラフトの中に、次のような点がありますね。 感染症において「症候群のアプローチが有効である。」このようにして、「国際保健規則で規定される症候群」として、これは厚生省に訳をお願いして、昨日でしたか、届けていただきましたが、「一、急性出血熱症候群 持続期間三週間以内の急性発症の発熱があり、かつ以下の何れか二つを呈するもの。」というので、こう書いてあって、「単独または集団の如何を問わず、全症例直ちに報告されなければならない。」二として「急性呼吸器症候群」「三、急性下痢性症候群」「四、急性黄疸性症候群」「五、急性神経性症候群」「六、その他の報告すべき症候群」。 今、世界全体で医療の水準というのは随分差があります。日本やヨーロッパのように、数多くのすぐれた医師がおり、そして国民や皆さんの御努力で一定の医療機関が行き届いているところもありますし、そうでない地域もあります。ですから物事を一律に議論すべきではないと私は思いますが、きょうの午前中、小泉厚生大臣が御発言になった、感染症の問題というのはもう全地球的な規模で考えるべき問題だ、そのように受けとめるとすれば、WHOのこの新しいアプローチと本法案における疾病別の感染症類型は、法案作成過程ではどのように関連づけられたのか。 そして、この後、WHOの国際保健規則は明年採択されることになると思うのですけれども、そうなった場合、世界的なアプローチと私たちが今審議している疾病別の類型、それはどういうふうに関連させられることになるのか。この二点について端的にお答えいただきたい。
○小林(秀)政府委員 まず、現在、WHOで進められています国際保健規則においては先生が御指摘のとおり五つの疾患群に分かれておりまして、それは本年二月に受け取っております。したがいまして、その二月のレポートを読んでそれで審議をしたということはありません。 しかし、この基本問題小委員会というのは、感染症の専門家とそれから法律家、弁護士さん方とほぼ大体対々の数ぐらいで、あとジャーナリストの方が若干入ったというメンバー構成でやっておりまして、非常に感染症の専門家の先生が多かったわけであります。その先生方はこのIHRの動きについては、当然座長の竹田先生も御存じだったと私は理解をしておるところでございまして、我々日本が今回ディスカッションをして分類を分けたということとこのIHRの動きとがそごを来すものではない、このように私は確信をいたしておるところでございますが、少し私どもが考えたことを申し上げさせていただきたいと思います。 こうした症候群による方式は、症状ごとにまとめられているため、疾患を診断し、疾患名を特定してから報告する方式に比べて未知の感染症の発生等を早期に把握する上で有効であるとされておりまして、このため、新法において、未知の疾患である新感染症の把握においてはこの考え方がされておるところであります。 一方、既知の感染症については、医療水準が一定程度担保されている先進国においては診断が迅速につけられることから、あえて症候群による感染症の発生を把握する意義は薄いとされておるところであります。このため、国際保健規則改正案においても各症候群ごとに対応する個々の疾患についても規定する予定であり、新法の感染症類型における個別の疾患名記載と同様の考え方に基づくものであると思われるものであります。
○児玉委員 ただいまの厚生省のお考えは、私はやはり日本のこの分野の専門家の御意見とよく照らし合わせてみる必要がある。それだけの慎重さを私たちの法案審議は求められていると思うのです。今局長のお話になったことと、とりあえずで言えば、この後参考人の御意見をこの立場でも聞いてみたい。ですから、その点はまた後に回したいと思います。 次の問題です。 この法案を論議するとき重要なポイントの一つは、患者・感染者の人権がどのように尊重されているか、そして感染症に対する迅速で有効でかつ社会復帰を促す形での良好で適切な医療の実施と患者・感染者の人権の尊重というのは、決して対立し合うものではない、むしろ人権の尊重と良質で適切な医療というのは両立し得る、そう私は考えます。 そして、この点で言えば、この小委員会の報告もなかなか見事な内容を私たちに提起されていると思います。例えばこういうふうに指摘しています。 