科学技術委員会 第6号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/03
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸さん、同理事中野啓昌さん及び同理事菊池三郎さんの出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村隆秀さん。
○木村(隆)委員 おはようございます。自民党の木村隆秀でございます。 順次質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。 御案内のように、我が国は唯一の被爆国であります。国民の皆さんの中には原子力に対するアレルギーというものが潜在的にあったわけでありますけれども、動燃の事故そして不祥事等々が重なった、そんな中でこれらが一気に噴き出てしまった。これまでの不安感に加えて不信感というのが芽生え始めた大変憂慮すべき事態ではないかな、こう思うわけであります。その中で今回の法案提出になってきたのではないだろうか、こう思いますけれども、一方で、今や総発電電力量の三割以上を原子力が賄っているという状況を考えますときに、我が国におけるエネルギー供給上の原子力の重要性、これも言えるわけであります。そこで、核燃料サイクルの確立をやはり早急にきちんと図っていく、これも我が国にとっては大切なことであろう、こう思うわけであります。 まず、質問の最初に、この核燃料サイクルをどのようにこれから進めていこうとされておられるのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今木村先生おっしゃったように、核燃料サイクルというものは、我々は、日本にとって絶対に必要なものだろう、こういう観点から今までも取り組んできましたし、これからも取り組みたいと思っているわけでありますけれども、今御指摘になりましたように、一つは、エネルギー資源という観点からもう原子力発電というものが欠くことのできないものになっている。単に今三四%を占めているというだけではなくて、ウラン資源がどうなるかということをよく研究しなければならないわけでありますけれども、そのウラン資源の有効な利用という観点。 それからもう一つは、環境論から、原子力発電は二酸化炭素等を出さないという面がありますけれども、それに加えまして、核燃料の廃棄物が環境を汚染してはならない、環境への負荷を最低限にとどめていこうという観点からも、核燃料サイクルというものを確立していくことが必要ではないか、プルトニウムを核燃料として利用していくということが必要ではないか、こういうふうに考えているわけであります。 ただ、それは大事だというわけでありますけれども、木村先生が言われたように唯一の被爆国である、こういうことを言うまでもなく、安全確保が大前提である。この前もこの委員会で御答弁を申し上げたわけでありますが、単に安全というだけではなくて、その安全が国民の安心に結びつくということでなければならないのだろうと思います。それで、やはり動燃の一連の事故等によって安心という感じがかなり揺らいでいるということに、今回のこの法案の審議をお願いしたということがあるわけであります。したがいまして、私どもとしては、この法案をきちっと議論の上通していただいて、動燃改革を着実に進める、その中で信頼回復を図っていくということがまず第一であろうと思います。 それと同時に、昨年の二月、核燃料サイクルの進め方につきましては閣議了解をしているわけで りますけれども、その閣議了解に沿いまして、まず当面の重要課題である青森県の六ケ所村における再処理事業、それから使用済み燃料の貯蔵管理、それからいわゆるプルサーマル計画を進めていく、それから高レベル放射性廃棄物の処分対策を進めていく。そういうことをきちっと手順を追って、段階を踏んで、着実に推し進めていきたい、このように考えております。
○木村(隆)委員 ただいま大臣から、資源、環境面で、どうしてもこの核燃料サイクルはきちんとしていかなければいかない、そのためには順次段階的にいろいろなことを計画を立てて進めていくという御答弁をいただいたわけであります。そこで、今大臣から御答弁をいただきました中で、幾つかの点についてさらに細かくお伺いをしたい、こう思います。 まず、プルトニウムの利用に関して、やはり高速増殖炉という問題を取り上げないわけにはいかないのだろう、こう思います。 高速増殖炉懇談会では、将来の非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として、その実用化についても柔軟性を持たせるとの結果になったと理解をしております。資源が乏しいという我が国の特殊性を考えますときに、高速増殖炉は非常に有望な選択肢であると私も考えております。将来のエネルギー源として何を選択するかは、それぞれの国情によって対応すべきことであって、欧米の状況に左右されるべきものではない、日本の独自性をぜひ発揮してもらいたいものだとまずお願いをしておきたいと思います。 このようなことから、動燃を改組した機構において、高速増殖炉の開発が引き続き中核的な業務として位置づけられていることは妥当であると思います。高速増殖炉を一つの有力な選択肢から確実な選択肢に発展させることが機構の責務であるとも考えるわけでありますけれども、我が国における高速増殖炉開発について、今後どのように進めていこうとされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今御審議をお願いしている法案においても、高速増殖炉の研究開発というものを新しい組織体の中核的な任務に位置づけているわけでありますけれども、「もんじゅ」の事故以来いろいろな議論がございまして、そういう議論を十分に吸収して新しい対応を考えていかなければならないということで、原子力委員会に高速増殖炉懇談会というものを設けまして、東北大学の西澤先生に座長になっていただいて、いろいろ論議を進めてきたところではございます。 その報告書が去年の十二月に出てきたわけでありますけれども、その内容は、今木村委員がおっしゃったように、非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として高速増殖炉を位置づけて、実用化の可能性を追求する研究開発を進めていく。それから、従来、硬直的とは申しませんが、かなりリジッドな計画を書いてきたわけでありますけれども、実用化に当たっては、実用化時期を含めた開発計画について、安全性と経済性を追求しながら、将来のエネルギー状況も見ながら柔軟に対応していこう。それから、「もんじゅ」はこの研究開発の場の一つであると位置づけられたわけでありますね。ですから、これからは、この報告書を踏まえまして、柔軟な計画のもとに着実に手順を踏んでいくということが大事ではないかと思っております。 それと同時に、先ほども申し上げた、安全というものを安心に結びつけていくという観点から、高速増殖炉の研究開発の意義や進め方につきまして、広く一般と対話をして、一層の理解を得られるようにしていくということが大事だと思いますし、安全確保を大前提に、高速増殖炉の技術的な可能性を追求して着実に進めていく、成果を蓄積しながら進めていく、このように進めていくことが大事だと思っております。
○木村(隆)委員 続きまして、放射性廃棄物の問題についてお伺いをしたいと思います。 原子力政策を進める上で、放射性廃棄物の処分の問題というのは避けて通れない問題だと思います。整合性のとれた原子力政策の観点から見れば、喫緊の最重要課題であり、早急にその筋道をつけなければ原子力施設の立地にも大きく影響をする問題であります。そこで、放射性廃棄物対策に関する基本的な取り組みがどのようになっているか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 基本的な認識として、今木村委員がおっしゃったように、この最後のところの、廃棄物の処理処分というのをきちっと位置づけていかなければ全体が完結しない、こういうことだろうと思います。しかし、これがある意味では社会的に見ても一番難しい問題であるというふうに思っております。 放射性廃棄物のうち、低レベルの放射性廃棄物につきましては、青森県の六ケ所村の日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センターで埋設処分を既に安全かつ円滑に実施しているところでございます。 それから、高レベルの放射性廃棄物につきましては、原子力委員会で、二つの側面から、処分の技術的な側面と、それから社会的、経済的側面について、審議を公開で行ってまいりました。 技術的側面につきましては昨年四月に報告書が取りまとめられておりますけれども、社会的、経済的側面では、これを議論していただいている処分懇談会で去年七月に報告書案を取りまとめていただいております。現在、これを公表しまして、広く国民の声を、御意見を求めながら、五カ所で意見交換の場も設けてきた。この中で、実施主体とか事業資金とか、あるいは処分地選定プロセスというようなものに具体的に触れております。 今までこの案をもとに対話、御意見をいろいろ伺う作業を進めてきだわけでありますから、こういうことを踏まえて、まずこの報告書をきちっと成案に取りまとめていかなければならない、こう思っております。 今後は、こういう報告書に示された方針に基づいて、信頼をかち得るような着実な歩みをしていかなけれはならないわけでありますけれども、では具体的な年限はどうだというような御質問をよく受けるわけであります。現在のところ、二〇〇〇年を目途に処分事業の実施主体を設立するというようなスケジュールで進めているところでございます。
○木村(隆)委員 放射性廃棄物は、今大臣からお話ありましたように、高レベルのもの、そして低レベルのもの、低レベルのものでも非常に高レベルに近いようなところから、物すごく幅広いのだろうと思います。そういう面では、そのレベルに応じて、どのように処理していくかということを真剣に研究していかなければいけないな、こう思うわけであります。高レベルの放射性廃棄物の処分について地元の理解を得ることが不可欠であります。そのためには、今お話を申し上げましたように、まず研究開発を着実に進めて、地層処分の技術的信頼性を明らかにしていくことが必要と考えるわけであります。 先般の青森の返還廃棄物接岸問題に見られますように、放射性廃棄物の処分は、将来にわたる影響という観点から国民の最大の不安要因なのではないかと思うわけであります。その意味で、処分の安全性などについて国民に十分に説明できるよう、しっかり研究開発を進めていただきたい、こう思っております。 そこで、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けて着実に研究開発を進めるべきと考えるわけでありますけれども、この辺について科学技術庁の御所見をお伺いしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先ほど大臣が答弁をいたしましたうちの技術的な側面かと思いますが、先ほど、原子力委員会の専門部会で昨年の四月に報告書を取りまとめたと申しましたが、その報告書の中では、やはり二〇〇〇年までに技術的な第二次取りまとめを行おうということでございまして、それまでの間の研究開発をどのように進めるか、そういうことについての報告書を取りまとめたわけでございます。 その第二次取りまとめは、動燃事業団、原研、通産省の地質調査所、それから大学等の関係研究機関が協力して行うわけでございますが、地層処分の技術的な信頼性、そういうものを明示して、処分予定地選定とか安全基準の策定に資する技術的なよりどころを示す、そういうことが求められているわけでございます。 したがいまして、関係機関はその第二次の取りまとめに向けました協力を一層強化して、しかも成果を共有しながら進める必要がございますので、昨年の九月には、地層処分研究開発協議会ということで、関係する機関が集まって連絡協議をする場も設けました。そういうようなことをしながら、学界を初め関連する広範な分野の人材をも活用しながら、総力を挙げて研究開発を加速しようとしているところでございます。 高レベル放射性廃棄物の最終処分を着実に進めていくためには、技術的に安全性を確保するとともに、処分技術につきまして国民の方々の理解と信頼を得て社会的に安心を与えることが重要であると認識しておりまして、そういう意味で、処分に係る研究開発は着実に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○木村(隆)委員 放射性廃棄物というのは、今もお話を申し上げましたように、高レベル、低レベル、いろいろあるわけでありますけれども、とかく議論の対象になるのが高レベルの廃棄物になりがちでありますけれども、低レベルの廃棄物の処分をどうしていくかということも、国民が安心をするという面から考えますと、そちらの方もしっかり研究をしていかなければいけない問題ではないだろうか、こう思うわけであります。 そこで、低レベル放射性廃棄物について今後どのように処分をしていこうとしておられるのか、その辺をお伺いをしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先ほど大臣から申されましたように、原子力発電所から出ます低レベルの放射性廃棄物、これは六ケ所村の日本原燃の埋設センターで安全に処分を実施しているわけでございますが、それ以外の低レベルの放射性廃棄物、例えば原子炉の中の制御棒とか原子炉の構造材、こういう低レベルといいましても比較的放射能レベルが高いものがございます。そういうものについては、現在貯蔵管理をしているわけでございますが、将来的には処分方策を確立する必要がございまして、先ほどの原子力委員会のバックエンド対策専門部会などで具体的な処分方策について鋭意検討が進められているわけでございます。 それからもう一点、非常に関心が持たれておりますものに、放射能レベルが極めて低いものの中で、放射性物質としての特殊性を考慮する必要がないレベル、これをクリアランスレベルと言っておりますが、そういうレベルを設定して、それ以下のものにつきましては放射性廃棄物として扱わなくていい。そういうレベルの設定につきましては、原子力安全委員会におきまして、国際的な動向も踏まえながら鋭意検討が進められております。 いずれにしましても、放射性廃棄物の処分につきましては、安全確保を大前提に、国民の皆様の理解を得ながら進めることが重要でございますので、我々も適切に処分をされるよう努めてまいりたいと考えております。
○木村(隆)委員 これからも廃棄物の問題については国民の皆さんが安心していただけるように、これから原子力の比率が高まってくればくるほど、これは重要な問題になってくるのだろうと思いますので、研究開発をきちんと進めていっていただきたいとぜひお願いをしておきたいと思います。 続きまして、今出されております法案のことについての質問に移りたいと思います。 動燃改革検討委員会では、その体質及び組織体制について徹底的にチェックした結論が、一言でまとめると経営の不在ということになるわけでありますけれども、これを改めるということはまた非常に難しいことだと思います。しかしながら、これを乗り越えなければ動燃の再出発はあり得ないわけでありまして、我が国の核燃料サイクルの確立に向けた研究開発の担い手を喪失してしまうということにもなりかねないわけであります。そもそも動燃改革は法律をつくることによって完了するといった性格のものではありませんけれども、少なくともこの法案は動燃改革の骨格、いわば器を決めることになるわけでありますから、改革に向けた大きな一歩であり、極めて重要なことであると思います。 そこで、動燃を抜本的に改革するとの趣旨はこの法案にどのように体現されているのか、具体的にお伺いをしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 今回の改革が法案にどのように体現されているかということでございますが、具体的な措置といたしましては、一つは、業務の抜本的な見直しを行うという観点がございます。 これまでの業務のうち、新型転換炉の開発、ウラン濃縮技術、海外ウラン探鉱、そういう業務を整理縮小するというのが一点。そして、それとともに、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた高速増殖炉、再処理、高レベル放射性廃棄物の処理処分の開発、そういうものに業務を重点化する、今後必要な業務に仕事を絞る、そういうのが第一点でございます。 それから、経営の機能強化という観点から見ますと、業務運営の透明性、それから社会性が確保されますように、運営審議会というものを新たに設けまして運営を改善していただく。それから、基本方針というものを内閣総理大臣が定めるわけでございますが、そういうものによりましてミッションをより明確にする。そのミッションのもとに理事長の裁量でいろいろ仕事をしていただく、そういうようなことがございます。 三番目の観点としましては、社会に開かれた体制という観点でございまして、法案の中では、成果の普及、これまで開発tた成果を、原子力事業者はもとより、一般のそういう成果を使える方々にも普及したり、持っている施設をいろいろな方に使っていただく、そういう共用についての規定を設けさせていただいております。 四番目の観点は、立地地元重視の観点から主たる事務所を茨城県に移転するということでございまして、それ以外にも、業務の運営に関しましては、安全の確保とか情報公開、そういうことを機構の責務として明確化している次第でございます。
○木村(隆)委員 動燃は、これまで高速増殖炉の研究開発や使用済み燃料の再処理などプルトニウム利用を進める上で重要な役割を担ってきており、貴重な成果を出してきていると思います。しかしながら、まだまだ確立すべき技術は多く、このような研究開発機関の重要性は依然として失われるものではないと考えます。 他方、今回の改革においては、今お話がありましたように、新型転換炉、ウラン濃縮、海外ウラン探鉱などの業務を整理縮小するとのことでありますけれども、これらについても、これまで多大な国費が投じられてきたわけでありますから、ただやめてしまうというわけにはいかないと思うのであります。これまでの成果を確実に取りまとめ、民間に引き継ぐべきものについては適切に民間に移管することが重要であると考えております。 そこで、整理縮小する業務について、なぜ過渡期間を設けたのか、またこの期間中にどのようにしていこうとされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先ほどの整理事業でございますが、新型転換炉、ウラン濃縮開発、海外ウラン探鉱、これらにつきましては、これまでの研究開発成果を取りまとめる、それから地元の雇用も含めました立地地元経済への影響を緩和する、そういうような観点から、適切な過渡期間を置いて円滑な撤退を図っていくということが必要かと考えております。 今回、過渡期間の明確な期間については政令に委任することとしておりますが、法律上最大五年間と定めておりますのは、新型転換炉「ふげん」及びウラン濃縮原型プラントの運転停止までの年数をそれぞれ五年及び三年ということでそれぞれ地元と了解に達していることがございます。その間におきましては、それぞれの研究開発の成果を取りまとめ、特にウラン濃縮などにつきましては民間にきちっと技術移転をしていくということもございますし、また、地元のいろいろな事情を配慮しながら、ソフトランディングと申しますか、そういうこともしていかなければいけません。 そういうことを勘案いたしまして、そのようなことをしているわけでございます。
○木村(隆)委員 動燃改革検討委員会報告書において、軽水炉を超える原子力技術開発において先導的であった諸国が相次いで撤退したことによって、我が国は学ぶべき先駆的成果のない分野で研究開発をこれから行っていかなければならなくなったわけであります。 先駆者が消失したこのような状況において、我が国の核燃料サイクルの研究開発を担う新法人において、開発を重視し過ぎてきたこれまでの体制を見直して、今後は開発と同じ重みを置いて研究に取り組む姿勢を重視する必要があるのではないかと思うわけであります。しかし、新法人が行う業務は、極めて広い分野にわたる多種多様な研究を視野に入れて総合的に行う必要があり、これらをすべて機構が行うことは大変困難ではないかと思われるわけであります。 そこで、今後、研究開発を行うに当たって、大学などとの連携を図るとともに、他分野での技術開発成果を一層積極的に取り入れるべきと考えますけれども、この点についてはどのように進められようとされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○近藤参考人 お答えいたします。 既に我が国の原子力技術は国際レベルに達しております。国内はもとより、国際的にも開かれた体制で効率的に進める必要を感じております。 先生御指摘のとおり、今後は、他の産業分野における先端的な技術や最新の開発成果に積極的に目を向け、これらの活用によるコストの低減、開発期間の短縮等による効果的かつ効率的な研究開発を実施していく必要があると思っております。その方策として、国内及び海外の大学等の研究機関あるいは民間企業との連携を強化し、共同研究、研究者の人的交流等開かれた研究開発体制を確立していく所存でございます。 念のため御紹介しておきますと、国際特別研究員ということで外国から招聘しております専門家が現在十五名おります。それから、動燃から海外研究所へ派遣しておりますが、今現在二十二名、こんな状況でございます。 以上でございます。
○木村(隆)委員 もう時間がなくなってまいりました。我が国のエネルギー政策といいますか、原子力政策、新しい技術であります高速増殖炉を初めとして、大変でありましょうけれども、勇気を持って将来のために研究開発を積極的に進めていただきますように、大臣を先頭に、よろしくお願いをして、質問を終わりたいと思います。
○大野委員長 吉田治さん。
○吉田(治)委員 新党友愛の吉田治でございます。 動燃改革法案につきまして御質問させていただきたいと思います。 まず、新法人の性格というのですか、新法人自体について、どういうふうなものなのか、どういうお考えのもとにされるのかということを御質問させていただきたいと思います。 動燃改革につきましては、吉川元東大総長を座長とした動燃改革検討委員会にて議論をされ、「動燃改革の基本的方向」と題しました報告書において、まず経営が不在であったという指摘がなされまして、経営の刷新、事業の整理等により解体的に改組して新法人にという方向性が示されております。 さらに、この報告書の内容を具体化するために設けられた新法人作業部会において、昨年十二月に「新法人の基本構想」がまとめられています新法人にとって、これらの報告書において指摘された内容を真摯に受けとめ、それを具現化することが、核燃料サイクル確立に向けた研究開発を国民から負託されるにふさわしい組織となる大前提と私は認識しております。 さらに、解体的に改組となる現在の動燃にとっても、指摘された内容を真摯に受けとめ、それを新法人でどう具現化させるか検討し、取り組んでいくことが現在動燃に課せられた最大の使命であると私は認識しております。 これらの取り組み及びその状況について何点か御質問をさせていただきたいと思います。 まず、このレポートでは、「安全確保と危機管理の不備」「閉鎖性」というように、動燃に対して指摘された問題点の基本的な原因が、先ほども申し上げましたように、経営の不在であったというふうに強く指摘されております。経営の不在を引き起こした主たる要因である、裁量権がなかったことについて、自主的、効率的な事業展開を担保するよう、新法人において裁量権が確保されるようにまずなっているのかどうか。また、それはどういうふうな意味で、法文上どこに裁量権が確保されるような形になっていて、今後どうされていくのかという点。 特に主務官庁との関係において、上ばかりを見て仕事をしていたと言われている動燃の、きょうは理事の皆さんおいでで、おれはそんなことはないと言うかもしれませんけれども、でも現実上、やはり主務官庁である科学技術庁の方ばかりを見て、足元を暗くしてああいう事故が起こったのではないか。こういう体質が払拭されると考えているのか。これは、主務官庁の科学技術庁のみならず、本日おいでの動燃の理事の皆さん、努力しますとか検討します、そういうことを言われるのであれば、そういう答弁はやめていただきたいと思うのですけれども、その辺どういうふうに考えているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今回御審議をお願いしております動燃革の法案でありますけれども、吉田委員が御指摘になりましたように、吉川先生の報告書、それから鈴木先生のもとでの作業部会の報告書、こういうものが背景にございまして、引用されました経営の不在というのがやはり根本的な原因にあるであろう、ここを改めなければいけないという認識で今回の作業もされたわけであります。 基本的な考え方としては、新しい機構の業務の執行につきましては、基本的に理事長の裁量と責任にゆだねていかなければならない。監督官庁である科学技術庁はその執行の結果について厳正な監査を行うこととして、国は基本的な業務の方針をまず示して、そして執行の結果について適正な監査をする、こういう体制を組み立てようとしているわけであります。 具体的には、今度の機構法の二十七条に基づきまして、理事長は内閣総理大臣が定める基本方針を受けましてみずから中長期事業計画を策定することとしておりまして、この事業計画を前提として、業務の執行については最大限理事長の裁量にゆだねていく、こういう体制になっております。その際、科学技術庁は、業務執行くの関与というのは必要最小限にしなければならないし、必要な場合であっても、その関与の範囲を可能な限り明確化した上で行うこととしているわけであります。 上ばかり見て仕事をしていたという御指摘でありますけれども、動燃の職員、新しい機構の職員一人一人が理事長の経営方針を共有して、自分の分担する業務の位置づけを明確に把握して、自覚して、何度もこれは繰り返すわけですけれども、責任と権限、責任と裁量が明確になるような環境づくり、法案の基本にそれがあるわけでありますけれども、何度も、仏つくって魂入れずということを申し上げているわけでありますが、それができるような環境づくりもあわせて取り組んでいかなければならない、こう思っております。
○近藤参考人 お答えいたします。 法人の裁量権につきましては、現在の動燃事業団法であれ、現在御審議いただいております新しい法案であれ、基本的には理事長にゆだねられていると理解しております。この点については、先ほど大臣から答弁がありましたように、この方向で国も理解していただいております。 したがいまして、この問題で最も重要なことは、国と法人がこのような相互理解の上に立脚しまして、法人側が与えられた国民からの負託を自覚し、適正かつ効率的な業務遂行を行う責任を担うということが肝要でございます。また、国の側においても、法人の自立性、独自性が妨げられるような、いわゆる行政指導はないものと理解しております。 以上です。
○吉田(治)委員 御参考人には本当に大変お忙しい中おいでいただいているのですけれども、文書を読むのであれば、その文書を後で下さい。そんな答弁だったら、何のために私ども参考人としてお呼びしているのか。私どもは、動燃の生の声を聞きたいから参考人として来ていただいているわけであって、そういうふうなことであるならば、この法案審議というもの、おととい辻同僚議員が答弁について問題があると言いましたが、動燃自身のそういう体質に問題がある。そういうふうなことを私たちが審議させられているのか。その辺ははっきりしてもらわなくちゃ困るんです。だから私、申し上げたでしょう、ペーパーを読むのだったら答えなくていいと。 そういうふうな中で、プロパーの人ですとか科学技術庁からの派遣者、電力からの出向派遣者の間の意思疎通が動燃においては極めて悪かった。ペーパー読まなくちゃならないような動燃であるのか。そのために、運転等の設備管理について十分な知識、経験を持つ民間電力会社の知識、ノウハウ、経験が生かされなかったという指摘もあります。まさに先ほど言いましたように、経営の不在という部分。 新しい法人においては、電力を初めとするこういう民間のノウハウというのを謙虚に受け入れる、取り入れる必要があると私は考えておりますけれども、動燃改革法案においては、この点をどのように今位置づけているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先生御指摘の、電力のノウハウをうまく入れていく、これはもう動燃改革にとって基本の一つだと思っています。特に、安全に運転をする、そういうことにつきましては、電力はたくさんの原子力プラント、経験がございますので、そういう経験を取り入れるというのは非常に重要と考えております。そういう意味で、電力出向者によります人事交流、そういうものを、適所に適材を入れて、さらに活発化していかなきゃいかぬと考えている次第でございます。 具体的には、一点は安全確保の分野でございます。安全確保の機能強化の一環といたしまして、運転管理部門にそういう能力を生かそうというのが一点でございます。それからもう一点は、社会に開かれた体制にするために、広報の強化の一環として、これはかなり専門性が必要でございますから、そういう分野に外部の専門家を活用するなどして、人材面を強化したいと考えている次第でございます。 機構法においてどうなっているかという御指摘でございますが、これは機構法第二十六条で、機構の責務としまして、「適正かつ効率的に業務を運営する」、ちょっと漠然としておりますが、そういう規定がございまして、適正かつ効率的に業務を運営するために、外部からの人材の有効な活用、それから民間のノウハウを取り入れる、そういうものは概念に入っていると考えております。
○吉田(治)委員 民間会社であれば非常に運転管理というのに重きを置くのですね。たしかエネ庁さんかどこかからも人も派遣されて、管理官か何か、ずっと座っておられる。動燃の場合、やはり研究開発、これからもまさに、動燃法を改正していったら研究開発主体だということになると、今局長が言われた運転管理という部分、これはちょっと今までおざなりになっていたのじゃないか。これが結果として、仕事に上下だとか貴賎はないとは言いながら、動燃の中で、研究開発のおれらの方が頭を使うから偉いんや、運転の方は、あいつらは手仕事だけやというふうな思いがあったのではないかという意見があるのです。その辺は、動燃の理事さん、どうなんですか、中でそういうことは事実あったんですか。
○近藤参考人 お答えいたします。やはり、事業団の性格から、研究開発優先というムードがあったことは事実でございます。運転管理部門、今後はここに光を当てて、この部門の評価を高く持っていく必要がございます。それで、安全第一、安全を大前提にしたその中で研究開発は進めていく、こういう体制を今つくりつつございますが、そういう体制で今後進めたい、こう思っております。
○吉田(治)委員 参考人さん、もうちょっとお聞かせいただきたい。 これは、法案的には日切れ法案だということで科学技術庁さんも言われていたことですけれども、四月に入って、今一生懸命審議しているのですけれども、ということは、日切れに合わせたような形で、運転管理について具体的な措置、具体的な方策、研究開発のみならず、運転管理というものを重要視する方策というのを練られていると思うのです。その辺というのは、事細かに言われたら時間がたっちゃいますので、こういうふうなことに以前と違って気をつけるんだということだけお聞かせいただけませんでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 いろいろございますが、一、二、例を挙げさせていただきます。 具体的には、従来、技術系の中で運転も研究開発も混然一体となっておりましたけれども、新しい人事制度の中でこれをきちっと分けて、なおかつ、分けた上でも、将来に、それぞれまたその過程の中で希望があれば横に移れるような、いわゆる双方向式の人事制度をつくっておる最中でございます。
○吉田(治)委員 そういうふうな中でも、研究開発を含めて、運転を含めてやっていくと、やはり失敗というのはこれはっきものだと思います。失敗の中から貴重な経験と技術、ノウハウを蓄積して、次の成功につなげていく。ただし、その失敗に遭遇した際、いかに安全に、迅速に、適切に対処するか、そのための準備を行っていくかが重要になってくる。 何か日本は、やはり事故が起こらないということがすべて前提で、起こらないから起こったときのことは考えない。よく巷間言われるように、アングロサクソン系というのは、いや、事故というのは起こって当然なんだ、だからそのための対応をすると。大臣を前にしてほかの話になるかもしれませんが、やはり米もそうですね。米も、輸入自由化しないと決まっているから、輸入自由化したときのことは考えないということで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの後はばんとああいうふうなおかしいことにもなったのです。 やはり事故を発生させないための点検、予防、保全に万全を期すべきことは当然なことでありますけれども、今度は反対に、絶えず、事故は起こるかもしれない、起こるものとの基本認識というのを持って、事故の発生時における初動体制及び危機管理体制をどのようにするか。ですから、今、動燃としてまた科学技術庁として、事故が起こらないという発想なのか、事故が起こったときどうするかという発想で初動体制、危機管理体制がまず整備をされているのか。 また、「もんじゅ」の二次系ナトリウム漏れや、アスファルト固化処理施設における火災爆発事故等の、まさに私みたいな詳しくない普通の国民から見ても、余りにも情報提示だとか情報公開というものが遅かったし、やはり一つうそをつくとどんどんそれを隠すためのうそ、うそ、うそになると大きなうそになってしまうということを含めて、この辺の反省点というのは現在どのように改善され、今後どのように反映されていこうとしているのか。
