議院運営委員会 第13号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/02/19
会議録
○亀井委員長 これより会議を開きます。 まず、議員新井将敬君の逮捕について許諾を求めるの件を議題といたします。 本件につきましては、昨十八日、委員会を秘密会とし、下稲葉法務大臣並びに原田刑事局長から説明を聴取し、次いで本人から身上弁明の申し出があり、これを許可して、聴取いたしました。その後、下稲葉法務大臣並びに原田刑事局長に対し、各党から質疑を行い、慎重な議論を行いました。 その主な論点を申し上げますとへ本件許諾請求と憲法第五十条の国会議員の不逮捕特権の重さの認識について、罪証隠滅のおそれについて、証券取引法第五十条の三第二項第三号の利益要求の事実について、日興証券のホストコンピューターを使用するなどしての自己売買の取引との関係について、利益供与したとされる関係者の立件の可能性と口裏合わせの働きかけの事実関係について、一月三十日の予算委員会参考人質疑における新井議員の発言と同議員から働きかけを受けた人たちの供述内容及びその調書の存在について、借名口座の名義人に送られていたはずの月次報告書の押印等の処理について、新井議員と日興証券の取引の期間及び流れ等実態に関する捜査の裏づけについて、公判維持の可能性について等であります。 本日は、本件について許諾を与えるべきか否かについての各党の態度を表明願います。 大島理森君。
○大島委員 新井将敬君逮捕許諾請求に対しまして、自由民主党の態度を表明させていただきたいと思います。 我が党は、新井将敬君の逮捕の許諾につきまして、応ずる考え方であります。 本件は、憲法第五十条に定められた国会議員の身分に関する問題であります。したがって、慎重審議の上、冷静沈着に判断し、態度を決定した次第であります。 憲法第五十条及び国会法第三十三条は、国会開会中における不逮捕の特権を国会議員に与えているものであります。 この趣旨は、第一に、議院内閣制のもとで、検察を初めとする政府権力による逮捕権の乱用から議員の身柄の自由を守り、議員の活動が不当に阻害されないよう保護することであります。第二に、当該議員の身柄拘束が国会審議に具体的に影響を及ぼさないようにしようとすることにあります。 この両者は不可分のことであり、これらを総合的に判断いたしますと、逮捕の正当性、逮捕の必要性、それに国会の会期終了を待ち得ない緊急性などが認められなければならないということであります。 しかし、この精神は、決して犯罪容疑者を保護するものではありません。 既に本件につきましては、令状裁判所によって逮捕状発付を妥当とする判断がなされておりますけれども、当委員会におきましても、さきに述べた二つの観点から、法務当局に種々の質疑をするとともに、新井将敬君からも弁明を聴取いたしましたが、その弁明にもかかわらず、証券取引法違反の疑いを明確に晴らすに足るものがあるとは判断できませんでした。 大蔵省並びに多数の金融機関を巻き込んでいる一連のいわゆる金融腐敗事件は、深刻な状況にある我が国経済を立て直すためにも、まずもって早急に整理する必要がある問題の一つであります。 両者を慎重に判断した上、私どもは、新井将敬君の身柄拘束により選挙を通じて託された権利が一時的に履行できなくなるとしても、この際、司法当局の要求に応じ、一日も早い真相解明のため、事実関係を明らかにすべきだとの結論に至りました。 したがって、その他万般の事情を勘案考慮いたしましても、許諾請求に応じることが妥当と考えた次第であります。 以上により、自由民主党は、新井君の逮捕許諾を認めるものであります。 政府におきましては、憲法第五十条の精神を真摯に受けとめ、国民に真実が明らかになるよう努力されることを期待し、我が党の態度表明といたします。 以上です。
○亀井委員長 小坂憲次君。
