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142回国会衆議院1998/03/10

環境委員会 第2号

発言数
9
登壇者
5
会派数
2
開催日
1998/03/10

会議録

山元勉民友連

○山元委員長 これより会議を開きます。  環境保全の基本施策に関する件及び公害紛争の処理に関する件について調査を進めます。  この際、環境庁長官から所信を聴取いたします。大木環境庁長官。

大木浩自由民主党環境庁長官

○大木国務大臣 第百四十二回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。  今日の環境問題は、経済社会活動の拡大によりまして、多様化かつ深刻化しております。例えば、既に、地球温暖化の影響が平均気温の上昇や海面の上昇の形であらわれるなど、人類社会の基盤を揺るがしかねない状況が生まれつつあります。  環境問題の多くは、大量生産、大量消費、大量廃棄という今日の社会のあり方に根差しております。したがって、個別の環境対策に加え、これまでの生産、消費を見直し、環境に負荷をかけない社会の仕組みづくりにより、根本から問題解決を図ることが求められております。  現在、二十一世紀に向けて、これまで日本を支えてきたさまざまな制度の見直しが進められております。その一つとして、環境保全型社会への改革を位置づけ、大胆に取り組むことが必要でございます。  また、地球環境問題につきましては、その原因、影響の双方が一国の範囲を超えており、地球規模の対策が不可欠であることなど、環境問題の解決のためには国際的な視点も重要であります。  昨年十二月の地球温暖化防止京都会議では、二十一世紀の温暖化対策のあり方について、全世界の注視のもと、白熱した議論が交わされ、我が国は議長国として京都議定書の採択に努力をいたしました。  今後とも、我が国は、国際社会で政治的、経済的に有している大きな責任に応じて、温暖化対策を初めとした環境問題の解決にリーダーシップを発揮していくことが求められております。また、過去の公害防止対策の経験を生かして、開発途上国に対し環境協力を行っていくことが必要であります。  環境庁としましては、これまで、「循環」「共生」「参加」及び「国際的取組」という環境基本計画が掲げる四つの目標の実現を目指し、施策を行うとともに、各省庁の施策が環境基本計画に沿って行われるよう努めてまいりました。  しかし、その実施状況につきましては、施策間の連携が十分ではなく、また、個別施策の効果が必ずしも明らかでないという指摘がなされております。このため、今後、統一的な方針に基づき、施策の体系化、一体化を図り、環境保全のための取り組みを強化することが必要であります。  私は、以上のような認識のもとに、次の施策に重点的に取り組んでまいります。  第一に、地球温暖化対策を抜本的に強化いたします。  京都議定書では、我が国について、二〇〇八年から二〇一二年の期間に、温室効果ガス排出量を一九九〇年レベルに比べて六%削減するという目標が課されました。しかし、我が国の二酸化炭素の排出量は増加を続けております。この傾向に歯どめをかけ、一刻も早く減少に転換させることが緊急の課題でございます。  このため、国際的検討の状況を踏まえっつ、国内における総合的な温暖化対策のあり方について検討を進めるとともに、並行して、温室効果ガスの排出削減のために早急にとるべき施策について、中央環境審議会の中間答申を踏まえ、早期に法律案を提出するよう鋭意作業を進めてまいります。  また、住宅やオフィスでエネルギー使用に伴う二酸化炭素排出量を把握し、削減に取り組むため、電気やガスの簡易測定器を試験的に設置する事業を実施いたします。  さらに、温暖化防止に資する施策として、地方公共団体の温暖化防止対策の支援、自然公園内での太陽光などの自然エネルギーを活用した施設整備等を進めます。  温暖化防止に当たりましては、国民一人一人の取り組みが極めて重要であることから、普及啓発を強化いたします。具体的には、地球温暖化防十推進月間の創設や地球温暖化防止大会の開催を通じて、国民の参加による排出抑制、削減の行動の広がりを促してまいります。  国際的な取り組みにつきましては、まず、京都議定書の円滑な実施のために必要な、いわゆる排出権取引や開発途上国における取り組みを促すクリーン開発メカニズムの具体化等に関する検討作業に貢献してまいります。  さらに、開発途上国の温暖化対策を支援するため、アジア・太平洋地域の環境大臣が参加する工コアジア等の場を活用した政策対話の推進、情報ネットワークの構築、共同実施活動の充実を図ります。  また、地球環境戦略研究機関の発足を初めとして、地球環境研究を進めてまいります。  このほか、アジア・太平洋地域を中心としか国々に対し、環境教育や酸性雨対策、サンゴ礁の保全等の分野で協力を進めてまいります。  