厚生委員会 第3号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/03/11
会議録
○船田委員長代理 これより会議を開きます。 委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)委員 自由民主党の佐藤剛男でございます。 本日は、昨日表明を賜りました小泉厚生大臣に対しまして、その所信につきまして、私どもの疑問あるいは考え方について披瀝させていただきます。できるだけ大所高所の議論をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ことしが、明治天皇が御存命でありますと、明治百三十一年に該当いたします。恐らく十年後の歴史家は、平成十年というもの、百三十一年の中で、私は、三つの大きなイベントがあった。つまり、歴史の大動乱期でありますが、これはいずれも外からの圧力というようなことで、第一が、今NHKの番組で、最後の将軍、徳川慶喜将軍ということでやっているわけでございますが、あの明治維新、いわゆるペリーがやってきてから十六年で日本の武士階級は消滅するわけでございます。第二が大東亜戦争の終結であります。そしてその中に財閥解体があり、あるいは農地改革、これはすべて外圧でありまして、私は、今日の憲法もマッカーサー憲法と言っている政治家の一人でございます。 そういう観点で平成十年を眺めていきますと、四月一日からのビッグバンという、意外にこの問題はずっと十年先から、平成二十年から平成十年を眺めますと、一つの非常に大きな日本の歴史の大動乱期に該当しておる。そして、その四月一日を、あるいは三月三十一日の株価水準をどうするか。自己資本比率という形の中に分子に株価の含み益というようなものが入ってしまった、それが一つの大きな支障になっているわけですが、その金融の破綻を製造業、商業への破綻に遮断をするという対策を中心に景気対策等々が行われているわけでございます。 そういう過程の中で、予算委員会において景気政策がなされておりますが、私は、今、厚生省にとって景気的な面からも非常に重要な、むしろ厚生大臣が通商産業政策よりも、あるいは大蔵大臣の政策よりも、そういう景気面で非常に重要な時期になっているのじゃないかということを感じておりますし、日ごろの小泉大臣の御行動に対しまして私は深く敬意を表している政治家でございますから、なお一層の大臣の御活躍を期待するものであります。 それは何かといいますと、昨年末以来アジアを襲った、今でも襲っていますが、私はオオカミ投機集団、こう称しているのでありますが、世界の中において一日に約一兆ドルとも、もっとさらに多いだろう、試算ができないドルが、あるときにはウォンを買いあるときにはウォンを売り、そしてあるときにはルピアを売りルピアを買い、そしてバーツを買いバーツを売るということで、今やインドネシアは四分の一の価値になつちゃった。簡単に言いますと、一ドル百二十五円、今、もうきょうあたり百二十七円ぐらいですが、百二十五円だったものが一ドル五百円になってしまったということで、この価値が下がったということで、今インドネシアにおいては新聞報道されているように大変なる動乱寸前のような状況に行き、アメリカのコーエン国防長官が行っておる、その横をマラッカ海峡が、日本の石油が中東からそこを通って来ているという現状であります。 つまり、私が申し上げようと思っているのは、今予算委員会等々で景気対策いろいろ言われていますが、日本の経済というのがもうアジアの経済の中にすっぽりと入っているわけでございまして、従来の景気局面と根本的に違うのは、私はアジア経済がうまく動かないと日本経済はうまく動かない、そういう意味において、昨年来暴れ回っている国際的オオカミ投機集団の状況を見ているわけでありますが、そのオオカミ投機集団の状況が、日本ももう少しで食いつぶされそうだ、これが昨年の状況であります。 そしてそこで、金融安定化の防波堤を敷いて、今法律も通りビッグバンを迎えるわけでございますけれども、どうしても避けて通れないのが将来に対する不安、経済的に言うと消費であります。GNP、GDPに占める割合が六割を超えるこの消費の問題。家計に入って、あるいはお年寄りの方々のこの消費の問題というものを分析しながら、そして明るい将来の不安感を解消することこそ私はこの景気対策の大きな柱になっておる。 ちなみに、例えば一千二百兆円の個人の金融資産がある。よく一千二百兆円が独立して動きますが、私はそれをうのみにしているわけではございませんが、中身は半分ぐらいは自営業等々がありますが、仮に六百兆円としましても、一割が動くと六十兆円が動くわけでございますから、その将来に対する国民の不安感。何が不安感かというと、今、一流会社に行けば倒れないと思ったのが、一流会社が倒れておる、あるいは銀行に預けても金利が非常に安い、そういう状況の中で一つの、先が見えなくなってきているというのが私は今日の状況であると思っております。 地元に帰りますと、年金は大丈夫でしょうか。今一番国民が関心を持っておるのは、医療もしかり、いろいろな問題はありますが、本当に自分たちの年金が減額されないで、将来に対してちゃんと保障を受けるのかどうか、こういう方々が、老人クラブ等々でありますと必ずと言っていいほど出ているわけでございます。これは皆、厚生委員会の委員の先生方、地元であれしますと、まあ、医療の問題もあります、しかしそういう中で問題は、私は年金問題だと思います。 なぜ、年金と、私が最初に言ったアジアのオオカミ集団とが連結するかといいますと、アジアのオオカミ集団のもとは、一日に一兆ドル動かすというもとは、あの昭和四十八年に石油のショックがありました。一バレル、ドラム缶三分の二のものが横浜港渡しで一ドル四十五セントだったのが一挙に十倍になった、そして中近東にいわば富がトランスファーされた。移転をしたが、中近東の方は消費がない、人口も少ない、そんなにたくさん食べるわけじゃない、そこで、輸入がふえるわけじゃないので、その金をいわゆるファンドマネジャーといいますかプロに預けた。 そういうようなもののお金と同時に、さらにそれに加えていろいろな、英国において、アメリカにおいて、いわゆる年金に関係するシステムが変わってきたわけであります。この年金のシステムが変わってきたということは、言うなれば、日本型といいますのが確定給付型とかいうことだと思いますが、日本の企業年金というのは、加入した期間とか給付水準に基づいてあらかじめ給付額が決められておる、これが確定給付型の年金制度でありますが、ところがアメリカでは、拠出した掛金額とその運用収入の合計額をもとに給付額が決められる確定拠出型であります。これが年金として四〇一Kとか言われている年金が普及いたしているわけであります。つまり、プロの人に委託をしてそれを動かす。私は、一兆ドルの資金の中にはそういう資金が、この資金の中で色がわかりませんからあれですが、相当のものが流れているだろうと理解いたしているわけであります。 さらに英国、これが従来の確定給付型から、サッチャーになって非常にアメリカ型の、確定拠出型的な形になって流れてきた。これが昭和四十八年の石油ショックのオイルマネーにプラスして流れてきて、孜々営々として汗水垂らして働いた経済、インドネシアあたりはもう第二次大戦の戦後の状態である。あるいは、韓国においては二分の一の減価になって、占領状態になっている、戦後の状況になっておるという恐ろしい状況が起きているわけであります。 ですから、日本の一ドル百二十五円体制というのがこのまま、日本の経済がしっかりして、そしていろいろな対策をきちっとやっていかなきゃいかぬが、そうじゃないと、もしインフしみたいなものが起きると、根本的に、一番将来への不安感を持っているこの年金について、パアになってしまうか、要するに減価してしまう。今、例えば百三十兆円なら百三十兆円の資産運用がなされておる、そういうものについて私は、非常にそういう意味において一つの心配をしながら見守っているわけでございまして、大臣の所信表明で、四ページに出ておりますが、 老後の所得保障の主要な柱である公的年金につきましては、給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担が過重なものとならないよう、平成十一年の財政再計算に向けて、制度全般の見直しに取り組みます。改正案の取りまとめに当たっては、国民的な合意形成に努めてまいります。また、日独社会保障協定の締結、実施のため、所要の対応を図ってまいります。 このくだりについて私はちょっと長い説明を申し上げたわけでありますが、非常にいろいろな要素を加味してこの年金問題に取り組むこと、そして、その問題がきちんとはっきりしますると、国民の、一千二百兆円の一%にすれば十二兆円、実質的な、六百兆かもしれないその一%にすれば六兆円、そういうようなものが、国民が安心すればそれは私は自然に消費の形に向く。しかし、今国民が一番あれしているのは、本当に年金がもらえるのか、ちゃんといくのか、こういう観点が私はあるのじゃないかと思うわけでございまして、まず、かような点について、いろいろ申し上げましたけれども、問題の点は、私が申し上げたいのは、日本で今までやってきました確定給付型、こういう年金制度を、まだ年金の問題についてはいろいろ議論する場があると思いますが、確定拠出型のような形に持っていくと、この年金制度がマネー闘争の中に、マネーゲームの中に入ってしまう危険性が非常にあるということを、私、どっちがいいとか言っているわけじゃないのですが、ということを加味して、年金の関係の審議会等におきましても十分な、慎重なる議論をしていただきたいということでございます。 ついては、大臣、これからの年金の、平成十一年に向けましてどういうふうな形で進められるのか、そしてどういうふうな形で今申し上げましたような考え方を、日本型あるいはアメリカ型、こういうようなものについての御感想をまずお聞きいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 年金の将来像についてなんですが、年金というのは、特に公的年金制度は、高齢者にとって、もう単なるお小遣いではなくて生活の主要な柱になっています。今後とも年金というのは生活の重要な柱として、役割を果たしていこうという意識を持っている方が圧倒的に私は多いと思います。 その中で、厚生省としては、昨年十二月、将来の年金制度を堅持していくという中で、五つの選択肢を提示しました。年金を受ける側に立って見れば、年金給付は多ければ多いほどいいという気持ちはだれでも持っているわけでありますが、同時に、その給付を支える現役世代、若い世代、いわゆる保険料を負担する側に立って見れば、保険料の負担は低ければ低いほどいいということだと思うのですが、今や年金制度というのは、自分が積み立ててその積み立ての分を老後にいただくというよりも、現役世代が負担してそれを老後で受け取るという、積み立て方式よりも賦課方式の傾向が強くなっている。こういうことを考えますと、受け取る側と負担する側、いわゆる給付と負担の均衡をどうやって図っていくか、調整していくかというのが大変重要だと思います。 そういう中で、五つの選択肢の議論をこれから各界でしていただくわけですが、今後、高齢化社会、少子社会を望みますと、どうしても、人生五十年の時代に五十五歳なり六十歳から年金を受け取ればいいという時代から、人生命や八十年時代です。そういう中で六十歳あるいは六十五歳かち受ける。もう数十年前からがらりと変わっているわけです。むしろ、年金を受け取る年齢に入ると、もう平均寿命を超えて余禄の時代だ、余生だという時代から、むしろ年金を受け取っても元気でばりばり働ける時代が多くなってくる時代でありますから、これは大変な変化であります。 しかも、受け取る側、高齢者はどんどんふえていきます。保険料を負担する若い世代は減っていく。受け取る数がふえて、しかも受け取る期間も長生きの時代ですから長くなっていく。こういうことを考えますと、給付だけのことを考えていられない。負担する世代、いわば給付と負担の均衡をどうやって国民的合意の中で形成していくかということで、昨年末、五つの選択肢を出したわけであります。もちろん五つの選択肢だけではありません。五つの選択肢を基本にしていろいろな修正案が出てくるでしょう。 しかし、基本的には、だれがどう考えたって、年金というのは、給付、年金をもらう額をどの程度にするのか、若い人の保険料、負担をどの程度にするのか、どこまで税金を投入するのか、同時に、それでは年金を受け取る年齢を何歳にするのか、この四つの組み合わせしかないのです。今言った支給開始年齢を何歳にするか、給付をどの程度にするか、負担をどの程度にするか、税金をどの程度まで投入するのか、この四つを国民全体でどの程度にするかを今後考えていただきたいということで年金の選択肢を提示し、またことしの二月には年金白書を取りまとめたところであります。 今後、各界各層の議論をいただきながら、どういう制度を日本国民は選択するのか、厚生省としてはその選択の素材、資料を十分国民に提示して、国民的議論を巻き起こして、永続的な公的年金制度を維持できるようなよりよい制度を構築していきたいというふうに考えております。
○佐藤(剛)委員 ただいま小泉大臣が五つの選択肢をおっしゃられ、それを広く積極的に情報を開示しながら国民的な議論を起こして、これは非常に重要なことだと思いますが、このおっしゃられた点について年金改革の検討を進めていく。 まさしく大臣おっしゃられましたように、今や人生五十年じゃなくて人生八十年とおっしゃいましたが、私は地元では、人生百年です、こう言っておるわけであります。昭和二十年、戦後のときと今の状況というのは全く変わってきているわけでありまして、よく厚生省のあれを見ていましても少子・高齢社会という言葉を使う。それは大分言っているのですが、これは余りいいニュアンスを持ちません、率直に言いまして。 私は、エージレスソサエティーというのを提起をしているものでございますが、これは簡単に言いますと年のない社会、無齢化社会あるいは無老化社会とでも訳しますか、高齢化社会というのは英語でエージングソサエティーと言うわけであります。高齢社会というのはエージドソサエティーと言うわけであります。私は、エージレスソサエティー、つまり、よく還暦にあれしますと、還暦何と言いますが、私どもの地元の方でいいますと、還暦というと、ちょっと言い過ぎですが、成人式おめでとうございますなんてやるわけであります。それはちょっと言い過ぎでありますが、二十歳ぐらい引いて六十歳の人は四十歳、つまり孔子が言った不惑の年じゃなくて、初めて惑い出す初惑の初の方ですね、初めての惑いが始まるのが四十歳でございまして、それからずっと来ておるということではないかと思っています。 そして今、昔のライフサイクルというのは、総領十五は貧乏盛り、末子十五で蔵が建つと言って、女性が二十歳で子供を産みまして、三歳ごとに子供を五人産みまして、三十五歳で産み納めというのがライフサイクルである。ですから、総領十五になったときには、下に弟、妹、子供が四人いるわけでありますから、総領十五は貧乏盛りで一番大変だったのでありますが、末子が十五になりますと、上にお姉さん、お兄さん、四人いて働いていますから、末子十五で蔵が建つ、こういうことを言ったのですが、そのときには、一番下の子が十五のときには、親が三十五で産み納めですから五十歳、そうすると大体親はいなかった。親孝行したいときには親はなし、こう言っていたわけであります。 そういう時代であったわけでありますが、今や親孝行したくないのに親はいる、こういう状況が今出てきているわけでありまして、ある意味で、人生が非常に長寿社会になって、そして子供の還暦には大体親も、子の還暦親も立ち会う長寿国というような長寿社会になった。しかし私は、高齢問題というのはそれほど深刻に考える必要はないのだという立場であります。むしろ、少子の方の問題がこれからの何十年たった後の問題ではないかと思っている一人でございます。 そういうことで、言葉自身も、六十五歳以上を高齢社会というのを、私は、お医者さんなどにいろいろ聞きますと、七十五だというのですね。七十五まで大丈夫だ。だから、七十五以上を老人と言ったらいいじゃないですか。そうすると、高齢高齢といいましてもそんなに人間はふえないですよ、もう七十五から人口は。今六十五だと二千万ぐらいのあれですけれども、七十五以上をあれする、こういうシステムにいって、年金の問題もそうです。医療の問題もそうです。もう六十歳で元気ぱんぱんですよ、地元に行きますと。特に学校の先生上がりの人が老人クラブの会長をやっていまして、そういう人たちはもう八十何歳ではんばんやっていますから、四十、五十ははな垂れ小僧になっておるようなものでございまして、やっと六十ぐらいになって一人前になってくるようなのが、私は今、福島は独特なのかどうか知りませんけれども、そういう感じでございます。 そういう意味で、すべての厚生省の考え方をこの機会に私はいろいろ変えていく必要があるのじゃないのかなというあれを持っております。 一つは、福祉という問題。これは今度の行政改革の名前の問題についてもいろいろ問題になったところでありますが、福祉というのは、昔はお金のない人、それから体のハンディキャップがあった人、こういう人に対してするというわけでありますが、今は人生百年の時代、そういうふうになってきて、皆いつしかは車いすのお世話になるような時代、私は車いすの世話にならないように健康管理をできるだけいたしておるわけでありますけれども、そういうふうな時代になってきますと、すべて国民なんですね。福祉というのは独特にやれる概念じゃないだろうと私は思っております。 そういう意味で、社会福祉事業の問題自身の、名前一つにこだわるわけではございませんが、概念とか範囲とかそういうような見直しをいろいろやるのが必要であると思いますし、また、厚生省の中にあります、地域の中においての民生委員とかあるいは児童委員とかいろいろありますが、そういう方たちの実際の役割にふさわしい位置づけをするとか、それからあるいは地域における役割としましての保健所あるいは市町村保健センターあるいは各種相談、そういうようなものの、一つの今中央においての行政改革がなされましたけれども、本当に必要なのは地方であります。地方の改革をしなければならぬ。 これから橋本政権はそちらの方に行くわけでございますが、そういう意味において、各省それぞれが自分のところの支分署を持ち、自分のところの地方のそういう出先を持っている関係のあるところ、今でいいますと、今申し上げましたような保健所、市町村保健センターとか相談所とかあるいはボランティア団体、社会福祉協議会、こういうようなもののあり方、地域のネットづくり、どういう生活支援をやるのか。それから、あるいは共同募金の問題についての配分方法の見直し、私はそういうことがたくさんあると思うのですね。 これを推進できる最も最適なる政治家は小泉大臣だと私は思っておりますので、どうかひとつ年金問題とか、介護の問題も一つ道を引かれました、それから臓器の問題にも引かれました、それからいろいろ医療の改革もされております。それとあわせまして、そういう面での、地域の福祉事業に対応した面の時代にそぐわないような状況についての根本的な基礎構造の抜本的改革をお願いいたしたいと思っておりますが、大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 今お話を伺っていまして、我々は、高齢化社会といいますと六十五歳以上というものをすぐ考えてしまう。考えてみますと、今見渡してみますと、六十五歳という方はお年寄りと言っては失礼なぐらい元気ですよね。地域においても確かにそうです。そして、生産年齢人口というと十五歳以上。ところが、各方面で最近出てきた論議は、十五歳以上というのは生産年齢人口というと早過ぎるんじゃないか、むしろ二十歳以上じゃないかということを言う方も結構出てきております。 今までの定義ではうまく推しはかれないような情勢に最近はなっていると思いますが、ともかく福祉といいますと範囲が広い。そして、今までの観念では推しはかれないような人口構造どか社会情勢の変化、習慣の大きな変化もあると思います。揺りかごから墓場までという、人間が生きていく上においてあらゆる問題を抱えているというのが厚生省の仕事でありますので、それだけに各界の意見には十分耳を傾けていかなければならないと思います。 そういう中で、新しいあり方というものについては、単に悲観的な見方ではなくて、あすに希望が持てるような前向きの姿勢が必要だということが大変これからは重要であります。 考えてみれば、日本の経済はだめだだめだという受け取り方が現在一般的でありますけれども、三十年前から見れば、日本の円の価値はアメリカの三倍になっていますね。一ドル三百六十円の時代があった。それが百二十円で円安だ円安だなんというのは、余り慌てているけれども、アメリカがむしろ三分の一になっている。イギリスなんというのは、三十年前はたしか一ポンド千八円でしたね。今もう二百円そこそこでしょう。四分の一から五分の一になっている。これだけ日本の国力が上がっていながら、日本人が自分からだめだだめだという、将来に悲観を持っている。もっと将来に、だめならよくしようという気概を持つ必要があるんじゃないか。 昭和四十八年に石油危機が起こったときに、まさに石油の値段は四倍、五倍に上がりました。当時、一バレル二ドルそこそこが、三十年後、五十年後になれば一バレル五十ドル、百ドルになるんじゃないかと言った人がたくさんいたのです、学者の中で。ところが、省エネ対策と石油代替策と石油対策を充実させて、今や石油の価格が五十ドルどころじゃない、大幅に下がって二十ドルを割ってしまった。 こういうことを見ても、私は、今が悲観的な状況だったらば、自分たちの力でよりよい社会にしていこう、よりよい時代にしていこうという意識なり気概を持つことが大事じゃないか。福祉の社会におきましても、老後は暗いんだというんじゃなくて、いかに明るい老後をつくろうか、そしてお互い支え合うような社会保障制度をつくっていくかということが大事でありまして、そういう視点から、今までの観念にとらわれないで、新しい時代の福祉社会はどうあるべきかということにつきましては、今後いろいろ希望を持って検討し直すということが大事ではないかと思っております。
○佐藤(剛)委員 大臣が、先ほど、三百六十円から三倍に価値が上がったと。そうなんですね。私が四十三年にアフリカに大使館員で行ったときには、一ドル三百六十円で、千ドルしか持っていけなかった。三十六万円を日銀に持っていって、外交官で千ドルしか持っていけなかった。そういう時代でありました。そして、帰ってきて、四十六年に外貨持ち出しが三千ドルだった。ですから百八万円までになった。そのようになってきましたその次に、ニクソン・ショックで、輸入課徴金がかけられて、金とドルとが行ったという時代であります。 そして、今や日本の輸出額は四千億ドル、五十兆円ですね。ですから、五十兆円というのはGNPでありましても一割ないのです、ありがたいことに。ですから、一割もないわけですから、輸出が減ったから日本経済がおかしくなるとかなんとかではない。また、輸入にしても、もう三千億ドルの規模であります。三十七兆円であります。GDP比率で七%でありますから、そういうあれでアジアの他の国々とは根本的にまた違う。 それから、経常収支にしましても、ことしの見通しというのは一千億ドルですね。十二兆円ですね。しかも、外貨準備は世界一の大体二十五兆円ぐらいあるわけなんですから。そのうちの半分はアメリカの赤字国債を買っているような状況でありますから、そういう意味において、日本の足腰というのは相当強いわけであります。 それからまた、さらに加えれば、対日直接投資というのは、外国からの直接投資というのは約六千億円。六千億円でありますから、直接投資が少ない少ないとよく日本では言うのでありますけれども、しかし、先ほど申し上げた個人の金融資産の一千二百兆の、仮に六百兆が事実だとしても、その一%やれば六兆円の話ですから。 つまり、先が見えれば、日本人のお年寄りの人たちは、今銀行に積んでも金利は低いといって元金を食いつぶしているわけですね。ですから、頼りにしているのは公的年金、これが一番あれで、公的年金は大丈夫なのか。若い人になると、今度は損得勘定が出てきまして、保険料払った分、公的年金というのはもらえなくなるんじゃないか、こういう声が逆に出てきている。そして今、倒れないと思っていた神話がどんどん崩れていって、企業はつぶれる、銀行はつぶれる、証券はつぶれるというような話になってしまうから、そういう面で、お先がはっきりしないから、私は今日の日本の閉塞感というのがあるんじゃないか。 その閉塞感を打破するのは、一つは、将来に対する年金像というものをはっきりとさせて、そしてこういうことをやりますよと。お年寄りの人たちは、自分の年金が今よりもっと減ってしまうのじゃないかと誤解している面というのは随分あるわけですから、それは減らないよ、減らないですよということをはっきりと、厚生大臣がお年寄りの人たちに大丈夫です、任せてくれということを言う形とか、そういうことが非常に重要な時期に今いるのではないか、かように私は考えるわけでございます。 それから最後に、所信表明のところで、「日独社会保障協定の締結、実施のため、」というようなことがありますので、それについてちょっとお伺い申し上げます。 イギリスとかアメリカとか、他の国との協定は締結されてない、日本人は今七十万人ぐらい外国に行っておる、こういうふうなことで、これは積極的に進めるべきだと思いますが、年金のシステムというのは相当、先ほど申し上げましたように、日本でいいますと確定給付型、アメリカでいえば確定拠出型、こういうふうなもので制度が違ってきておりますから、そういう面での配慮というのは私十分必要なんじゃないかと思いつつ、御質問させていただきます。 今の二点につきまして、国民に対してはっきりする。それから、条約の問題についてここに所信を表明されておりますので、私はこの外国のあれというのは非常に重要だと思いますから、イギリス、アメリカ等々についても違いを前提にしながら進めていくということを申し上げさせていただきます。
○矢野(朝)政府委員 第一点の、年金は減らない、こういうことを明確にしろということでございますけれども、先ほど大臣の答弁にもございましたように、次期制度改正に向けて年金審議会等で今御議論をお願いしているわけですけれども、年金というのはどういたしましても給付と負担の均衡を図っていかなければいけないということで、そういった問題が非常に重要になってくるわけです。 ただ、これから将来、年金財政は厳しくなるから給付を抑制しなければいけない、こういう御意見はあるわけですけれども、万一給付を抑制するとした場合にありましても、今もらっている年金を減らすというようなことはだれも考えていないわけでございまして、給付を抑制するというのは将来に向けて伸びを抑制するということでございまして、今もらっている年金が減る、こういうことはもう絶対あり得ないことでございますので、そこはもうはっきりこの際申し上げたいと思います。 それから二つ目の、年金の通算協定の問題でございますけれども、これはようやくドイツとの間でほぼ話がまとまりまして、お互い短期の滞在者については二重適用を排除しよう、それから、長期間加入した場合にはそれぞれの国の加入期間を通算をして年金に結びつけよう、こういうことで話がまとまりまして、近々署名もできる運びになっております。これは今国会でぜひ、この通算協定と、関係国内法の改正案を提出して御審議をお願いしたい、こう思っておるわけでございますけれども、ドイツは第一歩でございます。 あと大きなところは、何といいましてもアメリカ、イギリス、こういったところが控えておるわけでございまして、こういった国ともできるだけ早く通算協定を結びたいということで努力してまいりたいと思っております。
○佐藤(剛)委員 小泉大臣から直接いろいろ有意義なお話を賜りましてありがとうございました。 大臣のさらなる御活躍、御健闘をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○船田委員長代理 松本純君。
○松本(純)委員 自由民主党の松本純でございますが、ただいま佐藤剛男議員の年金等々を初めとする御質問に引き続きまして、小泉大臣の所信に対しまして、数点お伺いをさせていただきたいと存じます。 まず初めに、少子化問題についてでありますが、これはもう既に御承知のとおりでありますが、近年、我が国では少子化が急速に進行しておりまして、一人の女性が一生の間に産む子供の数の平均、いわゆる合計特殊出生率は平成八年で一・四三となっておりますが、総人口を将来的にも維持をしていくためには二・〇八が必要と言われております。この数字を大きく下回っているところであります。 一方で、平均寿命は基本的に延び続けておりまして、平成八年で男性が七十七・〇一年、女性が八十三・五九年と、いずれも世界最高の水準となっております。そして、これらの少子化と平均寿命の伸長とが相まって、我が国では高齢化が急速に進行しており、二十一世紀半ばには国民の三分の一が六十五歳以上という、世界でも類を見ない少子・高齢社会を迎えようとしているところであります。 少子化と高齢化の進行は、労働力人口の減少を通じて経済成長の鈍化を招く可能性があるとともに、ただいまも御議論いただきました年金あるいは医療、福祉など、社会保障の分野において現役世代の負担を増大させることになります。また、子供の数の減少は、単身者や子供のいない世帯の増加といった、家族形態の変化や広い地域での過疎化の進行をもたらすほか、子供自身の健やかな成長に対する影響も懸念されるところであります。 このように、経済的にも社会的にもさまざまな影響を及ぼします少子化の問題について、今後正面から取り組んでいく必要は当然あるわけでありますが、二十一世紀の少子・高齢社会に向けて、少子化対策にどのように取り組んでいく覚悟であるのか、まず大臣の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 昨年、人口問題審議会で少子化の問題を議論していただきまして、今後の少子化における対応策を今後皆様方で幅広く議論をしていただかなければならないのですが、この少子化の影響というのは、もうあらゆる制度に及んでくると思います。 我々通常の常識でも、我々の子供の時代は、男は仕事、家事育児は女の仕事というのが一般的でありまして、女性もそれを疑っていなかった。男はもちろん。ところが最近は、この考え方ではもう通用しなくなっている。男も女も、仕事も家事育児をともに分かち合って協力していこうというのが一般的になってきましたし、今委員が指摘されましたように、女性が社会進出していき、共稼ぎの世帯がどんどんふえていく。家庭環境も違ってまいりました。そういう中で、これから少子化における社会の問題というものを将来にわたって検討しながら、今までみたいに産めよふやせよというような政策をとれる時代でもありません。それぞれ、女性にしても男性にしても、自分の仕事を持ち、子供を計画的に産み育てる、そういう時代になっておりますので、高齢者の社会参加をどうしていくか。六十歳というのはもう高齢者の部類には入らないのじゃないか、むしろ六十歳現役でどうやって生かしていくか。さらに、女性が男性と同じように仕事を持ち、社会に進出していく。高齢者と女性の社会参加の広がりをどのようにとらえていくか。 そういう中で、子育てがしやすいような環境をどうやって整備していくかというのをこれから、厚生省としても、また国会においても議論をしていただき、そのような子育てしやすい環境を具体的な政策でどう打ち出していくかということを今後しっかりと検討して、それを実施に移していくことがこれから厚生省として大変大事な仕事であると認識しております。
○松本(純)委員 昨年十月に取りまとめられました厚生省の人口問題審議会からの提言においても、少子化の要因への対応としては、 すべての個人が、自ら結婚や出産を望んだ場合 には、それが妨げられることのないよう、結婚 や出産の妨げとなっている社会の意識、慣行、 制度を是正していくとともに、子育てを支援す るための諸方策の総合的かつ効果的な推進を図 ることが重要である。このようにされております。 特に女性の社会進出等を背景に、夫婦共働き家庭が一般化し、一方で、核家族化の進行や地域社会における近隣とのつながりの希薄化等によりまして家庭や地域の子育て機能が低下しており、こうした中で、子育てしやすい環境の整備を図るため、利用者の多様なニーズに対応できる質の高い保育サービスを提供することが重要であると考えられますが、保育施策の充実に向けての厚生省の対応についてお伺いをいたします。