○谷垣国務大臣 今吉田先生、大変大事な点を御指摘でございますので、具体的には政府委員あるいは動燃から答弁してもらった方がいいかと思いますが、私から一つお答えしておきたいことは、事故が起こるという前提で物事を考えるのか、事故は起こらぬという前提で考えるのかという点でございます。 事故とかそういう言葉の定義につきましては、国際的に七つの段階があることは御承知のとおりでございますけれども、事故というか失敗というものは、特にフロントランナーになって研究開発をしていくというときには、私は失敗していいと言っているわけじゃないのです、失敗しないように細心の注意を払うことは当然としても、失敗ということは避けて通れない、そういうリスクもしょって立つというのが技術開発のフロントランナーなんじゃないかなと私は思っております。 それで、アングロサクソンかあるいは日本かというような、文明というか文化の気質のことにも触れられましたけれども、アングロサクソンとかどうかということじゃなくて、我々やはりそういう考え方で、そしてしかし、失敗が起こったときにそれからきちっと学んでいくといいますか、それからその失敗を致命的なものにしないという工夫をしていく、そういう考えでいかなければならないというふうに私は考えております。
○加藤(康)政府委員 御質問が二つございました。それぞれにつきまして、どのように整備を考えているかということにつきましてお答えさせていただきます。 一つは、動燃の一連の事故を教訓に、現場における危機管理体制、そういうものをどのように今後整備していくのかということでございますが、一つは緊急時の情報伝達のインフラ整備でございます。この前のアスファルト固化処理施設のときにも本社と東海の間の意思の疎通が悪かった、あるいは科学技術庁の間にも。最近いろいろな装置がございますので、そういうものを整備いたしまして情報の流通がよくなるように、そういうようなインフラ整備を一つさせていただいております。 それから、動燃の中で組織の改編によりまして責任の明確化というのを一つ考えております。特に大型施設につきましては、そこのセンター長に運転管理等に関する責任と裁量権を一元化いたします。従来ですと、本社の中に事業部というのがございまして、そこと現場との関係がはっきりしない面がありました。そういうところをすっきりさせるために、現場の方に責任と裁量権を一元化する、そして緊急時の対応をそこが行うように改善させていただこうと思っています。 それとともに、事業所横断的な支援組織としまして、安全推進本部とか、あるいは危機管理を専ら行います危機管理推進室、これは平時はいろいろな教育とかそういうようなことをするわけでございますが、そういうことをしまして緊急時の動員体制の整備を図るということでございます。 それから、やはり一番重要なことは、想定されます事故を現場の責任者が常に自覚いたしまして、責任を持って対応しなきゃいけませんので、マニュアルの整備とか訓練ですね。自然に体が動くように、そういうような訓練も実施するなど、そういうことの具体化を図っております。 それからもう一点の御質問は、広報とか、不適切な情報開示、情報公開に対してどのような反省をしているのかということでございます。 この点につきましては、とにかく迅速かつ正確な情報発信が行えますような教育訓練、それから、先ほど申しました組織体制の整備を進めておりますし、一般的な情報公開といたしましては、情報公開指針を定めまして積極的な情報公開をしております。それからまた、一般にはなるべくわかりやすいような、目で見えるようなものを、素材も用意いたしまして情報の発信をしたいと思っております。 いずれにせよ、そういうことの上に職員の意識改革、きちっと対応する意識改革が重要でございますから、そういうソフト面におきましても十分いろいろな努力をしているところでございます。
○吉田(治)委員 局長、今言われたことをずっとちょっとメモすると、教育訓練している、体制をつくる指針をこさえると。具体的に見えてこないのですよね。 じゃ、具体的に私お聞きします。責任の明確化という形でセンター長を責任者的にするというのであれば、センター長は全員ポケベルと携帯電話で二十四時間連絡がつながるようにできている、そういう体制ができるということですね。 それから、情報提示、情報公開については、情報各社、例えば五大紙を含め地元紙、テレビ局を含めて、ホットライン並びに緊急対策時の情報が流せるシステムはもうできていると。具体的にこの二点、どういうふうになっているのか。
○加藤(康)政府委員 そういう危機管理の責任者につきましては二十四時間連絡できるようになっておりますし、それから地元紙とも、いろいろなメディアに対しましても、何か起こりましたらすぐファクス等で連絡するようなシステムはでき上がっております。
○吉田(治)委員 じゃ、そこの部分でもう一つ聞きます。 ファクスで連絡。ファクスということは相手先はいるかいないかわからないわけですね。もう一つ言うならば、地元自治体、これに対して二十四時間必ずだれかに連絡がとれるようなシステムはどうできているのか。今局長は、二十四時間センター長は連絡をとれると。具体的にどう連絡がとれるのか。そのセンター長は二十四時間自分のスケジュールを全部報告して歩いているのか、はたまた何か機械を持たされているのか、その辺はどうなんですか。
○中野参考人 お答えいたします。 センター長は、この後機構になってからそういう組織をつくるわけでございますけれども、現在、既に各事業所長は二十四時間ポケベルと携帯電話を所持しております。それから.そうはいいますものの、個人個人の生活がございますので、その日の担当といいましょうか、そういう人、代理者を決めて二十四時間体制を図ってございます。 それから、各地方自治体並びに新聞社への連絡でございますが、これはまず第一義的には一斉ファクスでいたします。その後電話でフォローするようにいたしてございます。そのシステムにつきましては既に実施いたしております。
○吉田(治)委員 そのシステムについてはもう何度も訓練はされていると理解していいのですか。
○中野参考人 訓練いたしております。
○吉田(治)委員 要するに、私が聞きたいことはそういうことなんですよね。体制だとか指針だとかいうより具体的に何をしているかということを、この国会の場で、委員会の場で審議していただかなければ、指針だ体制だと言うならもう一遍その資料を出してくれ、出すまでこの委員会質疑やめておくよということになってしまうわけですから、その辺はよくお気遣いをいただきたいと思います。そして、いつも言っているように、私はちゃんとしたペーパーを出しているのですから、ほかの委員会と違って。ほかの委員会もちゃんとペーパーを出していますけれども、特にこの委員会は個別具体的な専門的なことが多いのですから。 続きまして、今後の新法人の運営についてでありますけれども、作業部会報告書で、意識改革の基本は、役職員ともにみずから分担する作業の輪郭を明確にし、その中で十分な裁量を持ち、完全な責任を担うこと、さらに第三者に説明できるよう準備すること、特に管理職の責任感の醸成が極めて重要であり、そのため新法人では目標管理制度の導入と人事評価へ反映することが基本的な策として指摘されております。 また、意識改革は、先ほどから御答弁もありますように、早急に取りかかっておられると聞いておりますけれども、まさに取りかからなければならない問題でありますし、今後の研究開発を含めた長期間の継続したもとにおいては、やはり意識改革というのも、きょうあすで終わるのでなく、ずっとの取り組みが必要であると思います。そういう意味で、この意識改革というのは永遠の課題でもあると考えられております。 先ほど局長また理事の御答弁の中で、研修であるとか訓練であるとかいうお言葉も言われましたけれども、動燃から新法人へ継承する際の条件としての活動は行っていなければなりませんが、新法人になってもこの意識改革を目指した活動を継続していかなければならないと思います。これらに対して、今の動燃ではなくて、新しい法人ではどのような具体的な対応をとるように今準備をされているのか。
○谷垣国務大臣 やはり新法人に移行するに当たっては、今の動燃のマイナスの遺産を断ち切っていっていただくということが大事だと私は思うのです。ですから、現在、いろいろそれに向けての準備の取り組みをしていただいている、これは強化してやっていただいているわけでありますけれども、それを新法人につなげていくということではないかと思っております。 具体的な取り組みについては動燃の方から御答弁申し上げた方がいいと思いますが、私どもが報告を受けておりますのは、行動憲章を確立して意識改革に努めている、あるいは、理事長診断会というようなものを催して品質管理といいますか業務品質の向上を図っている、それから、動燃の全施設や設備について安全性の総点検を行って安全性の向上を進めてきたというような作業を進めてきているというふうに報告を受けているわけであります。 科学技術庁としては、こういうことをバックアップして応援していくことはもちろんでありますけれども、もう一つやはり我々として考えなければならないのは、当然、仕組みというか法も変えていくわけでありますけれども、これを機に、人事とか給与といった必要な制度改善にも努めていかなければならないのではないか。ここらはまだ完全に明確な姿をとっているわけではありませんけれども、要するに、責任と権限を明確にしていくということを再三申し上げているわけでありますけれども、そうしたら責任に伴う待遇はどうあるべきかというようなこともきちっと整理をしていかなければならないと思っております。
○近藤参考人 お答えします。大臣のお答えいただいたことを若干フォローするような形になりますけれども、とにかく、最近のように価値観が非常に多様化していく、こういう中で心のあり方としてどうあるべきかという問題が、動燃だけではなくて全体にそういうことが求められておると思います。 そこで、抽象的なことを言っておっては始まりませんので、動燃憲章十カ条をつくりまして、ここに手元にありますが、その第一条「私たちは環境の保全と地域の人々の安全を第一に行動します。」これから始まりました十カ条を作成しまして、動燃マンとしての心がけ、あり方が身につくように、今現場で盛んに、小グループをつくっての現場討議を始め、その定着化を進めております。 それからもう一つは、仕事の質を高めるということで業務品質保証活動をやっておりますが、仕事の要求度合い、これを業務品質要求十カ条というのをつくりまして、その観点から、個々の職場ごとの業務の質を問うということでやっております。 幸い、再処理工場等におきましては、ISOの認証を得たいということでその準備に入っておりますが、各職場ごとに自発的にそういうのが最近出てくるようになっておりまして、これをますます伸ばしていきたい、こう思っております。 これらの活動は新法人になっても引き継いでもらいたい、また引き継いでいくものと確信しております。といいますのは、こういうのは一朝一夕にしてでき上がるものではなくて、やはり継続が必要だと思いますので、ぜひ新法人にも引き継いでいきたい、こう思っております。 以上でございます。
○吉田(治)委員 本当は具体的に、年に何時間ぐらいそれをやるというのを聞きたいのですが、それは結構です。 そういう中で、事業の透明性を確保し、広く各界から意見を求めていくため、第二十二条において、新法人では運営審議会、そして第二十三条で、より現場に近い視点、国民により近い視点を持つ委員の任命が期待されております。 このような観点から、例えば現場で働く人たち、学者さんですとか市民層ということも必要ですけれども、労働界というふうなところからの参画も必要ではないか。在野の人を含めていろいろな分野からの参画者というふうに考えられますけれども、現時点でこの委員の具体的構想についてどういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 現時点では、法案の御審議をいただいている最中でございますので、具体的な構想というものはございませんが、いずれにせよ、この審議会では広く外部の意見を反映させるということが重要でございます。そして、それによって業務の透明性を確保したり、社会との乖離を未然に防ぐ、そのためにも幅広い分野から選任されるべきものと考えてございます。 また、具体的な人選につきましては、理事長の判断にとりあえずゆだねられるものでございますけれども、先生御指摘のような人材も含めまして、高い見識や豊富な経験を有する者が人物本位で選ばれるものだろうと考えております。
○吉田(治)委員 そういうふうな形でこれから進められるのでしょうけれども、先日参考人でおいでいただいた西澤元東北大学学長さんからの御意見の中でもやはり、日本の今の技術力の伝承、移転というふうなもの、特にこういう動燃のやられるようなことというのは非常に重要だと思うのですね。 今後、新法人が行う事業については、委員会報告書「動燃改革の基本的方向」という中で、「新組織の目標は、必要な安全確保を条件として、競争力を持つエネルギー源としての閉じた核燃料サイクルをできるだけ速やかに実現すること」が求められているということと同時に、第二十四条で、本法人には、「業務に係る成果について、技術の提供」または「普及」という業務が明記をされております。 すなわち、新法人が開発した技術を移転することは責務であると明確化されているわけであります。国の機関が行った研究開発成果をいかに民間等に技術移転していくのか、どのような形で移転することが効率的であるのかという議論を、研究開発の初期の段階から実施すべきであると考えております。また、事業ごとに適した研究開発のあり方、やり方を採用すべきであると思っております。 そこで、新法人が行っていく事業について、各事業の技術開発成果を、コストを踏まえた競争力、技術ユーザーのニーズといった観点からどのように評価し、活用、移転していく考えなのか、まずお伺いし、その上で、現状持たれている原子力に関する技術力というものをどう伝承していく予定になっているのか。 西澤先生いわくには、原子力科という学科も名前をみんな変えていっていると非常に危機感を持たれていますし、私どもも、原子力というふうなもののこれからの技術力、やはりいいイメージ、悪いイメージ、さまざまありますけれども、これをどう続けていくのか。ある意味で職人芸的な部分も必要になってくる。動燃のことのみならず、それをどう原子力全体の中で引き継いでいくのかなということもお聞きしたい。 と同時に、今度はユーザーとして、最終的には技術力というのはだれが使うのかというと、研究開発された成果は、各電力会社というのがユーザーとしてこれを活用されていくというのであるならば、ユーザーの意見というものはどういうふうになってくるのか。極端に言えば、国民だとか電気を使う人がエンドユーザーになるのでしょうけれども、ユーザーとしての電力会社の意見というのはどういうふうに反映されているのか、また、今後どういうふうに反映されていこうとしているのか。 そして、ユーザーとしての電力会社が、この法案作成、法案審議にどうも余り熱心ではないような感覚を私は受けるのですね。よしあしは別にして、電気事業者から、この法案についてこうですよ、ああですよと要望も来なければ意見も一切来ない。では私ら国会で決めたことをおまえらユーザーとして一〇〇%のむのか、それだったらそれではっきりしろというふうな部分も私は正直な気持ちとして持っております。 技術力の伝承、移転並びにユーザーという立場での各電力事業者の意見集約、今、ひょっとしたら電力会社というのはこの法案に反対しているのかなとも思いますので、その辺の御意見を賜りたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先生御指摘の、開発の成果をスムーズに民間に移転する、これも新しい機構の非常に重要な任務でございまして、動燃改革検討委員会の検討の場でもいろいろと御議論されております。 その点につきましてどのように行っていくかということでございますけれども、研究開発の非常に早い段階から民間が機構の業務に参加する仕組み、そういうものをつくるとか、あるいは共同研究を進めるとか、人材の交流、そういうことによりまして民間のニーズを十分把握するとか、あるいはコスト意識を十分に醸成する、そういうことを考えております。 それから、こういう新しい機構における研究開発につきまして外部評価というものを行うことになっておりまして、外部の専門家で構成されます外部評価委員会、そういうものも設置いたしまして、個々の研究開発課題あるいはプロジェクトにつきまして、コスト面からもいろいろ御意見をいただくなり評価をしていただこうと考えている次第てございます。 それから、技術の継承、そういうものにつきましてはいろいろな形態がございますが、例えば、五年後にやめます新型転換炉につきましても、四十年代に開発を始めまして、その技術成果が軽水炉で非常に生かされている。そういう開発段階での技術がいろいろ生かされているものもございます。いずれにせよ、ウラン濃縮のように、これから民間に技術を移転していくわけでございますが、そういう際におきましても、人材も含めてそちらの方で働いていただく、そういうことによりまして技術の継承というものも十分できていくだろうと思います。 それから、電力との関係でございます。 電力との関係につきましては、今の動燃事業団もそうでございますが、不断に電力会社とはいろいろな打ち合わせの場を持っておりまして、そういうところで十分意見を入れてきたとは思うのですが、なおかつ、不十分な点があったかもしれません。そういう点につきましては、今後さらに改善したいと思っております。 なお、本法案に対します電力の考えにつきまして御質問がございましたけれども、我々、動燃改革検討委員会、吉川委員会のレポートをベースにこの法案をつくらせていただいております。その吉川委員会には東電の那須会長も委員になっていらっしゃいまして、そのときにもいろいろと建設的な御意見をいただいておりますし、吉川検討委員会の後、さらにそれを具体化する作業部会、そこにも電事連の外門副会長にメンバーとして入っていただきまして、非常に建設的な御意見をいただいております。やはり電力会社といたしましても、機構の開発成果を受け継ぐ、そういう立場でございますので、まさしく機構が立派な機構になるように、そういうことで我々支援を受けていると考えております。
○中野参考人 動燃の立場からお答えさせていただきたいと存じます、 私どもの原子炉、各施設、当初計画されましたのは三十年前でございます。そのころの計画に比べますとかなり予算が膨大になったとか、あるいは、濃縮技術のように為替レートが非常に大きく響いてくるとか、そういうようなこともあったりして、全体としてコスト意識がないのではないかという御批判をいただいておるわけでございますが、決して全くなかったわけじゃございませんで、世界レベルの濃縮費にできないかということで努力を続けてきたわけでございますけれども、今申し上げたようなことがあったわけでございます。 そこで、新しい法人に向かっては、事業団としましては、中に外部評価委員会というものを設けまして、ここに技術開発にかかわる必要性あるいは評価をまずしていただこうというふうに思っております。 また、技術移転に関しましては、これは基本的には、もう既に一部始めておりますが、人、物、紙、この三者を効率よく動かしていくことだ、そのように思っております。
○吉田(治)委員 今理事が予算のことを言われたのですけれども、動燃の予算というのは、一般会計で約五百億、電源特別会計で約一千億。昨年、動燃のウラン廃棄物関連の予算が流用されていたという報道もあるのですけれども、この一千五百億円もの予算がどのように計画されてどのように使われているのか、チェックするシステムがないというのはちょっと困ったことじゃないかなと思うのですね。特に、今回の動燃改革法案でこの点について何らかの改善が図られているのかどうか。時間が来ましたので、端的に。 それと、もう一点。今局長が、ユーザーである電力会社の意見は吉川委員会、部会では十分聞いていると。まさに国会はどうでもいいということですな、電力会社はこの件に対しては。そういうふうに理解したらいいということですな。その二点だけ、手短にお答えください。
○中野参考人 お答えいたします。 一番目の問題につきましては、動燃事業団の内部の問題でございますので、我々といたしましては、その後、反省をいたしまして、実際の業務の執行状況をチェックする特別調査班というのを設置し既に動かしております。また、予算そのものが具体的にどう動かされているかということで、予算執行審査会というものを設け、予算の一つ一つに関してチェックをさせていただいております。そういうような実際の行動に入っておるところでございます。
○吉田(治)委員 これで終わりますけれども、その特別調査班にだれが入っているかというのは一遍聞きたいところですね。またよろしくお願いします。
○大野委員長 近藤昭一さん。
○近藤委員 民友連の近藤昭一でございます。まず大臣に質問をさせていただきたいのでありますが、ただ、その前に、一つだけ、当たり前のことかもしれませんが、ちょっと確認をさせていただきたいのです。 この間、本当に問題といったら問題だと思うのですが、動燃の不祥事が続きました。それで、今回この改革法案が出てまいったわけであります。大臣も所信の中でも述べられたとたしか記憶しておりますが、とにかく日本がこれから科学技術立国としてしっかりとやっていく、そこで子供たちにも夢を持ってもらう。夢を持ってもらうためには、やはりしっかりとこの科学技術が安心感を持って進められていかなくてはならないと思うのですが、吉川先生の去年の参考人質疑ですか、そのときにもお話があったと思います。 科学技術を開発していくには、いわゆる科学者としての固有の権利というか自治というか、科学を開発していくという面、それともう一つは、やはり負託されて国民のため、人類のために開発をしていくんだから、そこにしっかりと安心感を持ってもらわなくてはいけないんだ、そういう負託された側面があるんだということであったと思います。 そういった意味で、この一連の事件というものは、負託されたというか、ここに国民からの信任が非常に揺らいできた。これは最初の木村委員の質問の中にもあったと思うのですが、そういうものが揺らいできたんだ、いわゆる不信とか不安というものが非常に高まってきたんだ。だから、これから科学技術立国としてやっていく、そして原子力開発をしていくには、この不信と不安を取り除くんだ。そしてそのために今回の原子力基本法、動燃の改革法というものがあるんだと認識しておるのですが、この不安、そして不信というものを取り除くためにあるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○谷垣国務大臣 今御指摘のとおりだと思います。 原子力エネルギーの開発あるいは原子力の利用というものは、これは日本だけのことでありませんけれども、安全確保がまず第一義である。しかし、それは当事者が安全だと言っているだけではやはり足らないのであって、安全が安心に結びついていかなきゃならない。その意味で、今回のこの経過で原子力行政に対して信頼が揺らいでいるわけでありますから、今回のこの法制度の改正あるいは全体の改革を通じて、その安全と安心を取り戻していきたい。御指摘のとおりだと思います。
○近藤委員 ありがとうございます。 私も、本当にそういうふうに思っておりまして、その中で今回の改革法案はいささか不十分ではないかと、不安をいまだ感じるところがあるものですから、それを幾つかただしたいというか、お聞きしていきたいと思うのであります。 それで、先ほど同僚の吉田委員の質問の中にもありました理事長の裁量権についてであります。 改革検討委員会の報告には、経営体にできる限りの裁量権を付与し、手続き面等での科学技術庁の関与を極力減少させる。理事会及びこれを代表する理事長は、裁量権が付与されていることの責任を十分に認識し、事業目標の達成に向けて強力なリーダーシップとイニシアチブを持ってこれを行使する。しとあるわけでありまして、その反映として今回の改正があると思うのです。先ほど、裁量権がこういうふうになった、そして機構法の二十七条でありましたでしょうか、みずから中長期の計画を立てることができるということがあったわけです。 ただ、改革法案の十二条、理事長の権限というところで、「理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。」という言葉があるのですが、確かに裁量権が今度は広がるのだ、裁量権の内容はこうなのだという話はあるのですが、いかに理事長の裁量権というのが担保というか保障されているのか、制度としてどういうふうになっているのか、それをお聞きしたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほどの御議論の中にもございましたし、今も御指摘を受けたわけでありますけれども、経営の主体性を確立していくためには、まず理事長の裁量権が必要だろうと思います。 それで、後で政府委員の方から細かに御説明させた方がよろしいかと思いますが、株式会社等々と違いまして、こういう事業団は従前も、今御指摘になった十二条は実は従前の条文もそうなっておりまして、要するに理事長がこの法人を代表してその任務を総理していくといいますか、そういう形になっている。これは、株式会社の執行の責任が代表取締役社長というようなところにあるというよりもむしろ取締役会にあるという仕組みとは違っておりまして、理事長に集中されるような形になっている。ところが、そういう形にはなっていたのだけれども、今までは必ずしも十分それが機能してこなかったということが現実にあると思います。 したがいまして、そこらあたりを改めていくために、先ほど御引用になりました二十七条で、これも今まで基本方針、基本計画、いろいろあったわけでありますけれども、国は基本方針のみを策定することにとどめて、中長期の計画は自主的に理事長のもとでやっていただく、これがやはり一番大きな制度的な改正ではないかと思っております。 それから、運営審議会につきましては、タコつぼ化してはいけないということがありますから、外の意見を反映させたり、何かいろいろな意味で理事長をサポートして、いろいろな空気を入れていただくことが必要でありますから、こういう制度を設けたわけでありますけれども、それも委員の任命等は理事長の裁量にゆだねている。 それから、理事の任期を四年から二年に短縮したことによりまして、理事長の裁量といいますか人選の余地を拡大する、こういう形でその裁量権に十分配慮したわけであります。 それからもう一つは、行政がどうするかということが同時に大事でございまして、これは行政改革全般の流れの中で、はしの上げおろしまで行政指導していく手法というものに現在強い批判があるわけでありますけれども、科学技術庁としても、法人の裁量と責任というものを我々も明確に意識して、また我々の役割は何なのかということも明確に意識して、法人の業務運営の結果を重視した行政手法というものをとっていくことが大事だと思っております。
○近藤委員 今大臣のお答えの中にもありましたが、基本計画のみを国が行う、そしてより具体的な中長期計画については理事長が行う、そして、また後で質問をさせていただきたいと思うのですが、運営審議会の委員については理事長が任命をしていく、こういったことによって理事長の裁量権を保障していくというふうに理解をさせていただきたいと思います。 ところで、今回の一連の事故が起きた中には、やはり内部の問題もあったのではないかと思うのです。いわゆる内部でのチェック機能が十分に働かなかったのではないか。そうしますと、今回の改正において、第六項になってくると思うのですが、監事の役割であります。内部チェックということでは、やはり私は監事の機能が明確に十分に発揮されてこなかったのではないかなという思いがあるわけでありますが、その中で、今回、その第六項、監事の職務及び権限については何らの変更もされていないのでありますが、この点についてはいかがでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 監事につきましては、内部でのチェックということでございますが、毎年度の決算報告書とか財務諸表の監査等を行うために監事が置かれておりまして、法人の業務が的確に遂行されているかどうかをチェックすることになっております。しかしながら、昨年秋の貯蔵ピットの問題を含めました最近のいろいろな不祥事を考えますと、より幅広い視点からの業務監査が必要と考えておりまして、今回、監事機能をもう少し強化する意味で、サポート体制を少し強化し、具体的には監事室の陣容を増員したわけでございます。そういうことで、監事につきましてももっと頑張っていただきたいと考えている次第でございます。
○近藤委員 わかりました。監事については監事室の人員増加ということで担保というか前進をさせているのだということで理解をいたします。 ところで、こういった理事長の裁量権を大きくしていくというか、しっかりしていく。そしてまた、監事の職務権限については、六項の方の変更はないけれども、監事室の人員等を増加して機能を強化していくということでありますが、この一連の中で起こった問題があると思うのですよ。そうしますと、その中で、現在の動燃の役員の結果責任というものをやはり問うていく必要があると思うのですが、この役員の結果責任というものをどういうふうに問うていくのか、そしてこの役員の結果責任についてはどう考えていらっしゃるのか、大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほど来繰り返し御答弁をしておりますけれども、新法人の権限と責任をはっきりさせていく、その中で裁量権も明確にしていって主体性を確立していただく。科学技術庁としては、あるいは国としては、基本的な方針を定めて、後は事後的な実施結果について厳正に評価、監査する、その中で役員の責任というものも厳しく問うていくということになろうかと思うのです。 これをどう具体的に担保するかということになりますと、一つは、新法人に改組するときに役員の任期を一たんこれで満了させる、終了させる、これまでの役員の業績を評価して人事を刷新することにしているというのが一つであります。 それから、先ほど御答弁をしたことでございますけれども、役員の任期を従来の四年から二年に短縮したということも、そういう意味合いが含まれているわけでありまして、二年ごとに要するに業績評価を行って、再任するかどうかということをそこで審査してもらうことにしたいというのがこの短縮の中に含まれているわけであります。
○近藤委員 それはよくわかりました。責任を明確化してやっていくということ、そして任期を四年から二年に短くしていくということであり、そしてまた新法人への移行においては役員を一新させるということだと思います。 ただ、それはあくまで今後のことというか、これから出直していくに当たってどうしていくかということだと思うのですが、やはり結果責任を問う、それでどう担保していくのかというのが一つ問題になってくるのではないかなと思います。何も、責任を問うてやめさせるとか罰則ということを必ずしも申し上げているわけではないのですけれども、先ほど冒頭にもあったわけですけれども、安心というためにはそういった責任をもうちょっとしっかり問うていくというシステムが必要なのではないかなというふうに思うのですが、いかがでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 動燃事業団の場合、「もんじゅ」の事故、それからこの前のアスファルトの事故、それから秋の廃棄物のずさん管理の問題、いろいろございまして、それぞれにつきまして動燃事業団の理事につきましては、その責任といいますか、そういうものも十分勘案されまして、理事長もそれなりにきちっと処分をされている。理事によってはやめた人がございますし、給与を返上したりとか、いろいろな処分を受けた人もございまして、そういうことは幾度か既にございますので、それなりにそういう結果の責任を問うてきていると思っております。
○近藤委員 わかりました。それは規定には特にないけれども、そういった責任を問う、雰囲気と言ったらあいまいかもしれませんけれども、そういった体制はあるというふうに理解してよろしいでし一つか。
○加藤(康)政府委員 それは経営者として当然のことだとは思っております。
○近藤委員 そうすると、今局長のお言葉の中にも、辞任をされた方がある、そしてまた給与を下げた方がいらっしゃると。特にそういう規定か何かはあるわけですか、そういったことに対して。
○加藤(康)政府委員 給与を下げるというのは、役員はないと思いますので、それは多分自主的に返上されているのではないかと考えております。
