厚生委員会 第6号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/04/03
会議録
○柳沢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
○長勢委員 おはようございます。 今回の法案は、大別しく、一つは老人医療費拠出金の見直しのための国民健康保険法の改正部分、二つ目は不正請求対策及び過剰病床対策のための健康保険法の改正部分、これを中心とするものというふうに思いますが、この二つの内容は、相互に直接には関係のない事項でありますから、一本の法案とするということについてはおかしいのではないか、このような場合には、国民健康保険法の改正と健康保険法の改正とは別途に行うべきものではないかということを指摘する向きもあるわけであります。 この問題は、この法案の目的がいかなるものであるかということにかかわるというか、それによって決まることだろうと思いますが、このような御指摘もあることでございますので、本法案の目的、性格についてどのように考えて提案をされておられるのか、厚生大臣から御答弁をお願いいたしたいと思います心
○小泉国務大臣 老人医療費拠出金の見直しと不正請求、一見すると関係ないのではないかと受け取られる向きも理解できますが、今回の法案につきましては、老人医療費拠出金の算定方法について、平成七年改正において平成十年三月をめどに検討せよという検討規定が入れられておりました。 そこで、近年、人口の高齢化が著しい、退職者に係る老人医療費拠出金が非常にふえてきている、また老人加入率が著しぐ高い保険者数も増加している。こういう高齢化に伴う医療費の増大をどう認識しこの対応を図るかというのが、大変重要な問題になってきていると思います。いわゆる医療費の適正化であります。 この適正化をどのように図っていくかということを考えますと、老人医療費の負担の方法、抜本改革までの間においてもいろいろ必要ではないか。退職者に係る老人医療費拠出金の負担の見直しとかあるいは上限の見直し、そういう問題と老人医療費を初めとする総合的な医療費対策、その中に不正請求というものをもっと直せば適正化できるのじゃないかという議論があった。こういう点も考えまして、今回の法案について拠出金の見直しと不正請求対策というのを、総合的な医療費対策の一環であるということをとらえて、今回あわせて一本の法案にしたということを御理解いただきたいと思います。
○長勢委員 総合的な医療費の適正化対策として両部分を一本の法律として出したという御答弁だというふうに理解をいたしますが、一方で、財政構造改革法というものが昨年成立をいたしまして、昨年末の予算編成においては、その財革法による国庫負担縮減をどうするかということが最大の課題であったと思います。そして、今回の法案もそれに合わせた形で提案をされておるのではないかというふうに考えられるわけであります。 そこで、平成十年度予算というものがどのように編成されてきたのかということについて御説明をいただいて、この法案との関連を明らかにしていただきたいと思うわけであります。 御承知のとおり、昨年秋に成立した財政構造改革法におきましては、あらゆる分野で国の歳出を抑制をしていくということが法律として規定をされたわけでありまして、特に社会保障関係経費につきましては、平成十年度において増加額は三千億円の中におさめるという具体的な抑制目標が掲げられておる。その一方で、社会保障関係費は自然増が八千億というふうに言われておりまして、したがって約五千億の縮減を図る必要があった。これが法律の仕組みであったわけであります。その中で予算編成が行われた。 とりわけ医療費については、自然増が六千億円というふうに見込まれておったわけで、この医療費国庫負担の増加についても、六千億円のうち千八百億円ということで枠を決めておられたようでありますから、具体的には、差し引き医療費国庫負担について四千二百億円の縮減が必要となった。このためのいろいろな手だてが講ぜられて、そのことが今回の法案に反映されておるのではないか、このように思うわけでございますが、この予算編成過程で約四千二百億円の縮減というものをどのような方法で具体化をされたのか、そのことと本法案とはどういう関係にあるかということについて、明確に御答弁をお願いいたします。
○高木(俊)政府委員 平成十年度の予算編成に当たりましては、今先生御指摘のとおり、非常に厳しい状況の中での編成だったわけであります。そういった中で、医療費は従来と同じような伸びが見込まれておりまして、そういった意味では四千二百億というものをゼロにしなければいけない、こういうふうなことであったわけであります。 それで、いろいろと、医療費の適正化を初めとしてこの中に盛り込んでいったわけでありますが、一つやはり一番大きいのは、そういった中で、医療費の適正化に資するわけでありますが、薬価基準の引き下げ等によりまして、約千九百五十億円縮減をいたしております。それからまた、そのほか、老人医療費を適正化していくということで約六百十億円、それからまた支払基金等のレセプトの審査の充実強化等を図っていくというようなことで約九十億円、それからまた今回の制度改正に伴う縮減によって約五百六十億円、こういうふうな縮減を図ってきたところであります。
○長勢委員 本来、医療費をめぐる財政状況は大変厳しい。将来安定的な制度にしていくために、昨年も政府また与党において大変な議論をしてまいったわけであります。したがって、これは国民の健康にかかわる問題でございますから、この抜本改革をもって安定化を図っていくということが大方針であったわけでございますが、今回の法案はその間のものという位置づけになっておりますけれども、その過程でいろいろな、保険料の負担なり制度のゆがみなりというものにどういう影響を与えるかということが大変心配なわけであります。 そこで、今、四千二百億円についていろいろな手だてを講じた、薬価の改正等をされたということでございますが、この見直しによって、特に被用者保険の方々には負担をふやすということになっておるわけでございますから、こういう過程で全体としてそれぞれの保険がどういう影響を受けるのかということが、大変大きな重要なポイントだろうと思います。薬価も下がりますけれども、診療報酬の見直しも行われたわけでございますし、健保連等は大変財政状況も厳しいわけでありますから、今回の改正がそれぞれの財政状況にとってどういう影響を与えるかということを十分に慎重に見きわめなければならないと思います。 今回の法案、特に老人医療費拠出金の見直しなどによって被用者保険の負担が増加するわけでありますけれども、全体として被用者保険の方の負担がどうなるのか。極端に言うと、保険料を上げなければならないという事態になるのであれば大変な問題だと思いますが、そこら辺がどのようになっておるのか。また、市町村の国民健康保険の方は若干の負担減になるわけでございますけれども、このようなことがどういう影響が出ることになるのか、また国庫負担がどのようになるのか、これについて御答弁をお願いいたします。
○高木(俊)政府委員 先ほど申し上げた数字は、国庫負担の話で申し上げたわけでありますが、各保険制度に与える影響という意味では、保険料の増減がどうなるのかということで考える必要があるわけでございます。 そういった意味では、各制度が、全体として保険料の減要素として今回の各種施策に伴って起こるもの、これが薬価あるいは医療材料価格の引き下げなど、あるいはその他の適正化に伴う縮減の部分が一つあるわけであります。一方、診療報酬の改定に伴って、これはむしろ増加する要因になるわけでありますが、さらには、御指摘のとおり、今回の拠出金負担の見直しによるもの、これは被用者保険サイドは増要因、それから国保サイドは減要因、こういうふうな形になるわけであります。 これらを足し込んで計算してみますと、各制度ごとで申し上げますと、政管健保で見ますと、平成十年度の保険料増減でいきますと、保険料はマイナスの千三百六十億ほど縮減できるという形になります。それから、組合健保の場合ですとマイナスの四百三十億円、それから共済、船保合わせましてマイナスの百三十億円ということになります。それから、市町村国保で見てみますと、これもマイナスの千二百五十億円ということでございまして、いずれも、各制度とも、来年度の保険料増要因にはならない、むしろ保険料の減要因になるという見込みを立てております。
○長勢委員 るる御説明があって、また大臣からも、抜本改正を待たずしてやらなければならない医療費の適正化のための法案であるという御説明でございましたが、しかし、どうも財政構造改革法の実施のためのものであるという性格が否定しがたいというか、極めて強いという印象は否めないところだろうと思います。もっと言いますと、財政構造改革法の縛りに合わせるためのものであって、もっと言うと、医療制度あるいは医療保険制度の改善というためというよりも、財政上の必要に合わせた予算の数字合わせというために行われるものではないかということも心配をされるわけであります。 医療制度は、医療財政は大変深刻な状況にあるわけでありますから、先ほど申しましたように、その抜本改革というものが焦眉の急でありますし、そのために一つの方向も与党協議会として出させていただいたわけでありますから、本来、この抜本改革を早急に実現をすることによって、安定的な医療制度というものをつくっていかなければならない。にもかかわらず、財政上の必要のみから手直しをするということはいかがなことかという感じを持っております。まして、昨今、財政構造改革法そのものの施行についても、延期その他の議論が行われておるわけでありますから、仮にこの財政構造改革法というものがなかりせば、本改正というものは医療制度の改善という意味で必要なものであったのかどうかということも議論になる、このように思います。 こういうことも含めまして、今回提案されておられる法案と抜本改革との関係についてどういうスタンスでお考えになっておられるのか、御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 抜本改革の実施は平成十二年度を目途としておりますので、その間何にもしなくていいじゃないかという議論も一部にはありますが、これは予算編成上の問題あるいは医療費の増大に対する問題をそこまで放置しておくことも無理ではないか、現行の中でもできるだけのことはやっていこうということで、今回の改正をお願いしたわけでありまして、今回の改正があるから抜本改革とは全く無関係であるということではなくて、抜本改革は抜本改革として今審議会でも御議論いただいておりますので、現状と抜本改革という問題を両方見ながら、同時並行的に進めていく必要がある。この抜本改革の方は、十二年度実施という目途というのを我々は崩すつもりは全くないというふうにお考えいただきたいと思います。
○長勢委員 抜本改革まで何もしなくてもいいという問題でないことは十分理解をできるわけでございますが、この改革の方向が、将来的に検討されるべき抜本改革と十分整合性の合ったものでなければならないということを一つ私としては指摘を申し上げたいと思います。 それ以上に、この抜本改革というものを早急に実施をするということが何よりも大事なことでございますし、そのことを従来からも厚生大臣、随所で御発言もされ、約束もされておられるわけであります。しかし一方で、報道等によりますと、厚生省で今審議会等で議論がされていると聞いてはおりますけれども、なかなか進捗がされているかどうか、大変疑問に感ぜられるところであります。法案も予定するという状況でありますけれども、これが間に合うのかどうかというようなことも懸念をされておるわけでありまして、このようなことで平成十二年の抜本改革というものは間に合うのか、大変不安を感ずるわけであります。その点、今どのようなスケジュールでお考えになっておられるのか、十分間に合うのか、このことをひとつぜひしっかりした御答弁をお願いいたします。
○小泉国務大臣 診療報酬体系制度の改革にしても、あるいは薬価基準制度の改革にしましても、現行とかなり違うものですから、それぞれ意見が出てまいります。この意見というのは、当然専門家を交えてやらなければならないし、改革を実施していく場合においても、関係者間の理解を得たいということでむしろ議論を十分重ねてもらった方がいいのじゃないかというので、当初より若干その議論の進行に手間取っているというのは事実でありますけれども、これはまだ平成十二年度まで時間がありますから、余り議論がされないままに、あるいは議論が生煮えのままで一つの結論を出すよりも、十分議論して理解を得る時間というものも必要じゃないかということで、当初提出の時期よりも若干おくれている気配が見られますが一むしろその辺は十分議論を重ねられた上で、最終的な時間といいますか、平成十二年度実施に間に合うようにした方がかえって理解を得るのではないかということで、今審議を見守っている段階であります。この審議のおくれが実施のおくれにはならないということを御理解いただきたいと思います。
○長勢委員 問題が大変大きな問題であることは重々承知をしておるわけですが、与党協議会にも参加をさせていただいた私としてはへ診療報酬の問題にしても薬価の問題にしても、相当政府の中また与党の中で各方面の御意見も聞きながら、相当時間もかけて議論をしてきたという経過があるわけであります。 そういう観点からしますと、今審議会の方で、もちろんそういった立場は別でございますからいろいろな議論があるのは当然でございますが、当時、昨年行われた議論と似たような議論が行われているのか、まるで違ったような議論が行われているのか、相当議論が詰まってここまで来た段階でございますから、どうしてこういつまでも同じような議論が行われているのかなという懸念も持つわけでございますが、議論の内容等について、少し状況を御説明いただければありがたいと思います。
○高木(俊)政府委員 与党の協議会の中で昨年の八月に抜本改革案をおまとめいただいたわけでありまして、これに基づいて審議会で御審議をいただいておるわけであります。 この審議会は、新たに昨年、国民的な視点から御議論いただくということで新設をしたものであります。そういった意味からしますと、委員の先生方も、やはりある意味では一から十分理解をいただくということ、あるいはまた十分勉強していきたいということもございまして、そういった意味で、かなりこのための時間を費やしたということも事実であります。 それからまた、各団体の意見も聞いてみたいということで、この薬価基準の見直しに当たりましては、これは各製薬団体、これは日本の製薬団体だけではありませんで、アメリカの製薬団体も非常に強い関心を持っておりますし、それからヨーロッパにおける製薬団体も大変な関心を持っているというようなことで、これらの意見も聴取をしたいというようなことでございまして、そういったようなことを行っておりますので、かなり時間がかかっております。 そういった中で、診療報酬体系につきましては、一わたり議論がなされまして、一応、意見の対立する点あるいは意見の一致を見る点、この辺のまとめができたところであります。これは先般公表させていただいたわけでありますが、引き続いて薬価基準制度の見直しについて今御議論いただいているということでございます。 診療報酬体系の関係について申し上げますと、やはり国民的な視点からの診療報酬体系の見直し、確立をすべきであるという点については審議会としても一致を見ております。また、現行制度の出来高払いをもう少し合理的な範囲内で、定額払い等も取り入れたものにしていくべきであるという方向性についても意見が一致しておるというふうに考えております。問題は、そのレベルの問題でありまして、この辺のところは、やはり今後具体的な姿形というものを見ていかないとなかなか見えにくいな、こういった御議論がございます。 ただ、もう一つ大きな問題として出ておりますのが、いわゆる特定療養費制度というものの範囲をもう少し広げていってはどうかという考え方が与党の抜本改革案の中で出されておったわけでありますが、これについては、やはりむやみに広げるべきではないという考え方、これも総論的な意見でありますから、具体的にそれじゃどこをどうするかということを見ませんともっと明確な答えが出ないわけでありますが、この点についてはかなり強い懸念が出されておるということではないかと思います。 それからまた、そもそも我が国における医療費のボリュームといいますか、これをどう考えるべきなのかという点については、今後もう少し議論が必要だというような状況ではないかというふうに思っております。 それから、薬価基準制度につきましては、これは、そもそも現行の薬価基準制度の欠点というのは一体何なんだ、そこのところを是正すれば新しい制度というものを導入しなくても済むのではないかという議論が一つございます。とりわけ、新しい制度、いわゆる参照価格制度というものが議論になっておるわけでありますが、これについては、いわゆる値段の高い、償還限度額の設定の仕方いかんでありますが、その償還限度額を超える高い薬については、超える部分を自己負担していただく、この自己負担ということについて、果たしていいのかという問題が一番議論の焦点になっておりまして、その辺をめぐってまださらに詰めていく必要がある。しかし、これもグルーピングの問題を初め、それからまた償還限度額をどう決めるか、こういった問題を初めとしまして、もうちょっと具体的な姿形が見えるようなことが必要ではないかという議論もございまして、今の段階では、その辺のところも踏まえてもう少し議論が必要ではないか、こういう状況でございます。
○長勢委員 これは大変大きな問題ですから、拙速がいいというわけではもちろんありませんし、十分な議論をしてもらわなければならないということは言うをまたないところであります。しかし、今の御説明を聞いておりましても、昨年まで、もう正直言ってずっと前からあった議論が、また同じような議論がなされているのではないかという印象もあるわけでございまして、今までの議論を踏まえて、やはりこれは政治決断というか、決断の部分も相当あるわけですから、今までの議論を踏まえた、前へ出た議論をきちんとやっていただいて早急にやっていかなければ、とても平成十二年まで間に合わないのではないか。もうのんべんだらりとは言いませんけれども、同じような議論を繰り返しておるというようなことでは大変この後心配でございますから、大変御努力はされていると思いますが、早急に議論が進むように御要望を申し上げたいと思います。 今、診療報酬あるいは薬価改定の話がございましたが、この抜本改革という場合に、いわゆる高齢者医療制度をどうしていくか、特にその負担をどうしていくかということが大変大きな課題であるわけでありまして、今回の改正において、上限の引き上げなりあるいは拠出のあり方についても改正がなされておるわけでございますが、当面の改正とはいいながら、将来の高齢者医療の全体の抜本改革との関係で考えますと、本来高齢者医療制度がどうあるべきかということを踏まえた改正であることが望ましいわけであります。 この問題について、厚生省、政府としてどのような方向で今検討が進められているのか、高齢者医療制度について御答弁をお願いいたします。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 今回の御提案を申し上げておる法案の中身におきましても、高齢化の進展を踏まえまして、やはり現行制度のもとにおきましても老人医療費拠出金の負担の公平化の見直しは必要だ、そういう観点から所要の老人加入率上限の引き上げ等の改正をお願いをしておるわけでありますけれども、先生お話しのとおり、やはり老人保健制度、老人医療制度につきましては、今後このままですと、国民医療費の、今三分の一を占めていますが、やがては二分の一になるというような大きなウエートを占める制度でございます。これについては抜本的な改正が必要であるということは先生のお話しのとおりでございまして、私どもといたしましては、今後の抜本改正といたしまして、やはりまずは老人医療費の適正化、効率化を進めるということとともに、老人保健制度につきまして、いかに世代間における負担の公平というような公平の観点から合理的な制度に組み立てていくかというような観点から制度の抜本的な改革に取り組んでいきたいということで、先ほど来の十二年度をめどにいたしまする抜本改正の中におきまして、老人保健制度もその大きな柱として取り組んでいくことといたしたいと思っております。 その際、やはり今後とも高齢者の医療というものを国民全体で支えていくということを基本にいたしまして、その際には、高齢者御自身もいわば自助努力というものを基本に据えながら、それを若年世代の支援でありますとかあるいは公費といったようなものを適切に組み合わせることを基本にいたしました、やはり公平で安定した保険制度というものを基本にして今後も考えていきたい。そういう点につきましては、既に与党におきましてさきに医療保険制度改革協議会でまとめられた構想におきましても、高齢者医療制度ということでの独立保険制度の構想が提案をされておりますので、これを踏まえまして精力的に検討してまいりたいということで、平成十二年度をめどとした検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○長勢委員 不正請求防止対策の問題あるいは過剰病床の問題につきましては、この後、同僚の桧田議員から具体的な御質問があると思いますので細部にはわたりませんけれども、今回の病床対策につきまして、私は、むだな医療費等を適正化していく観点からも、医療計画と開局なりあるいは保険医の指定の問題は十分連動をしてきちんとしたものであるべきだと思っております。そういう意味で、現行法制にはその点での不備がある、こう思っておりましたので、今回の改正は妥当なものではないか、このように思っております。 しかし、その根底は、医療計画そのものが公正なものというか、客観的なものとして十分なものであることがまず基本であろうと思います。ぜひ、今回の改正を踏まえて、医療計画がきちんとしたものとして、そして、その上に立って、開局の許可なり保険医の指定なりというものが法制的にも連動したものとしてきちんと運用されるように要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○柳沢委員長 桧田仁君。
○桧田委員 自由民主党の桧田仁です。 ただいま長勢先生から非常に熱のある、また核心をついた御質問、大変すばらしい議論だと思います。 私は、このたび、中でも特に診療報酬の不正請求の防止に関する措置の強化とかあるいは病床の指定について、少し具体的に、かつ細かくお伺いしたい、こういう気持ちでおりますので、大臣初め関係部局、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 まず第一に、診療報酬の不正請求に関する質問でございますけれども、このたび、指導監査において不正請求であるということで返還させた医療機関の数と額はおのおの幾らかということを聞きたいと思いますし、その数と額は全保険医療機関の、また総保険支払い額のおのおの何パーセントになっているか、お伺いしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 保険医療機関の指導監査において不正、不当という場合に、支払った額を返還してもらう措置を講じております。 その返還額に対応する医療機関の数という格好ではありませんけれども、この指導監査の実施件数を平成八年度で見てみますと、指導が千二百件、それから監査が約九十件、こういうふうな状況でございます。そして、返還をさせた額でありますけれども、これが約四十一億円という金額でございます。 まず一つが、全医療機関に占める割合でありますが、先ほど申し上げた、指導なり監査をした医療機関の全医療機関に占める割合は約〇・七%ということでございます。それから、医療保険給付費に対する割合でありますけれども、平成八年度の医療保険給付費がまだトータルが出ておりませんから、平成七年度で見てみますと、約〇・〇二%、こういうような割合でございます。
○桧田委員 医療機関が不正請求をしているということが多少先走っているようでございますから、やはり明確にひとつ数字もお出しいただき、ありがたいと思います。と申しますのは、医療機関のシステムというのは非常に複雑になっていることは皆様御承知のことでございまして、請求したもので査定されたものが不正請求だというような、一つの錯覚の数字が先走っている可能性があると思います。 そこで、再度、局長には、査定されているというものがどういう状況であるかということと、やはり査定されたものというのが、本当の意味でどういう状況でこの数字が出てきているか、わかる範囲内で教えていただきたいと思います。査定の内容をもう少し詳しく教えてください。
○高木(俊)政府委員 医療機関が診療した分について請求がなされるわけですが、これは、健康保険などの被用者保険については、いわゆる社会保険診療報酬支払基金になされる。これは、各都道府県に支部がございまして、こちらの方に各都道府県ごとに送られるわけです。それから、国民健康保険の場合ですと、国民健康保険団体連合会、これも都道府県にございますけれども、こちらの方に請求がなされて、そこで審査、支払いが行われる、こういうことであります。 そこで、その際に、いわゆる保険のルールから見て適合していないという場合には査定が行われるということでございます。これは、例えば、実際に診療しないのに請求するとか、こういうような内容、これは不正行為でありますけれども、実際に診療したものであっても、やはり保険のルールから見ると適当ではないという場合がございまして、こういった場合について査定が行われるということであります。 平成七年度の状況で御説明申し上げますと、支払基金における請求金額全体が十二兆五千四百八十一億円という額であります。それに対しまして、査定が行われた額が千八百七十七億円ということでございます。 この千八百七十七億円の中には、例えば患者さんの方が、保険証を持ってきて保険医療機関にかかる、しかし、そこの会社をもうやめて、例えば今までは政管健保に入っていたんだけれども、自分で仕事を始めて国民健康保険に入っているという場合に、患者さんの方が間違えて、従来の政管健保の保険証を持ってかかるというようなことがありたりします。要するに、これがいわゆる受給資格のそごに基づくものでありますけれども、こういった、被保険者の受給資格が間違っておったというようなことで査定をされたものが九百三十六億円ということになっております。 そのほか、先ほど申し上げた、診療内容が保険ルールから見て適当ではないというものについてが残りの九百四十一億円、こういうことであります。 国民健康保険の場合で申し上げますと、トータル十二兆千五百六億円の請求に対しまして査定されましたのが千三百四十五億円。そのうち、いわゆる資格がないというようなことを除いた、残りのいわゆる診療内容について査定されたものが六百七十四億円、こういうような状況でございます。
○桧田委員 よく理解できるわけです。 もう一度確認をしておきたいと思いますけれども、査定されているものと不正請求というのはやはり別なもの。しかも、いわば患者さんの資格が切れていたり、あるいは会社をかわっていたり、あるいはその手続を十分行っていなかったものが約半数あることもその数字でわかりますし、もちろん、たとえ請求したものでも、不正ということではなくて診療上の意見の違いということも十分あるということも、この点はしっかり確認しておきたい、こういうふうに思います。 そこで、今までの問題はあくまで査定という問題です。でも、このたびの議論は不正請求ということでございます。不正請求というものはきっちり処分もし、またきちっとすべき、これはもう当然のことでございます。不正請求をきちっと処分するということは、これで罰則が強化されるわけでございますが、全く当然のことです。ただ、この罰則強化されるということに関してきちっと言っておきたいと思いますのは、全国の医療機関、善良で、かつ真剣に国民のために尽くしている多くの医療機関があるということもやはり国民の皆さんにしっかりわかっていただきたい、こう思います。 そこで、それではもう一歩進めまして、では不正請求というものがどういう状況になっているか、もう少し突っ込まなければいけないと思いますので、再度お聞かせいただきたいと思います。 全国の保険医療機関で、理事長が同一人物で、不正請求により、繰り返し診療報酬の返還を求められたり、各種の法律や法令違反をした例があるというように聞いておりますが、これはいかがでしょうか。何例かあると聞いておりますが、いかがでしょうか。つまり、不正請求をするだけではなくて、診療報酬の返還も命令され、かつその他の法令違反もしているという例があると聞いておりますが、いかがでしょうか。何例かございますか。
○高木(俊)政府委員 質問の内容なんでありますが、保険医療機関で、複数保険医療機関を持っておって、そして理事長も同一だという、そういう中で、繰り返しそういった法令違反等によって返還された例、具体的な件数なりがどのくらいか、こういうことでございますか。 これはまことに申しわけないのですけれども、そういった形でのデータを把握していないというようなこともございまして、同一の保険医療機関で理事長が同一であるというような、しかも繰り返し診療報酬の返還がなされたケースについて、今具体的に申し上げるようなデータを持ち合わせていないものですから、まことに申しわけございませんけれども、直接ちょっとお答えできない状況でございます。
○桧田委員 つまり、大事な問題がございます。不正請求をして処分を受けて、そういうケースは現在ございます。過去にもたくさんございます。でも、何度も何度も繰り返し、もっと言えば、懲りることもなくとはっきり私申し上げておきたいと思います。懲りることなく何度も繰り返しながら、しかもそれだけではありません、多くの法令違反をするという医療法人が確実に私はあると思いますが、そこまで言っても、なおかつございませんか。
○高木(俊)政府委員 まことに申しわけありませんが、そういったデータの整理をしていないものですから、それで申し上げられないということでございます。
○桧田委員 保険局長としては、個々のケースではお答えにくいのだと思うのですが、皆さんに理解いただきたいと思うのは、そんなに何例もあるわけではないのです、そんなケースが。次々、懲りることなく何度も違反をし、何度も診療報酬を返還し、しかも関連の法令をどんどん違反する。しかも、それがそのままたくさん医療法人をつくり、かつ、どんどん病院をつくるケースが……。保険局長、それでもなおかつ答えられませんか。ちゃんと答えるべきです。わかっているはずです。
○高木(俊)政府委員 ですから、データを持ち合わせておりませんので、申しわけありません。
○桧田委員 仕方ありません。保険局長がお答えできないということは仕方ありません。 それでは、もうはつきり言いましょう。そんなケースがそんなにあるというよりも、私、考えられないのです。つまり、一度注意を受けたら改善し、反省し、一部は保険医取り消しになり、あるいはもっと極端に言えば、二度やったときにそのまま処分がないということはあり得ないのです。一度はいいとは言いませんが、二度やっても三度やっても、どれだけやっても、はい、そのままということは、保険局長がお答えにならぬので、もうこれ以上言いませんが。 もうはっきり言いましょう。では、私は今度は別の論点からいきましょう。過去に一億円以上保険請求の返還をしながら医療機関を続けている医療法人や医療機関があると聞いておりますが、具体的に何件ございますか。一億円以上の診療報酬を返還しながら、なおかつ医療機関を行っているものはありますか。ちゃんとはっきり、それこそは答えられるでしょう。