○横田政府委員 先生御指摘いただきましたように、近年、共働き家庭が一般化いたしますとともに、女性の就業構造も非常に多様化してきておりまして、保育に対するニーズも非常に多様になってきております。私どもといたしましては、こうした環境変化あるいはニーズの変化に対応いたしまして、柔軟な、多様な保育サービスをどのように提供していくかということが大きな課題であると考えております。 これまでも、エンゼルプランあるいは緊急保育対策等五か年事業を策定いたしまして、多様な保育サービスの展開に努めてきたところでありますけれども、昨年におきましては児童福祉法を五十年ぶりに改正いたしまして、本年四月から施行することになっておりますが、入所方式等につきましても、従来の行政処分による措置入所というような形から、利用者が自由に選択できる利用契約型のシステムに改めるなど、大きな改正を行ったところでございます。 また十年度予算におきましても、ニーズの高い乳児保育等につきまして、限られた一定の保育所で実施する仕組みから、すべての保育所で実施できるような仕組みに改めますとともに、あるいは正規の保育時間が終わった後の延長保育等につきましても、従来は市町村の許可が一々必要だったわけでありますけれども、各保育所において自由に実施できるような仕組みに改める、あるいは保育所の開所時間につきましても、各保育所で自由に設定できるようにするとか、大きな規制の緩和、充実等を図ったところでございます。 今後とも関係省庁とも連携を密にしながら、私ども、利用者の視点に立った保育サービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
○松本(純)委員 次に、医療保険制度についてお尋ねをしたいと思います。 医療保険制度については、かねてより抜本改革の必要性が叫ばれておりまして、与党といたしましても昨年八月に抜本改革案をまとめたところであります。 抜本改革のメニューは、国民に開かれた医療提供の実現、薬価制度の改革、新しい診療報酬体系の構築及び高齢者医療保険制度の構築など広範多岐にわたっており、国民、関係団体、関係業界にも重大な影響を及ぼすものであることから、十分に国民的な論議を行うことが必要であろうと考えます。 一方、医療費は毎年一兆円以上も増加をし続けておりまして、我が国の医療保険制度も早期に治療をしなければ手おくれになりかねません。 私は、抜本改革の早期実現に向け、全力を挙げて取り組んでいく必要があると考えますが、厚生省は医療保険の抜本改革を今後どのように進めていこうとされているのか、また、その方針について大臣にお尋ねをしたいと存じます。
○小泉国務大臣 昨年八月に抜本改革案を厚生省としてお示しし、医療保険福祉審議会を発足させまして、現在、議論をしていただいております。これは制度全般にわたる抜本改革案でありますので、当然、時間がかかります。 現在、審議会においては、診療報酬体系、薬価基準制度について審議をしていただいておりますので、すべてまとまってからというよりも、まとまったものから順次所要の改正をしていく。当面、診療報酬体系と薬価基準制度、この問題で大方の取りまとめができれば、いずれ国会でも御議論いただくと思いますけれども、この抜本改革案の方向に沿った案を各界で議論をいただきまして、国会でも御審議いただくと思いますが、今までとは違った大改革でありますので、審議会での十分な審議を経て国会に所要の改正案を提出したいと考えております。
○松本(純)委員 診療報酬体系及び薬価制度の見直しについて、審議会での検討を進めているということでありますが、さらに、その検討状況と厚生省の今後の方針についてもお尋ねをさせていただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 昨年の八月に与党の医療保険制度改革協議会でおまとめいただきました抜本改革案、この与党案に基づきまして、医療保険福祉審議会の制度企画部会で昨年の十一月以来御審議をいただいております。相当精力的に御審議をいただいておりますので、既にもう十二回にわたる審議をお願いをしてまいりました。 そういった中で、ただいま大臣から御答弁ございましたように、まず診療報酬体系の見直し、それから薬価基準制度の見直し、この二つの課題から御検討に入っていただいております。かなり各論的な問題から入っていただいたような格好になりますけれども、これはそれぞれ、見直しを行うということになりますと、専門家も含めた作業に相当時間を要するということでございます。そういったことから、この問題から御審議をいただいております。 既に、診療報酬体系につきましては一わたりの御議論をいただきまして、そういった意味ではある程度、関係の議論の整理を終えたところであります。しかし、かなり広範多岐にわたる問題でもありますし、そういった意味ではいろいろ、意見がやはりまだ一本化できない、あるいはそれぞれの考え方が出されておりますので、そういった意味で、一わたりの御議論を踏まえて、またさらにそれぞれ、とりわけ意見が分かれている問題につきまして議論を深めていただく、こういうことにしております。 それから、その後、薬価基準制度の見直しについて御議論をいただいておりまして、これもかなり議論が進んでおります。次回は、この薬価基準制度の見直しに当たりまして、関係団体、医薬品のメーカーあるいは卸関係、これは国内の団体ばかりではありませんで、アメリカあるいは欧州における関係業界の団体、こういった方々からのヒアリングを行うという段取りにいたしております。こういったヒアリング等を受けまして、さらに薬価基準制度のあり方についての審議を深めていただきたい、このように考えております。 そういった意味では、私どもとして、やはりこれからまだ時間を要するというふうに考えておるわけでございますけれども、これらの審議の取りまとめができましたならば国会においても御議論いただきたい、このように考えております。 さらには、この後の問題として、老人保健制度のあり方、この問題についても御議論をいただくことになるわけでございまして、そういった意味では、抜本改革全体の姿が見えるまでにはまだ慎重な御審議をお願いをするということで考えております。
○松本(純)委員 昨年の九月、健保法の改正より、国民の皆様は大変心配をしておりまして、受診抑制などというような声も聞こえるような、そんな状況にありますが、どうぞ国民の皆様を中心に、理解、納得のいく、そんな制度ができ上がるように御努力をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。 医療費の増加という点では、医療供給サイドの問題についてもこれは検討する必要があると思いますが、都道府県知事は、医療計画において、地域の医療ニーズに基づき必要病床数を定めますが、既に必要病床数に達している地域において新たな病院の開設の申請があった場合には、都道府県知事は医療法に基づき、都道府県医療審議会の意見を聞いた上で開設中止等の勧告を出すことができるとされております。 しかしながら、昨年来各地で、都道府県知事の勧告にもかかわらず、勧告の強制力がないからといって病院の開設が強行されようとする動きがあります。このような動きは、一部の病床過剰地域が全体としての医療費を押し上げることとなり、医療費の適正化の観点や健康保険の健全な運営の観点からもゆゆしき問題であると考えますが、厚生省としてこの問題にどのように取り組むのか、御見解を伺います。
○高木(俊)政府委員 御指摘のとおり、今全国各地でそういったトラブルが起きております。ただ、私どもとしましては、医療についてもこれは経済行為がございますから、そういった意味で、経済的な行為を行うに当たっては、できるだけ規制とかあるいは制約というものは少ない方がいいのではないかという基本的な考え方に立っておりますけれども、ただ問題は、そういった中で、医療について申し上げますと、これはいろいろ経済学的にも言われているところでございますけれども、ほかの経済行為と比較して、いわゆる市場メカニズムといいますか、そういったものが働きにくいというふうに言われておるわけであります。 そういった中で、医療費という観点から見ますと、ベッド数と入院の医療費というものはかなり強い相関関係が見られます。そういった意味で、私どもとしましては、やはり既に病床が過剰である、それからまた、都道府県知事が、そういった中で、地域においてこれ以上増床等は要らないというようなケースにつきましては、医療保険サイドにおいても、いわゆる医療保険制度、保険医療機関としての契約は結ばないというような方針をとっておるわけであります。 問題は、そういった中で、必要な医療機関なり、あるいはまた良質な医療機関というものの参入というのが抑制されるということになるのではないかという懸念があるわけでありますけれども、こういった場合の判断としましては、それぞれ、その地域における都道府県の医療審議会なり、あるいはまた都道府県知事がその必要性というものは御判断されて、必要がないという場合に勧告がなされる、こういうふうに考えておるわけでございます。 そういった意味で、勧告がなされない場合には、これは保険医療機関としての契約をするということで考えておりますけれども、地域において必要がないという判断がなされたケースについては、これは私どもとしては保険医療機関としての契約はしない、このような方針で考えております。 そういった内容につきまして、必ずしも現行法上、明文ではっきりしないという面が指摘されておりますので、このたび御提案しております国民健康保険法等の一部を改正する法律案の中で、この関係についてきちっと明文化をするというような形で御提案を申し上げているところでございます。
○松本(純)委員 終わります。ありがとうございました。
○船田委員長代理 金田誠一君。
○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。 まずは、小泉大臣の改革に向けての姿勢につきまして、第一点目、質問させていただきたいと思います。 さきの国会、PSW法とST法の審議の際に私は申し上げた記憶があるわけでございますが、小泉大臣は期待される政治家像の一人として大変国民的人気が高いということを申し上げた記憶がございます。その代表的な政治家は、私どもの菅直人代表であり、あるいは宮城県知事の浅野史郎さんであり、そして小泉厚生大臣であるということを申し上げました。 この国民的期待、人気が高いのは、改革への期待によるというふうに私は思うわけでございます。例えば、菅代表であれば薬害エイズを解決に導いた。浅野知事であれば、官官接待の疑惑を解明して、大臣には申しわけございませんが、小沢さん、三塚さんの連合軍を見事に打ち破った。そして小泉大臣であれば、郵政三事業に対する大変大胆な発言があると思うわけでございまして、この三人に共通していることは、お役人の書いたペーパーをただ読むだけという政治家では全くないということだと思います。自分で判断をし、自分で責任を負える政治家だという期待感が国民にあるのではないかというふうに思うわけでございます。こういう政治家こそが、市民の立場に立つ、そして情報を公開して、官から民へ、中央から地方へ、こういう改革をやってくれるのではないかという期待感だと思うわけでございます。 ところが、きのうの所信を伺いまして、実は大変残念に思ったわけでございます。こうした国民の期待にこたえる、そんな内容に残念ながらなっておらないのではないか。大臣みずから手を入れて本当に書かれたのだろうかという思いなんでございます。あの所信の中からは、改革にかける大臣の熱意が残念ながら感じられなかった。正直言ってそう思うわけでございます。 そこで、改めて大臣の改革に対する姿勢を伺いたいわけでございます。 私は、国民が今期待している改革とは、護送船団方式を排して規制緩和をする、競争原理というものがあらゆる分野で働くようにして既得権が排除されていくということであり、あるいは官から民へ、これは、大臣の持論である郵政三事業もそういう中の大きな柱の一つだと思うわけでございます。あるいは中央から地方へと、分権型社会をつくるということであり、そして情報公開がされ、市民が参加できるということだと思うわけでございます。それが改革であり、今国民が期待し、そして行政が求められているものだと思うわけでございます。それをやっていただけるのではないかという期待感が大臣に対しては私はあるのだろうと思っているわけですが。 この改革の理念は、厚生行政においても全く例外ではない。厚生行政の中で、医療保険制度なり、さまざまな制度の中にこの改革の理念を取り入れて改革をしていかなければならない。その熱意が実はきのうの所信からは伝わってこないわけでございまして、改めて、小泉大臣にとって改革とは何なのかという基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○小泉国務大臣 改革ということはだれもが使う言葉でありますが、これは今後、厚生省のいろいろな政策課題についても言えることであります。社会保障制度全般にわたりまして改革をしていかなければならない。特に、昨年の国会におきましては介護保険制度創設、これも大きな改革の問題であったと思います。さらに、医療保険制度、年金制度、改革しなければならない問題ばかりであります。 その改革の中で大事な視点は、やはり自立の社会だと思います。「じりつ」というのは、みずから立つという言葉とみずからを律する、両方だと思います。真にみずからを助けることができる人も国家に依存していたら、自立社会は成り立ち得ません。みずから助けることができる人が多ければ多いほど、みずからだけでは助けることができない人を支えることができる社会が成立すると思います。 そういう面において、年金においても医療においても、どこまで国がやるべきか、どこまでみずから助けるべきか、こういう視点がないと、これから私は、お互いがもたれ合った、依存した社会になって、本当の活力が失われてしまうのじゃないか。 みずから助ける精神、そしてお互い助け合う社会、足らざるところを公的に支えていく。こういうことを考えますと、あらゆる制度において、みずから助けることができる人は自分でやってもらいたい。真に必要なところにどこまで社会なり国が手を差し伸べていくかという視点が、あらゆる制度において私は欠かせない視点だと思っております。 官から民へ、これも当然であります。介護保険制度一つとってみても、今や、地方への権限というのは、大幅に移譲されて、地方の役割というのは大変大きなものになっている。医療におきましては、これは自由市場経済の中で統制経済的な面が強く出ておりますけれども、その中にあっても、できるだけ民間の活力をどうやって維持をしていくかということが大事であり、年金におきましても当然であります。国が国民から強制的に保険料を取るのと、自発的な、みずからの蓄えを促していくのと、どういう調整を図っていくか。 いずれにしても、厚生行政の中においては、自由市場経済みたいな規制緩和とか、あるいは民に全部ゆだねればいいのじゃないかという点がいかない分野が多いものですから、それだけ難しい問題が多いと思いますが、いずれにしても、できるだけ規制というものは少なくしていこう、個人の、みずからを奮い立たせ、助ける精神を涵養していくような、そういう制度を維持していこうというのが私は大変大事な視点ではないかと思っております。
○金田(誠)委員 大臣の基本的理念についてはよくわかりました。そうした理念が厚生行政のそれぞれの分野に具体的に適用していけばどうなるのかという改革の方向を所信でぜひ示していただきたかったなという思いはございますが、大臣の考えについてはよくわかりました。 一つだけ申し上げておくとすれば、前段御質問がございました松本先生からの御指摘の中で、保険医療機関の指定の問題について最後触れられていたわけでございますけれども、大臣の自立という立場に立ち返ってこの問題をとらえればどうなるのか。 確かに、医療保険制度、非常に規制された中の制度ではありますけれども、そうした中で、その中に、何といいますか、いわゆる既得権の擁護、参入規制という要素が働いていやしないか。現実に、今まで通達という形で保険医療機関の指定の問題についての厚生省の考え方が示されていて、その通達では規制できなくなって、今度は法改正だということによって、果たしてこれが参入規制の強化ということになりはしないか。 一方で、病床数と医療費の相関関係ということが仮にあるにしても、それをもって直ちに参入規制の法制化のような形をとることは実際いかがなものか。改革についての基本理念と現実に提案されている法改正との関連をどうとらえればいいのかなという疑問がわくわけでございますけれども、この件については、今、別途法律として提案をされておりますから、そちらの審議の中で深めさせていただきたいな、多少触れるだけにきようはとどめておきたい、こう思うわけでございます。 そこで、大臣の方から、改革の原点ともいうべき「じりつ」、みずから立つ、みずから律するということが表明をされたわけでございまして、私もそういう意味では同感でございます。中央から地方へ、官から民へという流れのその原点を示した言葉かな、こう思うわけでございますけれども、そうであれば、地方自治、地方分権ということが非常に重要な要素を持ってくると思うわけでございまして、そういう分権、自治と、現実に先般厚生省が通達をした平成九年十二月二十六日付の水道環境部長の通達「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部改正について」、なぜこのような通達がその分権、自立という思想のもとで出てくるのかなということについてお伺いをしたいと思うわけでございます。 昨年、廃棄物処理法が改正になって、処理施設の設置についてのルールが変わったということでございます。それに伴って厚生省が出した通達は、「周辺地域に居住する者等の同意を事実上の許可要件とする等の法に定められた規制を越える要綱等による運用については、必要な見直しを行うこと」こういうことになっておるわけでございます。分権、自立という理念に照らして、果たしてこういう通達が出てくるものなのかと疑問でなりません。 自立ということから考えれば、まず廃棄物の処理は、自分の責任で自分の地域において処理をする、他人に迷惑をかけない、これがまず原点にあるべきではないのかなということでございますが、それが自立ということに照らした本来のあり方なのではないでしょうか。廃棄物が出た、それをどこかに持っていって、例えば瀬戸内海の豊島に持っていって捨てるとか、あるいは御嵩町に持っていって捨てるとか、こういうこと自体が、本来、自立ということから考えて、どうなんでしょうか。私は自立の理念とは本来相入れないもの、まずこう思うわけですが、この辺からお答えいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 基本的にはそのとおりなんですが、廃棄物一つとってみても、それでは、ある町なり村なり、その出たごみは全部その町なり村なりで処理しようということになった場合、東京一つ考えてみても明らかであります。千代田区あるいは港区、昼間の人口というのは、住んでいる夜の人口に比べると、十倍どころじゃない、何十倍。それを、昼間の住んでいない人のごみまで千代田区なり港区なり、全部処理するのか。これはとてもできない。だからこそ広域処理が必要になる。あるいは、市や県においても同じようなことが言える。 そこで、本来だったらば都道府県、市町村で全部自己完結型、循環型の処理機構なり制度をつくって処理できればいいのですけれども、そういうことにはいかないということで広域処理が必要ではないか、お互い都道府県、全国が協力する必要があるのではないかという中で、都道府県の自主性なりを尊重してやってきたわけでありますが、中には、この廃棄物の処理施設については、通達なりあるいは法律上の手続が明確ではなかった、あいまいな点が多いということで、もっと全国共通の一つの基準をつくったらどうかというような意見が出てきたところから、今よりもわかりやすいような手続を定めたわけでありますけれども、今後、この仕組みによって、各都道府県が、施設ごとに地域の生活環境への適切な配慮を審査することが可能になったと私は思います。 今まで明確な基準がなかった。こういう基準、こういう手続によって周辺の住民の意見を聞いた方がいいですよということで、これが全国共通になりましたから、自分の県ではこういうことをやっている、よその県ではこういうことをやっている、ごみの問題も地域によって違ってくると思いますけれども、このような、法に定められた一つの要綱なり手続を基準にして、周辺の意見を聞きながら、迷惑をかけることのないような施設をつくっていきたいということであります。 私は、この自主性という中で、各県が独自にやらせろという意見もわかりますけれども、場合によっては、その独自の意見というものよりも、むしろ全国共通の基準を示してくれという地方もあるわけですので、そういう点も配慮しながら、今後、いかに環境に悪影響を及ぼさないような処理施設をつくっていくかというこの趣旨をよく都道府県に理解していただきまして、それが反映するような形で各都道府県が独自に処理施設を建設する、それを国が支援していく。 一例を申し上げますと、これは今、フグの調理師の試験なんというのは、山口県でフグの免許を取っても東京では開業できない、東京でフグの免許を取っても山口県でできない。同じ免許ならどこでも全国できるようにしてくれという意見があるのだけれども、これは都道府県で決めるのだからだめだと。ある県では、全然フグ料理をしないから、そんな免許をつくる必要はない。食べる人にとってみれば、この県は甘くて毒にあたるかもしれない、この県はきつくて安心だというよりも、免許を持っておる、全国共通の方がいいというのが、私は食べる人の立場だと思うのです。 だから、各県独自にやって、ごちゃごちゃの、では免許も、あちこちでやりたいのだったら幾つも取らなければならないというと迷惑がかかる。こういう点を、やはり全国統一の基準をつくった方がいいのではないかという意見もあるわけですから、これ一つとってみてもなかなかうまくいかないのです。 そういう意味において、都道府県の自主性と全国統一基準という問題は、今後十分留意していかなければなりませんけれども、住民の立場に立って、また都道府県なりの、これからの環境を配慮する面において独自性と全国の統一基準、よく御意見を聞いて、支障のないような措置なり支援が必要ではないかと思います。
○金田(誠)委員 フグの話はちょっとさておいても、ごみの話に戻るわけでございますけれども、確かに、大臣おっしゃるように、本来自分の住んでいるところで、その市町村なり都道府県で処理できれば一番いい。これが自立の原点だと私は思いますし、その原点自体を大臣は否定されているわけではない。しかし、物理的に、では東京のごみどうするのよという話は、それは当然のことですよ。 しかし、人様の住んでいるところの目の前に持っていってごみを捨てるに当たって、捨てる権利があるとか、捨てるのが当然だとか、文句を言う方が悪いとかいうものではないだろう。人様が今まで平安に暮らしていたところに産業廃棄物処理施設、どこも何の問題もなければだれも文句は言わないと思うのです。文句が出るというのは問題があるから出るわけでして、その際に、やはり頭を下げて、どういう条件をつければよろしいですか、御了解いただけますかというふうに頼むのが自立社会の当然のことではないですか。それぞれ自立しているわけですから、まずは自分の責任においてやる。どうしてもできない場合が出てくる、そのときは、他人の自立を侵さないように、そこに話し合いというものが出てくるわけですよ。そういうことだと思うのです。 そして、それぞれの地域にはいろいろな地域事情がある。捨てられる方も、地理的条件は一律ではない。どうしても非常にピュアな水を使わなければならない産業が興っているところもあるかもしれない。空気が汚れては困る、例えば医療施設を抱えているところもあるかもしれない。それぞれによって、国の一律の基準よりも、ある意味では、これをこうしてくださいよ、ああしてくださいよ、規模はこうしてください、ここよりもこっちの方がいいですよとか、いろいろなことがあるかもしれません。そういうことをきちんと言える社会が自立の社会ではないですか。そういうことを都道府県が今言っているわけですよ、今までも言ってきた。 新たな国の基準ができて、もう言わなくてもいいような、そうなってしまえばこれは別かもしれません。都道府県だって特別忙しい思いをしたくないと思います。しかし、旧来の流れの中では、言わざるを得ないという事例がたくさんあったのではないですか。厚生省だって努力をしているのはわかりますが、そんな胸を張って何の問題もありませんなんと言えるような状況ではないわけですよ。あちこちいろいろな問題が起きているわけです。それほど面倒なわけです。 そこで、都道府県も、自己責任のもとにさまざまな基準だとか要件だとか手続とかを定めているわけです。それがなぜ悪いのですか。「定められた規制を越える要綱等による運用については、必要な見直しを行う」これはまさに中央集権そのものではないですか。何か都道府県がやっていることが悪いことをやっているような、こういう通達はいけませんよ。 これはひとつ、どういう真意なんですか、その辺の真意もはっきりしていただいて、大臣の言っている趣旨で、きちんと理解のできるようにしていただきたいなと思うわけです。
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物の処理施設につきましては、いわゆる迷惑施設であるというふうなこと、あるいはダイオキシン問題等環境問題が非常に絡んでおりまして、近年、その設置や運営に伴いまして地域の紛争が多発をしている状況であることは十分承知をいたしております。 しかしながら、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、改正前の廃棄物処理法におきましては、施設の設置等につきまして明確な手続にかかわります条文が整備をされていなかったということがございまして、住民同意等の内容を含みます都道府県の要綱がこれを補完する役割を果たしてきたというふうに承知をいたしております。 この場合におきましても、施設の設置が周辺住民の理解のもとで行われること自体は大変望ましいことでありますし、また、理解を得ることは非常に重要だと考えておりますが、逆に、適正な施設計画でありましても住民の同意が得られないという限り許可されないという運用につきましては、法の規制を超えるものというふうに考えております。 こういった状況下におきまして、昨年、法律改正を行いまして、都道府県の要綱の目的あるいは内容あるいはその持っている限界等を踏まえました上で、所要の手続を、これは全国共通の手続を定めたところでございまして、この仕組みによりまして、都道府県知事が、住民の意見等を踏まえまして、各施設ごとに生活環境に十分配慮されたものかどうか、もし適正に配慮されていないと判断をした場合には、これは不許可になりますし、あるいは条件づきで許可をするというふうなことが可能になったわけでございますので、厚生省といたしましては、法に定められた規制を超える要綱等につきましては法の趣旨にのっとって適正な見直しをお願いしたところでございまして、このような手続は、産業廃棄物が非常に広域処理をされているという実態を踏まえまして、生活環境保全の観点から、全国統一的なものとして定めることが不可欠な性格を有するものでございます。 法の趣旨にのっとった統一的な運用を行うように指導するということにつきましては、地方分権の方向に反するものではないと私どもとしては考えております。
○金田(誠)委員 私も、統一的な基準つくりはだめだと言っているわけではないのです。それは最低基準として、このレベルはクリアしてくださいよということはいいと思うのです。 ただ、それぞれの地方にはそれぞれの事情もあり経過もあり、いろいろなことがあるわけです。それについて都道府県知事が、まさに地方自治、地方分権、自立という観点からさまざまな基準をつくったり要綱をつくったり、行政指導をやったりいろいろしているわけでず。それに対して中央が、それはけしかるとかけしからないとか一々言うことかという話をしているわけです。 それは、知事の権限でやっていることですから、それが不法だとか違法だというのであれば産廃業者と裁判にもなるでしょうし、裁判所がしかるべく決着つけるでしょうし、何も厚生省が産廃業者の肩を持って都道府県にああだこうだという指示をするのが地方自治ですか、それが自立ですか分権ですかと。旧態依然の中央集権的発想ではないですかと。 どうですか、大臣。今この答弁をそのまま容認なさいますか。それとも、やはり一工夫ここでする必要があるのではないですかというふうに思うわけですが。
○小泉国務大臣 具体的といいますか実際的に考えますと、都道府県知事がその自分の県内で出るごみをどう安全に処理するかですから、施設をつくらなきゃ困るわけですね。つくれないような基準を設けることができるかどうか。自分たちの出したごみをよその県に持っていかないでどうやってその県内で処理するかということだと思います。 知事が独自の判断で全国基準よりも厳しい基準をつくってやるなら、私はこれはそれでいいと思います。そして自分の県内のごみが処理できるんだったら、そして施設業者がそれができるんだったら、私はいいと思います。
○金田(誠)委員 都道府県知事も、自分の県で出るごみを自分の県で処理したくなくてさまざまな要綱をつくったりしているわけではないわけですよ。処理をする、その上で問題を起こさないかという立場でさまざまな苦労をされているということなわけです。ましてや、他の都道府県から県境を越えてくるごみ等も多いわけで、そしてそれが特にまた問題を起こしている。 確かに、新たな基準はできた、しかしそれは全国共通の基準にすぎないわけですよ。地域には地域の事情があり経過があり、さまざまなものがあるわけです。それを配慮してそれぞれが要綱等をつくっておられる。その状況の推移を見きわめればいいじゃないですか。新たな基準で何らその要綱が必要なくなるんであれば、なくなるように知事も当然自主的にそれこそ自立で考えるでしょうし、そうしたことを見きわめもせずにこういう通達が出されて画一的な運用がされれば極めて問題が多いだろうというふうに思いますので、ぜひひとつこれについては十分留意をされたい、できることならこの通達は撤回をしていただきたいと思うのですが、それができないにしても、画一的な指導等がされないように強く申し上げておきたい、こう思います。 これにばかり時間をとってしまってちょっとあれなんですけれども、次に移らせていただきます。 大臣、先ほどの基本理念の中でも大臣触れられましたけれども、そういう意味では、大臣のおっしゃったニュアンスと私の抱いている思いとは多少ここでは違いがあるのかなという受けとめを実はしたのが、いわゆる社会的なセーフティーネットといいますか、それについての考え方なんでございます。 いわゆる護送船団方式を排除する、規制緩和をする、市場原理、自己責任、自立というコンセプトでなければこれからの新しい時代というのは私は乗り切っていくことができないだろうというふうには思います。一面では非常に厳しい、自由があるけれども厳しい、そういう社会構造に変化せざるを得ないのかなと。 ここであわせて申し上げたいのは、その自由な、自立した競争社会というものが私は平等にそうなるべきで、特定の業種とかがとりわけて規制が温存される、あるいは行政による特別な手当てが温存されるとかいうことであってはならないんだと思うのです。 どうも今回の金融の問題もそうですし、あるいは保険医療機関の指定についての今の問題もそうですけれども、建前では押しなべて規制緩和だ、自己責任だと言うんですが、どうも力の強いといいますか、政治力があるといいますか、そういうところは別扱いをされるのかなということであってはならないというふうに思うわけでございますが、それはさておいて、いずれにしても、そういう規制緩和社会になればなるほど私はセーフティーネットというものがきちんとしていなければならない、ほころびがあってはならないと。 確かに、自己責任を負える年齢、身体、健康、そういう状態があれば自己責任を第一義的にやっていただくと。しかし、人間生身でございますから、年もとれば病気にもなるということでございます。したがって、この市場原理、自由競争、自己責任という改革が進めば進むほど、いざというときのセーフティーネットはしっかりしたものでなければならない、私はそう思うわけでございます。 先ほど来の大臣のおっしゃりようとは多少ニュアンスが違うのかなと私は思いながら今質問をしているわけでございますが、そういう基本に立つとすれば、今回のキャップ方式ということで、例えば厚生省予算であれば八千億の当然増が三千億に切り込まれる。これはもう現行制度を何らいじらなくてもそうなると。制度改正をしなくても、高齢者人口の増とかそういうことだけで当然増になる、それを切り込むということでさまざまなところに無理が出ている、セーフティーネットの信頼を失っているというふうに思うわけでございます。 そういう意味からすると、キャップ方式は規制緩和社会におけるセーフティーネットの重要性を理解しないものだ、こう言わざるを得ないと思うのですが、どんなものでしょう。
