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142回国会衆議院1998/04/24

厚生委員会 第10号

発言数
283
登壇者
21
会派数
7
開催日
1998/04/24

会議録

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。根本匠君。

根本匠自由民主党

○根本委員 自由民主党の根本匠です。  私は、きょう、健保法改正の関連につきまして幾つかの質問をさせていただきたいと思います。  財革法との関連について当初質問をさせていただきたいと思っておりましたが、きょう、財革法の関連の考え方、これが政府で出されましたので、最初に、厚生大臣から今回の財革法の見直しに関連しての考え方をお聞かせいただきたいと思います。  私は、今、日本の経済社会が抱える課題、これは大きくいいまして、少子・高齢化社会にどう対応するか、あるいは先進国中最悪になった国の財政をどう健全化させるか、東西冷戦構造の崩壊に伴う国際的な大競争の時代にどう対応するか、これが大きな三つの課題だと思っております。  このために橋本内閣のもとで財政構造改革を初め、経済構造の改革あるいは福祉、医療改革、六つの改革を進めてまいりました。特に、財政の健全化につきましては財政構造改革法を制定して、一切の聖域を認めないという中で、厳しい歳出抑制を図ってきたところであります。財政構造改革を進める中でも現下の不況、景気の停滞、この不況の克服、この観点から必要最小限の見直しを行う、対応すべきだ、こう考えておりました。  財政構造改革の中で決められたのは、歳出の項目については一切の聖域なしでキャップをかけて抑え込む、こういう中でやってきたわけでありますが、今回の必要最小限の見直しという中で、財政構造の改革、健全化を図りながら必要最小限の見直しという中で、特に厚生大臣が社会福祉分野についてはこれは弾力化すべきだと大変強い主張をされました。  私も厚生大臣の主張に大賛成でありまして、大臣のこのかたい決意と行動力を評価するものでありますが、今回最終的に、財政構造改革法の中の社会保障関係費は、「おおむね二%のキャップは停止するが、その増加額は、財政構造改革法の趣旨を踏まえ、極力抑制するものとする。」という形になりました。  この点につきまして厚生大臣の考え方、そしてこれまでの行動を含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 けさほど、閣議で、財政構造改革法を改正する、その際に社会保障関係費のキャップ制といいますか上限枠、十一年度は停止する。ということは、要するに、来年度予算編成にかけて一つの強い拘束が外れたわけでありますけれども、かといって、これが野方図な増額要求につながるものではない。むしろ、本格的な社会保障構造改革を進める上において大事なのは、いかに国民の理解を求めるかということであると思います。  その際には、給付と負担の均衡をどうやってこれから図っていくか、給付を受ける側、負担を負う側、それぞれが理解と納得の上で協力している形をとるのが望ましいということで、私は、このキャップ制を外すということが制度改革をおくらせるということにはならない。また、制度改革をやらないために言っているのではない。むしろ、本格的な構造改革を行うためにも、急激な負担増となるようなキャップ制というものを来年度予算でまたやっていいのか。しかも、今年度予算を編成する際にもすべての省庁、厳しいマイナス予算を組むという中で、景気が低迷しているという状況の中で公共事業等、かなり大幅な増額をするということでは、ことしの予算編成の前提が崩れているのではないか。  社会保障関係費というのは、景気の好況不況にかかわらず、ふやしたり減らしたりというのは限度がある。不況でもやらなければならない部分がある。また好況時でも、急激に予算を減らしたりふやしたりということが思うようにできない部分が多いということから、私は、公共事業を上積みするなりあるいは赤字国債を増額して減税をするのだったならば、社会保障についても特例を設けて、少しは柔軟的に、今後の推移を見ながら編成する状況を与えてもいいのではないかということで、譲歩すべきはするけれども、主張を貫くべきは主張を貫きたいということを言ってきたわけでありますが、最終的に、与党の皆さん方も財政構造改革会議のメンバーも、そして総理自身も私の主張に理解を示してくれたということで私の主張が生かされたのではないか。これは皆さんの御協力のたまものだと思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、厚生大臣の御意見は全くの正論であると思いますし、厚生大臣の御努力に感謝を申し上げたいと思います。  次に、今回のテーマである健康保険法の改正に関連して質問をさせていただきたいと思います。  今大臣のお話にもありましたように、私も、財政構造改革、これは将来の日本のありようを決める上で大変重要な課題ですから、これはしっかりと進めなければならないと思います。ただ、今回、一連の緊急避難的な経済不況の克服の中で先はどのようなお話になったわけでありますが、財政構造改革の柱を掲げながら、一方で我々、制度の効率化の努力、福祉、医療面での構造改革、これも当然のことながら努力をして進めていかなければならないと思います。この観点から、今回の老人保健拠出金の見直しの趣旨と財政構造改革との関連、この点につきまして改めてお伺いしたいと思います。  今回の老健拠出金の見直しは、近年の高齢化に伴って、一つは市町村国保の加入者に占める退職者の割合が増大した、もう一つは、老人加入率が著しく高い市町村国保の保険者数が増加した、こういう現状の中で、抜本改革が行われるまでの間でも、老健制度の趣旨にのっとった公平の観点から見直しを行うものであります。  財政構造改革との関連では、背景にはありますが、平成七年の法律の改正附則においても、平成十年度を目途に所要の見直し、これが規定されております。高齢化の進展等のこれまでの状況変化を踏まえて、老健拠出金の公平な負担を求める観点から、今回必要な見直しを行ったものと私は理解をしております。  そもそも、老人保健拠出金の考え方はどうかといいますと、退職者は、退職してから自営業者等が加入する国保に加入する。要は、高齢の年代になりますとどうしても保険料の負担よりも給付の方が大きくなる、国保財政を圧迫する。ですから、負担公平の見地から各保険者に加入者数に応じて負担を求める、これが老人保健拠出金の基本的な考え方であります。  また一方で、現在の退職者医療制度、この制度の考え方は、退職後、老人医療制度の対象になるまでの間の医療費を被用者保険全体で支える仕組みで、この制度は本来、老人保健拠出金の趣旨と整合性を図る必要がある、私はこう思っております。  ただ、現在までは、退職者とその家族の医療費を見るだけで、退職者に係る老人保健拠出金、これは見ておりません。この見なかったのは、これを導入した時点で、一つは退職者の比率が少なかった、もう一点は、実は、退職者医療制度をつくる前年に老人保健制度ができましたから、急激な負担増を避けるという当時の政策判断があったのではないか、私はこう思います。  ところが、十四年たった現在、退職者の比率は、昭和六十年が六・三九%でありましたが、平成八年度には一〇・九四%までに退職者の比率が増大をいたしました。市町村の老人拠出金額は、一兆三千七百五十五億円から一兆八千九百九十六億円と一・三倍になりました。このうち退職者の拠出金の額は、八百七十九億円から二千七十八億円と二・三六倍になっております。この間五千億円増加したわけですが、そのうちの千二百億円の増がこの退職者に係る拠出金に相当する部分、四分の一を占めております。こういう状況になっております。  実は、退職者医療制度と老人保健制度の考え方を基本に置けば、私が申し上げましたようなそれぞれの制度の趣旨を踏まえれば、本来これは全額持つべきだという考え方も成り立つわけであります。ただ、一方で、市町村国保は独立した制度でありますから、その独立性に着目して従来どおり、こういう意見もあるわけでありますが、今回はこの両論を踏まえて二分の一に設定をしたわけですね。実は、これはいわば市町村国保に占める退職者の増大や、これに伴う退職者に係る拠出金の著しい増加を勘案したものでありますが、これはいわば量の増大が政策の質を変える、質が変わる、こういうたぐいのテーマではないのかな、こんな考えを持っております。  実は、この健保法の改正、老人保健拠出金の考え方、負担の考え方、私はこれは財政構造改革のいかんにかかわらず、先ほども申し上げましたが、財政構造改革を進める中で、やはり並行して必要な制度の効率化、これは当然進めるのは我々政治の責任ですから、この問題は私は本来の制度論として考えるべき政策課題だと思います。  財政構造改革との兼ね合いでは、財政に余裕がなくなったから、非常に厳しくなったから必要性あるいは緊急性が高まった、こういう背景。背景としてはありますが、この今回の健保法改正は、あくまで平成七年の法改正附則の考え方に従って、抜本改革が行われるまでの間においても、老健制度の趣旨にのっとった公平の観点から、本来の制度論として見直しを行ったものだと私は考えております。  改めて、財政構造改革との関連と、今回の老人保健拠出金の見直しの考え方をお伺いしたいと思います。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。  今回の老人医療費拠出金の負担の見直しにつきまして、その趣旨と財政構造改革法との関係についてでございます。  先生今お述べになりましたその趣旨がまさに私ども考えておるところだということでございまして、今回の見直しにつきましては、その趣旨は、先生もお述べになりましたように、平成七年の改正法附則における検討規定を踏まえまして、近年の人口の高齢化に伴います先生お挙げになりましたような状況の変化ということの中で、医療保険制度等の抜本的な改革が行われるまでの間におきましても、現行制度のもとにおいて必要な見直しは行っていかなければならないということで、この見直しにつきましては、負担の公平化を図るという観点からやっておるものでありまして、背景におきましては、これも先生お挙げになりましたような、財政構造改革法の枠組みにおきます平成十年度予算編成といったものに関連をした側面はございますけれども、本質的には、やはり財政構造改革の論議のいかんにかかわらず一歩でも公平化の観点から進めるべきは進めるということで、必要なものとして進めなければならない、そういう性格のものでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私もそのとおりだと思います。  次に、老人医療制度の抜本的改革の取り組み状況についてお伺いいたします。  今回の改正を論ずるに当たりましては、私は、並行して進める医療保険制度の抜本改革の中身、これも大変重要であると思います。少子・高齢化が進む中で、将来を見据えて制度全体について抜本的な改革を行う、これは喫緊の課題であります。  医療保険制度の抜本改革の内容として、診療報酬体系、薬価制度の見直し、高齢者医療制度の検討等に取り組むこととしておりますが、これらの検討、現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 医療保険制度の抜本改革の取り組み状況でございますけれども、昨年新しく設置いたしました医療保険福祉審議会において、昨年の十一月以降鋭意審議をしていただいております。  まず、作業に相当時間がかかるだろうということから、診療報酬体系、それから薬価基準制度の見直し、この二つの課題について検討をいただいてきたわけであります。おおむね議論が出尽くしまして、しかしながら、項目によっては意見が対立する、意見を異にするものがございますので、これをさらに議論を深めまして、できるだけ意見の一本化を図るべく、今そういった状況に入っているわけでございます。  先般、四月二十二日に審議会がございましたけれども、そこにおきましても、薬価基準制度の見直し、これが今、日本型の参照価格制度を導入してはどうかということを中心に御議論いただいておるわけですが、一万二千品目弱ございます現在の薬、これをどういう形でその参照価格というものとしてまとめていくのか。例えば、グルーピングの問題がありますし、それから償還限度額というものをどういうふうに設定していくのかというような問題もございます。  これらについてある程度作業をしていただいて、そしてこれを参考にしながらさらに議論を深めていってはどうかという方向が出されております。そういったものを受けまして、五月にまた開かれますが、そこでさらに二十二日の議論を踏まえた議論をお願いする、こんなような状況でございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私も、抜本改革、これは新しい制度を導入するものもありますし、こういうものはやはり目的、ねらい、趣旨をしっかりとしながら、本質を踏まえたあらゆる角度からの議論と十分な審議、国民的な理解、これが必要でありますから、十分な検討を重ねながら、しかしながら改革は緊急に、早急に検討を進めていただきたい、こう思います。  次に、健保法上の病床規制と医療法との関係、この点についてお伺いをしたいと思います。  今回の病床規制、医療法での勧告を受けて、医療計画の中で勧告を受けた者については保険の対象としないと、いわば医療法と健保法、これをリンクする形での対応がなされたわけでありますが、この考え方について少し明らかにさせていただきたいと思います。  まず私は、医療法と健保法のそれぞれの法律の目的、制度、これを踏まえて今回の改正の内容を明らかにする必要があると思います。  まず、医療法の目的でありますが、医療法の目的は、医療法第一条で「医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与すること」。「医療を提供する体制の確保を図り、」これが第一条、そして第一条の三で「国及び地方公共団体は、」「国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならない。」こうなっているのですね。  この目的を達成するために、国及び地方公共団体は医療を効率的に提供する体制確保の責務を負っているわけですから、ここがポイントでありますが、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する観点、この観点から医療計画を策定する、こういう体系になっているわけですね。  医療計画は、病院病床などの限られた医療資源を効率的に活用し、医療供給体制の体系化を図る観点から、ある程度の計画的な配分が必要であるということで、各都道府県において策定する、こうなっております。  これをより具体的に言えば、病床が偏在することは、都会地に比べて僻地など医療機関が少ない地域では患者の受療機会を失わせる、こういう不公平が生ずる。一方で、病床が多い地域では一人当たり医療費も多い。こういうことになりますから、病床の適正配置は必要であります。  この政策目的、政策的視点に立って、病床過剰地域において地域に不必要と知事が認める新規病床については、その開設の中止を勧告して病床不足地域への配置を促す、こういう病床規制をやる、私は、こういう観点からの病床規制、これは政策合理性があって、合理的な規制だと思います。  一方、健康保険法の方でありますが、第一条ノ二にその目的として、多少中略はしますけれども、健康保険制度は、「医療保険ノ運営ノ効率化、給付ノ内容及費用ノ負担ノ適正化並二国民が受クル医療ノ質ノ向上ヲ総合約二図リツツ実施サルルベシ」こうあります。医療保険の効率的運営、保険医療費の適正化、これが健保法の一つの重要な目的になっております、  今回の改正は、医療分野においては、どうしてもベッド数がふえますと需要がふえる、供給が需要を生む、こういうことが指摘されておりますので、地域に必要十分な病床が確保されている場合には、不必要で過剰な病床については保険契約の対象とはしないという考え方に立つ、こういうことになっております。  この健保法の関係、保険の方で、地域に不必要で病床が過剰かどうかのメルクマール、ここも肝心なんですが、このメルクマールについては、今までは従来の法律の運用の中で、病床過剰地域において都道府県知事が、開設、増床の必要がないとして中止勧告をした医療機関、これについては今までは運用上やってきたのですね。運用上やってきた。運用上やってきて、医療法と健保法の目的、相互の目的を照らして、リンクさせて今までも運用上やってきた。今回はこれを法文上明確化した、こういうことになるわけです。  私は、これはまず考え方としては、医療法、健康保険法、それぞれ目的を述べましたが、この目的から考えると、この考え方は整合性、政策合理性がある。それからもう一つ大事なのは、今回法律に書くわけですから、明文化する、これは手続的にも透明になるので、これは大変今の時代に要請された仕組みだと思うのですね、透明になるわけですから。そう私は評価をしております。  ですから、今回の改正を、江戸のかたきを長崎で討つようなものだという御批判がありますが、この健保法と医療法、この法律の立て方、目的、これをしっかり考えれば、これは当然政策合理性がありますから、こういう批判は当たらないと思うのです。  繰り返しになりますが、要は、医療法の目的は、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保、これをはっきりと目的に書いてあります。それから、健康保険法は医療保険の運営の効率化を目的としております。それぞれの目的を考えると、これは当然リンクしてしかるべきで、制度の整合性の中で私は今回合理的な判断を下した、こう思っております。  厚生省として、医療法の地域医療計画の趣旨、医療法と健保法の関連あるいは今回の措置との関連、この考え方を明快にお答えいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに、医療法それから健保法のそれぞれの法律の趣旨なり、あるいはそれぞれの法律の法益というのは先生御指摘のとおりだというふうに私ども考えております。  そういった意味で、今回の措置というのは、まさに医療保険サイドで見ますと、医療については通常の経済法則と若干異なっておりまして、いわゆる供給が需要を生むという格好になっておるわけであります。現に、やはりベッド数の多いところと一人当たりの入院医療費というのは、かなり強い相関関係があるわけでありまして、そういったような状況を踏まえまして、限られた医療費あるいは医療資源というものを適正かつ効率的にどう使用していくか、どう図っていくか、こういうふうな観点から考えまして、私どもとしましては、まさに都道府県において不必要とされる過剰なベッドというものについてはやはり保険の契約の対象としない、こういうふうに考えたわけであります。  そのことを法律上も明確化をするということが必要であるというふうに考え、このような今回の改正をお願いしたわけでありまして、そういった意味で、医療法それから健康保険法それぞれの法益の中において関連を持ちながら改正をお願いしている、こういうことでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私はそのとおりだと思います。  次に、最後の質問でありますが、病床規制をするということで、それは今回の法律で非常に整合性があって、そのとおりだと思いますが、もう一点、病床の新陳代謝の確保、医療の質の向上から、今の質問に関連して質問をさせていただきたいと思います。  病床規制、これは合理性があるわけでありますが、ただ、これによって良質な新規参入が制限されますと、既得権益が保護されるということになるおそれもある。いい意味での競争が制限される、こういうことになりますと、医療の質の向上を図る観点から問題が出てくるのですね。  一般論としては、私は、産業政策としては、できるだけ規制を少なくして、消費者の選択、供給者の自由な競争を通じて健全な発展を促進する。市場原理が円滑に機能すれば、資源の適正配分、これが実現するわけですから、産業政策としては必要最小限の規制にしなければならない、こう思います。  ただ、一般論として産業政策は市場原理を効果的に発揮するのが一番いいわけでありますが、医療については、人の生命にかかわるものであり、限られた保険財源を効率的に使いながら良質な医療を提供する必要がある、こういうことですから、自由な競争でこの目的が達成されるかというと、医療分野については幾つかの問題点があると思います。  私は四つぐらいあると思いますが、一つは、患者に十分な情報、知識がないために、薬やあるいは医者等々を含めて、医療について合理的な選択ができない。要は、ここは消費者主権が確立していない、これが一つの問題点。  もう一点は、保険制度というのは、必然的に供給過剰、需要過剰を生むのが保険です。これは経済学的に言えばそういうことですから、例えば利用のコストが安いので、重複受診等の過剰需要を生む、こんな現象も出てまいりますし、ベッド数が多過ぎると、供給が需要を生む、こういう点も出てくる。あるいは、薬漬け、検査漬けと言われるような、むだはないのでしょうが、必要な医療ということではありましょうが、どうしても供給過剰が生ずるという点も出てくる。  要は、こういう市場の失敗ともいうべき状況が生じますから、この観点からは、市場をコントロールする、自由な市場原理を修正する必要がある、経済学的には私はこういうことだと思うのですね。したがって、今回のように、保険運営の効率化、医療費の適正化の観点から、ベッド数はある程度絞らざるを得ない、これは合理的だと思いますが、ただし必要最小限のものとする、これが基本であります。  ただ、問題なのは、医療の質の向上をどう図るかというところが残りますから、この点については二点ありますが、既得権が過度に保護されて劣悪な医療機関を温存しないよう、新陳代謝の働くような仕組みを盛り込むべきだ。もう一点、良質な医療を提供するインセンティブを地域の医療機関に与えていくような医療機関の機能評価、医療提供体制の見直しを図る。行革の規制緩和小委でも同様なことが指摘されておりますが、この二点を中心とした施策をあわせて行っていくことが私は重要だと思いますが、この点についての考え方をお伺いしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに医療の経済面における特色といいますか特性ということは、今先生御指摘のとおりだと考えておりますし、これは広く一般的に経済の専門の方々も指摘されているところであります。  まず一点の、そうはいっても規制によって新陳代謝が阻害されるのではないかということがあってはいけないわけでありますが、今回の法律を提案する際にもこれは法制上の問題としても大いに議論されたところでございます。そのためには、今回の措置において、既存の保険医療機関についてもやはり劣悪なものについては保険の指定を行わない、こういう措置を法律上入れております。それによりまして、既存の医療機関が保護されるというようなシステムになっていないわけであります。  それからまた、機能評価等の問題につきましては、これは、昨年の四月から本格的な病院の機能評価事業というものを日本医療機能評価機構において行ってきておるわけでございまして、やはり今後、こういった病院の機能評価というものの推進というものは必要であるというふうに考えておりますし、その充実を図っていく必要があるということでございます。そのような形で私どもとしては取り組んでおるわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 この点はぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  終わります。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 山本孝史君。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 おはようございます。山本孝史でございます。  大臣には連日連夜本当に御苦労さまでございます。お疲れさまでございます。  冒頭、やはり根本先生と同じように、財政構造改革法のきのうからきようにかけての動きについて大臣から直接お伺いをさせていただかないといけないというふうに思っております。  キャップ制をこの社会保障制度については外せという御主張をされておられる、あるいは財政構造改革法をつくったときのあの決意、精神というものをそう簡単に曲げるべきではないという御主張をされておられる、その大臣の筋を通そうという姿勢には、私は心からのエールを送りたいというふうに思っております。  ただ、今回新聞でしか見ておりませんので、どういう状況でどうなったのかと思っておるのですが、このキャップ制を外すというような話、あるいは構造改革法を改正するというようなことについて、大臣と総理大臣とは直接にお話はされておられるのでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 一対一という形ではありませんが、閣議等の懇談会の場でじかに話したということであります。  きょうも、閣議終了後、総理と二人で今までのいきさつと今後の対応についてお話しいたしました。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 総理のどういう御説明があって、どういう点で大臣は納得をされておられるのか、あるいは納得をされておられないのでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 当初、財政構造改革法を改正する場合にも、各省庁の歳出の上限枠、キャップ制は外さない、維持するという話でありました。  そういうことにつきまして、私は、財政構造改革法を改正する趣旨というのが、現在の景気低迷という経済情勢も大きく関係していく。その際には、公共事業を大幅に上積みする、あるいは赤字国債を出して減税もするということで、社会保障関係費は全然変えないということでは、十年度予算編成、財政構造改革法が成立した後の基本的な考えに合致しない部分が出てくるのではないか。各省庁、前年度に比べてマイナス予算を組むという中で、社会保障関係費も一切聖域なしに見直そうということで、かなりきつい予算の中を節減に努めてきたわけであります。みんな我慢するのだから社会保障関係も我慢しようよということでやってきたわけであります。  ところが今回、むしろ公共事業は例外だということならば、社会保障も例外でいいではないか、特例を設けてもいいのではないかということで、私は社会保障というのは、特に、景気の好況不況にかかわらず、今後の高齢・少子社会を展望すると、やらなければならないことがたくさんあるし、しかも制度改革という難題が控えている。構造改革をする際にも、国民の理解と協力が不可欠だということになるならば、理解しやすいような方法、手段をとるべきではないか。ただただ予算を削れば、財政が厳しいからといってあちこち削りに削って果たして国民の理解が得られるのだろうかというと、私はそれは疑問に思う。削るべきは削る、ふやすべきはふやす、めり張りをつけてもいいのではないかということから、私は社会保障に関しては特別に例外の規定を設けても国民はそんなに怒らないのではないか。また、与党の国会議員も、社会保障に例外を設けるのだったら自分たちも例外を設けろという声にはならないのではないかという見込みから、あえて社会保障だけは特例を設けるべきだということを主張していたわけであります。  そういう主張を、総理も厚生大臣経験者ですから、私は、口には出さなくても、本会議と委員会で私の発言に対して十分理解をしてくれていたのではないか、今になってみればそのような節が見られます。最終的に、きょう閣議後お目にかかって、あなたの主張も私はわかっていたのだというような発言をなされました。しかし総理は、全省庁、厚生省だけじゃない、総理の立場からして各省庁の立場も理解しなければならないということから、当初は社会保障だけ例外を認めるとほかの省庁にも大きく影響してくるということから上限枠を外さないという方針だったと思いますが、きのう、おとといの党内の雰囲気等を見きわめて、最終的に社会保障だけは例外にしようということで上限枠を停止したのだというふうに理解しております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 それで、社会保障のキャップについては例外にするということで、一つ気になっておりますのは、これはけさの朝日新聞ですけれども、厚生大臣は「二〇〇〇年度以降はキャップ制の存続を認める。」というふうに山崎政調会長に御返答されたという書き方がしてあるのですね。今の御説明の中にあります社会保障の上限を外すというお話、これはずっと外すのかということと、それから、いや九九年度だけ外すのだということなのか、二〇〇〇年度以降はキャップ制がまた再び復活するのか、そこは大臣はどういうふうにお考えになっておられるのでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 キャップ制は十一年度、十二年度にかかっております。そこで、十一年度は外すけれども、十二年度には生きてくる。十二年度には制度改革、医療にしても年金にしても制度改革が始まります。特に、医療制度につきましては抜本改革が実施される年度に当たっております。そしてなおかつ、それ以上キャップ制はないといっても、赤字国債を毎年減らしていくという、いわば大きなキャップ制がかかっていると言ってもいいと思います。野方図に増額していけばいいという問題じゃない。引き続き、厳しい財政状況のもとで予算編成をしなければならない。  しかしながら、本格的な制度改正をするとかなり費用が削減されるのではないかというふうに思っている方がたくさんおられます。しかしながら、中には、制度改革をしてもそれほど費用が削減されない部分もあるし、される部分もある。しかも、来年度予算につきましては、制度改正がきいてこない年であります。その際に、制度改正がなされない前に、思ってもみなかった負担がまた国民にかかってくるのではないか。国庫の歳出削減はあっても、これが患者なり国民の負担にかかってくる部分があると、本来円滑に進むべき制度改正の理解も進まなくなるのではないかというおそれを私は持ったわけであります。  でありますから、この暮れに行われる予算編成、十一年度の予算編成については、もう少し厚生省に柔軟な状況把握の裁量権を持たせてくれてもいいのではないかということは、これから夏にかけて概算要求が始まります、その際の状況を見なければ、どの程度予算がふえていくのか、まだはっきりわからない部分もある。そういう点は厚生省を信頼していただいて、いかにキャップ制が外れたといっても、むちゃな、野方図な要求はしません、国民のお金ですから、極力効率的に重点化配分に努めます、その辺は信じてもらいたいということで御理解を得て、キャップ制は停止したけれども、野方図な、むちゃな増額要求をするものではない、極力抑制することに変わりないということで最終的に理解が得られたと私は思います。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 平成十二年度の医療保険あるいは年金の制度改革等を予定をしております。ここでも何回かお聞きをしました。十二年度の医療改革の実施は絶対におくらさないで、それに間に合わせるようにやるんだというお話を聞いているわけですけれども、今いみじくも大臣おっしゃいましたように、制度改革をしてもそれで負担が減るわけではない、確かにそういうことだと思います。  そうすると、きょうは羽毛田老人局長いらっしゃいますのでお伺いをしたいのですが、平成十二年度は、今の予定でいきますと、新しい国民負担として介護保険が出てまいります。地域の介護保険計画を立てて積み上げてきて幾らになるかという計算はこれからでしょうけれども、今の厚生省の見積もりとして、平成十二年度、介護保険としての保険料収入は幾らというふうに見ておられるのでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 今、突然のお尋ねでございますので、ちょっと調べますので、後ほどにさせていただければと思います。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 基本的な数字ですのでお持ちいただきたいと思います。  そうしますと、もう一つ、これも通知をしておりませんので申しわけありません。きのう、大変夜遅くまで御担当の皆さんにおつき合いをいただきましてまことに御迷惑をかけておりますけれども、質問通告しておりませんけれども、来年度、平成十一年度の予算編成については、今のキャップ制を外して、厚生省の予算編成を信頼してくれ、そんなむちゃな要求をするわけじゃないよというお話。平成十二年度になりますと、介護保険という形で、国民に新しい負担といいますか、厚生省としては新しい収入源を持つわけですね。それがあります、医療保険制度の改正がありますということで、こういう制度改正をやる中で、新しいお金も入ってくるし制度改正もするから、十二年度以降はキャップ制がついてもやっていける自信があるというお見通しを御披露いただいたんだと思います。  十一年度、この間から聞いておりますように、健康保険法の改正についてはこの通常国会でやるはずだった。しかし、議論が煮詰まらないので少し先送りをして、煮詰めてからお出しをしますということで、来年の通常国会を恐らく考えられている。来年の通常国会は、財政再計算ということで、年金のことについても検討しなければいけないということで、大変に激しいといいましょうか、大変に重たい議論をしなければいけませんね。介護保険がいよいよ導入目前に迫ってきて、一体どの程度基盤が整備できているのかという問題もあります。  こういった、年金、医療それから福祉という三大課題を来年の通常国会でやっていく。本当にやっていけるんでしょうか。大変、心配しておりますが、大臣、どうなんでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 社会保障関係については、もう毎年、改革に取り組まなければならない状況であります。特に、昨年、介護保険法が成立し、今、抜本改革、医療改革の検討を続けている。同時に、年金審議会では、来年の通常国会で法案を出す、これまた審議が進められております。  矢継ぎ早に毎年毎年大改革が待ち構えているわけでありますが、それだけに、いかに多くの国民の理解と協力を得るかということが大事なわけであります。今回の十一年度予算のキャップ制が停止されたとしても、これが構造的制度改革の手綱を緩めたことではないということを御理解いただきたいと思います。  中には、十一年度のキャップ制を外すと制度改革はもうできないのじゃないかという誤解がある。それは逆だということを、今、私は党内の方々にもよく御理解をいただくように努力をしている。きょうの閣議後の総理との話でも、その点、総理も心配しておりましたし、私も、そういうことはない、むしろ、いかに本格的な制度改革をするために、理解を得るためにもキャップ制を外した方がいいということで御理解をいただいたわけであります。  医療、年金大改革がまた来年度には控えておりますけれども、この改革は、今後かなり長期間、継続的に厚生省関係、社会保障関係の予算については続いていくし、またそれをしていかなければならないというふうに考えて、今、省を挙げて努力をしている最中であります。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 では、数字を教えていただきます。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 失礼をいたしました。  詳しい数字を持ってきておりませんけれども、アバウトなところで申し上げれば、保険料とおっしゃいました。十二年度における保険料の見込みということで申し上げれば、全体が一・九兆円ぐらいを保険料で賄うというスキームになろうかというふうに思います。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 約二兆円の新しい国民負担が生まれるということですね。  これは前にも高木保険局長にお伺いをして、介護というものが医療の世界から外へ出ていくんだから、健康保険料としては下がるはずじゃないですかというお尋ねを前にもしました。お答えは、いや、そうではないんだ、医療費が上がっていくので、介護保険ができても健康保険料の料率を下げるという余地はありませんというお話でしたので、介護保険の負担は、全く新たな負担として約二兆円が国民の側に生まれてくる。  そういう状況の中で、医療と年金、一つの改革をするだけでも大変なのに、来年、医療も年金も、全部のものがかかってくるという十一年度の通常国会というのは大変に厳しい国会だと思います。そういう意味でも、健康保険法の改正を早くまとめて出していただく方がよかったのかなというふうには思っております。  いずれにいたしましても、これまでの改革は改革の名に値しないという国民の声が随分強うございます。お受けとめをいただいているとおりだと思いますが、改革をするといいながら、結局のところは負担増だけが残ってきているというのが国民の実直な感想だと思います。  十二年度は何とかやりこなせるという思いの中に、介護保険で新たな収入源となる約二兆円の国民の保険料負担というものがあるという思いがありますと、今おっしゃいましたように、本当の改革がまた先に延びてしまうのではないか。予算上は何とか帳じりが合う、キャップ制が引かれても何とか帳じりが合うけれども、しかし、改革がないのでは、また先、大変なことになる  そういう思いがしますので、これは議論をしても、原案がまとまっていない段階では、いろいろ話が詰まりませんので、今後、また機会があるときにお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ抜本的な改革で、この十二年の予算の取り組みをしていただきたいというふうに思います。  そういう意味で、老人医療費の拠出金制度の抜本改革というのは、今回の法律の中には盛り込まれておりません。医療保険の抜本改革までの間のつなぎとして、老人医療費の拠出金制度で、今回、老人の上限額が二五から三〇に上がっていくという形になっているわけですが、この点についてももう一度確認をしておきたいと思いますけれども、平成七年の法律改正でうたわれておりました、老人医療費拠出金の算定方法に関する抜本改革、この附則にうたわれております抜本改革と、今回のこの改正の内容というのは、本当に抜本改革に値するものなんでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 今回の改正の中身は、抜本改革の方向をにらみながら、それまでの間の措置として、負担の公平化に向かって措置をするものというものでございますから、抜本改革そのものではないというのは、先生の御指摘のとおりであろうと思います。  しからば、平成七年の附則は、そういったものをも含めたものではなくて、抜本改正だけを想定しているのかということになれば、御案内のとおり、平成七年の附則の規定は、老人保健拠出金の算定方法に関しまして、その後における老人医療費の動向、あるいは各医療保険の運営の状況、そういったことを勘案して、この法律の施行後三年以内に見直しを行いなさい、こういう規定でございます。  したがって、私どもとしては、今回の改正をするに当たりまして、抜本的な改正は、平成十二年度をめどにできるだけ早くやるということですけれども、それまでの間においても、けさほどの御質疑でもございましたように、その後の、高齢化に伴います状況の変化というものを踏まえますと、やはり、公平化に向けた措置というものをそれまでの間においても講じるということは必要であろう。そのことは、平成七年の改正法の附則にも沿うものである。  平成七年法の改正附則の規定の唯一絶対の答えが十二年度に予定をしている抜本改正であるというふうには考えておりませんで、それまでの間に至る公平化に向けての措置というものも、平成七年の附則も踏まえた措置として、当然それに沿うものと考えていいのではないかというふうに考えまして、今回の改正を御提案申し上げた次第でございます。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 抜本改革かと言われると、そうではありませんという御答弁と受けとめますけれども、そのいろいろな前提ですね、老人医療費の動向あるいは老人の加入率の動向をどう見るか、それを見ながら改正を考えていくんだという点ですけれども、前提になっています老人医療費の増大傾向、あるいは、老人の加入率がどんどん上がっていくという傾向は、別に、どの時点においても実はわかっているわけですね。そういう状況であるというのが今の世の中ですから、社会の仕組みですから。  という意味においては、三年前のあの時点においてすら、やはり、どうなるかということはわかっていたはずなんですね。この三年間、結局、今の時点になればこうなるだろうということは既にわかっていた。その中で、抜本改正というか、改正になるものが、結局、老人の加入率の二五%から三〇%へという、従来やってきた話をそのままつなげていくだけの、加入率の上限の見直しをしていくだけの改正というのでは、全く改正にはなりませんね。やはりその先に、高齢者の医療制度、あるいは、高齢者の医療をだれがどういうふうにして負担するのかという話が少しでもあった上で、加入率の上限を見直すんだというようなことであればまだしもですけれども。  ここは あのときにかなりの議論があって、附則はそういう、少しでも改革につなげる形で、この三年間暫定的に上がっていくことを我慢しよう、三年間我慢して、三年先には一つは案が出てくるだろうという思いであの附則をみんなは受けとめていたはずなんで、その意味において、抜本改正ではありません、この先平成十二年度の、後から話が出てきた財政構造改革法に書き込まれた、平成十二年度の医療保険の抜本改革の中ですべての問題がチャラになりますので、三年間我慢してくださればと言ってきたけれども、もう二年間我慢してくだされば今度はちゃんとやりますという厚生省の御説明と聞いていいんでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 平成七年の改正法附則によりますいわば検討の視点というものは、当然そういう意味では、先生お挙げになりましたような議論からいたしましても、より、現在の負担の仕組みというものを、抜本改正も目指しておりますような、公平なりそういった方向に向かうものでなくてはならないということはやはりあると思います。  したがいまして、今回の措置につきましても、現行制度、御案内のとおり、老人の医療費を国民全体が支え合うということで、各医療保険の共同負担の仕組みになっておりますけれども、そのときに、その後の高齢化の進展等によって、いわば持ち合う姿というものが、より公平という面において問題状況が出てきていないかという点についての検討をし、それについて、全体の負担の仕組み、全体の共同事業というやり方でやるのがいいのかどうかというようなことは、抜本改正にするにしても、そういった、現行制度の枠組みの中においても、より公平を目指すという改正は、やはり平成七年の改正法をお決めいただきますときの論議からしても、私どもとしても、なすべきであり、そういう観点から、今回お願いをするということに踏み切ったということでございます。     〔委員長退席、根本委員長代理着席〕

