公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/03
会議録
○葉梨委員長 これより会議を開きます。 第百四十回国会、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び第百四十回国会、石井一君外三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 お諮りいたします。 両案につきましては、第百四十回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 公職選挙法の一部を改正する法律案(第百四十回 国会、内閣提出) 公職選挙法の一部を改正する法律案(第百四十回 国会、石井一君外三名提出) 〔本号末尾に掲載〕
○葉梨委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住博司君。
○住委員 先進国で在外投票制度を持っていないのは日本だけということで、今や七十六万人余りの同胞が海外で活動中であります。国政選挙に在外邦人が投票権を行使することができるようになる本改正案、ぜひ実現をさせ、速やかに実施したいと私ども考えておりますし、同時に、導入する以上は失敗は許されないということがございます。 今回、在外邦人の投票権を実現するに当たって極めて重要な役割を果たしますのが、在外公館であり、郵便投票という仕組みでございます。ほんの短い時間でございますけれども、この二つに焦点を当てまして確認をしておきたいと思います。 まず最初に、世界じゅうに点在している在外公館がそれぞれ投票場所としてふさわしいか、だれがどのような形で判断をするかということについて伺っておきたいと思います。
○牧之内政府委員 御提案をいたしております政府案におきましては、公館投票を原則としておりますが、公館投票が著しく困難な地域として政令で定めるものにつきましては郵便投票で行うということにいたしておりまして、具体的な政令の制定に当たりましては、自治省、外務省、協議をして定めることにいたしておるところでございます。
○住委員 在外公館での投票ということが困難なものについては政令で定める、今部長がおっしゃったとおりでございます。 ただ、郵便投票で行われるところというのは、当初、説明を私ども受けたときには、例えば人口の密集地等、人が集まって大変難しいところだというふうに聞いておりましたけれども、投票のためにたくさんの人が公館に来るということも一つの条件かもしれませんが、もう一つは、政情不安のところとか、あるいは治安が悪いところではテロとか不測の事態も起こりかねないということが懸念されております。 それからもう一つは、今度は投票する側なんですけれども、遠隔地に住む人が大使館、総領事館で投票するには、場合によっては飛行機に乗って、一泊して泊まりがけで行かなきゃならない、経済的にもあるいは時間的にも大変な負担になるということがあると思います。 例えばアメリカのカリフォルニア州、この前の参考人の御意見の中にも、妹尾先生がおっしゃっていたように、カリフォルニアの場合には一州だけで日本と同じ大きさがあって、総領事館は二つだ、しかも隣にはないところもあって、全く公館のない州もあるんだと。しかも、一つの公館で幾つもの国を担当しているところもありますね。そういったところを考えますと、余りに在外公館投票を貫こうとすれば、事実上投票できないということになりかねないということを指摘をしておかなきゃいけないし、この委員会でも指摘されたと思います。 したがって、この郵便投票を公館から遠隔地に住む人にも認めるように政令に事細かく書かなければならない、こう考えますけれども、その際には具体的にどういうふうに書いていくのか、ちょっとその点をお聞かせをしておいていただきたいと思います。
○牧之内政府委員 先ほど御答弁申し上げました ように、投票方式は公館投票を原則としておりますが、公館投票が著しく困難な地域のとらえ方といたしましては、私どもは領事官単位にその地域をとらえていくという考え方に立っているところでございます。 しからばどういうところがそういう地域であるかと申しますと、ただいまお話もございましたように、非常に邦人の数が多くて物理的、人的に公館投票が対応できないような領事官の区域、あるいは邦人が多数同一行動をとることによって治安上問題点を生ずるような地域、こういうところを著しく困難な地域として領事官単位で定めていくという基本的な考え方に立っていたところでございます。 しかしながら、先般からの国会審議等でも、同じ領事官の区域でも遠隔地に住む方々、こういう方々は、投票者の立場に立てば郵便投票を認めるという方がいいのではないかという御指摘も多数あったところでございまして、また、その後各党間の御論議の中でも、そういうお考えが大勢を占めてきているというふうに聞いておるところでございます。国会の御意思として、そういう同じ領事官の区域でも遠隔地に住む方々にも郵便投票を認めるというふうに政令を定めていくべきであるというようなお考えでの御指示があるといたしますれば、私どもはその意を踏まえて対応しなければならないというふうに考えております。 じゃ具体的にどういう形でその区域を定めていくのか。これにつきましてはまだ外務省とも十分な論議をいたしておりませんが、例えば国の単位で書けるところはそう困難ではないと思います。それから州の単位というもので定められるところもありましょうし、それだけではなかなか有権者の方々に公平性から見てどうかというような地域もあるいはあろうかと思います。そこらは個々具体の国ごと、あるいは領事官の管轄区域ごとに見てこれから十分勉強をし、協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○住委員 大変難しい課題になると思うのですけれども、これを政令できちんと書き込んで、言ってみれば不公平さがないように何とか織り込んでいきませんと、住んでいる地域によって違うんだということになれば、せっかく投票権をお持ちをいただくということの魅力が半減をしてしまうということだと思いますので、私どももそこのところはよくこれからも議論をさせていただきながら、ぜひ外務省の方とも協議をしていただき、しっかりとした制度でスタートさせていただきたいというふうに考えているところでございます。 それから、何せまだ参議院での御審議がございますから、衆議院の方では一定の結論が出るようになりますけれども、もしこの在外投票権を認めるということになれば、全くの初めてのことでございます。我が国では経験したことのないことです。 例えば、選挙人名簿への登録をどうしていくのだとか、あるいは投票権を行使するにはどうすべきなのかとか、在外選挙制度の仕組みというものを具体的にわかりやすく七十四万人余りいらっしゃる在外邦人の方に周知する必要があると思いますが、これは主に外務省がおやりになるのですか、自治省がおやりになるのですか、その点をちょっとお答えいただきたいと思います。