たとえ患者・感染者が入院治療を要する場合で も、可能な限り個人の意思を尊重し、自らの症 状、入院治療の必要性等についての十分な説明 と同意に基づく入院を促すといった当該患者の 自覚に基づく入院を基本に考えることが重要で ある。その上で、入院命令やその実効性を確保 する措置の発動を限定的なものとするこの場合のキーワードが僕は一つはここだと思うのです。「限定的なものとすることが必要である。」 さらに、限定的に、入院命令といった措置が発 動される場合でも、明確な措置の発動基準に基 づき所要の行政手続これが私は二つ目のキーワードだと思うのです。「所要の行政手続を通じたものとする。」 限定的で所要の行政手続、これがこの法案にビルトインされているかどうか、そこのところが法案審議の重要なかなめの一つだ、私はそう思います。 そこでまず伺うのですが、人権及び基本的自由に関する欧州条約、そこでは、「抑留ないし留置された者には裁判所において当該抑留ないし留置の適法性について弁明を要求する機会が与えられなければならない。」「裁判所」というのはこれは前の言葉では「ビフォーコーツ」という言葉を使っていますね。裁判所において弁明を要求する機会が与えられなければならない。 そこで、これまた端的にお答えいただきたいのですが、強制入院等に対する不服申し立て、これは政府及び当局から独立した司法的性格を有する機関に対して行うことでその有効性が保障されると思うのですが、少なくともこの法案の中にはそのようなものが含まれていない、いかがでしょう。
○小林(秀)政府委員 この新しい感染症のための審議会の中で私どもも人権B規約というもの、もちろん検討委員会の中に弁護士さんも法律家も入っていらっしゃって、そこで御議論をいただいたわけであります。 それで、身柄の拘束ということについてどう考えるか、そのときにやはりもう一つ問題なのは、この拘束期間というのですか、期間とかその拘束をする理由とかということがあって、そして人権B規約というのが一方にあるという観点から、結局先生方にいろいろ御議論をいただいた結果が実は公衆衛生審議会の報告書であります。 今回私どもが法案を調製するときに、人権B規約との関係を非常に気にいたしまして、それで今回は行政不服審査の特例という形で、三十日間たってまだ出られないというときには患者さんが厚生大臣に直接電話または文書でもって退院要求をすることができる、厚生大臣は公衆衛生審議会の意見を聞いて五日以内に返答を出すという特例を、これはレポートにないものを載せた。今回、ずっと審議会のレポートからだんだん後退したといって大分人権のことでは先生方からおしかりを受けたのですが、ここは逆に公衆衛生審議会のレポートにはない話でこの特例を設けた。これは行政側がやはり人権としては人権B規約等々を参考にしてできるだけその精神は生かすべきということで三十日の特例を設けたということでございます。 あとは、もう一つは、精神疾患と違って感染症というのは非常に勝負も早い、早く治るということでもありますし、そういうことから通信、面会の自由ということをできるだけ担保することによって、それからもう一つ、途中で患者さんも退院させてくれということも言える仕組みもつくってあることは、先生御承知のとおりだと思います。そういうのを総合的に判断して、私どもは人権B規約を参考にしてこの法案を調製した、このように思っておるところであります。
○児玉委員 今の厚生省のお答えで、行政不服審査法というのは、この法律とは別のものですね。そこに審査請求をしたとき、今お答えになった部分が、この法律の中で一定の役割を果たしますね。 それで、ただいまの御答弁の中で出てきた入院期間の問題についていえば、この法律では、各保健所ごとに設置される感染症の診査に関する協議会、これが決定的な役割を果たすことになります。三人以上となっているが、委員の過半数は医師のうちから任命しなければならない。第二十四条の四項ですが、なぜ医師が過半数でなければならないのか。これも端的にお答えいただきたい。
○小林(秀)政府委員 医療以外の学識経験を有する者の任命については、まず、その者の職種、専門領域を含め、地域の実情に応じて都道府県知事が判断するものと考えております。 それで、感染症診査協議会の業務は、先生も御存じだと思いますが、入院の必要性について学問的、専門的に診査する機関でございますので、医学的判断が主要な位置を占めることから、半数以上は医師としたところでございます。
