緊急経済対策に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/05/20
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 伊藤英成君外八名提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を議題といたします。 提出者から趣旨の説明を求めます。池田元久君。 ————————————— 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止 に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○池田(元)議員 おはようございます。 私は、提案者を代表し、ただいま議題となりました民主党、平和・改革、自由党の三会派共同提案による財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を説明申し上げます。 現行の財政構造改革法は、わずか五カ月前に政府・与党が野党の反対を押し切って成立をさせたものであります。金融不安が高まる中でのデフレ財政政策が個人消費や企業の設備投資を冷え込ませ、それらの悪循環によって、我が国は現在、過去最高の企業倒産や失業率に象徴される政策不況の一層の深刻化を招いたことは、もはや疑う余地のないところであります。 政府は、特別減税の積み増しなどの景気対策を行うために、財政構造改革法の部分的な弾力化のための改正案を提出しております。しかし、現行の財政構造改革法は、そもそも財政構造改革の名に値しない一律歳出削減法にすぎず、今回の改正案もその本質を変えるものとはなっておりません。また、景気対策という面から見ても、政府が行っているような一時的な特別減税の積み増しでは消費刺激効果を期待できません。当面の経済運営は、景気回復を最優先とすべきでありまして、場当たり的な特別減税の繰り返してはなく、所得税恒久減税の実施を初めとする積極的な施策をためらうことなく実施する必要があります。 本法律案は、以上の観点から、まず景気回復の桎梏となっております現行の財政構造改革法の施行を一たん停止した上で、現行法の抜本的な見直しを行うべきことを定めるものであります。 以下、本法律案の内容につきまして説明申し上げます。 第一条では、現行の財政構造改革法について、本法律の施行の日から二年間、その施行を停止することとしております。停止期間を二年間としたのは、景気回復及び現行法の見直しに要する時間を考慮に入れるとともに、特に現行法において景気回復の阻害要因となっております集中改革期間中の当初予算編成に関する量的縮減目標の効力を停止する必要があると判断するからであります。 第二条第一項では、現行の財政構造改革法について、財政、経済の状況変化を踏まえ、財政健全化目標及びその達成期限を初め、財政構造改革のあり方について見直しを行うとともに、第一条で規定する停止期間の末日までに、財政構造改革の推進に関し必要な法整備を行うこととしております。 第二条第二項では、前項の見直しの方針として、財政健全化目標については、目標の最終年度までに、単年度の国、地方の公債発行額と借入金の総額の対GDP比を三%以内とするようにすること、経済活動の著しい停滞等があった場合には、目標達成期限を延長できるようにすることの二点を掲げております。この見直し方針は、財政構造改革のあり方についての全般的な見直しのうち、特に留意すべき点を取り上げ、その方向性を示したものであります。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、各党各会派、議員の皆さん、ぜひ御賛同くださいますように心からお願い申し上げます。
○中川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○中川委員長 内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
○海江田委員 おはようございます。民主党の海江田でございます。 この緊急経済対策に関する特別委員会で、もう一度私は、そもそもこの財政構造改革法を今この時点で、先ほど池田委員からもお話がありましたけれども、昨年の秋に、秋というよりこれはもう冬でございますけれども、昨年の暮れにこの法律を成立をさせまして、そして、わずか五カ月でなぜ改正をしなければいけないことになったのかというところからお尋ねをしたいと思うのです。 大蔵大臣、今もお話をしましたけれども、たった五カ月でなぜ改正をしなければいけないのか。とりわけ、政府は総額十六兆円に及ぶ総合経済対策を策定をしたわけでございますが、この総合経済対策とこの財政構造改革法の一体どこに食い違いがあるのか、そごがあるのか、この総合経済対策を推し進めていく上で、現行の財政構造改革法のどこに抵触をするのかというその一番の根本部分、これについてお答えをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 現在の我が国経済の非常に厳しい状況、景気が低迷してその厳しさはかつてないほどのものであるということ等を考えれば、速やかにこの状態から抜け出せるような施策を思い切って打っていかなければならぬ、そういう考え方のもとに、今回の総合経済対策を実施することにしたわけであります。 その場合には、当然のことながら、それを実施するための財源が必要になってきます。その財源措置としては、現在の財政状況のもとでは大変厳しいことでありますけれども、特例債を発行して財源に充てざるを得ない、こういう状況であります。そういたしますと、特例債の発行限度額というものは、委員よく御承知のとおり、前年度よりも少なくするという枠がありますので、その枠をこの際特別の事情によるものとして外すといいますか、特別の事情によるものとしてこの際外さないと思い切った対策が打てない、まあ思い切った対策は決めておるわけでありますが、それの財源措置が十分じゃない、こうなってくるわけでありまして、その点が一つ。 もう一つは、将来を展望すると、現行の二〇〇三年ということではそれまでの道のりが非常に険しいものになるわけでありまして、いわゆる要調整額を処理していくということはなかなか難しい。そういうことがあって、目標達成年度を二年間延長しておく方が、これからの我が国の財政運営について、着実な財政運営をしていくということを天下に明らかにすることによって内外の我が国の財政運営についての信認を得ることになる、その方が望ましいということで、目標達成年次の二年延長ということをさせていただきたいということでございます。 もう一つは、既に予見されておることでありますが、平成十一年度の社会保障関係の歳出予算について、いろいろな事情からおおむね二%程度の増という程度ではおさまりにくいということが想定されるということもありますので、その点について、おおむね二%という表現でなくして、極力抑制という表現の方が適切であるという考え方のもとに、その点の十一年度の予算に関してだけの修正をさせていただく。 以上三点が今回の財政構造改革法の改正をお願いする要点でございます。特に、今回の極めて厳しい経済、景気の動向について思い切った対策を打つための最小限度の措置をやらせていただくということでお願いをしたところでございます。
○海江田委員 今、三点お話をいただきました。社会保障関係費につきましては、この後で若干議論をさせていただきますが、二番目の、将来展望について、二〇〇三年では道のりが厳しかろう、ですからこれを二〇〇五年にすることにしたというのは、これはまさにそれ自体は、これからの努力がきつい、なかなか坂道がきついという話でありまして、そういう意味では、経済対策を打ったからといって、直ちに改正をしなければ経済対策そのものがこの財政構造改革法の規定に触れるというところではないわけですね。 どこが一番財政構造改革法とこの総合経済対策がそごを来すかというと、これは、冒頭に挙げました四兆円の減税と、その財源として特例公債を出す、しかも、この財政構造改革法の中では特例公債の毎年毎年の縮減というものを書いておるわけですから、この部分がまず抵触をするわけですよね。ですから、この部分を直さなければいけないというのがまさに一番のポイントであろうと思うのです。 さて、そこで、この特例公債の発行の毎年の縮減ということがどういう規定になっておるだろうかということで、わずか五カ月前の資料でございますから、当時の資料、まだ手元にございます。これが二年も三年も前ならこういう資料はなくなってしまいますが、まだ全く真っさらなものと同じような状態で手元にあるわけでございます。この三点セットとか五点セットとか言われる資料を見ますと、まず冒頭に、財政構造改革の推進に関する特別措置法案要綱というのがあるわけですね。 この要綱を見ますと、今大臣が冒頭に三点挙げたうちの第一点、それから私も指摘をしました毎年の特例公債の発行の縮減というものは、この要綱には一言も触れられていないのですね。大臣は当時まだ大蔵大臣ではなかったわけでございますが、予算委員長であったわけでございますが、この財政構造改革の特別委員会に提出をされました財政構造改革の推進に関する特別措置法の要綱には全く書いていない。もしあれだったら、要綱をお見せしましょうか。事務方、本当は大臣に要綱をお渡しいただけるとありがたいのですがね。ちょっと見てください。いいですか、要綱には全く出てこないのですね。 もちろん、この法律そのものには書いてあるわけでございますけれども、法律そのものは第四条の第二号でございますが、 平成十年度から平成十四年度までの間の各年度に国の一般会計において特例公債(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定により発行される公債以外の公債であって、一会計年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、特別の法律に基づき発行されるものをいう。以下同じ。)を発行する場合には、その発行額の縮減を図りつつ、一般会計の歳出(同法第二十九条で定める補正予算(以下単に「補正予算」という。)が作成された場合における一般会計の歳出を含む。)は、平成十五年度までに特例公債に係る収入以外の歳入をもってその財源とするものとし、 後続きますけれども、この中に、つまり「特例公債を発行する場合には、その発行額の縮減を図りつつ、」という文言があるわけですね。しかも、要綱の方には、わざわざ、今私が読みましたうち「特例公債を発行する場合には、その発行額の縮減を図りつつ、」というところを省いた部分がこの要綱の部分に出ているのですね。要綱では、 一般会計の歳出は、平成十五年度までに特例公債に係る収入以外の歳入をもってその財源とするものとし、あわせて平成十五年度の公債依存度を平成九年度に比べて引き下げること。 これが要綱に書いてある。つまり、要綱は、法律の条文のうち、今私がお話をしておりますように、「特例公債を発行する場合には、その発行額の縮減を図りつつ、」というところをわざわざ抜かして、そこの私などにとってみれば一番大事だと思うところをわざわざ抜いてその前後の文を要綱に書いておるわけですよ。 ということは、もし法制局が見えておりましたら、この要綱とそれから法律の本体との関係ですね、私などの理解では、要綱というのは法律の条文の、全体を読むとなかなかこれは大変なことでもありますので、その重要な部分をコンパクトにまとめたのが要綱だ、こういう理解をしておるのですが、それでよろしゅうございますか。法制局まだお見えになっていないのならば大蔵当局でもよろしゅうございますが、いかがでしょうか。あるいは大臣でもいいですよ。私の理解、要綱というのは、法律の条文そのものの中で重要な部分をコンパクトにまとめたものが要綱だ、こういう理解なんですが、いかがですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 要綱はまさに法律の要点を書いているものでございまして、ただ、これは、法制局は法案の審査をしていただくということでございまして、この要綱そのものはあくまでも大蔵省の責任でつくったものでございます。
○海江田委員 大蔵省の責任でつくっておるということですが、今涌井主計局長は、要点を書いているというお話がありました。それから、大臣の理解でも、要点をコンパクトに、重要な部分をコンパクトに書いたということだろうと思うのですが、ということは、要綱に書かなかったということは、ここの部分は要点ではなかった、あるいは重要なポイントではなかった、そういう判断をしたから要綱に書かなかったんですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 当時の要綱において、先生御指摘のように、毎年度毎年度の縮減という点については、法律にはもちろん書いてあるわけですけれども、要綱に書いてないということは御指摘のとおりでございます。 要綱というのは、法律は膨大な、特にこの法案は結構長い条文でございますが、そのポイントを要綱という形にしたものですから、この部分は書かれてないということが事実だと思います。
○海江田委員 今のを聞いていて、大臣、おわかりになりましたか、今の主計局長の答えは。わかりましたか。書いていないという事実はまた改めて確認をしていただいたのですが、どうして書かなかったんですかというお尋ねをしたんです。そうしたら、書いてないのは事実ですということを言ったんですね。だから、どうして書かなかったんですかと。もう一度わかりやすくお答えを願いたいと思います。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 これは意図的に書かなかったというわけではなくて、この要綱を見ていただきますと、要するに、十五年度までの当面の目標ということでございましたので、むしろ十五年度の方に焦点を合わせた書き方になったために、結果として、毎年度の縮減のことを要綱には書かなかったのではないかなと推察されます。
○海江田委員 そんなばかなことはない。推察というか、あなた自身が、要綱は大蔵省の責任でつくったという話でしょう。しかも、先ほど冒頭にお話をしましたように、その前後の部分はまとめて書いているんですよ、この二号のところをね。この第四条の二号のところを全部落としてしまったのならば、これは、なるべくコンパクトにして、そのコンパクトの仕方によって若干ウエートが違ったとか、いろいろな言い方ができるんですけれども、第四条の二号については、今私が一番問題にしています。その特例公債の発行を縮減するということだけを除いて、そのポイントをまさに除いて、その前後を書いているわけですよ。 だから、これはやはり、ここのところは要綱に書くべきような要点ではないんだ、重要な点ではないんだというふうな判断を大蔵省がしていたというふうに私は理解をするんですけれども、大蔵大臣も法律の専門家でございますから、これはいかがですか。
○中川委員長 政府側、きちんと答弁しなさい。推察なんて許されないよ。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 この要綱でその部分が書かれてないということは、これは先ほど申し上げたように事実でございますが、この部分を意図的に外したとか、そういう意味ではもちろんないということでございます。 要するに、要綱というのは、膨大なる法律案を非常に短い形で表現しなくてはならないものでございます。その中では、「財政構造改革の当面の目標」ということにつきましては、二項におきまして、 平成十五年度までに特例公債に係る収入以外の歳入をもってその財源とするものとし、あわせて平成十五年度の公債依存度を平成九年度に比べて引き下げること。 という形で、要綱という形で条文そのものを、全体を表現するというのではこれは要綱にはなりません。ということで、条文の中で相当部分は省略せざるを得ないということでございます。 ということでございまして、その部分が重要でないとかあるとかということでなくて、コンパクトにする中で、毎年度の縮減の規定が、法案にはもちろん書いてあるわけでございますけれども、要綱では落ちてしまったということでございます。
○海江田委員 今のお答えでは全く満足ができません。 ただ、話を進めますと、この表現自体が、これは大蔵大臣よく聞いていてください、さっきもお話をしましたけれども、「特例公債を発行する場合には、その発行額の縮減を図りつつ、」という表現になっているんですよ。これはもう大臣つとに御存じのとおりだろうと思いますが、この法案の中には、とりわけこれは経済法ですから、経済法の中にはやはりこれはきちっとして守らなければいけない義務規定と、それからいわば精神規定といいますか、あるいは努力規定といいますか、そういうものがまじり合っているわけですね。 例えば、「図りつつ」というような表現を使っております法律、この同じ財政構造改革法ですけれども、どういうところで図るとか図りつつとかいう表現が出てくるかというと、例えば補助金の合理化なんかのところでは、第三十五条でございますけれども、 政府は、一般会計予算に計上される補助金等 であって地方公共団体に対して交付されるもの のうち、制度等見直し対象補助金等について は、交付の対象となる事業等に係る制度若しく は施策の見直し又は当該事業等の見直しを行う ことにより、当該補助金等の削減又は合理化を 図るものとする。それから、まあ幾つでもいいんですけれども、第三十九条も同じですけれども、 財政構造改革に努め、その財政の自主的かつ自 立的な健全化を図るものとする。とかいう形で、これらはいずれも精神規定なんですよ、努力目標なんですよ、わざわざ図るという言葉を使っているということは。 だから、本当にこれが毎年毎年必ず削減、縮減しなければいけないということであれば、その発行額の縮減を行いとか、はっきりストレートに書けばいいわけですよ。ところが、ここにまさに図るという言葉があるということは、これは努力目標だから、そういう意味ではここにわざわざ書かなくても、要綱に書かなくても——他の努力目標については書いてないわけですよ。一切書いてない。図るということで要綱の中に書いてあるところはどこにもないわけですよ。 ですから、そういう意味では、少なくとも、この法律をつくった時点では、これは努力目標なんだ、そういうふうに私は理解するんですが、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 今御指摘の第四条第二号にある、各年度の「発行額の縮減を図りつつ、」という、その「図りつつ」というのがいわゆる義務規定なのか、あるいは精神規定ないし努力規定なのかということについては、これは最終的には法制局の方から答弁をしていただきたいと思いますが、私は、やはりこの規定は単なる努力目標とか精神規定というふうに軽く見るのはいかがなものかな、こう思います。 やはり、法律の解釈としては、罰則をもって担保されるような意味の規定ではありませんけれども、少なくとも行政府、内閣、いずれもこの「図りつつ」ということに拘束される、そういう意味では強制力のあるといいますか、これに拘束される、その拘束力を持った規定である、文言であるというふうに私は解釈いたします。
○海江田委員 罰則をもって担保されたものでないと言うけれども、法律自体が全然一切罰則なんかないわけですよ。二〇〇三年が二〇〇五年になろうが、GDPの三%を超えようが超えまいが、全体にそうだという話はまず一点押さえておかなきゃいけない。 それから、軽く見るのはいかがなものか、重く見なければいけないということであれば、やはりこの「図りつつ」とかいう言葉があると、私が調べた限りにおいては、ほかは全部精神規定になっているんですよ。同じ言葉を使うんなら、まさに軽く見ちゃいけないといろんなら、ここはポイントですよ、重く見なきゃいけませんよということなら、当然、これまたさっきの議論に入りますけれども、要綱に書いてしかるべきなんですよ。要綱に書いておかなければ、「図りつつ」なんという言葉があれば、これは軽く見ちゃいますよ。 そのためにも要綱に書かなきゃいかぬのに、要綱にも書いてない。しかも、用語からいうと、一般的な精神規定の用語と同じ用語を使っているということは、これはやはり、少なくともこの法律をつくった立法の時点では、私は、これは軽く見ているんだ、軽く見られてもしようがないような表現をしているというふうに理解をするんですけれども、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 先ほどの局長の答弁は私は理解できないわけじゃありませんが、要するに、もともと非常に長ったらしい条文でありますのでその中からピックアップしてきて、その中で一番大事なのは最終目標年次のことなんだ、その途中の経過のことであるので、それは省略したのだという趣旨の答弁であったかと思います。 しかし、さはさりながら毎年度についてきちっとした措置をしていかなければ目標は達成されない。そういう意味では、この毎年度縮減を図るということも要綱の中に入れておくべきであったという御主張、これは私は理解できます。しかし、意図的にこれを外したわけじゃないということでありますので、それは、より大事なのは最終目標年度だ。しかし、それを達成するためには各年度においても縮減を図る、そういったことの積み重ねをしていかないと最終年度に目標が達成されない。したがって、途中のことについても拘束を持たせ、そして最終年度にゼロにするというふうにしたのだと。 先ほどの局長の答弁は、最終目標だけ書いて、そして途中のことであったから、長ったらしいものだからこれをコンパクトにするために、意図的じゃなかったけれども抜けてしまっていたという話のようでありますので、私は理解できないわけではないのです。
○海江田委員 何で私がここの部分にこだわっているかといいますと、冒頭に大臣にお尋ねをして、今度こういう形で財政構造改革法の法改正をやらなければいけない。だけれども、片一方で景気の大変な低迷があるわけですから、景気対策を何とかやらなければいけない必要があって、そのためには減税もやらなければいけない。一体、どこがこの法律と抵触をするのですかといって調べてみると、今この時点では、総合経済対策を策定した時点では、まさに今問題にしているここの部分がひっかかっているわけですよ。だから、ここがもし精神規定なんかであれば何も法律改正しないでいいのですよ、これは。 それから、財政構造改革法が実はいろいろ瑕疵がある。経済法でありながらそういう弾力規定も設けていないという非常に硬直した法律になっているという批判もあります。もちろん野党もそういう批判をしておりますが、これは野党だけじゃなくて、新聞の社説でありますとか解説でありますとかエコノミストの意見でありますとか、そういうところにも、経済法なのに何でこんな硬直化した法律なんだということを指摘する声があります。 例えば、ここのところが、「図りつつ」ということで、従来ここにかなりの柔軟性があるのですよということになれば、これはわざわざこんな財政構造改革法の改正なんて要らないわけですよ、改正か改悪かわかりませんけれども。そうでしょう。まさにここの問題が、ここが義務規定であってここを守らなければ法律違反になりますよということですから、ここを変えなければいけないわけですよ、これは。そうでしょう。ここがもし柔軟な、先ほどもお話をしましたけれども、補助金等の何とかを図りつつというような精神規定であれば、何も私たちはこの大事なときに、補正の前にこういうことをやらなければいけないというようなことにならないわけですよ、これは。 だから、ここの問題というのはそんな軽々に、特定の意図があったとかなかったとかいう話ではなくて、まさにここが、この立法のときにどういう趣旨だったのかということ、このことをやはり大蔵当局にもありていに言ってもらわないと話にならないわけですよ。大蔵当局だって最初は義務的なものではなくて精神的なものだという説明もしているのですよ、これは。どうですか、そこのところ。はっきり言ってください。 だから、従来から私は、涌井局長がこの問題について、義務的な項目である、義務的な規定であるということを言ったのは、私が二月二十六日に予算委員会で質問をしたときに初めて言ったのですよ。それまでは言っていないのですよ、この問題については。それを言っているものだから、大蔵大臣にもここは義務的な規定ですよということでそういう話があったのでしょうけれども、法律が通過をした、あるいは法律の議論をした十月の時点では義務的な規定だなんて一言も言っていない。しかも、この要綱にも一言も書いていないわけですよ。だから、二月二十六日、涌井局長から、これは義務的な規定ですよ、ここのところを外してしまうとこれは法律違反になりますよという答弁を聞いたとき、私はびっくりしましたよ、はっきり言って。これは大変なことになるな、これをやったのではまさに景気対策のための減税ができなくなるな、こういうふうに思ったわけですよ。 だから、どうして二月二十六日にそういう答弁が出てきたのか。それから、当初はどうだったのか。もともと非常に大事なポイントだったのだけれども忘れたのか。要綱に盛り込まなかった。その要綱に盛り込まなかったことについては、要綱をつくるのは大蔵省の責任だと言うのなら、そこは非を認めるのか。申しわけなかった、重要なポイントなんだけれどもそこを書かなかった。だけれども、途中からやはりこれは義務的な規定に置き直したのだということ。そのどうして置き直しをしたのかということも、どうして位置づけをし直したかということについてもやはりこれは説明をいただかないと。 これは野党だけじゃなくて、与党も含め全部、ここのところが義務的な規定なものですからこの問題について審議をやっているわけですよ。ほかにもいろいろな重要な法案などもあるわけです。それから、やはり補正の予算を出したら補正の予算を一日も早く審議をしなければいけないわけですよ。だけれども、この財革法のまさにこの規定があるおかげでもって補正の審議に入れないじゃないですか、これは。 補正予算が成立をしないことによって景気に対する影響も、もちろん補正予算は私どもが考えている方がずっといいわけですけれども、それにしたって何がしかの効果はあるわけですから、国民の生活に対する影響ということも、ここの規定が大変大きな影響を与えているということは紛れもない事実でありますので、そこの点をはっきりと納得のいくような答弁をお願いしたいと思います。
○涌井政府委員 「縮減を図りつつ」という、これは法律の解釈でございますけれども、むしろ義務的なものでないと、政府の努力義務という形にする場合には多分、これは立法のときにはもちろん議論しているわけでございます。むしろ、そのときには努めつつとかいう書き方になったろう。毎年度縮減を図りつつということの場合には、明らかに政府としては縮減を図ってない場合にはこの法律違反になるということでございます。 それから、財政再建というのは五十年代も行われたわけですけれども、特例債からの脱却をするには、これは毎年度特例債を減らしていかなければとても到達していけないということでございます。これはやはり五十年代における財政再建の過程におきましても特例債は毎年度毎年度縮減を図ってきたということでございまして、この立法のときにおいてもそこいらは十分議論した上で、やはり毎年度の特例債の縮減は図っていかなければ特例債から脱却はできないのではないかということで、最終的には努めるということではなくて図るということにしたということでございます。
○海江田委員 よくわからないのですね。 それから、その努めるという表現を書いているところもあるのですけれども、先ほどもお話をしましたけれども、やはり図るということも随分書いているのですね。どちらかといえば、確かに努めるという表現もあるのですけれども、図るという表現は、そういう意味では、義務規定でもって図るという表現が出ているのは、私がきのう睡眠時間を減らして全部当たった限りでは、図るという言葉がありながら義務規定であるのはここの第四条の二号だけなんですね。それ以外は全部精神規定なんです。 だから、その問題はもう一つこれからも少し議論、少しじゃなくて大いに議論をしなければいけないのですが、もし途中で変わったのなら、やはりそれは正直に変わったと言って、何で変わったのかということを言っていただかなければならないと私は思う。それで、そうじやなかったのだったら、やはりこれは要綱に書かなかったのは大変大きな落ち度でありましたということをおっしゃっていただきたいと思うのですね。そこは、やはり要綱に書かなかったのは当然のことですか。書かなくてよかったという判断を今でもお持ちになっておりますか。どうですか、これは。
○涌井政府委員 書かなくてよかったとは私は決して申しておりません。 それから、毎年度縮減の規定が、通常の状態ですと毎年度特例債というのはある程度は削減していくことができるわけだし、過去の経験からしてもそういうことでございます。たまたまこういう異常な経済状況になって、そこが焦点になったためにこの法律を改正せざるを得なくなったという点もあります。 そういう意味では、振り返ってみれば、その部分が要綱において抜けたという点につきましては、当時つくった状況とは変わってしまったのですけれども、至らない点があったということは認めます。
○海江田委員 あともう一つ確認をしておきたいのですけれども、やはりここの問題は、非常に大きな、少なくとも最初の原案を議論したときと違いまして、私はやはりこの法案というのは、今大変大きな、重要な問題になっている。 今局長も、若干歯切れが悪かったわけでございますけれども、やはり書いた方がよかったのではないだろうかというような表現をされました。そういうふうに受け取れる発言がありましたけれども、この特例公債を縮減するという規定は、私は大変重要なポイントだと思うのですね。いわばこの法律の骨格部分だろうと思うわけでございますけれども、大蔵大臣、毎年毎年縮減を図りつっというのはこの法案の骨格部分だということはお認めいただけますか。
○松永国務大臣 今審議をお願いしておる改正法の中では、改正の骨格部分であることは間違いないと思います。もともとの財政構造改革法としても、今度改正してもらえれば平成十七年度までになるわけでありますが、特例公債からの脱却ということと、そしてその手段として毎年縮減を図っていくということ、これも骨格だというふうに思います。
○海江田委員 大蔵大臣、大蔵大臣の口から今、もともとも骨格部分だというお話がありましたけれども、実は橋本総理は、今回の改正に当たっては骨格部分には手を触れないということを言っているんですよ。覚えていらっしゃるでしょう。四月九日の記者会見で、現在の財政構造改革法の基本的な骨格は維持しながら緊急避難的に最小限の改正を行うにとどめたいですとか、あるいは、菅直人代表が当委員会の冒頭で、骨格部分については手を触れないんですねということを言いましたら、骨格部分には手を触れないということを何度も言っているんです。 そうすると、大蔵大臣が今、いやここの部分はもとから骨格部分だということをおっしゃったら、これは骨格部分に手を触れたことになりはしませんか、どうですか。
○松永国務大臣 目標年度までに赤字公債をゼロにするというのは、そしてその道順も、道筋も重要な項目だ、私はそう思っております。すなわち、まず第一目標に書いてあるのがそれでありまして、ただ、目標年度を、先ほども言いましたけれども、我が国の財政運営についての内外の信認をより高めるために二年間延ばしてもらうという改正をしました。いずれにせよ、大事なのは、目標年次までに赤字公債をゼロにするということ、これが大事なことだと思います。 そして、主要項目ごとに縮減目標を定めて縮減を図るということ、これも財政構造改革法の主要項目の一つだ。骨格の一つといえば骨格の一つだ。それに政府は拘束されるわけでありますから、それに違反すれば大変な非難を受けることになりますから。そこで、社会保障関係費についてだけ極力抑制するものとするという表現に変えた上で、その点も御審議をいただいて改正させていただく、こういうことにしたところであります。
○海江田委員 私は大蔵大臣と考え方が全く同じでございまして、この特例公債の発行を縮減するというのは骨格部分だと思うんです、もともとの骨格部分だと思うんですね。 それからへ財政健全化の目標年次というのも、これも骨格部分ですよ。だってそうでしょう。先ほどからもお話がありました。これは局長もさっき言ってくれました、その場では指摘をしませんでしたけれども。いいですか。毎年縮減するというものも骨格部分だ、だけれども、それよりもっと大事なのが平成十五年という目標年次だというのは、先ほど来話がずっと出ているわけです。だから、縮減が骨格なら、骨格のさらに骨格なわけですよ、目標年次というのは。平成十五年、二〇〇三年というのは。そこも今度の改正案では変えています。二〇〇五年にしていますね。 それから、後で、厚生大臣お越しいただいてずっとお待ちいただいておりますが、社会保障関係費のキャップの部分、これも実は骨格部分なんです。 そういう骨格部分を全部変えているんじゃないですか、今度のこの改正案というのは。そうは思いませんか。
○松永国務大臣 私は、一番大事なことは、目標年次までに特例公債依存体質から脱却すること、これが一番大事なことだと思います。そして、それを達成するための方策として、主要項目ごとに上限を求めるという仕組みをつくったということだろうと思います。 まあ骨格部分というか、重要部分というか、表現は人によっていろいろありましょうけれども、一番大事なのは、目標年度までにとにかく特例公債依存体質から抜け出すこと、そして公債依存度を国、地方を通じて三%以下に抑えるということ、これが終局の目標だろうというふうに思います。
○海江田委員 特例公債依存体質から脱却するというのは、まさにそのとおりだと思うのです。その特例公債依存体質から脱却するためにも、先ほどからずっと局長からもお話がありましたけれども、まさに毎年毎年赤字公債の発行を減らしていかなければ、特例公債依存体質から脱却できないわけでしょう。片一方で歳出を圧縮していくというのも一つの方法ですよ。いわば車の両輪です、これは。歳出を圧縮していくだけでは特例公債依存体質から脱出、脱却はできないんですよ。まあ特例公債というよりも、本当は公債依存体質なんですけれども、だけれども特例公債とおっしゃっているんだから特例公債でいいですけれども。 特に、とりわけ特例公債ということになったら、やはりその特例公債依存体質から脱却するためにも、毎年毎年の特例公債の発行額を圧縮しなければいけないというのが当然筋で、そのことで言うと、本当にこれは、毎年毎年の公債の発行額を圧縮していくというのは、これはもうまさに背骨の、骨髄の一番重要な部分なんですね。さっきお認めになりましたけれども。 ただ、その問題を、これはきょう総理がいませんから総理にお尋ねはあえてしません、しようとしたってできないわけですけれども。これはやはり、これだけ変えておいて緊急避難的な最小限の修正だということは、私は、これはもう言えないということが非常に明らかになったと思うのです。 これはいずれ、いずれというか、もう日にちが余りないようでございますけれども、総理ともきちっと話をしなければいけないんですが、やはり大蔵大臣の認識と総理の認識はかなり違うというふうに、それは後で記録を見ていただければ、骨格部分だとおっしゃっているんですから。片一方は、総理は、骨格部分は変えないということを言っているわけですから。これは大変大きな食言、食言というより意見の違いで、私は大蔵大臣の発言の方を支持しますが。 あと、厚生大臣にお見えいただきましたが、厚生大臣は、かねてより財政の規律性というものを大変重く見ておられたというふうに私は認識をしておるわけでございますが、今回のこの財政構造改革法の改正の中で、まさに先ほど、冒頭に大蔵大臣がお話をされました第三点目の、それこそ社会保障関係費の縮減の目標、縮減の目標というより、ほっておけば自然増になるからその自然増にキャップをかけるというところを、百分の百二だというのを、社会保障関係費の増加額はできる限り抑制をしたものにするという表現に改められましたね。そして、このできる限りというのはどのくらいかということを、当委員会で同僚議員からも質問がありましたけれども、そのときは、まあ三%ぐらいじゃないですかというようなお話もありましたね。恐らく、これは百二以下ということはない、わざわざ改正をしたわけですから。 だけれども、何でこの財政構造改革法を改正したかといえば、これはもう総理自身の口からありましたけれども、やはり法律で縛らないとなかなか歳出というものは歯どめがきかなくなるんだと。まあ平つたい庶民が話す言葉で言えば、やはり族議員の跳梁ばっこを抑えるためにこういう法律で仕組みをつくったんだよというふうにも受け取れるわけです。 そういう思いがある中で、百二ということでも、本当は百工にしたこと自体、私は、ほかとの並びでいえば、科学技術のところがたしか百五になっているんですか、あそこと、それから社会保障だけで、普通、キャップというのは、これは縮減をすると法律全体のところに書いてあるわけですから、一般歳出については縮減をするというところがある、そこの落としぶたなはずなんですが、超えたところでふたをかけておる。これでもあえてキャップと言うんならそれもいいかと思うんですが、この改正に当たって、ここでやはりまたもう一つ穴をあけたというのは、大臣、従来の財政の規律性ということからいって、問題は全くないんですか。いかがですか。
