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142回国会衆議院1998/04/28

厚生委員会 第11号

発言数
232
登壇者
21
会派数
6
開催日
1998/04/28

会議録

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金田誠一君。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 大臣、おはようございます。  国保法の質疑もきょうが締めくくりということのようでございます。財革法の関連その他大臣にお聞きしたい部分、たくさんあるわけでございますけれども、実は、前回の積み残し、保険局長との間で、国保の法制的な問題があるのではないかということを問題提起を申し上げて、実は十分詰め切れないまま積み残しになっておるとも思うものですから、先にそちらの方からやらせていただきたいなと思ってございます。  国保について、現在の国保法、さまざまな問題があるだろうという指摘をしました。局長からいろいろ御答弁をいただいて、こんな形でまだ未定稿でございますけれども、一応読ませていただいたのですが、いろいろおっしゃっていたようなんですが、ほとんど言質を与えない、さすが局長だなと思う答弁でございました。きょうは、それを一つ一つ詰めさせていただきたいなと思ってございます。  その前に、同じ国保法の関係で、旭川市の国保条例に不備があるのではないかということで、これは判決文をちょうだいして、読ませていだだきました。地元の北海道新聞ではこういう一面トップでございまして、「国保料率不明示は違憲」ということで、大変大きく扱われていることなんでございます。これも前回から指摘しております国民健康保険法の法体系の不備といいますか、その中に含まれてくるもののように思うわけでございます。  そこで、まずこの点からお聞かせをいただきたいと思うのですが、判決の内容は既に御承知おきのことですから改めて申し上げることは避けたいと思いますけれども、旭川市が控訴された。それは厚生省なりの指導に基づいてという流れのようでございます。しかし、この問題、本当に厚生省も一緒になって控訴をして争わなければならないような問題なんだろうかついわゆる賦課総額というものを出して、それをあと割り振るといいますか、定率、定額で案分していって保険料を決めるというやり方は、租税法律主義に対して問題があるのではないかという指摘で、そのこと自体は理ある話ではないのでしょうか。  政府管掌保険だろうが、一般的には保険料率というのは法律あるいは何らかの形で明示的に決まっているわけでございます。ところが、市町村国保の場合、条例で決めているのは、旭川のような場合は恐らく最高限度額五十二万円とか、その最高限度額だけが条例などで決まって、あとは賦課総額というものが決定されてそれを割り振るという手続といいますか、それだけが決められている。わかりにくいのではないか。定率が幾ら、定額が幾ら、応能負担が幾ら、応益負担が幾らという形で条例上も明記すべきでないか、それが本来ではないかという裁判所の御判断だと思うわけでございます。  そういうことも含めて、これは直ちに争って正当性を主張するということではなくて、もっと余裕を持ってじっくり検討をして結論を出してしかるべき問題ではないか。すべて条例にしろということを直ちに申し上げるつもりはございませんけれども、指摘されている点はかなりうなずける点が多い、そういう観点から十分検討をすべき事柄である、私はそう思うのですけれども、この点、いかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 旭川市のケースでありますけれども、国保条例について、保険料の算定を市長の自由裁量にゆだねているのではないか、租税法定主義に反して違憲であるとともに、保険料の賦課処分を取り消す、こういう内容になっておるわけであります。  それで、この旭川市の決め方というのは、これは旭川市だけが独自にやっておるというよりも、むしろ旭川市の条例は厚生省の条例準則、これに基づいてといいますか、これを踏まえて制定されておるわけであります。この方式というのは、これはかなり前からそういうようなやり方が行われておりまして、そういった意味ではそのほか大きな市でも同じようなやり方をしておるケースがございます。  私どもとしましては、この判決の内容については、違憲、また保険料賦課処分を取り消すというような内容でありますので、これ自体については、私どもとしてはこれを受け入れられるものではございませんけれども、しかし私も判決をよく読ませていただきまして、できるだけ市民にわかりやすく、かつ適正なものがいいということはそのとおりでありまして、そういった意味でこのような争いというものが起こったわけでありますので、私どもとしましてもそういう観点からこの条例準則というものも見直しを行うということはやぶさかではないわけであります。  ただ、かなりの市がこういったやり方をしておりますので、この辺についての実情というものを十分お聞きし、そして各市の御意見もお聞きしながら、私どもとしては適切な対応を図りたいということで考えておりまして、何が何でも争っていかなければならぬということで考えておるわけではございません。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 考え方はよくわかりました。国民健康保険法、この問題に限らず、再三指摘をしているようにさまざまな問題点が多いのだろうというふうに思うわけでございまして、ぜひひとつ今回の準則の見直し、これも早急に御検討いただきたいと思いますし、それから、かねがね指摘していた保険料支払いと給付のリンクの問題等々、ぜひひとつ柔軟にといいますか、やわらかい頭で御検討いただきたいなということを申し上げたいと思います。  そこで、積み残し事項でございますけれども、被保険者が市町村国保では捕捉できない今のシステム、これについて私は、具体的にこういう方法もあるではないですかということで御提案を申し上げているわけでございますが、答弁を見ますと、検討するということなんですね。ある人に伺いますと、お役所が検討すると言った場合はやらないということと同じだというふうに聞いておるわけで、これは残念な答弁だなと思ってございます。  しかし、これは、検討するとかやらないとかということではもう済まないのではないか、このシステムというのはきちんと整えていく必要があるのではないか。保険者が被保険者を捕捉するシステムですから、もう基本のキですよ。当然のことがやられてこなかった。旭川の保険料の賦課の問題でもございませんけれども、そういう問題点があるのだという御認識をまずいただきたいなと思うわけでございます。  そこで、検討するという通り一遍のお話ではなくて、ごれは本当に捕捉するシステムをつくろうとなさるのかなさらないのか、その辺のところ、もっとはっきりお答えいただけませんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 役所の一般的な答弁ではありませんで、やはり、私どもとしては、制度というものが適切に運営されるためには、きちんとした仕組みが必要であるということでありまして、そういった意味で、できるだけ適正な被保険者の把握方法というものについては検討していかなければならないというふうに考えておるわけであります。  ただ、問題は、住民登録をされていないようなケース等がございますので、そういったようなものについてはなかなか難しい面もありますので、一言で検討と申しましても、直ちに答えが出にくいという問題がございますけれども、今申し上げたような趣旨に沿って、私どもとしては、できるだけ健全な制度の仕組みになるように努力をしたいというふうに考えております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 去年から、ある意味ではその前にも申し上げたこともあるのですけれども、御提案を申し上げながら、私の言っている方法だけが唯一だとは思いませんけれども、いずれにしても、国保の保険者が自分のところの被保険者を捕捉をして適正にその保険料を賦課できるようなシステムを整えるということの必要性は、再三申し上げ、答弁される方も否定はされておらないわけですね。しかし、一向に進まないという状況で今日に至っているわけで、国保の財政の悪化を招き、被用者保険への負担の転嫁、こういうことの一因にもなっているわけなんでございますけれども、ただいまの御答弁でも、どうもはっきりしない。  こういうふうに聞けばいいのでしょうか。それでは、いつからそういうシステムが導入できるようになさろうとしているのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 問題は、やはり方法論だろうと思います。物すごい事務負担というものを伴うような形、いわゆる事務負担もいとわないということであれば、それはそれなりの方法があろうかと思いますけれども、その辺も勘案して、最も効率的でかつ適切な仕組みというものがどんなものがあるかという、そこら辺が、いろいろ検討しておりますけれども、決定的にこれというものはなかなかないということで、年金の受給者等については、年金のシステムあるいは年金の加入関係等々を使いながらというようなことを推奨しておりますけれども、さらに、そこの市町村に本当に住んでいるのかどうかということの登録すらしていないケースについては、なかなか把握しにくいという問題がございますので、そういった意味で、なかなか決定的な方法論が見出せないということでございます。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 お聞きすればするほど、本当にやる気があるんだろうかなと思わざるを得ないわけですね。被用者保険の被保険者資格を喪失をする、自動的に国保の被保険者になる、しかし、国保の保険者はそのことを知るすべもないというのが現状だということなんです。たまたま住民登録をしていないとか無国籍だとか、そういう特別な方を取り上げてどうこう申し上げているわけではないわけで、通常の状態、ほとんどそれでカバーできる状態をまずカバーしていただいて、あと、特別なものはそれなりの手を後で考えていただければいいと思うのです。  結局は、これは被用者保険のためにもなるわけです、国保の財政が悪化するということは、結局は被用者保険への負担のツケ回しということに現実になっているわけですから。そういう意味では、被用者保険の御協力もいただいて、被用者保険の資格を喪失をした、国保として適正に捕捉をして保険料賦課できる、そういうシステムを全体でつくることだと思うのですよ。それは必要だということはお認めになる、しかし、難しいからどうなるかわかりませんということで話が途切れてしまって、もう一年も二年もたっている。  今の御答弁ですと、これから先も皆目見当がつかないということのようなんですが、そんなことじゃだめなんではないですか。きちんと、どういう方法があるか、検討機関を設けるなら設ける、被用者保険と国保との間で期限を決めて具体的に作業に入るというようなシナリオを書けませんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 被用者保険の資格を喪失した人につきましては、これは、これまでも事業主を通じまして資格喪失の証明書等、離脱者、いわゆる喪失者に交付してもらうとか、あるいはまた国保の資格取得届を早期に提出するように指導してもらうとか、そういった手は打ってきておるわけであります。ただ、それが義務的に今行われていないということでありまして、そういった意味で、この被用者保険の資格を喪失した被保険者に関しては、私どもとしても、これまでいろいろな角度から努力をしてきておるわけであります。  そのほか、これだけでありませんで、いろいろなケースがありますから、もっとこれよりも把握しにくいケース、こういった面について、なかなか完璧な手法というものが見出せないので、いろいろ検討しておりますけれども、今のところ、検討中、こんな格好になっているわけであります。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 何回も、時間ばかり食って、聞く方も聞きたくないのですけれども、聞いておりますと本当にやる気が全く伝わってこないものですから、再度聞かせていただきたいと思うのです。  被用者保険の被保険者資格を喪失をした、国保に入らざるを得ない状態になった、その場合に、その旨を被用者保険の保険者に国保に対する通知義務を課する、それで、当該被保険者が国保の加入手続をとる、その旨が国保の保険者から被用者保険に通知が来て、そこで資格を喪失させる。この、無保険者といいますか、そういう状態をつくらないシステムなんというのは、そう手間暇かからずできるのじゃないですか。そのことが被用者保険へのツケ回しを少しでも緩和することができるとすれば、被用者保険にとっても何もマイナスではない。国民皆保険というのは、そういうシステムをつくらないとだめなんじゃないでしょうかね。  それらを含めて、本当に措置をとるということをお答えいただきたいと思うのですし、それをいつからやるのかということ、せめて一年先ぐらいをめどにということでお答えできませんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 被用者保険の資格、できないことばかり申し上げているような感じなんで、余計先生の方はやる気がないのじゃないかというふうに受けとめられるかもしれないのですが、被用者保険といってもいろいろありますから、そういった中で、A保険者の保険を離脱したとしても、それがストレートに今度国保に行くというわけではありませんで、ほかの企業に勤めるとかそういった他の被用者保険に入るというケースもあるものですから、そういった意味で、義務づけるということがいいのか、あるいは、従来やっておりますように、事業主に協力を求めて、その辺のところについて資格を喪失した被保険者を指導していただくといいますか、その旨知らせていただくという方がいいのか、そこら辺の問題だろうと思います。  私どもとしては、まだ義務づけするところまではなかなか難しいかな、こんなふうに考えておるわけでありまして、先生がおっしゃっている趣旨に対して、私ども、できないできないと申し上げているわけではありませんので、そこら辺の義務づけが適当なのか、それとも、そういった指導ベースでやっていかざるを得ないのか、その辺のところではないかと思っております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 それは、何らかの措置はいつごろまでにとっていただけるんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 指導ベースでは今も普及に努めておるわけでありまして、その実効性の問題等見きわめながら考えていくべきなので、来年になったら全部義務づけとかというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 何か質問しているうちにもう意欲が萎えてしまって、本当に寂しい限りでございます。  時間ばかりたつものですから、次の項目に移らせていただきたいと思います。  局長の答弁で、保険料の支払いと保険給付がリンクされているのかどうかということを再三聞いているんですが、されていると答えたりされていないと答えたり、さまざまなお答えをしておりますので再度確認をさせていただきたいと思うんですが、今の国民健康保険の法体系では保険料を支払わなくても被保険者資格は喪失しない、したがって、保険料を支払わなくても保険給付はされる、いい悪いは別にして、そういう法体系になっているということを御確認いただきたいと思うのです。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 法律ですから全体の構成で私どもは考えておりまして、一条一条の条文に照らせば、保険料を納めない者は給付をしないという規定はありません。  そういった意味では、先生がおっしゃるような読み方もあるいはできないわけでもないのかもしれませんが、私どもとしては、全体の法体系としてはそうはなっていない。やはり被保険者の資格というのは、当該市町村に住所を有している人は被保険者の資格を取得をする、だけれどもこれは国民健康保険制度でありますので、保険料については保険者が徴収する義務を負っている、ということは被保険者はその納付義務を負うわけでありまして、そういった面で、例えば保険料を滞納するという場合にはこれは滞納処分というものがなされる、強制徴収がなされるわけでありますから、そういった意味では被保険者はやはり保険料を納めるというのが原則になっていると思います。  したがって、例外措置として、災害等で保険料が納められないケースとか所得が低いケースとか、そういった方については適用除外あるいはまた、いい悪いは別にしまして、生活保護の受給者についてもそういった意味で適用除外になっておるわけであります。  これはなぜかというと、やはり保険料と納付義務というのは裏腹の関係にある。そういった意味で国保法自体は、やはり被保険者は保険料を納付する義務がある、保険給付というのは滞納していても保険給付はなされますから、そういった意味では保険料を納めなくても給付が受けられるというふうにも読めるんですが、しかしそれは本旨ではないというふうに思っております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 法の規定に不備があるだろう、したがって、それらの法整備をすべきだという観点から再三質問をしているということをぜひ御理解いただきたいなと思うわけなんでございます。  こういう法体系になっていることが、いわゆる無保険者というものが発生して、保険者に捕捉もされていない、保険料を納付もしていない、その推計さえできないという状態を、局長、生んでいるわけなんですよ。それは法の体系自体に不備があるということを再三指摘しているんですが、それを認めないと頑張ったところで問題は何も解決しませんので、きちんと真実を見詰めて、問題があるなら問題を直す、法改正が必要なら法改正をするというふうに、普通の感覚で物事を処していただきたいなということを強く御要望申し上げたいと思うわけでございます。  何かこういう水かけ論みたいなことを、むなしい思いをしているんですが、では、ひとつ整理をさせてください。  保険料を支払わなくても被保険者資格は喪失しませんね。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 被保険者資格は、これは市町村に住所を有する者ということでありますから、保険料を支払わないということで滞納しているケースですね、滞納していても被保険者資格を喪失するという形ではありません。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 したがって、被保険者資格を喪失しない限りは保険給付を受けることができる、そこまではよろしいですね。被保険者資格を喪失しなければ保険給付は受けることができる、そういう制度ですね。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 そうなっております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 したがって、保険料を支払わなくても給付されるという制度になっている。保険料納付義務とかは一応決まってはいます、決まってはいますけれども、しかし、にもかかわらず保険料を支払わなくても給付を受けることができる、それが国民健康保険の現行の制度だということでよろしいですね。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 法的には、その場合には保険料の強制徴収を行われる。したがって、滞納処分という格好の執行が行われるというのが現行の制度であります。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 強制徴収なり滞納処分なりが行われなければ保険給付はされないということですか。そうではないのではないですか。したがって、そういうことをおっしゃっても、そういうやりとりしても僕はむなしいと思っているのです。そういうことでなくて、三段論法なんてこんな面倒くさいことをしなくてもいいわけなんですけれども、現行は保険料を支払わなくても給付される制度になりています、残念ながら、ということでいいですね。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 余りこの場でやりとりをしても実りがないかもしれませんが、ただこれは、例えば国民健康保険だけじゃなくて健康保険にしましても、現在の医療保険の体系は国保と同じような形になっておりまして、健康保険についても被保険者というのは保険料の納付義務はありますが、保険料を納めない場合には保険給付を行わないという規定はないわけでありまして、そういった意味では、トータルとしてはやはり保険料を納めるということが前提になっておるということであります。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 被用者保険と国保の違いは、被用者保険は納めなければ資格喪失されてしまうということなんです、一般的には。ところが、国保の場合はその市町村に居住をしていれば資格を喪失させるという規定はない、させようがない。逆に言うと、資格を喪失したくてもできない。そこに被用者保険と国保の違いがあるわけです。  そこで、国保について特有の問題として、保険料を払わなくても給付が受けられるという問題が出てきているわけです。その辺のところはきちんとお受けとめをいただけませんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 法律論ということですのでもうちょっと厳密にお答えしますと、被用者保険についてはこれは雇用されているということで、保険料の納付義務者というのは事業主であります。事業主は被保険者の報酬から源泉徴収ができる格好になっている、こういう構成でありまして、そこは確かに事業主というもの、いわゆる雇用主という格好をとっていない国民健康保険とはそこは違います。しかし、やはり保険料の納付義務というのはこれはあるわけでありまして、それからもう一点、被用者保険の場合には、例えば実態的に雇用関係がある限りにおいてはこれは被保険者であるということになっておりますから、そういった場合には保険料の納付義務を伴うわけであります。ですから、そういう意味で国民健康保険と被用者保険の違いをあえて申し上げるとすれば、雇用されているかされていないか、こういう構成の差でありまして、保険料と保険給付とのリンクという意味では同じような構成になっているという点については御理解いただきたいと思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 雇用されている人間が保険料を何年間も滞納をする、にもかかわらず、その雇用されたままの状態で組合健保なり政府管掌保険の被保険者であり続けるということが現実にあり得ますか。ところが、国保の場合はそれはあるんですよ、市町村に住んでさえいれば。一回もその保険料を払わなくて何十年住み続けようが、被保険者であり続ける。したがって、そこが被用者保険と国保の違いで、国保に特有の払わなくても給付が受けられるということが顕著にあらわれてきているという指摘を再三しているわけです。それを、被用者保険と国保とが同じであるという御答弁をされるのであれば、もうこれは議論をしてもしようがないなというふうにしかならないのですが、そういうお立場なんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 先生の御質問の御趣旨はよくわかるのでありますが、ただ、私どもとして、また逆に何でこんなふうにしつこく申し上げているのかと申しますと、保険料を納めなくても給付は受けられるというところだけがひとり歩きをするという誤解は、これは気をつけなければいけないということで、きちっとしたことを申し上げておいた方がいいということで申し上げているのであります。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 保険料を払わなくても給付を受けられるというのは誤解ですか。現実にそういう法体系になりているのじゃないですか。それで、先ほどそうおっしゃったでしょう。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 ですから、法体系としては、保険料を納めなければ、強制執行が、強制徴収がなされるという、そこまでワンセットで考えていただきたいということであります。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 それじゃ、給付を受ける際には、滞納していた場合は必ず強制執行がされる、強制執行が前提となって給付がされる、強制執行がない場合は給付がされないというふうにおっしゃりたいわけですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 法律として、最終的な担保として、そういう形になっているということを申し上げているわけであります。  それで、個別ケースについてすべて滞納処分のような形にするということは現実問題としてやはりそれほど行われているわけじゃないわけで、最後の手段としてそういう形になっておる。それを最終的には行使しないような形で、それだけ逆に、市町村の職員の方々は保険料徴収をするのに非常に苦労されておるというのが実態じゃないかと思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 現在の国民健康保険法の法体系に不備があるということをお認めいただきたかったわけです。それで、再三申し上げているわけですが、どうもお認めにならないようでございます。  しかし、現実の問題として、保険料を支払わない、しかし保険給付がされているという実態があるからこそ、そういう実態があるからこそ収納率が八〇だとか九〇だとか、そういうパーセンテージになるわけでございます。その徴収コストも、被用者保険に比べるとけた外れに大変な、戸別訪問までやって徴収をしているような、極めてロスの多い状態になっているわけですね。  その問題の根本は、保険料め納付と保険の給付がリンクされていない、滞納処分という処分の方法は決まっているけれども、それは処分をするよということだけであって、だから給付をしない、給付の前提としては保険料納付が条件であるという法体系にはなっていないということなんです。そこをお認めになって、では法律をどう変えるかという検討をしない限り、私は物事は解決しないと思います。そういう意味では、今までの局長の答弁は極めて遺憾であるというふうに言わざるを得ないと思います。  そこで、大臣、こういう質問で本当に恐縮でございますけれども、国民健康保険法の法体系、やりとりを聞いていただいたと思うのですけれども、いかが感じますでしょうか。  大臣の基本的なお立場は、自己責任ということを非常に強調されておる。自己責任というのは、保険料を払って保険給付を受けるということだと思うのですね。払っている人もいる、払わない人もいる、結局は正直者はばかを見る、制度としてそういうものを放置しておくことは、私は、これから自己責任を基本とした社会をつくっていく上では極めて問題があるというふうに思って、くどいようですが再三御指摘を申し上げたわけでございます。現在の国民健康保険法について、この法の不備を指摘をしたわけですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これは、今のやりとりを伺っていまして、不備な点もあるなと率直に感じましたね。  保険料を納めていない人は、きちんと納めている人に対して、甘えているというか依存している。自分は納めなくても給付は受けられるだろうという人がふえたら、この保険制度は成り立たないんですね。しかしながら、そういう人は少数だからいいと、甘いというか、優しいというか、いいかげんというか、あいまいというか、いろいろな言い方があると思いますけれども、本来、保険料を納めなければ給付は受けないとなると、これはまた医療の場合は人道的な問題が出てくる。そこが日本らしい独特のあいまいさだと思うのです。これは常に難しい問題だと思いますが、私は、きちんと、それでは保険料を納めない者は保険給付は受けられないとしたらどういう反応が出るか、また別の反応が出てくると思いますね。いずれにしても、これは検討しなければならない問題だと考えます。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 保険という枠で物を考えるとすれば、保険料を支払う、給付を受ける、これがリンクしなければ保険ではない。その保険料が支払えない場合はどうするかという話は、また別のスキーム、別の枠の問題ではないか。保険料を払えない方にもいろいろいらっしゃって、所得があるけれども払わない方もいらっしゃるかもしれない、しかし、本当に払えない方もいらっしゃるかもしれない、それをどういう基準でどういう措置をするかというのは、これは保険とは別のスキームだと思います。  それを全く切り離してしまうか、あるいは、保険の枠の中でもその部分に着目した税の投入とか、一緒の枠の中で処理するかはともかくとして、保険という給付、反対給付というものとは別な枠組みで整理をしなければならない問題だろう。それを一緒くたにしているところに国民健康保険法の基本的な問題が私はあると。そこのところにきちんとやはり着目をしていただいて、どういうスキームをつくるかということを、ぜひひとつ、厚生省、御検討いただきたいなと。  被用者保険も国保も同じだといったって物事は解決いたしませんので、先ほどの捕捉のシステムとあわせまして、あるいは賦課総額を基準とした賦課の法的な仕方を含めまして、ぜひひとつ、前向きに、真摯に、問題点があるという立場に立った御検討、問題点がないのだということをいかに証明するかに労力を使っても意味がないと私は思うものですから、問題点があるということをまず御認識いただいて、それを、どういう解決の方法があるのかという立場での御検討を強く要請をしておきたいなと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これは、問題点はあるという認識に立って検討すべき課題だと思っております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 どうもありがとうございます。時間をとったかいがあったような気がしておりまして、結論を期待をしております。  内閣法制局、いらしていますか。時間がなくなってしまって恐縮でございますが、順次質問させていただきます。  いわゆる病床規制の関係で、法の整合性といいますか、そういう観点からの質問でございます。  まず、医療法三十条の七、都道府県知事の勧告ということが出てくるわけでございますが、この勧告の性格というか性質は行政指導というものだろうと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。