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 いや、ですから、この三年間の動向はわかっていたはずです。あのときの各医療保険制度ごとのゆがみというものがそのまま持ち込まれているじゃないか。結局、国保というものの構造的な問題があるわけだから、そこにも手をつけない、あるいは老人保健拠出金の仕組みそのものに手をつけないでやってくれば、当然こちらの方の老人の加入率が高くなるんだからということでいけば、健康保険組合だとかあるいは政管健保だとかという他の制度に、より拠出金の額をふやしていただくということしかないということは、結局はそういうことでしか対応のしようがないじゃないですか。  単にそういうことをやるだけの話でこの三年間やってきたのであれば、要は、平成七年の改正がずっとそのまま先に続いていくというだけの話であって、あのとき皆さんが一生懸命御答弁をされた、この三年間の間にきっちりとした案をまとめていきますというお話とは全く違います。  何でこういうことをしつこく言うかといえば、やりますやりますと言って、国民に負担をお願いするときは一生懸命やりますと言うんだ。しかし、その期限が来たときには、やりますという話はとんと先へ延びてしまって、今度は十二年ですというお話では、今回の医療保険制度にしてもそうですけれども、年金にしてもそうですけれども、常に残るのは国民の負担だけ、改革は全部先送りという話はここにもあるじゃないですかというふうにしつこく申し上げているわけですね。  そういう意味で、今の御答弁、私は余り納得できませんし、また同じ御説明をしていただくのでは仕方がありませんけれども、しっかりとしたものになっていないという御認識をして、私は、これはしっかりと謝っていただきたい。あのとき、平成七年のときにやると言いましたけれども、実は三年間かかりましたけれどもできませんでしたというふうにきっちりと厚生省は謝られるべきだと私は思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これは、厚生省だけでなくて、政治全体に言えると思いますね。  結局、患者負担増額も嫌です、保険料増額も嫌です、税金で見なさいという安易な意見になってきたんです。私はそう思っています。診療報酬も削減するのは嫌です、薬価を見直すのも嫌です、ところが、国が負担するのは国民の負担と思っていない面が随分強いんじゃないかと。  そういう状況じゃない。増税は嫌なのはわかっているけれども、自分たちが増税を負担するんじゃないから、患者負担の分、保険料負担の分は国が見ろ、公費で負担してくれということは、結局増税しかないんですね。  だから、今まで、何か事があると、議員、政治、政党というのは、国が負担してくれるというのは、自分たちの要求をから取ったということになる。結局、見えないところでだれかが増税を負担しているわけです。どんな給付サービスも恩恵も、その裏で、どこかで納税者の負担があるんだということを意識しなければならないのが財政構造改革だ。財政構造改革というのはきついから、やってみて、財政構造改革というのはもう本当に、これは負担軽減ではなくて、ある面においては負担増加もあるのだということが最近だんだんわかってきた。何をやったって負担なんですよ。税金も負担、患者の負担も負担、保険料の負担も負担。  でありますから、もう増税もできない、赤字国債も発行できないという状況だからこそようやく行財政改革が焦点になってきたのであって、めぐりめぐって、やはり行財政改革も負担ではないかというのが最近わかってきた。  もう待ったなしの改革をやらざるを得ない。お互い、政治家も政党も反省しなければならない面があるのではないかということで、私は今本格的に行財政改革に取り組む時期が来たのではないか。もう先送りが許されない状況、しかし、ここに来てまた先送りしたいという雰囲気が出てきているということは警戒しなければならないと私は思います。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 大臣御指摘になりますように、政治の世界の中に、何か予算をつければから取ったという形の大変にいびつな分捕り合戦的なものがある、族議員が跳梁ばっこしているということは御指摘のとおりだと思うのです。そこを変えなければいけないということは全く同感なんです。  ただ、今おっしゃいましたように、政治の世界がそうなんだから改革はできなかったんだというのは私はこれは言いわけにしかすぎないと思います。  私が申し上げているのは、厚生省はあの法律を出されるときに、すなわち平成七年の附則の中で、あるいは審議の中で、この三年間に老人保健の拠出金制度については抜本的な改革につながるようなものを検討するんだということでやってこられたはずなんです。その検討結果が、結局老人加入率の上限をさらに上に延ばしていくというだけのことなんですか。それが本当の検討の結果でやることなんですか。  しかも、提案理由説明の中にみずから書いておられるように、これは医療保険制度全体の抜本改革につながるまでの間の暫定的な措置なんであるというふうにみずからこの提案理由説明の中に認めておられるわけですから、そういう意味において、やりますと言っていた話とやっておられることとの間には余りにも格差があり過ぎませんか。  それは、国会側で審議を求められて、国会がそれを否定したわけではありません。政治の世界がそういうことをやってはいけないと言ったわけではありません。厚生省が出さなかっただけの話であります。三年間だけ息を長らえてきただけの話であります。  そういうことをちゃんと認識しておられて今回のこの改正を認めてくれとおっしゃっておられるのか。だから、おわびの言葉の一つだって要るではないかというふうに私は申し上げているのです。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 私ども、平成七年の法改正の時点から、そういう意味で、抜本的な改正の必要性ということについては当然認識をし、そういう御議論があったことは当然私どもの方も踏まえてやってまいりました。  したがいまして、その間において何もしていなかったかということにつきましては、そうではございませんで、私ども、当時は老人保健福祉審議会でございましたけれども、この審議会の場におきましても精力的に御議論をいただいて、例えば平成八年の十二月の意見書におきましては、その間で拠出金のあり方を考えるに当たっては、やはり老健拠出金そのものの仕組みを含めて抜本的な改正が要るという御意見をちょうだいをしております。また、そこにあわせまして、しかしそれまでの間においても、老人保健拠出金の今の枠組みの中における検討という意味においても改善すべき点があるので、そういったことを引き続き検討するようにということで、その間も審議会等を通じまして検討をしてまいりました。  しかし、今大臣からも申し上げましたように、これは結局、公平に負担をするといいましても、それぞれ、どの人かがやはり負担をしていく問題でございます。そういう意味においては、なかなか難しい点があっていろいろ検討すべき課題が多かったという意味で、今回のところまでに抜本改正という形で御提案を申し上げるまでには至らなかったということでございます。  それで、その時点で、それでは今改正で公平化と言っているような高齢化に伴う事態というのは予想されておったではないか、したがって、今回のものは、もしそうであるとすれば、平成七年の改正附則ではなくて、平成七年改正法の中に入れておくべきではなかったかという御議論、それは御議論としては当然そういう御議論もあろうと思います。  しかし、これは、公平に持っていくということは、それは理念としてはそうでございますけれども、結局これもどなたかに持っていただくわけでありますから、国保が助かれば被用者保険がつらい、被用者保険が少し助かれば国保がつらいという関係にあることは先生御案内のとおりでございます。  したがいまして、平成七年で手が打てたことということについて言えば、やはりその時点までの高齢化に伴います対応というものを踏まえたところで一つの手が打たれて、その後、例えば退職者の関係について言えば、市町村国保の加入者に占めます退職者の割合というものが非常に大きくなってきたということで、やはりそのことによる負担の公平についての限界というものがよりはっきりしてきた。あるいは、老人加入率につきましても、いわゆる上限を切っておりますことによりまして、そこへの上限に張りつく保険者の数というのが非常に大きくなってきた。  これをやはり無視できなくなってきたということを考えますと、抜本がやはり公平化というものを目指すということであれば、抜本までの間の措置といいましても、公平化に向けてさらにその歩を進めるということは、この平成七年の三年以内の見直しというノルマとの関係においても必要なことであろうということで今回お願いをしましたということでございます。     〔根本委員長代理退席、委員長着席〕

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 これは、多分お互いのこの議論が続くだけの話になってしまうのでもうやめますけれども、平成七年の改正の附則の前段にある、老人医療費拠出金の算定方法に関し検討を行いという部分については、確かに検討してこられたのだということは認識をしております。  ただ、ここは、問題は、結果に基づいて所要の措置を講ずるというところに問題があるわけであって、今回のこれが所要の措置であるかと言われると、みずから提案理由説明の中で認めておられるように、この二年間の暫定的なものでしかないという意味合いでは全くそのとおりだと思いますので、ひとつ負担を求めていくという話はなかなか難しゅうございますけれども、ここは必要なものは負担として求めていかざるを得ないわけであって、そのためにもしっかりとした数字を含めた情報公開をしながら御説明を続けていただきたいというふうに思います。  今回の改正は全くもって抜本改革というわけではありませんというか、この三年間何もしてこなかったと言われても仕方がない改正であるというふうに思います。  ちょっと時間が余分に食ってしまいましたので、質問を飛ばさせていただきたいと思いますけれども、先般、三日の質疑の折に羽毛田局長お答えになっておられる中で、高齢者自身の保険料あるいは自己負担という形、高齢者自身の負担というものをどういうふうにお考えになっておられるのか、もう一度お伺いをしたいと思います。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 高齢者医療制度におきます高齢者自身の負担ということについてのお尋ねでございますけれども、私どもとしては、今後の方向としましても、現在もそういう意味では負担はしていただいているわけですけれども、やはり高齢者医療制度を国民全体で支えていくという中には、高齢者自身の自助努力というものがまずあるという前提で組み立てていくべきであろうというふうに思っております。  ただ、当然、高齢者の方々の場合には、医療の受診の機会がどうしても多くなる等から、医療費全体を高齢者自身の負担において賄うということは無理でございますから、そういう意味では公費なりあるいは若年世代の支援ということは当然制度的には仕組んでまいらなければならないと思いますけれども、高齢者御自身もその負担能力に応じた負担ということは当然必要になってくるだろうと思いますし、また、現在における状況認識といたしましても、高齢者の方々の経済状況というものは、年金の充実等によりまして、平均的に見ますとやはり若人世代と遜色のない状態になっておりますから、そういったことも踏まえまして、高齢者御自身の負担ということも含めまして考えていくということが必要であろうというふうに思っております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 三日のときの答弁から少し前進というか踏み込んでこられているのではないかと思いますけれども、私は、今の高齢者の方たちの所得の状況とかきっちりとした数字で国民の皆さんに、とりわけ高齢者の皆さんによく御理解をいただいて、御負担をいただくというお願いをやはりしていかなければいけないというふうに思うのです。  その折に、あんたらもらい過ぎているやないかという話はなかなか、いや私たちだって苦労してきたんですというふうにおっしゃられるでしょうし、年をとればとるほど肉体的にもあるいは経済的にも随分差が開いていくというふうに思います。ストックとして幾ら持っていても、フローとして持っていなければ持っていないのと同じだというような高齢者の皆さんからの御批判もいただくかもしれませんけれども、これまでの日本社会に御貢献をいただいたということを十分に認識しつつ、もう一度、この大変に苦しい社会の中で高齢者の皆さんに御負担をいただきたいというお願いをさせていただかないといけないんじゃないかというふうに思うわけです。  まず自助努力ありきというふうにおっしゃいましたけれども、それは今の若い者たちにとってはまず自助努力ありきで、これから先どういうふうに自分で生きていこうかというのがありますが、高齢者の方に今の時点で自助努力という話はなかなか、ちょっと違うんじゃないかと思うわけです。どうぞ日本社会のこの社会保障の危機的な状況を救うために、高齢者の皆さんの御認識をひとつ変えてくださいとは言いませんが、深めていただきたいというお願いをさせていただかないといけないと思うのですけれども、そういう考えでよろしいのではないでしょうか。どうでしょうか、大臣。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 お互いが支えている場合もあるし支えられている場合もあるんだという認識を高齢者にも持っていただく。高齢者でも、自分の子供もいるし、孫もいるわけであります。年をとれば若い方みたいな自助努力の分野が極めて狭められてくるのは事実だと思います。しかしながら、高齢者の中にも若い世代に比べて遜色のない所得水準を持っている方もたくさんおられます。そういう点を考えれば、負担できる方は負担してもらうという視点も必要ではないか。自分たちが給付を受けるだけではない、ある程度負担できるところは負担していくんだ、お互い、若きも老いも支え合っていくんだという面を持つことも必要ではないかというふうに私は考えています。  今回の医療にしても年金にしても、あるいは介護にしても、私食べる人、あなたつくる人という言葉が一時はやりましたけれども、そういうことではなくて、お互い、食べたりつくったり、支えたり支えられたりしていく人間関係なんだという意識と共通の認識を持つことが社会保障制度改革にとっては特に重要ではないかと考えます。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 ぜひ積極的に御説明、御発言をしていただきたいというふうに思います。  レセプト審査についてお伺いをさせていただきます。  昨年の十一月の五日に決算委員会で集中的にこの問題が取り上げられまして、その折に、この電算化についての高木局長の御答弁の中に、「来年度には大部分がそれに乗っかれるような、そういうような計画、システムというもので検討してくれということで、今事務的には鋭意検討しておりまして、私は、これはできるだけ早くやる必要があるということで考えております。」という御答弁がございます。  「来年度には大部分がそれに乗っかれるようなこという来年度というのは今年度、十年度でございますけれども、先般のこの委員会での御審議の答えでは、フロッピーで受け渡せるような体制にしたいんだというような思いを述べられましたけれども、昨年の決算委員会での御答弁はもっと明確でありまして、「来年度には大部分がそれに乗っかれるような、」という御答弁でございます。実際に今年度大部分がそれに乗っかれるようになるのかどうか、的確にお答えいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 レセプトの電算化でありますけれども、これまでは、特定の地区を指定しまして、そこにお願いして、いわゆるパイロットスタディー的な形での実施ということをやってきたわけであります。そういったような実績を踏まえまして、私はもう本格的に今年度はそれを普及させていくべきであるというふうに考えております。  このためには、十年度、非常に厳しい予算編成の中でありましたので、その受け入れ体制といった面で必ずしも十分な予算が確保されなかったという嫌いがありますが、私どもとしては、今後、全国どこでも、準備が整った医療機関につきましては、まさにこのレセプトの電算処理システムに乗るように、参加できるように、その体制を整えるということでやっておりまして、十年度にはこれがさらに拡大できる体制がつくれるということで考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 乗っかれる体制をつくるので、医療機関が乗っかってくれなきゃ仕方がないという御答弁ですけれども、乗っかれる体制という、受ける側として、四十七の都道府県すべてのところでこの電算化されたレセプトは受けられる体制がこの十年度中にはできるという御答弁と受けとめてよろしいですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに受け取り側である支払基金なり国保連合会、この体制を整えるべく努力をしておりますし、そういう実現をさせていきたいと考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 そうすると、今度は、医療機関の側が乗ってもらわないと困るわけで、乗ってくれた医療機関には何らかの手当てをしてとか、インセンティブを与えて、できるだけ早くこの機関に乗ってもらうということをしないといけないですね。  今パイロット的にやっておられるだけで、医療機関は十年三月現在でまだ百七十八ですか、乗っておられるだけしかありませんので、こういうところを、本当はやはり医療は情報公開というのが一番大切で、この間の決算委員会のときもそうでしたけれども、社会保険支払基金だって、何らデータを整理してないんですよね。あそこをちゃんとデータを整理してくだされば、今日本でどういう医療が行われていて、どういうお医者さんの診療行為があって、どういう傾向があってというのがみんなわかってきて、そして余り手荒なことをしなくてもきっちりとした形で医療の改革というのが進んでいくと思うのですけれども、まだこのぐらいの、百七十八しか医療機関が乗っていない。  それで、受け皿はできた、じゃこれが、一体ことしどのぐらいに乗ってくれるのか。そういうところにこそ補正予算を使ってくれば、今度はちゃんとした医療費の削減という形でお返しができるということがあるわけですから、こういうところにこそ、私は補正予算を使うべきだと思うのですけれども。  そういう意味において、ことしこのレセプトの電算処理システムにどのぐらいの医療機関が乗ってくれるようなことになるのか、見通しはどういうふうにお持ちですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 既に医療機関は、相当それぞれの医療機関の中においてはコンピューターは導入されております。  平成九年の五月の時点で、支払基金が調べたデータでありますが、医科の病院で見ますと、レセプトの件数でいけば約九八%のレセプトがもう電算処理されております。病院数でいけばもう九三%がそういうシステムを導入しております。診療所、これはそういった意味ではレセプトのシェアでいきますと七六%。それから、電算化されている診療所の割合からしますと、約六割という、病院に比べると若干低いわけですが、私どもは、やはりこういった既にコンピューターを導入されている病院こそ、まず対応できるようにすべきだ、こういうような姿勢で実は考えてきておるわけであります。  そういった意味では、今まで何がネックだったかといいますと、それぞれの医療機関が入れておるコンピューターで作成されるフロッピーのシステムと、それから受け手の支払基金なりあるいは国保連合会で用意するシステムとが、これは整合性をとれませんといかぬわけでありますが、これをまさにどのような医療機関のソフトであっても転換できるような、そういったシステムを十年度は導入していくということでありますから、希望する病院、診療所については全部対応できる。  また、病院、診療所も一々それを紙に落とさないでフロッピーで請求できるわけですから、私は、相当の病院、診療所がこれに参画していただける、こう考えておりますし、そういった形の方が病院、診療所においても事務の手間暇は軽減されるわけですから、そういった意味で、私どもとしては、十分周知をし、そして、病院、診療所の参加をお願いをしていく、こういうふうに考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 委員会審議は積み重なっていますので、前にどういう御答弁をいただいたかは議事録を読み返していますのでわかっていますから、私の質問は、今年度じゅうに大部分が乗れるようなシステムができる、受け皿ができる、では今度は乗ってもらわないといけない。乗ってもらうように、何らかのインセンティブを働かさなければいけない。今の御答弁の中でいけば、大部分が乗ってくれるだろうとおっしゃったので、来年のこの時期、どなたかがまた同じ質問をするかもしれませんが、来年になって、では一体どれだけ乗ったのだというふうにお聞きをしたいと思います。できるだけ多くの機関が乗るようにしていただきたいというふうに思います。  レセプト点検の外部委託状況についても、この決算委員会での御質問が出ておりました。数字をいただきましたけれども、資格点検のみを実施している組合は未実施ということを前提に、健保組合で平成八年度九百七十二、国民健康保険で六百九十九の市町村が既にレセプト点検の外部委託をしております。  外部委託をするということについての厚生省の御認識、御見解をお聞かせをいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 レセプト審査の外部委託に当たって、私どもとしましては、それぞれ考え方を示してきておりますが、要するに、一つは、保険者側の委託業者に対する監督者責任というものをきちんと明確化をする必要があるということが一点であります。  それからまた、レセプト点検といいましても、これに対して、やはり保険者の指示、監督というものがきちっと行き届くような場所でやっていただくということであります。  それから三点目が、レセプトにおける守秘義務の問題でありまして、委託契約書の中にこの守秘義務というものを明記をする。そして、これに違反した場合は、直ちに契約の解除というものができるようにきちんと明記をするということで、主な指導内容としてはこういうことを前提にやっておりまして、私どもとして、それぞれ医療費の適正化というような視点からも、専門家に外部委託をするということは今後ともやはり進めていく必要があるというふうに考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 保険医療機関の指定の取り消しあるいは再指定の問題について、お伺いをいたします。  ここ五年間、平成四年度から平成八年度にかけて、保険医療機関としての指定を取り消された医療機関が再指定をされた状況を教えてくださいということで、資料をいただきました。  ずっと見ておりますと、例えば平成四年、埼玉県で、平成四年の三月三十一日に取り消しをされて、平成四年の八月一日に再指定をされている。あるいは平成六年、長崎県では、平成六年五月三十一日に指定を取り消されて、平成六年十月一日に再指定されている。足かけで考えますと六カ月ですけれども、三十一日と一日ということになつておりますので、実質的には四カ月で、保険医療機関の指定を取り消された後、再指定を受けているという状況があります。  二年間は再指定をしないというのを原則としておられる中で、大変に短い期間で再指定がされているわけですけれども、ほかのところを見ましても、九カ月あるいは十カ月というところも幾つか見受けられます。なぜこういう状況になっているのか、御説明をいただきます。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これは、私は二つあるだろうと思います。  一つは、これはある程度合理的なといいますかやむを得ないケースだと思いますが、例えば、離島の無医村といいますかこういった地区に存在する医療機関、こういったものについては、やはり地域住民からも、早く稼働できるようにしてほしいという要望等が出されるケースが多いのですが、こういったものについては、それなりのけじめというものをきちっとした上で、かなり早目に再指定されているということではないかと思います。それに類似するようなケースというのがそのほかにもあろうと思いますが、そういったケースが一つあろうと思います。  それからもう一つは、これは長い間医療機関のこういった取り消し等々が行われてきた中で、いわゆる過去の先例といいますか過去の取り消し期間等を参考にしてやっておるというようなケースと二つあるのではないかと思います。  私どもとしましては、今回これを五年間にするということでお願いしておるわけでありまして、そういった意味では、これまでの先例というものを墨守するようなやり方というものではなくて、今後はこれについてきちっとした基準なり、明確化というものを図っていく必要があるというふうに考えておりますので、今後、そういった面では、私どもとしては、やはりこの辺のところをきちっとしていかなければいけない、全国的に不公平がないようにしていかなければいけない、このように考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 従来二年と言ってこられた中で、随分基準があいまい、あるいは過去の例を踏襲したのでこうなったという御答弁ですけれども、あるいは、仕方なしに、そこにこの医療機関しかないから、大変な不正請求をして一たんは取り消しをしたけれども、やはりそこに診てもらわなければいけないから、保険医療機関としての再指定をしたという御答弁ですね。  今度この二年を五年にしようと言っているわけですね。大変に厳しくするわけですね。厳しくするということは、的確に適用されていかない限りは五年にした意味がないわけですね。という意味においては、二年のときに四カ月とかというような状況で来ていたものは、五年になれば、確かに離島とかというのは難しい問題が絡むと思いますけれども、原則五年ということは、取り消しをしたら、全部は五年なんだ、まず五年がありきなんだということで対応するんだというお考えと理解してよろしいですね。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 私どもは、そう考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 病床規制について、お伺いをさせていただきたいと思います。  医師とか看護婦等の人数が、医療法に定める数を勘案して厚生大臣が定める基準に満たないときは、保険医療機関の指定等を行わないことができるということになっております。  この状況については、現在、医療法で定められているところの標準人員数が、医師の場合五〇%を下回る、あるいは看護要員が五〇%を下回ると、看護料とか入院時医学管理料を減額することになっているという診療報酬上の一つのペナルティーがかかっております。こういう数字を前提に、さらにその基準を著しく下回る場合に、今度は保険医療機関としての指定をしませんよというお考えというふうに受けとめているわけですが、さらに下回るとはどこまで下回ることを考えておられるのか。  これは、何回お聞きしても、審議会でこれから議論をして決めるんだとおっしゃっておられるのですが、審議会の議論というのはこの先の話になりますので、それをどういうふうに決めるんだという方針さえないと、我々は賛否の判断がないわけであって、どのぐらい下回るということをお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに今先生御指摘がございましたように、現在も、診療報酬の取り扱いの中で、例えば医師数が医療法の標準の五割以下である、あるいはまた看護要員数が医療法の標準の五割以下である、あるいは医師数及び看護要員数がいずれも医療法で定める標準の八割以下である、この三点については一それぞれ入院時医学管理料なりあるいは看護料について減額をするという措置を講じております。  今回の既存病床についても、既存の医療機関についても、これを下回る場合についてはペナルティーを科していくということで考えておりますが、私どもとしては、現段階においては、この診療報酬点数上の基準をさらに下回るようなことというふうに考えております。  これはなかなか難しい点がございますのは、やはり余りにも急激にこれを実施することによって地域医療の安定性を損なってもいけませんし、かといって、やはり医療法というものがあるわけでありますから、それに定めた質の向上というものも図っていかなければいけない。その辺の調和をどう図っていくかということだろうと思います。  そういった意味で、私どもとしては、関係の審議会で幅広く御意見をお聞きしながら、その調和というものをどこら辺に引くべきなのかということを考えていきたいと考えておりますし、また、その基準というのは一たん決めたら未来永劫動かないというものではないというふうに思っておりますし、やはり地域医療の実態というものをよく勘案しながら考えていかなければならないというふうに思っております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 局長の御答弁の中にありますように、地域医療の安定性と良質の医療の確保という非常に難しいバランスをとりながら、どの辺に数字を置くのか。著しく下回るというのを、かなり著しく下回る場合のところからスタートしてだんだんそれを上げていくんだというお考えをお示しいただいているのだと思いますけれども、問題は、劣悪な医療機関ということの御認識なんですね。  劣悪な医療機関については保険医療機関に指定をしないんだというお考えをしておられるわけですが、劣悪な医療機関ということが、標欠病院と言われるようないわゆる医師が五〇%標準を下回っている、あるいは標準のこれだけの看護要員を持っていなければいけないのにそれが半分しかいない、半分しかいないという状況は劣悪な医療機関という御認識ではないんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 その辺が、率直に申し上げまして非常に悩ましいところであります。やはり医療の実態というもの、医療法というもののあり方そのものの問題が絡んでいると私は思いますけれども、現行の実態というものとの関係を考えた場合に一番悩ましいところでありますけれども、診療報酬で今減額措置を講じているものよりも下回るところで考えていくのが現段階では一番現実的ではないかというふうに考えておるわけであります。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 経過措置を置くなり、将来はこうなっていきますよということをしっかり示す中で医療機関の認識を深めてもらうということが必要だと思いますし、安田病院事件のときに見られましたように、報告が上がってきても結局のところだまされてしまうというか、実態と違う数字でやっている部分もありますから、こういうところをしっかり押さえていただいて、おっしゃっていることもわかりますけれども、これをさらに下回るような著しく不適当な場合、私は、医療法で決められている基準の半分も満たないという病院が保険医療機関ということで診療を続けているということに実はやはり問題があるのであって、医療法自身の問題があるわけであって、そこは議論をしっかりと深めるためにお考えをお示しをいただきたい。そういうところが劣悪な医療機関でないというふうには私は言い切れないというふうに思っておりますので。  それから、たびたびこの委員会の中にも出てきましたけれども、供給が需要を生み出すのでという御説明、前提がつきますね。その中で、今回は病床数の削減というか規制というものにもっと踏み込んでいこうとしておられるわけですけれども、同じ理屈はお医者さんの数というところにもあるわけです。その意味で新卒の方は一〇%カットするんだということで、今お医者さんの数を減らそうということをしているわけですね。じゃ、供給が需要を生み出すというこのお答えの中の延長線でいけば、保険医の定数制とかあるいは定年制というものも御検討されておられるわけでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 この問題は、平成八年の六月に医療保険審議会、昨年新たに発雇いたしました審議会の前の審議会でありますが、この中における報告でも触れられておりまして、保険医の定年制あるいは定数制というものを導入すべきではないかということが言われておるわけであります。  ただ、これもなかなか難しい問題をはらんでおるというふうに私は思います。この点についてはやはり、今回は私どもとしては打ち出しておりませんが、これは相当幅広く国民的な議論あるいは関係者の意見、こういったものを踏まえませんと、職業の選択の問題もありますし、そういった中でどう考えるべきかというのを私は相当慎重に考えるべきだろうというふうに思っております。  私どもとしては、現段階においては、この定年制なり保険医の定数制なりということは今具体的な検討の課題ということにはなっておりません。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 昭和六十年の社労の委員会で、当時の幸田保険局長が随分勇敢な発言をされておられまして、例の医療計画を考えているときの委員会ですけれども。地域によって保険医療機関の定数制とか定員制とかがしかれるのかという質問に、現状においてはそういった施策はとらないが十分将来の検討すべき課題だと考えておりますというふうにしっかりとお述べになっておられるんですね。さっき局長が引用されましたように、平成八年十一月の医療保険審議会の今後の医療保険制度のあり方についての建議書の中にも、「医療保険制度においても、医師数等の適正化を図る方策を検討する。」というふうにはっきり書いておられる。  確かに、職業選択の自由だとかという問題等いろいろあります。ありますけれども、医療費の抑制というものをどうするかという大変大きな課題を前に、今かなり手荒なこともやりつつ、医療費の抑制に乗り出しているわけですね。当然この一つの要因として、お医者さんの数なりあるいはお医者さんの偏在している状況をどう是正するかという問題もあるわけですから、先送り先送りをするのではなくて、保険医の定数制とかあるいは定年制、その是非についてもしっかりと御検討した結果をお出しをいただいたらいいのではないかと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに、医療保険審議会からもそういった建議もいただいておるわけでありますから、私どもとして検討していかなければならない課題の一つであるというふうには思いますが、現段階において、今この検討が行われているというわけではないと申し上げたわけであります。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 私のお願いとしては、ぜひ御検討もしていただきたいというふうに思っています。  それからもう一つ。済みません、話が戻るかもしれませんが、昨年十一月の決算委員会での高木局長の御発言で、これは超高額の医療費請求というものについてどう考えるかという質問がありまして、局長の御答弁で、超高額の請求の  内容を見るにつけ、我々も非常に考えさせられ  るのですが、一般的には末期医療的な、大体あ  と数カ月後に亡くなっているケースが多くて、  そうするとなおさら、数百万あるいは一千万以  上の医療費を使いながら一、二カ月後に亡く  なっている、そこら辺のところ、これは医療と  いうものをどう考えるか、我々も実を言います  と非常に考えさせられている問題です。という御答弁があります。  この福祉のターミナルケア、この間も言いましたけれども、この問題についてどうお考えですかと前回大臣にお聞きをしたことがありますけれども、読み返しておりましたら、それよりもっと踏み込んだ高木局長の御答弁があったものですから、これは個人的なお考えなのかもしれませんけれども、この末期医療に大変に高額のお金がかかっているという状況について、個人的なものあるいは厚生省としてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これは私の個人的なというよりも、この問題の難しさというのはあらゆる方が御指摘されておりますし、やはり非常に医療が高度化していくにつれ、これらの問題についてどう考えるべきかということについて国民的な議論としても考えていかなければならないのじゃないかということが言われていると思います。  ただ、これはしかしそれぞれの死生観とか人生観にも絡む問題でもありますし、実際問題なかなか難しい問題でもあります。どういう場でこの問題を考えていくのが一番いいのか。まだ現段階では、私どもとして医療保険サイドからこの問題をどうするかということまでいっておりませんけれども、そんなに遠い時期ではなく、やはりこの問題については真剣に我々も考えていかなければならないということは、決算委員会で御答弁した考え方と変わっておりません。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 これは、健康政策局の中でもそういった検討会なりあるいは省内の検討を進めておられると理解してよろしいのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 末期医療の問題については、昨年の暮れに、医療従事者それから一般国民の方についての意識調査といいますか、それを実施をしておりまして、近くまとまると思います。  ただ、基本的に厚生省として、先ほど保険局長もちょっと言われましたけれども、どうしなければならない、あるいはどうあるべきだというような一つの考え方が本当にまとめられるのかどうか。やはり、行き着くところは個人の生き方とか死生観とか、そういうことにかなり関係をする部分があるんじゃないかというふうに思っております。  私自身も、最近自分の身内でそういう経験をいたしました。その問題について主治医の方といろいろ話をしましたけれども、やはりなかなか、意見の一致といいますか、お互いの理解が大分違うなというような感じもいたしましたので、その意識調査の結果はまたまとまり次第お知らせをさせていただきたいと思いますが、人の生き死にの問題ということで、なかなか難しいことではないかというふうに感じております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 また、そういう調査結果をもとにいろいろお考えをお聞かせをいただきたいと思います。  どなたもお聞きになりませんので、私があえてといいましょうか、御質問させていただきたいと思いますが、国保組合の問題であります。  本人負担なし、すなわち本人十割給付の国保組合、今百六十六組合の中で三十六組合が本人十割給付でございます。九割給付が七十五の組合である。本人十割、家族八割というのが九組合あるという状況になっております。保険料収入あるいは国庫の補助金額についての数字が公表されておりますけれども、ずっと見ておりますと、保険料収入よりも国庫補助の方が多いという組合もたくさんございまして、地域国保と比較して、国保組合での給付と負担のあり方というものが大変に不公平ではないかという声があるのは皆さんも御承知のとおりだと思います。  厚生省としてどのように御認識をされておられるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これは、一つには制度論として、現行法の仕組みの中で現在の国保組合に対する国庫補助をやっておるわけであります。市町村国保につきましては、御案内のとおり、四〇%の定率負担プラス一〇%の調整交付金ということでありますが、国保組合の場合は、三二%の国庫補助プラス財政力に応じて一五%の調整補助金、こんなような格好になっておるわけであります。  現行制度の中においても、やはり負担の公平ということはきちっとやっていかなければいけないということで、平成九年の九月以降は、国保組合の中の被保険者あるいはその家族についても、いわゆる本来健康保険の方に入らなければならないわけでありますが、適用除外の承認を受けて国保組合の被保険者になっているというケースが認められているわけであります。これらの方については、政管健保並みの補助率に引き下げるという格好の適正化、公平化というものを図らせていただいておりますが、そういった中で、そもそも国保組合における国庫補助のあり方はどうすべきなのかというのは、むしろ制度全体の枠組みの中で考えなければならないだろうというふうに考えておりまして、これは、今後、やはり医療保険制度の全体の枠組みというものを考えていく際の一つの課題ではないかというふうに考えております。