○小泉国務大臣 これは全省庁にわたる問題だと思いますが、今の財政状況で果たして将来やっていけるのかな、若い人たちが負担できるのかなということを思うと、大変厳しい状況だと思います。 そういうことから、財政構造改革をしなくてはいけないという中での厚生省の予算でも、八千億円増を三千億円を上限として認めるというような形で予算編成をしたわけであります。これから、年金にしても医療にしても、高齢者がふえますから自然増がどんどん出てくる。その負担をどうするかということでできるだけ効率的な制度を構築していこうという中での改革ですから、それは見方によりますが、私は、それでは現状のままでどんどんどんどん厚生省予算をふやしていけばどうかとなると、これは、大変な税負担なり社会保険料負担なくてはやっていけないと私は思います。 しかしそういう状況は許さない、増税はしてはいけない、国債を増発してはいけないという中での予算編成を今後していかなきゃならない。これは各政党、各議員も同じだと思います。 であるからこそ改革をしなきゃいけないというのであって、私は、現在の非効率な面あるいはむだな面をできるだけ見直していこうという形で医療保険制度改革も今着手しているということでありますので、医療の負担ばかり言われますけれども、負担できる人には負担していただきたいという形でそれぞれの改革案を考えているわけでありまして、別に負担できない方にまで負担しろという考えではないわけであります。 だからこそ、医療改革におきましても、低所得者対策とかあるいは高齢者対策とか、それぞれ所要の措置を講じておりますし、これからも、負担のできない人に国なり厚生省がどの程度まで支援をしていくかという問題は、個々の政策、事例によって私は違ってくると思います。 一概に今の予算を減らしてはいけないという形でいきますと、私は、厚生省予算だけで国の全予算の半分を超えるような予算になっていく。それだったらこの負担に耐え切れないからこそ、今から改革を進めていかなきゃならないということでやっているということをぜひとも御理解いただきたいと思います。
○金田(誠)委員 今のキャップ方式なるものを公共事業関係費その他と一律に厚生省予算にも当てはめるのがいかがなものかということをお尋ねをしたつもりでございますが、大臣の方は直接に、このキャップ方式云々よりももっと大きな方に話を持っていかれたようでございます。 その中で、負担できる人は負担してもらうということがあるわけでございますけれども、いずれにしても負担せざるを得ないわけですね。負担の仕方としては、税で負担をするか、社会保険料で負担をするか、あるいは本人の自己負担という形で負担をしてもらうか。トータルの、例えば医療費のベース自体を下げるとか、薬価自体を下げるとか、こういうものはまた別にあるわけでございますけれども、その制度が同一だとすれば、負担をする仕方としては、税による負担か、社会保険料による負担か、本人の自己負担かということしかないわけです。だれも負担をしないで、どこかからお金が降ってくるわけではない。 問題は、どういう形で負担することが、大臣のおっしゃる負担できる人には負担していただくということになるかということなんですね、負担できる人には負担していただく。 本人自己負担を上げていきますと、負担できない人まで一律、これは所得によって自己負担が違うわけではないですから、一割負担とか二割負担とか、あるいは薬の負担とかというのは、所得によって負担を変えるということは恐らく不可能でしょうから、その自己負担分をふやしていくということは、大臣のおっしゃる負担できる人には負担していただくということには必ずしもならない場合があるということだと思うのです。 そして、私は現実にその弊害が今起きているというふうに思うわけでございます。個人消費が非常に冷え込んでいるわけでございます。その要因の一つに、この社会保障制度、セーフティーネットが信頼を失いつつあるのではないか。私は、非常にそのことを危惧してお尋ねをしているわけなんでございます。 規制緩和社会になればなるほど、セーフティーネットがきちんとほころびなくしつらえられる必要があるんだという前提でお尋ねをしているわけでございますが、この近年の社会保障制度改革、医療も去年行われました。年金はまだですけれども、五つの選択肢ということで示されていて、これは将来どうなるんだろうという不安がもう社会を覆っているわけでございます。 私は昭和二十二年生まれのいわゆる団塊世代でございますけれども、同期が会合をして話が出るのは、我々が六十五なりになったって、本当に年金は出るんだろうか、出るわけないよなと。その日のために、それじゃどうするかということなんです。まさに自立するしかないわけなんです。そのときになって惨めな思いをしたくないとみんな思うのですよ。そうしたら、若いうち、元気なうちに蓄えをしなければならないというふうに思うのですよ。社会保障制度、セーフティーネットが信頼を失うと、黙っていてもみんな自立するのです。何も強制されなくたって、人間ですから、惨めな思いをしたくない、きちんと生きていたいと思うわけですから、自己防衛をします。個人消費が結果として減るわけです。そのことが税収にもまた影響を及ぼす、景気を低迷させる、こういう悪循環に陥っているのではないか。そこにまたキャップ制度ということで追い打ちをかけているのではないか。 厚生大臣として、厚生省として、本当に今の国の予算のあり方がこれでいいのかというふうに私は思うわけなんです。ぜひひとつその辺を踏まえて、社会保障制度、セーフティーネット、それをどうしつらえていくのか、それと景気なり税収なりとの関係をどうお考えになるのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 そんなに違わないと思うのですが。これは各省、予算をふやしたいというのは、みんな思っていると思うのです。しかし、そういう状況じゃないからこそ、上限を設けてキャップ制度で予算を組んでいかざるを得ない。 それで、厚生省予算だけ削減しろなんというのは、私はだれも思っていないと思うのです。当然、公共事業にしても、十年度予算はマイナス予算を組んでいますし、これからどうなるのかわかりませんけれども、景気の問題がこれからの予算編成にも微妙に絡んでくると思います。しかしながら、基本的に、これだけの財政負担をしていきながら、予算をふやせふやせ、社会保障だけ例外だということにはならないなというふうに考えております。 今回、そういう意味におきまして、大変厳しい予算編成をせざるを得なかったわけでありますけれども、この状況は、私は、たとえ景気が回復したとしても続きます。今後、若い世代に過重な負担をさせないためには、何も厚生省関係、社会保障関係予算だけではありません。すべての省庁の予算が、若い世代にツケを回して国債を発行すれば、若い世代に対する増税と同じですから、こんなこと、うまくいくわけないのです。 ということを考えますと、私は、必然的に現在のむだな部分、非効率な部分は、あらゆる分野において、何も社会保障の分野だけじゃありません、公共事業も同じであります。あらゆる分野において厳しい見直しが必要だなということを言っているのであって、どうしても国の手当てが必要なところまで削減しろということではないということをぜひとも御理解いただきたい。そういう中において、今の社会保障制度改革も進めていくべきではないかなというふうに考えております。
○金田(誠)委員 あと三分しか時間がなくなりましたので、一言だけ。 厚生省の予算だけ別枠にしろとかなんとかということを申し上げているつもりはないのです。社会保障制度、セーフティーネットの信頼が損なわれるような状態は避けなければならないということを申し上げているわけなんです。 特に今回、児童扶養手当あるいは難病、小児特定疾患等々も切り込まれたわけでございます。一つ一つ取り上げると、それぞれ理由があるようでございます。あるようでございますが、総じて言えば、こうしたことが進行することによって、自己防衛の機運を高めているということなのでございます。 仮に、例えば児童扶養手当に手をつけるにしても、例えば諸外国に比べると、児童扶養の保障の履行制度というものが日本では非常に不備でございます。離婚制度一つとっても、諸外国はすべて裁判所が介在する。子供の扶養についてもきちんと取り決めがなされる。それを履行させる裏づけがある。そうしたことが一切ない。男女の賃金格差というのは、諸外国に比べると雲泥の差でございます。 そうしたものが一方で放置されていてこういうところに手をつけられると、社会保障制度そのものが信頼を失う。将来どうなるんだろうという不安感ばかり。年金もそうですけれども、そういうやり方はすべきでないということを強調したいと思います。 最後に、一つだけ答えてください。いい悪いは別にして、十兆円規模の補正をやるという話が出ております。公共事業優先だというのですが、景気回復のためにはもっと社会保障に、こういう金が公共事業に回せるのだったら、先ほど来主張しているわけですけれども、社会保障の信頼回復ということに使うべきでないでしょうか。その辺、厚生省としても十分検討して、しかるべく発言していただきたいと思うのですが、それだけお聞きをして質問を終わります。
○小泉国務大臣 十兆円規模の補正予算というのはどこから出てきているのか、またどういう具体的な姿を示しているのか、私は定かには知りません。 しかし、この十年度予算におきましては、全省庁がマイナス予算を組むという中で、厚生省は、プラスだといったって三千億円ですから、実質的には八千億円からマイナスにしなければならない厳しい予算を組んだのです。そこで、景気のためといってほかの省庁が例外予算を組むのだったら、これは厚生省も、話が違うじゃないかということを私は言わなきゃいかぬ。その点は十分心得ているつもりであります。
○金田(誠)委員 公共事業関係で補正というようなことは、もしかすればないのかもしれません。ないのかもしれませんが、いろいろ取りざたをされているものですから、そうであれば、話はおかしいではないか。義務的経費の社会保障関係費を切り込んで、一方で、公共事業だってやったにこしたことはないでしょう。やったにこしたことはないけれども、今までより減らされている状態、社会保障を切り込むのとはわけが違う、本質的にわけが違うのだと私は思うわけなんですけれども、そういうことが一方で行われるとすれば、この社会保障制度を所管をする立場として、ぜひひとつこれにはきちんとした対応をしていただきたいということを御要望を申し上げたい、こう思うわけでございます。 時間が来たようなので、まだ残りがあるのですけれども、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○船田委員長代理 家西悟君。 着席のまま質疑をどうぞ。
○家西委員 民友連の家西悟です。私、質問をさせていただきたいと思います。 薬害エイズ訴訟の和解が成立して、今月の二十九日で丸二年がたちます。私はこの間、差別的なエイズ予防法の廃止を訴えつつ、医療体制の整備や充実、遺族弔慰事業の推進等を要請してまいりました。政府は、HIV感染者を障害者認定するなど、福祉面においては非常に前向きな評価ができる施策を実施していただいていると思います。この件に関しては非常に私は感謝申し上げたい。 しかし、実際にこれが運用されたときにいろいろ問題も生じるかと思いますので、そのときは即座に改正していくなり、そういうことも御検討いただきたいと思います。そして、なお不十分なところも多々見られるので、以下、何点かを御質問させていただきたいと思います。 まず第一に、遺族弔慰事業について、薬害根絶の碑の建立の件でありますが、この件では、東西の薬害HIV訴訟原告団、弁護団との折衝を重ねていることは仄聞していますが、まず場所の問題についてお考えをお伺いしたいと思います。 この碑は、ただ建設すればよいというものではなく、広く国民や社会に対して反省の意思表示をするということが大切だと思います。その意味を御理解いただき、場所について現在どのようにお考えなのか、ぜひともお答えいただきたいと思います。
○中西政府委員 先生から御指摘のとおり、原告団の皆様方から要望がございます碑の問題につきましては、碑をつくるという方針のもとに、現在まで、大臣の指示もございまして、まず碑文をきちっと詰めろということで、相当の頻度で今協議を進めてきておるところでございまして、私どもとしては、できるだけ早く文章を固めたい、その上で、碑文の内容にふさわしい場所ということを検討いたしまして、原告団との御相談をいたしたい、かように考えております。
○家西委員 私は場所のことを聞いているので、碑文云々ということを具体的にどうこう今質問したわけじゃありません。場所として、厚生省として、どこを考えておられるのかということをお尋ねしたわけです。 そして、今原告団の方から聞いている話では、医薬安全局長の部屋とかいう話も聞いております。そんな場所に建設してほしくはない。広く国民や社会に対して反省の意思を表示するというところに場所を考えてほしいということを言っているわけで、その件についてはどうお考えなのかということをお尋ねしたわけですから、それについてお答えください。
○中西政府委員 今、家西先生のお話の趣旨も十分踏まえまして、よく検討させていただきたいと思います。
○家西委員 それでは、碑文についての質問をしたいと思いますけれども、薬害根絶の碑の言葉については、当然適切な表現が望まれると思います。国の責任を認めること、今後このようなことがないよう誠意を持った意思表示をすること、この二つは約束していただけますでしょうか。
○中西政府委員 碑文の内容につきましては、血液製剤によるHIV感染事件等への反省のもとに、医薬品による健康被害の再発防止に向けた厚生省の決意を明らかにする、そういった方向で原告団の皆様方との間で協議が今進んでおるところでございます。
○家西委員 では、大臣にお伺いしたいと思います。 この間、原告団、弁護団と大臣との交渉の経過を仄聞しておりますが、国民や社会に対して二度と薬害を起こさないための薬害根絶を誓った碑を建立すると大臣からの約束をいただいたようでありますが、私はこれを信じておりますが、いま一度この場で確認させていただければと思いますので、大臣の方からひとつよろしくお願いいたします。
○小泉国務大臣 碑を建てるということで、今、どのような文章がいいか、どのような場所がいいかということは、局長が答弁しましたように、今、原告団とよく相談しなさい、しかもできるだけ早くまとめるようにと指示しております。その方向で進めていきたいと思います。
○家西委員 ありがとうございます。 では、次の質問をさせていただきたいと思います。 今日、スモンやサリドマイドの薬害事件が少しずつ記憶から薄れつつあります。あのような薬害における大事件でも時とともに忘れ去られようとするのが実態です。そうした意味でも、薬害資料館についても検討していただきたいと思いますが、その御所見をお伺いしたいと思いますので、お願いいたします。
○中西政府委員 昨年の大臣に対する統一要求書の中で、資料館の建設につきまして原告団の方から要望が出てございますが、まだ原告団の皆様方の中で構想を具体化するところまで至っていないというふうに伺っておりまして、具体的な構想がまとまって、お話がございますれば、私どもとしては、その時点でお話を伺い、対応していきたい、かように考えております。
○家西委員 では、建設することに対しては全然異論はないということで解釈していいのですね。 そういうふうに原告団から要請があった場合は、それは厚生省として責任を持って建設、建立をしていただけるというふうに解釈していいのでしょうか。
○中西政府委員 先ほども申し上げましたが、原告団の方で具体的にどのような手順でどのような内容のものをお考えであるのか、まだその具体的な面を詳細に私どもも承知しておりませんし、原告団の方でも十分な詰めがなされているとは私ども考えておりません。 そういったお話がまとまってきた時点におきまして、私どもとしてお話を伺い、私どもとしてどういうことができるのかできないのかについてよく相談させていただきたい、かように考えております。
○家西委員 では、そういう話がまとまったときには、ぜひとも誠意を持った対応をしていただきたいと思います。 次に、薬害エイズの事件に関して文部省にお伺いしたいと思いますけれども、来られていますでしょうか。 昨年の教科書検定において、一橋出版が申請した高等学校保健体育において、我が国のエイズ認定患者の記載が厚生省の見解で変わったという問題についてお伺いいたします。 一九八五年に、厚生省AIDS調査検討委員会が、国内第一号のエイズ患者として性行為感染者のいわゆる順天堂大学症例を認定したことは、一九八三年のいわゆる帝京大症例を隠ぺいしたのではないかとこれまで数々の指摘がされてきましたが、このことは、当委員会でも、参考人として元エイズ研究班班員であった松田重三帝京大学助教授も指摘しております。 そこでまず、教科書の記載が変わった根拠はどこにあるのかお伺いしたいと思います。
○月岡説明員 お答えをいたします。 教科書でございますけれども、教科書は、教科の主たる教材として学校教育に重要な役割を果たすものでございまして、その内容が中立かつ正確であることが求められております。教科書の検定は、このような観点から、専門家から成ります教科用図書検定調査審議会の審議を踏まえて行われているところでございます。 御指摘の記述につきましては、平成八年度の検定におきまして、 我が国のはじめてのエイズ患者の報告は一九八 三年であった。初期のHIV感染者の大半は、 輸入した治療用の血液製剤からの感染であり、 その薬害について、裁判による和解が成立した。 その後血液製剤に対する検査・処理体制が整備 され、また国内における献血活動による輸血用 血液の自給体制や検査体制も強化されたため、 現在では血液製剤(輸入血液製剤も含む)や輸 血による感染はなくなった。との記述がございまして、このことにつきまして、検定調査審議会の審議を経まして、我が国初めてのエイズ患者の認定の時期、裁判の和解の時期と血液製剤に対する検査・処理体制の整備の時期との関係、ウインドーピリオドとの関係での輸血による感染の可能性につきまして誤解を招くおそれがあることから、全体として正確性を求める検定意見を付したというものでございます。 御指摘の検定につきましては、客観的な資料に基づきまして、専門家から成る検定審議会の議論を踏まえて行われたものでありまして、検定は適正に行われたものと考えておるところでございます。 以上でございます。
○家西委員 では、厚生省の方にもお伺いしたいと思いますけれども、第一号認定患者というものは、血友病なのか、それとも性行為感染者なのか、どちらなんでしょう。
○小林(秀)政府委員 いわゆるエイズ第一号患者につきましては、AIDS調査検討委員会への報告順で考えますと、昭和六十年三月二十二日に開催された同委員会においてエイズ症である疑いが極めて濃いとの結論に達した症例が第一例目だ、このように考えております。
○家西委員 それはどちらというふうに今判断していいのですか。血友病なんですか、性行為感染者なんですか。血友病Bの患者さんがそうであるのか、それとも性行為感染者の人がそうなのかというのを聞いているのです。
○小林(秀)政府委員 今申し上げました第一例目の症例は、性交渉による感染者だと承知をいたしております。
○家西委員 そうなると、非常におかしな話だなと私は思わざるを得ません。 第一号認定患者というのは、ニューヨーク在住の方で、一九八五年に、日本に帰ってこられて順天堂大学で第一号であるというふうに言われた患者さんだと思うのですけれども、その方は、当時、日和見感染症は起こされていないはずですけれども、いかがなんでしょうか。日和見感染症を起こした場合にエイズ患者ですよ。そうでない人をどうして患者として扱ったのか、その辺についてお伺いしているわけですから。
○小林(秀)政府委員 お答えをいたします。 第一号症例につきましては、順天堂症例と承知をしておりますけれども、いわゆる順天堂症例と言っておりますけれども、これについては、当時の診断基準でもってこれがエイズである疑いが極めて濃い症例、こう申し上げたつもりであります。そういう判断になっております。
○家西委員 一九九六年二月二十六日、厚生省の記者会見でこの問題について、エイズ第一号患者と認定された方については、実は発症前の感染者であったことを認めて、記者会見されていますね。そして、当時、サーベイランス委員会はまだありませんでしたし、その当時の診断基準に照らし合わせればおかしくなるのではないですか、その第一号患者というのは。局長、答弁をお願いいたします。
○小林(秀)政府委員 お答えをいたします。 平成八年九月に、実はエイズサーベイランス委員会におきまして、いわゆるエイズ第一号患者についての検討を行っております。当時の山崎委員長のコメントがあります。私どもは、そのコメントどおりだ、このように考えておりますが、そのコメントをここで読ませていただきます。よろしゅうございましょうか。 当時のAIDSに関する医学的知見に乏しい状況の中で、AIDS調査検討委員会の判断は、当時の判断としては妥当であったと考えられる。 AIDS患者については、当委員会への報告順で考えれば、いわゆる順天堂大学症例が報告の第一例目であり、また、当委員会への報告例の中での発症順で考えれば、帝京大症例の方が古いことになる。 こういうふうに結論をされております。
○家西委員 だったら、発症となれば血友病患者ですよね。だったら、第一号患者というのは血友病になるはずではないのですか。 第一、一九八三年にエイズ研究班がスタートされましたよね、六月ですか。そして、そのときに、帝京大の安部英教授が、自分のところの患者がどうもそうであると。そして翌月、七月にはその患者が亡くなって解剖もされ、そして、重度の日和見感染症を起こしていたという解剖所見も出ていますよね。その患者が発症ではなくて、ただステロイドを使っているために、発症基準が当時のCDCの基準に適合できるかどうかというのは非常に難しいという判断はあったにしても、最終的には、ステロイドを使ったといえども、これほどの重篤な日和見感染を起こしている患者の解剖をしたことがないということを、瀬戸教授、班員の瀬戸さんという方が証言されていますよね。 そして、今言われているような症状があって云々という話になったら、当時の性行為感染者の人は、発症していないACの段階でニューヨークで感染告知を受けて、日本で治療を受けたいということで帰ってこられて、九十何年かに亡くなられているわけですよね、千九百九十何年。ここでは非常におかしな話になるんじゃないかなと。 やはりこれは薬害を意図的に隠したんじゃないかと私には思えてならないんですけれども、いかがなんですか。
○小林(秀)政府委員 今申し上げましたように、このエイズサーベイランス委員会としては、報告例として上がった順番で、当時の診断基準でいけば第一号というのは順天堂大学症例になると。ただし、今、後でちゃんとただし書きがあって、発症ということを先生がおっしゃり、発症ということであれば、その後で報告があった帝京大症例の方が古いと。 だから、どっちを第一号と言うのかというのは、厚生省の場合は、厚生省の検討会をつくって、そこに報告が上がってきた順番でいって第一号症例と申し上げたわけでありまして、その第一号症例というのをどう解釈するのかというのは、いろいろ御意見があるかもしれませんが、今のところは、厚生省としてはこの報告で来たのでは第一症例は順天堂大、だけれども、それより古いのに帝京大症例がありますと専門家の会議で言っているわけで、それはそのとおりですとこう申し上げているわけです。
○家西委員 あと二分ぐらいしか時間がありませんので……。 本当はこの問題、非常に僕は大きいと思っています。やはり第一号がどうだったのか。しかも、発症している人と感染者とは違うんだということは厚生省が御みずから言われていることであって、それなのに、なぜそういうふうになっているのかというのは理解しがたい部分です。 そして、時間が本当にありませんので最後の質問とさせていただきますけれども、一昨日ですけれども、三月九日に開かれた中央薬事審の企画・制度改正特別部会についての大臣の御見解をお伺いしたいと思いますけれども、この審議会の委員に患者の参加を決断されたことは非常に私は高く評価しております。委員の方の意見をどれだけ聞くかということも大切だと思います。 御存じのとおり、血液事業法は、供血法の内容が現在では対応できなくなったことのみならず、薬害エイズ事件の苦い反省の上に立った時代的要請もあったので、今まで以上の……。失礼しました。ちょっとおかしくなって申しわけないんですけれども、審議会の患者の意見をぜひとも、格段の配慮をしていただいて、意見を聞くだけではなくて、やはり取り入れていくという姿勢を大臣の方からお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○小泉国務大臣 審議会においては、血友病の患者の方からも、またさまざまな分野の委員の方から活発な議論をいただきまして、今後、今までの薬害の反省を含めながら、血液事業のあるべき姿についてしっかりとした結論をまとめていただくことを期待しております。
○家西委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○船田委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時四分開議
○船田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山本孝史君。
○山本(孝)委員 民政党の山本孝史でございます。 大臣、連日の委員会審議でお疲れさまでございます。よろしくお願いを申し上げます。 まず、財政構造改革法案と社会保障関係費についてお尋ねをいたしたいと思います。 午前中の佐藤先生の御質問は、小泉厚生大臣には大蔵大臣もあるいは通産大臣も兼任してほしいんだという思いを込めての御質問であったかというふうに受けとめておりますが、きょうは藤井大蔵大臣も聞いておられます、ひとつこの点で何点かお伺いをさせていただきたいと思っております。 まず、国民負担率の問題でございますが、財政構造改革法案では、財政赤字を含む国民負担率は百分の五十を上回らないように抑制することを目標とするというふうに明記されております。大蔵省からいただきました資料では、九八年度は国民負担率は五〇・七%になる。五〇を超えております。これは法に違反しているのではないかというふうに私は思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○小泉国務大臣 国民負担率に何を含めるかという問題もあると思いますが、五〇%を超えていなくても、現在程度においてもかなりもう税と保険料の負担は大きいという状況だと思います。 そこで、国民負担率という名前がいいかどうかというのは、今までの委員会審議でも出てきたところであります。国民負担率を使うよりも公的負担率を使った方がいいんじゃないかという指摘もあります。私もその考え方は十分理解できますし、現在の政府の方針というのは、公的負担率を五〇%を上回らない程度にしていこうということだと思うのです。 というのは、負担といえば、すべて負担と給付というのは国民全体にかかってくるわけですから、考えようによっては自己負担も国民負担に入るということも言えるわけです。ですから、この国民負担率という問題、今のところこれは個人の自己負担というのは含んでおりませんけれども、公的負担率というのが五〇%を将来上回らないようなことにしていかないと、今の制度を温存していきますと、これは当然増税をしないとやっていけない。増税はできないということから、あらゆる制度の見直しを進めていこう、非効率、むだな面をなくしていこうということでありますので、私自身、この国民負担率の定義をどうしていくかという問題は別にして、現在の政府の解釈にしておきますと、まだ五〇%は超えていない。その負担、国民負担をできるだけ少なくしていく上において社会保障制度改革もどう進めていくかの問題であって、今五〇%を超えているという話でありますが、その点は、どれを含めるか含めないかによって違ってくるのではないか。 詳しいことは政府委員から答弁させます。
○山本(孝)委員 何を含めるか。社会保障関係費といったときも、何を含めるかというのは、それはその時々の多少なりともアローアンスがあろうかと思いますが、今公的負担率とおっしゃっている、公的というのは、公の、私的に対する公的なという意味ですね。国民負担率を普通考えるときは、租税の負担率とそれから社会保険の負担率と国及び地方の財政赤字という三通りがあって、今言われているのは、租税負担率と社会保険の負担率を合わせて何%に抑えるか、あるいは財政赤字の部分を含めて幾らにするかという問題ですね。法律では、財政赤字を含めて五〇%、半分を超えないようにと言っているわけですが、十年度予算でいけば、租税負担率は二四・五%になっているわけです。この二四・五%が五〇%でもいいという今お示しなんでしょうか。
○小泉国務大臣 いや、今の政府の定義、詳しくは、どういう定義で進めているかというのは政府委員に譲りますけれども、租税負担と保険料負担率を含めて五〇%を超えないというのが、国民負担率、将来五〇%を上回らない形に持っていこうというのが今の政府の目標だと思います。
○田中(泰)政府委員 お答えいたします。 先ほど先生がおっしゃいましたように、税負担、租税負担二四・五%、それから社会保険料関係の社会保障負担ですが、これが一三・七、これに財政赤字を足したもの、これが国民負担率として今言われているものでございます。正規には租税負担と社会保障負担、これで数字を出した上で、あと財政赤字の話が入ってくるということだろうと思います。 それから、御存じのことと思いますが、平成十年度五〇・七%と国民負担率がなったということでございますが、これにつきましては、国鉄の長期債務及び国有林野累積債務が一般会計に承継されたということで、フローの財政赤字が一時的に膨らんだということが主たる原因でございまして、この部分を除きますと、平成十年度の国民負担率は四四・二%ということでございまして、この特殊要因を除いて考えるべきものではないかなというふうに思います。
○山本(孝)委員 今の審議官の御答弁であるように、何を範囲に含めるかというところはいろいろ議論があるから、ことしの場合は例外的に国鉄や国有林野の債務が入っているので五〇を超えているのだという議論はあるのです。 しかしながら、法にうたっているところの五〇を何であれ超えているということは法律に違反しているのではないかというのが私の趣旨なのです。それは一つのきょうの論点だと思っていたのですが、公的負担率が五〇%を超えないようにというふうな定義をこれは変更されているとしか私は思いようがないので、そこのところはきっちりとした議論をさせていただきたいのですが、きょうそれだけをやっていると一時間飛んでしまいます。 大臣、それはお話が違います。今おっしゃった、公的負担率を五〇%とおっしゃるのであれば、ここのところの議論はもう一遍やり直さないといけないというふうに思います。 もう一点、午前中の質問を聞いていて思いましたのは、十兆円を超える景気対策が今与党の中で検討されている。その部分については定かではないので言及するに及ばずという御答弁でしたけれども、私は、財政構造改革法案のときにも指摘をしましたけれども、この法案そのものは当初予算だけを対象にしているわけです。それにもかかわらず補正予算でこういうふうにいろいろ組んでいくということは、あの構造改革法案に盛り込まれている骨格部分の精神はもう既に全部消えているのだ。最初に申し上げたように、国民負担率五〇%という話も超えているし、補正予算を組むという話であればそこもつぶれている。何が生きているのか。社会保障の関係費の抑制部分だけがあの法案の中で生きている。 だから、あのときに御指摘申し上げたように、これはこのままでいくと、財政構造改革法案と言っているけれども、実は社会保障費削減法案か抑制法案にしかなりませんよ、そういう法案を大臣はお認めになったのですかと申し上げたら、いや、国の状況を考えれば認めざるを得ないのだ、ほかはみんな減っているけれどもうちは二%上げてもらうのだというような御答弁でしたよね。 それで、私はやはりどうしたってこの状態はおかしいと思うのです。と思っておりましたら、午前中に、例外予算を組むのであれば私は文句を言いたいというふうにおっしゃいました。これは明らかに例外予算は組まれると思うのですが、どういう形で具体的にどの程度に大臣は抵抗していただけるのでしょうか。口先だけですか。