○小坂委員 本件に関する民友連の態度と、その決定理由について申し上げます。 私ども民友連は、新井将敬君に対する逮捕許諾請求について、許諾を与えることに賛成すべきものと決定いたしました。 憲法五十条に定められた議員の会期中の不逮捕特権は、政治的動機に基づく逮捕要求から議員の自由な議会活動を守るものであると理解しております。また同時に、不逮捕特権は議員の刑事責任の追及を阻むものではなく、逮捕要求に正当な理由が存し、かつ身柄を拘束すべき緊急性に相当な理由があると認められる場合にまでこれを拒否すべきものではありません。 このような認識のもとに、昨日の当委員会秘密会における下稲葉法務大臣及び原田刑事局長の説明、並びに新井将敬議員の真剣な弁明を聴取し、さらにこれに基づき質問を行い、各会派による慎重な質疑を聞いたのであります。 今回の新井将敬君に対する逮捕許諾請求の理由は、証券取引法違反被疑事件であり、被疑事実としては、日興証券株式会社新橋支店に借名の取引口座を開設し、平成七年十月ごろより同社平石弓夫専務及び同社浜平裕行取締役エクイティ本部長兼株式部長に対し、有価証券の売買取引により生じた自己の利益に追加するため、財産上の利益を提供するよう要求し、その要求により、浜平らをして同社のホストコンピューターを使用するなど の方法により、同月三十一日から平成八年六月十八日までの間、前後二十五回にわたり、同社の自己の計算で行った株式の売買であるのに、被疑者から委託を受けて行った取引として借名の取引勘定に帰属せしめ、合計二千九百十五万七千七十九円相当の財産上の利益を受け、もって、要求により、自己の利益に追加するため、財産上の利益を受けたものであるとされているのであります。 被疑事実としての要求の存在、並びに罪証隠滅の可能性と逮捕の緊急性について、新井議員の弁明の内容から受けた印象としての確認すべき点に特に注意を払い、慎重に検討いたしましたが、平石専務及び濱平株式部長からの調書内容の概要及び刑事局長の答弁から、要求の存在を疑うに足る相当な理由並びに逮捕の緊急性にも相当な理由があると判断されることから、許諾はやむを得ないものと判断するに至ったのであります。 今日の証券・金融業界の不祥事、政治家に対する国民の信頼の回復と政治不信の解消のためにも、本件捜査に当たり、関係当局の厳正かつ公正な対応と、一刻も早い真相の解明がなされることを望み、態度表明を終わります。
○亀井委員長 富田茂之君。
○富田委員 本件に対する平和・改革の態度と、その決定理由を申し述べます。 私どもは、新井将敬君に対する逮捕許諾請求について、許諾を与えることに賛成いたします。 今回の新井将敬君に対する逮捕許諾の理由は、日興証券株式会社の新橋支店において、他人名義の取引口座を開設し、平成七年十月中旬ころから同月下旬ころまでの間、数回にわたり、同社関係者に対し、有価証券の売買取引につき、当該有価証券について生じた自己の利益に追加するため、財産上の利益を提供するよう要求し、その要求により、同社関係者をして、同月三十一日から平成八年六月十八日までの間、前後二十五回にわたり、いずれも同会社が自己の計算で行った株式の売買であるのに、新井将敬君から委託を受けて行った取引として、これらを前述の他人名義の取引勘定に帰属せしめ、合計二千九百十五万七千七十九円相当の財産上の利益を受け、もって、要求により、自己の利益に追加するため、財産上の利益を受けたという証券取引法違反の容疑であります。 憲法五十条に定められだ議員の会期中の不逮捕特権は、政治的動機に基づく捜査当局による不当な介入から自由な議会活動を守るためのものであると理解しております。同時に、不逮捕特権は議員の刑事責任追及を阻むものではないことも十分考慮に入れておかなければなりません。 昨日の当委員会における法務当局の説明並びに質疑により、新井将敬君を逮捕する理由及び逮捕の必要性として、罪証隠滅のおそれがあると一応疎明がなされていると考えます。 加えて、当委員会における慎重な審議により、今回の逮捕許諾請求が政治的動機に基づくものでないことも明らかにされたものと考えます。 したがいまして、本件の逮捕許諾請求に対し、許諾を与えることに賛成いたします。 最後に、本件の捜査に当たり、検察当局の厳正かつ公正な対応と、一刻も早い真相の解明がなされることを望みます。 以上です。
○亀井委員長 西川太一郎君。