○児玉委員 その点が、非常にこの法案を論議するときのかなめだと思います。 私、ここに日本精神病院協会雑誌、一九九八年ナンバー四、ことしの一月十五日ですか、名古屋で日精協精神医学会の第二十六回の医学会があったときに、局長は基調講演をなさっている。先ほど家西議員もちょっと引用なさいましたが、この中にこういう文がありますね。これは局長の発言ですが、 ここで精神衛生法の条文には全然書いていな い、文章として書いていないことだけど、皆さ ん方にどうしても忘れてもらっては困ることを 申し上げたいと思うのであります。それは、あ の精神衛生法は、実は改正する直前、日本の法 律は、精神医療の関係の法律関係の国際舞台の 中では、日本が精神衛生法をメディカル・モデ ルで書くのかリーガル・モデルで書くのかとい うことが世界中の注目であったわけでありま す。 局長は、非常にわかりやすく、メディカルモデル、もし私の理解を言えば医師主導型のモデルですかね、そしてもう一つはリーガルモデル、どっちかというと法律家主導型のモデル、その二つをあなたは対置なさって、そして、日本の精神保健福祉法はまさにこのメディカルモデルであるということをわかりやすく説明なさっている。 そして、この日本がメディカルモデルを採用していることについてヨーロッパ、アメリカから厳しい批判が来ていることについても、局長は率直にここで披瀝をなさっていますね。イギリスでは、三人という場合に医師は一人だということも御指摘になっている。グローバルな流れがそのようなものであるということを御承知であれば、やはり私は、この医師が過半数を占めなければならないという立論は成り立たないと思うのですが、いかがでしょう。
○小林(秀)政府委員 精神医療の世界で、第三者的機関のスタイルについてメディカルモデルとリーガルモデルが精神衛生の問題で両論あったことは、そこに書いてあるとおりでございます。当時、アメリカ、ヨーロッパでは、どちらかというとリーガルモデルを主張される先生方が、これは法律家がおっしゃっている。それで、実はアジア地域は皆さんメディカルモデルでありました。日本だけでなくて、アジアの国々の先生方はメディカルモデルをとるべきである、こういう考えがありました。 そこで、日本はメディカルモデルをとるということについて、審議会で先生方と御相談をしております。そして、メディカルモデルをとることにし、そのことを国際社会でもちゃんと発言をし、日本の精神衛生法は英文にも訳してありまして、そして国際的な評価も受けております。それで、国際的評価の中で、日本のメディカルモデルは、それはそれできちっとして立派なことであると評価を受けたと私は理解をしているところでございます。 必ずしもメディカルが悪いということではなくて、メディカルモデル、リーガルモデルそれぞれある。しかし、これは、日本の精神疾患患者の対応というのは、医療を中心にやっているということでメディカルモデル。特にこの場合は、感染症というのは精神医療よりもっとメディカルの分野が非常に強いと私は認識をしておりまして、私は、その精神でいうメディカルモデルの形で、これで人権は守れる、このように思ってメディカルモデルになっているわけであります。
○児玉委員 精神保健福祉法ではメディカルモデルであるということは、今率直に語られた。そして、それが原型になってこの感染症法案ができているというのは私の主張です。 そこで、もう少し議論をかみ合わせたいのだけれども、小委員会としては、さっき私が引用しましたように、入院命令の場合も限定的でなければならず、そして所要の行政手続を通じたものが必要だ。 局長がこの名古屋でお話しになっているとき、図らずも心情が出ている部分があるのですね。「人権問題は大変大切である。患者の人権を損なってはいけない。しかし、医者たる者は患者さんのために尽くす職なのだから、そのお医者さんに任せて医療第一でやるべきであるというのが、」「基幹的な考え」。 私は、この考えについては同意できませんね。確かに、何日の入院期間にするかとかどの薬を投与するという点については、まさにもうメディカルの場しかないです。だれも口を挟むべきではありません。しかし、医学的判断に基づく一定の行為、措置について、それを強制することが人権との関係で是か非かという点は、まさにリーガルでなければなりません。そこのところがこの法律では骨格的に欠けているのじゃないか。この点、どうでしょう。
