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142回国会衆議院1998/03/25

決算行政監視委員会 第5号

発言数
232
登壇者
31
会派数
6
開催日
1998/03/25

会議録

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、公務員制度改革、公務員倫理及び天下りに関する問題について調査を進めます。  この際、一言申し上げます。  本委員会は、国民の行政に関する苦情を受け付け、これを審議に資することとしております。  この苦情受け付け窓口、いわゆる平成の目安箱には、毎日実に数多くの意見が寄せられております。国民の大きな期待を感ずるとともに、本委員会の行政監視機能を果たすという大きな使命を自覚せざるを得ません。  特に、公務員の倫理、天下りの問題に対する厳しい声が多数寄せられており、理事会の協議を踏まえ、委員会で審議を行うことになりました。  本日は、我が国の公務員制度の問題点や国民の信頼を得られる公務員倫理のあり方を明確にし、行政に関する苦情を踏まえた実りある審議となるよう、活発な議論を期待いたしたいと存じます。  ここに、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  本日、午前中は、参考人として政策研究大学院大学教授伊藤大一君、中央大学総合政策学部教授増島俊之君及び日本経済新聞社論説副主幹田勢康弘君に御出席をいただいております。  なお、午後については、人事院総裁及び総務庁長官から順次説明を聴取した後、質疑を行うことといたしております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、公務員制度改革、公務員倫理及び天下りに関する問題につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。  次に、議事の順序について申し上げます。  ます、伊藤参考人、増島参考人、田勢参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただきたいと思います。次に、委員からの質疑に対しましてお答えいただきたいと思います。  それでは、ます伊藤参考人にお願いいたします。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 伊藤でございます。  この一、二年、公務員制度の改革論議が活発になってまいりました。政府サイドでは、昨年、公務員制度調査会が活動を再開されましたし、人事院でも、独自の研究会を組織して問題の検討に着手されたというふうに伺っております。国会サイドでも、公務員倫理法を制定しようとする動きが急になっていると伺っております。こうした流れを受けまして、本日、当決算行政監視委員会としてもこの問題を取り上げられたのだろうと承知しております。  なぜ公務員制度の改革が改めて議論されるようになったのかを考えてみますと、一つの大きなきっかけとして、公務員による不祥事の多発ということがあると存じます。そこで、ではなぜ不祥事が多発するのか、その理由は何かといった角度からこの問題を取り上げてみたいと思います。  お手元に簡単なレジュメをお配りしておきましたのでごらんいただきたいと思います。このレジュメに即して意見を申し述べさせていただきます。  公務員の不祥事が多発する理由、これが同時に、公務員制度の改革に当たり考慮すべき問題点ということになりますけれども、二つの理由あるいは問題があると思います。一つは、公務員の個人、本人に関する問題であります。これが職業倫理上の理由、問題。二番目は、組織もしくは制度、構造のレベルの問題であります。これが行政構造上の理由、問題というふうにお書きしたものであります。これにつきまして、順次考えを申し述べさせていただきます。  第一に、職業倫理上の理由、問題でありますけれども、これにつきましては、三つの点を指摘することができるかと存じます。  一つは、バブル経済の影響であります。  バブル経済の影響を受けまして、これはもう国民一般が金銭感覚を麻痺させてしまった、失調を来したということが言えると思いますが、公務員についても同じことが言えると思います。  それに加えまして、このバブル期を通じまして、官民の間の所得格差が拡大したのではないかという感じを私は持っております。これは、民と言いましてもいろいろな民がございますけれども、特にサービス産業あるいは金融部門における所得と公務員の所得との間に格差がある、その格差が拡大したのではないかという印象を持っております。  この場合の所得と申しますのは、月給だけではございませんで、年金の問題とか退職金の問題等も含めて考えております。  退職金につきましては、一部のマスコミなどで、次官が、こちらにお見えになっております増島さんは次官の経験者でいらっしゃいますからよく御存じかと思いますけれども、巨額の退職金を得ているというようなことが報道されまして、民間との間にアンバランスがあるということが言われておりますけれども、私は、比較の仕方がちょっと不正確であると。  民間の場合、例えば次官と比較すべきものは取締役、会社の役員だろうと思うのですけれども、役員の場合はどういう所得構造になっているかと申しますと、企業の内部で出世をされて部長ぐらいまでなられる、そこで一たん退職をされるわけであります。退職金を取られまして、その後で改めて取締役に就任されるということになりますから、実質的にはかなりの所得を得ておられるだろうと思いますが、公務員の場合には、そういう二段階の構造になっておりませんで、一度限りであります。そういうことも考えますと、次官といえどもそれほど大きな退職金は得ておられないだろうと思います。  加えまして、いわゆるフリンジベネフィットみたいなものがございまして、公務員の場合には特別なフリンジベネフィットはございませんけれども、一部の民間部門、特に金融部門などでは、有利な住宅ローンが使える。そこで現役中に自分の家を持つというケースがふえたと思いますが、公務員の場合にはそういうことはございません。大体が公務員宿舎におられまして、退職と同時に初めて自分の家を持つということが普通だろうと思います。そういうことで、バブル期を通じて持ち家率にも変化があったのではないか。そういったようなことが、公務員の側の金銭感覚を麻痺させる一つの原因になっているのではないかというふうに思います。     〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕  二番目は、目的意識と申しますか、あるいは使命感が希薄化したのではないかということであります。  公務員は権限を持っているわけでありますが、この権限の悪用もしくは誤用に対する最も有効な歯どめは、目的意識あるいは使命感に根差す緊張感だろうと思うのです。これは例えば、少し前に日本経済新聞の「経済教室」にイギリスの有名な日本研究者でありますロナルド・ドーア教授が書いておられましたけれども、公務員の腐敗を防止する一番有効な方法は公務員に使命感、誇りを持たせることであるというふうに言っておられました。  私は全く同意見でございますが、この使命感あるいは誇りが、昭和三十年代、四十年代のいわゆる追いつき型の近代化の時代には非常に高かったと思うのです。国民が生活に苦しんでいる、何とかして欧米並みの生活に到達したい、そういう国民の希望を受けまして公務員が一生懸命頑張ってこられた、そういう使命感といいますか、目的意識が非常にはっきりしておられたと思うのでありますが、昭和五十年代、六十年代に入りまして、追いつき型近代化を達成してしまった後、目的意識が少しぼけてきてしまったのではないかという感じがいたします。そのことが公務員の使命感と申しますか、緊張に弛緩を来したのではないかという印象を持っているわけであります。  これが二番目の問題でありますが、これは単に公務員個々人の問題ではございませんで、日本国家全体の問題でもあろうかと思います。  それから三番目は、職業倫理の実効性を担保するメカニズムが弱いのではないかということが考えられます。  ここに国家公務員法八十四条ということをお書きしておきましたけれども、この八十四条の一項ではへ懲戒処分というものがございます。不幸にして不祥事を起こした公務員に対して懲戒処分をする、この懲戒処分は任命権者、つまり大臣が行うということになっておりますけれども、実際には、恐らく秘書課あたりでそういう事務を担当されるのだろうと思います。そうなりますと、実際には、自分の省庁の職員、身内でありますから、身内に対してはどうしても厳しさが欠けてくるのではないかという問題が一つございます。それからもう一つは、局長とか次官といった上位者には、遠慮があったりいたしまして手を及ぼせないのではないか、そういうこともございます。  そういうこともあろうかということで、公務員法の八十四条は二項で、任命権者だけではなしに、注の一にお書きしておきましたけれども、人事院が任命権者にかわって懲戒手続を進めることができるという規定を置いているわけでございますが、私の承知しております範囲では、この規定はほとんど使われたことがないというふうに感じております。その辺が、職業倫理に実効性を持たせるメカニズムが少し弱いという一つのポイントーになるかと思います。  なお、最近、倫理法の問題に絡みまして、アメリカの政府倫理法、エシックス・イン・ガバメント・アクツでございますが、このことがしばしば参照されますけれども、これについて一つだけ御注意いただきたい点がございます。  それは、アメリカの政府倫理法は、主として政治的な任命職を念頭に置いてつくられたものであります。大体三千名ぐらいの者が大統領の任命になっている政治的任命でありますが、この方々は、公務員になられる前は大多数の方が民間の企業の役員をしておられたわけであります。公務員になられたときに、民間企業におられたときよりもより厳しい倫理基準を守っていただかなければいけないということで、主としてそういう方を念頭に置きまして倫理法が制定されている。  例えばその中を見ますと、自分のオフィスを使って民間企業の人といろいろ自分の再就職のことを交渉してはいけない。これは、大統領の任期が終わりに近づきますと、またもう一度民間に戻らなければいけない、そのときの自分の再就職先のことを心配し出すわけであります、浮き足立ってくるわけであります。そのときに、自分のオフィスに民間の人を呼んでいろいろ再就職の交渉をしたりする、そういうことのために自分のオフィスを使ってはならぬといったようなことまで書いてあるわけでありまして、これは明らかに、そういう政治的な任命職の方を主たる対象としてつくられた法律だろうと思いますので、その点をちょっと御留意いただきたいと思います。  以上が、お役人個人の職業倫理に関する問題であります。  二番目は、行政構造上の問題があると思います。  これも三つの点が指摘できると思いますが、第一は、日本の行政の場合、いわゆる裁量行政の範囲が広過ぎるということがございます。  私の友人で、金融行政のことを専門に研究しております者から話を聞きましたが、例えば銀行法という法律は、三十数条であります。でありますから、法律の規定としては非常に簡単であります。実際にその法律に定められた権限を行使する、どういう基準で行使するか、その基準につきましては通達等々で決められている。その通達の数が約一千あるのだそうでありますが、そのくらい、行政の判断あるいは行政官の担当者の判断によって物事が決まるというケースが多いわけであります。  そういうことになりますと、企業としてはなるべく自分に有利な判断をしてもらおう、さじかげんをしてもらおうということで、どうしても公務員に対して誘惑の手を差しのべるということになってしまいます。そういうことで、裁量行政というのはどうしても腐敗の温床になりやすい。  先週でございましたけれども、通産省の研究所で「政府と市場」というセミナーがございまして、世界銀行のスティグリッツさんという副総裁の方がお見えになりまして基調講演をしておられましたけれども、そのときに政策レソトという言葉を使っておられました。このレソトというのは、もともとは地代という意味のレソトでありますが、不労所得のことであります。汗水流さないで所得を稼ぐ、これをレソトというふうに申しておりますけれども、裁量行政の範囲が広いということは、裏から返しますと、そういうレソトの幅が大きい、レソトの余地が大きい。企業としては、裁量を自分のために有利に行使してもらって、そして労せずして収益を上げようというふうにどうしても考えてしまうということでありますが、日本の場合には、そういうことで裁量行政の範囲が広過ぎる、裁量レソトが大き過ぎるということでございます。  これにつきましては、今月の初めの朝日新聞に、官房副長官の古川さんがそういうことをはっきりインタビューのときにおっしゃっておられました。大変印象的でございました。  二番目は、この裁量行政の裏側になるわけでありますけれども、ルール型の行政に切りかえていかなければいけない。  ルール型の行政と申しますのは、例えば公正取引委員会がやっておられるような行政でありますけれども、これがいわゆる規制緩和と言われているものだろうと思います。規制緩和と申しますのは、規制をなくしてしまうというのではなくて、規制のあり方を変える、ルール型の規制を設定するということなのだろうと思いますが、私が一つ懸念しておりますのは、全体としてはこういう方向、裁量行政からルール型の行政に移りつつあると思うのですけれども、分野によってはむしろそれに逆行するような現象が見られる。  例えば金融行政などで、一方で金融の緩和が進む、銀行と証券の壁が取り払われる。そういたしますと、新しいタイプの金融会社が設立されます。その設立に当たって、大蔵省が事実上の承認を与えるといったようなことが行われている。法律にはそういうことは書いてないわけでありまして、むしろ通達によってそういう承認が行われる、事実上の許認可が行われているというようなことがあるやに聞いております。  これは先生方にお調べいただきたいわけでありますけれども、そういうことで、どうも裁量行政というものの幅が思ったほど縮まっていかないというのが現状だろうと思います。これが二番目の構造上の理由、問題の第一点であります。  二番目に、専門知識の低下という問題がございます。これは公務員の専門知識、特に民間企業の専門家に比べた場合に、公務員の専門知識がだんだん低下してきているのではないかということであります。  これにつきましては、注の三にお書きしておきましたけれども、元水産庁長官をなさいました佐竹五六さんとおっしゃる方が最近本をお出しになりました。その中で、これは非常に心配をして書いておられましたけれども、日本の公務員はエキスパートである、テクノクラートであると言われるけれども、一体何のテクノクラートかと申しますと、これは結局、人間関係調整技術、わかりやすく申しますと、根回しの技術のエキスパートである、しかし、それ以外のエキスパートではない。例えば、金融行政を担当しておられるお役人が金融行政、金融活動のことをよく知っているかというとそうではないと、余り御存じないということを書いておられました。農業行政についても同じであるということを佐竹さんは書いておられました。  他方で、どんどん技術革新が進んでまいります。例えば、アメリカでは金融産業というものもハイテク産業の一つに数えられている。そのぐらい技術革新が著しいところであります。民間の部門では、そういったような新しい技術を取得した人がどんどん出てきている。ところが、お役所の方ではそういう技術を持った人が育っていかない。そこに、大きな技術格差が生じてしまっているということであります。その結果どういうことになるかと申しますと、ここにお書きしておきましたように、裁量行政のもとにおける専門知識の民間依存、わからないことが起きたときには結局民間に聞く、民間に問い合わせるということになってしまうわけであります。  先日来新聞をにぎわしております、例えばMOF担、大蔵省担当の方が、大蔵省のお役人にかわって実は通達の原案を書いていたといったようなことも報道されておりました。  数年前でありましたけれども、公正取引委員会がいわゆる業界団体、正式には事業者団体と申しますけれども、業界団体についての実態調査をなさったことがございます。その報告書を拝見いたしましたけれども、日本の業界団体はどういうことをしているか。かなりの業界団体が、二十数%でありましたけれども、お役所にかわって政策あるいは施策の原案をつくっているというようなところもございました。  これは、業界団体の方が専門知識を持っている、新しい法律なり計画なりをつくるのに必要な情報、知識を持っているということでありまして、そこで、お役所にかわってそういうことをなさっているということが報告書に出ておりました。私もちょっとびっくりいたしましたけれども、そのぐらい技術の点で民間に依存するという傾向が出てきてしまっている。やはりこのことが、公務員の不祥事、腐敗を招く一つの温床になっているのではないかというふうに考えます。  今後、ルール型の行政になった場合に、それじゃ一体どういうことになるか。私は、専門知識はますます必要になると思うのですね。ルール型の行政と申しますのは、一方でますルールを設定する、その後で今度はそのルールが実際に守られているかどうかを監視する、そういう基準の設定と監視、これはかなり高度な専門技術を必要といたします。それは、例えば今度発足いたします金融監督庁についても同じでありますが、それだけの、民間部門に対抗できるだけの専門知識、専門技術というものを役所の側が持っていなければいけない。そうしなければ、ルール型行政というのは順調に期待されたような効果を発揮いたしません。そういうふうに考えますと、専門知識の重要性はますます高まってくるだろうという感じがいたします。  三番目は、官民関係における制度と実態の乖離ということをちょっとお書きしておきました。  ちょっとかた苦しい表現ですけれども、私が申し上げたいと思いましたことは、いわゆる行政システム、官僚制というふうに言われておりますけれども、これまでの官僚制は、秩序行政、一番の中心は警察行政をモデルにした官僚制であったわけであります。その場合には、民間と余り接触しない方がいい、むしろ民間と距離を置いた方がいいという隔絶型の官僚システムになっていた。これは、日本が明治時代にドイツから行政組織を取り入れましたときに、もともとのドイツがそういうような仕組みになっていたわけでありますが、今日までそれが続いております。  ところが、最近ではそういう警察をモデルとする官僚制ではなくて、むしろ経済官僚、経済行政というものがだんだん中心になってくる。この経済行政ということになりますと、特に市場経済、資本主義経済のもとでは、社会と距離を置くのではなくて、むしろ社会と密接に連絡を保つ、情報を交換する、あるいは人事の交流を図るといったようなことが必要になってまいります。  そこで、同じ行政システムでも、かつての閉鎖系から開放系に移る、構造転換を図る必要があると思うのでありますが、そこのところがスムーズにいっていない。実際は経済界、社会との接触が必要になってきているのに、行政制度そのものはいまだに閉鎖系のままであるということになりまして、どうしてもそこに無理が生ずる。非公式な接触、社会や経済との非公式な接触というものが始まってくる。それが例えば天下りであったり、接待であったりするということが考えられます。  そこで、これから先は、社会、経済の進展に合わせまして、行政システムそのものを開放系のものに改めていく。経済、社会との間で情報や人事の自由な交流が行われるようにする。しかも、それでいて行政の公正さというものを保つ、そういったようなシステムを考え出していく必要がある。そういう時代に来ているのだろうと思います。  その点で、注の四に書いておきましたけれども、最近人事院の方で、国と民間企業との間の人事交流を促進するような制度をつくるべきであるというような意見を内閣及び国会に申し出られておりますが、ぜひこういう制度を実現されたらいいのではないか。私といたしましては、先生方がこの申し出に対して積極的に対応されることを期待したいと思っております。  なお最後に、二枚目になりますが、補論といたしまして、天下り問題について考えておりますことを若干お書きしておきました。  天下りという言葉は、非常にあいまいな言葉であります。非常に広く解釈いたしますと、一番初めに①に書きましたように、公務員の民間への再就職、これを全部天下りと見ていく。これは非常に広義の天下りであります。この広義の天下りの中には、これは一概に非難すべきではない、むしろ非常にすぐれたお役人がおられる、能力のすぐれた方がおられる、そういう方が個人の能力を生かして社会的に活躍される、それはいいことだろうと思いますので、これは、広義の天下りのメリットの面であります。  しかし同時に、天下りには官民の癒着を招くというデメリットもやはりございます。そこで、このメリットとデメリットをどう調整していくか、これが難しいところであります。  最近、人事院の方で就職承認基準を改正されまして、局長以上には厳しく、課長以下には弾力的にというような新しい基準を設定されました。これは、人事院が大変御苦労なさったのだと思いますけれども、一応局長と課長というところで線を引かれたわけでありますが、これでいいのかどうか。もっと別の線の引き方があるのではないかという感じが私にはしております。  いずれにしても、これは広義の天下りでありまして、これについては一概には悪とは言えないということですね。  ところが、二番目に書いておきましたように、もう一つの天下りがあります。狭義の天下りですね。これは、権限を背景とする組織的な押しつけのような再就職であります。  実際には官房の秘書課あたりが中心になりまして、役所のOBを民間に再就職させるというような慣行でありますけれども、これは大変弊害が大きいと思うのですね。そういうことをいたしますと、どうしても役所の側が民間に対して、弱みを見せる、借りをつくってしまいます。そこを逆につけ込まれるということになりますので、これは腐敗の温床になりやすいというふうに感じます。  それからもう一つ、そういう組織的な天下り、狭義の天下りは、官房の秘書課あたりが中心になってなさいますので、どうしてもセクショナリズムを強めるような効果もあるのではないかというふうに思いますので、これはぜひやめるべきではないか。それにかわって、行政改革会議でも提案されておりましたし、最近では公務員制度調査会でも検討されております、例えば人材バンク方式ですね、求人情報、求職情報を一元化する、そういう人材バンク方式の天下りと申しますか、再就職というものをお考えになるべきではないかというふうに考えております。これが③に書かれていることでございます。  また、そういうふうにしてある程度お役人が民間に出ていかれる、活躍されるということは、役所全体を若々しくさせる、役所の老化を防ぐという効果もございます。  イギリスのお役所に行ったことがございますが、イギリスの役所では定年が六十五歳でございまして、次官、局長というような方々は大体六十を過ぎた方であります。どうしても考え方が慎重になり過ぎてしまう。日本のこれまでの公務員制度のいいところは、若々しい方が、五十代の方が局長、次官になっておられた、課長は四十代である。そういう若々しい方がそういうラインのポストについておられますと、当然斬新な、イノベーティブな政策が出てまいります。そういう官僚組織全体としての若々しさを保つ、その意味でも広義の天下りは歓迎していいのではないかと私は思っておりますが、他方で、不祥事の根をいかにして絶つかということが非常に難しい、思案、工夫のしどころだろうと思っております。  以上、いろいろなことを申しましたけれども、私の結論といたしましては、ここにお書きいたしましたように、公務員の大多数は今でも誠実である、士気も高いというふうに信じております。こういう公務員の方々が後顧の憂いなく職務に専念できるような環境、条件を構築する、あるいは再構築するということが一番大事なことではないかと感じております。  以上をもつて私の陳述を終わります。(拍手)

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 ありがとうございました。  次に、増島参考人にお願いいたします。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 中央大学の増島でございます。  お手元の簡単なメモに即しまして、五点お話し申し上げたいと思います。  第一点でございますけれども、行政改革といいますといろいろなとらえ方がございますけれども、行政改革を対象領域に着目して分類しますと、官民関係の改革があるわけでございます。主たる内容は、規制緩和であります。それから、国、地方関係の改革というとらえ方。主たる内容は、地方分権であります。それから、政官関係の改革があるわけでございます。現在、内閣のリーダーシップを強化する仕組みの改革とか、政治が討議しやすい行政組織、そういうようないろいろな観点の改革がございます。また、官の内部改革としての透明性、公正性、効率性を高める改革などがあるわけであります。  公務員倫理や天下りの問題といいますのは、これらの諸領域の改革と実は密接に結びついておりまして、この行政改革の全般的な、あるいは包括的な推進というものがないと、なかなかそれ自体も難しいということであります。  なお、参考でございますけれども、行政改革の観点で、かつて第二臨調というのがございました。その第二臨調が掲げました行政改革の観点というのは四つありまして、変化への対応、それから総合性の確保、簡素化・効率化、そして信頼性の確保という四点を掲げたわけであります。現在、この信頼性の確保という観点が非常に強調されてきているわけでございます。従来までですと、この信頼性の確保という観点から進められてきました改革に、個人情報保護法の制定とかあるいは行政手続法の制定とかいうものがございます。その延長上に情報公開法案、そういうものもあるわけであります。  その信頼性の回復を支えるキーワードは二つありまして、透明性と、もう一つは説明責任でございます。国民の関心が今この問題に非常に強く向けられているわけであります。    〔原田(昇)委員長代理退席、穂積委員長代理着席〕  二点目でございますが、官僚制のゆがみが生じないようにするためには、行政組織が、ゆがんだ人間をつくり出すというようなことではなくて、いかに健全な人間というものを認めるような組織とすることができるかという視点が非常に大切なのではないかというふうに思うわけであります。日本の官僚組織といいますのは、大変すぐれた特質を持っていると思いますけれども、同時に、健全な組織となることを妨げているようなものもあるわけであります。  健全な組織運営のゆがみをもたらすもの、いろいろな問題があるわけでございます。  第一点で述べました過剰な規制についてなくしていく、そういうものも当然あるわけです。過剰な規制の問題というようなものもありますけれども、例えばキャリアパス、キャリアパスといいますと、役所に入りましてから退職するまでの経路でございますけれども、キャリアパスにつきまして非常に硬直的な運用がなされているということです。  その職員の方がハイラーキーの中に乗らないと評価されない、あるいはまた、非常に専門性を深めてもその専門性自体について評価の仕組みがない、あるいは、入り口試験がございますけれども、その入り口試験にはいろいろな種類がございまして、その試験の種類に非常に重点が置かれ過ぎている、そういうようなもろもろの問題がございます。  それから二番目でございますけれども、退職公務員の関連業界への天下り問題、あるいはまた中央省庁から都道府県庁の非常に重要なポストに天下りをする、そういう人事慣行というのがございます。これはそれぞれいろいろな意味を持っているわけでありますけれども、特に後者のような問題については、今、地方主権というような言葉さえ言われるようなときにこのような慣行が当たり前のように行われている、こういうのもやはり健全な組織としてはおかしいのではないかということであります。  それから、三番目に挙げております、各省庁における意思決定の過程におきまして、技官などの専門職員に対しまして過度に頼り過ぎている、そういうところもあるわけであります。厚生省におけるエイズ薬害事件の病理現象というのは、恐らくそういう典型的な事件なのではないかというふうにも思うわけであります。  それから、四番目に例として挙げておりますのは、機能的な組織観というものが非常に欠けているのではないか、これからはもっと機能的な組織観というものがあってもよいのではないかというふうに思います。  例えば、局長や部長がある一定年齢になりますと、これまでは、さらに昇任するか退職するかという選択になるわけでございますけれども、これからは、マネジャーから別の仕事に変わるということが当たり前のようになる、そういう組織観が要るのではないかと思います。そして、これまでの知識、経験を生かしまして、研修所の教官になるとか、あるいは行政相談事務に当たるとか、あるいは調査、翻訳事務に従事するとか、いろいろな職種、もう少し機能的な組織観というものが広く認められるような仕組みになる必要があるのではないか。これは第三点のところでも述べます、六十五歳定年制を実施に移す場合に、こういう組織運営ないし組織についての見方というものが大変必要であるというふうに考えております。  三点目でございますけれども、関連業界への天下り問題に限定して申し上げますと、官民癒着の弊害が生ずる。これは、各省庁の退職職員が、許認可規制を背景としまして関連業界への天下りをするからであるというふうに言われるわけであります。  一般的に、退職者の方が役所で得た知識、経験というものを広く民間の活動に役立てることの意義といいますのは、十分考えられるわけであります。職業選択の自由がございますので、退職職員の方が自己の知識、経験が役立つ民間で働くことを全面的に禁止することはできませんし、また妥当なことではないというふうに考えております。しかし、その関連業界への就職あっせんの慣行がしばしばもたらします弊害というものも指摘されているわけであります。     〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕  それで、私は、もしこの天下り問題に対する方策というものに本格的に取り組むのだとすれば、やはり次の二つの人事運営の大枠というものを決定する必要があるのではないかというふうに思います。  一つは、現在六十歳定年でございますけれども、定年を六十五歳にする、そして職員が希望すれば六十五歳まで働くことができるようにする、そしてもう一つは、今後、役所の人事当局が組織としていわゆる就職あっせんをしないということを定めることなのではないかというふうに考えております。もちろん、政府の中で、役所の人事当局とは別に、退職公務員の求職やそれらの人材を求める民間の人たちの求人活動、そういうものを円滑にする部門、そういうものがあってもよいのではないかと考えております。  こういうことを申し上げますと、いつも出てきますのは、それでは新陳代謝というものが停滞するではないか、幹部人事の運用が非常に円滑さを欠くのではないか等の問題があるわけであります。しかし、この新陳代謝の停滞とか幹部人事の運用、あるいは給与のあり方、あるいは定員措置の有無、あるいは新規採用の抑制問題などについてどのような細目的な工夫ができるかということにつきましては、やはり関係機関の専門的な検討にゆだねることが必要だと思います。専門的な検討にゆだねる場合には、やはり大枠としてはこういう大枠というものをきちっとしませんと、鶏と卵の関係のようなことで、結論が出てこないわけであります。  それから、四点目に申し上げたいことは、官民改革あるいは国、地方関係の改革、さらには政官関係の改革、こういういろいろな諸改革がどのように進展いたしましても、公務の本質的な性格や、それが陥りやすい欠点は依然として残るわけであります。このことを留意しませんと、どのような思い切った改革も、国民が求めます本当の成果を上げることはできないのではないかと考えます。また、生涯を公共の福祉のために捧げるような公務員を生み出すこともできないのではないかと思います。このあるべき行政の実現のために、あるいは公務員にとって生きがいのある行政の実現のために何が必要なのかということについて、最後に述べたいと思います。  官僚制の問題点というものを考えますと、やはり公務とは何かということにいつも突き当たってくるわけであります。そして、この認識が欠けてしまいますと、官僚制はすぐに腐敗する、非常に腐敗しやすいものになる、そういうことであります。  お手元の二枚目の資料、簡単なメモに、私の著書の中から引いているものでございますけれども、公務とは何かということ、公務の特質といいますのを民間活動、企業と比較をして出したものがございます。左の方の「全体の奉仕者」あるいは「権力の独占」。権力の独占といいますと大変強い言葉のように思いますけれども、ある許認可権限が法律の中にありまして、そしてある省のある課に割り当てられますと、その課以外はどこも関与できない、そういうことであります。もちろん民間も、その許認可権限というものを持つ、そういうことはできないわけであります。そういう意味の仕組み、すなわち権力の独占というものがあるわけであります。  それから、財源は租税ですし、租税であるがゆえに、財源の確保に一定のそういう限度があるわけであります。それから、民間にはすぐ破産というのがありますけれども、公務の場合は破産がない。  あるいはまた、民間の場合は市場メカニズムといいますものが非常にヤードスティックとして働いておりますけれども、公務の場合には、活動成果の測定の目安が非常に多元的かつ複雑。国際的な信用を確保するとか、あるいは年とった方の安心感を確保するとか、あるいはまた経済活動を活発にさせるとか、いろいろな観点からの活動がなされておりまして、そういう活動の目安が非常に多元的かつ複雑である。したがって、それがゆえに、経済社会というものが変わってきたときにも、すぐにその対応している部門を縮小することができない、おくれてくる、そういうことにもなるわけであります。  また、国民の権利義務と密接に関連していますことから、非常に手続が重視されるわけであります。行政手続法の制定といいますものも、こういうことに着眼しているわけであります。民間の活動では、どちらかといえば、手続より結果を重視するというような特質があるわけであります。  そこで、こういう公務の特質につきましての社会一般の認識と公務員自身の認識というものが必要であるということでございます。そして、こういう公務の特質、すなわち権力を持つこと、あるいは破産がないこと、あるいはそういう市場メカニズムで単純にはかれないこと、あるいは非常に手続を重視することなど、今いろいろ申し上げましたようなことといいますのは、実は公務の悪さというものも生み出すわけであります。権力はしばしば容易に堕落するわけであり、また、時代の流れからおくれてしまうわけであります。また、社会一般の人々の声に耳を傾けることが少なくなるわけであります。公務の特質、よく考えますと、いわば貨幣の裏表のようなことで、その特質というものがあって、非常にいろいろなよさもあるわけですけれども、それが常に弊害を引き起こす要因になるということも忘れてはならないわけでございます。  ここで、やはり必要なことは、国政に携わられる方々や公務員自身がそのような公務の特性を明確に認識することが大切であります。そして、そういう悪い部分が必ず出てくるということを前提にしまして、その除去の努力というのを繰り返し行うことが必要であります。汚職が起きないための人事管理や運営管理上の工夫とか、あるいは国民からの苦情相談の充実とか、許認可事務手続あるいは補助金事務手続の簡素化、効率化のための定期的な見直しとか、あるいは民間における管理手法の吸収、あるいは公務員研修、教育の重視などであります。  私は、長い間官界におりまして、そして行政の改善、改革の仕事に従事しておりましたけれども、その経験を踏まえて、日本の行政運営の欠陥といいますものをぎりぎり一つに絞ったらどうなるか、もしそういう質問がありましたら、それはやはり、プラン偏重である。プラン・ドゥー・シーという管理サイクルがすべての業務にはあるわけでございますけれども、プラン・ドゥー・シーの管理サイクルのうち、非常にプランに偏重していて、評価の部分が極めて手薄いということであります。これは、日本の行政のぎりぎり絞ったときの非常な欠陥であります。この欠陥、こういうことを念頭に置いて、各領域において、あるいはまた各段階での努力が必要であるというふうに考えております。  最後、五点目でございますけれども、人事院の調査によりますと、現職の公務員にあなたはなぜ公務員になったのですかというふうに問いますと、七〇%は、公共への奉仕がしたいといいますのが公務員を志望した理由となっております。これは大変すばらしいことであります。このような公務員が生涯誇りを持って生きることができるような仕組みをつくる、そしてそれを維持すること、それは非常に大切であります。なぜならば、士気の高い官僚制といいますのは、国民の大切な財産だからであります。本院においてのいろいろな御審議の中においても、この視点というものをぜひ持って、いろいろのことを御検討いただきたいというふうに思います。  以上です。(拍手)