○牧之内政府委員 在外選挙制度ができましたならば、その内容につきまして、わかりやすいパンフレットとかポスター等をつくりましてこれを各国の領事館に送付し、また、領事館では、現地の日本人会等を通じながら、在外邦人の方々に周知をしていくということを考えているわけでございます。 パンフレット、ポスター等につきましては、私どもが主体になりながら外務省と協議をして作成するということになりますし、また、現地でのPRの方法等につきましては、各領事館の皆様方に御足労をお願いするという点が多かろうというふうに考えております。
○住委員 そこで、外務省にお尋ねしますけれども、こう聞きますと、在外公館の業務がふえることになりますね。追加業務ということになる。その人的な手配というものも含めて、これはきちんとやれるという自信を、自信というよりも決意をこの場所で述べておいていただきたいと思います。
○庄司説明員 御質問にお答えいたします。 在外選挙の投票の執行、管理に当たって在外公館が行います業務は、御指摘のとおり、まず在外選挙人の登録に係る事務、そして実際の投票に係る事務等がございます。しかし、このいずれにいたしましてもかなりの作業量となると承知しておりまして、そういう意味でも、人的にもまた訓練の面でも、また場合によっては必要な資金の面でも、十分な体制づくりというものが必要と認識しております。 いずれにしましても、外務省としましては、この在外選挙に係る業務は初めてのものでもございます。また、御指摘のような追加的な業務でもございますので、これを円滑に行うための体制づくりに万全を期していきたいと思いますし、そういう体制づくりに対して皆様方の御協力も得たい、こう思っております。
○住委員 とにかくその点は、しっかりと、自治省とよく協議をして、そして難しいところがあったらきちんと言っていただかないと困るというふうに思いますので、その点を指摘しておきたいと思います。 そして、この制度がスタートをして、徐々にいろいろな問題点が出てまいりますので、その点は、この我が公選特の委員会も含めて、しっかりとその内容を見きわめながら、よりよい制度にしていく必要があるということを申し述べさせていただきまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○葉梨委員長 次に、田中甲君。
○田中(甲)委員 田中でございます。民友連を代表して質問させていただきます。歴史的な一ページが開かれようとしている、そんな中で質問をさせていただくことを大変光栄に存じております。 私が最初に確認をさせていただきたいのは、この後修正案が出されるということでございますが、その修正案の主な趣旨という点をまず確認をさせていただきたいと思います。——それでは、帰国の意思について確認をさせていただきたいと思います。これから修正案が出されるということですからまだそのことには答えようがないということでありましたが、既に理事会で配付はされまして、それぞれそのような思いを持って協議を進めてきたつもりであります。 大臣に、今後帰国の意思の確認ということの必要性についてどのような御見解を持たれているか、御質問させていただきたいと思います。
○上杉国務大臣 お答えいたします。 将来国内に住所を定める意思を有していない者は、その意思を有する者に比べて日本の国政との関係が希薄でありまして、したがって、一般的には、日本の国政への関心も薄く、その意思が続く限りにおいては我が国の国内における施策の影響をほとんど受けないと考えられることなどの理由から、在外選挙の対象範囲に、将来国内に住所を定める意思のある者に限ることとしたものでございます。 しかしながら、その後の国会審議におきましても、帰国する意思という内心の問題を基準として用いることの是非や、具体的な認定ができるのかどうか等について御指摘もございまして、また、その後各党間でもろもろの御論議がなされたところと承知をいたしておるところでございます。 この帰国意思に関しまして、国会の御意思として登録要件から削除すべしということになれば、粛々と従ってまいりたいと考えておるところでございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。 それでは、その点について同様の質問でありますけれども、衆法、議員立法を提出されている方に確認をさせていただきたいと思います。
○石井(一)議員 十年前に政府提案が行われましたときには、明確にその帰国の意思というのが明記されておったわけであります。 その後、私たちはもろもろの議論を積み重ねまして、まずは実情を調査いたしました。私自身も、団長といたしまして、超党派の議員団で、在外の皆様方と意見を直接交換するためにシドニーとクアラルンプール等へ出かけてまいりまして、いろいろ議論もしたわけでございます。今委員が御指摘されましたことで、新たな発見をいたしました。 例えば、永住権を持っておる人には、帰国の意思とは関係はございませんけれども、永住権を持っておるということは帰国の意思がないというふうに解釈する考え方もあります。しかしながら、外国の法制度によりますと、専門職を持っておるとか特定以上の納税をしておるというふうな人々に対しては永住権を与える。しかし、その人は、日本人としての意識が強く、当然帰国の意思があるというふうなことがございまして、永住権とか非永住で帰国の意思を判断するわけにはいかないというふうな点もございます。 また、現地での議論の中で感じましたことは、長く外国におられる方ほど郷愁の念強く、日本の国政に対しても関心が高いというふうなこともあります。 また、自治大臣がお答えになりましたように、技術的に、帰国の意思を確認するという形式的なことだけで権利を与える、与えぬというふうなことも甚だ問題がある。 いろいろなことを考えましたときに、この帰国の意思というふうなことの法の精神はわかりますけれども、現実的にはもろもろのケースが想定されるだけでなく、手続上もいろいろの問題点があるというふうなことがわかりまして、そういうふうなことから、とりあえず、大前進をするわけでございますので、まずテストケースとしてその条項を削除し、その中から今後本当に明確な区分分けをしながら法を整備していったらいいのじゃないか。いろいろ申し上げましたけれども、そのことにこだわらなくてもいいのじゃないかということを私たち提案者も考えておる次第であります。
○田中(甲)委員 わかりました。 それでは、衆法、閣法とも帰国の意思を削除していきたいという思いを持たれているという確認ができましたので、さらにこの後、ぜひとも修正という部分で、できることならばさらに強い文言でうたい込みたいという、そんな気持ちを持つ点を数点御質問させていただきたいと思います。 これから、私たちは衆法に賛成するという立場を正直持っておりますから、その修正の内容あるいはその他の対応ということによって、やはりしっかりとこの法案というものも判断していかなければいけないという気持ちを持つところでございます。 修正という形になるのでしょうか、衆議院においては小選挙区、参議院においては選挙区において、なるべく早い時期にやはり比例だけではなく実施をしていくという姿勢が必要だと思います。ある期間、一定の期間、あるいは速やかに対応するなどという文言が使われて、明確に時期が書き込まれない場合、在外の方々にはやはり投票の権利というものが半分しか与えられないという、そんな気持ちが持たれるのではないかと思います。 その点について、大臣から御所見がございましたら、お聞かせを賜りたいと思います。