○小泉国務大臣 財政構造改革というのは、あらゆる聖域なくむだと非効率な点をなくしていこう、行政改革、財政改革両面から制度の見直しを行っていこうということでありますので、社会保障予算も聖域なく見直していこうということで予算を組んだわけであります。 そこで、今後どういう形で補正予算が出てくるのか、あるいは出さないのか、まだ先になってみなければわかりません。今は本予算を通すことで精いっぱいでありますから。 しかし、もし将来、本予算が通った後に、緊急の事態といいますか、何か補正予算を組まなければならないという事態においては、財政構造改革法案との整合性が問われるのは事実であります。その際にはきちんとした議論をしなければいけなくなる。今から、まだどういうことをやろうということが出ていない段階で、私は、ああだこうだと言うよりも、現在においては本予算を通すことに全力で取り組むべきではないか。 いろいろな人が補正とか言っていますけれども、それは私自身、どういう考えなのか、どういう形で出てくるのかというのはまだ詳細には承知しておりませんし、十兆円という言葉がひとり歩きしているようでありますので、これは何を考えているのかというのは実際に議論の俎上に上ってきた段階で私はきちんとした議論をしていきたいと思っております。
○山本(孝)委員 ただいまの御答弁は総理大臣の御答弁でありまして、そういうふうにおっしゃるのはそうだろうと思うのです。ですから、万が一のことを想定して御質問を申し上げるのは大変失礼なのですが、今新聞で出ておりますのは十兆円規模だと言われていて、財政構造改革法案の絡みがありますので、その大半は道路などの建設に回されるという形に多分なるだろうと言われているわけです。 公共投資にかかわる部分は幾らやってみても景気の回復につながらないという、この話は予算委員会の中でもいろいろありますけれども、私は、財政構造改革法案のもう骨格が崩れているという今の段階において、ほとんど凍結されているあるいはなくなったと等しいと思いますが、今の段階において、もし公的な支出がなされるのであればそれは社会保障関係費にもっと回すべきだと思う。 厚生大臣のお立場として、当然おれたちの省に対する予算をふやせという御主張はされてしかるべきであるし、そういうふうに主張していただくことを私は強く要望しているわけでありますが、そういう姿勢をとっていただけるでしょうか。
○小泉国務大臣 今の公共事業一つとってみても、このままの省庁配分なり既存の配分の上に新たな予算を増額していくということでは何ら財政構造改革に結びつかないと私は思っております。 でありますので、今後仮に公共事業をふやさなければならないという事態が起これば、当然社会保障関係の基盤整備に重点的に公共事業予算を回すべきだということは、私はきちんと主張していかなければいかぬと思っております。
○山本(孝)委員 厚生大臣としての取り組みをぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。 次の質問に移りますが、平成十年度の予算は九年度比三千億円の増でおさめるという形になっております。問題は平成十一年度あるいは十二年度の予算において社会保障関係費をこの前年度比当初予算二%を上回らないという範囲内でどうやって組んでいくのかという問題です。 平成十年度予算は当初自然増八千五百億円と言われておりました。その八千五百億円の、当初予算で三千億しか認めないから五千五百億円を削れという話の中で、医療関係で四千二百億、年金で三百億、福祉で一千億と理解しておりますが、この縮減幅を決めたわけであります。その後、医療費の伸びが予想を下回ったということで、当初言われておりました医療関係四千二百億円の縮減幅は三千二百六十億円というふうになっております。 これは九月からの医療費の改定あるいは消費税の影響等もあって受診抑制が進んでいる。その中で、医療費は思っていた以上伸びないということで、ここで約一千億円の縮減をしたわけですが、もくろみどおりにこの予算がいかなかったら、すなわち医療費がもくろみどおりに下がらなかったら、そのときはどういう対応をとられるのでしょうか。予算上はどうなるのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 平成十年度予算編成の際の医療費の取り扱い、今先生御指摘のような数字でございます。 それで、昨年の九月以降、一部負担の増額によりまして比較的医療費は今安定をしております。今後どういうふうになっていくか、これは推移を見なければわかりませんけれども、そのほか医療費関係ではいわゆる医療費の適正化ということを講じておりまして、これも全力を傾けて適正化をしていかなければいかぬということであります。 そういった意味では、これは毎年そうでありますけれども、確実に当初見込んでいたものが実現されるかどうかというのは、いろいろと不確定要因がございます。仮に、そういった中で、私どもが見込んでいた医療費を上回る伸びが九年度に行われるということになった場合は、これは従来もそうでありますけれども、補正予算でそれについては手当てをしていただかざるを得ない、こういうことになりますので、九年度も、万が一そういう状況になれば補正で対応させていただかざるを得ないだろう、このように考えております。
○山本(孝)委員 先ほど申し上げた十年度予算の削減をするために、私は、厚生省が持っているほとんどのカードを切ってしまったのではないかと。実際のところ、医療費の削減幅も積み上げてきたけれども、結局、五十億足りないという状況で予算が組まれているわけですね。 介護保険の導入が平成十二年、年金の改正が平成十一年度という形になりますけれども、この十年度の予算を組むのにカードを使ってしまったので、平成十一年度の予算をさらに当初予算二%の伸びで抑えるという形の予算の編成の仕方ですね、一体、何を切るのか、何を変えるのか。抜本改革はみんな先送りになっているわけですから、どうやってこの十一年度の予算を組むのか。どこを切るのか。その方策は何なのか。どうお考えでしょうか。
○小泉国務大臣 これは今、十年度予算を審議している段階で十一年度をどうするかというのは、これはことしの十二月において、その状況を見て決めなければいけない。特に、これから抜本改革を進めていきますから、診療報酬体系にしても薬価基準についても大幅な改革になるわけです。医療費の見込みも、現時点の予想とこれから十一月、十二月の見込みとでは、どうなってくるのかというのはその時点になってこないとわからない。 でありますので、今は十年度の動向をしっかり見きわめながら、十一年度においても引き続き改革していかなければなりませんので、その抜本改革がどうなるかという状況等をにらみながら、今後考えていきたい。 今の時点で、十一年度がどういうふうになるかというのは、厳しいという予想はつきますけれども、どうするのだと言われても、十一年度は十二月に考える問題ではないか。そして、依然としてこれから経済情勢は厳しいということが予想されますので、今回の十年度予算の改革で事足れりとするものではない。ますます厳しくなっていくという状況は、これから日を追っていくうちにますます認識が高まってくるのではないかと私は思っております。
○山本(孝)委員 今やっている十年度の予算を早く通してほしいという話は話としてあって、将来に向かってどういうふうに社会保障制度を日本の中に再構築していくのかという中で、こういうふうに財政構造改革法案をおつくりになって、それは閣僚の一員として大臣もそこに責任を持っておられるわけですけれども、お出しになって、こういう方向でいくのだという中で、十年度は何とかやりくりをして予算を立ててみました、その後のことはわかりません、十一年度は十一年度でまた暮れになって考えますわと。これを場当たりと言わずして何と言うのですか。 二十一世紀の社会保障制度を考えましょうという話をやりながら、当面のところの話、全然先のことを見据えないで、とにかく切っていくのだという話は、私はさっきの国民負担率の話に戻りますけれども、自己負担をふやしていくという限りにおいては、国民負担率には影響してきませんね、租税でもありませんし社会保険料の負担でもありませんから。ということは、今一割いただいている自己負担を二割にせいという話なのか。そういうところでしか切り込めないのか。 もう一つのやり方は、後で聞きます児童扶養手当の問題もそうですけれども、パイはこれだけです、対象者がふえるのであれば一人当たりの頭数を小さくしてくださいという形でしかあり得ないのでしょうか。そういう形でしか予算は組めないのですか。 それでもって、日本の将来に向かって不安を持つなというふうに国民に説得するのですか。制度がどう変わっていくかわからないという話をしながら、日本の社会保障は大丈夫だと何で国民に説明ができるのですか。そういうふうな場当たりなことで、厚生省が対応しておられるとは私は到底思えない。そこは大臣、やはりきちんとした対応策をしていくのだ、国民に対してどういうふうな説明をするのかというのは、十一年は十一年、わかりません、また負担がふえますよという話は、これは余りではありませんか。
○小泉国務大臣 改革の推移を見てから、十一年度予算はことしの十二月に決めるというのであって、改革の方向はもうしっかりしています。給付と負担の均衡をどうやって図っていくかということでありますので、医療保険においても年金制度改革においても、これから、ことしの秋については来年度の財政再計算期が待っていますから、その法案を提出しなければならない。 いずれにしても、年金制度においても医療保険制度についても根本的な改革に着手しなければなりませんので、これは改革の方向はしっかりしているわけです。ただ、十一年度というのは十二月にならないとわからないということを言っているのであって、方向は給付と負担の均衡をいかに図っていくか、給付ばかりを上げて負担を軽くするということはできませんということをもう先ほど来から何回も言っていることでありますので、その辺は国民的な議論を求めてやっていくしかないと私は思います。
○山本(孝)委員 国民的議論を深めていかないと対応できない、おっしゃるとおりだと思います。そういう意味で、年金白書というような形で、いいか悪いかは別にして、年金の五つの選択肢をお示しになったということだと思います。 そこでお尋ねですけれども、健康保険法の改正案でございますが、今国会への提出予定法案という形になっております。何人かの方にお聞きをしておりますけれども、いまだに出る雰囲気はない、なかなか出せそうもないというふうにおっしゃっておられます。これは、先ほどの審議の過程はわかりましたので、一体いつ出すのか、おしりを決めていただきたい。おしりを決めていただかないと、これから先の社会保障の改革には全くつながっていきませんので、この健康保険法の改正案は一体いつまでに出すのかということをきっちり明言をしていただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 医療保険の抜本的な改革ということで、けさほど他の委員の御質問に対してお答えしましたが、既に、医療保険福祉審議会で十一月以降十二回の審議を重ねてきております。 私どもとしては、これからの抜本的な改革、これは従来、抜本改革というのはこの三十年来なし遂げなければならないということでいろいろ議論なされてきましたけれども、根本的な改革というものをしないままに今日まで何とかやってきたわけでありますが、今回、私どもが提案しております抜本的な改革、これはまさに二十一世紀の新しい、今、時代が変わるわけでありますから、そういった意味では、これは何としてもなし遂げなければならない、こういう課題であるというふうに考えております。 そういった意味では、二〇〇〇年を目途に実施をするということで考えておるわけでありますけれども、しかし、できるだけ早く国民的な合意が得られ、そして改革が実現していくということが望ましいというふうに考えております。 しかし、これはなかなか、もうこれは御案内のとおり、非常に幅広い問題でありますし、また利害もかなり錯綜する問題でもあります。そういったようなことでありますから、国民的な合意を得るためには、やはりそれなりの審議というものを尽くす必要があるというふうに考えておりますし、また、第一段階であるだけに、拙速をするよりもじっくりと国民的な合意を固めていくことが必要だろう、こんなふうに考えております。 そういった意味からいたしますと、私ども、できれば今国会に改正法案を提出いたしたいということで考えてきておりますけれども、今の審議会の審議状況から見ますと、やはりまだ審議を尽くす必要があるだろうというふうに考えております。 私ども、審議が大方まとまり次第、国会に御提案したいというふうに考えておりますけれども、それじゃいついつまでにまとまるのかということになりますと、今の状況からいたしますと、はっきりといっとなかなか申し上げられるような状況になっていないということでありまして、ただ、私どもとしては、できるだけ早く国会で御議論いただけるように努力をいたしたいという段階でございます。
○山本(孝)委員 予定法案ということで意欲は示しておられるんだけれども、現場の話が決まらないので出せないと。といいながら、今国会には国民健康保険法の改正案はかかるわけですね。負担のつけかえだけはきちっとやっていくと。そうすると、抜本改革が行われるまでは患者さんもしくは国民の負担増だけでつないでいくというのは、去年の九月の健康保険法の改正と同じ手法であります。それは私はおかしい、間違っているということを申し上げているんですね。 要は、平成十二年の介護保険の施行に逃げ込んでしまえば、あそこで医療保険を介護保険につけかえることで健康保険財政はなんとか切り抜けられるじゃないかという考えがあるんじゃないかというふうに思うものだから、それはおかしいでしょうと、あそこへ逃げ込まれてしまったのでは医療保険の抜本改革なんてどこかへ飛んでしまいますよという意味合いもあって、今国会へお出しになるというのを非常に心待ちにしていたわけであります。 今のお話を聞いていても、いつまでたっても出るかわからない。せめて、この秋の臨時国会には出しますとか、あるいはことしいっぱいには必ずまとめますとか、そういう自分たちの決意というものがないとこんな仕事はやっていられないと思います。 そういう意味では、保険局長の決意も込めて、いつまでだったら出せるんだ、出すというお話をお聞かせをいただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 私どもとしては、そういった決意という意味では、まさに今国会に法案を提出したいという決意で考えておるわけであります。 ただ、これは先ほど申し上げましたように、やはり国民的な議論という意味でそのためにも新しい審議会というものをつくらせていただいたわけでありますから、そういった中で十分理解が得られ、そしてまたみんなが納得できるような方向というものを大方固めた上でやはり着手していくべきだろう。また、その方が、拙速よりも長い目で見て合理的な制度というものができると思いますし、また国民的な理解が得られるというふうに思っておりますし、このたびのこの審議会の議論も、第一回目からすべて公開でやらせていただいております。 そういった意味で、私どもとしては、もっとできればプレスでも報道していただいて国民的な関心を高めてほしいというふうに思っておるのですけれども、当初予想していたよりも、公開でありながら余り新聞等で論じられないというのは残念なんでありますけれども、私どもの決意というのは、何としてもこれは新しい二十一世紀に向けて実現しなきゃならない課題でありますし、介護保険とはまた医療保険制度は別の仕組みでありますし制度でありますから、我が国において、やはりこれからの時代に向けて、安定した、そして頼れるような医療保険制度、介護保険制度というものを何としても維持していく、こういう前提で私どもとしては抜本的な改革をなし遂げたい、こういう決意でございます。
○山本(孝)委員 国民的議論の中には、ここに野党もおりまして、そういう意味ではできるだけ早く骨格を出していただいて、審議会をせっかく公開しておられるのに聞きに来る人が少ない、あるいは情報が出ない、しびれを切らされて日経新聞を通じて情報をリークされておられるのかというふうにも思いますけれども、できるだけその情報を、広く――であればこの場にでも出していただいて、我々だっていろいろ知恵がありますから検討させていただきたいというふうにも思います。そういうことも御検討いただければと思います。 児童扶養手当の制度改正についてお伺いをしたいと思います。 児童扶養手当部会の報告によるところの「総合的な支援制度に、児童扶養手当制度を再編成。」するというのはどういう内容を言っているのか。私はこれは日本語として非常に理解をしかねておりますので、ここのところの御説明をいただきたいと思います。
○横田政府委員 母子家庭に対する対策といたしましては、一つは、大きな柱として児童扶養手当制度というものがあるわけでありますけれども、母子家庭施策そのものの基本法といたしましては母子・寡婦福祉法というのがございまして、この中において、福祉貸付制度、介護人派遣事業、それからいろいろな各種相談、それから母子寮、今母子生活支援施設というふうに変えておりますが、そういったさまざまな施策がございます。 これらの施策が必ずしも有機的な連携を持ってうまく運営されていないのではないかという御指摘がございます。それからまた、その実施体制につきましても、児童扶養手当の支給事務、認定等につきましては都道府県自体で行っておりますけれども、貸付制度につきましては福祉事務所、相談も福祉事務所とか、介護人派遣等につきましては市町村でございますとか、事務処理体制につきましてもさまざまなところが行っているということで、必ずしも効果的に行われているのかといった問題点が指摘されたわけであります。 こうした認識に立ちまして、母子家庭の自立を支援していく観点から、それぞれの施策をもう少し有機的に結びつけて総合的に推進していく、そのための制度のあり方について事務処理の問題も含め検討していくべきであるというのが、昨年の中央児童福祉審議会児童扶養手当部会の報告におきまして指摘された点でございます。
○山本(孝)委員 母子家庭の状況について改めて言うこともないと思うのですけれども、私は、この議員になります以前に、交通遺児家庭、九割は母子家庭でございますが、この救済運動に取り組みをしておりました。 その折に、昭和四十九年で随分昔になりますが、母子家庭の母親の雇用促進法という法律の制定を各政党に訴えかけをさせていただきました。公明党さんがいち早く呼応してくださいまして、母子家庭の母等の雇用の促進に関する特別措置法案が昭和五十年に参議院に議員立法として提出をされました。 その後各党が御協力をいただいて何回か議論があったんですが、最終的には労働省が、母子家庭というのは結婚すれば母子家庭でなくなるんだからという理屈をつけまして、実際には労働界というか経済界の反対が強かったわけですけれども、残念ながら成立はいたしませんでした。いたしませんでしたけれども、昭和五十年の四月から雇用保険法が施行になりまして、こうした母子家庭のお母さん方を雇用する事業主に対する助成金制度ができました。今は、特定求職者雇用開発助成金という制度が労働省で所管されて運営されております。 そこで申し上げたいのは、この委員会でもかつて採択をされて可決をされました中国残留邦人の帰国促進法という法律がございます。あの法律の折も厚生省が所管しておりますのは極めて限られた範囲でありまして、帰国してからの生活の自立を促進するという部分につきましては、労働省であったり建設省であったり各省庁非常に広くまたがっているんですね。では、法律ができたから各省庁の取り組みが変わったかといえば、厚生省は、最初は要らぬとおっしゃっていたけれども、法律ができてよかった、よかったと後にはなりましたが、法律ができて、じゃほかの各省庁の対応が変わったかというと、全く変わりませんでした。 そういう意味合いで、私が申し上げているのは、今回、児童扶養手当の制度改正ということで厚生省の枠内の改正はなされるわけですが、局長おっしゃっておられるように、総合的な支援制度を行うという意味において先ほど幾つかの例示をされましたけれども、そういった施策を非常に幅広く展開をしていく、そして一人親家庭をしっかりと支援していくという意味合いにおいては、だれかがきっちり音頭をとって他省庁に働きかけをしないと、実は総合的支援制度というのは絵にかいたもちに終わるんですね。 そういう意味で、今回、児童扶養手当で厚生省は血を流すわけでありますが、他省庁にもしっかりと、この母子家庭の対策について、母子家庭とは言いませんけれども、一人親家庭の対策についてやっていくんだという働きかけを厚生大臣にお願いいたしたい。その折に、ぜひとも、母子福祉会等いろいろな団体がございますので、御意見を聞いていただいて、他省庁への働きかけをぜひ力強くやっていただきたいというところのお取り組みの姿勢をお聞かせをいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 これは、単に母子家庭とか父子家庭という問題よりも、子育て支援に対してどのような施策が必要かということは、今、少子化の中でいろいろな議論が行われる中にも入ってきていると思います。 そういうことから、厚生省としては、当然、就労対策等は労働省とも相談しなければなりませんし、今後、子育てしやすいような環境をどうやって整備していくかということを考えますと、厚生省だけの問題ではありませんので、他省庁に積極的に厚生省として働きかけていきたいと思います。
○山本(孝)委員 他省庁の所管事項に厚生省が口を入れるというのはなかなか難しいのでしょうけれども、こういう社会保障構造改革で、厚生省の負担を減らすというだけの改革に終わらないように、そこのところはしっかりとお取り組みをいただきたいと思います。 インフルエンザの問題であります。ことしは大変に流行いたしまして、厚生省の対応も大変であったというふうに思います。 私の知り合いのお医者さんから、塩酸アマンタジン、商品名シンメトレルでございますが、なぜ使用しないんだというところで御指摘がございました、厚生省は、ワクチンの増産には時間がかかるので、その体制を日ごろからつくっておかなければならないというふうにワクチン中心の姿勢を示しておられますが、塩酸アマンタジンの問題についてどのような検討をその後していただいているのか、お答えをいただきたいと思います。
○中西政府委員 御指摘の塩酸アマンタジンにつきましては、我が国で、現在、パーキンソン症候群、あるいは脳梗塞に伴う意欲、自発性低下の改善、そういう適応で承認されておりまして、現在、インフルエンザの適応はとっていないところでございます。諸外国、アメリカやイギリスなどでは、パーキンソン等の適応とともに、インフルエンザA型ウイルスによる症状の予防、治療を適応として承認されているというふうに承知しております。 先生御指摘の話で、先般の香港の新型インフルエンザの発生問題、これも契機としまして、流行初期への対応という角度から、厚生省といたしましては、これを製造しておりますノバルティスファーマ株式会社でございますが、これに対しまして、インフルエンザに対する適応について承認申請が可能であるかどうかについて検討してほしいというふうに要請をいたしてきているところでございます。 ただ、この薬につきましては、悪性症候群、要するに、高熱、意識障害、筋硬直などの悪性症候群、あるいは視力低下を伴う角膜炎、あるいは心不全などの重篤な副作用の発生が報告されておりまして、また、催奇形性の報告もあわせてございます。 そういった副作用がある一方、予防あるいは早期の段階での治療に使うという薬の性格にかんがみまして、もしノバルティスファーマの方から申請が出てくるということになりましたら、薬事審議会において、その使い方あるいは対象等々について慎重に議論をしていただかなければならないだろう、かように考えております。
○山本(孝)委員 私の手元に送っていただきました「薬局」という専門誌の九七年十二月号で、日本鋼管の菅谷先生と国立感染症研究所の根路銘先生のお二人が、「インフルエンザの予防」という特集テーマの「まとめ」のところで、「アマンタジンのA型インフルエンザ感染症への適応拡大が是非必要である。」というまとめを書いておられます。国立感染症研究所の方がお書きになっておられるという意味合いでもそのとおりなんだろうと思いますので、その筋で御検討いただきたいと思います。 あわせて、もう一つ、そこの「まとめ」のところでの提言として、ワクチン接種の老人あるいはハイリスク群の接種を開始して毎年の接種率を高め、そしてその予防とするべきではないかという形のまとめになっているわけであります。 この中にも書いてありますが、日本の高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種率は〇・一%以下でございますが、アメリカでは六十五歳以上の老人では六〇%、フランスは七十歳以上で七五%、ワクチンの接種を受けている。 予防接種法の改正のときに、要は、今までのインフルエンザ接種は小中学生を対象にやっておりまして、小中学生にインフルエンザを蔓延するのを防ぐという意味で子供たちに打っていた、しかも集団接種であった。そこで、科学的にその安全性、有効性が証明できないままにしているのはいかがなものかという御指摘を受けて、結局、集団接種がなくなりましたよね、そこのところは残念ながら厚生省が負けてしまったのかもしれませんが。 この、今申し上げた、御指摘のとおりに、お年寄りの皆さんをハイリスク群というふうにとらえてインフルエンザの接種対象とする、強制的にするのは難しいかもしれませんが、していくという方向で対応していくという措置をおとりになってはいかがかというふうに思うわけですが、御見解を承ります。
○小林(秀)政府委員 インフルエンザの予防のためにはワクチンが大変有効であるというのは、もうこれは常識と言って私は構わないと思うのであります。 それで、問題は、今までは、先ほど先生おっしゃられたように、小中学生に集団接種をするということで社会全体のインフルエンザの蔓延を防ぐということでやってきたのですが、いろいろな御意見があり、公衆衛生審議会も、集団に対して、流行を阻止すること、抑制することを判断できるほど資料が十分ではないということで、平成六年に予防接種法改正をいたしたわけであります。そういうマイナス面だけではなくて、任意接種による利点もあって実は改正をしているわけであります、その利点については省略をさせていただきますが。 それで、今問題になりますのは、高齢者のインフルエンザのワクチン接種のことでございますけれども、先生が御指摘のように、日本では大変接種率が低く、外国が高いというのも事実でございます。 それで、私どもの方としては、実は昨年の五月から、新型インフルエンザがいずれ世界で起きてくるのではないか、こういう学者の御意見を受けて、私どもの方で新型インフルエンザの検討会をつくりました。その報告の中に、今先生がおっしゃられたように、高齢者のインフルエンザワクチンの接種というのが大変重要である、もう少し詳しく言いますと、ワクチン接種の優先集団として、実は、高齢者、六十五歳以上または妊婦、これは流行時に二十八週以降の妊婦さんとか、それからいろいろな病気を持っている人たち、それから逆に言うと、お医者さんだとか、それから老人保健施設の人たちだとか、または社会の基本的サービスを提供している人とか、こういう人たちだけはぜひともきちっと打たなくてはいけないという例の中に高齢者も入っているというのは事実でございます。 ただ問題は、集団接種をするかどうかということは、これについては問題があると言われているわけでございまして、問題は、任意接種をどうやってたくさんの皆さんに受けていただくかということが大変大切な問題だ、このように思っておりまして、そのためにはインフルエンザワクチンに対する国民の正しい理解ということがまず一番大事ではないか、このように思っているところであります。
○山本(孝)委員 それで、そこに関連するのですが、高齢者がたくさんお住まいになっておられる老人ホームのところでインフルエンザがはやって、集団でお亡くなりになるというケースがありまして問題になりました。この方たちにぜひ受けていただくのがいいなというふうに私は思ったわけでありますね。 そう思っておりますのは、老人ホームにおけるところの医療の体制というのは極めてお粗末なものがあるのじゃないか。一応、五十人以上の老人ホームには医師一人の配置基準がありますけれども、これは兼任がほとんどでございますので、その老人ホームの中には常駐をしておられないわけであります。 そういったところで、今、関係者の間で静かなブームを呼んでおります本がありまして、「「福祉のターミナルケア」に関する調査研究事業報告書」というのがございます。もう皆さん関係の方たちはお目通しをいただいている本だというふうに思いますけれども、高齢者の末期医療はどうあるべきかということについての議論をあえて提起されているんだというふうに私は思っております。 そう思っておりましたら、先般、一月二十六日でございますが、NHKの教育テレビで「列島福祉リポート 老人ホームで看とりたい 北海道とよころ荘の試み」という放送がございました。内容は、入居者の八十歳の男性が突然下血をいたします。主治医は胃潰瘍からの出血を疑いますが、本人は入院を拒否をいたします。手術に耐える体力はないだろうという主治医の意見によって入院しないことになりまして、家族は痛みだけはないようにお願いをし、症状を抑えるだけの治療を実施した。その結果、八日後にその男性は老人ホームで亡くなりました。 このビデオを私が見ました限りにおいては、ビデオの、ビデオといいましょうか番組の制作者は、病院でチューブにつながれて亡くなるというような末期の姿ではなくて、住みなれている老人ホームでみんなにみとられながら亡くなることができる、非常にいい試みなんだという肯定的な評価を下して番組をおつくりになったというふうに受けとめております。 しかし問題は、下血をしたと。胃潰瘍を疑われていて、下血をしただけで治療が中止されて老人ホームで亡くなるというのは、これは治療の放棄ではないだろうかという声が一部上がっているわけであります。 そこでもってこの福祉のターミナルケアという問題と絡んでくるわけでありますが、前置きが長くなって申しわけありません、大臣にお伺いをしたがったのは、高齢であるならば、治る可能性のある病気であっても治す努力をしなくてもよいのではないか、そういう御主張が一部諸外国にはございます。日本の中にはコンセンサスはないと思いますが、今申し上げたような主張、問題提起について、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 私は、その患者さんの判断を重視すべきじゃないかと思います、判断があるうちは。ある年齢を過ぎて、場合によっては治る可能性があるんだというお医者さんから十分な説明を受けたとしても、患者さんが、どうしてもそれはしたくない、病院に行きたくない、手術をしたくない、治療はしたくないともし主張をされるのだったらば、その患者の意思というのが最大限尊重されるべきじゃないかというふうに私個人としては思っております。 それは年齢によっても違ってくると思います。八十の人がそう言うのか、九十の人がそう言うのか、百歳の人がそう言うのかによっても違ってくる。医師の対応も違ってくる。恐らく、その患者さん自身に判断能力があるかによっても違ってくる。しかし、ある程度の年齢が過ぎた場合に、十分な説明を行った場合には、患者の意思が最大限に尊重されるべきだ、基本的に私はそう思っております。
