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141回国会衆議院1997/12/01

予算委員会 第8号

発言数
130
登壇者
17
会派数
5
開催日
1997/12/01

会議録

松永光自由民主党

○松永委員長 これより会議を開きます。  予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  本日は、銀行及び証券問題等について集中審議を行います。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁松下康雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永光自由民主党

○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮澤喜一君。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 総理、カナダへの御旅行、お疲れでいらっしゃいましたが、その際、バンクーバーにおきまして、APECの首脳会議の場でロシアを新しくAPECの会議に加盟をお認めになられた。これは総理が、クラスノヤルスクでエリツィン大統領に一生懸命やってみようとお約束なすったことではありましたが、何分にもAPECは非常に狭い門でありますし、ロシアは後発でもございましたから、私はなかなか難しいんだろうと思って陰ながら考えておりましたが、これがいち早く実現したことは、エリツィン大統領に対する信頼を増す意味で大変慶賀すべきことであったと思います。  クラスノヤルスクに総理とエリツィン大統領が、いわば上着を脱いでああいう地方の都市でほとんど一対一で話をされたということは、大変に将来に向かって意義のあることであったと私は考えておりますが、その際、長年の懸案である両国の平和条約も二〇〇〇年までにひとつ努力をしてつくろうといったようなお話、あるいは将来に向かってシベリアの天然ガス、石油等の開発、輸送などについてもお話があったようで、これらはいずれにしても簡単なことではございませんけれども、しかし両首脳の間の信頼がつくられたということは、これらの問題の解決にも非常に大きな意味があると思います。  私は、それと同じように、あるいはそれ以上に、これによって我が国の二十一世紀に向かっての外交が大きな選択肢を持つことになったということが大切なことではないかというふうに思います。  従来、ロシアとの間にはいろいろな事情があって、なかなか素直な外交がやりにくいという事情がございましたけれども、またエリツィン大統領も、やがて日本に上着を脱いで来られるというようなことであります。  先般は、クリントン大統領と江沢民主席との会談がございました。また、エリツィンさんはクラスノヤルスクの会談の後、すぐに北京に行っておられる。我が国にはまた李鵬首相が来られる。そしてプリマコフ外相も日本に来られる。総理は、クリントンさんとはしょっちゅう電話で話をしておられるというふうに、我が国とアメリカと中国とロシア、これらの四つの国が互いにしょっちゅう連絡をし合う、対話をし合うということは、我が国にとりまして、実は初めて外交に大きな選択肢が生まれた、いわばカードを持つことになったということになると思います。  私どもは、二十一世紀に向かって、我が国が軍事大国にならないで、そして我が国及びこの地域の平和と繁栄を図りたい。もとよりその基本になりますのは、昨年、総理がクリントン大統領とお出しになりました日米の安保条約をめぐる共同声明、そのガイドラインスが今着々とつくられつつございますが、これが基本であります。これを基本にしながら、我が国の外交が二十一世紀に向かって大きな選択肢を持つようになった、このことの意義は、私は過小評価してはならないと考えます。  そういう我が国のこれからの外交の展望につきまして、まず御所信を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私がクラスノヤルスクにおきまして、エリツィン大統領との間にまさに上着なしの個人的な会談を持つに至りましたのは、ことしのデンバー・サミットにおきまして、従来のオブザーバー的な立場からロシアが正式のメンバーに確定をする、ただその中でも、ウクライナの問題とか、あるいは一部の問題につきましては従来の構成国で議論をする問題が残っておりますけれども、ある意味では、このG8化されましたサミットというものの中で不正常な関係が続いている日本とロシア、これは何とか解決をしなければならないという思いでございました。  そして、そのような思いで昨年の原子力安全サミットのときにモスクワでお目にかかり、随分個人的にも議論をさせていただきましたけれども、その後、初めての大統領選挙を経て、民主的に選ばれた大統領という立場になられたエリツィンさんとは、デンバーが初めてであったわけであります。  そうした中で非常に率直な話し合いができ、この雰囲気を持続することができればという思いから、非公式の会談というものを申し入れましたものが実りました。そして私は、自分が考えておりました以上にこの話し合いというものは双方が率直に問題を出し、それが、当然のことながら、北方領土と言いました途端に向こうは受けられない部分を持っておりますが、平和条約をつくるためには、いずれにしても国境線を画定しなければならない。そして、それは東京宣言という、エリツィンさん、あなた自身が署名をされた文書がもとだという議論の中から、二〇〇〇年までに平和条約を締結するという努力目標、残念ながらまだ今の時点では努力目標であります、しかし、それに向けて全力を双方が尽くそうというところまで参りましたことは、私自身、ある意味ではほっといたしました。  と同時に、これで、ややもするとヨーロッパを向きがちであり、ヨーロッパから物を見るロシアというものから、アジア太平洋地域、極東というものを、もう一度ロシアが自分の国内できちんと整理をされた形で頭に入れてもらえる、その足場が築けたと思っておりました。そしてこれは日本にとっても、当然のことながら、大きな今後の選択肢の拡大というものになったと存じます。  それだけに、その時点におきまして、APECに加盟することの可否、ロシアとしての希望、こうしたものが議論になり、入る意思があるならば日本は支持するし、全力を挙げるという約束をいたしましただけに、今回これが認められるに至りましたこと、さまざまな議論はございましたけれども、先行しておりましたベトナム、ペルーと同時にロシアも参加が確定をしたこと、そして、その後十年間のモラトリアム期間を設けるというところまで参りましたことは、私は、アジア太平洋地域においてロシアが重要なプレーヤーとしての役割を担うという意味でも、これは非常に将来に大きなプラスをもたらすという受けとめをいたしております。  これは恐らく、エリツィンさん非常に喜んでいただいたという連絡を受けておりますけれども、もう一つの副産物として出てきますのは、まさに今議員から御指摘をいただきましたように、ややもすると日中、日米、米中、あるいは米ロ、中ロ、日ロ、これが一堂に会するという場をなかなかつくりづらい過去の状況がございましたのが、APECという非公式の首脳会合の場というものが設定され、ある意味では、自然体でこれら四カ国の首脳が顔を合わせ、隔意ない議論ができる場をつくることができた。  これも私は、非常に将来にとって役立つメカニズムとして、地域の安定、平和の上にも有効に機能してくれる、そういう日が必ずやってくるだろう、そのような思いでこれに期待をかけております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 十年間のモラトリアムをおしきになりましたから、この機を逸しますと、実は新しい加盟ということは非常に難しかっただろうと思いますので、大変にエリツィンさんとしても喜んでもらっていいことだと思います。  それから、平和条約については、東京宣言に基づいてという大事なところを押さえておられますから、これもそれで間違いがない。ロシアとしては、やはりNATOの拡大ということがございますから、どうしてもこれは余りうれしいことではなくて、こちら側へ関心を持つということも自然の勢いであったと思うので、将来そういう関係が発展することを心から希望をいたします。  それから、今度のAPECでは、当然のことながら、東南アジアの通貨不安の問題についても御討議があったように承ります。夏にタイで始まりまして、インドネシア、そしてこれは両方ともIMFが入りましたが、今、韓国のところに問題が来ておるように承知しております。  韓国の経済は、GDPはタイとインドネシアとマレーシアを合わせたよりも大きゅうございます。また、我が国にとってはもとより一番近い国でございますから、この韓国との関連は一番大切にしなければならないし、また、IMFとの話ができていきますならば、我が国としては当然支援をしなければならない立場にあると思いますが、これらの問題につきまして、APECでの御議論、あるいは最近の発展がもしございまして、お差し支えなければ御所見をお漏らしいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 アジア太平洋地域、あるいはアジア地域とこの場合は置きかえてもよろしいかもしれません。これが近年、大変急速な経済成長を遂げている、そして世界経済に占めるウエートも増大しているということは、どなたも否定されないことでございます。  ところが、その中で最近、タイあるいはインドネシア、韓国などにおきまして、通貨や株価の大幅な下落が生じている。そして、このようなアジア地域の通貨あるいは株価の変動は、この地域が世界経済の中でウエートをそれほど占めていなかった時代とは異なりまして、世界経済全体への大きな影響が懸念されるという状況にすらなっておるのは、御指摘のとおりであります。  実は、デンバー・サミットの折に、その時点で私も、これほど広範囲にこれが波及するという懸念を持っていたわけではございませんが、タイのバーツについては既に懸念を持っておりました。これは国境を越えましてミャンマー等にも、またその他の地域にもバーツの価値の下落は影響するわけでありまして、この問題を実はデンバーで、従来の七カ国プラスEUの場で私は一度テーブルにのせましたが、その時点では、各国の首脳の関心を残念ながら引くに至らなかったわけであります。言いかえれば、さほどの問題意識を持っておられなかったと申し上げるべきなのかもしれません。  しかし、今回のAPECの非公式首脳会合におきましては、当然ながらこれは極めて関心の高いテーマでありましたし、会議で活発な議論が行われましただけではなく、コーヒーブレーク等の間を利してもそれぞれ各国同士がこれについての情報交換を行うというような、極めて従来とは異なったAPEC非公式首脳会合の様相を呈しておりました。  その上で、APECにおきましては、まず域内の経済のファンダメンタルズは依然良好であり、潜在的な成長力も大きいという共通認識がまず確認をされました。そして、そのような認識のもとにおきまして、アジアの経済安定のためには、まず各国が適切なマクロ経済運営、構造調整努力を行うことによって、域内の通貨、金融、経済の安定に取り組む決意が必要という認識でも一致をいたしました。  同時に、先般のマニラ会合で合意されました金融、通貨の安定に向けたアジア域内協力強化のための新フレームワーク、これが歓迎されますだけではなく、強く支持をされたというのも今回の特色であります。  通貨下落の対応に対して、何よりもIMFと関係国の間で政策調整プログラムを合意することが重要、そして既にタイあるいはインドネシアにつきまして、我が国は、このIMFとの政策調整プログラムの合意というものを前提に、ほかの国々とともに積極的な支援を行っているわけであります。  こうした経験をお互いが踏まえた上で、今回、マニラにおける新たな国際協力のフレームワークが合意をされたということは、日本としても歓迎でありましたが、各国が同様の感じでこれを受けとめております。日本としては、今後ともこうした国際的な枠組みの中で、域内の通貨安定に積極的に寄与してまいらなければなりません。  特に韓国につきましては、現在韓国政府とIMFの間におきまして、韓国の経済構造改革に関するプログラムについての協議が行われております。実は、きょう多少寝不足の顔をしております原因は、昨夜中にも決着をする可能性があるいはあるのではないかということでウォッチし続けておりましたが、結局、昨日中の決着は無理でありました。しかし、本日中にも、この経済構造改革プログラムは原則合意される見込みとの報告を先刻受けております。  私自身、本当に、IMFと韓国との間で合意が成立することを、そして、その合意が成立することによって、韓国に対する国際金融市場の信頼が回復することを心から願います。  同時に、韓国とIMFとの間に経済構造プログラムの原則合意がなされました場合には、我が国としてもこの合意をただ単に歓迎するだけではなく、アメリカ等とも韓国に対しましての金融支援を行ってまいる所存でありますし、これは既にバンクーバーにおきましてクリントン大統領とも議論をしたテーマの一つでありますけれども、協力をし支援をしていくという意思のもとに、日本としてはやはり最大限の貢献をしてまいりたい、そのように考えております。  韓国は、御承知のように、今の民間債務残高のうち五〇%近くがヨーロッパであります。そして、日本が三五%余り、アメリカが一〇%ちょいぐらいの数字でありますから、日米だけがこのIMFとの合意を抜きにして何らかのアクションをとりましても、圧倒的なヨーロッパの債務残高を考えますとき、やはりIMFの合意というものが前提になければ安定をしないであろう。  金大統領にも、そうした私自身の感じもお伝えをし、できるだけ早くIMFとの基本合意に達することが何より重要であり、その場合、それが前提とされ、我々としても努力ができるように早くしてもらいたい、そのようなことを申し上げてまいりました。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 IMFは、援助をするに際しまして、総理の言われますように、かなり厳しい条件をつけてまいります、いわゆるコンディショナリティーというもの。それにつきましては、受ける国とIMFとの間に、どうしてもかなりきつい交渉があらざるを得ない。今そういう状況にあるのだということを総理のお話で想像をいたしますが、我が国は、そういうIMFとのコンディショナリティーができますと、常にIMFを助けて援助に回らなければならない、また期待されている国であります。  きょう、このような問題で予算委員会が開かれ、金融システムについて国民は御心配ではありますけれども、我が国は援助を受ける国ではありませんで、援助をする国でございます。  これは国民も御存じだろうと思いますけれども、今韓国でも、とにかくドルを少しでも節約をしなければならないというような状況である。タイもそうですしインドネシアもそうですが、我が国は、恐らくこの年末にもたくさんの国民が海外に行くでございましょうし、政府もまた、何とか国民の消費が高まらないかというようなことをひそかに思っているわけでございますから、何しろ世界第一の債権国、アメリカの国債をこれだけ持っている、国民貯蓄も多いという国であることは、これはもう申すまでもないことでございます。  そこで、大蔵大臣に一言お伺いをいたします。ですが、今度の東南アジアの通貨危機が始まりました夏ごろから、大臣は財務官を現地にいち早く派遣されて、そして各国と非常に緊密な打ち合わせをされました。ですから、我が国の好意というものは各国ともよくわかっている。ただ、先ほど総理も言われましたように、援助をするにつきましては、IMFは、その国の経済のあり方、場合によって政治のあり方にかなりいろいろ注文をつける。これはつけざるを得ないのですが、これは主権国の間ではとてもできないことでございますので、そういうコンディショナリティーの成立を待って、我が国としてはIMFと連携をして援助するという立場に立たざるを得ない。それは、当然私はそういうことだと思います。  したがって、韓国においてもそうでございましょうけれども、そういう状況の中で、我が国が我が国の立場をわきまえながら、しかし十分に相手から評価されるような援助を続けていくべきだと思いますし、またそのために、大臣の持っておられる、あるいは外交もそうでございますが、機能を十分に発揮をしていただきたい、こういうふうに思いますが、御所見をお伺いいたします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 御指摘のとおりの基本方針を踏まえて、今日まで取り組んでおるところであります。  アジアの中の日本の立場、宮澤前総理言われますとおり、まさに唯一の債権国でございます。しかるがゆえに、アジア諸国、ASEAN諸国は日本との連携を毎年深めてきております。御指摘のように、タイ・バーツの危機、インドネシア・ルピアの危機は、ASEANだけではございません、アジア全体に波及をし、昨今のグローバル化は世界にも波及するということであります。  タイ、日本問題が起きました折に一番先にタイの大蔵大臣が訪日をし、何としてもタイ・バーツの安定のために格段の御支援をということでございました。総理とも相談をしながら、私は、承るけれども、まずはIMFに対して強く働きかけ、調整プログラムを受けて立つということでありますと。このことを実行してくれました。よって、東京会議が自発的に決められたわけでありますが、ASEAN諸国、関係国が集まりまして、この支援体制がIMFの受諾を基本としてもろもろの支援策を決定いたしたことは御案内のとおりでございます。  アジア通貨基金という言葉もありますが、期せずして自然発生的に、IMFとは別にそういう協調支援体制を日本が中心となってやろうではありませんか、これがアジア通貨基金、仮称、これのスタートの原点でございました。そういう中にありまして、今後ともIMFとの連携は綿密にしてまいります。  お互いは自力、自助努力でやろうということはよしとするも、やはりIMFである、これを外から補完をする立場をとろう、こういう形で、両々相まっておるというのが今日の通貨政策の基本であります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 どうぞよろしくお願いを申し上げます。  そこで、このような東南アジアの通貨あるいは株式市場の変動がありますときに、たまたま我が国では、十一月に入りましてからかなり大型な金融破綻が次々に起きておりまして、また、総理のお留守中にもそういうことが幾つかございました。  現実に起こっておりますケースを一つ一つ見ますと、実は、かなり前からうわさされているものがほとんどであって、おのおのの事情がある。何もその間に連鎖倒産を呼ぶような状況があるわけではございませんけれども、短期間に大きな倒産が幾つか起こりましたので、国民の間には一種の不安がある。正直を申しまして、かなりの不安が国民の中にあるように思います。また、それが依然としてどこかの前に長い列ができるというような行動にまで、まだなっているところがあるようでございますけれども、実は、この不安というものは、正直余り実体のないものでございまして、いわば一種の疑心暗鬼のようなものであるように私は思います。  したがって、一つ一つの事態を、真相をきちんとディスクローズする、解明をするとともに、このような事態に対して総理大臣は、国民の先頭に立って対処をする、安心をしてよろしいということをおっしゃることが、この不安というものが解決する一番大事な端緒になるのではないかというふうに考えております。  他方で、そういうことが起こっておりますときに、これは全く別の事情から、金融の貸し渋りというものが起こってまいりました。後ほど詳しく申し上げて御所見を伺いますが、明年四月をめどに、金融機関の自己資本比率を是正する早期是正というものが行われることが既に決まっております。それに向けて各金融機関が、いわばこれは試験のようなものでございますから、何とかしてそれに合格をしなければ恥をかくというようなことから、本来は自己資本を充実すればよろしいのですけれども、それは難しゅうございますから、資産の方を何とかして切りたい。資産を切ることによって、自己資本比率の、国内でいえば四%、BISならば八%ですが、それを実現をしたいということから、ちょっと本当に思わないような貸し渋りというものが進行しております。  これは、火事や地震と違いまして、ある日突然起こることでないものですから、なかなかその実態というものが把握しにくいのですが、ここまで来ると、それはもう事実それであるように思います。  こういう事態がございましたので、実は総理大臣は、外遊、外国にお出かけになります前に私どもをお呼びになって、この事態に留守中によく対処をしておくようにという御指示があって、私どもの党では、緊急金融システム安定化対策本部というものをつくりまして、この事態にどう対応するかを連日協議をいたしております。  できましたら、十日ぐらいの間に結論を出しまして、また総理・総裁の御指示を仰ぎたいと思っているところでございますが、いろいろ検討していきますと、やはり我が国にとって非常に難しいのは、片方でバブルの崩壊というものがあって、それに対処をしなきゃならない問題がある。他方で、しかし、ビッグバンにはこれから出かけていかなければならないという両方の事情が同じ時期に起こっているということが、問題を非常に難しくしているのではないかと思います。  これから具体的に金融システムの正常化について所信を申し上げて、御所見を伺いたいと思いますが、今の時点におきまして、外からお帰りになりました総理が、大体大づかみにどのように今の国民の心理あるいは経済の状況を把握しておられますか。いずれ総括的には最後にお伺いをいたしたいと思いますが、できますれば御所信を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 ちょうどAPECに出発をいたします。その当日、二十四日に、山一証券が自主廃業に向けた営業停止を宣言をすることになりました。そして、まさにAPECの非公式首脳会合の真っただ中に、徳陽シティ銀行が営業譲渡を決定したという連絡が入ってくる。そして、この両方に対しまして、大蔵大臣及び日本銀行総裁が金融システムの安定性確保についての談話を発表され、その談話もすぐ届けられるということで、状況は把握しながら、むしろ私はその時点で、これが海外、APECの非公式首脳会合の席でありますだけに、この機会を使って、まさに日本が債権国であるということから彼らの不安感を取り除かなければならない、そんな役回りを受け持つことになりました。  私自身、ちょっと、本当に慌てましたのが、バンクーバーに着いて一番最初に受けました質問が、日本は大丈夫ですか、IMFに支援要請をいつごろなさるのですかということでありまして、これは本当に跳び上がりました。  そして、日本はむしろ最大の債権国で、IMFに支援要請をするという、そんな話ではない。むしろ、それぞれの事例は、例えば北海道拓殖銀行の場合は、既に海外業務から撤退していて、国際的に迷惑をかけることではないが、我が国の一つの地域に集中して影響が出かねない危険性のあるもので、これはこういう形で不安のないように対応した。山一証券の場合には、自主廃業という道を企業として選ぶその前段階に、特定の損失補てんあるいは総会屋への利益提供、飛ばしによる簿外損失といった問題があり、ただし、これは非常に国際的にも活動しているものであるだけに、十分我々はその影響に対してカバーしていく。  そういう意味では、私は、国外におきましても、相次ぐ金融機関の破綻によりまして、金融システムあるいは金融機関に対し、不安あるいは戸惑いというものが出たことは間違いがないだろうと思います。しかし、ここで申し上げなければならないことは、金融システムというものが経済の根幹でありますし、その安定確保のために我々はあらゆる手段をとる決意だということであります。これは国際的にも申し上げたことでありますが、国内に対しても、改めてこの場をかりて私はこれを申し上げなければなりません。  そして、金融システムの安定性の確保とは一体どういうことになるんだ。それは、個別金融機関の破綻が他の金融機関に伝播する、そしてシステム全般が揺らぐことがないようにすること、そして内外のマーケットの信認を維持し続けること、これに尽きるかと思います。  そして、その際一番大事なことは預金者に安心感を持っていただくことでありますから、実際これまでに幾つかの金融機関が破綻をいたしておりますけれども、預金保険制度の活用などによりまして預金は全額保護されているわけでありますし、我々はこの姿勢を崩すことはできません。  ですから、預金者の預金を全部保護する、これが一番の基本でありまして、いずれにいたしましても、預金者の保護、またインターバンク取引の安全、顧客資産の保護、これには万全を期してまいりますし、断固としてこれにより金融システムの安定性を守る決意ということを、強くここで改めて申し上げたいと存じます。  そして、そうした説明をAPECの非公式首脳会合の場におきましても私は御説明をし、ある意味ではほっとされた各国の首脳もおられたかもしれません。また、マスコミの方々にもそのような御説明をしてまいりましたが、この国会の場を拝借いたしまして、改めて、我々は預金者を守る、お客様を守る、そしてシステムの安定性を確保する、そのためにはあらゆる手段を行使していく決意であるということを申し上げておきたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 そこで、金融システムの安定という問題につきまして、一つずつお尋ねを申し上げたいと思います。  最初に今お話しになられました預金について、次に貸し出しについて御所信を伺いたいと思っておりますけれども、今総理の言われましたように、あらゆる預金はすべて全額保護されるということは、これは国民にかなり徹底しております。したがって、その点についての不安はまず起こっておりません。  本来であれば、自由化が進んで、そしてビッグバンが進行いたしましたら、私は、ビッグバンというのは結局国民消費者がいろいろな選択を持つ、消費者のためのものであると考えておりますが、これが何年か進みましたら、いろいろな金融商品が生まれてくる。消費者の選択によって、どこに預金をしようか、どういう利子がいいかというようなことは、消費者が選択を十分にできるようになりましたら、どこへ金を預けても全額みんな返しますというようなシステムは本当はやがて改まって、最低これだけ、いわゆるペイオフというようなことになっていくのが本当だろうと思いますけれども、それには時間がかかります。  したがって、おっしゃいますように、預金保険機構はすべての預金を全額保証をする、いわゆるペイオフの時点まで、二〇〇一年の三月までですが、そういう体制でおります。  そこで、預金保険機構についてでございますが、そういう体制をとりますために特別勘定を設けまして、従来の保険料の七倍と言われますが、非常に大きな保険料を金融機関から徴収をしております。年間四千六百二十億と言われる額でございますけれども、これが平成十二年まででございますから、トータルでほぼ二兆七千億という推定のようですけれども、それだけの財源を持っている。それに対して、また日本銀行は二兆円までの貸し付けをすることができる。ですから、金融的には問題があろうとは思わない。  ただ、今日までの間に一兆四千億ぐらいでございますか、これはことし木津信用金庫というまことに遺憾なケースがありまして、これに一兆円も払ったものですから、とんでもない支出をいたしましたので、結局、二兆七千億円の半分ぐらいが残っておるかと思います。  いつぞや三塚大蔵大臣が言われましたように、今後余り大きな倒産はないだろうというのが大方の見方ではありますけれども、それならば、この預金機構の金で、これで帳簿を締めるまで全部大丈夫かと。金融的には問題がありませんので、それを伺っているのではなくて、ネットのロスは生じないかどうかということは、専門家の間でも、当然のことですけれども見通しがしつかりしておりません。分かれておるように思います。  そこで、私どもの党で議論をしておりますのは、そうであるとすれば、そうならなければいいけれども、最後に何がしかのロスが起こるとすれば、それはやはり政府が負担をするのが本当ではないかという議論がございます。  といいますのは、先ほど申し上げましたように、今の保険料率というものは非常に高くなっております。それも、預金量に応じて徴収をするものでございますから、何にも心配がない、もうすっかり引き当ては一〇〇%済んでおりますというような大きいところが、実は小さい危ないところの負世をしょっておるということになっていて、私もそれは、金融界全体の信用という意味ではそういう思想を全面的に否定するつもりはないのですけれども、これ以上それをしょわせるということ、大体大きいところで二百億円ぐらいの負担になっていますので、そういう銀行は実はこれからビックバンに身軽になって乗り出して外国と競争しなさやならないときに、自分のところに全く関係のないものをこれ以上しょわせていいんだろうか。  他方で、いや、それはみんなに、危険の度合いに従って、預金量じゃなくて、そういう配分をすればいいという意見はありますけれども、それをやっていきますと、一番小さいところは実は純益が飛んでしまう。