○上杉国務大臣 御承知のとおり、比例代表選挙というのは、個人名を書きます選挙と違いまして、これは政党名を書くわけでございます。小選挙区あるいは参議院の選挙区、両選挙は個人名を書いてということになれば、当然、その個人の人となりあるいは政策なり、そういうものについては十二日あるいは十七日間の間に周知徹底がなされるわけでございます。しかし、海外におきまして、海外の有権者の皆さんにおいてこれを周知徹底するというのは極めて困難な状況にあるという判断をいたしておるわけでございます。さような意味で、比例代表選挙区に限っておるわけでございますが、政党の主張あるいは政策等につきましては、現状におきましても、常日ごろからテレビ、ラジオ等を通じましてもう海外にも伝わっておりますから、当然そのことについては、有権者としてそれらを知る、あるいは情報を得るという立場に海外といえども立っておられる。そういう意味で、実は今回は比例選挙区のみに限ったものといたしたわけでございます。 これをできるだけ早くということでもございますが、何しろ初めての試みでもございまして、それらの選挙を何回か経験をする中で、今委員がおっしゃいましたように、比例あるいは選挙区選挙ともそれらに投票権が付与されておるわけでございますから、経験を踏まえた上でこの点については早くということを考えておりますが、当分の間は比例選挙のみに限って、在外公館における投票の実績あるいは選挙に対する体制のありよう、そういうものも見きわめた上で判断をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○田中(甲)委員 御答弁ありがとうございます。 当分の間というのは、私は非常にあいまいな表現であるなということを感じざるを得ないのです。自治大臣も当然、専門でございますから、その点を御理解、認識をされてお使いになられていると思うのですけれども、地方自治法の第二百五十条、これはよく引き合いに出されるところでありますが、この法文の間で使われている当分の間というのは、地方債を起こす並びに起債の方法、利率等に関して、自治大臣または都道府県知事の許可を受けなければならない、当分の間と言われて既に五十年たっているという、悪しき自治にかかわる当分の間の期間が極めて不明確であるということが言われ尽くされていますから、ぜひさらに強い言葉で表現をして、早く在外の方々の期待にこたえるという姿勢をぜひとも持っていただきたいと思うのであります。 違う法律の例を挙げましたけれども、この在外邦人の法案に関しましても、最初に出されたのがいつなのかということを確認してみましたら、鈴木善幸首相のときに、給与法関連で、在外公館の名称及び位置並びに云々という長い法案の附帯決議で、在外邦人が選挙権の行使ができるよう適切な措置を検討するようにということが盛り込まれました。一九八二年、既に十六年たっております。 つまり、附帯決議の強さというのは法的な拘束力がありませんから、やはりここでしっかりとした大臣の御答弁というものをもう一度いただいておきたい。当分の間という表現ではなく、さらに強く、在外の邦人の期待にこたえるように、そんな気持ちを持たれているという御答弁をいただければ、私が喜ぶのではなくて在外の皆さん方が喜びますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○上杉国務大臣 五十年もたって当分の間ということには、この選挙、ならないものと考えておりますが、まずは、初めての試みでございますから、在外公館における選挙の実績というものを十分踏まえ、それらを見きわめた上で、当分の間はこれでさせていただきたい、いましばらくの時間をちょうだいすればありがたい、こう考えておるところでございます。
○田中(甲)委員 くどいようでありますけれども、やはり権利というものが半分しか与えられていないという気持ちを持つと思います。どうぞ、可及的に速やかにとか、さらに強い文言で表現をしていただきたいという希望でございます。 さて、選挙権、国民の固有の権利である、第十五条であります。すべてこの辺はもう皆さん方は御認識されているところでありますが、さて、在外邦人の問題がひとつ新しい局面に入ってくる。実際に施行されるのが二〇〇一年になるのでしょうか。こういうことを行ってまいりますと、ほかに残された国民の権利というもの、選挙に関して、固有の権利が十分に備わっていないという部分がまだあると思うのですけれども、大臣はその辺どういう御認識をお持ちになられているのでしょうか。
○牧之内政府委員 選挙権を有しながら、現在の投票の仕組みの中では事実上投票ができない方々、すなわち寝たきり老人の方でありますとか、あるいは洋上におられる船員の方々でありますとか、そういう方々がおられるということは承知をいたしておりまして、重要な選挙権の問題でございますので、どういう方法があり得るのかということにつきましては、私どもも研究をいたしておるところでございます。
○田中(甲)委員 今御答弁の中に洋上投票ということが出ておりましたけれども、やはり在外邦人の投票ということがこのような状況になってまいりますと、当然、洋上で投票の権利というものが行使できない方々の希望というものもさらに高まってくるのだろうと思います。 私は、いろいろな選挙方法をこの公選特で考え、検討していくということは大事だと思いますけれども、この基本的な選挙権というものをきっちりと有権者の方に、国民に与えていくということが、この委員会で扱う極めて重要なことだと思いますので、洋上投票ということにも積極的に取り組んでいきたい。委員の一人としてそう思っているわけでございますが、大臣、御見解はいかがでありましょうか。
○上杉国務大臣 いずれにいたしましても、貴重な選挙権の行使でございますし、民主主義の根幹にかかわることでもございますから、極めて重要な課題でございます。今後ともさまざまな角度から引き続き検討してまいりまして、選挙権を有する方々が投票ができるような方法を求めていくということは当然の仕事だと考えております。
○田中(甲)委員 時間が参りました。 最後に、私の私見でありますけれども、投票率が低いというのは、東京四区の衆議院補欠選挙を見ても、今私たち政治家が切実に受けとめなければならないことだと思います。この投票率の低さは政治に対する信頼が欠けているのだというところをまずみずからが反省をしていかなければならないのですけれども、投票率を上げていくということもこの公選特で今後十分に検討をしていかなければならないのだろうと思います。 こういう機会をいただきましたので、例えば、十八歳からの投票権ですとか、あるいは投票権だけを年齢を下げるのではなく、被選挙権というものが成人の者に与えられるという姿などがこれから検討されてしかるべきだろうと思います。そんな点を今後委員長に相談をしながら進めていきたいと考えております。大臣の御指導もぜひ今後ともよろしくお願い申し上げます。
○上杉国務大臣 年齢の引き下げ等については諸外国でも見られるところでございますが、選挙権の行使の年齢引き下げだけでは、関連する法案との兼ね合いもございますから、このことについては、委員の御提案はよくわかるわけでございますが、関連法案との関連性も十分踏まえて検討をしてまいらなければならないものと考えております。
