外務委員会 第9号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/17
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮本一三君。
○宮本委員 自由民主党の宮本でございますが、きょうは、日中漁業協定に関連した質問を若干させていただきたいと思います。 私の地元は兵庫県の方なのですけれども、淡路島、明石ですが、非常に漁業のウエートの高いところでございます。最近、いろいろな環境変化がございまして、漁業の方並びに加工業者等非常に苦しい状況になっているわけでございますが、そういった中でのこの日中漁業協定の締結でございます。 確かに、世界の海に雄飛をしてやってきた日本の漁業ということでございます。それだけに、国連海洋法条約によりまして、二百海里の排他的な経済水域の設定という時代が到来したことは、非常に大きなショックだったわけでございます。しかし、考えてみますと、長期的な視点に立った場合に、やはり漁業秩序が全世界的な形できちっとしたものに構築されていくということは非常に望ましいことだと思います。そういう背景のもとにこの日中漁業協定ができたわけですから、そういう意味では新しい前進だというふうに考えるわけでございます。 そこで、これは外務省あるいは農林省の方にお聞きをしたいわけですけれども、この協定がいつごろから発効することになるのか。要するに、お互いに国内手続が要りますし、またそういったことを考えますと、ことしの秋ごろなのかあるいは年を越してしまうのか、この協定が発効するタイミングはいつごろというふうに考えておられるのかということです。 それともう一点は、暫定措置水域であるとかあるいは既存の漁業秩序が維持される水域といったものが例外として設定されることになると聞いておりますけれども、この協定が発効することによって漁業秩序がどのように変わるのか、またそれによって漁民の方々がどんなメリットを受けることになるのか、この点についてまず最初にお伺いしたいと思います。
○阿南政府委員 本件協定の発効時期でございますが、先生も言及されましたように、本件協定は、日本及び中国におきまして効力発生のために国内法上必要とされる手続が完了した後、両締約国の政府の間の公文の交換によって合意される日に効力が生じるということになっております。中国側の事情もございますけれども、我が方といたしましてはできるだけ早くこの協定が発効することが望ましいというふうに考えております。 また、この協定の発効によって漁業秩序がどういうふうに現状と変わっていくのかというお尋ねでございますが、現行の日中漁業協定は基本的に旗国主義に基づいた管理措置をとっておりますが、本件協定におきましては、暫定的な取り扱いをする水域もあるわけではございますけれども、原則として新しい国連海洋法条約の趣旨を踏まえて、沿岸国が自国の排他的経済水域において資源管理を行う、こういうことを基本とする新たな漁業秩序が日中間に確立されるということでございます。
○宮本委員 ありがとうございました。できるだけ早く発効するように御努力を願いたいと思います。 この協定による台湾の漁民の取り扱いというものがどういうふうになるのか、また、問題になっている尖閣諸島の領有権問題との関係、これもどんなことになるのかなと心配をしております。特に、尖閣諸島周辺の水域の安全操業に関しましては、政府の取り組みがちょっと生ぬるいのではないかといったような地元の漁民の苦情も出ておるぐらいでございます。政府の取り組みについてもお伺いしたいと思います。
○阿南政府委員 日本の排他的経済水域内におきます台湾漁船の扱いにつきましては、今後日本と台湾の民間レベルでの話し合いを踏まえて検討していくこととなっております。既にもう民間レベルで、台湾側には随分説明をした経緯がございます。 また、尖閣の領有権との関係についてのお尋ねでございますが、本件漁業協定は、日中間の漁業秩序を構築するためのものでございまして、尖閣諸島の領有権とは直接関係はございません。尖閣諸島に関しましては、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、我が国は現にこれを有効に実効支配しているというのが我が国の立場でございます。 このような立場に立ちまして、尖閣諸島周辺水域の安全操業、先生御指摘になりました点でございますが、この点につきましては、今後とも十分に操業の安全が確保されるように政府として適切に対応してまいりたいと考えております。
○宮本委員 このたびの日中の漁業交渉でございますけれども、どうしても日韓漁業交渉との関係が出てまいると思うわけでございます。 それで、日韓の漁業交渉につきましては、本年の一月二十三日に我が方から終了通告を行っておりますが、それ以来暗礁に乗り上げているという状況でございます。こうなりますと、日中漁業協定の方に影響が出るのではないかなという心配をせざるを得ないし、また来年の一月二十三日には失効してしまうということになるわけですから、もし、そういうようなことになりますと、せっかくの日中漁業協定も、発効してもなかなか難しいいろいろな問題が出てくると思いますが、その辺の関係はどう対処されておりますか、伺いたいと思います。
○阿南政府委員 現行の日韓漁業協定は、終了の通告後一年間有効でございます。本年一月二十三日に終了通告いたしましたので、明年の一月二十三日まで有効ということでございますが、現行の日韓漁業協定におきましては、基本的に旗国主義をとることとしておりますので、我が国は、排他的経済水域内においても基本的には韓国漁船に管轄権を行使しないという義務を負っているわけでございます。 こういう状況のもとで、政府といたしましては、現行の日韓漁業協定と新しい日中漁業協定のいずれの協定上の義務にも違反するということのないように、日中漁業協定の発効時期、また交渉妥結の後日韓漁業協定がいつ発効するか、そういう両協定の発効時期等も勘案しつつ、適切に対応していくという所存でございます。
○宮本委員 まさか日韓の方の協定が失効するような事態にならないと思うし、またそうあってほしくないわけでございます。何とか日韓漁業協定の締結の方も急いでいただきたいというふうに思うわけでございますが、そういった状況も踏まえて、新しいこの日中協定が有効に実行できるためにも、やはり日韓の漁業協定を非常に急いでもらわなければいけないと思いますけれども、こちらの方に対しては、これは外務大臣、どういう決意で臨んでおられるのか一言お願いしたいと思います。
○小渕国務大臣 日韓漁業問題につきましては、三月二十一日に私訪韓をいたしまして、初めて金大中政権における朴定沫外交通商部長官と会談をいたしました。昨年来、あるいは数年来の経過の中で、我が方がこの現行協定の終了につきまして通告をいたしましたことに対しまして、新しい政権の担当責任者とお話をいたしまして、このままの状況では好ましくないことは当然のことでございますので、できる限り早い時期に、早期交渉再開について原則合意をいたしておるところでございます。また、四月二日のASEMにおける日韓首脳会談でも、新しい協定締結に向けて努力することが両首脳間でも一致をいたしております。 政府といたしましては、国連海洋法条約の趣旨を踏まえた新たな漁業協定の早期締結のために、真剣に取り組んでまいりたいと思っております。 ただ、御案内のように、現協定を終了せざるを得なくなった経過にかんがみまして、これからの長きにわたって新協定を結んでいかなければならない。そのためには、直接漁業に携わっておられる方々のお気持ちも、また現状につきましても十分配慮しなければなりませんし、また、魚族の保護その他につきましても両国間で同一の認識を持たなければならない。そういう全体の背景があって、初めて協定が結ばれるものだろうと思っておりますので、そういった意味におきましては、漁業関係者の皆さんあるいは水産関係の皆さん、こうした両国間の話し合いも並行的に続けていただきまして、政府としての協定を結んでいく努力を続けていきたい、このように考えております。
○宮本委員 外務大臣の御意見を拝聴いたしまして本当に感謝いたしますが、やはり漁民の方々あるいはまたその関連の加工業者の方々、そういった人たちの日々の生活がかかっておりますだけに、これは急いでいただかなければいかぬけれども、同時にまた、外交交渉でございます、そこには非常に難しい双方の利害の調整という問題を抱えているわけですから、当然に大きなエネルギーと、そして時には時間を必要とするということは重々理解はいたしておりますけれども、とにかく日中漁業協定との関係もございますので、ぜひ精力的にこの日韓の問題について解決を急いでいた だきたい、このようにお願いをしたいと思います。 ところで、あすの十八日から、いよいよロシアのエリツィン大統領を伊豆の川奈にお迎えをいたしまして、第二回の日ロ非公式首脳会談が行われるということになっております。大きな期待が持たれているわけでございますけれども、昨年十一月のクラスノヤルスクの非公式首脳会談以来、外務大臣レベルの会合、また事務レベルの協議など、平和条約締結に向けまして日ロ間の協議が非常に精力的に行われてきたわけでございますが、その進捗状況を、報告していただける範囲で結構でございますが、お伺いをいたしたいと思います。
○小渕国務大臣 委員御指摘のように、クラスノヤルスクで両首脳間で会談が行われまして、東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約を締結する、全力を尽くすことで合意をされました。その後、昨年十一月の日ロ外相間定期協議で、この合意を前進させるために、両外相をヘッドといたしまして次官レベルで交渉を行うことを合意しました。それで、本年一月二十二日、モスクワで次官級会議を開催いたしまして交渉の枠組みを立ち上げ、二月二十二日に両外相問で平和条約締結問題日ロ合同委員会議長間会合、さらに三月二十六日には合同委員会次官級分科会を行いました。こうした形で、クラスノヤルスク以降、一つ一つそれぞれの会合を通じまして積み上げてまいりました。 今回、川奈におきましての再びの、非公式でありますが、首脳会談が予定されておりまして、こうした会合を引き続いて行うことによりまして当初の目的を達成するための努力をいたしてまいっておるところでございまして、そうした意味で今回の川奈の会談も、我々として、両首脳が本当に腹蔵なくこの問題についてお話をされることを期待いたしておるところでございます。
○宮本委員 ありがとうございました。 ところで、けさの新聞などを見ておりますと、日米中ロの首脳による安全保障対話というふうなこと、これが次のAPECの際に取り上げられるのではないかといったような話が出ております。そういったものも関連してくると思いますが、外務大臣、川奈の会議に対して、今御報告いただいたように、一つの経過を踏まえて、どのような進展がこの川奈で出てくるかといいますか、期待できるかといった点、これは交渉当事者でございますからちょっとあれかとは思いますけれども、許される範囲で、ひとつ大臣の考えといいますか所見というようなものを聞かせていただければありがたいと思います。
○小渕国務大臣 まさに川奈ではエリツィン大統領と我が橋本総理と忌憚のないお話し合いをされるわけでございますので、そのテーマについて逐一承知をしておるところでありませんで、恐らくお二人として各般の問題について御議論されるのだろうと思いますが、中心は、何といっても、日ロ間の平和条約締結に向けての話し合いが進まれることを期待しておるところでございます。 ただ、今お話しのように、日ロ、日中、日米、この四カ国それぞれの話し合いというものは、このアジアの平和と安定にとりましてのみならず、世界の平和と安定にとって極めて重要なことであるということでありますし、特にAPECにおきましては、我が橋本総理の御提案によりましてロシアもこの会合に参加するということが決定をされたというような経緯もございますし、そういった点で、この四つの大きな国といいますか、が、それぞれに極めて関係深く連携をとるということは極めて重要なことでございますので、あるいはそうしたお話し合いもされるかもしれませんが、今日の段階では、その内容については承知をいたしておりません。
○宮本委員 ありがとうございました。 時間も参りましたので、最後に、この日ロ首脳会談について、いろいろな報道によりますと、領土問題よりも共同経済活動といったようなものに重点を置くような報道もあれば、他方、やはり北方四島の帰属問題が最大の問題だという報道もあるわけでございます。私は、やはり領土問題の解決こそが真の日ロ友好関係の確立の出発点だと思うわけですが、その点に関して、外務大臣の決意といいますか、基本的な考え方というふうなものを最後にお伺いしたいと思います。
○小渕国務大臣 委員も御指摘のとおりでございまして、我が国といたしましては、東京宣言に基づいて、北方領土問題を解決し、平和条約を締結して、日ロ関係を完全に正常化することが我が国の対ロ外交の一貫した方針でございます。 政府としては、クラスノヤルスク合意を踏まえまして、東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約を締結するということに全力を尽くす考えでございまして、今後とも、この四月の首脳会談を含む一連のハイレベルの交流を含めまして、さまざまな分野で協力を進めるとともに、今世紀に起こったことは今世紀中に解決するとの姿勢で北方領土問題の解決に取り組んでまいりたいと存じております。
○宮本委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○中馬委員長 島聡君。
○島委員 民主党の島聡でございます。 本日は、中華人民共和国との漁業協定について討論をさせていただくわけでありますが、その前に、きのう開かれましたG7の問題について質問をさせていただきたいと思うわけであります。 きょうの新聞報道によりますと、弱い日本に議論が集中した、日本の経済対策に非常に不満だと。会議では、日本経済に関する議論がG7開催時間の約半分に当たる二時間半にわたって続いた、速水日銀総裁の言葉として、「議論は日本に集中した」ということになっております。 まず、大蔵省に来ていただいていると思うのですが、このように、G7でまず議論の時間の半分も日本問題に議論が集中したことは事実かどうか、そして、G7というところで一つの国がここまで集中的に取り上げられたということが今まであったのかどうか、一つの国がここまで集中して取り上げられたことがあったのかどうか、お聞きしたいと思います。事実確認をしたいと思います。
○井戸説明員 御説明申し上げます。 今回のG7におきまして我が国経済について議論が行われたことは事実でございます。 ただ、議論の集約というのはコミュニケにあらわれているわけでございますが、コミュニケをごらんいただきましても明らかなように、G7におきましては、欧州、北米、日本について議論をそれぞれ行うというのが通例となっております。また、今回は特に、アジアの現状にかんがみまして、アジアについてもいろいろ議論が行われたところでございます。また、これまでの過去についてごらんいただきましても、その時々の経済の状況に応じまして、コミュニケにおいて、北米、欧州、日本というふうに書き分けていることも数多くございます。
○島委員 議論を確認させていただきます。 G7開催時間の約半分に当たる二時間半も日本経済に関する議論が続いたということは、大蔵省はどのように認識していますか。
○井戸説明員 申しわけありませんが、私、もちろんG7に出ていたわけではございませんし、時間のどの程度が日本について費やされたかということは承知いたしておりません。
○島委員 わかりました。それでは、大蔵省も私も新聞報道ということですから、新聞報道で議論を続けさせていただきますが、このような、二時間半も一つの国に徹底して、ある意味で、日本の経済政策に対して不満を述べられた。 それで、早々に、G7共同声明に、自民党の加藤紘一幹事長が、十六日午前、「G7諸国は日本が金融制度改革などの規制緩和を進めるべきだと言いながら、現在の日本経済が抱える問題点はこの改革を進める過程での苦しみだということを意外に認識しておらず、不満に思う」、「意外に認識しておらず、不満に思う」という声明を出したと。これ新聞報道ですが、「自民幹事長は不満」という形に書いてあるのです。これだけ一つのところにG7で二時間半も徹底してやる、これはどうも日本の立場、日本の置かれたものというものをきちんと説明していないのではないかという疑念が一つあります。 それから、これは後で申し上げますが、まず外務大臣にお聞きいたしますけれども、日本の政府の立場や政策方針をきちっと本当に伝えているのかどうか私は疑念があるのですが、まずこのG7の声明に関しまして、政府として、自民党の幹事長は不満を漏らしていらっしゃるわけでございますけれども、どのように考え、どのように対応を行おうとしていらっしゃるのか、外務大臣にお尋ねいたします。