何々金庫なんていうのをやってみますと、そうなります。そうなってはいかぬから、やっぱり大きいところがしょっている。私は、それには実は限度があって、もっとやれというのは昔の護送船団の思想ではないか、奉加帳のような思想ではないかと思うので、ビッグバンの時代になると、もうそれには限度があると私は思います。  そこで、そういうこともあって、万一最後にしりが残るようならば、それは全保険者の、全部のためでございますから、国が見てもいいんではないか。  ただ、しりが残るか残らないかわかりませんし、金融はございます。ですから、今それを何かするという意味ではありません。むしろ私どもの党内でいろいろ議論になっておりますのは、例えば今、日本銀行が二兆円貸せると申しましたが、あの信用保険機構の中で、信用組合の勘定には日本銀行が金を貸す、それについては政府保証がついております。したがって、一般金融機関の方も政府保証をつければいいではないかという意見がございます。  日本銀行と政府は一つのようなものでございますけれども、会計は別でございますから、やはり政府保証があるということが日本銀行としては恐らく望ましいのであろう。あるいはまた、この機構が社債を発行して、それを政保債にすればいい、それも一つの考え方かもしれません。方法はどれでもよろしいので、いずれにしても、今財政資金か要るというような話ではない。将来は、財政が、もし赤字が出ればそれは負担をする、こういう一種の保証、あるいはもうそういうことは行わないで済むのかもしれないというようなことについて、私どもの党内で議論をいたしております。  それで、これはいわゆる公的資金の投入という、いわゆる住専問題のときに議論になりましたのとは違いまして、冒頭に総理が言われました、預金者を保護する、預金者を安心させるというための一つの方途として議論されておるところでございますけれども、同じ問題は、証券については寄託証券の補償基金であるとか、保険については保険契約者の保護基金であるとか、これらは任意基金でございますから、これも実は法制化する必要があると思いますけれども、主たる今の保険機構についての、一般の預金者保護のためのこういう考え方につきまして、総理にお考えがおありでございましたら承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 順番をひっくり返しまして、触れられました寄託証券補償基金からちょっと申し上げたいと思うのですが、これは、現在財団法人でありますものを証券取引法上の法人に改めて、基金への拠出を証券会社に義務づけるなど、投資家保護の観点からその制度の整備拡充を図ることを政府として検討いたしております。そして、次期通常国会におきまして、所要の法改正について御審議をいただければと私どもが考えておりますことを冒頭申し上げておきたいと存じます。同時に、今、預金保険機構につきましては、挙げられました数字のように、既に実行済みの金銭贈与が約一兆四千億円、五年間の財源見込みが二兆七千億円でありますので、二〇〇一年三月までに使用可能な財源見込みが一兆三千億円、御指摘のとおりでありまして、同時に、今後発生し得る金融機関の破綻というものを現時点で予測することは困難でありますけれども、いずれにせよ、いろいろな御議論も踏まえながら検討していかなければならないテーマだということは、当然のことながら私ども意識をいたしてまいりました。その上で、預金保険機構の一般金融機関の特別勘定、政府保証をつける、今、金融システムの安定性確保のために、あるいは強化のために、公的又援を伴ういろいろな考え方が論議に出ておりますこと、私どもよく承知をいたしておりますし、また、私自身、公的支援によってセーフティーネットを完備する、そして預金者を保護することが非常に重要なことだという思いは大変強く持っております。  それだけに、どんな事態が生じましても対応できますように、預金者保護のために、公的支援によって利用可能な資金を拡充していくこと、これは今後検討していくべきではないか、そのような思いでおりますことを正直にお答えにしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 いずれ、具体案を私どもの党、それから三党との間で相談もいたしまして、また具体的な案になりましたら御報告も申し上げ、その上で必要ならば立法をお願いしたい、かように考えております。  ただいままでは、いわゆる金融システムのうちで預金に関する部分でございますが、これからお尋ねをいたしますのは、貸し出しに関する部分でございます。  来年の四月をめどに、金融三法の規定によりまして、おのおの金融機関は自己査定によって自己資本比率の確保を、改善をしなければならない。その目標は、先ほども申し上げました四%、また八%でございますが、自己査定ができますと、それが公表され、報告されて、その結果がスタンダードを達しないということになりますと、大蔵省がそれについての是正に入る。  是正に入りますと、状況によって違いますが、例えば、新しい店舗の新設を認めないとか、重役の賞与を削るとか、いろいろな改善命令というものが出されることになっておりまして、最終的には業務停止命令まであるという、非常に、私はこれはやむを得ないと思うので、いわゆるバブルの後の処理として私はしかるべきことだと思いますから、これをやめるべきだというふうに私は思っておりません。  ただ、金融機関側の受け取りは大変に、いわば昔の言葉で言えば人に負けまいという大和魂のような受け取り方をしておりまして、昔でございますと、大蔵省の検査や日銀の考査が、あなたのところのこの債権、少し危ないのじゃないですかと言うと、金融側は、絶対そんなことはございませんと言ったものでございますけれども、今度は、自分でむやみに危ながって、公認会計士も本気になって、えらいことになっておるというのが大体の今の実情だろうと私は思います。  後に通産大臣から承りたいのですが、私が試算してみますと、例えばこの一九九七年の三月、前年度末の自己資本比率を今日も維持しようといたしますと、その間に株価が非常に低落をしておりますものですから、それを埋める方法としては分母を切らざるを得ない。今年の三月末の自己資本比率を今日維持しようとしますと、両方の間のダウの違いだけを埋めるにいたしまして、これは達観でございますので正確ではありませんが、総貸し出しの四%とかそのぐらいなものを分母から切りませんと維持ができない。  それはきょうの時点でございますから、来年の三月のことは予測ができないことでございますけれども、そのぐらいな状況になっておって、それが、中小あるいは中堅までのようでございますけれども、貸し出しの回収になっている。  それで、何とも言えませんので、そこまでのことを行政が、そういう厳しい激しい動きになると予想したかどうかはわかりませんけれども、しかし、この行政そのものが間違っているとは言えないと思いますので、後ほど考えておることを申し上げますが、こういうことはなかなか実情がわかりませんので、通産大臣にお願いを申し上げます。  全体の金融システムについての不安であるとか、あるいは今の貸し渋りの状況であるとか、ついでに、北拓、拓殖銀行は地域に非常な力を持っておりましたから、地域にそれがどのような影響を及ぼしつつあるかとか、通産局から報告をお受けになっておられるかと思いますので、状況の御説明をお願いをいたしたいと思います。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり、非常に厳しい経済、金融情勢であると認識をいたしておりまして、私も十一月二十四日の夜、APECの閣僚会議から帰ってまいりまして、十一月二十五日には、急邊、通産省として、事務次官を本部長といたします産業金融対策推進本部を省内に設置をいたしまして、企業の資金調達の状況など、産業活動に与える影響などについて具体的な状況の把握を行うということで、全省挙げてそれに取り組む状態を今行っておりまして、本日、第一回の集計が行われるところになっております。  実際のところ、産業界への影響は一部の中小企業にとどまらず、相当範囲の中小あるいは中堅企業にまでこの貸し渋りの影響というものが懸念をされている状態でありまして、これらの金融機関の、先ほどからのお話にもございます大型の金融機関の破綻の風圧を受けまして、そのために株価が値下がりをいたしまして、先ほど先生がおっしゃられましたとおり、本年の三月末に比べまして十一月の末では、現在の株価の値下がりは約二千円程度となっております。この値下がりによる含み益の減少は、大手十二行だけでも約三兆円に及ぶのではないかと言われております。  そうなりますと、この株式の含み益が減少することの影響を、もし先ほどの先生のお話のように、BIS基準のために自己資本比率を下げずに貸し出しの圧縮のみで対処しようということになりますと、二千円株価が下がるということは、約三十兆円規模の貸し出しを圧縮しなければならないという試算が出る試算もございます。  もちろん銀行サイドでも、資産だとか債権の流動化などで所要の対応がなされるものと考えられますが、最大限の影響を及ぼす一つの数字として頭に置いておく必要があると考えておりまして、これがクレジットクランチを引き出すということの原因になるおそれがございます。そういう意味で、これらのことの万全を期するために、こういう点を考慮して対応をすべく全力を挙げているところでございます。  中堅、中小企業約二千百社を対象としたこれまでの調査結果によりますと、政府系の借り入れ条件、その他の民間金融機関からの借り入れ条件は、不動産・建設業、サービス業、小売業、小規模な事業を中心に非常に厳しくなっておりまして、今後についても、調査対象企業の約過半数である五六%、約二千百社を対象にいたしておりますが、五六%の企業が条件が厳しくなると回答をいたしておりまして、業種にかかわらず、また、中堅規模の企業も含めて、貸し渋りの度合いが深刻化されてきているというふうに考えております。  この企業が受ける影響に対する対策といたしまして、こういう実態を踏まえて、具体的な内容を早急に取りまとめていく考えでありますし、また、中小企業対策として、先般の経済対策に盛り込まれました企業への資金供給の円滑化に関する措置等の実施に万全を尽くしてまいるとともに、金融システムの安定化に対しても、企業が安心して資金調達が行うことができるように、産業界の声を代表して必要な情報提供を働きかけてまいりたいと思っております。  実際の対応といたしましては、中小企業のための金融対策としては、政府系金融機関の本店、支店及び信用保証協会に即時特別な相談窓口を設置をいたしまして、貸し出し、保証手続の迅速化を行う、既に借りている債務に対する一定の条件のもとでの返済の猶予、それを適切に対応をしてまいりたいと考えております。  金融機関との取引に著しい変化を生じたために資金繰りの支障を来すおそれのある中小企業者に対しましては、別枠の融資の制度を創設をいたしてまいります。国民金融公庫の小企業等経営改善資金、マル経資金、この融資につきましては、平成十年度末までの間に別枠措置を拡充して、貸付限度額を、現在六百五十万円でありますが、これを一千万円まで伸ばす、と同時に、これは新規の業者にも貸し出しの枠を広げるということもいたしております。  また、中小企業信用保険法の特例保険に関しましては、小売関連業種あるいは建設関連業種というような低迷している業種につきまして、今まで対象から外れておりましたけれども、二十六業種をさらに拡大をいたしまして、保険限度額を倍額にするということで措置を既に講じているところでございまして、これらの措置を実効あるものにすることが重要だろうというふうに思っております。  なお、北海道拓殖銀行、徳陽シティ銀行の取引先の中小企業に向けましては、中小企業信用保険法に基づく特例措置として、保険限度額を倍額とする措置を講ずる手段を現在進めているところでございます。  また、先ほどの御指摘をいただきました北海道の問題につきましては、北海道拓殖銀行は、道内三十四市のうち札幌市を初めとする二十四市の指定金融機関として、市民生活に大変大きなかかわりを持っている銀行でございます。御指摘のとおり、メーンバンクとしての取引関係にある五千七百社を含め、一万五千社との取引を北海道拓殖銀行は行っておりまして、道内の主要開発プロジェクトにも数多く参加をいたしているわけであります。同地域の産業振興推進の役割を今まで果たしてきておりましただけに、大変重要なウエートを持った銀行でございました。  現在、各方面から中小企業等の資金調達に関する実態調査を実施いたしておりますが、これまでの範囲で申し上げれば、北海道地域においては、すべてが北拓と直接関連するものではないものの、民間金融機関の貸し出し姿勢については、既に貸し渋りの動きを指摘する企業が約二割から三割ございます。今後についての予測といいますか心配といいますか、それは約六割から七割の企業が民間金融機関の貸し渋りを懸念をいたしておる数字が出てきております。  今後年末の需要期を迎える中で、道内の金融機能に障害を発生することになりますと、道内経済というものに大変影響を及ぼすことが懸念をされますから、通商産業省といたしましては、同銀行の取引関係を有する健全な中小企業に障害を生ずることのないように、先般、全国信用保証協会連合会、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫に対して、適切な支援、協力を行うように要請をしたところでございます。  こうした影響は、北海道に限らず、東北、近畿その他の地域でも数字的に生じているところがございます。さらに動向を注視をしていくことが必要であるというふうに認識をいたしておりまして、今後とも、本件の推移を注目をしながら、大蔵省と密接な連絡をとりながら、関連の中小企業の資金繰りに支障を生ずることのないように、少なくとも、中小企業に関して政府系の金融機関に貸し渋りが生じたりすることのないように、万全を期して、絶対な万全のもとに対応をしてまいる覚悟でございます。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 先ほど通産大臣が、一つの試算によればとはおっしゃいましたが、三十兆と言われました。一応総貸し出しは五百八十六兆と言われておりますので、三十兆というと、私は四%と申し上げましたが、実は五%に近い、まあ一つの試算でございます。こういうのが今の貸し渋りの状況で、それが、大よりは中、中堅に当たっているということではないかと思います。  おっしゃいますように、先般の経済対策でも、政府機関がいろいろな形でこれに取ってかわってカバーしょうと非常な御努力をしていらっしゃることはよく存じておりますけれども、やはりなかなか政府機関というものが全部代役を務められるものではなくて、民間が貸せないところは実は政府機関も貸したくないという、どうも金融機関というものはそれでいいのかもしれませんが、そういうことがございますので。  そこで、私は総理にお願いをいたしたいのは、そういう御努力は、万全を尽くしていただいておることを知っておりますけれども、今の貸し渋り、これは十九行について申しますと、もう引き当て一〇〇%というところもございますけれども、六〇%ぐらいなところもあるわけでございますから、まだこれからどうも悪くなると考えた方がいいかもしれない。  それで、その貸し渋りの一つの原因がやはり株式価格の低迷、あるいは、不動産は金融機関の場合にはBISの規則によって含み益は認められませんけれども、しかし、借りている方からいいますと担保価値が上がりますので。  いずれにしても、これらの資産価格というものがよりよい環境で形成されるような、その邪魔になるものはなるべく取り除いていただけないものだろうかという、そういう趣旨のお尋ねでございますけれども、例えて申しますならば、土地についていえば地価税というものがある、有価証券についていえば有価証券取引税というものがございます。また、株式の譲渡所得には譲渡所得税がございます。  私どもの党の税調で、これらのことはこれから検討をしてもらうことになってはおりますけれども、それはそれといたしまして、そのような幾つかの税制が改められますならば、こういう価格形成はかなり明るくなるのではないかというような感じもいたしますので、お差し支えなければ総理の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今御指摘のありました貸し渋り現象と言われるもの、これは私どもの耳にもいろいろな角度で届いてきております。そして、それに対して政府としてとり得る手法と対応すべき対策、これは今通産大臣から御答弁を申し上げましたように、我々として全力を尽くしてこれに当たっていくということは繰り返して申し上げておきたいと存じます。  預金者保護、お客様の保護ということを申し上げてまいりましたけれども、当然ながら金融機関の破綻の場合、全く何ら罪がない、しかしその金融機関を主たる取引先としていたために資金がというケースも心配されるわけでありまして、こうしたことに対しましても、今北拓の例で申し上げましたような対応を考えてまいりましたし、これは今、他の地域の問題でもあるということを通産大臣から申し上げました。我々としては、まさに、政府系金融機関というものが働く場所というのはこういうときであるということを申しておるわけでございます。  その上で、例示的に挙げられました中で土地税制というものがございました。これは平成十年度の税制改正作業の中で検討し、適切な結論を得てまいりたいというのが公式のお答えになるわけでありますけれども、私は、ちょうど地価税をつくりましたときの主管閣僚でございました。そして、土地基本法というものがその前段にあり、これによって一つの論拠を得て地価税がつくられた。その時期における土地をめぐる状況と、現在、土地の有効利用、活性化ということを求めて政策の方向づけを変えております状況との中で、おのずから土地に対する税制について考え方が変化を生じるというのは、私は当然あるべきことではないだろうかと思います。そして、地価税についで、凍結論等さまざまな御議論があることもよく存じておるつもりでございます。  先般、二十一世紀を切りひらく緊急経済対策をお示しをしたわけでありますが、その中におきましても、近年の土地をめぐる状況、土地取引の活発化、土地の有効利用の促進あるいは不良債権問題への対応といった観点も踏まえながら、これは抜本的に見直していくべきものであるということを、党の方におかれて税制の御議論をされる場合において、また政府税制調査会で御議論をされるときにおいても、そのような視点はぜひ持っていただきたいものだと考えております。  また、株式市場の低迷ということの中から、有価証券取引税、これも平成十年度の税制改正作業の中で適切な結論を得ることとしたいということが、政府としての立場で、現時点において税制調査会に御論議をゆだねている立場から申し上げられる限界かと存じますけれども、その際、やはり証券市場の活性化という観点がこの御論議の中には加えていただかなければならない大事な視点であろうと存じますし、こうした観点から、証券税制全体の見直しの中において、この有取税の見直しにつきましてもきちんとした結論を得てまいりたいと考えておりますし、御論議の焦点にも置いていただきたいもの、そのように考えております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 御所信の一端をお示しいただいたものと承りました。  大蔵大臣、もう一つの貸し渋りということをちょっと申し上げておきたいと思うんでございますけれども、これは具体的にはたしか三洋証券の倒産のときでございますけれども、普通、毎日、金融機関はインターバンクの金をやったりとったりする、コールのようなものでございますけれども、三洋証券の最後の瞬間というのは、実はコールの一部にデフォルトが起こった、債務不履行になったのでございますね。どういうわけかわかりません。  しかし、これがありましたものですから、その後どこかの金融機関が危ないということになると、コールがとれない、コールを出さない。こういうことはかつてなかったことでありまして、いわば患者から突然酸素マスクを取ってしまうようなことでございますから、これですと、とん死する、サドンデスになるということが現実にあったわけでございますね。それは悪いのはだんだんに悪くなるのではありましょうけれども、そういうことで突然倒産が訪れるということは、やはりよいことではないだろう。  大蔵大臣が日銀総裁と御一緒に声明を出されて、安心せよとおっしゃったのは、場合によっては日銀が出るよとおっしゃったのかと思いますけれども、ちょっと世の中にかすれておりますから、そこのところをひとつお話しくださいませんか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 先生御案内のとおり、金融システムが健全に機能を発揮していきますことが経済安定の根本であります。また、そのことが、預金者保護の原点をしっかりとキープするということにつながるわけでございます。  同時に、御解説をいただきながら、銀行間資金流通、調達、また資金が余っておるといいますか、使い道がまだ決まっておらない資金をコール市場にお出しをする、そこでお互いが日本経済のために、また経済界全体の活性化のために、こういうことでインターバンク取引が行われておる。それが今先生御指摘のようなことでありますと、まさに懸念しなければなりません。  よって、日銀総裁ともこの辺のところは十分に相談をさせていただきました。日本銀行により十分な流動性を市場に提供をする、こういうことでインターバンク取引の安全を確保することにいたしております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 わかりました。どうぞ、そのようにお続けをお願いいたしたいと思います。  そこで、金融システムの正常化の最後のお尋ねは、これは実は私どもの党内にもいろいろ議論がまだございますので、総理からお答えをいただくと申しますよりは、今議論をしておりますことをむしろお耳に入れたいという気持ちで申し上げますけれども、それは、いわゆる再建のために公的資金を使うかどうかという問題そのものであります。  金融機関の中で体力のいいものは、これはもうどんどん進んでビッグバンに入ってもらわなければなりませんし、去らなきゃならないものは、これは去ってもらわなければならない。そこはもう極めて明確にしなければいけませんが、その中間的なものがいろいろな形であり得るだろうということについての議論でございます。  それは、ちょっと助ければ倒れないで済む、これを倒すのは社会的なコストが大き過ぎるとか、あるいは地域によってそういう問題があるとかいう場合に、何かの形で優先株なりあるいは劣後ローンを引き受けるといったようなことを、これがいわば年金福祉資金であるとか簡易保険の資金の自由運用分、これは自由運用分でございますから指定単でいろいろなものがとれるわけで、採算が合って、金利が高うございますから、そういうところでとってくれるというなら、それはマーケットのうちですから、そのことは今議論する必要はございませんが、公的な何かでそういう資本投下をすべきかどうかということにつきまして、私どもの党内にもいろいろな議論がございます。世間にも、かつての住専の問題もございまして、いろいろな議論がございます。いわゆるモラルハザードというのも、しばしば言われることである。  こういう議論が、しかし、場合によっては入り用だと言われる人たちの背景は、一九二九年のアメリカの大不況の後、三三年でございますけれども、RFCが優先株あるいは劣後債というものを引き受けてもいいということに乗り出しました。ただ、このときにRFCは、四人の理事で構成されておりまして、それは大蔵大臣と連銀総裁とあと二人、非常に厳格な理事構成でございますし、そういうことをするときには厳しい条件をつけておって、例えば、経営者は交代をしなければならない、償還基金をつくって、借りた金の返済のために純利益の五〇%は積み立てなければならない等々、かなりきつい条件をつけていたしたことがあるわけです。  ただ、これは一九二九年とか三三年とかいう全く今と違った世の中のことでございますから、すぐにそういうことをしていいという話にはなりませんけれども、こういう議論が起こりましたのは、例えば、先ほど通産大臣が拓殖銀行の話をなさいました。これは北洋銀行が引き受けることになったわけでございますけれども、先ほど大臣が言われましたように、北海道における北拓のシェアというものは非常に大きゅうございまして、主要企業のメーンバンクになっている。百七十企業のうち百三十九だそうでございますから、全く北拓というのは、北海道の経済をいわば賄っていたというようなことでございましょう。  ですから、これを北洋が担ぐことになったのはいいのですけれども、実際は北洋の今までの力では十分に担ぎ切れない、これは客観的にそうだろうと思います。それは、不良資産は保険機構が時価で買ってくれますからその部分は助かるとしても、とてもこれは支え切れないだろうということは普通に予想される。それで、その場合に、この北洋銀行に対して、優先株を引き受けるとか、あるいは劣後ローンを出すとかいうようなことが地域的に大きな利益になるかならないかというような、その種類の問題意識であります。  ただ、事実は、北洋銀行はそういうことを引き受けの条件にはしていないように思います。それから、北海道の財界が、それぐらいのことは自分たちでやろうというような気持ちもあるように見えます。でございますから、この場合にそれが起こってくるとは私は必ずしも思わないのですが、いろいろな場合に、何かの形で助けをすれば社会的なコストは少なくて済むということはあり得るではないかという議論が片方でございます。  片方で、それはもう必ずモラルハザードにつながるという問題はだれが考えてもございますから、そういう余地を残しておくことがあるかないかという議論を私どもの中でやっておるということだけを、ここで御披露いたしておきます。もう少し熟しませんと、御判断を仰ぐのはちょっと適当でないかと思いますので、これだけを申し上げておきます。  今回の金融秩序の正常化につきまして、問題を幾つか申し上げまして、総理大臣から、一つ一つにつきまして御所信を承りました。  それで最後に、こういう状況の中で、全体を総括いたしまして総理大臣の御所信を承って、国民諸君が、首相自身がこの先頭に立って問題の解決を図っておられるということをよく知っていただきたいと考えますので、どうぞ最後の御所信、おまとめをお願いを申し上げたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 先刻申し上げましたことにあるいは尽きるかもしれません。しかし、その金融システムの安定性を確保するということ、それは個別の金融機関の破綻が他の金融機関に伝播し、金融システム全体が揺らぐことのないようにすることによって、内外のマーケットの信認を維持することだ、私はそう思います。  そして、そのためには、預金保険制度といったセーフティーネットを通じて預金の全額が保護される。これによって、預金者に自分の預金は安心だ、安全だという感じをしっかり持っていただくことが最も重要でありますし、これは海外を考えますときに、さらにインターバンク取引の安全を確保するということが極めて重要なことになります。  また、経営困難に陥っております金融機関の資金繰りの悪化というものが他の金融機関に影響することのないように、日本銀行によって十分な流動性が市場に供給されること、これも極めて大切なことだと思います。  そして、それにあわせて申しますならば、そうした経営困難に陥った金融機関を主たる取引先としている民間企業の資金繰りに影響を与えないように、そこにこそまた政府系金融機関の働き場所もあるのだということをあわせて申し上げておかなければなりません。  私は、今、金融システムの安定のためには、今国会で御審議をいただいております預金保険法の改正法案による措置を一刻も早く破綻処理の手法として追加することが重要だと考えておりまして、この国会でぜひこれを成立させていただきたい、この場をかりてひとつお願いを申し上げたいと思うわけであります。  また、この金融システムの安定性の強化を図るために、公的支援を伴ういろいろな考え方が今検討の俎上に上り、また御論議もいただいております。  私としては、公的支援によってセーフティーネットを完備する、そして預金者を保護することが重要だと考えておりますし、いかなる事態が生じましても対応できるように、預金者の保護のために、公的支援により利用可能な資金を拡充していくことを今後検討すべきではないかと考えております。そしてまた、その公的支援がどのような形でありましても、ここに加わることによりまして、内外の市場のそのスキームに対する信認というものが確保されるでありましょう。  金融システムの安定につきましては、まさにこうした思いを持ちながら、預金者保護というものを目的として、公的支援を含めた具体策を早急に得る。私自身も今さまざまなことを考えながらおる毎日でありますけれども、強い決意を持って、金融システムの安定性確保に全力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように考えておるところであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤委員 ありがとうございました。  多少時間が残っておりますので、深谷委員の発言をお許しいただきたいと思います。

