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141回国会衆議院1997/12/12

消費者問題等に関する特別委員会 第6号

発言数
10
登壇者
2
会派数
2
開催日
1997/12/12

会議録

宮地正介新進党

○宮地委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮地正介新進党

○宮地委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に藤田スミ君を指名いたします。      ————◇—————

宮地正介新進党

○宮地委員長 この際、御報告申し上げます。  今国会、本委員会に付託されました請願は百十二件であります。各請願の取り扱いにつきましては、先刻の理事会で慎重に協議いたしましたが、採否の決定はいずれも保留することになりましたので、そのように御了承願います。  なお、今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付のとおり、遺伝子組換え食品の表示に関する陳情書外一件であります。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

宮地正介新進党

○宮地委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  物価問題等国民の消費生活に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮地正介新進党

○宮地委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、期間、派遣地その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮地正介新進党

○宮地委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  また、閉会中審査におきまして、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮地正介新進党

○宮地委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

宮地正介新進党

○宮地委員長 この際、遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員長から、小委員会における調査の経過等について報告を求めます。遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員長岸田文雄君。

岸田文雄自由民主党

○岸田委員 遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会は、第百四十回国会開会中の六月十二日、遺伝子組換え食品の表示問題等を調査するため設置され、今国会におきましても、去る十月二十一日、引き続き設置されたところであります。本小委員会は、今日まで、参考人からの意見聴取を初めとして、集中的かつ活発に調査を進めてまいりました。ここに、小委員会における調査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本小委員会は、国会閉会中の七月十七日、二十四日、八月二十一日及び九月四日の四回にわたり、遺伝子組換え作物及び食品に係る開発事業者、生産者団体、食品製造事業者、販売事業者、法律専門家等九人の参考人から意見を聴取するとともに、これに対する質疑を行いました。この間の七月三十一日には、つくば市にある農林水産省農業生物資源研究所に赴き、組換えDNA技術に係る研究開発の実情、ジーンバンク事業における遺伝資源の収集、保存、提供の状況等を視察し、また、九月十八日には、小委員間の自由討議を行ったところであります。  まず、各参考人から述べられた主な意見を取りまとめて御紹介いたします。なお、詳細は小委員会会議録をごらんいただくこととし、ここでは要点のみを申し上げます。遺伝子組換え技術につきましては、一方では、人類に有用な品種開発を非常に短期間でできるようにするものであり、世界の食糧保全のかぎとなるものであること、遺伝子組換え技術そのものに固有のリスクがないことは世界の学者のほぼ共通の認識として定着していること、遺伝子組換え技術は我が国農業の戦略技術であると考えられるのでその有用性が認識される必要があること等の意見が述べられましたが、他方で、その有用性や必要性について社会的合意ができたとは言えない状況にあるので、国民的な合意形成のもとに進められるべきであること等の意見が述べられました。  