○小渕国務大臣 実は、けさほど閣議の段階では、大蔵大臣、まだ帰国の途次にございまして、直接的に担当である松永大臣からその経過、結果について御報告をちょうだいいたしておりませんので、現段階で私からその経過についての論評を申し上げることは、ちょっと責任を持って申し上げられません。 ただ、新聞記事でそのように報道されておって、我が国の問題がそのように取り上げられているということは、考えてみれば、我が国の果たさなければならない役割というものが極めて大きい立場にあるということであるかもしれません。したがいまして、諸外国としても我が国の経済そのものに大変な関心を寄せており、かつまた、アジアの現在の経済全体の状況の中で、日本としての果たすべき役割についていろいろな注文が出たのであろうということは想像にかたくない、このように思っております。
○島委員 日本の果たすべき役割が大きい、まあ当然でありますが、これだけ集中した。やはり今、日本の置かれている立場というのをきちんと説明していない、そしてまた理解を得ていない。いろいろな経済対策だけではなくて、すべての現在の日本の置かれている立場、あるいはこのように考えているというメッセージを世界に発信するというのがやはり外務大臣、そしてまた外務省の大事な仕事だと思うわけでありますが、それがなかなかなされていないというふうに思うわけであります。 たびたび私はこの外務委員会で申し上げておりますが、要するに、なぜこんなことが起きるかというと、外務省がきちんと外務委員会でも説明していないし国民にも説明しようとしない、その説明能力というのが極めて低い、それが世界から誤解を生む原因であるのではないかと私は思っております。したがって、きちんとすべてに説明をして、そして進めていく、民主主義における外交のやり方ということをぜひともきちんと認識してやっていただきたいという前提で、本日の質問に入っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 今、委員長に許可をいただきまして、このような資料を配付させていただいております。本日の中華人民共和国との漁業協定に関しまして、もちろん皆さんよく御存じの点も多いと思いますが、なかなか質問のときに図がないとわかりにくいことがありますので、図として私の事務所でつくらせていただきましたものを配付させていただきました。 昭和五十七年に国連で採択されまして平成六年に発効しました国連海洋法条約、我が国は排他的経済水域を設定している。このピンク色がいわゆる領海十二海里というので、その外側にある線が排他的経済水域二百海里でございます。今までこの排他的経済水域、日本が、世界の中においてもほとんどがこういうきちんと線が引かれているのが、引かれていなかった。それを今回、新しい日中漁業協定を締結することによって、全面設定に少しでも近づいたということは、私も評価をいたしております。 協定の適用水域についてですが、日中両国の排他的経済水域全体となっているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、ピンクが領海、そしてその外が二百海里でございます。ただし、今回の協定では、この黄色のマーカーでついているところ、暫定措置水域と書いてございますが、東シナ海の北緯三十度四十分の線と北緯二十七度の線に囲まれた水域で、かつ、日中両国の海岸からおおむね五十二海里の線で囲まれた水域、地図の上では先ほど申し上げた黄色の線で囲まれた暫定措置水域というところでございます。これが合意された。 まず、これは確認のために外務省にお尋ねしますが、暫定措置水域の北限になります北緯三十度四十分の線と南限になります北緯二十七度の線というのは、どのような根拠に基づいて設定されたのかということをお聞きします。また、両国沿岸から五十二海里となった経緯について御説明をいただきたい。 前提に申し上げますが、よくこういう質問をしますと、交渉中ですからということでエクスキューズ、言いわけがあるわけでございますが、今回決まっておるわけですから、過程をきちんと御説明いただきたいと思います。
○阿南政府委員 暫定措置水域の北限、南限について、北緯三十度四十分、これはおおむね日中韓三国からの等距離点を通る線でございます。また、北緯二十七度以南の水域は、漁業実態が複雑かつ錯綜しているという現状、また現行の日中漁業協定も北緯二十七度線を協定水域の南限線にしている。すなわち、現行の日中漁業協定では北緯二十七度線以南は協定水域になっておりません。そういうことにかんがみまして、本件協定におきましても、北緯二十七度線以南の水域については基本的に新たな規制を導入しないという対応になっております。 また、距岸距離五十二海里につきましては、日中間で鋭意交渉を行った結果、こういう距離で決まったわけでございますが、交渉の経緯を振り返りますと、中国は基本的に暫定措置水域をできるだけ広いものにしたい、すなわち日本沿岸に近づけたい、これに対しまして日本側は、この水域はできるだけ狭くしたい、こういう双方の立場の相違がございました。そういう状況で、まさに鋭意交渉を重ねまして、双方の受け入れ可能なぎりぎりの線で距岸距離五十二海里というところで決着したという経緯がございます。
○島委員 この暫定措置水域のうちの暫定という話句についてお尋ねします。 これは大臣にお尋ねしますが、多分交渉の過程においていろいろな複雑な交渉があって、いろいろな政治的な判断があって暫定という言葉になったのでしょうから、大臣にお聞きするわけです。 暫定ということですから、期限があってしかるべきと思います。それは一体いつまでの措置なのか。また、この暫定措置水域、暫定水域が解除される、どうしたらこの暫定がなくなってきちんと解除されるのか、はっきりしていません。この暫定措置水域の暫定という話句の意味をお答えいただきたいと思います。
○小渕国務大臣 暫定という言葉は、当該水域において日中間の排他的経済水域の境界画定がなされるまでの間、こういうことだろうと思います。 排他的経済水域の境界画定につきましては、日中間の立場は依然として隔たりが大きく、相当長期の交渉、調整が必要と考えられますが、日中両国は、本件協定の署名に当たって作成した合意議事録において、両国の排他的経済水域及び大陸棚の境界画定に関する協議を誠実に継続し、双方に受け入れ可能な合意が得られるように努めることを表明しており一政府としても今後鋭意交渉を進めてまいる所存でありますが、先ほどアジア局長が申されましたように、この漁業協定を締結に至る間、双方ともぎりぎりの交渉の中でこうした暫定の水域を設けるということになりました。あくまでも暫定でございますから、冒頭申し上げましたように、境界画定が行われるために今後ともいろいろな話し合いは続けていかなければならないと思っております。
○島委員 今おっしゃったように、ぎりぎりの交渉をされた、だから暫定になる、わかります。それは当然そういうことでしょう。そしてまた、暫定というのは次決まるまでだということですが、要するに、日中いずれがの政府に、いろいろな意味で、ぎりぎりの交渉においていろいろな不都合が生じてきているのだろうと思いますが、その不都合の点というのは一体どういう点なのかということについてお答えいただきたいと思います。
○阿南政府委員 今お尋ねの不都合な点ということに関しましては、暫定期間をどのくらいとるかという判断ということかと思いますが、これまで実は、境界画定についてはもう中国側と何遍も協議を重ねてきておりまして、現実問題としてこれが直ちに、早期に決着を見るということはなかなか難しいわけでございます。 そういうことで、例えば協定の中でいつまでに境界画定を実現するというようなことが書ければいいわけでございますけれども、それは現状、これまでの交渉の経緯からしてなかなか難しい、現実的でない、こういう判断で、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、当然両国政府間で鋭意境界画定については継続的に交渉していくわけでございますが、この漁業協定の中ではこういう規定の仕方になっているということでございます。 〔委員長退席、福田委員長代理着席〕
○島委員 いろいろぎりぎりの交渉があったと類推をいたしまして、今後とも努力をしていただきたいと思う次第でございますが、ただ、これはお聞きしたい。 排他的経済水域及び大陸棚の境界画定について尋ねるわけですが、恐らく境界画定作業に当たって、我が国と中国との間に合意に至らなかったほどの非常に主張の隔たりがあった、結論を出すことは不可能であった、だから暫定措置水域を設定したのでしょう。ただ、そうだと言われても、一体どんな主張の隔たりがあったのかということは全くわかりません。どんな主張の隔たりがあったのか、ぜひとも御説明をいただきたいと思います。
○海老原政府委員 お答え申し上げます。 排他的経済水域の境界画定につきましては、国連海洋法条約の第七十四条に規定がございます。そこにおきましては、境界画定については、「衡平な解決を達成するために、」「国際法に基づいて合意により行う。」というふうに規定してございます。そこで、このような衡平な解決を達成すべく日中間で交渉を行ったということでございます。 そこで、委員お尋ねのどういう主張の隔たりがあったかということでございますけれども、我が国は、国連海洋法会議で一貫して、このような衡平な解決というものは中間線原則ということによって達成されるという立場でございまして、日中間の交渉においてもこの立場に立って主張いたしたということでございます。 中国につきましては、このような衡平な解決というものについては少し立場が違うということでございまして、これにつきましては、衡平原則という言い方をしておりますけれども、中間線原則以外の諸種の要素を考慮して境界画定を行うべきだという立場でございまして、この間の隔たりはかなり大きいものがあったということでございます。
○島委員 今説明されました国連海洋法条約七十四条の一とか、我が国が中間線というのを採用してそれを主張しているということ、衡平性の原則に立っていること等々は、私も説明を受けまして存じ上げておるわけでございますが、我が国政府が衡平な解決原則に基づく基準として中間線を提示した、おっしゃるとおりでございます。 中国政府がこの中間線という考え方を受け入れられなかったその理由はどこにあるとお考えなのか、お尋ねいたします。
○海老原政府委員 これは中国側の考え方についてのお尋ねでございますので、我が国として必ずしもその詳細を完全に理解しているというわけではないのかもしれませんけれども、交渉の過程におきまして、この衡平原則の具体的な中身につきまして、例えば中国側は、沿岸国の陸地を基礎として、その海域のすべての関連事情を考慮して境界画定を行うべきであるというような主張をいたしまして、例えば沿岸線の長さとか形状とか大陸と島の地位の違いとか、そういう点を含めて境界画定を行うべきだという主張をいたしておりました。
○島委員 先ほどから、暫定措置ですから、次の決まるまでの暫定措置だというトートロジー的な説明があったわけでございますけれども、この暫定措置が適用される期間というのは協定においては明示されておりませんが、このままでは暫定措置水域というのが、先ほど言われたように、決まるまでだといったら、永久に暫定が続くのじゃないかというふうに思うわけであります。 先ほどは、いつまでとは言えませんと言われました。これは政府委員としてはそうでしょう。ですから、大臣にお聞きするわけでありますが、本協定発効後、日中間の協議を進めて、国連海洋法条約第七十四の2にあるとおり、合理的な期間内に境界画定を行って一日も早くこの水域を通常水域とすることが、国連海洋法条約でも私は定められていると思います。つまり、合理的な期間内で。 健全な日中関係の発展にとっても、これは余りあいまいにしていくと、今後いろいろな火種になることもある。特に、いろいろ巷間伝えられている資源の問題等々もあるわけでありますから、これはあくまで合理的な期間内にきちんと早くしていかなくてはいけない。 いつごろまでがいわゆる合理的な期間内、いつごろまでと聞くのは答えにくいかもしれませんが、合理的な期間内というふうに考えているのか。暫定措置水域における境界画定を、どのような方針で今後きちんと境界画定を目指していくのかということについて、大臣に御所見を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 国連法条約七十四条に言う合理的期間とは、具体的な期間を念頭に置いておるものでなく、同条は、締約国が交渉のための努力を怠ったり交渉に応じないということのないようにすべきであることを規定したものと考えております。 いずれにいたしましても、政府としては、早期に排他的経済水域の境界画定を達成すべく鋭意交渉を進めてまいる所存でございますが、委員御指摘のように、合理的期間といいながらも、その期間が設定をされないままに、とわにというわけにはいかぬわけでございまして、したがって、この問題については、これからこの協定がお互い実行に入りまして、ここにおける漁業が実態的に行われる等々、行われてまいりますれば、いろいろな問題点も明らかになってくるのだろうと思いますので、お互い、この協定を結ばれた精神にのっとりまして、まさに合理的期間をという考え方のもとに、努力を怠らず定めていくべきもの、こういうふうに考えております。
○島委員 極めてぎりぎりの交渉をしていらっしゃるということはよく存じ上げておりまずけれども、それをきちんきちんと説明しながら、はや早期にこれを進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。ともかく、余りあいまいにしていきますといろいろな外交上の火種になると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 今度は、この暫定措置水域のこの図の黄色のところの下、北緯二十七度線から下のことについて質問を進めていきたいと思います。 暫定措置水域の南の水域、いわゆる尖閣諸島であるとかそれから台湾とかがあるところでございますが、ここでは北緯二十七度線以南の水域と私は呼ばせていただきますけれども、この水域では新たな規制措置は導入しない、つまり基本的には既存の漁業秩序が維持されることになると理解をいたしております。先ほど局長の答弁にもありましたように、民間レベルでいろいろやっていらっしゃるという話もありました。 まず、これも確認のためにお聞きしたいのですが、この北緯二十七度線より南という水域は、資料で御確認いただきまして、先ほど尖閣諸島のことも話をしましたけれども、この尖閣諸島に関しましては中国が領有権を主張しています。もちろん、先ほど政府見解は、局長答弁にもありましたようによく存じ上げておりますが、この水域をなぜ暫定措置水域としなかったのか、改めて確認の説明をお願いしたいと思います。
○阿南政府委員 北緯二十七度以南水域、先ほども申し上げたところでございますが、当該水域における漁業実態が複雑かつ錯綜しているためにこういう水域を設定したものでございまして、従来の日中漁業協定の経緯もございます。 そういうことでこれができたわけでございますが、先生お話の中で言及されました尖閣諸島の問題、これは、確かに尖閣諸島はこの水域に含まれているわけでございますけれども、尖閣諸島に関します日中間の主張の相違、これが理由でこの水域が設定されたというわけではございませんで、先ほど来申し上げておりますように、漁業実態とか従来の経緯ということでこの線が今回の協定の中でも出てきた、こういうことでございます。
○島委員 きょうは水産庁にもおいでいただいたと思いますが、尖閣諸島の十二海里、領海において我が国の漁業が行われていると伝えられております。その現状について御報告をいただきたいと思います。
○新庄説明員 御説明申し上げます。 尖閣諸島周辺の十二海里内での漁業の実態のお尋ねでございますが、対象になる魚でございますが、フエダイあるいはカツオ、こういった魚を対象にいたしまして、一本釣りあるいはひき縄、そういった比較的小規模の漁業が行われております。 以上でございます。