第二に、環境保全型社会の構築に向けた取り組みを進めます。  近年、深刻な社会問題となっている廃棄物問題については、廃棄物、リサイクル一体となった望ましい物質循環を促進する総合的な制度について検討いたします。また、フロンの回収一破壊に関しては、モデル事業の実施及び技術開発により、効率的かつ信頼性のあるシステムを構築いたします。  平成十一年に予定されております環境影響評価法の本格施行に向け、審査体制の充実強化や人材の育成、情報基盤の整備を行います。  また、個別事業に枠組みを与える上位計画や政策において環境配慮を行う戦略的環境影響評価の制度化に向けた調査研究を進めます。  環境研究、技術開発を促進するため、その振興計画を策定するとともに、遺伝子組み換え生物が生態系に与える影響の調査手法を確立いたします。  さらに、環境保全型社会の構築に向けた国民、事業者の自主的、積極的な取り組みを促進するため、環境教育や事業者による環境管理システムの普及を行います。政府みずからについても、その活動による環境負荷を削減するため、率先実行計画の目標達成に向けて、環境負荷の少ない製品を優先的に調達するための推奨リストを整備してまいります。  第三に、ダイオキシン等の化学物質対策を推進いたします。  ダイオキシン類については、人の健康と生態系への影響の未然防止を図るため、平成十年度からの五カ年間に総合的な対策を順次行います。平成十年度においては、大気、水質、土壌、発生源について総合的な環境モニタリングを行うとともに、関係省庁と連携しつつ、人体汚染の状況と健康影響の調査研究を進めます。  また、化学物質の環境への排出量や廃棄物としての移動量の把握、公表を行う環境汚染物質排出・移動登録、いわゆるPRTRの導入に向けて、パイロット調査を引き続き実施いたします。加えて、多種多様な化学物質の有害性や人体への影響を調査いたします。  新たな問題となっている環境ホルモンや微量な化学物質の影響については、実態の把握と解明に努めます。  第四に、自然と人間の共生を推進いたします。生物多様性の保全については、情報の収集、管理、提供を行う生物多様性センターを開設いたします。  さらに、生物の生息環境の広域的なつながりを確保し、保全するためのモデル計画を策定いたします。  また、野生鳥獣の適正な管理のための人材育成等を行います。  総理府の世論調査の結果によれば、今よりもっと自然と触れ合う機会をふやしたい人の割合が六割を超えるなど、自然との触れ合いについての要求が高まっております。  このため、緑のダイヤモンド計画や自然を生かした学習を通じて自然に学ぶ場を提供するふれあい自然塾の取り組みを着実に進めます。また、自然公園内の荒廃した山地地域を対象として、自然環境の保全や公園利用施設の整備を行います。第五に、大気環境、水環境の改善に向けた取り組みを進めます。  まず、都市部における大気汚染を改善するため、ディーゼル車の排出ガスの規制強化について検討いたします。さらに、低公害車の大量普及を実現するため、規制的手法や誘導的手法を含めた制度的な普及方策のあり方について検討いたします。地方公共団体に対しては、引き続きその集中導入に当たっての支援を行います。  また、水環境の回復、創造を図るため、健全な水循環の回復手法に係るガイドラインの策定や瀬戸内海における環境保全及び環境創造の施策の検討を行います。  海洋環境の保全については、生態系の保全を含めた海洋環境モニタリングネットワークの形成を図ります。  第六に、健康被害の予防及び公害健康被害者の救済を実施いたします。  公害健康被害者の救済に万全を期するとともに、健康被害を予防するための施策の着実な推進を図ります。  このため、今国会に、補償給付の支給等に要する費用について、自動車重量税収入からの引き当て措置を五年間延長する公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を提出しております。  また、水俣病対策については、水俣病総合対策医療事業など、平成七年十二月の閣議了解等に盛り込まれた施策を着実に実施いたします。患者に対する補償金の支払いを円滑に継続していくため、チッソに対する支援にも取り組んでまいります。  平成十年度は、この六つの柱を中心に環境行政を進めてまいります。  私は、持続的発展が可能な社会に転換することにより、環境負荷の少ない製品や自然との共生に対応したサービスなど環境保全関連の産業が生まれる、これまでとは質の異なった新たな活力ある社会となると考えております。  このような社会を目指し、環境行政の総合的、計画的な推進に全力を挙げて取り組みたいと考えております。  以上、環境行政の主要課題と今後の取り組みの基本的方向について所信を述べさせていただきました。  本委員会及び委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

