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142回国会衆議院1998/05/27

決算行政監視委員会 第10号

発言数
197
登壇者
23
会派数
6
開催日
1998/05/27

会議録

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、教育問題について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢上雅義君。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 自民党を代表して質問をいたします矢上雅義でございます。  本日、教育問題ということで質問をしろということを承りまして、私も、教育問題は国会議員の本分でございますから、喜んで引き受けたわけでございます。  実は私も、小学校四年生の双子が議員宿舎のそばの高輪台小学校に通っておりまして、また、小学校一年生の息子もおります。ところが、残念なことに私がほとんど家におりませんので、私も父親不在のシンボル的な、多分ここにおられる先生方も父親不在の方ばかりでございましょうが、なかなか厳しい状況で、いざ手をつけようと思ったら問題がわいてきません。これはいかぬな、何とかしなければと思いながら、具体的な問題がわいてきません。また、実は、一月ほど前に、四年生の子供が宿題をやらないものですから怒りつけたら、泣いてからそれっきり口を開こうとしません。なかなか学校の先生も難しい、私は自分の子供でさえ面倒見られないわけですから、本当に学校の先生も難しいなと。  そういうことで、狩野政務次官も、気を楽にしていただいて、御自由に御意見を述べていただければと思っております。  そこで、実は、委員長の御紹介もあり、またいろいろ御資料を御案内いただきまして、平成十年四月一日の参議院の予算委員会での質疑録等を拝見させていただきました。そこで、佐藤泰典先生という中学校の先生と、参議院の小山先生が質疑で立っておられるのですけれども、その要点をちょっと簡単に御説明させてください。非常に参考になる話でございます。  まず、参考人の方が、学校の荒れぐあいについて五段階で説明しておられます。  第一段階が、教室にあめやガムなどのごみが目立ち、机や壁への落書きが始まる、また保健室へ行くとかトイレに行くとか言って授業に戻ってこない生徒が出てくる。第二段階になりますと、先生の注意に対してうるさいとか殺してやろうかといった暴言を吐く、トイレにたばこの吸い殻が見られる。第三段階になりますと、スイッチが壊される、トイレのドアがけ破られる、また集団で授業に出てこなくなる生徒がいる。第四段階になりますと、生徒を少し注意しただけで暴れるとかトイレが壊されて使えない、生徒の喫煙も日常化してくる。また、最後の五段階になると、たばこを吸っている生徒たちに注意をすると、その生徒たちか逆上して職員室に押しかけてきて、先公出てこいやと大声を上げて暴れる。  このように、五段階に分かれて、荒れる学校ということで、だんだんエスカレートしていくそうでございます。  ところで、暴力を振るう生徒を先生が制止するということは難しいのですかという質問に対しまして、注意をすると生徒たちはますます逆上して、殴られます、教員の側はそういう状況でも生徒に手を出すわけにはいきません、その状況がどうであろうとマスコミに非難され、教育委員会に処分されるおそれがあります。また、けがをしても、職員会議では、教員の中から、あなたの注意の仕方が悪かったからかえって怒らせてしまったのであろうとか、被害届を出すことに対しても、教育の敗北である、最後には注意した教員が悪いということになり、警察に被害届を出すことはまずありません。  また、さらにその先生に対して、暴力を生徒から振るわれたことがありますかという質問対しましては、自分も教室に帰りなさいと注意したわけですが、そうしたらその生徒たちが私の教室に押しかけてきて、佐藤出てこい、偉そうなことを言うな、やってやろうかとどなってきました。廊下に出たところ、生徒たちが私を取り囲んで、殴ったりけったりしてくるわけです。もし手を出していたら教員を続けることはできなかったと思います。しかし、逃げることで教員としての権威は台なしです。結局、教員というのは、生徒から何をされても手は出せないし、逃げるわけにもいかない、しかし、逃げるしかない。処分もできない。荒れた生徒は増長し、一般の生徒は失望して頼ってこなくなる。そのような悪循環を繰り返しながらさらに荒れた学校になっていくと。非常に簡潔に、今の荒れた学校の状況を示唆しておると思います。  まあ一部の学校とは思いますが、こういう学校の風潮があるわけでございます。こういう流れに対しましても、今まで文部省におかれまして教育改革について頑張ってこられましたでしょうし、その教育改革の流れがどういうものであったのか、また、今後日指すべき方向とはいかなるものなのか、御説明いただければと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 ただいま先生から具体の御指摘があったわけでございますが、私どもも、この校内の荒れという問題につきましては大変深刻に考えております。量的に見ましても、近年、全国的にいわゆる校内暴力でありますとか刑法犯で補導される青少年が全体としてふえているという中で、今、個別のそういった問題もあったということで、私どもは、量的な問題、質的な問題、両面から対応を考えなければならないと思っております。  まず、この原因を明確にしなければならないわけでございますけれども、さまざまな要因が絡んでいると思います。  まず一つは、生徒自身の問題があると思います。いわゆる基本的な倫理観と申しましょうか、あるいは社会規範の欠如という生徒自身の問題もあると思います。  それから、保護者と学校の間の信頼関係というものが十分に築かれていない、したがって、学校の生徒に対する注意が保護者に素直に受けとめられないあるいは生徒にも素直に受けとめられないという点もある。  と同時に、校内の体制という問題もあると思います。先生も先ほど御指摘になりましたが、ある先生がこういう対応をしようとする、それに対して別の先生が別のことを言うという形で、校内の一致した対応というものがとられていない、そのことが学校全体の取り組みを弱くし、学校全体としての生徒に対する指導力を非常に弱いものにしているというように思います。  ということで、生徒自身の問題、それから保護者との信頼関係、それから校長のリーダーシップと校内の体制の問題、さらに加えれば、現在、先ほど先生が御指摘されたのは公立の中学校であるわけでございますので、地域からの支援というものも大切なことであると思っておりますが、そうした事柄一つ一つについて、私どもは、謙虚に、改めるべきところは改めて学校を再構築しなければいけない、こんなふうに考えております。  教育改革、大きな制度改革の問題もあるわけでございますけれども、一つ一つの学校におきまして父母との信頼関係のもとに学校が運営される、秩序立てて営まれる、このことがまず前提でございますので、そういった面について我々はさらに取り組みを強めていかなければいけない、こんなふうにまず認識をいたしております。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 今の御説明の中で、校内で一致した学校側の体制ができていないという御意見がございましたが、実はきょう、朝出てくる前に朝日新聞を見てみましたら、職場でのいじめの中に、教員同士のいじめというのがございました。まじめにやろうとすればするほど、その先生に対してほかの先生が、おまえが一生懸命やると仕事がふえるから余計なことはするな。また、女性の先生が生徒からセクハラを受けるのでやめさせてほしいと担任の先生に言ったら、それからいじめが始まって、精神的に孤立してやめていったとか、非常に、生徒だけでなく先生の方にもいじめがあるのかなと、そう拝見いたしました。  生徒指導主任の方が一生懸命頑張られても、先生の中にはうるさいなとか考えておられる方もおられますし、また、五時にはきちんと帰るという、教員というよりはサラリーマンというような方がおられるとお聞きはいたしております。  ただ、そのような学校側の問題は横に置いたとしましても、非常に根本的な問題が横たわっております。私もいろいろ今回勉強させてもらったのですけれども、教育改革の基本の中によく、個性の尊重、また、自我そして自己実現、自由、平等という、だれも否定してはいけない言葉が並んでおるわけでございます。  しかし、荒れた学校とか荒れた生徒さんたちを観察しますと、例えば現状としまして、個性といいながらも自己中心的な考え方、さらには孤立してばらばらな状態。  また、自由という言葉につきましても、これも新聞で読んだことでございますが、国会に見学に来られた学生さんにある国会議員の方が自由とは何かと聞いたら、自由とは楽しいことであると。本来的に自由とは権利と責任を意味するものでもございますが、今の学生さんたちにとりましては自由とは楽しいことと。  また、自我とか自己実現という言葉は、積極的に生きるということではなくて、わがままを通せるか通せないか。また、親からも余りしかられておりませんし、また地域社会からも、昔のように近所のおじさんから怒られることもありませんので、しかられなれていないもので、すぐかっとなる。また、他人と調和できない。  また最後に、平等という言葉がありますが、これも、平等という言葉が単なる横並びとか付和雷同、人がするから私もする、悪いことでも人がするから私もする、付和雷同のイメージでとらえられがちでございます。  今申し上げましたように、教育改革の基本であるべき言葉が、私たち大人が意図するものとは逆の立場で、逆の見方であらわれてくるという皮肉な結果にもなっております。  そこで、私の提案でもございますが、一つには、教育とはインストラクトだと私は考えております。つくり上げる、心の中に何かを構築することが教育である。これがうまくいかないと、空虚でかつアイデンティティーを持たない子供たちができるのではないか。  つまり、自由といいながらも孤独で人間関係がっくれない子供たち。また、心と心がぶつかり合うことにより傷つくことを今の子供たちは恐れますので、結局、傷つかない。自分の心の中が何も詰まっていかない。生きがいとか思いやりとか人生の目標とか、そういう本来人間が成長の過程で持つべきものを持とうとしない、持てない。そういう子供がふえておるわけでございます。結局、原理原則的な人権教育とか子供を大事にしようという言葉だけでは子供は成長しません。  私たちが小さいころは、本当に怒られて、女性の先生からも体罰を受けました。男性の先生だけが体罰をするわけではありません。私たちの子供のころは、たたかれたり殴られたりしながら、親からも先生からも殴られてきましたが、今は体罰はいかぬということになっておりますので、なかなかそれもできない。  また、地域社会で育てようという気持ちもありませんので、人と人との触れ合いもできない。結局、人と人と触れ合わなければ、摩擦もないし、抵抗もありませんから、生きているという実感がきっと子供たちにはないと思っております。つまり、地域の人との触れ合いとかお年寄りとの触れ合い、自然との触れ合いなど、いろいろな触れ合いを通して子供は成長するものだと思っております。  いずれにしましても、子供の人権というものは、自由には必ず責任が伴うということを教育すべきでございますし、またその教育がなければ、人権といいながらも野方図な人権、また極端な個人主義、自己愛の強い子供をつくる。また、この子供たちがさらに大きくなって親になって、また昔と同じような教育を子供にして、さらにそういう子供を増幅させていく。それが結局、ナイフ事件のような凶悪な事件につながったのではないかと思っております。  こういう心の教育をしっかりするべきだという点に対しまして、狩野政務次官はどのようにお考えでしょうか。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 矢上委員のお話を聞いておりまして、やはり御自分の体験からいろいろとお話をいただいたわけですけれども、私も、自分の体験を通しまして、本当に心の教育が大変大事だというふうに考えております。  教育改革ということで、国民の一人一人が、今までの教育が間違っていたのじゃないか、家庭のあり方がどこか違っていたのじゃないかという思いに来ているときだと思います。そういう意味でも私は大変心の教育というものは大事だと思いますし、家庭のあり方が結局社会のあり方の縮図でもありますので、そういう意味でも心と心の触れ合いというのを家庭の中で行うことが大事だと思います。  子供の暴力につきましても、今いろいろな転換期ということで社会も荒れておりますが、やはり、私の経験からいいますと、親子げんかというのは大いに子供が小さいうちにやった方がいいと私は思うのですね。親子の中でけんかをしながら、お互いにどの程度の痛みとか何かというものはわかってくるわけですから、お互いいろいろな秩序というものは学んでくると思います。  私の子供を育てている時期には、電車に乗ったときにお母さんが子供と一緒に座っていると、子供が、お母さん、ここはお年寄りに席を譲るべきだよと言う子供の姿がまだ何か見られたような気がするのですね。でも、最近は、子供もお母さんも、荷物も置いていて、だれがいても席を譲ろうとしない。やはり何かここのところちょっと社会自体がおかしくなってきているのじゃないかというふうに思います。  文部省としても、この際、心の教育というものを重点に取り上げているわけですが、今までは家庭の教育の中にまで踏み入らないでいたけれども、やはり家庭の教育も見直していかなければいけない。学校の先生も家庭を持っているわけですから、やはり人間の形成というものは家庭の教育、そして心の教育が一番の基礎だというふうに考えておりますので、そういう意味でも私は、心の教育というものを最重点的に考えていきたいというふうに考えております。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 先ほど政務次官が、席を譲らない子供がふえている、よく見かけると。実は私も、あいさつの励行とか譲り合いの精神というのが確かになくなったのではないかと思っております。  私たちが子供のころは、古い話ですが、御飯を一粒でも残すとお百姓さんから怒られるとか罰が当たるとか、また、例えばタクシーをおりるときも、ありがとうございます、御飯を食べにレストランに行って帰るときも、ごちそうさまでした、ありがとうございますと言いますが、多分今の子供たちの親の一部は、自分が金を出してタクシーに乗ったのだから、ありがとうと言われて当たり前だ、タクシーからおりるときにありがとうと言う必要もないだろうと思っております。また、レストランで飯を食っても、自分が金を出して飯を頼んだのだから、ウエートレスさんからありがとうとは言われても、自分の方からありがとうございますと言う必要もないだろうと。きっと、そういう子供もふえていると思っております。  昔と、十数年前と今とのそのちょっとした違いが増幅されていって、大きな問題を引き起こしておるのではないかと思っております。  特に、子供たちの犯罪がふえておりますが、以前は、戦後は貧乏、貧困による犯罪が多かったと聞いております。きょう食べる御飯もないわけですから、泥棒でもしなければ生きていけないわけですから。ですから、私は思うのですけれども、病気に例えると、かっては栄養失調が引き起こした犯罪である。  それから、高度経済成長になりまして、お父さんもお母さんも働くのに忙しくなる。かぎっ子が出てくる。そうすると、お父さんなんかは働き過ぎ、残業のし過ぎで過労死で倒れる。結局、子供たちはスキンシップが足りずに非行に走る。つまり、スキンシップとか愛情が足りなかった高度経済成長期の犯罪は、過労死を根拠とするような非行である。  そしてまた、新たに今起きておる現象は、今まで非行とはなじみの薄かった、あたかも普通の子のようであったのが、ストレスがたまって、いきなり切れて、凶悪犯罪に走る。これは私は、成人病、新しい名前で生活習慣病と言いますが、結局、親の生活習慣が崩れた。あいさつしない。きちんきちんとした規則正しい生活をしない。  また、精神的なよりどころが今なくなっております。戦後、精神的な価値、また年功序列というような価値がある意味で破壊されてきたものですから、精神的な価値観もない。つまり、戦前戦後の一時期と今の生活では、あらゆるものが、生活の習慣が変わってきた。私は、親の生活習慣が変わってきたことにより、その結果が子供たちに出てきているのではないかと思っております。変な例えでございますが、大人がかかってきた病気と子供の非行との非常な関連性を感じるわけでございます。  次に、またこれも私の提案でございますが、人間の社会には、横の関係だけでなく、縦の関係も必要だということでございます。日本は戦後、軍国主義への反省から、宗教的なものから始まり、天皇制度、家父長制度を初め、すべての権威あるものを破壊しようとしてきました。その反省に基づく気持ちはわからないわけではありませんが、あつものに懲りてなますを吹くがごとくでございます。余りにも極端に精神的なよりどころとか組織的な秩序を破壊してしまうと、たて糸をなくした布地のように、一遍にばらばらになり、築き上げてきたものがすべて雲散霧消してしまうことになります。やはり、何らかのよりどころや秩序が学校にも必要ではないかと考えております。これは感想でございます。  次に、質問に移らせていただきますが、以上の議論を踏まえまして、今まで変容してきた家庭でございますが、しかし、これから先、家庭の果たすべき役割と学校の役割の関係について少し御意見をお伺いできればと思っております。