○山本(孝)委員 元厚生省におられました千葉大学の広井先生がいろいろと今御発言をされておられるわけですね。川渕さんも同じような御見解を今厚生省の中で展開されておられると私は受けとめておりますが、ヨーロッパで、老人ホームで経口栄養を受けておられる方たちの姿は余り見ない。それはなぜなのか。それは、社会的なコンセンサスとして、そういう状態になれば治療をしなくてもいいんだというコンセンサスがあるんだ。したがって、福祉先進国と言われているにもかかわらず、北欧諸国の平均寿命は日本よりも低いという状況になっている。医療費も、高齢者にかかわる医療費は日本に比べて少ないということになっている。 御案内のとおりに、医療費の中で高齢者が占める割合は非常に高いわけであります。ここのところをどう考えるのかというのは、医療費の一種抑制という言葉を使うと語弊がありますが、医療費の伸びを考えていく中でどうしても考えざるを得ないテーマ、そういう意味で問題提起をされたのだと思いますが、患者の判断は尊重されなければいけない、そう思います。 今申し上げた放送はぜひ見ていただければと思いますが、患者の意思を確認するような状況はありません。その中で、医師がみずからの判断でそのように治療をやめてしまうということは本当にいいのだろうか。ここはしっかりとした議論をしていただきたいと思いますし、この豊頃町の状況というものも、いい悪いの話は別にして、実情をぜひ厚生省としても把握をしていただきたいというふうに思います。 時間が来てしまいますので、申しわけありません。今の関連で申し上げれば、臓器移植法が施行されて間もなく六カ月という状況になります。端的にお伺いをいたしまして、厚生大臣は、あの法律を今の時点で何点だと、百点満点中何点という評価をなさるでしょうか。
○小泉国務大臣 私は、点をつける立場にないと思いますね。まだ一例もない状況において、どう点数をつけていいのかわからない。しかし、脳死状態の状況において移植医療ができる環境は整備されたわけですから、今後の経過なり結果なりをよく見て、直すべき点があれば直していけばいいな、そう思います。
○山本(孝)委員 議員提出法案でございますから、つくった側の我々が何点を評価するかというのは、確かにおっしゃるとおりだと思いますが、臓器移植対策室という一つのセクションを厚生省の中に設けられて対応してこられた方々として、何点というふうに評価しておられるんですかと、きのう質問取りがありましたのでお聞きしたら、八十点かなというふうにおっしゃっておられましたけれども。 要は、私が申し上げたいのは、今いみじくも大臣おっしゃったように、国会が、我々議員がつくった法律でございます。国民の意思を一応反映しているという形でございますので、国会審議の中で出てきた議論の範囲をしっかりとお踏まえをいただいて、その枠を超えることのないような法律の施行をしていただきたい。 いろいろな意思は示されております。多数で決まったからということではないと思いますので、審議の過程を、じっくり議事録を頭の中に入れて、法律の施行に当たっていただきたいというふうにお願いをしておきます。三年先の見直しでございますので、出ないからということで、半年たって見直しということは私はないだろうというふうに確信をいたしております。 最後になります。 一般廃棄物処理の問題で、午前中、金田議員も質問をさせていただきました。若干私の受けとめ方は違うのでございますが、一つのお願いは、先般来、三月七日の新聞でございましたか、厚生省が独自に調査をされました一般廃棄物処理場、随分汚染防止策がない施設が多いんだという結果を発表なさいました。 そこで、それを受けてでございますが、直ちに埋め立てを中止しなさい、あるいは周辺地下水の水質調査を指示をされたというふうに新聞では聞いております。それがきちんと守られているのかぜひ追跡調査をしていただいて、その結果の御報告をいただきたいという点が一点。 もう一点は、当然適正な処理をしないといけないと思います。場所を変えて埋め直す、あるいはその他いろいろな対応があるのだと思いますが、適正な処分をしていただくということで、措置をしていただくということで、その結果もあわせて御報告をいただきたいということをお願い申し上げます。 この施設の管理者は、自治体であったり、あるいは自治体がつくっております事務組合であります。自治体自身が不法投棄をしているというところを厚生省は知っていたというふうに新聞は書いてありますが、その点はちょっと置いておくとしても、今出ております問題点についてきっちりとなされているのか、不法投棄をしてきた自治体ですから、厚生省から出てきた指示どおりやるかどうか非常に私は心配をしておりますので、きちっとした調査をしていただく、その結果を御報告いだだく。あわせて、どういう措置をしたのか、その点も御報告をいただくということでお願いをしたいと思いますが、局長、御答弁をお願いします。
○小野(昭)政府委員 一般廃棄物の最終処分場につきましては、廃棄物処理法に基づきます処分基準という基準がございまして、それによって適正に運営をされているというふうに認識をしていたところでございますけれども、昨今不適正な処理をしている例があるということで、都道府県を通じまして調査をいたしましたけれども、実態が十分把握できませんでしたので、さらに都道府県の職員を現地に派遣をいたしまして、実際にチェックをした結果をもとに公表したところでございます。 それに基づきまして必要な措置を一応都道府県を通じまして指示をいたしておりますが、先生御指摘のように、これはそれがきちっと適正に行われているかどうか、どのように行われているか、それからそれによって状況がどう改善したかということを把握することが、把握するといいますかそれによって適正な処理を担保するということが前提でございますので、一定期間を置きまして、実際に講じた措置の状況、それによってどうなったのかということにつきましては、再度報告を求める、あるいは都道府県にお願いをいたしまして職員を現地に派遣をする等の措置を講じまして資料収集し、しかるべき時期に御提示申し上げたいと考えております。
○山本(孝)委員 時間になりましたので、救急医療の問題とかたばこの規制の問題でありますとか、いろいろかねてから興味を持って取り組んでおりますテーマがあるのですが、分科会もありますのでそちらでやらせていただくことにして、本当は大臣と自助という問題について、先ほど午前中お話しされました、自分で自分の老後は見ていくのがいいのだ、その上でお互い助け合うところは助け合っていきましょう、それでもだめなら国が補いますよというふうにおっしゃいました。 どこまでやっていくことを国民に求めるのか、国はどこだったら助けられるのかというレベルの問題があります。自助を強調するということであれば、私は、国民が将来に向かって貯蓄をしていく、みずから蓄えをしていく、これはずっとこれまであった日本人の生き方でございますが、その姿が一番いいということになるのかな。しかし余り蓄え過ぎると消費に回らないからいかぬというふうな話があって、ここのところは一体どう理解をしたらいいのかというのが実は私自身も困っております。 そういう意味で、二十一世紀の社会保障像がどうあるべきかというお話をぜひお聞かせをいただきたいと思ったのですが、平成十一年度予算すらわからぬ、場当たりに組むしかないのだとおっしゃられたのでは議論しても意味がないのかと思ったので、飛ばしました。そこのところは、ぜひ大臣としての御高見をまたの機会にお聞かせをいただきたいというふうに思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○船田委員長代理 青山二三さん。
○青山(二)委員 平和・改革の青山二三でございます。 質問に入ります前に、前回私が質問いたしました、臍帯血移植に保険の適用をということで大臣にお願いいたしておりましたけれども、小泉厚生大臣の強いリーダーシップによりまして保険の適用ができることになったということでございまして、関係者が大変喜んでいるということを御報告を申し上げまして、次はいよいよ公的腰帯血バンクの設立に向けてさらに御努力いただきますようにお願いを申し上げて、質問に入らせていただきます。 まず初めに、新年度予算案についてお尋ねをしたいと思います。 平成十年度における厚生省予算は十四兆九千九百九十億円。これは一般歳出に占める割合を見ますと、三三・七%になっております。そして、この数値から、一般歳出の中で社会保障関係費を中心といたしまして重要な位置を占めていることがこれでわかるわけでございます。 今後我が国は世界が経験したことのない超高齢社会を迎えるわけでございますが、高齢者福祉対策や少子対策に次々と新規政策が打ち出されている現在でございまして、社会保障関係予算は大変重要でございます。また、この予算の大半を占める厚生省の役割、そして責任と期待もまた大変大きいものがあると思います。 そこで、厚生省という重責を担う大臣の率直な御感想をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 一般歳出の三割を占めるという巨大な予算を抱えている厚生省、それだけ揺りかごから墓場までと言われるあらゆる国民生活にかかわりの深い分野を担当しているわけですので、大変な大きな責任を感じております。 同時に、予算というのは国民の税金で賄われるわけでありますので、国民がいかに進んで納税に協力してくれるか、どこまでが税でどこまでが自己負担かという問題は、今後あらゆる場面で議論されていくと思いますが、私は税金を納めてくれる人が少しでも多い方がしっかりとした社会保障基盤はできると思うのであります。 そういう面において、税金というのは黙って出てくるものではありませんので、いわば金の卵と言われるように、安定的に税金を納めてくれる人々、納めてくれる企業がふえていった方がいろいろな事業ができるわけです。自然に出てくるものではない。これだけ予算が足りないからもっと増税しなさいということでは、肝心な金の卵を産んでくれる鶏そのものが弱ってしまったら、金の卵も産んでくれないのです。私はそこの調整だと思います、これから社会保障予算を組むのに。 でありますので、今後あらゆる制度において国民の活力を阻害しないで国民が安心して働けるような各種社会保障制度をどうやって整備していくかという意味において、厚生省としては、あらゆる制度において見直し、改革をしていかなければならないと考えております。
○青山(二)委員 新年度予算はまだ成立しておりませんけれども、財政構造改革法によりまして社会保障予算は大変な打撃を受けております。 先ほど来質問者も言っておりましたけれども、現在でも財政規模が格段に大きい上に、急速な少子化、高齢化に伴いまして、今後の伸びも最も高いと予想される社会保障関係費でありますが、今回多くの法律で義務づけられました自然増の八千五百億円を一度に三千億円に圧縮いたしまして、その後も二年間にわたりまして二%以下に抑える、こういう具体的な削減要求が突きつけられているわけでございます。 しかし、国民の最も強い要求であります行政改革とまた各種施策の明確な優先順位づけをした上での予算配分全体の改革を、特に旧来の硬直的予算配分の是正をしないまま社会保障関係費を抑制対象とするのは、大変に安易な財政構造改革であると言わざるを得ません。 長年にわたりまして繰り返し指摘されました公共事業関係予算の硬直的配分の是正をしないまま行うわけでございますので、これは許されるべきことではないと思っております。建前では例外なき見直しを上げながらも、実際には、急速な高齢化に伴う自然増や新規施策が多いという理由で社会保障関係予算を厳しい査定の的に据えるという予算編成は、既得権の厚い壁に屈して、行政改革あるいは財政改革が進まない証拠であります。 例えば、国の難病対策を見ましても、昨年の九月に、公衆衛生審議会成人病難病対策部会は、医療費が公費負担となっている三十八の難病について二十五年ぶりに見直しをしまして、三分の一を限度に医療費の一部を患者負担とする報告書をまとめております。そして、既に厚生省は、五月から導入することを決め、都道府県に通知を出したということでございますが、これは、今回の予算の抑制が救済すべき弱者にまで押し寄せたと言えるのではないでしょうか。まさに弱い者いじめでございまして、到底納得することはできませんが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 あらゆる分野において見直すということでありますので、難病についても、必要な難病患者さんに対しては今までどおりきちんとした措置をしていく。 と同時に、難病といっても、難病でない方よりも軽い方もいるわけです。この難病指定の入れかえというのは、今後検討されると思いますが、難病だからといって今までどおりでいいかという議論ではなくて、難病対策においても改革すべき点があるのではないかということでいろいろな御審議をいただき、そういう中においてなされてきた措置でありますので、負担といっても、十分負担できるような対策あるいは低所得者の医療負担ということもありますので、この医療についても、耐えられない負担ではなくて、この程度の負担ならということで考えているわけでありますので、私は、今後、例外なくあらゆる制度を見直していくという意味におきまして、今回の難病対策におきましても、必要なところにはきちんと必要な手当てをしていくということであるということを御理解いただきたいと思います。
○船田委員長代理 青山さん、質疑を続行してください。
○青山(二)委員 何か、随分欠席が多くて、定数に達していないということでございますが……。 それでは、大臣、お言葉を返すようでございますけれども、小人症、身長が伸びないという難病がございます。この治療費のうち、患者支払い分は全額公費負担にしておりましたこの政策を、この二月から、男子は百五十六・四センチ、女子は百四十五・四センチに達した段階で公費の負担を打ち切るという突然の線引きが出てきたわけでございます。 これによりまして、治療を続ける患者は、新たに月額六万四千円程度の負担を担うことになるわけでございますが、こうなりますと、低所得者は治療をあきらめるしかないわけでございます。この治療を続ければ大体百七十センチぐらいにまでは伸びる、こういう可能性があるにもかかわらず、何センチで切る、こういうことを行うわけでございますから、本当に弱者いじめだなと思うわけでございまして、こういう財政構造改革をてこにいたしまして取りやすいところから取るというのでは、やはり弱い者いじめである、まさに弱い者いじめの典型であるというふうに私は思いまして、これは国民の納得は到底得られるものではないと思っております。 このように弱者に対する予算まで削減対象となっている厚生省予算については、ぜひとも大臣に弱い人の立場に立って頑張っていただきたい、私の心からの要望でございます。大臣、頑張っていただけるかどうか、イエスかノーでも結構でございますので、御答弁いただきたいと思います。
○小泉国務大臣 小人症については、身長百七十センチを超えてもなお無料で医療が継続されているのはおかしいのではないかという議論もありまして、百七十センチを超えてなおかつ小人症と言えるのかどうか、そういう問題もあります。 そういう観点から今回見直しを進めたわけでありますので、私は、むしろ今の状況というものについても、現状ではなくて、改正すべき点があるという方向で改正していきたいというふうに感じております。
○青山(二)委員 それでは、児童扶養手当について質問をさせていただきたいと思います。 先ほども質問に出ておりましたけれども、この新年度予算案では、ことしの八月から、母子家庭に支給されている児童扶養手当の所得の基準が引き下げられるということになっております。 現在、母子二人世帯で年収二百四万八千円未満の場合、月に四万一千三百九十円、また、年収が四百七万八千円未満の世帯に対しましては、減額されまして二万七千六百九十円が支給されております。このうち、全額支給される対象は変わりませんが、減額支給となる年収が四百七万八千円未満から三百万未満へと百万以上もの大幅な年収制限額の引き下げになっております。今回の見直しによりまして、約七万四千世帯が支給対象から外されるということになりまして、経済的に大変厳しい状況に置かれている母子世帯への影響ははかり知れないものがあるわけでございます。 そこで、今回、どのような理由で所得制限を大幅に引き下げたのか、また、その影響についてはどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
○横田政府委員 児童扶養手当制度は、離婚等によりまして母子世帯となった者のうち一定所得以下の者につきまして、その自立の支援と生活の安定を図る見地に立ちまして、一定の手当を支給する制度でございます。 この制度は昭和三十六年にできたわけでございますけれども、その当初、母子家庭と申しますと、約八割ぐらいが死別の母子世帯でございまして、離婚による母子世帯というのは一五%ぐらいでございました。その後、大きく状況が変わりまして、現在では、九割が離婚等による母子世帯が受給対象になっているというふうに大きく変わってきております。給付費の方も、当初十五億円ぐらいであったわけですが、現在では三千百三十六億円というようなことで、私ども児童家庭局予算の三五%程度を占めている状況であります。 こうした児童扶養手当制度のあり方につきましては、離婚した母子家庭のうちで別れた夫の方から養育費を受けている人の割合は一五%程度でございまして、国が一律の離婚手当を支給しているようなものではないかといったような御批判もございます。また、同じような児童を養育する世帯でございましても、母子世帯以外に一般の世帯で低所得の世帯、今の所得制限となっております四百七万円以下の世帯というのが二百万世帯程度に上るといったようなこともありまして、不公平ではないかというような問題点も指摘されてきたわけであります。 今回の所得制限の見直しにつきましては、大変厳しい財政状況の中で、毎年受給者の方も二万人程度増加するわけでありまして、こうした者に対する給付を行うに必要な財源の確保を図るというためにも、現在の母子家庭の児童扶養手当受給者の八割程度が大体二百万円以下の年間収入となっているような実態、あるいは今申し上げました一般世帯の中におきましても多数の低所得で頑張っておられる世帯がいるということとの均衡等を勘案いたしまして、今回の所得制限の見直しを行わせていただいたということでございます。 また、所得制限の見直しによる影響についてでございますが、受給者につきましては、七万人程度がこれによって影響を受けることになるというふうに見込んでおります。
○青山(二)委員 今御答弁にございましたが、死別であろうと離婚であろうと母子家庭の生活が厳しいということは、これは前提にあるわけでございまして、児童扶養手当は母子家庭の大切な命綱ということになっております。ですから、今まで児童たちの健全な育成には大変大きな役割を果たしてきたと言えると思います。予算が大変増大する、だから抑制するということで解決できる問題ではないと私は思っております。そして、消費税の引き上げ、医療費の患者負担の増加など、また経済的な負担もふえております上に、昨今の不況が大変厳しくて就職先も困る、またパートだけでは足りなくて深夜まで働く、こういう生活の厳しさが増しているという現状があるわけでございます。 平成五年度の全国母子世帯等調査によりますと、十八歳未満の子供のいる世帯のうち七一・九%がこの児童扶養手当を受給しておりまして、その平均受給期間は五・二年ということでございます。そして、手当の使い道としては、生活費が六九・七%と圧倒的に多くて、次いで教育費の二五・五%となっております。ですから、このことから、所得制限がありながらも多くの母子家庭がこの児童扶養手当を受給して、かつ生活費として使っているという、本当に母子家庭の苦しい生活状況が明らかになっているわけでございます。 そこで、今回支給対象から外される七万四千世帯につきまして、この政策を実行するならば、まず先に具体的な救済策を考えるべきではないかと思いますけれども、この点について御意見を伺いたいと思います。
○横田政府委員 母子家庭世帯の平均年間収入、五年度の調査によりましても平均で二百十五万円、先ほど申し上げましたように、約八割の方が二百万円以下というような非常に厳しい状況であるということは、私ども十分認識しております。 今回、そうした中で一部支給の所得制限につきまして、四百七万円の方から三百万円まで見直しをさせていただいたわけでありますけれども、こうした所得制限の見直しによりまして支給対象から外れる母子家庭につきましては、母子福祉資金貸付制度におきまして無利子の児童扶養資金の貸付限度額を、従来一万三千七百円でございましたものを四万二千百三十円にと引き上げます。 また、平成十年度の予算案におきましても、総合的な母子家庭支援策の推進を図る観点に立ちまして、ホームヘルパーの養成研修、従来千五百人でございましたものを三千人に倍増させる。あるいは、法律相談等に対する専門的な相談のニーズも高いわけでありますが、こういった相談体制も週一回であったものを二回に引き上げるといったことで、関連施策の拡充を図っているところでございます。 私ども、手当について見直しをさせていただいたわけでありますけれども、母子家庭につきまして、さまざまな施策を組み合わせることによりまして、その自立支援を進めてまいりたいというふうに考えております。
○青山(二)委員 いろいろな施策を行っているということですけれども、例えば、ではホームヘルパーになる人がたくさん希望者がいるのか。全部ホームヘルパーを希望する人たちばかりではございません。小さな子供を抱えて、やはり経済的な援助が一番大切だと、切実に母子家庭の皆さんは思っていらっしゃると思います。 この児童扶養手当の所得制限の強化は、月額二万七千六百九十円の支給がなくなるだけにはとどまりません。ほとんどの都道府県は、医療費の助成やそして奨学金の貸し付け、水道・下水道料金の減免措置など、一人親家庭への何らかの支援をしておりまして、その支援対象を国の児童扶養手当の基準とそろえているわけでございます。全国の状況を調べました岩手県の調査によりますと、約三十の自治体が新年度以降の対応を検討しており、児童扶養手当の資格喪失による新たな負担額を合わせますと、影響額が百万円以上に達する世帯もあるということでございます。 今回の児童扶養手当の所得制限の強化は母子家庭の生活を破綻させるのではないか、そこまで私は心配するわけでございます。ですから、所得制限の強化を考えるよりも先に、先ほどお話がございましたけれども、母子家庭の雇用の安定とか住宅の確保とか育児の支援、そして養育費の確保といった母子家庭や一人親に対する総合的な対策を行うべきではないかと思っております、先ほど大臣も、山本委員の指摘で総合的な対策をやっていくという御答弁はされておりましたけれども、この所得制限をやる前にそういう総合的な対策をお考えになってのことなのかどうか、もう一度確認をさせていただきます。
○横田政府委員 今回の所得制限の見直しにつきましては、先ほど申し上げましたように、児童扶養手当制度の前提となる諸条件について、制度発足以降非常に大きな変化があったことを踏まえまして、一つの構造改革が必要ではないかということで児童福祉審議会の専門部会の方の御報告がございまして、それを踏まえて行うものであります。 と同時に、さっき申し上げましたように、手当の支給だけでなくて、就労の支援、あるいは具体的な介護人の派遣、それから貸付制度というものを組み合わせまして母子家庭の支援策を進めていく必要があるという考えのもとに行っているものでございまして、私ども、先ほど申し上げましたホームヘルパーの養成研修につきましても、千五百人から三千人で十分かというような御指摘もあったわけでありますが、労働省とも緊密に連絡をとりながら、就労促進の面でもさらに効果が上がるような施策の推進、あるいは現実に研修を受けられた方につきましても、できる限りそれが就職に結びつきやすいようなやり方というようなことも含めまして、母子家庭施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○青山(二)委員 それでは次に、この児童扶養手当の現行制度における問題点が幾つかございますけれども、その点につきまして質問をさせていただきたいと思います。 昭和六十年の法改正によりまして、離婚時の父の収入が一定額を超えている場合に児童扶養手当を受給することができないことになりました。死別では、父の財産を相続した場合でも、政令に定める額の範囲内であれば児童扶養手当を受給できます。しかし、離別母子家庭は、離婚に際して財産分与を受けなくても、離別した父の年収が高額であれば、養育費が支払われているかいないかにかかわらず手当を受給できないという不条理が生じているわけなんです。 ところが、きのう、この質問をするに当たって厚生省でお話をお伺いしましたら、この法律は施行日を政令で決めるというようなことで、その日は決めていない。いまだかつてこれを当てはめたことはないというようなことなんですね、昭和六十年からもう十何年たっておりますけれども。それならば、もうこういう法律はなくしてしまってもいい、そう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○横田政府委員 今御指摘いただきました父の所得制限による支給制限につきましては、昭和六十年の改正の際に法律改正の中では盛り込まれておりますが、その施行につきましては政令で定める日からと、施行については国会の承認も得るというようなやりとりもございまして、そういった前提で今日まで来ているということであります。今後、児童扶養手当制度につきまして見直す場合には、その条文をどうするかということにつきましても一つの検討課題であるというふうに考えております。
○青山(二)委員 じゃ、見直すということで受けとめさせていただいてもよろしいんですね。 次に、未婚の母の子が認知を受けた場合の取り扱いについてお伺いをしたいと思います。 これも再三指摘をされているところでございますが、未婚の母について、現行では子が認知を受けた場合に受給資格を喪失する取り扱いがなされております。ですから、認知されますと児童扶養手当は停止になるということでございます。しかし、子供が法的に認知されたからといっても養育費が確保される、そういう保証はないわけでございます。 そこで、この児童扶養手当法施行令の第一条の二の三号「母が婚姻によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)」この括弧のところですね。「父から認知された児童を除く。」という部分を、これを削除するように改正すべきであります。そして、母子家庭の自立支援や離婚の場合との均衡も考えて、認知後も支給対象となるべきであるとしてほしい、このように私は考えますけれども、大臣はこの点についてはいかがでしょうか。
○横田政府委員 未婚の母の子が認知された場合には、御指摘のとおり児童扶養手当の支給を打ち切ることにいたしております。 これは、現在、例えば生死不明であることによりまして手当を受けている母子家庭において、その生死不明の父が出現したような場合には支給を打ち切る、あるいは、留置場等に拘禁されているということで手当を受けている家庭で、父親が出所してきた場合にもこの手当は打ち切るというような扱いにしておりますが、そういったこととの関係で、認知を受けた場合には支給を打ち切るということにしているわけであります。 この取り扱いにつきましては見直すべきではないかというふうな御意見もありまして、昨年の児童扶養手当部会の報告におきましても、認知後も支給対象に加えるべきではないかというようなことについて検討課題とされております。私どもも、今後の検討課題であるというふうに思っております。
○青山(二)委員 認知をしていただきますと打ち切られる、打ち切られると生活が苦しくなる、子供のためには認知をしてほしいんだけれども、生活ができなくなるので認知はしないでおこう、そうなりますと、これは子供の人権にかかわるわけでございます。子供の将来にとってどちらがいいのか、そういうことをしっかりと検討していただきまして、これから前向きな検討をしていただきたいと、心から要望をさせていただきます。 それでは次に、平成五年度の全国母子世帯等の調査によりますと、母子家庭の平均年収は二百十五万円でございまして、一般世帯の収入の六百四十八万円の約三割という大変厳しい生活状況でございます。そして、年収四百万円以上の割合はといいますと、わずか一三%でございまして、年収二百万未満が母子家庭全体の六割を占めている。そういうことで、経済的な困難を抱えている母子家庭が依然として多い。これは、厚生省もこのような認識に立っていらっしゃることと思います。 こうした母子家庭の生活状況を見ましたときに、現在第一子が月額四万一千三百九十円、第二子が五千円、第三子以降が三千円という多子養育世帯に対する手当が、これは妥当であるとは到底思えないわけでございます。これでは第二子以降の手当額はないに等しい、こんなふうに思われるわけでございまして、たくさん子供を持つ母子家庭が何かいけないのではないか、こんなふうにも思えてしまうわけでございます。 財政が厳しいからといって子供に差をつける、そういうことは大変おかしいと思います。もしほかの制度との均衡を考えてこのような措置をとったというなら、その考え自体がどうも間違っているのではないかと私は思うわけでございます。憲法に保障された平等や幸福追求権をこれは侵しているのではないか。第二子が五千円、第三子以降が三千円となっていますが、なぜこの額になったのか、明確に御説明いただきたいと思います。
○横田政府委員 児童扶養手当の多子の場合の加算額につきましては、御指摘のように第二子の場合は五千円、第三子以降三千円というふうになっております。 これは、もともと児童扶養手当制度が昭和三十六年に発足した際に、この制度が、三十四年に発足いたしました国民年金制度における母子年金、母子福祉年金、こちらは死別母子世帯を主として対象とした年金制度でございますけれども、それの多子に対する加算額というものにならったということであります。この児童扶養手当制度そのものが母子福祉年金の補完的な制度として三十六年につくられまして、そういう経緯で今まで来たということであります。六十年に、この母子福祉年金制度そのものは、国民年金制度の大きな改正の中で遺族基礎年金制度に吸収されたわけでありますが、その後、この児童扶養手当制度はそれまでの経緯を受け継いで、今に至るまでこういった差ができているということでございます。
○青山(二)委員 そういう経過があるにせよ、多子養育世帯に対する手当のあり方については、少子化対策という点でもやはり対応を考えていくべきであると思います。子供が少なくなっている市町村では二人目の子供に保育所は無料とか、それからもっと農村の方に行きますと三人目には百万を差し上げる、あの手この手でたくさん赤ちゃんを産んでほしい、こういう施策を行っているわけでございますから、こういう点も今後検討をしていただきたい、このようにこれもお願いをしておきたいと思います。 それでは次に、所得の低い母子家庭について、制度の適用についてお伺いをしたいと思います。 児童扶養手当制度は、母子家庭の生活の安定ということで、生活の自立という、そういうことを目的に支給されていることになっておりますけれども、父子家庭の方にはそういう制度の適用がありません。確かに、父子家庭の労働市場や収入状況を考えますと、手当の支給に関して、ある面では母子家庭と同一にとらえることは難しいと思います。しかし、母子であれ父子であれ、そのもとにいる子供には変わりはございません。子供を社会全体で預かっているという考え方からすれば、所得の少ない父子家庭も含めて育児の社会コストととらえて支援をしていく、こういうことが必要ではないか、少子化社会では大変重要な施策ではないかと思っております。 したがいまして、子育てと就労の両立支援など、母子家庭と同様の支援を必要とする分野については区別することなく所得の少ない家庭への制度の適用の拡大を考えられないかと思うのでございますが、この点につきましてはいかがでしょうか。
○横田政府委員 父子家庭につきましては、平成五年の調査によりますと、年間収入につきまして平均四百二十三万円ということで、母子家庭の二百十五万円の大体倍ぐらいになっております。また、持ち家率につきましても五六・四%ということで、母子家庭の三四%よりも高い、ほぼ全世帯の平均とそう遜色のない状況にあるということでございまして、ニーズに関する調査を行いましても、所得上の問題というよりもむしろ家事に関する問題を挙げる父子家庭が多いという状況にございます。こういった点で、定型的に見て母子家庭とは状況が違っているということで、児童扶養手当そのものの対象には父子家庭を含めていないということであります。 ただ、子育てと就労の両立支援というための施策として、残業等で忙しい場合に児童福祉施設を使いまして児童を一定期間預かるような事業をやっておりますし、また家事や育児の支援を行うために介護人の派遣事業というようなものもやっております。こういった点につきましては父子家庭も含めて施策を進めてまいりたいと考えておりますし、法律相談等、相談につきましても区別する理由はないということで、十年度予算の中には、相談事業の充実とともに、対象範囲についても父子家庭を含めるというようなことで考えているところでございます。 今後とも父子家庭の状況に応じまして、私ども適切な施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○青山(二)委員 それでは、時間がなくなってしまいました。 最後に、近年の離婚の増加、あるいは少子化が進んでいる、こういうことを考え合わせまして、やはりいろいろな改革が必要だと思いますけれども、最後に、今後の児童扶養手当制度のあり方について大臣のお考えを伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 制度が創設された時代に比べると変わりようは大きなものがありますので、今お話を聞いていましても、母子家庭の問題から父子家庭の問題も出てきているという状況でありますので、この変化をとらえながら、母子家庭の持つ苦労、困難さ、それに対する児童扶養手当ですので、今後とも識者の意見等、また実際に問題を抱えている関係者等から意見を聞いて検討を進めていきたいと考えております。
