建設委員会 第11号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1998/05/06
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、都市計画法の一部を改正する法律案、都市再開発法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青木宏之君。
○青木委員 自由党の青木宏之でございます。 もう、きょう三日目になりまして、今までにいろいろ各方面から質疑がなされてまいりまして、私も若干重複をする箇所もあろうかと思いますけれども、私は私の立場からお尋ねをするということで、お許しをいただきたいと思います。 予定をいたしております項目がかなりありますので、全部お尋ねできるかどうか、時間の制約でわかりませんが、できるだけ御答弁の方もそういう意味でひとつ的確に、簡潔にお願いをしたいと一思います。 まず、国土利用計画法に関するところから質問に入らせていただきます。もちろん、もう既に趣旨説明あるいは質疑がございまして、大体の法改正の理由、目的もわかってはおるのですけれども、一応整理の都合ということで、冒頭、簡潔に法改正の理由、項目的で結構でございますので、お願いをしたいと思います。
○亀井国務大臣 国土利用計画法の法改正の理由ということでございますが、もう既に御承知のとおり、政府におきまして昨年の二月に新総合土地政策推進要綱を閣議決定をいたしまして、土地政策の目標を、これまでの地価抑制を基調としたものにかえて、土地の有効利用による適正な土地利用の推進に転換したところでございます。そして、その実現のためには、土地を有効に利用しようとする者への土地の移転をしやすくすることによりまして、土地取引の活性化を図ることが重要になっております。 また、土地をめぐる最近の状況は、地価が七年間という極めて長期にわたって下落をし続けているとともに、土地取引が停滞をしております状況にございまして、土地取引に係る規制の緩和の一層の推進を図り、土地取引の円滑化を図ることが強く求められているところでございます。 こうした状況のもとで、昨年の十一月に経済対策閣僚会議で決定をいたしました二十一世紀を切りひらく緊急経済対策におきまして、国土利用計画法の届け出勧告制については原則として事後届け出制に移行するなど、制度の改善を行うようにされたところでございます。 今回の改正は、こうした状況を踏まえまして、土地取引規制の合理化を図ることを目的といたしておりまして、全国にわたり大規模な土地の取引価格のチェックを行っております現行の事前届け出制にかえまして、事後届け出制に移行することを通じて土地取引の活性化、円滑化を図ろうとするものでございます。
○青木委員 そこで、議論が今までにもございましたが、委員の方の中には、この効果、今おっしゃられた理由、目的ですけれども、その効果が余り期待できないんじゃないかという御意見の方もおありだったように思います。もちろん政府としてはその効果ありという予測で法改正に臨まれたことは当然であろうと思いますけれども、具体的にそのあたり、効果及び影響、どの程度といいますか、期待を込めて、お聞かせをいただきたいと思います。
○生田政府委員 お答え申し上げます。 今回の法改正で、最長六週間の契約締結制限のございます事前届け出制から契約締結制限のない事後届け出制に移行するということが今回の趣旨でございます。 同時に、取引価格につきましては勧告等の措置は行わないということにしてございますので、この結果、今後は原則として随時、自由に、大規模な土地取引につきましては土地売買等の契約を締結することができることになるわけでございます。 このことによりまして、これまで事前届け出の対象となっておりました約四万件の大規模な土地取引の円滑化が図られるものというふうに私ども考えておりまして、このことを通じまして、私どもは、我が国経済の活性化の一端に寄与するところがあるのではないかというぐあいに思っております。
○青木委員 いろいろな手だてを講ずるということが、まあこれ一つでダイナミックに効果があらわれるということでもないとは思うのですけれども、おっしゃったように、いろいろな手だての中の、一つの効果あらしめるための手だてだということはよく理解ができます。 そこで、法改正の中の問題として、一点だけでございますが、結局事後になりますから、事後で、勧告を受けまして利用目的の変更を迫られた場合、その取得者が不測の不利益をこうむる場合があるわけですけれども、その場合の対策といいますか、その点についてどのような担保がなされておるかということをお聞かせいただければと思います。
○生田政府委員 先生御指摘のとおり、事後届け出制におきます勧告は、事前届け出制におきます勧告と違いまして、土地取引が終わった後の措置であることにかんがみまして、今回の法案では、勧告ができる場合というのを、取引の当事者にとって予見可能性が高い場合に限ってございます。つまり、公表されております土地利用に関する計画に反する場合だけということで限定をすることにしてございます。 したがいまして、権利を取得する方は、土地取引の段階から、その利用目的が土地利用に関する計画に適合しているかどうかということを知っているか、あるいは知り得る状態にあるというぐあいに考えられますので、権利取得者が不測の不利益をこうむることというのはかなり少ないのではないかというぐあいに思われます。 ただ、都道府県知事が、実際に勧告を受けた者がその勧告に従ったという場合には、必要があると認める場合には、その土地に関する権利の処分についてのあっせんあるいはその他の措置を講ずるように努めなければならないという規定を置いてございまして、権利取得者が利用目的の変更を行う上での一助としたいというぐあいに考えているところでございます。
○青木委員 今回の法改正は、要するに土地が動かないと何ともならない、景気対策の一環でもあるということでございますが、この間うちから地価動向につきましていろいろな御議論がありまして、聞かせていただいておりますけれども、いま一度、現状そしてまた今後の見通し、このあたり、いかように把握をされ認識をされておられるか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○生田政府委員 まず、地価動向の状況でございますが、平成十年の地価公示の結果によりますと、全国平均の地価は、住宅地、商業地ともに七年連続の下落となっておりますけれども、下落幅は少し縮小しつつあるという状況でございます。 大都市圏では、住宅地はマイナス二・二%でほぼ横ばいの状況になっております。それから、商業地ではマイナス七・五%とまだ少し下がっているわけでございますが、六年連続して二けた台の下落となっていたものが、今回は一けた台の下落という状況でございます。 今後の地価の見通しでございますけれども、今の地価というのは、先生御承知のとおり、かつてのバブル期とは違いまして、実需給といいましょうか、実際の需要供給の状況を反映して定まっているというぐあいに私ども認識しておりますので、中長期的に見ますと、人口あるいは産業といった需要側の構造変化、こういったことを判断いたしますと、安定化傾向が強まるものというぐあいに考えております。ただ、短期的には、景気の動向によりましてかなり大きく左右される面があるのではないかというふうに思っております。 実際にこの前の地価公示で見てみますと、四半期ごとの地価動向を分析いたしますと、大都市圏の地価は昨年の後半からわずかに下落幅が拡大しているわけでございますけれども、これは恐らく、景気の先行き不透明感が増している、そういった中で需要層の買い控えあるいは模様眺めの傾向が強まっているのではないかというぐあいに考えられます。同時に、大変厳しい金融情勢の中でございますので、資金制約というものがだんだん強くなっておりまして、需要に全体的な力強さが失われつつある、こういったことが大きく作用しているのではないかというぐあいに考えられます。
○青木委員 そこで、現在景気が悪い、それも長期化しておる。政府の方ではいろいろな手だてを講じられ、そしてまたこれからも講じられようとされておりますが、国民の気持ちからいっても、早くこの現状を打破するというか、何とか景気が持ち直す、それを期待しておるわけであります。 この場で直接的な問題ということではないかもしれませんけれども、非常に土地対策ということについて関連をしますのであえてお尋ねをするわけであります。現在景気が悪い、しかも長期化しておる、先行きもなかなか予断を許さない、そういういろいろな理由があるでしょうけれども、推測されるには、いわゆる不良債権なるもの、俗に言う抵当物件、担保が寝たきりに、言葉は悪いかもしれませんが、塩漬けにされておるというか、そういったところがかなり強い要因になっているのではないかという議論があるわけです。 その程度がどの程度か、他の要因に比べてどの程度かという点はなかなか難しいかもしれませんが、一応、政府側として、そのあたりの認識、不景気の要因としての塩漬けの不動産、土地というものが、数字的にどの程度であるという認識をお持ちになっておられるかということをまずお聞かせをいただきたいと思います。
○亀井国務大臣 大変難しい御質問でございます。確かに、今現在の景気の動向を考えましたときに、いろいろな要因があるわけでございまして、その中の一つとして土地取引が活性化をしていないということもあるわけでございますが、しかし、土地取引が活性化をすれば、そのことによって景気が直ちによくなるということではなかろうと思うわけでございます。あくまでも土地の有効利用を促進をしていく、そのための土地取引を活性化させる、そのための対策を各方面にわたって講じていく、そのことの結果として景気が回復をしていくという、その一助になっていくのではないか、そうした考え方でございます。 現在、もう委員既に御承知のとおりでございますけれども、土地税制につきましても思い切った見直しをいたしておりまして、例えば地価税も凍結をするということにしたわけでございますし、また譲渡益課税も大幅に緩和をするということもいたしました。さらにまた、不動産の証券化を進めるということも今準備をいたしておるところでございます。 また、やはり、潜在的な需要があったといたしましても、それを支援していく金融システムがうまく機能しないという、そこにも大きな原因があるわけでございますから、金融システムがとにかく円滑に動くように万全の対策をとっていくということ、そしてまた不良債権の償却を一日も早く進めていく、そうした支援体制を金融システムの上でつくっていくことも土地取引を活性化させていくために非常に重要な問題ではなかろうか、かような認識をいたしております。
○青木委員 景気対策そのもの、あるいは景気、不景気の認識等々、関連はしますが、ここが主舞台ではありませんのでこれ以上多くを申し上げませんが、しかし、土地ということに関しては非常にこれが絡み合っていることは事実だと思うんですね。今長官がおっしゃったとおりだと思うんです。 そこで、今は、政府も再三再四おっしゃってみえるように、緊急事態だということですね。平時ではない、緊急事態だ。だから、いろいろ緊急的な施策を講じようとされてみえる。そういうところからしますと、この土地対策という面でも、今の緊急時の対策としての部分と、あるいは恒久的なあるいは将来見通しの中における対策と、やはりこういうものがあると思うんですね。それで、今回の法改正は、長期的な部分もあるでしょうが、しかし現在の、短期的というか臨時的というか、そういったものにも資する、その辺はよくわかるんです。 そこで、土地が、じゃ、現状からもう少し下落、廉価になった方が日本として相対的にいいのか。あるいは、いや、そうじゃない、今の不良債権問題があるので、そこがまず治らないことには次の段階へ進めないんだ、今病気だからまずそれを治さなきゃいけないんだ、そのためには、粗っぽく言うと、むしろインフレに誘導した方が、ある一部の政治家の方もおっしゃってみえるようですが、あえてインフレに誘導した方がいいんじゃないかという説もあると思うんです。ということは、土地が値上がり、もう少し値上がった方が今の緊急避難としては的確な施策になるぞよという考えもあると思うんですが、そのあたり、長官としてはどういうふうにお考えであられるのかお聞かせをいただければと思います。
○亀井国務大臣 これまた大変難しいお尋ねでございますけれども、有効利用によります土地の適正な利用を促進をしていく、そしてそのために土地取引を活性化をしていく、それが重要であるという認識でございますから、その土地取引の活性化を阻害をしておるさまざまな要因をできる限り取り除いていこうということで、今回の法改正を含むいろいろな措置をとっておるところでございます。そうした障害を取り除いた後、土地取引がどうなるかということは、これはやはりあくまでも需給関係ということによって決まっていくのが私は本来の筋だと思っておるところでございます。 現在、土地にいたしましてもあるいは住宅にいたしましても、それを求めたいという潜在的な需要は私はかなりあるのではないかというように思っておりまして、それが、まだまだ土地が下がるのではないかというような、そういう見通しを持っておるとなかなか顕在化してこないということでございますから、地価動向等につきましても十分に注視をしておく必要があると思っております。 一部大都市の商業地等においては多少上がってくるような箇所もあるわけでございまして、やはりそうしたところについてはそれだけの需要が潜在的にあるということを示しておるわけでございますので、できる限り、今申し上げましたようなさまざまな障害を取り除いた上で、需給関係というものを見守っていくのが私は土地政策としてはあるべき姿ではないか、このように認識をいたしております。
○青木委員 私のような資産のない者からすればとにかく地価は下がった方がいい、あるいは住宅をこれから手にしたいという方々においては下がった方がいい、これはそのとおりなのですが、今もお話ありましたように、今病であるということから、その病を治さなければならぬ、やはりそれが先だということからすれば、このあたりで下げどまりだぞというような認識が行き渡り、そうするとそこの潜在需要というものが今だというふうになって景気刺激につながってくる、こういうことだと思います。 それで、言葉として、今回でも、前から地価抑制から土地の有効利用、促進、こういうことをおっしゃってみえるが、よく考えるとこれは変な言葉で、地価抑制と有効利用と違う言葉をひっつけて、私から言うと一種のごまかし、地価抑制から要するに地価高騰と言うといけませんが、インフレへということが言いたいのだろうと勝手に推測しております。もちろん有効利用ということは大事ですよ、大事ですけれども、その辺のねらいがあるのかな。それは別に私は反対じゃなくて、賛成ですからいいわけですけれども。 そこで、ただちょっと心配な点が見受けられますのは、昨今、大臣も長官もお聞きでしょうが、いわゆる日本買いというか、外人による、外人買いというのかどういう言葉か知りませんが、外国人、外国企業による日本の不動産の購入というものがかなり言われるようになってきております。 もちろん、冷え切った状態ですから、買っていただけば土地が動く、有効利用ができる、そういう意味ではいいことではあるのですけれども、何かいろいろ聞こえてくる話によりますと、とんでもない価格で、安い価格で、いわゆる買いただきですね、買いただきで購入、土地が動いておる。それも、俗に言う一割引きとか三割引きとかいう程度の話ならそれはいいのですけれども、どうも十分の一だとか二十分の一だとかいう信じられない値段で取引がされておるように伺っております。当局としてその辺の情報をどの程度把握をされておられますか、お聞かせをいただきたいと思います。