山本孝史民主党

○山本(孝)委員 平成八年度の国保組合の運営状況でいきましても、国庫補助金額の総額は三千九十六億八千五百万円になっております。そういう意味合いも見て、かねてからいろいろと批判がありますけれども、大変政治力の強い団体の集まりですのでどなたも御指摘をされない、委員会審議を見ましても、ほとんど国保組合という議事録は残っていないという状況がありまして、そういう意味でもあえて、やけどをしてはいけませんけれども、しかし、公平感という観点からいけば大変にアンバランスが生じているということは事実ですね。  片っ方で大変な負担を求めながら、片っ方の方は、それは確かに、保険料の収納率は一〇〇%であったり、あるいは病気になる人が少ないので医療費が少ない。それは当たり前の話で、大変にいい状況でおられるのであれば、ここはお年寄りに負損を求めているのと同じで、ちょっと皆さん方も、ほかの大変な状況をお考えをいただいて御負担をしていただきたいというか、国庫補助を少しは返上していただくぐらいのお気持ちを持っていただきたいというのが正直な気持ちでございます。  時間になりましたので終わりますけれども、大変に財政構造改革会議あるいは財革法等の取り組みを、大臣、孤軍奮闘されておられる。民主主義ですから、自分一人がいかに反対をしても多数意見には負けてしまうんだということで、大変に気弱な発言、いや気弱でなかったかもしれませんけれども、御発言がありましたけれども、やはり社会保障制度の改革を考える中でキャップ制というのはいかがかなと、私は前も申し上げましたけれども、思っております。  十一年度はこれで何とか予算が組めるかもしれないという状況かもしれません。しかし、きょうも御指摘申し上げていますように、平成十二年度の場合は、介護保険という新たな財源でもって、あれさえできてしまえば何とか逃げ込めるんだという状況でやられますと、また負担だけが残ってしまう。  これまでの厚生省の悪い癖でございまして、やるやると言いながらやらないで来ておりますので、そういうことでは困りますということを最後にもう一度お願いというが御指摘を申し上げて、質問を終わりにしたいと思います。  頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 土肥隆一君。

土肥隆一民主党

○土肥委員 民主党の土肥隆一でございます。  昨晩からけさにかけまして大きな動きがございまして、来年度はキャップをかぶせないということになりまして、私の質疑も若干腰砕けになってしまうわけでございます。  こんなので来年も再来年もいくんですかという質問を予定しておりまして、これは社会保障制度を根幹から揺るがす考え方だということを申し上げたかったんですが、大臣が粘りに粘りまして、来年はキャップをかけないということになりましたので、厚生省応援団としましては、ほっと一息ついたという感じもしながら、しかし、今回の平成十年度の予算を見てまいりますと、キャップがかかって、そして厚生省が四苦八苦努力して、あっちを削りこっちを削り、あっちにかんなをかけてこっちにかんなをかけてやっとできた予算案というような感じがいたしまして、それを見て、私も八年間国会におりますけれども、厚生委員会で一貫して仕事をさせていただいておりますけれども、なるほど、こういう手法をお役人さんは考えるものだなと改めて認識を新たにしたわけでございます。  しかし同時に、私は、今回の上限枠を決めるというのは、我々厚生委員にもあるいは厚生省にも、ある意味で大変なショックを与えたんじゃないか。一種のショック療法、電気ショックを一瞬かけられて、一体これは何だといって、みずからももう一度、問題点あるいは社会保障制度というものを根本的に見ていかなければならないんだということも認識させたと思うのであります。やがて抜本改革が平成十二年度から始まるということになれば、当然このショックは続いていくわけでありまして、橋本総理大臣の財政構造改革の、ある意味での効果があったんじゃないかと私は認識しております。  それにしましても、一体厚生省は、予算編成をするときに、今回のような、財源が限られて、しかも思い切って、当然増八千五百億あるうちから三千億残してあとは全部削って持ってこいというのが今回の予算案であったわけでありまして、やはりこれは、中身をよくこの際吟味いたしまして、抜本改革にも役立てていきたいと私は考えております。  さて、全体で八千五百億、私が聞いておりますところでは、医療関係が約六千億、それから年金が千五百億、福祉が一千億、これで八千五百億になるわけですが、これをネットにしまして要縮減額というのを出していく、そして、今回、老人医療費関係では、適正化というふうに言っておられますけれども、三千二百六十億円の縮減額をお示しになったということでございます。  その老人医療費については後でおいおいお聞きいたしますが、年金で一千五百億当然増、そして福祉で一千億の当然増、これは、ちょっと今回の法案とは違いますから余計なようでありますけれども、どういう削り方をなさったのか、そのメニューを教えていただけますか。

田中泰弘厚生大臣官房総務審議官

○田中(泰)政府委員 お答え申します。  今先生御指摘のとおり、年金は千五百億でございます。これが当然増と見込んだところでございますが、最終的には、五百五十億を縮減いたしまして九百五十億増というのが最終的な姿でございます。  五百五十億の縮減の中身は、一つは、直近の一番新しい平成九年六月までの実績を織り込んだ計数の見直しでございます。これが一点でございます。それから、スライドにつきまして、当初二・〇%で出しておりましたが、これが最終的には一・九に落ちております。それから三つ目は、雇用保険との併給調整でございますが、この要素を盛り込んだということで、この三点によりまして五百五十億の縮減をしたということでございます。これは年金でございます。  それから、その他福祉等の関係でございます。一千億の当然増を見込んでおったところでございますが、概算要求の段階で、社会保険事務費の見直し、施設整備費の見直し、それから補助金の見直し、国立病院繰り入れの見直し等によりまして、概算要求の段階でこの一千億の当然増を約ゼロに持ち込んでおります。一千億の削減でございます。  それから、予算編成過程の中でさらに見直しを行いまして、今申し上げました項目、補助金、これは特に一般財源化の見直しを進め、また、国立病院の関係、それから施設整備の関係では、コスト縮減の観点からの単価の見直し等によりましてさらに七百五十億切り込んでおります。  したがいまして、福祉その他の関係では、当然増から出発いたしますと合わせて千七百五十億の縮減をしたということでございます。年金と福祉その他合わせまして二千三百億の縮減をしたということでございます。  以上でございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 特に福祉の削減については気になるところがございますので、また後ほど個人的に調べさしていただきたい、突然のお願いでございましたので、後で確認さしていただきたいと思います。  さて、最終額三千二百六十億円というのが出たわけであります。この調査室の資料に事細かく出ておりまして、それぞれを見ていくと、なるほどと思わせるものがたくさんございますので、かいつまんでというか、中身について私なりに認識を新たにしたいという思いでまずお聞きしたいと思います。  市町村国保ですね。「市町村における総合的取組み」というふうになっておるわけであります。この高医療費市町村の問題をまず取り上げさしていただきますが、そしてそこで、この「高医療費市町村における総合的取組み」で五十億円削減をしましたというわけです。それで、ここに「医療費の高い市町村を指定して安定化計画を策定させ、」とございます。そのことについても後でお聞きいたしますけれども、まず、五十億円というのはどこをどういじったら出てきた数字なんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これは積算の基礎でありますから、予算を計上するときにその根拠をきちんとして計算しておるわけであります。  基本的な考え方は、国保においては、医療費の高い市町村、これを指定して、それで安定化計画をつくる。安定化計画をつくるというのは、医療費を適正化をして、そして、その非常に高い医療費を全国平均並みにできるだけ抑えていこう、こういう考え方に立っておるわけであります。  そこで、平成九年度で申し上げますと、安定化計画の指定市町村数、百十九あります。それから、いわゆるそれよりもうちょっと医療費が低い準指定市町村といいますか、これが二百五十一市町村があるわけであります。それを、五カ年計画で一人当たりの医療費を全国平均まで総合的な対策を講じて引き下げるということで考えておりまして、そういった場合に、どの程度現行よりも国庫負担額が減るか、こういうふうなことで積算をさしていただいたわけであります。  詳しい計算式がございますけれども、そういった一人当たりの医療費と全国平均の一人当たりの医療費の差、これを積み上げて、そこに含まれる国庫負担額が五十億、このように計算さしていただいております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 何か複雑な計算根拠があるようでございまして、お見せいただいてもわからないだろうと私は思うんでございますが、この国保事業安定化計画というのは、私の知る範囲でも相当厳しい計画ではなかろうかというふうに思うのであります。  これは、一九八八年の国民健康保険法の改正でこの指定市町村の国保の安定化計画をつくって、そして、指定された市町村は平均値まで下がるようにして努力をさせ、そして、基準超過額が出ますと国庫負担を減額するというような法案ですね。そういう制裁措置が入っているわけです。  それで、これは、平均が下がりますと今まで努力した人たちもまた平均値から上がることがありますから、また指定を受けて、あるいは準指定を受けて、また平均値を下げるような努力をしなきゃいけないわけでございまして、要するにこの安定化計画というのは、市町村の国保の担当者のおしりをたたいて、とにかく医療費を下げろということになるわけでありまして、ある意味で際限のないいわば削減競争といいますか、そういうものが市町村に強いられる制度でございます。  いわゆるこの国保事業安定化計画というのは、一九八八年以来五年ごとの見直しということでありますが、順調にというか、この法案の目的とするところに従って進んでいるんでしょうか。そして、毎年、大体推定すれば医療削減額というのはこの五十億円ぐらいになるというふうに考えていいんでしょうか。その辺のお答えをお願いいたします。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 この安定化計画は非常に酷なように、今先生の御質問ですと受けとめられてしまうのでありますが、やはり我が国の医療費の地域格差というのはかなり大きいものですから、そういった中で、まだまだやはり、一人当たりの医療費の非常に高いところについては適正化の努力の余地が大きいというふうなことでお願いしているわけでありますから、これがアリ地獄のようなことにはならないというふうに思っております。  そこで、この五十億というのは、まさに今申し上げたような積算でお願いしておりまして、これはやはり平成十年度、非常に厳しい予算編成でございましたから、そういった中で、従来以上に強い覚悟でお願いをするということで計算しておりますので、私はやはり、そういった意味ではこれまで以上に強い取り組みをお願いせざるを得ない、こういうふうに考えております。     〔委員長退席、根本委員長代理着席〕

土肥隆一民主党

○土肥委員 そうすると、ことしは五十億。しかし、一九八八年以来もう十年近くたっておるわけですが、どれくらいの削減実績があるんでしょうか。  それからもう一つ、もし今わかるならば、制裁措置を受けた市町村というのはその指定市町村のうちの、五年ごとに指定市町村が変わるんだと思いますが、毎年何割ぐらい制裁措置を受けているというような数字もわかりますか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 平成六年度の数字で申し上げさせていただきたいと思いますが、平成六年度は、指定市町村数が百十三でございましたが、達成できなかった市町村数が十市町村、こういう実績でございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 かなり成績はよかった。これは毎年指定するわけですね。-はい。  準指定というのはどういう扱いを受けるんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 指定市町村よりももう一つランクの低い市町村を準指定ということでやっていまして、扱いは同じです。

土肥隆一民主党

○土肥委員 そうすると、ちょっと額が出ていないんですが、ことしは五十億円。毎年幾らぐらい減額になっているかというようなことを算定する数字というのはないんですか、あるんですか。ないかあるかだけで結構です。毎年の、指定して、そして基準額を下げるようにしていって、その間で浮いた医療費の、いわば縮減額というようなものがあるんですか、ないんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 いわゆるノルマ的なものという意味では、これは全国平均の医療費も変わりますから、そういったものはございません。要するに、相対的なものとして、全国平均に比べてどうかということで考えておるわけでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 そうすると、額ではなくて一種の、努力した中の全体の市町村医療費の中に潜り込んでいて、ことしはこれを五十億円浮かび上がらせたと理解していいんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 浮かび上がらせたというよりもむしろ、この全国平均並みに下げていただいたとしたならば五十億円が削減されるということであります。  その努力というものを完全にやっていただかないと、いわゆる落ちこぼれが出てしまいますとこの五十億円が変わってしまうおそれがありますから、そういった意味で、これを何としても達成いただくべく頑張っていただきたい、それは例年に比べてもっと厳しいものがある、それは財革法でキャップがかかっておりますから、ということでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 わかりました。ですから、ことしは大変厳しいだろうな、ことし頑張れば来年はちょっとほっとするというようなことになると、またこれはどういうことかなということになりますが、市町村国保が非常に厳しい中にありますから、医療費の高い市町村を指定して、安定化計画というよりはこのキャップをかぶせて、そして平均値より下げなさいということになるわけでありまして、私は、これは局長のお話によればそんなにアリ地獄じゃないんだとおっしゃいますけれども、行けども行けどもというような感じをぬぐえません。したがって、市町村の担当者にも聞いてみたいというふうに思っております。  もう一つ、続けて、不思議な気がしてなりませんのは、「重複・頻回受診者に対する保健婦の訪問活動の強化」というところで二百二十億円出ているんですね。  保健婦さんが重複・頻回受診者のところを訪ねていきまして、適正な受診を指導して、そして医療ではなくて保健福祉サービスの利用をしなさいと、外来医療費の適正化といいますか、余り外来にしょっちゅう行くものじゃありませんよとか、あるいは、一カ月に四以上の医療機関で受診している者などのうち重複・頻回受診者として適正化が見込まれるケースなどを積極的に指導する。  こういう重複・頻回受診者に対する保健婦の派遣事業をこれまでもやってこられたんでしょうか。そして、二百二十億という額はどうやったら出るんでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 保健婦の重複・頻回受診者に対する訪問活動による縮減ということについてのお尋ねでございますけれども、まず制度的な面で申し上げますと、昨年の法改正で老人保健法を改正をしていただきまして、保健婦の訪問活動の中にこういった活動ができるような根拠を置いていただきました。そういう意味では、保健婦のこういった活動への根拠というものがより広がったという制度的な裏打ちを昨年していただいたという背景がございます。  そして、今年は、やはりこういった厳しい状況の中で老人医療費の適正化を一層推進をしなければならないという中で、重複・頻回受診者に対しまする保健婦の訪問活動を強化をするということを前提にいたしまして、このような縮減額を見込んでおります。  具体的に申し上げますと、平成十年度におきましては、一つには、市町村等におきまして保健婦等の雇い上げ経費補助事業を創設をいたしまして、こういった重複・頻回受診者に対する訪問指導等を行うということを強化をいたしましたし、また、国民健康保険団体連合会におきましても、保健婦等を雇い上げまして保険者と連携をしてやっていくという訪問指導等の事業を、これは既にある事業でございますけれども、引き続き実施をするという形での強化を図っております。  こうした中で、保健婦等におきます訪問指導活動の強化ということを前提にいたしまして、今回のこういった縮減額を見込んでおります。それは、単にお年寄りにお医者さんに余り行くんじゃありませんよというようなことを言うんではなくて、むしろお年寄りの方々の健康、あるいは適正な医療の受け方というようなことを指導する中で、その結果として医療費の適正化に結びつく、こういうことをねらいとしたものでございます。  二百二十億につきましては、老人医療受給者のうちに、今一月に四以上の医療機関を受診をしているという方々が全体の五%程度に上ると見込まれます。これ全部がいわゆる必要ということにはなってまいりませんので、そういった中からこれを抽出をいたしまして、受診の適正化が見込まれる方々に対しまして保健指導を行うということで、この数字を見込んだものでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 この頻回・重複受診者のデータはどこから出てくるのでしょうか。そして、これを専門に担当する保健婦さんを雇い上げたのか、それとも従来の業務にプラスして、人員をふやして、従来の乳幼児の保健指導であるとかその他も含めて、特別な保健婦さんを用意したのか、そうでないのかということもお聞きしたい。大体何名ぐらいふやしたのですか。その辺はわかりますか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 算定根拠としまして、今のいわば五%程度がそういうものであるというような点につきましては、私どもの方の調査で出しておりますし、またそういった方々についての医療費がどのくらいかかるかというようなことにつきましては、民間の研究機関の数字等を参照させていただいております。  それから、どの程度やっていくかというようなことにつきましては、今のような新しい施策を打ち出しているということに伴うものでございますから、いわば我々の努力の中でそれをやっていこうということで、今、統計からそれを出したという形ではないような数字ももちろんございますけれども、そういったものも含めまして、今のような数字でお願いをしております。  それで、それじゃ今のどの程度の保健婦さんなりをあれしているのかという点でございますけれども、額にしまして二十七億円計上をいたしておりまして、それによって、いわゆる雇い上げで保健婦さんを雇っていただく。その中には、民間のそういった活動をしておられます会、そういう民間の潜在といいますか、一たん保健婦活動を終えられてボランティア的にやっておられる、そういう活動をなさっておられる方々の会がございます。そういった会から派遣をしていただくというようなことをも含めましてやってございますので、ちょっとその何人分というのが数えにくうございますけれども、達観したところで言えば、後ほどもし間違っていたら訂正させていただきますが、延べであれすると三十万人ぐらいの数字にはなったのではなかったかなというふうに思います。

土肥隆一民主党

○土肥委員 その重複・頻回受診の、先ほど質問の中で言いましたように、このおばあさん、おじいさんは頻回・重複受診者ですよ、一カ月四回以上出ていますよということは、どこからデータが出てくるのですか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 これは後ほどの御質問でもあるいはあるかもしれませんけれども、レセプトの点検強化をいたすということで、言ってみれば、それぞれのレセプトの名寄せと申しますか、経時的にその人のレセプトを見るというようなことをすることにいたしておりますので、そういった中から、現在もまだそういう体制になっていないところもございますけれども、なっているところもございますから、そういったところから過去のデータはとりましたし、今後はそういったことの中で、それを見つけてそこに行っていただくという形で現実には展開をしていくということになります。

土肥隆一民主党

○土肥委員 そうすると、国保連合会から、国保連合会のレセプト審査から出てくるのですね。国保連合会のレセプト審査からそのケースが引っ張り出されてくるわけですね。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 実際のいわゆるレセプトをあれするのは、国保連合会に委託をして共同処理をしていただいておりますけれども、主体は市町村でございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 主体も市町村で当然でございますけれども、言ってみれば個人データですよね。受診における、医療機関を利用する個人データが出てまいりまして、頻回だ、重複だというふうなことで、そのままそのデータを見てこの人のところへお訪ねして話をするというのは、私は非常に問題も生じるだろう。  これは、国民の側からいえば、自分がこういう医療機関にかかって、自分の健康をこういうふうに維持したい、あるいは病気を治したい、A医師はちょっと頼りないからB医師とかC医師とかD医師とかいって頻回、そしていろいろと煩雑に医療機関を利用なさるお年寄りもいるかもしれません。そのときに、自分が医療機関を利用するきちっとした認識を持っていらっしゃる方もおれば、あるいは適当にかかっていらっしゃる方もいるかもしれない。いろいろな国民がいると思いますが、私は、これは大げさに言えば憲法上、あるいは守秘義務というか、プライバシーの問題にもひっかかってくるのじゃないかな。  医療費の高騰化を防ぐのにはやむを得ない方法かなとも思いますけれども、その辺の、いわばデータが出てきて、それを受け取って保健婦さんがお年寄りを訪問する間の、これは持ったら早速出かけていくのか、あるいはどんなふうな調査をするのか、どういうふうな患者さんとの出会いを保健婦さんがするのかということをお聞きしたいと思います。     〔根本委員長代理退席、委員長着席〕

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 市町村事業としてやりますから、まずその守秘義務等の点については、当然そういった範疇の中で、公の事業としての中でかかってまいりますということが前提でございますけれども、今先生お話しのようなことで申し上げますと、これはストレートに、あなた、回数が多いですから、もっと減らしなさいというような指導をするのではなくて、冒頭申し上げましたけれども、あくまでもその方の健康維持あるいは医療のかかり方が、その人の状態に何がいいかということを保健指導としてやるというのは、ある意味からいうと、市町村の保健指導活動あるいは保健婦さんの保健指導活動の本来の活動でございます。そういったことを通じてそういうことに結びつけていこう。  そのときにやはり端緒となるものとしていえば、そういった頻回に受診をされる、はしご受診というようなものをされている方についてはそういうことになりやすいから、その人は全部そういうことじゃないし、それは必要としてそうなさっている方も当然あるわけですから、したがってあくまでもアプローチの仕方なりなんなりについては、今申し上げましたように、保健指導ということの本旨にのっとったことでやっていただくということでやりたいと思っていますし、私どもも、そういう観点からあくまでもやるものだということは徹底をしてまいるつもりでございますし、今日もそういうことでやっております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 やはり心配の種は尽きないという気がいたします。訪問するわけですから、ごめんくださいと入っていって、何でしょうか、保健婦でございます、お元気ですか、いよいよ本論、あなたは重複・頻回患者さんですと言わなければいけないわけですね、言わなければいけませんね。そのために来たのです。  どういう健康維持をしていらっしゃいますかというようなところの材料は重複・頻回なわけでありまして、これ以上は申し上げませんけれども、どうも医療の抜本改革などということを考えるときに、我々は、ここは立法府、そして厚生省、市町村、そして医療機関、要するに行政視点といいましょうか国の視点といいましょうか、そういう視点でやって、これ以上もう大変なんだから、これ以上国民も負担しないのだから、その一つとして重複・頻回はやはりやめさせなければいけない、こういう視点で見ていくわけですね。  ところが、一人一人はそれぞれ考えが違うわけでありまして、ここが大変難しいところですけれども、今度の場合は、保健婦さんが特に訪問して健康指導をするというならいいのですが、もう少し医療機関を選択してください、あるいは四つ行っているところを一つにしたらどうですかというふうな指導というのは、基本的に医療というのは、我々国民と医療機関、つまりお医者さんとの間の出来事であって、それを制度的にカバーして、そしてどういう医療を供給しているか、あるいは受診しているかというようなことにどの程度介入できるのかという基本的な問題を考えておかないと、どうも我々は、予算、財源、制度論というようなことで押し切ってしまうというところがある。  それじゃどんどん医療費がふえるばかりだと言われれば、いろいろな努力はしなきゃいけないと思いますけれども、そういう視点を忘れないでいないと、国民の医療を完全に管理してしまうということになりかねない。特に、受診者側、国民、医療を受ける側の者の医療的なプライバシーというものをやはり十分配慮しなければいけないのじゃないかというふうに考えます。この件はスタートしたばかりのようでありますから、これからも私は見守っていきたい、このように思っております。  次に、レセプト点検の充実強化で百十億円削りました。これは割にわかりやすいといいましょうか、レセプト共同電算処理未加入市町村を解消する。それから全市町村においてレセプト縦覧点検を強化、この辺がちょっとわからないのですね。それから、交通事故等に起因する医療費について第三者求償を徹底、これもどういうふうになさっているのか。この三番目のところに、特別養護老人ホーム等入所老人に係る初診料・再診料等の算定を適正化する、これも御説明いただきたいと思います。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 レセプト点検の充実強化等におきます百十億削減、縮減ということで掲げておりますものの中身でございますけれども、四つございまして、一つは、全市町村におきます老人医療のレセプト共同電算処理を国保連合会においてやりまして、個人ごとに複数のレセプトが、いわば経時的にといいますか、名寄せをしまして、その人がずっと時間を追ってどういう受診をしておられるかということを見ることが容易にするということの中で、その点検、縦覧点検と申しておりますが、そういった見方ができるようにすることによりまして、重複請求といったようなもののチェックができやすくするというのが一つでございます。  それから、二つ目は、今先生お挙げになりましたが、交通事故等に起因した医療費は、本来、医療保険制度の建前でいきますと、その原因をつくった人に求償をするということが法律上できるようになっているわけでありますけれども、その求償漏れというのが今一割強ぐらいあるというふうに推計をされております。これについては、やはりきちっと求償を、法律上もなっていることですから、これを徹底をいたしましょう、こういうことでございます。  それから、三つ目でございますけれども、特別養護老人ホームに入所をしておられます老人等に係りまする診療報酬の算定の適正化という点でございますが、これにつきましては、実は行政監察におきましても指摘をされておる事項でございますけれども、特別養護老人ホームにつきましては、そこに一応、常勤、非常勤の別はございますけれども、配置医師がおられることになっております。その配置医師の方が入所者の診療を行われた場合には、そのお医者さんにつきましては、特別養護老人ホームのいわば処遇の一環として基本的な医療を行うことを前提にして、その人件費については既に措置費という形で払われております。したがって、その調整ということがございますものですから、診療報酬請求といわゆる措置費で出された部分の調整という意味で、初診料とか再診料等については算定できないという扱いになっているわけでございます。ところが、この点が不徹底であるということで行政監察でも指摘をいただきましたし、診療報酬あるいは医療費の使われ方の適正化という側面からもこれは徹底をしなければならないという点を盛り込んだものでございます。  それから、四つ目でございますけれども、これはレセプト点検の財政効果率と申しますか、レセプト点検の効果が全国的に見て平均よりも低いというようなところについては個別指導をさらに強化をしようということで、国なり都道府県が重点的に個別指導をしよう。こういった四つのものを含めまして、そのようなことを計上させていただいているということでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 ここでもやはり私は同じような懸念を覚えざるを得ないと思うのです。コンピューターでレセプトを共同管理する、なるべくもう全市町村加入させておいて、そして今度は全市町村が縦横にこのコンピューターにアクセスしてのぞけるようにする。そうすると、もう国保に加盟している、私も国保ですけれども、どこへ行きましてもたちどころに、あっちこっちこっちと重複・頻回受診しているということが解明されるわけですね。その材料を持って、私のところに、あなたは重複受診者ですねと。  私は東京でも病気しますし、神戸でも病気しますから、医療機関はあちこちにかかるわけでありまして、ここのところは、自治省がやろうとしている、国民のいわゆる戸籍、戸籍は入れないのかな、現住所であるとか年齢であるとかというものを全部インプットして、そして端末機さえあれば例えばどこかのお店の店先でも住民票がとれるとか、そういうことをしようということのようでございますけれども、これは厚生省としては、全市町村コンピューター化をしよう、そして全市町村がレセプトを縦覧するシステムをもうつくりつつあるということになりますね。その辺はどうでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 先ほど来老人保健局長が御説明申し上げているのは、これは老人医療費の関係であります。したがって、先生の場合まだ老人医療の対象ではないと思いますから、先生のところに頻回受診ということで行くことはないわけであります。  これは、なぜこういうことで私ども適正化にカウントしたかと申しますと、老人医療費については、これは基本的に老人医療のレセプトは市町村にまず集まるようになっておるわけでありますが、老人医療費の財源というのは、それぞれみんなで、各制度で拠出するという格好になっているわけであります。そういった意味で、被用者保険サイドにおいては、どうも市町村のレセプト点検、老人医療のレセプト点検が必ずしも十分ではないのじゃないか、したがって、もっとこの辺のことについてもきちっとすることによってむだを省けるのではないかということはかねてから指摘されておりましたし、それからまた、後ほどの中の対策にもあるのでありますが、この老人医療のレセプトをむしろ被用者保険サイドでもうちょっとチェックさせてほしい、そういった中で、レセプトの被用者保険サイドの滞留の期間をもうちょっと長くしてほしい、こういう要望もかねてからありまして、そういったようなことも今回行うことに組み入れているわけです。  そういったことでありますので、これはやみくもにねらい撃ちをするということではありません。そういったような各保険制度からの指摘なり要望というものを踏まえて、やはり老人医療の適正化の視点からきちんとしたチェックなりあるいは保健指導というものもきちっとやっていく、こういうことで考えているわけでありますので、そういった意味で、何かプライバシーの侵害とかそういうようなことのないようなことで考えておりますから、全部コンピューター化し、その中に載せてしまってすべてを管理をする、そういうような発想でやっているわけではありませんので、そこは御理解いただきたいと思います。