野田哲也内閣法制局第四部長

○野田(哲)政府委員 行政手続法では、行政庁と国民との関係を、処分、行政指導、届け出の三つに大別して規定しております。その上で行政手続法の二条で定義がございまして、行政指導を、「行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。」としております。したがいまして、医療法第三十条の七に規定いたします都道府県知事の行う勧告もこれに含まれるものと考えております。すなわち、この勧告は、行政指導のうち、法律に明文の根拠規定のある行政指導かと思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 勧告の性質が行政指導であるとすれば、この「勧告ヲ受ケ之二従ハザルトキ」を要件として保険医療機関の指定拒否をすることができるとするこの条項は、行政手続法三十二条二項「行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。」この行政手続法三十二条二項との整合性に問題を生じるのではないか、矛盾をするのではないか、こう思うわけですが、いかがなものでしょうか。

野田哲也内閣法制局第四部長

○野田(哲)政府委員 ただいまこの委員会で御審議いただいています国民健康保険法等の一部を改正する法律案の中におきましては、医療法の定める必要病床数を勘案しながら、病床過剰とされる地域における医療機関の保険取り扱いの制限を法定することとして御提案しているところでございます。  これは、健康保険法上、医療法におけるこの勧告との関係を明確にした上で、健康保険法の観点から保険医療機関の指定の要件を設定したものでございまして、今先生が御引用になりました行政手続法三十二条第二項の問題は特段生じないものと考えております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 ちょっと早口で聞き取りにくかったのですが、どうも、行政手続法と矛盾をしないと結論を言われましても、明らかに不利益な取り扱いをなすわけですから、なぜそういうことになるのか、また改めて解明させていただきたいなと思います。  そこで、医療法でございますけれども、医療法は医業の自由開業ということが根幹になってでき上がっている。警察許可、一定の要件さえクリアすれば許可しなければならないというのですかね、警察許可の制度をとっている。一方で医療法では自由開業を認め、他方で勧告に従わない者に病院の使用を不可能にするということは、これは矛盾ではないか。憲法二十二条の規定に抵触するように思われるわけでございます。一方で自由開業、しかし一方では、その勧告に従わない者は実質的にはもう国民皆保険のもとでは開業できないという制度をとるわけですから、これは相矛盾しないかと。どうしてもやるというのであれば、自由開業制の仕組みそのものもこの検討の俎上にのせて、トータルなものとして措置せざるを得ない、それが本来の法体系のあり方ではないか。法制局というのはそういうことを特に考える役所ではないかと常々思っていたのですが、どんなものでしょうか。

野田哲也内閣法制局第四部長

○野田(哲)政府委員 今回御提案されています法律におきましては、医療保険制度の運営の適正化のために、一部の病床過剰地域にこれ以上医療機関が集中することを防ぎながら、劣悪な既存病床の既得権化を防止し、必要な病床数の枠の中で新陳代謝を図っていくということを目的とするものでございます。  今回の措置により保険取り扱いが制限されますのは、医療機関の機能の一部についてでございまして、医療機関自体が存続できないということではなくて、その病床につきまして制限を受けましても、例えば、外来診療や制限される病床以外の病床での入院医療については保険取り扱いが行われるものでございます。さらに、申すまでもなく、自由診療ということは行われるわけでございますから、医療機関として医療法の許可を受けた機関であれば医療は行える。それから、一定の範囲で保険取り扱いも行われるということで、営業の自由の問題は生じないと私どもは考えたわけでございます。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 今まで厚生省から説明されていた話からしますと、計画病床数がある、これがいっぱいになっていた、この上にさらに一定の病床数を申請しても、これはだめですと勧告しますよ、勧告を拒否してつくったところで、保険医療機関の指定はしませんよ、実質これは全部だめよという話なんですね。  今の話ですと、全部だめよにするとやはり自由開業制との間にそごを来すというか、矛盾を生ずるというか、そういうことも配慮しながら、いやいや全部ではないんだ、一部かもしれないしみたいな話をしていますけれども、今のお話ですと、非常に苦しい話でございませんか。  自由開業制との整合性をどうとるか、法制度として完結しているのか、矛盾なく両立できるのかということを申し上げているわけなんですが、全部規制すればやはりだめですか。今の話ですと、そういうふうに聞こえるわけですね。やはりある程度営業が成り立つ程度の許可はせざるを得ないというような話なんですか。

野田哲也内閣法制局第四部長

○野田(哲)政府委員 まず、医療法と、健康保険、医療保険の制度とは一応別の制度でございまして、医療法の体系のもとでは、構造、設備要件あるいは人員要件等満たせば許可がされる、それによって、医療について営業が行われるわけです。そこまでで一応形式的には営業の自由は保障されていると言えるかと思いますけれども、また、今の国民皆保険制度のもとで、保険取り扱いができなければ、実質的に医療機関としてなかなか成り立たないという御指摘もあろうかと思います。その点につきましては、今回の制限の導入に伴いましても、医療機関として保険を取り扱っていく道も開かれている。そういうことで、実質的な面でも医療機関として営業が行われるよう配慮されているということでございまして、形式的にも実質的にも営業の自由の問題はクリアできたのではないかと我々は考えているわけでございます。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 厚生省がそういう答弁をするならさもありなんと思うのですが、法制局から言われますと、何か寂しい思いですね。法の番人は最高裁かもしれませんが、内閣の中で、憲法を基準にして法のもとの平等、法の整合性といいますか、その尺度をきちんと踏まえて目を光らす役所だと私は実は信頼をしていたのですけれども、ただいまの答弁、やはり役所というのはそんなものかなという失望を禁じ得ません。改めてまたただす機会があろうかと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 厚生省が先生のところに御説明に行った際の説明があるいは不十分だったのかもしれませんので、ちょっと補足させていただきます。  法律の規定をちょっと申し上げますと、法律のこの関係は、健康保険法の四十三条ノ三の四項で規定しておりまして、読んでみますと、「都道府県知事」、ちょっと中は省略しますが、「病院又ハ診療所二付保険医療機関ノ指定ノ申請アリタル場合二於テ左ノ各号ノ一二該当スルトキハ其ノ申請二係ル病床ノ全部又ハ一部ヲ除キテ其ノ指定ヲ行フコトヲ得」ということで、いわゆる病床について契約をしないということであります。そこのところは、例えばの例で申し上げますと、全部オーバーベッドになっている、そこに新たな百ベッドの病院を建てたいということで申し出があった場合に、オーバーベッドになっておりますから、保険医療機関としてそのベッドについては指定をしないということであります。例えば、それではベッドを持たずに医療機関としてやっていくとか、あるいは診療所としてやっていく、十九床以下の場合ですが、そういう場合には勧告の対象になりませんから、これは保険医療機関としての契約をする、こういうことでありますので、オール・オア・ナッシングということではありません。ベッドについてだけの規定であるということについてちょっと補足させていただきたいと思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 反論もあるのですが、もう時間になりましたので、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 石毛鍈子さん。

石毛えい子民主党

○石毛委員 民主党の石毛でございます。  前回に引き続きまして、医療計画と病床規制につきまして質問を続けたいと思います。  私は、前回の質問の中で、医療計画における必要病床数の考え方がへ本来必要な地域の医療ニーズにこたえたものになっていないのではないかということを中心に疑問を呈してまいりました。  少し振り返っておきますと、第一には、必要病床数の算出方法、地方ブロックごとの入院受療率を根拠とするわけですけれども、その地方ブロックといいますのは地方における中核都市を含んでいましたり、あるいは過疎地域を含んでいましたりといういろいろな社会的な性格があるわけですから、それを地方ブロックというふうにとらえましても、必ずしも医療ニーズを反映したものとして言えるわけではないですし、必要病床数が小さいところで入院受療率が少ないところですと、どうしても必要病床数のカウントは少な目に出ますし、過剰が引き戻されてもそれほど引き戻されるわけではない、そういうようなことを一点指摘をしました。  それから二つ目には、保険局長は、日本の医療費は病床数の多さと相関の度合いが高いので、医療費を抑制するには病床数の規制をしなければならないというふうに再三御答弁されているわけですけれども、医療費との相関要因を探ってみると、医療従事者数もありますし受療率もありますし、あるいはまた最近ではもっとほかの要因もございますでしょうし、病床数だけで考えるというのは不十分ではないかということが二点目。  それから三点目は、必要病床数をカウントする場合に、入院受療率を中心にした病床数という量のカウントだけではなく、その必要病床数の考え方の中に、例えば循環器医療についての整備状況ですとか小児救急ですとか、あるいは同じことをちょっと言いかえるだけかもしれませんけれども、高齢社会の中でリハビリ医療体制が必要病床数の中に含まれているかというようなこと。細かいベッド数まではカウントしなくても、基準的な考え方を必要病床の指定要件として踏まえるべきではないかというようなことを申し上げて、今回の、過剰病床の地域では保険医指定を取り消すというようなことは非常に尚早、性急な法文ではないかということを申し上げてまいりました。私が申し上げましたことは、参考人質疑の中で中野総合病院の池澤参考人がほぼ同じような指摘をなさったというふうに私は伺わせていただきました。  さて、今回でございますけれども、まず、前回の質問のときに、国民健康保険の都道府県別、年齢階級別一人当たり診療費のデータをお出しいただきたいというふうにお願いをいたしまして、大分労力をおかけしたそうですけれども、政管健保とあわせてデータをお出しいただきました。この点に関しましてはお礼を申し上げます。ありがとうございます。  それで、時間の都合もありまして、いただいたデータを十分に見させていただくというところまではいっておりませんけれども、一、二気がついた点を指摘させていただきます。  国保と政管健保との間で、入院診療費と、それから既存病床あるいは入院受療率の相関を見てみますと、国保と健保の間では大分違いがある。例えば、入院受療率と入院診療費の関係で、国保の相関係数は〇・八八七六。ところが、政管になりますと〇・六三二五に下がります。かなり違います。それから、既存病床と入院診療費の関係で見ましても、国保の相関係数は〇・九二二五、政管の相関係数は〇・七〇六七で、これもまた随分違います。このあたりはどんなふうに御説明いただけるのでしょうか。  それと、国保と政管の関係。国保でとれば、再三御答弁がありますように、病床数と総医療費は相関しているかもしれませんけれども、政管でとりますともっとばらつきが出てきて、必ずしも病床数が総医療費引き上げの最も基本的な要因であるというような結論を導き出せるのかどうかというのは疑問の点もなきにしもあらずではないかということを申し上げたいということ、これが第一点でございます。いかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これまでの私が御答弁申し上げた内容についての最初の御指摘がございましたけれども、私の方で申し上げておりますのは、ベッド数と一人当たりの入院医療費に強い相関関係があるということで申し上げてきたつもりであります。したがって、医療費全体とベッド数との相関関係ということは申し上げてないと思うのですが、そこはひとつ御理解賜りたいと思います。  それで、今、国保と政管をそれぞれ切り分けて分析された御質問でありましたけれども、まず第一点は、やはり国保と政管の一人当たりの入院医療費については、これはそれぞれ国保の加入者、政管の加入者の疾病構造というものを異にしておりますから、そういった面では医療費等においても違いが出てきておるわけであります。  そこで、問題は、病床数と一人当たり入院医療費の関係を見る場合に、私どもとしては、ベッド自体が、例えば国保のベッドはこれ、あるいは政管の患者さんの場合の入院にはこのベッドというような格好になっておりませんから、そういった意味では、いわゆるベッド数で制度間の医療費の格差を比較するというのは無理があるのではないかというふうに思っております。私どもが申し上げておりますのは、都道府県別の入院医療費をベッド数との相関で見ますと非常に強い相関関係があるということでありまして、やはりベッド数というのは一人当たりの入院医療費の高低を左右する一つの要因であるというふうに考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 保険局長は、今、一つの要因であるというふうにおっしゃられて、私の記憶では、一つの要因という表現は今までなさっていらっしゃらなかったのではないかと思います、これは私の記憶ですからそれ限りの話ですけれども。ただいまのお話の中で、政管健保と国保の患者さんでは疾病構造の違いがあるというようなことをお触れになられましたけれども、もう少しその点を言及していただければと思います。  いただきましたデータで、例えば国保の方の一人当たりの入院診療費が高額になりますのは、国保の方の方が高齢層の加入者が多いわけですから当然でございますけれども、同一年齢層をとってみましても、かなり違いがございます。  例えば、三十五歳から三十九歳層の方ですと、政管健保の方は一人当たりの診療費が二万八千円、ところが国保の場合は四万九千円。四十歳から四十四歳までは、政管が二万九千円で国保が六万二千円。一・五倍から二倍ぐらいの差が、ざっと三十代から六十代前半ぐらいの方までございます。  確かに、職業の違いとかいろいろございますから、違うということはあるんだろうと思いますけれども、医療費を考えるのでしたら、ベッド数ももちろん重要な要因だと思いますけれども、どういう疾病でどういう医療費になっているかというようなことも重要な分析要因だと思いまして、少しこの点にお触れいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず、言葉じりをとらえるようで恐縮でありますが、私が一つの要因と申し上げましたのは、ベッド数がほとんど変動なくても、例えば、入院医療費といった場合には、看護体制の強化によって医療費にはね返りますし、それから、入院医療費だけの推移を見ましても、医療費の改定がありますと、その改定分というのは、医療費は当然上がるわけでありますから、そういった要因をやはり差っ引いていかないといけないという意味で一つの要因と申し上げたのですが、やはりベッド数と一人当たり入院医療費というのは非常に強い相関関係が見られるということであります。  そこで、国保と政管の一人当たり入院医療費の関係でありますが、平成八年度の資料がございますので、それを比較してみますと、例えば十五歳から三十九歳の年齢層、比較的若い年齢層で見てみますと、国保と政管の関係は、国保が三万一千九百円、それから政管が約二万三千五百円ということでありまして、国保の方が八千四百円ほど高いという格好になっております。  疾病別に見てみますともうちょっとわかりやすいのですが、この疾病分類として、例えば「精神及び行動の障害」という分類がありますが、ここの項目で見ますと七千円ほど国保の方が高くなっております。あるいは「神経系、眼及び付属器、耳及び乳様突起の疾患」というような分類、それからまた「消化器系の疾患」というような分類がございますが、こういったような項目を見ましても、政管に比べて国保の方が高くなっている。これはやはり、国保の方がこれらの疾患の患者が多いということが一つの要因だと思います。まさに先生御指摘のとおり、それぞれ、その加入者の持っている疾患が、どういう疾患が多いかということによってやはりそこは変わってくると思います。  それから、六十五歳から六十九歳という層で見てみますと、例えば「循環器系の疾患」あるいは「新生物」、こういったもので見ますと、むしろ国保の方がやや低くなっている。それに対して、「精神及び行動の障害」というところを見ますと、やはり国保の方が高くなっておりまして、これに関する一人当たり入院医療費が、国保の方がやはり七千円ほどこの年齢層でも高くなっているということでもございますので、それぞれ、どういう患者さんが入っているかということによってそこら辺の違いというのは、制度によってやはり違ってくるというふうに私ども考えております。     〔委員長退席、根本委員長代理着席〕

石毛えい子民主党

○石毛委員 今の御説明ですと、政管健保と国保の一人当たり診療費の額の違いというのは、それぞれの疾病の種類ですとかによって違うということで、合理性があるというふうに伺えましたけれども、そういうお答えだったと理解してよろしいでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の保険医療機関における病床の制限との関係というよりも、制度間のその違いがあるということは事実でありますし、それは、入っている人の疾病構造によって違うということを申し上げたわけであります。  今度の関係は、国保とか政管とか、それぞれ入院のベッドを変えているわけではありませんから、私どもとして、やはり全体の医療費としてとらえておりますので、都道府県間における一人当たり入院医療費という面で見ますとベッド数と非常に強い相関関係があるものですから、そういった意味で、やはり医療費の適正化という観点からすると適正なベッドの確保ということが非常に大切でありますので、そういう視点から今回の提案をさせていただいておるわけであります。

石毛えい子民主党

○石毛委員 同じベッド数をさまざまな保険の加入者であります患者さんがお使いになるというのは当然のことだと思います。  私が申し上げたかったのは、恐らく、疾病構造の違いから医療費が違うというのは合理性があるでしょうけれども、ほかの要因として政管健保の水準が妥当であるかどうかということはあると思いますが、今回は診療報酬のレセプトの点検の予算がかなり盛られているわけですから、そういうようなことも勘案しまして、もし政管健保の方に近づいていくということになりますと、再三厚生省が御説明になっていらっしゃる、ベッド数を国保の医療費でとらえて、総医療費がベッド数と相関しているという主張は少し、少しといいますか、正確とは言い切れないのではないですかということを申し上げたかったということでございます。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず、総医療費が相関というのではなくて、入院医療費について、ベッド数との相関ということであります。  それは、例えば国保、政管、組合健保などでもそれぞれ違いがあると思いますし、それから被用者保険の中でも、どういつだ職種の人が多いかというようなことによっても違いがあると思いますから、そういった意味で、やはり各制度ごとに見れば違いが出てくると思います。  しかし、私どもとしては、やはりマクロ的にとらえた場合に、都道府県間における一人当たり入院医療費とベッド数は強い相関がある、これもまた事実でありますので、そういった視点から、適正化という視点で、今回、改正をお願いしているということなんであります。

石毛えい子民主党

○石毛委員 次の質問に移らせていただきます。  この十年近くの期間をとってみますと、必要病床数がふえております。例えば、人工十万対で必要病床数をとってみますと、一九八九年は九百四十六床、一九九五年になりますと九百七十床、九六年で九百六十七床ということで、人口十万で二十床ぐらいふえておりますけれども、必要病床数がふえてきているという理由はどういうことでございましょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 必要病床数の計算式は御承知のとおりでありますが、結局、性別・年齢階級別の人口、それと性別・年齢階級別の入院率との関係でございます。  今御指摘のございました人口十万対必要病床数がふえている要因としましては、高齢者の有病率というものが若年者の有病率、具体的には入院率でございますけれども、それより高いわけでございますから、したがって、年々高齢化が進む、高齢人口が増加しているということが一番大きな要因ではないかというふうに考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 私は、このことに関しましては、おっしゃることの要因が計算式からは言えるだろうということはそのとおりだと思います。  ただ、必要病床数がふえていきますと、それとの相関で過剰病床数が減ってきているということはあるわけでして、八九年に過剰病床数が人口十万で六十八床であったものが、九六年になると過剰病床数が三十七床まで減ってきておりますので、何か必要病床数が上がっていけば反射的に過剰病床数が減ってくるというように見えなくもない。そうすると、必要病床数と過剰病床数の概念というのは、必要病床数が動けば過剰病床数も当然動いてきてしまって、では何が必要病床かということを確定しないと、過剰病床について、ここは過剰病床ですというふうになかなか言いがたい側面もあるのではないかというふうに思ったわけですから、今の質問をさせていただきました。  質問を移りたいと思いますけれども、いろいろといただきましたデータを眺めておりますと、不思議なことに気がついてまいります。  例えば、これは相関係数というようなことで算定できるということではないのですけれども、病床過剰県における過剰病床数と入院受療率とそれから医療費を相関でとらえてみますと、例えば高川知県では、過剰病床数も高くて、受療率も高くて、一人当たり医療費も高い、そういう傾向。これが厚生省がずっと主張されている御主張に最もフィットする実態だと思います。  ところが、例えば愛知県をとってみますと、愛知県の場合は、過剰病床数は多い県であります。受療率は相対的に低い、それで一人当たり診療費は全国平均より低いという事実があります。つまり、過剰病床地域だけれども、受療率は低くて、診療費は全国平均より低いという愛知の地域ですね。  それから、富山や島根というところは、病床数は非過剰県、つまり過剰地域ではない。それで受療率は高い。つまり、過剰地域ではないので病床をふやしていくというのは可能な県になるわけですけれども、その県で受療率が高くて、富山県の場合は一人当たり医療費が高く、島根の場合は全国平均並み。  今、何を申し上げたかと申しますと、病床が過剰か非過剰かということと入院受療率と一人当たりの国保の診療費をとってみると、全部プラスに相関しているところもあるし、要因がプラスになっていて一つの要因がマイナスになっているところもあるしということで、三パターンばらばらという形がある。これを全部の都道府県についてやってみればよかったのでしょうけれども、私はそこまではやる時間的な余力もありませんでしたので、これは不思議な実態である、事実である。  こういうことを並べてみますと、病床過剰と一人当たりの入院診療費の多さというのは必ずしも、確かに相関係数は高くなるのですけれども、前々回でしたでしょうか、社民党の秋葉委員が、相関係数の高さは因果関係の高さをあらわすものではないという表現をされていましたけれども、私は並べてみますとこういうことに気かつきまして、やはり病床の過剰が医療費の増大に結びつくという結論は少し早計ではないかということをまた改めて思うのですけれども、この点に関する認識はいかがでございましょうか。     〔根本委員長代理退席、船田委員長代理着席〕

