安全保障委員会 第4号
- 発言数
- 379 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/04/02
会議録
○塩田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田靖一君。
○浜田(靖)委員 浜田靖一でございます。 きょうは、塩田委員長のもとで初めての質問でございますので、頑張ってやりたいと思います。 きょうは防衛庁設置法の一部を改正する法律案ということでありましたが、今、麻生幾さんという方が書かれました「宣戦布告」という実に興味深い本が出ておりまして、これは上下二巻でございますけれども、長官、これはお読みになりましたか。
○久間国務大臣 このところいろいろと仕事がございまして、まだゆっくり本を読んでおりません。
○浜田(靖)委員 これは実は内容が非常にリアルに、我が国の安全保障というか問題点をかなり網羅してございまして、これを読むと、まさに何が足りないかというのがよくわかるような気がするわけであります。 この本を書いた麻生さんという方が、大変よく情報収集というか自衛隊のことをお調べになっている。これは自衛隊だけではなくて警察庁、特に公安関係の記述というのが大変細かく書かれておりまして、その意味では、こういうこともあったのかみたいな形で、僕らも勉強不足を本当に恥じたわけでございます。 この本の内容は、北朝鮮の工作員というか、それが日本に上陸して、日本の安全保障体制の網の目をくぐって工作活動、最後にはまさに戦争状態に突入するかというような状況にまで陥ってしまうという、大変これが事細かに書いてございまして、この帯に書かれておる中には、アメリカの方だと思うのですが、この日本という国を、官僚組織とマスコミというか、それが日本を滅ぼしてしまうのかみたいな話を帯封に書くぐらいのことが書いてあるわけであります。この本だけを読んでいればそういうことなのであります。 これに対して週刊誌も大変興味を持たれまして、ここにいろいろなことが書いてあるわけであります、いわゆる国家機密と言われるほどの内容のものが出てきてしまっているのではないかということで。公安関係でいえば、大変細かな専門用語、そしてまた警備体制、そういうものが出ているので、警察関係の方からのコメントによれば、ほとんどこれは間違いないというお話もあれば、防衛庁の関係でいえば、防衛秘密登録簿の存在とか防衛庁の情報本部の電波部の話も事細かに書いてあるわけでありまして、その蓄積されたものが非常に多く書かれている。 それが、週刊誌では「洩れてはいけない国家機密」ということで書かれておりまして、その意味では逆に、問題は問題なのかもしれませんが、私らにすると、ここまでやっているのかというような気がしてならなかったわけであります。これもやはりしっかりと裏打ちのコメントをとっておりまして、これが出てしまうのはいかがなものかなというコメントまで出ているわけでございます。 いわゆる危機管理、今回の場合は、この本の中に書かれているのはまさに直接的な有事ということでございますので、本来であるならば、それに対する対処の仕方というのは、直接有事であるがゆえにもっと機敏にいろいろと対応できるはずなのでありますが、その意味では、それでありても事態が全く予想していないところになると全く対応できてないというふうに書かれておるわけです。 我々もこれを読んでおりまして、それを一つずつ詰めていきますと、なるほど、こういうことになるのかなという気がしてならないわけでございます。 この点からいえば、機密の保持には非常に気を使っておられることどは思うのですが’これは別に責めているわけではないのですが、こういうことが表へ出てしまうということは、まだ長官もこれを読んでおらないということでございますし、きのう、この記事も防衛庁さんの方にお渡しをしておるわけでありますが、この点に関して、一般論で、こういうことは漏れてはいけない部分であると私は思うのですが、防衛庁、どのようにお考えになっているか、ちょっとお答え願えますか。
○久間国務大臣 先ほど言いましたように、本は読んでおりませんけれども、週刊誌等で話題になっているその部分は読んでおります。 いずれにしましても、フィクション、小説でございますので、それについてあれこれ論評すること自体いかがかと思いますので、論評は差し控えさせていただきますけれども、防衛庁として、いろいろと知り得た情報等、そういうものについてはこれから先も管理はしっかりしていかなければならない、そういうふうには思っておるところでございます。
○浜田(靖)委員 その意味で、小説でありますので、私は、これに対して明快な答弁を望むものではありません。 しかしながら、ここに出てくるのも、いわゆる入り方というか、これをテロと考えるのか、難民と考えるのかということになってくると、ちょっと話が違ってくるわけであります。 実際のケースが、これは昨年の二月に鹿児島県の下甑村という、とれは鹿児島県の西になるのですか、甑島列島というのがございまして、ここに中国からの難民が漂着しまして、そのうち何人かが山の中に逃げ込んだというお話がございました。 この場合にもいろいろと議論が出たわけでありまして、それに対しては、当然のごとく、これは警察で対応すべきだということもございます。しかしながら、そこにはたまたま自衛隊の基地、分屯基地がありまして、今自衛隊も地元との密着、地元との理解というのを非常に深めておるわけでございますので、そのときに、これは経緯は別にいたしまして、三十名の隊員が訓練という名目で捜索に参加をしている。このこと自体でさえも、いわゆる手続論の部分で大変物議を醸し出して、いろいろな新聞に書かれておるわけであります。 これを見ても、その意味では、もっと何かわかりやすい対処というか、行動規範みたいなものがあった方が我が国の安全保障にとってはプラスなわけでありますので、私は、もう少ししっかりとした縦のラインというかマニュアルというか、そういうものがしっかりとあった方がいいような気がしておるわけであります。 とにかくこの本を一回読んでいただくとよくわかるのでありますが、最終的には、いつも議論になりますけれども、事前に防衛出動なのか治安出動なのかという議論になって、そこで一体全体どのような、出動したはいいけれども、そのときに、最後に本当に、相手が武装しているにもかかわらず、一発撃てるかどうか、その一発を撃つ命令を現場から、これはたまたま敦賀半島に工作員が上陸したということになっておりますので、敦賀から永田町の首相官邸まで指示を仰がなければ一発が撃てないというような状況で、何名もの犠牲者が出てしまうということが赤裸々に書かれているわけですね。 これは判断の遅さということになっておるわけでありまして、その意味では、今まで議論のできなかった部分、実際に警察庁があり、そしてまた防衛庁があり、そこでの区分けというのはあってしかるべきだと思うわけでありますが、しかしながら、その部分でもう少ししっかりとお互いの分担、そしてまた合同訓練と言ってはおかしいですけれども、そういうことも含めて私はやっておくべきなのではないかなと思うのであります。 その点に関して、きょうは警察庁の方も来ていただいておるわけでありますが、今の横の連携というのはどのようになっているのか、防衛庁と警察庁に一言ずつお聞きしたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。今先生、下甑島の件につきまして例に挙げられましたので、その点で申し上げますと、警察の方から、密入国の疑いがあるということで、自衛隊を含めまして関係機関に協力の依頼がございました。それに対応しまして、我が方の下甑島の航空自衛隊の基地の司令から一般命令を出しまして、それに対して我が方のできる範囲の協力をしたということでございます。 一般的に申し上げまして、この種国内での治安の維持ということにつきましては、御存じのとおり、一義的には警察の方で対応するという仕組みになっておりまして、それで一般的に対応できないという事態になりました場合には、防衛庁が例えば治安出動というような形で対応するというような仕組みになってございます。 一方、先生がおっしゃいますように、その間の連絡調整がスムーズに迅速に行われないと事態に対応できないというか、非常におくれるといった場合も考えられますので、その点については重々やっていかなきゃいけないというふうに考えております。 なお、申し添えますと、自衛隊の場合には、そういういわゆる警備計画に関するものにつきましては、防衛庁長官が陸海空の幕僚長に対しまして指示を出しまして、そういう行動の基本となるような計画については年度ごとにつくってまいりましたし、それを毎年直すというようなこともやっておりまして、一般的には、そういうことで基本的な対応の処置といいますか、そういう対応についてはそこで考えておりますが、具体的な事案になりますと千差万別でございまして、先生がおっしゃったような点も十分これから配慮して対応していかなきゃいけないというふうに考えております。
○小林説明員 お答えいたします。 御指摘の鹿児島県の甑島の密入国事案でありますが、現地におきまして、警察から自衛隊を含む関係各機関に対し、密入国容疑者の発見に関する情報提供等の協力依頼がなされたものと承知しております。 それから、こうした緊急重大事案と申しますか、こういったものへの連携ということについての御質問でございますが、国内の治安維持につきましては、第一次的には警察が責任を負っておる。また、重大事案が発生した場合には、警察といたしましては、現有の体制、装備資器材等を最大限に活用いたしまして、全力を尽くして事案に対処しているところであり、対処してまいる所存であります。 ただし、一般の警察力では対処できない事案の場合には、防衛庁、自衛隊と警察の連携を図りつつ、法令に基づくそれぞれの役割分担に応じ、的確に対処していく所存であります。
○浜田(靖)委員 警察庁の言われたことはよくわかりますし、防衛庁のお考えもよくわかるわけでありますが、しかしながら、この本の中にもあるのですが、要するに、一般の行政の中でも縦割り行政というのがよく言われるわけでありまして、その壁を越えてお互いの意思の疎通、そしてまたお互いの立場というものを乗り越えて日本の安全保障ということを考えなきゃいけないわけであります。 きょうこの場でお話をしているときは、大変前向きで、前向きにやっていきますというお話はあるわけでありますが、問題は、実際に事が起こったときに迅速に果たして対処できるかどうかというのが試されることであるわけであります。 実際の現場に当たって、お互いの立場だとかそういうことを乗り越えて国のためにやるというのは当然のことでありますけれども、果たしてそれが実際に実行できるかどうかという意味では、常に、これは防衛庁もそうでしょうし、自衛隊もそうでしょうし、警察庁も日ごろからやはり訓練されておるわけでしょうね、いろいろな意味で、実際行動においては。だから、本来であれば、それを実行すべくお互いに常に合同訓練だとかシミュレーションを組んでやっておくべきだと思うのですが、この点に関してはいかがでございましょうか。
○太田(洋)政府委員 緊急事態に対応しまして関係省庁が連携をいかにとっていくか、いかに迅速に対応していくかということにつきまして、内閣にあります安全保障室を中心に議論を重ねておりまして、まだ現在議論の途中でございますけれども、そういう場を利用しながら、先生のおっしゃった点をよくよく頭に置きながら詰めていきたいと思っております。
○小林説明員 警察と防衛庁は、これまでも必要に応じまして緊密な連携を保ってきたところであります。 なお、昨年の十二月に公表されました行政改革会議の最終報告におきましても、委員御指摘のような連携の強化ということが打ち出されておりますし、内閣の危機管理機能の強化及び情報機能の強化の必要性を指摘されているところでありまして、御指摘の点を踏まえ、今後一層緊密な協力関係の構築を図ってまいりたいと思います。
○浜田(靖)委員 本当は不幸な事態が起こらないことを望むわけでありますが、もしものための備えというのは当然のごとくぜひやっておくべきことであります。 今までそういった事が起きた際には必ず混乱が起きている、いろいろな批判を受けているということは、やはりそれに対して対応ができていないということになってしまいますので、これは我々の議論になるのかもしれませんけれども、そうした場合の国の安全保障というものをしっかり考えていかなきゃいかぬなというふうに思うわけでございます。 そして、「宣戦布告」の最後に、いろいろな法令の縛りがあり、いろいろなことがあって、最後は総理大臣がおやめになるところまでいくわけですね。そうすると、新聞記者が総理に対して、この国はちょっとおかしいんじゃないか、狂っているんじゃないか、こんなことでいいのかということを総理に辞任の記者会見のときに言われるわけでありますが、総理がそれに答えて、そう思っているのは君だけじゃないよと、総理がおやめになるときに言われるのですね。 これが小説の中で書いている分にはいいのですが、実際にそんなことがあったのでは我々の責任というのは果たせないわけでありますので、これからの安全保障を考える場合には、しっかりとした形をとって、優秀な方ばかりが総理になるならいいわけでありますが、そうでない場合も考えられるわけでありますので、その場合にはしっかりとしたマニュアルづくりをしないことにはこの国の安全保障というのは考えられない。だれかが逡巡をして一歩手を間違えれば、即その国は、国民に対して犠牲者が出たり、実際に現場に立っている方々に不幸が訪れるということになってしまいますので、これは一人の総理だけに判断を任せるのではなくて、いわゆるシビリアンコントロールというのか、よくわかりませんが、しっかりとしたマニュアルというものをつくって、即刻それに対して対処できるようなことをすべきだと私は考えております。 皆さん、いろいろなお考えがあると思いますけれども、この安全保障については皆さんともっともっと議論を深めて対処をしていかなければいかぬなというふうに考えているところでございます。そして、このお話は、ぜひ今度は長官にもこれを読んでいただいて、また参考にしていただければと思うわけであります。 きょうの防衛庁設置法の一部を改正する法律案の中に、これは私もちょっと不勉強で申しわけないのですが、統幕機能の強化の部分で、今までの統合防衛計画の作成だとか統合訓練計画の作成だとか防衛計画の作成に加えて、統合警備計画を作成することをつけ加えるというふうになっておりますが、この統合警備計画についてちょっと教えていただけますでしょうか。
○太田(洋)政府委員 先生、今御指摘のとおり、今まで警備計画につきましては、陸海空幕僚長に長官が指示しまして、それに基づきまして各幕僚監部が計画し、それを長官が承認するという形をとっておりました。 これにあわせまして、今回統合警備計画ということでお願いしまして、陸海空それぞれの計画はそれぞれつくるのですが、その上に統合警備計画ということで、統合した運用が求められる事案が非常にふえてきたということもございまして、より効率的に対応するという趣旨をもちまして今回これをお願いしているわけでございます。
○浜田(靖)委員 そこで、今の、要するにシステムとしてそういうことにするということでありますが、この警備計画の警備という意味はどういう意味なのですか。
○太田(洋)政府委員 私どもの実際の自衛隊の行動に関するものは、大きく分けまして、防衛行動と警備に関する行動の二つにまず分かれます。 防衛行動の方は、御存じのとおり、日本に対して侵略がございました場合に、これにどう対応するかということであります。 そのほか、一般的に公共の秩序の維持という面も我が方の自衛隊の所掌事務にございますので、それの関係で申し上げますと、災害派遣だとか治安関係だとか、そういう面での自衛隊の行動にかかわりますもの、これを全般を含めまして警備というふうにくくっております。
○浜田(靖)委員 それは当然の話だと思うわけでありまして、この統幕の権限強化というのは、これは有事だけでなくて平時までも入っているのが当たり前の話だと思っておったわけでありますので、その意味では、今、こういった形で、ここでまたこういうふうなつけ加えをするというのも何となく奇異な感じはするわけであります。 しかしながら、先ほど申しましたように、命令系統だとかそういうものを運用も含めてしっかりとやっていくためには、このような形で整備されるのは当然のことだと思うわけでございますので、ぜひともこの運用に当たってしっかりとやっていただきたいなと思いますので、この点は私どもの方はよしとしておるところでございます。 時間の方がぼちぼち少なくなってまいりました。先ほどお話しした「宣戦布告」の中にも、情報関係のことも非常に書かれておりまして、我々もぜひ見てみたいなと思うようなところもあって、これから私どもの参考にさせていただきたいと思うのですが、防衛局長、この記事を読まれましたか。 そこで、あるなしはお答えできないと思いますけれども、ここに電波部というのがありまして、これは今回の統幕の下に情報本部の電波部というのがあって、そこでいろいろな電波の傍受をかなり長きにわたってやっておられるということもあるし、そしてまた、SFシステムだとかSOSUSと呼ばれる広範囲潜水艦捜索システムなどということで、いろいろなものが書かれております。 今後、我々は、こういうことも含めて、ぜひまたお話を伺いながらやっていかなければいかぬわけなのですけれども、今回いろいろな意味でできれば現場の方のお話もというようなお話もありました。ぜひまた機会を別にして、これは我々も直接自衛官の方々に会ってお話を聞いたりしていきたいと思いますが、我々にもまた許される範囲内でぜひとも情報提供をしていただければと思うわけでありますが、局長、その辺はどうですか。
○佐藤(謙)政府委員 今、浜田先生からお話ございましたように、私どもといたしましては、自衛隊、防衛庁の任務を的確に遂行するために、いろいろな形で必要な情報を収集する等の努力を行っているところでございます。 こういう点につきましては、昨年、国会の方の御理解もいただきまして、防衛庁に情報本部というものも設けさせていただきまして、そういう中でさらにその充実を図っているところでございます。また、そういう一環といたしまして、日本土空に飛来する電波を把握するということも当然実施しているところでございます。 いずれにいたしましても、事柄の性格からいってお示しできない部分がかなりあるわけでございますけれども、我が国の防衛にとってどういうことを我々として努力しているのか、また、どういうところをこれから充実していかなければならないのか、こういうところを御理解、また御指導いただくために、可能な範囲内でまたいろいろな情報を御説明する、こういうことに努めてまいりたい、かように存じているところでございます。
○浜田(靖)委員 今、情報公開法とかいろいろお話があるわけでありますが、まさに自衛隊関係のことに関していえばオペレーションの話でありまして、その意味では、これは表に出せないことも多々あると思うわけでございます。 その辺の区分け、そしてまた、この機密保持に関してはもう少し厳正に取り決めていただいて、やたらにそれが情報として漏れないような形をとらないと、これはすべてのオペレーションにかかわってくることでございますので、長官、その辺をぜひともしっかりと統一していただいて、我が国のマイナスになることがあってはならないことでありますので、その点をぜひお願いをしたい。 そしてまた、これからの時代の流れに逆行するかもしれませんけれども、国民に開示していいものとそうでないものを我々はもう少ししっかりと認識してやっていかないと、あくまでも我々は国益にプラスになることを考えていかなければいけないと私は思いますので、我々も含めて、長官にもぜひともその辺のところをしっかりと、また心を強くしていただいてやっていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。 最後に、これからいろいろと大きな問題を控え、そしてまた、この国が本当に安全であるために、これからいかがやっていくのかということを一言長官にいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○久間国務大臣 先ほどるる述べられましたことは、ごもっともな点がたくさんございます。 なお、今緊急事態対応策として、いわゆる重要施設の防御、そういうものをどうするか等、これは内閣の安全保障室を中心にいろいろと検討しているところでございまして、そういうときにおける武器の使用の問題とか、そういうのを含めましていろいろと検討がされておりまして、もちろん防衛庁の方も官邸の方と一緒になっていろいろ検討しているところでございます。 なお、情報等の管理等につきましては、先ほど私が言いましたように、この問題についてはきちっと管理すべきことは管理をしなければならない、そういうようなことでこれから先も対処してまいりたいと思っております。
○浜田(靖)委員 ありがとうございました。 終わります。
○塩田委員長 河井克行君。
○河井委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の河井克行です。 春うらら、桜も満開で、本来でしたら大変暖かい気候の時期でございますけれども、きのうから少し冬に戻ったといいましょうか、本当に寒いような日々に逆戻りをしてしまいましたけれども、こうして午前中から久間防衛庁長官の温和なお顔つきを拝見させていただいておりますと、心の中からじわじわと温かい気持ちが、この国の防衛は大丈夫だな、そういう気持ちがふつふっと感じさせていただいているきょうこのごろであります。 特に、大臣におかれましては、沖縄をめぐる諸問題の解決につきまして一方ならぬ御尽力をいただいている、よくお礼を申し上げてくれと同僚の下地代議士から先ほど仰せつかってまいりましたので、特にこの席で御紹介をさせていただきたいと思います。 私、安全保障委員会に所属をさせていただきまして、きょう初めての質問の機会をいただきましたけれども、入ってびっくりしましたのは、防衛庁長官を歴任された大先生と当選一回の私たちのようなぺえぺえの代議士が、まさに隣同士に座らせていただいているな、本当に恐れ多いことだなと思っております。 いささか緊張しているわけでございますけれども、きょう提出をされました法案につきまして、いろいろな角度から質問をさせていただきたいというふうに思います。 この法案は防衛庁設置法等の一部を改正する法律案ということですけれども、現行の自衛隊法の別表第一に記載がされております、これは私の出身県、広島県のことですが、第一三師団の旅団化につきまして質問をいたしたいと思います。 もっとも、この第一三師団は所在地は広島県安芸郡海田町の海田市駐屯地でありまして、ずばり私の小選挙区ではありませんで、きょうも御出席をいただいております前外務大臣の池田先生、あるいは元防衛庁長官の谷川先生、前科学技術庁長官の中川秀直先生の本当におひざ元でございます。私はちょっと違うところの小選挙区なんですけれども、そうはいいましても、同じふるさと広島にとって大変大きな課題だということであえて質問をいたしたいと思います。 九九年の春から三千人の削減か行われまして、長らく中国地方をしっかりと守ってきていただきました第一三師団が今度から旅団に変わっていってしまうということであります。 そこで率直にお尋ねしたいのですが、なぜ第一三師団なのか。ほかのところでなくて、どうして中国地方の第一三師団がこの対象になってしまったのかなということにつきまして、その理由をまず最初に質問をいたしたいと思います。 といいますのも、朝鮮半島をめぐる諸情勢はまだまだ不透明感がぬぐい切れていないわけですけれども、もし朝鮮半島で何か事があったときに、北部九州と並んで最も早く影響をこうむるのは我が中国地方でございますので、そういう点からも、どうしてこの師団が選ばれたのかなということにつきまして、まず最初にお尋ねをいたします。
○伊藤(康)政府委員 お答え申し上げます。 先生、もう十分御承知のとおり、新たな防衛計画の大綱のもとにおきまして、現在十二個あります平時地域配備される師団のうち、四個を旅団化するという計画になっておるわけでございます。さらに、その四個のうち二個を今中期防期間中に旅団化をしていこうということが私どもの計画であるわけでございます。 そこの中で、十二個ありますので、どこの師団を旅団化するか、これは私どもとしても非常に慎重に検討したところでございますが、基本的には、従来から申し上げておりますように、地域の特性に応じた配置ということを中心に考えたわけでございます。 そうしますと、今まさに先生御指摘のような他国との近接性あるいは政治経済の中枢だとか、あるいはそれぞれの土地の地形あるいはまた隊員の出身状況その他総合的に勘案いたしまして検討したということでございます。 その中で、一三師団でございますが、中国地方全区を管轄としておるわけでございますけれども、御承知のとおり、私が申し上げるのもなんでございますが、山がちで長い海岸線を有するというようなことと、九州北部とは異なりまして、直接重要海峡を有しているというわけでもないというようなことも踏まえまして、機動力等を向上させましたコンパクトな部隊として一三旅団にさせていただきたい、こういうふうな提案をしておるところでございます。
○河井委員 ですから、旅団に変わった後、今度具体的にどのような装備あるいは施設の点で変更が生ずるのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。 確かに、今伊藤参事官がおっしゃったように、中国地方は中国山脈を抱え、大変山がちな地域でありますので、ほかの地方のいろいろな装備と比べてこの地方独特のものがこれからは地域性を生かして必要だなというふうに考えております。 聞くところによりますと、大型の四輪駆動の新しい自動車をたくさん購入されるとか、そういうふうな話も聞いております。そのあたりも含めてお尋ねをいたします。
○伊藤(康)政府委員 今回考えております一三旅団に伴います装備の変更でございますが、主要なものは今御指摘の、高機動車と私ども呼んでおりますが、約十名乗れます、ジープの少し大型のものと思っていただければよろしいわけでございますが、ただ、一般のジープよりは路外行動性と申しますか、多少荒れたところでも行動できるというところが特徴でございますが、これを各普通科連隊に配備をしようというふうに考えております。 したがいまして、現在の一三師団の場合の普通科連隊は、まさに歩くことで行動するしかない部分がございました。必ずしも全隊員用に自動車が行き渡っているわけではないわけでございましたが、今度の一三旅団で装備を全部そろえていただきますと、基本的には、普通科連隊の隊員は全員何らかの車で移動できるようになるという意味で、非常にスピードアップが図られるというふうに考えております。 それから、現在の一三師団は飛行隊というのを持っておりますが、これは観測用のヘリコプター、小さいものしか持っておりません。数は少のうございますけれども、多用途ヘリコプターUHというようなものを入れたいというふうに考えております。 そのほか、これは一般的でございますけれども、高射大隊が持っております、今後高射中隊となりますけれども、L90の改変ですとか、そういったものも持っているところでございますし、また、全体としてはコンパクト化するわけでございますけれども、偵察部隊のようなところは、若干ではございますけれども、むしろ増強するというような配慮をしているところでございます。
○河井委員 今いろいろと説明をしていただいたわけですけれども、先ほど冒頭から申し上げておりますように、絶対大丈夫だ、中国地方の本土防衛、守りは心配ないということを改めて大臣の口からしっかりとおっしゃっていただければ幸いに存じます。お願いいたします。
○久間国務大臣 中期防で二師団を旅団化するというようなことを決めておりまして、そういう意味でどこを旅団化していくかという検討をしたわけでございますけれども、今話がございましたように、機動性に富む部隊として編成するということで、一三師団をまず旅団化して、その後に、今度は航空機等を整備することによって、鋭意導入することによって、一二師団をしていこうという計画にしておるところでございます。 そういうことで、今、これまた答弁しましたように、旅団化するということはコンパクトになるわけでございますから、それにあわせて、機能面では十分対応できるような部隊にしなければなりませんので、先ほど言いました十人乗りの高機動車を入れたり、ヘリコプターを入れたり、あるいはまた掩体掘削機等の導入等もして、部隊としてはこれまでにもまさるとも劣ちない部隊として、しかも機動性を持った部隊として、十分活躍できるような旅団としてやっていきたいというふうに思っておりますので、決して地域の住民の方々に不安を与えることのないようになっておる、そういうふうに確信しているところでございます。
○河井委員 大臣から大変しっかりとした御答弁をいただきまして、一安心をさせていただきました。 幾つか具体的なことをお尋ねをしたいと思うのですが、定員が七千百人なのが三千人減って今度四千百人になります。そうなれば、当然今使っている土地とか施設は余ってくるわけですけれども、この活国策はいかがお考えでしょうか。
○伊藤(康)政府委員 確かに、おっしゃるとおり、コンパクト化し、定数を約三千減少するわけでございますし、一部即応予備も入れるということでございますが、これによって余ってくる施設というものがもしあるとすれば、隊員が入ります隊舎などが直接響いてくるのだろうと思います。そのほかに、部隊には整備工場ですとか、あるいは隊司令部の庁舎ですとか、そういったものがいろいろあるわけでございます。 今申し上げた隊舎については、理論上は余ってくることがあり得るわけでございますが、これらにつきましては、従来から、ある程度将来を見通しながらの整備というものをやっておりますので、また、一方では隊員の処遇改善ということで一人当たりの面積を広くするということをやっておりますので、そういうものをかれこれいたしますと、大きな余剰が生ずることはないというふうに存じております。 また、そのほかの整備工場とか、そういった部隊の運用上必要なもの、これは大小いろいろありますけれども、依然として必要なものでございますし、引き続き基本的には現状の姿で使わせていただくというふうに考えております。
○河井委員 人数が減っても、そこで働いている、仕事をしていただいている隊員の方々の待遇面の改善にぜひつなげたいという御答弁でありました。私、全くそのとおりだというふうに思っております。 国会に送っていただいた後、過去何度か自衛隊のいろいろな基地、施設の視察とか見学をさせていただきましたけれども、こんなところで本当によく仕事をしていただいているなと思ったことは一度や二度ではないということでありますので、ぜひともそういった点を十分考慮していただいて、しっかりとお仕事をしていただけるような、本当にゆとりある空間づくり、そういった点にも活用していただきたいなと思います。 もう一つは、実人員がおよそ五千人なんですね。そのうち、今回の縮小で千四百五十人余りが余剰人員になってしまうということでありますので、この配置転換はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。子弟の学校の問題とか、あるいは地域の商店街等々にも大きな影響がこれからいろいろ発生してくるだろうというふうに私は思っておりますけれども、そのあたりも含めてお答えをいただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 まず、人員の点でございますけれども、確かに実員が千名あるいはそれ以上異動することになると存じます。 これらを具体的に、だれをどういうふうにしていくかということは、確かに先生御指摘のとおり、私どもにとっても大変悩ましいと申しますか難しい問題でございますが、この点は、実は多少前広にいろいろと検討をしながら、できるだけ隊員の個々の希望とか、今御指摘のような隊員それぞれの家庭の事情もあると存じます。そういったものも配慮しながら、できるだけ影響の少ないような形で措置していきたいというところでございます。 具体的にどこをどうするかということはまだ申し上げかねるわけでございますが、毎年生じております退職者の補充をできるだけ抑制するといったようなこととか、今申し上げましたどうしようもない部分はやはり他の部隊に転勤してもらわなきゃならない方が出てまいると思いますけれども、できるだけ少なくしてまいりたいというふうに思っております。 それから、一三師団管内には七つかそこらの駐屯地があるわけでございますけれども、それぞれの駐屯地、定数で見ますと、御承知のとおり、今充足率が低いものですからかなりの変化になるわけでございますが、実員につきましては、できるだけ特定の駐屯地だけに大きなしわ寄せが寄るということのないようにいたしたいというふうに考えているところでございます。
○河井委員 千四百五十人余るということなんですけれども、そのりち、この際退官しようという人は大体何人ぐらいか、まだ一年ありますけれども、もしその辺の情報がありましたら教えていただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 大変申しわけございませんが、現時点で、希望も含めまして、まだそこまで具体的な整理はしておりません。
○河井委員 申すまでもないことですが、まさに隊員の方々の心理、気持ちを十分大事にしていただいて、今回の配置転換をしっかりとやっていただきたいというふうに思います。 最後になりましたけれども、これはできましたならばぜひ大臣からお答えをいただきたいと思うのですが、この第一三師団は、今、定員が七千人に対して実人員が五千人というふうな、まさに実際の定員を下回っているという状況は、ここだけではなくて全国的に発生している問題だというふうに考えております。 そこで、新しく即応型の予備自衛官の制度とか、そういったものをしっかりと設けていただいているわけですけれども、本当に国の守りをしっかりとやっていただかなくちゃいけない立場の自衛隊の定員と実人員との大きなギャップにつきまして、大臣なりにふだんからいろいろな問題点も含めてお考えいただいていると思いますが、そのあたりの率直なお気持ち、そして対応策を最後に質問をさせていただきます。
○久間国務大臣 定員と実員のギャップが生じておりますと、実際運用するあるいは訓練する場合も非常に問題があるわけでございます。だから、定員と実員をできるだけ合わせるところは合わせる。そのかわり、そのギャップの分を即応予備自衛官で埋める。二割程度は従来の自衛官、あとの八割は即応予備自衛官を充ててそれを補充する、そういう形をつくることによって内容的に充実を図ろうということで、即応予備自衛官の制度をスタートさせたわけでございます。 この制度が定着いたしますと、いわゆる実動的なといいますか、ある部隊が二割も三割も定数とギャップがあるままに残っているという形ではなくて、例えば部隊そのものは、機能的に十分な部隊が三個連隊あって、あとの一個連隊は今言いますように二割のいわゆる常備自衛官と即応予備自衛官でそれを補充する、そういう形をつくることによって自衛隊として全体の部隊がうまく機能するんじゃないかということで今やっております。 だから、これがうまくいきますように、今、三月末までかけまして西部方面で一生懸命努力してきたところでございまして、今年度の目標はほぼできたんじゃないかというふうに思っておりますが、これからさらに来年度もその充実に努力していきたいと思っているところでございます。 これから先、そのようなことをしながらやっていこうと思いますが、今言われましたいわゆる一三師団の旅団化のときに、ここも非常に実定員が少ないというようなことでございますけれども、それでも千名以上の人たちを、九年度と十年度のニカ年にわたって削減していくわけでございますから、なかなか苦労はあるわけでございますけれども、今言ったような形をとりながら、ぜひ皆さん方の意向も十分聞きながら、無理のないような格好で調整していきたいと思っておるところでございます。