○田中(甲)委員 最後の発言であります。 積極的な御答弁をいただきましてありがとうございます。実は、衆議院法制局と打ち合わせをしてまいりますと、十八歳への選挙権の引き下げの方がなかなか広範にわたって難しい。逆に、被選挙権が二十からという姿の方が法案的には非常にきれいに分けられるという、そんなところを今勉強しているところでございます。また御指導いただければありがたいと思います。ありがとうございました。
○葉梨委員長 次に、遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私は、きょうは憲政史上画期的な審議をしている国会だと思います。日本の国に議院内閣制ができて以来、国政選挙の投票権を在外邦人の皆さんにも付与するという法案がこの後採決されるわけでございまして、まことに重要な意味を持っている国会であると思います。このことについて長い間努力をしてこられた先輩の皆さんに私は心から感謝しつつ、質問をさせていただきたいと思います。 今外国に住んでいる在外邦人の皆さん、そして今度の国政選挙に投票者として参加できる人数の推定でございますけれども、五十万人ほどだと言われておりますが、この推定の根拠、それから国別のあらかたの数、その辺がわかりましたらお答え願いたいと思います。
○牧之内政府委員 海外在留邦人数調査統計というのがございますが、これによりますと、平成八年十月一日現在の在外邦人数は七十六万四千人ほどでございます。 このうち選挙権を有する者となりますと成人ということになるわけでございますが、これらの方々に成人率、全体の中で成人が何割を占めるかということを掛けまして推計をするという方法をとっておりますが、それによりますと、北アメリカで約二十二万人、アジアで約十一万人、ヨーロッパで約十万人、南アメリカで約八万人、全体で約五十六万人程度というふうに見ております。 なお、この数は、いわゆる帰国意思の有無を要件にしない場合の数でございます。
○遠藤(和)委員 さて、世界じゅうに住んでいらっしゃるそういう方々に対して、この制度ができたということの周知徹底の仕方ですけれども、先ほど、ポスターをつくるとかパンフレットをつくるという話があったのですが、私は、メディアの時代ですから、新聞、テレビ、これを大いに活用しなければならないと思うのです。 それで、大臣に聞きたいのですけれども、新聞に政府広報を載せるという仕方もあります。あるいはテレビだと、この四月一日からNHKがテレビの国際放送を開始しました。今はアジア・太平洋地域ですけれども、十月一日からは全世界、まあアフリカの一部はちょっと難しいようですけれども、全世界をカバーします。こうしたメディアをきちっと活用されて、直接有権者の方に、この制度ができた、そして、この制度は申請主義になっているわけでございますから、御本人が直接申請しないと権利があってもその権利を使えないわけでございますから、そういうものを丁寧にお知らせする、こういうことに政府は力を入れるべきだと思いますが、どのようなお考えですか。
○上杉国務大臣 ただいままことに貴重な御質問をいただきました。 新しい選挙制度のもとで行う選挙でございますから、周知徹底をする、外国にいらっしゃる日本人の皆さんに御理解をいただくということほど大切なことはない。この選挙の成否を決める私は大切な要素だと思っております。したがいまして、そのことにつきましては、自治省といたしましては万全を期して対応していかなければならない、委員の御指摘のとおりでございます。 さような意味で、パンフレットあるいは広報資料等を作成して、在外公館などを通じて有権者の皆様にお知らせする、御理解いただく。あるいは、選挙期日のPRに関しましては、時間も限られておるわけでございますから、速やかにこれも在外公館等と連絡をとりまして、資料の便宜供与ができるよう、外務省とは特にそうでございますが、関係機関とも協議を行いたいと考えております。 また、現地には、それぞれの国に日本人会等その他の友好団体もあるわけでございまして、それらの組織的なものも周知徹底を図るようにいたさなければならない。 あわせて、インターネットを活用しての情報提供、さらには、ただいま御提案がございましたNHKの衛星国際放送等の活用も含めまして、今後、さまざまな角度から効果的な手段につきまして柔軟に対応してまいりたいものだと考えておるところでございます。
○遠藤(和)委員 帰国の意思の確認の削除のことについては、これは当然削除すべきだという主張をしておきたいと思います。 それは、法のもとの平等という観点からいっても、日本に居住する国民の皆さんには出国の意思を確認していないのでございますから、外国にいらっしゃる方が帰国の意思を確認される必要はない、これは同じ法のもとの平等にすべきだ、こういう主張だけさせていただきたいと思います。 それから、今海外の皆さんから私どものところに手紙があるいはファクスが来ておるわけでございますが、衆法と閣法の最大の相違点は、要するに衆法はすべての国政選挙に投票できる、一部個別選挙は除外しているわけですけれども。それに対して閣法の方は、当分の間は比例代表だけだ、こういうところでございます。 それに対して、海外に居住する皆さんは、それは小出しの政策である、あるいは半分しか認めない政策である、これはおかしいということが強く寄せられているわけでございまして、私は、憲法上からは、当然、海外にいる方にも国内にいる方にも同じ権利を与えるべきだと思うのです。 政府案の方は、本則は確かにそうなっているのです。本則は憲法上同一の権利を配慮している、このようにうかがうことができるのですが、残念ながら附則がありまして、附則に、当分の間比例代表選挙に限る、こうしているわけです。 この附則にした理由、これは、私は、ある意味では経過措置だ、こういうふうに理解して考えてよいのかどうか。その経過措置も、できるだけ短い間の経過措置である、こういうふうに法文上理解してよろしゅうございますかということをお伺いしたいと思います。
○上杉国務大臣 ただいまの点は、先ほどもお答えいたしましたように、一つには、衆参の選挙区選挙でいきますと、選挙期間が十二日から十七日間でございますから、その候補者の人となりあるいは政見なりについて周知徹底を海外において限られた短い時間にしていただくことは非常に困難性があるのではないか。したがいまして、比例については、今も委員御指摘のとおり、これはメディア等を通じまして、その政党の政策でありますとか基本的な政治姿勢というものは海外にも情報が流れておるわけでございまして、比例選挙であれば、政党名を書く選挙でございますから、この点については問題がないという判断に立ったわけでございます。 いずれにいたしましても、初めてのことでございますから、まずこの比例選挙から実績を積み上げまして、その選挙の経験の中で在外公館の事務処理というものが一体どうなのか、各国によってまたその違いもあろうかと思います。そういうものも十分見きわめ、判断をいたしまして、当然、有権者でございますから、選挙についての選挙権の行使というものをどう導いていくかというのは、まず経験を積ませていただきたいと。したがって、それを「当分の間、」といたしておるわけでございますから、これはそういう方向に向かうということになれば、経過措置という理解の仕方もありましょうが、政府としては、条文の中で「当分の間、」とさせていただいておるところでございまして、これは御理解をいただければありがたいと、選挙区選挙についてやらないという将来のものではございません。
