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142回国会衆議院1998/05/13

外務委員会 第11号

発言数
129
登壇者
17
会派数
5
開催日
1998/05/13

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  国際民間航空条約の改正に関する千九百八十四年五月十日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約の改正に関する千九百八十年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とカタル国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とオマーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とバハレーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田康夫君。

福田康夫自由民主党

○福田委員 本日は、ただいま委員長が申された航空関係の議定書二件、そして航空協定四件の審議をすることになっておりますが、インドが核実験をしたという報道が昨日なされました。そのことについて、これは我が国にとっては極めて重大な案件である、また緊急を要する内容も含まれておる、こういうことでございますので、このインドの核実験について、まずお尋ねをしたいと思っております。  そこで、最初に、この核実験は何か唐突に行われたという感じがいたすのでありますけれども、実験以前に予兆、情報というものはなかったのかどうか、外務省はそういうふうな情報を把握していなかったのかどうか。  例えば、四月六日にパキスタンで新型中距離弾道ミサイルの発射実験に成功した、こういう新聞報道がございます。このことにつきまして米国の国務省副報道官が、四月六日に遺憾の意を表明いたしておる。インド、パキスタン両国に自制を求めたい、こういうことも言っているということが伝わっております。  また、それに先立ちまして、インド人民党、BJPの指導する政権において、従来の核オプション政策から、必要なら核兵器導入の選択肢を行使する、こういう従来から一歩踏み出たような政策を打ち出しておった、こんなふうなことなのであります。こういう状況というものがあったわけであります。  したがって、その実験を未然に防ぐための外交努力は、我が国としてなされておったのかどうか、このことをまずお尋ねしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 お答え申し上げます。  インドがこのたび地下核実験を一九七四年、二十四年ぶりに再開したということでございますが、それに対して予兆がありゃなしやということでございます。  国際的な情勢の中で、インド、パキスタン両国の間の関係は従来から大変厳しい状況でございまして、その関連で、今御指摘のありましたようにパキスタン側が核弾頭を積載可能なミサイルを開発し、かっこれを実験したというような報道も流れております。  それに対して、これまた今お話のありましたように、バジパイ政権が誕生した、誕生いたしましたのはその政策に対してインド国民が支持したということでありましょうが、その中でインドとしては、この核の問題についても、防衛上の立場からその開発についてもかなり積極的な意思を表明しておったというような事実を考えますと、そういった意味からいいますと、両国間の関係が核をめぐって非常に厳しい状況になるのではないかという意味で、予兆といいますか、を感じておったといえば、そういうことだろうと思います。  三月九日、十日に実は。パキスタンのアユブ・カーン外相が訪日されまして、私会談をさせていただきましたが、そのときにも、そうした雰囲気を考えましたときに冷静な対応を求めておきましたが、パキスタン側からいいますと、インドがいろいろな意味でそうした核開発の状況について不安があるということを、かなり批判をされておりました。  新しいインドの政権ができまして、そうした政権として今回こうした実験に踏み切ったということで、まことに遺憾の限りでありますが、日本政府といたしましては、三月三十一日に橋本総理から親書を発出いたしまして、その中で、この核問題について、国際世論に対して相反することのなきように自制を求めておったということの行為もありました。  こう考えますと、インドの今度の核実験が行われてはいけないという意味で注目をしておったということでございまして、そういった意味では、これを現実のものと今日なった段階でありまして、まことに核に対する我が国の対応からいたしましても許さざること、こう考えまして、しかるべき対応を今とらせていただいておる、こういうことでございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 インドと我が国の関係というのは、これはほかの国ともちょっと違った状況にある、こういうふうに言えるのではないかと思います。  それは援助であります。インドに対する日本の援助は、受け取り側インドにとりましては、極めて大きな部分を占めているということであります。  正確な数字はちょっと知らないのですけれども、その額は、借款でインドの受け取る半分は日本の借款だ。また、無償の贈与、技術協力等につきましても、これはそれほど大きくないとしましても、かなりの額が提供されている、こういう国であります。要するに、インドに対しては日本は最大の援助大国であるということであります。  そうなりますと、援助国としての日本の責任というものがあるのかないのか、こういう問題が生ずるのではないかと思います。援助をする中において、また長年にわたり、やっておるわけでありますから、そういう中で、日本の核政策というものをインドによく理解してもらう、そういう努力をしてこなければいけないということであったろうかと思います。当然のことながらそういうことはされてきたのだろうと思いますけれども、その責任をどのように感じられるかどうか。  それから、実験がありました後、我が国政府としてどのような処置をとられたか。そしてまた、これから課題になりますけれども、インドに対する援助を今後どういうふうな基本方針で実行するのかしないのかというその基本的な考え方、もし具体的な案が固まっているのでしたらば、それをお教えいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今御指摘のように、インドに対しての我が国の経済協力というものは、他国に比して極めて高いものがございまして、一時は中国に次いで第二位ということもございましたが、現在は第四位のようでございます。  いずれにいたしましても、インドが今後大いに発展していくために、我が国としてはそうした協力を継続してまいったわけでございますが、御案内のように、経済協力に対しましては我が国の四原則というものがございまして、その中で、こうした、いやしくも核開発のような形での軍事的な膨張に対しましては、十分注目すべきこととして考えておるわけでございます。  そういった意味で、今回のこの核実験に対して政府としていかような対応をとるべきかということでございますが、昨日九時半にシン在京インド大使においでをいただきまして、私からこの実験に対して大変遺憾の意を表するとともに、我が国としてとるべき対抗手段といいますか何をなせるかということの中では、当然のことながら経済協力に対しても考えられる点がある、これは、国民が今回の核実験に対して極めて厳しい目を持っておることをかんがみれば、当然我が国政府としても、対応する手段としてはこうした手段もあり得るということは通告いたしております。  しかし、具体的にどういうことをなすべきかということにつきましては、現下、今検討中でございますが、できる限り早くその対応についてはこれを定めて、インドに対しましても対処いたしていきたいというふうに思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 大臣のおっしゃるように、まだ具体的な案は固まっていないと申されるわけでございますので、妥当なる案が出てくることを私は期待いたしております。  ただ、今回インドはまことにばかげたことをしたというふうに私は思っております。国際世論を敵にし、そして、早速各国が援助を停止するとかいうような発表をするといったようなことで、まさにインド孤立といったような状況になりかねないような雰囲気を醸し出している。これは、まことに今のインド政権にとって結果的によくなかったことだろうというふうに思います。ましてや、この援助停止というふうなことが政権の維持というものにも大きな影響を与える可能性もある、こういうことではないかと思います。  そのばかげたことをしたということについて、日本も、いかにばかげたことであったかということをインドが理解するようなやり方というものもあるのじゃないかな、こういうことであります。ぜひインドにとってもそういうわかりやすい方策をとっていただきたい、こう思います。  ただ、インドという国は、日本とは極めて友好的な国なんですね。そして、インドを抜きにしてやはり日本のあの地域の、もしくは世界全体の外交政策というのは成り立たないのじゃないかな。ですから、そういう意味では、インドを全く敵にしてしまうような方策というものはとり得ないだろうと思います。また、とるべきでないというふうに私は思っております。  インドは親日国という一つの例として、昭和天皇がお亡くなりになったときに三日間、インドは政府初め喪に服してくだすった、こういうこともございます。そのほかいろいろと親日であるということを証するものがあるわけでありますけれども、そんなことをいろいろ考えて、私は、厳しい処置はとる、しかしながらやはりどこかで温かい、相手の国を理解するという姿勢も大事なんじゃないかな、こんなふうに思っております。  ですから、単に借款はもうやめますとかいったような話ではなくて、なぜ借款をやめるかということについて十分な説明をしてさしあげる、そして、核開発がいかに間に合わないものであるかということを理解していただく、そしてまた日本の立場も理解していただく、そういう機会にしていただければ、これはまたそれで次のよりよいステップに向かっての一歩になるというふうに思っておりますので、この辺は慎重に取り扱っていただきたいと思っております。  それからもう一つ、インドはもともと核の廃絶ということを主張している国でございます。また、現在核保有をしているという国が核を独占しているのはよくないということを言っている国なのであります。そういう意味においては、日本の考え方と、理想とすれば日本の理想に近い形でそういう主張をされている、そういう国でありますから、私は、そこのことを考えればインドの立場も考えてあげる必要があるのじゃないかな、こんなふうなことも考えておるわけであります。  そういう意味におきましては、この際、国際的な非核の枠組み、NPTとかCTBTとかこういうものがより強化されるような方策、また実効化されるような方策を日本として各諸国に働きかけをするということも必要なのではないかと思います。特に、核保有大国に対して、より抑制的な対応を求めるということも大事なのではないかというふうに思っております。そういう面における外交努力、これをこの際、ぜひあわせてお願いしたいと思っております。そのことについて、どうでしょうか、外務大臣。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 御指摘のとおり、我が国は、核不拡散は国際社会の平和と安定にとって極めて重要であると考えておりまして、二〇〇〇年のNPT再検討会議に向けた準備委員会に積極的に参加し、またCTBTにつきましても、その条約の遵守状況を検証するための制度の整備に積極的に参加するとともに、条約の早期発効に向けて、インド等、未署名、未批准国への批准に向けた働きかけを引き続き行うことは当然のことと考えております。また、核兵器国につきましても、既に第一次戦略兵器削減条約に基づきまして核軍縮努力を行っており、米ソおのおの一万発を超えていた戦略核弾頭が、おのおの六千発以下に削減されております。我が国としては、ロシアによる第二次削減条約の早期批准を求める等、一層の努力を求めてまいりたいと思っております。  なお、当面、インドに対しましても、昨日、インド側の主張によりますれば、NPT、CTBTは核兵器国と非核兵器国との不平等性を固定化し、さらにこれを著しくするものであるという従来の主張をいたしておりましたので、我が方としては、NPT、CTBT等は世界の大多数の国の支持を得ている核軍縮・不拡散のための条約であるので、この条約に一日も早く参加をすることを重ねてその機会に強く要請をいたしておったところでございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 ぜひよろしくお願いいたします。  そしてまた、今回のインドの実験の背景にありますのはパキスタンのミサイルの発射事件、こういうことがございます。このミサイルは、新聞等の報道によりますと北朝鮮製のノドンである、こういうふうに言われております。ノドンがそういうふうに実用できるということになれば、我が国だってこれはもう無関心ではいられないということにもなろうかと思っております。  この肝心の北朝鮮なんですが、これはもう最近いろいろな交渉が何となく行き詰まっているような感じがいたします。例えば米中との交渉、これも中断をしている。それからKEDOも遅延をしておる。また、重油代金の支払いについて米国が日本に支払いを求めるとか、何か方々の国々にそういう要求をしているというふうなことで、これもぎくしゃくしている。  それから、肝心の日朝関係ですけれども、日朝交渉も必ずしも順調にいっているというようには思えないのでありますけれども、日朝間は拉致問題でもってデッドロックに乗り上げてしまった、こんな感じがいたします。  そういうことで、北朝鮮がほかの方で突出した何か行動をするというのも、これも我々としては見過ごすことはできないことでありまして、そういう北朝鮮対策を、総合的に見て今後どういうふうにしていけばいいのか。緊急性というのがあると思いますけれども、外務大臣はどのようにお考えでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 いささか抽象的になるかもしれませんが、あらゆるパイプ、あらゆる手段を講じまして北朝鮮との関係を深め、究極は、両国間の不正常な関係を正して国交を回復していかなきやならぬ、こういうふうに思っております。  御指摘のように、米朝の間、あるいはKEDOをめぐって、さらに南北対話も必ずしも進捗しておらない状況でございますが、日本といたしましては、先刻来、国会議員の先生方の訪朝等を通じましていろいろな形でアプローチをしていただいております。政府といたしましても、御案内のように、北京におきまして事務的折衝を続けております。  いろいろな形を通じて、何とか話し合いの場をつくらなきゃならぬというふうに認識をいたしておりますが、聞くところによりますと、この秋にも金正日総書記が中国訪問を正式にされるやというような報道も伝えられております。もしそういう事の成り行きになってまいりますれば、両国間の関係は極めて過去いろいろな深い関係もございますので、そういった意味で新しい展望が開けるかなという感じがいたしておりまして、そういった点で、日本としては、いろいろな形を通じて積極的に国際社会での北朝鮮の開かれた関係を進めていくようにひとつ努力をいたしていきたい、このように考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 本インドの核実験に対しましては、実験反対について国会決議をやる、従来の例を調べますと、前回の中国も、その前の中国、フランスもずうっと本会議で決議をしている、こういうことなのであります。ですから、本件につきましても、ぜひ本会議決議をされるというようなことで、委員長の方でお取り計らいをお願いしたいというように提案いたしたいと思います。  私は、いろいろな紛争、世界じゅうにあるわけでありますけれども、その紛争を未然に防ぐという問題もありますけれども、同時に、我が国も最近は、今問題になっているような地域に積極的に関与していくという姿勢をとっているというところが各地で見られますので、大変よいことだというふうに思っております。非常に積極的な外交を展開を始めたという感じがいたします。  一つの例といたしましては、アフガンの支援会議というのをいたしておるわけでありますけれども、その第四回目を今年中に日本でやるということのようであります。アフガンには高橋政務官という方を一人送って、紛争の仲介役たらんというそういう意気込みでやっているというふうにも伺っております。ぜひ、そういう積極的な取り組みを今後も続けるようにお願いをしたいと思っております。  さて、インドの核実験はこれまでにしておきまして、次に、本題の航空協定についてお尋ねいたします。  今回締結される航空協定、四件ございます。これは、時間が大分かかっておるようであります。相当かかっている部分もあると思うんですけれども、なぜそういうように時間がかかるのか。この基本的な締結の理由というのは幾つかございます、例えば需要がどうであるかとか、そういう基本的なこともありますけれども、相手国から希望されているのが全部だと思いますけれども、相手国が希望したらできるだけ早くそれに対応してあげるというのが外交的にはよろしいんじゃないかなというように私は思います。  特に、UAE、今回ございますアラブ首長国連邦、これは、日本にとっても大事な国でございます。何となれば、日本が輸入する中東石油の一番大きい供給国だということであります。それから、私もアジアや中東なんかに行きますときに、UAEのエミレーツ・エアラインでしたかな、航空会社がございますけれども、これに乗りますと、機体もなかなか立派だしサービスもいいということで、何でこれがなかなか航空協定が結ばれなかったのかというふうな感じがいたすわけであります。急げない決定的な事情があるのかどうか。  例えば、その需要が少ない。じゃ、需要が少ないという国はかつてもあったわけであります。締結してから格段にふえたという国もありまずけれども、そうでない国もあるんですね。ですから、需要も決定要因ではないということになります。あとハイジャックだとか、乗り入れ計画ですか、これは希望しているわけですからもう問題ない、それから、あとは外交的配慮、政治、経済、文化等の交流関係、こういうことであります。  どうしておくれるのか、その事情を教えてください、これは局長から。