○生田政府委員 最近新聞等で報道されておりますいわゆる外人買いにつきましては、私どもその全貌を把握するまでには至っておりませんけれども、私どもが最近不動産の関係者からヒアリングをしたところでは、幾つかのパターンがまずあるのではないかと思われます。 その第一のパターンというのが、例えば銀座のような都心の一等地を海外のトップブランド企業が取得して店舗として利用する、そういうケースでございます。第二のケースというのは、その土地あるいはそのビルの運用収益に着目いたしまして、同じく都心の一等地に当たる優良地あるいは優良ビルを取得して、これを管理、運用することによって上がる収益を得ることを目的とする、こういうケースでございます。第三のケースが、恐らく議員御指摘の部分だと思いますけれども、我が国の金融機関が抱えております不良債権の担保となっている土地を不良債権ごと海外の機関投資家が一括して購入するケースでございまして、俗にバルクセールと言われているケースでございます。それから、第四のケースといいますのは、第三のケースとよく似ているわけでございますけれども、大変経営状況が悪化しております不動産業者が売却できずに現在賃貸している、こういう物件を一括して投資物件として海外機関投資家が購入するというケースでございます。 第一のケースの海外トップブランドが購入するケースを除きまして、海外の機関投資家が買っておりますのは、恐らく採算ベースに乗る投資利回りを確保できるというぐあいに判断をして、投資物件として大変低価格で土地の取得を行っているというぐあいに思われますけれども、優良物件につきましては、我が国の地価が下落した結果、収益面でも実際に採算がとれるようになってきつつあるというのが背景にあるのではないかと思います。それから、最近の円安状況がこれを大変加速しているという点も見逃せないのではないかと思います。それから、一方で、不良債権の処理を急ぐ国内の金融機関が資産売却を行っているということも背景にあるというぐあいに考えております。 それぞれの取引の内容につきましては、取引当事者が情報を開示しておりませんので、具体的に正確な取引価格が幾らなのかということは私どもとしても把握ができていない状況にございますが、大変低い価格で取得をしているということはどうも事実のようでございます。これにつきましては、投資利回りといいましょうか、そういう観点から投資適格価格というものを算出して、投資のために買っているというぐあいに現状考えられるところでございます。
○青木委員 これは非常に地価動向に影響を与える要因だというふうに私も思います。 それからもう一つ、私自身が最近聞かされましてびっくりしたのですが、競売がありますね。これは法律に基づいて担保物件を競売にかけるわけですから、法律上何の問題もないのですけれども、例えば私が今回聞いた例は、六千万円の担保を入れた土地なのですが、これは計算が要りますけれども、それは現在の評価額が一平米四千六百円ぐらいのところだそうなのですね。そうすると、六千万の担保を入れた土地は、今、評価額で千六百七十五万円ぐらいに計算上なるのですね。六千万の担保を入れたところが評価額で千六百七十五万円ぐらい。それが競売にかかりまして、落札したのが何と三百十万円。評価額千六百七十五万円の土地が、落札されたのが三百十万円、これは最近の例なのです。だから、今の外人買いと同じように、もうけた外れな値がついてしまうのですね。 これも景気とも関連するのですが、中小企業者なんか、わざわざ担保を入れてあって、それは多少、バブルから相当下落していますからある程度はやむを得ないのですけれども、競売にかかって、それが三百十万円で処理されたら、これは本当に踏んだりけったりというか、企業者ばかりでなしにそういう例が多いと思うのですよ。 例えば、もう一つ例を知っているのは、マンションを建てられた。バブルのときにいろいろな勧誘があったので、ほいほいと言って建てられたら、今言ったような同じような状況にある。だから、外人買いと同じようにそれが物すごく地価の足を引っ張ってしまう要因に、余りにも差が大きいものだから、数が仮に少なくてもそれがぐんと引っ張る可能性があるということで、若干そういう地価下落ということにつながっていく心配がある。 そうすると、さっきからの話のように、いや、まだ下がるぞといって、やはり大底感というのがなかなか出てこない、ここら辺がかなり問題があるのではないかな。だから、いろいろそういう手だてを各方面できちっと、平常のときなら、少々のことなら何とかそのうちというようなことになりますけれども、今病で大事なときですから、これは本当に関係機関も総力を結集して、作戦を練ってきちっと誘導していくということをやっていかれないと、なかなかこの病は治っていかない。 そのほかにもいろいろな理由、私どもは前から、とにかく恒久減税をきちっとやりなさいということも言っておるわけですけれども、景気の先行きというものをある程度見せるという、ぐっと前へ進むところをやはり国民あるいは外国にも見せないとこの難局はなかなか脱却することができないと思いますので、ぜひそういう方面で実態をよく把握をしていただいて、対策をきちっとまた展開をしていただきたい。 そこで、先ほども外人買いのことで話がございましたし、取引実態というものは、なかなか当事者や業者が開示しないということでわからない、後から、ちょっとたってからしかわからないとか、あるいはいろいろな情報をかき集めてでしか判断ができない、そういう実態だろうと思うのですね。 それからもう一つは、民間の取引にしても情報はいわゆる不動産屋さん単位でやっておるのが現状で、ある程度業者の仲間内で連携してやるケースもありますけれども、今のコンピューターあるいはインターネット時代を迎えて、端末でぴっとやったら、日本全国どこにどういう土地があって、売りに出ているのが大体幾らで出ているとか、そういうものが端末でぴっと出れば、そうするとそれを担当している業者はどこのだれかということまで出るわけですから、そこへすぐ連絡をしてこれが成約につながるということ、もう早くそういう体制へ、業界もそこへ踏み出していただかないと、開示しない、開示しないということではだめなんですね。 やはり需要はあるんですよ。ごく一例ですが、私、名古屋ですけれども、実は名古屋の人が軽井沢に土地が欲しいという話がありまして、じゃ、その人はどうするのか。軽井沢に知り合いはだれもいない。どこにどういう土地があるかさっぱりわからない。ということですから、軽井沢まで出かけて、自分で歩いて適当な土地を探すか、あるいはそこの現地へ行って業者に依頼する。しかし、その現地へ飛び込んでいっても、こんなこと言っては悪いですが、その業者が果たして信用できる業者なのか、ちょっと難しい業者なのかという、とにかく信頼性もわからないということです。 それが、名古屋にいて軽井沢のどういうところにどれだけの土地が欲しいなと思ったら、端末をたたけば情報が出てくる、業者が出てくる、すぐそこへ連絡する、これは簡単に成約につながるということですからね。 何か聞くところによりますと、今インターネットを通じて日本の土地情報を世界に提供する準備が進められておるようですけれども、やはりそれはそれで非常に大事なことですから早く進めていただきたいし、今私が申し上げた、情報を公開して、そして成約にできるだけ早くつなげる、需要はあるんですよ、いろいろなところに需要が。ところが、もたもたしているうちに実行行為に移らないで消えていくというのもありますね。 だからその辺、隠れた需要ということじゃなくて、現にもうそこに土地があればすぐにでも成約するという需要があるものですから、それが成約につながるような手だて、そういう意味でやはり情報公開策というものを、これは国としてもあるいは地方公共団体としてもあるいは業界としても、何か対策というか方策を早くつくっていただいた方がいいのじゃないかな、こんなふうに私思うわけなんですけれども、ぜひその辺のお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○生田政府委員 土地を利用しようとしている方あるいは取得しようとしている方に対しまして、土地に関する正確で詳細な情報を提供するということは、土地取引を活性化するためには大変重要なことだというように私どもも認識しております。 昨年の二月に閣議決定されました新しい総合土地政策推進要綱におきましても、土地取引の活性化の施策として、不動産取引市場の整備であるとか土地情報の整備、提供の推進、こういったことが明記されているわけでございます。 先ほど先生の御指摘もございました不動産取引市場のコンピューター化といいましょうか、そういうことにつきましても、現在建設省の方で指定流通機構制度、こういったのがございますので、それの充実に大変努めているというぐあいに聞いておりますし、私ども国土庁としても、その辺につきましては、土地取引の活性化を図るために、先ほどから御説明しております国土法の届け出情報の利活用を図ることができないか、あるいは今もう既に地価公示価格等のインターネットを通じた提供というのはさせていただいているわけでございますが、今後とも、コンピューターネットワークを活用した土地取引であるとか地価あるいは地籍、こういった土地情報の整備、提供を着実に実施していくことが必要であるというように思っております。 ただ、残念なことでございますが、我が国におきましては、これまで実際に成立した売買価格であるとか賃料とか、こういった土地の取引や保有に関連するその具体的な情報につきましては、特別な場合を除きましてディスクローズされていないという状況にあるのは事実でございまして、今後、不動産の世界におきましても市場のグローバル化というのは大変要請されてくるというように考えておりますので、我々としては必要な情報の提供について今後とも検討を進めていく必要があるというぐあいに認識してございます。
○青木委員 これは、例えば昨今議論されています中心市街地の空洞化とかあるいは商店街の空き家問題とか、これに関係するのですよね。例えば、自分が文房具屋やりたいとかお好み焼き屋やりたいとか思っても、じゃ、そのやる場所が一体、自分の近くの商店街なら商店街、どこに空き家があるかということをその人は知らないんだから、やりたいと思ってもなかなかすぐいかないということです。だから、そういう情報がどこかでぶっとわかれば、そういう人たちの需要が成約につながっていくということにもなるんですね。 だから、いろいろな問題があるでしょうが、もう少しその辺は研究をして、需要が現実に実るということを、業界の自主性というのも大事でしょうけれども、ひとつその辺を行政側としても手だてを今後検討、実施をしていっていただきたいというふうに思います。 それで、土地利用、有効利用ということがこれは非常に大事なことでありまして、今土地は所有制、私有制が日本では認められておりますから、それを前提として、空閑地だとかそういう、さっきのいろいろな税制上の対策でこれを放出させ一るとか、いろいろな手だてをやってはおるのです。 けれども、現実に、例えば一例を挙げますと、メーンストリートのところにかなりの広い土地がある、そこは松林が植わっておったり野菜がつくられておったり、その周辺は商店があったり事務所があったりしても、そういうメーンストリートにどんとかなり広大な土地が、いわば本当に野菜つくっているわけじゃない、格好だけ野菜つくって、できたものはどこかへ捨てちゃうかなんかなんですよね。何のためにそうやっているかというと、税金対策でやっている。 それで、それをなぜ使わないかというと、その所有者が亡くなったときの相続税対策というようなことで、大金持ちはそうやってあけたままなんですよ。だから、そういう使われない土地とかそういったものがあるので、それは有効利用ということからすると何か非常にもったいない。さっきの不良債権の塩漬け担保と同じようなことで、動かないんです、そのままずっと何十年間もね。 だから、これが後から出てくる都市計画とかあるいは地区計画とかいろいろなものにも関連をしてくるわけですが、かといって、なかなかこれの対策は難しいと思うのです。極端なことを言うと、やはり土地利用ということに視点を置くならば、むしろ所有から利用というような発想の転換、逆に言うと、何か江戸時代はそうなんですね。だから、都市づくり、町づくりももう一度江戸時代に見習えという話もたびたび出てきております。 やはり先人はかなり、なかなかいいことやっていたなという部分もあるんですよ。土地なんて有限なものですから、これを所有してたくさん持ったって使いようがなかったらしょうがないんで、使うためにこれを所有する。それは、後へ継いでいく財産という意味ではそれはありますけれども、限られた土地の有効利用というならば、やはりこれができるだけ死なない、それこそ有効に使われるということが前提だとしたら、やはり将来的には所有より利用だ。だからこれは諸外国でも、全体ではない一部地域では、そういう九十九年ですか賃貸という制度があちこちにあります。そろそろその辺の研究にも入っていく必要があるのではないかなと私は思うのです。 これは余り議論しますと時間を食ってしまいますので、その辺、土地に対する当局としては、まだコンクリートされたお考えは今突然ですからないかもしれませんが、もし若干お考えがありましたらお聞かせをいただければと思います。
○亀井国務大臣 まさに土地政策の基本についての御質問でございまして、今委員が御指摘になりましたこと、私も大体大筋において同感でございます。 申し上げるまでもなく、土地は限度のある資源でございます。確かに、今私有財産制のもとで財産として土地を保有しておられる方もたくさんあるわけでございますが、資産として土地を考えるということではなくて、有限な資源としてこれを国民がいかにして活用をするか、そういう観点に立った土地政策が特に重要ではなかろうか、そのように思っておるところでございます。 やはり公な目的のために個人の所有にある土地というものを利用する、そのためにはいろいろな措置もあるわけでございますけれども、やはり全体的なきちっとした計画というものに基づいて土地が適正に利用されていくということが最も望ましいことでございますので、いわゆる資産として保有をしている、そしてまたその土地が値上がりをしていくということを見込む、そうしたことではなくて、あくまでも有限な資源としていかに適正に活用をしていくか、そのことに重点を置いた土地政策を総合的に進めていくことが必要ではないか、そのように認識をしておるところでございます。