○高木(俊)政府委員 まず、平成八年度に取り消しが行われ、返還金を求めたもので申し上げますと、一番高いのが高知県の病院でありまして、これが十億二千百万円余であります。それから、二番目が愛知県の附属の診療所がございまして、これが二億七千八百万円余というふうなことでございます。 それから、平成七年度もございますので申し上げますと、平成七年度は、一番多いのが富山県の温泉病院でありまして、これが一億三千万円。それから、平成六年度で見ますと、東京都の診療所がございまして、これが一億七千七百万円余でございます。
○桧田委員 保険局長はなかなか答えにくいのでしょう。ですが、繰り返し繰り返し、これだけの不正をやったところは、多分それなりの処分があったと思います。きっと、それではそのまま保険医を続けたり、保険医療機関をできたというケースはないのではないかと思いますが、一億円以上不正請求を返還しながら保険医をそのまま続けている保険医療機関はありませんか。過去を通じてそんなケースは一つしかないと思いますから。
○高木(俊)政府委員 一億円ということにかかわらず、いわゆる不正請求を行って、不正請求ですから、これはいわゆる詐欺に当たるわけです、刑法上は。こういった場合には取り消しを行うということでございます。
○桧田委員 それでは、なおかつ聞きます。一億円以上の不正請求をしながら保険医取り消しになっていない医療機関はたった一つと思いますが、いかがですか。
○高木(俊)政府委員 大阪の、これは八尾というのですか、徳洲会病院というのがございますが、これが看護婦不足というようなことで昭和六十一年の二月に監査が行われたわけであります。そしてその際、五十九年四月以前の基準看護の要件を欠いていた分、これについて行政措置としての戒告処分という形が行われ、これに係る返還で一億二百五万円を求めた例がございます。
○桧田委員 やっと言っていただけたようですが、戒告処分。一億円以上やった医療機関で戒告処分で済んで、今後、そのまま保険医として残り、保険医登録機関として残るという可能性がありますか。
○高木(俊)政府委員 少なくとも私が保険局長をやっている限りはありません。
○桧田委員 はい、わかりました。 さらにその後にも、差額ベッドの水増し請求の実態も、つい最近もあるのですよ。それだけではありません。これは診療報酬とは関係がございませんが、医療廃棄物の不法投棄で、その同じ徳洲会が捜査を受けている。しかも、当の理事長である徳田虎雄さんが事情聴取も受けている。理事長の事情聴取というのは、そんなに簡単なことではないのです。医療上の、しかも医療廃棄物です。それを受けているという報道がありますけれども、事実関係はいかがでしょうか。
○谷(修)政府委員 そういったような新聞報道があったということは承知をしております。ただ、その当時は、感染性廃棄物、いわゆる医療廃棄物についての規制がなかったというようなこともありまして、詳細については調査をしておりません。
○桧田委員 しかしながら、県警が理事長の事情聴取を行うというのは、先ほど言ったように、大変重たいものだと思います。警察庁は、その事実はどのようにつかんでおりますか。
○柴田説明員 お答え申し上げます。 これは平成元年に福岡県警で検挙した事件でございますが、福岡市内の産業廃棄物収集運搬業者が山の中に医療系の廃棄物を含みます大量の産業廃棄物を違法に処分したという事案でございます。これに関連いたしまして、御指摘の医療法人でございますが、廃掃法上の委託基準違反、これで書類送致をしているという状況でございます。
○桧田委員 書類送検をしたということは、事実があったということでもありましょうし、ちゃんときちっとした確認をしたということでよろしいでしょうか。
○柴田説明員 平成元年の九月五日、書類送致をしたということでございます。
○桧田委員 私は、不正請求というのは、診療報酬という問題もございますが、その周辺にたくさんあるのです。医療廃棄物というのは、手術もしています、あるいは検査もしています、汚物も出ます、そういうあらゆる医療行為全体の問題です。不正請求というのは、ただお金の請求の問題だけじゃなくて、その周辺の大きなものを構えているわけです。医療用廃棄物のこのような、理事長が事情聴取を受けたケースというのは全国にたった一人と思いますが、いかがでしょうか。他にございますか。
○柴田説明員 把握しておりません。
○桧田委員 それから、もう一点。なぜ私、この問題を申し上げるかというと、実は不正請求というのは底辺が非常に広いのです。このために議論になる。ただ、薬をつけましたとか、来なかった患者をつけたという問題だけじゃないのです。医療全体の信頼を構えているのです。医療というのは、いろいろな多くのものを底辺に敷きながら国民の信頼のもとに医療をやっているのです。しかも、国が特別な要件で許可しております特定医療法人が選挙違反を膨大にやっている実態の報道がございますが、事実はいかがですか。警察庁、いかがですか。
○縄田説明員 警察におきましては、選挙違反の取り締まりに当たりましては個々の事案に即して取り締まりを行っているものでありまして、政党とか候補者別とかあるいは団体が関与したというふうな視点からの状況は把握はいたしておりません。 ただ、お尋ねもございましたので若干問い合わせてみましたところ、九三年の総選挙の取り締まりにおきましては、徳洲会の職員が被疑者となる事件もあったものというふうに報告を受けております。
○桧田委員 しかもそれが全国指名手配ですよ。全国指名手配というのは特殊な事件ですよ。そんなに、医療法人の関係者が全国指名手配というのは逃げているという意味です。そのような事件がやはり医療の信頼を損なわないだろうか。それじゃ、どこかの医療法人の職員や理事たち、あるいはそういう者たちでそういうようなケースが現実にあるのですか。医療法人の職員が全国指名手配されたようなケースがあるのですか。
○縄田説明員 先ほども申し上げましたように、個々の事案について状況把握をいたしておりません。
○桧田委員 ぜひ、こういう問題はこのたびの議論でいいかげんでないのです。やはり医療の信頼をきちっとするために私たちは苦しい法律の議案を練っています。一部規制緩和に逆行するという御意見もあるかもしれません。でも私は、きちっとした上でこの議論をしませんとやはりとんでもないことになる、だからきちっとお願いしたい。これは重ねて要望いたしておきます。 さらに、もう一点あります。 このたびはその特定医療法人の資金を十億円流用しているという疑いも新聞報道にありますが、その疑いを持って大阪国税局は全国のその関連の病院を調査していると聞いておりますが、その事実はいかがでしょうか。
○齋藤説明員 ただいま御指摘のような事柄につきましては、納税者の個別にわたる事柄でございますので、具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、一般論として申し上げますと、国税当局としましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、新聞等で報道されたことも含めまして、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料、情報の収集に努め、これらの資料と納税者から提出されました申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどによりまして、適正な課税の実現に努めていきたいと考えているところであります。
○桧田委員 やはり国税庁が調査するということ自身が、まだ結果は表に出せないみたいですが、そんなに簡単なことではないのです。しかも十億円という数字は、報道のひとり歩きにしろそんなに簡単な数字ではございません。それが診療報酬不正請求とどんな関係があるかもやはりきちっと調査いただかないと、国民は納得できない、議論もできないと私は思います。 さらには、鹿児島県の一部ではこういうケースがあるのです。皆さん御承知のように、老人デイケアというのはある特定の疾患を決めてデイケアをすることになっております。ところが、ゲートボールを朝から晩までやっている、農作業はずっと夜遅くまでやっているお方が、通園バスでみんな乗せられてデイケアに行っている。通常の同じ医療機関の約三・五倍も診療報酬を請求している。しかも、それだけじゃないのです。来られた患者さんにほとんど全員、CTや胸部写真やひざのレントゲン、肝機能、まさに人間ドック並みの診療を保険請求しているというケースが事実あるのです。まだここまでは厚生省の耳にまで入っていないかもしれませんが。 つまり、老人デイケアというのは、大事な、これからみんなが頑張ろうとしていることを、言葉はよくないのですが食い物にしている医療機関があるのではないかと思いますし、さらには御存じのようにその算定要件、患者さんがちょうどこの算定要件に該当するものは三〇%で、あとの七〇%は違う患者がやっていると言われているのです。それで、県の国保連合会は診療報酬の返還要求を出している。つまり、たくさんこんなことがもう次々あるというような医療法人や医療機関がある。 しかもその方は、御存じのようにたくさん県に医療法人をつくりますと、厚生省がじきじきに管理監督するので、法の抜け道と言うと言い過ぎかもしれませんが、例えば沖縄県なら沖縄県に三つほど同じ名前の、理事長が同じ法人をつくり、隣の県にもつくり、つまり一人が全国幾つもつくっておるけれども、他の県にまたがっていないために管理ができない、こういうシステム。私から言えば、法の裏を抜け道をやる、こういうようなことは国民の信頼を、幾ら法律の上で正しいといえども、それは厚生省がじきじき全体を監督できないシステムに行くということはいかがかと思います。 さらには、きょう時間がありませんから、最大のポイントに行きますから、残り時間で。 実は、特定医療法人というのは税法上の減額措置を受けているのです。厳しい審査の上で受けておるわけなんです。しかしながら、こういう条文がございます。医療監視の結果、重大な不適合事項があったり、あるいは公共、公益性に問題があったり、税の恩典を受けているからです、また都道府県知事の勧告に反して病院の開設や増床をした場合にはその税制上の減額措置を取り消されるケースがある、これはもう決まった事実でございます。ところが、ただいま議論しましたような特定医療法人徳洲会は、今皆さんお聞きになったようなことがありながら、なおかつ特定医療法人の税制の減免の恩典を受けたままでございます。厚生省は、この問題についてはどのようにお考えでしょうか。
○谷(修)政府委員 先ほど来お話のありました特定医療法人徳洲会についての御指摘のような新聞報道等については承知をしております。 特定医療法人そのものは、今お話ございますように、特に公益性が高い医療法人として法人税の減額措置がとられているものでございます。したがって、私どもとしてもその都度必要な指導、調査等を行っておりますが、もしその承認基準に違反しているというような場合においては、承認の権限を持っております役所において特定医療法人の承認取り消しが行われるということであろうと思いますが具体的な問題については、私どもとしても所管庁とその都度相談をしているところでございます。
○桧田委員 時間が来ましたけれども、この問題はやはり大蔵省、厚生省が真剣にやっていただきたい。 最後に、大臣、一言だけ。 私は、このたびのことは、やはり国民が医療に信頼を持ち、そしてこの地域医療計画に関してもみんなが協力してきたものに逆らう重大な挑戦と思いますが、大臣のお気持ちだけ聞かせていただきたいと思います。それで質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 自由市場経済の中でも、医療というのは、経済原則とは違って供給が需要をつくるという面が十分あるということから、いかに医療費の適正化を図ろうか、むだをなくそうかということで、統制的な計画が必要かということで全体の医療計画がなされております。その点を考えながら、いかなる団体であれ不正はいけない、これを徹底していく必要があると思います。
○桧田委員 どうもありがとうございます。 質問を終わります。
○柳沢委員長 金田誠一君。
○金田(誠)委員 まず、大臣に御質問を申し上げたいと思います。 本会議でも大臣再三御答弁をされておりますけれども、財政構造改革法との関係でございますが、今回の国保法の一部改正、これは財政構造改革法が修正をされるとかあるいは先送りされるとかそういう事態になれば、この法律案そのものの提出の根拠自体が失われてしまうことになる、こう理解をいたしてございます。大臣は、財革法の修正などはあり得ないということを発言はされておりますけれども、後でこのキャップを外してもいいような状況というものがよもやないでしょうね。これからそういう事態が起こることはよもやないでしょうね。仮にあれば、この国保法の改正を審議すること自体が意味を失うことになるわけでございまして、まず冒頭、その点を確認させていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 財政構造改革法と今回の法案との関係だと思うのですが、私は、今御審議をいただいております法案と財革法とは切り離して考えております。財革法があろうとなかろうと、現在の老人医療費の拠出金の問題あるいは医療費の適正化の問題ということを考えますと、これはどうしても進めなければならない法案でありまして、私自身、橋本内閣で財革法を修正する必要はないと考えておりますが、将来の問題として財革法がどうあろうとも、現在の御審議いただいている法案は所要の措置を講じていくということを御理解いただきたいと思います。
○金田(誠)委員 それは話が違うのではないかというふうに思います。今まで私どもいろいろ説明を受けてきた中では、自然増で社会保障関係費八千億があるのだと。それを三千億に圧縮しなければならない。その根拠は財革法という形で圧縮する、あちらこちらいろいろな面で圧縮をしているわけですけれども、その中の一つとして、今回の老人医療費の拠出金の負担の変更といいますか、被用者保険への転嫁といいますか、こういうものがあらわれてきている。この辺が一貫して伺ってきた説明なのですけれども、それさえ大臣は否定をされるのでしょうか。そうではなくて、一般論として、医療費の縮減等々の見直しは必要だということと、今回なされている法改正に基づく措置は財革法を根拠としているということとは別問題でございまして、その辺のところを明確にもう一度お答えいただきたい。 今回、財革法に基づいてこのような措置がされているというのは、一貫して私ども伺ってきていることでございますから、それを今さら否定をされるような御答弁では承服しがたいと思いますので、よろしくお願いします。
○小泉国務大臣 受け取られ方が私の意図とちょっと違っているように見受けられるのですが、今回の予算編成にしてもこの法案の措置にいたしましても、昨年の予算編成の基準に沿ってしているわけであります。私は、橋本内閣でこの基準なり財革法が改正されると思っていませんので、今答弁したようなことを言ったわけでありますが、将来、仮に今までの財革法は御破算になるのだという形ならば、それは当然あらゆる面に影響が出てきまずから、それはあり得ると思います。 しかし、今の時点において、私は、橋本内閣でこの財革法改正というのは行われないと思っていますから、今回の法案というのは財革法の論議とは別にして審議していただくべきものだな、今年度の予算として、十年度の医療費の適正化という観点から御審議いただきたいという意味であります。
○金田(誠)委員 財革法がこれから変わってくるのですよ、法案を提出された根拠も揺らいでくるのですよという前提であれば審議のしようがないではないかということを申し上げたいわけなのでございます。審議をしてくれというのであれば、財革法の枠組みというのをきちんと堅持をしていくのです、そのもとでこういう方策をとりたいのですということを大臣はおっしゃられるべきではないのか。よもや、これから先のことはわかりませんけれども、今時点では改正はしませんよという話じゃないでしょうね。責任持って、少なくともこれは今年度の話ですから、今年度の措置ですから、今年度中はあり得ないという確認をさせていただきたいと思うのです。
○小泉国務大臣 私も橋本内閣で財革法が改正されるとは思っていませんから、これを引き続き既定の路線で進めていくべきものだ、そう思っております。
○金田(誠)委員 改正されないというお話の中で、もし改正されたらということを聞くのもおかしな話かなと思いながら今聞いているわけなのですけれども、この老人医療の拠出金以外にも、財革法に基づいてさまざまな削減がされている。よくもまあここまでというのが、児童扶養手当なり小児慢性疾患、これは小人症というのでしょうか、一定の身長の基準を切り下げていくとか、大変なことをされているなと。その一方で、十六兆円の公共事業費を中心としたものが出てくるというのは一体どうなのだろうという疑問をぬぐい切れません。 その辺のところでございますが、万が一そういう事態になるとすれば、今の老人医療拠出金の問題ばかりか、児童扶養手当その他さまざまな縮減措置、キャップによって削るべきところでないところまで削った。これらについては当然のこととして、もしそういう事態になるとすれば、全面的な見直しがされるというふうに思うのですが、いかがなものでしょう。
○小泉国務大臣 私がこの財革法の改正は橋本内閣では行われるべきでないと申しているのは、そういう問題が出てくるから言っている点もあるのです。財革法を修正するということは容易なことではないのですよ、全般の政策に及ぶのです。だから、橋本内閣では行うべきでないというのであって、もし、では本格的に財革法を修正しますよと、改正しますといったらどうやって改正するのかというのは原点から立ち返って議論をしなければならない。であるからこそ言っているのであって、今の委員の疑問も十分私は理解できます。 そういう中で、仮にというので、仮にでありますけれども、私は想像できないんですよ。実際出てきた時点で、私は、修正論者がどういう点を修正したいのか聞いてから議論したい。ですから、この財革法の修正、改正というのは容易なことじゃない、内閣の基本方針からして、全省庁の予算編成からわたって、全般にわたってくる問題であります。そんな簡単なことではないよという意味において、私は橋本内閣で財革法の改正は行うべきでないということを言っていることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○金田(誠)委員 私どもは財革法に反対の立場をとってきたものでございます。特に、この社会保障関係費の当然増の部分までキャップをかぶせる、そのしわ寄せがさまざまな形で、こういう形であらわれているわけでございまして、当然想定されたことでございます。こういうことはあるまじきことであるという立場で、反対を表明をしてきました。それをあえてああいう形で押し切って成立をさせた法律でございますから、数カ月の間に、間違っておりました、済みませんでは済まないことだ、当然これは政治責任がついて回る、そういう問題だという認識では大臣と共通したのかなと思っております。 財革法そのものは、私どもは反対の立場、それがためにこのような非常に深刻な事態を招いているという立場でございますけれども、いずれにしても、一たん踏み切った以上は、修正、変更するとすれば政治責任を伴う、私はそう思いますが、大臣、改めて確認させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
○小泉国務大臣 私が財革法の改正は容易なことではないと言ったのは、今委員御指摘のように、この財革法の改正論議がもし現実問題として俎上に上ってくるとすると、これはあらゆる政策推進の前提である政治の信頼性にかかわる問題だからこそ、私は橋本内閣で財革法の改正はすべきではないと言っている点を御理解いただきたいと思います。
○金田(誠)委員 まだちょっと食い足りない答弁ではございますけれども、次に進めさせていただきたいと思います。 老人医療費拠出金に関する事項につきまして順次質問させていただきたいと思います。 まず、今回の措置によって政府管掌保険、組合健保、共済、この被用者保険の負担増が千百六十億でしょうか、いただいた資料ではそういうことで、これに対して国保は五百九十億軽減されるということになっております。いろいろこの拠出金の中にも、保険料のみの拠出金もあれば国費が入っての拠出金もあれば、複雑な形になっていると思うわけでございますけれども、今回の措置によって国費の軽減分というのは幾らになりますでしょうか。
○高木(俊)政府委員 五百六十億円国費が減少するという計算でございます。
○金田(誠)委員 そこで、今回の措置でございますけれども、一方の当事者でございます被用者保険側、この理解を到底得られていないというふうに私は思います。先般も、民友連で、被用者保険の皆さんにおいでいただいてお考えを伺う機会がございました。全く納得しかねる、強くこの撤回を求める、断固反対であるという意見が相次いだわけでございます。その辺の認識はいかがでしょうか。被用者保険の理解は得られていない、それを強行しているんだという認識でよろしゅうございますでしょうか。
○羽毛田政府委員 今回の老人拠出金の負担の見直しにつきまして被用者保険の関係者から理解が得られたかということでございますけれども、私ども、今回の措置につきまして御理解を得る努力をいたしましたけれども、被用者保険関係者からは、残念でございますが、お話のように、必ずしも賛同を得るには至っておりません。しかしながら、他方におきまして、市町村国保関係者からは、今回の見直しでもむしろ不十分だ、基本的な方向はもっと進めるべきであるという御意見も一方においてございました。そういったことの全体の中で、今回、抜本改正の間におきましてもこういう所要の見直しをすべきであるという結論に達して、お願いをしておるわけでございます。
○金田(誠)委員 被用者保険側にすると、軒並み今赤字の状態でございますし、その中で、みずからの責めに負わないといいますか、保険者としての削減努力、軽減努力がしようのない老人医療というところから拠出金の負担を一方的に求められるということについて、当初は、老人を社会全体で支えるという意味合いも含めてある程度理解をしながら進んできたものだと思うんですよ。ところが、ここまで来てしまえばその理解の限界を超えてしまっているんではないかな、私は先般、国保側、被用者保険側、双方からお話を伺って、そうした認識をさらに強くしたところでございます。 私なりに考えますのは、なぜこのような理解を得られない状況ができてしまったのかということについて考えさせていただけば、保険原理の中で所得移転を行っている、組合健保という保険、保険集団を構成している、その中から拠出金という形で純然たる所得移転、これが一定レベルまでであればまあ許容できるんでしょうが、もはや平均でならせば二五%とか三〇%、保険によってはもっとそのパーセンテージが高いところもあるわけでして、負担の限度を超える、理解の限界を超えている。保険原理の中でこうした所得移転によって老人医療を賄うというのは、もはや限界に来ているということだと思うのです。 局長、理解が十分得られていない状況だということで、そのとおりだと思うんですけれども、そのよって来る原因、保険原理の中での所得移転にはもはや限界が来ているんだ、そうであれば次の段階、今後の見直しの中では、この保険原理の中での所得移転から脱却をして、本来この所得移転になじむシステム、それは税というシステムがあるわけでございますから、大きくこの脱却に向かって踏み出すべきではないか。私は今のこの理解の得られない状況をそのように理解をしているんですが、いかがなものでしょうか。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 被用者保険サイドからの問題点の御指摘につきましては、先と言われたように、現在の老人保健制度についての基本的な問題認識というものがあることは事実でございます。そういったものをむしろやるべきであってという御議論であったことは事実でございますし、私どもの方も、抜本改正という中で現在の老人保健拠出金の持っている問題点について、それを基本から考え直していく、考えていくという基本姿勢には立っていきたいというふうに思っております。 ただ、その際、その進むべき方向といたしまして、先生今いわゆる保険原理になじまないではないかという問題提起をなさいましたけれども、私どもとしては、今後におきましても、高齢者の方々につきましては、特に年金制度の充実等によりましてそれなりの経済的な状況もできてきたということを考えますと、やはり高齢者の方々につきましても、みずからも保険制度を支えていく、そしてそれを国民全体という意味での公費、あるいは、やはりどうあれしましても老人医療費というものは老人医療、老人の方々だけの負担にはできませんから、形は別にしてやはり若年世代からの支援というようなものを踏まえた、言ってみれば、自己責任を基本にしながら、そこに相互扶助なりあるいは社会連帯なりという思想を踏まえました社会保険方式でいくのがいいのではないかということで今後の方向を考えてまいりたいというふうに思っております。 そういったいわゆる保険集団としてのなじみということでいえば、疾病リスクの違いというようなことはあっても、あるいは今のような所得能力の違いということはあっても、やはり保険制度でできるだけそれを支えていくという基本は、社会保険として医療を支えていくという基本は失わないでやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○金田(誠)委員 今の御答弁は、厚生省が、去年のあれは八月でしょうか、二十一世紀の医療保険制度のたたき台ということになるのでしょうかね、出されました、その基本的な考え方なのだろうと思うわけでございます。しかし、ここに至って、そうした保険によって所得移転をする、私が申し上げているのは、高齢者の方からは保険料負担を求めるななんということを申し上げているわけではない、若年世代の社会連帯というものが保険原理の中で行われることに限界が来ているのではないかということを申し上げているわけでございます。 若年者であろうが高齢者であろうが、所得によって一定の保険料等を負担していくということは否定をするわけではございません。しかし、高齢者の方々はその保険料だけでは到底賄い切れない状況というのはもう申し上げるまでもないわけでございまして、そこで、今までは若年世代からの所得移転が行われてきた、その所得移転が保険原理の中ではもはや理解し得なくなっているということではないかということを指摘をしているわけです。 理解されていないということをお認めいただくのであれば、その理由は何なのか。私は、保険原理の中での所得移転がもはや許容の限度を超えたということに最大の原因があると思うのですが、では、そこのところだけきちっと答えてください。そうであるのかないのか。
○羽毛田政府委員 理解を得られていないということでお話を申し上げましたのは、被用者保険サイドとしての御意見がありました中にはそういう御認識のもとでの御意見があったものと思いますということを申し上げました。 しかし、今後の方向を考えます際には、おっしゃるように、いかにしましても、今後、高齢者の医療は国民となれば、多くの部分を若い世代が負担をするという形で保険制度、保険制度と申しませんでも、支えていかざるを得ない。そうしますというと、その場合にも、できるだけ高齢者の方々についても、みずからまず自助努力をしていただく、それを相互扶助で支えていたたくという仕組みの方が、国民全体としてはこれを支えやすいであろうというふうな観点からあれしています。 およそ医療費の面からいきましても、今後、高齢者の医療費というものはある程度大きなものになっていかざるを得ないということを考えますと、それをすべて税で負担するということについて国民の理解が得られるかという観点に立ちましても、やはりそこは保険制度というものをきちっと維持をしながらやっていくという基本方向がいいのではないかというふうに申し上げた次第でございます。
○金田(誠)委員 現実に理解を得られていないことをお認めいただいた上で今のような御答弁をされるというのは非常に不本意でございますけれども、これについては、また改めて議論をさせていただきたいと思います。 もう一点、別な観点がございます。それは保険者機能の強化という観点でございます。 政府、厚生省としても、保険者機能を強化していく方向については恐らく異論がない、今までもそうした方向ということは打ち出してはいる、具体的には余り進んではいないとは思うのですけれども、そちらは向いているというふうに理解をしてまいりました。しかし、本当にそうなのかということを申し上げたいわけでございます。 今回の、去年の暮れに急速ばたばたと決まったような形のこの老人医療拠出金の負担区分の変更、時間がないということで、見てみますとねじ伏せたというような感じなのですけれども、これはまさに、保険者機能の強化どころか、保険者機能をないがしろにした、そんな経過ではなかったのかな。口では保険者機能の強化とおっしゃっていながら、やっていることは、保険者機能を全く無視をし、理解を得る努力、今後の方向づけについての議論等さえされていないということは、私は非常に遺憾だと思うのですが、その辺の御認識はどうでしょう。
○高木(俊)政府委員 我が国の医療保険制度の仕組みの根幹にかかわる問題でありますから、そういった意味で、保険者機能といったときに、何をもって保険者機能を強化していくのかという問題がやはり最初になければいけないというふうに思っております。 そういった中で、我々、昨年の八月に、医療保険制度の抜本改革案を厚生省の案ということで出したものの中に、保険者のあり方も二つ案を示しておりますけれども、そういった中で、小集団のシステムというものを否定しているわけではありません。しかし、それが比較的健康に恵まれ、そしてまた所得にも恵まれている方々が、小集団ということの名のもとに、それをもって保険者の機能の強化であるということについては、私はそれは適当ではないというふうに思っております。 今回の老人加入率の見直しの問題というのは、私どもとしては、そういった意味で、財政力をさらに弱めるという意味で保険者機能を弱くするのではないかという御指摘だとすれば、それについてはもう一つ、やはり老人保健制度、現行の老人保健制度の中で老人医療費というものをどうやって支え合うかということを考えてみた場合に、やはり老人の加入率がそれぞれの保険集団によってかなり異なっている、そういったような状況でありますから、これをできるだけ公平に負担するという老人保健制度の本旨に立ち返りますと、やはり現行制度の中における一つの改革であるのではないかというふうに思います。 ただ、その中で、退職者医療制度に加入している方の拠出金負担については、従来、市町村の国民健康保険の被保険者の方が持っておられる額の半分を御負担していただくということでありますから、そういった意味では中途半端だという意見もありますし、それよりもむしろ被用者保険サイドは、もうまさに先生御指摘のとおり、現行のような老人保健制度の中でその負担区分だけをいじっていくだけではやはり限界があるという強い認識があると思うのです。そういった意味では、まず、こんなことで手直しするのではなくて抜本的な見直しをすべきだ、やはりそれがあるから今回の改正というものが私は十分御理解いただけなかったのだというふうに思っております。 そういうふうに考えておりますので、この保険者機能の強化というものについては、これはやはり今後、私どもとしても、できるだけ、小集団の保険者も含めて、加入者、いわゆる被保険者のために保険者がなすべきものというものをもっと自主的にも発揮していただきたいというふうに考えておる。これは、その方向というのは変えていないわけでありまして、そういうふうな観点で考えますと、今回の改正と保険者機能の強化という面では、私は決して相反するものではないのではないかというふうに考えております。