○小林(秀)政府委員 私どもの判断では、今回の法律に書いてある方式で人権の擁護というのは十分図られている、患者さんの権利は守ることができる、このように思っております。
○児玉委員 だって、この法律にビルトインされているものは、結局のところ、保健所ごとの診査協議会ですよ。そして、三人以上で医師二人です。そして、残り一人がどうかということについては、例えば老人ホームの会長さんという話だって聞かないでもないし、もちろん大都会にあっては優先的に弁護士その他が選ばれるべきだ、私はそのことが求められていると思うのです。 それで、思い違いがあるのじゃないか。というのは、これは私は個人的な言葉をあげつらうつもりはないのですが、医療というのは医師に任せればそれでいいのだという哲学がもしあるとすれば、患者の人権の保護というところに立ち至らないと思うのです。やはり厳しいチェック、お互いにチェックし合う。だから、冒頭言いましたように、先ほど武山議員の御質問にあった検疫法との関係なども非常に興味深く聞いておったのですけれども、ある拘束、ある強制がなされるとき、それに対する不服手続というのは別途の機関に対してなされるような仕組みというのが、文字どおり世界的な趨勢ではないのか。そこのところがこれには盛り込まれていない。今後議論しますが、この点は、私はひとつ厳しく指摘しておきたい。 そして、参議院の四月二十一日の参考人の意見聴取の中でも、一人の参考人から、基本的には人権制限が必要最小限であるかどうかという診査、これは法的判断だということになる、こういう御意見が法律の専門家から出されていて、これは大いに聞くべき点がある、こう思います。その点はこの後の論議にゆだねます。 時間もありませんから、三つ目の問題です。 それは、伝染病予防法第十九条ノ二、第二十一条で、建物に対する処分によって損害を受けた所有者に対する手当金の交付が明記されています。そして第二十一条では非常に具体的に、第二十一条の六ですが、「第八条ニ依レル交通遮断、隔離ニ関スル諸費及交通遮断、隔離ノ為又ハ一時営業ヲ失ヒ自活シ能ハサル者ノ生活費」、これも支弁の対象になっている。 伝染病予防法の中にはっきりうたわれていたこの補償の仕組みがなぜ今回の感染症予防法にあっては姿を消しているのか、お答えいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今回の法案では、感染症の診査に関する協議会による患者の入院継続についての診査制度、それから入院患者からの退院請求手続、それから先ほど申しました、三十日を超える場合の、厚生大臣に不服審査請求があった場合五日以内の裁決を行う行政不服審査法の特例といった、患者の入院の必要性等について慎重に判断する各般の手続を設けているところであります。 都道府県知事が、こうした手続にもかかわらず誤った判断を行った場合の補償規定というのは、建物を壊す等も含めまして、本法案では設けていないのですけれども、公権力によって故意または過失によって損害が生じた場合は当然国家賠償法の対象となるものであり、必要な救済が得られるものと考えております。
○児玉委員 二つの点を指摘しておきたいと思うのです。 国家賠償法という場合に、患者の側が国の過失や故意を立証しなければなりませんね。その点で、法律の中に、判断資料の保管や当事者に対する開示については一言も触れられていません。そして患者の側が、感染症に関して、医学的な領域について国の過失、故意を立証するというのは高度に困難です。国家賠償法があるからいいという、私は、それは成り立たないと思うのです。 それから、もう一つの点は何かといいますと、先ほど言った伝染病予防法、「建物に対する予防措置の特例」というのがあって、交通遮断や建物について手を加えた、そのとき、「損害ヲ受ケタル建物ノ所有者ニ手当金ヲ交付スヘシ」こう書いて、「手当金額ノ決定ニ関シ不服アル者ハ其ノ決定ヲ知リタル日ヨリ三箇月以内ニ訴ヲ以テ増額ヲ請求スルコトヲ得」。