○青木委員 よくわかりました。ぜひひとつ、これからこれはかなり重要問題になりますので、また機会があったら御議論をさせていただきたいと思います。 次に、都市計画法、再開発法の方へ移りたいと思います。 余り時間がありませんので、いろいろこれは私も関心を持っている部分が多いのですけれども、全部がお尋ねできかねるかもしれませんので、ちょっと今整理というか、かいつまみましてお尋ねをさせていただきたいと思います。 それで、今回の改正は文字どおり地方分権ということになるわけでありまして、方向性あるいは改正につきましては何ら異論がありませんし、結構なことだと思います。ただ、非常に現実問題難しい点がいろいろありまして、これはただ単に地方分権だからいいというものでもなかなかないのです。今の日本の構造は国、都道府県、市町村という格好になっておるのですが、国、都道府県、市町村、三つに分ければ、その三者の役割分担といいますか、その辺をかなり明確に定めて、そしてその中でいろいろな国土計画、都市計画等々を実行されていくということでなければならないのです。 いま一度確認させていただきたいのですけれども、現当局とされましては、その辺の国、都道府県、市町村、その三者の役割分担、関連性、統一性、整合性というような点で大体どんなようなお考えをお持ちなのか。と聞いても、お答えしにくい質問かもしれませんので、ちょっと私の方から申し上げますと、要するに、極めて当然と言ってしまえばそれまでですけれども、これからは特にですが、国は、とにかくこの国土を将来にわたって大体どのようにしていくのだという、言ってみれば大方針ですね、大方針を定めて、そしてそれを受けて、都道府県がみずからのエリアの中で、それでは、どのように整合性を持たせながら、あるいは独自性、個性を出していくか、そして、その中でまた市町村が自主的に個性を出して、この間うちから議論のあるような町づくりを展開していくのだ。 整理をすればこういう考え方でよろしいかどうか、ちょっとその辺をお聞かせいただければと思います。
○瓦国務大臣 青木委員から、このたびの都市計画法の一部改正につきましての、まずもって改めて御質問をいただきまして、累次いろいろな問題につきまして局長から答弁をいたさせますが、このたびの都市計画法の改正につきましては、住民の意向を酌み取りつつ、これまで以上にいわゆる地方公共団体が主体性を発揮しつつ地域の実情に応じた町づくりを推進してまいる、そのことを期待いたしておるところでございます。 都市再開発法等の改正につきましても、低・末利用地等の有効活用などの状況に対応いたしまして、既成市街地の総合的な再開発の推進、土地の高度利用の促進を期待しているところでございます。 考えてみますると、確かに、来し方、町づくりが進んでいく中で、いろいろ商店街におきましても市街地におきましてもそれぞれ大きな変化がございました。私は、昨年の緊急経済対策に盛り込まれた事項は、改正内容の主なるところでございますが、大きな変化の中にありまして、地方自治体が主体性を発揮して町づくりをしていく、地域の実情に応じた町づくりを推進していく、そういう方向に大きく転換を求めてまいりたい、こう願っておるものでございます。
○木下政府委員 今回出させていただいています法律の改正の趣旨は今大臣からお答えしたとおりでございますが、先生お話しのございました、国と県と市町村のこの三層をどういうふうに考えているのかという御質問に対してちょっと補足させていただきます。 基本的には、私ども、都市計画のテーマということでいいますと市町村が中心的な主体であろうと考えております。したがいまして、今回の改正もそうでございますが、今後、この後続いてまいります都市計画法絡みの改正につきましては、基本的には市町村に限りなく権限をおろしていく方向でございます。 ただ、状況的には、御案内のとおりに、今回の改正だけではございませんけれども、かなり都市計画そのものが広域化しているということがあろうと思っていますので、そういう広域的な根幹的な都市計画については、依然として、一部でございますが、都道府県において決定すべきであろうと思います。 ただ、国の立場はどうかということでございます。先生がおっしゃられたように、大きなマスタープラン的なものを、国全体のグランドデザインを決めるべきではなかろうか。おっしゃるとおりでございまして、これは都市計画というよりはむしろ国土計画の世界があろうかと思っていますが、そういう国全体の国土計画を受けた形で個々の細かなディテールな部分について都市計画というのが存在する以上は、そこのところについてはこの三者の関係が非常に密接でなければならないと思っておりますから、関与の仕方については、十分我々は国としての立場として自重しなきゃいけないところがあろうかと思いますが、国、それから県、市町村がそういう意味では有機的に連携していくことが必要ではなかろうか、こう考えております。
○青木委員 これは、言葉で言うとなかなか理解が難しい。現実、具体的な話にならないと難しいかもしれませんが、全くおっしゃるとおりだとは思うのです。 それじゃ、国と都道府県、都道府県と市町村、それぞれの層ごとにぶつかる場合があると思うのですね。市町村としては、例えば高速道路を走らせないでくれ、インターができるなら走らせてインターをつくってください、だけれどもインターができないで通るだけだったら隣村を走ってください、ヒういう話になるわけですね。だけれども、例えば都道府県からいったら、全体から見たら、こんなふうに曲がるよりはこう真っすぐ行った方がいいよという話になるわけです。そしてまた、もっと大きく国からいっても同じことが言えるわけです。そういったときにどっちが優先権があるか、あるいは上位、下位というのは、表現が難しいかもしれませんが。 だから、私が言いたいのは、やはり国は一応、大動脈にしても何にしても国土計画でこう枠をはめるわけですよ。その枠の中で都道府県がやる。そして都道府県の枠の中で市町村がやる。でないと、地方分権、地方分権と言って、市町村が主だ主だと言っていると、その辺がおかしくなってくるということが想定されるわけなので、お聞きをしておるわけなんですね。どちらを優位にするかということをはっきりさせないと難しいと思うのですよ。対等だとか話し合いだとか言っておっては難しいと思いますよ。
○木下政府委員 都市計画問題について申し上げますと、今回まだ地方自治法の方が具体的に提案されておりませんので、都市計画審議会でいただいております答申も都市計画法改正という形で姿を見せておりません。 ただ、先生おっしゃられましたように、計画としてもう少しはっきりとした峻別をすべきではなかろうか、おっしゃるとおりでございます。ただ、一言申し上げますと、当然でございますが、市町村そのものも、私は行政区域そのものはやはりかなり流動的であろうと思います。時代とともにそこの合併その他も含めての必要性があれば、それぞれが一緒になって問題解決に当たろうと思っております。 そこで、今私ども、基本的には、やはり施設的な面で申し上げますと、例えば道路の種別とか機能とか幅員とか、あるいは面的な事業で申し上げますと、その対象の区域の広さ等々を含めまして一応のボーダーラインを引かさせていただきまして、その中で県と市町村との都市計画決定の手続を分けさせていただこうと思っております。 ただ、これとて、おっしゃられたように、現場に参りますと種々問題があることは当然でございましょう。ただ、一つ救いといいますか、やはり解決策としては、私は、県あるいは市町村が日ごろから、当然でありましょうが、それぞれの町としてのお互いの持っていき方について論議していただく流れの中で、今申し上げました基準が当然生きてこようかと思っております。 決して生易しいことでないということは承知しておりますが、御指摘のあった点については、やはり今後都市計画法の改正の中で、国なりあるいは県なり、さらに市町村が、それぞれどういう役割分担をすれば一番地域に合った都市計画が決定できるかということについて、さらに我々も検討を続けさせていただこうと思っております。
○青木委員 そこで、今度は用途地域、特別用途地区にもかかわることですが、隣接する隣同士の市町村と市町村、それから都道府県の絡みで、例えば具体例を挙げますと、ところどころ恐らく見受けられると思うのですが、行政境がありますから、それぞれが都市計画をつくったり、用途地域を定めたり、今回の特別用途地区を定めたり、いろいろやるわけですよ。そうすると、土地というのは連携しておるわけですね。土地は続いているわけです。ところが、行政境があって施策は別々にやるのですよね。その辺で隣町同士がよく連携をとったり、都道府県が調整をきちっとやれば問題は起こらないのですが、現実問題、変なことが起こっている。 要するに、簡単に言うと、こっち側はにょきにょきと例えばビル群がある。道路一本隔てた向こう側は田んぼがだあっとある。それで、沿道ですから、こっち側は店舗もあっていいけれども片側は農振だ、何にもできない、田んぼがあるだけだというのも幾らでもあります。 それから、例えば環境問題等々につながる、俗に言うラブホテル規制問題でも、行政境があるものだから、住宅街のこちらまでは全然全くそういったものは何もない。ところが、道路一本、川一本隔てるとにょきにょきとある。それでこっちからそれは丸見えだとか。住んでいる人から見たら行政境なんか関係ないのです。そうでしょう。 ところが、実際そういうところがあるということですから、その辺の、もう少し市町村同士、都道府県調整、要するに難しいのですよ。市町村の独自性、個性といって、言葉で言うのはいいのですけれども、じゃ単独でやればいいのかということではこれは決してないのです。そうすると、隣村、隣町、その話を突き詰めていきますと、またその後どんどん広がっていってしまう、土地は連権しているものですから。 だから私も、じゃ、どうしたらいいのか答えを出せと言われてもなかなか難しいのですが、要は、できるだけ隣接する部分はよく調整し合う、余り極端な変な格好にならないようにしていくということが望ましいと思いますので、そのあたりの現状をどのようにされておるのかお聞かせをいただきたいと思います。
○木下政府委員 先生も御質問の中で大変難しいとおっしゃっていただきましたので、多少甘えてお答えをさせていただくことをお許しいただきますが、確かに行政区域単位というのは、その時代にある一定の趣旨で決まった区域であろうかと思っております。ただ、実情からいきますと、いわば都市計画というテーマなどだけではないと思います。相当広域的にいろいろ配慮しなければいけない問題は多々あろうかと思っております。 したがいまして、私ども、制度的には現在の市町村の決定をできるだけ多くするということを申し上げておりますが、その際にも、原則としてその内容については都道府県と同意を前提といたします協議をしていただくことになっておりますから、ここでは県がそれなりの調整機能といいますか、調整役をやっていただくということになろうと思います。それだけではなく、むしろ市町村レベルのお互いの横の連携という意味では、隣組と日ごろからの、先ほど申し上げましたような町づくり、地域づくりに対しての意見交換を定期的にやっていただくようなことも我々ぜひお勧めしていきたいと思っております。 ただ、問題は、人はこれから恐らくそれぞれの定住性と同時に交流という世界が相当強まってこようと思いますので、そういう意味からいきますと、行政区域を、なかなか合併とかというふうには簡単にはまいりませんけれども、それを前提といたします相互間のいわば情報交換なり、あるいは定期的な打ち合わせ等も含めまして進めていただくことが、一つは先生おっしゃられたような問題の、いわば抜本的解決にはならないかと思いますが、多少なりともそういう問題の生じる前段を整理することができるのではなかろうかと思っております。
○青木委員 それから、今度は市町村に行きますと、定まっておるところは用途地域がぐっと定一まっておるわけですが、どうもいろいろ社会問題化している点があるのですよ、御承知だと思いますが。 例えば、日照権の問題一つですね。やっと南向きの景色のいいところを手に入れて、ああこれで老後までいい環境で過ごせるなと思っておったら、突然目の前に壁ができてしまったという話は幾らでもありますね。我々も都市部におりますものですから、本当にそういうような陳情とかが多いのです。これは困るのですよ。権利としては認められておるし、建てる方も。そしてまた今度は、それは受忍限度ということですが、どこが受忍限度か。受忍もくそも、それは頭にくることは間違いないのです。だから、今すぐにこれを解決しろと言ってもなかなか難しいかもしれません。 例えば、もう一つは、これもよくある例ですが、前から、古くから工場をやっておる、そうしたらそのすぐ横にマンションができたり住宅ができたりしてきた、そうすると、やれ音がやかましいだとかにおいがするだとか振動がするだとか、いわゆる公害ですね、それで出ていけと言う。そうすると、行政側もどちらかというと住民側へついて、工場よ、出ていきなさいという例も非常にあるのですよ。これは、後から来た者が先におった者を追い出してしまう例。 それから、要するに、準工とかいうことで混在するというのが果たしていいのかどうか。もう少し何かめり張りのきいた用途地域のやり方あるいは都市計画のあり方。 私は、一つ頭の中に浮かぶことは、なかなか日本ですぐ実行するのは難しいかもしれませんが、これは建築基準法等に関係してきますけれども、やはり容積率とか建ぺい率とか、こういったものもいま一度見直しをして、かなり今高層の建築技術が発展して、地震国日本でも高いビルがどんどんできているわけですので、やはり諸外国に見られるように、商業地域なら商業地域は、海外でいうダウンタウンみたいにどんとそこに集積をさせる、そして、その周りは森林とか公園とかスポーツ施設とかそういったものにする、その次に低層で住居地域をつくるとか、かなりそういうめり張りのきいたゾーニングというものをやっていかないと、自然発生的にできてきて、混在しているところを、今いろいろな行政の網をかけて、規制したり緩和したりいろいろやっておるわけですが、どうもそういう手法が私はちょっと限界というか、考え直しをした方がいいのじゃないかなということを考えているのですよ。全く更地の新しいところなら、ニュータウンならそれをぽんとできるかもしれませんが、そうでないところが多いわけです。 その辺の、用途地域として決められておるものを一つの議論としては市町村でもう全廃して、今回の特別用途地区のように、もっとやりやすいようにするとかそういう議論もあると思うのですけれども、それはそうした方がいいのか、あるいは、いやいや、やはり用途地域はこの辺できちっと定めてとりあえずやった方がよりベターなのか、その辺のお考えをお聞かせをいただければと思います。