富岡賢治文部大臣官房総務審議官

○富岡政府委員 今先生御指摘のとおり、家庭教育がすべての教育の出発点だと私どもも認識しております。しかしながら、現状を見ますと、社会全体のモラルの問題もございますし、それから、少子化とか、地域的な、地縁的なつながりの希薄化ということがございまして、家庭の教育力の低下というものが指摘されているわけでございます。  今、先生くしくもおっしゃっていただきましたように、物質的に豊かになったことから、子供が望むものを親か安易に与えてしまうというような傾向が見られるというようなことで、子供たちの自制心とか忍耐力というようなことが失われているということは非常に大きな問題だと私どもも認識しておりまして、本年の三月に、中央教育審議会で、幼児期からの心の教育のあり方ということの中間報告をいただいておりますけれども、国として取り上げることに慎重でございました家庭でのしつけのあり方というようなことにも、ちゃんと言っていかなくてはいけないではないか、例えば、悪いことは悪いとしっかりしつけようというようなことを家庭にも提言していこうではないかという御指摘をいただいたわけでございます。  私どもといたしましては、このような中間報告の趣旨も踏まえまして、小さいころから、子供をお持ちの家庭、お父さん、お母さん方に具体的に働きかけていこうではないかということで、さまざまな家庭教育参加の事業とか、厚生省の母子保健の機会を活用しました家庭学習の機会の拡充というようなことにつきましても、教育委員会と保健部局がいろいろ相談しながら、一緒に連携して取り組んでいこうという心構えで進めておるわけでございます。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 私が今回家庭の果たすべき役割についてお聞きした理由でございますが、かつての小学生と今の小学生の状況が変わってきております。昔は、親が、ちゃんと身の回りのことはできる、学校の先生の言うことはできるように、幼稚園、保育園のときにきちんと準備をして小学校に上げた。そういうことで、小学校の先生方は、最初のうちはざわつきますが、子供さんたちを説得して、注意して、何とか座らせる。一日何時間も授業のために机に座らせる。大変苦労はしますが、それでも、ちゃんと子供たちは言うことを聞いて、すくすくと成長していった。しかし、今現在では、家庭で基本的な、学校に入るための、入学のためのしっけができておらぬものですから、小学生の間を通してずるずると、チャイムが鳴っても着席しない、宿題をしてこない、忘れ物が多い。中学、高校で今起きておるような事件か起きるにふさわしいような素地が、今、できつつあるというお話を聞いております。  端的に言いますと、保育園と学校の違いがなくなっております。保育園は、働くお母さんのために、朝から夕方まで、一定の時間お預かりして安全に遊ばせるということが一つの眼目でございますが、今、小学校の方も、きちんと勉強をさせるという組織ではなくて、もしかすると、保育園と同じように、一定の時間子供さんたちをお預かりして、それから派生する結果は、それは責任持てませんよというような状況に陥りつつあるのではないかと思っております。  特に、子育てとは何かというときに、本来、子供たちが他人に迷惑をかけず、自立して生活をできるように必要な知識、経験を学ばせることが子育てでございます。それを十五歳で卒業させるのか、十八歳なのか、二十二歳で卒業させるのかは、それは家庭の中で親と子が決めることでございますが、少なくとも、自立して生活する能力を身につけさせることが子育てでございます。最近では、親と子が友達関係になりまして、逆に、子の機嫌を親がとる。子育てが御機嫌とりになってしまっておるのではないか。  また、もう一つ、社会も変化しまして、大家族から核家族、また、ふすまの部屋からかぎつきの部屋ということで、実質上は、形式上は同じ屋根のもとにみんな暮らしておりますが、一つ屋根の中をのぞいてみると、みんな家族がばらばらに生活しておる。一つの家庭という一つの社会を構成していない。  これは、先日、自衛隊の観閲式に行ったときに隊長に聞いたのですけれども、昔の新入隊員は、最初はしつけができていないけれども、二年もして除隊するころには、集団教育になじむ立派な隊員に育っておったが、最近では、二年たっても身の回りのことがしつけられずに、入隊したときと同じような形で出ていくことが多い。それは何でですかと聞きましたら、やはり、家族が変化してきた、かぎつきの部屋もある程度影響していて、親の影響が子に及んでいない、非常に危険な兆候ですよと自衛隊の隊長からお話を聞いてきた次第でございます。  そういう点からも、私は、家庭の果たすべき役割をきちんとするとともに、社会の果たすべき役割もきちんとやる。これは、もうあと五分でございますので、申しわけございません、自分の意見を述べさせてもらいますが、今急に、いきなり、精神的な秩序とか宗教的な秩序をどうするかとかいっても始まりませんし、社会も受け入れない、家庭も受け入れないと思いますので、まず考えるべきことは、一番手近にある職業観。いや、手近にあるといいながらも、今、職人さんが減っておりますし、父親も、サラリーマンですから何をしておるか見えません、私の子供にも私が何をしておるか見えませんから。  やはり、地域の職人さんたち、ウナギ屋さんでもいいです、消防士さんでも。いろいろな方を母校にお招きして、道徳の時間に、ウナギの焼き方、家具のつくり方、例えば地域で起きた大火事のときに自分がどんなに苦労したか、消防士に話させる。あとは、ごみの収集をする人を呼んで、いかに生ごみが多いか、ごみの量自体が多いか、子供たちに知ってもらう。いろいろな職業人を地域のマイスターとして文部省が認定して、積極的に学校に来てもらう。そして、その地域の職人さんたちは、またそれでやる気を起こす。また、その職人さんたちに現金で給料を払うのじゃなくて、子供さんたちの手づくりの感謝状を渡すなどして、積極的に地域に取り入れる。  また、特に今、田んぼ、畑が減反等で余ってきておりますので、各地域にふれあい農園等をつくって、そこで、子供たちにふれあい農園を通して農作業をさせる。実は、公的介護保険が平成十二年からスタートしますが、その関係で、ふれあいデイサービスということで、今、地域のお年寄りを共同作業農園に連れていって、農作業を共同でやることによって生きがいを持ってもらうという事業をやっております。そういう中で、子供たちにもそこに入っていっていただいて、お年寄りと子供たちが共同で農作業をしていく、そういうことが大事ではないかと思っております。  最後に、あと、マスコミ対策でございます。  実は、政治家、警察、教職員、非常に不見識な方もおりましたが、しかし、すべてが不見識ではありません。みんなまじめにやっております。ただ、この三者に共通して言えることは、マスコミに非難された場合に、逆に反論する立場にないということでございます。一方的に批判されるしかない立場でございます。  そうしますと、どういう傾向が出てくるかといいますと、本来、マスコミは、批判と同時に創造していくことが一つの社会的機能として要求されております。ですから、表現の自由とか報道の自由が尊重されておるわけでございますが、しかし、最近のマスコミの報道は、批判すること、破壊することに少し偏り過ぎではないかと思っております。  私、きのう、文部省の担当の方に非常に詳しくレクを受けまして、いろいろな資料をいただきました。「新しい時代を拓く心を育てるために」ということで、家庭また地域の伝統とか文化にまで踏み込んだ提言をされておりますし、学校の抱え込みから開かれた連携へと、つまり、学校がすべてを抱え込むわけではなく、学校は万能でないということをしっかり宣言して、そして地域と家庭にそれぞれの役割を明確にして果たしてもらう、そういう提言をされた文書でございます。  私は、今まで文部省というところは、無難に無難にということで余り批判されないようにしているのかなと思いましたけれども、今回の二つの提言は、やろうと思えば幾らでも批判されるような提言でございます。しかし、そういう提言を真剣にされたということを、きのう文部省の課長さんたち、また委員部の方から、政府委員室の方からお聞きしまして、これはまだまだ脈があるなと実感した次第でございますので、どうか今後とも狩野政務次官におかれましても、教育行政、また子供たちのためにも頑張っていただければと思っております。  簡単でございますが、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、山口泰明君。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 続いて、自民党の山口泰明でございます。  今、矢上先生が話しましたけれども、私も小学校五年のときに日教組を批判して先生に木刀で殴られた一人でございます。昨年の十月までは私は文教委員会に所属しておったんですけれども、商工委員会にかわりました。文教委員会は人に譲れと言われたもので、きょうは感慨深くやらせていただきます。  まず最初に、最近、広島県下における小中学校教育行政に関し特筆すべき問題についてお伺いをいたします。  一部マスコミにも報道されましたが、広島県教育委員会及び福山市教育委員会に係る小中学校の校長と教職組合との「民主的な学校運営についての確認書」、いわゆる秘密協定が存在することが明らかになりました。その主な内容は、「主任の命免にあたっては、職員会議の議を経て行う。」こと、「不当労働行為にかかわる福山教育事務所との確認書を再確認し、組合活動を積極的に理解するよう努めます。」「主任手当を拠出しないものは、命免しない。」など、十項目から成っております。  文部省はこの事態を重視し、去る四月二十七、二十八日両日にわたって調査をされましたが、このような確認書のあることを把握されましたか、その内容を報告願います。  また、そのとき調査された学校教育課程の編成状況の実態について簡略に報告を願いたいと思います。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 お答えいたします。  文部省では、去る四月二十七日及び二十八日の両日、小学校課長、地方課長補佐ほか四名の職員を広島県に派遣いたしまして、広島県の教育委員会、福山市の教育委員会を対象に、学校における教育課程の編成の実施状況に関し、国旗・国歌関係、人権学習の内容、道徳の時間の実情、国語の時間割りなどに係る学校の管理運営の状況に関しまして、教員の勤務時間管理、主任の命課時期あるいは人選について現地調査を行いました。  その際、主任の命課に係るものなどにつきましては、校長と教職員団体との確認書等につきましても、全体としてどのような状況にあるのか、どのような確認書が交わされているのか、各学校でそういった状況にあるのかということについて、広島県教育委員会及び福山市教育委員会から事情を聴取するとともに、関係する資料の提出を求めたところでございます。  これらにつきましてその後もさまざまな資料の提出を求めまして、これらの結果に基づいて、五月二十日に広島県の教育長、福山市の教育長に対しまして、道徳の時間の指導内容、国旗・国歌の取り扱い、主任の命課、人選等について是正するよう指導するとともに、その是正状況を報告するよう指示したところでございますが、あわせまして、学校運営に係る校長と教職員団体との確認書の状況については、一部しかわからなかったということもございまして、さらに調査を行って実態を把握した上で報告するよう指示したところでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 今報告がありましたけれども、ちょっと漏れているかもしれませんが、小中学校では道徳時間は必ず持たなければならない。調査対象小中学校では、人権と置きかえたりロングホームルームの中で行ったり、ひどい学校は全く授業時間を持たない学校があるという信じられない実態もあります。  また、ある教師は、毎日朝礼に出席するが、そのままA研究協会に行き、授業は一年間持たず、A研究所に通い続けている実態など、異常事態が続いているそうでございます。  また、「主任手当を拠出しないものは、命免しない。」などという「民主的な学校運営についての確認書」は、地方公務員法五十五条の三項に照らして違反であると思います。五十五条三項は、交渉対象とできない事務管理及び運営事項を決めている法律であります。地方公務員法ではこうした交渉事項をしてはならないと定めております。この内容は、校長管理職研修のイロハでもあります。  こうした密約はいつごろから、なぜ交わさなければならない環境下にあったのか、組合と学校長との関係及びその背景について報告していただきたいと思います。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 広島県におきまして、先ほど先生申されました、校長と教職員組合が「主任手当を拠出しないものは、命免しない。」といった確認書を交わしているというのは、一部では私ども確認いたしました。  全体の状況がどうなっているか、いつごろからやっているのかということにつきまして……

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 答弁者、もうちょっとはっきり、質問に対して答えてください。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 いつごろからやっているか、それからどの程度学校全部に広がっているかどうかも含めまして、まだそれは私ども確認いたしておりませんので、現在、広島県教育委員会に対しましてどういう状況であるかということを、調査をお願いしているところでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 今私のところに密約書ともいうべき確認書の内容があります。文部省はこの確約書を持参して、一部確認したという話も今ありました。  これから私が申し上げますが、この内容は、日本時事評論に掲載されたものであります。その内容は十項目にわたっておりますので、ちょっと読ませていただきます。  「民主的な学校運営についての確認書」「学校教育目標の達成、教育課題解決にあたっては、全教職員の英知を結集し、推進・運営されなければならない。」とありまして、一として「憲法・教育基本法の精神にのっとって、民主教育を推進します。」。二として「全教職員の意向を十分尊重して、学校運営を行います。」。三として「主任制度化に伴う「確認書」「覚書き」をふまえ、職員会議等の議を経て行います。」。その三の中の一から五項まであるんですが、「主任の命免にあたっては、職員会議の議を経て行う。」「主任等は固定化しない。」「主任会等の招集はしない。また、職務命令による強制参加はしない。」「主任等は、中間管理職とはしない。」「保健主事と養護教諭は、上下関係としない。」こういう項目であります。四番目が「不当労働行為にかかわる福山教育事務所との確認書を再確認し、組合活動を積極的に理解するよう努めます。」。五「教職員には、区別なく公平に接します。」。こういう内容であります。  この結論は、労働運動に名をかりて学校の秩序を混乱に陥れる内容であります。こうした不法行為は、学校管理運営上、学校教育をゆがめるものであり、生徒、保護者の信頼に欠け、正常な教育環境にないように思われます。  政務次官はこの事実をどのように認識し、改善するおつもりか、お伺いいたします。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 教育課程の実施を含めて、学校の管理運営は、学校の設置者である地方公共団体の教育委員会の責任において行うことが基本であり、文部省としては、必要に応じて都道府県の教育委員会を通じて報告を求め、指導助言、援助を行っているところであります。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 また再度調査すると思いますけれども、ぜひ文部省の方におかれましても、こういった確認書、協定書の、わかりました時点で資料の方を提出お願いしたいと思います。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 今の件について、文部省、政務次官、山口君のことについての資料を至急、何かまだ問い合わせ中で云々という先ほどの答弁ですが、理事会に至急提出してください。これは委員長から特に依頼しておきます。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 先ほど来先生から御指摘ございました、校長とあるいは教職員組合との関 係、それから、教育委員会と教職員組合との関係等々につきまして、御指摘ございましたように、さまざまな点で法律上も問題があるということは私どもも認識をいたしております。こういった点につきましては、先般、課長等を派遣いたしまして調査したところでございますけれども、引き続き、私どもとしても教育委員会に対してきちんと指導してまいりたいというふうに考えてございます。  特に、先ほど確認書の方でございました、学校の教育課程等を決める場合に、全教職員の意向を尊重するということ自体は間違っていないわけでございますけれども、あくまでも最終的には校長が決定権者でございまして、校長の意向をきちんと教職員に徹底するということも必要でございますし、主任の任免等に当たって、これを職員会議の議を経て行うといったようなことについては非常に問題があるというふうに考えておるわけでございまして、十分調査をいたしまして、また御報告をしたいというふうに考えております。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 ありがとうございます。  確かにこれらは、地方公務員法の違反ではないか。事実関係についてはまだ調査中のようですが、違法行為となれば、処罰の対象にもなるだろうし、また、どのようになるのか、それを。  また、広島県教育委員会、福山市教育委員会は、今回の不測な事態にどのような見解をもって事態の改善を図ろうとしているのか、地元教育委員会等はどういう考え方か、わかる範囲でお聞かせ願いたいと思います。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 お答えします。  文部省におきましては、さきに申し上げましたように、広島県の教育委員会、福山市の教育委員会の担当者から直接事情を聴取いたしまして、追加の調査をもって問題の把握に努めたところでございます。  その結果、福山市においては、主任にふさわしい者が命課されていない学校がありまして、これに関して追加調査を行う形で、さらに、さっき先生が御指摘されましたような確認書の存在も明らかになりました。その他、勤務時間の問題などもございまして、そういうことにつきまして、広島県の教育委員会なり福山市の教育委員会は、主任の人選が実際にどのように行われているか、あるいは教員の勤務時間がどうなっているかという実態については、いまだ十分に把握できていない状況でございます。  そういうことがございましたので、文部省におきましては、先ほど申し上げましたように、五月二十日にそういった問題についての是正の指導を行いますとともに、是正をした場合の状況の報告を指示いたしました。さらに、実態を十分に把握していない事柄につきましては、さらに調査を行って文部省に報告をするように指示をしたということでございます。  ただ、広島県教育委員会、福山市教育委員会とも、学校の管理運営に問題があり、是正しなければならないとの認識は持っておりまして、文部省としましては、両教育委員会それぞれにおいて、問題の是正に全力を挙げて取り組むことを期待しているところでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 ぜひ徹底してやっていただきたいと思います。  もう一つは、職員会議の位置づけであります。  学校教育法では、校長の意思決定が最高であります。ところが、A学校では職員会議で決定したことがその学校の最高意思決定であるように位置づけられております。また、職員会議の下に人事委員会が置かれ、その人事委員会で決定した主任を校長に申請する。校長は、これを任免しているようであります。こうした人事交渉のあり方は、教育方針に違反しているのではないか。  また、こうした類似の任免事例は他県にあるのか、それとも、広島県条例で許された特有の任免制度だけなのかもお伺いしたいと思います。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 職員会議につきましては、国の法令上、明確な根拠規定はございませんけれども、校長の方針の教職員に対する伝達、あるいは教職員間の意思疎通、共通理解の促進、校長による教職員の意見聴取などを行う場として設けられているものでございます。  ただ、職員会議を活用して学校運営を円滑に行うということは大切なことではありますけれども、職員会議において教職員からいろいろな意見が出されるような場合であっても、学校運営に関する判断と決定は、あくまでも校長の権限と責任において行うべきものでございます。  それからへ主任の任免について、校長の一存で任免できない状況でございますけれども、主任制度というのは、主任が積極的に学校運営に協力し、教育活動を円滑かつ効果的に展開し、調和のとれた学校運営が行われるよう、昭和五十一年に制度化されたものでございます。その創設時におきましては、教職員団体の反対によりまして、校長が主任の命課を行うこと自体を妨害したり、主任の人選についても、職員会議で決定し、あるいは輪番制とすることを求めるなど、校長による選任を認めない、それから、支給された主任手当を拠出するといったような問題が見られたわけでございます。  こういった状況に対しまして、文部省では、毎年、主任制の運用状況につきまして、都道府県教育委員会の担当課長からヒアリングを行いますとともに、具体的な問題につきましては、その都度個別指導を行うことによりまして、法令及び学校教育法施行規則に定めました手続に従って、それぞれの主任にふさわしい者が選任命課されるなど、主任制の趣旨に沿った運用がされるよう強く指導してきたところでございます。  現在におきましては、各都道府県教育委員会の努力によりまして、主任制度についてはおおむね定着を見ているところでございますが、広島県のほかにも、主任の命課を拒否、返上したり、主任の人選を職員会議で行おうとするなどの問題が、一部の県に見られるところでございます。これに対しましては、文部省としては、個別に対応いたしまして、その是正を求めて強く指導を行っているところでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 ぜひ徹底していただきたいと思います。  また、人事運営管理では、例えば、教務主任に任免されておりますが、実際は生徒指導だったり、また、名簿上は保健担当主任を命じられているが、実際は渉外交渉をやっていたり、任免と実際の職務がばらばらであるところがあります。こういう面では、校長の指揮権下には全くないわけです。  さらに、生任の任免に当たっては、これはやはり大変重要だと思うのですが、ある程度教育経験の豊かでベテランの教師が必要であるのに対して、明らかに二十七、八歳の教師が多く、四十代、五十代は一人もいないという学校もあるそうです。実際、現場で経験の少ない若い二十代の教師が、四十代、五十代の先輩に指導できるのか。また、こうした大事に疑問ありと思わない校長及び教育委員会の黙認は重大なことだと思います。これは、広島県教育委員会及び福山市の教育委員会の怠慢だと私は思います。  政務次官、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 伊勢呂審議官、まず答えてください。その後、政務次官。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 今回の調査におきまして、広島県福山市立の小中学校の全教員につきまして、年齢、教職経験年数、現任校勤務年数、担当校務分掌、主任の命課状況等に係る資料、あるいは全学校の校務分掌組織図を提出させて、これらの資料によりまして調査をいたしたわけでございます。  そうした中で、先生の御指摘のように、主任の職務内容と校務分掌に乖離が見られたり、学校の教員構成から見て必ずしも適切な主任の人選が行われていないという状況が判明いたしました。また、主任の命課の時期につきましても、非常におくれておりまして、五月に入ってから命課を行っている学校というのが、かなりの学校数ありました。福山市教育委員会におきましては、主任の命 課などその運用に問題があるといった状況は認識しつつも、具体的に、各学校におきましてどういった者が命課され、どのような問題があるかという状況については、必ずしも十分に把握していないということが判明したわけでございます。  そういうことで、文部省といたしましては、五月二十日に、福山市教育長に対しまして、主任には適格者が充てられ、それぞれの主任がその役割を果たすとともに、新年度開始後速やかに主任の命課が行われるよう、福山市教育委員会として実態を把握して、適切な是正措置を講ずるよう指導いたしまして、さらに、その是正状況も、広島県教育委員会を通じまして文部省に報告するように指示したところでございます。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 主任制度におきましては、校長先生がそれにふさわしい方を指名するのが当然だと思いますけれども、文部省といたしましても、福山市教育委員会における是正の状況等を踏まえ、必要に応じてさらなる調査を行いつつ、福山市において主任の命課や主任制度の運用が法令及び主任制度の趣旨に沿って適切に行われるよう、今後とも、引き続き必要な指導を行っていくこととしております。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 こうした事実関係について、文部省が実態調査に行くまで把握されていなかった事実関係については、大変驚いております。  広島県教育委員会及び福山市教育委員会は、言葉は悪いが、なれ合いになって教育行政がくさっているのではないかと批判されても、私はやむを得ないのではないかと思います。  そこで、こうした密約協定書が過去にあったとしても、新任の校長が赴任したとき、そうした密約協定書を破棄するかまたは無視することは、管理職として、私は当然認識しているのではないかと思います。  蛇足ですけれども、私は埼玉県ですけれども、今回の所沢高校の内田校長は、そういう点では大した英断のある校長だと私は大変評価をしております。  そのような研修を受けたにもかかわらず、二十一年も前から、校長が五代、六代も密約を黙認している事態が大変問題なのでありまして、文部省、広島県教育委員会、福山市教育委員会は何を指導し、勧告してきたのか、お伺いいたします。  また、再調査はいつごろをめどに報告をされるのかもあわせてお願いいたします。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 簡明に答えてください。

伊勢呂裕史文部大臣官房審議官

○伊勢呂説明員 今まだ、広島県の教育委員会、福山市の教育委員会で調査中でございまして、できれば、一学期中には報告書が出ると思っております。  それから、確認書の話でございますけれども、その確認書につきましては、これは法的な効力はありませんで、主任の命課その他がこれに拘束されるものではないものでございます。それは、先生御指摘のように、地方公務員法の五十五条に言う管理運営事項でありますので、そもそも、校長と教職員団体との交渉の対象にもなり得ないわけでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 わかりました。  こうした実態について、広島県教育委員会及び福山市教育委員会に限られた特有の事柄なのか、全国にもこうした事例があるのではないか、広島県に限らず、全国調査をこの際すべきだと私は思うのですけれども、政務次官の御見解をお願いいたします。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 御指摘がございましたような、例えば、今回所沢高校に見られましたような、従来からの、私どもからすれば悪しき慣行で、校長先生が着任した場合に、その慣行を守ることが先生方から評価されるということではどうもいけないわけでございます。教育委員会と学校が一致結束いたしまして、仮にその時期には若干問題が起きたとしても、やはり法律にのっとったきちんとした、例えば卒業式が行われるような形態をとることが必要でございます。私どもとしては、そういったことにつきまして、教職員団体の方々にも理解を求めるし、教育委員会に対しても強く指導してまいりたいというふうに思っております。  それから、こういったことは過去におきましてはかなり、例えば主任制度が始まりました昭和五十年代においてはいろいろな県であったわけでございますけれども、各県の教育委員会の御努力で、全国的にはかなり正常化が進んでおります。  そういうこともございますので、私どもとしては、全国に調査するということではなくて、もしそういったことが具体的な県等で起こるようなことがございましたら、個別の事項に対してきちんと適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 ありがとうございました。この件についてはやはり、いろいろな立派な先生が出てきて、毅然とした態度の先生が逆に変なふうな目で見られない、その点だけを私は特に最後にお願いしたいと思います。  あと、時間がちょっとありませんが、たまたまきのうの夕刊で、政府の薬物乱用対策推進本部が、二十六日、薬物問題について国の初めての長期計画となる薬物乱用防止五カ年戦略を決定したという報道がありました。昨今、総務庁から、麻薬・覚せい剤等に関する実態調査結果報告書が発表されました。その内容の最大の特色は、青少年の間には、薬物乱用の恐ろしさ、罪悪感がなく、ファッション的感覚が急増しているという重大な事態であると警告をしております。  きょうは、薬物乱用の与える青少年教育の実態とその対策について、もう時間がありませんけれども、幾つかお聞きしたいと思います。  まず、この実態調査で、青少年に悪影響を与えている諸要因と、ファッション的感覚で受け入れる社会環境とは何か、特に教育のいかなる視点が不十分であるのか、その課題点についてお伺いしたいと思います。

早田憲治文部省高等教育局大学課長

○早田説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、近年、薬物乱用により補導されます青少年、特に中高校生の事例が増加傾向にあるというようなこと、特に、八年度から九年度にかけましては中学生の補導者数がふえてきたというようなことがあるわけでございます。  その背景というものといたしましては、第三次乱用期というふうにも言われておりますけれども、非常にそういった覚せい剤等が手に入りやすい、容易に手に入れやすい社会的状況がある。いわゆる不良外国人と申しましょうか、そういうような人たちが、携帯電話等を使って非常に簡単に覚せい剤等が手に入りやすい状況をつくり出しておるというようなこと。それから、子供たちの側につきましても、非常に自制心が欠如している。安易に、やってみるという程度のことで手を出してしまうというふうなことがある。遊び感覚あるいはファッション感覚というようなことも言われておる。あるいは、ダイエット効果があるというような誤解をしておるというようなことから覚せい剤等を使うというような、さまざまな要因が絡み合っているかと思います。  それから、昨年五月に、文部省が児童生徒の覚せい剤等の薬物に対する意識調査を行いましたけれども、薬物に対する危機意識が学年が高くなるにつれて低くなるというような、非常に憂慮すべき事態も明白になったわけでございます。  そういうことに対しまして必要なことといたしましては、子供たちに、薬物乱用の危険性、それからこれは犯罪であるというようなことについてしっかり自覚させるということが第一点。それから、学校、地域、家庭が一体となって連携をして、そういった薬物乱用防止の対策を推進していくということが必要であると考えておりまして、文部省といたしましても、さらにそういった施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 時間がなくなってきましたので、せっかく警察庁の方にもおいでをいただいていると思いますので、ちょっと飛ばしまして、警察側にもちょっと質問させていただきます。  社会教育の視点から、地域社会等の取り組みについて実態調査報告書にも指摘されておりますが、地域社会等の取り組み、保護者への啓発要請は、都道府県によって格差があると思います。  そこで、提案ですけれども、例えば、警察関係は防犯協会、交通安全協会、学校はPTA、スポーツ団体、地域社会への総合的啓発の取り組みを積極的に推進していただき、その具体的施策の推進と予算確保を目指して努力すべきであると考えております。私は、警察は市民の中に積極的に入らなければならないと考えています。しかし、その努力は現在ではちょっと足りないのではないかなというふうにも感じられますが、地域社会との融合に欠けることが、PTA、保護者等の啓発活動にも協力がなかなか得られない面もあると考えておりますので、この辺について、地域団体との取り組みについてお考えをお願いいたします。