○河井委員 以上で終了します。 ありがとうございました。
○塩田委員長 岡田克也君。
○岡田委員 民友連の岡田克也です。 きょうは大きな項目にいたしまして三点御質問したいと思っております。第一点は、シビリアンコントロールの基本論についててあります。第二点が、自衛隊幹部の国会答弁について。そして、第三点が、防衛庁設置法の解釈についてであります。 この中で、シビリアンコントロールの基本論と自衛隊幹部の国会答弁につきましては、これは基本的な議論でございますので、大臣に御答弁をいただきたいというふうに思います。設置法の議論につきましては、法律の解釈その他が出てまいりますので、政府委員、それから内閣法制局の方を中心にお答えいただいても結構だと思います。もちろん、大臣の御答弁を封ずるものではございませんので、適宜御答弁いただきたいと思います。 そこで、シビリアンコントロールという言葉がよく聞かれるわけでございますが、私、予算委員会でもこのことについて総理や長官にもお聞きをしたわけでございますが、まずシビリアンコントロールというものは一体何なのか、どういうふうに長官はお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○久間国務大臣 シビリアンコントロールというのは、政治が軍事に対して優先する仕組みといいますか、そういう制度を指しておるのだと思っております。
○岡田委員 従来の「政府のシビリアン・コントロールについての考え方」においても、「政治の軍事に対する優先が、民主主義国家においても、是非とも確保されねばならないものであることはいうまでもない。」というところから始まっておりまして、シビリアンコントロールというのは、基本的に政治の軍事に対する優先の問題である、こういうふうに考えておりますし、今の長官の御答弁もまさしくそういうことだったと思います。 それでは、軍とか軍事ということになるわけですけれども、日本に当てはめた場合に、それは具体的には防衛庁ということになるのか、あるいは自衛隊——自衛隊といっても、自衛隊法の定義で言う自衛隊というのは非常に広い概念でございます。長官もその自衛隊の一部ということになるわけですけれども、もう少し狭い意味での陸海空を中心とした実力組織といいますか、そういう意味でのことを言っているのか、あるいは防衛庁全体をここで言う軍事というときに指すのか、いずれなのでしょうか。
○久間国務大臣 防衛庁と自衛隊というのは別の組織じゃございませんで、同一の防衛行政組織であるわけです。 防衛庁と言うときには、比較的、陸海空各自衛隊を管理運営することなどを任務とする行政組織体としての面からとらえて言うのが普通のようでございまして、自衛隊と普通言う場合には、我が国の防衛などを任務としますいわゆる部隊行動を伴う実力組織という面からとらえるときに自衛隊と言っておるわけでございますから、シビリアンコントロールと言うときには、結局、全体を指すのじゃないかと思うわけです。 それで、先ほど委員は防衛庁長官もと言われましたけれども、私と政務次官は自衛隊員じゃないわけでございまして、たしか事務次官から下が自衛隊員になっているのじゃないかというふうに思います。
○岡田委員 最後に長官がおっしゃったことは、自衛隊法二条の定義で、「この法律において「自衛隊」とは、防衛庁長官及び防衛政務次官並びに防衛庁の事務次官及び参事官並びに防衛庁本庁の内部部局、防衛大学校、防衛医科大学校、」統幕会議云々かんぬん、「その他の機関を含むものとする。」ということで、多分長官も自衛隊法上は自衛隊に入っておられると思います。
○久間国務大臣 自衛隊と言う場合の隊には入っていますけれども隊員ではない、防衛庁長官と政務次官は隊員ではないというようなことを就任したときに何か聞かされたような気がいたしますので、その辺は後でまた整理してみます。
○岡田委員 今の件は単なる事実関係でございますので、次に移りたいと思います。 それでは、防衛庁の内部部局が、先ほど長官もおっしゃったような意味での実力組織としての狭義の自衛隊に対してこれをコントロールするというのは、これはシビリアンコントロールのうちに含まれることなのでしょうか。
○久間国務大臣 内部部局が自衛隊をコントロールするという、それがシビリアンコントロールだとは思いません。 シビリアンコントロールといいますのは、先ほど言いましたように、私の認識では、政治が軍事に対して優先するということで、防衛庁長官が自衛隊に対してそれをコントロールする、そのときに内部部局というのはあくまで防衛庁長官を補佐する役割にすぎないのじゃないか、そういうふうに思っております。 要するに、防衛庁長官がコントロールし、あるいはその上の総理大臣を初めとする内閣がコントロールし、さらには国会がコントロールする、これがいわゆるシビリアンコントロールの基本ではないかというふうに思っているわけでございます。
○岡田委員 私もそこの認識は全く同じであります。 その上で、それでは国会のシビリアンコントロールというものをどう考えるかという問題がございます。 もちろん法律の審議、きょうもそうでありますが、法律の審議を通じて国会がコントロールする、あるいは予算の審議を通じてコントロールする、これは非常に当然のことであり、わかりやすいわけですが、国会には国政調査権というものもございますから、私は、国会の狭義の自衛隊に対するコントロールというのは、予算や法律の審議を通じてのコントロールにとどまらない、国政調査権に基づいてより広い意味でのコントロールの責任がある、こういうふうに思うわけですが、長官のお考えはいかがでしょうか。
○久間国務大臣 いわゆるシビリアンコントロールのトップは、日本の行政組織あるいはそれと立法府とのかかわり方、そういうことから考えますと、そのトップにあるのは国会だろうと思います。そういう意味では、国会はシビリアンコントロールの頂点に立っていると思います。 それで、具体的には、今言いましたように、予算を通じあるいはまた法律の審議を通じ、さらには時には国政調査権を通じ、あるいはまた、内閣そのものをあるいは防衛庁長官を罷免することを通じ、いろいろな形でコントロールする、そういう仕組みになっているのだろうと思います。
○岡田委員 それでは、以上の議論を前提にして具体的な話に入りたいと思います。 自衛隊の幹部の皆ざん、ここで言う自衛隊というのは先ほど言いました狭義の自衛隊ということですから、具体的に言えば、例えば統幕議長でありますとか、陸海空幕長でありますとか、そういった方々を念頭に置いておるわけでありますが、そういった自衛隊の幹部の皆さんが国会において答弁をする、今政府委員ではございませんから、今求めるとすれば説明員あるいは参考人という立場になると思いますが、そういうことについて、長官は、これは望ましくないというふうにお考えですか、それとも、もちろん所掌でないことは発言できないのは当然の前提だと思いますが、所掌のことについて発言をすることはむしろ望ましいというふうにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 先ほど国会がシビリアンコントロールの頂点に立つとは申しましたけれども、その頂点に立つ国会が、防衛庁長官を飛び越えて自衛隊員をコントロールすることがシビリアンコントロールの仕方としていいかどうか、これはまた立法政策上別の問題でございます。 したがいまして、防衛庁長官が国会との関係では一応いろいろな答弁に立っているわけでございまして、これを補佐するために、現在の国会法では、政府委員としていわゆる参事官という制度を設けて、局長等を政府委員として任命するという形になっております。それを一応原則として書いているわけでございます。 そうしますと、国会法のそういう趣旨を考えますと、国会がいわゆる制服の自衛隊を直接コントロールするということは余り考えてなくて、防衛庁長官を通じて一つの行政機関をコントロールするという形の中でシビリアンコントロールがとられているのが我が国の建前じゃないか。かといって、先ほど言いましたように、国会の方の国政調査権を排除するものではございませんけれども、そういう仕組みになっているのじゃないか、そういうふうに私は理解しているわけでございます。 したがいまして、防衛庁長官が国会に対してコントロールを受けている、その一環としていろいろな説明をしたりあるいは答弁をしたりする中で、防衛庁長官が必要と感じた場合には、政府委員だけではなくて説明員として出す場合もないことはない、要するに排除はしていないと思いますけれども、全体の流れから言いますと、現在そういうことを余り求めていないような制度になっているのじゃないか、そういうふうに思います。 これが立法政策上いいか悪いかの判断は別として、現在の制度を全体として眺めますと、そういうような制度になっているのではないか、そういうふうに思うわけでございます。
○岡田委員 ちょっと議論が混乱したと思いますが、私は、国会に来て答弁をしていただくことが、国会が狭い意味での自衛隊ないしは自衛隊の幹部を直接コントロールするという趣旨で申し上げているわけではございません。基本的には、国会では御答弁いただくのは長官であります。国会法上はそれを補佐するものとして政府委員あるいは確立した慣行としての説明員、こういう制度がございます。 したがって、長官がすべてお答えになるのであれば、それはそれである意味では尽きてしまうわけでありますが、長官を補佐するものとしてそういった狭義の自衛隊の方にも来ていただくということが当然あってしかるべきではないか、それを排除するというのはおかしいのではないか、こういうふうに私は思うわけですが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 今言いましたように、行政としてあるいは防衛庁、自衛隊として、防衛庁長官が国会に対して責任を負うといいますか、そういう形でやっておりまして、それを補佐するために政府委員が補佐をし、必要に応じて説明員が説明をするわけでございますから、防衛庁長官が必要と認めた場合はともかくとして、必要と認めない場合にそれを直接呼び出してやるということは、国政調査権として制度上は排除されていないけれども、そういうようなことが望ましいかどうか、これはまた別でございます。 そうすると、防衛庁長官が自衛隊のいわゆる制服を説明員として出すかあるいは政府委員として出すか、この辺はまた別途の判断があるわけでございますけれども、私は、従来の慣例からして、そこまではする必要がないのじゃないかということで、そういうようなことを求めていないということでございます。 制度上できないということではなくて、そういうことが余り従来からとられていないというのは、むしろ望ましくないというふうに考えられたからそういうことをしていなかったのじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。 だから、法的にできるできないの問題と、そういうことをすることが妥当かどうかという問題、あるいはまた従来の慣行に照らしてそういうふうにするのが望ましいかどうか、いろいろな判断の中で従来とられてきていないのじゃないかというふうに思うわけでございます。
○岡田委員 今、最終的にはそれは長官が決められる問題だというふうにお答えになりましたが、基本的に、国会にどなたに来ていただくのかということを決めるのは国会ではないかと私は思いますが、その点はいかがでしょうか。
○久間国務大臣 国会がいわゆる国政調査権に基づいて出席をするということを議決したり何かして出された場合には、最終的にはそれは国会の方が決められることだと思います。 しかしながら、政府が提案している問題について、政府に対する質疑の形で行われる場合には、政府を代表するという形で答弁に立つわけでございますから、その制服なら制服の個人の判断とかそういうことについての話じゃなくて、組織体の長としてのそういう質疑になりますと、それはだれをもって説明させるか、だれをもって答弁するかというのは、一義的には防衛庁長官でございますけれども、その次の段階に、だれにさせるかというのは、防衛庁長官がそのときに判断することじゃないか。 それを越えて、もし国会でお決めになる場合には、それは国政調査権に基づいて、いわゆる議決に基づいてその本人に対する出席を求めるという手続によってやられる場合には、それは法的には可能だと思いますけれども、先ほど言いましたように、一般的な質疑の形でやる場合にはそうじゃないのじゃないかなというふうに思っております。
○岡田委員 今長官は組織の長という表現を使われましたが、例えば今回の、今議論しております設置法等の一部改正では、統幕会議の所掌事務についての議論であります。そのときに、その統幕会議の議長に答弁を求めることができないというのは、今の御発言との関係でどういうふうにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 まず、統幕会議の議長は政府委員になっておりません。したがいまして、国会法からいきますと、防衛庁長官にかわって答弁するというわけにはまいらないわけでございます。これは制度上もそうなっているわけですね。 そうすると、何か細かいことについて説明員として説明するということになるわけでございます。そうしますと、説明員が説明するならば、言うなれば課長が説明するのと同じでございますけれども、それは政府委員というのがそれにかわって十分意見を聴取してから答弁すればいいわけでございますから、そのような必要はないということになるわけでございます。 だから、そういうのにかかわらず、もし制服についての組織としての意見ではなくて、その人の個人としての意見ということになりますと、これはまた別でございます。国会に対して行政府の長としてあるいは行政府が出したそういうような法案についての質疑の中で、個人としての説明者を求めるということは、これはまた別の問題じゃないか。だから、それはちょうど参考人とか証人とかそういう者の発言を国会は求めていろいろと調べられる、それと同じようなジャンルになってくるのじゃないかなというふうに思います。
○岡田委員 この点は、統幕会議の所掌事務というものが、例えば他の内局の局長さんがその事務について所掌しているのかどうかという議論になりますから、後ほどまた議論させていただきたいと思います。 今長官の一応の御見解をお伺いしたわけですが、総理のこういう御発言は長官も承知しておられると思うのですね。自衛隊幹部が内局の同行なしに首相官邸や国会に来られないという雰囲気を変えるよう努力する、こういうふうに総理は平成九年に述べられているわけでございます。国会というのをはっきり言っておられるわけですね。その総理の御発言と今の長官の御発言というのは、かなりニュアンスが違うと私は思いますが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 私も総理の言っておられることはわかるのです。官邸にも国会にも出入りしにくいような雰囲気というのはよくない。それは、大っぴらに官邸に行ったりあるいは国会にも行ったりしてもいい。 ただ、政府答弁として答弁に立つかどうかというのは別でございまして、長官が、自分が答弁に詰まるといいますか、要するにわからないことがあったときに、制服から気軽にいろいろ意見を聞いて、それをきちっとしたものにするとか、そういう場合には、そばにいてくれていろいろと話を聞いた場合がいい場合もございます。しかし、それと政府答弁として立つというのとはまた別でございます。 私は、総理が言ったように気軽に、気軽にといいますか、失礼ですけれども、要するに国会等にも出入りができるような雰囲気というのはあっていいのじゃないかというふうに思います。
○岡田委員 官邸であれば、制服の方が官邸に行って、そこで総理といろいろお話をするあるいは情報を伝える、こういうことだと思いますが、国会に制服の方が来られるということは、別に、国会に来て、座って聞いているだけじゃなくて、やはり責任ある立場できちんと答弁をするということを念頭に置いて総理の御発言があったと私は思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○久間国務大臣 私は、その点については総理と打ち合わせたわけでもございませんから、それからまた聞いておりませんので、はっきりとした総理の意思がどうだったかはわかりませんけれども、政府として答弁するということになると、現在の国会法等の関係でいきますと若干問題があるのじゃないか、流れからいきまして。そういう意味では政府答弁としてはなかなか立ちづらい制度になっているのじゃないか、そういうふうに思っております。 しかしながら、例えば国会といいましても、総理が言ったのは、委員会だけではなくて、その他のいろいろな場合もあろうかと思いますので、私は、やはり国会にも、昔は近寄りがたいということでございましたけれども、そこまでする必要はないのではないかと。いろいろな形で、先生方から呼ばれた場合には、その内容については話を……。ただ、委員会で答弁するというのは、ちょっとまた違うのではないかというふうに思っております。
○岡田委員 この件はまた別の機会に総理にも発言の真意をお聞きしてみたいと思いますが、総理が国会にも来やすくすると言う意味は、国会に来て単に座っているという意味ではなくて、それは国会でもきちんと発言をするということを念頭に置いたものだと考えるのが普通だと思います。その点については、総理の御見解をまたお伺いしていきたいと思います。 少し観点を変えますが、例えば陸幕長が、つい最近ですが、中国に行かれて、中国の遅浩田国防大臣と意見交換をされました。あるいは空幕長が、ガイドラインの問題について、現実は一線を画していくのはなかなか難しいという発言をされたというのが報じられております。 私は、こういう形で制服の方が他の国の政治家とお会いになったり、あるいはみずからの所掌を踏まえていろいろな御発言をされることは非常に結構なことだというふうに思っているのです。当然そういうことはあってしかるべきだと思います。 ただ、そういうことについて、国会で、この場で御意見を聞きたい。例えばガイドラインの問題で、一線を画するのは非常に難しい、それは現実を踏まえてそういうふうにおっしゃったのだと思いますが、それは具体的にどういうことですかということを私はぜひお聞きしたいと思っているのです。 そういうことをしないと、これから出てくるガイドライン立法についても、非常に机上の議論になってしまうかもしれない。やはり現実を踏まえなければできないと思うのですね。そういうことをお聞きするためには国会に来て答弁していただかなければなりませんが、そういったことについては、長官、どうお考えですか。
○久間国務大臣 先ほどの空幕長の話等につきましても、私も説明を受けております。 一線を画するのが難しいと言ったのではなくて、航空優勢を確保しているから一線が画されたというふうに言うと、航空優勢を確保しているということが、どういう判断で航空優勢が確保されたかどうかという、そこの判断が非常に難しいということを言ったのであって、一線を画することが難しいと言ったわけではないのだけれども、そこのところを非常に強調されたということです。いずれにしましても、現況のいろいろな話を私も聞きました。 したがいまして、国会の審議等では防衛庁長官が責任を持って組織としては答弁するわけでございますから、防衛庁長官の答弁あるいはまた政府委員の答弁ではだめで、外で言った、記者会見で言った、記者に対して言った、あるいはまた雑誌に載った、その人間を呼ばなければ審議が進まないということでは、制度としてはないのではないかというふうに思っています。立法政策上どうするかの問題は別としまして、現行ではそういうことは必ずしも求められていないというふうに私は思っておるわけでございます。 だから、記者会見等でも、組織を代表して防衛庁長官あるいは防衛庁にかわって記者会見をし、あるいはまた外国に対して政策を言うのではなくて、あくまで防衛庁の政策の説明をしたにすぎない、そういうふうに思うわけでございますから、そこのところは、それからはみ出たものについては問題があろうかと思います。
○岡田委員 私が申し上げているのは、社会的な実態として、そういう形で外国の要人とお会いになったりあるいは記者会見でもお話しになっている、それだけの実態があるものについて、なぜ国会だけが、それに対して何か壁があって、直接お話ができないのか。 国会というのは、基本的に参考人とか証人という形であればだれでもお呼びできる形になっております。例えば日銀総裁、これは独立性を保障されているわけですけれども、それでも国会には何度も来て御答弁されているわけですね。 そういうときに、政府の組織の中の一部である陸海空、三つの自衛隊の責任者あるいは統幕議長が国会で答弁しないということは、私は非常にバランスを欠いていると常識的に思いますが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 日銀は政府からは一応独立した組織でございますから、日銀の判断を求める場合には日銀のトップである日銀総裁を参考人として呼ばなければ答弁ができないわけでございまして、大蔵大臣ではだめなわけでございます。 政府の組織内でありますと、必ずしもそういうわけではなくて、それをだれをもってするかというのは、例えば検察庁の場合だったら、検察庁の総長を呼ばずに刑事局長あるいは法務大臣が答弁する、そういうような慣例もございます。あるいは警察庁にしましても、警察庁長官ではなくて次長が政府委員として出ておりまして、国家公安委員長と警察庁次長が答弁に立っております。 だから、政府内の組織の場合に、そこの長がだれをもって答弁させるかというのは、今までの慣例あるいはまた現行の法律の制度、そういう中でどれが望ましいかということで決めているわけでございまして、私は、そういう意味で従来から政府委員をもって長官を補佐する答弁を行わせておるという、それは、一つの立法政策としてはそのようなことが望ましいということで従来やられてきたのではないかというふうに思うわけでございます。
○岡田委員 私が申し上げているのは、従来そういうことで、昭和三十年代以降は今言ったような方々の国会における答弁というのはないわけですが、それをそろそろ考え直す時期に来ているのではないかということを申し上げているわけでございます。 従来がどうであったということを私は聞いているのではなくて、今これだけ実態があるものに対して、国会がそれに対して直接お伺いできないということは、最初の議論にも行くわけですけれども、シビリアンコントロールという観点からいっても、我々自身が直接生の声を聞けないということは、いろいろな意味で、法案審議をする、予算の審議をする、そういったコントロールをする際にもそれが支障になっているのではないか。 そういう形で、国会から閉ざされたところで狭い意味での自衛隊の存在があるということは、ある意味では自衛隊そのものが唯我独尊になる可能性もある。そういうことについてもっと風通しをよくして、大体ほかの国は、外国を見れば、アメリカなどはしょっちゅう国会に来てお話しになっているわけですね。そういうことを考えたときに、もう少し風穴をあけた方がいいのではないか。 私は、全部いつでも呼べるようにしろというふうにすぐ申し上げるつもりはございません。何らかのきちんとしたルールを設定して——基本論を言えば所掌に属さないことはしゃべれない、これは当たり前のことであります。しかし、もう少し具体的にわかりやすくルールをつくれと言うのなら、そういうルールをつくって、その範囲の中で御答弁いただくようにすべきではないか、こういうふうに御提言申し上げているわけであります。 今までのことを言っているのではない。これからそういうふうにすべきではないかというふうに申し上げているわけですが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 先ほど、私は、シビリアンコントロールというのは、最終的、究極的には国会がシビリアンコントロールの頂点にあるということを申しましたけれども、その国会が防衛庁長官を飛び越えて、直接いわゆる制服をコントロールすることがシビリアンコントロールとは思わないわけでございます。防衛庁長官を通じてあるいは内閣を通じてシビリアンコントロールが徹底しておる、それでもって望ましいというような考えもあるわけでございますから、どちらがいいかは、これはまた立法政策上の問題かもしれません。 しかし、現時点で言いますならば、国会に直接制服を呼んで答弁に立たせることは、プラスの面もあるかもしれません、より具体的にわかって。しかし、またマイナスの面もあるかもしれません。これはわかりませんけれども、今の段階では、従来の考え方で処していっていいのではないかと思って、政府委員として任命せず、説明員として求めずに今日まで来ているわけでございまして、私はそのような考え方で対処していきたいというふうに思っているところでございます。
○岡田委員 制服の方を国会に呼んで直接お話を聞くということは、制服の方を国会が直接コントロールすることと同義ではありません。制服の方を呼んで直接話を聞くことでよりよく理解が進んで、そしてシビリアンコントロールにそれが資するのではないかということを私は申し上げているわけでございます。 いずれにしても、長官は非常に消極的なんですが、恐らく総理の御発言と少し違うように私は思うのですね。そこのところは、なお予算委員会その他で、総理の御発言とも照らし合わせて、よくお伺いしたいと思います。 確かに、従来の国会のあり方に問題があった。冷戦時代の国会はイデオロギー対立てありますから、そもそも自衛隊というものを認めないという、そこから議論が始まっていたわけでありますし、認めたとしても揚げ足取りの質疑が横行していたという部分は、過去においては否めなかったと思います。 そういう中で制服の方を出すのはいかがなものか、こういう判断を当時の政府がされたのはそれなりに合理性があったと思いますが、時代も変わりまして、もうそういう時代じゃなくなった。そういう中にあって、依然としてそういう形で制服の方を呼ばないというのは、実は意図はほかにあるのじゃないか、私はそういうふうに思わざるを得ないわけでございます。 いろいろ聞いておりますと、例えば国会で厳しい質問に制服の方がうまく対応できないということになると、それが自衛隊の隊員の士気にかかわるとか、あるいは現実を踏まえて率直に答弁をしてしまうと、今までの内部部局の答弁と食い違いが出るとか、そういう発言も漏れ聞こえてくるわけでありますが、長官は、今私が言った二つの発言についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○久間国務大臣 確かに、制服の世界はイエス・オア・ノーで、非常に態度を明快にするというのが制服の世界でございます。しかしながら、政治の世界の場合には、対外的な配慮その他があって、なかなか答えられないケースというのはございます。 そういう意味では、日ごろからイエス・オア・ノーの世界で育ってきた人にしてみれば大変厳しい場所に立たされることにもなりかねないわけてございまして、今委員が言われたように、もし政府答弁することになったら、非常に苦労されるだろうな、苦しいだろうなという感じはいたします。 そういうような面が、特に国防等の問題については必ずしも明快にできない分野があるわけでございまして、先ほど浜田委員が情報の管理のあり方についても言われましたけれども、こういう管理等についても、それは知っているというふうに言った場合には、また問題になる。知らないと言ったならば、やっていないと言えば、また問題になる。そういう問題である場合があるわけでございまして、そこの辺は御理解を賜りたいと思うわけでございます。 私はよく例として挙げるわけですけれども、駐在所に変な男が来た、そのときに、あなたのピストルには弾が入っているのかと言われたときに、その駐在所のお巡りさんは、入っていると言えば相手は何もせぬかもしれぬ、そのかわり、その銃を今度はねらってくるかもしれぬ、だから、入っているような入っていないような、どちらも答弁に困ってしまうというような、そういうケースをよく言うことがございますけれども、国の安全の問題についてはそういう分野がないとは言えないわけでございます。 そういうときに、先ほど言ったようなイエス・オア・ノーの世界で育ってきた人を、とにかくそういう席に持ってくるというのは、本人にとっては非常に苦しいだろうなというふうに思わぬでもございません。
○岡田委員 今の大臣の御発言は、国会では言えないことがいっぱいあって、それは、背広の方はうまく言い抜けるけれども、制服の方はイエス・ノーがはっきりしていてなかなか難しいからそれはだめなんだというふうに聞こえて、私は、今の発言は、国会に対してかなり問題発言だと思いますよ。 同時に、制服の方に対しても、これは秘密ですから言えませんということは当然認められてしかるべきだと私は思うのです。しかし、今おっしゃったように、イエス・ノーの世界で生きてきたからうまく答弁できないというのは、私は、制服の方に対しても随分な言い方じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 私は、うまく答弁できないなんて言ったわけじゃございませんで、イエス・ノーの世界で生きてきた人は、そういうような場に立ったときに大変つらい思いをされるだろうなということを言ったわけでございます。その人の立場に立って考えたときに、そういうつらい立場に立つことになるのじゃないかということを申し上げたわけでございまして、この辺もよく御理解賜りたいと思うわけでございます。
○岡田委員 前の杉山統幕議長が、退任のときの会見で、制服の知見を承知した上でコントロールするのがシビリアンコントロールだ、あちこちで専門的な知見を活用していただければありがたいというような趣旨のことを、これは平成九年、昨年ですが、述べておられるのですね。なかなか現役のときは言えない、やめるときに皆さんおっしゃるのですが、私は、ここに制服の方の気持ちというのが出ているのじゃないかというふうに思います。 いずれにしましても、これだけの実態のあるものについて国会で直接お伺いできないというのは極めて異常なことだ、私はそういうふうに思います。したがって、この点について、さらにこれからも議論していきたいと思いますが、それでは、少し細かい議論をしたいと思います。 防衛庁の方で、三月三十一日に、私の質問に対して書類で御答弁をいただきました。その中で言っておられることは、簡単に言いますと、国会というのは基本的に政策的な問題を議論する場である、そして、政策的な問題については内局が権限を持っている、だから、内局の局長さんや官房長さんが答弁するのだ、こういうロジックだというふうに思うわけですけれども、国会というのは政策的な観点のみを議論する場なんでしょうか。
○久間国務大臣 それは、必ずしもそうじゃございませんけれども、国会で議論されるのは、例えば事実関係のいろいろな認定、そういうこともあろうかと思います。しかし、それも何らかの政策につながっていくための事実追及じゃないかというふうに思うわけで、多分、そういう角度から政策的判断についての質疑の一環だというふうなとらえ方をして回答をしたのだと思います。
○岡田委員 すべて政策にかかわるからとおっしゃいますが、基本的に、長官が全部御答弁されればそれで済むわけですが、そのもとで政府委員なり説明員が答弁するときに、それは所掌というものを踏まえて御答弁されるということだと思うのです。所掌のないことは答弁できないわけであります。例えば銀行局長が証券のことについて答弁したら、それはおかしいわけですね。したがって、所掌というものは大事だということになると思います。 そこで、この防衛庁設置法の問題になるわけですけれども、例えば統幕会議の所掌事務というのは二十六条に列挙されております。そういう列挙事項について、「統合幕僚会議は、次の事項について長官を補佐する。」というふうに出ております。一方で、十条に内部部局の所掌事務ということで、「内部部局の所掌事務は、次のとおりとする。」というふうに書いてありますね。所掌事務として内部部局のように具体的に書いてある場合と補佐するという書き方がしてある場合が設置法の中にもあると思うのですが、ここで言う補佐するということの法律的意味はどういうことなんでしょうか。これは事務方で結構ですから、お答えいただきたいと思います。
○大越政府委員 お答え申し上げます。 防衛庁設置法の第十六条と二十六条で補佐という言葉が用いられておりますが、いずれも、これは防衛庁長官の職務を助けるという意味だというふうに解釈しております。
○岡田委員 助けるというのは、補佐という言葉を言いかえただけなんですが、法律的にはどういう意味があるのかということを私はお聞きしております。
○大越政府委員 防衛庁長官がいろいろな意思決定をされるときに意見具申をするあるいはいろいろな意見を申し上げる、そういった面で長官を助けるという意味だというふうに解釈しております。
○岡田委員 法制局、来ておられると思いますが、内閣法制局も同じ見解ですか。
○宮崎政府委員 各省設置法に補佐するという言葉は多々ございますわけでありまして、法律論といたしましても、補佐するというのは、その補佐される者の誤りなからしめるためにこれを助けるということ以上に特段の意味があるとは存じておりません。
○岡田委員 それで、この十条と二十六条の関係なんですが、設置法の十条は内部部局の所掌事務が書いてありますね。その中に、例えば防衛及び警備に関する基本及び調整に関することというのが一号で出てまいります。二十六条は統幕会議の所掌事務、「統合幕僚会議は、次の事項について長官を補佐する。」と各号に掲げてありまして、例えば統合防衛計画の作成というのは二十六条に書いてあるわけですが、統合防衛計画の作成そのものについては、基本的にこれは長官がつくる、それを統幕会議が助ける、こういうふうに読めるわけですが、そのことと、基本に関することは内部部局にあるという十条とはどういう関係にあるのでしょうか。
○大越政府委員 お答えいたします。 二十六条で統合幕僚会議は統合防衛計画を作成をするという任務がこざいます。これは軍事的な見地からそういう案をつくるわけでございます。内部部局は、十条に基づきまして、防衛、警備の基本について所掌しております、また行動の基本についても所掌してございます。 したがいまして、設置法の十六条におきましては、官房長、局長はその所掌事務に関しまして長官を補佐するのだ、その補佐の中に、統幕会議の所掌する事務について長官の行う指示または承認について補佐をするということでございますので、統幕会議がつくりました防衛計画の作成につきましても、防衛、警備の基本あるいは行動の基本という観点から、長官がこれを承認する場合に、長官を補佐をして、その内容について関与をするということになります。
○岡田委員 二十六条で、例えば統合防衛計画を作成するというのは、単に原案をつくるという意味なのですか、それとも別の意味なのですか。原案をつくるというのは、これは単なる事実行為であって、法律的な意味はありませんよね。そういうことをこの二十六条は書いているのでしょうか。
○大越政府委員 これは一番最初から手順を追って申し上げますと、統合防衛計画を作成する場合には、防衛庁長官の方からどういう方針でこれをつくりなさいという指示を与えます。長官がこの指示を与える場合には、この第十六条の第三号に基づきまして、統合幕僚会議に対しまして長官の行う指示について内部部局の局長等はこれを補佐をするということでございますので、その指示について内局の方が起案をして、長官の決裁を受けて、長官から指示をするということでございます。その指示を受けまして、統合幕僚会議の方は統合防衛計画を作成をします。 これは軍事専門的な観点から作成をいたしまして、それが長官の承認を得る過程におきまして、この第十条に基づいて内部部局が有しております防衛警備の基本でありますとか行動の基本といった所掌事務の観点から、これについてそのまま長官が承認するのが適切かどうかということについて長官を補佐をするということでございます。