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 前の御質問からの続きということで私からお話をさせていただきますが、先生がお話しになったのは県別だったと思いますが、地域別にいろいろなデータを見て、それについてばらつきがある、それは確かにそういう面はあろうかと思います。  ただ、結局、先ほどの御議論にもありましたように、全体の一人当たりの入院医療費と病床数という中には高い相関があるということ、それから、これも前々から御議論がありますように、医療においては供給が需要を喚起をするというような側面があるということ、そして、そういう意味で高い相関があるということについては御理解をいただいているのだというふうに思っております。  そういう意味で、医療計画におきましても算定の一つの基礎として入院受療率というものを用いて今までやってきているというような経過があるわけでございます。

石毛えい子民主党

○石毛委員 全体のとおっしゃいましたけれども、全体ではトータルにつかみ切れないからこそブロック別の入院受療率を中心にして必要病床数を出しているのではないかと思うのですが、ブロック別で出してみても、それぞれ都道府県をとってみるとさまざまな個性があって、必ずしも病床数と医療費の相関だけで物事を規定できるわけではないのじゃないですかということを私は申し上げたわけですけれども、これについてはこれ以上お話をしていますと、また私の方が堂々めぐりになってしまいそうですので、次の質問に移らせていただきたいと思います。  長野県は高齢者の方の平均余命率が高いことで知られております、特に男性は一位になっていたかと思います。長野県の場合に、被保険者の受療率といいますのは〇・三二九四で、全国平均が〇・五一一七ですから、これに比べると大変低いです。それから、一人当たりの診療費が、全国平均が一万五千七百四円で、長野県の場合は一万七百十六円ですからほぼ三分の二です。それで、ベッド数でいいますと、長野県は、非過剰地域です。ですから、確かに非過剰地域ですからベッド数が過剰ではなくて、医療費が低いという、入り口と出口だけは言えるのかもしれませんけれども、長野県の場合に非常に特徴的なのは、必要ベッド数よりも既存ベッド数が低い県だけれども、なおかつ既存ベッドが使われていない、病床利用率が非常に低い県だ、そういう特徴がございます。  前回、中野総合病院の池澤参考人も、医療計画の中でベッド数の勘案をするのに病床利用率の考え方を入れていないというのは、考え方としては説得力に欠ける部分があるのではないかというふうにおっしゃられていましたけれども、長野県のこの例を見てみますと、医療費との相関というのは、相関の要因は確かにいろいろあるのだと思いますけれども、非常に重要な要因として、要するに、入院患者さんが少ない、ベッドが余ってしまっているわけですね。長野の場合には、必要ベッド数を満たしていないところ、要するに、日常的な用語を使えば、不足地域です。不足地域ですけれども、なおかつ病床利用率は低い。つまりは、入院する人が少ない。あるいは、人は多いのかもしれませんけれども、入院日数が短いのかもしれません。トータルでいえば、入院医療費がかからない。これが医療費を下げる大きな要因になっているというようなことが考えられると思います。  それで、厚生省ももうお持ちなんだと思いますけれども、私は、ここに、国民健康保険中央会が、市町村における医療費の背景要因に関する研究会報告書、抄でございますけれども、たまたま手に入りまして、持っております。  少し読ませていただきますと、長野県の場合は、「在宅医療を可能とする条件が整っており、その結果、平均在院日数が他県より短くなっている。」「長野県では医療機関に空き病床が多くあるにもかかわらず、医療機関側が患者の要求に対応して在宅ケアを医療として取り組む態度が認められる。」というようなことが書かれております。  それから、その中に、「医療機関のあり方」ということで、「医療機関数や病床数及び医師数と老人医療費とは正の相関が認められた。」これは、厚生省が常々御主張になっていらっしゃることです。「認められた。長野県の特長は、これらの相関を上回って老人医療費が抑制されていることである。すなわち、長野県の低医療費は、提供されている医療の内容に特性を見出すことができる。」これは一般的にももう随分言われ始めていることでございますし、それを国民健康保険中央会のこの研究会報告は明示的に示されたということだと思います。  話の筋をもとに戻しますけれども、長野県は病床の非過剰地域ですから、もし病院を建てて病床をふやしたいということがあれば、これは、病床をふやすことができる地域になるわけですね。病床をふやすことができて、長野県の今の姿勢でいえば、そうそう病床利用率が高くなるとは想定できないと思いますけれども、病床を仮にふやしたとして、病床の利用率を高めていけば、これは医療費をふやしていくことになってしまう。これも矛盾ではないか。うまり、非過剰地域では病床をふやすことができるというのも、医療計画の筋とすれば、必ずしも整合性のある、説得性のある論理とは言えないというふうに申し上げたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 幾つかの点でお話がございましたけれども、結局、医療計画は、その目的としては、全国的に医療機関の適正配置を図っていくということで考えているわけでございますが、その過程の中で、この必要病床数の算定の方式ということについては、その当時検討がなされたわけでございますけれども、前回の御質問の際にも若干申し上げましたけれども、受療率についてはブロック別の受療率を使うということにしたわけでございます。  その背景としては、疾病や患者数が地域ごとに異なるということをどういうふうにそれぞれ算定式に反映をさせるのかということと、病床の地域的偏在を是正させる、この二つの要請を調和をさせるという形でブロック別の受療率というものを用いたわけでございます。  後段の方のお話にございました非過剰地域におきます病床の整備ということに関連いたしましては、必要病床数というのは、非過剰地域においては、ある意味では整備目標としての性格と、それから、過剰地域におきましては増加を抑制するというその性格をへ両面を持つものでありますけれども、病床非過剰地域については、僻地医療あるいは救急医療などの政策的に重要なものに対しては、政府として補助を行ってきているということでございます。したがって、非過剰地域において、単に病床が非過剰であるということをもって病床の整備を進めるということよりも、むしろ、国としては、僻地医療とか救急医療に対して補助を行ってきているというような経過がございます。  また、病床過剰地域におきましても、一方、特例病床、いわゆる特定病床の制度というものによりまして、地域医療に特に必要な病床につきましては勧告が行われないといったようなことになっているわけでございます。  したがって、機械的に病床の過不足ということだけで運用しているということではないというふうに考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 私はそういうことをお伺いしたのではなくて、医療計画の論旨からいえば、非過剰地域では病床をふやすことができるというわけで、長野の場合は非過剰地域でも恐らく適切な医療がされているのであろうから、それは、もし、そこにふやしたいというところが出てくれば、当然許可になってくる話でしょうし、それは、逆に言えば、本来の目的に関して言えば離反するベクトルをとることになってしまうのではないですかと。むしろ、局長がおっしゃられました当初の医療計画を立てるときの適正配置ということで考えれば、非過剰地域には病床を建てることは了というふうになるだろうと思いますから、今私が申し上げたようなことは言ってもよろしいのではないかと思ったわけです。  時間の関係もありますので、次の質問に移ります。  この四月中でこの医療計画の策定に関して指針は変わるというふうに伺いまして、私も資料をいただきましたけれども、介護保険法が二〇〇〇年の四月に始まるということともかかわって、療養型病床群は一般病床の中でどういうふうにカウントされることになるのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 療養型病床群は、いわゆる一般病床という形で算定をされますので、必要病床数の中では一般病床の中で算定をされるということでございます。

石毛えい子民主党

○石毛委員 二〇〇〇年四月以降は、療養型病床群は高齢者の六十五歳以上の方に関しましては介護保険から給付される施設になるわけでございますけれども、確かに、療養型病床群は医療法上の病床なのだと思いますけれども、病床数のカウントが医療費との相関で非常に大きな意味を持っているときに、この一般病床数の中に療養型病床群をカウントするというのはおかしいのではないでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 療養型病床群の整備目標ということにつきましては、既に、この四月の医療計画の制度改正に伴いまして、算定方式等について県に示しております。  基本的には、先ほど申しましたように、療養型病床群を含む一般病床として算定されるわけでございますので、整備目標につきましては、病床非過剰地域では必要病床数の範囲内で整備が行われる、また、過剰地域においては私どもとしては既存病床等の転換によって整備を進めていくということを基本にいたしております。  なお、介護保険制度が平成十二年からスタートされました際にも、この療養型病床群というのはいわゆる医療法に基づく許可病床という形を基本にいたしますので一般病床という形で考えておりますが、ただ、一方、この必要病床数の問題につきましては、規制緩和委員会からの指摘もありへ急性期の病床と慢性期の病床に分けて算定をするというような形で、今後の検討課題だということが指摘をされておりますので、その問題についてはそういう面からも今後検討をしていく必要があると考えております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 よくわからないのですけれども、一般病床の中に療養型病床群を組み入れて病床数をカウントして、二〇〇〇年の四月まではそれでもいいのかもしれません、全部医療保険の範疇のことだと思いますから。二〇〇〇年四月以降になりましたら、今指針が出た医療計画というのはいつごろ実行に移されて、いつまで有効な期間になるのか私はよくその辺は存じませんけれども、恐らく三年か五年か置きに見直していくということになれば、介護保険法が施行になった後でも有効な考え方としてつくられなければならないと思うのですけれども、二〇〇〇年四月以降も療養型病床群は医療法上の病床として病床数の方のカウントに入っていくわけですか。そのときに介護保険事業計画の方の三介護施設、差し当たって三介護施設との関係でのカウントの仕方というのは、まだ固まっていないのかもしれませんけれども、基本的にはどういうふうに考えていくことになるのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 現在までのところ、十二年当初の療養型病床群の整備の目標としては全国ベースで十九万床ということを目安にいたしております。一方、介護保険制度におきます介護保険事業計画におきましては、特別養護老人ホームそれから老人保健施設それから療養型病床群おのおのの施設サービスの量の見込みを設定するということでございますけれども、今後それは具体的な問題として決めていくということでございまして、現在のところ、療養型病床群につきましての整備の目標というのは、先ほど申しました十九万床というものを念頭に置いております。

石毛えい子民主党

○石毛委員 何か普通の市民社会の考え方からすれば、療養型病床群は介護保険法の適用施設になるわけですから、医療法上病床としてカウントされるということは現行法体系の中ではあるとしても、これは医療計画の中では少なくとも一般病床、あるいは必要病床か転換病床かとさっきちょっと説明がございましたけれども、そういうことを踏まえたとしましても、医療計画上の病床数からは切り離して、連携領域として介護保険事業計画の方の施設としてカウントしていくということが普通に考えれば事柄の筋ではないかと。どうして別の法体系のもとで機能する施設が医療計画の中に入れられてしまうかということは私は非常に不思議に思いますということを申し上げまして、時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思います。  私はやはり、今度の一部改正の中に出てきております、過剰病床地域では保険医療機関の指定を取り消すことができるというその法定にかかわりまして、まず必要病床数と過剰病床数の考え方をどう整理するかということがはっきりしていないのではないかということをさまざまな角度から申し上げたつもりです。そしてまた、この四月に医療計画の指針が見直されて新しい指針ができてまいりますと、それが各自治体ではいつごろになってくるのかよくわかりませんけれども、まだ詰めなければならないことというのは多々あるというふうに私は考えております。その詰めなければならないことを残したままにしておいて法律の方を先に決めてしまって外枠を縛るというのは、私は事柄の順序が逆ではないかというふうに思います。ぜひこの法律改正のこの部分に関しましてだけでも私は大臣に凍結して提案するというような御趣旨のお考えを伺いたいと思いますけれども、大臣はどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか、お答えをいただければ幸いでございます。     〔船田委員長代理退席、根本委員長代理着席〕

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の改正法の関係でちょっと誤解があるといけませんので、私がちょっと最初に御答弁したいと思います。  まさに先生おっしゃるとおり、介護保険法が施行されますと、介護保険法の施行後は、医療計画上、必要病床数には介護施設としての病床数も含まれるという考え方をとっておるようでありまして、そうすると、今回提案しております関係からしますと、私どもとしてはあくまでも医療保険における医療費の適正化という視点でとらえておりますから、そういった意味では、今回御提案しております健康保険法四十三条ノ三の第四項の条文も医療計画に定める必要病床数を勘案して厚生大臣が定めるという書き方をしておりますのは、介護保険施行後、こういった介護関係の病床を除外した形でここは考えなきゃいけないというふうなことで条文上はそういう手当てをきちっと講じておりますので、念のために御説明させていただきたいと思います。

石毛えい子民主党

○石毛委員 委員長、ちょっとその前に言わせていただいていいですか。  大臣に御答弁をお願いしながら恐縮でございますけれども、私はそれは存じております。存じておりますけれども、療養型病床群は本来介護保険の適用施設になるんでしたらば、勘案してというようなそういう項目ではなくて、別建てとしてきちっと切り離したところで計画を立てるというのが普通の考え方ではないでしょうかということを申し上げたわけです。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 先ほどお話し申し上げましたように、医療計画上の療養型病床群というのは、現在一般病床の中で算定をされ、それが今後も続くということでございます。  なお、その算定の方式そのものについては急性期と慢性期に分けるという考え方が指摘をされておりますので、それについては現在検討していろということでございます。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 申しわけないのですが、ちょっと先生の御質問の趣旨なんですが、私どもの理解はこういうことでよろしいでしょうか。  いわゆる医療計画というのは医療法上の計画ですから、その医療法上における医療計画に何をカウントするかといったときに、介護保険施行後は、介護施設の関係は、これは介護保険の保険料で見るわけですから、そういった意味では、医療保険の保険料で見るわけじゃない。そうすると、介護施設の病床数に関しては、医療法上の医療計画の中に一緒にカウントするのじゃなくて、それは介護保険のベッドとしてきちっと確定し、それから、いわゆる医療保険の対象となっている医療上のベッドは医療上のベッドとして確定し、そこのところをきちんと医療計画上の中に、必要病床という場合、区分をして、それで考えていくべきじゃないかという御趣旨でございますか、今の一点は。  そこで、私どもが今回御提案しておりますのは、これはまさに医療費の関係でありますから、この必要病床数の中に介護保険法が施行後は介護施設の病床も入ってきてしまうものですから、そうすると、私どもの考えでいるオーバーベッドということからは、そこの部分は区分して考えた方が適当である、いわゆる医療保険の財源で払う分ですから。そういった意味で、今回御提案している法律は、そこのところを区分できる格好に法文上手当てしてありますということを今回の改正法の関係では申し上げたわけであります。  ただ、医療計画上は、そこのところのあれは一緒に計画になっておるということで、なぜそうなっているのかということについては先ほどから健康政策局長が御答弁申し上げていることだと思いますが、そういうことでよろしゅうございますか。

石毛えい子民主党

○石毛委員 保険局長が整理され、私がどういろ質問の趣旨かということをおっしゃられましたのはそういうことですけれども。  ですから、私は、そこの部分をきちっと切り離して、今度のそちらの改正法の提案では勘案してということで、あくまでも、医療計画の中に療養型病床群を入れ込んで、必要病床数のカウントからは外していくけれども医療計画上の病床数の中には入れ込んでいくというのが計画になると思いますね。谷健政局長のお話では、そこを急性と慢性で整理していくのはこれからだというおっしゃり方。でも、恐らくもう整理されているから保険局長の御答弁になられたのだと私は伺いました。  私が申し上げたいのは、それだったらきちっと介護保険法の方に移して、介護保険事業計画の介護施設の中での計画の中に入れていく。ただし、今度の指針というのは、いつからスタートをしていつの年次まで有効かというのがわかりませんから、手続的にはどこでどうなるかということがあるかと思いますけれども、考え方とすれば、介護保険法施行の時点できちっと切り離していくということが、物事の、両方ですよ、ですから、医療計画上も、それから、どちらの保険から支払うかということも含めて、両方含めて私は御質問したというつもりです。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 先ほど申し上げたことの繰り返してございますけれども、介護保険法の施行後のことでございますが、療養型病床群等の介護療養型医療施設の病床は従来どおり一般病床として算定をされる。したがって、病床過剰地域については病床制限の対象になる。それから、ただ、介護計画全体の中で、この療養型病床群と特別養護老人ホームとそれから老人保健施設、これをどういうふうに位置づけていくかというのは、まだ数量的にははっきりはしておりませんが、療養型病床群については、制度発足時には十九万床というものを予定をしているということでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員長代理 では、石毛さん、質疑時間がもう過ぎておりますので、御協力をお願いいたします。  石毛鍈子さん。

石毛えい子民主党

○石毛委員 恐縮でございますが、大臣、先ほどの、私が最終的に質問させていただきました必要病床数と過剰病床数のこの考え方について、もっと詰めるべき点がたくさんあるというふうに私は考えておりますと、その内容について何点かデータ的なところも引用しながら申し上げさせていただきました。  ですから、その考え方をもう少し透明性あるものに、私は、実は全都道府県でどれだけ医療審議会が公開されているのかということもお尋ねしたがったのですけれども、もう時間がありませんからそれはやめまして、そういうことを含めまして、内容を透明性あるものに、理解しやすいものにした上で、法改正を出すならお出しになるというのが筋ではないですかということ、そのことに対して大臣はどのようにお受けとめくださいますでしょうかということを最後にお尋ねさせていただいて、終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今後のこの法施行後に、できるだけ理解を得られるような情報の透明性等、きちんとしていく必要があるというふうに私は思います。

石毛えい子民主党

○石毛委員 終わります。

根本匠自由民主党

○根本委員長代理 武山百合子さん。

武山百合子自由党

○武山委員 武山百合子です。自由党を代表いたしまして質問いたします。  先週、ちょうどいろいろと時間が切れてしまいまして、先週の続きになるかと思いますけれども、きょうは、まず、予防医学についてお聞きしたいと思います。  早期発見、早期治療、これはもう国民の健康を守るためにも、また、医療費の抑制に役立つものと思っておりますけれども、どのように今後予防医学に対して方向性をつけているか、青写真をちょっとお聞きしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 予防医学といいますか、予防医療についての保険との関係について申し上げたいと思いますが、現行の我が国における健康保険制度、医療保険制度では、予防給付といいますか、これは基本的には対象とはなっていないわけであります。ただ、この部分というのは、いわゆるヘルス事業といいますか、そういう保健施設事業という格好で制度的には実施する、こういうふうになっておるわけであります。  しかし、今後の医療保険のあり方として、この予防給付というものをどういうふうに考えていくべきかということが今大きな課題の一つになっております。そういった意味で、いわゆる中医協という審議会がございますが、中医協の中においても予防医療を含む保険給付のあり方というものについて精力的に検討していくということになっておりまして、我が国における状況からしますと、保険との関係では、これからの検討課題ということでございます。

武山百合子自由党

○武山委員 それでは、まだ一度も検討されていないのでしょうか、会議が行われているのでしょうか、これからやろうという計画なんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 かねてからこの取り扱いについては議論はありましたけれども、中医協として本格的に検討するということが先般の中医協において決まりまして、そのための基本問題小委員会という場において鋭意検討していく、これから始まる、こういうことでございます。

武山百合子自由党

○武山委員 決定権は中医協がなさるわけですね、厚生省ではなくて、厚生大臣ではなくて。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 中医協は審議会でありますから、ここに関係者の御議論をお願いをして、最終的にどういう形にしていくのか、法律改正等を伴う問題も出てくるのか、これらも含めて、最終的には厚生大臣が決定をしていく、こういう段取りになろうかと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 厚生大臣が、最終的にじゃなくて、もっと早く道筋を示したり、やはり立法府がそういうものを決定するという方向に軌道修正すべきだと思うのです。  今、審議会審議会、あらゆる審議会で、いろいろ答申を受けてとか、審議会の結果待ちだとか、審議会の検討待ちだとか、そういうことが非常に国民の間に叫ばれているわけですね。あくまでも、厚生行政、やはり日本の国は政府と厚生省が今までしてきたわけですから、審議会もそれは一つの意見を聞くということで大切でございますけれども、やはりその中で一番リーダーシップをとっていくのは厚生大臣、厚生行政ではないでしょうか。審議会ももちろん大切だと思いますけれども、その辺は厚生大臣、厚生行政が先に道筋を示すべきだと思いますけれども、厚生大臣はいかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 この問題はいつも取り上げられる問題なんですが、医療に関しては専門家が多いわけですね。そうすると、専門家の意見も聞かないで、厚生省独断じゃないかという批判が必ず出るんです。その兼ね合いだと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 今まで専門家専門家と言われてきて、専門家の皆さんがやってきて、今まさに日本の厚生行政に対してもう本当にみんないらいらしているわけです。それで、にっちもさっちもいかない、いろいろな点で今もう疲弊状態だと思います。そういう中でもやはり今の御答弁を通していくつもりなんでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私が言ったのは、その兼ね合いでありまして、厚生省独断という形をとらないで、できるだけ関係者の意見を聞きながら、最終的には厚生省が責任を持つという形、時間とか、意見を聞く方々にもよると思います、また国会もあります、その辺をよく勘案しながら判断すべき問題ではないでしょうか。

武山百合子自由党

○武山委員 広く専門家の意見を聞くということ、非常に大事ですけれども、命にかかわることですので、やはりスピードさが最も必要だと思います。そのスピードさをやはり速めていただきたい。スピードを速めていただきたいということが私が一番言いたいことなんです。  もうちょっと突っ込んでお聞きいたしますけれども、一部のがん検診について有効性が疑問であるという報告が出ているわけですけれども、がん検診については、その効果と必要性についてどのようにお考えでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 がん検診につきましては、従来から、老人保健法に基づくいわゆる保健事業の中で検診をやってきております。先般、研究班の報告の中で、それぞれのがんについての今までの資料あるいはデータをもとにして、今後の方向といいますか、有効性とかそういうものについての見解がまとめられておりますけれども、厚生省としては、がん検診そのものについては、これは市町村の事業ではございますけれども、引き続き実施をしていくということで進めているところでございます。

武山百合子自由党

○武山委員 どのようながん検診をしているのか、例えば乳がんでしたら、ちょっと御説明いただけますでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 がん検診につきましては、今健康政策局長がお答えを申し上げましたとおり、私ども、今回一般財源化をいたしましたけれども、がん検診そのものの必要性については従来と変わらないということで、今後もやっていくということでやっております。あくまでも、同化定着をしたので、そういう形のものはできるだけ地方のそれぞれの判断とそれぞれの実情に合わせた形でやっていただくという形がいいだろうということでやっておるということであります。  そこで、今お尋ねのところで、今やっておりますがん検診の中で、例えば、今やっておりますのは、胃がんとか子宮がん、それから肺がん、乳がん、それから大腸がん等をやっております。乳がんの場合を挙げて、どんなことをやっているかということでお話がございましたけれども、現在やっておりますのは、触診の形でやっていると承知しております。