○青山(二)委員 大変ありがとうございました。以上で終わります。
○船田委員長代理 福島豊君。
○福島委員 平和・改革の福島でございます。よろしくお願いいたします。 質問に先立ちまして、冒頭申し上げておきたいことがあります。本日の新聞でございますが、自民党の加藤幹事長がこのような発言をいたしております。「みなさんも委員会で注意したほうがいい。あくびをしたり鼻毛を抜いたりしないほうがいいですよ」と。これは十日の役員連絡会での発言であったようでございますが、二月一日からパーフェクTVで衆参両院の全委員会の中継が始まっております。すべての委員会が報道されます。 国民から、国会は一体何をやっているんだ、きちっと審議をしているのかというふうに言われないような委員会運営をお願いしたいと思います。 お願いいたしまして、私の質問をさせていただきます。 先ほどから平成十年度の予算につきまして、大臣からさまざまな御答弁がございました。私は、今回の予算編成は厚生省におかれましても大変だったろうなという思いがいたします。さまざまな細かい点にメスを入れて、そしていかに八千億の自然増を三千億にするのかということで努力をされている、そのような思いがいたしました。しかし、よくよく見ると、児童扶養手当の点でもそうでございますし、そしてまた難病患者の自己負担の問題でもそうでございますし、さまざまなところで弱者切り捨て、そしてまた弱者へのしわ寄せと言わざるを得ないような予算の内容になっているのではないかというふうに思います。 ただ、二十一世紀に向かって社会保障のあり方というのは大きく変わらなければいかぬ、それもまた事実でございまして、その中でいかに効率的な、そしてまたむだを省いた社会保障の制度にしていくのか、そういう視点は私も大切だと思いますけれども、しかし、この平成十年度の予算の審議をしている最中に新聞を見ますと、連日のように補正予算の話が出てくるわけでございます。 十兆円の補正予算ですとか、額はいろいろ変わるかもしれません。ただ、この十兆円の補正予算という数字を私が目の当たりにしましたときに、例えば先ほどの児童扶養手当の問題にしましても、一体その改正をすることによってどの程度の国費を減らすことができるのかということを考えますと、十兆円のうち一%にも満たないわけです。そういった本当に細かい点での積み上げをしている中で、片っ方ではもう十兆円をばんと出すというような話が公然となされている。私は、これは大変けしからぬ話なのだというふうに思います。大臣も先ほど、どこでだれが言っているのかわからないけれども、そのような話が出てきた場合は、話が違うではないかと言わざるを得ないというふうに発言をされておりました。大臣には、私はもっと怒っていただきたいというふうに思います。 もしそのような大型の補正予算をするということであれば、今回の予算の中に盛り込まれたさまざまな意味での福祉の削減、切り捨ての部分というのを見直した方がいい、平成十年度の予算を審議する段階で私は見直した方がいい、そのようにすら思うわけでございます。まずこの点につきましての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 今いろいろ言われている点については、具体的に議論の俎上に上がっている段階ではありません。閣僚として、現本予算の問題と財政構造改革そして将来の問題について、当然時期が来れば議論しなければならない問題だと思いますが、現時点においては、どの閣僚も言及しておりませんし、総理自身も、補正予算を組むとか十兆円の景気対策をするとか言っておりませんので、私自身、厚生省予算編成において大変厳しい状況を感じながら苦労した一人として、この問題につきましてはきちんと議論しなければならない。 問題は、今いろいろな方が言っている補正予算とか景気対策というものがどの程度現実味を帯びてくるのかというのは、もう少し時間が要るのではないか。政治家の発言として、時期と場所を選んできちんと主張していきたいと思います。
○福島委員 大臣という責任ある立場におられるわけですので、御発言は確かに慎重にならざるを得ないというふうに思います。しかるべき時期にしかるべき主張をしていただきたいと思いますし、その主張の中におきましては、平成十年度の予算というものが修正ができないというのであれば、何らかの形で、今回の予算に盛り込まれたこうしたさまざまな点での福祉の削減ということについて、補正予算の中で、もし編成された場合ですが、対応されるおつもりがあるのかどうか、この点につきまして、突っ込んで大変恐縮でございますが、御所見を再度お聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 私は、財政構造改革法案の準備段階におきましても、厚生省関係予算は非常に厳しいですよ、実際に具体化した場合に、恐らく与党の方がびっくりして悲鳴を上げるんじゃないですか、しかしどうしてもやるんですねということで取り組んできたわけであります。総理が火だるまになって行財政改革をやるんだという決意を示しましたし、各党も行財政改革に異論がないという状況でありましたので、それならということで、一切の聖域なしで踏み込んでやったわけであります。 増税はしない、国債の増発はしないという中で、どういう景気対策があるのか。現在の財政構造改革の痛みに耐えかねて国債増発に逃げるのだったらば財政構造改革は成り立たない、こういう重要な問題がありますので、私は、しかるべき時期にきちんと議論をしていきたいと思います。
○福島委員 ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 続きまして、厚生年金基金の問題につきまして私はきょうお聞きしたいと思います。 先日の三月二日の日経新聞でございますが、厚生年金基金の解散が急増している。理由は母体の企業が経営不振である、またもう一つは年金資金の運用が低迷していてなかなか利益が出てこない、こういう点が最大の理由だ。既に解散する基金が、二月までで十基金が解散をする、三月にも幾つかの基金が解散する予定になっているということが報道されておりました。年金基金の問題も、現在のこの不景気の中で大変状況が悪くなっているなということをうかがわせる報道であったわけでございます。企業年金、厚生年金基金もその一つでございますが、老後の生活を支える上では極めて大切なものでございますし、その加入者の数というのも極めて多いわけでございます。 こうした中にありまして、どのようにこの厚生年金基金の危機的な状況に対応するのか。いろいろな改善が過去この数年の間に行われたわけでございますけれども、まだそれでは十分ではないのではないかというような声があるわけでございまして、現在の厚生年金基金の全般的な財政状況、そしてまた、現在まだまだ不十分である支払い保証制度、これは、解散した場合にそれを賄うだけに十分ではないというふうに指摘されているわけでございまして、厚生省としては、先送りするということでなくて、本年どのような形で対応するつもりなのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
○矢野(朝)政府委員 今の御指摘にありましたように、厚生年金基金というのは非常に厳しい状況にございます。これは大きく二つ背景がございまして、新聞報道にもございましたように、基金ができて三十年たつわけなんです。その間産業構造が大きく変化したということで、昔は若い組合加入員がたくさんいたような基金でも最近は加入が激減している、一方で受給者が非常にふえている、こういう大きな構造変化があったわけでございまして、そういう基金も少なくない。それからもう一つは、バブル崩壊以降の低金利あるいは市場の低迷ということでございまして、過去五年間、予定利率を下回るような運用実績しか上げられない、こういう状況にございます。 そういうことで、従来、別途積立金のあるいわゆる黒字の基金といいますか、こういった基金が多かったわけでございますけれども、逆に、現在では繰越不足金のある基金の方が多くなっている。これは、全体の五五%に繰越不足金があるということでございます。 そういうことで非常に状況は厳しいということで、私どももいろいろ手を打ってきておるわけでございまして、特に平成九年度からは制度の大きな見直しをやったわけでございます。例えば時価基準を導入するとか、それから九年度からは、非継続基準による財政検証と言っておりますけれども、いわばその基金が終了した場合でもきちんとその積立金は確保されている、そういった点でのチェックを九年度からは実施するとか、あるいは運用規制を緩和するとか、それからまた逆に、受託者責任のガイドラインをつくって、基金の関係者の責任意識の確立といいますか、これに努めるとか、あの手この手をやっておるわけでございます。それからまた、支払い保証制度につきましても、これは連合会の共済事業として実施されているわけですけれども、従来の掛金を約四倍に上げまして制度の充実を図ったということでございます。 そういうことで、いろいろ手を打っておりますし、これからの課題としましても、今御指摘のありましたような支払い保証制度をどうするのか、こういった問題、あるいは企業年金に共通する基本法を制定すべきだ、こういった御議論もございます。あるいは、現在、確定拠出型の制度というのは認められておりませんけれども、確定拠出型の制度を導入したらどうか、こういう議論も行っているところでございます。 こういう形で、いろいろこれからも引き続き努力していきたいと思っておりますけれども、何しろ基金は積立方式でやっておりますので、経済状況がよくなるというのが一番の特効薬でございまして、やはり日本の景気がよくなる、金融市場がもっとよくなる、そこのところが非常に大きなポイントでございまして、こういった点でも、私どもとしましては早く景気をよくしてほしいな、こういう気持ちでおるわけでございます。
○福島委員 確かに、景気がよくなれば状況がよくなるというのはまさに局長のおっしゃるとおりでございますが、しかし、二十一世紀に向かって経済の状況がどうなるのかということは、だれもよくわからないわけです。ですから、どういう状況になったとしても安定している制度づくりというものをしていかなきゃいかぬという話だと思います。 そういう意味では、公的年金の抜本改革というものに軌を一にしてこの企業年金の問題を統一的に、税制適格年金も含めてどうするのかということをきちっと考え、またその方針を定めるべきだというふうに私は思うわけでございます。平成十一年度に年金の抜本改革ということが言われているわけでございますが、その中にぜひこの厚生年金基金の問題を織り込んでいただきたいと私は思いますが、この点につきましてのお考えをお聞きしたいと思います。
○矢野(朝)政府委員 ただいまの御指摘は全く同じ考えでございまして、これから公的年金の改革を進めていかなければいけませんけれども、少子・高齢化あるいは経済の低成長というようなことで、公的年金の将来も非常に厳しいものが予想されるわけなんです。そういうことで、公的年金の改革を進める一方で、企業年金あるいは個人年金、こういった自助努力を促すようなしっかりした制度をつくり上げていく。したがいまして、公的年金と企業年金、個人年金、こういった三本柱で老後を乗り切っていくんだ、こういう体制がぜひとも必要になってきているのじゃないか、そういう認識をしております。 したがいまして、今回の制度改正では公的年金をどうするかということが一番大きな問題ではございますけれども、あわせまして企業年金のあり方、企業年金をもっとしっかりしたものにしていこうということで、企業年金の基本法をつくろう、こういう検討も進めておりますし、先ほど申し上げましたような確定拠出型の制度も導入したらどうか、こういう検討も並行して行っているわけでございます。 そういうことで、公的年金だけでなく企業年金あるいはさらに個人年金、こういったものも次期制度改正においてはしっかりしたものにするように取り組んでいきたい、こう思っております。
○福島委員 ぜひ、先送りすることなく、大蔵省ともよく話をしていただいて、きちっとしたものをつくっていただきたいというふうに思います。 次に、先ほど青山委員の方からも御指摘がございましたが、小人症の問題につきまして御質問をしたいと思います。 下垂体性小人症につきましては、ヒト成長ホルモンというのが特効薬であるわけでございまして、現在、小児特定慢性疾患ということで公費の治療がなされている。これは、厚生省がこの公費の負担で行う治療の基準というものを策定されました。男性の場合には百五十六・四センチ、女性の場合には百四十五・四センチという段階で公費負担を打ち切るということを決定したわけでございます。 この最大の理由というのは、いろいろとお話をお聞きしておりますと、事業費が著しく増加していっている。小児特定慢性疾患の中で四割がこの小人症でありまして、この事業費の伸び、これをどうするのかという議論が背景にあったのだというふうに私は伺っております。中央児童福祉審議会の母子保健部会報告書、これは平成九年十二月に出されたものでございますが、その中には「内分泌疾患の事業費の伸びが本事業の事業費の伸びの大きな要因となっている」ということが指摘されている。 ただ、この基準を設けるということについては、さまざまな声が寄せられております。女性が百四十五・四センチ。百四十五・四センチといえば、現在の身長の分布の中では一番最低のところですね。そこまでしか公費はだめよという話になるわけですけれども、小人症の子供さんを持つ親御さんから、私もいろいろとお電話をちょうだいをいたしました。 この身長で将来的にさまざまな不利益を得ないとでも考えているのですかと。結婚する場合にもさまざまな問題は起こってくるだろう。実際に、治療の特効薬というものがあって、そしてそれを使うということが、実際には非常に高いわけですね。これが公費負担の対象から外されれば、月何万円というお金を払わなければいけないようになる。ちょうど子育てのときに当たって、経済的にも大変大きな負担になるわけでございます。何とかこの基準というものを見直していただけないだろうかという声が寄せられております。 先日も、中野寛成代議士から質問主意書が政府の方に送られました。それに対しての答弁は既に出ておりますが、その中では「低身長であることにより一律に精神的な苦痛や社会的な不利益があると判断することは適当でない」。低身長であるからといって、遺伝的に低身長である人もいるのだから、治療できる病気ではあるけれども、それは自分でやってくださいというのが政府の判断だというふうに思っております。 今までの経緯を考えまして、そしてまたこの事業そのものが子育てのコストを軽減するというところに一つの主眼がある。この中央児童福祉審議会の報告書でもそのように書いてあるわけでございまして、そういう主眼があるのであればなおさらのこと、基準を厳しく設けるということではなくて、できるだけ多くの子供さんが公費でこの治療を受けることができて、そして平均に近い身長を得ることができて、将来的に不利益をこうむらないようにするというのが、私は本来の福祉政策の目的であるというふうに思うわけでございます。この点につきましての厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○横田政府委員 この成長ホルモンの分泌不全によります低身長症の問題でございますが、私どもがやっております小児慢性特定疾患治療研究事業の中で、十疾患、大体五首疾病程度を対象にしているわけでありますけれども、御指摘のように、この低身長症一疾病で四割を占める状況になっております。この問題につきましては、治療の終了基準がこれまで定められていなかったということもありまして、身長が平均身長であります百七十センチを超えて治療を受けている例も多々あった、あるいは都道府県における審査体制が必ずしも十分でないというようなことで、適正化が前から求められていたわけであります。 私どもといたしましては、昨年、この問題につきまして専門的な検討会を設けまして検討をお願いしたわけでありますが、その中でさまざまな議論がございましたけれども、その報告を踏まえまして、また身長というのは非常にばらつきが大きいわけでありまして、家族性による低身長の方も多数おられます。その方たちはこうした治療の対象にもならない。 例えば、年齢で見たときに、同年齢百二十万人ぐらい子供さんがいるといたしますと、今度の基準といたしました二・五シグマ、偏差値二・五という基準でいきますと大体七千人ぐらいが該当することになるわけでありますが、この治療研究事業の対象になる人というのはそのうちの二割の千五百人程度ということでございまして、そういった方々とのバランスも考えまして、治療の終了基準を、男性の場合は十七歳の平均身長の二・五偏差値に該当いたします百五十六・四、女性の場合は百四十五・四センチというふうに見直させていただいたところであります。 そういったことで、今回の基準の設定そのものにつきましては、さまざまな角度から私ども検討をお願いし、総合的に決めさせていただいたということでございまして、これでもって当面対応させていただきたいというふうに考えているところでございます。
○福島委員 もう時間もなくなりましたので、一言だけ申し上げておきたいと思いますが、さまざまな点から検討したということでございますけれども、こうした子供さんを持つ御両親の意見というのは少しも取り入れていないのではないか、私はそう思わざるを得ません。平均身長以上に使うということは、これは必要ないだろうと私は思いますけれども、最低の身長のところでとどめるというのは到底理解できない。 そしてまた、このヒト成長ホルモンというのは、日本の国内の価格は、先日資料をもらいましたけれども、欧米の二倍あります、高いのですね。この報告書の中でも指摘されております。全体としては四百何十兆かの売り上げをヒト成長ホルモンというのは上げているわけです。薬価を下げるだけでもそれは二百兆円、そしてまた、その中の税金分を考えれば何十億か減るということになります。税金の支出には違いはないわけですから、この事業で二十億程度のお金を削減するのも、薬価を引き下げることによって全体としての税の支出を削減するのも実は同じことだ。であるならば、報告書に指摘されているように、まず薬価を下げたらどうなんだというふうに私は思わざるを得ないわけでございます。 この点につきましては、ぜひ再度御検討いただければと要望いたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○船田委員長代理 吉田幸弘君。
○吉田(幸)委員 自由党の吉田幸弘でございます。 私、議員となって早いもので一年と半年が経過いたしました。最初の一年は、ただ目に映るものが新しく、興味津々に経過いたしたわけでありますが、ようやく少し物事を考えることができる余裕が出てまいりました。 一体、政治は何かを考えると、私の中での結論といたしましては、政治は生活であり、我々は国民の血の叫びを代弁する者であると考えるに至ったわけであります。 生活は、すなわち安定した経済、そして健康であるということにあります。しかし、低迷する日本経済の中では、もはや国民は経済的安定はあきらめてしまったようにさえ伝わってまいります。最小限の要求として、生命の保障や、健康上の心配だけは、これだけはしたくない、せめて健康だけはと切に願う人も少なくはありません。本委員会は厚生委員会でございます。国民の生命に関する事柄について、今回御質問をさせていただきたく存じます。 まず第一に、環境汚染、また人体に対していろんな害、いろんな危険というか、病気とちょっと異なる分野で、ダイオキシン、こういうものについて少し質問をさせていただきたいと思います。 平成九年二月、WHOの国際がん研究機関がダイオキシン類の発がん性を認めて以来、このダイオキシンによる汚染についての注目度は極めて高くなってきております。ごみの焼却場からのダイオキシンの排出による人体への汚染、また健康への影響に対する不安というのはもう一人一人が強く感じてきているわけでありますが、このダイオキシンの問題の現状、そしてこの問題に対する厚生省の取り組み状況、詳しくお知らせいただきたいと思います。
○小野(昭)政府委員 ダイオキシンの問題に関しましては、今先生御指摘のように、国民の皆さんの間に不安が広がっているわけでございますが、私どもといたしましては、ダイオキシンの全体の発生量のおおむね八割から九割は廃棄物の焼却施設から出ると推計をされております。 したがいまして、まずは、対策の第一歩はその排出を削減することが必要であろうということで、昨年、廃棄物処理法に基づきます政省令を改正をいたしまして、ダイオキシン類の排出濃度の基準を設定いたしまして、できるだけ排出濃度を低減するような、濃度基準だけではなくて、さまざまな、例えば運転の基準等諸基準を定めたところでございまして、これを適正に守っていただくことによりまして排出量がかなり削減するものと推計をいたしております。 また一方、今も先生御指摘ございましたように、健康への影響ということが非常に大きな関心を呼んでいるわけでございます。ただ、ダイオキシンによります健康影響を考えます際には、非常に微量な量でありますが、それがしかも非常に長い期間にわたって人間の体に入る、それがどういう影響を及ぼすかということを解明していくという、多少研究方法論的には難しい点もございますけれども、いずれにいたしましても、環境庁等関係いたします各省庁と密接に連携をとりまして、食品あるいは母乳、血液等の中にどのぐらい含まれているか、あるいはどういう分布をしているかということについての調査を実施いたしておりまして、そういうものを通じまして、健康への影響、どのような影響があり得るのかといったことについての調査研究を進めているところでございます。
○吉田(幸)委員 もう少し詳しくお伺いをしてまいります。 名古屋市には、清掃工場、南陽工場と鳴海工場、この二つがございます。南陽工場はダイオキシンの濃度は低い。鳴海工場ではかなり高いというふうに聞いております。これらの清掃工場のダイオキシンの排出濃度の実態、そして濃度が異なる原因、またその理由、要はハードの面なのか、その他ほかの影響があってこれほどまで差が出ているのか。また、先ほどの御答弁の中で、人体に対する影響があるかどうかを調べているんだ、こういうようなお話でしたが、じゃ、実際この両施設がこれだけの差があったのであれば、これぐらい人体への影響に差があるというようなところまで含めてお知らせいただきたいと思います。
○小野(昭)政府委員 御指摘のダイオキシン類の排出濃度についてでございますが、平成九年の三月の測定におきましては、南陽工場が排ガス一立方メーター中〇・〇二ナノグラム、鳴海工場が一立方メートル中六十四ナノグラムであったと聞いております。 濃度が異なる原因についてでございますが、南陽工場は、平成九年に竣工いたしました最新の工場でございまして、燃焼室の燃焼ガスの滞留時間が長く、また、集じん機がバグフィルターであるといったようなことで、ダイオキシン類が発生しにくい構造になっておりますのに対しまして、鳴海工場では、昭和四十五年の竣工でございまして、古い施設でございます。したがいまして、燃焼室での滞留時間が短く、完全燃焼が確保しにくいこと、また、集じん機が電気集じん機という集じん機でございまして、その機器の特性上、排ガス温度を十分に下げることができないことなどが濃度が高い原因であると考えられております。 なお、鳴海工場におきましては、昨年、燃焼空気の吹き込み装置を設置するなど施設の改造を実施いたしまして、その後の測定では、ダイオキシン類の排出濃度が三・六ナノグラムまで低下したというふうに聞いております。 なお、健康影響への関係でございますが、まだ正直申しまして、先ほど申しましたように、非常に長期間にわたってどのような健康のパラメーターに着目してやればいいか、あるいは環境の濃度との関係をどういうふうに結びつけて考えるかといった点等、まだまだ学問的には非常に未解明なところが多うございます。また、この試料の測定には、一検体を測定するので約三十万ぐらいかかるというふうに聞いておりますので、調査計画を十分きちんとした上でやりませんと効率的な調査ができないといった点もございます。 現在、どのようなことをやればいいかということについて、専門家の御意見を伺いつついろいろやっておりますので、そういう結果も踏まえながら対処していきたいと考えております。
○吉田(幸)委員 では、今のお話によりますと、新しい工場、結局、新しくハードを入れかえるというか、機械、集じん機等を入れかえればこの排出濃度は下がるという、これはもう簡単なことでございまして、結局は、高い工場においては急速に改善策を実施する必要がある。 では、具体的に国としてはどんな改善策に対して支援をしていくのか、このお考えをできるだけ詳しくお聞かせください。
○小野(昭)政府委員 ダイオキシン類の排出濃度基準に適合していないごみ焼却施設につきましては、これは施設の竣工後何年たっているか、どのぐらいの古さであるか等々で、新しく建てかえた方がいいか、それとも既存の施設を改造して、先ほど鳴海工場の例で申しましたが、かなり下げられるのかという点検が必要かと思いますが、私どもといたしましては、当然新築につきましては国庫補助で御支援を申し上げますけれども、鳴海工場の例で申し上げましたような改造事業につきましては優先的に国庫補助の対象としょうといたしておりまして、平成九年度の予算ではこれが四億の予算でございましたが、平成十年度予算案におきましては三十三億というふうに大幅増額をいたしておりまして、市町村が行います改造事業に対しまして適切な予算措置が図られるよう措置しているところでございます。
○吉田(幸)委員 ありがとうございます。 いずれにせよ、ダイオキシンに代表されるような化学物質等による汚染問題は深刻な問題であります。また緊急の課題でもあります。 大臣は昨日の所信表明の中で述べられていらっしゃいました。改めてダイオキシン等に対する今後のお取り組みについて御意見をいただきたい、また決意をお聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 ダイオキシン対策を初め廃棄物の処理に対しては、今地域住民はもとより国民の大きな関心を呼んでいると思うのです。 私も昨年、ごみ焼却場が密集しております埼玉県を視察いたしましたけれども、住民の関心も、また、実際ごみを扱っている現場を見まして、住民が不安に思うのももっともだなと思いました。 ダイオキシンというのは特に猛毒でありますし、環境全体はもとより人体にも大きな影響を及ぼすということで、日本としてもこのダイオキシン対策早急にしかるべき措置を打たなければいかぬということで、鋭意、事務当局を督励いたしまして、なおかつ、環境庁を初め関係省庁と連携して、先進諸国に劣らないような対策をとっていかなければならないということで所要の措置を進めているところであります。 現実のところにおいてまだそのような焼却場が整わないという地域がかなりあるわけでありますが、私は、国の取り組み、そして住民の高まり、国民の関心度が以前とは比較にならないほど盛り上がっておりますので、今後今のような決意と措置を続けていくならば、日本も先進国にまさるとも劣らないダイオキシン対策ができると確信しております。またそのように進まなければいけないと思っております。
○吉田(幸)委員 ありがとうございます。 次に、医療の問題に関してお伺いを進めてまいりたいと思います。 ここ数年は、医師、歯科医師過剰時代と言われておるようであります。最近厚生省より「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」が発表されたと聞き及んでおりますが、医師、歯科医師の数及び人口十万人当たりの数並びに増加状況について詳しくお知らせいただきたいと思います。
○大塚説明員 お示しの調査は平成八年の調査でございますけれども、その調査によりますと、医師が二十四万九百八人、歯科医師が八万五千五百十八人でございます。それぞれ人口十万人当たりに直しますと、医師が百九十一・四人、歯科医師が六十七・九人という数字でございます。 増加状況についてのお尋ねでございますのでこの十年間の推移ということで取り上げますと、昭和六十一年には医師の数が十九万一千三百四十六人、人口十万人当たり百五十七・三人でございました。したがいまして、この十年間で医師数は約五万人の増加、人口十万人当たりですと約三十四人の増加ということに相なります。 同様に、歯科医師でございますけれども、昭和六十一年で約六万六千七百九十七人、人口十万人当たり五十四・九人でございましたから、この十年間で約一万九千人、人口十万人当たり約十三人の増加というような状況でございます。
○吉田(幸)委員 数は非常に増加しているようでありますが、一方その資質についてはいかがでしょうか。医師、歯科医師の資質の向上は今後最も重要であると私自身考えますが、厚生省のお考え、そしてまた今後どのような施策をお考えなのかお知らせいただきたいと思います。 さらに、実際、数としてはこれで十分足り得るのか、この件に関しては大臣よりお考えを伺いたいと思います。
○大塚説明員 ただいまお話ございましたように、医師、歯科医師の資質の向上ということは大変重要な課題だと考えておりまして、卒前教育、卒後の臨床研修、さらには生涯にわたる研さんといいました各段階の充実が求められていると考えております。したがいまして、私どもといたしましても、関係各省などと協力しながら、大学教育あるいは卒後の臨床研修、学会における専門的な研修、それぞれの局面におきましてその改善に努めてきておるところでございます。 特に、卒後の臨床研修につきましては、医師あるいは歯科医師がそのいわば基盤を形成して確立するという段階として位置づけられておりまして、資質の向上という観点から極めて重要な時期と考えております。 医師の研修につきましては、従来から総合診療方式の普及などに努めてまいりましたけれども、医療保険制度あるいは医療提供体制の抜本改革といった議論の中で、今後医師の臨床研修を必修化するといったような提言もございますので、私どもとしてはそうした課題も含めまして研修の充実強化について検討を進めてまいりたいと考えております。 また、歯科医師につきましても、御案内のとおり平成八年に歯科医師法が改正をされまして、平成九年度から臨床研修が努力義務ということにされているわけでございます。ただ、九年度の実績を見ますと、臨床研修の実施率が免許の新規取得者の五六・五%という段階にとどまっておりまして、今後、研修施設の確保などにつきましてさらに努力を重ねてまいりたい、かように考えているところでございます。 それから、医師数、歯科医師数の問題でございますが、諸外国などと比べましても我が国の医師数、歯科医師数、今後の推移を一応の推計をいたしますと、相当程度のレベル、あるいはもう率直に申し上げれば過剰時代に入っていく、特に歯科医師数につきましては、既に今日におきましてもその問題が関係者の間で議論をされているところでございます。 私どもといたしましては、それぞれ、医師につきましても、また歯科医師につきましても、関連する検討会を設けまして、今後の養成のあり方、需給の見通しなどにつきまして、現在検討を進めているところでございます。以上でございます。
○吉田(幸)委員 大臣のお考えとして、今の医師、歯科医師の数として十分なのか、今の数のまま資質を向上させるのか、また、逆にこれでは足らないのか、この件についてお考えをお知らせください。
○小泉国務大臣 医師の数については今削減の方向で検討しておりますので、これからも質の向上を目指しながらどのように適正な医師の配置をしていくか。各都道府県、地域の事情が違いますが、日本においては既に医師の数はふやすよりも削減の方向に来ているというふうに思います。