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 ありがとうございました。  次に、田勢参考人にお願いいたします。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 田勢康弘でございます。  昨年まで、アメリカの大学で研究生活をしておりました。そのときに、私の研究仲間にアメリカの軍の幹部が三人おりました。陸軍、海軍、空軍の軍人であります。彼らと一緒に、大学の代表団で世界各地を回りました。いずれも招待を受けて回りましたけれども、どういうわけか、この三人の軍人は、招待はビジネスクラスで受けておりますけれども、常に彼らはエコノミークラスにしか乗りませんでした。  私は、非常に不思議に思って、何か軍のルールがあるのかと尋ねたことがございます。彼らの答えは、いや、ルールなどというものはない、しかし、自分たちは国民の税金で国民を守る仕事をしている、したがってプライベートでも自分たちはいつもこのクラスしか乗ったことはない、こういう話でございました。  仕事柄、世界をあちこち行っておりますけれども、日本の若い官僚がファーストクラスに乗っている姿をしばしば見かけます。それを非難するつもりは全くございませんけれども、しかしながら、本来、このアメリカの軍人が私に言った自分たちの生き方の問題、これは日本人がアメリカ人に胸を張って言うべきことであったのではないかというふうに思うわけでございます。  昨今の公務員批判、詰まるところ問題は、現在の公務員の制度にあるのではなくて、国家の運営に携わる者としての覚悟の欠如、これに尽きるのではないかというふうに私は思っております。  古い話ですけれども、西郷隆盛が残した言葉の中にこういう言葉がございます。今も要らず、名も要らず、官位も金も要らぬ人は始末に負えぬものなり、しかし、この始末に負えぬ人ならでは、報難をともにして国家の大業をなし得ることは不可能であるということを、西郷は南洲遺訓で残しております。  私は、政治家を含めた国家運営に携わる者としての覚悟は、全くこの一言に尽きるだろう、これがないというところが、今日本が抱えている最大の問題ではないかというふうに思っております。  マックス・ウェーバーは官僚システムを論理的に説明をした偉大な社会学者であろうと思っておりますが、そのマックス・ウェーバーは、官職は天職であると言っております。まさに私は、今の公務員に、とりわけ幹部候補生たる公務員に、この官職は天職であるという言葉の意味をかみしめていただきたい、何ゆえに国家運営に携わる者としての覚悟というものがなくなってしまったかと。  日本の歴史を振り返って見ますと、やはり明治以降、一刻も早く近代国家の礎を築こうということで非常に急いで官僚制度ができました。いかにすれば有能な官僚を輩出できるかということで、東京帝国大学法学部の前身がつくられたわけでございます。自来、今日に至るまで、有能な人材というのは、特定の優秀だと言われている大学を優秀な成績で卒業して、かつては高文、今は公務員試験を優秀な成績で入った人たちが有能な人材というふうに言われてまいったわけであります。  しかしながら、よく考えてみますと、こういう人たちはある意味でぺーパーテストの天才ではありましょうけれども、しかしながら、人間トータルとしての能力、つまり、創造力を持っているか、人徳はどうか、そういうようなことを総合的に考えますと、ぺーパーテストの天才――つまり、ぺーパーテストというのはいついかなるときも必ず正しい答えがあるわけであります。この正しい答えがある問題を解く能力、こういうものに秀でた人たちが本当に国家運営、つまり、国家運営に当たっては恐らく解答のないような問題ばかり発生するわけでありますが、そのときには全く機能しないというのが、今の日本のこの国家の意思決定システムではなかろうかなと思っております。  かつて、全国から優秀な人材は皆、陸軍へ入りました。その結果、満州国をつくったあたりから、日本の官僚の力と政治の力が逆転してしまったというふうに私は思っております。石原莞爾を初め陸軍の幹部が、満州国をつくり、外圧によって国内を改革しようとしたというのが、その後十五年に及ぶ日中戦争から太平洋戦争へ渡る道筋であったわけであります。政治が本来の機能、つまり国家の意思決定を政治がきちんとするという仕組みになっていれば、これほどの官僚ばっこという事態にはならなかったであろうということを考えますと、現在も同じようなことが相当言えるのではないかというふうに思うわけでございます。  もう一つ、私も若い官僚に友人、知人がたくさんおります。彼らから感じますのは、強烈なまでの使命感であります。しかしながら、この使命感が正しく育っていかないと、ある時点で、自分たちは国家を動かしているという意識がいつの間にか民間をさげすむ意識につながっている、そういう気配を感じることが間々あります。  一方で、日本の官僚システムが持っている非常に強大な権限、また裁量行政という名で呼ばれる不透明な部分、それに社会全体を覆っている、自分だけが得をしよう、自分だけがうまいことをしようということが、やはり一刻も早く官が握っている行政の情報をとろうということにつながっていくのだろうというふうに思います。私どもマスメディアを含めて、日本の官僚システムを等身大以上に非常に持ち上げて、実態以上に大きな存在にしてしまったというのが今日の姿であろうと思うわけでございます。一つには、官僚だけの問題ではなくて、日本社会全体の問題であろうというふうに思います。  下から上へ物事を上げていって決めるボトムアップの方式、これには大変時間がかかります。前例があるかないかということがまた問題になります。予算として計上されているかどうか。この三つの条件が見事に当てはまれば、日本の官僚は実に堅実な仕事をするわけでありますけれども、申し上げるまでもなく、現在のような状況は、前例もなければ時間もない、瞬時にして物事を決めなければならない。そういうときに、何度も申し上げますけれども、政治がきちんと意思表明をする、国家の意思を決めるということをおやりになれば、決して今のような官僚主導という言葉がはびこることにはならないのではないかというふうに思うわけでございます。  政治家のことを英語ではローメーカーというわけでありますけれども、ぜひこのローメーカー本来の姿に――つまり、現在の日本は正しい意味での三権分立にはなっていない。立法府の相当部分まで行政府が入り込んできております。相当のことを行政府、官僚たちが決めております。これをなるべく理想的な三権分立の姿に戻すことが、公務員制度そのものに手をつけるよりもはるかに効果的であろうというふうに私は思います。  社会全体のことを考えますと、日本は世界有数の交際費天国、交際費社会でございます。私は、アメリカに駐在しておりますときに、自分で車を運転してホワイトハウスへ入るジム・ベーカー国務長官を何度も見かけました。それがすべていいというようなことを申し上げるつもりはございませんけれども、しかしながら、東京近郊の非常に有名なゴルフ場に朝から夕方までとまっております黒塗りのハイヤーの数を見ますと、ほとんど目まいがする思いがいたします。これがやがて海外から必ず指摘をされて、日本の交際費というものが問題になるときが来るだろうというふうな予感もしております。問題は、公務員だけではなくて、民間を含めた社会全体にあるというふうに思うわけであります。  最後に一言申し上げたいのは、私どもマスコミの最近の公務員批判というのは、私自身もかなり、度を越す部分もあるというふうに思っております。大事なことは、国家というものの存在を認める限り、つまり国家の存在を前提とする限り、その運営に携わる人間にいかに有能な人たちを集めるかということは、国として非常に大事なことであります。これが正しい意味でのエリーティズム、つまりエリート主義であります。  しかしながら、エリートには二つの側面があろうかと思います。一つは身分としてのエリート、二つ目は機能としてのエリート。我々が守らなければならないのはこの機能としてのエリートでありますけれども、肝心の官僚の人たちが身分としてのエリートと錯覚をして、自分たちは偉いのだと思ってしまったところが、今のような非常にもうあきれるほどの行儀の悪さにつながってきたのではないかというふうに思っております。  以上でございます。(拍手)

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 ありがとうございました。以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  この際、参考人各位に申し上げます。  御発言は、すべてその都度委員長の許可を得てお願いをいたします。また、委員に対しましては質疑ができないこととなっておりますことを、あらかじめ御了承いただきたいと思います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。滝実君。

滝実自由民主党

○滝委員 自由民主党の滝実でございます。きょうは、三人の参考人の皆様方には、大変示唆に富む御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。  時間もありませんので、早速、持ち時間の範囲内で、なお中身に入った御意見をそれぞれ数点ずつお聞かせいただきたいと存じます。  まず、伊藤参考人にお願いを申し上げます。  公務員の問題全体の中でいろいろなことをお教えいただきましたけれども、その中で幾つかお願いを申し上げたいのは、まず第一点、国家公務員法八十四条の問題でございます。要するに、人事院が懲戒権を持っている、こういう条文でございます。  参考人は、身内が身内の懲戒をする、あるいは上司の懲戒をする、そういうところに基本的なひっかかりがあると。ということは、八十四条をもう少し積極的に活用して、独立の機関が公務員の監視に当たるという機能を発揮すべきではないか、こういうことだろうと思うのでございますけれども、具体的にこの八十四条を発動させようといたしますと、実際、人事院がそういうことが直接できるのかどうか。例えば、余りにも数が多い公務員全体を対象にするとか、そういう物理的な問題があろうかと思うのでございます。  参考人は、この八十四条をもう少し積極的に活用する場合に、具体的にどういうようなことが必要だというふうにお考えになっているのか、もしあれば、その辺のところをお聞かせいただきたいと思うのでございます。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 今御指摘になりましたとおりでございまして、人事院は約七百名の職員しかおりません。いろいろな仕事をやっておられまして、もしも八十四条二項を担当するということになりますと、またそれだけ大きな負担が課せられることになります。  私が考えておりますのは、今滝先生がおっしゃいました点の、特に二番目の、上位の者、局長とか次官、あるいはもう少し広げましてキャリア、こういうキャリア官僚が不祥事を起こしたような場合に限って人事院が対応する、それ以外の大多数の、九十何%かの公務員の場合にはこれは一応各省の方にお任せする、何か特別に人事院としてすべきであるといったような要請があった場合にはやるということで、主としてキャリアというものを対象にして対応されるのが現実的であろうかと思っております。  以上であります。

滝実自由民主党

○滝委員 ありがとうございました。  公務員全般ではなくて、やはり特定のグループというようにグループ分けをしなければ到底無理だ、こういうようなお考えだと思います。そういう観点からも、今この公務員法八十四条の発動が議論されるのは、むしろ遅きに失したような感じもありますけれども、その辺のところは、やはり今後の問題だろうという感じがいたします。  二番目の問題で引き続き伊藤参考人にお伺いしたいのでございます。時間がありませんので、二つ続けてお聞きをさせていただきたいと思うのです。  一つは、今までの公務員の汚職問題をずっと見てまいりますと、先生は、閉鎖された問題、あるいは開放された公務員関係、こういうような区別の中でいろいろな御示唆に富んだお話をされましたけれども、今までの公務員関係の汚職というのは、民間との接触が薄かった部門が社会的な状況の変化で急に民間との接触が強くなってくる、こういうところにいろいろな汚職問題が発生してきたように思うわけでございます。  そういう観点から、参考人は、閉鎖系モデルから開放系モデルヘというふうにおっしゃっているわけでございますけれども、その開放系モデルの中でこういうような汚職問題というか不祥事件がどの程度まで防げるのかというのがやはり一番の関心事ではないだろうかという感じがあるわけでございます。  参考人は、その一環として、民官の交流機能を強化する、こういうことも御提案をされておりますし、また、それを積極的に支持されているわけでございますけれども、そういうような開放系の体系というものを組む場合には、実際問題としてやはりアメリカ的な要素が入ってくる、そうすると、それに対応する措置が必要ではないかなという感じがあるのでございます。その辺の対応措置も含めて、御意見があればひとつお聞かせいただきたい。  それからもう一点は、参考人は、最初に公務員の給与に関連して御意見をお述べいただいたわけでございますけれども、天下りの問題と年金の問題があるように思うわけでございます。  この決算行政監視委員長のもとに寄せられた目安箱の意見を拝見いたしましても、渡り鳥の天下り公務員が五千万円もの年間報酬を得ているのは甚だけしからぬ、これはやはり、国民に奉仕する、税金で公務に携わっているという意識が希薄だからだ、こういうような意見も寄せられているわけでございますけれども、実際問題として、年金問題ということをとってみますと、諸外国、例えばイギリスとかドイツとかフランスとか、そういうようなところの公務員と比べて年金問題はいかがなものだろうか、こういうような感じもあるわけでございます。こういう問題が、いわば天下り問題を考える際の一つのポイントになるのではないかなという感じがありますので、その辺のところの御意見をお聞かせいただければありがたいと思うのです。  以上二点について、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 お答えいたします。  第一の点でありますけれども、おっしゃるとおりでございます。今までの制度の建前が、社会から切り離すという建前になっておりました。特に治安関係の公務員の場合には、腐敗というものは絶対あってはいけないということもございまして、例えば戦前の日本では、ドイツの制度に倣いまして、内務省のお役人が地方に赴任いたしますときに、自分の出身地へは絶対赴任させなかったわけであります。それは、くされ縁のようなものがあってはいけないということでございますけれども、これが戦後変わってきたわけであります。  これから先、現在もそうでありますけれども、経済行政が中心になってまいりますと、嫌でも民間と接触せざるを得なくなってくる。そういうときには、むしろ制度そのものを開いておく。開いた上で、いかにして公正さを保つかということを考えるべきだろう、そちらの方向に向かっていくべきだろうと。制度としては閉鎖系にしておいて、しかし実際上接触するということになりますと、どうしても無理が生ずるということであります。  そこで、対応策でありますけれども、人事院の方で、実際に国と民間企業との間の人事交流をお進めになる、そのときに幾つかの歯どめのようなものを設けておられます。  一つは、役人が民間部門に行きます場合、これは三年間という期限つきでありますけれども、その役所の職務権限が直接関係する業界には派遣しないということです。逆に、民間の方が役所に三年間という期限を限って来られます場合にも、自分の企業もしくは業界に対して直接監督権を持っているような役所には行かないといったようなことを、一項入れておられます。  私は、これだけで十分だとは思いませんけれども、とにかくこれから先、試行錯誤でそういう新しい制度をつくっていかなければいけないわけでありまして、一つの基本的な方法としては、そういったような措置を講ずるということであります。  もう一つは、やはり基本的に情報公開の問題というものが大事だろうと思います。  そういうようなことでありまして、最終的にはアメリカのような形ということをおっしゃいましたけれども、私は、アメリカの公務員制度は初めから開放系としてつくられている、それだけに、開放系に伴いがちな問題を防ぐような措置が講じられていたと思います。アメリカの政府倫理法というのも、そういったような趣旨でつくられてきていると思います。  ですから、日本としては、もちろんアメリカに学ぶべき点はあると思いますけれども、ただ、アメリカまでいってしまうのはちょっと行き過ぎではないか。アメリカのような政治的任命職、これについては、メリットもございますけれども、いろいろなデメリットも指摘されているわけでありますので、私は、何か日本的な行き方とアメリカ的な行き方との、両者のいいところを総合した中間的なものがあるのではないか、今後、そういうものを試行錯誤を重ねながらつくり出していくということが大事ではないかと思っております。  二番目の点であります。  渡り鳥で、お役人をやめたときの退職金はそう大したことはございませんけれども、その後の公社公団で大変な額の退職金が出される。私は、これは本当におかしなことだと思いまして、本当に個人的に憤慨しているのですけれども、ただ、ある経済学者の説明によりますと、これはおくれて支払われる給与の一種であると。お役人というのは、どの民間部門と比較するかという問題もございますけれども、例えばサービス産業、金融産業なんかに比べますと、確かに比較的給与が安い。退職金につきましても、先ほど申しましたように、一回こっきりしか出ないということもございます。その埋め合わせをするのが天下りであり、天下りに伴う退職金だ、そういうような説明をなさる方もいらっしゃいます。  一面の真理はあると思うのですけれども、先ほどおっしゃいましたような渡り鳥に多額の退職金が支払われる、これは行き過ぎだろうと思います。明らかに行き過ぎでありますから、これはぜひやめるべきだろうと思います。  それに関連いたしまして、年金の問題であります。  現在の日本の場合、次官の経験者でありましても、退職されまして年金は大体三百万円ぐらい。私は、やはりこれは少ないと思うのです。戦前の日本の公務員は非常に清廉潔白でありました。清廉潔白であった一つの理由は、戦前は年金と申しませんで恩給と申しましたけれども、十分悠々自適の生活ができるだけの恩給を差し上げていたということであります。イギリス、フランスなどにつきましても、年金の水準は日本よりはるかにいい水準であります。特に第二の就職口を探さなくても、ある程度の生活ができるだけの年金が保障されているということであります。  私は、先ほど増島参考人がおっしゃいましたように、原則として六十五歳まで定年を延長する、その後は年金である程度の生活ができる、そういうふうな基本を整える必要があるだろうと思います。御指摘のとおりであります。

滝実自由民主党

○滝委員 ありがとうございました。時間があれば、また後ほどお尋ねをさせていただきたいことがありますけれども、とりあえずは増島参考人に移らせていただきます。  増島参考人につきましては、二点について御意見を承らせていただきたいと思います。  第一点は、機能的な組織観が日本のいわば任用の中では足りないのではないか、こういう中で、特に管理職につくような人たちについては、思い切って機能を重視した任務へのコンバートというものがあっていいのではないか、例えば研究職であるとか、あるいは研修機関への従事というようなことはどうだろうか、こういうようなことでございます。  これは、現在でも多かれ少なかれそういう点はあるわけでございますけれども、どうもそれだけのイメージではないようにお伺いしましたので、もう少しほかに、イメージとして具体的に私どもが持てるようなものがあれば、教えていただきたいというのが第一点でございます。  もう一つは、退職管理でございます。  一切就職あっせんをしない、こういうような原則のもとに、なおかつ求人求職活動を円滑にする部門の必要というのがあるのではないだろうか、こういうような御意見もちょうだいいたしたわけでございますけれども、この辺のところについてはどういうふうにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。  聞くところによりますと、人材あっせんについては、例えば人事局とか人事院でプール制にして、そこでいわばハローワークみたいなことを公共部門は公共部門でやったらどうかというような議論もなされているやに聞いているのでございますけれども、そういうようなことについてどういうふうにお考えになっているのか。  その二点について、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 第一点でございますけれども、先ほど伊藤先生からのいろいろな御説明の中にもありましたが、身分制的な運用というのか、やはりそれが非常に強いと思います。  例えば、課長あるいは部長、局長というものをもう一つのファンクションとしてとらえるというような組織についての見方、偉さということでなくて、どういう機能を果たすのかという物の考え方がもっと徹底しないといけないのではないかという思いが大変強くあります。  大阪の中のある市なんですけれども、総務部長をやられたその方が市民相談の一線に立たれているということですね。私は、やはり大したものだな、そういう思いが非常に強くあります。その種の局長には、いろいろな仕事をしてそこまで来ましたときには、いろいろな知識経験があります。役所の中には、そういう経験というものを生かしたいいろいろな仕事がたくさんあります。ですから、局長になりました後は、次官になるとか、それでなければやめるとかいうような運用でない運用、そういうものをもっと当たり前のように受け入れていく役所の環境といいますか、そういうものが要るのではないかというふうに考えております。  特に、先ほどの天下り問題なんかで六十五歳ということを申し上げましたけれども、六十五歳まで上の人が全部上がっていくというのではなくて、ある時点で、そういう一変していくということが当たり前のようになっていく、最初二、三年は少し抵抗があるかもしれませんが、そういうことに本格的に乗り出せば、皆、考え方は変わっていくのではないかというふうな思いが強くあります。  それから、役所が一切就職あっせんしない。  役所は、やはり許認可規制というものが依然として強いという背景がありますので、現実にそれをちらつかせてするというようなことはない、そういうふうにも思いますけれども、しかし、例えば許認可規制というものが非常に強くある省の人事当局がいろいろなお願いをする、そうしますと、やはり原局もいろいろそういう方向で動いてくる、あるいは協力をする。そういうような中でどうしても出やすい。その結果、いろいろ就職あっせんがされますと、就職あっせんされましてもそれでいろいろな不正が起こるということもまずないと思いますけれども、癒着があるのではないかという批判というものをどうしてもぬぐうことができない。ですから、人事当局がこういう就職あっせんを一切しないということが、やはりこの天下り問題では必要なのではないか。  しかし、先ほどの、先生がおっしゃいましたいろいろな機関、これは全く私見ですけれども、それを人事院とか総務庁とかいうところにつくるのが適当なのかどうかなという意見はあります。むしろ、求職情報とか求人情報とかというものがきちっとたくさん集まるようなところ、そういうところが公務員についてのリクルートに関して扱う方がもう少し素直なのではないかなというような考え方を持っております。

滝実自由民主党

○滝委員 ありがとうございました。  最後になりましたけれども、田勢参考人に、一点だけお伺いをさせていただきたいと存じます。田勢参考人におかれましては、特に政治との兼ね合いの問題でお伺いしたいと思うのでございます。  委員長のもとに寄せられた目安箱の意見によりましても、やはり政治家がきちんとしていないからだ、こういうような強い意見が数多く寄せられているわけでございます。その中で、田勢参考人は、とにかく一般職の公務員が余りにも強烈な意思を持っていて、政治家の分野、いわば国家意思の決定にまで積極的に参与しているというところに、その反対としていろいろな問題が出てくるのではないだろうか、こういうように受け取らせていただいたわけでございます。  そこのところをどうしたらいいかといえば、これは国会そのものの問題であるわけでございますので、一朝一夕ではいかないというふうに思うのですね。そういった点について、段階的にでもどう持っていったらいいのか、そういうことについて御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 ひとえに、国会の機能をどのようにすれば回復し得るかという問題に尽きるのではないか。官僚が積極的に立法府の分野へ入ってきているわけではなくて、やむを得ずして入ってきているという側面もあろうかと思います。やはり、国の意思をだれかが決めなければならない、もしそれを政治がやらないとすれば自分たちがやらなければならないというようなゆがんだ使命感を持っているのではないかというふうに思います。したがいまして、私は、この公務員の問題とともに、ずっと古くから言われていることですけれども、国会の改革といいますか、政治の本当の意味での改革というものが必要だろうと思います。  何から手をつけるかという問題がございますけれども、一つにはやはり、法律でできる問題ではありませんけれども、それぞれの政党が選挙のたびに、候補者を擁立されるときに、候補者をもっと吟味する。イギリスのように、保守党も労働党も、一人の候補者に大体二回から三回口頭試問をして候補者を決める。イギリスでは、原則として自分の出身地からは立候補できないようになっているわけですけれども、こういう民主主義を担保するようなルールをつくらないと、どうしてもいい人材が集まってこないように思うわけでございます。

滝実自由民主党

○滝委員 ありがとうございました。終わります。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これにて滝実君の質疑は終わります。  次に、末松義規君。

末松義規民友連

○末松委員 民友連を代表しまして、末松義規でございます。  参考人の皆様、本当に貴重な御意見をありがとうございました。  早速質問に移らせていただきます。ちょっと順序は狂いますけれども、ます田勢参考人の方にお伺いします。  私の問題意識は、行政官庁の交際費を予算計上すべきか否かという話でございます。先ほど、伊藤参考人の方から専門知識の民間依存というお話がございました。確かに、デリバティブというふうなことを一つとっても、大蔵省の役人の方が知っているかどうか。知らないと思うのですね。我々も知らない。実際にトレードしていないとわからない、そういう世界になってまいりました。そうすると、やはり民間から知識を入れるためにも民間との接触がどうしても必要だということでございます。  先ほど、ゴルフ場で黒塗りの車があることは問題じゃないかというお話がございました。これを、実際に民間と接触する必要はある、情報を集める必要はある、そうしないと逆に国家運営を誤るという話であるならば、それは認めていかざるを得ない。ただ、やり方。つまりやり方で、田勢参考人の言われているのは、例えば事前報告があって、記録があって、きちんと公開するのだというような前提があるならば、そこは例えば交際費の予算計上なんかも認めていいのではないかという御意見に対してどういうふうに思われますでしょうか。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 イギリスがビッグバンをやりましたときにイギリス政府がつくりました資料というのは、極めて薄いものでございました。数行で、金融に関するあらゆる規制を撤廃すると書いてあるだけであります。したがいまして、日本の大蔵省がもし民間の知識をかりなければ対応できないということであるならば、余計そういう規制はすべて手放すということがます大前提ではなかろうか。  もう一つは、公務員の交際費計上の問題ですけれども、夕食をともにしなければ話ができないというようなことは、そういう話はほとんどあり得ないだろうと思います。ですから、夕食は家族とともにするというふうにどんどんしていかなければならない、これは民間にも責任があると思いますけれども。

末松義規民友連

○末松委員 時間がございませんので、次々と質問させていただきます。  次は、伊藤参考人にお伺いをいたします。  公務員の再就職問題を含めた処遇の問題なんですけれども、先ほど伊藤参考人の方から、年金も含めてきちんとした給料を支払うべきではないか、ある意味では安過ぎるのではないかというお話もございました。  私の方で思いますのは、ポリティカルアポインディーというよくある幹部以外は、実は公務員というのは、余りお金のことを気にせずに、利潤というものを一切意識せずに、公の立場から公平に行政を運営していくということを訓練されておりますから、その方々が急に職を失って民間に行きますということでは、民間では対応できない方々だろうと思います。むしろ、そういう利潤というものに非常にさとい人が公務員にいてもらっては、逆に言えば困るのかもしれません。そうすると、再就職といっても非常に厳しい。特に人材の水平移動ができない日本の社会では、それはもうある意味では死を意味するという話ですから、そこは給料と年金で生活を保障して安定的にやっていただくのが一番ベストだろうと思うのです。  一方、幹部職員、つまり、ポリティカルアポインディーができるレベルの人というのは、非常に仕事もできるわけですね。そういった場合であれば、例えば政治家の側からいっても、例えば政権がかわったときに、自分たちの政権構想を実現できるような事務方を選ぶ権利と力もあるのだろうということで、そうなると、特別職の話なんでしょうけれども、どんどんそれをかえていくということあり得べしだと思うのですね。  それを硬直的にやっていると全く変わりばえのしない行政にもなってくるということですから、このポリティカルアポインティーレベルとそうでないレベルの人をきちんと分けて、ポリティカルアポインティーレベルの人については、それはもう常時かわるのが常であるというぐらいの意識でやるべきではないかという意見もございますが、その点について御意見をいただければありがたいです。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 日本の場合には、今おっしゃいましたようなポリティカルアポインディーは、現在は制度としてはございません。ただし、戦前にはそれはございました。大正の終わりから昭和の初めごろ、一時日本の政党政治が非常に盛んでありましたときに、主として内務省でありますけれども、民政党寄りの知事がおられる、あるいは政友会寄りの知事がおられる。そうしますと、政友会が政権をとりますと民政党寄りの知事の方はおやめになる、そして政友会寄りの方が知事におなりになるということがございました。  これはアメリカと同じようなポリティカルアポインディーでありますけれども、ただ、アメリカと違いますところは、政党がかわって、それでは全く官界から離れてしまうかというと、そうではございませんで、官僚の身分は継続する。ただし、忙しい仕事からは外されるわけでありますから、そのときに待命という制度を使いまして、待命で、ある程度の給与は支払われるということであります。また、自分の支持している政党が復帰いたしますとまた知事に呼ばれるということもあり得るわけであります。こういう制度はポリティカルアポインディーではありますけれども、アメリカほど極端ではない。  大体これに似た制度はフランスにございます。フランスにキャビネという制度がございまして、高級官僚の中で特にある特定の政権をとった政党と政治的な物の考え方、政策的な物の考え方が近い人を、幹部として採用いたします。その人たちがキャビネというものを組織するということでありまして、キャビネに入りますと、忙しくなりますし、当然給与も上がる。それから外されますと、また通常の給与に戻るということであります。  私は、日本でもそういうフランス流のキャビネの制度あるいは戦前にございました待命のような制度をもう一度取り入れたらいいのではないか、個人的にはそういうふうに思っております。  そういう非常にお忙しい職務につかれた方の場合にはそれだけ責任も大きいわけでありますから、当然報酬も引き上げる、それに年金の計算も結びつけるということになるわけでありまして、報酬も大きいけれどもリスクも大きい、そういうような職務給的といいますか、そういったような要素を今後取り入れていくべきだろうと思います。日本の企業ではそういう動きが最近急速にどんどん始まっておりますので、公務員の世界でもそういうことをすべきであろうというふうに考えております。

末松義規民友連

○末松委員 大変貴重な御意見を伺いました。  では次に、増島参考人にお伺いを申し上げます。  今度は、公務員の不正の摘発についてでございます。  実は、不正が行われると、基本的に身内意識が邪魔をしまして、組織は組織で防衛をいたします。それはわからぬではないですね。内部調査というものがほとんど機能しない、そういうことが実態であろうかと思います。特に、官民ぐるみでやって密室から密室へということですが、これはほとんどマフィアの世界で、わからないという話になってしまう。  今回も、東京地検特捜部の方でいろいろな一連の事件を調べて、資料を全部得たときに初めてある程度の絵がかけて、こういう事件が起こった。よくよく考えてみれば、東京地検が動かなければ、警察が動かなければ、何ら変わらなかった、去年もことしも全く一緒でずっと過ごしてきていたわけですね。それを考えると、逆に言えば、東京地検特捜部が動くとそれで世の中が変わるというのであれば、情けない社会だなと、私は個人的には思うのです。  民主党では、行政監視院構想なんかで、国会が、行政と同時にいろいろなところを監視するというようなことも発案しましたけれども、ただ、申し上げたいのは、そういった公務員の不正摘発、これをどういうふうに、要するに司法的というか警察的なものが行政の中で未然に防止するような形の手だて、特にマフィアのような状況にあるいは告発制度みたいなシステム的なものが可能なのか。それとも、最後は当然特捜部が来るのかもしれませんけれども、それを待たなければ一切有効な手だてはないのか、その辺について御意見を伺いたいと思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 不正の摘発というような観点ですと、それはやはり警察とかあるいは地検とかという機能だと思いますけれども、私、汚職事件はいろいろな意味で起こるわけですけれども、もっと行政管理という面に着目した対応があるのではないかということは強く思います。  例えば、かつてのことでございますけれども、ある県で、ある市で清掃汚職というのが摘発された。そうしますと、一カ月ごとくらいに次から次へと出てくること。あるいはまた、ある病院で医療関係の汚職が、調達でありますから、出た。すると、次から次と出てくる。そういう新聞報道なり内容なりを見ますと、行政管理面というものにすごい欠陥があるのではないか。  その点はいろいろな面があるのですけれども、例えば人事運営、人事管理面ですと、非常に長期にある特定の人がその業務に携わっている、それが非常に共通的に出てくるということもありますし、それから、極めて強い許認可権限というものがその人に集中しているということがありまして、そしてそれに対して内部的なチェックの仕組み、そういうものが非常に欠けているというようなことですね。それから、薬剤汚職なんかの場合でもそうですけれども、ある専門家のような人がいまして、その人が言うとほとんどそれで決まってしまう、そういうものに対する内部的な牽制の仕組み、そういうものが欠けている。  要するに、この種の汚職事件というものはいろいろなタイプに分けられるわけですけれども、共通的に、発生の原因が管理上の仕組みの欠陥というのはかなりあるのではないか。ですから、もし可能ならば、そういう不正事件とか汚職事件というもののケースが積み重ねられまして、そしてその管理上の欠陥が抽出できてくるというようなことをきちっとすることができれば、それを念頭に置いて行政運営上のいろいろな不正が起こらない仕組みをつくり上げることができるのではないかということを常々思っております。