海老原紳外務大臣官房審議官

○海老原政府委員 今委員御指摘のように、航空協定につきましては、基本的には、現在、日本側から締結を希望している国はございません。他方、先方から希望してきている国というのは、ことしの二月現在で三十四カ国に上っております。  それで、なぜこういう状況になっているのかということでございますけれども、先ほども委員が御指摘になりましたように、まず、航空需要が十分あるかどうかというようなこともございまして、実際に航空協定を結びましたけれども、まだ我が国に航空機を乗り入れていないという国が七カ国ございます。それから、航空協定を結びましても、その中でいずれの国も乗り入れていないという国が四カ国ございます。  そのように、実際に結びましても必ずしも航空需要が十分でないというような場合もございますし、それから、委員御案内のとおり、成田空港の事情とか、そういうこちら側の空港の受け入れの状況もございます。  そういうこともございまして、航空協定につきましては、必ずしも先方の希望するとおりのようなペースでは進んでおらないというのが現状でございまして、この湾岸四カ国との協定につきましても、その重要性につきましてはもう先ほど御指摘のとおりでございますけれども、今に至ったというのが現状でございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 航空業界は今大変なリストラを始めております。それで、運賃も多少安くなりましたけれども、それに応じてサービスも低下するというようなこともございます。これは、アメリカにおいて、規制緩和という流れの中で航空業界の再編が行われる、また再々編が行われる、こういう実態があったわけであります。しかし、アメリカで巷間言われておりますことは、そういう経験の結果、再編、再々編の結果何が起きたか、それは、安全性が少し劣ってきたんじゃないか、このようなことが言われておるわけであります。私どもはその安全性については極めて心配する立場でございまして、事故が起こればこれはもう死につながるというのが航空機の特色でありますので、これは全く看過することができないそういう問題だと思います。  今回の議定書、二件ございますけれども、この安全性について規定するものでありますので、これは大変結構なんでございますけれども、今一般的に言っても、こういうようなアメリカの規制緩和、自由競争の世界、こういうことについていろいろな議論がなされております。日本も規制緩和してアメリカと同じようにと、グローバルスタンダードというふうなことを言っておりますけれども、しかし、それを本当にとことん推し進めていった場合に、もし安全性が損なわれるというようなことがあったならば、これは本末転倒という感じがいたします。  これは大臣、ぜひお尋ねしたいのは、そういうアメリカ式グローバルスタンダードをこういう安全が極めて大事な分野に適用するという、そういうことをこれからもどんどん進めていかなきやならないのかどうか。大臣はこれは、全体を見てどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 そもそものことでございますが、開かれた経済社会を築くために抜本的な構造改革を図ることなど、基本として、我が国自身のために規制緩和に取り組んでいかなければならないことは当然だろうと思います。そのため、規制はできる限り撤廃、緩和すべきでありますが、同時に国民の安全確保等のため、最小限の社会的規制が必要であることは、欧米も日本も共通の認識に立っておると考えております。  御質問のありました航空業界の規制緩和でございますが、これを進めて自由な競争を促していくに当たりましても、安全の確保は最も重要な課題であり、規制緩和によって航空の安全が損なわれることがないようにすることは至極当然だと考えておりますし、今委員が御指摘のように、アメリカのレーガン政権だったかと思いますけれども、航空業界の規制緩和をいたしました。そのために安全性を問われるというようなことが一時メディアで批判をされた点もありますが、お話のように、何はともあれ人命が極めて大事なのでございますので、規制緩和に当たりましては、この安全確保ということを最大のポイントとして考えていかなければならないと思っております。  今、事態は非常に、航空業界全体、グローバルな形での大競争時代に突入いたしておりまして、そのために恐らく、いろいろな意味でのリストラ等が行われるということがありまして、したがいまして、それが余りにも過度にわたるというようなことになりますと、安全性にいささかも懸念が出てくることであってはいけない。我が日本としては、まず安全を着実に確保できるという前提の上で、できる限りの企業間の競争、あるいはリストラ、あるいはまた規制緩和というようなことは考えていかなければならない、このように考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 ぜひそういう原則を貫いていただきたいと思います。  以上、終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 続いて、玄葉光一郎君。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎でございます。  まず、インドの地下核実験の問題について質問をさせていただきたいと思います。  今回、極めて残念な事態に陥ったわけでございますけれども、首相の会見の内容なんかをお聞きをすると、まさに核兵器保有国であるということを宣言したような形になっていて、また人民党のコメントなんかをお聞きしても、まさに確信犯的なところが今回あるわけでございます。  中国とかフランスとかと比較論というのが当然出てくるわけでありますけれども、ただ、私は今回非常に心配をしているのは、特に、核保有国というのが紛争を抱える地域の国々に拡散をしていくということに対して非常に心配をしているわけでございます。そして同時に、パキスタン、あるいは将来新たな、核保有国の核実験再開というものにつながりかねないのではないかという懸念を持っているわけでございます。  まず冒頭、外務大臣に、今回の事態がパキスタンそして中国にどういう影響を及ぼし、またどういう反応が予想されるのか。また、CTBT、もともと実効性は問われていたわけでありますけれども、それに対する影響をどのように考えておられるか、お聞きをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 我が国といたしましては、このたび発表した地下核実験実施が、印パ間の対話の帰趨のみならず、南アジア地域の安定、またひいては世界の安全保障に重大な影響を及ぼしかねないものとして、深く懸念をいたしておるところでございます。したがいまして、一昨日行われましたこの実験に対して、昨日、インド大使を招致いたしまして我が国の立場を申し述べたことは事実でございますが、先ほど来御質疑にもありましたように、インドとしては、パキスタン側の核搭載可能なミサイル発射実験の成功というようなものに誘発されておるというようなことを実は大使も言っておられるわけでございまして、北ないし西の隣国の脅威に対して、インドとしては自国の安全保障のために行ったことなので、理解をしてほしいというようなことを申し述べられておりました。  きょうの新聞報道でございますが、インドにおける核実験については、国内的には大変な、この内閣に対しての称賛の声が渦巻いておるというような報道もされておりますので、恐らくインド側は、今回の核実験に対して、インド国内において政府としてはやるべきことをやった、こういう御主張なのでありましょう。  しかし一方、このことによってまた、隣国たるパキスタンその他がこの問題を重大視して、お互いに核開発の競争にまた入っていくということになりますと、究極は、目には目、歯には歯ということになりますれば大変な事態が生じてくる。世界が大きく平和の方向で努力を傾注いたしておる中で、再びそのようなことが起こされていくということはあってはならないことでございますので、我が国としても、両国とも極めて友好関係にある国でございますので、我が国としての立場、特にこの核の悲惨な被害を受けた我が国として、十分この立場を理解していただくような努力をさらに傾注していかなきやならぬと、強い決意を持つ次第でございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 CTBT体制への影響についてもお聞きをしたわけでございますが、その点についてはいかがでありますか。