○島委員 今比較的小規模なという話をされましたが、現実に今、日本国民がそこで漁業をしていらっしゃるということは事実であります。 実は、昨年六月二十四日、外務委員会の視察で私ども与那国島へ行ってまいりました。後でも触れますけれども、そこでいろいろな要請もいただいたり、あるいはそこで生活をしていらっしゃる方、いわゆる国境の町の人々の考え方ということをよく聞いてまいりました。そのときに、やはり日本の外交政策がはっきりしないと、きちんとしないと、あいまいなままであると、そういう方々が非常にお苦しみになるということを本当に肌で実感して帰ってきたわけでございます。 その前提で質問を進めさせていただきます。 そもそも本協定、先ほども少し局長が答弁されましたけれども、尖閣諸島の領有権はどのような取り扱いをなされるのか。この協定は漁業協定であって、領土については双方の立場を害するものではないということはもう十分に、十二分に承知しております。しかし、漁業の実態面においては、尖閣諸島の十二海里領海における漁業権の問題もあるわけであります。小規模だからといってそんな、小規模だ小規模だと言っているわけではいかないわけでありまして、漁業の協定だからといって領有権問題と全く切り離して考えるということはできないし、そのままにしていくと非常に漁民が苦しむわけであります。 協定における尖閣諸島の取り扱いについて、交渉の過程において日中間に何らかの合意があったのか、それども全く棚上げして、これは漁民の、小規模のことだから仕方がないということで棚上げして協定の交渉を進めていったのか、それについてお尋ねしたいと思います。
○阿南政府委員 この水域につきましては、従来どおりの扱いで新たな措置を導入しないということでございますので、そういう意味ではこの水域についての議論を実態について深く行ったわけではございませんが、今先生棚上げというお言葉をお使いになったのでございますが、尖閣諸島の領有権問題について、日本政府がこれを棚上げにするということは決してあり得ないことでございます。
○島委員 私は、尖閣諸島の領海は本当に日本のものである、もっともだと思います。当然のことでありまして、これは強くきちんと主張をし続けていただくことは当然だと思っております。 ということは、そこでの漁業権は当然日本のものであると私は思うわけでございますが、中国側はそれは了解しているのかどうか。現在、尖閣諸島の領海では中国の漁業は行われていないと私は認識をしておりますけれども、本協定のもとで今後も行われないとの保証はできるわけですか。答弁をお願いします。
○海老原政府委員 お答え申し上げます。 本協定の対象は、日中いずれかの排他的経済水域ということになっておりますので、今委員が御質問になりました領海につきましては、そもそも協定の対象になっておらないということでございます。 したがいまして、尖閣諸島につきましては、我が国の立場は先ほどアジア局長から申し上げたとおりでございますので、領海の取り扱いについては従来と全く変わることはなく、この協定の影響も受けないということでございます。
○島委員 それはよくわかりました。 先ほどさらっと、宮本議員のときにも答弁されましたが、尖閣諸島の領有権につきましては、従来から政府は、尖閣諸島は我が国固有の領土であり我が国が実効的に支配をしている、中国側との間には領土問題は存在しないとの立場を一貫してとっておられます。この問題につきまして、私は全く異論はございません。 しかし、外務大臣にお尋ねするわけでありますが、中国政府が尖閣諸島を中国領であると主張している事実が実際問題として存在している、先ほど領海だから関係ないと言われましたけれども、実際問題としては存在しているわけであります。これを、日中間の立場あるいは主張の違いを平和的に解決して克服していくということは非常に重要な問題である。 小渕外務大臣は、尖閣諸島についての両国の立場あるいは主張の違いを克服するために今後努力する意思がおありか、それとも、今、見通しもなく先送りしょうとするお考えなのかどうか。もし努力する意思がおありなら、我が国政府としてはいかなる努力が今後必要と考えておられるか、御所見を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 中国が尖閣諸島について独自の主張を行っておることは承知をいたしておりますが、そのことは、国際法上は根拠はないものと考えております。したがいまして、我が国としては、尖閣諸島の領有権について中国と交渉すべき問題はなく、尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題は存在しないという立場でございます。 他方、我が国としては、尖閣諸島をめぐる事態により、アジア太平洋地域さらには世界全体の平和と繁栄のために重要な日中関係の健全な発展が損なわれることのないようにしたいと考えておりまして、こうした観点から、尖閣諸島をめぐる事態に対しても冷静に対処することを心がけてきております。 今後ともこうした姿勢を維持したいと考えておりますが、いずれにいたしましても、この島をめぐりましては、かつての香港、今中国でございますが、あるいは台湾、その他の島民等がいろいろと示威運動その他されておる事態は承知をいたしておりまして、そうしたことがこの地域の平和と安定に災いを起こしてはいかぬという観点から、注意深く我々はこの地域を見てまいらなければならぬとは思っておりますが、申し上げましたように、これはあくまでも我が国の固有の領土であるという立場でございますので、改めて我が方からこうした問題について取り上げて対処するという考え方は現在のところございません。
○島委員 今おっしゃった、冷静に注意深く、当然であります。この平和と安定ということも当然であります。ただ、だからといって、別に個人が示威行動をするということをよしとするわけではありませんけれども、そのままにしておく、先送りにしておく、今、領海だから尖閣諸島のところは大丈夫だよと言われましたけれども、しかし、与那国島に国民が住んでいます。本当のところは一体どうなんだろうと思いますが、問題が存在しているわけです。北方領土に対しては非常に明快に御答弁をされるわけでございますけれども、こちらの問題につきましてはなかなか明快な御答弁がいただけない。冷静にとか、あるいは平和とか安定、それは当然でございますけれども、ここまででおいておきますが、きちんとした対応を今後考えていっていただきたいと思う次第でございます。 この問題につきましてもう少し続くわけであります。 次は、これまたこの地域に台湾がございまして、確認でございますけれども、本協定を読む限り、中華人民共和国という場合、台湾を含むのか含まないのか、定義が不明瞭である。台湾は、一つの中国政策として考えた場合にどのようにお考えなのか。最高責任者である外務大臣から、本協定においてどのようにこの台湾というのをお考えなのか、御見解を伺いたい。よろしくお願いします。
○小渕国務大臣 これはもうしばしば歴代外務大臣も答弁しておるところでございますが、台湾に関する我が国の立場は日中共同声明に述べられているとおりでありますが、中華人民共和国政府の実効的支配が台湾に及んでいないという事実を踏まえまして、今回のこの協定の目的と趣旨にかんがみまして台湾に本件の協定が適用されないと解することは、このような我が国の立場から、何ら矛盾するものでないという考え方でこの協定を結んでおるところでございます。
○島委員 確認ですが、台湾はこの協定が適用されないということですか。
○阿南政府委員 今大臣の方からはっきり御答弁ございましたように、台湾に関する我が国政府の立場、これはもう先生御案内のように共同声明第三項に明確に述べられておるわけでございますが、実際問題といたしまして本協定が台湾周辺水域に適用されるということは考えておりません。
○島委員 台湾には適用されないということでございますけれども、そうなると、この台湾との間というのは公海のままということになりますか、台湾周辺の海というのは。
○海老原政府委員 台湾につきましては、既に排他的経済水域の宣言ということを行っております。もちろん我が国といたしましては、台湾についての、先ほどから答弁申し上げておりますような立場がございますので、この国際法上の有効性について云々する立場にはないということでございます。 他方、現実の問題といたしましては、そこにおきまして台湾が排他的経済水域を設定しているというのも事実でございますので、現実の問題といたしましては、日台で民間レベルでの話し合いも行われておりますので、こういうものを踏まえまして考えてまいりたいということでございます。
○島委員 では、現実の問題と言われましたので、現実の問題でこういう場合にはどうなるのかということについて御質問をしたいと思います。 先ほど申し上げました与那国島に行ってまいりました。与那国島に行ってまいりまして、与那国島の漁業者からいろいろなお話を承ってまいりました。例えば、我が国の最西端の島でありまして、私もいろいろな意味で感銘を覚えたわけでございますけれども、その漁業者が、近年、台湾と与那国島の中間水域における台湾の軍事演習があった、そのときに漁獲高が大幅に減少して大きな打撃を受けてきた、しかしその後、国、沖縄県、与那国町などが力を合わせて台湾側へ強力に要請した結果、訓練区域が移設されて、その後は安心してその区域内にある好漁場で操業ができると言って喜んでおられました。非常によくやられた、それは思います。 そうしますと、ここから先がちょっと、こういう場合どうなるのかという質問でありますが、この協定が発効しました場合、台湾と与那国島の中間水域というのは一体どうなっていくのかということでございます。 今までは公海であったと私は認識しておるのですが、それだったらば、台湾が軍事演習を行う場合、日本の利益に妥当な考慮を払うことによって軍事演習の実施が認められているということになるのですが、ところが今後は排他的経済水域となるわけですから、ならないのですかね、今後は法的地位に照らして、台湾が軍事演習を行っていった場合、一体どのような対応がとり得るのか、政府の御見解を伺いたいと思いますし、要するに、与那国の漁民が今後台湾の軍事演習に苦しむということがなくなるのかどうか、どのように考えていけばいいかということについてお尋ねをしたいと思います。 〔福田委員長代理退席、委員長着席〕
○海老原政府委員 まず、協定との関連でございますけれども、この協定におきましては、六条(b)におきまして二十七度以南の協定水域について規定しているわけでございまして、したがいまして、御指摘のような海域につきましては、日本が国内法、排他的経済水域・大陸棚法で引いている線というものが我が方の排他的経済水域の外縁線ということになっておりまして、御指摘のような、事実といたしましては与那国島と台湾との間にそれが引かれているということでございます。 したがいまして、その軍事演習の話でございますが、それが我が方の水域で行われるのか、あるいはその外において行われるのかということはございますが、一般国際法上の論点を申し上げれば、排他的経済水域というのは、あくまでも天然資源あるいは経済的な活動に関する主権的権利ということでございまして、御指摘のような軍事演習というようなものにつきましては、公海の制度をもとに考えていくということでございますので、まさに先ほど委員が御指摘になりましたように、そういうことが一般国際法上禁止されているわけではないけれども、他方、妥当な考慮を関係国に払うことによって行わなければならないということが言えると思います。したがいまして、妥当な考慮を払いつつ行うものは、排他的経済水域におきましても完全に禁止されているということではないということだろうと思います。 他方、実態の問題といたしましては、台湾が与那国島の沖で行われました射撃訓練につきましては、平成七年一月以降、漁業者への影響を踏まえて交流協会から亜東関係協会へのルートで累次申し入れを行っているという経緯はございます。
○島委員 ここに、昨年六月二十四日に、当時の外務委員長逢沢一郎委員長に与那国町の漁業協同組合から出された要請書がございます。 この中に、日中間で北緯二十七度以南の水域においては既存の漁業秩序が維持されるというふうに理解しておりますが、この北緯二十七度以南の水域において今後は、やっていった場合、漁業者の方からこんなことを言われております。境界画定がいずれ実施されていく場合、我が国政府の主張である中間線をとりますと、例えば、まあ与那国島と台湾との中間がその境界になるのではないかなと。しかし、与那国島の漁業者は、そこで中間線を引きますと、その好漁場のほとんどが台湾寄りになってしまう、そういう指摘をされているわけであります。 与那国の漁民、ぜひともこういう場合は、我が国政府に対して、衡平原則に立って排他的経済水域の境界画定を行っていただきたいというような要請があるわけでございますが、この与那国島の漁業者の要請に対してどのように取り組むおつもりか、方針を伺いたいと思います。
○阿南政府委員 今の御質問は、将来こういう事態になった場合ということでございますが、日台間におきましては民間ルート、具体的には我が方交流協会と先方の亜東関係協会との間で漁業につきましても協議が累次行われておりまして、これからも、今先生おっしゃったような問題も含めて話し合いを行っていくわけでございますが、現地の漁民の皆さんの利益を守るということが日本政府として一番大事なことでございますので、民間の協議におきましても、そういう考慮、そういう要素を常に念頭に置きつつ、今後台湾側とも話し合っていきたい、そういうふうに考えております。
○島委員 同じく、これは今は要請の中の一文でありましたが、もう一つ要請がありまして、私は、それを拝見したときに早くやるべきではないかなと思ったわけであります。つまり、「二百海里が完全実施された場合日中、日台漁業協定のとき台湾、与那国島間の海域にある好漁場での操業を確保していただきたい。」とあった後、「資源確保の為、水産研究所を設置していただきたい。」という要請が外務委員長に来ているわけであります。 この水産研究所の設置についての要請、与那国島近海における海洋生物資源の適正な調査を行うためにももちろん必要でありますし、今後行われるであろう北緯二十七度以南の水域での排他的経済水域の境界画定のためにも、こういうことをきちんとやって、そしてきちんと調査をして、早く急いでやるということが必要であると思うのですが、この要請書に対する御見解をお尋ねしたいと思います。この要請書は届いていませんか、外務委員長から。
○新庄説明員 南の方の海の水産資源の研究につきましては、日本全国で水産研究所がございますけれども、沖縄に西海区水産研究所の支所というのがございます。こちらの方で資源状況をいろいろ調査研究いたしております。
○島委員 これをなぜ外務委員会で取り上げさせていただいたかといいますと、外務委員会の視察で参りまして、外務委員長に要請が来ているわけであります。しかも、国境の町といいますか島といいますか、そういう地域でございますので、今水産研究所こういうのがありますという説明は受けましたけれども、もっと国益の観点からいろいろな多くの意味を持った場所になる可能性があるのではないかと私はそのときに判断したわけであります。 もちろん一つの要請でございますから、それはいろいろな観点から皆さんが、政府がお考えになることはよくわかりますけれども、これは特別の要請があった、特に国境の町である、そしてさらに今後のこの地域の問題については重要なことではないかというふうに思いますので、十分に検討していただきたいと思う次第でございますので、よろしくお願いを申し上げます。 今回の中華人民共和国との漁業協定、いろいろな流れの中で本当に本当に厳しい交渉があったことはよく存じ上げておりますし、またその中に一つ一つ積み重ねられたということは敬意を表するものでもありますが、ぜひとも、こういう問題であるからこそ、特に尖閣の問題は、尖閣の問題がありますと非常に狭隘なナショナリズムに火をつけることもありますので、きちんとした説明をした中で進めていっていただきたいと思う次第であります。 協定の質問を終わりまして、中国に関係する質問をさせていただきたいと思います。 中国、いわゆる全人代以来新しい体制で、今、朱鎔基首相も含め、非常に世界でいろいろなメッセージを発信されておるわけでございます。時間もありませんので、非常に基本的なことだけですから、外務大臣にお尋ねをしたいと思うわけであります。これだけ中国がどんどん国際社会に開かれようとする、それで、今いろいろな意味で世界の中において議論されているのが、いわゆる人権という問題であります。人権問題であります。 中国は、他国からいわゆる人権という問題につきまして取り上げられるということを非常に慎重に配慮する国で、慎重に考える国であります。日本としては、今後それでも人権というものに対して取り上げていくべきと考えて、そのような方向性を主張していくのか、それともアメリカなどとは一線を画して、それぞれその国々には、同じ人権といっても考え方があるよという立場をとられるのか。 戦略的な判断として、どちらの方針が我が国の指針として望ましいと考えるかを、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 我が国は、人権は人類共通の普遍的価値であり、いずれの国におきましても、人権状況のよりよい改善のため不断の努力をしていくことが重要であると考えております。 こうした考えにつきまして、我が国は、我が国の国民的世論も踏まえまして、他国の人権問題についてはそれぞれの国々の状況というものを十分考えつつ、主張すべきことは主張し、正すべきことは正していただきたいという我が国のメッセージは伝えていきたい、こう思っております。