武山百合子自由党

○武山委員 例えばアメリカでは、乳がんの場合、触診だけでは一〇〇%検査したというふうには言われてないわけですね。やはりマンモグラフィーも両方併用するというふうな、アメリカは国民皆保険ではありませんので、私的保険ですので、それが保険に適用されるということなんです。  先ほどのお話の中で、老人医療というふうにおっしゃっておりましたけれども、これは六十五歳以上、七十歳以上にならないとできないのでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 検診の中で、例えば乳がん等につきましては、いわゆる七十歳になります前でありましても、壮年期からそういうことをしなきゃなりませんので、老人保健の中におきまして、そういった若い世代、壮年期世代からの検診ということをいたしております。

武山百合子自由党

○武山委員 そうしますと、老人保健と今おっしゃっていましたけれども、老人しかできないということですよね、老人保健といいますと。がん検診が無料になるということですね。それでしたら、例えば、一般的に、女性は四十代からがん検診、乳がん、子宮がん検査が必要だと言われているのですけれども、それは保険は四十代から適用されるのでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 そもそも、先生、検診事業につきましては、いわゆる社会保険としての保険から出るものとしては従来も位置づけておりませんで、むしろ、いわゆる検診事業は予防的な事業でございますから、これは従来は一般財源でやっておったわけです。一般財源というのは、補助金、国庫負担を入れましてやっておった事業でございます。  それにつきましては、法律制度上も、いわゆる七十歳未満であってもできるような法律制度になっておりました。今まで国庫負担を出しておってやったものを、今後は地方交付税に回しまして、一般財源でそれぞれ地方公共団体でやっていただくというのが今回の改正でございます。

武山百合子自由党

○武山委員 それでは、今のお話ですと、一般財源化を図ったのは、効果がないという理由なんでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 いえ、一般財源化を図りました趣旨は、がん検診については有効でございますけれども、今実施率等を見まして、それぞれの地方公共団体、市町村におきましての実施というものが九〇%を大幅に上回るように定着をしてきておりますので、こういった事業につきましては、これはがん検診に限らずでございますけれども、地方公共団体が独自の判断、それからそれぞれの地域の実情に応じた独自のやり方でやっていくという意味で、いわゆる地方交付税という形で裏打ちをする中で、それぞれの地方公共団体がお取り組みをいただくという意味での一般財源化を図ってやっていくというのが今までの施策の流れでございますが、そういう流れの中でやってきております。  したがって、がんの検診そのものについて、私どもは有効でないというようなことを考えたわけではございませんし、今回の一般財源化に当たりましても、そういう形でのそれぞれの地域での取り組みということはむしろ督励をするような形で出しております。  それから、先ほどの若い世代からのということを申し上げます。従来は、いわゆる法律上は四十歳から取り組むようにしておりますし、さらにそれ以外に、一部のがん検診等につきましてはさらに三十歳まで年次を下げて取り組みをいたしております。

武山百合子自由党

○武山委員 お聞きしたのはがん検診についてですけれども、例えば歯の治療、いわゆる予防治療ということで、疾病の予防ということで、歯なんかも子供のうちから予防という意味で年に一度の検診を財源化するということはお考えでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 予防的な給付を保険給付の中でどう考えていくべきなのかという基本問題、これは先ほど申し上げましたように検討していくということになっておるわけでありますが、ことしの四月に診療報酬の改定が行われたわけであります。その中で、小児の齲蝕多発傾向者、これに対する齲蝕の再発抑制を充実していこうということで、新たに診療報酬上も取り入れたわけであります。  こういったものを、一種の予防的な診察、診療ということになろうかと思いますが、現在は、ある意味では現行法の中の境目みたいなものではないかということで、今回はこういう形で取り入れをいたしましたけれども、さらにそのほかの問題を含めて、歯科も含めまして、今後検討していかなければいけない、そういうふうな状況になっております。

武山百合子自由党

○武山委員 歯の治療の件を今ちょっと話しましたけれども、予防という意味で、年一回、虫歯の状況とか歯の状況をチェックしていただくということですね。  人間の体の方もやはり大事だと思うのですね、定期健診。定期健診も、やはりこれから一般財源化するなり国庫補助なりあるいは保険で適用するなり、その辺も今後考えていかなければいけない課題だと思います。それをどのくらいの青写真で検討を考えておりますでしょうか、検討検討検討と、こういう委員会で答えは全部検討で出てくるのですけれども。確かに検討は、本当に必要最小限の言葉だと思いますけれども、それがいつまでも繰り返されたら困るわけなんですね。ですから、このスパン、どのくらいの期間でそういう一つの答えを出してするのか、その辺、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 繰り返しになるかもしれませんが、医療保険の中でこういった健診、健康診査等を実施していないわけではないのでありまして、これは現在も実施しておるわけであります。ただ、これはあくまでも健康診査等でありますから、例えば健康保険組合なりがその加入者のあるいは家族の方の健診事業ということで年に何回やるとか、あるいは場合によっては人間ドック、成人病ドック等がはやっておりますが、こういったものに対して一部助成をするとか、そういう形で現在も行われております。  ただ、今課題になっておりますのは、それをもっと、今、病気になった場合に保険証を持っていけばあらゆる病気について診ていただけるように、保険証を持っていって健康診断が受けられるとか、そういうような道というものを開くべきかどうか、こういう点での議論がなされているわけであります。  その辺のところになってまいりますと、現在、ある程度回数等を限りてやっておりますけれども、かなり自由にやれるようになる、そういった場合に財政的な問題も出てまいりますし、あるいはまた、何度も何度もかかれるようにするということが果たして本当に意味があるのか等々の問題もありますので、そういったような問題が今問題になっているということでございます。全くやっていないというわけではございませんので、その点については御理解いただきたいと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 健康診断は、子供から大人まで、一年に一遍できるようなシステムというのはやはり大事だと思います。その健康診断を、マンモグラフィーとかいろいろ高度な器械を設置して、それから、他のいろいろな高度な器械を設置してやらなければいけないということも大事なことですね。それで、その範囲は、やはり最低限健康に必要なチェックをするという範囲でこれからやっていかなければいけないと思うのです。もちろん血液検査から、いわゆる人間ドックのようなものですね。やはりそういうものを今後検討する必要があると思います。そして、子供から大人までそういう健診が一年に一遍はできる、それで、保険の適用なりまた私的保険なり、そういう方向でできたらいいなと私は思っておりますけれども、その辺はどうお考えでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 一年に一回、二回とか、そういう限られた回数では現在もやっております。  ただ、やっておりますが、通常の医療保険のルールのような一部負担という形ではなくて、例えば人間ドックであればかなりお金がかかりますから、そうすると、負担については、せいぜい一万五千円とか二万円までで、あとは御自分が負担していただくとか、そういう形になっておりまして、問題は、その辺をもうちょっと気軽に、本人が行きたいときに行けるようにするのが適当かどうか、そういう問題だと思います。  これは、費用と負担との関係をどう考えるのかという問題も含めて、やはりこれから考えていかなければならないというふうに考えております。

武山百合子自由党

○武山委員 医療費の抑制に大変役立つわけですね。確かに、私が数年前にお伺いしたときに、一度に健康診断した場合、六万円かかるというわけですね、全部健康診断するのに。しかし、そのときに、いろいろな病気が早期発見されれば、万が一、命にかかわる病気であれば、今も長らえることができますし、治療も、もっと長い目で見て治療ができるわけですね。そういう意味で、やはりお金がかかる、それで負担が少ないということは、負担とその財源をどうするかという問題も、払う方の費用対効果、その辺もあるかと思いますけれども、今後、例えば六万円の一万五千円では、やはり健康だから行かなくてもいいわという感じにみんななると思うのですね。  しかし、そういう考えではなくて、自分の健康維持のためでもあり、また早期発見でもあり、医療費に対する健康管理でもあり、いろいろな意味で、これから国民生活の中に定着していくことだと思うのですね。その辺をもう少し詳しく中身を突っ込んでお答えいただけたらと思いますけれども。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 そういった意味での、年に二回とか、そういう健康診査というものについては、これは現在も行われておりますし、問題は、もっと気軽に受けられるようにすべきではないかというような問題なんだろうというふうに私は思っております。  ただ、医療保険の一部負担の議論にありますように、こういったものをきちっと制度化した場合に、またその一部負担というものについても相当シビアな議論になるのだと思います。ですから、そこら辺が公的保険で果たしてどこまでカバーしていくべきなのかという問題と密接に絡むものですから、やはりそういった観点できちんとした議論をする必要があるということではないかと思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 ぜひ委員会でも議論をしたいと思います。  それでは、次に移ります。  国民健康保険料についてちょっとお聞きいたします。  四月二十一日の新聞報道によりますと、旭川地裁において、国民健康保険料の算出根拠が条例上明確でない、憲法八十四条の租税法律主義に違反するとして、国民健康保険料を課した市の処分を取り消す判決があったわけですね。  保険料の徴収は保険制度の根幹にかかわるわけですけれども、この問題に関して、旭川市、それからほかに同様の市町村があるかと思いますけれども、ちょっとその辺、説明していただけますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 旭川市の条例が問題になったわけでありますが、一つには、旭川市の条例は、これは、いわゆる国が定めております条例準則に基づいて制定されておりますので、そういった意味で、旭川市以外、かなり大きな市、三百幾つかの市が同じような形態でやっておるわけであります。  何が問題になったのかと申しますと、我が国の憲法上、租税については、これは法律できちっと定めなければいけない、租税を取る場合には定めなければいけないということがあるわけでありますが、この旭川市の条例によりますと、保険料の算出の仕方については条例で書いてはおりますけれども、個々のいわゆる保険料率については、その算定したものに従って首長の告示で定める格好をとっております。  しかし、国保の保険料というものも税と類似するものであるから、やはり税に倣ってきちんと保険料率、保険料額についても条例の中で規定すべきである、こういうような判決でありまして、そういった意味で、やはりこの条例というのは違憲であり、かつまた租税法定主義に反するのではないか、したがってこの賦課処分というものを取り消す、こういう内容であったわけであります。  条例で基本的な保険料の算出方法というものが定められ、そしてそれを具体的に告示で示しているという、そういったやり方そのものについての問題でありますから、やはり私どもとしても、この辺についてできるだけ明確に、そして問題が指摘されないような形の方が望ましいというふうに考えております。  ただ、かなりの市で取り入れられているやり方でありますし、また、これはたしか昭和三十六年に国民皆保険になりましたが、それ以前から国民健康保険でとられてきた方法でありますので、実態というものについて関係の市からもよく話を聞き、そして現行のやり方というものを変更する場合の問題点というものがどういつだ点があるのか、その辺、やはり十分御意見も伺い、御相談しながら私どもとしては直していきたいというふうに考えておるわけであります。  そういった意味で、基本的な姿勢としましては、できるだけ問題のない格好に私どもとしては見直しをしたい、このように考えております。     〔根本委員長代理退席、委員長着席〕

武山百合子自由党

○武山委員 それでは、ほとんどとおっしゃっていましたけれども、どの程度あるのでしょうか。市町村の何%くらい、七〇%ぐらいはそうなんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 いわゆる国民健康保険の場合には、保険料というか、いわゆる保険制度ですから通常ですと保険料なんですが、一方、保険税という形でやっているところと二つありまして、保険料を取っておる形のところが三百十市町村ございます。その三百十市町村の中で、旭川と同じような形で具体的な保険料を告示で示しておりますのがこの七、八割の市町村が告示で示しておりますから、料を取っておる市町村の大部分が旭川市のような形をとっておるということになろうかと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 それではもうちょっと具体的に、では、どのように指導されていくのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 このたびの判決が出ましたから、これは旭川市も、やはり賦課処分の取り消しということになっておるということもこれあり、これまでのやり方について憲法違反であるというような指摘もありましたので、これは控訴をいたすということでありますから、裁判の方は裁判の方として争うということがあります。  それはそれとして争うということになりますけれども、一方、私どもとしては、現在の条例準則というものを改めるということも一つ考えられるわけでありまして、この見直しを行うということでありますが、私どもとしては、できるだけ早く関係の市町村からの御意見もお聞きし、そして各市町村もやりやすいように、そしてまた内容的にも明確、そしてまたこういった問題が起きないように、そういうふうな改正に向けた対応をしていきたいということでありまして、こういう問題でありますからできるだけ速やかに御相談していきたいと思います。  ただ、こういった保険料徴収なりというものは年度単位の徴収でもありますから、そこら辺のところも念頭に置いた形で考えていくことにしなければいかぬというふうに思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 保険制度の不信感を国民に与えないということが一番大事なことで、やはり適切な対応を当然すべきだと思います。ですから、それはスピーディーに、本当に今スピードさに欠けておりますので、スピーディーにやっていただきたいと思います。  それから、私、実はすぐ質問が次の委員会であるものですから、このくらいにしたいと思います。どうもありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 旭道山和泰君。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 新党平和の旭道山です。よろしくお願いします。  本日議題となっています国民健康保険法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。  まず最初に、本題に入る前にお聞きしたいことがあります。  私は、昨年予算委員会第四分科会において、小泉大臣に対し、心臓ペースメーカーなどのいわゆる医療機器の内外価格差の問題について質問させていただきました。厚生大臣より、こうした医療機器の内外価格差の是正は医療保険制度を改革する上で重要な問題であると位置づけるとともに、医療機器の流通経路の実態調査報告と適切な対応をしていくとの答弁をいただきました。  最近になり、知人の大学病院の教授などから、昨年に比べ実際に医療機器の価格は下がってきているとの連絡をいただきました。  そこで、改めて、医療機器の流通経路の実態調査報告の概要と調査後の対応、内外価格差の現状についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 医療機器の流通経路等に関します調査の報告でございますが、これは昨年の八月に「医療機器の流通慣行に関する調査」で報告書として取りまとめております。  報告書におきましては、医療機器の価格は、例えばペースメーカーにつきましては、日本が約百五十万円、アメリカが約九十万円ということで、日本がアメリカの約一・七倍。それから、バルーンカテーテルにつきましては、日本が約二十六万円、アメリカが約七万円ということで、アメリカに対して約三・六倍といったような、日本が欧米より高い傾向があるということが指摘をされております。  また、この医療機器の流通に関する我が国におきます問題点といたしましては、医療機関の価格交渉力が十分に発揮されておらず、供給者主導の価格形成がなされやすい状況にある。  そういったようなことで、具体的な問題としては、手術のときにメーカーの担当者が立ち会うといったようなことで、附帯的サービスについて今後契約上の条件として明確化をすべきではないか。それから、医療機関の価格交渉力を引き上げるために医療機関側の共同購入を推進すべきではないか。また、購入数量が非常に少ない医療機関が数多く存在するということから、結局附帯的サービスのコストが相対的に高い要因となっているわけでございまして、医療機関の機能分化の推進というようなことが今後の対応として必要ではないかというようなことが指摘をされております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 ありがとうございました。  本題に入りますが、財政構造改革法とキャップ制の適用除外について質問させていただきます。  前回の委員会で多くの委員が質問いたしました財政構造改革法とキャップ制の適用除外についてお聞きします。  先週、事業規模十六兆円を超える総合経済対策がまとまりました。財政構造改革法については、追加減税問題や、今回の九九年度に限っての社会保障関係費の歳出上限枠の適用除外など、小泉大臣の言動は大きく注目を集めました。厚生大臣の強い主張により、九九年度はとりあえず社会保障関係費の歳出上限枠が適用除外となりました。また、橋本総理は、財政健全化の目標を二年間延長して、達成年次を二〇〇三年度から二〇〇五年度にする方針を示しました。  現在、我が国の財政問題が大変厳しい状態であるということは言うまでもありませんが、小泉大臣の財政構造改革法や歳出上限枠に対する考え方、また、二〇〇〇年度は社会保障関係費にもキャップ制が適用され、くしくも、同年度は医療保険制度の抜本的改革を行う目標年次に当たっています。このような状況下に、大臣は、我が国の社会保障制度のビジョンをどのように示していかれるというのか、それぞれお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 一九九九年度の社会保障関係に対する上限枠、いわゆるキャップ制は停止されましたが、二〇〇〇年度、平成十二年度にはこれがきいできます。そして、二〇〇〇年度には、医療制度の抜本改革が実施に移される年になっておりますし、介護保険制度が導入され、実施される年になっている。また、年金制度の改革も同時並行的に進めていかなければならない。  相次いで抜本的な改革案が提示され、実施される年になっておりますが、来年度はまだその過程であります。その過程の段階においてこのキャップ制を続けていきますと、本格的な制度改革の前に無理な予算編成をするということになりますと、これはかえって抜本的な改革の実施に誤解を招くのではないかという観点から、私は、来年度予算についてはもう少し柔軟性を持たせて欲しいと。  国庫負担を削減するという中で、国庫負担を削減すれば、同時に国民負担にとってどういう影響が出てくるのか。医療の場合においては患者の自己負担あるいは保険料負担、こういう問題にもかかわってきますから、抜本改革をなし遂げれば負担額も軽くて済むのではないかと思っている方もおられますし、軽くなる部分と、そうでない部分が出てくると思います。  そういう点を理解を得ながら進めていかなければならないということを考えますと、私は、無理やり百分の二、いわゆる二%という枠をはめられるよりは、これからの医療費の増加傾向、状況がどうなるかというものを、まだ不確定な要素がたくさんあります。そういうことを考えますと、これから七月、八月、概算要求の段階、十二月の予算編成の段階、これについては、今後の円滑な抜本制度改革に向けて、取り組みというのは、厚生省は一番よくわかっているわけですから、幾ら上限制の枠、キャップ制が外れても、むちゃくちゃな要求をするわけじゃない。本格的な給付と負担の均衡を図りながら改革をしていくわけですから、その前の大事な年に来年度は当たります。  それについては、私は、これを無理やりキャップをはめてやるよりは、むしろ、厚生省に裁量権を持たせてもらって、国民の理解と協力を得るような方法を得た方が、今後もろもろの社会保障での改革というものについても理解が深まるのではないかという観点から、今回、来年度の社会保障関係の費用については上限枠を停止してくれ、あるいは外してくれという要求をしたところ、これが、総理も私の主張に理解を示されて、最終的には来年度のキャップ制は停止するという結果になったわけであります。これによって、いろいろな制度改革をしないということじゃなくて、むしろ、制度改革を本格的にするために私はよかったのではないかなと思っておりますも