山元勉民友連

○山元委員長 これにて環境庁長官の所信表明は終わりました。  次に、平成十年度環境庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。太田官房長。

太田義武環境庁長官官房長

○太田(義)政府委員 平成十年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。  平成十年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は七百九十八億三千五百万円であり、これを前年度の当初予算額七百九十三億四百万円と比較いたしますと、五億三千古万円、〇・七%の増額となっております。  予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。  第一に、環境保全の企画調整等につきましては、昨年十二月の地球温暖化防止京都会議で採択されました議定書を踏まえ、地球温暖化防止に向けた各般の対策を実施するほか、開発途上国の環境問題への支援等地球環境問題への取り組みを積極的に推進するとともに、化学物質対策の強化、環境影響評価制度の充実へ環境基本計画の推進等環境政策の一層の展開を図るべく、これらに必要な経費として五十四億四千万円を計上しております。  第二に、公害による健康被害者の救済等につきましては、水俣病総合対策を推進するほか、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、環境保健に関する各種調査研究を推進することとし、これらに必要な経費として二百四億九千八百万円を計上しております。  第三に、大気汚染等の防止につきましては、低公害車普及事業を初め、オゾン層保護対策、有害大気汚染物質対策等を推進することとしております。  また、騒音、振動及び悪臭対策につきましても引き続き推進を図ることとし、これらに必要な経費として十九億三千五百万円を計上しております。  第四に、水質汚濁の防止につきましては、健全な水循環の回復のための取り組みを推進するとともに、生活排水対策、海域における富栄養化対策及び水質総量規制、湖沼水質の保全、海洋環境の保全等を推進するための経費として十六億九千六百万円を計上しております。  このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策として二億五千三百万円、土壌汚染防止及び農薬対策として三億四千八百万円をそれぞれ計上しております。  第五に、環境事業団につきましては、建設譲渡事業、融資事業等を引き続き推進するほか、地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援するための地球環境基金事業の推進を図ることとし、同事業団の事業に対する助成等に必要な経費として五十六億七千四百万円を計上しております。  第六に、環境保全に関する調査研究のための経費につきましては、総額八十二億四千六百万円を計上しております。  この内訳といたしましては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億五千三百万円を環境庁において一括計上するとともに、環境研究総合推進費として二十八億五千万円を計上し、各省各庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全等に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。  また、公害防止等調査研究費として三十四億四千四百万円を計上し、地球観測衛星に搭載する成層圏オゾンの観測機器の開発、環境汚染による健康影響の解明、酸性雨を含む大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する各種調査研究を進めることとしております。  第七に、自然環境の保全対策及び自然公園等の整備事業について申し上げます。  まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理につきましては、生物多様性国家戦略に基づき、各種情報の収集整備を初めとする生物多様性保全施策を総合的に推進するとともに、国立公園の保護管理の強化を図ることとしております。  また、野生生物の保護対策につきましては、絶滅のおそれのある野生動植物の保護対策の強化を図るとともに、野生鳥獣の保護、管理に関する対策を推進することとしております。  これらに必要な経費として、合わせて二十四億三千百万円を計上しております。  次に、自然公園等の整備事業につきましては、人と自然との豊かな触れ合いを確保するため、我が国を代表するすぐれた自然を有する国立・国定公園において、その保全、復元の事業や自然学習、自然体験の場の整備等を総合的に推進するとともに、身近な自然との触れ合いの場や自然エネルギーを活用した地球に優しい施設等の整備を推進するほか、国民公園の整備を図ることとし、これらの整備に必要な経費として百二十九億三千五百万円を計上しております。  第八に、環境保全施設の整備につきましては、野生生物保護管理施設等整備、自然共生型地域づくり、生活排水対策重点地域内の水質浄化施設整備、井戸、湧水の復活再生等の事業を推進するために必要な経費として十六億二千九百万円を計上しております。  第九に、環境庁研究所につきましては、国立環境研究所において、地球環境問題を初め環境全般にわたる研究を推進するために必要な経費として七十五億九百万円を計上し、国立水俣病総合研究センターにおいて水俣病発生地域の特性を生かした研究を推進するために必要な経費として六億二千九百万円を計上しております。  最後に、国際会議等経費において、地球環境戦略研究機関が行う研究に必要な経費五億円を計上しております。  以上、平成十年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。