泉幸伸警察庁生活安全局長

○泉政府委員 御指摘のように、薬物の乱用を根絶するためには、薬物の有害性を国民の一人一人の方が十分に認識されるということが極めて大事だろうという認識を持っております。  このため、警察といたしましても、地域の防犯協会あるいは学校等との連携で、現在、この面における広報啓発活動を所要の予算を確保しながら積極的に推進しているところでございまして、今後とも、いろいろな工夫を加えながらこの面の活動を強化していきたいと存じております。

山口泰明自由民主党

○山口(泰)委員 先ほどもお話ししましたけれども、子供については非常に今問題が多いわけです、特にこの薬物、そしてその前の教育問題。  私は、自分の尊敬しているのが今の埼玉県の土屋知事でございます。土屋知事はいつもごあいさつの中に、二十一世紀は子は世界の宝というのですか、そういうことをいつも言っております。ですからぜひ、きょうは与野党を問わず、子を持つ親、また孫を持つおじいちゃん、おばあちゃんですか、皆さんいらっしゃると思いますので、そういった面で、予算的配分で足らなければ、与野党を挙げて文部省を応援して、お金はどんどん、ほかのもの、社会保障と同じ以上に私はこの行政にお金を費やすことを皆さんとこぞってお魔いしたいと思って、質問を終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、海江田万里君。

海江田万里民主党

○海江田委員 民主党の海江田でございます。  済みませんが、きょうは私、アレルギー性鼻炎が大変ひどくて、そのことだけちょっと最初にお断りをさせていただきます。  本日は、この決算行政監視委員会で、文部省をお呼びをして教育問題についていろいろ議論をしようということになりましたが、そのきっかけというのは、これは言うまでもありませんが、神戸市で連続殺傷事件が起きましてから一年でございます。そして、最近では相次ぐナイフを使っての傷害事件でありますとか、それから、きょうは冒頭に矢上委員から、荒れる学校現場の教師の方からの証言等、参考人のお話等が参議院であった紹介などもありましたが、この教育の問題、これは全国民的な立場で考えていかなければいけないということでございます。  先ほど政務次官のお話を聞いておりまして、心の教育という言葉が出てまいりました。これは、三月三十一日に中教審の小委員会がまとめました「幼児期からの心の教育の在り方について」というところでも、心の教育という言葉が出てくるのですが、私も、一国会議員というより一人の子を持つ親として、この心の教育というのは一体どういうことだろうということを考えてみたのですが、どうもわからないところがあるのですね。それは、やはり心の教育という言葉自体が余りよくなじんでいない。例えば、この小委員会の座長を務めました木村先生自身も、心の教育という言葉は英語にもドイツ語にもない言葉であるというようなこともお話しになっております。  それならば、心の教育というのはどういうことなのか。一言で言えば、一言で言えなければ二言、三言でもよろしいわけでございますが、普通の、子供を持つ親御さんあるいは子供自身にでもいいのですけれども、心の教育というのはこういうことなんだよということをおっしゃっていただきたいと思うのですか、どういうことでしょうか。―いや、これは政務次官にお願いをしていますから。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 まず高総務審議官。

海江田万里民主党

○海江田委員 今、政務次官が心の教育という言葉をお使いになったのですから、どういうふうに御自分が理解をされておるのかということをお答えいただきたいので、わざわざ役所が出てくるあれは全然ないのですよ。指名以外に出てこないでください。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 心の教育についてという御質問ですけれども、私も最初、心の教育とは一体何だろうと。聞いたときに本当に、心の教育とは何ですかということを私も質問させていただきました。  私なりに考えますと、心の教育というのは、やはり人間らしい、本当に心の、教育ではなくて、心を考えようという意味なのではないかなというふうに私なりに理解をいたしました。  ですから、教育というのは、今までは、もうちょっと前までは、知育、徳育、体育ということが教育だということになっていましたけれども、今の教育というのは、知識を高めるということだけに専念をしていて、本当に精神的な徳育とか、体育とかということが忘れられてきている。何か心の教育というのは、私自身も大変わかりにくいのですけれども、漠然とした精神的なものをもうちょっとみんなで見詰め直そうということではないかというふうに考えております。

海江田万里民主党

○海江田委員 ありがとうございました。  私も、余りわからなくて一生懸命考えたのですが、私も戦後の教育を受けましたけれども、自分なりにいろいろな、どちらかというと漢文が好きですから漢籍なんかを読みますと、やはり知育、徳育、体育という言葉はしょっちゅう出てくるのですね。知育と体育ということは比較的、私たちも学校でよく体育も授業がありましたし、それから知育というのはまさに今の教育の、今のというかこれまでの教育の一つのあり方だったと思うわけですけれどもそうしうことでいうと、徳育の部分が抜けていたかなという気がするのです。  ただ、徳育というのは、まさに道徳教育ということが、これも私らの世代から始まりまして、そして今も行われているわけでございますが、この道徳教育ということでもないようなんですね、この心の教育というのは。心の教育は、旧来型の道徳教育でいいのか。それとも何か、やはり道徳教育というのはこれまでの日本の、戦争前は大変道徳教育の部分が過剰、過重だったわけですから、戦後になってそれがほとんど一時期見向きもされなかった。それがいつのころからか復活をしてきて、そしてそれなりに重きが置かれて教育をされておるわけでございますが、それともう一つ、今度新しく心の教育というものが出てきたということ。これと道徳教育はどういうような関係にあるというふうに考えたらいいのでしょうか。  これも、できたら政務次官にお答えいただきたいのですが。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私、お答えになるかどうかわかりませんけれども、道徳教育というと大変かたい感じがして、イメージとして大変暗いわけですね。私は、道徳教育と言われている―心の教育が道徳教育かということになってきますと、やはり心の教育ということは、本当に人間として基本的な、人間のあり方というものを教育するということだと思います。  例えば、道徳ということではなくて、当たり前なごあいさつ、ありがとうとかこんにちは、おはようとかと言うこと。それからまた、今は銭湯とかそういうものはなくなりましたけれども、昔はそういう公衆浴場の中でいろいろな、人の背中を流したりとか、その中でいろいろなエチケットとかそういうものを学んできた。そういう基礎的な、そういう場面がなくなってきたこと、いろいろなものが社会に欠如してきたのではないかと思います。  そういう意味でも、道徳教育というほどかたいものではなくて、本当に基礎的な、本当に人間と して当たり前の、そして社会性がある教育ということではないかというふうに私は考えます。ちょっとどうかと思いますが……。

海江田万里民主党

○海江田委員 ありがとうございました。  そういうお考えを聞かせていただきまして、よく政務次官のお考え方はわかったのですが、もし文部省、何か今の政務次官のお答えの中でつけ加えるべき点があったら、こういうことなんですよということでお話をいただきたいのですが。

高為重文部大臣官房審議官

○高政府委員 特につけ加えることはございません。今政務次官がおっしゃったとおりだろうと思っております。  概念的には、もちろん内容的には道徳教育とかなりの部分オーバーラップいたしますが、もう少し視点を変えてこういう形で取り上げたというところが一つあろうかと思っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 ただ、そうしますと、今政務次官がおっしゃったことというのはこれは人として当たり前の話でありまして、とりわけ何でそれを今言わなければいけないのかなという気がするのですね。それからまた、それを言うことが、今問題になっております少年の犯罪の問題でありますとか、それから学校の荒廃の問題でありますとか、そういう問題を解決するに当たってどのくらい効果があるのかなということもやはり考えていかなければいけないと思うのです。  このことをもう一回スタートに返ってやっていくことが、今教育が抱えている問題あるいは少年たちの問題とか、そういうことを解決するのに本当に大きく役立つとお思いでしょうか、どうでしょうか。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私は、大変大事な問題だと思いますし、それが一番の基礎だというふうに考えております。この効果は十年先か二十年先かわかりませんけれども、私は大変大事なことだと思っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 そうすると、平たく言うとしつけですよね、心の教育なんて難しいことを言うけれども。道徳というのは一応、いろいろな歴史上の人物の生き方だとか、そういうある程度知識ともかかわってくる問題で、そしてその中で、この社会の中での自分の生き方というものを考えていくという話ですが、今おっしゃられたお話というのは、いわばしつけですよね。そのしつけというのは、基本的には家庭がやるわけですよね。そして、家庭だけで足りない部分はもちろん学校でもしつけをやるということだろうと思います。そういうふうに言えば理解はできるわけでございます。ただ、しつけというのは一番の基礎ですから大切ですけれども、しつけだけですべて解決するとは私は思えないわけです、もちろん大事なことは大変大事でございますが。  今のしつけの話は、メーンは家庭です。ですから、中教審の中間報告も、そういう意味では家庭のことについてずっと書いているわけですけれども、今回大きな事件が起きたということで、学校教育上、今回のような事件を契機に考えなければいけないことというのはどんなことなのでしょうか。これは文部省の方でもよろしゅうございます。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○辻村政府委員 最近のいわゆる少年非行その他、神戸の事件もそうでございますけれども、これを一つ決めて分析することは大変難しいわけでございます。ただ、大変深刻な問題だということで、我々もいろいろと研究、検討をいたしております。  その主なものを言わせていただきますと、一つは、子供たち一人一人に、学校においても、あるいは家庭も含めてでございますけれども、存在感というものの実感がないのではないか。つまり、自分がその学校にいるということ、そのことが教師にもあるいは仲間にも何らかの形で認められている、そういう実感が持てないという状況が子供たちの中にあるのではないか。もちろん、十分学校の中でリーダーとして評価され、自他ともにそういう立場にいる者もいるわけでございますけれども、そうでないという子供たちがいるということが一つあると。  それからもう一つは、子供たちの評価のあり方として、一つの価値基準で評価をされる、そして、多様性ということではなく上か下かという形で、ある意味で点数化されて評価されるという現状というものもあるのではないかというふうに思います。  それからもう一点でございますけれども、何か自分に自信が持てない、存在感が持てないとなったときに、何でも自分の弱点をさらして相談できる、そういった環境が必ずしも学校あるいは家庭についてもなかったのではないか。  こういった点は、私ども特に重要な課題として認識をいたしているところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 今のお話を聞いておりまして、一つは存在感の実感がないという話と、二つは多様性がどうもないんじゃないだろうかというお話、それから三番目は、そういう問題を抱えたとき、いつでも何でも相談できるような場所がないというようなお話だったのだろうと思います。  一番目と二番目というのは、実はこれは今の日本という国自体が置かれていることに大変似通っているわけですね。あるいは、別な表現をすれば、多様性がないというふうな言われ方をしましたけれども、その多様性をつくらない教育をしてきたのも実は日本の戦後の教育行政ではなかったのだろうかというふうに私は思うわけでございますから、今おっしゃいましたようなことを本気になってやろうとしたら、かなり大胆な教育改革、これは、制度、それから制度だけじゃありませんでやはり中身も、随分大胆な教育改革というものに踏み込んでいかなければいけないんじゃないだろうかというような考え方を私は持っておるのです。  橋本総理も、そういう意味では、六大改革の中に教育改革を入れておりますが、そういう、本当に大胆な、あるいは非常に根底的な日本の教育制度の見直しを今やるときに来ているんだ、そういう認識を政務次官は持っておられるかどうか、お答えいただきたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 本当に私もそうだと思います。今が学校のというか、教育改革をする一番のターニングポイントだというふうに考えております、千載一遇のチャンスというふうに私はとらえているわけですけれども。  私、先日山口県の中学校に視察に参りました。その学校は前に大変荒れておりまして、この二、三年、とてもよくなったということを聞きましたので視察に参りましたら、学校が荒れたことによって、先生も目覚め、そして子供たちも目覚めたわけですね。それで、生徒活動を通じて何とかこの学校をよくして、少しでもよくなった学校をつくって、自分たちが来年に、後から続く後輩にそれをつないでいきたいということで、一年ごとに目標を掲げてやり始めたということで、大変生徒活動が活発になって、いい学校にしよう、誇りを持てる学校にしようということで子供たちが目覚めた、先生方も目覚めたということです。よりよい学校を後から来る人たちに残しておこうという気持ちが起きてきて、大変いい学校になりつつあるということを聞きました。  私は、やはり今大変な環境で、子供たちもいろいろな事件を起こしていますけれども、これをきっかけとして、日本は資源というものがないわけですから、本当に人間だけが資源だと私は思いますので、そういう意味でも、国民一人一人が日本の将来を担っていく子供たちのために真剣に考えていくべき時期に来ているというふうに考えております。千載一遇のチャンスだということで、私たちも、文部省としても一生懸命改革の方でやっていきたいというふうに考えております。

海江田万里民主党

○海江田委員 よく国会なんかでも、委員会や本会議でもいろいろな言葉が行き来するわけですけれども、私は、個人的なことを言うと、千載一遇のチャンスというのはちょっとどうも、先ほどもお話をしましたけれども、今、神戸事件から一周年とか、それからまだまだナイフを使った事件が多発をしているとか、そういう非常に厳しい状況があるわけですから、それが私は、やはりそういうことがあることが、チャンスだというふうには余り思いたくないのですね。むしろ、そういう問題を根源的にたどっていくとそこの問題に行き着いていくから、やはりそこのところを変えないと本当に大きな問題は解決しないよというような言い方の方が、本当はいいのじゃないだろうか。余り、チャンス、チャンスと、千載一遇の、千年に一度あるかないかのチャンスだ、チャンスだということを言われますと、やはりそれはこういう、亡くなっている児童のお父さん、お母さんの方もいらっしゃいますし、傷ついた子供たちもいるわけですから、余りチャンスという言葉遣いはよくないかなというふうに思うのですね。  それから、大事なことですけれども、先ほど政務次官は親子げんかということもおっしゃいました。兄弟げんかとか夫婦げんかというのは、私は何度も、自分もやっていますし経験したことがあるのですが、親子げんかというのは余り聞いたことがないのですね、これは。親子がけんかを対等な立場でできるのですかね。これも、私ちょっとよくわからないのです。親子げんかという言葉を非常にぱっとお使いになりましたけれども、よくわからない。  それから、先ほど矢上委員が、先生に怒られたことがあるという言い方をしていまして、私は、先生からしかられたことはありますけれども、私の先生は怒ったことはないですよ。これは大事なポイントなんです。教師というのは、しかってもいいのですけれども、怒っちゃだめなんですよ、怒るというのは怒りをそのまま爆発させることですから。そうじゃなくて、やはりしかるのですよ。それが教育の根源だと私は思っておるのです。  親子げんかとそれからチャンスだということ、私は、ちょっとそういう認識は違うかなと思うのですが、いかがですか。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 言葉がちょっとおかしかったかな、ふさわしくないかなと私は思いましたけれども、やはり、人間は何か災難が起こらないと考えないのですね、自分のことを。それまで、何というかのほほんとしていて、何か起こったときにやっと、あ、何か間違っているのじゃないか、何かしなくちゃいけないという思いになる。そういうことを含めて言ったつもりだったのですけれどもへちょっと私も言葉が悪かったというふうに思っております。  それから、親子げんかの言葉のことを言われましたけれども、私は、自分の息子を育てている中で、大変親子げんかをいたしました。それは何かというと、今、新しいものがたくさん出てきて、私が学んでなかったいろいろなことが出てきているわけですね。そうすると、子供が自慢げに言うわけです。私の知らないことを子供が言うと、ああ、なるほどな。私がうっかり言いますと、ママは古いよとか、そんなのは時代おくれだと言われると、うちの息子は大したものだなと思って、すぐ黙っちゃう。でも、そうじゃなくて、私はこう思うんだということを言って、ある程度小さいうちですよ、もう大人になってからじゃなくて、小学生のときにはうんと、でもママのときはこうだったんだ、そうじゃないんだよという、議論というか、けんかというものをやってもいいのじゃないか。私はすぐに、いや、うちの息子は頭がいいんだな、大したものだなとすぐ感心して、私の考えでいることは古いんだと、それで黙って容認しちゃう。それが結局、息子はどんどん増長していくわけですから、やはり私の、古いと言われても、自分の意見というものはきちっと言うべきだと。  そういう意味で親子げんかという形で言ったわけですので、もちろん夫婦げんかなんかもあれですが、兄弟げんかというのも、今、子供がいないので、兄弟げんかもする機会がない。兄弟げんかしたときに、何回かやっているうちに、どこまで殴れば相手の痛みがどの程度かということがわかることも大事なことですので、そういう意味で、私の親子げんかはそういう意味だったのです、言葉が足りませんでしたけれども。  それからまた、さっきの千載一進のチャンスという言葉も、ちょっと過ぎたと思いますので、失礼いたしました。

海江田万里民主党

○海江田委員 私の方が、民主党にいますけれども、若干古いのかもしれませんけれども、私は、やはり言葉というのはきちっと使わなければいけないと思うのですね。特に、やはり教育の場に携わる方ですとか、それから政治家だとか、やはりそういう人たちの一言一言が実は世の中に広まっていって、そしてそれによって、本当に心の問題を大切にしないといったら――やはり親と子の関係というのは、まあ子供がずっと大きくなっていけば、またこれは違うわけですけれども、やはり子育てのところで同じレベルでけんかをしちゃったのでは、これはもう話にならないのですね。  やはり、そこはまさに子育てをやるとか、それからあるいは、確かに意見が違うことはありますけれども、私は、それは本来の意味でのけんかではないのじゃないだろうかというふうに思いますので、まあ、それは私の考え方ですから、それを別に押しつけるようなつもりは毛頭ありませんが、やはり、もし本当に心の教育とかいうことを言うようでありましたら、そういうところも少し考えてみる必要があるかなというふうに思うのです。  もちろん、それが全面的に正しいとかいうことではないわけでありまして、本当に兄弟のような親子関係というのもあると思うのですね、これは。実際に私の周辺なんかでもあります。ただ、それはやはりある程度子供が、少なくとも義務教育ぐらい終えたところでの話じゃないかなというふうに思いますので、今非常に問題になっている中学生の事件だとかいうような、あるいは小学校の高学年の事件では少し、やはり余り今の親子げんかというような言葉はなじまないのかな、そんなような気がします。  あともう一つ、きょうは法務省にもお越しを願っておりますけれども、少年法の改正ということが、きょうあたりの新聞にも、日弁連が一つ提案をしたというようなことも出ております。それから、一昨年の秋からですか、少年審判に関する意見交換会というものも既に十六回ぐらいお話がされたということですが、この少年法の改正について、今どんなポイントがあって、そしてどんな手順になっているのかということを若干お聞かせいただきたいなと思います。