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 大臣、答弁をありがとうございます。  次です。保険医療機関の病床の指定等に関する厚生大臣が定める基準について質問させていただきます。既に、保険医療機関の病床の指定に関する議論は何度もされていますが、確認の意味でお聞きしたいと思います。  基本的なことをお聞きしたいのです。病床数と一人当たりの入院医療費の間に相関関係が認められ、病床数を適正規模にすることで医療費を抑制するねらいがあることはわかります。しかし、今回の見直しによって、現在ある過剰病床の大幅な削減にはつながらないのではないか、また、新規参入を規制し、結果的には既得権益を守ることにならないかというのは、これまでたびたび議論されていますが、その疑問は解消されていません。  今回の見直しの目的と、病床数を適正規模にすることによる医療費に対する抑制効果をどのように考えているか、まずお聞きいたします。よろしくお願いします。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回御提案しております過剰病床地域における保険上の病床数の制限ということでありますが、これは、医療保険の財政というのは非常に厳しい財政状況にありますけれども、それと同時に、これは当然のことでありますけれども、医療費、これは国民がもともと負担をする保険料であれ、あるいは公費であれ、負担しているわけでありますが、どうしても医療費負担というものには限界があるわけであります。そうすると、医療費財源というものについて、いかに効率的に、また、合理的に使っていくか、これは非常に重要なことだというふうに考えておるわけであります。  そういった中で、ベッド数と、それから、一人当たりの入院医療費、これは非常に強い相関関係があるわけであります。そういうふうな状況を見てみますと、過剰なベッドというものについては、その適正化あるいは適正な配置ということがやはり必要だというふうに基本的に考えておるわけであります。そういった意味で、既にもう医療計画上ベッドが過剰であるというところについて、さらにまたベッドをふやすというようなことは、これはやはり避ける方が、保険財政という点で考えた場合に適当だというふうに考えております。  そういった意味で、各地域において医療計画上のベッド数というものを定めておりますので、これについて、これ以上もう新たなベッドの参入が要らないということを都道府県の医療審議会で議論し、そして、都道府県知事もそうであるという場合について勧告をすることになっておりまして、そういったケースについては、医療保険サイドとしても、オーバー地区のベッドというものは保険医療機関としての契約はしない、こういうふうな形にさせていただきたいということであります。  ただ、そういったときに、既存の、既に保険医療機関となっている医療機関の権利擁護になってしまうのではないか、既得権擁護になってしまうのではないかという指摘があるわけでありますが、既存の保険医療機関につきましても、保険医療機関として、一言で申し上げれば、劣悪であるというような医療機関については、これはやはり保険医療機関の指定の更新を行う際にそれを行わないということができるようになっておりますので、そういった意味で、既得権擁護のような形にはならない仕組みを今回の法律の中で設けさせていただいておりますので、これらが適正に運営されることによって医療保険上の医療費の適正化というものに資するというふうに考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 どうもありがとうございました。  今回の厚生大臣の定める基準についてお聞きいたします。  基準の策定については透明で公正なものとする必要があると思いますが、どのような考えであるか。また、基準の具体的な適用に当たっては行政の裁量の部分が不透明な感じを受けますが、それぞれお聞きいたします。よろしくお願いします。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回、厚生大臣が定める基準の一つとしまして、いわゆる既存の医療機関でも劣悪な医療機関についての基準でありますが、これは現在の診療報酬点数表の中で、いわゆる診療報酬を払う際に、例えば医師の数が医療法の標準の半分以下であるとか、あるいはまた看護要員の数が医療法で定める標準の半分以下である、あるいはまた医者の数それから看護要員の数いずれも医療法で定める標準の八割以下である、こういった場合は入院時医学管理料あるいはまた看護料というものを減額して払う、こういうふうな仕組みになっております。これを参考にしまして、私どもとしては、厚生大臣が定める基準については、この基準を下回るような著しく不適当な場合ということを考えております。  また、もう一つ、厚生大臣が定めるところによって算定した数というのが入ってきますが、これは先ほども御議論になりましたけれども、介護保険法が施行されますと、医療計画上の必要病床数というものの中にこの介護施設の病床も含まれる、こういうことにしております。しかし、医療保険の財政、医療保険の医療費の適正化という点で私ども考えておりますので、医療計画上の必要病床数というものを基調にして過剰かどうかというのを考えていきますが、その中にやはり介護保険で払われる介護病床について入ってしまうというのは適当ではない、こう考えておりまして、私どもとしては、過剰かどうかというふうな判断をする際にこの介護施設としての病床数は除いて考える、そのための手当てとしまして、厚生大臣が定めるところにより算定した数ということで規定をいたしております。  それからもう一つ、最後にございますのが、保険医療機関として著しく不適当なものについてはこれは保険医療機関の指定をしないということにしておりますが、その中身としては、これは例えば入院医療に関しまして都道府県からたびたび指導監査を受けている、しかしなかなか改善されない、かといって取り消されるところまではいかないというような状況というのはあるわけでありまして、こういうものは指定更新時に当たっては保険医療機関というものを再指定は控える、しないというふうなことにしたいと思っておりまして、そういうようなことを定めたいと考えております。  いずれにしましても、この基準を定めるに当たりましては、関係の審議会で十分御議論いただきまして、そしてその具体化を図ると同時に、その具体的な内容についてきちっと、恣意的な運用がなされないように、私どもとしては通知等において明確に定めていきたい、このように考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 では、強い姿勢でよろしくお願いします。  さて、今後の医療は、構造的な低経済成長によるいろいろな制約を考えると、極力医療の効率性ないしは費用対効果を図りながら、従来のような量とアクセスの重視の政策ではなく、質とコストに着目した医療の転換がなされるべきであると考えます。  先日、当委員会でも病院機能評価に対する質問がありましたが、医療の質という課題におけるキーポイントは、患者の選択という要素ではないかと思います。現に、質のよい医療機関を選びたいという人のニーズは大きく高まっているのが現状であります。選択と競争のいわゆる市場原理についてどのような認識をお持ちか、改めてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 医療分野におきましては、すべてが必ずしも市場原理が当てはまらないという面がございますけれども、ただ、いずれにしましても、良質で効率的な医療を確保していくということのために、今お話がございました患者による選択というのを可能にすることがあらゆる意味で重要だと考えております。  そのために、昨年の医療法の改正におきましても、患者の医療機関の選択に資するという観点から広告規制の緩和ということを行いました。また、本委員会でも御議論されておりますこの医療計画の中でも、それぞれの医療圏におきます医療機関の機能というものの位置づけというものを可能にする見直しを行いました。また、今後の課題としては、病院の機能評価ということをさらに進めていかなければいけないというふうに思っております。  また、これは規制緩和の小委員会からも報告をされておりますけれども、いわゆる医療機関の競争というような観点も含めて新陳代謝が図られるような仕組みというものを現在の必要病床数の枠の中で検討すべきだという御指摘もいただいております。この点については今後検討してまいりたいというふうに考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 次に移ります。病院の評価について質問いたします。  医療の質という点については、その質を第三者機関に評価をしてもらう医療機関機能評価事業が開始されて一年がたっているわけです。病院の質の向上を目指す取り組みがいろいろなレベルでなされているのはよいのですが、患者の視点はどのように考慮されているのか、お聞きしたいと思います。  患者は必ずしも医療に対する専門知識を持っているわけではありませんが、評価機構による病院評価の中で患者の意見を反映させることについては今後どのようにされていくのか、あわせてお聞きしたいです。よろしくお願いします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 病院の機能評価事業というのは平成九年度から本格的に始めたところでございます。現在までのところ、認定証の発行が、ことしの四月現在でございますが、六十五の病院に既に出されております。  この病院機能評価事業におきまして患者側の意見を反映させるということで、既に評価項目の一つに「患者の満足と安心」という項目を設けまして、その中で、具体的には、例えば十分な説明なり同意が得られた医療が行われているかとか、患者のプライバシーそれから患者に対する相談の体制、それから若干内容は違いますが、給食サービスの問題ですとか待ち時間の問題等々についての調査項目、審査項目を設けております。  ただ、これにつきましては今後さらに具体的に、今お話がございました患者の意見をどういう形で直接反映させていくかということについては、この評価項目あるいは評価内容ということの改善検討ということが必要だと思います。また、厚生省でもそのための補助もこの機能評価機構に行っているところでございますが、そういうことを通じて評価事業の充実ということに努めていきたいと考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 次の質問をさせていただきます。  前回質問のときに医療費明細書の問題についてお聞きしました。その際、私は当たり前のように自分に当てはめて質問いたしましたが、例えば目の不自由な人に対しての医療費明細についてはどのような対応をされているか、お聞きしたいです。よろしくお願いします。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 医療費の明細は、通常の、何といいますか、システムでありますから、目の御不自由な方の場合に一番あれなのは、全く目が見えない方の場合、点字等の格好では記しておりませんから、そういった意味では、それだけ見てもわからないわけでありますが、これはむしろ医療機関の対応の問題というのは一つやはりあるだろう。  私どもとしては、そもそも医療費の明細というものを幅広く普及するように指導してきておりますけれども、これは指導されるまでもなく、患者本位のサービスといいますか、こういった点から取り組んでいっていただきたいことになるわけでありまして、そういう観点から考えますと、例えば、付き添いの方がいらっしゃれば、これはその付き添いの方から話していただけるわけですが、そうじゃない場合もあるわけで、そういうものについて、医療機関の窓口なりやはり関係者の方が誠意を持って丁寧に対応していただく、親切に対応していただくということではないかというふうに思っております。  そういった意味で、私どもとしては、これはもう医療機関の基本だと思いますけれども、保険診療においてもそういった懇切丁寧な対応というものを求めておりますし、また、保険診療のルールを定めている療養担当規則というのがありますが、こういった中でもそういうことがきちんと明確にうたわれておりますから、その精神にのっとってやはり対応していただきたい、このように考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 ちょっと趣旨から外れますが、また、目の不自由な人にも安心して薬を服用していただくためにもどのような対策を講じられるか、またお聞きしたいと思います。  それと、薬の効能や服用回数などの説明をするだけでは、目の不自由な人は記憶だけを頼りにしなければならず、不安であると思います。絶対数からいえば目の不自由な人は少ないかもしれません。市販薬を含め、例えば、代表的な風邪薬とかに対し、点字シールのようなものを張るとか、考えてもいいものではないかと思います。  どうすれば製薬会社、薬局、医療機関の現場での負担が最小限で、しかも目の不自由な人のためになるものか、具体的な案は持っていませんが、このような問題に対する取り組みこそ見逃してはならないと思うのですが、考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 薬といいますのは、定められた使用方法に基づいて患者さんあるいは消費者が適正に使っていくということが何よりも大事なところでございまして、薬剤師を初めとした、医薬品を販売する、患者さんにお渡しする者は、その状況に応じて、薬に関する情報を適切に提供し、誤飲を防ぐという工夫を行っていかなければならないというふうに考えています。  それで、通常、目の見えない、目の不自由な方々に対しましては、家族の方々あるいは介護に当たる方々に対して十分な説明を重ねるというのが通常の形ではないかと考えておりますが、例えば、点字で薬の種類や用法、用量を記すとか、あるいは録音テープのようなものを用いるとか、薬の袋に工夫を重ねる、形を変えるとか、いろいろな工夫が考えられるところでございまして、現に各地で個別のケースに応じて取り組みを行っているところもあるというふうに聞いております。  今の先生の御提案も含めて、日本薬剤師会あるいは病院薬剤師会など関係団体や企業等ともよく相談しまして、今後、さらにより適切な情報提供が行われるように、さまざまな取り組みを支援し、また指導してまいりたい、かように考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 細やかな配慮をよろしくお願いします。  今回のこの法改正に、診療報酬の不正請求防止のための対策として、指定取り消し期間の延長と加算金の引き上げが盛り込まれています。先日、約六億円の診療報酬の不正受給をしたとして詐欺罪に問われたいわゆる安田病院問題に対して判決が出ました。厚生省はこの事件後、医療監視の強化を目指す旨を自治体に通知しました。検査をする場合、これまでは医療機関に事前通告をしていたものを、医療法上適正を欠く疑いがある病院については事前通告なしで抜き打ちに医療監視ができるように改めた内容かと思います。  いつのときも被害を受けるのは老人を中心とする弱い立場の人であります。また反面、今回の問題は、我が国の老人医療体制のおくれを初めとする保険医療体制の不備を改めて指摘した事例であるとも言えるのではないでしょうか。不正チェックはもちろんのこと、より質の高い医療機関の育成に向けてどのように取り組んでいるか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 安田病院事件のようなことが二度と起こらないように、私どもも十分対応しなければいけないと思っております。  質の高い医療機関の育成ということでお尋ねでございますが、一定の医療機関の水準を確保するということから、年一回、すべての病院について各都道府県を通じて医療監視を行っております。  しかし、やはり病院が自主的に質を高めていくということから、医療従事者に対する研修ですとか、また、先ほどお尋ねのございました病院機能評価事業というものを充実をさせていく方が、むしろ今後の方向の一つだというふうに思っております。  また、病院におきます患者の療養環境等の改善ということから、医療施設の近代化を進めていく、そういう観点から補助事業も実施をしておりますが、そういうような取り組みを通じまして、良質な医療機関の整備ということに今後とも取り組んでまいりたいと考えております。

旭道山和泰平和・改革

○旭道山委員 御答弁ありがとうございました。  どうもありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 次に、福島豊君。

福島豊平和・改革

○福島委員 先日の委員会で、大臣に御質問させていただきましたが、この医療保険制度改革、年金制度改革を含めた社会保障制度改革、これは本来財政構造改革とは一応別の枠組みの話だというふうに考えることはできると思いますけれども、しかし、財構法ができまして、厚生省の予算にキャップがかかるということですと、この二つが緊密に関係をしてくる、ある意味では社会保障制度改革のアウトプット、成果ということが、数値目標とも言っていいのかもしれませんけれども、数値目標というのがこのキャップで定まってしまうというところがやはりあるのだろうというふうに私は思います。  それで、平成十一年度の予算に関してはキャップを外すということでございますが、平成十二年度の予算ではキャップがまた復活するわけでございまして、少なくともこの平成十二年度の予算におけるキャップというものを満たすだけの結果を得ることができる改革でなければならない、そういう財政上の制約がかかったと私は理解をいたしておりまして、その点につきましては、先日も大臣が基本的にそのような御認識であるというふうに確認をさせていただいたというふうに私は考えております。この点について、再度、細かくお話をきょうはお聞きしたいというふうに思っております。  それは、医療の問題、そしてまた年金の問題、介護の問題、これが平成十一年、平成十二年と、平成十二年には介護保険が導入されるわけでございますから、従来のこの財政の枠組みからかなり大きく変わるということが予想されるわけでございまして、そのそれぞれの点について、現時点での厚生省の御認識を確認させていただきたいというのがまず一点でございます。  質問させていただきますが、まず第一点目としまして、平成十一年度、十二年度の医療費の見込みはどうなるのか、そしてまた、その中における国庫負担の見通しというのはどうなるのか、伸び率も含めて、現時点での推計で結構でございますから、お教えをいただければと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 医療費の推計でありますが、これは十一年度、十二年度ということでありますけれども、今回の医療費の伸びの状況等を見ておりますと、かなり今までとはまた違った動きが見られておりまして、そういった意味では、なかなか推計しにくいというふうな感じがしております。そういうことを一応前提に置いて御理解いただきたいのであります。  これもまた評価が分かれるところなんでありますけれども、従来の一部負担の改定でありますと、改定後一年ぐらいは医療費も安定するのでありますが、大体一年ぐらいたちますと、またもとに戻るといったらおかしいのですけれども、またかなり伸びが改定前に戻るような、そういった傾向があります。先般の医療費の一部負担の改定等、これは現在の経済情勢等が絡んでおりますからなかなか難しい面がありますが、今までの流れからしますと、かなり医療費が落ち込んでいる状態が続いているような気がいたします。  そういうようなことをどういうふうに考えるかということなんでありますが、まだ昨年九月から今日、二月ぐらいまでしかおおよそのところはわかりませんから、何とも、十年度に入ってどうなっていくかというのがまだはっきり見通せませんけれども、従来と同じような感覚で、例えば一年ぐらいたてばやはりもとに戻る可能性が高いのじゃないかという感覚で申し上げますと、平成八年度の医療費の伸びの実績、それから平成九年度の直近までの状況、こういったようなものを一応ベースに置き、そして一年ぐらいたてばやはりまたかなり戻ってくるのではないかというふうな認識を組み合わせて考えますと、平成十一年度は伸びが三・八%程度というふうに見込まれるわけであります。  この辺がどういうふうに変わるかというのはもっと様子を見ないとわからないと思いますが、仮に三・八%の医療費の伸びであるというふうに考えた場合でありますが、そういたしますと、医療費全体としましては、二十九兆八千五百億。これは、平成十年度の予算では二十八兆八千二百億を計上しておりますが、そのぐらいになるのではないかということであります。  その中における国庫負担はどの程度かということでありますが、平成十一年度は七兆三千七百億ぐらいというふうに考えておるわけでありまして、平成十年度が六兆九千億ということでありますから、五千億弱の増になるのではないかというふうに見ております。ただ、これは、もうちょっとこの安定傾向は続くということになれば、この辺のところはもっと少なくて済むということで考えております。その辺のところはかなり歯切れが悪くて申しわけございませんが、十一年度で申し上げますとそんなことであります。  したがって、十二年度というところまではちょっと、これはもう予測の域を超えてしまいますので、十一年度だけでちょっととめさせていただきたいと思います。

福島豊平和・改革

○福島委員 なかなか答えにくい質問をしておりますので、歯切れの悪い御答弁でも結構でございます。  次に、年金の方ですが、年金は基本的に、改革をしても現行の給付水準は変えないという認識だろうというふうに思いますので、予測はもっと簡単なのではないかなと思うのですけれども、十一年度、十二年度につきまして、今と同じ御質問をさせていただきたいと思います。

真野章社会保険庁運営部長

○真野政府委員 年金の方が簡単ではないかという御質問でございますが、年金の方もなかなか、十一年度の給付につきましても、受給者数の伸び、今後の物価スライドの動向を踏まえまして計算をするということになりまして、正直なところ、現在、この数値を精査中でございます。  また、先生、来年の制度改正も現行維持というお話でございましたけれども、来年の財政再計算に向けまして、五つの選択肢をお示しするなど、いわば制度の根幹に触れるような部分までの御議論をいただいております。  そういうことから、現段階におきまして、その御議論の動向を見るということで、現在どれだけの額になるかという具体的なことについては、現在のところ非常に難しいというふうに思っております。

福島豊平和・改革

○福島委員 簡単だなどと申し上げまして、大変失礼をいたしました。  次に、介護にかかわる費用、これは新ゴールドプランが達成もされるということも含めまして、そしてまた介護保険がスタートするということも含めまして、この見込みというのが一体どうなるのかについてお尋ねをしたいと思います。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 介護保険の費用の見込みでございますけれども、そのベースとなります介護基盤の整備につきましては、たびたび御答弁申し上げておりますように、新高齢者保健福祉推進十か年戦略、すなわち新ゴールドプランの達成ということをまず第一点に置いて進めてまいるということを前提に置きまして、一応の費用を現段階でやっておるわけでございます。  そういう意味で申し上げますと、これは平成十二年度スタートになるわけでありますけれども、平成十二年度の費用、今の新ゴールドプランが達成されるといったような一定の前提を置いての推計でございますし、また、価格単価につきましても、平成七年度価格ということで、これは法案審議の際にも申し上げた数字でございますけれども、そうしますと、平成十二年度で約四兆二千億円というのが介護保険の費用であるというふうに見込んでおります。そして、そのうちで、国庫負担、まずはこの介護保険、いわばプロパーの部分の国庫負担で九千二百億円ぐらいでございます。それに医療保険の介護納付金という形で来る、そのものにも国庫負担が入っておりますから、そういったものを全部含めますと、一兆一千八百億円ぐらいというのを見込んでおるというのが現時点での一応の見込みでございます。

福島豊平和・改革

○福島委員 それぞれいま一つよくわからないわけでございますが、以上、全部ひっくるめましてどなたかに御答弁をいただきたいのですけれども、平成十二年度の二%のキャップというのは果たしてどの程度達成の可能性があるのかといいますか、現行の自然増のままでいった場合にはどの程度乖離をするのか、その大きさはどのくらいのものなのか、この点についての御認識をお聞きしたいのですけれども、お答えいただけますか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今政府委員から答弁ありましたように、推計するというのはなかなか難しくて、また十二年度予算になれば今の状況と額においては若干違ってくると思いますが、十二年度になりますと、医療制度の抜本改革が実施の年になります。年金制度の改革も来年の通常国会には法案を提出したいと思って今準備を進めておりますし、私は、十一年度予算の二%枠内で済むような改革が可能であるというふうに見込んでおります。

福島豊平和・改革

○福島委員 先ほど真野運営部長から、改革がありますからというお話だったんですけれども、私が申し上げたのは、抜本改革をしても、差し当たって給付水準というものを大きく低下させるというような選択肢は政府としてもとり得ないだろう。むしろ、中期的にどうするのかというような改革にならざるを得ないというふうに思います。  そうなりますと、この年金改革によって生まれてくる財政上の負担の軽減、これはなかなかすぐにきいてくるような話ではないのじゃないか。今大臣が、平成十二年度、医療保険制度改革もあります、年金制度改革もあります、両方ひっくるめると二%は達成が可能ではないかと思うというお話でございましたけれども、その二%のキャップを達成するためのほとんどというのは、現実的には、医療保険制度改革の中から生み出していくしかないのではないか、道具として、有力な道具足り得るのは、現時点で、短期的に、それは医療保険制度改革しかないのではないかというふうに私は考えるわけですけれども、この点についてはどのように御認識でしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 年金、医療、福祉というふうに大ざっぱに分けますと、大宗をなすのはやはり医療だと思います。

福島豊平和・改革

○福島委員 なかなか、将来の話で、漠然とした話になるのは仕方ありませんが、大宗をなすのが医療保険制度改革だと。この改革におきましては、まず、現在は診療報酬の改革、それからまた薬価制度の改革ということが今俎上にのっており、なかなかまだ結論が出ておらないようでございますけれども、これは支払いのところをどうするか、支払いの水準を変えようという話がまず第一点。これは、直接的に医療費の水準を変え得る非常に強力な手法だというふうに思います。  次に、保険制度をどうするのか。国保をどうするのか、組合健保をどうするのか。ここのところは、お金をどうやって集めてどうやって配るのかという話でございますから、全体としてその医療費の水準を変えるということにおいては、先ほどの手法よりは直接的な効果というのはむしろ少ない。自己負担を引き上げるということによって受診抑制をするということで、間接的な医療費の水準を抑制する、そういう手段なのかなというふうにも思います。  三番目は、介護保険ということですね。介護保険の導入ということは、要するに、医療保険の対象の患者を減らすということによって、これもまた非常に直接的な影響があるのだろうというふうに思います。  大宗をなすのが医療保険制度の改革であるということでございますけれども、二%のそのキャップを達成するということにおいて、先ほど羽毛田局長が、介護保険がスタートしたときに負担はどうなるのかというお話がありましたが、私は、もう少し細かい話を実はしていただきたかったわけです。介護保険を導入するということにおいて、この二%のキャップを達成するためにどの程度の効果が十二年度にあって、そして、その介護保険の導入をもってしても足りない部分というのは、これは医療の方に回ってくるわけですね。回ってこざるを得ない。少なくとも医療の方に回ってきた部分というのは、抜本改革といいましても、今御説明したような大きなフレームワークの中で考えると、診療報酬なり薬価制度の見直し、償還基準ということになりますから、償還基準をどうするのかというような話で、直接的にここまではやはりやらなければいかぬというような数字がおのずと出てこざるを得ないような構図になっている。そこでやらなければ保険の方でやりますから、ここのところは、自己負担をどうするのかというところでやらなければいかぬような話になる。非常に単純な話だろうとは思うのですね、基本的な部分というのは。骨格の部分で、二%を達成するために、どういうふうな手法があるのかということですね。どういうことが今考えられるのか。  これは恐らく、厚生省の中で御検討されれば、それほど見通しがはっきりしないという話ではなくて、これしかないだろうというような大枠の考え方というのはあるんだろうなと私は思うのです。また、そういうことを踏まえますと、そういう大枠の考え方というものがあるのであれば、そういったことについて、できれば非常に早いうちに、財政構造改革を進めるに当たって、少なくともこういう改革はしないとそこまでいきませんよという話もしていただいた方がいいのではないかというふうに思っているわけでございます。ですから、しつこく、重ねて聞いているわけでございます。  再度この点について、大宗であるといえば確かに大宗なんですけれども、その中の、今申し上げました基本的な整理、その点の大臣のお考えを改めてお聞きしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 十年度予算を編成する際におきましても、補助金などは全部カットしろなんという声が出たのです。いざ一割でもカットすると、大変な反対ですよ。皆さんかなり気楽に、補助金行政が悪いといってカットしろと言いますけれども、これも、いざやってみて、容易なことではないなと。しかし、できるだけあらゆる補助金を削減していこうという方向で見直して、ぎりぎりやってきたわけです。当然、年金の問題についても、中には、十年度予算から、年金制度を改革して国庫負担を減らせという議論もあったぐらいです。これは、現在給付を受けている人などというのはカットできませんということは、最近、だんだん理解されてきたような状況であります。そういう中で、十年度予算におきましては、医療関係の費用を削減するということでいろいろ法改正をしたわけでありますが、それでもなかなか抵抗が強い。  今後とも、年金、医療、福祉関係、十年度予算編成と同じような姿勢で取り組まざるを得ないと思います。その中で、あらゆる聖域をなしに、あらゆる項目を見直していくという姿勢で今後も続けていきますので、これは引き続き、どこをふやし、どこを切るか、厳しい選択を余儀なくされる状態が当分続くというふうに私は覚悟しております。

福島豊平和・改革

○福島委員 平成十年度の予算の審議の中では私も厚生大臣にいろいろと申し上げまして、話が大変違うのではないか、そんな気もいたします。  私が申し上げておりますのは、平成十二年度の予算で少なくともそのキャップ二%を達成するという大きな目標の中で、医療費としてどの程度の水準のものしかこれは出せませんよと。その中で、例えば何に使うかということは大体わかっているわけですから、そうなると、薬剤にはこの程度のものしか使えませんよ、その細かな制度をちょんちょん切って足し算していくというのもいいのですけれども、そうではなくて、もうそういう数字を示してしまったらどうですか、お薬にはこれしか使えないのですと。例えば、診療報酬はこんなものですよということは要るのではないか、介護の方で整理するということであればこういうことですよということなんではないかなというふうに思うんです、財政構造改革をよしとすればですよ。よしとすればそういうことになりますよという観点が要るのかなというふうに感じておりまして、この点につきましては、もう質問の時間も終了しましたので御答弁は求めませんけれども、再度、また御検討を進めていただければ、そのように思います。  どうもありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時八分休憩      ――――◇―――――     午後三時四十三分開議