松永光自由民主党

○松永委員長 この際、深谷隆司君から関連質疑の申し出があります。宮澤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。深谷隆司君。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 宮澤先生の御質問で、時間があいたら君がやるようにという話でありましたが、あと六分でございますから、これは困ったなと思っておりますので、むしろ答弁は場合によってはお聞きしないで、率直にこちらの考えを述べさせていただきたいと思っております。  私は、東京の下町に住んでいる国会議員です。したがって、中小企業者その他大勢の方々から、今度の一連の金融機関の破綻の問題について、率直な怒りや不信感というものが寄せられているのであります。私は、その率直な声に耳を傾けるということが、今最も政治の上で大事なことではないだろうかなというふうに思っているのであります。  第一の国民の怒りは、一連の銀行並びに証券会社の経営者は今まで何をやっておったんだという怒りです。私に言わせれば、バブルがはじけたときにもう退場を命ずべき、そういう体質の企業であったと思うのであります。それが粉飾決算といったような極めてけしからぬ行為によって今日まで生き延びてきた。そして、結果において傷口を大きく広げてしまった。  この経営者の責任は極めて重大なことだと思うのでありますが、この点について、総理、どのようにお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 当然ながら私は、こうした事態を招く中において、現在の経営者といいますよりも、その当時の、問題を発生させる遠因をつくりました時代までさかのぼり、責任というものは、経営責任、さまざまな分野があろうか、私自身そう思います。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 この間、参議院の予算委員会での質疑の中で、山一証券の前会長のお答えに、いわゆる簿外債務、二重帳簿で表に出てこない簿外債務、これが九一年から始まっている、こう言われたのであります。実に六年間にわたってこのような不正行為をずっと続けてきた。私は、全く許されないことだというふうに思うのであります。  そして、富士銀行のそのときの山本頭取のお話によると、山一証券の簿外債務の実態を知ったのは本年十月六日のことである、こういう答弁がなされた。ちょうどそのころから山一証券の株価が変動しているのですね。これはおかしなことだと思うのです。  そうしましたら、ある新聞に、山一証券の前と元の会長が自社株六十万株近くを大量に売却したという記事が載っているのであります。これはインサイダー取引でありまして、まさに犯罪でございます。私は、こういうことを許すことが国民の大きな怒りをそのまま広げることだと思うのであります。  この点について、法務省当局は一体どのようなメスを入れ、今後対応を考えようとしているのか、この機会に伺いたいと思います。

原田明夫法務省刑事局長

○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のような報道がさまざまな形でなされ、また国会においても御論議がなされているということは、検察当局においても承知していることと存じます。ただ、検察当局といたしまして具体的にどのような事件について捜査するというようなことにつきましては、法務当局としてお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、一般的に申し上げますと、検察当局におきましては、刑罰法令に触れるような行為が認められるという場合には、法と証拠に基づきまして適正に対処してまいるものと存じます。