言ってみれば、百年前の伝染病予防法ですら、補償措置、補償について不服があるときの手続、対応まで書き込んでいます。 この伝染病予防法がなくされようとするとき、当然、かわって出てくるこの感染症法案はそれらを漸進的に組み込んだものでなければならない。ところが、国家賠償法があるからその必要はない、これではだれも納得しません。いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 新法では、対物措置を伴う場合、必要最小限と規定をしておるということでございまして、その必要最小限のものというのは、法律では無価値なものという判断をいたしておるところでございます。
○児玉委員 この後また議論をいたしますから、きょう短絡的な結論とは思いませんが、小泉大臣、今私が申しました、伝染病予防法の中で明記されていた補償の問題だとか、それから世界的な流れになっている、感染者・患者の人権保障という点でリーガルシステムがむしろ大勢になっているという問題、そういった点について、私は、この法案審議の中でどんどん議論を詰めていって、よりよい法案にしたらいいと思うのですが、その点についてのお考えを最後にお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 先進諸国でどういう対応をしているか、今お話を伺っていまして、日本の対応と違う対応をしている諸国もあると。十分議論して、よりよいものにしていくという姿勢も必要ではないかなと思っております。
○児玉委員 終わります。
○柳沢委員長 中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 まず最初に、先日の質問のときに宿題という形でお願いしておりました、いわゆるエイズ予防法における附帯決議の三年後の見直しというのがあったかどうか、そこに対しての御説明をお願いします。
○小林(秀)政府委員 エイズ予防法制定時、参議院におきまして、「法施行後、三年を目途に、患者・感染者の発生状況、治療法の研究開発の状況等を勘案し、必要に応じ、法の規定に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。」ということが決議されたところでございます。 法施行後三年目、どう措置を講じたのかという御質問でありますが、法三年目の平成四年二月には、公衆衛生審議会伝染病予防部会にエイズ対策委員会を設置いたしまして、今後のエイズ対策のあり方について検討した上、三月にはエイズ対策関係閣僚会議を開催し、昭和六十二年に決定されたエイズ問題総合対策大綱を見直し、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律の円滑な運用を図りつつ、当面、推進を図るための重点事項を含む対策の強化を図ったところでございます。 具体的に言いますと、対策大綱の中で、まず初めにという冒頭の頭書きのところで、「このため、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(平成元年法律第二号)の円滑な運用を図りつつ、当面、次の事項を重点として、総合的な対策の推進を図る。」と書いてございます。 そして、「重点対策」という中で、例えば「正しい知識の普及」の中に、従来は(一)、(二)があるのですが、(三)として「海外旅行者、在留邦人及び海外からの入国者に対する啓発を強化する。」とか、「検査・医療の体制の充実」の中では、(二)で「プライバシー及び人権の保護に配慮し、国民が安心してエイズに関する検査が受けられるよう、保健所等における匿名検査体制の整備の推進を図る。」また(三)では「増加する患者及び感染者が安心して医療が受けられる医療機関を確保するための方策を検討する。」等のことがそこで新たに閣議決定をされたということでございます。
