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141回国会衆議院1997/10/29

財政構造改革の推進等に関する特別委員会 第10号

発言数
275
登壇者
30
会派数
5
開催日
1997/10/29

会議録

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件の両案件を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。

左藤恵新進党

○左藤委員 おはようございます。  私は、この財政構造改革の関連の法案につきまして、特に最初に教育問題について、文教予算のことにつきましてお伺いをいたしたいと思います。そして、あとまた財政投融資の関係について少しお尋ねをしたい、このように思います。  特に、この教育問題というのは、申し上げるまでもありませんが、人を育てるということは最も大切なことであり、二十一世紀の日本の社会を担う、そういう青少年の育成という問題についていろいろと国も御努力をいただいております。そして、その中に国立学校特別会計、これが一つあるわけであります。それから義務教育関係の国庫負担、そういった問題がございます。そしてもう一つは私学助成。この三つの問題についてそれぞれ、この財政構造改革のもとで赤字国債を発行しないようにしようというふうなことで、当面いろいろな問題につきまして、二〇〇一年までの段階においてそうしたいろいろの配慮をしていこう、前年の補助金を上回らないとかいうふうないろいろな対策を考えておられる、こういうわけであります。  この間におきまして、先のいろいろな計画というものと、今後の国公立の学校の制度がどのような状況になっていくかという問題と、それに対する国からのお金がどういうふうなことになるかということについての見通しといいますか、計画という点をしっかり立てていただかないことには、例えば子供を大学へやろうというときに授業料がどういうふうに変わっていくのか、そういったことで家庭の生活設計にまでつながっていく問題であるわけでありまして、こういうことについてのある程度の見通しというものを文部省ではお立てになっておられるかどうか、大臣のお考えを、私はまずその点をお伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 左藤委員にお答えを申し上げます。  今次法案、先ほど委員御指摘のとおり、定数改善計画の延長、あるいは国立大学予算そして私学助成の抑制ということが法律上明記されているわけでございます。  いずれにいたしましても、これは私ども、本当に予算があればこれもやりたい、あれもやりたいということがたくさんあるわけでございます。しかし、現実に財政構造の厳しさというのはこの委員会でずっと議論がされているとおりでございますので、私どもとしては、この厳しい財政状況の中ではあるけれども、その中で何とか教育水準の低下を招かないよう、むしろ最大限その中でも向上できるように、この教育改革の推進もまたやらなければならないわけでございますので、予算を重点化したり、あるいは限られた予算の中でいかに効率的にそれを活用していくのかというようなことで工夫をしており、そういう中で平成十年度の概算要求も立てているわけでございます。  今後の見通しがどのくらい立っておるかという御指摘でございますが、なかなか正確にこうなるであろうという見通しを立てるのは難しいわけでございます。ただ、一つはっきりしておりますのは、例えば小学校に入る、あるいは中学、高校に進む、その学生の人口の見通しというのは、これはある意味では非常にはっきりしておりますので、それに見合った形で、例えば義務教育の国庫負担金の見通しというのはある程度立てやすいわけでございますが、私学あるいは国立大学ということになってまいりますと、その進学率がどうなるであろうかといったようなことにもかかわりがあるものでございますので、なかなかそこの点は確実にこうなるであろうという見通しを立てるのは率直に言って難しいのかなと考えております。  しかし、いずれにいたしましても、左藤委員、大変この教育問題、特に私学問題など、かねてより御関心をお寄せいただき、大変有益な御示唆もいただいているところでございますので、今後とも御心配がないようにしっかりと取り組んでまいりたい、かように考えております。

左藤恵新進党

○左藤委員 今のお話の中で、特に国立大学ということ、高専とかその問題、関連の学校もありますが、そうした国公立という形のものにつきまして、入学定員をどうするか、あるいは新設の学科とか、そういうものをどういうふうに考えていくかということについては、これは今お話しのように、一つはやはり子供の数の減少ということがある。一方において進学率というものは、最近になってたしか四六、七%まで伸びてきている。最近この進学率は非常に伸びているということから考えて、決してそういったことを志望する者は減る傾向ではないと思いますが、それに対して国公立の方としては、新設の学科とか新規の定員増というふうなことは、この期間中は考えておられるのかどうか、これをまず伺いたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 確かに今委員御指摘のとおり、急速に進学率というのは上がってまいりまして、やや五割に近づいているという状況でございます。仮に入学定員を国公私立全部合わせて一定にして、ふやしも減らしもしない、そういう中で学生の数が減っていくということを考えると、実に高等教育の進学率が七割を超えてくるという、世界に類を見ない大変に高い進学率というものになってまいります。  果たしてそんなに高くていいのだろうかという考え方も一方においてはございます。なぜかと言えば、それには当然税金が投入をされるからであります。他方、いや、どんどん高くなっても、それは日本の貴重な人材をそこで育成できるのだからいいではないかという両方の考えがありまして、実は私、このところを大学審議会に緊急に諮問をいたそうかと思っておりまして、この三十一日には審議会の開催を予定しておりまして、その辺どう考えるべきであろうかというあたりについて、ひとつ有識者の率直な御意見、御答申をいただければと、こんなことを今検討をお願いしているところであります。  その中にあって、国立大学はどうか。私は、特に国公私立を通じ、なかんずく特に国立大学の場合は大学院にこれから大いに重点を移していってはどうだろうかなという考えを持っておりまして、いろいろな方々の御提言がございます。現在、大学院に進学できる者、約十七、八万人おったでございましょうか。これを三十万人ぐらいにふやしていったらどうかなという考え方もございます。  そういたしますと、今度は、では学部の学生の方はどうするかというと、仮に単純に大学院の定員をふやしていくとそれは一定のお金が当然そこにかかってまいりますから、少なくとも、もし国立学校特別会計の金額を一定にしたと考えて、大学院に回る分がふえるならば学部の学生の数は場合によったら減らしていくという選択もあり得るのであろう、こう思っておりまして、その辺も実は非常に大きな課題として審議会に早急に一つの答申を出していただきたい。これはまだどちらに進むと、これから審議の結果でございますから、私どもがこうしたいということを明確に今申し上げることは難しいのでありますが、長い目で見ればそんな考え方もあります。  しかし、いずれにしても、じゃこの三カ年はどうかという委員のお問い合わせでございましたので、そこにつきましては、率直に申し上げまして、国立大学の定員をどんどんふやしていくという状況には毛頭ないということは委員の御指摘のとおりであろうと考えております。

左藤恵新進党

○左藤委員 今お話がございました、大学審議会に諮問されるということは結構なんですけれども、これは大学審議会の委員の構成ということもありましょうから、その中に、例えば何か特別の委員会のような、プロジェクトチームのようなものをつくられて、そうしたところにはもっと幅広く、子供を大学にやりたい、そういうふうな家庭の代表とか、そういう方々も入れていただいたりして、幅広い範囲の方々の御意見を十分聞いていただくようなことを配慮していただきたいとまずは思います。  それから、いつまでにそういうことをやっていくとかいうことについて、この三年間なら三年間というのに一体間に合わせるのかどうか。特に心配なのは、三年後のことについてどうなるかということについて方針が決まっていなかったら、今までの国立学校の会計に入れる問題だとかあるいは私学助成とかいうものの両面について計画がなかったならばそこでまた混乱するということになって、そして問題は、やはりそういうところでいろいろ、受験生それからまた受験生の保護者、こういった人々に非常に無用の混乱を与える、心配を与えるということにもなりますので、できるだけ早く結論を出していただきたい、これをお願いいたしておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 委員の御趣旨に沿いまして、最大限の努力をいたしたいと思います。

左藤恵新進党

○左藤委員 そうしますと、国立の方は定員をふやさないという方針でお考えになっているということであると思いますが、今度は私学助成のことに関連しまして、どういうことをお考えになっておるか。  大体、私学につきまして、新規の例えば学科の増設、それから定員の増というふうなものの申請が、ことしも出ているだろうと思いますが、いろいろな学科につきまして、また、進学を希望する学科というものが時代によって相当変わっていくだろうと思っています。そういったものについて、文部省として、これはもちろんそういった学校を設立する審議会に諮問して、そしてそこの結果で答えを出されて許可されるわけでありますが、そうした新設大学、それから新設学部、それから学科、そして定員増、こういったものについての今後のお考えというのはどういうことになりましょうか。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 私立の方の設置のメカニズムはもう委員よく御承知のことでございまして、ただいまお話のあったとおりでございます。  私立の場合は、基本的に、申請に基づいてそれにどう対応するかということでございますから、国の方で、これ以上ふやしちゃいけないとか、どんどんふやせというようなことを基本的には申し上げられない立場にはあります。基本的には、申請をいただき、それを一定の水準を満たしているかどうかということを審査し、審議会で最終的にはお決めをいただくという構造になっているわけであります。  ただ、その中にありまして、余り大都会に集中してはまずいのではないのだろうかといったような配慮から、大都会での立地といいましょうか私学の新設は抑制的に考えていきたいとか、あるいは看護の関係、介護の関係、そうしたものについては非常に社会的ニーズも強いものですからやや前向きに認めていこうとか、あるいは非常に新しい産業分野、先端技術の分野での私学の設置の申請があったときは前向きに考えていこうとか、幾つかの要件でそれを前向きに考えていくか、やや抑制的に考えていくかという差はございます。ただ、基本的には、申請を受けてということになってまいります。  したがいまして、この九月に新設あるいは学科の関係の発表をいたしました。平成十年、十一年、大体こうなるだろうというのを出したのでありますが、率直に言って、私の余り個人的な印象を申し上げるべきではないかもしれませんが、生徒さんの数がどんどん減ってくるのに何でこんなに新設の方々がいらっしゃるのだろうかと私は驚きを禁じ得ないところでありまして、表現が悪くて申しわけありませんが、お客さんが減っているのにこんなに売り場面積をふやしていいんだろうか、率直にそういう感じもなくはございません。  しかし、他方の考え方では、それだけ大学等々へ進学をしたいというお子さんあるいは保護者の意欲の強さのあらわれだというふうに考えれば、それは大変すばらしいことであるということも言えるので、大変ここのところは悩ましい問題かなと実は思っているわけでございます。

左藤恵新進党

○左藤委員 そうしたいろいろな御苦労もあると思いますし、また、そういったことについて今後の方向というものが非常に見定めにくいということも確かにあろうかとも思いますが、基本的にこの私学助成というのは、たしか昭和四十七年だったかと思いますが、新しく法律ができて、そのときの一つの目標としては、法律の中にもはっきり書いてあるわけですが、国からの助成というのが経常費の二分の一以内というような目標はあるわけであります。  その後、実際の実績はどうかとずっと見てまいりますと、昭和五十七、八年かそのくらいだと思いますが、二五%ぐらいまでいった、このように記憶していますが、その後、学生の数がふえるとか学校の数がふえていくとかということがあって、この私学助成の率というものはどんどん下がっていきまして、そして現在は一二%ぐらいじゃないかな、このように思います。  これが、今回のこうした前年を上回らないというようなことでやっていきましたときに、一方で今お話しのように学生数もふえてくることになりますと、一人頭といいますかそういうものの国庫補助金というのはまだ大幅に下がっていくだろうと私は思います。そうすると、私学の経営の場合特にそうなんですが、授業料というものは上げざるを得ないというようないろいろな問題が出てくるだろうと思います。  今、そう言われましても、授業料が高くなってもなおそれだけの志望者があるじゃないか、だから学校ができるんじゃないか、こういう意見もあろうかとも思いますけれども、この私学助成というものに対して、今後例えば経常費がどのくらい下がるかというようなことについての見通しというようなものはお持ちになっているかどうか、これを伺いたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 現在、平成九年度の私立学校に対する国の経常補助金の予算額を在学者数で除して一人当たりの補助金額というものを算出いたしますと、幼稚園の場合は約一万三千円、それから小中学校につきましては二万九千円、高等学校につきましては約三万六千円、大学等につきましては十二万八千円、こういう姿になっております。  私学の抑制をしたらどういうことになるか。それは、長い目で見て、今の勢いでどんどん定員がふえそして仮に私学助成額が一定であれば、委員御指摘のように一人頭の助成額が減ってくるということになるわけでございますが、例えば向こう三年間ということだけを考えますと、その間に私学の皆さん方の自己収入の確保でありますとか、あるいは経費の節減といったいわゆる経営努力というものもひとつお願いをしなければならない、かように考えておりますし、そのようなことからいたしますと、一定の前提を置いて、例えば来年度の私学助成の要求が仮に満額丸々認められたと仮定をし、さらに進学者数というものを一定の前提を置いて考えて、平成十年度、来年度と今年度とどれだけの違いが出てくるかというと、ほとんどそこにおいて違いはない。例えば学生一人当たりの補助金は約十二万八千円ということになってこようかと思いまして、九年度と十年度、そこにおいてほとんど、まあ端数の違いは仮に出ても、実質的にはほとんど違いがないだろう、こんなふうな計算をいたしておるところでございます。

左藤恵新進党

○左藤委員 それならば、一つの安心といいますか、そんなに大きな動揺はないだろう、このように思います。  あと一つ、私学助成の場合なんか特にそうだと思いますが、今までも一定の経常費助成とか一人頭の数字ということではなくて、これからいろいろの面でコンピューターを導入したりするような教育というものがどんどん進んでいく、そうすると、そういった設備をした学校に対しての助成、産業教育の面が多いと思いますが、そういう特殊な教育に対する助成というものは最近非常に大幅にふやしておられる。  特に大学なんかのそういうことについての、一定の、何といいますか、経常費助成等はほとんどふえていなかった、むしろ減ってきたということもありますが、そういう面では重点を置いて今までやっておられる。これは予算の伸びがあったからだと思いますが、これから先は、伸びはない、伸ばさないという中でやっていくということになれば、その方を引き続いて重点的にやられるのか、そうじゃなくて、経常費助成は確保するがために片方の方も抑えていくのか、この方針というものをやはり明らかにしていただかないと困ると思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 来年度の概算要求、御指摘のとおり、経常費部分につきましては確かに伸び率ゼロということで要求をしてございますが、例えば私立学校教育研究装置等施設整備費補助、こういう項目がありまして、今御指摘のような大型のコンピューターでありますとかいろいろな非常に進んだ研究装置などを入れる、こういう予算がございます。これは、伸び率にして二二・四%、金額にいたしまして三十八億八千万円の伸びというようなことで、こういう分野につきましては思い切って伸ばしていくというようなことなど、限られた予算の中での重点配分といいましょうか、こういうようなことを大いに心がけて、そうした意欲のある私学の皆さん方には大いに頑張っていただける、そんな予算をぜひとも来年度予算の中でつくり上げていきたいものだ、かように考えております。

左藤恵新進党

○左藤委員 その点は一つ明らかになって、私は非常にありがたいと思います。  そこで、先ほど言った国立大学との比較とかいうようなことのお話が一つありましたが、最近非常に大きな問題になっているのは、公立の高校の授業料と私立の高等学校の授業料とかいうものの要するに公私の格差がどんどん広がっておるというふうに思います。  これは、一つの大きな問題としまして、公立学校の授業料というのは、国が地方交付税の単価を定めて、その基準に基づいて各都道府県が徴収する、こういう形をとっておる。それで、三年ごとに物価上昇率とかあるいは人事院勧告を勘案して、そうした基準額といいますか交付税の単価を改定しておられたということだと思います。私が聞いているのでは、平成七年度は十万四千四百円という数字を聞いているんですが、これのもとになる積算方法というのは、これは文部省と自治省で協議して配分をしておられるんじゃないかな、このように思います。そういうことにつきまして、各都道府県が独自にこの基準以上に徴収するということはなかなか難しいわけです。県によってかなりの違いもあろうとも思います。  そういうことでやっておられるわけですけれども、そして、もちろんそういった交付税交付金を受けてないという団体はこれは別だと思いますが、交付税交付金を受けている団体におきましては、その積算根拠の数字というものがどうしてもそのまま、あるいは若干修正されて高等学校の授業料に反映している、こういう実態ということを聞いておるわけでありますが、国の地方交付税の単価の基準を引き上げるか、あるいは基準は基準として、各都道府県の実情に応じてこれからも授業料の徴収をやってもらいたい、こういうふうにお考えになっているか。こういった問題につきまして、何かこれを引き上げることができれば、例えば私学助成の方の率をよくするとかそういうことにして格差を是正することができるのではないかな、このように思います。  現実問題としては、高校を、私学の方に行きたいけれども授業料が高いというので公立へ行っているという人が非常に多いというふうにも思います。高校へ進学させようとしておる方々の心配というものはそういうところにもあると思いますが、この辺について、今回の三年間の凍結による、凍結といいますか助成額が上がらないということについて高等学校の公私の授業料の格差というものはどういうふうになっていくか、この辺の見通しをお伺いしたいと思います。

佐々木正峰文部省高等教育局長

○佐々木政府委員 お答え申し上げます。  高等学校以下の経常費助成につきましても、大学における経常費助成と同様に抑制をするという措置を講じております。したがいまして、来年度の概算要求につきましては前年同額の要求をいたしておるわけでございます。  ただ、高校経常費につきましては、そういう国の経常費補助と、それから地方交付税及び地方公共団体の自主財源において各都道府県において経常費の助成を行っておるわけでございます。  したがいまして、文部省といたしましては、自治省における交付税措置がより充実したものとなるよう毎年努力をいたしておるわけでございますが、今回抑制が行われているということを踏まえて、積極的に自治省と話し合いをし、その充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  なお、御指摘の授業料格差でございますけれども、平成八年度で申しますと、私立高等学校の授業料は公立高等学校の五・七倍となっております。この数値が少しでも是正できるよう引き続き努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。

左藤恵新進党

○左藤委員 私立大学の助成にかかわりまして、大学の進学率が急激に上昇しておると先ほどお話を申し上げ、また大臣もそうだというふうにお考えになっておりますが、我が国の高等教育の八割が私学に依存しているというようなこともありますし、進学率は高校におきましても、九六%ですか、というのはまだ上がっていくだろうと私は思いますし、またさらに大学の方が、今お話ししたように五〇%をそのうち超えるのではないかというふうなこともありますが、学力の低い入学者というものが今度はふえてくる、こういう問題があります。  そこで、私学の質というようなことにつきましても、私学だけじゃないかとも思いますけれども、私学の質のことについて、基礎学力の例えば補習教育をするとか、そういうふうなことでいろいろ努力する必要があって、私学を経営するサイドから考えますと、基礎学力の補習教育とか、いろいろなそういうようなことで教育コストをまだまだ余計かけなければならない、そうでなかったならば、私は、今度は中途退学者というものがふえてくるんじゃないかと思います。つまり、ついていけないから学校がおもしろくなくなってやめていくとかいう学生がふえていくということになりますと、何のための教育なのか、こういうことにもなってしまいかねないので、そういった基礎学力を強めるための対策というものにお金がかかることが一点。  それから、中途退学をする者がおるということのほかに、さらにもう一つ、教育費の負担能力の低い層が入ってきて、そして途中で、例えば親が経営している会社が倒産するとか、いろいろなそういったことで退学せざるを得ないというふうな生徒がいるわけであります。  そういった点で、後者の場合につきましては、例えば教育減税とか、あるいはもう一つ、奨学資金制度の今よりももっと充実ということを考えられないかと思いますが、この点について、今までの奨学資金制度では私は不十分じゃないかと思いますが、こういうものを、こういった公私の格差是正だとかあるいは進学率の向上とかいうものに対する対策としては特別に何か考えていただくことができないだろうか、これを一つ伺いたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 確かに、どんどん中途退学者が出るというのは好ましいことではないという見方も一方にあろうかと思います。  ただ、もともと無理な人が無理に大学に入って、そして無理無理卒業証書をもらうことが本当にいいことなんだろうかなと。むしろアメリカのように、門戸は日本よりはもう少し広目にしておいて、厳しい進学試験とか厳しい卒業試験というものをやって卒業者は当初の入学者と比べると相当少ない、門戸は広いですよ、そのかわり卒業は難しいですよという考え方があってもむしろ私はいいのではないだろうかとさえ思っております。そうしますと、今度は入学者定員で設置基準などを考えたりするものですからまた別の問題が出てくるのはよくわかるのでありますが、一たん入った以上はもう何が何でも無理に卒業させなきゃならぬというのも、ここまで進学率が上がってまいりますと、そこまで無理しなきゃならぬのかな、まあそんな疑問さえ実は率直に言うと持つわけであります。そういうことを踏まえつつもなおかつ、しかし今委員御指摘のように、生活が苦しいから本当に優秀であっても卒業できないという人がいたのではこれはもう本末転倒であろう、こう思います。御指摘のように、我が国の奨学金制度、確かに十分とは言えないと思います。ただ、過去を振り返りますと、委員御承知のとおり、かつては全部無利子貸与だったのが、有利子を導入して幅を広げたりというようなことなどをやりまして、できるだけ幅広く奨学金が提供できるようにという努力をしておりますが、確かにこの辺もアメリカなどと比べると、量、質ともにまだまだ不十分かな、こう思っておりまして、この辺は一つの大きなこれからの文教政策の課題であろう、かように思っております。  また、御指摘のあった税制でございます。  今、文部省といたしましては、来年度の税制改正要求の中で、十六歳以上二十三歳未満の割り増し所得控除が今あるわけでございますが、その割り増し額をもう少し積み増したらどうだろうか、言うならば育ち盛り減税、通称そう言われているわけでありますが、その枠をもう少しふやすということを要求してございますし、自民党の先般お決めをいただいた景気対策の中にもそのことをお触れいただいているわけでございまして、何とかそれを実現したい。また、あわせて子育て減税といったようなもの、これも、七歳未満のお子さんがいる家庭も今言った割り増し減税の対象に加えてはどうだろうか、そんな税制要求もいたしているところでございまして、この点もまた先般自民党の要求、対策の中に盛り込んでいただきましたので、厳しい財政事情の中ではございますけれども、こうしたことを実現できればということで今後財政当局などとも真剣な話し合いをしてまいりたい、かように考えているところでございます。

左藤恵新進党

○左藤委員 それに関連しまして幼稚園の就園奨励費、このことに関連しましても、今お話しのような一種の教育減税というようなものを考えていただかないと、今度は保育園に行っている子供との、幼保一元化というようないろいろな問題がございますが、これとの比較とかいうことになりますと、子供を幼稚園にやるということについての不満といいますか、そういうようなものが一層出てくるのじゃないかな、このように思います。現実問題としては、やはり特に私立の幼稚園なんかの経営から考えますと、現在はもう三年保育か常識である。三年保育だけは子供の数があるけれども、四歳児、五歳児の方は少ないので経営が非常に困るということ。公立幼稚園の方へかわられてしまうとか、保育園の方へ行った方がいいとか、ずっと小さいときから行っているからというようなことからも保育園とのいろいろな関係、それから長時間保育の問題、これとのいろいろな問題が絡んでおりまして、この就園奨励費の有効な、何といいますか幼児教育に対する文部省の配慮というものが徹底するようなことを何か対策的にも考えていただきたい、これを一つお願いしておきたいと思います。  それから、同じようなことですけれども、この間、皆さん御承知の神戸で十四歳の少年が大きな殺人をするとか、こんな大変な大きな問題がある。そういったこともありますし、一般的にもいじめだとか登校拒否とかそういうものがどんどんふえているということについて、今心の教育という言葉がいろいろ言われておるわけでありますけれども、具体的にどんなことを考えておられるのか。少子化が進む中で、一人一人の子供を真に情操豊かに、健全に育てなければならないということはだれも異存はないのですけれども、具体的に即効的にどんな方法が見つかるのかということについて、皆さんが今模索しておられるのじゃないかな、こんなような感じがいたします。  今の子供というのは、自分の部屋で一つのメディア、例えばテレビだとかファミコンとか、そういったものに囲まれて、あるいは習い事に通うというようなことがあって、地域で異集団、異年齢の集団、例えば年齢が違うような子供たちと一緒に遊ぶというようなことがなくなったわけであります。幼稚園なんというのが私はそれの一番いい経験だろう、このように思いますけれども、そういうことについて、一人っ子でそういうことも嫌だとかいろいろなことがあって、社会性というものについて、お互いが能力を認め合っていくよりな中で思いやりとか優しさとかいうものが育っていくのだ、このように思いますが、そういったものがなくなってしまっているというところにいりいろな問題が起こってきているというふうにも思うわけであります。地域社会の中で子供たちが群がることができる仕組みをつくっていくということが、今私はある意味で極めて重要な問題であると思います。  幼稚園だけでなくて、そういうことでもっと広い範囲の、地域全体がボランティアでもって遊びといいますか何かそういうようなものを用意して、異年齢集団をつくるというような、地域社会の中にそういうものがあってもいいのではないか、こう思いますが、国がもっと積極的に地方自治体に対してそういうことを働きかけなければ、単なるボランティアが自分らの意思で始めるということになると、なかなか大変だと思います。まずお金とかいろいろな問題もあると思いますが、そういうことを奨励するための資金援助というようなこともありますが、これは文部大臣はどうお考えになるか、また厚生大臣もそのことについてどうお考えになるか、ちょっとお伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党文部大臣