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 今度の金融破綻の責任は、経営者、一連の関係者の挙げて責任でありますが、私は、大蔵省の責任も認めていかなければならぬと思うのですね。検査を行ったり考査を行ったりしているにもかかわらず、なぜこのような不正が発見できなかったのか。そのことが事態の大きな混乱を招いたということをこの機会に大反省していただくように、強く申し上げたいと思います。  時間がありませんから最後に申し上げますけれども、今度の一連の事件を通じて、国民の間にいわゆる危機感というものが非常に広がっています。私は、異常な危機感はかえって事の重大さを増すのではないかと思うのです。  さっき宮澤元総理が言われましたように、日本は債権国でございます。もう行き詰まった貧乏国ではないのであります。問題は、今手だてさえきちんとすればこの状況は乗り切れるということなのでありますが、その手だてができるかできないか、まさに私は橋本政権にかかっていると思うのであります。  どうぞ、橋本総理におかれましては、自信を持って、この時代をこのようにして乗り切っていくんだという決意を国民の前にしっかり示していただくように強く申し上げ、総理の御所見をお伺いして、質問を閉じたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 宮澤先生にもお答えを申し上げましたように、この時期、我々がまず守るべさもの、それは預金者であり、投資家であり、そして破綻した金融機関を取引先としておられる善意の第三者、そしてそのシステムを守ることであります。全力を尽くしてまいります。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて宮澤君、深谷君の質疑は終了いたしました。  次に、野田毅君。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 今、深谷さんの質問を聞いておりまして、九割方賛成であります。それは、今日の破綻に至る個々の企業の経営者の今日までの責任、場合によっては刑事事件にさえなりかねないような行動について、厳しくそれは法的に処理されるべきは当然のことだと思います。同時にまた、そこに至る過程の中でいわゆる金融行政そのものが一体何をしていたんだということに対する極めて厳しい反省ということが非常に大きなポイントの一つでもあると、ここまでは賛成であります。  だからこそ、私たちはこの前三塚大蔵大臣に不信任の決議を出したわけでありまして、であれば、ぜひ御賛同いただきたかったものだ。特に社民党の皆さんは、不信任の決議案に欠席をした人もあるし、反対をしておきながら、後で与党協議の中で、不信任決議には反対したけれども政府の中で大蔵大臣の罷免を考えろということを別途注文をつけたということのようでありますから、一体どういうことになっているんだろうかこの与党は、ということは申し上げておきたい。  そしていま一つは、先ほど宮澤先生の発言の中でもいろいろあったんですけれども、こういうときにぐらついてはいけない、特に総理自身が毅然たる態度をしっかりと示すことが大事だというお話もありました。  しかし、私は、総理が毅然たる、断固たる姿勢をお示しになることは大事だと思いますが、その前に、素直に、今日までの政策の誤りなり対応の手ぬるさなり、そういったことについて、あるいは不良債権の全貌について国民の前に明らかにする、そういったことがまずあるべきではないかと私は思うのですが、総理、まず御所見をお願いします。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 不良債権の全貌、これはしばしば大蔵省からも、知り得る範囲内において御質問等にお答えを申し上げておると私は思います。  そして、むしろ政策的に、今日これだけの財政赤字を抱えている中で将来を考えますときに、とるべき方策として今私どもはさまざまな努力をいたしておることも、議員御承知のとおりでございます。そしてその中に、今まで各党からいろいろな角度で御提起をされましたものを我々は参酌をさせていただきながら今日まで参りました。  そして、現在、証券あるいは金融において起きております破綻の中で、例えば過去の検査あるいは考査等でなぜ原因を見出すことができなかったのか。これは、特に簿外という性格で、検査でどこまで把握できるかとか、私自身も知識がありませんので確たることは申し上げられませんけれども、いずれにせよ、そうした部分の責任が全くないというようなことを申し上げるつもりもありません。  そしてまた、政府は、そのときそのときにその時代の中において最善と思われる施策をとってまいりましたけれども、今日これだけ厳しい将来に向かっての負債を抱える状況になりまして、これをこれ以上拡大させることができないという状況も、議員は十分御理解をいただけると思うのであります。  御批判は御批判としてちょうだいをいたしますけれども、この時期、全力を尽くしてこの事態を解決していくために努力をしてまいりたい、そのように考えております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 先ほど宮澤先生の質問をいろいろ拝聴しておりながら感じたのですが、さすが第一人者であるという感じはあるのですが、ただ、若干違うところもあるなというふうに感じております。  それは、今日の金融システム不安というものが、実体経済の悪さあるいは先行きの経済の展望の悪さということと、お話を伺っていると、何か別の世界であるように感じられている。実体経済はそんな悪くないのだけれども、とにかく金融のそっちの方だけが騒いでいるから、何とかそこを水かけろというイメージに受けとめられかねない。  私どもは、少なくとも今日の金融不安は、第一義的にはそれぞれ個々の経営者の責任ということは当然でありますけれども、しかし同時に、経済の悪化ということが株価の下落を招来したということが、この秋以降の相次ぐ破綻ということにつながっているということは厳然たる事実じゃないか。したがって、この問題を、単に目先の金融システム不安さえ云々ということじゃなくて、根本の経済政策そのものの誤りを我々は指摘もしなきゃならぬし、同時に、それを正さなきゃならぬということだと思っておるのです。  実は、このことは既に私どもは昨年から予見をして、言い続けてきたんだ。だからこそ、私たちは、本年の消費税アップあるいは特別減税の打ち切りは早過ぎるんだということを言い続けてきたのですよ。それを今まで、政府の方はこの十一月まで、回復基調にあります、こう言い続けてきたんだ。決してそれは消費税の単なる反動だけじゃないんだ。これをやったら、経済がせっかく立ち直りかけてきているときに、その病人に頭から冷や水をかけることと同じことになるんじゃないですか、肺炎に実はなっているんじゃないですか、なるじゃないですかということを私たちは言い続けてきたのです。  そして、御承知のとおり、我々は消費税の据え置き法案なりあるいは特別減税の継続法案をこの国会に出したじゃないですか。それを否定しておきながら、いや、予想以上に悪かったと。そして、そのことがいろんなことと重なって、今日の言うなら金融不安に及んできているということは、明らかに因果関係があるのじゃないですか。  特に、この十一月以降の相次ぐ銀行、証券の破綻、いわゆる銀行株、金融株が先行して下落しているし、またその株価の下落ということが、さっき堀内通産大臣がおっしゃっていましたが、株価の下落そのこと自体が、まさに金融機関自身の経営体力を直撃しているじゃないですか。  そのことが、また、BIS規制でいうなら八%ですから、十二倍以上資産圧縮をやらなきゃいかぬ。四%の自己資本比率ということならば二十倍ということになるのでしょうか、二十五倍か。それくらいの資産圧縮にどんどん今走ってしまって、それがまた実体経済に悪影響を及ぼしているということは、宮澤先生おっしゃっているとおりだ。そういう意味で、実体経済ということと、今日の金融システム不安ということは極めて関係が深いということです。  そこで、宮澤先生は、最後のところでもおっしゃいましたが、いわゆるアメリカの大恐慌のときの例を引き合いに出されました。そして、いわゆる金融クランチ、特に中小企業は銀行への依存度が高いわけですから、そういう金融機関が貸し出し資金の回収や貸し渋りが顕著になれば直撃を受ける、したがって、そのためには自己資本比率改善のためのいわゆる優先株であったり劣後債であったりそういったことを自民党で検討している、こういうおっしゃい方でありました。  ということは、それぞれ大きな問題があるわけですよ。どの金融機関の優先株を引き受けるのか。都銀だけ引き受けるのか、あるいは第二地銀まで引き受けるのか。発行したものは全部引き受けるのか。さまざまな課題がある、それはそれなりに。  しかし、そこまで検討しようということであるならば、今日の経済の状況は、まさにあのアメリカの大恐慌に匹敵するくらいの日本経済の現状であるという認識が前提でなきやおかしいんだ。私は、自民党の皆さんが検討されるのは否定しません。しかし、その前提には、そういった日本経済の今日に対する認識というものがなければおかしい。私は、そのことを申し上げておきたいのです。  この点について、総理はどうお考えですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 宮澤元総理の御意見、ある程度まで評価すると議員は言われました。私も、議員の御質問をそうした意味でも評価をいたします。  その上で、破綻している状況ではないか、それを認めてスタートをすべきではないかと言われる部分は、私はそうは思っておりません。むしろ、そこまで行ってしまわない間に、現在ならアメリカの大恐慌のような状況になる以前にその歯どめをかけられる、そこまで持っていってしまってはいけない、そういう思いの中で私どもは今努力をいたしております。自由民主党内における御議論も、恐らくそうした思いを持ちながら、していただいているものだと考えております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 今既に破綻してしまっているとは言っていません。また、そうさせないために、日銀も一生懸命特融をやって、金融不安をなくするような努力をしているわけです。  ただ、私が言いたいのは、橋本内閣の経済政策が破綻をしているということなんですよ。私たちは今日までそのことを言い続けてきたんだ。だからこそ、さっき言ったような、財政デフレを今やるべきじゃない、そのことを言い続けてきたんだ。  あるいは、これから先、そのおそれというのは、特に来年の予算編成において、今度財政構造改革法も強引に通りました、そうすると、直ちに公共事業についても七%カットするんでしょう。そうすると、当然予想されるのは建設業界の破綻じゃないですか。そうすると、それに連動したメーンバンクの方に影響が来るというのは、当たり前の話じゃないですか。それらはまだ不良債権の中にはカウントされていないじゃないですか。メーンバンクが金を出して支えているから、いまだ不良債権の中に入っていない。そういったことが、逆に、不良債権の額そのものが一体どうなんだという話になるんです。  私は、この論議に入るときにぜひ申し上げておきたい。これは後ほど言いたいと思うのですが、やはり公的資金を投入するかどうかということは、経済の現状並びに先行きに対する展望ということを、正直に、現在の置かれている、がけっ縁に立っているという状況を国民に説明すべきであるということ。  そして同時に、不良債権の額そのものについても、政府の方は順調に処理が進んでいるということを公式には言っておりますが、実際にはそうじゃない。今言いましたように、銀行が破綻したらその取引先まで、言うなら不良債権にカウントされなかったような債権までが不良債権として積み上がってくるのです。だから、公表されていた額よりも、金融機関が破綻した場合には、今までの、二十五倍は極端としても、最低二・五倍から十倍ぐらいまであるじゃないですか。そういったものは公表不良債権の中に入っていない。  だから、国民から見れば、まだ何か銀行は隠しているんじゃないか、そういう疑心暗鬼というものがあって、それがまた、現在の公的資金導入論議について、政府が極めて憶病で、ちゅうちょして、決断がなされない大きな背景になっているんじゃないですか。  私は、この議論に入る前に、そういう意味で、総理自身が、現状についてしっかりと国民に説明をする。そして、今日までの判断の誤りなりあるいは政策のミスがあるのなら、メンツにこだわらずに正直に、反省すべきものは反省をした上で、説明をして、だから今こういう危機を迎えてはならぬからこうなんだという説明の仕方でないと、過去のことはまずそれはそれでともかくとして、目先大変だから何とかしょうじゃないかというだけでは理解されないということを感ずるんですよ。この点についてはどうですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 我が国の財政の状況は、今繰り返し申し上げるまでもなく、議員もまた国民も御理解を私はいただいておると思います。すなわち、巨額の赤字の累積そしてこのままにおける将来の国民負担率、そして、こういう状況の中でいたずらに将来の国民に過重な負担を負わせることの是非。  私どもは、こうした点から、九年度予算におきましても、先行する所得減税に見合った消費税率の引き上げを行わせていただきました。同時に、歳出面でも削減に取り組むなど、財政構造改革をまずスタートさせていきました。そして、財政構造改革法案も今国会で成立をさせていただいてきました。これが痛みが伴うということは、私は一度も隠したことはございません。  そして同時に、国債による、言いかえれば借金による継ぎ足し継ぎ足しという対策で本当にいいんだろうかということも、何遍もこれは問いかけてまいりました。この点についてはいろいろな御議論があることを承知いたしておりますけれども、私はそう思うということも申し上げてきました。  同時に、今日本は、次の時代のリーディングカンパニー、リーディング産業というものを残念ながらつくり上げておりません。そして、我々は、科学技術投資というものの中から将来を担えるこうした分野が育ってくれることを期待しながら、厳しい財政の中であっても、この分野の予算はふやしていきたいということも国民に対して申し上げております。  そうした中におきまして、今議員が指摘をされたことを私は全部否定するのではありません。ですから、むしろ土地の有効活用といった分野、言いかえれば、資産の価値をどう安定させるのか、また、証券市場をどうすれば活性化できるのか。しかし、これは、損失補てんでありますとか、飛ばしでありますとか、総会屋への利益提供ということで、みずから一般投資家を遠ざけた部分も否定はできないわけでありますから、こうしたことに対して、どうすれば国民が信頼をしてくださることができるのかも含めて、私どもは考えていかなければならないと思っております。  そうした意味で、御批判はいろいろありましょうけれども、私どもは、今回のこの公的支援という御議論、先ほど来も出ております、公的な支援というものが必要ではないかという意識を、私自身隠しておりません。それは財政構造改革と矛盾しない形の中で、ぎりぎりのものを選んでいきたい、そのように考えておることも事実であります。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 若干、私が質問したことと答弁がずれておるんですけれどもね。私が後の方で言いました、今公的支援とおっしゃったんですが、その前に、少なくとも不良債権の全容についてしっかりした説明を国民に向かってすべきじゃないか、まずは。今、自民党の中からもいろいろやじがある。こういうときはしっかり聞きなさいよ、本当に。これは、やはり国民に総理が理解を得ようとするのなら、避けて通れない部分なんですよ。  銀行の中では、大蔵省の言う四分類ということだけじゃなくて、かなりのところでは、みずから自身の生き残りのためにも十ぐらいのランクに分けて、不良債権の回収をどうするか、そしてどうかわからぬところは実は不良債権化するという、ここが今非常に厳しい状況になっているわけでしょう。  ですから、そういったことを、大蔵大臣、これは総理にちょっとあれだから、大蔵大臣、もう一遍、四分類とかそんなことにこだわらないで、大体アメリカと日本の不良債権の基準も違うのですけれども、いずれにせよ、こういう潜在的な不良債権というものをしっかりと把握しなければいけないんだ。これは銀行、証券だけじゃない。生保だって今どしゃ降りの真っ最中なんですよ。ある意味では、銀行、証券以上に傷んでいるところだってあるわけだ。  そういったことを、これは事前の質問予定の中に入っておりませんでしたので、大蔵大臣、すぐにはちょっと答えがしにくいかもしれないが、しかし、これは政治家の判断として、大蔵大臣としてそれくらいのことを、公的資金を政府・与党で検討しようというのなら、その前提として、その全貌を明らかにするということは当然のことじゃないですか。どうですか、政治家としてその判断は。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 毎回、そのことについての質問に対し、逐次改善が進んでおります、こう申し上げてきております。それと同時に、早期是正措置、来年の四月一日から、それぞれの金融機関が、財務状況を初めとして七十五項目にわたる基準に従って発表するということになっております。  まさに金融機関は、会社の強力な体制、また厳しい経営状況にあるそれぞれの会社で、金融機関にいたしましても、全力を尽くして国民の信頼を得る経営体、リストラの血のにじむ努力をただいまやられております。  それと、恒例による、毎年半期ごとに出してまいっておる不良債権の解消の状況についてただいま集計中であります。真剣にこれに対応し、年末までには出す、その態勢で、年を越えてはいかぬ、こういうことで指示をいたしておるところであります。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 私が聞いていることとちょっと違うのですね。来年四月の早期是正措置を実施するというのは、それに向けてそれぞれの金融機関がもう一遍やり直しをするというのは、これは当たり前の話です。それは、公的資金導入論の話のないときの話であります。  今まさに総理が、このままいくのならアメリカの大恐慌になってはいけない、だからその前にやるべきことはやらなければいかぬという認識であるなら、この結論は当然、今月、もう十二月ですよ、予算編成前にでも方針を固めなければいけないんだ。もうわずかしか時間がないのですよ。そのときに当たって、いや、それはいずれ四月になったらみんな発表されるのですよということではわからないのですよ。  だから、政治家の判断として、その論議を、是か非かを本当に、我々は何もそれをやるなと言っているわけでもないのですよ。必要なときにはやらざるを得ないと思っていますよ。だけれども、その大前提として全貌をまず明らかにするということ、そのことが一つ大事。  それからいま一つは、今までの不良債権処理に対して、やはり政策対応を誤ってきたということも率直に認めなければならないのですよ。大蔵大臣は、不良債権は順調に処理していますと今でも言っています。それは、公表された不良債権は、見せかけの数字は減っているでしょう。だけれども、実態はその五倍ぐらいはあるというのが常識になっているじゃないですか、潜在的な不良債権を含めて考えるなら。ですから、我々は今そういうことを言っているのですよ。  もう一遍、今ここで、もう少しきちっとした数字を出す、そのことを努力してみませんか、大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 ですから、それは、ただいまも答弁申し上げましたとおり、早急に出せる態勢の作業をやってほしい、こういうことで、来年度にまたがるということはいけませんよ、こういうことでやらせております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 では、年内にはそういう数字をきちっと出す、こういうことのようであります。  さっき、経済政策についての政策の誤り、我々はそう言っております。総理はそうじゃないと言って、すれ違いということでしょう。これは、いずれ客観的に株式市場等が政策評価として下すわけで、大変残念ながら、今日まで自民党で二回ほど、政府の方で一回この秋に緊急経済対策を発表されて、その都度株価が下落しているという現実を見れば、我々は中身について一々コメントはしません、それだけで十分だと思っております。  政策判断について、我々はただ糾弾して、だからけしからぬということだけで終わるつもりはありません。しかし、少なくともその反省が欲しい。それは、不良債権処理に対する政策について、あの住専の処理について、いわゆる預金を預からない住専の処理に税金を使ったのだ。だから、回り回れば預金者のためではあるかもしれないが、基本的には住専にお金を貸した人たちの中の自己責任で処理すべき世界であって、我々があのときに問題視したのはその一点だったんだ。  だから、これから金融行政そのものの中身が変わるのだから、住専がどうだとか、こういうことじゃなくて、いわゆる金融機関が経営破綻に陥ったときに、今までのような、合併とかそういうようなやり方でやる仕方を変えるのだ。むしろそれは、破綻するものは、自己責任で破綻するのはこれはやむを得ない。ただし、そのときに、預金者に一緒に迷惑をかけるようなことがあってはならないから、その段階で、我々は、まず第一に経営責任や刑事、民事責任、そういったことがきちっとできるように、そして同時に、その債権の回収作業というものを強力にやらなければならない。  そういう意味で、強力な権限を持った、強力な不良債権処理機構というものをつくるべきである。その上で、預金者保護というその一点に限って公的資金の導入はやむを得ないということを、あの当時から、去年から我々はそのことを言ってきたのですよ。  ところが、政府自身は、住専処理であつものに懲りてなますを吹いたのかどうかわかりませんが、住専処理と信組処理にだけは公的資金は入れるけれども、そのほかの銀行破綻は入れませんと、しかも三塚大蔵大臣は、この春まで大手二十行はつぶしません、こういうことを言い張ってきたんだ。  だから、その処理機構そのものについても、いわゆる信組のための整理回収銀行だけでいいのですか。では、第二地銀以上の金融機関が破綻したときにはその回収システムはどういうふうにするのですか。だから、整理回収銀行をもう少し機能を拡充して、そういったことをも対象にできるような機能をやらなければだめじゃないですか。あるいは整理回収銀行とは別の、そういう不良債権処理機構というものをつくるべきじゃないか。いわゆる日本版RTCというものをつくるべきじゃないかということを、我々は昨年からずっと言い続けてきているのですよ。  しかし、それをずっと否定し続けてきたのが大蔵大臣だったんだ。そして、今、どうやら報道によりますと、自民党の中では、我々が言ってきたことと似たような組織を何か検討を始めようとしていると伝えられているんだ。そのこと自体は、我々のアイデアを採用していただくのは結構でありますけれども、その前に、やはり否定してきたという事実と、なぜそれを変えるのかということの認識だけは国民に説明をする必要があるんじゃないんですか。  大蔵大臣が今までずっとつぶさないとか、あるいは、私はメモを見ますと、昨年五月の政府の正式な提出資料の中にもはっきり入っているのですよ。信用組合以外の金融機関の破綻については、全体として不良債権額に対して十分な償却財源があること等から、特別の制度を用意する必要はないということをはっきり答弁書の中で書いてある。そして、信用組合以外の金融機関については、いろいろな理由があって、整理回収銀行による処理の対象にはなじまない、これは政府の正式な、我が党に対する、衆議院に出された資料であります。  しかし、今回拓銀の処理に当たって、やり方はいろいろやっていますが、結果的にはどうも北洋銀行が受け皿機関であるようなないような、どうも預金保険法上の受け皿機関にはなり切っていない、むしろ清算型に近い。そういう中の一つにしかすぎない北洋銀行だ。そして同時に、整理回収銀行にその債権の回収を預金保険機構が委託する、こうなってしまっている。これは、昨年政府が言ってきたことと全然違うじゃないですか。大蔵大臣、どう考えますか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 金融三法によりまして万全を期するということは、絶えず申し上げてきたところであります。預金者保護というのはまさにそういうことであり、その信頼の中で金融システムが安定して進むということはおわかりのとおりであろうと思います。  そういう点で、ただいま段々のお話でありますけれども、自由民主党の中からも、また国民間から、国会の論議の中で、さらなる安全な仕組みを考えたらどうだという諸提言があります。それを受けとめて検討をしておるところ、いかなる場合にありましても預貯金は完全に保護しますと言い続けておるわけでございます。  先ほど来、宮澤先生とのやりとりの中でも、金融システム安全のために、こういうことで申し上げておることでありまして、そういうことでありますから、御理解を得たいと思います。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 そういう言葉のごまかしじゃ通じないんですよ。文書として正式に昨年の国会に政府として提出されているのですよ。その中で、さっきいろいろ読み上げましたが、そのことが書いてある。時間の関係上、同じことを読むことは控えますが。  そうであるならば、完全に、昨年、いわゆる金融三法あるいは住専処理法案等の審議過程の中で政府が説明してきたことと、今回違うことをやろうとしているんだ。そうであるならば、この前の政府の提出した資料は誤りであったのか、あるいは変えたのか、そこだけは明らかにしなければ、どう見たって説明つかない。大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 それは前回も申し上げておりますとおり……(発言する者あり)この前の話で。静かにしてください。  金融三法によって国民の預貯金をしっかりと担保しながら、金融システムの安定、前進のためにやらせていただきます。これは変わっておりません。よって、今国会にも預金保険機構の預保の一部改正案を出しまして、新たなルールでさらに金融システムの安定を図らせてください、こうお願いをしておることでありまして、前提が崩れたわけではありません。  ただ、大蔵大臣とすれば、ありとあらゆる事態に最大限の対応をしてまいるというのは当然の責務でありますから、そのことが基本を変えたのかということであるとすれば、そうではありませんと、こう申し上げておるのです。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 僕はそんなことを聞いているんじゃないんですよ。はっきりとした政府の正式文書の中で、整理回収銀行の対象は信組破綻に限定する、そして信組以外の金融機関の経営破綻については特別な処理機構も要らないということは書いてあるんだ。明らかに否定してあるんだ。ですから、私は、今までの政府の正式文書として出したものが変わったのか、どうなんだということなんですよ。  私も、きょうテレビが入って、本当はここできちっとした答弁をもらうまでは、審議をこれ以上先に進めるわけにはいかないと思うんですよ。しかし、ほかの、他党の時間に食い込むということがはばかられるのであえて今このまま続けますけれども、私は、これは正式に政府としてきちっとした答弁書を出してもらいたい。いいですね、委員長。私とのやりとりの中で、明らかに正式文書とは違うわけだから、そこのところはよくやってください。何かあるなら、どうぞ。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 野田委員が言われておりますけれども、従来申し上げてきておりますことは、住専以外のノンバンクの不良債権処理に関しましては、平成七年十二月十九日の政府・与党合意において、住専以外のノンバンクの不良債権処理に関しては公的関与を行わないという旨の合意をいたしておる、そういうことでありますから、整然とそこは整理されておると思います。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 本当はもうこれストップだね。  そうじゃないんです。政府が言ってきたのは、住専以外のノンバンクにはもうこれ以上税金は入れませんということと、それから金融機関の経営破綻について、信用組合以外については入れませんと、こういうふうに二つあるんですよ。いいですか。住専だけじゃないんですよ。信組整理以外には入れません、だから信組の破綻に対しては預金保険機構を通じて、預金保険機構の特別勘定に穴があくのならば政府保証をやるんだよ、いわばその政府保証という範囲において、場合によっては税金を投入することも否定しませんというのがこの前の処理の内容じゃないですか。だから、今大臣が言ったのは全然違うんですよ。  だから、これ、ちょっと理事、委員長、私の質問時間がどんどんこういうやりとりでとられてしまうんだ。ちょっとストップさせてくれませんか、本当に。こんなことじゃおかしい。答弁になっていないじゃないですか。