○金田(誠)委員 保険者機能の強化ということを考えた場合、最低のことは、当事者として尊重される、当事者能力を認めてもらえるということだと思います。この種のものは、負担をどうするか、とにかく一円の負担も嫌だ、全部嫌だというふうに被用者保険も言っているわけではない。将来の方向等を含めて、きちんとした、納得いく路線が敷かれるのならば、その中で努力はするということだと思うのです。しかし、それもない中で、唐突にこの負担区分の変更が出てきて、時間がないから押し切る、こういうやり方があるのかという怒りだと思うのです。 まず、当事者として認めてもらう。イエスとも言わないうちに、もう、何といいますか、権力で押し切る、これぐらい保険者機能を無視した、当事者として無視したやり方は私はないだろうと。こういうことをぜひ改めていただきたいし、今後、保険者機能云々という場合は、まず、当事者として意思が尊重されるということを原点に踏まえていただきたい、このことを強く申し上げておきたいと思います。 実は、ここで、いっかこれは正式な場で聞きたい聞きたいと思っていたことが一点あるのです。 このペーパーは、去年の八月に、「二十一世紀の医療保険制度」ということで、厚生省案、例の医療保険改革のたたき台を出されたときの中の一枚をコピーしてきたものなのですが、その中に、「被用者保険と国保とでは、所得捕捉の実態に対する国民の意識や保険料徴収の方法等が異なることなどを勘案し、現行の被用者保険と国保の二本建て制度とする。」という記載がございます。これは見方によっては、いわゆる言われているクロヨンとかトーゴーサンとか「課税ベースの捕捉の仕方が国保と被用者では違うんです、したがって一緒にすると不公平になるんです、片や課税ベースは完全に押さえ切れていない、そこに一律賦課すればこちらが有利になって被用者が不利になるのですというふうに、はっきりは書いていませんけれども、読み取れる記載になっているわけなんですよ。 そこで、正式な日本政府の見解として、いわゆる自営業者と被用者の間に所得ベースの捕捉の違いというのを認めた上で行政をされているのか、すべての制度を組み立てておられるのか、それとも、課税ベースというのは完全にどちらも押さえられているのを原則として制度等を組み立てているのか、もし格差があるとすればどの程度の格差を想定して制度を組んでおられるのか。その辺が、よくクロヨンだトーゴーサンだといろいろ語られるのですが、正式な文書にもこういうことが出てくるものですから、一回どこかで聞いておきたいなというふうに思っていました。今にわかに答えられないとすれば改めてでもいいのですけれども、この日本政府の見解というのはあるものなんでしょうかね。
○高木(俊)政府委員 私が政府を代表してというわけではありませんで、むしろ私どもも、先生と同じような問題意識をこれをつくるときに持ちました。 そもそもこの問題というのはやはり税制の問題でありますから、そういった意味で、私どもとしても、大蔵省の正式な見解は一体どうなっているんだということをただしたりしたわけでありますが、そういった意味で、やはり正式な場で政府としてのということであれば、大蔵省の財政当局としての見解を求めていただくことが適当であるというふうに思います。 私どもとしてそれではどうかということでありますが、そのときの大蔵省の感じからしますと、そこら辺が大蔵省としてもなかなか一言でということではないようでありましたが、ただ、私どもこれをつくるに当たりましては、この国民の意識という面では、やはりそういった面が全く国民が感じていないというわけではないという一般的な認識のもとでこういうふうな表現にさせていただいておりますが、やはり制度を構築するにおいて、医療保険制度としては、この所得捕捉の税制上の問題があるとすれば、これは税制の面できちっとした対応をすべきである、こういう認識で書いてございます。
○金田(誠)委員 厚生省のペーパーにこういうものが出てきている。そこで、これから医療保険制度を抜本改革というテーマで議論をするにしても、どういう認識のもとに議論をするかということが非常に大きな問題になるわけですね。そもそもクロヨンだトーゴーサンだとかがあって、自営業者の所得捕捉率というのが非常に低いんだという前提でやるとすれば、加入する保険制度も一律でいいのかという話になりましょうし、あるいは私などに言わせると、ドイツ型のリスク構造調整、裕福な保険とそうでもない保険があった場合、こちらからこちらに一定の基準に基づいて移転をさせて競争条件をまずは均一化する、その上で保険者の努力によって保険料の軽減その他ができるようなシステムをつくることが私はこれから必要だと思うのですけれども、課税ベースの捕捉の仕方が違うという前提であれば、それさえおかしな話になってしまうわけですね。成り立たない話になってしまう。 そこで、政府として一体どう認識をしているのか、どこを原点に話し合いをすればいいのか。これはある意味では国民の意識がそうだという逃げを打っているわけでございますけれども、逃げを打ちながら、したがって国保と被用者保険は一本化できませんよという、意識がそうだということを言いながら、実態としてそうだというような案をつくっておられるわけですよ。ここはしたがってないがしろにできない議論ではないかというふうに私は思っております。 大蔵省を呼んで聞けという話もございますが、大臣、これはしかるべき場でその辺の政府としての認識を一致させる必要があるのではないでしょうか。もし課税ベースの捕捉率がそう異なるのであれば、どうすればそれじゃ均一になるのかという話をするか、それとも、そもそも課税ベースがこれほど侵食されているんだという前提を国民合意にするか、どっちかにしなきゃだめですよ。都合のいいときにはこういうものが出てきて、都合の悪いときには出てこなくなったり、議論のベースができない。これは、税や保険料の徴収のときもそうですけれども、給付のときもそうなってきますね、今度は、給付のとき。生活保護基準だってそうなりませんか。給与所得者の生活保護基準と自営業者の生活保護基準を変えなければいけないという話になってくるのですよ。 そういう問題に波及するものですから、この場が適切かどうかわかりませんが、私が申し上げる場というのはここしかないものですからあえて申し上げさせていただいた。答弁は求めませんけれども、ぜひひとつしかるべき場でそのところを御検討いただきたいなとお願いを申し上げておきたいと思います。 次に入らせていただきますが、保険局長、去年の続きでございます。ちょうど一年前の今ごろ、国保の問題で質問させていただきました。国保の収納率、去年は九三・三%、それによる減収額千八百十八億円というお答えでございましたが、最新の数字はどうなっていますでしょうか。
○高木(俊)政府委員 直近では、平成八年度でございますけれども、平成八年度の保険料の収納率は九三・〇%でございまして、未納額は約二千三億円という状況になっております。
○金田(誠)委員 去年指摘をして努力いただくことになっていたのですが、収納率は下がる、あるいは額は二千億の大台を超えるという状況は極めて憂慮すべきことだなと思います。 これまた去年お聞きした数字でございますが、市町村など地方自治体がいわゆる単費で補てんしているといいますか、保険料軽減のために補てんしたり、あるいは累積を消すために補てんしたり、いろいろやっていると思うのですが、法定以外で補てんしている金額は、去年は二千五百八十五億でしたが、最新ではどうでしょう。
○高木(俊)政府委員 同じく平成八年度で申し上げますと、いわゆる一般会計の繰入金でありますが、約三千百八億円ということでございます。
○金田(誠)委員 これほど補てんしても、なおかつ収納率は下がり、それによる未納額がふえているということでございますね。 それでは、これは去年もお聞きをしたのですが、被保険者を捕捉できない、被用者保険から資格喪失をして市町村国保に加入の届け出をしていない部分ですね、この被保険者として捕捉できない、したがって保険料も賦課徴収できない、この金額は、推計でもいいですからと去年お聞きをしましたら、推計もできませんというお話だったのですが、ことしはどうでしょう。
○高木(俊)政府委員 まことに申しわけないのですが、要するに、市町村に住所を有しないで全国的にいる人がどの程度かというのはなかなかこれがつかみがたいということもございまして、この推計はちょっとなかなか難しゅうございまして、今回も申し上げられるような状況ではございません。
○金田(誠)委員 これはどうでしょう。市町村に行きますと、病気になってから国保の窓口に来る、保険証を下さいというふうに来るわけですね。その場合、市町村によって違いますが、これは困ったですねと、例えば六カ月さかのぼって払ってくださいとか、いや金はありませんという押し問答になって、それじゃ一カ月でもみたいな話で、去年も申し上げましたけれども、火事になってから火災保険に入りに来るということがまかり通っているわけですよ。本来これは保険料の時効は二年ですけれども、二年を調定して計上すれば、収納できませんから、また収納率が下がるわけですよ。払うような人だったらもともと払っているわけですから。したがって、火事になってから火災保険に入る状況がまかり通っているということなんですが、推計できませんといいますけれども、推計の努力はする必要があるんじゃないですか。 例えば、各市町村ごとになら推計できるのですよ、恐らく。ある程度、一定の要件、窓口にそういう形で来る人の数とかそういうものから、とにかくゼロではないわけですよ、捕捉できなくて賦課もできなくて徴収もできない、ゼロではない、何とか努力をして、この辺の推計をしていただけませんでしょうか。
○高木(俊)政府委員 ただいまのようなケースの場合に、市町村に住所がある方の場合、これはわかると思うのです。これはもうとらえられているわけですが、まさに今推計しにくい、難しいと申し上げているのは、市町村に住所を有しない方で……(金田(誠)委員「無国籍みたいな人はほとんど少ないですよ。住所不定とかという人も。そこまでやれとは言いません。住所を有している人で」と呼ぶ)そこら辺のところが非常に難しいというのは、まさに住所を有していない人の把握が難しいということでありますから……(金田(誠)委員「いや、住所を有している人だけでもいいです」と呼ぶ)
○柳沢委員長 許可を求めて御発言をお願いします。
○高木(俊)政府委員 今、先生の御指摘のようなケースであれば、これは具体的に、これから国保の手続をとりたいというふうな形で来られる方ですから、そういった事例というものであれば、ただ、これがどの程度正確かどうかあれですが、市町村の状況等もお聞きして、できるだけ可能な限り努力してみたいというふうに思います。ただ、きちっとしたものになるかどうか、これはやってみないとなかなか難しいと思いますけれども、努力はしてみたいと思います。
○金田(誠)委員 局長、去年も努力していただけることになっていたものがあるのですね。その努力の跡がどうなっていったかということをまたお尋ねをしたいと思うのです。 去年、私が提案したのは、このような捕捉できない状態をつくらないためにどうするかということで、二つの提案をいたしました。 一つは、被用者保険の資格を喪失して国保の被保険者に、これは自動的になるわけですけれどもなった場合、うちの被用者保険の資格を喪失しましたよと、その人の住所は東京都千代田区なら東京都千代田区だとすれば、千代田の区長に被用者保険の保険者から、だれのだれそれが資格を喪失しましたという通知、制度をつくる。そして、通知を受けた国保の保険者、千代田の区長は、その方に督促するなりなんなりして、国保に加入していただく。加入したという手続が終わった後に、国保の保険者から被用者保険の保険者に、国保の加入手続は終わりました、したがって被用者保険の方の被保険者としての資格を抹消してくださいという通知をする。これで国民皆保険というものが実態的にも担保される。 捕捉もできない、賦課もできない、徴収もできない、そして火事になってから火災保険に入りに来るような状況を回避するには、当面この方法で可能ではないかということで申し上げました。その辺を含めていろいろ努力したいというふうにお答えを去年はいただいて、一年たてば大体具体的に結論も出たのかなと思うのですが、どんなものでしょうか。
○高木(俊)政府委員 まさに昨年の先生の御指摘のような方策がとれるかどうか、内部でかなり検討をしてもらいました。 それで、やはり何点か難しい点があるのは、被用者保険の資格を喪失した後どこに行くか、これがなかなかわかりにくい。特に、その方が退職後なんかの場合ですと、住所がどこかというような点、動きますから、そういった難しさもある等々、それからまた、被用者保険サイドも事務的にそれは大変だという声も実はあります。そういった意味では、義務づけというのはなかなか難しいという状況であります。ただ、こういった点については被用者保険の保険者としてもできるだけ協力していただきたい、そういった指導のベースでありますけれども、それは一つ踏み出したわけであります。 ただ、こういった中で一つありますのが、いわゆる年金の関係の情報を使ってこの辺のところを的確にフォローできないかという問題も考えまして、そういった面での検討というものを今引き続き担当課の方でやってもらっておりますけれども、いずれも保険者の協力を得なければならないということもありまして、できるだけ簡素でなければいけないということもありますので、これをさらに、そういった意味での協力を求めるとともに、年金情報等も使った再度の改善策というものを今検討してもらっているところであります。
○金田(誠)委員 いろいろおっしゃっていただきましたけれども、要は、何もやっていないという状況ですね。しかし、国保の負担は過重だ、どこの国保の保険者も大変だという状況の中で、被用者保険にその負担を転嫁する、受け持ってもらうということなどはすぐやられるわけですね。本来であれば、そういう負担転嫁の前に、国民健康保険法の中でのシステムを整える。 捕捉もできない、賦課もできないなんという、こんな保険がありますか。そして、火事になってから入れてくれる火災保険なんというのが世の中にありますか。そういうものは保険と言わないわけですよ。したがって、国保制度自体が保険のていをなしていないわけです。そうでないですか。そういうものを去年指摘して、検討するということで、何も進んでいない。そして、負担の転嫁だけはやらせてくださいといったって、これはおかしいのではないですか。そういう指摘をまずはしておきたいと思います。 ですから、その場しのぎでいろいろおっしゃらずに、具体的に物事を進めていただきたい。そういうことをせずに負担転嫁だけされても、これはだれも納得しないと思います。 もう一点、次に行きます。 おととし、ドイツに実は行ってまいりました。簡易保険の審議といいますか、あのときまだ実は与党におりまして、与党福祉プロジェクトで毎週毎週やっていたときです。ドイツの介護保険制度の勉強に行ってきました。医療保険のこともあわせて聞いてきたわけですが、ドイツではこの種未納者などはどうなっているかと聞いたところが、保険ですから三カ月未納の場合は資格喪失ですということで、喪失する自由も被保険者にはありますというお話でございまして、さすがドイツ人だなと思って帰ってきました。 そこで、こういうシステムになっていれば、これは捕捉も完全にできるし、収納率も格段に上がってくるだろうと思うわけでございますけれども一日本の今の制度は、保険料を払わなくても給付される、そもそも保険料の納付と保険給付がリンクされていないという制度なのでしょうか。国民健康保険法というのは、保険料を払わなくても保険給付はしますよという制度なのでしょうか。これが一点。そうであるとすれば、国保法何条に根拠を持つのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 日本の医療保険制度はもともとは健康保険制度からでありますが、これはドイツの制度をまねしてでき上がってきたわけであります。ただ、これとてドイツと全く同じではなかったわけであります。それは、まさにドイツの場合は先生御案内のとおりでありますけれども、いわゆる小集団を基本とする、カッセを中心とした組合になっています。日本の場合には国民皆保険というものを達成しているわけでありますから、そういう面ではかなり違う。それからまた、ドイツの場合は、一定の所得を超える人については任意加入というようなこともありますし、そういった意味でもかなり制度が違っております。 我が国は、いわゆる国民皆保険制度を三十六年に達成いたしたわけでありますが、そういった中で、国民健康保険というのは、生活保護の受給者の方は例外でありますが、いわゆる被用者保険に加入していない方、これは国保に入る、こういう制度になっておるわけでありまして、そういった中で、保険制度をもってやっておりますから、保険料を払えない方については減免措置というものが設けられておるわけであります。しかし、保険料の負担能力があるのに、そういった手続をとらない場合には、これは保険料を納付する義務を求めております。 そういった意味で、保険料を払わなくても給付を受けられる、そういった仕組みではないわけでありますが、ただ実態として、それでは保険料を払わない場合、納付義務を履行しない場合には給付をしないという制度になっているかというと、そこはそういう格好に日本の制度はなっておりません。そこはドイツとかなり違うところであります。そういったようなことでありますから、市町村の職員の方々も、保険料の納付義務の方を履行してもらうべく非常に御苦労されているのだというふうに思います。そういった意味で、どちらの制度がすぐれているかというのは、一概に私は言えないというふうに思います。 ですから、保険料を払わなくても保険給付を受けられるのだというふうに言ってしまうと、これはちょっとやはり問題があるわけでありまして、当然その裏には、保険料を納付する義務がある、こういうことで、ただ、そのペナルティーがそういうふうな形になっていないというようなことではないかと思います。
○金田(誠)委員 いろいろおっしゃっているのですが、局長自体も相矛盾したことをおっしゃっているのではないかなと思うわけなのですね。保険料納付と保険給付を受ける権利、納付義務と給付を受ける権利とはリンクしていないということなのか、それともリンクしているということなのか。それはどうですか。
○高木(俊)政府委員 それは制度としてはリンクしていると思います。
○金田(誠)委員 しているのですか。リンクしているとすれば、国民健康保険法第五条、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。」これは、届け出をするしないにかかわらず、第七条によって、「住所を有するに至った日又は前条各号のいずれにも該当しなくなった日から、その資格を取得する。」わけですね、法によれば。これは、別な項目でまた保険料納付義務というのがあるわけでございますけれども、納付しなければ被保険者の資格を失うとは書いていない。納付しなくても被保険者になっているわけです。 ということは、納付しなくても保険給付を受けることができる。保険料の支払いと給付を受け取ることとはリンクしていないという法律ではないのですか。済みません、納付と給付はリンクしていない。言葉をかえて言うと、保険料を払わなくても給付は受けられるという法律だということではないのですか。局長の答弁は逆ではないのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 いわゆる被保険者としての資格をどういう状態になったときに法律の構成要件として決めるかというのは、まさに先生御指摘のとおり、国保法五条では、それぞれの市町村の区域内に住所を有することによって住民がその資格を取得するということになっておるわけであります。そういった意味では、ここだけ見ますと、保険料の納付ということと資格を取得するということは、法文上は直接リンクした形で書かれていないことは事実であります。 しかし、制度の仕組みとして、もう一つ、国保法七十六条という規定で、被保険者は保険料を納付する義務を有しているという規定があるわけでありまして、法全体の構成で考えるのが私は法律解釈としては正しいと思います。そういうふうに考えた場合に、やはり国保法全体としては、保険料の納付義務、それから被保険者が履行すべき義務でありますから、そういった意味での資格要件とはリンクされているというふうに考えるべきだということでございます。
○金田(誠)委員 ということは、保険料を納付しなければ被保険者資格を喪失するということですか。もしそうだとすれば、そういう明確な規定というのはございますか。
○高木(俊)政府委員 ですから、ここは先ほどもドイツの例との比較で申し上げましたように、ドイツの場合はそこははっきりしているわけであります。いわゆる保険制度に徹しているということではないでしょうか。我が国の国民健康保険のところは、そこは直接的には喪失要件にしていない。これはやはり国民皆保険ということだからだと思います。 しかしながら、保険料を納付する能力があるにもかかわらず保険料を納付しない方については、滞納処分ということで、強制執行の権限が与えられているということではないかと思います。
○金田(誠)委員 ということは、保険料を納付しなくても被保険者資格は喪失しない、喪失しなければ保険給付を受ける権利があるということではないのですか。おっしゃることが矛盾に満ちているのではないかということを、今は時間がないものですから指摘だけにとどめておいて、改めてまたやらせていただきたいなと思います。 ぜひひとつ、私も素人でございますけれども、もっとわかりやすく御答弁いただけるようなことを次の機会までにお考えいただければありがたいなと思っておりますので、ぜひその辺、被保険者資格を喪失するのかどうなのか。喪失しないとすれば、被保険者であれば保険給付の権利があるわけでしょう。それは結局は、保険料の支払いをしなくても保険給付を受けることができるということになるのではないか。それを否定をされていらっしゃるわけですけれども、実態としてシステムをお尋ねをすればそういう答弁になっているわけでして、おっしゃっていることに矛盾があるというふうにしか私には思えません。 きょうはここでとどめますけれども、ぜひ、もっと明快な御説明をいただくようにお願いを申し上げておきたいのと、あわせて御要請申し上げたいのは、私は法律に不備があると思うのです。 一つは、社会保障といいますか、生活保護といいますか、こういう憲法に基づく、生存権に基づくような機能も保険に担わせようとしている。そこのところを、ドイツ人と日本人の違うところで、実にあいまいなままにやってこようとしているところに国保制度の根本的な問題があるように私は思えてなりません。 ですから、最低限の生活保障というものは、それはそれなりに別なスキームを考えるべきではないか。保険は保険として保険原理の中で完結する制度として国保法を見直しておかないと、去年も申し上げましたが、介護保険法の施行に伴って介護保険の保険料が上乗せされることによって国保は崩壊しかねないというふうに思いますし、現実に今でも被用者保険に過大な負担を押しつけていることになる。 例えば、収納率をあと半分上げただけで一千億ですよ。今の被用者保険に負担転嫁することによって国保が五百九十億助かるというのですが、そんなものとはけた違いなもの、収納率一つとっても。あるいは、捕捉できない部分を捕捉しただけでまた出てくるわけでして、その辺のところのシステムを整える。そして、収納率が上がるためには、保険料納付と給付とのリンク、こういう観点から国保法そのものを見直していくということを意見として申し上げておきたいと思いますし、次の機会に改めて明快な御答弁をいただければありがたい、こう思います。 時間がなくなってしまってあれなのですが、最後に保険医療機関の病床指定の関係でございます。これは、老人医療の費用の負担区分をどうするかということを中、心にした法改正と関連して、不正に対する措置等もあるわけでございます。 この保険医療機関の病床指定の部分は、医療法という法体系を何らさわることなく、自由開業制ということをこちらでは生かしておきながら、一方で、健康保険法制度によって規制を加えるというまさに矛盾に満ちたものでございます。規制を本来どうするかという議論は、私どももするのはもうやぶさかではございませんし、ぜひ積極的にやってまいりたい。しかし、それはこのような、失礼ですが、こそくな法改正によってやるべきことではなくて、医療法の世界の中でそもそも論を展開するべき性質のものだというふうに思います。 法案提出の前にも再三申し上げてございますけれども、そういう観点から、この部分はぜひ法案の中から切り離していただいて別途議論できるような、そういう法案提出を再検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 個別に切り離して議論した方が整然と審議が進むのではないかという意見もありますが、同時に、医療というのは総合的に見ないと議論されない面も随分出てくると思います。 今の御意見ですと、病床数にしても、医療の自由化と規制緩和と統制的な規制をする必要性との関連、そして老人保健の拠出金の負担の見直し、これは医療費全体の適正化にも絡んでくるということを考えますと、今回、私は一緒の法案にして両方から議論していただくのもいいのではないかなということで、こう法案にまとめたわけであります。御意見はわかりますが、むしろ余り細分化して議論するよりも、それぞれ関連してくる、あるいは連携しなければならない問題がありますから、一点だけよりも私はむしろ多面的な幅広い議論ができるのではないかというふうに解釈していただければありがたいと思います。
○金田(誠)委員 小泉大臣が出した法案とも思えないような法案だなという気が実はしているわけなんでございます。適正病床数とはどうあるべきなのか、そのことを確保するに当たっては、いわゆる医業の自由というのでしょうか自由開業制というのでしょうか、そういうものとの関連をどうすればいいのかという観点が基本になるのではないかなという気がいたしてございます。医療法を読ませていただきますと「要件に適合するときは、」「許可を与えなければならない。」ということで、これは明確に、自由開業制というのですか医業の自由というのですか、それに基づいた病院開設の許可体系になっているわけでございます。 我が国は、先ほど来議論が出ておりますように、国民皆保険という制度をとってございます。医療機関として開設を許可された場合、これはもう当然のこととして、不正だとか何かペナルティーを加えられる要素がないとすれば、医療保険の適用になって当然というものだろうと思うわけでございます。 そこで、一方ではそういう自由開業制という原則を医療法の上では堅持をしておいて、そして一方では必要病床数に基づいて完全に規制する、これはやはり矛盾ではないでしょうか。健康保険法による規制と、これはまあ健康保険の適正な運用といいますか不正請求をするとかさせないとかそういう観点からの規制であるべきで、病院開設というものがそもそもどうあるべきなのか、必要病床数とはどうあるべきなのか、その中での診療科目の問題とかさまざまな配置の問題とかというものに、自由開業制を超えて一定の誘導措置なり規制措置なりをもし加えていく必要があるとすれば、医療法の世界ではないのか。医療法を、自由開業制をそのままにしておいて健康保険法ということでこれを規制をしようというのは、一貫性を欠く、相矛盾することではないのか。 こういうのを何というのでしょうか、法体系の整合性を欠くとでも言うのでしょうか。どうも、一口で言ってしまうと、本当に言葉は失礼なんですが、こそくだと。私どもは規制を絶対するなとかなんとかと申し上げる気はさらさらない。しかし、そもそも論を展開をすべきことで、国民健康保険法の予算関連法の中に一項目滑り込ませる性格のものではないと思うのですが、改めていかがでしょう。
○高木(俊)政府委員 医療法という法律で医療計画に基づく病床の適正配置ということを定めているわけでありますが、一方健康保険法というのでこれが医療保険のルールを定めておる、こういうことであります。 先生のお考えも一つの考え方だと思いますが、一方、現行の我が国の医療法上のいわゆる衛生法規としての法律と、それから健康保険法というのは保険制度における医療費の保障制度だというふうに考えております。もうこれは申すまでもないわけでありますが、それぞれの法律はそれぞれの法益があるわけでありますし、そういった中で今回の健康保険法の措置というのは、医療法でできないから健康保険法でやるという性格のものというふうに私どもは考えておりません。これはあくまでも、健康保険法上やはり医療費の適正化ということが必要である、こういう医療費の適正化をするに当たって、通常の経済行為であればできるだけ規制は緩和していく方が国民の福祉の向上に役に立つ、したがって規制緩和というのが言われているんだというふうに理解しております。 しかし、医療保険における医療行為について見ますと、やはり供給が需要を喚起する、これは現実に我が国におけるベッド数とそれから入院の医療費の相関関係あるいはベッド数と入院期間の関係、こういうのを見てみますと非常に強い相関関係が見られるわけであります。そういった中で、必要以上のベッドというものを制限することによって、むしろ医療保険制度における医療費の適正化に資する、こういうふうに考えたわけでありますので、何かこう、江戸のかたきを長崎で討つ、こういうことではありませんので、御理解をいただきたいと思います。
○金田(誠)委員 時間になって恐縮ですが、あと一つだけ、健政局長、医業の自由というのですか自由開業制というのですか、「許可を与えなければならない。」という医療法の大原則、大きな枠組み、今回の改正では実質的にはこれを否定することになりますでしょうか。
○谷(修)政府委員 この医療計画というのは医療法の中で昭和六十年に導入をされたわけでございますが、その際に、この医療法の中にいわゆる衛生規制というものを超えた需給調整的な要素というものを明確に盛り込むかどうかということについてはいろいろな議論がございましたけれども、結局それによって実現される公益と、それから先ほど来先生おっしゃっておられます医療機関の営業の自由あるいは開業の自由というものとの制限との関係をどう考えるかということについてはいろいろ議論があり、現在の法体系になっているわけでございまして、少なくともその医療法上の開設許可そのものをこれによって制限をする状況には至っていない、そういう状況ではないのではないかというふうに認識をしております。
○金田(誠)委員 時間ですから、終わります。
○柳沢委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十三分開議
○柳沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石毛鍈子さん。