土肥隆一民主党

○土肥委員 いや、それはいいのです、理解するのです。だけれども、コンピューターシステムというのはそういうものだということなんですね。インプットされたものは必ずアウトプットされる。ですから、これはアウトプットする人の身分、公務員あるいは連合会なんでしょうけれども、もっと極端なことを言いますと、保健婦さんの家にも端末があれば、自分で引き出せば、自分の地区のだれさんとだれさんとだれさんと全部出るわけでありますから、一々保健所に行かなくたって、自分の家からスタートできるわけです。そういうふうになりがちなのがコンピューターシステムなんですね。  ですから、これを老人医療関係で、全市町村、三千三百市町村完結する、これはよほどやはり扱いは、プライバシー侵害にはなりませんとかなんとかいっても、結局そういうものなんです、コンピューターというのは。それは我々、コンピューターによる合理化そして効率化、そして医療費の削減ということも当然考えていいわけでありますけれども、何かそういう、この老人医療の分野でのコンピューター化を、電算化を急ごうというときに、歯どめになるようなものはどういうふうに、何か規定されているのでしょうか、そういっただ認識の問題でしょうか、どうでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 当然、市町村が今の保健指導をするにしましても、そういったことについては、市町村の職員としてやられる場合については、いわゆる守秘義務というものは法制上もかかっておりますから、そうした中でやっていかれるものだと思います。  市町村のいろいろな活動の中には、住民のサービスに触れる、それをきめ細かくやろうとすればするほど、そういったプライバシーとの兼ね合いが出てくるものが全体多うございます。したがって、そういうことの一環としてやはりこういうこともやっていかなければならない。  しかし、先生、これは御理解をいただきますように、そういったものについて、医療費のむだが、そういったことがきちっとチェックされる仕掛けがないがゆえに、みすみす医療費のむだが出ているとすれば、やはり、それはそれで対策を打っていかなければならないという、両様のにらみをしなければならない行政だと思いますので、そういう意味で、実は今日も、共同処理という形でレセプトの電算処理をしているものはあるわけでございますけれども、それを徹底しようというのが今回の老人分野における扱いでございますので、御理解を賜りたいと思います。

土肥隆一民主党

○土肥委員 公務員の守秘義務は当然でございますが、やはりこれは、何らかの文章化した取扱規定、それから、やはりどこかで、人間がやっているわけですから、コンピューターからデータが漏れるということもあるわけでありまして、そういうブロックシステムみたいなものを明文化してやっていただかないと、お年寄りだからというようなことでは済まされない。やがてこれは全被保険者に、全国民にかぶさってくることもあろうかと思います。そういう点について、今回、図らずもこういうお話がありまして、私も、なるほどな、こう認識を新たにしているところでございます。  それで、特養には配置医師がいる。嘱託がほぼ全部でありますけれども、嘱託医に対する人件費は、措置費の中に入っている。医者に払われる措置費というのは、幾らでしょうか。一カ月幾らですか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○羽毛田政府委員 単価は、今ちょっと調べさせていただいてお答えをさせていただきますが、いわゆる配置医の方々の費用は、全部診療報酬から請求をしてはいかぬということではございませんで、基本的な診療の部分は措置費の中に入っているので、そこの、初診料とか再診料といった部分については、これはいわば、措置費と診療報酬との調整問題でございます。措置費が出ているのに、診療報酬が追いかけてそこへ出てしまうと、二重に出た格好になりますので、そこを調整すべきである、これは筋だと思いますし、そういう御指摘もいただいておりますので、そこは適正化をしようということでございます。  単価は、後ほど申し上げさせていただきます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 後ろの方で、わかりますか。――それじゃ、また後にしましょう。済みません。  いろいろ発展して大変申しわけないと思うのでありますけれども、この際、いろいろお聞きしているわけでございます。  九十億円、これで削るんですか。これは四つで九十億円ですね。ですから、私も社会福祉施設と深いかかわりがありますので、もう一遍、私なりに調べてみたいというふうに思います。  次の質問に入らせていただきますけれども、長期入院患者の家庭復帰の促進等々で百億円削ったんだということでございます。  長期入院患者の家庭復帰の促進で、ここも、保健婦の訪問活動等により家庭復帰を促進し、入院医療費を適正化するということで三十五億円。  それから、地域リハビリテーションの充実ということで、地域のリハビリ施設との連携を強化して、そして、入院中の患者を通院型リハビリに移行することを可能として、医療費を削減する。  それから、国保の直営診療施設を中心とした保健事業を実施して、つまり、国保の診療所を健康づくりに使おうということですね。それからもう一つは、国保の診療施設と保健サービスを総合的に行う拠点として、保健福祉総合施設、高齢者保健福祉支援センターを設置し、保健事業を推進する。もう一つは、国保連において保健婦を小規模市町村に派遣し、外来受診者を対象として疾病別の健康教室等を開催し、健康教育・指導を実施する。それで、全体で百億円、こういうふうになっております。  またこの根拠を聞くわけでありますけれども、長期入院患者がいらっしゃる。もうこれは、病院の婦長さん、総婦長さんなどは専ら退院を促す仕事をしておられるわけでありますし、そして、医療ケースワーカーのいらっしゃるところも一家庭の状況、お年寄りの置かれている状況、そして医療的な状況を判断して、このお年寄りが将来どういう生活をしたら一番ふさわしいかというような、福祉的な視点で判断する方もいらっしゃいますけれども、ここに保健婦が出てまいりまして、これはまず病院を訪問するんでしょうね。そして家庭復帰を促して、入院医療費を縮減するというんですが、こういう制度は今までもあったんでしょうか、私ちょっと存じませんが。そして、これはどういうふうに実施されているのか、まずお聞きしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 この百億の関係は、主として国民健康保険の関係でありますが、これはそれぞれ、国保でこれまでいろいろなモデル事業等々もやっておりますし、あるいは基盤整備等々、モデル的にやっているケースがあるわけであります。そういったものがそれなりの効果、実績を上げておりますので、これをもっと幅広くやってもらおうというのが基本であります。それを促すということであります。  例えば、最初に御指摘ございました長期入院患者の家庭復帰の促進でありますけれども、これは昭和六十二年から平成五年にかけまして、国民健康保険団体連合会におきましてモデル的に実施したものがございます。いわゆる長期入院者の家庭復帰促進モデル事業というふうに呼ばれておりますけれども、これを念頭に置きまして、もっと幅広くこれを実施しようという考え方に立ったわけであります。このモデル事業の効果というものを前提にさせていただきまして、三十五億円というものを計算させていただいた、こういう内容でございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 ちょっと補足してお聞きします。  この保健婦というのは、都道府県、市町村保健婦、自治体の保健婦、あるいは保健婦資格を持っている保健婦、どういうことですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 これは市町村の保健婦さんでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 そうすると、通常は保健所に詰めていらっしゃる、そして地域活動をしていらっしゃる、そういう人たちが同時に病院も訪問するわけですね。病院に訪問するときの、医療機関の側はどういうふうにこれを認識して受け入れて、長期入院の方の家庭復帰を促すと。病院の中、診療所の中のどういうシステム、仕組みの中に入っていくんでしょうか。  ちょっと細かい話で申しわけないのですけれども、どうぞ。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 ちょっと実態的なあれは、私の過去の経験で申し上げて申しわけないんですが、いわゆる国保というのは、昔から国保保健婦というのがおりまして、保健婦活動というのはかなり活発な活動をしていた制度なんです。  それが、あれは昭和五十年代だったと思いますが、五十年代の初めにこれを、国保保健婦といういわゆる制度が抱える保健婦さんではなくて、幅広く市町村の、一般保健婦と当時呼んだと思いますが、市町村の保健婦さんという格好にして、国保の被保険者だけではなくて、もっと幅広い保健婦活動を一体的に市町村としてやっていこう、こういうことで、現在は市町村の保健婦さんに全部なっているわけであります。  そういう中で、まさに少子・高齢化社会において、特にお年寄りへの保健婦活動というものが非常に活発になり、かつて保健婦さんというのはむしろ乳幼児の関係を主としてやっておりましたが、今やむしろお年寄りの方にシフトされていると思いますが、そういった意味では幅広く、日ごろから保健婦活動をやっておるわけであります。  そういう中のやり方の問題の一つとして、やはり病院の中に入ってしまうというよりも、お年寄りもできるだけ家庭に復帰して生活ができる方が望ましいという観点から、これまでも、できるだけ家庭復帰促進ということを促してきているわけであります。  今回、そういった意味で、やはり市町村保健婦さんが地域の医療機関との連携の中でそういうことを促進をしていこうということでありますから、そのベースとして、日ごろから市町村の保健婦さんが地域の医療機関と常に密接な連携を持っていないとなかなかうまくはいかないと思いますけれども、こういった今回の事業というものを普及していただくに当たって、むしろそういった面における連携というものもさらに密接になってくると思いますし、また、なっていただかなければいけないということで考えておるわけであります。  そういった意味で幅広くとらえれば、市町村の保健婦活動の一環として、ある意味では本来の保健婦の仕事として位置づけることができますし、それから、具体的な方法論について、やはりその地域地域における特色なり実態というものを踏まえて、そこは保健婦さんの知識なり経験というものを大いに発揮していただいて効果を上げていただく、私はこういうものではないかと思っております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 先ほどの重複・頻回も保健婦さん、長期入院患者の早期退院も保健婦さん、保健婦さんは随分大変な仕事がふえてきたのだなと。従来ですと、乳幼児の健診ぐらいでよかったのですけれども、このごろはこんな保健婦さんの多様な働きが期待されている。  病院は助かるでしょうね。どうしてもこの人は帰らない、家に戻らない、もう家族も全然面会に来ない。それで保健婦さんを呼んで、話してくださいよと。話し合いをしてもらって、そして、家の実態も見てきてくださいよと言われれば、家に行ってその方の家族とも会って、もう退院してほしいのだけれどもどうですかというようなこともやらなければ、入院患者にだけ早く帰りなさいといったって、それは無理な話なんですから。  ですから、ある意味でこれは福祉の分野に入るわけでありまして、メディカル・ソーシャルワーカーの資格問題などもありますけれども、医療を踏まえた社会福祉の専門家というような方でないと、これは保健婦さんが家庭の実情まで調べるのは大変なことだろうというふうに思うのです。ですから、これで三十五億円削りますとおっしゃられても何のことかよくわからない、私もそういう気がしてなりません。  この長期入院患者さんの家庭復帰というのは、非常に重大な、しかも重い課題でありまして、家庭復帰して家庭で生きていける条件がない限りは復帰したくないわけですね。ですから、保健婦さんだけの仕事でこういうものが可能だろうか、この事業を推進していって、保健婦さんというのは、保健婦としての仕事をはるかに超えた福祉的な仕事に入っていくのではないか、こういうふうに思いますが、どういう御感想を持たれますか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに私は保健婦さんの本来の仕事だと思います。ですから、いろいろな資格制度がありますけれども、保健、医療、福祉、これを連携をとって進めていく中において、これは保健婦さんだけということではありません。当然、お医者さんとか、いろいろ関係するわけでありますし、それらの方々が連携をとって実効を上げていただくというのが基本でありますから、そういった意味では、保健婦さんひとりが孤軍奮闘するというものではなくて、やはりその地域におけるそういうふうなシステムというものをきちっとつくっていくことが基本的には大事だというふうに思います。  そういった中で、保健婦さんが、ある意味では中心的な役割を担っていただくということは、私は非常に重要なことだと思いますし、そういった意味で、保健婦さんの活動というのは、都会地ですと余りなじみがないのでありますが、地方の方、特に東北の方ですと、昔からかなりそういった面で非常にいい活動をしておりますし、まさにこれからの高齢社会ということを考えた場合に、この保健婦の活動というものが見直されなければならない、というよりも、もう既にそういったことは見直しがかねてから叫ばれております。  私は、ますますこの保健婦さんというのはこれからは非常に重要になってくる、それからまた、保健婦さん一人一人もそういうふうな気構えあるいは気概を持って今も活動されていると思います。その割には市町村の中で余り理解されていない面があるのではないか、むしろそっちの方を私は昔から心配しておるのですが、こういうような機会に、保健婦さんが積極的に活動できるような御理解をむしろ賜りたいというふうに思います。

土肥隆一民主党

○土肥委員 もう保健婦さんで結構なんですよ。だけれども大変ですよと。したがって、数の問題にしても処遇の問題にしても、これはもう大変な仕事ですよ。その保健婦さんが保健婦としての知識や経験を生かして、長期入院患者さんのことをよく考えて、そして家庭復帰を十分整えられるような、そういう条件もつくってあげて初めて患者さんが自宅へ帰るわけであります。それを期待される保健婦さん、それは保健婦さんが、そういう医療から福祉の分野までまたいで仕事をしていただけるならば、これにこしたことはございません。しかし、今の保健所行政あるいは保健婦の定員などを考えてまいりますと、そう保健婦さんに頑張れ頑張れと言っても、おのずから限界があるというふうに私は思うのであります。  まして介護保険が導入されてまいりますと、今度は介護支援専門員というのがいますけれども、そこと、在宅福祉サービスあるいは社会福祉施設サービス、この二つを持ちながら、病院という要素も考えながら医療、そして看護、介護、そして在宅福祉サービス、これは、お年寄りの残された人生を全部つないでいく事業が介護保険として始まる。そうした中で、長期入院患者さんを保健婦さんが見る、保健婦さんの仕事にする。そして介護保険という受け皿があると、今度はこの介護保険システムの中にこの患者さんがどう入り込むかというようなこともあって、より複雑な、複雑というよりは、よほど有能でないと、お年寄りに本当にいい処遇をして、入院から在宅まで移すことが可能かどうかということでございまして、保健婦さんの活躍を期待しながらも、やはり保健婦さんだけで長期入院患者さんの退院指導をするということはほぼ不可能だと。国保の分野では昔から密接な連携があってうまくやっているんだとおっしゃれば、もう一遍私も地方に行って調べてみたいと思うのでありますけれども、そういう感想を持っております。  いろいろと細かい質問をして、大変恐縮でございました。一つ一つの質問については最後にしたいと思うのですが、政管健保でもレセプト点検を充実強化するんだということでございまして、それで百三十億ということでございます。支払基金のことも出てまいりますが、政管健保におけるレセプト点検の現状と百三十億円の減額という根拠について、お述べいただきたいと思います。

真野章社会保険庁運営部長

○真野政府委員 お答えいたします。  政管健保につきましては、現在、各社会保険事務所におきまして点検を行っておりますが、平成十年度におきましては、従来このように各社会保険事務所単位で行っておりましたレセプト点検に係る業務を、原則、レセプトの多いところは複数でございますが、各都道府県単位に一カ所集中をいたしまして点検をするという方式に改めたいというふうに思っております。  そういうふうに集めることによりまして、レセプト点検にいわば習熟した人たちを集めることができまして、それによりまして、内容点検の充実、また、先ほど老健局長からお答えをいたしましたように、交通事故等のように第三者求償が行えるもの、そういうことをきちっとやることによりまして、一層の適正化に取り組みたいというふうに考えております。  百三十億の算定根拠でございますが、現在、これとよく似た仕組み、幾つかの社会保険事務所が集まりまして点検している県がございまして、その県が上げている効果の実績をもとに、これを十年度で全国で一層充実して行うということから、同様の成果を上げるものと見込んで算定をいたしたものでございます。

土肥隆一民主党

○土肥委員 レセプト点検あるいはレセプトのあり方について、二、三質問したいと思います。  今日、一つは、保険者によるレセプト点検が強く推進されていると聞いております。厚生省も、保険者によるレセプト点検をしなさいというわけです。その結果、かなりの再審査請求が保険者によって行われたということも聞いております。  支払基金がある。あるいは連合会がある。そこでレセプト点検が行われる。それをまた保険者にも点検させるというのは、これは一体どういう目的でそういう指導をしていらっしゃるのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 レセプトの点検といった場合に、それぞれの機関によって内容が違う場合が当然あり得るわけです。いわゆる支払基金なり国保連合会なりでレセプトを審査をしておりますのは、毎月毎月出されたレセプトについて個別個別の内容を審査をしておるわけであります。その個別個別の審査を見る限りにおいてはそれほど問題がない場合であっても、いわゆる縦覧点検という形で何カ月か並べてレセプトをチェックをすることによって、やはりそこに必ずしも適当ではない請求が含まれるというケースがあるわけであります。  そういった意味で、保険者によるレセプト点検のやはりメーンは縦覧点検だろうと思います。というのは、支払基金なり国保連合会で審査をいたしましたレセプトについては最終的に各保険者に戻りますから、そうすると、各保険者はそれを時系列的に並べてそれぞれチェックすることができるわけであります。これは、支払基金では今のシステムでは難しいわけでありますので、そういった意味で、それが一つはメーンになると思います。  それからもう一つは、これはかなり実際に数が多いのでありますけれども、資格のチェック、A健保組合にいた人がそこをやめてほかの医療保険に入った。ところが、A健保組合の保険証でそのままかかる、そういったケースがあるわけであります。それは、ほかに移っているわけですから、本来A健保組合で払うべきものではない。それは、やはり保険者でないとわからない面がございます。そういった意味で、いわゆる被保険者の資格と言っておりますが、被保険者の資格をチェックをするということがございます。  そういった意味で、やはり保険者サイドにおいても、それぞれの保険者がもう一度レセプトをチェックしていただくということは、現実問題として、医療費の適正化なり医療費の負担の面においても、本来負担すべき保険者がいるのにもかかわらず自分のところで負担してしまうというようなことがないようにするためにも必要な場合がありますから、現行の仕組みの中においては、保険者においてもやはり十分目を通していただくことが必要だ、こういうような趣旨でレセプト点検というものを推奨をしているわけであります。

土肥隆一民主党

○土肥委員 何か二重構造になっていて、非常にむだがあるというふうに感じるのですね。だったら、支払基金はもう完全な処理屋さんといいますか電算処理屋さんで、全部もう判断基準、審査をしないで処理してしまって、審査する人は各保険者が持っておって、そこで自分のところの健保組合のレセプトの審査をするという方が非常に合理的ではないかというふうに私は思うのですが、その辺はどうなんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今先生御指摘のような考え方もございます。ですから、全くその考え方というのが不適当であるということはないと私は思います。ただ、どちらがより効率的で、そして適正な、だれから見ても公平なチェックがなされているというふうに判断するかということではないかというふうに思います。システムとしては、全部保険者がチェックするのでいいではないか、支払基金は支払いだけに特化してもいいではないか、そういう御意見はございます。  これはやはり一つの検討の課題だと思いますけれども、それは現在の支払基金なりの審査に対する、今まさに先生がおっしゃったような、二重手間になっているのではないかとか、あるいは非効率があるのではないかとか、そういうものの裏腹の問題だと思いますから、現行制度がそのままでいいとは思いませんけれども、やはり一つのお考えとして検討しなければならない問題だろうと私は思っております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 最後に、やはり病床規制について、私はお聞きしておきたいと思います。  この病床規制で、自民党の委員の方が徳田虎雄さんを取り上げてお述べになりましたけれども、彼がどんな人で、いい入か悪い人かというのは別にしまして、ここに、平成十年の一月二十八日の朝日新聞の朝刊に「揺らぐ病床規制政策 病院新設めぐり行政・徳洲会対立」と書いてあるのですね。私は、医療をめぐって政治的な配慮だとか、政治的な問題というものを取り上げて、いいの悪いのと言うのはやはり早く克服すべきではないかなというふうに思います。  この新聞の記事に従って私は申し上げますが、「一九八五年の医療法改正で導入された制度で、これまで中止勧告は守られてきた。」こうまず押さえております。徳洲会が、富山、熊本、鹿児島で病院をつくりたいと言ってきた、新聞に書いてあるとおりですよ。「地元医師会の意見書が添えられていないことなどを理由に申請書の受け取りを延ばす。」あるいは、「地元医師会側が別の病院開設申請を出して必要病床数いっぱいまで埋めてしまい、」熊本と富山と鹿児島ですけれども、「各県の対応は、ほぼ似通っている。」こう言っております。それで、裁判があったと。行政手続法上問題があるという判決が出た。  今回の法改正において、健康保険指定の指定を取り消す、あるいは保険医療機関の指定をしないというこの厚生省保険局長の通知も八七年に出た。それでも聞かないから、今回は法改正に踏み切って、本文の中に、健康保険適用施設としては認めませんよという結論が出たんだ、こういうふうに述べておりまして、かなりもめるだろう、国会でもめるだろう、こういうふうに書いてあるんです。もめていないわけでありまして、粛々と進んでいると言ってもいいかと思います。  私、これは徳田さんとよく話し合って、この前の意見陳述をお聞きした中に、中野総合病院のお医者さんもおっしゃっておりましたけれども、やはり医療界、地域医療を引いたならば、その地域医療圏の中で、第二次医療圏の中で、どういう医療を地域住民にサービスとして提供するかという視点に立ては、病院が必要なところもあるし、要らないところもあるだろうし、医療というのは科学の世界なんで、もっと科学的に、理性的に、理性を持って話し合ってみる時期にもう来ているんじゃないか、こういうように思うわけでございます。  これはやはり大臣が、この病床規制をめぐっての裁判をするとか、あるいは局長が通達しても聞かないから本文に入れるというようなこと、読み方によってですよ、それはそうじゃないとおっしゃるかもしれませんけれども。やはりこういう病床規制をめぐる問題、非常に意欲的な、そしてどんどん自分の思う医療をやりたいというお医者さんなり理事長なりがいたときに、それを病床規制だけで閉めてしまうというのはいかがなものかというふうに思いまして、今後、やはりこの問題については大臣が出て指導すべき段階に来ているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 大臣が出て指導するかどうかはともかく、どのような業界といいますか職業でも、新規参入というのは嫌がりますね。やはり、競争が激しい、その競争によって適正な基準なり水準が生まれるということが自由市場の一つの原則でありますけれども、そういう中で、医療というのは確かに特殊性があります。しかしながら、基本的に、医師会にしても、新規の意欲的な徳洲会の進出となると、どうもそれに対して抵抗するというのが、現在までかなりの地域で見られているのは事実であります。  私は、政党、選挙でなにかにという、そういう利害関係で対立するというのではなくて、医療制度の中で、どういう解決方法があるか、また、各医院関係、病院関係、診療所関係、あるいは医師の意欲とか水準向上にどのように役立てるかということも冷静に考える必要があるんじゃないかと思っているんです。  私は、できるだけ医師会と徳洲会の対立には巻き込まれたくない。両方の関係者、私も知っております。選挙の応援をするしないにかかわらず、この問題については冷静に対処する必要があると思っております。

土肥隆一民主党

○土肥委員 終わります。ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時四分休憩      ――――◇―――――     午後二時六分開議