○木下政府委員 御指摘をいただきました問題点は、市町村間におきます問題もあろうかと思いますが、同一市町村におきましても、当然でございますが、同じ用途地域の中で、用途地域の決めによってはかなり幅のある決め方をしておりますので、そこの立地の際に、今先生おっしゃられた社会的な問題等がいろいろ起こっているという状況が、我々としても大変悩ましい問題だと思っております。 先生おっしゃられましたように、確かに、めり張りをきかせまして、各地域におきますいわば用途について純化しろという御提案は、私もある面では、今まで都市計画がとってまいりました一つの姿だと思います。 御案内のとおり、かねてより八つでございました。途地域につきまして、特に住居系につきましては、それを十二、そういうことでふやさせていただいております。 ただ、一つは、先生もこれを御質問の中でお話ございましたように、ニュータウンのように新たな町をつくるときには、いわば白紙といいますか白地からっくるわけでございます。ただ、既存の都市ができ上がっている既成市街地におきまして、用途地域をかぶせてまいりますと、どうしても幅のある用途地域の中で、既存の建物なりいわば機能がそれなりに尊重されているというのが正直申し上げて実態でございます。しかし、それぞれの相互間の環境を阻害しないようにということで、より用途地域が生かされるという必要があろうかと思います。 今回都市計画法を改正させていただくことで出させていただいております特別用途地区なども一つの手でございますけれども、ある限定された区域について、一定の目的に沿った形で、いわばまとまった用途ができ上がる、形成されるという意味では、私は、特別用途地区の考え方は、今先生のおっしゃられた問題については、解決とはいきませんけれども、一つの方向づけであろうと思います。それから、用途地域全体にはかぶせておりませんけれども、地区計画制度とかそういうものなんかにつきましても、地域が一定のまとまりを示せれば、一定の環境づくりということでは寄与できるのではなかろうかと私は思います。 いずれにせよ、私たちが今までとってまいりました方策、すべてで完全ではございませんし、それぞれ地区ごとに個性を持っております、特色があろうかと思っておりますから、解決策というのは複数であろうと思っておりますが、これからやはり環境をよりよくしていく意味で都市計画が少しでも貢献できるような意味では、今申し上げた制度をさらに拡充する意向は十分持っておるわけでございます。
○青木委員 そこで、今度は、市街化調整区域の問題についていろいろお尋ねをしたいと思います。 これは、お聞きするまでもないとは思いますけれども、今までの経緯、都市発展というものが、要するに外へ外へ外へという発展の中で、余りどこまでも無限に、アトランダムに開発をされてしまうといろいろな面で支障を来すあるいは自然が失われるという意味で、調整区域というものをつくって、そこでとりあえずストップするということで調整区域というものが、いわゆる線引きというものができておるのだと思うのですね。 そこで、今回そこで地区計画等々ができるようになるということでありますし、それから、この間うちの議論の中にもありましたように、御答弁を聞いていますと、要するに、乱開発とまでは言わないけれども、調整区域内でいろいろな要素で開発がされていく、それがアトランダムになっているということで、だからこれをきちっとした整合的な地区計画のもとにやるんだという、お聞きすると何となく、ああ、そうかという感じがするのですが、もう一歩ちょっと突っ込んで考えてみますと、何か変だなという感じがするのですね。 調整区域は調整区域なんですから、だったら、調整区域というものをやはりとことん突き詰めていくというか守っていくというか、そうでなければならないと思うし、いや、そうじゃない、地区計画に基づいてきちっとした開発をやった方がいいんだということなら、むしろ調整区域をだんだん外すという方向へ持っていかれた方がいい。何か中途半端、どっちなんだ、ちょっとその辺がよくわかりにくい点があるのですよ。 だから、その辺もう一度、どういうお考えのもとにこういうことがされるのか。今までの答弁は、これはもう虫食い状態になっているからきちっと、整然とした開発をというお答えをいただいておるのです。それはそのとおりなんですけれども、政策としてそっちへ踏み出すなら踏み出して、これは将来的には調整区域を外していくという格好へ踏み出すのか、いや、そうじゃない、調整区域というのは厳然として残した上でそういう特別なものを考えておるんだということなのか。ちょっとその方針、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。
○木下政府委員 今回の改正の中での調整区域の取り扱いといいますか、基本的スタンスについてお尋ねだと理解しております。多少くどくなりますが、昭和四一三年に都市計画法の大改正をいたしまして、その後、線引きの見直しを数度にわたってやっております。 各公共団体によって線引きの時期が異なりますので、便宜三回ということで分けさせていただいて、数字を若干御紹介いたしますと、昭和五十年から五十八年の第一回の線引きの見直しで、ネット約四万七千ヘクタール、調整区域から市街化区域に入れております。それから、第二回は五十八年から平成二年にネットで三万八千ヘクタール、さらに平成二年から平成八年までに三万五千ということでございますから、いわば市街化区域の拡大の実績は、若干ずつでございますけれども、減少傾向であろうかと思います。 私申し上げたかったのは、現在市街化区域は、線引き全体が、対象都市計画区域の面積が五百三十五万ヘクタールございまして、そのうちの約四分の一と申し上げましょうか、四分の一強でございますが、百四十六万ヘクタールございますので、いわばその根っこの部分といいますか、母体になっております市街化区域の面積に比べて、今御披露させていただいた市街化区域の拡大実績は御紹介したようなことでございますから、いわば少しずつ、薄皮がつながっていくといいますか、ふえていくような状態でございます。 問題は、そうした状況の中で、しからば市街化調整区域の中のあり方についてどうか、あるいは地区計画を今回策定するということで、その際には開発許可についても弾力的な扱いをするということについてどうかということでございますが、基本的には、私ども、線引き制度については依然として従来の方針は変えてないつもりでおります。 といいますのは、先ほども御議論ございましたように、現在の市街化区域の中では、中心市街地問題を含めてでございますが、相当、やはりそれなりの都市の問題を抱えております。むしろこれからの時代は、いろいろ財政的な制約も含めて考え合わせますと、市街化区域の中の、とりわけ中心市街地を中心として、今までの都市ストックを大いに活用する方向というのが都市政策であろうと思っておりまして、それを都市の再構築と申し上げておりますから、基本的には中心部の整備ということを、大前提といいますか、大きな課題にしてまいりたいと思います。 しかし、昨年来の経済対策でも御議論があったような、いわばこれからの、例えばマルチハビテーションといいますか、複数の住宅をお持ちになるようなことも含めて、あるいは現下の市街化調整区域の実態を考え合わせますと、私たちは積極的に市街化調整区域の抑制すべき区域という概念は変えてはおりませんけれども、そこにおきます状況を勘案いたしますと、地区計画のような形での整然とした町づくりは、大きな市街化区域、調整区域の線引きそのものの精神を変えなくても、制度的には十分適応できるのではなかろうか。 また、そういう地区計画を決めることが、乱開発、スプロール化の危険のあるところをむしろ防止していく方向であって、もちろん先生おっしゃられたように、抑制という言葉とどうかということについては、いささかそこのところについては整理が必要かと思いますが、市街化調整区域は全く永久に凍結するとか、先生おっしゃられた、外すという言葉をお使いになりましたけれども、市街化区域と調整区域という境をすべてやめまして、市街化区域そのものでするというよりは、やはりバッファーとしてそこに市街化調整区域というものが残っておることは都市の一つの姿としては私は現実にあると思います。 ただ、くどくなりますが、大都市圏におきます都市計画制度あるいは地方都市における都市計画制度、これはこの委員会でも先般御質問があったように記憶しておりますが、それぞれの都市によって相当やはり異なってまいりますので、そういう意味では、都市計画制度が総合性を持つと同時に、個別性という面で制度そのものをもう少し我々も幅広くこれから検討していく時期に来ているのではなかろうかという認識を持っております。
○青木委員 一つ、じゃ確認をしたいのですが、その地区計画が認められて実行された場合に、そうすると、従来の地区計画以外の建築とかそういったものは認めないのか。従来いろいろなもの、沿道サービスとかいろいろなものを認めてきたからスプロール化して、虫食い状態になっているということですから、地区計画を定めて、その地区計画に沿った以外のものの申請があった場合はそういうものは認められないのか、従来どおり認められるのか、その一点だけお聞きしたいと思います。
○木下政府委員 結論的には従来のものはそのまま生きていると思っておりますが、せっかくでございますから、地区計画を決める際に、そうした従来認められた、開発許可が許されておるものまで包含したような例えば集落づくりとか地域づくりというのが私は望ましいのではなかろうかと思いますが、これはそれぞれの現場でのテーマではなかろうかと思っております。
○青木委員 これは本当はもっとやりたいのですが、現状、今までのやり方でスプロール化して、そしてそれがだめだから地区計画で、だけれども今までのやり方も認めますよ、基本的には。ということだったら、これは行く先は何かといったら、結局市街化調整区域はなくなるという話ですよ、簡単に言うと。そう極端には言えないかもしれませんが。 その議論はちょっと時間を食いますから、もしやるとしたらまたの機会にしたいと思います。 そこで私が一つ考えているのは、今までのやり方というのは、都市がだんだんだんだん周辺へ発展していくにつれて調整区域を、そこをやるんだということなんですが、特に大都市、東京、名古屋、大阪、そういう大都市においては調整区域部分はほとんど、私のところでもほとんどなくなってきていますけれども、都市に自然をという観点からいうと、そろそろ逆に都市の中へ、調整区域という言い方がいいのかどうかわかりませんが、開発しない、自然の残ったところを逆に持ってくる。今自然がなかったら自然をつくっちゃう。人工的な自然もありますけれども、人工的というのは、きちっときれいな、整然とした自然という、公園整備みたいなものもありますし、いや、違う、土地だけあけておいてほかっておく。 私、きょうは余りあと時間がありませんから行きませんが、例えば公園だとかあるいは遊園地だとかいうものも、今、公園はこういうふうでなきゃいけませんよ、遊園地はこういうふうでなきゃいけませんよと、いろいろ事細かな、おせっかいやきみたいないろいろな規制があるわけなんです。私が言っているのは、全部が全部とは言いませんが、やはり身近な自然という建設省のやってみえることからしても、公園といったって、もう空き地、土地だけを用意しろ、そこへ多少は手を加えるにしても、とにかく草ぼうぼうに生やしたり木があったり。 要するに、この間もお話がありました、大臣、長官も、皆さんも私も経験があります。小さいころ、川で素っ裸で泳いだりあるいは魚とったり、チャンバラごっこやったり、そういったものは今本当に大都市にはない。公園なんかつくったって、子供遊んでませんよ、全くおりませんよ。だから、身近な自然ということをせっかくおやりなものですから、都市にそういう自然をとにかくもっと。 だから、そういう意味で、だんだん都市というのはもうかなり拡大、限界まで現在来つつある、大都市なんか特に。そうしますと、今度は逆に調整区域を中へ持ってくるという発想を、市街地と調整区域とを混在させるという発想をちょっと私は考えておるんですけれども、この考えについてどうお考えになるかお聞かせをいただければと思います。
○木下政府委員 先生の御質問の中のいわば都市の緑化といいましょうか、自然をできるだけ残すということは私大変大切なことだと思っておりますが、それが直ちに調整区域という形で残るかどうかというのは、その規模にもよろうかと思いますが、どちらかといえば、やはり都市はある一定の広がりの中で連檐しているという形態からしますと、調整区域を中に設けるのはなかなか計画的には難しいかと思います。 ただ、そうはいっても、先生おっしゃられたように、自然なりそういう緑化に対しての住民の要望が大変強い、いろいろな支持をいただいておりますので、建設省では先般来、単に公園とか緑地だけではなく、例えば公共施設が持っております、それぞれ、例えば道路にしろ河川の中にも緑もあるわけでございますし、それから先生おっしゃられたような、水という問題はやはり都市にとってもかえがたい財産であろうと思いますから、そういうものを生かす方策も考えてきておりまして、それをグリーンプラン二〇〇〇ということで、具体的な各事業の協力のもとに進めていきたいと思っております。御指摘のあったような形での都市内の緑をふやす方向を重点課題としてぜひ設けていきたいと思っております。
○青木委員 ちょっと一つ気になるといいますか、要するに、都市は連檐しておるという言葉にちょっとひっかかるんです。 私さっき申し上げたように、土地は連檐しているんですよ、土地は連檐しているが、必ずしも市街地は連檐する必要はないんです。私さっき言ったのは、商業地は商業地でダウンタウン、どおんとやって、その周りに緑をやれと。そうでしょう。公園をやったり自然をやったり、そういうゾーンをつくる、その向こうに低層の住居地域をつくるということを私さっき申し上げたんですね。土地は連檐しておることは間違いないですが、市街地は必ずしも連檐する必要はない。その発想は従来の発想なんです。だから、それを切りかえて、逆に、ダウンタウンをやって、調整区域を間へ挟んで、そして住居地域をつくる。 それからもう一つは、小さい都市はまだ拡大します、大きい都市はややストップしている。それから、やはり、都市というのはどんどん拡大に任せておくのではなしに、ある程度の規模の都市が適度な距離で存在するということが非常に大事なのです。これが結局、交通機関の、特に軌道の採算性とか料金の低廉につながる問題ですね。 大きな都市がどおんとあって、あと小さい都市がありますと、これは要するに軌道になりませんね。東京圏だとか関西圏はもうあちこちに繁華街、大きなところがありますから、交通が非常に便利で安い。ところが、残念ながら、私どものところは、愛知県はそれが悪いから特に私は感ずるわけですが、要するに、行き来で稼げないものだから高くなってくるという問題がある。だから、そういう意味で、そろそろ都市もこういうふうに適度な規模であって、そしてまた大きな都市はだんだんとそういう明確なゾーニングをしていくということが大事。 これをやっておりますとまだ相当かかりますから、もうあと余りありませんので、私の申し上げたことは御理解をいただけると思いますので、ぜひ寄り寄り研究、検討を今後されていかれればありがたいというふうに思います。 さてそこで、もう時間がありませんが、大臣も見えるし、せっかくの機会ですので、私は県会議員をやっておりまして、県会議員のときから言っておったことですが、私がやかましく都市と自然ということをここでも今申し上げた、そういうことをやっておるわけなのです。 俗にチョウチョ、トンボ議員と言われておって、どういうことかといいますと、要するに、今、大体全般的にチョウチョ、トンボなんというものは、昆虫類は減ってきましたけれども、特にこれを都市部で復活させる。やはり子供たちがそういうものに接するということは非常に精神上も大事だということですから、こういうものを身近に取り戻すということが非常に大事なのです。そこで、やはり国土あるいは建設というところでもそういう点に意を用いていただきたい。 例えば、例を挙げますと、大きな道路をつくって、中央分離帯というものがあります。分離帯も、ただ線でなしに幅のある分離帯があります。