○石毛委員 民主党の石毛鍈子でございます。引き続きまして質問をさせていただきます。 まず、今国会に提案されております法案についての質問をさせていただきます前に、関連いたしまして二つほど質問をさせていただきたいと思います。一つは、健康保険法が片仮名、文語体で書かれているということに関してでございます。もう一点は、国民健康保険法の被保険者が世帯主義をとっている点について、御質問したいと思います。 まず、健康保険法に関してでございます。 私が改めて申し上げるまでもないわけですけれども、今国会で提案されております法案改正に関しまして、ずっと目を通してまいりますと、健康保険法は片仮名、そして文語体の法律として書かれております。大正十一年に制定されたためというふうに思いますけれども、もう戦後も五十年を過ぎているわけですし、それから、思い起こしてみますと、憲法制定に関しましても、当初は片仮名、文語体で予定されていましたものが、作家の山本有三さんほかの方からの意見がありまして、平仮名、口語に改めたというふうに言われております。これはよくお聞き及びになられることだと思います。 抜本改革の時期を医療保険も迎えているわけですから、この際、新しい、若い人たちが読みやすい平仮名そして口語体に法律を、作文の仕方ということになりますけれども、改めるべきだというふうに考えます。 まずこの点について小泉厚生大臣に、御意見と申しましょうか、御感想と申しましょうか、お伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 法律の文章というのは、私も、読んでみて本当にわかりにくいなと思うことがしばしばあります。 今の、文語体から口語体に直すという意味におきましても、若い人にもわかりやすいような文章であるという趣旨だと思いますが、古い法律においては特に文語体のものも多く見られるようでありますので、今後改正の際にはわかりやすい口語体にすべきだというのは、検討すべき大事な課題だと考えております。
○石毛委員 二〇〇〇年に実行されますという医療保険の抜本改革は、中心的な課題が給付と負担ということに集中しておりますけれども、さまざまな意味で抜本改革の課題はあると思いますし、このことも一つの大きな課題であるというふうに私は認識しておりますので、抜本改革の際には、ぜひこの点もプログラムにお含みいただいて、新しい様式の健康保険法ができますようにということを御要望申し上げまして、この点に関しては終わらせていただきます。 もう一点でございますけれども、国民健康保険のいわゆる擬制世帯主というのでしょうか、あるいはみなし世帯主というのでしょうか、私の近しい友人に、世帯主であるお父さんが学校の先生、そして、息子さんは大学を卒業して自営業を営まれておられますから、税制上は当然もう扶養家族を外れておりますし、健康保険上は息子さんの方は国民健康保険に入るということになるわけです。もう一人の私の女性の友人でございますが、この方は地方議員でいらっしゃいまして、連れ合いさんは新聞記者をされているという方なんですけれども、やはり女性議員の私の友人が国民健康保険に加入をしているというわけですね。 ただ、問題なのは、それはいいわけですけれども、所得があって国民健康保険の被保険者、主体としてということはよろしいわけですけれども、そのお二方とも、保険料の通知書、納付通知書、それが、前者の方の場合は父親名義で来る、後者の場合は夫名義で来る、それから国民健康保険証もそれぞれ世帯主名義で来る。社会人として当然のこととして国民健康保険に加入し、主体であるにもかかわらず、納付の通知も保険者証も世帯主名義になっていて、とても納得いかないというふうに申しております。 私ごとになりますけれども、実は私も一年生議員でございまして、学校を退職しまして、退職者保険の期間が今まだあるわけですけれども、この間、国民健康保険に入りましたら、私の国民健康保険証は世帯主である夫名義で来るのかと思いますと、友人の話ではなく私の話でもあるということに気がついたわけなんです。 こういうことが今珍しくないと思いますけれども、国民健康保険の中にこういう事実があるということをお聞きいただきまして、また厚生大臣に御答弁をお願いして恐縮でございますけれども、大臣の生活感覚あるいは社会的な認識という側面から見まして、どんなふうにお受けとめになられますでしょうか、お伺いしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 現行法についてちょっと申し上げますと、国民健康保険はいわゆる保険料の納付義務者を世帯主に定めているという法体系になっているものですから、御指摘のようなことが起きておるわけであります。かつ、擬制世帯主のような形で、ちょっと変則的な取り扱いをしていると思います。この辺のところは全体の法体系そのものをどういうふうにするかという問題とも絡むと思いますが、やはり国民感情に沿わないというふうな法体系になっているという面もあながち無視できないわけでありまして、これも機会をとらえて、その辺のところもやはり根本的に見直す必要があるだろうというふうに私どもも認識しております。
○石毛委員 今局長が御答弁くださいましたとおりでございますけれども、国民健康保険法は第九条で、被保険者資格の取得ないしは喪失の届け出といいますのは、被保険者の属する世帯の世帯主がするということになっているわけです。それから、地方税法の第七百三条の四、これは国民健康保険税についての規定でございますけれども、その第十八項がいわゆる擬制世帯主ないしはみなし世帯主ということに関する規定であるわけです。 明瞭に世帯主義をとっているということがいかがかという点で今問題を提起させていただいたわけですけれども、健康保険法はそういうふうにはなっていないわけです。 例えば、世帯主である父親が勤め先の健康保険に入り、それから、世帯上は同一世帯に属している子供さんが勤めて従業者となれば、その会社の健康保険に入るということで、それぞれ自分名義の保険証を持つわけですし、それから、当然のこととして、所得に応じた保険料を負担していくという構造になっているわけです。同じ社会保険であって健康保険法の方ではそういう扱いになっているわけですから、国民健康保険法も同じような内容に変えていただくということはいささかも差し支えないことではないかと思います。 今、局長、機会をとらえてというふうにおっしゃられましたけれども、その機会をいつごろのタイムスパンとして私が受けとめさせていただいてよろしいのかというところあたりをぜひもう一言お聞かせいただければと思います。
○高木(俊)政府委員 二〇〇〇年から抜本改革を実施をいたしたいということで私ども考えております。何でもかんでも抜本改革に送るというわけではありませんが、やはり全体の法体系そのものもとらえ、また今御指摘ございましたような地方税法の関係もありますし、そういったことからすると、かなりやはり大がかりな検討が要ると思いますので、抜本改革というのを一つの目安に考えて準備をしていきたいと考えております。
○石毛委員 重ねて大臣、恐縮でございますけれども、例えば私がそういう立場になりましたら、やはり私の人格に対する侵害と言いましたらちょっと強調し過ぎでしょうか、でも、二十を過ぎ、大学を卒業して、資格を取って、自分で、例えば司法書士の事務所を開いてとかいろいろな努力をされてきて、そして自分で社会的な自立をしたという認識にある方が、自分のところに来る通知とか自分が持っている証書が自分名義ではないということは、やはり非常に今の社会の認識には合わないのではないか。 そういう意味で、私は人権侵害と言っても言い過ぎではないというふうに考えているわけですけれども、今局長が二〇〇〇年の抜本改革を目安にというふうにお答えいただきましたけれども、大臣にもそのことをお約束いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 全部個人別に保険証を持つという場合に、子供の場合はどうするのですかね。
○石毛委員 扶養家族は、これは扶養家族の扱いでございます。
○小泉国務大臣 そういう点もありますので、今後検討していく課題ではないかなというふうに考えています。
○石毛委員 ぜひよろしく御検討のほどをお願いいたします。 それでは、以下、今回の提案にかかわります内容に関しまして、私は、主として医療計画における必要病床と過剰病床の関係についてお伺いしたいと思います。 今回の健康保険法の改正では、病床過剰地域において都道府県知事の勧告に従わないときは保険医療機関の指定を行わないという規定が健康保険法第四十三条ノ三の関係として新設されております。この件に関しましては午前中にも議論がございました。 私は、現在の国民皆保険体制のもとで、保険医療機関の指定を行わないことは医療機関の存続を否定することになり、事実上、開設不許可に等しいというふうに認識しておりますけれども、午前中、金田議員の御質問に健政局長のお答えは、医療計画は需給調整要素を持つけれども、開業の自由を制限するわけではないというふうに健政局長はお答えになられたと思いますが、まずその点を確認させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○谷(修)政府委員 現在の医療法におきましては、病床過剰地域におきます病院等の開設あるいは増床につきまして都道府県知事が中止や病床数の削減を勧告をすることができる、こういうふうにされているわけでございます。 ただ、医療法そのものは、医療法上の開設許可は、いわゆるこの医療法の性格が衛生規制であるということから、勧告という形にとどまっているわけでございます。 午前中の御質問にもございましたが、医療法で強制力のある病床規制を行うかどうかということにつきましては、昭和六十年に医療計画制度が導入をされた際にもいろいろ議論がございました。その際に、医療法の中に、いわゆる衛生規制を超えて、需給調整的な要素を明確に盛り込むべきかどうかということにつきましては、その際の議論といたしましては、医療機関の営業の自由の制限との関係をどう考えるかということについて慎重に検討をする必要があるということから、現行の形になったものでございます。 一方、保険医療機関の指定ということにつきましては、都道府県知事が保険者にかわって医療機関との間で締結をする契約だということから、医療費適正化の観点から、今回、過剰な病床については対応していくということで、医療法、それから国民健康保険法なり健康保険法、それぞれの法律の目的に沿った形で、現在提案をしているような形の法律案としているものでございます。
○石毛委員 今の御説明で、需給調整要素と開業の自由についてはお話を伺ったと思いましたけれども、午前中、開業の自由を制約するものではないというふうにお答えになられたと思いますけれども、それは、法律解釈上そういうふうになるということでおっしゃられたのでしょうか。
○谷(修)政府委員 今冒頭に申し上げましたように、病床過剰地域におきまして都道府県知事が病院の開設あるいは病床の削減を勧告をすることができるとなっておりますけれども、この勧告には強制力はございません。したがって、これに従わない場合でも、許可要件を満たしている場合には許可を与えなければならないというふうにされているところでございます。そういうふうに至った経緯については先ほど申したとおりでございまして、そういう意味においては、開業の自由というものは医療法によって保障されているというふうに考えております。
○石毛委員 私は、午前中の金田議員の御質問は、今回の健康保険法の改正で保険医療機関としての契約を結べなくなれば皆保険体制のこの国の社会システムのもとでは実質的に開業の自由がなくなる、それゆえ、医療法は開業の自由を規制はしていないけれどもそごするのではないかというふうに御質問なされたというふうに私は伺いました。 それに対して健政局長は、開業の自由を制限するわけではないというふうにお答えになられたと私は認識したのですけれども、ただいまの健政局長のお答えでは、現行法のもとでは勧告なのでというふうにおっしゃられたというふうに理解いたします。 これにつきましては、私もそういうふうに午前中伺いましたということですので、これ以上、伺ったか伺わなかったかというのでは、ちょっと時間の浪費になりますし、申しわけないことになりますから、私の伺い方と局長のお答えの仕方がちょっとずれているのではないかということだけ申し上げさせていただいて、次に進めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○谷(修)政府委員 私が申し上げました、医療法につきましての、現行医療法という言い方で申し上げましたので、今回の改正において医療法が変わるわけではございませんので、そういう意味でも変わらないという意味で申し上げたつもりでございます。
○石毛委員 それでは、健政局長のお答えと私の受けとめ方が認識の仕方において違っていたということなのかもしれませんから、これは後ほど議事録でまた確認させていただきたいと思います。 先に進みます。 それで、私は先ほど来申し上げておりますように、今回の健康保険法第四十三条ノ三の関係で、勧告に従わないときに保険医療機関の指定を行わないということは、繰り返しになりますけれども、事実上の開設不許可に等しいというふうに認識いたしますので、大変大きな問題を含んでいるというふうに思います。 まず、必要病床数と過剰病床数の関係でございますので、この健康保険法の今回の法改正のもとに、もとといいますか、認識のベースとしましては、医療計画の病床過剰地域の、その過剰とは何か、あるいは必要病床とは何かという、その議論が大変重要な意味を持つことになるわけです。何を必要とし、何を過剰とするかによって、必要と過剰の間の線引きは変わってくるわけですから、そこが明確でない以上軽々に、健康保険法の今回の法改正というのは、私はやはり拙速ではないかという認識をしておりますけれども。 まず、その話に入っていく前に、医療法三十条の三では、医療計画とは、「医療を提供する体制の確保に関する計画」というふうに書かれております。この限りでは、医療の不足を生じさせないように医療供給を確保する計画というふうに読めると思いますけれども、大臣にお尋ねしたいのですけれども、大臣は医療計画の持つ役割といいますか、あるいは性格をどのように御認識になられていらっしゃいますでしょうか。
○小泉国務大臣 日本の自由経済といいますか、市場経済の中で、自由な開業を認めている普通の職種でありますと、規制をできるだけ撤廃していこうという方向でいいと思うのでありますが、医療の場合については、国民皆保険制度、さらには、だれでもが公平に適切な医療を受けるという体制を整えるためにも、一般の商品を購入するというのとは、生命にかかわる問題がありますから、当然違う面が出てくると思います。 そういう中で、今どんどん高齢化が進んでおりますが、このような中で、国民に対してどういう適切な、適正な医療を提供していくか、また確保していくかという中で、医療資源というものを効率的に活用していかなければならない。そういう中で医療供給体制を体系的に整備していく必要があると思うのであります。 そこで、自由な、合理性を目指しながらも、私は、ある程度の計画といいますか、計画というのは当然規制的な、統制的な面を含んできます。これは仕方がないのではないか、また必要ではないかと思っています。 そういうことから、この医療計画制度の目的というのは、医療機関、関係者との連携と協力により、適正な医療資源の活用とか医療供給体制の確保というのが図られるのであって、私は、この医療計画は、その際の基本的な事項を定めるものであると認識しております。
○石毛委員 医療という、人の命にかかわる部分が、全くの市場経済にゆだねるというシステムでいいというふうには言えない。何らかの意味で社会的な、あるいは後ほど時間があったら申し述べさせていただきたいと思いますけれども、市民がこれに意見を申し述べたり、さまざまな意味で社会的なコントロールが必要ですし、その意味で統制的な側面を持つということは私も同感する部分が多いということを申し上げたいと思いますけれども、今の大臣の御答弁で、単に医療の不足という事態に対して提供体制を確保するということではなく、適正な医療の確保あるいは資源の効率的な活用、そうしたことを勘案して医療提供体制を計画的に進めていくことというふうにお答えいただいたと思います。 この大臣のお答えは、申し上げるまでもないのですが、一九八六年八月の局長通知で前文として書かれているという内容にも通じる部分が多いというふうに思いますけれども、続けて局長にお尋ねしたいと存じますけれども、この場合に、適正な医療の確保といいますのはどういう内容を指すのでしょうか。それをお答えいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 医療法の目的の中には、国民の健康の保持増進に寄与するということが述べられておりますし、また、同じく医療提供の理念、あるいは国及び地方公共団体の責務などが規定をされております。 医療計画の目的を、国民に対し適正な医療を確保していくためとしておりますのは、この医療計画というのが、医療法が定める幾つかの目的等を実現するためのものであるということを意味するものだと私どもは考えております。 具体的には、この医療計画そのものにつきましては、通常の医療ニーズに対応できるということを前提にした医療圏の設定、あるいは必要病床数の算定に関する事項、あるいはそれぞれの医療圏の中におきます医療提供施設の機能の分担あるいは業務の連携、そういうものを定めることによりまして、医療圏ごとの医療資源の効率的な活用、あわせて地域医療全体の体系化というものを図る、そういう趣旨から、この医療計画の目的として、国民に対し適正な医療を確保するというようなことを規定しているものでございます。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○石毛委員 今の健政局長の御答弁は、国民の健康保持増進等々の確保が適正な医療を確保するということであると。 それでは、国民の健康保持増進あるいは適正な医療の確保等々をどういう医療提供体制によって実現していくかということになりますと、具体的には、後半おっしゃられました医療ニーズに対応できる病床数とか連携等々のことであり、これを医療計画で進める、そういう認識をさせていただけばよろしいわけですね。うなずいていただきましたので、その先に進めさせていただきます。 そこで議論は、通常の医療ニーズに対応できる医療機関数ですとか病床数等々というふうになるわけですけれども、医療計画は、必要病床数を基準にしてベッド数が過少か過剰かを算定しているものだというふうに受けとめております。そこで、必要病床数に対しましてベッド数が多いと病床過剰区域、これは医療供給が適正ではない、また効率的な活用が図られていない、過剰な医療供給になっている、こういうふうに医療計画の策定内容に関しまして、必要病床数と現実に存在する病床数の関係を、過剰病床数の場合、今申し上げましたように理解してよろしいわけですね。
○谷(修)政府委員 前の医療計画のところで補足をさせていただきますと、医療計画は、先ほど申しましたように、医療圏ごとの必要病床数を定めるという目的のほかに、それぞれの医療圏の中におきます救急医療を初めとするいろいろな医療の提供体制、そういうものについても計画的な推進を図る観点から、昨年暮れの医療法の改正において、いわゆる必要的記載事項というものの中にそういったようなソフトの部分というのでしょうか、そういうようなものを追加したところでございます。 必要病床数についてでございますけれども、必要病床数を上回る病床数のところを過剰と言い、当然それでないところを非過剰と言っているわけでございますが、それぞれの医療圏におきます通常の医療を供給するに当たって必要とされる病床を上回るところを過剰地域というふうに考えております。
○石毛委員 今回のこの議論で大事なポイントの一つは、必要病床数というとらえ方、これに関係しているというふうに私は理解をしております。 先ほど健政局長がおっしゃられましたように、医療ニーズに対応できているかどうかという観点から必要病床数がとらえられているかどうか。この把握のところがぐらついていれば、これに比べて仮に計算上過剰病床というふうになりましても、それが、実相としてという表現を使っていいのでしょうか、過剰かどうかということとは別問題だというふうに思うわけでございます。 少し具体的に伺いたいと思いますけれども、必要病床数の算出の仕方といいますのは、当該区域の性別・年齢階級別人口に全国九ブロックにまとめたおのおのの入院率を掛け、それを補整し、それから病床の回転率だと思いますけれどもそうしたものを勘案して算出するというこの算出の仕方は、理解は、私が今申し上げましたことで間違いございませんでしょうか。
○谷(修)政府委員 大筋はおっしゃるとおりだと思います。 なお、若干つけ加えさせていただきますと、その医療圏にほかの地域からどの程度患者さんが入ってくるか、それから、ほかの地域へどの程度患者さんが出ていくか、そういうようなことも含めて計算をした病床数を必要病床数というふうに言っております。
○石毛委員 そこで私は、必要病床数の算出の仕方自体が余り地域医療のニーズを反映しているとは言えないのではないかということを申し上げたいと思うわけです。 それで、こういう計算の仕方でいいのかどうかというのは厚生省の方でも御意見があるかもしれませんけれども、九ブロックごとになっておりますブロックを国民健康保険につきまして被保険者数と入院件数の割合から入院受療率を算出してみますと、これは、よく医療で西高東低と言われている現象をあらわしているわけです。 例えばブロックごとの単純平均で、一番低いところは信越も含みまして関東、受療率〇・二九九五、高いところは北海道、〇・五六六一、かなりの差があります。 ブロックごとに差があるのは九ブロックそれぞれで計算していくのですから納得したとしまして、ではブロック内でどうかといいますと、例えば四国ですと、一番入院受療率が高いのが高知の〇・六三四四、低いところが愛媛の〇・四八三七、ここで〇・一五の差がございますし、それから九州、沖縄でいきますと、沖縄が〇・三三四八で、高いところは鹿児島でしょうか、〇・二四の差がございます。ブロック内でかなりの受療率の差があるものを平均しまして、そして必要病床数を出すというこの方式自体が適切な方式と言えるのかどうかということに私は疑問を持つわけです。 ずっとこの間の議論で、高木局長も先ほどおっしゃられていたと思いますけれども、例えば病床数が多いあるいは入院期間が長い、そうした意味を含めまして、医療供給の多い地域は医療費が高く出る。ですから、相対として医療供給をコントロールしながら医療費をコントロールするということが、医療資源の適切な、効率的な活用という意味から必要だという総枠は、おっしゃることは、私は別に否定する理由は何にもないのですけれども、ただ、おっしゃられましたように入院受療率が、ベッド数が多いところは傾向とすれば高く出て、ベッド数が低いところは傾向として低く出て、そこから平均値を出して、そしてその都道府県別あるいは二次医療圏別に掛けて必要病床数を出すというのが今の算式の仕方ですから、少ないところはそれにプラスする形で出てくる、多いところは多少マイナスする形で出てくるというのは計算上当然のことなんですけれども、しかしながら、じゃ、その必要病床数を掛けていく平均値というのは、医療ニーズとの関係でいえば何をあらわしているのだろうかという疑問です。 つまり、平均値というのは医療ニーズをあらわしていないのではないか。もっと言ってしまえば、ベッド数が少ないところで入院率が低いところでも、適切な医療供給体制である地域もあるかもしれない。それは平均値を掛けて算出してできることではなく、もっとほかの方式が検討されなければ必要病床数を出していくという方法論自体が不十分なのではないかということを申し上げているわけですけれども、私が申し上げていることがうまく表現として伝わっていますかどうかちょっと気になりますけれども、いかがでございましょうか。
○谷(修)政府委員 今、先生具体的に例として挙げられたのは入院率あるいは地域ブロック別の入院率ということだと思います。これは入院率をどういう形でどの時点のものを使うのかというのは、この必要病床数の算定式を決める際にもいろいろな御議論がございました。現在は、三年ごとに実施します患者調査をもとにして、入院率の見直しをその都度必要に応じてやっているということでございますが、ただ、入院率につきましては確かに地域によって違いますし、それからそれぞれの地域のいろいろな医療施設の数とかそういうことによっても違ってくると思います。 ただ、どうしても現在ある入院の状況ということを考慮せざるを得ないということが現実問題としてあるわけでございます。一方、それぞれの地域ごとに異なるということを反映させる必要がある。それからまた、この計画によって病床の地域的な偏在を是正をしていく必要がある。この両方の要請というものを調和をするという形からブロック別の入院率というものを使用しているわけでございます。 これについては確かに、もっときめ細かくとか、あるいは先生がちょっと例で挙げました非常に病床の数は少ないけれども医療ニーズは満たされているとか、そういうような地域やあるいは病院がないわけじゃないというお話そのものは私も理解はできますけれども、これを全国的な一つの基準として、かつまた、ある程度それぞれの地域の現状を踏まえ、また偏在を多少なりとも是正をする、この両方の要請をどういう形で一つの式として考えていくかということの結論として、私どもとしては先ほど御説明をしたような数式を使っているということでございまして、これによって現状が全く反映されていないというふうには、私どもは必ずしもそう考えてはおりません。
○石毛委員 私も全く反映していないというふうには申し上げておりません。あくまでもブロックごとの医療ニーズを反映する、そのための必要病床数のとらえ方の方法論というのはどういう方法論がいいのだろうかというそういう観点から、論点の指摘をさせていただいているといいますか問題提起をさせていただいているということでございます。 そして、続けさせていただきますけれども、何のデータをベースにするかということによってももちろん違ってくるわけですが、これも私どものところでの計算をしたものですと、データを使うことによってまた結果も違うということはあり得るわけですけれども、一人当たりの医療費が受療率とそれから医療従事者数と病床数と、どれと相関しているかということを計算してみますと、病床数が〇・九三〇七、従事者数が〇・九二二八、受療率が〇・九〇五三で、いずれも一人当たりの医療費に対する相関というのはかなり高い。だから、ベッド数だけではないということですよね。 それから、偏相関というのでしょうか、何にウエートがかかっているかということで見てみますと、一人当たり医療費に対する病床数と受療率の偏相関係数は、病床数が〇・三〇一三、受療率は〇・七三九五ということで、むしろそういう相関のとり方をとってみますと、病床数よりは受療率の方が相関が高いのではないか。 これも私どものところでの試算でございますから、私はぜひこういう試算を厚生省さんの方からもっとオープンにして、必要病床数がもっと私たち、私たちと,すぐそういう言い方をして恐縮ですが、立法府でもそれから多くの方々も議論ができるようなところで情報提供をしていただきたいというふうに考えるわけです。 そういう意味で、今の繰り返しになりますけれども、全国九ブロックの入院率平均値で必要病床数、多少のモディファイはされているわけですけれども、それで決めていかれるというのは余りにもラフではないか。この方式でいく限り、現状、医療費が西高東低であるというこの現実が続いていくということも変わらないのではないかということ、こういうことを申し上げたいのですけれども、いかがでございましょうか。
○谷(修)政府委員 先ほど申し上げたことの若干繰り返しになりますけれども、結局どういう数式といいますか、あるいはその数式になったデータ、どのデータを使うことが最も適切であるかということと現実的であるかということ。それから、それぞれの都道府県が、計画をつくるのは都道府県でございますので、都道府県に当てはめるのがいいのか。それからもう一つは、この医療計画の目的というものを考えた場合にどういう方式がいいのか。そういうようなことから、現在この入院率につきましては先ほど申し上げたようなブロック別の入院率というものを使用しているわけでございます。 また一方、それぞれの地域の事情に応じまして、急激に人口が増加するとかその地域の特別な事情があるという場合には、その事情による必要な病床数を加えて必要病床数とすることができるという形にしているわけでございまして、そういう意味で、先生がおっしゃったようないろいろなやり方といいますか考え方はあると思いますが、私どもとしては地域ごとの状況、それから地域的な偏在をできるだけ是正をする、そういう観点から先ほど来申し上げているような方法を使っているということでございます。
○石毛委員 これ以上この件に関しては私も申し上げるつもりもございませんので、要請をしたいのですけれども、各県ごとの性別、年齢別の入院率、それから性別、年齢別の、入院、外来ごとの医療費、そうした資料をこの委員会に提出をお願いできますでしょうか。委員長、御検討ください。
○佐藤(剛)委員長代理 理事会において協議させていただきます。
○石毛委員 それではよろしくお願いいたします。 もう一点、必要病床数の考え方についてお尋ねしたいと思います。 先ほど健政局長は、昨年の指針の改定でございますでしょうか、それで必要的記載事項にいわゆるソフト事項を加えたというふうにおっしゃいました。それまでの必要的記載事項というのは医療圏と必要病床数だったと思います。 重ねてそのことに関連してお尋ねしたいのですけれども、この必要病床数の認定の仕方に、例えば二次医療圏におきます救急医療需要をどう反映させるかとか、あるいは、今問題になっておりますのは、高齢社会の医療体制がどうあるべきかというのが非常に大きな課題だと思いますので、それに関連して、二次医療圏に循環器系の医療機関があるのかないのか、あるいはリハビリ病院がどうなのか。あるいは、二次医療圏内で社会的入院をどう減らさせているのかとか、平均在院日数と必要病床数の関係ですとか、必要病床という概念を構成する要件は多々あるんだと思います、医療ニーズにこたえるためにと言う以上は。 そこで、先ほど健政局長は、必要的記載事項にソフトを追加というふうにおっしゃられましたけれども、私は、その必要病床数の考え方の中に多分ソフトとおっしゃられたようなことのかなりの部分は構成内容として入れるべきだというふうに考えますけれども、その辺はどうなっていますでしょうか。そこを教えていただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 昨年の改正によりまして、この医療計画の必要的記載事項として、例えば療養型病床群ですとかそういったような病院等の整備の目標、それから、救急医療あるいは僻地医療、そういうようなことについての整備の目標、それから、医療機関同士の機能の分担とか業務の連携、そういうようなことについて必要的な記載事項として盛り込んだところでございます。 ただ、病床の算定ということにつきましては、地域の医療計画の中で今申し上げたような必要的な記載事項を勘案しながら計画をつくっていくということでありますけれども、その病床の算定の式そのものを今回変えたわけではございません。