松永光自由民主党

○松永委員長 質問者が立っている間はストップなんかはないよ。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 じゃ、ストップさせてください。

松永光自由民主党

○松永委員長 答弁。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 ですから、私が申し上げておりますのは大蔵大臣として申し上げているわけですから、預金保険機構に、いわゆる金融三法ですね、簡単に言いますと、金融三法によって御説のとおり取り進んでおるわけであります。  今日の事態に当たりまして、国会論議の中で、また国民間の御論議の中で、また与党の中で、特に自由民主党におきましては、宮澤元首相が本部長になりまして、それでいろいろと論議が進められておる、また集中審議でこういうことで行われております。こういう中で、その議論を踏まえて今後に対応していく、これは当然じゃないでしょうか。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 これで私の質問時間がどんどんどんどん食われてしまうのは非常に残念です。したがって、野党としてはだらしないと言われるかもしれないが、他党に迷惑をかけるわけにはいきませんので、それでは、委員長、こういうふうに取り計らってください。  私が今質問した、昨年五月に我々に提出をした、あるいは衆議院に提出をされた政府の正式答弁資料の中に、私が先ほど言ったとおりのことがちゃんと書いてあるのだ。しかし、今回、既に検討しようとしていることは明らかに違っているから、だったら、それを変えるのか変えないのかということだけは、まず第一にはっきりしておいてもらいたい。不良債権の処理機構、破綻銀行に、信組以外の金融機関については要らないということも書いてある。(発言する者あり)ちょっと自民党は、何だそれは。まじめに聞きなさい。それを政府の正式な答弁書として委員会に提出してもらいたい。委員長、よろしく頼みます。

松永光自由民主党

○松永委員長 大蔵大臣、今答弁できますか。  ただいまの野田委員の申し出については、理事会で協議をいたします。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 不満ですが、次に移ります。  日銀総裁、おいでをいただいておりますので、若干御質問申し上げておきたいと思います。  今回、相次ぐ破綻に対して、いわゆる不安を増幅しないように日銀が一生懸命努力をしておられるということはよく承知をしているのですが、ただ、その中で、山一への日銀特融に当たって出された総裁談話について一カ所だけ気になる部分があるのです。それは、山一が「債務超過の状況にはなく、」というこの文言が総裁談話に入っているのですね。私は、本当はこの部分は削除して談話を出された方がよかったのではないか、そのことを感じております。  それは、債務超過にあろうがなかろうが、いわゆる金融パニックを招来しないために日銀は特別融資をしなきゃならぬのです。問題は、そのときに、どういうことであろうが、日銀の信認が揺らぐことがあってはならないわけですから、政府自身がその日銀融資の回収について全責任を負うという、ここが一番大事なポイントなのであって、同社が債務超過にあるとかないとかということをいろいろ言いますと、余分な議論を誘発する。それでは日銀は何を根拠に、山一が債務超過にないということを確認したのかということになる。  しかし、この談話が出された後で、膨大な飛ばしによる簿外債務がもう既に公表されてしまっている。だったらば、日銀の考査、日銀の判断というものは一体どういうことなのかという、日銀のやり方そのものに対する不信感というものが出てくるのですね。  ですから、私は、日銀をかばうわけでもないが、しかし、現在の考査なり大蔵省の検査の能力なり陣容なりやり方では、恐らく巧妙な飛ばしを事前に見つけるという体制になり切っていなかったのだろうと判断はしています。それだけに、総裁が、山一が「債務超過の状況にはなく、」というこの部分をお入れになったということに、大変奇異な私は受けとめ方をしておるわけです。この点について、御感想をどうぞ。

松下康雄日本銀行総裁

○松下参考人 山一に対します日銀特融の決定をいたしましたときに、まず、山一の財務状況についても至急検討いたしたわけでございます。  当時の山一の経営者側の表明によりますと、当時明らかになりました飛ばしあるいは簿外損失というものを認めました上で、山一証券の当時の自己資本の金額は、これらの簿外の損失を考慮いたしましても、なお資産超過の現状でございますということがございました。私どもも、それまでの大蔵省検査なり私どもの考査なりということから概略推計をいたしますと、当時の現状におきましては、債務超過の状況でないというふうに判断をいたした次第でございます。  ただ、もちろん、一たん自主廃業ということを決めますというと、その後に財務状況をもう一回、廃業を前提としてそれは計算をし直さなければなりません。そうしますと、継続している企業の場合と廃業する企業の場合とは資産の評価の方法も違いますので、その結果によりましては、場合によって、債務超過の心配がないとは言えないわけでございます。  ただ、私どもといたしましては、その際に、やはり政府の側といろいろと協議をいたしております中で、政府としても、本件の最終処理を含めまして財源確保のためにはいろいろの方策を検討しておる、その選択肢の中の一つに、例えば寄託証券補償基金の財務基盤の充実や機能の強化等を図ることも含めて、広範な検討をいたしているということでございました。  私どもとしましては、この点の検討に余りに時間がかかりまして、市場が開くまで結論が出ない、その結果、市場に非常な混乱を生じるようでありましたらば特融の問題が非常に困難を来しますので、この段階で、そういう検討の結果によって、私どもの融資の回収も十分できるというふうに判断をして、決定をした次第でございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 大変いろいろ若干の反省をも込めつつお話しになったと思います。  要は、私は、この債務超過に言及する必要はなかったんです。大事なのは、最終処理を含めて、政府が全責任を負うということが日銀特融に当たっての大前提であるということなんですね。そして、この談話の中にも言及、今総裁もお話しになったのですが、寄託証券補償基金制度の法制化あるいは同基金の財務基盤の充実や機能強化等を政府としてはやりますということを日銀総裁にお約束になった。お約束になったから、それを背景にして、日銀は特別融資に踏み切ったわけであります。  大蔵大臣、お約束されましたね。どうですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 これは、ただいま総裁も言われましたとおり、債務超過にはない、そういうことですね。本件の最終処理を含めて、寄託証券補償基金の法制化、言われたとおりであります。これらを総合的に勘案いたしまして、日本銀行は資金の回収に懸念を生ずるようなことはないと判断をして、日銀特融がスタートを切りました、こういうことです。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 それは、今総裁から聞いたんです。それは、政府がきちっとそういうことをやるということが前提でそう判断したんだというのが、今の総裁のお話だった。  だから、私が聞いている大事な点は、政府側がその担保、その保証、確約を日銀に対してしなきゃいけないんですよ。だから、はっきりとその寄託証券補償基金についてその法制化を図ると、今の任意でやっているやつを。あるいは、その財務基盤充実のために、それこそ場合によってはその中に公的資金さえ必要かもしれない。そういったことを含めて、政府自身は必ずやると、最終的に日銀にはびた一文、回収が焦げついて日銀自身が不良債権を抱えるということにはさせない、この一点が一番大事な点なんですよ。  だから、そのことはお約束はされたんでしょうと。だから、しましたと言ってくださいよ。もしあなたが、はい、しましたと言わない限り、混乱が起きますよ、これは。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 本件は、あなたの言うとおり、寄託証券補償基金の法制化、これは当然話をしておることでありまして、それと、こういう事態の要請を大蔵大臣として理解を得、スタートを切りました、こういうことであります。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 銀行局長あるいは証券局長、証券局長かね、これは。日銀だから銀行局長か。しかし、寄託証券の補償基金の話はやはり証券局長かな。どうぞ。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 お答え申し上げます。  十一月二十四日に山一証券の処理につきまして大蔵大臣より談話を発表されました。その談話の第四項目でございますけれども、読み上げさせていただきます。「本件について寄託証券補償基金の発動は現在予定されていないが、本件の最終処理も含め、証券会社の破綻処理のあり方に関しては、寄託証券補償基金制度の法制化、同基金の財務基盤の充実、機能の強化等を図り、十分の処理体制を整備すべく適切に対処いたしたい。」ということを大蔵大臣が談話として発表されております。  この談話の第二項には、日銀法二十五条に基づく資金供給について触れられております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 だから、あえてわかりやすい質問にして、大蔵大臣、そうしたのですと言えばよかったのですよ。それだけの話なんです。何もそれで詰問しているわけじゃないのですよ。確認をしたがったわけです。  次に、公的資金の導入論議についていろいろな角度からのお話があるのですが、宮澤先生とのやりとりの中でも、公的資金の投入、公的支援という表現をしているので、また微妙な、世の中がわかりにくいようになっているのですね。公的資金とか公的支援とか、余りそんなわかりにくいことを言わないで、ずばり税金なら税金、そういうことでおっしゃった方が私はいいと思うのです。  いずれにしても、そのことをも含めて、税金投入をも含めて公的支援という言葉を使っているんだということははっきりおっしゃった方が私はいいと思うのですけれども、総理、どうですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今、ちょっと議員の御質問、宮澤元総理の提言の中についてでございますか。そうではなくて……。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 逆質問がありましたので、総理が宮澤先生に答弁をされている言葉遣いの中で、公的支援という言葉遣いを総理自身が使われているものですから、だから、それは、当然税金投入をも含めているということで理解していいんでしょうという確認であります。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 宮澤元総理から十一月二十日に、破綻金融機関の処理策として二つの中心的な考え方、一つは、金融機関の不良債権処理がめどをつけるまでの経過措置として、預金保険機構が政府保証債を発行して、資金運用部が引き受けることによりこの機構の資金基盤の充実を図る案、及び金融機関が発行する劣後債を指定単を初めとする郵便貯金などの自主運用資金で引き受けることで金融機関の自己資本を充実する案、こうした御提言をいただいてきました。  私は、こうした御議論、御提言、これは預金者の保護、存続する金融機関の自己資本対策という異なった局面においても、それぞれの議論の基本になり得る示唆に富む考え方だと受けとめました。そして、党にもこれを検討するように指示しました。  いずれにしても、公的支援と私が申し上げる理由は、この中でも公的資金と、税金という言葉をお使いになっていない御提言ですから、私は公的支援という言葉でお答えをしましたし、今日も公的支援という言葉を使ってお答えをしているわけです。ただ、いずれにしても、私は、公的支援というものを含む金融システムの安定性確保、これは全力を挙げて取り組んでいかなければならない課題であるということは、私自身の言葉として申し上げております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 私は感ずるのですが、せっかく橋本総理は人気が、まあ、支持率はいろいろ上下はあるのです。しかし、その中でやはり比較的高い支持率を継続しておられる一つは、多少むきになるということ、それから火だるまになるということ、つまり、決断力なり腹を据えて開き直るということ、そういうことへの期待感があるのではないか。宮澤先生がおっしゃった、先頭に立てというのもそういうことでしょう。  だったら、せっかく私がそうやって呼び水を入れているのにもかかわらず、場合によっては税金投入だってやむを得ないという、何でその一言ぐらい使えないのでしょうか。何か、それこそムツゴロウが穴から首を出してちょこちょこちょこちょこ周りを見ているような、世の中の風向きばかり気にしてというやり方そのものが、実は非常に頼りなさというか、経済政策に対する何かそういうものが、姿勢というものが感じ取れない。これは私の感想ですから、それは人それぞれの生き方がありますから、これ以上は言いませんけれども。  ただ、今の御指摘の中で二つの分野があると。それは、預金者保護、あるいは証券に関して言うなら投資家保護、あるいは生命保険に関して言うならば契約者保護、このことが十分でなければ、下手すれば、そういう取りつけ騒ぎとかいろいろな話に発展しかねないという要素があると。  それからいま一つは、さっきも御指摘がありましたが、BIS規制や金融機関の自己資本比率を前提とする早期是正措置の導入によって、貸し渋りなりそういったことが極めて深刻であって、そのことが実体経済、特に中小企業金融等、これは通産大臣もおっしゃったような、三十兆余にもなるのではないかとおっしゃったが、そういう実体経済への悪影響、この二つの面があると。  それで、総理の言うこの公的支援というものも、両方を頭に置いて、その用語をお使いになったのでしょう。その中で、今一番急ぐということは、当面の金融システム安定化対策としての部分であると。  その点で、この限られた時間で中身を詳しく言えませんが、預金者ということのみならず、今は、日銀特融に関連して証券の問題について言うと、寄託証券補償基金というものの機能あるいは財源あるいは制度というものをきちんとやります、こういうことであったのですが、いま一つ、保険契約者の数ということからいくならば、社会不安ということを考えますと、生命保険の加入者についても、実は今極めて深刻な状況にある。この点は、いわゆる決済システムに直接生命保険が絡んでいないから、日銀の特融の対象には今なっていない。  だけれども、あの日産生命の破綻以来、非常に新規の契約率が鈍化をし、解約率が増大をしてきている。いろいろな風説も流れている。そういったことになりますと、預金や証券投資とちょっと違って、生命保険については、例えば二十年間掛け続けてきて、そこで破綻して、歳をとってから新規に生命保険に入りますよということでは、これはとてもじゃないが、もたないわけで、そういう意味での現在ある生命保険に関しての契約者保護基金ということだけではもう対応し切れなくなってしまった。  その仕組みとしても限界があり、あるいは基金の財源も、この前の日産生命で使い尽くしてしまった。しかし、今後、来年四月に向けていろいろと問題も起き得る、しかし、そのときにはもう何にもできないという状況に今はなってしまっているので、それに対する手当てもあわせて政府としては、まあ自民党も考えているかどうかわかりませんが、政府としては考えておく必要があるのではないか。  この点について、これは事前のそういう質問の中には入っておりませんで、急な話ですから、大蔵大臣、お答えするのに難しいかもしれませんが、総理はいかがお考えですか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 おまえ、物はっきり言わぬと言われますけれども、私、本当にこの仕事につきましてから一番痛感しておりますのは、私が言わない言葉が私の言った言葉として引用されるケースを含めまして、大変言葉遣いには私は慎重になっております。  例えば、数日前、金融機関の破綻やむなしと私が言ったという言葉が一斉に報道に躍りました。しかし、私はそういう言葉を一回も使ったことがございません。(発言する者あり)いや、想像で物を言われるのは大変迷惑でありまして、私は、破綻、当然だなんてこと一回も言っていないのです。それだけに、私は言葉に極めて慎重であります。市場に対する影響というものも考えなければなりません。  その上で、私は、今議員が御指摘になりました問題点は、非常に大事な問題と受けとめさせていただきます。証券における寄託証券同様に、保険における契約者の保護、こうしたものを目的とした公的支援というものも今から考えておくべきではないかという御指摘は、私は素直にちょうだいをいたしたいと思います。現在、既に議論も一部では始まっており、そうした点についての関心も我々は持ち続けておりますし、今後も一層検討を深めておくべき課題であるという御提起は、私は素直にちょうだいをしたいと思います。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 もう持ち時間がどんどんなくなってまいりました。  それで、最後に、さっきちょっと言いましたが、自己資本充実策として、宮澤先生、自民党内でいろいろ検討中だということで、優先株等のお話がありました。私どもは少なくとも、そういう検討に入るというよりも、むしろお金の使い道というのは預金者保護の一点だという、総理が強調しておられるそっちの方を重視したいと思っております。  同時に、そういう金融機関の自己資本改善策ということについて、やはり本筋は、そういう直接的な分子対策を公的に介入してやるというやり方よりも、本来的に、やはり経済の先行き、展望ということに対して、政策的対応がしっかりあって、そして株式市場が評価できるような経済政策を実施することである。  それには、財政政策についての考え方、あるいは特に所得減税二兆円、法人減税四兆円、あるいは土地税制の見直し、あるいは有取税等の証券税制の見直し、私どもがかねてから言い続けてきたような政策を総理がおとりになるということになれば、私は逆に、もう優先株の論議も要らないし劣後ローンの論議も要らない、恐らく、本当に、公的資金の投入、預金者保護のための投入、そのことについても、そのことを避けられる一番の近道ではないかということを最後に申し上げて、質問を終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて野田君の質疑は終了いたしました。  次に、菅直人君。