○遠藤(和)委員 私が尋ねているのは、この附則に書いて、当分の間比例代表の選挙に限るとしたのは、憲法上合理的なものを満たしているものではないと私は思っているのですね。あくまでも本則にあるのが憲法上の理想でございますし、理念をそのまま受けたものであると思います。あとは技術的な問題として、周知徹底とか、そういう初めての試みであるとかいう理由によって経過措置として附則に書いた、こう理解してよろしゅうございますかという質問でございます。
○上杉国務大臣 この点につきましては、あくまでこれは暫定措置であることから、附則に規定することとさせていただいた、そのような御理解で結構かと思います。
○遠藤(和)委員 その暫定措置というのは、やはり短いのが暫定措置でございまして、五十年もかかる暫定措置はないのでございますから、大臣、これは実施したら可及的速やかに全面的に投票権を認める、こういうふうなことを意気込みとして示す必要があると思いますが、いかがでしょう。
○上杉国務大臣 なかなか日本語の表現、難しゅうございまして、可及的速やかにと言うと、次の選挙からでも、こうなるわけでございまして、ひとつこの比例選挙区の実績を積み上げ、在外公館の選挙事務の処理、あるいは選挙していただく皆さんの投票権の行使というものが実態的にどうであったか、そういうものも十分見きわめさせていただき、検討をさせていただきたい。気持ちとしては、可及的速やかにやるというのはこれはよく理解をできるところでございます。
○遠藤(和)委員 それから、選挙制度というものは、選挙をする人、投票する人のためにある制度だと私は思います。今度の問題も、在外邦人の皆さんが国政に対する投票権を利用、活用できる、その活用できる制度をつくった以上は、その方々の利便に供したものでなければいけないわけですね。そういう根本的な精神に立って政令を定めてほしいと思います。その中で、郵便投票の問題でございますが、在外公館からかなり遠隔地にあって、在外公館に投票に行くのに半日もかかるとか、あるいは宿泊して行かなければならない、そういう方々にとっては当然郵便投票ができるような政令を定めるべきである、こう思いますが、どうでしょう。
○牧之内政府委員 郵便投票ができる地域を政令で定めるに当たりましては、領事官単位に定めていく、そして公館投票が物理的、人的に対応が困難なところ、あるいは治安上問題のあるようなところ、そういうところを定めるという考え方に立っていたところでございますが、これまでの国会の御論議等で、同じ領事官の区域でも遠隔の区域にある方々については郵便投票を認めるべきであるという強い御指摘がたびたびなされたところであり、またその後の各党間の御論議におきましても、そのような方向が出されているものと承知をいたしておりますので、私どもはその意を踏まえまして政令の制定を図ってまいりたいというふうに考えております。
○遠藤(和)委員 最後に、衆法の提出者にお伺いしますけれども、こうして、衆法、閣法並んで今最後の質問をいたしまして、採決するということになるわけでございますが、やはり衆法が出たということが大きなきっかけになりまして閣法を出されて、こうして両案を同時に審議をすることができたわけでございまして、そういう意味では、私は衆法にはある意味の理想を書かれていると思います。それは在外に住む日本国民の皆さんが期待をしている声の象徴でもある。あるいは憲政史上、こうしたことをこの国会で成立する、こうした意気込みで当たられてきたわけでございまして、この採決が行われるということに対して大変な感慨を持っていらっしゃると思うのですけれども、最後に御感想をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○石井(一)議員 私たちの提案が理想的だと言われましたが、私たちの提案は非常に現実的だというふうに思っております。これだけの国際化、情報化の進んでおるこのときに、当然これをやるべきであり、また先ほどから自治大臣もいろいろ懸念を述べておられますけれども、それでは各国はどう処理しておるのか、各国は皆これを処理しておるわけでありまして、我が国にこれだけの能力があるのにできないというはずはございません。しかしながら、先ほど住委員と政府委員との話し合いの中にも、いろいろと慎重を期しながら前進をしていかなければいけない、こういうふうな御答弁もございました。当然、半分の権利だけで済むものではございません。これは、当分の間というよりも、できれば一回目に選挙を施行し、これが現実的にできるという判断がつけば、その後直ちにこれを施行するべきであるというふうにも考えますが、一歩前進だ、ここまでよく来たな、これはやはり国会の総意だ、そういうような判断でこれを評価させていただいておるというのが率直な気持ちであります。
○遠藤(和)委員 ありがとうございました。終わります。
○葉梨委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 在外選挙法案について、私たちは、選挙権というのは憲法が保障する国民の基本的な権利である、それから国民主権と議会制民主主義の根本をなす最も重要な権利である、国民の選挙権は平等に保障されなければならない、こういうふうに考えております。憲法の前文にしましても、十五条、十四条、四十四条にいたしましても、貫かれている立場だと思うのです。 したがって、海外に在住する日本国民の選挙権行使を保障することは憲法上の要請であり、海外勤務、留学などで外国に長期滞在している者はもちろん、当該国で永住権を取得している者を含めて、日本国籍を有する者、日本国民に、その居住地が国内か国外か、どこの国に住んでいるか、こういうことにかかわらず、基本的に選挙権を行使する機会を保障すべきものだというふうに考えております。 そういう点からいって、今回の在外選挙法案は、これまで公選法の規定によって憲法上の権利である選挙権の行使を奪われていた海外在住の日本国民に、国政選挙で選挙権を行使する道を初めて開くのだという点で、憲法上当然のことを、しかしやっと実現するに至ったのだ、そういう意味で、これは日本の歴史始まって以来のものですから、非常に意義深いものだ、こう思っています。 しかし、つくる以上はちゃんとしたものを、いいものをつくるべきだと私たちは考えるのですが、前回の質疑で私、申し上げました、この法案では、問題点が二つあります。政府案が、対象選挙を当分の間比例選挙に限っているという問題、もう一つは、議員立法を含めて両案とも、選挙人名簿に登録する際に、帰国の意思の確認を要件としていること、この二つだと私たちは思います。 それで、帰国の意思確認について、これは各党協議で、帰国の意思確認の要件を削除するという方向で話し合いが進んでおりますが、非常に結構なことだと思っています。ただ、その問題について私がこの前質問をいたしましたら、自治大臣はこういう答弁をされました。私は、速記録を見て、これはひどい答弁だなと後で思いました。そのときも、これは官僚の作文ではないかと言いましたけれども、こう言っているのですね。「在外選挙においては、将来国内に住所を定める意思を有しない者は、その意思を有する者に比べまして日本の国政との関係が非常に薄い。」どうしてこんなものが比較できるのかと思うのですが。それから、「したがって、一般的には日本の国政への関心も薄く、その意思が続く限りにおいては、我が国の国内における施策の影響をほとんど受けないと考えられること」から、在外選挙の対象の範囲を、将来国内に住む意思のある者に限ることとした、そういう答弁になっているのです。 考えてみたら、本当に将来帰国の意思があるかないかというのは、そんなものは調査も何もしたはずがないのですから、できるものではないでしょう。それを、関心が薄いとか濃いとかそういうことを独断して、それで、薄かったらどうなんだ、あるいは濃かったらどうなんだ。そのことによって、今度は選挙権の行使を与えるとか与えぬとかいう結論に持っていく、これもおかしいのです。二重におかしなことになっていると私は思うわけであります。だから、固有の権利である憲法が明記している国民の選挙権を、国政への関心や施策の影響を受ける程度で制限し得るかのような見解は、この前の答弁のある部分ですね、これはこの際ちゃんと改めるべきだと思うのです。自治大臣の上杉さんの答弁で出ていますので。