○近藤委員 国民はみんな見ているわけでありますから、辞任をされた、給与をみずから下げることをされた、それは一つのけじめというか責任のとり方であると思うのですが、私は、より明確な結果責任を問う一つの形があった方が安心感を持ってもらえるのではないかというふうに考えるわけであります。 ところで、役員が一新されるというようなお話が先ほどもあったと思うのですが、新法人においては新たな役員としてどんな方を想定していらっしゃるのか、もしお答えいただければ、お願いいたします。
○谷垣国務大臣 今、新しい法人の形を御審議いただいている過程でありますから、具体的にだれをどうするというようなことはとても御答弁できるような段階ではないわけでございます。 ただ、一般論として申し上げますと、いろいろこうやって、仕組みをいじったり権限がどうだということを申し上げるわけでありますけれども、最後はやはり人なんだろう。人を得なければ幾ら仕組みをいじってもうまく動いていかないということであろうと思います。 特に経営の不在ということが指摘されていたわけでありますから、経営の裁量ということを確立しなければならないのはもちろんでありますけれども、それを的確に運営していただく人、リーダーシップ、それから、先ほどからの御議論でありますけれども、その仕事のあり方が国民に信頼していただけるような、そういう方を迎えることが私は一番必要だろうと思っております。こういう経験、見識を有する方、どこどこと限ることなく、幅広い分野からそういう方をお迎えできるような方向で考えなければいけない、私はこう思っております。
○近藤委員 だれそれとは言えないけれども、一連の事故が起きてきたわけでありますから、人という問題、幅広いところからぜひ人選をしていただきたいと思うわけであります。 ただ、先ほども申し上げましたように、もちろん人ということでこの動燃というものは出発をしてきたと思うわけであります。決していいかげんな人選をして、その中から事故が起きたわけではもちろんないと思うのです。 そうしますと、もちろん人の問題でありながら、結果責任、大変恐縮ではありますが、まず、こうして起きたその責任を問うていくという必然性、そして問うことによって安心を国民の皆さんに感じていただくことが私は必要だと思うのです。国民の側から見れば、この人は信頼できる人だからということで人選をしたといっても、ではお任せしますという状況にはないというのが残念ながら今の状況ではないかと思うのです。 ですから、それをいかに担保していくか。確かにその人は信頼できるだろう、しかし事が起こったときには結果責任を問うんだ、そういう一つの歯どめみたいなものが必要ではないかな、先ほどの質問はそういう意味なのであります。 そういう中で運営審議会の問題、先ほどの質問の中にもあったと思います。動燃改革検討委員会報告が言っている、「経営に第三者による外部評価の機能を導入する。」を踏まえて改正案では運営審議会の設置を規定しているわけですね。そして、その委員というのは十五人以内で組織され、「内閣総理大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」とあるわけであります。 先ほど裁量権の問題と関連させて大臣はおっしゃったと思います。理事長の裁量権をしっかりと担保していくために運営審議会のメンバーは理事長が任命するというお話があったと思います。ただ、安全性について客観的かつ厳格に評価すべき外部評価の構成員が実は理事長によって任命されるというのは果たして妥当なのかなというふうに思うわけでありますが、この点についてはいかがでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 先生御指摘のように、経営につきましては、そもそも一義的な責任は理事長が負うわけでございます。したがいまして、運営審議会は機構の外に置くということではなくて、理事長の諮問機関として置き、また委員の任命も理事長が行うということにしたわけでございますが、当然、運営審議会は幅広い外部の人材によって構成されるわけでございますし、また独自の判断によりまして理事長に対して意見を具申できる機能も持っております。 そして、理事長の任命であるからということでございますけれども、この運営審議会のそもそもの目的は、業務運営における透明性の確保とか、機構と社会との乖離を防止する、そういうようなことが一つの趣旨でございますので、そういうことを踏まえまして、内閣総理大臣が理事長の選んだ人に対してチェックするといいますか、認可という行為でございますが、認可によりましてチェックを行う、そういうことを規定しておりますので、そこで一応バランスをされているのではないかと考えている次第でございます。
○近藤委員 運営審議会についてはそれでバランスをとっていらっしゃる。しかし、今度の改正で、二十二条で運営審議会が設置される。そして、その運営審議会の役割というのは、理事長に対して審議会として意見を述べることができる。審議会として意見を述べることができるということは、理事長が、意見は聞くけれども、その審議会の意見に対して従う義務はないんだというふうに理解するわけであります。 その点についてはどうなんでしょうかね。審議会にせっかく意見を言ってもらった。もちろんその意見が必ずしも正しいことであることもないというふうには思うのでありますが、チェック機能という意味でこれはやはり問題があると思うのですが、これはいかがでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 理事長が任命された委員でございますし、その委員から出されました意見につきまして、それが機構のために、社会との乖離を防止するとか、透明性を確保する、あるいは運営を円滑にする、そういう意味で有益な意見であれば、理事長は当然取り入れられるものと思っております。いずれにせよ、すべて理事長が最後は責任を負うわけでございますので、その判断にまちたいと思います。
○近藤委員 理事長はその意見に対していいものならば従うと思うというのは、大変に聞いている者にとって不安を感じざるを得ないわけであります。 ですから、私は、この審議会のあり方に関しては、理事長が任命権を持つ、まあそれは裁量権の中でそういうあり方もあるかもしれません。理事長が本当に信頼をすべき人間を、バランスよくと言ったら失礼かもしれませんが、いろいろな意見を持っていらっしゃる方、中立の意見、偏っていると言っていいかわかりませんが、いろいろな意見を持っている方がそこに選ばれるんだと思うのですよね。もし、そうでありますならば、そこまで理事長に裁量権があるならば、審議会の意見については、単に上がってきた意見を聞くかもしれないよということではなくて、もっと尊重すべき、そういったシステムをつくるか、あるいは、こういった理事長に対して意見を述べることができるという程度と言ったら失礼かもしれませんが、その程度の役割だったら、審議会のメンバーというのは理事長が選ぶということではなくて、もっと違った選び方もあるのではないかなというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今の御議論は、私は、ある意味では今度の新しい機構の一番本質に関連する議論ではないのかなと思って伺っておりました。近藤先生のような御議論も今までの過程の中で当然あったわけであります。 ただ、今の姿は、先生が御指摘されている姿とはちょっと違う形で仕上がっております。そして、そこはどこが違うかといいますと、我々は、先ほどから申し上げているように、外部の批判に耳をかさなきゃいかぬとかいろいろ問題はあるわけですが、要するに、権限と責任がはっきりしていないところに問題があったんじゃなかろうか。それで、どこに一番最後の責任があるのかわからないような状態でやっているところに、言うなればなれ合い体質みたいなものがあったんではなかろうか。それが吉川先生のおっしゃる経営の不在ということにつながってきているのではなかろうか、こういうふうに我々は理解をいたしまして、やはり責任は理事長が第一義的に負うべきものである、こういう観点からこの仕組みをつくったというふうに考えております。 ただ、そういう権限を理事長に与える以上、もちろん科学技術庁としては事後的にそれを評価し、審査をし、あるいは事前に内閣総理大臣が方針を与えるわけでありますけれども、実際の運営は理事長が責任を持って行う。しかし、その理事長が要するにタコっぽの中に閉じこもってもらっては困るから、いろいろな幅広い方々の意見を聞いていただこう、そういうことでこういう仕組みをつくりました。したがいまして、今委員の御指摘の点とは多少観点が違って組み立てられた、率直に申し上げてそうだと思います。 ただ、ここをどう仕組んでくるかがまさに根本の議論で、私どもはそのように考えてこういう仕組みをつくったということでございます。
○近藤委員 吉川さんが座長を務められた検討委員会の、どういうふうに改革していくかというその方向性の中で、まさしく今大臣がおっしゃったように、責任が明確でなかった、ですから理事長にしっかりと責任を持ってもらうということだというふうには理解をするのでありますが、これはどこまで行っても一〇〇%というものはあり得ないとは思うのです。 この間、やはり国民の皆さんから見ると内部の問題というのはなかなかわからないところがあると思うのですよね。内部でそういった責任が明確でなかった、だからこういうふうな一連の事故が起きたんだというふうに言われても、それはもちろんその間の議論のことはいろいろなところで、例えば新聞等でも報道されているところもあるとは思いますが、すべての方がそれを理解しているわけではないと思うのですよね。そういうことで、今後の原子力行政を考えていきますと、私も何回か質問させていただきまして、これから三十基でしたか、原発をつくるとか、そういった計画はあるのでありますが、私の地元の愛知は原発があるわけではないですけれども、本当にアレルギーみたいなのは大変に強いわけでありますよね。 そうすると、こういったものをいかに担保していくかというか、透明性あるいは客観性、第三者によるチェックをはっきりさせていくかということで運営審議会というものがつくられたことを考えますと、チェックという意味、透明性という意味では少々不十分ではないかなということを思うわけであります。 ただ、それは今大臣おっしゃったように、一つの解決の仕方として、理事長の裁量を大きくした、そのために審議会もつくったので、審議会のメンバーは理事長が任命するということとして理解はさせていただきますけれども、私は、少々わかりにくいのではないかなということを申し述べさせていただきます。 それで、これと関連をしてくるわけでありますけれども、情報公開についてお伺いをしたいというふうに思います。 情報公開は大変に大きな柱だというふうに思います。この間、吉川座長の改革検討委員会の報告書の中にも、「社会に開かれた体制」「広報・情報公開」というところがあります。「新法人による広報や情報公開は、単なる対外的なサービスではなく、組織自らが存在するための条件であり、」条件というのは私は前提条件というふうにとるわけでありますが、「情報の発信に対する社会からのフィードバックを得て、適切に状況の変化に対応することが重要」である。情報を公開する、それが条件である、そして、その情報に対して社会からのフィードバックを得て、それによって対応していくんだということがあったと思います。 それともう一つ、これは「動燃改革の基本的方向」の中の「閉鎖性」というところに書いてあるのですが、「本質的公開が経営者の視点によってのみ成し得るものとして存在している。それは、他に類のない専門性の高い事業であるからとか、秘密保持を義務付けられている、などを公開を拒む理由として持ち出すことが決して許されない本質的公開である。」ということが言われておりまして、その「動燃改革の基本的方向」でも、そしてまた改革検討委員会の報告でも大変に情報公開というものが大きな柱になっているわけであります。 ただ、今回、第二十六条のところだと思いますが、新たに業務の運営の条文が加えられて、「適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保するとともに、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。」ならないという表現なんですよね。これは一体どういうことなのか。どうも読んだ感じでは、努めるとはどういうことなのかな、不十分な書き方ではないかなという感じがするわけでありますが、いかがでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 先生御指摘のように、今回の法改正におきまして、第二十六条に機構の責務としまして適切な情報公開というものを規定させていただいておりますが、我々の知識では特殊法人の中でこういうような規定を置いているのはなかなかないのではないかと思いますが、これはやはり一連の不祥事が起きまして、その閉鎖的な体質を改善するため、そのためにまさしく適切な情報公開が必要だということで書かせていただきました。 そういうことに努めていくということでございますけれども、具体的にはもう昨年の七月から情報公開指針というものを定めまして情報公開に努めております。おとといも一つ御質問ございましたけれども、設工認の書類につきまして、かつては三割ぐらいが白紙であった、それが現在では一割ぐらいまで、これはメーカーの知的所有権とかいろいろな問題がございますので、そういう了解を得ないとなかなか出せないわけでございますが、そういうところを除きまして、一%未満までに一応持ってきております。そういう意味で、昨年来、情報公開には実態としても非常に努力しているところでございます。 それ以外に、そういう情報公開するためには、広報体制を強化するとか、あるいは、同じ情報でもわかりやすい情報にしなければいけないということがございますので、ビジュアル化するとか、インターネットを使って皆さんが容易にアクセスできるようにするとか、そういうような努力もしながら、そういう開かれた体制を目指しているところでございます。
○近藤委員 なるほど。確かに、おとといでしたか、質疑の中にもその情報公開の指針のこと、そして今まで余り公開されていなかった情報がかなり、現時点で一%ぐらいが公開されず-現時点で一〇%じゃなかったですか、一%ですか。
○加藤(康)政府委員 恐れ入ります。一%というのは、今準備中で、もう間もなく出るということでございます。
○近藤委員 そうですね。たしか現時点では一〇%ぐらいだけれども、今準備というか努力して一%にしていくのだというお話を伺ったというふうに思います。それが努めるということでありましょうか。
○加藤(康)政府委員 今のは情報公開指針に沿ってどのように情報公開に努めているかの例でございますが、それ以外にも、先ほど申しましたように、情報といいましても、わかりやすくしなければいけないとか、それから容易にアクセスできるようにしなければいけない、そういうことを手段、方法を含めましていろいろ努力している、そういうことでございます。
○近藤委員 確かに、そういった細かいことでいえば、現時点でそういうふうに一〇%だったものが一%にしているということなのかもしれませんが、これも広くやはり国民の皆さんの目から見たときに、今まで一〇%か、それが一%か、なかなかわからないところ、そしてその一%に本当に知りたいことがあるのかもわからないわけですよね。そうすると、先ほど申し上げましたが、情報公開というものがこれからの存在の条件である、そしてこの情報公開については、本当に例外なく公開していくべきだ、非常にそういう公開性の高いものだという意見が指針の中にもあったと思うのです。そういうことでいうと、どうも「努めなければならない。」という表現では不十分ではないか。 例えば、努めているか努めていないか、どう判断していくのかなという問題。そして、それに対して、努めていないのじゃないかという不服というか、そういうものがあった場合、それはどういうふうに受けとめていかれるのか。そんなことについてお聞かせいただければと思うのですが。
○加藤(康)政府委員 情報の公開に不服な場合どうするかという話でございますけれども、そういう場合、例えば、我々が機構の業務の結果を評価するわけでございますから、そういうときに、そういう情報の公開が不適切であればそれは当然御指摘いたしますし、また第三者的な機関を置きまして、そういうところてチェックしていたたく、議論していただく、そういうことも今後検討の余地があるかと考えている次第でございます。
○近藤委員 質問の時間も終了しますので、最後に一つだけ。 この改革検討委員会の報告書の中にもありました。これから裁量権を持って新法人にやっていっていただくというお願いとともに、新法人の運営に関しては科学技術庁の役割がやはりあるわけであります。「新法人の運営に関する科学技術庁の役割」ということで、「科学技術庁は、現場としての新法人が最大の効率で資源を利用できるような環境を設定するためのサービスを行うとともに、また国民の血と汗の結晶である税金から賄われる国の資金を使っているという意味で、この資金が無駄な形で使われていないかを常に国民に代わって監視していると考えるべきである。」という一条があるわけであります。 このかわるというのは、まさしく国が、科学技術庁がかわってという面と^それがしっかり、国民の目から隠されたところではなくて、見えるところで安心感を持ってかわってやっていただくということではないかと思いますので、その辺をしっかりと監視していっていただきたいというふうに思うわけであります。ありがとうございました。
○大野委員長 桑原豊さん。
○桑原委員 民友連の桑原でございます。 一昨年来、動燃の事故が相次いでおります。そして、今動燃の改革が問われているわけでありますけれども、私は、今問われているのは動燃のありようだけではなくて、日本の原子力行政そのものが問われているのではないかというふうに思います。あの事故は言うならば日本の原子力行政の問題点の集中的な表現ではなかったのか、こういうふうにとらえるべきではないかというふうに思うのですが、今出されている改革案はその答えの一つにすぎないのではないか、そういうふうに認識をいたしております。 そこで、原子力基本法の定める諸原則がございますが、平和、安全、民主、自主、公開といいますか、こうした諸原則にやはり立ち返って、動燃以外の分野、例えば科学技術庁あるいは原子力委員会、原子力安全委員会、そういった日本の原子力行政を構成するすべての部分について点検や見直し、諸改革というものが行われなければならないのではないかというふうに考えるわけですけれども、そういった動燃以外の分野についてどういった改革が、点検が、見直しが進められているのか、そのことをまずお聞きをいたしたいと思います。
○谷垣国務大臣 衆議院のこの委員会でこの法案を御審議賜って以来、あるいは以前からと申し上げてよろしいと思いますが、動燃の一連の事故が原子力行政そのものに対する国民の信頼といいますか安心感を損なったではないかという御指摘は、ずっとどの委員からも異口同音に御指摘があったというふうに受けとめております。私もそういう認識のもとで、どうやったらこの信頼を取り戻せるかということで今まで仕事をしてきたつもりでございます。 それで、一つは、もちろん今御審議をお願いしている動燃法案、動燃自体を改組していく、これを徹底的にやっていくということが一つであるということは御指摘のとおりでありますが、それ以外も広く見直す必要があるのではないか、こういうことでございますね。 それで、これに関しましては、今、省庁再編の法案を提出して御審議をお願いしているわけでありますけれども、行政改革会議の中でも、動燃の事故に端を発して、原子力行政というかあるいは科学技術行政というか、それをどうしていくかというのは一つの大きなテーマであったのではないかと私は思っております。 そういう中で、科学技術庁は文部省と一緒になるという方向で今作業が進んでいるわけでありますけれども、原子力行政に関しましては、特に最初の議論では、安全性を確保する意味から原子力安全委員会は、今までよりもレベルを上げてと言ってはいかぬかもしれませんが、内閣府のもとに置く、こういう議論がずっと進んでまいりまして、その後、やはり原子力委員会と安全委員会は車の両輪ではないかということから、今出させていただいている法案の位置づけも、原子力委員会、安全委員会を内閣府という今までより高次な段階でやっていくという整理がなされているのだろうと思います。 今、桑原委員の御質問にこれが全部お答えできる答弁かどうかわかりませんが、そういう行革議論の中でも今のような議論がなされているということを申し上げたいわけであります。 それから、今のようなやや大上段に振りかぶった議論とは別といたしまして、もう少し地に足をつけたことを申しますと、当庁の自己改革ということはやはり必要だろうと思うのです。その中で、安全確保の充実強化とか積極的な情報公開あるいは対話の促進、これは事故以来いろいろな形で努めてきたところでありますけれども、今後ともやっていかなければならないことだろうと思っております。 情報公開につきましても、原子力委員会あるいは安全委員会を公開でやるような方向に転換いたしまして、これも言うなれば、私見て、おりまして、仕組みといいますか、手法として今まだ試みの途上であるような感じもするわけでありますけれども、こういう方向をやはり推し進めていかなければならないと思っております。
○桑原委員 まだ明確にそこら辺の議論がひとつ整理をされていない気がいたします。ぜひ、動燃改革と並んで、きちっとした議論を進めていかなければならないと思います。 例えば、今おっしゃられました原子力安全委員会にいたしましても、これを八条委員会から三条委員会にして、より公正な立場から強力な権限を持って安全と規制の問題をやっていくということは、多くの方々が従来から指摘をしている問題だろうというふうに思います。 この動燃の問題がきっかけになって、いわゆる商業用の原発の問題にまでいろいろな懸念が波及をして、安全の問題、いろいろ苦慮して努力をされていますけれども、そこら辺に多くの疑念が差し挟まれていくと大変な不信感が起きてくるということになりかねない現状でございますから、そういう意味ではぜひ、安全委員会の機能強化の問題、それをきちっと位置づけをして議論をしていただきたいなというふうに思います。 それから、公共事業の長期計画と比較をするのはなんですけれども、いわゆる原子力開発利用の長期計画、長計も、国会の議論であるとか国民の議論参加、そういうものがこの計画の決定に一体どう反映をされているのかというところが甚だ心もとないわけでございます。そういう意味では、これの見直しなどの仕組みも含めて、この長期計画というものに全体が縛られてその路線の上を走るわけですから、そこに国民の大きな声がしっかりと反映できるようなシステム、そんなものなどもぜひ必要ではないかというふうに私は思いますし、今回の動燃改革の議論にしても、もっと国民的な議論を大きく起こして、その中でどうしていくのか、そういうありようというものもやはり必要なのではないかというふうに思います。 もとに立ち返りますけれども、そういった原子力行政全体と国民とのかかわり、そういうものをどうしていくのかということをこの機会に、こういう機会でないとできないわけでして、この機会にしっかりそこら辺もやっていくということを、これは長官のリーダーシップでぜひ強力に進めていただくことをまずお願いをしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今桑原先生御指摘の点は多岐にわたって、原子力行政を見直せということで、いろいろ重要な御指摘があったのだろうと思います。 安全委員会あるいは原子力委員会に関して、三条委員会か八条委員会かという議論も、これはずっとある議論でございます。この間本会議でも、辻先生の御質問でしたかあるいは斉藤先生の御質問でしたか、ございまして、総理からは、今の原子力委員会あるいは安全委員会というものも、通常のその種の委員会よりも強力な権限があるし、それから先ほど申し上げたように、内閣府のもとに位置づけていくということで御答弁を差し上げているところでございます。 それから、長期計画をどうするかというお問いかけでございますけれども、実は、前つくった長期計画から四年たっているわけでありますけれども、長期計画そのものをどうするかというところまでは議論はまだいっておりませんで、高速増殖炉とかいろいろ個別の問題を一つずつ議論をしてきたという段階でございますけれども、これから私ども考えていかなければならないのは、委員の御指摘もその一つだろうと思いますが、そういう個別の問題をレビューしていくと同時に、長計というものがどういうものでなければならないのか、ここらあたりばこれから少し議論を煮詰めて、それで次のステップに進めていくことが必要かな、こう思っております。
○桑原委員 それでは、時間が余りありませんので先に進みます。 今回の動燃の改革は単なる組織の手直しては済まされないということは、国民のだれもがそういうふうに考えていると言っても過言ではございませんし、今回の改革では、業務の変更というものはもちろんですけれども、動燃の閉鎖性や国民的な常識からの乖離といいますか、あるいは、いつの間にか大きく肥大化をしていったというような組織の問題ですとか、打ち破っていかなければならない体質的な問題が非常に多いわけで、その大転換を図ろうという解体的な改革である、こういうふうに位置づけをされているのではないかと思います。 かつて昭和四十二年に、当時の原子燃料公社から現在の動燃への転換に際しては、当時の公社は一たん解散をされて新しい動燃に生まれ変わった。その際には、高速増殖炉及び新型転換炉という新しい動力炉の開発などが目的として加わったということで大きな転換が行われたわけですけれども、今回の改革はそれに匹敵する、いや、それ以上の大変なものであるべきだというふうに私は思うのですが、例えば職員の意識改革を一つとっても、また、国民に出直し的な改革だという理解をしていただくためにも、一たん動燃が解散をして、そして新しいものをつくる、こういうようなことにならなかったのか、そういう議論はなかったのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 動燃改革検討委員会の議論の中で、最初に、動燃事業団をどうするのか、ばらすようなこととか改革するようなこととか、いろいろ議論がございました。しかしながら、現在、動燃事業団につきましてはたくさんの原子力施設を現に保有しております。そういう原子力の特殊性に配慮いたしまして、安全規制の継続性を確保するという観点から、結果的には一部改正によりまして改組するということにさせていただいたわけでございます。 しかしながら、今回の改革に当たりましては、解体的な改革、そういうものを目指して進めてきておりまして、本法案は一部改正ではございますけれども、名称も変更するとか、業務運営の透明性を確保するための運営審議会を設置するとか、それから、当然、業務の抜本的な見直し、役員の任期を改正法の施行日の前日に終了させる、そういうような措置を講ずることとしているわけでございます。 また、当然、法律事項以外のことにつきましても、先生御指摘の役職員の意識改革、人事制度の刷新とか危機管理体制の整備、広報の充実とか情報交流の活発化、そういうことにつきまして抜本的な改革に取り組んでいるところでございます。 そういうようなことから、廃止制定するということと比較しましても遜色ないような改革になっているものと認識している次第でございます。
○桑原委員 形式は一部改革ということだが中身は全く生まれ変わったんだ、こういうふうにおっしゃられたのかと思います。 そこで、現在の事業団との性格の違いなんですが、お聞きしたいのですけれども、従来は、開発研究の場であると同時に事業体としていろいろな事業も営むということで事業団というお名前がつけられておったのだろうと思うのですが、今回はいわゆる機構ということで、事業体としての性格というのはある意味ではなくなって、開発研究、そういうことが中心だというふうに性格的に一変した、こういうふうに考えてよろしいのですか。
○加藤(康)政府委員 事業団というものと機構というものとどのように違うのかというお話でございますが、機構というのは、必ずしもたくさんそういう名前をつけているところはございませんが、一般的に、民間とか大学とかと連携をしながらいろいろな事業をしていく、そういうようなイメージが強うございます。 今回、核燃料サイクル開発機構というふうにいたしましたのも、先ほどからお話がございますように、民間のニーズをよく把握して、民間となるべく早いときからいろいろな共同研究等をしながらやっていくとか、大学との連携、そういうことをしながらやっていく、いわば核燃料サイクルの拠点的な性格を持った組織体というようなことで、事業団ということから機構ということにさせていただきました。 もちろん、業務の中におきまして、動燃事業団は、実は、高速増殖炉でございますと実証炉、あるいは商業用の再処理工場、そういうものを法律上はつくれるような規定になっておりました。しかしながら、そういうような分野につきましてはもう民間企業がするということになっておりますので、今回機構ということに変えるに当たりましては、そういう事業的な色彩のところはできないように業務は整理縮小してございます。
○桑原委員 中身については相当抜本的に性格が変わった、こういうふうに受けとめられるわけでございますけれども、私は、今回、そういうふうなことと同時に、職員の仕事に携わる意識をどう変えていくのかということか大きな課題てあろうというふうに思います。そして、国民の目から見ても動燃が大きく変わった、形式的にも内容的にも変わったというふうに受けとめられるということが大きな、大事な要素だというふうに思うので、そういう意味では解散をして変えていくという形式をとられた方がよかったのではないかなというふうに思いますけれども、そういったことで、中身的にはそうなんだということで理解をさせていただきたいと思います。そこで、いよいよ法律の中身に入りたいわけです。 二十四条では業務の範囲が定められておりますけれども、その中心は高速増殖炉の開発でございます。夢の原子炉と言われて久しいわけですけれども、安全性であるとか経済的な観点から欧米の国々では撤退をしているところが多いわけでございまして、日本が唯一その先頭を切ってあえて非常に困難な課題に立ち向かっている、こういうことでございますが、費用対効果などの問題も含めて国民にどのように説明するのか。 私自身も、あえて日本がそういう状況の中で先頭を切ってやらなきゃならぬということがもうひとつわからないということなので、御説明をいただきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 高速増殖炉の研究開発でございますが、いずれにせよエネルギー供給の有力な担い手の一つとして注目されておるわけでございますけれども、各国のエネルギー政策というのはそれぞれの国情によって違っておりまして、そういう国情によって決められているものと考えているわけでございます。 原子力委員会の、西澤先生の高速増殖炉懇談会におきましても、我が国のエネルギー事情から高速増殖炉について御議論をいただきましたが、例えばフランスのスーパーフェニックスが放棄されるということもそのときにニュースで入っておりましたが、そういうことも踏まえまして、また、フランスとかイギリス、ドイツからの高速増殖炉の専門家の訂も聞きながらいろいろ議論がされた結果、我が国のとるべき方向についてまとめられたわけでございます。 日本は島国でございまして一ヨーロッパのようによその国から電気を輸入するというのはなかなか難しいわけでございますし、また、国内にエネルギーの資源がないわけでございますので、技術をうまく使ってエネルギーのかなりのものが供給できるようになる、これは日本にとっては非常に魅力的でございます。 先ほど先生が、研究開発の費用対効果を含めて話せというお話でございますが、なかなか数字を挙げてというのは難しゅうございます。日本にエネルギー資源はないわけでございますが、技術によってそういうものの確保が可能になり得る、そういうものはやはり研究開発をして可能性を追求していくべきであろう、そういうふうに考えている次第でございまして、懇談会の結論もそういうことかと考えております。