末松義規民友連

○末松委員 ありがとうございます。  これは今に始まった話ではなくて、行政官庁の方ではそういったことは常々行われてきているのだろうなと。私自身も外務省というところに十数年間奉職していたわけですけれども、そこのところは先生から見て十分でないのかどうか、ちょっと後でお答えいただきたい。  同時に、最後になりますけれども、公務員の評価の仕方、つまり能力のはかり方ということの問題でございます。  例えば昇進をする場合に、公務員の場合何らかの、予算を引っ張ってきたとか、法律の権限を持ってきたとかあるいは人を引っ張ってきたとか、そういう組織のためになることをやると昇進するようなシステムが今のところ一般的じゃないかと。しかも、もっともらしさといいますか、理屈が立つ人が集まっていますから、そういった意味で組織拡大のためにどんどんやっていくと、これはだれも押さえ切れなくなる、政治家がこれを押さえる役割に立つわけですけれども。  そういうふうなことになると、結局評価そのものは、実際にそういう拡大をすれば、それはいいこと、あの人はできる人、こうなってくるとこれは社会全体にとってよくない。特に、今政府のスリム化が求められている時代ですから、その中で私らがそれをちょっと変えて、例えば私も実際に行ったことがあるのですけれども、アメリカのオレゴン州とかあるいはシリコンバレーのサニーべール市、インディアナポリス市とかは、そういうことじゃなくてパフォーマンスといいますか、目標を自分で設定してそれを管理して、そしてそれに対して、先ほど言われていたプラン・ドゥ・シーのシーの部分、ますプラン等をやってそれを評価する、行政評価、こういった面が日本では確かに非常におくれているし、それを学問としてもきちんとやっていかなければいけない時期に来ているし、実際の行政でもそれを実行していかなければいけない時期に来ているのではないかと思いますが、増島参考人の御意見を賜れればと思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 まず最初の方の評価。確かに役所の中で、組織のためにいろいろ動いた者、そういう者に対する高い評価を与えるというようなこと、そういうことも確かにあるのではないかと思いますけれども、最近はかなりそういう点は変わっているのではないかなというふうにも思います。  評価自体が役所の中ではかなり実際は厳しいということ、これは余り知られていないのではないかと思いますけれども、役所の中における評価というものは、かなり厳しい。入りまして何年、何十年といういわば評価の積み重ねのようなところがありますので、そういう点はかなり厳しいと思いますけれども、ただ、先ほど私も陳述の中で申し上げましたように、一つのキャリアパスのようなものがあって、そういう枠の中でだものですから、もう少し柔軟な対応の仕方、そういう仕組みが欠けていると。だから、評価自体は、ないかといえばかなり厳しいものはあると思いますけれども、そういうもっと柔軟な仕組みが必要なのではないかというふうに思います。  それから、プラン・ドゥー・シー、これは先ほど申し上げましたように、やはり行政の一番の欠陥だと思います。したがって、いろいろな努力がされておりますけれども、しかし、例えば立法段階でいえば、評価せざるを得ないような仕組み、法律の中にそういう仕組みをつくっていくというのもありますし、法律でないものにつきましても、今委員が言われましたようないろいろな目標設定、そしてその目標設定を本当にどの程度達成しているかどうか、それを必ずチェックできるような仕組み、そしてそれを第三者に対して報告できるような仕組み、やはり一番欠けているのは、そういう仕組みのビルトインがないのですね。ですから、そこのところができるようになれば、動いていくと思うのです。  評価ですから、評価で何か問題があるということを発見することじゃなくて、それがプランに結びついていくということ、その円滑に動いていくかどうかのきちっとしたケア、そういうものが今欠けているわけなので、そのことが行政段階において非常に必要である。恐らく、立法府の段階においても必要であるという御認識が決算行政監視委員会の設立というようなことにつながって、私は、大変大切な動きであると思います。

末松義規民友連

○末松委員 質問を終わります。貴重な御意見をありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして末松君の質疑は終わりました。  次に、山中燁子君。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 山中燁子でございます。  わずか十五分でございますので、お三人に一問ずつ質問をさせていただきたいと思います。  その前に、粕谷委員長あての目安箱というのは大変いい試みであったと思いますので、私は、それに従って質問をさせていただきたいと思います。  とりあえず現状を見ますと、高度成長時代に大変有効であった経済の仕組みも、あるいは社会の構造も、教育のシステムも、これから日本がどこへ行くかというその過渡期にあってさまざまなひずみが、大蔵の不祥事もそうですし、それから青少年の犯罪もそうですが、出てきているというふうに私は認識しておりますので、思い切った方向転換、視点を変えるということが必要であろうと思います。  一番最初に、増島参考人にお伺いしたいのですが、きょういただいたものにもお書きいただいておりますけれども、税金の値打ちが一〇〇%生かされる努力、これが本当に基本的なことで、もし自発的な、あるいは積極的な簡素化、合理化、あるいは定期的、集中的な見直しというものを行政の中で常にやっていれば、今のようなところに至らなかったのではないか。  この議論は、議事録を繰ってみますと、昭和五十七年、六十年、同じことをやっているわけです。つまり、そういう意味で中の機能がもし働いていないとすれば――これは目安箱の中に青森県の方から、四、五年に一度公務員としての適性検査をすべきだというのがあります。また、税務署に勤務しただけで税理士の資格を与えるようなことはやめてほしいというような、公務員の採用に関する、あるいは昇格に関することが出てきております。私は、政治の世界も同じでございますけれども、新陳代謝がなければ、やはりすべてのものが沈殿していく、前に進まないというふうに思っております。  そういう意味で、公務員の試験のあり方、外務省は今度変わりましたけれども、イギリスの場合は、年齢制限が五十歳までです。五十歳で公務員に採用されて、もし今の日本のシステムのような昇格のあり方、つまり年次の序列でいくとしたら、五十歳の人はあるポストには絶対につけない。そういうシステムから考えていきますと、この公務員の採用試験のあり方、それから年齢制限、それと同時に昇格、昇進の仕組みをやはりもう少し適材適所というふうに変えていく、そういう抜本的な改革が必要ではないかと思います。  それと同時に、私も大学人でおりまして、たまたま友人のエズラ・ボーゲルが、御存じのようにCIAに二年間出向しましたけれども、二年間で戻ってくれば、もとの地位がきちっと保証されております。その間、国にサービスをするわけです。また、キッシンジャー博士のように、こちらの方がおもしろいということで大学をやめてしまうというケースもあるわけです。ビジネスの世界、それから大学、研究者、こういう人たちが例えば二年間入って、しかもそのときにきちんとしたポストと責任を与えられて、そしてまた出ていく、こういう仕組みというものを確立することが必要ではないかというふうに思っております。  そして、九三年の総務庁の調べの、日本の青年の意識調査を見ておりましても、ドイツ、フランス、ブラジル、ロシア、イギリス、フィリピン、スウェーデン、アメリカ、タイ、韓国、日本という十一カ国の比較の中で、職場への定着意識は日本が一番低い。これは二七・五%で、ドイツの五三%の半分でございます。今の若者は、もう既に一つの仕事への定着の意識が世界の十一カ国の中で一番下になっている。こういう若者の動態を考えましても、今のような昇格の仕組み、採用の仕組みは変えるべきだと思うのですが、この点について御意見を例えればと思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 どのような採用方式、あるいは公務に従事する人のリクルートをどうするのかということにつきましては、いろいろな御意見があると思います。  最近の行政改革会議の最終報告なども拝見していますと、官民の交流というよりも、やはり民間のすぐれた人材を積極的に国政の中枢部に導入してくる、そういうような考え方がかなり強く出されております。日本の行政を直していくいろいろな意味のきっかけになるのではないかというふうに考えております。  しかし、どんな場合でも、この今の日本の役所の中の人々というのは、多くの場合は、やはり自分が生涯をかけてこの仕事に従事する、そういう喜びとか生きがいとかいうものを強く持っておりますので、その人たちが喜んで自分の生涯を全うできるような仕組みというものは、すぐれた官僚制というものをつくるためには私はやはり必要なのではないかと思います。  ですから、いろいろな工夫、ポリティカルアポインディーの範囲を拡大するとかいうようなこともあるかもしれませんし、先ほどの、民間の非常にすぐれた人材を国政の中枢部に活用していく、そういうこともやらなければいけないと思いますけれども、同時に、公務を志願する人が喜んで、そして一生懸命働く環境づくりということも、やはり採用に当たっては必要なのではないかというふうに考えております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 民間の人をその国の中枢に活用すると同時に、国の中枢にいた経験を民間や大学、教育にも生かすという、やはり双方向というのが必要かなと私は思いますが、今おっしゃった点と関連いたしまして、次に伊藤参考人に御質問させていただきたいのですが、先ほどのお話の中で、公務員の多数は誠実で、そして士気も高くて、この方たちが後顧の憂いなく職務に専念できる環境をということをお述べになっておいでになります。  この点に関してでございますが、目安箱の中では、国の決議、決定事項はすべて国民に公開、発表させるべきであるとか、あるいは生涯公務員としていなければいけないという発想を変えるとか、あるいは、公務員はどういう人がどういう形で調査に当たっているのか、内部調査のことをもっと国民に知らせてほしいというような、さまざまな意見が寄せられております。  先ほどもお話の中にありましたけれども、例えばイギリスの場合には、九七年度で約九百名の公務員が免職になっております。実際に、これは非常に軽微な職務違反ですけれども、そういった現状があって、これが、先ほどお話がありましたコモンローの国での現実でございます。そして、サッチャー時代には、規制緩和が進んだわけですから、各省庁の許認可の範囲が非常に制限されました。そういった意味で、イギリスの場合には、例えば百二十ポンド以上の寄附をもらった場合には、それ以上のものの差額を国に寄附をするか、もしくはもらわないかというようなことで、各省庁ごとにもらう基準を決めているということもあります。  最近、アメリカでは、二百五十ドル以上の贈り物の報告ということで、食事の範囲がどれくらいかということで、二十ドルルールということも言われています。  こういった細かい規定をすることのプラスとマイナスがあると私は思うのですが、権力が集中するということは、当然腐敗の契機が拡大するということにもなります。私は、必要であれば予算をつける、やはりそういう発想に立って、もし会食をするのであれば、その本人の属している組織が必要と思うときには組織が払う、ただし、いつ、だれが、どこで、だれと会ったかというのは公開をすべきである。  それから、国会は国政調査権があるとはいいますが、私どもがいろいろな資料を各省庁に要求してもなかなか出してもらえないという現実もありますから、やはり独立した査察権のある、オンブズマンとは申しませんけれども、そういったものの必要性が改めて注目されるのではないかというふうに思っております。  その点に対しまして、伊藤参考人の御意見をお伺いできたらと思います。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 今、いろいろな事実を御指摘いただきまして、私も知らなくて、大変勉強させていただきました。  イギリスで大勢の公務員が免職になっている。伝統的に、地方公務員の中ではかなり汚職があった。しかし、国家公務員の場合には比較的少なかったのでありますけれども、最近ではふえているということであります。ただ、この九百人の中には、政治的な理由による免職も含まれておると思いますし、それから不祥事、この両方だと思います。  御質問のポイントは、要するに、民間との接触が必要であれば堂々と予算をつけたらいいのではないかというお話でございまして、私は、全く同意見なんです。  今までの閉鎖系という建前でまいりますと、そういうものは要らないはずであるということになっているのですが、これから先の開放系の組織というものを建前に考えますと、必要な情報を収集するための予算というものは、当然つけるべきであろうというふうに考えております。それをやりませんと、旅費をごまかしてみたりなんかするという好ましからぬ慣行がつくられてしまいますので、堂々と、そういう調査のための予算、情報収集のための予算というものはつけるべきであろう。ただし、何に使われたかということは、これは当然公開すべきだと思います。  ただ、先ほどどなたかの先生もおっしゃっておられましたけれども、何も夜、高いところで食事をとる必要はないのではないか。私も全くそう思います。これは、アメリカの場合にも、イギリスの場合にも、そういうことはますございません。日本でそういう民間との間で重要な情報の交換ということになりますと、ゴルフであるとかお料理屋さんとか、なぜそうなってしまうのか、私はこれはちょっとおかしいと思うのですね。昼間でいいと思いますし、もっと普通のところでいいと思うのです。  それから、よく言われていることですけれども、例えば音楽がお好きな方であれば、お役人と民間の方が一緒に音楽会に行かれる、そのときに、ちょっとお茶を飲みながら意見の交換もする。いろいろな形があり得ると思うのですが、何か日本では、決まってしまっておりますね。しかも、大変お金を使うような形になってきてしまつております。  これは非常におかしいわけでありますから、交際の仕方を少し工夫していただく。もうちょっと社会のエリートにふさわしいような交際の仕方、本当のエリートにふさわしいような交際の仕方というものを考え出していただく。その上で必要な予算はちゃんとつける。それが開放系としてあるべき姿であろうというふうに思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 情報の公開性、それからいろいろな処理の透明性という意味で、大変力強い御意見をいただきました。  最後に田勢参考人に、意識の問題ということでございますけれども、私は、今の日本は、教育を受けたことイコール教養があるというふうに勘違いをしているところがあるというふうに思っております。つまり、教育という知識を得ていても、教養という、すなわち人間性、社会性、認識力、判断力あるいは洞察力、そういったいわゆる人間的な基本的な高さというものに対しては必ずしもイコールでない。それがイコールと思っているところに、先ほどおっしゃったおごりも出てくるかもしれないし、自分の立場の認識というものに対する勘違いが出てくるのではないかというふうに思っております。  もう一点は、やはり日本は完全主義ですから、語学をやっていても完全にしゃべれないとしゃべらない方がいい、それから、間違いを犯すことを認めることというのを大変ちゅうちょします。特に行政はそうです。しかし、どんな人間でも、欠点も、もちろん長所もあるわけですから、必ず善悪を、自分にとって不利かどうかを問わずに、真実を認識して、そこを出発点に反省をすることによって、すべて組織も人間も前進していくというふうに思っております。  そういう意味で、この目安箱の中には、大蔵省の方々の意識改革が必要ですとか、政治家、高級官僚が悪ければ青少年も悪くなるのは当たり前であるとか、四百人の大蔵省の検査担当官がいつも銀行がごちそうするのは当たり前と思っている、これはもと銀行の方です。  そういった意識の問題というのは、非常に時間がかかると思いますけれども、これは官僚だけではなくて日本全体のことですが、ポイントを挙げていただけるとすればどういったポイントか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 私は、日本の教育水準が高いとは決して思っておりません。国際比較である程度の水準にあると思われますのは、高等学校を卒業するまでのレベルだろうと思います。大学以降の教育水準は決して高くない。  まして教養ということになりますと、大体普通めの人の知的活動というのは、大学入学と同時にストップしてしまいますから、これはもう国際競争力が非常にないというふうに思っております。  とりわけ、日本の各界の指導的立場にある人たちのそのようなレベルを国際比較いたしますと、私は、今は発展途上国よりも落ちているのではないかというふうに思うわけであります。  また、教育水準が高いというような議論で、例を申し上げますと、例えば英語のTOEFLという試験がございます。百七十一カ国で実施されております。日本は、一九九五年の水準で、百七十一カ国中百四十九番目でありまして、日本より低いアジアの国は二つしかございません。国名は挙げませんけれども、信じられないようなレベルでございます。  つまり、教育というのは、もちろん申し上げるまでもなく、学校へ入ることではなくて、学問の仕方の入門編を学ぶということであります。しかしながら、この社会全体が、社会に出てから、みずから自分自身を向上させるという努力を著しく怠ってきている。これから先もし日本が坂を転げ落ちるというようなことになれば、後世の史家はやはり、日本の教養レベルの低下が最大の原因であったというふうに総括するのではないかと思っております。  公務員の問題ですけれども、私は今、公務員制度調査会というところで議論に加わっておりますが、そこで常に問題になりますのは、公務員としての能力とは何かということでございます。そうすると、大体公務員出身の方々は、協調性というようなことを言われるわけであります。これはもう、日本社会全体に共通しているのですね。能力、協調性、手際よく仕事をする、そういうことだろうと思うのですけれども、一番欠けておりますのは、やはり気骨ある異端というものをこの社会が抱えていないということではないかと思うのです。  気骨ある異端が、一時は没落しかけた大英帝国、今のイギリスを支えたということは、京都大学の中西教授が本で書いておりますけれども、気骨ある異端に対しては、あいつは能力はあるけれども癖があるからなといって退けてきたのが日本でございます。こういう異端者を、この癖をとがめずにむしろ育てていくことができるかどうかというのが、ひとえに、公務員の問題のみならず、社会全体の問題であろうと思っております。

山中あき子平和・改革

○山中(燁)委員 お三人の参考人の皆様、ありがとうございました。  今おっしゃった意識の面、つまりノーブレスオブリージュとかあるいはディーセントという言葉が日本の辞典から消えていかないようにということを願っていると同時に、私ども、国会の一員として、総合的な視座、長期的な展望、そしてそれを支える背景の哲学、こういったものが、一年半おりまして非常に弱いということを感じております。今後とも、また参考の御意見をいろいろお寄せいただきたいと思います。どうもありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして山中燁子君の質疑は終わります。  次に、石垣一夫君。

石垣一夫自由党

○石垣委員 自由党の石垣一夫でございます。  参考人の方々には、早朝から大変貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。  今日、公務員の倫理の問題が厳しく問われているのですけれども、綱紀粛正につきましては今日まで、昭和四十八年に中央省庁の幹部職員の収賄事件が発生してから過去五回、いわゆる閣議決定とかあるいはまた官房長官通達とか、いろいろと公務員に対する綱紀粛正の通達がなされておるのですが、そのやさきに、今日、大蔵省を中心とする金融疑惑、一連の大きな事件が発生をしたのですけれども、今、それに伴って公務員倫理法の制定ということで論議がいろいろとなされております。  その中で、公務員倫理法にいわゆる保護規定を設けてはどうか。これは既にアメリカが採用しているのですけれども、いわゆる内部告発ですね、これによって、内部からの告発でもって効果を上げよう。一面、これに対しては、日本的な情緒の中で、ちょっとまずいのじゃないか、こういう論議が行われておるのですけれども、各参考人の方々お一人お一人に、この内部告発を公務員倫理法に取り入れるべきかということについて御意見をお聞きしたいと思います。  ひとつ伊藤先生からお願いします。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 今御質問になりました点、私も仄聞をしておりまして、どう考えたらいいものかなと、正直なところ迷っているわけでありますけれども、かなりの方が、やはりこれは日本的な組織には合わないのではないかということをおっしゃる方が多いようでございますね。先ほど田勢参考人もおっしゃいましたけれども、協調ということが公務員として非常に大きな、必要な資質と考えられている、そういうような世界であれば、内部告発を奨励するということは、余計に組織の根幹を揺るがすものになってしまうのじゃないかという感じがいたします。  私は、内部告発というのは、これは例えば税務行政などでやられたことはあったと思いますけれども、どちらかと申しますと、民主的ではなくて独裁的な政治体制をとっておりますところでは、必要に迫られてそういうものを制度化する傾向が強いと思うのでありますけれども、民主的な国家の場合には、余りそういうことは奨励しないものである、もっと別の矯正手段があるのだろうと思います。  私は、内部告発をする、そしてそれによって何らかの報酬を得るといったようなことは、どうも人間性を損なってしまうのではないか。不正の摘発には役に立つかもしれませんけれども、根本にある公務員の人間性そのものを損なってしまうような気もいたしますので、もうちょっと工夫をして、それ以外にもいろいろな仕組みというものが考えられるのではないか。  先ほどおっしゃいましたように、何度も通達が出て、過剰接待等に応じないようにということが言われているにもかかわらずやられてきた、そこに問題があるというお話でございましたけれども、やはり公務員一人一人のそういう次官通達などに対する受け取り方の問題だろうと思うのですね。何か役所の省益にかかわるような問題について通達が出ますと、これは大変敏感に受け取られると思うのですけれども、倫理的な問題についての通達というのは聞き流してしまうということがこれまで多かったと思うのです。これから先は、その点をお役人の方がもうちょっと厳しく考えていただくようになる以外にないだろう。  もしも、公務員の法律を制定することに意味があるとすれば、倫理の問題がいかに大事であるかということを認識していただく一つのきっかけとして意味があるのかなというふうに思っております。  どうも余りお答えになりませんで、申しわけございません。

石垣一夫自由党

○石垣委員 では、増島先生、ひとつ今の内部告発のことにつきまして。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 内部告発についてどう考えるかということでございますけれども、私は、組織の中に、猜疑心あるいは不安感といいますか、そういうものを醸成するようなことになるのではないかというふうに考えております。  やはり大切なことは、今、行政機関の中にある透明性というものを向上させることと、それから行政管理上の、人事運営上のいろいろな仕組みのチェックの仕方に欠けているところがありますので、そういうところをきちっとしていくということが大切なのではないかというふうに考えております。

石垣一夫自由党

○石垣委員 では、田勢先生、ひとつよろしく。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 公僕としての公務員のあるじは国民でありますから、みずからがこれは不正であるというようなことを発見した場合には、それを何らかの形で国民に向かって明らかにするというのは、公務員としての全く正しい姿勢であろうと思います。  アメリカのケースでも、官僚機構の不祥事のようなものは、かなりの部分が内部告発によって行われるわけであります。それでなくても、みずからのチェック、監査ということに対して大変に甘い国柄であります。山一証券の倒産も、北海道拓殖銀行の倒産も、外部の監査法人に委託をして何の問題もないというような結論が出て、それから半年もたたないうちに倒産する、こういう国柄でございますから、私は、組織に少々猜疑心が生まれようとも何しようとも、内部告発というのは、告発した人をちゃんと守るという制度を含めて必要であろうと思っております。

石垣一夫自由党

○石垣委員 意見が二分をしたのでございますけれども、今のそれぞれの参考人の御意見を参考にして、今後の取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。  そこで、三人の方々に共通してと受け取ったのでございますけれども、いわゆる公務員の士気の問題、これについては、士気の高揚についてはそれぞれ三参考人とも指摘がございました。  具体的に、今、公務員の士気は地に落ちております。しかし、一面では、伊藤先生が御指摘のように、公務員の多数は誠実で非常に士気も高い、こういうことなのですけれども、現状は、非常に国民の厳しい批判の目に、つらい立場にあるということは我々もよくわかるわけです。今後もこういうことをやっておれば、国家の運営にとって大きなマイナスであります。したがって、士気の高揚について具体的にどういうことを今お考えですか。ございましたら、ひとつ伊藤先生。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 私の意見は、最初の職業倫理の問題の二番目に申したことでありますけれども、目的意識と申しますか、あるいは使命感と申しますか、その点がわかりにくくなっているということが、公務員の間に一種の緊張感を失わせる、弛緩をもたらしているのではないかという感じがいたしますので、士気を高めるためには、もう一度国家目標と申しますか、あるいは社会的な目標というものを明確にすることが大事なのだろうというふうに私は思っております。そのために自分たちは頑張っているのだということですね。  かつて、高度成長期におきましては、開発主義、開発資本主義というふうに言っておりますけれども、経済成長ということがもうはっきりした目的になっておりまして、そのために粉骨砕身したということがございますが、今はそれがなくなってしまっているわけでありまして、それにかわるような目的、国家目標というものが失われてしまっている、そのことが問題だろうと私は思っております。  そこで、では新しい国家目標は何であるか、あるいは公務の一番の基本的な目的は何であるかということを改めて見つけ出していかなければいけない時期に来ている。その場合に大事なことは、これまでのように、だれか一人か二人のすぐれた人がこれが目的であるというふうに決める、こういうことはもう難しくなってきている。むしろ、いろいろ議論している中から新しい目標というものが発見されていく、見出されていくということになるだろうと思います。そのときに、では一体どういうふうにして議論をするか。私は、そこでいろいろな異分子が、違った分子がまじり合うということが大事だろうと思います。  先ほど田勢参考人は、異端ということをおっしゃいましたけれども、私は非常に重要なことだと思います。同じお役人の中でも、いろいろ異端のお役人も抱え込む。それからまた、お役人ではなくて、官民の間でそういうことについていろいろ議論をする、今公務の一番の存在理由は何であろうかということを議論してみる。さらには、国の内外でありますね、外国との間で交流をしてみる。極端な話ですけれども、例えば外国の人を公務員に迎えてもいいじゃないか。  私がびっくりいたしましたのは、イギリスで、チャーチル首相がおりまして、チャーチルの一番の信頼しておりました側近はリンデマンという人でありますが、これはドイツ人であります。敵国のドイツ人ですけれども、すぐれた人だというので、戦争中チャーチルが最大の側近にいたしました。そして公務員にしたわけでありますけれども、そういったようなことをしてもいいのじゃないか。  そういうふうに、いろいろな違った考え方をぶつけ合う、その中から新しい目標、公務の存在理由というものが見つけ出されてくるのではないか、それをすることが士気を高める一番の根本になるのではないかというふうに考えております。

石垣一夫自由党

○石垣委員 続きまして、増島参考人の方から。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 人事院の調査で、先ほど申し上げましたように、公務員を志望しまして、七〇%の公務員の人がやはり公共のために働きたい、そういう気持ちを持って仕事についている。そういう人たちの考え方あるいは気持ちが阻害されないような、そしてそれが伸びていくような、そういう仕組みをつくるということが一番大切なのではないかというふうに思います。  ですから、それは具体的には、やっている自分の仕事内容が非常におもしろい、あるいは日ごとに活性化したものであるということでもありますし、やはり公共のために働くということについてのいろいろな角度からの教育とか研修とか、そういうことを充実していくということも必要だと思います。  それから、やはり何よりも社会の中でそれが評価される、私は行政相談事務に従事している職員をよく知っているわけでございますけれども、それらのほとんどの人の喜びといいますのは、働いて何が生きがいなのかというと、行政苦情相談で来ました人がありがとうと言ってくれる一言ですと。それは行政相談だけでなくて、行政に従事しているほとんどの人がそういう思いというものを持っておりますので、したがって、行政が社会で評価される、尊敬される、何としてもそういう行政組織というものをつくり上げていくことが一番の生きがいといいますか、一番の喜びなのではないかというふうに思います。

石垣一夫自由党

○石垣委員 最後に、田勢参考人の方からひとつ。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 名刺に書いてあります仰々しい肩書を見せなくても、立派な人だなと思われるような公務員にぜひ一人でも多くの人がなっていただきたい。そういう人がたくさんふえれば、士気の問題はおのずと解決すると思っております。

石垣一夫自由党

○石垣委員 貴重な意見をありがとうございました。  やはり今、公務員の倫理規程と同時に、政治家として、政治に与えられた責任、いわゆる国家目標について明確に指針を出すということも大切な問題だ、このように反省をいたしております。ありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして石垣一夫君の質疑は終わります。  次に、佐々木憲昭君。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。  先ほどから、参考人の皆様から大変貴重な御意見を伺いまして、本当にありがとうございました。これまでの御意見をお伺いしておりまして、特に、日本の官僚組織の特殊性と申しますか、あるいは国際的に見て、例えば天下りなどの特異性といいますか、そういう点が大変浮き彫りになってきたような感じがいたします。  決算行政監視調査室が作成しました資料がございますけれども、この資料を見ましても、例えばアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、これらと比較して、日本は大変違っているなという感じがいたします。  と申しますのは、これらの欧米で大体共通しておりますのは、天下り問題に関連をして申しますと、六十歳から六十五歳まで、大体定年ぎりぎりまで勤めて退職をする、これが一つの特徴です。それから二つ目に、退職した後は再就職はほとんどない。再就職はしていない。それから三つ目に、再就職する場合も官僚組織からの組織的な支援はない。こういう特徴があるように思うわけでございます。  日本は、五十代で退職をして、それで天下りを行い、組織的にそれが支援されてすべての業界に天下っていく、なぜこういうことが起こるのだろうか、こういう疑問を持つわけでございます。  そこでお伺いしたいのですけれども、日本のこのような天下り制度というのは、高度成長時代に、欧米に追いつき追い越せですか、そういうスローガンのもとで、日本株式会社という形で高度成長が推進されてきた。その過程でこのような官民一体の体制というのがつくられてきたのではないだろうかと私は感じるわけですけれども、このような日本的天下りの仕組みがなぜつくられてきたのか、その原因について、それぞれ三人の先生方に御見解を伺いたいというふうに思います。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 今御指摘になりましたように、天下りの慣行は戦後の現象だろうと私も思っております。戦前の場合には、大体五十前後で退職をされますけれども、先ほど申しましたように、恩給もたっぷりあったということで、悠々自適の生活を送られるというのが普通であったと思います。戦後になりまして、恐らく昭和二十年代、三十年代を通じてこういうような慣行がつくられてきたのだろうと思います。  その原因でありますけれども、いろいろな原因が考えられます。例えば日本のお役所は個人単位ではなくて組織単位ででき上がっているということでございます。これはもう行政組織のつくられ方がそうであります。課までは所掌事務が決まっておりますけれども、そこから先はわからない。欧米の組織でありますと、個人個人に職務が割り振られているということでありまして、すべてが個人単位になっている。日本の場合は組織単位になっているということがありまして、これなどが、おっしゃいましたように組織ぐるみの天下りを可能にしている一つの根本的な原因かなという気はいたします。  それに加えまして、戦後なぜこういうような制度ができてきたのかと申しますと、一つには、戦前に比べまして、戦後、政府と民間、あるいは政府と企業との関係がいろいろな面で近くなった、密接になったということがあると思います。これは、日本は資本主義でありますけれども、資本主義の中でも、市場主義と申しますか、そういうタイプの資本主義ではなくて、開発資本主義と言われているようなもので、官民が協調してやるというタイプの資本主義でありましたものですから、そういうこともありまして、官民の間の意思疎通を図るということが大事だったということもあるかと思います。もう一つには、公務員の所得、収入が相対的に低下したということもありまして、生活防衛的な意味もあって天下りというような慣行ができたのかなという感じがしております。  それからもう一つは、先ほど御指摘がありましたように、外国では定年ぎりぎりまで勤める。その結果といたしまして、当然次官とか局長はかなりの高齢者であります。こういうのはやはり好ましくない、もうちょっと若い人に政策形成の第一線に立ってほしい、その方がイノベーティブな政策がつくられるということが一つの生活の知恵のようなものとして役所の中に、これも戦後になりますけれども、つくられてきたのではないか。そこで、組織全体の若々しさを保つためにはやはりある程度天下りも必要ではないかといったようなこともあったのではないか。いろいろな要因が絡み合って出てきたのだろうと私は感じます。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 一つは、やはり早期退職といいますか、早くやめる。役所の場合には、新陳代謝というのを非常に重視します。一方、その人事慣行というのはかなり弾力性がないといいますか、そういう仕組みなものですから、早くやめられる方も出てくる。勧奨もして、早くやめられる方も出てくる。しかし、一方において、その人たちの生活というものもある。どこかで働かなければならない、したがって職場を探さなければならない、そういうことが一つあると思います。  それからもう一つは、やはり官民の関係になると思うのですけれども、日本の行政のこれまでの、規制行政といいますか、その規制行政というものには、民の立場の方からも、そういう人材がいれば非常にいいというような視点もあるのではないか。要するに、規制行政が今の人事慣行に非常に関係しているという、この二つがあるのではないかと思います。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 天下りという言葉は該当いたしませんけれども、民間でもほとんどの会社は数多くの子会社を抱えておりまして、高齢社員は皆そこへ行くわけであります。したがいまして、これは公務員の問題だけではなくて、社会全体の問題です。  何ゆえにそのようなことが起きるのか、アメリカのように六十でやめたら悠々自適の生活を送れないのかといいますと、仕事を取り上げられるとほかに生きるすべがないという今の日本人の姿だろうと思います。  もう一つは、コミュニティーでの生活というものに全くなれておりませんので、定年退職後も毎日会社へ出てくるというのが、今、民間のどこの企業でも見られる現象でありまして、立派な社有施設とかOB施設とか、そういう組織がつくられております。  公務員の場合には、問題になるのは規制との関連だろうと思いますけれども、今検討されております行政機構の改革にあわせて、例えば特殊法人というようなものが大胆に減らされるということになればおのずと解決をしていくのではないかということと、もう一つは、民間の人の話を聞きますと、やはり官僚機構から天下ってこられた人たちというのは、例えば経営陣の一角に加えても今ほとんど機能しないということを言われるわけです。かつては、通産省をやめられた方が企業に天下っていずれ社長になる。このごろは、もうほとんど社長になりませんね。ですから、時代も変わってきたのではないかと思います。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 もう時間がなくなってしまいつつあるわけですが、一問だけそれぞれお伺いしたい。  簡単にお答えいただきたいのですが、今回贈収賄事件が相次ぎましたけれども、官僚の側で逮捕され、起訴されるということが相次いでおります。しかし同時に、収賄がある場合には贈賄があるわけでありまして、その贈賄の側が、個人でやったのではなくて、これは会社としていわば組織的にそれを行っていたということがあります。したがって、この問題を解決するといいますか処罰する場合には、当然贈賄の側の会社側の責任、これは公務員の倫理と同時に、会社側の問題、ここのところにやはりメスを入れるということも大変重要ではないかと思いますけれども、一言ずつ簡単にお答えをいただければ大変ありがたいと思います。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 私の個人的な考え方でありますけれども、資本主義というのはもともとは倫理的なあるいは道義的な要素を持っていたと思うのです。アダム・スミスなどが考えました資本主義というのはそういうものだった。それが、外国に伝わっていきます間に倫理的な面が落ちてしまった、技術的な面だけが取り入れられてしまったということでありますが、やはり一番基本は、資本主義の担い手である企業なり企業家なりの倫理というものが厳しく問われなければいけない。そういうものがあって初めて資本主義社会というのは成り立つのだろうと思います。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 検察が天にかわって不義を打つという風潮はまことに情けないことだろうというふうに思います。  一つ問題は、これまで接待を贈収賄の対象と余りしてこなかったわけですけれども、司法当局の見解がどこでどういう理由で変わったのかというのを知る必要があるだろうというふうに思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 十六世紀にフロイスというポルトガル人の宣教師が日本覚書というのを書いておりますけれども、その中に、自分たちの世界と違うことに、日本の社会の贈答慣行があるということを指摘しております。それが今も続いている。したがいまして、日本の社会のこういう仕組みとかあり方とか、そういうこととも深く関係しているのかなというふうに考えております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 ありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして佐々木憲昭君の質疑は終わります。  次に、保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 きょうはお三人の参考人の皆様、ありがとうございました。私の体験を少しお伝えして、その後またお話を伺いたいと思います。  実は、この平成の目安箱、直接の声を受けるという意味で大変画期的な企画だと思いますが、私ども社民党でも、ちょうどこの企画が出たころに、「大蔵省腐敗に怒るホットライン」という、電話で直接声を聞くという企画をしたわけです。たくさん来ました。  例えば、六十代の生保に勤められた男性、現在は建築会社に勤められている方が、自分の勤めていた生保では四十六年から現在まで同じ構図で変わっていない、大蔵省から検査に来るとます自分で地図を広げられて料亭の位置を探す、帰りは有名な窯元で二万から四万の陶器を指定してお土産で帰る、こういうのはずっと同じである、建設会社でも変わりませんという声であるとか、あるいは元公務員の方で、男性ですが、公務員の汚職が日常化して、深みにはまる人を見てきた、一、二回ならいいだろうと始まり、業者に家を建ててもらった人もいた、こうした汚職に毅然とした処罰をかけていただきたい。  天下りもあります。兵庫県の六十三歳の元信金に勤められた方ですが、在職中三人の天下りがあった、課長クラスの人間が常務クラスの役職につき年俸二千万ほどもらっている、退職時には五、六千万程度受け取る、最近では検査に入る大蔵省だけではなく、考査に入る日銀も天下りを要請してくる。  これは、大蔵官僚の妻と名乗る方から、某局長の奥さんは、業者がデパートで買い求め接待や転勤祝いの際に贈ってきたワイシャツの仕立て券等、大体一点二万円前後だそうですが、これをことごとくデパートで換金してきた、過去にさかのぼるとその金額は何百万では済まないと思う。  あるいは地方からの声もありまして、大阪国税局の査察官より、査察の際、会社の顧問を受け入れるかどうかの打診が来ました、当初受け入れないということだったためきつい査察になったが、途中で顧問の要請に応じたら緩やかになったという経験がある、会社は顧問一人につき月四、五万から十万の顧問料を渡している。  時間が限られているのであれですが、非常に具体的なものが多々寄せられたわけです。  私自身は、ます田勢参考人に伺いたいのですけれども、昨年の夏、第一勧銀で金融検査官二人が接待を受けていることが表に出た以降、大蔵省に計七、八回調査要求をしてきました、他の銀行にも検査日漏えいがあるのかどうか。これに対する答えは全く不誠実で、大蔵省というところは議員の質問に対して口頭で説明はできるけれども文書では一切説明ができないという役所でございますということを繰り返して、結局は調査をしなかったわけです。  お聞きかと思いますけれども、先日は泉井証人喚問で大変話題になった涌井主計局長がもらった絵が一体何物だったのか、泉井氏はピカソだと言うし御本人はピカソではないと言い張っているし、何なのかということで鑑定をしたわけですね。先週の予算委員会で御本人がおっしゃったのは、どういう感想をお持ちですかと言ったら、非常に驚いたわけですけれども、大変感謝をしています、私のもらった絵がピカソだ、一億だと言われて裁判まで考えた、保坂議員らの努力で鑑定をしていただいて大変うれしい限りだ、こういう感想なんですね。それを聞きながら、本当にこの国の五十年というのは何だったのかということを痛烈に思いました。  要するに、反省や謝罪、迷惑をかけたという一言がなぜないのかというふうに思うのですけれども、今官僚の不祥事がこれだけ続発する中で、いろいろな法改正も考えています。しかし、本当にこの人たちにあすを開く力があるのだろうか、かなりもう危険水域は超したのじゃないかというふうな気がしてならないのです。  証券の飛ばしの問題でも、飛ばしというのは違法でないものもあるということを連綿と語る証券局長を見ていて、もう一種の機能喪失状態に近いのではないだろうかというふうに思うのですが、田勢さんのお話をます伺いたいと思います。