○小泉国務大臣 財政の規律からということをいえば、特例公債を発行すること自体、もう規律が緩んでいると言わざるを得ないんです。それがいつの間にか、かつては与党も野党も、特例公債を発行すること自体、財政法で禁じられているんですから。それを今度はみんな、野党までが特例公債を発行しろという要求になっているんですから、時代は随分変わったものだなと思っているんです。 そういう中で、社会保障関係の予算、これは、当初は、前年度に比べていわゆる来年度、九年度からいえば、九年度の予算に比べて十年度の予算は全部マイナスにしろという議論が出てきたわけです。総論ではみんな、そうだそうだと言ったわけです。ところが、私自身、社会保障を預かる厚生大臣としては、それは無理だと。財政構造改革議論の中で、社会保障関係というのは、急に、年度がかわったからといって、今まで約束していた給付を削ることができない分野がたくさんあるということで、それでは、各省庁の予算は前年度に比べてマイナスにするけれども、社会保障関係と科学技術関係は前年度よりも伸ばしていいということになった。そういう中で、実質的に前年度に比べて伸びるのは科学技術関係だけで、社会保障関係は、前年度に比べて、三千億円程度は認めると言いながらも、当然増が約八千億程度ありますから、現実的には五千億程度削減しなければならない。それは、各省庁の予算がマイナスという前提で組んだんです。 ところが、今回、財政構造改革法を改正する、公共事業をふやすと言うんだったらば、その時点の前提は違ってくるんじゃないかということで、私は、それだったら社会保障関係を預かる厚生大臣として承知はできないということは、早くの段階から表明していたんです。それで今回、いろいろ議論は紆余曲折ありましたが、最終的には私の主張が受け入れられたということで、社会保障関係だけは上限の枠を外すということになった。私の主張は認められたというふうに理解しております。
○中川委員長 海江田君、そろそろ時間です。
○海江田委員 今、厚生大臣は、非常に正直におっしゃいましたね。公共事業をそれだけふやすんだったら社会保障関係をふやして当然じゃないかということですが、ところが、社会保障関係がふえるんなら科学技術関係がふえて当然じゃないだろうか、科学技術関係がふえるんなら国防費がふえて当然じゃないだろうか、こういう議論がどんどん出てくることにはなりはしませんか。それについての危惧はなかったですか。
○中川委員長 海江田君、質疑時間が終了しました。——それじゃ、最後の答弁、簡潔にお願いします。
○小泉国務大臣 今言ったような議論が出てくるから、社会保障関係の上限枠を外すことは認められないというのが大勢だったんです。ところが、最終的に、社会保障関係だけは例外だという私の主張が理解された。それは政治判断だと思います。
○中川委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。 次に、池田元久君。
○池田(元)委員 民主党の池田元久でございます。 今も海江田議員の質問にもありましたが、財革法改正の政府案では、財政赤字の国内総生産に対する比率を三%以下にするという目標年次を二年延長して二〇〇五年度にしました。先日の冒頭の総括質疑で、二〇〇五年度に果たして目標を達成できるかどうか、また、財革法をそのままにして恒久減税が可能かどうか議論をしました。しかし、わずかな時間しかありませんでしたので、きょうは、引き続きこの問題を中心に具体的に論議をしていきたいと思います。 質問の経済見通しの部分は後回しにさせていただくことにしまして、お手元に「財政事情の試算」が配られていると思いますが、それと私がつくりました資料をもとに、国の財政状況、まず税収から入りたいと思います。 税収は、名目成長率に弾性値一・一を掛けて算出しております。九七年度の税収は、前回の政府側の答弁では、補正後予算で前年より八%増を見込んでいるが、三月末の累計ではそれを下回る三・四%の線を走っている、しかし最終的にはわからないという趣旨のことを述べていたと思います。しかし、企業業績の悪化や消費の落ち込みで、八%増の五十六・二兆円の税収は難しいのではないかと思います。そして、さらに、九八年度補正後五十七兆円ですが、これも同様、達成が難しい。といいますのは、九七年度はマイナス成長が必至、九八年度も大方の予測はゼロ%台の成長率となっております。 その辺から伺いたいと思います。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 平成九年度の税収の見込みでございますが、先般御説明申し上げましたように、確かに、三月末時点で申し上げますと、累計が一〇三・四というふうになっております。八%を下回っているのは事実でございますが、今お話ございましたように、消費税の引き上げ等の増収効果が三月決算法人を中心に出てくるだろうということで、必ずしもこの数字で判断するわけにはいかない。また、進捗割合が七三%の段階で、三割残っておりますものでございますから、まさに大きな要因といたしまして、申告所得税のうちの確定申告の分、これは四月税収でございます。それから、法人税につきましては、三月決算法人の納付が……(池田(元)委員「同じ答弁は要らない。議論が進まないではないか」と呼ぶ)はい、わかりました。 したがいまして、先生が御指摘されましたように、この税収見積もりをやりました時点よりも経済指標、確かに下方修正されているのが多いことも事実でございますけれども、まさに、今後税収にその影響がどのように出てくるのかという観点からも注意を払っていく必要があるだろう、こういうふうに思っているわけでございます。 それから、十年度税収についてのお尋ねもございました。これはまだ本格的な収納が始まっていません。現時点において具体的な見込みを申し上げられる段階にはございませんが、今後の税収動向、経済状況をまさに注視していく必要がある、こういうふうに思っております。
○池田(元)委員 税収の見通しは、歳入欠陥ということも言われるくらいで、大変厳しい状況にあると思います。また、九九年、暦年の九九年に行うという次の二兆円特別減税を実施すれば、税収が、九八年度と九九年度の両年度にまたがるかあるいは九九年度だけか、やり方によって違うのですけれども、その分減収になると思いますが、それを確認したいと思います。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。 まさに、平成十一年分の二兆円の特別減税、減税方法がまだ決まっておりませんので、この表には試算されておりません。したがいまして、現実にそれが行われた場合には、その分、どのような年度ごとの減収になるかによって違ってまいりますが、減収になることは事実でございます。ただ、特別減税でございますので、それは一年限りの措置ということになるだろうというふうに考えております。
○池田(元)委員 試算は試算ですね。ですから、もう既に実施を決めている次の特別減税は、例えば単年度に仮置きして当然試算に織り込むべきではないですか。一言答弁をお願いします。
○尾原政府委員 申し上げます。 今の十一年に行う二兆円の特別減税でございますが、今申し上げましたように、減税方法はこれから検討することになっております。減税方法によりまして年度ごとの減収額が異なってまいりますので、具体的な計数として今回の試算に織り込むことは困難である、「財政事情の試算」の中の脚注でその旨書かせていただいたところでございます。
○池田(元)委員 脚注は、その数字は織り込んでいないのですよ。ただ十一年に行う特別減税を織り込んでいないというふうに書いてあるだけです。しかし、これはこの資料を見る人に対して不親切ですね。他の項目で仮置きした数字をいっぱい使っているわけですから、単年度で仮置きして試算に織り込んで一向差し支えないと私は指摘しておきたいと思います。 さて、松永大蔵大臣にもお尋ねしなければいけませんが、大蔵省は中期的な税収の見通し、展望というものをデッサンはしていないのでしょうか。
○尾原政府委員 中期的な税収見通してございますが、まさに「財政事情の試算」の中に、基本的には名目経済成長率と税収弾性値を用いまして、平成十七年度までの機械的な試算をお示しさせていただいたところでございます。
○池田(元)委員 結局、政府は、税収見通しはこれしかないという今のお答えで、ちょっとびっくりいたしました。税についてこれだけ論議しているわけですから、当然、それが当たるか当たらないかは別として、やはり一つのデッサン、いろいろな条件があると思いますが、そういうことをしていただかないと、我々としては困るし、大変心もとない感じがいたします。 さて、次に移りたいのですが、金融システム安定化のための預金保険機構に交付された国債が十兆円ありますが、このところ、破綻した金融機関が相次いでおります。拓銀を初め和歌山商工信組、徳陽シティ銀行など六機関の債務超過額は合わせて一兆円以上となっています。まだ破綻処理が終わっていない。さらにここへ来て、旧兵庫銀行を引き継いだみどり銀行が破綻し、預金保険機構の資金贈与額は少なくとも五千億から六千億円になるのではないかと見積もられております。 そうしますと、預金保険機構の資金贈与額は、特別保険料のいわば貯金、およそ三千五百億円あると言っておりますが、それでは賄い切れず、ごく少なく見積もっても一兆円以上交付国債を現金化しなければならないと思います。詳しい額の推計は結構ですから、いずれ近々、交付国債が償還されることになると思いますが、どうでしょうか。お尋ねしたいと思います。
○山口政府委員 お答え申し上げます。 特例業務勘定に設置されております基金七兆円でございますが、今年度中にこれが使用されるかどうかについては、処理の実行のタイミング、あるいはペイオフコストを上回る金銭贈与額の規模にもよりますが、既に破綻が表面化している金融機関の公表債務超過額が少なくとも丁三兆円を超えておりますことから、今年度中に預金保険機構より国債の現金償還がなされる可能性は高いと思います。
○池田(元)委員 今年度中に現金化される可能性が高い。そうしますと、歳出歳入のギャップがその分、小さな額ではなく、ふえるわけです。これも「財政事情の試算」には入っておりません。 それから次に、一般歳出、この前も若干議論しましたが、取り上げたいと思います。 財政構造改革法六条では、一般歳出は抑制するとしています。しかし、社会保障関係費についてはキャップを外し、小泉厚生大臣は、先日の私の質問に対し、九九年度は三千億円よりももっと予算を確保するようにすると答弁されています。むちゃな要求はしないとも言っておりますが、三千億円から七千億円の間の歳出増加になるわけです。 また、先ほど主計局長の答弁にありましたが、科学技術振興費も、増加額をできるだけ抑制するということですから、九九年度は前年度より増加することになります。 一方、公共事業費は、九九年度当初予算は九八年度よりも下回らなければならないと定められています。大蔵大臣も、先日、我が党議員の質問に対してこれを認めている、法律に書いてあることを認めるのは当然のことですけれども、厳しいと言っております。ということは、公共事業のカットはできないということだと思います。 したがって、一般歳出は、むしろ社会保障関係費、科学技術振興費などが増加し抑制は難しい、まして大幅なカットはできないということになると思いますが、端的にお答えをいただきたいと思います。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、それぞれのキャップは法律で定められておるわけでございますが、今回、法律において、社会保障につきましては、十一年度については抑制するという規定に二%の規定を変えるということでお願いしているところでございます。 ただ、いずれにしても、公共事業、ODA、科学技術、その他防衛等、各予算額につきまして、十一年度の予算額がどうなるかというのは、まだ作業も始まっておりませんし、現段階で何とも申し上げることはできないわけでございますが、昨年は、実は約五千億以上の一般歳出のマイナスができたわけでございます。それと同額の削減をするようなことはなかなか難しいという感じはありますけれども、ただ、具体的な数字のことは、現段階では全くわかりません。
○池田(元)委員 非常に厳しいということだと思います。 歳出歳入のギャップ、これは、「財政事情の試算」に出ております。歳出歳入のギャップ、つまり、今処理できない、穴埋めできない赤字を要調整額としてそのまま試算に載せている。それも、小さな数字ではありません。名目成長率一・七五%で、九九年度は三兆円、二〇〇〇年度は三・六兆円。概してふえている。そして、二〇〇五年度までの額を合わせると、一般歳出の伸びゼロで二十六兆円。これは、私がつくった資料2で見ていただいてもいいんですが、二十六兆円。一%増で三十二・八兆円。二%増で三十九・六兆円、四十兆円近い額になる。 しかも、先ほど申し上げたように、既に実施を決めている次の特別減税は織り込んでいません。また、金融システム関連の国債の償還もいずれ行われる。ここに出ている歳出歳入ギャップよりももっと額がふえるわけです。そうですね。 私は、これをちょっと遠くから眺めてというか、そもそもということで考えると、これは、我々国民としては大変驚くべき試算の仕方ですね。 そもそも、財政再建という以上、しっかりした財政再建の道筋を示すべきだと思います。松永大蔵大臣、ぜひ聞いてほしいのですが、企業や会社の経営計画、特に再建計画では明確な収支の見通しを立てるわけですね。巨額な、小さな数字じゃない歳出歳入のギャップをそのままにした再建計画なんかあるはずはないんですよ。こんな赤字をたくさん出せば、だれだって計画はつくれる。おかしいのではないですか、大蔵大臣。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○松永国務大臣 こういう厳しい状況にあるから、一般歳出のそれぞれの項目について、そのもとにさかのぼって直すべき点は直して、そして縮減に努めるという努力をしていかなければならぬということになってくるわけであります。
○池田(元)委員 これは、何も財政再建の道筋を示していないんですよ。単に、二十六兆円から四十兆円の赤字、歳出歳入のギャップをそのまま載せているだけなんです。こういうものが財政再建の資料として出てくること自体がおかしいのです。責任を持って、政府はもっと違った形で出さなければいけないと思うのです。 「財政事情の試算」では、今言った歳出歳入のギャップ、つまり、赤字を全部穴埋めできた場合、二〇〇五年度に財政赤字の対GDP比が二・二%になると試算しているわけですね。二番目の表です。この二十六兆円から四十兆円の歳出歳入のギャップを全部穴埋めできるのかどうか、どのように穴埋めするのか。この前の答弁でははっきりしなかった。自信があるのか、お尋ねをしたいと思います。大蔵大臣。
○松永国務大臣 先ほども言いましたけれども、このように厳しい試算になるわけでありまして、そこで、各年度の予算の編成に当たっては、極力の上にも極力むだを省いて、そして縮減をして要調整額を調整していかなければならぬ、こういうことでありまして、実際上は、各年度の予算の編成が終わったときには大体要調整額は、その年については済むから予算が編成できるわけでありまして、この要調整額を翌年度に引き継いだなどということは、実際問題としてはないわけですね。 したがって、これが夏以降、秋以降になりますか、予算編成時までにどう縮減していけるか、こういうことになってくるわけであります。
○池田(元)委員 これまではそうしてきたでしょう。 しかし、先ほどからずっと、先日の議論もそうですが、歳出を大きく減らせる要因はない、歳入が大きくふえる要因はないわけですよ。しかも、これは額が大きいですよ。非常に低成長で一般歳出を前年度と同水準とした場合でも、二十六兆円要調整額は出る。一般歳出の伸びが二%なら三十九・六兆円。それを全部きれいに解消するというのではなくても、解消するのはこういうことだと言うのが、当然責任ある立場の発言ではないでしょうか。 参考として全部解消できた場合、主要な目標が計算の結果二・二%程度になるとしている。こんなやり方がありますか、全額穴埋めできた場合というが、どうするのですか。 これは極めて非現実的な、無責任とも言えるプランだと僕は思うのです。大幅な増税はできない、大幅な歳出カットもできない状況からいって、非現実的と言わざるを得ませんね。これは同意していただけると思うのですよ。こういうものを出しているわけです。 何か答弁ございますか。
○松永国務大臣 この「財政事情の試算」という数字は、私の記憶ではもう十年以上前から、大体今ごろになりますか、出されておりまして、それを念頭に置きながら、概算要求、そしてその後の大蔵省と各省庁との間の折衝、最終的には大臣折衝、あるいは恐縮ですが、我が党の政策責任者の折衝等々を終えて、そして最終的な閣議決定ということで予算編成は終わるわけでありますが、終わった時点では何となく要調整額は調整されて、毎年度予算が編成されている。 試算に示されておった要調整額は、その年度の分はその年度で調整が終わって、そして、調整が終わっていないから翌年度に引き継いで翌年度分がふえたという話は、私は聞いたことがありません。 大変なことでありますけれども、暮れの予算編成、そして閣議決定までの間に一先ほど言ったように、むだを徹底して省く、そういったことの努力の積み重ねで何としてでも要調整額の処理をしていかなければならぬ、こう思っているわけであります。
○池田(元)委員 このギャップを埋める方策については出てきません。 そして、これまで何となく調整できた。額も小さかった。しかし、これから毎年連続でこれだけの要調整額が出る。具体的な手段を示していただければ別ですが、このままで全額を解消できますか。 それで、前回の総括質疑でも出しました資料2です、恒久減税を行った場合というのをつけ加えて整理してありますが、私の方で政府の専門家に頼んで試算をしてもらったものです。巨額の歳出歳入のギャップを処理できず、国債発行で穴埋めした場合はどうなるか。2のケースですが、財政赤字の対GDP比は、二〇〇五年度に、一般歳出の伸び〇%で三・二%、一%増で三・七%、二%増で四・一%になる。いずれも財政健全化目標の三%を超えて、目標の達成はできません。 三%達成、つまり二〇〇五年度までに財政赤字の対GDP比三%以下にする、その根拠を示していただきたいと思います。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 そもそも三%の基準を目標といたしましたのは、これはヨーロッパにおけるマーストリヒト条約におきまして同じ基準が用いられているということ。実はその三%というのは、国債の残高はまだふえ続けていくわけですが、当面は、GDPに対する比率が上がらないようなところに持っていかなければいかぬ。要するに三%まで持っていけば残高のGDP比率が上がらない。その後はさらに、残高が今度はふえないような姿に持っていこう、そういう考え方のもとで三%という基準を設定したわけでございます。
○池田(元)委員 マーストリヒト条約で三%というのを使っています、そんなことはわかっています。 私があなたにといいますか、政府側に問いたいのは、法案に二〇〇五年度までに財政赤字の対GDP比は三%以下にするということを明記しているわけですね。これは重要な目標ですよ。法案に明記した以上、三%以下にできるという根拠を示していただきたい。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 財政赤字は、当然のことながら、いわゆる歳入と歳出の差額でございます。したがいまして、その個々の、例えば歳出の中身は、御承知のとおりあらゆる国の活動のいわゆる経済的な裏づけでございますから、防衛、社会福祉、あらゆる予算の総計でございます。したがいまして、これから平成十七年度までのそれぞれの姿を今の段階でお示しすることは難しいということは、先生御理解していただけると思います。 それから、ただ、この三%の基準というのが本当に、先生は達成できないのではないかという御指摘でございますが、この試算はもちろん単純に、二〇〇五年度に三%以下にするという目標を前提に機械的に計算しておるものでございますが、この要調整額、例えば平成十一年度ですと約三兆円前後の要調整額があるわけでございますが、これは、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、平成十一年度の予算編成の過程で、歳入歳出、両面それぞれ大変厳しい、難しい面があることは、まさにそのとおりだと思いますけれども、しかし、歯を食いしばってやはり財政構造改革を進めていかなければならないということでございますので、それは、今の段階では、これとこれをやるからこれが解消できるということは申し上げられないわけですけれども、予算編成の過程でこれを解消していくということでございます。
○池田(元)委員 全然根拠になっていないですよ。政府案は三%以下にするという、これはしかも、議論をして、主要な目標で入れたのですよ。法案を提出した以上、三%以下になるというその根拠、それを示すのが当然ではないでしょうか。結果としてこうなる、参考に書く、そんなものじゃないですよ。大臣、わかりますか。
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたが、私の経験からいえば、十数年前から、予算の概算要求の時期を迎える前に、この試算などというものは示されておりましたが、結果的には、毎年の予算編成の段階で、縮減努力その他の結果でしょう、予定された要調整額は調整されて、予算は編成されておる。そして、不足分が翌年度に引き継がれたという例はありません。 実際問題として、毎年毎年の予算編成のときに、こういう数字を調整せぬことには目標は達成できないよという前提で、ぎりぎりの折衝をして、そして歳出の縮減その他の努力をして、毎年毎年、一歩一歩を踏みしめながら努力をしていくというのが実際の姿なのでありまして、三年先、五年先のことを今から明確に示すことは、それは難しいことなんですよ。(池田(元)委員「じゃ、法律を出さなければいいのですよ」と呼ぶ)法律を出さなければ目標はないでしょう。きちっと目標年度に達成するという大目標を掲げて、そして最大限の努力をしていくのが政治の務めだろう、私はそう思っています。
○池田(元)委員 毎年毎年努力しているとか、そんなことを聞いているのではないのです。 この法案の提出者は、二年延長して二〇〇五年度に三%以下にする。責任を持って法案を提出している。単年度じゃなくて、その達成できる根拠を当然国民や議員の皆さんに示さなければいけないのではないですか。
○松永国務大臣 制度、仕組みのもとにさかのぼって、徹底した経費の縮減をして、そして目標年度に目標とする三%以下が達成できるようにやっていくのが、これが政府の務めであり、また責任である、こういうことなんです。
○池田(元)委員 全然答えになっていないと思うのです。 政府が非現実的な仮定をして、結果としてそうなるというのはありますよ。しかし、この三%以下というのを大変な議論をしてセットをした。それが達成できる根拠を示すのが当たり前じゃないでしょうか。 責任を持って説明できる政府委員はいるのですか。
○涌井政府委員 先生から、この膨大なる要調整額の解消はそもそも無理ではないか、あるいはさらに、その具体的な方策を示せということでございますが、具体的な方策につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、それは毎年度毎年度の予算編成で、歳入歳出、これは個々に、もう数カ月かけた予算編成で、しかも政府全体、各省巻き込んだ上で、議論をした上で最終的に進めていくわけでございます。 それから要調整額、例えば昨年秋のこの法案審議の段階でお示ししました段階では、約二・一兆円から二・九兆円の要調整額があったわけでございますが、最終的には、税外収入、交付税、一般歳出、あらゆる歳入歳出面の見直しを行ってその要調整額の解消を図ったところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○池田(元)委員 先ほどは要調整額のことを聞きましたが、私が聞いているのは、二〇〇五年度で財政赤字の対GDP比三%以下にするというのは大変重要な目標なんです。財政構造改革法では二〇〇五年までのこうするというのを、ここにあるこれは本当にもう極めて不十分ですが、一応出しています。そうですね。そうであれば、三%以下になるという根拠、道筋を示すのが当然ではないか。その根拠を示してください。皆さん、そうでしょう。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 その点につきましては、「財政事情の試算」を御提出して、これは全く機械的な計算であるわけですが、一般歳出を抑制し、かつ国債を、少なくとも現在十年度当初予算で七・一兆円発行しております特例債をゼロにする。そうすると、平成十二年度が仮に建設国債が八兆円程度残るといたします。それだけの公債減額を図っていった場合には、平成十七年度におきましては、国、地方の財政赤字のGDP比が約二・二%程度になる。ただ、先生から言われれば、その分は要調整額がまだ残っているんじゃないかという御議論はありますけれども、それはそれで毎年度努力していく、そういう努力をすれば三%以下になるということを示しているわけでございます。
○池田(元)委員 要するに、歳出歳入ギャップを全部解消できた場合、そういう現実から遠い仮置き、仮定をして、結果として二・二%になる。そんなことなら計算すれば出ますよ。法案に三%以下というのを明記したわけですよ。財政再建の道筋、三%以下にできる根拠を示しなさいよ。当然でしょう。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○松永国務大臣 これは、実際政治に携わっている人ならばみんな御存じでしょう。毎年毎年厳しい努力をしながら要調整額の調整を済ませて今日まで来たのです。平成十一年度の予算編成についても、今までより以上に厳しい歳出の見直し、縮減、それをやって、この要調整額を毎年毎年減らしていくことによって最終的には目標が達成される、そういう……(池田(元)委員「単年度の話じゃないんです」と呼ぶ)いや、毎年毎年の予算ですから、これから五年間、七年間の予算を今ここで決めるのじゃないのですから、目標を定めて、それに向かって毎年毎年歯を食いしばって努力することによって最終的には達成される、その道筋を試算として示しておる、こういうふうに御理解願いたいのです。
○池田(元)委員 恒久減税の話もしようと思ったのですが、資料の下段にあるとおり、恒久減税については二兆円とすると、四十兆円以上の歳出歳入のギャップが生じて、これを穴埋めしない限り不可能ですが、まずその前に、今聞いているのは、法案に書かれている三%以下という財政健全化目標が達成できる根拠を聞いているわけです。単年度に努力するとかなんとかではないのです。皆さんは、二〇〇三年度を二〇〇五年度に目標年次を変えた、そして法案にも明記した、そうであれば、その根拠を示すのは当たり前じゃないですか。今まで全然根拠を示していません。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 法案に書かれております三%と申しますのは、先ほど申し上げましたように、やはり二〇〇五年度、これはベビーブームに生まれた子供たちが六十歳を超える、それから貯蓄率が急激に下がっていく、その時代までにはもう国、地方の財政赤字のGDP比率がこれ以上ふえる形にはなってはいかぬということから始まったわけであります。それと、ヨーロッパの基準も同じであるということで、やはり三%以下にしなくてはならないという議論があったわけです。 それで他方、その三%にすることが可能かどうかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、国の一般会計の公債依存を少なくとも特例債をゼロにした形にしますと公債依存度が大体一〇%前後まで下がる、そうしますとGDP比率は三%以下になるということで、可能性はある。さはさりながら、要調整額の解消という大変厳しい問題があるということはもちろん御指摘のとおりでございますけれども、しかしそれに向けてやはり国の財政赤字の縮小に努めていかなくてはいかぬということで、厳しい作業を進めていかなければならぬというのが財政構造改革会議あるいは財革法をお願いしているときの議論であったと思います。
○池田(元)委員 可能性があるとか、そんなことをこの財革法の審議の場でおっしゃるのは、私はもう信じられませんね。皆さんは責任を持って法案に明記したのでしょう、三%以下の目標、わざわざ二年度延長をして。そして、前に大蔵省は、去年の五月ごろだというのですが、単純に三%に持っていく場合には地方と国はどのぐらい財政赤字を改善していけばいいかという、ここにあるこういうものを出してきました。これは第一着手といいますか、こういうものをもとに我々国会そして国民に対して、GDP比三%以下、今や国際標準ですね、それが二〇〇五年度に達成できるという理由、こういう道筋であるということを示してほしい。今までのところ、全く出ていません。
○松永国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、目標を定めて、そして毎年縮減すべき数字を出して、そして毎年の予算編成時に最大限の努力をして要調整額を解消していく、それを毎年続けていくことによって達成される、こういうことなんです。
○池田(元)委員 先ほどから、努力するとか毎年達成するとかおっしゃっていますが、皆さんは、単に政治方針として財政赤字を抑制するとかそういうことではなくて、法案として明記をして出しているわけですよ。その根拠を示せない、これは全くおかしいと思います。 委員長に申し上げますが、その辺の、私の質問に対する答えを正確にするように言っていただきたいと思います。
○中川委員長 政府側の答弁、私ちょっと席を外していましたが、それでも聞いておりましたけれども、今までの答弁、もう一回整理して御答弁ください。
○松永国務大臣 委員も御承知のとおり、我が国の予算編成は単年度主義なんですよね。そこで毎年毎年歳出のむだを省く、不要不急の分を省いていく、それによって毎年毎年の予算編成を通じて要調整額を毎年毎年処理していく、そして目標年度に目標を達成する、予算編成の仕組みがそうなっておりますから、それを着実に毎年努力をしていく、こういうことであるわけです。
○池田(元)委員 それは、その仕組みとしてそうなっているわけですよ。今は来年の予算案の審議をしているわけではないのです。二〇〇五年度までの財政構造改革法の、設定したこの間にどういうふうになるか、三%が達成できるかどうか、それを聞いているわけです。 しかも、最初言いましたように、政府から出した唯一のものが二十六兆から四十兆、名目成長率一・七五%で。こんな巨額な歳出歳入ギャップはそのままにして再建なんかできますか。先ほど申し上げたとおり、民間の会社が経営計画や再建計画を立てるときは収支の見通しははっきりつけるわけですよ。赤字を置いて計画なんか立てるのはだれでもできます。 まず、その三%達成の根拠について明快な答弁を、ちょっと調整してください。
○中川委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中川委員長 速記を起こして。 池田君。
○池田(元)委員 全く達成の根拠を示していただけないのですが、大蔵省は、一たんこういう、完成品じゃありませんけれども、三%へ持っていくためにどうしたらいいかということを一応図表にしてつくったのです。ですから、私は明確な根拠をできるだけ示してほしい。しかし、まあいろいろな条件があるだろう。本当は根拠を示してもらえなくてこの財革法の審議というのはあり得ないと思うのですよ、一番主要なところをいじって、それが達成できるかどうかの根拠ですから。 それはちょっと後回しにして、このように要調整額を全部解消できて、結果として二・二%程度になるとかなんとか。計画としてはこれは無責任ですよ。そうでしょう。与件として二〇〇五年度に三%にする場合にはどうなるのか、そういった姿ぐらいは少なくとも出すべきではないですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 法律で三%を規定しておりますのは、これは先ほど申し上げましたように、GDPに対する財政赤字の比率が上がらない、ふえないようにする、それが三%になればGDP比率が上がらないというのが一つと、それから、EUの統一通貨に加盟する条件として各国とも三%に抑えなければ資格がないという、その二つの要件があったものですから、日本としてもそれをやはり目標にすべきだということで、まずその三%という基準があるわけでございます。 それからもう一つ、三%への道筋ということでございますが、去年先生にお示ししました資料は、多分、当時の五・四%から三%へ持っていくにはどういう姿になるだろうか、そうすると年に大体〇・三%ぐらいずつ下げればいいと。これは外国におきましても大体同じようなスピードでございます。そういう意味では、そういう試算はまた先生にそういう形でお示ししてみたいなと思います。去年と同じような形での試算ですね。
○池田(元)委員 いや、私は、せっかくまず入り口としてこういうものがあるから、その達成の大筋の粗筋の道筋を、少なくとも、私だけではなくて皆さんに示すべきですよ。これは作図するのは簡単じゃないですか。三%を置いて、現状のパーセントを置いて、ただ二本線を引けばいいんですから。そんなことでそういう子供だましの議論は私に言ってもだめですよ。 具体的に言ったのですから、もうちょっとしっかりと答弁していただきたい。