○桑原委員 べき論はそれなりにわかりますけれども、しかし、巨額の費用を使って、長い年月をかけて、多くの人材を投入してやって、果たして成果を得ることが可能なのかどうなのかということを考えれば、国家プロジェクトとしては、やはり相当きちっとした展望を持たなきゃならぬのじゃないかというふうに私は思います。 この開発研究では実証炉を前提にしないという断りがついておるわけですし、かといって、実用化があきらめられたというわけではないわけでして、そういう意味では非常にあいまいな、そのときでまた判断するということでしょうけれども、あいまいな目標というふうに受けとめざるを得ないのです。 それから、動燃の改革検討委員会の報告でも、この種の業務はまさに先例のない研究だと。その一方で、原子力であるがゆえの非常に高い安全性が求められる。また、競争力ある技術の開発というふうな現実的な要請もある。そういう意味では、私は、二律背反どころか、この三つを考えてみますと三律背反のような、大変困難な難しい問ではないかというふうに思うのです。 欧米の国々も、それぞれの理由があって撤退をしたわけですけれども、もしこれがうまく成るならば、恐らく、こういう技術の開発は本当に必要だというふうに、求めている気持ちには変わりはなかろうというふうに思うのです。だとすれば、この種の困難な問題については、国際的な協力というふうなものでどうやっていくのかという手だてが考えられないのか。あるいは、現在ITERのようなものの研究も行われているわけですけれども、そういったものについてどうしていくのかというようなことを考えていくことができないのか。なぜ、いつまでもいつまでもこれにこだわり続けざるを得ないのか。そこら辺の説明をもう少しきちっとする必要があるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○加藤(康)政府委員 高速増殖炉につきましての研究開発でございますが、ヨーロッパにおきましては、イギリスとフランスは既に「もんじゅ」と同じようなものの原型炉を二十年ぐらい運転をして経験を積んでおります。 それで、イギリスですと、商業化の機会というのはもう少し先だからということで、技術を保存しておこう、そういうことでございます。 フランスの方は、現在も「もんじゅ」と同じクラスの原型炉、フェニックスと申しますが、それは運転しておりまして、これは主としてプルトニウム等を減らすと申しますか、増殖というよりもむしろ燃焼するような研究を今進めております。実証炉につきましては、百二十万キロという非常に大きなものでございまして、これは経済的な観点から、この前やめることにしたわけでございます。 それから、ロシアにつきましても、あそこは資源が非常に多いようでございますけれども、ウランの資源はそれほど多くないということで、高速増殖炉の研究を精力的にやっておりまして、また最近でも、八十万キロワットの高速炉建設に着手すべく準備されているやに聞いております。 国際協力のお話をいただきましたけれども、現在、フランスそれからロシアが高速増殖炉の開発を続けているわけでございまして、ロシアからも高速炉の協力をしたいという話が来ておりますし、フランスとも、この前フランスの担当大臣が、谷垣大臣のいらしたときに、政策論を含めた協力を話しましょう、こういうことになっておりまして、近くまたそういう話し合いをすることになっております。そういうことで国際協力はさせていただこうと思っております。 ITERのように一つのものをつくればいいのではないか、こういう御指摘もあったわけでございますけれども、こういうものは自国に将来発電所でつくる予定でございますし、安全上の確認というのは一般的には国内で安全の確認をしなきゃいけない、そういうときにやはり建設の経験というのは非常に重要でございます。したがいまして、そういう重要なものにつきましてはやはり国内できちっと経験をしておくべきではないかと考えておりまして、我々としては、もう「もんじゅ」もできておりますし、そういう研究を続けながら国際協力もあわせて進めたいと考えておる次第でございます。
○桑原委員 極めて困難な課題であるということであるだけに、あえてその困難に挑戦をするというその気概はそれなりに理解はできますけれども、しかし国家プロジェクトであるということを考えれば、相当の展望を持ってやはりやらなきゃならぬということであるならば、それを踏まえたやり方というのをもう一度やはり考えてみるべきではないかというふうに思うところでございます。あえて日本だけがひとりやり抜くということで本当に国民の理解が得られるのかどうか。そこは私はもう一度国民的な論議をきちっとすべきではないか、こういうふうに思うということをつけ加、えておきたいと思います。 それから、先ほど近藤委員の方からもいろいろお話がございました、第二十二条で定められております、今度の改革の一つの目玉であろうかと思いますが、運営審議会の問題についてお尋ねをしたいと思います。 理事長の諮問に応じて、機構の業務運営や重要事項について審議し、理事長に意見を述べることができるというものなのですけれども、改めて、どういう性格のものなのか、何をこれによってねらっているのか、そのことをお聞きしたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほど近藤委員の御質問の際にもお答えしたことでありますけれども、機構の権限と責任というものをやはりまず明らかにする必要があるだろう。その上で、責任を持って仕事をしてもらう、裁量権も持ってもらう、そういう中で経営の主体性も確立してもらう、そのためには、理事長のいたずらな制約はいけないのではないかという発想が一つございます。 しかし、それと同時に、理事長がタコつぼの中に入ってしまってはやはりいけないし、今までも指摘されたところでありますけれども、専門集団のいわば専門的な視野の中で広く、世間がどう見ているか、世間にどう、アカウンタビリティーと申しますけれども、説明していくかというような感受性がなくなってはいけないではないか。そういう観点から、幅広い各界の方の御意見を書っていただく場、そういうこととしてこの組織を置こうということでございます。 また、おととい、実は斉藤委員の御質問に対して私はちょっと中途半端な御答弁をしたのでありますが、そのことによって外部監視的な効果もある程度は期待できるのではないか、こんなふうに思っております。
○桑原委員 そういう性格はわかったのですけれども、だとすれば、その運営審議会の権限といいますか、運営審議会の責任といいますか、そういうものはもう少し明確にすべきではないか。 先ほど近藤委員の質問にもございました、いろいろいいことを言ってもそれがちゃんと受け入れられるのかどうなのか、理事長との関係においてどうなのか、どういう問題までそれが言えるのかというようなことなども含めて、もう少し権限と責任を明確に規定したらいいのではないかというふうに思います。当然のことながら、社会性というか透明性というか、そういうものを保証していくというようなことであれば、運営審議会の審議などについてもきちっと公開していくというようなことが必要ではないかというように思うのですが、そこら辺はどうでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほど近藤委員にも御答弁したところでありますけれども、これにはいろいろな考え方があったわけでございまして、第三者機関というか外部組織として位置づけるべきではないかという御議論もあったわけでありますし、任命権を理事長に持たせるのは、結局、理事長の言うなりになっちゃうんじゃないかという御意見もあったわけであります。 私は、先ほどから申し上げているのは、しかし、さはさりながら、やはり上にあったり外部にあったりすると責任の所在がはっきりしなくなるという観点を今回は重視をさせていただいた。ただ、運営審議会も、これは具体的な人選ということもかかわってくるわけですけれども、できるだけ幅広い外部の方を招聘すべきだと思っておりますし、また権限としても独自な判断によって理事長に対して意見具申できる機能が付与されているわけであります。 それから、委員の任命は、先ほどから申し上げているように、理事長の権限であるわけでありますけれども、内閣総理大臣の認可ということでチェックを行う。それから、透明性の確保というのはやはり私は必要なんだろうと思います。その運営審議会の結論といいますか結果を外部に明らかにするというようなことは必要ではないか。そういうことを通じて、単に運営審議会によって理事長と外部が乖離するということを防ぐと同時に、透明性というものも付与していく必要があるのかな、このように思っております。
○桑原委員 時間が来ましたので終わりますが、 最後に一つだけ。 雇用問題については、この先、組織が改編をされていくことによって、現在勤めておられる皆さんの雇用が非常に不安があるということでございますけれども、これについては雇用対策にも万全を期していただきたいということを一点だけお伺いして、それで私の質問を終わりたいと思います。
○谷垣国務大臣 雇用の安定に十分意を用いろという御指摘で、私も、動燃改革の上で、これから新しい機構の職員が安心して意欲を持って仕事をしてもらうためにも、今回、その点を十分に配慮して進めていくことが必要である、こう思っております。
○桑原委員 どうもありがとうございました。
○大野委員長 午後一時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。午後零時三十分休憩 ――――◇―――――午後一時二十二分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 初めに、去る四月一日の当委員会における辻一彦さんの質疑に関して、池田原子力安全局長から発言を求められておりますので、これを許します。池田原子力安全局長。
○池田政府委員 四月一日の委員会で辻先生から示唆されました資料について、調査しました結果を御報告させていただきます。 まず、この資料でございますけれども、これは、昭和五十年十一月に米国のサンディア研究所で開催されました、高速増殖炉の事故分析に関する研究成果を交換する会議で報告されたものでございました。 この内容でございますけれども、ナトリウムとコンクリートの反応を主眼に置いた実験の報告でございます。一部に、ライナー、これは鋼板でございますけれども、ライナーの腐食に関する記述があることは事実でございました。 この実験でございますけれども、ナトリウムを蓄えましたタンク、それとコンクリートの壁の間に鋼板によるライナーを設けておりますが、ナトリウムにつきましては摂氏七百五十度で加熱をして十九時間置いた、これが一つの実験でございますし、もう一つは摂氏八百八十度C、これは沸騰する温度でございますが、これで三時間置いた、そういうそれぞれ加熱したナトリウムが鋼板を隔ててコンクリートとどういう反応をするかといったことについて調べた実験結果でございます。 ただし、この鋼板、ライナーには人工的に穴があけてございました。直径が七ミリの穴あるいはスリット、長さが二・五センチ、幅が六ミリといったような穴が、ちょうどナトリウムの液面の下あるいは上、両方にそれぞれニカ所ずつの穴が設けてございました。 したがって、これだけ加熱されたナトリウムがコンクリートとその穴を通して接しますと、御案内のように、コンタリートからは水が放出されます。この水が加熱されて水蒸気となって、ナトリウムの液面よりも上の穴、人工的にあけてございました穴からナトリウムのタンクの方に噴き出すといったことでございまして、結果的に、人工的に設けておった上部の穴が腐食によって大きくなったといったことでございました。 ただ、この報告におきましては、こういう欠陥つきのライナーによる実験の以前に、この著者は、これまでに行われました数多くの同種の実験についてのレビューを行っております。 そして、それまでに行われた多数の実験において、例えばナトリウムをこぼしましたときに、鋼板でつくったような受け皿、キャッチパンといっておりますけれども、それで受けとめて反応を調べるわけでございますけれども、そういう実験をした過程でキャッチパンが腐食により損傷したという報告はないとその報告書に記載されております。 また、こういう実験結果を記しました後で、この資料の結論部分を見ますと、「適切に設計されたライナやキャッチパンは、水の放出、水素生成とコンクリートの損傷を制限する上で効果的となりうる。」と述べているところでございます。なお、腐食のメカニズムについては一切の記述がございません。 なお、この会議には当時動燃の職員が参加をしておりました。この職員にも確認をいたしました。その職員によりますと、当時は、ナトリウムが漏れたときに、これは当然、加熱されるわけでございますから、ライナーの下からの圧力でライナーが変形する可能性があることが問題になっていました、腐食が問題になったという記憶はありません、なお、「もんじゅ」では、床ライナーの下は密閉空間ではございませんから、対応する必要はないと結論したと記憶している旨述べております。 なお、辻先生からは、この資料は国会図書館にも置かれているといった旨の御指摘がございました。図書館は、こういう学術文献につきましては商務省の下部組織でございます米国技術情報サービスといったところが刊行しておりますが、この刊行資料の中から入手をした、図書館の独自の措置として入手をしたといったことでございました。 さて、この資料を原子力安全委員会でどう受けとめるかといったことでございますが、原子力安全委員会は、「もんじゅ」の原因究明の一環で、昨年の十二月でございますけれども、第二次の報告書というのを発表してございます。そこでは、「もんじゅ」の事故、それからその後に行われました実験等で発生しました、ナトリウムと酸素と鉄の間の界面反応による腐食の知見がどういう状況にあったかということを調査したわけでございます。 その結果、このような知見は、当時、他分野の少数の専門家には知られていたという程度であって、高速炉開発の関係者ですとか安全審査の関係者にに知られていないことがわかった。したがって、当時の知見の状況を踏まえればやむを得なかったという旨の委員長談話を発表したわけでございます。 これについて、辻先生からは、このレポートの存在を見れば知見がなかったとは言えないのではないかといった御指摘があったと承知しております。 この資料につきましての安全委員会の見解でございますけれども、本資料は人工的にライナーに穴等をつけた場合の実験の報告でございまして、また、結論としては「適切に設計されたライナやキャッチパンは、水の放出、水素生成とコンクリートの損傷を制限する上で効果的となりうる。」と述べているため、健全なライナーを使用する実際の状況にかんがみれば、本資料によって腐食に関する問題意識を生ずることは困難である。さらに、腐食のメカニズムについての記述がないために、本資料によって界面反応による腐食に関する知見を得ることは考えられない。 したがって、安全委員会が委員長談話において、当時の知見の状況を踏まえればやむを得なかったと言ったことにつきましては、この資料につきましては当時の調査結果に影響を及ぼすものではないという判断でございまして、この委員長談話に示された、当時の知見の状況を踏まえればやむを得なかったとの結論は変わらないというのが委員長の見解でございます。 以上御報告させていただきます。
○大野委員長 辻一彦さん。
○辻(一)委員 夕べ私は、今の安全局長のレポートをいただいて読んでみました。そこで、私は、この問題はなお、国際的にも国内的にも、ハンフォードの影響を受けて実験に取り組んだのではないかということを検証する必要があると思いますので、きょうはその一々について議論をするゆとりはないと思いますが、問題点を指摘して、最後に一点だけ質問いたしたいと思います。 まず、今報告を見ますと、ハンフォードの報告の重要性が理解されていないのではないか。これは、ナトリウムと水の反応でできたナトリウム酸化物が床ライナーを腐食させるという現象を初めて観察したという点で、FBRの開発研究途上に非常に大きな、重要な報告である、このように私は考えておりますが、このような認識が示されていない。 それから第二は、ナトリウムと鉄はほとんど反応しない、これはわかっていることでありますから、したがって普通は腐食が起こらない。当時そういうことはわかっておる。だから、コンクリートとナトリウムが接触するのを避けるために鉄製の板を張って、それでこれを阻んだということでありますね。鉄製の板を使い始めた。その床ライナーに傷ができて、実験は小さな穴をあけたんですが、それを通してナトリウムとコンクリートが直接接触したときにコンクリートがどれほど損傷を受けるかということを実験しておったわけですね。そこで、床ライナーが、ナトリウムそのものでなくして、ナトリウムと水の反応でできた酸化物で著しく腐食をしたという現象を発見した。これは、非常に重要な出来事、実験であったと思います。 したがって、この報告を注意深く聞いたり読んだりした研究者は、床ライナーの予想外の驚くべき腐食現象について教えられたはずである。その後の研究や開発の重要なテーマとなった可能性があると私は思う。そういう点をまず前提としておきたい。 それから、その点を前提として、多数の実験で、受け皿というか、キャッチパンが腐食によって損傷した事実はないと言うが、一例でも、今のような、初めて腐食が観察されたということは極めて重要な問題であると考えます。腐食機構について記述がないと言いますが、腐食という問題を初めて観察し、発見したのですから、そのときの発見者に腐食の構造の記述がないと言うのは、ちょっと無理なことでないかと思う。 それから、適切に設計されたライナーやキャッチパンは、水の放出や水素の生成、それからコンクリートの損傷の制限をちゃんとやることができるということが挙げられておりますが、これは、そちらの方で訳してもらったのを私全部見ましたが、その後にこう書いてあるのを忘れてはならないのですね。それは、ライナーの設計において、設計基準事故、安全審査で想定されている事故において、水の放出と水を逃すという必要な方策を考慮すべきということを特に指摘している。ここが大事であって、これに反した条件のもとに行われた「もんじゅ」の実験、再現実験第Ⅱは、床ライナーに五つの穴があいている事実があるのですね。だから、こういうことを考えると、私は、これは非常に関係のある、非常に重要な実験であったと思うのですね。 そこで一つ質問しますが、本資料で腐食に関する問題意識を生ずることはないというように報告がありましたが、これは、世界におけるFBRの開発研究、並びに動燃が、例えば一九八八年前後から、鉄ではいかないから、非鉄材の、例えばセラミックス等によるところのライナーの健全性等々についてざっと一連の実験をやっていますね。こういう実験が腐食という問題の意識を持たずに行われたのか否か、こういうことについて全部検証しなくてはこれは言い切れないと思います。 そこで質問でありますが、それらの国際的、国内的な検証なしに、問題認識を生ずることはないというふうに言い切れるかどうか、それを一つ、一言だけ伺いたい。
○菊池参考人 お答えします。 腐食についてはいろいろな腐食がございます。ナトリウムと水が反応して腐食するというのは、ハンフォードの実験で初めてわかったわけではございません。今回初めてに近い形としてわかったのが、大洗でやった実験のような腐食が初めてわかったわけでございまして、当初から、ナトリウムとコンクリートとか水が反応すれば、それによって腐食が拡大する、あるいは起こるということはわかっておりまして、その上でやった実験であるので、腐食の性質が今回大洗でやった実験とは違うということでございます。
○辻(一)委員 これは、あと残された二十分ほどの時間で、きょうは論議はできませんが、私の聞いているのは、そういうハンフォードの実験等をもとにして、腐食に関する問題意識が世界に、国内になかったのか。動燃がやっているところのセラミックス等の、いわゆる鉄材以外のそういうライナーを使おうとした実験の背景にある問題意識は、この腐食という問題を全然考えていなかったのかどうか。そういうことについて、ないと言い切れるかどうかということを聞いておるのです。
○菊池参考人 いわゆる一般的な、ナトリウムと水の反応による腐食が発生することは当時からわかっておりましたから、腐食に強い材料を開発すべきであるということは、一般論としてはございました。 ただ、鉄では完全に防護できないということではございませんので、それは施工性とか経済性とかを考慮して、現在の鉄でも十分やっていけるという判断をしておるわけでございます。
○辻(一)委員 それは答えにならない。私は、言い切れるかどうかということを、明言を求めている。これは報告した行政庁から聞きたい。
○池田政府委員 御指摘のように、こういういわば最先端の研究成果についての交流がされるということは、非常に有益な機会だと私どもは思っております。 それに、この場合は動燃自身が原子炉の設置者であると同時に研究開発の当事者でございますから、こういう最先端の知識についてもあらゆる過程で反映していくといったことは、事業者のこの問題に対する対処としても適切だと思っております。 ただ、先生今御指摘の、こういう学術的な意味での知見というものをどう活用するかといった問題と、こういう原子炉施設のような、基本的にはでき上がった技術をいかに組み合わせて使うか、いかに信頼性のあるプラントとしてそれをつくり上げるか、あるいは運転をしていくかといったことにつきましては、その学術的な知見をそのまま使えるかどうかといったことについては、また専門的な、あるいは慎重な判断があってしかるべきだと思っております。 これまで、「常陽」それから「もんじゅ」の安全審査の過程で、必ずしも、今先生がおっしゃったような学術的研究の成果というのは見える形では反映されておりませんけれども、動燃事業団が研究開発機関としてそういう知見を集めるのは当然でございますし、私ども、今のようなライナー、こういったものの健全性を議論する過程で、そういう知見についても傍らに置きながらそのチェックをするというのは当然のことだと思っております。 こういう「もんじゅ」の事故につきましては、その後の大洗での実験も含めまして、我々のこういう安全の確保に対する取り組み方についてはいろいろ示唆するところがございました。 この新しい知見につきましては、今御紹介しましたような安全委員会委員長の談話という形で率直に、これは、当時の知見、こういうものも厳密に調べました結果、やむを得なかったといったような判断をしているわけでございますけれども、今後はこういうことがないように、あらかじめ他分野におきましても徹底的な調査をする、知見の反映を図る。そういった意味では、安全委員会におきましても既に、行政庁としても同じでございますけれども、こういう審査案件につきましては公開して意見を求めるといったような手だても踏んでおりますし、こういったことについて必要な情報が見逃されないように、これは懸命に取り組んでいく所存でございます。
○辻(一)委員 質問の要旨に答えてもらわなければいかぬ。 動燃にしても政府にしても、あなたの言っているのは知見でしょう。その前に問題意識があるのです。問題意識もなかったと書いているのです。だから、その当時の問題意識がないということを国際的にも国内的にも言い切れるか。亡者、言えるというなら言える、言えないというなら言えない、それだけ動燃と両方から聞きたい。長い説明は要らぬ。一言でいい。
○菊池参考人 お答えします。 当時、一般的な腐食、先ほど申し上げましたナトリウムと水反応による腐食があるということは認識しておりました。しかし、いわゆる界面型の、溶融塩型の腐食があるということはあの実験からはわからないということでございます。
○池田政府委員 先ほどの御指摘につきましては、残念ながら私どももそういう問題意識がなかったということを認めざるを得ないと思います。
○辻(一)委員 いや、私たちではないのだ。国際的にも国内的にもそういう問題意識がなかったのかどうかということを求めているのです。 本来ならば質問はできないのですが、しかし論議は今後に残さなくてはいけないから、この問題はそういう問題点があるということを指摘して、政府も動燃も明確に言い切れない、ここを明らかにしておいて、もうちょっと時間があればいろいろ詰めたいことがありますが、この問題はこれで残念ながらとどめておきたいと思います。 そこで、資料公開についてですが、一万六千点の資料の中の、一万五千八百八十三か、この中の今の問題を全部公開されて解明しなければ、この問題の答えは出ないと本当は私は思うのです。 そこで、時間の点から簡単に申し上げますが、昭和四十八年か九年に私は参議院におって、大飯原子力発電所、百六万キロワットの安全審査の途中に資料の提出を求めた。そのときには、都甲先生はその当時御存じだと思いますが、わら半紙に二十枚ほどの審査資料が出されたにすぎなかったのです。 ところが、国会図書館でマイクロフィルムをずっと見ると、セコイヤというほぼ同じ百五万キロワット、それについて資料提出を求めたら、一メートルの高さのコピーをした資料を政府は持ってきたのです。そして、これは一部五万円かかるから、百部予算委員会に出すと五百万で一回で資料費がなくなるから、委員会に一部と質問する議員に一部だけでとめてほしいということで、それは了解をしましたが、それくらい当時は資料提出については開きが非常にあったのです。 資料提出を求めた中で、科学技術庁の金庫の中に段ボール二つに入れられて百数十点の資料がある。それを出せ、出さないで一年かかりましたが、ついに理事会に持ってきてそれを広げたのですが、政府の方は、しかしこれは理事会だけで見てほしい、外に持ち出してもらっては困ると。 だが、中身を見ると、数式だとか非常に難しいわけです。我々は専門の学者ではないのだから、それは簡単にわからない。だから、これは専門の学者が見て、一緒に勉強して初めて国政調査権は行使し得るので、こんなものをここだけでとめたら何も勉強できないではないか、こういう押し問答を随分やって、最終的に、論文を一方的に引用しないということを確認をして、それは公開されて、専門の学者の皆さんも随分と一緒に読んでもらって勉強して、我々も随分論議の参考になりました。 それでも最後に、ゼネラル・エレクトリック、GEと日立、それからウエスチングハウスと三菱の間にあるところの二十数点については.企業間の機密等々によってどうしても出せないというのです。それなら一つ一つ全部相手と交渉して報告しろ、そこまで言ったのですが、私は、残念なことに、予算委員会、大蔵委員会と場所を変わったために、どうしてもその後の追及ができなかったのです。 資料の公開というのはいざとなるとそれぐらい難しい。だから、前に比べて確かに今資料公開は「もんじゅ」のあれを契機にして前進したと思うのですが、最後は企業の機密やあるいは二国間協定に隠れて重要なる資料は公開されずにおる場合が非常に多いのです。 「動燃改革の基本的方向」という中を見ると、企業機密の名に隠れて資料公開を拒むことはできないということを明確に動燃改革検討委員会は出しているのですが、それは非常に私は言葉としては立派なものだと思うが、これをやるのは容易でないが、全部公開できる用意があるのかどうか、その点をひとつ動燃と政府の方に、簡単で結構ですから、要点だけ答えてほしい。
○菊池参考人 お答えします。 基本的には我々としては原則全部公開するということで努力しております。これからもその方向でやっていきたいと思っております。
○谷垣国務大臣 これもたびたび申し上げておりますが、やはり国民の皆様に原子力に対する信頼、安全というだけではなしに安心を持っていただくためには、資料公開というものをしなければいかぬ、私はこれは当然の流れだろうと思います。 それで、「もんじゅ」とおっしゃいましたが、要するに、あの円卓会議での議論を踏まえて原子力委員会でも議論をしまして、平成八年九月二十五日に原子力委員会決定を行っておりますけれども、ここで、会議を原則公開する、そしてそれと同時に、専門部会で報告書等をまとめた場合にはその案を公表して広く意見を求める、それでその上で成案をまとめるというような具体的措置を決めまして、順次やってきているところでございます。 それから、科学技術庁でも、あの動燃東海事業所の火災爆発事故やあるいは動燃改革検討委員会、順次公開を行ってきました。 それから、やや一般的になりますが、ついこの間になりますが、三月二十七日にはいわゆる情報公開法案を閣議決定したところでもございますし、今後とも、安全確保に万全を期すことは当然でありますけれども、こういう情報公開法の精神も踏まえまして、情報公開を一層進めていかなければならないと思っております。
○辻(一)委員 残念ながら時間の点から資料の問題はこれ以上触れませんか、今御発言かありましたが、動燃も長官もしかとひとつ実行していただきたい。これは、いよいよとなるとなかなか制約があるのが普通だと思いますから、ここの発言を忘れないようにちゃんとしてもらいたいと思います。 最後に、都甲安全委員長にお尋ねしたいのですが、長い間非常に御苦労いただいて我が国の原子力安全行政に尽くされた御努力に敬意を表したいと思います。 そこで、引退といいますか、去られるわけでありますが、率直にひとつ聞きたいことがあるのです。 おととい私は質問しましたが、幸い都甲安全委員長がいらっしゃったからいいものの、もし委員長がいらっしゃらなくて代理をその隣の池田安全局長が務めたとしたら、片方では、原子力行政の安全規制のいわゆる第一のチェック機関としての政府の安全局長の責任において答弁しなければいけない、片方では、原子力安全委員会という第二のチェック機関、ダブルチェックをやるところの機関の事務局長をやっていらっしゃるのです、その事務局長で答弁をしなければいかぬ。一つの人が安全規制をする第一チェックと第二チェックの責任者であるというようなことは、もし本格的な論議をやったときに明らかな矛盾が出ると思うのですが、これは私は、日本の原子力安全行政が推進とそして規制というものが一つになっているところから出てくる問題であると思います。日本の原子力の安全をもっともっと強化をしていくことは異論がないと思うのですが、長年安全行政に携わられた立場からこの問題をどういうようにお考えになるか。もうほかに余り遠慮せずに、ひとつ率直にお答え願いたいと思います。
○都甲説明員 お答え申し上げます。 実は四月一日の委員会の席でも、安全委員会の独立性につきましては私の見解を述べさせていただいたところでございます。 確かに現在、事務局は、科学技術庁の中にあります原子力安全局の中の安全調査室というところで原子力安全委員会の直接の事務をやっていただいております。しかし、原子力安全委員会は、やはり独自の立場に立ちまして、行政庁の安全審査のダブルチェックでございますとか、あるいは安全審査のための指針の作成、検討でございますとか、あるいはその他原子力の安全確保のための重要事項について審議をしてきておりますので、私は、現在の組織で十分に独立性を保ちながら安全確保に万全を期していくことができる、私の今までの経験からもそう信じておるところでございます。 それで、先ほど長い間委員長をやってというので、ちょっと感想のようなことを最後に申し述べさせていただいてよろしゅうございましょうか。私、実は安全委員になったときから、原子力の特に安全問題の意思決定過程の透明性、つまり安全委員会の公開とかあるいは情報公開等が非常に重要であると考えておりました。それで、何回もそれを提案したことがあるのですが、実は、幸か不幸か「もんじゅ」の事故を契機といたしまして、国民の不安感、不信感が大変高まりましたので、私の思っていた以上のスピードで原子力安全委員会そのものの公開ですとか、資料の公開が大変進んできたと思います。 私は、今後とも一層この方向を努力いたしまして、国民の不安感、不信感の解消に努めるべきだと考えております。雨降って地固まると申しますけれども、せっかくのチャンスでございますから、ぜひ、この「もんじゅ」のトラブル、あるいは動燃のアスファルト固化施設のトラブルを乗り越えまして、今後の原子力に対する国民の不信感、不安感の除去、改善に努めていきたい、こう考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 これでもう終わりますが、委員長、長い間御苦労いただいて、最後のお言葉に批判するのは私はちょっと恐縮でありますが、やはり徹底した情報公開と、それから、原子力安全行政を拡充するには法改正等によってさらに充実させる必要がある、このことを強く申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○大野委員長 近江巳記夫さん。
○近江委員 今回の「もんじゅ」の事故、また東海事業所におきます火災、あるいはまた廃棄物の管理の不手際等々、非常に国民の皆さんに大きな不信感が芽生えた。これは非常に残念に思うわけでございます。長官初め関係者の皆さんも同じ思いである、このように思うわけでございます。 昨年のちょうど八月末に、日ロの友好議員連盟がございまして、ロシアとウクライナへ行ってまいりました。この団は、櫻内さんが団長で各党から選ばれて行ったわけでございます。ロシアにおきましては、核不拡散の問題を初め、特に日本に関係する問題としては、日本海へのいわゆる廃棄物の投棄、この辺のところを再度厳重に申し入れ、注意を喚起したわけでございます。 ちょうど櫻内先生が国際行事がございまして、ロシアでお帰りになりました。ウクライナの方は私が団長を引き受けまして参りました。キエフが主であったわけでございますが、時間があればチェルノブイリまで行きたかったわけでございますけれども、それは日程上無理であったわけです。そのときに、チェルノブイリの事故が起きましてもう十数年経過しておるわけでございますけれども、この原発の事故というものがどれだけ後々まで大きな影響を与えるか。 私どもがお会いしましたのは、ちょうど今国連で議長をされておりますウドベンコさん。ちょうど内定しているのですということをおっしゃっていました。九月十五日に就任されておるわけです。それから、議長のモロズさん。それからまた、日本・ウクライナの友好議連の会長をされているチェレップさん。運輸大臣でございましたけれども、そういう方々を初め要人とお会いしたわけです。 出てくるその話の中で、いわゆる国家財政の厳しさ。これは、冷戦が崩壊しまして、御承知のように、旧ソ連邦からウクライナが独立をした。当時のソ連邦というのは、それぞれが各共和国で分散体制といいますか、生産拠点をそうしておったわけですね。ウクライナの場合は穀倉地帯で有名でございますけれども、いわゆる戦車であるとかロケットであるとか航空機産業、そういうものが主であったわけですね。したがいまして、独立すると、民生化といいましても、なかなかその転換というのが一挙にいくものではないわけですね。そういうやはり苦しさがある。 そういう中で、いわゆるチェルノブイリの後遺症、後仕舞いで国家予算の一〇%以上がずっと続いてきている。それも非常に厳しい財政の中での一〇%でございますから、どれほどこれは厳しいものであるか。いつまでこれが続くかわからないという感じですね。また、旅行客にいたしましても、ビジネスで来る人はあるでしょうけれども、観光ツアーといいますか、キエフなんかは非常にきれいな町でございますけれども、もうそういう観光客の姿なんてありませんですね。ですから、もうそういう一つ一つの部署を見ていきますと、やはり影響というのははかり知れないわけですね。そういうことを改めて実感をしたわけでございます。 そういう点で、「もんじゅ」を初めとした今回の動燃のことにつきまして、国民の不信、信頼の欠如、これはまた原子力行政全般にかかってきているわけですね。この辺につきまして、長官、そしてまた理事長の率直なひとつ御感想を賜りたいと思うものでございます。