○町村国務大臣 大変に信じられないような、また悲惨な事件が起きたわけでございます。つい先般、家庭裁判所での決定が出されたのは委員御指摘のとおりでございます。  何とかしたいなという思いから、ことしの八月に中央教育審議会に緊急に、幼児期からの心の教育のあり方というテーマで諮問を行って、今大変熱心に、ほぼ毎週一回会議を積み重ねていただいているところでございまして、一年以内に何か意味のある答えをいただきたい、こんなふうに期待をしているところでございます。今委員御指摘のとおり、地域社会の問題、家庭の問題、そして学校の問題、それぞれがそれぞれの問題をやはり抱えているのだろう、こう思います。  三つ子の魂百までもという言葉がありますように、やはり家庭教育の重要性というのがまず問われるべきであろうかなと思っております。しっかりとした子供を育てるために、今まではどっちかというと母親任せ、こういう教育の姿というのは決して健全ではない、お父さんももっと一生懸命教育に参加をしてもらう。私は、学校週五日制というものを二〇〇三年から導入するという方針で今各般の準備を進めておりますけれども、土曜日、日曜日、塾に通ってもらったのでは困るのでありまして、そこで父親、母親ともに子供といかに接する時間をふやすか、そういう機会をつくるかということが非常に重要なのではなかろうかと思います。  それからもう一点、委員まさに御指摘のとおり、地域の教育力とでもいいましょうか、昔であればお隣の太郎ちゃんもその隣の花子ちゃんもみんなの子供だというような感じで、自分の子供でなくても厳しい注意をしたり関心を払っていたのが、余りよそのお子さんに口を出すとまた親同士がけんかになるからということで、どんなに目に余る行為があっても言わないというような、非常にお互いの連帯感というものが薄れてしまっている。どうしたらいいだろうか。  なかなかこれも即効薬がございませんが、先ほど委員御指摘のとおり、結構地域では町内会活動、いろんな活動をやっております。最近は、その町内会活動の中に子供も組み込んで、子供ぐるみで、大人だけじゃない子供も入った地域の運動会をやったり、いろいろなボランティア活動をやったりというような活動もかなり芽生えてきておりまして、それぞれの自治体で今いろんな工夫がなされているところでありまして、文部省もそうした活動を大いにサポートしていきたいと思っております。  また、伝統的なボーイスカウト、特定の団体名を挙げて恐縮でございますが、先般その七十五周年というのがございまして、ずっと参加者が減ってきておるようでありますが、最近やっと横ばいになった、ちょっとふえるかな、そんな感じもありまして、そういたしますと、御承知のように、大変小さいお子さんから二十ぐらいのリーダーまでが、まさに異なる年齢の子供たちが一緒になってキャンプをしたり、またボランティア活動をやったり、いろいろな野外での体験をしたり、こんなようなこともできておりまして、こういう活動も、私ども大変ささやかではありますが、団体の助成をさせていただいているわけでございますけれども、ぜひぜひこういう活動ももっと活発になるようにさらなる努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 今文部大臣が言われたようにいろいろあると思いますが、私は、一番大事なのは、幼児教育は、しっかり抱いて、そっとおろして歩かせるとある専門家が言っていました、そのとおりだと思います。  特に、三歳までの間、親というのは、早く子供を自立させたいと思って歩かせることばかりに気が行っちゃう。そうでなくて、歩かせるには、まずしっかり抱くということ、そしてそっとおろせば自然に歩いていくんだ。そのしっかり抱く部分とそっとおろす部分が手抜きになると、なかなかひとり歩きできない。しっかり抱くということは、肉体的だけでもなく、精神の面が強いと思います。  子供が、自分は家族に愛されているんだという気持ちを持つこと、それをどうやって日ごとの触れ合いで子供にわかってもらうか。その、自分は身内の親なり家族らに愛されているという確認を持たない子は、大人になって必ず精神不安定になるという説があります。私は、それも当たっているんじゃないかと。  まず三歳児までに、一番身近な身内の家族に自分は愛されているんだ、親は、家族は子供を愛しているんだというのを、口ではなくて、感じで、感覚で植えつける。そうすることによって自然とその子供は、ああ、周りから信頼されている、自分は受け入れられているんだなという気持ちを三歳までの間にしっかり持てば、後は、地域なり教師なり友人なりの温かい触れ合いによって真っすぐ健やかに成長していくのではないか。私は、そういう考えに大変引かれておりまして、まさにそのとおりだなと思っております。     〔委員長退席、中山(成)委員長代理着席〕

左藤恵新進党

○左藤委員 もう一点だけ。これは、身体障害の幼児がおりまして、これを幼稚園で預かります場合に、非常に子供に手がかかるわけであります。公立の幼稚園なんかでは初めから、三歳保育とかやっているところも最近非常にふえてきましたし四歳児でもそうなんですが、これは義務教育じゃないからそういうことができるだろうと思いますが、社会生活についていけない、一緒に保育できないというふうな理由からお断りしておられるところがあるのです。それでは特殊の、身障者ばかりを集めた、そういったところへ子供さんをおやりなさい、こういう指導をしておられるようですが、親の方が、自分のところの程度はそんなにひどい身障じゃないじゃないかと。特に、非常に難しいのは知恵おくれの子供だと思います。  こういった子供たちを保育するということになりますと、私立の幼稚園であったら、とにかくそれを預かったら人を、先生一人、少なくとも助手一人ずつぐらい専属でつけなければ保育できないということで大変な経費がかかるわけなんです。私のところでも幼稚園を経営していまして、現在二人そういうのがおりますが、公立て断られたから引き受けておるわけですけれども、こういうようなことについてやはり、定員の助成とか何かすることを考えるか、あるいはそういった場合には公立て受け入れなければならないというふうにするか、何かそういったことについての配慮ができないだろうか。この辺、ひとつ文部大臣の方で御検討をいただきたい。これはお願いだけしておきたいと思います。そういうケースがある。  今の教育の問題につきましては、当面はこの法律に関連しますいろいろな問題につきまして私はお伺いしまして、あと余り時間がなくなってしまいましたが、次にお伺いいたしたいのは、今度のもちろん財政構造改革のことにつきまして、今論議されています財政投融資の関係というものがこれからどういうふうな形になっていくかということについて、これは単に今改革会議の方で提案されているような問題もいろいろありまして、まだ、こういうものがこれから進んでいくんだとかいうようなお話はないと思います。  きのうもまた、厚生大臣はそんなようなことについて、どんなものになるか、例えば年金の運用についてどうなるかということについての見通しというものはまだわからないというふうなこと、その段階で判断したいというような御答弁がありましたけれども、今論議されております自民党の行革本部の財投改革案が、十月十八日の新聞に掲載されておりましたので、これに関連しまして、財投が一体どういうふうな方向に進んでいくのか。  財投の残高が十年で半減するというような、そういう計画で進めていきたいというふうなことだったと思いますが、今現在の財投の残高は、九六年ですから昨年の年度末で三百七十七兆二千五百億円あるのだそうですが、これが二〇〇一年の三月までに預託を廃止したときに、一体そのときの残高がどうなって、今後どういうふうに進んでいくか。まず、二〇〇一年の預託廃止をする段階で財投残高はどうなっているか、これは大蔵大臣、あるいはまた事務当局でも結構ですが、お伺いしたいと思います。

伏屋和彦大蔵省理財局長

○伏屋政府委員 お答えいたします。  今先生が言われました昨年の三月末残高はそういうとおりでございます。九年度は現在現実に執行されておりますが、さらに十年度の財政投融資計画の編成作業に入っております。したがって、これから残高がどういうぐあいになっていくかということは、毎年度の財政投融資計画の編成とその間における償還の額によるものですから今確たることは申し上げられませんが、現在の制度のままでございますと、残高はここ当分ふえ続けていく、ふえると思っております。

左藤恵新進党

○左藤委員 残高がふえるわけでありますけれども、預託を廃止するということになったときに、過去に資金運用部を通じて財政投融資されたものの資金の回収については、大体どのくらいかかって回収されるものかということがまず一点。  それから、預託が廃止されたときに、これから新しい資金の供給は、資金運用部を通じては資金が供給されないわけでありますから、そうしたところで、こういったそれぞれの機関というものが、今まで財投を受けていたそういうところが資金不足にどういうふうにして対処していくべきか。これは、大蔵省の予想といいますか、お考えを伺いたいと思います。

伏屋和彦大蔵省理財局長

○伏屋政府委員 お答え申し上げます。  財政投融資の場合、一方で運用貸し付けがあるわけでございますが、これは、長期固定を基本としておりますものですから、長いものになりますと三十年を超えるもの、それから十年、二十年を超えるものがあるわけでございます。  他方、預託の方は、これは、七年を中心といたしまして十年までということでございまして、そこで、今先生が言われましたような、いわば貸し付けの方の回収と預託の方の償還の問題が出てくるわけでございますが、それは、現在、資金運用審議会の懇談会でやはりその議論がございまして、九月にその懇談会で座長メモというものが出ております。今後の「資金調達のあり方についての論点整理」というメモがございまして、そこでは、仮に預託制度が変わる場合には、既に実行された財政投融資の円滑な継続のための資金確保を初め、移行期における適切な対応が必要であるというような指摘もあります。  いずれにいたしましても、この資金運用審議会懇談会では、今後の主要検討課題の一つといたしまして資金調達のあり方の検討も挙げられておりまして、これらの点も含めて、これから年末までに鋭意検討が行われるものと承知しております。

左藤恵新進党

○左藤委員 今のそうした預託に対します金利というものも、それぞれいろいろ何年物とかで違ってくるだろうと思いますが、そこからまたいろいろ別の機関に貸して、例えば住宅金融公庫とかそういうところへ融資して、住宅金融公庫が今度はそこでローンを組んで、個人の人が金を借りていく。こういうことについて、大変なバブルのときの高い金利というものが残っているんではないかなと思いますが、住宅金融公庫が、資金の今後の調達というものがさらに何か苦しくなってくるとか難しくなってきたときには、さらに金利を上げなきゃいかぬだろう。ところが、逆に、国民の、住宅を建てて金を借りている立場から見たら、金利を安くしてもらわなきゃ困る、これだけ金利が下がっている時代にということにもなってきますので、一体このローンの焦げつきというのがどのくらいあるのか、また、あるいは繰り上げ償還が出た場合、そういうものを受け入れることができるのかどうか。これらについて、建設省なんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

小川忠男建設省住宅局長

○小川政府委員 お答えいたします。  住宅金融公庫に関連いたします回収状況でございますが、いろんな定義がございますけれども、返済が六カ月以上滞っているというふうなのをとりあえず回収困難あるいは回収不能額というふうに考えますと、平成八年度末で申し上げますと一万五千八百件、金額にいたしまして二千百五十五億円、この時点におきます融資残高が七十兆円余りでございますから、全体の〇・三%前後というふうな状況になっております。  それから、繰り上げ償還でございますが、確かに平成七年度、八年度、大量の繰り上げ償還が発生いたしました。ただ、繰り上げ償還といいましても、通常の企業の返済とは若干住宅の場合には異なると思います。したがいまして、繰り上げ償還そのものを制度的にお断りするというふうな形は難しいと思います。したがいまして、政策融資の中身をいろいろ工夫することによって、余り繰り上げ償還が発生しないような融資の体系を考えるというふうなことでとりあえず対応いたしたいというふうに考えております。

左藤恵新進党

○左藤委員 まだいろいろとお伺いしたい点もあります。住宅・都市整備公団は、現在、不良資産はどういうふうにお持ちになっておられるのか、あるいはそれに対する解消の方法はどう考えておられるかということ。これは、たしかことし一月では八千八百五十九戸ですか、空き家があったり、あるいは新築したものの売れない分譲住宅が千七百四十一戸あるというふうに伺っていますが、こういったものに対する基本的な対策というもの、当然資金運用部からの既往の貸し付けの中の大きなパーセントを占めているだろうと思いますので、そういったものについての解決案を何か立てておられるかどうか、伺っておきたいと思います。

小川忠男建設省住宅局長

○小川政府委員 住宅・都市整備公団でございますけれども、一時期空き家がかなり発生いたしました。また売れ残りの物件もございました。これにつきましては、部分的には、家賃を引き下げる、あるいは販売価格の値下げを行うというふうなことで、最大限の努力をさせていただいております。  住都公団全体の借り入れに対する返済の見通しでございますが、資金運用部から、公団発足以来、累計で十五兆円余り借り入れておりますが、これまでにも、約定に従いまして、五兆何がしはきちっと償還いたしております。現段階では残高九兆四千億円でございますけれども、現段階での見通しでは、賃貸住宅の事業収入等々によりまして、償還計画には支障がないというふうに考えております。  それから、住都公団の将来的な経営のありよう全体につきましては、先般来いろいろな議論がございました。住都公団のあり方そのものを、平成十一年度には廃止した上で新法人として生まれ変わるというふうな閣議決定もございますので、そういうふうなことを前提といたしまして、経営のありよう全体について総合的な見直しをただいま行っております。

左藤恵新進党

○左藤委員 今回の財投改革案の中に、財投機関債というものを導入するということが検討されているということであります。この場合、きのうも厚生大臣お答えになっていたように、まだどういった中身のものであるかということもはっきりわからないから、その段階で検討したいという御意見でありますが、厚生省の場合は、要するに年金の二階建て部分といいますか、基礎年金でない部分はどういうふうにするかとかいうふうなことについても、恐らくこれからこの財投機関債のあり方というものを見て、それを引き受けるのかどうするのかお考えになるのだろう、こう思います。その場合の財投機関債ということについて、これは一体政府保証はやるのかやらないのかということで非常に性格が変わってくるのではないかな、このように私は思います。  そうしたことで、もしこれが市場原理に基づいてやる財投機関債であれば、政府保証はないのが筋じゃないかなと思います。それで資金を調達するということは、何か論理に矛盾が生じるような気もするわけでありますが、今の自民党の改革案は個々の財投機関の現状を把握せずして策定したような感じを受けるのですけれども、どういうふうに大蔵省としては見ておられるのか。この財投機関債という案についての御意見があれば伺いたいと思います。

伏屋和彦大蔵省理財局長

○伏屋政府委員 お答えいたします。  今委員が言われましたように、確かに財投機関債の場合、現在、先ほど申し上げました資金運用審議会の懇談会で議論されておりますのは、政府保証のない特殊法人債券ということで論議されておりまして、ちょうどこれも、先ほど言いました「資金調達のあり方についての論点整理」という座長メモで、やはり議論の途中でございますが、一つ整理がございまして、まず、特殊法人の財務に対する市場の評価を受けさせることによって効率性の悪い機関を浮かび上がらせることができる、そういう意見があるわけでございます。それとか特殊法人の運営効率化へのインセンティブとなるというような意義、有意義という意味の意義でございますが、意義がある反面、この座長メモでは、先ほど先生も言われましたのですが、政策として不可欠な事業が、市場の評価が低いために資金調達コストが上昇するか、十分な資金調達ができずに不可能となるおそれがあるのではないかとか、実質的には政府保証があると判断されてしまって機関の肥大化や財政規律の喪失をもたらす可能性があるのではないか、また、資金調達コストが上昇して補給金等の財政負担の増大につながるのではないかという問題点の方も指摘されているわけでございます。さらには、市場の評価が適切に行われるための条件整備について検討を進める必要があるという指摘もあります。  大体これが、現在、資金運用審議会の懇談会の中で論議されて、座長メモとして出ている意義なり問題点の指摘だと考えております。

左藤恵新進党

○左藤委員 時間になりましたので、まだまだお伺いしたいこともあるわけでありますが、この財投改革という問題は、今回のこの財政構造改革の一つの大きな問題点になっていくだろう、このように思いますので、いつまでも答えを出さないわけにはいかない、もうすぐにもやらなきゃならない問題であるわけです。それだけに、情報公開といいますか、今までそういうことについて十分我々に知らされていなかった部分もあろうと思います、公庫、公団のいろいろな経理の中身だとかそういったものについても。  そういうことについて、情報公開というものを進める中でいろいろ御検討いただきたいということを、これは大臣にお願いをしておきたい、このように思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 財投のあり方、預託廃止等、大改革が今進みつつあります。資金運用審議会懇談会における論点は局長言われたとおりでございます。  そういう中で、民業補完や償還確実性の観点から、対象事業の見直しなど、大蔵省としては来年度編成の中で基本として行うことといたしております。結局、資金の重点的、効率的な配分、スリム化を目指す、こういうことであります。預かったお金でございますから、これを有利確実に、安全確実に運用するというのが自主運用の基本でもございます。  そういう点で、左藤委員御指摘のもろもろの問題点がございますから、情報公開を取り進め、国民皆様の御参加の形の中で最終的な方向づけをしてまいらなければならぬ。御提言、しかと承りました。

左藤恵新進党

○左藤委員 ありがとうございました。

中山成彬自由民主党

○中山(成)委員長代理 これにて左藤君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田克也君。

岡田克也新進党

○岡田委員 新進党の岡田克也です。  きょうは、官房長官の記者会見の関係で十一時二十分ぐらいにおいでいただくということですので、若干質問の順序を変えて御質問したいと思います。  まず、けさの朝刊各紙が伝えているわけでありますが、自民党の菊池代議士の長男の買収容疑の上告審で、最高裁が上告棄却の判決をした、したがって有罪判決が確定することは確実である、そういう状況の中で菊池代議士が議員辞職を表明した、こういうことが報道されているわけでありますが、この菊池代議士の議員辞職について、自治大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 連座制につきましては新聞で報道されておるとおりでございまして、こういう問題については極めて遺憾なことであると考えております。  今後のことについては、裁判によりまして確定することが必要であり、それぞれの事実関係に基づきまして判断をされるものと思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 私は、議員辞職についてどう思うかというふうにお聞きしたわけであります。  もちろん、議員辞職しても、今の大臣のお話もあったように、検察側の行政訴訟、特に立候補制限の訴訟というものは起こされるわけでありますから、法的にはほとんど意味のないことだと思いますが、いずれにしましても、この前の衆議院選挙で当選をした議員の中で、連座制の適用ということが現実の問題として一つ出てきたということであります。もう一件、同様に衆議院議員の中で、同じような状況で進行中の事件もございます。  こういった連座制の強化ということについて、これは政治改革の一環としてやってきたわけですけれども、自治大臣、連座制を強化したということについて、大臣の御感想をお聞かせいただきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 連座制を強化したことによりまして、選挙違反というか、それによる検挙数は減っておるわけでございます。非常に効果があったと思います。また政治家みずからも、選挙を受ける、その洗礼を受けるに際しましては、それなりの対応というものは当然必要でありますし、そのような意味では、連座制の強化については評価をいたしておるわけでございまして、今後さらにこれをどうだということについては考えておりません。

岡田克也新進党

○岡田委員 確かに、例えば前回の衆議院選挙における公職選挙法違反の検挙者や逮捕者の数は、その前に比べると大体三分の一ぐらいになっているということですから、確かに連座制強化の効果はあった。これは政治改革の一つの成果だというふうに私も思います。  そこで、一つ大臣にお答えいただきたいわけでありますけれども、連座制ということに関係して、これは組織的運動管理者が公職選挙法違反の場合に連座制の問題になるわけでありますけれども、選挙の前に後援会の例えば幹部や活動家を政党支部の職員に臨時にして、そして政党支部の職員であるから連座制の適用はないんだ、つまり組織的運動管理者じゃないんだ、政党支部の職員だ、そういうことがもしあるとすれば、これは法律的にはどういうことになるのでしょうか。  私は、選挙前にそういった形で臨時職員にしたとしても、実態が選挙運動をやっているのであれば、組織的運動管理者としての立場というものは実質的にはそうでありますから当然連座制の適用がある、こういうふうに思うわけでありますが、大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 臨時職員の実態がどういうものであるか、それがよく私わかっておりませんから、確たる答弁をするということにはなりませんけれども、もしそれが脱法行為であったり、あるいは選挙をするための便宜上のものであったり、そういうものは十分見きわめていき、また、法と証拠に照らしてこれは公安委員会としては対応する。自治省としても、そういう抜け道とかそういうものが連座制の中にあるとすれば、それは検討するものであるのかないのかも含めて十分考えていかなければならぬと思っています。

岡田克也新進党

○岡田委員 今の大臣の御発言は、それが脱法的なものであれば当然連座制の適用の対象はあり得る、こういうふうに私理解をいたしました。それでもし異論があれば、またおっしゃっていただきたいと思います。  現実に、前回の選挙の際にも、党職員になればそういう連座制の適用はないんだ、そういう話がうわさとして随分出回りました。あるいは、そういう形で意識的に党の臨時職員に活動家や後援会の幹部をしていたという話も聞くわけであります。さらには、党職員だからということで例えば日当を払う。これは本来なら買収であります。しかし、何百人という臨時職員に、実体は後援会の幹部でありますけれども、日当として一日幾らと払う、こういうこともあったのではないかという話もあります。  しかし、もしそういうことがあったとすれば、そして、それが大臣おっしゃるように選挙の前にそういう形で臨時職員に任命して脱法的に行われたということであれば、これは当然、公職選挙法違反、買収であり、そして連座制の適用もある、こういうことになると思いますが、確認のために大臣の御発言をお願いしたいと思います。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 私は、脱法行為だとは決めつけていないのです。それは、実態というものが十分わかりませんから、どういう目的でどういうふうになったのかというのがあるわけでございまして、脱法行為だという前提を置いて申し上げるのではなくて、実態を見た上でそれは判断されるものだ、こういうふうに申し上げたわけでございまして、その考え方は、今の質問に対してもそのようにお答えするしかないと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 通常、後援会の幹部とかあるいは運動員として活動している、当然みずからの職業を持っておられるわけですね。その方を、選挙の一定期間前に臨時職員に、しかも一人や二人じゃなくて何十人、あるいは場合によっては何百人とする。これが脱法でなくて一体何なのでしょうか。そういう実態について大臣は脱法だと思われますか、それともそうじゃないと思われますか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 そのような実態を私正しく把握しておりませんから、今ここで脱法かどうかということを言えと言われても、それは無理なことだと思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 何か大臣誤解しておられると思うのですが、私は具体的な事例について言っているのじゃないのですよ。今言ったようなことであればこれは脱法じゃないですかと申し上げているわけで、別に、だからこういう事例があると私言うつもりはないのです。別にそう防衛的にならなくてもいいと思うのですが。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 私が申し上げているのは、実態を把握していないということと、それから、仮定の話に対して脱法かどうかと言われても、それはどうだこうだと言うわけにはまいらない、こういうことであります。

岡田克也新進党

○岡田委員 最初に大臣は、脱法ということも場合によってはあり得るというふうに発言されましたね。そこはいいですね。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 そういう行為が見られたとすれば厳正に対処しなければならないと申し上げたわけであります。

岡田克也新進党

○岡田委員 せっかく公職選挙法を強化して連座制を強化しても、いろいろな形で抜け穴ができて、そしてそれに対して摘発がなされないということになりますと、それが今度は一般化する、こういうことになってくるわけでありまして、私は今申し上げた件は非常に懸念をしております。ぜひ、これから参議院選挙もありますし、厳正に取り締まりをしていただきたい、そういうふうに思います。  さて次に、公務員の人件費、公務員制度についてお聞きしたいと思います。御心配の方はいろいろやじを飛ばされるのだと思うのですけれども、人件費の問題です。  この法案の三十二条に、「政府は、集中改革期間中においては、適切な措置を講ずることにより、人件費の総額を極力抑制するものとする。」こういうふうに書いてございます。ここで言う「極力抑制」ということの具体的な中身というものは、一体どういうことをお考えでございましょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 三十二条の「極力抑制」ということは、まさにできる限りの総人件費を抑制すべし、こういう一語に尽きるのではないでしょうか。

岡田克也新進党

○岡田委員 この人件費の問題について、非常に三十二条の書き方は抽象的であります。例えばそのほかの項目は、大体、まず来年度予算について具体的にどうするということが書いてある。そしてその次に、集中改革期間についてはどうするということが書いてあります。しかし、ここはみんなひっくるめて集中改革期間ということでくくっておりますし、そして、その具体的中身も「総額を極力抑制する」と、当たり前の話ですね。具体的なことが何も書いてないわけであります。  それで、この人件費の問題というのが今までどういうふうに扱われてきたか。  例えば、三月十八日の財政構造改革五原則の中に、「歳出の改革と縮減は、「一切の聖域なし」とする。」こう書いてありますね。集中改革期間中における「主要な経費について具体的な量的縮減目標を定める。」こういうふうに書いてあります。同じ三月十八日の「歳出の改革と縮減の具体的方策を議論するに当たっての基本的考え方」、この中では、「各分野における改革と縮減の具体的方策の検討事項」の中で、「定員及び人件費の抑制について検討する。」こういうふうに書いてあります。三月十八日の時点では、定員及び人件費については、その抑制について具体的に改革と縮減の具体的方策を検討するという項目の中に書いてありながら、いつの間にかその具体策がどこかに行ってしまったのではないか。  同じく財政構造改革会議の四月二十一日の資料の中では、人件費は九年度予算において、約十一兆円と一般歳出の四分の一を占め、その増加額は約二千四百億円と一般歳出全体の増加額の四割を占める、こういうふうにも書いてあります。つまり、人件費というのは全体の歳出の四分の一だ、そして九年度予算においては増加額の四割を占める。  つまり、これだけのウエートの大きなもの、したがって当然主要な経費であります、これについて、一方では聖域なしだ、こう言いながら、ここに聖域を設けているんじゃないか、具体策は何もないじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についての基本的なお考えを聞きたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 御指摘のとおり、財政構造会議の段々の論議の中で積み上がり、六月三日、財政構造改革の推進について、閣議決定を行って、法制化をし、御提案をさせていただきました。そういう点で、総人件費を極力抑制するという規定をここに明示をさせていただきました。  聖域なき削減と見直し削減と関連いかんということであります。ですから、聖域なき削減ということの中で、まず総人件費の抑制の前に総定員の見直し、行政改革の分野でございますが、スリムな形でこれを行っていかなければならない。民間会社は今日の経済状況の中で、深刻な経営改善、スリム化を目指し頑張っております。国家公務員においても、これだけの大改革を進めるわけでございますから、まさにスリム化、その大前提は、総定員、これを必要最小限度のところに計画を立てて落ちつくようにしていかなければならない。総定員が削減をされていくということで初めて総人件費の抑制もあるのではないか、こういうことであります。もう一つは、人勧の制度がございます。これの勧告を受けますと、尊重をするという、こういうことでありまして、この基本的姿勢は堅持をしながら来ておるわけでございますが、全体の財政事情等を考えて、今申し上げました総定員、そして効果として人件費の抑制が極力それとリンクをしていけるように、まず定員の削減に行革が方針を決めておるわけでありますから、全力を尽くしていただく、こういうことでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 人件費の抑制は、定員だけじゃなくて、一人当たりの人件費、退職金とかそういうものも大いに関係すると思いますが、基本的に大蔵大臣は定員の問題だ、こういうふうにおっしゃったわけであります。  それじゃ、その定員の削減計画というのは今どうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。  御案内のように、定員削減計画、昭和四十三年から始まりまして平成八年まで、第一次から第八次まで合計で二十八万四千四百九十四人削減した、非常に結構なことだと思います。大したものだ、そういうふうに思いながら、よくよく考えてみると、その間二十四万二百五十七人ふえておって、結果的にはこの三十年近くの間で四万四千二百三十七人しか減っていない。非常にトリッキーな感じがしますね。政府としてはたくさん減らしているよと、しかし、いつの間にか別にふえてきて、三十年間で四万人しか減っていないということであります。  そして現在、御案内のように、第九次の定員削減計画、四・一一%、三万五千百二十二人減らす、こういう計画になっておりますが、この計画の削減率では、その前の第八次計画の五%と比べてむしろ削減率は落ちております。問題は、やはり実質的にどれだけ減らすかということだと思うわけですけれども、この点について、今政府としてはどういった考えで、計画でおられるのでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 まず、先生が前段の方でお話ございましたように、いわゆる行政改革あるいは財政構造改革という観点から、簡素でそして本当に効率的な政府をつくるんですよ、こういうところを重要に認識いたしておりまして、したがって、今お話しの国家公務員のスリム化についても、これは厳しく対応していかなければいかぬ。  そういう観点から、そういう基本に立ちましてやっておるところでございますが、先ほど大蔵大臣が総定員のところに基準を置いてお話がございまして、言うなればその背景を今お尋ねになったと思うのでございますが、一つは、既定の行政事務につきまして定員削減計画を持っておりますから、毎年度合理化可能な部署から厳しく定員削減をやっておる、これが一つございます。  もう一つは、新たな行政需要あるいは増員にやむを得ないいわば積極的な理由がある場合においては、定削すなわち定員削減について、その定削による減をいわば原資として毎年度必要なプラスといいますか増員を計算する。この結果、公務員の適正な再配置を実現する。そして、昭和四十二年度以降、かなり少ないなという気持ちでお話があったようでございますが、四万六千人の定員の削減を見ました。そういう経緯でございます。  今後とも、もちろん厳しい行財政事情等を踏まえ、さらにまた、先ほどお話があります財政構造改革に関する閣議決定などを踏まえまして、徹底した定員の削減を図ってまいらなければいかぬ、そう思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 官房長官おいでですので、官房長官は、これは新聞報道ですけれども、地元での御発言だと思いますが、退職者の不補充や新規採用を制限することで五年から十年の間に相当数の国家公務員の削減をしなければいけない、そういう趣旨の御発言をされたというふうに聞きます。新聞にも一部大きく報道されました。官房長官は、この公務員の削減の問題についてどういうふうにお考えでしょうか。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○村岡国務大臣 地元で、今おっしゃったようなことは発言をいたしました。  今、行革をしなければいけない、こういう状況の中で、私は立場としては調整役の立場でございますけれども、今、行政改革をやるに当たって、ただ単に各省庁をまとめただけではだめではないか、局の縮減や定数も削減しなきゃならないのじゃないか、私もそのとおりだと。しかし、これについては、総務庁長官もおりますし、これはスリム化して、規制の撤廃や地方分権していくならば、生首は切らないけれども定員削減を強力に進めていかなきゃならないんじゃないか、こういう発言をして、その気持ちに変わりはありません。