○中川(智)委員 あれだけ、患者・感染者の方そしてさまざまな運動体の方が反対をし、そして、エイズ予防法そのものがもう三年の中でいろいろな問題があると。人権、さまざまな問題ですね、偏見・差別を生んだということがありながら、結局、今のお話を聞いてみると、具体的にそれには生かされず、またその後七年、まるでこの十年というのは見直しを全くしてなかったというふうに、今の中身では、全く違うふうな方向の御返事でしたので、私は、附帯決議というのをどのように考えていらっしゃるのか。 これはどうしても修正がとれなかったときにきっちりと、むしろ閣法ならば、その担当省庁が責任を持ってその三年目の見直しというのを、このように検討会を設けて、そして今の時点ではこうだということを世間にも見せるべきだし、あの場合ですと、患者・感染者の方にその話をすべきだし、そこのところをどのように行ったのかということと、その検討会の中に、いわゆる患者・感染者のメンバーが入っていたかどうかということをお伺いします。
○小林(秀)政府委員 公衆衛生審議会の伝染病予防部会の中につくりましたエイズ対策委員会には、エイズ患者さんの代表は入っておりません。
○中川(智)委員 先ほど児玉委員の質問にもございましたけれども、本当に、長がついている人、そして肩書がある人、医療関係者、そのメンバー、そこがもうよりどころなんですね。そこで話されたことが、結局、さまざまな見直しをつくっていく、中心的に担っていくのに、どうしてその人たちが入らないのか。なぜ入れないのか、率直な御答弁をお願いします。なぜ入らないのでしょう。
○小林(秀)政府委員 平成四年のときは私は担当しているわけではございませんので、なぜかという理由については明快に答えられないのでありますけれども、当然、こういう検討会を開くについては、メンバーにならなくても、エイズの患者さん方の御意見を聞いた方がよりよいと私は思っております。
○中川(智)委員 それでは、後の質問と連動しますので伺いますけれども、今回も私は、公衆衛生審議会、そして基本問題検討小委員会、この委員会での報告がそのまま精神として生かされたならば、いわゆる過去の反省に立った、もう少し本当に、これならば百年ぶりの改正ということで納得できるものがあると思いますが、小委員会報告とはかなり乖離している。 でも、この審議会の中にも患者・感染者の人は入っていない。今度新たに協議会が自治体で設けられましても、過半数が医師。どうしていつもいつも当事者が入らないのか。今局長は前向きでしたね、ちょっと答弁は。入った方がいいと思われると。違うのですか。もう一度きっちり聞かせてください。そして、なぜなのかということをおっしゃってください。
○小林(秀)政府委員 先ほど申し上げたのは、エイズ対策委員会の中でエイズ患者さんの御意見を聞く機会を設ければよかったと申し上げたわけであります。 それで私ども、今回の伝染病予防法の見直しのための公衆衛生審議会の伝染病予防部会と基本問題小委員会を合同で会議を開きまして、そこでは、エイズの原告団の皆さん方と審議会との意見の交換会を開いておりますし、意見も伺っておるところであります。そういうことをやはり聞いて、生の声を審議会のメンバーにお伝えをするということは、私はやった方がいいな。それで、私どもはやってまいったということを申し上げているわけでございます。
○中川(智)委員 意見を聞くということは生かされなければ意味がないんです。参考人でもそうですが、ガス抜きになっている。首を振られましたけれども、結果としてはそうなんですね、意見を聞いたと。 では、どう生かされたのか。では、今回のこの法文の中で、あれほど過去の反省の上に立ってということを叫びのようにおっしゃられている、どこに入っていますか。
○小林(秀)政府委員 そのエイズの原告団の皆さん方の御意見を公衆衛生審議会の伝染病予防部会並びに基本問題小委員会との合同会議でお伺いしたときの主たる論点は、エイズ予防法を廃止をしてくださいということでございました。我々は、そこはわかりましたというのが審議会の先生方の、その御要望を受けたというふうに理解をしておるところでございます。 そのほかに、私どもこの法案をつくるに当たりまして、基本問題小委員会も公衆衛生審議会の伝染病予防部会も、いずれも公開で会議をずっと開いておりまして、実はここの中にいらっしゃる国会議員の先生も会合に出てみえたことがあります。 私どもは決して閉鎖的にやっているわけではなくて、その場でいろいろな意見を聞くことはできるようになっていて、そういうことは絶えず、もちろん個別に私が意見を聞くことは可能なわけですから、そういうことで、いろいろな意見があったと思いますけれども、私どもは、一番の論点は、エイズ予防法を何とか廃止をしてくださいという御要請があって、それは審議会の方で御要請を受けた。受けただけではなくて、我々もそういうふうに思っていたところももちろんありますけれども、そういう要請があったということでございます。