原田明夫法務省刑事局長

○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。  現在の少年法は昭和二十三年につくられたものでございまして、ちょうどことして五十年、この少年法自体は、少年の健全育成を目的といたしまして、非行のある少年の性格の矯正とか少年の生活環境の調整を行うために、個々の事案、当該少年の特性に応じまして、少年院に送致するとかあるいは児童自立支援施設等に送致する処分、またその他の、施設に収容することなくして保護観察等を行うなど、その性格の矯正また生活環境の調整に関する保護処分を行うこととしておるのでございますが、一定の少年につきましては、検察官に送致をいたしまして刑事処分を行うことができるようにするというような道もございまして、かなり多様な処分を用意しております。  このように少年の教育や更生を大切に考えていくという立場は、今後とも基本的に維持されるべきだと考えているのでございますが、法務省といたしましては、凶悪事犯を含む少年事件の動向も踏まえまして、我が国の少年法制に対して示されております幅広い御意見につきましても十分配慮しつつ、現実に起こってまいります事件への対応の上で現行少年法にどのような問題があるかを含めて、少年に対して適切な処遇を実現するための基礎でございますので、そのための研究、検討をいたしております。  ただいま委員御指摘の日弁連、最高裁を含めましての意見交換会は、実は、皆様方もよく御承知と存ずるのでございますが、平成五年に山形マットレス事件という事件が起きました。これは少年が、放課後と申しますか、体育館の中でマットレスに巻かれて亡くなったという事案で、これにつ きまして、関係する少年につきましてそれぞれ捜査が行われたのですが、その実体的な真実というものが少年法制の枠組みの中で十分明らかにならなかったのではないか、本当の真実が十分出ていないのではないかというようなことが議論されました。少年審判の過程でなされた判断と後の高等裁判所の判断が若干違っているというようなこともありました。そのほかさまざまな事件において、現在の少年法制では賄えない面が出てきているのではないかということの御指摘が一つございました。  特に、事実認定と申しますが、何が起こったのかということだけはきちんといたしませんと、少年は本当に事態を正確に見ることができません。一般の成人の事件のように、そこでいわば対審構造が表に出てまいりまして、事実を争うと申しますか、そういうことがずっと前面に出てまいりますと、確かに、証拠上問題があるという場合に、今の少年法制の中で少年審判が十分適切に行われ得るのかどうかという点についての疑問が出てまいりました。  その一つの例は、これは裁判官の方からも学者の方からも出てきたのですが、現在の少年審判は単独の裁判官が一人で扱う。その場では、一件記録をもとにいたしまして、裁判官が検察官の役割と審判官の役割を双方果たさなければならない。事案が激しく争われる事件の場合、裁判官としては、単独の裁判官であって、事態を十分掌握して真実を発見していくということについては、いろいろ手続的に問題があるのではないかという御指摘がなされてまいりました。  ただ、検察官が関与すれば直ちにすべてがよくなるというものではないと私自身も思います。しかし、少年審判の中でも、実体的真実がどうだったのかということを、少年にもわかり、周囲にもわかるような形で認定していく工夫がもう少しあってもいいのではないだろうかという感は、多くの識者から示されているところでございます。  もともと少年法は、審判官の前で、一件記録に基づきまして、実体的な真実がまずあって、そしてどう処遇していくか、どう法的な措置をとっていくか、その少年にとって、健全な育成を図るためにどうしたらいいのかということが主眼となるような手続構造でございます。そこでは、事案自体が争われるということになりますと、やはりある程度そういうものに対応した措置がとられるべきではないかということが指摘されました。  これにつきましては、委員も御指摘いただきましたように、平成八年十一月から、特に法曹三者の間で議論させていただきましたが、ようやく最近に至りまして、やはり事実認定をきちっとしていこう、そのためにはどういうことが必要だろうか、検察官の関与のあり方も含めて議論しようではないかということで意見が一致するようになってまいりました。  これにつきましては、できるだけ早く法制審議会にも諮問いたしまして、国会で御議論がいただけるように、私どもとしては最善の努力を尽くさせていただきたいと思います。  もう一つ、少年法の改正の問題に関しましては、先ほどから委員も御指摘のような神戸の事件もございました。そのほか、最近では特に、少年が先生を刺殺するとか、警察官を襲って拳銃を奪おうとするとか、子供が親を殺すとか、あるいは女子学生がいわば無関係な大人を殺すというようなことが報道でもなされまして、これは何か異常な状態ではないかというような関心が大変に高まってまいりました。その中で、少年法制の枠組みでございます年齢問題について、またもう少し厳罰を科してもいいのではないかというような意見、さまざまな意見が出てまいりました。  これらに関しましては、私どもも、直ちに少年法の枠組みを変えること、そして厳罰的な側面を持っていくことが必要であるということまでの認識は、現在のところ共通なものとして持っているわけではございません。さまざまな方がさまざまな立場で御議論をいただいております。そういうものを、法務省は法務省の立場でいろいろ集約してまいりたいと思いますが、より幅広く御意見を賜りながら、現在の少年法制が十分役割を果たしているかということを、他の行政のあり方とも相互に連携をとりまして、慎重に検討させていただきたいと思います。  そういう意味で、大きく手続的な面については、事実認定のあり方を含めてできるだけ早期に成案を得るように努力いたします。しかし、少年法制の年齢問題を含めた大きな枠組みについては、もう少し各層の、国会の御論議もそうでございますけれども、御意見を賜りまして、それを生かした形で検討させていただきたいと考えているのが現状でございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 原田局長から大変御丁重な答弁をいただきまして、ありがとうございました。  今お話しいただきましたので、確かにそのとおりでございまして、冒頭に言いましたように、きょうの新聞に出ていますが、少年審判のあり方の話は、あそこも一つのパート、部分としては大事な部分ですけれども、片一方で行われておる、これは三者の協議で行われているということで、もう一つの少年法全体の議論は、各般の意見を聞かなければいけない。一つは、国会の議論も聞こうということでございます。  従来、この手の法律の改正につきましては、法制審に諮問を出すというのが一つのパターンでございますが、国会ももう間もなく終わりますが、国会でもそれぞれの議員立法をしようなどという動きもありますので、そういうところから国会の意見も聞けるだろう。特に法律の問題でございますから、やはり専門家の話も聞かなければいけないので、そのために法制審という組織があるわけですから、法制審の諮問というのを大体七月ぐらいにやるのではないだろうかというような新聞の観測記事などもあるわけですが、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。

原田明夫法務省刑事局長

○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。  法制審議会につきましても、これは恐らく少年法部会という特別の部会をつくっていただいて御審議いただくことになろうかと思います。時期につきましては、現在のところ、私の方から確定的なことを申し上げられない状況でございますが、新聞で、御指摘のとおり七月中にはということが報じられております。  そういうことも含めて、できるだけ早期に立ち上げて、これは私ども、法務大臣も述べているところでございますが、できるだけ早い機会に国会で御審議を願いたい。遅くともと申しますか、次期通常国会には間に合うように、国会に御審議いただけるように努力しようということで、現在鋭意作業を進めさせていただいております。

海江田万里民主党

○海江田委員 それはぜひ、その意味では慎重にやりつつ、かつある程度時機を失せずということでお願いをしたいわけでございます。  この少年法の改正のポイントになりますのは、今局長からもお話ございましたけれども、いわゆる年齢の問題でございまして、とりわけ刑法の刑罰を科されない十六歳未満が果たしてそれでいいのだろうかどうなのだろうか。神戸の事件の少年は、事件当時、犯行当時はたしか十四歳でございますから、そういう問題もあり、この十六歳を例えば十四歳ぐらいにというような議論も、当然、そういう意見もいろいろなところから出ておるわけでございます。  これはむしろ文部省の方にお尋ねをしたいのですが、十六歳という一つの基準、少年法の第二十条で保護されております「十六歳に満たない少年の事件については、これを検察官に送致することはできない。」という規定、この十六歳というのは、私の理解では、義務教育の終了年限と関係があって、義務教育が終わって、国としては一人の国民を一人前の国民として社会に送り出すのだ。ですから、そういう意味では、刑事罰も、当然のことながら、それは自分のやったことに対して責任を持って負わなければいけないのだ、そういうふうに理解ができるわけでございますが、まず、そういう理解をしていいのかどうなのか、ただこれは義務教育の終了年限とは全く関係がないのかあるのか、この点をお尋ねをしたいと思います。どなたでもよろしゅうございます。むしろ文部省の方のお考えを聞きたいので、法務省ではなしに、文部省の方はどうですか。

富岡賢治文部大臣官房総務審議官

○富岡政府委員 今の先生の、十六歳ということについてどういう経緯でそうなったかということについて、ちょっとつまびらかにしておりませんので、大変恐縮でございますがお答えになりませんけれども、ただ、少年法の、現在審議が行われております、あるいはいろいろな議論が交わされております、その適用年齢の問題とか事実認定手続等につきましては、現在、文部省として特に御意見を申し上げておるということはございませんで、いずれにしても、法務省において検討されるものと承知しているわけでございますので、私ども、青少年健全育成という点から関心を持っておりますけれども、一応役所の立場としてはそういうことでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 わかりました。役所の立場じゃなくてもいいですが、これは法務省に聞けば、それは関係あるかないか教えていただけますか。

原田明夫法務省刑事局長

○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。  家庭裁判所が、委員御指摘の、検察官に送致する、これは逆送と言っておりますけれども、検察官に送致いたしまして刑事処分をすることができる基準として、処分時十六歳という年齢が採用されておるのでございますが、この十六歳未満の少年につきましては、これは、現行少年法がつくられる際にそのようにされたものでございます。  一般的に、可塑性が豊かで、性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分により、改善、更生を図ることが期待できる、刑事処分で一般の刑罰を科すというよりは、むしろ保護、改善に主眼を置くにはそれに適した年齢ではないかということが議論された結果、このようになったというふうに理解をしております。  確かに、義務教育の年限と重なり合う面がございますのであるいはそういうことが当時背景として考えられたということはあるのかもしれません。現在十六歳を、外国の例ではそれより低い年齢で刑事処分を科するようにしているところもあるのでございますが、この点につきましては、果たしてそのような、いわば刑事処分を科していくことによって対応するのがいいのかどうかという点についてはやはり、先ほど申し上げましたような、幅広い観点から考えていくということが必要ではないだろうかと思います。  剛直的に考える必要はないと思うのでございますけれども、やはりこのようにされてきた背景につきましても、なお幅広い御意見を承らなければならないのではないだろうかと考えます。

海江田万里民主党

○海江田委員 本席は、少年法の十六を十四にすべきだとか、してはいかぬとかいう議論ではありませんので、それは別の機会に譲りたいと思いますが、私の理解では、ちょうど義務教育の年限とリンクをしておるというような考え方なんですね。だから、文部省の方も、確かに今現在はまだ余り準備がないということだろうと思いますが、やはり片一方で、これからそういう議論も始まるわけでございますから、そういう意味では文部省としても、義務教育の年限等の中でどういう教育をしていったらいいのかということをある程度やはり念頭に置かれた方がいいのじゃないだろうか。  そしてまた、そういうことがなければ、先ほど政務次官からまさに、大きな教育改革というものをやらなければいけないというお話があったわけですから、これは橋本総理もそうでございますが、大きな教育改革をやらなければいけないという決意のほどはわかっているわけでございますが、じゃ、その教育改革の中身が一体どういうことになるのかということになると、これは全く見えてきていないわけですね。  ですから、やはりそろそろ、そういう意味では、教育改革の中身はここなんだよということで、場合によっては義務教育の年限を引き下げることだってこれはあるでしょうし、それから、いや、もっと中高の一貫教育をやらなきゃいけないんだという話にもなるでしょうし、そういうような、抜本的な教育制度の改革と言われたときの中身を、まずもっと早い段階でこれから大急ぎで考えていただきたいということと、今お話をしたように、やはり少年法の議論も国会などではもう議論が始まっておりますから、文部省の方もやはりそれをにらみながら、全く法務省だけに任せておくということではなしに、やはり何らかの対応というか、考え方をお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。できたら、政務次官にお答えいただきたいのですが。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 教育改革ということでございますけれども、本当に、今委員のおっしゃったように、教育改革というのは具体的に何をするかということが改革だというふうに思います。ですから、もうできるだけ、できる限りのことは文部省としても抜本的な改革をやっていきたいというふうに考えております。

海江田万里民主党

○海江田委員 あと、少年法の問題には余り関心はございませんですか。少年法の問題については。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私個人といたしましても、少年法の問題については大変関心がございますけれども、これはやはり、法務省といろいろと検討しながら見直していきたいというふうに考えております。

海江田万里民主党

○海江田委員 ですから、私も指摘をしましたけれども、義務教育というのは、本来やはり国が一人の国民を、もう責任もあれば、自己責任をとってもらいますよということで、そういう意味では、もちろん生涯学習とかいう考え方もありますけれども、まさに義務教育というのは、基本的なところで国民として知っておかなきゃいけない法律等についてもきちっと教育をして、そして、さあこれからいつでも世の中に出ていってくださいよということです。昔は元服という儀式があって、あれも今で言う十五歳ですよね、これは。だけれども、何で十五歳でないのかというと、まさに十五歳ではまだ中学二年生であって、十四歳もいるわけですから、中学三年終わるのはやはり十六歳にならなきゃいけないので、私は、この義務教育の関係とやはり少年法の二十条との関係というのは大いに関係があると思うのですよ。  これは私は、むしろ文部省の人たちからすれば当然常識――そんな余計なこと言うと、人の話を聞けなくなるから。文部省、そんな、今私が一生懸命政務次官に話しているのに、だめじゃないですか、そういうことは。委員長、いいんですか。ああいう、勝手に、人が話しているときにさっと行って。何を話していたかわかりますか、今私が。――じゃ、答えてください。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 正確に答えられるかどうかわかりませんけれども、義務教育の教えている段階と少年法の関連についてのお話だったと思いますが、それでよろしいですか。

海江田万里民主党

○海江田委員 この心の教育のあり方にも書いてあると思うのですけれども人が真剣に話をしているときは、耳を傾けてくださいよ。全然そういうことをやらずに、何がそんな心の教育のあり方ですか。そうでしょう。いや、とぼけた話やらないでくださいよ。人がお尋ねをしているのに横から出てきたりとか、しかも、議事の妨害じゃないですか。ちょっとそれについて謝ってくださいよ。冗談じゃないよ。

富岡賢治文部大臣官房総務審議官

○富岡政府委員 大変申しわけありませんでした。以後、注意いたします。

海江田万里民主党

○海江田委員 何が申しわけなかったのですか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 政務次官に対する先生の質問中に私どもの職員が政務次官に話しかけたことにつきましては、先生の御質問をきちんと政務次官に聞いていただくということを妨げる結果となりまして、まことに申しわけございません。十分反省をいたします。

海江田万里民主党

○海江田委員 別に、答えられなくたっていいのですよ。何もそんな難しい質問をして、専門的なことをやって、その質問をして、それが政務次官が答えられないと、何だ政務次官はとかいうような話をしている話では全然ないのですよ。  だから、私も考えて、事務方でもよろしゅうございますというときは事務方にちゃんとお願いをしていますし、それから、政務次官にやはりそういう認識を持ってもらいたいとか政治家としてのお考えを聞きたいときは、政務次官にお尋ねをしているのですから。政務次官は本当に学識のある方でございますけれども、だけれども、それが別にちょっと何か言い間違えをしたからといったって、それは責めたりはしませんよ。  ただ、こういうところでそういう認識を持っていただきたいということをお話をしているわけで、そういう認識を持っていただければまたいろいろな、先ほども法務省とこれからある程度連携をとらなければいけないというときに、御自分の考えになりますから、お役所任せではなくて、御自分の意見として言うことができると思いましたのでお話をさせていただいているわけでございますからね。そこのところはひとつ誤解のないように。これは、皆さん方に対して怒っているのではなくて、しかっているのですからね。そこは誤解のないようにお願いをしたいと思いますが……。何を話ししようと思ったろう。  私は、この少年法の問題は、そういう意味ではいわゆる義務教育の問題と関係があると思いますので、これはよく皆さん方の中でも議論をしていただいて、それこそ大臣や政務次官が中心になって議論をしていただいて、そしてその意見をまとめてやはり法務省にぶつけるぐらいのことをお願いをしたいということがお願いでございます。  もし御意見がありましたら答弁をお願いしたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 委員のお話になったことは大変もっともだと思いますので、私たちもその趣旨に沿ってこれからも考えさせていただきたいというふうに思っております。  私が至らないものですから、大変御迷惑をおかけいたしました。

海江田万里民主党

○海江田委員 いや、そんなことはないですよ。何かおかしいな、これは。政務次官が至らないことは全然ないですよ、これは。いや、打ち合わせならいいですけれども、人の話を――まあ、いいです。  サッカーくじの話でございますけれども、この間、法律が衆参で通過をしましたけれども、その後の新聞記事などを見てみますと、新聞の論説なんかを見てみますと、かなりこれは不十分だ、不十分だという指摘があります。  これは、毎日新聞は社説で「不透明ばかりが目につく」、それから読売新聞は「透明なサッカーくじを目指せ」、朝日になりますと「もう一度、考え直せ」、朝日は三月二十四日、「ほんとうにいいのですか」とか、非常に後ろ向きなというか否定的な意見があるわけでございます。  ただ、法律はもう通りましたので、これは、もしこれから実際にやってみて問題があれば、変える、あるいはやる前に問題があるということが指摘をされれば、それはそれで法律の改正をしていかなければいけないわけでございますが、やはり非常に素朴な疑問で、この社説の中にも書いてございますけれども、子供に心の教育を教えております文部省が何でギャンブルの胴元にならなければいけないのかという素朴な疑問が、仮に子供なら子供から発せられたとしましょう。そのときに、何てお答えになりますか。これは政務次官。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私にとりましては大変難しい質問でございまして、心の教育を今からやらなければいけないのに、ギャンブルという形で、それをどういうふうに国民に普及するかということになると、私も、母親としても、女性としても、大変このことに対しては答えにくいことでございます。  先ほどもお話ししましたように、やはりスポーツも大事な仕事というか、大事なことでございますので、そういう意味でもスポーツ振興、それから健全育成という形のいい方に変えられればいいのかなということで、私はちょっと、私個人としては、そのことに対しての質問は大変難しいので、控えさせていただきます。

海江田万里民主党

○海江田委員 では、文部省の方でよろしゅうございますが、子供に心の教育を説いております文部省が、どうしてギャンブルの、胴元という言葉は悪いですが、文部省の外郭団体あるいは文部省の管轄の特殊法人日本体育・学校健康センターというところがサッカーくじの運営の主体になるわけですけれども、そういう状況はどうしてですか、何で文部省がやらなければいけないのですかということを聞かれたら、どういうふうにお答えになりますか。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 この制度につきましては、長年の提案者の立法過程における御検討、それから国会衆参での慎重な審議を経て、過日成立したわけでございますが、提案者の意図それから国会での御審議を通じて、残念ながら、反対意見をお持ちの方でこれはギャンブルであるという前提での御議論がなかなか払拭されないままになったというのは非常に残念なことだと思うのでございます。ギャンブルの定義にもよるのでございましょうけれども、国会審議の中で私ども承知しておりますのは、いわゆる何か負けたときにさらに倍がけしてのめり込む、あるいは身上をつぶすというような意味での一般的なギャンブルという感覚とは違う制度ではないでしょうかというふうに私どもも理解しております。  しかも、新聞は、ためにする用語を使いますけれども、普通は、胴元といいますと幾らかテラ銭を稼いで懐に入れられるということがございますが、本件につきましては、御提案者の意図にもございますように、諸外国の成功例を参考にいたしまして、スポーツの振興を図りながら子供たちの健全育成にも資そうという意図に出たものでございまして、一切文部省の懐に入るわけではなくて、スポーツ団体や地方自治体等への助成金に充てようということが中心なわけでございます。  今さまざまな、子供たちを取り巻く事件でございますとか環境の悪化があるわけでございますけれども、そのために、いろいろ手を尽くさなければいけない施策がございます。そのために私ども、スポーツの振興も大きなその解決策の一つではないかというふうに考えているわけでございまして、力及ばない中で国の予算がなかなか伸びない、こういう形での財源措置を講じさせていただいたときに、それにこたえる形での、子供たちを取り巻くスポーツ環境を含む青少年の健全育成のための条件整備に努めてまいりたいと思っておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 ギャンブルでないという話で、まあ、くじであることは確かなのですけれども、これは倍率からいってもかなり射幸心は高いのですよ。射幸心をあおるのですよ、これは。大抵倍率でやるわけですから、射幸心が高いかどうかを警察なんかが見るときは。これは、倍率でいうと非常に射幸心が高いわけです。パチンコなんかでもそうですからね、あれは。極端に射幸心をあおるものについては法律で禁止をするという話になっているわけですから、だから、ギャンブルでないというのは非常に解せない話なんです。  あと、文部省がこれをどうこうするという話ではないということですが、日本体育・学校健康センターに文部省から何人天下りをしていますか。教えてください。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 俗に天下りと言っておりますが、御承知のように、特殊法人の役員大事につきましては、その経験あるいは人望などを含めてふさわしい方を登用させていただいているわけでございますが、現在、本センターに理事長以下七名の常勤の役員がおりますけれども、その七名のうち、文部省での勤務経験のある者は三名でございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 これは大変多いと思いますね。それで全く文部省が関係ないとは言えないですね。  これは、法律が通りましたら、私はその通った法律について云々はしませんけれども、やはり少なくとも徹底した透明化ですね。それこそ本当に、経費が一五%というけれども、その経費がどのくらい、やはり一五%がきちっと、どういうふうな形で、本当の経費なのかどうなのか。それで、役員の手当なんかかどのくらいあるのかとかということも含めて、これはやはり徹底した透明化というものを私は要求をしたいと思うのですね。これまで以上の透明化ですから、これは。当然そういうおつもりでこういう仕組みにされたのだろうと思いますから、それはぜひやっていただきたいと思いまして、これからも機会を見まして、そういう団体の問題については考えていかなければいけないかな、そんなふうな気持ちでおります。  もう時間も来ましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ――――◇―――――     午後一時二分開議