○岡田委員 それは事実上そういう運用をしておられるというお話だと思うのですが、今おっしゃった十六条の三号で、統幕会議の所掌する事項について長官の行う指示または承認に対して官房長及び局長は長官を補佐するというのは法律上書いてあることであって、事実上の決裁の流れを今御説明されたと思いますが、その決裁の流れがそれに沿ったものかどうかということだと思うのですね。 私は、基本的なところとして、基本は内部部局の所掌でありますから、そこの部分についていろいろ長官の承認に当たって内部部局が物を言われるのはこの法律上もあり得ることだと思いますが、この基本以外の部分については内部部局は権限がないというふうに考えるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○大越政府委員 内部部局は、この十条の規定に基づきまして、防衛、警備あるいは行動、その他の基本について所掌しておるわけでございますが、こういった基本的な事項について判断をする場合には、当然いろいろな軍事的なあるいは技術的な専門事項についても承知をした上でもっていろいろな判断をするわけでございますので、そういったいろいろな技術的な、専門的な事実についても掌握をしているということだと思います。
○岡田委員 今の話だと、二十六条の「長官を補佐する。」というのは、何を補佐するのかなというふうに思うわけでございます。 今の一連の防衛庁の解釈について、法制局、法律の解釈としてそういうことで正しいというふうにお考えでしょうか。
○宮崎政府委員 防衛庁設置法の解釈、運用につきましては、やはり詳細は防衛庁の御担当の方からお答えいただくべきことだとは思いますけれども、第十条で、内容的に、防衛及び警備の基本に関すること、あるいは自衛隊の行動とか組織などに関することというのは内部部局の所掌事務というふうになっておるということでございますので、その基本に関することというものに関しては、今防衛庁の方から御答弁のありましたように、軍事技術的なこと等も含めまして内部部局の所掌であるということについては、それは相当な解釈であろうというふうに存じます。
○岡田委員 結局、基本という言葉のもとで、すべて内局のチェックがないと動かないような仕組みに現実の運用はなっている、そういうふうに私は考えるわけでございます。そのことは、結局、二十六条で統幕会議の所掌事務を定めた意味を空洞化させている、私はこういうふうに思いますが、長官、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 防衛庁長官は、防衛庁といいますか、自衛隊も含めてですけれども、全体を統括するということになっているわけですね。そして、現実には、例えば先ほど言われました統合防衛計画にしましても、防衛庁長官として指示をして、そして統幕会議がつくって、そしてそれを承認する、そういう形で動いているわけですね。 そして、今言われたのは、二十六条では指示を得て作成するというふうになっていないじゃないか、そういうお考えだと思うのですけれども、その前提として、自衛隊は自衛隊法第八条で防衛庁長官が統括するという規定になっておりますから、それを受けてやっておりますので、要するに、先ほどのシビリアンコントロールと同じでございまして、防衛庁長官の指示なくしては自衛隊は勝手には動かないという仕組みになっておりますから、その隊法八条を受けてその中での二十六条だ、そういうふうに理解していただければいいのではないかと思うのです。 そして、それを受けてやるときに、指示または承認の場合には内局がそれに対して補佐するといりことになっておりますから、内局は防衛庁長官を補佐しなければならない立場でございますから、指示あるいは承認については、その中身について関与するということでございます。しかし、あくまでそれは補助でありまして、補佐するわけでございまして、防衛庁長官が指示または承認をする、そういう形になるわけでございます。
○岡田委員 今の長官の御答弁でちょっと違うと思うのは、内局は補佐をするのではございません。内局の所掌事務というのは具体的に書いてありまして、補佐をするのは参事官であります。参事官が補佐できるのは基本方針の策定でありまして、私は、具体的な計画をつくるというのは基本方針の策定ではない、そういうふうに思うわけであります。 私が申し上げておりますのは、基本的に、基本的な事項、基本及び調整に関することを内局が所掌事務として持っているということをもって、統幕会議その他の狭義の意味の自衛隊の皆さんがやったことについて細かくすべてにわたってくちばしを入れるような実態になっているのじゃないか、そのことが果たして本当の意味でのシビリアンコントロールという観点からも妥当なことなのかどうか、そういう問題意識で申し上げているわけでございます。
○久間国務大臣 いや、十六条では、「官房長及び局長は、その所掌事務に関し、次の事項について長官を補佐するものとする。」として、その中の三号で「統合幕僚会議の所掌する事項について長官の行う指示又は承認」とありますから、先ほど言いましたように、隊法八条に基づいて統括する防衛庁長官が指示または承認することについては、官房長あるいは局長、これは参事官でございますけれども、これが補佐していいのじゃないかというふうに思うのです。
○岡田委員 そこの補佐するということの意味の中で、もとの権限として、基本、調整に関することということが根拠になっていると思いますが、基本的に、非常に細かくすべてにわたってチェックをされている、そのことが二十六条で統幕会議の所掌事務を独自につくったことの意味を失わせているのではないか、こういうことでございます。私の基本的問題意識は、具体的な作成、運用に関することも含めて、あらゆることについて内局がそれに対して口を出すというやり方が、本当にいざ有事のときに動くんだろうかということであります。 現実に、一番大事なときに動かないような仕組みを平時のときにいろいろやってみても全く意味がありません。それなら、ここまでは内局で確実にきちんとやります、それから先はむしろ狭い意味での自衛隊に任せますということを法律できちんともう一回書き直して、そしてそういう運用をしていくべきじゃないか、そういう問題意識できょうは申し上げたわけでございます。 時間も参りましたのできょうはこの辺にさせていただいて、また次回引き続いてこの議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 終わります。
○塩田委員長 石井紘基君。
○石井(紘)委員 最初に、統幕会議の問題から入らせていただきます。 現行においては、統幕会議の指揮命令権限というのは防衛出動、治安出動の際のみに認められているわけでありますが、この法案によりますとその他の場合というところに拡大されていく。その他の場合というのは、大規模災害とかPKO活動あるいは国際救援活動ということのようですが、そのほかにもあるのですか。その他の場合というのはこの三つだけですか。
○太田(洋)政府委員 今回の改正案を審議する過程でいろいろの議論を行いましたけれども、現在の時点で考えておりますのは、お話がございました災害派遣、地震防災派遣、国際平和協力業務、それから国際緊急援助活動、こういうものがございますが、そのほか、百条の八に基づきます在外邦人等の輸送に関する事態、海上における警備行動の事態、それから領空侵犯に対する措置。 これはそれぞれ、現在では、在外邦人の輸送につきましては、航空自衛隊の輸送機が中心的に考えられております。それから、海上における警備行動につきましては、主として海上自衛隊が対応するというようなことが今までの例でございますし、実際にそういうことを考えておりました。それから、領空侵犯措置につきましては、御案内のとおり、航空自衛隊の要撃機によりましてスクランブルをするというようなことがございました。 こういうことにつきまして、それぞれの中で一つの自衛隊が対応するのではなくて、二つの自衛隊もしくは三つの自衛隊にまたがる場合があり得るであろうというようなことで、そういう行動を実施する場合に効果的に、効率的にやるというような観点から、こういうものも含めていったらどうかということを考えております。 これらの、今例に挙げました後半三つの事態につきましても、それが同時に起こるということも考えられますので、こういうものを部隊等が効果的かつ効率的に任務を遂行するということを念頭に置きまして、このことを考えております。
○石井(紘)委員 この統幕会議がそうした際に新たに作成、調整することになる統合警備計画というのは具体的にはどんなようなものになるんでしょうか。
○太田(洋)政府委員 自衛隊の行動には、主たる任務の中で申し上げますと、日本有事の場合の防衛出動がございます。そのほかに、今先生の御質問の中に出てきました警備に関する行動もございます。 この警備に関する行動と申しますのは、自衛隊の所掌事務の一つの柱でございます公共の秩序の維持に当たるということに関するものでございまして、今回の統合警備計画ということにつきましては、大規模災害等への対処、そのほか自衛隊が公共の秩序の維持に当たるための行動に対する自衛隊の対処構想、それらをやる場合における関係機関との協力に関する事項、それから各自衛隊の任務及び協同に関する事項、こういうものをこの統合警備計画の中で策定していくということになります。
○石井(紘)委員 PKOで統幕会議が機能するという場合、PKOに適用される場合、統幕はどういう形で具体的に役割を果たすということになるんでしょうか。
○太田(洋)政府委員 御案内のとおり、国際平和協力業務につきまして、二つ以上の自衛隊が実施するに際しまして、陸海空自衛隊が有機的にそれぞれの持っております能力や知見を結合して、効果的に統合して運用するということが不可欠な場合がございましたときには、今回の法律改正によりまして、実際に統幕がそういうものに関与してくることができるようになるというようなことでございます。 なお、申し上げますと、PKOの実際の実施計画等は、総理府にいわゆる国際平和維持活動に関する事務局がございますので、そこで作成されますけれども、それに直接関与するということはありませんけれども、その事務局が、関係省庁、我が方で申しますと防衛庁、自衛隊に対して今回こういうことでどうかということで調整がございますので、その中で統合幕僚会議の意見等が反映されるというようなことになると思います。
○石井(紘)委員 そうすると、PKO支援活動に関しては、今の総理府の国際平和協力本部というものが従来どおり実施計画をつくる、そこから統幕に何か要請が来るというんですか、あるいはその実施計画をつくる段階では統幕は何らの関係を持たないんですか。
○太田(洋)政府委員 実際の実施計画の例で一般的に申し上げますと、実施計画で自衛隊がまず出る、どういう任務ないし業務をやるというようなことの調整がまずPKO事務局の方から参ります。そのときには、まず内局の方に参りまして、そこで各自衛隊に私どもは相談いたします。その上で、最終的には大臣の御判断を仰ぎました上で、PKO事務局の御提案に対しまして、こうこうこういうことをやりたいというふうなことを答えることになります。 その間、各自衛隊それから二以上の自衛隊にわたります場合で、これは統合的に運用した方がいいというふうに長官が判断されますれば、そのことについてこういうふうにやった方がいいよというようなことで統幕事務局が意見を具申しますので、その点についてそこで統幕事務局の意見が反映されることになるというのが実情でございます。
○石井(紘)委員 そうすると、この平和協力本部の方から何か言ってくる、それに対して統幕会議が、例えば二以上の自衛隊が統合して当たらなければならない事柄については統幕会議がそこで機能する、こういうことになるということですね。 そのことを後でもう少し具体的に聞きたいと思うのですが、その前に、そうしますと、PKO活動において現地での指揮権とか指揮形態とか、そういったものはどうなりますか。
○太田(洋)政府委員 これは、例えば現在ゴラン高原で我が方の自衛隊が平和協力業務を、輸送業務等をやるということで出ておりますけれども、そこでは、行きます場合に、先ほど言いましたような調整手続を経まして自衛隊が実際に出るということになりますと、行きます部隊が編成されまして、当然のことながらそこで隊長さんが任命されます。そこの隊長さんがその業務について指揮を行うということになります。
○石井(紘)委員 そうすると、この統幕の機能というのは、一つは、PKO支援活動というのを通して、平時においてどうなんでしょうか。例えばガイドラインの中にある周辺事態における米軍への後方支援活動、あるいは運用面における日米協力、こういったことも含めて統幕の機能というものは果たし得るといいますか、そういったことはできないということにはなりませんね。
○久間国務大臣 これから先、今委員がおっしゃいましたような分野も含めまして、平時における部隊の運用のときに、陸と海とか、あるいは海と空とか、二つ以上の部隊を統合的に運用した方が効果的であると判断された場合には、これは統合運用ということになるわけでございまして、それは統幕会議の所掌に入るわけでございます。
○石井(紘)委員 今大臣が言われたのは、例えば米軍への後方支援活動において、物資の輸送だとか、あるいは調達、衛生、警戒監視、機雷の除去、いわゆる臨検、そういったような活動についても、統幕会議がこういう中で機能をしないんだということは言えないということですね。
○久間国務大臣 機能しないわけじゃございません。 今挙げられましたような例というよりも、例えば、今考えております邦人の救出、これは現在までは百条の八で航空自衛隊が飛行機の運用でやっておりますけれども、船を出すようなケースもあるのではないかと今いろいろ検討しているわけでございます。そういうときに、これは両方の部隊が行く可能性もございます。 そういうときに、統幕会議の方がそういうものについて全体的な統合運用を図っていくというようなケースも出てくるのではないか。だから、これから先、いろいろな事態を見ながら統幕会議がそういう所掌をやっていくということになろうかと思います。
○石井(紘)委員 そこまで大臣言われたら、そうすると、周辺事態における後方地域支援の活動においても、統幕会議はやはり機能をする範囲内にあるということでよろしゅうございますか。
○久間国務大臣 現在法律を提案しておりますのは、ガイドラインの問題じゃなくて、これまで統幕会議が二つの部隊を災害等において、例えば阪神・淡路のときもそうでございましたけれども、最寄りの部隊両方が出ていったというケースがございます。しかしながら、後から結果として見ましたならば、この場合はこちらの部隊が出た方が近くにおってよかったとか、そういうこともございました。そういうことから、統幕会議がもう少し二つの部隊の調整等をちゃんとやっていった方がいいのじゃないかということから、こういう案になったわけでございます。 しかし、たまたま今ガイドラインの話等も別途あるものですから、そのガイドラインを当てにしてこれをつくったのではないかというふうに言われますので大変困るわけでございます。そういう趣旨ではなかったわけでございますけれども、そうなったときに、ガイドラインにあるいろいろな項目については排除をしないのかと言われますと、それは排除する意味ではないということを申し上げたわけでございます。
○石井(紘)委員 これは言い方の違いの問題でありまして、大臣がおっしゃっていることは、ガイドラインにおいてもこの統幕会議は機能するということでございますね。わかりました。 そうなりますと、この統幕会議の機能強化ということは、経緯はどうあれ、日米の防衛協力ガイドラインの問題とかかわりが出てくるわけでありますね。ということは、そうだとすれば、これはガイドラインの議論とは別の議論だという言い方をされますけれども、そういう理解がしにくいおっしゃり方ではなしに、そこは率直に、ガイドラインともこれは当然関連してくる、結果的にであれ何であれ関連してくるということをもう一度明確におっしゃっていただければと思います。
○久間国務大臣 ガイドラインについては、御承知のとおり、今その実効性を確保するために法律はどういうような法律が必要か、今の自衛隊法ではどういうことができないか、そういうことを整理しているわけでございます。 先ほど言った、船を出すという場合でも法律を改正しなければできない話でございますから、そういう改正になったことを想定してこれをやっているわけではございません。現在この法律があるときに、現行の法律の中でやることを望ましい姿として出しているわけでございます。 ガイドラインは、もし将来、例えばこの委員会等あるいは両院でそういう法律が成ったときにはそれを排除するものかと言われますと、それは、そういうことではないということを言っているわけでございます。それは院の意思に基づいて法律改正その他がなされて、それでやったときに統幕がそこまで機能しないのかというと、それは、そういうことは機能します。 しかしながら、現在この法律ができたからといって、例えば外国に邦人救出のために両部隊が出ていくということはない、現在は百条の八しかないわけでございますから。そういうふうに理解していただければいいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 基本的に今大臣から御答弁したところでございますが、事実関係として一点だけ補足させていただきます。 私どもの中期防におきましても、例えば「各自衛隊の統合的かつ有機的な運用に特に配意するとの観点から、統合幕僚会議の機能の充実等について検討の上、必要な措置を講ずる。」ということで、ガイドラインを前提とせずに、そもそもの議論といたしまして、統幕会議の機能を充実するということを閣議決定のこの中期防の中でも記載しているところでございます。
○石井(紘)委員 この法案は昨年の九月に表に出てきたもので、やはりこれはガイドラインと時期的にも呼応しているわけでありますし、また、従来、治安出動と防衛出動だけに限られていた統幕の機能を、平時における協力あるいは周辺事態に適用できる、そうした内容にしているわけでありますから、何と言われても、これは一連のそうしたガイドラインの指し示す方向性の中にあるということであろうと思いますので、これは殊さら目くじら立ててそのあたりをいろいろとややこしく言われなくてもいいのではないかなと思います。 そうすると、この統幕会議の機能というのは、私はこれは悪いと言っているわけではないのですが、明らかに強化されてくる。これに対して、先ほど来シビリアンコントロールの議論がございましたけれども、シビリアンコントロールという面からいきますと、これは何ら変更がなくてもよろしいということでございますか。それとも何かお考えがございますか。
○久間国務大臣 それは別にないと思います。 統幕会議といえども防衛庁長官を補佐するわけでございまして、シビリアンコントロールは、先ほどもありましたように、きちんと防衛庁長官の指示または承認に基づいていろいろなことをやっていくわけでございますから、シビリアンコントールはちゃんと守られておるといいますか、確保されておる、そういうふうに思います。
○石井(紘)委員 それはそれで結構でございます。 そうすると、統幕会議はガイドラインのこの包括的メカニズムの中における防衛小委員会とかあるいは共同計画検討委員会というようなものとはどういうかかわりになっていくわけでしょうか。
○太田(洋)政府委員 まず、一般的に申し上げますと、指針のもとで日米の共同作業を実施するために包括的メカニズムというものが構成されております。 この中で、統合幕僚会議の事務局から防衛協力小委員会に必要な者が参加しておりますし、また、現在始まりました日米間の自衛隊と米側の軍との間の共同作業組織でございます共同計画検討委員会というものがございますけれども、この日本側の委員長といたしまして、統幕事務局長が出席しているところでございます。 これを若干具体的に申し上げますと、御存じのとおり、指針のもとでは、日本有事の場合の共同作戦計画についての検討、それから周辺事態におきます日米間の相互協力計画についての検討を行うことが定められておりまして、それに基づきまして包括的メカニズムのもとに設けられました、先ほど申し上げました共同計画検討委員会でこれらの計画についての検討の実施を現在始めたところでございます。 なお、つけ加えますと、この二つの計画の検討以外に、共通の基準だとか実施要領等についての検討もこの検討委員会におきまして検討が実施されるということになってございます。
○石井(紘)委員 ちょっと前のPKOとの関連に戻りますが、PKOにおいてこの統幕会議が運用されて統合警備計画というものが策定されるということになりますと、具体的にどういう計画になりますか、統合警備計画というのは。
○太田(洋)政府委員 統合警備計画についての内容は、先ほど申し上げましたように、大規模災害だとかその他公共の秩序……(石井(紘)委員「PKO」と呼ぶ)PKOにつきましては、現在この計画ではどういうものを盛り込むかということは、これから計画をつくるわけでございまして、これは、PKOについて含むとか含まないとか、そういうことについてはまだ決めておりません。
○石井(紘)委員 では、もう少し具体的に言いますと、例えばPKOの支援活動において、後方の輸送だとかその他の支援活動がありますが、こういったものは従来は平和協力本部の実施計画でやってきたわけですね。統合警備計画は、この中のどういう部分を警備計画として策定することになるのですか。
○太田(洋)政府委員 私、今お答えしましたことで若干補足させていただきます。 個々の統合警備計画と申しますのは、先ほどのお答えでも申し上げましたように、災害派遣や地震防災派遣等、自衛隊法三条に規定する「必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」という所掌の範囲内で行うこととされておりまして、一般的に申しまして、国際平和協力業務、今お尋ねのいわゆるPKO業務についてはそういう意味での警備に関する事態ということには該当しないために、この計画はこれからつくるわけでございますけれども、現在のところ、その統合警備計画の対象とはならないというふうに考えておりますので、ちょっと補足させていただきます。
○石井(紘)委員 それではおかしいじゃないですか。 統合幕僚会議の機能としてPKO活動というものを挙げているわけでしょう。それで、統幕を運用するということになれば、具体的な統合警備計画ということは当然出てくるわけでしょう、これは一つの自衛隊だけというケースを除いては。そうしたら、これを想定していないということになると、どういうことですか、これは。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。繰り返しになるかもしれませんけれども、もう一度御説明申し上げます。 現在、統合幕僚会議の所掌事務として、二十六条の二号に「統合警備計画の作成及び幕僚監部の作成する警備計画の調整に関すること。」こういうものを一項加える。それとまた別に、五号に「出動時その他統合運用が必要な場合として長官が定める場合における自衛隊に対する指揮命令の基本及び統合調整に関すること。」これが統合幕僚会議の所掌事務に加わるということでございます。 PKO業務について、統合幕僚会議が、長官の御判断に基づきまして、統合幕僚会議もそれについて関与しなさいというようなことがございました場合には、この五号に基づいてやることでございまして、直接には統合警備計画とは関係ございません。
○石井(紘)委員 どうも何かPKO活動というのは、ここに紛れ込ませたような感じがするのです。統幕機能を、さっきのガイドラインとの関連等があって、このPKO活動という点での統幕会議の運用ということは実際にはなかなか想定しにくいけれども、あるいは従来のシステムの中で入りにくいけれども、何か殊さらに入れたような感じがするのですが、これはやはりガイドラインを意識しているんじゃないですかね。
○久間国務大臣 いや、決してそういうことではございません。 この所掌事務の中で、この二号と五号と二つ変えているわけですね。そして、二号の方は統合警備計画、これはどちらかというと大規模災害等の方を頭に置いていますけれども。この五号の方は、必要な場合、長官が定める場合に統合調整に関することというものがございますけれども、PKOの場合は、どちらかというと五号の方になるのじゃないか。 だから、どちらも、二部隊以上が出る場合には統幕会議がそれを所掌して、いろいろなことがやれるようにした方がいいじゃないかということでやったわけでございますが、そのときに、PKO、大規模災害その他あるわけでございますけれども、そういうようなことが考えられて、それで二号と五号という形でそれぞれに関係してくるのじゃないか、そういうふうに理解していただければいいと思います。
○石井(紘)委員 それは、当然、輸送があったり救出があったりということになると、PKOでも二以上の自衛隊が派遣されるということはあるわけですから、そういう際に、統幕が機能しない、ただ出発前に何か打ち合わせする程度のことでは統幕の機能とは言えないわけでありまして、現地の指揮あるいは実施計画の中で統幕がどういう役割を果たすのかというところまでいかなければ統幕の機能ということは言えないのじゃないかと思うのですね。ちょっとその辺は問題点があるのじゃないかと思いますので、提起をしておきたいと思います。 ついでに、ちょっとガイドラインの問題が出ましたので、外務省に来ていただいているのでお伺いします。 周辺事態の定義について、これはしつこいようですけれども、答弁の方が先に進まないものですから何度も聞かなきゃならないわけですが、事態の性格に着目する云々ということで一貫しているのですが、本会議でも私申し上げたのですが、事態の性格という言い方をするのであれば、今度は事態の性格ということを聞かなきゃならぬことになってくるわけですね。性格というのはどういうことでございますかね。
○高野政府委員 従来から御説明しているところでございますが、周辺事態ということは、周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合をいうということで、これはガイドラインそのものに書いているわけでございます。ガイドラインにもございますが、この周辺事態そのものの概念は、これは地理的概念ではなくて事態の性質によるというふうにも書いてございます。 それで、その性質ということでございますけれども、特定の事態がこれに該当するか否か、事態の態様、規模等を総合的に勘案して、ある特定の事態が軍事的な観点を初めとする種々の観点から見て我が国の平和と安全に重要な影響を与えるか否かを判断し決定するということでございます。したがいまして、事前にいろいろな意味での客観的な基準をあらかじめ定めていくことは、そういう性格上難しいということを申し上げてきているわけでございます。
○石井(紘)委員 事態の態様とか規模とかいろいろな、いろいろな意味と言われましたかね、まさにそのことを聞いているわけでございまして、その中に地理的概念というものは入るのか入らないかということですね。
○高野政府委員 周辺事態という言葉は、先ほど申し上げましたとおりでございます。地理的な概念ではないということでございます。 したがって、地理的に一定の範囲をあらかじめ画するということは困難だということでございます。
○石井(紘)委員 私は、周辺事態ということを聞いたのじゃなくて、性質ということを今聞いているわけです。 先ほど、性質ということについて、これは態様だとか規模だとか軍事的云々とか、いろいろな意味を総合的に勘案して判断すると言われましたけれども、性質ということを私が聞いたのに対する答弁でそういうふうに言われたのですから、性質について今言われたいろいろな要素の中に地域という要素は入らないのですかと言っているのです。
○高野政府委員 繰り返してございますが、日本の平和と安全に重要な影響を与えるか否かという観点から総合的に考えるということでございまして、地域ということ自体で何らかの基準を設けるということではないということでございます。
○石井(紘)委員 地域ということで何らかの判断をするのじゃないとおっしゃいましたけれども、私の聞いているのは、いろいろな判断をする材料の中の一つとして地域あるいは地理的な要素というものがあるのですか、ないのですか、こう聞いているわけであります。
○高野政府委員 あるいは、私、御質問の理解が足りないのかもしれませんが、質問を例えば一定の地域の範囲内で起きた事態であればすべて周辺事態になるかと言いかえさせていただきますと、そういうことであれば、そういうことではない。つまり、ある一定の地域の範囲であれば、それが直ちに周辺事態になるというものではないということは申し上げられるかと思います。
○石井(紘)委員 こういう問答を何問答というのか知りませんが、私は地域のことだけ言っているのじゃないのですね。高野局長は地域のことばかり気がかりになっているようで、そのことばかりにとらわれておりますけれども。 性格というものを決める場合、例えば私の性格というような場合、例えば何色が好きだとか、あるいはどういう食べ物が好きだとか、いろいろな要素がありますよね、そういう中で、今、周辺事態というものを規定する場合に事態の性格に着目して規定するのだと言われますので、その性格という言葉の中にどういう要素があるのか、性格を言う場合に。この紛争あるいはこの事態の性格はこういうものです、これは周辺事態です、こういうふうに言う場合に、どういう材料、物差しを基準にしてそう言うのか。 だから、その性格というのは、もうこれだけ言っているのだから、言っている意味はわかっているのだろうけれども。そこのところは、私もしつこいですから、もう昼の時間で、昼飯が食べられなくなりますから、ちゃんと率直に答えたらいかがでしょうかね。 性格を構成する要素の中に、地理的な概念あるいは地域というものは入るでしようと言っているのです。それだけだとは言っていないのですけれども。
○高野政府委員 先ほどの繰り返してございますが、その事態の規模、態様等を総合的に判断して決定されるということでございます。 そもそも周辺事態というものは、日本の安全保障にとって、正確に言えば、日本の平和と安全に重要な影響を与えるかという観点からすべて判断されることでございます。当然、これは日本の安全保障にとってどういう意味合いを持つかとか、日本がこの国際情勢、自分の周りの国際情勢をどう判断するかとか、そういうことにかかわるわけでございますね。そうしますと、これはそういう判断でございますから、特定の限られた要素、これとこれとこれとこれということをあらかじめ限定して考えて、それだけで物が決まるかということは物事の性格上なかなか難しい。つまり、そういう国際情勢全体をどう見るかということにかかわる問題だと思います。 この周辺事態について申し上げればそういうことでございますので、日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうかという基準で、これは規模とか態様等にかかわる総合的な判断だということで申し上げているわけでございますけれども、ぜひ御理解いただきたいということでございます。
○石井(紘)委員 御理解いただきたいと言うけれども、どうやってこれは理解するのですか。 国際情勢全体をどうやって判断するかという問題だ、あるいは日本の平和と安全に重要な影響を与えるか与えないかということの判断の問題だ、それで、それはどういう材料によって判断するのだという基準というものは全くないと。そうすると、高野さん、例えばあなたの安全に重要な影響を与えられるか与えられないかということは何によって判断するかという、その判断材料というものが全く抽象的で、具体的にないということになりますと、これは何が重要であるのかということもわからなくなってしまうわけであります。 そんな答弁ばかりされているのでは、これは暇つぶしみたいな話になってしまいますのでやめたいと思いますが、答弁の仕方も、ただ質問時間だけ何とかやり過ごせばいいというような構えをやめていただきたい。誠意を持ってきちっと真正面から答えていただかなければ困るということを申し上げて、これはまだ続く議論だと思いますので、次に、あと一つ二つ、この法案に関連して申し上げておきたいと思うのです。 一つは旅団の編成、一三師団を旅団にするというのですが、これは装備等々の機能の面では変わらなくて、ただ人数が減るということだけなんですか、一言で言ってしまえば。
○伊藤(康)政府委員 今回、第一三師団を旅団にしていただくように御提案申し上げている次第でございますが、御指摘のように、決して人数だけを減らすというわけではございません。 小ぶりな部隊とすることは事実でございますけれども、例えば高機動車とかあるいは多用途ヘリコプターというような、従来の師団では余り持っていなかったかあるいは持っていても数が少なかったといったものを充実させまして、小ぶりにはなりますけれども機動力を高めて、地域の防衛、警備に関しまして遺漏なきを期したいというふうに考えている次第でございます。
○石井(紘)委員 効率化、コンパクト化といっても一このコンパクト化というのも意味がよくわからないのですけれどもね。コンパクトというのはただ小さくするという意味なのか、あるいは凝縮して、小さくても機動性のある強いものにするのか、そういう点でこれは非常にあいまいな外来語になっておるわけですが、ただコンパクトにするというだけじゃなくて、一定の戦略的な考えというものがなければいかぬだろうと思うのですね。 それはあるのだけれども、防衛上、いろいろな戦略上、そういうことが平場では言えないというようなことじゃないだろうと思うのですね。防衛庁御自身にどうもそういった考えが見受けられないので、この旅団の問題にしても師団の配置等の問題にしても、やはり何らかの国民を納得させられる考えというものをお出しいただいたらいいのじゃないかと思うのですね。それは意見として申し上げておきます。 それから、即応予備自衛官についても一言申し上げますと、これは現下のような景気の悪い経済情勢のもとにありますと、比較的即応予備自衛官も集まりやすい面があると思いますが、しかし、こういう状況でない場合、経済情勢に左右される面が多いのじゃないか。そういう点で、自衛隊の役割あるいは能力という点で、景気に左右されるようなあり方というものは好ましくないだろうと思うのですね。この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○坂野(興)政府委員 お答えいたします。 即応予備自衛官は、平素はおのおのの職業に従事しつつ、訓練につきましては、必要とされる練度を確保するために、年間三十日間の招集訓練に応じることとなっております。 このような即応予備自衛官制度につきまして企業の立場から見てみますと、訓練等への出頭期間中は代替要員を確保する必要がありますし、それができない場合は同僚への仕事のしわ寄せがあったり、あるいは業務が滞ったりということで、企業の顧客に対する十分な対応ができないとか、そういった企業の経営に支障を及ぼすことが考えられるわけでございます。 私どもとしては、こういった事情にかんがみまして、制度を発足させるに当たりまして、即応予備自衛官を雇用する企業に対しましては、即応予備自衛官を雇用することにより伴う企業等のさまざまな負担や御不便に報い、また御協力を得るということによりまして即応予備自衛官の雇用を円滑なものとするために、即応予備自衛官雇用企業給付金を支給することといたしております。 防衛庁としては、こういった給付金のほかにも、今後とも即応予備自衛官につきまして、その果たす役割について広く社会全般の理解と協力を得るために、積極的な広報活動等を行っていきたいというふうに思っておりまして、こういった活動によりまして、企業を初め関係者の理解を得て、即応予備自衛官の果たすべき任務について十分対応できるような制度にしていきたいというふうに思っております。