田勢康弘日本経済新聞社論説副主幹

○田勢参考人 公務員は四百万人ほどおられるわけでございますけれども、そのほとんどは本当に立派にまじめに仕事をしておられると思います。私も実はノンキャリアの国家公務員のせがれでございまして、なかなか父親としては見事な生き方をしていたなというふうに思っているわけでございます。  ごく一部の人間だろうと思います。それも、とりわけ特定の省庁の中枢、主流を歩いていると言われる人たちだろうと思います。驚くべきことは、もう四十代くらいから、将来次官にこの人はなれるとかなれないとか、そういううわさ、今まで大体そのとおりになってきたわけですけれども、国家運営に当たる立場にありながら、そういう強烈なまでのライン志向といいますか、トーナメントで最後の一人に勝ち残ろうというあの競争が、ある種の、官僚としてどういう人間が人物かといえば、懐が深い、大物である、接待の数が多い、そういうようなものが何となく培われてきたように思います。それを今ぶちこわすのは非常にいいチャンスであろう。  ここへきてにわかに一部の高級官僚の行儀が悪くなったわけではなくて、これはかつてから同じ問題が起きていたのが、今たまたま明るみに出たということにすぎないのではないかと思っております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 ただいまのお答えを受けて、この公務員の倫理の問題を考えていったときに、キャリア、ノンキャリアといわれる任用上の差別というか、ノンキャリアであればどんなに努力しても絶対にここまでしか行けない、片やキャリアであればという御存じの制度がございます。これについて、これは根拠の法がないわけで、事実上、戦争後しばらくは、四級職の試験を通って、君たちも努力すれば事務次官になれるというようなあいさつがあったそうですけれども、この改革について、伊藤参考人と増島参考人に一言ずつお願いしたいと思います。

伊藤大一政策研究大学院大学教授

○伊藤参考人 御存じのように、戦前は高等官と判任官という区別がございまして、非常にはっきりした身分的な区別がございました。こういう区別はいけないということで戦後の公務員制度ができたわけでありますけれども、事実上はキャリア、ノンキャリアという区別が残ってしまった。  その理由でありますけれども、一つは、そういう歴史的な土壌があったということと、それからもう一つは、やはり人事管理上の必要から何らかのグループ分けをしておくのが便利なんじゃないか。例えば中央省庁、八十万から九十万の公務員の方がおられますけれども、全部を同じように扱っていきますと、技術的に人事管理ができなくなってしまうということもあって、そういう技術的な必要からもキャリア、ノンキャリアという区別が事実上発生したということだろうと思います。  歴史的な理由と技術的な理由ですが、ただ、今御指摘になりましたように、ノンキャリアはもう終生ノンキャリアだ、そういうような行き方は、これまではそれで十分機能していたかもしれませんけれども、これから先はだんだん機能しなくなっていくのではないか。  例えばイギリスの場合も、イギリスの公務員制度は日本が一つのモデルにしたところでありますけれども、アドミニストレーティブクラスとそれ以外のクラスと区別がございまして、かつては載然と分かれておりましたけれども、最近では、アドミニストレーティブクラス、日本で言うキャリアの三分の一はノンキャリからの特別昇進であるというような割り振りをしているようであります。  そういうように数の上で割り振ることがいいかどうか、これはちょっと問題があるかもしれませんけれども、日本でも、その辺の相互移行というか、流動性というものを高めていく必要があるだろう。そういたしませんと、公務員全体としての効率も落ちますし、それから、先ほど御指摘になりましたように、一部の高級公務員が一般の世間の常識とちょっと違ったような常識を持ってきてしまうということにもなりますので、もうちょっと内部で交流が可能になるというようなシステムに切りかえていくべきであろうと思います。

増島俊之中央大学総合政策学部教授

○増島参考人 国家公務員Ⅰ種試験とか国家公務員Ⅱ種試験とかというものがありまして、それに合格しますと省内でのいろいろな処遇が違ってくるということなんですけれども、この試験というもの自体については、ある意味で非常に民主的ですし、公正ですし、それから意欲があり能力のある者に道が開かれているということで、それは非常に意味があることだと思います。  問題は、例えば国家公務員Ⅱ種の試験を受けられましても、大変すぐれた人材であり能力があるということが仕事をしてきますとわかってくるわけでありますが、そういう方が伸びていく、そういうためには、やはりある段階でもう一度評価するシステム、そういうものが要るのではないかというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 三人の参考人の方、本当にありがとうございました。これで終わります。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 以上をもちまして保坂展人君の質疑は終わりました。  参考人に対する質疑はこれをもって終了いたします。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、私から厚く御礼を申し上げます。  午後零時三十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十二分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十八分開議

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君及び理事鴨志田孝之君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 それでは、人事院総裁より説明を聴取いたします。中島人事院総裁。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 本日の公務員制度に関する御審議に先立ちまして、所信の一端を申し上げます。  ます、公務員倫理の確立について申し上げます。  本省庁幹部職員の不祥事を契機として、一昨年十二月、政府全体の方針に基づき各省庁において倫理規程が設けられ、規律保持のための努力がなされてきたところでございますが、今般同様の不祥事が発生したことは甚だ遺憾であり、人事院としましても、公務員に対する国民の信頼の回復は緊急を要する重要な課題と考えております。  およそ公務員は、一人一人が国民全体の奉仕者であるという自覚を持って職務遂行に全力を尽くすことが期待されているところでありますが、とりわけ職員の範たるべき本省庁の幹部職員には、特に高い倫理観と厳しい自己規律が求められると考えます。  国家公務員法は、勤務時間外においても国民の公務に対する信用を損なう行為を禁ずるなど、厳しい服務規律を定めており、公務員倫理の確立は、公務員制度の基本であり、二十一世紀の公務員像を考えるに当たっても最も重要な課題と考えます。  人事院としましては、現在進められている公務員倫理法の制定への取り組みにおきましても、できる限り寄与してまいりたいと考えております。また、公務員倫理の確立のため、幹部職員も含めて倫理研修の充実強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、公務員制度の改革を進めるに当たっての基本的な考え方を幾つか申し述べたいと思います。  第一に、我が国の行政や公務員の組織を開かれたものとしていく必要があるということでございます。  この点につきましては、規制緩和や情報公開等により行政運営の透明化が図られるものと考えますが、人事管理面でも中途採用や官民交流を促進することにより、外部からさまざまな発想や手法を導入していく必要があると考えます。  加えて、公務員が国民の常識や市民感覚を保持する観点から、超過勤務の縮減等によりゆとりのある生活を確保するとともに、研修、ボランティア活動等を通じさまざまな人と交流することも重要と考えます。  第二に、幹部職員の養成のあり方を見直していく必要があるということでございます。  公務員の人事管理について、Ⅰ種試験からの採用者を将来の幹部要員として特別に育成するこれまでの人事慣行について、さまざまな問題が指摘されております。ヨーロッパ諸国においても、我が国と同様、幹部要員を計画的に採用し、養成しており、これからの時代においても、Ⅰ種試験採用者を中心として幹部要員を計画的に養成する意義はあると考えますが、問題は、優秀なⅡ種、Ⅲ種採用職員の幹部登用の道が限られていること、Ⅰ種採用職員について採用年次を基本に一律的、固定的な人事が行われているところにあります。このため、Ⅱ種、Ⅲ種採用職員の幹部への登用の拡大やⅠ種採用職員の幹部昇任時の昇進選抜の強化を図ることなどにより、能力や適性に基づく弾力的で柔軟な人事管理に改めていく必要があると考えます。  第三に、行政の複雑・高度化、国際化が進む中で、公務員に求められる高い専門能力と国際性の涵養を図る必要があるということでございます。  このような観点から、公務員の専門能力の向上に資するよう、人事配置や人材養成のあり方を見直すことや外部の専門能力を有する者を採用することにより、これからの行政に求められる高度の知識、能力を有する人材を確保するとともに、それらの高度の知識、能力にふさわしい処遇の枠組みを整備していく必要があると考えます。  また、我が国は今後とも国際貢献や国際協力の面において重要な役割を果たしていくことが期待されておりますが、この面でも公務員が担う役割は大きいと考えます。このため、これからの幹部職員について海外経験を計画的に付与するなど、国際感覚豊かな人材の養成に努める必要があると考えます。  次に、かねて強い批判が行われてきた行政のセクショナリズムの問題について申し上げます。  セクショナリズムの弊害是正の問題につきましては、行政改革会議の最終報告におきましても内閣機能の強化や中央省庁の大くくり化等が提起され、現在、その具体化に向けての取り組みがなされておりますが、人事管理面の対応として、一体感を醸成し、幅広い視野と柔軟な思考を付与することを目的とした研修の充実や、省庁間交流、官民人事交流を拡大していく必要があると考えます。  最後に、民間企業、特殊法人等への再就職とその背景となっております早期退職慣行の問題について申し上げます。  現在、公務員の退職管理のあり方については、官民の癒着の問題や、特殊法人における高額退職金の問題等に関し、国民から強い批判があります。公務員がその培ってきた知識、能力を退職後に広く社会的に活用していくことは有用なことと考えますが、許認可の権限等に基づく再就職は行ってはならないことと考えます。  人事院としましては、この四月から営利企業への再就職の承認基準を厳しくするとともに、企業からの人材要請に基づく再就職手続を整備することとしており、透明な再就職システムの実現に向けて努力してきているところでございます。  いわゆる天下りの問題は、五十歳代前半に公務を退き後進に道を譲るという早期退職慣行と表裏をなす問題であります。本格的な高齢社会が到来し、規制緩和の進展や特殊法人の整理合理化など行政をめぐる状況が変化する中で、現在のような早期退職慣行は見直すべきものと考えます。しかし、他方において、在職期間の長期化に伴う行政の発想や手法の固定化、国際的対応能力の低下を防ぐなど、組織活力の維持にも留意する必要があると考えます。  したがって、今後は固定的な人事管理を見直し、能力、適性に基づく複線的な人事管理とすることや、上級専門職ポストでの人材の活用などにより、組織活力を維持しつつ、全体として在職期間の長期化が円滑に進むような人事管理の仕組みに改めていく必要があると考えております。  以上、公務員制度の改革に関する私の所信の一端を申し上げました。  現在、簡素で効率的な国民本位の行政の実現に向けて行政改革が進められておりますが、行政を支える公務員の人事管理について、公務員が公僕としての使命感と誇りを持って意欲的に公務に精励する仕組みを整えていくことが、国民の要請にこたえる行政を実現する上で重要であると考えます。  今後とも、人事院としましては、公務員人事行政の専門機関として、新しい時代にふさわしい公務員人事管理システムの構築に向けてその責務を果たしてまいりたいと考えておりますので、委員長初め委員各位の御理解と御指導をお願いする次第でございます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 次に、総務庁長官より説明を聴取いたします。小里総務庁長官。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 公務員制度改革、公務員倫理問題及び天下り問題に関する政府の取り組みについて御説明申し上げます。  今日、我が国は、戦後五十年を経過した行政システムを根本的に改め、自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい二十一世紀型の行政システムへ転換するため、中央省庁等改革を初めとする諸改革を断行することを急務としております。政府は、中央省庁等改革基本法案を提出し、今国会での成立を目指すなど、行政改革を最重要課題と位置づけてこれに取り組んでいるところであります。  これらの行政改革を達成するためには、あわせて、行政の組織、運営を担う国家公務員の人事管理についても、国家公務員制度発足後五十年の時代の経過を踏まえ、新たな時代にふさわしいものに改めるべく、改革を推進していくことが必要であります。  国家公務員の人事管理システム全般の見直しに当たっては、国民の行政及び公務員に対する信頼の確保を基礎としつつ、行政の総合性の確保、公務の活性化、職務の専門性の強化、高齢化及び就業意識の変化への対応を図っていくことなどが重要な課題であると考えております。  また、昨年十二月の行政改革会議の最終報告におきましても、省庁機能再編に対応した人事管理制度の構築等、公務員制度の主要な改革の視点と方向について御提言いただいたところであります。  政府においては、平成九年度より、内閣総理大臣の諮問機関として公務員制度調査会を設置して、長期的、総合的な視点に立った人事管理システム全般の見直しを進めているところでありますが、ただいま申し上げた課題等を踏まえ、基本的な方向について、平成十年度内に結論を得て、改革、改善を推進していく所存であります。  一方、このような改革に向けての重要な時期に、現職の国家公務員等に係る重大な不祥事が続発し、行政及び公務員全体に対する国民の信頼を著しく失墜させたことは極めて遺憾であります。  政府としては、国家公務員の綱紀の保持について、一昨年十二月に公務員倫理規程を設け、厳しい反省の上に立って、職員一人一人がこれを真剣に受けとめるべく取り組んできたところでありますが、今回、一部の職員の不祥事により、このような事態が生じたことを厳しく受けとめ、不祥事根絶のためのさらに抜本的な対策を講ずることといたしたところであります。  このため、政府部内に公務員倫理問題に関する検討委員会を設け、与党とも密接に連携をとりつつ、いわゆる公務員倫理法の制定に向け早急に検討を進めているところであります。  今後は、これらの検討結果に基づいて講ぜられる対策を着実かつ不断に実行することなどにより、政府を挙げて綱紀の粛正を図り、国民の信頼回復に努めてまいります。  また、国家公務員諸君が、常に国民全体の奉仕者としての自覚を持って全力で職務に当たり、公正たるべき公務の執行に対していやしくも国民の疑惑や不信を招くような行為を行うことのないよう、職員に対する指導のさらなる徹底に努めてまいります。  最後に、いわゆる天下り問題を含む国家公務員の退職、再就職の問題に対する取り組みについて申し上げます。  いわゆる天下りの問題は、行政及び公務員に対する信頼確保の観点から速やかに対応すべき重要な課題であります。一方、退職、再就職全般のあり方に関連しては、高齢化の進展の中、活力ある社会を構築していく等の観点から、定年に到達した者等について、その能力、経験を社会に生かしていけるような環境を整備することも、官民を通じて重要であります。  政府においては、去る一月十九日、総理より、日本道路公団理事の不祥事に関連し、天下りに関連した公務員制度等の見直しについて関係機関において速やかに検討を行うよう指示があったところであります。現在、内閣官房、総務庁及び人事院において、鋭意検討を進めているところであり、その検討結果を踏まえ適切に対処してまいる所存であります。  また、公務員制度調査会においても、国家公務員の退職、再就職全般のあり方について、国家公務員のライフサイクル全般の視点に立って、公務をライフワークとできるような人事関係諸制度のあり方、公正、透明な退職後の人材活用のあり方等について、去る三月十日に退職の在り方に関する検討グループを発足させ、検討を開始したところであります。  この問題についての同調査会における検討につきましては、先ほど申し上げました国家公務員の人事管理システム全般の見直しの一環として、平成十年度内に基本的な方向について結論を得て、改革、改善を推進してまいる所存であります。  以上、申し上げましたとおり、政府としては、公務員制度改革、公務員倫理問題及びいわゆる天下り問題の各課題につきまして、行政及び公務員に対する国民の信頼確保、総合的、効率的、機動的な行政を支える適切な人事管理の実現等の観点から真摯に取り組んでまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして、総務庁長官、人事院総裁の説明の聴取は終了いたしました。     ―――――――――――――

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 この際、日本銀行総裁速水優君に発言を求めます。速水君。

速水優日本銀行総裁

○速水参考人 私は、去る二十日に、第二十八代日本銀行総裁を拝命いたしました。四月から新しい日銀法が施行されるという、日本銀行にとりましては大きな転換期を迎えております。微力ではございますけれども、職責の遂行に全力を尽くしてまいるつもりでございますので、よろしくお願い申し上げます。  ます、今般、日本銀行の職員が逮捕されるという至って遺憾なことが起こってしまいまして、現在の私の立場から、改めて皆様方におわびを申し上げます。  日本の経済が今、景気、金融システム両面にわたって非常に重い課題を抱いております。中央銀行に負託された責任の重さを非常に感じておるところでございますが、日本銀行は、使命の達成に向けてこれから全力を挙げて取り組んでいかなければならないと思っております。そのためにも、ます今般の不祥事を率直に反省して、一刻も早く日本銀行内部の立て直しを果たして国民の信任を回復することが私に課せられた当面の最大の課題であると認識しております。  信頼の回復のためには、ますこれまでの外部の方との交際の実態をしっかり把握することが重要との認識に立ちまして、役員及び管理職全員を対象に調査を実施してまいっております。私としましては、できる限り早くこの調査結果を取りまとめて報告することのできますように督励していく考えであります。私どもとしては、捜査対象となっております事案あるいは内部調査の結果を踏まえて、事実に即して厳正に対処してまいるつもりでおります。  さらに、組織の問題として、松下前総裁のもとで策定しております服務準則と「日本銀行員の心得」というコードをつくりまして、その徹底を図りますとともに、組織運営面から体制の整備を図ってまいりたいと考えております。  私の年来の持論は、中央銀行というものは一国の経済の良心であるべきであります。そうした観点に立ちまして、私から役職員に対しては、国民から広く信頼を得るためにも、職務に誇りを持って、みずからの良心に恥じない行動をとるように、就任に当たりまして全職員に改めて申したところでございます。役職員一人一人がこれを受けて、強い気持ちを持って、新しい日銀法のもとで、与えられた使命を果たすべく、全力を尽くして取り組んでいくつもりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)     ―――――――――――――

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 この際、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢上雅義君。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 矢上雅義でございます。自民党を代表して質問いたします。  ます、五分間ということでございますので、要望と、また平成目安箱等の陳情内容等について読み上げさせていただきます。  ます、人事院総裁の中島総裁。総裁がきょうお読みになったこの発言要旨、私は、非常によくできていて、これから将来性が、方向性が見えるきっかけになる文章であると思っておったのですけれども、読み方が余りにも機械的に棒読みになり過ぎる。  この委員会というのは、形式を捨ててきちんとオープンに議論していこうということでございますから、ます一番目に発言される総裁は、せっかく部下のつくった立派な文章を味わいを込めてかみしめながら読んでいただくことが、縁起のいいということではございませんが、この委員会にとってもいい答えを出すのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。  続きまして、平成目安箱ということで、今非常に人気が高く、粕谷委員長あてに八百五十七通のラブレターが届いております。二月四日の設置開始から今日までに八百五十七通でございます。せっかくの機会です、時間がわずかでございますので代表的なものを読み上げて、議事録に残していただきたいと思います。  まず、   拝啓 監視委員長殿  平成の目安箱と言う新聞で拝見しました。目安にしかならないと残念ですが、国民の声としてご理解いただきたい。  政治家、官僚はなんで国民がおかしい、変だと考えていることを常識的に平気で繰り返すのでしょう。  国民は税金を払うのがいやになります。放蕩息子に金を出さなくなるのと同じです。税金不払いが増えたら、原因は役人が悪いと考えること。たとえば、今回の大蔵省の不祥事。小手先に仲間同士で腐敗防止策を作っても、国民は暴力団に暴力取り締まりの法律を作らせるのと同じとしか考えません。  対策として、  監視委員はせめてリーダーだけでも民間人にする。  公務員の犯罪は刑を民間人の倍以上にする。 もう一通だけ読ませていただきます。   公務員の汚職事件は、公務員が「自分は国の大きな仕事をしていて国の大きな権限を持っている」と勘違いしていることに問題がある。   公務員は国民にとって国のサービス業、世話役だと思うので、恥ずべきことの無いよう職務を遂行するだけで良い。国民から税金を徴収し、その税金を基にした公金を自分の匙加減で自由にしていることや、これにより賄賂を受け取っていることがとても腹立たしい。  要望  ①公務員の汚職者に対しては生涯公務からの追放及び懲役罪の実施。  ②国の決議、決定事項はすべて国民に公開、発表させる義務を負わせること。  ③公務員の給料は能力給にし、サービス精神の無い者は大幅カット。  中島元主計局次長の脱税についても、疑惑がある限り、公開し重い処罰を望む。 このような要望が寄せられております。  最後に、簡単でございますが、小里総務庁長官、御感想などお聞かせいただければと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 平成目安箱をめぐる皆様方の御対応、そしてそれに対する国民の響きの大きいことは、限りなく大きく受けとめておるところでございます。  お話がございましたように、公務員の綱紀粛正、そして不祥事等の問題に対しまして、この機会に、公務員倫理法等の作成などを通じまして徹底的に、かつ厳粛に対応しなければならない、さように思っております。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 矢上君の質疑は終了いたしました。  次に、大口善徳君。

大口善徳平和・改革

○大口委員 新党、平和・改革の大口でございます。  きょうは、平成の目安箱ということで、その中でも公務員の倫理問題、そして天下り問題、これにつきましては大変声が大きいということで、それを受けました形の委員会であると考えております。私も、そういう点でこの平成の目安箱に寄せていただいた中で、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。   ボランティア参加により大蔵省クリーンアップを   大蔵省では、金融汚染により大臣や事務次官が辞任しました。「綱紀粛正の連呼」や「倫理法の制定」で、汚染は除去できるのでしょうか。大蔵省職員の方々の意識改革が必要だと思います。   接待が無くなり、時間的余裕もできるでしょうから、ボランティア活動に参加するようご指導なさってはいかがでしょうか。   昼休みの五分間で可能なボランティアとして、大蔵省周辺の歩道に散乱したたばこの吸い殻を採取する「大蔵省クリーンアップ」はいかがでしょうか。たばこ事業は大蔵省の担当ですから、吸い殻を拾うことは職務と関連があるといえます。   暖かくなった春の休日には、出向している職員や市民にも呼びかけ各地の海岸や公園で漂着・散乱ゴミを採取する「ホリディ・クリーンアップ」を行うようご指導なさってはいかがでしょうか。そして回収したゴミを分ける「分別のある生活」を楽しんではどうでしょうか。   国会からのアドバイスにより大蔵省職員の方々が国民にみえる形で自発的にボランティアを実行し、自らのモラルを見直すことを期待しています。 こういう非常にいい御意見がございました。また、こういう厳しい御意見もあります。   大蔵省の接待汚職事件を契機とした公務員倫理法の制定にあたりひと言申し上げます。   接待はなんのためにするのか、何かを期待するから行うのであり、煙草のすいがらのポイ捨てと同じように接待を受けるのは当り前と思っているタカリ人間が多いので、接待を受けた者は懲戒免職にする位の罰則規定を設けなければ再発間違いありません。過去の例を見るとおりです。 こういうような声が寄せられております。  このことにつきまして、小里長官、御感想お願いします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 まさに、胸を痛めながらお聞かせいただきました。国民の限りなく大きな怒り、あるいはまた私どもの公務あるいは公務員に対する厳しい反省を呼びかけておるものであります。あわせまして、当面、私どもがいかにあるべきか、そしていかに具体的に厳格にこれを処理するべきか、また将来にわたりまして二度とこのようなことを繰り返さないように、そういう決意と悲願を燃えさせているところであります。

大口善徳平和・改革

○大口委員 ことしに入ってからもいろいろ摘発をされております。一月十八日は日本道路公団の井坂氏の逮捕、そしてまた一月二十六日は大蔵省金融検査部の宮川宏一ほか二名の逮捕、そして二月十九日は大蔵OBの衆議院議員が自殺、そしてまた三月五日には大蔵省証券局の者が二人逮捕、そしてまた三月十一日には日銀の営業局の者が逮捕、こういう形で、国民もあきれておるわけでございます。  私も、一昨年、ちょうど岡光厚生省事務次官の問題があったときに、これはもう公務員倫理法をつくらなければいけないということで、立法も行って提案もしたわけでございますが、その法案は廃案になってしまったわけでございます。今政府においても、またむしろ与党においても、立法活動がなされておる。また、我々の方も、もう法案をつくりまして出すという状況にあります。そういう中で、小里長官にこの公務員倫理法についてお考えをお伺いしたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 お話のとおり、そしてまた先ほど申し上げましたような決意のもとに、目下公務員倫理法の制定に向かいまして鋭意検討中でございます。  なおまた、率直に申し上げまして、与党三党と相当詰めてまいっておりますが、できるだけ早い機会に国会にも御相談申し上げたい。なおまた、ただいま議員お触れになりました野党四党の法案につきましても、十分了知をいたしておりまして、直接間接参考にさせていただきたいと思います。

大口善徳平和・改革

○大口委員 きょう午前中、参考人からいろいろとこの事情をお伺いして、なぜこのように役人が腐敗していくのかということはいろいろ話があったわけでございます。  その中で、やはり公務員の権限が非常に大きいということ、また、その割には専門知識がないために実は民間が下請をして、そこに官民の癒着があるということ、そしてまた、公務員の組織自体が非常に閉鎖的なところがあるというようなことで、公務員の常識と世間の常識にギャップがあるというようなこと、そしてまた、今までキャッチアップということで目的が明確であった公務員が、これからは解答のない時代になった、そういう中で、新しい使命感というものを見出す、そこに手間取っているのではないか、こういうようないろいろな分析がございました。  そういう点で、こういう根本的なこと、その中で、裁量行政だとか行政指導だとか、そういうようなことから、事前にいろいろと規制をするところから、やはりルールをきちっと設定した上で事後チェックをしていくという社会を構築することが、これは総理も、また各大臣もおっしゃっておられるとおりでございます。  ただ、それだけではなく、やはり公務員倫理法というものをしっかりと設定していく、もうこうなったらやはり役所に任せておくのじゃなくて、これはもう国会がきちっと立法してチェックをしていくということ、これが大事だろうと思います。  そういうことで、野党四党におきましては、これはます国家公務員の倫理規程を政府が閣議決定していく、そして国会に報告するということ、また、本省の係長級以上の者また配偶者は贈与等の報告をする、本省の官房審議官以上は資産等の報告をする、同じく官房審議官級以上の者は給与外の収入の報告をする、そしてまた、総理府に第三者機関として国家公務員倫理審査会というものを設ける、また、この報告義務等に違反した場合には懲役及び罰金の刑罰をきちっと科する、こういう案を提案しているわけでございます。  これにつきまして、長官の御意見をいただければと思うのです。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 公務員倫理法の内容についてのいろいろな試みあるいは御提言をしていただいておりますし、また、ただいまも若干御説明をいただきました。  基礎的に与党三党あるいは政府間で協議をいたしておりますものと比較しながらお伺いいたしたところでございますが、基本的に共通な、共感を覚える面も多々あるわけでございまして、十分その面も留意しながら詮議をさせていただきたいと思っております。  それから、前段でお話がございましたように、今日の公務員の限りなく頻発をしておるこの不祥事をどうして抑止をするか、公務員倫理法等を制定してやるべきであるという方向は一緒でございますが、同時に、ただいま議員から御指摘がありましたように、行政システムそのものを根本的にこの機会に見直しを、たまたま本来いたしておりまする最中でございます。中央省庁等改革法等も目下相談中でございます。これらの改革法の議論の中におきまして、ただいま御指摘がありました公務員モラルの問題も、あるいは非常に権限が大き過ぎるのではないかという御指摘でございますが、まさにそのような面等も十分注意しながら、そして現段階におきまする、すなわち事前チェック、裁量行政というものを根本的に改めまして、事後のルール行政に切りかえていく、これらは、今日のすべての問題を解決する大きな根源的力になるものではないか、さように私は判断をいたしておりまして、議員のお話は傾聴させていただきました。

大口善徳平和・改革

○大口委員 次に、天下りの問題につきましてお伺いをしたいと思います。  天下りということについて、今非常に批判が多うございます。国家公務員法の百三条がございます。そこで、人事院規則によって天下りについてはある一定の規制をしているわけでございます。天下りについては、今までは、天下りをする人の官職と天下り先であったわけですけれども、これからは、やはりその省庁と天下り先との関係、そこから行政をゆがませているのではないかということ、そういう観点からきちっと規制をしていくべきではないか。  そういう点で、今回、人事院の方で規則を改正されました。そこで、今回の人事院規則、天下りの規制を厳しくした面と緩和した面がございますが、これについての考え方の基本と、そしてまた、その改正をしたことによってどんな効果が上がるのか、そしてまた、過去五年間を振り返ってみまして、今回の基準でいけば許可されないものがどれぐらいあるのか、お伺いしたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 公務の公正な執行というものをいかにして確保していくかということがこの問題を考えるときのポイントだと思います。  そこで、私たちがこの四月から新しく規制を強化しようというふうに考えましたのは、本省庁の局長以上というのは、やはりその省の意思決定に非常に重要な役割を果たしているだろう、そしてまた、関係する企業にもそれなりの発言力もあるだろう、あるいはまた、退職後、当該省庁の職員にもかなりの影響力を及ぼし得るだろうということで、この四月から、本省庁の局長については、今先生がお話しになりましたように、当該行政庁と企業との関係に着目いたしまして、規制を強化したわけでございます。  そういうことで私たちはスタートさせたいというふうに考えておりますが、それをさせた場合にどういうような影響が出るかという数字の面については、所管局長から御答弁申し上げたいというふうに思います。