阿部信泰外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○阿部政府委員 CTBTは二年前に採択されまして、核保有国、それから核を持っていると疑われている国をすべて含めて批准したときに発効するということになっておりますが、その中にはインドも入っておりまして、インドが署名、批准しないうちは発効しないということで、我が国を初めとして、一生懸命その署名を働きかけてきたところでございますが、それがこのようになりまして、インドがまた一段とCTBTに対して否定的な方向が明らかになったということで、これから、CTBTを推進してきましたほかの国とも協議しまして、どうやってこれを発効に持っていくかという努力をまた再開したいと考えております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 先ほど、日本政府の対応として、しかるべき対応を検討中であるという話でございましたけれども、いつまでにODAの問題について結論を出されるのか、お聞きをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 できる限り早くということでございますが、できればきょうじゅうぐらいに結論を出して、すべてとは言いがたいと思いますけれども、何項目かにわたりまして今取りまとめをいたしておりますので、できる限りそうした我が政府の考え方をまとめて、相手国にも通告をいたしたいというふうに思います。  と同時に、近々、御案内のとおりにバーミンガムでG8の首脳会議も開かれますし、時あたかもこうした問題が起こってきておりますので、願わくば、我が国総理といたしましても、この問題についてそうした場におきまして我が国の立場を十分主張していただければ、こう思っておりますので、そのためにもできる限り早く考え方を取りまとめていきたい、このように考えております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 先ほど福田委員から、温かい気持ちでという話がございました。趣旨はよくわかるのでありますけれども、今回の事態というのは私は、比較論をすれば、先ほども申し上げましたけれども、中国などよりは悪影響が大きいと思っていまして、無償はもちろんですけれども、有償の一部にまで踏み込んで対応すべきではないかというふうに考えています。  ただ、インドに対する援助の中身などを見ますと、有償にも無償にもそうなのでありますけれども、例えば、植林とか人道援助的なものまで入っているわけでございまして、私は、今対応を検討中だということでありますけれども、そういう中身についても、ある意味で区分けをしながら考えていった方がよいのではないかというふうに考えております。  また、先ほどサミットの話が出ましたけれども、当然これは、唯一の被爆国であり非核保有国である日本が一定のイニシアチブをとることによって、何らかの統一行動がサミット参加国で行われるべきではないかというふうに思いますけれども、そんな働きかけを、外務省あるいは日本政府としてはされておられるかどうか、その点についてもお聞かせいただきたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 今回の事態に当たりましてインドにどういう措置をとるか、これは、今先生がかつての中国に対する例を挙げて御質問がございましたけれども、私ども、考慮すべき要素が当然幾つかあろう、核に関する我が国の基本的立場、また唯一の被爆国である日本国民の核、核実験に対する感情、こういうものをきちんとインドに強いメッセージとして示す必要がある。また、パキスタン、近隣諸国がインドの例にならうということがないことを希望しておりますが、万一にもそういうことのないように、そういう意味からも強いメッセージを出さなくちゃいかぬというふうに考えております。  そういうことで、いろいろな要素を勘案しつつ今検討中でございますが、中国の例も、これは一つの先例と申しますか、ケースとして参考材料にはしておるところでございます。  また、サミットで日本が、核に対する唯一の被爆国というある意味では特殊な日本の立場から、率先イニシアチブをとっていくべきではないかという御指摘でございますが、これは議長国とも連絡をとりながらそういう働きかけを行っていくということで、今検討しているところでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 先ほども触れられておりましたけれども、今回の事態はある意味ですべてが問われたのでありますが、五つの核保有クラブも今回の事態というのは、ある意味で問われたんだというふうに思います。  つまり、インドの口実というのは、いわば核保有クラブの温存を図るのがNPTであり、CTBTだということであります。これはある意味で一理ある。しかし、私たちは、これからNPT、CTBTがまずスタートなんだということで重要視しているわけでございますけれども、やはり根本的には、まさに現在の大量の核兵器を減らす、そのための道筋というものを明確にしていかなければならない。そういう意味では、核保有国の責任、これまでの五つの核保有国の責任というのも問われていると思っていますし、日本もその核軍縮の実効性を確保するためにどうしたらいいんだということがまさに問われているんだというふうに思います。  今回、サミットでもそういったことまで踏み込んで話し合いをされるおつもりがあるかどうか、その点お聞かせをいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 これは出席をされる橋本総理のお考えに存することだろうとは思いますけれども、御説のように、究極のことを言えば、すべて全世界、核完全廃絶というのが最高の理想だろうと思います。しかし、現実に今申し上げたような五つの国、核大国というものが存在をしている。もっと言いますれば、今日のこの緊張の中にも平和がもたらされてきておるゆえんのものの中には、核における他国の支配というものがこの地球上では存在し得ないというところから、核大国も核に対してこれを削減していく努力を築いているという現実がある。  一方、このCTBT、NPTの問題について、御承知のように、これを推し進めていくこともまた将来の理想に向かってであるということなんですが、この点については、先ほど申し上げましたように、インドとしては、核大国が存在をしておって、わがままという言葉は使いませんでしたが、存在をしている中で、我々は、みずから核開発することの権利は、これは失うことができないというのがあの国の主張なわけですね。  それに対して、我が国のように、完全な核、核をもってこの世界の平和をもたらすということについて、あり得ないという前提で考えている国としては、我が国のこの崇高な理念といいますか考え方というものは、広くこれは常に主張し続けなければならぬ問題であろうかと思いますが、現実に世界の中の大きな八つの国が集まるわけでありまして、またその中には、四つは核を持たぬけれども四つは持っておられる、こういう中でございます。そうした中で起こった今回のインドの核実験というものをどうとらえて、これを将来にわたって、どのように世界の大きな平和を求める形に進めていくかということについては、我が国としては当然主張あってしかるべきだろうと思いますし、また総理といたしましても、恐らくそうした考え方に基づいて我が国の立場も主張していただけるものと期待をしておるところでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 核抑止論、否定するわけではないのでありますけれども、しかし、これが紛争地域に定着をするというのが、今回の事態、私心配でありまして、何とかこれは知恵を絞り合って道筋を、全体の道筋を示していかなきゃいけないんだろうというふうに思っております。  先ほど福田委員がお触れになられた決議の問題でありますけれども、これから場内でいろいろと打ち合わせをさせていただいて、場合によってはきょう、衆議院本会議が開かれないので外務委員会で、いわゆるきょうの終わりの時間で決議をするということも含めて、打ち合わせを各理事でさせていただければというふうに思いますので、委員長、お含みおきをお願いしたいというふうに思います。  次に、ロシアの問題に少し触れさせていただきたいというふうに思っているんですけれども、その前に、関連するんですけれども、前回、外務委員会で、どこまで外交交渉を国会で明らかにすべきなのかということについて大分議論になりました。  私、とても残念だったのは、藤田委員の質問、つまり、八〇年代末期ごろ、国境線の画定案というのがソ連の指導部から出されたということがありますかという質問に対してお答えになれないという、私は、何の害があるのかなというふうに思うのです。私は、もちろん、もちろん交渉事でありますから一定の秘密保持というのはやむを得ないし、あるべきなのだろう、困難な交渉をまとめるのには、当然のことながら、その時々に発表できないこと等々、あると思います。しかし、前回の質疑の中では、とても今の日ロ交渉に害を与えるとは思えないようなことまでお答えにならないということが、私はとても残念でありました。  何であえて私こういうことを申し上げているかといいますと、私はまだ国会議員になって五年目でありますけれども、時々、特に他の省庁よりもと申し上げて私はいいのかなと思っていますけれども、外務省には、何となく、国民のお一人お一人に理解を求める、そういう意識が薄いのかなという気がしてならないのです。  最近では、劣化ウラン弾の誤射事件があって、県に通報がおくれる。ああいうことがあると本当に信頼がなくなる。あるいは、私が覚えているのは、当時、私、与党でありましたけれども、国際司法裁判所に核兵器の使用の違法性を問う決議があったわけでありますけれども、それを棄権したということが全然知らされていない。当時、与党で問題になったのを私覚えているのです。さきがけに私おりましたから、小さな政党で、結構与党の中でがちゃがちゃもめていた、そういう記憶が実はあって、やはり私は、もう少しいい意味での根回しとか、国民にも説明をするのだという外務省の意識というのはあった方がいいというふうに思っていますが、その点、いかがでありましょう。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 すべからく、オープンデモクラシーの社会におきましては、情報というものは公開を可能な限り行って、そのことに対する批判等は、国民の現在の理解をする力からいえば、これは正当に批判をされ、そして、そのことによって、政府としてはそうした声を背景にまた新しい展開を図っていくべきだということは、これは当然なことだろうと思っております。  そこで、前回の外務委員会で、たまたま対ロ問題についてのいろいろ過去の経過についてのお尋ねがございまして、今具体的に申されました渡辺外務大臣の、何といいますか、会談下における考え方をお示しされて、その有無についてお話しされました。  私も、十分掘り下げて、その問題を十分事務当局と詰めて、その成り行きを承知した上で御答弁申し上げればよかったわけですが、当時としては、その答弁を最初にいたしましたときには、その事実関係について私も承知をしていなかったものですから、大変不明を恥じながら、あえて御答弁申し上げたわけです。  ただ、私の気持ちとしては、特にあのときに領土画定問題を当時の外務大臣が御発言されていたということが念頭にちょっとよぎりまして、というのは、当時、すべての我が国のマスメディアがこの問題を取り上げて、橋本総理の川奈における新しい提言なるものについてエリツィン大統領が記者会見で言われたこと、言われたことは内容については何もお話しされておらない、しかし、推測としてそうしたことが出て、またそのことが出たことが、今度はロシア側がそれを持ち帰っていろいろ論議をするのに、かつてこういつた論議が行われ、かつ責任ある立場の者がそうした発言をしておったというようなことを確認していくことが、また当時のメディアのいろいろ記事を何かギャランティーするようなことがあってはいけない、そういう気持ちが、率直に申し上げてあったので、そのようにお話をいたしました。  したがいまして、明らかにすべきことは当然明らかにしなければなりませんが、特に交渉事につきましては、俗っぽく言えば、手のうちというものも恐らく世界どこの外交交渉においてもお互いあるんだろうと思います。我が国としては、誠実に総理が御提案しており、かつ、大統領としても十分これを真摯に受けとめますという段階でございますので、それに対して予見を与えるようなことはあってはいけないという立場で口ごもった点もあったかと思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。  一般論として言えば、できる限り広く、オープンにできるものはしていきながら、国民の正当な御批判の上に外交というものは進めていかなければならぬ、私自身はそう考えております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 やはり情報は国民のものだという意識を、ぜひ外務省にはもっと持っていただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。  もうちょっと触れると、先ほど申し上げたように、一方で、隠さなければいけないことは当然これはあって、まさにそこはしっかり情報管理をやらなければならないわけでありますけれども、どうも今回の状況を見ていると、その大事な部分がどこからか漏れているのかなというふうに思っていまして、私は、そういう意味では、今回の日ロ首脳会談の問題について言えば、その情報管理の甘さも指摘をしなければいけないなというふうに実は思っているのです。その点、もしコメントがあれば、一言お願いをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 ある意味では御関心かと思いますが、一番の重要な点についての、我が国の新しい提案並びにそれに対する対応、この会談はまさに首脳同士でございまして、もちろん私も参加しておりません。したがいまして、まことに少数な方がやっておられますので、私は、そういう意味からいうと、この秘密の漏えいなどということは絶対あり得ないというふうに感じておりますので、その後いろいろメディアが大きく取り上げていることも推測を超えるものではない、こういうふうに考えておりまして、軽々なこの内容の漏えいというようなことは絶対あり得ない、このように考えております。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 もうこれ以上申し上げません。  今回、中馬委員長を団長として、福田先生、森山先生、そして松沢先生、そして平和・改革のお二人、富田先生、長内先生とロシアを訪問させていただきました。一点だけそれを踏まえた指摘をさせていただきたいというふうに思うのです。  今回私が行って感じたことは、基本的には友好な雰囲気というのができ上がりつつあるなというふうに感じました。イタル・タスのイグナチェンコ社長は、各マスコミとも日本について否定的印象を与えるような報道を避けているというようなことをおっしゃっておられた。あるいはジュガーノフ議長、共産党の議長も、自分が選挙に出るときの重要政策の一つは善隣友好外交で、当然日本もその大事な国の一つだというような話もされておられた、そういう空気は率直に感じました。  ただ、これは実は、金曜日にこの委員会で、外務委員長から報告があるようでありまずけれども、これは認識がちょっと違うかもしれませんが、一様に皆さん、領土の問題については急がないでくださいねという話、二〇〇〇年は無理ですよねというような私は受けとめ方をいたしました。つまり、認識ギャップというのがやはりあるなというふうに思っているわけであります。  恐らく、総理も外務省も、二〇〇〇年までに東京宣言に基づいて平和条約を締結するというクラスノヤルスクの会談の合意を喜んだし、驚いたというふうに私は感じています。私自身も喜びました。それ以来、ある意味では、総理も外務省も外務大臣も、これは私の主観かもしれませんが、エリツィンにかけているという感じを実は受けているわけであります。私は、エリツィン大統領にかけるということを全く否定するつもりはございません。つまり、何らかの、政権交代があったときとか、強力な指導者が出てきたときとか、新たな価値観を持った指導者が出てきたとき、私は難しい交渉を打開するチャンスだと思っていますから、そういう意味では、エリツィン大統領にかける、その姿勢、チャンスだ、そういうとらえ方というのは基本的に正しいというふうに思っています。  ただ、仮に日本側が今回、内容は私はわかりませんけれども、提案をした中身についてロシア側が受け入れる形で二〇〇〇年までに平和友好条約が、友好協力条約と申し上げた方がいいのでしょうか、条約が結ばれた場合、今の雰囲気でいったときにロシアの議会というのは批准するんだろうかというのが私の率直な心配になりました、行ってみて。行ってみて心配になりました。  もし、うまく、エリツィンが決断をされて平和条約が結ばれる、そうなったら、恐らく私は、今の空気のまま推移するのであれば、ロシア議会というのはなかなか批准しないのじゃないか。あるいは、九九年のロシア議会の選挙あるいは二〇〇〇年の大統領選挙において、いわばこの領土の問題が争点になってしまって、後になって軌道修正できないことにならないか、それが私は、心配として、今回行って起こったのです。  いずれにしても、今やるべきは、エリツィンにかけると同時に、やはり議会と世論、特に議会、その対策をしっかりこれはやっていかないと、大変なことになるぞというのが私の行ってみての感想でございますけれども、そういういわゆる議会対策等々について、どういうふうにお考えになつておられるか、まだそこまで外務省として気が回っていないのかどうか、その点についてもお伺いをしたいと思います。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 お答え申し上げます。  先生がおっしゃるとおりでございまして、議会対策、世論の対策は非常に必要だというふうに思っております。  これは、もう既にかねてからそういう気持ちでやっている次第でございまして、特に、ロシアの議会の指導的な立場の方々、それからいろいろな政党の指導的な立場の方々、それから日本との関係のあるなしにかかわらず、この問題ないしは日本との周辺的な問題につきまして理解を得るように最大限の努力はしているつもりでございます。  具体的に申しますと、大使館におきまして、モスクワの大使館及びサンクトペテルブルグの大使館それからウラジオストクの大使館その他におきまして、できる限りの接触と対話をしている次第でございまして、すべての人員を動員いたしましてその方面に努力をしている最中でございます。さらに一生懸命やっておりますのは、我が国に来ていただいて、我が国の実態を知ってもらう、それから、私どもないしはいろいろな方々と議論をしていただくといったようなこともいたしている次第でございます。  それから、さらに、民間の諸機関におきましてもいろいろなレベルにおきまして対話を進めておられるわけでございますけれども、そういうものを、私どもといたしましてもいろいろな面から支援をしていくということを一生懸命やっている次第でございます。  もとより、ロシアの国全体、それからそこで指導的な立場に立っておられます政治家の方々の数も非常に多いわけでございますし、その方々のすべてに完全に説得をしたり説明をしたりということをし切れているということではないわけでございますけれども、非常に大きな勢力を割きまして世論に働きかけていくということは、現在もしている最中でございますし、これからもしていくつもりでございます。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今欧亜局長から答弁申し上げたところでございますが、まずもって、中馬委員長初め議員の諸先生方がロシアほか訪問されまして、さらに我が国の立場も十分お話をいただいたことだろうと思いますし、いろいろのお働きをいただいたことを感謝するとともに、こうした事柄が一つ一つ大きく実ることを心から我々も、重ねて努力をしなければならぬと思っております。  先ほど、エリツィン大統領にかけるというお話ございましたが、いずれにしても、ロシアも議会制の政治を取り入れたところでございますから、御指摘のように、署名をされ、調印があっても、これは批准しなければならぬ、それの議会ということでございますし、そういう意味で議会人同士の交流も大変大切ですし、最近はロシア側からも入れかわり立ちかわり議員の方々がお見えになって、我々も対応しておるところでございまして、大変こうした蓄積によって、必ずいい方向が出てくるものと確信いたしております。  それから、メディアに対してでございますが、これもお話ししたかもしれませんが、私がことしエリツィンさんにお目にかかりましたときにも、私にもエリツィン大統領も、クラスノヤルスクでの以降、自分としては、自分のこの問題にかける気持ちを理解させるためにはロシアの国民に理解を求めなければならない、そのためには、自分としては、自分自身が先頭に立ってその努力をしておりかつ成果が上がりつつあると、かなり自信を持って私にも申されておったところを考えますと、その重要性も非常に認識をしておるのじゃないか。  御案内のように、ロシアもかつてと違いまして、いろいろテレビにしろメディアにしろ、かなりいろいろな自由な意見も発せられておるところでございますので、そういった意味で、世論の形成というものについて、我々自身もいろいろな形で情報を提供して理解を求めていくということを努力しなければならぬと思っておりますが、率直に申し上げますと、この川奈での会談後、我が国のメディアはすべて一面トップの報道でございますが、たしかエリツィンが帰られて、ロシア、モスクワでの報道は、何といってもキリエンコの首相任命の問題であって、我が国との関係は必ずしも大きく取り上げられておらなかったというようなことでもございますから、これからは積極的に、我が国の立場、そしていろいろな人的な交流を通じて、もっともっと盛んにその関係を強くしていく努力をしていくということが極めて大切なことだと認識をいたしておる次第でございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 ある大統領候補者が、私がさっき申し上げたようなことを一言おっしゃったのですね。つまり、大統領選挙を通じて後で軌道修正できないような事態になることが怖い、それはとても日本の立場に理解があると、私からすれば申し上げたい大統領候補者でございまして、そういう意味では、私も同じような不安を実は持ったものですから、ぜひ議会の対策。  それと同時に、IMEMOという研究所に参りましたけれども、私、そこのファイナンスをお聞きして、とてもおもしろいなと思ったのです。それは、IMEMOというのは六百人の学者を抱えているということでありますけれども、ソ連時代は九五%、国庫だった。それが今は三〇%ぐらいで、残りはいろいろなビルのオフィスをレンタルしたりあるいは出版なんかで補っているのだけれども、一部は日本の国際交流基金からも、日本からも出ているんだという話があったのですね。私は、こういうオピニオンリーダーの方々への接触も、個々でなされると同時に、国としてこういう形でどんどん援助されたらいいのじゃないかというふうにも思いました。  いずれにしても、重層的なアプローチというのを人脈にもぜひ適用してもらって、これは我々の議会の役割も大事だと思いますけれども、二〇〇〇年に向けて、よい環境が整備できるように我々も頑張らせていただきたいというふうに考えているところでございます。  もうロシアの問題はこのぐらいにしておきまして、一つガイドラインというか、周辺事態法の周辺事態並びに周辺の範囲というものについてここで尋ねておきたいというふうに思うのです。これまでも何回かあったかもしれませんけれども、お尋ねをしたい。  つまり、周辺事態とは何か、周辺の範囲というのはどこなのかということでありますけれども、これまでの説明は繰り返し繰り返し、周辺事態あるいは周辺の範囲というのは、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態であって、地理的な概念ではないというふうに言いつつも、朝鮮半島の事態は周辺事態であって、湾岸における事態はガイドラインは想定をしていない、そんな説明かなというふうに感じております。  周辺事態法の基本というのは、言うまでもなく日米安保条約だというふうに思うのですけれども、では、なぜ六条の極東という概念を用いないのか、私はまだこの点について理解できません。その点についてお尋ねをしたいと思います。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 周辺事態の定義でございますが、今御指摘のとおり、周辺事態というのは、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態という、事態の性質に着目した概念でございます。  その周辺事態にある事態が該当するかどうかということは、その事態の態様、規模等を総合的に勘案して判断するということになっております。その場合、典型的に言えば、我が国の周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような武力紛争が発生している場合、またはこのような武力紛争の発生が差し迫っているというふうな状況が考えられるかと思います。  極東との関係でございますが、周辺事態というのは、先ほど申し上げましたように、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態ということでございますが、極東は、安保条約の目的を達成する上で、国際の平和と安全の維持に日米が共通の関心を有している区域でございます。これは、その範囲を昭和三十五年の統一見解において明らかにしているところでございます。  いずれも我が国の平和と安全に密接に、いずれもと申し上げますのは、周辺事態も我が国の平和と安全に密接に関連いたしますし、極東も我が国の平和と安全に密接に関連するものでございますけれども、それぞれ性格を異にする概念ということでございます。  それで、今回、ガイドラインで極東という言葉を使っていないということとの関係でございますが、周辺事態における対応ということでガイドラインに書いてございますのは、今回、特にこれまで予想されていなかったような、いわゆる主体的活動という概念であそこに書いておりますような被災民の救援とか、あるいは邦人保護の問題とか、あるいは船舶検査というようなことがより重要な点になってきている。これらは、これまでの安保条約で考えられていたような意味での我が国と米国との協力関係とは違って、我が国も主体的に活動するという部分が入ってきているという意味で、単に極東という概念とは異なったものであるということから、ここで周辺事態という概念を使わせていただいているということでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 ちょっとよくわからないです。  それでは、地理的な概念じゃないと言いつつ、先ほど来から、私も申し上げておりますけれども、朝鮮半島の事態は入ります、湾岸は入らない、そういうふうにお答えになられているし、周辺事態の周辺というのはどう考えても地理的な概念なのだろうというふうに思うのですね。  ある特定の地域に起こる事態というのがガイドラインの適用の範囲に当たるのかどうかということについて、地理的な概念じゃないということを踏まえながらも、極東と比べてみたいと思うのですけれども、基本的に極東の範囲と周辺はオーバーラップするというふうに考えてよろしいのでしょうか。