岡田克也新進党

○岡田委員 我々、有権者の方とお話ししておりまして、橋本政権における行政改革は省庁の再編成を中心に進んでいるという印象を受けるわけですけれども、肝心なのはやはり仕事減らし、人減らしじゃないか、こういうふうに言われるわけですね。確かにそれはそのとおりであります。  それからもう一つは、この法案の中でも予算的に非常に厳しい措置が入っております。例えば先般取り上げましたODAは一〇%の減であります。社会保障だって、本来八千五百億ふえるところを三千億にとどめろ、あとはのみ込めという、そういう話であります。  そういう中で、なぜ公務員の数の問題だけが、この法案で、人件費として「極力抑制する」ということしか書いてなくて、具体的にこうするんだということはないのか、そこが私は非常におかしいんじゃないか、そういうふうに思うわけです。基本的に数を減らすことが必要だというふうに官房長官はおっしゃいましたけれども、そこのところについて具体的に、制度として数を削減するために何か官房長官、お考えでしょうか。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○村岡国務大臣 今岡田委員おっしゃったように、本法案には「人件費の総額を極力抑制する」と書いておりますけれども、なぜ具体的な目標を書かないのかと。私の担当でもないわけで。しかし、定員削減計画の見直しについては、この計画は法律の根拠のない閣議決定により実施されているものでありまして、政府限りで見直しが可能であることからあえて法律化する必要ないものと。しかし、定員削減の具体的目標がないからといいまして、定員について聖域であるとか、何も考えないということはございませんで、その点は十分考えているつもりであります。  総務庁長官からでも、またお考えをお聞きいただきたいと思います。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 官房長官という御指名がございましたから差し控えましたけれども、ただいま官房長官の方からお話がございましたように、私は、今次の財政構造法でも、今言われる定員削減というのは、これはもう絶対大事にしなければならない大きな要素であるよというこの基本の柱は貫かれておる、こう思うのです。  と申し上げまするのは、活字の上でその分野が若干少ないのではないかというお話でございますけれども、先生も先ほどお話がありまするように、今次のこの財政改革、行政改革を推進する上においては重要な要素であるよということは、前後におきましてきちんと政府の姿勢は見えておりますし、のみならず、今次の計画におきましても、総人件費は極力抑制するんだよ、この大きな基礎がはっきりしておりますから、それをまさに受け持って、責任を持って推進するべき官庁こそ私の大きな責任である、そう思っております。  したがいまして、御承知のとおり、公務員制度調査会も今、そこに大きく機能させるために、私の総務庁におきましても十分そこを配慮しつつやっておりますが、ただ、行政改革というものが一つ進んでおるものですから、この行政改革の来月の取りまとめに向かいまして、とりあえず公務員制度調査会として当面間に合わせなければならない分野がございます。  これは、御承知のとおり、内閣機能の強化を図らなければならないという視点におきまして、人材登用いかに、そういうようなもの等々あるものですから、その辺も進めておりますが、あわせて、もっと基礎的に御理解をいただきたいのは、先ほども若干大蔵大臣のお話に出ておりましたように、規制緩和も徹底してやりますよ、あるいは民間にゆだねるものも徹底してやりますよ、あるいはまた地方分権等も徹底してやりますよと。可能な限り相当、相当と申し上げるのは言い過ぎかもしれませんけれども、相当力を入れまして、これが実施が決まり、あるいはまた、その決められた方向に移行中の事務事業も相当あるわけでございまして、その辺を横にらみしながら、総定員というものは具体的に、それぞれのテーマの進捗度合いに応じて積極的に進められるものであろう、そういうふうに考えております。  したがいまして、こういう移行期であるだけに、平年度の定員削減とは際立って重要な次元から、しかも多くの横にらみの一つの総合判断を加えながら進めなければならない。そういう意味におきまして、おっしゃるような責任も十分意識いたしておりますが、作業もまた多少複雑である、こういうことも御理解をいただきたい点ではなかろうか、こう思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 るる御説明いただきましたが、私は、最初に御説明いただいたような、つまり定削を削減計画でかけてくる、他方で行政需要の増加に従ってふやしていく、結果的には、純減、純粋に減った、ネットで減った分というのはごくわずかである、そういうやり方そのものにかなり限界があるんじゃないかというふうに思うのですね。  行政需要がふえるというのは、法律一本つくったりいろいろなことをやれば、それは説明はできますから、こういうことで必要だということは、私も過去に経験がありますが、幾らでもやるんですが、大体それは話半分ぐらいで、何とか説明がつくように努力はするわけですけれども、実際にそれだけの仕事量になるかどうかというのは、かなりいいかげんであります。ふやして減ってというやり方をすることによって省庁間の定員を変えていく、そういうメリットは確かにあると思いますけれども、しかし、基本的には、やはり純減ベースでの定員削減計画というものを政府として責任を持っておつくりにならないと本当に減らすことはできないんじゃないか、私はそういうふうに思います。  今までこういうふうにやってきましたという御説明がありましたが、先ほど言いましたように、今この集中改革期間あるいはそれ以降も含めて、徹底的に財政の再建のために予算を節減していこうというときに、この人の問題だけはなぜか聖域のようになって、そして従来のやり方を続けていく、こういう印象がしてならないわけであります。それは、なぜそうなっているのかというのは私も何となく想像はつきますけれども。  ここのところ、先ほど官房長官もおっしゃいました。恐らく、政治家であれば、与党も含めて多くの政治家の皆さん、やはり公務員の数の削減がポイントだ、そういうふうに思っていると思います。そのことがきちんと国民にわかるような形でしっかりと制度を変えていただきたい、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 今お話がございますように、スリム化の問題、そういう大きな視点から、先ほど若干申し上げましたが、申し添えさせていただきます。  当面の、行政改革会議の来月におきまする最終報告までに、今先生が強い調子で指摘をされる、そのようなことも含めて、きちんと何か政府の責任者が国民に対して基礎的な認識そして方向性というものを示すべきだ、こういう一つの考え方を、目下、ここにおいでになりますが、官房長官初め、いろいろ私の立場からも御相談を申し上げております。でき得るなれば、この時期に政府のトップから国民に向かってきちんとした一つのものをお示しいただきたい、そういうこともたまたま考えておる最中でございます。  それから、私の先ほどの答弁の中で、定員に関連してお話を申し上げましたが、ただ単に公務員制度調査会という範疇でなくて、これは大きく、言うなれば行政全般にかかわることでございますから、行政管理局のチャンネルを通じても相当今突っ込んだ検討を進めております。かように申し添えておきます。

岡田克也新進党

○岡田委員 ぜひ総理から、人件費の圧縮あるいは定員の削減についてリーダーシップを発揮していただくことを期待しております。  しかし、どうも最近、大臣や政府首脳の発言が軽過ぎるんじゃないか、そういう気がするわけです。  例えば、武藤総務庁長官がことしの春に、今年度の国家公務員の採用を半分にする、こういう御発言をされましたね。上級というかⅠ種は確かに三割減ぐらいで決まったという報道がありますが、全体をひっくるめてどういう採用状況でしょうか。この武藤長官の半減という話は実行されたんでしょうか。

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 武藤さんのお話でございますが、当然のこと、いわゆる当時の職分責任において御発言いただいたことであると私は認識をいたします。  ただ、基本的にはこれは、私どもは、その機関の一つの節度と申し上げますか、責任の、あるいは施策の一貫性というものは大事にしなければなりませんし、殊に、武藤長官自身が、とにかく定員削減をしなければならぬよ、そういう重要な認識の上に立って御発言になったことは間違いありませんから、私どもの今日の姿勢と何らそれがそごをするものでもない、当然のことを言っておられるな、私はそういう認識をいたしております。  さらにまた、議員は、その発言に基づくその後の具体的作業はどうか、そういうお尋ねであったようでございますが、いわば、先ほど申し上げましたような方針で、また方策で対応をいたしております。かように申し上げる次第です。

岡田克也新進党

○岡田委員 さすがに私は総務庁は採用を半分にされたのだと思いますが、他の省庁をひっくるめて、今どういう状況ですか。

西村正紀総務庁長官官房審議官

○西村(正)政府委員 お答えいたします。  武藤前総務庁長官は、ことしの五月十六日の閣僚懇談会で、一般行政部門と現業部門につきまして業務の見直し、合理化、効率化を図っていただいて、直近年度の採用数の五割をめどに極力新規採用を抑制していただくよう各省庁に要請をされたわけでございます。これに対しまして各省庁では、ことしの八月の人事院調べでは、Ⅱ種及びⅢ種につきまして、採用予定数を前年度に比べまして八・二%縮減することとしております。  以上でございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 確かに、武藤長官が御発言になったときに、各大臣から相当反発が出たというふうに私は記憶しております。  その中で厚生大臣は、結構じゃないか、そういうふうに賛意を表されたというふうに私は記憶しておりますが、厚生大臣、厚生省の採用状況はいかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 ことしの五月十六日の閣僚懇談会において、武藤前総務庁長官からの国家公務員新規採用抑制についての要請について、私はこれを重く受けとめまして、事務当局に対し、新規採用者数を抑制するよう指示いたしました。そして、平成十年度の厚生本省及び社会保険庁本庁の新規採用予定者数は、過去五年間の平均採用者数のおおむね二分の一とする方針を公表いたしました。  ただし、Ⅰ種職員については、昨年七月の閣議決定を踏まえ、過去五年間の平均採用者数の三割減としておりまして、来年度の採用予定状況は方針どおりの採用抑制を行い、Ⅰ種職員については過去五年間平均に比べ約三割減の三十二名、Ⅱ、Ⅲ種職員については同じく過去五年間平均に比べ半減の三十三名にしまして、私としては、武藤前総務庁長官の要請に対し、きちんと対処したつもりでございます。

岡田克也新進党

○岡田委員 厚生大臣以外にほかの省庁は一体どうなっているんだ、こういう気がするわけであります。  私、この一連の報道を見ていて本当に感じたのは、実は総理大臣のリーダーシップの欠如ということです。つまり、総務庁長官がこういう発言をされて、各担当大臣は、事務局から、事務方からとんでもない、こういう反発が来ますから、それを受けて、できないできない、とんでもない、こういう御発言が続いたのだと思いますけれども、そういうときに総理が、総務庁長官もこう言っているんだからこうやろう、こう言われれば、私はできた話だと思うのですね。ところが、総理はずっと黙っておられた。私は閣議の場にいたわけじゃないですからわかりませんが、少なくともマスコミには総理の発言というのは登場しませんでした。  私は、やはりその辺が政治家のあるいは総理の姿勢として食い足らないものがあるわけで、本当に行革をやっていこうとしたら、せっかく大臣がそこまで踏み込んだ発言をしたら、それをとらえて、みんなでやろうじゃないか、そういうことをきちっと言うのが一国の指導者じゃないか、そういうふうにその当時感じましたので、申し上げたいと思います。  いずれにいたしましても、この定数削減の話は、仕事減らしが先か人減らしが先かという、そういう話がありまして、恐らく総務庁の従来のお考えは、まず規制緩和とか地方分権で仕事を減らして、それに応じて人も減らしていく、こういうお考えだと思いますが、これは民間は逆なんですね。  例えば、ある会社が赤字になった。まず採用を抑えるあるいは退職を勧奨する、そういう形で人を、人件費をまず削って、そしてその上で人の陣容に合わせて仕事を変えていく、こういうやり方ですね。私は、現実にはそういうやり方も加味していかないと、抽象的に仕事を減らしますといっても、その仕事を減らしたことと人間がどのぐらい減るのかというのがきちんと統計的に出てくるわけでもありませんから、かなり現実は難しいところにあるのじゃないか。しかも人を減らすということは、生首を切らないという前提に立てば採用を手控えていく、こういうことですから、時間がかかります。  だから、仕事を全部減らしてから人を減らすといったって、それからまた十年、二十年かかってしまう。そういうことを考え合わせれば、やはり私は仕事減らしと並行して人減らしの計画もきちんとつくってやっていく、そういうことしかないと思うのですが、総務庁長官、いかがでしょうか。     〔中山(成)委員長代理退席、委員長着席〕

小里貞利自由民主党総務庁長官

○小里国務大臣 一般的にと申し上げますか、感覚的に今のお話をお伺いしておりまして申し上げられることは、私はそういう一つの気概は持つべきだと思います。  なおまた、そういう総合的なと申し上げましょうか配慮も必要だ。要するに、仕事減らし、人減らし、その相互関係の進捗度合いをどうするかというお話でございますが、仕事減らしも集中的にやらなければいかぬが、人減らしはむしろその先の展開も考慮に入れながら、おっしゃるような、言うなれば積極的な感覚を持って対応することも必要である、さように思いまして、決して否定をするものではありませんが、ただ原則論として、どうしても現実に、新規採用を抑えますよ、これも極力やりますし、かつまた増員も徹底的に、いかなるものがあっても積極的な事情がない限りこれは認めませんよとやる、そういう一つの原則はまた大事にしながら、弾力性のある対応が必要な今日のもろもろの改革という大きな背景を持った事情下にある、そういうふうに思います。

岡田克也新進党

○岡田委員 私は考え方が違います。基本的には、今そういう従来の原則を変えなければいけない、そういうふうに思います。それは、これだけ社会福祉やその他いろいろなところで国民に犠牲を押しつけているときに、国家公務員だけが別だ、まず仕事を減らして、それから人を減らす、そのために十年、二十年、三十年かかる、そういう悠長なことでは私は国民に対して犠牲は押しつけられない、そういうふうに思っております。政府の中でもそういう基本的な原則をどうするのかということも含めて、ぜひ御検討いただきたい、そういうふうに要望しておきたいと思います。  さて、今公務員のことばかり申し上げましたが、実はもちろん我々国会議員にとっても率先して身を切っていくという姿勢がなければ、これは国民のこの行革、財政改革に対する御理解はなかなか得られない、こういうことだと思います。  そこで、永年在職議員表彰の問題があります。たしかあすだったと思いますが、新たに何名かの方が表彰されるということですが、小泉大臣はそれに対して辞退をしておられるということです。小泉大臣のこの永年在職表彰辞退の基本的なお考えについて、どういう考え方で辞退されるのか、お聞かせいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 二年前の自民党総裁選挙で橋本さんと私が総裁候補になりました。そのときの総裁候補の演説会で、私は、これから行財政改革が政治の最大課題になる、行財政改革というのは官僚に対しても、国民に対しても既得権益を手放すことを求めなければならない仕事だ、その前に、国会議員として身近な問題で既得権益を手放すものは何かと気がつけば永年勤続表彰だ、議員がその気になればすぐできることだと。可能性のない方が言うよりも可能性のある私が言った方が説得力があるのじゃないかと思いまして、私は二年前の選挙で、次の選挙で当選すれば当然その資格があるが、もし当選してその栄誉ある資格を得た場合にも、表彰も肖像画も特別手当も辞退すると、総裁選挙の演説会、国会議員を前にする演説会で発言いたしました。  これから痛みを伴う行政改革、財政構造改革をしていかなければならない。まず、果たしてこの表彰制度は必要かと。私は、楽しみにしている気持ちはわかりますけれども、身内からわざわざ表彰されなくても、選挙民から九回なり十回当選させていただく、その栄誉だけで十分ではないかと思いまして、辞退したわけであります。

岡田克也新進党

○岡田委員 表彰される可能性がない者が言って一も余り説得力がないのかもしれませんが、この表彰制度は名誉であるとともに、月に特別交通費三十万という実利もついているわけであります。  今、小泉大臣の方から、政治家みずからが既得権益を手放していくという中で国民に対して説得力が出てくる、こういうお話でありましたが、大蔵大臣、大蔵大臣はこの財政改革の先頭を切って責任者としてやっておられるわけですが、今の小泉大臣の発言について、あるいはこの永年在職議員表彰制度について、どういうふうにお考えでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 小泉議員は小泉議員の人生観、政治観の中で決められることですから、長い間の友人でありますが、私はコメントはいたしません。  よって、永年勤続の問題はどうかということでありますと、院議をもって表彰をされる、名誉なこと、謹んでお受けするというのも、これも政治家としての生きざまであろうと。

岡田克也新進党

○岡田委員 特別交通費についてはいかがですか。  もちろん閣僚の方は受けられないということになっていると聞いておりますけれども、閣僚とか委員長の職になければ毎月三十万の特別交通費が受けられるわけであります。我々は文書交通滞在費として月百万の手当を受けておりますが、それプラス三十万の交通費というのは一体何に使うのだろうかと。  交通費という観点で見たときに、本当にそんなに交通費は要るのだろうか、そういう気もするのです。私はそういう性格がはっきりしないものを果たして残しておいていいのだろうかという気がいたしますが、大蔵大臣、何か御意見ありますか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 検討する価値のあるものであります。

岡田克也新進党

○岡田委員 検討する価値があるというお答えをいただきました。  それじゃ小泉大臣、五十年の永年在職議員として特別表彰を受けた者が死亡または引退したときには名誉議員の称号を贈る、こういう取り決めになっております。そして、今までの例ではお二人ですけれども、名誉議員については胸像を建てる、こういうことになっておりますが、この制度についてはどういうふうにお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私は五十年やろうといってもできないと思いますけれども、また、やるつもりもありませんけれども、胸像を建てるかどうかというのはそのときの時点で国民が判断するものじゃないでしょうか。  私は、五十年勤めたから胸像を建てるとか銅像を建てる問題ではないと思っています。国民がこの人に対して尊敬の念を持ちたい、何か顕彰したいという機運がわき起これば、自然、胸像は建てられるでしょうし、それはただ五十年を受けたから胸像を建てるという問題ではないと私は思っています。

岡田克也新進党

○岡田委員 私も、立派な政治家に国会の中で胸像を建てること、そういうことが必要な、あるいは望ましい場合もあると。しかし、大臣おっしゃるように、五十年たてば自動的にそういうことをする必要はない。現実には今のところ二例だけですから、まだ慣行としては成り立っていない、そういうふうに私は思います。この辺は議院の問題ではありますけれども、国民の感情もありますし、それから国会の権威ということもあります。これからよく与野党で話し合っていく必要がある、そういうふうに思っております。  さて、次に年金改革について少しお聞きをしたいと思います。  前回もここで取り上げたのですけれども、年金の問題は、今私が受けている印象は、どちらかというと数字合わせになってしまっているんではないか。つまり、議論の立て方が、このまま行くと若年者の保険料の負担が三割を大幅に超えそうだ、だからこれをもう少し抑えなければいけない、そのためには年金の額をどうしなければいけない、あるいは支給開始年齢をどうしなければいけない、こういう話であります。  私は、その議論の前に、まず公的年金、国の関与する年金というものがどういう役割を期待されているのか、そういう入り口の議論がきちんとなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけであります。  もう少しわかりやすく言いますと、現実に厚生年金で標準報酬月額の七割近くを払う、そしてそのために三割を超える保険料を取る、国がこんなに個人の生活に関与していいんだろうか。三割を超える保険料というのは、これは働く世代にとっては大変なことであります。そして、そのかわり七割近い年金をもらえる。それは、国が一つの生活のパターンを押しつけているんじゃないか。若いうちは一生懸命働いてせっせと税金や保険料を納めなさい、そして高齢者になれば楽な生活をさせてあげますよ、そういう、アリとキリギリスでいえばアリ型の生活パターンを押しつけているんじゃないか。  しかし、個人にはいろいろな考え方があって、若いうちは少したくさん使いたい、しかし年をとれば最低限の生活でいい、そういうキリギリス型の人間もいると思うんですね。  私は、そういうキリギリス型の人間を、国が、だめだ、みんなアリになれというそういう考え方はどこかおかしい、やはりそこは一定の選択の余地というのはあっていいんじゃないか、そういう感じがいたします。  具体的に言えば、したがって年金の額というのはもう少し抑えてもいいんじゃないか、公的年金としては。そして、それを超える部分については選択制で公的年金を利用する、そういう道も考えられるかもしれませんし、あるいは個人年金や企業年金を選択する、そういう選択肢を用意しておくということじゃないかと思いますが、ここの入り口の議論について、厚生大臣、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 基本的に、個人の選択が広がる制度の方が私は好ましいと思っています。ただ、国民がどの程度受け入れるかですね。  現在の厚生年金を例にとりますと、将来、保険料負担が三〇%を超える、現行の給付水準を維持すればという話ですけれども。負担している方から見れば、若い世代から見れば、この三〇%を超えるというのはもうきつ過ぎるのではないかという議論から、今いろいろな組み合わせが考えられているわけですが、一方、デンマークの例をとりますと消費税だけでも二五%なんですね。所得税でも三〇%でしょう、最低の税率が。日本の場合は、所得税についてはもうほとんどの人が一〇%以下、消費税については五%。よくデンマークの国民はこの重い税を受け入れているなと私は感心しているのです。今の日本から考えれば、食品も含めて二五%の消費税なんというのは、皆非常識だと言われるに違いありません、もし政治家が言ったら。  しかし、そういう国民性を考えると、その時点時点でいろいろな選択肢を与えて、その時点で妥当な範囲というのは、判断というのはどういう点かということはよく議論する必要があるのではないか。  個人として、私は、選択の余地ができる幅というものはできるだけ残しておいた方がいいなというふうに感じております。

岡田克也新進党

○岡田委員 そこで、公的年金の役割をある程度基本的なものに限定する、あるいはそういう方向に行かざるを得ないという部分もあると思いますが、そのときに重要なのが個人年金や企業年金、特に私は個人年金が非常に重要だと思うのです。  しかし、個人年金はなかなか今普及しない。それはいろいろな理由があるのだと思います。一つは、最近のある生保会社の倒産、そういうこともあって心配だ、こういうこともあると思います。それについてはきちんとした救済制度を組み立てていかなければいけない。特に、年金というのは、預金のように一千万ずつ分けて貯金すれば救済されるという性格ではありませんから、そういう制度の構築も急務だと思いますが、同時にやはり税制の問題もかなり大きいのではないか、そういうふうに思います。  例えば、私は今国民年金ですから、国民年金基金というものに入っていますね。これは、ちょっと金額は忘れましたが、年間かなりの額、保険料が税額控除なんですね。もらうときにはまた年金については控除制度があります。民間は、ほとんど年金について控除制度はありません。生命保険料控除とか損害保険料控除はごくわずかですね。やはりそこの競争条件を同じにしないと、なかなかそういった個人年金や企業年金というのは普及していかない、そういうふうに思うわけです。  この話をすると、厚生省の官僚の皆さんは、いや、それは大蔵省の話ですとすぐ言ってしまうのですね。厚生省でもしそんなことを実現しても、そのことによって税収が減るわけですからそれは厚生省にツケが回ってくる、だから余り言いたくないと言って、大蔵省の話ですということになるのですけれども……。しかし、これは個人年金の普及ということを考えたときには、やはり大蔵省であろうが、厚生省であろうが、きちんと対処していかなければいけない問題だと思います。  例えば、今の年金審議会においてもこの問題をちゃんと議論していただきたいと私は思いますし、大蔵省もこの問題をきちんと取り上げていただきたい、こういうふうに思いますが、大蔵大臣、厚生大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。

薄井信明大蔵省主計局長

○薄井政府委員 委員御指摘のように、現在の年齢構成といいますか、これからのことを考えた場合に、従来型の年金課税でいいのかということについては、私ども非常に大きな問題だと考えております。したがいまして、税制調査会におきましても、年金課税のあり方については今後の極めて大きな課題の一つと位置づけまして議論を始めているところでございます。  ただし、私ども、税金の制度だけからこれにアプローチするのはある意味では本末転倒であって、公的年金制度がこれだけ確立している国はないぐらい確立しているわけで、これでいいのかどうか、公的年金制度をどうするかということも十分考えていただいて、年金制度の改革の中で、その一環としての税制もやっていくべきだと思っております。もう一つ申し上げれば、今、公的年金制度に附属する公的年金課税は世界にもまれなほど甘いわけです。これは、かってお年寄りが少なかったから可能であったわけで、これを今後とも続けていく場合には、税制上とてももたない。しかし一方で個人年金を助けなければいけないとなるならば、端的に言いますと、公的年金課税をもうちょっと世界並みに、ある意味では厳しい方向に持っていく、その分をもって個人年金の方を助けていく。やや大きな話になりましたけれども、そういうことが大事だと思っております。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 自助努力を奨励するためにどういう措置がいいかという問題は、今主税局長がお話しされたように、公的年金の水準はどの程度がいいか、あるいはまた、個人年金を奨励する場合はどのような優遇措置がいいかということの中で議論されるべき重要な課題だと私は思っております。

岡田克也新進党

○岡田委員 ぜひ年金審議会でも御議論をいただきたいというふうに思います。  終わります。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。北側一雄君。