佐藤信人事院事務総局職員局長

○佐藤(信)政府委員 今回の改正によりましてどのような影響があるかというお話でございますけれども、今回の規制強化に伴います各省庁の職員の営利企業への再就職に関しましては、従来は認められておりました再就職が認められなくなるという場合が出てくるわけでございまして、各省庁においても、そのものについてはかなり厳しく受けとめているというふうに考えております。いずれにいたしましても、今回の規制強化によりまして、長期的に見れば、各省庁における退職管理にもかなりの影響が及んでくるものというふうに考えております。  なお、過去五年間の事例について新しい基準を当てはめたらどんな影響が出てくるかというお話でございます。新しい基準を過去の事例に当てはめる場合、従来考慮の対象になかった部分等もございまして完全な資料がない部分もございますので、厳密な想定は困難でございますけれども、今総裁からもお話し申し上げました本省庁局長以上について、可能な範囲について精査をしてみますと、例えば平成四年では八件中三件が認められなくなる、五年は十二件中三件が認められなくなる、平成六年は九件中二件、七年は十一件中四件、平成八年は七件中一件というふうなことで、従来認められていたもののうち、平均的に見て三割程度は不承認になる可能性が出てきているということでございます。

大口善徳平和・改革

○大口委員 ただ、実態は、局長以上の方については、営利企業がつくっている例えば業界団体でありますとか、あるいは天下りの目的でつくった外郭団体でありますとか、また特殊法人とか公益法人ですとか、むしろこういうところに行っておりまして、余りかからないというふうな感じがいたします。ここら辺のことについて、人事院はどういうふうに考えられますか。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 退職した公務員が特殊法人とか公益法人に就職することについては、民間企業に就職する場合と少し違った考え方をとってみる必要があるのではないかというふうに思います。  というのは、従来、特殊法人とか公益法人というのは、政策的といいますか、国の政策的な意図に基づいて設置された。したがって、具体的に申し上げますと、道路公団にしましても住宅公団にしても、ある意味においては国とか公共団体の行政を肩がわりしている団体であるというような面もございまして、特殊法人への天下り等については規制の対象にはしておりませんでした。  ただ、最近は少し情勢も変わってきておるようでございますから、この新しい情勢を踏まえてどのように考えていくべきかということは、これからの議論の対象になろうと思いますけれども、とりあえず、やはり早期退職、そのことによってそういう問題が起こってきておるという背景がございますので、早期退職の是正等について議論を深めていく必要があるだろうというふうに思います。

大口善徳平和・改革

○大口委員 やはり特殊法人、公益法人に対して、省庁というのは監督する立場にあるわけですから、例えばその省庁の事務次官よりも先輩の人が特殊法人の総裁になっている、理事長になっているということがあるわけですね。そうしますと、監督すべき立場だけれども、先輩がその特殊法人のトップになっている、認可法人のトップになっている、遠慮してしまうわけですね。だから、行政をゆがめるという点では非常に似た面があるということで、やはりその視点から切り込んでいかなければいけない、こう思っております。  それからまた、今回人事院の方で、特例定年年齢ということで、これは六十二歳にする、こういうことでございます。そして、事務次官などの定年を特例定年年齢として、六十二歳とする。これは、ピラミッド型の組織のシャッポをちょっと上げる、そういうことによってそれ以外の下の者も若干上がっていく、こういうことであると思いますが、これについては、各省庁でいろいろ反対もあったように思います。やはりそういうピラミッド型自体を変えなければ、若年の退職勧奨制度、そして天下りあっせんという、こういうサイクルを変えることはできないのではないか、こういう批判もございます。そしてまた、ここでは人事院の事務総長もこの特例定年年齢の対象になりますが、人事院において、隗より始めよというようなおつもりがあるのか、お伺いしたいと思います。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 事務次官等の定年を六十二歳に延長したということはお述べになったとおりでございます。したがいまして、人事院におきましても、できるだけ長く公務組織の中にとどまっていただいて、その能力を発揮していただきたいというふうに考えております。今直ちに六十二歳までというのは少し無理があろうかと思いますけれども、そういう問題意識を持って、これから人事管理に努めていきたいというふうに考えております。

大口善徳平和・改革

○大口委員 総務庁にお伺いします。  今、人事院のいろいろな諸施策が出たわけでございます。一つは、頭を上げる、定年を延長したり、あるいは特例定年というものを設けるというようなことでございますけれども、本質的に天下りをとめるのは、公務員が、公務員になった以上はその中で公務に徹するというようなライフサイクルに持っていかないと厳しいのではないか、またピラミッド型の斜線をどう緩やかなものにしていくか、そのための工夫をやっていかなければ根本的には問題解決をしないのではないか、私はこういうふうに思っております。  そういう点について、総務庁長官にお伺いをしたいと思います。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 人事院が昨年設定いたしました事務次官等の特例定年、これは幹部職員の早期退職慣行見直しの一環として、まず着手できるものからという御判断で行われたというふうに理解をしております。  ただいま御指摘がありましたとおり、早期退職慣行の問題につきましては、制度という面もございますが、さらにもう一つ、運用の問題がかなりあるわけでございます。現在でも、例えば局長、審議官というものは、定年は六十歳でございますが、むしろ六十歳に至る前に、五十代の前半ぐらいで退職をしていくという、いわゆる早期退職の慣行があり、これがいわゆる天下り問題につながっているのではないかという御批判をいろいろいただいておるところでございます。  まず、天下りの問題につきましては、一月に総理からの指示がございまして、今関係機関で、早期退職慣行の是正を含めましてどのような方策が考えられるのか、検討をしておりますし、さらにもう少し広い目で、公務員のライフサイクル全般の観点からの見直しということで、現在、公務員制度調査会の中に退職のあり方について専門的に検討するグループを設けていただきまして、いろいろな観点から幅広く議論をしていただいているところでございます。  その中では、ただいまおっしゃいましたように、ピラミッド型に対しまして、先生方の中には、円筒型のようなイメージで何かできないかというような御指摘もございます。いろいろ御議論を詰めていただきました上で御提言をいただき、それに基づきまして、私どもとしてはしかるべく適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

大口善徳平和・改革

○大口委員 事務次官で五十八歳、それから外局の長官、次官補で五十七歳、局長で五十四歳、これは平均退職年齢であります。そしてまた、四十九だとか四十七だとか、そういう形で退職されて次に行かれるというような例もございますと、やはりこれは省庁挙げて、内閣でもってこういうものを改めるべく努力してもらいたい、こう思っておるわけでございます。  次に、先ほど申しました特殊法人等の問題についてお伺いをしたいと思うわけでございます。  特殊法人、認可法人は、退職金あるいは給与においては日銀が特Aなのですね。そして、それ以下におきましても、銀行、公庫、大規模公団と、銀行が一位でA、公庫、大規模公団をB、中小規模公団、大規模事業団をC、それから中小規模事業団をD、そしてその他の法人、小規模、これをEと。A、B、C、D、Eと、こういうようなランクづけになっております。  日銀はもう発表されておりますから、その次のAというところからいきますと、総裁でいきますと、大体俸給月額が百六十六万三千円、Bが百五十四万六千円、Cが百三十三万九千円、Dが百二十二万円、そしてEが百五万一千円、こういう段階に分かれているわけですね。  また、退職金も、この月額報酬掛ける百分の三十六掛ける役員在職月数ということでございますので、Aは七百十八万掛ける何年、それからBが六百六十七・八万円掛ける何年、そしてまたCが五百七十八万円掛ける在職年数、Dが五百二十七万円掛ける在職年数、Eが四百五十四万円掛ける在職年数、こういうことでランク分けがされているわけです。  これは、大蔵省と協議の上これを決める、こういうことになっているわけですけれども、このランク分けの根拠は非常にあいまいだということです。法人の規模とか業務内容とか業績だとか、そういうことが基準になるのかというとどうも、例えば国民金融公庫と環境衛生金融公庫というのは全然規模が違うのに同じレベルであるとか、そういう点が一つございます。  あと、百分の三十六ということにつきましても、これは五十三年に百分の三十六というのが退職金の一つの計数として挙がっているわけですけれども、二十年以上たっているわけですね。しかも、今民間は非常に厳しいわけでございますので、そこら辺のところを改めなければいけないのじゃないか、こう思っておるわけです。この点につきまして大蔵省にお伺いしたいと思います。

寺澤辰麿大蔵省主計局次長

○寺澤政府委員 お答え申し上げます。  特殊法人等は国から独立した人格でございますけれども、その業務の公共性等にかんがみまして、設立根拠法等において、その給与、退職手当の支給基準の設定、変更に当たり主務大臣の承認を受けることになっております。これは、先生御指摘のとおりでございます。  その中でも、政府出資を受けるなど国の財政とのかかわりの深い法人、特殊法人につきましては、主務大臣は、その承認に当たり国庫を預かる大蔵大臣に協議をする、いわゆる国庫大臣としての大蔵大臣に協議をすることになっておりまして、全体の特殊法人百七十二法人中七十六法人が協議にあずかっているわけでございます。  各主務大臣におかれましては、この給与、退職手当の支給の承認に当たられては、国家公務員給与との関係、民間の実態等を総合的に勘案されまして、支給基準の承認を検討されていると承知しておりますけれども、私ども国庫大臣といたしまして、協議に当たりましては、民間の支給実態、国家公務員の指定職、特別職との均衡、それから特殊法人間のバランス等を総合的に考慮して協議に対応しているわけでございます。  具体的には、先ほど先生お挙げになりましたような法人の性格、業務内容、事業規模等を総合的に勘案いたしまして、五つのグループに分けまして、それぞれの上限を設定する、その範囲内で主務大臣の判断を尊重するということになっているわけでございます。  また、退職金につきましては、これも先生御指摘のとおり、百分の三十六とされましたのは昭和五十二年の閣議決定により行っているわけでございますが、昭和五十四年の閣議決定におきましても、特殊法人の役員の退職金については、「人事院に依頼している民間企業の役員の退職金実態調査の結果を検討のうえ、適正な措置を講ずるものとする。」とされているところでございまして、人事院は、おおむね二年に一回程度調査を行っておられます。私どもは、主務大臣からの協議に対しまして、この調査結果も参考にしてきているところでございます。今後とも、民間の実態については注意をしてまいりたいと考えております。

大口善徳平和・改革

○大口委員 次に、日銀にお伺いをしたいと思うのですが、日銀で今回不祥事を出された。日銀の一般の銀行に対する影響力というのは極めて絶大であるということが言えると思うのです。銀行の中の銀行ではなくて、もうそのものではないか、こう思います。そこが吉沢容疑者の件になってくるわけでございます。  日銀も、総合職と一般職と特定職と、こうあるようでございますけれども、やはり民間と言いながらも非常にピラミッド型になっていて、大体総裁候補というのは決まっていて、やる気をなくしてほかに行くという傾向がある、こういうことなのですね。だから、白銀の体質自体を改めないと、日銀の天下りというものはやまないのじゃないだろうか。日銀総裁にそのあたりの、日銀の体質の改善ということをちょっとお伺いしたいと思うのです。  それから二番目に、日銀の天下り先の表を見ましたら、考査役というのは、百四十六名のうち七十二名が、銀行、信用金庫を初め、大体天下っておるわけでございますけれども、半分がそうなわけですね。これについては非常に問題だと僕は思うわけです。そういう点についてどう改善していくのか。  そしてまた、きょうは理事が来られていると思いますが、理事はずっと日銀にいらっしゃったわけですけれども、接待を受けられたかどうか、その確認をしたいと思います。  それから最後に、これは夕刊フジに載っておりますけれども、年齢でいけば、九十九歳の方が三和銀行の名誉会長、それから九十三歳が長銀の顧問、九十一歳、八十六歳、八十四歳、八十二歳、八十歳、七十九歳、七十九歳、七十八歳、七十八歳、七十八歳、七十八歳、七十七歳、七十七歳、七十六歳、七十六歳、こういう形で、相談役ですとか理事会長だとかいうことでいろいろ面倒を見られているのです。これには公的資金を入れられている銀行もあるわけですけれども、こういう余裕があるのか、ここらはやはり改善をしてもらいたいな、こう思うわけです。  以上四点、お伺いしたいと思います。

速水優日本銀行総裁

速水参考人 委員の最初の御質問にお答えしたいと思います。  私は、日本銀行を去りまして十七年おりませんでしたので、最近の情勢には余り詳しくございませんけれども、一九八一年に去ったわけですが、私がおりましたときまでの日本銀行の人事というのは極めてフェアで、公正、公平であった、そのことで非常に誇りとしていたと思うのです。最近は、いろいろ特技を持ち、あるいはよくできる人がむしろ市場に出ていっているという話を聞きますし、おっしゃるような懸念はないと思っております。 ○

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 お答え申し上げます。  まず、再就職先に行った人のリストを見ると考査局出身者が多いのではないかという点に関しての御質問でございますが、日本銀行の場合、民間への再就職につきましては、これまでも、外部から人材を求められたようなケースにつきまして、世間からいたずらな批判を招くことのないようにしながら慎重にやってきたつもりでございます。  それで、新しい日本銀行法では、日本銀行役職員の職務の公正性を確保するという観点から、再就職に関するルールを含む服務の準則を定めるということになっておりまして、これは先般公表したところでございまして、職務の性格に即して再就職の自粛期間を具体的に定めるということにしたわけでございます。  今御質問の考査局関係ということでございますが、今回の準則の中では、考査局長それから考査局次長、さらには局店長級の考査役、こういった者につきましては、私どもの当座預金取引先である民間金融機関への再就職を退職後二年間自粛するということにいたしました。  それからさらに、考査役の経験者につきましては、考査役として考査へ行った先へは五年間再就職を自粛する、こういうルールを新たに設けたわけでございます。  今後は、このルールを厳格に運用していくことによりまして、世間から誤解を招くことのないよう、より一段と慎重な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから二つ目の、私自身接待を受けたことがあるかどうかという御質問でございますが、私自身も会食を伴う会合等に出席したことはございます。  それから三つ目に、今御指摘のような非常に高齢の日銀出身者が金融機関にいるけれどもどうかということでございますが、私どものOBの処遇につきましては、それぞれの金融機関がそれぞれの判断で行っているものでございまして、私どもから何か申し上げることは適当ではないのではないかというふうに思っておりまして、この点、ぜひ御理解いただければというふうに思っております。  以上でございます。

大口善徳平和・改革

○大口委員 以上で終わります。  ありがとうございました。

佐藤静雄自由民主党自治政務次官

○佐藤(静)委員長代理 次に、宮島大典君。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 自由民主党の宮島大典でございます。  残りの時間を使いまして随特質問をさせていただきますが、当選後初めての質問でございますので、明確なる御答弁を心からお願い申し上げたいと思います。  まず冒頭に、先ほど来、平成目安箱につきましての各党からの御評価というものがございました。粕谷委員長にお取りまとめをいただきまして、先ほど我が党の矢上委員からも御紹介ございましたが、本日付で八百七十件にも及ぶ郵便、ファクスが来ておるそうでありまして、その反響ぶりにつきまして、心から委員長に敬意を表したいと思うわけでございます。  そして、その中には、大蔵省を初めとする中央省庁以外にも、特殊法人やあるいは日銀に関するいろいろな問い合わせ等も来ておるようでございまして、私もそれにのっとりまして、今回、日銀の方に御質問をさせていただきたいと思います。  また、本日は、就任早々大変お忙しい中、参考人といたしまして速水総裁にお運びをいただきましたこと、心から御礼を申し上げますとともに、また、鴨志田理事にお越しをいただきましたことを感謝申し上げたいと思うわけであります。  さて、四月一日から改正日銀法がいよいよ施行されるわけでございます。五十数年ぶりの全面改正ということでありまして、速水新総裁が御就任をされて、新しい日本銀行のスタートということで、私も心から期待をいたしておるところでございます。  しかしながら、一方にありましては、日銀の史上初めての汚職事件ということがありまして、それに伴う日銀総裁の辞任ということもございました。これから信頼回復というものにお努めをいただかなければならないと思います。また、真の再生が果たしてこの改正法に伴ってでき得るのかというような大きな課題というものがあるわけであります。  そういうことを踏まえまして、その中身につきまして御質問をさせていただきたいと思います。  新日銀法の第三十二条には「服務に関する準則」というものが掲げられております。紹介をいたしますと、「日本銀行は、その業務の公共性にかんがみ、その役員及び職員の職務の適切な執行を確保するため、役員及び職員の職務に専念する義務、私企業からの隔離その他の服務に関する準則を定め、これを大蔵大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。」ということであります。そして、それを踏まえられまして、去る三月六日に、日銀におかれましては、規定されまして公表をされておられるわけであります。  その服務に関する準則を規定されるに当たりまして、果たしてどういう考え方をもとに規程を定められたのか。総裁が就任をされます以前の問題でありますのでそのことについてはいかがかと思いますけれども、その基本的なお考えについてお尋ねをしたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○速水参考人 委員の御質問で、日本銀行の内部の就業規則それから職務規程を前総裁がつくられて残していかれたわけです。私もまだこれを詳しく読んでおりませんが、今問題になっておりますスキャンダルの後ろにそういった甘い空気があったとすれば、やはりそれを基本からなくしていかなければいけないというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、一人一人がみずからの良心に恥じない日本銀行員としての責任のある行動をとっていくということが基本ではなかろうかと思っております。  今のコード・オブ・コンタクトといいますか、コードの内容、考え方につきましては、担当の鴨志田理事から御説明させていただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 お答え申し上げます。  日本銀行の行っております中央銀行の業務と申しますのは公共的な性格が非常に強いということでございまして、そういうことから、その政策あるいは業務全般の運営につきましても、国民やマーケットから信頼、信任を得ていく必要があるわけでございます。そのためには職務の公正性を確保するということが強く求められるということでございまして、そういうことを前提に、そういう職務の公正性を確保するためにはいかなる内部規律が必要なのかという観点から、このたびの服務準則それから「日本銀行員の心得」というものを制定させていただいたわけでございます。  私どもとしましては、この服務準則を徹底していきますことで、日本銀行の役職員の職務の公正性を確保し、信頼回復に向けて努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 先ほども御紹介ございました、営業局の証券課長が逮捕されたのが三月十一日のことでございました。それ以前に、接待疑惑と言われるものが浮上、取りざたされましたのが二月九日だというふうに記憶をいたしております。  ということで、そのことに関しまして十分に踏まえられた中でこの準則というものを規定されたのかということについて、再度お聞かせをいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 お答え申し上げます。  この服務準則それから「日本銀行員の心得」と申しますのは、先ほども申し上げましたように、新しい日本銀行法、先生御指摘のあった三十二条で決められて、そういうものをつくりなさいということになっていることを受けて検討してまいったものでございます。それで、もうかなり前から準備をしておりまして検討に入っておりますので、今回の事件があったから急にこういうものを決めたとか、そういうことではございません。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 接待疑惑が浮上した中での二月九日の日銀サイドのコメントといたしまして、「料亭接待が不適切かどうかは、調査してみないと分からない」あるいは「職員には視野を広げるため、世間と接するよう求めてきた。接待を受けることまで禁じなかった」ということが言われておるところであります。  これが日銀の皆様方には徹底しておったのか。接待については、軽い軽食をザブン、高級料亭などで行われる接待をドボン、私は長崎出身でありまして名物にザボンというのがありますけれども、どういういわれで言われておるのかわかりませんが、そういうふうに言われて当然のように接待を受けられていたというような事実もあるようでございます。  また、先ほどのコメントに関しましては、きょう参考人としてお出ましの鴨志田理事がそういうふうに発言されたということが三月十二日付の読売新聞の連載の中に書いてあるわけでございますけれども、このことを考えますときに、今回第九条にうたわれております「対外的活動等に当たっての留意事項」という中では、接待に関しての規定というものがいささか甘いのではないかというような指摘もされるわけでございますけれども、その点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 今回定めました「日本銀行員の心得」の中では、接待等に関しましては、職務上の関係者との無償の会食を禁止するということで、一切行わないという定めにしておりまして、そういう意味では、私どもではかなり厳しいルールをつくったのではないかなというふうに思っているわけでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 第九条の二項には、「公正な職務遂行に疑義を招くような行為は厳に慎まなければならない。」というようなこともあります。禁止ということであれば、ぜひともそういうふうに徹底をしていただきたいと思います。  と同時に、今回の公務員倫理法を論議する中で、接待、贈与につきましては、米国のように一定額で上限を設ける、線引きをするというようなことはどうかということも論議の対象になっておるようでございますけれども、今後、日銀としましても、果たしてそういうふうな一つの線引きなりというものを設けていかれる計画はあるのか、予定はあるのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 先ほど申し上げましたように、今般定めました「日本銀行員の心得」の中では、職務上の関係者との無償の会食というものにつきましては、その金額のいかんにかかわらず原則として禁止するということにしているわけでございます。それからさらに、職務上の関係者から贈られます中元、歳暮、就任祝い、せんべつといったような贈答品につきましても、金額のいかんにかかわらず原則として受け取ってはならないというふうにしたわけでございます。私どもとしては、こういう無償の会食あるいは贈答品の受領を原則として禁止するというルールにいたしましたものでございますので、ここに今、金額的な制限を設けるというふうな考え方はとらなかったわけでございます。  私どもとしても、今後、この心得を厳格に守っていくことにより、職員、役員の職務の公正性を確保していく所存でございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 これまでの活動につきましては、いわゆるみなし公務員としての意識がないのではないか、ただ金融マーケットで民間銀行と対等に資金のやりとりをしている中央銀行のバンカーとしての意識だけが目立つというようなことも指摘をされたわけでありまして、そういう意味では、厳にそういった活動というものを慎まれるとともに、どうか、公務員としての、みなし公務員としての意識づけというものをしっかりしていただきますように、強く要請をしたいと思います。  と同時に、今回、速水新総裁が御就任をされる折に、一つのキーワードといたしまして、透明性ということを挙げられました。日銀は、認可法人とされまして、行政監察など公的チェックを受けることがない、ある意味では特殊法人以上に透明度が低い性質を持っておるというふうに拝察をいたしておりますけれども、どうやってこれからこの透明性というものを確保していくかということにつきまして、新総裁にお尋ねを申し上げたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○速水参考人 今度の日銀法には、独立性と透明性ということが三条に書かれております。政策の決定、それからそれについての説明、これは十分にしてまいりたいというふうに考えております。  それから、先ほど申し上げました行員の業務執行の態度につきましても、やはりこれは、日本銀行は日本経済の良心であるという考え方に徹しまして、一人一人がみずからの良心に恥じない行動をとってもらう。先ほど鴨志田理事から説明のありました準則等に照らしても、常時行内に、コンプライアンスと今言われておりますけれども、ルールをつくって、それが守られているかどうかを常にチェックする委員会をつくることになっております。これには外部の専門家も入ってもらいまして、ローヤーにも入ってもらいまして、ルールをつくるとともに、そのルールが守られているかどうかということを常時チェックしていくつもりでおります。  いずれにいたしましても、一人一人が自分の良心に恥じず、外に対して自分のやったことに常に申し開きができる、間違ったことはしていないと言うことができるかどうかということをみずからに語りかけていくことが大事だというふうに考えております。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 ただいま新総裁からお話ございましたとおり、今後、いわゆるチェック、監視機関というものを設置し、その監視を行っていくということであります。今後、やはり透明性というものを確保してもらうように強く要請をしたいというふうに思っております。  次に、いわゆる天下り、再就職制限の問題でありますけれども、これは、準則の第八条にうたってあるところであります。「役員は、任期満了前、満了後を問わず、退任後二年間、日本銀行と当座預金取引を有する営利企業への就職を自粛する。」ということであります。  そこでお尋ねでありますけれども、この当座預金取引先というのは、日本銀行の場合はどういう企業に当たるのか、金融機関でありますけれども、どういうところになるのか、そこをますお聞かせをいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 お答えいたします。  日本銀行と当座預金取引を有する営利企業と申しますのは、日本銀行と当座預金の取引をしている先でございまして、具体的には、民間の銀行、信用金庫、それから証券会社、証券金融会社及び短資会社、こういうものが入っております。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 八条の二項には「局店長級の職員は、退職前二年間に就任していた職位が、当座預金取引先と密接な関係がある場合、当該当座預金取引先への就職を、退職後二年間自粛する。」ということになっております。  まず、先ほど当座預金取引先の説明がありましたけれども、役員の皆さん方で日銀出身者の方が、公表された中で百四十六名いらっしゃるということでありまして、全体で数えると、ある新聞社の調べでは五百人を超えるぐらいの多くの方が再就職をされているということであります。ということになれば、当座預金取引ということがなければそういう金融でもやっても構わないのかということが一つ問題にあろうかと思います。  また、先ほど申し上げました二年間の自粛ということでありますけれども、これにいたしましても、国家公務員法の百三条にあります、職員が離職後二年間、営利企業の地位につくことはならないということになっておることをもとにそういう準則をつくられたのかなというふうなことも思っております。  それにしても、公務員法でも「離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係」というような規定もございます。そういうことを踏まえますときに、若干そのことにつきましても期間が短いのではないか。あるいは、自粛するということになっておりますけれども、これはほかの公務員に関しましては禁止ということも挙げられておりますので、その自粛ということについても少し甘いのではないかというようなことも考えられるわけでありますけれども、その件についての見解をお述べいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 お答えいたします。  まず、一つ目の当座預金取引を持っていない金融機関にはどんどん入れるのではないかという御趣旨だったかと思うのでございますが、実際問題として、金融機関のもうほとんどは私どもと当座預金取引を持っておりますので、そういった意味では、先ほど言われましたリストの中の金融機関というのは、すべて対象になるという認識でございます。  それから、禁止じゃなくて自粛という言葉を使った理由でございますが、日本銀行は国家公務員法の適用を受けないわけでございまして、憲法で保障されております職業選択の自由を制限する形で再就職制限を設けるということについては慎重な判断が必要だという考え方から、自粛という言葉を使ったわけでございますが、自粛だからといってそれを守らないということではございませんで、先ほど総裁からもお話がございましたし、私自身も、こういうふうに自粛とはいえ、ルールを定めた以上はこれを厳格に守っていく必要があるというふうに考えているところでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 ただいま質問した中で、期間につきましてちょっと御答弁ございませんでしたが、退職前の二年にかかわりある場合に退職後二年というような期間の設定もございますけれども、これについての見解をお述べいただきたいと思います。

鴨志田孝之日本銀行理事

○鴨志田参考人 先生御指摘のように、期間につきましては、国家公務員のケースは離職前五年間としているのに対しまして、日本銀行の場合は二年間としたわけでございますが、役員につきましては、総裁、副総裁、それから審議委員の任期は五年ということでございますので、任期を満了すれば国家公務員と同じような扱いになるのかなと思っております。  それから、職員につきましては、日本銀行は許認可権を持っている行政機関とは異なるわけでございますので、こういった点も総合的に勘案をいたしまして、政策委員会でも、妥当と思われる期間として退職前二年間という決め方をしたわけでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 先ほども御質問ありましたけれども、いわゆる金融機関への天下りの度合いというものが非常に多いのではないかということが一様に指摘をされているところでありまして、今後やはり、この準則に基づいてそのことをきっちりと整理される中で、これからのいわゆる天下り問題についてのしっかりとした日銀とされましての方法というか、とっていただくように心からお願いを申し上げたいと思います。  そして、総裁が御就任をされた折に、透明性とあわせて、独立性の確保というものを強くおっしゃっておられました。先ほどのお話の中にも、日銀は一国の経済の良心たるべきだというようなお話もございましたし、新法にもその性格というものがうたわれております。いわゆる独立性をこれから持ってもらわなければならないということにつきましては、賛同をするところであります。しかしながら、一方にありましては、と同時に、やはり通貨の番人としての強い倫理性というものがこれから求められるというふうに思っております。そのためには、自浄能力というものは絶対に必要な要件であろうかというふうに理解をいたしております。  最後になりますけれども、新総裁に、これまでの質問というものを踏まえまして、これから倫理性の確立というものをどのように行われていくのか、その決意について総括をしていただきたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○速水参考人 倫理性の確立ということ、これは先ほど申し上げましたように、中央銀行の、一国経済の良心としての機能を果たしていきますためには、行員一人一人がそのことを責任を持って毎日の業務を処理していくということ、それだけでなくて、やはり日常の生活の中にもそれだけの、社会から見てもあの人は立派だというふうに言われないと、私どもの発行しております円の信認というものが維持されていかないことにもなろうかというふうに思います。  透明性ということは、アカウンタビリティーという言葉が使われておりますけれども、これはもともと聖書にある言葉でございまして、最後の審判で、おまえはどうしてきたかと問われたときに、自分のやってきたことはこういうことでございますということが絶対者の前で申し開きができるかどうかということが問われるということから出てきた言葉と聞いております。そういう意味でも、自分の良心に対して常に恥ずかしくない行動を公私にとってもらうように、就任に当たっても申しましたし、今後その心がけで進めてまいりたいというふうに思っております。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 どうもありがとうございました。  それでは、総務庁長官にお尋ねをしたいと思います。  このたびの公務員倫理法の検討に入られます中で言われておりますのが、その対象となるのはどういうところかということにその論点というものがなっておるように思います。国家公務員のほかに、果たして公社公団を含むのか、あるいはただいま質問をいたしました日銀の職員も含むのかというようなことも挙げられておるようでありますけれども、その法制定におきましては対象をどうするのかという考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま公務員倫理法の具体的内容につきましては、与党における検討作業と連携を図りながら、現在さまざまな角度から議論しているところでございます。  御指摘の法の対象をどうするかという問題でございますが、これはます公務員は当然対象になるわけでございますけれども、公務員といっても、一般職の公務員のほかに特別職の公務員というものがございます。また、一般職公務員の中にも現業の公務員というものもいますし、また、非現業の一般職公務員の中には大学の教員などもおりまして、これら服務に関して一般職非現業職員と全く同様に考えていいのかどうかという問題もございます。その辺、ます公務員の中で法の対象をどうするかという議論が一つございます。  それから、公務員の周辺の話として、御指摘のございました特殊法人でありますとか認可法人の役員、これらについてどう取り扱うべきかというところで今種々議論を詰めておるところでございますので、方向性を持ったお答えはいたしかねるところでございますが、一般論として申し上げれば、国家公務員を対象とする公務員倫理法を特殊法人とかあるいは日銀等の認可法人に直接適用するということになりますと、種々法制上の問題があるのではないかというふうに考えられます。  一方におきまして、特殊法人等についてもやはり何らかの措置が必要ではないかという御議論もあるところでございまして、その場合に、倫理法の趣旨に照らしてどういったような取り扱いをするのが適当かどうか、その辺について今議論を詰めておるところでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 相次ぐ不祥事の続発にかんがみますときに、やはりそうしたことで幅広い、また国民の期待に沿うような、理解を得られるような倫理法の制定というものが今望まれているというふうに認識をいたしております。どうかそのことを十分に踏まえられて御検討いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。  そして、と同時に、監視機能の点についてお聞かせをいただきたいと思います。  法律の適用につきましては、法律をつくっても守られなくては無意味ということでありますし、あるいは、法の平等性から申しまして、捕まる者あるいはすり抜ける者というものが出ては、これは不平等ということであろうかと思います。そうなれば、監視機能をどケ強化していくのかということが一番難しい点ではないかというふうに思うわけでありますが、その点を踏まえて、きょう午前中の参考人質疑の中でもありましたけれども、内部告発の問題ということも上がっておろうかと思います。その監視機能の強化の点につきましての見解を、お示しをいただきたいと思います。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 監視機能の問題といたしましては、新たに何らかの審査機関を設置するかどうかという問題が考えられるかと思います。また、仮にそれを設置するとした場合、例えば倫理審査会といったようなイメージのものでございますけれども、その権限あるいは設置場所をどうするのか。また、その権限の中に、例えば一定の調査権でありますとか、あるいは懲戒に関する権限でありますとか、こういったものを付与する場合には、既存の任命権者あるいは人事院の持っておる調査権等との関係をどう整理をしていくのか。そういったような論点があろうかと思います。  いずれにしても、この辺の問題につきましても、ただいま与党の方と連携を図りながら、種々の観点から議論を詰めておるところでございます。     〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕

宮島大典自由民主党

○宮島委員 内部告発につきましても、午前中の参考人のお話の中にも、公僕としては当然の職務の一環ではないかというような意見もございました。  ということで、そういうことも十分に踏まえられながら、一方にありましては、いわゆる職の遂行におきまして自由性だとかというものが阻害されないような形で今回の法制定というものに、あるいは監視機能の強化というものに努められますように要望をしておきたいと思います。  最後になりましたけれども、一つ見解を示しまして、総務庁長官の御意見等も賜れればと思います。  今回のいろいろな問題におきまして、公務員倫理法の必要性というものは一様に感じられるところではないかというふうに思っております。しかしながら、と同時に、今、汚職の温床であります過剰規制や裁量行政の範囲が広過ぎる。これも、午前中の参考人質疑の中で参考人からの見解というものがございましたけれども、そういうことが問題になっておろうかと思います。それを是正するということが、これからの将来に向けての大きな対策の一環でもあるというふうに思います。また、それが行政手法の構造改革のこれからのばねになるのではないかというふうに思っておりますけれども、その点につきまして、長官の御意見をいただきたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 まさに議員が整理して御指摘いただきましたとおりでございまして、裁量行政というものがいわば官民癒着の遠因、近因になっているのじゃないか、そういう話すらしばしば聞かされるところでもございます。  なおまた、本来、お話がございましたように、行政改革を進めていく上におきまして多くの要素があるのでございますが、その中の一つでございますいわゆるスリム化、その視点から考えましても、あるいはまた、行政効果を実効を上げますよ、その視点からいいましても、事前管理型の裁量行政、これをすかっと整理をいたしまして、合理的に、そして事後管理のルール行政に切りかえるというのはすべての行政改革の要請である、私はそういうふうに自分で自分に言い聞かせながら、関係者の衆知を集めておるところでございます。

宮島大典自由民主党

○宮島委員 行政改革の論議につきましても、今国会の一つの目玉でもありますし、これから鋭意取り組んでいかなければならない我々の課題であると思います。どうか長官におかれましても、今後とも行革につきましてさらなる御推進を賜りますように心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして、宮島大典君の質疑は終わります。  次に、石井紘基君。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 民友連の石井紘基でございます。  天下りの問題やら行政の透明化の問題が議論されてきているわけでありますけれども、私はます最初に、総務庁が主務官庁になっておる財団法人交通遺児育英会の問題を取り上げさせていただきたいと思います。  御案内のように、交通遺児育英会というのは、交通事故に遭って亡くなられた方々の御子弟に対して奨学金を貸与するなど、そうした恵まれない人たちの教育に対して大変大きな貢献をしてきた団体であります。  これは昭和四十四年五月に設立をされました。初代の会長は永野重雄さん、そして、石井栄三さんという方がされておられた。もちろん、この設立の当初は、大変厳しい状況の中で交通遺児の皆さんが街頭に立ってカンパを、寄附を集められて、あるいはまた、あしながさんの会という支援のボランティアの皆さんが寄附をされて、そして運営をされてきたという団体であります。一時は、単年度でもって奨学生が五千六百人を超えるという状況。これまで二十八年間に四万四千人のそうした遺児となった皆さん方が奨学金を受けて、そして、おおむね立派に社会人として成長し、その奨学金を返済をしているというものであります。こうして全国の市民の皆さんが温かい志を持って寄附をされた結果、この財団法人は、その資産において総資産三百六十億という状況に至ったわけであります。これは、九七年現在であります。  そういう中で、こうした民間の皆さんの御努力によって築かれてきた財団法人交通遺児育英会というものがこうして成長を見たときに、平成六年、もう会長さんはその年にお亡くなりになりまして、理事長さんに総務庁から来られた宮崎さんという方が就任をされたわけであります。それまでの理事長は玉井さんという、もちろんこの運動をお始めになった本当に一介の市民の方がやっておられて、この理事長を中心にこの会は、次々に育ってくる遺児の皆さん方を中心に、事務局あるいは募金活動あるいは教育活動、そうしたものが担われてきたわけでありますが、例によって、ここで総務庁が理事長のポストというものを、いわばそれを取り上げたと言ってもいいのではないかと思うわけであります。  その問題は後でまた申し上げるとして、私がまず最初に伺いたいのは、この交通遺児育英会の役員の体制の問題であります。  この会には現在役員が十七人おる、職員が二十八人おる、こういうふうに聞いているわけでありますけれども、これまでの私が申し上げた経緯とあわせて、この役員の出身について伺いたいと思います。この中には、かなり多数中央省庁から退職されて来られている方々がいらっしゃるわけでありますが、どういう状況になっておりますか、お伺いをしたいと思います。

大坪正彦総務庁長官官房審議官

○大坪政府委員 ただいま先生の方から、交通遺児育英会の役員構成はどうなっているかというお話でございます。  交通遺児育英会は、先生お話しありましたように昭和四十四年にできたわけでございますが、当時確かに、交通事故が非常にふえているという状況の中で、亡くなられた方の子女をどういうふうに教育していくかということが大問題になったわけでございます。先と言われましたように、そういうボランティアの方々の動き、さらには、当時衆議院にありました交通安全対策特別委員会、ここでも実は決議がされました。そういう育成事業について政府は何らかの助成をしろというような決議だったというふうに思うわけでございますが、それを受けまして、政府全体で取り組むという状況のもとに、官民挙げての動きの中でこの法人ができた状況にあるわけでございます。  それから二十有余年になっているわけでございますが、ただいまの役員の構成につきまして御説明申し上げますと、ただいま役員は十五人、理事、理事長がおられます。そのうち、先と言われましたのは役所の出身者というお話だろうというふうに思いますが、十五人のうち四人が元公務員という状況になっております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 私、十七人と申し上げましたのは、従来十七人おったのだと思います。そして、欠員が生じて役所から行っている方が四人になった。  省庁の名称を挙げていただきたいと思うのです。恐らく総務庁を初め文部省、それから警察庁、それから、空席になっているのは多分、従来その役所から行っていたというのが運輸省と厚生省ではないかと思うのですが、そうなりますと、今もう一人あるわけですが、これは何省でございますか。どこですか、役所は。

大坪正彦総務庁長官官房審議官

○大坪政府委員 先生がどのような資料を見て言っておられるかちょっとわかりませんが、私が今持っております九年十月一日現在の役員名簿によりますと、元公務員の肩書を持っておりますのは、総理府総務副長官、それから文部事務次官、警察庁の交通局長、通産省の東京通産局長、こういう経歴を踏まれた方というふうになっております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 わかりました。  そうしますと、運輸省と厚生省の分が今空席になってといいますか、ここからは新たな方がまだ出てきておらないということではないかと思います。ですから、通産省というのが、私が申し上げた以外に今示された役所ではないかと思います。  職員の方はどうですか。職員で省庁から行っておられる方は何人いらっしゃいますか。

大坪正彦総務庁長官官房審議官

○大坪政府委員 職員につきましては、ただいま二十六人のうち二人が役所の出身者でございます。一人は総理府の退職者、一人は総務庁の退職者でございます。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 そこで、従来は、私が言いましたような形でもって、若い人がどんどん積極的に活躍をされまして、私ももう三十年近く前からこの団体を知っているのですが、行ったこともありまして知っているのですが、そういう状況でございました。そして、先ほど申し上げましたように、理事等の役員についても、給与等も非常に質素なものでありました。会長も理事長も報酬を取らない、こういうものでございました。  その後、平成六年に理事長がかわるまでの間の、先ほど申し上げた経過の中にもう一つございますのは、かなり一般的に言いますと、莫大なといいますか、三百六十億もの資産が形成されてきたことによって、交通遺児だけが親を亡くした不幸せな子供たちというわけではない、災害によって親を亡くした子供たちも多数おるし、また病気等によって親を亡くした、そして教育の受けられない、そういう子供たちもさらにたくさんおる。  数字を若干申し上げますと、例えば交通遺児でありますと約二万四、五千人、これに対して災害でもって親を亡くした方々は七万五千人、病気でもって親を亡くした方は三十二万人、こういうふうに、特にがんでもって遺児になった方々が十六万から十七万おられる。  こういう状況にかんがみて、ひとつこうした不幸な子供たちの教育に対しても手を差し伸べようじゃないか、こういう動きといいますか、こういう方針ができまして、そしてそれに向かって進んでいった、そのさなかのことであったわけですね。  そこで、推測するに、こうした災害とか病気を含めますと、これは所管が、その点でいいますと、今の人数の割合からいっても、総務庁というのはかなり小さいといいますか、相対的に小さくなる。むしろ厚生省、あるいは国土庁、こういうことになってくるわけでありまして、そういうことも絡んでいたのかなと私は思うわけでありますけれども、いずれにしても、こうしたがっちりとした立派な財団法人が形成された。財団法人は、当然公益法人でありますから、これは主務官庁である総務庁の指導監督権限があるということで、こうした総務庁の立場をもって、そして、ここに理事長あるいは職員というものが入っていったのであろう。  総務庁に限らず、先ほど出たほかの省庁からも、まあ、警察庁なんかは当初からいろいろな協力をする意味で、初代の理事長をやっておられた石井栄三さんという方、これは故人でございますが、警察庁の長官をやられた方です。この方も、一銭たりともかどうかは知りませんが、無報酬で、ボランティアでもってやっておられたわけであります。そういう意味で役所から行った方もいらっしゃいますけれども、おおむねそんなふうに、ひとつこの団体を、いろいろな言い方があるかと思いますけれども、いわばこれはおいしいぞというようなことがあったのだろうと思います。  といいますのは、それ以降、交通遺児育英会というものが、今までは非常に血気盛んで、一丸となって、そして熱意に燃えてやってきたのが、一転、内紛続きになってきたわけです。裁判ざたまであったり、いろいろそうしたもやもやした状況になってきた。  そして、どうなっていくかといいますと、やってきた事業も次々に減らしていく。つまり、子供たちの教育のためにやってきた集いとか心のケア、こうした事業はなくしてしまう。あるいは、雑誌や会報なんかも、毎月出していたのをもう何カ月に一度ということにしてしまう。  一方では、社会的な状況の変化もあるわけでありますが、交通遺児そのものが少なくなってくるということもあって、奨学金を受ける方々が、先ほど申し上げた、ピーク時には五千六百人を超えると言いましたが、それが現在では二千九百人ぐらいに減っている。  そういう状況の中で、仕事量が大きく減ってきているわけですね。減ってきているにもかかわらず、職員の数というものは依然として、職員が二十八人で、役員が先ほど言われた十五人ですか、そういう状況でありまして、これは連合傘下のある労働組合が調査をいたしましたところ、今の仕事の量だったら職員は九名で十分である、こういう見解を出しております。  また、そうした仕事と職員の数あるいは役員の数以外にも、今度はお金を使い出すようになった。例えば、無給を原則としてきた理事長に対して、一回出勤するごとに三万円の手当、まあ一回の出勤というのは大体二、三時間だそうでありますが、三万円。これは一時、昨年の四月ごろ、五万円に上げようという動きがあったのですが、批判を浴びて、それは中止して三万円のままであります。そのほかに、年間四百万円の報酬、それからハイヤー代が四百万円、計八百万円の報酬というものが支出されているというような状況であります。  それからまた、弁護士、先ほど言いましたように訴訟事件や何かがあるものですから、弁護士の費用として二千九百万円、裁判の着手金で八百万円というような支出があるので、さすがに、この財団法人は監査法人に監査を委託しておりますが、その監査法人さえもが、寄附をしている者が知ったらどう思うでしょう、こういうような監査報告書を理事長に提出しているわけであります。  先ほど言いました経費、弁護士関係についてはちょっと漏らしましたが、さらに二つの弁護士事務所にそれぞれ百万円と三百万円というように出している。ですから、合計四百万円の顧問料を弁護士にも出している、こういう状態で、これは、一般の給与と比較してみても、ここの給与というのがかなり高い。  といいますのは、例えば職員の方あるいは嘱託の方なんかでも、六十五歳の定年を過ぎた方々で九名の職員がいらっしゃるそうであります。お年寄りがいらっしゃるというのは必ずしも悪いとは申しませんけれども、しかし、総体の中で九名のそういう方がいらっしゃる、あるいは平均年齢が職員でもって六十歳に近い、こういうような状況というのもどうも――お父さん、お母さんを亡くされた、高校、大学への奨学金を与えながらみんなでもってひとつ教育をやっていこう、こういう中で、心塾なんというような、週に一回か二回みんなで集まって、お互いに世の中のことを語り合ったりあるいは勉強し合ったり、教え合ったり知識を吸収したり、こういうようなことなんかを進めてきた。今これはやめちゃったわけですけれども、こういうことを進めてきた、そういう団体であります。  それにしては、やはり年齢構成については、どうもそうした再就職、役所のOBの皆さん方が比較的少なくないという中で出てきている現象かな、こういうふうに感じられるわけであります。  先ほどの、総務庁の次官をされておって今中央大学の先生をされておられます増島先生のお話の中にもございましたけれども、役所の人事当局はこうした就職のあっせんというようなことをすべきではないというような趣旨のことがございました。あるいはまた、総務庁長官の先ほどの御発言要旨の中にも、天下り問題関係ということで、「天下りの問題は、行政及び公務員に対する信頼確保の観点から速やかに対応すべき重要な課題であります。」こういうことが述べられているわけであります。まさにこういう問題を所管しておられる総務庁自身がこうした天下りを1私は個人的に、天下りということについては再就職というものと一定の分けた考え方をしているわけであります。公務員の皆さんが定年を迎えられて再就職をされるのは、それはそれで結構なことであるのは当然であります。しかし、自分たちがつくった団体、あるいは自分たちが指導監督権限を持っているような団体、あるいは補助金を出しているような団体の役職につくというのは、まさにこれが悪名高い天下りそのものであるというふうに思うわけであります。  この団体も、主務官庁である総務庁が本当は指導監督しなければならない立場にあるわけであります。その指導監督しなければならない立場の者が、そこへ行って責任者を、代表者をやっていたのでは――この団体は、今会長が空席になっております。会長も、これは総理府の公益法人に関する指導監督基準によりますと、空席になった場合には速やかに埋めなければならない、補充しなければならないとなっているわけでありますが、もう四年間も会長は空席にしたまま、そして総務庁から行かれたこの宮崎さんという方が理事長として采配、実権を振るっておる、こういうのが実情のようでありますので、こうしたことに対する総務庁の率先垂範したところの対応を私はぜひ期待したいと思いますので、総務庁からひとつ前向きな姿勢をお示しいただきたいと思います。

大坪正彦総務庁長官官房審議官

○大坪政府委員 ただいま先生の方から今の育英会の内部の問題について種々御指摘があったわけでございますが、その前に、経緯的なお話をちょっとさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  先ほど、先生冒頭で、交通遺児育英会、今の理事長の前の理事長、玉井さんと言われましたが、玉井さんはその当時専務理事であられました。実は、先ほど先と言われましたように、災害遺児あるいは病気遺児、こういうような方々に対しても手を差し伸べるべきではないかというような考え方、動きというのは昭和五十年代後半から出てきておったわけでございまして、その推進者が当時の玉井専務理事であったわけでございます。  この問題につきましては、そういう意味で実は長い経緯を踏んでいるわけでございますが、当時から実は内部的に、それでいいのだろうかというような路線対立がずっと続いていたようでございます。そういうような状況の中で、玉井専務理事のやり方に対して対立されるような理事の方も出てきた、そういう状況が平成になってから出てきたそうでございます。  そういう中で、平成六年から、先ほど言いました、総理府総務副長官をやっておられました宮崎さんが理事長に推挙されたわけでございますが、実は宮崎理事長は、私冒頭にお話ししました、昭和四十四年当時、政府全体として取り組むという方針のもと、動いたときの政府側の実際上の中心者であられた方でございます。当時、交通安全対策室長であったわけでございますが、恐らく、私推察しますところ、そういうような路線対立、ある意味で内紛に近いような状況を憂えて、かなり御高齢でありますが、正常化のために尽力しようというような思いをされたのではないだろうかというふうに思っている次第でございます。  そういう状況のもとで、宮崎理事長のもと、いろいろな方針について、その前からの路線対立についてのいろいろな意見、考え方の違いということが今の状況になっているんじゃないかなというふうに思っている次第でございます。  総務庁といたしましては、基本的には、今の交通遺児育英会の寄付行為に書いてありますような目的あるいは事業、こういうものが適正に執行されることが一番大事というふうに思っている次第でございまして、先生先ほど言われました、公益法人の指導監督基準、こういうようなものに基づきながら、公益法人交通遺児育英会について適切な指導をしていきたいというふうに考えている次第でございます。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 適切な指導をしていきたい、これはどういうことですか。よくわかりません、そういう言われ方では。それは、引き続きそれじゃ交通遺児育英会に天下りを送って、そして総務庁の配下でもって、事業も縮小し、その三百六十億の資産の上に乗っかって、職員や何かの天下りも続けていく、そういう意味で、今までの指導をそのまま続けていくという意味なのか。あるいは、私が申し上げたように、指導監督をする省庁で、しかも、今審議官が言われた、今理事長をやっておる方との路線対立とかなんとかいう一方の方の主張、私は、それが二つに明確にあったかどうか知りません。むしろ、そんな対立を醸し出したのは役所から行った皆さんのはずです。そういう中で、あたかも、対立の状況をつくり出して、そして、それの解決をする推進本部長などという、推進本部長と言われましたか、そういうような立場の責任者だったのでそこにはまったのだというような、こういう自作自演のようなやり方こそが、まさに問題なんですよ。  指導監督しなければならないところへ行く。これは別人格ですよ。総務庁、そして財団法人。総務庁は、自分が認可をしたところの財団法人に対して指導監督する立場にあるということで、そこへ行ってしまったんじゃ、その指導監督は今後どうやってやるんですか、総務庁と別人格である財団法人の指導監督というものは。それでは成り立たないのです。幾らあなたがそういうようなことをおっしゃっても、これは成り立たないのです、指導する側、監督する側と、そして監督される側ですから。それが一体につながっていってしまったのでは、これは、先ほどの指導監督基準にしても行政指導の基準にしても、そういうものと矛盾をしてくるわけですよ。  もう一回、今すぐ総務庁がそういったところから天下りを引き揚げると言われれば大変結構ですけれども、今言ったように、別人格ということであるならば、まあ、都合のいいときには皆さんは別人格というふうに言われるでしょうけれども、そうであるならば、少なくとも今後総務庁はそういうところに人を送らない、こういうことぐらいはやはり明確におっしゃってもらわないと、先ほど総務庁長官が言われたようなことが、これは中身は一体何なのかということになってしまいます。ですから、ここは、総務庁長官にひとつ御答弁をお願いします。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 時間の関係もございましょうから、要約して、感じを申し上げたいと思うのでございます。  まず、財団法人交通遺児育英会が発足いたしましたその前後から、長きにわたりまして、率直に申し上げて、複雑な経緯もあられるようであります。なおまた、その複雑な経緯について詳細を知り尽くしておいでになる当議員であられる、私はそう承っておるところでございます。率直に申し上げまして、この問題は、国会でも前にもあるいはお聞かせいただいたことがあるかな、そう思っておるところであります。  次に、はっきり申し上げておかなければならぬのは、大変公共性の高い、社会的存在感のある、同じ公益法人であります。しかも、三百六十億円前後という、巨大な篤志家の御好意によって組織され、そしてまた、多くの交通遺児を初め関係者の皆様方等、大変社会的にも責任のある、一つの対応をしていかなければならない組織だ、さように思っております。  同時にまた、私ども総務庁は、それを主管する、言うなれば指導監督を申し上げなければならない一つの立場でありまして、この指導監督なるや、申し上げるまでもなく、公正で、かつまた実効の上がるものでなければなりません。そしてまた、このようなさまざまな問題を内包しておりまする客体と申し上げますか、団体である以上、厳正に対応しなければならぬと思うのです。  それからまた、念のため申し上げる次第でございますが、先ほど担当官が申し上げたように、今の理事長の、就任をする前後の役人時代のいきさつもあるようでございまして、そしてまた、それなりの若干の経験もあってそこに踏み込んでいったのだな、そういう感じも受ける次第でございますが、ただ、議員の方からいろいろ、必ずしも明るい面だけでなくて、この際、更新をしなければならぬ、是正をしなければならぬ面等もたくさん御指摘があったようでございます。  お話をお聞きいたしましたことも大事にしながら、もう一回、私は私としてこれを、いろいろ事情を聞かせていただきまして、そして再検証の上、きちんと節度ある対応をしなければならぬ、さように思っておる次第でございます。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 この団体の資産というものは、これは、団体や企業等の支援もありますけれども、何といっても六〇%は、つまり三百六十億円の六〇%の二百二十六億円は、国民運動による募金によるものなんです。あしながさんや街頭募金、善意の市民がこういうものによって、百円、二百円というものから何十万円というものまで、あるいは百万を超えるお金というものを、自分たちの息子は元気だけれども、しかし自分はやはり不幸な境遇のもとで育った、そういうような方々が、本当にこうした浄財を、善意のお金を集めて、そしてつくってきた。  今、長官は、ここの理事長についた人が、経験があってついたとか、あるいは社会的な責任がある団体だとか、こういうふうにおっしゃいますけれども、まさしく、総務庁の方がこうやって理事長に就任する以前までは、健全に、隆盛を誇って、そして社会的責任を大いに果たして、そして期待にこたえながら、公共の利益に報いてやってきたわけです。  ところが、そうやって役所が入ってくることによって、縄張り争いが生じ、そしていろいろな裁判ざたまで、要するに追い出し事件、そういうようなものに絡んで労働組合ができ、そして二つのグループに分かれて争うようになってきた。そして、その二つのグループ両方を、私は、これはけんか両成敗ですというわけにはいかない。もともとプロパーでもって健全にやってきた人たちと、そして、やはり、後から乗り込んできた人たちとの間の問題、トラブルなんですよ。  そして、あげくの果てには、かつてここの事務局で中心的に働いていた人の中で、今は我が会派の藤村修さんという代議士がおりますが、この人の前回の選挙に当たって、今この財団の専務理事をしている人が大阪地検に、選挙公報に虚偽の記載がある等々と、いわれなきことをとりたてて告発をしたんだ。もちろん、これは地検であっけなく却下されたんだ。こういう醜い画策がいろいろと行われているわけですよ。  それは、社会的な責任を果たしていることになりますか。そういう善意の支援者にこたえていることになりますか。そういう人たちの中の、まさにこの目安箱に意見を寄せてきた方がいるから、私はこの問題を取り上げているのです。  これは、あしなが・つっかい棒の会の代表をしておられる吉岡範子さんという方です。この方が綿々とこういう目安箱への投書を寄せてきているじゃありませんか。これがどこにも、私のところに配られた資料の中には目安箱に入っていたというのがないのでありますけれども、これはあるのでしょう。こういう人たちの、多くの人たちの期待に今背いているじゃないですか。こういうことにこたえるのが社会的な責任であり、公共性を全うすることなんじゃないでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、議員のそのような御真剣な具体的お話もお聞かせいただきましたのでと、そういう含みでお話を申し上げておるところであります。  私は私で、また機関としての手続があり、あるいはまた一つの原則もあるものですから、先ほどお話しのとおり、担当部署ではお聞きのとおりのような判断をいたしております。しかしながら、また、きょうはきようで当議員の方からこのように、必ずしも明るい話題でもない、しかも機関の内部の話を具体的にいろいろ御指摘をいただきましてお聞かせいただいておりますから、私は、改めまして、あなたのそのような御意見も含んで、三歩下がってひとつこれを再検証してみますと、そして、天下りの問題を含めまして、あるいはその団体の姿勢を整理をしてもらう問題も含めましてきちんと対応しますことをという意味で先ほどお答え申し上げたわけでございますから、これはきょうここで私が答弁の演説をして一抹終わるものでは決してありませんから、きちんと私も含んで帰りたいと思っております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 わかりました。ありがとうございます。  目安箱にはありますか、ありませんか。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 総務庁長官は参議院の予算委員会に行きますので席を離れますが、御了承いただきたいと思います。  どうぞ。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 目安箱にあるかないかということは、目安箱に送ってあるわけですから当然あるのでしょうね。

大坪正彦総務庁長官官房審議官

○大坪政府委員 目安箱の問題につきましては、役所の方への投書でございませんのでちょっと私ども形式的には承知しておりませんが、こういう投書があったという情報だけは得ております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 きょうの夕刊の一面にもこのことは出ておりますね、今届いたのですが。この見出しは「総務庁、天下り目に余る」というのですが、私は、それほど総務庁の場合はほかの役所と比べて天下りが目に余るということはないと思っておりますが、いずれにしても、総務庁は率先して、こうした不透明な、国民から不信を招くような行為を改められるように心からお願いをし、期待をしておきたいと思います。  それから次に、厚生省においでいただいているのですが、先日も私はちょっとだけ予算委員会の分科会で申し上げたのですが、全然話が違うのですけれども、行政指導との絡みで一つ質問をしたいと思います。  いわゆる配置薬というのがありまして、典型的なのは富山の薬売り、これは歩いて各戸を訪問して、そして薬を置いてくる、置いてきて、使った分だけ後で売買という形でもって販売をするというシステムのものであります。この配置販売というものについて、かつて群馬県からの問い合わせに答えて業務局長名で見解が出ていると思うのですが、これは昭和三十八年ですかね、つまり、その中には、「学校及び事業所等は、配置販売業の配置対象とは認められない。」こういうのがあるのです。そこで、配置販売というものはどういうものなのか、ちょっと厚生省の見解を伺いたいと思うのです。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 お答えいたします。  医薬品の配置の方法による販売につきましては、先生も先ほどお触れになったように、江戸時代以来三百年以上にもわたって国民の中に定着しているといいますか、認知されている伝統的販売形態でございまして、販売業者があらかじめ消費者に医薬品を預けておいて、消費者がこれを使用した後でなければ代金の請求権が生じない、そういう販売方法によります、いわゆる先用後利という販売手段でございますが、そういった方法によりますいわゆる行商の一種でございます。  薬事法では、これを医薬品販売業の一形態といたしまして、配置販売業として位置づけ、厚生大臣が定める基準に従って都道府県知事が指定した品目の医薬品についてのみ配置の方法によって販売することを認めている、こういう事情でございます。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 そこで、先ほど私が挙げましたこの業務局長の回答書というのは、これは行政指導に当たるわけですか。それからまた、事業所、学校等には配置できないというのがその中にあるというのは、これはどういう理由によるものでしょうか。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 医薬品の販売につきましては、薬局、薬店等におきまして薬剤師等の専門家による服薬指導が行われ得る、そういったことを前提とした対面販売が基本でありまして、特に、今後を考えましても、医薬品の適正使用という問題、これはますます重要な問題になってくるというふうに認識いたしております。  配置販売につきましては、専門家による対面販売ではないわけでございますが、これは薬事法制定当初、その配置販売業というのが配置員と家庭との信頼関係に基づく特別の販売方法による伝統的な販売形態があり、これを尊重しよう、そうした特別な販売形態を薬事法上位置づけたものでございます。したがって、基本は、要するに専門家による対面販売が維持されるような販売形態でありまして、配置販売の対象を家庭から事業所にまで拡大していくということにつきましては、そうした理念からかけ離れることになる、言いかえますと、薬事法においては伝統的な販売形態の範囲内においてその地位を認めていく、そういう考え方で薬事法制定当初から一貫しているところでございます。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 今の伝統的販売形態というのは、そうすると伝統的な販売形態だからこれは認めておこうということの答弁だと思いますが、そうすると、伝統的販売形態というのは家庭だけというふうな理解なんですか。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 薬事法制定当初の考え方にさかのぼって申し上げますと、戦前におきましては、例えば一般的ないわゆる現金行商といいますか、そういった行商による医薬品の販売形態もあったわけでございますが、これはその性質上、販売員との関係におきまして一時的なものであって取り締まり上不十分である、あるいは不良医薬品流通のおそれも高いということで、戦後制定されました薬事法においては、配置による行商以外の形態は認めない……

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 私が聞いているのは、家庭だけかというのですよ。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 発言を求めてからお願いいたします。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 ちょっとあなた、時間がないのだから違うことを言わないでください。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 そういったことでございまして、特に伝統的な配置の販売形態、いわばその姿を尊重してそれを特別に薬事法に位置づけている、こういう考え方でございますので、その範囲については私どもとしては従来どおり踏み越えないといいますか、その中で物事を整理していきたい、かように考えております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 あなた、ちょっと待ってくださいよ。私が聞いているのに答えなきゃだめだ。従来どおりとかなんとかじゃなくて、伝統的販売方法というのは家庭だけなのかと言っているのですよ。一言で言いなさいよ、はっきり。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 基本的に配置員が各戸の家庭を回って販売してきたものというふうに認識しております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 そうすると、事業所というのはないということですね、伝統的販売方法というのは。そういうことですか。

中西明典厚生省医薬安全局長

○中西政府委員 基本的には、大きな事業所といいますか事業所単位で物を考えてきたものではないというふうに認識しております。

石井紘基民友連

○石井(紘)委員 以上で、時間が来ましたので終わりますけれども、私は、これは行政指導との関連でまだまだ申し上げたいこともあって聞きたいこともあったのですが、また次の機会にさせていただきます。  ありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして石井紘基君の質疑は終わります。  次に、矢上雅義君。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 矢上雅義でございます。  先ほど平成目安箱の御意見でもおわかりのように、国民は役人の天下りに対して、けしからぬ、即刻禁止すべきだという、強くまた明快な意見を持っております。それに対して、一部の役人の間からは、天下りのどこが悪いんだという本音とも言えるような声も出てまいります。現実に調査室の資料でも、平成九年三月の毎日新聞、厚生省OB「民間企業だって関係会社に再就職しているじゃないか。何が問題なんだ」と堂々と反論しておられます。そこまでいかなくても、天下りはやむを得ないものと考えている役人が大半なのではないでしょうか。ただし、表立ってマスコミから聞かれれば、官僚も政治家も天下りは好ましいものではないと答えるでしょうから、本音と建前が大きく食い違っております。  このように国民と官僚との間に天下りに対する大きな意識の差があると同時に、官僚においては本音と建前を上手に使い分けているというのが現状ではないかと思っております。私自身、現在の官僚制度の現状を役所の方からお聞きしますと、天下りもやむを得ない部分もあるのかなという気もいたしております。しかし、このような複雑な状況を抱える中で、事後対応的に、また小手先だけの処置で本当に問題が解決されるものでしょうか。抜本的な制度改革を行わない限り、本当に実効性のある処方せんを書くことはできないのではないでしょうか。  以下、天下りの是非について基本的な御認識等をお尋ねします。  私も天下りが許されるかどうかいろいろ規則を読みましたが、なかなかすっきりしない。そこで人事院総裁に、そもそも天下りは許されるものなのか、すなわち原則自由なのか、それとも、原則禁止だが例外的に許されるものなのか、法的なスタンスはどうなのか、改めて簡潔にお尋ねいたします。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 なかなか難しい問題ですけれども、近代法の流れを現在の法制というものはくんでいると思います。近代法の流れのもとにおいては、自由権というのは最大限尊重するというのがその流れだと思います。その流れの中でこの職業選択の自由というものも位置づけられておるわけですから、原則自由かどうかということよりも、むしろ底辺にそういう流れがある。  そういう中で、公務の公正性というものをどのようにして確保していくかというのが非常に大きな課題になっておる。したがって、現在の国家公務員法を読んでいただきますとよくおわかりいただけますように、それが公務の公正な執行というものを確保するために非常に厳しい規制がなされておるというのが現在の法制ではないかというふうに思います。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 ただいま総裁のお答えは、自由権、職業選択の自由は最大限尊重する、そういう歴史的な流れの中で公務の公正性をいかに確保していくか、そういう観点から規制がなされるというお答えでございました。  それでは、続きまして熊代政務次官にお聞きしますが、そもそも民間の企業が官僚の天下りを望み、受け入れる理由とは何でしょうか。簡潔にお答えください。