○西川(太)委員 私は、衆議院議員新井将敬君の逮捕の許諾を求める件について、自由党の態度を申し上げます。 私ども自由党は、新井将敬議員の逮捕許諾請求について、許諾を与えることに賛成いたします。 議員の不逮捕特権を記している憲法五十条の趣旨は、犯罪容疑の議員を保護するためのものではなく、立法府である国会への政府・捜査当局の不法な介入を防ぎ、議員の自由な政治活動を守るためにあるものであることは言うまでもありません。 今回の逮捕許諾請求については、昨日、法務省当局の詳細な説明を聴取したところでございますが、先日の参考人招致の結果や各委員会での審議、自由党独自で行っている調査等に照らし合わせて考えてみると、証券取引法違反に係る事案そのものと認識できるので、これに賛意を示すものであります。 ただ、国会自身、憲法六十二条、議院の国政調査権に基づくいわゆる証人喚問の権限を持ちながらも、その権利が行使されないまま新井将敬議員の逮捕許諾請求に至ったことは極めて残念であります。 しかも、遺憾なことには、去る二月三日、既に野党四党派の国会対策委員長より自民党国会対策委員長に対し、新井将敬議員の速やかな証人喚問を求めるとの文書を提出しておりましたが、本日まで、残念ながらそれは実現できないでまいり生じた。これは、国会としてみずからの自浄能力を放棄したもので、まことに残念なことであり、今後、政治の信頼の回復に向け、各党が協力すべきであることを申し添えておきたいと思います。 最後に、独自に口座をつくって株式売買を行っていると言われている国会議員についても、もし仮に疑惑があれば、新井将敬議員と同様、徹底的な捜査が行われるよう法務省当局に要請して、我が党の態度表明といたします。
○亀井委員長 東中光雄君。
○東中委員 私は、日本共産党を代表して、本件逮捕許諾について、本院は速やかに逮捕許諾をするべきものであるとの態度を表明します。 議員の不逮捕特権は、全国民の代表として、国権の最高機関の構成員である議員が、自由、独立に活動し、その職責を果たすことができるように保障するためのものであります。政府行政、司法などの権力が、政治的動機を持って議員の活動を妨害するために議員の身体の自由を拘束するようなことは断じて許されないというのが憲法五十条の趣旨であります。政府が政治的意図を持っての議員逮捕を要求しているものであれば、院は、そのような要求に対しては断固として許諾を拒否しなければなりません。 本件許諾請求について見ますと、逮捕許諾を求める要求書に記載の被疑事実は、被疑者新井将敬議員は、平成七年十月中旬ごろから同下旬ごろまでの間、数回にわたり、日興証券株式会社の平石専務取締役、濱平取締役に対し、有価証券の売買の取引について、当該有価証券について生じた利益に追加するため、財産上の利益を提供するよう要求し、平成七年十月三十一日から平成八年六月十八日までの間、前後二十五回にわたり、同会社が自己の計算で行った株式の売買であるのに、新井議員の委託を受けて行った取引とすることにより、合計二千九百万円余りの利益の提供を受けたというのであります。 その容疑事実の内容、背景、容疑事実を認めるための証拠資料及び逮捕の必要性について、昨日の秘密会において法務当局から相当詳細な説明がありました。 私は、本件逮捕の理由、動機が、政治権力が政治的動機によって新井議員の議員活動を妨害するためにその身体の自由を拘束しようとしているものではないことは、その経過に照らして極めて明白であると考えます。新井議員に不逮捕特権を発動する余地は全くありません。もしこうした状態で許諾をしないとすれば、まさに不逮捕特権の乱用となり、国会の行為によって司法、裁判に重大な悪影響を及ぼすことにもなりかねず、断じて許されないのであります。 相次ぐ大蔵、金融行政と銀行、証券などの金融業界の不祥事の発覚に関し、国民は、政治家、官僚と金融機関の癒着、腐敗の問題など、重大な疑惑を持っているのであります。このような疑惑に対し、国会はその疑惑の全容を解明し、捜査当局は徹底的に捜査、追及すべきものであります。 新井議員は、同議員を参考人として招致した衆議院予算委員会の質疑や、同議員や日興証券から予算委員会に提出された資料によっても、四千九十万円もの巨額の利益を得、証券取引法違反の一任勘定取引、利益のつけかえ、利益追加要求など、不正な行為によって行われた疑いが濃厚なのであります。こうした疑惑について、国会は、薪 井議員の政治的、道義的責任を含め、その全容を究明する責任があります。捜査当局は徹底して捜査を進め、その刑事責任を追及することは当然のことであります。 以上の理由により、速やかに本件逮捕許諾をすべきであることを申し述べ、意見の表明といたします。