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山中燁子君。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 山中燁子でございます。  きょうは、ここに立っておりますのも、実は本当にわびしい気持ちで立っております。  と申しますのは、一九八六年、八七年、八八年と、私も働く母親の一人といたしまして、そのとき、被服の専門家、建築の専門家、そして心理学の専門家と、働く母親が、このままの日本の子供の状態では大変なことになるということで、忙しい合間を縫って、実際の世界のデータと、それから三千サンプルほどのアンケートをとって、そして、提言をいたしました。その中では、例えば、子供というのは本当に心のよりどころというのが一番大事であるというところから始まりまして、教育改革に至るまで提言しました。  そして今、現状を見ておりまして、先日も資料として予算委員会の十年四月一日の会議録を拝見いたしましても、また新聞記事を見ましても、もう十数年たっているのに同じことを今も言わなければいけない、そういう思いでございます。でも、自分の子供たちはその年齢を少し逢えましたけれども、次の世代のために一つでもプラスになるような質問ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  けさほどの質疑の中で、政務次官が、道徳に関してでしたけれども、基本に戻ることが大切であるというふうなことをおっしゃったと思います。私も大賛成なんですが、あいさつをするとか社会性のある教育をするとか、具体的には今どういうふうな政策に反映させようと思っていらっしゃいますか、まずそれをお聞きできればと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 いわゆる基本的なものをどういうふうに反映させるということですか。(山中(燁)委員「はい」と呼ぶ)  家庭教育のあり方を見直そうということでございますので、幼児教育とかそういう場で、基本的なあいさつとかいろいろなものを、きちっと本当に初歩的なことを教えていこうということを考えております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 それからもう一点、大変失礼に当たるかもしれませんが、何か起こらないと人間は考えないということをおっしゃったと思うのです。何かが起こってみないと、その場にならないと人間はなかなか考えないというふうにおっしゃったと思うのですけれども、私、先ほど申し上げましたように、もう十数年前からこういう状態は随分予測されているとすれば、政務次官はおつきになってまだ間もないですけれども、政治全体として、見えていることを先々に長期的な展望でする、それが政策だろうと思うのですが、それがおくれていたのではないかと私は思うのですが、その点についてはどういう御感想をお持ちでいらっしゃいますか。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 委員の御指摘のとおりだと思います。  私も、これはもう十何年も前から、本当にこれから教育問題がおかしくなるということは考えられていたわけですけれども、やはり二十一世紀に向かってのこの変わり目にいろいろなことが、社会自体も大変混乱してしる中で、その現象か大きく起こってあらわれてきたのだと思うのですね。それで、本当にみんなが、何とかしなければならないという気持ちにやっとなってきたのだと思います。やはり政治とか政策面で先取り、先取りをしなければいけないのが本当だろうとは思いますけれども、実情として、やはり国民全体がそういう思いになってきたのだというふうに、そういう機運というか、そういう時期、もうしなければならないという限界に来たのだと思います。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 ただいまの発言は、今本当に改革をしなければいけないという決意というふうに受け取らせていただいてよろしゅうございますか。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 はい。私は、もう本当に改革しなければいけないという思いでいっぱいでございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 たくさんのポイントがありますが、本日は、この行政監視委員会に対する目安箱の中から幾つかの事項を取り上げて、それについて討論させていただきたいというふうに思います。  まず一番最初は、教育問題全体、教育行政全体にかかわる問題ということの中で、目安箱にありました中で、例えば教材費とか宿泊旅行費というようなものも業者の言いなりで癒着と思われるのではないかというようなことが出ております。もちろん、こうですかとお伺いしても、それはそういうことはないとお答えになると思いますが、日本の制度ではそれをチェックするというのが、この行政監視委員会というのが改めてできましたので、多分ここはできるのかと思いますけれども、とてもそれぞれの地域の小中学校の実際の収入、財政、そういうものまではできないと思うのですが、それはどういう形で監視をしているかということについて、簡単に教えていただきたいと思います。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 公立の小中学校等にかかわります財政支出は、基本的には設置者であります、県立の高等学校てありますと都道府県、あるいは小中学校でございますと市町村ということでございますので、各学校の管理運営経費あるいは施設整備にかかわる経費等につきましては、それぞれ地方自治の原則に基づきまして市町村の歳出予算に計上をされまして、それぞれの地方公共団体の財政会計規則に従いまして支出されるということになろうかと思います。それを具体的にどういう形でチェックするかということになりますと、それぞれの都道府県または市町村の議会においてということになろうかと存じます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 一つの都道府県の議会あるいはその市町村の議会がチェックをするということになっているという今の御答弁でございますけれども、実際にいろいろな苦情がここに来ているということは、まだまだチェックが十分ではないというふうに理解されると思います。  例えば、御存じと思いますけれども、アメリカの場合には、地方の教育委員会というのは一カ月に一度開かれて、しかも公開して、そして、州によって違いますけれども、そのときに一般市民も発言を許される、そういった透明性、公開性というのが確保されているわけでございます。そういった問題だけではなくて、日本の行政全体の情報公開ということもありますが、いろいろなプロセスにおける公開性というものをやはり文部省ももっと考えるべきだと思うのですが、これについて次官の御所見を伺いたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 限られた国家の予算の中で本当に正しく予算が使われることが、適正に使われることが一番大事だと思いますので、文部省としても本当に適正に活用されるように私たちも監視していきたいと思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 気持ちはそうだと思われます。皆さんそうしていらっしゃると思うのですけれども、具体的にそうじゃないといういろいろな苦情が来ているということにかんがみますと、改めて、チェックの機能を強化するという方向で改革の一つとして検討なさるというお気持ちはおありになりませんでしょうか。次官のお気持ちを伺いたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 いろいろと調査いたしまして、それで、できるだけ明るく、ガラス張りのあれができるようにしたいと思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 ぜひ、新しいシステムを導入することも含めて早急に検討していただきたい。先ほどの決意と同じに受け取らせていただきますので、実行に移していただければと思います。  それから、教員についての苦情もかなり来ております。例えば、公務員採用の学歴や年齢制限を撤廃すべきではないか、人生経験豊かな、人の心を修繕できる人を採用すべきではないかというようなことがこの目安箱の中に来ております。  この教員の採用ということについては、私はPTAもやっておりましたし、もちろん大学にも教員の側でもおりましたけれども、新人の小学校の教員の研修のビデオを見たことがありますが、それは研修というよりも訓練という印象を私は受けまして、大変ショックを受けました。心をケアするという部分が相当に欠落していたのではないか。そういうように、教員自体も育っていない。若い教員の方は、就職して、子供を育てたこともないけれども子供に接しなければいけない。だから、教員自身が育たなければいけないわけです。目安箱の中にも、教員同士のいじめの話も出ておりますけれども、やはりそういった状況では子供を十分にはぐくむという視点に立てない人も中には出てくるであろう、全員ということではございませんが。  そういった意味で、これも最近のシアトルの例ですけれども、これは本当に州によっても地域によっても違いますけれども、やはり教師をチェックするということで、シアトルでは、教師としての評価をうまく上げられないときには教師を教えるグループが教師のカウンセリングをする、そして指導力とかそういったものを高めるというやり方をしています。フィラデルフィアに至りましては、もしもきちんとした授業を行わない場合には解雇することもある。これはもちろん、その地域のボードメンバーというのが決めるわけでございまして、行政が決めるわけではなくて、御存じのようにその地域の人たちから選ばれた人たちが決めるということでございますけれども、そういう例もございます。  日本は今、永久就職ということが一応前提となっておりますけれども、新卒後三年間に離職する割合というのは、一時三八%になりました。そういった新しい世代の波を考えてみますと、教員の採用、そしてその任免、それに対してもかなりの幅広い資格試験ということも、経験で代替するとか、経験のある人のいわゆる資格試験というものをどういうふうに考えていくかというような幅を持たせて教員の採用を考えるということが必要ではないかと思いますが、その点について、次官はどう思われますか。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 公立学校の教員について申し上げますと、それぞれ任命権者でございます都道府県等の教育委員会が責任を持って採用するということになっているわけでございます。その前提といたしまして、教員免許状を取得した者からということになっているわけでございます。  採用に当たりましては、今委員御指摘のように、できるだけ幅広い観点から、個性のある、人物のすぐれた方を選ぶということで、単に学科の試験ということではなくて、実技であるとかあるいは集団討論であるとか個人面接であるとか、あるいは面接の際には外部の方々も入れて採用するとかいうようなさまざまな工夫をやっているところでございます。  また、採用後におきましては、一年間の初任者研修制度ということで、年間を通じて計画的に学校の内外で訓練を積むということになってございますし、一年たった時点で、条件つき採用期限が切れる際には、その一年間の勤務成績を評定して、その後永続的に雇用するかどうかというような条件つき採用期間中の判断も行っているわけでございます。  なお、教員が法令等に違反いたしまして、不適切な……(山中(煙)委員「お聞きしてません」と呼ぶ)

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 済みません、時間がないので申しわけありません。  採用の手順や研修の手順ではなくて、今一生懸命やっていらしても、こういう苦情が来ている。これはいろいろなところで聞かれていることですから、もっと社会経験を積んだ人、例えばコンピューターだったらコンピューターの専門家をちゃんと入れる。  日本の場合は、例えば英語の教師のJETプログラムというのがございますよね。それはアシスタントであって、その人が評価をするということはできない。つまり、評価をするのはあくまでも受け持ちの教員。それはいい面もありますけれども、それが幅を狭めているという部分もあるので、もう一度その辺のところを、もう少し視野を広めて、そして文化的にも、あるいは幅広い教育、それから人間的な視野、そういったものを含めた教員の任免ということをお考えになれないかということですから、これは制度のことではないので、次官の御所見を伺いたいと思ったのです。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 教員の養成についても、今、大変大事な時期に来ていると思います。  先ほど教員のいじめというものがありましたけれども、教員の登校拒否なんという話もちょっと聞いておりますし、教員改革におきましても、教員の養成を見直すという形で考えております。  そしてまた、教員の幅広い採用ということですけれども、それもできるだけ地方の教育委員会にお任せをして、そして幅広い人材を採用するような方に検討しておりますし、前向きで、いろいろな形で新しい改革をやっていきたいというふうに考えております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 ミシガン州あたりでは、五年に一度、もう一度適正かどうかを見直すというようなことをやっていた時期もあります。いろいろな工夫を世界じゅうがしていますから、ぜひ新しい発想を入れていただきたい。  それから、ことしの四月三十日にカリフォルニアの議会が、チャータースクール、これは従来のカリキュラムにとらわれない自由な教育を行うという公立校ですが、それをモデル的にやっておりましたのを、百校に限定しておりましたけれども、一九九九年には二百五十校にふやし、以後、毎年百校ずつふやすこと、そういうような決定を行っております。それで、実は、クリントン大統領が年頭の教書で、二〇〇〇年までにこの自由なカリキュラムを導入したチャータースクールを三千校に拡大すると言ったのに対して、共和党は猛反対をいたしました。その理由は三千校では足りないという、珍しい反対があったわけです。今、全米では約七千七百校のチャータースクールがございますけれども、カリキュラムの見直しということも含めて、固定したカリキュラムでこの指導要領に従ってやっていかなければいけない、あの足かせというのが大変、特に語学教育なんかは実際の生きた教育を阻害している部分がありますので、その辺も含めてぜひ御検討いただきたいと思います。  時間がありませんので、次にカウンセリングのことについて、これもやはり目安箱の中に入っておりましたので、お伺いさせていただきます。  カウンセリングに関しましては、ここの引用をいたしますと、「先生は実状を把握していません。」「学校長の活動も含めて、カウンセラーからの報告を受け、監視する機関も必要なのではないでしょうか。」ということです。次官はけさ早かったと思いますが、けさのCNNのニュースをごらんになっておいでになったとしましたら多分びっくりしたと思うのです。例のオレゴン州の乱射事件以後、初めて学生たちが登校しました。二人死亡して二十二人けがをしましたけれども、その初登校の日に、何十人ものカウンセラーが一緒に登校しております。CNNでは、けがをしなくても心に傷を負った子供たちのために必要であればということで、カウンセラーをたくさん登校させてカウンセリングに当たっていると。  こういうけさのニュースを見ましても、果たして日本の現状、これは、私どもが育ったころは一クラス五十人でした。しかし、ほとんど価値観が多様化していなくて、そして、それぞれが、いいことはいい、悪いことは悪いことで集団的な教育というものを受けていた時代と全く違う今の時代において、日本のカウンセラーの制度というのが果たして十分なのかどうかということで、その辺のところはどういうふうにおとらえになっていらっしゃいますか。  恐れ入りますが、短くお願いいたします。

近藤信司文化庁次長

○近藤説明員 お答えをいたします。  スクールカウンセラーの制度の概要について御説明申し上げます。(山中(輝)委員「説明はいいです」と呼ぶ)  平成七年度から……

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 簡明に。イエスかノーかを答えなさい。

近藤信司文化庁次長

○近藤説明員 今、千六百六十一校にスクールカウンセラーを派遣しております。  先生御指摘のように、これが足りないではないかというような御指摘もございますが、現在、このスクールカウンセラーの配置を行いますことによって、児童生徒の問題行動の予防、発見、解消に大変効果があったという都道府県からの報告もございます。一面、先ほど先生も御指摘になりましたけれども、勤務形態のあり方でありますとか、ほかの教員との役割分担などについて検討が必要ではないか、こんな御報告もいただいておるところでございます。  文部省といたしましては、いずれにいたしましても、スクールカウンセラーの今後の望ましいあり方について、さらに調査研究を進めてまいりたい、かように考えております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 調査研究はいつまでなさるのでしまうか。もう終わっていてよろしいのではないでしょうか。  と申しますのは、私の手元にあります資料によりますと、一九九七年から一九九八年に、カウンセラーというのを随分文部省もふやしていらっしゃいます。それは、ラフに申し上げまして、文部省からいただいた資料でも、三十七校に一校配置というのが一九九七年で、九八年には二十四校に一校配置ということで、努力していらっしゃるのはよくわかります。  私が要求しました資料、つまり、何人の公立の生徒に一人のカウンセラーが存在していますかということについてはついにお答えいただけませんでした。それで、私は、ちょっと乱暴でございますが、全生徒数、これは文部省の中学校課の資料、それをそのカウンセラーの数で割りますと、一万三千四百三十七人に一人という数字になります。  さて、アメリカの方を見てみますと、アメリカだけが進んでいるわけではないのです、教育の面では私はアメリカはそんなに進んでいるとは思っておりませんでしたが、それでも、最大生徒三百人に一人のスクールカウンセラーを置くということで、現在、アメリカ全体では九万人のカウンセラーがおります。これは、九八年四月二十八日号のエデュケーションウィークに出ているものでございます。  これは、決してカウンセラーというのは子供だけではなくて、さっき次官もおっしゃいましたように、やはり教師も含めて、あるいは時には親も含めてカウンセリングをするという時代になってまいりました。  ちなみに、これは前ですけれども、私が訪ねましたスウェーデンのスポンガギムナジウム、これは心理学者が、二つの学校に一人の担当がおります。それから、専門教師、看護婦、准看護婦、それから健康教育学者が一体となってカウンセラーのグループを形成しております。しかし、この学校の規模というのは、一クラス二十名以下、現実には十数名。二クラスになるとまた学校をつくるということで、一学年は二クラスしかありません。  そういった状況で、なかなかこの北欧の状態まではいかないにしても――クラス丸ごとのカウンセリングを一カ月やるということもあります。つまり、教師と子供がうまくいかない場合、あるいは親とうまくいかない場合には親ともカウンセリングをする。それには大変なお金もかかるわけですけれども、しかし、そういうことが十分行われていると、決して七〇%の母親が働いていても非行がもっとふえているという状況ではないわけです。私は、ぜひカウンセラーを、先ほどの文部省の努力はわかりますけれども、はるかに足りないのではないか。  そして、これがもしかしたら新しい雇用を生む。カウンセリングというのは、特に女性も含めて、心理的にいろいろな状況を把握しながらカウンセリングしていくという意味で、若い女性たちの、あるいは男性も含めて新しい雇用の機会にもなり得るわけです。  もちろん、財政逼迫の折、お金がかかるということがあったとしても、物にお金をかけるものを削っても、やはり子供の心にお金をかけていきたいというふうに思っておりますので、その辺の、今どうするということはないと思いますけれども、まずお気持ちだけお聞かせいただけませんでしょうか、または御決意、お願いいたします。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 委員の御指摘のとおりだと思います。私も同感でございますけれども、カウンセラーに関しましては、日本も大変お粗末な状態のようです。  でも、平成七年度は百五十四校だったのに、平成九年度は千六百六十一校というまでに上がって、二十四校に一人カウンセラーが配置されたということで、大変な進歩だと思いますし、またこれからも……(「だめだよ、大変な進歩なんて言っては」と呼ぶ者あり)でも、かなり努力していると思います。  これからも努力をしていきたいと思っています。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 先ほど私が申し上げましたように、努力はわかりますが、これでは解決にならな  ですから、本当に基本的に、抜本的に、時代を見据えながら、もう一度予算の組み替えも含めてお考えいただきたいというふうに、これは政策の考え方としてお伺いしているのです。努力を認めていないとは申し上げておりません。いかがですか、政務次官。もう一度、お願いいたします。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 御指摘ございましたカウンセラーの問題でございますが、実は、今回お願いをしてございます補正予算におきまして、全国の中学校に「心の教室」、空き教室等を活用いたしまして部屋を準備いたしまして、そこに相談員を配置するということを考えておるわけでございます。これは予算でお願いしておるわけでございます。  これがすべてカウンセラーではございませんけれども、地域の指導者の方とか教員のOBの方士かあるいはカウンセラーの方とか、そういう方で子供たちの悩みにこたえられる体制をつくろうということで、今努力しているところでございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 私が申し上げているのは、先はどのように、きちんとした専門家を育てるということも、一つ雇用を創出する意味もありますし、そして、やはり時代にあって専門家同士のディスカッションをしながら解決していくというものもありますので、単に相談に乗れるというものがカウンセラーではないということも含めまして、今やっていらっしゃる努力を否定するわけではございませんが、やはり母親でいらっしゃる次官も、その辺のところ、本当にお気持ちとしては、やはりきちんとした体制で子供たちを育てたいと思っていらっしゃると思うのですね。  特に母親も、昔でしたら、例えば、真っすぐおしりからたたいたら頭に響きますから、子供のおしりをたたくときは上から斜めにたたくとへ私は父に教わりました。悪いことをしたときに親がそういったたき方をすることで、ちゃんとたたくということが効果がある。そういうことを教えられてこない今の母親の状態を見ますと、母親も含めて、家庭も含めて、そして若い教師も含めて、やはりそれを全体にカウンセリングできるというのは、専門家をたくさん育てて配置することだと思うのです。そういう考え方、いかがですか。  次官にお願いいたします。考え方だけお聞きします。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私も同感でございます。  ですから、私もへ女性として、母親としてもそういう面で努力をしていきたいと思っています。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 次官の御努力に期待申し上げます。  それと連動いたしまして、ここの目安箱の中に、実は定時制の高校の定員数が長い間一クラス四十名定員のまま据え置かれており、これに達しないといって学級が減らされるということが出ております。これは定時制だけではなくて、クラスのサイズというのは以前から、実はうちの子供たちが小学校のときに、五月一日に定員によってクラスがえが起こって、先生がかわって、大変なマイナスがあって、それが四月一日になったということがございます。定員は少しずつ減ってきておりますけれども、さて、このクラスサイズで本当にいいのかということももう一度考え直す必要があると思います。  ユネスコの統計で、一九九三年に、教師と生徒の比率ということで、教師一人に日本は平均約二十名、アメリカでは十四名、スウェーデンは十名、それからデンマークが十二名ということがありますけれども、日本だけではないのです、世界じゅうが教育の問題で苦しんでいるわけで、みんなが努力をしているわけでございます。  英国では、プライマリースクールのクラスの平均を、今、二十七人だったわけですが、二十一・九人ということにするというようなことも含めまして、五歳から七歳までのクラスも小さくするということも出ております。  それからアメリカでも、カリフォルニアでは実は十五億ドルの予算を計上しく 一クラスを二十九人から二十人にする。これには、ハーバード大学のフレデリック・モステラー教授が、クラスの減少化というのは確かにいろいろな意味で効果があるということも検証しておりますし、またテネシー州は四年間で千二百万ドルのお金をかけて調査をいたしました。それは、一クラスが十三名から十七名の少数のクラスが、読み書きも平均に比べて一〇%スコアが高く、そして学校を休んだりクラスを妨害するということもない、そういう調査結果に基づいて、テネシー州は幼稚園から小学校三年生までのクラスを小さくしております。  こういうような調査を日本ではどういうふうにしていらっしゃいますか。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 私どもも各国の状況についてつぶさに承知しているわけではございませんけれども、御指摘のアメリカ合衆国では、一般的に二十人前後、教員一人当たりの児童生徒数が……(山中(樺)委員「済みません、日本の調査はどういうふうにしていらっしゃいますかという質問でございます」と呼ぶ)  日本におきましては一学級の編制を四十人を上限としておりますけれども……

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 そうじゃない、調査はやっておるのかと聞いているんだ。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 お答えを申し上げます。  実際には、小学校の場合は一学級当たり平均児童生徒数が二十七・七人、中学校の場合は三十二九人。これに対しまして、教員一人当たりの児童生徒数について見ますと、小学校については十九八人、中学校につきましては十七・一人というのが現状でございます。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 いや、そうじゃないよ、君。ちょっと、よく聞いておらないとだめだよ、質問を。能力が、小さいクラスの方が出るのか出ないのかという調査をしておるかと聞いておるんだ。もうちょっとちゃんと答えてもらわなければ困る。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 大変申しわけございません。  多くの研究はございませんけれども、私どもといたしましても、例えばグラス、スミスの研究の成果であるとか、あるいは、最近におきますと、香川大学におきます教育学部の附属坂出中学校におきます研究の成果であるとか、幾つか、一般に公開されている限りの調査につきましては把握しているところでございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 把握をしているかどうかということではなくて、文部省としてきちっと調査をなさっているかどうかということについて、お答えができないのでしょうか。