北側一雄新進党

○北側委員 新進党の北側一雄でございます。  この法案の一番骨格の部分といいますか、それは当然、大臣、第四条の「財政構造改革の当面の目標」というところにある、財政赤字額を平成十五年度までに三%以下にする、ここがこの法案の一番の基礎といいますか、骨格の部分であると思います。  そこで、まず、これは質問ではございませんけれども、この財政赤字額なんです。これの計算の仕方が非常に素人にはわかりにくい計算の仕方になっております。これは質問ではなくて指摘をしておきますけれども、私は、やはりこれはわかりやすくしないといけないという意味で、赤字というのは、必要なお金がある、それで足らない分を借金する、その足らない分を借金したものが赤字でございまして、それがGDPとの比率がどれぐらいなのかというふうに比較をするのが極めてわかりやすい話なんですが、この第四条一項はそうはなっていないんですね。  本当は、国と地方のその年の借金、借金をするためには債券を発行します、公債を発行します。その国と地方の一年間の公債発行額とGDPと比較して、そのGDPとの比率を出すことが一番常識的な財政赤字額であるというふうに思うわけでございますが、そうなっておりません。私は、これは一つ問題であると思いますし、実際、過去の年度、私が申し上げました国と地方の借金、公債発行額とGDPの比率という極めて単純な財政赤字と、この第四条一項で言う財政赤字額とを比べてみますと、大分差がありまして、例えば平成二年ですと、私が申し上げた財政赤字と三%も違いが出てくるんですね。そういう意味で、この基準が果たしていいのかなという気がいたします。私は、もっとわかりやすい財政赤字の基準を設けるべきであるということを指摘しておきます。この問題は、また時間があったらさせていただきたいと思うのです。  そこで、大蔵大臣、この法案というのは、二〇〇三年度、平成十五年度に財政赤字を三%以下に抑えるということでございまして、その抑えるための十年度から十五年度までの六年間のシミュレーションというのは、私たちが資料でちょうだいしておりますこの「財政事情の試算」でよろしいわけでございましょうか。まず、この点。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 仮定計算のもとにつくられました試算をもって対応してまいります。

北側一雄新進党

○北側委員 これでよろしいということですね。  それで、これを見ますと、委員の皆様のお手元にも資料でお配りをさせていただきましたが、十年度のところ、例えば一般歳出が三千二百億円前年度よりも減になっております。〇・七%減になっておるわけですね。歳入のところの公債金収入を見ますと、特例公債が一兆二千五百億円減、公債金全体では一兆九千五百億円減と、前年度よりも減少になっておるわけでございます。  そこで、この法律案、今審議されておりますこの法案の内容というのは、既にことしの六月三日に閣議決定をされているわけでございまして、これは大蔵大臣、十年度の、来年度の概算要求にはもう既に反映をされておると。この法案の内容、例えば公共投資額が七%減だとか、さまざまな量的縮減が規定されておりますね。この法案の内容は、既に平成十年度の概算要求へこれはもう終わっております、これに反映されておるというふうに理解してよろしいのでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 そう御理解いただいて結構です。

北側一雄新進党

○北側委員 ということでございますので、この「財政事情の試算」にございます一般歳出の〇・七%減というのも、これはもう既に概算は、この法案の内容が入ったものを前提にして試算をされておるわけでございます。  そこで、この平成十五年度に財政赤字を三%以下に抑えるためのシミュレーションに基づきますと、歳出項目があり、歳入項目があり、そして要調整額というのがございます。この要調整額を見ますと、この資料の数字をそのまま言いますと、平成十年度で名目成長率が一・七五%の際は二兆九千億、三・五%のときは二兆一千億、これだけ要調整額が要りますよと書いてございます。  大蔵大臣、この要調整額はどのように処理をなされるのでしょうか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 この要調整額は、歳入歳出のギャップでありますことは御案内のとおりでございます。解消のためには種々の施策を組み合わせてまいることが必要でございますが、具体的な政策手段の組み合わせにつきましては、毎年度の予算編成におきまして決定されるものと考えております。  いずれにいたしましても、財政構造改革を強力に推進をしまして、本試算で示されました要調整額を解消する、そして財政健全化目標達成の軌道に乗せる財政運営が重要でございまして、そのために全力を尽くし、努めてまいりたいと考えます。

北側一雄新進党

○北側委員 大蔵大臣、きょうはこの点について詰めてやりますので、今のようなお答えを続けておられたら、私納得できませんからね。一千億や二千億の話じゃないわけです。一・七五%だと三兆円という物すごい大きな金額なんですよ。  なおかつ、私が申し上げたいのは、既に、この一般歳出などというのは、量的縮減目標に基づいて削減をされた内容なんです。これよりもさらに下げるのかという話にかかわってくる話ですから、ここはきちんとお答えをしていただかないといけない。  ちょっと整理しますと、この要調整額を処理するためには、これは、先ほど大臣がおっしゃったように歳入と歳出のギャップでございます、これをどこかで埋め合わせをしないといけない。どこで埋め合わせをするか。項目ごとに見ていきますと、大蔵大臣、よく聞いてくださいよ。まず歳出の一番上の国債費。この国債費はそんなにいじれないのです。それは、毎年毎年の利払い額はもう決まっているわけですからね。この国債費というのはそんなにさわれません。金利の状況の変化で多少の動きはあるかもしれませんが、そんなに大きく動かないのですね。  じゃ、次は地方交付税か一般歳出か。この地方交付税か一般歳出を削るということで調整するという話になるのか。これは歳出の方を削るか、もしくは歳入の方をふやすという手もあるわけですね。歳入の方をふやす手というのは、公債金収入は、これは財政赤字を三%にするために減らすということが目的ですから、公債金収入をまたふやすというわけにいかぬわけですね。そうすると、税収・その他収入をふやすか、方法は私は大きく言うと三つしかないと思うのですね。地方交付税を削るのか、一般歳出を削るのか、もしくは税収・その他収入をふやすのか、この三つの方法しか要調整額について方法はないと思いますが、どうですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 基本的な要素の中で、本予算編成に当たりましては、法律案において定められました主要経費ごとの具体的な量的縮減目標に沿ってカットしてまいりますことは、御承知のとおりであります。  既に各省庁から概算要求がなされております。今後は、財政当局としては、制度の根本にさかのぼった見直し、さらに施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、十分精査をしてまいります。  しからば、この三項目ということでございますが、交付税の問題については、地方財政計画、本件も全体的にこれを検討する、こういうことで大蔵、自治両省の協議にゆだねられるわけであり、それが一つあります。  税につきましては、御承知のとおり、当面増税をする状況にございません、こう申し上げておるわけでございまして、さはさりながら、全体の税制一般について、租特法等を初めとしたものについて再点検をして、簡素、公正な税をつくり上げ、今日の公正を期するという意味で、また中立を期するという意味で、政府税調、党税調、三党協議の中で行われておることは、御案内のとおりでございます。  以上のことで、要調整額、三・五の場合は二・一ということになっておりますが、この調整額が満たされるようにありとあらゆる努力を、予算編成時まで努力をしまして取り組む、こういうことであります。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 速記を起こしてください。  北側君。

北側一雄新進党

○北側委員 大蔵大臣、順序よく聞いていきますので、私の質問に的確に答えていただきたいのです。私、極めてわかりやすく説明したつもりなんですが、この歳入歳出ギャップを埋めるためには、歳出の国債費項目は余りさわれない。歳入の公債金収入の項目も、これもさわれない。そうすると、地方交付税と一般歳出、ここを削る、もしくは税収・その他収入をふやす、この方法しかありませんね。これはもうイエスかノーでお答えください。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 そう言われましても、これは全体を見直しながら、編成時においてその目的を達成をする、こういうことでありますから、すべての分野について聖域なき見直しをしてまいらなければならないという大前提で、歳入も、入るをはかるというのは財政の基本でありますから、そのために歳入全般についてもやらなければなりませんことはお話しのとおりであります。

北側一雄新進党

○北側委員 いや、そんな難しいことを……。多分大臣も御理解していただいていると思うのですが、方法は、幾ら削るかは別ですよ、地方交付税を削るか、一般歳出をさらに絞り込むか、もしくは税収・その他収入をふやすか、これしか調整の方法はないでしょう、基本的には。これは異論ないのじゃないですか。その上で、さまざまな制度改正等をして云々とおっしゃっているのでしょうから、まず、その私の前提の問題点だけにお答えください。そういうことでしょう。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 量的縮減目標を明示いたしましたのは、それをベースとして今後対応しますと……(北側委員「そんなこと聞いてない」と呼ぶ)いや、この言葉がありますから申し上げておるわけであります。歳出削減という目標は明示されておりますが、さらに努力をしていく、こういうことは査定の原案づくりの際に当然行ってまいったところであります。

北側一雄新進党

○北側委員 今の大臣のお答えは、一般歳出も、これは〇・七%減となっているが概算要求ではさらに削りますよという趣旨ですよね。そして地方交付税についても、さっきちょっとおっしゃったのは、これも削る検討の対象になっていますよということでしょうね。それで、税収・その他収入の話で先ほどお話しされたのは、租税の特別措置なんかを再点検して、税収をふえるようにしましょうかというお話だというふうに解釈をしまして、ちょっとこの後、次に進みます。  まず、先ほどもちょっとおっしゃったけれども、これは十年度だけ見ますと二・九とか二・一なんですが、その後十一年度からさらにふえるわけです、この試算表に基づくと。ずっと三兆、四兆、五兆、さらに六兆、七兆というような数字も出てきますけれども、これは、大臣、確認しますが、増税はありませんね。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 昨日も申し上げましたとおり、この諸状況の中で増税できる状況にございませんから、ミドルで見て、辛抱しながら、歳出カットを中心に制度等の見直しを徹底的にやることにより充当してまいらなければなりません。

北側一雄新進党

○北側委員 今、大臣は、増税はないというお話をもう一遍明言をされましたので、それを前提に進めてまいります。  自治大臣いらっしゃっていますが、先ほど、この「財政事情の試算」、シミュレーションに基づくと、二兆から三兆削らないといけないから、場合によっては地方交付税を削るというふうなことも検討対象だという趣旨のお話をされましたが、それでよろしいのですか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 お答えいたします。  まず、国税五税の一定割合である地方交付税は、地方公共団体の固有の財源でございまして、地方にとっては歳入であることはもう申すまでもありません。国の他の歳出と同列に論ぜられるべきものではないと考えております。また、地方財政は、平成六年度以降、巨額の財源不足が続いておるわけです。これは平成七、八、九ですが、四兆円から五兆五千億程度の幅で毎年財源不足を生じております。率的に言いますと、国税の定率分に対する比率でも一三%から四三%の幅でございまして、相当厳しいものがある、これは御理解いただけると思うのです。このような財源不足が続いておりまして、地方交付税法第六条の三第二項に該当する極めて厳しい状況の中で、地方交付税の原資の不足を借入金等に頼りまして補てんをしておる、地方交付税の必要額を借入金によって確保しておる状況にございます。  こういう状況でございますから、御案内のとおり、交付税率の引き上げなのか、あるいは地方行財政制度の改正なのか。これは、厳しい、苦しい状況のもとで、法律によって義務づけられておりますから、現在はこれを単年度の地方行財政制度の法律改正でやりくりをしておるということでございます。このような状況を考えれば、一般会計から交付税の特別会計に繰り入れるべき交付税額の抑制などというものは考えられない。考えておりません。  いずれにいたしましても、明年度の地方財政の収支見通しが明らかになりました段階で、地方財政の運営に支障がないように、必要な交付税額の確保をしてまいらなければならぬと考えております。

北側一雄新進党

○北側委員 今の自治大臣の答弁は、この十年度の概算要求の金額を大きな金額で削るなんということはあり得ないというお話なんですね。それを踏まえておいてください。  さて、次に行きますが、私の意見ですけれども、この要調整額というのは、ここに書かれておる、資料に書かれておる数字を前提にいたしますと、この要調整額はふえる要素が極めて高いのじゃないかというふうに思っているのです、現実には。それを一個ずつやっていきたいと思うのです。まず、国鉄長期債務の問題でございますが、これは年内に債務処理の方針を決めるということでございます。ですから、検討段階ではあるという前提でお聞きをいたしますが、ただ運輸省は、平成十年度の概算要求、もう出されておりますが、この国鉄長期債務の処理についてどうしようとしているのか、また、平成十年度の概算要求として慎務処理に関してどういう計上をしているのか、ここを簡明にお答えください。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。簡略に、簡明にということでございますので、もう委員御承知のことと思いますが、運輸省におきましての国鉄長期債務に対する基本的な考え方は、大きく分けて三つございます。  一つは、昭和六十二年四月一日に実施された国鉄改革の総仕上げのために、今回、本年中にこの具体的処理を出さなければならないという総仕上げの、大変先送りできない、そうした課題であるということでございます。二つ目は、残念ながら国鉄清算事業団に残る資産と申しましょうか、土地等の資産が大変乏しくなった状況の中で、事業団の自主的な財源によってこの長期債務を処理することは、そのスキーム自体が破綻を来してしまっている。そういった中で、この長期債務をどうするかということで、国の債務として位置づけまして、この本格的な処理を行っていかなきゃならない、こういう基本的な考え方に立っております。  それに基づきまして、国鉄長期債務を国において処理すべく特別会計を設置いたしまして、一般会計から特別会計に対して、国の債務処理のための国債費として、利子分の全額と元本分の一部を繰り入れることといたしまして、あわせて清算事業団を整理する、そういったことを具体的処理案とした内容を概算要求として出したところでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 今のお答えのとおりなんですけれども、十年度の概算要求では、国債費として一般会計から繰り入れてもらいたいと言っているのは六千九百億、そして平年度ベース、平成十一年度からはこれの倍になるんですかね。これは間違いないですか。数字の話ですから、大臣にできたら答えていただきたい。結論だけで結構ですよ。

小幡政人運輸省鉄道局長

○小幡政府委員 平成十年度の国債費としてのお願いは、お話しのように六千九百億円でございます。それから、これを通年で平成十年度を仮に試算いたさせていただきますと、一兆三千七百億円でございます。

北側一雄新進党

○北側委員 ということでございます。それと、ついでに国有林野事業の特会の債務処理についてもお聞きをいたしますが、これもことしじゅうに処理方法を決めるということでございますが、平成十年度の予算の概算要求、国債費として一般会計から繰り入れをしてくれと言っている要求金額は幾らでしょうか。農水大臣にお願いします。

高橋勲林野庁長官

○高橋政府委員 お答えいたします。  平成十一年一月から新しい体制に移るという考え方でありまして、そのときの債務残高が三・八兆円になりますが、そのうちの五千億は農林水産省特別会計予算で負担をし、三・三兆円につきましては一般会計で、国債費で元利償還をお願いするということでございます。  十年度の概算要求の中では、一般会計に対する累積債務の処理に要する経費として三百四十九億を要求しておりますが、三・三兆円分にかかわります元利につきましては、平成十一年一月からの分が、正確な数字ではありませんが、七百億程度だと思っております。

北側一雄新進党

○北側委員 これがまた翌年からふえていくわけでございますが、皆様のお手元に行っている資料の一番下のところに、概算要求段階でございますけれども、この長期債務の国債費として計上してほしいと言っている数値が出ております。平成十年度、国鉄長期債務であると〇・七兆でございますが、林野特会の累積債務ですと〇・一、これがずっと続くわけでございます。ということで、この二つについても、仮に概算要求どおりになってしまいますと、この要調整額がふえていく要素になるわけでございます。  また、これは私の意見ですけれども、全体をほかの財源で、従来の何か財源を持ってきてというのは、この歳出削減を今やっている中で、これもなかなか大変だろうなというふうに思うわけでございますが、いずれにしてもこの額というのが要調整額をふやす要素になってくる。  ほかにも私はあると思っていまして、自民党からこの間景気対策について発表がございましたが、これをこれから実施できるように進めていかれる、調整を進められるところであるということはわかっておりますが、この内容を見ますと、例えば「地価税について廃止又は凍結に努める。」と書いてあるのですね。これは自民党の方です。  それから、大どころだけちょっと言いますと、地価税、有価証券取引税それから取引所税の廃止に努めるとあります。ほかにもたくさんございますが、ちょっとこの大どころ二つについて、ちなみにどれぐらいの財源なのか、数値を大体おっしゃってください。

薄井信明大蔵省主計局長

○薄井政府委員 当然のことながら、これをどうするということとは別に、数字だけ申し上げます。  地価税は、千五百二十億円を平成九年度予算として計上しております。また有価証券取引税は、三千五百十億円を平成九年度予算として計上しております。

北側一雄新進党

○北側委員 この二つの税目だけで五千億を超えておるわけでございますね。それで両方とも廃止とか凍結とか、まあ努めるとは書いていますけれども、おっしゃっているのですね。それ以外にも、税の問題で、住宅、福祉、教育等々政策減税についてもるる言われておりますし、また譲渡益課税の軽減等もおっしゃっておられます。等々、何やかや含めていったら、これは私も正確には計算していませんけれども、税だけで一兆ぐらいになるのかな、それぐらいの政策をおっしゃっておられるわけでございます。  そこで、経企庁長官、お聞きいたしますが、これを参考になされながら、これから十一月に向けて経済対策を取りまとめようとされていると思うのですが、私が聞きたいのは、規制緩和とかではなくて税制改正、この景気対策の中の税制改正の部分というものは、具体的にどのようにお考えになっているのですか。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 税制の問題につきましては、私どももいろいろと検討をしておりますが、同時に、政府税調それから与党税調で議論が行われ、結論が出されるものというふうに理解をしております。  そういう前提で申し上げますが、いろいろな税制改正を検討しておりますが、その趣旨は、いわば赤字公債をふやして、その財源で減税をして、そしてそのお金で物を買ってもらって、経済を購買力によって、減税財源、あるいはもっと言えば赤字公債の財源による購買力で物を買って経済を立ち上げようという考え方ではございませんで、経済のフレームワークといいますか、経済構造改革を進めて経済活動を活性化して、その中から経済を正常な回復軌道に乗せる、そのために必要な税制改正を行っていただきたいというふうに考えている次第でございます。

北側一雄新進党

○北側委員 具体的なお話は全くなかったのですが、自民党の取りまとめの内容によると、地価税、有価証券取引税、これだけで五千億廃止に努めますよとおっしゃっている。ほかにもたくさん減税の要素を盛られておる。概算一兆円近くあるのかもしれません。そんな全部は無理でしょうけれども。  ただ、これについても、大蔵大臣、これから経済対策、景気対策を打つということですから、そこに税制改正も入れていこうということですから、そして与党の自民党はこのような対策を出されているということですから、これも税収・その他収入が大きく減る要素になってくるわけですよ。税収が減るということは、この要調整額がふえてくるということでございます。仮に有価証券取引税と地価税だけで五千億ですから、そうすると、そのまま税収減になりましたら要調整額は五千億ふえるということになるわけですよ。今の景気の状況から見て、税制改正によって経済対策を打っていかないといけないという事情は、これは税収の減の要素、また要調整額の増の要素になってくるのだということを私は申し上げておるわけでございます。  次に、平成九年度の税収の今の現状、見通しはどうなっているのか、お答えしていただけますか。

薄井信明大蔵省主計局長

○薄井政府委員 現在までにわかっておりますのは八月末までの税収でございまして、四月から八月末までの累計は、前年度に対して三%の増となっております。ただ、全体の税収のまだ四分の一、二四・八%しかわかっておらない状況ですので、今後の状況については、税収動向、経済状況を注視していかなければならないと思っております。

北側一雄新進党

○北側委員 主税局長、これは前年度に比べて三%増といったら、何かふえていていいじゃないかというお話のようにおっしゃっているが、そうじゃないんじゃないですか。  これは、本当は平成九年度の八月末の税収としては一一一%にふえていなかったらまずいわけでしょう。平成九年度の予算で計上された税収を達成するためには、前年度に比べて一一一%、一一%ふえていないと達成できないわけです。それが今三%しかふえていないということでして、見込みよりも八%少なくなっているということなんです。進捗割合を見ましても、昨年とことし見ますと、八月末時点で二%も税収が入ってくる割合が少なくなっているわけです。そういうことでしょう。

薄井信明大蔵省主計局長

○薄井政府委員 予算の伸びとそれから八年度の決算額との関係では、委員御指摘のとおり一一%全体として伸びなければいけない、最終的には。  ただし、私ども、特殊要因が八月までにはあると見ております。その特殊要因の一つは、消費税率の引き上げというのを行っておりまして、一  一%のアップというのはそれが含まれております。この消費税収の収納というのが年度の後半に参りますので、前半では小さ目に出ている。それからもう一点は、去年の八月の税収の中に、不良債権との関係で金融機関の特別の税収が入っていたという二つの要因があるということが、この三%の背景にあるということも事実でございます。

北側一雄新進党

○北側委員 三%じゃなくて、差は八%ですね。  それで、今おっしゃったけれども、源泉所得税だけ比べても、八月末で一・三%ことしの方が進捗割合が少ないわけですよ。法人税を比べたら、二・一%も進捗割合が、今年度は税収が悪くなつているということでございまして、私が申し上げたいのは、大蔵大臣、聞いてくださいよ。六十・七兆という平成九年度の税収だって、ことしはもう四月から消費税の引き上げで消費がもう一遍に冷めているわけですから、私から言わせれば、景気がここまで悪くなっているわけですから、税収が予想よりも悪くなっているのは当たり前の話でして、一・九%というふうに見通しをつけているが、これは一・九%になんてなるわけないですよ。ということを考えましたら、六十・七兆なんていきようがないと私は思います。そうすると、それを前提にして平成十年度は計算しているわけですから、平成十年度の税収はこんなにならない。これも税収が平成十年度はここに書いてあるようには入ってこないマイナス要素、この経済を見たらマイナス要素なわけです。  等々を考えましたら、この要調整額の二・一から二・九とは一応書いてございますが、さらに国鉄長期債務がある、国有林野の特会累積債務の処理の問題がある。これが両方とも来年からその債務処理が始まってくる。そして、今も申し上げたように、景気対策をやらないといけない。景気対策で税制改正をやったら、財源が減ってしまう。さらに、ことしの税収を見たら、やっぱり税収も思うように入っておらない。こういうマイナス要素ばかりで、要調整額、これはもっとふえますよ。今の状況では、この要調整額がもっとふえるのは明らかです。この二二、二・九でも相当大きな数字です。それがさらにふえるだろうという要素を私は申し上げたのです。  ここに書いてある平成十年度の一般歳出というのは、公共投資を七%減し、ODA費を一〇%減し、社会保障費を八千五百億ふえるところを三千億しか上積みしないで五千五百億減らし、等々をやって減らした数字がこの一般歳出の四十四・八兆なわけです。この要調整額を処理するためにこれをさらに減らすということがこの法案の前提だ、大きく減らすというのがこの法案の前提になっておる、この「財政事情の試算」からこれが明らかだというふうに私は思うんですが、大臣、いかがですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 まず、国鉄、林野特別会計の概算に基づいての御質疑、もっとふえるのではないかと。本件については、今財政構造改革会議を開き、解消するための努力をしてほしいと。私からは、農水及び運輸大臣との懇談のたびに、まず、一般会計への振りかえ、先送りをやるのではなくしてみずからの努力によって必要な財源は求めるべきである、林野特会についても林野庁だけではなく農水省全体で本件についての対応をしてほしい、こういうことで諸改革が提出をされることを期待し、その行動を大蔵省として最大限サポートしていく、こういう姿勢であり、財政改革会議において真剣な今論議が重ねられておりますから、年末にはこの部分の解決が明らかになり、進むものと思っておるところであります。  さらに、政策減税の問題について触れられました。本件は、党の関係者との懇談で、私から、財源のないものについては特例公債に頼らざるを得ないことになりますので、本件についての財源が見つからない限り、特例公債依存体質からの脱却の基本方針に反します、こう申し上げて理解を求めておるところでございます。歳出については、量的縮減目標、御披露あったとおりでありますが、抑制する、検討するという明日もございますから、そういう中でやらさせていただく、これが査定の基本方針。査定の基本方瞬は、平成十年は財政構造改革を推進する特別措画法、この法律に基づいて編成をするということになりますので、目的達成のために最大限の努力忙してまいりますと同時に、今、各省庁の協力を麦請いたしておるところであります。

北側一雄新進党

○北側委員 一つ一つ全部私、反論できますけれこも、例えばこの長期債務。運輸大臣、済みません、もうしばらくお願いします。国鉄長期債務とか林野特会とか、この長期債務の処理で必要な財源を求める。新たに何か増税の財源を求めるなら加ですよ。そうでなくて、ほかの財源、例えば道路の財源を持ってくるとかいう話がありますが、そういうほかの財源を持ってくるということは、その一般歳出の部分、使おうと思っていた一般歳出がさらに減るということでして、ほかの項目が減るということなんですよ。だから、その必要な財源を求めるとおっしゃっているけれども、今既に〇・七%カットした一般歳出をさらに絞り込む、絞り込んで果たして出てくるのかという話なんです。そういうことをおっしゃっているのだということをよく理解してください。  それから、一般歳出とかを抑制すると今おっしゃった。そもそも来年度の、平成十年度の概算要求は、量的縮減目標を明確に規定されて、縮減された概算要求なんですよ。縮減された概算要求なんです。それを、この言っている二兆とか三兆とか、私が言うなら四兆とか五兆とか、そんな要調整額をできるのかという話なんです。私の考えは、これは数千億の単位の話だったらわかります。そうじゃなくて二兆、三兆。そして先ほど来申し上げているように、ふえる要素がたくさんある。そういう中で、ここはきちんと、この要調整額を一体どう処理をするのか、抽象的なお答えではなくて、きちんとした明快なお答えをいただかないといけないと思うのです。それは、この問題は、十五年度に財政赤字三%にするというためのまず第一歩の話なんですよ。ここをちゃんと説明していただかないと、なぜ財政赤字三%になるのという話がわからないわけでう。本法案の骨格の話ですよ、これは。ここはきりんと説明をしていただきたい。どこからどういりふうに削っていきます、そういうことを検討します、そういうことを明確におっしゃってください。具体的な数字は要りませんが、もう少し具体則にお答えください。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 要調整額につきましては、前段もお答え申し上げましたとおり、予算編成時そし、決定まで全力を尽くしてその調整額を出していかなければなりません。御説のように、特例公債発行は減にして、二〇〇三年には、九年度において発行いたしました七兆五千億円弱の発行額を減らしていく、そしてゼロにする、集中三カ年において確実にそのベースをつくり上げるということでありますから、特例公債に依存する財政運営はやりません。  そういうことの中で、今後、要調整額をどうするのかという点については、量的縮減目標を明示されておる項目とそうではない項目、いわゆる抑制の措置を講ずる、努めるものとするという量的縮減目標のない予算項目についてさらなる努力をして御協力をいただかなければならない、こういうことを申し上げておるわけであります。具体的に、ただいまの段階で税収どこからどうのということ、税の見積もりにつきましても、主税局長が言われましたとおり年度後半税収は納入されるという傾向にあるわけでございますから、ただいまの論争の中の部分についてはすれ違いがありますけれども、対前年比三%伸びておる、これはこれとして、今後徴税に努力をいたしまして、きっちりと税収が上がりますようお願いを申し上げていかなければならない、こういうことであります。