○吉田(幸)委員 次に、医療保険制度改革についてお伺いをいたします。 我が国では、これまで世界に誇るべき医療保険制度を確立してきたと思います。いつでもだれでも、また一定の患者負担さえ支払えば、必要なときには必ず医療が受けられますし、最先端な高度な医療も受けることができるようになってきております。しかし、我が国の公費財源、租税負担もそうですし、また保険料財源もそうですが、右肩下がりと言われるような経済状況のもとでは、少なくとも当面は高度成長期のような収入の伸びを期待することはできません。 こうした中で、将来の若い世代に至るまで過大な保険料負担や租税負担に苦しむことのないように、経済との調和を図ることも重要ですし、何よりもまず現行の医療システムの中にある非効率やむだを正していくことが求められています。昨今、医療保険制度の抜本的な改革を求める声が各方面から聞かれておりますが、それは医療保険制度も、ほかの数々の社会システムと同様に、こうした大きな転換期に差しかかっているからではないでしょうか。 私は、こうした改革を進めるに当たって、一つ忘れてならないことがあると考えます。それは経済との調和であり、すなわち財政の安定に偏る余り、国民がいざというときに必要かつ十分な医療を受けられないのではないのかという不安を抱くようなことになってはならないという点であります。 こうしたことも十分配慮しながら、抜本改革の早期実現のために全力を挙げていくことは言わずと知れず必要であると思いますが、ここで、大臣にとって抜本的とは一体どんな意味なのか、今後の抜本的改革への取り組みに向けた大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 昨年八月に、今まで三十数年間いろいろ改革すべき点を指摘されながらそれぞれの利害関係が錯綜してでき得なかった問題についても取り組んでいかなければならないということで、厚生省としては抜本改革案を提示し、そして与党三党で論議をしていただきまして、今発足をいたしました新たな医療保険福祉審議会で将来の抜本改革案を議論していただいているわけですが、これは診療報酬体系、薬価基準制度、医療提供体制等、総合的に見直したのであります。 今後、医療の改革を図る上において総合的な視野から取り組んでいく、なおかつ国民負担というものをどう考えるか、いつでもどこでも適切な医療が受けられるような現在の国民皆保険制度を維持しながらの改革を目指しているわけであります。診療報酬体系一つとっても、これは容易な問題ではありません。薬価基準にしてもしかりであります。 どこでもだれでも、日本人はお医者さんも病院も選ぶことができる、こういう医療制度のよさを維持しつつどのような改革をするかという点について、まあよく言われております、過剰投薬があるのではないか、過剰検査があるのではないか、過剰診療があるのではないか、いわばむだの部分、こういう点一つとっても一朝一夕にできるものではありませんが、現在も今までとは違った診療報酬体系をつくっていこう、薬価基準制度を抜本的に見直そうという審議が既に審議会で進められておりますので、すべて一緒という形にはなりませんが、診療報酬と薬価基準については審議会が意見を取りまとめられ、調整がつき次第できるだけ早い機会に法案を提出し、随時医療提供体制あるいは老人保健制度等の改革にも着手していきたいというふうに考えております。
○吉田(幸)委員 ありがとうございました。 次に、小児に対する歯科診療についてお伺いをいたします。 私も、最近まで臨床家として大勢の子供たちの歯科診療を行ってまいりました。小児の齲蝕は最近減少しているとはいえ、厚生省の歯科疾患実態調査によると、五歳から十四歳、このうちに、乳歯または永久歯の齲蝕を持つ者は実に九割、九〇%を超えると言われております。その中でも、歯質が先天的な要因によって、虫歯の治療を行ってもすぐにまた虫歯になってしまう、こういうような歯を持つというか歯質の子供さんが結構見られるわけで、こういう子供さんについて、治療終了後も極めて注意深く継続的に指導を行っていかなければいけないというふうに実際身をもって感じたわけであります。 医療の質を高く、また効率的なサービスを提供していくというようなことは非常に重要な課題であります。こういった、防ぐにも防ぎようのないというか、もともと土台というか歯質が悪い、こういうような子供さんに対する継続的な管理また予防的な要素を診療報酬上何らかの評価をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。 現在の状況と、また今後どのような施策をおとりになるのか、お考えがあればお知らせいただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 小児の齲蝕の再発抑制の充実を図るという観点がかねてから取り上げられておりまして、この四月からまた診療報酬が新たに改定されますけれども、今回の診療報酬改定の中でも、さらにこの齲蝕多発傾向者に対します継続管理の充実を図ろうということで、診療報酬上の評価というものをさらに充実をいたしました。 例えば、再発抑制というものが効果的に行われた場合の評価としまして、一年経過後に新たな齲蝕がない場合、この場合には指導料に百分の百五十の加算を行う。逆にまた、せっかくのそういった指導管理が行われても齲蝕が見られるという場合には、この場合は指導料は算定できないというようなことで、かなりめり張りをつけた格好での改正が行われるということになっております。 ただ、この改正の際に中医協においても議論があったわけでありますが、現在の医療保険制度の給付、これは基本的には、予防的な給付というものについては、どちらかというと制限的なシステムであります。 そういった制度の中で、今後、予防的な治療を含む診療行為、これについての保険上の取り扱いというものをどうしていくべきかということについては、中医協においても鋭意取り組んでいくということになりまして、二月二十三日の中医協の答申の中でもこの問題が触れられております。そういった意味では、近々また中医協が再開され、そういった中でこういったテーマについても議論がなされていくというふうに考えております。 我々としましては、こういった中医協における審議というものを踏まえながら今後の制度のあり方について考えてまいりたい、このように考えております。
○吉田(幸)委員 今のお話なんですが、私が質問に立つと歯科のことばかり言うというようなイメージがあるようなんですが、これは今おっしゃった中で非常に重要なことで、予防的な行為に対して健康保険がサポートするというようなこととして、私は非常に意義のあることと理解をしております。 ただし、また小児齲蝕について戻りますが、カリエスがあった場合は算定できないというのは多少いかがなものかなというような気はしておるのですが、先ほど申し上げましたように、予防的な範疇まで健康保険がカバーをしていく第一歩ではないかというふうに考えておりまして、今後その範囲、また医科の方にも同じような考えを持って保険というものを広げていただきたいというふうに思っております。 質問を進めさせていただきます。 最近の医学会の報告には非常に興味深いものが数多くあります。その中には、咬合機能の回復により老人性の痴呆症が軽快した方の報告例が数多く見られるようであります。咬合機能と全身機能には強い関係があると、私も委員会のたびに、質問に立たせていただくたびに訴えをさせていただいておるのですが、その後研究も進んでいることと思いますし、また確かなデータの収集、これも進んでいると思っております。 現在、口腔機能と全身機能の関係について、ここまで研究が進んでいる、そしていわゆる現在の取り組み、そして結果、また今後の方針について詳しくお伺いをさせていただきたい。 それと、あとはやはり一般医科との連携、このことも含めてお知らせいただきたいと思います。
○大塚説明員 お尋ねのございました口腔の機能と全身的な健康状態の関係というテーマにつきましては、これまでもさまざまな報告がございました。したがいまして、その科学的な解明を図る必要があるだろうということで、平成八年度から厚生科学研究事業の対象といたしまして研究を開始したという状況でございます。 この初年度の研究におきましては、咬合状態と他臓器の異常に関するこれまでいろいろな学術報告がございましたので、これを再整理するといったような手法によりまして、最新の知見が数多く報告されるといった成果を得たというふうに承っております。 ただ、咬合治療を行った結果、それが痴呆あるいは日常生活の動作の改善に直接つながったかどうかといったような具体的な事実を検証するための疫学的な研究を行うというところまでには至らなかったというのが、八年度段階での研究の状況でございます。 したがいまして、口腔の機能と全身的な健康状態の関係についていわば結論を得るためには、もう少し時間、年月を要するというふうに考えておるわけでございますけれども、平成九年度におきましては、平成八年度の研究の成果を踏まえまして、摂食科学と脳の老化研究班でありますとか、あるいは摂食科学とADL研究班でありますとかいったような六つの研究班を設けまして、さらに研究に取り組んでいただいておるわけでございますが、この研究班につきましては、歯科関係者、歯学関係者のみならず、医学の分野の方々にも幅広く御参加をいただきまして研究を実施をしているという状況でございます。 そうしたことも含めまして、私ども今後の研究成果に期待をしているという状況でございます。
○吉田(幸)委員 ありがとうございます。 もう一つ、興味深い報告がございます。これは、口腔内をきれいに洗浄することによって嚥下性の肺炎を防止することに効果があるということであります。 介護の分野において、このことは非常に重要ではないか。要介護認定を行う際に、かかりつけ医の意見書だけで一体そのようなことがわかるのだろうか。口腔内の状態が、義歯が入っていたりあるいは病態、病気があるかどうか、潰瘍があるかどうか、または口の中にとがった歯があるかどうか、こういうようなことをこのかかりつけ医の意見書だけで判断するのは、いささか情報量が少ないのではないかというふうに考えております。 要は、歯科医師及びその関係者からの意見も求めるべきではないか、この件に関していかがお考えか。あと、摂食障害またそしゃく障害、これらも同様に意見を求めていくべきではないか。 ただ、一方で、介護というか入院していらっしゃる患者さん、歯のことなんてかかわっておれない、歯がどうだということよりも、まずは生活だ、今の問題なんだという話があることは、今までの歯科医師の立場としてはそうだったかもしれません。ですけれども、いろいろな報告があるように、先ほどお話があったように、全身機能のかかわり、また口の中の汚れが、寝たきりの状態にありますと肺の中へ流れ込む、こういうようなことも命に間接的にかかわってくることもあるということで、何とか今後こういうことを積極的に入れていただきたい、御配慮いただきたいという意味も含めて、御意見をいただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えをさせていただきます。 介護を要する方、あるいは要支援の方につきましての要介護認定に当たりましては、身体上あるいは精神上の障害の原因でございます疾病または負傷の状況等につきまして、主治の医師と言っておりますいわゆるかかりつけ医の意見書をいただくということにしているわけでありますけれども、この意見書につきましては、当然でございますけれども、要介護認定をいたします上でこれを参酌をする、その必要性上からちょうだいをしているものでございます。 したがいまして、一般的に求めるものといたしましては、今先生お挙げになりましたもちろん歯科口腔関係もございますけれども、それだけではなく、全体的な身体的、精神的全般にわたる医学的な意見というものが必要であるというふうに考えられることから、医師によることにいたしておるわけでございます。 ただしかし、介護認定審査会におきまして、やはり全体的な状況を把握をするということの必要性から、審査判定の際に必要があるというふうに判断をされました場合には、先生お挙げになりました口腔の衛生状態でありますとか、あるいは摂食障害、あるいはそしゃく障害といったようなことも含めました歯科口腔関係の分野につきまして、例えば歯科医師の方から御意見をちょうだいをするというようなことはできるような形にいたしております。認定審査会におけるそういった判断の中でその必要性も判断をしていただいて、そういった中に反映をしていくということでやっていきたいというふうに思っております。 それから、要介護認定は今申し上げたようなことですけれども、要はやはり、先生今お挙げになりましたように、今後、介護を要する方々のいわば介護をしていく、あるいはその人の生活をよりよいものにしていくという中で、歯科の分野における配慮というものは非常に大事な部分があると思います。そうしたことから、実際に要介護者等がサービスを受ける際には、サービス担当者会議等でいわゆる介護方針の計画をつくります。こういった会議等を通じまして、必要に応じまして歯科医師の方々の意見も反映されるというような場面も当然あるだろうというふうに考えておるところでございます。
○吉田(幸)委員 どうもありがとうございました。 次に、難病対策についてお伺いをいたします。べーチェット病や筋萎縮性の側索硬化症、これらのような原因不明で治療法が確立していない難病を特定疾患に指定して、調査研究、治療研究などを行っております。難病の定義について、また難病対策の意義というか目的、またどのような手続をもって指定に至るのか、この件についてお知らせをいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 まず、難病の定義についてお答えを申し上げます。 難病といいますのは、昭和四十七年の十月に厚生省で難病対策要綱というのをまとめております。それには二つのグループがあります。一つは、今先生がおっしゃられました原因不明、治療方法が未確立てあり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾患。これは現在百十八ございます。次のグループとして、二つ目のグループに、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾患。これは約五百ございます。病気でいいますと、小児慢性腎炎とかネフローゼ、小児ぜんそく、筋ジストロフィー症とか、それから重症心身障害児とか、そういうものがあります。これは約五百の疾患。この二つを難病と申しております。 それで、もう一つ、先生がおっしゃられました特定疾患というのは、実は、この難病の第一の方の百十八の疾患のうちから特定疾患としていますのは、一番として、原因究明の困難性があり、二番目に難治度、三つ目に重症度、四つ目に希少性という点を勘案しながら、特定疾患対策懇談会という大臣の懇談会を持っておりますが、そこにおいて慎重に検討をいただきまして、そこで選定をいたしております。そして、これについては現在三十九疾患を指定をしているところでございます。 したがいまして、難病というのは、さきの第一グループが百十八、第二グループが約五百。そして、難病の特定疾患というのは三十九疾患を指定をしている。これについては、実は医療費の公費負担、保険の残り分を負担をしているという制度を行っているところであります。
○吉田(幸)委員 では、難病の方、患者さん、ほとんどが寝たきりの状態のような非常に重篤な方々が多いというようなイメージがございます。実際のところ、難病にかかってしまった患者さん、日常はどんな生活を送っていらっしゃるのか、どのようなことに困っていらっしゃるのか、こういうような実態についてお知らせをいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 医療と医学、医学医療の進歩によりまして、昭和四十七年に制度が発足して以来、難病患者さんの生活の実態というのは逐次変化をしている、このように思っております。 そして、昭和四十七年度に行いました特定疾患の患者さん方の療養生活実態調査の結果では、日常生活を営む上で全面的な介護を要する者の割合は五・六%、それから一部介護を要する者の割合が一三・四%、介護を要しない者の割合が八一%でありました。 また、介護率を疾患別に見た場合、全面介護率が一%に満たない、いわゆる軽い、軽いと言うと語弊がありますが、介護を余り要しない疾患がある一方で、筋萎縮性側索硬化症、よくALSと申している疾患だとか、ハンチントン舞踏病など、その病気の患者さん全体の三分の一から半分が全面介助となっている疾患も一方であるということでございまして、特定疾患の中でも日常生活について大きな格差があることが明らかになっております。
○吉田(幸)委員 では、一方、がんとか重症の糖尿病、いわゆる難病でなくても難病みたいな人、というか難治性の疾患にかかってしまった、また医療費も非常に高額に及ぶ、また支援というか支える家族、また周りの方々の精神的、経済的負担というのが極めて大きな疾病も数多くあると思います。 難病の特定疾患のみが全額公費負担となっているのはいかがなものかというような意見も聞き及びます。特定疾患のみが医療費の自己負担分がないということは、いかなる理由でそうなったのか、詳しくお聞かせをいただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 今私も御説明申し上げましたように、百十八の難病の第一グループの中で、七十九の方は公費負担がなくて、三十九に公費負担がある、その理由はなぜか、こういうおただしでございますが、多くの難治性疾患がある中では、患者数が少ない疾患は政策的に研究の光を当てませんといつまでたっても研究が進まない、患者さんがぽつぽつぽつぽつと、こういう状況では研究がなかなか進められないという状況にあるわけであります。 そこで、難病の中の特定疾患のうち、難治度や重症度が高いにもかかわらず患者数が比較的少ない疾患について、医療費の自己負担分を公費で負担することによりまして症例を確保するとともに、研究班を組織して研究を促進しようとするのが特定疾患治療研究事業、この事業の本来の目的でございまして、医療費自己負担の軽減措置は、このような医学研究推進上の理由からとっているものでございます。
○吉田(幸)委員 今の、研究の光を当てる、このことを患者さん御自身というのは果たして知っているのかと。我々が病院に勤務していたときに、やたら親切にするわけではないのですけれども、いろいろな細かなデータをとったり、歯の型をとるのに何回もとったり、かみ合わせを調べるのに何回もやる。我々はある研究を行っているわけです、その患者さん、使ってと言ったらいかぬですけれども。患者さんのあごの動きを見て、変わった動きだなとか、いろいろなことをその患者さんから、資料をとるというか、論文の題材にして、結果的にはその患者さんに治療はするのですけれども。それを事前にやはり伝えているわけです。データをとらせてください、実験をさせてくださいと。 この研究という言葉が私自身非常に気になっておりまして、難病指定あるいは特定疾患ということで公費負担をする患者さんは、この研究ということを知っているのかなと、その目的の中で。 時間も残り少なくなってきましたので、私が聞きたい点というのは、相手にそれが伝わってやっているのかなということが、一つ最大のひっかかる点であります。 先に進めさせていただきます。大臣にお伺いをしたいと思います。 二十五年に及ぶ難病対策の経緯、現在の難病患者の実態を考えた場合、重症者に対する施策の充実を図ることが大切と考えます。厚生省は今後どのように難病対策に取り組んでいかれるのか、大臣の御所見をお伺いいたします。
○小泉国務大臣 難病で苦しまれている実情をよく御存じで、今聞かせていただきましたけれども、このような実態を見ると、重症患者には、御指摘のとおり重点を置いて施策を施していかなければいかぬと思います。 今後の施策として、当面、平成十年度予算においては、まず重症患者のための入院施設を確保する、この事業を進めていく。それから二つ目には、訪問相談事業など在宅療養支援事業を強化していく。三つ目には、在宅人工呼吸器使用患者に対する訪問看護事業を図るということとしておりまして、今後、難病患者さんにとってみれば、どのような施策を講じてくれるよりも病気を治してくれるということが切実な願いでしょうが、これはなかなか原因もわからない、治療法もわからないということで大変御苦労をかけているわけでありますけれども、今言ったような事業を進めて、難病対策の質的な充実を図っていきたいと思います。
○吉田(幸)委員 最後になりますが、平成十年度厚生省予算案に新規に組み込まれております健康日本21推進総合戦略について、医療費の増大を抑制するという観点から、私自身、非常に興味を持たせていただいております。この内容と、さらに、大臣御自身の健康管理を含めた今後の国民の健康管理、そして先ほど山本先生が聞きそびれたという二十一世紀の社会保障像というものについて、簡単で結構でございます、どうぞお示しをいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 いかなる人間にとっても健康というのが一番大事だと思うのであります。予防は治療にまさるという言葉があるように、今後医療対策の充実でありますが、若いうちから健康に気をつけていただいて、元気で年をとっていただく。長生きできる社会になったのですから、どうせ長生きするのだったらば元気で長生きしてもらいたいということが大事だと思うのであります。 そういう面で、啓蒙活動といいますか啓発活動、皆さん若いうちから健康に関心を持ってくださいということで、食生活の面やらあるいは睡眠の重要性、休養の重要性、運動の重要性、いわゆる健康三原則と言っています食生活、休養、運動、これに若いうちから関心を持って、正しい日常生活を送ることによって健康を保持して、それぞれの分野で活躍していただきたいということが主眼であります。 特に委員は歯科の問題が専門でありますから、いろいろな重要な点を抱えておられます。 食生活を大事にする、栄養面でバランスのとれた食生活をするというのは大事なんですけれども、よくかんで食べるのと、かまないで飲み込むのというのは大違いなんですね、健康に与える、胃腸に与える影響というのは。ただバランスのとれた栄養をとればいいというものじゃない。よくかんで食べてもらう、この重要性がまだわかっていない方が随分おられる。そういう面において、動物というのは、かむことができなくなったら死んでしまうのですね。人間も動物の一種であります。そういうことを考えますと、歯科治療、かむことの重要性、健康全体に与える影響というのは幾ら指摘しても指摘し過ぎることはない。 休養の重要さ、睡眠の重要さも最近はとみに指摘されております。幾ら薬を飲んでも、幾ら注射を打っても、まず一番大事なのは休養なんだ。体が弱っているどき運動したらば、ますます衰弱していく。弱っているときは休養が大事だ。回復したら運動しなさい。何でも運動がいいということで、弱っているときに運動して、かえって参ってしまう人が多い。 でありますので、食生活、休養、運動が大事なことは当然でありますけれども、この大事の中に、いかに多くの方がその重要性を理解して認識しているか。病気になる前に病気にならないように心がけるということが、ひいては健康な社会、また医療費の抑制の面においても重要なのではないかという面で、厚生省としても、健康な社会をつくるために、日ごろからの啓発活動に今後とも重点を置いて努力をしていきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 先ほどの答弁の中で、難病患者さんの療養生活実態調査を行ったと。昭和四十七年と言ったかもしれませんが、平成七年が正しいのです。済みません。よろしくお願いします。
○吉田(幸)委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
○船田委員長代理 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 最初に、小泉厚生大臣にお尋ねします。 「小児慢性特定疾患治療研究事業に関する検討会報告」、昨年十二月に出されたものです。この冒頭のところに「本事業の意義と本検討会の目的」という部分があって、その中で、例えば、 疾患の治療研究が推進されるとともに、その医 療の確立と普及が図られ、併せて慢性疾患児と その家族の経済的負担が軽減されることによ り、児童の健全な育成に大きく貢献してきたと ころである。このようにこの事業の意義を述べられて、さらに続けて、 少子化が進行している今日、子育て支援対策は、 国や地方公共団体をはじめ社会全体で取り組む べき課題であり、子どもの健全育成、子育てコ ストの軽減を図る上でも、本事業の果たす役割 は重要である。こう述べていらっしゃる。 厚生省も同じ認識だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 小児慢性特定疾患治療研究事業については、小児慢性特定疾患の中で、成長ホルモン分泌不全による低身長症について治療の終了基準等が明確になっていなかったことなどから、成人の平均身長、男子だと百七十センチですが、この平均身長を超えても治療が無料で継続されている例もありまして、また、都道府県における審査体制も不十分であった、こういう点があって、適正化が求められていたわけであります。 このため、公費負担の対象としては、専門家から成る「小児慢性特定疾患治療研究事業に関する検討会報告」、これは平成九年十二月であります、この報告を踏まえるとともに、本事業の対象とならない家族性の低身長の方も多数いること等も勘案し、治療終了基準を男性百五十六・四センチ、女性百四十五・四センチとするなどの適正化を行ったことにより予算額が減額となったのであります。 本事業については、小児の難病の治療研究の推進及び児童の健全育成の観点から重要なものと考えており、今後とも本事業の適正な実施に努めていきたいと考えております。
○児玉委員 先回りしていろいろおっしゃったけれども、この事業の持っている重要性はこの後ますます重みを増しますし、その適正な執行ということに関して私は質問をしたい、このように思います。 今お話のあった成長ホルモン分泌不全性低身長症、以下低身長症と述べたいと思います。きょう私がこの問題に関する質問の三人目ですから、事柄に対する関心の強さ、そういったものとして厚生省は理解してほしい、こう思います。 最初にお尋ねしたいのは、この治療で決定的な役割を果たしている成長ホルモン、ソマトロピン、遺伝子組み換え製剤が開発されるまでは、人間、例えば解剖された遺体、そういった下垂体から抽出されていた。一人の患者が一年間の治療に要する量、最近では、体重一キログラム週当たり〇・五国際単位、それが日本ではほぼ確立しておりますが、一人の患者の一年間の治療に五十人から八十人の下垂体から抽出することが必要であった。その事態では、今日の臓器移植と同じように、ドナーの問題とレシピエントの問題、そういった事柄の重要性を含んでいた。それが、スウェーデンで遺伝子組み換え製剤がつくり出されることによって供給が一挙に好転した。 そこで、私はまずお聞きしたいのですが、この遺伝子組み換え製剤が出る直前の段階で薬価は一国際単位当たり幾らであったのか、お示しください。
○高木(俊)政府委員 ヒト成長ホルモンの薬価でありますが、遺伝子組み換えができる前は下垂体に基づいて製剤しておったわけでありますけれども、クレスコルモンという銘柄で申し上げますと、昭和六十二年ないし六十三年当時でありますが、これが一国際単位五千九百五十円でございます。
○児玉委員 それから約十年経過して、遺伝子組み換え製剤が国際的に需要を満たす形で供給されている今日、一国際単位の薬価は幾らになっているでしょう。
○高木(俊)政府委員 現在の品名で申し上げますと、ジェノトロピンというので申し上げたいと思いますが、これが現在の薬価が五千四十七円でございます。
○児玉委員 そこで、私は、この問題を我々が検討するときにまず一つ考えるべきかなめがここにあると思います。 人間の下垂体から直接抽出していたヒト成長ホルモン、一国際単位が今のお話のように六千円を少し切る程度であった。それが、今は五千四十七円。今度新たに収載されようとしている薬価ではもう少し下がって、四千六百五十七円になりますね。いずれにしても、下垂体から直接抽出したときと、そして遺伝子組み換えによってかなりの量の生産が可能になって、薬価がこの程度しか下がっていない。何とも理解できませんね。なぜでしょう。
○高木(俊)政府委員 いろいろな要因があるのだと思いますが、まずそもそもこのジェノトロピンが開発されたときの薬価の決め方の問題が一つあると思います。 これは中医協におけるルールに基づいて、大きくは二つのやり方がありまして、一つが類似薬効比較方式ということで、類似薬がある場合にはそれを参考にしておおむね同等の薬価を決めるというやり方、それから類似薬がない場合には原価計算の積み上げで決める、こういうようなやり方のルールになっておるわけでありますが、当時、下垂体をもとにつくっていた薬価が五千九百五十円、先ほど申し上げた値段でありますが、新たに遺伝子組み換えのジェノトロピンが出たときにやはりこれと類似薬効ということで同じ価格が決められておるということであります。 その後、市場に出回った中での価格の下がり方によって若干ずつは下がっておりますけれども、先ほど申し上げたようなことで現在は五千四十七円であり、この四月からは四千六百五十七円、こういうふうな状況であります。 これはかねてから本委員会でも御議論いただいたわけでありますが、いわゆる公定価格を定めておる薬価基準そのものに一つの原因があるというふうにも考えられますし、それからまた、この薬そのものが対象者が非常に少ないというようなことによってなかなか価格が下がらないというような面もあろうかと思います。いずれにしましても、それほど大幅には確かに下がっていないということではないかと思います。
○児玉委員 類似薬効方式だとか原価計算の積み上げたとか、昨年我々随分議論した中身ですね。 それで、私は端的に聞きたいのですが、成長ホルモン、ソマトロピン、商品名になってジェノトロピンで結構ですが、アメリカ、イギリス、ドイツでは現在価格は幾らか。一九九七年の時点で円に換算してお示しいただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 国際比較というのはなかなか難しいのでありますが、一定の割り切りで比較させていただきたいと思います。 一九九七年の諸外国における薬の価格リスト、これに基づきまして比較をしてみたわけであります。この価格リストはアメリカ、イギリスの場合ですといわゆる卸売価格が載っております。アメリカでいえばレッドブックと言われるものでありますが。したがって、実際に消費者が支払う際にはこれに一定のマージンがやはり当然かかっていると思いますから、平均的な薬局、医薬分業ですので薬局ということで、薬局のマージンを乗せて計算してみました。それからドイツの場合ですとこれはローテリステに載っている価格、これを比較をいたしたわけであります。 そうしますと、日本の薬価が五千四十七円ということでありますが、これは為替レートは最近一年間の、直近一年間の平均の為替レートで考えておりますが、アメリカが二千三百九十一円、それからイギリスが千九百二十八円、それからドイツが三千百七十三円ということでございます。
○児玉委員 皆さんとこのことについてあらかじめ議論したときに厚生省が私のところに示したものは、ジェノトロピンでアメリカが千七百八円、そしてイギリスが千五百三十円、ドイツが三千百七十三円、ドイツの価格については今お示しくださったものと同一だけれども他のものについては随分違っていますね。なぜでしょう。
○高木(俊)政府委員 先生のところに最初にお示しした資料がちょっとどれか今あれですが、恐らく、違いがありますのは、比較の仕方でありますけれども、いわゆる薬局の平均的なマージンを乗せているか乗せていないかということではないかと思います。 平均的なマージンとして、アメリカの場合は卸売価格の一・四倍、それから、イギリスの場合には一・二六倍した価格にさせていただいておりますから、その差ではないかと思います。