御手洗康文部省教育助成局長

○御手洗政府委員 文部省として、そういった教育効果それ自身を研究しているという状況はございませんが……

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 それでいいよ。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 これは次官からぜひ大臣にもお伝えいただきたいと思います。  物事を改革するあるいは変えていくときは、現実にどういうことが起こっているか、これがどういう場合にはどういうことになるかというきちっとしたデータと調査、それに対する分析、そしてそれに対してどういう対策を立てていくか、これがないと、最後まで行ってもうどうしようもないときにしか対策が出てこないということになるわけです。同じ轍を踏まないためにも、ぜひまだ余力のあるうちに調査費をきちっとつけて、そしてその調査をどういう形でやるか、それをどういう形で公表するか、それに従ってどのような対策を立てるかということをぜひ委員会に報告していただきたいと思いますが、いかがですか。次官、お願いいたします。大臣とぜひ検討していただきたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 検討させていただきます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 それでは、ぜひ検討して、そして成果を後ほど御報告いだだきたいと思います。  大変大きな問題が山積しておりまして、刃物の問題ですとか少年の非行とかというのがありますけれども、これは国内問題であるというふうにとらえられない側面があるというところから、私はちょっと質問させていただきたいと思います。  二月二十五日の金大中韓国大統領の就任式の翌日に、日韓の議連の方々に大統領がお会いになったときに、幾つかおっしゃいました中の一つに文化交流ということをおっしゃいました。これは大変に、日本の文化を今までは疎外していたけれども、いい文化は入れたい、それからまた天皇の訪問も考えたいという、前向きの報道が日本にはなされております。  実際におっしゃったのは、それも日本語でおっしゃいましたのをそのまま私はメモしてまいりましたけれども、二〇〇二年の日韓共同開催の世界サッカー大会を日韓交流の集大成にしたい、現在、セックス、暴力の漫画など好ましくない文化が日本からどんどん流入している、しかし伝統文化は禁止されているので、真の文化交流をしたい。これは大変なメッセージでございます。外国の大統領から、日本のセックスまたは暴力にかかわるそういったものが、禁止しているにもかかわらず入ってきている。  それに従いまして、私ちょっと調べてみましたら、九二年の十一月に、シンガポールでは、写真やイラスト、漫画、劇画などの性表現や残酷場面、それら不許可ページを社員がカッターで切り取った後販売しているが、日本から届く主な週刊誌やコミック誌などはほとんど毎号何ページかがこれにひっかかっている。  また、一九九三年九月、これは韓国でございますが、今のことと連動いたしますけれども、日本アニメの過激な暴力、性表現に眉をひそのる親、大量に出回る海賊版に日本の文化侵略という警戒感が強い。  それから、フィリピンでは、これはアメリカのテレビ人気番組の「パワーレンジャー」が放送禁止の候補になりました。  それから、九六年十二月、「中国でコミック受難」というこの新聞の見出しも私はおかしいと思いますが、ディズニー社の雑誌が毎月十八万部も売られているが、セックスや暴力がはんらんする日本製コミックなどは有害のレッテルを張られている。日本でも「巨人の星」や「一休さん」などいいものがあるのにもかかわらず、そういったものがはんらんしていると。  九七年には、「香港でも性・暴力にピリピリ」ということで、香港のブックフェアにおいて、目玉の日本の漫画やアニメはきつい性表現や暴力シーンが多いため、展示に注意をしている。  もう一つ、ポケモンについても、タイでは九七年十月に、御存じのように暴力シーンなどを批判して、そして輸入禁止になっております。  与党の方でポルノについての法律を提出なさっておりますので、それは大変評価しますし、賛同いたしますけれども、やはり一緒に、暴力ということについても、アメリカのVチップがいいかどうかというのは、これはいろいろ議論のあるところでございますが、さまざまな調査の結果を見ますと、日本でもそうでございますけれども、「最初の暴力の漫画段階から致命的な武器に至るまで、暴力は面白く人を楽しませ、成功することが教わって、それがヒーローの解決策である」、これは女性のデブラ・プロスロスティス博士の言なのですけれども、こういうことが、子供たちへ気がつかないうちに非常に大きな影響を与えているというふうなことがあります。日本の暴力にかかわる雑誌やコミック、あるいはビデオといったものが、海外の子供たちによくないのに日本の子供にいいはずがありません。ですから、これはマイナスの教育であろうというふうに私は思います。  そういう意味で、ぜひ、ポルノだけではなくて暴力のことについても同じような、表現の自由というものと教育的な効果と、これはまた時間がありましたら討論する機会があると思いますけれども、各国工夫しながら法の整備もしておりますから、その辺もお考えいただく方向で検討いただけませんでしょうか。次官、お願いいたします。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 私も全く同じ考えでございまして、本当に嘆かわしいことだというふうに考えております。これは、日本の国からもこういう問題を何とかなくしたいというふうに思っておりますけれども、文部省でも有害情報対策に対しては真剣に考えているということでございますので、利自身も、これはゆゆしき問題、本当に大事な問題、一つの重要な問題だというふうに考えて取り組んでいきたいと思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 文部省が全然やっていらっしゃらないというわけではないですが、もっとやっているのは、PTAが歩き回って、そして有害図書を販売しているお店にいろいろ言ったりとか、それから地域の育成委員会もみんな動いているわけです。しかし、製造して販売すること自体に歯どめがかからなければ、それはなかなか難しいことでございます。ですから、縦割りで、文部省の管轄はこれだけという発想ではなくて、将来の日本を支える子供たち、そして将来の世界の一員となる日本の子供たちがどういう健全な精神を持って育つか、そういう観点からもっと幅広い対策というものを、あるいは法の整備というものをお考えいただきたいというふうに私は願っておりますが、その点はいかがですか。もう一度お願いいたします。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 御指摘のございましたポルノや暴力等について、子供たちに少なからぬ影響を与えているところでございます。文部省といたしましても、これは実は表現の自由の問題もございますけれども、例えばテレビや出版物等の関係者に対して自主規制をお願いするということを、今一生懸命やってございます。  それから、そういった出版業界の団体とPTAの方々との、いわゆる教育関係団体との定期的な協議の場を設けていただく、そこで話し合いをしていただくということもございますし、それから、有害情報については、先ほどお話がございましたVチップの導入などにつきまして放送業界や郵政省などにお願いをしておるところでございまして、文部省だけではできない部分もございますけれども、関係省庁あるいは関係団体と協力しながら努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 私が申し上げたのは、私はPTAとしても活動しましたし、子供のために育成委員としても活動しました。それでは十分でないから申し上げている。そこのところをよくお考えいただきたいと思います。  ですから、これだけやっていますという方向じゃなくて、やはり文部省も、本当にこれからどうすればいいか、ではこれは検討してみようというようなお答えをいただけるような前向きの発想に立っていただきませんと、ただ水かけ論をしていても仕方がないことだと思いますので、先ほどの次官のお答え、もう一度確認させていただきたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 今までの縦割りじゃなくて、今、文部大臣、郵政大臣、そして通産大臣と一緒になってこの問題に取り組んでいこうという前向きの姿勢でやっております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 時間も迫ってまいりましたので、少しほかの国の例も含めて、今、この目安箱に寄せられたものを本当にこれから解決していく視点として、まずちょっとお聞きいただきたいのです。  これは、ことし新しくリバイズされた、総務庁のものですが、これには出ておりませんけれども、一点だけ申し上げておきたいというのは、子供に身につけてほしい大切なことは何かという日本の母親も含めた各国の比較の中で、これは英、仏、米、タイ、そして韓国、日本でございますけれども、日本としては一番多いのは基本的な生活習慣なのですね、先はどのようなあいさつとか。そういうことになっておりますけれども、海外では、例えば自主性とかあるいは寛容性とか、情緒の安定とか、そういったものが随分高い、子供を育てる際の目標になっております。その点も、私たちは今、高度成長期に非常に有効であった、どういう人間を育てるかという教育目標、あるいは人間がどうあるべきかという視点をもう一度問われているのではないかというふうに思う一つの資料として申し上げております。  それと、今回の資料に全く出てこなくなりましたけれども、お母さんを尊敬しているかという質問に対して、日本が七二%です。お父さんを尊敬しているか、日本が六七%。それでは、先生を尊敬しているか、日本は四二%、これはかなり高いと思われるか低いと思われるかわかりませんが、アメリカでも、お母さんを尊敬しているかというのが九八%、父親を尊敬しているか、九〇%、離婚率五〇%のアメリカでもそういう数字です。それから、教師に至りましては、タイを先頭といたしまして、日本の四二%は最低でございます。つまり、大人を尊敬できない子供の心というのがいかにすさんでいくか。  逆に母親も、子育てが楽しいかどうかという問いに関しまして、これは「日本の子供と母親」という調査でございます、日本でなされた調査でございますけれども、英国は八一年時点で七〇・九%、八七年では七〇・七%が子育ては楽しいと答えております。韓国が一番低くて、八一年時点で一八・九%、八七年は一九・三%、日本は下から二番目で、八一年で一九・八%、八七年で二〇・六%。つまり母親も子育てを楽しめるという状況に置かれていない。ですから、母親の問題だけではなくて、これは社会全体の問題だと思います。  フィンランドで私が目にした光景を一つ申し上げて終わりにさせていただきたいと思います。フィンランドのシベリウス公園に行きましたとき、冬でございましたけれども、十歳ぐらいの子供二人をお母さんらしい人がそりに乗せていました。こんな過保護な親がここにもいるのだなと思いました。しかし、その子供たちは眼科の入院患者で、目は悪いけれども体は健康なので、一日二時間、すぐに健常の生活に戻れるように、看護をする看護婦さん、これはいわゆるナースではなくてちゃんと看護をする担当の人が外に出している、そのぐらい子供の人権を考えております。  そういう国に及ばないとしても、世界に経済を誇る日本の子供たちがこういう状態に置かれているということは大変に悲しい問題ですから、先ほどから次官のお言葉にもありましたように、本当に決意が実るように、これはもう与党も野党もございません、日本の将来のためです。ぜひ御努力をお願いしたいと思いますし、また議論させていただきたいと思います。  ありがとうございました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、青木宏之君。

青木宏之自由党

○青木委員 自由党の青木宏之であります。  教育問題、大変関心も高く、お尋ねしたいこともたくさんあるのですけれども、何しろ時間も限られております。また、こういう機会がなかなかございませんので、基本的な諸点についてきょうはお話をし、またお伺いをさせていただきたいと思います。  話の順序、お尋ねの順序として、順番に行きたいと思いますが、まず、ちょっと大ざっぱな質問になって恐縮ですが、文部省といたしまして、これまでずっと教育行政に携わってみえたわけですけれども、先ほど来いろいろ御議論もありますが、現状におきまして、文部省がお考えになっている教育行政というものが大体においてうまくいっているか、あるいはどうも余りうまくいっていないか。例えばその何割程度とか何分程度とか、そういう表現を使っていただいてもいいですけれども、その点、現在の文部省としての感慨といいますか、考え、思いを、簡潔にひとつお述べをいただきたいと思います。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 失礼いたします。  現在の教育でございますが、先ほど来いろいろな御指摘がございますように、文部省といたしましては、学校が荒れている、あるいは学校でさまざまな問題が起きている、さらには父母の方々が学校に対して本当に信頼される学校づくりを私どもは目指さなければいけないと思っておるわけでございますけれども、そういった点についてさまざまな御指摘をいただいていることは、我々は十分認識をしているわけでございます。  そういったこともございまして、心の教育への取り組みをしようということで、大臣を中心に文部省挙げて実は今取り組んでおるところでございます。文部省といたしましては、こういった単なる病理現象の問題だけではなくて、日本の教育が将来の我が国を左右する非常に重要な問題だと思っておりますので、そういう意味におきまして、今まさに教育を改革しなければいけないということで、現在、教育改革に取り組んでおるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 私がそういう御質問したときに、本当は政務次官がすっと立って答えなければだめですよ。こんなことは別に難しいことでも何でもない。教育行政全般についてどういうふうに思っているかというぐらいの答えは、政務次官がすっと答えてください。  今、心の教育云々、あるいは教育改革に取り組んでいるというお話でありますが、先ほど来、山中議員からも諸外国の例を引用されてお話がありました。諸外国、特に日本と同じような先進諸国における教育行政と、現在の日本の教育行政との比較におきましてどのような、どのようなといいますか、うまくいっているか、いっていないかという点につきまして、これを比較してどんなふうにとらえてみえるのか、それをお聞かせをいただきたいと思います。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  お話しございましたように、世界でも実は教育の荒廃というのはいろいろなところで問題になっておるわけでございます。国によってそれぞれ事情が違うわけでございますけれども、教育課程、いわゆるカリキュラムの問題に限って申し上げますと、例えば、従来、日本の場合は画一、硬直で、日本の人たちの国民性が非常にまじめだということもございまして、義務教育期間中にかっちり教えるということで、これは先進国に追いつけ追い越せということがスローガンになっていた時代には、非常に教育効果が上がっていったわけでございますけれども、現在のような状況になりました場合には、画一、硬直から、もっと個性や独創性を生かした教育、多様化を認める教育にすべきだという声が言われておるわけでございます。  一方、諸外国におきましては、例えばアメリカ等につきましては、連邦制をとっておるわけでございますけれども、教育については地方分権がかなり進んでございまして、州等に任されておる面がございます。一方で、アメリカ等では、州に任せたことによりまして、何といいますか、カリキュラム全体がダウンしてしまった。逆に、日本のように国がカリキュラムを決めてそれをある程度最低限学んでいくというシステム、いいではないかということで、アメリカやイギリス等については、国がカリキュラムをきちんと決めようという動きに今なってきておるわけでございます。  そういった中におきまして、実は私ども、この教育改革の中では一つ地方分権ということも大きな課題として考えておるわけでございまして、現場の自主性をある程度尊重しながら学校づくりを促進するということで、現在中教審に諮問をお願いしておるわけでございます。例えば、国は、教科書でございますとか、学習指導要領でございますとか、そういった基本的なことについて国としてきちんと指導していく。一方で、各学校や地域の自主性に任せられること、例えばランドセルをどうするとか、制服をどうする、そういったことについてはもちろん地方が、学校が自由に決められる。そして、自由で闊達な伸び伸びとした学校教育が行われるような、そういったものを目指して、今検討しておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 それぞれまた後でお尋ねします。国の教育権、あるいはそれぞれの国の教育のあり方、考え方、それは独特でいいわけだと思いますけれども、またそれはちょっと後でお尋ねします。  私どもも、当委員会に寄せられる目安箱等々、資料をいただいておりますけれども、文部省としてのこういう目安箱的なものというのは何かあるのでしょうか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 お答えいたします。  文部省といたしましても、教育モニターという制度がございまして、国民一般の方々に御応募いただきまして、一般より教育についてのいろいろな不平不満、あるいは御提言、そういったものをいただくシステムがございます。  それから、文部省の官房の総務課に広報室というところがあるわけでございますが、そこにおきましては、国民の方々からのさまざまな御意見を承るというシステムをつくってございまして、先ほど来お話ございますような、いろいろな学校についての御提言や御不満等に耳を傾けておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 これは、そういうものがあるということを知っておる機関にいる人とか、そういう人しかわからないのじゃないですか。一般の国民は、どこへ電話したり、あるいはどこヘファクスしたり、わかりますか。そういうことを知らせているわけですか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 一般の方々に対しては、私ども文部広報という機関紙、新聞でございますが、これを月に何回か発行して、いろいろな意見を受け付けてございます。それから、インターネットのホームページを設けてございまして、ここにも御意見を寄せていただくようなシステムをつくっておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 とにかく、門戸は広く、いろいろな声が容易に寄せられるように。とにかく民の声を聞くということが行政、政治の原点でありますから、そういう意味で、特にその辺に御留意を今後もお願いをしたいと思います。  さて、そういう文部省独自にいろいろな寄せられた意見、苦情、そして当委員会等にそういう寄せられた苦情、意見、そういったものの処理というのはどのようにされているわけでしょうか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 例えば一つの例でございますが、文部省に寄せられましたモニターの声につきましては、それぞれ総務課で仕分けをいたしまして、関係局課に対して、こういう意見が来ておるということをお示しをしておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 御答弁はそれだけでしすうか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 失礼いたしました。  そういったことで、各局課に知らしめますとともに、そのことに対して、各局課で政策の中に生かしていく、あるいは将来の課題を検討していく段階で生かすよう、私どもとしても指導しておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 政策に生かす場合に、生かす場合と殺す場合とあるわけですね。意見を全部生かすわけじゃないのです。だから、生かすという表現だけではいけないのです。いろいろな意見やらいろいろな苦情が来ているから、一つ一つ具体的に最終処理しなければ。そうでしょう、聞いただけで、後処理があっぱっぱではしょうがないので、生かすと言ったって、全部生かすわけじゃないので、殺すのもあるわけです。だから、その終末処理、最終処理はどうなっているのですか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、政策に生かすものについては、それを例えば次の審議会あるいは協力者会議等でさらに深めていくという努力をしてございます。  それから、いろいろな御意見いただきました場合に、それに対して、こういうことをいただきました、これについてはこういうふうにいたしますという御返事を差し上げる努力もしておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 ぜひ一つ一つ、せっかく寄せられた苦情‘意見ですから、最後までひとつ、それぞれにお答えをしていただくなり、きちっとした処理をお願いも覆いと思います。  さて、次の、これはやや根本的な問題になってきますが、先ほど来の質疑の中でも、教育とはというようなお話、あるいは、それは知育、体育、徳育、主要素から成るとか、そういういろいろな議論もございました。それで、国の国民に対する教育権、権利であると同時に義務という面もあろうかと思いますけれども、国家、国として、構成員たる国民に対しての教育はどうあるべきかという点について、どこまで関与するかという問題があります。これは、先ほどの地方分権との話ともまた後で絡んできますけれども、要するに国が最終的な責任があるということに基づいて教育というものをするのだということなのか、そこまでは、最終的にまで責任は負わないよ、それは地方も平等に分担するもの、あるいは家庭も社会も、いろいろなところで平等に分担するという考え方もあろうかと思いますけれども、そのあたり、国家、国の行政としての教育のとらえ方について、御所見をお伺いしたいと思います。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 教育に関する事務でございますが、これは、国と地方公共団体それぞれが連携協力すべき部分がございます。それから、もちろん、教育につきましては親や家庭、地域等が分担すべき部分も当然あるわけでございます。  国と地方公共団体の関係のみについて申し上げますと、例えば国におきましては学校制度をどうするか、今国会では、中等教育学校といういわゆる六年制中等学校の法案もお願いしてございますけれども、そういった学校制度、基本的な枠組みをどうするかということについては国がやるべき仕事であると私どもは思っております。  それから、教育課程の大綱的基準でございます学習指導要領、それから教員の資格、教員の免許制度をどうするか、これも法改正をお願いしておるところでございますけれども、そういった全国的な基準をきちんと決めていくという仕事、これも国の行うべき仕事だと私どもは思っているわけでございます。  それからもう一点は、地方公共団体に対して専門的な立場からの技術的な助言といいますか、国としてこの法解釈はこういう解釈をすべきだ、あるいはこういう基準があるからこういう基準に従ってほしいといったようなことで、地方公共団体を指導していく部分があると思うのでございます。  そういった仕組みの中で、先ほど来お話し申し上げておりますように、教育委員会と学校のあり方といいますか、教育委員会がどこまでいわゆる公立学校を管理していくのかという問題もあるわけでございまして、例えば、子どもを卒業させるかどうかの認定は学校長にあるわけでございますけれども、その学校を設置、運営するという仕事は教育委員会の仕事としてあるわけでございます。そういったものを、私どもといたしましては、規制緩和の問題でございますとか地方分権の問題でございますとか、そういったことに十分配慮しながら、より望ましいあり方を、現在、中教審で御検討いただいておる段階であるわけでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そういうお答えでもいいのですけれども、私がもっとお聞きしたいのは、最終的な国民に対する教育の責任というものは国が負うのか負わないのかという問いに対してのお答えをお願いしたいと思います。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 私どもといたしましては、例えば義務教育につきまして全国的な一定の教育水準を維持していくということは国の責務だというふうに考えてございまして、そういった意味もございまして、小中学校の教員の給与について国が負担をする、あるいは教科書について無償給与を行うといったような制度を行っておるわけでございます。教育についても、そういった、国として将来の我が国を担う人材を育成することについての国の責務、我々は十分それを承知しておるわけでございますけれども、最低限のものについて、国としてそこについてはきちんと責任を持って対処していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そこで、地方との関係でありますけれども、特に義務教育についてお尋ねをします。  義務教育の小中学校、これは、国立、県立、いわゆる市町村立、私立、いろいろ形態はあると思いますね。それで、義務教育については今のお話で、国が基本的にかつ全面的に責任の裏づけのもとに教育行政を行うのだということでございますから、それからしますと、そういった各小中学校における教育のあり方というものは、先ほど言われたように、地方分権あるいは現場の独自性、自主性、そういったことは、これは大事なことであり、多くを取り入れてやっていくべきだと思いますが、根本的な、基本的なこと等については、国の望むところ、国の方針、そういったものがきちっと末端まですべてにわたって守られなければならないのではないかと思います。いろいろあちこちの問題は御承知と思いますけれども、どうもそれが徹底しているのかどうかやや疑わしいというか、そんな感じを持っておるのですが、そのあたりの考え、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  先ほどからお答え申し上げておりますように、国としてきちんと責任を負わなければいけない部分というのはあるわけでございまして、例えば、日本全国どこで学ばれても子供さんが安心して一定の授業が受けられるということで義務教育制度が成り立っておるわけでございますので、そういったことについての教育課程の大綱的な基準については、国が定めたものを守っていただきたい。例えば教科書の使用等につきましてもきちんと、全国どこでも高等学校を出れば、学力をある程度の保証をしていくという必要があるわけでございますので、そういった中身について国としては最低限の基準については守ってほしいということで指導をしておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そこで、お尋ねをしますが、入学式とか卒業式とか、式典をやることについて、そしてまたそういうときに、国歌を斉唱し、国旗を掲揚するというようなことについての国の方針、指導、指示は現在どのようになっておりますでしょうか。