そういったところにも植栽はあります、ありますが、その植栽をするときに、当然その地区、地区の植生に気をつけてやらなければいけませんが、昆虫に思いをいたした植栽というものもぜひ考えていただきたい。 一例を挙げると、かんきつ類をやればアゲハチョウがそこへ卵を産む、アゲハチョウが出るのですね。それを人の歩くところ、歩道の方でやりますと、街路樹なんかでやりますと、毛虫が嫌だというのが今までの歴史で、消毒をして殺すということだった。だけれども、中央分離帯なら人は歩きませんから、そこへ植えていただければそこへ卵を産みますから、歩く人間には影響ありません。それで、都市部にそういうものが卵を産みつける。トンボなんかですと、限界一キロまでに水がありますと、トンボが卵を産んで、トンボが飛び交うということだそうです。 だから、これは東京都で実験をやったようですけれども、そういったものを考えて都市計画を、計画という大げさなことじゃなしに実行行為の中でやれば済む話ですので、そういったものを考えて、これからも都市と自然ということを考えてぜひ施策を実行していただきたいと思います。 もう最後になりましたけれども、そこで、これまたいろいろ非常に頭の痛いというか重要な問題だと思うのですけれども、いろいろな公共事業があります。ところが、都市計画がありましても、この間うちも議論があったかと思いますが、これが実現まで時間がかかり過ぎる。私もいろいろな例を相当知っておりますけれども、とにかく都市計画決定してから三十年、四十年、五十年たってようやく実現するというものも本当にたくさんありますし、もう少し何とかならないかなというふうに思うのですよ。仮に事業決定してからでも、これは一年でやるものが三年になったり五年になったりするケースも本当に多いのですね。 さっきの土地の所有ということもこれは絡んできますけれども、権利関係がありましてなかなか難しい。法的には確かに最終的には強制執行ということで担保はされていますけれども、現実問題は、そんな強制執行なんという例はほとんど現実にはない。ない方がいいのですよ。ない方がいいのですけれども、余りにこれが限度を超えますと、法律があるのにそれを執行しないということで、むしろ行政怠慢、懈怠というふうにとられかねない。これを言うとひょっとすると大問題になってしまうかもしれませんが、しかし本当にそう思うのですね。 決定したのですから、それで、民主主義というのは最大多数、最大公約数で、一応そこで、議会なり首長なりそういったきちっとしたシステムがあって、決定をされて、オーソライズされて、それが実行されていくわけですから、そこで私権、私の権利等々とのぶつかりがあるわけですけれども、やはり法律できちっと明記され、担保されている以上は、それをきちっと実行していくということがむしろ行政に望まれるのではないか。非常にその辺の接点が難しい点はありますけれども、要は、とにかくそれだけ期間をかけるということが莫大な損失なのですね。 そしてまた、現場、例えば市町村の人でも、もうとにかく、地権者から朝六時に来いとか、夜の十一時に来いとか、あるいは日曜日に来いとか、正直言って言いたい放題と言うとしかられるかもしれませんが、それで、はいはい、はいはいと聞いてやってみえるのですよ。本当に折衝をする方は胃がきりきりと痛むようなことを現場でやってみえる。 それは仕事だと言ったらそれまでですけれども、もう少し何か、強制という言葉にしてしまうといけませんけれども、せっかく決めたのですから、決めたことがきちっと早く実現をされていく、実行されていくという手だてを、法律上あるならあるでそれをきちっと行政が実行するということに尽きるわけです。そのあたりどうお考えか、あるいはどういう手だてがあるか、あるいは私が申し上げたことは間違いなのか、その辺をお聞かせをいただきたいと思います。
○木下政府委員 公共事業の促進について御理解をいただいているように私お見受けいたしましたが、私ども公共事業に関係する者としては、昨今、公共事業に向けてのいろいろな御意見をいただいております。したがいまして、今先生がおっしゃられた事業としての進め方も早くやらなければいけないと思いますが、幾つか、予算の問題あるいは今お話のあった地権者の問題、それぞれあろうかと思います。 一例、最近、東京都が中心になりまして都市整備プログラムというのをつくりまして、これは例えばこれからの五年、十年でどれだけの予算が必要か、そのために事業としてどれだけの効果があるかということを示しました。私は、こういうことは、地元の関係者にそれなりに理解をいただいて事業促進にも寄与できるのじゃなかろうかと思っております。 なかなか難しい問題であろうかと思っておりますが、今おっしゃられたようなことで、計画決定をした以上は、それなりに私たち促進に対して全力を挙げて向かいたいと思っております。
○青木委員 最後になりますけれども、そこでもう一つ、こういうことがあるのですよ。さっきも言った土地の有効利用ということにもつながるのですが、今の公共事業と私権、私の権利とのぶつかりという問題もあるのですが、そうではなくして、民間同士、私権同士で、例えばある会社が大きなグラウンドを所有している、これは現実の話ですよ、事実ですよ。年に一回か二回しか使わない土地がある。そのわきにある会社の工場がある。その会社が発展してきまして、そしてその工場は市町村の誘致によって来た会社で、そして発展してきた。 それで、拡大したい、工場をもう一つつくりたい、社屋をつくりたい。そうして、隣に年に一回か二回しか使わないような土地があいている。それが欲しい、買う能力もある、市町村もそれを望むというときに、そのグラウンドを持っているところが、ノー、あくまでノーだ。そうするとその会社は、じゃ今のままではやっていけないんだ、だから全然違う市町村へ行かざるを得ない、こういうケースがあって市町村も困ってしまった。市町村も、首長さん初め、その企業にお願いしてもノーという答えで聞いてもらえない。これは大問題だと思うのですね。 だから、所有という問題で、持っておるから、現在の法律上それは認められますけれども、有効利用あるいは地区計画にしても都市計画にしても、市町村がこういうふうにしたいというふうに思っても、その私権の制約というもので事がうまく運ばない、そういうケースがあると思うのですね。 そこで、何かそういう場合に民間にも御協力をいただける手だて、積極的でないにしても、俗な言い方すると嫌々でも、何とか御協力いただけるいろいろな手だて、こういったものがあったらそういうことが解決できるのじゃないかなというふうに思うのです。 今こういうことを申し上げて、じゃ、こういうふうに手だてがありますと言うことはなかなか難しいかもしれませんが、私が申し上げた、単なる協力では今のままですから、こういう場合に、やや強制力を持った民間にも協力していただける方策というようなもの、あるいはそういう方針というものがおありかどうか、お考えがおありかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○木下政府委員 先生の御質問の中には、恐らく具体的にどこかお持ちであろうという御質問だと思います。私は一般的なお答えをいたしますが、やはり何といいましても、ミクロな土地利用も含めてでありますが、町がどういう方向へこれから発展するかということは、そこにお住まいの方あるいは工場等を含めて御商売をされている方々のそれぞれのお考えができるだけまとまる方向に努めるのが行政の役割ではなかろうかと思っております。 とりわけ、先生がおっしゃられたように、利用という問題につきましては、先ほど国土庁の方からもお答えになりましたが、単に所有だけではなく、いかにそこの土地が市民的にも有効に活用できるかという意味では大きなテーマではございましょう。これからのそういうものに対しての土地の有効利用ということで、既に私たちもいろいろな方策も立てつつございますが、ぜひまた今の具体的な御テーマをお教えをいただいてお答えを見出していきたいと思っております。
○青木委員 以上で終わります。
○遠藤委員長 中島武敏君。
○中島(武)委員 都市計画法、都市再開発法、国土利用計画法、三法案が議題となっておりますが、私は都市計画法を、そして辻第一議員が都市再開発法と国土利用計画法について質問をいたします。 そこで、私はまず最初、都市局長にいろいろとお話を聞いて、それで最後に建設大臣に二つばかり聞きたいと思っております。 そこで、都市計画法についてなんですが、八〇年代後半以降、東京、大阪など大都市は大変深刻な地価高騰と都心部からの住民追い出しという、いわば住宅土地問題に直面をして慢性的な交通ラッシュがもたらされております。それから、函館、京都、また倉敷など、その美しさを誇っておりましたこういう都市におきましても、高層マンションや巨大な開発ラッシュで景観破壊に脅かされております。 バブル経済の崩壊によって若干の変化もありますけれども、事態は基本的に変わってはおりません。むしろ政府の方は、金融機関等の不良債権の処理を口実にした土地それから都市計画、建築規制をさらに緩和して、再び開発を誘導しようとしております。日本の都市計画制度は、率直に言って、住民が住みやすい町づくりを行っていく上で余りにも無力であったと言わざるを得ないと思っております。 一九九二年の前回の都市計画法の改正の際に、用途地域が八種類から十二種類に細分化されました。また、特別用途地区に中高層階住居専用地区制度などが設けられるなどしまして、新たな制度も追加されたわけです。 そこで具体的に伺いたいのですけれども、これらの制度を使ってダウンゾーニング、すなわち容積率の切り下げをして活用しているところはどれくらいありますか。また逆に、用途規制や容積率を緩和しているところはどれくらいありますか。東京に限ってでいいんですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○木下政府委員 御質問のございました平成四年の都市計画法改正は、お話にございましたように、住居系の用途地域を三種類から七種類に、四つふやさせていただいて、全体が十二になったわけでございます。この趣旨は、今先生もちょっとお話がございました、当時は大変地価高騰がございまして、この中で、住居系が商業系その他にいわば駆逐されないようにということで行ったものでございます。 東京都のことでという御質問でございましたので申し上げますと、基本的には、見直し前後で比較いたしまして、商業系あるいは業務系の用途の立地制限については強化が行われたと私ども思っております。それは、数字的には用途地域の全体、約五万八千ヘクタールございますが、その三分の一が強化を行っておりまして、逆に緩和されたのが約五百八十ヘクタールぐらいでございますので、基本的には用途の色塗りを変えることによって、例えば、ちょっと細かくなりますが、従来、第二種の住居専用地域でございましたものにつきましては、新たに第一種中高層住居専用地域ということにしたりしておりますので、全体的には規制は厳しくなったと思います。 それから、容積率につきましては、押しなべてほぼ従来の容積をそのまま踏襲するというような結果になっておりますが、数字だけ申し上げますと、容積率の緩和が千百ヘクタールばかり、それに対して容積率を強化したのが約百三十ヘクタールということでございますので、全体のボリュームの中ではさほどの容積率の変化はなかったという認識をしております。
○中島(武)委員 今お答えありましたけれども、ちょっと一言で言うと、やはり何というか、一言で言うのは難しいかもしれませんが、大体、開発志向というか、そんなふうな方向に進んだと言っていいんじゃないかなという感じが今のお答えを聞いていたします。 続けて伺いたいのですけれども、市町村のマスタープランの策定が進められております。住民の意見も聞いてマスタープランを策定している、そういう基礎的自治体もありますけれども、大部分は、緑の多い町づくり、安全な町づくり、お年寄りを大切にする町づくり、あるいは阪神・淡路大震災の教訓を生かして、地震など災害に強い町づくりなどの言葉を並べた抽象的表現にとどまっているものが多いわけであります。 そのマスタープラン、町づくり計画を担保するのが都市計画制度であるはずですね。ところが、現行都市計画法は、用途地域については、三大都市圏と政令都市、それに三大都市圏以外は人口二十五万人以上のところは県が権限を持っている。一方、地区計画とかあるいは特別用途地区などは、条例に基づいて市町村が定める権限を持っているわけですね。しかし、用途地域と特別用途地区はばらばらのものじゃなくて重なって指定されるわけですから、両方ともこれは市町村に権限を移譲する方が合理的なのじゃないかと思うのです。そうしてこそ本当にマスタープランに大いに生きるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでございますか。
○木下政府委員 先ほど先生からも余り都市政策は変わってないというお話がございました。 最近、私どもは、これは従来からもそうであったと思っておりますが、より一層、公共団体のレベルでいきましても市町村決定をもち、あるいはテーマとしても、今お話のございましたような、やはり住みやすいといいますか、豊かさを感じるような、そういう都市づくりということにつながっていく制度改正をしていきたいと思っております。 今お話のございました。途地域につきましては、おっしゃるとおり現在の状況はそういうことでございますが、先般の都市計画中央審議会におきまして、都道府県知事が決定する範囲を大変限定しております。とりわけ市街地が特に広域化しておって市町村区域を越えて連檐している、そういうような三大都市圏を中心といたしましての地域あるいは政令指定都市、こういうものの都市計画に限定しておりますから、例えば県庁所在地とかあるいは人口の、まあ従来は二十五万で切っておりましたがそういうところとか、あるいは国土政策上決められておりました都市開発区域、新産業都市区域等々につきましては、今後は市町村の方に、いわば都市計画の世界でいく用途地域につきましては、市町村の権限におろしたりしております。 こういう例を申し上げますと、大変いろいろたくさんほかにもございますけれども、いずれにせよ方向としては、私たちは、市町村決定の対象をふやしていきたい、面積もその結果、例えば用途地域でいえば国土の約九割弱が市町村が決められるぐらいになるという方向で今進めておるわけでございます。
○中島(武)委員 次に、日本の用途地域制度は、種類、規制内容が法定され、地域の実情に即した規制ができない、こういう批判が大変強いわけであります。特別用途地区制度はその問題点を補完するものではありますが、現行はその種類が法令で定められているためにその適用範囲は極めて限定されていました。 今回の改正でこの法令による種類の定めが廃止されて、地域の実情に応じた多様な特別用途地区制度の指定が可能になりますが、これはあくまで、まず用途地域指定の補完であること、それから二つ目に、用途地域内の一部の区域におけるものであって、そして三つ目に、その地域の特性にふさわしい特別の必要性から指定されるものと明記されたわけであります。これは、用途地域の指定目的を逸脱するような特別用途地区の指定、それから用途地域の全体にわたるような広い地域の特別用途地区の指定などはできない、そういうふうに理解していいですか、そう思うのですけれども。 それから、そうすると極めて限定的にしか指定できない。市町村が町づくりを行っていく上でも限界が生じるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、この点についての見解を伺いたいと思います。