○上杉国務大臣 前回、御指摘のとおり、私は確かにそうお答えをいたしました。そのことについては基本的には変わるものではございませんが、しかし、政府の意向だけでこの法案がすべて通るとは思っていないわけでございます。したがって、皆さんの各党間でのもろもろの御論議をいただいたところでございまして、その論議を踏まえた形の中で対応してまいりたい、このように考えておるわけでございまして、この論議の方向づけについては、先ほどもお答えいたしましたように、粛々と従ってまいりたい、こう考えておるところでございます。
○東中委員 甚だ遺憾であります。従わなければいかぬのは当たり前のことなので、考え方が、自治省も、選挙部もどうかしていますよ、こんなばかな答弁をしてと私は思っております。そういう点で、まだそれを維持すると言われるのには、非常に遺憾の意を表しておきたいと思います。 時間がありませんので、もう一点ですが、当分の間比例選挙に限るという問題であります。 その理由を、大臣はこう言われましたね。「国外に居住する選挙人へ候補者個人に関する情報を伝達することは極めて困難であること等を勘案して、」「当分の間は比例代表選出議員選挙に限って行うこと」とした、こうおっしゃっているのです。だから、候補者個人に関する情報は難しいのだ、政党はそうでもないのだと。 ところが、比例代表選挙といったって、登録名簿は個人なのです。名簿登載者の個人が候補者なのですから、これの情報は要るわけですよ。抜きというわけにいかぬわけですから。選挙区選挙、小選挙区にしても、これは個人だけれども、選挙運動も政党中心にやるのだ、テレビ放映は政党でやるのだというふうになっていますね。だから、個人情報なら困難で、政党なら困難ではないから政党の方の比例だけ認めるのだ、これはもう論理的におかしいのですということをこの前も私は指摘しました。 そういう問題があるので当分の間というのはそもそも理屈が成り立たぬのだけれども、当分の間というのは、一体どうしたらそれを終わらせるのかということをこの前聞きましたときには、現段階では具体的な目途は言えないが、国外への情報伝達の実態やその進展状況、在外公館等の体制を見た上で、経験したことを十分参考として、次の段階で検討する、こう言われているのです。 だから、これは、当分の間が来たら、次に、この在外選挙法で一回やったら、それで経験するわけですから、そのときにすぐ検討するというふうにすべきだと思うのですが、その点、自治大臣の姿勢と、それから提案者の方も、「当分の間、」というものが残っておるとして、その当分の間というのは、一回やってみたらもうその次から検討するということにすべきだと私は思うのですけれども、両方の御答弁をお願いします。
○上杉国務大臣 当分の間暫定措置として、こうしておるわけでございまして、本人の情報ということを申されましたが、候補者の氏名あるいは政見、所属政党等が、選挙ということになれば周知されることが必要であるということはもう申し上げるまでもありません、たびたび繰り返し申し上げておりますが。ところが、選挙運動期間が十二日か十七日間でございます。国内と違いまして、海外の場合に、果たしてこれが国内在住の皆さんと平等な条件のもとで判断をしていただくだけの周知徹底ができるのであろうかということについては、委員も御否定にはならないと私は思うのです。したがいまして、そういう意味で、氏名であるとか政見であるとか、あるいはその人の政治家としての資質であるとか政策であるというようなものについては周知徹底することが、それは国内の有権者の皆さんと同じようにという前提があるわけでございまして、困難な状況にあるのではないか。 したがって、政党名を書く比例選挙でありますれば、政党の主張、政策等につきましては、現状におきましても、常日ごろからこれはテレビ、ラジオ等を通じて海外にも十分伝わっておるところでございますから、国内在住の皆さんとはそう差のない形で政党については御理解をいただいておるもの、こういう判断に立ちますと同時に、もう一つの理由は、初めてのことでございますから、まず経験をさせていただきたい。そして、在外公館の選挙事務の能力がいかようにあるのか、あるいは投票いただく有権者の権利の行使というものについて、今のやりようで混乱や問題はないのかということ等も、これは経験をしてみなければわからぬことでございますから、そういうものを踏まえて、十分検討させていただき、選挙区についても選挙ができるというのは当然の道筋でございますから、当分の間は暫定的な措置としてこれはぜひやらせていただきたい、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○堀込議員 前段の問題意識は、私は今大臣答弁を聞いておりましたが、東中委員と全く同じでございまして、名簿届け出政党、候補者届け出政党の小選挙区のことも、片方でできれば片方も周知できる、こういうふうに思っておりますし、現にこの間も、昨年もこの委員会で海外の皆さんと接触をしてまいりましたが、海外で選挙権を行使しようとする人たちは自分の選挙区についても、私どもが国内で想像する以上に大変注目をし、興味を持っていらっしゃるということでありますから、この「当分の間、」はできるだけ速やかに実行すべきだ。 私どもの理解としては、この法律案が、もしこの後参議院を通過させていただければ、施行まで二年の猶予といいますか、習熟期間がございますから、二〇〇一年の参議院選挙はやむを得ないな、しかし、次の二〇〇四年の参議院選挙までには、この参議院選挙はきちんとやはり両方の選挙ができるという期待を持って、私どもはこれからもそういう運動を進めたいというふうに思いますし、そういう期待を込めて今提案者の立場でもこういうふうに答弁をさせていただいておるということを申し上げたいと思います。
○東中委員 時間ですから終わりますが、今言われた比例代表選挙といったって、選挙公報は在外邦人の場合は配らないのだ、配布しないのだと言っているのでしょう。だから、国内と同じようなことはできやせぬのですよ、比例代表で、選挙公報を送らぬで、そして選挙するのだから。個人のものだ、個人情報は入らないなんて、こんなものはだめですよ。通らないということだけ指摘して、終わります。
○葉梨委員長 次に、秋葉忠利君。