北側一雄新進党

○北側委員 何度も申し上げますように、これは数千億とかそんな単位の話じゃございません。既に来年度の一般歳出はこの法案の方針に従って量的縮減をされ、抑制をされている概算要求であることは、大臣冒頭におっしゃった話なんです。よろしいですか。この法案に基づいて量的縮減、抑制をしているということなんです。それでも二兆から三兆、私に言わせればさらにマイナス要素があるから、さらにふえるかもしれない。この二兆、二兆、場合によっては四兆、こういう数字をどうするかという話で、二千億、三千億の話をしているわけじゃないですから、ここをちゃんとどう調整するのか、もっと明確に答えていただけないと、これは質疑を続けられませんよ。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 これは毎回同じことを言わざるを得ません。大目標は大目標としてきっちりと守っていかなりればなりません。公債依存体質からの脱却が健全財政への一里塚でございますから、かたくなにこれを守りながらやり抜くという基本方針には、いささかも変わりはございません。  そういう中で、要調整額が国鉄及び林野の一般会計への振りかえでふえる、そのとおり認めるということになれば、ふえるわけです。ですから、それはだめと言っているわけです。財政構造改革会議を再度招集いたしまして、真剣な論議を行い、また、項目別にプロジェクトチームをつくりまして勉強をいただいておる。  それで、前回も申し上げましたとおり、新たな御負担をこの中で求めるということの前に、歳出カットを省全体の責任として、林野は林野庁ですからということではなく農水省、清算事業団は鉄道局という感じではなく運輸省全体としてこれに対応をしていただく、お願いをしたい、こういう必死の努力をしておりますことに御理解をいただき、年末編成時、御注目をください。

北側一雄新進党

○北側委員 大臣、今の御答弁は、国鉄長期債務の処理についてはこういう国債費の計上というのはあり得ないということをおっしゃったのですけれども、それでよろしいですか。もう一回確認しておきます。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 特例公債を財源として処理をすることはありません。

北側一雄新進党

○北側委員 運輸大臣、それでよろしいんですね。

藤井孝男自由民主党運輸大臣

○藤井国務大臣 お答えいたします。  私どもが概算要求をいたしまして、その中で国債費を充てるという意味は、赤字国債で賄うという意味ではございません。もう委員御承知のとおりとは思いますけれども、国債費というのは歳出の一区分でございますから、そういう意味で国債費と言ったわけでございますので、今大蔵大臣から話がありましたように、赤字国債によって賄う、そういう考え方でございません。

北側一雄新進党

○北側委員 赤字国債で賄うなんて私は言っていないわけで、要するに国債費としても計上するということはあり得ないとおっしゃったんでしょう、大臣は。それでいいんですね。大臣、答えてください。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 特例公債をそのことの処理のために増発するということは、十年はございません。減額に立てるのが原則であります。

北側一雄新進党

○北側委員 大蔵大臣、今も運輸大臣がおっしゃったけれども、これは新たに公債を発行してやるんじゃないんですよ。新たに公債を発行してやるんじゃなくて、借金を国債費の項目に入れていきますよという話を運輸省も農水もしているわけです。新たに公債を発行すると言っているんじゃないんですよ。国債費として計上しますよと言っているんです。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 北側委員はすべておわかりの上で御質問をされておるわけであります。  私の言う特例公債発行をしないというのは、利払いは必ずあるわけですから、元金返還、これもあるわけですから、この部分については、国債費としてつけかえられましてもその部分が歳出に出ます、その歳出の財源は特例公債をもって見るということはいたしません、こう申し上げているわけです。

北側一雄新進党

○北側委員 よくわかりました。だから、今のお答えは、国債費として計上は国鉄長期債務も国有林野特会累積債務もだめですよというふうに今大蔵大臣言明されましたので、これはもうこの後、十二月になるとすぐわかりますからね。  それで、大蔵大臣、先ほども申し上げましたが、例えばこの長期債務だって、ほかの新しい財源、何か増税をして財源を持ってくるなら別ですけれども、そうでないならば、ほかの従来ある財源から持ってくるということは、これはほかの一般歳出項目を減らすという話なんですよ、金額を。ですから、何度も申し上げているとおり、この要調整額の三兆ないし四兆、これを一体、こんな大きな数字なんですから、もう主要なところは一般歳出しかないわけでしょう。じゃ、一般歳出のどの項目からどれぐらい削るんだということを、どの項目からこの程度削ってもらわなきゃいけない、この項目からはこの程度必要だとちゃんと言っていただかないと納得できないですよ。数千億の話じゃないんですから。  これ以上社会保障費を下げられたら、これはもうたまったものじゃないですよ、今厚生大臣来ていただきましたけれども。八千五百億自然増のところを三千億にするのは大変な話だと思います。これをさらに削るという話をするんですか。公共投資七%減になっているのをさらに削ろうとするんですか。そういう大どころを削らないと、こんな数字、要調整額は出てこないでしょう。どうなんですか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 要調整額を委員はもう埋めることが、解消することが不可能だという大前提で論議をされておるところにすれ違いがあるわけです。  この要調整額の解消については、ありとあらゆる諸制度、また今日までまいりました編成の基本の中で、それは集中三カ年の初年度がスタートをするわけでございますから、その点も見直させていただく、それと国庫納入をさらにふやしていく努力もありとあらゆる分野で行わなければなりません、こう申し上げておるわけでございます。  これ以上申し上げますと長くなりますから省略をしますが、平成十年予算編成時においてこのことを達成する、達成しなければならないということで全力を尽くしてまいります、こう決意を申し上げ、決意だけではなく、確実にそれは埋めませんければ初年度においてっまずくわけでございますから、このことを申し上げておるわけです。

北側一雄新進党

○北側委員 だから私が申し上げているのは、そもそもこの法案の、財政赤字三%、十五年度、来年度の量的縮減目標を決めました、そのとおり概算要求しました、それでも要調整額これだけありますよと、ここをちゃんと、この時点で具体的に幾ら幾らとまで言ってくれとは言っていません。どの項目か、また社会保障をさらに削るんですか、公共投資をさらに削るんですか。そういう項目をある程度言っていただかなければ、数千億の話じゃないんですから、何兆もの話なんですから。そこをある程度お答えしていただかないとこの法案の審議ができないですよ、法案の骨格部分なんですから。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 縮減目標を明示して、法律的には、法文に書いておりますように、上回らないようにする、キャップ、こういうことになっておるわけであります。  自然増、社会保障関係費は八千五百億円と言われております。当然増経費として認める分は三千億円。これは縮減目標を明示いたしておりますから、その範囲の中で、五千億の部分について厚生省は厚生大臣を筆頭に、この部分の削減に財政当局と一致をして今検討を進めておる、こういうことであります。

北側一雄新進党

○北側委員 要するに、もう今のお答えでもわかるとおり、非常にこの法案の骨格になる部分が不明確なんですよ。この法案の骨格というのは二〇〇三年に財政赤字を三%にするということ、そのために、このようなシミュレーションを描かれた要調整額があります。要調整額について、この法案にあるような量的縮減目標を来年度からやったんだけれども、それでも差がありますよ。この差について明確なお答えができない。この法案というのはその程度の法案なんじゃないですか。私から言わせれば、非常にあいまいな法案だというふうに思います。  また、今の経済状況から見て、先ほど私、話しましたが、経済対策を打たないといけない。税制改正もしないといけない。ところが、有価証券取引税や地価税だけで合わせても五千億あるわけですよ。こんな五千億の減税なんかできるんですか、大蔵大臣、この状況の中で。また、しないで今の日本の経済、もっと思いますか。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 経済は生きております。そういう中で、政策決定は、前段申し上げましたとおり、特例公債を財源とする政策減税はできませんので御理解を、こう党内の会議では申し上げておるところでございます。三%達成ということについて集中三カ年プラス三年で達成をすることは至上命題であります。

北側一雄新進党

○北側委員 同僚議員に質問を譲りますが、ともかく、この法案をやっている限りは、さらに一般歳出を削らないといけないという要素が出てきます。公共投資を削らないといけないという要素がさらに出てきます。そして一方では、この経済情勢で、土地の流動化を進めるためにもさまざまな土地税制の緩和をしないといけない、また証券取引を活性化するために有価証券取引税を廃止したい、そう思っても、こんな法律が通ってしまったらできないですよ。そのことを私申し上げて、残りの質問は次回に回させていただきます。ありがとうございました。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。北側君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。

原口一博新進党

○原口委員 新進党の原口一博でございます。  本日は、次の二点についてお尋ねをしたいと思います。一つは、経済の危機管理について、きょう官房長官お見えでございますが、この危機管理をどういうふうにお考えなのか。もう一点は、不透明な政府支出の削除、これをこの財政構造改革の目的にすべきではないか。この二点についてお尋ねをしたいというふうに思います。  まず、私は、これまでの議論を拝聴しておりまして、今の経済の危機というものをどのようにとらえておられるのか。  きのう大蔵大臣は、平時に有事を備えるんですよという孫子の兵法を引き合いに出されましたが、今は果たして平時なのか。もう私たちにとつてみればこれは有事ではないのか。経済の危機管理の基本について、まず官房長官にお尋ねをしたいというふうに思います。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○村岡国務大臣 私、専門家ではございませんが、確かにここ最近いろいろな、米ドルに対してアジアは、インドネシア、タイその他下落もしておりますし、香港から始まりましてニューヨークの下落、そうすると翌日、これは大変だと思っておりますと、また持ち直しているというような乱高下をいたしております。  十分注目をしているところでございますが、この株価とかいろんな状況をなかなか私ども、どう表現していいのか。けさのある社説なんか見ますと、冷静にまず今対応すると。しかし、私ども決しているわけでございませんので、今経済企画庁長官を中心にいたしまして、財政出動はなかなかできないけれども、土地及びいろいろな規制緩和その他で、将来に向けた政策を前倒ししてでもやりたい、こういうふうに考えているところでございます。  特に、この連鎖に対して反応どうか、こう毎回私も会見で言われるのでございますが、なかなか株価に対して、従来為替変動に対しては介入したこともあるようでございますが、株価はなかなかできない。しかし、まだ日本のファンダメンタルズはちゃんとしている、こう思っておりまして、十分気をつけながら今のでき得る限りの経済対策をしていきたい、こういうふうに考えております。

原口一博新進党

○原口委員 私は、今官房長官から御丁寧にお答えいただきましたけれども、危機管理の基本というのは、大変な大きな問題が発生するその危険性、これを最小化することだというふうに思います。  この委員会の中で、尾身長官は何回も不良債権がしこっているのだということを言われました。私は、きょう株の上下のことを言うつもりはございません。しかし、景気がこれだけ冷え切ってしまって、そして株価が乱高下することによって、私たちの経済の、心臓部である金融、この不安が大変大きなまた不安を呼んでいる、このことを見逃していてはならないのではないか、私はそう思うわけです。本来であれば、心臓の手術をすれば、すぐこういうダイエットをするのじゃありません。心臓の手術をした後は、ゆっくり養生じて体力が回復するのを待つべきだ。しかし、今この大変なデフレ法案を皆さんがお出しになって、これが、例えば高度経済成長時代やほかの時代だったりこれもいいかもわからない。しかし、今なぜこれを出さなければいけないのか。  経済企画庁長官にお尋ねしますが、今不良債権の状況がどうなっているのか。そして、大蔵省は不良債権の処理を一生懸命なさっていますが、今現状がどうなっているのか、大蔵大臣にもあわせてお尋ねをしたいというふうに思います。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 不良債権の問題でございますが、これは大蔵省の数字でございますが、九六年の九月に二十九兆二千億ございましたものが、九七年三月、ことしの三月でございますが、二十七兆九千億ということで多少は減っております。それからまた、債権償却特別勘定でこの不良債権の裏の勘定を持っているわけでございますが、これが三兆ほどふえておりまして、いわゆる要処理額といいますか、問題になっている不良債権の要処理額というのは、九六年九月の七兆円に対しまして、九七年の三月、ことしの三月には四兆六千億というふうに減ってきているのも事実でございます。  ただしかし、これは数字としてはそういうことでございますが、銀行の勘定の中から不良債権を一応損失として落とすという銀行の勘定処理上の処理をしただけのものもございまして、その担保として残っている担保物件が、実は経済活動の中に投入されている、つまり流動化しているかどうかということになりますと別でございまして、その部分が私は景気のしこりになっている部分であるというふうにも理解をしております。したがいまして、そういう担保不動産の処理が進みまして、その部分の、例えば低い価格でありましても売れて、そしてその整理がつくことが実を言いますと景気の順調な拡大に大変大事だというふうに考えておりまして、そういう点から、土地流動化、土地有効利用という政策をとることが基本的な不良債権のしこりを取ることにつながるというふうに考えております。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 不良債権の処理の状況については銀行局長から追加させますが、全力を挙げて金融機関のリストラ、早期是正措置を来年四月一日控えておるわけでございますから、熾烈な経営努力を指導いたしておるところであります。

原口一博新進党

○原口委員 もう数字は結構です。  きのうのこれは読売新聞ですが、この株価の下落、それから相次ぐゼネコンの倒産、それから証券に対する信用の失墜、こういったものによって不良債権の処理が非常に厳しくなってきている。有価証券の評価損額が、これで二兆五千八百九十八億も出ている。もう莫大なお金なわけです。  きょうは、私はちょっとパネルをつくって持ってまいりました。私たちがまずやるべきことは、心臓を強くすること。この不良債権、私は、尾身長官がおっしゃっているのは、尾身長官の直観に照らしても正しいことだと思います。不良債権がしこっている間は、こういうデフレ政策をとるべきじゃない。私たちは今、歳出抑制だけをやっている。そして、成長率も二%。いや、これも二%いかないということを言っている。この後何が起こるかというと、結局我が国は、海外への輸出によってそのGNPを押し上げる、そういう体質を非常に強く持った国であります。ですから、対米貿易の摩擦の再燃、あるいはまたあの悪夢の円高の再燃をやってしまう。そして、公共事業を含めて大変な歳出カットですから、失業の増大をもたらしてしまう。  そして、何よりも一番避けなければいけないのは、この一番下に書いてある金融の不安。私は、金融恐慌が起こるなんということを言うつもりはございません。しかし、このまま、心臓部が弱ったまま無理なダイエットをさせられて、校庭を三十周も走れと言われたら、そういう危険を冒してしまう。そのことについて政府は、このリスクのマネジメントをちゃんとなさっているのか。そして、今、北側委員から御指摘になったように、こんなことをやっていたら二〇〇三年のGDP比二%、これは無理ですねということが今の審議の中で明らかになったじゃないですか。私たちはまず、十年、二十年、三十年後、この安貝会は大変大事な委員会だった、そういう評価を受けると思います。果たしてこのときに、心臓の予後を待つ前に走り出す、何てことをしてくれたんだということを私たちの子孫から言われないように、このリスクの管理というのはちゃんとなさっているんですか、大蔵大臣。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 これは、危機の状態のあり方の分析の仕方によって手法が違ってきます。先進七カ国、財政健全化を目指して全力を尽くしておるところ、香港発、ニューヨーク、東京と株の急落が襲いました。コメントでも申し上げたのでありますが、アメリカ合衆国は経済の土台、ファンダメンタルズがしっかりしておりますから明日は盛り返すでしょう、我が日本もアメリカ同様、経済のベースとファンダメンタルズは良好であります、ですから私は、東京市場の正常な姿を期待する、おおむねこんなお話をさせていただきました。  本日は、前場でありますけれども、反騰をいたしまして、それぞれのことになっておりますが、安定していくことを期待しながら申し上げますと、不良債権の問題については、金融三法によりまして、御案内のように預金者保護の中で、また当事者同士の経営合理化のための合併あるいは新銀行の創立等々で努力をされておるところでございまして、さらにこれを督励してまいらなければならぬと思っておるところであります。

原口一博新進党

○原口委員 過去の国会論戦を私もずっと調べました。そうすると、今と同じようなことを過去にもやっている。それは九一年です。九一年、九二年と同じようなことをやっている。そのとき政府は何と言っていたか。今政府がおっしゃっているのと全く同じことをおっしゃっています。あのときも、バブルが崩壊して景気が失速していたにもかかわらず、いやいや、まだ長い成長過程にあります、大丈夫ですと言って、九二年に慌てて経済対策をやるのですけれども、もうそこでは遅かった。そして、あの長いバブルの崩壊のトンネルに入ってしまった。それと同じような議論を、ここに私、議事録を持ってきています。そのときの経済企画庁長官がだれで、総理大臣がだれということは申しません。しかし、これと同じことを、私たちは歴史から学ばなきゃいけないんじゃないか。  大蔵大臣はそれはお立場がありますから、今のような、ファンダメンタルズは確かに堅調だと思います。しかし、そのことを政策が足を引っ張ってしまっている。順番を逆にしてしまっている。まず不良債権の処理、これに全力を挙げるべきです。  今のような御答弁をなさるので、一つ、私はIMFの資料を持ってまいりました。IMFも、これは「国際資本市場」と題した報告書で、九月の二十二日に、日本がまずやるべきことは不良債権の処理なんだ、この不良債権の処理を、単に金利を落としただけでじっと耐え忍んでいるために、かえってこじらせているということをここに書いているじゃないですか。  経済は今グローバル化している。こんな大きな国がひつくり返ってしまえばほかの国にもたくさん迷惑をかけてしまう、そういう危機を私たちはしっかりと踏まえた上で、政策の優先順位、順番をつけるべきだというふうに思うんですが、官房長官、全体を見渡される大臣として、御所見をお伺いしたいというふうに思います。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○村岡国務大臣 先生、私の所管は調整ということでございまして、お答えになるかどうか。  私もことし外国を回りましたが、いずれも財政再建ですね。失業率は十数%、二十数%あるにもかかわらず、社会保障を中心にして財政の圧縮、再建と。私よくわかりませんが、構造改革をしなければ、これからの国際社会、今痛みを伴うかもしれないけれども、苦しいけれども、ひとつこれを乗り切っていかなければ、日本の財政そのものが、少子化社会、今手をつけていかなければだめだ、こういうふうに感じております。  専門担当の経済企画庁長官、あるいはまた大蔵大臣もおりますので、私の考えでいることは以上でございます。

尾身幸次自由民主党経済企画庁長官

○尾身国務大臣 原口委員のこの問題についての認識は、極めて私は正確だというふうに考えております。  不良債権を本当の意味で処理するためには、担保不動産も含めた土地資産の流動化が大変に重要でございまして、そういう意味で、いろんな規制緩和、あるいは担保不動産の証券化等も進めたいと思っておりますが、同時に、不動産関係、土地関係の税制についての見直しもしていただかなければなりません。  先ほど、北側委員の御質問の中にいろんな議論がございましたが、土地関係の税制につきましては、税率を下げたからといって税収が下がるものではない、むしろ上がる可能性もあるという実態にあるというふうに考えておりまして、この点につきましても、関係者の御理解をいただきながら、今の委員のお話のような方向で不動産処理あるいは不良債権の処理が進むような土地流動化を進め、その面から、日本経済の正常な拡大へのしこりになっている部分をできるだけ早急に取り除いていきたいと考えている次第でございます。

原口一博新進党

○原口委員 もう一回。この「あるべきアプローチ」、この方法でしか二〇〇三年のGDP比三%というのは達成できないのだろうか。私たちはいろんなシミュレーションをこの夏からさまざまな人たちと一緒にやってきました。公共事業をこんなに減らすんじゃなくて、大体、バブルが崩壊した後、民間は三割から四割コストが減っている。しかし、いわゆる県や国の事業というのはコストは全く減っていない。コストを減らすことによって事業量を維持することはできないだろうか、そうしなければ失業が起こってしまうんじゃないだろうか、あるいは民間投資の活性化をすることをまず第一の目標に置くべきじゃないか、そういったことを出してからこういうものをやるべきだ。  私は、歳出のカット、これはもう早くにやっておかなければいけなかったことで、今ごろ出てくること自体がおかしいというふうに思います。内需主導による三・五から四%の成長を目指す、こういう方法もあるのじゃないですかということを御指摘して、次の質問に移りたいと思います。  この法案の中にもう一つ入れなければいけないのは、不透明な政府支出、この排除だというふうに思います。  ここに「大規模年金保養基地別 収入・支出の推移」というパネルを持ってまいりました。これはいわゆる年金福祉事業団がおつくりになったグリーンピアというものであります。年金福祉事業団、もう今廃止が決まっているのです。しかし、このほとんどが多額の赤字を出している。そして、この中に国の一般会計や特別会計から、いや、これだけとは限りません、数兆ものお金がさまざまな財投対象機関に流れてしまっている。この透明性を上げること、このことが一番必要なのじゃないでしょうか。  私は、この厚生大臣の本をこの間買いました。いい本ですね。いい本だと思います。この中に、財投の運用には不透明さが常につきまとっているんだ、そしてだれがこの金利を決めて、そしてどういう運営をされているのかと。たしか財投は、国会の議決、これは五年以上の計画については議決を要するけれども、それ以外については議決を要しない。ブラックボックスであります。このことについて私たちはメスを入れていかなければいけないのじゃないか。せっかく本を出しましたので、厚生大臣、この真意をお尋ねしたいというふうに思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 この数年間、行政改革というといつも出てきたのが特殊法人の整理統廃合の話ばかりだったのです。私は、それもいいけれども、もっと大事なことがあるのじゃないのか。それが財政投融資制度であり、もとの郵政三事業、これを一体でとらえないと真の行政改革、財政構造改革は始まりませんよということを二年前の総裁選挙で訴えたわけであります。  特殊法人も、真に必要なところを残して、あとは整理統廃合していこうと言いながらも、いざ具体論が出てくると、抵抗が出てだめだった。ようやく最近は本体の財投改革あるいは郵政事業の見直しという問題が出てきて、必然的にこの三つが一体としてとらえられる。環境はだんだん整ってきたと思います。  今言われたように、国会で審議するというようにはなっていますが、現実的には既存の制度を維持していくという発想を出ませんから、この大規模年金保養基地でも、私が大臣になって廃止を含めて見直しと言わない限り、これは永続していたと思いますね、年金福祉事業団も。  だから、これが大事なのですよ。すべての省庁が、やらなくていいことをやり過ぎている。これを徹底的に見直す。そこから行財政改革を進めていくべきだ。その際には郵政三事業見直しは避けて通れないということを、もとだと私は言っているわけです。

原口一博新進党

○原口委員 ここに千八百億ものお金を投入しているのですよ。そしてこれを廃止する。これ、どうするのですか。返してくれるのですか。  野田委員が最初に質問されました、私たち三十代の人間、二十代の人間、果たして年金が来るだろうかと。私たちの大事なお金がこういうところに使われて、そして大きな赤字だからといって、これは地方自治体に売却するとおっしゃるのですか。だけれども、地方自治体は、ただでも要らないよというようなことをおっしゃっているところもある。こういう不透明な政府支出の排除、これを法案の中に入れなければ、単にキャップだけをしていたのではだめだというふうに思います。  この千八百億、返してください。厚生大臣、これ、どうなさるのですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 この点は、既に民間に移譲できるところは移譲すべきだ、あるいは地方公共団体に移譲すべき問題は移譲すべきだというところで進めているのですが、どうもこんなところを引き受けてもやっていけないというのが強くて、なかなかうまく進まない。そこに問題があるのです。そのうまく進まないところによくこれだけの公金を投入してきたな、それをおかしいと思わない方がおかしい。  これは年金福祉事業団だけじゃありませんよ。各省庁の特別会計、特殊法人を調べてみれば、こういう似ているところはざらにある。そこに私はメスを入れていただきたい。一番手っ取り早いのは、だから郵政民営化だと言っているのです。それへいくと、みんなだめだ。各論反対。全部各論反対になっちゃう。だから、これは本格的に財政投融資制度を一体的に見直してくれということを言っているのであって、今の視点は、私は大変大事だとは思っています。

原口一博新進党

○原口委員 返してください。本当にだれが責任とるのですか。この委員会の議論の中で、財投はもう自主運用をしていくんだ、それぞれの厚生省、郵政省。そしてこういう特殊法人については統廃合するんだ、しかし統廃合するときにむだになったお金、それはちゃんと国民に返してくださいねということを私は強く訴えておきたいというふうに思います。  また、もう一つ。この間の本委員会で、私は、郵政省に、各郵便局のコスト、これを出してくださいというお願いをしました。委員長、お許しをいただいて、資料をお配りさせていただいてよろしいでしょうか。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 もう配ってあります。

原口一博新進党

○原口委員 出てまいりました。この数字を見て、郵政大臣、どういうふうに思われますか。

自見庄三郎自由民主党郵政大臣

○自見国務大臣 原口委員がこういった資料をつくっていただきまして、私も読ませていただきました。お示しのA県、こうなっておりますが、二つ、政令指定都市AとBというのがあるというふうにお聞きをいたしておりまして、その政令指定都市以外の過疎地域の集配郵便局の、こういった番号を打ってありますが、こういった表をお示しいただいたわけでございます。  このお示しのA県の都市と過疎地域の間では、都市部の集配郵便局でも地域によっては赤字の高い郵便局、例えばこの先生の表にお示しのA-3とかあるいはB13がありますし、また過疎地域の集配郵便局はほとんどが赤字でございますが、中には、K局でございますか、費用が収入の四倍を上回っている郵便局を見受けることができるわけでございます。  郵政事業におきましては、原口委員御存じのように、各事業ともあまねくサービスを提供するために、採算地域の収入によって不採算地域をカバーしているというのがこの委員のお示しになったケースを見てもわかりますし、特に過疎地域におけるユニバーサルサービスの提供は大変困難でございますが、しかし同時に、国民全体を考えれば大変重要なことでございます。この前私が申し上げましたように、いわゆる近代郵便制度といいますのは、ユニバーサルサービスと申しますか、国内同一料金だというのが大原則の一つでございまして、ほかの近代国家もユニバーサルサービス、それから国内同一料金と申しますか、そういったことをやっているわけでございまして、その重要性について改めて認識をさせていただいた次第でございます。

原口一博新進党

○原口委員 私は、これをつくっていただいた郵政省のその姿勢について大変評価したいと思います。こういう具体的な数字が出ることによって、何にどれだけのお金がかかっているのか、そして人件費、賃金、事務所費、これは多分特定郵便局の借り代だ、局舎の借り代だというふうに思いますが、まだ郵政事業については何割もの人が、税金を投入してやっているのでしょう、そういう誤解もあるわけです。そういったことをしっかり解いていくためには、しっかり情報公開をしていく。私は国会に来て一年になりますが、官庁がお出しになる資料が、もう政策判断が入ってしまっている。よその国のテクノクラートと話をしていると、政策材料を出してくる。ところが、我が国の官庁は、大変優秀なのかあるいは政治を軽視されておられるのか、自分でもう判断が入ってきたものを持ってくる。私は最後に官房長官にお尋ねをしたいのですが、政と官の仕分け、官はその政策の材料を出すのが官であります。政治判断を私たちに持ってきてもらっても困る。ぜひこのことについてしっかりとしたお答えをいただきたいというふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。