竹内行夫外務省条約局長

○竹内政府委員 まず、委員の御理解を得たいと思いますので、地理的概念ではないということの意味でございますが、先ほど委員からは朝鮮半島の事態であれば周辺事態になるであろう、こう政府も従来申しておるという趣旨のことをおっしゃられました。  我々が従来から申しておりますのは、周辺事態といいますのは、まさしくその事態の性格とか規模とかに着目をいたしまして総合的に判断するということでございますので、どこどこの地域における事態がその地域において起こったからといって即周辺事態になるということはない。よりわかりやすく具体的に申しますと、委員が先ほど申されました地域におきます事態も、その地域のいかんによって、それが周辺事態になるというふうなことを決めつけるわけではございません。  ただ、従来から申しておりますのは、中東とか湾岸とかいう日本から遠隔の地域におきます事態というものが、その安保条約が問題といたします我が国の平和と安全、軍事的な概念が中心となりますけれども、それに事実の問題として重大な影響を与えるような事態であろうかどうか、これは事実認識の問題でございます。  その観点からいいまして、現実の問題として、そういう遠隔の地での事態というのは周辺事態ということと想定はされないだろう、こういうことを従来申し上げているわけでございます。  その意味におきまして、地理的概念でないという趣旨は、あらかじめある特定の地域におきまして生起しました事態が周辺事態であると決めつけるということはない、あらかじめ地理的範囲は特定できないということで地理的概念ではない、こういうことを申し上げております。  それから、最後にお尋ねの、極東と日本の関係でございますけれども、これもいわば論理的な点でございますけれども、日本は極東の中に含まれるわけでございます。極東の一部でございます。したがいまして、日本の平和と安全に対して重要な影響が及ぶ事態というのは、論理的に申しまして、極東に対しても重要な影響が及んでいる事態である、こういうことだろうと思います。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 じゃ、またちょっと別の聞き方をしますけれども、極東と周辺というのはそのほとんどがオーバーラップしているのか、極東は周辺より広い概念なのか狭い概念なのか、それとも、まさにケース・バイ・ケースで、極東の中であったり外であったりするのか。その点どうでしょうか。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 日本の周辺事態でございますが、これはまず、日本の平和と安全に重要な影響を与えるという事態でございます。その事態は、当然そういう事態が起きていれば極東の安全に脅威が及ぼされているという事態であることは、日本が極東の一部であるということから、そういうことになるというふうに考えております。  それでは、いわゆる極東に起きた事態がすべて、今申し上げました周辺事態になるかということになれば、先ほど申し上げましたように、周辺事態というのは日本の平和と安全に重要な影響を与える事態でございますから、それはそういうことにはならないということになると思います。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 いや、だとすれば、先ほど私が最後に申し上げた、ケース・バイ・ケースで、周辺事態というのは極東の中で起こることもあり得るし、外で起こることもあり得るというふうに考えてよろしいのですか。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 周辺事態と申し上げましたのは、先ほど来申し上げている定義で、日本の平和と安全に重要な影響を与えるということで、それは、その判断基準は、日本の平和と安全に重要な影響を与えるか。  極東に関して申し上げますと、極東というのは、極東の平和と安全が我が国と米国の共通の関心の対象としての地域でございます。その平和と安全の維持に関連して米軍が活動する、行動する地域というのは、これは従来から申し上げておりますように、必ずしもいわゆる極東ということに限定されておらず、米軍の活動範囲というのは極東の周辺にも及び得るということも、これまた申し上げてきているとおりでございます。  ですから、極東という言葉、これは統一見解で言う極東という概念でございますね、これと周辺事態というものがどういう関係になるか、同一概念であるかということは、必ずしもその比較ができない。つまり、極東というのは、その目的としての、日米の両国が関心を有する平和と安全を維持しなければならない地域でございますが、周辺事態というのは、先ほど申し上げました定義から生じ得る事態でございますので、極東と周辺事態が起き得る地域ということを比較することはできない、こういうことではないかと思います。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 そうすると、とにかく極東は目的というものに立脚した概念で、今のお話だとそうなんですね、そして、周辺事態というのはいわば事態に立脚した概念なので、これを地理的に示した場合は、別々の地理的範囲だということなんですか。その地理的な範囲をお聞かせいただきたい。前段はわかりました。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 周辺事態が地理的概念ではないということがまずあるわけでございます。周辺事態ということが起きた場合に、その事態が起きたかどうかという判断の基準は、その事態の規模とか態様で判断する。  例えば、緯度経度で正確に画された地域を指定しまして、その外で生じた事態は一切周辺事態に当たらないということは、これまた困難なわけでございます。事柄の性格上、先ほど申し上げましたような基準で判断せざるを得ないということで、ある一定の地域を指定して、その内か外で起きた場合に、外で起きたら全く周辺事態にならない、あるいは中で起きれば必ず周辺事態になるという性格の概念ではないということでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 じゃ、そうすると、あり得る話としては、例えばインド洋とかインドシナとかインドネシアとか、そこで起きた事態も周辺事態になることはあり得るというふうに考えてよろしいのですか。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 この点は何回も御答弁申し上げておりますが、先ほど申し上げましたように、周辺事態というのは、軍事的な観点を初めとする種々の観点から見て、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態ですので、こういう事態が、例えば中東やインド洋で発生することは、現実の問題としては、基本的に想定できないということを申し上げておるわけでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 ということは、中東、インド洋はないということは、先ほど申し上げたようなインドシナ、インドネシアはあるということと考えてよろしいということでありますか。  私は、何でこういうことを何回も聞くかというと、やはりわからないのですよ、一般的に。私は、安保条約の運用というのが、せっかくこれをしっかりとした実効性あるものにつくり上げようとしているときに、再び何か不透明になっちゃうのかなというのが心配だし、具体的な対応とか体制の整備をしていくときに、そこの概念が明確にならないと、私はしっかりとした対応というのはできないと思うのですね。いかがですか。

高野紀元外務省北米局長

○高野政府委員 ガイドラインを今回新しくいたしまして、その中で平素における協力あるいは日本に対する武力攻撃の事態、それから周辺事態ということで整理させていただいているわけで、まさに周辺事態というのは、今度のガイドラインの整備の中で重要な、中核的な部分であるということはそのとおりでございます。  そこで、まず申し上げたいのは、この周辺事態というのは、先ほど申し上げましたような日本の平和と安全に重要な影響を与える事態でございますから、これは日米安保条約の枠の中における日米間の協力であることは、その定義上当然であるということでございます。その安保条約の大きな枠の中で行われる日米間の協力について、具体的な協力のあり方についていろいろ協議をし、これに必要な範囲における我が国の法整備あるいは日米間の取り決めもしているという関係にあるということでございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 これから何回か機会があると思いますから、その点も含めて、これから議論をさせていただきたいというふうに思います。  もう時間がなくなりましたので、最後に、今回かかる協定について最後にお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、私からは、ICAO、国際民間航空条約第三条の二の改正議定書についてお伺いをしたいと思います。  今から十五年前の大韓航空機撃墜事件は、私も今も覚えております。そのときたしか日本人が乗客として乗っていて、たしか三十人近く乗っていたんじゃないかと思いますけれども、まさに衝撃を与えた事件でありました。  そういった事件を防止するために、今回明文化をしたということのようでありますけれども、まさに今から十五年前の話でありまして、何でこんなに時間がかかるのかなというのが率直な疑問でございますが、その点について、今回の締結の意義と同時に、改めてお伺いをしたいと思います。

大島正太郎外務省経済局長

○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。  今回お諮りしておりますシカゴ条約関係の改正議定書の二本のうちの、特に第一の第三条の二に関する御質問でございますが、これの意義につきまして、まず御説明申し上げます。  この改正議定書は、委員今御指摘でございますけれども、既に国際法の原則である民間航空機に対する武器の不使用、これをシカゴ条約上の義務として明文化する、そういったことによって、大韓航空機撃墜事件と同様の事件の再発を防止するということが目的でございまして、そこにこの意義がございます。  しからば、なぜ最初に作成されてから今回まで時間がかかったかという御質問でございますが、まず、その内容及び国内実施のための関係法令について、慎重な検討を行ってきたということでございます。第三条二の議定書の発効の見通しが得られつつあるということで、各国の実施状況も踏まえ、所要の検討を了しましたところで、今回、国会の承認をお求めいたしておるところでございます。  では、具体的にどういつだ点で検討をしてきたかと申しますと、例えばこの議定書については、三条の二の(c)項でございますけれども、これに基づいて、他国の領空で着陸命令に従わなかった自国籍の民間航空機に対してどのような措置をとるべきか、こういった問題が国内の措置としてございました。それについて慎重な検討を行ってきて、今回それも固まり、かつ、議定書全体としての発効の見通しもできてきた、こういうことでお諮りしている次第でございます。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 終わります。どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 東順治君。

東順治平和・改革

○東(順)委員 私、四月一日からこの外務委員会に新しく籍を置かせていただくようになりました、新党平和の東順治と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、私も、まず冒頭に、このインドの核実験につきましてお伺いしたいと思います。  率直に言って、どういう制裁措置を考えておられるのかということでございます。内容もさることながら、私は今回、私たちの国、平和大国日本、しかも、ODAの四原則というものを高らかに掲げて経済援助もしている。こういう国が、大変大きく経済援助をしてきたインドという国、そこが核実験をやる、あっと世界を驚かせる。何で、二十一世紀まであともう二年、三年もないのに、また核実験かよ、いいかげんにしなさいという世界のごうごうたる非難を浴びる。  こういう状況の中で、平和国家日本が、今回のインドの決して許してはいけない核実験という問題に対しまして、どういうアピールを世界に対してするのか。つまりそれは、今回、インドに対するどういう接し方をやるのか、どういう制裁の仕方をするのか、なぜゆえこういう制裁をしなければならないという説明をどのようにきちんとするのか。世界に対して非常に重要なメッセージを日本が送れるかどうか、極めて大事なことなのだろうと思います。  しかも、余り時間がない。サミットがもう間もなくでございますので、その辺に対して、そういう観点から今どのようなものをされようとなさっておられるのか、その辺からまず伺いたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今次インドの地下核実験に対しての我が政府、我が国民の気持ちは、今東委員、御指摘のとおりでございます。さすればということに相なりますが、極論を言えば、国と国との関係を絶つということが最大のことになるのでしょうけれども、そういうことは、先ほど来、御議論のありましたように、インドとは特に長き友好関係を保ち、さらにそれを大きく発展させていかなければならない今次時点でございまして、そういう中で、我が国の立場をいかにお伝えし、そして、インドがこうした核実験を二度と再び行わないためにどういう措置を我が国としてできるかということを、今真剣に考えておるところでございます。  率直に、具体的に申し上げれば、かつて中国が核実験を行った経緯がございます。そのときに、我が国として対応した幾つかの対応ぶりがございますので、一応そうしたことも参考に相なるのではないかという感じがいたしております。  と同時に、先ほど来、御答弁申し上げておりますように、時あたかもG8のサミットが開かれるというところでございますので、我が国は世界唯一の被爆国という観点からも、我が国としての対応をそうした国々に対して十分アピールをし、我が国のメッセージを伝え、そして、そうした国際世論の中で、またインドをして再びそうしたことのないように、いろいろな枠をはめていくという努力をしていかなければならないのではないか。  具体的な問題については、今申し上げたように、過去、隣国での実験に対して対処したこともございますし、私も、昨旦インド大使に、経済協力等を含めての対応をとらざるを得ない、これが国民世論でもございますということだけはお伝えしておりますので、それがどういう形になるかということを今検討しておる、こういうことでございます。