○島委員 非常にいろいろな可能性のある御答弁でございましたので、わかりにくいところでございますが、ぜひこれの問題につきましては、またいずれ、きちんと時間があったときに取り上げていきたいと思う次第であります。 それで、あと恐らくワンテーマぐらいしかないと思いますので今、中国へのいわゆる国際協力、経済協力というのが随分ふえておるわけでございます。それで、九二年に定めましたODA四原則の中には、軍事支出、大量破壊兵器そしてまたミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払うという項目があります。 外務省にお尋ねをしますが、中国は近年、国防予算を増加させているという報道がありますし、武器輸出国でもあると私は認識しておりますが、それについて外務省はどのように考えておられますか。
○阿南政府委員 中国の国防費につきましては、 予算上、御指摘のように増加をしております。 ただ、その実質的な意味をどういうふうに評価するかということについてはいろいろな議論のあるところでございますが、国防に力を入れているということは事実でございます。武器の輸出についても、御指摘のような実態があるというふうに私どもも承知しております。
○島委員 ということは、このODA四原則の、軍事支出に十分注意を払うというのと、武器の輸出入等の動向に十分注意を払うというのに該当をするわけですか。外務省。
○阿南政府委員 ODAの大綱原則につきましてはまさにおっしゃったようなことでございますけれども、同時に、この点に関しましては、大綱原則の性格上、画一的基準で判断するのではなくて、発展途上国の経済状況や安全保障状況等を踏まえて、また、過去の状況と比較しつつ考慮する必要があるというのがこれまでの私どもの立場でございまして、こういう総合的に判断をする、確かに先生おっしゃいましたように、一つ一つの事例、その事実だけを見ると大綱に書いてあるようなことがあるわけでございますけれども、それをODAとの関係でどう判断するかというのは、総合的に諸要素を勘案して判断すべきだ、こういうふうに考えておるところでございます。
○島委員 という前提で大臣にお尋ねしますが、ということは、今の答弁にもあります諸要素等々を判断して、ODA四原則にはあるけれどもいろいろな諸要素を判断して、中国への経済協力を考えているということだと思います。その諸要素について外務大臣に御説明をお願いしたいと思います。
○小渕国務大臣 何といっても、日中の両国間の友好関係を深めてまいりまして、今後の両国間のよりよき関係を維持していくということ、そのためには、中国におきまして国内的な発展のために我が国としての協力を惜しまないという立場にあるわけでございまして、抽象的でありますが、諸要素といいますか、いずれにしても日本として、中国に対してその発展が、発展し正常な国連の進展が、すなわち我が国にとりましても極めて重大だ、こういう観点に立ちまして、総合的判断をして対処しておるところでございます。
○島委員 私どもは、今、いわゆる会派民主党ですが、今度二十七日から民主党という新しい党になりますけれども、そこでもやはり同じように、中国に対しては特段のアジア太平洋の協力ということを考えて、外交政策において中国というのを重視するということをしておりますので、それにつきましては全く異論はないわけでございます。異論はございません。 ただ、私は、たびたびこのODAの問題を取り上げさせていただいております。それで、今非常に苦しい御答弁をされたのではないかなと思っておるわけですが、ODA四原則にこのような一般的留意事項を明記していますから、このような非常に無理が出てくるのじゃないかと私は思うわけであります。ODAに対する国会の関与をふやす仕組みづくりをすべきだ、これは予算委員会で私主張させていただいたわけでございますし、ODA大綱をオーバーホールする必要があるのではないかということも申し上げております。 橋本総理も、国会による事後的チェックの仕組みを検討するということは認めておるという答弁をしておられますが、そのような仕組み、一体これからどのように進めていかれるのか、また、いつまでにつくるおつもりなのかということを大臣にお尋ねしたいと思います。
○小渕国務大臣 ODAは、言うまでもありませんが、日本国民の税負担によりこれを行っておることでございますから、その扱いにつきましては細心の留意を払わなきゃならない、当然のことだろうと思います。同時に、国会としても、どのようにこの問題について対処をされるかということは常々申されておるところでございます。 そこで、この問題につきましては、各党とも、例えば基本法というような形で御研究、御検討いただいておるやに聞いておりますので、そうした各党の状況等も十分承りながら、よりよきODAを目指して政府としては対処しなきゃならぬ、このように考えております。
○島委員 中華人民共和国との漁業協定に関しての質問をさせていただいたわけでございますが、やはり中国との関係は、本当に重要な日本との外交関係だと思います。 鄧小平さんが、今、私たちの世代では知恵が出ない、次の世代にまた新しい知恵が出るだろうということを、一九七八年でございましたでしょうか、言われた。そのころは当時の田中首相がいわゆるそういうことを言われた。それからもう小渕外務大臣という次の世代になっているわけだと私は思っておる次第でございますから、この日中問題につきましても、新しい知恵を出して新しい世代の知恵、そしてまた、中国の方も新しい世代に今変わりつつあると思います。決して偏狭なナショナリズムがお互いの国に起きることのないように、尖閣諸島の問題も含めて、きちんと国民に説明をした上で、この外交を進めていただきたいということをさらに主張しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○中馬委員長 続いて、山中燁子君。
○山中(燁)委員 山中燁子でございます。 私は三十分の時間をいただいておりますので、できるだけ簡潔に質疑を進めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、日中漁業条約が妥結したことは大変よかったというふうに思っておりますけれども、一方、日韓の方はうまくいかずに、仕切り直しというようなことになっております。昨年の今ごろは同じように進んでいて、同時に妥結にこぎつけるのではないかというようなことで、私はそういう形になればいいなと思っていたわけでございますが、結果は違ってまいりました。 まず一番最初に、この妥結に至った日中の条約の交渉の過程、それから終了通告をすることになってしまった日韓の漁業条約の交渉の過程の中で、どのような点が違っていてこういう結果の違いになったかというその認識、分析というもの、そこから次がスタートすると思っておりますので、お聞きしたいと思います。
○阿南政府委員 日中漁業協定交渉並びに日韓の交渉につきまして、経緯を詳細に御報告を申し上げておりますと大変時間もかかるのでございますが、一口で申し上げまして、漁業協定と申しますのは、双方のまさに経済利益が正面衝突をするという、実体面からいっても非常に厳しい交渉でございますし、また、日中、日韓の間にはそれぞれ暫定水域を設けざるを得なかった事情にあるような状況もございますので、漁業協定交渉自体、非常に難しい交渉を両方とも余儀なくされているわけでございます。 なぜ、日中がうまくまとまって日韓はいまだにまとまらないのかという、その相互関連性はないのでございますが、日中の方は幸い、昨年九月に橋本総理が訪中をされる、何とかそれまでに双方で譲歩できるところは譲歩し合って妥当な線で合意をしょうということで、まさに鋭意交渉を続けて、九月の総理の御訪中の直前に実質合意ができたという経緯がございます。 日韓の方は、これは御案内かと思いますけれども、漁業協定は大きく申し上げまして、水域をどう処理するかという問題と、それから今度はその対象水域の中で両国が漁獲量、漁獲の実態をどういうふうに処理していくかという大きな二つカテゴリーがあるわけでございますが、日韓の漁業協定交渉につきましては、現在の段階では、まだ協定水域をどう定めるかというところで両国間で立場の相違があるわけでございます。 これはひとえに、竹島の領有権問題というのが日韓にはございますので、これを協定の中でどういうふうに処理していくかどいうことで、その竹島の処理をめぐって双方の立場がなかなか埋まらなかったわけでございますが、経緯的に申し上げますと、一言で申し上げさせていただきますが、まず境界画定をまずやろう、それでなければきちんとした漁業協定はできない、そういう点でスタートしたのでございますが、韓国側は、それについては暫定漁業協定をつくろうということで同意をしてまいりました。 その次に、竹島については、これは韓国のものだから韓国のものだとはっきりわかるように線を引こうという主張をしておりましたが、その点についても、暫定水域を設けて、両方の主張が満たされるような一種の妥協案ということで歩み寄ってきておりますが、いまだにそういう点で完全に彼我の差が埋まっていない、こういうことで、日韓は現在交渉が続いているということでございます。
○山中(燁)委員 うまくいったときのことは、今おっしゃったように、橋本総理大臣との会談もあって、ここまでにという双方の盛り上がりというものがあったということで、それはそれで大変いいわけですが、やはり物事を失敗したときにどういうことだったかということをきちんと分析しませんと、次に同じ轍を踏むということもあり得ますので。 私、昨年からのこの一年間の動きの中で、二点、非常に気になっていることがあります。 一つは、日中の暫定措置水域というものの中に、先ほど島委員から御指摘ありましたように、尖閣諸島が入っておりません。経緯は先ほど御説明なさいましたけれども、これはとり方はいろいろありますけれども、私は、もしかしたらある程度意図したのかなというふうに思っていたわけです。 その意図という意味は、昨年中国を訪ねまして、江沢民国家主席との日中友好議員連盟の話の中にも、領土問題というのは長期的に見ようと、五十年という数字を挙げられておりました。片方がそういう認識のときに、こちらが拙速にそれに対して早く決めようということが、うまくいく場合とうまくいかない場合があるという意味で、ここは少しそのままにしておこうというのも一つの外交上の知恵かなというふうに思ったわけですが、竹島の場合には、その水域の中に入ってしまって、一度の違いというのがいろいろあるわけで、そこのところを、中国と同じように領土問題というものに直接触れない形で漁業交渉というのを進められないのでしょうか。そこのところが一点。 もう一点は、昨年、九七年八月十五日でございますけれども、韓国の漁船の拿捕の問題で、公訴棄却ということで、松江の地裁の支部で、日韓漁業協定は沿岸から十二海里を排他的漁業管轄の及ぶ水域に指定をしており、その外側の新領海内で操業しているということで日本に取り締まる権利がないというような判決が下されました。このもとになっていますのは、もちろん申し上げるまでもなく直線基線でございますが、韓国の外務大臣がこのことに関して、日本が一方的に設定した直線基線は、韓国との事前協議もなかっただけに認定しがたいというコメントを出しております。それに対して、柳井事務次官が、国連海洋法条約によれば事前協議の義務はないということで、事務的な手続ではまさにそのとおりで、事前の協議の義務はないということであれば、しなくてもいいのかもしれません。 私はここで一つ気になっておりますのが、その両方を通じて、ここに政治的、外交的な判断、対応というものがもう一つ加わるべきではなかったか。すなわち、海洋法条約によって事前の協議の義務はないとしても、この狭い海域の中を共有するわけですから、事前通告を行い、適当な準備期間を設けて実施するというような配慮というのが、信頼を醸成していく上には非常に大事な、手続ではなくて、実際の活動の中のとるべき行動ではないか。そういったことの積み重ねというのが韓国と日本の漁業交渉の中で信頼を損ねていったという側面があるのではないかと私は思うのです。 この点について、条約に義務が課せられなくても、近隣諸国との関係をいい形にしていくという意味で、これからもあり得ると思いますけれども、事前通告をするとか、それからある準備期間を置いて相手側に周知させる、そういった外交のあり方ということについて、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。 外務大臣の御所見を伺いたいと思います。外交的に、条約に載っていなくてもそういった配慮がこれから必要ではないかと私は思うのですが。
○小渕国務大臣 直線基線の問題につきましては、誠意を持って韓国側に説明を申し上げて、理解を求めてきておるところでございまして、そういった点で、不幸な拿捕事件が起こりまして、その対応につきまして、これまた漁業のこうした問題について双方の主張の繰り返しになるおそれがあってはいかない、こういうことで対処いたしておるところでございますが、残念ながら幾つかの事犯が起こっておりまして、それが裁判ざたにもなっておりまして、その点は残念の至極、こう考えております。
○山中(燁)委員 再交渉を進める上で、これからぜひ、条約あるいは手続にのっとったことをやればいいという姿勢ではなくて、そこに政治的、外交的に相手に周知するという最大の配慮をしながら進めていって、ぜひいい形で日韓の間の漁業交渉が妥結にいくようにというふうに思います。その辺を、特に今後の交渉の中で配慮をしていただくことを希望いたします。 次の質問に移らせていただきますが、これもまた手続の問題でございますけれども、終了通告というのをどういう手続でおやりになったか、簡単に御説明いただけますでしょうか。
○竹内政府委員 日韓漁業協定十条に基づきます終了通告を政府としていたしましたけれども、これは形式といたしましては、口上書という文書をもってこちらから韓国側に通報したということでございます。
○山中(燁)委員 国内的な手続のことをもうちょっとお願いいたします。
○海老原政府委員 まず、今の口上書を出すに当たりましては、閣議で決定をいたしております。 ただ、恐らく委員お尋ねの件は、国会との関係をお尋ねではないかと思いますけれども、この日韓漁業協定の十条の二項は、一方の締約国がこの協定を終了する手続について規定しております。今回の終了通告は、まさにこの規定に基づいて行われたわけでございますけれども、この規定自体が日韓漁業協定の一部といたしまして国会の御承認をいただいておるということでございますので、今回の終了通告というものも、この国会承認条約の実施といたしまして行政府限りでやらせていただいたということでございます。
○山中(燁)委員 そうお答えになると思っておりました。 これはまだ少数意見ではございますけれども、ことしの三月十五日のジュリストの中に、芹田健太郎神戸大学教授が、日本政府が国際条約を一方的に破棄、この場合には終了通告でございますが、これをしたのは第二次世界大戦後これが初めてのケースであるという指摘をしておりますが、これは間違いありませんか。
○海老原政府委員 ただいまの御指摘が二国間条約を終了させたというお尋ねであれば、御指摘のとおりでございます。