遺伝子組換え食品の安全性につきましては、一方では、安全性評価の仕組みは世界じゅうの専門家の研究の成果であり、その仕組みで評価されれば信頼に足るものと考えられること、遺伝子組換え大豆やこれを原料とする植物油については十分な安全の確認が得られたものであること等の意見が述べられましたが、他方で、遺伝子組換え食品を長期にわたって摂取し続けた場合の健康、子孫、生態系等への影響について慎重に検討すべきであること、発がん性、催奇形性の毒性試験を追試として行ってその情報を消費者に提供すべきであること、現在遺伝子組換え食品については何の法的規制もなく、安全性評価指針も安全性の評価を義務づけるものではないため、安全性が担保されているわけではないので、当面これを法的に強制力のあるものにすべきであること等の意見が述べられました。  遺伝子組換え作物や食品とそうでないものとの分別、判別につきましては、一方では、米国における大豆の生産や流通のシステムにおいてこれらを分別して管理することは、全く不可能ではないが、現実的ではないこと、あえて分別することとすると多くの費用がかかることになること、植物油のメーカーにおいても原料の調達状況、品質に応じて原料や製品をブレンドするため、単一の産地の原料を使用することは困難であること等の意見が述べられましたが、他方で、分別のための費用は遺伝子組換え食品を製造する者が負担すべきものであること、輸入穀物については輸入の時点で遺伝子組換え作物が含まれているかどうかを検査するシステムを公的に整備することが重要であること等の意見が述べられました。  遺伝子組換え食品の表示につきましては、一方で、情緒的なことは排除して科学的な根拠に基づいて行うべきであること、単なる情報不足や不安への対応ということではなく、なぜ、何を伝達するのかを明確にすべきであること等の意見が述べられましたが、他方で、遺伝子組換え食品である旨の表示は消費者の知る権利、選ぶ権利を保障するためにぜひとも必要なものである等の意見が述べられました。また、具体的な表示方法につきましては、商品パッケージに遺伝子組換え大豆を使用していない旨の表示をする事例、同じく遺伝子組換え組織を含む旨の表示をする事例、アメリカでの遺伝子組換え作物の生産比率は何%である旨の情報提供を売り場単位に行う事例が紹介されましたほか、表示の対象範囲や表現方法だけでなく表示の内容に対する責任の問題も検討されるべきであること、表示はその真偽を検査することができなければ意味がないので、具体的に例えばグリホサート耐性遺伝子が組み込まれた大豆を使用している旨の表示とすべきであること、遺伝子組換え食品の表示を義務づけることが困難である場合には、遺伝子組換えでない作物を原料としている旨の逆表示の基準を定めてほしいこと等の意見が述べられました。  情報公開につきましては、遺伝子組換えについての不安は国際的な問題となっているが、その原因は情報提供の圧倒的な不足であると考えられること、科学的根拠のある適正な情報が消費者に十分伝わるよう、難解な科学技術をわかりやすい言葉で情報伝達するための総合的な取り組みが必要であること、遺伝子組換え食品が既に流通している現状は国の責任で消費者に周知すべきであること等の意見が述べられました。  以上の参考人の意見に対して各小委員から行われた質疑及び意見の開陳のうち、主な論点を御紹介いたします。  まず、遺伝子組換え技術のあり方につきましては、遺伝子組換え作物の遺伝子の長期的安定性や導入した遺伝子による異常なたんぱく質の発生についての懸念、異種交雑による生態系や環境への中長期的な影響、遺伝子組換え技術の応用範囲についての規制の必要性、遺伝子組換え技術の農業に及ぼす影響、遺伝子組換え技術に関する研究の推進の必要性等でありました。  遺伝子組換え食品の安全性につきましては、慢性毒性など長期摂取による人体への影響についての継続的な安全性評価システムの必要性、たんぱく質の消化検査において病人や幼児など個人の感受性に対応した検査の必要性、食品の安全性については国が保証することの重要性、安全性と安心感の相違及び国民の安心感を高める必要性、遺伝子組換え食品の学校給食での不使用等でありました。  遺伝子組換え食品の表示につきましては、遺伝子組換え食品が安全であるとしても消費者の選ぶ権利、知る権利の観点からなお表示が必要だという考え方、遺伝子組換え食品の表示の方法やその範囲のあり方、遺伝子組換え食品がさらに増大した場合における対応、加工品である植物油に表示することの必要性の有無等でありました。  遺伝子組換え食品と非遺伝子組換え食品の判別につきましては、PCR法による遺伝子組換え作物の判定の可能性、検査方法と検査体制の確立等でありました。  