○涌井政府委員 三%の道筋というか、GDP比率というのは国と地方の財政赤字なものですから、個別の積み上げとして姿を出すことはなかなか難しいわけでございます。 そういった意味で、むしろ国の一般会計の方から財政赤字の方の推計をしていく。そうすると、この法律上は特例債がゼロというのが一つの目標でございますので、ともかく公債を減らしていく。それで、公債を今の十五兆から八兆ぐらいまで減らした場合には、あわせて、多分地方も、国と同じように地方の赤字も減っていくというような前提で考えていきますと、三%を割るという姿になるというのがこの「財政事情の試算」でお示ししているところでございます。
○中川委員長 池田君に申します。 速記中止時間二分二十秒を含めまして質疑時間は終了いたしました。
○池田(元)委員 それでは一言だけ。 いや、私は極めて不満です。せっかく最後こういう資料も示したのですから、次の中期財政試算のときにはそういうしっかりとしたものをつくっていただきたい。コンピューターのソフトも大幅に改良して、まず与件三%、その場合には途中どうなるか。僕らみたいな者でもそういうことは想像つきます。 そして、最後に本当に一言だけ申し上げますが、今議論してきたように、財革法とその政府改正案は、最も重要な目標の達成の道筋が定かでない。私は、この法案は凍結して抜本的に見直すべきだと思います。 そういうことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○中川委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。 次に、大口善徳君。
○大口委員 平和・改革の大口でございます。 きょうは、特に社会保障関係について小泉大臣にお話をお伺いしたい、こう思っております。 まず、今回の財構法の改正等につきまして財政構造改革会議がございました。小泉大臣がその中で、公共事業だけ上積みして社会保障関係費だけそのままなら私は承知できない、こういうことをおっしゃった。財構法に対するこういうおっしゃり方をされたその中身は、どういう意図でこういう発言をされたのか、これをお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 平成十年度予算は、公共事業も含めて、各省庁予算は前年度に比べてマイナス予算を組むという前提で編成されたわけです。しかしながら、いろいろな事情があったと思いますが、公共事業は上積みするという事態になってきたのならば、全体が厳しいのだから社会保障も厳しいのだということで、それなりの説得の方法もあるということで厳しく削減してきた事情を考えるならば、その前提が崩れるわけですね。公共事業は別だという形で上積みされる。ならば、その前提が崩れたのだから、社会保障を考える場合、厚生大臣として、今までみんな必要だ必要だと言っていたところを厳しく見直して削減してきたわけですから、それだけの余裕があるのだったらば、社会保障も例外として一定の幅を持たせてもらって、上積みの予算を認めてもいいのではないかということを主張していたわけであります。 途中経過におきましては、社会保障だけ例外扱いすれば各省庁も同じような要求が出て収拾がっかないということで、いろいろ議論もあったわけでありますが、最終的には、社会保障関係というのは大変厳しく見直した経過もあり、なおかつこれからの社会保障関係の重要性を考えるならば、これを例外と認めても、ほかの省庁が同じような、例外とするような主張は出てこないのではないかという判断を総理がされて、社会保障だけは例外扱いするという私の主張を理解し、決断をされたのだと私は思っております。
○大口委員 確かに、八千億増のところを三千億に抑えるとかいうこともあるし、それから、社会保障関係費と公共事業関係費を見ますと、公共事業の方は、当初予算じゃなくて、柔軟に補正でもってできる、そしてまた建設国債という形の手当てということもある。社会保障の場合、大体当初予算で決めていかないと厳しい、そういう性格を持っている。 それで、そういう中で特例公債という制限もある、構造的に社会保障関係費というのはこの財構法の中で不利に扱われている、そういう部分がある、そういう思いが出たということですか。
○小泉国務大臣 別に不利とか有利とかいうことじゃないのです。 これからの財政状況を考え、高齢・少子社会を考えれば、今の制度のままでいいとは思っていない。制度の改正もしなければならないし、できるだけ費用の効率化、重点化を図っていかなければならないということになれば、計画的な見直しが必要だ。そして、予算をふやせるような状況にないということを考えれば、私は当初予算から見直していくべきだ。しかも、これが永続的に続いていくような、できるだけ有効に予算を使うことができるような改正をしなければならないということで、社会保障関係というのは補正で簡単に、必要だから、あるいは景気対策だからということで伸ばしたり減らしたりするような性格じゃない。これは予算そのものも、本来当初予算を組むときは補正を考えないで組むわけですから、それはそれでいいのじゃないかというふうに考えております。
○大口委員 それで、平成十一年だけキャップを外す、こういうことなわけですが、平成十二年はまたキャップをつける。集中改革期間、十、十一、十二のうち十一だけ外すということですね。それで、また十二になると縛りがかかってくる。果たして社会保障費をまた十二年にもとに戻して縛るということでやっていけるのかどうか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 十一年度には制度改正の効果が出てこないのです。そこで、現行の制度のままで、ただ予算をすべて削減しなさいとなると、十二年度に向けての制度改正に対しての国民に対する理解とか、あるいは今まで当然手当てされていた給付が削減されるということになると、なかなか理解を得るのが難しい面も出てくるということを考えまして、十一年度については、今年度と似たような削減方法をとるよりは、ある程度裁量権を認めてもらって、十二年度の制度改正に向けて費用の効率化、重点化を図っていくならば、十二年度に対しては今までにないような抜本的な制度改革、医療保険制度改革についても取り組むわけですから、そのような削減ができるような予算編成はできる。また、そうしていかないと、将来の社会保障関係に対する構造改革もできないのではないかということで、私は、十二年度以降は制度改革がきいてくるような有効な改革をしていかなければならない。 それに取り組むための前段階が十一年度でありますから、国庫負担を削減するということになりますと、当然今まで以上に国民が自己負担なり、かなりの今までもらっていた給付も削減する、あるいは補助金も削減するということになると、今以上のまた反発も出てくるのではないかという点を危惧いたしまして、十一年度に対しては、一定の今の財革法の枠をはめるよりも、厚生省にもう少し裁量権を持たせてもらいたいということで、十一年度に限って例外枠を要求したわけでありますが、十二年度に向けては、上限枠が設定されたとしても、それに沿うような、制度改正を含んだ予算編成をしていかなければならないというふうに考えます。
○大口委員 昨年の二兆円の負担増のときも、医療改革の問題、医療費の問題ですけれども、健康保険の改正のときも二兆円負担増、そのときに、抜本的な改革をする、何回も医療改革についてはおっしゃったわけです。社会保障制度においても構造改革というものは当然必要になってくるわけでございます。だから大臣も昨年の段階では、ことします薬価等についてきちっと見直しをするということで、健康保険法の一部を改正する法律案を出して薬価をきちっとする、こういうことであったわけですね。 ところが、結局それがいろいろな反対等があって見送られた。診療報酬の方は一・五%アップで、これだけで約一千億円の増になっている。こういうことで、改革というのは大変反発も大きくて、その中で大臣はやるやるとおっしゃったわけです。昨年私も厚生委員会で議論させていただいたわけです。ところが、今回はそういう形で見送った。 じゃ、薬価の見直し等も含めて健康保険法の一部を改正する法律案をいつ出されるのか、どう成立させるのか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 十二年度実施を目指している方向は変えておりません。国会に提出する時期は、確かに当初の目標からいえばおくれているのは事実でありますが、実施の時期、十二年度実施を目指して、いつ提出するかというのはいろいろ審議会の取りまとめを見ながら判断していきたい。確かに三十年間いろいろ言われながらできなかった問題ですから、改革をしようとすれば反対が出るのはやむを得ない事情もありますが、この基本方針は変えておりません。 実際にいろいろな議論があるのを押し切って早く国会に出した方がいいのか、じっくりといろいろな意見を聞いて、大体のところで落ちついてから国会に出した方がいいのか。要は成立時期ですから、今、今国会に出して継続になって十二年度実施できるかどうかというような状況よりも、かなり時間がおくれたとしても、十二年度実施に間に合わせるためにはいつ出したらいいかというのは、もう少し判断しなければならないのではないか。しかし、いずれにしても、十二年度に向けての制度改革を実施するという方針は変えておりません。
○大口委員 次に、二〇〇〇年から介護保険が施行される、こういうことで、私も地元の首長さん等々といろいろとお話をする機会があります。介護保険施行に向けてどう対応しているか。そこでやはり一番問題になるのは、確かにこの介護保険について、考え方として在宅というものを充実させていくということで、施設というよりは在宅に重点を置いているということであります。 例えば特別養護老人ホーム等の施設整備についても、おくれているところもありますし、そういう点で、保険料を払ったわけだから自分としては特養に入りたい、こういう現場の声といいますか、そういうものはありますので、首長さんたちがそういうことに対して十分対応できるように、特別養護老人ホーム、これをやはり充実させていきたい、こういう思いがあるわけです。 ところが、その特別養護老人ホームの施設整備、これは補助金を国が二分の一、県から四分の一等という形で、補助型で特別養護老人ホームの施設をつくるわけでありますけれども、そうしますと、ここで財政上の制約がある。今回も財構法のこういう形で縛りもかけられておりますし、なかなか制約がある。 そういう点で、首長さんの中には、施設整備については、むしろ、これは補助金をもういただかないで、例えば国の低利融資を受けて、そして施設の整備については自前でやる、ただし、介護保険を適用してもらって、その運転についてはき一ちっと補助金をいただけないかと。そういう考え方で、そういう道も認めるべきじゃないか。施設整備については、補助金を決定されなければ特養がつくれない、そういう一本の道じゃなくて、二本、三本の道ということをやはり考えていくべきじゃないか。 そしてまた、例えば国からの低利融資につきましても、今までですと、施設をつくるときに補助が二分の一、国庫負担が二分の一ですけれども、それを低利融資を受けて、償還のときにその二分の一を充てて分割でやっていく。そういうことで、整備をもっと早目にやれないか。あるいは介護保険の介護の報酬の単価の中に、むしろ、そういう設備の償却費、こういうものも盛り込んでいってはどうかというような提案が出されております。 私も本当に、これは首長さんからの、県知事ですとかあるいは市長さんたちの意見でございます。そういう点では、現場の非常に責任ある方のそういう意見について、やはり今後は特別養護老人ホームの設置についても柔軟に考えていかなきやならないのじゃないか、こう思っておるわけでございます。 この点につきまして、大臣にちょっと、そういう考えについてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。 特別養護老人ホーム、介護保険法を施行いたします場合に大変重要な施設であることは先生の御案内のとおりでございます。私どもも、今整備を鋭意進めておりまして、現在の整備状況は、全国的には八年度末で八十数%にまで来ております。全国的にもこれからさらに力を入れるということで、今回の補正でも、新ゴールドプランの前倒しの予算等もお願いしておるところでございます。 その中で、現在の進め方につきまして、多様な道をということで一つの御提案をいただいたわけでございますけれども、私ども、特別養護老人ホーム、これは施設の性格上、やはりある程度広域的な利用、市町村を超えた利用ということを考えなければなりません。したがって、都道府県で老人保健福祉計画というものをつくっていただいて、その計画の中で整備を進めていただくという考え方に立って、それを集大成する形で新ゴールドプランというものもできております。 したがいまして、都道府県がつくられます計画に基づいて推進するということは大変大事なことだというふうに思っておりまして、そういった計画の枠を超えて市町村が単独でおやりになるということになりますと、都道府県全体の広域的な整備ということで欠けるところが出てまいりますし、そしてまた、整備をした後は、運営費については公費も入った形で、国費、あるいは場合によっては都道府県費も入った形で運営をいたすわけでありますから、こうした点でもやはり計画的な整備という点は押さえていかなければならない、そういうふうに考えております。 したがいまして、自己資金でおやりになるという場合にも、こういった計画の枠の中でおやりになるということについて対応していくということで考えなければならない。その都道府県計画の枠を超えて、いわば市町村が勝手にと言うと語弊がありますけれども、独自におやりになることについては、やはり慎重でなければならないであろうというふうに考えております。 また、そういった形で、都道府県の計画の枠内で単独整備というようなことが行われました場合に、その後の運営費をどうするかという問題につきましては、御案内のとおり、十二年度から介護保険がスタートするわけでありますけれども、この介護保険の中におきましては、それぞれの地域等の平均的な費用を勘案して介護報酬を決めるということになってございます。したがって、そうした中で、今言われるような例外的に独自でつくられた分だけいわば上乗せしてプラスでできるかという点については、なかなかこれは難しい点があると思います。 しかしながら、介護保険の報酬につきましては、現在、介護報酬の関係につきましての部会等を設けて、審議会で御審議願うことになっておりますし、また、介護保険下における各施設の事業主体ということにつきましては、その法人のあり方、助成あるいは減価償却等のあり方について、これもまた審議会等を中心に、社会福祉事業の構造改革という形で議論もされておりますので、これからの検討の中で検討してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
○大口委員 もちろん各自治体の計画の中ではありますが、前倒しをしてまいりたいという気持ちが首長さんの中に多いわけであります。そういう点で、一つの道だけじゃなくて、やはり複数の道をつくって、調整は必要でしょうけれども、それを前提とした形で調整していく。ただ一本の道だけしか認めないということでは、これは地方主権といいますか、そういう地方分権という観点からも好ましくないんじゃないかな。 そういうことで、大臣、ちょっとこの考え方について御感想をいただければ。
○小泉国務大臣 ある程度の裁量権を認めるのは当然だと思いますけれども、この場合は国費が絡んでいるし、ある面においては統制的な、計画的な面も必要だと思います。 それで、都道府県と各市町村が相談することによって、また国と相談することによって、この問題はかなりの部分解決できるのではないか。そして、なおかつ、市町村が独自にやりたいという部分は、国費もかからない、県費もかからない、しかし市町村独自でやりたいという分野は、私は福祉の面においてもほかに十分あるのだと思います。そういう面で私は解決できるのではないかと思っております。
○大口委員 次に、厚生共済会の問題を私も四月下旬に取り上げさせていただきましたが、そこの調査をいろいろさせていただいて、非常に問題があるということで、きょうは、その部分について質問をさせていただきたいと思います。 国立病院とか療養所における経営の改善、これはもちろん国も努力をされておるわけです。そういう中で、一般会計からの繰り入れも、平成四年は二千四百六億円ありました。二千億台が平成八年まで続いておるわけでございますが、平成九年には一千八百二億円、平成十年には一千四百六十八億円ということで、国立病院・療養所の経営についての一般会計の繰入額は減っております。 そういう点で努力は認めたいとは思いますが、いずれにしましても、各国立病院がもっともっと収入の増加について努力をする、そして経費の節減をしっかりとする、こういう病院運営を進めていかなければいけないと思います。 そういうこととの関係でいきますと、どうもこの厚生共済会の存在というのは全くそれに逆行している、こういうことが言えると思います。 この厚生共済会のパンフレットを見ますと、公益事業ということで、機関誌の発行、医療従事者の海外研修事業、それからコンピューター講習会事業、研究助成金交付事業、保険事業、退職者互助年金事業、これは公益事業という中に入っているわけですが、実際に本当に公益事業はどれかといいますと、この例示されているものではないということなんですね。 そこで、まず、この厚生共済会において、厚生省として公益事業と認められるものはどういうものなのか、お伺いしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。 財団法人厚生共済会は、公益事業として、国立病院等の職員を対象とする機関誌の発行、これは「医療の広場」という機関誌でございますけれども、これを毎月四千七百五十部発行いたしております。それから、国立病院等の医療機関の職員が行っております業務運営の効率化とか患者サービスの向上に資する研究に対する研究助成、これは毎年七ないし八本のテーマを設けて研究を行っております。 これらは、私ども、この財団法人の公益事業として認めることができる、このように思っております。
○大口委員 機関誌の発行というのは、四千七百五十部発行しているというのは、私なんかもっと発行していますよ。四千七百五十部で不特定多数の方に対してどんな公益的な向上ができるのかわからないですし、それから今、研究助成金交付事業、七、八本ということですが、金額はどれぐらい助成しているのですか。
○小林(秀)政府委員 お答えをいたします。 平成十年度予定、総額四百八十万円ということでございます。
○大口委員 たった四百八十万ということですね。その上、何かコンピューター講習会事業なんというのも平成八年でやめていますし、それから広報誌の「医務だより」というのもやめてしまっていますし、公益法人という看板だけはあるのですが、中身はほとんど公益的なことをやっていない、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。 これは、事業収益が平成八年、大体百六十二億というとてつもない規模なわけですね。その中で、助成事業がたった四百八十万、こういうのは公益法人とは言えないと思うのですね。 そこで大臣、私は、こういうのは、また不特定多数を対象にした事業でもないですし、公益事業としてはこれはもう認められない、本当にそういう点ではそう思うわけでございますけれども、どういうお考えですか。
○小泉国務大臣 先日も委員から御指摘を受け、なおかつ新聞紙上でも報道されまして、この厚生共済会の公益法人としてのあり方、私も率直に言って疑問を持ちました。厳正に指導しなければいかぬ。 同時に、今委員が御指摘のように、この厚生共済会が公益法人としての存在の必要性があるのか、それも含めて今見直すように厳しく指示しているところであります。御指摘の批判も踏まえて、批判にたえ得るような改善措置を講ずるようにしなければいかぬと思っております。
○大口委員 さらに、収益事業の実態について、私の調べた範囲で指摘していきたいと思うのです。 収益事業の中でやはり一番大きなものは物品販売等、こういうのがあるわけですね。平成八年度の厚生共済会の物品販売等という項目を見てみますと、これは国立病院との契約でいきますと、例えばCTなどの高級な医療機器だとかエックス線フィルムとか医薬品、コンピューター、トイレットペーパーに至るまで国立病院に物資を供給しているわけです。平成八年度を見ますと、入札によるものが八十六億円、随意契約によるものが二十三億円、こういうことなんですね。 ところが、厚生共済会というのは倉庫も何も持っていないわけで、とにかくメーカーから物品をじかに各病院に納入させる、メーカーとか卸売店から納入させる。要するに、書類上で、口ききだけなんですね。だから、口ききだけで平成八年度、物品販売等という部分だけで百十億円の売り上げがあって、十二億円利益を上げている、こういうことなんですね。これは結局十二億円国立病院が損して、厚生共済会が得している。(発言する者あり)ピンはねです。しかも、これは株式会社だったらわかりますが、公益法人で助成事業は四百八十万しか出していない、ひどい話なんですよ、これが。とんでもない。 それからまた、物品販売というもの以外のものを見てみますと、病院内のクリーニングをやったり、あるいは環境衛生事業、あるいは検査検体の運搬など、病院サービス事業で、これは平成八年度で五億円。それから病院事業以外で駐車場事業。これは、九州でいえば、もうただで四百四十台分のところを借りているわけです、共済会が。自分のところで来院者に対して貸して、それで駐車料を取っているわけですね。国有財産をこういう形でやっている。コインランドリー、それから自動販売機の事業、売店、食堂、喫茶事業など、こういうことを病院でほぼ独占的にやって四十一億の売り上げをしているわけであります。 こういうことで、物品販売等の病院事業に関するもの、駐車場等の病院事業以外の事業を合わせて百六十二億円、平成八年度で事業収入がある。こういうことで、内部留保は七億七千八百四十九万九千三百五円だそうでございます。 それからさらに、これをそれぞれ厚生共済会と国立病院の関係で見ていきますと、事業の収支というのを調べてみますと、平成四年度で、売り上げが百十三億あるわけですね。原価が百四億で、八億九千五百ぐらい差額があるわけですね。平成五年度で、百二十一億五千の売り上げで、そして原価が百十一億一千、差額が十億三千六百。それから平成六年度が、これも売り上げが百四十一億、それから原価が百二十九億九千六百、差額が十一億一千四百。平成七年度は、百二十七億の売り上げ、原価が百十五億八千、差額が十一億四千二百。それから平成八年度が、売り上げが百三十九億、そして原価が百二十六億六千、差額が十二億六千三百。この五年間で五十四億も、ただ単に伝票で、問に入っているだけで利益を得ている。これは、全部国立病院の赤字の上に、その犠牲の上に収益を得ている。これはもうとんでもないことなんです。 どうですか、大臣。こういうように、公益事業はほとんどやっていない、もうほとんど営利事業である。しかも、税金は安い税金の適用でやる。こんなのは公益法人として解散すべきじゃないですか。
○小泉国務大臣 先ほども答弁いたしましたように、今のような批判というものを真摯に受けとめまして、その批判にたえ得るような改善措置を講じていきたいと思います。
○大口委員 大臣にしては、いつも歯切れがよくて、私もファンの一人でございますが、ちょっと歯切れが悪いな、こう思うわけでございます。 さらに、私の調査によりますと、そういうことで、厚生共済会というのは営利事業なんですよ。だから、ほかの同業者、要するに、ほかの営利事業との関係でいえば、民間圧迫もいいところなんですね。 厚生共済会というのは、国立病院のOBの方ですとか、ここの理事長さんは厚生省の援護局長だったわけでありますね。そういう特別の関係を利用して、こういう形でうまい汁を吸っているわけでございますけれども、国立病院の契約額に占める厚生共済会のシェア、これは今細かい数字を要求しております。ですから、正確なところはわからないのですが、大体、国立病院の契約額というのが千三十一億の契約額、それに対して百十五億四千、これが厚生共済会の契約だと言われていますが、一一・二%のシェアを持っている。こういうことで、この共済会と国立病院、厚生省が全く癒着し切っているということが、大体の数字で見てもはっきりするわけでございます。 それだけじゃなくて、いろいろと疑惑も聞きます。国立病院、そして厚生省の地方医務局の幹部、厚生省のOB、そういうのが厚生共済会の役員に天下りする。この前も言いましたけれども、二十五人の理事のうち二十二人が厚生省の天下りの理事である。そして、国立病院との優位な取引を運んでいる疑惑もある。そして、いろいろな物品について、厚生共済会が入札をみずからやって、今指摘したような利益を上げている。 例えば、これは、ある県の国立病院の事務部長が共済会の事務局長に就任したら、そのある県の地元の国立病院と取引のあった医療機器販売卸業者が、平成二年は共済会との取引額が三千三百万、平成三年は三千万であったのが、平成八年には二億一千三百十六万ということで、もう急に膨れ上がっているわけですね。これは地方の県でありますが、何でこんなに膨れ上がるのか。どうも、その県の国立病院の事務部長さんのときの関係があるのじゃないかとしかこれは考えられないということで、もう非常に不信を買っているわけでございます。 それで、個々の、さらにもう一度駐車場等についても見ていきたいわけでございますけれども、駐車場については、土地を無料で国立病院から借りて、平成八年度で十二億の収益を上げている。それから、自動販売機で五千四百万円、レンタルテレビで一億八千万、それからコインランドリーで二億の収入を上げている。本来、これは国立病院でやればいいのですよね。 人件費だって、特に収支を出してくださいと言ったんですが、それで駐車場は、これは収支を出していただきました。要するに、平成八年度で収入が十二億二千万で支出が十二億一千万だから、収支の差額が一千七百二十七万もうけているというのは出していただきましたが、これも支出の方の中身を見ないとはっきりしないなと思うわけですね。 ところが、自動販売機の収入とかレンタルテレビの事業収入、コインランドリーの事業収入については、支出の方は明確にできないというのです。これは、要するに、これにかかりつきりじゃないからということなんですね、人件費が。こんなのは、これにかかりっきりなんて、置いておくだけでいいわけですから、むしろ、これは国立病院で設置しておけば、自動販売機が五千四百万、レンタルテレビが一億八千万、コインランドリーが二億、丸々国立病院に入ってくるわけですね。だから、こういうことももう是正していかなければいけない。 そういう点で、私は、厚生共済会について、この収益事業、これはもう直ちにストップすべきである、早急にこれはストップすべきである、こういうふうに考えますが、大臣、いかがでございますか。
○小泉国務大臣 今の御指摘も踏まえて、先ほどから答弁していますように、私は明確に言っているつもりなんです、歯切れよく言っているつもりなんです。厚生共済会というのは、公益法人として存在する必要性があるのかも含めて、批判にたえ得るような改善措置を講ずる、これほどはっきりした言い方はあるでしょうか。
○大口委員 もうこれは改善の余地はないのですよ、ここまでいっちゃうと。だから、今大臣がおっしゃったのは、改善の余地ということを含みに残しましたが、改善の余地がないということは、これはもう解散というようなことだと私は受けとめたいな、今の大臣のお言葉はそういうことだ、今うなずいておられますけれども、そういうふうに受け取ってまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。 これは、この厚生共済会の問題というのは、今回私が問題にする前からもう問題になっているんですね。一昨年の春に、国立病院に病院食のあっせんの見返りで、売上額の三%を販売手数料の名目で受け取っている。それを百の病院と契約を取り交わして、年間二千万のバックリベートをもらっている、こういう前科がこの公益法人にはあるわけです。 これにつきまして、大臣もここで、国会でこのことを追及されておられまして、この公益法人の公益性、天下りについて、指摘のとおりだ、きちっと指導をしていきたい、こういうふうに答弁をしている。ところが、全然何も変わっていないということが言えるわけでございます。 公益法人の設立、そして指導監督基準ということが閣議決定なされておって、収益事業の支出の規模というのは、総支出の二分の一以内にとどめるとか、あるいは公益法人の理事は、所管官庁、天下りの人というのは三分の一以下とする、これでも甘い基準だと思いますが、それを三年以内でやっていく、平成十一年までにやっていく、こういうことなわけでございます。厚生省において、例えば収益事業の支出が二分の一を上回る法人が現在二十一法人ある。そしてまた、役員への厚生省の天下りが三分の一を超えるものが七法人ある。こういうことでございますが、平成十一年度までにすべてこの基準をクリアしていく決意があるかどうか、大臣にその決意のほどをお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 閣議決定事項にのっとって、十一年度までに改善措置を講じたいと思います。
○大口委員 今、そういうお言葉でございました。ですから、これは絶対やっていただかなければいけないことだ、こういうふうに思っております。 確かに、この厚生共済会の場合も、ここで働いている方が三百七十二名ですか、おられる。そういうようなこともございますので、いろいろと悩ましい問題もあるわけでありましょう。そういうことも含めて、そういう方への配慮といいますか、そういうことはやはり考えていかなければいけないと思います。しかしながら、ここまで来たわけでございますから、厚生省ももう数年前からいろいろと指導されているようでございますが、この理事長さんがどういう神経をしているのかな、こういうように思うわけですね。 この理事長さんは非常勤で、月曜日と木曜日、週に二日行っているだけで年収六百万あるんですね。週に二日ということは、この人は週休五日制なんですが、普通の人の週休二日制に直しますと一千五百万なんですよ。だから、月曜日と木曜日に行って六百万もらって、厚生省の元援護局長さんというのはすばらしい待遇だなと。 一方では国立病院で、もう本当にこの国立病院の問題をどうしていこうか、それで、地方自治体の方に移行というようなことも、非常に悩ましいことも作業をされている状況の中で、とんでもないことだな、こういうふうに私は思っておるわけです。 厚生共済会の理事長さん初め、世間の常識からいいますと、ちょっと考えられないようなこういうことにつきまして、大臣、どうお考えですか。
○小泉国務大臣 今までもお話ししましたように、その御批判を真剣に受けとめて改善をしていきたいと思います。
○大口委員 それで、今まで大臣から、改善するというお言葉でございました。私は大臣の言葉を信用させていただきたい、こう思っておりますが、今私がいろいろ指摘させていただいたことについて、いつまでに改善するのか、そこをもう一回。前回の委員会においてもそういうお話をいただいたわけですけれども、きょうは具体的にいろいろ指摘をさせていただきました。期限といいますか、これを私はお伺いしたい、こう思っております。
○小泉国務大臣 できるだけ早くということで御理解をいただきたいと思います。
○大口委員 では、そのできるだけ早くということはどういうことなのか。前回の委員会におきましては、平成十年度中というお言葉だったわけです、具体的に。それで、できるだけ早くということは、今の大臣のお話ですと、当然それは前提でできるだけ早くとおっしゃっているわけですから、平成十年度中ということじゃなくて、もっと早くやる、こういう意味があるんじゃないかな、私はこう思うわけでございますけれども、いかがでございますか。
○小泉国務大臣 それはもう、できるだけ早くということで御理解いただくしかないと思います。できるだけ早くやります。
○大口委員 ですから、平成十年度中にやるという答弁よりは後退したんですか、それともそれよりも進んだんですか、どちらですか。
○小泉国務大臣 十年度中となりますと、来年三月までですよ。そんなのじゃ遅いと言っているわけですから、できるだけ早くということです。
○大口委員 非常に歯切れのいい、そういうふうにわかりやすく言っていただければいいんです。 いずれにしましても、公益法人の問題というのは、時代の変化によって公益の概念も変わってきますし、本当に今、この厚生共済会というのは氷山の一角のそのちりみたいなものだ、公益法人の問題というのは、私は非常に深刻な問題があると思います。ですから、総理府においても白書をつくられ、本当にこの点は与党の方も熱心にやる姿勢はうかがえると思います。ただ、なかなかこれにメスを入れていくということは、本当に国会を挙げてやっていかなければいけないことではないかな、私はこういうふうに思っておるわけでございます。 それで、公益法人の指導監督基準で、事業内容が営利企業と競合する、そのおそれがあるというようなものについては、例えば営利性というのを薄めるために対価をできるだけ引き下げていくということをしたり、あるいは公益性を高めるようなことをするということが一つあります。 しかしながら、そういうことができない場合、本当に営利の部分が突出しているような場合は営利法人への転換、そういうふうなことも考えられているようでございます。そういうのが基準にも書いてあります。例えば、公益法人が丸ごとそのまま株式会社になるということは、これは全く目的が、非営利の公益が営利になるということは法律上考えられないことだ。そういうことで、丸ごと公益法人が株式会社になるということは認めることはできない、こう思うわけであります。 そうなってきますと、公益法人を解散して、現物出資とかあるいは事業の譲渡契約だとかそういうことを、株式会社をつくってそういう株式会社に譲渡をする。公益法人あるいは清算過程にあるところが対価を取得して、株式で取得した場合はそれを早期に処分をして、同種の公益法人に寄附するか国庫に行くかという形が考えられます。 それから三番目に、公益法人は公益性の高いものだけに事業を限定して、収益事業は分離して、株式会社を設立して、そこへ事業譲渡契約あるいは現物出資というものをする。存続する公益法人が株式を取得する、そして、株式保有は禁止されていますから、早急にそれを処分する、こういう三つの類型が考えられるわけです。 特に私が危惧しているのは、公益法人が、縮小はするにしても、公益法人と株式会社が併存するような場合、新しく設立した株式会社の株式をずっと公益法人が持っているようでありますと、これは、株式会社というのを利用して、隠れみのにして、もっと弊害の大きい、また民業を圧迫するような形になってくるんじゃないか、そういうことも考えられるのですね。 ですから、例えば公益法人と新しく株式会社が設立されたその役員関係、兼職はもう禁止すべきだ、禁止する、そういう人的関係を切り離す。あるいは株式の保有についても、新規で株式会社を設立しても、その株式の保有の期限を切って、いついつまでに処分して、公益法人と株式会社の関係を資本的にも全く切り離していく。 それから、もう一つ心配なのは、公益法人から株式会社に対して事業の譲渡契約あるいは現物出資、こういうものをやる場合の価格の適正さというのが非常に大事になってきます。本当に非常に安い価格で、縁故売買といいますか、そういう形にして公益法人の関係者がその株式を保有するというようなことになってくれば、これはある意味では公益ということで寄附された方に対してもあれですし、また税制上の優遇をしてきた国からしても、そんなことは許されるべきではない、こういうことで、法務省が本年の三月に営利法人への転換について法的なことは示されたわけでございます。 そういうふうに、私が今危惧したようなことについてやはりきちんとガイドラインを、基準づくりをしなければいけない、こういうふうに思うわけでございますが、この基準づくり、これをどういうふうに考えるか、そしてその基準の中身はどうなのか、そこら辺、お伺いしたいと思います。