○木下政府委員 都市計画法の今回改正の特別用途地区についての位置づけをお尋ねだと思います。 文言上は、確かに先生のお話のあったような文言を条文は挙げておりますが、基本的に、私たちは、今回は、類型を多様化することによってできるだけ地域の特性を生かしていく、それから制度の趣旨そのものを従来以上に明確化するというのが基本のスタンスでございまして、お話にございました、例えば一定の地区といいましても、これは土地の区域を漠然と指すのでなく、用途地域が定められている中での一定の目的を持ったものを確認的に示すということで一定の地区と言っております。 それから、特別の目的というのは、これもこの委員会で何度か御議論ございましたが、各公共団体がみずからその地域をどう位置づけるかということでございますが、その際に、例えば風土とか歴史的な経緯とかあるいは昨今の土地利用の動向とか等々を含めまして適切にその地域の色塗りをするわけでございます。 私は、特別用途地区そのものが用途地域の補完ということは、その用途地域そのものが、まあ細かく決めれば十二用途よりももっとたくさん決めるのも一つの考え方としてはあろうかと思いますが、しかし、詳細化が必ずしも土地利用上いいかどうかというのも、これは従来から議論しております。 しからばいかなる方策があるかということで、いわば用途地域の決めをより細かく詳細にできるという方でやっておりますから、全体を、用途地域全部を補完する意味で特別用途地区を決めることも事実上はそれは否定してはおりませんので、それは地域地域に合った選択をおやりになることではなかろうかと思います。限定的に考えるのは私どもの趣旨に合わないと思っております。
○中島(武)委員 限定的というのにひっかかっていらっしゃるようなのだけれども、私は、地方自治体がいろいろと独自性を発揮して決めることができるということを私自身が間違ってとっているわけではないつもりなんです。 だけれども、しかし、ある用途地域がある、その用途地域に特別用途地区を指定するというのは補完的な意味なんですから、そういう意味でいうとかなり限界のあるものであって、また、全体にとか、いろいろありますけれども、やはりそういうものじゃないかなということを私は思うのですね。今回の趣旨がいわば地方自治体の自主性という点は私はわかるのですけれども、そういうものじゃないかなというのが私の理解でありまして、限定的であるかないかについて私はやはり限定的ではないかな、答弁を聞いた上でもそういうふうに思うのですね。 それから、次に参りたいと思うのですけれども、通産省は大店法を廃止しても今回の特別用途地区の活用で大型店の進出規制ができるというふうにあちこちで言っているのですね。確かに、中小小売業が集まっているような地区を市町村が特別用途地区である中小小売店舗地区、こういうことに指定することは可能ではありますけれども、現在の用途地域指定状況を見ますと、売り場面積五百平方メートル以上の店舗の立地が許されている地域の面積というのは用途指定地域のほぼ六割に相当しております。これらの住居地域やあるいは近隣商業地域などに、全面にわたって中小小売店舗地区、こういうような大型店を規制する中身の特別用途地区を指定することはできますか。
○木下政府委員 先生、一つのケースとして想定なさっての御質問でありますから、お答えは多少抽象的になろうかと思いますが、考え方としては、特別用途地区を一つの用途地域全体に塗るということは、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、制度上は排除しておりません。 ただ、それぞれの地域の中で性格を異にしておるわけでございますから、先ほどお話のございましたように、例えば工業地域の中で、工業の増進という中に工業をとめるようなそういう特別用途はあり得ないでしょうし、逆に、かなり幅の広い選択をできる準工業地域において制度的にその趣旨と合わないような特別用途地区を決めることも、本来土地利用上は問題であろうと思います。 ただ、やはり何らかの課題、目的があってその特別用途地区を全域的に塗るということは、その都市としてそういう政策的課題があれば、それはあり得ると思いますが、その範囲等につきましては、私は抽象的にお答えするのほかえって誤解を招くといけませんが、区域として全域塗れるかどうかという御質問であれば、それは理論的にはあり得るのじゃなかろうかと思います。
○中島(武)委員 それでは、基本的に言って、全面的に指定をするということは実際は不可能ですよね、こんなことは。今もお答えもありましたけれども。 それで、次にちょっと進みたいのですが、大型店についてなんですけれども、大型店の進出は、郊外型になっていて、都市計画区域内の未線引き区域に進出する事例が非常に多いように思います。そこで、用途白地地域、つまり未線引き区域なんですけれども、この未線引き区域に中小小売店舗地区などという大型店を規制する特別用途地区を指定することはできますか。
○木下政府委員 先ほど申し上げましたように、未線引き都市計画区域の中に用途地域が塗ってなければ、これは、順序としては、まず用途地域をお塗りいただくことであろうかと思います。現在でも都市計画の区域の中で約四割は未線引きの、いわば用途地域がまだ指定されていないところでございますから、今後どういう展開をするかわかりませんけれども、今お話のあったような趣旨に沿った形で新たに用途地域、さらには特別用途地区を決めていこうという姿勢が公共団体にあれば、それは私は制度的に十分あり得るのじゃなかろうかと思っております。
○中島(武)委員 それは、今都市局長が言われたように、理論的には可能ですよね。しかし、今実際の動きはどうかということになりますと、むしろまるっきりそういうことは考えられないような動きになっております。 これは新潟県の調査なんです。一九九一年以降、現在に至るまでの資料なんです。つまり、大店法が規制緩和をされていく、そのしょっぱなが一九九一年ですけれども、それ以降、こういう意味なんです。 そこで、新潟県の場合を見てみますと、用途白地地域の開発許可、これはどうかというと、十四市町村、十九カ所、十六万六千六百四十六平方メートルですね。それから、市街化調整区域の開発許可によるものは、二市町村で二店舗、店舗面積は三万五千九百八十九平米です。それから、線引き見直しによるもの、つまり調整区域を市街化区域にする、こういうものですけれども、これは五市町村、十カ所、十五万三千百十四平米。それから、用途変更によるものが一市町村、二カ所、一万五千五百二十六平米。合計で二十二市町村、三十三カ所、三十七万千二百七十五平米、こういうふうになっております。 つまり、現在の流れというのはどういう方向へ向かっているかといいますと、この新潟県の例に私は端的にあらわれていると思うのです。未線引き区域の開発許可とか、あるいは線引き見直しとか、あるいは調整区域の開発許可とか、用途変更だとか、いろいろなやり方がありますけれども、大型店がどんどんやはり郊外に進出をしているということが現在の流れじゃないだろうか、こういうふうに思うのですね。ですから、今都市局長が言われたことは、理論的には確かにそういうことは可能ではありますけれども、実際にはそういうことはやられるだろうか、むしろ逆だということを私は言いたいのですね。 それで、もう一つかかわって聞きたいのですけれども、大型店問題なんですが、大型店の出店計画が出た段階で中小小売店舗地区などの大型店を規制する特別用途地区を指定することはできるでしょうか。
○木下政府委員 二点について御質問があったと思いますが、未線引き都市計画区域の問題も含めまして、いろいろ新潟県の一つの例をお話ございました。 私ども前から申し上げておりますように、確かに先生御紹介いただいたようなことでいろいろな手法がございますが、現在各首長さん、市町村長さんが時代認識として商業政策を含めて町づくりに対して従来以上に大変関心なり危機感を持っておられるわけでありまして、この国会でも中心市街地対策をやろうということで政府として提案させていただいたのも、そういう声を私たちは反映させて提案をさせていただいております。 私は、手法としてあったけれども使わなかったという意味では、お話にございました。途地域のいわば決まってない白地地域といいますか、未線引きのところについては、従来も制度がありましたけれども比較的使われてこなかったと思います。 あわせて、今回出させていただいている特別用途の類型化、これは従来十一の特別用途地区がございましたけれども、いささかそれはまだ各地域の個性を出すには難しかったわけでありますから、今後こういうことをベースにして種類を自由に決めていただくという多様化を図っていくわけで、新たな制度の導入でございます。そういうものを含めて、私は、できるだけの各地域の対応というものをやっていく時期が来ているのじゃなかろうか、そういう気がいたします。 それから、お話のございました大型店の出店計画が出た後で特別用途地区を指定することはいかがか。これもお答えとしては大変一般的なお答えでございますが、そもそも、やはり土地利用というのは、先ほどの公共事業の整備がなかなか進まないということを含めて、大変長いインターバルの中で都市がつくられておりますから、きょう言って、こういう状態が起こったから後追い的に特別用途地区を指定するかどうかということは、現実問題としてはそういう、何といいますか、短兵急な対応というのは本来都市計画としては似合わないと私は思います。 ただ問題は、それ以前に、やはり各公共団体の方々が先ほど申し上げましたように多くの課題を抱えている中で、特別用途地区も含めてでございますが、これから一斉に検討に入るかと思っておりますので、そういう中では、その町の商業政策はこれからどうあるべきかということを念頭に置きながら絵をつくっていただくのがまず第一ではなかろうか、こう思っております。
○中島(武)委員 次に伺いたいと思うのは、今回の改正で、市街化調整区域では、これまでは二十ヘクタール以上、特例は五ヘクタール以上ですけれども、これの計画的な開発事業は例外的に許可されてきましたけれども、今度はそれ以下の中小規模の開発でも地区計画に合っていれば開発できるということになりました。 建設省の方としては、さきに成立しました優良田園住宅の建設促進法に基づく優良田園住宅を建設するということなんかを頭に置いていらっしゃるようなんですけれども、しかし、ここで大型店やレジャー施設などを立地することは可能でしょうか。
○木下政府委員 大型店、レジャー施設に限っての御質問だと思います。 前提をもう一度おさらい的に申し上げますと、今回の都市計画法改正は、お話のございました郊外型住宅も一つでございますが、いわば調整区域におけるスプロール問題に対応するために、比較的小さな規模であっても計画的開発が見込まれる地域とか、あるいはスプロールの発生が懸念される地域ということで、先ほどの委員も御質問がありましたけれども、市街化調整区域そのものの精神は変えない中で、より整然とした調整区域の整備ということを考えながら策定対象区域を追加したものでございまして、それに適合する開発行為ということを新たに開発許可の対象としております。 したがいまして、お話のありましたような建築物の用途に係る制限をどのように定めるかということは基本的には市町村の総合的判断であろうと思いますが、その地域に余りそぐわないようなものが立地するということは、市町村がお決めになる計画でありますから、当然そこには取捨選択があろうかと思います。ここのあたりになりますと、私が個々の状況を何も考えないでお答えして誤解を招いてはいけないと思いますが、全体的には整然とした調整区域の整備ということが課題であるということをお答えしたいと思います。
○中島(武)委員 私が伺ったことについて別に否定の意見を述べられたわけではないと思います。 というのは、地区計画を立てるその中に、あるいは大型店やレジャー施設なんかを含めて、これはいけないということにはならないわけでして、地区計画でそれが計画されるということであれば、それはもう当然認められるということになるのだというのが私の受けとめようであります。 それで、時間の関係もありますものですから大臣の方に伺いたいと思うのです。 今の答弁もお聞きくださっておってよくわかったと思うのですけれども、これまでは基本的には開発が抑制されてきた市街化調整区域にも大型店の進出とか立地も決して不可能じゃない、可能だということだと思うのですね。だからこそ、二月四日に日本商工会議所、全国商工会連合会が連名で、大型店出店の新スキームに関する緊急要望というのを発表して、大臣御存じだと思うのですが、そこでどういうことを言っているかといいますと、ちょっと長くなりますけれども、引用いたします。 都市計画法の改正によるゾーニングの実行状況を見て、新法が施行されるとの説明がある。しかし、都市計画法の改正が行われても、各地における具体的なゾーニングの設定・実行については相当な困難が予想される。 一方、近年、大型店は農業地域や白地地域(未線引き都市計画区域)など、特別用途地区が設定できない都市郊外に立地するケースが目立ち、これこそが地元の街づくり努力を無に帰し、空洞化をもたらすものとして問題化しているものである。 このため、都市計画区域内の白地地域への出店の扱いはもとより、農業地域・森林地域など都市計画区域外における出店の扱いについて、建設省・農水省等関係省庁の調整を早急に進め、政府全体として郊外出店を抑制し、中心市街地やその周辺の活性化を図るとの視点に立った統一的な方針を打ち出すべきである。 こういうふうに要望しているのです。 それで、私はこういう要望に率直に大臣の方はおこたえすべきじゃないのか、こういうふうに思うのですけれども、大臣の見解を伺います。
○瓦国務大臣 中島委員からの御質問は、先般、二月六日の日本商工会議所におきましての緊急要望を踏まえての御質問でございました。 もちろん、中心市街地の活性化につきまして今国会で御審議いただいておるわけでございますが、政府全体として横断的な取り組みを行うべき重要な課題であると認識をいたしておるわけでございます。 また、地方公共団体が、地域住民の意向を踏まえまして、個々の地域の状況、課題に対応した積極的な取り組みを行う今大きな転換期であると私どもも認識いたしておりますから、地方自治体がさような意味で積極的に取り組んでいただくことを期待いたしておりまして、御審議をいただいておる法案を含め、それぞれに十分な道具立てを行ってまいっておるわけでございますから、自治体におきましても存分に努力をしていただきたいと期待をいたしておるところであります。