○山中(燁)委員 ということは、今芹田教授の論文の中からちょっと引かせていただきますと、条約の終了、破棄について国内手続がどうあるかということが必ずしも今まで明確に検討されてきたことはないという意味で、今回の終了通告というのは国際条約を終わりにする一つの前例となるということになるわけでございます。そうしますと、日本の国内法の手続が、これが慣行で、この中の条文にあるからそのままやっていくということでいいのかどうかという一点が、一つこれから本当に私ども国会として考えなければいけないことではないかと思います。 なぜかと申しますと、条約を締結するということも非常に大きな国際的な約束事であるから国会でこうして私どもきょうも採決をするわけですけれども、終了通告というのは、手続上、したがってこちらから文書をもってなり、やればいい、そして、今回は閣議決定をしているわけです、閣議で終了するということを決めているわけですね、その段階で、いいのかどうかという点で、私はやはり、国会の承認を得るかどうかというのは議論を要するところですが、少なくともこの条約を国会で承認して、あるいは委員会を通して承認をして、これが終了通告されましたということについて、どういう経緯があってどのような観点からそういう判断をしたかという説明が、せめて委員会にきちんとあるべきではないか。 それは、私どもこれから条約を議決してそして通していくわけですが、その後のフォローは次の世代になるかいつになるかわからないですけれども、やはり締結された条約は国会できちんと説明を受けて、私どもは、あ、こういうことでこの条約は終了通告されたんだ、それであれば次はどうずればいいかということがまた議論できるわけです。理事会で説明があったかどうか私はわかりませんけれども、少なくとも外務委員会でその経緯を説明し、それに対して質疑ができる、そういう手続のあり方というものをもう一度検討する必要があるのではないかと私は思うのですが、そこは事務上の手続ではないので、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 今回の日韓漁業協定につきまして、十条二項に基づいて終了通告をいたしました。 それで、先ほど条約局長申し上げましたように、一九六五年だったでしょうか、この協定について、国会のきちんとした手続を踏まえてこの条約を発効し、その条約に基づいて対処した、こういうことでございます。今委員御指摘をいただきましたが、この問題については、実態的には、この協定に対する我が政府の対応については、与党三党から、新しい海洋法条約というものが締結されたという新しい事態に対処して、新しい協定を結ぶべき時期をある程度限定をされた中で対処してきたわけでございます。 長くなりましたが、この問題について政府としてどのように国会に説明すべきかということでございますが、この問題については、日韓漁業協定の終了につきまして、二月十六日、外務大臣による外交演説において国会に報告をいたしておりますし、また、予算委員会その他の委員会におきましてもしばしば御質疑をちょうだいをいたしまして、政府の立場は説明いたしてきたつもりでございますが、この問題について、国会としてどう対処いたされるかにつきましては、政府としてはコメントはいたすべきものではない、こう考えております。
○山中(燁)委員 そうしますと、今のとられた手続を基本に考えますと、そういう場合には外務大臣から国会に報告をするというところまでが一つの手続、一つの例と今回なったというふうに考えてよろしゅうございますか。
○海老原政府委員 ただいま外務大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、終了通告自体につきましては、憲法に照らしましても行政府限りでこれを行われるというふうに考えておりますけれども、まさに委員が御指摘のとおり、その重要性にかんがみまして国会には御報告をさせていただいたということでございますので、今後ともこういう方針でまいりたいというふうに考えております。
○山中(燁)委員 できれば理事会で検討していただきたいのですが、そういうときには一応議論をした委員会に説明をしていただく。別にそこで承認を得るとかそういうことではございませんので、詳しい説明をしていただく。国会への一般的な報告ではなくて、そういう手続をとっていただくような検討をしていただければと思います。これは委員長の方にお願いを申し上げておきます。
○中馬委員長 今委員御指摘の件につきましては、理事会の方に諮らせていただきます。
○山中(燁)委員 お願いいたします。 次の問題に移らせていただきますが、今回の協定の中で、当然海洋生物資源を保存するということが前文に書かれておりますけれども、具体的に日中間で、どのような資源保護に関する計画があるかという点について、外務省として御承知でしょうか。
○海老原政府委員 私から協定との関係につきまして御説明をいたします。 海洋生物資源の保存、管理につきましては、この協定では、まず、お互いの排他的経済水域においてはそれぞれの国が自国の国内法令に従ってこれを行うということになっております。また、暫定措置水域におきましては、これは日中の漁業共同委員会というものがこの協定に基づきまして設置されますけれども、ここの決定に従いまして海洋生物資源の保存、管理のための適切な措置を共同で行っていくという形によってこれを担保するという形になっております。
○山中(燁)委員 私がそれを質問させていただきました理由は、二国間の協定というのは、やはり重点は、どういう水域の中でどういう漁獲量を確保していくか、そしてもちろんそれに伴って資源というのが出てくるという意味で、一義的には漁獲の問題というのが交渉のかなりの部分を占めるというふうに理解しております。 地中海漁業の一般理事会協定というのを見ますと、第一項の一番最初、第一項の二に、締結の意義というふうにわざわざうたってありまして、これは私が申し上げるまでもなく御承知と思いますが、地中海及び黒海並びにこれらに接続する水域の海洋生物資源の保存、管理及び最適利用を促進することという目的で多国間の資源保存に関する協定があるわけでございます。 そういった観点からいきまして、ちょうど先ほど島さんから私の持ってきている地図と同じ地図を皆さんに配っていただきましたので、それをちょっともう一度見ていただきますと、この地図の中で、やはり日本を中心としてといいますか、日本を基点に置きますと、ロシア、韓国あるいは朝鮮半島、そして中国という四つの国がこの水域をいろいろな形で分け合っているわけで、そして当然二国間の協定がそれぞれ漁獲量についてはあるわけです。 私が危惧しておりますのは、この地域を総合的な資源の保存、管理という視点でこれから考えていきませんと、それぞれの地域で測定している、あるいは前年度の実績に基づいたTACの決め方とかいろいろなものが出てくると思いますけれども、現在ある資源だけではなくて、これからどうやりてふやしていくかということも含めまして、やはり広域にわたる日本を取り巻く海域を一つの水域と設定いたしまして、オホーツク、日本海、そういったところの資源、環境の問題という視点でこれから多国間の、同じような二国間との条約ではなくて、資源保存に関する取り決め、協定というものを早く進めていかなければいけないだろうというふうに思っております。 そういうことをすることが日韓の漁業協定、または韓国と中国の漁業協定、それから、ともすれば韓国とロシアがどういつだ形で漁獲を分け合っていくかというそういうところにも波及していくものと思われますので、私はぜひこの点で、資源の調査分析、そしてそれを共通でロシア、中国、韓国、日本が理解をし、協力して推進していくという意味で、改めてそういう環境的な、海洋環境の視点からの国際的なイニシアチブを日本が率先して、というよりも今のを加速して包含的に進めていくイニシアチブをとってもらいたい、このことが、漁業のそれぞれの条約を有効に今後活用していく大事な前提になるのではないかと思いますので、この辺の御所見は大臣にお伺いして、この漁業の問題は終わらせていただきたいと思います。
○小渕国務大臣 委員の御指摘を拝聴いたしておりまして、そうした形で関係国が共同で資源の問題等研究し、分析し、調査し、お互いの国々の利害を超えて話し合うことができればまことに望ましいとは思います。 が、現実には、今の時点ではやはり日本を取り巻く地域、すなわちロシアあるいは朝鮮半島あるいはまた中国等の漁業協定を結ぶ過程におきましても、二国間におきましてそれぞれ状態が相異なっておりまして、そうした意味で、まずは協定を結ぶという過程の中で調整をいたしていった結果結ばれつつあるわけでありまして、そういったことと並行的に今御指摘の資源の問題その他につきまして関係する諸国が十分連絡を密にするようなことのために、我が国としてもイニシアチブをとることができれば幸いだと思っております。
○山中(燁)委員 ぜひ並行してやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ちょっと時間がなくなりましたが、インドの問題に少し触れさせていただきたいと思います。 バジパイ政権が樹立されまして、なかなかはっきりとした意見を述べているわけでございますが、聞くところによりますと、核の問題についてエクササイズ・オール・オプションズということを言っているということで、ODAをこれから継続してやるかどうかということがまだ十分判断できないと先日レクチャーでお聞きしましたが、今まだそういう状況でしょうか。
○大島(賢)政府委員 インドにおきます新政権、バジパイ政権の選挙におきます綱領を見ますと、従来よりも、いわゆる核政策につきましてやや踏み込んだといいますか、やや強目の政策が打ち出されているということは御指摘のとおりでございます。 ただ、実際にこれがどういうふうに政権に着きましてから実行されるかということは、これは私どもとしてもよく注意をしていくべきことであろうと思っております。
○山中(燁)委員 このことについてアメリカは猛反発をしたけれども、その一方でかなり高官を送って、それから投資の約束もしたりというようなことで非常に素早い反応をしているわけでございます。 日本の場合は、今様子を見ながらというような御答弁だったと思いますけれども、もう既にバジパイ政権では、防衛大臣は核に反対の方を登用しているとか、そういったことで客観的にこれを実行する可能性は相当少ないというメッセージを送りつつ、お会いした外務大臣も、それから環境大臣も大蔵大臣もそうですけれども、今までの方向と全然変わっていないけれども、インドのロジックをわかってほしいというのは、核を全廃するのであればインドも持たないけれども、既にもうコンピューターシミュレーションの段階に入っているアメリカやロシアもあるし、あるいは隣を見ても中国、パキスタンがあるし、そういった状況で駆け込みの実験をしたフランスもあるという中で、インドだけができないという論理は通らないというようなことで、とりあえずこういう形でオプションを残しておくのだというようなことを何度も言っております。 そういったことも含めまして、インドのことについてODAも含めてまた時間をとらせていただいて、ぜひ検討させていただきたいと思いますけれども、素早い情報の収集と、それから日本の外交政策の上での対応というのをやっておきませんと、ほかの国からの反応に比べて日本は非常に遅いということが実感されましたので、外務大臣にぜひその辺、インドとの関係、二〇二〇年には中国を超す世界最大の人口ですし、核の問題もありますし、人権の問題もあります、しかし大きな力を持った国でありますので、アジアの端っこにあるという認識ではなくて、湾岸を含めた新しい汎インド洋の枠組みをつくるということで今会合も始めている状態ですので、今後ともインドについても視野を広げていただきたいというふうにお願いして、それについて一言賜って、終わらせていただきます。
○小渕国務大臣 インドが最近、科学技術あるいは特に情報産業等に大変な発展をしておるという状況も聞いております。また、今御指摘のように、核の問題につきましての積極的と認識をされるような新しい首相も誕生したということであります。 そういった意味で、インドに対しましても我々として、より積極的に対処いたしますと同時に、その重要性についての認識をも深めていかなければならないと認識をいたしております。
○山中(燁)委員 ありがとうございました。終わらせていただきます。
○中馬委員長 東祥三君。
○東(祥)委員 外務大臣、おはようございます。 本日は、日本と中国との漁業協定に関して、主権の確立という視点から質問させていただきたいと思います。当委員会でも国連海洋法条約についての議論をしたときに、一つの重要なポイントが、領土の画定、それはとりもなおさず主権をどのように確立していったらいいのか。日本の場合は、とりわけ北方領土問題、竹島あるいは尖閣諸島という、それぞれの関係国における意見、立場の違いというのはありますけれども、そういう問題を抱えている。それと極めて密接にかかわってきている問題がこの漁業協定の問題なんだろうというふうに理解いたしております。 第一番目の質問として、国連海洋法条約で排他的経済水域の問題が取り上げられました。今一般論として、我が国政府が主張しております我が国の排他的経済水域のうち、完全に日本のものとして国際的に認められている、あるいは認められ得る水域は全体の何%あるのか、この点についてまず御説明願いたいと思います。
○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。 我が国は、国連海洋法条約を締結するに際して、同条約を含みます国際法に従って、二百海里または相対国との中間線まで排他的経済水域を設定しております。そのうち東海、日本海等の相対国との距離が四百海里に満たない水域については、境界画定に関する合意に達していない水域があります。 このように、我が国の排他的経済水域の中には、相対国と境界画定に関する合意に至っておらず、相対国と排他的経済水域の主張が重複している水域がございますが、相対国が境界画定に関する具体的な主張を行っていない等の事情がありまして、そのような水域の広さや我が国排他的経済水域全体に占める割合については明らかではございません。
○東(祥)委員 それでは、境界画定できない水域にはどういう水域があるのか、さらにまた、それはなぜ境界を画定することができないのか、この点について御説明願いたいと思います。
○大島(正)政府委員 お答え申し上げます。 今御質問、あるいは御指摘といいましょうか、ございました水域に関しましては、まず我が国から相対国までの距離が四百海里未満の水域であって、当該相対国と排他的経済水域の境界画定に関する合意に達していない水域がございます。 我が国は、従来から中国、韓国と境界画定に関する交渉を鋭意行っておりますが、境界画定に関する国際法についての立場の相違などがあって、いまだ境界を設定するに至っておりません。 境界画定は困難な問題でございますが、引き続き合意に向けて努めていくという立場でございます。
○東(祥)委員 それは、別の言葉で言えば、領土問題を抱えている相手国との間に境界を画定することができない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○海老原政府委員 境界が画定できない海域につきましてはそれぞれの事情がございまして、今まさに委員が御指摘のような領土問題というものが絡んでおる海域というものも当然ございます。 ただ、そのほかにも、そもそも線の引き方につきましての考え方の違い、中間線原則でいくのか、あるいは先ほどもちょっと話が出ておりましたけれども、いわゆる衡平原則によるのかというようなことで線引きができないという海域もございます。
○東(祥)委員 我が国とロシアとの間では、北方領土を自国領土として互いに排他的経済水域を引いているわけですけれども、問題は、この水域は、今まさに、明日ですか、エリツィン大統領が訪日されると伺っておりますけれども、二〇〇〇年を目標に現在交渉が行われている平和条約の締結によって明確にこの線引きができるものと考えているのかどうなのか。 外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○小渕国務大臣 平和条約の締結交渉につきましては、言うまでもありませんが、東京宣言に基づき、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすことで日ロ間の認識は完全に一致しており、今、この合意に沿って交渉を進めておるところでございます。 一方、排他的経済水域につきましては、我が国は、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律により、北方領土周辺においても一部水域の除外を行うことなく既に排他的経済水域を設定いたしておるところでございます。 究極は、今委員御指摘のように、平和条約を結んで領土を画定し、そして、その上に最終的な漁業における協定が結ばれるものだろうと思いますが、現在の状況で現実に漁業をされておられる方々もおられます。そういった意味で、これも多年にわたっての交渉でありますが、日ロ間におきまして、現在、北海道周辺における漁業における協定が結ばれまして、それによって実効的に操業を行うという形に相なっておる次第でございます。