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。青山二三さん。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 平和・改革の青山二三でございます。  大臣におかれましては、連日、本当にお疲れのことと思います。また、きょうは、早朝より御苦労さまでございました。  昨日来、テレビを通じてでございますけれども、大臣の行動と発言をじっと見守っておりましたが、本日、こうした結果を得ることができまして、私たちの切なる声を大臣が確信を持って行動に移していただいたものと思うわけでございます。今後とも、国民の福祉の向上や国民の幸せのためにお骨折りをいただきたい、このようにお願いをいたしたいと思います。  去る三月十一日、この委員会で要望いたしました児童扶養手当の件でございますが、未婚の母の子が認知を受けた後も、手当の支給の継続を子供の人権を考えて御検討いただきたいと強くお願いをいたしておりましたが、大変前向きな御検討をいただきまして、実施を目指す方向となったということでございます。未婚の母と子に大きな朗報となりましたことを心から感謝申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。  超高齢化時代を迎えまして、我が国の医療保険制度は大きく変わろうとしております。今回の法案の見直しは、医療保険制度の抜本的な改革が行われるまでの間ということで議論を続けておりますが、今、何よりも重要なことは、国民の将来に対する不安感を取り除くことであると考えます。いずれの改革を行うにしても、まず、医療保険制度に対する国民の信頼を確保して、貴重な医療保険財源を有効に使うためには、医療費のむだを徹底的に取り除くことが基本であることをまず確認しておきたいと思います。  昨年、サラリーマンの医療費の本人負担が一割から二割になり、それまで負担がなかった薬剤費についても、何種類かによって細かく加算をされ、高齢者の負担もふえております。それまで負担がなかった薬剤費がこのように負担の対象となったことでございまして、厚生省の調査によりますと、昨年九月から十一月までの三カ月の平均で、国民が医療保険で使った医療費は、前年同時期に比べまして、全体で四・六%の減、中でも、サラリーマンの医療費の減少、特に外来が九・八%と一割近く減っているとの結果が出ております。  ということは、働き盛りのサラリーマンが医者にかかるのを我慢しているようにも感じられますが、こうした結果について、まず、大臣の御感想をお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 医療費の自己負担が上がることによっていろいろな影響があると思いますが、今御指摘の点も私は両方あるのではないか。というのは、自己負担が上がったためにさして必要のないのは行くのをやめようかなという点と、そしてもう一つは、自己負担が少なければもっと気軽に行けるのだろうけれどもというような面、両方あるのではないかと思うのであります。  しかし、短期間の傾向では、自己負担が上がったために受診抑制的な面がどんな場合にも出るというのは、今までの統計傾向から見れば事実だと思うのです。しかしながら、長期的に見ると、一見、受診抑制的な傾向が長続きするかというのは、もう少し期間を置かないとわからない面もあるのではないか。  かえって自己負担がふえたために、プラス・マイナス両方あると思いますが、一方では、余り不必要な検査とか薬というのはやめようではないか、お医者さんに行くのも少し控えようではないかというような傾向が出てきているということを、私はあえて否定するつもりはありません。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 大臣のそのような御答弁をいただきましたが、さらに、四月から診療報酬が実質一・五%引き上げられたことに伴いまして、健康保険で治療を受ける患者は多くの場合負担がふえる、そういう試算が厚生省より出されております。  モデルケースで見てみますと、風邪を引いて診療所に二日間通う場合、初診料や投薬料など合計した診療費の総額は、現行の四千九百七十円から五千三百八十円になり、サラリーマンなど本人は、このうち二割と薬剤の一部負担金を窓口で払うことになりまして、実際に負担する額は現行の一千百五十円から一千二百二十円に上がることになるわけでございます。  薬価基準の引き下げによりまして主に薬物療法で通院しているケースでは自己負担が減ることも考えられますけれども、今回の診療報酬の改定は、初診料が二百円高くなるほか看護料などの引き上げが目立ち、患者の負担については多くのケースでふえるものと思われ、医者にかかるのを我慢して、特にお年寄りなどは重症化するということも指摘をされ心配をされているわけでございます。  これまでの一連の患者の自己負担の増加による影響については、先ほど大臣からは御答弁いただきましたが、厚生省としてはどのように見ておられますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回、四月から医療費の一・五%の引き上げを確かに行わせていただいたわけでありますが、同時に、この四月から薬価基準の引き下げそれからまた医療材料の引き下げ、こういう引き下げによりまして二・八%医療費を縮減しているわけであります。  そういった意味からしますと、マクロ的に医療費を見ますと、引き下げで二・八%ありますし、診療報酬の改定が一・五ですから、ネットでマイナス一・三%の医療費の引き下げという格好になっているわけであります。  しかし一方、その際に、財源等の問題もこれあり、あるいは、今回お願いしております法律改正における老人拠出金の見直し等々による被用者保険サイドの負担増というようなことから、医療費の引き上げをすべきではないのではないかという意見もございました。しかしながら、今申し上げましたようなことで、医療費全体としてはマイナスの改定であります。  そういった中で、医療費というのは、これは医療機関の経営の原資であることはもとよりなんでありますが、その中で多くの方が働いていらっしゃる、職員の方がたくさんいらっしゃるわけでありまして、そういう方々の処遇というものも考えなければならないというふうに判断させていただいたわけであります。  そうしますと、診療報酬は二年に一回の改定でありますから、さらにそれを改定しないということになりますと働いておられる職員の方々の処遇という問題に支障を来すというふうに判断をし、一・五%のいわゆる人事院勧告並みの引き上げ、それからその間の消費者物価の引き上げに見合うものということで、必要最小限の改定をさせていただいたということでございますので、その点については御理解をいただきたいと思います。  と同時に、一部負担に伴いまして、確かに医療費は今、安定していると申しますか、それほど大きく伸びない状況で推移をいたしております。これは、平成十年度の医療費がどういうふうに推移するかということを昨年の予算編成の際に考えながら編成しましたが、私どもが当初織り込んだ形でおおむね今のところは推移をしておるということでありまして、そういった意味では、こういった状況というものがもう少し安定してくれば、医療費をめぐる経済的な問題というものもかなり違った角度から検討できるのではないかというふうに思っておるわけであります。  一部負担の必要性については、これはもう何度も申し上げておりますとおり、やはり医療に対するコスト意識なり、あるいは病気に対する自己責任といった点について喚起をする必要がありますし、また、広い意味では負担の公平という面もございますので、私どもとしては、適正な一部負担というものはお願いせざるを得ない。  しかし、我が国の制度というのは、どんなに医療費がかかりましても高額療養費制度というのがございます。通常の場合ですと一月六万三千六百円まででありますし、また低所得者に配慮したものもございますので、そういった意味では、私ども、この程度の一部負担については許容していただけるのではないかというふうに考えております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 この程度の一部負担でということでございますけれども、いずれにいたしましても、国民の負担が増大しているということは変わりはございません。  そういう中で、医療機関の不正請求が今大変横行いたしております。保険医療を悪用して、患者を食い物に多額の不正請求をした安田病院グループの事件ほど国民の怒りを買ったものはないと思われますが、こうした不正請求に関する事件は今も新聞紙上をにぎわわせておりまして、国民の医療への信頼をますます低下させているように思うわけでございます。このような不正請求が横行している現状では、国民の不満は爆発して、国民皆保険体制の維持も危うくなるのではないかと心配するわけでございます。  増大する国民負担の陰でこうした医療費の過剰請求が横行しているこの現状を、大臣はどのようにごらんになっておられますでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 安田病院のような不正請求事件というのは、医療保険制度に対する信頼を大きく傷つけたものだと思っています。まことに遺憾であり、既に安田病院に対しては保険医療機関の指定を取り消すなど厳正に対処してまいりましたけれども、今後ともこの不正請求をいかに防止するか。審査体制等を強化し、防止策も強化したところでありますけれども、罰則等の強化も、これは要するに不正請求を防ぐための措置である。医療機関自身も反省していただきたいし、厚生省としても、このような不正請求が起こらないように不断の指導監査の強化をしていく必要がある。真剣に取り組んでまいりたいと思います。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 このような事件を未然に防ぐために今回見直しをする箇所があるわけでございますが、取り消しの指定期間の延長、これは二年から五年、そして加算金の引き上げ、一〇%から四〇%ということで見直しをすることになるわけでございますけれども、診療報酬の不正請求防止がこれで本当にできるのか、こんな不安も抱いているわけでございます。今回の見直しによりましてどの程度の不正が防止されると見ているのか、その効果について伺いたいと思います。  それともう一点、保険指定取り消しと同時に医療機関名を公表するということについては、大臣も以前に積極的な発言をされたという記憶がございますが、その後、この取り扱いについてはどのようになっておりますでしょうか。お伺いをしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 不正請求ということについては、やはり何といっても第一義的にはあってはならないことですから、医療機関の自覚ということによらざるを得ない面がありますが、しかしやはり、そうはいいましても、一罰百戒ではありませんけれども、これに対して厳しく処するということが決して役に立たないわけではないというふうに考えております。  ただ、本当にこういうふうな罰則を強化することによってこういう医療の分野を律するというのは、本来望ましいことではないと私は思いますけれども、しかし、現状においてはやむを得ないというふうに思います。二年の再指定の拒否というものを五年に延ばすということは、この非常に急速なテンポで進んでおる我が国の社会あるいは経済の状況の中におきましては、私は、やはり相当これは厳しいものがありますし、そういった意味で相当な効果を発揮するのではないかというふうに思います。ただ、そういった意味では私どもとしても十分啓発、啓蒙をしないといけませんが、そういうふうに考えております。  それからまた、返還金につきましても、単に不正請求をした金額を返させるだけではありませんで、それに、従来一〇%の加算金を課していますが、これを四〇%と。これは国税のいわゆる重加算税並みのペナルティーでありますから、そういった意味でも、私はやはりそれなりに予防の効果を果たすことになるというふうに考えております。  さらには、まさに先生御指摘のとおり、不正をした医療機関名の公表ということでありますが、これは、不正請求によって保険医療機関の取り消しを行った場合には、都道府県の公報においてきちっと告示をするという取り扱いをいたしておりますし、また、不正請求額を含めて報道機関にも公表をする、発表するということをいたしております。  やはり、こういったものについても、決してルーズになることなく、きちっと対応していきたいというふうに考えております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 今回の見直しで相当な効果を期待しているわけでございますけれども、先ほど山本委員の方からも指摘されておりましたが、本当にこの二年の指定取り消しを今までやったかということでちょっと調べてみますと、平成八年度では十件中六件が二年未満でございますね。平成七年は八件中三件、平成六年が十四件中八件、平成五年が四件中二件、平成四年に至っては五件中五件が二年未満で再指定をされている、こういう現状でございます。  ですから、この規定の中の、行わないことができる、できるというこのあたりがやはり一つのネックになるのではないかと思います。ですから、できるではなくて行わない、このように断定すれば、今回見直しをいたしまして五年は指定しないんだ、このようになるのではないかと私は考えますけれども、その点いかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 やはり、こういうたぐいのものについては、関係者の理解を得る必要もありますし、関係者の自覚を促すという意味でも当然のことなんでありますけれども、そういった中ですべて五年にしてしまうということが果たしていいのかというのは、午前中の御答弁で申し上げましたように、やはり、地域の状況によっては万やむを得ない場合というのがありますから、そういった点について、ある程度その辺の配慮ができるような規定の方が望ましいと私どもは判断したわけであります。それは、現行制度もそうなっているということも踏まえまして、そういうふうにさせていただいたわけであります。  しかし、現実の運用に当たっては、まさに先生御指摘のとおり、これまで、二年未満といった場合に、それでは二年というふうな一番最長の状況でやっているかというと必ずしもそうでもないではないかという御指摘、そのとおりであります。これは、やはり、私どもとしても、全国的に不公平にならないように、そしてそれなりの統一的な運用がなされるような基準というものをつくっていかなければならないと思っておりますし、とりわけ五年ということになりますと、なおさらそれが必要であるというふうに考えております。  ただ、こういう時代でありますから、そういった意味で、出発点は五年というところからやはり考えるべきだということで考えております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 それでは、これまでにも指摘されておりますけれども、病院や診療所が健康保険組合などの保険者に請求した医療費のうち、過剰請求は九五年度で三千二百二十二億円に達したと言われております。過剰請求には、事務的なミスとかレセプトへの記入間違いなどもあり、すべてが不正請求とは言えないが、意図的に行った水増し請求や不必要な投薬、検査などによる濃厚診療が含まれるとの指摘もあります。医療費の過剰請求の内容については、それが本当に不正なものなのかどうか、きちんとした内訳を出し、対処すべきであるということは当然だと思います。  この点につきまして、昨年十一月の決算委員会でも取り上げられて議論もされているようですが、その際、局長は、現在の審査状況の内容についてきちんと分析することは、今後の改善のために積極的に取り組んでいきたい、また、内容というものはきちんと公表して、それに基づいてさらに充実していくのは大事であり、今後、支払基金にもその辺についての統計データ等の整備をお願いしたいと考えておりますという旨の発言をしておられますが、このとおり、過剰請求の内容、データ等の整備についてはきちんと進められているのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 この改善については、私は、当然だというふうに御答弁申し上げましたし、本年の一月診療分から、支払基金におきましても、第一次審査の分それからまた再審査が行われた分、こういったものについて査定の理由といいますか、これについて、内容ごとに件数なり金額等を都道府県別に集計をしまして、そしてこれを求めに応じて保険者等に提供できるような、そういったシステムの改善をしていただきました。したがいまして、今御質問の件につきましては、既にそれに対応できるような、世の中に広く公表できるような体制が今整ったところであります。  なお、国保の関係は国保連合会でやっておりますけれども、これについても支払基金と同様の体制がとれるように、これは現在検討を行っていただいておるところでございますので、私は、そういった意味では、関係者が前向きに取り組んでいただいているというふうに理解しております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 それでは次の質問に移ります。  去る四月十八日の新聞報道によりますと、脳梗塞や脳出血などの病気の後遺症の治療薬で、医療現場では老人性痴呆症に広く使われている五種類の脳代謝改善剤について、製薬会社が効き目を調べ直す臨床試験を行ったところ、四種類の薬が効果が認められないという結果が出たということが報じられておりました。昨夜のテレビのニュースでも多くの局が報じておりましたので、これは患者さんたちは大変困惑していることと思います。  この脳代謝改善剤につきましては、以前から、有効性が評価できないという疑問が専門医の間で指摘されており、承認時の臨床検査データを詳細に調べたという医師は、なぜこんな薬が厚生省の審査を通るのかという感想を漏らしております。さらに、九一年には、米国では承認されていない薬の代表例として名指しされたものであるとも聞いております。  このように、有効性に疑問があると関係者から指摘されていた薬の再評価について、厚生省は、大蔵省に強く要求されるまでなぜ求めなかったのか。大蔵省の圧力がなければ薬のチェックは行われなかったのでしょうか。脳代謝改善剤の見直しがこのようにおくれた理由について明確な御説明をお願いしたいと思います。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 医薬品の再評価につきましては、その薬が承認されまして、その後時間が経過いたす間に医学、薬学が進歩する、あるいは治療水準、療養環境、そういったものが向上してくる、そういった状況の変化を踏まえまして、必要な場合、現時点において改めてその薬の医療上の有用性を評価し直す、そういう考え方に基づいてやってきているところでございます。  今回、再評価の対象になっております脳循環代謝改善薬五成分につきましては、昭和六十一年から六十三年にかけて承認された医薬品でございまして、これらについては平成五年七月に、二段階で再評価をやっていこう、こういう方針を決定したところでございます。したがいまして、その方針決定が平成五年になされたという時点については、遅きに失したというふうには私ども考えておりません。妥当であったと考えております。  それに基づきまして、まず第一段階といたしまして平成五年十月に、脳動脈硬化症に係る情緒障害あるいは意欲の低下、そういった効能につきましていろいろ議論があるところであり、これをまず再評価指定いたしまして、平成八年三月にこれに関する効能を削除いたしました。直ちに第二段階として平成八年四月に、繁用されている今回の五成分について再評価指定を行ったところでございます。  今般、その二年という申請期限を迎えまして臨床試験データが提出されてきたことから、中央薬事審議会において、早急に厳正な審議をお願いするということで、昨日、第一回の再審査再評価調査会を開催させていただいたというのが経緯でございます。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 経緯はわかりましたけれども、医療費のむだを排除しまして過剰請求をなくすということはこれは国民的な課題であります。このような認識は、厚生省は、もちろんだれよりも強く感じていることと思います。今回、有効性が疑問視されている四種類の薬について、十年間の売上総額は何と約八千億円になると報道されております。厚生省が効き目を調べる臨床試験を指定したのが九六年ということですが、その再評価が始まるまでに時間がかかり、巨額の医療費がむだに使われたのではないのでしょうか。効果が認められないこれらの薬に対し、今までどれくらい医療保険から支払われていたのか、御説明をいただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まだこの再評価の結果が出たわけではありませんから、そういった意味では、新聞等で言われております四つの薬につきまして調べてみたわけでありますが、医療保険からどれだけ払われたかという面になりますと、個別の薬ごとに集計というのはこれは難しいものですから、そういった観点のデータはございませんけれども、いわゆるメーカーサイドがどれだけ販売したか、そういう販売金額というものを聞き取り調査で調べてみました。これによりますと、問題になっております四つの薬の総売上額でありますが、これが約八千七百五十億円ということになっております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 いずれにいたしましても、この有効性が評価できないと言われる医薬品に、年間に換算いたしますと一千億円になりますが、巨額な医療費が投入されてきたということは、もうこれは医療費のむだの最たるものであると考えます。  今御答弁がございましたけれども、昨日、中央薬事審議会の調査会において検討が行われたそうでございますが、今回、効果が認められないという臨床試験の結果が出たこの四種類の脳代謝改善薬につきましては、事実関係をもうこれは早急に進めていただきまして、認証の取り消しなどを含めた対応をすべきであると私は思います。厚生省は、患者のためにも結論を急いで出すべきであると思いますけれども、今後の対応をもう一度お伺いします。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 先ほど申し上げましたとおり、昨日、中央薬事審議会で審議を開始いただいたところでございますが、審議会におきましては今回の臨床試験成績を中心に検討するということになるわけでございますが、そのほかに、各申請者による臨床成績の解析結果あるいはその他の臨床成績に関する文献等の資料もあわせ審議が行われる予定でございまして、今後、それらに基づきまして厳正な判断がなされるものと考えております。  厚生省といたしましては、審議会からできる限り早く答申をいただきまして、これに基づき必要な対応を図ってまいりたい、かように考えております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 重ね重ね早急の対応をお願いしておきます。  今回のこうした事態は、薬の安全性や有効性を重視していない厚生省の安易な姿勢が一部の製薬会社に莫大な利益をもたらし、それが医療費のむだ遣いにつながったものと思います。  また、その一方で、九〇年代初めに製薬会社から承認申請があった数件の新しい脳代謝改善剤については、有効性に疑問があるということで現在まで製造販売を認めていないということが、これもまた新聞報道にありました。一方で既に市場に出ている有効性に疑問がある同様の薬について再評価のための臨床試験は指示せずに放置したまま、その一方で新薬についての承認申請は有効性が疑問という理由で認めない厚生省の対応には、大変納得しがたいものがございます。厚生省がとられたこのような対応について、御説明をいただきたいと思います。  また、こうした厚生省の対応が一部には製薬会社に巨額の利益をもたらす結果となっているという意見もございますので、この点は大臣に御感想を伺いたいと思います。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 先ほども申し述べましたように、再評価というのは、承認当時から今日に至る治療方法の進歩あるいは患者の療養環境の改善というのがあるわけでございまして、そういった承認当時と現在との状況の変化を踏まえて、今の時点に立って医薬品の有用性というのが認められるのかどうか、こういう判断をする性質のものでございます。  今御指摘のこれらの医薬品につきまして、五成分につきまして承認された時点におけるデータを改めて確かめてみましても、対象となる対照薬あるいはプラセポと比べて同等性ないしは優位性ということが検証できるわけでございまして、当時の承認に問題があったというふうには私ども考えておりません。それ以降の医療水準の変化というものを踏まえて、今の時代においてこれらの薬の有用性というのを評価するというのが、現在の考え方、再評価の趣旨でございます。  新たに申請されてきております医薬品につきましては、これは平成五年に新薬が一つ承認されているわけでございまして、その他の新薬については、現在、幾つか治験中のものもございますし、それから中央薬事審議会で審議中のものもございます。これは、薬事審議会において厳正な審議の上、承認の可否が判断される、かように考えております。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 医薬品の安全性、有効性、この審査評価体制をきちんと整えるということは重要だと思っております。  今、医薬安全局長の答弁の中にも、当時の審査評価体制に問題はあったとは思わないという答弁がありましたが、そういうことではなしに、現実に問題が出てきたわけです。やはり問題があったのではないかという、対応から少し見直してみて、今後より一層、今御批判のあるようなことがないような審査評価体制を築いていかなければならないと思っております。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 さすが信頼する大臣の御答弁でございます。本当に、今国民に医療費の負担を求めているのですから、こういう、新聞に出ること自体が国民の気持ちを逆なですることになるわけでございますね。ですから、本当に今後ともそういう有効性に疑問のあるものはいち早く再評価をしていただきたい、このように要望をさせていただきます。  それでは、時間もなくなりましたので、最後の質問に移らせていただきます。  栃木県の葛生町、私は栃木県に住んでおりますが、そこに葛生町という小さな町がございます。その町に、昨年、保健センターを医療スペースとして医師に貸し出すことにした開業医募集計画、こういうのがございますけれども、これについてお伺いをしたいと思います。  医療の過疎地域は全国的に広がっておりますが、この葛生町においても例外ではございません。中心部の医療は風前のともしびとさえ言われております。町内には四人開業医がおりますけれども、みんな六十五歳以上と高齢で往診もままならず、そのうちの一人は高齢のためほとんど診察ができずに、実質三人の開業医しかいないのが現状でございます。  住民にしてみれば、身近に医者がいるところが安心につながる。そして、アンケートを見ましても、病院が欲しい、医院が欲しいという要望が圧倒的に多かったということを踏まえまして、この四月に、移管され空き家となる町の保健センターを医師に貸し出す計画を立てましたところ、厚生省より目的外という理由で補助金の返還を要求され、町は大変困っております。今回こうした経緯になったことについて、御説明をいただきたいと思います。

小林秀資厚生省保健医療局長

○小林(秀)政府委員 まず、先生が御質問の市町村保健センターといいますのは、市町村が実施をされますいろいろな保健サービス、老人健診だとか乳幼児の健診等々、そういう保健サービスをする拠点として大変重要な施設でございまして、現在も私どもの省で国庫補助をして整備も進めている施設でございます。  今先生がおっしゃいました葛生町は、昭和五十四年度に一千六百七十一万五千円の国庫補助を受けまして、保健センターの施設を整備されたところでございます。そして、平成十年の四月から、福祉との連携による地域保健サービスの充実のために、葛生町は、保健センターの機能も兼ね備えました葛生町総合福祉文化施設を新たに地域総合整備事業債により整備をいたしまして、従来の保健センターの施設につきましては、医師不足の解消のため民間の医師に貸与をして、医療施設として利用することとしているものでございます。  国庫補助により整備した施設を交付の目的に反して貸し付けたり譲渡したりする場合には、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というのがありまして、その法律に財産の処分の制限に関する規定があることから、現在、厚生省と葛生町との間で協議を進めておるところでございます。  なお、本例のような財産処分を承認する場合には、従来より、国庫補助額、耐用年数等を考慮した一定の算式により計算した額を国庫に返還していただくことを条件に承認をしているところでございます。従来からも、よその市町村でもこういうよく似た事例がございますが、それにも同じようにお願いをして、国庫補助金の返還が必要な場合には返還をしていただくということをやっておるわけでございまして、その辺については、細かいところは今葛生町と協議をしているというところでございます。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 やはりそのあたりの御答弁が大変お役所的な裁断である、このように言わざるを得ません。  確かに、一人の医師に貸し出すという、目的から外れた用途変更であるということはわかりますけれども、町の健康のために医師を置いて、少しでも住民の幸せのためにと頑張っていることで、これを何も不正に使用しようとか、そんな目的ではございませんので、これからいろいろとお話を煮詰めていく中で、住民本位の方に目を向けていただきまして、適切な対応をお願いしたいと思います。  こうしたことに関しまして、弾力的な法律の運用ができないものかどうか、このあたり、大変真剣に検討していただきたいのでございますが、これもできれば大臣に御答弁いただきたいと思います。

小林秀資厚生省保健医療局長

○小林(秀)政府委員 予算の適正な執行というのは、我々公務員に任せられた大事な仕事だと思っております。そういう意味で、法律もあることですから、法律に従いまして適正な執行を図ってまいりたい、このように思っておるところであります。

青山二三平和・改革

○青山(二)委員 それでは、今後ともそういう観点からお話し合いを進めていただきたいと思います。  それでは、終わらせていただきます。大変ありがとうございました。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)委員長代理 福島豊君。

福島豊平和・改革

○福島委員 大臣におかれましては、財構法の改正という問題に当たられまして、一貫して当初よりの主張を通していただきまして、最終的に来年度のキャップの停止という結果をから取られましたことについて、心より敬意を表する次第でございます。  この財構法の弾力化につきましての合意では、平成十一年度の社会保障関係費について、おおむね二%のキャップは停止するということでございますが、平成十二年度の話は、キャップを復活するということになるんだというふうに先ほどもお聞きをいたしました。  問題は、お聞きをいたしたいことは、平成十二年度、医療保険の抜本改正ということもございますし、今後の社会保障制度の抜本改正ということが進むわけでございますが、これとキャップの関係、キャップを満たすような形で抜本改正というものを目指していくということになるのか、それと全く別なのか、そこのところについての御認識をお聞きしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これは、十一年度のキャップを停止したとはいいましても、現下の財政状況を考えれば、継続的に深刻な状況は続いていくわけです。特例公債を毎年減らしていかなきゃならないということには変わりはない。  財政状況を考えれば、税金にしても、赤字国債を発行するにしても、自己負担にしても、すべて国民負担であります。その適切な調整をどうするかという観点からいけば、これから高齢・少子社会、いかに高齢者がふえて、もう働ける力がないんだから、若い人お願いしますよというわけにもいかぬ。高齢の世代と若い世代とのお互いの給付と負担の均衡をどうやって図っていくか。保険財政にしても、年金財政にしても、どのようにお互いの助け合いの精神でやっていくかということを考えれば、必然的に制度改正に取り組まなければ、お互い支え合っていこうという制度は維持できない。  そういう観点から構造改革を進める必要がありまして、十一年度のキャップが停止されても、これでもう社会保障関係の予算というのは全部例外で、皆さんの要望をかなえるためにどんどんお金を使いますよというわけにはいかぬ。どのようなお金を使うにしても、国民のお金には違いないんですから、税で負担する人、自己負担で負担する人、保険料で負担する人、どの程度が適切かということを考えると、根本的な、総合的な改革に取り組まざるを得ないと思っております。

福島豊平和・改革

○福島委員 社会保障制度改革を進めるということは、与野党を問わず共通した課題だと私ども思っております。  キャップが停止されたからといって、その後は好きなようにふえていってもいい、そういうものではない。少なくとも、キャップの問題は、今後提出されるであろう年金改革もありますし、医療保険制度改革もあるし、そういう一連の改革は、差し当たって、このキャップを満たすような水準の財政削減効果というのがあるような改革でなきゃいかぬ、そういう縛りがかけられているんだ。厚生省の予算ということではなくて、さらに進んで、構造改革そのものがそういう規制の中にあるというふうに考えていいわけですね。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 医療制度の抜本的な改革の実施は十二年度になります。年金改革も、来年度の通常国会に法案を提出するにしても、十二年度以降になると思います。となれば、十一年度の予算の場合は、総合的な、構造的な制度改革ということでなくて、ともかくこのキャップがありますよ、この中で何でもしなさい、もう国庫負担はこれしか使ってはいけません、あとは自己負担なり保険料負担なり、あるいは医療関係者の負担でそれを補いなさいということだと、制度改革以前に、国民に理解を求めるという点でかえってマイナスの点が出てくるのではないかということを私は恐れました。  やはり、本格的な制度改革を始めるわけですから、理解を求めるための必要な国庫負担はするべきだ、必要な自己負担はするべきだという視点も大事じゃないかなということから、十一年度もキャップ制を引き続き維持した中で予算編成すると、国民に理解を得る点でかなり無理をしなきゃならないのじゃないかと。他省庁の予算の前提も違ってきたわけでありますから、そういう点も考えて、私は、十一年度の社会保障関係のキャップは特例を設けていいのではないか、その方が、今後の抜本改革、総合的な構造改革に取り組むのに国民の理解を得やすいという観点から、財革法を改正するならば、社会保障関係だけの特例を設けても、むしろ理解が得られるのではないかと思って主張を続けてきたわけであります。  しかしながら、今後とも構造改革に取り組むという姿勢は変わりないわけでありますから、厳しい、あらゆる歳出項目の見直しというのは、継続的にしていかなきゃならないと思っております。     〔佐藤(剛)委員長代理退席、根本委員長代理着席〕

福島豊平和・改革

○福島委員 重ねてお聞きしましたのは、この二%という数字が、平成十二年度から抜本改革がスタートするわけですから、どのような改革をするにしても、非常に定量的な目標として、構造改革そのものを制約するというか、規定する、そういう要素があるのかなというふうに思ったものですから、その点を大臣に御確認をしたがったということでございます。  次の質問に移らせていただきます。  病床規制のことでございますが、医療計画のもとで病床規制が行われている。ただ、現在言われておりますことは、医療機関の質をめぐっての競争というものは要る、競争していくということは要ると。先日もお尋ねしましたが、既得権益のような形になってしまっている医療計画、こういう批判があるわけでございますが、しかし、私は一定のコントロールは必要だと同意はいたしておりますけれども、その中でどのようにして競争を促進していくのか。今回の規制緩和の推進計画の中でも広告の規制緩和ということもありましたけれども、その手法だけで足りるのかどうかというのは甚だ不透明ではないかなというふうに思っているわけでございます。  現在、病院機能の評価ということも進んでおります。数的にはなかなか一気にはふえないわけでございますが、病院機能の評価というものもどのように活用していくのか。恐らく、総合的な取り組みをしませんと、なかなか競争を促進することにはならないのではないかというふうに考えるわけでございまして、この点について、厚生省の今後の取り組みについてのお考えをお尋ねしたいと思います。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 医療計画を進めていくということの中で、病床数が一定のコントロールを受けている。そういう中にあって、医療機関の競争ということについてのお尋ねだというふうに理解をいたしました。  幾つかの考え方があろうかと思いますけれども、やはり、医療機関の内容というようなことも含めて、情報を公開していくということが一つあろうかと思います。  そういう観点からは、広告規制の緩和ということを昨年の医療法の改正の中でも行ったところでございますし、また、医療計画制度、いわゆる病床規制ということではなくて医療計画の中で必要な医療機能を位置づけて、その機能に応じて医療機関が医療需要に対応するということの見直しを行いました。  また、今先生がお触れになりました規制緩和の小委員会の中でもそういった観点からの意見も出ているわけでございまして、現在の必要病床数の中で、いわゆる特例病床といいますか、そういうものを通じた新陳代謝の促進といったようなことも述べられております。  また、病院の機能評価ということについても、この普及を図ることによって、情報が開示をされていくことも含めて質を高めていくということから、同様の効果をもたらすのじゃないかというふうに考えております。

福島豊平和・改革

○福島委員 今、局長からさまざまな角度での取り組みを考えているというお話があったわけでございます。  先日、私は地元の病院の経営者の方とお話をしました。その方がおっしゃっておられましたことで非常に印象深いのは、厚生省は一体、病院医療というものをどういう方向に持っていこうとしているのか。先日、社会保険診療報酬支払基金が医療機関別の診療状況についての調査報告を出しましたが、病院数は本年も引き続き減少傾向ということで、百十施設が減少した。実感とすると、病院そのものが存亡をかけた大競争の時代に実は突入をしているという認識を非常にその方は持っておられました。  一方では、介護保険ということがスタートするのに伴って、療養型病床群ということで、治療を中心とする医療から介護を中心とする医療に撤退するところもある。そしてまた片方では、特定機能病院ですとか地域医療支援病院ということで高度化していく部分がある。  ただ、大変なのは、真ん中のところが大変で、百床とか二百床という水準の病院。これは、機能強化した方が得なのか、それとも何もしない方がいいのか。療養型病床群になってしまうと、もう後は気は楽やと。今駆け込んでおけば、それはそのまま続くと。それで、どちらの道を選ぶのか。機能を強化していく、投資もする。しかし、十年後にそれでもやはりだめかもしれぬと思うと、なかなかそういうこともできない。借金だけふえるわけでして、要するに、十年後に一体どうなっているのか。  先ほど局長が、いろんな形で競争が起こるようなインセンティブを与えるというお話がありましたけれども、そういう中で、十年後にはどういうものを描いているのか、そこのところが見えてこないと経営者としてはどういう道を選んだらいいのかよくわからない、みんな実は我慢比べを今している、どこが脱落していくか、そういうような我慢比べを実はしているということをおっしゃっておられます。  医療の提供体制ということについて、抜本的な改革ということの中で当然取り組まなければならないわけでございますが、十年、数字を挙げてどうかというのはあれでございますけれども、中期的にどういうビジョンでおられるのか、その点についてお話をお聞きしたいと思います。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 昨年の夏に提示をされました与党の改革案の中でも、医療制度の問題について幾つかの指摘をいただいております。その中では、大病院に対する外来集中の是正ですとか、あるいはかかりつけ医の定着といったような、いわゆる機能分担ということについて述べられているわけでございます。また、あわせて、現在検討しておりますけれども、現在の病床というものを急性期の病床と慢性期の病床に分けていくという方向も出されております。これにつきましては、たしか先週でございましたか、先生からも同様のことについて御質問がございました。  基本的には、当面、私どもとしては、先ほど申し上げました昨年の医療制度の改革の方向に沿って検討を進めておりますが、十年後どうなっているかということについて必ずしも明確に申し上げられませんけれども、ただ、今検討していることを例にして申し上げますと、やはり、病床を急性期の病床と慢性期の病床に分けていくということは、病院の機能が、急性期を中心にした病院と慢性期、先生がお触れになりました療養型病床群というようなものを中心にした医療施設に分かれていくだろう。これはまた、診療報酬においても、そういう同様の考え方が改革の方向として示されているわけであります。  それともう一つは、当然のことながら、地域においてはかかりつけ医というものがさらに定着をしていかなければいけないし、また、若干時間はかかるかもしれませんが、かかりつけ医を支援するような地域病院というもの、私の感じでは一、二年あるいは二、三年かかると思いますが、その機能というものを伸ばしていく必要がある。  その場合に、一方、大学病院を中心にしたような非常に高度な医療機関とは別に、急性期を中心にした病院と慢性期を中心にした病院という形に、あるいは病棟と言ってもいいかもしれませんが、分かれていくのじゃないだろうか。それから、地域の中で医療を行っていく診療所あるいは中小病院というものは、療養型的な機能にするのか、あるいはかかりつけ医的な機能になるのか、そこの二つに分かれていくというような感じを持っております。  ただ、いずれにしても、十年というお話でございますので、そこまで明確に見通して申し上げられるだけの自信はございませんけれども、そのほかに細かい話をすれば、いろんな専門病院のようなものがあると思いますけれども、大まかに言うと、そういうような感じで地域医療というものが進んでいくのじゃないかというふうに考えております。

福島豊平和・改革

○福島委員 どうも、今のお話をお聞きしていますと、二百床未満の比較的規模の小さい病院というのは、余り重装備をするとこれからは大変だという印象を受けましたけれども、そう受けとめてよろしいですか、局長。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 そもそも、病院がそれぞれの医療施設という立場に立った場合にどういう経営をし、どういう形態でいくのかというのは、基本的には病院の判断でございます。  それから、中小病院というものが、別に二百床を境にして何か大きいのと中小とに分かれるということでもないと思いますので、今先生おっしゃったような意味で一概にそう割り切って私は申し上げたつもりではございませんが、余り明確でなくて申しわけないですが。

福島豊平和・改革

○福島委員 続きまして、先ほどから指摘されておりますが、不正請求の問題でございます。この点については、先日も参考人からの陳述がございまして、大変誤解も非常に多い話だというふうに私は思います。  日本医師会の副会長の糸氏先生も、「論壇」という朝日新聞に載せられた投稿の中で、「保険診療においては「不正」ではないが「不当」だとされる医療がある。」「社会保険診療報酬支払基金などの審査で「不当項目」として扱われ、「不正」とは明確に区別して処理されている。」不当と不正請求と二つあるということを言っておられるわけでして、こういうことについても、一般にはよく区別がついていないというのが現実だと思います。  もちろん九兆円の不正請求というのは非常に途方もない、実に荒唐無稽な話だと私は思いますけれども、そういういろいろな情報が乱れ飛んでいるというような状況の中で、きちっとしたことをやはり国民に理解していただかなくてはいかぬというふうに思っております。  そのまず第一点としまして、不当請求と不正請求というのはどういうふうに違うのか、そしてまたそれぞれは、これはきちっとした数字が出るかどうかわかりませんけれども、どの程度の金額になるのかというようなこと、この点について確認をさせていただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに不正請求という言葉と不当請求ということは紛らわしい言葉であります。恐らく、一般の方々から見れば余り区別がつかない、これは常識的にそうだろうと思います。  私どもが使っております使い方でありますけれども、不正請求と言った場合には、これはいわゆる架空請求、実際に診療していないのに診療したということで請求したり、いわゆる詐欺とか、不正行為に当たるような、そういったものを不正請求、こう呼んでおるわけであります。  それに対して、いわゆる不当請求というふうな使い方をする場合は、これは医療保険でありますから医療保険のルールにのっとった診療をお願いしているわけでありまして、ところが、そのルールの妥当性については、医療そのものが医師の裁量が非常に大きなものでありますから、そういった意味でそれを超えて診療するということもこれはあり得るわけであります。そういった医療保険上のルールというものを外れた形での、妥当性を欠いたといいますか、ルール上は妥当性を欠いたそういったような診療報酬の請求、これを不当請求というふうな呼び方にさせていただいておるわけであります。  これを金額的なものでちょっと申し上げますと、平成八年度の例で申し上げたいと思いますが、不正請求にしましても不当な請求にしましても、いずれにしてもこの部分は返還をしていただくわけであります。そういった意味で、いわゆる不正請求というのが原因で保険医療機関の指定が取り消される、これは不正請求の場合は保険医療機関の指定の取り消しというところに結びついていきますが、この場合に返還させた額というのは、平成八年度約十七億円という金額でありまして、いわゆる不当に相当する金額といたしましては二十四億円、こんなようなことでありまして、両方合わせて四十一億円になるわけでありますが、このような状況になっております。  通常、審査・支払機関においていわゆる査定が行われるというようなケースというのは、医療機関サイドから見たらまさに正規な請求であっても支払う側の保険者のサイドから見るとそれが適正な請求ではないという場合があります。この場合は、例えばかかっておる被保険者の方が、本来そこの会社をやめてほかに移っているにもかかわらず前の会社の保険証でかかっている。こういったものは医療機関はわからないわけでありまして、そうすると、医療機関は当然申請のあった保険証に基づいて診療報酬を請求する。ところが、これは支払基金でもわかりませんから、それが保険者に行く。保険者の方は、これはうちの被保険者ではないということで再審査の請求をする。こういったものは、これは医療機関サイドの不当請求というものではないと思います。  しかし、そういったものもかなり多いわけでありまして一支払基金の方でいわゆる査定をしている内容を見ますと、再審査によって今のようなケースでもう一回是正されたものと、それから、多目に請求してあったというような場合とありまして、ルール上妥当性を欠いたものというものがいわゆる不当請求でありますが、これらを合わせて大体支払基金の方は出しておりますので非常に紛らわしいのですが、ここをこの一月以降はきちんと区分けをして、そして誤解のないような、そういう公表の仕方をすることにいたしておるわけであります。

福島豊平和・改革

○福島委員 誤解のないように明確な数字というものを出していただきたい、そのように思います。  そしてまた、今回加算金が引き上げられたわけでございますが、加算金のまさに対象となるような不正請求というのは、今局長おっしゃられましたように、ごく限られた対象だというふうに理解してよろしいわけですか、その基準といいますか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 加算金がつく場合、これは法律できちんと明定されておりますので、いわゆる不正請求に当たるものが加算金の対象になるということでございます。

福島豊平和・改革

○福島委員 そしてまた、ルールに合わないということが不当とみなされるわけでございますが、規則を見ますと、二千ページですか、非常に膨大な量でございまして、これを一つ一つ全部間違わずに対応するというのはなかなか大変なことだというふうに思うわけです。  糸氏先生も、この数千にも上る規則で担当医者はがんじがらめにされている、これは規制緩和をしてはどうですかというような、というか簡素合理化をしてはどうかというお話はあるのだというふうに思います。そうすれば、いわゆる不当請求というのもなかなか生じにくくなるということになるわけでございまして、ただいま診療報酬のあり方について抜本的な見直しを行っている最中だと伺っておりますが、そういった意味での簡素合理化ということも検討項目の一つとして取り組んでいただければと思うわけでございますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさに抜本改革の中の課題に診療報酬体系の見直しがありますが、その一つにこの診療報酬の簡素合理化というのがございまして、私どもとしてもできるだけ簡素合理化に努めたいというふうに考えておるわけであります。