○中島(武)委員 どうも思わしい答弁が返ってこなかったのですけれども。 それでは引き続いて、最後ですけれども、お尋ねしたいと思うのです。 この日本商工会議所と全国商工会連合会が連名で出しているものの中に、こういうふうにも言っているのですね。これもちょっと長いのですけれども、念のため申し上げたいと思うのです。 各地においては、これまでの用途規制の実綿状況等から見て、特別用途地区の多様化によるゾーニングの設定・実施は、現実問題として容易ではないとの見方が多い。 このため、特別用途地区の多様化のための手続き等の詳細を明らかにすることと併せて、それが容易に設定・実施できるよう、地元のコンセンサスが円滑に得られるための具体的な方策を用意すべきである。 こういうふうに述べております。 それからまた、 大型店の規模の拡大に伴って出店の影響が広域化する中で、隣接する市町村がゾーニングについて異なった考え方を持ち、対立するケースも考えられる。 昨年六月の都市計画中央審議会答申では、 「郊外部における新市街地整備をはじめとする都市開発を抑制し、既成市街地の再構築に政策を集中することが必要」とされ、今後の市街地整備の重点を既成市街地における既存の社会資本ストックの有効活用による「質的充実」に転換すべきことが調われている。都道府県知事が市町村のゾーニングを承認するに当たっては、この考え方に基づいた判断がなされることが適当であり、国のガイドラインとして示されるべきである。 こう述べております。 私たちはこの要望に全面的に賛意を表するものでは決してありません。しかし、ここに示されているものは、結局、都市計画法改正で大型店の出店規制をすることは困難、したがって、国がそれが可能であると言うなら具体的に明らかにすべきことを要求していると解釈をしております。 建設省はこのような具体的要望を検討いたしましたか。また、農林省や通産省など関係省庁と協議いたしましたか。その結果、どのような結論を得ているのでしょうか。大臣の見解を伺います。
○瓦国務大臣 中島先生は時間を見て随分早くおっしゃるものですから私どもも困るわけでございますが、個々の市町村が特別用途地区を初めとする都市計画を決定するに当たりましては知事の承認が必要となっているわけでございますが、この際の判断は、地方分権推進の観点からも、地域の実態を熟知している都道府県が主体的に行うべきものと考えておるわけでございます。 都市整備に当たりましての国の基本的考え方につきましては、さまざまな機会を通じまして、地方公共団体へ周知徹底するよう努めているところでございます。加えて努力をしてまいりたいと思っております。 早口の質問はなるべくしないようにお願いいたします。
○中島(武)委員 時間がないものですから、つい早口になったことを御理解いただきたいと思うのですが、私は、市町村に説明をするというのじゃなくて、そういう要望が上がってきておるものに対して、どうするのか、やはりしっかり受けとめて、それを生かすような方向でぜひやっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○遠藤委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、まず、都市再開発法、国土利用計画法で質問をいたします。 時間の関係で、できるだけ簡明に御答弁をいただきたい、お願いをいたします。 まず、都市再開発法でお尋ねをいたします。 都市再開発方針の策定対象区域の拡大の内容についてお尋ねをいたします。
○木下政府委員 策定対象区域のお話でございます。御案内のとおり現行法では二十二都市になっておりますが、最近の状況では、先ほどお話ございましたように、中心市街地等を含めまして、それぞれの都市が、都心部が大変疲弊しておりますので、そういうところにもやはり再開発という機運があろうということで、整備、開発、保全の方針を立てております都市計画区域を一応すべて都市再開発方針の策定対象区域にしております。 したがいまして、どこまで数がふえるかどうかわかりませんが、八百六十五それの関係の都市がございますから、これらの都市が対象になるというふうに御理解いただきたいと思います。
○辻(第)委員 再開発を促進すべき地区や、その整備、開発計画の概要を知事が決めるのですね。 さて、この再開発の方針作成に当たって本当に大切なことは、十分に関係住民の意思を反映することであります。また、その窓口になる市町村が地域住民や権利者と十分に協議して行うことが大切であります。この改正案ではそのことが十分保障されていない、このように考えますが、建設省はどのように認識をされているのか、お尋ねをいたします。
○木下政府委員 保障されていないという御質問でございましたけれども、考え方としては、この再開発方針というのは、先ほども申し上げましたように、都道府県知事が決めます整備、開発、保全の方針の一部でございますから、その方針そもそもが都市計画法に従って手続されるわけであります。 これは他の案件もそうでございます。細かくなりますからはしょらせていただきますが、例えば公聴会の開催をするとか、あるいは関係の市町村の意見を聴取するとか、あるいは決定をしますときにはその旨を事前に公告いたしまして縦覧に供する、あるいは関係者から御意見が出れば、その意見を各地方にございます審議会に提出する等ございます。 私は、この手順そのものをそれなりにしっかりと踏んでいただければ地元の方々の意見は反映されると思いますが、それだけにとどまらず、制度として保障されているとかいうものでなく、町づくりそのものはやはり、各公共団体のやる気と、それから関係する住民の発意というものを十分これから踏まえてやっていくべきものであろうと思っております。
○辻(第)委員 今御答弁いただいたのですけれども、十分に住民の意思が反映されていないのが現状ではないか、このように考えます。 また、再開発方針の運用には、民間の活動、利益本位というべき民間の活動を野放しにして都心の地上げなどが放置されたり、マスタープランとして有効な役割を果たさなかった例も多いのではないか。また、当初、都市再開発方針該当地区として検討されていなかった地区を、ディベロッパーなどの強力な働きかけで該当地区に指定をされた、こういう例もあるわけであります。言うなら、まず開発ありきで、住民の意思が十分反映していない。このように、例がたくさんあるわけであります。 住民の意思を十分尊重するような制度や対応を重ねて求めて、次に移ります。 次に、特定事業参加者制度についてお尋ねをいたします。 特定事業参加者をどのように想定をされているのか。大企業の場合は事業のイニシアチブを握るようなことがないのか。一般権利者より先に保留床とその価格を決めるため、一般権利者の不利になるようなことはないのか。また、特定事業参加者に与えられる施設建築物の一部が確定し、負担金も納付した後に事業縮小の方向で事業計画が変更になった場合に、特定事業参加者の権利が尊重されて本来の権利者が不利になることはないのか。 以上、お尋ねをいたします。
○木下政府委員 三点御質問ございました。今回の再開発法改正の中で、特定事業参加者制度でございますが、法律の趣旨は先般来の御議論の中でも御紹介させていただいておりまして、組合施行の場合には従来からそういう仕組みはあったわけでございますが、公共団体施行の場合には、その点について、後になりまして参加者が募られるということで、当初から計画についての一定のいわばめどあるいは安定感がないというところの御意見をいただいておりますので、そういう意味で、今回はそこの特定事業参加者制度というのを設けました。 ただ、その方には、やはり資金力的にも信用を有しておられるとか、あるいは当該その取得された床がどういうものとして利用されるか、その目的が再開発事業そのものと合致しているかということをしっかり見定めた上で参加していただくことになろうかと思っております。 その際にどういう対象が参加者になるかということでありますが、基本的には、公共団体もあるいは公的セクターであります地方の供給公社、そういう方々も入るでありましょうし、場合によっては民間の商業者関係も入ろうかと思っております。 それから、キーテナントとして事業の主導権を握るのではなかろうかということでございますが、これは、制度そのものとしては、それぞれが計画に対してあるいは事業に対して平等の立場で入るわけでございますから、施行者とかあるいは従前の権利者とこの特定事業参加者との関係においては、何ら私は、そういう意味では施行者の力がむしろしっかりしておれば、そのリーダーシップのもとに行われるわけでございますから、特定事業参加者が無理な発言等々を行うという状況ではないと御理解いただいた方がよろしかろうと思います。 それから、状況によっては、それぞれに市街地再開発審査会等も当然つくられるわけでありますから、こういう客観的な、公平な場を通じての議論を優先していけば問題はなかろうかと私たち思っております。 それから、負担金が支払われた後、事業縮小されるようなことになったときの懸念はないのか、その際に特定事業参加者が優遇されるのではなかろうかということであります。 そもそも事業計画が変更されないように仕組んでいくのが重要であろうかと思っておりますが、負担金の支払いがあったかないかということにかかわらず、当初計画と同様に、途中で事業計画が変更される場合には、それぞれ、権利変換計画もそうでございますけれども、手続的には当初計画と同じでございますから、そういう意味では、従前権利者が極めて不利になるということはないような手続になっていると御理解いただいていいと思います。
○辻(第)委員 次に、建設省にいただいた資料によりますと、「平均的資金計画」、その中の「財源内訳」というところで見ますと、保留床の処分が全体の六〇・六%、それ以外に一般会計補助金が一三%、公共施設管理者負担金が二五・六%などになっています。この保留床の処分金は、キーテナントの割合が七五・一%になっています。 今、バブルが崩壊して、深刻な不況、経済危機の中にあるわけでありますが、保留床が過剰な供給となって処分ができない、こういう例がたくさん見られます。各地の再開発事業が大変困難な状況に直面をしている、いわゆる漂流状態などと言われているところがあります。この問題は極めて重要な問題で、こういうことで事業が前へ進むのかと言わざるを得ないわけであります。どのように認識をされ、どのように対応されるのかお尋ねをいたします。
○木下政府委員 申し上げるまでもなく、再開発事業の仕組みといたしましては、生み出されました保留床の処分を通じましてその事業費の一部を確保する、こういう手法をとりました面整備でございますから、昨今のような状況の中で床需要が旺盛でない状況になってまいりますと処分がなかなか困難である、したがって事業推進上の課題が多くなる、これは、お話のあったことは私も承知しております。 したがいまして、それをどう乗り越えていくかということでございますが、全般的にそういう床需要が低迷しておりますけれども、ただ、都心部におきまして、先ほど来申し上げましたように、都市の再構築という大きな都市政策の課題を抱えますと、この問題をやはり何らかの形で解決していかなきゃなりません。 そのときには、例えば比較的需要が堅調であります住宅供給に使っていくとか、あるいは、従来商業的な施設が多かったわけでございますが、都心に住むことのメリットというのはそういう商業面だけではなく、そこに公益施設等を中心として種々の施設、機能があるということが大変そこにお住まいの方々にとって魅力であるわけでございますから、そういう意味では、収益性はいささか劣るかもわかりませんが、社会福祉施設とかあるいは教育施設、そういうものを中心部として導入していく。これは建設省だけではなくて、例えば関係する省庁ともやはりお互いに知恵を出さなければいけませんし、そのためには、国費あるいは県費を含めて何らかの助成、支援をしていきたいと思っております。 今回の経済対策の中にも、そういう意味では、多目的に利用される施設を私たち積極的に応援するような補助制度もできないかということで現在検討させていただいております。今回お出しさせていただいた再開発法はもちろんでございますけれども、これから、都心部にさらにいろいろな施設が立地しやすい条件整備というのをやらせていただきたい、こう思っております。
○辻(第)委員 現在の再開発は、キーテナントが、大企業が優遇されている反面、既存の居住者、長年そこで生活をされている方、またそこで営業されてこられた方、このような居住者がそこから立ち退かざるを得ないようになっている現状があります。 これも、建設省にいただいた資料では、土地所有者でも三八%、借地権者で四六%、建物所有者で五五%、借家権者で六九%、このように、本当にたくさんの方々がその地から出ていかざるを得ないという、これは本当に深刻な問題が起こっているわけです。これは別の資料ですけれども、ひどい例では、福岡県のある地区では九六%、北海道のある地区では七七%、東京のある地区では、千二百人おられたのが、残られたのは四十七人、こういうことであります。この例は公的団体の施行でもありました。 再開発事業による、既存の居住者が住み続けられない、転出をせざるを得ない問題というのは、いろいろな意味でこれは深刻な問題であります。私もたくさんのそのような方々からその御苦労の話をお聞きをしているわけであります。このような事態に対し、どのように認識をされ、どのように対応されるのかお尋ねをいたします。
○木下政府委員 昨年たしか密集法の議論をさせていただいたときにも類似のお話がございました。基本的には、まず第一には、やはり権利者が住みなれた地域で生活できるように配慮することが私は大きなテーマであろうと思っております。 もちろん、中にはこの際だから郊外に移転してという方もいらっしゃるわけであります。先ほど御披露いただいた、私の方からお出しした数字でございますが、それらを見ましても、土地所有者の方はむしろ半分まではいっておりませんで、三八%と御披露をいただきましたが、転出しております。やはり何といいましても、借家権者の方が多いというのは、そういう意味で、従来からも大変狭い、環境の悪いところにお住まいでありますから、この際ということもあったかと思います。その辺の数字はもう少し詳細に分析してみる必要があろうと思います。 ただ、そうはいいましても、先生御質問がありましたように、そこにどうしても住みたい方々に対しての手だてはどうかということでございますが、基本的なスタンスは先ほど申し上げました立場でございます。 かねてより、従前の権利に対応した新しい権利が与えられるという大原則のもとでございますから、当然、法律上のいわば地位の保護とかあるいは補助制度、税の減免というものはやってまいっております。そのほかにも、いわば全体の計画の中では、細かいお話になりますが、例えば店舗配置の工夫とか、あるいは住みなれた地域に生活できるような住宅の面等で配慮してきております。 そういう意味では、各地域の事情に差はあろうかと思いますが、従前の権利者の生活がいささか変わることを前提といたします制度でございますから、今後とも、そういう意味でのあつれきを結果においてできるだけ排除できるといいますか、弱めることができるような形での制度の工夫はしていかなければならないか、こう思っております。