村岡兼造自由民主党内閣官房長官

○村岡国務大臣 先ほどの年金保養施設、さまざまな特殊法人の問題、小泉厚生大臣が言われましたけれども、私も全く同感でございます。したがいまして、こういうような不透明な、あるいは赤字を出しているところを徹底的に見直していかなきゃならぬ。  そして、政と官とのお話でございますけれども、従来、ややもすれば官主導、こういうことでございましたが、今こそ政治が主導権をとって、すべて六大改革、規制の撤廃・緩和、あるいは地方分権、一生懸命やり抜きたい、こういうふうに考えておりますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。  以上でございます。

原口一博新進党

○原口委員 最後に一つだけ残念な質問をしなければいけません。  それは、午前中に、岡田委員の質問に対して、厚生大臣、差別の発言、差別の言葉をお使いになりました。私は十数年前から、精神障害者の皆さんがいかにそういう言葉によって傷つき、そしてそのことによってその家族が外にも出づらい、そういう思いをされてきたか、精神障害者家族の会というのをやっとこさ地元でも設立をしていただいて、こういう偏見や差別と闘っている。その主管大臣である厚生大臣、私は、きょう厚生大臣の著書にサインをもらおうと思って来ました。しかし、あの言葉を聞いて、冷水を浴びせかけられたような思いがいたします。  政治の要請は、私は慈悲にあると思う。慈悲の慈というのは慈しみ、喜びを与えることであり、慈悲の悲は悲しみ……

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 原口君、時間が参りました。

原口一博新進党

○原口委員 私は、このことについてしっかりと削除をしていただいて、御弁明をしていただきますようにお願いしまして、質問を終わります。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 私の発言に不穏当な点がありましたら、訂正させていただきたいと思います。

原口一博新進党

○原口委員 終わります。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これにて北側君、原口君の質疑は終了いたしました。  次に、前原誠司君。

前原誠司民主党

○前原委員 民主党の前原でございます。民主党を代表いたしまして、大蔵大臣、外務大臣、防衛庁長官に御質問をさせていただきたいと思いますが、防衛庁長官はまだいらしていないのでございましょうかね。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 政府委員室はもう出ておりますが……

前原誠司民主党

○前原委員 いや、我が党は、今、防衛庁長官が来られてからお話をしようと思ったんですけれども、我々は、政府委員の方には御答弁いただかなくて結構でございますので、政府委員の方は御退席をいただいても結構でございます。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 いや、そうじゃない、政府委員室を出ておるそうです。

前原誠司民主党

○前原委員 ああ、政府委員室を出ておる。失礼いたしました。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 多少、他の質問が先にできれば……

前原誠司民主党

○前原委員 では、改めて質問させていただきます。  防衛庁長官もおいでになりましたので、もう一度改めてお話しさせていただきますが、我が党といたしましては、大臣に御答弁をいただくということでございまして、質問の要旨も細かいところまで前もって提出をさせていただいておりますので、政府委員の方々の御答弁は結構でございますので、ぜひ大臣に御答弁をいただきたいということを前もってお話を申し上げます。  さて、防衛費についてお話をさせていただくわけでございますが、財政構造改革の推進に関する特別措置法案の概要を見させていただきますと、防衛費については、「我が国の安全保障上の観点と経済事情及び財政事情等を勘案し、節度ある防衛力の整備を行う必要があることを踏まえつつ、防衛関係費について、財政構造改革の推進の緊要性に配慮して、抑制。」そして、次がポイントでございますけれども、「防衛関係費の量的縮減目標 集中改革期間の各年度の当初予算の防衛関係費(SACO関連経費を除く。)の額が前年度の当初予算の額を上回らないこと。」こういうことになっております。  私も、二年ばかり与党におりましたときに、防衛費の概算要求、そして予算編成に携わらせていただきました。いかにこの防衛費についてなかなか国民一般の理解が得られていないか、あるいは対外的な理解も得られていないか、また、これを圧縮することの難しさというものも随分私なりには勉強させていただいたつもりでございます。  先般も、何人かの同僚議員と中国に行くことがございました。朱鎔基副首相、そして銭其シン外務大臣にもお会いをいたしましたけれども、そのときに朱鎔基副首相から言われましたのは、中国脅威論と言われるけれども、日本の防衛費というのは極めて多額に及んでいる、こういう指摘がございました。  そこで私がお答えをしましたのは、日本の防衛費の四三%が人件糧食費であるということ、そしてまた一般物件費の割合も二〇%程度、そして、俗に言われている装備などの費用というのはそれを引いた額であって、極めて小さいのです、それから、日本は武器輸出三原則を持っているために量的なコストダウンが図れない、その中で、国産というものについては、防衛費については極めてかかるんですよ、こういうお話をさせていただきました。  そういう中で、この三年間、集中改革期間において四兆九千四百十四億円をそのまま維持するというのは、私は並大抵のことじゃないなというふうに実は思っているところでございます。  概算要求について、御説明を防衛庁からもいただきました。まず人件糧食費については、これは極めて義務的な経費でございますので、六百三十四億円の増が見込まれる、こういう話でございました。それから、歳出化経費につきましては、新規契約を何とか抑える中で二百三十八億円の減にしたい、そして一般物件費については三百九十六億円の減にしたい、こういう御説明でございました。  しかしながら、御承知のように、概算要求時に換算をしております為替レートというのは一ドルが百七円ということでございまして、現在は平均すると一ドルが百二十円ぐらいでございましょうか、となると、十三円の円安。話を聞いておりますと、一円、円が安くなるごとに防衛費というのは十六億円ぐらいの増になるということでございますので、単純に計算をいたしますと、二百八億円のまた増になるということでございます。したがいまして、概算要求よりもさらに厳しい切り込みをやっていかなければいけないということでございます。  まだその円安の部分の切り込みがされていない前提条件のもとでも、装備関連の繰り延べによる減額が六百七億円。済みません、これは九年度ですね。九年度の六百七億円に対しまして、十年度の概算要求額の歳出化経費の繰り延べは千百八十億円ということで、平成九年の繰り延べの約倍の数字になっているわけでございます。  そこで、ひとつ根本的な質問をさせていただきたいわけでありますけれども、我々、予算編成をした時期にも随分これは議論をしたテーマでございますけれども、繰り延べというのは本当に国がやっていいものなのかどうか。しかも、発展途上国でお金がないという国ならまだしも、こういう先進国で繰り延べをやっている国なんというのはほかにあるのかどうかということを考えたときに、繰り延べという極めて技術的なことをやって、そして防衛費の額あるいは伸び率を操作をするということについては、私は極めて邪道であるというふうに思っております。  その点について、防衛庁長官、繰り延べについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。     〔委員長退席、野田(聖)委員長代理若席〕

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 確かに、おっしゃられますように、一たん契約をして、前払い金はこれこれ、あとは初年度、次年度、三年度、こうやって払いますということを約束しておいて、しかもその品物ができてきているときに、それに対して、金がないから延ばしていただきたい、そういうことをやるわけでございますから、これは本当に異常なことでございます。  しかしながら、今も委員御指摘のとおり、人件費がかなりのウエートを占めておりますし、あるいはまた、いろいろな訓練費その他にしましてもなかなか切り込みができない。一方、今言いましたように、国の財政状況はこういう状況で、国を挙げてやらなければならないという状況の中で、やむを得ずそういう選択をさせていただいたわけでございます。  そのかわりに、相手方に対してもやはり了解をとらなければなりませんので、担当局長以下みんなが苦労いたしましてそういう了解を得、しかも、その間にかかる経費等については金利をつけるということで、これは別途、債務負担の限度額を変えてもらって、そういう措置をすることによって実害のないようにするということでやったわけでございます。そのかわりに、また、各企業にもお願いしまして、中小企業等にそういう同じような形で繰り延べされた場合にはまたそれも大変な影響が出てまいりますので、そういうところの中小企業へのしわ寄せがないようにしていただきたいということで、御理解を得ながらやってきております。  しかしながら、これは本当を言うとやはり異常な事態でございますし、国の債務負担の場合の限度は五年と法律でなっておるわけでございますから、それ以上に繰り延べることはできないわけでございますので、そういう意味でも余り、余りといいますか、好ましい姿ではございませんけれども、現下の状況の中ではこの繰り延べ措置をとらざるを得なかったという、そういう背景についても御理解賜りたいと思うわけでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 これは二年前だつたと思いますけれども、防衛庁の方から「歳出化の繰延に係る問題点等について」というペーパーをいただいております。ケース一、ケース二、ケース三ということで三つの繰り延べのケースを想定して、それについての問題点というものが出されているわけでございます。  まず、予算編成の経緯については、予算で金額、年限の議決が済んでいるものは国会議決の変更が必要になる。そこで、防衛庁さんが出されているペーパーにおいては、政策の一貫性が欠如している、また、議決を得る合理的理由が必要だ、こういうことが述べられておりますし、取得のおくれによる防衛上の欠落が発生をする。そして、今大臣も御答弁をいただきましたけれども、契約違反ということで、これは法律に基づいて損害賠償等もやらなきゃいけない。そしてまた、契約相手方の資金調達、特に中小企業、関連会社の資金調達の困難性、また、長い目で見れば繰り延べをする方が高くつく、こういうことになっているわけですね。  私は、大臣としてはなかなか難しい御判断をされたとは思いますけれども、結局、平成九年度が六百七億円で、そして来年度の概算要求が一千百八十億円ということで、この二年間の数字だけ見ると、ところてん式に繰り延べの費用を多くしていって、そして何とかつじつまを合わせる。こういうことをやっていって、三年ぐらいなら何とかやれるかもしれないけれども、その後の反動とかいうものは、私は極めて深刻なことになるのではないかというふうに思います。  したがいまして、平成十年度の概算要求で繰り延べになっていますけれども、繰り延べをしないで何とかほかのやりくりでうまくやれる方法がないのかどうか、その検討はされたのかどうか、その点について御答弁いただきたい。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 まず最初に繰り延べをしてからというようなそういうことじゃございませんで、それぞれ人件糧食費また一般物件費、そういうことについても検討をいたしました。そして、やはり練度をある程度維持しなきゃならないわけでございますし、人件糧食費についても、これは実員を抱えている以上は支払わなければならないわけでございますし、隊舎の整備等もやはりやっていかなければならないわけでございまして、そういう中で、どうしてもできない分について繰り延べをやったということでございまして、大変厳しい選択をさせてもらったわけでございます。  ただ、今回は、御承知のとおり、中期防についても一年前倒しでやることになっております。そして、後年度の負担等に係ります新規契約等も、できるだけペースダウンすることができるものについてはペースダウンをするということで後年度の負担が発生しないようにしながら、繰り延べをずっと後年度になるほどふやしていくということになりますとこれはどこかでパンクするわけでございますから、そういうことのないように全体を眺めながら、このくらいならば何とか持ちこたえることができるのじゃないかというようなことで判断しながらやらせていただいたわけでございますので、どうかひとつその辺についても御理解賜りたいと思います。

前原誠司民主党

○前原委員 大臣のお気持ちはわかった上で御質問していますので、その点は御容赦いただきたいのですけれども。  では、この集中期間の三年間、果たしてうまく切り抜けられるのかどうかというふうなところで具体的にちょっと聞いていきたい部分がございますけれども、平成十年度の概算要求額における人件費というのは、これはかなり大きくなっておりますね。六百三十四億円平成九年度に比べて多くなる見込みである。では、平成十一年度はどうなるのか、平成十二年度はどうなるのか、大体どのぐらいの額になるのか。これは極めて計算のしやすい数字でございますので、平成十一年度と平成十二年度の人件糧食費の予想額をお示しいただけますでしょうか。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 細かい話になりますと、これはまた事務方から聞いてもらうしかないわけでございますが、ただ、平成十一年度、十二年度も、正直言いまして人件費等については人事院勧告がどうなってくるのか、こういうことによってかなり違うわけでございますね。だから、それがそのままと仮定して現時点での見積もりをやりますと、平成十一年度で人件糧食費は約百億、平成十二年度では七百三十億というふうな、そういう数字になっております。

前原誠司民主党

○前原委員 九年度から十年度が六百三十四億円で、十一年度はちょっとその増のペースが減るわけでありますね。しかしながら、平成十二年度については、今おっしゃったようにまた七百三十億という増、これは定年延長のはね返りという御説明を防衛庁からいただいておりますけれども、それだけの多くの額になってくるということであります。  そして、歳出化経費というものも新規契約をどのぐらい抑えていかれるのか。また、中期防九千二百億円の減額ということから考えるならば、歳出化経費というのも十一年度、十二年度、大体わかってくると思うわけであります。それを想定した上で、十一年度、十二年度の繰り延べ、これは、九年度から十年度が六百七億から千百八十億になった。これだけ見ていると、要は六百億ぐらいの倍数でふえていくのじゃないかという、何かそういう危惧を抱かざるを得ないのですけれども、そういうことはないのか。ないとすればどういう理由なのか、その点についてお示しをいただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 この繰り延べについて、最初、平成九年度それから十年度にかけて検討しましたときに、ずっと長期に見ましたら、平成十一年度ぐらいから少しピークが下がってきておりますので、何とかこの辺でやれるかなという感じを実は持ったわけでございます。  その後、ことしのようにもうゼロベースだということになりましたので、これだとどうかなということで検討してみたわけでございますけれども、私の先ほど言いましたような、今までの発注のペースからいきましてそういうことだったわけでございますが、平成十一年度で約一千億、平成十二年度で八百億、これが繰り延べの額となってきておりまして、平成十二年度になりますと幾らか今年度あるいは来年度と比べると下がるという、そういうことになってまいります。

前原誠司民主党

○前原委員 危惧をしていたよりも、六百七億から千百八十億になって、それが全部ところてん式でふえていくのかということと思っておりましたが、そうではなくて、平成十一年度が一千億、それから平成十二年度の概算要求の予定が八百億円ぐらいということで、ある意味では安心をいたしました。  しかしながら、最初に申し上げましたけれども、発展途上国でお金がなくてやっているわけではないわけで、そういう意味で、数合わせをするというだけでこの繰り延べの手法を安易に使い続けるということについては、私は極めて深刻だと思いますし、その点について、やはり防衛の計画についても根本的な無理があるのではないかということをまず指摘をさせていただきたいと思います。そしてまた、後ほど戦略という部分についてあるいは作戦という部分について、整合性のお話を伺いたいというふうに思います。  次の質問に移らせていただきますけれども、人件費が今御議論させていただいたように当然圧力として上がっていく。そういう中で新規契約というものを落として、何とか歳出化経費というものを将来的に落としていこうという苦心がこれに見えるわけでございますけれども、平成十年度の概算要求におきましては、新規分として一千百五十五億円の新規契約額を前年度比カットされている。これはなかなか大きな数字だと思うわけでありますけれども、そのカットをするという内訳についてどういうふうにお考えになってこういう試算を出されたのか、お聞かせをいただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 御承知のとおり、概算要求を出します場合も、いろいろなものを積み上げておるわけでございます。したがいまして、その結果としてふえたのもあるし、減ったのもある。そういうような形の中で、数字がそれだけカットという形に、カットといいますか減額してきたわけでございますので、これを減らしたためにこうなったということにはなりませんで、あえて言わせていただきますと、老朽設備の更新、近代化を基本として必要な正面装備を積み上げた結果として、それをしかもできるだけ抑制したためにそういうふうになった。だから、例えば飛行機があるいはその船がこういうふうに減ったからだということではなくて、ことしと比べた場合にはこれは減っているけれどもこれはふえているという、そういうことがございますから、そういう積み上げの結果として、今言いましたように新規契約分を極力減らすことに努めた、その結果がそうなったというふうに御理解していただきたいと思います。  私も最初、具体的に先生の質問があるということで、そういうようなきちっとしたことでできるかと思って見てみましたけれども、全体として見たときに、これが減ったためにこうなったのだということはなかなか一概に言えないということでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 これが減った、あれがふえた、そのプラス・マイナスであって一概に特定はできないという御答弁でございました。  では、観点を変えまして、現在の中期防衛力整備計画と絡めて、この予算のあり方、この法律案に基づく防衛費のあり方について見ていきたいと思うわけであります。  平成九年六月三日に財政構造改革の推進についてという閣議決定がなされております。その中で、防衛につきましては、「中期防衛力整備計画(総額二十五兆一千五百億円)について、今後三年間は防衛関係費の水準を抑制するとの考え方の下、残り期間の物件費総額(約九兆二千億円)の一割に相当する金額の所要経費の縮減を行い、本年中にその内容を見直す。」こういう話になっております。九兆二千億円の一割に相当するのでありますから九千二百億円ぐらいの中期防の減額をして、そして減額をする部分については本年中、つまり十二月の末までにその結論を得る、こういう話でございます。  この中期防につきましては、総額二十五兆一千五百億円ということでありましたけれども、調整枠がございましたね、一千百億円。このことについてはこの閣議決定では書かれておりませんけれども、我々としては、では二十五兆一千五百億円の部分については、九千二百億円の減額をするけれども、一千百億円の別枠、その調整枠というのは残っているというふうに考えていいのかどうか、その点について御答弁いただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 これは御承知のとおり、中期防の金額の中でございますけれども、調整枠として残っておったわけでございます。これらにつきましても考え方としては、要するに、何かあったときにやはりそれだけの調整枠がないといけないということでついているわけでございまして、極端なインフレがあるとか極端な為替差損があるとか、何か出てきた場合にはまた別でございますけれども、現在そういう事態がないわけでございますから、現在はそれを除いた数字で一応中期防の計画としてやってきておるわけでございますね。  そして、九千二百億の話をしましたときには、私も覚えておりますけれども、これは、私どもが説明いたしましたのは、二十五兆一千何億円というと非常に大きく見えるけれども、そのうちの人件費その他についてはもういや応なく払わなければならないのだ、あるいはまた、既に契約をやった分については、これはもう歳出化が決まっておるのだ、そういうことを除いていったならば、これから先、いわゆるいじれる数字というのは九兆二千億しかないのだ、その中で一割ぐらいは、ほかの、例えばODAも一割カットとかいろいろありますから、要するに操作が可能な金額の中での一割カットをすべきであるというような形で九千二百億という数字になったわけでございます。  したがいまして、調整枠というのはそれから別でございますから、これから先また不測の事態その他があれば別として、一応これは考えないで、九千二百億は、今の二十五兆円の中で、何といいますか、操作が可能なものの一割というような金額で九千二百億が出てきたというふうに理解していただければいいと思います。

前原誠司民主党

○前原委員 もう一度確認のために御質問させていただきますけれども、じゃ、一千百億円という調整枠は残っているわけですね。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 今年末までに中期防衛力整備計画、この中期防を見直しをしますときにその辺の表現をどうするか、これはそのときにやりますけれども、一応それはいじらないで、万一のために残しているものだというふうな理解をしておりますけれども、それを中期防のあのような形で、調整枠としてそのまま一千百億というのを書くのか書かないのか、これはまた中期防を決めます十二月の末までに政府全体として決めるわけでございますから、そのときにどういう表現にしていくか、それが決まっていくものだと思います。  中期防というのは、御承知のとおり前倒しでやりますけれども、いずれにしましても、三年たったときには見直すということになっていたわけですね。そのときに、一千百億をそのような形で計上するのか、あるいはまた、推移してきておりますから、五分の三が推移しておるわけですから、あと二カ年というときに一千百億の調整枠は要らないじゃないかという議論もあったかもしれません。それはそのときの表現の仕方になろうかと思います。だからこれは、いずれにしても、手つかずの金額だということで我々は今までも理解してきておりますから、万一のときの調整枠だというふうな、そういう理解でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 中期防の策定のときもある程度かかわらせていただいて、私もよく覚えておりますけれども、あのときは自社さの、今もそうですけれども、自社さの政権の中で、いわゆる両論併記的な形で、抑制の意見のあった社民党さんと、まあそのときは社会党さんでしたけれども、そうではないという考え方が一方にあって、そこら辺の妥協的な産物としてああいう調整枠が決められたというふうに私は理解をしておりまして、ということは、調整枠というのは、私は、万が一のときには残る。あのときに二つポイントになったのは、これも後で御質問しますけれども、空中給油機の問題と、それからTMDのかかわりをどうするかというところのアローアンスを残したような話になっているわけですね。  ですから、今の御答弁としては、中期防については中間に見直すということで、そして、この間の閣議決定によって九千二百億円の減額にするということでありますけれども、一千百億円については今のところ手つかずであって、その問題については見直しのときにどういう議論になるかわからないけれども、今のところは手つかずで残っている、こういう理解でよろしいわけですね。  そこで、続いて質問に入らせていただくわけでございますが、これ、九千二百億円といったらかなりの額なんですね。この九千二百億円というものを減らすということになりますならば、これはどうしても正面装備の調達に切り込んでいかざるを得ないわけであります、そのときに、一体どういう形になっていくのか、何を削るのかというところが大変私は議論のポイントになってくると思っております。  一応、中期防におきましては、今まで装備してきた戦闘機あるいは戦車などが老朽化していって、それについてはもう耐用年数も過ぎていくということをあらかじめ計算をされて、そして新たな戦闘機とか新たな戦車というものをこの中期防の計画に沿って、そして落ちていく部分についての穴埋めをやっていくというところで整合性がとれていたわけですね。  となると、九千二百億円の額を減らすということになった場合に、これは九千二百億円の額を減らすということになると相当正面装備、新たな主要装備にまで切り込んでいかざるを得ないような状況になると思いますけれども、その点、要は乖離が出てきますよね、その点はどういうふうに対処されるおつもりなんですか。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 確かにこれまでの防衛大綱に基づく中期防というのは、今言われますように、いろいろ退いていく艦船なり飛行機なり、それに見合うものをきちっとカバーしていくという、そういう意味で非常に整合性のとれたものでございます。しかしながら、これだけ厳しい状況の中で予算を続けていきますと、それが一〇〇%きちっとした整合性のあるものを維持できるかどうか、確かに問題はございます。  我々としては、今内部で検討委員会を設けてこの中期防の見直しをやって、陸海空それぞれの自衛隊にも指示しながらいろいろな検討をしてもらっておるわけでございますけれども、そういうようなことも絶対ないと言い切れるだけの自信はない、正直言いまして、そういうようなことで答弁せざるを得ない状況でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 海上自衛隊と航空自衛隊の充足率というのは大体九五%前後でございますね。陸上自衛隊に比べるとまあまあ一〇〇に近い、定数に近いということでございますけれども、主要装備、例えば戦闘機なり艦船なりが定員に近い海空で生じたときには、その定員に即して戦闘機とかあるいは艦船の割り当てが決められるはずになるわけでありますけれども、それの穴があいてくるかもしれないということを今御答弁されたわけですね、それだけの自信はないとおっしゃったのは。そういうことでございますね。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 いや、充足率との関係で申したわけじゃございませんで、中期防で計画しておりますのは、その前提として、防衛大綱に基づく一つの水準を維持するということにしておるわけでございますね。そのためには我が国にこれだけの護衛艦がなければならない、そういう形でやっておりますけれども、それが期間中に達成できるかどうか、そういうようなことについて問われた場合に、それがずれることがあり得るんじゃないかというようなこともやはり一つの懸念材料としては残っておりますということを言ったわけでございます。穴があくということをはっきり言ったわけじゃないので、その辺はひとつ御理解を賜りますように。

前原誠司民主党

○前原委員 いや、充足率の関係で言ったのは、一〇〇%に近い海空の自衛隊の中で、要は、部隊編成に合わせて装備を決めていくわけですよ。ですから、おっしゃったように防衛大綱を決めて、そして十何年か二十年近くそれに対しての整備計画を立てるということで防衛大綱を決めた。そして、五年ごとに中期防衛力整備計画というものをつくって、そして防衛大綱を少しでも早く実現できるようにということで五カ年計画を立てていっているわけですね。ということは、定員に即した装備をうまくあてがうという前提で整備計画も立てて、中期防衛力整備計画もやっているわけですよ。  それで、現在の中期防衛力整備計画に書かれているのは、海上自衛隊と航空自衛隊については、この五カ年計画、現中期防においてほぼ目的が達成できるというふうに書いてあるわけですね。だけれども、それが九千二百億円という額を減額をしなきゃいけないようになったときに、正面装備まで支障が来ますね。そうしたときに、一〇〇%の充足率に近い、これだけの装備が必要で部隊編成をしているにもかかわらず、それにあてがわれないような穴が出てきますね。そういう意味で私はお話を申し上げたわけです。それについて懸念がある、そういう心配は持っているというふうなお答えをいただいたと私は認識をしております。  それで、この現中期防の中に空中給油機についての記述もございます。空中給油機能については、前々中期防及び前中期防の十年間にわたり研究や検討を行ってきた、そして訓練のときの空中警戒待機、CAPですね、こういうもの、あるいはこの操縦をされている方々の負担の軽減、あるいは燃料費の節約、それから訓練の効率化、安全性の向上、それから基地周辺の騒音の軽減などの効果があると。そして「空中給油機の性能、運用構想等空中給油機能に関する検討を行い、結論を得、対処する。」ことになっているということが現中期防の中に書いてあるわけです。  私がさっきその千百億円の調整枠の話もさせていただいたのは、九千二百億円の中期防の減額をします。しかし、千百億円というのはある程度調整枠ということで残っているという認識の中でこの空中給油機についてどういう結論を出そうとされるのか。あと二年しかないわけですよね。それで、見直しのときはもう来ているわけですよ。この空中給油機については、必要性というものはこの文章を読んだらにじみ出ているわけですけれども、なかなか厳しい政治状況で、そこら辺が出てこなかったわけですね。その点については、財政再建と含めてどのように今考えておられるのか、その点について御見解を伺いたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 御承知のとおり、この財政再建の問題は、各年度におけるいわゆるキャッシュベースといいますか、現金ベースの話でございますから、仮に、もし二、三年後にそういう結論を得て購入しようというようになりましても、中期防の期間中におけるキャッシュベースでの話としてはそれほど大きいわけじゃないわけでございます。  むしろそれよりも、空中給油機は、今委員が御指摘になりましたように、空中で警戒している、あるいはまた訓練に出かけていく、行ってもすぐ帰ってこなきゃならない、そのたびにまた基地から発進する、そういうようなことを考えたときに、空中で給油することによってそういうような効率を上げることができるじゃないか、あるいはまた騒音対策にもなるじゃないか、そういういろいろなメリットもあるわけでございます。そういう点については大分我々も研究してわかってきておるわけでございますけれども、その効率性の必要はあるわけでございますけれども、もう一方、空中給油機は輸送機としての機能も持っているわけでございまして、この辺について、輸送機としての機能をあわせ持とうとしたときに、果たしてこれが輸送機としてどれだけの効果があるのか、そういう面での検討というのにまだ時間を要するんじゃないかというようなことでございます。  それともう一つは、やはり最近は、よその国もそうでございますけれども、そういう効率性を考えて、我が国周辺の諸国も空中給油機を持っておったり持とうとしておるわけでございます。我が国も、それらについてはやはりこの議論を国会等でももう少し活発にしていただいて、どういう方向に進むのが望ましいのか、やはり大いに議論を聞いた上で私どもとしても結論を得ていく必要があるというようなことから中期防においてもあのような表現になっておるわけでございまして、十二月の時点でこの見直しを一年前倒しでやるわけでございますけれども、そのときもそういう議論はしたいというふうに思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 今までるる繰り延べの議論とか減額の話とかさせていただきましたけれども、議論が極めて逆ではないかということを私は思っております。  というのも、防衛大綱というものがあって、それに対しての中期防衛力整備計画を決めて、そしてお金もそれにつけて、そしてどのように整備をしていくかという議論をしていたわけですね。ただ、財政構造改革ということで、この財政難の折、防衛費も聖域ではないというところで削減になるというのは、それはある意味ではわかります。しかし、さっき申し上げたように、主要装備に穴があいてくるかもしれないとか、あるいは繰り延べなど先進国でほとんどやったことのないようなことでつじつまだけを合わせているというやり方については、これはどう考えても僕はおかしいということを言わざるを得ないと思います。  もしお金のことを出そうとすれば、もうちょっと大胆な部隊編成なりの見直しとか、あるいは将来的な戦略に基づいた陸海空のあり方の見直しとか、そういうものの中から議論をしていって、じゃ、こういう姿にするためにはこれだけのお金でいきます、あるいはこれだけのお金が要りますという議論を私はしなきゃいけないと思いますけれども、議論が逆で、お金をキャップということで切られちゃった。そして抑制をされて、三年間は特に集中改革期間ということで抑えなきゃいけないという中で、何か小手先、技術的なところでやりくりをしていって、そして大きな方針はそれでも変えません、そして穴があいてくるかもしれませんという極めてちぐはぐなことになってくるというのは、私はおかしいのではないかと思います。  やはり、自衛隊を預かられる防衛庁長官としては、そういう考え方になぜ――防衛費も削減しなきゃいけない、それは聖域ではないというのは御理解をされたのかもしれませんけれども、もうちょっと抜本的な部隊編成、陸海空の編成のあり方、あるいは日本の防衛、あるいは今の技術の進歩に合わせて見直す。  特に、この間安全保障委員会で北海道の幾つかの基地を視察してまいりましたけれども、いまだにいわゆる米ソ冷戦下における部隊編成ということで陸上部隊が展開をされている。ある程度必要なのかもしれません。もちろん全く不必要だということを申し上げるわけではないけれども、そこら辺の機動的な部隊編成の見直しが行われていない中で、歳出をカットするためにつじつま合わせの議論に終始をしている。もっと大きな方向転換をすべきじゃないかと思うんですけれども、その点についてお考えを聞かせていただきたいつ