東順治平和・改革

○東(順)委員 これから、それをより具体化していかなければいけないという段階なのだろうと思います。要するに、世界が見て、これまでの日本とインドの関係もよくわかる。しかし、さすがに日本は、今回このインドの問題に対して、なるほどと思われるような納得のいく、対応をきちんとしたという、非常に納得性のある外交をしなければいけないのではなかろうか、こう思います。  私は、やはり四つの観点から申し上げてみたいと思います。  一つは、今も外務大臣がおっしゃいましたように、世界で唯一の被爆国である日本からのメッセージ、この日本が今回のインドの核実験に対してどう出るか、これは非常に大きなことだと思います。つまり、平和国家日本としての威信というものをやはりまずきちんと示さなければいけない、これが一つだと思います。  それから、インドに対して大変大きな経済援助の国である。これは、これまで多大な経済援助をしてきたその責任というものが、世界に対してある。これもやはりきちんと示さなければいけないのだろうと思います。九七年度分が、無償の協力にしても三十五億、円借款で一千三百二十七億、大変膨大な額。何もそれは水爆のような核実験をさせるために援助をしてきたわけでも何でもないわけで、発展を願い、そして平和な国家をしっかり築いていってもらいたい、そういう願望のもとに援助してきているわけですから、多大な援助をしてきた責任というものが世界に対してある。私はそう思います。これが二つ目です。  それから三つ目に、日本にはODAを実施するすばらしい理念があるのですね。四原則というものがございます。これをやはりこの際、日本にはこういうODAの四原則というものがあるのですよということを世界にきちっと認知させる、いわばその試金石であろうかと思います。ODAの四原則に照らして、これはもうとても今回の核実験なんというのは看過できるようなことではないということをきちっと示すべきである。  最後に、我が国が、これまでインドに対しまして、ODA大綱の原則に照らして、機会あるごとにNPTへの参加、加入、あるいはCTBTへの署名、批准、あるいはともかく核問題の透明性みたいなところを何度も何度も言ってきている経緯がある。総理なんかもおっしゃっていましたけれども、核実験なんということをやらないでほしいという手紙を書いたそのやさきにこういうことをやられたということも新聞で読んだりしましたけれども、こういう努力をきちっと今までインドに対してやってきている。  にもかかわらず今回のことということで、この四つの観点から、私は、まず第一に、バーミンガム・サミットで、やはりインド非難の特別声明というものをきちっとサミットの名のもとに行う、その採択の働きかけを日本が一番声を大きくしてやるべきだろう、こう思います。  二番目に、確かに無償資金協力をとめるということは恐らくもうだれしもがやむを得ないことだろうと考えるのでしょうが、問題はその先の円借款という問題、ここまでやはり踏み込むぐらいの強い姿勢で今回の問題に対応することが、先ほど言いました四つの理由からの日本の世界に対する、きちっとした明瞭なわかりやすいメッセージだろうというふうに思います。  それで、先ほどのODAの四原則の問題ですけれども、これは同時に予防平和外交というのでしょうか、いわば予防的に平和というものをきちんと担保していくというか予防平和外交的な、そういう平和維持機能の働きも反面ODAというものはあるわけですから、その意味でも非常に大きいというようなことで、長々と申し上げましたが、私はその四つの理由から、今回サミットでこのようにインド非難の特別声明採択に最大の力を日本が発揮するべきである、同時に、円借款まで今回は制裁は足を踏み入れるべきである、このように思います。こういう考えに対してどのようにお考えか、伺いたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今委員御指摘の四つのポイントは全くそのとおりだろうと思っておりますので、そうした観点に立ちまして、我が国としての対処について、先ほど申し上げたように、真剣に今その対応ぶりについて検討いたしておるところでございます。  それから、サミットにおいて特別声明ということをお話しされました。  声明になるかどうかわかりませんが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、我が国として出席いたします橋本総理自身も、大変この問題について大きな怒りの気持ちを持っておられます。そうしたことで、せっかくの出席の機会でございますので、八カ国においてこの問題をどのように取り上げていただくかということについては先ほど来御答弁申し上げておるとおりでございます。声明にするかどうかについては、議長国たるイギリスの立場もございますから、そうした意味で、我が国でもそうした声があったということもお伝えもできれば、こう願っております。  それから、円借についてでございます。  先ほど来福田委員からも御指摘のように、円借とて人道にかかわるような各プロジェクト等の問題もございます。したがいまして、一番簡単といいますか、過去の例、中国に対してのように無償援助の停止ということでとどめ、円借についてはこれは別ということにするのか否かについては検討の余地もあろうかと思いますが、一つの考え方として、経済協力等ということで昨日申し上げておりますので、その中で円借についてどう考えるかということも一つのポイントであることは、私も承知をいたしております。  ただ、中国のとき対応した我が国の対応とどのように変化があるのか、また今度の核実験、中国の核実験をどうとらえるかというような問題もありますので、含めて今真剣に検討しており、そして実効が上がる、すなわちインドとしても、我が国がそのような厳しい対応をもちましてこの問題について考えておるということをいかにして理解をいただけるかという観点で対処していきたい、このように考えております。

東順治平和・改革

○東(順)委員 ぜひ平和国家日本の顔がきちんと見える、世界から認められるといいますか、そういったことがきちんと認識される御対応をやっていただければ、このように願っております。  続きまして、ICAOの条約について若干触れさせていただきたいと思います。  先ほども玄葉委員の方からございましたけれども、私の方も、本当に素朴に考えまして、あれだけの犠牲者を出した大韓航空機の撃墜事件でもって大きな問題になった、これが十四年も放置されて、今ごろ国会承認というものが求められるという状況になる、どう考えたって、これはどうしてなのだろう、こう思うわけでございます。先ほどの答弁の中で、ようやくこの条約発効の見通しがつき始めたから云々ということがございました。また、国内関連法令に慎重に整合性を持たせるために時間がかかったのだ、このような御答弁がございましたけれども、これだけの国際化の時代に、こういつたことで果たしていいのだろうかと、僕は極めて素朴にそのように思います。  当時の衆議院の予算委員会で安倍外務大臣が、民間航空機に対する武器不使用の規定について、つまり、この大韓航空機事件があったその直後の予算委員会の答弁としてこのように述べておられるのですね。要するに、この条約の中に民間航空機に対して武器を使ってはいけないというものが入っていないからきっちり入れなければいけないのじゃないか、単なる資料の中にそういうものが入っているということではだめじゃないのか、こういう質問に対して安倍大臣が、あくまでもこれは条約本文の中に入れるのが今後の民間機撃墜を阻止する基本になると思いますので、日本政府としては全力を挙げてICAOの本文に載せるよう努力をします、こう述べておられるのですね。物すごい勢いで述べておられる。意気込み。一九八三年九月十九日の予算委員会、全力を挙げてICAOの本文に載せるように努力する。つまり、この大韓航空機事故というのは大変な事故だ、事件だ、しかも我が国からも二十八人の犠牲者が出ているわけですから、これは大変なことだからということで、どこの国よりも率先してこの問題には取り組むよ、こういう雰囲気の答弁をしておるわけですね。  そして、それから十四年ということになるわけで、これは一体どうしたことなのだろう。やはり犠牲者の出た韓国は、議定書採択の翌年、八五年二月に本議定書を批准しておるわけでございまして、何でこんなに差がついてしまうのだろう、こんなことで果たして国際社会の中で通用するのかな、いいのかな、私はこう思うのです。これからも、こんな条約のたぐい、議定書のたぐいに対する批准というような問題はどんどん起こってくるわけで、やはり優先順位ということをきちっと決めて、そして大事なものはどんどん批准をしていかないと、これは信用問題になろうかな。  むしろ、日本は被害者なのですから、二十八人も大変な犠牲者を出して、どこよりも率先して叫び続けて、私は早く批准にこぎつけるというようなことをしなければいけなかったのじゃなかろうか。それが、何とか発効されそうな見通しがつきましたのでみたいなことで果たしていいのだろうかな、このように思っているものですから、この辺に対する御見解をお願いします。

海老原紳外務大臣官房審議官

○海老原政府委員 委員御指摘のとおり、この議定書につきましては、我が方は非常に重要であるというふうに考えております。特に、大韓航空機事件におきまして二十九人の日本人が犠牲になったということもございまして、この議定書の作成過程におきましては、日本側はこれに積極的に参加をいたしまして、積極的に修正案を提出するといったような形で貢献をいたしておりました。  他方、今まで締結をいたさなかったというおしかりにつきましては、私どももそれを受けとめざるを得ない面もあるわけでございますけれども、先ほども経済局長から御答弁を申し上げましたけれども、国内法との整合性の問題ということをかなり慎重に詰めておったということはございます。  先ほども答弁にありましたけれども、この(c)項におきまして、着陸の要求その他の指示を要撃機から受けた場合にこれに従うということを確保すべく必要な措置をとるということになっておりまして、特にこの関係で国内法の違反があった場合には「重い制裁を課する」ということが規定されております。この「重い制裁」と申しますのは、刑罰あるいは行政罰の双方を包むものでございますけれども、これが何分刑罰にかかわるということがございますので、他の規定にも増しまして慎重な検討をしてきたということで時間が少々かかりましたということはございます。  また、先ほど発効の見通しがついてまいりましたのでというようなことも申し上げましたけれども、そもそもこの議定書につきましては、これは一般国際法上の原則を再確認するという性格がございます。これは、前文におきましても「民間航空機に対して武器を使用しないとの原則を再確認する」ということが書いてございますし、また、この(a)項におきましても、武器の使用を差し控えなければならないという原則を承認するというような言い方をしてございまして、これはこの議定書によって、初めてこういう原則が国際法上の原則となるというのではなくて、既にあります一般国際法上の原則をここで再確認するという性格がございまして、そういう意味では、この議定書に入っておらなくても、民間航空機に対する武器の不使用というのは、一般国際法上の義務として我が方もこれを遵守してきた、それから他国につきましてもこれを遵守する義務があるというような事情もございまして、そういうこともございまして、例えばアメリカなども、この議定書はまだ締結はしておりませんけれども、民間航空機に対する武器の不使用というのは一般国際法上の原則としてこれは遵守するということを明確にしております。

東順治平和・改革

○東(順)委員 それでは、時間もどんどん過ぎておりますので、次の問題に移りたいと思います。  私の方も日ロ問題について伺いたいと思います。  この五月六日、日ロの外務次官級分科会が開かれまして、まず確認したいのですけれども、この外務次官級分科会で、領土問題について、我が国はどのような説明をしたのでしょうか。また、合意が得られたとすればどのようなその内容だりたのでしょうか。具体的に、できるだけ具体的に、お答えできる範囲で結構でございますので、お願いしたいと思います。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 五月六日、今先生がおっしゃられますとおり、モスクワにおきまして日ロ次官級の分科会を行ったところでございます。そこにおきましては、まず第一に、何よりもこのクラスノヤルスクの合意に基づきまして、それを実質的に進めるということのために双方の作業を加速化しようということに合意をしたわけでございます。  平和条約の関係の議論につきましては、川奈におきまして次のような合意がなされたわけでございますが、それは、平和条約が東京宣言の第二項に基づきまして四島の帰属の問題を解決することを内容とし、二十一世紀に向けて日ロの友好協力に関する原則なども盛り込むべきものである、そういう合意をしたわけでございますけれども、この合意の、交渉の基本方針といたしまして、将来、平和条約におきましてどういうことを盛り込むべきかという議論をいたしたわけでございます。その議論のもとで、今後とも精力的に交渉を進めようということを確認し合った次第でございます。  現在、さらに詳しい内容につきましては、ロシア側との合意がございまして、まことに恐縮でございますけれども、これ以上明らかにすることができませんので、さように御理解をいただきたいと思います。

東順治平和・改革

○東(順)委員 合意は出ているけれどもこれ以上明らかにできないということで、つまり、それはいわゆる新提案なるものだというふうに私は理解をいたしますけれども、この十日、十一日でしたか、新聞報道で大変衝撃的な記事が一面を飾ったりしておりましたけれども、つまり、この国境線の位置みたいな話で、これも新聞報道ですけれども、従来言われていたような北方四島の北側と限定したものではなくて云々ということが出ておりました。これは、もし事実としたら非常に重大な問題でございます。  まず、この新聞報道そのものが事実なのかどうなのかというところを、外務省の方に確認をしたいと思います。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 新聞報道が出ていることはもちろん承知してございます。  私どもがロシア側と交渉しておりますことは、東京宣言の第二項にこの四島が明記されて書かれているわけでございますけれども、その四つの島の帰属を決定することを交渉しているわけでございまして、そういう基本的な立場のもとでロシア側と交渉を進めてきているところでございます。  具体的ないろいろな記事の内容につきまして、真偽をお述べするというわけにはなかなかいかない次第でございますので、ぜひともその点は御理解いただきたいと思います。