○辻(第)委員 この法律で最後に建設大臣にお尋ねをいたします。 局長から答弁をいただいておりますのに大臣にというのは恐縮でありますが、先ほど申しましたように、再開発事業というのは、やはり開発優先、経済対策重視という内容ではなくて、本当に、真の町づくりという観点から、そして地域住民の意見を基本方針作成の段階から十分に反映をし、住民本位に進めていただきたい、この問題。 それからもう一つ、そこに長年住まわれたあるいは営業されてきた人が立ち去らざるを得ないような問題に対して、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○瓦国務大臣 お答えをいたします。 辻委員からは、先ほどの質問につきまして都市局長も十分答えておられましたが、再開発に対して、多年にわたって住み続けてこられた方々、地域住民本位に再開発を進めてもらいたい、こういう御趣旨の念押しの質問でございます。 我が国の既成市街地におきまして、大変防災上危険な密集地域がございます。道路にいたしましても公園にいたしましても未整備でございまして、劣悪な市街地環境、いろいろな問題を抱えている地域が多数ございます。このような観点から、計画的な再開発を進めていく必要がある、かように認識をいたしております。 これらに伴う措置といたしまして、補償のあり方、また権利者の保護、これらにつきまして都市局長が申し上げたところでございますが、円滑な生活再建のための措置に従来から努めてきているところでございます。 今後とも、地域住民の理解が得られる、そういうことは大切でございますので、理解を得ながら、円滑に都市の再開発が進むよう努力をしてまいりたい。これは次の世代にもかかわる、またいろいろな災害を見ましても、今再開発事業が、市民の協力を得てしっかりした都市基盤、地域基盤をつくり上げる、こういうことに役立つものと思っておる次第であります。 ありがとうございました。
○辻(第)委員 次に、国土利用計画法の改正案について質問をいたします。 一九八〇年初頭から土地が高騰し始めて、異常な高騰は九〇年をピークに、そして、いわゆるバブルが崩壊をして本年まで七年連続して地価が下落し、年々下落率が縮小の傾向を示しています。しかし、好立地の土地とそうでない土地との間に下落率に違いがあり、いわゆる地価動向の二極化の動きもあるようであります。 土地と関連した住宅価格は一定下がりましたが、しかし、勤労者、国民から見れば大変高額で、例えば東京の分譲マンション、平均分譲価格と年収との倍率は、東京都区部で六・五倍、多摩では五・八倍で、勤労者が手の届く価格ではありません。 さて、こういう状況の中で、今回の改正案は、事前届け出制から事後届け出制に変えることや、価格審査がなくなる、取引者の価格規制がなくなることであります。この改正案の目的は、土地取引規制を緩和して土地流動化を進める、金融機関や不動産会社、ゼネコン等が大量に抱えている不良資産を処理していこうというものが含まれていると思います。政府が進めております首都機能移転など大型プロジュクトの推進などもあります。 こういうことも含めて、将来、再び土地が再高騰するおそれがないのか、国土庁長官の御見解を伺います。
○亀井国務大臣 今回の改正は、先般来申し上げておりますように、地価の抑制ということから土地の有効利用を進める、そのための土地取引の活性化を進めるということのためにお願いをいたしておるところでございます。 大規模な土地の取引につきまして、いわゆる事前届け出制から事後届け出制へ移行するということにしたわけでございますけれども、法律を改正した後におきましても、土地の利用目的ばかりではなくて、実際に取引された価格を届け出させることにいたしております。そのことによりまして、現実の土地の取引価格の動向の把握を行うと同時に、土地取引の件数等の動向の把握にも努めることにしておりまして、地価が相当程度上昇するという場合には、機動的に事前届け出制を実施する注視区域を設定をするということによりまして、今現在と同じ地価の監視、規制機能を維持できるものだというように考えております。 さらに、地価が急激に上昇した場合には、監視区域制度等の措置を講じることにしているところでございまして、今の状況から申しますと直ちに地価が高騰するというようなことは考えにくいわけでございますけれども、今後とも地価監視体制の整備には万全を尽くしてまいりたいと思います。
○辻(第)委員 今御答弁でもありましたけれども、地価が上昇するおそれのある区域では、注視区域として指定するということであります。監視区域との関連でありますが、まず注視区域に指定をし、さらに高騰が続けば次に監視区域の発動となるのか、地価動向によっては直接監視区域を発動するのか、お尋ねをいたします。
○生田政府委員 監視区域制度につきましては、現在の運用と全く同じでございますので、地価が急激な上昇を示しているか、あるいは示すおそれがある場合に指定をすることになります。それから、注視区域につきましては、先生御指摘のとおり、監視区域程度ではないのですけれども相当な程度を超えた上昇が見られるような場合に指定をすることとなっております。 したがいまして、以上のような関係にございますので、注視区域の指定後、さらにその土地の需給関係の逼迫度が増しまして地価が急激に上がってくるというような場合には監視区域への移行を検討することとなりますし、仮に突然地価が急激に上昇するということが突発的に発生するという場合には、直接、注視区域の指定を経ずに監視区域の指定をすることができるということになってございます。
○辻(第)委員 国土利用計画法については、過去の実績といいますか、実態といいますか、非常に有効でなかったというふうに私は自分の経験でも認識をしておるわけでありますが、それがさらに価格規制がなくなるということになると、やはり私は不安を感じざるを得ないということであります。 いろいろあるのですが、時間がありませんので、そういうことも少し申し上げて次へ移りたいと思います。 最後に、国土庁長官にお尋ねをいたします。 三月三十一日に閣議決定された全国総合開発計画の二十一世紀の国土のグランドデザインの中に、国土総合開発法とともに国土利用計画法の抜本的見直しが盛り込まれました。どのように見直しをされるのか、お尋ねをいたします。
○亀井国務大臣 ただいま御質問ございました新しい全国総合開発計画の中で、国土利用計画法の見直しについても触れておるところでございます。 その基本的な考え方といたしましては、国土計画の対象が、いわゆる国土の開発というだけではなくて、その利用とか保全ということにまで広がってきておるという、そういった点。それから、これから地方分権や行政改革などもろもろの改革が進んでくるわけでございますが、全国計画や地方計画のあり方及び策定手続等をこうしたもろもろの改革の進み方によって基本的に考え直していく必要があるのではないか、こうしたこと。さらに、この計画が一つの他の計画に対して大きな方向を示すわけでございますが、それの実効性が上がるということ。 そうしたことを考えますと、二十一世紀に向かって新しい要請にこたえた国土計画体系を確立をしていかなくてはいけないということでございますので、そうした総合的な観点から見直していこう、そうした考え方でございますが、いつというその時期等につきましては、まだはっきりと申し上げられるような段階ではございませんけれども、ある程度の時期を見ながらということで、今回のこの計画がどのように進んでいくかというその動向等を踏まえて見直していきたい、そのように考えております。
○辻(第)委員 これで終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○遠藤委員長 これより討論に入ります。 各案に対し討論の申し出がありますので、これを許します。辻第一君。
○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました都市計画法の一部を改正する法律案、都市再開発及び都市開発資金の貸付けに関する法律案、国土利用計画法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。 今、我が国は不況と金融不安という深刻な事態にあります。このようなときに、政府は、四月二十四日、追加の景気対策浮揚策として総額十六兆円を超える過去最大規模の総合経済対策を決定しました。その中身の中心は、相変わらず七・七兆円に及ぶ従来型のばらまき公共投資の積み増しであります。このような対策は、バブル崩壊後に五十兆円近い公共投資をしたものの景気浮揚につながらなかった結果が示すように、既に破綻が証明済みのものです。 都市計画法の一部を改正する法律案、都市再開発及び都市開発資金の貸付けに関する法律案、国土利用計画法の一部を改正する法律案、三法の改正案は、いずれもこの総合経済対策を法的に支援するものであり、都市計画、都市開発の規制を緩和して、土地流動化を図り、土地利用の高度化を図り、大企業本位の都市開発を行うものであります。 次に、各法案に沿って反対理由を述べます。 都市計画法の一部を改正する法律案による市街化調整区域における地区計画による開発の促進は、本来市街化を抑制すべき地域において、自然破壊の宅地開発、大型店や大型レジャー施設の建設を促進するものであります。また、特別用途地区の種類の法定制の廃止は、市町村が地区の特性に即した規制を行う都市計画手法を拡大するもので、改善であります。 政府はこの制度を使って大型店の出店規制が行えるかのように言っていますが、商業調整の要素はなく、用途地域の補完としてごく限られた地区だけに指定できるもので、大型店出店による商店街や中小商店の被害を防止する効果はほとんど期待できません。むしろ、大店法廃止に反対する運動を切ります手段として利用されているのであります。 都市再開発及び都市開発資金の貸付けに関する法律案による都市再開発の方針は、都市再開発を促進すべき地区やその整備、開発計画の概要まで知事が決め、地域住民の意見を反映する保障がないものであります。こういうやり方を地方都市にまで拡大し義務づけることには反対であります。特定事業参加者制度の創設については、特定事業参加者が事業のイニシアチブを握り、一般権利者より先に保留床とその価格を決めるため、一般の権利者が不利になるおそれが大であります。賛成する部分もありますが、全体として地域住民を犠牲にする再開発事業の促進であるので、反対であります。 次に、国土利用計画法の一部を改正する法律案であります。この法案による土地取引の事前届け制から事後届けへの移行によって注視、監視区域を指定しない限り、取引前の価格規制はなくなり、その結果、再び土地投機が活発化し、大規模プロジェクトの推進と相まって地価が反騰するおそれがあるので、反対であります。 以上で反対討論を終わります。
○遠藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○遠藤委員長 これより各案について採決に入ります。 まず、都市計画法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○遠藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、佐田玄一郎君外四名より、自由民主党、民主党、平和・改革、自由党、社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。井上義久君。
○井上(義)委員 ただいま議題となりました都市計画法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 都市計画法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 都市計画における地方への権限委譲に引き続き努めるとともに、事業が円滑に実施できるよう、地方公共団体の財源確保に十分配慮すること。 二 市町村に対し、住民の意見が十分に反映されるよう配慮しつつ、都市計画のマスタープランの策定を促進するよう指導すること。 三 市町村の都市計画決定権限の拡大や特別用途地区の類型の廃止に伴い、市町村の都市計画に係る執行体制の充実に努めるとともに、都道府県による支援・協力体制を強化するよう指導すること。 四 市街化調整区域は市街化を抑制すべき地域であり、環境への配慮、優良農地等の保全の重要性に鑑み、地区計画を定める場合においては、無秩序な開発が行われないよう十分に配慮するよう指導すること。 五 未線引都市計画区域においても用途地域の指定を促進するなど、地域の実情に応じて計画的に土地利用を誘導するため、都市計画区域全域において、用途地域、特別用途地区、地区計画等の各種手法の積極的な活用が図られるよう指導すること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立総員。よって、佐田玄一郎君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、瓦建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。瓦建設大臣。
○瓦国務大臣 都市計画法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。 どうもありがとうございました。 —————————————
○遠藤委員長 次に、都市再開発法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、国土利用計画法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○遠藤委員長 次に、内閣提出、建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。瓦建設大臣。 ————————————— 建築基準法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○瓦国務大臣 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 この法律案は、規制緩和、国際調和、安全性の一層の確保及び土地の合理的利用の推進等の要請に的確に対応した新たな建築規制制度を構築するため、民間機関による建築確認・検査制度の創設、建築基準への性能規定の導入を初めとする単体規制の見直し、建築確認の円滑化のための新たな手続制度の整備、中間検査制度の創設、一定の複数建築物に対する建築規制の適用の合理化等の措置を講ずるものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、建設大臣または都道府県知事の指定を受けた民間機関が建築主事と同様に建築確認及び検査を行うことができるものとするとともに、当該民間機関において建築確認及び検査を実施する者の資格検定及び登録の制度を設けることとしております。 第二に、建築物の構造規制等について満たすべき性能基準を明示し、これに適合することが一定の検証方式により確かめられるか、または建設大臣があらかじめ定めた仕様に適合するものでなければならないものとする新たな方式を導入することとしております。 第三に、建築物の安全性を確保するため、工事の施工中に検査を行う中間検査制度を創設することとしております。 第四に、既存の建築物と連檐して建築物を建築する場合において、各建築物の位置及び構造について安全上、防火上及び衛生上支障がないものと認定したときは、これらの複数の建築物を同一の敷地内にあるものとみなして容積率制限や建ぺい率制限等の建築規制を適用することとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会 ————◇—————