山元勉民友連

○山元委員長 次に、各省庁の平成十年度環境保全経費等の概要について環境庁から説明を聴取いたします。岡田企画調整局長。

岡田康彦環境庁企画調整局長

○岡田政府委員 各省庁の平成十年度環境保全経費等の概要について御説明申し上げます。  まず、歳出予算について御説明申し上げます。  地球的規模の広がりと将来の世代にわたる広がりを持つ今日の環境問題に対処するため、平成六年十二月、政府全体の環境保全施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画である環境基本計画が策定されました。  環境保全経費につきましては、この環境基本計画に盛り込まれました施策の効果的な実施に資する観点から、環境基本計画に示された施策の体系に沿って取りまとめております。  平成十年度における環境保全経費の総額は二兆七千二百八十七億円であり、前年度の当初予算に比べ九百二十四億円、三・三%の減となっております。  これを事項別に見ますと、循環を基調とする経済社会の実現のために二兆二千八百七十三億円、自然と人間との共生の確保のために四千百七十四億円、すべての主体の参加の実現のために四千百五十八億円、共通的基盤的施策の推進のために一兆千九百十三億円、国際的取り組みの推進のために七百二十三億円、その他として百三億円が計上されております。  なお、予算によりましては複数の事項に重複して計上されているものがございます。  主要な項目については、次のようになっております。  まず、循環を基調とする経済社会の実現のための経費のりちでは、建設省等に計上されております下水道事業費一兆千百二十一億円、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費千六百九十九億円などがございます。  また、自然と人間との共生の確保のための経費のりちでは、環境庁の自然公園等事業費百二十九億円、建設省等の公園事業費千五百十八億円、すベての主体の参加の実現のりちでは、環境庁の地球環境基金関係経費十七億円、国際的取り組みの推進のうちでは、外務省の国連環境基金拠出金五十億円などがございます。  なお、近年の地球環境問題に対する取り組みの重要性にかんがみ、環境保全経費とは別に、環境庁におきまして各省庁の地球環境保全関係予算を取りまとめたところでありますが、これによりますと、平成十年度における総額は六千七十六億円であり、前年度の当初予算に比べ二百四十三億円、四・二%の増となっております。  これを事項別に見ますと、国際的枠組みづくりに係る経費として七十七億円、観測・監視、調木研究に係る経費として千百八十二億円、技術群発、普及に係る経費として四千二百七十一億円、環境協力の推進に係る経費として二百二十一債円、環境配慮に係る経費として一億円、国内の持続可能な社会の実現に向けた取り組みに係る経費として三百二十三億円となっております。  次に、環境保全関係財政投融資は、貸付規模等におきまして総額三兆四千二百四十三億円を予定いたしております。  機関別の主な内訳といたしましては、環境事業団が事業規模で六百四十六億円、中小企業金融公庫が貸付規模で千四百五十億円、日本開発銀行が貸付規模で千二百八十億円を予定いたしているなどのほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理等の事業を推進するため、地方債計画におきまして三兆六百四十億円を予定いたしております。  このほか、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、中小企業事業団等におきまして産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。  最後に、今国会で御審議をいただく環境保全関係の税制改正措置について御説明申し上げます。  まず、地球温暖化対策といたしまして、ハイブリッド車に係る自動車取得税の税率の特例措置の拡充を行う予定であります。  さらに、自動車排出ガス対策として、平成十一年導入予定の排出ガス規制の適合車に対する自計車取得税の軽減措置を創設する予定であります。  このほか、公害防止用設備の設置、廃棄物・リサイクル対策等に関する所要の税制上の措置を講ずることといたしております。  以上、平成十年度の各省庁の環境保全経費等の概要につきまして御説明申し上げました。