○村岡国務大臣 営利企業の事業と競合するような事業を行っております公益法人については、事業内容の改善や営利企業への転換の指導が必要なものと認識をいたしております。 ただいまおっしゃられましたように、今後営利企業への転換の指導に必要なマニュアルの検討を進めるとともに、公益法人の設立許可及び指導監督基準の改正について検討を進める予定であります。 現在、各省に対し、営利企業と競合する場合に株式会社等に転換してもよいというようなことも調査を始めているところであります。例えばゴルフでございますが、社団法人というので会員権を相当多くとったりと、こういうようなことも含まれますし、今言われておりますこの厚生共済会ですか、小泉大臣からもございましたが、事実であるとすればもう言語道断ですね、これは。私からも厚生大臣に早速、素早くと要請したいぐらいであります。 以上でございます。
○大口委員 長官、この場で大臣に要請してください。よろしくお願いします。 それと、あと私が危惧したことについて、どうでしょうか、前向きに考えていただけるのですか、そこの部分も。
○村岡国務大臣 公益法人につきましては総理府の管理室でやりますが、この指導の基準とか監督の調整をやっておるのです。 ところが、見ますと、各省が莫大に公益法人を出しまして、数は正確にはわかりませんけれども、地方分を入れましても二万数千と、これはもう少し各省もちゃんとしてもらわなければいけないし、私の方ではこの指導とか監督の調整をやるだけでございまして、しかしこれでは黙っておられませんので、今後御指摘の点を私の方でも検討し、今法務省でもそのマニュアルとか何かをやらせるように、これもできるだけ早くやらせるようにいたしたい、こう思っておるところでございます。
○大口委員 時間になりました。そういうことで、きょう指摘させていただいたことを十分酌んでいただきまして、よろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。ありがとうございました。
○中川委員長 これにて大口君の質疑は終了いたしました。 次に、西川太一郎君。
○西川(太)委員 私は、まず特別減税、貸し渋り、そしてODAの三つのテーマをお尋ねさせていただきたいと思います。 外務大臣にお願いをしましたが、どうしても御都合がつかないということで、政府委員の方に後ほどお尋ねをいたしたいと思います。 まず、大蔵大臣にお伺いをしたいと思うのですが、言うまでもなく、今度の目玉の政策の中に減税が含まれているわけであります。平成十年度分のこれを当初の減税と追加の減税、こういうふうに便宜上言葉を分けさせていただきますが、特別減税を実施される前の課税最低限は、およそ所得税三百六十七万円、住民税三百三万ほどでありました。ところが、やらないやらないとおっしゃっておりましたけれども、実施された当初減税の後は、課税最低限は四百二十三万二千円に上がりました。今度この案が通って減税が実施されることになりますと、何と四百九十一万七千円。これは、サラリーマンの三割をカバーする範囲が所得税の課税最低限以下の、つまり税金を払わなくてよい人々になることはまず間違いないと思うのです。 大臣にお尋ねしたいのですけれども、こういう短期間のうちに三段階で課税最低限を引き上げてしまったことについて、どんな御見解をお持ちでございましょうか。
○松永国務大臣 委員御指摘のように、既にことしの二月及び三月で実施した特別減税、そして今審議を願っておる法律案が成立をさせていただきましたならば、八月ごろできるのかな、要するに二回目の特別減税、その結果として課税最低限が委員御指摘のような数字に上がったということは御指摘のとおりであります。 これは、なぜそういう特別減税をしたのかというと、この特別減税、定額方式による実施ということにしたのは、一遍に減税効果が納税者に届くようにすることが消費拡大を通じて現在の厳しい景気の状況を克服するのに力になるだろう、他の政策と相まって景気回復に資するだろう、こういう文字どおり景気対策としてやった特別の減税であるわけであります。 その結果として、今委員から指摘されたような課税最低限がうんと上がったという点はありますし、それからまた、サラリーマンの中で税金を払わない人、払っていない人が三割強になるという報道がありましたけれども、これは実は正確でないようでありまして、サラリーマンということの中にアルバイトとかパートまで含めるのなら別ですけれども、あの一部の報道である所得税ゼロのサラリーマン三割というのは、実はその場合の三割というのは就業者総数に占める納税者でない者の割合を言っておるものと思われるわけでありまして、サラリーマンの三割というのはちょっと正確でないような気がいたします。 いずれにせよ、委員御指摘のように、特別減税、景気対策としてやった結果として課税最低限が四百九十一万七千円というふうに上がったことは事実であります。 〔委員長退席、村井委員長代理着席〕
○西川(太)委員 今、大臣が減税を景気対策としてやった、こういうふうにおっしゃいましたけれども、それでは公共事業と減税とどこが違うのですかと聞きたくなってしまうのです。 つまり、税金というのは、やはり理念が裏打ちされていなければ税制とは言えないのじゃないでしょうか。つまり、我々の公共社会、共同体、こういうものを維持していく経費、それをみんなで負担しようという理念があって初めて納税に耐えられるのであって、これを景気対策として上げたり下げたりやるということは、その理念、哲学の欠如じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 もうちょっと言わせていただくと、今度の定額方式で四百九十二万円にいわゆる課税最低限を引き上げたことによって、三十代の、積極的に子育てをし、社会に参加をしていただかなければいけない方々に納税を免除するという形になるわけで、これは特別減税であるがゆえに、この特別の期間が過ぎた後には、当然その定額方式の見直しを行って、その層に対して再課税というか、新たな課税を求めなければならないということに理屈の上ではなるのじゃないですか。 だから、私がお尋ねしたいのは二点でありまして、まず不公平じゃないかということと、大臣が、この減税は景気対策だと。確かに、消費を喚起するという意味でそれはわかるのですよ。それはわかるのですが、ただ、それだけでは、税制がちょっと安易な手段になってしまうのじゃないでしょうか。この二点、大臣の御所見を伺いたい。
○松永国務大臣 私、西川委員に正直に答えておるわけなんです。実際問題として、今委員のお話にもありましたように、公共サービスの財源としてどうあるべきかという個人所得課税の原則に基づいて議論をした上での今回の特別減税ではなくして、とにかく緊急に景気の悪い状態を立て直さなければいかぬ、そのために効果があるのはこの定額方式による特別減税であるという考え方での減税でありますから、要約して言えば、当面の景気対策として実施するものという言い方は、まあ大体そんなところであろうかな、こう思っておるわけであります。 したがって、公共サービスの財源の負担はどの程度であるべきか、どういう負担割合であるべきか、こういった税の原則に基づいて議論をした上での措置ではないというわけなんです。したがって、恒久減税ということを議論する場合には、原則に立ち返って議論をするのが筋道だろうというふうに思います。 なお、特別減税、景気動向等にもよるわけでありますけれども、景気対策としてやった減税でございますから、景気が立ち直った後にその措置がなくなるということはあり得るわけでありますけれども、それを増税とか新たな税負担になるという言い方は、必ずしも適切じゃないのじゃないでしょうか、気持ちの上ではわからぬわけではありませんけれども。私はそう思うわけであります。
○西川(太)委員 でも、大臣、取られなかったものが、特別減税は終わったから今度はあなたから取りますよということになれば、これは増税というふうに国民は受けとめますよ。これは意見として申し上げておきます。 それから、参議院の選挙が終わったら恒久減税を検討する、こういうふうにおっしゃっていますけれども、これはどういう形になるのか。これは今聞いても無理ですかね。
○松永国務大臣 参議院選挙後に恒久減税について検討するというよりは、御党の方々も言っていることでありますし、ほかの党の方も言っていることでありますけれども、とにかくあるべき税負担のあり方に早く持っていった方がいいという考え方に基づいて、税制を大幅に改正する場合には、当然のことながら、大蔵省が一方的にその方策をまとめるのじゃなくして、国民の代表的な方々に、あるいは専門的な方々にお集まりをいただいてつくられておる政府税制調査会、そして党の税制調査会、そちらの方で専門的な立場から検討していただきまして、それをもとにして政府の案をつくって、そして国会に提出して、最終的には国会の方々に最終決定をしていただく、こういう仕組みで今日までも税制の問題は議論してまいりました。 その仕組みに基づく審議が既にスタートいたしました。そして私は、精力的な審議が進む、こう見ておるわけでありまして、それを待って政府の方の案をまとめて、国会に提出して審議をお願いする、こういう手順になっておるわけでありまして、もう既にその税制調査会の審議は始まったわけであります。 —————————————
○村井委員長代理 ここで、お諮りいたします。 ただいま議題としております各案審査のため、ただいま、参考人として国際協力事業団総務部長小町恭士君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○村井委員長代理 西川君。
○西川(太)委員 御配慮大変ありがとうございます。御礼を申し上げます。御協力をいただきました皆様にも御礼申し上げます。ありがとうございました。 そこで、大臣、ただいま御答弁いただきましたこの仕組みは大体わかるのですが、私のお尋ねの仕方が悪かったのですけれども、つまり、九八年度に四兆円の特別減税、九九年度にも二兆円の特別減税継続。そうはいうものの、九八年分の二兆円は、九七年度の特別減税を年度初めに一度打ち切った後、翌年にずれ込んで復活したわけですから、二〇〇〇年まで六年間、二兆円、二兆円、二兆円とこの特別減税が続くわけですね。そう言っても間違いじゃないと思うのです。六年も二兆円ずつ続けておいて、私は、もうこれは特別減税の名に値しないのじゃないか、もうこれは恒久減税と同じだというふうに思うので、これを恒久化しなければ何の意味もない、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたように、恒久減税という場合には、そもそも税負担のあり方はどの程度であるべきか、どういう負担割合であるべきか、そういったことを議論した上で望ましい仕組みをつくる、それを実行するというのが恒久減税のあり方だろう、こう思うのです。 先ほど申し上げましたが、前回実施したのも、そして今回審議を願っているのも、景気の動向を踏まえ、速やかに景気を回復するための一つの方策としての減税でありますから、いろいろ御批判があることは、これはもう事実なんです。課税最低限が上がり過ぎたという御批判もいろいろな方面から受けておる、その後どうするかという問題が出ているということも承知しておるわけでありますが、やはりある時期に集中的に、しかも中所得者層あるいはそれから少し下ぐらいのところに、ある意味では重点的といいますか、所得の割合からすれば重点的ですな、そういう形で減税の効果が届くようにすることが、他の施策と相まって景気回復に力を発揮する、こういう考え方でやった措置でありますから、今委員が御指摘のように、あるべき所得課税のあり方からすれば、必ずしも問題なしとはしないところであります。
○西川(太)委員 ウォールストリート・ジャーナル紙がかつてツーリトル・ツーレートと言ったのは、まさにこのことです。二兆円ずつ赤字国債を財源にして六年間やってしまったわけです。だから、政策不況をどうにかしよう、どうにかしょうとしながら、とうとう六年間、結局はこの二兆円は焼け石に水だった。だから、恒久減税ではないからきっと増税が待ち構えていると思う国民は、九兆円の例の問題もさることながら、消費にこれを向かわせなかったということがあって、二兆円の特別減税の効果が景気回復にあらわれなかったということになっているのだろうと私は思います。これは間違っていないと思います。 大臣、今、問題なしとしない、こうおっしゃいましたけれども、その問題なしとしないというのは、税の構造の理念としてこういうことを継続したことが問題なしとしない、こういう意味でおっしゃったのだろうと——違うのですか。
○松永国務大臣 望ましい所得課税のあり方がどういうものかということを念頭に置いて、理論的に分析し、判断すれば、それは問題なしとしないというふうに私は思っておるわけです。 ただ、委員御指摘のように、恒久減税に比べて特別減税が果たしてどれだけの消費拡大効果があったかという問題につきましては、これはいろいろ見方があるわけでありまして、通常の、普通の減税、すなわち税率の構造を適正化するとかといった場合のいわゆる恒久減税ならば、毎月十二分の一ずつぐらいで減税が届くわけです。この特別減税は、ある時期にどんと届くわけでありますから、その点の効果をどう見るかという問題があろうかと思います。 やった結果として、全く効果がなかったなどということはないと私は思います。やはりそれだけ可処分所得がふえた、それを通じて消費の拡大効果はあったし、あるものだというふうに思っております。
○西川(太)委員 それは、大臣はどんととおっしゃるけれども、もらう方はどんととは思わない。ふわっと届いたぐらいのことになるのではないかと思います。(発言する者あり)でも、焼け石に水ということわざがあることも申し上げておきます。 次に、貸し渋り対策についてお尋ねをします。 政府は、銀行への公的資金投入、優先株購入を貸し渋り対策として十三兆円用意されたわけでありますけれども、結果的に貸し渋りは減少したでしょうか。
○松永国務大臣 詳細は通産大臣からとして、二月の時点でございましたか、金融安定緊急措置法を成立させていただきまして、それを受けて日本の金融システムの安定のための手を打ったわけであります。 申請してきた銀行に対する資本注入という措置を通じて、そしてそういう銀行の自己資本を充実させるということを通じて金融システムの安定化を図ったわけでありますが、同時に、そのことは、それぞれの金融機関の自己資本が充実することになるわけでありますから、それを通じて貸し出しの枠はふえてくる、それを通じて貸し渋りが結果的になくなるようにと、実はこういったことでやった資本注入であったわけであります。 それはそれなりに効果は出てきておるというふうに私は思っております。
○堀内国務大臣 お答え申し上げます。 通産省といたしましては、昨年来、銀行などによる貸し渋りが企業に与える影響が非常に重大なものがあるということもありまして、継続的に実態把握に努めてまいっているわけであります。 いろいろな調査を行っておりますが、その中で、一つは、通産省が二月に一遍ずつ地方通産局を通じて全国の企業などにヒアリング調査をしております。それが五月の上旬にまとまり、まだ完全にまとまっているわけではありませんが、その調査の中では、依然として状況は厳しいと懸念をする声がありました一方、民間金融機関の貸し出し姿勢が三月時点に比べて緩和されているという声が大分出てきております。 ちなみに、貸し渋りを受けたとする大企業、中堅企業につきましては、現在集計中でございますが、大体のつかまえたところでまいりますと、手元の数字では、三月時点に比べまして五月では、非常に貸し渋りを受けているという中堅・大企業の割合が三二%から一五%に下がってきております。 これは、貸し出し姿勢が緩和されているという声の背景には、ただいま大蔵大臣の御説明にもありましたが、銀行側に、自己資本比率の拡大をされたということと、三月に、年度末にそれを達成しなければというような、期日をクリアしたというような面が一つございますし、また中小・中堅企業などに対しまして政府系金融機関が資金供給を拡大いたしているということもございます。もう一つは、大企業を中心に社債だとかCPなど直接金融による積極的な資金調達というものが相当積極的に行われてまいっております。こういうものに加えまして、金融システムの安定のための各種の対策に効果があったものだというふうに考えております。 ただ、産業界は依然として先行きに厳しさを感じて、先ほども申し上げましたが、一五%はまだ残っております。決して楽観的な見通しを持っていないことから、先般決定をされました総合経済対策におきまして、現在御審議をいただいております中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案による金融面での中小企業の支援対象、今まで一千万でありましたのを五千万あるいは七千万と上げていただいておりますが、対象の拡大の措置を講じていただくことによって今後ともさらに貸し渋りの対策が万全を期していけるようになるというふうに考えております。
○西川(太)委員 これは意見としてこの問題の最後に申し上げておきたいと思いますけれども、報道によれば、日銀が五月十四日に発表した金融機関の四月の資金吸収動向、貸し出し動向、これによりますと、四月が減少率が最大であって、貸し渋りがまだ残っている。需要も縮小しているけれども、そういう要素はあるけれども、しかし、供給が相変わらず渋っている。こういう調査結果もあって、これに対して、事前に大蔵省のお若い方々と議論したら、必ずしもそうではないと、こういう御指摘もありましたから、そのことは公平に申し上げておこうと思います。自分の都合のいい資料だけを引用して、我が田に水引く議論はしたくありません。 しかし、ぜひお願いしたいことは、これはもう与野党問わず、みんな選挙区へ帰れば相変わらず不景気と貸し渋りについては直訴されることは間違いないので、これはぜひおとどの皆様方もわかっていただきたい、我々一兵卒と同じように、やはり現場の声をしっかりわかってもらいたいと思います。 そこで、きょう実は外務省の方に外務大臣の御出席をお願いしたのですが、参議院本会議と時間が重なるということで、政府委員の方においでをいただいております。政務次官も海外御出張中だそうです。 そこで、実は私ども自由党は、けさほど、月刊雑誌「諸君!」の「橋本首相「中国人女性」とODA二十六億円の闇」という、大宅壮一賞を受賞された加藤昭さんというジャーナリストをお招きして勉強会をやりました。 そこで、これは私以外の専門家がいろいろなところでこれからお尋ねをしていくと思いますが、私は、まずその皮切りでお尋ねをするのです。 まず、外務省に伺いたいのは、天安門事件が発生じたときに、いわゆる西側諸国は、中国に対するいろいろな形の援助、こういうものに対して、これを見直すという態度に出たと思うのでございますけれども、そのとき我が国はどういうふうな対処をしておったのか、まずこれを伺いたいと思います。
○大島(賢)政府委員 お答え申し上げます。 一九八九年六月のいわゆる天安門事件の以降、我が国の中国に対します経済協力につきましては、いろいろ騒ぎがございまして、治安情勢等問題がありましたので、一時期停止のような状況を余儀なくされました。しかし、九月に渡航自粛勧告が解除される等、いろいろ経済協力を進めるという状況、環境が整ってきましたので、十二月には、既に準備を進めておりました案件について交換公文の署名をする等の、いわば正常の状態に復していったわけでございます。 九二年にODA大綱ができたわけでございますけれども、当時はまだODA大綱というようなものはございませんでした。一般的に、御案内のとおり、我が国としては中国の近代化についてはできるだけ協力していくという基本姿勢がございましたので、そういう立場から臨んでございます。
○西川(太)委員 局長、まだODAについては聞いていないのです。 天安門事件のときに中国に対する援助はどういう姿勢だったかということを聞いているのですが、今の局長の御答弁を私流に受けとめれば、治安が定まらない、要するに、投資をしたりいろいろするにふさわしい環境でない、こういうことだったけれども、人権ということについては、当時、アメリカ初め、そこの問題だから中国に対してはということ、日本はそれには追随しなかったのですか。
○大島(賢)政府委員 もちろん、ああいう事件がございました。欧米諸国からもいろいろな反応がございましたし、我が国としても反応したわけでございます。と同時に、我が国としては、基本的に中国の近代化については、できるだけODAを通ずる協力についても進めていくという別途の方針もあったわけでございまして、いろいろな状況、それから政策的、政治的、あらゆる観点を考慮しまして、今申し上げましたように、十二月には交換公文を締結するという状況に移っていきました。 それから、円借款につきましても、アルシュ・サミットで各国に日本の考え方、政策について説明をしまして、十一月に第三次の円借款の供与を決定していった、こういうことでございます。
○西川(太)委員 中華人民共和国に、カナダのノーマン・ベチューン医師の中国に対する業績をたたえるベチューン医科大学というのが長春に建設をされることになり、そこに病院の機材を我が国が供与する、これは現金で無償援助をされたわけですが、これの合意が一九八九年の十月になされているのですね。天安門事件は同年の六月です。たった四カ月前にあれだけの流血の事件が起こり、私どもが所属をする西側諸国はこれに対して厳しい態度で臨んでいる、そのさなかに、私どもの国は当時の中国に対して、初めは二十一億円の計画であったものが、最終的には五億円が上積みされて二十六億円という形で供与をされた。 それで、私の方から申し上げますけれども、当時、中国から日本に求められていたと思われていたのですが、実は日本側からこれを言い出したという事実はあったのですか、このベチューン医科大学の無償援助。
○大島(賢)政府委員 ただいま御指摘のありましたベチューン医科大学に対します協力でございます。 これにつきましては、長い間、日本の幾つかの大学が技術協力をしておりました。北里大学、兵庫医大、東北大学等々だったと思いますけれども、技術協力をやっておりました。そういうことで、日本医学を中国に導入するという試みもなされておったわけでございまして、そういう流れの中から、このベチューン医科大学の附属病院の新設という話が中国側に計画としてあったわけでございますが、そういう状況の中で無償資金協力という話が出てきた、こういう経緯をたどったものでございます。 〔村井委員長代理退席、委員長着席〕
○西川(太)委員 十三カ所のポイントがあったそうです、日本が中国に求められていた援助が。そして、プライオリティーとしては、このベチューン医科大学は十三番目だったそうです。それが、ある日突然、三番目に繰り上がった。これが、橋本龍太郎さんが関係していたという事実がいろいろと述べられているわけですよ。 これは、向こう側から、中国側から求められたのではなくて、日本側から言い出したのだ、だから、天安門事件があろうがなかろうが、その援助はやめられるはずがないのだ、だから、そういう意味で中国はこれに対して何の借りもないのだ、日本側からやらせてくれと言ってきたんだ、おまけに二十一億円を要求したら五億円も上積みされたのだ。こういう事実は、あなた方御存じないのですか。 局長にまず伺います。
○大島(賢)政府委員 ベチューン医科大学の無償資金協力につきましては、日中国交正常化が成りまして、中国に対します日本の経済協力が始まってほぼ十年を超えた時点でのことでございますけれども、中国の東北三省、日本と歴史的にも関係の深いところでございまして、その中核的な病院をこのベチューン病院というのが果たしておったわけでございます。そういうことと、それから、当時、中国に対しますいろいろな協力案件がやや北京に偏り過ぎておりまして、地方展開がちょうど始まりかけたころでございまして、上海とかあるいは内陸部に対する協力がございました。そういう背景が一つございます。 それからもう一つは、日中友好のシンボルとされております日中友好病院、これが八三年、八四年ごろに完成をいたしていくわけですが、この立ち上がりの段階で大変にいろいろ苦労がございまして、一つは、この日中病院のスタッフの養成といったようなこともございました。 そういうことで、日本語による医学教育をやっておりますベチューンの大学への支援ということは非常に意義があったわけでございまして、中国側からの要請が八九年十月に参りまして、いろいろなきちんとした正式な調査を踏まえて、九〇年十一月に正式に交換公文に至ったということでございます。
○西川(太)委員 プライオリティーが上がったということについてはどうですか。
○大島(賢)政府委員 このベチューンの医科大学の案件につきましては、中国側に計画があったわけでございまして、中国側が建設部門を担当するというようなことで、先ほど申し上げましたような技術協力も長い間行われておった、日本側の大学等によります技術協力も行われておったというようなことで、要請自身は、これは中国側がみずからの優先度をつけて日本側に要求してまいります。これは日本側の予算等制約がございますし、当然、すべて同時に言われても我々としてもなかなか判断がつきかねる部分がございます、これはすべてについて言えるわけでございますけれども。そういうことで、優先度を付して中国側から要請がなされてまいります。 我々としては、それを尊重しつつ案件を決定していくというのが通例のやり方でございまして、本件についてもそういうプロセスを経て決定に至ったということでございます。
○西川(太)委員 JICAからきょうは総務部長さん、小町さんにお見えをいただいています。総務部長がすべてを承知しているとは私は思いませんが、きょう伺いたいことは、JICAは中国側といろいろと会議を開いておりまして、そこに中国側の問題の人物が高い立場で再三出席している。そして、その方の今の御主人も、JICAの駐在員として、担当者としてそこに出席している。名前はわかりますけれども、プライバシーやいろいろあるでしょうから申しません。 ただ、このJICAの報告書の中に、「衛生部内の担当は外事司」、これは問題の女性なんですよ、「であるが、衛生部としては直接具体的な計画を推進しているわけではなく、ベチューン医科大学が担当している。」こういうふうに書かれていることでもわかるとおり、この人は具体的な計画についてそんなに承知をしていないんだけれども、かなり高い立場でここに出席しているということはなぜなのかというと、橋本総理と非常に近しい関係にあって、今の総理ですね、当時は総理じゃないけれども、非常に影響力を行使できる立場にあるからここにいたんだというふうに自然に理解できるわけです。そして、そのカウンターパートとして、今のその方の、日本に帰化された方の御主人が、こちら側のしかるべき立場としてそこに出ているわけです。 JICAとして、見積もりをいろいろして二十一億円であったものが二十六億円になっていくプロセスというのは当然御存じなんだろうと思いますが、どういう経緯で五億円が積み増しされたのか。今ここでわからなければ、そこを調査して、私にというか委員会にというか、どうするのかよくわかりませんが、答えていただきたい。今わかる範囲で答えていただきたい。
○小町参考人 ただいま外務省の方から御説明がございましたように、中国側に対する供与額の決定はしかるべき手続を踏んで行われておりますので、そのように御理解していただければと思っております。
○西川(太)委員 今、私のお尋ねに対して、しかるべき手続を経て決定する、こういうことでしたけれども、じゃ、そのしかるべき手続というのは、このケースの場合にはどこからどういう流れで来たんですか。
○小町参考人 ちょっと突然のきょうの御招致でございますので、十分まだ調査が、私自身把握していないところがございますので、しかるべく私自身がよく把握をしてから、御説明をする必要がある場合にはしなくてはいけないと思っております。 ただ、先ほど私、しかるべきと申し上げましたのは、供与額の決定に当たっては、それまでのいろんな技術協力の、日本側の各種大学の技術協力の流れを受けまして、それを踏まえながら専門家の検討を経て決定されたというふうに理解しております。
○西川(太)委員 いやしくも国民の金が出ていくわけですね。緊急経済対策を講じなければならないほど、足かけ七年間、我が国は厳しい不況の中で、国民は、これを視野が狭いとか広いとかという議論をしたり、国民の、これは全部じゃない、極めて一部かもしれませんが、不要なODAに回す金があったら中小企業を助けてくれ、こういう議論に接したことがおありになる議員は多いんじゃないか、こう思うのでございます。 そういう中で、やはり慎重に、綿密に議論されて、たとえ五億円のお金でも、追加をされるということになれば、これは大変なことですね。日本では五億円かもしれぬけれども、中国の今の金の価値からいったら、日本円の五億円というのは莫大なものですよ。こういうものが追加されるときに、JICAのお立場は、これ、外務省はそういう技術的なことはわからぬと思うんですよ、だからこそJICAが一枚かむんで、実際にどういうことでどういう援助をするのかということは、担当者が一番裁量がきく立場じゃないんですかね。どうなんでしょうか。——局長ですか。
○大島(賢)政府委員 国際協力事業団は実施上の責任を負っておりますので細かい技術的なところはカバーしますが、こういった予算に絡みます基本的な部分につきましては、外務省初め政府の方で扱っておりますので、御説明申し上げます。 この案件につきましては、調査報告書にも出ておりますけれども、当初、中国側からは、医療機材合わせまして六百五十七品目、総計三十五億円分の要請がございました。いろいろ調査を経まして、品目について専門家の目から見ていろいろ精査をいたしました。と同時に、予算の制約もございますので、その制約等も念頭に置きながら、必要な部分にどんどん絞り込みをかけまして、最終的に三百十四品目に決定をし、供与限度額二十六億円というところに落ちついたというのが経緯でございます。 なお、この種の要請に対しまして最終的にどう日本側として対応していくかということは、一つの折衝を伴う部分でございます。要請どおり認めるということもありませんし、また、医療協力でございまして、この種の案件について余りにも絞り込み過ぎますと役割を果たせないということもございますので、いろいろな予算の制約等ももちろん念頭に置きながら、一番いい形で協力の具体的な案件が決まるように事業団の方で精査をする、それを踏まえまして外務省の方で決定をして、最終的に政府全体の決定を仰ぐ、こういうことになっております。
○西川(太)委員 もう残り時間、わずかですから、これはこの問題の冒頭に申し上げたとおり、きょうは予告編ですから、本編はさらにいろんなところでやらせていただきます。 実は、今申し上げたことは全部公表されている事実です。したがって、憶測であったりいいかげんなことで申し上げているんじゃありません。その種のものはもっと山のようにあります。金額にして二千億円ほど、その種のものが特定のある政治家、この方の部分であるんです、ODA絡みで。だけれども、限定して、このベチューンの問題について私どもはお話をしたわけです。特定の中国側の方と、日本の、当時閣僚でもない、党の幹事長代理であった方が、二十一億円という原案を、ただいまの局長の答弁でも私は納得できないのは、突如として五億円が上積みされた。 今局長おっしゃるとおり、精査をして、大事なお金だから、ふやすわけにもいかないし、また、つましくして目的が達成できなければいけない、それはよくわかります。だけれども、このケースについては、何度も申し上げますが、中国の優先順位が、八九年当時の時点で十三項目の援助の対象があった中で十三番目に位していたものが、ある日突然三位に躍り上がったこと、そしてその理由は、これは確実にできる、日本側の有力な政治家が後押ししているから確実にできるからということが当時の中国のしかるべきところに届いて、その結果、順序を変えようということになったそうであります。こういう事実。それから、今申しましたとおり、たとえ五億円であっても、突然これが上積みされたという事実。日中友好病院については、同時期に、百億円だったものが百六十四億円にふえたという事実ももちろんあります。 私どもとしては、突然そういうものが何で出てくるのかなと。そこに外務省よりもむしろJICAの方がいろいろと技術的、専門的立場から具申されるから予算が上積みされるんだろうと思ってお尋ねしたわけでありますから、これについてはまた後日きちっと、その衝に当たられた方にお出まし願って答弁をしていただくことをお願いいたしまして、時間でございますので、そういう国の大事な問題が、個人的な、属人的な、醜聞に属するような関係で決められるということがあってはならないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○中川委員長 これにて西川君の質疑は終了いたしました。 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、まず公共投資の問題で質問したいと思います。 まず大蔵省ですが、財革法によってそれぞれ七%のキャップがかかったわけです。この公共投資、当初予算ですと、その結果、前年度と比べて約八千億円の減になったと思います。今度の補正では三兆四千億円の追加があった。 そこで、まず数値的なものをお聞きしたいのですが、前年度の当初額それから今年度の当初額及び補正追加額、今年度の合計額。この結果、前年度比二五%増となるのではないかと思いますが、そのことについてお答えいただきたい。
○涌井政府委員 財革法第十四条に公共投資関係費の規定がございます。その公共投資関係費でございますが、九年度当初予算では十兆八千六百八十一億円、それから十年度当初予算におきましては十兆四百六十九億円。したがいまして、これは前年度に対しまして、当初・当初の比較ではマイナスの八千二百十二億円、率にして七・六%のマイナスでございます。 それから、今回の補正予算におきまして、三兆四千九百二十七億円の追加をお願いしております。そういたしますと、十年度の補正後の予算額は十三兆五千三百九十六億円でございまして、九年度当初予算に対しましては二四・六%の増となります。
○矢島委員 昨年、私も財革法の審議の特別委員会でいろいろお尋ねしたわけですが、その基本的な骨格というのは聖域なき歳出削減だということで、それぞれ各歳出分野に対してキャップ制を導入する、こういうことであったわけです。 それで、七・六%のカットで出発したわけですけれども、当初予算が成立した途端、今度の補正の追加によって約二五%のアップとなる。まさにこれは骨抜きと言わざるを得ない。骨抜きと言わないで何と呼ぶか、こう言いたくなるわけなんですけれども、大蔵大臣の認識をお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 補正で、今委員の言われたように、また主計局長が話をしたように、公共投資関係費が三兆五千億弱追加されたわけでありますが、これは現在の厳しい経済、景気の状況にかんがみまして、公共投資を速やかに実施することによって一日も早くこの厳しい状況から脱出することができるようにという緊急的な措置として公共投資の追加をした、こういうことであります。 結果においては、財政構造改革を推進していく上からすれば、形式的には、財革を進めていく上では将来が厳しいものになるということは想像できるわけです。しかし、景気がよくなることによって税収は今度はふえてくるという効果もあるわけでありますので、その点も考えておかなければならぬというふうに思います。