熊代昭彦自由民主党総務政務次官

○熊代政府委員 私自身は天下りという言葉は余り好きではありませんけれども、官が上で民が下などというのはとんでもない話であります。  それはともかくとして、いわゆる天下りというお話でございまして、民間企業がなぜ受け入れるかというのは、それはいろいろな理由があると思います。積極的な理由としては、恐らく、人材があり、その知識、経験を生かしていきたいというのが積極的な理由でありましょうし、それから、問題があるべき理由としましては、役所のつながりを利用して何かうまいことないんだろうか、こういうふうに思うのはこれはよくないことだと思うのですね。  先ほどのお話にもございましたように、自由権は最大限に尊重しなければならないけれども、しかし公共の福祉から見てそれも制限しなければいかぬだろうということですから、一般の国民に有害な影響を与えるようなことの理由はよくないということでございます。今申し上げましたようにいろいろあると思いますが、大別してその二つがあるのではないかというふうに思います。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 ただいま次官より、積極的な理由、また悪い方での理由等もお聞きしましたが、特に昔でしたら情報網が発達しておりませんので悪い方の理由は表に出てまいりませんでしたが、とにかく民間の方にも、例えば建設省の方が天下りするときには、かつては、今はもうなくなっておると思いますが、課長さんが天下るときにトンネル工事をお土産につけるとか橋をつけるとか、そのような手土産つきで天下りを進めていたという経過もございます。  また、今回摘発されました大蔵省だとか日銀だとかになりますと検査に対する手抜きとか、あと特に今深刻なのは、地方におきまして公共工事が非常に冷え切っております。地方の中小建設業者が役所に名刺を持って営業に行きましても、はっきり言いますと、おたくにはOBがいないからということで冷たくあしらわれる。入札にも入れていただけない。そういうことで、今政治家の事務所にも、なぜ役所のOBを受け入れていなければ入札にも入れてもらえないのか、非常に不公平じゃないか、これから公共工事の前倒しが計画されておるけれども、いずれにしてもOBを受け入れる力のない私たち業者は倒れていくしかないのでしょうかという深刻な陳情を承っております。そういうことがそもそも、国民全体が、今官僚の天下りを禁止しよう、そういうことで求めておる理由ではないかと思っております。  次の質問に移らせていただきますが、ただいま申し上げましたように、民間企業が天下りを受け入れるのは、役所からの何らかの見返りを期待して行うのが普通ではないか、そういう見方もあります。なぜなら、民間企業は営利企業であり、慈善団体ではないからでございます。期待する利益が得られなければ、企業はそもそも天下りを受け入れないはずでございます。以上のことを考えると、大多数の国民が考えているように、公務員の不正につながりやすい天下りはそろそろやめたらというのも正しい選択肢の一つではないかと思っております。  そこで、天下りの背景や、それに対する対策等について以下お聞きします。  特に、天下りの主な原因は、肩たたきによる早期退職制度にあるという声をよくお聞きしますが、今後もこのような制度を続けていくだけの相当な理由があるのか。あるとすれば、それは国益、国民の利益と置きかえても構いませんが、国益という観点から見て納得のいくものなのでしょうか。人事院総裁にお尋ねします。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 早期退職というのが国益があるかどうかという非常に大きな御質問でございますけれども、従来早期退職が行われておったというのは、組織の活性化ということで早期退職というのを行っておったのだと思います。ただ、それは官の側の論理でしょう。したがって、それがそのまま国民の側に受け入れられるということはないと思います。  そこで、早期退職というのをやはり是正していかなければならない、現在それを前提に人事が組み立てられておりますので一気にはまいらないと私は思いますけれども、そういう問題意識を持ってこの早期退職を是正していくという取り組みが必要だろう。そのためには、例えて言いますと、現在、試験種別に年次的、固定的に人事が進められておるというのを直していく、そして公務の組織の中も、少し専門的なあるいはスタッフ的な職というものを考えて、有意義に働いていただくような受け皿も考えていくというふうなことを、これは中央官庁全体として組織的に議論していく、そして早期退職というものを是正していく、そういう取り組みがますなければならないだろうというふうに認識いたします。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 実は、私が五年前に当選しましたころは、正直申しまして、選挙民からは天下りはおかしいじゃないかと言われるのですけれども、私自身、現実の社会だから、天下りがあるということは何らかの必要性があるのかな、そういうぐあいに認識しておりました。  そこで、よく国政報告会等で説明するときに、なぜ肩たたきによる早期退職制度があるか、その理由について私なりに解釈いたしまして、山に例えます。杉とかヒノキを植林して育てていくときに、間引きもする、間伐ですね。また、一本の枝にしても、不必要な枝は切り落とす。組織としては、すくすくと伸びる。御存じのように、枝落としをしませんと、横に横にはみ出していって出世コースから外れた方々が派閥をつくる。そうすると、ピラミッドがきれいにできません。官僚組織の中でいろいろな派閥ができて、それが結果的には行政の混乱、停滞を来し、国民の不利益につながっていく、そういう公の利益のもとで役所が肩たたきをやっていくのかなと思っておりました。  ただ、考えてみますと、先ほど総裁がおっしゃったように、それは官の方の理屈かもしれません。  また、きょう午前中、参考人の方から、局長、事務次官クラスは若い方でなければ務まらない、年輩の方であれば硬直化していって組織がだめになるという理由をお伺いいたしました。しかし、役所の方でこの方はお年を召されて硬直して能力も低下しておると判断した人を民間の方に天下りさせるというのも、民間からすれば非常に不条理な話でございます。そうであるならば、そういうものと引きかえに何らかの御利益が欲しいと思うのは、民間企業としては当たり前ではないかと思っております。非常にそういうぐあいにひずみがあちこちに出てくるわけでございます。  さらに補足してお聞きしますが、この肩たたきというものは、そもそも定年まで勤める権利がある、その労働者としての権利を途中で断念させるわけでございます。そもそも人事院というものは、労働権の上において非常に制約された公務員の権利を守るために存在するものだとお聞きしておりますが、この肩たたきというものが公務員の労働基本権を非常に不当に制約するものと考えて、人事院として何らかの対処をされたことはあるのでしょうか。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 公務員の定年法というものをつくるときに、そういう議論が随分行われました。行われまして、原則的に、組織的、体系的な勧奨退職というものは行わないというふうに、当時内閣委員会で議論されて、おおむねの合意を得たように私は記憶いたしております。  ただ、個別的な勧奨退職というのはそのときに否定されなかったというふうに記憶いたしております。そのときの論理というのは、やはり組織というものの活性化というのですか、組織の若返りというのですか、新陳代謝というものはその組織にとって必要だろうという議論だったというふうに記憶いたしております。そのことと、やはり先生のおっしゃるいわゆる天下り、そのこととは直ちに結びつけて議論されていなかったようでございますから、私が申し上げましたように、今のこういう国会における議論というものを前提に考えますと、できるだけ早期勧奨退職というものを少なくしていく、そして組織の中でその能力を発揮していただくという、そういう人事管理というものを私たちは関係各省に働きかけていく必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 一つの考え方として、定年まで勤めていただく、つまり公務員というものを人生の一つのライフワークとして最後まで全うしていただくための考え方として、六十歳定年まできちんと勤務させること、また年金開始年齢の六十五歳までの特別な再雇用システムもしくは雇用延長システムというものを考えておられるというお話をお聞きしましたが、人事院総裁、また熊代政務次官におかれましては、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 おっしゃいますように、公務の世界で職業生活を完結できるというふうに目標を定めて努力していくということは、私たちの与えられた課題だというふうに思います。  そこで、二〇〇一年から年金支給開始年齢が六十一歳になる、段階的に引き上げられていくということでございますから、公務員の世界においてもそれに対応して雇用年限というものを引き上げていく、そしてそのために国家公務員法を改正して、新しい再任用制度というものをつくっていくということを考えておるわけでございます。  そういうふうな対応をしながら、できるだけ公務員の世界の中で職業生活を全うしていただける制度整備というものもあわせて考えていく必要があると考えております。

熊代昭彦自由民主党総務政務次官

○熊代政府委員 矢上先生、気鋭の若手の議員として本当に広範囲に深く考えられていることに心から敬意を表する次第でございますけれども、私自身は、これはかなり広く物事を考えないといけない。おっしゃるように、六十歳まで、あるいは六十歳再雇用とか、いろいろな方法で六十五歳まで勤められる道も開いていくのもその一つでございましょうし、御承知のように、それも検討しているところですね。  それとともに、やはりいろいろな人生の段階でいろいろな分野に挑戦できる、新しいベンチャー企業を始めてもいいしということもありますので、例えば今五十歳からの勧奨退職は二〇%割り増しになっていますよね、そういう制度も私はあってしかるべきだと思う。これは早くやめろと言っているのじゃなくて、別の分野にベンチャーとして行きたいというような人には、これは利用できるわけですね。そういういろいろな方途というのはいっぱいあって結構だというふうに思っております。  それから、今は情報公開と規制緩和の時代ですね。ですから、役人OBを入れたからといって有利にならない。もし許認可で認められないような場合、理由をつけてはっきりそれを示していただきましょう、そういう時代でありますから、フリー、フェア、グローバルで、単に何かいいことがあるんじゃないかと思って採用することはもう無益な時代にしていくことができると思います。それも含めて、非常に広く、自由に考えたいというふうに思っております。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 お二方より心強い御答弁をいただきましたので、ぜひ期待いたしたいと思っております。  続きまして、仮に百歩譲って、過渡的な措置として、またもしくは公務員の方の退職後の選択肢の一つとして天下りを認めるとした場合どのようなシステムがあり得るのか、これについては公務員制度調査会等においていろいろな意見が出されております。  例えば、各省庁と民間企業との癒着を防止する意味から、役所側の都合で早期退職させられた公務員や定年退職して年金をもらうまでの間に間がある公務員を一括して対象とする人材バンクを創設する、そして必要とする民間企業に派遣する方法もあるという意見も出されております。確かに、各省庁の利害と各民間企業の利害を一回断ち切るということで非常に有効でございますし、さらに、不祥事が起きた場合の責任も明確になるのではないかと思っております。  一回プールしてそこできちんと吟味して、あなたはこの職場がふさわしいのではないですかということをシステムとしてつくり上げることによって、天下り後の管理監督責任体制を充実させることが可能になるわけでございます。今は人事院が、承認するとか、二年間過ぎたらオーケーだとか、事前のチェックはあっても事後のチェックがございません。ある意味では、この人材バンク制度というのは、事後のチェック、管理監督責任体制を確立するという意味で、もしかすると、絵そらごとではなくて、きちんとしたシステムにでき上がるのではないかなという気がいたしております。その点について、熊代政務次官、どのようにお考えでしょうか。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、公務員制度調査会におきまして、既にいろいろ御議論を一部いただいております。また、退職あるいは再就職のあり方全般につきましては、これはまさに公務員のライフサイクルをどう考えるかという問題でもございますので、公務員制度調査会の中にことし三月、新しくこの問題を専門的に検討するグループを設置していただきまして、現在鋭意御審議をいただいております。  なお、昨年十一月に、行革関連のテーマについて、とりあえず取り急ぎ意見をおまとめいただきまして、公務員制度調査会の意見として公表いたしましたが、その中で、退職公務員の能力、経験、適性や民間企業等の要望等に応じた再就職あっせん等を円滑に行うことができるよう、人材情報のデータベースを活用した人材バンク等を整備していくことも一つの方策であるというふうに指摘をされております。  このもととなる人材情報のデータベース自身、これから私どもとしていろいろ検討していこうということなので、直ちにこういうシステムをつくり上げるということになりますとなかなか検討すべき問題も多いと思いますけれども、そういう御指摘も踏まえまして事務的に十分検討をしていきたいと思いますし、さらには、公務員制度調査会の中でもう少し具体的な議論も進めていただきたいというふうに思っておるところでございます。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 私が述べました人材バンクシステムについてもこれから精力的に検討をしていただくことを要望いたします。  時間の都合で次の質問に参りますが、仮に過渡的な措置として天下りが続いた場合に、そこでもやはり国民の批判として一番強いのは、特殊法人等における民間の常識では考えられないような多額の退職金をもらうケースであります。  例えば、ここにある資料でいいますと、外務省の国際協力事業団総裁、これは平成九年の資料でございますが、給与が、月給百五十三万円、年収が三千万です。四年間在職しますと、一億二千万、退職金が約二千六百万。ちょうど四年間で一億四千六百万の所得が手に入る、こういうぐあいに、その方にしてみればキャリアに応じた給料かもしれませんが、民間の方からすると、ちょっと多過ぎるかなと。これが仮に四年ではなくて八年勤めれば、さらに倍になるわけでございますから、国民からすると何か青天井のような気がするわけでございます。  私としましては、そもそも天下りが認められる理由が、本当は六十歳まで、定年までいたかったのに個別に肩たたきに遭ってやめさせられた、早くやめさせられたから、五十二歳でやめさせられたから、家のローンはどうする、子供の学費はどうする、きちんと補償してくださいよということで、認められているわけでございます。しかし、この数字を見ますと、六十歳まで頑張って公務員をやるよりも、天下りした方が、まあ国民に対しても政治家に対しても気を使わなくて済みますし、また、役所にいるときよりも、転々と渡っていけば経済的に豊かになるわけでございますから、これは肩たたきがあるから天下りがあるのじゃなくて、天下りがおいし過ぎるから肩たたきが残った、逆転すればこういう理屈も成り立つわけでございます。この点について大蔵省は今後どのような対処をなされていくおつもりか、お答えいただければと思っております。

寺澤辰麿大蔵省主計局次長

○寺澤政府委員 お答えいたします。  特殊法人等は、国から独立した機関でありますが、その業務、事業の性格は極めて公共性が高いということで、設立根拠法におきまして、その給与、退職手当の支給基準の設定、変更につきましては、主務大臣の承認を受けるということになっております。その中でも、政府出資を受ける等の国との財政のかかわりの深い法人、特殊法人等百七十二法人ございますが、そのうち七十六法人につきましては、大蔵大臣が国庫大臣として協議を受けるという仕組みになっているものでございます。  今先生退職金のことについて御質問でございましたから、退職金について申し上げますと、昭和五十二年十二月の閣議決定に従いまして、特殊法人の役員の退職金については統一的な方式で算出するということになっておりますので、この方式に適合して主務大臣がその基準を定められている場合には、私どもはその異存がない旨の協議に応じているわけでございます。  なお、その高いかどうかということにつきましてはいろいろ見方があろうかと思いますけれども、特殊法人の退職金につきましては、人事院に依頼して、民間企業の役員の退職金実態調査の結果を検討の上、適正な措置を講ずるという閣議決定がございまして、人事院は、おおむね二年に一度調査を行っております。私どもも、この調査結果を参考にしながら協議を行っているわけでございますけれども、毎年その閣議決定されました基準が、民間の基準と比べて著しく不当であるというふうには考えておりません。  いずれにいたしましても、民間の動向については注視してまいりたいと考えております。

矢上雅義自由民主党

○矢上委員 高いか安いかという理屈は人によって違います、人によって靴買おうとしてもそれが高いか安いか分かれるように。  私が言いたいのは、六十歳定年まで勤められなかったかわりの補償措置であり、代替措置であるわけでございますから、その方が、例えば大蔵省の主計にいて、六十歳まで勤めればこれだけ退職金がもらえたという得べかりし利益というか、やめることによって利益を逸したわけでございますから、逸失利益と申しますか、きちんと上限は算定できるかもしれません、これは一つの考え方ですから。まあ〇・三六掛けるのも〇・四五掛けるのも、人間がつくった基準でございます。  私は、そこに二年勤めろとか四年勤めろとか、いや勤めちゃいけないとか言いませんけれども、果たして何がふさわしいものかという新たな上限基準というものは、やはり国民が納得するような立場で規定していくべきではないかと思っております。  あと三分でございますので、残り、質問をする予定でございましたが、ちょっと簡単に要望として読み上げさせていただきます。  次に、公務員倫理に関して、いわゆる接待の問題でございますが、特に汚職の原因となりやすい民間企業からの接待について、その必要性とかいろいろ言われております。一般的に、接待をする側は、仕事の上でお世話になったからお礼をしようとか、今後仕事の上でお世話になることもあるから御縁をつくっておこうという思惑もございます。建前論で言うならば、誘われた役人の方が自分ではっきりと断ればいいじゃないかと一言で済まされる問題でもございますが、しかし、誘う方もプロでございますので、役所の上司、大学の同窓生、また知り合いの政治家など、断りにくい相手を間に入れてくることが普通でございます。誘われた官僚は、義理人情の問題、将来の出世のことを考えれば、むげには断れません。誘いを断り切れなかった官僚にだけすべての責任を押しつけるのは不公平ではないかと思っております。やはり、一カ所にしわ寄せをするだけでなく、許される接待、また許されない接待とは何か、その辺のグレーゾーンをはっきりしていただきませんと、私どもも安心してお役人さんと御飯を食べることができないような状況になってきております。ぜひよろしくお願いいたします。  また、さらに、接待の効用について、お役人さん方は、民間の情報を仕入れることによってその情報を行政に生かす、行政に生かすことが国民の利益なんだとよく主張されておりますが、そのように官民交流が非常に有効だとするならば、アメリカのように思い切って上級官僚の政治的任命制を導入したらどうかと考えております。  例えば、キャリア組の局長、事務次官等は、法律の執行という行政面だけでなく、現実には立法過程における政策形成にも深く関与しております。議院内閣制のもとでは、局長以上の高級官僚は単に一般の官僚としては片づけられず、実質的に政治家としての機能を有していると考えるのが当然ではないかと思っております。そうであるとするならば、日本におきましても、実態に即して官庁の局長クラス以上は、全員とは言いませんが、民間の各界各層からの人材登用があってもおかしくはないと思います。その時代その時代の総理大臣が民間人から登用する、そうした方が、変化の速い現代におきましては国民のニーズにこたえる迅速な行政サービスが可能となるかもしれません。  また、公務員にとっても、純粋な専門職として定年まで勤める道を選ぶのか、他方、役所をやめて政治家や実業家の道を選ぶ方がいいのか、選択肢を与えることにもなります。終身雇用制が崩れつつある民間企業のことを考えれば、公務員の世界においてもこのくらいの変革が将来的には考えられてもいいのではないかと思っております。  簡単でございますが、時間となりましたので質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 これをもちまして矢上雅義君の質疑は終わりました。  続きまして、西田猛君。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 西田猛でございます。  公務員制度と国民、民間経済のあり方、ひいては行政権と立法権、あるいは国家の統治機構全般にわたるような問題につきまして御質問をさせていただきたいと思っております。  きょうは、午前中に三人の参考人の方から非常に示唆に富んだお話を伺うこともできました。その中でございましたように、今、我々の目の前に繰り広げられている公務員あるいは公務員制度に係る問題全体の問題の本質は、国家運営に携わる公務員としての覚悟、それから意識の欠如の問題ではないかということが言われていると思います。果たして、これだけグローバル化して、そしてまた高度に情報化してきた日本の社会において、従来どおりの公務員制度がそのままで存続し得るのか、あるいはまた存続せしめることが必要なのかどうかという論点も必要だと思われます。  そこで、ます冒頭お伺いしたいのは、自来、いろいろと議論があると思います、公務員に民間の方になってもらう。これは、採用するとかそういうことじゃなくして、いわば官民挙げての双方向性の人事交流、というよりも、もう日本全体が労働市場が流動化してくるのでございますから、今も委員からお話がありましたが、アメリカ並みのポリティカルアポインディー、猟官制を導入するか否かということも含めて、今でき得る限りの官民双方向性の人事交流を促進する方策についてお伺いしたいのですが、ます、いかがでしょうか。

熊代昭彦自由民主党総務政務次官

○熊代政府委員 官民の交流につきましては、先生御指摘のように非常に重要なことでございます。  公共的課題に公正にかつ高い客観性を持って、あるいは専門性を持って取り組むことができる、そういう機能を強化するという観点で進めていかなければならないということでございまして、昨年、人事院の意見の申し出もありまして、それを受けまして、またさらに、行政改革会議ですかの最終報告でもございました。公務部内、部外の人事交流について今後検討をして、前向きに対処したいというふうに考えておるところでございますけれども、御承知のように、官民癒着の問題とか、いろいろマイナスの問題もございます。そういうマイナスを排除して、そしてプラス面を非常に強化する、そういう方向で検討し、実現していきたいと考えておるところでございます。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕

西田猛自由党

○西田(猛)委員 おっしゃるとおりでありまして、官民の人事交流、あるいは民官と申しますか、その人事交流があれば、情報の漏せつ等の問題も出てくるだろうという話は、自来、当然出てくるわけであります。それらのことも全部含めて、これはもう抜本的に見直していかなければいけない問題だと思うのですね。  と申しますのは、きょうも大蔵省の皆様にもおいでいただいているわけですが、国権の最高機関であるところの国会が、例えばある銀行の検査の報告書あるいはそれに対する示達書、そしてそれに対する銀行からの示達回答書を見せてほしいと言っても、なかなか原本がそのままで開示されないという状況がある。  他方、MOF担ですね、どうやら優秀なMOF担という限りは、そんな、ほかの銀行さんに対する検査報告書ぐらい入手できなくてMOF担とは言えないよというふうな人たちもいるやに聞いているわけですね。そういう報告書が、実はそのマーケットができているという話まであるわけです。それを欲しいのだけれどもと言ったら、それじゃ手に入れてやるよというふうなブローカーまでいるという話も聞いております。一体どこに情報開示をするべきであって、どこで情報を秘匿するべきであって、全く話が逆になってきている状況もあります。  これはもう重々、役所を御経験された熊代政務次官も痛いほどよくおわかりのことだと思いますし、我々も皆、痛感しているところでございます。  これらの問題点も含めましてお伺いしたいのは、私も長年公務に従事しておりましたが、その中で感じましたのは、自分たちは、もうすぐ四月一日が参りますが、四月一日に役所に採用されたときには、日本国の公務員として、あるいは国民のために役に立ちたいなという志を持って入ったのですけれども、だんだんだんだん時を経るにつれて、ます自分の役所のことを考えるという習性がどうも身についてまいります。それは、やはりいい面もありますし、悪い面もあったなと、自分の反省も含めて思うのでございますが、そういう風潮を生んでくるのは、これはもうひとえにかかって、各省ごとに採用しているというところだというのは、これはこの場にいらっしゃる皆さん、あるいは公務に従事された方はひとしく認識しているところだと思うのです。  この個別採用というのは実に大きな問題でございまして、採用も各省庁ごとでありますけれども、実は、ほぼ人生七十年間において、七十歳まで面倒を見るというのも、これも各省ごとに行われています。これはもうそのようなことであります。その中から生じてくるいろいろな問題が今露呈してきたなというところがあるのだと思います。  それとまた、日本国全体としての国民的な、あるいは国全体としての力を醸し出していくために、ます各省ごとの権限の争いあるいは調整を図っていかなければならないというふうなことも出てきますし、いわゆる各省のセクショナリズムというものがございます。それをこれから極力排して、本当に日本の国民経済あるいは国のためになるような公務体制をしいていかなければならないのだと思うのです。  そのための唯一かつ最大の方策は、自分もそんな中で育ってきたのでなかなか言いにくいことではございますけれども、一括採用というのは、これは最も有効でかつ唯一の方法ではないかというふうに思うのです。いろいろ技術的な問題はあると思います。人事管理がしにくい、配置転換をどうするのか、あるいは個々人の人生のキャリアマップをどのように描いていってあげたらいいのかというふうな問題点はあると思いますけれども、国家公務員全体として一括採用する。そして、午前中の参考人の方の御意見にもございました公務員の退職後の再就職等の支援については、総務庁だとか、あるいは今度できる総務省とかあるいは内閣官房とかというところではなくて、むしろ求職情報等の集まっている労働省あるいは雇用福祉省のようなところで、再就職支援を政府全体として行っていくような方策がとられるのが適当なのではないかというふうに私は思うのであります。  そのような方向性は、平成九年十二月三日、行政改革会議の最終報告の中の「公務員制度の改革」というところにもうたわれております。一括管理を行う、それから「一括採用については、一括管理システムの検討状況をも踏まえ、引き続き検討」ということですが、これではスピードが遅過ぎます。ぜひ早急に一括採用を行って、公正、透明な、全体的な人事管理を行っていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

熊代昭彦自由民主党総務政務次官

○熊代政府委員 西田先生が、長い、そんなに長いとは思いませんが、公務員としての経験を踏まえての御質問でございます。大変重く受けとめました。  我が本籍地は大蔵省である、我が本籍地は厚生省である、自治省であるとか、そういう意識がセクショナリズムを生むのじゃないだろうか。我が本籍地は国である、たまたま大蔵省に行っているにすぎない、そういうような、一括採用でありかつ一括管理という、非常に優秀な公務員が国としての意識で働くというのは非常にいいのじゃないかという意見でございます。私も、一人の衆議院議員としては大変それに魅力を感じまして、たとえ失敗しても今すぐにやってみたらどうだろうというような気もいたしますけれども、人事局を抱えた総務庁の政務次官としては、もう少し慎重に検討しなければいけないということでございます。  イギリスでかつて採用しまして、相当にやったのですけれども、イギリスの場合は失敗であったというふうに伺っております。しかし、その失敗の経験も踏まえまして、御指摘のように、行政改革会議の検討せよという御指示もございますので、利害得失、しっかりと検討して、いい結果に到達したいと考えておるところでございます。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 全体的なお答えをいただきましたので、個々の問題点に突っ込んで、ではどこに困難性があって、その困難性を克服するためにはどうしたらいいのか、あるいは、今政務次官がみずから出された英国の例についても詳しくお聞きしたいのですが、これはぜひ資料で、事務当局からで結構ですので、英国の例はどうだったのか、そして今、日本において一括採用、一括管理が困難だと思われる理由、それについての方策等を後ほど詳しくお知らせ願いたいと思います。  次に移りたいと思います。  それともう一つ、やはり午前中の参考人のお話の中から出ておりましたのは、公務員あるいは公務員としての自覚と職務に対するみずからの気持ちの持ち方の問題があるということがございました。ある参考人は、公務員に対して、職務に対する認識と誇りと申しますか、そういうものを持ってもらうことが、この公務員の腐敗等を含めた問題を解決していく一番の問題だというふうなことをおっしゃいました。他方、もう一人の参考人は、公務員が余りにも強い使命意識、使命感を持つことがいろいろな問題点の根源なんだということもおっしゃっておられました。私は、両方とも当たっているなというふうに思った次第でございます。  ただ、ここで忘れてはならないのは、これもまた、私も自分の命までのことを振り返って身につまされるところがあるのですけれども、国家公務員は国民とは何ら代表関係がないということなんですね。法的にも、あるいは擬制、フィクションとしても国民との代表関係がない、緊張関係がないということであります。それは、唯一、かかって国民の直接の選挙で選ばれた国会議員であるわけであります。あるいは、地方公共団体においては地方議員であり、地方首長であるわけです。ですから、そこのところを踏まえて、これからの公務制度というものは認識していかなければならないのだと思います。  それとともに、戦前の高等文官試験及び高等文官制度ならば別でございましょうけれども、今施行されている国家公務員試験、それから今度は国家公務員試験に統合されるようですけれども外務公務員試験も、これは資格試験ではなくて採用試験なんだということなんですね。ですから、世上よくキャリアとかそうじゃないとか、こう言われておりますけれども、そういう資格はありません。ただ、それは厳然と、戦前から今に至るまで日本の公務員制度の伝統あるいは慣習として残ってきたものなのであって、そこにいろいろな問題が堆積してきたというふうに考えていくこともできるのだと思います。  したがって、国家公務員Ⅰ種試験を通ったから、外務上級職試験を通ったからといって、何でもないわけであります。これはその省に採用されるための採用試験なのであって、普通に民間の企業に採用されることと同じなんだ、自分たちはお客様を国民として公務サービスを提供する人間なんだという意識をます持つことが、今後の公務員のみずからの自覚及びほかの方から尊敬してもらえるための第一条件ではないのかなと、私自身も自分の反省も含めて思うわけであります。  したがって、ここにさらに出てくるのは、やはり立法権と行政権の調整の問題でありまして、これもある参考人が言っておられました。今現実に政府提出の法律案がほとんどだ、しかもこれは、もう本当に与党の皆さんにはある意味で深く考えていただきたいのですけれども、政府が提出してきた法律をそのままの形で、政府が提出してきた予算をそのままの形で国会を通過させることが与党の得点になるんだ、ちょっとでも修正、ちょっとでも変更させられたらもうその与党は大変な汚名を着てしまうというふうなことは全くないわけでありまして、国会における審議を実質化させていかなければならないと思っています。  そのような観点からすると、私は、まずもって今の時点では、役所から今あるような権限を少なくしていくこと、今持っているような権限を少なくしていくことが日本の公務員制度あるいは国家経済のためには必要なんだと思います。すなわち規制緩和であります。そして、日本の経済活動に対する行政権の行使は、市場を整備して、その市場に適用される公正透明なルールを制定して、そしてそのルールが厳格に遵守されるための監視活動を行う、それと独占禁止政策に重きを置く、こういうマーケットをつくり、ルールをつくり、それがちゃんと守られているかどうかを見るという行動に特化していくべきだと思います。  今のように、いろいろな教育を受けた、あるいは立派な大学を出た人たちが、やれ五百万、一億、百億円の補助金を、あるいは予算をどこへどう配分しようかということに頭を絞り切るということじゃなく、日本の危機的な状況のときに、日本の一億二千五百万の国民、国をどのように守るのかというもっと大きな立場で考えるべきことがたくさんあるのではないかというふうに思っています。  したがって、これはまた政治家としての熊代政務次官にお答え願えればと思うのですが、私は、そのように今の役所は違った視点の仕事を考えていくべきだ、違った行政機能を持っていくべきであって、もう国民経済でできることはどんどん国民経済にゆだねていく、そういう方向にこれからの二十一世紀の日本は行かなければならないのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。

熊代昭彦自由民主党総務政務次官

○熊代政府委員 基本的に御指摘の方向だと思います。  我が国の経済全体につきまして、自己責任原則に立ちまして市場原理を採用しまして、自由で公正でなければいかぬということでございます。かつ、オープンであります。  そういうことでございまして、規制緩和も今積極的にやっております。御承知のように、本年度内を目途に三カ年の新しい規制緩和の計画を立てておりまして、事後チェック型の行政にしたい、事前チェックじゃなくて事後チェック型ですね。私も毎週三時間半ぐらいその規制緩和の委員会に出ておりまして、激しい検討の模様を一緒に見、あるいはそれにみずから参画をいたしましたけれども、本当に激しい時代の変わり目だなという感触を持っております。  フリー、フェアでグローバルな、そういうものでいける、日本は本当にこれから大きく変わってくると思います。政府及び自由民主党もオープンな政治をということでやっておりますので、御指摘の方向に大きく前進していくというふうに考えております。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 それに関連いたしまして、先ほど私ちょっと頭出しをさせていただいたのですけれども、国権の最高機関である国会が行政権を持つ政府に対して、予算あるいは法律案の審議に必要だからこの資料を出してくれないかと言ったときに出せない資料があるというのは私はどうしてもわからないわけなんです。  その内容が秘密にかかわることだとか、あるいはこの情報が一般に広まってしまったら困るというふうな理由がよくあると思います。しかし、その情報がどのように守られるべきであるか、そしてその情報がどのように扱われるかというようなことは、これは国政調査権を発動してそれを要求する国会が国民の代表として決めればよいことなのであって、資料を出すときに、ここは塗りつぶします、ここは塗りつぶします、これならいいですから見てください、こんな失礼な話はないと思うのですね。  国会が要求している資料について、行政権が出せないものがあるというのは一体どういうことなんでしょうか。