東順治平和・改革

○東(順)委員 事実であるのですか、ないのですか、どちらとも答えられない、こういうことですね。ということは、事実でないとも言えない、こういうこともあり得るわけですね。  それで大臣、新提案、新提案という言葉だけがこの新聞をにぎにぎしく飾っておるのですね。その新提案の内容とは何かといったら国境線問題だということで、具体的にそれぞれ推測か何か、とにかく新聞が書き立てている、テレビもどんどん報道している。こういうことなので、今回のいわば新提案なるものが、従来の四島一括返還という基本方針そのものが変わる、変えようとしているものなのか、あるいは従来の基本方針の範囲の中なのか、その点はいかがなのでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今、西村局長が答弁申し上げましたように、クラスノヤルスクでの合意、東京宣言に基づいて、その第二項によって四島の帰属を定めての平和条約締結、こういうことになっておりますので、その内容については申し上げることは従来から控えさせていただいておりまして、この提案のありましたことは、しばしば申し上げますように、エリツィン大統領みずから真剣にこの提案を受けとめたいと。若干、どういう意味で申されたか、私自身わかりかねますが、非常に楽観的にとらえておるというようなお話もされておりますので、問題は、今後これをどのように、ボールはロシア側に投げかけておりますので、そのお返事をできる限り早い時期にいただきたいというのが日本側の立場でございます。  申し上げておりますように、橋本総理の訪ロあるいはエリツィン大統領の訪日というふうにこれから日程も定まっておるわけでございますので、日本政府としては、総理大臣が提案したこの提案をぜひ真剣に受けとめて、よい返事をお待ちしておるということでございまして、その内容の問題については、これから私自身も、この夏以降、総理の訪ロ前に訪ロいたしまして、相手方の外務大臣その他ともあるいはお話しする場面が来るかどうか、こう思っておるところでございます。

東順治平和・改革

○東(順)委員 外務大臣、大変丁寧にお答えになっておられるけれども、私の聞いていることについて具体的にもう少し的を絞って答えていただきたいと思います。つまり、私は、従来の四島一括返還という外交方針を変えるのですか、それとも従来の範囲の中での今回の新提案という話なのですか、どっちなのでしょうか、今までどおりなのでしょうか、それとも若干でも変わるのでしょうか、これを伺ったわけでございます。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今も御答弁申し上げておりますように、この東京宣言に基づく我が方の考え方に立脚をして我が国の立場は主張いたしておるところでございまして、その第二項に基づいて四島の帰属をきちんと定めたいという趣旨でございます。

東順治平和・改革

○東(順)委員 革靴の上から足をかくような感じで、もうずっと前回の外務委員会の議論からきようにつながっておるわけでございますけれども、やはり領土問題というのは、これは我が国の主権にかかわる大変な大事な問題ですから、確かに外交問題ですから機密を要する云々、本当にそれを成就するためにということもあるのですけれども、先ほども外務大臣おっしゃったように、できるだけオープンにということが大事なのだろうと思います。特に国会の承認みたいなことですね、国会が状況をある程度よくわかっておいて、この領土問題なんか進んでいくということが大事なのだろうと思います。そういう観点からしたら、やはりどうしても説明不足というか、言葉が本当に少な過ぎて、大変遺憾に思うのです。  先回、この川奈会談が終わったときに、衆議院の本会議でぜひどんな会談だったか質問したい、こういうことで、僕なんか質問原稿まで全部準備していまして、それで橋本総理に伺う予定だったのですけれども、これは要するにもうキャンセルと。それで、結果的に、各党党首に報告をしたい、こういうことに相なったと聞いております。  それでは、先回の川奈のエリツィン・橋本会談のその中身、つまり、マスコミで言うところの新提案なるものみたいなものを含めて、各党の党首に報告されたときにどういう中身で報告をなさったのか、それは聞けると思います。ぜひ伺わさせていただきたいと思います。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 小渕外務大臣が再三お述べになっておられますとおりでございまして、クラスノヤルスクの合意にいわば出発するわけでございますけれども、クラスノヤルスクの合意におきましては、東京宣言に基づいてというふうに書いてございます。東京宣言におきましては、四島の、島の帰属に関する問題を解決する、解決をして平和条約を早期に締結するよう交渉するということが書かれているわけでございまして、この原則に基づきまして川奈におきましても話し合いが行われたわけでございます。  総理大臣が各党の党首にお話しになりましたことも、この基本的な立場に基づきまして行われております議論を御説明になられたというふうに理解をしているところでございます。

東順治平和・改革

○東(順)委員 それでは、エリツィンさんに対して橋本総理がこのような新しい提案を行った、その提案の中身はこういうものであるという報告はなさっていないのですね。

西村六善外務省欧亜局長

○西村(六)政府委員 橋本総理御自身が、川奈におきます新聞記者との出会いの場所でございますけれども、その場所におきましておっしゃっておられますけれども、現在、ロシア側に検討をゆだねている段階でございまして、自分の方から、つまり総理の方から議論をすべきものではないというふうにおっしゃっておられたわけでございますけれども、各党首との会談におきましてもその原則のもとでお話をされたものというふうに理解をしている次第でございます。

東順治平和・改革

○東(順)委員 いや、本当に、終始一貫、大変なガードのかたさで、これでいいのかなと本当に思います。主権にかかわる非常に重要な問題であるだけに、外交は極めて慎重に、かつ成就をしなければいけないということが一番大事なことはよくわかりますが、もう少しオープンに、そしてあるいは、本当にオープンの場で無理だったらば、この間も御提案がございましたけれども、例えば外務委員会の秘密会というようなことでもって、しっかり情報を共有していくというそういう努力、そういう全体の盛り上がりの中で事を成就させていくということが私、非常に大事なのだろうと思います。  時間が参りましたので、ここで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 東祥三君。

東祥三自由党

○東(祥)委員 自由党の東祥三です。外務大臣、きょうもよろしくお願いします。  質問通告していなかったのですが、先ほどの議論を聞いていて、インドの核実験問題に関連して一つ質問したくなりました。先ほど、外務大臣とそれから福田先生との議論を聞いておりまして、外務大臣は、核軍縮あるいは核管理の問題、まさに国際政治の極めて重要な問題の一つだと思うのですが、この問題に対しての日本の意思と能力と、そしてその限界についてどのように思われるのかという質問をしたくなりました。  それは、インドの核実験の問題に対して、ともすれば日本は、どうしても、過去の唯一の被爆体験国であり、核に対しての特別な感情、そういうものを持っている。したがって、それに対して国際世論を巻き起こした形でもって物事を進めていくというよりも、出てくる話というのは常に、日本は被爆体験国である、核に対してのアレルギーが強い、そういう視点でしか、ある意味で言えないのではないのか。  そうすると、インドの高官とお話をしていて、常にこの核の問題あるいは核兵器の問題に対してずばっと言われることは何かといえば、日本というのは結局アメリカの核の傘にいるではないか。その意味で、日本は、まさに核から離れた形で国際政治の中で位置づけられていない。自分たちは日本にとってのアメリカというようなそういう関係を他の国と持っていない。さらにまた、国境線を種々のいろいろな国々に囲まれていて、そこから惹起する問題に対して自分たちはそれなりに考えているのだ。このように言われたとき、日本としてはそれに対してずばっと説得力ある形でもってインド政府を説得することができないという現実があるわけですね。  そういう問題に対して、日本政府というのはどういうふうに考えているのか。僕は逆に教えていただきたいのですけれども、どのように答えていったらいいのか。そういう意味では、道義的あるいは感情的な側面あるいはまた国際世論の動き、そういうことではなくて、日本として核軍縮あるいは核拡散の問題に対して何を言うことができるのか。また、その言っていることに対してどのように具体的な行動を示すことができるのか。この点を具体的なきょうの課題に入る前に外務大臣からお聞きしたいと思います。結構ですよ、外務大臣。政治家同士の話ですから。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 日本が核の被爆国であるという厳然たる事実は、世界の歴史の中でまことにあり得べからざる体験をした国家であるということだろうと思います。  したがって、日本としては、安全保障の面からいって、核の開発をする能力がない国だとは私は思わない。しかし、そのことをあえて全面否定をして、この貴重な体験を、人類の究極の平和のためにこの理念を貫くということが我が日本の基本的態度でなければならぬということで、委員は国際政治の中でのシビアなそれぞれのパワーポリティックスの中での、いろいろ各国とのやりとりの中の現実というものを見られておっしゃっておることで、私自身も、例えば印パの問題もさりながら、あの地域において中国とインドがかつて長いいろいろな問題があったことも含めて、非常な国境線を接しておるというようなことも含めて、現実のパワーポリティックスの中での核、武器の製造についてそれぞれ国家が国民の安全、安寧のためにそれぞれ政策をとっていることは私も認めてはおります。  しかし、この核については、結局こうしたことについてある意味での発言ができるのは我が国であるということは、能力は持せども、しかしこれを一切否定をしておるという現実の中で、世界に訴える力というのは決して過小評価すべきものではないと私は考えておるのです。  したがって、こうした我が国の立場をそれぞれの事態に対処して主張し、そして究極の目的に達するためのその道程の中で、極めて我が国の主張を堂々と取り上げていくということが我が国の立場である、このように認識をいたしております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 率直にありがとうございます。  もう一点。よく言われるのは、日本はアメリカの核の傘にいるではないか、アメリカに守られているではないか、世界最強の国がバックアップしてくれているではないか、したがって、日本は核をもちろん開発しないし、生産しないし、さらにまたそれを使おうとはしないけれども、一朝有事の場合は日本はアメリカに守られているではないか、私たちの国に、そういうところがら離れて言ったとしてもそれは説得力ありませんねと。これに対して、どうですか、外務大臣。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 核のアンブレラという論はいろいろあるかと思いますが、日本は日米協力をして我が国並びに極東の安全を守るという立場で対処しておるわけでございまして、そういった意味で、米軍の持つ力というものがその根底にあるということを否定することはできない、このように思っております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 これぐらいでやめておきます。  まず外務大臣、湾岸四カ国との航空協定に関連して質問させていただきますが、近年、アジア諸国においてハブ空港がいろいろなところで建設され、また予定されております。そういう状況の中で、日本はまさに、ハブ空港の建設ラッシュ、そこから取り残されてしまっていて、国際社会における一つの重要な地域でありますこのアジアにおける物流からはじき飛ばされてしまうのではないのか。韓国あるいは香港あるいはその他の国々においても、長い、三千五百から四千メートルぐらいの滑走路を複数用意している、そういう状況が見られる。そういう中で、日本は取り残されていってしまうのではないのか。そういう懸念がいろいろと論じられ、私自身もそのような懸念を持っているのですけれども、外務大臣はこの点についてどのようなお考えを持たれているのかについて、御所見を伺いたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 我が国におきます国際ハブ空港の推進につきましては、我が国国際航空分野の発展のみならず、我が国の国際化の一層の進展という観点からも極めて重要と考えております。したがいまして、平成八年十二月に出された第七次空港整備五カ年計画に関する航空審議会の答申にも盛られているように、我が国として、諸外国との競争も念頭に入れつつ、我が国国際空港の国際ハブ空港としての整備を最優先課題として推進する必要があると考えております。  ちなみに、私、先般、この連休の間、タイ、マレーシア、シンガポールに参りました。御案内のとおりに、今マレーシアにおきましては大変大きな空港を建設中でございまして、全体計画としては四千メートル滑走路四本というようなことでございますし、シンガポールもやはり四千メートルグラスの滑走路を複数つくりまして、大変そういった意味では大型化しておるわけでございますし、その他ソウル、上海浦東、香港、タイの第二バンコク国際空港等のそうした空港の建設の実態を見ておりますと、率直に申し上げれば、まことに何といいますか、一種の焦りに近いものを私自身は感じております。  成田にしても関西国際にしても、一本の滑走路という中で、日本の管制官の能力にも大変すばらしいものがあって、飛行機の離着陸が大変短い期間でやられるというような実態を見ておりますと、やはり最低三本のものがなければならぬと思っております。  具体的に、長々になって恐縮ですが、今中部国際空港を二〇〇五年までに建設しようという実は議員連盟の会長を私自身がいたしておりまして、そこにもまた滑走路ができる。いずれ将来の、何といいますか、科学技術の進歩かと思いますが、関空と中部をリニアで結ぶと約十五分から二十分というようなことでもございまして、一つの空港に二、三本の滑走路をつくるということは、現在の日本の問題としてはなかなか実現可能性が厳しい環境の中で、いろいろな工夫ができないかというようなことを将来のこととしては私自身考えております。  しかし、先ほど申し上げましたように、世界のそれぞれの国、特に周辺地域において大型化があって、ハブ空港というものは一体何かという概念の規定はないのではありますけれども、いずれにしても、隣国でつくろうとしている空港がこれだけの活用をされるということになりますれば、当然のことながら、世界じゅうの飛行機の離発着がそういう地域に集中される。そうなりますと、そうした利便の高いところの空港に遠距離からの飛行機も入ってきて、それで我が国にまた乗りかえて入るというようなことが万が一あるとすれば、大変なことになるのじゃないかという意味での一種の焦りというものは、率直に申し上げれば、大変感じておるところでございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 ありがとうございます。  ハブ空港、これはイミダスから調べたのですけれども、拠点空港というふうになっています。ちなみに、ノースウエスト航空は、既に韓国のソウル国際空港を準ハブ空港というふうに指定しているそうです。「最近の日本の航空関係者の中には、「あえて日本に国際ハブ空港を、という必要はない。日本に魅力があれば、国際客は集まってくる」」、こういう意見もあるという、そういう紹介がされております。僕はこの意見に賛成ではありません、外務大臣が言われているところにほぼ同意するのですけれども。  やはり日本の現状を考えてみると、実現化には相当な苦労が要るんだな、その間日本がどんどん周辺、事態じゃありませんけれども、周辺地域の国々におくれていかないようにということだけを念じております。その道のプロではありませんから、これは本当にその関係者の方々に頑張っていただきたいなというふうに思っております。外務大臣も、中部空港に向けて頑張っていらっしゃるということですから、よろしくお願いいたします。  次に、国際民間航空条約第三条の二の改正議定書について質問させていただきます。  本議定書の第三条の二(a)項に「要撃」という言葉が使われています。「各国が飛行中の民間航空機に対して武器の使用に訴えることを差し控えなければならず及び、要撃の場合には、航空機内における人命を脅かし又は航空機の安全を損なってはならない」旨規定しております。この「要撃」という聞きなれない言葉が使われております。  英語ではインターセプションという言葉を使うらしいですけれども、何を意味しているのかということについて、まず日本語の定義を教えていただきたいと思います。