○矢島委員 財政構造改革の骨格が大きく変わったということの事実は数字の上からも明らかだろうと思うのです。 そこで、今回の補正の各省の配分について聞きたいのですが、大蔵省はどのように各省庁に配分を決めていったのか。 私は、当初予算という場合には、各省からそれぞれ要求が出てまいりまして、それで大蔵省において査定作業が行われて編成される、こう理解しているわけですけれども、今回の補正予算に関しては初めに総額ありきで、その上で各省に配分していったという方式だと理解するわけですが、それでよろしいですか。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。 今回は、現下の経済状況に対応する総合経済対策ということでございまして、考え方としては、総合経済対策として、一つはやはり社会資本整備、しかもそれは二十一世紀を見据えて、豊かで活力ある経済社会の構築に向けて真に必要となる社会資本等を整備する、そういう考え方のもとに六つの柱を立てております。(矢島委員「配分の仕方だけで結構ですから」と呼ぶ) それで、六つの柱を立てて、それにつきまして、まず事業費で六兆円というのを目安に、それを各事業ごとに配分したということでございます。
○矢島委員 建設大臣もきょうは委員会の方の出席で、出られないということですので、建設省にお伺いします。 建設省の所管する部分について、事業費で四兆五千億円、国費で二兆円規模の一般公共事業となっているわけですが、この予算枠についてどのように積み上げてきたのか、その方式についてお聞きしたいと思います。
○小野(邦)政府委員 お答えを申し上げます。 建設省関係で、お話のとおりの補正予算の額を今お認めいただくようにお願い申し上げているわけでございますが、全体として、先ほど主計局長から御答弁がございましたとおり、六つの政策課題を決めているわけでございます。例えば物流、情報通信、あるいは環境、福祉、防災とか、この六つの政策課題ごとに大枠の額が決まるわけでございます。 あとは具体的な事業ごとに、例えば直轄事業でございますと、私ども地方建設局でどういう事業をやっているか、どういうものが適当な事業であるか。あるいは補助事業であれば、県、市町村等、事業主体の意向を十分把握をいたしました上で、何回かのヒアリングを通じて必要なところへ事業費を配分する、こういうようなことをやっているわけでございます。 具体的などういうところでということにつきましては、補正予算がいずれ御可決を賜りました暁に、具体的な実施計画、承認をとって明らかになっていく、こういうことでございます。
○矢島委員 実際にはこれからだというその六つの項目、六つの区分ですけれども、それを盛んに言われるのですが、その点について建設省にお尋ねしたいのです。この六つの区分というのはどういうようにして分けたのか、こういう点です。 実は、確かにそれぞれ六つの区分になっているのですが、建設省の補正予算の概要というのを見ますと、どの項目にもずっと道路整備というのは、環境・新エネルギーの分野にも、情報通信の分野、福祉・医療も、六つの項目全部に入っているのですね。六つの項目に分けてというのだけれども、道路、治水、海岸、それぞれの分野があるわけですが、特に道路などは、ほかもそういう部分もあるわけですけれども、すべての項目に入っている。 無理やりどこかの区分に入れるためにこじつけた印象をぬぐえないわけですけれども、こうした、六項目の区分けに当てはまるか、どの項目に当てはまるかどうかというのは、だれがこれを判定するのですか。
○小野(邦)政府委員 お答えを申し上げます。 六つの政策課題ごとに、どういう事業をどう配分をしていくのかということでございます。 確かに、道路整備につきましては、御案内のとおり六つの政策課題いずれも入ってきております。 例えば、環境とか情報通信、あるいは福祉、物流効率化、それぞれ、物流効率化でございますと高規格幹線道路の整備というものが当然その目的でございますし、緊急防災対策であれば橋梁補強というものが今大変重要な政策課題になっているわけでございます。また、福祉・医療・教育特別対策の関連といたしましては、高齢化社会あるいはそういうものを間近に控えて幅広い歩道をどう整備していくかといったようなことも、あるいは交通安全対策というようなものも大変重要な課題になっておりまして、そういったような観点から、道路につきましては六つの事業、それぞれの政策課題ごとに配分をされている、こういうことでございます。 また、住宅等は公営住宅の追加が主たる柱でございますけれども、高齢化を迎えた福祉・医療といった観点から公営住宅の建てかえ、あるいは緊急防災対策で既存の公営住宅の補強といったようなものにつきましても、予算上の措置をとっているところでございます。 六つの政策課題ごとに、私どもで所管しております大きく分けまして七つの事業項目がございます。それをその事業の内容によって、一番大きな意味があると思われる対策ごとに割り振りをしている、こういうことでございます。(矢島委員「だれが決めるのかというのは」と呼ぶ) これは、それぞれ事業主体、あるいは私ども各局で担当いたしておりますけれども、全体を統括をいたしまして、省としてこういう部分にこういうお金をということを決定している、こういうことでございます。
○矢島委員 実際の中身はこれからという部分がありますから、果たして環境・エネルギーの分野にこの部分はどういう形で、聞くところによりますと、環境対策の道路の部分は、例えば騒音対策、これは環境に関係するのだとか、いろいろ説明を受けたわけですが、どうも無理やり環境とのかかわり合いをつくるような形、こじつけ、こういうふうに考えざるを得ないのです。 私、国会に提出されている予算書でいうと、この六項目の区分という縛りは特にないというふうに見られるのですが、どこに根拠があるのか、その辺が非常にあいまいなものだと指摘しなければなりません。 同時に、私たち、これだけの公共事業、公共投資というものを実際に消化する問題で、どうだろうかという点についていろいろ各県にも聞いてみました。 大体返ってくるのは、大変だと。どこにつけるかと聞かれているが、どこかないか、こういうのが実は実態なんですよという話だとか、前倒しが八一%ありますから、これの発注も達成しなければならない、それだけでも大変なんですよ、地方単独事業になかなか手が回らないんだというような言葉が次々と返ってくるわけです。 そういう意味からすれば、景気対策という名目で、公共事業は結局のところ初めに総枠ありきという形で出発している。その大半が建設省におろされたわけで、補助事業は各県におろされるわけですけれども、何か、事業探しといいますか箇所探し、もちろん私、全部が全部そうだとは申しませんけれども、そういうような状況が見られるわけで、こういうことでむだも出てくる可能性というのを非常にはらんでいるのではないか。やはり、そうではなくて、本当に必要な事業を下から積み上げて計画的に行っていく、これこそむだや浪費を省く原点だろうと思うのです。 私は、そのことを特に強調しまして、時間の関係もありますので、次の郵政省関係の問題に移りたいと思います。 今度の経済対策の中で、郵貯と簡保の資金についても決定されているわけです。二つの中身がありますが、その一つが金融自由化対策資金の積み増しであります。 そこで、郵政省、今回の四兆円の積み増し分、このうち指定単に回るのは大体どれくらいあるのですか。
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。 今回、金融自由化対策資金を四兆円増額するということでございますが、そのうちの二兆円につきましては、今後新規に発行されます国債の引き受けに充当するということでございます。 それから、残りの二兆円でございますけれども、一兆五千億につきましては、市場動向をよく見ながら国債、地方債、外国債等への安全、確実な運用を行っていくということでございます。それで、五千億につきまして、金融自由化対策資金の分散投資、こういう一環といたしまして指定単に運用する、こういうふうに予定をいたしております。
○矢島委員 約五千億円が指定単運用に積み増しされるというお答えです。 私、この指定単運用というのは株式を組み入れた運用ですから、安全、確実な運用を第一義とする郵貯資金については、今局長答弁されたいろいろな使い方があるわけですが、その中でも最もリスクの高い運用であって、極めて慎重にならなければならないところだ、こう思うのです。 それで、この出されております総合経済対策を見ますと、「郵貯・簡保本体による指定単運用を可能とするよう検討」する、こういう文言が入っているわけであります。果たして大丈夫かなと思うのは決して私だけではないと思うのですね。 この指定単運用の問題でもう一つ聞きたいのは、これは大臣にお答えいただきたいと思うのですが、三月末に行われた運用の問題であります。いわゆるPKOと言われる問題であります。 これは、自民党の山崎政調会長も株価維持だということを公然と掲げられた問題ですけれども、まさに大銀行の決算対策、そのために国民の資金が使われた。もしツケが回ってくれば、国民にまた回されてくる。全く逆立ちしたやり方だと言わざるを得ないのです。 大臣、三月末の指定単運用決定、これは銀行の決算対策、株価対策、株価維持の問題、これがその目的だったのではないかと思うのですが、どのようにこれを……。
○自見国務大臣 矢島委員にお答えをさせていただきます。 郵貯資金、簡保資金というのは、もう委員御存じのように、加入者あるいは預金者から預かった、大変貴重な国民から預かった資金でございまして、これの運用の原則は、安全、有利あるいは確実ということもございますし、また、簡保につきましても、公共の利益のためにという、法律上こういう文言も入っております。そういった中で、やはり安全、確実、有利な運用をしていくことが国民に対する責務だろう、私はこういうふうに思っております。 そういった中で、年度末に資金をふやしたという御質問でございますが、このことは、より一層適切な資金運用を可能たらしめるため、今言いましたように、預金者あるいは加入者の利益の向上につながるという観点から行ったものでございまして、株価操作を目的として実施したものではございません。 このことは、御存じのように、指定単における購入のやり方でございますが、これは簡保事業団を通じて信託銀行と指定単契約、当事者は簡保事業団でございますが、信託銀行と指定単契約を結んでいただきましてその運用をお願いするわけでございます。これが株式で運用される場合も、これは全額、株式に運用されるということではございません。投資判断は信託銀行そのものが行うわけでございますが、もし株式で運用する場合も、買う株式の銘柄あるいは数量、時期については、これはもう一切信託銀行のまさに独自の投資判断によるものでございまして、政府あるいは郵政省が指示できないということになっておりますから、そのことからも御理解をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 また、一体どうして指定単運用をするのかというのは、もうこれは矢島委員御存じのように、やはりポートフォリオと申しまして、より安全、有利、確実な分散投資というのがございます。今、ざっと一概に百五十兆円の郵貯資金、簡保資金を自主運用させていただいておりますが、約二十兆円の指定単契約をさせていただいています。全体の一三%でございまして、そういった意味で、債券の動き、あるいは株式の動きは異なることがございますから、そういった分散投資をすることによってより有利な運用をやろうという基本的精神でございまして、これはもうどこの国でも資産を運用する場合にはそういった分散投資をするというのが、一番これはもう世界的な常識であるというふうに私は認識をいたしております。そのことを御理解をしていただければと思っております。
○矢島委員 この問題では当委員会で十八日にも質問がありました。大臣がそのときに言われた二つのことについてただしていきたいのですが、一つは、もしそこで運用しなければ、それから一年間ほかのもっと低利の何かにやっていかなければいけないから、有利の点ではやはり問題があるということ。 それからもう一つは、ちょうど日経平均株価が下がったとき、一万七千円とおっしゃられたかもしれない、ちょっとその辺の額はあれですが、低いとき投資するというのが、これはよい投資だったというような御発言もあったわけです。 簡保の資金というのは、不用額というのが大体毎年あるのですね。平成四年、千三百六億円から始まって、平成六年、三千三百五十二億円だとか、一兆一千百二十億円という平成七年もありますが、やはり不用額というのはあるのですね。ですから、そこで入れなきゃならない、どうしても運用しなきゃならないというものではないということを一つ指摘しておきたい。 それから、先ほども大臣言われたように、信託銀行の判断と、だからそれに一々言えないのだと言うわけですが、たまたま、言葉じりを取り上げるわけじゃありませんが、日経平均株価が低いときに投資できた、非常によかったと。信託銀行に交付された資金というのは、そのまま金庫にしまい込んでおくわけじゃなくて、交付することによって運用時期、これがいわゆる指示されたのと同じような受け取り方ができると思うのですね。もちろん、こういう株価維持操作だとか、あるいはそういう国によるところの株価操作というようなものは絶対やるべきではないということを改めて強く指摘しておきたいと思うのです。そういうことでやったのではないという大臣のお言葉ですが、今後ともそういう点は十分に注意していただきたい。 ということは、なぜかといいますと、先ほど私ちょっと読み上げましたように、郵貯、簡保の指定単の本体による直接運用、こういうことをこれから始めようとしているわけですね。ますます、簡保事業団を経ないでやっていくことになりますから、そういう意味では、さらに一層そういう面での注意、配慮が必要だろうと思うのです。ただ、一つ、なぜこの時期に本体運用を可能とするような方向を検討するということを決めたのか。どういう理由でそうなったのか、また、いつごろ移行していくおつもりなのか、その辺、お答えいただきたい。
○自見国務大臣 矢島委員にお答えをさせていただきます。 指定単運用を郵貯、簡保本体で行うことにつきましては、郵政省といたしましては、制度を創設した当時でございますけれども、これは昭和六十二年度の要求で、ぜひ簡保、郵貯本体で指定単運用をやらせていただきたいと強いお願いをしたわけでございますし、また、平成五年度におきましても同様な要求をいたしました。しかし、率直に言えば、なかなか財政当局と話がつかず、現在の簡保事業団を通じた指定単運用というふうになっているわけでございます。 今回、郵貯、簡保本体での指定単運用制度の創設の検討は、四月二十四日に行われました経済対策閣僚会議における総合経済対策において盛り込まれたことを受けまして、この制度がより一層有効、適切な資金運用を可能たらしめるものであるというふうな観点に立ちまして、制度改正を行うべく、今準備を行っているところでございます。
○矢島委員 大蔵省に聞いても、これは今までのいきさつを私よく知っておりますので、大蔵省、なかなかこの問題では答えにくい面もあるかと思いますが、郵政大臣、何回も安全、確実、有利という言葉を使って説明されております。 ただ、私、簡保の指定単運用の実績、平成四年から八年まで見たのですが、実は時間がありませんので、郵政省自身あるいは調べてきていただいているかもしれませんが、その結果を、私いただきましたので、読み上げちゃいます。平成四年が当期損失四百四十六億円、五年が三百八十一億円、六年が千五百七十五億円、七年が千百八十七億円、八年が四百三十億円、多分間違いないと思いますが、こういうように運用勘定がすべて赤字になっているのですね。 それだけじゃなくて、この間の株価の動向を見ますと、現在運用している株式が元本割れしているのではないかということも懸念されるわけなんですが、この指定単の本体の直接運用、これを検討する前に、指定単運用によるこの運用している株式の元本割れはないのかどうか、国民に示すべきだと思うのですが、これはどうなっていますか。
○金澤政府委員 簡保事業団の経常損失の状況はお示しのとおりでございますけれども、ただ、平成九年度には約四百四十億円を超える経常黒字となる見込みでございます。 これは、平成六年度の運用寄託制度の導入によりまして、調達コストが非常に安くなっております。また、信託受託者問でも積極的な競争が行われておりまして、この結果、四百四十億円を超える経常黒字となる見込みでございます。これ以降も黒字がふえる見込みでございまして、累積欠損金も平成十二年度以前に確実に解消できるというふうに考えている次第でございます。 それから、時価情報の問題でございますけれども、簡保事業団の資金運用事業は、郵貯、簡保本体と共通の目的を持ちまして、一体として資金運用を行っております。したがいまして、会計処理につきましても、金融自由化対策資金や簡保積立金と同一の原価法というものを採用している次第でございます。 それから、指定単の時価評価につきましては、指定単は、信託銀行がみずからの裁量により運用を行います一つの金融商品、つまりパッケージ商品でございます。したがいまして、これを売買できるということではございませんし、長期保有を目的として信託契約を締結しているということがございます。 それから、信託銀行相互間におきましても、統一的な基準で評価する統一基準というものがなされておりません。つくられておりません。 それから、指定単の運用も日々変動しておりまして、この特定の時点の時価を公表することは非常に無用の憶測を与えるということでございまして、公表していないということでございます。 金銭の信託の時価情報につきましては、上場企業が、財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則というのがございまして、これに基づきまして公表しておりません。また、生命保険会社も開示基準に基づきまして公表していないということでございます。
○矢島委員 時間がなくなりました。 これは、きょう総務庁から、郵政事業に関する行政監察結果に基づく勧告というのが出されております。その中に、やはりもう少し情報開示をしろという項目があるのです。もう時間がありませんので、読みません。 やはりハイリスク・ハイリターンという危険に国民の貴重な資金を投入するということはやめて、大臣が言われるように、安全、確実な方法による運用、それからディスクロージャー、総務庁も言っているわけですから、ぜひそういう方向で行っていただきたいと思います。 実は、官房副長官にいらしていただいたのです。官房長官が出られないというのでせっかくいらしていただいて、いよいよ残り時間がわずかです。 実は、幾つかまとめてお聞きしたいのです。このことは前にも当委員会で問題になったのですが、財革法を除いた関連四法案がありますが、その四法案、今この特別委員会で審議中なんですね。これは極めて異例なことだと思うのですよ。というのは、補正予算本体がまだ審議に入っていないし、今後補正審議がどうなるかということもこれからの問題です。 ですから、内閣官房としては、国会審議の日程を与党あるいは政府との間で中枢として組み立てる当事者でもあると思うのですが、こういう事例があるかということが一つと……
○中川委員長 矢島君に申し上げます。時間になりました。
○矢島委員 それからもう一つは、そうすると、関連法案が施行されて国民に周知徹底される、本体もないのにそういう状態になるということについてはどうお考えになっているか。
○中川委員長 額賀官房副長官、簡潔に御答弁願います。
○額賀政府委員 矢島委員の御質問にお答えをいたします。 去る五月十一日、総合景気対策の一環として、補正予算及び関連法案を提出させていただいたわけであります。できるだけ早く審議をしていただいて、景気対策の実施段階に移していただければありがたいと思っております。 国会に出させていただいた以上は、審議のあり方については国会の皆さん方が決定の権限を持っているわけでありますので、これは国会の場で決めていただいたものと思っております。 過去にこういう例があったかどうかでありますが、国会は各党の代表者によって運営されているわけでありますから、私の短い経験では過去のことまで全部知っているわけではありませんけれども、恐らく弾力的に運営されたことはあったのではないかというふうに推測をいたします。
○矢島委員 私、問題は……
○中川委員長 時間が終わりました。
○矢島委員 今お答えがなかったのですが、五月三十一日に地方税の執行日が決まっちゃっているでしょう、それとのかかわりです。
○中川委員長 矢島君、約束の時間が終わりました。
○矢島委員 はい、終わります。 何としても正常な形に審議してもらいたい、このことを申し上げたい。
○中川委員長 これにて矢島君の質疑は終了いたしました。 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 伊藤英成君外八名提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井仁君。
○村井委員 野党三党が共同でお出しになりました財革法の停止に関する法律案、これにつきまして御質問をさせていただきたいと存じます。 そこで、一番最初にお尋ねをしたいのは、この法律案をお出しになるについて、当然前提があると思うのでございますけれども、私どもが今提案しております特別減税、これはおやりになるんですか、ならないんですか、このことだけまずお伺いしたい。
○海江田議員 村井委員の質問にお答えをいたしますが、特別減税の積み増しては消費刺激効果が大変限定的である、私どもはこういう判断を持っております。 そして、もう一つ重大な問題は、特別減税がいわゆる定額方式で行われますため、現在でも、世界の、とりわけアメリカやイギリスなどと比べて課税最低限が高い。そこへもってきて、都合二度の定額減税によって、結果的に夫婦子供二人の世帯で四百九十一万円の課税最低限になってしまうということもありまして、いずれ税制改正については現在の与党の側でも抜本的な見直しが行われるということでもございますが、そこへ向けて定額減税方式による特別減税を行うということは、あり得べき税制改正のあり方からするとかなり逆行したものになるのではないだろうかというふうに考えておりますので、当然のことながら特別減税の積み増しというのはやりませんで、別途、景気刺激策としましては恒久減税を考えているというのが私どもの考え方でございます。
○村井委員 そもそも、私たちが財革法の改正を提案しておりますのは、申し上げるまでもないのですけれども、現在の経済環境は非常によろしくない、これはだれに聞いても、どこを見ても、非常に深刻な状態にある、そこで緊急に、何らかの形で減税を行い、あるいは公共事業の追加を行うとかいろいろな形で、プラス、マイナスいろいろございますけれども、いわば公が出て、そして今の経済を急速に回復軌道に乗せていかなければならない、こういう認識を持ったからなんですね。 それに対しまして、今特別減税はやらないんだ、恒久減税でいくんだ、こういうふうにお答えになられた。ということは、野党三党の御意見ですと、今の経済で何もしないでいていい、こういうことになるのでしょうかという疑問を私はとりあえずは持たざるを得ない。 それで、今、海江田先生は恒久減税ということをおっしゃった。また、これまでもいろいろな先生方が、この委員会で質疑にお立ちになって、恒久減税が必要だということをおっしゃった。私どもの中にも恒久減税を急いでやらなければいけないという議論があることは事実であります。問題は恒久減税、それは一体何を意味するのか、どういう姿形の恒久減税を期待しておられるのか。私は、率直に言いまして、そこのところはなかなか収れんしていくのに時間がかかるのじゃないかという気がして困るんですね。 海江田先生は、今、例えば標準世帯における課税最低限が、今度の特別減税を実施するならば四百九十一万円、正確には、何か四百九十一万七千円ですか、こういう水準までいくという問題をお取り上げになりまして、これはあらまほしき税の体系に比べて逆行ではないか、こういう御見解をお述べになられた。しかし、それが果たしてどれだけ広く共有されることなんだろうか。 あるいは最高税率、これは限界税率で六五%という、世界でもなかなか例のない非常に高い水準になっていて、これを何とか下げないと国際的にも非常に問題があるのではないだろうか。高所得者層のいわば働く意欲といいましょうか、そういうものを非常に減殺するのではないかという議論も非常にありますね。一方では、しかし、やはり稼いだらちゃんと払ってもらおうじゃないか、稼ぐ人からは取っていいじゃないか、こういう議論もあるわけでありまして、このあたりは非常に国民各界各層によって意見がまちまちである。これをどうやって収れんさせていくか、かなり深刻な問題なんですね。 きょうは、民主党でお二方、そして平和・改革と自由党それぞれお一方の答弁者がお立ちでいらっしゃいますが、私は、今ここにおいでの四人の発議者の方々の間で果たして本当にコンセンサスがあるのかどうか、三党の間で恒久減税のあり方についてコンセンサスができているのだろうか。私はそのあたりのところが、これはなぜ私がそんなことを言うかといいますと、白状しますと、自民党の中にだって、残念ですがそんなコンセンサスはできてないんですよ。これから大議論をやらないとまとまっていかない。恒久減税というものは、本来そういう性格のものなんです。 そういう意味で、例えば最高税率はどうなさるんですか、あるいは課税最低限度はどうなさるんですか、あるいは、例えば所得税について今一〇%から五〇%まである階段、これをどういうふうにするんですか、そういったような問題、骨子で結構ですから、できればお一方お一方、あるいは各党ごとでも結構でございますけれども、恒久減税とおっしゃるその姿形、それをぜひかいていただきたい。 これをおっしゃっていただくと、私は、ある意味では、今、イデオロギーで意見の違いというのが物すごくあって、それが国論を二分するというような時代じゃないのですから、ある種のナショナルコンセンサスというものを形成していく作業に国会というものが機能していく非常に重要なステップになり得ると思うのですね。そういう意味でも、ぜひそういうお考えを聞かせていただければ、私はあえてやじには院の慣習によってお答えしないようにいたしますけれども、私ども自民党の中でも、そういう貴重な御意見をよくよく速記録をまた読み返させていただいて、それで勉強をさせていただいて、そして大いに御賛同を得られるような案をいずれ提案をさせていただきたい。 そういうことで、税というのは、できるだけ多くの人たち、できるだけ多くの国民の皆さんが、我々は公平に税金を納める環境の中にある、こういうふうに思っていただくように、そのような税制をつくっていく、これは、私は、ある意味じゃシジフォスの作業のように限りのない作業なのかもしれないけれども、そういう努力を続けていかなければならない、そういう課題だろうと思っております。これは完璧な税金だ、税制だ、そんなものありっこない。そういうものに向けて孜々として努力を積み重ねていかなければならない、そういうことだと思うのです。その一環としてお話を承ることができればありがたいと思います。
○海江田議員 村井委員の御高説を聞いておりまして、ついこの間まで、たしか私どもと一緒に野党の中で議論をしていたその風景を思い出しました。 村井委員が、今自民党の中でもいろいろな御意見があるということ、特にこの税金の問題ではいろいろな御意見があるということをみずからお話しいただきましたが、私どもの側へ加わっていただけますとこれはまた違った意見の一致が見られるのではないだろうかな、そんな感じも持っておりますが、与えられました時間も短いものでございますので、手短にお話をさせていただきます。 やはり最高税率が、先ほども御指摘ありましたけれども、今、現行法では国、地方を合わせますと六五%になってしまう。これはやはり高過ぎるのではないだろうか、できることならば五〇%の線におさめたいということでございますが、ただ、地方税の一五%というものを一〇%にすることができるかどうかという考え方はございますので、その場合、私どもは、国税で四五%、そして地方税が差し当たって一五%程度乗ることになるのではないだろうかと。 ただ、私どもは、正直申し上げまして、今回のこの減税では、地方税の部分については、とりあえず、私どもが国の方で勝手に地方税の税率を決めてしまって、減税の幅を決めてしまって、そして負担を地方に押しつけるということをとっておりませんので、ここでは地方税の税率を何%に下げるということは言っておりませんが、およその考えとしまして、地方税は大体一五%ぐらい残るかな、その場合、国税を四五まで下げておけば、トータルで、五〇%から五%頭が出ますが、ほぼ五〇%並みのところで落ちつくのではないだろうか。 この国税の最高税率を四五%に下げるということは、今の五〇%を五%下げることになりますから、五〇%の一〇%下げる、そしてそれ以下の税率については、これはやはり一〇%ではなしに二〇%ずつ下げていくという計算、ですから、最初のところの最低の税率の一〇%が八%になりまして、そこから二〇%が二八になって、八、一六、二四、三二、四五というような形で当面行っていこうかなと。 それから、各種の控除は若干引き上げをやりますが、ただ、私どもの景気対策、消費刺激ということでいえば、これはむしろ扶養控除枠を拡大するよりも手当で手当てをしようということになっておりますので、課税最低限そのものは余り引き上がらない、こういうことでございます。
○西川(知)議員 まずお答えいたしますが、三会派の共同提案と申しますのは、まず今の財革法の停止に関する法律案に関する三会派の共同提案だったということで、まずそれは念頭に置いていただきたいというふうに思います。 そこで、まず基本的に恒久減税でやっていこうということで、三会派はその点については一致をしておりますが、それは村井議員も先ほど御指摘なさったように、消費者のマインド、これが今の景気に随分と影響を与えているということでございますから、特別減税ですとそれは将来打ち切られる、そういう可能性が十二分にある、増税感が将来ある特別減税であるということで、消費者のマインドが皆さんが予想をされているようには上がらないのじゃないか、そういう事態においては恒久減税が望ましいということで、その点については一致をしております。 詳しい内容につきましては、どういう方法でやるのが一番消費者のマインドに影響をよりよく与えるかということでございますから、それは最もベストな方法を三会派で討議をしてやっていくというところでございます。 参考のために平和・改革はどういうことを考えているかということを申し述べますと、まず所得税につきましては、同じように、現在の税率構造の引き下げを想定しております。パーセンテージについては、先ほど民主党の方からは所得税の最高税率五〇%、これについては一〇%下げる、あとのものについては二〇%ずつというお話がアイデアとしてございましたが、我々はアイデアとして、全部について一〇%程度ずつ下げていってはどうかということを考えております。法人税につきましては、実効税率で国、地方を合わせて四・〇%程度にするというようなことを考えております。 いずれにいたしましても、恒久減税については、三会派は一致して、それが日本の今の経済状態をよくするために最も必要であるというふうに考えております。
○鈴木(淑)議員 村井委員にお答えいたします。 最初に、村井委員はこういうふうにおっしゃったのですね。今、日本経済は大変危機的な状況である、対策は緊急を要する、そういうときに、議論がいろいろ分かれている、大変時間がかかる恒久減税をやろうと言っているのでは間に合わないじゃないか、だからとりあえず特別減税だ、こういう趣旨をおっしゃったわけですね。 私、それを伺いながら思ったのでありますが、私ども新進党の時代に、村井先生も一緒になってここへ座ったのです、私と一緒に答弁側に。それは二度ございましたが、二回目が二兆円の特別減税を継続しろという法案だったのです。その時点で、私ども、この二兆円は恒久化しろ、制度減税の中へ織り込もうという考えを出しておりました。ですから、何も今になって泡食って恒久減税の話をしているのじゃないんですね。一年以上も前から、恒久減税でいかなければだめだよと。 その理由はもう既に海江田委員その他言っているとおりの理由で、一時的な特別減税だと打ち切ったときに増税になることは見えていますから、どうしても国民は増税に備えてしまうという意味で効果が低い。それから、やはり戻し税方式というのは、はっきり言ってばらまきで政策理念がないですね。それからさらに、将来恒久減税をしようとしたときに、戻し税方式の結果、課税最低限が上がってしまっているものですから、これをまたもとの三百六十二万なら三百六十二万に下げるということになると、これは一つの厄介な要素になって恒久減税をしにくくするじゃないか。そんなことで、初めから私どもは恒久減税と言っているわけです。 ですから、さっき村井委員がおっしゃった、今緊急に必要なんだということに対しては、経済がこんな事態になるなんというのは私どもは一年半前から指摘していて、そのとおりこんなになってしまった、そして一年半前から対策は恒久減税だと言っていたのですから、これはちょっといただけない。私どもはそういうことでずっと恒久減税できておりますということを最初にお断りしておきます。 その上でというのは橋本総理の好きな言葉ですが、その上で、我々三会派、細かいところまでは、詰めようということになればいつでも詰められると思いますが、とりあえず今一致しているのは、限界最高税率が国際的に見て高過ぎるね、これを国際水準まで下げようよ、それに伴ってもちろん下の限界税率もいじるわけですが、全体として税率構造をフラット化させていく。それから、今、刻みが御承知のように住民税が三つあって、所得税が五つあって、それが複雑に組み合わさっていますが、大変刻みが多いですね、これをやはり簡素化しなければいけないねと。つまりフラット化、簡素化しながら、最高税率は国際水準並みに下げるのだ、これでは私どもは一致しています。あとは数字の詰めになると思います。 それで、御参考までに、私ども自由党、あるいは先生御一緒だったころの新進党の日本再構築宣言にもはっきり書いてある考え方を申し上げますと、限界最高税率は、所得税四〇%、地方税一〇%で、合計五〇%に下げようという考え方であります。フラット化、簡素化と言っている場合に、地方税は五%、一〇%の刻み二本、そして、国税、所得税の方は一〇、二〇、三〇、四〇の四つでいい、こういう考えなんでございますね。割とすっきりしてまいりますので、フラット化、簡素化のメリットが出てくる税体系ではないかと考えております。 以上です。