○秋葉委員 最後の質問ですが、これまで各党の皆さんがおっしゃいましたように、この法案は、本当に歴史的な意味の大きい法律がようやっとできるということで、本当にさまざまな面で努力をしてこられた方々に改めてお礼を申し上げたいと思います。 私事にわたって申しわけないのですが、私はアメリカに二十年近く住んでおりました。ですから、外国で本当に日本の選挙に参加したいという気持ちは私自身、非常に強く持っておりましたので、この新しい選挙のやり方を導入する画期的な委員会に委員の一人として参加できたことは個人的にもとても感慨深いものがございます。これは歴史的な意味のある法律の改正ですから、この委員会の審議の内容、それからこれまでの経緯といったものが後世の関心を引くであろうということは、私は当然だろうと思います。 その視点から伺いたいわけですが、政府提案の内容、特に帰国の意思というところが一点問題になりました。それから、今問題になっております比例選挙に制限をするということももう一点重要な点ですし、それから郵便投票のあり方についてもいろいろな問題提起がございました。非常に建設的かつ謙虚で真摯な議論が続いたために、各党間の合意として現実的な妥協をしながら一歩前に進めるという、ある意味で政治のあり方としては非常に望ましい形で決着がつきそうな期待を持っておりますけれども、国会のレベルでの議論はそれで十分後世の評価を得ることができると思いますが、これまでの政府側からのいろいろな答弁、例えば今の東中議員の方からも御指摘がありましたような問題等々、私たちがこの委員会で指摘をしてきました答えについて、自治大臣として、はっきり申し上げますと、なかなか苦しい答弁が重なっているということがあると思います。 それはそれで、法案の趣旨は、提出の時点ではそれなりの理由があったり、政治的な背景があったりしたわけですけれども、一たんこの法律が我々が今志向しているような方向で成立した場合に、やはりどこかで、ということは、やはり委員会なり国会の場ということが望ましいわけですが、自治大臣として、あるいは自治省として、後世の批判に耐え得る、胸を張ってあのときの答弁は実はこういう趣旨の方がよかったのだというようなことをきちんと私は述べるべきではないかと思います。 そうでないと、後世の人たちが本委員会での議論の様子を議事録その他によって再現をした場合に、国会議員はすばらしい意見を言っているけれども、自治省は本当にしようがないじゃないか、こんなお役所だったのかというような、自治省にとって非常に不名誉な評価を受けるのではないか、そのあたりを危惧いたしております。 すぐにとは申しませんけれども、やはりそういった後世からの目を意識した、何かきちんとした態度表明をどこかでお願いをしたいと思うのですけれども、大臣、ぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○上杉国務大臣 海外在住の皆さんに対する、この帰国の意思のあるやなしやにつきましては、私どもはかたくなに法案を提出した時点のとおり通すというつもりはないので、各党間におけるもろもろの御議論というものを十分承りながら、そのもろもろの議論の方向づけされたものに対しましては粛々と従うという姿勢を持っておるわけでございまして、その点につきましては御理解をいただきたいと思います。
○秋葉委員 その点は十分理解をしているつもりですし、法律ができた以上はこれは従うのが当然のことなのですが、やはり経緯ということも大事ですし、国会における議論の質ということがやはり大事だと思いますので、ぜひその点についても、後世からの目ということを意識した上で、自治省というのがいかに知的にレベルの高い議論をしてきたのかということが示せるような態度表明をどこかでぜひお願いしたいと思います。 それから、郵便投票ですけれども、先ほどからこの点についても皆さん質問をされていたわけですけれども、やはり遠隔地に住んでいる人が郵便投票で参加できるということは非常に大事だと思いますが、この分については、法案を修正するという形ではなく、附帯決議において国会の意思を表明するという方向で現在調整中ですけれども、この附帯決議があれば、遠隔地からの投票、それも公館単位ではなくて、距離あるいは便利さといったことに焦点を合わせた現実的な措置がとれるというふうに理解しておりますけれども、手続としては自治省のお考え、それに沿ったものであるのかどうか、伺いたいと思います。
○牧之内政府委員 郵便投票区域は具体的には政令で定めるという法案の内容になっております。その政令の定め方につきまして、国会の御意思として附帯決議で明確にお考えをお示しいただければ、それに従って私どもは対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○秋葉委員 ありがとうございました。その点は、外国における投票の便利さ、不便さといったことを現実的に考えた上で、そういう態度表明をしていただいたことを大変ありがたいと思いますが、帰国の意思のところに典型的に見られたのは、やはり現実の認識が、もともとの自治省の考え方が現実に合っていない面が随分あったのではないかという気がいたします。 今後選挙制度を変えていく必要のある局面というのが随分出てくると思います。例えば、私たち与党で現在検討しようということになっている問題の一つが洋上投票でございます。これもやはり現実をきちんと踏まえた上で、仮想の現実、バーチャルリアリティーというのですか、そういうものをつくるのではなくて、本当に現実を見た上でぜひ対処をお願いしたいということが一点でございます。 その他、例えば十八歳に投票年齢を下げるといったような問題もありますし、電子式投票をした方がいいのではないか、こういった意見も大変多いのですけれども、そういった現実を踏まえた議論、さらには外国におけるさまざまな経験、それを生かすような方向性というものをぜひ今後とも自治大臣を中心に自治省としてつくっていっていただきたいと思うのですけれども、その辺について、最後に自治大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。
○上杉国務大臣 洋上投票を含めた選挙制度の改善ということは、これは今までもやってきましたが、これからも不断の努力をしていかなければならないことは、委員御指摘のとおりでございます。 自治省としては、すべての有権者が投票できるように努力をすることについては何の異存もないところでございまして、今後も選挙制度がそういう方向のもとで改善されるべく努力をしてまいりたいと考えております。 なお、十八歳に引き下げるという問題につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、有権者としての年齢を引き下げるには問題が、この関連法案もあることですし、なかなか難しい。例えば民法上の成人年齢や刑事法の取り扱いなどの法律体系全般、関係法案との問題があるわけでございまして、このことは慎重の上にも慎重に、十分考慮して検討すべきことではないかと考えておるわけでございます。ちなみに我が国では、民法では二十歳、少年法においても二十歳を成人としておるわけでございまして、これらとのバランスは特に大切な問題だ、こう考えておるわけでございます。 御提言につきましては、国際的な動き等もあるわけでございますから、選挙制度がよりよいものになるように、また、すべての有権者という国民が民主主義の根幹をなす選挙に参画ができるように、そういう努力を怠らないことをしっかりお誓いを申し上げておきたいと思います。