近藤信司文化庁次長

○近藤説明員 お答えをいたします。  学校におきます国旗・国歌に関する指導、これは極めて大切な事柄でございまして、小学校、中 学校の学習指導要領にも国旗・国歌の取り扱いを明記しておるわけでございます。  今お尋ねになりました、特に特別活動の入学式や卒業式などにおきましては、その国旗・国歌の指導の重要性を踏まえまして、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする、平成元年の学習指導要領の改定におきましてこのように明記をしたわけでございます。  そして、現在、文部省といたしましては、各学校におきましてこの学習指導要領の趣旨が理解をされ、国旗・国歌につきまして適切な取り扱いがなされるよう指導してきているところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そこでお尋ねしますが、これはお答えいただくのは時間がないから推測して言いますけれども、当たり前といえば当たり前ですが、国旗は日の丸ですね。いわゆる日章旗ですね。国歌は君が代だと思うのです。その国旗・国歌というのは、今文部省でそういう学習指導要領で、こういう歌を歌え、これは指定しているのですね。歌詞が決まっている。音楽も決まっている。こういうものだというふうに指定しているわけでしょう。バージョンがあるわけじゃないですよね。そして、国旗というものも指定していますね、寸法も日の丸の色とか大きさとかも。縮尺はいろいろありますけれども。  それを学習指導要領でそうやって決めて、全部の小中学校でそれをやりなさいと言ってみえるという今のお答えですが、そうすると、その国旗・国歌というのは文部省が決められたのですか。

近藤信司文化庁次長

○近藤説明員 お答えをいたします。  国旗・国歌の位置づけにつきましてでございますけれども、これは、かつて国会等でもさんざん議論があったわけでございまして、政府といたしまして、国旗・国歌につきましては、長年の慣行によって日の丸が国旗であり、君が代が国歌である、こういう認識が確立し、広く国民的確信として定着している、これが政府全体の答弁でございます。  こういった観点に立ちまして、学校における国旗・国歌の指導を行っているわけでございまして、私の説明がやや不正確であったかもしれませんが、例えば小学校、中学校の社会科の学習指導要領でいきますならば、小学校六年で申し上げますならば、我が国の国旗・国歌の意義の理解あるいは我が国と諸外国の国旗・国歌をお互いが尊重する態度を育成していこう、こういう趣旨の規定が書いてあるわけでございます。  したがいまして、社会科の授業の中におきまして、我が国にもこういう国旗があり、また諸外国にもこういう国旗がある、それをお互いに尊重していくということが大切である、こういうことを各学校においてその授業で取り組んでいく、これが学習指導要領の趣旨でございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そういうのは官僚答弁というやつだと思いますけれども。  しかし、その答弁は間違いです。国旗は国民の間に定着いたしてはおりません。これは調査されたでしょうか。国民の祝日に国旗がどれだけ掲揚されるか。私の知るところ、ほとんど掲揚されません。これは、子供に聞きますと、オリンピックのときに上がる旗だねというぐらいの答えで、国旗という答えはなかなか返ってきませんね。  それから、国歌、これは御承知かと思いますが、卒業式、入学式で国歌斉唱と司会者が言います。そうすると、生徒の間からくすくす、げらげらという笑い声が一斉に起こります。それで音楽が、ピアノ、オルガンを先生が弾いてやり出しますと、壇上の人が小さな声で歌うぐらいで、ほとんど生徒の間から声は出てきません。こんなことで本当に国歌なんでしょうか、国旗なんでしょうか。定着しているとはとても思えない。  だから、そういうあいまいなものを教育の現場で、指導要領の中に明記をしたといってそれを指導する、こういう教育をしなさいといってやる、そのことが問題ではないか。国歌・国旗なら、これは国民を代表し、国家を代表するシンボルであるはずでありますから、さすれば厳然として、本当に国民の総意に基づいたものだという裏づけのもとにそういう教育をきちっとしていく、それが教育のあり方ではないか。あいまいなものを教えようとするから、そこに変な抵抗が起こったり、生徒の間から笑い声が起こったり、小さな声でしか歌わない、こういうことになるのではないかと思います。  これは文部省だけの問題ではありませんけれども、そのほかにもありますが、先ほど私が国家の責務において教育を行うのではないかということをお尋ねしたのは、そこら辺にも関係があるわけであります。要するに、責任を持って教育に当たるとするならば、本当に責任のある教育のあり方に徹しなさい、こういうことなんです。あいまいなものをあやふやに、やらなかったらそれはほったらかし。そういうことが子供にいかに悪い教育になっているかということを、文部省はこの際猛反省をすべきだと私は思います。答弁は要りません。  そこで、もういよいよ時間もありませんのでお尋ねしていきますが、いろいろあります。  例えば体育の面でも、ちょっと前に、去年でしたか、夏、五、六月、小学校の運動会に行きましてびっくりしました。整列をしておったら、ばたんといきなり生徒が倒れたのです。あっと思って、その子がたまたま体が弱いのか病気かなと思っておったら、何と次から次へとばたばた倒れるのですよ。二十数名、私の見ている前で。それで、同席しておった校長先生に聞いたら、最近はああなんですよ、生徒がじっと立っておれないのですよと。びっくりしました。そのほか、運動能力も以前に比して相当劣っているという話であります。いろいろな要素がありますけれども、ぜひひとつ、まずは体を鍛えるということもこれは非常に大事。  そして、知育と言われる面においては、俗に言われる詰め込み教育に余り偏重しない、もっと考える力あるいは決断力、そういったものを養う方へ重点を置くべき、こんな意見もあろうかと思います。私はそう思うわけであります。また、単純に知識の面においても、やはり先ほど来お話には出ていますが、独創性といったものを生み出す、そういう知育というものを重視してやっていただかなければならないと思います。  いろいろお聞きしていると時間がありませんので、一応私の感ずる点、考える点をさっき申し上げましたが、そこで、最後に徳育という点についてであります。  先ほどもお話が出ておりました道徳教育、その言葉がいいかどうかわかりませんけれども、要は人づくりの教育の問題であります。これもいろいろ難しい点が多いわけであります。お聞きするところによると、道徳教育というのは学校教育全体の中でやればいいというようなことだそうですけれども、しかし、それではやっておったといって一言返答すればやっておったにもなりますし、本当に道徳教育をやるという効果は、余りごれでは期待できないというふうに思います。  したがって、知育、体育、徳育とあるとしたら、私もやはりこの際、徳育の方に相当重点を移した教育のあり方というものをそろそろ確立する必要があろうかと思います。しかし、その際、いろいろと問題点は多いと思います。  まず、教科書をどうするのか。そうすると、教科書の中で価値観の問題が当然出てきます、人間としてのあり方の問題ですから。それをどういう内容にするのか。  あるいは、今度は教える方の先生。先ほども話が出ていましたが、考えてもみてください、二十二、三で最初は教壇に立つわけですね。まあ、立派な人もそれは二十二、三であると思いますけれども、大体私どもの常識から見て、二十二、三で、本当に人間、人づくり教育がお任せしてできるのかなということを大変危惧いたします。だから、もう少しその辺に、確かに人づくりをするということは、これは年齢に関係なく、五十になっても六十になってもそう簡単な問題ではもちろんありませんけれども、例えばもう少し実社会の経験を積んでからにするとか、何か方法があるだろうと思います、教える方の先生にも。  教科書にも問題がある、教える方にも問題がある、いろいろな問題点があって、きょうはちょっと一々これをお尋ねするスペースがありませんので、一応、私の方から一方しゃべりで言いました。道徳教育、いろいろありますけれども、根本的な問題として、やはり民主主義というこの世の中、今のところお互いに、これがよりいわゆるベターな制度、仕組み、社会かなという大体の合意のもとに、民主主義社会の中にいるわけです。将来ともにこういう社会であり続けようとするならば、当然、将来こういう社会を構成する青少年に対して、民主主義とは何ぞや、民主主義のあり方とはどういうものだという教育というものを、当然小さいときから、私は幼稚園からやるべきだと思いますけれども、そういう教育を積極的にしないといけないのじゃないのか。  いろいろ聞いてみますと、そんなことはほとんどやっていない。私どもの経験からしても、児童会とか生徒会、立候補したり選挙したりポスターを張ったり、選挙のまねごとみたいなことは確かにあったようですし、あるようですけれども、授業の中で、積極的に民主主義社会に生きるための体験、例えば今よく言われるような、議論のあり方とか、自分の意見の主張、意見を言う、そして意見はきちっと闘わせる、相手の意見も聞く、あるいは相手の立場を思いやる、自己中心ではだめだというような、そういう基本的なものぐらいはしっかりと理性にもそして体にも小さいときからしみ込ませていくということが非常に大事なことなのではないのかなというふうに私は思うのです。  宣伝になるといけませんが、この六月二日に私ども自由党の大会を開催いたしますけれども、そこで諮られ、発表されます基本政策、そこのトップに、最初に、私どもはこの教育問題を打ち出しております。これは、恐らく政党では初めてだと思いますけれども、それほど私たちは、今の社会で、いろいろな問題がありますけれども、一番大事なのは、民主主義社会における物の考え方、人間のあり方、行動のあり方というものが果たして今の大人がきちっとしておるかどうかということに大変危惧をいたすものであります。  したがって、大人社会は大人社会としてそれは直さなければなりませんが、やがて大人社会をつくるそういう青少年に対しまして、民主主義というものはいかなるものかというものを、これはきちっと教え込んでいく必要が特に今ほどあるというふうに認識をするわけでありますけれども、その点についての御所見をお伺いいたしたいと思います。

近藤信司文化庁次長

○近藤説明員 お答えをいたします。  先生の御指摘になりましたように、徳育の重要性ということで、文部省、今一生懸命道徳教育の充実に努めておるわけでございます。  この平成十年度に、新規の予算といたしまして、道徳教育推進資料の作成、これは小学校、中学校の教師用の指導の手引でございますが、この中でも、子供たちが人間の生き方、郷土の文化や伝統を愛する心などについて、主体的な体験活動やディベートなどの実践的な学習ができるよう、各地域の特色を生かした教材の研究開発を都道府県に委嘱する、こんな事業も新規に予定をしておるわけでございます。  また、民主主義のあり方につきましても、小学校、中学校の社会科でありますとか、高等学校の公民科等、こういったいろいろな場においてきちっとまた指導もしてまいりたいと思っておるところでございます。

青木宏之自由党

○青木委員 そのままお聞きしますと積極御答弁で、大変ありがたく存じますが、本当に、早く本当にきちっと現場でされるように相当な決意と実行を、決意を持ち、そして実行をきちっとしていただく、これがもろもろのところに影響してくる。日本の危機だ云々と言われていますけれども、私は、そこが根幹だという認識を持っておりますので、今後もひとつぜひ現場を見させていただきたいと思いますので、当局としては、これは相当な決意を持って実行に取り組んでいただきたい、このことを特に要望して、お尋ねを終わりたいと思います。

佐藤静雄自由民主党自治政務次官

○佐藤(静)委員長代理 次に、中林よし子君。

中林よし子日本共産党

○中林委員 この間、大蔵接待汚職など、当委員会で審議を進めてきた一連の公務員倫理に反する事件がございます。子供たちの教育にとってもゆゆしき悪影響を及ぼす、そういう意味からも、これらの全容の徹底解明というものは必要だし、また、これらが起こらないようなことを、根絶させていくことも私たちの責任だというふうに思っているわけです。  子供だけ正しくあれと市民道徳を求めても、社会全体が道義的に荒廃していたのではどうにもならない、このように考えます。社会のどの分野でも健全な市民道徳が確立されている状態を目指すこと、これが必要です。中でも、今の日本の道義的腐敗の震源地になっているのが政治の世界と経済の世界であり、政治腐敗や経済腐敗を一掃する努力が強く求められています。  こういう点について、まず、政務次官、教育問題の審議に当たって、どのようにお考えなのか、お考えを承りたいと思います。

狩野安自由民主党

○狩野政府委員 子供の問題に関しての影響力ということでございますけれども、私はやはり、今までの教育のあり方とか、それからまた社会状況とか学校教育のあり方等、いろいろな問題が複雑に絡み合ってきた問題だというふうに考えております。  ですから、世紀の変わり目というのはいろいろな混乱がありますので、経済面でも政治の面でも、いろいろな面で混乱が起きていると思います。それは、やはり子供の教育に対しても大きな影響力があるというふうに私は考えております。

中林よし子日本共産党

○中林委員 当委員会への平成目安箱への苦情の中から幾つか紹介したいと思うのですけれども、五月十二日付、五月十五日付で、実はサッカーくじの問題についての苦情が出てまいっております。  委員長への「お願い」ということで、「「サッカーくじ」は青少年の夢を破壊します。」「国民を賭博漬けにしないよう、もう一度国会議員先生方の注意を喚起して下さい。」こういう書き出しでありましたり、それからもう一つは、「サッカーくじ、やめて下さい。あんなものやりますと、八百長ばかりやってせめて一生懸命にやっているのに面白くなくなってきます」「そんなことやれば日本の国の少年達はもっともっと暗くなります」「ギャンブル性になっては夢も希望もなくなってしまいます。どうして大人は変なことしか考えないのでしょうか。」こういう、委員長あての苦情の中の文を紹介しました。また、Jリーグで有名なカズこと三浦知良選手、この人も実は、ちょっとしたミスをすればすぐに八百長と言われかねないということで、このくじの導入に懸念のコメントを寄せております。  私は、これは今国民が抱いている一つの正論だというふうに思うのです。  サッカーくじ法については、我が党はもちろんほかの党の方々の中からも反対の方が出てまいりましたし、またPTAや日弁連の方々も反対していました。主婦連、全国消団連、全国地域婦人団体連絡協議会、日本消費者連盟、日本青年団協議会、日本婦人有権者連盟など十三団体の方々が共同して反対の運動を推し進めてまいりました。また、高校サッカー関係者千二百名も廃案へのアピールに賛同しておられました。残念ながら今月の十二日に法律は成立をいたしましたが、その後も引き続き不安の声は後を絶ちません。  午前中の審議もありました。確かに法律は成立したのですけれども、この法律の中身を見ますと、くじの大枠は決められているけれども、具体的な販売方法だとかあるいは収益の配分は文部省が定める政省令にゆだねられることになるわけです。だから、この法律には、今から本当に文部省が真剣に考えなければならない問題が数多くあるのではないか。そのためにも附帯決議がされております。この附帯決議の一つ一つがクリアされてこそ、私は、このサッカーくじの国民が懸念を抱いている問題にこたえられるのではないかというふうに思うわけですので、ちょっとこの附帯決議の一つ一つについて、全部ではありませんけれども、文部省のお考えをお聞きしたいというふうに思います。  附帯決議の五で、「本法における贈収賄罪の規定の趣旨は、スポーツ振興投票の公正な運営を確保するため、不当な行為等の対価としての賄賂の収受を防止しようとするものであることにかんがみ、その適用については、厳正を期すとともに、サポーター等の選手に対する応援の関係を損なうことがないように留意すること。」こういう決議がされています。この「厳正を期す」ということについて、具体的にどういう措置をお考えなのかお答えください。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 お答え申し上げます。  いわゆるサッカーくじにつきましては、ヨーロッパ諸国を中心に随分長い間盛んに行われておりまして、国民的な支持も得られているわけでございますが、なぜサッカーかということがそもそもあるわけでございまして、サッカーの試合がそもそも不正が起こりにくいということで、諸外国の経験からして日本でも導入されるようになったと理解しているわけでございます。  御指摘の今の贈収賄罪規定につきましては、このスポーツ振興くじについて国民の一層の理解を得て、試合が公正に行われるように、二重、三重に社会の信頼を担保するための制度として参議院の修正で追加されたものと理解しているわけでございます。  一方、御承知のように、サポーターでございますとかというようなファンの方々の活動というのは、それ自体、Jリーグの振興のみならず我が国のプロスポーツの振興の上でも大事なことでございますので、この規定によってこれらのファンと選手等との信頼関係が損なわれることがあってはならないということはむしろ当然のことでございます。したがって、国会での御審議を通じて明らかにされたところによりますと、贈収賄罪の規定につきましては、みずからが出場する指定試合の公正を害する不正な行為あるいは全力を尽くさないという行為に対する対価として賄賂が収受された場合等に限定されるものである、したがってみずからが関係する試合に全力を尽くすこと、それからサポーター等がその応援のために何らかの支援を与えることというのはこの規定の対象外のことであるということが質疑を通じまして明らかにされまして、その趣旨を受けてこの附帯決議がなされたものと承知しているわけでございます。  したがいまして、このような規定の趣旨について、私どもとしては、関係者に周知を図り、サポーター等の応援を何ら阻害するものではないということを徹底してまいりますとともに、具体的な適用につきましては、法の趣旨を踏まえまして司法当局において適切になされるものと認識してございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 司法当局にゆだねるということになると、文部省の具体策というのは何もないに等しいと言わざるを得ません。それは、法の三十七条から四十条に違反すればそれなりの司法当局の罰則規定があるわけですから当然でしょうけれども、文部省としての、厳正を期すための具体策ということでお聞きしているわけです。  では、さらに聞きますが、附帯決議の七で、「保健体育審議会の委員の選任について本委員会に報告するなど、スポーツ振興投票制度の運営全般にわたって公正及び透明性を十分確保すること。」と決議されているわけですが、審議会委員の選任の報告以外に、この「公正及び透明性を十分確保する」ためには具体的にどのようなことをおやりになるのでしょうか。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 これも法案審議を通じまして明らかにされ、また参議院での修正で、さらに情報公開の強化、徹底についての追加規定がなされたところでございます。  全体の仕組み、いろいろございますけれども、そもそもこのくじの販売に当たります金融機関への委託という業務が最初にあるわけでございますけれども、それを委託するに当たっても、公開コンペでやりましょうということでございますとか、あるいは公開コンペに当たりましても、どういう審査基準で行うか、それも公表し、かつ第三者による審査委員会をつくりまして厳正に行うことも含めた、透明性、公平性の確保に努めることしているわけでございます。  さらには、実際に収益が出た場合に、スポーツ団体等への配分の議論があるわけでございますけれども、その配分に当たりましても、透明性を確保するために、客観的な第三者を加えました審査委員会での審査を経て、しかもその結果について、一般に公開することはもとよりでございますけれども、国会への報告を文部大臣からさしていただくということなども含めて、少なくとも、この制度の実施、運営に当たりまして、これまで国会審議を通じて、一部の方々に残念ながら、日本で初めての制度でございますから不安感が必ずしも払拭されていないというのは事実でございますので、この法律、成立いたしました以上、私どもとしましては、今後いやしくもいささかの疑念も国民に抱かせることのないよう万全を期してまいりたいと思っているわけでございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 具体的な中身は何一つないので、不安感はちっともぬぐえません。  さらに附帯決議の八で、「文部大臣が、法第三十一条第二項に規定する停止命令を判断する上で、児童・生徒等に係る十分な調査、状況把握をするための態勢を早急に整備すること。」こういう決議がされているわけですけれども、どういうぐあいな措置をとられるでしょうか。     〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 先ほど来いろいろ具体的なことも含めて申し上げているつもりなのでございますが、そもそも、くじの実施について、文部省が次心意的に行うのではなくて、保健体育審議会でございますとか関係者の御意見も聞きながら、全体の具体的な詰めをし、かつ、コンペ等もガラス張りにしていこうということを申し上げているわけでございまして、そのために、このくじの骨格につきましては、これから、関係の審議会でございます保健体育審議会の御意見なども聞きながら、具体的な詰めの作業が始まるのでございます。  そういう意味で、私の御答弁としては、先ほど申したように、国会での慎重な御審議の経過で、しかも、御提案者の方々の立法意思も踏まえながら、こういうことなども含めながら考えておりますよという趣旨で申し上げているので、御理解いただきたいと思うのでございます。  この附帯決議の八につきましては、衆議院の文教委員会でつくられたものでございますけれども、これは、参議院の修正で、青少年に対する影響を二重三重に担保するために、いざ重大な問題があった場合に文部大臣が停止命令を発することができるという規定があることを受けまして、そのための調査、状況把握体制をという御指摘、御注文であると理解しているわけでございます。  ただ、先ほど委員もおっしゃいましたように、この五月十二日に衆議院の本会議で成立して、二十日に公布されたばかりでございまして、私どもとしては、それを受けて、くじの、そもそも制度の骨格をどうしていくのか、具体の詰めをこれからしなければいけないわけでございます。具体の詰めを急いで、その上で公開コンペをして実施をするということになるわけでございまして、その後の、販売してから子供たちへの影響の把握体制というのは、残念ながら、もう少し時間をおかしいただきながら御検討させていただくことになろうかと思うのでございます。  ただ、イメージといたしましては、これは、文部大臣が停止命令を出すに当たっての判断でございますので、文部省として何らかの措置をする必要はあるのでございますが、直接文部省だけというわけにもまいりませんので、教育委員会等の関係機関の御協力を仰ぎながら、その体制を整備していく必要があるのじゃないかと考えているところでございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 附帯決議の三で、「スポーツ振興投票券の発売に当たっては、十九歳未満の者に対する購入等の禁止が徹底されるよう販売場所、販売方法等について青少年が入手し難い方策を講じるなど適切な配慮をすること。」こういう決議がされているわけですけれども、この具体策はどのようにお考えでしょうか。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 十九歳未満のくじの購入禁止という規定があるわけでございますが、先ほど申しましたように、実施の具体的な方法につきましては、今後、保健体育審議会で御議論いただきながら定めていくことになるわけでございまして、実際の販売のスキーム、これまでの国会審議等を通じ明らかになっておりますのは、一つは、できるだけ買いたい方々が買えるような販売網を整備する必要があるという要請が一つと、もう一つは、十九歳未満の者が買えないようなチェックシステムを講ずる必要があるという二つの状況を具備するような形の販売網をつくる必要があるわけでございます。  そのために、具体的には、公開コンペでどういう形の応募をしてくるかということによるわけでございますが、保健体育審議会でその販売方法等を含めた仕様を定めて、それに応募していただきながら、その応募を見て判定するということになろうかと思うのでございます。  ただ、その場合に、これまで御議論ありましたように、次のようなことについては当然配慮をしていかなければいけないのではないかと思うのでございます。  例えば、くじの販売について、対面で確認して販売する、あるいは人目の行き届いた場所で販売する、それから、試合当日の販売でございますとか試合会場での販売は行わない、それから、販売マニュアルを徹底すること等によりまして販売店を十分に指導することができるようなシステムにする、さらには、仮にも、万が一間違ってでも十九歳未満の者にくじを販売した者あるいはそういう販売店についてはペナルティーを科すようなシステムを講ずるなど、いずれにしましても、法の趣旨に照らして、それが徹底されるようなスキームをつくり、それに基づいた応募をしていただく必要があるのじゃないかと思うのでございます。  ただ、他方で、このような措置を実施するためには、販売店、販売網の措置だけではございませんで、学校や地域、家庭等の子供たちを取り巻く社会全体が目を配らなければいけない部分もございますし、子供たちにも趣旨の徹底を図る必要がございますので、私どもとしては、この新しい制度について広く理解を求めるための広報活動にも力を入れてまいりたいと思っているところでございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 この法律案の審議の過程で一番心配されている部分が、今聞いたところなんです。実は、参考人の質疑でも、青少年に対する悪影響の問題が非常に真剣に論議されて、その中で、高校生による競馬の馬券購入が常態化しているということが論じられました。だから、サッカーくじではもっと悪影響が出る、そういう懸念の声が出ているわけです。  国営ギャンブルとしての中央競馬の場合、競馬法第二十八条に未成年者や学生が馬券を買ってはならないと明記されています。私、場外馬券売り場の調査をしたことがあるのですけれども、未成年者が馬券を買わないように、馬券売り場の中だけではなくして、相当広い周りまで警備員が大体百人以上配備されて、さらに、ひっきりなしにスピーカーから、学生や未成年者は馬券を購入できません、こういう放送が流され、その上、のみ行為を取り締まるための警察官も配備されておりました。  しかし、このような厳重な体制の中でも、未成年者が馬券を買いに来て見つかって、注意、指導を受けた未然防止人数は、今、皆さんのお手元にお配りしている紙に、こういう人数で出ております。これは、中央競馬会が自主的に調査されたそうですけれども、平成三年の未然防止人数四万五千八百匹十一人に対して、平成九年は八万七千八百五十三人と、約倍に急増しているわけですが、農水省、この数字に間違いありませんか。