○中川(智)委員 私は、廃止をしてその後生み出すものがいいものという前提の廃止だと思っております。 こればかりやっていたら時間がありませんので、大臣に、今回の審議会、これからもさまざまな新感染症もいろいろ出てくるでしょうし、感染症の脅威というのに今後もさらされていくわけなんですけれども、こういう審議会とか、いわゆる現場での協議会とかに、その当事者、かつてそのような形でさまざまな思いを持ってきた人、そして実際、当事者にしかわからないものを抱えていらっしゃる患者・感染者の方の代表と、もう一つ、法律家をやはり入れるべきだと私は思っているのです。 その構成メンバー、今小林局長も入れればよかったとおっしゃってくださったのですけれども、大臣自身は、その審議会などのメンバーが平等なのか、単に御意見を伺いますというふうな形で、当事者なり法律家の意見を聞くぐらいでいいと思っていらっしゃいますか。やはり私は、メンバーの中にきっちり入れてこそ、さまざまな、パーフェクトに近い形での、みんなの思いというのを受けとめた形での協議、審議、そして立法に生きてくる、政策立案に生きてくると思うのですが、いかがでしょう。
○小泉国務大臣 要は、結論がどうかということだと私は思うのです。いろいろな協議会なり審議会があると思います。当事者の意見を十分聞くということは大事だと思います。最終的に結論を出す場合に当事者を入れた方がいいかどうかという問題は、さまざまな場合に今まで議論されてきたと思います。 例えて言えば、今首都移転やっていますね。いろいろな陳情合戦が起こるんですよ。自分のところへ国会を移転させてくれ、自分のところへと。この当事者を入れて本当に決まるかどうか。そういう場合は、当事者を外した方がいいだろうと思う。意見をみんな聞きなさい、意見は十分聞くと。当事者を外して、その方々の意見を十分聞いた上で第三者が判断をした方がいいという場合もあるでしょう。あるいは、こういうような感染症とかエイズ関係の問題には、まず当事者から十分聞いて、それを識者としてはどう判断するか。結論が納得いくものであるということが私は大事じゃないかと思う。 いずれにしても、当事者の意見は十分聞く。そこで、それを最終的に結論を出すのは、どういう委員がいいか、どういう方がいいかというのはいろいろあるのではないかと。いろいろな意見を聞くことは私は大事だと思います。
○中川(智)委員 次に、補償制度のことで伺いたいのですが、堺のO157のあのときから、今五件、裁判が起きています。結局、先ほど国家賠償法というふうにおっしゃいましたけれども、ほとんどが泣き寝入りという状態がありますし、伝染病予防法の中にきっちりうたわれていて、そして今回のこの法律の中にないというのがどうしても納得ができなかったのです。後退だと言われてもしようがないと思っているのです。 この間のO157の場合ですと、例えば健康診断を受けなさいとか、さまざまなことが言われて、そして家族に、発症した子供を持った場合、その親が食堂の従業員だったとか、そういうことで解雇とか、そういうこともございました。そんなときは国家賠償法でやるわけですか。私の友達の子供さんもO157で入院して大変な状態になったんですけれども、もうかなりのパニック状態の中で、結局みずから職をやめた人ですとか、そして、人権侵害を受けて、強制的に健康診断をやりなさいとかいろいろなことを言われたのですが結局違ったとか、さまざまなことがあったんですが、結局、補償制度がこの中になければ多くは泣き寝入りなんだということについて、そうではないというふうにおっしゃいますでしょうか。一切補償制度が盛り込まれていないということに対して、ほかに、そういう場合だとこういうふうにやればいいとか。 では、今の解雇のことなどでしたらどうでしょうか。