○村井委員 それぞれお話を伺いましたけれども、率直に申しまして、微妙な差があるのですね。そこのところで本当にその税率を決めていこうという話になりますと、これは私の経験でも時間が結構かかるのでありまして、そういう意味で、私どもいずれ、既に始まっております政府の税制調査会の議論なども踏まえまして、与党内のコンセンサスを得る努力をしていかなければならないだろうと思っていますので、その結果を得た暁には、恐らく今お述べになった方向性においてはそんなに大きな違いはない、私はこのように思います。日本のためにひとつ御賛同をいただければありがたいな、こんなことをあらかじめ申し上げておきたいと思います。 お伺いすることは以上でございまして、私が一番申し上げたいことは、野党が御提案になりましたのは財革法の一時停止ということなんでありますが、これは施行を一時停止する、けさ池田先生がお述べになりました提案理由説明の中でも、「第一条では、現行の財政構造改革法について、本法律の施行の日から二年間、その施行を停止することとしております。」このようにあるわけでありますが、伺っておりまして、私は、その施行を停止するというのは、二年間考えることをやめるという意味の思考停止かと一瞬思ったわけでありまして、要するに、二年間何もしない、その間ともかくほっておくということになりかねないのではないか。 なぜそれを言うかといいますと、目標年度が定められていないのですね。そうしますと、目標年度が定められていないこういう目標というのは、ちょうど逃げ水のようにどんどん先へ行ってしまう危険がある。政治というのはある意味では魔物でして、いろいろな圧力が働くわけであります。その結果、財政構造をきちんとしていくという大変厳しい課題というのが達成されないままに本格的な高齢社会を迎えるということになるのじゃないか、これを非常に私どもは危惧するのです。だからこそ私どもの提案しているものも期限を切った形にしているのです。 平成十七年度というのは、ベビーブーム世代というのが六十歳を迎えるのですね、二〇〇五年。貯蓄率も顕著に低下し始めるという社会経済構造のターニングポイントを、何にもしないでじんぜんとして迎えるということになるのじゃないだろうか。私は、率直に言ってそれを恐れるのであります。 そういう意味で、私は、今の経済状態、これを脱却するために今何かやらなければならない、それは何とかこの段階で思い切った措置で対応していく、そのために必要な財革法の一部を改正する、これはやむを得ないところだと思うのですけれども、停止するということで単純に済む話じゃないのだということを改めて強調しておきたいと思います。 それから、少し細かいことになって申しわけないのですけれども、せっかくのこの条文ですので、昨日御提示になりました三党案の第二条第二項第一号で、財政の健全化の目標については、一会計年度の国及び地方公共団体の公債の発行額及び借入金の額の総額をGDPの三%にとめる、こういうふうに書いておありになる。 しかし、この表現ですと、これは、例えば国債整理基金特別会計の借換債の発行、これは平成十年度で四十二兆円ある、これなんかも含まれてしまうのですね、計算上。そうしますと、GDP比で、これは十年度、一四・六%になっていまして、これを将来三%まで持っていくというのはもう不可能事に近い。現在我々がベースにしているのは、ネットの財政赤字というのは、GDPの六・七なんですね。これを三%にしよう、こういう目標とこれはちょっと意味が違うと思えるのですね。これは表現の問題ですから、それだけの話ですけれども、そういうような問題もある。これは、もう回答は要りません。そういう問題があるのだということを御指摘申し上げておきたいということであります。 さらには、主要経費のキャップなどの各種の制度改革の具体案、これが欠けている。これをこれから考えるなんというのでは、これはだめなんでありまして、やはりきちっと締めておかないと、財政の節度というのはどうしても守っていけないということになりかねない。私は、そういう意味で、野党案には私どもとしては到底賛成できないという感想を、これをずっと拝見させていただきながらつくづく感じた次第であります。 いずれにしましても、私は、特別減税それから公共事業なども含めました緊急に必要な措置のために私ども御提案を申し上げているものに対して、恒久減税が必要だという主張のみで、それ以上に具体的な御提案がないというのは非常に残念だというのが本音のところでございます。 そういう意味で、ただいま恒久減税のあり方ということにつきましてお話を承ったわけでありますけれども、これは非常に私どもも参考にさせていただきながら今後研究させていただきたいと思うのですが、最後に一つだけ、恒久減税ということを考える場合、どうしても財源の問題というのを私ども考えなければならない。この財源問題についてどういうふうにお考えになっているか、この点だけお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと存じます。
○中川委員長 簡潔にお願いします。
○海江田議員 お答えをします。 これは、私どもはあくまでも、恒久減税をやることの目的というのは景気を回復させる、景気を回復するのに、まず差し当たって定額控除による特別減税では効果がないだろう、それより恒久減税の方が効果があるだろうという判断に立っておりますから、当然のことながら、減税をやることによって景気回復の第一歩にする。 それと同時に、日本の経済構造の改革をやる、それから不良債権等の償却も進めるということによって景気が回復をすることによる税収の増ということもまず考えられる。それからもう一つは、やはり減税をやることによって小さな政府にしなければいけないわけでございますから、行政改革も当然やるということ。 それから、この委員会で政府側から十分な答弁ももらえていないわけでございますが、野党の委員からも何度か指摘がございました、やはり今国が抱えております資産のある程度のところでの有効活用。これは、全部すぐ一度に売るということではございませんけれども、この資産の売却ということも含めて、あるいは、例えば土地などは定期借地権をつけて貸し出しをするということも十分考えられるわけでございます。 確かにおっしゃるように一時的には赤字公債、特例公債の発行になりますが、それによって経済が活性化をする、そして日本の経済構造の改革をやる、そして場合によっては資産の有効活用もするということによりまして、これは当然のことながら財源の手当てがっく、かように考えております。
○中川委員長 村井君、質問の時間が過ぎました。
○村井委員 大きな方向性において、そんなに大きな違いはない。しかし、どうしてこれで現在私どもが提案している特別減税に賛成していただけないのか、これがどうも私には腑に落ちないということであります。 終わります。
○中川委員長 これにて村井君の質疑は終了いたしました。 次に、北脇保之君。
○北脇委員 民主党の北脇保之でございます。 私は、民主党、平和・改革、自由党、三会派共同提案によります財革法停止法案について質問いたします。 その前に、私、今回の委員会のこれまでの審議の中で、政府提案の財政構造改革法改正案、この問題点が明らかになってきたというふうに思います。その点について意見を述べさせていただきます。 まず、一つの問題点は、今度の財革法の改正案が景気対策そして経済構造改革の足かせとなっているということでございます。 というのは、やはり、現下の日本の経済の状況を見たときに、所得税そして法人税、これを中心とした制度減税、言いかえれば恒久減税、これは不可欠だと思います。一時的な特別減税ではなくて、将来とも続いていくという減税、これが消費を刺激して景気対策になっていく、このことは言うをまたないと思います。そして、それと同時に、経済構造改革という点で見たときにも、私ども国民の可処分所得をふやしてその中から民間活力を引き出していく、これが大きな経済構造改革の目標であり、手段でなければいけない、そういうふうに思います。それに対して、今の政府の改正案だと、恒久減税ができないか、もしくは、やるとしても非常に困難を伴うということでございます。 というのは、政府の案ですと、二〇〇五年に財政赤字の対GDP比を三%にするということを今固定しているわけですね。今、景気がだんだん回復をして税収も自然増でふえてくるというような見通しが立っているとかそういうことであれば、目標年次を定めて財政赤字の目標値を定めるということもできると思います。しかし、残念ながら、現時点、日本経済の見通しがそういう状態になっているかというと、なっていないわけですね。そうすると、財政当局の立場に立てば、今恒久減税に踏み出したときに、当面はどうしても財政赤字が一たんはふえざるを得ない。それで、恒久減税でいった場合は当面の財政赤字が累積するということになりますから、そうすると、二〇〇五年に財政赤字三%ということが達成できないかもしれないということをどうしても財政当局は考えると思うのですね。したがって、恒久減税には踏み切れないという制約がどうしても働いてしまう。そうすると、また逆に、そういう手段を打てないために本格的な景気回復がなかなか進まない。そういう非常に悪い方の鶏が先か卵が先かみたいな話になりかねない。そういう意味で、今の政府案、恒久減税を実施できるかどうかというこの問題点に関して足かせになっているということが一つ言えると思います。 それからもう一つは、公共事業の追加ということでございます。 公共事業の追加がこれまた一つの景気対策の重要な手段である、このことは我々も否定してはいないし、一致するところだと思います。しかし、今、政府の改正案では公共事業についてのキャップはそのままになっているわけですね。ですから、今までの議論の中でたくさん出ているように、公共事業を追加しようとすればどうしても補正予算に頼らざるを得ない。そうすると、財政法の二十九条などというのは本当に無視するというような、非常ないびつな状態というものが続いてしまう。それで、景気対策のために公共事業を落とせないということになると、まさに補正頼りというか、毎年補正で公共事業を追加するということが恒常化してしまうということになるわけですね。 もし、補正頼りなどという変則的なことをやめるとなれば、例えば、今年度の総合経済対策で補正予算で公共事業を大幅に積み増そうとしているわけですから、そこをペースにして来年度そういう変則的な補正予算の組み方をやめるといったら、がくっと公共事業が下がるわけですね。ましてや当初予算についてはキャップが生きているわけですから、ふだんの年に比べたって、ふだんの財政運営に比べてもさらに公共事業を落とさざるを得ない。こんなことをしたら日本経済に対して大変なショックを与える。 ですから、公共事業について特に言えることなんですが、この大変な、景気対策が何よりも重要な時期にこのキャップを生かしているということが、これまた景気対策の足かせになっている。それで、もし財政法とかそういった法律等の体系ときちっと整合性を保ってやっていこうとすれば、そんな補正予算による公共事業の追加を恒常化するなどということはできないわけですから、それに従ってやろうとしたら公共事業は来年度またがくっと下げざるを得ないかもしれない。そういうことで大変な景気対策に対する足かせになっている、このことをまず第一に指摘したいと思います。 それから二番目に、弾力条項についてなんですが、これがまたどうやって適用するかということが非常にあいまいだし、また一面で機動性を欠くおそれがある。というのは、原則的には弾力条項の適用というのは経済統計をもとにしていますから、その統計が出てくるまでにタイムラグがあって機動性を欠くということがありますし、それに対する一つの対処策としてということでしょうが、財政構造改革会議では経済ショックがあったときに適用できるという議論もあるようですが、これまた、この経済ショックというのは何なのかということが非常にはっきりしない。こういう意味で、弾力条項について非常にあいまいであり、また機動性を欠くおそれがあって、これまた景気対策の上で足かせになるおそれがある。 それから三つ目に、財政構造改革の名に値しないという、一律削減だということ、これは本質は何にも変わっていない、こういう問題点があります。 これが今までの審議の中で明らかになってきた政府提案の、もともとの財政構造改革法並びに今回の改正法案の問題点だと思います。 そこで、それに対する対案という形で三党共同提案が出てきていると思いますので、もう一度、三党共同提案の本法律案を提案する理由をお尋ね いたします。
○池田(元)議員 北脇委員の御質問にお答えをいたします。 今委員が、全体的な現下の状況、財政構造改革法の位置づけ、そのとおりだと私は思います。要は、現在の危機的な、政府でも極めて厳しい状況と言っているわけですね、極めて厳しい状況、それにこの財政構造改革法の枠組みでは機動的に対処できないというところが一番大きいと私は思います。 既にこの委員会で何度も出ておりますが、橋本総理は、みずからの経済運営の失敗によりまして日本経済が不況の色を濃くしていた昨年の秋に、この財革法提出という致命的な失敗をしたと私は思います。あのとき、もう既に七月にタイのバーツの暴落が起きていました。そして、いわゆるQE、四−六のQEはたしか前期比マイナス二・八。政府委員はその後、七−九の数字が〇・八で少しよくなったからとよく言いますが、それはもう皆さん御存じのようにタイムラグがあって、七−九は十二月に発表されるわけですよ。ですから、この論理は全く破綻しているわけです。 とにかく、橋本総理は景気認識についての官僚の作文をそのまま信用し、結果的にそれが誤ったわけですが、財革法が議論されていたまさにそのさなかに、あのときは拓銀や山一も破綻している。本法律案は、この橋本内閣の過ちである財政構造改革法の執行を二年間停止し、景気回復に全力を挙げるために提案をするものであるということを御理解していただきたいと思います。
○北脇委員 ただいまの回答の中に、二年間執行を停止するということがこの提案に係る法案の主要なポイントということがございました。まず、なぜ二年間の施行の停止としたか、その点についてもう少し詳しく御答弁をいただきたいと思います。
○池田(元)議員 景気が回復するまで財政健全化を強行するべきではないと私は思います。景気の回復までどの程度時間が必要かは、現段階ではそうはっきりとわかりません。しかし、金融システムの不安や不良債権問題がいまだ深刻な状況であることを考えると、二〇〇〇年まで、少なくとも二年間は執行の停止が必要と思われるわけです。
○北脇委員 二年間の施行停止の間に最大限、全力を尽くして景気回復を最優先の課題としてやっていくべきだ、そういう考え方かと思いますが、私も現下の日本経済、そして財政の課題を考えたときに、アブハチ取らずになるような二兎を追うという考え方ではなくて、まず景気回復、経済再建、これに全力を尽くすべきだと思いますので、今の考え方は全く同感でございます。ただ、景気回復にどの程度の時間がかかるかということ、これはなかなか予測が難しい部分があろうかと思うのです。 そこで、景気回復が二年間の間でまだちょっと時間がかかるというような見通しになってきたような場合にどういうような対応をとっていくのか、これについてお尋ねいたします。
○池田(元)議員 経企庁の内部でも議論をしているようですが、去年の初夏に景気の山だということになると、かなりまだ年数がかかると思います。それから、きょうもいろいろ動いておりますが、アジアの経済危機等いろいろな問題もございます。ですから、景気回復のテンポがどうなるか、まだはっきりしません。ですから、景気回復のテンポによっては、さらに執行停止の期間を延長するなど、柔軟な対応をとることができるということにしております。
○北脇委員 この法案の骨子になってくる部分、それはもちろん法律の施行を二年間停止するということでございますから、それについての御説明がありましたが、それ以外に、政府提出の財革法改正案とこの三会派共同提案の法案、これを比較してどこがどう違うかということを、もう一度全体的に御説明をいただきたいと思います。
○池田(元)議員 政府案といいますか、現行財革法及び改正案と我々の執行停止、凍結案の違いは、既に委員も御理解いただいていると思いますが、政府の案では一言で言えば現下の経済変動に機動的に対処ができない、我々の執行停止案では機動的に対処ができる、それが最大の違いであります。
○北脇委員 確かに、二年間施行を停止するわけですから、キャップ制とかそういったことにとらわれることなく十分な景気対策を打てる、そういう状況をもたらすものであるというふうに思います。 そこで、施行停止期間後、二年後にどのようにしていくか、特に法体系、法律的なものをどうしていくかということをちょっとお尋ねしたいのです。 法律の中に、停止期間中に本当に必要な財政構造改革、それに必要な法整備をしていくんだということも盛り込まれているかと思うのですが、この施行停止期間、二年と一応予定しておりますが、その二年経過後にどういうふうに進めていくかということ、そのことについてお尋ねいたします。
○池田(元)議員 二年間の執行停止の間に抜本的な見直しを行います。これは、民主党、平和・改革、自由党、三党十分に協議をいたしました。 そして、その抜本見直しの中身は、財政健全化目標とその達成の期限、特にこれについては第二条第二項で取り上げております。こういう見直しを受けて、施行の日から二年間を経過する日まで執行を停止し、その末日までに必要な法整備を行うということでございまして、その中心は、実体経済に機動的に対処できる、同時に財政再建、これは中長期的な大きな課題でありますから、財政健全化目標その他を政府案とは違って明確に位置づけて目標年次を定める、そういうことも考えることになろうかと思います。
○北脇委員 ただいまのお答えのように、この施行停止の二年間の間に財革法そのものを見直して必要な法整備をしていくということになれば、本来の財政構造改革というのはどうあるべきか、このことについてはっきりした考えを持ってそれを法律化していく、こういうことが必要になってくると思います。 これについては、共同提案をしているそれぞれの会派の方にお尋ねをしたいと思うのですが、先ほど私申し上げたように、今まで政府がつくって施行してきた財政構造改革法、これはキャップのところを見ても一律抑制というようなことだけであって、本当の意味の構造改革、財政が悪化しない、そういう仕組みをつくり出すという意味の財政構造改革になっていないと思います。 それぞれの会派、今までいろいろな意見が出てきておりますが、私は、それぞれの会派の財政構造改革についての考え方は基本的に一致しているというふうに思います。そこで、もう一度、それぞれの会派の財政構造改革いかにあるべきかということについての考えをお聞かせいただきたいと思います。
○池田(元)議員 私は民主党でございますが、そう大きな違いはないと思います。一言で言えば、歳入歳出の両面にわたる改革によりまして、財政がその本来の役割である政府による資源配分の調整、所得再分配、経済の安定化を適切に行えるようにするということだと私は思います。 今後の財政構造改革の基本的な課題は、これまで自民党政府の財政政策の失敗によってもたらされたゆがみ、いろいろあります。それを是正すると同時に、地方分権の推進、少子・高齢化対策、新産業と雇用の創出など、今後の優先的政策課題に向かって適切かつ効率的に資源配分を調整できるようにすることだと思います。 しかし、その前提として、現下の状況から、まず景気の回復を確実にするため、適切な財政出動を実行することであると考えております。財政収支の均衡化という意味での財政再建は、それ自体を目的とするものではなく、国民から見てわかりやすい中期目標を設定し、毎年の経済情勢を勘案しながら、よく見ながら、その都度財政運営を適宜見直していく柔軟な枠組みのもとで進める必要があると思います。
○西川(知)議員 北脇委員の御質問でございますが、今、民主党の池田提出者から述べられました意見のほかに、我々平和・改革といたしましても、平成十年四月十七日に「今、そして未来の安心社会への緊急提言」というのを記者発表をしております。 細かいことは別にいたしましても、いわゆる将来の問題点というのは、将来に対して国民が不安を非常に持っている。その不安感というものが解決されない限り、どんな景気刺激策をやっても消費が喚起されない、また景気もよくならないということで、我々としましても、先ほど申しました恒久減税のほかに、未来型ストックの実現ということでいろいろな具体的な施策を講じようとしております。また、地方主体の社会資本整備を重点的に実施いたしまして、その財源も国が責任を持って措置するということにしております。 また、財革法に関しましても、先ほど北脇委員がおっしゃいましたように、補正予算の位置づけ、また一般会計だけでなくて特別会計についての位置づけ、また財政投融資についての位置づけ、公共工事のコストの削減についての位置づけ、こういうものも総合的に盛り込んで、そしてバランスのとれた財政構造改革をしていくということを考えております。
○鈴木(淑)議員 北脇委員の御質問で、各党の財政構造改革についての考え方を明らかにせよということでございますので、自由党の考え方を簡単に申し上げたいと思います。 私どもの財政構造改革についての考え方は、新進党時代に御一緒にまとめた「日本再構築宣言」の中に明確に書いてありますが、私ども、それをさらに現時点で若干リバイスしたものを基本政策として近く発表をいたします。 その中の考え方を簡単に申し上げますと、財政構造改革で構造というのが非常に大事だと思うのですね。歳出の構造、それから歳入の構造、主として税の体系ですね、両方の構造を改革するのだ。どういうふうに改革するのかといえば、民間市場経済に対する過剰なる介入の体質を改めて、民間市場経済の力を引き出すような形に変えていく。その意味で政府は簡素で効率的なものになっていく。その結果として財政赤字は縮んでくる。なぜなら、歳出構造が簡素で効率的に変わっていくし、同時に民間市場経済の力、民力を引き出すわけですから、税収の方も大変効率的になる。そのことによって結果として財政赤字が減る。これが我が党の財政構造改革の基本的な考え方であります。 歳出構造を変えるというのは具体的に何かといえば、これは、規制緩和に伴う政府の歳出構造の変化とか、それと表裏の関係の行政改革とか地方分権とか、その辺の一連のものが入るわけであります。歳入構造、特に税制側については、やはり民間市場経済のやる気、人々の働く気、企業の投資意欲、そういったものを引き出すような、そういう形の税制に変えていこうということが基本になると思います。 余りしゃべっていると長くなりますから、それが基本ということです。
○北脇委員 ただいまの三会派の答弁、ほとんど同じ方向を向いていると思います。歳入歳出、その両面にわたっての見直しの中で政府による適切な資源配分を実現していく、こういうことを目指していく。歳入面ではまず税体系の見直し、そして歳出面についていえば、地方分権そして公共事業の見直し等を含めて構造的な見直しをしていくんだ。そして、その視野としては特別会計とか財政投融資まで含めてこれを検討していくということで、全体的な方向は一致していると私は受けとめました。 そこで、今の中で一つ二つ、ちょっと聞いてみたいと思うのですが、民主党はこれまで公共事業の見直しということについて熱心に取り組んできているわけでございますが、特にこの点については財政構造改革の中でどういう取り組みを考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
○海江田議員 まず、私ども民主党の公共事業の見直してございますが、これは、当然のことでございますが、まず第一歩としましてコストの削減を図っていくということ。それから、やはり既存の計画そのものの中に随分むだがございますので、この計画を抜本的に見直しをしなければいけないということ。それから、将来にわたっての、公共事業というより新しい社会資本の整備ということでいいますと、やはりこれは環境問題でありますとか、情報問題でありますとか、あるいは福祉でありますとか、そういう二十一世紀の高齢化社会に適合して、その中で人々が安心をして、そして同時に企業等も競争力の持てる、企業として活躍できるような社会資本を整備するということも新しい公共事業の内容になるかと思います。 そういうようなことが主な改正点の中身でございます。 〔委員長退席、村田(吉)委員長代理着席〕
○北脇委員 今、歳出構造の改革の中で非常に重要な柱になります公共事業の見直しについてお答えをいただいたわけですが、次に、歳入の方でいいますと、先ほどから議論が出ているように、恒久減税、制度減税が非常に重要だと思います。 そこで、私どもの参加しているこの三会派共同提案の法案によれば制度減税、恒久減税が可能になるのかどうか、この点について御説明いただきたいと思います。
○池田(元)議員 恒久減税の必要性、これは与党の中からも出ております。しかし、政府提出の財革法の改正案、二年延長しても恒久減税は事実上不可能である。私、きょう午前中もこの問題を取り上げて論証したつもりでございますが、今の改正案では、何といっても大変な数字の四十兆、五十兆の要調整額、これを解消しない限り難しい。ですから、政府改正案ではなく、我々の対案、施行停止法案が成立すれば、それはまさに財革法の施行が停止されるわけですから、恒久減税は可能であることは申すまでもないことであるということであります。
○北脇委員 この財革法の、施行というと何かちょっとほかの言葉を連想するのですが、施行といいますか、これが停止されれば確かに赤字国債についての縛りが外れるわけでございますから、当面の財源対策ということ、その手段が出てくる、そういう中で減税が可能になってくるということだと思うのですが、先ほども村井委員の質問の中で、恒久減税を実施する場合、その財源はどうするかという質問がございました。今の恒久減税は可能なんだというお答えに関連しますので、再度、その点についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。財源をどうするかという問題でございます。
○海江田議員 先ほど、村井委員の質問にも私がお答えしましたのでお答えをしますが、当面は、これは当然のことながら特例公債の発行ということでございますが、それと同時に、やはり徹底した行革を進める。減税をやりますものですから、減税ということはつまり官への収入が減るわけでございますから、それを一つの圧力にして行政改革を進めるということでございます。 それから、先ほど私がお話をしまして、与党席の側からもいろいろな意見が出ましたが、やはり私どもは、国有財産の売却等もそろそろきちっと議論をしていかなければいけないのではないだろうか、そういうふうに考えております。 先ほども指摘をしましたけれども、我が国が総負債がたくさんあるということ、これはもうはっきりしておるわけでございますけれども、では、それに見合う総資産が一体幾らぐらいあるのか。この総負債から総資産を引いた純負債がどのぐらいあるのかということ。これは、国際機関等は、この総負債から総資産を引きました純負債というものはGDP比でいきますと二二%ぐらいじゃないだろうか、これは我が国を除きましたG7の国々は大体五〇%ぐらいあるわけでございますから、こういうところから比べるとかなり我が国は低いのではないだろうかというような統計もあるわけですね。 そういうものを私どもは鋭意入手をしておるわけでございますが、やはり現在の政府がそういう問題についても一体どういうふうに考えているのか、あるいはその以前としてどういうデータをきちっと持っているのかということを公開してもらって、国有財産の売却等、売却だけではございませんけれども、国有財産の有効活用ということについてもやはり私どもは真剣に議論していかなければいけないのではないだろうか、そういうふうに考えております。
○北脇委員 確かに我が国の公経済といいますか、公的な部分というのは、会計の仕方が主として官庁会計でフローしかとらえていない、そのために資産の状況がどうなのかということが今まで明らかにされてこなかったという問題点があると思います。ですから、今の海江田委員の御指摘は、今の財政運営の非常に重要な問題点を指摘していると思います。ですから、そういう方向での取り組み、これからもぜひしていかなければいけないことだ、そういうふうに思います。 そこで、鈴木委員も提案者でございますので、経済学理論について大変な泰斗でございますから、今の恒久減税の財源をどうするかということについて、恒久減税をした場合の経済的な効果、そこから税収にどのような影響が出てくるか、そうしたところの理論的な面を含めて、まず財源をどういうふうに考えていけばいいか、これについて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木(淑)議員 御指名でございますので、私の考えをお答え申し上げたいと思います。 恒久減税の財源は、基本的には我々三会派共通して二つあるのだというふうに考えていると思うのです。一つは、行革、地方分権、規制緩和等々に伴う歳出構造の改革でむだを省き、簡素化し、そこから出てくるということだと思います。もう一つが、今お尋ねの税収の話になります。 減税して経済を刺激すると税収が減税額以上にふえるというのは、例の有名なラッファー・カーブでありますが、アメリカのラッファー先生というのは、ドクター・ラッファーと言っていたら、実はphDを取っていなかったとか大分イカサマで、レーガン政権の第一期、ちょっと名前が出たのですが、そういうこともありましてレーガン政権から離れまして、後に残った本物の学者たちがブレーンとして一生懸命やったわけですね。 あのラッファー・カーブというのは、一般論として、減税するとそれ以上の増収が出るなんて言ったからこれはイカサマだとやられたわけです。しかし、一般論ではなくて、今の日本のように、経済の実力相応の成長経路から相当下に落ち込んで、したがって、その差がデフレギャップになるわけですね。かなりデフレギャップが出ている。したがって、本来取れるはずの税金が相当落ち込んでいるという状態をスタートにしますとラッファー・カーブのようなことは起こり得るというのは、経済学者の間で一般的な認識なんですね。 先生方、御存じだと思いますが、最近、国税、地方税を合わせて一番たくさん税収が入ったのは九一年度の九十八兆円です。もう随分昔のことなんです。その後、曲がりなりにも名目成長で考えれば名目的な成長はしているのに税収は落ち込みまして、一番ひどく落ち込んだときは八十七、八兆まで落ちたのですね。今九十兆ぐらいまで回復してきていますが、それでも十兆近く落ち込んでおります。その結果、長期の税収の弾性値、一・一だと言われていますが、八五年をベースにして最近データがわかっている九五年とか九六年ぐらいまでの十年ちょっとの長期弾性値をとると〇・九なんですね。八五年をベースにするということは、バブル時代に弾性値が一・九まで上がった、物すごい税収が上がった時期を含めて計算してみても〇・九まで落ちている。これはやはり正常な長期的な税収の水準からは落ち込んでいるというわけです。 私の試算では、今、本来であれば百十兆円強、百十数兆円あっていいと思うのです。それが何と九一年度の九十八兆よりも十兆円近く落ちている。これは、やはり日本経済を実力相応の成長軌道に戻せば上がってくるのだというふうに思います。 ですから、最初から、たとえ減税しても日本経済が実力相応の軌道に戻ればそれ以上に税金が入ってくると言うと、そんなラッファー・カーブみたいなイカサマなことを言うなとか、無責任なことを言うなと言われてしまいますが、冷静に分析してみて、相当取りっぱぐれている、この分を最初に申し上げた歳出構造の改革、具体的には規制緩和、行政改革、地方分権等々に伴うむだの排除と並んで財源に使えば、私は恒久減税の財源は十分出てくるというふうに思っております。
○北脇委員 今のお話にありましたように、現在の税収の状況というのは、本来の、かつて達成していた税収額も達成できない状態になっているということですから、そのことを考えれば、今先生おっしゃるとおり、日本経済を本来の軌道に戻せば、とにかく本来の、かつて達成した税収額を達成していく、そしてさらにまた税収増を図っていくということも十分可能なんだということだと思います。 そこで、また改めて確認をいたしますが、特別減税というものを政府はさらに積み増しをし、来年もやるということを言っているわけですが、共同提案者の方としてはこの特別減税の実施についてはどう考えているのか、これをお尋ねいたします。
○海江田議員 これは先ほどもお答えをしましたけれども、特別減税では効果がないということでございますので、私どもがとる手だては恒久減税でございます。
○北脇委員 そうしますと、今景気対策、経済対策が必要なんだということ、これはもうどの党にとってみても異論のないところでございます。民主党についていいますと、この対策として平成ニューディール計画というのを発表しているわけでございますが、この機会にこの平成ニューディール計画についてちょっとお尋ねをしたいと思うのです。 まず、その概要はどのようなものなのか、そのねらい、これをお聞かせいただきたいと思います。
○海江田議員 若干時間がかかるかもしれませんが、御要望ですので、平成ニューディール計画についてお答えをさせていただきます。 まず、私どもは、何といいましても六兆円の恒久減税ということを大きな柱にしてございます。 この六兆円の恒久減税、所得税の減税の方は先ほど大まかな内容を述べさせていただきましたが、所得税三兆円の減税でございます。税率をそれぞれ引き下げをするということで、そして、私どもは所得税のみでございまして、住民税につきましては、今回は、国が住民税の減税を決めるということは行わない。これは、地方財政の赤字ということも考えながらそういう配慮をしてございます。 それから、もう一つの大きな減税の柱が、法人税の減税でございます。 これは、法人課税の実効税率を国際水準並みであります四〇%程度、程度と申しますのは、正確に申し述べますと四一・○八%ということでございますが、四〇%程度に引き下げをするということでございます。そして、課税ベースというものは段階的に広げていくわけでございますが、ただ、やはり昨今の景気、とりわけ中小企業等の経済的な痛手ということも考えまして、この課税ベースの拡大というのは、これは段階的に行っていくということでございます。 それから、有価証券取引税等の廃止とキャピタルゲインの課税の適正化でございます。 それから、政策減税としましては、マイホーム等の取得や進学を支援するローン利子所得控除制度の創設でございます。 これらを合計しまして、減税の規模としましては六兆円の減税になります。 それから、手当を私どもは拡充をするつもりでございます。 一つは、子育て世代に対する児童手当の大幅拡張ということで、現在の額をおおむね倍以上にするということによりまして、これは二・二兆円、二兆二千億円でございますが、児童手当。 そして、それと同時に、シルバー世代でございますね。これは、特に金利の低下等によりましてこの方たちの可処分所得というのも大変減っておるわけでございますが、この方たちにシルバー手当を新規に創設をするということでございます。このシルバー手当は、年金の額にプラスをしまして、老齢年金受給権を有する六十五歳以上の方々にお配りをするということでございます。 それから、未来への投資ということで、これは先ほども若干述べましたけれども、従来型の国土破壊型土木工事でありません、生活、福祉、環境・エネルギー、情報通信等にかかわる未来創生事業、二十一世紀型社会資本整備費用としまして四兆円を考えております。 とりわけ、未来への投資、未来創生事業としての四兆円は、国が使い道を決めるのではありませんで、将来の包括助成補助金のことも念頭に置きながら、その事業費は、事業主体になります都道府県並びに市町村が独自のアイデアをつくって、そしてそこに国が資金を提供するということでございます。 それから、もちろん雇用、企業対策も必要でございます。 それから、何といいましても、今議論になっておりますこの財政構造改革法を二年間凍結して、そしてその間に抜本的な見直しをするということ、これも重要な景気対策の案の柱になっております。 以上でございます。