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 御承知のとおり、一昨年、防衛大綱を村山内閣のときに決められまして、しかもその後中期防を決めたわけでございます。そのときに、今言われるような内容の議論をした上で、やはり我が国のあるべき防衛の姿としてはこうだということを二年前に決めたわけでございます。  それに基づいて、例えば自衛隊の定員なんかにしましても、十八万から十六万に減らす、十六万のうち一万五千人は即応予備自衛官にするという、そういう一つの方針でやってきているわけです。ただ、こういうような転換というのは一朝一夕にできるわけではございませんで、やはりある程度時間をかげながらやらなければならないわけでございまして、師団を旅団にしていくとか、そういう形の中で今鋭意取り組んでおるわけでございます。  したがって、私どもはその方向として粛々とやっていくわけでございますけれども、一方、予算的な制約がこうしてわいてまいりますと、計画は計画として進めながらも、その中で予算をどう切り詰めていくか、そのときに正面装備にもやはり食い込まざるを得ないんじゃないか、食い込んだ場合にどういう影響が出るか、そしてまた、練度を維持するために教育訓練はやはり必要最小限ここまではしなければならないじゃないかというような、そういう中で節約に努めて、どれだけこの集中期間中協力して国の財政構造の改革に寄与できるか。  防衛費についてもそれをやはりやるべきだということでやっているわけでございますので、その計画をここで大きくぽんともう一回見直すとなると、またそこで一年以上時間がかかるわけでございますから、防衛計画の大綱をやはり私どもはこれはこれとして追っかけていくんだという姿勢は変えない中で、この三年間どうやって財政構造改革に寄与できるか、それを今比較考量しながらできるだけの努力をしておるということでございますので、中期防の見直しについても、大変厳しゅうございます。厳しいけれども、何とか防衛大綱の水準維持はこれによって曲げなくてやれるんじゃないかというような気持ちでやっているところでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 今おっしゃったように、防衛大綱の枠組みというものは二年前決めたところなので、それはもうもちろん変えない。それを、財政構造改革という厳しい状況であるけれども、何とかうまく乗り切る中で防衛大綱で示した形に持っていきたい、そういう御答弁であったと思います。  今までハードの話を随分させていただきましたけれども、今まで防衛費の切り詰めの中で一番しわ寄せが来ているのはやはり一般物件費でございます。「一般物件費の抑制が影響を与えている事例」これも防衛庁から以前出していただいたものでございますが、読ませていただきますと、「修理費の不足により以下のような支障が生起している 戦車部隊の訓練で非稼働戦車が発生している 歳出予算が厳しいため、護衛隊群艦船の修理を年度をまたがって実施しており、修理が年度末に集中することから、稼働艦船が減少する 補給部品の不足から修理中の艦船、航空機より流用して対処している」「当該年度に行う老朽器材の更新が二年遅れで行われている」「訓練の一部中止等をさらに継続せざるをえない状況にある」「住宅防音工事は、民間飛行場に比べて著しく遅れている状況にある」こういうペーパーを以前いただきました。そして、今回の概算要求のときに出していただいた資料の中にも、生活関連施設の整備率、公務員宿舎と比べましても、自衛隊員の隊舎あるいは体育館というものについては極めて低い状況にあります。  こういう部分が、例えば、後でお話ししますけれども、ホスト・ネーション・サポートの米軍の待遇と比べて、自衛隊の方の隊員の施策は本当にいいのか、そして士気というものはそれで保たれるのか、あるいは精強さといいながらも、人の面でのそういう気持ちというものが維持ができるのか、この点が私は非常に心配なんですけれども、その点、防衛庁長官としては、限られた予算、厳しい予算の中ですけれども、どういう工夫をしてそういうものを何とかカバーしょうとされているのか、その点についてお話をいただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 確かにおっしゃいますように、一般物件費の制約がありますと、隊員の士気とかいろいろなことに影響してまいりますので、そういうことがあってはならないということで、私どもも気を使っておるところでございます。種々工夫をする、あるいはまた優先順位を考えながら、優先順位の後のものを若干おくらせるとか、そういうようなことをしながらやっておるわけでございます。  例えば、具体的に言いますと、隊舎等については六%の伸びをやはり維持しなきゃならないというようなことで、これは最優先にするとか、体育館、プール等については、若干これは隊舎と比べたら優先順位をもう少し下げるとか、飛行機の総時間数を、年二十三万時間というのをこれを二十二万時間にするけれども、戦闘パイロットの訓練については時間数は維持するとか、一つ一つそういう形で、これは我慢して、しかしこれはどうしてもやらなきゃならぬということで、そういうような形でえりながら切り詰めを行っているところでございまして、総じて現在の水準が維持できるようにということで、そういう中で配慮をしているわけでございます。  しかしながら、これから先厳しい状況が続いてまいりまして、いわゆる防衛関係費の場合は、確実に伸びるのは、人事院勧告が実施されますとその分だけは確実に上がるわけでございます。それとまた、先ほど言われました、円高ではなくて円安になった場合の影響も非常に大きいわけでございます。そういう状況が続けて来たときに、そのような今の工夫なりなんなりで本当に乗り切っていけるのかと言われますと、大変厳しい面もあるというのは、私ども率直に言って認めているところでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 それでは、ちょっと違う観点から、外務大臣もお越しになっておりますので、この防衛費についてお話を伺いたいと思います。  この一般物件費、今防衛庁長官が御答弁いただきましたけれども、その中に在日米軍駐留経費負担というものが入っております。これについては伸び率、伸率が四・五%減、これについても一応削減ということで見直しはされているわけでございます。  この在日米軍駐留経費負担については大きく二つのカテゴリーに分けられると思います。提供施設の整備、それとあと三つの分類、労務費、光熱水料等それから訓練移転費の負担、この三つに分けられて、一くくりとして在日米軍駐留経費の負担ということになっているわけでありますけれども、今回のこの防衛費の抑制、そして先ほど防衛庁長官がお答えになったように、人勧があれば必ず人件糧食費はアップする。円安で歳出化経費についても非常に苦しくなっている。そういう中で、この在日米軍駐留経費というものも聖域にせずに手をつけていくべきだと私は思っておりますが、そういう話し合いをどの程度アメリカ側とされて、どういうやりとりがあったのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 これにつきましては、自衛隊の諸君にもそれだけの我慢をしてもらうわけでございますから、在日米軍につきましても、やはり特別協定に基づく基本的な枠は守らなければならないにしても、その中でさらに節約ができるんじゃないか、あるいはまた、施設の整備等についてもペースダウンをすることができるんじゃないかということで、施設庁と在日米軍との間で話をしまして、先般、アメリカに行きましたときも、こういう形で平成十年度の概算要求をしましたということの説明をして、一応理解をしていただいたというような状況でございます。

前原誠司民主党

○前原委員 それの額ですけれども、提供施設の整備というものについては確かに百五十二億円の減額になっているわけでございますけれども、労務費、光熱水料それから訓練移転費、これについてはほとんど下がっていないところか、合計すると上がっているわけですね。そういうことを考えるならば、特別協定に基づく減額というのはほとんどなされていない、あるいは手をつけられていないということを言わざるを得ないと思います。その点、本当にきっちりとアメリカとこの特別協定に基づいて議論されたのかどうか。  この特別協定を読ませていただきますと、「日本国は、この協定が効力を有する期間、労働者に対する次の給与の支払に要する経費の全部又は一部を負担する。」ということで、すべてを負担するということにはなっていないわけですね。ただ、当時のクリストファー国務長官と河野外務大臣の間で書簡というものが交わされて、その中で細かい規定というものがなされていって、そして、それの積み重ねをしていくと、ほぼ全額を負担するというような形になっているわけであります。  しかし、特別協定自体はこれは条約であって、これを見直すということになると、お互いの国の議会で議決が必要になる。条約変更というのが必要になりますけれども、河野外務大臣とクリストファー国務長官の間で交わされたこの書簡については、これは政治目標といいますか努力目標を規定しただけであって、これだけの財政事情が厳しい中で、もっとアメリカに対して、これは条約改正を必要としないわけでありますから、ホスト・ネーション・サポートをこの特別協定に基づいて額を削減をするというふうなことをこの書簡ベースでやらないと、結局具体的な額の変更にならないということなんですけれども、その点、本当にしっかり議論されたのでしょうか。外務大臣、いかがですか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 御指摘のように、特別協定につきましては、これは国会の承認を得てされることでございまして、その国際約束はきちんと守っていかなければならないということであります。今御指摘のように、クリストファー・河野書簡でこの約束を実行しようということになされておるわけでございます。  一方、御指摘のように、財政状況はまことに厳しいという状況でございますので、そういった点で、この国際約束を履行しないということにはなりません。したがいまして、今回、この点ではありませんけれども、先ほど防衛庁長官が御答弁されましたように、我が国の財政の厳しい状況を踏まえまして、駐留経費全般にわたりまして我が国の立場を説明をし、理解を求めておりまして、その結果、十年度予算概算要求になっておるものと理解しております。

前原誠司民主党

○前原委員 私が申し上げているのは、特別協定に基づいて外務大臣とアメリカの国務長官との間には書簡が交わされている。ここに具体的な記述が書いてあるわけですね。その根拠に基づいて、労務費とか光熱水料等あるいは訓練移転費の負担というものが出てきているわけです。ここについての議論というものを突っ込んでやられたのかどうかということを私は伺いたかったわけです。  この前提として、ちょっと順序が逆になりますけれども、私はホスト・ネーション・サポートを全く切っていいとはもちろん思っておりません。日米の安保条約というものの重要性をかんがみたときに、ある程度の経費負担をしてもいいということは、これは考えているところでございますけれども、後で御質問しますけれども、提供施設の整備なんというのは、これは法律の裏づけがないわけですよ。法律の裏づけがないところをやっている。しかも、これについては、書簡という条約、協定に依拠していないものについて、もっと削減できるはずなのに、そこの議論にまで突っ込んでいなくて、そして削減をしていない。そして、この点については、ある意味で聖域になってしまって、防衛費の数を合わせるために繰り延べはする、そして自衛隊の施策等訓練などの一般物件費というのは極めて圧縮をされるということが極めていびつではないかというところの問題点を指摘をさせていただいているわけです。  もう一度お伺いしますけれども、特別協定に基づいて書簡が交わされていますけれども、それに切り込んで、防衛費の削減のためにアメリカと交渉されたのかどうか、その点についてお聞かせいただきたい。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 先ほど申し上げましたように、特別協定、国際的な約束ということでございますので、したがいまして、それに基づいて書簡が双方交わされたわけでございまして、現段階で、この国際協定に基づいて行われた書簡そのものは、これは確かに国会の審議を得ているものではありませんけれども、一般的に言えば、そうした行為も含めまして政府としては責任を負っているという観点に立っておりますので、現時点ではアメリカ軍と、前に交わされた書簡にかんがみまして、そのことについて議論はいたしておりません。

前原誠司民主党

○前原委員 これについては議論をされていないということでありますが、違う観点から御質問いたしますけれども、この米軍の駐留経費負担の中で、提供施設の整備というのがございますね。さっき私が指摘をさせていただきましたように、これは特別協定にも依拠をしていないわけであります。昭和五十三年から始まっているという話をお伺いしておりますけれども、まさしく特別協定にも基づかない思いやり予算ということになっているわけです。全体、思いやり予算、狭い意味での思いやり予算ということになっているわけですね。これが、平成十年度百五十二億円減額をされているとはいえ、八百八十三億円あるということであります。法的な裏づけがないところに、これだけのお金をこれからも出し続けていく必要があるのかどうか。  それから、これについて全く不必要だ、つまりアメリカに対するサポートについて全く不必要だということは申し上げておりませんけれども、全体の防衛費もそれだけ厳しい状況の中で削っているのにもかかわらず、この点については手つかずになっている、あるいは法的な裏づけのないところまでまだまだ出し続けているということに対して、全体的な整合性が得られるのかどうかということを私は申し上げているわけです。  そして、この駐留経費の負担の中に、この間新聞に載っておりましたけれども、横浜にあるミルクプラントで、これは日本が提供している米軍の施設でございますけれども、ミルクをつくっていたけれども、余りおいしくないので売れ行きが悪くなって閉鎖をする、これも労働者分を日本が負担をしていた、こういうことなんですね。  ですから、全体の枠というものはあるでしょうけれども、一つ一つ個別の内容を吟味しながら、やはり私がここで申し上げたいことは、全体の防衛予算がこれだけ厳しい中で、この在日米軍の駐留経費、特に法律の裏づけのないようなところにまでこれだけの額を出し続けるということについて、私は少しバランスが失われているのではないかと思いますが、その点についての見解を伺いたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 今、法律の裏づけがないとおっしゃられましたけれども、この提供施設の整備につきましては、地位協定第二条第一項(a)に基づく施設及び区域の提供について、地位協定第二十四条第二項において、地位協定第二条に定めるすべての施設及び区域をこの協定の存続期間中合衆国に負担をかけないで提供すること、こういう規定が地位協定そのものにございますので、この規定に基づいて提供しなければならないわけでございます。  ただ、具体的な提供施設の整備につきましては、地位協定の範囲内で米側の希望を聴取しますけれども、安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的に勘案の上、個々の施設ごとに、我が国の自主的判断により措置してきているところでございます。だから、向こうが要望するものについては提供をしなければならないし、しかし、その中身について、これでなければいけない、向こうの要求どおりでないといかぬということにはならないわけでございますけれども、やはり提供の義務は我が国としては課せられているわけでございますから、そこのところはそれに基づいて従来からやってきている、それについて御理解いただきたいと思います。  そういうことで、今回は、我が国の自衛隊の隊員諸君にもこれだけの不便をかけるのだから、提供施設整備については、従来よりもペースダウンするとかいう形で節約について御協力願いたいということで話を米軍としてまいりまして、そして、今度のいわゆる十年度の概算要求のときにはこれをダウンした、下げたということでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 地位協定については、施設の提供ということは義務づけられていますけれども、整備の内容についての話を今しているわけであって、バランスの問題で言っているわけです。ですからさっき申し上げたように、これだけのお金をゼロにしろと言っているのではなくて、全体のバランスの中で、繰り延べもしたり、隊員施策が厳しい中でここの切り込み方というものが少ないのではないですかと。  しかも、先ほど外務大臣は、特別協定に基づいての書簡というものは、確かに条約ではないけれども、政治的な取り決めの中でそれを守ることに意義を見出してという御答弁をされました。私は、日本の安全保障全体を考えたときにも、日米安保が基軸であるのは、それは十分認識をしておりますけれども、防衛費を考えたときに、そのバランスの問題とかあるいはその切り込み方の問題とか、そういうところに対して、この日米間での取り決めにおける負担についても、アメリカに対して、日本の財政構造改革を図っていくという上で厳しい状況なんだ、ほかの予算はこうなんだ、そういう中でもっともっと私は、交渉をするというか、厳しい態度で臨んでもいいのではないかということで御質問をいたしました。  したがいまして、この点については、これから概算要求に基づいて予算編成がされるわけでありますので、十分自衛隊とこのアメリカの駐留経費というもののバランスを見ながらやってもらわないと、私はなかなか理解が得られない問題ではないかと思いますし、自衛隊の士気にもかかわってくる問題だということを十分念頭に置いていただきたいということを指摘させていただきたいと思います。  それでは、残り時間がちょっと少なくなってまいりましたので、残りの質問について御質問させていただきたいと思います。  財政構造改革ということで、もうちょっと防衛費について二、三お伺いをしたいわけでありますけれども、今後の問題についてお話をしたいと思います。  一つは、TMDの参加問題についてでございます。これは、先ほどの中期防等々の話で、全体の枠が減額をされていく中でこの問題についても今検討されているということでありますが、これの検討の進捗状況と、そしてこの財政構造再建というもの、三年間、集中改革期間で予算が抑えられる。さっきおっしゃったように、今決めてもその三年後にお金が出てくる話かもしれませんけれども、中期防についてもそれなりの減額があるという中で、私は、客観情勢というものがこの法律あるいは中期防の見直しによって変わったのではないかと思いますが、それを踏まえた上でのTMDの今の検討状況、今後の見通しについてお答えをいただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 今日の国際社会におきましては、大量破壊兵器とその運搬手段となり得る弾道ミサイルの拡散が進んでおりまして、また現実に、我が国周辺に弾道ミサイルを保有する国が存在しております。このような状況の中で、この弾道ミサイルの問題についてどう考えるかということは、我が国の防衛政策上も非常に大事な問題であるということは十分認識しております。  しかしながら、弾道ミサイル防衛の必要性についてあるいは効果について論じるには、まだまだ未解明な点がたくさんございますために、これまで三年間かかりましてアメリカと、アメリカがいろいろな知見を有しておりますから、そこの資料その他を得るということで研究を続けてきておるわけでございます。ある程度その研究も、一つの成果といいますか、三年間は三年間の成果は出ておりますけれども、まだまだ掘り下げて研究する必要があるということで、平成十年度においても八千二百万円の研究費を引き続き要求しているということでございます。  これがこれから先の中期防との関係でどうなってくるのかというお話でございますけれども、十二月の末までに中期防の見直しを今鋭意やっておりますけれども、その絡みでは、まだまだこの問題については引き続き来年もいわゆる研究を続けさせていただくということでございますので、まだ中期防にこの問題を具体的に取り上げるということにはなかなかならないのじゃないか、今の時点ではそう思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 もう一点、この防衛費に絡んだお話をさせていただきたいと思いますが、普天間飛行場の移転の話でございます。  まず、その前提として確認をさせていただきたい。一括してお答えをいただいたら結構でございますが、この財政構造改革の推進に関する特別措置法案の中に、SACO関連経費を除くという形で防衛費が書いてありますけれども、これは全く別枠というふうに認識をしていいのかどうか。これは、後の質問と一緒にお答えをいただきたいと思います。  そして、普天間のヘリポート移転の問題、名護市の沖合にということでございますけれども、今の動きを見ておりますと、住民投票が行われるという話になってきた。そしてまた、今まで沖縄の問題において中心的な役割をされてきた一人である吉元副知事が、副知事としては不承認という形に議会でなったという情勢の変化がございます。  そういう変化を踏まえて、このヘリポート移転についてどういう見通しをされているか、またどういうタイムスケジュールでこれからそれを進めようとされているのか、その点について、SACOの経費とあわせて御答弁いただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 SACOの最終報告を昨年十二月二日にまとめさせていただいたわけでございますけれども、それを受けまして、政府として閣議決定して、これは沖縄の基地の整理、統合、縮小を進める上でこれを確実に実施することが必要である、そのために政府としてはあらゆる面からこれに取り組んでいくという、そういうことをしたわけでございます。  これが確かに今、財政構造改革で厳しい改革を迫られておるわけでございますけれども、これは沖縄の方々にとっても、SACOの最終報告で取り上げられました整理、統合、縮小という、このために必要な事業についてはやはり確実にやっていかなければならないということをその後に閣議決定したばかりでございますから、今回の財政構造改革でいろいろなことをやっていくけれども、この問題については別だということを、その当時から沖縄の方も心配しておられましたし、我々としてもそれは別だと。  といいますのは、もう一つは、確実に実施しなければなりませんし、それと同時に、SACOの関係経費が現時点ではどれだけになるのかなかなかわからない、不分明である、そういう問題もございましたためにこれを入れて法律にするということはいささか問題であるということで別途にしていただいておりますから、これは、SACOの関連経費は除くということははっきりしているんじゃないかと思います。  それから、名護市における住民投票の問題、あるいはまた吉元副知事が先般議会で承認を得られなかったという問題、これは地方自治に関する問題でございますから私の方でこれにコメントすることはできませんけれども、私どもとしましては、いずれにしましても、SACOで最終報告をまとめますときに、現在の沖縄における普天間飛行場のあの機能を何らかの形で沖縄で維持しながらやっていかなければならないという、そういうせっぱ詰まった中で、総理自身が、撤去可能な海上施設ならばそれができるんじゃないかというような考えのもとに、クリントン大統領と交渉を行って、アメリカ側も、その機能が維持できるのならばそれで結構だということで合意したわけでございますから、私どもは、これにかわるようなすばらしい案がない限りは普天間の返還が実現できないわけでございますので、何としてでも、この問題については地元の理解を得た上で代替施設をつくって、しかも撤去可能な海上施設ということでこの代替施設をつくって、そして普天間の返還を実現したい。普天間飛行場移設対策本部の本部長にも私なっておりますので、そういう意味で、先ほど述べられましたような地元のいろいろな実情等がございまして、それがまたいろいろな意味で変化が出てきているのも事実でございますけれども、そういうようなことにもめげず、一生懸命頑張らなければいけないと思っておるところでございます。

前原誠司民主党

○前原委員 それでは防衛費はこれぐらいにいたしまして、次はODAの問題についてお話を変えさせていただきたいと思います。  多分すべての議員、地元に帰りましたらこういう質問を有権者の方からされるのかもしれません。なぜ、財政再建あるいは財政が厳しいと言われている状況の中で、これだけ海外に対して援助をするのか、外務大臣や総理が海外に行くたびに援助を持っていくし、発展途上国の大統領とか総理が来るたびに何か援助の話をしているような気がする、こういうことを言われているのは、多分私だけではないのだろうと思っております。  ただ、ODA自身は非常に私は重要だと思っておりますし、また後でその点には触れますけれども、ODAそのものは戦略的な観点からやはりやられなきゃいけないし、私は、国民というのは、ああ、こういう意味合いがあってODAというのはやられているのかということが見えないと、今申し上げたような、財政再建、日本の財政は厳しいのに何で海外に援助するのか、こういう考え方になるのではないかと思っております。  そこでひとつ、大蔵大臣あるいは外務大臣、御質問といいますか御提案をさせていただきたいわけでございますけれども、ODAの予算といいますと、何か純粋なODAだけの予算に限られているような気がするのですね。つまり、円借款とか無償援助とか技術援助とか、そういうものに限られているような気がいたします。私は、このODAの予算の中に日本国民に対する広報費みたいなものをやはり含めるべきではないかと思います。  例えば、ODAの現場からみたいな番組をつくって、そして日本でやっているODAがこういうふうに役に立っていますと。例えば中国の環境プロジェクトなら、日本に対して偏西風がこう飛んできて、そして酸性雨が降る、そういうものに対しての予防策としてこれはこうこうこういうふうに役立っていますとか、予算だけとってODAは必要なんだと言っても、なかなか国民には理解されない。そういう意味で、もっと視覚に訴えるようなコマーシャルといいますか、政府が行う番組とかあるいはテレビのコマーシャルなんかをある程度ゴールデンタイムなんかに借り切って、そしてそういうものを広報活動していく。そうすれば、全体のODAの枠からはちょっとその広報分は減るかもしれませんけれども、しかし、残りのODAについては極めて国民の理解が得られた上で行われるという気が私はしてなりません。  それについて、ぜひ私は大蔵大臣と外務大臣に御検討いただきたいと思いますけれども、それについての御所見をお伺いしたい。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 後ほど外務大臣からもお話があろうかと思います。  世界平和、世界人類の幸せのために平和国家を国是として掲げておる我が日本がやらなければならぬということで努力をしてきたところであります。それはそれとしても、理解度が薄いという御提案、ゴールデンタイム、そこまでいかぬでも、いいタイムで効率的なコマーシャルを、こういうことでありますが、一応やらさせていただいておるということであります。  ODA白書、立派なものですが、なかなか一般国民の方がなじみが薄いということをどうするか、今後の課題かと思います。年次報告の編集、各種パンフレットの作成、インターネット等々で行われておることは御承知のとおりでありますが、御指摘のように、わかりいいODAの情報公開、広報をさらに深めてほしい、こういうことであります。  広報費、内閣に直属いたしておりますが、限られた額の中で、本件に対する重要性にかんがみて努力をしろということについては検討をいたします。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 貴重な御提言でございますし、どの予算からこれを出すべきかということはなかなか難しいことでございますが、ぜひこれはやっていかなきゃならぬじゃないか。  最近、恐らく国民の皆さんも、ODAにつきまして歴年一兆円を超えるものが海外に援助されているという実態をかなり知ってきておりまして、そういった意味で、真に理解とタックスペイヤーの支援がなくしては今後ともこれを続けていくことはなかなか難しいのじゃないか。そういった点で、どうしても一般的なメディアに登場してまいりますのは、このODAに関しましての非効率的な配分とか、こういうものが指摘をされるわけです。全くこれはないとは言えませんけれども、ODAの重要性にかんがみまして、これはもっと国民に理解を求めていくことでなければならない、こう考えております。  確かにメディアの中でも、かなりこういった点について、いい番組を提供しながら理解が深まっている点もありますが、政府といいますか外務省といいますか、こういった点で国民の理解を求めるような方法をこれから考えていきたい、そういう意味でぜひ御協力もいただきたいと思っております。