○石井(紘)委員 情報本部についても一言申し上げますと、今般、統幕会議に二十五人要員をふやしてその情報機能を高めるということで、結構なことだと思いますが、今後の戦略的な観点からいいますと、陸上侵攻型から海空防衛型というような方向に移行していく必要性があるのじゃないかという中で、やはり情報活動の役割についてもそうした考え方の上で対策を進められる必要があるのではないかと思います。 最後に、例えばこの増員した部分をどういった配置にするとか、あるいはどういうことを情報収集能力の強化という点でもって考えておられるのかということをお伺いして、終わりにさせていただきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 先生御指摘のように、私ども、この防衛庁、自衛隊の体制を、合理化、効率化、コンパクト化を図る、その一方におきまして、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上ということが重要であろう、こういうふうに認識しております。また、そういう中で、陸海空の防衛力のあり方につきましても、これもバランスをとりながら進めていく必要があろうかと思います。 また、情報の面につきましては、従来から力を入れてきているところでございますが、これからはさらにその情報機能の充実というのが必要になってこようかと思います。そういう中で、この情報機能の充実ということになりますれば、やはり必要な器材の充実を図る、あるいはその情報を担当いたします職員の専門性といったものを確保しながら有能な職員を確保していく、こういうことが重要だろうと思います。 そういう中で、今回、二十五名につきまして情報本部の増員をさせていただいておるわけでございますが、これは、器材の運用等に必要な要員としてお願いをしているところでございます。 いずれにいたしましても、今後、その情報機能の充実に当たりましては、器材面または人的な側面、こういったものをあわせて充実してまいりたい、かように考えております。
○石井(紘)委員 余り十分な御答弁とは思えませんが、以上でもって終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○塩田委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○塩田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。前原誠司君。
○前原委員 民友連の前原でございます。 まずは、今議題となっております防衛庁設置法の一部改正、そして自衛隊法の一部改正につきまして御質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回の防衛庁設置法あるいは自衛隊法の一部改正の中で一つポイントになりますのが、陸上自衛隊の自衛官の定数を五千百四十一人削減をする、航空自衛隊の自衛官が二十九名、そして統幕会議に所属する自衛官は三十四名、これらは逆に増員をする、こういうことで自衛官の定数そのものを改めるという話であります。また、それに伴いまして即応予備自衛官の員数を二千六人増員して三千三百七十九名にする、こういうことでございます。 定数を変えるということは、防衛大綱、そしてまたそれに伴っての中期防で定められていることであり、それのステップの一つとしてとらえることができるわけでございますが、安保の調査室からいただいた資料の中では、平成八年度における陸上自衛隊の充足率が八四・九二%になっているということでございますが、事務的で結構でございますので、今回の法改正によりまして陸上自衛隊の充足率は何%になるのか、まずちょっとお答えいただけますか。
○伊藤(康)政府委員 ただいま先生御指摘のように、平成十年度におきましては、一三師団の旅団化等を含めまして、陸上自衛隊の所要の改編を行います。それに伴いまして常備自衛官五千百四十一名削減ということになっておりますが、一方では、改編後の一三旅団等の充足はできるだけ一〇〇%にしたいという希望を持っております、そういったことで、本年度の予算上お認めいただいております年平均の充足率は八四%という予定でございます。
○前原委員 済みません。ちょっと私、今のはよくわからなかったのですが。 陸上自衛隊の自衛官の定数は削減するのですね。定数削減をして充足率が今年度上がると思うのですけれども。この法改正によって定数が削減をされて、実際の実員は減らないわけですよね。実員も減るのですか。その後の充足率の話をお聞かせいただきたいと思っておりますが。
○伊藤(康)政府委員 当然、定数五千名余り減になるわけでございますが、これは、平成九年度におきまして充足率がかかっている定数でございますので、丸々この五千百人分が実員として減になるわけでもないわけでございます。さはさりながら、一定の数の実員も減になるということでございまして、それらを差し引きいたしまして八四・〇ということを申し上げました。 なお、ちなみに平成九年度の陸上自衛隊の平均充足率、これは年平均でございますけれども、八三・五五という数字でございます。したがって、わずかでございますが、〇・四五でございますか、アップすることになります。
○前原委員 要は、陸上自衛隊の自衛官の定数削減をしても充足率というのはそれほど上がらないということですね。八四%ぐらいですから、上がらないということでございますね。 この充足率の話をすると、それは防衛庁の皆さん方も、あるいは大臣も含めて当然だと思っておられるでしょうけれども、一〇〇%に近い方がいいのは当たり前でございまして、陸上自衛隊だけ飛び抜けて、ほかの海上自衛隊、航空自衛隊に比べて充足率が低い、こういうことなんですね。 しかも、私は、定数削減によってもっと充足率が上がるのかと思えば、それほど上がらないということでございますが、これに対して充足率を上げるために努力をすべきだろうと思うのです。 というのも、基本的に定数で装備なんかは手当てをするということになるわけであります。もちろん、給料とか糧食費なんかはその人数に応じてやるのでありましょうけれども、部隊の装備というものを考えたときには、いわゆる充足率一〇〇%の状態で装備なんかを調達していくということになりますから、つまり、装備に比べて人の方が足りないという状況になってしまうわけです。 したがって、次に充足率が向上するからという前提で経費減の話を私は伺おうと思ったのでありますが、その話は聞けないということでありますので、違う角度から話をします。 この充足率というのはどういうふうに今防衛庁として考えておられて、この向上のための努力は必要だろう、やはり一〇〇%と八四%ぐらいでしたら、余分に経費はかかってくると私は思うのですね。そこら辺の御認識を、大臣、もしくは参事官でも結構でございますから、お聞かせをいただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 先生御指摘のとおり、定数というものがあるわけでございますので、それにふさわしい、ほぼ一〇〇%に近い人員が充足されているということは当然望ましい姿でございます。 ただ、これは実際の募集状況あるいは財政等々の制約がございまして、従来ずっと陸上自衛隊の場合には、御指摘のとおり、比較的低いところで推移をしてきておるわけでございます。 そこで、今後どうするかということでございますが、新しい大綱のもとで陸上自衛隊はコンパクト化ということを特に今うたっておるわけでございますが、そういう中で順次今改編を進めてまいっているところでございます。平成九年度は第四師団に即応予備を入れる、そして十年度は今お願いしていますように一三師団を旅団化する、そういった改編をしていきます過程におきまして、このときには改編後の部隊はできるだけ一〇〇%充足を目指していきたい。 ですから、そういう意味では、本日ただいまの時点と申しますと、その途中の段階にある。これから相当時間はかかるかもしれませんが、防衛計画の大綱に定めますような新しい編成になった段階におきましては高い充足率でいきたいし、またそれによって部隊の機能も充実させてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○前原委員 今、伊藤参事官の御答弁の中で、充足率が低い要件というのは財政上の理由が一つあるとおっしゃいましたけれども、それはそうなんですか。つまり、本来なら一〇〇%にすべきだけれども財政上の理由があって充足率が一〇〇%になっていない、わざと逆に人員を、充足率を低くしているということなんですか。
○伊藤(康)政府委員 当然、過去におきましていろいろな時代がございまして、そういう中で募集難ということが大きな原因の一つであったことは事実でございます。 ただ、募集の状況がよくなったから直ちに充足率を上げられるかというと、それもまた、先ほど先生御指摘のとおり、当然人件費の増加を招くことでございますので、全体の中での勘案ということも全くは否定できないということでございます。
○前原委員 もちろん実員ベースで給料は発生するのでありましょうけれども、定数を定めたら、それに伴って予算をつけて、そして手当てをするというのが当たり前の姿だと思うのですね。 したがいまして、これは要望にかえさせていただきますが、できる限り一〇〇%に近づく努力をするべきだろうと思うし、もし部隊のあり方なんかを変えることによって将来的に減らすというふうなことが計画としてあるから今この状態なんだということであれば、その部隊改編などを進めることによってできる限り充足率は一〇〇%に近づけるべきだろうというふうに私は思いますし、またそのように御要望をさせていただきたいと思います。 その充足率の問題について、大臣、ちょっとお考えをお聞かせください、これからのことで結構でございますから。
○久間国務大臣 確かに、定足数に一〇〇%ある方が一番望ましいわけでございますけれども、ただ、今平時の場合でございます。こういうときに弓をずっと精いっぱい張っておくかということもございまして、装備その他についてはきちんと一〇〇%なければなりませんけれども、普通の場合は、部隊運用に支障のない範囲で、無理をして人数を合わせるというよりも、いい人材を確保して、幾らかのクッションがあってもいいではないか。 ただ、これが部隊の運用に影響が出てくるようになると困りますので、そういう意味で、部隊運用が一〇〇%になるように詰めていきながら、そして、そこのすき間については即応予備自衛官を充てることによって全体として部隊運用がうまくいくように、そういう計画で今やっておるわけでございます。 そう言いながらも、即応予備自衛官について、いきなり埋まるというわけにはいかぬものですから、平成九年度には約七百人ぐらいを、平成十年度にも七百人ぐらいをということで計画的にやっていきますので、その辺のクッションというものもやはり必要でございます。 それと、師団を旅団化していく場合でも、やはりある程度の人数を計画的にやっていかないと、いきなり各年度で千名なら千名、二千名という形でやりますと大変でございますから、そういうような意味もございまして、今そういう過渡期にありますから、急に目いっぱいの充足率にはしないということでございますが、できることならば、今、海空は九五%ぐらいあるわけでございますから、そこまでいかぬにしても、かなりの充足率を高めるように努力しなければならないなというふうに思っております。
○前原委員 一〇〇%と実際の充足率の乖離がありますと、平時だからある程度人数は抑えておいて、しかし、装備はいつ何どきのことがあるかわからないからそういう形でそろえておくのだということになると、装備をそろえるためにわざとそういう形で定数と充足率の乖離が出てくるような懸念も招かないとは限らないわけであります。 私は、そういう意味から、もちろん、兵器の調達というのはそんなに簡単に一朝一夕にできるものではありませんし、大臣のおっしゃるように、ある程度先を見越した形で備えをしておくということは大切だと思います。しかし、そういう要らない誤解とか懸念を招かないためにも、できる限りそういうものについては一〇〇%に近づける努力をしていかれるべきだろうと思いますし、その努力をしていただきたいと思います。 それから、今話がありましたが、即応予備自衛官について改めて質問をさせていただきたいと思いますが、これは、平成九年の法改正によりまして千三百七十三名の即応予備自衛官を入れるということになって、今度はまたそれをさらに拡大をされて三千三百七十九名になる、こういう法案でございます。 それで、話を伺っておりますと、九年度の採用については六百九十六名。六百九十六名については、全員即応予備自衛官というものを集めることができたという御報告もいただいております。 初年度については人集めについてうまくいったということでございますが、これから三千三百七十九名にふやしていく段に当たって、初めはうまくいったけれども、これからどんどん難しくなっていくのではないかと思います。 その中で、元自衛官の方で、今働いておられる企業との間での契約をしてもらうまでのいろいろな問題点とか、あるいは、六百九十六名でも大変だったよ、これからさらに集めるのはもっと大変だよ、こういう話もあろうかと思いますので、そのことにつきまして九年度の努力をどのようにされてきたのか、お話を伺いたいと思います。
○坂野(興)政府委員 九年度の即応予備自衛官の募集につきましては、ただいま先生がお話しになったとおりでございます。 それで、私どもといたしましては、即応予備自衛官制度を充実させるためにはどうしても雇用企業主の御協力が不可欠でございまして、そういった面での広報活動を一生懸命してまいったところでございます。 そういった広報活動を通じて企業側の反応をいろいろ聞いてみますと、即応予備自衛官を雇用するに当たっていろいろ企業に御負担をかけることになりますものですから、今回、企業に対して給付金を支給するようにいたしておりますが、そういった給付金の制度を評価する意見もございました。また、シフト制の企業でございますと、交代要員を確保すれば何とか即応予備自衛官制度と企業とが両立できるというような話もございました。また、企業の中には、国の安全保障についていろいろ協力するのは会社としての当然の方針であるというような、そういう御理解ある企業もございました。 また、一方においては、やはり即応予備自衛官が訓練に出ることに伴って企業としていろいろ営業上支障があるというような御指摘もあったことは確かでございます。 私どもといたしましては、今後とも、即応予備自衛官の持つ重要性を十分説明しながら、企業主の御協力が得られるように努力していきたいというふうに思っております。
○前原委員 九年度につきましては、三月までできっちり一〇〇%、六百九十六名の即応予備自衛官を集められたということで、その御苦労には敬意を表します。 これから先の話になりますけれども、予備自衛官も含めて、数をふやすに当たって、元自衛官という範疇だけから探していくというのはなかなか難しいのではないかという認識を私自身持っております。また、むしろ、即応予備自衛官は元自衛官でないとなかなか対応できない部分もあるかもしれないけれども、予備自衛官については、別に自衛官出身でない方でも対応できるし、また、することによって、今御答弁のあったような国防の重要性とか、あるいは国民、市民に対する啓発などの役に立つ部分もあり得ると思うのですね。 そういう意味から、人集めがだんだん難しくなりますよと。つまり、就労人口も減ってきて、あるいは、もうちょっとすれば日本の人口そのものも減っていく状況の中で、即応予備自衛官は元自衛官でないとなかなか務まらないかもしれませんけれども、予備自衛官という範囲に含めた場合には、将来的に元自衛官という範嗜から超えて、そういう思いを持っていただける人については範囲を拡大をしていくということは検討の余地があると思うのですが、その件について、長官、お願いします。
○久間国務大臣 即応予備自衛官については、即応性といいますか、要するに常備自衛官と一緒になっていろいろな対処をしますので、これは必要だということは委員もおっしゃっているとおりでございます。 予備自衛官につきましても、やはりいざというときに、自衛官としての、自衛隊員としての訓練を全然受けていない人でございますから、基礎的な訓練を受けないとなかなか隊として動きがとれないという点がございまして、なかなかそこまで踏み切って、全くの関係ない人を予備自衛官として確保しておいて、しかも一年間にわずかでございますから、そういう形で予備自衛官として、名前は予備自衛官でございますけれども、いわゆる自衛官としての基本的な部分において信頼できるかという問題がございます。 やはり自衛官として昔勤務しておった人はそれだけきちっとでき上がるわけでございまして、その辺の違いが余りにもはっきり違ってきているだけに、予備自衛官についても同じように元自衛官を採用しているということでございます。 これから先、少子化の時代になってきて人口構成が高齢化してきたときに、そういうことばかり言っていられるのかという御批判もありますので、私たちも長期的にはいろいろ研究してみようと思いますけれども、現在の段階では、やはり自衛官であったという、そこに対する期待が非常に強いということでございます。
○前原委員 自衛官と予備自衛官の数も含めた比率でありますけれども、日本の場合は、予備自衛官、即応予備自衛官も含めた比率というのは極めて低いのですね。長官も御存じだと思いますけれども、諸外国なんかは、予備自衛官というかそういう範疇の方々の比率がかなり大きい。 先ほどお話のあった、財政的な制約の中でどのように防衛力を維持していくかという、基本的には人の問題になってくるわけでありまして、即応予備自衛官という広いすそ野の中で、精鋭の自衛官といいますか、他国であると軍人を養成しているという部分があるわけですね。 大臣のおっしゃることは、私、わからないでもありません。少なくとも、例えば二年の経験をされた自衛官と全く経験のない人ではどういうふうにその違いが出てくるかといえば、多分、一目瞭然でその違いは出てくるんだろうと思います。しかしながら、私は二つの面で今申し上げたのは、一つは日本の人口構成からしてなかなか難しくなるのではないですかという点。今、即応予備自衛官、予備自衛官もふやしていこうとされている中で、ことしは一〇〇%うまく人をそろえられたけれども、年々厳しくなっていくと思いますよ。そのところが一つ。 もう一つは、自衛官の経験者でなくても、やはりいざというときにそういうお役に立てるのだったら予備自衛官として登録をしたいという国民の方は潜在的にかなりおられると私は思いますよ。そういうことから、また日本の安全保障に対する認識を高めるということを考えると、私は、その二つのことは、将来的には検討をするに足り得るテーマではないかというふうに思っておりますが、再度、防衛庁長官、お答えをいただけますでしょうか。
○久間国務大臣 今言いましたように、委員も御指摘のように、これから先のことを考えますと、確かに委員がおっしゃるような面を考えていかなきゃなりません。また、国民のいわゆる国防に対する意識を高める意味でもプラスの面も確かにあるわけでございますから、そういう意味では、これから先、自衛官未経験者を採用することについて、その可否も含めていろいろと検討してみなければならないなとは思っております。 ただいま直ちにここでそういう方向に進むとも言い切れない。そういうことから、どちらかというと消極的な発言だったわけでございますけれども、今委員が御指摘になったような、これから先の推移については決して楽観しているわけじゃございませんで、それは十分認識の中にはあるわけでございます。
○前原委員 今回の法改正の中に、統幕機能の強化がございます。これは、民主党の安保政策の中にも統幕機能の強化というものを書いておりまして、基本的にその方向性としては私も賛成でございます。 今回、災害時などあるいは国際協力の部分でも、いろいろな機関と連携をとりながら統幕の機能強化といいますか、権限付与、長官を補佐するという役割をふやしていくということでございますが、私は、統幕機能の強化についてはこの改正でとどまっていていいのか、さらにやはり検討する余地があるのではないかということについて幾つか申し上げたいと思います。 例えば予算編成なんですね。きのう、政府委員室から防衛関係費機関別内訳という資料を提示をしていただきました。陸海空その他の機関ということで、防衛費の比率がどのように推移しているかというグラフを出していただきました。 これは、平成元年度から平成十年度までの資料をいただいたわけでございますけれども、陸海空の比率がほとんど変わっていないという状況があります。これは、悪く言えばお互いの権益を侵されないために比率はある意味で聖域化して固定化してしまっているということが、この平成元年度から平成十年度の推移を見るとわかるわけですね。 多少のずれはありますけれども、陸上自衛隊については三五・二%から三七・七%ぐらい、海上自衛隊については二二・四%から二四・八%ぐらい、航空自衛隊については二三・三%から二七%ぐらいということで、ほとんどその割り当てが変わってないわけです。 これからどういう安全保障体制にしていくのかということは防衛大綱や中期防などで書かれているわけでございますけれども、やはり積み上げ式の議論では私はいけないんだろうという認識を極めて強く持っております。他国の統幕に当たるような例を見ておりますと、予算についても、統幕に当たる部門が責任を持って割り振りというものを思い切って変えたり、そして、それは国の装備のこれからのあり方というものの思想に基づいて、そういう決まった比率ではなくて、予算についても責任を持って統幕が関与をしている。 それから、さらに私が申し上げたい部分としては、どういう装備をこれからやっていったらいいのか。もちろん、日本はシビリアンコントロール、文民統制というもとにおいて、統幕についても長官を補佐するということが当然ながら前提になっているわけでありますけれども、しかし、現場の方だから装備の性能とかあるいは世界の趨勢というものをよく御存じの部分もあるし、そのために防衛交流なんかも制服の方がなされているという部分もあるわけですね。ですから、そういう予算編成だけじゃなくて、装備の優先順位とか選定の過程。また、特にこれからガイドラインの議論で詰まっていくときに、日米防衛協力、特に後方支援、あるいは平素からの情報交換、あるいは緊密な政策協議というものに統幕会議がある程度の権限といいますか、機能面で付与されて、長官をあくまでも補佐する形でやっていくということは私は必要なことではないかというふうに思います。 それは、防衛庁長官、あるいは今の自衛隊法の中でも書かれているように、いわゆる文民の方が統幕をある意味でコントロールと言ったら悪いんだな、法律の詳しい言葉はここにはございません ので適切じゃないかもしれませんけれども、今の法律の体系としてはきちっとシビリアンコントロールのとれる体制にはなっている。それはそのままでいいと思うのですけれども、そのもとでの統幕の権限の強化については、今申し上げた点についても、単に災害時あるいは国際協力だけではなくて、もうちょっとこれから考えていくべきではないかというふうに私は思うのでありますが、長官、それについてお考えはいかがでありましょうか。
○久間国務大臣 今後、統幕機能をいろいろ見直しながら強化をしたり、また、現在の役割の中でもいろいろと見直していくということは大事なことだと思います。それはその都度やっていくわけでございます。 ただ、今委員が御指摘になられました予算の編成とかあるいは装備の購入等について、いわゆる制服組であります統幕がそれをやることがいいのかどうかとなってくると、これはまた考え方がいろいろあります。 現在、防衛局は中期防なんかをやっておりますし、また、経理局が各年度の予算についてはやっております。先ほど委員が御指摘になりました、従来のものでもバランスはほとんど変わらぬじゃないかと言われましたけれども、今の公共事業なんかと比べますと、五%の開きが出てくるというのは結構大きいわけでございまして、そういう意味では、めり張りは結構各年度によってあっているのではないかというふうに思います。 統幕会議といいましても各陸海空から全く独立しているわけじゃございませんで、同じ人事の異動の中でやるわけでございますから、そこで予算編成とか装備の購入等をやろうとしますと、むしろ各陸海空の代表選手みたいな格好になってしまうものですから、かえって調整機能がうまくいくかどうか、むしろそれは経理局なり防衛局に任せた方がいいんじゃないか。 経理局、防衛局にしましても、自分たちだけでやるわけじゃございませんで、各幕からいろいろな意見を聞きながら、そこで省内は省内で一生懸命やり合って、その後、また大蔵省ともいろいろと詰めながらやっていっているわけでございますから、現在の統幕機能の強化の中に予算編成とかあるいはまた装備品の購入等まで入れることについては、私は、正直言いまして、それはどうかな、そこまでする必要はないんじゃないかなというふうな感じを持っております。 もちろん、いろいろな意見等は、また統幕は統幕として出してもらうという機会は必要でございますけれども、そこを任せてしまうということには、かえってマイナスな面も出てくるのじゃないかなというふうな気もいたしております。
○前原委員 任せるということにはならないと思うのですね、防衛局もあるし、経理局もあるし。そして、そういう方々が全体の判断の中で、国際情勢なんかを分析する中で考えられるというのは当たり前だと思うのですよ。ただし、そういう部分についても、もちろん各幕からいろいろな意見は吸い上げられているとは思いますけれども、例えばそういうところの意見を、任せるという意味じゃないし、任せたら統幕がシビリアンコントロールされているかどうかという根本的な問題になりますから、任すという話はあり得ない話だと思うのですね。 災害時の問題にしてもあるいは防衛出動や治安出動の問題にしても、長官を補佐して、その権限がある程度付与されているというのは、別に勝手にやっていいということではないと思うのですよ。それは基本的な認識で、これは変わるべきではないし、そうでないとシビリアンコントロールができないということになります。 ただし、私が申し上げているのは、長官おっしゃいますけれども、そういう予算、先ほどその割り振りを申し上げたけれども、十年間でそういう割り振りが出ているのであって、前年度と今年度、今年度と来年度、つまり、一年ごとで見ると比率はほとんど変わっていないのですよ。これは、私は事なかれ主義も甚だしいと思いますよ。 ですから、もちろんそれを内局がやる能力がないということを申し上げているのではないけれども、むしろ、もっと統幕というものが、各幕の思惑とかを超えて、日本の安全保障とか日本の財政事情というものをある程度考える中で、しっかりと全体を統括するような形で考えてもらう。他国には例があるわけですから。 統幕については、装備の選定とかあるいは予算についても、各幕の考えにとらわれずにある程度大きな視点から、逆に、そういう意味で統幕には人質みたいにして出てもらう、そういう考え方もあると思うのですね。ですから、任せるということではないけれども、新たな責任体制の付与の一つとして私は考えるべきだと思います。 今、長官、答弁がなかったですけれども、ガイドラインの問題、ガイドラインの中で調整機能とかそういうものになると、やはり現場の人たちがある程度やらなきゃいけない部分は出てくると思うのですよ。ですから、統幕機能の強化というか、そういう新たな補佐する権限の付与というのがあり得ると思うのですね。 後半の部分もちょっと答弁が漏れていましたので、全体としてもう一度御答弁をお願いしたい。
○久間国務大臣 ガイドラインにつきましては、今後、ガイドラインの実効性確保のための法整備等が行われてきて、二部隊以上がいろいろと共同で運用をやっていくということになりますと、これは統幕の機能の中で行っていく、これはそうなっていくと思うのです。 ただ、予算の話をされたものですから、予算について、今の統幕の状況、あるいは陸海空の各幕の状況、運用局、経理局の状況等を見たときに、また統幕で一回粗ごなしをやるということが果たしてうまくできるかな、どうかなという気持ちもありまして、そちらの方の答弁をさっき言ってしまったわけでございますけれども、統幕機能を強化していくということは大事なことでございまして、それは、その都度その都度やはり見直しをしながら、必要に応じてやっていかなきゃならないものだとは思っております。 ガイドライン等については、先ほども答弁申し上げたわけでございますが、今度どういう形になりますか、もしそういう中で二以上の部隊が共同して統合運用をするような場合が出てまいったときには、これは統幕としていろいろ動いてもらうということになるのじゃないかと思います。
○前原委員 統幕機能の強化については、今後、ガイドラインの見直しも含め、また、こういう硬直化した予算編成のあり方を含めて御検討いただければということで要望させていただきます。次の質問に移らせていただきますけれども、三月三十日の朝日新聞に、ロシアの戦闘機スホーイに試験的に訓練で、空自の自衛官の方が行かれて、乗ってこられたということでございますが、まず、これが事実かどうか確認をさせていただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 平成九年度の事業計画の中で、先生御指摘のように、スホーイの27に試験的に乗ってくるということを入れまして、先ごろ実施したところでございます。
○前原委員 その目的、そしてまた何日間、何人自衛官の方が行かれたのか。三月十七日に帰ってこられているという話でありますけれども、多分、その報告というか、それは上官として聞かれている部分があると思いますので、その目的、趣旨、そして具体的にどういう人員で行ってきて、どういう報告を受けているのか、その点について御答弁いただきたい。
○伊藤(康)政府委員 諸外国の航空機に使用されております先進技術ですとか、あるいはそれらの航空機を運用する上での基本的な考え方、こういうものを把握、吸収するというのが基本的な目的でございます。そのことは、当然のことながら、我が方の防衛力の整備あるいは運用等に大変有益なことではないか、こういう趣旨で派遣をしたわけでございます。 派遣の期間等でございますが、この平成十年二月一日から約三週間でございまして、パイロットは二名でございます。なお、このほかに、その研修開始の当座から約一週間の間でございますが、技術幹部一名を派遣しておるところでございます。 その間、パイロット等は、SU27につきましての座学ですとかあるいはトレーニングを行った上で、実際にフライトをして、帰ってまいったということでございます。 その結果でございますが、実は、現在帰ってきた者たちがまとめておるところでございまして、今まだ私どもの方に詳細は来ておりませんが、それなりに有益な機会であったというふうに聞いております。
○前原委員 私、去年だったと思いますけれども、この試乗の話ではなくて、一機あるいは二、三機でありましょうか、購入をするような話が部内であった。つまり、スホーイ27の機能あるいはどういうものかということをきっちりと調べるためには、大体ばらして調べるということが一つの機能の調査としてあるらしい、性能調査としてあるらしいのでありますけれども、そういうことが部内で、検討まで行ったのかあるいは単なる雑談の中で出てきたのか知りませんが、そういう話があったと聞いておりますけれども、その真偽をお話しをいただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 昨年と申しますと、平成九年度の予算が既に成立をしておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、このスホーイ27の体験のためにパイロット等を派遣するという計画が既にあったわけでございます。したがいまして、そういう中で試験機購入というようなことを、概算要求等を含めまして、具体的に事業として計画、検討したということはございません。
○前原委員 当然ながら、概算要求とかそういう段階では上がってきてないのは私もわかっていますけれども、その前の段階、あるいはさらにもっと前かもしれないけれども、訓練で乗るということ自体は、その性能を調べるということが大きな要因だと思うのです。これは冷戦時代だったら絶対あり得ないことですよ。ロシアの戦闘機に空自のパイロットの方が行って乗るということはあり得ない。 つまり、将来の購入計画とか、あるいは信頼醸成の部分も含めて、いろいろな調査があったと思うし、今その御報告があったとおりだと思いますけれども、いわゆる概算要求とかそういう公のレベルではなくて、訓練飛行の話が出るということ自体、何らかの調査目的があったわけですから、その段階で防衛庁内部で購入計画というか、そうすべきではないかという議論があったと私は聞いておりますけれども、そのことを聞いているわけです。別に、公になったところでその項目について上がってきてないというのはわかっています。もう一度答弁をお願いします。
○伊藤(康)政府委員 まさに今先生御指摘のとおりで、私どもの方にきちんとして上がってきたというような話ではないわけでございます。 したがいまして、そのようなことを防衛庁の中のだれかが考えたのか考えないのかというようなことになりますと、これは、今私も事実関係そのものを承知しておりませんし、お答えするべきものではないだろうと存じます。
○久間国務大臣 昨年の夏の概算要求のときも、とにかく厳しい財政状況でございまして、いろいろな話は自分たちの中でやったかどうか、それはわかりませんけれども、まず話として出すような雰囲気でなかった。とにかくいかに減らすかという方に、経理局もそうでございますけれども、各幕ともどうやって今までの予算を確保するか、そういう形で一生懸命でございまして、新規に戦闘機を買うなんというのは、しかも、ばらすために買うなんということは、まず持ち出せるような雰囲気でなかったというのは、私もおりましたからよくわかっております。