菅直人民主党

○菅(直)委員 資料を、委員長、配っていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。  その間に議論を始めさせていただきたいと思いますが、今日の金融・証券の行き詰まり、破綻というものの根本的な原因がどこにあるのか。これは言うまでもなく、バブルというものを発生させ、そしてそれを防がなかったこと、防ぎ得なかったこと、さらにはその処理を大きく誤ったことにあるということは間違いないと思います。  当時、土地が貯金よりも何よりも一番有利な資産である、あるいは大変な金余りである、そしてオフィス需要が大変大きくなるだろう、こういうことを言ったのが、中曽根内閣の後半の政府でありました。時の大蔵大臣は、先ほどこの場に立たれた宮澤大蔵大臣であったわけであります。  私は当時から、宮澤大蔵大臣に対して、土地に対する金融の抑制と同時に保有税の強化が最も効果があるということを何度も申し上げましたが、そのときの大蔵大臣は、税は補完的な役割しかないんだからと言って、大変消極的な態度で終始をされた。つまりは、バブルの初期消火に大失敗をしたときの担当者が、残念ながら宮澤大蔵大臣だと言わざるを得ないわけであります。  そして、その後、海部内閣になりまして、土地基本法が成立し、総量規制が行われ、地価税が創設されました。時の大蔵大臣が橋本総理であります。地価税をつくったときの自民党の小委員会の責任者が、先ほど質問に立たれた野田さんでありました。  そういった意味では、まさに勢ぞろいをして議論をしているわけでありますが、私は、バブルを抑えたということ自体は、大変遅かったという意味では大きな間違いでありますが、それ自体は、当時の橋本総理のやられたことを一定程度評価をいたしております。  しかし、大きく二つほど不十分な点があったと思います。  それは、住専の議論の中でも明らかになったように、つまり、住専等に対して総量規制が及ばなくて、農林系金融機関から大量のお金が流れていったという問題、今なお大きく尾を引いております。  また、バブルが崩壊した後、土地の利用ということに対して、私は、土地利用について、あるいは買い上げなどを含めてやるべきだと当時から橋本総理とよくこの場で議論をいたしましたが、残念ながら、時の政権はそういうことに対して、ほんのわずかの、民都機構のことはやりましたけれども、きちんとした対策はとられなくて、今日に至ったわけであります。  そういった意味では、私は、こういうバブルを抑制できなかったこと、処理を誤ったことが今日のこういう状態を招いているんだ、主に長年の自民党政権の中で行われたことが今日の状況を招いているんだということをまず明確にしておかなければならないと思いますが、総理はいかがお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、税制をバブル対策など土地政策の一環として活用しようとした場合、土地利用のあり方についての基本理念が確立していることがその前提になるだろうと思います。  私自身、地価税を創設いたします前、一体その方向をどちらに向けるんだ、例えば開発しやすい方向に、あるいは先祖伝来持っておられる方が業を継ぎやすい方向に、税というのはどちら側に向けることもできる、そのベースになるルールをどちらに決めていただけるのかという問い返しをよくいたしました。そして、土地基本法が成立をいたしましたのを受けて、地価税という制度をつくったわけであります。  そういう意味では、最初に中曽根内閣時代の問題を提起されましたが、その当時、土地基本法もない中で、果たしてどちらかの一方の方向へ動かす立法措置というものをできたのかどうかということになりますと、多少私は議員と見解を異にする部分があります。  また、総量規制についての御指摘は、繰り返し今までも私自身が御説明を申し上げてまいりましたし、考え方も申し上げてまいりました。そして、農協系金融機関に対して三業種向け融資報告を設けなかった。これは、既に他の通達で報告を求めていたということにもよりますということを繰り返し申し上げてまいりましたし、住専といったノンバンクについて、当局が、金融機関に有するような、経営全般にわたる指導監督権限を有していない、総量規制の対象にできなかったということも申し上げてまいりました。  そうしたことが間違いであった、それ自体が間違いだったと言われれば、おしかりは甘受いたしますけれども、当時の制度の中においてできることに限界があったことも、これは私は御理解をいただきたいと思うのであります。  そして、総量規制を導入した当時、土地利用促進策の発想を欠いていた。これは確かに、当時議員から海外の例等をもお調べになったものを提出され、それをもとに論議をいたしたことを私も記憶いたしております。それは、私は、議員がおっしゃることを、全くそうではないなどと申し上げるつもりはありません。しかし、土地基本法ができました後におきましても、議院の議論というものが膨らまなかった、それもまた実態であったことは、私は客観的な事実であると思います。  私どもは、現内閣として新総合土地政策推進要綱を閣議決定し、さらに先般十一月十八日、関係閣僚及び与党の政策担当者で構成する土地の有効利用促進のための検討会議でさらなる工夫を努めておりますけれども、確かに、議員が当時から御主張のように、この機会に公有地あるいは国有地をというようなところまで我々も膨らみ切れていないことは、私もそれを否定はいたしません。同時に、目下の財政状況の中で果たして不要不急の国有地を買い得る余力があるかどうか、そうした思いも今も持っております。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いろいろ言われましたが、簡単に言えば、宮澤さんが大蔵大臣のときに、橋本総理が大蔵大臣のときにやられたこと、つまり土地に対する総量規制を行い地価税をつくっていれば、こんなめちゃくちゃなバブルは起きなかったことだけは、これはだれが見ても明らかでありまして、そういう点で、私は、大きな間違いをやったという責任があると思います。  その上で、もう一つ大きな問題があります。今いろいろな再建計画あるいは金融に対する対応が出ております。この間も、住専処理や信組の処理をめぐっていろいろな案が出てまいりました。私は、国民の皆さんから見たときに最大の問題は何か。公的資金を導入するかしないかということではなくて、一体だれが責任をとるんだ、一体だれがこんなことを引き起こしたんだ、こういうことだと思うのです。経営責任者、当事者はもちろんです。しかし、それをまさにやってきた歴代大蔵大臣を含め、大蔵省の責任は重いのです。  しかし、大蔵省がとってきた対策というのは、何をやりましたか。つまり、自分たちが責任をとらなくていいようなスキームを考えたのじゃないでしょうか。簡単に言えば、多くの国民の皆さんが百万円の貯金をする、普通だったら五%の金利なら五万円の金利がもらえるところを、今や一%どころか〇・三%程度の金利で、本来国民が受け取るべき金利をほとんどゼロにして、その分を金融機関に回して、そしてそのお金で不良債権処理をする。だから、だれも責任はとらなくても済むようなスキームを考えたのじゃないでしょうか。  私は、そういう意味で、この責任の問題あるいは債権回収の問題を議論しないで、公的資金導入だけを議論するのは、これは国民の皆さんに理解が得られるものとはとても思えません。  例えば住専、たしか住専をつくったときに、たくさん大蔵省OBがあの経営者になったのじゃないでしょうか。その住専の経営者になった大蔵省OBの中で刑事訴追を受けた人が一人でもありますか、大蔵大臣。イエス、ノーで結構です。イエス、ノーだけで結構です。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 ないそうです。

菅直人民主党

○菅(直)委員 いいですか、あれだけ住専に六千八百五十億を投入して、しかもたくさんの金融機関が本来ならみんなの金利に回るところの資金を投入して、そしてそのときの経営責任、一人だけ民間銀行出身の人が訴追を受けているけれども、大蔵省OB、一人も受けていないじゃないですか。こんなことで国民が納得するんですか。  そういう点で、私は、だれが責任を負うのか、そしてだれが回収を責任を持って行うのか。これがなければ、例えば今の北海道拓殖銀行でも、日銀特融は確かに行っている、じゃ、あの不良債権をだれが回収するんですか。今、整理回収銀行に任せる、あれは立入検査権もない。  そこの責任者、だれがやっているか知っていますか、大蔵大臣。知っていますか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 水野社長だと思います。

菅直人民主党

○菅(直)委員 ですから、水野さんという人がどういう人か知っていますかというんですよ。元国税庁長官ですよ、主税局長ですよ、大蔵省OBですよ。そういう人が、一人も責任をとらない住専やあるいは信組の問題の、まあ住専は別ですが、信組の問題の処理の責任者ですよ。やれるんですか、こんなことで。  ということで、私たちは、民主党の中に金融危機対策本部というものをつくりました。今皆さんのもとに資料をお配りいたしております。その資料の二枚目の紙の中にこれと同じものが入っておりますので、こちらは少し国民の皆さんに見えるようにして、皆さんはこの図の方を、同じものでありますから、見ていただきたいと思います。  つまり、私たちが提案を申し上げるのは、そんなにとっぴなことではありません。アメリカのSアンドLなどの、つまり住宅金融の破綻の処理のときにつくられたRTCの日本版というものをつくるということです。しかし、それにはきちんとした法律的裏づけをするということです。これもアメリカにおいてはFIRREAというものがつくられましたが、破綻銀行整理法とでも呼ぶべきものをきちんとつくるべきだと思っているわけです。その中で特に申し上げたいのは、今申し上げたことです。  現在は、信組については、ここにもありますように、整理回収銀行というものがつくられているんですね。しかし、ここには立入検査権はありません。ですから、机の上で仕事をしているんでしょう。現場には行かないんでしょう、呼ぶんでしょう。  もう一つ、住専のために住宅金融債権管理機構、いわゆる住専処理機構がつくられております。これは中坊社長のもとで相当徹底した債権回収をやっている。これは特別な調査権を持っているわけです。立入調査権を持っているわけです。  そういった意味では、私たちは、この二つの機構を母体にして、そしてきちんとした破綻銀行整理法という法律をつくって、そこに権限をきちんと与えるべきだ。どういう権限を与えるべきか。ここに書きましたように、管財人機能を付与する。そして立入調査権を付与する。必要であれば警察等との連携もやる。  そして、例えば北海道拓殖銀行のような破綻をしたとき、つまりは日銀特融が発動されたときとか、大蔵省の検査で、もうこれ以上やっていけない、業務命令が出るような場合には、管財人を派遣する。そして責任追及、そのときの経営者、前の経営者の責任は当然のことです。そして債権回収を徹底して行う。  この場合に、債権の中で不良なものと比較的いいものがあります。今回は、北洋銀行にそれを一部営業譲渡するということが言われております。そういうやり方も選択としてあっていいかもしれません。しかし、それ以外にも、場合によっては不良債権の部分を切り離し、経営者の責任を明確にし、その上で、例えば拓銀の職員のうちの何割か、それが六割になるか七割になるか五割になるかわかりませんが、そういう皆さんで新しい銀行を設立して、その部分を移す、こういうことも考えられるんじゃないでしょうか。  総理は、国鉄再建のときに、国鉄清算事業団をつくる、これも大変大きな重荷にはなっておりますが、少なくとも、そのことによって今、JR東とか西とかが一定の債権をかぶりながら新たな仕事で頑張っているということを見ますと、すべて全部がなくなるということだけではなくて、会社はなくするけれども、場合によっては責任者を全部、首は当然とるけれども、場合によってはそういう人たちには損害賠償の請求をするけれども、雇用されていた人の中でそういう責任のない人のある部分は、そういう不良でない債権とともに、営業権とともに新たな銀行をつくる。  特に、北海道の拓殖銀行のような地域的に非常に影響力の強い銀行は、果たして北洋銀行が本当に肩がわりが、つまり中小企業の皆さんの融資の肩がわりが迅速にできるかどうか大変心配をされているわけであります。  そういった意味で、ここに申し上げたのは、今の、何といいましょうか、奉加帳方式であったりあるいは整理回収銀行に委託をする。一般銀行の処理を委託するんですか、水野さんのところに。そんなことは予定していないでしょう、もともとこの銀行をつくるときに。  そういう中途半端な委託とか、法律権限が、立入検査もないようなやり方ではなくて、きちんとした破綻銀行整理法をつくって、そしてその法律に基づく公的債権回収機関をつくる。そして、そのもとで管財人など今申し上げたようなことをきちんと対応して、そして、これまでも起きていますが、これからも起きる可能性の高い一般銀行の整理、場合によっては責任追及、債権回収、さらには営業権譲渡や新銀行の設立、こういうことに対応したらどうかというのが私たちの提案であります。  総理大臣の御見解を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 今初めてこれを承りまして、これを論評するほど私には自信がありません。  ただ、その上で、破綻する金融機関に対する対応の仕方が、当然ながら、その当時あるいは過去にさかのぼる経営陣の責任追及は必要とする。しかし、そうした責任を問われるべきではない一般の従業員の雇用というものを考え、それに着目したスキームがあってもよいはず、そして北拓の場合北洋銀行が受けとめたと同じようなケースもあっていい、いろいろな類型があってよいが、そこに働いている人々の職場の安定という視点もあっていい、私は、それは非常に大事な視点だと思います。  その上で、このスキーム自体について、私は議員ほど詳しい知識を持ちません。本日ただいまちょうだいした御見解でありますので、十分検討をさせていただきます。

菅直人民主党

○菅(直)委員 十分検討をいただきたいと思いますが、もう一、二点だけ申し上げておきたいと思います。  一つは、この一ページ目にも書きましたけれども、残念ながら、こういう機関をつくったときに、経験者という意味でいろいろな分野から人を集められることは重要ですが、トップだけは、大蔵省とか日銀とかあるいは今ある銀行のトップ、銀行の経営陣から持ってくるというのは、とても私は国民的な理解が得られない、それは避けるべきだということが一点であります。  それから、債権回収が進んだときに、そこで働く人たちの身分が不安定になります。最終的には預金保険機構に統合する。つまり回収をできるだけ早くやった後、預金保険機構に統合する、そういう一つの配慮も必要ではないかと思っております。  そういう意味で、今いろいろな議論が出ておりますが、今の国会にも預金保険機構の改正案も出ておりますけれども、つまりは、今までのような行政指導なり不透明なやり方でやるのではなくて、きちんと法律をつくって、国民の前できちんと説明ができるようなやり方でやるという考え方をぜひとっていただきたいということを申し上げまして、同僚議員の小沢議員の方にあとの時間を譲りたいと思います。

松永光自由民主党

○松永委員長 この際、小沢鋭仁君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小沢鋭仁君。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)委員 引き続き御質問を民主党の枠でさせていただきます。  これまでの質疑の中でも出てきておりますけれども、いま一つはっきりしないので、三塚大蔵大臣にまずお聞かせをいただきたいのですが、預金等の全額を保護する、こういう御答弁が先ほどもありました。さらには、十一月二十六日付の大蔵大臣あるいは日銀総裁連名のそういう談話も出ているところであります。  その際に、やはりその「等」というところ、ここに何が含まれるのか、具体的に国民の皆さんは大変そこを知りたがっております。不安であります。「預金等」の「等」には、例えば貸付信託は入るんですか、金融債は入るんですか。先ほども質問がありましたが、生命保険は入るんですか。保険は入るんですか。どうか、そこをはっきりと明快にお答えをいただきたいとまずお願い申し上げます。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 これは、貸付信託が入りますか、金融債等個別の金融商品が入りますかと、こういう確認ですね。  本件は、「預金等」としましたのは、預金がウエートが極めて高い、そしてその他もありますというのでそう書かせていただきましたが、これは、預金等については万全を期する、こういうことの中でありまして、その金融商品という中には貸付信託など金融商品が含まれるという趣旨であります。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)委員 などという言葉がまたもう一回使われているのですが、金融機関に持っている預金あるいはそういった商品、今あらゆる金融機関のその商品は、国民の皆さん、心配しないで結構ですよ、解約などしなくて結構ですよ、全部保護するんですよ、ざっくばらんに言うと、そういう理解でよろしいんですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 そのとおりであります。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)委員 明快に御表明をいただきました。これで国民の皆さんも安心をしていただく一つの根拠ができた、こういうふうに思いますが、でも本当に大丈夫なんだろうか、こういうふうに感じるところでありますが、ぜひそれでよろしくお願いをしたいと思います。  さて、ちょっと時間がもう迫っておりますので、総理の方にお尋ねを申し上げたいと思います。  先ほど、我が党の菅代表の方が、破綻が発生した際の処理のスキームの提案を、我が党としての提案をさせていただいたところでありますが、ちょっと順序は逆になりますけれども、私は、破綻が発生した後、それの処理の機構をつくる、日本版RTCの拡充といった対処策は当然これはしなければいけないと思うわけでありますが、これを、その根本策といいますか、なぜ破綻が起こってくるのかというところをきちんと認識し対応しておかないと、幾ら処理策をつくっても、次から次に金融機関が破綻してしまうのでは、これは困るんだろうと思います。  そこで、私は、私なりにいろいろずっと今までこの勉強をしてまいりました。まず、この金融危機の核心は何か。私は、一言で私の考えを述べさせていただくと、基本的にはいわゆる資産デフレだ。  先ほど菅代表も申し上げましたが、バブルが発生し、バブルが崩壊した。いわゆる一つの試算によれば、八百兆円の国民の資産が失われた、こういう計算もあります。今、日本のGDPは五百兆円でありますから、フローの五百兆円で暮らす経済の中で、八百兆円のストックが失われる、こういうことになりますと、やはりこれはなかなか、景気という、経済ということを考えても、回復、こういう気分にはならないわけであります。ここ二、三年、いわゆる生産の指数は確かに改善の傾向にありました。しかし、国民の中は、景気がよくなった、こういう感覚は全くありませんでした。それは、この資産デフレがその一番大きな原因ではないのか。  そしてまた、たまたま私はアメリカのグリーンスパン議長と話したときに、グリーンスパン議長も言っておりました。日本は、戦後、かつて先進国が経験をしたことのないデフレの経済の状態にある。各国ともインフレに対応する経済政策はみんな学んできたけれども、デフレへの対応の経験がない、どうもここが間違っているのではないか、こんな認識があるのでありますが、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、今の提起は非常に正鵠を得た御意見と聞きました。確かに、一つの視点として、これがバブルの後遺症というとらえ方、これは企業にも個人の生活にもさまざまな影響を与えていることは否定できないことでありまして、日本経済全体として、これをいかに解消し、国民の暮らしを健全な状態に戻すかという問題、私はそうとらえる考えの中で、資産デフレというとらえ方で組み立てられるもの、私は一つの視点と思いますし、そうした視点からの対策というものを当然ながら我々として考えなければならない、そう考えております。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)委員 今総理も、そういう面が大いにあるのではないか、こういう御答弁をいただいたと思うのでありますが、そうしますと、今までの経済対策、過去、ここ行ってきた経済対策がどうもずれているのではないか、こういうふうに私は感じるし、言わざるを得ないのだろうと思います。  いわゆる通常の景気循環型の好況不況、こういう話の中で、いろいろな経済対策があり得ますけれども、不況対策といえば、大体三大政策というのがよく言われるところであります。公共事業を拡大していく、あるいは減税を行う、あるいは低金利政策をとる、これは景気対策のある意味では三大政策、こう言われるところでありますけれども、この対策では、資産デフレ対策、間接的にはきくかもしれませんが、直接的にはきかないのではないか、こう思うわけであります。  今まで、そこをずっと違う対策を行ってきたのではないか。やはり、今の金融不安の根本は資産デフレである。資産デフレが続いていけば当然不良債権は拡大していく、不良債権が拡大すれば破綻が起こる、そして経済はまた失速をしていく、こういう循環でありますから、総理、直接その資産デフレ対策にまさに集中してここは対策を打たないといけない時期なのではないですか。  国民生活の中で、例えばそれは資産が下がっていく、これは、好ましいと思う局面もあるかもしれない。そういう一面もあるかもしれない。ただ、今総合的に考えたときは、今はここに集中して取り組む、資産デフレ対策に政府はまさに集中して取り組む、立ち向かう、この決意が私は必要だと思うのですが、いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私は、従来行ってきた対策というものが、議員がおっしゃるように、必ずしも間違っていたのだと言うつもりはありません。そのときそのときに、私は、やはりこれは景気の下支えとしての役割を十分に果たして、あるいは、不十分であれ、そのときにその役割を果たしてきたと思います。  ただ、それだけでこれが解決しないというところ、まさに私は、議員の指摘をされたような目というものが必要だと思いました。そして、まさにそれが、構造的なものという言い方を申し上げてきた私の考え方に合致する部分を持つものでもございます。そして、やはり何といいましても担保不動産の処分が滞っている。これが不良債権の処理や景気回復の足かせになっている。こうした観点から、土地取引の活性化あるいは有効利用という柱を立ててきたのも、そうした視点からでございます。  これから先も、企業あるいは消費者の先行きに対する不透明感というものを払拭していく、そういう視点とともに、その資産のデフレをどう防ぐかという視点も十分に取り入れた上で、我々は物を考えていく必要がある。この点は、私は御指摘を素直にちょうだいしたいと思うのです。