○石毛委員 確かに、例えば過剰病床地域であっても、必要であれば救急医療病床等を整備できるというような規定にはなっていると思いますけれども、それはおきまして、必要病床と過剰病床の関係、それから必要病床が医療ニーズを反映しているかどうか、これを反映することが適正な医療を確保するということの内容であるとすれば、必要病床数の中の構成要件として、今局長がおっしゃられましたような必要的記載事項のかなりの部分は考え方として組み込まれなければおかしいのではないでしょうか。そうじやなければ、必要病床が、例えば社会的入院を継続している病床にかなりの部分占められてしまうとか、あるいは、特定の診療科目の病床にウエートがあるとか、地域によってさまざまなシフトが出てくると思います。 そうではなくて、その必要病床という考え方自体が地域の医療ニーズにこたえるということになれば、繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたような幾つかの要件は病床数の中に含むことというような基準要件を設定しなければ、必要病床数というその必要という概念自体が非常に不正確、あいまいになるのではないでしょうか。
○谷(修)政府委員 医療計画の中でいわゆる必要病床数に関すること、それから、先ほど申し上げましたような地域医療の中での必要な医療施設の整備ですとか救急医療の確保というものがあるわけでございますが、現在ある必要病床数の算定に当たって、当然現状を踏まえた必要数というものが算式上出てくるわけでございますので、その病床数そのものを細かく機能を分けて算定はできるかどうかということになりますと、現実問題としては、先ほど来申し上げているような形での算定をするということがやはり現実的なんじゃないかというふうに考えております。 一方、地域医療全体を考えるという意味においては、先ほど申し上げた地域医療計画の中での医療機能の分担ですとか連携という形の中で対応していくものだというふうに考えております。
○石毛委員 細かく分けての細かくの程度の問題だと思います。 私は、その地域に必要な医療システムとしてどういう診療科目の病床あるいは医療従事者がどれぐらい必要かということの構成というのはおおよそは考えられるわけで、そこのところをきちっと明らかにしていただかないで、トータルとしての必要病床数だけをカウントされたからといって、そのことに納得できるという人は私はいないのではないかというふうに考えております。 これは繰り返しになると思いますので、今のお答えに対して申し上げたいと思います。 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。 大臣御存じのとおり、昨年十二月の行政改革委員会の「最終意見」は、この医療計画あるいは必要病床数の考え方につきましてかなり丁寧な見解を披歴されておられますし、書かれている内容は納得できる内容だというふうに私は読んでおりますけれども、この報告の中に、「病床規制の実施自体が「地域間の不均衡」を残存させている」、そして行革委員会の「最終意見」は、「社会的入院の解消を図るとともに、」「急性期病床、慢性期病床については、それぞれのニーズを踏まえた適正な病床数となるよう、現行の必要病床数の算定方式を改める必要がある。」というふうに書かれております。 もしかしたらこの点は質問通告してなかったでしょうか。-うなずいていらっしゃいますから通告してなかったと思いますが、今読み上げさせていただきましたので、大臣には御納得いただけると思います。 この必要病床数の算定をもっと概念として明確にしていくべきですし、算定方式を再検討すべきだということで私は一貫して今まで御意見具申し上げてまいりましたけれども、大臣、この件についての御認識を承りたいと思います。
○小泉国務大臣 必要病床数のあり方に関しましては、介護保険制度の創設なども踏まえまして、急性期病床、慢性期病床の区分や必要病床数の算定方式などについて検討会を設置し、医療提供体制の抜本的改革の中で検討を進めていきたいというふうにしております。 また、今回の措置というのは、現在、都道府県知事が病床過剰地域であり開設の必要がないとして中止勧告をした医療機関については、医療保険の対象としない取り扱いとしているものを法律上明文化したものであるということを御理解いただきたいと思います。
○石毛委員 大臣御答弁いただきました前半の部分に関しましては、今そういうプロセスで作業が進んでいるということでございます。 後半の部分については、今回の法案提出についての御見解を含んでのお答えであったかと思いますけれども、今回の健康保険法改正の提案は、必要病床数と過剰病床数との関係で保険医療機関を指定するか指定しないかというここがポイントになる法案、改定でありますから、必要病床数というそのとらえ方の中身についてきちっと議論を完了しないで出口の方だけ先に決めるということはやはり拙速ではないか、事の成り行きとしておかしいのではないかというふうに私は思っております。 要するに、必要病床、過剰病床ありますよ、過剰病床は指定しませんよと言われる。でも、この過剰病床であるかどうかの判断は必要病床をどう判断するかによって変わってくるわけですから、ここのところがきちっとしなくて、指定しませんという法案改正だけ、そこのところに賛成を表するなんということは、私は事柄の認識の仕方としてできない話だというふうに思っております。 これは、賛成とか反対とかという前に、賛成、反対を決める前の手続的な認識の仕方の問題だというふうに思います。ここをはっきりさせていただかないで法案改正のそちらの方だけを出されるというのはやはり尚早ではないか、(発言する者あり)意図があるのではないかという声がありますけれども、というふうに私は思います。 この件に関してだけちょっとお答えをいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 先ほど来のお話の中で、必要病床数の算定に当たってそれぞれの、例えば病床の種別と申しますか、あるいはその機能というものを含めた算定式というふうにすべきだ、そういう御趣旨も含んでのことかと思います。 私どもとしては、やはり二次医療圏という、現在三百四十三ございますけれども、二次医療圏ごとの必要病床数というものを算定するに当たっては、やはり先ほど来申し上げているような考え方に基づいて、一定の方式に基づいて、できるだけ算定のやり方そのものが、ばらつきが全国的にある程度一律にいくような形でやっていかざるを得ない、またそれが現実的だろうというようなことから、従来この必要病床数の算定というものをやってきているわけでございますので、今後、急性期、慢性期に分けるという規制緩和小委員会のいろいろな御意見、これは今後の検討課題ではございますが、現在においての必要病床数の考え方そのものについて、直ちにこれが不適切だというふうには考えておりません。
○石毛委員 時間もありませんし、きょうだけの議論ではないと思いますので、この議論についてはまた機会を見てさせていただければと思います。 残されました時間で大急ぎで御質問をさせていただきたいと思いますけれども、何度もこの委員会で私も取り上げさせていただきました安田病院グループ事件につきましての事柄でございますけれども、今回の法改正では、診療報酬の不正請求にかかわる返還金に対する加算金、これは百分の十から百分の四十に上げるというふうに書いてあります。 これに関連した議論でございますけれども、新聞報道などを見ておりますと、時間がありませんので途中省略しますけれども、この安田三病院事件につきまして、史上最高額二十四億七千五百十七万円が二百十二の保険者に返還されたけれども、患者の自己負担分、恐らくトータルで一億五千万に上るだろうというその金額が返還対象に含まれていないと。例えば大和川病院の場合、計算すれば年に二十万円ぐらいになるだろう、それから円生病院等々の場合だと年に三十万ぐらいになるだろうと。こうした金額が本人に返されていない。 現行のシステムでは、レセプト審査で月一万円以上の差額の場合だけ保険者から本人に返還請求権の通知が出るというふうに聞いております。新聞報道ですけれども、大阪府は、これは患者さんと病院の関係だからそちらでやってくれというふうに言われているそうです。私は、これはおかしいのではないかと思うのですね。 なぜかといいますと、それこそきょうずっと皆保険という表現が出ていますけれども、日本の国は皆保険で、保険に加入しない自由はないわけです。社会保険にみんな加入しているわけで、社会保険システムのもとでいわゆる自己負担分を支払って、そしてその支払った金額に今度のようなことがあった場合、差額があった、それは本来、システムとして返されてくる金額だと思いますので、私は、この不正請求事件に関しまして、責任官庁であった大阪府は、きちっと患者さん個々の方に差額の自己負担分を返すべきだ、そういう手続をきちっととるべきだと思います。 それから、システムとしても、月一万円以上の差額の場合は、返還請求などと言わずに、もう少しシステムをきちっとすべきではないかというふうに考えるわけです。ちょっと時間がなくて言葉をはしょっていますので十分に申し上げられたかどうかと思いますが、トータルで一億五千万にも上る患者の自己負担分がどこかに行ってしまっているというのはおかしいというふうに思いますので、ぜひ患者さんのところに返すような仕組みを考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○高木(俊)政府委員 私どもも、まさに患者さんから不正に徴収した一部負担金でありますから、これは当然患者に対して返還されなければならないというふうに考えております。 この具体的な返還方法も含めまして、まさに保険者の協力も得なければいけませんし、関係機関も入りまして、この検討を行うような形で早速始めているところでございます。
○石毛委員 早速とおっしゃっていただきましたので、早速大阪府と保険者との関係を早急に指導するように、厚生省の方からぜひよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○佐藤(剛)委員長代理 青山二三さん。
○青山(二)委員 平和・改革の青山二三でございます。 大臣におかれましては、昨日は風邪をこじらせてダウンをされたということでございましたけれども、もうおよろしいのでございましょうか。命と健康を守る厚生省の大臣として、これからもくれぐれも健康には留意をされて頑張っていただきたい、このように思う次第でございます。 それでは、早速質問に入らせていただきます。 今回提出されました国民健康保険法等の一部改正法案は、大変に財政対策色の濃いものとなっておりまして、厚生省が財政改革法の名のもとに大変苦労をされ節約に努め、四苦八苦をして予算編成に取り組んだ跡がうかがわれるわけでございます。 しかしながら、その苦労をよそ目にいたしまして、景気対策という大型の補正予算が編成されるということでございます。その大型の補正予算をめぐりまして、公共事業の積み増し議論が先行しているようでありますが、今何よりも重要なことは、国民の将来に対する不安を取り除くことではないでしょうか。 そのためには、二十一世紀に備えた社会保障制度の体系的な見直しに早急に取り組むことであり、また、大型補正予算を組むのであれば、公共事業に偏らずに、社会保障の構造改革を根本から練り直すための費用として予算を振り向けるべきである、私はこのように考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○小泉国務大臣 補正予算の話は、今のところ私は聞いておりませんし、厚生大臣ですから言及する立場にもないと思いますが、この厚生省関係予算というのは、昨年の財政構造改革法のもとにあらゆる制度を見直す、しかも、ほとんどの省庁が前年度に比べてマイナス予算を組まなきゃならないという厳しい中で組まれた予算であります。 そういう中で、今回、景気の低迷に当たっていろいろ景気対策等、話が出てきており、また、今後与党の中でも何らかの景気対策というか、総合経済対策を講じなきゃいけないという議論が出ているのは承知しております。しかし、その際には、今までの財政構造改革法との整合性、そして経済構造改革、財政構造改革、もちろんその中には社会保障制度の改革も含まれますが、公共事業においても構造改革がなされなきゃならないという議論があったわけであります。 そういう点も踏まえて、仮に補正予算とかそういう話が出てくれば、今までの議論とは性質を異にしてきまずから、その際には私も、財政構造改革法との整合性を問わなきゃなりませんし、その際に、厚生省関係の予算というのはどうなっているのか、しかるべき議論を展開しなきゃいけないと思っております。
○青山(二)委員 ただいま大臣の御答弁は、補正予算は聞いていない、しかしながら、そういう補正予算が組まれるのであれば社会保障費にも振り向けてもいいのではないか、このようにお伺いをしたわけでございますが、そのように、大変前向きに私たちはとらえさせていただきまして、しっかり、その補正予算の議論が出ましたときは、社会保障費の予算の振り向けに関しましては頑張っていただきたいと思います。 次に、今回の改正案がまとめられました経緯についてお伺いをしたいと思います。 医療保険福祉審議会の運営部会では、平成十年度の予算案の編成を間近に控えた段階におきまして、当部会の審議が十分でない状況下で政府案がまとめられましたことはまことに遺憾であったと指摘しております。 また、社会保障害議会では、審議会における審議が十分でないまま政府案としてまとめられたものであるとして、予算編成上の緊急措置的な面が強く、提案が拙速の嫌いがあり、抜本改革との関係も明確でないと批判的な見解を示しておりますけれども、どのような経緯で今回の見直しになったのかお伺いをしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 今回の改正案のとりわけ老人の医療費拠出金の見直しの部分でございますけれども、これはまさに十年度予算に盛り込まれた内容でありまして、そういった意味では、大変厳しい財政状況の中での、かつその予算をまとめなきゃならないという状況の中での作業でもあったわけであります。 ただ、しかしながら、もう一つ、平成七年に老人保健法が改正されました際に、その附則の規定において、老人医療費拠出金の算定方法については三年以内を目途として見直しを検討するということが規定されております。 これを受けた審議をお願いすることになったわけでありますが、一方、審議会そのものにつきまして、昨年新たに医療保険福祉審議会を設置させていただいた、この審議会の設置がかなり当初考えていたよりもおくれてしまった面もございまして、そういった意味でもこの審議会における審議がかなりきついものになってしまったということは否めないというふうに思います。 また、事柄の性格からいたしましても、やはり賛否両論ございます。そういった意味で、昨年十一月から審議会の審議はお願いしたわけでありますけれども、一方の、予算編成に間に合わせなきゃならないということもございまして、そういった意味では審議会としてのいわゆる統一的な意見というところまでいきませんで、いわゆる論点を整理したものをまとめていただいて、これはしたがってそれぞれの立場に立って御意見が出されておりますから、その内容については賛否両論ございます。そういうような状況を踏まえて改正案を私ども作成させていただいた、こういうことでございます、 そういった意味で、この審議会における審議に当たりましては、私どもとしましてもできるだけ、そういった制約の中でございましたけれども、十分な御審議をいただけるように努力をしたつもりでございますけれども、外観的にもやはり非常に問題があるということが、再三審議会の委員の方々からも御指摘を受けております。私どもも、今後、十分審議が行われるように審議会の運営につきましても十分な気配りをしていかなきゃならない、このように考えております。
○青山(二)委員 審議会からそういう意見がたくさん出ている中でこういう案をまとめるということならば、審議会はなくてもいい、そういう方程式になろうかと思いますので、広く国民の意見を聞く、審議会の意見を聞くというのであれば、もっともっと声を聞いて案をまとめていただきたい、このように思うわけでございます。 それから、この財政構造改革法をどうしても大臣は死守されようとしておりますことを考えるならば、平成十一年度、そして十二年度におきましても社会保障関係費の縮減を行わなければならない財政状況のもとで、今回のような財政対策優先の改正が今後またあるのではないか、このような懸念があります。そして、このような細切れの制度改正は、制度を複雑にするだけではなくて、国民の制度に対する信頼を低下させるのではないかと心配するわけでございます。今後、このような財政対策優先の制度改革はないと受けとめてよろしいのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 医療保険制度の改革はどうしても、これは過去もそうでありますけれども、財政面の逼迫からの要請というものは避けられない問題だというふうに思います。 しかしながら、まさにこれまで我が国の皆保険、昭和三十六年に達成されてからかなりの期間がたっている、そういった中で、就業構造も変わってきましたし、何よりも少子・高齢化の社会という中でありますから、これまでの医療保険制度の枠組みをこれからも維持していくということは難しいというふうに思いますし、そういった意味で、抜本的な改革というものは行わなければならないということであります。 この抜本的な改革というものを、私どもとしては何としても二〇〇〇年からは実施していかなきゃならないというふうに考えておりますが、しかし、これもやはり世代間の負担なりあるいは世代内における負担の公平なり、そういった面というのはこれは避けられないと思います。 私どもとしては、診療報酬体系あるいは薬価基準の問題につきましても、できるだけむだのない、効率的な制度にしなければいけないというふうに考えておりますけれども、この抜本的な改革の中で負担論というのは避けられないというふうに思っておりますが、しかし、これはあくまでも、単に国民に負担を押しつけるだけのような形のものではなく、やはり幅広く御議論いただいて、できるだけ大方の納得が得られるような内容にしたいというふうに考えておるわけでありまして、そういった意味で、やはり審議会等の審議にもある程度、時間を十分とらなければならないというふうに考えております。 また、先ほど申し上げた審議会の審議におきましても、十一年度どうするんだという議論がございました。十一年度についてもかなり前広に議論ができるようにやはり配慮してほしいという要望もございました。まだ十一年度予算を論ずる段階ではありませんけれども、私どもは、そういった御意見を率直に受けとめまして、今後、関係者の幅広い御議論をお願いしていきたいと考えております。
○青山(二)委員 しかし、厚生大臣は三月二十四日の記者会見で、二〇〇〇年の医療保険制度の抜本改革に向けた医療制度改革法案につきましては、拙速になるよりも時間をかけて十分議論すべきだと、今国会への提出を見送る可能性を示唆いたしております。圧力団体の反対や慎重意見が続出し、審議会での答申がいまだまとまらないと聞いておりますが、これで本当に抜本改革ができるのか、その意気込みさえも疑われ、抜本改革への道がまた遠のいたのではないか、こんな思いがするわけでございます。 現行の医療保険制度は、高齢化に伴う医療費の急増や薬価差益に頼った医療機関の経営など、さまざまな問題を抱えております。平成十年度の医療費削減問題は、根本的な制度改正が急務となっていることを改めて浮かび上がらせております。政府は、与えられたこういう時間を有効に使いまして、改革案全体を練り直して安易に国民負担を招かないような、そういう制度に取り組むべきではないか、このように思うわけでございます。 ですから、私は、抜本改革のめどが明らかでないこの段階において今回のような改正を行っても意味がない、このように考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 今、私の発言を引用されましたけれども、それは、審議会で議論されておりますし、打ち切って今国会へ出せということになると、恐らくじっくり議論して時間をかけてやるというよりももっと御批判が出ると思います。私の、審議をもう少し時間をかけてやった方がいいじゃないかということは、実施のおくれを意味していないのです。議論のおくれと実施のおくれと混同しないでいただきたい。実施は二〇〇〇年度を目途に、これはやっていきます。 ただ、ことしは一九九八年ですから、まだ時間はある。その際に、審議会があるのに打ち切ってやれと言ったらば、今もっと、審議会があるのに何のために審議会を開いているのかという御批判が必ず出てきますから、そういうことのないように、関係者のできるだけの理解を得て、法案はその際に出した方がいいじゃないか。二〇〇〇年実施のために間に合うように法案を出すということは変えておりません。
○青山(二)委員 大臣の強い御決意はわかりましたので、その方向に向かっていけるように、私たちもしっかり監視をしてまいりたいと思います。 次に、退職者の老人医療費拠出金の見直しについてお伺いしたいと思います。 この改正案によりますと、被用者保険が大幅な負担増へと移行することになっておりますが、これによって、特に組合健保加入のサラリーマンにとりまして将来の保険料率の引き上げにつながるのではないか、そういうことが懸念されるわけでございます。 老人医療費拠出金の負担につきましては、高齢化の進行に伴い、各医療保険の財政を悪化させていることが指摘されておりまして、大手企業サラリーマンの組合健康保険にまでその余波が及んでおります。平成八年度では、千八百十五組合の七割を超す千二百九十組合が赤字を記録し、百五十七組合が保険料を引き上げている現状を見ますと、今回の制度改正により保険料率が上がるのではないかという不安が出てくるのは当然でございます。このような心配はないと言えるのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 今回の拠出金の見直し、これは老人保健拠出金の負担の公平化という観点で実施をさせていただくことにしたわけでありますが、この分は当然保険料増につながるわけであります。しかし、平成十年度においては、一方、医療費の大幅な適正化を実施いたしたわけであります。そういうことで、全体で考えますと、平成十年度、健保組合におきましてはむしろ四百三十億ほどの三角が立つ。したがって、保険料の増というものを招かない範囲内でお願いをしているわけでございます。
○青山(二)委員 それでは、保険医療機関の病床の指定についてお伺いをしたいと思いますが、先ほど来種々質問が出ておりましたが、少し違った角度から質問をしてみたいと思います。 現在、医療法で、病床過剰地域において新たに病院の建設を行う場合、都道府県知事は勧告をもって開設を中止することができるとされておりますが、勧告をされたにもかかわらず病院を建設したいとしてトラブルが起きている、こういうケースがあるわけでございます。今回の改正は、こうしたケースに対応するために法律に明確に規定するものであるのだと思いますが、これによって、新規参入を希望する医療機関に保険医療を適用しないとしており、既存の医療機関を保護することを目的とした内容になっているように思われます。 そこで、現状を維持する結果となり、新規参入を規制し既得権益を守ることになりかねないという指摘や、また強い批判があるわけでございますが、この点に関しまして、明確に御答弁いただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 通常の経済行為であれば、できるだけ自由競争の中で経済原理が働くということが望ましいわけでありますけれども、医療に関しましては、これまでの経験則からもそうですし、また学者等の研究の中でも言われておりますけれども、供給が需要をむしろ喚起する、そういう性格がありますし、実態的に入院ベッドと入院の医療費の相関関係というものを見てみますと、やはりベッドが多いところについては入院医療費も高くなっているという状況がありますし、また、入院日数につきましてもそのような相関関係が見られるわけであります。 そういうような中で、やはり医療費の適正化ということが非常に大事でありますし、そのことが地域の方々の負担の軽減につながるわけでありますから、どうしても適正な医療の供給というものを保険サイドにおいても考えていかなければならないということで、今回、法律改正を行いこの規定の明確化を図らせていただいたわけでありますが、その際に、地域において必要な医療機関が抑制されるか、参入が抑制されるかということでありますけれども、これは病床過剰地域でありましても、地域にとって必要というふうに認められる病床については、これは、都道府県知事は勧告を行わないことができるわけであります。 したがって、そういうことであれば、当然保険医療機関としてこれは契約をするということになるわけでありますから、そういった面で、当該地域において必要と考えられると都道府県知事が判断し、また県の医療審議会においても判断をしたものについては、これは抑制されることにはならないと思います。 それからもう一つ、既存の保険医療機関の扱いでありますが、これは、これまでは必ずしも明確ではありませんでしたけれども、今回の法律の規定によりまして、既存の保険医療機関につきましても、著しく保険医療機関として不適当なもの、とりわけ、マンパワー等が医療法で定める標準に著しく満たないというような劣悪な医療機関につきましては、指定更新の際にこれを制限できるという形の規定を入れさせていただいております。私どもとしては、必ずしも劣悪な医療機関がそのまま温存されるということにはならないというふうに考えております。 そういった意味では、今回、既存の保険医療機関の既得権擁護であるということにはならないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○青山(二)委員 それでは、今回の病床規制によりまして、病床の増加の抑制、また、病床不足地域における整備を促進し、病床の適正配置を図ること、それからもう一点、医療費の増大の抑制を図ることをねらいとしているのではないかと理解をしているわけでございます。 過剰ベッド数については、先ほどるる質問が出ましたけれども、現在の発表されております過剰病床地域の実態を見ますと、大阪府で約二万床、札幌で約八千三百床、名古屋で約五千床、高知で約五千床と、現在、全体の約四割が病床の過剰とされているようでございまして、いまだに三倍近い地域間格差があるわけでございます。ですから、今回のこのような見直しによっても、こうした過剰病床の削減とか、それから病床不足の地域が整備されるということにはならないと思うわけでございますので、この地域間格差を今後厚生省はどのように是正していくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 まず、今回のお願いしております健保法の改正の関係によってこの病床の地域間格差を是正するという、そういう効果をねらいとしているものではございません。これはあくまでも医療費の適正化という観点から実施しているわけでございます。 これは、むしろ、まさに医療法が定めております地域医療計画というものをどういうふうに今後きちっと実効あるものにしていくかということによってそれが図られていくべきものであるというふうに考えておりまして、そういった意味では、今回お願いしている改正がこれにストレートに役に立つということにはならないわけでございます。
○青山(二)委員 この今回の改正案では、既存の過剰病床数の削減につきましては、医師や看護婦の数が医療法で定められた適正な医療を提供していない、保険医療機関として著しく不当なところがあると認めたとき、保険医療機関の指定を取り消すことができるとの規定を設けてはおりますけれども、これでは余りにも不明確であると思います。 例えば、既存の保険医療機関についても、必要病床数を算定した方法や経緯についてだれもがわかるように公開をして、適正で十分な医療サービスを提供している医療機関であるかどうかを常に見きわめることのできるような仕組みを都道府県単位に設けるなどして見直しの基準を明確に提示して、医療機関の新陳代謝を図れるようにすべきではないのかなと考えておりますけれども、この点について、いかがでございましょうか。
○高木(俊)政府委員 現在御提案しております法律が成立いたしましたら、この法律に基づきまして、この基準というものを明確にしていきたいというふうに考えておるわけであります。 これは、現在の診療報酬の中におきましても、例えば、入院時医学管理料等々の取り扱いにおきまして、医療法に定める基準を下回っているような場合についての減額措置のようなことが行われるようになっておりますけれども、さらに、これらをも参考にしながら、どういう基準を定めるべきかということについては、関係審議会の中できちっと議論していただいて明確なものを定めていきたいというふうに思いますし、それから、関係審議会につきましては私ども全く公開でやっておりますし、また、幅広くその情報というものを国民にお知らせをするようにして、明確な基準というものを設けていきたいというふうに考えております。
○青山(二)委員 それでは、最後の質問になりますが、大臣にお伺いをしたいと思います。 今回の改正は、近年の老人医療費の急増が平成十二年の抜本改革を待てない状況にあるために、抜本改革までの暫定措置としておりますけれども、その将来像が不透明なままでございます。これでは、国民は安心するわけにはまいらないと思います。明確なビジョンが提示されてしかるべきであろうかと思います。 医療保険制度の抜本改革につきましては、今後も審議会などでさまざまな議論があることと思いますけれども、この際一改革に至る情報について、わかりやすく、今、審議会で広く情報公開しているといいますけれども、なかなか国民にはわかりにくいものになっておりますので、国民にわかりやすく情報公開をして、国民の合意を十分に得た上で具体的な検討を進めるべきであろうと考えます。御所見をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 御指摘のとおり、この医療制度というのは、勉強すればするほどわかりにくい面が出てくると思うのですね。関係者が多い、利害が錯綜している、筋論というのは幾つもある、一筋縄ではいかない、そういう点も踏まえて、今回、抜本改革をしなければならない。 三十数年間できなかった問題に手をつけるわけですから、国民の皆さんにも関心を持っていただき、審議会も今、全面公開しております、それぞれの観点から、議論が立場によって百八十度違ってくる面もたくさんあるわけですから、審議会の経過にしても、状況にしても、全面公開しているということをまだ知らない方もたくさんおるものですから、マスコミ等にも御協力いただきまして、国民に対して、啓発というか、普及というか、PR活動を積極的に努めていきたいと思います。
○青山(二)委員 たくさん質問が重複いたしましたので、通告はまだございましたけれども、時間も参りましたし、これで質問を終わらせていただきます。大臣、くれぐれもお体には気をつけて、頑張ってください。 ありがとうございました。
○柳沢委員長 旭道山和泰君。