福島豊平和・改革

○福島委員 それから、不正請求の摘発の仕組み、安田病院の事件がありまして、従来の取り組みというのが変わったということで資料にもあります。  例えば、事前通告なしで医療監視を行うというようなこともできるという通知がなされている。ただこれは、現実にそういった通知を昨年なされたわけでございますが、監視、監査のあり方が各都道府県において実際には改善されているのか、その後のフォローアップというのはどうなっているのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 改善としましては、いわゆる指導監査を実施する際に事前に通知をするというようなことをやっておりますが、従来ですとこの事前通知は三週間前に通知をしておりましたけれども、これをおおむね一週間ないし十日ぐらいに短縮をするということにいたしたわけであります。  それからまた、こういった事前通告をせずに監査を実施をするということも適宜やるということにいたしておりまして、そういった意味ではこういった監査なり指導の体制というものをまず一つ迅速にやっていくということがございます。  それからまた、患者さんなり保険者あるいは審査機関等々からのいろいろな情報が入ってまいります。こういった情報に対してはやはり敏感にキャッチをして、そして、そういう場合について、重点的に選定をして、指導監査をするとか、そういったようなことも指示をいたしております。  したがって、全体的に、指導監査に当たるセクションは緊張感を持って、そして厳正に対応するようにということでやっておりますので、私は、その成果がやはり出てくるというふうに考えております。

福島豊平和・改革

○福島委員 適切な対応を今後もしていただきたいと思います。  最後に、大臣に一点お聞きしたいわけですが、健康を守るということにおいて、最近問題になっておりますのはダイオキシンの問題でございます。大臣もこのダイオキシンの問題には非常に前向きにお取り組みになられていると伺っております。  先日、大阪の能勢町の豊能郡美化センターの周辺の土壌から高濃度のダイオキシンが検出されたという報道がなされておりました。これについては、三井造船がこの焼却炉を納入し、その子会社が運用を委託されていた、その子会社に対して、ダイオキシンの排出量を低く見せかけるための運転操作を指示していたということも報道されております。  現場で聞きますと、焼却炉を納入した製造業者が、その委託を子会社に委託するような形になっていることが多いというふうに伺っております。なかなか一般の業者がその委託に参入できない。  今回のような、ダイオキシンの排出をコントロールするような、ごまかし運転を指示するようなことがあってはならない。一つは、子会社が委託を受けているというところにも構造的な問題があると私は思うわけでございます。この点については、今後やはり改善をすべきだと思っております。まず、この点についての御意見。  二つ目は、新聞報道では、二万三千ピコグラム、国内最高値のダイオキシンが池の泥から検出されたと。この土壌について、これは除去しなければいかぬわけですけれども、厚生省にしてもなかなか前向きではないというような報道もなされているわけでございます。この点につきましても、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 焼却炉の管理という面については、これは、市町村がどのような会社に委託しているか、市町村がよく指導監査体制を整備していかなければいけないと思っております。その点について正すべき点があれば、厚生省からも、よく実情を調べて、より適切な指導を強化していきたいと思っていますし、また、今のお話の調査につきましても、環境庁等関係機関と連絡をとりながら、厚生省としても必要な調査をしたいと思っております。

福島豊平和・改革

○福島委員 前向きの対応をよろしくお願いいたします。  時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

根本匠自由民主党

○根本委員長代理 武山百合子さん。

武山百合子自由党

○武山委員 武山百合子です。  早速、自由党を代表しまして、質問をいたします。  小泉大臣にお願いいたします。  本日決定される総合経済対策十六兆円について、厚生省関連の対策内容について、少し明確にしていただけたらと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 具体的な対応については、今、政府委員から説明させたいと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 時間がもったいないですので、後で、時間のあるときにそれを説明していただけますか。  それでは、早速、質問の内容に移ります。  本日、財政構造改革会議で改正内容が決定されるということですけれども、どういう改正内容とされるのか、説明していただきたいと思います。  それから、厚生大臣は当初、法改正自体に反対していたわけですね。それで、同法改正について基本的に了承した理由は何なのか、ぜひ御説明をお願いします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、財政構造改革法、昨年成立したんだから、それにのっとって各種予算を編成してきたわけですから、苦しくても、真剣に財政構造改革に取り組まなければいけないということから、橋本内閣では、財政構造改革法を改正すべきでないと申しておりました。  しかし、現実に、多くの方の意見が、大多数の意見が、見直せとか廃止せよとか、改正に傾いてきたところを見て、総理が改正するという決断をされました。  政治家として、自分の意見を主張するべきときは主張する、多数の意見に従うべきところは従う、どこを主張して、どこに対してみずからの主張を貫くか、どこを妥協するかというのは、その政治家個人の判断だと思います。  私は、橋本首相が財革法改正を決断したんだったらばそれに従うが、一方で、社会保障関係の上限枠について、財政改革法にのっとって、外さないで縛りをかけるということでは、これは、十年度予算を編成してきた責任者として、状況は変わっている。財革法を改正しないというんだったら、私は、どんなに苦しくても歯を食いしばってやっていく。しかしながら、前提が崩れたわけですから、それだったらば、社会保障関係の上限枠を特例で外してもいいのではないかということを主張してきたわけです。  私としてみれば、大多数の意見が財革法改正に賛成だった、そこは譲歩しよう。しかし、上限枠については、大多数の方が外すべきではないと言っていましたけれども、私個人の考えで、外すべきだと考えました。私個人として、一方では妥協する、一方では妥協しない点を自分なりに判断したわけです。そういう点で、最後まで自分の意見は変わらないということで、昨夜まで折衝してまいりました。  どういう判断になるか、結果はわかりませんでしたが、最終的に、総理は、私の主張を受け入れて結論を出した。それで私は結構だと思います。

根本匠自由民主党

○根本委員長代理 先ほどの質問について。では、田中総務審議官から。

田中泰弘厚生大臣官房総務審議官

○田中(泰)政府委員 急な質問でございまして、手元に資料がなく、失礼いたしました。柱立てのところでお許しいただきたいと思いますが、申し上げたいと思います。  一つは、高齢化社会に対応します介護基盤の整備促進でございまして、新ゴールドプランの施設整備の前倒しなどでございます。  それから、ダイオキシン等の環境対策、最終処分場のダイオキシン等の安全対策でございます。  それから、少子化及び弱者対策ということで、緊急保育対策等五か年事業及び障害者プランの施設整備の前倒し等でございます。  それからあと、臨時福祉特別給付金でございまして、特別減税の追加実施に関連したものでございます。  その他ございますが、主なところは以上でございます。

武山百合子自由党

○武山委員 どうもありがとうございました。また、詳しい数字の方は知らせていただきたいと思います。  それで、先ほどの小泉大臣の答弁に対して、そうしますと再来年以降は上限枠を残してもいいという判断なんでしょうか。その辺はどういう理由でなのか、ちょっとその辺説明していただきたいと思います。来年はわかりましたけれども、じゃ、再来年以降はどういうことなんでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 来年度の枠は停止されましたけれども、十二年度はきいできます。これは、十二年度には本格的な制度改革が進んでいきます。介護保険制度も十二年度実施が決まっている。同時に、医療制度改革も十二年度実施します。年金改革も十二年度から改正が始まります。いずれにしても、本格的な制度改革に移行する、その前に所要の措置が講じられるであろう。  同時に、この社会保障関係の国民負担、どのような形であれ、税負担であれ保険料負担であれ自己負担であれ、この給付と負担の均衡を図れるような制度改正に取り組まざるを得ない。財政状況厳しい中、それは当然やっていかなければならない改革でありますので、その点は進めていかなければいかぬと思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 その法は、橋本内閣の最重要課題と位置づけまして、昨年十一月末に野党各党が猛反対するのを押し切って制定されたわけですね。それをわずか五カ月で法の骨格の大部分を改正するということは、私は内閣の総辞職に値するものじゃないかと思います。  それで、社会保障関係費について一定の予算確保を図ったと、厚生大臣はきっと内心ほくそ笑んでいるのじゃないかなと私は思いますけれども、橋本内閣の重要な閣僚として法制定を進め、また直近まで法改正自体に反対してきた厚生大臣の責任もこれまた大きいと言わざるを得ないと思うのです。政治家として、橋本内閣のこうした姿勢あるいはまた小泉大臣の行動について、今どういう見解を持っているのか、率直にお聞きしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、厚生大臣として、また国務大臣として全力を尽くしている、職務に精力的に取り組んでいる、それだけです。

武山百合子自由党

○武山委員 何か非常に、それだけですと、もう五カ月しかたたないのに改正して、それで全力ということですと、国民は納得いかないと思うのです。だれでも全力で投球してやっているわけなんです。我々野党も、私個人もそうなんですけれども、やはりだれでも、そういうふうに言ったらそれでおしまいという感じでは困るわけです。ですから、やはりこれも大変重要な問題ですので、言葉でいろいろ飾ってもそれは説得力ありませんので、ぜひその言葉どおりに全力ということを、やはり中身の深い全力であってほしいと私は思っております。それ以上追及しても仕方ありませんので。  平成十年度補正予算の編成に向けて、社会保障関係費に三千億円程度の上積みを行うという報道や、また介護保険制度の運営準備のために千数百億円規模の基金を創設するとの報道もあったはずなんですね。その概要というものが、またそれを受け入れなかったわけですね、大蔵省がどうのこうということがありましたけれども。その辺の理由は何であったのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 厚生省関係、社会保障関係の上限枠、いわゆるキャップは外さない、しかしながら補正で実質的にキャップを外すような措置を講ずるというから、社会保障関係も各省庁と同じように上限枠を外さないでやってくれという要請でありました。実質的に外すなら外した方がいいじゃないかというのが私の主張であります。  結果的に私の主張がいいなと思ったから、総理は私の主張を受け入れてくれたんだと思います。

武山百合子自由党

○武山委員 わかりました。そのまま受けとめたいと思います。  その次、医療保険制度の抜本改革の関係について伺いたいと思います。  国民が将来にわたって安心して医療が受けられるよう医療保険制度の抜本改革を早期に実施すべきであるというわけですけれども、今の検討状況で本当に間に合うのかなと思うのですね。平成十二年度実施に向けて先ほど局長さんから、いろいろ皆さんの質問にお答えになっていたと思いますけれども、改めて厚生大臣の十二年度実施に向けての決意を伺いたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今後高齢・少子社会、いわゆる高齢者はどんどんふえていく、一方若い世代はふえないあるいは減っていくという状況にあって、高齢者も若い世代もお互い支え合っていこうという医療制度改革はどういうことが必要かということで、医療提供体制あるいは診療報酬体系、薬価基準制度あるいは保険集団の改革、今までできなかった総合的な、構造的な改革にしようとして今取り組んでいるところであります。この取り組みは、私は、今後どのような政党が政権を担当しても必要ではないかと思っております。  しかしながら、すぐにはできません。医療制度改革については、十二年度実施を目指して、今鋭意関係者の御意見を聞きながら取り組んでいるところであります。若干作業が当初予定どおりに進んでいない向きもありますけれども、実施の体制、十二年度実施していくという基本線は変えておりません。今後、既定方針どおり十二年度実施を目指して、今言ったような種々の総合的な、構造的な改革に取り組み、準備を進め、十二年度実施を目指して法案提出をしかるべき時期にしたいと思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 どうもありがとうございます。もう少し詳しく、青写真をどの程度描いているのかお聞きしたいのですけれども。  将来像としまして、先ほど局長さんも説明されておりました。福島議員の質問に答えておりましたけれども、地域医療それから病院ももう整理されて、大病院はいわゆる専門化、それで地域の診療所、クリニック、そういうところでちょっとしたものは診る、そういうある程度の青写真はいただいたのですけれども、医療はやはりこれから地域が主になられていくんだと思います。そうしますと、地方分権、それで地域医療というふうにいろいろな形で細分化されていくと思いますけれども一具体的にもっと青写真を説明していただけますでしょうか。もっと具体的に、それでわかりやすく、大ざっぱで結構ですので、どんな医療体制にいくかということ。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 今、大臣の方から基本的な方向についてお話がございました。私ども、現在検討しております具体的な内容は、先ほども福島先生の御質問にもお答えしましたように、昨年の夏にまとめられました抜本改革の方向ということに沿って検討をしております。  幾つかの項目について申し上げますと、一つは、今先生お話しになった地域医療という観点からは、かかりつけ医を中心にした医療をできるだけ定着をさせていきたいということであります。  それから、入院医療ということに関係いたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在の病床あるいは医療施設というものを、急性期を中心にした病床と慢性期を中心にした病床に分けていくという考え方でございます。また、地域ということとは直接は関係ございませんが、医師あるいは歯科医師の資質の向上、あるいはまた数の抑制といったようなことについて検討をしております。  それから、医療におきます情報提供ということに関連いたしまして、広告規制の問題、緩和ですとか、あるいはカルテ等の情報を患者に提供するといったようなことについて具体的に現在検討を行っております。

武山百合子自由党

○武山委員 どうもありがとうございました。  そういうことは厚生省レベル、政府レベルでそのように行われているのですけれども、都道府県レベルまた市町村、いわゆる自治体ではそういう情報というのはもう既に行って、地域にそういうお話はされていますでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 この基本的な方向については、昨年の夏にいろいろな機会を通じて公表をし、またそれ以降、都道府県の担当者レベルでの会議あるいは関係団体に対する説明といったようなことを通じて、少なくともこういう問題について私たちがこういう問題意識を持ち、こういうことについて検討を進めているということについては、地方自治体においても御理解をいただいているというふうに考えております。

武山百合子自由党

○武山委員 いわゆる一般の国民にはなかなかそういうことというのは伝わっていないのですね。それで、県レベル、市町村レベルのいわゆる市役所、町役場までは行っているかもしれませんけれども、国民一人一人には、やはり新聞の記事や報道、テレビ、マスメディアですね、それで聞くだけで、具体的にどんなふうな青写真かというのはなかなか伝わっていないのです。それを市町村、自治体がもっと広報活動をすべきだと思うのです。  それで、やはり国民はどんな医療制度抜本改革が行われるかということを大変気にしていますし、みんな身近なことですので大変関心も高いです。ただ、その情報がなかなか入ってこないということで、ぜひそういう広報も考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 率直に申し上げて、私ども、今検討しておりますことについてすべてを全国の市町村にまで具体的に説明をしているわけではございません。ただ、最近では厚生省でも、インターネットを通じた、厚生省のホームページの中にこういったようなことも含んで発表しておりますので、それなりの関心をお持ちの方はそういうアクセスの方法もあるのではないかと思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 いろいろな意味で分権がまだ進んでおりませんので、やはり地方に任せるところはぜひ地方に任せていただいて、地方で、市町村でやれるものは、そういう広報もやはりやるべきだと思うのです。  それで、今まで日本の国民というのは、一般的にはもう官に頼っていた部分があるものですから、常に頼った質問なんですね。ですから、自分たちで、新聞報道また市町村でそういう情報を得なければいけないということは、私たち政治活動の中でもちろん広報活動もいたしておりますけれども、そういうものをみずから得るということも分権の中でしていかなければいけないと思うのです。また、厚生省の役目でもあるんですね。今まで厚生省が全部そういうことをやって、それでほとんど厚生省がやるものだと国民も思っているわけですから、そういうものも分権の中で少しずつ、地域でできること、国民にできることというのは自覚を持って、やはり一人一人がそういう意識を持っていかなければいけないということを私はちょっと一言言いたいと思います。  それから、抜本改革の国民的な議論には十分な時間が必要だと思いますけれども、平成十二年度の実施を理由に議論を打ち切ることのないように配慮する必要があると思います。  必要な情報を国民にタイムリーに開示して説明する必要がありますけれども、私が今まで聞いていたこともそうなんですけれども、国民に全部を説明するわけにはいかないと今おっしゃっておりましたけれども、ポイントポイントで、タイムリーにやはり経過を知らせるということは大事だと思います。このような議論がただいま行われ、そしてこういう意見が出ている、そういうことは国民が一人一人自己責任というか自立した社会を目指すためには必要なんですね。細かいところまでではなく、タイムリーに状況をわかりやすく説明する必要があると考えますけれども、対応はいかがでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 私どもも、できるだけ私たちがやっていることを公開をしていく、できるだけマスコミを含めて情報提供をしていくという観点から、例えば医療審議会あるいは中医協、中央社会保険医療協議会等々につきましては、幅広い関係の方々に既に審議そのものを公開をしております。そういうことを通じて、率直に申し上げて、国民一人一人という先生のお言葉にどこまでこたえられるかということはともかくとして、マスコミ等を通じての報道ということについては十分配慮をしているつもりでございます。

武山百合子自由党

○武山委員 国民一人一人が、ああ、公開しているんだ、情報は手に入るんだという意識が持てるような環境づくりをするということですね。国民が、ここにアクセスすれば情報が得られるんだ、ここに聞けばわかるんだという意識を持つための環境づくりというか、そういう過程を知らせるということはやはり必要であろうと私は思いますけれども、その辺はどう思いますでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 基本的には、私ども、そういう気持ちでやっているつもりでございます。

武山百合子自由党

○武山委員 そうしますと、それはどこに聞けばよろしいのですか、一般的に。国民が知りたい場合は、どこにどう聞けばよろしいのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 厚生省につきましては行政相談室というのがございます。そこで関係の資料は見られるようになっておりますし、また先ほど申し上げましたインターネットの厚生省のホームページの中にそういう情報を載せております。

武山百合子自由党

○武山委員 それはどのように知らせておりますか。今、例えばの質問をしているのですけれども、インターネットを持っていない人はどうして手に入れたらいいのでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 厚生省に何らかの形で照会いただいた場合には、今申し上げたような行政相談室で対応するなり、インターネットでそういうホームページを開いているなり、またホームページの中にそういうものを出しているということはお答えをしております。

武山百合子自由党

○武山委員 これでちょっと余り時間をとりたくないのですけれども、実際にインターネットを持っている人というのは限られた人口の中の比率ですよね。  私がお話ししたいことは、一般の国民がだれでも手に入るような情報の伝達方法を考えていただきたいと思うのです。インターネットというのは、国会議員並びにある程度の情報収集の必要な人というのはみんな持っていると思いますけれども、一般の国民はインターネットを持っていない人がまだほとんどなんですね。ですから、その辺はインターネットだけでは欠けると思います。マスメディアそれから市町村、あとどんなものでしょうか、あらゆる手段でそういう広報活動が厚生省も必要じゃないかということをちょっとお聞きしたわけなんです。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 私どもとしてはそういう意味で、先ほど申し上げた厚生行政についての相談室というものを省内に設けているというつもりで申し上げております。

武山百合子自由党

○武山委員 では、今度、その厚生行政相談室にだれでもが問い合わせればそういう情報が得られると判断してよろしいわけですね。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 そのように考えております。

武山百合子自由党

○武山委員 はい、わかりました。  それでは次に、いわゆる診療報酬制度、薬価基準制度の改革に当たって、今回の診療報酬改定のときのような特定団体の主張のみを取り入れることがないよう公平な意見の取りまとめを行う必要があると思いますけれども、厚生大臣は特定団体の圧力をはね返す実力者だと私は思っておりますし、国民もそう信じておりますけれども、大臣の決意を聞きたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 特定、非特定にかかわらず、いろいろな分野の方から意見を聞いていく、識者の方たち、そういう中でどれが一番いいかということが大事だと思います。政党も、特定といえば特定の団体の一つであります。政党の意見も聞かなきゃいけない、関係団体の意見も聞かなきゃならない、いろんな方々の御意見は聞きます。しかし、判断は、国民全体にとって何がいいかという視点で結論は出すべきだと私は思っております。

武山百合子自由党

○武山委員 診療報酬改定のときは特定団体の主張のみ取り入れたんではなかろうかと、みんな思っているわけですね、思われているわけですね。今のお話を聞きますと、何か大分開きがあるように思いますけれども。まずその開きがあるなということを私は感じました。  次に移ります。  老人医療費拠出金の見直しの関係について伺います。  今回の見直しによって、各医療保険制度への財政影響額、また被用者保険の保険料への影響、また老人医療費の適正化等、医療費の削減が見込みどおり行われるという保証はちゃんとあるんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の老人医療費の拠出金の見直しにおける各保険者への影響であります。  まず、各保険者はそれぞれ保険料で負担しておるわけでありますが、そういった面で、保険料はどうなるかということで申し上げますと、今回の見直しに伴いまして、被用者保険の方は拠出金の負担がふえるわけであります。それに対して国民健康保険の方は拠出金の負担が減る、こういうような形になるわけであります。  そういった意味で、まず被用者保険サイドで申し上げますと、政管健保でありますが、これが平成十年度で見てみますと約五百二十億円ほど保険料の負担がふえる格好になります。それから組合健保でありますが、これが四百八十億円ふえる。それから、共済組合並びに船保合わせまして百六十億ふえるという格好であります。一方、国民健康保険、市町村の国民健康保険でありますが、これは保険料負担が減ります。減る額が五百九十億円ということでございます。  そこで、これだけ見るとこういうことでありますが、一方、医療費の適正化というのを行っておるわけでありまして、例えば、薬価基準の引き下げあるいは医療材料の引き下げ、そのほかいわゆる老人医療費の適正化を初めとする医療費の縮減、こういった適正化策によりまして、各保険者それぞれが保険料負担が減ります。それから一方、今先生がお取り上げになりました今回の診療報酬改定に伴う保険料の増加というのがございます。  これを、それぞれ、時間の関係で申し上げませんが、合計いたしますと、要するに、拠出金の見直しによる保険料の増減、それから診療報酬改定に伴う保険料の増、一方、医療費の適正化等による保険料の縮減、これらをトータルいたしますと、政管健保は千三百六十億円の保険料が縮減されます、負担減、それから組合健保は四百三十億円の保険料の負担減、共済、船保合わせて百三十億円の負担減、それから国保、市町村国保は千三百十億円の保険料の負担減になる、このように見込んでおります。  私どもとしては、今回のこの医療費の適正化等による負担の減ということは何としても実現をさせなきゃいけないと考えておりますし、また、これまでの医療費の動向を見ますと、目標どおり達成ができるんじゃないかというふうに見ております。御案内のとおり、医療費というのは生き物みたいなところがありますから、そういった意味ではなお推移を見ていかないといけないと思いますが、私どもとしては、トータルとして、全体としての保険料の負担というのは軽減されると見ております。

武山百合子自由党

○武山委員 そうしますと、見込みどおり行われるんじゃないかという感じですね。わかりました。  それでは、次に移ります。  市町村国保の財政状況の推移、赤字保険者の推移、その主な要因について少し説明していただけますでしょうか。  また、この案は国庫負担削減のために提出されたんじゃないか、国保財政を助けるために提出されたんじゃないかと思っておりますけれども、その辺、説明していただきたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の改正というのは、これは平成七年の老人保健の拠出金の見直しの際に附則で見直し規定が置かれまして、それに基づいて三年後をめどにこの検討を行うということになっておりましたので、そういう中での検討であります。そういう中で負担の公平を図るということでございます。  老人の数が、国保サイドは非常にふえております。一方、そういった中で、老人保健というのは各制度がそれぞれ拠出して賄っておるわけでありますから、その拠出金の負担の公平というものを図る必要があるというふうに考えておるわけであります。  これは、抜本改正の中で高齢者の医療制度をどうするかということが大きな課題になっておりますけれども、この高齢者の医療保険制度というものを仮に創設するとしても、高齢者の方にも御負担していただきながらつくるとしても、やはり若人が支え合う部分というのはどうしてもございますから、そういった部分についてはやはり公平化というものは目指さなきゃいけないというふうに考えておるわけでありまして、そういった流れからしましても、抜本改革までの間の措置でありますが、大きな考え方としては、抜本改革を実現するに当たってもそれに通ずるものであるというふうに考えたわけであります。  そういたしますと、今回の措置によりまして国保サイドは拠出金の負担が減ります。一方、被用者保険サイドがその分拠出金の負担がふえますから、そういった意味では、国保の財政の改善には寄与することになるということであります。しかしながら、それでは被用者保険サイドはただただ負担増だけになるのかということでありますけれども、こういった今回の改正の措置を入れたとしましても、各制度とも医療費の適正化措置を講じますから、負担は平成十年度マイナスである、いわゆる減ることになる、こういうふうに考えておるわけであります。

武山百合子自由党

○武山委員 市町村国保の赤字保険者数、何か大変多いと私のふるさとでも聞いておるんですけれども、どのくらい全国に、払っていない人ですか、いるんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 手元に平成八年度の数字がございますが、単年度の経常収支の赤字、黒字という点で見ますと、平成八年度、赤字の保険者数が二千百十七保険者でございまして、赤字額が千六百四十六億円ということでございます。一方、黒字の保険者でありますが、保険者数にしますと千百三十二保険者ございまして、金額として五百五億円、こういうふうなことになっております。  ただ、この赤字と申しましても、平成八年度、単年度赤字になった保険者と、ずっと従来から継続して赤字基調にあるという保険者がございますけれども、そういった意味では、国保サイドの赤字保険者の中で大部分が継続的に、慢性的に赤字傾向にあるということでありまして、千五百八十二の保険者が従来から赤字傾向にある。八年度だけ新規に赤字になった、赤字に落ち込んだというのは五百三十五、先ほど二千百十七の内訳を申し上げますとそういう状況でございます。

武山百合子自由党

○武山委員 私の町で聞いても、制度自体に構造的な問題がある、抜本改革をしてほしいと言っておりますけれども、先日の参考人のいわゆる公聴会ですか、あれでもある町の町長さんは、返上したいくらいだと言っておりますね。  それで、今後、市町村国保制度の抜本改革でどのようなあり方がよいと考えておりますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 先ほど来、抜本改革の考え方なりあるいは検討状況なりについて先生から御質問がございましたけれども、実は昨年の八月七日に厚生省は、二十一世紀の医療制度というものはこういうふうな姿形であることがいいのではないかという厚生省としての抜本的な案というものを国民に公表させていただきました。その中で、国民健康保険制度を初め、医療制度の仕組みそのものをどういうふうに組み立てていくべきなのかということも掲げてございます。しかし、これは一案だけではありませんで、複数の案を提示をいたしております。  一つは、これからの高齢社会ということを考えた場合に、老人については老人医療制度、若人については若人の制度というのがいいのかどうか。むしろこれを一本化して、それを都道府県単位ぐらいの規模の保険集団として保険制度を確立していくということが一つ考えられるのではないかということが一つの案でありますし、またそれはしかし、被用者とそれから国保の対象者とでは、所得の捕捉の問題等々でやはり不公平感がまだまだ国民の中にあるということを考えると、被用者と国保とは一応別のグループにして、それからまた老人についても別のグループにして、そしてそういった中での適正な財政の調整を図るというような考え方というのも、これは一つの案として出しております。  そんなようなことで、幾つか案を提示いたしておりますので、また先生にも十分御説明をさせていただく機会をとっていただきたいと思いますが、これはちょっと一言でと申しましても、なかなか幅広い問題でございますが、いろいろな考え方があります。そういった考え方を踏まえて、まさに今、医療保険福祉審議会においてその抜本的なあり方というのを、単に関係団体ということをバックにした議論ではなくて、国民的な視点から審議会の委員の先生方を選定をし、お願いをしておるところでございますので、そういった議論、そういった意見というものを踏まえて私ども考えていくことになろうかと思います。     〔根本委員長代理退席、委員長着席〕

武山百合子自由党

○武山委員 そうしますと、国民的議論の中で国民が選ぶものでよいという解釈をしてよろしいのですか。たしか幾つかの案がありましたね、A、B、C、D。厚生省は何を進めたいのでしょうか、あの中で。それとも、国民的議論の中で国民が決めてくれという意味なんですか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 国民が、まさに国民的議論の中で国民的な合意を得た案がやはり一番望ましいというふうに考えております。そういった意味では、その国民的な意見を踏まえて、そして最終的に国民的な視点から決定していただくのが、まさに国会ではないかというふうに考えております。

武山百合子自由党

○武山委員 どうもありがとうございました。  国民的議論の中で国民の意見で決めるということ、私も肝に銘じてそうしたいと思います。  それでは、次に移ります。  病床規制関係で、今回、病床の数についてはわかりましたけれども、医療費と病床数に強い相関関係があるというわけですけれども、それでは医師の数についてはどのように考えておりますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 ベッドとそれから一人当たりの入院医療費との相関関係というのは、非常に強い相関関係が見られます。医師の数と一人当たり医療費との相関関係は、これはベッドほどは、ベッドと一人当たり入院医療費との関係ほどの強い相関関係はございませんが、やはり相関関係があるというふうに言われております。

武山百合子自由党

○武山委員 ベッドと医師の数、両方相関関係があるというわけですね。はい、わかりました。  それから、医療の情報公開についてお聞きしたいと思います。  日本ではこれをいわゆるレセプトという言葉で言っておりますけれども、どれだけ国民にこのレセプトという言葉が浸透しているのか疑問ですけれども、診療報酬明細書ですね。これだと国民に全員にわかると思うのですけれども、何か非常に片仮名の文字が日本はお好きのようで、たくさん意味不明の片仮名の文字が出ておりますけれども、この診療報酬明細書についてちょっとお聞きしたいのです。  私、実は長いこと海外で生活しておりまして、日本へ来てまだ五年足らずなんです。アメリカで実は二年前に交通事故に遭ったものですから、二週間の入院をしました。大変な事故だったものですから、心臓外科の手術と、それからこちら、肝臓、肋骨だとか全部骨が折れまして、大変な手術をいたしました。  それで、集中治療室に一週間入りまして、その後病室に入りまして、二週間入ったのですけれども、アメリカで十万ドル、約一千万近く医療費がかかったのです。その中に、麻酔、麻酔薬、それぞれ診療の内容が全部明細が書かれているのです。大体文字が読めれば、子供から大人までこの内容というのはよくわかるのですね。それで、医者の診療代が幾ら、それから実際に麻酔がどれだけ、手術代が幾ら、部屋が一泊幾ら、大変細かく、わかりやすく出ているのです。  それで、私、帰国しまして、日本で病院にかかる機会がなかったものですから、二年前から病院に行きまして、日本で、いわゆる領収書兼外来診療費請求というのですか、これを私立大学のその病院でいただきまして、それから防衛医科大学でちょっとリハビリの関係を診ていただいているものですから、防衛医科大学でいただいたものと見比べますと、明細書というのが、これはレセプトじゃないわけですね、いわゆる診療を受けに来た私にくれる領収書兼診療請求書のようなものですね、それが出ておりまして、非常にこれはわかりにくい。  私、何の数字が出ているのか、点数もそれから意味がわからない。まず、総額でどれだけかかったのかということが非常にわかりにくい。それで、今度部分的に、検査料とか再診料とか、そういうのはわかりますけれども、点数と、それからこれは国立病院だと思いますけれども、基本料、それから点数、その意味も正直言って最近初めてよくわかったのですけれども、ぱっと見てわかりにくいということを非常に感じました。アメリカでたまたまそういう事故に遭ったり、また長いこと海外生活した、その医療にかかわった状態と比べまして非常にわかりにくい。  それで、私思いましたけれども、何というのですか、レセプトというこの診療報酬明細書と、それから、診療を受けに来た患者さんに渡すのと一枚で済ませたら、全体がどういう診療をして、総合的にどれだけかかったかという総合のトータルが出ますね。その内訳のうち、例えば、基本料は幾ら幾らです、先生の検診料は幾ら幾らです、それからレントゲン代は幾ら幾らです、トータル、合計この金額になります、それで、このうちの、私は国民健康保険ですので、三割が自己負担です、七割は保険者が支払います。そういうふうにわかりやすいものを一枚の、あるいはセットで、例えば何枚かで複写できるように、そんなのにしていただけたら、どんなに私たち患者にとってはわかりやすいのではなかろうかと思うのです。  そうしますと、それが一枚は本人に来、そして一枚はその病院に残り、一枚は保険者に行くわけですね。そうしますと不正請求も防げるのじゃなかろうかと。診療明細書が全部に行く、患者にも来、そして病院にも残り、保険者にも行く。そういうふうなことをちょっと感じましたけれども、みんなばらばらに分かれていて、この診療報酬明細書と、患者に来る請求書、領収書とばらばらなわけですね。その辺は、一緒にするなんという発想はいかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 日本の場合は、まず、そもそも領収書をちゃんと出してくれという段階であります。まさにそういった意味で、私もアメリカで医療にかかったことがありませんからちょっとよくわかりませんが、もし先生のおっしゃるような状況がアメリカの場合普及しているとすれば、日本とアメリカとの医療の文化の差というのをやはりまざまざと感ずる問題かなという気がいたします。  まず、我々としましては、現段階におきましては、医療費の領収書、それもできるだけわかりやすく、内容もできるだけ患者さんが欲しているその内容に沿うような、そういった領収書というものを発行することを、実は推奨といいますか、指導をしている段階であります。  まさに今先生おっしゃるとおり、それならいっそのこと、どうせ診療報酬請求の請求明細書を出しているわけですから、それをそのまま領収書にしてはどうかというのも一つのお考えだと思います。特に、これからコンピューター化が非常に進んでまいりますし、そういったようなことを考えますと、今後の方向としてそういう考え方も一つあろうかと思いますので、先生御指摘の考え方も参考にしながら、さらに、我が国におけるそういった面での医療の透明化、あるいは医療に対する信頼性、そういったものを確立していくように努力をしていきたいというふうに思います。