○前原委員 去年の早い段階、あるいは昨年の末かもしれませんよ、そういう話が私は防衛庁内部であったということは存じ上げています。しかし、それがどのレベルの話なのか、雑談程度なのか、その辺については、今長官おっしゃるとおり、私も知ることはできません。 ただ、私が質問したかった内容というのは、そういう計画があったかどうかがいいか悪いかという判断ではないのですよ。むしろ、こういう動きというのは歓迎されるべきだ、私はそれぐらい思っているのです。 というのも、結果的にかもしれませんけれども、今、日本がそろえている戦闘機は、米製かあるいはF2のように日米の共同開発ですよね。ある新聞に載っているのを見ると、スホーイの一機の価格は二十億円とか三十億円、こういうことですよね。これはすごく安いし、性能からすると、私は軍事的な専門家じゃありませんから、装備の専門家じゃありませんけれども、一般的に言われているのは、スホーイ27というのは極めて精度の高い戦闘機である、こういうことが言われているわけでありますね。 そういうお金の面からしても、あるいは精度の面からしても、日米安保条約を結んでいるからというだけの理由ではないのでありましょうけれども、アメリカの戦闘機あるいは共同開発のものばかりをそろえていくのではなくて、もうちょっと幅広い視野で、いいものを安く買えるのだったら、税金のためあるいは日本の安全保障のために合致するのであれば、そういうものを大胆に防衛庁としては考えていくということは必要だと思います。 そういう意味で、もし訓練とか、あるいは購入計画なんかがあったかないかわかりません、それはどうでもいいのですけれども、そういう方向性の中でこういう訓練がなされたということになれば、私は極めていいことだというふうに思うわけです。 これからの兵器調達の問題につきましては、台湾なんかでもF16も買えばミラージュも買う、あるいはドイツにしたって、別にアメリカのものばかりじゃなくて、いろいろな国のものを買ったりしているわけですよね。どこかの国から固定的に買うということになったら、なかなか買い物なんかでも値段的にたたけないかもしれない。しかし、こっちも買おうかと思っている、こっちも買おうかと思っているという中で、いいものをより安く買うということはあっていいのだと私は思います。 うがった見方かもしれませんが、余り日米関係というものを気にし過ぎてそういう形にとらわれるのはよくないし、今後、戦闘機のみならず、そういう装備の調達については、いいものであれば他国からどんどんそういうものは買っていくということにすべきだと思いますが、長官、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○久間国務大臣 装備の調達を図る場合に、安くて性能のいいのを外国から買うということももちろん必要でございますけれども、それと同時に、やはり我が国の防衛産業を育てていくという一面も必ずございます。 そうしますと、ライセンス生産を国内で行えるというような機種につきましては、それをやることによって我が国の防衛産業が育っていくといいますか維持できるわけでございますから、そういう意味でそれが望ましいわけでございます。 ただ、御承知のとおり、我が国でライセンス生産をしたとしても、外国に売るわけにはいきませんで、結局買うのが自衛隊だけになるわけです。だから、一機当たりの経費に換算したときに非常に高くなってしまうという問題がございまして、今やっております、これから先購入の計画があるのはF2でございますけれども、F2にしても、確かに今言われるスホーイと比べると非常に割高になっておるわけでございまして、この辺については非常に私どもとしても痛しかゆしのところがあるわけでございます。 しかしながら、背景としては、今言いましたように、我が国が航空機産業について自分の国でつくる能力がなくて全くよそから購入するということになりますと、それはまたいろいろな選択の仕方であると思いますけれども、我が国として能力的にはある、しかし、それを維持するのかどうかということになりますと、せっかく能力があるわけですから、それはやはり残していくべきじゃないかという議論が片一方にありますので、そういう意味で、今おっしゃるように、こちらからミラージュ、こちらからスホーイ、こちらからF16というわけにはなかなかいかないわけでございまして、当分の間、航空機につきましては今F2以外に購入の予定はないわけでございます。
○前原委員 今までの防衛庁の調達計画なんかを見ると、ヨーロッパの戦闘機なんかも選定機種に選ばれたりなんかしているわけですよ、調査の段階では。だから、長官おっしゃるように、国内産業のある程度の基盤維持というものももちろんある、ライセンス生産というものの基盤をどのように維持していくかというのはあるけれども、今まで実際に防衛庁の中での機種選定なんかでは、いわば候補になっているのは別にヨーロッパの機種とかもあるわけですよ。だけれども、実際に選ばれたときに、そうではないケースがある。 しかし、今の長官の答弁ですと、ライセンス生産というか国内基盤を守るために今の形でいかざるを得ない、ほかの国からの調達というものを考えないということはちょっとおかしいのじゃないですか。ほかの国とのライセンス契約を結んでやるということも可能でありましょう。だから、いかに限られた防衛費の中で日本の安全保障に資するような装備をそろえていくか。 そして、もちろんそれだけじゃなくて、国内の生産基盤を残しておくということも必要だけれども、私がお尋ねしているのは、今F2をやっているからそれ以外に計画はないよ、そういう型どおりの答弁ではなくて、大きな視点からして、防衛産業の育成もあるけれども、やはりいいもので安かったら、そちらの方もある程度のことを考える。あたかも、それは日米安保というかアメリカに気兼ねをして買ってないように見えるということに大きな問題があるのではないか。 それはないよとおっしゃるのだったら、そう答弁してください。そして、ほかのものについてもよりいいものを買うべきだというふうな考え方、それは腹では持っていますよ、しかし、いろいろな考えがあって、今まではこうなったけれども将来はわかりませんよ、そういう答弁をされるべきじゃないですか。
○佐藤(謙)政府委員 装備のあり方につきまして、基本論を先ほど大臣から答弁させていただきましたけれども、具体的な装備品の選定に当たりましては、今前原先生御言及されましたように、要求性能であるとか、あるいは取得価格がどうだとか、あるいはライフサイクルコストがどうだとか、そういったものも含めまして、費用対効果を検討の上これまで選定をしてきたわけでございます。そういった意味では、初めから米国製以外のものを排除するという考えではやってきておりません。特にこういうふうに非常に財政事情の厳しいときでございますから、調達のあり方については効率化ということをさらに推し進めなきゃいけませんので、私どもといたしましても、こういう機種の選定に当たりましては、ライフサイクルコストも含めていかに効率的な取得ができるかというところから検討してまいりたい、こういう考え方でございます。
○前原委員 今のお答えの方が、私は、大臣、申しわけありませんけれども、筋からするとそのとおりだと絶対思いますよ。ですから、基盤整備も必要なのはよくわかっています。大臣のお立場としても、そういうことを守っていきたいというお考え方もよくわかりました。しかしながら、本当に高い買い物ですから、高い買い物の中でいかにいいものをより安く、そして全体像として、こういう財政状況が厳しい中で調達していくかということを考えると、柔軟な視点の中でそういうものを調達をするというフレキシブルなところで今後も御検討いただいて、そしてまた、今回、空自の方が二人行かれて乗られたということでありまして、この記事だけから判断すると、それほど熟練をした操縦にはなかなかならないということでございますので、ぜひこれを一つの契機として、別にこれを買えと私が売りつけているわけじゃありませんけれども、そういう広い考え方の中で、税金の面でもよりいい装備が買えるような形でこれからもフレキシブルに考えていただきたいと思います。ほかの外務省あるいは法制局の方においでいただきながら、時間がなくなりまして御質問ができなかったことをおわびいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○塩田委員長 冨沢篤紘君。
○冨沢委員 平和・改革の冨沢篤紘でございます。限られた時間でありますので、二つについてお尋ねをいたします。一つは米軍基地の周辺対策、もう一つは日本防衛の考え方についてお伺いいたしますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。安保体制の中で日米合同委員会が持たれておるところですが、日本側からは北米局長、米側からは在日米軍司令部参謀長が出席して、月四回ですか、定期的に開かれておると聞いておりますが、この会議はどんな議題、どんな内容であるのか、その点を御報告いだだきます一〇高野政府委員お答え申し上げます。日米合同委員会でございますが、日米安保条約に基づく地位協定に関連いたしまして、その実施、運用に関する問題を協議するために、地位協定の二十五条に設置が規定されておるものでございます。この委員会におきましては、例えば施設・区域の提供、返還、あるいは地位協定各条項にございます在日米軍の種々の地位に関連して、その時々の問題について日米間で協議しております。
○冨沢委員 本年の一月に、米海軍厚木基地でインディペンデンス艦載機が突然にNLPを行いました。今になって考えてみると、これがペルシャ湾への出動準備であったということがわかったわけですが、事前通告制度に反した突然のNLPで、地元の自治体、住民の大きな反発、反感を買ったところでございます。これは一月の出来事で、二月、三月が既に経過しておりますが、当然日米合同委員会の議題になったと考えておるところなのですが、また、日本側としてはこの点について抗議が行われたと思いますが、いかがですか。
○萩政府委員 先生御質問のありましたように、一月に突然実施されたNLP、この問題について、二月に開催されました日米合同委員会の下部機関に訓練移転分科委員会というのがございますが、もちろんその以前、直接米側に申し入れておりますが、合同委員会の場では、この二月の分科会、それから三月に開催された日米合同委員会においても申し入れを行っているところでございます。
○冨沢委員 申し入れを行ったという御返事なのですが、地元としては、当然これは抗議してもらわなければいかぬ、こういう思いなのですが、いかがですか。
○萩政府委員 私の方の防衛施設庁、それから外務省、ともども申し入れをしておるわけでございますが、申し入れの中身は、深夜、休日の訓練自粛、訓練日程の短縮、それから地元に最大限配慮した訓練実施というようなことを強く要請しているということでございます。
○冨沢委員 NLP訓練については、一定の約束事の中で訓練が行われる、こういうふうに承知をしておりまして、ぜひ、今後こういう協定破りの訓練が行われないよう、防衛庁、施設庁ともに御努力をいただくようお願いを申し上げます。続いて、このNLP訓練はアメリカ本土、サンディエゴでも行われていると聞いております。米本土でのNLPの実態について掌握されておると思いますが、その点御報告いただきます。
○萩政府委員 具体的に何回、どこでというところまでは掌握しておりませんが、米軍の規則、規程によりまして、空母艦載機のパイロットは必ず年間何回NLPをしなければならない、それから、出航前何日の間にもう一度練度を向上させなければいけないというような種々の規制があるようでございますので、例えばアメリカだと空母の配備されているサンディエゴとか、そういうようなところの近くの飛行場で、当然のことながらNLP、夜間離発着訓練が行われているものと想像しております。
○冨沢委員 一月に行われました厚木基地のNLP訓練は、十二時近くまで行われたのですよ。これは民主主義国家アメリカのやる仕事じゃありませんので、アメリカのNLP訓練の実態がどんなものか、時間、そこいらについてよく掌握をしていただいて、後ほど御報告をいただけませんですか。
○高野政府委員 今の御質問、必ずしも詳細をまだ承知しているわけではございませんが、サンディエゴの米第三艦隊によるいわゆる夜間発着訓練でございますが、これに関しまして米海軍当局に照会したところでは、ノースアイランド基地、サンディエゴ湾沖にあるコロナド島に所在いたします施設を含みますが、同基地において海軍が、また、ミラマー基地において海兵隊が、それぞれいわゆるNLP訓練をやっているというふうに聞いております。 訓練時間帯につきましては、基地の状況によりますが、毎日ほぼ午後十時から十一時までの間、これは夜間発着訓練のことでございますので、午後十時から十一時までの間、必要のある場合にはそれ以降も実施されているというふうに承知しております。
○冨沢委員 平成十年度の予算が今参議院で審議されて、恐らく間もなく可決成立をするのでありましょう。昨年暮れの財政構造改革法の趣旨を踏まえた予算案でありまして、防衛予算も総額は伸びておりません。 財革法は、私たちは反対をしました。理由は、歳出を一律カットすると、今の御時世では不景気促進法になる。 御承知のように、株価はきょうも落ちていますし、雇用は悪くなっている。実体経済はますます深刻になっている。我々の予測が正しかった、財政構造改革法は間違いである、一日も早く積極財政へ政策転換を表明をしなければいけない、こう指摘をしながら、財革法は自民党の中でも手直し改正の声が出ておるところでございますけれども、防衛予算は総額約五兆円ですけれども、自由に防衛庁が予算要求できるとしたら、どこのところを増額したいとお考えになりますか。
○久間国務大臣 財革法ができました由来は、委員も御承知のとおりと思います。今、その法律の見直しが行われた場合ということを仮定して議論しましても、それはなかなかできないわけでございます。 私どもは、でき上がりました法律に基づいて、非常に厳しい財政状況の中で精いっぱいの予算編成をさせていただいて、今御審議を願っているという状況でございますから、この財革法が見直しされて、目いっぱいやれるとすればどうだと言われましても、そういうような仮定の話についてお答えすることはなかなかできないわけでございます。
○冨沢委員 近いうちにそういう展開になろうかと思いますので……。 防衛予算の中の住宅防音工事費について、これは予算委員会でも取り上げた点なんですが、平成九年度七百十六億円が計上されております。十年度の予算案では、これが六百五十九億円に減額になっている。なぜ減額したのか、理由をお示しください。
○萩政府委員 従来から、防衛施設庁の最重要課題の一つとして住宅防音を実施してございます。平成十年度予算案におきましては、防衛費全体の抑制基調の中で、総額につきまして、今お話がありましたように、対前年度比五・五%減ということで要求をさせていただいております。 その結果、世帯数では二万七千六百ということで、対前年度よりも六百世帯ほど下回るという結果になってございます。
○冨沢委員 それは数字であって、なぜ減額したかと私は尋ねているのです。
○萩政府委員 防音工事の中にも特例工事、新規あるいは対象住宅建替補助、空調機器の復旧等々、いろいろなものがございまして、これらのものでふえるのもあれば減るのもあるということでございますが、総体的に五・五%減ったということです。 ただ、一つだけ追加させていただきたいのは、例えば厚木周辺は一番大量に防音工事を行っておるところでございますが、新規というものがほとんど終了いたしまして、追加工事というものを始めました。その結果、世帯はふえたわけでございますけれども、一つの世帯の単価が減ったということもありまして、総額が減っている。 例えばそんなようなこともございまして、厳しい財政事情の中、重要なものから重点的にやらせていただいている。ただ、総額はそういうことで若干の低下を見ている、こういうことでございます。
○冨沢委員 私は、厚木基地の地元、基地を抱えておる自治体、大和市で生まれ育った人間なんですが、市会議員、県会議員を経験しながら、私自身も基地周辺に住む住民として、なぜこの道路一本で、こっちが防音工事の対象区域になって、こちら側が防音工事ができないのか、こういう住民の要望を一番強く伺ってきたところでございます。 私の住まいも基地の至近ですけれども、航空機の飛ぶコースとはちょっと外れておりまして、防音工事の対象外でございます。道路一本でできるところとできないところ、これは同じ自治体の住民にとっては極めて不公平感の残るところでございますので、地元の所在市は、全市の防音工事をやってほしいということをNLPが始まってから毎年陳情している。基本的に、そういうはっきりした市境で防音工事の対象区域を決めていく、これが公平な行政のあり方と思いますが、いかがですか。
○久間国務大臣 市の行政区域で区分するということになりますと、これが公平かどうかについてはやや問題があろうかと思います。やはり騒音の実情等で区分していきませんと、市の区域の境目にありますこちらの区域は入らなくて、こちらは入ったということになりますので、そういうふうにやっていきますと限りなく広がるわけでございます。したがいまして、騒音の実情等を調査して、一種区域にここは入れるべきか入れざるべきか、そのときに、今度は字界かあるいはまた河川とか道路とか何かで線引きをしていくということはやむを得ないことでございまして、市全域を行政区域だから入れろというのは、それはなかなかとりにくいということでございます。
○冨沢委員 騒音訴訟判決が横浜地裁で出ておりまして、内容は長官も御存じだと思います。 横浜地裁判決は、NLPの飛行そのものの差しとめは認めていない、しかし、音は受忍限度を超えているということで、国は音の被害に対して損害賠償の責めがある、こういう判決であります。 国が負けた。行政としては、当然司法の判断を尊重しなければいけない、こういう立場であろうと思います。この点はいかがですか。
○久間国務大臣 それは尊重しなければなりません。したがいまして、あの判決の中で八十W以上の区域については耐えがたいというような判断が出ましたので、私どもとしましても、八十W以上を急いで防音対象工事として今一生懸命やっているところでございまして、これについてはほぼ九割方完了したというような話を伺っております。
○冨沢委員 米軍の思いやり予算というのをよく聞くのですが、これは総額幾らになりますか。
○萩政府委員 思いやりというのは俗称でございまして、私どもは提供施設整備費というふうに呼んでおります。ちょっと急な話で、端数まではあれでございますが、一時期一千億ほどありましたものが、ここのところ減額をしておりまして、たしか平成九年度は九百億、今度の予算でお願いをしておりますのは、予算の制約ということもあって、歳出ペースで二二%減で、たしか七百数十億であった状況でございます。
○冨沢委員 米軍の思いやり予算は、金額からいいますと、住宅防音工事より大きいのですよ。今の数字は極めて限られた思いやり予算で、もっと対象を広くとってみますと結構な数字になる。 米軍への思いやり予算も日米共同防衛体制ですから結構ですが、その防衛体制の中で苦しんでいる自治体住民への思いやり予算が必要なんじゃないですか。
○久間国務大臣 思いやり予算という言葉自体、私はほとんど使ったことがございません。 とにかく思いやり予算思いやり予算と言われますけれども、要するに、安保条約に基づいてアメリカ軍が日本に駐留しているわけでございまして、その駐留のために施設の提供をしなければならない、その費用については日本側で持つということになっておりまして、そういう中でいろいろとまた特別協定等もできまして、米軍に対していろいろなことをやっているわけでございます。それは、予算においてもそうでございますし、また、この院等においても、条約等によって特別協定という、いろいろな形で決められた中で出しているわけでございます。 そして、住民に対する対策等につきましても、先ほど言いましたように、防音工事等についても積極的に取り組んでおるわけでございまして、私ども決して基地があるためにいろいろと被害をこうむっておられる方々をないがしろにしているわけじゃございませんので、騒音対策につきましても、また基地の周辺の環境対策につきましても、次々といろいろなことを市町村と協議しながらやっておるということについてもどうか御理解賜りたいと思うわけでございます。
○冨沢委員 米軍に顔を向けているのも結構ですが、もうちょっと国民の方にも顔を向けていただきたい。住宅防音工事費というのは、予算の性格からいって住民救済ですよ。受忍限度を超えた音に悩むその騒音救済策ですよ。こんなものをカットするようじゃいけない。 どうですか、来年の住宅防音工事費は減らさないとお約束いただけませんか。
○萩政府委員 平成十一年度以降の予算はまだ何ら作業をしておりませんのであれでございますが、私ども防衛施設庁といたしましては、もちろん平成十一年度以降も、住宅防音というのは私どもの最重点事項の一つでございますので、引き続き進捗、拡充をさせるべく最大限努力させていただきたい、そう思っております。
○冨沢委員 一説によると、何か半減するなんという数字も。心配ありませんか。ぜひ御配慮のほどをお願いをいたします。 進行いたします。 自衛隊はいろいろなお仕事をされておりますが、防衛については私は全く素人でございますので、それを踏まえて、日本の防衛についてお伺いします。 陸海空三軍、人員を確保して、施設を整備して日本の防衛に当たられているのですけれども、御承知のように、日清戦争というのは中国が相手だったし、日露戦争はロシアが相手だったし、日米戦争はアメリカだった。でっかい国ばかり相手にして戦争をやった我が国なんですが、今の防衛はどの国を想定をして体制を進められているのか。
○久間国務大臣 我が国は、御承知のとおり、どの国を対象にしているというわけではございませんで、この地域がそういう意味での防衛の空白になって、それによっていろいろな不測の事態が起こらないように最小限の防衛力を整備していこうというような考え方で整備をしているわけでございます。
○冨沢委員 日米戦争が終わったとき私は六つだったのですが、戦争の惨禍は神奈川県に住んでおりましてよく承知しておりまして、もうあんなばかな戦争というのは二度と起こしてはいけない、こう信じておるところでございます。 しかし、平和愛好国ばかりでないのも事実ですし、日本の周辺には大分揺れている国もあるわけで、我が国の防衛は一番重要な国民の課題になっております。 ただ、日本の防衛を考えた場合に、ほかと違うところがあるのです。それは、日本が島国であるという点であります。日本の防衛予算や何かを見まして、島国という点を考えてみますと、私は、前々から陸上自衛隊の比重が重いのかなという疑問を感じているところでございます。 日本の大きく言って四つの島を守る、これは、領海を含めて、領空を含めて、海、空の防衛そのものが日本の防衛であると思います。したがって、海上自衛隊、航空自衛隊の強化がまさに日本の防衛に役立つのだ、またここへの投資が有効な防衛の投資になる、こういうふうに信じておるのですが、いかがですか。
○久間国務大臣 我が国みたいに海に囲まれている国にとりまして、海空それぞれがその前方でとにかく相手の侵入を防ぐというのが大事なことは申すまでもございません。しかしながら、さりとてそれを突破して着上陸されたときにどうなるかということも考えなきゃならないわけでございます。 そういう意味では、やはり陸海空それぞれバランスのとれた防衛態勢を築く必要があろうと思いまして、今、防衛計画を立てて、そのもとでやっているわけでございます。
○冨沢委員 日本の防衛予算というのは全部で五兆円ぐらいなのですが、防衛関係費がいろいろな制約で総額が膨らまないということになれば、また国民の合意も、今の程度の防衛費でよろしいと言っている方が五五%から六割近い比重を占めている、ここらを考えますと、ひとまずこの程度の防衛予算で推移するのかなと考えます。 九年度の予算を見ましても、航空自衛隊が一兆一千六百七十七億円、二四%、海上自衛隊が一兆一千三百四十四億円、二三%、これに対して陸上自衛隊は一兆八千百億円、三七%を占めている。 私は海と空の防衛をまず第一にすべきと信じておるのですが、金額イコール防衛力ということにはなりませんけれども、陸上自衛隊に対して海、空の防衛費をもう少し大きくする必要があるのではないか。先ほどの議論を聞いておりますと、何か陸上自衛隊は人が集まらなくて困っているような、制度変更もされているようですから、いかがですか、防衛費の全体の配分について長官はどんなふうにお考えになっておりますか。
○久間国務大臣 先ほど言いましたように、陸海空それぞれの防衛に対する役割というのはあるわけでございます。 そこで、今委員がそれぞれの予算的な比率を言われましたけれども、あながち金額が大きいからというような見方でそれが多過ぎる、そういうことには私はならないと思います。人件費の占める比率が我が国の防衛費の場合は結構高いわけでございまして、陸上自衛隊は御承知のとおり人がたくさんおるわけでございまして、そういう意味では人件費のウエートは高いわけでございますから、その辺も考慮してもらわなければならないんじゃないかと思います。 いずれにしましても、陸海空それぞれの分野ごとにいろいろな計画を立てながら、我が国の防衛に抜かりないように今対処しておるところでございます。
○冨沢委員 陸上自衛隊の装備を勉強させていただきますと、戦車や鉄砲やえらい装備が載っておるんですが、現実に日本の本土でこれを使うという事態がどんなものか、戦争未経験者としてはちょっと想像がつかない。 現実に、これは北海道のような広いところだと使えるんでしょうけれども、例えば関東地方や何かでは一体この装備はどういうふうに使うんですか。ちょっと教えていただきたい。
○久間国務大臣 具体的にどう使うか、この場で言えと言われましてもはっきりした答えになるかどうかわかりませんが、御承知のとおり、敵が万一着上陸した場合にどういうふうに対処するか、そういうことをいろいろと想定しながら、いろいろな必要な装備等について、また部隊の配置等をやっているわけでございます。 そして、いざそういうふうになった場合に、例えば北から南へ輸送をする場合には輸送艦を使って陸上自衛隊を大挙して送り込むことがございますし、その場合には必要な戦車等を送ることもあるわけでございまして、そのような全体的な運用の中で対処していこうとしているわけでございますから、ここにあるものをここでどうやって使うのかというふうにすぐ言われましても、直ちにここで、どの方面からどういう形で攻められたときにこの戦車を使うというようなお答えを申し上げることはできかねます。
○冨沢委員 陸海空と三軍があるわけなんですが、そしてそれぞれ三つの軍隊が主要部隊を構成をしている。私は、海については観艦式で二度ほど勉強させていただきました。空の訓練とか陸の訓練というのは余り勉強をさせていただく機会もないわけなんですが、戦争というのは空だけでやる、海だけでやる、こういうものじゃありません。当然、敵が入ってくれば、これを三軍が合同して力を合わせて敵を撃退する、日本に侵入をさせない、こういう防衛態勢、作戦をとるわけなんですが、この三つの軍隊の共同訓練というのはどんなふうにして行われているんですか。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。 陸海空自衛隊を統合した演習を統合演習と呼んでおりますけれども、これは、我が国防衛のための全般的な対処における陸海空自衛隊それから統合幕僚会議の統合運用能力の錬成を目的とした訓練でございまして、近年は、自衛隊それから米軍の共同対処行動を演練しまして、共同統合運用能力の維持向上を図るということを目的とした日米共同統合演習という形でやっております。 もうちょっとかみ砕いて申し上げますと、陸海空自衛隊でやります場合、これは統合演習と言うわけでございますけれども、我が国に対する侵攻がありました場合に、我が国独自では対応できない場合もございますので、当然のことながら米軍の支援を受けてやるということになります。その場合には、効果的な防衛行動ができるように平素から日米間で共同演習をやるという形になるわけでございまして、そういう意味から申しますと、最近規模も大変大きなものになっております。 もう一点だけ加えさせていただきますと、これは、いわゆる昔の言葉で言えば兵棋演習と申しますか、実際の計画ということでやる場合もございます。これは今の言葉で申しますと指揮所演習と呼んでおります。それから、実際に部隊を出しまして、それを実際に動かしましてやる場合には、これを実動演習と呼んでおりますけれども、その二種類がございます。
○冨沢委員 自衛隊は今日まで三軍一緒に合同して訓練を実施をしたという経験はおありなんですか。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。 これはもう随分古いころからやっておりまして、今私の手元に持っておりますものでは、昭和三十六年から隔年でずっと、先ほど申しました指揮所演習と実動演習を、毎年やるわけではございませんけれども、そういう形でやっておるというようなことがございます。 それから、先ほどもちょっと御説明しましたように、日本の自衛隊の三軍種だけではなくて、それに加えまして日米の部隊が一緒にやるという形が近年ふえておりまして、この面におきましても指揮所演習あるいは実動演習の両方をやっております。
○冨沢委員 何年前か北朝鮮の潜水艦が韓国領海に入って座礁して、乗組員が韓国の中に入り込んだけれども、韓国の精鋭部隊がちっとも捕まえることができなかった、こういう報道を僕は大変ショックを受けて読んだところなんですが、話では、韓国の陸軍にしろ海軍にしろ、日本の自衛隊よりもうんと訓練の度合いが、レベルが上だというふうに聞いておったんですが、例えば日本の自衛隊は、新潟県にあんなケースで、どこの国かわからぬけれども入ってきた、こういう事態を想定した訓練や何かは行われているんですか。
○太田(洋)政府委員 まず、北朝鮮あるいは先ほど先生がお話しのような具体的な事態を想定した形で訓練をやっているということはございません。当然のことながら、一般的な想定はつくってやりますけれども、具体的に北朝鮮を念頭に置いたりという形ではやっておりません。 それで、一般論としてお答え申し上げます。 例えば、先はどのような事態のある場合に、まず外国の軍隊による攻撃に対する対応ということになりますれば、それが自衛隊法の七十六条に定めます武力攻撃に相当するということになりますれば、これは防衛出動の対象になるわけでございます。その場合には、内閣総理大臣が我が国を防衛するために必要があると認める場合には、国会の承認を得て自衛隊に防衛出動を命ずることができることになっております。 具体的にどういうことになるかといいますと、防衛出動が下令された場合には、まず、着上陸侵攻に対しましては、陸海空自衛隊は洋上あるいは海岸地域及び内陸において、概要次のような行動をとることとなると思います。 まず洋上におきましては、海上からの侵攻部隊に対しまして、海上自衛隊の艦艇、航空自衛隊の支援戦闘機等、それから陸上自衛隊の地対艦誘導弾などによりましてこの侵攻部隊を攻撃しまして、可能な限り洋上でこれを撃破するということを考えております。
○冨沢委員 わかった。もういい。 自衛隊が本当に国防に役立つかどうか、これは訓練に尽きると思うわけです。 我々は自衛隊の災害出動や何か、阪神・淡路大震災での活動、活躍ぶり、本当に頼もしいと思っている。日本の国民の誇りだと思いますよ。ただ、実際に本業の方で役立たなければいかぬですから。これは訓練に尽きると思いますので、マニュアルを読むたけじゃなくて、実際に戦える自衛隊に育てていただくようにぜひ御努力をお願いをしながら質問を終了いたします。ありがとうございました。
○塩田委員長 赤松正雄君。
○赤松(正)委員 新党平和の赤松正雄でございます。 日本の防衛力の役割というのは、大きく分けて三つあるだろうと思うのです。今冨沢委員からも話がありました直接的な日本の防衛にかかわる問題、いわゆる日米安保条約を中核とした日本有事あるいは日本周辺有事の問題に関する日本の防衛という側面、それから、先ほど石井委員から話がありました国連のさまざまな活動に関連する、PKOを含む国際安全保障的活動という側面、これに並んで、今冨沢委員から本業云々という話がありましたが、決して本業だとかあるいは余技的なことというのではなくて、もう一つ重要な役割はいわゆる大自然災害に対する対応、この三つが日本の防衛力の果たす重要な役割、三つの柱だろう、こういうふうに思います。 私は、きょういただいた時間、今私が三つ目に申し上げました大規模災害、大自然災害の問題に絞ってお話をしたい、こんなふうに思います。 まず、今回の改正によりまして、統合幕僚会議の機能の充実が図られるということですけれども、今申し上げた点、つまり従来の防衛出動及び治安出動といった出動時以外において、大規模災害派遣等自衛隊の統合運用が必要な場合に、統合幕僚会議が長官の補佐を行い得るようにするんだ、こういうことであります。 これまでの大規模災害派遣、一番代表的なのは、今もお話に出ました九五年一月の阪神・淡路大震災ということでございますけれども、近過去においては、もちろんこの阪神・淡路の大震災、あるいは長官がなられた直後にあったロシア・タンカーの事故、あるいはまた北海道の豊浜のトンネル落盤事故、例のオウム真理教の問題もありますけれども、ここに来て阪神・淡路大震災以降、大変に日本の危機管理ということが問われる自然災害あるいはまたそういう社会的な大きな事件というものが起きておりますけれども、今回の改正がなかった時点における過去の部分で、どういう不都合があったのか、どういう欠陥があったために今回こういう改正になったのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、浅野委員長代理着席〕
○久間国務大臣 具体的に言いますと、例えば阪神・淡路大震災のときには、あの当時は現行法でございますからそういう機能がないわけでございますから、陸上自衛隊は陸上自衛隊で行動する、航空自衛隊なら航空自衛隊の部隊があるところからもまたいろいろ出ていくというようなことで、それぞれがやっておるわけでございます。 しかしながら、この場合だったらここの部隊が一番近いからここの部隊がいい、しかし、ここは近いけれども数が足らないからこちらがいいとか、そういうのを陸海空それぞれが、二以上の部隊を統合的に運用した方が非常に効率がいいという問題があの直後に起きてまいりまして、いろいろと内部で検討をしたようでございます。 その結果、今防衛出動あるいは治安出動のときだけになっているけれども、統幕機能を強化することによって、そのような統合的な運用が図られるように統幕機能を改めた方がいいというようなことから、今回の改正につながってきたわけでございます。
○赤松(正)委員 今長官がおっしゃった、陸海空それぞれが、言葉は適切かどうかあれですけれども、ばらばらであるよりは統合してやったらいい、これは、今日三年たった時点でお伺いすれば、なるほどそういうことだろうなとは思うのですけれども、あの時点で、一括して三自衛隊について統合する機能を、統幕がしっかりと調整する役割をしていたからといって、今長官がおっしゃった、多くはおっしゃいませんでしたけれども、果たしてうまくいったかどうかはまた別の問題があるような気がいたします。 一つだけ具体的なケースを挙げますと、あの阪神・淡路大震災のときに、実は当時、陸上自衛隊中部方面隊の伊丹のところに国際緊急援助隊の待機部隊がいた。まず、いたかどうかの事案関係を確認したいのですけれども。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。 阪神・淡路大震災におきましては、待機態勢にございました広島の陸上自衛隊の一三師団の一部が発災後給水活動を実施すべく速やかに活動を開始しておりますし、海上自衛隊の輸送艦、補給艦が給水支援や輸送支援を行いましたし、それから航空自衛隊の方では、C130Hが空輸支援を実施したところでございます。 これらは、今先生御指摘がございましたように、国際緊急援助隊のために待機態勢をとっていた部隊でございます。
○赤松(正)委員 今おっしゃったのは、国際緊急援助隊、直接伊丹のいわゆる中部方面隊のところではない、もう少し広範囲な部分を後に活用したというお話をあわせて太田局長はおっしゃったような気がするのですが。 あの時点で、待機部隊として、九五年一月から三月までということで、言ってみれば医官、お医者さんとか看護士、あるいは航空援助隊、あるいはまた医療援助隊、そういった、それこそ三自衛隊が合わさったチームの形で、防衛庁長官のいわば直轄部隊として待機をしていた。それが直接的に部隊として、チームとして阪神・淡路大震災のときに発動しなかったということが、今日までの震災のいろいろな教訓、反省の中で指摘をされているわけです。 それが防衛庁長官直轄部隊として直ちに円滑に発動し得なかった理由というのはどこにあるのかということを、今日までの反省の中から述べていただきたいと思います。
○太田(洋)政府委員 これは先ほど大臣からお答えしましたように、その必要性についての議論はともかくとしまして、当時の法的な枠組みから申し上げますと、陸海空自衛隊の部隊が統合されて、統全部隊を編成してそれに対応するというようなことはございませんでしたし、それは統合幕僚会議の事務局の所掌にもそういうことはございませんので、そういう面で不都合があったのではないかというふうに考えております。 これから先、こういう事態がありました場合に、大臣のところに各種情報を集合しまして、必要性があれば速やかに統合的な部隊を編成してこれに対応するといった方がいい場合があると思います。そういう場合には、長官の判断に基づきまして、今回できるようにしていただくというのが法改正の趣旨でございます。