大島正太郎外務省経済局長

○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。  この議定書に言うところの要撃の措置としては、具体的には、緊急発進を行った要撃機による状況の確認や行動の監視、領空侵犯機に対する域外への退去、または最寄りの飛行場への着陸のための警告、領空侵犯機を着陸させる場合の誘導などがございます。  これらの民間航空機に対する要撃の措置については、シカゴ条約の第2附属書に手続等を定めておりまして、同附属書では、各国が守るべき原則として、要撃は最後の手段として行うこと、またその場合であっても航空機の識別を行うことにとどめ、必要な場合に限ってのみ航空機を予定のルートに戻したり、領空外への退去を命じたり、禁止、制限及び危険区域から誘導したり、指定空港に着陸するよう指示を与えたりすることとなっております。  以上でございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 要するに、攻撃を指す言葉ではない、あくまでも領空侵犯等がなされたときにスクランブル発進だとか確認だとか警告の合図をするということで、領空侵犯機に対する措置にかかわる一連の行動、そういうふうに理解すればいいのですか。

大島正太郎外務省経済局長

○大島(正)政府委員 そうでございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 今引用されたシカゴ条約第一条においては、「締約国は、各国がその領域上の空間において完全且つ排他的な主権を有することを承認する。」と規定されております。その国家に絶対的な主権が認められているというふうに理解することができると思います。  そこで、質問させていただきたいのですが、我が国の領空に侵入してきた航空機に対して具体的にどのような措置がとられているのか、領空に侵入してきた民間航空機の場合と、そして軍用機に対する場合と、その相違点も踏まえた上でお答え願いたいと思うのです。

徳地秀士防衛庁運用局運用課長

○徳地説明員 お答えを申し上げます。  まず、自衛隊法第八十四条の規定に基づきまして航空自衛隊が領空侵犯機に対してとっている措置の概要は、次のとおりでございます。  四点ございますが、まず第一に、要撃機による領空侵犯機の確認を行うという行為がございます。第二番目に、領空侵犯機に対しまして領域外への退去または最寄りの飛行場への着陸の警告をするという行為がございます。第三番目に、領空侵犯機を着陸させる場合には飛行場への誘導をするという行為がございます。第四番目でございますが、仮に警告または誘導に従わず、発砲するなど実力をもって抵抗し、正当防衛または緊急避難の要件に該当する、こういうような場合におきましては武器の使用を行うというのが制度上の考え方でございます。  軍用機の場合と民間機の場合の違いということでございますが、民間機が領空侵犯をした場合の対応につきましては、民間機は非武装でございますから、要撃機が武器の使用を行うということはちょっと考えられないことでございますが、それを除きましては軍用機が領空侵犯をした場合の対応と違いはございません。

東祥三自由党

○東(祥)委員 ちなみに、軍用機が侵入してきた場合、こちらの警告に従わない場合、最後の手段として武器の使用もあり得るというふうにおっしゃっているわけですが、その場合、それはパイロットの判断でやるのですか、それとも航空自衛隊の幹部の命を受けてできるのですか、その点についてはいかがですか。

徳地秀士防衛庁運用局運用課長

○徳地説明員 先ほど申し上げましたとおり、正当防衛または緊急避難の要件に該当する場合、そういう厳格な要件のもとでございますが、武器を使用することがあり得るということを申し上げましたが、その場合におきましても、上級の指揮官、通常、航空総隊司令官あるいは航空方面隊司令官、こうした司令官の許可を得て武器の使用をするという、これが原則になっております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 航空自衛隊が四月十日に公表しました昨年度のスクランブル回数の統計によりますと百六十回。我が国のスクランブル回数は、一九八四年に九百四十四回、それ以後ずっと減少してきているということなんですが、そういう意味で、過去三十年間、昨年度は最低であった。しかし、スクランブル回数の対象機を国別に見た場合、中国軍機あるいは台湾軍機がふえているというのが最近の特徴となっている。この点について、政府はこのような我が国上空の最近の傾向をどのように分析されているのか、この点についてもお伺いしたい。

徳地秀士防衛庁運用局運用課長

○徳地説明員 まず、防衛庁の方から事実関係について御説明させていただきます。  先生今おっしゃられましたとおり、平成九年度におきましては、航空自衛隊によりますスクランブルの回数は、確かに百六十回でございます。そして、最近におきましては極めて少ない数になっております。そしてまた、平成九年度のスクランブルの傾向といたしましては、本邦に接近した中国機に対する回数が増加をしておりますが、ロシア機に対する回数というものは減少しておりますので、全体として、前年度、つまり八年度の二百三十四回というものよりは減少しているということでございます。  なお、スクランブルの対象機について見ますと、約半数はロシア機であったということが言えます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 ことしの三月二十三日に、我が国の西南端にあります与那国島、外務委員会でも行ったことがありますけれども、この与那国島周辺の空域で、台湾空軍が昨年から頻繁に空中戦、ドッグファイト訓練を行っているという報道がございました。これによりますと、参加している戦闘機は、フランスから台湾への引き渡しが始まったばかりのミラージュ2000−5型の二十機、そして、与那国島の真上を通る我が国の防空識別圏内に数回にわたって進入してきたため、那覇市の航空自衛隊の第八十三航空部隊が、数回にわたりましてスクランブルをかけたと言われております。  台湾によるこのような動きについては、空軍機が我が国の領空には侵犯していないことから、我が国を意識したものではないというふうに理解することができますが、一昨年三月の台湾危機や、最近におきます中国の急速な軍備近代化を念頭に考えますと、東シナ海上空における制空権の確保を目的としたものではないのか、こういう見方もなされるわけでございます。  その意味で、まず、台湾空軍による軍事訓練の現状及び我が国の防空識別圏への進入について政府がどの程度事実関係を把握しているのか、また、こうした台湾の動きに対する我が国政府の見解を伺っておきたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 今お話にございましたように、九四年ごろから、台湾は、自主開発戦闘機経国号、蒋経国さんの経国でございますが、これを実戦配備している、また、御指摘のフランスから購入したミラージュ2000−5型というようなものの実戦配備を行って訓練をしているということは承知をしております。  ただ、与那国島上空での台湾軍用機による空中訓練については、防衛庁の方から伺っているわけでございますが、そういうことは確認していない、また、与那国島上空における台湾軍用機による領空侵犯についても、問題となるような事案は確認されていない、こういうふうに私どもは承知しております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 与那国島というのは我が国の領土で、その上空、東経百二十三度にあるわけですが、それには台湾の防空識別圏が設定されている。防空識別圏というのは、私の理解する限りにおいては、国際法上の観念ではなくて、我が国領空の権利関係に影響を及ぼすものではない、このように承知しているのですが、しかし、離島でありますこの与那国島の住人にとってみれば、航空機は急病人発生時の緊急輸送など一時的に利用する生活交通手段であるにもかかわらず、台湾の防空識別圏が与那国島上空に設定されているため、与那国島町民は、ヘリも含めすべての航空機の飛行計画を台湾にも事前に通告することを強いられております。万一、何らかの手違いによって飛行計画の提出がおくれたような場合には、我が国の民間機が我が国領土である与那国島上空でスクランブルをかけられる可能性も全くないとは言えないのではないのか。  この点に関して、平成八年五月に同僚議員の方から、これはたしか海洋法の審議をしているときだったと思いますけれども、与那国島の上空に台湾の防空識別圏が設定されていることは全く不自然なことなのではないのか、それに対して、当時の池田外務大臣は、事実関係をつまびらかにした上で、必要があれば適切に対応してまいりたいと思います、このように答弁されているのです。その後の政府の対応はどうなっているのか。この点についてお伺いしたいと思います。これは外務大臣に。よろしくお願いします。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 平成八年五月の衆議院外務委員会等連合審査会議におきまして、与那国島上空に設定された台湾の防空識別圏、さらには、これより約百キロ東側に及んで設定されている飛行情報制限進入区域について御指摘があり、今委員から御指摘ありましたように、池田大臣から、事実関係があれば明らかにした上で、必要があれば適切に対応したいと答弁された経緯がございます。  そこで、本件につきましては、同年六月、本委員会におかれて与那国島に委員を派遣した、調査をいただき、外務省としても職員を同行させたところでございます。  いずれにせよ、台湾側による防空識別圏の設定を根拠として我が国の領空主権や公海自由の原則を侵すような行為が許されないのは当然であり、今後とも、かかる国際法上の原則を踏まえて対処していく考えでございます。  なお、平成四年に台湾側が設定した飛行情報制限進入区域での活動については、それが中国航空機を対象とするものであっても、我が国主権に対する侵害となる場合もあるため、交流協会を通じて、しかるべき申し入れを台湾側に行っており、今後とも適切な是正を求めていく考え方でございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 そうすると、問題点はちゃんと理解してくださって、それに対して何らかの対処をされようとしているというのはよくわかるのですが、そうすると、より具体的に言いますと、どうしょうとされているのですか。要するに、与那国島上空に台湾の防空識別圏が設定されていることはおかしい、そして、それに対して何をされようとしているのですか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 先ほどの御質問、補足的に申し上げますと、池田外務大臣の御答弁を受けて、与那国島に本委員会の委員、先生もいらっしゃったと思いますが、外務省員も同行させていただいて行ったわけで、現地の住民の方からヒアリングもなさったと伺っておりますし、先生先ほどおっしゃったような不都合な状況があるということも伺ったわけでございますが、実際問題といたしましては、過去において台湾からいわゆるスクランブルがかけられたという事例はほとんどない。特にこの数年は、与那国に離着陸する日本の航空機に対してスクランブルがかけられたことはないという事実があるというふうに承知をしております。  それで、この防空識別圏につきましては、歴史的経緯で、台湾が一方的に設定したものではございません。  そういうこともございますし、防空識別圏という事の性質上、もちろん住民の方々からは見直してくれという御意見があったということも承知はしておりますが、今台湾との間で政府チャネルで話すということもできませんし、今のところでこれを見直すということは考えていない、こういうことでございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 今はまだ見直すべきとは考えていないということですか。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 この防空識別圏が設定されました経緯とかその性質、そういうものにかんがみて、これの変更を台湾側に申し入れることは考えていないということでございます。

東祥三自由党

○東(祥)委員 あと三分ほどしかありませんので、次の質問をさせていただいて、その答弁をいただいて終わりにさせていただきます。  中台間では、最近、中台間の事務レベル協議が開かれていて、台湾の対中窓口機関であります海峡交流基金会理事長の年内訪中の実現に向け努力することで一致するなどしていて、中台間の関係改善の兆しも見え始めている一方で、中国は、財政赤字にもかかわらず、国防費に関して大幅増額を認めて軍備の近代化を加速させている。他方、台湾側も、このような中国の動きに対しては強い懸念をしている。先月中旬には、中台が前後して台湾近海での軍事演習実施を発表したことから、台湾の株式市場が続落するなど、一部には両岸関係の緊張を懸念する声も出ました。今後、台湾周辺海域、もしくはその上空において中国と台湾が実力を誇示するようになれば、そのようにならないことを祈っているわけですけれども、我が国も無関係では済まなくなります。最近の中台情勢について政府はどのように分析しているのか、その辺を伺いたいと思います。  先ほどアジア局長の方から、与那国島上空においてはいまだかつてスクランブル等をかけられたことがない、それは今までのことはそのとおりなんだろうというふうに思うのです。しかし、実際問題として与那国島上空で台湾の防空識別圏が設定されていることは事実ですから、それは今何もないところにおいては冷静に判断することができる。また、今の段階においては、まさに局長言われたとおり、この防空識別圏が設定された歴史的背景というのもあります。いずれこの問題に対しても、時が来るならば、あるいは状況が整ってくるならば、それに対してちゃんと見直しの方向でやっていかなければいけないときが早く来ることを僕は祈っているわけですが、ただ、他方において、今申し上げました中台間の関係、これをどのように見ているのか、それが何らかの不穏な動きになってくるとするならば、当然我が日本の西南端に位置する人々がそこに生活しているわけですから、そういう意味においては極めて重要な問題であると思います。  その点で、最近の中台関係の動きについて、現状を踏まえた上で、政府はどのように分析され、どういう情報を得ていて、どういう現状になっているのかということを御答弁願いたいと思います。

阿南惟茂外務省アジア局長

○阿南政府委員 中台関係の帰趨、特に台湾海峡の情勢というのが日本の安全保障にも重要な影響を及ぼすということは御指摘のとおりでございますし、無関心でいられないことも当然でございますが、中国の軍備増強というお話もございました。この点につきましては、中国側が現在経済建設を最重要課題としている、また財政面で非常に厳しい制約があるというようなことで、中国の軍事力の近代化というものが急速に進むというふうには見ておりません。また、台湾も、やはり外国からの戦闘機導入等、海空軍力を中心に近代化を図っているわけでございますが、これも、台湾の方が財政事情は少しいいかもしれませんが、やはり中台間の軍事バランスが変わるというような形で軍事力は増強されている状況だとは、私どもは判断しておりません。  先ほど委員がおっしゃいました中台間の話し合い、これも徐々に進んでいるようでございまして、御案内のように中国は香港の返還を実現し、来年はマカオ、それが終わると台湾の平和統一ということが当然政治的課題の視野に具体的に入ってくるわけでございます。台湾との関係については非常に慎重に、基本的に平和的統一を実現するようにということで従来やってきておるわけでございます。  現在、先ほどおっしゃったような報道もございますけれども、九六年の台湾近海において中国軍がミサイルを発射して軍事演習をやった、そういうようなことが今後あるというような情報には具体的に接しておりませんし、先生もおっしゃいましたように、そういうことがないことを希望しております。