武山百合子自由党

○武山委員 この診療報酬明細書というのは、本人が請求しないとくれないのですか。その場ではくれないのですか、日本の場合は。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 診療報酬請求明細書というのは、これは保険者に対する請求書、医療機関の請求書でありますから、そういった意味では、その診療報酬請求明細書は患者さんには今差し上げていないのが普通だと思います。  ただ、患者さんが、私の治療の内容について知りたいということであれば、これは診療報酬請求明細書を見せていただくということができるわけでありまして、これは、最終的には各保険者に診療報酬明細書が行きますから、請求書ですから、そういった意味で、保険者に請求をすることによってそれを開示するといいますか、見せてもらう、あるいはコピーをしてもらう、こういうことができるようになっております。

武山百合子自由党

○武山委員 昨晩のニュースで、カルテが今度開示されるということで、本当によかったなと思っておりますけれども一この診療報酬明細書、これも中身というのは、保険者に行くということですけれども、患者本人のものなんですね、要は、そのもの自体は。支払うのも患者ですし、保険者も、例えば保険の種類によって違いますけれども、中の明細というのは患者自身のものですね、診療の明細ですので。  それで、それを一々請求しないと来ないというのは、非常に国民にとって、患者にとって不便ですね。例えば切手を入れて請求するのか、そのまま電話で請求するのか。できればそのときに、支払いをするわけですから、そのときにもらえれば一番お互いに手間も省けるわけですね。ですから、そういう手間をやはり省くのが小さな行政だと思うのです。そういう手間を、コンピューターにしないとできないとか、そういう理由を述べていたらいけないと思うのですよ。  例えばあちらですと、お医者さんが診察した場合に、その場で、一枚、二枚、三枚ぐらいになっていまして、それでぱっと書いていくんですよ、自分で。それで、終わりまして、本日の診察料一万円、注射一本五百円、血液検査五百円とか書きまして、それで終わりましたらそれを受付に持っていきまして、受付の秘書さんが合計しまして、それで、あなたはきょう一万五千円かかりましたから、あなたの負担はこのうちの二割ですから二割払ってください、あるいは、全額ですので全額払って後から保険が支払いますよと二通りあるのですけれども、そのようにもうばっぱっと、一々コンピューターに入れるとか、コンピューターの設備がないところは、ではまた設置しなきゃいけないと、非常に何か画一的なんですね。  ですから、手でも書けるしコンピューターでもできるしという、本当に何かどこかで統一して、どこからか流れたら全部わかるようにとか、そういう発想も大事かもしれませんけれどもへそれで全部画一的に考えるというのではなくて、やはり柔軟性を持たして、個々に、どっちでも利用できるような方法の方が便利だと私は思うのですね。それで一回で済めば、患者にとってもそれから事務をする人にとってもすごく便利だと思うのですよ。そういうこともぜひお考えいただきたいと思います。  それで、日本の医療は皆保険で、底上げをしてきたという印象なんですね。底上げは、本当にみんなが公平に安い金額で医療を受けられるようになったという点では私は本当にいい制度だったと思いますけれども、質という面では本当にまだまだだと思うのです。  例えば、私なんか交通事故のときは、もう手がホットドッグみたいにはれ上がっちゃいまして、顔はもうおだんごのようになつちゃったわけです、正面衝突ですから。そんなときに、やはり八人部屋とか六人部屋なんて入ったくないわけですね。ところが、もうあちらは一人部屋か二人部屋か、選択肢が本当に、個人がどういう気持ちか、どういう部屋に入りたいかというところが現実になっているわけですね。もうそんなときに何人部屋かなんて入ったくないわけですね。そういう質の面で、これから日本もようやく、底上げではなく質の面で、やはり医療というのはそういう方向に進んでいくんだと思うのです。  国民一人一人に聞いたら、絶対に、大勢、六人とか八人部屋なんて入りたい人はほとんどいないと思いますよ。それで、病気で入るわけですから、もう健康じゃないわけですね。精神的にも肉体的にも、気分ももう全く健康な状態じゃないわけです。そういうときにやはり大勢の部屋に入るというのは、もうそれだけでもまた忍耐を要するわけですね。ですから、やはり質という点で、個室に入れる、そういう質の面でこれから日本も医療を考えていく時代になるんだと思いますけれども、質の面はどのように考えていますでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 質の面を考えた場合、医療行為そのものの質という面では、我が国、決してアメリカと遜色がないと私は思います。もちろん分野によっては、アメリカの方がそういった意味でのレベルが高いという分野もありますけれども、一般的な医療においては余り変わらないだろう。  ただ、まさに御指摘のとおり、個室の問題とかそういった問題になってくると、違いがあるかと思います。これはしかし、我が国はいわゆる国民皆保険、公的医療保険制度ということでやっておるわけでありまして、まさにそういった中で、医療に与えられている限られた財源というものをどういうふうにみんなで負担し、それを分配していくのがいいのか。まさにそれが、今我が国の場合大きな問題になっておるわけでありまして、そういった場合に、公的な医療保険でカバーするのは一体どの範囲なのかということと絡んでくると思います。  先生冒頭おっしゃいましたように、日本では恐らく十万ドルはかからないわけでありまして、どんなに高額な医療費を使ったとしても、一月六万三千六百円という高額療養費制度の範囲内であります。しかし、病室の点については、本人が希望するならば、我が国においても個室というのが提供されるわけでありまして、そのかわり、ベースの部分は、通常の医療保険で見るベースの部分は出ますが、それを超える部分、いわゆる差額になるわけですが、これは自己負担という格好になります。これはやはり、部屋はピンからキリまであるわけでありまして、ただ、そこの部分は、医療保険ではそのかわり負担しないということになっておるわけでありまして、どちらのいき方がいいのか。  しかし、それを全部医療保険で見るということになりますと、これはやはり、今度医療保険財政が相当膨らんでくるということになりますから、その辺の、負担の問題を含めた国民的な合意ということが必要だというふうに思います。これまでの我が国の医療保険の中の考え方というのは、そういった個室というのはアメニティーと言えるのかどうか、考え方は分かれると思いますけれども、一応、我が国においてはアメニティー部分ということでとらえておりまして、そういった部分については、これは公的医療保険の外ということで自己負担をいただいている、こんな仕分けをしていっているのが我が国の実情でございます。

武山百合子自由党

○武山委員 実は、私の地元は、埼玉の東部地区にあります春日部、庄和、岩槻、久喜、あのあたりなんですね。あのあたりで、実は、心臓外科というのはほとんどないんです。それで、埼玉ですと、西高東低とからまたで言われているんですけれども、浦和、大宮、やはり東北本線、新幹線の通っている地域の方が、やはりいろいろな意味で病院も充実しているわけですね。大きくて設備が整っている。  それで、私のところは本当に、首都圏と言われながら、相変わらず、それだけの設備を擁している医療機関というのはないんですね。ですから、私が地元で事故に遭ったら、もうとっくに死んでいるんです。それで、あの地域で交通事故に遭って、私のような状態は、ほとんど亡くなっていますね。ですから、やはり地域の格差というのは大きいのであろうと思います。  ですから、先ほど局長さんが、高度医療は日本は進んでいるとおっしゃいましたけれども、格差があって、受けられるところと受けられない格差が非常に多いということは現状だと思います。  それから、いわゆる、先ほどのアメニティーの問題ですけれども、あちらでは保険が皆保険じゃありませんけれども、私的保険がありまして、それで大体、私の夫が入っているのは私的保険で、二割自己負担で八割が保険者が払うという、掛金は大変高いですけれども。  ですから、十万ドルかかったとしましても、例えば、百万以上出たら、十万ドルのうち一万ドル以上出た場合は全額保険者が払うことになっているわけですね、実際に、高度医療の場合は。それで、百万円以下は自分で払う、そういう保険制度ですけれども、それは、個室も全部きくわけなんです。日本では、出産はきかない、個室はきかない、それから、こういう手術はきかないといろいろありますけれども、アメリカでは一般的に、私的な保険は、手術は全部ききます。それで、保険の種類もピンからキリまでありますけれども、私の家庭で入っていた保険がそういう保険であったということですね。  それで、一般的には病室もききますし、きかないものはほとんどないんですね。アメリカではわかりやすくなっているんです。日本はきくものときかないものと、病状によっていろいろ格差があります。それから、先ほどおっしゃったように、部屋も日本はいろいろありますね。個室の場合はほとんどききません。私の父が去年柏のがんセンターに入りましたけれども、個室に入りまして、やはり全然ききませんでした。そういう点で格差があるということですね。  それから、カルテの開示の方もちょっとお話ししたいと思います。  情報が今度ようやく開示になるということですけれども、これは、住宅が移動したりしましたらかかりつけのお医者さんから移動しますよね、住宅が移動しますから。そういうものも全部移動できて、それでもらえるということですね。どこへ行っても開示できるという意味ですね。今度のカルテの開示ですけれども、それについてちょっとお聞きいたします。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず、最初の医療格差の問題なんですけれども、これは先ほど申し上げましたように、国民がどこまで負担をするかという問題との裏腹だと思います。  そういった意味で、例えば今先生がおっしゃいました、日本の場合はむしろ民間保険は余り進んでおりません。これはなぜかと申しますと、公的な保険でほとんどカバーされるからであります。  例えば今、公的医療保険は、どんなに医療費がかかっても、アメニティーの部分を除けば、六万三千六百円負担すれば治療が受けられる。しかし、それを例えば百万円まで高額療養費の負担を求めたとするならば、恐らく我が国の今の状況では、アメリカと同じようにそういったサービスが提供できることは間違いないと思います。  しかし、六万三千六百円を千円上げるのも、これも国民としては大変な負担の増ということで抵抗があるわけでありますから、そういった意味で考えますと、我が国の負担と、それから提供されている医療の関係という面では、恐らく今世界的に見ても、国内で議論していますと非常に批判が多いんですが、世界的に見ると、比較的うまくいっている国ではないかというふうに言われていますし、我々もそう思っておりますが、やはり問題は、負担との関係であるというふうに考えております。  カルテの方は、健康政策局長の方からお答えいたします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 きのうテレビでやり、また、きょう各紙に出ておりますカルテの開示の問題につきましては、現在、専門家といいますか有識者の集まった検討委員会でいろいろ議論をしておりまして、きょう新聞に出ましたのは、きのう出されました一つの報告書のたたき台についての報道でございます。  具体的にこれからどういうふうにやっていくかというのは、まだ、来月もこの委員会をやることになっておりますので、引き続き検討が続けられるわけですが、今お話のございました、患者さんの移動に伴う、カルテがどこに行くかということについては、これは、基本的にはカルテそのものは病院に、あるいは診療所に保存されるわけですから、患者さんが、例えば埼玉におられた方が神奈川に移動されたという場合に、別にカルテがそれについてくるわけではございません。

武山百合子自由党

○武山委員 最後の質問になりますけれども、すなわちカルテというのは、やはり本人に帰属するものだと思うんですね。結局、その患者個人の診療内容ですよね。ですから、本人に帰属するものだと思いますので、それは本人に開示するのが当然のことだと私は思うのです。本人のもの。今までそういうものが開示されなかったこと自体がおかしいと私は思っているんですけれども、それはどこででも本人の請求で開示できるというふうな方向に進んでいくだろうと思います。  私、質問時間が超過してしまいましたので、これで終わりにいたします。どうもありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 瀬古由起子さん。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  まず、私は組合健保の問題についてお聞きいたします。  九六年度の組合健保全体の組合数に占める赤字組合数と割合、赤字額は一体どのようになっているでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 赤字かどうかというのは、これは保険料をきちっと取っているかどうかということとのバランスの問題がありますから、ちなみに保険料も申し上げたいと思います。  御案内のとおり、政管健保は、先般の改正によりまして、現在千分の八十五の保険料負担をお願いしております。健保組合につきましては、全体の平均で見ますと、健保組合はかなり付加給付もやっておりますが、付加給付分も含めまして、保険料率が平成九年の三月で見ますと八四・五六という水準でございます。  今先生お尋ねの、平成に直しますと八年度の決算のお尋ねだと思いますが、平成八年度の決算では、今千八百十五組合ございますが、そのうち約七割に相当する千二百九十三組合が経常収支で赤字を計上しておりまして、全体として千九百七十六億円の赤字になっております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 この間の収支決算を見てみますと、組合健保の場合に、九四年度が七百七十四億円赤字、九五年度が千二百二十二億円の赤字、九六年度が千九百七十六億円の赤字と、三年連続の赤字というふうになっています。それで、今お話がありましたように、健保組合の七割が赤字組合になっている。実は、これは、五年前には七割以上が黒字という収支決算でございました。  一月二十七日に全国保険・国民年金主管課(部)長会議が行われまして、そのときに霜鳥保険課長が、過去に例を見ない厳しい状況だ、このように強調されております。個々の組合の多くが連続赤字決算の上に、今不景気と不安定雇用が増大して、銀行の貸し渋り倒産などで失業者というのはことしじゆうに四%台になるのではないか、このようにも推計されております。当然保険料収入の伸びが下がってくる、さらに高齢化に伴い歳出は増大する。こういう面では、組合健保は構造的に弱体化していく、今こういう状況になっているのではないかというように考えられるわけです。  保険者の基盤が強化される見通しがあるのかというと、それもない。ここに国庫負担分を今回の法律によって転嫁するという場合に、このままでは赤字組合はつぶれるという状況も出てくるのではないか。そういう点では、構造的に弱体化している組合健保の強化というのはどのように図られるつもりなのか、その対策はどのように持ってみえるのか、お聞きしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず、基本的には、医療保険制度の枠組みの問題をどう考えるのかというのをやはり基本に考えないといけないと思います。  いわゆる被用者保険の場合には、ベースは政管健保があるわけでありまして、小集団の方式として組合健保をつくっているところがある、こういうことであります。そういった意味では、こういった組合健保という組合方式、小集団方式をとっている中で、一方で政管健保というオールジャパンのシステムがあるという、極めて世界でも例のない我が国の医療保険制度であります。そういった意味では、この被用者保険制度の枠組みというものをどう考えていくべきなのかという、そこのところを根本的に考えていくというのが、これからやはり抜本改革の課題なんだろうと思います。  現行制度で申し上げますと、しかし、健保組合の中での、いわゆる基盤の弱いところの関係の対策として申し上げますと、これは、一つには、国庫補助という格好で一部脆弱な体質の組合を助成をするということをやっておりますし、また、健康保険組合内においても、それぞれ相互の助成措置、助け合いの措置というのをやっておりまして、現行では、そういった組合内部における助け合いと国庫補助、いわゆる給付費の臨時補助金という呼び方をしておりますけれども、こういったものを交付して助けているということであります。  しかしながら、元企業自体が、不況等になって非常に経営が苦しくなってくるというような場合には、健保組合もなかなか維持できないということになってまいりますから、そういったものについては解散というふうなことで政管健保に入っていただく、こんなふうな格好にならざるを得ないということでございます。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 厚生省の認識としても、なかなか大変な状況だというのはお認めいただけると思うのですね。確かに、抜本改革をどうするかと私たちも意見を持っていますけれども、当面この深刻な事態をどうするのかという場合に、確かに国庫補助を入れる問題だとか、組合同士が助け合いをするということもある。しかし、今もう大変な状態になっているところに、またさらに足を引っ張るということについてはいかがなものかというふうに私は思うわけです。  それで、今ここをどうして助けなければいかぬかと言っているときに、今お話があったように、どうやったら解散できるかという論議も一方ではされているわけです。今、局長が言われたように、ことしの一月に開かれた全国保険・国民年金主管課(部)長会議などのところで、厚生省が今組合の解散基準及び指導方針を策定中だ、こういう報告をなさっているわけです。そういう意味では、何だか、どういうように赤字組合を援助するかというよりは、むしろどうやって解散させるかというか、こういうところにかなり力を入れてみえるというか、だから、ある意味ではやることが逆ではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 被用者保険の枠組みは、先ほど申し上げたようなシステムになっておるわけであります。  そこで、健康保険組合の運営の問題のポリシーになるわけでありますが、かつては三K赤字の時代、いわゆる政管健保が赤字で大変な時代をずっと続けてきました。ちょうどバブルの時代に政管健保が一兆円を超える黒字を計上するようになった。これは我々としても信じられないような状況、だったわけでありますが、やはりそれはバブルだったということになるのですが、そういった過去の三K赤字の時代、健康保険組合の解散というのは極力抑制してきた経緯があります。  これはなぜかと申しますと、健康保険組合というのは、基本的には国庫補助を入れないということでやってきておるわけでありますが、政管健保は国庫補助を入れております。現在も一三%の補助を入れておりますが、健保組合が解散しますと政管健保に入ることになります。そうすると、政管健保の加入者がふえますから国庫負担がふえるというようなことで、どちらかというと、その辺については抑制的な指導が行われてきた。ところが、私は、これはよくないと思っております。  やはり健保組合というのは、小集団できちっと独立してやるということが基本であります。比較的給与も高く、若い人だけの集団、だからといって、そのメリットゆえに健保組合というものをつくるということではおかしいのではないか。やはり小集団のメリットというのは、いい人が集まってやることではなくて、小集団による健康管理を初めとする、そういった面でのメリットというものを生かしていくべきなのであって、財政的な面でいいときだけやるということはおかしいというふうに私は思っております。  そういった意味からしましても、やはりもう自立してやっていけない健保組合、政管健保よりも保険料も高い、そういうような状況の中で健保組合を維持していかなければならないというようなことであるならばむしろ解散をして、健全な財政運営ができる健保組合が健保組合としてやっていくべきである、こう考えておるわけであります。  そういうふうなことから、これまで、かなり母体企業が弱体化しているにもかかわらず、そしてまた解散して政管健保に入ることを望んでおるにもかかわらず、それを抑制的な形でやっていくということはよくないというふうに考えておりまして、そういう意味では指導の方針を大きく転換いたしました。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 この健保組合のできた経過などを見ましても、確かにいろいろ今の事情とは違いますけれども、しかし、少なくとも国民皆保険制度を支えてきた、そういう中で一定の役割を組合健保は果たしてきたということはお認めいただけると思うのです。  政管健保の問題もありますけれども、これは後で触れますが、政管健保は政管健保で、またここに負担をかぶせるという問題や国の補助を減らしているという問題があるわけです。そういう点では、いろいろ言われるけれども、全体的には国の補助を減らしていくという流れがやはりつくられているというふうに思うのです。  今組合健保でどういう深刻な状況かといいますと、例えば、民間放送健保組合というのがあるのですけれども、これが老人保健拠出金の重圧で健保財政が大変危機的な状態になっているのだということで、労働組合が昨年決議をしております。こういう内容になっているのです。   いま、七割を超える健康保険組合が財政赤字に追い込まれている。巨額の赤字を累積する健保組合が続出しているのだ。民放健保組合も九六年度は、三億近い単年度赤字の決算に追い込まれた。優良健全な健保組合といわれてきた放送局関係の健保組合も例外ではない。健保財政危機の最大の原因は、保険料収入の三二・九パーセントを超える老人保健拠出金の重圧である。政府は、国庫負担削減のために各健保組合に自助努力を強要し、「拠出金」制度を導入した。健保組合財政が赤字なら、さらなる自助努力で被保険者から保険料をもっとたくさん取れという論理が政府の「拠出金」制度に込めたねらいである。財政破綻が深刻な健康保険組合のうちすでに一九八組合が保険料引き上げで応急措置を取らざるを得なくなっている。しかし、賃上げが抑制され賃金破壊が進む被保険者に、保険料の引き上げを容認する余地はない。従って、このまま政府が「拠出金」制度を強行し続ければ、ここ一~二年のうちに健保組合は存立基盤を崩壊させることになる。 こういうふうになっているわけです。  それで、大変深刻な状態だということで悲鳴を上げているわけですが、今厚生省は方針転換したと言われたのですけれども、九七年一月二十一日の通達では、一応収支が黒字になったところでも保険料を引き上げよ、付加給付は制限しなさいという通達を出しているわけです。これはどういう意味でしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 申しわけないのですが、その通達が手元にございませんのであれですが、まず前段の方でちょっと申し上げたいと思うのです。  今回の国保法の改正で老人保健の拠出金の見直しをお願いしているわけであります。これは、老人保健制度をみんなで支えていく、国民がひとしく支えていこう、そういう理念のもとで成り立っておるわけでありまして、そういった意味で、老人をたくさん抱えているところ、それから老人の数が少ないところ、それぞれのアンバランスがありますから、それをある程度ならしていくというのが、これが老人保健を支えていく現行の老人保健制度の基本理念だと思います。.  そういった面で考えますと、国保は、平成八年度の状況で見ますと、国保の加入者千人当たりの老人の加入者数を見ますと二百七人ということであります。それに対しまして、健保組合は三十人、それから政管健保は五十三人、こういう状況であります。国民皆保険という中で、この老人医療費をどうみんなで公平に分かち合うかということで考えますと、やはり老人加入率の低い被用者保険制度が拠出をしていくというふうな構図というのは、これは現行制度においては避けられないと思います。  問題はむしろ、現在、老人医療費というのは若人の一人当たりの療養費の五倍とか六倍というふうにかかるわけでありまして、これをもっと三倍とか二倍に下げることができるならば若人の負担というものも軽減されるわけでありまして、そういった意味で我々としても、これを何とか三倍とかあるいは四倍に下げるようなことができないか、また、そういうふうな医療制度あるいは施策というものを今後やっていくことが根本的な問題だというふうに私は考えております。  それと同時に、抜本的な改革の中でこの高齢者医療というものをどうするのかということを今まさに検討を始めているわけでありまして、そういった根本的な改革というものがなければ国民の負担というものは軽減されない、こういうふうに思っております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 もともと高齢者の医療費をどうするのかということでこの老人保健の拠出金制度ができたわけですが、国保を除いて、国の負担を入れないでともかくみんなでやりなさいという、そういうもともとの仕組みそのものに問題があるというふうに私たちは思っているわけです。  ですから、改めて、今こういう高齢者の拠出金をどうするかという場合に、私は、各健保もそうですし、組合健保もそうですし、政管もそうだし、国保も大変だという状況になったときに、国がどういう制度の改善をやるのかというのはやはり政策的な課題だと思うのです。そこで、私は、やはり最終的には国がもう少し、本当に国民皆保険制度を存続させるというなら、きちんと国が責任を持つべきだというふうに思っています。  しかし、今言っているのは、抜本的な問題は置いておいて、当面の組合健保が大変だというときに、赤字のところはつぶしなさいというか解散しなさい、黒字のところはもっと保険料を上げて余り付加給付はやるな、こういうやり方をしますと、最終的には労働者にいろいろな負担は全部押しつけていく、こういう流れを厚生省自身がつくっていっているのではないかというように思うわけです。  赤字のところはほったらかしにして手をつけない。ここは、存続させようと思うと組合自身が本当に労働者にさらに保険料を上げないとやっていけませんから、そういう事態になる。黒字のところはもっと負担を労働者にさせなさい、こういうやり方は大変安易なやり方だというふうに私は思います。  これはここでおきまして、次は、政管健保についてお聞きいたします。  政管健保は、先ほど言われましたように国の一番ベースになる部分になっていますけれども、これも九三年、九四年、九五年それから九六年と四年連続の赤字になっていると思うのですけれども、それはいかがでしょうか。

真野章社会保険庁運営部長

○真野政府委員 御指摘のとおり、政管健保の財政状況は、平成五年度に九百三十五億の赤字を計上して以来、平成八年度まで四年連続の赤字となっております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 昨年九月に中医協が行いました医療経済実態調査のうち保険者調査では、それぞれの保険制度別の収支差額、収入合計に占める赤字額の割合はどうなっているのか、教えてください。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まず政管について申し上げますと、収入額に占める赤字の割合でありますが、六・二%であります。  それから、組合健保でありますが、これは三・五%でございます。  それから、市町村国保でございます。これは、注意しなければいけませんのは、この医療経済実態調査の数字そのものでは誤解が生じると思います。医療経済実態調査だけ見ますと一・六%なんですが、国保の場合には、市町村の一般会計から、法律で定められた繰り入れば当然なんですが、法定外繰り入れと言われているもの、簡単に言ってしまえばいわゆる赤字補てんですが、これが約三千百億入っております。これを除いて考えませんと、政管それから組合健保との実力ベースの比較になりません。これを除いて比較いたしますと六・〇%、こういうことでございます。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 実際には、市町村国保に一般会計の繰入額を入れても政管健保の方が厳しいという状況は、今お話があった中でもわかると思うのです。  こういう政管健保、あなたたちが言うベースのこういうところにさらに今回五百二十億円の国庫負担分を転嫁する、これはどういう見通しを今後持ってみえるのか。政管健保の場合でも、今度の医療制度が改悪されたことによって、一たん九八年度は黒字になるけれども、九九年、二〇〇〇年とまた赤字になっていく、こういう状況もあるわけです。今後政管健保についてはどのような見通し、展望を持ってみえるのでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 まさにこれは抜本的な改革が要ると思います。これは制度の枠組み全体を考えていかなければいけないと思います。  これは高齢者医療保険制度のあり方を論ずるにおいては避けて通れないというふうに思っております。抜本改革の検討、診療報酬の見直し、薬価基準の見直し、それから引き続いて老人保健制度の見直しに入ってまいりますが、こういった中で、やはり全体の制度の枠組みというものをどう考えるかということを避けて通れません。まさにこういった状況の最大の問題は何かというと、これは要するに老人医療費に対する拠出金の圧力でありますから、この老人医療費拠出金というものをどういう格好でみんなで負担していくのかということ抜きには改善はないと思います。  ちなみに、若人だけ見ますと、今医療費も安定していますし、若人だけで仮に被用者保険なりをつくるということであれば十分成り立ちますが、やはりお年寄りを、しかもこれからさらに高齢化が進む中でふえていくお年寄りの医療費というものをどうやってみんなで負担するのかという問題であります。これは保険料でどこまで負担し、一般財源でどこまで負担するのか、そういったような組み合わせも含めてやはり根本的な、国民的な議論の中で解決をしていかなければいけないのだろうというふうに思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 先ほど言いましたように、抜本的な改善をどうするのかというのは当然論議になると思うのですが、組合健保もそうなんですが、政管健保も、当面これはどうするのかという問題はそれはそれとしてあるわけです。そういう場合に、ここに国の財政負担分をかぶせるというのはちょっと安易過ぎないか。抜本改正があるから、それまではちょっと我慢していただきましょうという事態では今ないということなんですね。  御存じのように、昨年の医療改悪といいますか、国民の負担がされて、私たちは受診抑制と言っているのですが、確かに医療費全体は縮減されるけれども、本来必要な医療が受けられないという状態も、私も何度も幾つかの場所で言ってまいりました。いろいろ意見は違いますけれども、私は、抜本的な改善をやるという前に当面やることがあるのじゃないか。  そういう点で、これは大臣にちょっとお聞きしたいと思うのですが、政管健保の場合に国庫の繰り延べの問題です。もう以前から、ぜひこれは真っ先に何とか繰り入れできないかということも私どもも言っていましたし、大臣もそれなりのお答えもしていただいていると思うのですが、この時点で、当面の施策としてはそれを先に、国民に負担をしてもらう前にやるということは考えられないのかどうか、その点はいかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 この問題は、昨年も強く財政当局に早期返済を求めて、たしか千四百億円程度でしたか、返済したはずだと思います。ことしも早期返済を強く求めていきたいと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 では次に、政管健保の問題で、レセプト点検の強化についてお聞きします。  これは財政効果一千億円を見込んでいるというように言われていますけれども、この実効が上がらないときには六百十四億円の赤字になる可能性がある、このように厚生省は考えてみえるのですね。社会保険庁の真野運営部長は、レセプトの強化で一千億円の削減が実現できない場合は政管健保は歳出不能に陥る、このように説明をされています。要するに、一千億円のカットというのが黒字の条件だと言って檄を飛ばしてみえるわけです。私はやはりこういうものは大変危険だというふうに思うのです。削減が目的化すると、一千億なんて掲げますと、これはいろいろむだな部分を見直してということは出てくるでしょう。しかし、まず目標ありきという形は大変問題になってこないかと思うのです。  十四日の参考人質疑の中でも、支払基金の末次理事長が言ってみえますけれども、支払基金の審査の基準として、レセプト審査というのはあくまでも保険ルールにのっとっているか、その枠内でやられているかどうかなんだ、このように述べておられるわけです。ですから、レセプトチェックというか強化といっても、不正のチェックはレセプト上ではできない、こういうふうに言われているわけです。  では、一千億円の目標を義務化した場合に、それで削減したらどうなるのか。結果としては、一律減額査定みたいになってしまうとか、必要な医療もカットするというおそれはないのか、この点をお聞きしたいと思います。