○赤松(正)委員 今、太田局長、いろいろ言われましたけれども、私は、先ほども申し上げましたけれども、統合幕僚会議でもって三つを調整するといっても、具体的なあの三年前のケースの時点では、既に実質的にその三つが統合された形になっているチームさえきちっと運用できなかったという事実があるわけで、この辺のことはシステムだけをきちっとしたところで実際はなかなかうまくいかないということを私は強く指摘をしておきたいというふうに思います。 それに関連をいたしまして、私は、この自衛隊の災害派遣政策といいますか、先ほど冒頭に申し上げた三つの日本の防衛の果たす役割の中の一つの大きな柱である災害対策という側面について、非常に素朴な疑問を実は持っております。既にいろいろな方が過去において指摘をされたかもしれませんけれども、私としては、今回の質疑に当たって、いろいろ振り返ってみて強く疑問に思ったことでございますので、ぜひ防衛庁長官の見解を伺いたいと思います。 といいますのは、一九七七年の防衛白書、前年一九七六年に防衛計画の大綱が、今回の大綱ではなくて前回の防衛計画の大綱。古い話で恐縮でございますけれども、実はその古いということが大事なことだと思いますので。その七六年の防衛計画の大綱を骨格にして書かれた七七年の防衛白書等を見ておりますと、非常に重要な、つまり、震災対策という観点から見て画期的な記述がうかがえます。ちょっと引用してみますと、 基盤的防衛力は、国内のどの地域においても、必要に応じて災害救援等の行動を実施しうるものでなければならない。防衛力を保有することは、直接的にはわが国に対する侵略を未然に防止し、万一、侵略が行われた場合にはこれを排除することを目的とするものであるが、この防衛力は、平時にあっては、人員、装備、組織、技術等をできる限り国民の用に直接役立てるべきである。 このような観点から天災地変、その他の災害の発生に際して、迅速な救援活動を実施する等、民生の安定に寄与しうることも基盤的防衛力にとって重要である。 そのためには、原則として各府県に少なくとも一個連隊相当程度の陸上、海上又は航空自衛隊の部隊等を配置し、それらの要請に速やかに応えうる体制を備えていることが望ましい。 こうありまして、今読み上げたところまでには、私は、いわゆる軍事力の非軍事力的使用のありようというものの具体的な記述がこの中からうかがえると思うのですね。そうした平時における自衛隊の活動分野というものを、今からもう既に二十一年前ですか、二十年ちょっと前に明確に規定をした。 ところが、それ以降今日までの間、ここに書かれたようなことについて的確な実現がなされていないのはなぜなのかということについてお伺いしたいと思います。 時間があれですので、もう一つつけ加えますと、今申し上げた後ろの部分に、要するに、各都道府県に少なくとも一個連隊云々とありますが、「高知、和歌山、福井及び富山の各県については、その体制を欠いている。」というふうな記述もあります。この高知、和歌山、福井及び富山の各県においては現状はどうなっているのかも含めて、私が申し上げましたように、前の防衛計画大綱で描かれたこの災害対策の部分が大きく今後退しているのではないかという指摘に対して、長官はどうお考えになりますか。
○太田(洋)政府委員 今先生の御質問の点につきまして、新しい大綱のもとではどういう取り扱いをされておるかということを私の方からお答えさせていただきます。 まず、新大綱は、「策定の趣旨」三項の中で、我が国の防衛に加えまして、大規模な災害等への対応、それから、国際平和協力業務の実施等により安定した安全保障環境の構築への貢献ということで、三本柱の大きな一つに掲げております。 さらに、「防衛力の在り方」の中ではこういうような位置づけをしてございます。「自衛隊もまた、社会の高度化や多様化の中で大きな影響をもたらし得る大規模な災害等の各種の事態に対して十分に備えておくとともに、」先ほど申しました「安全保障環境の構築」云々についての記述がございます。 さらに、前の大綱とは違いまして、「防衛力の役割」の中で項を立てまして、(2)項ア項の中に、大規模な自然災害に対応するというようなことについて触れております。それから、我が国の「防衛力の内容」の中で、災害救援態勢についてどういう態勢をとるのかということについても具体的な記述がなされておりまして、ここでは、先生も先ほどちょっと触れられましたけれども、「国内のどの地域においても、大規模な災害等人命又は財産の保護を必要とする各種の事態に対して、適時適切に災害救援等の行動を実施し得ること。」ということで、新大綱におきましては、前大綱に劣らず、私の感じでは、さらに高めたような形で記述されておるということを、ちょっと事実関係ですが……。
○赤松(正)委員 あの四県についてはどうですか。
○伊藤(康)政府委員 旧大綱と現大綱とでどうなっているかということは、ただいま運用局長から御答弁申し上げたとおりでございます。 それで、先生御指摘のとおり、昭和五十二年の白書にはまさにそのように記述をしておるわけでございますが、旧大綱におきましても、陸上自衛隊全体としては十八万であるというような大枠が定められておったわけでございまして、実は、その中で、御指摘の高知、富山、福井、和歌山というところに連隊級の部隊等を新たに配置するというようなことが具体的な計画に上ったことはなかったわけでございます。 では、現状はどうかということで、全く空白かと申しますと、そこはそうはほうっておけないわけでございまして、小規模ではございますが、御指摘の四県につきましては施設隊というものを置いております。とりあえず応急の対応はできるということでございますし、また、その施設隊の部隊だけで足りないときには当然周りの部隊から応援をもらうという措置もできるようになっております。 今後でございますが、まさに新大綱のもとで効率化、コンパクト化という方向でございますので、今後とも、大綱にうたっておりますように、必要な機能の充実ということを新大綱ではうたっておりますので、したがいまして、機動力等をもってこれらのところのカバーにも遺漏なきを期したいというふうに考えておる次第でございます。
○久間国務大臣 御承知のとおり、自衛隊も即応予備自衛官を導入したりなんかしまして、一応いざというときの体制はっくつていっておりますけれども、実員数からいくと、これから先は減ってくるわけでございまして、各県ごとに連隊規模を置いておくというようなことはできませんが、しかし、いざ災害となったときには、そういう連携をしながら他の県に配置しております自衛隊も、その県の知事から要請があれば即座に出ていくというような格好で、災害があった場合にはすぐ対応できるように、そのためにも、それは日ごろから、できますればいろいろと災害訓練といいますかそういうことをやることによって、そういうものに参加していただければ非常に連携がうまくいくのじゃないかと思うわけです。
○赤松(正)委員 先ほど、太田局長あるいは伊藤参事官の方から、旧の防衛計画大綱に比べても決してあれではない、深まっているというお話がありました。その例として、この新しい防衛計画の大綱の中で「大規模災害等各種の事態への対応」という項を立てているというお話がありましたけれども、私は、実は、前の防衛計画の大綱を書き直す、改める、新しい現大綱ができるその年のいわば冒頭にあの災害があったということは非常に皮肉なことだと思うのですが、いわゆる阪神・淡路の震災におけるさまざまな教訓が新しい大綱には決して生かされていないというふうに私は思うわけでございます。 〔浅野委員長代理退席、委員長着席〕 時間がありませんので、ここで多くを語るつもりはありませんが、先ほど、一項立てて、アの項でという話がありましたけれども、これは非常におざなりな立て方だという気がいたします。 もう一つの項目として、我が国周辺地域における平和と安全の云々というイの項目はありますが、これはどう読んでも大規模災害に直接かかわるくだりではない。恐らく、これは「等」の中に入ることで、この「等」というのは、この記述からすれば、さっきどなたかの質問に対してお答えがあった、いわゆる難民救済ですか、どこかで日本周辺において難民が発生した、それを救済にいくとき云々ということに関することだろうなという気がするのですが、いずれにしても、私が先ほど読み上げた二十一年前の、前の防衛計画大綱の大きな視野という観点からすれば、明らかにこの災害対策に対する大づかみの視点というものが私は後退をしていると言わざるを得ないというふうに思います。 高知、和歌山、福井、富山は、先ほど伊藤さんおっしゃいましたけれども、財政事情とかあるいはいろいろな事情がありますけれども、私はここで指摘しておきたいのは、前の防衛計画大綱のときには、そういう観点というものが明確にあったということを強く指摘しておきたいと思います。 時間が参りましたので、もっと聞きたいのですが、残念ですが、これで終わります。
○塩田委員長 佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 自由党の佐藤茂樹でございます。 実は、予算委員会でガイドラインの実効性を高めるための法整備の状況について若干防衛庁長官にお聞きしたことがあるのですが、できればそういうことも聞きたかったのですけれども、もう少し明確な答弁がいただけるような時期を待って、またまとめて質問をしたいと思うのです。 その上で、実は私、午前中、別の委員会の理事をやっていたもので、午前中の議論をお聞きしていないのですけれども、今回の法案に即しまして質問をさせていただきたいと思いますが、午前中の方と若干問題意識が重なっていて、同じような答弁になるかもわかりませんが、嫌がらずに答弁をいただきたいと思うのです。 私は、今回の防衛庁設置法の一部を改正する法律案については、基本的には、新防衛大綱と新中期防を踏まえての、特に統合幕僚会議の機能の充実等については望ましい方向に改正されてきたのではないのかという評価をしているのですけれども、そういう観点から、何点かさらに懸案になる部分についてちょっとお聞きしたいのです。 最初に、今回、この統合幕僚会議の所掌事務のところで、第二十六条の二号だと思うのですけれども、こちらに、「統合警備計画の作成及び幕僚監部の作成する警備計画の調整に関すること。」というのが、新たに機能の充実、所掌事務の中に加わっているわけです。これは、現行法二十六条を見ますと、統合防衛計画であるとか統合後方補給計画、統合訓練計画というものは既に所掌事務としてあるというように書かれてあるのですが、今回新たに出てくる統合警備計画というものはどういうものなのか、また、今までのそういう三計画とどう違うのか、最初に御答弁をいただきたいと思います。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。 統合警備計画と申しますのは、大規模震災等への対処など、自衛隊が公共の秩序の維持に当たる際の自衛隊の対処の構想、それから関係機関との協力に関する事項、各自衛隊の任務、それから各自衛隊間の協同に関する事項、その他の基本的な事項について定めるものであるというふうに認識しております。 それで、今回統幕会議が新たに関与することとなる事務のうち、災害派遣、地震防災派遣等は、自衛隊法三条に規定する、必要に応じまして公共の秩序の維持に当たる自衛隊の任務でございますが、災害派遣等の行動に際しましては、二以上の自衛隊の部隊等が効果的にかつ効率的な任務遂行を行うため密接な連携をとりまして調整を行う必要があるので、今回、あらかじめその基本的な事項について計画を作成する必要があることから、警備に関する計画を作成する権限を統幕会議に与えたものでございます。 ただ、警備に関する計画は今までなかったのかと申しますと、そうではございませんで、これは、今までは各自衛隊の陸海空幕僚長が長官の指示に基づきまして作成し、長官の承認を得てそういうものを持っておりました。これを、先ほど申し上げました観点から、統合幕僚会議に新たに付与してさらに効果的な対処ができるようにという趣旨のために設けたものでございます。 それから、もう一点御質問の中で出ました、統合防衛計画というのはどういうものかということでございますが、これは我が国の防衛のために必要な事項を明らかにするというのが目的でございます。それから、統合後方補給計画は、今触れました防衛のための統合防衛計画あるいは警備等に関する計画の中で作成される後方補給計画、これは昔の言葉で言えばいわゆる兵たんでございます、これに対する計画でございます。それから、統合訓練は、文字どおり統合訓練の円滑な実施に資するために中期的に統合訓練構想等を作成しているところでございます。
○佐藤(茂)委員 今ざっと述べられたのですけれども、要するに、今回、統合警備計画という新しい名前で初めて所掌事務とされたということは、まさに今回の法改正で統合幕僚会議に新たな機能を充実させる、そういう観点からであるということがわかったのですが、今具体的に言われた中で、公共の秩序の維持に当たるためとか災害派遣等に対して適切に運用できるようにということであったのですが、そうすると、今まであった警備計画をそれぞれの幕僚長で持っていたという話なんですけれども、具体的には、陸海空の三自衛隊が統合的に運用できるように、少しそれを踏まえて大きく変えるのだ、そういうようにこの計画自体とらえていていいのかどうか、もう一度追加で答弁をいただきたいと思います。
○太田(洋)政府委員 先ほどお答えしましたところと重複するところがございますが、実際に大規模災害等に対してどういうふうに各自衛隊が行動するのかということは、今までもつくってまいりましたし、それでもって足りる部分もあるわけでございますけれども、二以上の自衛隊が統合的に行動した方が効率的、迅速に対応できるという場合もあるわけでございまして、大臣がそういう判断をいたしました場合には、こういう統合的な運用をしなきゃいけないということになります。 その際に、あらかじめそういう統合警備計画というものを練っておきまして、基本的な事項をその中で定めておきたいということでございます。
○佐藤(茂)委員 それで、今回の機能の充実の部分で大分言われているのですけれども、法案に即していいますと、さらに次の二十六条の五号というのが新しくできているのですけれども、そのときに、今までは出動時だけだったのが、「その他統合運用が必要な場合として長官が定める場合における自衛隊に対する指揮命令の基本及び統合調整に関すること。」ということが新たに五号に書かれているわけですけれども、この「その他統合運用が必要な場合として長官が定める場合」というのは、これは具体的にどういう場合なのか、まずお答えいただきたいと思います。
○太田(洋)政府委員 これは、我が国有事の場合において防衛出動する、そういう出動時以外におきまして統合幕僚会議が長官を補佐することとなるのは、二以上の自衛隊が行動する場合でございまして、各自衛隊の有する能力、知見を有機的に結合しまして効果的に運用する、そういう目的のために統合運用が必要となるという場合が念頭にございます。 具体的には改正法の施行に当たりまして長官が定めることとなりますけれども、現在の段階では、考えておりますのはこういうことでございます。災害派遣、地震防災派遣のほか、国際平和協力業務、国際緊急援助活動、在外邦人等の輸送にかかわる事態、海上における警備行動、領空侵犯に対する処置、またこれらの複合した事態でございまして、二以上の自衛隊の部隊等が効果的かつ効率的な任務遂行を行うため密接な連携をとって調整を行う必要がある場合がこれに相当するというふうに考えております。
○佐藤(茂)委員 それで、今例として言われたのが幾つかあったと思うのですけれども、もともと今回の機能の充実が出てきた背景は、新防衛大綱の中できちっと言われていることが一つ大きなことだと思うのですね。 これは事前に言っていたことと若干それるかもわかりませんけれども、新防衛大綱の「各種の態勢」のところで、統幕の機能の充実ということが言われているのですけれども。 それは、以下の態勢を保持する際に、こういう自衛隊の任務を迅速かつ効果的に遂行するためこの機能の充実等が必要である、そういうところに配慮する、そういう文面になっていて、そこで六項目出されておるのですね。一つが「侵略事態等に対応する態勢」、二つ目が「災害救援等の態勢」、三番目が「国際平和協力業務等の実施の態勢」、四番目が「警戒、情報及び指揮通信の態勢」、五番目が「後方支援の態勢」、六番目が「人事・教育訓練の態勢」。こういうものの態勢を保持する際に統合幕僚会議の機能の充実というのが必要なんだ、そういうように言われているのです。 今局長が言われた部分で入っていない部分もあるのですけれども、これは、既に今まで統合運用を行っておるのだという解釈をしていいのかどうか。具体的には、例えば四番目に言いました「警戒、情報及び指揮通信の態勢」とか、五番目の「後方支援の態勢」、六番目「人事・教育訓練の態勢」というようなものについてはもう既に統合運用を行っておるのだというように考えてよろしいのですか。その辺についてちょっと答弁をいただきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 先生今御指摘のように、今回の統幕会議の機能強化といいますのは、新大綱、それを受けました中期防、こういったものを踏まえて今回御提案させていただいているわけでございます。 それで、今その中で特に新防衛大綱の中の記述の関係でお話がございましたので、その点を申し上げますと、確かに、 自衛隊が以下の態勢を保持する際には、自衛隊の任務を迅速かつ効果的に遂行するため、統合幕僚会議の機能の充実等による各自衛隊の統合的かつ有機的な運用及び関係各機関との間の有機的協力関係の推進に特に配意する。 ということでございます。いずれにいたしましても、全体といたしまして、ここにございます(1)から(6)という典型的なものについて保持すべき態勢を示しているわけでございますけれども、こういったものを効果的にしていけ、そのときに、必要によっては統幕会議の機能の充実も含めてこういったものをやっていくということだと思います。 したがいまして、今回御提案させていただいておりますのは、そういう中で、統幕の指揮命令の基本なりそういった面についての充実をお願いしているということでございます。
○佐藤(茂)委員 それで、先ほど答弁いただいたのですけれども、二以上の自衛隊が行動する場合という大前提があったと思うのですね。これは、自衛隊法二十二条の特別部隊の編成のところだと思うのですけれども、その場合に、自衛隊に対する指揮命令の基本及び総合調整に関することについて一どういう場合についてもすべて統合幕僚会議が長官を補佐するのか、逆に、長官が別に補佐は要らないんだという形でずっと独自にいろいろ判断されたりする場合もあり得るのか、その辺について、防衛庁としてどうとらえておられるのか、お聞きしたいと思います。
○太田(洋)政府委員 お答えします。 今先生御指摘の点は、今回の改正でお願いしています設置法第二十六条の六号にございまして、自衛隊法の規定により編成された特別の部隊でいずれか二以上から成るもので、その中の括弧で書いてございますけれども、「同項の規定により編成されたものにあっては、前号に規定する長官が定める場合に該当する場合において、特に必要があるとして長官が命じたときに限る。」ということです。 なお、これは法律的な記述になっておりますが、かみ砕いて申し上げますと、二以上の自衛隊がそういう災害派遣等の場合に行動する場合でありましても、例えて申し上げますと、主として活動するのは陸上自衛隊である、しかし陸上自衛隊がほかの場所から当該活動をする場所に移動してこなければいけない、あるいは装備品等を運んでもらわなければいけないという場合に、航空自衛隊がそれを運ぶ場合もございます。その場合は、一般的に申し上げますと、陸上自衛隊の活動が主であって、航空自衛隊の輸送の方は従というような関係になります。 この場合は、必ず一緒に運用しなければいけない、それの方が効率的なんだという場合には必ずしも当たらない場合もございます。これ以外の場合で一緒にやった方がいいんだという場合には、長官が判断いたしまして、統合的に一緒にやりなさいということになるわけでございますけれども、そうでなくていい場合にまでやるということは考えておりません。
○佐藤(茂)委員 ですから、もう一回確認しますと、「特に必要があるとして長官が命じたとき」というのは、あらかじめ何かこういう基準で決めておくんだということじゃなくて、このときは長官が、これは統幕議長に例えばそういう指揮命令の執行について任せた方がいい、統幕が絡んだ方がいい、そういうものについてはその都度ケース・バイ・ケースで判断するんだという答弁だというふうに受けとめてよろしいでしょうか。
○太田(洋)政府委員 この設置法をお認めいただきました後、実際にこれの事務の運用につきましてどういうふうにするかということを検討してまいります。その際に、あらかじめ検討しておいた方がよい、もしくはそれができるというものがあれば当然そういうことになると思います。 ただ、そういうものを定めておりましても、先生御指摘のように、事態は千差万別でございまして、そのときに判断をしなければいけないということもございますので、そういう場合は大臣の判断を仰ぐということになると思います。
○佐藤(茂)委員 その辺については、結局長官の補佐ですから、いろいろな対応があるのだと思うのです。 次に、統幕機能の充実の大前提として、統幕と内部部局の関係について若干お聞きしたいのです。午前中急速言いまして、法制局来られておると思うのですけれども。 防衛庁設置法の第十六条ですね。二十六条については今回の改正で統幕機能が、統幕の所掌事務が書いてあるのですが、十六条には「官房長及び局長と幕僚長及び統合幕僚会議との関係」ということになっておるのですが、この十六条は具体的に四本ぐらい柱があるのですけれども、「官房長及び局長は、その所掌事務に関し、次の事項について長官を補佐するものとする。」ということで四つ書いてあるのですけれども、この十六条について政府として具体的にどういうように解釈されるのか、法制局の方からまずお聞かせ願いたいと思います。
○宮崎政府委員 防衛庁設置法の解釈運用の問題でございますので、内閣法制局としては定性的なこととして申し上げたいと思うのです。 まず前提としまして、防衛庁設置法の十条で、御案内のとおり、「内部部局の所掌事務」として防衛及び警備の基本に関すること等が規定されてございます。これは、内部部局は、軍事専門的、技術的事項を含めまして、広く内外の諸情勢を勘案した防衛庁長官による政策決定に関与するという趣旨だというふうに理解をいたします。 他方、御指摘の二十六条でありますが、統幕会議の所掌事務として、統合防衛計画の作成等々について長官を補佐する、この作成することによって補佐するということだと存じます。この場合において、統合幕僚会議による防衛庁長官に対する補佐といいますのは、防衛及び警備の基本等の枠組みの中で、軍事専門的、技術的観点から行われることが予定されているものというふうに存じます。 十六条三号と申しますのは、十六条は一号から四号までございますけれども、統幕会議に関しては第三号が中心かと存じます。この三号は、「統合幕僚会議の所掌する事項について長官の行う指示又は承認」というふうに書いてございまして、柱書きにおきまして「官房長及び局長は、その所掌事務に関し、次の事項について長官を補佐するものとする。」と書いてございます。 すなわち、官房長及び局長はそれぞれ内部部局の一員でございますので、そこに書いてございます「その所掌事務に関し、」といいますのは、十条で言いますところの「内部部局の所掌事務」ということを指しているということでございますから、先ほど申しましたように、防衛及び警備の基本あるいは自衛隊の行動の基本等々並んでおります内部部局の所掌事務に関して、十六条第三号に掲げてあります統幕会議の所掌事務について長官を補佐するということであります。 例えば統合防衛計画の作成に‘きまして防衛庁長官が指示をなさる、あるいはでき上がったものについて承認をなさるというときに、防衛の基本という観点から、その長官の指示、承認について補佐をするというのが十六条に基づく官房長及び局長のお仕事である、かように理解をいたします。
○佐藤(茂)委員 一生懸命御説明されておるのですけれども、なかなかわかりにくい。 私は何が言いたいのかというと、防衛庁設置法でここの部分がちょっとはっきりしてない部分じゃないのかということが言いたいのですね。 というのは、通常、幕僚長とか統合幕僚会議が防衛庁長官を補佐する、その長官への補佐についてさらに文官である官房長や局長が補佐する、所掌事務に関し。しかし、所掌事務というのは、組織令なんか見ても書いてはありますけれども、広くとらえれば、自衛隊の行動なんかに関しても、例えば防衛局長なんかはきちっと所掌事務としてあるのですね。そういうことからすると、非常に重なってくる部分があるのですね。 その辺、法制局にこれ以上聞いてもあれなんですけれども、防衛庁の中で統合幕僚会議と内部部局の官房長であるとか局長の皆さんというのは具体的にこういうように補佐の仕方が違うんだという明確な基準を持っておられるのであれば教えていただきたいなと思います。
○久間国務大臣 基準が違うかどうかですけれども、自衛隊法の八条で防衛庁長官は隊務を統括するとあるわけです。そして、先ほどの指示または承認を統幕議長に対してするわけです。統幕議長はそれに対して補佐することになっているわけですね。今度はそれに対して、要するに、具体的に言いますと、防衛庁長官がこういう統合警備計画をつくりなさいと指示して、つくって上がってきたのを承認するわけですね、現実は。そのときに、内部部局の官房長及び局長は、先ほどの条文のとおり、そういう指示または承認に当たって防衛庁長官を補佐することになります。 隊務を統括するというのに基づいて防衛庁長官は統幕会議議長に指示をして、そしてそこが補佐してつくり上げて持ってきます、それを承認する、そのときに内部部局はそれに対して補佐する役割を持っている、そういう形で整理がされているのじゃないでしょうか。
○佐藤(茂)委員 僕は頭が悪いのかもわかりませんが、例えば第十六条三号、今防衛庁長官がいみじくも言われましたけれども、長官の行う指示または承認について補佐するのですよね。要するに、統合幕僚会議の所掌する事項について長官の行う指示または承認に対して補佐するのですね。統合幕僚会議の所掌する事項というのは、具体的に長官を補佐する事項というのはあるわけですね。 どういうことかというと、この統合幕僚会議の所掌事務について長官が行うのに対して補佐するという構図になっておるのですけれども、結局、その補佐の仕方が、具体的に言うと、統合幕僚会議が所掌事務でやろうとされている補佐と、官房長及び局長なんかが具体的に指示または承認について長官を補佐するときに、統合幕僚会議と官房長及び局長の見解が相違したという場合には具体的にどういうことになっておるのですか。
○久間国務大臣 それは、防衛庁長官がそれを承認するかどうかですから、つくってきた内容が承認できないか承認するかになるわけですね。 だから、現実問題としては、内部部局としては長官が承認できるようにその内容についてチェックするでしょう。しかし、その意見をチェックはしたけれども、片一方は、そうじゃない、これでいいと言って出してきた場合には、それをだめだと言って突き放す能力はないわけです。防衛庁長官がそれをノーと言わない限り、それを承認すると言えばそれで終わるわけです。 だから、つくることの権限は統幕議長でありますけれども、それを防衛庁長官が承認するに当たって内部部局が補佐することになっていますから。それで、防衛庁長官がこれじゃまずいよというようなことを言うような形になるならば、それは承認を得られないわけでございますから、そういうような前の段階ですり合わせをするということになって、現実には内部部局、言うなれば官房長及び局長がその内容についてすり合わせをして、長官が承認できるような内容にするという作業が実際はあるわけでございます。
○佐藤(茂)委員 これは堂々めぐりなのであれなんですけれども、つくる前に、例えばこの十六条一号で言うと、各般の方針及び基本的な実施計画の作成について長官が行います指示に対して官房長や局長が補佐しますね。そこでまずワンクッション絡んでいるわけですね。 そこで、今度は統合幕僚会議とか統合幕僚議長を中心に、具体的に二十六条で、たしか一号だったと思うのですけれども、統合防衛計画の作成及び幕僚監部の作成する防衛計画の調整に関することが所掌事務だから、まず官房長とか局長が補佐する方針とか指示というところが大前提にあって、それに基づいて統合幕僚会議とか統合幕僚会議議長が計画を作成されるのだというようにとらえていいのかどうか、その部分だけちょっと。
○久間国務大臣 現実にはそうでございます。防衛庁長官が指示して、それを受けた形でやりますけれども、現実のやり方としては、指示して、承認を得る前に素案を両方ですり合わせながら進めてまいっております。 その指示と、それを受けて出てくる承認について内部部局が防衛庁長官を改めて補佐して、そこでこれはだめだとかいいとかいうような判断をするのじゃなくて、こういうような内容、項目でこういう形でやろうということで言います。それで、それを指示するときには、統幕会議の方も出てきて、こういう内容でやろうという形で、文書としては指示及び承認という形をきちっととりますけれども、現実にはそういう形の中で両方がすり合わせながらやっておるという状況でございます。 しかし、法的に言うならば、指示をする、それに対して統幕会議がつくる、そしてそれを出してくる、それで、指示をするとき及び上がってきて承認をするとき、内部部局は、要するに官房長及び局長は補佐するという形でそれに対して物を言えるようなチャンスをつくっているという立法の形になっております。
○佐藤(茂)委員 これは実は既に同じ土俵で話をしておるのですけれども、今まで私が勉強した限り、通説では、とらえ方としては、自衛官である幕僚長とか統合幕僚会議の長官に対する補佐というのは極めて軍事専門的な見地からの補佐が強いのだというふうにとらえていたのですね。それに対して、官房長や局長というのは基本的なあるいは総合政策的な見地からの長官に対する補佐ということで、それぞれ補佐する分野というか角度が基本的に違うのかなというようにとらえておったのです。 今、一通り長官とやりとりした中では、同じような重なる分野というのはあるのだ、そのときの分野に対して、長官をめぐる補佐の仕方が、機能がそれぞれ違うのだ、短時間ですけれども、そういうふうにとらえたのですけれども、そのように解してよろしいでしょうか。
○久間国務大臣 大体そう考えて——現実問題として、自衛隊の運用に関することについて内部部局でいろいろ異議を唱えることはそれほどないわけですけれども、例えば予算を伴う話になってまいりますと、これは全体との調整の問題等も出てまいりますから、その辺についてはいろいろ議論もあろうかと思います、あるいはまた具体的な機関の問題とか。 ただ、その中身については統幕会議がまとめていきますので、それについてそれほど異論を申し上げるというような、そういう形の意見も内部部局から余り出ていないような状況でございます。
○佐藤(茂)委員 これだけやっていると、もう三十分たってしまったのでこれでやめますが、大事なことは、統合幕僚会議の機能を充実させたことによって、その上でさらに、きちっと防衛庁内で透明性のある運用がされておるということが常に国民から見えるような形にしていくことがやはり大事ではないかな、そういう認識から今何点か質問させていただいたのですけれども、統幕のことについてはこれで一応終えたいと思います。 次に、若干海上自衛隊の補給本部の新設についてお尋ねをしたいのです。 補給本部というのは、私が調べたところでは、もう既に昭和五十六年から航空自衛隊、この三月からですか、十条に陸上自衛隊が補給統制本部を設置される、そういうようにお聞きしているのですけれども、既にほかの二自衛隊がそういう体制を組まれているのでそれに倣った部分もあるのでしょうけれども、まず基本的なところからお聞きしたい。 今回、提案理由として「海上自衛隊における効率的な整備補給体制を確立するため海上自衛隊の機関として補給本部を置くことができることとし、」というようになっているのですね。そこで聞きたいのが、この補給本部ができることによってどのように効率的な整備補給体制が確立てきるのかこの文章だけからでは全然見えてこないのですけれども、どのように効率的になるのか、まず最初に答弁をいただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 御指摘のとおり、今般、海上自衛隊にも補給本部を置けるように改正をお願いしておるわけでございますが、一言で申し上げますと、海上自衛隊は、これまで五つの地方隊でいわば分散してやっておりました。これは、補給、修理を含む整備部門を分散してやっておったわけでございますが、それをいわば一本のところに統一いたしまして、重複、むだを省いて効率化をしようということでございます。 また、そういう観点から、部隊の数等も、これまで三十二ございましたけれども、それを三つの機関と二十二の部隊に統合、集約するというような、人員、組織の面でも効率化を図っているということでございます。
○佐藤(茂)委員 むだを省くのだという話なのですが、ここについてもうちょっと詳しく説明していただきたい。 今は十条に需給統制隊というのがありますね。それが、今回補給本部というのができて、二つの補給処ができる。現行では需給統制隊、改正後は同じ場所に補給本部というのができるのですけれども、この違いは具体的に何なのかということを簡潔に答弁いただきたい。
○伊藤(康)政府委員 需給統制隊と申しますのは、実は、後方業務の中でいわゆる調達に係る業務のみを行っておるわけでございます。今回、補給本部ということでお願いをしておりますのは、調達、物品の保管、補給、整備、それら業務全般を実施できるようにさせていただきたいということでございます。
○佐藤(茂)委員 補給本部にそういう調達だけではない機能をどんどん持たせるのだということなのですが、しかし、今回改正した後も、名前としては各地方隊に造修補給所、今まではそれぞれ造修所と補給所というのに分かれていた、さらには弾薬整備補給所というのも各地方隊、五地方隊にずっと備えられるということなのですね。これは結局、補給本部にもあるし各地方隊にも備えるということで、どちらも整備補給業務を行うというように認識しているのですけれども、むだを省くという部分では、そこはむだにならないのですか。そのことも含めて、役割の違いはどうなのか教えていただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 御承知のとおり、海上自衛隊は、艦船と航空機という二種類の大きな部隊を持っておるわけでございまして、それぞれが極めて複雑な補給あるいは整備の体系を持っておるわけでございます。 したがいまして、補給本部というところ一カ所で何から何まで全部やるというのは当然あり得ないわけでございますが、それぞれ現場レベルでできる非常に細かいものから、あるいは、艦船補給処、航空補給処というのをまた設けさせていただきたいと思っておりますが、そのレベルで行うもの、さらには一番上の補給本部で行うもの、それは、それぞれそのものの大きさとかあるいは複雑度といったものによって区別をしてまいるということでございます。 先ほど私、非常に簡単に申し上げたわけでございますが、どちらかと申しますと、古い時代の船と申しますのは、手づくりと言うと言葉が過ぎるかもしれませんが、整備にいたしましても、それぞれの現場で直すということが比較的多かったわけでございます。ところが、近代化してまいりますと、一部分を直すのではなくて、例えばエンジンならエンジンをそっくり外しまして、またその当該船には保管しておった別のエンジンを載せまして、おろしたそのエンジンを別のところでまた徹底的に修理をする、そういったようなことが必要になってまいります。 そういう中では、最初に申し上げましたように、従来のような各地方隊ごとで細かく分散しておるやり方は非効率になってきたということでございます。