○旭道山委員 新党平和の旭道山和泰です。 小泉大臣、昨年の初質問のときにはいろいろとお世話になりました。またちょっと質問させてもらいますので、よろしくお願いします。青山先生と一緒に大臣室に行ったときに、風邪を引かれたらしくて、本当に激務で、大臣、一人しかいませんので、体に気をつけてください。 本題の質問に入らせてもらいます。国民健康保険法等の一部を改正する法案について質問させていただきます。 まず最初に、我が国の社会保障制度のあり方について、大臣にお聞きします。 三月三十一日の衆議院本会議での本法案についての各党の代表質問に対する答弁をお聞きし、その率直な感想を申し述べさせてもらいます。 橋本総理大臣も大臣も、医療保険制度の抜本的改革に向けて努力されることを強く言われていました。しかし、特に総理大臣の答弁は、その熱意が伝わらず、本当にやる気があるのかという印象を持ちました。抜本的改革、抜本的改革といっても、二十一世紀、日本の社会保障制度のビジョン、特に、今後、さらに加速する少子・高齢化社会に突入する中での日本の医療保険制度のビジョンは、国民の視点に立ったとき、何も見えてこないのが現状です。 昨年、大臣が、将来の日本の医療制度における厚生省としての姿勢について、より国民に理解を求めるためにアピールされたことは評価いたします。今回の法改正に当たっては、現時点における抜本的改革に向けての方向性を強く国民に示すべきです。 既に平成十年度に入り、平成十二年度を目途に抜本的改革といっても時間はありません。二十一世紀を目前に控え、おくれたり後退したりすることのないように強く要望いたします。今後の日本の医療保険制度をよい方向へ改革するためには、私もこの努力を惜しむものではありません。 ここで改めて、抜本的改革に向けて大臣の決意をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○小泉国務大臣 現在、医療保険福祉審議会での審議が当初の予定よりは若干おくれているということで、この審議会のおくれが、平成十二年度、二〇〇〇年実施がおくれるのではないかという御心配だと思うのですが、これは、この審議会の結論の取りまとめがたとえ若干おくれたとしても、二〇〇〇年度の実施がおくれることはありません。 しかも、この医療制度の抜本改革で出された方向、今審議会で行われている議論は診療報酬体系と薬価基準制度なんですが、この方向は既に決まっているのです。薬価制度を抜本的に見直して償還基準制度を設けようという、この上限の設定をどうするか。現状と改革の方向に対する不安がある。結局、やはり現状の方がいいのではないか、改革しても何の効果も出ないのじゃないかという心配が出てきている。診療報酬体系も、今までの出来高払い制度から定額払い制を拡大していこうというこの方向は変わらないのです。 ただ、改革にはどうしても不安といいますか抵抗が出てきます。しかも、関係者がたくさんおられる、専門的な意見も聞かなければわからない点も随分あるということで、できるだけ理解を得ることが必要だ。若干この取りまとめがおくれても、実施はおくれるものではないということを理解いただきたい。 しかも、方向は、昨年国会でいろいろ議論されたあの方向、薬価にしても、できるだけ効き目が同じだったら安い薬を使うような、そういうような制度にしていこうじゃないか、薬価差の出ないような制度にしていこうじゃないか、この基本方針は崩しません。診療報酬体系にしてもそうです。過剰検査、過剰治療、過剰投薬、そういうのがないような体系にしていこうじゃないか、この基本方針は崩しません。 しかしながら、余りにも今までできなかった大きな改革ですから、当然不安が出るのも関係者にとっては無理からぬ点がありますから、その際は時間をかけて、若干取りまとめに要する時間というのは少し幅を持ってもいいのじゃないかという考えで、場合によってはおくれるかもしれないという状況にあることは否定いたしません。しかし、この二〇〇〇年実施の方向については、いささかも変えていないということを御理解いただきたいと思います。
○旭道山委員 大臣の姿勢、本当にありがとうございます。 すぐ結果を出そう、出そうとして、そういうふうに求めてしまいますけれども、そういう柔軟な姿勢で、私たちもそう受けとめればいいのですけれども、やはりやっているという姿勢をアピールしてほしければ、よろしくお願いします。 さて、また、今回の法案改正の要点であります、退職被保険者に関する老人医療費拠出金負担方法の見直しと、老人加入率上限に関する特例の見直しについてお聞きしたいのです。 先ほどの質問で、医療保険制度の抜本的改革についてお聞きしました。平成十二年度を目途とし、できる限り速やかに医療保険制度全般にわたる抜本的改革を実現していかなければ、国民の理解は得られないと思います。 そこで、今回の改正案の趣旨で示されている抜本的な改革が行われるまでの間という点について確認させていただきます。この抜本的な改革が行われるまでの間というのは、平成十二年度を目途とし抜本的改革を行うまでの間の措置でありますか。そう受けとめていいですね。 それと、続けて言いますけれども、近年、財政構造改革の流れの中で、特に社会保障の分野において、国民が負担する費用の割合が高くなる傾向にあります。今後も財政対策を優先した改正を繰り返すことがあれば、国民の社会保障制度全体に対する不信感をさらに強めることにもなりかねません。 今回の見直しも、残念ながら、社会保障関係費の縮減目標に沿った、国庫負担を削減するための財政対策であるとしか指摘せざるを得ません。平成十年度予算の編成過程を考えると、今後も膨大な社会保障関係費の縮減を行わざるを得ない状況になってくる可能性が高いと思います。平成十一年度、十二年度においても財政対策を優先させる法改正はないと言えますか、御答弁続けてできればよろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 まず最初の今回の老人医療費拠出金の負担の見直しでありますが、これはまさに抜本改革までの間の措置ということで考えております。 それから二点目でございますけれども、私どもが医療保険の抜本改革を何としても二〇〇〇年度には実施していかなければならないと考えておりますのは、財政対策という見地よりも、むしろやはりこれからの少子・高齢社会、そういった中で、とりわけこれからの若い世代の方々、この負担というものが過重なものにならないような、そういった医療保険制度というものを構築する必要がある、つくっていく必要がある、こういう問題意識であります。そういった意味では、私どもとしては、そういういわゆる財政対策というような視点だけじゃなく、もっと幅広い視点で、まさに医療保険制度の構造的な改革ということで考えておりますので、私どもとしては、そういうことを目的として検討していきたいというふうに考えております。 ただ、そうは申しましても、財政状況、経済状況が非常に悪いというふうな状況の中でありますから、私どもは、社会保障制度、医療保険制度も含めて、その充実強化というものを目指して仕事をしているつもりでありますけれども、外観的にはなかなかそういうふうに受け入れられない面があるということについて、極めて残念な思いがすることはあるのですけれども、あくまでも今申し上げたような基本的な姿勢を持って努力してまいりたいというふうに考えております。
○旭道山委員 国民にはわかりづらいので、できればわかりやすく、そういうふうにしてください。 また入ります。 医療保険制度の抜本的改革を行うまでの間も、高齢者医療の問題について積極的に取り組んでいかなければいけません。既に老人保健制度の財政は破綻に瀕していると言っても過言ではありません。最近では、何かあれば財政方式の見直しとか言っています。国庫負担を縮減するために、手っ取り早く国民に負担を転嫁するのは本末転倒だと思います。 どうも最近の医療保険制度に関する議論は、法改正にしても、まず財源優先という印象を与える印象があります。医療費の増大だけが殊さら問題視され、財政の健全化と称し、これまでいろいろな制度改正を何度繰り返してきたかわかりません。 一方で、医療費の増加を抑制するために、医療費の自己負担の強化による抑制効果を主張する意見などがあったことも承知しています。しかし、医学は治療が一方の大きな柱とすれば、もう一つの柱は予防であります。厚生省としても、予防という観点から国民の意識向上のために努力されていることは評価いたしますが、これからすぐに目に見える形で効果があらわれるものではありません。 例えば、老人医療で慢性疾患の占める割合が比較的大きく、長期間にわたる過剰な投薬が行われる嫌いがあります。心身の機能が低下している高齢者は、薬剤によって副作用が生じることや、長期間の過剰投薬のために、逆に健康を損ねたりしている高齢者が少なくないのではないでしょうか。高齢者に対する長期投薬の実態について本格的な調査を行うとか、これまで以上に予防という問題に重点を置いていただきたいと思いますが、御意見をよろしくお願いします。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 老人医療費につきまして、高齢者御自身あるいは国民あるいは若い世代という中で、どうこれを公平に負担し合っていくかという点が非常に大事だということで、そのための努力を今日まで続けてきておるわけでありますが、あわせまして、先生御指摘にありましたように、老人医療費そのものをどうしていくかということは、今後の医療費負担という側面だけではなくて、お年寄り御自身の健康確保をどうしていくかという観点からも非常に大事だというふうに思っております。 その場合に、これも先生御指摘ございましたように、老人の場合には、傾向といたしましては、やはり幾つかの病気をあわせ持っておられる、そして、完全には治らないという形で慢性的な経過をたどることが多うございまして、勢い期間も長くなってしまうというようなことで、ほっておくと薬剤というようなものの投与も多くなるというようなことになりがちでございます。 こうしたお年寄りの方々の心あるいは体の特性というものを踏まえまして、できるだけ薬物治療というようなことに偏り過ぎることのないように、生活指導というようなことへも力を入れながら医療をやっていく、そういうことが非常に大事だということで、私どもの方も、診療報酬上の評価等につきましても、そのような方向でやっておりますし、さらに、先生今御指摘のございました、薬の飲み方といいますか、そういった側面でいえば、お医者さんによります適切な薬物療法が実施をされますように、そのための手引を作成をするというような形でその周知を図っておりますし、また、御指摘の高齢者に対しまする投薬の実態につきましては、現在調査を行っております。 そうした中で、今先生お話しのように、老後の健康の保持のために予防対策というようなことを十分重視しながら、いわば健康寿命と申しますか、いかに長く健康で長生きをしていただくかという視点に立った事業展開を図ってまいるということを、制度論と同時にやっていきたいというふうに考えております。
○旭道山委員 今の答弁で、本当に前向きにやっていると思いますので、それを実施してください。よろしくお願いします。 予防という点について、もう一度お聞きしたいと思います。 予防というのは、結局は国民一人一人が意識を持つことが大切だと思います。そのためには、さらに医療機関にかかったときも、治療費に対する認識を改めることが必要だと思います。 現在、国立病院や療養所では医療費明細書の発行が徹底されており、何に幾らかかったかわかるようになっています。規模の大きい病院や大学病院なども同様かと思います。しかし、個人開業医や小さな病院では、単に総額が記されたレシートだけを発行するところも決して少なくありません。また患者も、日ごろからのかかりつけの開業医に対して明細書を発行してくれとはなかなか言いづらいのも事実です。しかし、日常かかる医療機関は、多くはこうした個人開業医であることを考えれば、事務量がふえることはわかりますが、この点に対する厚生省の取り組み方と今後の対応について考えを聞きたいのですけれども、よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 医療費に対するコスト意識を持っていただくという面からも、いわゆる医療費の明細書というものを医療機関も発行していただきたいというふうに考えております。 これは、まさに先生御指摘のとおり、かなり大きな病院では普及しているというふうに思います。これはやはり、医療機関における電算化がかなり進んできたということで、比較的、事務的にもそういった要望に対してこたえることができるようになったということがあろうと思います。 ただ、小さな、診療所等につきましてはなかなか十分ではないという御指摘をよく受けるのでありますが、私どもの基本的なスタンスとしては、できるだけこの医療費の明細書というものを発行していただきたいということで要請をしてきております。 もう一つ、そういった意味での関係で申し上げますと、昨年六月から、いわゆるレセプトにつきましても、これを要望があれば見られるようになったということでございますので、御自分がどういうような医療費を使ってきているのかということについて、あるいはまた、どういうような行為が行われているのかということについてはレセプトでも見ることができるということで、私どもとしては、できるだけいろいろな点について情報が公開されるような方向で考えていきたいということで取り組んでおります。
○旭道山委員 今、レセプトと電算化の方の話をちょっとまだやりたいのですけれども、今回の法改正には、診療報酬の不正請求防止のための対策として、指定取り消し期間の延長と加算金の引き上げが盛り込まれていると思います。先日、社会保険診療報酬支払基金に係るレセプト審査の状況に関する現状を説明いただきましたが、その御苦労に対して、関係者に改めて敬意をあらわしたいということが実感であります。 レセプト審査に当たって、故意による悪質なものから単純なミスまで、ありとあらゆるケースがあると思います。しかし、十二億件というものの中から探さなければいけません。これでは、知識と経験にも限界があると言わざるを得ません。 そこでお聞きしたいです。 今後は、レセプトの電算処理のシステムの導入による、厳正で、より効率的な審査を推進していくべきじゃないかと思います。一部で実験的に実施されるということも聞きますが、その効果や問題点の報告を含め、厚生省として今後どのようにされるか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 まさに、この面における今の医療保険のシステムというのはかなりおくれているというふうに私どもは認識しております。このレセプトの電算化処理ということについて、今精力的に取り組んでおります。 まず、医療機関が電算化されているところについては、例えばディスクなりそういったもので、きちっと支払基金なりに提出できるような仕組みというものをつくっていこうということで考えておりまして、そういった意味では、私ども、そういったディスクなりあるいはフロッピーなりで、支払基金にレセプトを提出できるような、そういったようなシステムというものを早急に全国に普及をしたいということで考えておるわけでございます。 その先、それでは、それを使った審査をどうするかということについては、今、内部的にいろいろ検討しておりますけれども、現段階においては、まず一歩としまして、フロッピーなりで受けることができる、そういった体制をきちっと整備をするということで考えております。
○旭道山委員 人数がそんなにいっぱいいても、処理できませんので、それは早く推進してください。お願いします。 また、それと、健康の保持のために自覚を促し、医療費の実態を認識するということでは、被保険者などに対し医療費の通知が行われているが、国民健康保険については、本人負担額と病院、診療所名についての記載がありません。総務庁行政監察局からの改善要請を受け、厚生省として、保険運営者に対してどのように対策をなされているか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 医療費通知に本人の負担額あるいは病院とか診療所名というものを記載すべきではないかという改善要望が総務庁から出されておりまして、私どもとしては、これは市町村が対応していただかないといけませんので、そういった意味での市町村との調整等を含めて、今進めておるところでありますが、方向としては、私どもとしては、やはり積極的に取り組まなければいけないというふうに考えております。
○旭道山委員 また問題がちょっと変わりますので、よろしくお願いします。 さて、次に病床数の適正化についてお聞きしたいと思います。 八五年の医療法の改正により、病床数の規制策として、一般病床の場合、全国を三百四十八の医療圏に分け、医療圏ごとに目標病床数を定め、増床や病院新設の申請について、知事が計画の中止を勧告できるとしています。また、勧告に応じない医療機関に対しては保険医療機関の指定から外すような行政指導をしてきたと思います。 この間、実際にどのような効果があったか、また、新規参入を含め市場原理の関係でどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 昭和六十一年に医療計画が制定され、その施行が行われたわけでありますけれども、その際に、健康保険法上の保険医療機関につきまして、医療法の勧告に従わずに病院を新規開設する場合、こういった場合には、現行の健康保険法の四十三条ノ三の第二項という条文がございますけれども、この中で、保険医療機関として著しく不適当な場合については保険医療機関の指定を拒否することができるということになっております。この具体的な解釈通知が出されておりまして、私どもとしてはその方向でこれまでも指導をしてまいりましたし、行政の運用をしたわけであります。 そういった中で見てみますと、これまでも病床過剰地域で新規開設をしたいというような申請が行われることはありましたけれども、ただいまのような行政の取り扱いのもとで、結論的にはいずれも申請を取り下げるというようなケースが一般的でございました。したがって、それにもかかわらずなお病院を建設するというケースは今まではなかったというふうに承知しております。 ただ、今回の改正においては、そういった扱いそのものが法律上は非常に幅広い書き方になっておるものですから、これをやはり立法上も明確化をしておくことが必要であるということでお願いをしておるわけであります。 その背景には、昨今、各地におきまして、医療法上の勧告が出ましても、何としてもそこに病院を建設するのだというふうなことで動きがあるものですから、そういったようなことに対してきちっとした法制的な整備も必要だということで私どもはお願いをしておりますけれども、過去の状況は今申し上げたようなことでございます。
○旭道山委員 そういう不正をする、悪い者は悪い、いい者はいいで、悪い者は徹底してそういうふうに締めてください。お願いします。 ところで、今回の改正では、これまでの行政指導の内容を法的に強制力を持たせるものとなっているみたいです。しかし、病床過剰の二次医療圏数が平成九年三月現在、全体で四〇%に当たる百四十圏もあります。今回の改正では、病床の全部または一部について指定を行わないことができますが、過剰地域の病床数が減少するということは疑問でもあるし、百四十圏もある過剰地域で減少する保証はどこにもないと言わざるを得ません。 医療法上の勧告及び今回の改正案にもあって、病床の全部または一部について保険医療機関の指定を行わないことができるというのは、どのようなケースを考えるのか、またお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 まず一点が、病床過剰地域におきまして、都道府県知事が開設の必要がないということで中止勧告をした場合がございます。 それから二点目が、今度は既存の保険医療機関でありますけれども、既存の保険医療機関で医師等の数が医療法で定める標準を著しく下回る場合。この著しく下回る場合の基準というものは、法律が成立しましたら関係審議会等にもお諮りいたしまして、具体的に基準というものを決めてまいりたいというふうに考えております。 そのほか、病床利用に関しまして保険医療機関として著しく不適当なケースということを規定しております。 これらにつきましても、明確な内容につきまして基準を設定してまいりたいと考えておりますが、法的にはこの三点につきまして今後病床規制を行いたい、こういうふうに考えております。
○旭道山委員 私は、今回の法改正によってむしろ現状を維持する結果となるかもしれないし、結果的に新規参入を規制し、既得権を守るということになりかねないので懸念するのですが、この点、またお話しできれば、よろしくお願いします。
○高木(俊)政府委員 まさにこのような規制措置を設けた場合には、既得権擁護というふうになってはいけないということは法制的にも議論いたしました。そういった中で、しかしそうはいっても、現実に医療機関として活動しているものにつきましてすべてもう一回ふるいにかけるということについても、これも相当過激な措置ということになるわけでありまして、今回、既存の病床についてもやはり著しく不適当なもの、いわゆる一言で申し上げれば劣悪な医療機関については、指定更新の際に拒否ができるような措置を入れていただいたわけでございまして、そういった意味では、私どもとしては、やはり劣悪な医療機関が既得権を擁護されるような、そういうことのないような行政というものをやっていかなければいけないというふうに考えております。
○旭道山委員 本当によろしくお願いします。 ちょっと趣旨が変わりますけれども、昨年九月、健康保険法の改正で、サラリーマンや高齢者の外来自己負担が引き上げられました。そして、四月一日より診療報酬が引き上げられ、医療費がアップされました。 また一方では、これは厚生省の問題じゃありませんが、県や市の公立病院の医師や医療職員などに対する特別勤務手当支給のお手盛り実態。緊急時に備えることは何も医師に限ってのことじゃありませんが、待機手当と称し、ポケベルを持たせるだけで一日二千円、実際に呼び出しがなくても支払われます。 市民はこのような実態を、病院に関することだから厚生省がけしからぬという感情を抱くわけです。でも、これは厚生省がやっているわけじゃないのですけれども、管轄じゃないのですけれども、財政構造改革のもとに公費は削る、圧縮する、患者負担はふやす、拡大するだけでは医療不信を増大するだけであります。 今、将来の社会保障制度に対し、国民は不信感を抱いています。一つ一つ襟を正し、何よりも国民にわかりやすい形で、しかも安易に国民負担を招かないように医療保険制度の抜本的改革を実施いただきたいと思いまして、本当に最後ですけれども、強く要望いたします。お願いします。
○小泉国務大臣 この抜本改革の大きな目標というのは、少子・高齢社会に向かって安定した公正な医療制度を築いていかなければならないという点を踏まえてやっているわけでありまして、負担の面においても、若い世代に余り過重な負担にならないように、そして医療提供側にも、むだのないような効率的な制度改革もしなければいかぬ。あわせて、どの程度公費として負担すべきか、また受益者としての患者等がどの程度負担すべきかという総合的に見据えた改革を目指しているわけでありまして、その趣旨にのっとって、国民皆保険制度のもとに適正な医療制度をつくるように、各般からの議論をいただきながら、一つのあるべきよりよい医療制度を構築するために、これからも各審議会、いろいろ議論をいただいているわけでありますので、二〇〇〇年度導入を目指して、その方向に向かって着実に実施の歩を進めていきたいと考えております。
○旭道山委員 それまでにいろいろと、遅かれ早かれ風当たりが強いと思いますけれども、その時期まで一生懸命お願いします。それと、体に気をつけてください。よろしくお願いします。
○柳沢委員長 鰐淵俊之君。
○鰐淵委員 私、自由党の鰐淵でございます。 今まで各委員から大変いろいろな問題が提起され、また御答弁をいただいておりますが、私は、本会議におきまして質問をさせていただきましたが、その中で、まず、具体的な問題に入る前に、マクロな問題につきまして大臣の御認識について御答弁いただきたいと思います。 そのことは、昨今、経済企画庁あるいは日銀の短観、そういったものが出されておりまして、日本の経済の各種の指標は大変厳しいものがあることは御案内のとおりでございます。その指標についてはここで一々述べませんけれども、私自身その指標を見る限り、現在日本の経済はデフレ傾向にあり、非常に厳しい経済環境にある。そういうことを考えてみますと、勤労者の可処分所得も非常に下がっておる、そういうことで、大変この経済の状況が心配されますので、まず一点、現況の各種指標を見て、大臣は経済の動向についてどう感じ取られておるかについて御質問したいと思います。
○小泉国務大臣 これは厚生大臣としてよりも、全般の経済問題というと普通大蔵大臣の方が答えるべき立場だと思うのですが、私なりに現況を判断してみますと、やはり戦後五十年たって、すべての面に見直しが必要とされる時期ではないかな、これは単に社会保障制度だけではなくて、経済全般、構造改革、だからこそ行財政全般にわたって大きな改革を進めなきゃいかぬという合意が出てきたと思うのであります。 その際に、よく発想の転換ということが言われますが、私は、社会保障制度につきましても、かつての救貧思想から、いわゆるすべての人が安心して生活できるような基盤を構築するというふうに変わってきたと思います。その中で、今、高度成長の時代のときには、経済成長の成果を社会保障の充実に回すことができて、できるだけいわゆる国民の負担も軽くするような各種施策の拡充が進んできた。ところが、経済の低迷が続いて、経済成長の伸びよりも各種社会制度の施策のための費用の方が増加してきている。そういうことから社会保障制度の構造改革にも着手しなければいけないということを考え、同時に、今の経済の状況を見ると、二十年前の高度経済成長が望めない、低成長の中でそれでは各種要望の深まる社会保障、拡充をどうやっていくかということだと思うのであります。 これは実に難しい。総論では歳出を削減しなさいということについては異論がないのですね。ところが、去年にしてもことしにおいても、国会の議論を聞いていると、歳出を削減したところに対する不満、批判が実に多い。総論賛成、各論反対、典型的な議論だと思います。それで、かなりの多くの分野が、ここはもう必要ないんじゃないかという議論よりも、ここはまだ不十分だからもっと必要な策を講じてくださいという要望が圧倒的です。 こういう点を考えると、改革というのは本当に難しいな、しかも発想の転換もしなきゃならないのじゃないか。社会保障の改革にしても、じゃ、個人がどの程度までやるのか、国がどの程度までやるのか、民間ではどの程度までできるのかということから見据えて、自助、みずから助けるところはどこまでか、共助、お互いに助け合う、地方政府、中央政府のみならず、民間で助け合う程度はどの点になるのか、そして、公的な中央政府、地方政府が支える点ほどの程度か、この自助、共助、公助のバランスをうまくとっていくしかない。そういう際には、経済成長とあらゆる制度の改革、これは関連してきまずから、これからの改革においても、予算をふやしてくださいという中での構造改革は私は非常に明るい展望が立つと思うのです。ところが、今の状況を考えますと、税収は五十兆円ぐらいしかないのに予算は七十七兆円、これからも税収以上の施策を要求する、むしろ若い世代に、増税をしろという国債増発容認論が圧倒的に多いということを考えますと、本当にこれからの改革は難しいな、経済成長が高度に伸びることを期待し得ない中であらゆる改革をしなければならない。 私は、現在の景気低迷というのはかなり長く続くと思っていますね。そんなに高度成長、すぐひっくり返るものじゃない。やはり五十年、六十年周期、いつも好況が続くものじゃない。ある程度景気低迷を覚悟した構造改革が必要ではないかというふうに考えております。
○鰐淵委員 大臣の経済的な認識につきまして、同感するところもございます。 なぜこの経済の問題認識について聞いたかと申しますと、これは非常に、社会保障制度、福祉その他と関連するわけであります。それはなぜかといいますと、今減税を行った、しかし、減税を行ったけれども、国民は、消費に回らずして貯蓄に回っているという現況。なぜ減税しても貯蓄に回っていくのか。手として国民に減税をして、本当はこれは消費に回ってこそ経済に力がついてくる。これが貯金に行っちゃうと、なぜ貯金に行くのかというと、私、多くのデータあるいはいろいろな参考の意見を聞きますと、やはり国民は将来にいろいろな不安を持っております、不安。どんな不安かというと、一体年をとったら、独居老人になったら大丈夫だろうか、あるいはまた、体が悪くなったら大丈夫だろうか、見てもらえるだろうか、あるいはまた、子供たちが大きくなったときの費用は大丈夫だろうかということで、将来に、漠然かもわかりませんが、非常に不安を抱えているので、収入がちょっとあってもこれはなかなか消費に回っていかない。ですから、いわば社会保障制度というものは、言ってみればそういう国民に対するいわゆる安心感、安定感、こういったものを対策として講ずるのが私は社会保障制度だと思うのです。 ですから、社会保障制度がしっかりしておれば、経済はいろいろ景気、不景気、変動はありますけれども、その社会保障にきちっと裏づけられておれば、経済も、右肩上がりの成長ではないけれども、安定成長か、あるいはまた今のような極端なデフレ傾向あるいは景気後退とも言われるような状況ではなくなるであろう、私はそのように考えるわけであります。したがって、この社会保障というものは非常に大切であるという認識から、今伺ったところでございます。 さてそこで、国民健康保険の一部を改正する法律でございますが、この点につきまして、私は、今、法律の改正がありますけれども、いろいろ今各委員からも質問がありましたけれども、何年かたちますとまた同じような現象が起きてきます。といいますのは、国民健康保険はどういう方が加入しておるかというと、もちろん御案内のとおり自営業者あるいはまた圧倒的に多い無職、いわゆる会社で働いて、退職医療制度を二年間経過したち全部国保に入ってきます。いわゆる無収入、収入の余りない方々が圧倒的に多い。そういう方々で組織している国民健康保険でございますので、非常に運営が難しいわけであります。 私は特に北海道というところにおりましたから、御案内のとおり、北海道はもう国民健康保険は大赤字であります。収納率は八〇%台、悪いときは八〇を切るか切らないかという危険な状態もありましたが、これは相当督励をして、それでも八四、五%あるいは八七%、九〇台に乗るなんということは到底夢物語。こういう状況の中で国保を運営するということになりますと、やはり市町村が単独で一般会計から繰り入れをしているというのが実態。そうでなければとても国保の運営は成り立たない。それでもなおかつ相当な赤字であります。 ですから、さきに申し上げましたように、国保の加入者は無職、高齢者が多い。どんどん加速的に高齢者の加入者が多くなってくる。そうなると、せっかく今制度を一部改正をしましたけれども、またすぐさま改正をしなければならないような状況に立ち至るだろう、このように私は考えておるわけでございます。 したがって、この国民健康保険につきまして、厚生省としては、私自身、抜本改革といっていろいろ今ありましたけれども、なかなか抜本改革というのは、大臣がおっしゃったように妙案というのはないと思いますね。何か抜本改革をやれば何でもよくなるような、こういうのは幻想だと思います。本当にみんなが高齢者の医療を支えていく、そういう痛みあるいは適正な負担、適正な給付、そして制度が非常にフェアで、だれしも納得いけるような制度、こういったものを充実してこそ国民に納得される医療改革になっていくと私は思うわけでございます。 そこで、国民健康保険の今の改正等によって抜本医療対策までつないでいくということでございますが、厚生省としては、今のような制度の改革で本当に、各保険者、組合健保とかその他ありますね、そういったところの負担、保険財政も非常に悪くなってきていますから、被用者も二分の一負担、働いている人も負担するわけですから、どんどんそういうことで国保の方に移動していくということは、ある意味では非常に反対といいましょうか、それに対して抵抗を感ずると思うのですが、こういう制度はずっと後まで続け得るとお考えになるのでしょうか。その点について、局長さんに御答弁をお願いします。