真野章社会保険庁運営部長

○真野政府委員 今回政管健保で考えておりますレセプト点検の充実は、先ほども御答弁申し上げましたように、従来社会保険事務所で行っておりましたものを原則都道府県単位で点検を行うというものでございます。  これは政管としても、保険者としても求められておりますいわゆる保険者努力といたしまして、しっかりやれということでございます。なかなか、社会保険事務所ごとに分かれておりますと人的な制約もあるということで、一カ所に集めまして人的集約を図りまして、その内容点検の充実それから第三者求償の充実等、いわば効果的、効率的なレセプト点検の実施を行うということを目標としておりまして、一律に行うというような御懸念の点はないというふうに思っております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 ある支払基金の職場では、チェックの附せんをつける競争をしている、こういうところもあるというふうに言われているのです。ですから、今言われたように、必要な医療もカットするような一律的なものでないということは徹底していただくというのは当然ですが、やはり一千億円みたいに掲げますと、その目標に向けてどうするかというふうになってしまうわけです。そういうやり方は本当に考え直すというか、やはり考えるべきだというふうに思います。  さらにお聞きしますけれども、しかもその減額された内容が一方的で理由がわからない、こういう場合が大変今まで多かったわけです。私は、昨年十一月の決算委員会で、京都の病院の例を言いました。必要な医療が査定で一方的にカットされた、それで告訴されたのですね。結局支払基金と京都市が敗訴しました。この事件で、減額された理由を医療機関がわかるようにしなさい、判決でそう言って書いているわけですね。こういう条件までつけ加えられている。昨年の決算委員会で大臣も一定の改善の約束をされたわけですが、その後、一方的に理由もわからないまま医療機関で査定がされるというやり方が改善されたのかどうか、お聞きしたいと思います。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 一言で申し上げれば、改善されました。  本年の二月の全国の支払基金の幹事長会議で、支払基金の方から、本部の方から、この京都の判決を踏まえ、審査結果の連絡に際しましてはその理由を具体的に記載をするようにという指示をいたしました。そういった意味で改善がなされております。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 もう一点お聞きします。  さきの参考人質疑の中で、参考人の阿部泰隆教授が、医療法の法文を素直に読めば、医療計画は医療過疎地域の医療体制の充実を図る法律だ、こういうふうに述べておられるところがあります。  今回、病床規制といいますか、病床の多いところには保険診療を認めない、こういう提案がされているわけですけれども、本来、この医療法に基づけば、病床過剰地域よりもはるかに非過剰地域が多いわけですから、こういうところの対策といいますか、これをまず厚生省としてはきちんとやるということが本来の筋道ではないでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 医療法に基づきますこの医療計画でございますけれども、これは、非過剰地域については確かに一つの整備の目標という意味合いも持ちますけれども、過剰地域については増床抑制の性格を有するということでございまして、このことは、この医療計画制度が導入されました昭和六十年の国会においてもそういう御議論があり、そういう経過の中で現在に至っているわけでございます。  一方、僻地、過疎地域につきます病院の整備ということにつきましては、厚生省としても特に僻地医療対策というようなことで補助制度を設けまして、必要な医療機関の整備というものを進めているところでございます。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 全体的には、もちろん過疎がありますね。しかし、過剰と非過剰、過剰といっても、私たちは、またこの過剰の意味は本当に国民の立場からいって過剰なのかどうかというのは、意見は持っております。  同じ過剰地域であって、計画の中で出されているところも、医療機関が偏っていて実際には住民の方が不自由している、こういう例もありますし、また国民にとっては、医療機関が身近にあるということはそれはいいことだという面もありますから、非過剰、過剰という形の分け方についても、いろいろ意見を、いかがなものかというのを持っています。  しかし、全体的には、非過剰地域とあなたたちが言われるその地域が日本ではもう圧倒的なんですね。それは、過疎地域だけではなくて、町のど真ん中でもお医者さんがどんどん撤退しているというか、経営がやれなくなる、こういう状態があります。そういう意味では、今回の法律というのは、そういうところが抜けて大事なところが提案されずに、多いところだけは問題にするよといういびつな出され方がしているのじゃないか、こういうふうに思います。  それからもう一点お聞きしますけれども、高齢化率の高い過疎地域の医療機関はいろいろ経営も困難になっています。それから医療スタッフも、確保するといっても大変な状態があるわけですね。それで、基準に照らして不足するところというのはあるわけです。私たちは、この基準から不足しているということについてはもちろん好ましくないという考えを持っています。  しかし、今回の改定でいいますと、保険医療機関の認定をこういう場合には全部または一部取り消す、こういうことが言われているわけですが、これが過疎地域、そして皆さんが言われている非過剰の、こういう病院、医療機関が少ないところに機械的に適用されると、住民にとっては大変困難な状況が出てくると思うのです。その点、どのような御配慮をなさる予定なんでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 過剰地域についての、要するに保険医療機関としてのベッド契約を全部あるいは一部やらないということでありますので、過疎地域はそういう心配がありません。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 要するに、職員の、スタッフが足りないというところについて、この辺をどうするのかということをお聞きしているのです。スタッフが足りないというところは、いろいろな困難な状況がやはりあるわけですよ。それを私たちは必ずしもいいとは思っていませんが、人の確保が十分できないような地域というのは当然あり得るわけです。それは地域的にそういう条件があるという場合もあるし、そういうスタッフが十分養成されていないという、人員の確保という面、養成という面もありますね。  そういう点で、一律的に、住民との関係やいろいろな配置との関係で機械的に適用するというのはいかがなものでしょうか。人員の、スタッフの問題を言っているのです。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回の基本は、過剰地域における医療保険サイドからの医療費の適正化という観点を基本としているわけですが、一方、既得権擁護という格好になるということもやはりあわせて解決しなければ法制的にも問題があるわけであります。  そういった意味で、いわゆる既存の医療機関についても劣悪なものについては拒否をするということができるようなシステムになっておりますが、あくまでも地域医療の確保というのが最優先されるわけでありますから、私どもとしては、その地域における医療事情というものを十分考えた上で当然法律というものは適用されていかなければならないというふうに考えておるわけであります。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 その適用をする場合に、今言われた地域医療という状況も十分踏まえて御検討いただきたい、機械的に一律にしないで検討いただきたいと思うわけですが、特に入院している患者さんの権利の問題、それから住民の意見、こういうものがどういうように反映されていくのか。先ほど審議会というお話も出ましたけれども、そういう患者や住民の意見などがどう反映されるか、こういう一定のシステム、ルールの確立といいますか、こういうものも御検討いただく必要があるのじゃないか。  さらに、医療スタッフの確保ができないという過疎地域の問題なんかは、例えば報酬の中にさらに一定の配慮をするような制度を設けるとか、その辺での改善はどのように考えてみえるでしょうか。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 やはり我が国は、例えば医師数も非常に過剰になりつつあるといいながら、相当な偏在があります。私も県で経験がありますけれども、やはり過疎地域にはなかなか行きたがらない、いろいろな要因がありますけれども。  それは金銭的な問題だけではなくて、いろいろな要因がありますから、単に診療報酬で若干の手当てをしてもそれを解決できるというような状況ではないのではないかというふうに思っておりますし、診療報酬でそういった配慮をするというようなことが適当かどうか、これはかなり議論をしないといけないと思いますし、診療報酬体系そのもののあり方の見直しが今抜本的な課題になっておりますが、そういった面での議論というものをどう考えるのか、そういった中でやはり御議論をしていただくということではないかと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 最後に質問いたします。  今回の法案が出されるに当たっては、いろいろ審議会でも否定的な意見がありました。大臣は、その中でも、今回のこの提案は全体の予算編成の中でやむを得ない措置としてまとめさせていただいた、こういうふうに述べられているわけですね。そういう意味では、財革法の関係で九八年度の予算編成の枠がはめられて、大臣も大変苦労されたと思うのですが、やはり財革法がもう改正、変えるという方針が明らかにされている、前提にされていますから、少なくともこの法案についても、撤回するということについても御検討いただく必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。大臣に最後に伺います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これは、財政改革法が改正され、社会保障関係の上限枠が停止されたとしても、老人保健の拠出金をどのように負担するかの問題でありますので、今後、抜本改革の中でもこの問題は解決しなければならない問題でありますが、当面の問題としてぜひとも必要な措置であるということを御理解いただきたいと思います。

瀬古由起子日本共産党

○瀬古委員 ありがとうございました。  撤回しないということでしたら、さらに論議を掘り下げる審議をぜひ進めるということも重要だと思います。このことを指摘して、質問を終わります。ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 中川智子さん。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。  大臣、きょう私は、大臣と同じ宿舎の高輪宿舎で朝刊を見まして一人で拍手していたのですが、聞こえましたでしょうか。本当に大変な御苦労だったと思いますけれども、それは、やはり国民の声を背に受けて、進退までかけて精いっぱい頑張っていただいたということで、心からお礼を申したいと思います。  そのようにエールを、愛を込めてエールを送って、ちょっと確認したいのですけれども、総理とのけさの確認の中で、来年度、十一年度のみということでのキャップ外しでしょうか。御答弁をお願いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 十一年度のみキャップを停止するということでありますので、十二年度には当然また上限枠が設定されるわけであります。十二年度は今までのキャップが設定されるわけであります。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 その後の、十一年度はまずほっとしたわけですけれども、その後が財政的にどのような状況になると考えていらっしゃいますかということと、あわせて財源の手当てに対しての大臣の御所見をお願いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 きょうの閣議後の総理との話し合いにおきましても、十一年度のキャップが停止されたことによって抜本的な構造改革の手が緩むんじゃないかという誤解を持っている方がいるようだ、そのような誤解はぜひ解くべきだという指示が私にありました。当然、十一年度のキャップは停止されるとしても、抜本的な構造改革の必要性が少なくなったわけではありません。むしろ私は、抜本的な、総合的な構造改革をするためにも十一年度はキャップを外した方がいいということで主張していたのですが、逆にとっている向きがある。このまま野方図に福祉関係予算が伸びていって、結果的に国民負担が増大するのではないかという誤解もあるようなので、その辺はぜひとも解かなければいかぬ。当然であります。  当然これから、十二年度には医療制度の抜本改革が実施に移されます。年金改革、介護保険の導入と、次々に構造的な高齢・少子社会に備えた改革を進めていかなければ、ますます国民負担が増大していく。給付と負担の均衡を図りながら、根本的な改革のためにも、私は十一年度のキャップは停止した方がいいということを主張していたわけでありますが、逆にとっている方があるというので内心びっくりして、そういうことではない、決して野方図にむちゃな予算を要求をするものではないし、今後とも厳しい財政状況の中で構造的な制度改革に取り組むということを改めて総理に申し上げておきました。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 私たちも、やはり年金制度の改革、そして抜本改革というのは、ずっとこの間精力的に取り組んできたわけですね。あと、介護保険の二〇〇〇年からの実施、やはりそれに取り組む以外にないというふうに思っております。もしも最悪そうなりましたときにはまた闘いを続行していただきたいということをお願いして、その前提となるべき財政措置に対しては、やはり命をかけてともに取り組んでいきたいと思っておりますので、ますますの頑張りをよろしくお願いいたします。  続きまして、病床規制のところで質問をさせていただきます。  医療法の中に地域医療計画を導入する契機になったのは、たしか、病院とか診療所などの医療資源が地域的に偏在している、また医療施設相互の機能の連携が十分でないといった問題を解消するためのものでありました。――これは大臣に対しての質問じゃないですから、ちょっと休んでおいてください。でも、現実は、二次医療圏の必要病床数と既存の病床数を比較して過不足のデータを示すだけの施策に矮小化されているのではないかという声が多いです。私自身も、そのような形でとても残念だと思っております。でも、今、既存病床が本当にどのような使われ方をしているのかということも全く不明のままで来ているという状況の中で、地域医療計画そのものは、過当競争の防止とか談合による既得権擁護のための道具と言われてもしようがないのじゃないかと思っております。  ですから、やはり地域医療計画ではなく病床規制計画にすぎないという批判に対して、どのように考えていらっしゃいますか。そして、今回のこの法案、ベッド規制そのものが新規参入を阻むことはないというのはどのように担保されているかということをお伺いしたいと思います。保険局長、お願いします。

谷修一厚生省健康政策局長

○谷(修)政府委員 医療計画のことについて先にお答えを申し上げます。  医療計画そのものは、先ほども申し上げましたように、国民に対して適正な医療を確保していくために、また医療資源の効率的な活用に配慮しつつ、医療提供体制の効率化を図るものだというふうに理解をしております。  一方、この委員会でも何回も出ておりますように、本来、消費者に対する良質なサービスというものは自由な競争を通じて提供されるということが基本ではありますが、医療の分野というのは、通常の市場と異なりて供給が需要を生む。そういうことの中から、医療機関の適正配置を計画的に図るということの必要性があるというふうに考えております。  この医療計画につきましては、それぞれの地域の人口及び受療率を基礎として必要病床数を算定をすることといたしておりますが、この必要病床数につきましては、それぞれの地域の一つの整備の目標という性格と、過剰地域の場合におきます増床を抑制する、そういう性格を持っているわけでございます。  さらにまた、この医療計画の考え方をさらに発展をさせるために、さきの医療法の改正におきましては、それぞれの圏域ごとの病床数の問題だけじゃなくて、医療機関の機能の連携なり、あるいはそれぞれの圏域ごとの施設整備の目標といったようなことについても必ず記載をするといったような内容の改正を行ったところでございます。  いわゆる現在の既得権の擁護というような点についての御指摘がございましたけれども、現在の医療計画におきましても、病床過剰地域にあっても地域のために特に必要な病床については勧告が行われないという制度がございますし、いわゆる特例病床という形で制度発足当初から運用を行ってきております。  また、行政改革委員会の中の規制緩和小委員会の中でも、この必要病床数の枠の中で新陳代謝が促進されるような方策ということについての指摘もなされているわけでございまして、そのようなことにつきましては、医療提供体制、医療制度全体の改革の中の一環として現在検討をしているところでございます。

高木俊明厚生省保険局長

○高木(俊)政府委員 今回お願いしております医療保険サイドにおける保険医療機関のベッドの制限ということでありますが、これは医療法に基づいた形での、医療法にリンクした形での発動ということになっております。  考え方としましては、医療保険サイドとして考えた場合に、やはり医療においては、病床数とそれから入院医療費の関係というのは非常に強い相関関係がある。そうしますと、限られた医療財源というものをどう効率的に、かつ適正に使っていくかということが医療保険のサイドでは大事でありますから、そうすると、やはり当該地域においてこれ以上もう要らない、ベッドは要らないというケースでありますから、これについては医療保険サイドとしても保険医療機関としての契約というものをしない、こういうふうなことであります。  しかしながら、医療法におきまして、当該地域においてどうしても病院、ベッドが必要であるというふうにその都道府県知事が判断する場合には、これは勧告を病床過剰地域でも行わないということになりますから、そういたしますと、これは医療保険として保険医療機関としての契約をいたすわけであります。  そういうことでありますので、地域に必要と認められる病床というものが今回の措置によって排除されるということはない。しかし、その地域において必要かどうかというのは、これはあくまでも都道府県知事が医療審議会なり関係の審議会に御相談の上決めていくものである。それに乗っかって私どもの方としては保険としての取り扱いを決めていきたい、こういうことでありますので、むやみに排除されるということではないというふうに考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 どう読み込んでも、私たち患者にとってどういうメリットがあるのかというのがなかなか理解できないのです。それで非常に懸念をしているのですが、やはり患者にとってどういうメリットがあるのかということがもう少しわかればいいなと思いますが、これは希望としてきっちりと――いいです、ちょっともう時間ないので。済みません。  それで、私は、少子・高齢化、少子・高齢化と一年半ほどこの厚生委員会でやっておりまして、何回飛び交ったかなと思います。この少子・高齢化という言葉は、もう保険財政すべてに当てはまりますけれども、予防医学ということも、どういうふうにして子供たちがやはり健全に健やかに育つか、そしてまた産みたくなるような状況、環境をつくっていくか、それとまた、本当に健康であるということが基本だと思うのですね。それに対する責任というのが、やはり国にあり、厚生省にあると思っております。  先ほど福島委員の質問にもございましたけれども、大阪府の能勢町で高濃度のダイオキシン、今までの最悪の数値の三倍という二万三千ピコグラムという数値が土壌から出まして、非常に住民の不安を駆り立てておりまして、それは単に能勢町だけの問題ではなくて、本当に日本全部、国民がダイオキシンに対して大変心配な状況に置かれている。  これは現地というか近畿の方の新聞なんですが、十七日からはほとんど一面トップです。私も阪神・淡路大震災の後とても感じたのですけれども、向こうですごいこんなに取り上げられていることが、なかなか東京ではということがございますが、一面トップが連日続いているという状況の中で、すごいパニック状態、特に能勢町はパニック状態に陥っております。  と申しますのは、十七日からこの報道がありましたが、私は十九日の朝一番で能勢町に行ってまいりまして、そして美化センターに行きまして、管理者とも話をし、また地元住民の方たちの声を聞いてまいりました。そのことで今緊急に質問をして、厚生省なり環境庁の対応に対してお答えをいただきたいという思いで質問させていただきます。  まず最初に大臣に、やはり今、ダイオキシン問題というのはかなり前から問題にはなっていて、母乳にダイオキシンが今までの七倍ぐらい入っているということとか、そういうことでかなりきっちりした御認識があると思いますが、ダイオキシンの今のこの状況の中で、国としても取り組む必要がある問題だというふうにお考えかどうか、短くても結構ですので、そこをお願いいたします。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 ダイオキシン対策が今国民の大きな関心になってきた。これは母乳にも出ているということを見れば、既に長期間、我々のまだ気づかない時点から汚染が進んでいると見なければいけないと思っております。  そういうことから、このダイオキシン対策は、今後の環境保全、人体への健康ということを考えますと、厚生省のみならず、環境庁初め関係機関と連携して、先進国の状況等もよく参考にして、対策を真剣にしていかなければならないということから、今回の総合経済対策におきましても、公共事業を上積みするのだったらば、今までの既存の公共関係省庁による上積みだけでなく、厚生省関係あるいは環境対策等も含めた公共事業にそういう費用を充ててもいいのではないかということで、既に厚生省としても、補正予算を編成するのだったらば、ダイオキシン等廃棄物対策についてもしかるべき予算を組むべきだというごとで、内々事務当局でその折衝をするように私は既に指示を出しております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 本当にうれしいお答えでした。ありがとうございます。  ぜひともお願いしたいのですが、実はちょっと心配になりましたのは、私は日曜日現地に行きまして、そして住民の方たちと一緒に月曜日朝から、厚生省、環境庁、そして今度の炉頂型でいわゆる欠陥炉ではないかと問題になっております三井造船の本社にも一緒に行ってまいりました。そこで本当に、ああ、これぐらいの認識なのかということで愕然としたのです。  これはどこがどうということじゃないのですが、厚生省の方の中にでも、えっ、そんなにダイオキシンって心配ですかねという声などもあったりしました。そのときに私は、これは大臣にしっかりときょう御質問させていただいて、今のような御答弁をいただきたいと思ったきっかけでございます。  ですから、その予算もとっていただきたい、それがやはり基本にはなっていきますが、厚生省の中にぜひともダイオキシンに対する勉強会みたいなものもつくっていただいて、まずダイオキシンというのがどんなに怖いものであるかという共通認識を持っていただきたいと思います。  例えば私も、私の友人などは古くからこの問題に積極的にやっている人が多いのですが、私は割とあした死んでもいいという生き方をしておりますので、そういうふうな感じだったのですが、ダイオキシンはやはり怖いなとこの間勉強しまして思いました。  と申しますのは、ダイオキシンというのは人類がつくり出してしまった最強の毒物である、この認識を持っていただきたい。ベトナム戦争の枯れ葉剤、あれには微量のダイオキシンが入っていて、ベトちゃん、ドクちゃんが枯れ葉剤で、やはり報道でさまざまな思いを私たちの心の中に植えつけてきました。  そのときに、やはりダイオキシンということが私たちの頭にインプットされて、それからさまざまな形で市民運動も起きてきたわけですけれども、急性毒性では青酸カリの千倍ですね。DDTやスミチオンに比べますと約百万倍の毒を持っています。微量でも体内に取り込むと徐々に徐々に蓄積されて、そして母乳なんかで外に出ていきますけれども、特に男性の場合は生殖機能そのもの、今でも男性の精子は半分になってきているということが研究者の方から発表されていて、このダイオキシンをほっておくと少子どころではないのですね。子供が本当に産まれなくなるという状況をつくり出します。  ですから、本当に厚生省で勉強会をやっていただいて、やはりそのことの認識を深めていただきたいと思いますが、勉強会をつくっていただくことに関しては、大臣、今のお答えだったらそれも含めてということでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は、ダイオキシン対策を真剣に考えなければいかぬということで既に事務当局に指示を出しておるわけでありますから、ダイオキシン対策をするということは実態をまずわかっていなければいけない。研究調査を進めることは当然でありますし、今後そのような体制をとるということは、調査研究、勉強も含むものと私は解釈しております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 これは局長にお願いしたいのですが、地元に行きましてたくさんの方のお話を聞きましたら、今ちょうど田植えの時期で、それだけ汚染された田んぼに入って、土を触って田植えをしていいだろうか、また子供たちの公園にもまき散らかされています。土に付着してそこから食べ物とかそういう土壌の汚染の中で入ってくるのですが、子供さえも遊ばせられないぐらい不安におののいています。  それで、住民の皆様の声としては、希望があれば、ぜひとも健康被害調査をしていただきたいということなんですが、やはり大臣の今の御答弁の中にもこれが含まれているかどうかを伺いたいと思います。

小野昭雄厚生省生活衛生局長

○小野(昭)政府委員 一言付言させていただきますと、勉強会というのはございませんが、既に関係する部局、担当課が集まりまして連絡会をつくっておりまして、いろいろ問題意識の交換、それから研究計画の調整、テーマの決定等は行っております。したがって、改めて勉強会ということではなくて、そういう場の活用ということになろうと思います。  それから、確かにこの件のみならず、健康調査をというお声、非常に強いことは私も承知をしております。ただ問題は、何度も御答弁申し上げておりますが、実際に人のデータというのはなかなかない、例えば今先生がお挙げになりましたのは、大量のダイオキシンにしかも短期間のうちに暴露したという報告はありますけれども、非常に微量のものを非常に長期間にわたって摂取したらどういう影響が出るかということにつきましては、国際的に見ましても、どういう影響かというオーソライズされた、権威のある報告はまだなされていないわけでございます。  したがいまして、現在は、私どもといたしましては、母乳あるいは血液等の汚染の実態、それからそれがどういう臓器に行くのかといったようなこと等についてのデータを集めているわけでございます。ただ、近々WHOにおきまして、これらの問題について専門家の御議論もあるやに聞いておりますので、そういった情報も収集しながら何が可能かということを検討してまいりたいと思います。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 今のお話を伺いましてやはりますます不安になったのですけれども、これは非常に日本の対策がおくれているわけですね。  そして、能勢町の場合でも、データとかがありながら十年間、ダイオキシンの危険ということがわかっていながら十年間まき散らしていた結果なんです。ですから、今のような権威のあるさまざまなデータとかというふうにおっしゃられるとますます不安になりますので、ぜひとも、今のことを踏み込んだ大臣の答弁ということに対して、私は積極的にやっていただきたいと思います。  そのような今のような御答弁だからこそ不安になり、ますます不安が募り、人間モルモットではないかというふうな声が起こってくるというような認識をまず厚生省に持っていただきたいと思います。  環境庁に最後にお伺いいたします。  これで終わりますが、土壌汚染が今回非常に問題になったわけですけれども、日本はまだその基準値がございません。環境庁としても、この基準値をつくるおつもりがあるのかどうかを最後に伺いたいと思います。

西尾健環境庁水質保全局土壌農薬課長

○西尾説明員 御承知のとおり、ドイツ、オランダなどにおきまして、土壌中ダイオキシン類に関しますところのガイドラインが制定されております。  これを見ますと、土地の利用の形態でありますとか、それからそういった柔軟性を持った、ガイドライン値自身も柔軟性がありますし、また対策手法につきましても、土壌の入れかえとかだけではなくて、覆土しますとか植栽しますとか、多様な手法が提示されておりまして、かなり柔軟性のあるものになっております。  ただ、このガイドラインの設定に当たりまして、食品とかあるいは大気とか、そういった暴露経路全体をとらえまして健康リスクの評価が必須なんでございますが、ダイオキシン類が発生源から大気一水、土壌を経由しまして人に入ってくるまでの挙動といいましょうか、これがなかなかわからない。それから、土壌中ダイオキシンに関しては、健康リスクにつきましても現状ではまだ科学的に未解明の部分が多いということで、多くの先進国は我が国と同様にまだガイドラインというものを策定していないのが現状であります。  ただ、以上のようなこういった現状ではありますけれども一私どもは、本年一月に環境庁が土壌の調査マニュアルというものを出しまして、今後各地で土壌調査の事例が増加してくるだろうと思いますし、また、今回の大阪府の能勢町の事案もありまして、土壌中ダイオキシン類に関しますところの評価手法の確立というのは非常に重要な課題と受けとめております。  そこで、環境庁といたしましては、全国的な土壌モニタリングの調査を実施いたしまして、この中で焼却施設周辺を含めました調査を行い、それから汚染状況の実態把握に努めまして、同時に第一線の学識経験者の方々に御参画いただきまして近々検討会を設置しまして、何らかのガイドラインが設定できるかどうかを含めまして、土壌に由来するリスク評価手法でありますとかリスク低減の手法でありますとか、そういったことの総合的な検討に着手してまいりたいというふうに考えております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 ありがとうございました。ぜひともよろしくお願いいたします。そして、いわゆる情報公開もしっかりとよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 笹木竜三君。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 笹木竜三です。  限られた時間ですので、すべて大臣にお答えいただきたいと思います。  先ほどから何人かの委員の方が質問している財革法の上限について、例外的に十一年度は外す、このことについては私も注目をさせていただきました。基本的には応援する気持ちで幾つか確認をさせていただきたい、大事な問題ですので質問したいと思います。  一つ目は、この改正は景気対策ということで緊急避難的に改正をやるのだ、首相はもとよりそう言われていたわけです。もう一回確認しますと、今度の社会保障関係費、これをキャップを十一年度は外すというのは景気対策ということじゃないと思うわけですけれども、これはどういう基本的な姿勢でされたのか。補正予算も含めて実質改正をするのだから、もう一回仕切り直しという面もあるのか、あるいはどうせ縛りを緩めるのなら分捕り合戦なんだ、そういう面もあるのか。基本的な姿勢をもう一度確認させていただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 財政構造改革法が昨年十二月に成立し、そのもとで予算編成をしたときの前提は、各省庁マイナス予算だったのです。前年度に比べてマイナス予算を組む、実質的な増額は科学技術庁のみ、各省庁マイナスの中で厚生省は三千億円程度の増額を認めるということで編成された予算であります、十年度予算は。  しかしながら、各省庁に比べて三千億円ふえたじゃないかと言われても、制度を何も改正しない限りは、当時においては約八千億円程度増額が見込まれる状況でありましたから、三千億円増が認められても、五千億円を削減しないと予算編成ができないという中で組んだ予算。それが今回、景気等の予想以上の低迷に対して景気対策の措置を講じたいということで、財革法を改正するという状況になってまいりました。  となれば、景気対策といっても、公共事業等は兆円単位で上積みするということになってまいりました。それでは、公共事業も対前年度比マイナス七%で組むんですよという、十年度予算を組む当時の状況と違ってきたわけであります。それで、厚生省としては、数十億円、数百億円の予算を削減するのに省を挙げて四苦八苦してきた、与党も対応に苦慮して、みんな我慢しているんだからこの程度の我慢は仕方がないという形で組んできたわけであります。  私も、財政構造改革の必要性は認識しているつもりであります。ですから、歯を食いしばってでも、国民に余計な負担をさせないように、各社会保障制度が安定的にこれからも維持運営されるように取り組もうということでやってきたわけでありますが、そういう前提が崩れてきた中では、公共事業を上乗せするのだったらば、社会保障関係というのは景気の好不況にかかわらず必要な予算は手当てしなければならない、問題が多いということで、社会保障予算に限っては、公共事業が例外ならば、当然、社会保障関係予算も例外を認めていいのじゃないかということを私は主張してきたわけであります。  ところが、社会保障の特例を認めれば、各省庁が、じゃ、私もおれもということで収拾がつかないということで、上限枠は崩さないという形で進んできたわけでありますが、最終的に、社会保障だけ特例を認めるべきだという私の主張を党の執行部また総理が受け入れてくれて、きょうの閣議決定みたいな、社会保障のみ十一年度のキャップは停止するという決定がとられた。  これによって、十二年度に予定されている医療保険制度の抜本的な改革の実施、年金制度、介護保険の導入が円滑に実施できるような体制を、これから概算要求が始まりますから、今後、省を挙げて取り組んでいって、国民に理解と協力を求めながら、各社会保障制度の改革に取り組んでいきたいと私は思います。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 それはよくわかります。  先ほどから、平成十二年度以降は医療保険の抜本改正あるいは制度改正、年金についてもそのままやっていくんだと。何度も先ほど他の委員も質問していましたけれども、十二年度以降は財政構造改革法の枠内で、それを超えることはなく、制度改正によって社会保障関係費はオーケーなのか、それで大丈夫なのか、そのことをもう一度御確認をさせていただきたいと思います。  あわせて、先ほどから大臣は、改正をしないなら苦しくとも取り組むつもりだったとお話しになっていますけれども、改正以前の財政構造改革法は大体何点満点ぐらいだったと個人的に思われているのか。あわせてお聞きできればありがたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 別に、私は何点満点という点数をつける立場にないのです。この深刻な財政状況を考えれば、やらなければならない構造改革はたくさんあります。本格的に増税はできない、国債増発ができない中で行財政改革をしなければならない状況に政治も本格的に目を向け出した、これは評価しなければいかぬということで取り組んできたわけでありますから、その範囲内で厚生大臣として全力を尽くそうということで取り組んできたわけです。私が点数をつける立場にはないし、また、つける気もありません。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 今もお聞きしたわけですけれども、もう一点の質問ですが、平成十二年度以降はこの構造改革法の枠内で、外れることはないということで大臣はお考えなのかどうか、確認させていただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 平成十一年度、十二年度は、対前年度比おおむね二%増になっております。十一年度予算がこれから、順調にいけばことしの暮れに編成される予定であります。  その際に、予算がどの程度の規模になっているか。そのおおむね二%増が十二年度まででありますから、その後外れるといっても、二〇〇五年までには特例公債をゼロにしなければならない目標は続いております。そんな野方図な要求は各省庁できるはずがありません。当然、厳しい状況が続く。改革は不断にしていかないと、いたずらに負担がふえるだけだ。これはやはり避けなければならない。構造改革には今後とも、今のキャップが外れても、厳しい財政状況が続くことに変わりないと私は思っております。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 はっきりと質問に対するお答えはいただいていませんけれども、十二年度から制度改革、抜本改革を社会保障関係費はやるんだと。それはぜひ頑張っていただきたいし、応援したいと思います。  結局、順番が逆だったのじゃないかと思うわけです。財政構造改革は、蛇口をかたくして、それをきっかけにして構造改革をするということだったのかもしれません。今なっているのか。大臣もお話しになりました。公共事業がなっているのか、構造改革がしっかりなっているか。  やはり、社会保障関係費でいえば、制度改革、質的な転換をやって、その後こういったキャップとか数字的なものをもう一回見直す、これが当たり前の順序じゃないかと私は思います。逆になっているから、こんなにどたばたと今与党内で財政構造改革法が取りざたされているのじゃないかと私は思います。  それに関してなんですけれども、例えばイギリスなんかではよくエージェンシーのことなんかが挙げられますが、特に社会保障関係費といったものは、民業とか民間とか企業の論理がそのまま当てはまらない典型的な分野だと思うわけです。  しかし、去年の決算委員会でもよく話題になりました、例えば、国立大学附属病院の薬剤購入費が他の医療機関に比べて割高となっている、しかも全くおかしいほどの同一価格になっている、こういった問題、あるいは、社会保険診療報酬支払基金による診療報酬明細書の審査体制といったものは、例えばサッチャーさんがやったように、民間のそういった仕事に比べてどのぐらいの能率の悪さがあるのか、その原因は何なのか、こういつてチェックをして、適正さ、最低限の能率というのを考えることもぜひ必要だと思うわけです。  そういった質的な転換も社会保障関係費あるいは厚生省関係でもぜひ図っていただきたいと思いますけれども、コメントをいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 委員はこの厚生委員会は初めてだと思うのでありますが、去年から、その議論は各委員から盛んに出た問題であります。審査体制はもちろん、診療報酬体系、薬価基準、今までの制度では限界がある、改正するべきだという意見がほとんどでした。  それにこたえて、厚生省も抜本改革をしなければならないということで案を出し、与党協議会等を初め本格的な準備が今始まっている。今御指摘の点も含めて、抜本的改正案に向けて、十二年度実施に向けてそれぞれ改善するべく、今、全力を傾倒していることを御理解いただきたいと思います。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 もう時間がないみたいですから、最後にもう一回繰り返しますと、質的な転換をまず図るべきじゃないかということで、例えば、大臣が得意の特殊法人の資産の状況はなかなかカウントに上がってこない。借金の話ばかりしますけれども、国と地方の資産で九百兆ある。こっちをねじあけて改正することは全くされていない。これは各省庁そうだと思います。あるいは、建物、施設を建てる。最初にランニングコストを計上するという発生主義。これはアメリカもイギリスもフランスも全部やっているわけだ。やっていないのはドイツと日本だけ。ドイツももう取り組んでおります。こういった質的な転換なしで、量的な議論ばかりしているのが失敗の原因だと私は思っています。  質的な改革の必要性について、最後に一言だけ御意見をいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 趣旨、総論はみんな賛成ですね。増税はいけない、国債増発はいけない、だから行財政改革だ。  官から民へ、中央から地方へ、私はこれを徹底させるべきだと思う。それが構造改革につながる。  現実一つとってみても、各論に入ると抵抗が出てくる。この抵抗を排除しない限り、構造改革はできない。単なる、省庁の予算をマイナスにしていけば、財政再建にはなるけれども構造改革にならない。そうならないような本格的な構造改革が必要だと思っております。

笹木竜三無所属の会

○笹木委員 ありがとうございました。質問を終わります。

柳沢伯夫自由民主党

○柳沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十一分散会

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