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金田誠一君。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。  総理は、ただいま情報公開法、大変長時間の本会議でお疲れのことと思いますけれども、そういうときに余り耳ざわりのよくない質問をさせていただくのは多少心苦しいわけでございますけれども、お許しをいただきたいなと思うわけでございます。  今回の国民健康保険法でございますが、財政構造改革法との関連が非常に強いわけでございます。社会保障関係費全体、本来であれば八千億の当然増があるところを、キャップなるものによって三千億に圧縮をされる。五千億の縮減がされたわけでございますけれども、その中に、この国保関連、被用者保険へいわばツケ回しをするという部分もカウントされているわけでございます。財革法と国保法の関連で、この委員会でもかなりの時間、それぞれの立場から質疑がされてきた、そういう経過があるわけでございます。  そこで、まず、今回財革法を改正をされる、あるいは財政出動、最大十二兆等々の、事業規模では十六兆六千億でしょうか、総理、このような決断をされたわけでございますけれども、これについてまず御所見を賜りたい、こう思うわけでございます。  この財革法によって、私は、せっかく回復基調に入りかけたといいますか、軌道に乗りつつあった景気に冷水を浴びせられたのだろう、こう思うわけでございます。私ども、こぞってこれに反対をしてまいったのは御承知のとおりでございます。特に社会保障関係費まで一律キャップをかける、この点についても特に反対をしてまいりました。私どもが予測したとおりといいますか、懸念したとおり、心配したとおりの結果が出て、総理、今回これを改正をされるということになったわけでございます。ここに、改正をすればいいというものではない、そういう責任というものが私は生ずると思うわけでございます。  一つは、景気に冷水を浴びせてしまった、そういう結果になってしまった結果責任。それともう一つは、数カ月のうちに改正せざるを得ない、いわば朝令暮改による政治に対する信頼の失墜という、私は二つの問題があろうと思うわけでございます。したがって、この財革法の改正、大型補正を提案されるというのであれば、まずその前段として、それらの責任をどのようにお感じになっておられるか、その責任をどのように明らかにされるおつもりかを明確にしていただきたい、こう思うわけでございます。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 今、議員の御意見は拝聴いたしました。その上で私から申し上げたいこと、それは、従来から財政構造改革の必要性というものはいささかも変わるものではない。同時に、内外の経済金融情勢の変化に対応して臨機応変の措置をとることも当然と私は申し上げてまいりました。こうした考え方のもとに、平成十年度予算におきましても、経済状況を見ながら、財政、金融両面にわたる措置をとってまいりました。  さらに、現在の極めて深刻な経済状況にかんがみて、我が国経済及び経済運営に対する内外の信頼を回復するに必要でありかつ十分な規模の経済対策を講じる、そして、それに必要な補正予算を編成することが今本当に必要な判断、そのように考え、政府としても今般、総合経済対策を決定をいたしました。  そして、議員からいろいろな御意見ございましたけれども、あえて一つだけ申し上げるとするならば、昨年の七-九、消費が回復していた数字が現実に存在しているという一点だけを申し上げておきたいと存じます。  そして、今回の財政構造改革法の改正につきましても、私は、あくまでも緊急避難的な対応として、財政構造改革の骨格を維持していくつもりでありますけれども、いずれにいたしましても、今議員から述べられたような意味での政治責任の追及というものを恐れて必要な施策を講じ得ないとするなら、私はそれこそが政治責任ではないだろうかと。そして、今議員の御質問のような御指摘も受けながら、なおかつ必要と信ずる施策を国会にお諮りをし、成立を図ることによって私はみずからの責任を果たしていきたい、そのように考えております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 成立から四カ月ほどでしょうか、このような短期間の間にこれほど大きな法律が改正をされるという例は、私は恐らくないのではないかな、こう思うわけでございます。その一つをとっただけでも、まずは御自身の責任を明らかにする、そこからすべてのスタートが始まる、これが私は本来の姿だと思うわけでございます。このことは、予算委員会等、再三指摘をされておるわけでございますけれども、総理はなかなか首を縦に振ろうとなさらない。非常に残念でございます。潔く非は非と認めて次の一歩を踏み出すということであってほしいなという希望を述べさせていただきたい、こう思うわけでございます。  次に入りますけれども、それでは、総理は御自身の責任はお認めにならない、とすれば、一体だれの責任なんだ。自然現象でも何でもないわけでございます。だれかが企画立案をして、閣議を通して、我々のあれほどの反対にもかかわらず、強行に国会を通されたということでございます。この責任は、それでは、総理御自身が自覚をされていないとすれば、どなたがおとりになるのでしょうか。そういう疑問を私は消し去ることができません。  これは具体的に、恐らくこういう経過だったのではないでしょうか。財政構造改革法というものを立案したのは、恐らく大蔵省の当局者だったのではないか。大蔵当局が立案をして、総理がそれにオーダーを与えた、そして一定の手続が踏まれて成立はしたけれども、あえなく今、換骨奪胎の憂き目に遭うということでございます。  民間会社であれば、一定の部局が一定の戦略を立てる、企画を立てる、その企画が全く予測を外れて、会社自体が窮地に陥るような、そんな状態になったときに、社長の責任というのは当然でございますけれども、その企画立案をした担当者、担当役員、民間会社なら恐らく首で済まない、退職金から何からすべて、あるいは私有財産をもってその辺の補償を迫られるかもしれない。私は、そういう性格の今回の財革法だったと思うわけでございます。  総理御自身としては、これを改正することが責任だと仮におっしゃるのであれば、それでは、企画立案した大蔵の責任者、この責任者にはどういう責任をとらせるおつもりなんでしょうか。まさか何のおとがめもなしということはないと思いますけれども、いかがなものでしょうか。  きのう来の新聞では、不祥事によっての責任というのはありましたけれども、これは不祥事ではないかもしれません。しかし、政策の失敗でございます。その政策の失敗が日本経済を窮地に陥れた。この責任を担当者に負わせるというのは当然だと私は思いますが、総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 私は、責任を感じていないなどと一回も申し上げておりません。その責任の果たし方という点で、私は先ほどお答えを申し上げたつもりであります。  また、議員は、財政構造改革法というものすべてを大蔵省という言葉にくくられましたが、これは、その当時の報道を振り返っていただければおわかりがいただけますように、政府・与党一体となりました財政構造改革会議、これには当然ながら閣僚の諸君もそれぞれのつかさつかさの代表として入っておりますが、今までに総理を経験された方々あるいは大蔵大臣を経験された方々、そして与党三党、内閣一体になって議論をしてまいったものでございます。それが財革法にまとめ上げられた。そして、その責任者である議長役、それは私でございました。大蔵省のだれかがこしらえてというものではございません。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 財政構造改革会議あるいは閣議、会社に例えれば、役員会のようなものでしょうね。しかし、役員、代表取締役以下集まって開催される役員会に提出される、あるいはそこの俎上にのせられるさまざまな企画というものは、それぞれの部局部局で相当綿密に練り上げられて、戦略が立てられて、そして最終的にチェックをして、承認をするというのが役員会ではないでしょうか。役員会で決めたんだから担当部局に責任はないという会社は、恐らく世の中に存在しないのではないか、こう思うわけでございます。  しかし、総理、大蔵だけではないのかもしれません、幾つかの省庁の何人かの担当官なのかもしれませんけれども、そういうレベルの政策責任というものを明らかにしないことが、日本の国家の責任の所在のなさということにつながっているのではないかという観点から質問をさせていただいているわけでございます。  申し上げるまでもなく、御承知のことと思いますけれども、オランダ人のジャーナリスト、カレル・バン・ウォルフレンという方がいらっしゃいます。「日本権力構造の謎」という初めての本から、さまざまな著書をあらわしておるわけでございますけれども、日本の権力構造の特徴、官僚機構が実権を握っていると。しかし、この官僚機構は責任を負う存在ではない、責任を負うことがない、そこに日本の権力機構の特徴がある。こういう権力構造が、ウォルフレンに言わせると、人間を幸せにしない日本というシステムというものを形づくっているんだと。本来、民主主義というものはそういうものではないんだということを彼は盛んに指摘をしているわけでございまして、私も、日本人の一人として、それに同調したくはない、そういう思いはありながらも、実態はそうなのかなとうなずかざるを得ないわけなんでございます。  総理、いかがでしょうか。今回の財革法という極めて重要な政策決定に当たって、ウォルフレンが指摘をするような構造というのはなかったと言えますでしょうか。  私は、実際の実務に当たって、財政構造改革会議の舞台回しをした、そういう方々がいらっしゃる、その方々がやはり結果責任を負うべきだ。政治家は政治家として政治責任を負う、しかし、実務官僚は実務官僚として責任を負う、こういう、それぞれが責任を明確にする体制をつくってこそ、民主主義足り得るのではないでしょうか。アカウンタビリティーということはそういうことではないのでしょうか。再度お聞かせをいただきたいと思うのです。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 私は、別に今、大蔵官僚なり官僚の諸君をかばおうとして先ほどの御答弁を申し上げているものではございません。  そして、当然のことながら、一定の方向性を持ち、こういう試算をしてほしい、あるいは、こういう部分を変えてこのような方向に向けた場合にどういう結果が生ずるか、試算をしてほしい、そういう意味では、財政構造改革会議も、官僚の諸君、これは大蔵省に限らず、社会保障の部分は例えば厚生省の諸君にも協力を得た部分がございますし、公共事業等を考えた場合に、当然ながら公共事業主管官庁の協力も得ておりますし、経企庁の協力も得ております。しかし、それはまさに、財政構造改革会議がこういう作業を、あるいはこういう資料を作成するようにと指示したことについての協力でございます。  そして、こういう御質問が出るとわかっておりますなら、私は、むしろ当時の報道をコピーしてお目にかけることによって、そのころの財政構造改革会議で、その中に設けられました小委員会も含め、どのような議論が行われていたか、小委員会は私は出席できませんでしたから、そこまでを含めまして、大変よく報道されておりました。むしろそういうものにお目通しをいただくことによって、今、大蔵省の責任という問われ方をいたしますけれども、ちょっと私は、それは種類が違うのではないだろうか、少なくともこの問題についてはちょっと種類が違うのではないだろうか、率直に、私の感じはそう受けとめております。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 政治が責任を負って官僚機構をコントロールしていくという構造を私はつくるべきだと思うわけです。選挙で選ばれる、そこに国民の価値観が反映をされる、それに基づいて政治が方向を決め、官僚機構がそれによって動く、あるいは政治が判断するに当たっての情報を提供する、こういう関係であるべきだ。官僚みずからが国の方向を決めるとかというあり方は、ゆがんでいる、いびつな状態である。日本の権力構造はまさにそうなっているところに問題があり、さらにそれが責任を負えない存在、負わない存在、責任を負わせない存在になっているところに余計問題がある、私はこう思ってございます。  したがって、総理も選挙で選ばれたお立場、私どももそうでございます。そういう立場からして、今の官僚機構、個人的に憎いとかなんとかということでは一切ない。そこは誤解をしていただきたくないわけでございますけれども、政治の責任として、官僚機構との緊張関係、それを築いていくことが今の日本にとって肝要だという立場から申し上げたんですが、どうも御理解いただけないようで、残念でございます。  次の質問に移らせていただきますが、結局のところ、総理、この社会保障関係費にまでもキャップをかぶせて、結果として社会保障制度の信頼を喪失させた、この御認識はいかがでしょうか。  私ども、昭和二十二年生まれ、団塊の世代なんでございますけれども、大体同期が集まりますと、将来の年金、ほとんど信用しておらない、それだけではもうだめだなという状態なんでございます。あるいは、医療も高くなったな、そういう話が出る年代になってしまいました。  しかし、いざとなったら、年をとったら、病気になったら、自分のことは自分で守るしかない、自己責任を負わざるを得ないわけなんです。日本人は、そういう意味では非常に賢明だし、勤勉だと私は思います。社会保障制度の信頼喪失ということが、結局は自己防衛せざるを得ない状況をつくった、その結果として個人消費を冷え込ませてしまった。こういう認識では、総理、一致できますでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 一部に同感する部分はありますが、認識に一致かと言われるなら、私は必ずしも議員の認識と一致をいたしません。  言いかえますなら、今の社会保障制度をこのままに、手を加えず放置して一体いつまで続くんでしょう。私もへ本委員会の前身でありました社会労働委員会時代から、随分この委員会には長く籍を置かせていただきました。そしてその当時、当時の社会党の皆さんは理想を唱える、私たちは与党の理事として現実の議論をする、しかし、そこには議論のかみ合う部分がございました。そしてある場合、与野党が共同し、随分制度を手直ししてきたこともございます。  しかし、そのころありました議論を今振り返ってみますと、高齢化ということは皆既に予測をしておりましたが、これほどの少子化というものは当時予想をしておりませんでした。積立方式か賦課方式かという年金の議論はございました。しかし、今議員が述べられたような議論ではなく、我々は、将来までどうすればそれぞれの制度が国民の生活のセーフティーネットとして維持できるか、維持していけるか、その論議は続けておりました。年金も、世帯単位から、妻の年金権というものが議論をされるようになり、一人一人の年金に変化をいたしてまいりました。  私はこれから先も、申しわけありませんへ議員が大変大きな問題を提起されましたからきちんと申し上げたいと思っただけでありまして、これ以上の長答弁はいたしませんけれども、私は、今後ともに、社会保障というものが国民の暮らしのセーフティーネットとして安全に機能し得るようなものを組み立てていく責任が、私どもにもまた国会にも存在をする、そのように思います。

金田誠一民主党

○金田(誠)委員 これから年金改革、医療改革、総理とはその議論を十分闘わせてまいりたいな、こう思うわけでございます。  しかし総理、財政出動だけでも十二兆、今回の被用者保険へのいわゆるツケ回し一千百六十億、一%にも満たない、こういうことをおやりになって一体どうなんでしょうか。私は、これはもう理解しかねるわけでございます。十六兆六千億とか十二兆とかという言葉がこのように躍っている、その一方で被用者保険の一千百六十億が出てこないのか。あるいは、児童扶養手当、小児慢性疾患、福祉施設の予算等百九十一億、本当にこのキャップという形でこういう削り方をして、その一方でこうですよ。これは一体何だ、そのことだけ申し上げて、総理、ぜひひとつ、厚生大臣の御努力で来年からキャップは外れるようでございますけれども、来年と言わず、どうぞことしから外していただきたいと強く御要望申し上げたいと思います。  コメント、ございますか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 小泉大臣、かつて総裁選挙を私は戦った同士でありますから、お互いに相手の気性も何もよく存じております。存じた上で、小泉さんに私は厚生大臣をお願いをしました。そして、厚生大臣としての職において小泉さんはみずからの信念を語られ、私どもは、その上で、手を携えて将来に向けてよりよい状況をつくり出す、よりよい制度をつくり出すために努力をしてまいりたいと考えております。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 青山二三さん。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 平和・改革の青山二三でございます。  総理におかれましては、連日連夜、本当にお疲れさまでございます。  それでは早速、今回政府・与党が決めました財政構造改革法の改正案についてお伺いをしてまいりたいと思います。  ただいまも質問に出ましたけれども、財政構造改革法は、昨年暮れ、私たち野党の反対を押し切って成立させたものでございます。ところが、わずか五カ月で改正せざるを得ない状況になったわけであります。これは、政策に対する内外の信頼を大きく揺るがすものでありまして、橋本内閣の破綻を示す重大な失策であると言わざるを得ません。総理としての責任は重大であると考えますが、ただいまの御答弁を聞いておりますと、責任を感じてはいるが、責任をとる考えはないというようなことでございます。こういうことが、国民が本当に納得するのかどうか、大変私は疑問に思います。  この点についての総理の御所見をまずお伺いしておきたいと思います。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 責任を感じる、そしてその責任を感じた上で責任を果たしていく、その果たし方というもの、私は、その役割に応じておのずからいろいろな果たし方があると思います。そして、現状を打開するために全力を尽くすのが私の役ではないかと受けとめ、そのように先ほども申し上げました。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 今回の財政構造改革法の改正につきましては、赤字国債増発の弾力化だけではなくて、目標年次の延長や社会保障の上限、いわゆるキャップを緩めるということに手をつけることになりましたが、総理がこれまで説明してきました必要最小限の改正の範囲を踏み出すことになったわけでございます。  このように、総理の責任が問われているキャップ制をめぐりましては、財政構造改革法を改正するなら社会保障関係費の歳出上限枠を緩和すべきだとの厚生大臣の主張が受け入れられ、実現したものと思われます。歳出にめり張りをつけるのが政治でありまして、小泉大臣の考えは、我々国民にとりましては歓迎できるものでありますが、このような政策転換とも言える小泉大臣の主張を受け入れた総理のお考えを伺いたいと思います。また、こうした小泉厚生大臣の姿勢を橋本総理はどのように評価されますでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 御本人は、余り褒めないようにと遠慮をしておられますが。  私は、これは大変恐縮な言い方をいたしますけれども、今までに国会答弁の中でも何回か、人口の高齢化による当然増が非常に大きいという現実の問題があります、一番国民に身近な問題を抱えるところでありますから、社会保障については私自身も工夫しなければならないという思いがありますという答弁を何回か申し上げております。そして、今日、思い切って総合経済対策を組んでいこう、そうした考え方をとりましたとき、社会保障関係費の、今私が、他の委員に対して答弁をしました議事録のその言葉をそのままに使って、今までもこう申してまいりましたがといった思いはございましたから、こうした社会保障関係の特質あるいは現下の経済状況などを考え、社会保障というものの性格から考えてみますと、国民生活への密着度というのは大きいわけでありますから、歳出削減のために新たな負担を国民に来年求めることがないように、できる限りの配慮をする必要があるというのは私自身考えました。  そして、キャップという仕組みそれ自体は財政構造改革法の基本として維持をいたしています、その上で、社会保障関係費については緊急避難的な措置として、平成十一年度に限り、おおむね二%というキャップを停止することにして、その増加額は、法律の趣旨を踏まえて極力抑制するといたしました。  厚生大臣もその趣旨は十分に理解をし、協力がいただけると私は信じております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 私は、あの選挙のときにもし小泉厚生大臣が総理におなりになっておられたら、今ごろ少しはこの世の中が違っていたのではないか、こんなふうに時々思うわけでございます。  今回の社会保障予算は、財革法の名のもとに四苦八苦いたしまして、よくぞここまでと思うくらい節約に節約を努めまして、そういう跡がうかがわれるわけでございます。その結果、難病患者や母子家庭が大変な打撃を受けております。九九年度におきましてキャップ制が停止ということになったわけでございますが、今回の予算に盛り込まれているそうしたさまざまな福祉予算の削減につきまして、九九年度はどのような取り扱いをされるおつもりなのか。総理には、ぜひとも弱者の立場に立って福祉予算削減の是正について考えていただきたい、切にお願いを申し上げる次第でございますが、総理の御見解をお伺いいたします。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 これはまさに、来年度の予算編成に向けて厚生大臣がどういう方針をもって概算要求を取りまとめられるか、そこから始まる話でありますから、私が予断を持つべきではないと思います。  その上で、本当に困っておられる、本当に弱い方に対する味方であるという姿はこれからも変わりますまい。また、これは我々は国としても持っていかなければならないことです。しかし、負担ができる方にはその部分は負担していただく、いただきたい、また、いただくべきだという考え方があることも事実です。そして我が国の将来を考えますときに、本当に必要な方々に本当に必要な給付が保障される仕組みに、私たちは社会保障、福祉の仕組みというものをきちんと位置づけておかなきゃいけないのじゃないか、私は少なくともそのような思いを持っております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 橋本総理が本当に弱い立場の方のために努力していこうというお考えがあれば、必ず小泉厚生大臣もその方向で努力していただけることと私は確信をいたしております。しっかりと、この点はよろしくお願いいたします。  今回のような小手先の見直しを行うよりも、本当に一日も早く医療保険制度の抜本改革を急ぐべきであると考えております。ですから、そのような抜本改革のめどの立たないうちに、こうした段階において今回のような改正を行っても意味がないのではないか。小手先、小手先の改正を繰り返しているうちに、何だか違った形のものになってくるような思いがしてなりません。最後にその辺のことをお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 抜本的な改革あるいは抜本改正、今までにもよくこの言葉は聞かれました。そして政府が提出をいたします、制度改正を伴います、特に本人の負担あるいは保険料の増といったものが含まれておりますときに浴びせられる批判は、抜本改正ではない、抜本改正ができるときまで今の状態を-結局それは財政をより厳しいものにし、次の改正のときに、どすんと国民に負担をしていただくような改正を提案をせざるを得なかったと、私たち、実は、本当にそういう苦い思い出を何回か持っております。  私どもが国会に初めて当選させていただきましたころから、一時期は健康保険関係というのは与野党の激突のテーマとして、同じ年に、提案したその年に法案が通ることの方が珍しいような時代が続きました。その間に残ったものは何かといえば、結局、財政構造の悪化でした。ねじれでした。今私どもは、そういう意味で、私どもの当選回数の若い議員でありましたころの論議というものを悔いておる部分がございます。どうぞ本委員会の皆様が、将来、私が今悔いると同じような形で若いころの議論を振り返らずに済むような御議論を心からお願いを申し上げます。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 大変ありがとうございました。  時間が参りましたので、終わらせていただきます。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 久保哲司君。