○高木(俊)政府委員 まさに先生御指摘のとおり、国民健康保険は非常に悪化しておるということでありますが、その原因が、就業構造の大きな変化というものがやはり大きくあると思いますし、高齢化の進行ということがあると思うのです。 国民健康保険が三十六年に皆保険化でき、皆保険化したときの就業構造と現在の国民健康保険の加入者の就業構造は大きく違っておりまして、まさに御指摘のとおり、当時はやはり自営業者の方あるいは第一次産業の方々、こういった方々のための国民健康保険というふうに言われたわけでありますが、しかし、今はもうそうじゃなくて、むしろ無職の方、とりわけ年金受給者の方、こういう方が大宗を占めるようになってきた。むしろ、そういった意味では、国民健康保険というのは、被用者保険に入らない方が国民健康保険に入っている、そういうふうになってきていると思います。 そういった意味では、我が国の社会経済実態に合った制度全体の枠組みそのものをもう一回やはり考えないといけないだろう。そういった中で、私どもとして、抜本改革の議論の順序としましては、今、診療報酬等薬価基準制度の見直しをやっておりますけれども、引き続いて、高齢者医療のあり方をどうすべきかということの議論に入っていく予定にしております。 それとの関連で、やはり制度全体の枠組みをどうするかということを議論することは避けて通れないだろうというふうに考えております。非常に難しい問題でありますけれども、やはりこれを何とか、大方の合意を得ながらまず第一歩を進んでいきませんと、国民健康保険制度そのものが成り立たなくなる。そのことは、我が国の皆保険制度そのものが崩壊をする、こういうことになると思います。 私どもは、この抜本改革においては、我が国の皆保険制度というものを二十一世紀においても健全なものとして維持していきたいということでやっておりますので、そういった意味で、御指摘の問題は十分認識をしておりますけれども、御理解を得ながら改革に努めていかなければいけない、このように考えております。
○鰐淵委員 実は、国民健康保険、ささいな問題ではないのですが、非常に問題があるのではないかという点が一つございます。 それは、市町村が保険者になっております。厚生省では、保険料の上限、それから応能・応益という形で保険料の負担の指導もありますが、これは、北海道は二百十二市町村がありますけれども、ばらばらなんですね。上限が五十二万のところもあれば、五十一万もあれば五十万もある。上限もばらばら、それから保険料も実際は単一化しておらない、まだばらばらなんです。 なぜばらばらになるかというと、市町村議会における勢力によって、やはりある程度一般会計からどうしても負担軽減のために入れなければいかぬ。というのは、今はちょっとあれですが、わずか二百五十万か三百万くらい所得がありますと、最高限の五十一、二万になるわけですね。それで、税金とかいろいろ引かれてくると、実際、手取りが二十万切れる、そんな手取りの中で月に四万何ぼ保険料を払うということは、本当に私も見て高いと思いますね。高いと思います。ですから、なかなか払えないというのは本当によくわかるのですね。ですから、市町村でもって一般会計から繰り入れる。また、都道府県でもそれぞれやっているところはあると思います。都道府県もこれはばらばらだと思いますね。北海道庁なんて少ない方だと思いますけれども、多いところは大変に県庁で出しています。 そういうことを考えますと、同じ国民健康保険が全国普及しても、市町村によってばらばらになるということが果たしていいものかどうなのか。その点についてはいかがでしょうか。
○高木(俊)政府委員 現在の国民健康保険の財政の半分は国庫から入っておりますけれども、残りは保険料で賄う。保険システムということを考えますと、やはりその地域の医療費によって保険料に差が出るというのはある程度やむを得ないと思います。 ただ、問題は、非常に高齢化が進んでいる市町村と比較的高齢化が進んでいない市町村とがありますし、それから、市町村の財政力というものの違いもかなりあります。ですから、そういった意味で、基本的には各市町村が保険者でありますから、保険者としてそれぞれの医療費に見合った保険料を取らざるを得ないという面があるわけでありますが、余り大きな格差を生じるということは、公平性の観点からいっても好ましくないというふうに思います。 ただ、この辺のところは、まず、制度の保険者というものをどう考えるか。それから、全国的な財政の調整という問題も議論に上っておりますけれども、そういった問題もどう考えていくのか。やはり、まさにそういった意味では、抜本的な検討が要るというふうに考えております。 ただ、やはり自治体の議会の状況等によって一般会計の繰り入れの額等はかなり違いますから、そういった点については、ある程度やはり地方自治の判断に任せるという面もあろうかと思います。 しかしながら、私どもとしては、そもそも加入者の構成割合というのはかなり変わってきておりますから、そういった意味で、やはりまず大きくとらえていかなければいけないのではないか。そういった中で、それぞれの、仮に市町村単位でやるとした場合でも、市町村単位における公平というものをどう考えていくのかということで考えていくのではないか、こんなふうに考えておるわけであります。
○鰐淵委員 私は常日ごろ考えるのですけれども、一人の人が転勤して歩きますと、Aという都市へ行くと国民健康保険が高い、Bという都市へ行くと国民健康保険が安い。同じ人が転勤することによって、その町で高かったり安かったりするわけですよ。 それから、もう一つは、炭鉱都市なんというのは、炭鉱がなくなると、本当に高齢者が一恐らく多いところは五〇を超えているような地域もあります。だから、こういうところは自治体にも力がないから一般会計からも入れられない、医療費は高い、そうしたら保険も高い、こうなるわけですね。しかし、負担能力がなかなかないから収納率も上がらない。全部悪い方向に行ってしまうわけですよ。だから、そういうような形を放置しておったら、やはり国民健康保険制度そのものが非常に問題だと私は思うのです。 したがって、これから抜本改革といっても、そういった保険のいろいろな違いによって非常に難しい問題がありますけれども、もっと保険をシンプルといいましょうか、もっと単純化して、そして余り複雑化しない、そういうことが必要ではないかと私は思っているのです。 そこで、もう時間もありませんから、高齢者医療に戻っていきたいと思います。 今いろいろな議論の中で、私どもは、高齢者医療は、これは負担のやり方はいろいろとあります、保険料でやるか一税でやるか。しかし、国民みんなが支えるという考え方から立てば、これは税金でやったっていいわけなんです。何も保険料だけ取ってやるという必要はない。特に、高齢者というのは、少なくとも国庫負担金を相当出していますから、国庫だって既にもう四〇なり五〇なり出しているわけですね、実際に、その保険に。 ですから、そういうふうに考えていくと、高齢者が、年金というものはみんなもらっていますから、その年金に付随して適正な負担はいただかなければならぬ、無料というわけにはいかないと私は思いますね、適正な負担。そして、あとは国庫でもって、すべて国庫法でもって賄っていく。そのことによって、抜本医療改革の保険という部分が、余り複雑に利害関係がぶつかって問題が起きることが未然に防げるのではないかと私は考えておるのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○小泉国務大臣 私も、できるだけ簡単な方がいいと思うのですよ、わかりやすい制度。今回の抜本改革案の中にも、都道府県単位で全部一緒の案を出しているでしょう。一案と二案、A案、B案、出しています。 わかりやすいということを考えれば、A案ですか、一案。都道府県単位で健康保険も国民保険も一緒にしてしまう。高齢者も若い人も一緒にまとめて統合している案。あれは私は非常にわかりやすい案だけれども、これはむしろ現実性に乏しいといって批判されているのですね。だから、現実性の問題も考えていたB案も出しているわけです。二案を出しているわけです。これからの審議次第ですが、どちらをとっていただくか。 医療の場合、高齢者だけをまとめれば、若い人に比べれば確実に病気にかかる回数も多いわけです。病気の種類も多くなる。保険だけではもたないのですね。当然、病気にならない人も一緒に負担してくれない限り、高齢者だけで保険料でやったら、これはとても負担し切れない。だから、当然税が入ってくるでしょう。税はどの程度、増税は嫌だという反応が出てきまずから、そういう点を考えますと、これから、保険者集団の改革、さらには税の問題でも、では、保険で見ないのだったら消費税のあり方と福祉のあり方なんというのも私は将来当然出てくると思います。 これは、今の段階では議論の段階ではありませんけれども、将来必ず、負担の問題、保険の問題というのだったらば、税をどこにどの程度投入するかという視点が出てくると思いますが、私は、今回の抜本改革案の中においても、今委員が御指摘されたような問題を含んで出している。それは余りにも現実性に乏しいからということで、今余り見向きもされないという点については私は若干遺憾に思っているのですけれども、この点も御議論いただきたいと思っております。
○鰐淵委員 私見ですが、やはり高齢者の医療は税金でやるべきだと私は思うのですね。それは、直間比率を見直すときに、福祉に使うわけですから、国民が、皆さんが、国民の名で高齢者をやはり支えていく。こういう観点からすれば、私は、税の方が非常にすっきりしている、いいと。その財源は、いろいろ求めるべきは求めていってもいいと思うのですね。国民は納得できると思います。安心してこういうものをできるということであれば、私は納得できると思うのです。 そこで、高齢者医療と介護保険、これはまた表裏一体なんですよ。今いろいろな地域でどういう状況になっているかというと、病院の内科や大きな病院のベッドは、従来はほとんどは老人に占領されたようなものです。個人の大きな内科の病院に行くと、ほとんど老人。ですから、今度は、長期に入院すると保険料がどんと落ちるから、お医者さんは早く出す出す、こうなるのです。そして、出さなかったら自分の収入がなくなりますから、だからいや応なく出す。 出すとその老人はどこへ行くかというと、今度は、老健施設というのが最近少しずつできています。だから、老健施設に入ると、これは一カ月二十七万で、上限が決まっていますから、それ以上は出ませんから。だから、それで老健施設は二十七万でちゃんとおさまるようにやるのですが、そこだって三カ月しかいません。出されるのですね。 出た途端に、デイサービス、介護支援センター、その他のものがだあっとボンゴ車を持ってきて、すぐこちちに来てください、こうやります。そういう仕組みに今なって、恐らくいろいろな町でもそういった社会福祉法人のボンゴ車があちこち入り乱れて走っていると思います。お客さん獲得に競争していますよ。 そして、もう一つは、厚生省の皆さんもそうですが、在宅の福祉が一番だ、私も一応そう思いますよ。我々も、子供や孫と一緒にずっと生活して、体が動かなくても家にいて、そして、おじいさん、きょうはデイサービスです、きょうは訪問看護の日ですよ、きょうはヘルパーさんも来ますよ、いろいろ介護保険のメニューをやりながら、家庭で住む。大事にしてくれればいいのです。 ところが、私たちの年輩まではまだ、長男は親を見るとか、親は長男が見るべきは当然だというふうに思っていますからまだいいのですが、我々の子供のジェネレーションになると、もうそんなことは全然ないですよ。本当にこれは笑い事でないのですね。それで、家庭争議は起きる、夫婦別れはする、兄弟げんかはする、親をあちこち回す。もうできれば早いことどこか施設に入れたい。 ですから、どうなるかというと、進行しているといって病院へ入れる、とまったといって老健施設へ入れる、老健施設から出したらちょっとうちに入れる、うちに入れたら、ちょっとやったらすぐまた病院へ入れる。せっかく抜本的な医療改革をやっても、こういう状況をきちっと回避しなかったら全然抜本改正にならぬですよ。この辺をきちっと、厚生省としては、そういう体制をとり得るのかどうか、これが非常に難しいですね。 人間関係、ヒューマンリレーションです。嫁としゅうとめなんという問題は、非常に長いものですよ。私なんかはこれで悩まされておりますけれども、嫁としゅうとめの解決する薬があれば一千万でも買いたいという人がいましたが、まずほとんど解決できません。家内に、倒れた老人を自分のうちで面倒を見ると言ったら、恐らく七、八割の奥さんは、ストライキするなり、ちょっと帰らせてもらうなり、出ていくなり、あなたやりなさい、こういうことになると思いますね。 ですから、在宅介護という美名のもとに何ぼ言っても、今の人間社会、あるいは今の居住環境、そういう中ではなかなか難しいんですね。そういった面については、局長さんはどのような考え方を持っておられるか、それをちょっとお願いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 先生から、御自身の体験を踏まえられました切々たる御意見をちょうだいいたしました。 私は、やはり、お話のございましたように、今、家族によって介護をするということが大変難しくなってきているということはそのとおりであろうと思います。それは確かに、お話のございましたような家族観といいますか、気風とか、そういった面ももちろんございますけれども、現実に家族御自身が高齢化し、あるいは核家族化してくるということで、家族だけで、例えば介護を要する御老人が出られた場合にこれを支え切れない、そういう意味ですから、家族だけに頼った在宅介護ということを唱道するというのは、確かに非常に問題が多いと思います。 一面において、しかし、介護を要する状態になったとしても、できるだけ地域で、家庭で過ごしたいというのは、先生の御指摘もございましたように、家族の願いでもございます。したがって、それを可能にするような手だてを講ずるという意味で、在宅サービス体制を整えていくということは非常に大事だと思います。そして、今先生御指摘もございましたように、現在それがまだ十分でないということも事実でございますから、今一生懸命その整備を進めておるということでございますし、また、在宅サービスがすべてであるということではもちろんございません。基本的には、介護を要するお年寄りの状態なりに応じてふさわしい処遇ができるような、そういった施設サービスなり在宅サービスなりを全体的に整えていく。 そうした中で、今お話のございましたように、病院の一般病床でお年寄りが長きにわたって生活をされる、決してそれも幸せなことではないと思います。それは、おふろもありませんし、ベッドですから狭いですし、そこで長きにわたって生活をされるというようなことは、決していいことではない。そうすると、そういうことをしないで済むような、全般的な介護サービス体制を整えるということは大変大事ですし、また、それを経済的ソフトの面で支えるという意味での介護保険を打ち出したゆえんもここにあるわけでございますから、そういったことを総合的に進めていくというのが、考え方を言えというお話でございましたからやや大上段に申し上げましたけれども、そういうようなことではなかろうかというふうに思います。
○鰐淵委員 ここは今、介護保険を論ずる場所でないから、それはまた後日にいたしまして、介護保険は二〇〇〇年からスタートいたしますけれども、実際足りないですよ。全くこれは足りないのです。 それでもう一つは、特養で、ちょっとこれは具体的な話で、これは本当に是正してほしいと思うのですが、特養に入ったお年寄り、これはできるだけ、一カ月に一回でも、一週間に一回でも、ぜひお年寄りを見舞いに来てほしいと我々は言うんですね、孫を連れ、子供も。そうすることによって、そこにいる方は喜ぶんですよ。特養にいても、寮母さんからいろいろと、身内にできないいろいろな世話をいただきますけれども、実際、お年寄りは満足していませんよ、施設にいても。やはり、子供や孫と一緒にいたいというのが願望ですね。それができないところに現代の悩みがあるんですね。ですから、特養に入っても、全く見舞いに来ない方もおります。 ところが、そのお年寄りには年金というのがあるんですよ。年金は、指導員というのがいるわけですね。この指導員は、入った老人の年金の処理だけでも膨大な仕事になります。毎日通帳を持って、そして、お金がどんどんたまっていくんですから。ほとんど寝たきりですから使い切れないですね。子供も来ないし孫も来ないから、小遣いもやれない。それで最終的には、特養に入りても負担というのはいただく年金の何割か、今正確にはわかりませんけれども、しかし、かなりの額は最終的にたまります、何百万か。 臨終を迎えると、全然来ない身内がたくさん来るんです。そして、何を言うかというと、自分の亡くなった身内より先に、金残っているだろう、こうなるんですね。そして、その場で兄弟げんかが始まったりする。そういうことを今是認しているような制度がやはり悪いと思うのですよ。 ですから、お年寄りに年金があることは、それは非常にいい。それから、必要な経費はきちっと見てあげてもいい。それから、小遣いとかはある程度までいい。しかし、あとはやはり、国庫に入れるのか市に入れるのか、これは方法論はいろいろあるかもわかりませんが、特養といったら全部一〇〇%面倒見てもらうわけですから、そういう全体の調整の中にそういう負担をいただいても、これはいいのではないかなと。 これは卑近な例ですけれども、局長さん、どう考えられますか。
○羽毛田政府委員 二点お尋ねがございました。 まず、これはお尋ねというよりは前置きだったかもしれませんけれども、家族が特養にお入りになった高齢者の方々と非常に疎遠になってしまうというようなことを憂えるというお話でございました。 私どもの方も、今後やはり、そういった家族とのきずなは、施設に入られてもできるだけ切れないような方向に持っていくということは非常に大事なことだというふうに思っております。 これは強制するという性格のものではございませんけれども、もちろん個別の状況に応じた、特養のいわば運営の方法においてそういう点を指導していかなければならないというのはそのとおりでございますし、また、特養のあり方自体を、かつてのように、里を離れたようなところに特養をつくるというのではなくて、できるだけ地域に近い町場といいますか、地域に近いところに特養を設置する。そして、できるだけ地域に開かれたような形の特養にする。 例えば、具体的なところで申し上げれば、複合施設の形で一番あれなのは、学校と一緒にやっているような特養もございますけれども、そういった形での地域との交流ということを特養についても非常に考えていくということが、家族のみならず、そういった全体での交流で、施設に入られたお年寄りを孤立化させないということでは大事だというふうに思っておりますので、ソフト、ハード両方の面においてそういったことを留意していきたいというふうに思います。 そうした中で、お年寄りが孤独になられていて、一方において年金だけがたまっていってしまって、非常に割り切れない状況が出てくるというお話でございました。 これにつきましても、まず、今回の介護保険におきましても、また介護保険を申し上げて恐縮でございますけれども、介護保険におきましても、そういった年金というものが充実をしてきて、お年寄りの方々についてもそれなりの経済的な裏打ちができたということを前提にいたしまして、単に公で専らサービスを受けてというだけではなくて、介護保険そのものの面におきましても、保険料あるいは利用者負担という面で、お年寄り自身もいわばその財政的な面を担っていただく、一翼を担っていただくという位置づけをしたのも、そういった年金との調整といいますか、年金の充実ということを前提にしたこととして打ち出したものでございます。 さらに、今後において、これは介護に限らず、医療、福祉全体を通じて、高齢期における所得保障のあり方を総合的に調整し、整合的な姿に持っていくということは、今後における社会保障改正の一つの課題であろうというふうに思います。 どういうふうに持っていくかにつきましてはさらに今後の検討が必要だろうと思いますけれども、方向としては、そういう考え方は当然必要であろうというふうに考えております。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○鰐淵委員 これは、ちょっとまた後日論議したいと思うのですが、とにかく私としましては、人間の倫理にもとるようなことはぜひしないような仕組みにしていただきたい。手厚くやることが逆に兄弟仲を悪くしたり、あるいはまた親子の普遍の倫理を壊したり、これではせっかくの福祉も逆になってしまうわけですから、その辺は十分踏まえた福祉のあり方ということについて、これはぜひひとつ今後考えていただきたい、こういうように思うわけでございます。 さて、それで、最後になりますけれども、国民健康保険そのものは、先ほど言いましたように、非常に複雑かつ条件として悪い、悪いといいましょうか、保険制度で、なかなか、何といいましょうか、満足でき得るような制度として維持するのは私は非常に難しい制度だと思っております。 したがって、医療費がどんどん上がっていくということでございますが、これを、医療費が上がるのを、とにかく医療費を抑えるんだという観点からいろいろ対策を練るということではなくて、やはり、必要な医療はしなくてはならないわけですから、必要最低限の医療というものはどうしても確保していかなくてはならない。 そういうことを考えますと、やはり医療費をただ抑えるという観点ではなくて、それには、健診とか予防とかいろいろありますね。これは未然に医療費の増嵩をある程度抑制することであるわけですね。これをやはり徹底して行っていくことによってかなり医療費は節減できる。病気の早期発見、早期治療、あるいはまた病気になる前のいわゆる健康診断、こういったことによってかなり私は医療費は節約できると思う。 これは医療改革の中でももう相当大きなウエートを占めてやらなくてはならない問題だと思いますが、その点についてのお考え方はいかがでしょうか。
○谷(修)政府委員 医療だけではなくて、予防とか健診とか健康というようなことにむしろ重点を置くべきではないかということでございますが、それは私どももおっしゃるとおりだと思っております。 医療改革の中では、与党の医療保険制度改革協議会がまとめました改革案の中にも、いわゆる健診とかをもっと総合的にやる、あるいは予防、それから健康、そういうようなものについての体制を整備をすべきだというような御指摘もございます。 また、厚生省では、従来から老人保健法に基づきます健診、あるいはまた、今後、二十一世紀を見据えた新たな健康づくり対策というようなことについても、省庁を横断したような委員会を設定をして具体的な問題について検討を始めたところでございまして、そういう意味で、医療だけではなくて、おっしゃったような予防とかいうようなことについてもさらに充実をしていく必要があるという認識は持っております。
○鰐淵委員 ぜひ、この医療費の縮減というのは、必要な医療を抑えて縮減するというのではなくて、積極的に、やはり予防という観点、未然に病気になることを防ぐということに相当なウエートを持ってやることでかなり医療費を私は抑えることができる、このように思います。 最後になりましたが、私は、この抜本改革をしていく場合には、保険者、被保険者あるいはまた治療する側、それから薬価、こういったいろいろな立場の中でそれぞれがやはり相当公正な、しかもむだのない、効率のいい制度にしていくために、それぞれが譲るものは譲っていかなかったらできないと思うのです。お互いに自己の側だけを主張していけばこの抜本改正なんというのはなかなか私はできない、このように思います。 したがって、この抜本改正に持っていく大臣の決意、最後にそれをひとつお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 御指摘のとおりだと思います。 お互いが自分たちの立場だけを主張していたのではまとまるものもまとまらない。総合的に、多角的に判断していただきまして、一つのあるべき、医療制度はどうあるべきかという高い視点に立った議論が必要ですし、その方向に向けて、お互い痛みを分かち合うべきものは分かち合おうという精神でやっていただきたい。また、そのような合意が得られるような、公正な、痛みなら分かち合おうというような結論が出ることを期待しておりますし、何とか二〇〇〇年度を目標に、せっかく出した抜本改革案ですから、各界の方々もまとめる方向で御努力をいただきたいと願っております。
○鰐淵委員 これで質問を終わらせていただきますが、先ほど冒頭私申し上げましたとおり、何といっても、社会福祉政策、社会保障政策というのは国民が安心して生活できる基盤である、そのことが、経済でも社会活動でも、すべてを支えていく基礎地盤である、こういうことをぜひ最後に主張させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤(剛)委員長代理 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 厚生省が作成した「医療費国庫負担の縮減額(平成十年度予算案)」こういう資料があります。その冒頭、「一、医療費の適正化 老人医療費の適正化六百十億円 薬価基準の引下げ等千九百五十億円」、以下、数字が並んでいますが、これは本年度予算案の作成過程で、社会保障関係費の量的縮減目標を到達するために、医療費国庫負担をどのように縮減するか、その内容を示す資料だと思うのですが、そうですね。
○高木(俊)政府委員 「医療費国庫負担の縮減額(平成十年度予算案)」と書いた資料だと思います。合計三千二百十億円縮減をしたという形でありますが、御指摘のとおりでございます。
○児玉委員 その資料の二のところ、「老人医療費拠出金の負担の見直し 退職者に係る老人医療費拠出金の負担の見直し三百六十億円 老人加入率上限に関する特例の見直し二百億円」、これは、今度提出されている改正案の中の退職被保険者等に係る老人医療費拠出金の負担方法の見直し、そして老人加入率上限に関する特例の見直し、これに当たる部分だと思いますが、そうですね。
○高木(俊)政府委員 そのとおりでございます。
○児玉委員 そこで、本題に入りたいのですが、大臣、ある法律案について是非を判断する、またはある法律の改正案について是非を判断する、そのとき、その法律案や改正案がどのような過程で準備されてきているのか、それを我々が知ることは、その法律案や改正案の是非を議論するとき、重要な判断材料だ、私はそう思います。 それで、きょうの朝から熱心な討議が行われておりますが、大臣も先ほどお触れになった医療保険福祉審議会運営部会の議事要旨、私はこれはなかなか貴重なものだと思います。委員の名前も書いてあって、発言の全文ではないけれども、要旨が書いてある。これを読みました。 その第三回運営部会、去年の十二月十五日です。厚生省は、「当審議会では平成七年改正法附則に基づく拠出金算定方法の見直しの議論をお願いしているところであるが、一方において、平成十年度予算を組まなければならないという状況にあり、財政改革法の枠組みの中で四千二百億の縮減が課されている。」こう提起なさっている。それが十二月十五日、ちょうど政府予算案が決まる数昼前です。 そして、四日後の十二月十九日、第五回運営部会では、厚生省は、「医療費の伸率の見直し及び九月の健保法改正の影響を見込んで、四千二百億円の要縮減額が、基礎計数の見直しにより九百四十億円下方修正され、現時点での要縮減額は三千二百六十億円となっている。」こう説明もされています。 これはそのとおりですね。ちょっと確認しておきましょう。
○高木(俊)政府委員 そのとおりでございます。
○児玉委員 さて、そこで、以上の経過から、今回の改正案には幾つかの要素があります。その幾つかの要素の中の主要な内容であるこの部分、とりわけ老人医療費拠出金の負担の見直し三百六十億円の部分。これは七月一日実施を仮定したものですから、平年度ベースに置きかえれば五百億円弱になります。 これはつい四カ月前、昨年の十一月末です。野党の反対を押し切って成立した財政構造改革法における第八条「社会保障関係費の量的縮減目標」を満たすためのものである、直接的には、私はそのようにしか判断できないと思うのですが、どうですか。
○高木(俊)政府委員 平成十年度の厚生省予算の編成は、非常に厳しい枠組みの中での編成であったわけであります。そういった意味では、まさに今先生が御指摘されましたように、四千二百億を縮減していかなければいけない。そのための工夫といいますか、対応というものがやはり一つございました。 もう一つ、老人医療費の拠出金の算定方法の見直しということにつきましては、平成七年の老人保健法の改正の附則で、これを三年以内を目途に見直すというもう一つの要請がございまして、そういった意味で、この見直しを審議会でお願いをしたわけであります。 ただ、この医療保険福祉審議会の設置がおくれたということもありまして、予算編成までの間に御審議いただかなければならないという意味では、かなり厳しい日程の中でお願いをした。 それから、事柄の性格からしましても、これもかねてからの懸案でありましただけに、やはり賛否両論がございました。 それからまた、抜本改革ということが目の前にあるのだから、むしろそういった高齢者医療の抜本的な改革を先にやるべきであって、今回御提案しているような改正というものはその中でやはり考えていかなければいけないのではないかといった御議論もありました。 そういった中での予算編成でありましたので、そういった意味では、財政構造改革法のキャップだけの問題ということではありませんで、そういった老人保健法の見直し規定に基づく見直しでもあるわけであります。