○小林(秀)政府委員 堺のO157事件のときの解雇の話をされたわけですけれども、もう少し具体的に、どういう理由で解雇なのか、その辺まで聞かせていただかないと、今の段階でそれが具体的にどう結びつくのかちょっと今はわかりかねますので、またよく聞かさせていただいて、御返答させていただければと思います。
○中川(智)委員 わかりました。では、金曜日に十二分ありますので、O157に関してはそこでゆっくりと質問させていただきます。 それでは、新感染症というのが、いろいろ、新法を読ませていただいて、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及び罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症とありますが、この重篤度というのはどのあたりのことをおっしゃっていますか。 重篤度というふうに書かれていても、あした死ぬぐらいの重篤なのか、ちょっと口から泡を吹いたぐらいが重篤なのか、その重篤度というのはどのような度合いをおっしゃっていますか。
○小林(秀)政府委員 重篤度と言っている場合には、具体的に基準があるわけではありませんけれども、一般的に我々が考えているのは、致命率、その病気にかかって命を落とされる方の割合がどの程度かということが大きな問題になろうかと思うのであります。 だから、急性感染症の場合は基本的に障害を残すというのも本当は入るのかもしれませんが、障害を残すという場合は、昔のポリオはあったのですが、それを除けば余りありませんで、今日的に言えば、どの程度の方が罹患をして、その罹患したうちのどのぐらいの方が亡くなるかということを見て重症度を考えるのではないか、このように思います。
○中川(智)委員 そうしたら、大体何人ぐらい死んだらというふうに思っていらっしゃるのでしょうか。
○小林(秀)政府委員 具体的に人数とかパーセントでは、今のところ残念ながら答えがございませんので、御容赦をいただきたいと思います。
○中川(智)委員 それで新感染症をこっちにきっちりうたって、重篤度というのはその程度で認識してこの新法に書き込んでいるのでしょうか。新感染症というのがとてもあいまいで理解できないのです。もっとはっきりと根拠があると思っていましたが、いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 基本的には一類感染症と比較しての話でありまして、一類感染症というのは、エボラ出血熱だとかラッサ熱とかペストとかいろいろなのがありますね、その病気と比較してほぼ同等以上であれば、それはやはり重篤な疾患ということになろうかと思うのであります。
○中川(智)委員 そうしたら、例えばインフルエンザではたばたと人が死んだとしますね。そうしたら、これは新感染症みたいになって、急に一類感染症にばっと移動することもあるんですか。
○小林(秀)政府委員 インフルエンザはインフルエンザと原因がわかっていますので、新感染症にはなり得ないのであります。
○中川(智)委員 そうしたら、新感染症の、今は重篤度のところを言いましたが、いわゆる伝染力の強さということをおっしゃっているのですか。未知のもので、そして伝染力が強いというところ。この中の重みで一番重いのは、新感染症と指定する場合にこの理由の中で一番重いのはどれですか、理由として。新感染症として位置づけてきっちりとやる場合、この性格の中で一番重要視するのはどれでしょうか。
○小林(秀)政府委員 そもそも一類を分けるときには、感染力とか重篤度とかそういうもので一類をグルーピングしておりますが、それとあわせて、一類のほかの病気との比較でもって考えるものでありまして、重篤度が一番だとか感染力が一番だとかという判断をしているわけではございません。 それは、総合的に判断をして一類を決めていると同じように、総合的に判断をして新感染症と定めるということになるわけでございます。
○中川(智)委員 新感染症、指定感染症は、かなりこれを読んでもわからなくて、ますますパニックを生むような形の区分けだと思っておりますのでもうちょっと聞きたかったのですが、時間ですから終わります。ありがとうございました。
○柳沢委員長 次回は、来る二十九日金曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会