○佐藤(茂)委員 補給本部のことはこれで最後にしたいのですけれども、法案の条項でちょっと確認したいのです。 今回、第二十七条の三で改正をされているのですけれども、その最後の部分で「海上自衛隊の補給本部においては、同項に規定する調達の事務のうち長官が定めるものを行う。」というのは、同項というのは二十六条の一項だと思うのですけれども、そこには「自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材等の調達、」ということが書いてあるのですが、このうち、長官が定めるものをこの補給本部が行うということはどういうことなのか、ちょっと御説明いただきたい。
○伊藤(康)政府委員 補給本部につきましては、航空自衛隊と海上自衛隊とをいわば同一の条文で規定させていただいておるわけでございますが、航空自衛隊の場合ですと、今、物別に各補給処ができておるわけでございます。それに対しまして、海上自衛隊はなかなかそうはまいらないので、艦船と航空機というふうに大きく分けたわけでございますが、実は、艦船、航空機の中でも、例えばソーナーのような両方共通して使われるものがあるわけでございます。そういったものにつきましては本部自身で調達をするというようなことを考えておりまして、そのために「長官が定めるものを行う。」という規定を入れさせていただいた次第でございます。
○佐藤(茂)委員 これは事前に通告していないので、お答えできたら答えていただきたいのです、前向きな答弁を。 今言われたように、海上自衛隊と航空自衛隊一つとってもそれぞれ違うので、それぞれ独自のやり方をしないといけない部分もあるのでしょう。また、例えば日米を見た場合に、それぞれ違うので、違う補給の仕方とか調達の仕方をしないといけないということもあるかと思うのです。 アメリカの方では、聞くところによると、私は実際に行ってその現場を見ていないのであれなのですけれども、補給であるとか点検という部分について非常にコンピューター化されてきている。CALSというのですか、そういうシステムなんかを導入してコンピューター化が随分進んでいるという情報も幾つかありますけれども、補給というのは、本来華やかな前線とは違いますけれども、いざ戦いになったときに作戦の非常に大きなバックグラウンドを占める部分だと思うのですね。この後方支援がしっかりしていれば、どんどん有事のときも戦えますし、そういう意味でいうと、日本も、アメリカのまねをするわけではないでしょうけれども、そういうCALSと言われるような補給システムなんかについてもコンピューター化されていく必要があるのではないのかなというように考えますが、防衛庁として何か考えておられることがあれば。
○鴇田政府委員 今先生御指摘のように、アメリカは大変先進的に進んでおりまして、我々は先達という位置づけをしているのですが、彼らにおきましても、現在CALS化を進めておりまして、当初の目標イヤー、年といたしましては、二〇〇〇年をめどに進めております。 私どもも、おくればせながら、今先生御指摘のような大変大きなメリットが感ぜられるものですから、これにおくれること五年ぐらいになりますが、二〇〇五年を目標にCALS化を進めたいということで、今、内部の取得改革委員会で議論をしておるわけですが、その大きな項目の一つに取り上げております。できますれば、この五年の差をさらに短縮できるように議論を深めていきたいと考えております。
○佐藤(茂)委員 二〇〇五年と言わずできるだけ速やかに導入できるように、財政構造改革云々というのはありますが、ぜひ前向きに検討していただきたいと思うのです。 そこで、がらっと変わりまして、先ほど冒頭に言いました統合幕僚会議の機能の充実なんかについても、実は中期防に「検討の上、必要な措置を講ずる。」そういう形でずっと書かれてきたのですね。 後で時間が許す限りほかの項目について若干聞きたいのですが、まず中期防の見直しについて、防衛庁長官も当委員会の所信表明の演説の中で「主要装備については、」云々と、中略しまして「計画に定める事業の実施を一部見送ることといたしました。」そういうように言われているのです。事前に防衛庁からいただいている資料もそういうことが明記されているのですけれども、この一部見送る事業というのは具体的に何なのかということをまず教えていただきたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 御指摘のとおり、先般中期防の見直しをやったわけでございますが、主要装備につきまして、新たな防衛力の水準への円滑な移行に配意しながら、かつまた防衛大綱に定める防衛力の水準を全体として適切に維持するという原則は大原則として立てておりますが、財政事情その他から、より緩やかな形で整備を進めてもいいのではないか、そういうような観点から、事業の実施の一部を見送るという決定をしたわけでございます。 中身的に申しますと、例えば戦車を五年間で九十六両というものを九十両にダウンする、あるいは護衛艦を八隻から七隻に、あるいは支援戦闘機F2は四十七機から四十五機とするなど、主要な装備のペースを下方修正したという次第でございます。
○佐藤(茂)委員 中身のことは、そういうことがこの事業の見送りだというのであれば納得なんですね。 というのは、中期防に大きく五本柱があって、その中の三本目に「主要事業内容」というのがあるのですけれども、この事業内容自体がどこか一項目カットされるとか、そういうことではないということですね。それだけ確認したいと思います。
○伊藤(康)政府委員 今回、あくまで財政事情というようなところから中期防の見直しをしたわけでございまして、中期防の前提となりました国際情勢の特段の大きな変化とか、そういったものではございません。また、大綱に定めました新たな防衛力の水準への円滑な移行ということもございます。そういう意味では、大きな柱をそのまま削り取るというようなことはしていないわけでございます。
○佐藤(茂)委員 それで、今御説明ありましたけれども、防衛力の水準を全体として適切に維持しつつ、ペースを下方修正したのだというように事前にいただいている資料でもあるのですけれども、しかし、確認ですけれども、最終的には防衛大綱の別表にあるような、これは陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊に分けてまとめてあるのですが、こういう形の装備にするのだという目標自体は変わっていないというふうにとらえていいのでしょうか。
○伊藤(康)政府委員 大綱別表に書かれております水準というのを最終的に目標にする、これは当然のことでございます。
○佐藤(茂)委員 これは平成七年末の防衛大綱のときにも議論したかもわかりませんけれども、そうなると、これはペースが落ちましたから、当初は例えば防衛大綱別表の水準というのを何年で達成しようと思っていたのが、今回見直しによってペースが下方修正されたことによって大体何年ぐらいをめどにするのだ、そういうことが明確にされているのかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 平成七年に新たな大綱を策定したわけでございますし、またそこの別表で目標とする防衛力の規模を大体明らかにしたところでございますが、その整備のペースにつきましては、個々の中期防衛力整備計画の中で定めていくというやり方をしておるわけでございます。 したがいまして、今の中期防で当初予定しておりましたペースは確かに落ちたわけでございますが、それによって最終的にどうなるかということは、また今後の平成十三年以降の防衛力整備にかかわってくることだろうというふうに存じます。
○佐藤(茂)委員 それで、これは答えられないかもわかりませんが、前防衛大綱というのは五十一年から二十年近くもったのですね。今回の防衛大綱というのは、最初平成七年十一月に閣議決定されたときに、何年先をめどにしていて、そのときの大体イメージとしたのが別表の装備なんだということなのかどうか、そのあたりについて、最後にこれだけちょっとお聞かせ願いたい。
○佐藤(謙)政府委員 今お尋ねの、具体的にどういうレンジでということは、この新大綱についてそれを前提にして物を申し上げているということではございません。 ただ、いずれにしましても、その新大綱の中にも「将来情勢に重要な変化が生じ、」というようなことでございますから、そういった安全保障環境に大きな変化が生じた場合には、この防衛大綱のあり方もまた見直すことがあるということだと思います。具体的にいつまでという観点に立っているわけではございません。
○佐藤(茂)委員 わかりました。 あと中期防のことで若干お聞きしたいのです。 この中で、先ほど言いましたように「統合幕僚会議の機能の充実等について検討の上一必要な措置を講ずる。」ということに基づいて、今回、統合幕僚会議の機能が充実されました。「検討の上、必要な措置を講ずる。」あるいはそれと同様の表現をされて、この中期防で懸案事項となっているのが、あと装備の部分で四つぐらいあるのですね。 その一つが空中給油機をどうするのかという問題、もう一つが航空自衛隊の輸送機C1の後継機をどうするのかという問題、三つ目が海上自衛隊の固定翼哨戒機P3Cをどうするのかという問題、四つ目が弾道ミサイル防衛についてどうするめかという、この四点ぐらいがあるというように私は認識しているのです。 まず最初に、そのうちの二つであります航空自衛隊の輸送機C1と海上自衛隊の固定翼哨戒機P3Cの後継機の問題、大体聞いておりますと、いずれも平成二十年代初めには減勢になる、更新期を迎えるのだ、そういうふうに言われておるのですけれども、具体的に聞きたいのは、新規開発にするのか、あるいは外国機の導入にするのか、この後継機の取得方法についてどういうように考えておられるのか。 さらにまとめて聞くと、二月十二日だったと思うのですけれども、日経がこの記事を出していまして、「日米両国政府は、防衛庁が導入を予定している次期多用途哨戒機と次期輸送機の共同開発・生産に向けた協議を開始することで基本合意した。」要するに、日米共同で開発する方向に向けて防衛庁として一歩を踏み込まれたのではないのか、そういうようにもとれるような記事になっているのです。そのあたりについて、特にC1とP3Cの後継機について今どう考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○伊藤(康)政府委員 P3CあるいはC1の後継機につきましては、御指摘のとおり、中期防におきまして「検討の上、必要な措置を講ずる。」とされておりますが、そういうところは、今後、新規開発、あるいは外国機の導入、あるいは既存の航空機の改造、その他いろいろ選択肢があり得るんだろうと思いますが、そういったものを頭に置きながらも、要求性能あるいは費用対効果といったものを総合的に検討していかなければならないと思っているところでございまして、現在それらについてのいわば基礎的な検討をやっているところでございます。 したがって、現段階で何らかの取得方法の決定というふうなことをしたという事実はございません。 また、日経新聞のお話がございましたけれども、したがって、そのような日米共同開発を合意したとか、そういうこともまだ現段階ではないわけでございます。
○佐藤(茂)委員 共同開発に合意したということじゃなくても、共同開発、生産に向けた協議を開始することでは合意されたのですか、そのあたりについてちょっと確認したいと思います。
○鴇田政府委員 結論的には、今伊藤参事官の方から御説明しましたように、協議を開始するということに合意をした事実はございません。 ただ、本報道の中でいろいろ書かれておりますが、日米の装備・技術定期協議という場におきまして、日米間で共通装備品の多々ございます航空機分野について情報交換をする場を設定したという点は事実でございます。ただ、特定の機種について開発の協議を開始したという事実はございません。
○佐藤(茂)委員 次に、時間の許す限り、もう一点だけお聞きしたいのですが、中期防で十二年までに結論を得るというように言われていた部分で、弾道ミサイル防衛についてどうされるのかという判断があると思うのです。 その前提となる部分で、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の中距離弾道ミサイル、いわゆるノドン一号とか二号と言われているものに対して、最近でもまたさまざまに報道されているのですね。 例えば二月二十八日の朝日新聞によると、米国防総省のベーコン報道官は、開発は完了しているが、配備の準備や実際の配備が進んでいるかどうかは不明だというような発言をされているという記事が載っているし、その二日前の読売新聞によると、同じく米国防総省高官が、二十四日に、ノドン一号一基が実戦配備されていると明言した、そういうような報道もあります。 また、去年秋ぐらいに幾つか報道があるのですけれども、それはちょっと時間がないので読み上げません。 結局、北朝鮮のノドン一号が開発完了しているのかどうか、また実戦配備されているのかどうかという情報と、あわせて、これは昨年の春だったと思うのですけれども、同じくアメリカの軍事情報を一般紙が書いているものとして、当初はノドン一号というのは千キロぐらいの射程距離だったのが実際には千三百キロであることが明らかになった、千三百キロの射程距離であると東京を含む日本列島全体がすっぽりと射程内に入ることになるという報道があったわけですけれども、特にノドン一号の今の開発状況とか実戦配備の状況、さらには性能、特に射程距離について、日本政府としてどのように認識されておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山崎(隆)政府委員 お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、北朝鮮のミサイル開発でございますが、八〇年代半ば以降、スカッドB、さらにはその射程を延長いたしましたスカッドCを生産、配備するとともに、さらに射程の長いノドン一というのを開発してきていると見られております。 それで、ノドン一号の性能諸元は詳細は必ずしも明らかではございませんが、各種情報を総合的に勘案いたしますと、ノドン一号の射程につきましては、約千キロメートルと推定されており、配置位置いかんによっては、我が国の過半がその射程内に入る可能性がございます。 いずれにしましても、北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化のための研究開発というものは、核兵器開発疑惑と相まって、我が国周辺のみならず、国際社会全体に不安定をもたらす要因でございまして、その開発動向が強く懸念されるところでございまして、その動向に注意を払っていく考えであると思います。 なお、防衛庁としては、その開発を完了したとか、あるいは配備に至ったということにつきましては、明確なことを申し上げる段階ではないということを申し添えたいと存じます。
○佐藤(茂)委員 今、答弁の中で、配備とか開発については明確じゃないと言うのですが、推定される射程距離で千キロと言われたのは、これは間違いない情報ですか。千三百キロという方が間違いであるというようにとらえておいてよろしいですか。
○山崎(隆)政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、千キロメートルというのも推定でございます。 確かに報道等には、先生御指摘のような千三百という数字も出てございますが、何せ北朝鮮のそういうミサイル開発状況は大変不透明でございまして、現時点での防衛庁の推定という意味では、千キロというふうに御答弁させていただいています。
○佐藤(茂)委員 いずれにしろ、千キロであれ千三百キロであれ、そのことを受けて、いざとなったときの日本の防衛網の整備をどう急ぐのかという問題があるかと思うのです。 時間もないので簡略に行きたいと思うのですが、防衛庁が、従前、七年ぐらいからずっと私がこの問題を内々にお聞きしている範囲では、平成七年から九年で、アメリカのデータに助けてもらいながらコンピューターによる模擬試験を実施して、具体的な費用対効果の試算と技術的実現可能性というものをずっと検討されてきたというように思うのですね。たしか、去年の春ぐらいに聞いたときにも、夏ぐらいにはその結果に基づいてある程度の判断を下せる予定たという誰もおききしていたのですけれども、それもまだである。 具体的に、平成七年から九年、特に八年なんかは四億四千万かけてシミュレーションされているのですけれども、この試算結果、評価というのはどうだったのか、また技術的実現性というのは検討結果はどうだったのか、答弁をいただきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 この問題につきましては、大量破壊兵器の拡散あるいはこういった弾道ミサイル技術の拡散という問題を踏まえて、これに対する対処をどうするかということについて、日本として防衛政策上の重要課題ということで位置づけているわけでございます。 このために、今先生お話しのとおり、七年度以降、我が国の防空システムのあり方に関する総合的調査研究というのを実施してまいりました。その結果、ある一定の知見は得たわけでございますけれども、さらに弾道ミサイルに対する対処方策につきましての政策判断をより適切に行うという観点から、BMDシステムにつきましての技術的な実現可能性についてさらに掘り下げて検討をするということで、十年度予算におきまして約八千万円の調査費を計上させていただき、そういった検討を行いたい、こう考えているところでございます。
○佐藤(茂)委員 さらに検討するということなんですが、最後にちょっと防衛庁長官に、具体的に立ち会われた方としてお聞きしたいのですけれども、一月二十一日の朝日新聞ですが、これは小渕外相とともに防衛庁長官がコーエン国防長官に会われて、共同声明の中で、TMD構想について日米間の技術協力の可能性に関する研究を含め緊密な日米共同研究を継続すべきであることで意見が一致した、そういう内容になっておるのですね。これを報道されているのです。 どういうことかというと、今までのTMD研究というのは、参加とか導入を前提とせずに、果たして日本がそういうものに対して技術的実現可能性とか、そういう実現できるかの研究にとどめていたのが、アメリカのコーエン国防長官との話し合いの中で、日米の技術協力の可能性を加えることで一致したというように報道されているのですね。 私自身がとらえたのは、今までの維持されていた参加とか導入などを前提としないというところから、アメリカとの共同研究のテーマにそういうものを掲げられるということ自体、TMDシステムについて前向きに一歩踏み込まれたのかなという印象を持つのですけれども、防衛庁長官は対談された方としてどういう見解をお持ちなのか、最後にお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 決して後ろ向きになっていないということは言えると思います。しかしながら、一歩踏み込んだかどうかということになりますと、若干そこのところのとらえ方は違うのじゃないかと思います。 といいますのは、アメリカは、場合によっては単独でもやるというようなことでやってきているわけでございます。我が方としては、とにかく技術開発、技術研究の可能性をもう一回探ろう、そういうことによって技術協力をする可能性が我が国の技術分野であるのかどうか、もう少しそこのところは慎重に対処しようというふうに思っていまして、今までよりも後退したことは決してありませんけれども、一歩踏み込んだということまでにはまだ至っていないということで、金額はわずかでございますけれども、平成十年度では八千万ということで、もう一年そういうことを研究させていただきたいということで予算を計上しているところでございます。
○佐藤(茂)委員 時間が参りましたので、質問を終わります。
○塩田委員長 東中光雄君。
○東中委員 統合幕僚会議の所掌事務が拡大されたのですが、これに関連してお伺いをします。 現行の統幕会議の所掌事務に、新たに統合警備計画の作成と各幕の警備計画の調整が加えられました。現在、統幕会議の所掌事務で、統合防衛計画の作成と各幕の調整、二番目が統合後方補給計画の作成と各幕の調整、三番目が統合訓練計画の方針の作成というふうに一号から三号までなっております。そこへ新二号で警備が入ってくるので、随分体系が変わるような感じがしまして、警備計画というのはどういうことなんだろうというように私自身思います。 それで、幕僚監部の所掌事務は、設置法の二十三条では、各幕の事務として一番初めに「防衛及び警備に関する計画の立案に関すること。」だから、これは各幕ごとの防衛計画と警備計画の作成というのが大きな任務になっていますね。それから、二号では教育訓練から始まりまして、経理、調達、補給も入っています。そういう計画の立案というふうになっています。だから、各幕ごとに少なくとも防衛計画と同じように警備計画というのは立案していることになっているわけですね。その警備計画の対象になっている事項はどういうことなのか、まずお聞きしたいのです。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。 幕僚監部のつくる警備計画の内容について申し上げますと、一言で申し上げますと、自衛隊が行う行動で、例えば災害派遣等の公共の秩序の維持にかかわる事項について、各自衛隊がそれぞれの場面に応じてつくっております。
○東中委員 自衛隊の行動というのは第六章に書いてあります。これは災害派遣もあるし、地震災害もつけ加えられました。そういうものを今各幕ごとに警備計画としてつくっているのですか。陸上も海上も航空もつくっているのですか。
○太田(洋)政府委員 そのとおりでございます。
○東中委員 今までは各幕ごとにそれをつくることについて調整は全然しなかったわけですね。今度各幕でつくる警備計画についての調整をやるということを新二号で入れようというのですから、今までなかったわけですね。 なくてやっておった。そのことによって何か都合が悪いことになって今調整しようという項目を入れるのかどうか、そこをまず聞きたい。
○久間国務大臣 いや、今までは各幕ごとにやっておりましたけれども、今度は統合幕僚会議でやりますから、二以上の部隊の統合警備計画になりますので、それはやはり調整しながらやっていくということでしょう。
○東中委員 そうじゃないでしょう。二以上でやる警備計画について、これは統合警備計画でしょう。そして、統合警備計画の作成と各幕の警備計画の調整を行うのだというふうになっているわけです。各幕の警備計画というのは既にあった、しかし、それはそれぞれ独自にやっておって、今まで条項がないから調整はなかったわけでしょう。あったのですか、調整をやっておったのですか、規定がないのに。
○久間国務大臣 現実に各幕がつくっておりました。つくるときに、内局が長官の指示または承認をやりますから、そのときに、横並びといいますか、その辺の実質的な調整はやっていたようでございます。しかしながら、それをきちんと法文に載せるということで載せておるようでございます。
○東中委員 実際上やっておったことを今度はここへ載せるということになるわけだ。 じゃ、今までは、統合警備計画というものは、統合警備を実施したことはないのですか。
○久間国務大臣 それはございません。
○東中委員 今までやったことはない。統合警備の実施なんというのは、それはないですわな。陸海空一緒になって救援活動をやるとか、地震災害で陸海空——陸海は一緒にやったことがあるね、阪神大震災のときは。海上自衛隊も来たし、陸上自衛隊も行ったということがあります。しかし、そういうことだからといって、統合で計画をつくらなければいかぬというふうなことは、今まではやったことはない。 ところが、今度は新大綱によってそういうこともあるだろうということでこれを入れたということになるのですが、その警備活動の中身、警備の対象は、米軍の基地の警備も入りますか。
○太田(洋)政府委員 これからこの計画の中身を検討していくわけでございまして、現在の段階でその点についてのお答えはできません。
○東中委員 新ガイドラインで言っているテロ集団に対する活動がありますね、そういうのもこの統合警備計画の中へ入ってくるというんじゃありませんか。
○太田(洋)政府委員 大変恐縮でございますけれども、今私どもの念頭にございますのは、大規模災害等において二以上の自衛隊がそれに当たるという場合等を具体的な例として考えておりまして、具体的にこれをつくる段階でいろいろなことを考えますけれども、今御質問の点についてはお答えできないということでございます。
○東中委員 大綱が新しく変わった。そして、周辺事態における態勢というようなことがあの中に載せられていますね。そういう線に沿って今度は新たに設置法での権限強化が出てきておるわけです。しかも、その内容は、今まで一回もやったことのない統合警備という新しい概念をつくったわけです。それで、例えば周辺有事における米軍の基地の警備というようなことが統合警備計画の対象になっていくかもしれない、今までまだそれはやっていないけれども。 ということになってきますと、これは、周辺事態に対する対応ということが新ガイドラインにいろいろ出ていますが、それを統幕の権限強化という形で新たに−今まで統合防衛計画と統合後方補給計画、それから統合教育訓練と、それは三軍一緒にやるべきものがありますよ、それはそれでいいのですよ。ところが、今までやったことのない、必要性も何もないのに、大綱が変わった、新ガイドラインができたということでこれが出てくると、私は、これはちょっと……。だって、現実にやってなかったから。実際にやるのに支障を来したというのでも何でもない。そういう計画を一々策定するということになるのは極めて異常であるというふうに思います。 ついでに申し上げておきますが、今回の改正の新五号、二十六条一項五号は、出動時以外のその他統合運用が必要な場合として長官が定める場合における自衛隊に対する指揮命令の基本及び統合調整に関し統合幕僚会議に長官を補佐する権限を付与することにしているという規定ですけれども、今までは出動時です、要するにこれは内閣総理大臣が防衛出動にしろ治安出動にしろ行政出動にしろ命じた場合のことを言ったわけです。それが今度は、長官が指定したらあらゆる問題が入ってくる。体制がうんと統合的なものにするわけですね。 それから、新六号を見ても、自衛隊法第二十二条一項ということで、これは隊法の七十六条、七十八条、八十一条、要するに防衛出動と治安出動の場合の規定だったのです。ところが、今度は第二項の規定も挿入するということになったら、海上警備、災害派遣、地震防災、さらに訓練その他の事由により必要があったときと、ばあっと広がるわけですね。 何でこの際こういうふうに広げるのか。これは体制的に、とにかく統幕がうんと力を持ってきてという体制にするんだな、こういうふうに思うのですが、長官、どうですか。
○久間国務大臣 今までだって警備計画というのは各幕でやっておったわけです。 だから、各幕がそれぞれ計画を持ってやるのがいいのか、部隊の統合運用をやった方がいいのかということで、統合運用をやろう、やはりこれは必要だ、しかし、統合してやるわけですから、統合運用をやる以上は統合警備計画というのがあるわけでございましょう。だから、そういう形でそれをやろうとするわけでございますから、統合して何か運用することが悪いといえば別ですけれども、それをすることの方が望まれておるわけでございますから、そういう意味で統幕機能を強化するという必要が出てきたわけでございます。 それで、今、さもガイドライン云々と言われましたけれども、自衛隊が行動する場合は、その前提として全部法律があるわけでございます。その法律に基づいて行動するときに、行動の仕方として、各自衛隊ばらばらがいいのか、陸と海が一緒になって運用したらいいのか、そういう判断に基づいて、一緒になって統合運用をしたらいいんじゃないかというときに、計画自体ばらばらのものをそのまま残しておいていいというふうには言えぬわけでございますから、そこは統合警備計画をつくるあるいはまた調整をする、そういうことになろうかと思いますので、どうかそういうふうに前向きにとらえていただきたいと思うわけでございます。
○東中委員 警備活動というのは、警備行動というのは、隊法上は二つしかありませんね。警備という言葉を使っているのは、八十二条と、九十三条の警備行動の権限。警備という言葉はその二つだけなんですよ。それは行動ですね。ところが、今度は運用にまで広げているのですよ。だから、何ぼでも広げられるようになっているということも一つの特徴なんです。 それから、自衛隊ができて四十五年ですか、なるんでしょう。この間、今まで統合警備というのはやったことないというのでしょう。それを何で改めて統合警備計画をつくらなきゃいかぬのか。 それは、情勢が変わったからだと。何が変わったのかといったら、周辺事態におけるというものが大綱にも出てきて、ガイドラインにも出てきた、だから変わったというふうに私は思いますので、あなたの言われるように前向きにというのは、余り前向きに進んでもらうと困るということを言っているのです。
○久間国務大臣 防衛庁設置法上は、警備という言葉は至るところに出てきているわけでございまして、第五条の防衛庁の所掌事務のところでも、「防衛及び警備に関すること。」と。だから、災害等も全部警備に、要するに、広い意味で防衛かその他の警備か、この二つに分かれるわけでございます。 この警備に関することで、今までも災害出動その他、災害出動と言いましたけれども、災害派遣の活動等もこれでやっているわけでございますから、警備に関する計画というのもこういう意味での計画でございますから、従来つくっておった計画につきましても、そんなおどろおどろしたようなイメージで警備という言葉を広げるような必要はないのじゃないかと思います。
○東中委員 幾らその議論をしたってしょうがないので。 要するに、八十二条は海上における警備という言葉を使っているのです。しかし、災害派遣は災害派遣と書いているのです。それが警備だといえば、それはどういうふうに整理するかは別だけれども、自衛隊の行動として警備行動ということがあるいは警備行動の権限ということが書いてあるのは、八十二条と九十三条しかないということを私は言うたのです。 今までは設置法の二十六条には統合警備計画というのはなかったのだから、今まで実施したこともない、それが今度出てくるからなぜだということを言っているのであって、もうこれ以上論争したって見解の違いでしょうから。まだ聞きたいことがようけあるので、時間が制限されているので。 次は、ガイドラインの包括メカニズムのBPCについてお伺いしたいのです。 一月二十日に、来日したコーエン米国防長官と小渕外務大臣と久間防衛庁長官との会談で、共同発表がなされました。この共同発表の三項によりますと、「計画についての検討並びに共通の基準及び実施要領等の確立のための包括的なメカニズムの構築を了承した。この包括的なメカニズムは、共同作業を開始する。」こうなっているのですが、それでBPC、共同計画検討委員会が設置されたわけでありますが、この機関の構成メンバー、及びどういう役割を果たすのか。
○太田(洋)政府委員 BPCのことでございます。 これは共同計画検討委員会のことでございますが、これの構成は、日本側が自衛隊、米側が在日米軍及び太平洋軍というふうになっております。それぞれの代表者でございます。
○東中委員 三月十三日に、BPCの初会合が防衛庁本館五階の統幕オペレーションルームで開かれました。日本側の酒巻統幕会議事務局長と米側のマレー在日米軍副司令官が共同委員長を務めている。三月十九日付の朝雲によると、日本側は酒巻統幕会議事務局長、統幕の全室長、一部、三部、四部、五部の室長へ陸幕防衛部長、海幕防衛部長、空幕運用課長、情報本部情報官の九名、米側はマレー在日米軍副司令官以下、同参謀長、司令部一ないし六部の各部長の八人、合計十七人で構成されたというふうに報道されているのです。 そこで、先ほど言われた在日米軍及び太平洋軍というようになっているのですが、太平洋軍というのはだれが参加したのですか。
○太田(洋)政府委員 大変恐縮でございますけれども、参加者の氏名、肩書等、今は資料を持っておりません。
○東中委員 朝雲に報道されていることはでたらめじゃないんでしょうな。僕らは一応防衛庁関係の機関から出ているんだから信用しているんだが、信用していいですか。
○久間国務大臣 多分そうだと思いますけれども、ミスがないように、後で確認して御報告したいと思います。
○東中委員 この包括的なメカニズムというのは非常に複雑ですね、これを見てみて思うのですが。 枠外から、首相がSCCの日本側閣僚と関係省庁局長等会議のメンバーを命令、指示する、大統領はSCCの米側閣僚に命令、指示を与える。メカニズムの枠内では、SCCがSDCに指示を与え、防衛庁長官はBPCの自衛隊メンバーを指揮する、そして米国防長官はBPCの米軍メンバーを指揮下に置くというふうになって、この図面が防衛庁から出されているわけです。 そこでお聞きしたいのですけれども、統幕事務局長か日本側を代表してBPCの共同委員長になっております。メンバーとして統幕、各幕から入っているのですが、統幕がガイドラインのもとでの日米協議機関に入って、米側と相互協力計画等の検討、協議を行う、そういうことをする権限はどういう法的根拠によるものか、お伺いをしたい。
○太田(洋)政府委員 お答えします。 先ほど先生のお話の中にも出てきましたけれども、第二十六条統合幕僚会議の所掌事務に、今度改正される面もありますけれども、その中に、一番初めの例で申し上げますと、第一号に統合防衛計画の作成というのがございます。これは、日本有事の場合にどういうふうに自衛隊が対応するかという場合に、統合幕僚会議としましてどのような基本計画を持つかということでございます。 この面について統合幕僚会議が所掌事務として持っておりますので、当然、このBPCで検討される検討の対象は、一つは日本有事の場合の共同作戦計画についての検討、それから周辺事態における相互協力計画についての検討というふうになっておりまして、特に統合幕僚会議は、今私が説明申し上げましたように、まさに日本有事の場合について自分のところで計画を作成するわけでございますので、この点について密接な関連を有しておるということでございます。
○東中委員 統合防衛計画の作成をするという職務権限があるからということでありました。共同作戦計画というのはそうでしょうね。 しかし、周辺事態における相互協力計画というのは統幕の権限内に入るんですか。
○太田(洋)政府委員 周辺事態のすべての項目に入るかということで御質問でございましたら、そうでない場合もございます。 ただ、今例として申し上げられますのは、自衛隊の方で、日ごろから警戒監視活動をやっております自衛隊の艦艇、航空機等を使いまして、日本周辺を監視しまして情報収集をやっておるということでございます。その場合に、統幕が関与する場面というのはございます。 それは、さっき申し上げましたように、陸海空自衛隊はそれぞれの手段を持っておるわけでございますので、どういうふうにやった方がそれを効果的にできるかということで、統合的にやった方がいい場合もございます。その場合に統合幕僚会議が出てくるということでございますので、その面では関与する場面があるということは言えると思います。