小沢鋭仁民主党

○小沢(鋭)委員 ありがとうございました。  時間でございますから、これで質問はストップをいたしますけれども、まさに今国民経済、本当に正念場のときであります。危機が発生しそれに対する対応というのをきちんとすると同時に、しかし、これがまだこれからも一年も二年も続いていく、こういうことではいけないわけでありまして、そういった意味では、まさにそこのところに集中して政府の皆さんにも取り組んでいただきたいし、我々民主党も精いっぱいいろいろな案を出させていただきたいと思います。  どうか、御奮闘を期待申し上げながら、同時にまた、この危機に全力でともに対応する、こういうことを確認させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて菅君、小沢君の質疑は終了いたしました。  次に、佐々木陸海君。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海です。  拓銀や山一証券などの破綻を契機にして、金融問題での公的資金投入論が盛んになっております。本日も、橋本首相自身、預金者保護ということを重点に置かれながら、預金保険機構への公的資金投入という方向を検討しておられることを明らかにされました。投入につながるような方向の検討をされていることをお話になりました。  そこで、預金保険機構という問題なんですが、名前だけ聞けば本当に預金者を保護するための機構ということになりますけれども、今までのいろいろな法改正を経て、今実態がどうなっているかということをよく国民の皆さんにも知っていただく必要があると思います。  私、その一つの例として、例えば九五年に破綻してことし一月に処理された大阪信用組合の場合をちょっと取り上げてみたいと思うのですが、この信用組合は、不動産投機の乱脈経営で破綻をいたしまして、千八百五十億円の損失を出しております。この大阪信組に関しましては、七〇年代から東海銀行が常時人を派遣して、紹介融資をするなど、深い関係を持ってまいりました。大阪信組の場合、ピーク時には四分の一が紹介預金でしたけれども、その中で東海銀行が大きな位置を占めていたという関係にあります。  大蔵省にお聞きしますけれども、この大阪信用組合の処理に際して、預金保険機構は幾らお金を出しましたでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 お答え申し上げます。  大阪信用組合に対しましては、千六百九十七億円でございます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 他方、東海銀行はそれじゃ幾ら出したでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 東海銀行の方はいろいろな形での支援を行っておりまして、基本的にロスは預金保険機構の方で埋めております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 要するに、東海銀行は一円も出していないのですよ。東海銀行は、大阪信組の店舗だとか預金だとか、おいしいところはそれまでの深い関係から全部引き取って、一円も負担しないで、大阪信組の不良債権は全部預金保険機構に買い取らせたという形になっているわけですよね。だから、まさに今のこの預金保険機構というのは、関係した金融機関が引き受けるべき負担を預金保険機構が全部肩がわりする、そういう方向に今預金保険機構がなっているのですよ。  総理、こういうやり方がどうして預金者保護なのか。主眼は、この預金保険機構というのは官営関係金融機関負担軽減機構とでもいいますか、そんなものに変質しているんじゃないかということを私はお聞きしたいと思うのです。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 大阪信用組合の件に関しましては、東海銀行がいろいろな形で深い縁があったということは事実でございますけれども、この処理に当たりましては、むしろ東海銀行はかなり協力をして、いろいろな形での社会的コストを最小限にする努力をしているということを考慮に入れていただく必要があると思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 答えになっていないと思うのですが、要するに、預金保険機構というのは、もちろん最初の出発点は預金者の保護ということに限定されたものだったのですけれども、法改正を経て、特に去年の法改正を経て、無制限にこういう信組の場合には援助をするという形になってしまった。だから、去年の法改正の出発点で、不良債権の廃棄物処理場になるのではないかとか、日本の金融機関のごみためになるんじゃないかという批判が新聞紙上でも言われたのですけれども、私は、今の預金保険機構の現状というのは、まさにそうなっているんじゃないかと思うのです。  今は、信組の破綻処理に関しては、預金保険機構がすぐに乗り出してきて、不良債権は全部買い取ってあげます、その費用は問いませんという形になっているわけですよ。だから、関係ある金融機関は、それならもう自分の責任は一銭も果たさなくてもいい、全部預金保険機構に任せてしまえという形になっている。しかも、その預金保険機構の方は、去年の法改正で、信組の問題に関しては、最後は政府が面倒を見るというスキームになってしまったから、幾ら引き受けたって大丈夫だということになっているわけですね。  今検討されているのは、信組に加えて、一般の銀行の破綻処理の問題でも、政府が最後は何とか面倒を見るという、そういう形に今検討されていっているものはなっているわけですよ。そんなふうになってしまったら、本当に、信組というのはやはり小さいですから、その小さい信組が中心でも今までに一兆四千億円ですか、預金保険機構のお金が使われてしまって、あと一・三兆円しか残っていない。とてもじゃないけれども、間に合いやしない。  だから、本当にこれを最後は政府が面倒を見るというようなことにしてしまったら、そこにどんどんどんどん本当に公的資金が使われてしまうということにならざるを得ないわけであります。私は、そんな方向は絶対に許してはならないと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

山口公生大蔵省銀行局長

○山口政府委員 御指摘のとおり、預金保険機構の運用ということをきっちりやっていくということは大変大事なことでございますが、一方、この預金保険機構が存在し、また金融三法を通過させていただきましたことにより、その機能をお与えいただきました。したがって、国民の皆様に預金等に関しては御安心を願っております。システムも守れます。健全な取引先も、受け皿銀行さえ見つければ守れます。そういう形で、大変我が国の経済の土台を支えている機能を与えていただいております。そういう役割をぜひ御評価いただきたいと思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 そういう役割があるにしても、今の預金保険機構というのは、さっき言ったような形になっていて、それにさらに政府が保証するということになりますと、どんどんどんどん公的資金を投入していかなきゃならぬような羽目になっていく、そういうことを私は申し上げているのです。  バブルを引き起こして不良債権をここまでつくったのは、金融機関の側の責任でありまして、国民の責任じゃ全くないわけですね。それを、この預金保険機構が預金者保護だということは、それはもちろんその面はありますけれども、そこにどんどんどんどんお金をつぎ込んで、銀行の不良債権のごみ処理場にするような、そんな方向を私たちは絶対許さないし、それには反対であるということをはっきりと申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、山一の問題についてちょっと質問をしたいと思います。  この山一の飛ばしによる簿外債務の問題、これを大蔵省が発見できなかったということについて、総理は、日本時間でいうと二十七日ですか、オタワでの記者との懇談の中で、大蔵省の責任は当然あるということをお認めになっておられますが、間違いありませんか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 そういう御質問が出るとわかっておりましたら、正確なメモを持ってくるのでしたが、そういう言い方にはなっていないと思いますけれども、確かに、簿外の債務でありましても検査で発見ができなかったという事実は、これは私は否定のできないことだと思います。その上で、しかし、その簿外債務というものがどうすれば、いわば帳簿に全く証拠の残らない取引というものを、果たしてどういう形で把握ができるか私にはわからないけれども、やはり見つからなかったということは、これは事実、本当に認めなきゃいかぬ、そういうことは確かに私は申しました。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 大蔵省がこういう山一の重大な問題を発見できなかった、それが山一の破綻の一つの契機にもなっているわけであります。そして、そういう金融不安というふうな問題にもつながっているわけで、大蔵省の責任は極めて重大だということを私は言わざるを得ないと思うのです。(橋本内閣総理大臣「しかし、やはり悪いことをしたやつが一番悪い」と呼ぶ)もちろん、悪いことをしたやつが一番悪いと総理は今おっしゃっています。それはもちろん言うまでもありません。しかし、政府の側の責任としては、それを発見できなかったという問題は、重大な問題として反省しなきゃならぬ問題であります。  問題は、大蔵省が四大証券会社に対して検査や追及ができない体質、癒着の構造を持っているということを私たちは指摘せざるを得ないと思うのです。  一九八八年の本院の委員会で、我が党の議員が、証券局と四大証券のトップとの定期懇談会が行われている問題を追及いたしました。この懇談会では四大証券側が幹事を務めるのですけれども、その出番は、順番は、大きな山に日が上るだと。大きな山に日が上る。だから、大和、山一、日が上るで日興、そして野村と、そういう形でやられているということまで明らかにしました。  そして、九一年の証券国会では、我々の要求で「証券局と証券会社との定例の懇談会について」という大蔵省の報告が出されました。四大証券会社社長と月一回、副社長と月一回、株式本部長、債券本部長、引受本部長、国際本部長とそれぞれ二カ月に一回、株式部長と月一回、大蔵省がこれだけの者と懇談をやっているということが明るみに出ました。  この証券スキャンダルが論議された証券国会では、こういう追及があった末に、当時の松野証券局長が、「定例的な会合をやる必要はないという御指摘は私ども十分受けとめておりまして、もちろん数社と一緒に会うというのと個々の証券会社を呼んで意見を交換するという場も、当然そういう手法もあるわけでございますので、定例的な会合をやるということについては今後やめていきたいというふうに思っております。」定例的な会合はやめるということをそのとき証券局長が言ったわけであります。  そこで、証券局長にお伺いしたいのですが、その後そういう懇談が続いているのじゃありませんか。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 当時そのような国会での御議論がございまして、また必要に応じ証券業協会のような場所で情報交換ができるのであればそういうふうに切りかえていきたい、漫然と定期的な会合ということでなく、必要な意見交換はするけれども、また別途の方法があるならばそういった方向でいきたいという趣旨のことを証券局長から御答弁申し上げました。  したがいまして、私どもはその後、ただいまお取り上げになりました、例えば非常に現場行政に関連いたします株式本部長との会合、債券本部長との会合、引受本部長との会合、国際本部長との会合等々は一切行っておりません。  ただし、証券界のいろいろな意見を聴取する、あるいは私どもも証券界に対してそれぞれ申し上げたいこともございます。それらにつきまして、証券業協会を通ずるだけでは十分意思疎通が図れない側面がございます。したがいまして、私ども、必要な範囲では、最近におきましても、随時私どもと証券界の首脳との会合は持つことがございます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 定期的な懇談はやめて今も随時会っているというのですけれども、お手元に表をお配りしました。これは大蔵省から聞いたものです。  随時じゃないですよ。九六年一月十日、二月二日、三月十一日、四月八日、五月七日、六月三日、七月十九日、夏休みは休んで、九月五日、十月十七日、十一月七日、十二月二十五日、そして九七年は一月十日、二月十二日、三月はちょっと休みましたが、四月十四日、そして六月十九日。全く定期にずっと証券四社の社長と証券局長との懇談やっているということでしょう。続いているじゃありませんか。  しかも重大なのは、六月の十九日の懇談というのが最後のようですけれども、その翌日の二十日には、「山一証券、巨額「飛ばし」」ということが新聞に暴露されている。その前日に会っているのですよね。何を話したんだということを聞きたいと思うのですけれども、何をこの六月の十九日では話したのですか。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 本年の六月十九日は、証取審の総合部会におきまして、金融市場改革の報告書が、骨子まとまりました。その証券取引審議会総合部会から提出されました提言をめぐって、私どもの考え方も述べ、先方の意見を聴取いたしました。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 その内容はよくわかりませんけれども、その翌日にこういう飛ばしというものが新聞で報道された。そして、こういうことが報道されて、これがほとんど真実だったということが明らかになっているのですけれども、それ以後大蔵省は、この問題で、じゃ、この山一を調べたか。まともに調べてもなくて、結局十一月になって報告に来て、報告を受けて初めて知ったというようなことを言っているのですけれども、本当に国民がそんなこと信じられるかという感じにならざるを得ないと思うのですよね。  それで、この山一の問題について証券局長は心境を聞かれて、言葉にならないと言ったそうですけれども、こんな四大証券とずっと癒着を続けておきながら、言葉にならないなんて言われたんじゃ、こっちこそ言葉にならない、そういうことにならざるを得ないと思うのです。  総理、やはりこういう癒着はきっぱりと断ち切る、ですから、こういう業界と、特定の業界と官庁とのこんな定期の懇談というようなものはきっぱりとやめるということを今やるべきじゃありませんか。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 私はむしろ、議員はこれを一定の条件を置いてお考えなのかもしれませんが、昼間堂々と、例えば大蔵省であるか証券業協会の場所を借りるのかわかりませんけれども、関係と打ち合わせることが、それが悪いことだとは思いません。むしろ業界と、あるいは特定の企業と深夜こそこそ会っているとかいったら、それは私本当に問題だと思います。むしろ仕事の上で、どの関係業界に対してでもそれぞれの所管が会い、意見を交換し、行政を説明する、それは私は何ら恥じることはないと思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 時間もありませんけれども、開き直られたという感じを私は率直に受けざるを得ないと思います。こういう関係をしていて、そして結局大蔵省の重大問題を見つけられなかったということだと思うのです。  九一年の当時、橋本総理は大蔵大臣でいらっしゃって、この問題が出たときにこういうふうにおっしゃっているんです。「これが何ら人に恥じる行動でない内容を持っておるものならば今後も正々堂々と続けるべきである、内心じくじたるものを持つ会合であるなら即刻やめたらよろしい」というふうに言ったんですよ。そして、その当時大蔵省はやめたんですよ、証券局は、定期の懇談はやらないということで。そして証券局長は今随時やっていると言いましたけれども、随時じゃなくて、結局定期のものが復活しているという事態になっているんですよね。だからやはり、これは総理そうおっしゃいますけれども、国民は、こういう問題についてはとても許せないということになるんじゃないかと私は率直に言わざるを得ないと思います。  最後でありますけれども、今の金融情勢を含む経済全体の展望、そういうものに関して言えば、今の金融問題等々を前進的に打開するためにも最も必要で有効なことは、公的資金投入というようなことで銀行の懐を心配してやるようなことではなくて、九兆円の負担増などで打撃を受けている国民の懐をふやすことだ。消費税減税、所得税減税などで景気を回復させて、経済を本格的な回復の軌道に乗せて活発化させること、それがやはりすべての前提として必要なんだ。そのことを私は最後に強調して、質問を終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 先ほど来、御専門の方々から、いろいろ最近の一連の金融破綻の問題についてのお尋ねがございました。  社民党も、伊藤幹事長を本部長として、金融機関の破綻と信用秩序回復に向けての対策をいろいろ、党としても努力をしております。また、微力ながら、与党の中でもいろいろ調整をしていることも御案内かと存じます。  そこで、まず総理に簡潔にお尋ねをいたしますが、このような金融不祥事、いわゆる四大証券の一つである山一まで破綻せざるを得なくなったという一連のことをずっと見てみますと、やはり私は、これまでの金融政策というかあるいは経済政策、要するに、よく言われてまいりました護送船団方式のあり方とか政財官のいろいろの癒着なり、そのツケが回ってきたのじゃないかという感を深くせざるを得ない面があります。  もちろん、総理を初め大蔵大臣、政府全体として、内閣全体として御努力している点はよくわかるし、また、対策を講じようとしていることについても敬意を表しますが、ここは従来のような延長線で解決をしようとしてもなかなか困難じゃないのか。ある意味では、国難と言っても言い過ぎではない事態に今日本は向かいつつあるんじゃないかという気がしてなりません。  そういう意味で、この難局をどう総理として乗り越えていかれようとするのか。臨機応変というか、総合的対策を早急に手を打って、国民の不安や、政治に対するあるいは経済に対する不信というものを除去していかないと、本当に取り返しのつかない事態になりはしないかと、素人ながら思う一人であります。  改めて総理の御決意をお伺いをさせていただきたいと存じます。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 金融機関、あるいは金融と申し添えても結構でありますが、これは経済活動全体に必要な資金を供給する、いわば経済全体にとって動脈のような役割を果たしておるわけでありまして、こうした点にかんがみて、今般金融機関の破綻あるいは不祥事が相次いで生じたことについては、本当に私自身、残念な、情けないという思いを持ちながらこの事態に対応しつつあります。  ただ、その上で、今山一の例をちょっと議員引かれましたけれども、私はやはり、損失補てんあるいは総会屋への利益提供、飛ばし、いずれをとっても、これは法の上で許されない行為を行っていたということでありまして、これを批判すべきこととこのシステムを守る問題とは、おのずから分けなければならないと思います。  私どもは、何としても守らなければならないもの、それは預金者であり、投資家であり、また、その金融機関と善意の取引を続けておられた結果、影響をこうむるかもしれない各業者、特に中小企業の方々に対する影響をどう食いとめるか、これを万全に守るか。そして、同時に、我が国の金融システムの安定というものと、内外からの信頼を確保する、そうした考え方でこの問題には取り組むべきものだと考えておりまして、全力を挙げて取り組んでまいります。  その上で、責められるべき部分が責められることは当然のこと、そのように思います。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 それは、時間がありませんので深くは申し上げられませんが、やはり金融機関の経営内容についても責められるべきでしょう。総会屋との関係とか、いろいろな、簿外債務、飛ばしと言われているようなことを平気で、平気でというか、ずっとないしょにやっておったということなどは、あってはならないことですね。  問題はしかし、国民は、そういうことを、なぜ大蔵省なり政府という監督機関がありながら、それを適時に摘発をして明るい方向に持っていくことができなかったかというところに不信感があると思うんですね。その点をどうするかということだと思うんです。  もちろん、総理がおっしゃるように、預金者の保護が最も優先さるべきことは当然でありましょう。私たちも、この事態になると、公的資金の投入というか活用というものは、前提が整備されるならばやむを得ないのじゃないかと思うんです。だが、それには、あくまで国民の理解と納得がいく条件を整備していかなければならないと思うんですね。  第一、まず目的の明確化ですね。  破綻した当該金融機関の救済のためではなく、あくまで預金者や保険契約者の保護等に充てるというようなこと。破綻した金融機関というのは淘汰をしてしかるべきだと思うんですね。しかるべきというより、やむを得ないと思うんですね。  二番目に、透明性の確保です。  公的資金を導入する場合に最も重要なのは、あくまでも当該金融機関の保護ではなくして、預金者というものを大前提に保護していくということを見える形で国民に示していかなければならないと思うんです。  三点目は、よく言われていることですが、徹底した情報の開示ですね。  これはもう、不良債権の問題にしましても、大蔵省がはじき出すことと、実際に破綻をした後の不良債権の額というのは、多いものによっては二十五倍以上のものもあるんですね、一々名前は挙げませんが。こういうものを、どう情報の開示をきちっとやるかということ。  そして四点目は、責任の明確化です。  これは金融機関だけでなくして、行政あるいは政治の責任を十分に、この際、国民にお示しをしていかなければならないと思うんですね。そういう面で、私たちは、与党三党の中でも財政と金融の分離ということもかねがね主張してまいりましたが、こういうこと等についてもなかなか十分な調整ができない、行き詰まりの状態にあるということも御承知のとおりであります。  いずれにいたしましても、問題点をあいまいにしたままではこの事態は乗り切れない。そのことについて、総理と大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。     〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 事態をあいまいにして済ませることができない、これは当然のことであります。なぜなら、これは、放置すれば我が国の金融システム全体の信認がかかってしまう問題でありますし、海外にもその影響は大きく出ていくでありましょう。  幸い、日本は世界一の債権国ですから、日本自身がその債権のためにほかに迷惑をかける、言いかえれば日本が借金をしている状況ではありませんけれども、それでもこういう問題がきちんと信認のできる対応ができなかった場合、他国の市場にも影響を与えることは間違いがありません。  そして、これに対し信認を得るためには、今何が起こっており、どういう状況であるのかから始めて情報の開示が必要だと言われましたが、もちろん、そういうものを含めた対応策をきちんとしていく。それは預金者の保護であり、投資家の保護であり、インターバンク等に対しても不安を与えないことであり、そうした努力の上に成り立つものであることは議員の御指摘のとおりであります。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 ただいま総理よりお答えがありました。私からは、守るべきものは何かということで申し上げますと、まず、金融システムの安定性の強化を図りますため公的支援を伴うという論点について、いろいろな考え方、御論議が行われておりますが、公的支援によりセーフティーネットを完備し、預金者を保護することが重要であると考えております。  したがいまして、いかなる事態が生じても対応できるよう、預金者保護のため、公的支援により利用可能な資金を拡充していくことを今後検討すべきではないかと考えておるところであります。  金融システムの安定については、預金者保護を目的として、公的支援を含め具体案を早急に、金融システムの安定性確保に全力を挙げて取り組む、こういうことであります。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 そういった総合対策をお示しになる時期はいつですか。また、総合的な対策をとるには、もちろん自民党さんは自民党さん、与党との協議もあるかもしれませんが、同時に、不良債権問題についても、情報開示をするというならば、いつまでにそういうことができるのかということも国民はやはり関心を持っていると思うんですね。  その点について、お考えがあればお示しを願いたいと思います。簡潔にお願いします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 どうやるかという対策は、与党三党、協議が行われておる、自由民主党、いち早く行われておるという現実であります。自民党の方の総合対策は十二月十日をめどに、こう言われております。  同時に、今度は政府でありますが、政府とすれば、大蔵大臣として、何ができるか、あらゆる選択肢を点検し、検討し、結論を得るべきだ、こう指示をいたしておりますから、本件について早急に、国会の論議等、国民間の論議を十二分に注視しながら取り組んでおるところであります。  それと、不良債権、いつごろということでありますが、年内にはこれをつくり上げていかなければならないのではないか、こういう指示をいたしております。膨大な資料と御案内のとおりの基準でございますから、それを乗り越えてやりたまえ、こういうことで指示してあります。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 なかなか膨大な分量かと思いますので、容易じゃないと思うんですが、急いだ方が国民の不安解消には役立つと思いますので、政府としても全力を挙げていただきたいことを要望申し上げておきます。  次に、時間がありませんので、雇用対策と中小企業問題について一言触れておきたいと思いますので、労働大臣、通商産業大臣の方からお答えを願いたいと思います。  私は、かつて雇用問題で非常に苦労した経験を持っております、大量解雇の中で。しかし、日本全体の経済の実力からして、むしろ雇用の問題というのは余り心配がなかった。だが、最近の状況では、三・五%の失業率というかってない状況が今醸し出されつつあります。加えて、この山一、あるいはこれまでの金融機関等の破綻や倒産を見てみますと、容易ならぬ事態だと思いますね、この年末を控えて。これは本当に深刻な事態にならなければよいがと願う気持ちがいっぱいでございます。  そういう意味で、既に労働省あるいは政府としても対策は立てておられるようでありますが、雇用調整助成金とか、従来の雇用保険法等の範囲内での助成というのは大変厳しいのじゃないかと思います。この点について、関係者や今失業、新規の皆さんもいらっしゃいますが、こういうこと等について不安のないように、どのようにやっていかれようとするのか、ぜひはっきりしたといいますか、国民が期待をするような方針をお持ちなのかどうか、明らかにしていただきたいと存じます。