○秋葉委員 時間が参りましたので、これで終わりますが、すべての有権者が政治の、民主主義の根幹である選挙制度に参加できるようにというところで、今さまざまな政治の混乱の原因になっていると私ども社民党では考えておりますが、小選挙区比例代表並立制というこの現在の選挙制度の見直しも含めて、この委員会で積極的に議論をしていただきたい。そのことを最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○葉梨委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○葉梨委員長 この際、第百四十回国会、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、細田博之君外二名から修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。林幹雄君。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修 正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○林(幹)委員 内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 本法律案において、在外選挙人名簿の被登録資格につきましては、年齢満二十年以上の日本国民で、その者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に引き続き三カ月以上住所を有する者であって、将来国内に住所を定める意思を有する者と認められる者とされております。 本修正案は、本委員会での論議等を踏まえ、この被登録資格に修正を加えるとともに、先国会における公職選挙法改正に伴う所要の修正を行おうとするものであります。 修正案の内容は、次のとおりであります。 第一に、在外選挙人名簿の被登録資格について、将来国内に住所を定める意思を有する者と認められる者に限るとの規定を削ること。 第二に、在外選挙人名簿の様式は、カード式に限らないものとすること。 第三に、在外選挙人名簿に登録されている者が帰国したときに行う投票の時間を、不在者投票の時間に合わせ、原則として午前八時三十分から午後八時までとするものとすること。以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○葉梨委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 この際、第百四十回国会、石井一君外三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。上杉自治大臣。
○上杉国務大臣 政府といたしましては、公職選挙法の一部を改正する法律案につきましては、遺憾ながら、賛成しがたいと考えます。 —————————————
○葉梨委員長 これより第百四十回国会、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及びこれに対する細田博之君外二名提出の修正案並びに第百四十回国会、石井一君外三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、第百四十回国会、石井一君外三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○葉梨委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。 次に、第百四十回国会、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及びこれに対する細田博之君外二名提出の修正案について採決いたします。 まず、細田博之君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○葉梨委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○葉梨委員長 起立総員。よって、本案は、修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○葉梨委員長 この際、ただいま議決いたしました第百四十回国会、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、細田博之君外五名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。西野陽君。
○西野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 案文を朗読いたしまして説明にかえさせていただきます。 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 本法の施行に当たり、政府は、次の事項について善処すべきである。 一 衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙については、本法による在外選挙の実施状況を踏まえ、可及的速やかに在外選挙の対象とする措置を講ずるものとすること。 二 本法の定めるところにより政令を制定するに当たっては、在外公館の所在地から遠隔である地域に居住する選挙人も郵便投票により選挙権の行使をすることができるよう、所要の措置を講ずること。 三 在外選挙人名簿への登録の手続、在外投票の方法等在外選挙制度の仕組みについて、在外選挙人その他の関係者に周知させるよう、適切な措置を講ずること。また、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙等に際しては、当該選挙が行われる旨の周知を図るとともに、候補者届出政党等及び候補者に関する情報の提供に努めるものとすること。 四 在外選挙制度については、本法による選挙の実施状況を勘案しながら、選挙の公正の確保に十分留意しつつ、在外選挙人にとって利用しやすい制度となるよう、不断の見直しを行うこと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○葉梨委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 細田博之君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○葉梨委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上杉自治大臣。
○上杉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。 —————————————
○葉梨委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○葉梨委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。午後二時五十一分散会 ————◇—————