久保哲司自由党

○久保委員 国民健康保険法等の一部を改正する法律案に関連して、きょうは、総理にこの場にお越しをいただきました。時間も九分という短い時間ですので、二問だけお尋ねをしたいと思っております。  先ほど来からの御質問もそうですし、従来、本会議等におけるさまざまな質問の中でも、総理は、財政構造改革法の必要性というのは変わるものじゃないということをずっと言い続けておられます。それは私もそのとおりだと思います。  ただ、先日あるところで読ませていただいた中に、三十数年間ある意味では放漫経営をやってきてこういう状態になった、それをここ何年でというのはこれは余りにもむちゃと違うか、やはり、何でもかんでもそうですけれども、長年かかったやつというのは結構長年かかりますよと、こんなことを書いておられる方がおいででございました。それを読んだときに思うたのですけれども、車、三車線の高速道路が一気に一車線になったような、こうなれば、走っている人間全部戸惑うわけですし大混乱になる、このことも私は重々わかります。必要性は当然のこととしながらも、それをいかに、どのようにしていくかというのは、これはもうちょっと知恵の出し方があったのかな、そんな思いがしております。  きょうはそのことについてお尋ねする気はございません。今回の国民健康保険法の改正、このことについて、先日、当委員会で参考人の方にお越しをいただいて質疑をさせていただきました。そのときに参考人の方々がおっしゃった言葉、実は、被用者保険の側の方、そして国保の側の方、双方にお越しをいただいたわけでありますけれども、粗っぽく言いますと、被用者保険の側の方々というのは、要するに、今回の改正というのは、財政構造改革法なかりせばこんなことにはならなかったのではないのか、結局、本来国が負うべき負担を我々の側に持ってきたのと違うのか、だからおいらは反対や、こういう趣旨の話でありました。  一方、国保の側を代表される方、お二人おられたのですけれども、その方々も、結果、国保は大変だから今回の措置というのは受け入れるけれども、受け入れるし、ありがたいことだけれども、かといって、国保の運営を預かる立場としては、必ずしも全体の仕組みが納得できるものではないのです、このようなお言葉。あるいは、国民健康保険を預かっておられる立場として、この運営の大変さということを考えたときに、できれば国に返上を申し上げたい、このような強い意見をおっしゃる方がおいででございました。  そんな中で、今回、さまざまな議論を経て、財政構造改革法を改正するという決断をなさったわけでありますけれども、これもまた、私は新聞で知ったことでありますけれども、小泉厚生大臣が、キャップ制が適用されない補正予算で公共事業の積み増しや大型減税が行われるのに、当初予算が大半を占める社会保障費のキャップが維持されるのは納得できない、このように主張したというふうに書かれており、総理もそのことを受け入れられたのかと思いますけれども、今回、平成でいえば十一年度予算の編成に関しては、社会保障関係費のキャップを外して例外扱いということになったようであります。  本来、社会保障、ある意味で、先ほど来ありました、いわゆる人間の一番大事な命と生活を守る部分でありますから、この中での自然増の部分というのは、これは嫌でも認めるべきものではないのかな、そういう意味では、そういう部分に関しては、ある意味で、本来キャップをかぶせるものではないのではないか、こんなふうに思います。そういう意味では、十一年度、とりあえずキャップが外れたというのは私は大歓迎をいたしますけれども、この十一年度、キャップを外す、例外扱いとされたこと、またそれを、逆に言えば十一年度のみとされたこと、この真意は一体那辺にありやということをお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 先ほどからの議論を多少踏まえて、なるべく重複を避けてお答えをしたいと思うのですが、社会保障関係費というものが、他の歳出分野と異なって、制度的に高齢化などに伴う当然増が生ずる経費である、これはもう今、議員も指摘をされました。そして、その当然増といいますか自然増の部分はキャップをかぶせるべきではないと議員は言われますけれども、本当にそういうやり方、できるでしょうか。  一方で少子化が進み、若い働き手の数は減っていっているわけですから、ふえていく高齢者の給付部分を支える現役勤労世代の比重は相対的に低下をします。私は、その当然増と言われる部分にも制度改正を行っていかなかったら、背負い切れなくなる時期が必ず来ると思っております。そして、それが急激なものにならないように、やはり社会保障給付というものを、制度改正はきちんとやっていかなければならない。  大幅な縮減を考えますと、一層その抜本的な制度改革という問題に遭遇するわけですから、社会保障構造改革というものを進めていくに当たりまして、例えば、医療保険制度の抜本的な改革、これは十二年度までに段階的に実施していく、そして介護保険が十二年度に導入をされる、そうした状況を考え、また、経済活動の著しい停滞というものが国民の暮らしに重大な影響を与える今の状況、十一年度において、国民生活と密接に関連する社会保障関係費について、歳出削減のために新しい負担をお願いをするということがないように、できる限りの配慮をしておくべきではないだろうか。まさに私はそのような判断から今回の判断を決めました。  しかし、議員が言われますように、自然増は当然そのままに受け入れるべきと言われますと、これは他の部分における負担というものが非常にふえていくということになるのではないでしょうか。それは、保険料の形態でありますか、税という形になりますか、あるいは給付の切り下げになるのか、自己負担になるのか、いろいろな選択肢は出てくると思いますけれども、私は、この超高齢社会の中において、出生率の減と組み合わせましたとき、自然増だからそのままに受け入れろといって果たして本当にそれは受け続けられるのかといえば、疑問を持っていることは正直に申し上げたいと思います。

久保哲司自由党

○久保委員 今、キャップ外しはある意味で、縮めて言えば、キャップ外すなんということは不可能に近いんじゃないですかということだと思いますけれども、だからこそ、二点目、私がお尋ねしたかったのは、今回の法案の中には、抜本改正までの間という言葉が法案自体の中に何カ所も盛り込まれております。これもまた先ほどと同じことを繰り返しますけれども、参考人質疑の際にも多くの方々が、抜本改正、ぜひ早くやってくれということをおっしゃっておいででございました。  そう考えますと、抜本改革ということが前にあって、今回はだからとりあえず当面の措置なんだということでございますけれども、医療保険制度一つとってみたって、国保と被用者保険の間の関係をどうするねん、あるいは老人保健制度との関係をどうするんや、あるいはさらに十二年度から介護保険が始まる、こういうこと、あるいは薬剤費の問題、診療報酬の問題等々を考えれば、これは本当、十二年度というふうに伺っていますけれども、この抜本改正という中で今総理もおっしゃったようなことが収れんされて、それで受益と負担の関係というものが本来整理されなければならないのだろうと思いますけれども、十二年度からやりたいとおっしゃっておられるこの抜本改正というのは、総理も先ほどおっしゃったように、社会労働委員会に長く在籍された、また厚生大臣も経験された総理として、今、現時点で、これは具体的には小泉厚生大臣の所管、範囲でありますけれども、この抜本改正なるものが果たして本当に見えている道筋の中にあるのかどうかということを、最後に確認をさせていただきたいと思います。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 私も今細かいところまで存じておりません。しかし、今、小泉さんに伺ってみますと、関係審議会は診療報酬体系及び薬価基準制度の見直しについての審議を精力的に行っていただいていると聞いています。審議会としての意見がまとまり次第、所要の法改正に取り組むということになりましょう。  そして、やはり、私どもが本当にその少子・高齢社会というものを考えるとき、安心して良質な医療サービスが受けられるような医療保険制度というものを堅持するためには、制度全般を本当に見直していかなければならぬ、改革しなければならぬと思っております。そのいわばスタートを既にこの関係審議会の審議で、診療報酬体系と薬価基準の見直し、これは私ども本当に考えてもなかなか手のつけられなかった問題ですが、これに真っ正面から審議会が取り組んでいただいている。私は、こうした流れを、本当にできるんかいなというのでなくて、何とかさせたろうやないかという感じで押し上げていただきたい。これは政党政派の問題ではなく、結果としての制度にはいろいろな議論がありましょう、しかし、この改革ができる雰囲気をつくり出すために、本当に御協力をいただきたいと思います。

久保哲司自由党

○久保委員 抜本改正そのものについては私どもも異存ございません。そのことを申し上げて、質問を終わります。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 瀬古由起子さん。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  私は財革法の改定問題についてお聞きしますけれども、先ほど総理は、答弁の中で、財政構造改革法の基本は維持する、このように述べておられます。今まででもそういうことを何度も述べておられるのですが、この基本というのはどういう意味なのかということなんですね。今年度以降の予算の中で社会保障を中心とした国民生活の諸領域を引き続き抑制する、こういうことが基本という意味なのか、いかがでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 本日二度目の、場所を変えての対面になります。そして、双方ともに厳しい御質問をいただきます。  しかし、随分ひねくれたとらえ方をされたなと私は思うのです。というのは、財政構造改革法、これは、もう申し上げるまでもなく、個別の主要な経費ごとに量的縮減目標を設定するという仕組み、その制度改革の内容を定める、歳出構造に直接切り込む内容となっておりますし、歳出面で強力かつ明確な見直しの方向を打ち出すなど、中長期的に財政構造改革を進めていく上で極めて重要な法律だと私は思ってまいりました。  ですから、今回の経済対策を講ずるに当たりましても、財政構造改革会議に御論議をいただきまして、主要な経費に量的縮減目標をはめるという仕組み、あるいは、財政健全化目標といった財政構造改革法の基本は変更せず、緊急避難的な必要最小限の修正を行うにとめたいと考えているところです。  今回、社会保障関係費については、その特質、あるいは現下の経済情勢というものを踏まえ、緊急避難的な措置として、平成十一年度に限って、おおむね二%というキャップを停止することにしました。その増加額は、法律の趣旨を踏まえて、それは極力抑制していただこうと考えていますけれども、社会保障のキャップを来年度に関して外したということはそのとおりです。  財政構造改革法の基本は維持しながら、この部分についての手直しを行った、それ自体が間違っているものではないと私は考えております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 基本というのは、やはり社会保障を初め国民生活にかなり負担をかける、やはりこういう抑制をずっと続けていくということにはなると思うのです。  そういう場合に、特に来年度の社会保障費の上限枠、キャップを停止するという提案がされていますけれども、私たちはキャップそのものを外すということは賛成なんですけれども、なぜ来年だけなのか、この点はいかがでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 先ほど来御答弁を申し上げておりますことと重複することをお許しいただかなければなりませんが、社会保障関係費、これは他の歳出分野と異なりまして、制度的に、高齢化などに伴う当然増が生ずる経費、そういう特質を持っております。そして、平成十一年度におきましても多額の当然増が生ずると見込まれるわけであります。  こうした社会保障関係費の特質というものを考えましたとき、一方で医療保険制度の抜本的な改革、これは、今御質問がありましたように、十二年度までに段階的に実施していく、介護保険は十二年度に導入するという予定を組んでおります。そして、今の経済情勢等を考えましたときにへ十一年度においては、国民生活と密接に関連する社会保障関係費について、歳出削減のために新たな負担を国民に求めることがないよう、できるだけ配慮する必要がある、そう考えたので、このような措置をとりました。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 抜本改革とは何かという問題については、厚生省からも一定の提案が幾つか出されております。医療の問題も、例えばサラリーマンを三割にする問題だとか、介護保険も、保険あって介護なしという状態になる、こういう事態も指摘されております。また年金も、支給額を減らすか、それとも保険料を引き上げるかどちらかだと。抜本改革の内容が真っ暗やみというか、こういう提案がされているわけです。  そこで、小泉大臣が、本格的な抜本改革のために国民の理解を得なければならない、そのためにキャップ外しが必要だった、総理も私の主張を理解してくれた、このように答えてみえるわけです。何のことはない、抜本改革で、改革という名のもとに、国民に負担をうんと押しつけていくためには、来年は少々手綱を緩めなければ理解してもらえない、こういう内容につながっていくんじゃないかと思うのですけれどもへいかがでしょうか。