○北脇委員 ただいまは、平成ニューディール計画の説明をいただきましたが、本当に、税制対策としても、恒久減税というだけではなくて、マイホームの譲渡損失の繰越控除制度だとかローン減税、そういうところまで政策減税として目配りをしておりますし、また、少子・高齢化が進む中で、児童手当の拡充、こういう具体的な策を講じること、また、超低金利政策のために非常に困っている高齢者に配慮をしてシルバー手当を支給していくとか、大変きめ細かく、しかも今の日本経済の現状に即した具体的な案であるというふうに思います。 そこで、今、この経済再建の中でもう一つ焦点になっていること、ここの委員会でも議論が出ましたことについてちょっとお尋ねをしたいのです。 というのは、不良債権の処理、そして金融システムの安定化、これが経済再建にとって非常に重要な課題である、こういう指摘がこの委員会でもたびたび出ているところでございます。そこで、この点については民主党はどのような考えをお持ちか、これをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○池田(元)議員 最近にわかに政府が不良債権の処理ということを言い出しました。IMFやサミットで他国からそういう問題提起を受けた。今五月ですから、去年の四月に当時の大蔵大臣は、不良債権の処理は順調に進んでいる。総理もそう言ったということをつい先日この委員会でお認めになりました。大手二十行はっぷさない。一年前はそんなことを言っていたわけですね。 あれだけ、拓銀、山一の破綻があって、へんてこなと言ってはなんですが、預金保険法の小規模な改正案、自民党内からも反対があった。金融危機が起きているのにそれを優先させて通した。強行採決までして通した。この政策判断の誤りというのは大変大きいと私は思います。まさに、今ありましたように、一年おくれ。要するに、トラックを並んで走っていまして、前の選手が速いと思って調べてみたら実際は一周おくれであった。そんなこともこの前金融関係の人が言っておりました。 我々は、皆さん御存じのように、金融二法に対して対案を出しました。公的資金の投入は破綻した金融機関に限る。銀行の救済につながるような資本注入は行わない。これはモラルハザードが起きます。そして、当時民友連でございましたが、将来、やはり銀行にも一定の負担を求める。こういう対案を出しまして野党三会派の賛同を得たところです。 自民党の中にも、今でも、例えば前官房長官のように、きのう、みどり銀行の破綻処理についてあれだけ激怒をされた。私は心情において全く共通でございますことを一言申し添えたいと思います。
○北脇委員 本当に、今委員のおっしゃるとおりだと思うのです。今になって政府・与党は、不良債権処理のために検討機構を設けると。何を今ごろ言っているんだ、これは本当にどういうことなんだと言わざるを得ないと思います。不良債権処理が日本の経済再建のために本当にキーなんだと、これはもうどれだけの期間言い続けてきたんだ。それを、今からあたかもゼロから、白紙から検討を始めるかのようなことを言う今の政府・与党というのは、全くなっていないと思います。これは、胸に手を当てて考えれば、政府・与党の一員であっても全く同じことを感じると思います。 そこで、そういった議論の中で最近になって、例えば今の制度では、整理回収銀行、これは単なる不良債権の回収しかできない、また、預金保険機構も十分な機能を持っていない、そして、住管機構は住専の問題についてしかやっていない、ばらばらであって十分な機能を持っていないから、この三つを一緒にするとかなんとかもうちょっと考えたらいいじゃないかなんということを今ごろ言っているわけですね。 それに対して私ども、民友連のときから、今回の冬場の金融二法の改正のときに日本版RTCということをもう既に提案しているんです。これについて、やはりますますこの意義というものがはっきりしてきていると思いますので、この日本版RTCの考え方について、民主党の方から御説明と考え方を開陳いただければと思います。
○池田(元)議員 何といっても、今の極めて厳しいこの不況の底流にはやはり不良債権がある。幾ら表面的に公的資金を資本注入のような形で導入しても基本は直らない。それはやはり不良債権の処理を早期に行うことであるということで、私たちは、日本版RTC、公的債権回収機構、これをつくって強力に不良債権の回収を行う、そして立入調査権等の強力な権限も付与し、経営者の責任も追及していく、そういうスキームをまとめたところです。
○北脇委員 今、金融システム安定化のこともお尋ねしたわけですが、今の経済財政運営についての問題というのは、結局、私どもの主張は、とにかく今大事なことは経済再建をすることなんだ、そのことを通じて財政再建をしていく、こういう順序で考えなければいけないということを言い続けてきているわけです。 それに対して橋本総理は、たびたび財政再建と経済再建、景気対策というものは二者択一ではないというふうに言い続けてきたわけなんです。タイムスパンが違うから財政構造改革をやりながら景気対策はできると言ってきましたけれども、政府がやろうとしてきた財政構造改革というのは、目標は改正前二〇〇三年かもしれないけれども、そのために本年度からもうキャップがかかってしまって緊縮予算しか組めない。それは現下の景気対策には矛盾するわけです。 だから、それは目標の年度を比べたら確かにタイムスパンは違うかもしれないけれども、ある程度タイムスパンの長い財政構造改革というのが現下の経済政策として足かせになってきているのだ。だから、今年度の経済財政運営をどうするかというときに、既にそれは二者択一になるのだ。だから橋本総理の言っていることは全く論理的でないということを私どもは言ってきたわけです。 それが、今やまさに財政構造改革法の改正をせざるを得ないところに来たというところで、もう既に二者択一ではないという議論は破綻をしていると思うのです。そこのところの責任をついに認めようとしていない。しかも、そういう状態であるから思い切った景気対策も講じることができない、そして財政再建も中途半端である、こういう状態になっていると思うのです。 ここの基本的な今の経済財政運営のあり方、これについて、残された時間の中で三会派のそれぞれの方に簡単にお話をいただきたいと思います。
○海江田議員 全く委員のおっしゃるとおりでありまして、今、現下の景気回復に、先ほど来お話が出ておりましたように、私どもからも答弁させていただきましたけれども、例えば現在の財政改革法あるいは改正されます財革法でも恒久減税ができないというこの一言をとってみても、やはり問題としては、これまでの財革法あるいは改正をされる財革法ではこの景気対策の役割を果たすことができないということは非常にはっきりしておるわけですから、これはまさに二者択一の問題である、そういう認識を私どもは持っております。
○西川(知)議員 お答えします。 財革法が成立をするというときの議論といたしまして、我々を含め反対する者は、経済の動きに対して臨機応変に対応することができない、そういうような硬直的な財革法というものはその当時の状況からしても施行されるべきではないということを強調してまいりました。しかしながら、政府の方は、そういうことはない、緊急事態、特に湾岸戦争等のような場合でない限りこの財革法の枠組み改正はしないというふうに言っていたにもかかわらずこういう事態になったわけです。この間の総理の答弁でも、その責任の一端というものは政府にあるということで政治責任をとるというふうに言っているわけですから、そのようにぜひしていくべきだというふうに思います。
○鈴木(淑)議員 お尋ねの件、つまり財政再建と経済再建は二者択一かどうかということについて私ども自由党の考えを簡単に申し上げますと、中期的にはこれは両立するのです。経済再建なくして財政再建はない、財政再建なくして持続的な経済成長はあり得ないのです。中期的には両立する。しかし短期的には、一年、二年の問題になったらこれは真っ向から矛盾するケースがあるのであって、今の日本がまさにそうだということであります。 これだけデフレギャップが大きくなっているとき、したがって、財政赤字をふやしたってインフレの懸念もなければ民間投資を圧迫するクラウディングアウトの懸念もない。しかし、逆に、デフレギャップが大きいときにさらに財政再建をやったらますますデフレギャップが拡大して経済の足を引っ張ってしまうわけですから、そこのところが橋本総理の考え方は混乱をしていると私も思うのです。二者択一ではありません、それはそうです、中期的に見れば。けれども、短期的に見たら明らかに二者択一だというふうに思います。
○北脇委員 三会派それぞれに、今鈴木委員は中期的に見れば二者択一ではないのだということをつけ加えられましたが、それは私もそのとおりで、それは前提にしてのことだと思いますが、短期的に、特に現下の日本経済の状況を見れば、財政再建という目標と経済再建というものが本当に対立する概念に、非常に残念なことですが、そういうふうになってしまっているということはもう一致した見解だと思います。 そこで、もう一度、三会派の提案の財革法停止法案、これを含めて今後の財政再建と経済再建、これについてどういうふうに進めていくべきと考えているか、これを総括的に提案者の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○池田(元)議員 お答えいたします。 今までも出ておりましたように、現在のこの状況を打開することがもう焦眉の急といいますか緊急の課題であります。ところが、委員の言葉をかりれば桎梏ですか、足かせとなっております。ですから、まさにこの法律を早急に凍結する必要がある。そして、そういう枠にとらわれない、つまりその枠自体が非常に心理的な冷え込みを誘っているという面もあります。これはマーケットでもそう言われております。そういった枠組み、つまり財革法を凍結して機動的に現在の景気の状況に対処していくということが今一番必要であると思います。 その意味において、これは党派を超えて、各党各会派、議員の皆さんが、施行停止と言うと何か先ほど笑われましたが、これは施行が正しいと私は思います。執行停止と言うと刑の執行停止みたいですが、施行停止、凍結のこの三会派の案に賛同をいただきたいということを申し添えたいと思います。
○北脇委員 もう一つ、橋本総理が今までの議論の中でたびたび言ってきたことでちょっと考え方が違うなと思うことを一つつけ加えたいのですが、それは臨機応変ということです。財政構造改革を追求しながら臨機応変に経済対策もやるのだと言っていますが、それは臨機応変とは言わないのですね。結局、一つの理念、信念、方向性の欠如で場当たりなんだということで、このことが日本政府に対する信任を損なう結果になっている、このことを指摘して、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○村田(吉)委員長代理 これにて北脇君の質疑は終了いたしました。 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 平和・改革の石井啓一でございます。 きょうは、共同提案の三会派からそれぞれ提出者に出席をしていただいていますが、私からは主に西川提出者の方にお聞きをいたしますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。 まず、今回、政府は財革法の改正案を提出してきたわけであります。私ども野党は、昨年の秋の臨時国会において大変な反対をしたわけでございますけれども、この反対を押し切って成立した財革法がわずか五カ月で改正をせざるを得なくなってしまった。 政府・与党が命運をかけた法律が、わずか半年もたたないうちに政府がみずから改正案を出さざるを得なくなってくるというのは前代未聞の事態でありまして、一つは、余りの政府の見通しの悪さというものに暗然たる思いがございますし、また私ども、野党とはいえ、その真摯な意見に耳をかさない、こういう硬直的な態度については大変憤りを覚えるものでございます。まず、こういったことに関しましての見解を伺いたいと思います。
○西川(知)議員 お答えいたします。 今石井委員が申されたように、野党がこぞって大反対をいたしました財革法が、政府の、また与党のいわゆる強行的な解決方法によって通りました。そして、こうやって五カ月後にまた財革法を改正しないといけないということに対しては、野党の方も、この委員会、ほかの委員会で責任を追及してまいりました。 その結果、橋本総理もまた内閣法制局長官も、この件については政府に責任があるということで、政府の責任によって行われる場合には、政府としては、内閣としては国会に連帯をして責任をとるということでございますから、ぜひそれを実行してもらいたいというふうに思っております。
○石井(啓)委員 先日も、西川議員、ここで総理とやりとりをされていましたが、確かに、昨年の秋の特別委員会での議事録を拝見しますと、総理は、将来的に改正する事態はあり得るかもしれないと。特殊な例とはいいながら湾岸戦争のような事態だ、こういうふうに言っておりましたが、当時、既にアジアの経済破綻は進行していたわけでありますし、また、昭和恐慌以来という大型の金融破綻が続いていた。そういった状況にもかかわらず財革法を成立させた。その責任といいますか、結果としてそれが大変大きな経済的な損失を生じてしまった、その責任にほおかむりをしたままこの改正案を出してくる。私は、やはり国民も大きな怒りを感じているのじゃないか、こんなふうな思いがございます。 そこで、今回の政府の改正案について、また、そもそもの財革法それ自体でも結構でございますけれども、どういった問題点を認識されて今回この財革法を停止させる法案を出されたのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○西川(知)議員 お答えいたします。 先ほどもいろいろと御説明をいたしましたが、この財革法の今回の改正案というものでは、経済の現況にかんがみまして、例えば、我々が消費マインドを喚起させるために主張しております恒久減税、そういうものはできないという問題点がございます。また、これからも予測し得ないような景気の動向また経済の動向、これに対して本当に真に臨機応変な措置が十二分にとれるかというと、これはかなりの疑問があるということでございます。 さらに、補正予算については全くキャップがかかっておりませんし、財政法二十九条というものも、これによっていわゆる骨抜きをされようとしております。また、一般会計のほかの特別会計、財政投融資等々についても言及がありませんし、今非常に議論をされております公共工事のコストの縮減対策等についても全然触れてない。いわゆる財政の構造改革の基本となるものについての言及が少しもないということで、これは大いに問題があるというふうに我々は解釈をしております。
○石井(啓)委員 それでは、今回、野党三会派で共同提出をされました財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案、この具体的な中身について確認をいたしたいと存じます。 ここの第二条において、 財政構造改革の推進に関する特別措置法につ いては、財政及び経済の状況の変化を踏まえ、 財政の健全化の目標及びその達成の期限その他 財政構造改革の在り方について見直しを行い、 前条に規定する期間の末日までに、財政構造改 革の推進に関し必要な法制の整備を行うものと する。こういうふうにされております。それで、財政の健全化の目標については、 次に掲げる方針に従って行うものとする。といたしまして、 財政の健全化の目標については、一会計年度 の国及び地方公共団体の公債の発行額及び借入 金の額の総額を当該会計年度の国内総生産の額 で除して得られる数値を百分の三以下とするこ ととすること。財政の健全化の目標については、こういうふうに方針をうたっておるわけでございます。 この方針を拝見いたしますと、いわゆるこの財革法にございます特例公債の毎年の縮減規定を外しておる、そして、特例公債と四条公債を合わせた公債トータルで財政赤字をコントロールされようとしておる、こういったふうに私は理解をいたしましたが、こういった方針を設けられた理由につきましてお伺いをいたしたいと存じます。
○西川(知)議員 お答えをいたします。 先ほどから申しましたように、現下の経済状況におきましては、機動的な経済運営によってまず景気を回復するということが将来の財政構造改革を進める上にも最も重要であるということで、なるべく柔軟な財政運営ができるようにその措置をとっていこうということでございます。 したがいまして、毎年毎年、赤字公債、特例公債の額を縮減するということにしますと、先ほどから申しましたような恒久減税もできない、また機動的な財政運営もできないということで、最も基本的な、先ほど委員が申されました二条二項一号、百分の三というメルクマールをつけておく、そういうことによって、建設公債、赤字公債、現在、もはやその区分についても政府の方でもなくすという方向も含めて検討をされているということでございますから、そういう点を押さえておくということで機動的な運営をしていこうということでございます。
○石井(啓)委員 この点についてさらに確認をしたいと思うのですけれども、先日、私も委員会で、この点、大蔵大臣と議論をさせていただきました。従来から政府の方は、いや、建設国債は投資的経費だから、将来の世代がその資産に対して支払うものだから、これはいいんだと。一方で、赤字国債の方は経常的な経費で消費をしてしまうものだから、将来の世代に対する負担の公平という点からするとこれはいけないんだと。いわば建設国債は善玉であり、赤字国債は悪玉である、こういう一方的な議論のもとでこの特例公債、赤字国債の縮減規定を守る、こういう硬直的な対応と私は認識をしておるのですけれども、こういった点につきまして委員の御意見を伺いたいと思います。
○西川(知)議員 今度の政府の十六兆円の経済対策を見ておりますと、新社会資本ということに対する投資ということもうたりておりますが、しかしながら依然として従来型である。また、これについて詳しく見てみますと、いわゆる建設国債、これの拡大解釈によって大幅に公共工事の枠が広がっているということでございまして、実質的には、もはやその二つを今議員のおっしゃったように明確に分ける、そういうような意義もありませんし、現実でもないということでございます。
○石井(啓)委員 その点につきましては私も全く同感でございまして、将来の世代が借金を返すという意味では全く同じことでございます。これはまたもう一つ別の議論にはなるかと思いますけれども、建設国債とはいっても、本当にそれが真に将来の世代に対して必要なものに投資をされているかどうか。ここはやはりきちんとチェックをしなければ、家庭においてもむだなものをたくさん買って借金をふやしてしまえば、資産がふえたからといってみても、借金の重みで個人破産というような事態にもなるわけでありますから、建設国債も赤字国債もやはり借金には変わりない。 そうであれば、これをトータルで、合計で管理をしていく。何もそれは、だからといって国債の総額を融通無碍に伸ばしてもいいということではなくて、今政府が考えている案では建設国債は目標年次においても存続をするわけでありますが、その目標年次においてその額以下に建設国債と赤字国債のトータルを抑えれば、結果としてはその方が財政赤字は縮減するわけでありますし、またその間の財政の運営も弾力化ができる。こういつた意味で、やはりこの点についてはより真剣に政府は検討をすべきである、私はこのように思っているところであります。 それから次に、同じく今回の法律案の中で、財政の健全化の目標の達成の期限につきまして延長ができる規定、そういう方針だという、この方針を設けられた理由につきまして確認をさせていただきたいと思います。
○西川(知)議員 これは従前、平成十年の三月三十日に平和・改革として記者発表をさせていただいた件でございますけれども、第二条二項の第二号の件であると思います。 この件は、具体的には、一つのアイデアとして考えておりますところは、一四半期の実質経済成長率及び次の四半期の実質経済成長率の見通しがそれぞれゼロ未満であること等、これはアメリカのOBRAの法制を参考にした場合でございますが、そういうような経済の状況にある場合においては、例えばそれが一年間続くということであれば、目標年次が例えば二千X年というところに定められているとするならば、それを一年分延ばすというふうにして弾力的に運用をしていってはどうかというような機動的な対応をするための条項でございます。
○石井(啓)委員 その点につきまして、私も先日委員会で大蔵大臣に確認しました。政府の改正案では二〇〇五年度に目標を二カ年度延長しているわけでありますけれども、それはこの平成十年度に特例公債発行枠の弾力化措置を行う、そして十一年度以降に特例公債を縮減をしてという案であります。仮に特例公債発行枠の弾力化措置が平成十年度だけにとどまればともかく、今後これが発動される可能性も十分あるわけでございますから、そのときに目標年次の変更はないのかという確認に対して、今の時点、法律の改正をお願いしている時点で、あるという答弁はできないということでありましたが、やはり可能性としてはそれは十分あり得る話であって、そういった可能性にもやはり柔軟に対応できる、そういう法律の措置でなければならない、こういうふうに考えておりまして、これは至極妥当な方針である、私はこのように考えます。 それでは、政府は今回、九年度補正で行いました二兆円特別減税にさらに二兆円の特別減税を積み増しするという案を出されているわけでございますが、この景気の波及効果についてはどのようにお考えか、見解を伺いたいと思います。
○西川(知)議員 先ほども述べましたように、これは特別減税でございますから、減税ではあるものの恒久的なものではない、したがって、将来必ず増税をされるものでございます。そういうことでありますと、消費マインドというものは当然のことながら向上をしない、また、将来に対して、自分の老後、雇用についていろいろな心配がございます。 この間、実は、前のFRBの議長とあるところで一時間半話す機会がございました。そして、政府の今度考えている十六兆円の対策というものをどう思うかというふうに質問をしたところ、将来に対して今、日本人は非常に不安を持っているに違いない、税金もどうなるかわからない、増税されるかもしれない、社会保障はどうなるかわからない、明確な像が決められていない、そういうところでは幾らどんな対策をとっても景気は浮揚するわけはないというような外からの意見もございました。 したがいまして、今回、消費性向というものが若干上がっているというものの、これは一時的なものであろうと考えられますし、先ほど申しましたように、将来、これから増税されるかもしれない、そして社会不安がある、そういう状況のもとでは、今度の特別減税というものに対して景気浮揚の効果というものを多大に評価することは間違いであると思います。
○石井(啓)委員 それでは、野党は今三会派とも恒久減税をやるべしというふうに訴えられておりますけれども、この恒久減税の検討についてどういう御見解なのか、そして、その恒久減税の検討と今回のこの法律案とがどういう整合性といいますか関係を持つのか、この点につきまして確認をいたしたいと存じます。
○西川(知)議員 先ほど申しましたように、恒久減税のやり方については、三会派でこれから十二分に詳細について詰めていきたいというふうに思っておりますが、基本的に合意しているところは、この我々の恒久減税をやるに当たっては、少子・高齢化社会、これを克服するための準備、そして国際的な競争力を確保するための制度の標準化、実効ある経済対策に資する、将来不安を解消し、個人のやる気を起こさせる税制改正をするということを基本としておりまして、平和・改革といたしましては、恒久減税規模は六兆円程度を想定しております。 そして、所得税につきましては、税率構造の引き下げ、先ほど申しましたように具体的にはそれぞれの累進税の刻みを一〇%ずつ引き下げる、また、現在五段階になっております税率についても、これも十二分に検討する。また、法人税につきましては四〇%程度にして国際競争力をつけるというふうに考えております。 当然、次に御質問があると思いますけれども、減税財源についてもまた、先ほど海江田議員が述べられた方向性と同じような方向性で考えていくというふうに考えております。
○石井(啓)委員 この野党提案の財革法の停止に関する法律案につきましては、今現在景気回復の足かせになっている財革法を一時停止し、その間に抜本的な景気対策、経済対策を図っていく、こういう大きな目的があるかと思いますが、三会派それぞれ経済対策、景気対策をお考えだと思います。先ほど民主党の平成ニューディール政策を御紹介をいただいたところでございますが、平和・改革としてはどのような経済対策をお考えなのか、この際御紹介をいただければと存じます。
○西川(知)議員 先ほど申しました平成十年四月十七日、平和・改革といたしましては、「今、そして未来の安心社会への緊急提言—緊急経済対策と安全ネットの実現に向けて—」ということで緊急提言をしております。 先ほど申しましたところで重複するところは省かせていただきますけれども、「未来型ストックの実現」ということで、具体的には、生活関連、福祉、医療、文教・科学技術、環境、情報通信基盤等についての具体的な施策を決めております。例えば、特別養護老人ホームなどの福祉三プランに係る社会福祉施設、グループホーム、ICカード化事業、これは保健とか医療等についてでございますが、また新婚家庭、高齢者・障害者向け住宅、ダイオキシン、環境ホルモン対策等々、未来型ストックの実現についての社会資本整備をしょうということにしております。これは政府・与党の方にも申し入れておりまして、幾つかの部門については与党の方もその意見に賛成であるということで、対策がとられようとしております。 また、先ほど申しました「十兆円規模の大型減税等の実施」につきましては、景気対策、少子・高齢化社会における税制の改革、経済の国際標準化の観点から行おうとしております。 そこで、先ほど答弁が漏れましたけれども、こういう対策をするについては、現在政府から出されているような改正案ではとても対応することができないということで、その改正案には反対であるということを申し添えておきたいと思います。
○石井(啓)委員 今の不況、やはり心理的不況といいますか、将来の不安、雇用あるいは社会福祉政策、先行きが見えない、こういったものに対する不安が消費を冷え込ませている、こういった面が私は相当あると思うのですけれども、そういう庶民の不安を解消させる、そういった意味でやはり今おっしゃっていただいたような施策をしっかり実行していくということが大切だ、私はこのように評価をいたしたいと存じます。 それではまた、財革法の今後の見直し、一時停止の間に見直してございますけれども、これは恐らくこの停止をする間に十分見直しをするということでございますから、今回この法律案にはその方針が明示的にはうたっていないところでございますので、この場では、私はあえて、西川提出者の個人的な御見解で結構でございますので、お伺いをいたしたいと存じます。 今の財革法においては、補正予算というのは極めて財政法の二十九条の趣旨と反しまして、当初予算のキャップを補うような形といいますか、キャップがあって適切な財政運営ができない、それを補正予算で補うというような形で使われかねない、ある意味で非常に補正予算が安易に提出をされるような、そういう仕組みを内蔵しているわけでございますけれども、この財革法における補正予算の扱いについては今後どういう方針でお考えになっているのか。これは西川提出者個人の見解で結構でございますので、御意見を伺いたいと思います。
○西川(知)議員 基本的に、財政法二十九条というのは、当初予算の作成時、ことしてございますと一月十九日でございますけれども、その日以前に生じたものに対しての景気対策としては補正予算を組むことができない、一月十九日以降に発生した事項に基づいて緊急に必要となった場合のみ組むことができるというふうにされておりますが、これがいろいろな理屈をつけて法律が守られないで補正予算が提出されるということが現状でございます。そうしますと、機動的な財政運営というものも一つのメルクマールとして必要なことではございますけれども、しかし、国の一年の予算を計画的に立てるということからしますと非常に問題のある行動であるということで、財政法二十九条はびっしりと守っていかないといけないというふうに思われます。 そういうことも頭に入れて考えますときに、やはり現在の補正予算というものも財政の規模からいたしますと相当な額に上っております。したがいまして、いろいろなキャップということも、本当に財政法二十九条が守られるということであればこれはまた考えてもよろしゅうございますが、現状のようなものでありますと、当初予算と補正予算の差というものが本当に明確な線を引けていないということで、これは、例えばキャップ制についてはいろいろと私も意見がありますけれども、たとえキャップ制の一部を採用するとしても、その場合にはやはり補正予算も含めて考えるということが必要ではないかというふうに考えます。
○石井(啓)委員 今キャップのお話も出てまいりました。これも西川提出者個人の見解で結構でございますので、この財革法におけるキャップの扱いというのもどうすべきというふうにお考えなのか、御意見を伺いたいと存じます。
○西川(知)議員 キャップ制につきましては、例えば公共工事は七%、その他は前年比以下、また特別のものについては五%以上、またODAについては一〇%以下等々と決められておりますが、それが果たして本当に重点的に社会資本の充実、そして新しい社会資本の充実のためにその配分でいいかどうかということについてはかなり疑問があります。例えば、公共工事については、七・八%当初予算で減になっておりまして、補正予算で一四・六%上がっている、こういうことで、本当にどこに重点を置いて一年を見て、また二年、三年の先を見てやっていくかということが非常に不明確でございます。 こういう点について、もっと標準、メルクマールをはっきりとさせて、そして本当に高齢化、少子化に対応するような十分な施策というものをするためにはどこに重点を置いたらいいのかということを考えてキャップ制は考えていくべきではないかと思います。
○石井(啓)委員 それでは、最後の質問になろうかと存じますけれども、先ほどの北脇委員の質問とも重複をいたしますが、昨年の通常国会、昨年の臨時国会、そしてことしの通常国会の当初予算の審議と、やはり一貫して政府・与党の経済財政運営が余りに財政再建に偏り過ぎている。このバランスの悪さが結果として大変な現在の景気の低迷を招いた、消費の不況を招いた、こういうことかと存じます。 財政再建と経済再建とのバランス、私どもはこれまでも主張しておりますように、決して財政再建を否定しておるものではございませんけれども、財政再建を成功させるためにもまず経済を再建させるべきである、このように主張をしてきて、結果として私どもの主張が正しかったことが今証明をされつつある、このように考えますが、そもそも財政再建と経済再建とのバランス、これをどのようにとるべきというふうにお考えなのか、最後に見解を伺いたいと存じます。
○西川(知)議員 簡単に申し上げます。 今委員がおっしゃいましたように、財政再建の必要性については、これはだれも疑うものではございません。しかしながら、経済が疲弊している現在においてこれを今のままの形で優先させるということは、ますます経済を疲弊させ、そして消費マインドをますます冷えさせるということで、景気は一層悪くなって、また財政構造改革もできないということになると思います。 したがいまして、現在のところ、財政再建に全力を挙げるべきであって、早期の恒久減税、これを含めた税制改革の断行と、少子・高齢化社会に向けた経済、金融等の抜本的な構造改革、そして、先ほど申しました未来型社会ストック、これへの投資といういろいろな経済政策を総合してまず景気を浮揚し、その結果として財政構造改革が容易になるようにすべきであるというふうに思います。
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、終了いたします。
○村田(吉)委員長代理 これにて石井君の質疑は終了いたしました。 次に、谷口隆義君。
○谷口委員 野党三会派提出、財革法停止法案につきまして御質問をさせていただきます。 本日、鈴木提出者を中心にして質問をさせていただきたいというように思います。 政府提出の財革法改正案、原案が昨年の十一月に成立したところでございまして、先ほどから、質問者また答弁者の方から出ておりますが、この法案が成立したときにもう既に経済は悪化しておったというような状況でございますし、アジアの経済危機も発生しておったというような状況の中でこの財政構造改革法が成立し、そのような状況の中で今回この改正を行おうというようにされておるわけでございます。 〔村田(吉)委員長代理退席、委員長着席〕 この財政構造改革法案、私は二つ問題があるんじゃないか。一つは、財政構造改革法案の本質的な問題、また時期の問題、このように二つ問題があるのではないかというように思うところでございます。本来、財政構造改革という名称がついておりますが、この法案自体が財政構造改革たり得るのかというような問題、この法案によって財政再建が行い得るのかというような問題。また、先ほど申し上げましたように、今般のこの改正案は、我が国の現下の経済状況の中でこの十一月に成立した原案を執行してまいりますと景気の悪化がより一層ひどくなる、こういう状況の中で改正案が出てきたというわけでございますが、このような二つの問題があるのではないかというように考えておるところでございます。 バブル崩壊以降、政府は六次にわたって六十兆円を超える経済対策を打ったところでございます。しかし、そのような経済対策の効果が果たしてあったのかどうかという観点で見てまいりますと、大変疑問に思うところでございます。このような多額の経済対策を行いながら効果が発現し得なかった大きな理由は、一つは政策の失敗があったんだろう。ストップ・アンド・ゴーというような状況で、景気が上向きになってくると冷や水をかぶせる、こういうような連続の結果、大変厳しい現下の経済状況になっておるのではないか、このように考える次第でございます。 今般、大変厳しい経済状況の景気指標が出ておるところでございまして、先日の五月十二日の月例経済報告にも大変倒産件数が出ておる。また、御存じのとおり、二月には完全失業率三・六%がこの三月に入って三・九%、〇・三ポイントも上昇しており、完全失業者は二百七十七万人と大変な数字に上っておるところでございます。また、百貨店の販売額も低下し、住宅販売戸数も低下しておる、このような大変厳しい経済状態にあるわけでございます。 先日、総理に、当委員会の総括質疑の折に私も申し上げたところでございますが、この五年間でアメリカの財政赤字が急激に減少したこの大きな理由は、五五%は景気拡大効果であった、決して、歳出の削減だけでこのような財政赤字が急激に減少したということではないということであります。ヨーロッパは、この九九年の一月から通貨統合をしてユーロが発行されるわけでありますが、マーストリヒト条約でヨーロッパ諸国は財政赤字を削減するために大変努力をしておるところでございます。アメリカ政府は、そういう状況の中で、日本並びに欧州諸国に対して、決して歳出削減だけでは財政再建はできないですよ、こういうようなアドバイスをしておるというような状況でございます。 現下の景気動向が歳入が大きく伸びないという現状の中で、急激な歳出抑制を断行するということでかえって成長率を下方屈折させて、歳入の減少がかえって財政赤字を増大させる事態になるということを、これは避けていかなければならないわけであります。 一方、今後、高齢化はどんどん進むわけでございまして、そういう観点で見ますと、社会保障関連費用は自然増になるということは当然のことになってくるわけであります。歳出抑制には限度があるわけでございまして、財政均衡達成のためには持続的な経済成長が不可欠である、景気対策を臨機応変に打ち出しながら財政再建の体力そのものが失われないようにすることが肝要である、このようにエコノミストが言っておるわけであります。 そこでお聞きしたいわけでございますが、鈴木先生の自由党の掲げておる経済再建なくして財政再建なし、このようなことについて、先生の御見解も含めて、この施策を詳しくお話をいただきたいというように思います。