山元勉民友連

○山元委員長 次に、平成九年における公害紛4の処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたしたいと存じますが、委員長が他の委員会に出席をいたしておりまして、今当委員会に向かっておりますので、しばらくの間お待ちをいただきたいと思います。  お待たせをいたしました。  それでは、平成九年における公害紛争の処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたします。川嵜公害等調整委員会委員長。

川嵜義徳公害等調整委員会委員長

○川嵜政府委員 公害等調整委員会が平成九年中に行った公害紛争の処理に関する事務及び平成十年度総理府所管一般会計公害等調整委員会歳出予算要求額について御説明申し上げます。  まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について御説明申し上げます。  第一に、平成九年中に当委員会に係属した公害紛争事件は、香川県の住民から産業廃棄物処理業者等を相手方として申請のあった豊島産業廃棄物水質汚濁被害等調停申請事件、東京都の住民から小田急電鉄株式会社を相手方として申請のあった小田急線騒音被害等責任裁定申請事件、東京都等の住民から東京都を相手方として申請のあった杉並区不燃ごみ中継施設健康被害原因裁定申請事件等合計二十六件であり、これらのうち、平成九年中に終結した事件は一件であります。  なお、以上のほか、水俣病損害賠償調停申請事件について、調停成立後に申請人の症状に変化が生じたときに申請される水俣病慰藉料額等変更申請事件が十四件あり、うち十件が終結しております。  現在係属中の事件につきましては、適切な解決が図られるよう鋭意努力してまいる所存であります。  第二に、平成九年中に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は百八件であり、廃棄物処理場、工場・事業所、道路及び建設工事等に係る事件が多くなっております。これらのうち、平成九年中に終結した事件は三十七件であります。  公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することになっておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという観点から同審査会との間での連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。  第三に、全国の公害苦情の実態についてであります。  当委員会の調査によれば、平成八年度において、全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口に寄せられた公害苦情は約六万二千件となっております。  これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情は約四万五千件で、前年度に比べ六・三%増加しました。また、いわゆる典型七公害以外の苦情は約一万七千件で、全体の約二七%を占めております。  公害苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、これらの地方公共団体に対し、職員に対する研修の実施、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。続きまして、平成十年度公害等調整委員会の歳出予算要求額の概要について御説明申し上げます。  平成十年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の歳出予算要求額は六億一千四百万円であり、これを前年度の当初予算額六億四百万円と比較いたしますと、一・六%、一千万円の増額となっております。  次に、その内訳について御説明申し上げます。第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として五億八千万円を計上しております。  第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として三千四百万円を計上しております。以上が平成九年中に公害等調整委員会が行った公害紛争の処理に関する事務の概要及び平成十年度公害等調整委員会の歳出予算要求額についての概要であります。  公害等調整委員会といたしましては、今後とも公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、鋭意努力してまいる所存でありますので、何どぞよろしくお願いをいたします。l

山元勉民友連

○山元委員長 次回はへ来る十二日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時七分散会

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