遺伝子組換えに関する情報公開につきましては、慢性毒性・発がん性等の各種試験データの公開の必要性へ遺伝子組換え食品についての国民へのPRの必要性、遺伝子組換え技術に関するバランスのとれた正しい情報提供の必要性、現在閲覧に供している遺伝子組換え食品の安全性評価に関する確認申請書についてコピーを認めた場合に生じる問題点等でありました。  以上のほか、遺伝子組換え食品についてのヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドの動向、これに対する米国の対応等についての質疑も行われました。  今国会開会後は、七回にわたり小委員会懇談会を開いて論議を重ね、小委員会としての意見の取りまとめを行いました。その概要を御報告申し上げます。  本小委員会は、遺伝子組換え食品の表示問題等を調査するために設置されたものでありますので、小委員会としては、遺伝子組換え食品の安全性の問題を論議するのではなく、表示問題を中心に論議を進めることといたしました。しかしながら、表示問題を論議するに当たって、安全性の問題をどのように位置づけておくのかについて、論議がありました。この点について、一方では、現行の安全性評価基準によって安全性が確認された食品は当面予測される危険は回避できるものであるということを論議の前提とする必要がある、なぜならば、これが危険であるとすると、表示問題以前の問題として、これらの食品の流通、販売そのものを禁止することをまず論議しなければならないこととなるが、これは本小委員会の設置の趣旨に反することになるとの意見が述べられました。しかし、他方で、安全性評価基準によって安全性が確認された食品に具体的な危険性があると指摘することはできないが、同時に一〇〇%安全だとは言い切れないとの参考人の意見もあり、多くの消費者も不安を感じている以上、安全であるかどうかにかかわらず、表示問題についての論議を進めるべきであって、そのような前提を置く必要はないとの意見が述べられました。この問題については、意見の一致を見るに至りませんでしたが、このような論議を通じて、遺伝子組換え食品が既に流通、販売されている状況にあり、遺伝子組換え食品の安全性の確認は現在よりも一層信頼度の高いものとなるよう努力する必要があることを共通認識として、表示問題についての論議を進めることといたしました。  表示問題についての論議は、河野小委員が作成された案をもとにして進めることといたしました。  まず、遺伝子組換え食品の表示の目的について、河野案では「遺伝子組換え技術による農作物の市場導入にあたり、消費者に十分な情報を提供することを目的とする」とされていましたが、これに対して「表示による消費者の選択の権利を保障する」と加えるべきであるとの意見がありました。「消費者の選択の権利」を加えるかどうかは、検査・検証を行ったとしてもどうしてもグレーゾーンが残るため選択の権利を完全に保障することはできないとの意見と、検査・検証によって選択の権利を保障することができるとの意見の違いによるものであります。また、「消費者の選択の権利」の法律的な意味について疑問がある旨の意見も述べられました。小委員会の中では河野案を支持する意見が多数意見でありました。  次に、遺伝子組換え食品の表示の前提として、河野案では「米国に対し農産物の流通システムの変更を求めない」とされていました。その趣旨は、流通システムの変更を求めても現実にはできないし、求めれば新たな貿易摩擦になるので、政府としてそのような要求はしないことを明らかにする必要があるということですが、これに対して、流通システムや貿易摩擦にまで踏み込むべきではない、米国産の大豆やトウモロコシだけを対象とするような前提を置く必要はない等の意見が述べられました。  表示の対象について、河野案では「遺伝子組換えにより生成されるタンパク質を含み、直接食に供される農作物」またはこれに加えて「その農作物の特定の加工品」とされていました。加工品を加える場合には、検査によって判別が可能な加工品に限定する必要があるとの意見と、あらゆる加工品を対象とすべきであるとの意見とがありました。また、遺伝子組換え作物を主要原料とする加工品は対象とすべきであるとの意見、飼料やその飼料によって生産される肉類及び乳製品、遺伝子組換え技術を使用した農作物の種子等も対象とすべきであるとの意見も述べられました。小委員会の中では、「遺伝子組換え技術を使用した農作物及び遺伝子組換え技術を使用した農作物の種子」が表示の対象とされるべきであるとの意見及び「遺伝子組換え技術を使用した農作物を主要原料とする加工品については、個別の事情を勘案し、積極的に議論を継続する」との意見が多数意見でありました。  