○児玉委員 厚生省にはぜひ質問したことに答えていただきたいのです。あと、すそ野を広げないでいただきたい。 今局長が言われた老人保健法に関する平成七年改正法附則に基づくもの、これはさっき私が皆さんの発言として紹介したその部分なのですから、それは私よく承知しております。承知しておるからこそ、直接的にはこの三百六十億円はと述べているのです。 そこのところを私は改めて強調した上で、そこで今の議論なのですが、財政構造改革法に基づいて社会保障に関する量的縮減目標を満たすため、それが直接的な動機でこの三百六十億円は提起されている。そのことについてやはり今私たちはこの際十分論議をしておかなければ、国民に対して責任が負えません。 運営部会自身が、財革法がこの後どうなるか、去年の十二月の段階ではまだ改正がどうのこうのという議論は多分出ていなかったから、その段階で既に運営部会の中では、今言われた若干の問題について、「制度改正の議論の際には金がない、とにかく予算を組まなければならないので負担転嫁をお願いする」そう言われて押し切られたような感じがするという議論だとか、「我々は老健拠出金算定方法の見直しと退職者の老健拠出金の問題は別であるとの主張をしてきたにも関わらず、金がないから予算を組ましてくれという話であった。」 ところが、さてふたをあけてみたらちょっと違うのではないか、そういう議論が一斉に出ています。そして、この方たちにとっては今はどういう事態が生まれているか。先ほど大臣は財革法の云々だとか補正予算については聞いていないとおっしゃったけれども、これはある全国紙の三月二十七日の一面です。この中にこう書いているではありませんか。 「首相は二十六日夕、官邸で宮澤喜一元首相と会い、自民党内で財革法改正論が高まっている現状報告を受けたうえで、当初予算の成立後に財政構造改革会議を開催し、法改正について協議することを了承した。」こういうふうに書かれて、「大型所得減税へ財革法改正 橋本首相 路線転換表明へ 弾力条項設け柔軟対応 公共事業軸に十六兆円超」こう言って天下周知の形で報道されている。 そういうときに、財革法の社会保障分野における量的縮減目標を達成するためのこの三百六十億円を今我々がどう考えたらいいのか。この審議の中でも結局それは負担転嫁ではないかという声が出てくるのは当然です。それは、ただ、ある委員の負担転嫁ではないかという発言にとどまりません。 大臣に対して提出された「平成十年一月二十九日 厚生大臣小泉純一郎殿 医療保険福祉審議会運営部会長塩野谷祐一」この短い答申の中で、「審議が十分でない状況下」云々、そう言った上で、「医療費改定に必要な財源を確保できるならば、被用者保険に負担を転嫁するような今回の見直しは行うべきではないという意見であった。」こう書かれています。 大臣、これにどう答えますか。
○小泉国務大臣 そういう議論のあったことは承知しております。決まった後についても、不満といいますか批判といいますか、なかなか納得できない点が、意見があったということは承知しております。しかし、全体の予算編成の中でこれはやむを得ざる措置だったなということでまとめさせていただいたという経緯であります。
○児玉委員 それではだれも納得しません。 私も財政構造改革特別委員会に日本共産党を代表して理事として入りました。大臣とも何回か、かなり激しい議論をいたしました。あの議論を私今振り返ってみまして、結局、量的縮減目標を達成すること、それを直接の目的としてこの三百六十億が提起されてきている。 そうなりますと、財革法自身が、もう今や見事に破綻していますね。これは橋本内閣の歴史に刻まれた失政ですよ。九兆円の負担に引き続いてこの財革法、これはもう修正が問題ではなくて廃止が問題だ、私はそう考えるけれども、そのためにこの三百六十億、これは国庫負担分ですから、政管健保に関して言えば五百二十億円、健保組合は四百八十億円、そして共済・船員保険は百六十億円。 先ほどの同僚議員の御意見があったけれども、それでなくても健康保険の財政が厳しい折なんですから、これらの貴重な金額がもし存在するのだとすれば、本来それは被用者保険の加入者家族の健康、生活を守るために有効に活用されるべきだ、その方向を見出すのがこの審議の課題ではないか、こう思うのですが、いかがです。
○高木(俊)政府委員 今回の老人医療費拠出金の見直しの財政的な効果としましては、退職者医療に係る拠出金が三百六十億、それから、いわゆる加入者の上限二五%を三〇%に引き上げることに伴う効果として二百億、合わせて五百六十億の国庫負担の縮減をさせていただいているわけでありますが、一方、これがなかりせば、今挙げられました数字のように、健保組合ですと四百八十億、それから共済・船員保険ですと百六十億、平成十年度の場合は保険料負担増にならないで済むわけでありますが、ただ、平成十年度における予算編成全体の姿としてここは私どもとらえておりまして、そういった意味では、一方、薬価あるいは医療材料価格の引き下げ等の適正化、これに伴って、政管健保ですと二千六百六十億の縮減、健保組合ですと千六百二十億の縮減、共済・船保ですと五百二十億の縮減がなされているわけであります。 それからまた、診療報酬の改定、これは二年に一回ということでありますが、この間における医療従事者の方々の人件費のアップ、あるいはまた物価のアップ、こういった面について、やはり必要最小限の手当てが必要であろうということで改定を行わせていただいたわけであります。 それからまた、先ほどの拠出金の見直しというのを全部ひっくるめて考えますと、平成十年度では、それぞれ、政管健保では千三百六十億円の縮減、それからまた健保組合では四百三十億円の縮減になります。それから、共済・船保、国保、それぞれが縮減されるという形でございますので、そういった非常に厳しい国の財政状況の中でそれぞれ痛みを分かち合うような形でお願いをしておる、こういうことでございます。
○児玉委員 その痛みを分かち合うというのは、財政構造改革法があっての話です。そして、今局長の述べられた幾つかの要素、そのことの是非は別にしてと私はあえて言いたい。そのことの是非は別として、数字はおっしゃったとおりだと思う。そういうときに、この拠出すべき金額が、もしその必要がなくなれば、組合に加入している方たち、その家族、そういう方たちにさまざまな形で有効に還元することができる。 そしてしかも、恐らくこの議論を去年の十二月、ことしの一月の段階でなくて、今の四月の段階でもし運営部会の人たちがしていたら、もっと別の議論になるだろうと思うけれども、例えば一月二十日、第八回運営部会で、ある委員がこう言っていますね。「財政構造改革法は構造改革を行って支出を抑制するとされており、構造改革を行わずに、財政支出だけを抑えるというのはおかしいのではないか。」ここの財政支出というのは、多分、社会保障分野の財政支出といえばもっとよくわかりますけれども、当然の声ですよ。その声は今、先ほどではないけれども、本予算が成立したら直ちに財政構造改革会議が招集される、そこで修正云々というのが議論されていく。 そういうとき、そして、しかもどんな方向が出されているかというと、それこそあの財革法のときの論議で多くの国民の批判が集中したゼネコン型の公共事業。誤解があるといけないから、私ははっきり言っておくけれども、例えば公営住宅だとか、それから学校だとか下水道だとか、そういった生活密着型の公共事業を私は強化すべきだと思う。しかし、ゼネコンだけが喜ぶようなものは、これは大幅に縮減というのが今日では国民の世論ですね。そういうとき、従来型の公共事業中心に十六兆円。 財革法では、その十五条で、わざわざ公共事業の量を縮減することなくと書き込んでいて、私は、あのとき、この問題を随分追及しました。量を縮減することなくではなくて、縮減するのでなくでなくて、過去最高の規模で公共事業をやろうとしている。そういうとき、社会保障はどうなっているのでしょう。 つい先日、この委員会で低身長症のことを議論しました。あのことによって生み出される国費は十六兆円――十六億六千万円ですよ、つい兆と言ってしまいましたけれども、十六億六千万円。ヒト成長ホルモンを、日本と同じように輸入に依存しているドイツ、イギリス並みに価格を下げれば、そして、あのとき厚生省がおっしゃっていたマージンをも含めて考えても、その薬価にするだけで十六億円ぐらいは完全に生み出せますよ。そこを刻んだと。難病患者しかり、そして、その中の一つがこの三百六十億円じゃありませんか。ここのところをやはり見直すことが今必要です。大臣、どうです。
○小泉国務大臣 私は、財政構造改革という厳しい枠の中で予算編成をしなければならなかった、しかも、厚生省関係予算も、各省庁マイナスという中で厳しい見直しを進めてきたわけであります。そういう観点から、補正予算とか、あるいは財革法の改正論議が出た場合には、今までの話とは違うのではないか、その辺はきちんと議論しなければならないということで、今まで、委員会の質問に答える形とか、あるいは記者会見の場等で話をしているわけであります。 今のところ、補正予算も財革法修正、改正の話も、現実的な議論の場に上ってきておりません。また、私自身、昨年の財革法が国会に提出された際の経緯やあるいはそのときの覚悟等、私も理解しているつもりでありますので、その点について、もし財革法を改正しなければならない場合には、そのときの議論はどうなったのかということを問わなければなりませんし、今後の構造改革として何を考えているのかという点も改めて議論し直さなければならない問題でしょう。 そういう観点から、私は、昨年決めた財政構造改革法、これは橋本内閣の大きな看板でありますし、基本方針でありますので、橋本内閣で財政構造改革は推進するということが前提だったわけでありますので、この財政構造改革法を改正するというのは容易なことではない。私は、橋本内閣のもとで財政構造改革法改正は行うべきでないという形で今議論を進めているわけであります。 しかし、それが現実の議論として持ち上がってきた場合は、今御指摘の議論が出てくるのは私は十分理解できますし、私も、厚生大臣としてそのような観点から議論をし直さなければならない問題がたくさんあります。その点は、今後状況を見て私なりに判断をしたい、また私なりの議論を展開してみたいと思っております。
○児玉委員 私は、その判断をこの法案を審議する今しなければならない、こう思っています。 そして、しかも幾つかのもの、例えば、平成十年一月三十日、社会保障制度審議会宮澤健一、小泉厚生大臣殿、この中で我々が今審議しなければいけない内容についてずばり言っていますね。「財政対策を優先した改正を繰り返すことは国民の社会保障制度全体への不信感を強めることにもなりかねない。」今まさに私たちはそのことを問われているのですよ。 社会保障を充実させ、前進させるということは、すぐれて個人消費に結びつきますね。そして、それはすぐれて新たな雇用を創出させます。そのことが、この点では多くの方の意見に違いはないけれども、日本経済を民主的に再建させていく上での一番確実な道になる。その面で、財政構造改革法というのは邪魔者であって廃止する必要がある。私は、この議論はまた続けてやりたいと思います。 次に、この法案の個々の問題について今触れようとは思いませんが、一つだけ、国民健康保険の本質にかかわることについて、これはこの機会に議論をしておきたい、そう思います。 市町村国民健康保険の事務費負担金の一般財源化の問題です。 最初に聞きますけれども 市町村国保の事務費負担金について厚生省はこれまでどのような措置をしてきたか、平成四年度、五年度、六年度の三年度について、その中身と措置された金額について答えていただきたい。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○高木(俊)政府委員 市町村国保の事務費でありますが、平成四年度からその一部を一般財源化、いわゆる地方交付税の方で負担していただくような措置を講じてきております。 平成四年度については、人件費分として七百八十億円、それから五年度につきましては、いわゆる臨時職員等の賃金分としまして百四億円、それから平成六年度は、光熱水費等に対する分として百億円、これを一般財源化いたしております。
○児玉委員 そして、今回の改正で三十四億円削減されて、市町村国民健康保険に対する事務費負担金はゼロとなる。 法の改正の中身を見ますと、現行では、第六十九条「国の負担」と書いてありますが、「国は、政令の定めるところにより、保険者に対して」云々、「執行に要する費用を負担する。」そこのところは、今度は「国は、政令の定めるところにより、組合に対して」、国保組合、そこに対してとなって、保険者たる市町村は消えてしまった。これは非常に重要な問題だと思う。一般財源化するからというふうによく言うけれども、市町村の中には交付税不交付団体があります。そういうところは、一般財源化されてもそうはならない、そうはならないというか、大きな影響が出てくる。 小泉大臣は、よく議論の中で、国民皆保険の重要性について言及なさいます。国民皆保険が重要だという点では私も同じ考えです。その国民皆保険が真に皆保険になったのはいつだったか。きょうの議論にもそれは出てきました。 私は、ここに「国民健康保険四十年史」というものを持ってきました。「序文」がありまして、「厚生大臣 橋本龍太郎」と書いてある。発刊したのは相当前の書物ですね。昭和五十四年発刊です。その四十九ページに「新国民健康保険法の制定」というところがあって、「国民皆保険体制の確立のための国の責任を明確にしたこと。」それを新国民健康保険法立案の骨格だとして、そして、これが発足したことで国民皆保険は実あるものになったという説明があります。 その中にこういう部分があります。「国民健康保険事業を行うことは、市町村の固有事務であるとする旧法の考え方を改めて、国民の医療保障を行うことを国の責務とし、これを市町村に団体委任するという考え方を基本とした。」この考え方について厚生省は基本的に変えていないと思うのですが、いかがですか。
○高木(俊)政府委員 国民健康保険事業はまさに市町村の団体委任事務ということは、現在もそのような考え方であります。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○児玉委員 そのことを確認した上で次に行きたいと思います。 「そこで」と来るのです。財政上の問題です。「国の財政上の責任については旧法の療養給付費の十分の二以内の補助の制度を、十分の二の国庫負担の制度に改め、」補助という言葉を使うことをこのときからやめたのですよ。負担という言葉を使うようになった、国の責任を明らかにするために。ですから、今度の改正の中で、手が加えられているこの六十九条についても、「国の負担」と明記されているし、そして、国保法の第五章第一節でも明確に「費用の負担」と書き込まれていますね。そこに国保に対する国の責任が明示されている。 事務費というのは、言ってみれば、たとえ保険者であっても団体委任する、お願いするのだから、そのことに必要な事務費は持つという仕掛けではありませんか。それをゼロにしてしまうというのは、これは国民健康保険制度の変質につながる。大臣、ここは検討すべき中身ではありませんか。
○高木(俊)政府委員 この事務費について、どういうような趣旨で事務費が出されていたかということでありますが、国民健康保険法が制定された当時、いわゆる国民皆保険というものを円滑に実施していかなければいけない、こういった中で国が事務費を負担するごとにしたというふうに考えております。 しかし、これは地方分権推進委員会の第二次勧告の中でも言われておりますけれども、既に地方公共団体の事務ということで十分同化定着したもの、こういうようなものについては、これは地方公共団体の一般財源化を図っていくということが指摘されておりまして、そういった意味では、国保が制定されてから四十年近く経過をしている。そういった中で、この国保の事務というのは、地方公共団体の事務として十分同化定着している、こういうふうに考え、このたび一般財源化というような形にさせていただいたわけであります。
○児玉委員 地方分権に関する審議会の勧告それ自体の性格そして中身が、今厳しい議論の対象にならなければいけないと私は考えています。 そして、国民健康保険制度が皆保険制度のかなめとして発足した経過、それが国民健康保険法において第一条、第二条以下貫かれているというところに今の重要性があるのである。 今度提起されているこの国保法等の一部改正案は、国民健康保険制度自身の変質を導きかねないような中身や、それから先ほど私が議論いたしました本来廃止すべき財革法、その破綻が明白になっている財革法の量的縮減を達成するための部分というのが主要な中身になっている。そういう意味で、これをこのまま成立させるということは、国民に対する責任が負えない態度だと私は思います。徹底した慎重な審議を求めて、次回の質問にゆだねたいと思います。終わります。
○佐藤(剛)委員長代理 秋葉忠利君。
○秋葉委員 社民党の秋葉でございます。 大変長い一日だと思いますが、最後の質問ですので、大臣並びに厚生省の皆さん、しばらく御協力をお願いしたいと思います。 何点かについて伺いたいのですが、まず最初に、きょうは病床規制の面について、ここに焦点を合わせたいと思います。 まず、今回の法改正によって、この病床規制の部分ですけれども、このことによって大体どういう目標を達成しようとしているのか。まず最初に、この規制による達成目標といいますか、それとその前提を簡単に御説明をお願いしたいと思います。
○高木(俊)政府委員 今回の病床過剰地域における保険医療機関の病床の指定制限ということでありますけれども、これは、一種の規制を強化するような形になるわけであります。 経済活動については、基本的には、できるだけ規制を緩和して、撤廃をして、そして自由競争の中で市場原理に基づく形で競争が行われるということが好ましいというふうに考えておりますけれども、ただ、それによって、やはり国民の福祉の向上なり国民の便益に資するという場合であるわけだと思います。 医療については、そういった意味での市場原理というものを考えてみた場合に、これはむしろ供給が需要を生むということが見られるわけでありまして、現に、いわゆる病床数と入院医療費、この関係には非常に強い相関関係が認められるわけであります。そのことが、必要以上の病床数が整備されるということになれば、結局それは地域住民の医療費の負担にはね返ってくるわけでありますから、医療保険サイドとしては、やはり医療費の適正化、それから負担の適正化といった面にかんがみましても、適正な水準にとどめることが望ましい、このように考えているわけであります。 そういった中で、従来からこれはやっておりましたが、健康保険法の規定に基づいて都道府県知事の勧告を受けたケースについては、病床の制限というものをこれまでもやってきておりました。しかしこれは、健康保険法が制定されましたのが大正時代でもありますし、そういうふうなことから、必ずしもこの規定が明確ではないという面があります。 そういった意味で、私どもとしては、今回、この知事の勧告を受けた場合には保険医療機関としての契約をしないということを明確に法文上もしていただくということで御提案をしているわけであります。 したがって、そういった意味では、従来の取り扱いが変わるということではありませんで、これまでの仕組みというものを法律的にも明確化するということでお願いをしているわけであります。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○秋葉委員 時間が余りありませんので、もうちょっと手短に答弁をお願いします。 簡単に言ってしまうと、病床規制を行うことによって、それに関連した規則をより厳格にすることによって、医療費を抑制するということで結構ですね。イエスかノーかでお願いします。
○高木(俊)政府委員 それも大きな要因であります。
○秋葉委員 ところが、医療費と病床数、これは具体的にデータがあるわけですが、一九八七年から一九九五年まで病床数はほとんど変わっておりません。これは、八七年が百五十八万、九五年が百六十七万ぐらいなんです。にもかかわらず、医療費の方は、大体、最初の八七年が十八兆円、一兆から二兆の間毎年ふえておりまして、一九九五年には二十七兆円になっている、十兆円近い増加がある。 病床数は一定なのに医療費の方は上がっているということになりますと、今おっしゃった因果関係がまるっきりないというふうに考えた方がデータによると正しい解釈だと思うのですが、それはいかがでしょうか。
○高木(俊)政府委員 医療費の増嵩要因はいろいろありますから、そこは申し上げませんが、私どものデータからしますと、例えば平成八年度の実績で申し上げますと、人口十万対の病院の病床数と国保の一人当たりの入院医療費、これの相関関係を見てみますと、例えば人口十万対の病院病床数が一番多い県は高知県でありますが、これが国保一人当たりの入院医療費を見ますと全国第二位であります。それから、徳島県が病床数第二位でありますが、これは入院医療費で見ますと全国の六位。それから、北海道が病院病床数は全国で六位でありますが、一人当たりの入院医療費は全国一ということであります。 一方、長野県について見ますと、病床数は全国三十七番目でありまして、国保の一人当たりの入院医療費も三十七番目。それからまた、千葉県は病床数が四十五番目でありますが、一人当たり入院医療費は四十七番目。それから、埼玉県も病院病床数は四十七位でありますが、医療費は全国の四十六位ということで、やはりかなり強い相関関係が見られるというふうに私どもは考えておりますし、現に、人口十万対の病床数を横軸にし一人当たりの入院医療費を縦軸にしてグラフを描いてみますと、非常に強い相関関係が見られるということでありますので、私どもとしては、やはり入院医療費と病床数の関係というものは強い相関がある、こういうふうに考えております。
○秋葉委員 相関関係ということで、私の専門分野である数学で相関関係ということは授業でも教えているのですが、そこで学生に対して常に強調し過ぎてもし過ぎるほどがないほど重要な点というのは、相関関係があるけれども因果関係があるかどうかということなんですね。因果関係がない相関関係というのもあるわけで、ですから、これは、病床数が原因で医療費が上がるという因果関係があって初めて意味を持つというのが相関関係です。その因果関係がなければ、非常に相関関係があったとしても、それは無意味な相関関係ですから、偶然あるいはその他の要因であるということになるわけで、そこが大事なところだと思います。 それに関連して、国民医療費のうち入院医療費というのは圧倒的に、比率としてそこが国民医療費を押し上げている最大の理由だというふうに認識されているわけですか。
○高木(俊)政府委員 今ちょっと数字を持ち合わせておりませんけれども、外来と入院の割合を見ますと、入院の占めるシェアというのは医療費の中で非常に高い、たしか七割ぐらいいくと思います。
○秋葉委員 それだけでは実は――となりますと、今度はその入院の内容について分析をしなくてはいけない。例えば社会的入院ということが言われていますがそういう問題、あるいは本来の医療的な入院というようなことを分析した上で、じゃ、例えば何日ぐらい入院しているのか、その際の医療のケアはどのくらいとか、そういうことが分析の内容として必要になってくると思います。 時間がありませんので先に行きますけれども、その厚生省の統計、相関表、相関があると言われたグラフを私も持っておりますが、仮にこの相関関係に意味があるとして議論をしても、おかしなことが出てくるのですね。 というのは、厚生省の考え方では、病床の過剰地域に新しい病院をつくることを抑えることで医療費を抑えるのだということをおっしゃっているわけです。ところが、この表で見てみますと、現在、病院の非過剰医療圏、つまり病床が足りなくてこれから病院をたくさんつくらなくちゃいけないというのをずっと挙げて見ますと、これは左の下の方つまり十万人当たりの病床数も少ない、一人当たりの入院医療費も少ないという県、例えば千葉県ですとか埼玉県、神奈川県、茨城県、東京都、静岡県、愛知県等々、この左の下の方にあって、いわば厚生省としてはそういうところにほかの県も行ってもらいたいと思っているようなところに実はベッドが足りないという現実があるわけですから、そういたしますと、これからそういったところはベッド数がふえる、ということは、このグラフでいきますと右の方にそういう県は移るわけです。仮に、まだこの因果関係は証明されていませんけれども、因果関係があるとすると、そういった県では一人当たりの医療費がふえてしまう。ということは、厚生省が考えておるのと正反対のことがこれから起こるということが、この非過剰医療圏というところの数字を見て、このグラフを見るとその結論が出てきてしまうのですけれども、そういうことが起こってもいいのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 病床がふえてくる、しかもそれが過剰になってくるということになると、私どもとしてはやはり入院医療費を押し上げる要因になるというふうに考えておりますから、過剰な病床が整備されていくということは適当ではないと思っております。
○秋葉委員 全然答えにならない。過剰のことじゃない、非過剰のことを言っているのですよ。非過剰、足りないところを言っているのです。足りないところはふえるのですから――済みません。ベッド数の今足りないところ、それが要するにお金もかからない、ベッド数も少ないというので、厚生省がそっちの方にどの県も押そうという左下の部分に集中しているのです。そこはベッド数が足りないところが多いわけですから、そうすると、ベッド数をふやすと右の方に移る、医療費もふえると上の方に移るということで、好ましからざる方向に全部移っちゃうということが、厚生省のデータとそれから今のグラフを見ると言えるのですね。 ですから、確かに今過剰なところはそのままになるかもしれませんけれども、例えば北海道とか高知とか、今はいい状態にあるところがみんなそっちの方に寄っていっちゃうのですよ。そういう結果になるわけですから、確かに今より過剰なところは抑えられるのかもしれません。しかし、そうではない、今はいい状態だよというふうに厚生省が考えているところも悪い状態になってしまう。そういう非常に大きな落とし穴がありますので、今お答えにならなかったのは、そこのところについて恐らく気がついていらっしゃらないか、気がついていてもそれを認めたくないからだと思いますので、次の分野にまた、これは最初の問題提起ですから、次のところに移りたいと思います。 日本の医療は、原則として自由診療、自由開業制度というのが日本の医療の基本だというふうに思いますけれども、その基本点について確認をしたいと思います。自由開業制度だけでもいいです。
○谷(修)政府委員 現在の日本の医療制度の中で、もともと医療法におきましては、先ほど来お話のございます病床過剰地域におきます病院等の開設や増床について都道府県知事が勧告をするということが定められているわけでございます、これがいわゆる医療計画でございますが。ただ、医療法では、前の委員の方からの御質問にもお答えをいたしましたけれども、需給調整的な要素を明確に盛り込むかどうかということについては、医療計画をつくりました際にいろいろな議論がございました。開設許可そのものを制限をするということは行っておりません。
○秋葉委員 そうですね。この自由診療、自由開業制度は堅持されるべきだというのは、昭和六十年の社労委員会で自民党の長野議員が質問をして、増岡国務大臣が官僚統制など毛頭考えていないという答えがある確認事項ですので、改めて確認させていただいたわけですが、そういう……。
○谷(修)政府委員 御質問に十分お答えしておりませんでした、自由診療という意味がちょっとはっきりわからないものですから。俗に、一般に言われているのは、いわゆる自由開業医制ということは言われております。
○秋葉委員 自由開業制度だけで結構でございます。 その自由開業制度という大原則に対してさまざまな妨害行為をするということは、これはまたちょっとおどろおどろしい名前ですが、独占禁止法で禁止されているというのが日本の法体系です。この独占禁止法について、例えば医師の開業ということでこれまでさまざまな勧告あるいは審決というようなことが行われてきたわけですが、公正取引委員会に伺いますが、簡単に、最近例えば医師会が独占禁止法を犯した、それについての勧告、どのようなものが出されているのか、最近のものをお教えいただきたいと思います。
○和泉澤説明員 いろいろ案件ございますけれども、最近といった意味では、例えば平成八年の暮れに立川市の医師会、それから現在審判中でございますけれども観音寺三豊郡の医師会といったようなところに対して独占禁止法に基づく勧告あるいはその後に審決というものが出ているわけでございます。
○秋葉委員 そういった勧告等が出ていますが、それ以前の問題として、昭和五十年代にもかなり多数のこういった独占禁止法違反事件があったというふうに理解をしておりますが、それは正しいでしょうか。
○和泉澤説明員 昭和五十年代半ば、特に五十五年のころに多くの事案、事件というものが出てございます。また、私どもも各種の実態調査を行いまして、いわゆる医師会のガイドラインといったところ、活動の指針でございますね、というものも出してございます。
○秋葉委員 今おっしゃいました医師会の活動に関する独占禁止法上の指針、昭和五十六年八月七日に出ておりますけれども、そのうちの一つとして、「原則として違反となるもの」というところに「二-三 健康保険医療機関等の指定について、非会員が指定を受けることを不当に妨害すること。」という項目がございます。 ですから、今回の法案で、健康保険医療機関の指定を行わないということを、仮に医師会が非会員に対してこれを不当な形で行った場合には独占禁止法違反になる。したがって、国が仮にそのようなことを行っても、国は、これは独占禁止法の対象になっていないものですから、だから何でもやっていいという解釈もあり得るのですが、独占禁止法の精神としては、国としてもやはりこのような、不当に健康保険医療機関等の指定について、これを妨害をするのは独占禁止法の精神には反しているというふうに考えますが、公正取引委員会は勇気を持ってそうだと言っていただきたい。
○和泉澤説明員 先生から御指摘ございましたとおり、事業者または事業者団体を対象といたしておりますのが独占禁止法でございます。ですので、今回、この改正法案ございますけれども、内容を省略いたしますけれども、既存の病院に対しましても、著しく不適当なところがある場合というところなどでは指定の更新を行わないというふうなこととされている点もございますので、全体としては、そうしたことで、効率的または質の高い保健医療が提供されるように、適切に運営されていくというものと承知しております。
○秋葉委員 このガイドラインの趣旨は、非会員、例えば徳洲会は非会員なわけですが、そういった特定の非会員について、ほかの機関、例えば医師会の会員である医師が主宰者になっている医療法人とか、そういうところと比べて差別的な扱いをするということが独占禁止法適用の際の一つの条件だと思いますけれども、そういった点について、改めてここのところは、そういった差別的な行動を仮に医師会が非会員に対して行った場合には、それは独占禁止法、原則として違反となると明記されているわけですから、その精神からすると、その主体がだれであろうとも、独占禁止法の精神にはもとるということをもう一度伺いたいと思います。
○和泉澤説明員 先ほども申し上げましたとおり、独占禁止法は、事業者団体につきまして、例えば一定の事業分野における現在または将来の事業者の数を制限する行為などを禁止しているところでございます。 個別具体的なケースというところは個別の判断が必要になるのですけれども、団体というところで、医師会が例えば新規参入する医療機関の数を制限するなど独占禁止法に違反するおそれがあるというような行為が認められた場合には、これは問擬するということになるわけでございます。
○秋葉委員 時間が参りましたので終わりますけれども、要するに、国が医師会のかわりに、医師会の代理人として、本来だったら医師会がやれば違法になるようなことをするというのも、精神上非常に、精神からして非常に問題があるということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。 ―――――――――――――
○柳沢委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査中、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柳沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十三分散会