○谷垣国務大臣 科学技術庁の長官を務められた先輩である近江先生から、チェルノブイリ等の事故を引かれまして、これからの原子力行政の進め方について、ある意味では大変厳しい御指摘でもあろうと思いますし、何とかこれを立て直さなければというお気持ちからの御発言をいただきまして、まず心から御礼を申し上げたいと思います。今のお話を伺いまして、ああいうチェルノブイリの大きな事故を起こして、それがどれだけ社会にとってあるいは国家にとって、あるいは個々のあの国の国民にとって大きな負担と桎梏になっているかというお話を伺いまして、我々も思いを新たにして、原子力行政を、安全性と先ほどから申しておりますけれども、その安全性に対して信頼していただく、安心していただく原子力行政にしていくように取り組まなければならないと思っております。 今お出しして御審議をお願いしている法案もその取り組みの一環でございますけれども、そういう取り組みを通じて、一つは、先ほどから情報公開という御意見もあるわけでありますが、国民の目に我々の行政を十分さらして批判を受けながら進んでいくということが、やはりやり方として必要でありましょうし、それと同時に、そういう行政の手法だけではなくて、何のために我々がこういう原子力行政に取り組んでいるのか、原子力エネルギーの開発に取り組んでいるのか、こういう基本的な方向なりスタンスも常に議論をしながら、我々の持っている基本的な方向づけといいますか哲学といいますか、そういうものに対する議論も活発に、我々は国民の中にそういう議論を巻き起こしていかなければならないな、こんなふうに感じた次第でございます。
○近藤参考人 お答えします。 動燃事業団といたしましては、これまでの反省を踏まえまして自己改革運動を進めてきているところでございますが、この際、社会との意識の乖離をなくすための意識の改革、それから二つ目には、業務の質的な向上を目指した業務品質保証活動、三つ目には、事故の未然防止を目指した安全性総点検、この三本を柱としまして、改革作業を真剣に、着実に進めているところでございます。
○近江委員 率直なあなたの思いというか感想を私は聞きたかったのです。それはそれでいいですけれども。 平成六年の五月に私はフランスへ行きまして、スーパーフェニックスも見てまいりました。ちょうど各国が、どちらかというと手を引く、そういう中で、実証炉としてスーパーフェニックスがある。ところが、あそこも火災事故もあり、結局、研究開発炉といいますか、そういうような感じで存続をしておる。アクチニドを中心として、燃焼試験研究というような状況で稼働しておったということであります。 そういう中で、我が国は原型炉の「もんじゅ」、これを建設中である。これは日本とフランスですねということで、いろいろと先輩のフランスの教訓を学びながら、本当に堅実なそういう研究開発を進めなければならない。ヨーロッパと日本ということで、お互いの意見交換、これは日仏協定もあるわけでございますし、そういう形でやってきたわけでございます。 今回、スーパーフェニックスがいわゆる停止になる。これについて、政府としては公式にフランスからどういう停止の理由といいますか、コメントを得ておるか。一つはそれをお聞きしたいということ。 フランスでは今原型炉の方は稼働していろいろな試験等が行われておるということを聞いておるわけでございますが、あとは、ロシアがやっておる。アメリカとドイツ等はもう完全にやめております。そういう点では、力を入れておるといいますか、今新たな体制で進もうとしている我が国が非常に際立っておるように思うわけですね。 そこで、フランスの停止理由、それから、フランスの原型炉の動きは今どうなっているか、それから、ロシアの研究開発がどうなり、我が国との研究交流は今どうなっているか、その三点についてお伺いしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 フランスのスーパーフェニックスにつきましては、新しい政権になる前の選挙の公約としまして、スーパーフェニックスは廃止するということは掲げておりました。現在の政権になりましたので、その後検討されましたが、廃止の理由といたしましては、経済的な理由からスーパーフェニックスを停止する、そういう説明を受けております。 それから、それは百二十万キロワットの電気を発電するものでございますので、全く商業規模の大きなものでございますが、フランスには、約二十年ぐらい前から動いておりますフェニックスという今御指摘の原型炉がございます。それにつきましては、約二十年も動いておりましたので、老朽化していないかとかいろいろな点検をいたしまして、放棄を表明したのと同じ日に、その原型炉につきましては、消滅処理と申しますか、プルトニウムとかアクチニドを炉で燃やして減らす、そういう研究のために運転を再開するということを決定しております。その原型炉フェニックスにつきましては、安全当局の許可待ちの状態になっていると思います。 それからもう一点、ロシアでございますが、ロシアでは、実験炉それから原型炉等四基の高速増殖炉が運転中でございまして、特に今度は、実証炉と言っておりますが、BN800、八十万キロワットの高速増殖炉を近く建設したいという由でございます。それで、現在、BN600というのが動いておりまして、そういうものを中心に日本と高速増殖炉の研究をしたい、こういうような申し出がございます。そのために専門家同士でどういう協力ができるのか、そういうのを打ち合わせながら協力を進めていきたいと考えている次第でございます。
○近江委員 今回、新しい体制でスタートするわけでございますが、ここに至った結論といいますか、FBRを今後さらに進めていくとなったことにつきまして、政府としてどういう意義、また、こういうことで進めますということを明確にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 「もんじゅ」と申しますか、高速増殖炉につきましては、「もんじゅ」の事故の後、いわゆる円卓会議というのを開きまして各方面の御意見を伺ったわけでありますが、そういう中からも、高速増殖炉のあり方についてはきちっと議論する必要があるだろうということで、高速増殖炉懇談会、これを西澤先生の座長のもとで開いてまいりましたこと、これはもう近江先生御承知のとおりでございます。 その中でいろいろな議論が行われたわけであります。そういう今の各国の動向等も踏まえながら議論をされたわけでありますけれども、やはり、その議論の結果、非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢が高速増殖炉であって、その実用化の可能性を追求するため研究開発を進めていく。それで、その研究開発の具体的な場として「もんじゅ」を考える。ただ、さはさりながら、実用化に当たっては、実用化時期を含め開発計画については、安全性、経済性を追求しながら柔軟に対応していかなければいかぬ、こういうことを結論として出していただいたわけでございます。 政府としても、基本的にこの高速増殖炉懇談会で出していただいた結論というのを踏まえながら物を考えているわけでございますけれども、今御指摘のように、諸外国ではだんだんこれをやっているところが少なくなりまして、スーパーフェニックスは廃止をしてフェニックスをやっていく、こういうことでありますから、我々としても、幸か不幸かいつの間にかトップランナーに立っているというわけでございます。トップランナーに立つということは、先ほどから御答弁も申し上げておりますけれども、それなりのリスクもあるという中で進めるわけでございますから、ある意味では、その方向性をはっきり認識しながら、なぜ必要なのかということを常に問いかけつつ、みずからの哲学というものを国民との間の対話で鍛えていかなければならないと思います。 それと同時に、懇談会の報告書の中にも触れられておりますけれども、これからの進め方に当たっては硬直した考え方はやはりよくないだろうと思います。高速増殖炉に限らず、我が国の行政のあり方として、一つのプロジェクトが方向決定されますと、一度始まったものはそのまま一定方向に進んでいくというようなこともある意味では批判を受けているわけでありますから、外部評価等をどうしていくかというようなこともいろいろ考えなから進めていくべきことたこう思っております。
○近江委員 「もんじゅ」の事故がございまして、後引き続いて、先ほどもお話ししましたように不祥事が続いた。こういう中で、政府としては、総点検を初めとしていろいろな動きをされてきたわけでございます。そういう意味で、あの事故以来政府として取り組んでこられたことについてポイントをお話しいただき、また、そこでの結論はどうであったか、整理の意味で改めてちょっとお聞きしたいと思います。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 まず、「もんじゅ」の事故でございますけれども、科学技術庁におきましては、事故後直ちに専門家を動員しましてタスクフォースを設けました。平成八年の二月に事故後の状況をまとめた次第でございますし、五月には、事故の原因究明、これにほぼめどをつけたことにかんがみまして、科学技術庁としての反省すべき点、それから事故の教訓を踏まえた対応ですとか改善策について取りまとめてございます。その後、平成九年の二月に至りまして、なぜ温度計が一本だけ破損したのかといったことについての見きわめを行いましたし、それからナトリウムと床ライナーの化学反応機構の解明作業を終えたところでございます。また、これとは別に、専門家によるチームを設けまして、安全性総点検というのを実施してございまして、先月の末にこの専門家によります報告を取りまとめたところでございます。 一方、原子力安全委員会におきましても、平成八年の九月には、「もんじゅ」事故の原因の分析等に関しまして第一次の報告書をまとめております。平成九年の十二月には、ナトリウム漏えいの安全評価、「もんじゅ」のようなナトリウム漏えい、中規模の漏えいでございますけれども、これが「もんじゅ」の安全性についてどういう評価になるかといったことについての第二次報告書をまとめております。現在、ナトリウム漏えいにつきましての腐食抑制対策、こういったことにつきましての検討結果をまとめた第三次報告書の取りまとめ、これも今、報告書案を公表いたしまして、取りまとめの最終段階にあるという状況でございます。 なお、今近江先生からございましたように、動燃事業団におきましては、この事故後に虚偽の報告といったことがございまして刑事罰が科せられたことから、科学技術庁としても、原子炉等規制法に基づきましての一年間の「もんじゅ」の運転停止というようなこともその間に措置としてとらせていただいたところでございます。 〔委員長退席、辻(一)委員長代理着席〕
○近江委員 先月末発表された安全性総点検の、特に要点といいますか、それを御報告いだだきたい。
○池田政府委員 そもそもこの安全性総点検につきましては、「もんじゅ」におきまして直接の事故原因になりました温度計さやの設計、これを動燃事業団の自主保安活動によって行っていた、この結果、そこに設計の誤り等があったといったことがわかった次第でございます。この結果から、今回、このような誤りが現在の「もんじゅ」の施設についてどういう状況であるか、ほかにこのような誤りがないかといったことについて、専門家を動員しましての点検作業を行ってきたところでございます。 もう一つは、事故後の不適切な措置というのがございました。ナトリウム漏えいの規模についての的確な判断というのができなかった。これは、当時現場にありましたマニュアル等の整備もよくなかったといったことが判明した次第でございます。これに基づきまして、マニュアル類ですとか品質保証、こういったことについての点検も行いまして、問題点の摘出、改善の方向についての議論をしていただいたところでございます。 もう一つは、主としてナトリウム漏えい対策につきましての改善の方向について議論をしていただきまして、これについては、ナトリウム漏えいを的確に早期に確認するような手段でございます とか、「もんじゅ」あるいはその後の実験におきまして、コンクリートの壁から高温に熱せられることによって水が出たといったようなことが界面反応を起こすようなことになったわけでございますし、こうしたことを防ぐための措置、こういったことを盛り込んだ改善措置についての妥当性についての議論をいただいた。 こういう施設設備の点検、マニュアルの点検、それから主要なナトリウム漏えい対策についての改善の方向についての妥当性の検討、こういった主として三つの柱を立てて作業をしていただきました。 こうした結果を先月の末にまとめていただいたところでございますけれども、なお、この総点検の報告書には今後のフォローが必要であるといったことを言われてございます。 動燃事業団はもちろん、規制当局でございます科学技術庁といたしましても、このナトリウムにおよそ関係するような設備の改修といったことがございますれば、それについては、通常の許認可に入る前に、その内容、重要性についてはしっかりと聴取して検討するといったようなことでございますとか、それからマニュアル類につきましてもその内容を確認する。保安規定につきましては通常我々行政庁は検討するわけでございますけれども、その下部の規定のマニュアルについては通常はいたしませんけれども、今回の経験にかんがみまして、その内容についても十分な検討を行う、こういった項目について今後行政庁として一つ一つその安全性を確認していくべしといった指摘もいただいております。 行政庁といたしましては、これを着実に実行するために、この点検作業の最終回に当たりましては、この趣旨を受けて、専門家を動員して私ども行政庁でいわばきめ細かな対応をするという旨を申し上げ、専門家の検討結果をいただいたという次第でございます。
○近江委員 安全性の確保ということ、言うならばこれに尽きる、ここが一番大事なところだと思うのですね。 あといろいろお聞きしたいと思いますが、特に、皆さんからもお話、先ほどの御報告にもございましたように、「もんじゅ」のあれが起きましたときに、さや管から漏えいした。それではさや管はどういうふうな設計になっておるのだと、もう本当に私も驚きました。段つきのこういうさや管というのは、これはもう中学一年生ぐらいで、一年生はどうかとしましても、中学のレベルがあれば、応力が根元にかかるということはわかるわけですね。ああいう流体のところで、しかも長時間、これは振動また渦が発生し、かかるわけですね。最先端の、国民注視のビッグサイエンスの中で、当然こういうところは一番大事なところなんですね。 私もずっと、長年この委員会におらせていただき、また科学技術庁の責任者として一時おらせていただいて、そういうときにも絶えず私は、総点検をするについても部品に至るまでやってもらいたい、特に原発関係は緊張を持って、決して惰性に陥ってはならないと申し上げてきたつもりなんですね。ところが、現実はこういうような状況である。しかも、そういうような本当に考えられないような設計をしておる。しかもそれは三年かかっているのでしょう。 これはどこが受け、どこが下請して、実際にさや管はどこでやったのか、まずそれをちょっとお聞きしたいと思うのです。
○菊池参考人 お答えいたします。 東芝が動燃から受けまして、その下でIHI、実際に製作したのはその下請の工場でございます。
○近江委員 どういう段階であれ、少なくともそういうメーカーにしたってあらゆる段階があり、ダブルチェックも、ダブルチェックどころか何重のチェックができるはずなんですね。しかも動燃へも来ておる。動燃にもそれだけの技術者がおり、皆さん方も何十年やってきているわけですね。そういうことが見抜けなかった。それからまた、科学技術庁自体も、安全委員会も、じゃ、どりなのか。安全委員会では審査対象にも入っていない。 かつて、あの美浜の細管破断のときに私は相当厳しく申し上げたのですね。ピンホールはいろいろあり、これは栓詰めをして、それはあるけれども、そんな破断なんということはもう絶対あり得ませんと政府はずっと言ってきました。ところが現実に破断したわけですね。そのときに、結局、振れどめ金具のずさんな取りつけがあった。この振れどめ金具にしても、安全委員会ではその審査対象にも入っていない。だから私はあのときにも、振れどめ金具を初めとして、この審査対象の項目というか、これは本当にシビアに細部にわたってやってもらいたいと言っておりました。安全委員会もこれを見過ごしておる。こういうようなことが結局、アリの一穴という例えがありますけれども、そういうことがどれだけ大事なことであるか。 ですから、幾ら気分を引き締めて今後やりますなどと言ったって、本当にそれを具体的に、もうあらゆる点の何重にも受けるチェックをし、石橋をたたいて渡る、そういうような緊張感に満ちたものでなければこれは到底国民の信頼を得ることはできないと思うのですね。この辺の、さや管一つの問題についても相当反省されていると思いますけれども、本当に、なぜこういうことが安易に見過ごされてきたか、いまだに私はわからないのです。その辺は動燃、どうなんですか。
○菊池参考人 お答えいたします。 それは当然、設計されたメーカーさん、それからそれを審査した我々側の検討の不十分さということが直接的な原因だと思いますけれども、原因等を究明してまいりますと、確かに段つき構造等の、外見上も応力が集中しやすい構造であったことは事実ですけれども、振動そのものについては比較的新しい現象であったということも事実でございます。 今後は、そういった新しい基準を設けまして、万全の設計、それから品質管理に十分意を尽くしていきたいと思いますと同時に、やはり先生御指摘のように、それに携わる職員そのものの緊張感というものが一番大事だというふうに思っておりますので、私も事故以来、所長として、改めてそういった面での強化を図っておるところでございます。
○池田政府委員 ただいま、この温度計のさやにつきまして、なぜ動燃事業団の自主保安の対象にしたかということについてのお問いかけがございました。 この経緯でございますけれども、実験炉の「常陽」、これがやはりナトリウムの温度をはかるといったことにつきましては長年の実績がございました。もちろん、「常陽」におきましては、国自身が詳細設計でございますとか工事についていわゆる認可の対象として見ておったということでございますけれども、こういった長年にわたる実績があり、かつ、「常陽」では申し上げるまでもなくこういう問題が発生していなかったという実績がございました。また、流体の温度をはかるといった面では、軽水炉、普通の通常の発電所におきましても同様な技術については、いわゆる汎用性ということが認められるような技術水準だということが判断の基礎にあったと思いますけれども、そうしたことから自主保安、要するに、動燃事業団の責任において設置するということにしたという経緯がございます。 しかしながら、そういう事業団の責任に任せて設計、製作を行った結果、実際にこういう、先生から今御指摘ございましたような段つき構造というような、後から反省すれば非常に問題のある設計がそのまま通ってしまったといったことでもございましたし、科学技術庁では、この点を、平成八年の五月の報告書においてまとめましたときに、「科学技術庁として反省すべき点」の真っ先に挙げてございます。 そうした意味では、この二次系の温度計さやの構造についても、今後はこれはすべて取りかえるという方針を既に明らかにさせていただいておりますし、その段階では、それに先立って設計及び工事方法の認可の審査の対象とするということにしてございます。 それから、先ほども触れましたけれども、安全性総点検におきましては、同様の温度計についてもすべてチェックをいたしました。一部にはやはりこういう振動についての問題がある点も、その安全性総点検の過程で見きわめたところでございまして、これについても設計の変更等必要な措置が行われる必要があると考えてございます。
○近江委員 「常陽」で積み重ねてきたとか言っていますけれども、やはりそれは絶えず洗い直しをするということが大事なんですね、規模も違うわけですし。しかも、いろいろな基準を見てみますと、これは米国機械学会の基準を参考にしてきておる。ところが、これなんかは、テーパー状といいますか、いわゆる段差のない、その中での基準なんですよ。そうでしょう。そういうことをそのままやる。だから、口で今後やりますなんと言ったって物すごい不安があるんですね。だから、この辺の取り組みの姿勢とか、本当に原点に立ってもらわないと安心して国民は任すことができないと思うんですよね、同じようなことが繰り返されていけば。この点については本当に反省の上にお立ちになって、本当に一からの積み上げというような気持ちでおられるのかどうか、もう一度確認しておきたいと思うのです。
○菊池参考人 お答えいたします。 私も、事故以来、就任いたしまして二年何カ月になるわけですけれども、先生御指摘のように、「もんじゅ」は、とまった状態でもう既に約三年ぐらいになるわけですけれども、そこで働いておる現場の職員にとっては、やはり屈辱であり、そして、大きな反省のもとに次に立ち上がっていかなければならないという気持ちはみんなひとしく思っておるところでございます。 これからもしっかりやっていきたいと思います。
○近江委員 政府の調査、いろいろされて、一様に指摘されているのは、動燃の経営の不在ということを指摘していますね。そういうことで、今度は経営をしっかりする、そのためにはどうしていけばいいのかということですね。 この法案の中で、しっかりしていくということについては、それはどのように保証がされているのですか。今度は法案のことをちょっと聞きますけれども。 〔辻一一)委員長代理退席、委員長着席〕
○谷垣国務大臣 本法律案の中でどのように動燃を改革していくか、立て直していくかという骨子につきましては、これもたびたび御答弁申し上げているところでございますけれども、一番根本のことでありますから骨子を申し上げますと、まず第一に、今まで業務を広げ過ぎていたところがやはりあったと思います。もう一回、新しい法人の業務というものが何なのかということをきちっと見直して、限定された目的をまず負わせなければいけない。そういうことで、新型転換炉、ウラン濃縮あるいは海外ウラン探鉱などの任務からは撤退をして、高速増殖炉、核燃料物質の再処理、高レベル放射性廃棄物の処理処分、こういった業務に重点化していくということが一つでございます。 それから、業務の運営に関しては、透明性の確保とか、あるいは、社会と余り離れてタコつぼ化してはいかぬという意味で運営審議会を新たに設置しておりますけれども、それと同時に、これも繰り返し申し上げておりますポイントでございますけれども、国の役割と新しい法人の役割というのをやはり明確に、権限と責任を明確にして、もたれ合わないということが大事な点だろうと私は思います。 具体的には、国は、内閣総理大臣が基本方針を決定して、あとは、科学技術庁としては、事後的といいますか、結果に対してきちっと監督をするということでありましょうし、通常の業務は、その方針の中で理事長あるいは法人自体が責任と権限を持って主体的に判断をしていくということだろうと思います。 それからもう一つの点は、先ほどの、安全ということが大前提でございますけれども、単に安全ということだけではだめだ、それがやはり、地元の方なり国民の安心に結びつかなきゃならぬという観点からしましても、地元重視ということが必要であるということで、主たる事務所を茨城県に置くというようなことがこの法案の骨子になっていると思っております。 それと同時に、これもたびたび申し上げているところでありますけれども、実際、最後は人の問題であるわけですから、仏つくって魂入れずにならないような、そういう意識改革というものをやはり徹底して行わなければならないだろうし、それと同時に、そういうことを担保していくこととして、全体の透明性を高めていく、公開を進めていくということが必要であろう、こういうふうに考えております。
○近江委員 相当意識されて、挙げて皆さんも改革に取り組んでおられる、このようには思うわけでございます。 しかし、今回の事故があり、ずっと動燃さんを振り返って見ておりますと、ちょっと民間とは違う、そういうふうに映ってきているわけですね。ですから、今後、本当に国民も注目して、本当によみがえって信頼をかち得ることのできる動燃になるかどうか、みんな見ていると思うのですね。 先般NHKさんで、一期生で入られた動燃の方のあれを放映されていました。私も全部は拝見しなかったけれども、一期生に入られた人というのは、当時の鉄腕アトムじゃございませんけれども、やはり夢をつくり出していこうという気概に燃えておった。ところが、今回のこういう事故もあり、皆そこそこの役職のある方ばかりですよ、あのテレビに出ておられた人は、だけれども、見る目もそういう目で見るのか知りませんけれども、やはり寂しさというか意気消沈しているというか、そういう姿が全員に漂っておる。 そういう意味から見ますと、みんなが、ああ、そこのさや管の部署のそれが事故を起こしたからこんなになったんやというような、とにかく動燃は余りにも今まで組織が分かれておったというか、言うならば官僚組織に入っておった。よその課なりよその部署のことに口を挟むとちょっとまずいだろうと、気づいておっても言わない。官僚組織というのは、一番悪いのがそれなんですね。世俗な言葉で言えば縄張り根性。こういう研究開発とか現場の世界にあってそういうことがあれば、大変なことですね。 全体の管理、マネージメントをどうしていくかという、連帯責任に立って気がついたときにはどの部署であろうと、私はこう思うということを自由にどんどんと提言もし、それを謙虚に受けとめて、ああ、そうだ、こうだと自由聞達な論議を重ねていく、そういうものがなければならない。そういう官僚の気質のようなものがこんな研究開発機関に蔓延しておれば、大変なことになりますよ。まさに動燃は長い間の歴史においてそういう体質に入ってきた、そういうふうに言わざるを得ぬと私は思うのですよ、今回の事故を見ても。 動燃の人が二千八百人もおって、だれ一人、そんな段つきのさや管はおかしいなんて言う者はおらなかったのか。これはまたもとに戻りますけれども、そうでしょう。だから、やはり相当な意識改革をして、そして取り組んでいかなければならぬと思うのですね。 そういう意識改革というのは本当に進んでいるかどうか。きょうは理事とか理事長、来ているでしょう。理事長ばかり言わぬでいいのですよ。三人来ておられるのですから、順番に全部、あなた方の今感じておることを言ってください。
○近藤参考人 お答えします。 意識改革というのは非常にとらえどころのないことになりますので、現場員全員に具体的にわかるように動燃憲章十カ条をつくりまして、動燃職員としてあるべき、心がくべき憲章をつくりました。それをもとに、各職場で、自分で考え、自分で自分の行動計画というようなことをつくらせました。それからまた、課は課単位で、部は部単位で、そういったものをつくりました。各職場でグループ討議をやる、そこに役員も入って討議をするということをこのところ繰り返してきております。 それで、やる前に比べますと、私の実感でございますけれども、相当変革はあったというふうに感じております。この間、三月十一日がアスファルト固化施設事故の一周年でございましたので、その日を期して、地方自治体の消防の方々等の御協力を得て総合訓練をやりましたけれども、そういう取り組み、その中の各人の動き等を見ておりますと、私は、相当よくなってきたというふうに思っております。 また、職場に行っても、この五月で私二年になりますけれども、最初来たときに比べると、職場の空気も相当変わってきたというふうに実感しております。 ただ、こういう面は、やはり繰り返し繰り返しやっていく必要があると思います。新法人に向かって研修、訓練を繰り返していく必要があると思いますけれども、新法人になってもやはり繰り返していく必要がある、こういうふうに思っております。
○中野参考人 お答えいたします。 私の率直な気持ちを述べさせていただきたいと思うのですが、私的なことではございますが、私自身は、短い期間ではございましたけれども、民間企業にいた経験がございます。しかし、その民間企業にいたときに、昔の原子燃料公社に入社したわけでございますけれども、やはり、私は非常なプライドを持ってこの原子燃料公社に入社をし、そして、あしたの夢を実現するということに非常な意気を感じておったわけでございます。 そういう中で、私たち動燃の職員というのは、やはり、皆さん意気に燃え、そして、夢の実現に一生懸命になっていたと思います。しかし、一方では、先ほど来大臣も時折おっしゃいますけれども、どちらかというと、そういったプライドの中にタコつぼ的な発想というものがあったと私は感じております。 そういったものを新しい法人に向けてとにかく払拭しなければいかぬというのが、私の一つ率直な気持ちでございます。私、ただいま、安全管理、それから意識改革、そして品質保証、この三つを担当いたしておりますけれども、とにかく、まずはこれらのことを通して、今申し上げたような我々の意識を変えていかなければいけない、そのように思っておるところでございます。
○菊池参考人 私は、ふだんは、福井県の敦賀市の外れにありますもんじゅ発電所の方で事故以来勤務しておるわけでございますけれども、職員が、あれだけの騒ぎを起こしまして、自分たちの意識改革がなければ次には行けないのだということは骨身にしみて感じておるように思います。 しかし、その中で、職員一人一人が士気がしっかりしていないと、これはまた同じような繰り返しになりますので、一方では彼らを激励しながら、どうやっていくかということが今一番苦労しておるところでございます。 当初は、ずっと言われておりますように、安全に関する一般社会とのいわゆる常識の差といいますか、そういう乖離があったことは事実であったと思います。そのために、私が指導してまいりましたのは、とにかく一般の社会に出て説明させるということ。社会の中で皆さんがどういうふうに原子力を思っているか、あるいは「もんじゅ」を思っているかということを肌で感じてもらうという活動を、我々職員が全部出ていくということと、それから、多くの方々に「もんじゅ」に来ていただくという中でその乖離を埋めていくという努力を二年半続けてまいっております。 相当成果は出ておると思っていますし、それを具体的な形であらわすことはなかなか難しいのですけれども、そういった一人一人の毎日毎日の行動の積み上げというものを大事に進めております。 一方では、新法人になるということは、やはり会社がつぶれたんだ、みんな首になるんだ、それに合格した者だけが再採用されるんだという意識で我々一人一人は今おるのではないかというふうに私は思っております。
○近江委員 今、お三人からそうした率直な思いを聞かせていただいたわけですが、いろいろな高通なそういう理想を持ちながらもタコつぼにおったと中野さんはおっしゃっておりましたが、まさにそういう面もあったのじゃないかと思いますね。 あの「もんじゅ」の事故があったときに、ちょうど若い人とたまたま一緒におったときにテレビで報道された。後、逐次いろいろなニュースがだあっとありましたけれども、そのとき、その若い人がどういうことを言っておったかというと、あれだけのところで、ナトリウムが落ち、白煙が上がる、そうしますと、モニターのテレビもないのかと。最近なんかもう零細企業だって、倉庫だとかなんとか人が余り行かないところについては、会社でもそういうのを置いていると。我々があれだけ信頼しているのに、テレビもモニターもないのですかと。そうしてまた、消火をするにしても、時間がかかり、上司に仰ぎ、何をし、その間空調が回っておる、さらにどんどんとそれが進んでいく。もう一連のものは皆そうですよ。だから、若い人たちがあきれて、一つのことじゃない、連鎖的に見ていけば、とてもじゃないけれどもこんなもの信頼できないと。若い、何にも科学のことなんてよくわからない人ですよ。そういう人がそういう自然な感想を言っておったのが、私は非常に印象に残っておるのです。 さや管のこともそうですよ。中学生でもわかることが見つからない。だから、本当に、第三者の目といいますか、絶えず冷静に、タコつぼの中に入って見たのじゃ見えない、それを今お感じになっているわけですから、タコつぼからはい上がり、全体観に立って、素人の目から見て、また技術者から見て、あらゆる角度の眼で見る。皆さん一人一人がそういう気持ちにならないと、この部署はこの人の責任だからとまたタコつぼに帰るようなことがあったのではならぬわけですね。そうでしょう。 これから本当のものを皆さんがつくっていくわけなんだから、今こう言われているからそう言っています、こんなことじゃもうだめだと思うのですね、本気になってやらなければ。発足するといえども、また同じようなおかしなことがあれば、今度はもう許されませんよ、本当に。 民間会社の厳しさ。民間会社にも研究機関はありますよ。だから、本当に、厳しさというか、そういう問題等を、よく皆さんは絶えず外の世界も勉強されて、そしてみずからを省みる。それがなければ井の中のカワズになりますよ。動燃は、まさに井の中のカワズでこういうような事件を起こしてしまったのです。重大な反省をしていただきたいと思うのですね。 大分時間が迫ってきましたので、あと、いわゆる情報公開といいますか、また、地域の皆さん方の問題は非常に大事ですね。この辺の改善等について、情報公開も含めて、どういうようにしていかれるのか、お聞きしたいと思います。