安全性評価基準のあり方について、河野案では「五年間は輸入及び販売にあたり安全の認定を義務づける」とされていました。このうち、安全性の確認を義務づけるべきであるというのが多数意見でありましたが、義務づけるとしたならば、新たな立法が必要であること、立法に当たっては科学的かつ合理的な理由が必要であること等の問題点が指摘されました。五年間に限ることについては、今後国際的なルールが定められたり、新しい検査・検証方法が開発されたりすることを考えれば、一定の時期に見直しをする必要があるとの意見と、そのような期限を設ける必要はないとの意見とがありました。なお、「五年間」には格別の意味はないので、「適切な時期に見直しを行う」こととしてはどうかとの意見も述べられました。  表示の方法について、河野案では六案が示されていました。これらのうち、「遺伝子組換え食品です」との表示、「組換えDNA技術を利用しています」との表示、「グリホサート耐性遺伝子を含んでいます」というような具体的な表示、「最新のバイオ技術を利用しています」との表示について、それぞれこれを適当とする意見がありましたが、何らかの特別なマークによる表示が適当だとする意見も比較的多くの小委員から述べられました。  また、このような表示の例外として、河野案では「輸出国の流通形態により、遺伝子組換え作物と非遺伝子組換え作物の分別が著しく困難と認定されたものについては、例外として原産国表示を行う」こととし、「大豆、トウモロコシ、ナタネなど」が例示されていました。これは、遺伝子組換え作物が含まれているかもしれないものをどう扱うかという問題であります。これに対しては、表示の例外をあらかじめ定める必要はないとの意見、大豆、トウモロコシ、小麦は圧倒的に米国から輸入されているので、例外というよりほとんど表示の対象とならないことになってしまうとの意見、原産国表示はJAS法により行うことができるので、ここで表示の例外として定める必要はないとの意見、原産国表示は例外としてではなく必ず行うようにすべきだとの意見、検査方法や検査機関の問題とあわせてさらに検討が必要だとの意見が述べられました。  次に、遺伝子組換え作物が含まれていない旨の表示について、河野案ではこれを「任意」とするとともに、「この表示を行う場合、販売者はその確認の方法を求めに応じて提示しなくてはいけない」とし、さらに、含まれていないとする場合に許容され得る誤差の割合及び表示が正しくないことが判明した場合における販売中止及び回収についての問題が提起されていました。このうち、回収について、これに賛成する意見と反対する意見とがありました。  最後に、検査・検証について、河野案では「異議申し立てがあった場合に政府が検証する」及び「販売者の責任において検証する」とされていました。これに対しては、輸入時に国が責任を持って検査を行うべきであるとの意見、全体を通じて国としての検査・検証の責任をどう考えるかを明らかにすべきであるとの意見が述べられました。小委員会の中では「政府は、必要に応じて技術的問題も含めて検証を行うことを検討するべきである。販売者及び輸入者は、定められたルールに従い、自己の責任において表示を行うべきである」との意見が多数意見でありました。  以上のほか、罰則や情報の開示についても検討すべきであるとの意見がありました。小委員会の中では、「厚生省は遺伝子組換え食品に関する現行の情報公開の制度を全面的に改めるとともに、電子化された情報とデータベースで消費者の縦覧に供するべきである」との意見及び「安全性の確認の重要性に鑑み、現行のガイドラインを見直し、より一層の安全性を保証するものを策定するべきである」との意見で一致しました。  以上のとおり、さまざまな角度から論議を重ねた結果、細部にわたっては、幾つかの点で意見の一致を見るに至らなかったのでありますが、遺伝子組換え食品の表示そのものにつきましては、消費者の権利を守るために、可能な限りにおいてきちんと表示をすべきであることで意見の一致を見た次第であります。  小委員会における調査の経過及び結果は以上のとおりであります。宮地委員長初め委員各位の御理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、長期間にわたって御努力、御協力をいただいた小委員各位に心より感謝申し上げまして、小委員長報告といたします。

宮地正介新進党

○宮地委員長 以上で小委員長の報告は終わりました。  本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十四分散会

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