伊吹文明自由民主党労働大臣

○伊吹国務大臣 金融不安に伴い雇用不安が生じてきているということは、先生御指摘のとおりだろうと思います。  そこで、私は三つの問題があると思いますが、一つは、まじめに働いていた労働者、勤労者の労働債権をしっかりとまず確保するということでありますが、これは現在までのところ、北拓、山一その他の金融機関については、我々の調査あるいは聞き取り等によりまして、この点については不安なく処置されていると思います。  第二番目に、当該企業の失業者をどうするかということでありますが、これはいろいろ金融機関等によりまして、状況がかなり異なります。例えば、北拓の場合は、営業譲渡という形がとられますので、営業に伴ってどれだけの従業員が動いていくかということが一つございます。そこを見きわめながら対策を講じたいと思いますし、山一については、これは企業が廃業いたしますから、すべての人たちが職をいずれは失うということでございます。  この点について、関係の各団体等、また労働省の職業紹介、安定のすべての機能を動員いたしまして、マッチング、つまり将来の雇用を完全たらしめるために、職が欲しい人と新たに職を引き取ったい人との連携を今密にしながら対策を講じております。  三番目が、実は一番難しい問題だ。これは先生が御指摘になりたいところだと思いますが、特に金融機関の場合には、貸付先を通じて大変な大きな問題が生ずる可能性があります。そこで、政府の景気対策の中にも申し上げておりますように、従来の、先ほど御指摘の雇用調整助成金の支給基準では、関連企業の範囲をなかなか的確にとらえて対策を講ずることは金融機関の場合には難しゅうございます。  そこで、景気対策の中にも書いてありますように、大型倒産の事業主の指定基準を、今、これは審議会にかけねばなりません、国民のお金を預かっております。そこで、その基準を金融機関にも適用できるように、きょう持ち回りで決定をしていただいて、万全を期していきたいと思います。

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 どうも、もう少し申し上げたいことはありますが、時間がもうあと二分程度になりましたので、万全の措置をひとつ積極的にお願いを申し上げ、要望しておきたいと思います。  最後に、通産大臣、先ほど来ありますように、銀行の貸し渋り、いろいろありまして、年末を控えて中小企業の皆さんは本当に心配をしておられると思うのです。特に、地方に行けば行くほどそういう傾向が強いのです。都市も大変であります。全国的ですね、これはもう。  そういう意味で、既にいろいろ対策を講じておられることは、私も資料をいただいて、敬意も表しますし、またぜひ一層の御努力をお願いするのですが、中小企業関係者の皆さんに、年末から年始にかけて心配しないで、政府としては十分な手を、対策をとりますということを、ここでひとつ簡潔にお示しを願いたいと存じます。

堀内光雄自由民主党通商産業大臣

○堀内国務大臣 中小企業の皆様方が日本の経済を支えているわけでございまして、その中小企業の皆様方に不安を与えるようなことがあっては全くならないと思います。  そういう意味合いから、現在、聞き取り調査を初めとして、十二月一日、本日、全国的に各通産局を通じての調査結果をつかまえまして、その結果に基づきまして万全の措置をとってまいりますし、もう既に御承知のとおり、中小企業対策といたしましては、政府系金融機関への特別な相談窓口を設置いたしまして、金融機関との取引に著しい変化を生じた企業、資金繰りに支障を来すおそれのある中小企業者に対しては別枠の融資の制度を設けましたし、国民金融公庫の小規模企業経営改善資金、マル経、これについては六百五十万から一千万に拡大いたしましたし、中小企業信用保険法の保険限度額、これは民間企業への貸し出しを依頼したときの保証をしっかりするということでありますが、これも倍額になる特例の保険の対象業種を二十六業種ふやしまして、万全の策をとっておりますので、かりそめにも政府系金融機関において中小企業の皆様に御迷惑をかけるようなことは絶対にしないようにいたしてまいります。     〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕

上原康助社会民主党・市民連合

○上原委員 ありがとうございました。終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて上原君の質疑は終了いたしました。  次に、岩國哲人君。

岩國哲人太陽党

○岩國委員 太陽党を代表いたしまして、質問させていただきます。先ほど、宮澤元総理とそして橋本総理との御議論を傾聴いたしておりました。我々の大先輩によるこのような議論は、大変私にも勉強になりました。宮澤元総理はこのような指摘もされました。疑心暗鬼こそが今のいろいろな金融不安の原因ではないか、このような御指摘、私もそのとおりだと思います。確かに、この疑心暗鬼といえば、政治に対する不信あるいは政策不信が原因であり、政府の説明に対する不信も非常に高まっております。  例えば、政治公約に対する不信であります。  昨年の総選挙において、行革を必ず実行するから増税を認めてほしいと、橋本総理は各地で有権者に訴えられました。我々新進党、そして現在の太陽党は、それに対しまして、増税なき行革を主張いたしました。いわば政府の増税つきの行革に対し、我々は、増税のない形で行革をやるべきだ、これを主張してまいりました。  一年たって、今はどうですか。今、政府のおっしゃっているのは、増税つきの行革どころか、行革なき増税の形になっております。全く、そのように、言葉の上でも、公約の上でもすりかえられてしまった。その思いが今の原因になっております。行革を実行しないで、増税だけは実行されたということを私は指摘しております。  さらにもう一つ、例えば景気に対する答弁もあります。一・九%という成長率の見通しを、ことしの二月、三月、この部屋で、この委員会で、再三にわたって強調されました。こうした景気見通しの大変困難なときに、また消費者が消費税の増率によって景気が悪くなるのではないかということを心配しているときに、渾身の力と知恵を振り絞って出されたこの一・九%という成長率が、今全く一・九%ということは可能性はなくなってしまった。半年ともたなかったその予測であります。  これに対して三塚大蔵大臣は、二月、三月、この部屋で、この予算委員会で、一・九%の見通しをさらに上回る、このような答弁もされました。あるいは、一・九%はプラスオンしていくであろう。プラスの上にオンしていく、プラスオンという言葉を私は初めて知りました。一年たって、結果はどうだったのでしょうか。万全、万全とおっしゃいますけれども、結果的には漫然とした答弁が繰り返されただけではありませんか。このような国民に対する重みのない言葉が次々と、この委員会で、国会で発言されたということが、結局、宮澤元総理のおっしゃる疑心暗鬼に私はつながっていると思います。  このような漫然とした答弁で国民を納得させられると思っている大蔵大臣あるいは大蔵省の罪は、私は重いと思います。これは私だけが言っているのではなく、きょうの午前中にこの席に立たれた自民党の二人の委員からも、大蔵省の責任があるということを指摘されました。  さらに、最近の情報開示についても、私は、大蔵省が十分な情報開示をしていない、そのように思っております。  大和銀行の事件がニューヨークで起きたときも、アメリカのそのような監督機関、政府からも、こうした大和銀行の情報開示は十分でない、またそれを監督すべき立場にある大蔵省の情報開示も十分でなかったということが、我が国の政府あるいは金融機関に対する信用を落としたことは記憶もまだ新しいところであります。  最近の山一の事件についても同じことが言えます。十月六日にそれを知った富士銀行は、なぜ四十日間にわたってそれを報告しなかったのか。あるいは、十一月十七日にその報告を受けた大蔵省は、なぜ五日間も投資家に一切その情報を提供することなく、その間に、その情報を知ったならば買い付けしなかったであろう多数の人が取引所で山一証券の株を取得しております。  そのようなことに対して、誤った情報を提供した人に対しては証取法できちっとそのような罪の規定がありますけれども、知っておった情報、重要な事実を公表しなかった情報隠匿罪というものを私は適用すべきではないかと思います。  不良債権について再三この委員会でも議論がなされておりますけれども、不良債権が問題になっているときに百億円の政治献金が銀行から自民党になされたということを、私はこの委員会で参考人からの答弁によって知ることができました。そのような事実が残っている限り、今、不況に苦しみ、そして自分の預けた預金の安全性に不安を持っている預金者の人たちは、与党やあるいは政府が守ろうとしているのは本当に預金者だろうか、あるいは銀行なのだろうか、これも疑心暗鬼の一つであろうと私は思います。  こうした宮澤元総理の御意見、私も勉強させていただきました。確かに永田町、霞が関で経験を積まれた方の御意見というものは非常にいいものだなと思いながら聞きましたけれども、私はそのような機会はありませんでしたが、ニューヨーク、ロンドン、東京、三つの市場で、現場で勉強させていただきました。  そのような意見を踏まえまして、公的資金を使って預金者を保護すべき、金融秩序を守るべきだということに我々太陽党も同意見であり、その立場に立って意見を申し上げ、そして三つの点を質問させていただきたいと思います。  預金をした人を保護することも大切でありますけれども、預金もできない、そのような低所得者あるいは定年退職者、あるいは失業していらっしゃる方、そういう方の暮らしを守るという視点が、私は余りにも政府の政策に欠けていると思います。そういう方から見れば、預金をしていらっしゃる方はまだうらやましい存在です。  そのような、隣の家に住んでいて大きな預金を持っていらっしゃる方の預金は保護される、その保護する原資は自分たちの税金だ、これに対して割り切れない思いを持っている人が非常に多いということを指摘したいと思います。税金を納めるのが精いっぱい、預金する余裕がないという人たちが非常に多いということを申し上げたいと思います。  その上、預金をしている人にとっても、今の政府の政策は決してうれしいものではありません。超低金利政策という名前のもとに、スズメの涙のような預金利子に泣いている方がたくさんいらっしゃいます。このような政策をまず改めること、これが一番の必要な政策ではないかと私は思います。  この一年間の政策は何であったか。消費税を上げる、所得税を上げる、医療費を上げる、そして預金利子は下げる、スズメの涙。この一年間の政府の政策の誤りが経済を暗くし、そして景気を悪くし、失業率を高くしたことを率直に政府は認めて、政策の転換を国民にはっきりと訴えるべきではないでしょうか。それがあってこそ、公的資金の導入という議論が国民の同意のもとにできるのは、まずそのような政策の誤りということを率直に認めることから始めるべきではないかと私は思います。  二番目に、預金者保護につきましても、全額保証すればいいということだけではなくて、隣に預金もできない人、そのような方もいらっしゃるということを考えれば、どの金融機関を選んだかということについての預金者責任というものもあると私は思います。ビッグバンの世の中では、投資家についての自己責任ということと同じように、預金者についてもどの金融機関を選んだかというリスク、責任は、ある程度負担させる。全額丸抱えで、預金もしていない人の税金まで使ってそういう人を保護するということは、決して公平とは言えないと思います。  一部の金融機関にこれからも起きることでありましょうけれども、経営がおかしくなると、高い金利、マーケットの金利以上の高い金利で預金を集めて、そして結果的には倒産する、高い利子の上に預金まで税金で保護される。このようなことになってはならないわけです。ハイリターンの後ろにはハイリスクがある、これが市場の原理であります。それが、ハイリターンをとりながらノーリスクというようなことでは、金融秩序が保たれている、あるいはグローバルスタンダードとは言えないと思います。  昨年の住専のときにも問題になりました。隣に住んでいる、「豪邸に住んでる人の借金を借家の私がなぜ払う」、これが率直な庶民の感情であります。  このような点を踏まえまして、以下、三点御質問いたします。  まず最初に、三塚大蔵大臣は、記者会見等で、大蔵省に責任はないということもおっしゃいました。橋本総理は、それに対して、大蔵省にも責任はあると。総理として、最近の金融不安、金融不祥事件を踏まえて、先ほどの情報開示の問題も含めまして総合的に見て、大蔵省に責任はある、そのような認識は持っていらっしゃるかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党内閣総理大臣

○橋本内閣総理大臣 申し上げたいことは多々ありますが、もうほとんど時間もないと思われます。  ですから、最後の点について申し上げますならば、私は、やはり、不正が行われていたことを発見できなかったという点は責任はあると思いますということを繰り返し申し上げております。ただいまも同じことをお答え申し上げます。

岩國哲人太陽党

○岩國委員 ありがとうございました。  次に、大蔵大臣にお尋ねいたします。  長野証券局長は、九三年の調査を行ったときには山一の簿外債務はなかった、このように十一月二十四日の記者会見では述べておられます。それに対して山一証券の野沢社長あるいは会長は、九一年からやっておりました、こう述べておられます。どちらが正しかったのか、どちらが正しいと大蔵大臣として思っていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 九一年と言われましても、本人がそう言っていることでありまして。  本件について大蔵省の責任いかん、究極にはそういうことでお聞きだろうと思います。  私が申し上げておりますのは、全力を尽くしても見つからないことがあった、これは簿外債務、いわゆる裏帳簿によるもの、検査部の限界を超えることではないのですか、こう申し上げたわけでありまして、その点を御理解ください。

岩國哲人太陽党

○岩國委員 九三年の調査時には山一の簿外債務はなかった、そのようなことを担当の局長が発言することは、大変誤解を招きやすいと私は思います。  今大蔵大臣は、あったかなかったかではなくて、能力の限界を超えておったと。それには確かに同情すべき点もあるかもしれません。また、このような民間企業も、頭を一生懸命使って大蔵省に見つからないようなことをいろいろやったでありましょうから、その辺には同情の余地はあります。  しかし、一般国民にとって頼りにするのは、そういう点ではやはり大蔵省の検査能力であるわけですから、そういった現実を踏まえた発言を、大臣としても証券局長も行っていただきたいと私は思います。  次に、三塚大臣にもう一点お伺いいたします。  アメリカのSECの調査は、山一インターナショナルに対して既に始まっておりますか。十一月二十四日の新聞によれば、米国SECが近々調査に入ると言われておりますけれども、それから一週間たっております。既に始まっているか、始まっていないか、そのことだけを簡潔にお答えいただきたいと思います。

長野厖士大蔵省証券局長

○長野政府委員 事実関係でございますので、私から御答弁させていただきたいと思います。  山一証券の米国現地法人は、このたびの自主廃業に伴いまして撤退をいたします。その撤退手続が適正に行われているかどうかを、現在、ニューヨーク証券取引所の担当官がモニターしておりまして、そのモニターにはSEC、米証券取引委員会の御担当者も随行しておるそうでございます。

岩國哲人太陽党

○岩國委員 今度、山一の場合には自主廃業を申請しております。しかし、この山一証券の行った情報隠匿あるいは飛ばし等の証取法違反、それを総合的に含めた場合に、自主廃業を認めるべきではないと私は思います。これは免許取り消しに相当するのではないでしょうか。  大蔵大臣は免許取り消しを今考えておられるかどうか、御答弁をお願いいたします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 真剣に全体を分析をし、その結果を見て考えることであります。

岩國哲人太陽党

○岩國委員 残念ながら質問時間が終わりましたので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて岩國君の質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三分散会

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