○鈴木(淑)議員 谷口委員の今の御質問にお答えしたいと思います。 私どもは、新進党のころより、そして現在も経済再建なくして財政再建なしと言っているわけでございますが、この意味をわかりやすく申しますと、こういうことではないかと思います。 さっきも申し上げたことでございますけれども、財政構造改革というのは二つの側面があって、一つは、歳出構造を規制緩和、行革、地方分権等によって変えることによって歳出のむだを排除し効率化していくということ、もう一つは、収入面の構造、すなわち税制体系を効率的にしていく、この両面があるわけでございますが、この両面がいずれも経済の持続的成長というものと深くかかわっているからであります。行革にしましても、規制緩和にしましても、地方分権にしましても、およそ構造改革と名のつくものは、橋本総理もよくおっしゃるわけですが、苦しみを伴います。構造を変えれば、今までの構造の中に安住していたセクターが衰退する、そして、新しいチャンスを生かして伸びてくるセクターがあるというのは当たり前であります。 そこで、そういうふうに衰退するセクターがあるときは、その苦しみを吸収するマクロ経済の受け皿があるということが構造改革を成功させる決定的な条件なんですね。それはすなわち、マクロ経済が順調に拡大していれば、衰退部分から吐き出された人が容易に経済の中に吸収されていくので、苦痛を和らげることができる。これを非常に上手にやったのはイギリスのサッチャー首相だったと思います。 彼女が政権についたのは七九年、イギリス経済はマイナス成長、八〇年もマイナス成長。ところがその後、大幅な直接税の減税とそれから国営企業の民営化等の規制緩和で民間市場経済を活性化することによって成長率はどんどん上がってきました、一%台、二%台、三%台。そして、イギリス経済では珍しく四%台に達した八六年にばんと金融ビッグバンをやったのですね。 あの結果、イギリスのジョバーなんかは消えてしまいましたし、それからインベストメントバンク、マーチャントバンクもほとんど買収されるというようなことが起きましたが、とにかく経済が活況を呈しているわけでございますから、この構造改革に伴う苦痛はどんどん吸収されていったということであります。 ですから、第一のポイントというのは、本気になって財政構造改革をするなら、苦痛を和らげる受け皿として持続的経済成長というのが必須の条件だということです。 もう一つは、歳入面でありまして、これは先ほど谷口委員が言われました米国の経験が参考になります。 九三年ごろに試算されたところによりますと、あのままいってしまったら、九七、八年には、九三年ごろ三千億ドルの財政赤字が四千億ドルぐらいになってしまうということだった。それを、その後一生懸命財政構造改革をやって、今一千億ドルを切ってゼロに近づいてきているのですが、この標準型、四千億ドルと一千億ドル弱、三千億ドル以上の差の五五%というのが、経済が持続的な成長軌道に乗ったことによる税収の正常化であった、歳出削減などの構造改革の努力は四五%であった、これは有名な試算結果であります。 以上、両面からいって、マクロ経済の持続的な発展というのが財政構造改革を成功させる必須の、欠くことのできない条件ということだと思います。
○谷口委員 今鈴木先生がおっしゃったように、この両面から財政構造改革をやっていかなければいけない、全く同感であります。 今回のこの政府提出の法案は、歳出の削減という観点での財政再建でございまして、そういう意味において全体感が欠けるというように私は指摘したいと思うところでございます。 当然、歳入の面の構造改革には、我々が今回、この経済対策も効果があるということで主張しております恒久減税、税率構造にメスを入れていかなければいけない、これは一つの大きな財政構造改革であります。こういう税率構造にメスを入れ、二十一世紀の日本がこうあるべきだという大きな理想を掲げてやっていかなければいけないにもかかわらず、今回のこの政府提出の法案は、歳入には全く触れないで、歳出削減でこの財政構造改革をやっていこう、こういうようなことでございまして、冒頭私が申し上げました、この法案の本質的な問題があるというようなことでございます。 また、時期の問題についても問題がある。この景気の大変悪化しておるときにこういう法案が出てくる、こういうことによって今回デフレ予算が、緊縮予算が行われなければこれほど景気は悪化していないだろうと言われておるところでございまして、この二つの点で大変問題があるということであります。 そこで、真の財政構造改革と申しますか、財政構造改革はこうあるべきではないかということを次にお聞きしたいわけでございます。 先ほどから質問者の質問の中にもございました、歳出面をもってしても今回の法案は問題がある、一般歳出のみが対象になっておって、例えば特別会計が対象になっておらない、また政府系機関が対象になっておらない、こういうことで財政構造改革と言い得るのかというようなことでございます。 例えば、特別会計があるわけでございますが、この特別会計は現在三十八ある、このように言われております。この下にまた各勘定がありますし、またそれとは別に政府系の機関がございます。 今回審議しております改正案の原案、昨年十一 月に成立したこの原案は、主年間の集中改革期間というのがございました。この集中改革期間三年間にそれなりの効果を発現させようと思えば、やり方によってできる。それは、一つは特別会計で、御存じのとおり、今の政府の財政システムは極めて透明性が欠けるわけであります。一体どこで何が起こっておるのか、断片的にはわかるわけでありますが、総合的に我が国の財政状況がどうあるのかということがわからない、こういうシステムになっておるわけでございます。 例えば、ある特別会計で負債を持つ、そういうことによって一時的に財政を好転させるような、表向きすることは可能であるわけでございますので、本来そのような特別会計にも切り込んでいかなければいけない、また財政投融資にもこれはまともに切り込んでいかなければ財政構造改革とは言えないのではないかというように私は思っておるわけでございます。 そこで、お聞きしたいわけでございますが、真の財政構造改革とはどうあるべきかという観点で鈴木先生の御意見をお聞きしたいというふうに思います。
○鈴木(淑)議員 お答えいたします。 政府の財政構造改革法、そして今度の改正案でもそのまま残っている一番の問題点というのは、構造をいじっていないということだと思うのですね。歳出についてキャップをかぶせていますが、例えば公共事業が一番わかりやすい例だと思うのです。五カ年計画を七年でやりましようというのは繰り延べにすぎないのであって、公共投資のやり方、構造そのものをいじって、むだを排除しましようとか、あるいは効率的なところへうまくお金がつくようにしましようとか、そういう構造改革が入っていない、これが真の財政構造改革の名に値しない最大のポイントだと私は思っております。 先ほど北脇委員から民主党の提出者に対して、では公共投資をどうしたらいいかという質問がありました。私も公共事業を例にとって、真の財政構造改革というのはこういうことではないかという自由党の考え方を申し上げてみたいと思います。 私ども考えておりますのは、中央省庁がいろいろな種類の五カ年計画を今つくるわけですね、道路にしろ港湾にしろ何にしろ。そうすると、この五カ年計画に合ったプロジェクトを持ってきた地方公共団体によしょしと言って補助金をつけてやるわけです。しかし、国がやらなければいけない公共事業というのはもちろんありますよ。全国を網羅する基幹的な道路とか輸送、通信等々、ハブ空港なんかもそうでしょう。そういう基幹部分は国が計画してやらなければいけないに決まっているのですが、地方の道路とか橋とか港湾とかいう話は、それぞれ地方、地方で今どの社会資本が一番必要かという事情は違っているわけですから、かなり思い切って地方におろしていいのだと思うのですね。 今、中央にやってきて、中央の五カ年計画に合うようなプロジェクトを持ち込むために、公共事業の中に少なくとも一割ぐらい経費が入っておる。これは相当金がかかるわけですね。いろいろ事務的にもお金がかかる、通信費もかかる、交通費もかかる。おまけに官官接待までやってしまったら、相当金がかかる。この部分をばっさり切るためには、今申し上げましたように、国がやらなければいけない部分以外は一括して交付金を地方へ渡して、地方でどこへどれだけ投資するかを考えさせる、これだけでも私は一割ぐらい削減できるのだと思うのですね。 さらに、あとは入札のやり方を工夫する。もう先生方御承知だと思いますが、建設省の統計を見ますと、公共投資、公共事業の単価というのは民間より三、四割も高いのですよ。何でそんなことになったかというと、バブルの時代に民間も公共投資も単価がわあっと上がったのですね。その後、バブル崩壊で価格破壊が来ましたから、民間はぐっと下がった。だが、公共事業の単価はほとんど横ばいなものだから、大きな差がついております。これは、もう少し入札の仕方を工夫することによって単価は下がるというふうに私は思います。 これが非常にわかりやすい例だと思うのですが、歳出構造を変えて、そして財政赤字を削減していくという典型的な例だと思うのですね。これらは、規制緩和、行政改革、地方分権、全部の構造改革と表裏のものであります。 税制側については、先ほども既に申し上げましたので繰り返しませんが、あのような税制改革によって効率的な税収を図るということがポイントだと思います。
○谷口委員 野党共同提出のこの停止法案でございますが、我々は、政府提案の財政構造改革法は今の状況の中でよくない、また、特に私は、これは二年間の凍結期間を置いて廃止すべきである、このように思っておるところでございまして、そうすると、この財政構造改革法によらないでどのように構造改革をすべきなのかというような疑問がわくわけでございます。このような観点で鈴木先生の御見解をお聞きいたしたいというように思います。
○鈴木(淑)議員 お答えいたします。 政府提出の財政構造改革法あるいはその改正案の最大のポイントとして、今、構造をいじっていないということを申し上げました。ですから、当然我々は、この二年間の施行停止期間中に真の構造改革による歳出削減に取りかかるべきだというふうに思っております。それは、さっき公共事業を例にして申し上げましたように、規制緩和、行政改革、地方分権と表裏一体となった歳出のむだの排除であり、歳出の効率化であるわけであります。 それから、歳入の側については、さっきも申し上げましたが、国民のやる気を起こす、個人についての勤労意欲、そして企業についての投資意欲を刺激するような税制にする。具体的には、個人課税、個人の所得課税については、さっき言いましたように、最高限界税率を少なくとも五〇%以下に下げる、そういう形で、下も下げていきますから、フラット化して簡素化をする。同時に、法人課税については、私どもは、基本税率を下げるだけではなくて、連結納税制度をすぱっと認めなければいけないというふうに思っております。連結納税制度を認めれば、新しい技術革新が進んでいる分野を分社化してどんどん発展させることができます。今の税制では、それを親会社が抱えていなければ損益通算になりませんからね。こういうことも加えて、私どもは、少なくとも四兆円のネットの法人課税減税をやる、これで経済を活性化するということが税制を効率化するもう一つのポイントだというふうに思っております。 それから、財政構造改革法によらずにどうやって財政赤字を縮めるか。 これは、今申しました歳出構造を変えてむだを排除する、効率化する、あるいは税収の効率をよくするということでもちろん赤字は減るわけでありますが、もう一つ、角度を違えて申しますと、私ども、この二年間の施行停止期間中、今世紀中、二〇〇〇年まで、これは財政の集中改革期間ではなくて経済の集中改革期間にすべきだと思っているのです。 具体的に言うと、この経済の集中改革期間である今世紀最後のことしを入れて三年間、主な対策というのは三つあって、一つは、さっきから申し上げております所得課税、法人課税の大幅な減税で勤労意欲、投資意欲を起こしてもらうということです。 二つ目は、規制緩和、行政改革に着手して民間市場経済の商売のチャンス、ビジネスフロンティアを拡大をしていく、余計な行政の介入を小さくしていくということであります。 そして三つ目が、私どもは実は一年半も前から、最近にわかに総理が強調し始めた不良債権の早期処理を言っております。不良債権を早期処理しなければバランスシートリセッションといいますか資産デフレが直らないのでありますから、いつまでたっても民間市場経済に元気が出ない、これは当然の認識で、今ごろ強調されているのが不思議に思うのです。 この不良債権早期処理は、例の梶山構想がございますね。私は梶山構想は途中まで賛成なんですよ。まず、情報開示をきちんとやれ、分類をきちっとやらせてそれを情報開示しろ。そして、二分類、三分類、四分類についてはちょっと割合を変えるがきちっと引き当てさせろ。場合によっては、四分類は引き当てなどと言っていないで償却してしまってもいいのだと思うのですね。 そこまではいいのですが、それをやれと言われると、これは資本を毀損するのですね。引き当てをしていくと、あれは有税ですから、そうしますと収益が悪化するのですよ。そうしたら自己資本比率が下がってしまうのです、あれをやれと言われたら。そして、梶山構想だと、あれをやらせて自己資本比率が下がってしまって債務超過になった銀行は整理だ、こう言っているわけですね。それはそれでいいのですが、私は、あのとおりやったら相当整理しなければいけないところが出てきてしまうし、相当の銀行が四%あるいは八%の所要自己資本比率を下回ってしまうと思うのです。 そこで、この前申し上げたのですが……
○中川委員長 提出者に申します。 質疑時間が終わりましたので、答弁を終わらせてください。
○鈴木(淑)議員 それでは、ちょっと共産党さんにお許しいただきまして、一分以内であとを言います。 この前の当委員会で橋本総理に申し上げたことですが、これだけ地価が下がってもかなりまだ土地の含み益を持っているのですよ。もう世の中、時価会計に向かって動いていくので、いずれあれは表面化しなければいけない。それだったら、今これを表面化した場合に限って損益通算を認めてやる。これはぜひ一緒に考えたい法案であります。これをやれば、本当に一気に不良債権処理ができますよ。 以上の三本、これを第一段階でやる。これで日本経済が立ち直ったとき、二十一世紀の初めに、今度こそ財政再建の集中改革期間にしましょう、二段階アプローチでいきましょう、こういうことでございます。
○谷口委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○中川委員長 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。次に、児玉健次君。
○児玉委員 提出者のお四万、大変御苦労さまです。日本共産党の児玉健次です。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案について御質問いたします。 私たち、この法律案は、民主党、平和・改革、自由党、三会派と申させていただきますが、政党政派を異にする三つの会派が一致された御意見のもとで提出されたものだ、このように理解をしておりますので、けさほどの特別委員会で法律案の提案理由説明をなさった池田委員にお尋ねをしたい、こういうふうに考えますので、よろしくお願いいたします。 さて、この部屋で財政構造改革法の審議をしたことを私は今でも忘れられません。随分厳しい議論をお互いにしたと思います。そして、すべての野党の反対を押し切ってあの法律案が強行的に成立をさせられた。その後どうなったか。私たちは、端的に言いまして、財政構造改革法の骨格がもう崩れてしまった、そういう中で私たちの基本的立場としてはこれはもう廃止すべきものだ、このように考えております。 今回、三会派がお出しになった財革法の停止に関する法律案で私たちが最も着目している点は、皆さんの法案の中にこのように書かれております。「この法律の施行の日から」、すなわち、皆さんがお出しになったこの停止法案が施行されるべきその日から二年を経過する日までの間は財革法は廃止されたと同様の効果を持つ、このように考えるわけですが、そのとおり理解していいでしょうか。
○池田(元)議員 児玉委員にお答えをいたします。 この第一条において、主に法案づくりの上での理由から一部公共事業計画につきましては除外規定は設けているものの、その他については事実上、今児玉議員がおっしゃったように理解していただいてよろしいのではないかと考えております。
○児玉委員 そこで、現行の財政構造改革法、先日来の審議の中でも、この現行の法律について、いわゆる集中改革期間を動かすのかどうかという質問が出されて、そして政府は、動かさない、こういうふうに明確に答弁をいたしました。 今年度から平成十二年度までの三年間、これが施行が停止されるということになりますと、社会保障や文教、農業、中小企業に関する予算などに関して上限を設けるいわゆるキャップ制なるもの、これが設定されておりますが、三会派提出の法案は、向こう二年間、財革法そのものを停止するというのが言ってみればその中軸ですから、そうなると、現行財革法におけるキャップ制などの規定は事実上その規定を廃止するのと同様の意味を持つ、そう私は受けとめますが、いかがでしょうか。
○池田(元)議員 児玉議員を初め貴党の皆さんが、社会保障関係費とそれに対比して公共事業関係費などについてここで議論されてきたことも聞いてまいりました。社会保障関係費等の削減に対して、抑制に対して大変心配していらっしゃるというのは私も理解ができます。 財革法の附則においてほかの法律を改正している部分があるのですね。しかし、本法による施行停止によってそれが改正前の旧法の規定に戻るというものではありませんが、今議員がおっしゃったように、集中改革期間中の量的縮減目標によって二〇〇〇年度までの当初予算編成を抑制している部分につきましては、効力が停止することとなるのは当然であります。
○児玉委員 今池田提出者がお話しになった点、私たちもよく理解しております。現に法律が存在をし、そして現行の財政構造改革法のごく一部の部分に私たちは現実的な理解をしなければいけないところもあるという点は理解しておりますので、その点はただいまのお答えで了解できます。 そこで、三つ目の問題です。社会保障などに対するキャップ制の問題、もう既にお触れいただいたわけですが、国民生活の実情や景気の動向を考慮せずに予算を一律に縮減、抑制するものではないか、こう私たちは考えております。例えば母子家庭の命綱である児童扶養手当の所得制限強化など、これは道理に反している、こう思います。 それで、けさ池田提出者が私たちに提起なさった提案理由の説明をゆっくり拝見させていただきました。その中でこのように述べられております。「現行の財政構造改革法の施行を一たん停止した上で、現行法の抜本的な見直しを行うべきことを定めるものであります。」こうお述べになって、さらに続いて、「現行法において景気回復の阻害要因となっております集中改革期間中の当初予算編成に関する量的縮減目標の効力を停止する必要があると判断」、それがこの法案を提起なさった一つの理由だ、そう私はお伺いしました。 そうであれば、現行法の抜本的見直しを行う際に阻害要因となっているこの集中期間中の量的縮減目標、これについて当然見直しの対象になるであろう、そのように思います。そして、現行財革法の中でいえば、「第一節社会保障」という部分があって、その第七条には、「社会保障関係費の増加額をできる限り抑制するものとする。」こうあって、さらに提出者のけさほどの御説明にもあった社会保障関係費の量的縮減目標、これもあれこれ書かれておりますね。そういったものがこの後皆さんが抜本的な見直しをなさる場合に当然見直しの対象になるだろうと考えるのですが、いかがでしょうか。
○池田(元)議員 お答えをいたします。 抜本的見直しをすると我々は言っております。例外はございません。法律には、「財政健全化目標及びその達成の期限」、ただし、「その他財政構造改革の在り方について見直しを行い、」と、当然、議員のおっしゃる量的縮減目標は見直しの検討の対象に含まれると考えております。
○児玉委員 そこで、さらに一歩進めたいと思うのですが、三会派がお出しになっているこの停止法案が成立すれば、一九九九年度、二〇〇〇年度におけるキャップ制は、今の質疑の中からも明らかになったように適用されないことになります。しかし、今年度予算、一九九八年度予算で既に削減されたものがそのことによって復活するわけではありません。 その点で、量的縮減目標、キャップ制が国民生活に苦痛を与えた部分をもとに戻すことが今国民の広い要求ではないか、このように私たちは考えております。とりわけ、難病患者の医療費国庫負担の復活、先日も議論をしたわけですが、ヒト成長ホルモン不全性低身長症の子供たちの問題だとか、先ほど例示しました母子家庭の児童扶養手当の復元などについて、それらについてこの後さまざまな機会をとらえてもとに戻す努力をする必要があると私たちは考えておりますが、いかがでしようか。
○池田(元)議員 とにかく、昨年の春以来の政府の経済政策、そして象徴的には財政構造改革法の推進、これは大変デフレ的な効果といいますか、初めの春のうちは九兆円の負担増、さらに財政構造改革法によってキャップ制を導入するとか、機動的に対処はできない一種の足かせができたということで、心理的にも大変消費は冷え込んでおります。そして、最近は失業率が記録的に三月は三・九%、これは当然消費が減退いたします。ですから、消費拡大のための積極的な施策というのは、当然今やらなければならない大きな課題であると思います。 各党それぞれ積極的な施策を検討、提案をしております。国民の将来への不安を取り除くための社会保障制度の改革、少子・高齢化対策等は必要だということも一致していると思います。政府統計などでも、昨年一年間の可処分所得や消費支出の減少が大変顕著となっている。子育て世帯、無職高齢者世帯への支援策を、今言われている減税とは別に講じる必要があると考えております。当直の方策としては、先進国に比べて著しく貧弱な児童手当制度の抜本的拡充策等、いろいろな施策を積極的に講じていく必要があると考えております。
○児玉委員 今もお答えの中にあったわけですが、けさほど私たちがお聞きしたこの提案理由の中で私たちが一つ注目しておりますのは、日本経済を本格的に、できるだけ国民本位の立場で再建させなければならない、この点では私たちは今議論の中でかなり幅の広い合意がつくられつつあると思うのです。そういう中で、皆さんのけさの趣旨説明では、現行の財政構造改革法は国民がひとしく願っている景気回復の桎梏となっている、文字どおり足かせ手かせ、そういったものになっている。全く同感です。そういう場合、皆さんのお言葉をかりれば、場当たり的な特別減税の繰り返してはなく、所得税恒久減税の実施、私たちもその必要性を痛感いたします。私たちは、その際、これは庶民に手厚い形で行われるべきだと考えております。 減税については、各党さまざまな見地があります。さまざまな見地の中で一致点を求めていけばいいと私たちは考えておりますが、今、日本経済を本格的に再建させようとするそのとき、何が一番必要か。それは個人消費の大きな拡大ですね。そして、国民的な購買力をいかに喚起するか、そこの点にあると思います。 私たちは、そのためには消費税を三%に、もとに戻すこと。そして、財源については、これはこれまで繰り返し繰り返しお話をしてきたからよくお聞きの方は十分御理解でしょうが、今の国と自治体の公共事業に対する負担分、これは約五十兆であって、社会保障は二十兆ですから、せめてそれをアメリカ並みの四倍かイギリス並みの五・九倍にすることでそれらの財源というのは十分出てくるだろう、私たちはそう考えております。 この後の個人消費の引き上げと国民的な購買力の喚起の方途、それを真剣に検討すべき時期に来ていると思いますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
○池田(元)議員 先ほども申し上げたと思うのですが、個人消費拡大のための積極的な施策、今の経済対策、我々の間にそんな大きな違いはないと思います。とにかく消費マインドが冷え込んでいる。それは、非常に先行き不安、きょうもインドネシアの集会がどうなったか、大変心配です。そしてまた、やはり政府に対する信任が、コンフィデンスが大変落ちている。これも非常に心理を冷え込ませている。そういうものを一つ一つ解決するか減殺をしていく、そして消費を喚起しなければならない。そういう点は多くの人は変わっていないのではないか、意見に相違はないのではないか。 ですから、先ほど海江田議員からいろいろ、平成ニューディール計画を披露させていただきましたが、消費拡大、消費意欲の向上、消費性向をもっと高める、そういう方向で積極的な施策をやっていかなければならないと思います。
○児玉委員 終わります。
○中川委員長 これにて児玉君の質疑は終了いたしました。 次に、濱田健一君。
○濱田(健)委員 時間がございませんので、提出者に三点、簡潔に御質問をさせていただきたいというふうに思います。 御案内のとおりに、我が国の財政は、現在、主要先進国中最悪の危機的状況に陥っており、現在の財政構造をこのまま放置すれば、将来、財政赤字を含めた国民負担率が七〇%という大きなものになって、よく言われます双子の赤字を抱えて国民の生活水準も低下すると見込まれております。これは、お互いにそういう意識があると思うのです。 諸外国では、例えばEUの大半が、一九九七年までに財政赤字の対GDP比を三%以下にするという通貨統合参加のための条件を、懸命に努力をし、達成をしているところでございます。 そこで、歳出の改革と縮減により財政構造改革を強力に進めることが我々の使命と思うのですが、御提案の財政構造改革法全般を二年間施行停止するというのは危機意識が足りないのではないかという論議も出されております。 まずは、我が国の財政の現状に対する認識をお伺いいたしたいというふうに思うのです。
○海江田議員 今、私ども共同提出者に対して、危機意識が足りないのではないだろうかというお話がございましたが、それは全く違う話でございまして、もちろん私どもも、我が国が現在抱えております、地方もそうでございますけれども、この財政赤字に対する危機意識というものは持っておりますが、財政赤字を問題にする前に、日本経済が今陥っている危機意識というもの、これをやはり持つ必要があるのではないだろうかという認識でございます。 それから、先ほどもお話を申し上げましたけれども、確かに債務残高等からカウントをしました我が国の財政赤字というのは先進工業国の中で大変高い、対GDP比でも大変高いものがございますが、その片方で、我が国の持っております、国と地方の持っております資産というものが一体どれほどなのかということ、このことも大いに議論をしてみる必要があるのではないだろうかということでございます。 それから、最後に一つだけ確認をしておきたいと思いますが、緊縮の財政、デフレの予算を組んで、その中から本当に今委員が心配をされておりますような我が国の財政赤字の問題が果たして解決するのであろうかどうだろうかということでございます。私どもは、やはり日本経済全体を回復をさせて、日本経済全体の回復基調の中から初めて財政赤字も克服できるのではないだろうか、当然その過程には財政構造あるいは日本の経済構造の改革というものが伴わなければいけないという考え方でございます。
○濱田(健)委員 二点目ですけれども、私は、党として今までも主張してきました、例えば消費税の持つ逆進性の解消とか今回のような特別減税、そしてある程度の恒久減税というものの必要性を前提としながら申し上げたいと思うのですが、アメリカの財政再建が成功したのは一九八〇年代のいわゆるレーガノミックスによる減税がもたらした好景気によるものとの主張がございます。実際には、レーガン政権第一期の減税、一九八一年においては、期待した成長率が達成できず、大幅な財政赤字をもたらし、長期金利高、ドル高の進行、経常支出の赤字拡大を招いているというふうにも言われております。 当時のアメリカは、現在の日本と比べると人口構造が若い。一九八〇年に日本で言う高齢化率一一・三%。日本は今、一九九五年で一四・五、二〇〇〇年には一七・二%になると言われておりますが、こういう状況の中で急速に進展する高齢化を踏まえれば、日本が同じ過ちを犯す余裕はないのではないかなというふうに思うわけでございます。日本を立て直すためには、大胆な規制緩和を中心とする経済構造改革と財政構造改革を車の両輪として実行する必要があると思うのですが、いかがでございましょうか。
○鈴木(淑)議員 今の御質問の最後の、車の両輪としてこの二つは同時にやらなければいけないというのは、全くおっしゃるとおりです。さらに私どもは、地方分権とかいろいろな構造改革を表裏の関係でやれと言っています。今御指摘の二点、一緒にやる、おっしゃるとおりだと思います。
○濱田(健)委員 その辺の共通理解を持ちながら、三点目ですが、財政構造改革のためには、財政健全化の目標と各種の制度改革等による歳出構造の改革を一体として推進することが必要でございます。主要な経費ごとにそれぞれの経費の内容に即した、めり張りのきいたキャップを設定する仕組みは、それを通じて個々の歳出の中身を見直すものでございまして、今回の財政構造改革の中核であるというふうに、これは変わらないと思います。 こうしたキャップの仕組みを含めて、財政構造改革法を二年間停止し、しかも停止期間終了後の財政構造改革の推進方法について明らかになっていないのはどういうことなのかということと、書かれておりますように、法律の施行の日から二年を経過する日までに財政構造改革の推進に関し必要な法制の整備を行うとしておりますが、具体的に、だれがどのように、どのような内容で整備を行うか、お考えがございましたら出していただきたいと思います。
○中川委員長 鈴木提出者、簡潔にお願いします。
○鈴木(淑)議員 さっき、経済構造改革と財政構造改革は車の両輪、一体としてやると言ったのは、その前に申し上げた経済再建なくして財政再建なし、逆に財政再建なくして持続的な経済成長なし、そういう中期のものとしてとらえているのですね。 私どもは、別に二年間思考停止して寝ているのじゃないのですよ。この施行を停止している二年間の間、今世紀最後の三年間に、先ほども申し上げましたように経済再建を集中的にやろう、そして同時に本格的な財政再建のための手段も手を打っていこう、そして二十一世紀に入ってからいよいよ財政再建を完結させるぞ、こういうことでございます。
○濱田(健)委員 終わります。
○中川委員長 これにて濱田君の質疑は終了いたしました。 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 無所属の会の河村たかしてございます。 何か聞くところによりますと、御配慮をいただきまして五分になっておるようでございまして、ありがとうございます。お礼を申し上げておきたいと思います。 とにかく、やはり政党政治になっていまして、野党だとこれはどうしようもないわけですよ。だから、本当にこれは勝たねばいけません。ですから、後でちょっと理由も言いますけれども、きのうも言いましたけれども、自民党は平家ということで、こちらの源氏の旗印に、いわゆる減税大連合でもいいのですよ、それをぜひやること。 しかし、いろいろ聞いておって思ったのですけれども、減税、減税と言いますけれども、どうも与党というか政府の言っておるのは、あれは減税なんですかね。減税というものは政府に入る歳入を少なくするということなんであって、歳出カットの話を全然せずに、いきなり赤字国債の話を持ってきたり、一体わかっておるのかという感じですね。 民間は……(発言する者あり)いや、そういう哲学のない与党案は賛成できないということなんですが、要するに経済というのは、何遍も言いますけれども、お金を回すことなんですね。使うこと、回すことなんです。民生部門ではすごく競争しているわけですよ。ラーメン屋さんがしかり、自動車メーカーもしかり、すごい競争です。公共サービスだけ、全く競争がないのが当たり前だと思っているのです。これは二十年古いですよ、理論が。いわゆる大蔵省の美学ですね。財政均衡論者でもいいのですけれども、上級職を受けたときの先生の話から全然逃れていない。そのレクを受けておるから同じことを言っておって、この間大臣等の話を聞いていただいてもわかったけれども、何のことですかと言っておるのですよね、僕の話を。 これはぜひ、減税をするときには政府を小さくするんだ。小さな政府と口では言えますけれども、これはどういうことかというと、歳出をカットするのですよ、その分、補助金を。では、公共サービスはどうするんだ。それを寄附に回していって競争していくんだ。こんな論理が今ごろ、何を言っておるんですかと言われておっては、日本人は不幸ですね。(発言する者あり)いやいや、中期的にと言いましても、もう既に二十年も前に進めているわけですよ。 公共サービスとか公的資金は必要なところに回していく、こういうことで新しい競争理論の世界に突入していく、それを源氏の旗印にする決意があるかどうか。これを、池田先生、筆頭に見えまずけれども、私は海江田さんと、鈴木先生も仲よかったですから、ぜひお二人に決意を御答弁いただきたいと思います。
○海江田議員 私は、委員が一橋大学の出身であるということをよく存じておりますので、委員の言う理論にはそれなりの説得力があるということを常日ごろ考えております。 そして、それを踏まえた上で、委員がおっしゃるように、やはり減税の問題、それから寄附の問題、これはNPOの問題だ、それから大蔵省の権限を小さくすることだというふうに理解をしまして、一生懸命頑張りたいと思いますので、どうかこの法案に対する賛成方もよろしくお願いを申し上げます。
○鈴木(淑)議員 私は、河村委員の御質問、次のように解釈した上で賛成と申し上げます。 それは、税金を国に納めてその使途を国が決めるのか、それとも自分のお金を非営利、公益団体ですね、NPOに寄附して、寄附した場合は課税所得から控除してもらう、つまり直接税金の使い道を自分で指示する、こういう二つのルート、二つの選択の自由があってもいいじゃないか、それこそが競争社会である、これは私は大賛成でございます。我が自由党にも、そういう形の減税案が入っております。
○河村(た)委員 終わります。
○中川委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会 ————◇—————