○谷垣国務大臣 近江先生から、長い間の御経験に基づいた大変苦言を呈されたわけでありますけれども、我々も、今の御意見は正面から受けとめていかなければならないと思っております。 そのためにも、今御指摘になったような情報公開を徹底していく、それで、外の風も、自分の正体と言うと言葉は悪いですが、自分たちのやっていることを明らかにして、批判も浴びていくということがどうしても必要であろうと思います。 今度の法改正では、適切な情報公開を機構の責務として規定しているわけでありますけれども、これは、理事長もおられますから、理事長から御答弁申し上げた方がいいのかもしれませんが、去年の七月から情報公開指針というものをつくって運用を開始しておりますし、それから、今まで私も見ておりますと、必ずしも、自分たちのやっていることを説明しようというノウハウ自体も十分育っていなかったということがあるように思いますので、広報に関して、人材の育成や組織体制、これは民間のノウハウを活用するということで強化をする。それから、それの一環でもありますが、一般の方に理解していただきやすい、わかりやすい情報の発信ということにも取り組んでもらっている。それから、インターネットなども活用して情報公開を充実する、こういうことをやっていただいているわけであります。 私としては、そういうことを我々も一緒になって進めていかなければなりませんけれども、今近江先生のお話を聞いて私もつくづく感じたわけでありますけれども、今まで、官僚主義という言葉で近江先生はおっしゃったわけでありますが、動脈硬化を来した原因があるなら、今回の動燃改革というのは、その動脈硬化した原因をまず取り除くということが機構改革の一義だろうと思うのです。 しかし、そうやって機構を整えるにしても、動脈硬化になったについては、これは成人病というのは長い間の一種の生活慣習があるわけでありますから、近江先生が言っていただいたとおり、最初は本当に志のある人が意気に燃えて集まって、能力の高い人がたくさん集まった集団がこういうふうに動脈硬化になってきた。これはやはり長い間の生活習慣があるわけでありますから、それを変えていくためには、今理事長が答弁申しましたとおり、これで法案が通ったらおしまい、今努力すればそれでもうおしまいというようなものではないんだろうと思います。 こういうことを言うとしかられるかもしれませんが、この法案をきちっと審議していただくことが私の長官としての第一の役目だろうと思って今日まで仕事をしてまいりましたけれども、今私自身の中にも、審議をこうして進めていただいて本当にありがたい、ほっとしたという気持ちも実はあるわけであります。しかし、私は動燃の監督の立場でありますけれども、動燃にも、今審議が進んでいるというようなことでほっとしてもらわないで、やはりこの体質を改善していくためにはこれからも永続的な努力が必要だということを正面から受けとめてもらいたい、こう思っております。
○近藤参考人 お答えします。 最近しきりにアカウンタビリティーということが言われますけれども、昨年七月、私どもが情報公開指針をつくったときには、その道の専門家それから弁護士さん等に集まってもらいまして、しっかり討議していただいて指針なるものをつくりました。それで情報公開委員会なるものもつくりまして、請求のあった資料を公開するかしないか、しないという判断を下すときにはその委員会を開いてそこに諮るということにしております。今までに百五十件近くそういった請求が来ておりますけれども、非公開にしたという件はございません。 それから、非常に驚くほど皆さんが動燃に関心が深いなと思いますのは、インターネットを開きましたところ、今のところ月平均三万件のアクセスがございます。非常に皆さん動燃に対して関心を持ってもらっているということを肌で感じます。 したがいまして、今後できるだけ、原則公開ということで動燃の方の情報を積極的に提供していく、こういったスタンスで進んでいきたい、こう思っております。
○近江委員 もうこれで終わりますが、インターネットでそれだけ接続があるとおっしゃっていますけれども、それは動燃が心配だから接続しているんですよ。人気があるから接続しているのと違うんです。だから本当に厳しい決意で政府も動燃も新しくスタートをする、こういうことで進んでいただきたい、このことを申し上げて終わります。
○大野委員長 菅原喜重郎さん。
○菅原委員 前回に引き続いて質問させていただきます。 動燃による一連の事故及び不祥事は、国民の原子力に対する信頼感を失墜させる出来事でした。このような事態は二度と起こさせないようにすることは当然ですが、損なわれた国民の信頼を早急に回復することが不可欠であります。 動燃は、原子力基本法に位置づけられている原子力の研究開発のための執行機関であり、このような原子力政策の実現に向けた中核を担うべき機関がやはり適切に機能するには、その前提として政策が明確になっていなければなりません。 現在の「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」、これは平成六年に定められたものであります。その後動燃改革検討委員会の報告書が出され、また、高速増殖炉懇談会の報告書も出されました。さらに、動燃改革の方針についてこの二月に原子力委員会決定が行われたと聞いております。このようなことを踏まえますと、現行長期計画における方針については既に随分と変更されているのではないかと思います。そこで、これまでの報告書や原子力委員会決定などを踏まえ、早急に現行の長期計画を改定すべきではないかと思うのですが、この点について科学技術庁長官から答弁をお願いいたします。
○谷垣国務大臣 原子力開発利用長期計画を、今先生のお話は早急に見直せということでございますけれども、この法案の審議が始まりましてからも、たびたび長計をそろそろ見直す時期ではないかというお問いかけもいただいているわけであります。 これもたびたび御答弁しておりますが、あれはたしか平成六年六月にできているわけでありますけれども、それ以降いろんな変化が起こっておりまして、平成七年には新型転換炉実証炉の計画を中止したという決定、それから「もんじゅ」の事故以来原子力円卓会議でいろいろ各方面の御意見を聞いて議論を深めていただいた、それを踏まえて昨年一月には核燃料サイクルの具体的な進め方について閣議決定をした。それから、去年十二月には高速増殖炉懇談会の報告書を踏まえて原子力委員会決定をしまして、今の長期計画の高速増殖炉に関する部分の見直しを行いました。それから、整理廃止事業のあり方を含めて動燃改革の方針というものを決めて、今こういう御審議を賜っているわけであります。 長計というのは今まで五年ぐらいで改めてまいりましたので、そろそろ今委員のおっしゃったような議論が出てくるのも私は不思議ではないと思っておりますが、今までのこういう、相当いろんな議論がございましたので、そこをまずきちっとやはりレビューする必要があると思いますし、もう一つは、こういう大きな制度改革や何かをしていくに当たりまして、これも御答弁申し上げているところでありますが、長期計画のあり方はどういうものがいいのかというようなことも少し議論を深める必要があるのかなと思っておりまして、その辺もいろいろ模索しながら適切な展開を図っていきたい、こう思っております。
○菅原委員 改定すべきところ、見直すべきところはどうか早くやっていただきたいものだ、こう思うわけでございます。 エネルギー資源の乏しい我が国では、当然今後ともプルトニウム利用に向けた研究開発に積極的に取り組むことは極めて重要なことでありますが、やはりプルトニウムとなりますと多くの人々から、直接化学兵器の原材料になりますので、不安を持たれているわけでございますが、やはりこのプルトニウム利用の必要性というもの、さらに今後の進め方というものをはっきりさせていただかなければならないと思います。この点について、政府委員の方からお伺いします。
○加藤(康)政府委員 プルトニウム利用の必要性とか、あるいは今後の進め方についてでございますが、日本の場合には国内にエネルギー資源が乏しいということで、長期的なエネルギーの安定供給が非常に重要な課題でございます。原子力につきましては、そういう意味で非常にメリットがあるわけでございますが、普通の軽水炉発電所で使われた使用済み燃料の中に含まれますプルトニウムを回収して再利用をする、そうしますとさらにエネルギーの安定供給に寄与するわけでございます。 それからもう一点、使用済み燃料の中のプルトニウム、これを環境にそのまま出すというのは地球環境に対する負荷になるわけでございますので、なるべくそういうものは減らしたいということでございまして、そういう環境の観点からもプルトニウムを再利用していきたいと考えております。 ということで、核燃料サイクルの確立というのは、我が国にとって、エネルギーの観点、環境の観点の両面から必要だということでございます。そのためには、今回御審議いただいています法案を早期に成立させていただきまして、また、意識改革等我々のすべきことも着実に進めまして、核燃料サイクルを含めました原子力に対する国民の信頼の回復を図っていきたいと考えております。 今後の進め方といたしましては、昨年の二月に、当面の核燃料サイクルの進め方という閣議了解をいたしました。そこにございますように、安全確保、これはもちろん大前提でございますので、そういうことを大前提に、地元を初め国民の皆様方の御理解を得ながら、青森県の六ケ所村におきます再処理事業とかあるいはプルサーマル計画、そういうものを着実に進めるなど、プルトニウム利用を着実に推進していきたいと考えております。
○菅原委員 日本のこのプルトニウム利用は湿式法という方向で進められていこうとしているようですが、乾式法ならその技術開発の必要もこれから検討されてくるのじゃないか。 いずれにいたしましても、プルトニウム利用はもとより、原子力を進めるに当たっては安全の確保が大前提でありますから、その点に留意して今後も進めていっていただきたい、こう思っております。 次に、広島、長崎に世界最初の原爆が落とされたわけですが、その原爆を生産した米国最大の核兵器用プルトニウム生産施設、ワシントン州のハンフォード核施設で、貯蔵タンクから漏れた高レベル放射性廃棄物が地下水にまで到達し、地域住民の健康への影響が懸念されていることが米国のエネルギー省の報告書で判明しました。同施設では、過去に、日本では考えられないことなのですが、低レベル放射性廃棄物を溝などに捨てる作業をしていたというわけなのですが、報告書では、検査用の井戸の設置場所や検出された物質などから、旧式で寿命二十年程度の貯蔵タンクから漏れた廃棄物であると結論づけられているようです。同施設では、高レベル放射性廃棄物は三百七十八万リットルがこれまでに六十七のタンクから漏れており、今後さらに地中にあるプルトニウム、ウラン、ストロンチウム90などが地下水に続々と到達する危険性が指摘されております。 それで、このような地域住民の健康への影響が懸念されている報道を見ましたのでお伺いするのですが、このハンフォード核施設における高レベル放射性廃棄物漏れの事実関係をどのように把握し調査しているのか。日本が検討している深地層貯蔵方法と比べ、関連しそうにない漏えい問題なのか、これらと対比しての所見も同時にお伺いしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 先生の御指摘の話は、アメリカのワシントン州におけるハンフォード基地で、核兵器用プルトニウムの生産施設、過去四十年間にわたりましてプルトニウムを生産してきましたが、その関連で生じた廃棄物を貯蔵していたところから漏れているということでございます。アメリカのエネルギー省がことしの二月に発表した地下水の水質に対する影響調査に関する報告書というものがございますが、それによりますと、ハンフォードの施設の中央部の二地区にあります三つの地下タンク群、そこから放射性廃棄物が地下水に到達した。そこでテクネシウム99というものとか沃素129、トリチウムなどが検出されたそうでございます。そこの地下水の中に含まれているものを調べますと、そこを飲料水として考えた場合の含有基準の四、五倍から、最大で約二十倍の濃度で検出されたということのようでございますが、場所的にいいますと、あのハンフォードの地区は非常に広い砂漠のようなところにあるものでございますから、地域に、すぐ近くに住民がいらっしゃるというわけではないわけでございますが、近くの川までに約七マイルぐらいございますので、そういう地下水の帯水帯を通して徐々に徐々にそちらの方に流れていくということは懸念されるところではございます。 なお、外交ルートによりましてハンフォードの関係者から事情を聴取いたしましたところ、今後は、漏れましたタンクの放射性廃液を漏えい探知できる二重タンク、今までは一重だったのを、二重で、漏れると後で検出ができる、そういうようなタンクに移したい、そして、現在ある二重タンクの中のものは、廃液を高レベルのものと低レベルのものに分けまして、それぞれガラス固化する予定であるということでございます。 そして、今先生が御指摘の、我が国で考えております地層処分との関連について御質問がございましたが、我が国では、地層処分をするときには、安定なガラス固化体に固めてから、それを地下に処分いたします。したがいまして、廃液のまま地中に処分するということはございません。当然のように、ガラス固化体にしますと、ガラスは水を通しにくいものですから、そこから漏れることはなかなかないと思いますし、さらに、それをステンレスの缶の中に入れて、さらにその上に、オーバーパックと申しまして、粘土のようなものでかなり厚いもので囲って地層に処分する、そういうことを考えております。 いずれにせよ、その辺の安全性につきましては、まだ研究中でございまして、当然安全性を十分に確認しながらいろいろなことを進めていくということになろうかと思っております。
○菅原委員 私も、この新聞報道を見まして、どうも地下三メートルぐらいの本当の地表に貯蔵しているんですね。これは、タンクから漏れたというから液状のものですかね。しかし、日本の場合は、先般も質問しましたが、二つ、目に見えるところで貯蔵するというのと、深地層にやるというのと、さらに日本ではガラス固化している。こういうことが本当はもっともっと国民にわかられていれば、こういう問題の新聞を見ても国民は動揺しないと思うのですよ。しかし、どうもこういう新聞を見るとすぐに、それ見たことか、こういう原子炉から出てくる高レベル放射性廃棄物は危険なんだというイメージを与えるのですね。ですから、こういう点では、どうも、政府の国民に対する宣伝といいますか、啓蒙といいますか、そういうのが後を後を追いかけて、いつの間にか国民の方には不信感ばかり募るというような結果をもたらすのじゃないかと思いますので、やはり日本がこれから進めようとしている方法、そういうことなんかも大いにディスクロージャーしていただいて、国民に知らせるところは知らせておくようにした方がいいのじゃないかなということを要望するわけでございます。 次に、やはり原子力問題の安全規制なのですが、米国のスリーマイル原子力発電所事故や旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故等では、原子力施設の技術的な安全対策の欠陥というよりも、むしろ、それを運転している運転員の誤った判断や安全装置の解除などが事故を誘発し、拡大させているようでございます。「もんじゅ」やアスファルト固化処理施設の事故においても、運転員の的確な初期活動が十分に行われていたならば事故の拡大を防止できたのではないかとも思われるところがあります。 原子力施設の安全確保は、技術的な側面と、それを運転、運用する人的な側面が車の両輪となって作用して初めて確保できるものであります。現在の原子力の安全規制は、技術的な側面に重点があり、運転員の質の向上や組織の体制、運転業務の下請など、人的側面の問題については余り重視されてきていないように思われます。今後、原子力の安全確保を大前提とするなら、行政庁としての安全審査及び原子力安全委員会における安全審査において、人的側面を含めた安全規制の実施を考慮さるべきだと思いますので、このことについての政府の見解を明らかにしていただきたいと思います。
○池田政府委員 先生から今、人的側面も含めた安全規制のあり方について御指摘がございました。 確かに、御指摘のとおりに、「もんじゅ」の事故、それからアスファルト固化処理施設の事故、いずれにつきましても、現場におった者の判断、それから当初の措置についてやはり問題がございました。それが必要以上に事故の影響というものを大きくしてしまったといったことは、これまでそれぞれの事故につきましての原因究明等をした過程で明らかになったところでございます。 こうした原子力施設の安全規制につきましては、今先生から、施設面に偏っているのではないかという御指摘がございましたけれども、確かに、行政庁が安全審査を行いますとき、また原子力安全委員会がダブルチェックを行いますときに、その施設が本来、深層防護といいますか、いろいろな観点から安全には安全をという措置がされているかどうかといったことはやはり優先して見るわけでございます。ただ、この審査に当たりましては、事業者が災害防止に必要な技術的能力を有しているかどうか、例えば、資格を持った者の数が十分なものがあるかどうか、それからその組織が適当なものになっているかどうか、こういったことについては確認をしているところでございます。 それからまた、こういう施設の運転の安全確保という面では、いろいろな約束事を保安規定ということで事業者が定めまして、これは国が認可をするということでございます。その際にも、運転を管理する者の職務ですとか組織に関すること、ないし保安教育のようなもの、そういった運転管理面についても審査を行ってございます。ただし、最近のこういう事例にかんがみまして、私ども、この動燃の事故を教訓としますときに、動燃はもとよりのことでございますけれども、他の事業所につきましても、こういう火災等緊急時に現場において必要な措置がとられているかどうか、こういった措置の徹底について必要な指導は行ってきておるところでございます。 今後とも、こうした施設の安全確保には、必要な能力を有します人員の確保でございますとか訓練、こうした人的側面が重要であることは私ども十分承知したところでございますし、運転管理でございますとか、現場におきます職員によります監視、こうしたことにつきましても、的確な措置を講ずることによって、安全対策の充実強化を・図ってまいりたいと考えております。
○菅原委員 本当に、新聞記事なんかで見る限り、日本の安全基準と比べると、アメリカなんかは随分ずさんだなと思われるのですね。ですから、基準そのものは日本は世界で一番厳しいのじゃないかと私たちは思っておりますので、そういう人的な面での指導については、今後万全を期して指導していただきたいということを要望して、次に移ります。 おとといも質問させていただいたことですが、動燃改革では動燃みずからの行う改革が不可欠でありますので、再度お伺いしたいと思います。 この動燃改革の改正法は、あくまでも動燃改革の骨格を決めるものであって、いわば器であります。大臣がしばしばおっしゃっているように、仏つくって魂入れずとなっては、動燃改革を達成したことにはならず、また、真に国民の信頼を回復し、その負託にこたえることのできる法人とはなりません。この意味で、この法律が成立したからといって動燃改革が完了するものではなく、役職員の意識改革や広報の充実などといった、法律に規定するにはなじまない事項の改革についても動燃においてしっかり進めていただきたい。こういうことから、理事長に対しまして、この職員の意識改革のための取り組み方を伺います。再三このことは問題にされているところでございますが、また私からもお伺いします。
○近藤参考人 お答えします。 先生御指摘のとおり、とにかく中身を改革しないことには動燃改革になりません。今新しい法律をここで審議していただいております。それから、さきに動燃改革検討委員会で、言うなれば器、骨格は与えられております。しかし、先ほども申し上げましたように、肝心な中身を改革しないことには、動燃改革はできないと深く思っております。 それで、さきの検討委員会でも指摘を受けております。それから、さきのこの国会でも厳しく指摘をいただきました。動燃職員は社会性を欠いている、社会との意識の乖離が大きい、閉鎖性が強いということを厳しく指摘されましたので、何としてもこれは克服せねばならぬということで、実は、昨年の十月に動燃憲章なるものを策定いたしまして、この憲章に照らして自分の行動計画を立てろということを全員に指示いたしまして、その後、各職場職場でいろいろな形のグループ討議等を重ねてきました。 それから、今は、そこで出されたいろいろな建設的な意見を集約いたしまして、もっとこれが長く続くように、身近に役に立つように、言うなれば憲章の手引なるものをつくりまして、これは全員参加のもとでつくるという形でつくったわけでございます。 そういうことで進めておりますが、先ほど申し上げましたけれども、こういうことは一朝一夕にして成るものではございませんので、今後とも、これを積み重ねていくということで意識の改革を図り、中身の改革、本当の動燃改革が達成できるように努力してまいりたいと思います。
○菅原委員 組織というものは、ややもするとすぐにだらけていくものでございますので、常にコミュニケーションをよくしまして、こういう意識保持、意識改革への意識の強化策というものは、これは指導者の責任ですので、よろしくお願いしたいな、こう思っております。 時間も限られておりますので、安全確保の面でお伺いしますが、常日ごろからの業務の改善活動を行い、業務品質の向上を図ることが必要であることは言うをまちません。聞くところによると、動燃理事長みずから率先して各事業所を回り、業務品質の向上に向けての取り組みを説いているとのことですから、事故のあった後ですのでこれは当然のこととは思いながらも、その労を多としております。 そこで、この業務品質向上への取り組み状況と、そこで得られたものがあったとするならば、お伺いしたいと思います。
○近藤参考人 お答えします。 先ほど申し上げましたのは、動燃職員としての心構え、それからあるべき姿、これを求めるものでございますが、この業務品質活動というのは、仕事の質の向上を目指すものでございます。 昨年四月には、理事長直結の品質保証推進室をつくってもらいまして、そこをかなめにして進めているわけでございますが、そこで動燃の仕事に要求される要求品質十項目なるものを策定いたしまして、全職場で企業務を点検、改善していくということにしております。これには、各職場でもちろん進めていくわけでございますけれども、理事長診断会あるいは部門長診断会等々をつくりまして、それからまた、そこには、この道の専門家の外部の先生にも来ていただいて、指導をいただいております。 そういうことでこれを今後とも進めていきたいと思っておりますが、そういう中で、非常に自発的に、例えば再処理工場におきましてはISO9000の取得を目指して動き始めました。これがまた各職場に広がっていくことを強く期待しております。恐らくそういう方向を進んでくれるものと期待しております。
○菅原委員 今回の改正により整理縮小する業務のうち、新型転換炉開発については基本的に撤退し、「ふげん」については立地地元自治体等とも協議し、適切な過渡期間を置いて運転を中止、廃炉研究に活用すると聞いております。また、国内初の商業用原子力発電所である日本原子力発電東海発電所については、去る三月三十一日で営業運転を停止し、今後は、国内の商業炉では先例のない解体撤去が行われると聞いております。 そこで、原子力施設の解体廃棄物の処分に関する基本的な考え方はどうなっているのですか、お伺いします。
○加藤(康)政府委員 原子力発電所等の解体に伴いまして発生する廃棄物につきまして、例えばタービン建屋の壁など、その大部分が放射性廃棄物ではなく、通常の廃棄物として取り扱っているものがございます。一方、低レベルの放射性廃棄物につきましては、その放射能レベルに応じまして合理的な区分を行い処分する、そういうような方針を立てているわけでございます。 具体的にどのような区分で考えるかということでございますが、放射能レベルの比較的低いものに原子力発電所から出ます低レベルの固化体などもございますが、既に所要の制度が整備されまして、六ケ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターにおいて埋設するという事業化がなされております。それよりもさらにレベルの低いもの、そういうものは簡易な方法で浅い地中に処分する、こういう方法も制度的にはできております。 片や、低レベルの放射性廃棄物の中でも、原子力発電所の中の制御棒とか原子炉の構造材など比較的放射能レベルの高いものもございますが、そういうものにつきましては、実はまだ処分方策を検討中でございます。原子力委員会の原子力バックエンド対策専門部会で検討しておりまして、その処分方策を確立しなければならないところでございます。 それから、放射能レベルが極めて低いものでございまして、放射性物質としての特殊性を考慮する必要のないもの、そういうレベルをクリアランスレベルと言っておりますが、そういうレベル以下のものにつきましてはまたそういう方法があるわけでございますので、原子力安全委員会におきまして、国際的な動向を踏まえながら、そのレベルをどう設定するかという検討が進められております。 いずれにいたしましても、放射性廃棄物の処分につきましては、安全かつ合理的に処分される必要がございますので、国民の皆様の理解と協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。
○菅原委員 いずれにしても、高レベル、低レベル放射性廃棄物の処理問題は、これから、これは政府にとっても我が国にとっても大切な課題、重大な課題でございますので、このことを進めていっていただかなければならないわけです。 新法人の業務の柱として、高レベル放射性廃棄物の研究開発が規定されております。私の地元の岩手県釜石の鉱山跡地を利用した研究開発が行われ、貴重な成果が得られたとも聞いておりますので、動燃に対してお伺いしますが、釜石での研究開発の成果はどういうものであったか、お伺いします。
○中野参考人 お答えいたします。 この試験が行われました釜石鉱山は菅原先生の地元でございまして、先生を初め市民の皆様方、地元の皆様方に大変深い御理解と大きな御協力をいただきまして、先月末終了したところでございます。 この試験におきましては非常に多くの成果を得ることができましたので、一部御紹介をしつつ、今後の計画もあわせて御紹介を申し上げたいと思っております。 特に、この釜石鉱山での研究では、先ほど来言っておりますが、地下深部、非常に深いところの岩石やあるいは地下水などに関する基礎的なデータ、性質のデータを取得することができました。また、そういった場所での岩石や水の正確な分析調査を行うための手法を確立することができたというふうに思っております。そういう意味で、技術的な基盤をここで確立することができたのではないかというふうに評価をいたしておるところでございます。 ここで得られました研究成果につきましては、今後、岐阜県で進めております超深地層研究所計画にそのまま引き継いでいくことにいたしておりまして、事業団が現在、原研や地質調査所、大学等々の関係機関と連携して行っております、二〇〇〇年までにまとめる技術報告書にも反映させていきたいというふうに思っておるわけでございます。 なお、このプロジェクトの終了に当たりましては、これまで御協力をいただきました釜石関係者並びに市民の皆様への報告会、それからまた当地における国際シンポジウム等も今計画をいたしておるところでございます。どうもありがとうございました。 〔委員長退席、辻(一)委員長代理着席〕
○菅原委員 この釜石での研究成果から、地下水関係の漏えいで地上にまで影響を及ぼすということがいわゆる予見されそうなのか、全然されないのか。こういうことを、ちょっと時間がなくなってきましたので、後ほどでもいいのですが、今お答えできるならお聞きしたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 先ほどお答えいたしましたように、ここでの試験と申しますのは、いわゆる基礎的なデータをとることが基準でございましたので、こういった自然の環境の中での地下水の動き等々も調べてございます。その結果といたしましては、極めて水の移動の速度は遅いということがわかっております。 ただ、先生今おっしゃいましたような、地上に出るかどうかということにつきましては、実は廃棄物を地下に仮に入れるとした場合には、人工バリアをまた別途つけますので、必ずしもこのことから地上に出るということはそのまま言えない、むしろ出ないようにさらなる工夫をしていくということかと存じます。
○菅原委員 まあ今の日本の原子力行政を見ますと、家をつくって便所をつくらないといいますか、便所のない家なんて考えられないのですが、便所のない家をつくっているようなものだと思います。ですから、こういうことが国民に理解されてくるなら、全国どこでも反対ばかりするというものではないのではないかと思います。 そこで、こういう高レベル放射性廃棄物最終処分場について、地層、地質の条件も合って、こういう深地層の場所で、地域住民の納得や自治体からの誘致要請あるいは陳情があれば、あったところは調査検討をなすべきは当然ではないかと思うのですが、こういう事柄についての配慮はどのようにこれからなされていくのか、お伺いしたいと思います。
○加藤(康)政府委員 そのような自治体からの誘致等があれば非常に大歓迎するのでございますが、現在の我々の仕事の状況でございますと、高レベル廃棄物の処分の懇談会というところで社会的、制度的な検討を進めておりますが、その報告書の案では、二〇〇〇年を目途に処分事業の実施主体を設立をする。そして、その後、実施主体が処分候補地を選定したり、処分予定地の選定を経まして処分地を決める。国は、そうした選定の各段階におきまして、事業計画とか選定過程を確認し、実施主体から事業申請がありましたならばそれについて安全審査を行う。そのような一連の手順を経まして二〇三〇年代から遅くとも二〇四〇年代半ばまでに処分を開始する。そんなスケジュールを今考えているわけでございます。 特に、報告書の案におきまして、処分地選定の重要な第一段階でございます処分候補地の選定につきましては、実施主体が地元からの誘致のあった地点の中から処分候補地を選定するという公募方式とともに、処分候補地として適切であると判断する地点について地元に申し入れるという申し入れ方式の両方を考えていく必要があるというふうに提言が出ております。 したがいまして、処分候補地の選定につきましては、二〇〇〇年を目途に設置されます実施主体が、誘致要請等地元の意向も十分配慮しながら進めていく、そういうふうに考えております。 〔辻(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○菅原委員 その二〇〇〇年を目途に予想される実施主体というのは、大体どういうところが予想されてくるのですか。
○加藤(康)政府委員 実施主体というのは事業を行う主体でございまして、民間をベースにつくられるものでございます。
○菅原委員 時間がなくなってきましたので、それでは最後にお伺いしますが、動燃改革が成功するかどうかは、当事者である動燃職員の改革への強い意欲が必要であると考えますので、改革に対する理事長の決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。
○近藤参考人 お答えいたします。 私自身が動燃の先頭に立ちまして、安全に徹する動燃、開かれた動燃、地域重視の動燃、この基本理念に従いまして、失われた信用を回復できる最後のチャンスとして、また、新しい法人にふさわしく生まれ変わるように、不退転の決意でもって努力していきます。よろしくお願いいたします。
○菅原委員 どうもありがとうございました。以上でもって終わります。
○大野委員長 辻元清美さん。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。 私は、まず、今回の動燃を新しい組織に変えていくという基本認識から御質問したいと思います。 動燃改革検討委員会、この提言といいますか報告書を基礎に今回の改革について話し合われたかと思うのですけれども、吉川座長がこういう発言をなさっています。背景に事故はあり得ないといった過信があり、安全対策も十分に講じていなかった、管理体制の不備やトラブルを技術の改良につなげようという積極姿勢がトップに欠けていた、経営の不在と呼べるだろう、こういう指摘をなさっているわけなのですけれども、こういう認識のもとに、ここからスタートしてこれから新しく新機構に変えていこう、そういう認識でよろしいのでしょうか.