秋山收内閣法制局第一部長

○秋山政府委員 国会の国政調査権とそれから内閣の行政権、あるいはそれに由来いたします情報の秘密を守る義務の関係でございまして、ちょっと法律論として私の方から御説明いたしたいと思います。  この問題につきましては、昭和四十九年に、当時の三木国務大臣が国会で統一的な考えをおっしゃっておられます。  それを要約して申し上げますと、まず第一に、いわゆる国政調査権が国政の全般にわたってその適正な行使が保障されなければならないことは当然でございますが、一方、行政の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には国家公務員法上、守秘義務が課せられているわけでございます。  第二に、したがいまして、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間におきまして調整を必要とする状況が生ずるわけでございますが、これは守秘義務によって守られるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較考量することによって決定されるべきものであるというふうに考えております。  第三に、ただ、昭和四十九年の政府統一見解にもございますとおり、個々の事案につきまして国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避けられないところでございましょうが、政府といたしましては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えるというのが統一見解でございます。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 御丁寧な答弁をありがとうございました。  部長、それはそういう見解があったと思うのですよ。今おっしゃったように、昭和四十九年ですよ、昭和四十九年。もう二十五年、それこそ四半世紀前ですよね。今や、情報公開法もつくろう、それから行政権と立法権のあり方、公務員制度全体のあり方について議論されているときですから、見解を大切にされるのでしたら、では今度は新しい見解をつくってください。それをぜひ要望しておきたいと思いますよ。  それから、今おっしゃった内容の中には、国会でもっともっと時間をとって詰めて審議しなければいけない問題がたくさんありますよ。守秘義務がある、憲法で定められた国政調査権に対する守秘義務とは一体何ですか、そこに対してまで守らなければいけない法益というのは一体何ですかと、いろいろな議論が出てくるわけです。  残念ながら時間がなくて、ちょっともう一つおもしろい話をしたいからそっちへ行きますけれども、ぜひ今度新しい見解を用意してもらうように私たちは要求していきたいし、そういう場面が必ず出てくると思います。じっくりと御検討しておいていただきたいと思います。  それと同じような問題です。  というのは、国会における法案審議というものが一体どの程度真剣に行われているのか、行政府である政府が、各省がどの程度真剣に応じてくれているのかということを今考えてみたいと思うのです。  これは、さきの大蔵委員会あるいは本会議でも問題になりましたけれども、先般、三月のいつでしたか、任命された日本銀行の新しい総裁と副総裁の任命にかかわる問題点であります。これはもういろいろ新聞でも問題になりましたので御存じの方も多いと思いますが、新しい日本銀行法、これは四月一日から施行されることになっているのですけれども、新法においてはその第二十三条で、日本銀行の「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」こうなっています。それで、この法律は四月一日から施行されます。  ところが、その法律の附則第一条で、「この法律は、平成十年四月一日から施行する。ただし、」若干略しますけれども、両議院の同意を得ることに係る部分に限っては「公布の日から施行する。」こう書いてあるわけですね。  それで、ますお聞きしたいのですが、公布の日から施行された法律はいつから有効ですか。

中井省大蔵大臣官房審議官

○中井政府委員 お答えをいたします。  公布の日から施行された法律、この場合は一部分が施行されておりますので、その部分についてだけ公布の日から有効であるということでございます。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 ありがとうございました。  そこで、配付させていただきました資料をごらんいただきたいのですけれども、手書きの部分も入っていて見にくくて恐縮ですが、ここにちょっと書いてみました。  時系列が右から左へ流れます。九七年六月十八日に新日本銀行法が公布されました。そして、今はまだ三月二十五日ですが、九八年四月一日に新日本銀行法が施行されます。  そして、そのタイムバーの下の箱、ここは任命について書いてあるのですが、白いところ、「総裁及副総裁ハ内閣二於テ之ヲ命ズ」この部分は四月一日まで続きます。これは旧法というか、現日本銀行法ですね。それで、四月一日以降はこの斜線をかけてあるところでして、新法で「総裁及び副総裁は、」中略しますが、「内閣が任命する」こうなるのですね。  ところが、今中井審議官がお答えになられました、公布の日から施行されているその一部分はどう書いてあるかというと、「両議院の同意を得て」こう書いてあるわけですね。ということは、その「両議院の同意を得て」というのは、九七年六月十八日の日本銀行法が施行されたそのときから有効になっていると考えるのがリーガルマインドだと思うのですよ。これがリーガルマインド、法律的な考え方だと思うのです。いかに理由をつけておためごかそうが、その一部分は生きているわけですね、今。なぜ両議院の同意を得ずに任命してしまったのですか。

中井省大蔵大臣官房審議官

○中井政府委員 法律上の解釈の問題について、ちょっと複雑でございますので御説明させていただきますけれども、先ほど御紹介のありました新しい法律の附則第一条ただし書きにおきまして、二十三条第一項の規定の一部分を前倒しで施行する、一部分といいますのは限定つきで、「両議院の同意を得ることに係る部分に限る。」ということになっております。  この規定の前提は、四月一日以降新しい法律が施行された際に任命行為が行われるという場合において、四月一日以降遅滞なく審議委員等を任命する必要がある場合に備えまして、その事前行為としての両議院の同意を新法の施行前、すなわち三月三十一日までの間に行えるように措置したものでございます。  したがいまして、任命行為自体は、現在任命行為をしますと、旧法、現在の法律が十分として有効でございまして、それについては、総裁、副総裁については両院の合意ということがなしに内閣の任命行為になっているということでございます。したがいまして、現在の法律に基づいて、総裁、副総裁の任命の手続をとったということと理解しております。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 今、最後におっしゃったように、と理解されるというのは結構なのです。大蔵省が、あるいは銀行局の審議官がそう理解されるのは結構なのですが、法律をつくるのは、午前中の参考人もおっしゃっていました、ローメーカーは国会なのですね。立法者は我々です。法律には立法者意思というものがあります。それを考えていただきたいわけです。ですから、第一義的に、法律がこうだと解釈する権限は国会にあると私は思います。内閣法制局ではない。だから、その国会が考えた解釈に従ってじゅんじゅんと執行していただくのが行政権だ、これが普通の考え方だと思うのですね。ですから私は、この場でこの問題を取り上げたわけです。  そこで、例一、二、三というのが挙げてあるのですが、今まさに審議官が言われたように、この施行日以後に新しい任命をするときには、同意しましょう、これは結構です。二番目の例が、今審議官の言われたことなのですね。新法施行後に任命します、だけれども事前に同意をとっておきたいから四月一日までに同意を得ていいですよ、それも結構です。それもここで読めるでしょう。問題になるのは例三ですね。四月一日の前に任命する、そのときですね。今回の場合はまさにそのケースだったわけです。  では、旧法では国会の同意を必要としていなかったのに、なぜ今回、新法では総裁、副総裁の任命に国会の、両議院の同意を必要とすることとしたのですか。時間がないですから簡単に答えてください。

中井省大蔵大臣官房審議官

○中井政府委員 法律上の大変細かい理屈を申し上げて恐縮でございますが、例えば、ほかの条文におきましても、新法の附則第二条におきまして、現存する日銀が新法の規定に基づく日銀として同一性をもって存続することをわざわざ規定しております。ということは、新法と現行法における日本銀行は完全に別のものであることを前提としている法律であるということが一点ございます。  それからなお、同じく新法の附則第七条第二項におきましても、現行法に基づき任命され現に総裁である者が存在することを前提に、その者が施行日に新法の規定により総裁として任命されたものとみなされることの規定がございます。  したがいまして、先生のこの絵から申し上げますと、まさに四月一日以後と以前におきまして、旧法の適用と新法の適用が全く載然と分かれている、そういう解釈に立っているものでございます。

西田猛自由党

○西田(猛)委員 今おっしゃったようなことであれば、私は、優秀なる内閣法制局あるいは大蔵省であれば、法律はこういうふうに書くと思うのですよ。一番最後に立法例を挙げておきましたよ。     附則   (役員の任命に係る経過措置)  第○条内閣は、この法律の施行に伴い必要となる役員の任命に係る両議院の同意は、附則第一条の規定に拘わらず、施行日前においても、これを得ることが出来る。 とはっきり書けばいいではないですか。これは法律の欠陥もしくは、それはそちらの解釈だと思いますよ。  だから、私が聞いたのは、なぜ今回同意を必要とすることとしたか。それは、日銀という独立性のある、しかし国民の監視をきつくしていかなければいけない組織なのだから、国民の代表である国会の同意を必要としたのです。まさに四月一日直前に任命した人ですから、これについては同意をしておくのが、これは法の趣旨というものですよ。これが立法者意思だと思いましたということを私は指摘して、ちょうど時間が来ましたので、この問題はさらにいろいろな場で取り上げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  どうもありがとうございました。終わります。

佐藤静雄自由民主党自治政務次官

○佐藤(静)委員長代理 次に、佐々木憲昭君。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。  平成の目安箱ということで、いろいろな要望、苦情などが寄せられておりますけれども、大蔵省に対する批判というのがかなり強く、数も多く出ているようであります。例えば、最近の大蔵省官僚の乱脈ぶりは少ない労働賃金の中から税金を納めているのがばからしくなります、こういう投書ですとか、大蔵省絡みの汚職の数々、天下りはやめるべきです、このように寄せられているわけであります。天下りについての批判がかなり高まっているということがこの投書によってもわかるわけでありますが、きょう私は、出向問題についてお聞きをしたいと思います。  国から特殊法人に出向をするという事例がいろいろ見られるわけでありますが、これは大蔵省だけではなくて、建設省、運輸省、厚生省など、多くの省庁で頻繁に行われております。各省庁は人手不足というようなことを時々言われますけれども、なぜそういう状況でありながら出向ということが必要なのか、私は疑問に思うわけであります。  そこで、大蔵省にお聞きをしたいのですが、なぜ特殊法人への出向が行われるのか、その理由について説明をしていただきたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 特殊法人への出向がなぜ必要なのかというお尋ねでございますけれども、職員を他の組織に出向させるということが、その経験を通じまして、人材の育成でありますとか相互理解の促進でありますとか組織の活性化といったような面で極めて大きな意義がある、一つの人事交流ということでございますので、そういう意味で意義があるというふうに考えるわけでございます。  特殊法人への出向につきましても、やはりこのような観点に立ちまして、特殊法人といいますと、国の機関と民間との中間的な位置づけということでございますので、そこにおきます柔軟な発想なり業務運営というものを経験することによりまして、職員の資質の向上あるいは復帰後の公務の何らかの向上に資するものという観点から行われるものというふうに理解をいたしております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 それでは具体的にお伺いしますけれども、大蔵省が単独で所管をしている特殊法人は、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の三つだと思いますけれども、この三つの特殊法人に大蔵省から現在出向している職員は何人おられますか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 ます、国民金融公庫につきましては二名でございます。それから開発銀行につきましては四名、それから輸出入銀行につきましては八名ということでございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 それでは、その出向をしている職員の給与はだれが払っていますか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 それぞれ出向先の特殊法人が支払っております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 退職した形で出向をする、これを退職出向というのだそうでありますけれども、したがって、給与は当然その特殊法人が支払う、こういうことになるわけですね。  総務庁にお伺いしますけれども、総理府が昭和五十八年十二月二十三日に出した人事局長通知があります。ここには、公庫等の特殊法人に退職出向させた後、さらにそこから別の法人へ再出向させるという人事運用は厳に慎むこととされたいと書かれていると思いますけれども、この通達のねらいはどこにあるのでしょうか。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 国家公務員退職手当法は、職員を公務に密接に関連する公庫等に退職出向させる場合に、例外的にその出向期間も退職手当の算定の基礎となる期間に通算することとしております。公庫等に退職出向した者が公庫等以外の法人に休職等により再出向する場合にも、公庫との間に雇用関係が継続している限りは、形式的には、この特例措置により、再出向期間が退職手当の算定基礎に通算され得るということになります。  しかしながら、退職出向先の公庫等の業務上の必要性から、その業務の一環としてほかの法人で勤務することが一切排除されるということではないにいたしましても、退職出向先を公務と密接に関連する業務を行う公庫などに限定しております趣旨からいたしまして、この制度においては、ほかの法人に再出向することを前提にして公庫等に退職出向させるというような形は想定しておらないということが言えようかと思います。  こういった点を明確にするために、昭和五十八年の人事局長通知によりまして、各省庁に対し、公庫等に出向させた職員をさらに公庫等以外の法人等へ休職またはこれに類する措置により再出向させるという人事運用を厳に慎むよう求めたものでございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 再出向をさせるということは好ましくない、それは厳に慎むべきだというのがこの通達の趣旨であります。  そこでお聞きしたいわけですけれども、大蔵省から所管の特殊法人へ出向した職員のうち、現在公益法人等に派遣されているのは何人でしょうか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 大蔵省の場合には、日本開発銀行から四名、それから日本輸出入銀行から一名、合計五名ということでございます。  なお、日本輸出入銀行につきましては、同行の海外投資研究所主任研究員という形で、海外で六名の者がおりますけれども、この者は輸銀から派遣されているわけでございますけれども、公益法人の海外拠点を活動のベースにしておるという事情がございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 今の数字で言いますと、合わせて十一名。海外長期出張の六名を入れますとそういう数になるわけでございます。  これは、公益法人に派遣された職員というものの仕事の内容からいいまして、特殊法人の仕事の継続として行っているのではなくて、特殊法人から、さらに事実上の再出向として公益法人に行っている、この数が合計十一人だというふうに私は思うわけであります。  そこで、具体的にお聞きをしたいわけですけれども、公益法人に派遣された職員は、特殊法人の仕事をやっているのか、それとも公益法人の仕事をやっているのでしょうか。例えば開発銀行の場合、どのようになっていますか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 特殊法人に出向いたしました職員が、その特殊法人の自分自身の業務の必要性という観点から、その法人の業務の一環といたしまして、その法人に身分を置いたまま外部の公益法人に派遣されているということでございます。  したがいまして、ます。その特殊法人の自己の業務の必要性ということから行っておるわけでございますけれども、仕事の中身がそういう意味では、もちろん公益法人の仕事をやるわけでございますが、それは、それぞれその特殊法人として非常に関連が深い、特殊法人としても重要な仕事の一環という形で行われているというふうに理解をいたしております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 特殊法人の必要性ということを言われましたが、実際にやっている仕事は、公益法人の仕事をやる、公益法人の仕事であるというのが今の答弁でありました。  結局、特殊法人に出向をしても、特殊法人の仕事を現実にはやらずに、公益法人に行って公益法人の仕事をしているということなんです。これはまさに再出向に当たるわけであります。  例えば、公益法人の中に金融情報システムセンターというのがあります。その総務部長ですね。これは、兼務の場合もそうでない場合もいろいろありますけれども、特殊法人に籍はあっても特殊法人には出勤はしていないわけです。公益法人に出勤をし、公益法人の仕事をしているわけであります。これはだれが見ても出向なんです。特殊法人から見れば、通達に当てはめてみますと、「休職又はこれに類する」ということに当然該当するわけですね。特殊法人には仕事に来ていないわけですから、日常は。そういう点からいいますと、まさにこれはこの通達に抵触する疑いがある。  しかも、重大なのは、私が調べたところによりますと、特殊法人に採用されてから再出向までの期間が極めて短い。  これは、皆さんにお配りした資料をぜひ見ていただきたいわけでありますけれども、大体、特殊法人に出向をして、特殊法人に採用される、それから再出向、つまり公益法人の仕事を行う、そのように仕事が与えられるわけであります。再出向が命ぜられるわけですね。その日付が一番右側に書いてあります。採用の年月日と再出向の年月日、極めて接近しているわけです。一番長いのでも大体一カ月程度であります。そして、公益法人に出向してから延々と、二年、三年、そちらで仕事をする。これは明らかに特殊法人がトンネル機関として使われている、そういうものであります。  例えば、もっとひどいのは、採用したその日のうちに海外へ長期出張を命ぜられる。輸銀の場合はそれに当てはまるわけであります。まさにトンネル機関そのものでありまして、しかも、公益法人の仕事はするけれども、給与は公益法人から受け取らない、受け取っていない。つまり、特殊法人から給与を受け取っている。  こうなりますと、派遣されて再出向、再派遣で、そして公益法人で二、三年過ごして、それで大蔵省に戻る、こういう形になるわけでありまして、まさに公益法人に行くために特殊法人を利用する、これがこの一覧表を見るだけでも極めて明確なわけであります。  それで、ちょっとお聞きしたいわけですけれども、帰る場合ですね。出向してから帰ってくる場合でありますけれども、大蔵省に帰る際に、一度公益法人から特殊法人に戻って、その特殊法人でじっくり仕事をして帰るのか、それとも公益法人から特殊法人をさっと経由して帰るのか、その帰り方は一体どういうふうになっていますでしょうか。     〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 特殊法人から公益法人に派遣されている人たちは、これはあくまでも特殊法人の業務上の要請に基づく派遣であるというふうに承知しております。今委員から再出向ということで言及がございましたけれども、私どもは、それはあくまでも出向先の特殊法人の業務上の要請に基づく派遣であるというふうに考えておるわけでございます。  確かに、公益法人に出向くときに、特殊法人に長く籍を置かずに行っている例がありますけれども、それから今お尋ねの、帰ってくるときには、一たんは特殊法人に帰りますけれどもほとんど直ちに大蔵省に戻ってくるという実態があるのは御指摘のとおりでございますけれども、余り長くは述べませんが、私どもは、その場合におきましても、その特殊法人、先ほど例えば金融情報システムセンターの御指摘がございましたけれども、その金融情報システムセンターにおきますさまざまな仕事が、まさに開銀の融資対象であります分野における重要な情報の提供になるというようなことから行っておるというふうに理解しておるわけでございまして、そういう意味では、再出向には当たらないというふうに考えておるわけでございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 今の答弁は全く答弁になっていないと思うのですね。  業務上の要請に基づいてと言いますけれども、それは形式的な話でありまして、どこどこへの派遣を命ず、こういうものが出るわけでありますね。それで、行って、一カ月して行くわけですよ。一カ月たって再派遣になりまして、そこで二年、三年、仕事をするわけです。公益法人の仕事をするわけです。総務部長の仕事をするわけです。これは、何も特殊法人の総務部長の仕事をしているわけではないのです。公益法人の総務部長なんです。これは、国際金融情報センターの場合も同じような仕事をされているわけですね。特殊な、その分野の専門的な仕事ではないですよ。ですから、まさにこれは再出向、禁止されている再出向に当たるわけであります。  総務庁にお聞きしたいけれども、このように事実上再出向になっているわけでありますが、さきの通達にこれは抵触するのではありませんか。この事実を調査して、報告をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中川良一総務庁人事局長

○中川(良)政府委員 通達の趣旨は先ほど御説明したとおりでございまして、この通知によって、退職出向先の公庫等の業務上の必要性からその業務の一環としてほかの法人で勤務することを一切排除するということではございませんが、一般論としては、退職出向先の公庫等からほかの法人に休職等の措置によって再出向させることを当然の前提として職員を公庫等に退職出向させるような人事運用、これは通達の趣旨に添わないものというふうに考えるわけでございます。  いずれにしても、私どもとしては、退職手当制度は各省庁それぞれの責任で適切に運用されるべきものと考えておりますが、今後とも適切な人事運用がなされるよう、退職出向制度の趣旨の徹底に努めてまいりたいと思います。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 これは徹底して調査をしていただきたい。そうしなければ、私は納得できません、これは。  公益法人、例えば金融情報システムセンター、研究情報基金、国際金融情報センター、これはどういう公益法人か。ここには、例えば理事長ですとか理事ですとか、そこに大蔵省のOBが天下っているのですよ。大蔵省がそこに天下り、そして、その公益法人から見ますと、給与は特殊法人が払ってくれる、自分のところは払わなくていいんだ、人材は優秀な人材を大蔵省が派遣してくれる。  何でこういうところに利益供与をやらなければならないのか。隠された補助金と同じではないですか。こういうでたらめなやり方については徹底してメスを入れていただきたい。このことを最後にお願いを、お願いといいますか、最後に主張をしまして、私の質問を、時間が参りましたので終わらせていただきます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 以上をもちまして佐々木憲昭君の質疑は終わりました。  次に、保坂展人君。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  本日の質疑に先立って、人事院総裁から、公務員の大事について、いわゆるキャリア、ノンキャリアの問題に触れて、これが大きな問題になっていることについて改善をしていくべく発言がされたことを、大変大事なことだと思います。  そこで、二つお聞きをしたいのですが、一つは、人事院のOBの方が書かれた、川村祐三さんという方ですが、「ものがたり公務員法」という本の中に、「私が人事院に入った一九五五年ころには」私が生まれた年ですけれども、このころには初任者研修で、四級職試験、これは高卒ですね、「四級職試験からでも事務次官になれる」というのがうたい文句だったという記述があるのですが、こういう歴史的な事実があるのかどうかということ。  もう一点は、キャリア、ノンキャリアの任用上の差別、身分上の絶対的な区別というものの改善を、ます人事院みずからなるべく早期にされるおつもりがあるのかどうか。  この二点を人事院総裁にお聞きしたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○中島政府委員 二つ御質問がございました。第一点につきましては、後ほど所管局長から御説明させていただきます。  第二点につきましては、かねがね申し上げておりますように、Ⅱ種、Ⅲ種の試験を合格して公務員になられた方も大変優秀な方がいらっしゃる。したがって、現在の公務員法というのは能力主義、成績主義というものを基本に組み立てておりますので、その能力、成績によりまして幹部への登用というものの道を開いていかなければならないということを考えております。  ちなみに、人事院の場合は、本院の課長クラスの中でⅡ種、Ⅲ種の人が占める比率というのは、三〇%でございます。一般のその他の官庁では二〇%でございますので、人事院ではかなりⅡ種、Ⅲ種の方をその能力に応じて登用していると言えるのじゃないかというふうに思いますけれども、これはその数字だけでどうだこうだというよりも、むしろ、それぞれⅡ種、Ⅲ種の職員の能力を適正に評価する、そしてその能力に応じて適正なポストを与えて仕事をしていただくというようなことが大事でございますし、人事院としては、そういう意識を持って取り組んでまいりたいというふうに思います。

森田衞人事院事務総局任用局長

○森田政府委員 四級職試験から事務次官になれたのかという話でございますが、私ども、そういう事例は承知いたしておりません。  ただ、制度的には、四級職試験は当時の四級職に採用するための試験でございますので、あくまでもそれは採用の話でございまして、その後どのように昇進されるかにつきましては、それは人事運用の話でございまして、採用試験によって決まるものではございませんでした。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 このキャリア、ノンキャリアの問題というのは、これは法に基づくものではありません。したがって、恐らくは戦後のある時期まではこうした今のⅠ種あるいはかつての上級という試験はありませんでしたので、ぜひその原点に立って改革を進めていかなければならないということを指摘をしておきたいと思います。  大蔵省の不祥事が続発をしておるわけですけれども、これについて、今委員のお手元に資料を配付させていただきました。何が何だかわからない資料というのが、ずばりこれでございます。  紀律保持委員会というものが大蔵省の中にできた直接のきっかけは、例の田谷、中島問題だったわけです。田谷、中島問題を受けて、武村大蔵大臣から三月に紀律保持委員会を設置する旨の、これは通達が出されて、そしてその後、小村官房長の名前で平成七年の五月二十五日に「綱紀の厳正な保持について」という通達が出ております。戦後九十二件もあった中での一つということで、しかし最近のものなので、これをよく見てみたいと思います。  そうすると、平成七年五月二十五日のこの通達の中には、職務上の関係者との交際については、会食、盆暮れの贈答品、公私を峻別すること、そして二番目に、職務上の関係者以外との交際についても、社会的な批判を招く可能性があるものは慎めとか、あるいは一方的な受益が続く関係はだめだというようなことがあるのですね。一番最後に、その一、二に違反する疑いのある職員の行動については紀律保持委員会で状況把握を行うものとすることというふうにあるのですが、この部分は印刷ミスではなかったかと思うのですが、本当にこれは信じていいのかどうか、その点をますお尋ねします。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 御指摘の平成七年五月の通達の中に確かに、今お話がありましたような、紀律保持委員会でこの通達に違反する疑いがある職員の行動について状況把握を行うということがございます。  これは、当初はこういうことを前提にこの仕組みがつくられたというふうに私も理解しておりますけれども、その後の運用を見ますと、この委員会というのは実は局長とか総務課長クラスで構成するということがありまして、実際には、そういう委員会が合議制で何か個別の事案を監視するといいますか、状況把握するというのはなかなか運用が難しいという状況がありまして、実際には、その構成員であります服務管理官、具体的には各局の総務課長でございますけれども、その者が個別の職員の行動につきまして状況を把握するという運用がなされているというふうに理解をいたしております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 ミスプリではなかったけれども、実態は違ったという答弁だったというふうに理解をいたします。  それでは、この紀律保持委員会というのは、一体メンバーは何人で、何時から、例えば五分やるのか十分やるのか二時間やるのか、その時間的な長さはどのくらいなのか。さらに、顧問弁護士がいらっしゃるというふうに聞いていますが、何人いらっしゃるのか。具体的に内容のある議論をしているのかどうか、そういったことについて、官房長にお聞きしたいと思います。委員長ですよね。紀律保持委員長、お願いします。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 紀律保持委員会が設けられましてから、たしか二十三回でしたか、今日まで開かれております。  ます、どのくらいの時間というお話でございますけれども、これは長短さまざまでございまして、特に何時間やるということが決まっているわけではございません。  紀律保持委員会の基本的な役割は二つあるわけでございますけれども、一つは、局長クラスの会合におきまして基本的な方針でありますとか重要な事案というものの決定をする。それからもう一つは、総務課長クラスの会合でございまして、実際にはこの総務課長の会合が実動部隊であるわけでございますけれども、例えば倫理規程の周知徹底でありますとか、紀律保持の問題点、改善点の検討などを行っているわけでございます。  顧問弁護士は、当初一人でございましたけれども、今回の一連の不祥事に絡みまして、もう一名ふやしております。  なお、この紀律保持委員会につきましては昨年末以来いろいろな御指摘がございまして、ことしの一月に金融服務監査官室というものを、これは新たに、紀律保持委員会とは別途でございますけれども、つくりました。この金融服務監査官室がむしろ個別の問題を担当する。今までの紀律保持委員会は個別問題についての対応が必ずしも十分でなかったということを反省いたしまして、個別の非行の監視、調査、処分等についての検討を行うということに変えたところでございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 これは大蔵省から二時間前に届いたものなのでこのまま出すしがなかったのですけれども、この開催日を見ていきますと、例えば当時の涌井官房長が絵をもらった、そういうタイミングもあります。それから、私がたびたび法務委員会やあるいは質問主意書で指摘をしてきたのは、昨年の七月の末に金融検査官二名の接待の問題というのが出ているわけで、出ているから調査をするべきだというのも指摘しています。具体的な案件があるわけです。  一月に入って、金融服務監査官ですか、それをつくられたということを言われていますけれども、あくまでも、この紀律保持委員会というのは内容のある議論をしていたのかどうかということを聞きたいわけです。内容のある議論をしていたのであれば、その議論に使われる配付資料やあるいは会議録、継続的な議論をしているのであれば、当然そういう資料があるはずです。そのあるかないかも含めて、内容のある議論をしていたのか、それとも一応形だけつくって数分集まるということだったのか、はっきり答えてください。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 この紀律保持委員会は、ただいま申し上げましたとおり、職員の紀律保持の徹底ということで、例えば通達が発出されますとか倫理規程が制定されるといったようなときには、それを議題といたしましていろいろ議論をしております。それから、それ以外にも問題点、改善すべきような点があればということで、いろいろその検討を行っておるわけでございます。  ただ、これは局長なり総務課長クラスの会合でございまして、この委員会に限らず、一般的にそういう会合には議事録を作成するというようなことにはなっておりませんので、この会議の議事録というものは作成しておりません。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 日本じゅうの国民がまさに、金融検査官なるものが接待を受けて、あるいはローンを少し安くしてもらってとか、あるいはどこに連れていけということで、腐敗し、腐り切っていたということに怒っているじゃないですか。このことを受けて行われているはずなんですよ、時期的には。議事録を作成していないというのだったら、今から全出席者のメモや記録を集めて、文書でこの委員会に、こういう議論をしていたということを報告していただきたいと思うのですが、どうですか。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 ただいま申し上げましたとおり、この委員会は議事録はつくっておりません。各出席者がどういうメモを持っておるかというのは、またそれを保管しておるかどうかも含めまして、これは、それぞれのいわば備忘のためのメモでございますので、私どもとしては、そういうものをまとめて提出するといったようなことにはなじまないものというふうに考えております。  もちろん、昨年の末以来のさまざまな問題、特に、ことしに入りましてから四名の逮捕者を出したという重大な事態に対しまして、私どもなりに、これをどのように重く受けとめ、どのように対応し、さらに、今後二度とこういうことを起こさない、そういう観点からの努力をしなければならないというふうに思っております。  今までの紀律保持委員会が十分であったかと言われれば、それは、必ずしも十分でなかったという反省を踏まえまして、そういう努力をこれから続けていきたいというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 これです。出すのは三回目なんですけれども、「論際」という雑誌があって、この雑誌をめぐって、当時の羽田大蔵大臣が、綱紀粛正をきちっとしなければならないということを言っておられるのですね。  先般、予算委員会でお聞きしましたら、当時は綱紀点検調査委員会というのがあったようですね。この委員会はもう解散したのですか。この委員会も議事録はないのですか。この点と、さらにあわせて、本当にこの問題の調査をこれ以上行わなかったのか、この時点でこの雑誌の問題を調べるということはなかったのかどうか、もう一度確かめておきたいと思います。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 ただいま御指摘のありました綱紀点検委員会は、たしかリクルート問題のときに、平成元年だったと思いますが、つくられたものでございます。紀律保持委員会はそれを発展的に改組していったもの、そういうふうに考えております。  それから、当時の点検委員会の段階におきましても、議事録というものはつくられておりません。  それから、「論際」問題につきましては、平成四年当時、非常に大きな問題になりました。当時はいろいろ調査をしたわけでございますけれども、もう六、七年あるいは七、八年前のことでございますので、現段階においては詳細な記録は残されておりません。  私どもの理解では、その当時の資料によりますと、残されたわずかな資料でございますけれども、「論際」をめぐる問題があって、論際社への取材協力につきましていろいろ調べたけれども、他のマスコミに対してと同様な扱いでありまして、広報の一環という観点で取材協力を行ったということが基本であります。そういうことで、全体の判断といたしましては、特に問題として処分するといったようなことではないという判断が行われたというふうに考えております。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 これだけの大蔵省不祥事があって、しかも、振り返るべき、改めるべきタイミングはたくさんあったのですね。田谷、中島問題のときに、もう既にいろいろなことが出ていたし、言われていたし、ここにもちゃんと書いてあるのですね、会食や接待は全部気をつけろと。にもかかわらず、これだけ今広がってきたということを受けたこの紀律保持委員会が、こんなに一応開かれていたとすれば、開かれていて議事録がないというのは信じられないですね。議事録がなければ、継続的な審議はできませんよ。  ぜひ、委員長、お願いですが、当委員会で、この紀律保持委員会にかかわる大蔵省の中にある一切の資料、配付物であるとか記録であるとか等を提出していただくよう、さらに、どうも発展的に改組されたようですが、綱紀点検調査委員会というのもあったようですから、加えて、その時代からの同様の配付物や記録など一切の資料、先ほど武藤官房長も言われましたよね、残されたわずかな資料を探って見てみるとと。その資料を一向に出してくれないわけですよ。そういった資料をもう全部気持ちよく出して、信頼回復に努めていただきたい。委員長にぜひ要請をしておきます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 後ほど、理事会でお諮りをして、協議をいたします。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 では、もう一度、武藤官房長、お願いしますが、官房長は今でも紀律保持委員会の委員長ですか。そして、紀律保持をするということの重さ、今回のこの不祥事を受けて、少なくとも国会で事実を偽ったりあるいは事実を語らなかったり、そういうことはまことに責任は重いということを自覚されていますか。情報をきちっと出して国民の信頼回復にこたえるという姿勢を、一言見せてください。

武藤敏郎大蔵大臣官房長

○武藤政府委員 先ほど申し上げました「論際」の資料と申し上げましたのは、当時の残されております羽田大蔵大臣の会見記録でありますとか、あるいは当時国会で答弁した状況でありますとか、そういうことであります。それ以外の資料が残っているわけではございません。  今、最後に御指摘のありましたとおり、この紀律保持の重要性というものは、もちろん大変重大なこととして受けとめておりますし、これから紀律保持のためにあらゆる努力をしなければならないというふうに思っております。  決して、紀律保持といったようなことに対して私ども、確かに、長い間に何度もいろいろなことがあったにもかかわらずどうしてこういうことになったんだということにつきましては、何とも申し開きのできないことだというふうには思っておりますけれども、いずれにいたしましても、今後二度とこういうことのないように最大限の努力をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

保坂展人社会民主党・市民連合

○保坂委員 時間が来ましたが、私は、官房長やほかの大蔵省の方の答弁を聞けば聞くほど、かくして腐敗はこういうふうに生まれたのか、そして、何の総括も反省もないまま、また同じ行動で行くのじゃないか。  本日、当委員会に私の質疑で内容を明らかにしてほしいというものが、結局これだ。大蔵省は結局これなんだ。紀律保持の徹底について、紀律保持の徹底、全部同じですよ、テーマは。こういうことで、まじめな反省、そして真剣な議論が行われているとは到底思えません。  ぜひ、先ほどの件、重ねて要請をして、私の質疑を終わります。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員長 この際、保坂君からの御要請のありました資料要求は、後日、理事会に諮ります。  これをもちまして保坂展人君の質疑は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十八分散会

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