○東(祥)委員 韓国との関係でいきますと、もう既にいろいろなところで日韓漁業協定、現行協定に関して日本が終了通告をしたわけでございますが、今後は、新たな漁業協定を締結すべく漁業交渉の再開を目指しているわけでございますが、もしこの交渉がまとまれば、竹島周辺水域を暫定水域と設定して、そして、他の水域は明確にそれぞれの排他的経済水域として設定できると考えております。 そしてその後、竹島の領有権問題に絡む同水域における排他的経済水域の線引きはその後の交渉にゆだねるものと考えていいのかどうなのか、これも政府の見通しを伺いたいと思います。
○阿南政府委員 日韓の境界線画定につきましては、経緯的に、韓国側は漁業協定をつくる前に境界をきちっと画定しよう、こういう主張でございましたが、これは現実問題として相当時間がかかることが予想されるわけでございまして、焦眉の問題である漁業協定の新協定を結ぼうということで合意が得られて、今漁業交渉は行われているところでございますが、そういう経緯から考えましても、境界線の画定、境界画定につきましては、今後並行的に両国間でやっていく、漁業交渉の締結というのが一つ弾みになるという可能性はあると思いますけれども、日韓間の境界画定につきましては、漁業協定がまとまった後も鋭意継続的に交渉をやっていく、こういうことでございます。
○東(祥)委員 この部分に関してはちょっと蛇足になるかわかりませんけれども、基本的にはあるいい線まで交渉はいっていたんじゃないですか、日韓関係において。それは、主権の確立という視点でこの日韓漁業協定をまとめていくという、ある意味で高い次元からの日本の外交のイニシアチブが発揮されなかった。それはある意味で極めて重要なことでございますが、漁業関係者にとってみればそれは死活的な問題であり、私はその重要性を決して否定するものではありませんけれども、ある意味であの状況、もちろん交渉担当者ではありませんから、外から見ていて、余りにも外交のイニシアチブが全面的に発揮されなかったんじゃないのか。国内のローカルなインタレストというんですか、それが余りにも先行してしまって、本来、外務大臣がイニシアチブを発揮して何とか解決することができたんではないのかというふうに僕自身はずっと状況を見ておりました。これが妥結することができなかったことによる日本と韓国との間のぎくしゃくした関係、これをまた再び再構築させなくちゃいけない、そういう状況に至ってしまっているのではないのか。 再び日韓漁業協定に関する交渉をするに際しても、基本的に今日まで続行してきたところをある意味でスタートとしてやらざるを得ないわけですから、そういう意味においては、いまだに私は、破棄通告をしたというその契機が那辺にあったのかということに関して極めて興味を持っている人間のうちの一人でございますが、外務大臣としてはじくじたるものがあるに違いないというふうに思いますが、その辺について、いい機会だと思いますから、若干お聞かせ願えますか。それともコメントは差し控えられますか。どうですか。
○小渕国務大臣 最終的に、一九六五年以来奥行してまいりました日韓の協定がこのような形を迎えておることは残念なことでございます。 しかし、特に日韓の漁業には歴史的ないろいろの経過がございまして、かつては李承晩ラインというようなものがありまして、我が国の漁民の皆さんが、あの半島に近い地域での漁獲についての問題から発生した線引きもございました。今日は、逆に韓国の漁船その他がたくさん日本海に参りましていろいろのトラブルが起こっておるというようなこともございまして、そこへ御案内のとおりな国際的なこの協定が結ばれまして、新しい時代に入らなければならないということで今日まで努力を傾注してきたところでございます。 いろいろの経過がございましたが、新たな気持ちで新しい外務通商長官と私との間で交渉に入るということが入りましたので、これからは一日も早く新協定を結んで、日韓の新しい漁業秩序のもとで、お互いその協定のもとで魚族の保存その他を行うと同時に、漁獲量を確定し、そして、そのことによって日韓の漁業が正常な形で進んでまいることのために努力をいたしていきたいと思っております。
○東(祥)委員 それでは、続きまして本題に入らさせていただきますが、我が国と中国とは、本日議題となっております新漁業協定に基づいて、東シナ海に排他的経済水域の線引きを行わない暫定措置水域を設定することになっておりますが、我が国政府としては、近い将来この水域にも線引きを行うという強い意思を持っているのかどうなのか。 その点について外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 本件協定の交渉過程におきまして、排他的経済水域及び大陸棚の境界画定に関する協議を鋭意行ってまいりましたが、日中双方の基本的立場に大きな隔たりがありまして、境界画定について早期に合意することは相当困難であるとの状況となりました。 しかしながら、実際上の漁業操業の観点から、漁業について新たな秩序を早期に構築することが必要であるため、境界画定に先行させる形で、暫定措置水域の設定を含む漁業協定を作成することといたした次第でございます。政府としては、今後とも排他的経済水域及び大陸棚の境界画定に関する協議を継続していく所存であり、この点については、本協定の合意議事録においても確認をされております。 このような経緯を踏まえて、今後とも境界画定に向け鋭意努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○東(祥)委員 また、中国との間では、今回の交渉過程で、暫定措置水域の南部、南側には、国連海洋法条約に基づく新たな措置を全く施さない水域が残されることになると私は理解しておりますが、この水域における線引きは棚上げされたと考えていいのか、この点についても外務大臣の見解をお聞きしたいと思います。 つまり、私が申し上げているのは、北緯二十七度より南の水域のことを指しておりますが、この点についていかがですか。
○小渕国務大臣 本件協定は、国連海洋法条約の趣旨を踏まえ、原則として相互入会措置をとることといたしておりますが、暫定措置水域以南の水域におきましては、当該水域の漁業実態が複雑かつ錯綜しているため、基本的には日中間で新たな規制を導入しないことといたしております。 他方、協定第十条において、日中両国は、この水域を含めた協定水域全体について、海洋生物資源の保存のための協力を行う義務を負うことが規定されていることでも明らかなように、資源管理の点で国連海洋法条約の趣旨を踏まえたものとなっておると承知いたしております。
○東(祥)委員 棚上げされている、いないという、そういう次元ではないということですか。いかがですか。
○海老原政府委員 ただいまの御指摘は、この協定の六条(b)に言いますところのいわゆる以南水域についての線引きのお話だろうと思いますが、基本的には、日中間で排他的経済水域の境界画定が必要な水域というものは、ほぼその大部分がこの暫定措置水域の中に入っております。二十七度以南については特に新しい制度は設けないということでございますけれども、この海域につきましては、この境界画定の問題というのは基本的には生じてまいらないというふうに考えております。
○東(祥)委員 それでは、この協定の前文の冒頭には、日中共同声明を想起することが盛り込まれております。日中共同声明は、言うまでもなく、我が国の戦争責任、また我が国の主権の範囲、領土保全等が書かれている。したがって、本協定に日中共同声明が出てくる背景を考えれば、中国との漁業交渉において日本側は何か受け身だったのではないのか、そのように思わせるのでございます。 暫定措置水域の南部水域が暫定となっていないのは、中国側はこれを恒久的な措置として考えているからではないのか、そのように私は推察しまずけれども、外務大臣の見解を伺いたいと思います。
○小渕国務大臣 いろいろな経過を踏まえて、双方ともぎりぎりの交渉によって、今回こうした協定を結んだわけでございますので、我が国といたしましては、この結ばれたものをもって、中国側との関係におきましても、それぞれの国々の主張に基づいて線引きをした結果である、このように認識しております。
○東(祥)委員 ちょっとよく、まだ頭の中が整理できないのですけれども、先ほど若干引用されました日中の合意議事録の第一項では、確かに次のように述べている。つまり、「両政府は、両国の排他的経済水域及び大陸棚の境界画定に関する協議を誠実に継続し、双方に受入れ可能な合意が得られるよう努めることを表明した。」となっておりますけれども、この項は暫定措置水域にしか触れていないと思います。ましてや協定本文のどこにも、この南部水域を暫定措置とすることが読み取ることができない。 そうすると、暫定措置水域の南部水域は恒久的な措置との中国側の理解、あるいは両国政府、日本及び中国政府の合意が、何らかの合意があるのじゃないのか、このように私は推察してしまうのですが、再度答弁願いたいと思います。
○海老原政府委員 先ほど御答弁を申し上げましたように、この六条(b)の以南水域につきましては、基本的には現存の漁業秩序を維持するということではございます。他方、協定の第十条におきまして資源の保存についての協力という義務がございまして、これにつきましては、いわゆる以南水域についてもこれはかかってくるということになっておりまして、同時に、十一条によりまして日中漁業共同委員会が設置されますが、ここにおきまして、この以南水域におきます資源の保存のための協力について協議をして勧告を出す、その勧告に基づきまして両国は必要な措置をとるということになっておりまして、この以南水域につきましても、国連海洋法条約の趣旨を踏まえまして、そのようないわばアレンジメントはできているということでございます。 他方、境界画定につきましては、まさに御指摘のように合意議事録にも確認しておりますけれども、今後とも誠実に交渉を継続していくということでございますけれども、その境界画定がなされるまでの間におきましてこのようないわば暫定的な取り決めを行うということにつきましては、国連海洋法条約の七十四条においても明記されているところでございます。
○東(祥)委員 そもそもこの新協定というのは、海洋法条約に基づいて、基本的には、境界を設定して、そしてまた排他的経済水域を画定することができるという視点から考えていかなくちゃいけないのじゃないのか。南部水域においては基本的に今までどおり変わらないということであるとするならば、そのときは当然海洋法条約というものはできていなかったわけですから、また、この点に関しては、既に海洋法条約の審議をするときに、本来、海洋法条約に基づいてあるべき線引きというのはどういうふうになるのかということを主張したときもございました。ただ、漁業協定という極めて機微な、また難しい交渉過程を進めるに当たって、それを前面に出すとなかなか難しくなってしまう、こういう議論が一般論としてあったわけでございます。 本協定の十二条には、「この協定のいかなる規定も、海洋法に関する諸問題についての両締約国のそれぞれの立場を害するものとみなしてはならない。」と規定されております。しかし、国連海洋法条約に沿った新たな協定を締結する以上、本協定は、海洋法に関する諸問題についての日中両国のそれぞれの立場を調整するものとなるべきではないのか、このように思います。 今申し上げました第十二条のような大原則の視点に立っているとするならば、すべての協定水域を通常水域にすることができないのではないのか、このように私は思ってしまうのですが、この点についてはいかがですか。
○海老原政府委員 今の御指摘につきましては、ちょっと私、通常水域というのを正しく理解しているかどうか自信がございませんけれども、確かに、委員が御指摘のように今回の協定というものは、日中両国が九六年に国連海洋法条約を締結したということを踏まえてなされているものでございますので、なるべく海洋法条約の規定に沿った形で協定をつくるということが大前提でございまして、我々もそういう基本方針に立ちまして交渉を行ったところでございます。 したがいまして、境界の画定がなされるべきであるというところについては、我々もまさにその立場に立っておりまして、だからこそ、まず境界画定を行うべく交渉を行ってまいりました。 ただ、先ほどからもいろいろと御説明をしておりますように、かなり日中の間で境界画定についての立場が異なりますので、ある意味では、やむを得ず、現実的な解決策というふうに考えまして、国連海洋法条約の七十四条でも認められている暫定的な措置といたしまして、この暫定措置水域あるいは以南水域についてのアレンジメントというものを設けたということでございます。 我々といたしましては、あくまで、先ほども以南水域における資源の保存の措置につきましてはちょっと御説明を申し上げましたので、あの水域についても、全く国連海洋法条約が生かされてないということではないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国連海洋法条約をなるべく生かした協定にするというつもりで作成したつもりでございます。
○東(祥)委員 それでは、最後になりまずけれども、エリツィン大統領が明日訪日されるということを踏まえた上で、今年二月二十一日、我が国とロシアとの間で北方領土周辺水域安全操業枠組み協定が署名されました。北方領土周辺水域での操業の際の最大の懸念というのは、今後銃撃は起こらないのかという不安なのじゃないのか、このように思うわけでございます。 北海道庁に今月の二日、国後島に基地があるロシア国境警備隊から、北方四島と根室の中間線ラインを越えて日本漁船が操業している、このままでは残念な結果を生む、安全操業の実現に否定的な影響が出ることを警告するという内容の電話連絡とファクスが入ったという報道がありました。ここで言う残念な結果というのは、銃撃を意味しているのかどうかよくわかりませんけれども、枠組み協定の交渉の中で、今後銃撃はないとのロシア政府の保証はあったのかどうなのか、小渕外務大臣にお聞きしておきたいと思います。 さらにまた重ねて、もう時間がありませんので、まとめてお答えいただきたいのですけれども、ある意味で、前回の署名を行った際の時点においてはこの部分が定かでないとするならば、エリツィン大統領が来られたときに、今後銃撃はないという保証をエリツィン大統領から取りつけておくことを、橋本総理にぜひ持ちかけていただけるように、橋本総理の方に外務大臣から進言すべきなのではないのか、このように私は思っているわけでございますが、外務大臣の見解を伺って、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
○小渕国務大臣 今委員御指摘の、今月二日にロシア国境警備隊から、国後島周辺水域で日本漁船が操業していたことを指摘し、警告するファクスが北海道庁に接到したと承知いたしております。 御指摘の、残念な結果としてロシア側が具体的に何を念頭に置いているのか明確ではありませんが、先般、日ロ間で署名された北方四島周辺水域操業枠組み協定のもとで操業を行う日本漁船は、日本側民間団体が自主的に作成した操業手続に従って、同水域において操業を実施することとなっております。 この操業手続は、作成する過程におきまして、我が国漁船の安全操業に万全を期するとの観点から、ロシア側との間で、その内容につき実体的にすり合わせを行っております。この手続に従い操業が行われる場合には、ロシア側が我が国の漁船を対象として拿捕等の取り締まりを行うことは想定されておらないわけでございます。 この枠組み協定につきましては、私自身がモスクワに参りまして、ネムツォフ第一副首相との間で署名を行ったものでございまして、過去、いろいろこうした銃撃事件その他が行われたことによりまして、こうした事件の再発を防ぐという意味でこの協定を結んでおるわけでございますので、そうした協定に違反するような事犯は、双方とも行われないということでお互い努力をいたしていくべきものと考えております。 なお、本件につきまして、明日から行われます首脳会談におきまして、どのようなお話になるかわかりませんが、この協定につきましては、恐らくロシア側におきましても、十分、我が国との今後の友好関係を維持するために極めて重要な協定であるという認識をいたしておりますので、取り上げられるかどうか否といたしましても、重要な問題としての認識は理解しておると認識いたしております。