○近藤参考人 御指摘のとおりでございます。 先生が御指摘のとおりで、私なりに若干ニュアンスを変えて解釈させていただきますと、一口で言いますと、非常に専門屋として安全の問題に世間から見た場合になれ過ぎていたと思います。そこに、社会の安全に対する意識と動燃の意識の大きな乖離があったと思います。こういうところを踏まえてぜひ意識の改革を進めていかなければならぬ、こう思っております。
○辻元委員 ほかにもこういう指摘をされている方もいます。これは原子力政策学をやっていらっしゃいます東京大学の鈴木篤之教授が、こういう発言をなさっています。技術的には小さくても社会的には大きな事故になり得るものだということ。先ほどから温度計の追及がありましたけれども、技術的には小さくても社会的には大きな事故になり得るのだということ。技術を開発しても社会に受け入れられなければ意味がない、こういう御指摘もあります。私も、この指摘は今回の改革のやはり基本に置かなければいけないものではないかというふうに思いました。 そういう中で、先ほどの吉川座長の発言の中の背景には事故はあり得ないといった過信があったのではないか、この指摘はさまざまな方がなさっていて、そこの発想を変えることが重要ではないか。これは勇気が要ることなのですね。いや、事故はございませんと言ってしまうところなのですが、事故はあり得るのだ、その場合にどうするか。事故はあり得るけれども、万が一あったときにはこうこうこうでございます、そういう発想でやはり地元を初め国民の皆さんに接していかないと、もう事故はございません、大丈夫でございますというのでは、だれも信用しなくなったと思います。 ですから、もう一度理事長に伺いたいのですけれども、事故はあり得るものだということを前提にこれから運営を進めていく、そういう認識でよろしいのでしょうか。
○近藤参考人 お答えします。 先生おっしゃるとおりでございます。ずっと前は、これは動燃だけではなくて、私がいました東京電力におきましても、こういう世界は事故はないというような物の言い方を昔はやってきたと思います。動燃にもそれがずっと残っていたというふうな実感でおりますけれども、先生おっしゃったとおり、事故はもういつでも起こり得るという前提で取り組んでいくということだと思います。御指摘のとおりです。
○辻元委員 そうしますと、科技庁の方も同じような認識でよろしいのでしょうか、大臣。
○谷垣国務大臣 私は、今の御議論が一つのポイントだと思っておりまして、決して事故があることがいいとかというふうに思っているわけではないのです。ただ、やはりこれは完成した技術体系というわけではないわけですね。今、研究開発を進めている最中でありまして、いろいろな工夫もなければならないという仕事であります。そうすると、これはもちろん、事故はあるのだといっても、一方で確率の問題がございますから、そんな確率が高くてはかなわないわけですけれども、何%かの確率でやはりふぐあいなり事故というものは起こり得るものだという発想でなければ、私は新しい開発というのはできないのだろうと思います。それを認める勇気というものが必要なのではないかなと思います。 そして、私もこれはたびたび申し上げているのですが、やはり基本は、吉川先生のレポートの中にもございますけれども、国民の血税で研究開発を進めているわけでありますから、それは細心の注意を払っていかなければいけないのはもちろんだろうと思います。しかし、その上で、失敗をしたときは失敗を明らかに認める、そして、卑俗な表現になりますけれども、転んでもただでは起きないというか、やはりその失敗から十分に学ぶということが大事だと思いますし、それから、その失敗を致命的なものに結びつけないフォローといいますか、そういうものはやはり必要なのではないか、そういう考え方で新しい組織を組み立てていき、意識改革というのもしていかなければならないのではないか、こう思います。
○辻元委員 今、長官の御発言の中に、国民の血税でこの研究開発を行っているという御発言がありました。私は、そこのところを本当にポイントだというふうに思います。 それはどういうことかと申しますと、今回のこの動燃改革検討委員会の「動燃改革の基本的方向」という報告書にも、その中の「新法人の事業」、さらに「事業を進めるに当たっての配慮事項」というところの一番に「コスト意識の定着」という言葉が出ております。その項目をちょっと読みますと、一部抜粋ですけれども、「事業の成果が可能な限り経済性を持つことが重要」であるという指摘、そして、「コスト評価を実施するなどにより、コスト意識の定着を図る。」ということが出ております。 それからもう一つ、こちらの「高速増殖炉研究開発の在り方」、これは原子力委員会の高速増殖炉懇談会の報告書ですけれども、こちらの方も、これは「今後の課題」というところで、一番に「安全の確保」、二番に「立地地元住民及び国民の理解促進と合意形成」、そして三番に「コスト意識の醸成と計画の柔軟性・社会性」というふうに指摘がございます。この中でも、「研究開発自体の経済性、すなわち研究開発投資とその効果について定期的に評価して、研究開発計画を逐次見直すことが必要です。」定期的に評価をしてコストに見合っているか見直すことが必要です、私は、ここも大きなポイントではないかと思います。これは、昨年からこの委員会でも私も何回も指摘させていただいていた点なのです。 それで、まずは動燃の方に伺いたいのですが、このコスト評価の方法として具体的に今どのようなことを考えられているか。口で評価いたしますと言うのではなくて、具体性がないとこれは絵にかいたもちになりますので、ここはポイントだと思いますから、具体的にお答えいただけますでしょうか。
○中野参考人 お答えいたします。 コスト意識に関しましては、確かに、けさほども申し上げましたけれども、動燃全体としてはやや欠けているところが御指摘のようにあると思います。 ただ、従来、動燃事業団の中で、例えばウラン濃縮事業を開発してくる際にコストを無視して開発してくることはできなかった。例えば遠心器によってつくられるウラン濃縮の値段が国際価格に見合わないような遠心器であればこれは開発しても意味がないわけでございますから、常にそういうものに向かってきたつもりではございます。しかし、いろいろな事情があって、必ずしもそれは達成できないという状態にあったこともまた一方ではございます。 そういうことで、従来やってまいりました、いわゆる国際価格に見合う製品ができるような装置、設備、これが一つの手法かと存じます。それからもう一つは、原子炉の方で申し上げますと、現在の「もんじゅ」あるいは「もんじゅ」の次のステップの原子炉、それが商業化されたときに、軽水炉とほぼ同じような金額になるようなコスト、そういったものを見比べながらこの後の研究ステップを積み重ねていくということかと存じます。 具体的にはそういうことなんですが、なお私どもといたしましては、技術開発に当たりましては、外部評価委員会というのをつくりまして、その評価委員会の先生方にそうしたコストの面も評価していただきながら、研究開発を今後は進めていきたいというふうに思っております。
○辻元委員 私の手元に、ことしの三月三日の日経新聞の社説があるのです。今回のこの法案については各紙がさまざまな報道をしています。それだけ重要法案であるというふうに私は考えています。この中でこういうくだりがあります。「新機構の機能は高速増殖炉の開発と高レベル放射性廃棄物の処分技術の開発が主要な業務とされている。高速増殖炉として「もんじゅ」の延長線の大型炉を考えるなら、実用時期は三十年以上先のことになる。三十年も成果を世に問わないで済む開発機関が成り立つとは考えにくい。」 長いスパンで行わなければならない事業であるということは、これは皆さん認識は一致していると思うのですけれども、これをどういうふうに検証なさるのか。先ほど、研究の成果、結果のコストについては御発言があったのですけれども、今どんどんお金を投資しているわけなんですね。この投資しているお金のコストが、これが果たして将来成果につながるかどうかという評価をやはり随時しながら行わなければならない。今、外部評価委員会という御発言がありましたけれども、具体的にどういう方法でそれを検証なさるのでしょうか。こんな長い期間のものをどうやって、今回の研究ではこれだけお金を投資しているんだけれども、どのように成果があったかということをどういうふうな方法で行うのかというところが私自身ぴんときませんので、御説明いただけますでしょうか。
○加藤(康)政府委員 「もんじゅ」の研究開発の成果は、電力が現在検討しております実証炉の計画、そちらの方に反映されるわけでございます。「もんじゅ」の運転がいつになるかはまた別でございますが、そういうデータが蓄積されまして、次に電力会社が中心になってつくります実証炉の計画を具体化するときには、三十年とかそういうスパンではなくて、それほど遠くない時期に当然「もんじゅ」の開発成果を一度まとめまして、そしてそういう成果のもとに次の実証炉ができるかどうかをひとつ評価するチャンスがあるかと思います。したがいまして、そういうときには、それまでに使ったものも含めまして評価されるものと考えております。それは原子力委員会の方で行うのではないかと考えております。 また、日ごろのコスト評価、そういうのは動燃事業団の中の外部評価委員会にお願いできるかと思いますが、大きなプロジェクトにつきましては、節目につきましては、そういうプロジェクトの政策評価的な兼ね合いで、原子力委員会で行われるのではないかと考えております。
○辻元委員 そんなに長くない時期にというふうにおっしゃいましたが、そんなに長くない時期がどれぐらいか、ここのところがなかなか皆さんの意見が一致しないところなんですね。 これはだれも言い当てることはできないんですよ、これは研究ですから。それはそうだと思うのですが、大体どれぐらいと予測しているか。そうでないと、今投資しているお金が果たして役に立つものなのかどうかということもはかりにくいと思うのですけれども、大体どれぐらいのスパンで見ていらっしゃるのかというのをちょっとお聞きしたいのです。
○加藤(康)政府委員 先ほど先生の御指摘は三十年というお話でございましたので、そういうのに比べてそれほど長くないという意味で申し上げました。 「もんじゅ」の運転の再開との関係だろうと思いますが、私ども、「もんじゅ」につきましては、今の段階は運転再開を云々するというような段階でないだろうと考えておりまして、とにかく国の安全審査をしっかりしていただいて安全性を確認して、その上でまた地元の方々に御理解をいただきながら、再開の問題を議論していきたいと考えている次第でございます。
○辻元委員 そうしますと、もう一点、ちょっとコストの問題で御質問したいのです。 先ほど、他の委員の方の質問の中に、世界の高速増殖炉開発について、これを閉鎖したところがあるという御指摘がありました。イギリスやアメリカのことをおっしゃったんだと思いますけれども、そのときに加藤局長は、経済性の問題があったという御発言を先ほどなさったのですね。そうしますと、閉鎖された国々の経済性の問題は一体どうであったのか、それに比べて日本はこういう点が経済性の面ですぐれているから継続しているという、そこのところが先ほどのお答えでもなかなか私は理解できませんでしたので、もう一回御説明いただけますでしょうか。
○加藤(康)政府委員 ヨーロッパとかアメリカ、高速増殖炉の開発をやめた国がございますが、そういうところのやめた理由というのはそれぞれ異なっております。 まず、アメリカでございますが、アメリカは、国の政策としてプルトニウムの商業利用をしないということを決めました。そのころ、クリンチリバーに「もんじゅ」よりもちょっと大き目の原型炉、アメリカでは実証炉と言っておりますが、同じ規模のものの建設をしておりましたが、そういう国の政策に従って途中でやめました。 それから、イギリスは、「もんじゅ」と同じ原型炉につきまして既に二十年ぐらい運転をしました。そして、もう二十年もたちましたので、いろいろなデータがとれたということで、とりあえずやめております。 それから、ドイツにつきましては、やはり「もんじゅ」と同じ規模のものを建設して、できたのですが、当時ドイツでは、運転許可を州の政府の権限で持っておりまして、州の政府の許可がおりなかったものですから、それでやめてしまった。そのおりなかった理由にはいろいろあろうかと思いますが、原型炉でございますから、直ちに経済性のものではないと思います。 そして、いわゆる経済性の問題でやめたと申しますのはフランスのスーパーフェニックスでございまして、これは百二十万キロワットの、日本の軽水炉と同じ規模の非常に大きな、いわゆる発電をするために最初につくったプラントでございます。そういうものの運転につきましては経済的に合わないということでやめました。同時に、フランスには「もんじゅ」と同じクラスの原型炉フェニックスというのがございますが、これは既に二十年間ぐらい運転しておりましたけれども、やはりFBRの開発は重要だということで、消滅処理の研究をするということで、今、さらに運転期間を延長しようということで、安全当局の許可を待っている段階でございます。
○辻元委員 今、私がコストの問題と申し上げましたのは、今の財政難は言うまでもないのですけれども、先ほどから意識改革という言葉がありましたが、やはりそれは経済性に裏打ちされるということが非常に重要ではないかと思うのですね。ですから、ここのところにこれだけお金を使いましたけれども、将来、やはりあきませんでしたという決定をすることはできないですね。今これだけ問題になっているときに十分そこの部分を検討しないと、十年、二十年たって、私たちが今ここでいろいろな政策を議論していることが果たして正しかったのかどうかというのが実証されるときに、これだけ費用を使ったけれどもだめでしたとはなかなか言えないと思うのですね。 そういう意味で、やはりこのコスト意識というのを具体的に、実際に運営している動燃の中でも徹底していく、そして政策としても点検をきっちりしていくというところの詰めをもう少ししないとまずいのではないか、そういうふうに私は考えております。ですから、これはまた引き続き質問させていただきたいと思います。 それで、もう一つなんですけれども、何人かの委員の方も質問されましたが、名称の件です。 やはり名は体をあらわすといいますし、どういう名前にするかというところに意味が込められると思うのですけれども、今回はどのようなプロセスでこの名前が決定されたのか。ほかにも名前の候補は挙がっていたのか、そしてだれが決定したのかと言ったら変なのですけれども、どこでこの名前が決められたのかということをちょっとお聞かせいただきたいのです。
○谷垣国務大臣 名前につきましては、まずいろいろな議論が正直申し上げてございました。 一つは、名前はそんなにこだわることないじゃないかという議論がございまして、その中にもいろいろあって、今まで動力炉と核燃料をやってきて、実際またそれをやるのだから名前を変える必要があるのかという議論もございました。 これについては、やはり抜本的に立て直すというときに今までのイメージを切らないといけないんじゃないかという議論が強かったのだろうと思います。私自身もそう考えて、これは変えるべきであるという考えを持っておりました。 それから、それでは変えるとして、どういう名前にするかで、これも実はいろいろな候補がございました。科学技術庁の中でも相当いろいろやって、私もちょっとはっきり記憶しておりませんけれども、私の手元に来たものの中にも紙でたくさん書いてありました。こういうのもある、ああいうのもある、最後も機構にするのか事業団にするのか、いろいろそれはあったわけであります。 それは省きますと、やはり何をやっていくかということを考えると、核燃料サイクルを確立するということがこの新法人の、動燃もそうだったわけでありますけれども、新法人の中心的ミッションではないか。そうすると核燃料サイクルという言葉をやはり入れるべきではないか、こういうことがございました。 もう一つは、ちょっと細かなことになりますが、日本のいろいろな機構の中で横文字というか片仮名が入っているのは余りないので、そのサイクルというのが本当にいいのかどうかという議論も実はあったわけであります。 これはしかし、核燃料サイクルというのがやはり定着した言い方ではないだろうか。そして、今までの言い方から見ても、今までの動燃の御批判の中にもあったわけですけれども、動力炉と核燃料が縦割りの組織になって別々にやっているようなことが本当によかったのか、一体のものとして、一つのシステムといいますかサイクルを完成させるという気持ちならこれがいいんじゃないかなということであります。 あとは、事業団と機構というのがどういう議論だったのか、私、ちょっと今はっきり記憶がないのですが、研究か開発かというような議論がやはりございました。これもいろいろな議論があったことは事実でございますけれども、やはり開発、その開発の中に研究も含まれていそこういうJうなこともあり、あるいは原研との関係はどうかというような議論もあって、最終的には私がこれでいこうということで、こういう形になったということでございます。
○辻元委員 そういうやはりプロセスを開示していただくというのは非常に重要だと思うのですね。 例えば今研究と開発についての議論があったとか、私も初めて直接長官の言葉として聞きましたけれども、こういうプロセスがあって、こういう議論をしたから、この名前に決めました、そこを要するに国民は知りたいわけです。こう決定されましたということだけではなかなか納得がいかないわけです。 ですから、こういう議論があって、だれがどういうことを発言して、でも最終的にはこれになりましたけれどもいかがでしょうか、そういう情報開示の仕方をしていかないと、名前一つにしても、どうしてこれになったのか、形だけを変えて内容が変わらないんじゃないかとか、いろいろな議論がありますので、そこを開示していく方法をどう確立していくかということがもう一つのポイントだというふうに私は思います。 さらに、今回、この動燃改革検討委員会の報告書の中の経営の外部評価というところも、これは重要なところだと思います。「経営に第三者による外部評価の機能を導入する。」これが先ほどから議論になっております運営審議会というものに当たるかと思います。 これはやはり、さっきからも話が出ていますけれども、理事長がメンバーを選ばれる、ここがどうも腑に落ちない点と指摘されると思いますね。というのは、「第三者による外部評価」、こう出ているのですけれども、この評価が、理事長が任命する方々で第三者としての評価になるのかどうか。そこは、理事長がどういうメンバーを選ばれるかにもかかってくると思うのです。 それで、ちょっと御質問したいのですが、メンバーの名前は、それは今、だれだれなんと言えないと思いますし、決まってないかもしれない。ただ、先ほど長官の御答弁の中に、核燃料サイクルを確立するということが目的の組織であるという御発言がございました。そうすると、このメンバーはおのずとしてこの趣旨に賛同する人で各方面から検討できる人にするのか、ここのところが特に動燃が改革されるかどうかということが外から見てはっきりするところだと思うのですが、この確立するのに疑問を抱いている人もこのメンバーに入れるのかどうか。どういう方針なのでしょうか。 といいますのは、疑問を呈する人を入れたら、それは事業を進めていこうとしているわけですから、ああだこうだ、こうだああだと、だれが考えても前に進まないじゃないか。それが全部の意見を取り入れなきゃいけないのだったらと私でも考えますよ。だからこの目的に賛同している人だけを入れるおつもりなのか。そうではなくて、もっと広い意味で、批判をいただくということが非常に重要だから、核燃料サイクルを確立するということそのものについても疑問を持っていらっしゃる方も入れるおつもりなのかどうか。ここは大きなポイントで、これが第三者機関というのであれば、ここの構成にかかってくると思いますので、方針をお聞かせ願いたいのです。
○谷垣国務大臣 ここらのところはまだ全く白紙でございまして、これは理事長が選ばれるということになっておりますから、新しい理事長にどなたがおなりになって、その方がどういう方針を盛られるかということが私は基本にあると思います。 それで、先ほどからも御答弁申し上げているわけですけれども、第三者機関なのだから外部にある方がよいとか、あるいは理事長決定ということではおかしいのではないかという御議論があって、それは、確かにそういう御議論は私はあってもおかしくはないと思うのです。ただ、今回ここまででき上がってきた今度の仕組みの背後にある物の考え方というのは、これはちょっと語弊があるかもしれませんが、要するに与えられたミッションの中で理事長が権限を持ち、しかし、それは同時に責任を持つのだということをやはりきちっと出していかないと責任の所在が不明確になるという形で整理をしたわけでございますから、今辻元先生は第三者機関という言葉をお使いになったと思いますが、現在でき上がってきたものが第三者機関という言葉を使って表現するのが適切なのかどうか。私はちょっと、ややそういう言葉ではうまく表現できないのじゃないかという感じを持っているわけです。というより、むしろ、先ほどから再三申し上げておりますが、タコっぽ化しないための仕組みである、こういうふうに私はとらえております。
○辻元委員 私は、これで終わりますけれども、きょうの質問で、コストの問題、それから名前の例を挙げまして、そのプロセスを公表していくということが大切、それからもう一つ、今の運営審議会のメンバー。 要するに中身なのですよね。この法律は器を書いてあるだけなのです。ですから、これの中身を、実態をどういうふうにしていくか、そこが皆さんが注目している点だと思いますので、今の、最後の運営審議会のメンバー等についても、その決定のプロセスを公表していく。関連性で申し上げれば、こういう人に決まりましたと言うより、決定のプロセスも公表していくというような姿勢でぜひ臨んでいただきたいと思います。 時間が来て残念なのですけれども、これで終わります。
○大野委員長 吉井英勝さん。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。 前回に続きまして、動燃事業団法についていろいろ質問をしたいというふうに思います。 最初に、この前もやりとりしたわけですが、核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な業務を行う、これが今度の新しい法律案で進めようとしている業務の方向なんです。そうすると、核燃料サイクル、もちろん「もんじゅ」などを中心としてですからプルトニウムサイクル、あるいはよく使われる言葉で言えばプルトニウムリサイクル、こういう言葉も使えようかと思いますが、サイクルなんですから、高速増殖炉で、FBRの場合大体何回のサイクルを考えていらっしゃるのか、この辺のところから伺っていきたいと思います。
○加藤(康)政府委員 高速炉の場合、普通燃料を燃やしますとプルトニウムが高次化いたします。そういう意味で、軽水炉におきましてはなかなか何度もリサイクルしづらいわけでございますが、高速増殖炉におきますとそのような高次化されたプルトニウムも燃料として使える。そういうわけでございますので、何回を想定しているかというと、かなり繰り返し繰り返し回すことができるということでございます。
○吉井委員 繰り返し繰り返してございますというような話じゃちょっと頼りない話で、何かいろいろ前回も立派な計画を述べていらっしゃって、これがこれからの事業の方向だ、高速増殖炉の研究開発だというわけなんですが、ではその高速増殖炉で大体何回ぐらいを頭に描いて、それに見合った再処理の工程とか、FBRの燃料をやっていくのかとか、もともと高速炉というのはこれだけ有効なんだということをおっしゃってこられたのですから、もう少し考えのあるところを聞かせてもらってもいいのじゃないですか。
○加藤(康)政府委員 高速炉燃料の再処理で量的なことにつきましては、何回回すということよりも、どれぐらいの高速炉があるかということで、そこの使用済み燃料を再処理するということで決まるわけでございますので、何回回すかという話と、それから高速炉燃料の再処理する量的なものはおのずとちょっと違う話ではないかと考えております。
○吉井委員 余りお答えをようなさらないような感じですが、ではプルサーマルの方では何回のリサイクルを考えていらっしゃるのですか。
○加藤(康)政府委員 燃やす燃料、軽水炉における燃料のスペックによって違うのだろうと思いますが、一回とか二回、せいぜい二回ぐらいだろう、こういうふうに言われております。
○吉井委員 高速増殖炉実現は、大体二〇三〇年ぐらいをめどに、大体そのころを念頭に置いて皆さん取り組んでいらっしゃるというのがこの間の議論です。私は、もう少し幅を持って二〇二〇年ぐらいから二〇三〇年ぐらいで見ていらっしゃるのかなというふうにも思っておりますが、高速増殖炉を実現するまで、プルトニウムの余剰燃料の問題、余剰対策として結局プルサーマルでいくという方針、これはもうこの方向でいくんだということで間違いないですね。
○加藤(康)政府委員 プルサーマルというのは、高速増殖炉の実用化が時期がずれたからとかそういうことの前に、例えば昭和四十年代のことでございますが、日本にウラン濃縮の技術がなかった、アメリカからウラン濃縮を買わなければいけない、そういうようなときで、日米間の交渉はウラン濃縮の購入枠を決めることが一番重要だったわけでございます。そういう当時でも、アメリカは濃縮プラントの能力に限界があるものですからプルサーマルを使うようにということで、昭和四十年代から、プルトニウムを軽水炉に使うという考え方がございましたし、アメリカからそう言われていたときがございました。 そういうようなことで、我が国におきましても、昭和三十年代の終わりの方からプルサーマルの研究をしておりまして、もともとプルトニウムを軽水炉で燃やそう、そういう計画がございました。しかしながら、現実的に当面、FBRの実用化の時期はこの前のF懇で必ずしもはっきり明示しているわけではございませんが、前の長計では二〇三〇年と言っておりましたが、それまでの間プルサーマルが主流であるということは確かでございます。
○吉井委員 それで、高速増殖炉ですと、技術的な問題とかさまざまな問題がありますから、そういうのは一応置いておいて、これはウランを大体百倍使える。プルサーマルですとウランを大体二倍ぐらい。そうすると、これはプルサーマルでそれまでいくということなんですが、効率性という面についてはどういうふうな考えを持っていらっしゃるのですか。
○加藤(康)政府委員 効率性と申しますと、エネルギーを取り出すためにどれだけのウランを使ったか、そういうような観点から見ますと、軽水炉で再処理をしないワンススルーと考えた場合が約〇・五%でございます。それから、一回リサイクルする場合は〇・七%ぐらいと言われております。高速炉の場合はそれが六〇%ぐらい、ウランを六〇%ぐらい使える。この辺は燃料の仕様によっていろいろ変わり得るわけでございますので、使途によって多少違うかもしれません。
○吉井委員 効率性の面ではそういうことなんですが、いずれにしても、理論的に言えばウランを一〇〇%使い切る、百倍にして使う、そういうことが一応あり得ることなんです、これは頭の中の話ですが。 せんだって、といいましても半年ほど前になりますが、この委員会へ鈴木参考人に来ていただいて議論したときに、経済的には、ウラン燃料を一回使ったものの再処理とMOXの形でプルサーマル利用したものの再処理を比べると、ウラン燃料を一回使ったものの方が合理的だという鈴木先生のお話がありましたが、科学技術庁の方はこの点についてはどういう見方をしておられますか。
○加藤(康)政府委員 今の先生の御指摘は再処理だけのお話のようでございますので、普通のウラン燃料の再処理とMOX燃料の再処理で、鈴木先生はウラン燃料の方が合理的だ、こういう話をされたということかと思いますが、再処理自体、MOX燃料の場合は多少溶けにくいとかいろいろな問題等ございますが、基本的には、そういう合理的だという話のレベルがよくわかりませんが、それほど大きな差はないのではないか。 ただし、MOX燃料は先ほど申しましたように溶けにくいわけでございますので、今のウラン燃料をつくるスペックでできた再処理工場でそのままできるということはなかなか、やる場合には工夫が必要だとか、そういうことはあるかと思います。
○吉井委員 あわせて鈴木先生の方は、プルサーマルで何回も使うというのは技術的に賢いやり方ではないと。先ほど、プルサーマルでやるとしたらせいぜい一、二回程度ということだったわけですが、この点についても見方は鈴木先生の御意見と同じと理解していいですか。
○加藤(康)政府委員 先ほど一、二回と申しましたのは同じものを使う場合でございますが、一般的に、軽水炉で行っていますプルサーマルというのは炉心の中の三分の一ぐらいがプルトニウム燃料でございまして、残りはウラン燃料でございます。したがいまして、ほかの新しいプルトニウムとまぜて燃やすとか、そういうことをすれば、何回でも回せると申しますか、現在、二〇一〇年ごろまでに十数基の軽水炉でプルサーマルをやる計画でございますが、全体で五十基ある中の十三基か十五基ぐらいでございますが、その中のさらに三分の一炉心でございますので、実際には五十基ある中の例えば五基分ぐらいに相当するのがプルトニウムだ。だから、普通の燃料とまぜて再処理したり使用する、そういうことによりまして、何回も回せるということも可能だと思っております。