○東中委員 全く関与しておらぬと言っておるわけじゃないのです。 その前に、このBPCで何をやるのかという問題ですけれども、防衛庁が出されたこの「包括的なメカニズムの構成」という表を見ますと、「共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討の実施」と書いてある。もう一つは、「共通の基準及び実施要領等についての検討の実施」。検討の実施なんですね。だから、計画を作成するとか策定するとか、そういうことじゃないように読めるんです。 これは、検討することがここの仕事で、検討した結果をつくり上げるのではないという意味なのか、いや、検討してからもちろんつくり上げるんだということなんですか。そこは、長官、どうですか。
○久間国務大臣 検討した結果をどうするかでございますけれども、相互協力計画の場合は一つの計画書みたいなものにするのかどうか。それぞれの、自衛隊なら自衛隊、日本側なら日本側のいろいろこれから先の計画の中に盛り込まれていく形になるんじゃないか、そういうようなことがございまして、検討して計画をつくるというようなことにはしていないわけでございます。 要するに、共通の土壌で検討はいたしますけれども、共通の計画書みたいなものまでつくるかどうかについては、これは必ずしもそういうふうなことにはならないんじゃないかという気がいたしますので、検討した結果を自衛隊なら自衛隊が持っておるいろんな計画の中に反映していくということになるのではないか。 そういうふうなことで、検討の実施あるいは検討というような形にしておるわけでございます。
○東中委員 そうすると、これは、日米の制服が全然我々のわからぬところで検討だけしていると。何を検討しておるのか何もわからぬ、しかし、その検討を実施しておるんだと。 しかし、共同作業の進捗及び結果は節目節目にSCC及びSDCに対して報告されるというのがガイドラインにありますね。だから、進捗及び結果は節目節目にSCC及びSDCに対して報告される。しかし、これは計画をつくるわけではないんだと。計画をつくるわけではないけれども、検討の結果について——結果についてというのはおかしいでしょう。ちょっと常識では考えられぬのです。何をやるかというのは、どういうことですか。
○久間国務大臣 いや、検討をしたからといって、一つの計画書みたいな成案がきちっとできるわけではございませんで、検討して、その結果、こういう問題がある、あるいはまた、こういうところはこうした方がいいとか、いろいろな成果は出てくると思うのです。そういうようなことについて、それを自分たちだけでやっているだけではなくて、SDCあるいはSCCにきちんと報告をその都度その都度上げてもらうということでございますから、特別の意味はないのではないかと思います。
○東中委員 それではもう一つ聞いておきましょう。 同じように、BPCで「共通の基準及び実施要領等についての検討の実施」とありますが、これは検討の実施でいいのですか。
○太田(洋)政府委員 先生お尋ねの件は、ガイドラインの中の第六項「指針の下で行われる効果的な防衛協力のための日米共同の取組み」という中に出てくるわけでございます。 その中に、これは両方に共通する、つまり周辺事態と日本有事の場合の両方に共通するのですが、準備のための共通の基準の確立、それから、次のものは日本有事の場合のことなんですが、共通の実施要領等の確立について検討することが規定されてございます。それについてBPCの中で実施していくということでございます。
○東中委員 あなた、ごまかしてはいかぬですよ。 「計画についての検討並びに共通の基準及び実施要領等の確立のための共同作業」と書いてあるのです。だから、実施要領と準備のための共通の基準を確立するんだと書いてあるのですよ。あらかじめつくると書いてある。それで、こっちの方は、今の二つの計画については検討の実施と書いてあるのですよ。これは明らかに分けていますね。ガイドラインでは違うことが書いてあるのです。 ところが、この防衛庁のつくったものを見ると、「共通の基準及び実施要領等についての検討の実施」なんですよ。ガイドラインの方は、検討の実施ではない、確立するんだと書いてある。それでいいのですか。
○久間国務大臣 今言っておられるのは、BPCでどこまでやるかですから、ここは検討の実施、そして検討をやるわけでございまして、ここで確立してしまうのではなくて、ここで検討した成果についてはSDCあるいはSCCに上がってくるわけでございますね。だから、ガイドラインの取り決めの中では確立というふうに書いておりますけれども、このBPCではそこまではやらないというニュアンスがこれで出ているのではないでしょうか。
○東中委員 では、そこで実施要領等を確立するということではないんだ、だから、計画を立案するということではないんだ、検討した結果だけ言うんだと。これもそうですか、検討の結果だけですか。
○佐藤(謙)政府委員 まず、この共同作業の中の位置づけでございますけれども、共同作戦計画、相互協力計画につきましては、検討をして、その検討結果はそれぞれの国の計画に適切に反映をしていく、こういう位置づけのものでございますから、まさに共通の計画がそこでできるという性格のものではございません。これは、先生、おっしゃっているとおりです。それからもう一つ、共通の基準、実施要領については確立をするという内容でございます。 いずれにいたしましても、BPCにおきましていろいろな検討作業をするわけでございますけれども、それにつきましては、先生のお持ちの表に書いてございますように、SDCとの間で調整が行われ、終局的にはSCC、両国の外交、防衛の担当の両大臣に報告をされて、ここで決定が行われる、こういう仕組みでございますから、何もBPCの中で最終的に決まるというようなことではございません。
○東中委員 そんなことはわかっていますよ。BPCはSDCに報告するということをさっき言われた。報告してもいいのですけれども、しかし、これは上下関係ではないですね。調整関係でしょう。 それで、防衛庁長官と国防長官が直接指揮して、そして軍同士で、しかもアメリカ側は在日米軍だけではないのです、太平洋軍が来るのですよ。そういう規模で、そして有事における相互協力計画を、有事における後方支援なんかも当然入るわけでしょう。これは、日本の中央政府、地方自治体、民間を含めて協力するんだとガイドラインに書いてあるじゃないですか。そういう内容のものを、防衛庁長官の命じた日本側の自衛隊統幕の人たち、それから国防長官が命じた在日米軍及び太平洋軍の人たちがやるのですよ。日本の中央政府、それから地方自治体及び民間を含めて後方支援をやる、周辺有事の場合ですよ、そう書いてあるじゃありませんか。その内容の相互協力計画を、軍部が、いわば軍同士が、太平洋軍が来て、か細い自衛隊が一緒にやっている、こういう格好になっているのですよ。 だから、これは、相互協力計画について検討なんかできる立場ではないじゃないか。日本の中央政府及び自治体、民間が後方支援について協力するための相互協力計画というものをなぜここでやるのですか。防衛庁長官、そういう命令をしているのですか。
○久間国務大臣 いや、ここだけでやるというふうにとられるからそういうふうな話になるわけで、軍同士は軍同士で、自衛隊は軍ではありませんけれども、米軍、要するに在日米軍、太平洋軍と自衛隊とでそういう共通のいろいろな基準についてどうしようかという話はするでしょう。それから、今度はまた、お互い、上に行ったり来たりですけれども、これは縦の系列に書いてありますけれども、別に縦ということではなくて、防衛協力小委員会とその辺の調整をして、防衛協力小委員会には外務省を初めいろいろなあれが入っておって、横の並びで見たら各省庁の検討体制が入っているわけでございますから、こういうところでまた横とも調整しながら全体としてこれをつくっていきますよということでございます。 下でつくってしまうということではなくて、制服同士でお互いわかりやすい分野については話をして、上に、要するに、SDCに上げてもらうということでやっていくわけでございまして、SDCは、各省庁局長等会議、あるいは必要ならばいろいろな連絡調整をしながらやっていくということでございますかち、関係省庁も、そのとき関係省庁はまた出先機関とかいろいろなところの意見も聞くでしょうし、そういう形でうまく調整していけばいいものができるんじゃないでしょうか。
○東中委員 ガイドラインによりますと、自衛隊及び米軍は共同作戦計画についての検討を行うと書いてありますね。それから、日米両国政府は相互協力計画についての検討を行うと書いてあるんです。ところが、自衛隊と太平洋軍と在日米軍が相互協力計画についての検討をやるという組織になっているんです。これは、ガイドラインで言っていることとも筋道が通らぬわけです。 それは、これだけで仕上がるものじゃないのはわかっています。しかし、軍がそういう協力体制、いわば総動員体制ですよ、それはアメリカの太平洋軍司令部から来た連中が中心になってまずつくる、計画を検討する、こういうことになっておるのがいかぬと私は言っているわけです。 それで、日本国内、関係省庁の検討体制ということで、関係省庁局長等会議というのが開かれています。この構成メンバーは、私聞かせていただきました。各省庁が出てきていますね、局長クラス。また、課長クラスも出るんだそうですね。その課長クラスについてはちょっと発表しにくいと。内容がわかり過ぎるのかもしれないな。しかし、局長クラスは一応聞きました、何省の何局長というのは。これを見ますと、これは純然たる日本の、運輸も厚生も文部も大蔵も海上保安庁も建設省も自治省も、皆入っていますね、それでやっているわけです。一方で検討しているわけでしょう。 しかし、それとは別に、日米間の制服が、しかもアメリカの、在日米軍だけじゃないんだな、太平洋軍司令部というのはどうも私は気に食わぬのだけれども、そういう中で計画について論議をやっている。しかも、日本の国内の各省庁の局長等の会議がこの日米間のメカニズムの中にぽんと入れられているんです。結局、これは非常に奇妙な従属体制だなというふうに言わざるを得ぬという気がいたします。 だから、これは国民の基本的人権に大いにかかわってくる問題であります。中央省庁及び自治体及び民間を含めての後方支援協力という体制づくり、その計画づくりがこういう形で進められるというのは非常に危険だというふうに思います。 このことを申し上げて、質問を終わります。 北米局長、来てもらって申しわけありません、時間がなくなってしまいまして。恐れ入ります。
○塩田委員長 辻元清美君。
○辻元委員 社民党の辻元清美です。本日の最後の質問になるかと思います。 まず、私は、統合幕僚会議の機能の充実ということについてお伺いしたいと思います。 防衛庁が作成されました「防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について」という、いただきました資料の中に、このような説明がありました。「出動時(防衛出動及び治安出動)以外においても、大規模災害等、自衛隊の統合運用が必要な場合として防衛庁長官が定める場合には、自衛隊に対する指揮命令の基本及び総合調整に関することについて統幕会議が長官を補佐し得るよう措置。」したというふうにあります。 ここで二つのことをお伺いしたいんですけれども、今までは出動時におけるというふうになっておりました。まず、今まで出動時におけるが出動時以外にもというふうになったこの違いは、具体的にどういうことでしょうか。
○久間国務大臣 御承知のとおり、自衛隊法で出動と言っておりますのは、防衛出動、我が国が他国から侵略されたり、そういうおそれが出てきた場合に出動する場合、それと治安出動、県知事からの要請を受けてあるいは命令によって出動する場合、この二つを出動と言っております。したがいまして、災害で出ていくとかあるいはまたPKOで出ていくとか、そういうようなものについては出動時以外でございます。 従来は、各幕僚監部でいろいろなことをやっておって、統合幕僚会議がそれを統合して運用するということをしていなかったわけでございます。ところが、災害、例えば阪神・淡路大震災のときみたいに、これはやはり一緒に運用した方がいいんじゃないか、特別の部隊を両方一緒に編成してやった方がいいんじゃないかとか、そういうようなケースが出てくるので、現在の新しい防衛大綱に従ってそういうような機能を統合幕僚会議に持たせようということで、したわけでございます。それが一つです。
○辻元委員 そして二点目は、今大臣の御発言の中にもありました、大規模災害等ということで、今大規模災害のことには触れられましたけれども、この「等」の中身は、具体的にお答えいただくと何になりますでしょうか。
○久間国務大臣 この法律が通りましたら、具体的にそれを長官が定めることとしております。 現在のところ考えておりますのは、災害派遣、地震防災派遣のほか、国際平和協力業務、国際緊急援助活動、在外邦人等の輸送に係る事態、海上における警備行動、領空侵犯に対する措置、また、これらが複合した事態であって、二以上の自衛隊の部隊等が効果的かつ効率的な任務遂行を行うため、密接な連絡をとり調整を行う必要がある場合というようなものを想定しております。
○辻元委員 それで、一九九五年十一月二十八日に閣議決定しました九六年度以降に係る防衛計画の大綱について、「防衛力の役割」というところに、一番が「我が国の防衛」、二番目が「大規模災害等各種の事態への対応」、三番目に「より安定した安全保障環境の構築への貢献」、このようになっております。この大きな柱の二番目に「大規模災害等各種の事態への対応」、要するに大規模災害等ということが含まれております。 この大綱の二番目の、今私が指摘いたしました大規模災害等の事態への対応と同じ定義であると考えてよろしいでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 先生、今御引用されました防衛計画の大綱の中で、防衛力の役割を三つ挙げているわけでございますけれども、もちろん我が国の防衛ということが従来から主体でございますけれども、状況の変化等を踏まえて、防衛力の役割として、大規模災害等各種の事態への対応、より安定した安全保障環境の構築への貢献、こういうものが明示的に加わったわけでございます。こちらは、冷戦後における防衛力の役割という観点から整理したものでございます。 一方、今回の統幕機能の強化という面から見ますと、実は、この大綱の後の方に自衛隊の各種の態勢について触れているところがございます。そこのところで、「自衛隊が以下の態勢を保持する際には、自衛隊の任務を迅速かつ効果的に遂行するため、統合幕僚会議の機能の充実等による各自衛隊の統合的かつ有機的な運用及び関係各機関との間の有機的協力関係の推進に特に配意する。」こういうことで、自衛隊の能力をできるだけ有効に活用するために統合運用に配慮せよ、こういう考え方が書いてございます。 これを受けまして、今回、具体的な法案の改正ということで御提案させていただいておるわけでございますけれども、具体的内容につきましては、先ほど長官から答弁させていただいておりますような、現在の防衛出動、治安出動以外の災害派遣であろうとかあるいはPKO活動であろうとか、こういったものでございます。必ずしも一義的に突合しているという関係ではございません。
○辻元委員 先ほど私が指摘させていただきました大綱のところの大規模災害等にはアとイというのがありまして、一義的に重なっていないという御答弁でしたけれども、アの方が「大規模な自然災害、テロリズムにより引き起こされた特殊な災害」等ということで、イの方に「我が国周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態が発生した場合」ということが出ております。 そうすると、ちょっと関連して質問したいのですけれども、このイの今指摘しましたものは、今回の「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間取りまとめの「日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合」というこの定義と同じですか。
○佐藤(謙)政府委員 ここに書いてございますように、「我が国周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態が発生した場合」ということでございまして、基本的には同じような考え方を持っているわけでございますけれども、厳密に、今回の「日米防衛協力のための指針」、ガイドラインの中で、周辺事態を表現しております、我が国の周辺地域における事態であって我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合というものと必ずしも同一というふうにこの段階では申し上げられないと思います。
○辻元委員 必ずしも同一ではない部分を説明してください。
○佐藤(謙)政府委員 先ほど申しましたように、基本的な考え方は共通だと思いますけれども、それぞれ、今申し上げました文章は、我が国の防衛大綱をまとめるという立場で整理をしているわけでございますし、一方、日米防衛協力の指針の方は日本と米側との間で取りまとめた内容でございますので、それをこの段階で全く同一とかなんとかと申し上げるのは難しいのではないかと思います。 実質的には同様の考え方に立っているものというふうに考えますけれども。
○辻元委員 この日米ガイドラインの運用も、やはり我が国の防衛というものがあって、その中の一部であると私は考えるわけなんですけれども、必ずしも一緒ではないというような一それでは、この我が国の防衛力の役割に書いてあることと、これは言葉の順番が変わっているだけなんですけれども、もう一回確認したいのですけれども、ガイドラインで取りまとめられたものは定義が違う部分があるということですね。
○佐藤(謙)政府委員 その異同につきましてここではっきり申し上げられるような状況にはない、こういうことだと思います。違っているとか違っていないとかここではっきり申し上げられるような状況ではない、こういうことだと思います。
○辻元委員 はっきり申し上げられるような状況ではないというのは、どういう状況を指しているのでしょうか。どういうことがあればはっきり言えるのでしょうか。ちょっとわからないのですけれども。
○久間国務大臣 防衛大綱というのは、御承知のとおり、我が国の防衛について述べたものでありますけれども、ガイドラインは、全体を見ていただければわかりますけれども、確かに日米防衛協力の指針の見直しをやったのですが、これは、我が国の防衛力についてだけではなくて、ある意味ではもう少し広い概念もあるわけですね。 だから、今読んでおられるそのくだりはほとんど一緒だと思いますけれども、佐藤局長が先ほどから念を押しておるのは、その二つのものをつくった目的といいますか、並べたところの説明したくだりが違うので、それを全く同じだと言い切ってしまうことでいいかどうかというところに懸念を表明されて、ほぼ同じであろうけれども、それは違うと言っているわけですね。 その違いは何かというと、先ほど言いましたように、大綱で防衛力の役割というのは、これはあくまで自衛隊についての役割を述べているわけでございます。ところが、ガイドラインについては、自衛隊だけではないわけでございまして、米軍だけではないわけでございまして、日米防衛協力という広い意味からそのものをとらえようとしていますので、そこの違いで何らかの違いが出てくる余地が残っているのじゃないだろうか。 そういうようなことで局長も非常に慎重に言葉を選びながら言っているわけでございますので、私も、今直ちにこれが全く一緒であるとか、いや、違うんだ、違うのは何が違うんだというようなことをちょっと言いかねるという感じでございます。
○辻元委員 今長官が防衛大綱は自衛隊の役割を述べているとおっしゃったのですけれども、そうすると、自衛隊の役割以外のことが出てくる可能性があるということですか、ガイドラインにおいては。
○久間国務大臣 それはやはり出てまいります。というのは、後方地域支援にしましても、民間の船会社に頼んで輸送する場合もございますし、自衛艦で必ずしも輸送するとは限らないわけでございます。そういう意味では、防衛協力の指針で書いておりますのは、地方公共団体あるいはまた民間も含めた、そういうことで指針はできておりますから、自衛隊だけの役割というふうには狭くないということでございます。
○辻元委員 そうしますと、自衛隊とかそれ以外の協力も得なければいけないというところはわかったのですが、自衛隊そのものについて言うならば、この自衛隊の役割自体は変わらないですよね。
○久間国務大臣 それは変わらないと思います。
○辻元委員 ということは、私の理解によりますと、自衛隊のみについて言うならば、この防衛大綱の周辺事態の定義と今度のガイドラインの周辺事態の定義は同じであるということですね。
○久間国務大臣 自衛隊について言うなちば、同じような状況を想定しながら書かれた文章であろう、そういうふうに思います。
○辻元委員 今の御答弁ですと、それは同じ事態を想定しているということですね。今、首を振っていますけれども。 それを前提にいたしまして、今回の改正、特に統幕会議の機能の充実というのは、今見ていくような流れからいいましても、先ほどの大臣の御答弁にもありました、ガイドラインの機能にも影響してくるという御答弁はいただきましたが、私は、大規模災害、阪神・淡路大震災のような災害のときに十分機能させたいというものと、もう一つの大きな柱としてガイドラインを見込んでの柱が一つあるのじゃないかと考えるのですね。 こちらに、衆議院調査局安全保障調査室の調査に基づく報告によると、今回の「統合幕僚会議の機能の充実」という項目にこういうくだりもあります。「なお、日米ガイドラインでも、平素から行う協力として、情報交換の強化及び緊密な政策協議の継続や、我が国有事の際、日米各々の陸、海、空部隊の効果的な統合運用を行うことが打ち出され、統幕の果たす役割が増大するものと予想される。」これは間違いございませんね。
○久間国務大臣 ガイドラインに基づきます実効性確保を図るための法整備等が図られますと、自衛隊法等も一部改正されることになるわけでございまして、そうなりますと、自衛隊の機能というのがまた広がるわけでございます。 しかし、そういうようなことがなるかならぬか分けておきまして、もしそういうことがなったとした場合に、そういうふうな中で統幕機能が果たす役割というのはあるわけでございます。
○辻元委員 あるのはわかるのですけれども、これには「増大するものと予想される。」と書いてある。これは間違いですか。
○久間国務大臣 私どもは、まだいろいろな法案とかあるいは最終的な実効性確保のための法整備等の案が固まったわけではございませんで、今の段階で固まって出すという前提に対して物を言いますと、いつもおしかりを受けるわけでございますが、そういう方向で今私たちは努力をしているところでございます。 したがいまして、そういう方向で努力をした結果、そういうような形で必要な法整備等が図られてまいりますと、やはり統幕機能の役割は増大する、少なくとも減少はしないわけでございますから、増大する方向に向かうであろうということは言えるわけでございますけれども、これは、これから先の御審議を経てきちっとまとめてもらわないといけないわけでございますので、そうなると私の立場で言うわけにはまいりません。
○辻元委員 そうしましたら、もう一つちょっと違う観点から質問させていただきたいのです。 一九九六年六月に、SCC、日米安全保障協議委員会、これが親会議だと思うのですけれども、このもとにあるSDC、先ほどからも出てきています防衛協力小委員会が改組されました。この改組されたことについてちょっと御質問したいのですけれども、まず、改組される前、SDCの共同議長は、日本側はだれ、アメリカ側はだれがしていたのでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 今先生お尋ねの件は、旧ガイドラインをまとめましたときのSDCと、今回、平成八年だったと思いますけれども、そのときに改組したときの改組の内容でございますね。メンバーの内容ですね。 突然のお尋ねなものですから、手元の資料で恐縮でございますけれども、日本側は、外務省の北米局長と防衛庁の防衛局長、これは基本的に従来と同じでございます。それから米国側は、実は、従来は在日米大使館の公使と参事官が入っておりましたけれども、今回は国務次官補と国防次官補が入っている、こういうところが主な違いではないかと思います。 正確には、また後ほど御説明を申し上げたいと思います。
○辻元委員 私の手元の資料によりますと、前のガイドラインをまとめたときは、アメリカ側は駐日公使と在日米軍参謀長を共同議長としていた。その内容につきましては、在日米軍と日本にいらっしゃる公使の権限内で自衛隊との協力体制に関する技術的側面を扱う小委員会だったという位置づけである。 それが、これは「日本の防衛」という防衛庁がお出しの資料ですけれども、今回は国務次官補、国防次官補、米国統合参謀本部の代表者、太平洋軍の代表者及び在日米軍の代表者としたというふうになっているわけなのです。前のときは日本にいる公使と在日米軍の参謀長だけだった。メンバーが物すごく広がってきているのです。メンバーは大分広がっていますよ。これはどういう意味ですか。何で広げたのでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 広がったというのか、先ほど申し上げましたように、従来米側は在日米大使館の公使等が入っていたわけでございますけれども、今回はむしろ米国政府の国務次官補、国防次官補も入って、そういった日米の防衛協力について議論を行う体制がとられた、こういうことだと思います。
○辻元委員 というのは、これは守備範囲としては、今までは日本の中にいらっしゃるというか、そういう方で守備していたところが、これは私が見ても、これだけ広がりますと、地球全体を守備範囲として考えざるを得ない。先ほどから周辺事態の議論がありますけれども、そういうふうにいつしか現状が広がっていっている。 これに関してもう一つ、今回の統合幕僚会議の機能の充実ということに関連しまして、幕僚会議からはどなたが参加されるのでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 SDCにつきましては、統幕の事務局長が参加していると思います。
○辻元委員 今までは参加していたのでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 統幕の事務局長は前も参加しておりました。
○辻元委員 そうすると、先ほどからガイドラインにおいて統幕の果たす役割が増大するというのは、SDCのメンバーもアメリカ側もえらい力を入れて広げてきていますし、具体的にこの中で果たす役割というのも増大する、やはり今までのメンバーで行っていたことと違う議論が出てくると私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 御承知のとおり、SDCの上はいわゆるSCC、国防長官、国務長官、そして、私防衛庁長官、外務大臣でやっているわけです。その下の段階で、アメリカ軍の中枢といいますか中央におる人が入っていないということ自体が、日米間で協議するのにむしろおかしいのではないでしょうか。 だから、今までの積み上げの段階ではよかったけれども、最終的にこれから先ガイドラインに基づいていろいろなことを具体的に検討していくときに当たって、下のSDCとしては、在日米軍あるいは太平洋軍と自衛隊とで、先ほど言いましたBPCでいろいろ検討したものを上げてくる、そういうSDCについては、やはりきちっとそういうような責任を持てる人が入ってくる。それがうちの方は防衛局長、運用局長、そういうのが入って、外務省の局長も入って、そういう形でなってくるわけですから、中央に近い人が入ったからといっておかしいというような議論は、むしろおかしいのではないか。 やはり両方の政府同士で決めるわけですから、それなのに、向こうの軍の中央におる人が入っていないこと自体の方がむしろおかしいのではないでしょうか。
○辻元委員 私はちょっと解釈が違うのですけれども、今までは在日米軍と公使の権限内でというところを徹底するという意味でこのメンバー構成がされていたと私は理解しております。 あともう一点、ちょっと時間がないのですが、聞きたいことがあるのです。 ガイドラインにおける、今その流れで来ていますので、後方地域支援の活動というのがありますね。これも、後方地域支援ということですから、今度統幕の機能が充実されたら二以上の幕が出ていく可能性がありますので関係してくると思います。 この理解は、戦闘地域と一線を画するという条件をつけて支援をするということでよろしいのでしょうか。
○佐藤(謙)政府委員 後方地域支援でございますが、ガイドラインの中におきましても、後方地域支援は、主として日本の領域において行われるが、戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本の周囲の公海及びその上空において行われることもある、こういうことでございます。
○辻元委員 私の手元にことしの三月二十八日の新聞があるのですけれども、これによりますと、 航空自衛隊トップの平岡裕治航空幕僚長は二十七日の定例記者会見で、新たな日米防衛指針(ガイドライン)が周辺有事の際の後方地域支援や捜索・救難活動について「戦闘地域と一線を画する」と規定していることについて「一線を画するのは、なかなか難しい」との認識を示した。 平岡氏は後方地域支援活動などで航空自衛隊が派遣された場合について「航空優勢(空域での優位)は時間的、地域的にどんどん変わる。どういう作戦によるか、いろいろな形があり(一線を画するのは)難しい」と指摘した。 というふうな指摘を航空幕僚長がなさっているのですけれども、この指摘はどうですか。
○久間国務大臣 平岡さんから私にも話がございました。若干ニュアンスが違っていまして、要するに、航空優勢を確保しているというふうに言うことによって一線が画されている、そういうふうに言うのが難しいと。 要するに、一線を画すること自体が難しいという言い方ではなくて、航空優勢をここでは確保したと断言するのが、現在のいろいろな飛行機の性能あるいはミサイルの性能、そういうふうなことを考えると航空優勢が確保されているかどうか、そこのところが非常に難しい、そういうようなことを言ったのであって、一線を画する区域がつくれないとかつくれるとかということを言ったのではないのですけれども。全体の流れとして、航空優勢を確保するのが難しくて、それで一線を画するという話になってくるとなかなか難しい問題があるという話をしたのだということです。 今の飛行機に乗っていて、ここは自分が航空優勢を確保していると言い切れるかどうかという、その辺の問題が確かに現実にはあるのではないかと思います。その辺が非常に難しいので、しかし、私たちは、そういうような状況も照らしながら、これから先、どういう形で一線を画する区域を確保できるか、そういうふうなことで戦闘に巻き込まれない地域を確保していきたい。そうしなければ憲法九条に抵触するおそれがあるわけですから、抵触することのないようにしていきたいと思って、これから先、その辺の議論も詰めていきたいと思っているわけでございます。
○辻元委員 そうしますと、これは毎日だけではなくて朝日新聞にも出ているわけですが、そこの記事はいろいろな形があり、戦闘地域と一線を画するのは難しいと指摘したと書いてありますね。これは新聞の誤報ですね。
○久間国務大臣 誤報というふうに言えるか、その新聞記者がどういうニュアンスでとったのか、今言ったように、平岡さんの趣旨は、航空優勢を確保することによって一線を画すという言い方が難しいということなのですね。その真意というのは、今言うように、航空優勢を確保できると言い切るのは飛行機乗りとしてなかなか微妙なのだというようなニュアンスで自分は言ったというようなことを私は聞いております。
○辻元委員 今のも同じお答えなのです。ということは、一線を画するのは難しくないというふうに大臣はお考えですか。
○久間国務大臣 一線の画し方は難しくないと思います。それは極端な言い方をすれば、太平洋のど真ん中なら明らかにこれは一線を画せるわけです。 しかし、そういうことを言うのではなくて、私たちが今から努力して詰めていかなければならないのは、どういうようなことなら効果的な輸送もできてなお一線を画することができるか、そのために苦労しているわけでございますから、どうか私たちの苦労についてもわかりながら、そういうことが可能かどうかについて一生懸命努力していることについて、御協力を願いたいと思うわけです。
○辻元委員 苦労するのは、そういうお仕事だと思うのですけれども、それが正しい苦労なのかどうかということを私たちはやはりしっかりチェックしなければいけないということで私は質問しております、 というのは、ガイドラインについて、これからこの委員会で皆さんと審議していくことになるかと思いますが、ここのところは非常に大きな論点になるのではないかというふうに思って質問したわけです。 時間が来ましたので、終わります。
○塩田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○塩田委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。中路雅弘君。
○中路委員 本法案に反対の討論を行います。 昨年九月の新ガイドラインに基づいて、米軍、自衛隊の間で共同計画検討委員会が設置され、相互協力等のプランニングが進められています。他方で、国内関係省庁等の包括的メカニズムづくりも着々と進められており、橋本首相は、新ガイドラインを実施するための法案を今国会に提出すると表明しています。 本法案は、新ガイドラインによって我が国自衛隊が担うことになった新たな役割を遂行していくためのものであり、断固反対するものであります。 第一に、統幕会議の権限の拡大は、新ガイドラインで改めて強調された日米共同対処行動における日米の陸海空部隊の効率的な統合作戦を行うためのものであり、日米間の作戦構想の確立、指揮及び調整や情報交換等の手続作成において、統合作戦の強化を図るものであります。 また、共同作戦計画と一体のものとして行われる、いわゆる周辺事態のプランニングにおいても統幕会議の役割が増大し、共同の基準や実施要領が作成されていくことになるのであります。統幕会議が在日米軍等との作戦計画づくりに大きく関与していくことは、周辺地域における情報収集活動、自衛隊の海外作戦に道を開くものであり、断じて容認できません。 第二に、陸上自衛隊の旅団の創設と海上自衛隊の補給本部の新設は、いずれも新ガイドラインに基づく自衛隊の組織改編であり、容認することはできません。 いわゆる旅団化計画は、一部師団の規模は縮小するものの、即応予備自衛官の配備などの部隊改編と装備の近代化を進めることにより、機動性と独立的作戦機能を持つ部隊をつくり上げることによって、新ガイドラインでうたわれた平時のPKO、人道的国際救援活動、不正規型の攻撃や日米共同対処など、多様な事態に対処できるものにするものであります。 海上自衛隊の補給本部の新設は、陸上自衛隊の補給統制本部の設置と並んで、新ガイドラインの周辺事態への自衛隊の後方支援態勢を一層強化するものであります。 このほか、外国留学生の受け入れを促進するいわゆる防衛交流は、新ガイドラインで改めて強調された平時の軍事協力の一環であり、また、任期付研究員制度の導入は、高度な先端軍事技術研究を日本の科学技術体制に持ち込むことになるものであります。 以上の見解を述べ、反対討論を終わります。
○塩田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○塩田委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○塩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十八分散会