○東(祥)委員 ありがとうございます。
○中馬委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 日中漁業協定に基づいて暫定措置水域が設定されることになりました。しかしながら、現場における漁民からは、そのことがなされたにしても、一種の不安な声が上げられてまいっております。というのは、この暫定措置水域の設定によって、これまで続いてきた中国漁船や韓国漁船の違反操業、漁具被害、そういう問題が解決され、なくなるんだろうかということについての不安な声であります。 それらについて、大臣から、今度の協定とのかかわりで、現地の漁業者の不安に対して明確なお答えを最初にちょうだいしたいというふうに思います。
○小渕国務大臣 この新たな日中漁業協定では、暫定措置水域における両締約国漁船の取り締まりにつきましては、基本的に自国の漁船に対してのみ行い、相手国漁船の違反操業に対しては注意喚起を行うことといたしておるところでございます。また、相手国漁船の違反操業の事実及びその関連事情につきましては、相手国に通報し、相手国はこの通報を尊重して必要な措置をとることとなっております。暫定措置水域における具体的な管理方法は、協定に基づいて設置される日中漁業共同委員会において協議し、決定されることとなっております。 政府といたしましては、本協定の枠組みのもとで、日中間の漁業資源の保護、違反操業の適切な取り締まりが行われるよう、中国との間で話し合い、我が国漁船の安全操業についても着実に確保されるよう、鋭意努力していく所存でございます。
○古堅委員 私どもが関係者から聞いたところによりますと、例えば長崎県漁連は、この暫定措置水域の設定を予想していなかったということで、大変驚いている、そういうことを語った上で、二百海里体制を主張し、漁場は小さくなっても、トラブルがなく安心して操業できるようにすみ分けをすべきだ、このように述べている。 また、これは新聞紙上で報道されたことでありますけれども、日本遠洋底曳網漁業協会は、政府は日中の中間線で排他的経済水域を分けるという方針を死守してほしかった、暫定措置水域をあんなに広く設け、何も線を引かないのでは、日本の船は今後も逃げ回るしかないと厳しい見解も表明されております。 大臣は、日本の船は今後も逃げ回るしかないと訴えている漁業関係者のこういう声に対して、今御説明がありました、それぞれが体制をとって取り締まるというふうなことだけでそういう不安をなくすることができるという方向に行くのだろうか、もう一度しかとした御説明をいただきたいと思います。 〔委員長退席、福田委員長代理着席〕
○小渕国務大臣 具体的な実態のすべてを掌握しておりませんですが、この水域を設け、お互いこれを守っていくということによりまして、関係国の漁民が十分安定した漁業が行えるものと確信をしてこの協定を結んでおるところでございます。
○古堅委員 つくられます日中間の共同委員会、そういう話し合いや、あるいはそれぞれ配置する取り締まり船などの体制、そういうことが今後どれだけこういう不安をなくしていくことに有効に作用するだろうかということで事態は大きく変わるというふうに思うのですね。 そういうことで、この暫定水域に中国側と日本側がそれぞれどのくらいの取り締まり船を常時配置することになっていくのか、そういう体制問題について、ちょっと説明していただけますか。
○齋藤説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の海域を含みます排他的経済水域におきます外国漁船の違法操業を取り締まるため、海上保安庁としては、主に大型巡視船以上の船舶及び中型飛行機以上の航空機により哨戒を実施しているところでございます。御指摘の海域におきましても、これらの勢力を有効に活用して対応することとしております。
○古堅委員 常時複数の取り締まり船が配置されることになりますか。それと、その取り締まり船にはヘリコプターもつけられたそういう体制になるのか、ヘリコプターを通じての監視体制もとるとか、そういう全体としての体制になっていくんだろうか、そこらあたりを含めてもう一度。
○齋藤説明員 先生の御質問でございますが、具体的な船艇、航空機の配備状況につきましては、警備の手法にかかわるということで具体的な数字をコメントできませんが、現在、海上保安庁は、今言いました外国漁船の違法操業を取り締まりができる巡視船艇を全部で三百五十四隻持っております。このうち、先ほど申し上げました大型巡視船、主に九百トンあるいは千トン以上のクラスの船でございますが、これが四十八隻ございます。このうち、先生がおっしゃいましたヘリコプターを常時搭載している大型巡視船が十一隻ございます。また、航空機につきましても、全部で七十機ほど保有しておりまして、先ほど申し上げました中型飛行機以上の航空機が全部で二十五機ございますので、これらを活用して十分な体制が組める、このように考えておるわけでございます。
○古堅委員 大臣、今の進められようとしている体制も含めて、日本漁船が逃げ回るしかない、そういう状況にならないように、最善の努力を払ってそういう不安の問題が起きないようにやっていくということについての大臣からの御決意を伺いたいというふうに思います。
○小渕国務大臣 それぞれ関係の国が漁業秩序をしっかり保ち、そして正常な漁獲を求めて努力をいたしますれば、そのような事態は起こってこないと認識をいたしております。 しかし、万一そういうことが起こった場合には、適切に対処することは当然のことだと思っております。
○古堅委員 そういうことが起きないように、最善の努力を尽くすべきであるということを強く指摘しておきたいと思います。 次は、補償問題についてちょっと伺います。 これまで、中国漁船の違反操業によって日本漁船は多大の被害を受けてきながら、その補償が、全くなおざりにしてきたと言うしかないような事態が続いてまいりました。この協定の締結によって補償交渉はきちんと行われ、これまでのようになおざりにされるというふうなことにはならないということになるんでしょうか。大臣からしっかりした説明をいただきたいというふうに思います。
○阿南政府委員 補償の問題でございますが、暫定措置水域においては、日中間で排他的経済水域の境界画定が未了という状況でございまして、本件協定によりまして、両政府、日中政府とも、自国の国民及び漁船に対して取り締まりその他の必要な措置をとることとした。 今ちょっとこれを申し上げておりますのは、失礼かもしれませんが、先ほど先生再三御指摘になりました、暫定措置水域内では日本漁船は逃げ回るしか方法がない、そういうことをおっしゃっている方がいらっしゃるということでございますから、そういうことについて我々十分配慮する必要がございますが、協定上は、逃げ回ったりされる必要は毛頭ございませんで、日本漁船は日本が管理をするということになっておりますし、従来もそういうことで、日本漁船があの水域で逃げ回っていたというようなことも実態としてはないのでございます。 ただ、そういう感じを当事者の漁民の方がお持ちになっているとすれば、さらにきちんと御説明する必要があるかと思いますが、そういうことで、暫定措置水域内の取り締まりについて一言申し上げたわけでございます。 また、両締約国の保存管理措置がそれぞれより効果的に実施されるように、各締約国は、日中漁業共同委員会が決定する操業についての規則に違反している他方の、相手方の締約国の国民及び漁船を発見した場合には、違反事実につき注意を喚起する、また、違反事実及び関連する状況を当該他方の締約国に通報することができる等々の措置をとることになっておりまして、補償の問題が民間当事者間でどういうふうに今後きちんと処理をされていくかということは、直接この協定からは読めませんが、今申し上げたような措置をお互いにとるということで、おのずから漁業秩序が一層改善されていくというふうに考えております。
○古堅委員 暫定措置水域に韓国漁船が侵入してきた場合、日本漁船にこれまでと同じような被害を与えるのではないかということも現地漁業者の心配の一つとなっていろいろと声が聞かれます。この暫定措置水域内で韓国漁船の違反操業が起きたときの取り締まりはどうなるのでしょうか。きちっと規制できるのかどうかということについてお答え願いたいと思います。 〔福田委員長代理退席、委員長着席〕
○海老原政府委員 暫定措置水域に関しましては、第三国船の取り締まりにつきましては、本協定に規定はございません。したがいまして、協定を離れまして、一般国際法あるいは国内法の規定に基づいて行われるということでございます。 御指摘のような、韓国の漁船が暫定措置水域の中の我が方の、排他的経済水域・大陸棚法の外縁線よりも我が方寄りに入って操業するという場合につきましては、御案内のとおり、現在EZ漁業法の附則第二条によりましていわゆる適用除外を行っておりますので、我が国がこのような韓国漁船を取り締まるということはございません。 ただ、暫定措置水域につきましては、日中で共同の規制を行うということになっていくと思いますので、このような事態を含めまして、協定の実施に関しましては日中間で必要に応じて協議をすることもあり得るということでございます。
○古堅委員 韓国漁船の違反操業はひどいものがあるというふうにたびたび聞かされます。 例えば、対馬北東海域にはタチウオ、アマダイの好漁場がありますけれども、大量の韓国漁船がこの二種類を一度にとる立ち底流しはえ縄漁を行っているため日本漁船が操業できないという、こういうような事態にも今追い込まれたりしております。韓国政府も認めていない無許可小型船による違法操業から、大型、中型のトロール船も、禁止区域、禁止期間破りの違反操業も多発しておるというのです。日本政府は毅然としてそういうものを取り締まる体制をとっているのかどうか、こうも現地の人たちは大変不満を言っておられるのですね。そこらあたり、お答えください。
○阿南政府委員 今先生がおっしゃいましたような状況が長いこと続いているのが日韓漁業の現実でございまして、そういう現実もあるがゆえに日韓漁業協定もなかなかスムーズに妥結に至らないという側面もございます。 先生御指摘になりましたように、この水域で操業している韓国漁船はほとんど密漁ということになりますか、韓国の国内法違反で操業しているわけでございますので、これは一義的に韓国側がきちんと取り締まるべき筋の話でございますけれども、現実にはそういう船が日本近海で操業している。ただ、協定上の扱いといたしましては、先ほど条約局審議官の方から御答弁いたしましたように、現行日韓漁業協定等では、この韓国船を日本側として取り締まる権限がないという形になっております。 それで、そういう事情があるがゆえに、私どもも、日韓の新しい漁業協定の締結を急いで、鋭意交渉して、現状の非常に不合理と申しますか、漁民の皆様方が迷惑をこうむっておられるような状況を早く解消しなくてはいけない、こういうふうに考えているところでございます。
○古堅委員 大変な事態が続くのだけれども、思うようにそれが規制、取り締まりが成功せぬという事態が続いておって、被害は大きいのですね。ですから、それを解決するにはそれなりのやはり弱点を克服していくということが大事だと思いまして、提起の意味も含めてちょっと三点ばかり申し上げますので、御検討を願いたいと思うわけです。 第一は、密漁船に負けない高速の取り締まり船を十分に確保する。第二は、漁業組合などが自主的に整備する警戒体制に対する補助の拡充を図る。例えば、長崎県上対馬の漁協は、多発する韓国漁船の違反操業と対峙しているため、出動回数も多くなり、負担も大きいものとなっております。その燃料代や人件費といった維持費等、現地漁協の要望に沿い、補助の対象を広げていきたいというものです。第三は、漁具被害についての補償制度の創設の問題です。それらについて前向きに検討していただきたいと思いますが、簡潔にお答え願えたらと思います。
○齋藤説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の対馬周辺海域におきます韓国漁船の取り締まりに関しましては、先ほど申し上げたとおり、海上保安庁としては、所有の巡視船艇、航空機による監視取り締まりを実施しております。 また、不法操業に対処するため、韓国の取り締まり官との情報交換、あるいは定期的な会議を開催しておりまして、韓国漁船の漁業関係法令違反の防止に努めてきておるわけでございますが、残念ながら、平成九年におきましても、対馬周辺海域におきまして七隻の韓国漁船を検挙しておるわけでございます。 先生御指摘の高速船の整備につきましても、海上保安庁としては、具体的な取り締まり手法について検討してまいることとしております。 以上でございます。
○古堅委員 時間がありませんので先へ急ぎますが、申し上げた三点についてはぜひ御検討を願いたいと思います。 最後に、台湾との関係です。 御存じのように、二十七度線以下の南方の方は今度の協定から適用除外とされております。これは台湾に対する配慮などからそうなったのかなというふうに思いますけれども、台湾との関係では、一九九四年以来、台湾軍の演習区域がそこに設定され、演習が頻繁に実施されて、台湾と沖縄県与那国島の中間あたりにある好漁場で与那国漁民の操業ができなくなって、大変被害が大きくなっておりました。その問題について、私も九六年四月五日の外務委員会で取り上げて、強く解決方を要望したところなのですが、その問題について、その後、政府としてどういう努力をされ、どういう結果になっておるのか、簡潔にお答え願えたらと思います。
○小渕国務大臣 御指摘の与那国周辺の水域における台湾側の射撃訓練につきましては、政府として、我が国漁業者の安全な操業を確保すべく、交流協会を通じまして、台湾側に訓練の中止、訓練海域の変更等を粘り強く働きかけてまいりました。 その結果、交流協会への台湾側の事前通報によりますれば、昨年四月以降、台湾の訓練は我が国排他的経済水域の外側で実施されていると承知いたしております。 本件協定は、言うまでもありませんが、台湾のこのような射撃訓練を直接規制するものではありませんが、いずれにいたしましても、政府として、引き続き我が国漁業者の安全な操業の確保に向け最大限の努力を行っていく考え方でございます。
○古堅委員 最終的に問題が安定的に解決されたということではありませんが、努力の結果があらわれて、安全に操業できるようになったということは大変喜ばしいことだというふうに思います。 引き続き、現地の漁業者の安全な操業ができるようにという要望にこたえて、最善の努力を払ってほしいということを要望申し上げて、終わります。