○児玉委員 いずれにもせよ、日本の現在の価格は、ドイツの一・六倍ですね、そして、イギリス、アメリカに比べても二倍以上である。 先ほど大臣が御紹介になったこの間の経過を、私、議事録を拝見しました。去年の十二月十七日の中央児童福祉審議会母子保健部会、その中で、ある委員はこう発言していますね。成長ホルモン自体が遺伝子工学で生産できるようになって、しかも薬価のプライスがほとんど下がっていない。これは大変奇妙な現象であって、大幅に下げてしかるべきである。専門家の意見として当然のことだと思いますね。これは、どのようにあなたが説明なさろうと、事情をよく知っている専門家にとっては大変奇妙な現象ですよ。大幅に下げなければいけない、そのことを指摘した上で、次の問題に入っていきたいと思うのです。 先ほど大臣がお話しになった、今回、厚生省がとられた新しい措置について、すぐ専門家からこういう声が上がりました。男性百五十六・四センチでは、電車のつり革に手が届かない。そして今、平均身長は、男性で百七十センチ、女性も百六十センチの相当なところまでいっています。 先ほど私が紹介した、そして大臣も参考にされた平成九年十二月のこの検討会報告、非常に興味を持って拝見したのですけれども、結論のところ、部長はお持ちのようだから、四ページの上のところだけれども、「この基準はあくまでも本事業としての範囲を示すものであり、医療の必要性の有無を示すものでなく、保険診療の取扱いを変えるものではないことに注意すべきである。」そのとおりですね。
○横田政府委員 そのとおりでございます。
○児玉委員 そうだとしたら、結局、医療としての必要性が変わったわけでないと言っている。そして、保険診療だから、保険診療の取り扱いも変えるものではない、その点に注意してくれと言っているのです。それなのになぜ、事業の継続という点で新しい措置をとられたのだろうか。 先ほどから百七十センチ云々ということがよく言われるけれども、この問題を早くから手がけていらっしゃっている東京女子医科大学名誉教授の鎮目和夫先生、鎮目先生はこうおっしゃっていますね。マイナス二SD以下を基準に治療を始めるのが国際的に確立された定義である。厚生省が今やろうとしているのは、マイナス二・五ではありませんか。国際的な定義をなぜ踏みにじるのか、はっきり答えてください。
○横田政府委員 この低身長症に対する診断基準そのものにつきましては、厚生省の特定疾患の研究班の診断基準におきまして、先生今御指摘いただきましたようなマイナス二・○シグマ、標準偏差値をもって、その他いろいろ要件がございますが、一つの診断のメルクマールとしております。これをもとに現在の保険適用は行われているということでございます。 私どものこの特定疾患治療研究事業の対象といたしましては、必ずしも保険診療疾病と診断され、保険診療の対象となったものがそのまますべて対象となるという構成をとっておりませんで、例えば、対象疾病でございましても、ぜんそくでございますとか慢性腎疾患等の場合におきましては、通院はだめで、一カ月以上の入院を必要とする重症者のみを対象とするというふうなことでございますし、必ずしも医療保険の適用範囲と同じ扱いとしていないところでございます。 今回のこの終了基準そのものにつきましては、この小児慢性特定疾患治療研究事業の対象範囲といたしまして、診断基準とは別に、どこまで公費で保険の自己負担分を見るかということでございますが、この点については先ほど来申し上げていますように、専門家から成る検討会議の結論、あるいは、低身長症、同じような百五十六センチ以下の方でございましても、家族性であるということを理由に八割の方は対象にならないというようなこととのバランスというものを勘案いたしまして、決定したということでございます。
○児玉委員 厚生省にぜひこの議論はかみ合わせてやっていただきたいのです。 先ほどから、例えば百七十センチまで治療が継続されているケースがあるから打ち切るのだという趣旨のお答えが何回かあった。私は、あなたたちがどうおっしゃるだろうかと思って、あらかじめ、小児慢性特定疾患医療意見書、この事業の適用を医師が都道府県に承認を求めるときの意見書のひな形をいただいてきました。 その中には、現在、平成何年何月何日、身長何センチ、体重何キログラムということが明記されています。そして、これが一回承認されたら、もうずっと続けて承認というものではない。毎年二月にこの意見書を提出して、そして、都道府県が承認すれば次年度の事業の継続が確認される。そこのところでさまざまなチェックが可能です。 もう一つは、全国の多くの小児科の専門医は、この事業の継続を行うとき、大臣、先ほどの人自身の下垂体からとっていたころ、どの子供から順位をつけて投与するのが必要かというその点で、社会的な地位や経済的な地位のいかんによって左右されてはならない、あくまで適格性で選ぶべきだという観点で、成長科学協会というのが厚生省の業務局のもとに設立されて、そして、今でもこの事業の適用を受けようとする医師は、すべてだとは言わないけれども、私が調べた北海道ではそのほとんどの方が、この成長科学協会にその都度報告をして、その確認を得て進めていることですよ。ですから、数少ない例を殊さらに持ち上げて全体をぐっと改めるということは、私は好ましいことではないと思うのです。 そして、多くの皆さんが言っている。男の子の場合、注射が痛いから、親も子供も何とかこらえて百六十センチまで、できたらせめて百六十五センチまでこの事業のおかげで伸びれたらいいねといって進めていることですね。私は、そこのところを厚生省に見ていただきたい。どうです。
○横田政府委員 これまで、この低身長症につきましては終了基準がなかったということで、先ほど、平均身長を超えてもこの治療を受ける例が相当数出てきているというようなことを申し上げました。 この点につきましては、私ども、十五歳以上で、現在全部で二万人ぐらいの方がこの適用対象になっておりますけれども、約二千四百九十人、このうちの男子百六十センチ、女子百五十センチ以上の者の割合が四〇・二%、百七十センチ、百五十八センチ以上の者が一・八%というようなことになっておりまして、適正化というのが指摘されていたところでございます。 それから、各都道府県の審査体制が必ずしも十分でなかったということもございまして、この成長科学協会の力もかりて、ある程度事前的なサーベイ、審査というのもやってきたというような事実があるわけでありますが、その過程におきましても、いろいろな認定にばらつきがある、あるいは緩い基準になっているというようなことがわかったのを踏まえまして、今回こうした開始、継続治療基準というのを設けさせていただいたということでございます。
○児玉委員 私がかみ合わせてと言ったのは、結局この検討会報告で、さきの同僚議員が既に御指摘になったけれども、見事に今度の措置の変更の理由を挙げているじゃありませんか。事業費の中でこの部分が突出している、だからだということを述べている。そこに最大のターゲットがありますね。 そして内閣は、この問題について議員が出した質問主意書に対して答えている。その答えの中で「給付人員が大幅に増加していること、」「給付人員に地域的な偏りがみられること」を挙げている。 率直に言いますけれども、「給付人員が大幅に増加している」ということは、先ほどの検討会報告で言う、この医療の確立と普及が図られたことの結果であって、厚生省はそれを誇るべきですよ。そのくらい社会的ニーズにこたえた、そう言って胸を張っていいのじゃないですか。 それから次に、「給付人員に地域的な偏りがみられる」これについて言えば、例えば先月の二十七日、新聞にこういう投書が載っていました。「身長ほしいと夜中に泣いた」、女性、二十四歳の方ですね。大阪市の職員に適用基準のことが気になって尋ねてみると、申告は十八歳までで適用は二十歳までだという回答が返ってきた。電話で応対してくださった職員は、この制度は知らない人が多いと言われた。本当だと思う。私も知っていなかったからだ。私はことして二十五歳だが、百四十三・七センチしかない。知らされていない。 私は、先週の土曜に札幌で、この治療を長くやってきた数人のドクターとそして十三人のお母さん、そして何人かのお子さんと、いろいろその人たちのお話を同席して聞かせていただく機会がありました。 かなりの人たちが大きくなるまで知らなかった。そして、たまたま小児科に行き、たまたま知人からお話を聞いて、慌てて駆けつけてこの事業の適用を受けて、そして大臣、こうも言われましたよ。痛い注射だそうです。毎日やる。そして、これは一カ所でやるとまずいから、両上腕部、そして腹部、両大腿部、臀部、小さな子供が最初は痛いと逃げ回っていた。ところが、一カ月に一回病院に行く都度、二ミリ伸びた、三ミリ伸びた、それが励みになって、自分から冷蔵庫に行って注射器をとってきて、そして、お母さん、打ってくれ、こう言うほど子供自身が積極的に協力している。 そのとき今度の措置ですね。高額医療の限度額六万三千六百円。一人の子供はお母さんにこう言った。六万円といったら、お母さんのパートのお金の半分だね、僕、もういいからと。そのお母さんは、そのことをおっしゃるときおえつされました。私も聞いていて本当に胸が迫った。こういうことは行うべきでない。 先ほど局長は当面と言われたけれども、本当に過ちは改むるにはばかることなかれですよ。せめて国際的基準に即して見直していただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○横田政府委員 小児慢性特定疾患治療事業の対象数そのものといたしましては、近年少子化の傾向もありまして、重疾患群について見ますと横ばいないし減少のところが多いわけでありますが、その中で内分泌関係の疾患群、とりわけ成長ホルモンの分泌不全による低身長症の方の増加が著しいということで、先ほども申し上げましたように、約百億でございますが、この事業の四割がこの一疾患だけで占められるようになっている。 この点につきましても、委員の方々の中から御意見がいろいろあったということでありまして、私どもそういったいろいろな指摘を踏まえて調べてみましたところ、先ほど申し上げましたように、かなり高い身長の方まで治療を受けられている方もいる、審査体制も必ずしも十分でないという点について、反省をもとに今回の見直しを行わさせていただいたところでございます。 いつから治療を開始するか、この点につきましては、できるだけ早い方が伸びる確率が多いわけでありますので、私ども早くから治療をしていただきたいと思いますが、例えば、毎日見ておられるお母さんなりお父さんというのがいらっしゃるわけでありますので、例えば、小学校に上がる時点になりまして、二・五シグマという値を見ますと、約百一センチであります。これは四歳程度の平均身長ということでありまして、学校に上がるときに身長がまだ四歳ぐらいの程度だということであれば、普通御心配いただきまして、どこか医療機関あるいは保健所等に御相談していただければ、そこでこういった治療研究事業の対象になるということで承知しておりますので、無料で受けられるということになるかと思っております。 こういった面で、なお私ども各関係団体に対する十分な周知等には努めてまいりたいと思いますが、基準そのものにつきましては、先ほど申し上げましたように、各方面から成る専門家の検討と、それから現実に身長が低い、これはなかなかその方にとっては大変なことだと存じますけれども、八割の方というのは家族性の身長ということで治療にもならず生活をされているというようなこととのバランスということも考えなければいけないということでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○児玉委員 どうしても理解できませんね。 家族性の低身長症があるからこの基準を下げるというのは、私は社会保障の哲学からすれば逆ではないかと思う。むしろ、適用範囲を広げることによって公平を図るということが王道だと思います。 それから、経済的な理由。この委員会の会議録を見ていたら、ある委員から、現在の日本経済の困難な状況を乗り越えたら、また再びこの基準でやってくれという意見さえ出ていますよ。結局、社会保障の切り捨て、あらゆるところをねらって攻撃していく、その一つにこれが拾い上げられている。お金のことで言えば、先ほど厚生省がおっしゃった、マージンも含めたイギリスやアメリカの値段ですね、そこまでもし上げたとしても、この薬は二分の一になるのですから。 四十キロの体重の子供、中学校、高校の物を思うころですよ、月八十単位です。現在のお金にして四十万三千七百六十円。そして、月一回外来で検査においでになる、診療報酬三千三百八十点、三万三千八百円ですよ。治療費の九〇%が薬剤費です。そこのところを二分の一にすれば優に二十億円が生まれますよ。あなたたちが削ろうとしている額よりもっとたくさん生まれてくるのだから、その道を探るべきじゃないでしょうか。 大臣、どうでしょう。せめて私はこの問題で、全国小人症連絡会、そして各地に親の会ができて、その会の方たちが、マイナス二・〇SD以下の身長、男子百六十二・〇センチ、百七十センチなんて言っていませんよ、女子百五十・四センチ、年間センチ成長は個人差があるので、三センチ以下、当面この基準でやってほしいとあなたに請願したはずですね。この人たちの声をじかに大臣、聞いてほしいのです。いかがでしょう。
○小泉国務大臣 これは、専門的な方々の意見を聞いてこういう改正措置をしたわけですが、今言ったように、ヒト成長ホルモン等の薬価については、確かに日本のは高い。今後、抜本改革の中でも薬価基準制度の見直しがありますから、これについてはその改正の中で当然適切な措置をしなければいかぬ。去年の国会の審議におきましても、高い薬を使い過ぎるのではないかという御指摘を何回も受けたわけであります。当然、このヒト成長ホルモン等の薬価につきましても、私は、適切な見直しをしなければいかぬ。 と同時に、身長は高ければ高いほどいいと思うのですが、程度の差がありますけれども、そういう点につきまして、今改正した時点においてすぐまた見直すというのもどうかと思いますので、今後専門家等、親御さん等の意見も聞きながら、所要の改正を講じた方がいいということであれば、やはりしかるべき検討がなされていいのではないかと思います。
○児玉委員 時間が来ましたから、今おっしゃった所要の検討を速やかに行って、そしてこの点についての是正措置を講じていただきたい。再度お願いしたいけれども、直接親の方の声に、大臣、耳を傾けてほしい、そのことを要望して、私の質問を終わります。
○船田委員長代理 中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 大臣、久しぶりですので何かわくわくしておりますが、どうか前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 昨日の新聞にパラリンピックの記事が載っていました。昨日の夕刊には「知的障害者の一歩ナガノに刻む」という写真入りの記事で、安彦選手が銀メダルをとられたということが書いてありました。この長野が知的障害者のスポーツ参加への扉をまず広げたということで、私は大変うれしいことだと思っておりますが、同時に、きょうの質問は、その知的障害者の方たち、そしてその家族が持っていらっしゃる不安を代弁してここで質問をさせていただきたいと思います。 今、厚生省の方の、厚生科学審議会先端医療技術評価部会というところで、出生前診断のことを含めてさまざまな議論がされておりますが、その審議会の状況と、あとメンバーについて少し質問をさせていただきたいのですが、このメンバー、きのういただいたら十三人委員になっておられて、十三人のうちの六人が長がつくのです、肩書き。そして、あと六人は教授がつくのです。何もつかないのは作家さんなんですね。 そういうふうに、もうすべてこういう審議会とかいいますと、偉い人がどわっと机に並んで、何かもうまず議論の最初に結論ありきみたいな形でメンバーが構成されるということを感じます。これを見てまたかと思いましたが、さっき家西さんが質問された中に、中薬審に花井さんと大平さん、この二人の患者の方が入られたということで、このことも私は画期的なことだと思います。前例がないということでずっとそれを拒否されていて、やっとこういう前例がつくられた。 私は、このような部会の中にもぜひとも当事者団体を入れるべきだと思いますし、半分の方は専門家でも結構ですけれども、あと半分はしっかりとその本人なり当事者なり、そしていわゆる市民をきっちり入れるべきだと思いますが、このメンバーについてのお考えと、言いわけでも結構ですがおっしゃっていただいて、今後の審議会のメンバーの選考についての御意見を伺いたいのと、もう一つは、現在の状況を、かいつまんでで結構です、二十分しかありませんので、よろしくお願いします。
○田中(泰)政府委員 お答えいたします。 まず、厚生科学審議会での審議の状況でございますが、御指摘の生殖医療のあり方につきまして、昨年の十月に厚生科学審議会の先端医療技術評価部会で論点を取りまとめまして、検討を開始しております。 しかしながら、この問題につきましては、体外受精等、生殖補助医療技術や出生前診断技術など多岐にわたっているということから、当面、まず関係団体から御意見を聴取し、論点の整理を図るということにしております。 それで、これまでのところ、四回にわたりまして関係学会、障害団体、約十七団体でございますが、御意見を聴取しているところでございますし、さらに、あと二回ほどでございますが、関係団体また専門団体から意見聴取を進めます。 これを踏まえまして、それ以後部会での検討を進める、こういう予定でございます。 それからもう一点の、障害児の親の代表等の委員への参加の話でございますが、今申し上げましたように、この生殖医療のあり方の検討に当たりまして、内容が多岐にわたっているということから、さまざまな立場の方から幅広く御意見をお伺いすることが必要だというふうに考えておりますが、この関係する団体が多岐にわたっているということから、特定の団体の方の代表を委員として御参加いただくということは難しいのではないかというふうに考えております。 したがいまして、このため、関係学会や障害者団体あるいは女性団体等幅広い立場から御意見を聴取しているところでございますし、またインターネットなどを利用いたしまして、広く国民から御意見を募集しているところでございます。 こういった御意見を十分に踏まえまして、今後、先端医療技術評価部会におきます検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中川(智)委員 意見の聴取というのがインターネットで行われたり、現場で御意見をということでされていることは聞いておりますけれども、インターネットというのが今家庭でどれぐらい普及しているかと申しますと、まだまだ普通の市民がインターネットを通じて意見を求められても、かなり部分的になってしまうという懸念が一点と、私、今度の感染症予防法でつくづく小委員会とかいろいろな委員会の資料を見まして感じますのは、意見を聞くということがガス抜きになっていて、一応聞いたけれども、法案として出てきたりいろいろしますと、本当に生かされてないというのが現実だと私自身は認識しておりますので、これに対する御答弁は結構ですけれども、ひとつ、やはり意見がきっちり生かされるのか、生かそうと思ってやっていらっしゃるのでしょうが、結果的には生かせない、どうしてそうなってしまうのかということをしっかり考えていただきたいと思うのです。 今回の評価部会で要望として皆様から言われたことを一点お願いしておきたいのですけれども、障害者が抱える社会的背景、そういう医術、先端医療とかだけではなくて、なぜ今この国が障害を持って生まれてくると生きにくいのかという社会的背景の討議が、議論が一切ない中で、出生前診断などの討議はできないと私自身は思っております。 ですから、この社会的側面へのアプローチをぜひとも入れていただきたい。七月に中間報告が出るそうですが、そのときには入れてほしいという要望が既に団体からも出されていますけれども、それを実現していただきたいということをお願いしたいのですが、イエスかノーかだけで結構です。
○田中(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、あと二回ほど団体の聴取をした後、五月からこの部会での検討を進めます。その際に、御意見も踏まえまして、多角的な検討をしたいと思います。
○中川(智)委員 この出生前診断のことについてちょっと伺いますけれども、今、トリプルマーカーといって、血液をちょこっととっただけで検査ができて、そして結果としては確率みたい、降水確率と一緒で、二〇%その疑いが、ダウン症児とか染色体異常児が生まれる確率がありますよ、あなたの場合は四〇%ですねということを言われるわけですね。その検査薬がもう市場にどわっと出回っておりまして、そして検査をする。初めて妊娠というか、何番目でも結構なんですが、妊娠した人なんかやはりとても不安を抱えている。ただでさえ不安を抱えているときに、インフォームド・コンセントもきっちりできない産婦人科のお医者さんが、もう頭の中で、障害児は不幸だ、家族は大変だということで話をしますと、このようなチラシ、チラシなんですが、ちょっと読み上げます。 これは、一つの医療機関の「妊婦の皆さまへ」というチラシなんですが、いろいろ書かれている中で、当院ではAFP検査二千五百円、御希望があればトリプルマーカー、出生前診断のトリプルマーカー、これは七千円です、実費です、これもやります。一万円ぐらいのところが多いのですが、ここは七千円でちょっと安いのですが、「どちらも、あくまで確率の検査です。」と書いています。これを全妊婦様に妊娠四カ月から五カ月ごろに実施しております。ここの後が問題なんですが、「すべての妊婦様から、健やかな赤ちゃんが誕生されますよう、私どもは願っておりますが、少子化、高齢出産化の今日でも、染色体異常の発生は、決して少なくないのが実状でありますので、ご夫婦でよくお話合いを」くださいという、このようなチラシが、もっとひどいチラシもあるのですが、あちこちのいわゆる産婦人科の医療現場で配られています。 これをただ読みますと、健やかな赤ちゃんというのは一切障害がないのが健やか、そして障害が少しあれば、それはもう不幸な、地獄のようなあすが始まるというような、そのようなニュアンスで書かれています。 ですから、私は、一時今のトリプルマーカーというのを凍結して、やはり指定医療機関か何かで、遺伝カウンセリングをきっちり行える人をそこに置いて、またそのような方が今いなかったならば、やはり国としてそれを養成して環境整備をすることをまずお願いしたいし、それが整ってから、改めてこのような検査薬が市場に出回るということを考えていった方がいいのではないかと思っております。それについての厚生省の方の現時点でのお考えをお伺いしたいと思います。
○横田政府委員 先生御指摘のトリプルマーカーを使って行う検査というのが近年増加してきているというふうに私どもも聞いておりまして、現在、厚生省心身障害研究「出生前診断の実態に関する研究」というのを行っておりますが、この中において、全国約千三百の医療機関を対象といたしまして、そういった実施件数でございますとか、インフォームド・コンセントの状況がどうなっているか、カウンセリングがどうなっているかというような調査を行っているところでございます。今後、こういった調査結果を踏まえながら、私どもの対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○中川(智)委員 いつごろその検査結果が出てということを……。私、これは二回目なんですね。昨年もそのようなお答えをいただいたのですけれども。
○横田政府委員 調査対象時期といたしましては、平成九年の一月一日から十二月三十一日ということになっておりますので、この期間を対象といたしまして、調査票自身はことしになってから送っております。この回収をいたしました後、分析を加えまして、報告書をまとめる予定になっております。まだ時期等まで確定いたしておりませんけれども、私どもといたしましては、できるだけ早く取りまとめたいというふうに考えております。
○中川(智)委員 これは単に医療現場のさまざまな問題もさることながら、確率が二〇%ぐらい、そして羊水チェックなどに行く場合が多いわけなんですけれども、本当にうつ病になってしまったり、ただでさえマタニティーブルーで精神状態が不安な方が多い中で、やはりこのような検査がどこででも、そしてごく当たり前のようにされていくことによって、確率がちょっと高い場合、もうそれは結果はわからないわけですから中絶する。 少子・高齢化と、少子に対しては非常に大臣も先ほどから、本当に少子というのが問題だということをおっしゃいましたけれども、中絶していく――出生前診断というのは、私は、人を生かしていくための技術であるべきだし、そのような形で取り組むべきだと思うのですけれども、今は本当に人をどう殺していくかというふうな形になっています。 また、妊婦自身も、いわゆる社会的なすり込みとかこの国のありようの中で、障害を持っている子供を産んだら本当にかわいそうなんだということで、そして中絶した後一生その傷を負いながら生きていく。自分は子供を殺してしまったというような傷を負っていく。それほど大変な検査でございますので、ぜひとも厚生省も早くその結果をお出しになりまして、きっちりとした取り組みをしていただきたいと思います。 そして、今でもそういう産婦人科のこういうチラシなんかは簡単にとれるわけですから、どういうふうな形でインフォームド・コンセントをやっているのかというのを少しよって指導というのもやっていっていただきたいなと思いますが、もう時間がございませんので、次に移ります。 それと関連いたしまして、非常な不安の声の一つに、胎児条項がやはりこの審議会の中でも議論されているということなんですね。 この胎児条項というのは、二十二週過ぎても障害を持っている場合は中絶できるという中身になるわけですね。言ってみれば子供の命を抹殺していくような法律ができていくということの不安を多くの家族や本人が持っておりますので、胎児条項について伺います。 この出生前技術を胎児条項の導入と絡めて今議論している中で、これはいかなる論拠をもって正当化しようとしても、胎児の先天的な疾患や障害に応じて積極的な絶命処置を選択可能にしていくということなんですが、私はこれを許容できないという立場にありますけれども、厚生省としては、この胎児条項について現在的な認識なり姿勢というのをお持ちならば、一言伺っておきたいと思います。
○横田政府委員 人工妊娠中絶につきましては、現在の母体保護法におきまして要件を規定しているところでありまして、障害を理由とした中絶というのは、今の母体保護法上ないわけであります。これにつきましては、そういった胎児条項をつくってほしいという要望もございますし、また入れるべきではないというふうな意見もあって、国民の間で意見が大きく分かれている状況ではないかと思います。 現在、この問題につきましても、先ほど御指摘がございました厚生科学会議で審議されているところでありますので、その審議を見守りたいと思いますけれども、これはなかなか価値と価値が衝突する問題でございますし、行政としても非常に頭の痛い問題であるなというふうに感じております。
○中川(智)委員 今の御答弁を伺いまして、ますますちょっと不安になったのですが、大臣にちょっと伺いたいと思います。 私は、やはりこの国がみんなが安心して暮らせる国にするためには、ともに生きていけるようなシステムにすべきだと思っています。 私の友人がこの間、遺伝学の先生なんですけれども、静岡県立こども病院の長谷川知子さんという方なんですが、彼女と話をしていて、これはコースターにちょっと書いてくれたのですが、私はとても、本当にそうだと思った言葉を少し大臣にお知らせしたいと思います。 障害を持っている人を見て、本当にかわいそうだとか大変だな、苦労しているなと思うのは人間の本能的な反応ではないかと言っていました。本能、動物としての本能ですね。先ほど大臣も、人間も動物の一種だからというふうにおっしゃいましたけれども、それは知らないことへの恐怖なんですね。ですから、身近に一緒に暮らしたり、そして育てているという普通のそういう育て方をして、身近にその人たちと接したりしている人は、自然に人間の英知を身につけることができる。やはり障害を持っている人たちとともに生きていくことが、本能から一歩踏み出して人間の英知を身につけることができるのですね。 私も、友人の子供さんでダウン症の方が何人もいますし、私がやっている、この仕事じゃなくて別の仕事を以前やっていたもの、そこは知的障害者の方の作業所で仕事をしてもらっていました。そのときに、本当に心からの笑顔、魂の清らかさ、そのような中で、人間がともに生きていくことこそがやはり日本という国の姿を将来つくっていくのじゃないか。戦争に行ける人間だけを産むという、戦争に行ける人間だけがこの国にとって必要なのだという、そのような思想はやはりまず厚生省から排除していただきたいと心から思いますが、大臣、どのように思いますか。
○小泉国務大臣 これは、厚生省が戦争に行ける人間だけをつくっているというのは大変な誤解でありまして……(中川(智)委員「いや、つくっているとは言っていません」と呼ぶ)そういうことは全くないということを御理解いただきたい。 特に、障害者にとっていかに暮らしやすい環境を整備するか、いわゆるノーマライゼーションといいますか、障害者とともに暮らしていく、共生していくという社会を考えているのが厚生省でありますので、今長野でパラリンピック大会をやっているのも見ましても、確かに障害を持っている方を見ると同情の念を持つのも人間の自然の感情だと思いますが、同時に、あの障害を持ちながら健常者以上の活躍、活動をされていることを見ると、むしろ健常者が励まされているのではないかという気持ちを持つわけです。自分たちもしっかりしなければいかぬなと。 障害を持つ方とそうでない方がいかに共存していくか、共生していくかというのは、今後私はますます重要になっていくと思いますので、今言われた生命倫理といいますか、そういう問題につきましても、そのような視点から見ることも大事ではないかな。両論ありますが、私自身としては、よく専門家の間で検討されると思いますが、今後、より大事なのはいわゆるノーマライゼーションの理念ではないか。障害者とともに健常者が生活していく、お互い励まし合いながら、支え合いながら生活していけるような環境を整備していくことが最も重要なことであるというふうに認識しております。
○中川(智)委員 もう時間が終わりましたので、労働省にも来ていただいたのですが、本当に就職さえできない。特に知的障害の方は就職することも困難です。私の友人の子供のファクスがきょう来ていたのですが、もう七つも八つも、そして時給も本当に低く、でも一生懸命働いているのですが就職先さえない。学校だって、普通学校に入りたいといったってその門も開かれていないところが多いです。町に出ていったって自動車がいっぱいです。これでそのような社会と言えるでしょうかということを最後に言いまして、生きにくいこの世の中をどうにかしていただきたい。 そして、厚生省がそのように戦争に必要だけというのは、それは誤解です。それは言っていません。そうならないために頑張ってくださいと申し上げました。 ありがとうございました。 ――――◇―――――
○船田委員長代理 次に、本日付託になりました内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。 ――――――――――――― 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母 等に対する特別給付金支給法の一部を改正す る法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小泉国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案についで、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、国債の最終償還を終えた戦没者の父母等に対し改めて特別給付金を支給することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。 第二は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、国債の最終償還を終えた戦没者の父母等に対し、特別給付金として、百万円、五年償還の国債を改めて支給するものであります。概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○船田委員長代理 以上で趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時七分散会 ――――◇―――――