東祥三自由党

○東(祥)委員 どうもありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 最初に、インドの核実験について伺います。  今回のインドの地下核実験は、核兵器のない地球の実現を目指す国際世論に対する重大な挑戦であり、断じて許せるものではありません。同時に、今回の実験は、アメリカなど一部の国による核兵器独占が核兵器不拡散条約体制として合法化されていることの矛盾を最も危険な形で明らかにしたものと言わなければなりません。  政府が、インドに対して強い抗議を表明し、二度と繰り返すことがないよう強く求めるとともに、あらゆる国の核兵器を全面的に禁止する国際的合意を速やかに実現するために明確かつ最大の努力を払うよう、強く要求いたします。  外務大臣の御所見を伺いたい。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今般の、インドが地下核実験を二十四年ぶりに再開したということは、世界に大きなショックを与えておるわけでございます。なかんずく、被爆国我が国としては大変関心を深くいたしておるところでございまして、これに対して、再びこのようなことの起こらないように、我が国として全力を挙げて効果的な対応を今検討し、できる限り早くその実行に移してまいりたいと思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 次に進みます。  シカゴ条約の第三条(d)は「民間航空機の航行の安全について妥当な考慮を払うことを約束する。」と規定していますが、大韓航空機撃墜事件が発生し大惨事をもたらしたその教訓に照らしても、民間航空機に対する武器使用禁止の明確化は必要なことであります。その見地からいえば、今回の議定書が、差し控える、慎むという意味のリフレインにとどまらず、もっとはっきりとした禁止をうたうべきではなかったか、こうも思います。  なぜ明確な禁止規定にならなかったのか、また日本政府はどういう態度をとってきたのか、説明していただきたい。

大島正太郎外務省経済局長

○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。  第三条の二の(a)の規定ぶりについては、交渉過程において、我が国を初めとする西側諸国が禁止とすべきと主張した経緯がございます。これに対して、当時のソ連を中心とする他の諸国より消極的な意見があったものと承知しております。そして、最終的に、差し控えるべし、英語で言えばリフレインという表現になったということでございます。  それは、この言葉、差し控えるという意味の英語であるリフレインという言葉には、禁止という言葉に近い意味もあるわけでございますし、また差し控えるという文言は、国際法上禁止されている民間航空機に対する武器の使用を各国がみずから抑止することをあらわすものであると考えられていること、さらに、要撃の手続を定めましたシカゴ条約の第2附属書においても、既に差し控える、リフレインという文言が使用されていたという経緯がございます。したがって、こうした規定ぶりとすることを各国が受け入れたものと承知しております。  いずれにしましても、本議定書は、国際法の原則である民間航空機に対する武器の不使用、これをその条約上の義務として明文化したものであるということについて各国は異論がない、つまり、国際法上の原則であるということについて異論はないということでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 次に進みます。  議定書の第三条の二の(b)は、各国は「民間航空機に対する要撃についての現行の自国の規則を公表することに同意する。」と規定しています。この規則には防衛庁の要撃に関する内訓も該当しますか。批准後、防衛庁はこの内訓を公表すべきだと思いますけれども、その用意はありますか。

横山文博防衛庁運用局運用企画課長

○横山説明員 お答えいたします。  自衛隊が自衛隊法第八十四条に基づき対領空侵犯措置を実施する場合、シカゴ条約の附属書2に規定されております要撃に関する規則に従って領空侵犯機に対する要撃を実施しているところであります。  また、我が国は、航空法の第九十九条に規定されている「情報の提供」といたしまして、かかる規則を航空当局が発行いたしますAIP、航空情報誌に記載しておりまして、本議定書が締約国に要求している公表義務については既に果たしているところと考えております。  なお、今御指摘の対領空侵犯措置の運用について規定しております内訓につきましては、秘に指定されておりますので、事柄の性質上、公表することは差し控えたいと考えておるところでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 AIP、航空路誌そのものは規則ではありません。議定書は現行の規則の公表を求めておるのです。防衛庁から聞いた話では、AIPに内容が掲載されているので、今言っておりますように内訓の公表は必要でない、外務省は防衛庁にこのような説明をしたらしいのですけれども、条約を結ぶというのにそんな不誠実な態度でいいのか。厳しく問われている問題です。  各国が現行の規則の公表に同意しながら、勝手な解釈で公表から除外することを認められているとは到底考えられません。議定書には除外規定も留保規定もないのです。政府は何を根拠に公表しなくてもよいと言うのか、その根拠を示してほしい。

海老原紳外務大臣官房審議官

○海老原政府委員 議定書におきましては、「要撃についての現行の自国の規則を公表することに同意する。」というふうに規定してございます。それでは、公表すべき規則の範囲はどうなるかということでございますけれども、その範囲につきましては基本的には締約国の裁量に任されているというふうに考えております。  そこで、その範囲についての考え方でございますけれども、これはこの規定の目的に照らして判断すべきであるというふうに考えております。  この規定の目的は、過去の撃墜事件におきまして、要撃機の意思を、要撃を受けた民間航空機が必ずしも正確に理解できなかったということが原因である場合が多いという事情にかんがみまして、仮に民間航空機が要撃を受けました場合におきましても、その機長が正確に要撃機の意思を把握できるようにしておくこと、これがこの規定の目的でございます。  したがいまして、このような目的にかんがみれば、AIPに公表されております要撃機の信号の意味等を定めた要撃規則というものでこの目的は十分達成されるというふうに考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 その目的云々で条約が求めている規則の公表をしなくてもいいなどということにはならないのです。もちろん航空路誌は条約の言う規則でないことは先ほども言ったとおりです。公表しなくてもいいという根拠にもなり得ません。問題のすりかえ、やはり誠実さがない。引き続き公表することを強く求めておきます。  次に、ことし一月六日、米軍から日本航空に対して、那覇空港から関西空港に向かう日本航空の旅客機で米軍の火器と弾薬類を輸送するよう依頼があったということであります。そのことに関連して伺いたいと思います。  航空法によれば、外国航空機については第百二十八条で軍需品輸送の許可制度が規定されております。しかし、日本の民間航空機についての軍需品輸送の規定はありません。それは民間航空機の軍需品輸送は許されないということだと思うのですけれども、いかがですか。

遠藤信介運輸省航空局技術部運航課長

○遠藤説明員 お答えいたします。  銃砲等の武器弾薬につきましては、その用途のいかんを問わず、航空法第八十六条の規定により、原則として航空機による輸送は禁止されておりますが、航空法、航空法施行規則等により定められた包装方法等に関する安全基準を満たす場合は航空機による輸送は許容されております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 平和原則を持つ憲法のもとでつくられた航空法が、民間航空機が軍事的役割を果たすことを容認するなどあり得ないことであります。そのことを否定するのは新ガイドラインに追随した見解、そういうものにすぎないと申さざるを得ません。政府の見解では、日本の航空法はチャーターによる軍需品輸送業務を原則として認めているということになりますか。原則がどうなのか、そこをはっきりお答えください。

遠藤信介運輸省航空局技術部運航課長

○遠藤説明員 お答えいたします。  これは航空法の特例法、合衆国軍隊の地位の協定の実施等に伴う航空法の特例というものがございまして、この特例法の適用を受ける航空機につきましては、今申し上げました規定を含めまして、航空法の運航にかかわる第六章の規定は適用しないということになっております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 シカゴ条約第三条の(b)は「軍、税関及び警察の業務に用いる航空機は、国の航空機とみなす。」というふうに規定しています。したがって、自衛隊であれ、米軍であれ、その機関からチャーターされて軍需品や軍用機材を輸送する業務についたならば、その民間航空機はシカゴ条約に規定される「国の航空機」としての扱いになると思うが、そのとおりですか。

海老原紳外務大臣官房審議官

○海老原政府委員 シカゴ条約の三条におきましては、ただいま委員が御指摘のとおり「国の航空機とみなす。」という規定におきまして、「軍、税関及び警察の業務」に用いられるものという規定はございます。ただ、この場合におきまして、具体的にどのような航空機がここで申します軍、税関あるいは警察の業務に用いられるものというふうに観念されるかということにつきましては、必ずしも確立した解釈はシカゴ条約上も、また一般国際法上もございません。  したがいまして、今の御指摘のチャーターをしたという場合におきましても、チャーターの具体的な態様、例えばその航空機の管理がいかなるもののもとにあるのか等によりまして、具体的に個々の事例に即しまして判断することとなると思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 国際法学会編の国際法辞典は、民間航空機と国の航空機の区別について、  両者の区別の基準は、航空機が国家により所有  されるか否かではなくて、特定時における実際  の用途が国のためであるか民間のためであるか  に求められる。したがって、国が元首または外  交使節のために民間航空機をチャーターして他  国に対する親善等の飛行を行う場合は、通常は  国の航空機の待遇を受けると考えられる。このように記述しています。米軍からの要請でその軍需品あるいは軍用機材を輸送すれば、シカゴ条約上、国の航空機扱いになるのは当然ではありませんか。あいまいにせずに答えてください。

海老原紳外務大臣官房審議官

○海老原政府委員 シカゴ条約上の民間航空機あるいは国の航空機の定義につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、確立した解釈はございません。  この点につきましては、従来からも、国際民間航空機関、ICAOでございますけれども、この場におきましてもかなりの議論が行われております。特に、最近におきましては、その法律委員会におきまして、民間航空機の定義あるいは国の航空機の定義というようなものにつきまして議論が行われましたけれども、議論は収れんしておらず、結論は出ておりません。  結局のところ、シカゴ条約上の解釈といたしましては、航空機の所有形態、使用形態あるいは使用の目的等に照らしまして、個別のケースにつきまして総合的に判断せざるを得ないというふうに考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 シカゴ条約の第三条は、先ほども言ったんですけれども、その(b)は、「軍、税関及び警察の業務に用いる航空機は、」とあるんですよ。所有の関係、その形態とかなんとかいうことは全然関係ありませんよ。「業務に用いる航空機は、国の航空機とみなす。」と、明確じゃありませんか。チャーターして軍需品を運ぶなどというふうな形をとれば、それは「業務に用いる航空機」という概念になることはもう言うまでもないことなんです。日本の民間航空機が米軍の軍需品や軍用機材を輸送することは、憲法の原則から見てもシカゴ条約から見ても許されるべきものではない、そのことも強く表明しておきたいと思います。  最後に、原子力軍艦の入港については、通常少なくとも二十四時間前に事前通報するという一九六四年のアメリカの約束がほごにされる形で、佐世保における事件が起こりました。外務省から佐世保市に入った原子力潜水艦が入るという通知は、五月四日午前二時十分になって、四日午後四時に入港するという通報になったわけであります。つまり、十三時間五十分前の通報でありました。一月のNLP実施の際の直前通報といい今回の事件といい、米軍は緊急時には好き勝手に基地を使用できるようにするねらいがあるのではないかと言わざるを得ません。  大臣は、米政府に厳しく抗議し、謝罪を求め、二度とこのような約束違反がないように申し入れるべきではありませんか。もちろん、そういうことをすればそのような寄港が許されるなどという考えを日本共産党が持っているものではありません。政府の考えからしても、抗議し、二度と許さないという態度をとるのは当然ではないかと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 今御指摘の、五月四日、佐世保港に入港いたしました米国原子力潜水艦サンフランシスコにつきましては、米側より、急な運用上の所要によりやむを得ず約十四時間前に通報により入港したものであると説明を受けました。政府といたしましては、米側に対し二十四時間前の通報を厳守するよう強く申し入れたところであります。米側は、これに対し、今後確実に二十四時間前の通報を行うよう努める旨、回答がございました。政府としては、今後とも米側に対して二十四時間前の通報の厳守を求めていくものでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 時間になったので、終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  まず、国際民間航空条約の改正に関する千九百八十四年五月十日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、国際民間航空条約の改正に関する千九百八十年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国とカタル国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国とオマーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。    (賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国とバハレーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件及び国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  政府から順次提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣小渕恵三君。     —————————————  サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書   の締結について承認を求めるの件  国際商取引における外国公務員に対する贈賄の   防止に関する条約の締結について承認を求め   るの件     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 ただいま議題となりましたサービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、サービスの貿易に関する一般協定が対象とするサービス分野の一つである金融サービス分野について、自由化交渉が平成九年十二月十二日に妥結したことを受けて、平成十年二月二十七日にジュネーブで作成されたものであります。  この議定書は、金融サービス分野に関し、世界貿易機関の関係加盟国が、一層高い水準のサービスの貿易の自由化を達成することを目的として、最恵国待遇を基本としつつ、市場アクセスを自由化し、内国民待遇を付与すること等を約束するものであります。  我が国が金融サービス分野における世界の主要な貿易国であることにかんがみ、我が国がこの議定書を締結することは、サービス分野での多角的貿易体制の発展に寄与するという見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  次に、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明します。  この条約は、平成九年七月より経済協力開発機構において交渉が行われ、同年十一月二十一日に採択されたものであります。  この条約は、国際商取引に関連して行われる外国公務員に対する贈賄行為を自国の法令のもとで犯罪とすること、同行為について一定の範囲で裁判権を設定すること等を規定するものであります。  我が国がこの条約を締結することは、国際商取引における公正な競争を確保するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十一分散会

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