○亀井委員長 畠山健治郎君。
○畠山委員 重複は避けまして、ただ一点だけ申し述べさせていただきます。 それは、彼の昨日の弁明の中に、逮捕許諾請求に同意を与えることはあすは我が身に道を開くことと、とんでもない発言があったわけでありまして、許しがたい弁明だと言わなければならないと思っております。 したがいまして、逮捕許諾請求に賛成であります。
○亀井委員長 これにて各党の態度の表明は終わりました。 それでは、本件について採決いたします。 本件について、許諾を与えるべきものと決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 この際、お諮りいたします。 本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○亀井委員長 次に、本日の本会議における国務大臣の演説に対する質疑は、まず自由党の野田毅君、次に民友連の中野寛成君、次に日本共産党の不破哲三君、次いで社会民主党・市民連合の土井たか子君の順序で行い、本日をもって国務大臣の演説に対する質疑を終了することになっております。 なお、質疑者の要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。 ――――――――――――― 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続) 質 疑 者 時 間 要求大臣 野田 毅君(自由) 三十五分以内 総 中野 寛成君(民友連)三十五分以内 総 不破 哲三君(共産) 三十五分以内 総 土井たか子君(社民) 二十分以内 総、外、文 ―――――――――――――
○亀井委員長 次に、ただいま議決いたしました議員新井将敬君の逮捕について許諾を求めるの件は、本日の本会議において緊急上程するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ―――――――――――――
○亀井委員長 次に、金融危機管理審査委員会審議委員任命につき同意を求めるの件についてでありますが、同審議委員に、お手元の印刷物にあります諸君を任命するについて、内閣から本院の同意を求めてまいっております。 ――――――――――――― 一、金融危機管理審査委員会審議委員任命につ き同意を求めるの件 今井 敬君 小堀 樹君 佐々波楊子君 ―――――――――――――
○亀井委員長 本件は、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ―――――――――――――
○亀井委員長 次に、本日の本会議の議事の順良について、事務総長の説明を求めます。
○谷事務総長 まず最初に、昨日に引き続きまして、国務大臣の演説に対する質疑を行います。 国務大臣の演説に対する質疑が終了いたしました後、動議により、ただいま御決定になりました議員新井将敬君の逮捕について許諾を求めるの件を緊急上程いたします。亀井委員長の報告の後、お諮りをいたします。 次に、金融危機管理審査委員会審議委員任命につき同意を求めるの件についてお諮りをいたします。民友連、自由党、日本共産党及び無所属の会が反対でございます。 本日の議事は、以上でございます。
○亀井委員長 それでは、本日の本会議は、午後一時五十分予鈴、午後二時から開会いたします。 ―――――――――――――
○亀井委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、追って公報をもってお知らせいたします。 なお、来る二十三日月曜日午後三時から理事会を開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会