山田修路農林水産省畜産局競馬監督課長

○山田説明員 お答え申し上げます。  ただいまお示しいただいた数字のとおりでございます。  なお、平成九年、件数がふえておりますが、これは、自動販売機の前に未成年対策の専従班を配置して、そこで念のために注意をした件数が含まれておりますので、数字がふえております。  以上でございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 当然、これは、馬券を購入しなくて、その辺にたむろしていた人たちも含めてなんですけれども、この中央競馬会の馬券売り場は、全国十カ所の競馬場と、それから、場外馬券売り場二十六カ所に限定されている数字です。先ほど申し上げましたような警備の体制をもってもこのぐらいの数があるわけですね。  これが、まだ、どういう販売方法かということも決められていないのですけれども、提案者の答弁によると、コンビニストアなども考えられているという御答弁があったわけです。そうなると、高校生がたくさんアルバイトしていますし、たまり場にもなっているから、これは、競馬とはちょっと数がかなり違った状況になるのではないかという懸念があるのです。  ですから、そういう意味で、文部省としては、こういう十九歳未満の者が購入するのを防ぐ、もう少し毅然とした対応が必要なのではないかというふうに思いますけれども、どこまで責任をお持ちでしょうか。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 衆参での御審議の過程で、いろいろな分野の参考人の方々の御意見もございました。青少年の影響を大変心配される御発言の方もいらっしゃいました。それから、犯罪学者といいましょうか、いわゆるギャンブルの世界に詳しい専門家だとされる方もいらっしゃいました。いろいろな方々の中で、例えば、ギャンブルというのは人間の本性である、それを隠して、禁止することによって地下に潜らせ、それを取り締まるという方法も一つあるし、他方で表へ出して明るいイメージを与えながら耐性をつけていくという道もある。その方の御発言は、むしろ、特にサッカーくじはのめり込むようなギャンブルではないこともあるしする中で、親子がにこやかに対話しながら買うような光景も含めて、もっと、年齢制限もない方がいいのじゃないかという御提案もございましたけれども、少なくとも法律では十九歳未満購入禁止という規定になっているわけでございます。  したがいまして、私どもは、これを厳正に守るような、先ほど申しましたように、スキームとしまして、販売店、販売方法の基本的なスキームの一つとして、法律遵守による十九歳未満の購入禁止が徹底されるような方法を考えなければいけないと考えているわけでございます。それから、先ほど御質問の中で、提案者の方々がコンビニエンスストアでもという、容認するような御発言とございましたけれども、それはコンペによって決まるわけでございまして、今どこで販売されると決まっているわけではございませんので可能性としてないわけじゃないにしても、しかし、コンビニエンスストアは余りにもアルバイト学生で未成年者が多いとかいうことなどを考えますと、必ずしも適当ではないのではないかというのが提案者並びに文部大臣の御答弁であったかと記憶しているところでございます。

中林よし子日本共産党

○中林委員 では、具体的に聞きますけれども、先ほど競馬の未成年者による未然防止の数を出しましたけれども、こういう事態、文部省は、もしサッカーくじで未成年の数がこんなにもふえてきたということになると、文部大臣の停止命令を出せる状況だと判断されますか。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 時間が来ておりますので、簡潔に答えてください。

工藤智規文部省体育局長

○工藤政府委員 あの規定は参議院での修正でなされてございまして、参議院での修正提案議員の御発言の御趣旨としましては、具体的な場面は想定しにくいけれども、このサッカーくじが直接の原因になって子供たちの間に重大な問題が蔓延し、それが社会的にも放置できないような事態を想定するのだというお話でございました。具体的に、私ども、競馬の場合とこのサッカーくじとはそもそもいわゆる射幸心をあおる部分についてはかなりの違いがあると思っておるわけでございますが、いずれにしましても、文部大臣が御判断するに当たっては、保健体育審議会、専門家の御意見を承りながらということになってございますので、いろいろな事態に対応して、専門家の御意見も拝聴しながら対応することになると思います。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 もう時間ですから、次に……

中林よし子日本共産党

○中林委員 時間が来ましたので終わりますけれども、私どもは、これはやはり解決しなければならない問題が余りにも多いから廃止すべきだという我が党の見解を述べて、終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 社民党の保坂展人です。  きょうは、子供の教育にかかわること二点と大蔵省について伺いたいと思います。  まず、先週、法務委員会で大変実りのあるやりとりがあったわけでございます。東京世田谷区の八歳の小学生の片山隼君が交通事故でダンプカーにひかれて亡くなった、窓口の対応について、これはほとんど門前払いのような形で、説明もなく、検察審査会のパンフレットだけをもらって帰されてしまったということに対して、甚だ不適切であったという非常に踏み込んだ下稲葉法務大臣の謝罪と、ほか、きょう来ていただいている原田刑事局長にも同様の答弁をいただいています。これによって御遺族の方も、もちろんこれですべての解決が図られるわけではありませんけれども、少なくとも窓口対応で不適切な点があったということについては、幾分納得をしていただける状況であるというふうに安心をしていたのです。  しかし、週末になって、ある民放で検察のコメントとして、この事件を不起訴にした理由を、運転手が隼君の動きを予測することができず注意を払う義務はなかったというのが理由である、ダンプカーが動き出せば歩行者は横断歩道、つまりダンプの後ろを通るのが普通で、走り出しているダンプカーの前方を子供が横断するということは予測することができない、このような趣旨のコメントがテレビによって、幾つかの局で流れたようでございます。  もう一度再確認の意味で伺うのでありますけれども、先週の法務委員会でのやりとりでも、この事件そのものに立ち入ったコメントは差し控えたいという答弁がずっとあったと思いますけれども、これが検察のコメントとしてもし出されたのであれば、極めて検察審査会に予断を与えることにもなりかねないし、また、窓口についてもう一度きちっとやり直したいという法務大臣の決意も、そういう意味ではそのせっかくの決意が揺らぐというか、行政に対する信頼をもう一回回復していこうという過程で適切ではないのではないかというふうに考えるのですが、刑事局長の御見解を伺いたいと思います。

原田明夫法務省刑事局長

○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘の交通事故の御遺族の方への対応につきましては、結果として御遺族の方の納得を得られなかったことは事実でございまして、その点からして対応に不十分なところがあったと言わざるを得ず、今後この種事件における被害者あるいは御遺族への対応につきまして一層の配慮が必要であると存じます。この点は法務委員会でお答えさせていただいたとおりでございます。  そういう観点を踏まえまして、ごく最近でございますけれども、先般の国会の御質疑の状況も踏まえまして、東京地方検察庁におきましては、とりあえず交通部の中に交通事件連絡室を設置するなどの対応策を実施しているというふうに承知しております。  ただいま御指摘の報道についてでございますが、五月二十二日のTBS報道ということで承知しているのでございますけれども、検察といたしましては、本件について一般に誤解が生じないようにするという観点で、御遺族の代理の弁護士の方に対して説明したと同趣旨の説明をしたというふうに聞いております。その時期につきましても、二十二日より少し前だったようでございまして、まだ国会での御質疑を踏まえてということではなかったように承知しておりますので、どうぞその点は御理解賜りたいと思います。  いずれにいたしましても、ごく最近、ここ近日中に再び、御遺族の方の御希望ということもございまして、東京地検の交通部ではきちっとお会いいたしましてできる限りの御説明をさせていただくとしておりますので、その点、御理解いただきたいと思います。  いずれにいたしましても、この種事件につきまして、被害者や遺族の方々の心情にも十分配慮した対応の仕方、また、報道機関による取材に対しましても慎重な対応をすべきものというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それでは、せっかく回復しかかった信頼関係を損なわないようにぜひ慎重な努力をお願いをしたいというふうに、重ねて要望をしておきます。  次に、大蔵省の官房長に来ていただいているのですが、先般の当委員会のやりとりで、一斉の処分がございました、その処分についていろいろお尋ねをしましたが、処分はこれまでのことでございます、これからのことについて、例えば紀律保持委員会というものが開催されるわけですけれども、これからは記録を作成してはいかがでしょうかと御提言申し上げたのですけれども、再三お尋ねをしますけれども、いかがでしょうか。これからは作成されるでしょうか。

溝口善兵衛大蔵大臣官房総務審議官

○溝口政府委員 先般その質問がございまして、私も、先生の質問の御趣旨を十分理解しなかったところがあったように思います。  先生は今後の話としてはどうかというお尋ねであったということでございまして、その点につきましては、今までも紀律保持委員会と申しますのは、規律保持のために周知の徹底を図るとか状況の把握をするとかそういう委員会でございまして、規律保持の一つの方途としてつくったわけでございますから、先生の御指摘のように、今後におきましては、規律保持の徹底が図られるよう、どういうことが議論されたのか、その概要がわかるような記録の充実に努めていき、それを私どもの執務の参考にもしたいというふうに考えております。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 今の御答弁を聞いて、この半年間、実は再三再四、多分十回近くこのやりとりを続けてきたのですけれども、ようやく、今後については記録を概要であれととどめていただく、記録をすることによって今後の大蔵省あるいは大蔵省を引き継ぐ方々が何らかの理由が生じたときに照会ができるという部分で大変踏み込んでいただいた、もっと早くぜひやっていただきたかったのですけれども、そこは評価をしたいと思います。  これまで、再三の武藤官房長時代からの答弁で、大蔵省としては議事録をつくらない、会議録は残さないという慣習があって、それが相応の理由で今後についても難しいんだということでございましたけれども、そこのところは今回、変更、変更というか新しくやり直すという決意と受けとめてよろしいのでしょうか。

溝口善兵衛大蔵大臣官房総務審議官

○溝口政府委員 部内の会議でございますから、速記録のように各人速記をとるというようなことは難しいと思いますけれども、会議でどういうことが主要な議論であり、そこで主要な問題意識は何であったかとか、そういうことが後でわかるような記録の充実を図ってまいりたいということでございまして、先生の御趣旨に合うようなものであろうかと考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 先月退職された前証券局長の長野氏とそれから杉井前銀行局審議官のいわゆる退職金のことがつい最近話題になりました。本人からの申し出によって三割及び二割の減額支給ということが決まったということでありますけれども、確かに、いろいろな新聞記事を読んでみると、これ は法によっては本人の自己申告ということ以外にはないんだということですけれども、まことにちまたには、こういうことでいいんだろうかという声が渦巻いております。  今後、懲戒処分を受けた者が受理する退職金は、今は自己申告のみなんですね、ここで減額するような規定というものをつくるおつもりはございませんでしょうか。

溝口善兵衛大蔵大臣官房総務審議官

○溝口政府委員 国家公務員法上の懲戒処分を受けました国家公務員の退職金につきましては、懲戒免職を受けた人につきましては、これは退職金を支給をしないということが法律で決まっております。  国家公務員法上の懲戒処分には、懲戒免職のほかに、停職、減給、戒告というカテゴリーがあるわけでございまして、懲戒免職以外のカテゴリーの人については減額をする規定がないわけでございまして、退職手当法によりますと、全額を支払いなさいというふうに決まっておるわけでございますから、今、規定をつくったらどうかという御提案がございましたけれども、法律によらず内規のようなものでつくるということはこれはもう無理であろうと思います。  以上でございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 そういう意味では、今回の接待というもの、特に秘書課長をされていて綱紀粛正の通達を出す立場でおった方が、出した後で、わかっただけで数々の接待を受けていたということについて、本当にこれでいいのかという声が渦巻いていますので、ぜひこれは積極的に、こういうことがあるたびに同じことが繰り返されるのではなくて、検討していただきたいというふうに思います。  それでは、次に、サッカーくじについても、本当に端的に幾つか伺いたいと思います。  これはぜひ文部省の、工藤体育局長ではない、本来は初中局長にお願いをしていたのですが、参議院の審議でおいでになれないということなんで、かわる方にお尋ねしたいのです。  これは端的に、参議院が修正をいたしました。その修正というのは、児童生徒への悪影響があるというふうに判断をした場合には停止命令を出せるということでございますけれども、これは、法案が成立したわけですから、だれがどのように調査をして、実際に悪影響の度合いをどのように見て判断するのか、そこの準備ができているのかいないのか、その辺、率直に端的にお願いしたいと思います。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 スポーツくじ法案でございますが、先般お通しいただいたわけでございますけれども、端的に申し上げまして、まだ現在、これにつきまして私どもといたしましての省内の準備態勢といいますか、もちろん審議の状況を踏まえながら、透明性を高めてきちんと問題のないものにしなければいけないと思っているわけでございますけれども、現段階でどういう形にするかということはまだ決まっておりません。これから鋭意、保健体育審議会の御論議も踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 大変簡潔に、まだ決まっていないと答弁していただきました。それならなおのことお聞きしたいのですけれども、文部省は二つの立場、このくじを発展させなければいけない、販売促進をして体育予算をつくるという立場と、もう一つは、十九歳以下の購入を制限をしなければならない、こういう二つの矛盾した立場を背負い込んでしまったわけです。  これは個別具体的になりますが、例えば、小学生、中学生がサッカーくじを親兄弟に頼んだ場合にこれはよいのかどうか、あるいは親兄弟がプレゼントした場合はどうなのか、この点についてまた簡潔にお願いいたします。     〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  まだ実は、先ほども申し上げましたように、細目決まっていないわけでございますけれども、例えば一つの例ですが、今おっしゃった、子供が親に頼んだ場合というお話でございますが、親は当然判断能力を持っていらっしゃるわけでございまして、いろんな御論議あるかと思いますけれども、買おうという御判断を親としてなさったということであれば、それは親が買ったということに一般論としてはなるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、私どもは青少年に悪影響を及ぼさないということが一つの大きな課題でございますので、十分慎重に検討してまいりたいと思っているところでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 今ちょっと体育局長の答弁をあえて避けたのは、要するに、くじを振興させていく立場と、これは制限しなきゃいけない立場と二つに分かれるわけで、初中局の立場で答えていただきたいという意味で、もう一問よろしいでしょうか。  先生が生徒に頼まれた場合、これはどうでしょうか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 これも一般的な委託ということになるかと思われますけれども、通常の場合、教師というのは、法律でもってこれが十九歳未満の者に売ってはいけないということが規定してあるわけでございますので、教師の立場としては、子供に頼まれてもそれは買わないというのが教師の筋ではないかというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それでは、先ほどの質問にあったのですが、親兄弟が、あるいは年上の方がプレゼントをした、こういう場合はどうなりますか。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 この場合も、法律上の議論を少し検討しなければいけないと思います。成人の方が買われてそれをプレゼントしたという場合であれば、くじをプレゼントしてしまえば所有権はもちろん相手の子供になるわけでございますけれども、一般の場合でございますと、そういう宝くじを差し上げるというような例はあるとは思いますが、もう少し議論をしなければいけないと私は思うのでございますけれども、プレゼントされたものを持っているだけで、その場合には未成年でございますから、通常、それは親が親権をもってきちんと対応しなければいけないわけでございます。もし当たりくじということになった場合には、もう少し検討が必要と思われますけれども、親としてそれをもらったのかどうかという判断をする必要があるのではないか。  いずれにいたしましても、子供たちにそのことで悪影響を及ぼす、それから射幸性を育ててしまうということにならないような配慮を十分しなければいけないというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 それではまとめてお聞きしますけれども、非常に率直に答弁いただいたのでわかりやすかったのですが、結局、やはりこれからやることが多いわけですよ。  それで、くじが実際に発売される前には、少なくとも文部大臣並びに日本じゅうの教師が、生徒に対してわかりやすく、こういう場合はこうだ、こういう原則だ、決して悪いものではないけれども、しかし法律では買えないのだということをわかりやすく子供に説明して、すっと子供が胸に、ああ、そうだなと共感する、ここの水準まで持っていかなければいけないですよね。その点について、課題と認識されているかどうか、もう一回、初中局の方へお願いします。

小野元之文部大臣官房長

○小野(元)政府委員 たびたび御指摘いただいておりますように、私どもといたしましては、法律を成立させていただきました以上、この法律の趣旨にのっとってきちんと仕事をしていく必要があるわけでございます。お話にもございましたように、サッカーくじ、スポーツくじが子供たちに悪影響を及ぼさない、しかし一方で、サッカーを楽しむ方、そういった方に本当に夢のあるプレゼントになるような、そういう制度にしなければいけないわけでございます。  その点につきましては、この法律が成立したということを受けまして、文部省といたしましても、体育局が中心になろうかと思いますけれども、全省を挙げて、さまざまな御指摘もいただいておりますので、そういったことを十分踏まえて、適切に対応すべく最善の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 子供たちも、いつも休みとなると宿題を抱えるわけですけれども、文部省はかなり難しい宿題を今抱えていらっしゃると思います。ぜひ子供たちの模範になるように、子供たちへの説明をつくっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。     ―――――――――――――

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 この際、委員長から委員各位に申し上げます。  理事会の協議に基づき、来る六月三日水曜日午後一時から、教育現場関係者との意見交換会を行うことにいたしましたので、出席を御希望される方は委員長までお申し出願いたいと存じます。  次回は、来る六月三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十三分散会

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