橋本龍太郎

○橋本内閣総理大臣 私、小泉さんの発言をそこで聞いていたわけじゃありませんけれども、私は、小泉厚生大臣が国民を馬に例え、手綱云々というような言葉を使ったとは思いません。また、そのような形容をされるような言い方をしているとは私は思いません。  その上で、我が国の人口構造の変化というものは、若いとき私どもが本院において議論をしておりました当時の予測をはるかに超えたものになっております。私が厚生大臣のころから見ても、大変な変化であります。高齢化のスピードもそうですが、実は少子化の方は我々の想像をはるかに超えておりました。  そういう中で、将来ともにセーフティーネットワークとしてきちんと位置づけられる仕組みを十分国民と議論の上でつくり上げていき、適正な負担もお願いをしなければならない、公正なサービスも確保していける、そうしたものを模索するときには、私は本当に真剣な議論をしなければならない。それは、ただ単に国民に厳しいことを求めるだけではありませんけれども、同時に、甘いことだけを語りかけることで達成できるものではないということは、私は実感をいたしております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 小泉大臣の発言を私は持っております。そのとおりに言われているわけですね。要するに、財革法の骨格そのものが本当に総崩れになっているけれども、悪い部分、国民に負担をかぶせる部分はそのまま、本当に生き続けている。こういう財革法は、本当に撤回すべきだ、廃止すべきだと私は思います。  以上です。ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  総理は御退席いただいて結構です。  質疑を続行いたします。  児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。  今回の改正案における保険医療機関の指定、保険医の登録等の取り消し、診療報酬の不正請求に係る加算金、これは、私はかぎ括弧をつけますが、この改正案の一つの柱です。そのことに関して質問をします。  よく言われる不正請求とは何か。健康保険法、これは片仮名まじりの古い法律ですが、その第六十七条ノ二、「詐欺其ノ他不正ノ行為ニ依リ保険給付ヲ受ケタル者」。私たちはこのような不正な行為は決して認めません。こういう行為をなくしていくことが医療に対する国民の信頼を回復する確かな道の一つだ、このように考えています。その基本的な立場をまず最初に明らかにしておきましょう。  その上で、長期にわたって詐欺その他不正の行為によって保険給付を不正に請求し、不正に受け取る、最近における最も代表的で最も許しがたい事例が大阪の安田病院事件だと私は思います。一九九三年、平成五年の二月に、一つの病院での暴行事件を契機にして、精神保健担当部局が患者処遇を中心に反復的な指導を行った、これがメスの入った発端だと思います。  厚生省、大阪府、大阪市の合同による三病院同時の一斉監査が実施されたのは、最初にメスが入った四年後です。実に、平成九年、一九九七年の三月のことです。三病院に対する保険医療機関の指定取り消しが行われたのはいつでしょうか。そして、返還された診療報酬の総額は幾らか。その中で、現行法における加算金はどのように加えられているのか。まず、そのことについてお答えいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず、三病院の保険医療機関の取り消しでありますが、平成九年の八月八日に三病院の指定が取り消されておりまして、大阪府の公報に掲載されております。  それから、返還金額でありますけれども、取り消しに伴いまして、トータルとして二十四億七千五百万円ということでございます。二十四億七千五百万円は一〇%の加算金が含まれているということで、ちょっと今、手元に資料がないものですから。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 この病院についてはさまざまな指摘が行われたと思うし、そして、周辺の医療機関からの具体的な告発が随分あったと私は聞いております。にもかかわらず、最初のメスが入ったのが九三年の二月で、指定取り消しが九七年の八月。ここまで放置された理由はなぜでしょう。どこに原因があったのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 医療保険サイドから申し上げたいと思いますが、これは、今回の事件が発覚し、大阪の保健担当の部局にもよく申し上げたのですが、もともとこの事件は、先生御指摘のとおり、平成五年に暴行事件を契機にして精神保健担当部局が指導をしております。  同じ大阪府内のセクションにその保健部局もあるわけですから、単に医療保険サイドの問題だけではなくて、こういうような事件があった場合には、それなりにきちんとアンテナを張るなり情報を的確にキャッチするなりへそういう心遣いというようなものがやはり必要だし大切なことであるということで申し上げたわけでありますが、この事件についてはもっと早く的確に対応をすることができたのではないか、そういった意味では極めて残念なことではないかというふうに思っております。  そういった意味では、幅広く医療保険の部局においても、今後こういうような事件を見過ごすことのないように、それからまた、地元におりますと、私の経験からしましても、ある程度そういう状況、においなりが入ってくるわけでありますから、そういうものをやはり敏感にとらえて医療保険サイドでも適切な対応をすることが必要だというふうに思っております。  そうすることによって患者さんの被害も未然に防げるわけでありますから、そういうふうなことで、私どもとしてもこの事件を一つの教訓にしまして、今後、医療保険サイドにおいても的確な対応というものを指導していきたいということで考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 ただいまの厚生省のお話は、私は非常に重要だと思いますね。ぜひ今おっしゃった教訓に深く学んで、今後努力していただきたいと思うのです。  そこで、先ほど御答弁のあった、返還された二十四億七千五百万円、これはまさに詐欺その他不正の行為によって保険給付を受けたわけですが、過去何年にさかのぼったものなのか。それから、詐欺及び不正に関するというあってはならない不正請求全体を把握した金額がこれなのか、それともその一部にしかすぎないのか。お答えいただきたい。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の事件というのは、中心的な問題は、看護婦さんの水増しというよりも、架空の看護婦さんをしつらえて、そして医療保険サイドで言うならば請求していたということが中心でありましたが、そういう意味からしますと、非常に難しかったのは、一人一人の看護婦さんが実在していたのかどうかという点のチェックがやはり必要だったわけであります。看護婦さんの名簿というものを押さえませんとチェックはできないという問題がございまして、そういった意味で、まず、今回の不正請求に当たっての返還金を算定する際の問題なんでありますが、この看護婦さんの名簿というものが過去三年前にさかのぼった状況までしかわからなかった。  そういった意味で見ますと、安田病院の方は平成六年十月分から平成九年六月分までの期間の支払い分について返還させたということでありますし、それから、大阪の円生病院の方ですと平成六年十月から平成九年六月、同じ期間であります。それからもう一つ、北錦会の大和川病院というのがありますが、これは平成六年七月の状況がわかりましたので、平成六年七月から平成九年六月分までを返還させたということでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そこで、三病院が毎月提出している診療報酬明細書、いわゆるレセプトの内容について、支払基金と国保連合会がそれぞれ、支払基金法または国保法に基づいて、内容に疑いがあるということで法に基づき説明を要求した件数は、平成七年、平成八年度、二十四カ月に限ってで結構ですが、何件あったでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 支払基金法なり国保法におきまして、必要がある場合には出頭を求めて説明を受けられるような形になっておりますが、今回のケースにつきましては、形式的にはレセプトでは見つけることができない内容ということもあったと思いますが、そういった意味では、出頭をさせて説明を求めるというようなことはございませんでした。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 不正請求というものについての一つの象徴的な事件が今の安田病院事件ですね。診療報酬の請求書をどんなにひっくり返してみても、ここのところは出てこない。医師について言えば、病院からの報告数は七十八名で、架空の疑いが十一名ある。看護婦三百四十五名が存在したと言って、実際に存在しなかったのは百五十七名。これらの数については、社会保険料から税金まで病院が払っている。言ってみれば、こういう緻密な虚構がつくられているために、レセプトからは出てこないですよ。  私が強調したい点は、医師や看護婦を設定する形での詐欺、不正の行為を摘発することはレセプトの点検からは極めて困難、そこを一つ教訓としてはっきりさせておきたい。  その上で、次の問題です。  厚生省の療養の取扱い及び担当に関する基準、いわゆる療担規則と皆さんよくおっしゃっている、その中に「手術及び処置」という部分があります。私は、処置のところをちょっと例として取り上げたい。これを拝見すると、こう書いてあります。「処置は、必要の程度において行い、みだりにこれを行ってはならない。」必要な程度と判断するのはその治療を担当する医師だと思うのですが、いかがでしょう。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 第一義的には、まず医師が判断をするということでありますが、それが請求書の形で審査機関に上ってくる、その際、審査機関として適正かどうかというのをチェックをする、こういうシステムでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 先ほど橋本総理が社会労働委員会と言いましたのでとても懐かしかったのですが、今の問題について、私は平成元年の十一月十六日、ちょっと昔の話ですが、この衆議院の社会労働委員会で幾つかの事例を取り上げました。きょうは時間の関係もあるから、そのうちの一つの事例について改めてもう一回提起してみたいと思うのです。  事柄が起きたのは一九八九年の六月、山梨県です。平成元年のこと。七十歳の男性が肺がんにかかり、慢性呼吸不全急性増悪等によって、病院は人工呼吸器を装着しました。ところが、山梨県の支払基金は、人工呼吸器について、十五日分の請求は認めたけれども、残りの十五日分の請求は認めませんでした。  私は、当時厚生大臣だったのが戸井田さんだったから、戸井田さんにちょっと皮肉な質問をしました。十五日間呼吸をして残り十五日間は呼吸しない離れわざがあなたにできますかとお聞きしたら、戸井田さんはうっと、お答えに立たなかった。  そして、この件は、病院からの抗議の結果、その年の九月十四日に残り十五日分についての保険請求が認められました。私は、結構なことだったと思う。  そのことについて厚生省と議論をしたとき、厚生省はこのように答えました。この件の査定について、「個別の事例におきまして行き過ぎがあってはいけません。」レセプトの審査点検ですね、そのことで行き過ぎがあってはいけません、「主治医の考え方と審査委員会での先生方の考え方と、そこは十分突き合わせをしていただきたい、」とお答えになった。  こういう審査のときに、審査部門がいろいろ物を考える、そのときの便宜のために、主治医はよく症状詳記、病気の状況を詳しく書いたものを添付したりもしますね。そうした上でなおかつこういうふうな事態が起きたわけだけれども、私は、当時厚生省がお答えになった、個別の事例において行き過ぎがあってはならない、そして、主治医と審査委員会のドクターとの考え方、十分突き合わせる必要がある、これはごく自然な、当然な考え方だと思うのですけれども、この考え方について厚生省は、現在も変わりがないと思うのですが、いかがですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 一般論で申し上げれば、変わりありません。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そこで、昨年十一月五日の衆議院の決算委員会で、先ほど質問しました私どもの瀬古由起子議員に対して、小泉厚生大臣は、大体今と同じ議論が当時あったわけですが、「私は、基本的にはお医者さんの良心を信じたいと思います。そうでないとこの医療制度は成り立たない。」こういうふうに答弁なさった。私はこれは肝心なお答えだと思う。重要なお答えだと思いますね。  詐欺その他不正の行為による請求と、過失による請求、過誤による請求、そして主治医と審査委員会の十分な突き合わせを行えば解決可能な事例、これらを意図的に混同して、あたかも病院の現場に不正な請求が山積しているかのようなキャンペーンをするということは、医療に対する国民の信頼を傷つけるという点で許しがたいと私は考えます。そして同時に、誠心誠意国民の命と健康を守るために献身なさっている医師を初めとした医療関係者、医療機関をも傷つけるものだと思うのです。  厚生省としては、このような無責任かつ不当なキャンペーンを許さぬよう細心の注意をしていただきたい。この点で厚生大臣の答弁を求めたい。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 なかなか共産党とはふだん一致しない点があるのですが、きょうは珍しく一致したようであります。  一部の不心得者のために全体が信頼を損なう、非常に残念なことであります。不心得あるいは不正に対しては厳正な対処をとるのは当然でありますけれども、大多数の医師、医療関係者は献身的に医療に当たっていると私は信じておりますし、また信じたいと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 今回の国民健康保険法の一部改正の中には、取り消し期間を二年から五年に延長する、そして加算金を百分の十、一〇%から四〇%に引き上げる、こういう部分がございます。  私たちは、そのことだけに限定して考えれば、そして冒頭言いましたように、「詐欺其ノ他不正ノ行為ニ依リ保険給付ヲ受ケタル者」、これは単なる道義的な責任が問われるにとどまらず、文字どおり、刑事上の責任を問われるべき存在だと思う、先ほどの安田病院のように。そういった部分を根絶していくための努力と、そして、現場で献身されている医師、看護婦その他医療関係者の高度の専門性に基づく医師としての裁量、そういったものが言ってみれば可能な限り尊重されて、そしてもし意見の不一致があれば、それこそ十分突き合わせる、こういう運用が今後において求められていると思うのです。その方向を私は厚生省に強化していただきたい、こう思います。いかがでしょう。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 全体としては、今大臣が御答弁されましたように、まじめにやっているお医者さんがほとんどなんだというふうに私ども思っております。  しかし、現実には、安田病院の例に見られるように、あるいは毎年、不正で取り消しが行われるという件数は全くゼロではないという現実でありますから、そういった中でやはりきちっとした姿勢を示す、そしてまた、こういう行為に対しては厳正に対処するという意味で今回の改正をお願いしておりますが、しかし、これをもって強権的にやっていくということは必ずしも適当ではないわけでありますから、やはり医師と医療保険サイドにおける関係者の信頼関係の中に立って行政も進めていかなければならない、そういった意味では、まさに今先生御指摘のとおり、私どもとしてもそういった方面の体制の強化なり充実に努めていきたいというふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 皆さんに資料をお配りしていると思うのですが、ちょっとそれをごらんいただきたいと思います。最後の質問に入ります。  老人医療費の負担の状況について、厚生省老人保健福祉局企画課がおつくりになった資料をもとに私の方でつくったのがこの資料です。  一九八三年、たしか老人医療制度が発足した時点ですね。それで、八七年、九五年。そこで、いろいろありますけれども、被用者保険の老人医療費全体に対する負担の状況をごらんいただきたいと思うのです。金額にして一兆一千四十六億円、そして比率にして三三・三%です。いただいている一番新しい資料が九五年のものですから、それを使ったわけですが、十二年間を経過して、金額は三兆六千七百三十二億、そして比率は四一・二%です。ごらんのとおり、相当比率が上がりています。  一方、国庫負担。これは重なり合って、さまざまにありますから、一番下の欄、国庫負担再掲の部分ですね。八三年が一兆四千八百九十一億、比率が四四・九%。そして九五年は、三兆一千百七億、比率は三四・九%です。被用者保険の負担率の方は七・九ポイントふえています。国庫負担の方は、こちらはちょうど一〇ポイント減じていますね。  今回の国民健康保険法のいうところの改正で、被用者保険の拠出金の大幅な増額がある。それは、平年度ベースに直せば一千億をはるかに超す。これをそのまま押しつけたのでは、日本の医療制度に深刻な負の影響を及ぼすであろう。しかも、その拠出金が、先ほどからの議論にあったような財革法絡みであれば、この質疑の最初のとき、与党のある議員が財革法なかりせばという言葉をお述べになったたけれども、まさにそうですね。そういうものとして、この被用者保険の負担がふえれば、国と被用者保険の老人医療費における負担の比率がさらに悪い方向に加速されてしまう。  この状態について、大臣、どうお考えでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 数字を挙げてのお尋ねでございましたので私からお答えをさせていただきたいと思います。  この数字は、私どももこのとおりだと承知をいたしております。ただ、こういう形になってきたゆえんは、先生御案内のとおり、現在の老人保健制度は、各医療保険制度のいわば共同事業としての、いわば拠出金というものをベースにして成り立っております。もちろんそれに公費負担を入れておりますけれども、その拠出をすべきそれぞれの医療保険における国庫負担の入り方というものに違いがございます。  具体的に申し上げれば、国民健康保険に大変多くの国庫負担が入っておるということで、制度発足当時は、昭和五十八年でございますけれども、今申し上げた、国民みんなが支えるという、いわゆる加入者按分率というものが五〇%、半分だけならしましょうという仕掛けでございました。したがいまして、そういう意味では、老人加入率の高い保険者、つまり国民健康保険が、現時点との相対で見れば、老人医療費の負担を重く負担しておったという状況がございました。  その後、老人医療費が増嵩してまいりまして、その負担の不均衡というものが一層拡大をしたということを踏まえまして、今の加入者按分率というものを段階的に引き上げていった。それが一九八七年、昭和六十二年であり、また今日でございます。  また、それに加えまして、平成七年度からは老人加入率という形で、やはりこれも、国民みんなで平等に支えるということについてある種の頭打ちをさせておりましたけれども、これにつきましても上限を毎年引き上げるという形の中で、相対的に老人の加入率の大きい国民健康保険の負担の軽減を図り、それが国民みんなで支えるという方向に行くという方向を一歩一歩進めてまいったという結果が、こういう形で国民健康保険の負担をその分減らす、そのことの裏腹として、国庫負担が国民健康保険にはたくさん入っていますから、いわば結果として国庫負担が減ってきた、こういう構造の中で今日来ております。  それ以外に、若干、国保自体の規模そのものが、加入者数が相対的に減っているという要素もございますけれども、そういったことが主なものであろうと思います。  したがいまして、国庫負担を減らして、それを被用者保険につけかえをするというのが今日までのいわばその主眼であったわけではなくて、いかにみんなが支え合うという理念そのものを基本にして公平化を進めてきたかというのが今日までの姿でございます。  そして、今回お願いをいたしておりますものも、これは大分繰り返し申し上げておるところでございますけれども、近年の人口高齢化を踏まえますと、退職者に係ります老人医療費拠出金が非常に大きく増大をしてきていること。それから、老人加入率が著しく高い保険者が、いわば加入率上限にたまる率が非常に大きくなってきている。そういう意味では、現行の、各医療保険制度で平等に支えましょうという理念を前提にする限りにおいては、公平化においてだんだん問題ある状況が出てきているということから、それを一歩進めましょうということで今回やりました。その結果として、今おっしゃったような、被用者保険の負担がその分ふえるという現象が起こってきましたし、国庫負担が減るという現象が起こってきたというのは、その結果でございました。  そして、今後においては、さはさりながら、今度は、被用者保険を含めて、こういう仕掛けで、とにかくもう老人医療費を負担するのはこの制度の限界ではないかという御指摘がございます。したがって、こういった点についての拠出金の枠組みそのものをどうするかという検討は、これからの抜本改正という中で慎重に検討していこう、こういうことでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 時間が来ましたから終わりますけれども、今の説明は全然説明になりませんよ。拠出金にもし限界が来ているのだったら、なぜその上に一千億足さなければいけないのか、それが一つ。  それから、たまたま私は資料は出さなかったけれども、日本の医療制度全体の中で、ふえているのは患者負担と自治体負担です。そして、比率で減っているのは国の負担です。そこのところを改めていくという方向で日本の医療制度を進めていかなければ、これは負の影響がますます強くなる、そのことを指摘して、私の質問を終わります。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 中川智子さん。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子でございます。  まず最初に、大臣に確認なんですけれども、平成十一年度一来年度のキャップですが、十一年度はキャップを外して、十二年度からは、年金制度改革、医療の抜本改革そして介護保険ということで財源をつくっていきつつ、来年度のみのキャップ外しということでよろしいのでしょうか。確認なんですけれども、お願いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 十一年度はキャップ制が停止されましたけれども、十二年度はきいできますから、それは、十二年度には医療保険制度の抜本改革が実施に移されます。そして、介護保険も導入される、年金制度改革も実施に移されるということで、抜本改革が順次行われていきますので、十二年度のキャップというのは、私は、耐えられるし、また、制度改革に進むように改革が行われなければならない、それに向かって全力を尽くしたいと思っております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 それでは、抜本改革のことに質問を移りたいと思いますけれども、今国会で抜本改革を出されるということで与党協の中でも鋭意議論をしてまいりましたが、いわゆる薬価の見直し、参照価格制度の問題も今の状態では暗礁に乗り上げているのではないかという認識を持っております。そのような認識は間違っているのか、きっちりと薬価のことにももう目鼻がついているのかということが一点。  もう一つは、診療報酬などについては、今の時点で、きっちりと抜本改革が十二年度から行われるということでの現場の御苦労などを含めて、現在的な状況を、コンパクトで結構ですのでお教えいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 私どもとして、抜本改革の議論として、まず一つは、診療報酬体系の見直し、それからもう一つ、薬価基準制度の見直し、これはそれぞれ実務的な作業に相当時間がかかるだろうということで、まずこれから審議会での議論に入ってもらったわけであります。  それで、薬価基準の見直しについては、日本型の参照価格制度というものを中心に御議論いただいています。おおむね議論は出尽くしたと思いますけれども、やはりまだ議論として残っておりますのは、例えば、日本型参照価格といった場合に、償還限度額を超える部分の自己負担というものをどう考えるのか。それからまた、薬価差がなくなるといった場合に、現実に一兆円を超す薬価差が今生じておりますので、これと診療報酬の見直しとの関係をどう考えていくべきなのか。こういったような問題が、まだやはり議論としてさらに深めていかなければならない問題だろうと思います。  それからもう一つ、先般の審議会の際に審議会として方向性を決めていただいたのは、そういった中で、では具体的に、約一万二千弱の医薬品が今ありますけれども、これを日本型の参照価格というふうにした場合に、どういうふうにグルーピングするのか。それからまた、償還限度額をどういうふうに引くのか。それでは、それによってどの程度、一部負担に頼らなければならない、患者負担に頼らなければならない部分が出てくるのか。その辺のところを、具体的な作業をやってみて、そうした上で、やはりきちんとした判断をすべきではなかろうかという議論が出ております。  これは、何分もう三十年以上やってきた今までの制度でありますから、これを改めるということでありますから、そういった意味では慎重な議論も必要ですし、それから、何よりも国民にとってわかりやすい姿でやはり議論をしていくべきだろうということを基本に審議会の議論が進んでおりますので、そういった意味からも、やはりそういうような作業というものをしていったらどうかということで、この作業を、それではどういうメンバーで、それからまたどういう内容について、どういうタイムスケジュールでやっていくべきなのか、これについて次回議論をしていただく、こんなふうになっております。  この作業というのは、今後新しい制度を採用するにしても、決してむだになるとかそういうものではありませんで、まさにそういった意味では、作業をしていくことが全体の改革に結びついていく、こう思っておりますから、法律は当初予定していた形でまだ出ておりませんけれども、診療報酬の見直しなり薬価基準の見直しについては着実に議論が進んでおるというふうに考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 それでは、十二年度実施というのは必ずおやりになるということですね。そこだけきっちりと確認をしたいんですけれども。抜本改革については、ずっと抜本改革、抜本改革で、念仏のように唱えていらっしゃいましたが、十二年度実施というのは、ここで確認をもう一度させていただきたいんですが。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 先ほど総理もお答えしておりましたように、これからの少子・高齢社会というものを見据えたときに、やはり二〇〇〇年の、まさに二十一世紀のとば口にあるわけでありますから、ここできちっとした少子・高齢社会に対応する安定的な医療保険制度をつくらなければ、これは、これからの若い世代の負担の問題にしても、あるいは高齢者の医療の確保という面にしても、私はやはり禍根を残すことになると思います。そういった意味では、十二年度実施ということで最善の努力をしなければいけないというふうに私どもは考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 最善の努力というよりも、きっちりやるということでのお返事だと思いましたので、よろしくお願いします。  病床規制のことで伺いたいんですけれども、実は私は、夫が一人っ子でしたので、しゅうともしゅうとめも自分で介護したんですけれども、夫の父がアルツハイマーになりまして、この患者さんを家で見るんだったら主婦五人要りますと言われまして、あなたが先に倒れて死ぬ前に、もう入院させた方がいいと言われました。それで私は、住まいは兵庫県の宝塚なんですけれども、近畿各県、友人が看護婦ですとか市役所の職員とかいろいろいましたので、聞いてもらったらば、そのおじいちゃんは入院してもすぐ死んでもいい人だったら、たくさんベッドはあいていると言われました。でも、きっちりと介護してもらっていい医療を受けるんだったら、三年ぐらい待たなければいけないと言われました。  今回のこの病床規制が、本当に患者にとっていいものなのか、医療費の抑制以外に患者にとってメリットがあるのかということをもう一度ここで教えていただきたいんですが。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 恐らく、今先生のお尋ねの問題というのは、むしろ介護保険をきちんと整備することの重要性の問題につながるんじゃないかと思います。私どもの医療保険サイドにおける病床規制の問題は、専ら急性期医療とかそういった点に主眼があるわけでありますし、今後、介護保険がきちんと整備されていくことによって、そういったお年寄りの方の必要な介護を中心とした、そしてまた医療も提供される、そういう体制が我が国においてはやはり整っていくだろう、そういった中で安心した制度がつくられていかなければならないというふうに思っております。  今回の病床規制というのは、そういった意味では、むしろオーバーベッドになっている地区の話でありますから、オーバーベッドの地区に、さらにまたそこにベッドを持った病院が入ってくるということについては、これはやはり、医療費の効率的な使用という点から考えますと、保険医療機関としての契約というものはある程度制限するということも必要なんではないか。そのことは結局、国民の保険料負担なりあるいは国庫の負担なり、そういった負担という面に絡んできますから、常々医療費のむだなり非効率の排除ということが言われておるわけでありますが、それの一環としてやはり私どもとしては必要であり、そのことは結局国民にとってプラスになる、このように考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 私は、政治は数だなということは痛感しているんですけれども、ベッド数は、数ではなくて質だと思うんですね。今回のこの法案が通りますと、新規参入を阻むんではないかという懸念がございます。そこのところはどのような形で担保されていて、患者にとっていい医療を受けられるということがきっちり確保できているかどうかということが不安なんですが、その不安に対してはどのようなお答えをいただけますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今度の仕組みとしまして、これは、病床過剰地域に新たに病院をつくる、そういったときに、都道府県の医療審議会の中で議論をしていただき、そして、そこのベッドはもうこれ以上要らないということであれば、都道府県知事が不必要である旨の勧告をする、こういうことがまず前段階としてあるわけであります。  そういった中で、勧告が出た場合は、これは地域としてこれ以上ベッドが要らないということでありますから、保険医療機関としての契約はそのベッドについてはしない、こういうことでありますが、例えば、地域によってどうしてもこの病院が必要である、病床過剰地域だけれども必要であるという判断がなされる場合には、これは都道府県知事も勧告をしない形にすればいいわけであります。その勧告が出ない限りにおいては、やはりその必要性にかんがみて保険医療機関としての契約をする、こういう仕組みになっておりますので、地域にとって本当に必要な、いい医療機関というものが排除されるということにはならない。そこの判断はやはり、それぞれ都道府県知事なりその自治体としての判断にお任せしたい、こういうことでございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 その判断は都道府県知事とか行政がするものではなくて、やはりいい医療を受けるのは患者側でありまして、そこの判断があったからといって、その地域にいい医療が受けられる体制が整うとは決して思わないんですね。規制緩和のこの時期に規制強化だと思わざるを得ないような、このような法律がなぜ出たか不思議なんですけれども、その不思議のなぞをちょっと解き明かしていただきたいんですが、今のお答えだと、いい医療が受けられるというふうな形の規制ではなくてかえって患者にとって選ぶ医療機関が少なくなる。  私は、うちの近所なんかでもそうなんですが、あそこの病院に行ってこんなだった、あんなだったというのは、情報公開もほとんどない中で、口から口で、みんなでうわさにはなるんですが、つぶれるところまでいかないんですね。何か病院は余りつぶれないで、本当に評判が悪くても残っていく。そして一方では、そのような形で規制されていって、私たちが選べないような仕組みになっていくということで、必要な病院ということを今おっしゃいましたけれども、患者側に立った選択の仕方ではなくて、そのような行政サイドでそれが行われていくということに対しては、私は、私たちの命を本当に厚生省が守っていってくれるのかということでもうとても不安なんですけれども、その点、いかがでしょう。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 医療は普通の商品の市場経済と違いまして、お金を持っている方もそうでない方も公平に診なきゃならない、金持ちだけ診てそうでない者は診ないというわけにはいかぬと。当然、自由市場の中で公平な医療が行われなければならないということで、私はある程度の規制は必要だと思います。市場経済の中で計画的な、統制的な面は否定できないんです。その点を御理解いただかないと、この医療制度の改革というのはなかなかできない。民間に任せればいい医療は得られるかもしれないけれども、保険料を払わない人は診てくれない、給付を受けたい人はある程度負担してくれというのをきちんと行えるかどうかと。  今の医療制度というのは、日本というのは国民皆保険制度ですから、百万円かかろうが一千万円かかろうが、お金のある人もない人も診ますよという制度ですから、これはもう百万円以上かかる医療は、たとえ二割負担、三割負担、二割だったら二十万円ですけれども、三割だったら三十万円ですけれども、上限制が設けられております。六万三千六百円以上は負担しなくていいよと。当然、国民皆保険制度で、今のサービスというのは普通の商品のサービスと違いますから、その辺を御理解いただかないと、私はある程度の規制は必要だろうと。  その中でどのように質を高めていくかということがこれから重要でありまして、給付と負担の均衡という点からも、この医療制度に向けては、規制緩和と公平な医療、これをいかに両立させるかということに工夫と御理解をぜひともいただきたいと思います。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 質問時間が終わりましたので、終わります。  ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 この際、本案に対し、根本匠君外一名から、自由民主党及び社会民主党・市民連合の二派共同提案による修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。根本匠君。     ―――――――――――――  国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対   する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

根本匠自由民主党

○根本委員 自由民主党の根本匠です。  ただいま議題となりました国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、原案において平成十年四月一日となっている施行期日を公布の日に改めるとともに、所要の経過措置等を定めることであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。山本孝史君。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 私は、民主党を代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び同案修正案に反対の立場から討論を行います。  本法律案は、医療費の適正化との名のもとに国民に負担増を押しつけるだけでなく、医療の質の向上を妨げかねない要因をも含んだ法律案であり、我々民主党は、到底認められません。  以下、反対の理由を述べます。  第一に、老人医療費拠出金の算定方法の見直しは、平成十年度の予算編成において、財政構造改革法に従い、医療費縮減策の一つとして取り上げられたものです。医療保険制度や、平成七年改正時に約束された老人医療費拠出金制度の抜本的改革を先送りにしたまま、財源対策として各保険者からの拠出金をふやすという方法は、無策の一言に尽きます。社会保障制度審議会ですら、本法律案について、抜本改革との関係も明確でなく、財政対策を優先した改正の繰り返しは国民の不信感を強めることになりかねないとの危惧を呈しています。  しかも、野党各党や国民の強い声に押されて、政府は、財政構造改革法を改正し、大型の補正予算を編成すると表明しました。予算編成の根幹が崩れた今、本法律案は、政府みずからが撤回すべきものと考えます。  第二に、診療報酬の不正請求の防止に関する事項については、一定の前進と判断はしますが、審査は限界であると厚生省みずからが認めているレセプト処理の電算化、あるいは審査の充実強化、医療情報の患者への公開、保険者機能の強化など、根本的な改善策を講じなければ効果的な対策とはなり得ません。  第三に、病床の保険医療機関指定について制限を加えるとの考えは、過剰病床の削減につながらないだけでなく、優良な医療機関の参入を妨げ、劣悪な医療機関を温存することにもなりかねません。地域医療計画の合理性と妥当性を精査し、医療法を改正して優良な医療機関の適正配置に努めるべきところを、保険医療機関としての指定権限を行使して医療費の削減を図るという手法は、日本の医療制度の健全発展に寄与するものではないと考えます。  昨年の健康保険法の改正に伴って政府が本国会への提出を約束した医療保険制度や高齢者医療制度の改革案も、平成十二年度の実施に間に合うように提出すると先送りされました。もはや国民健康保険制度は構造的に破綻しており、他の医療保険制度や年金制度、介護保険制度を含む総合的な社会保障制度の構築が求められています。理念やビジョンを示さないままに財政対策から小手先の改正を繰り返していては、国民の将来への不安感は強まるばかりであり、景気回復をおくらせる元凶ともなっています。  政府は、二十一世紀の社会保障制度のあるべき姿と各社会保障制度の改革案を早期に提示し、国民の広い議論を求めるべきであることを指摘して、私の討論を終わります。(拍手)

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 瀬古由起子さん。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 私は、日本共産党を代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、反対討論を行います。  反対する第一の理由は、この法案は財政構造改革法の忠実な執行のために提出された法案だからです。政府は、財政構造改革法改定について、弾力条項の導入と、社会保障関係費の歳出上限枠を九九年度に限り停止することなどを表明しました。このことは、財革法の骨格が全面的に破綻したことを示しています。  破綻が明確になった財革法によって、今年度の社会保障予算は自然増と言われる義務的予算を約五千億円以上を削減いたしました。その結果、難病医療費に自己負担が持ち込まれ、母子家庭の児童扶養手当の所得制限強化や高齢者の長期入院者への締め出しなどが強行されました。  それに加えて、本法案による退職者にかかわる老人医療費拠出金の見直しでの三百六十億円、老人加入率上限に関する特例の見直しによって二百億円、計五百六十億円の国庫負担額の削減です。  今行うべきは、財革法の改定などという取り繕いではなく、その廃止であり、社会保障への充実です。破綻した財革法に基づく本案は撤回し、必要な予算措置を国民健康保険会計に行うべきです。  反対の第二の理由は、本法案の改正によって被用者保険財政の悪化を引き起こし、加入者への保険料引き上げにつながりかねないことです。  反対の第三の理由は、市町村国保事務費全額の一般財源化は市町村に対して負担を押しつけるものであり、国民健康保険法の理念と国の責務を後退させるものです。また、不正等を理由にしての保険医療機関の病床指定の規制強化は、国民の医療を受ける権利を抑制するおそれがあることです。  ゼネコン奉仕の従来型の公共投資ではなく、国民の未来に展望を与える医療、福祉充実の方向こそ日本財政再建の道です。我が党はそのために全力を尽くすことを表明し、反対討論といたします。(拍手)

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、根本匠君外一名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十一分散会      ――――◇―――――

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