○吉井委員 そこで次に、プルサーマルをやって高次化したプルトニウム燃料の再処理でどんな問題が出てくるというふうに科技庁の方は考えておられますか。
○加藤(康)政府委員 高次化されたプルトニウム、高次化と申しますのは、プルトニウムの239、それが中性子をためまして240とか241、242になっていきまして、そういう数の多い方がだんだんふえていくということでございます。その中の239と241は分裂いたしますが、240と242はなかなか分裂しない、そういうことでございます。 それで、そういうようなものがふえていきますと、軽水炉の燃料としてだんだん劣化していくわけでございますが、再処理の方でどういう問題が出てくるかと申しますと、プルトニウムの同位体の組成が高次化すると同時に、アクチノイドといいますか、そういうものの含有量が大きくなりまして、中性子の発生とかアルファ放射能の量がふえていく。したがいまして、取り扱いが難しくなる。それから、核分裂生成物の中に、なかなか溶けにくいもの、そういう成分がだんだんふえてまいります。白金族元素と言っておりますが、そういうものの含有量がだんだん大きくなってくるということでございまして、そういうようなものに対応した処理が必要になってくるということでございます。
○吉井委員 あわせて、ガンマ線問題についてはどういうふうに考えておられますか。
○加藤(康)政府委員 当然ガンマ線もふえてまいりますので、再処理のシステムの中に、遮へいにつきましても今のものよりももう少し考慮しなければいけないと思います。
○吉井委員 そこで、結局これは、もちろんプルサーマルの場合と「もんじゅ」の場合ですべて同じようなことを言っているわけじゃありませんけれども、しかし、再処理工場というものは、今後非常に技術的に、安全技術、せんだって議論しました西澤先生の言葉をかりれば、危険にふたをする技術を含めて、その確立というものが、何といっても、今おっしゃったように、ガンマ線、中性子線、アルファ線、アルファ線の場合は体内に吸い込まない限りということはありますけれども、どうしても解決しなければいけないという問題。それなしには、簡単に再処理ということで、もう既にいろいろやってきたのだから大丈夫だという発想に立つことはできないと思うのですが、この点はどうですか。
○加藤(康)政府委員 再処理というのは化学工場でございまして、原子力発電所のように、臨界状態をずっと続ける、そして大量の熱を急速に取り除く、そういうような難しさはございませんが、やはり化学工場であるがための注意というのは、それは当然必要かと思っております。 それで、高速炉関係の燃料の再処理をする場合も、基本的には現在の軽水炉の燃料の再処理と同じような方式でやっていけると思っておりますし、今の軽水炉の燃料の再処理は、技術的には先はどのような点がございまして難しい点はございますが、ただいま我々も研究開発をしている最中でございまして、それを続けていけば実現できるのではないかと考えている次第でございます。
○吉井委員 大臣、この間もお話ししましたように、二十一世紀、二十二世紀とか、人類社会の長期を展望してエネルギーの問題というのは我々解決しなければいけないわけなのです。ですから、私は、やみくもに原発が皆だめだとか、そんな単純なことを言っているのじゃないのです。 しかし、そこに至るまでの間は、炉の形式にしても、さまざまなものについて、キャッチアップの時代は物まねで済んだわけですよ、しかし、本当によそにやる人がいなくなったときには、フロントランナーなのですから、さまざまなタイプも含めて基礎的なところから積み上げていかないと、これは簡単にいく話じゃないというところが非常に大事だと思うのです。 再処理の話にしても、今局長さんからお答えいただいたように、非常に難しい問題があって、これから解決していかなければいけない。解決できるであろうという願望は述べられたわけなのですが、そういうときに研究に取り組む姿勢として、やはり従来のやり方というのは、本当に西澤さんが言われた危険にふたをする技術というのは見過ごしにされたというか、とにかくプロジェクトを推進するというところが中心なものですから、その周辺は随分軽く扱われて、ナトリウムの漏れにしたって、それからアスファルト固化処理施設の問題にしたって、ある意味では単純なところで、しかし大きい事故をやっているわけですよね。 ですから、動燃が、再処理の問題にしても、本当に連続式でいいのかとか、バッチ式でやった方がいいのかとか、つまりその時代その時代の、我々人類が到達した安全技術の枠の中でどういう研究をし、どういう開発をしていくのか。こういうところは、私は、技術者の発想だけじゃなしに、本当に国民の不安や期待にこたえるものについて、政治の方が方向性を出すということが必要じゃないかと思うのです。 ここで少し中間的に大臣の方から、今の議論を聞いていただいたところで、安全技術の確立という問題について御見解を伺いたいと思うのです。
○谷垣国務大臣 私も、今局長が御答弁した以上のことを、実はその中身も正直言って全部理解できていることばかりではございません。 ただ、吉井先生おっしゃったように、フロントランナーの立場に立っていくと、今までよりも視野を広げていかなければならないのは当然なことですし、今までの、先人の失敗を回避するようなやり方だけではいかなくなることは当然だろうと思っております。高速増殖炉懇談会の報告の中の、柔軟性という言葉、計画は柔軟にやっていけ、リジッドなものではいかぬということも、そういう何かフロントランナーの立場ということも考えての御提言ではないかなと思っております。 これから動燃をどうしていくかという今の法案の御審議をお願いしているわけですけれども、我々としては、この法案の中にも盛り込まれておりますけれども、基本方針は内閣総理大臣の決定で行う、こういうことになっておりまして、政治の立場としては、そこにどれだけ現在の状況を盛り込んできちっとしたミッションを与え得るか、ここのところは我々も英知を絞っていかなければならないのでないか、こう思います。
○吉井委員 それで、その点で、まさに核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な業務を行うということで、基礎的部分は切り離す。これはかなり基礎的部分を制限的にするわけですね。果たしてそういうやり方でいいのかという根本問題について、これはまだ法案そのものは審議中ですので、私は、大臣にも、本当にそこのところはこういう提案している内容でいいのかと。 二〇三〇年までということになれば三十年間あるわけですから、これまでのように、「もんじゅ」という一つの原型炉を描いて、その開発でそれ行けどんどんでやってきたやり方から、安全技術をどう組み立てていくか、開発するか、そこには本当に周辺技術で随分いろいろな分野が必要になってくるわけですね。その基礎的なところから積み上げていく。それが必要なときに、それは制限的でやらないよということでいいのかとか、その辺のところはしっかり考えていただきたい。中間的にそのことを申し上げて、次の問題に移っていきたいと思います。 先ほども、前回に引き続いて、辻委員の質問に関連して当局のお話もありました。私の方へも、各委員のところへ、昨日のりちに文章もいただきました。 それで、昨年十二月に、当時の知見の状況を踏まえればやむを得なかった旨の委員長談話を発表したということなのですが、キャッチアップの段階でも、他の分野の少数の専門家に知られていたにとどまりということにしろ、少数の専門家に知られていたわけですよ、問題があるということは。その段階でも存在していた知見があるわけですね、少数の専門家では。その段階で、知見なし、やむを得ない、安全委員会がそういう態度をとるということは、私はここで原子力安全委員長にお聞きしておきたいのですが、やはりみずからの責任を回避して正当化をしてしまうということになるのではないか。 私は、こういうことを気楽に言ってもらうと、原子力安全委員会が、現在の時点では、現在の知見ではそういうものはもう問題ないんだ、安全だということを今後おっしゃっても、いや、あのときは少数の知っている人はおったが、限られた専門家であって、当時の一般的知見としてはわからなかったんだから仕方がないんだということで、これがまかり通るようになると、日本のこれからの原子力行政、とりわけ原子力安全委員会のそもそもの問題といいますか、根本問題が問われてくると思うのですよ。 私は、やはりこういう点については、都甲委員長自身はみずからの責任を回避し正当化するためにこういうことを言っておられるのではないとは思いたいのですが、その点について、委員長の方から伺っておきたいと思います。
○都甲説明員 お答えいたします。 委員長談話の中で、先ほど先生が御指摘いただいたような表現を使っておることは事実でございますが、その背景といたしまして、原子力安全委員会といたしましては、現在の安全確保のあり方の中におきましては、基本設計あるいは基本的な設計方針の段階でダブルチェックの安全審査をいたします。 それで、その安全審査に問題があったかどうかという観点からいいますと、当時の知見が原子力以外の分野のごく少数の専門家に知られていたにとどまりましたので、不幸にして原子力分野の我々専門家の間にその知見が得られなかったという事実、これを申し上げたわけでございまして、安全委員会として決して責任を逃げたつもりはございません。 それで、はっきり申し上げまして、詳細設計以降の段階におきましても、いろいろと問題が生ずることがございます。どの段階で思いがけないトラブルあるいは問題が生じまして安全問題が起こったといたしましても、私は、結果的にやはり原子力安全委員会が責任があると思います。 それに対してはどう考えているかと申しますと、どこに問題があったか、何が原因で問題が生じたかということを十分に検討いたしまして、それでは、基本設計の安全審査以外の分野で問題が生じたとしますと、ほかの分野を強化するために、二度とそういうことが起こらないようにどういう対策を講ずべきか、こういう観点から安全委員会は調査審議、検討を続けるべきだと思います。 先ほど御指摘の、ナトリウムと鉄の界面反応に対する知見が足りなかった、十分我々が知り得なかったということは事実でございますので、これを反省いたしまして、今後それではそういうことが起こらないようにするにはどうしたらいいかという検討をいたしました。それを踏まえまして、昨年十二月に「研究開発段階の原子力施設の安全確保対策について」というのを取りまとめまして、その中で、他の分野の知見も今後できるだけ広く集めるような努力をもっとすべきであるという提言をしたところでございます。
○吉井委員 その時代その時代の知見というのは、少数の専門家に知られていたものであっても、それはやはりその時代の知見ではあるわけなんです。それは、こういう言い方をすると大変失礼な感じになってはいけないと思いながら、そこを気を使い使い言うのですが、安全委員会の水準がそういう水準に達していない場合、その時代の知見が非常に狭いものであれば、それはやはり当時の知見としてはなかったのだということになるわけですよ。しかし、その結果として国民の安全が保障されないということになると、これは本当に責任が果たせないことになって、また、そのことによる事故の可能性というのは出てくるわけです。 だから私は、当時の知見という言葉で片づけられては困る。これは従来からよくあるのです。何も都甲委員長のことを言っているのではないのですよ。これまでから、後になって、当時の知見としてはこれは十分でしたとか、何かそれを当たり前みたいな顔をしてよく使われるのですよ。しかし、それは僕は間違いだと思うのです。 やはり知見というのは本来そういうものだと思うのですね。ですから、知見の及ばないところに事故の大きな落とし穴があるわけですから、完成した技術という思い込み、これをどこまでも払拭していくということが、特に原子力分野に携わる者については必要なことだと思う。この点について、都甲委員長、最後の委員会になるかもしれませんが、やはりその点についてのあなたのお考えというものを示していただいて、今後の原子力安全委員会やら科学技術庁の方にそこがきちっと生かされるように、一言言ってもらった方がいいのではないかと思います。
○都甲説明員 お答えいたします。 ただいま議員から御指摘いただきました、知見がなかった、あるいはどんなに努力しても人知の及ばない問題がないとは言えないわけで、相当技術が進んでおりますが、それでも、ちょっと表現が適当でないかもしれませんが、人間のすることでございますので、思いも及ばなかったことが起こるということがあるかもしれません。あるいは知見がないということがあるかもしれません。 そのために、実を言いますと、原子力の分野では、原子力開発の初期の段階から、そういうことがあっても全体として安全が確保できるようにするにはどういう努力をしたらいいかという考えで一御承知のとおり、多重防護という考えを根本に据えまして、それに基づいて幾つもの安全対策を独立に講じる、つまり安全防護の壁を何重にも設けるという考え方で安全確保に努力してきたわけでございます。 それで、例えば「もんじゅ」の事故で申しますと、確かに、詳細設計段階におけるミスによりまして温度計が壊れまして、ナトリウムが漏れてまいりました。しかし、そのほかに格納容器ですとか、あるいはその他独立に設けた安全対策を幾つか講じてありましたために、敷地の外に大きな影響を及ぼす事故にはつながらなかった、こういうことでございますので、人知の及ばない、つまり知見のどうしてもないところがもし起こったといたしますと、そういうことでカバーすることに今しているのではないかと思います。 それで、もう一つ申し上げますと、特にこういう問題は研究開発段階の原子力施設の場合に非常に重要なわけでございます。つまり、経験が少ないものでございますから、思いがけないことが起こる確率が、実用炉、軽水炉とか原子力発電所なんかに比べるとどうしても多くなる。そういう意味で、研究開発に携わる例えば動燃のような組織におきましては、特にその安全確保対策に最重点を置いて開発を進めていただきたい。 実は、そういうことは本当はもっと昔から申し上げるべきだったのですが、安全委員会といたしましてはっきりそういう指摘をしなかったということ、これは、「もんじゅ」事故が起こりました後から私どもも厳しく反省しておるところでござ、います。
○吉井委員 それで、私は委員長さんに、委員長の間にさらにびしつと言っておいてほしいことがあるのですよ。それは、今おっしゃった多重防護ということなんです。 私は、その思想はよくわかるのです。ところが、日本の原子力施設は多重防護が施してあるから大丈夫ですということで言い切るのですね。科学技術に生きる人間というのは、別に悲観論者じゃないのですけれども、未来に対しては非常に楽観的なんですけれども、しかし、多重防護と言っているその防護にいっぱい穴があいておったら全然防護じゃないわけです。これまで原子力安全委員会も、これについては他の手段によって、つまり多重防護によって安全は確保されているんだという言い方をされてこられたのですね。しかしそこは、その上に立ってもなお安全対策が必要だということは、やはりもう一言あるべきじゃないでしょうか。
○都甲説明員 お答えいたします。 先ほど多重防護と申しましたが、これは、まず今の安全確保の道筋を考えますと、最初に基本設計に基づいて行政庁の審査、それから安全委員会のダブルチェックが行われます。それがもし許可になったということはどういうことかといいますと、その基本設計の要件、安全上いろいろ要件がございますが、それを満足するように後続の詳細設計並びに運転管理をちゃんとやれば安全が確保できるというお墨つきを安全委員会として出したことになると思います。 さて、そう考えますと、その後続の安全確保の段階というのは、詳細設計、特に運転管理の段階になりますと、これは一日一日の安全確保の積み上げによって安全が確保できるということになると思いますので、それから後も、これは行政庁の後続の安全規制もそうでございますが、特に設置者、運転管理を担当する設置者におきまして一日一日の安全の努力を積み上げていただきたい、そう私は願っておるものでございます。
○吉井委員 今のお話にありましたように、多重防護の問題についても、まさに一日一日、これは基本設計の段階でも、実施設計の段階でも、運転の段階であれ、私の場合の運転というのは実験的な話なんですが、それにしても、本当に注意を払わないと、多重防護で救われるというのは、その発想がまた落とし穴になりますから、そこは大事なところだと思うのです。 東海再処理施設アスファルト固化処理施設における火災爆発事故調査委員会の報告を読んでおりますと、さっきおっしゃった基本設計の安全審査が不十分だったということを指摘しております。これは、「低温発熱反応によるドラム缶内発熱の可能性について記載がなく、審査がなされていない。」「火災が直ちに消火されるとした理由及びフィルタの健全性がアスファルトの火災事故時にも維持できると判断した理由の記載はなく、審査がなされていない。」こういうふうに指摘しているのです。さらに、科学技術庁が作成したこの報告書のポイントというものを読んでいると、安全規制に関する検討で、基本設計の安全審査において検討が十分行われていない、そういう指摘を科学技術庁の方はまとめているわけですが、この点について都甲委員長はどういうふうにお考えですか。
○都甲説明員 お答えいたします。 今御指摘いただいたとおりでございます。 それで、事故調査委員会の報告書は私どももいただいたわけでございますが、その結論といたしまして、安全審査の当時、アスファルト固化のときに行いますアスファルト溶融塩の低温における発熱についても知見が得られていなかった、十分でなかったということが、要するにこれも知見がなかったということになろうかと思いますので、それで安全審査でそれが取り上げられなかったというふうに結論づけていると考えております。 それでは事故の原因についてでございますが、非常に大きいのはやはり基本設計の安全審査の後に得られました新しい知見ですね。例えば水消火に関する知見、かなりの時間水を噴霧しないと消火が十分できないとか、そのほかの極めて重要な新しい技術的知見が適切にその後から反映されなかったというのが事故の非常に大きな原因になっているのだというふうに私どもも考えております。
○吉井委員 基本設計の安全審査だけしかやっていなかった。しかし、それさえ検討は不十分だったということを指摘されているわけです。ですから、本来、個々の問題について安全審査をやるべきだというふうに思うわけです。そういう点で、今、新たな知見が得られたならばと。これはこの間もお話があった話なんですが、私は、そういうときに、これはもちろんこの分野の学者の皆さんに原子力安全委員になっていただいておったりしているわけなんですけれども、しかし限られた数で、本当に責任を持てるのか、こういう問題があると思うのです。 私は、指摘されているように、基本設計の安全審査だけしかやっていなかった問題とか、それさえ検討が不十分であったという責任は大きいと思うのですよ。決して軽いものとは思いませんが、しかし、限られた委員の皆さんだけでできるのか。 つまり、確かに、許可した後も新しい知見が得られたら、その新しい知見に基づく是正勧告とか是正命令を出せるような権限を持たせてもらうということも皆さんの方も必要でしょうし、それから、皆さんを本当にサポートできる人的体制、これをどうするのか。行政委員会という話などもちろんあるわけですが、人間のやることですから、考えることですから、抜かることもあるでしょうが、しかし、それをサポートする体制があればかなり変わってくるわけなんですね。その点について委員長、どうでしょうね。
○都甲説明員 お答えいたします。 最初に、申しわけございませんが、私の発言の中で最初に申し上げました「研究開発段階の原子力施設の安全確保対策について」という原子力安全委員会の案でございますが、これは、昨年十二月と申し上げましたが、ことしの二月でございまして、現在その意見公募をいたしまして、それを取りまとめているところでございます。ちょっと日付を訂正させていただきます。 では、お答え申し上げますが、先ほどの、過去に得られた知見の反映が適切になされなかったという点につきまして、まず原子力安全委員会の立場をお答え申し上げたいと思います。 この点につきましては、従来の原子力安全委員会の考えは、設置者の自主保安努力で新しく得られた知見も適切に反映すべきである、特に安全確保に関係のある重要な技術的知見については設置者の自主保安努力でそれを適切に反映すべきであるという立場をとっておりました。 といいますのは、法律的に一度許可を与えたものを、後から新しい知見が得られたからそれを訂正しろということは必ずしも容易でないという話があったものでございますので、原子力安全委員会としては今申し上げたような立場をとっておりました。 しかしながら、考えてみますと、安全確保上重要な知見が後から得られたときに、設置者が十分にそれを施設に反映するというのは、本当を言うと設置者に任せておくだけではやはりいかぬということに私どもも気がつきまして、先ほど申し上げました「研究開発段階の原子力施設の安全確保対策について」、この中でその点も含めて指摘したところでございます。 さて、それでは、そのようなこと、つまり原子力の安全確保のために原子力安全委員会が何をなすべきかという、いろいろなことを御指摘いただきました。現在のような諮問委員会ではなくて行政委員会にすべきではないかという御趣旨かと承りますが、私ども、今まで原子力安全委員会として活動してまいりまして、実際の原子力安全委員会をサポートしていただきます専任のスタッフは、現在科学技術庁の原子力安全局の中の二十名ぐらいでございますが、そのほかに、安全審査会でございますとか、あるいは基準専門部会ですとか安全研究とか、いろいろな専門部会、各界の専門の先生方二百名以上にお願いしておりまして、それらの先生方のサポートを得ながら、今まで、安全規制といいますか、原子力安全委員会の活動を続けてきておりますので、私どもといたしましては、それで今後とも、特に行政庁と独立に原子力安全委員会としての機能を果たしていけるものと考えておるところでございます。
○吉井委員 このやりとりも大臣にずっと聞いていただいたのですが、都甲先生も大分遠慮がちに物を言ってはる。科学技術庁のスタッフ二十人でしっかり頑張ってもらっていると、本当はもっとおしりをたたきだいところなんでしょうが、お人柄と申しますか、かなり遠慮がちに言ってはると思うのですよ。 それから、審査会や専門部会など二百名の学者といっても、要するにパートタイマーなんですよ。学者の皆さんは全部専門分野を持っているのですよ。何かあるときには集まってもらっても、会議に出ればいいというものではないから、学者さんもそれぞれ自分の専門の研究の中で時間を割いて、その会議に出る時間とは別に、その準備やその他で随分時間をとられるのだけれども、いずれにしてもパートタイマーなんですよ。そういう体制で果たしてサポートできるのか、やはりここは非常に大事なところだと思うのです。 そしてもう一つは、設置者の自主保安努力の話は前回の他の委員の方にお答えになられたところなのですが、その自主保安努力から一歩進んで、認可後も新しい知見に基づく是正勧告や命令を出そうと思ったら、これは法律に基づく任務を果たしていらっしゃるわけですから、法律上の根拠も含めてそこはきちんと整理しないと、後どなたがどういうふうにやっていこうとしても、本当にこれはなかなか機能を果たすということにはならないと思うのですよ。 だから、私は、動燃事業団法の改正で新しい業務をこうするとか、それもいいでしょうけれども、この事故がなぜ防ぎ得なかったのかといったときには、これは本当に原子力安全委員会の責任も大きいし、それをサポートしてきたはずの科学技術庁自身が物すごく責任が重いと思っているのですよ。別に、事故をやった当事者の動燃の弁護をするわけじゃありませんけれども、全部動燃が悪いということで向こうへ振っておいてそれで済むという話じゃないのですね。だから、動燃事業団法を改正すれば事足れりというふうな話じゃないと思うのですよ。 今回の事故にあらわれた日本の原子力行政の中に見られる、本当に国民の安全をどうするのかということを考えたときに、これは今までからいろいろな人が議論したからというだけじゃなしに、今言ったような権限をどう与えるのかとか、人的体制も、パートタイマーじゃなくてどう確保するのか、その法律改正その他も含めて、政治の舞台で何を決断し、何をやるのか、ここのところは谷垣大臣の方でやはりきちんとした考えというものを示していただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 原子力安全委員会の安全審査能力をもっと強化していくためにはどうあるべきかということでございますが、一昨日の議論でも、きょうの議論でも、多くの先生方から、それはどうしたらいいのかというお考えを私どもも拝聴したところでございます。 三条委員会、八条委員会という議論もあるわけでありますが、今の原子力安全委員会は通常の審議会よりも強い権限を持っている、これは総理がこの間、本案の趣旨説明のときに本会議でも御答弁をされておるところですが、私もそれはそう思っております。 それから、吉井先生はパートタイマーだとおっしゃいますが、多くの専門家の知恵を集める仕組みもでき上がっているというふうに私も思っております。ただ、今回の行政改革の議論の中で、原子力安全委員会の機能というものは重要だという認識があの行革会議の中でもございまして、内閣府という今までよりも高いところに位置づけていこうと。内閣府というところに位置づけるというのはそういう発想があったと思います。 省庁改編の法案、基本法も今国会に提出されているわけでありますが、では、具体的に内閣府に持っていったときに、そこにどういう権限あるいはスタッフを持っていくかということは実はまだ整理が十分にできていないわけでございます。具体的には、その設置法等の中でもう少し詰めていかなければならない課題だな、こう思っております。
○吉井委員 この問題は、省庁の数合わせとかそういうところとは離れて、本当に毎日毎日の国民の安全をどう守っていくのか、それに応じて、研究開発用のものであれ何であれ、本当に安心できるような安全審査が保証されるのか、ここのところにかかわる問題ですから、今のようなお話の段階じゃなしに、さらにもう少し突っ込んで検討してもらう必要があるというふうに思います。 あと残り一分ほどになってまいりましたから、最後に、これは西澤教授の言われた、今の世代で責任の持てる水準に到達するのは、高レベル放射性廃棄物処理の問題ですね、今の世代で責任の持てる水準にやはり持っていかなければいけないと思うのです。それには、高レベル放射性廃棄物の消滅技術の問題など、これは半年ほど前の参考人質疑のときにも、現役世代の間に処理できるまで短寿命化する必要があるという指摘もありました。私は、こういう分野については科学技術庁としてはどこでどんなふうな取り組みをしようとしていくおつもりなのか、その辺を最後に伺って、時間が大分迫ってまいりましたので終わりにしたいと思います。
○谷垣国務大臣 高レベル放射性廃棄物の処分というのをきちっと見定めるということは、核燃料サイクルを考えていく上で一番大事な問題だろうと思います。先ほども菅原先生が、トイレのない家というような表現を用いられましたけれども、私もそうだと思っております。それと同時に、やはりここのところの図面が十分描き切れていないということが、先どうなるのだろうという不安も与えておりますから、原子力政策に対する信頼を回復していくという意味においても、そこの図柄を描き切るということが必要なのではないか、こう思っております。ただ、同時に、これは立地等の問題も関係してきて、実は、率直に申し上げて一番頭の痛い、また難しい問題でもあると思っているわけであります。 これはもう吉井先生には釈迦に説法でございますが、高レベル放射性廃棄物は、安定的な形、ガラス固化した後、三十年から五十年ほど冷却のために貯蔵を行いまして、その後深地層処分を考えていくということを基本的な方針としているわけでありますが、二〇三〇年代から遅くとも二〇四〇年代の半ばまでに操業開始をするということを目途としているわけであります。今、処分に係る研究開発に取り組んで技術的な信頼性を明らかにしていく、こういう段階でございますが、国民の皆さんの幅広い理解を得ながら、これも再三答弁をしておりますけれども、二〇〇〇年をめどに処分事業の実施主体を設立するといったように、処分事業の具体化に向けて、これは政府一体で取り組んでいかなければならない、こう思っております。
○吉井委員 これで終わりにしたいと思いますが、今おっしゃったガラス固化の問題も含めて、実は解明しなければいけない分野が、それが果たしていいのかとか、もっと別なことを考えなければいけないのではないかとか、もっと広い基礎的な分野がありますので、特定のところに凝り固まるのではなくて、まさに今、その問題を含めて基礎的な研究をしっかりやっていかなければいけないときだ、このことを指摘して、終わりたいと思います。
○大野委員長 次回は、来る四月十日金曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三分散会