○中馬委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 アジア局長に二問、大臣に二問、質問をさせていただきます。 アジア局長に二問束ねて伺いたいのですが、今まで、もうさまざま同僚議員の質疑がございました。さまざまの問題も数々発生をする、トラブルもある、何か努力をしなければならぬ。いろいろな問題が日常的に発生をしている側面もあるわけでありますが、私は、こういう問題をどう打開をするのかということについても、またこの議題の日中漁業協定、今鋭意取り組んでいる日韓なども含めまして、どのようなマルチの展望と申しますか、アジア的視点と申しましょうか、そういうことが非常に大事な時代になっているのではないかという気がいたします。 外務大臣が訪韓をされ、また日韓、日中首脳会談が行われる。いろいろな意味で進展する方向に時代は向かっているのではないかというのが私の認識であります。 アジアにもポスト冷戦の新しい動きがあると思いますし、それから、特に経済金融不安の状態をどう乗り越えるのかということにつきまして、総理がジャカルタに飛ばれるとか、異例なことでありますが与党の政策責任者が同行するとか、いろいろな努力もなされておりますし、やはりそういう経済金融問題などの動きの深刻さがよりこの地域における協力を深めなければならぬという意味合いが強まっているということではないかと思います。 したがいまして、この漁業の問題につきましても、私どもも韓国に参り、あるいは中国に参りますと、それぞれ日中あるいは日韓のさまざまの関係をどう漁業面でよくしていくのか、あるいは中韓のさまざまの話し合いもどうしていくのかという話をいろいろと会話をし、伺うわけでありまして、そうなりますと、海は一つですから、また国境で海の中にいる魚が区切られるわけではありませんから、やはりいろいろな意味でマルチの発想というようなことを念頭に置きながらやっていくということが必要な時代ではないだろうか。特に、いろいろな外交面でも大きなポジションを持つ日本としては、やはりそういう積極的な姿勢を持ちながら交渉していくという姿勢がいろいろな意味で大事なときではないだろうか。 特に、実際の現実の交渉事を詰めていかれる立場ですから、そういう気持ちをアジア局長に伺いたいのであります。 それとの延長線なのですが、日韓は中断しておりますけれども、ああいう状態になっておりますけれども、来年一月までに、この限られた期間の中でなるべく早くこれを詰めなくてはならぬ。 また、本協定の日中もそうですが、共同のさまざまの努力をどうしていくのか、共同委員会で定められる事項とかいうものをもっと詰めなくてはならぬということだと思います。 先ほど来話がございました安全の問題がございます。それから、さまざまなトラブルをどう打開するのかということもございます。それから、資源の共同調査の問題もあります。この資源の共同調査の問題について、お互いの漁獲その他についてのどういう協定なり相互認識が成り立っていくのかということもありますが、私は、いずれにいたしましても、大きなポジションを持つ我が国がそういうさまざまな具体的な交渉をするに当たって、やはり先を展望した、もっと共同の新しい時代を考えていくのだという姿勢が非常に大事なことではないだろうか。 いずれにしろ、国と国境を大前提にしてやり合うという時代から、だんだん私は変わってくる時代になるのであろうというふうに思いますが、漁業面における共同の努力あるいは国別のさまざまの努力をしながら、どういう姿勢で臨んでいくのか。特に実務に責任を持たれるアジア局長、いかがでしょうか。
○阿南政府委員 特に政府委員へのお尋ねでございますので。 アジア全体を視野に入れたマルチの視点ということを御指摘になりました。確かに、従来はアジアと申しましても、日本から見まして、朝鮮半島、中国、ASEAN、南西アジア、それぞれの地域、それぞれ特有の外交対象として扱ってきた面がございますが、先生も御指摘になりましたような昨年夏以来のアジアの金融経済危機ということが何か一つのアジア全体を共通でくくる視点を提供してくれたような面もあるかと感じております。 いずれにいたしましても、日中、日韓の漁業交渉、日中は交渉はまとまったわけでございますが、まだ宿題として残っております日韓の漁業交渉を進めていく上でも、当然、中韓でどういう問題があり、何を話し合っていくか。漁場は一つでございますので、ある意味では狭い意味合いかもしれませんが、日本、中国韓国、単に二国間だけの利害の対立というだけではない、先生のおっしゃるマルチの視点が必要であるということは私どもも痛感しているところでございます。 また、共同の努力で、漁業問題にしても、将来を展望した施策を講じていかなくてはいかぬのではないか、この点をどう考えているかという御指摘でございますが、その点はもうまさに先生がおっしゃるとおりでございまして、漁業協定をつくりましても、資源保護にいたしましても、操業の安全にいたしましても、やはり両当事者間の共同で協力をしていくという姿勢がない限りは、協定もある意味では内容のないものになってしまう。 そういうことでは、日中、日韓、特に日韓では現在協定が交渉中でございますが、特にこれまでの難しい経緯にかんがみて、民間の漁業当事者の方々、両国の漁業当事者の話し合いということも政府の交渉と並行して行っていただいておりますし、今後も行っていただくということで、いろいろなレベルでの相手国との共同、さらには二国間のみならずマルチの次元での共同、協力ということが重要だというふうに認識をしております。
○伊藤(茂)委員 国連海洋法条約の審議のときに思ったのですが、世界で海に関する新しい秩序をつくろう、資源もそうですし、環境もそうですし、安全もそうでありますし、そういう精神のもとでああいうものが組まれてきたというふうに思うわけでございますけれども、現実国会の審議も漁業の問題に収れんされるという傾向が随分ございました。 私はああいうものを考えますと、マルチという表現でアジア局長に申しましたけれども、やはり我が国は海洋国家であり、そしてまた近辺諸国との非常に大事な関係を持つ国でありますから、そういういいイニシアチブ、いいまとめ役、調整役という役割を積極的に果たすような姿勢で物事に臨んでいく、常に相手と五分五分で交渉し合うだけではない、超えることが必要ではないだろうかということで申し上げた次第でありまして、ぜひさらに御努力をお願いしたいと思います。 大臣に伺いたいのですが、中国からもう間もなく胡錦濤さん、副主席がお見えになります。そして、江沢民主席の訪日とかの日程になるわけでありまして、本当にトップレベル、ハイレベルでの交流が行われる。胡錦濤さんはもうすぐ来られるわけですが、さまざまな交流が政府間でもまた議員の間でもなされる。やはり私は、こういうものを意味のあるものにしていかなければならないときだろうというふうに思います。 幾つかの日中間の問題もございますけれども、また全体としては、国交正常化以来いい方向で推進しているということはお互いに認め合っているというようなことなのですが、さっきのマルチと重なるのですが、やはり日本、中国双方がアジアの次のあるべき方向、経済問題も含めて語り合うというようなことが非常に大事になっているというふうな時期だと思います。せっかくのこういう日中間のハイレベル、トップレベルでの外交活動という中で、意味のある方向づけというものを積極的に日本は提起をしていくということが大事ではないかと思いますが、来週、胡錦濤さんを迎えて、この条約も早く成立をすることが私はいいことだというふうに思っておりますが、どんなお気持ちを大臣、お持ちでしょうか。
○小渕国務大臣 今伊藤先生御指摘のように、たまたま日中国交正常化二十五周年が昨年、これまた首脳の相互訪問が実現しました。また、日中平和友好条約締結二十周年ということしてございまして、そういった意味で中国側から江沢民国家主席と、今御指摘のように来週早々には胡錦濤国家副主席が、お二人が来日されるという、非常に希有なぐらいに我が国に対して要人が参られるわけでございまして、こういう機会にぜひ日中間いま一度きちんと、首脳会談その他行われることによりまして、ますます友好関係を深めていくことができれば大変幸甚だというふうに思っております。 橋本総理も、ASEMにおきまして、新しく就任された朱鎔基総理ともお話しされましたし、私自身も、トウカセン新外交部長といろいろお話をさせていただきました。そういった意味で、ますます両国間の指導層の交流というのが深まればよろしいと思いますし、特に、遅浩田国防長官も参られまして、我が方の防衛庁長官も機会を見て訪中されたいということであります。そういった意味で、安全保障面におきましても、両国間の話し合いが深まっていくことは大変すばらしいことではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、両国の関係の一層の増進を深め、発展に努めてまいりたいと思っております。
○伊藤(茂)委員 私は、総理もそれから外務大臣も、アジア・ビジョンと言ったらなんですが、また日中だけでやる問題ではありませんけれども、日本と中国が、これからのアジア及びアジア太平洋地域について、重要な幹事役ぐらいのつもりで努力をしなければならぬというときだと思います。あわせて、日米関係も軸になるということは言うまでもありません。何かそういうものを国際的にアピールするぐらいのことを、せっかくの時期でありますから、持たれるぐらいの気持ちで、積極的に対応されることが望ましいというふうに思っているわけであります。 もう一つ、大臣に伺いたいのは、北朝鮮の問題です。日朝国交正常化交渉の問題でありまして、これは、村山内閣、橋本内閣ができるときの三党のさまざまな政策合意など、日朝国交正常化交渉を促進し云々とかいうことをずっと言ってきた関係で、お互いにまたそういう努力もして、昨年十一月でしたか、私も含めまして与党三党での訪朝もさせていただきました。 そういう中で、さまざまな難しい問題がありますが、私は、大きな流れとして、金大中新大統領も、南北問題、経済問題は非常に困難な問題はありますけれども、南北関係の打開について、追求の姿勢をとっておられます。北朝鮮の方も、国家体制を整備するという努力がされているというふうに認識をいたしております。 もちろん、すべて円滑ではありませんで、さまざまな複雑な問題、困難な問題もあることは事実ではありますけれども、こういうものを促進していく。とにかく、ドアを閉めておいて、窓をあけないでいてという関係というのは本当によくないので、ドアをあけ、窓をあけて、言うことは率直に、友人として、また隣国として言い合うという関係が大切ではないかというふうに思っております。 また、与党の立場としても、北朝鮮の代表をお迎えするとかいうようなことも、御案内を出したり何かしているような状況なので、昨年十一月に私ども参りまして、あれから後、自由民主党の皆さんもいらっしゃいまして、あれからさまざまな意見交換をされているようですが、一月、二月、三月、四月、なっていくということなものですから、やはりこういうものについて、何かどこかで節目をつくって、我が国の主張はきちんと言いながらも、ドアをあけて話をするということの決断をなさるべき時期ではないだろうかと思っているわけでありますが、いかがでしょうか。
○小渕国務大臣 我が国近隣におきまして、まだ国交を結ばれないという事態は不正常であることは言うまでもありません。そういった意味で、北朝鮮との関係の正常化のために、あらゆる機会をとらえて努力を傾注していかなければならぬと決意をいたしておるところでございます。 幸いといいますか南北におきましても、金大中大統領が、本問題につきましても積極的にお取り組みをいただけておるように拝察をいたしております。ただ、現実には、先般も、南北の協議が行われておりましても、なかなか事態がスムーズに進捗しておらない状態がございまして、憂慮いたしておるところでございますが、日本としては、日本としての立場におきまして、北朝鮮とのいろいろなパイプを通じ、また、関係をより深めていかなければならぬと思っております。 昨日も、日赤の副社長さんが参られまして、日本人妻の故郷訪問につきましていろいろ御努力された経過についてお話を承りましたが、政府としても、全力でこうした問題をバックアップしていくということを通じまして、一つ一つ窓を開いていただきまして、双方の正常化が一日も早く達成されるように努力をいたしたい、このように考えております。
○伊藤(茂)委員 私の考えは、日朝国交正常化交渉再開の問題についても、望ましいのは、南北の交流と、それから今行われている四者の話し合い、例えば日朝とこれが並行して、相伴って発展をするのがやはり一番安定した姿だろうというふうに思っております。 ある方は、雁行、カリが並んで空を飛ぶようだと申しましたが、これは必ずしも、整然と一列に並んでいくのと、ちょっとどちらかが首を先に出す場合といろいろございますから、常に並列でなければならぬというわけでもないと思います。たまには、日朝関係についての日本の決断が、ちょっと首が先に出たということがあってもいいのじゃないかと思います。 大臣、考え方をお伺いしましたが、めどは念頭に決まっておりませんか。
○小渕国務大臣 なかなか相手国のあることでございまして、そのめどを正確にお話しすることはできませんが、できる限り早くそうした状態が参りますように、懸命な努力を傾注いたしてまいりたいと思います。
○伊藤(茂)委員 終わります。ありがとうございました。
○中馬委員長 これにて質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○中馬委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○中馬委員長 次に、本日付託になりました大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第十条2を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定の締結について承認を求めるの件及び千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 政府から順次提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣小渕恵三君。 ――――――――――――― 大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第十 条2を改正する議定書の締結について承認を 求めるの件 車両並びに車両への取付け又は車両における使 用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術 上の要件の採択並びにこれらの要件に基づい て行われる認定の相互承認のための条件に関 する協定の締結について承認を求めるの件 千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十 月二十三日及び千九百九十一年三月十九日に ジュネーヴで改正された千九百六十一年十二 月二日の植物の新品種の保護に関する国際条 約の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小渕国務大臣 ただいま議題となりました大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第十条2を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この議定書は、平成四年六月四日及び五日にマドリードで開催された大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約の締約国の全権委員会議において採択されたものであります。 この議定書は、大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約に規定する分担金の算出基準を改正することにより、同条約の円滑な運用を促進することを目的とするものであります。 我が国がこの議定書を締結することは、大西洋におけるマグロ漁業に関する国際協調の促進及び我が国のマグロ漁業の安定した発展を図るとの見地から、有意義であると認められます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行われる認定の相互承認のための条件に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この協定は、昭和三十三年三月に国際連合の欧州経済委員会の主催によりジュネーブで開催された国際会議において作成されたものであります。 この協定は、車両、その部品等に関する統一的な技術上の要件を定めた規則を作成し、同一の規則を適用する締約国の間で型式認定の相互承認を行うこと等について規定するものであります。 我が国がこの協定を締結することは、相互承認を通じた貿易の促進に資するとの見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、従前の植物の新品種の保護に関する国際条約の内容を基礎として、植物の新品種の育成者の権利について、新たな国際的統一規則によりその保護を強化することを主たる目的とするものであり、平成三年三月十九日にジュネーブで作成されました。 我が国がこの条約を締結することは、育種の振興を促進することにより我が国のみならず世界の農業の発展に資するとの見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○中馬委員長 これにて各件に対する提案理由の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十二分散会 ――――◇―――――