前原誠司民主党

○前原委員 私が地元の有権者からそういう質問をいただいたときに、一つ例に出すのがパレスチナの援助なんですね。パレスチナというのはまだ国ではありません。暫定自治政府ということでありますけれども、私は、日本の先輩諸氏が極めていい判断をされて、パレスチナに対しては援助をされてきたと思います。  中東の和平というのは、一つのかぎは、やはりイスラエルとパレスチナ、この問題をどのように解決をするかということでありまして、要は、イスラエルとパレスチナ、そして今はエジプトそしてヨルダン、イスラエルと平和条約を結んでいる国、この枠を崩さずに、そしてどれだけその平和の配当というものを実感していただきながら和平へのプロセスを進めていくかということで、このパレスチナというのは核で、そしてランニングコストを出したり、いろんな援助を国でないのにやっているということについては、私は、これは極めて先見の明のあった援助だと思っています。  というのも、やはり中東というのは、我々、石油を大幅に依存をしているところでございまして、もしこの中東が極めて不安定になったときに、石油の値段が上がる、それに対して失われる経済活動の額というものはパレスチナに与える援助額以上、ゼロが幾つ加わるかわからないぐらいの大きな額だというふうに思っております。  そういう意味で、私は、このODAというのは、一つパレスチナの例をとっていつも地元ではお話をしますけれども、わかりやすく、そしてどういうふうに回り回って国民の役に立っているかということを常に説明をしながら、このごろアカウンタビリティー、説明責任ということが問われているわけでありますけれども、そういうことを明確にしながら行っていくべきだろうと思いますので、ぜひ今のような点は、真水の部分が仮に少し少なくなったとしても積極的に御検討いただければ、こういうふうに思っております。  そこで、今申し上げた戦略援助ということでございます。  確かに、日本国民のすべてのためにならないと援助をしないというのは、これはちょっと行き過ぎた考えかなと思っておりますし、やはり人道援助というものもあってしかるべきだろうと思っております。ただ、人道援助だけではなかなかわからないし、やはり戦略援助という観点も必要なんだと私思いますね。そういう意味で、日本のODAが戦略援助という観点に立っているのかどうか、そして、そういう目を外務省として、あるいはほかのODAを実施している省庁自体、政府全体として持っているのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 人道援助かあるいは戦略的な援助かということでございますが、これは一概に言い切れないんじゃないかと思います。我が国として、国際的に困った人たちを、またそうした国々を助けていくという意味からは、人道的な立場だろうと思います。  しかし翻って、そのことが我が国に対する評価というのを高めて、そして我が国が国家としてこれから進んでいくのに大きな役割を果たすという意味では、戦略的な意味もまことに高いんじゃないかと思いますから、それは両々相まってやっていくべきものだと考えております。

前原誠司民主党

○前原委員 今回の財政構造改革のODAについても、聖域にしないということで一〇%のカットということになっております。後でODAを聖域にしなかったことへの判断根拠というものをお伺いしたいわけでございますが、私がこれを見て気になりましたのは、二国間援助に比べて国際機関への拠出金の削減率が高い、こういうことでございます。  この委員会でも、調べておりますと、極めて多くの方がこのODAの問題、特に国際機関への拠出金の削減については異議を唱えておられます。国連環境基金だと四五%カット、世界食糧計画でございますと、これも四五%カツト、緒方貞子さんのおられます国連難民高等弁務官事務所、これについては三九%カットということで、この国際機関に対する拠出金のカットが二国間のカットよりも極めて削減率が高くなっている。これは一体どこにその理由があるのか、その点について理由をお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 二国間援助につきましては、実は、来年度概算要求の段階で外務省から提出しております数字につきましては、前年度減五百八十五億のうち四百四十三億はその数字でございますので、二国間につきましても厳しいカット率になっておるだろうと思っております。  そこで、御指摘のありましたように、国際機関への拠出でございますが、これも概算要求段階で三五プロから四五プロという高い削減率に相なっておるわけでございまして、そういった意味で、国際機関もかねて、最近の数字をとりますると、ほぼ例年我が国の拠出金が比率的に高まってきておるという中で今回は極めて厳しい率になっておりますので、それぞれの機関から今我が国に対して何とかできないかという大変強い要請を受けておるわけでございまして、概算要求段階ではそうした数字を出しておりますが、それぞれの機関におけるプライオリティーもさらに検討いたしまして、さらに復活ができないかどうか、これから検討してまいりたいと思っております。     〔野田(聖)委員長代理退席、委員長着席〕

前原誠司民主党

○前原委員 今大臣が最後におっしゃったように、こういう数字をあらかじめ出すことによって、いろいろ不満というものは出てくる。そういう中で、逆にそういう不満というものを何とかてこにして復活を図りたい、こういういろいろな思いがあっての額かもしれません。しかしながら、私は、二国間援助も減らされたということについてはある程度理解をしているわけでございますが、やはり二国間援助についてはもっともっと細かく見ていかなくてはいけない部分があるのではないかというふうに思っております。  この間、IPUでエジプトのカイロに私行かせていただきまして、そのカイロで行われました国際会議場、極めて立派な会議場でございました。その会議場はどこがつくったのかといったら、中国がつくっていたんですね。日本はインドネシアに次いで中国に対してODAを提供している二番目の供与国でありますけれども、その中国が、後で調べておりますと、エジプトのみならずほかの国々に対していろんな援助をやっているということなんですね。我々が援助をしている国が一切ほかの国に援助をしてはいけないとは、私はそこまでは申すつもりはありませんけれども、やはりああいうものを見ると、極めて立派なものを中国がエジプトに対して援助をしている、しかし、我々がこういう財政状況の厳しい中で中国に対して援助をしている、何か割り切れないものを感じたのは、これは私だけじゃないと思うのですね。  私は、この援助のあり方というのは、基準というものをやはりもっともっと厳しくしていかなきゃいけない、特に二国間においては。その一つの判断基準というのは、今申し上げた、我々が援助している国がほかの国に対してどれだけ援助をしているかということを日本政府として把握をして、また、あるいは判断基準を持ってされているのかどうか、この点は極めて重要なポイントだと私思うんですね。それについての判断基準があるのか、あるいは把握をされているのか、その点について、外務大臣、お答えをいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 正直申し上げて、私自身、今、日本を除くドナー国がどういうふうな種類の援助をしているか十分承知をいたしておりません。がしかし、御指摘にありましたように、それぞれの国々が日本と同じような気持ちで他の諸国に対しての援助を行うというその行ったものと我が国の援助と同様な項目である場合には、必ずしも適切じゃないんじゃないか。したがいまして、他国の問題も十分よく精査しまして、精査するといいますか、他国の援助の姿も勉強させていただきまして、我が国もより効率的な援助をそれぞれの国々になすべきだということは、御指摘のとおりだと思います。  したがいまして、今委員が御指摘をいたしたような点につきまして、日本としても、これから日本が行う援助につきましても、他の国とできれば、整合性あると言ってはなんですが、援助を受ける国々にとってよりよい姿になるように検討することは非常に大切なことではないかと率直に思います。

前原誠司民主党

○前原委員 もう一度重ねてお願いをいたしますけれども、外務大臣としては、御就任をされてまだ間もないということでございますけれども、大臣というよりは、むしろ外務省の援助の体制というところで私は問題提起をさせていただいているわけです。つまり、日本が援助をしている国がほかの国に対してどれだけ援助をしているかということをきっちり把握をしているかどうか、そして、それの比率というものが大体どれぐらいになっているのかどうか、あるいは額というものはどれぐらいになっているのかどうか。そして、やはりその国の予算というものの規模を見て、そして、ある一定程度の割合以上にほかの国に対して援助をしているというところに対しては、やはり我々は何らかの援助の判断を下さなきゃいけないと思うのですね。  ですから、前向きな検討をするということよりも、やはりそういうものをちゃんと判断をされることが前提だと思いますし、そして、我々が援助している国がどのぐらいの援助をしている、比率ですね、そこら辺も決めていただいて、そしてまた、その判断基準というものを我々も持つということが必要だと思いますけれども、それについて御検討いただけますでしょうか。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 たしかOECDあたりでも、いろいろこういう問題を取り上げておるんじゃないかと思います。  それぞれの国々は、それぞれの国の考え方がありまして、それこそ、他の国に対する援助につきましても、いろいろ戦略的なことも考えておられるでしょうし、あるいは人道的なことも考えておるんじゃないかと思います。  したがいまして、我が国といたしましても、そういった点も、他の国のことに関してとやかく申し上げる立場ではありませんけれども、日本の援助をより効率的にするために、この点については十分把握しておく必要があるんじゃないかというふうに考えております。

前原誠司民主党

○前原委員 私は、今のことはぜひ具体的に検討を進められることを望みますし、また、ある一定期間たちましたら、このことについてまた再びお尋ねをさせていただきたいと思います。  とにかく私が申し上げたかったのは、国民の税金で海外に対して支援をしている、そして、その支援の内容というものについて、一番初めにお話をしたように、きっちりとその内容について理解が得られるような広報活動というものを徹底していただくということ。そしてまた、その内容について国民が納得できないようなこと、つまり今申し上げたように、我々が援助している国がほかの国に対して、どれぐらいのレベルかわかりませんけれども、援助をしているということについては、私は、一般的に考えてなかなか国民の理解が得られないと思いますので、その二点については、大蔵大臣、外務大臣に対しまして、ぜひ具体的に検討を進められていくことをお願い申し上げたいと思います。  最後に一問、今の援助にあわせてお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、中国に対する援助でございます。  先ほどお話をいたしましたように、対中援助というのは、アジアにおいて、あるいは日本が行う援助において、インドネシアに次いで二番目という額でございます。この中国に対する援助というものが、果たして国民からどのように見られているのか。  例えば、今我々が議論をしておりますのは、日米防衛協力の指針の見直しということをやっております。これは特定の国を想定したものではないということについては、形としては、また外交上はそういうふうにとにかく言わなきゃいけないわけでございます。ただ、例えば中台の紛争に見られたようなこと、そしてまた核実験、今は停止をしておりますけれども、そういう国に対しても、対応として極めて甘かったという認識を私は持っております。  何か、ほかの国に対してもあるかもしれませんけれども、対中援助については額も多いし、しかも中国に対しての脅威論というものがある。それに対してどう認識するかは別といたしまして、その国に対して援助をしている、それも多額であるということについては、政府におかれましては相当説明をしていただかないと、私は国民の納得が得られないと思います。  そういう意味で、最後にお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思いますけれども、今後の中国に対する援助のあり方というものは、極めて厳密に、そしてまた国民に対してわかりやすいような判断基準のもとでやっていただくということが大切だと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党外務大臣

○小渕国務大臣 御指摘にありましたように、総額におきまして、過去インドネシアに次いで第二位を占めてきましたが、昨年第一位ということであります。隣国でありますし、これから発展をしていかなきゃならない地域でございますので、日本としてどういう形での援助が適切であるかどうかということにつきましては十分検討し、研究していかなきゃならぬ問題である、そういう認識はいたしております。

前原誠司民主党

○前原委員 終わります。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。  次に、藤田スミ君。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 日本共産党の藤田スミでございます。  私は、財政構造改革法案と農業の問題について質問をさせていただきたいと思います。  今、日本の食糧自給率はカロリーベースで四二%、そして穀物の自給率は三〇%です。人口五千万人以上の世界の国の中で、どこを探してもこんなに低いレベルの自給率の国はありません。一方では、二十一世紀は食糧難の世紀、こういうふうに言われておりまして、各国の自給率の向上は国際的な貢献ということにもつながる重要な課題であるとともに、日本の国民にとって何よりも切実な要求であります。  ところが、日本の農業の実態はどうなっているかということになりますと、これは九五年から九六年にかけての数字でありますが、農家は一年間で五万五千戸も減った、そして農業従事者は一年間で二十七万二千人も減少し、離農、そして高齢化が進んでいるのです。農業就業人口の中で四六・七%が六十五歳以上です。そういうような状態の中で、二十四万四千ヘクタールの耕作放棄地が出てきています。こういうふうに、日本の農業は、まさに構造的縮小の道を急ピッチで進んでいると言わなければならないわけであります。  他方、これまでの農政を振り返ってみますと、八一年に臨調行革路線が打ち出されて、農産物に対する価格対策はどんどん縮小されてきました。そして一方では、高い生産性農業を実現するには、つまり基盤整備だ、重点投資をすべきだという、これは財界からの提言もありまして、第三次土地改良事業は、前期の計画の実に二・五倍もふやされました。そしてまた、十年後の第四次土地改良事業計画が推進されています。農業公共事業のむだとか浪費とかそういうものは、そういう中でどんどん広がっていったわけであります。  その結果、日本の農林水産省の公共事業予算は九七年度予算で一兆九千六百四億円、そして農林水産予算全体の公共事業予算が占める割合は五四・六%。これはちなみに、八二年の三九・九%と比べましたら、一貫してふえ続けているわけであります。このように公共事業予算が農林水産予算の過半を占めているというのは、世界ではまさに日本だけではありませんか。  そして一方では、価格・所得関係費はどうかというと、私はきょう数字を求めておりますので、御報告をいただきたい。九四年度の日本、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカの価格・所得関係費の割合を聞かせてください。

堤英隆農林水産省大臣官房長

○堤政府委員 各国の農業関係予算に占めます価格・所得関係費の割合でございますけれども、各国の予算の範囲のとり方が違っておりますので一律には比較できない面もございますが、一定の前提を置きまして御指摘の一九九四年度の数値を申し上げますと、日本が九・五%であります。フランスが五六・八%、ドイツが五〇・九%、イギリスが六八・三%、アメリカが二八・九%でございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 お聞きのように、農林予算に占める価格・所得関係費の割合は世界で最も低く、しかも一方で公共事業予算が半分以上を占めているという、この世界に例のない農業予算のあり方を抜本的に見直して、食糧の自給率向上と日本農業の発展につながる農業政策、すなわち価格支持、所得補償を手厚くする農業予算に転換することが財政構造改革の重要な課題であることは言うまでもないわけであります。  しかし、財政構造改革法案は、二〇〇三年までの農林水産予算については、担い手に対して施策を集中するとともに、市場原理の一層の導入を進める、そして、そのために予算の重点化、効率化を図る、そして一方では、集中改革期間の三年間は主要食糧関係費を対前年度同額以下とする、超えないものとするという表現になっておりますが、そういうふうに決められているわけであります。  財政構造改革法案で打ち出されている問題は市場原理の一層の導入、これが日本の農業にどういう事態を招くかということは、現在、市場原理の導入を目的にして制定された食糧法のもとで米がどういう実態になっているか、そのことを見ればいかにも明らかじゃありませんか。九六年の政府米価格は、前年比百七十五円引き下げで一万六千二百十七円になります。この価格は、今から二十年も昔の価格よりもまだ低い価格になっているわけです。  ところが、ことしの自主流通米を見ましたら、一部銘柄以外はこの九月の取引では六十キロニ万円を大きく下回っているんです。銘柄によったら、北海道のゆきひかりが一万五千二百八十二円です。きらら三九七が一万五千六百八十八円、青森のむつほまれが一万六千百九円、滋賀の日本晴が一万六千百九十円、山口県の日本晴が一万五千七百九十一円です。  政府米よりも低い価格になって、新聞報道でも、山形の稲作専業農家は、この価格の下落で年間三百五十万円も収入が落ちた、北海道の農家では、六十キロ一万五千円が生活を守るデッドラインだ、そういうふうに言っているにもかかわらず、一万三千円しかことしは仮払金を受け取ることができないと。仮払金というのは仮払金、名前だけ読んだらそうなんですが、実際にほとんど変わらない、それが価格になっていくわけであります。わかっていただけますか。こういうような状態の中で、まさにもう稲作もやっていけないという悲鳴が出ています。  ところが、私が驚いたのは、この財政構造改革法案ではこうなっていますね。二十四条で、政府は、主要食糧関係費の額が前年度の当初予算における主要食糧関係費の額を上回らないようにすること、こういうことです。主要食糧関係費というのは、法案にも説明がありますように、「政府による主要食糧の買入れ、」「主要食糧の需給及び価格の安定を図るための措置」こういうことになっています。  この主要な経費の量的縮減目標に、何で農林水産省はこれが白羽の矢ということになったんですか。今こんなに米でみんなが困っているとき、なぜこういうことになったのかということを私はまず大臣に聞きたいんです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 初めから御質問にお答えするべく、あらかじめいただいた御意思もこれあり、私どもなりに誠実にお答えしょうと思ったんですが、今こうやってずっとしゃべられてしまうと答弁がいささかしにくいわけであります。  しかしながら、今藤田委員のおっしゃったことの中で、例えば、いわば各国との……(藤田(ス)委員「いや、各国のことは聞いていないんです。食糧関係費のことを言っているんです」と呼ぶ)いえ、まずあなたのおっしゃった、まず立論の前提でございますが、例えば各国……(藤田(ス)委員「委員長、質問にだけ答えるようにちょっとちゃんと言ってください。」と呼ぶ)いや、質問に答えるべく……(藤田(ス)委員「質問は、法案では、米がこんなになっているのに、何で主要十二項目の中の一つとして、農林水産省がよりによって、こういうことになったのかということを聞いているんです」と呼ぶ)

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 着席してください。指名していません。  農林大臣、どうぞ。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 例えば価格・所得関係費の割合等について最初御質問になって、日本の率だけが極端に低いという御指摘がありました。しかしながら、これはそれなりにそれぞれの国々の事情もあるわけでございまして、ここにおられるほかの委員の方にも知っていただきたいのでちょっと申し上げたいのですが、例えばEUの場合には、共通の農業政策の柱となっているためにこれだけのいわば価格・所得関係費が大きな割合を占めている。アメリカの場合には、御承知の、消費者対策としてフードスタンプ等をいわば恵まれない方々に特に集中的にこれをお配りしているということがありまして、これが農業予算の大宗を占めている、こういう例えば実情があるわけであります。  また、基盤整備にだけ予算がたくさん使われる……(藤田(ス)委員「質問にだけ答えてください、後でまた尋ねますから。委員長、指名してください」と呼ぶ)

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 質問者は答弁を少し聞きなさい。  はい、どうぞ。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 御質問があらかじめあって、それに対して私も誠実にお答えするべく準備をしてあります。したがって、それを全部羅列をされて、それでそちらなりの解釈に立って、これはゆがんでいるということを言われて話の答えだけを求められても、実はこちらも困るわけであります。  そこで申し上げたいのですが、例えば基盤整備一つとりましても、私は、ほかの国々との、例えば農家二戸当たりの農地面積を調べてみました。我が国の二戸当たりの農地面積は一・五ヘクタールでございます。しかしながら、ほかの国々は比較になりません。例えば、ドイツは十九倍、あるいはフランスは二十三倍、イギリスは実に四十五倍でございます。そしてアメリカは百三十倍。こういうものと対抗し、農業に手厚い保護をきちっとしていくためには、やはりそれ相応の基盤整備に力を入れていかざるを得ないということをまず御承知おきいただきたいと思います。  いろいろ御質問がありますけれども、これは多分野にわたっておりますので、一つ一つお答えさせていただきたいと思います。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 私の質問に全く答えていません。  私が聞いたのは、米価がこんなに下落をしてしまって、もうやっていけないという状態になっているのに、どうしてよりによって、量的縮減ですか、量的縮減目標の中に、この項目に主要食糧関係費というのを当てたのか、何でここに白羽の矢を立てたのか、そこを知りたいわけです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 農業の厳しい環境は重々承知をしておりますし、だからこそ私は喜んでこの仕事に取り組ませていただいておりますが、例えば中小企業問題におきましても、あるいはエネルギー問題にいたしましても、一切聖域なしにそれぞれにきちんとした対応をするということがまず基本にあるわけであります。  そして、お米につきましては、御承知のように、平成六年から、一〇九、一〇二、一〇五、一〇二とこうきておりますが、既に大変ないわば予定を上回る政府米の過剰の状態、自主流通米においても同じくであります。これにミニマムアクセス米を加えますと大変な量に及ぶわけでありますが、これ自身も実は、地域によってはお米しか、稲作しかできない、もはや、もっと多角的にいろいろなものを転作もしたいけれども、するにできない、この実情を打開してほしいという御要望があり、それに沿って我々はいろいろな土地改良事業を行っているところであります。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 まだ私の言っていることに答えられない。  米価の下落でどういう影響が出たか。全国で二千三百億ぐらいの被害と言うたら、でも、やはり下落をしたことによる被害が出ているのです。それに対して、主要食糧関係費は二千六百九十二億ですから、だから私は、この法律に明記されていることからいったら、来年はことしの予算を上回ってはならない、こういう立場ですから、これではもう対応できないじゃないか。  しかも、ここには「価格の安定を図るための措置」、こうなっているのに、どうしてそれが出動されないのか。今まさにこういう「価格の安定を図るための措置」が出動されなければならないときに、よりによって、ほかにも農林水産予算で削るべきところがあるのに、何でここへいくのか、そこがわからない。私は、あと基盤整備のことも言いたいことがありますが、そういうことを聞いているのです。  委員長、私は答えられないと思うから、その次の質問に入ります。答えられるのだったら答えてください、私の言っていることに。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 御存じのとおり、米は極端な過剰状態にあります。米の政府買い入れ価格につきましては、食糧法のもとで、自主流通米が制度的にも実態的にももう米流通の主体になったことを踏まえ、自主流通米の価格動向を反映させるほか、生産コスト等を参酌し、米穀の再生産を確保するために我々は努力をしているところであります。  したがいまして、現在、米が過剰な状態にあり、確かに自主流通米の価格が大きく下回っていることは重々承知をいたしておりますが、これらの対応に今いろいろな検討を進めているところであります。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 大臣、まともにやはり答えられていない。  米が過剰になったことは知っていますよ。しかし、生産者は、減反率、減反目標の一〇〇%をもうちゃんと達成しているんです。それだったら、おてんとうさんが悪いということになるじゃありませんか。しかも一方ではミニマムアクセス米が入っている。こういうことで、私は、今の米の市場原理というものを新食糧法に取り入れてやってきた、ここにまさにその結果がよく出ているということを言いたいわけであります。  一般紙を見ましても、この事態を招いた原因は、二年前に施行された食糧法による市場原理がきき過ぎというふうに指摘をしています。市場原理を押しつけられた米でこれだけ問題が深刻化し、そして市場原理万能論が明確に破綻をしているにもかかわらず、それでもそういう市場原理を今度は財政構造改革法ということで推し進めていくとすれば、日本の農業に悪影響を及ぼすことは明らかではありませんか。それでも、市場原理の一層の導入、そういうことになるわけですか。

堤英隆農林水産省大臣官房長

○堤政府委員 日本の抱えております農産物につきましては、今御指摘のように価格支持政策をいろいろやっております。その価格支持政策につきましては、当然ながら農家経営の安定ということを私どもとしても第一義的に考えながら対応しているところでございますが、ただ、その価格支持の負担が国民の税金あるいは消費者の御負担ということでございますので、その面への配慮もしながらやはりやっていかなきゃならない、そこにこの価格制度の運営の難しさがあるというふうに思っております。  その際、行政的あるいは人為的に支えていくということだけではやはり実態からかけ離れていくということは、かの食管法の場合もそうでございました。そういう意味で、できるだけ農家経営の安定への配慮ということもしながらも、市場原理の導入あるいは市場実勢、銘柄評価、そういうこともやはり心に置きながら価格運営をしていくということであろうと思います。  そういう意味で、従来から農産物価格制度につきましても運営をしてきておりますし、この財革法二十三条におきましても、市場原理の導入という言葉が書いてございますけれども、農林水産省として、そういった農家経営の安定ということと国民の御負担、そちらの面と両方のことを考えながら、この財革法二十三条におきましても、こういうふうな形で書かれているというふうに理解をいたしております。(発言する者あり)

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 それは全く医薬品とは違いますよ。農産物というのは、これはもう自然条件にも支削される。そしてまた、先ほど大臣御自身がおっしゃったように、まさに農地面積でもこれだけの大きな土地条件の違いがある。  それぞれの国がそれぞれの国の条件のもとで農業をやっていけるようにするために、そのための基本は、価格が乱高下して不安定にならないようにするために価格支持対策をとって、そのことによって安定した営農の保障をしていく、これが農政の一番のベースにあるから、ずっと自給率はよその国は高いし、それからこれだけ、先ほど御紹介したような割合も出しているわけであります。  国民の負担といいますが、最近の世論調査でも、米などの基本食糧については外国産より国内でつくる方がよい、こう答えた人が八三・四%に上っております。そして、それはまさに国民の切実な願いでありますから、国民負担というような言いわけは全く通用しません。  しかも私は、もうずっとこの間、臨調行革路線のもとでこういう政策が進められてきた、そうして、その進められてきた路線の中で日本の農業がどうなってきたかということを見ていけば、非常によくわかると思う。臨調行革は、「国際化の進展の下で需要に即した農業生産の再編成を行うとともに、生産性向上を図り、内外価格差を縮小し、産業として自立し得る農業を確立することが重要である。」こういう方針を出されて、農産物価格の行政価格の引き下げがずうっと進められてきた。その結果、農産物価格の行政価格は軒並みに引き下げられ、そして農業関係予算に占めるその算も、九五年と八〇年と比較したら、実に三分の一になってしまっています。それで、一体農業は本当に自立したのか。そうじゃないわけです。食糧自給率はこの間一〇%落ち込んでいますし、農家数は百万戸減っています。でして、さっき紹介したような構造的縮小になつてきているんです。これが十六年間の臨調行革で進められた産業として自立し得る農業の姿なんですか。私はそこが聞きたいのです。

堤英隆農林水産省大臣官房長

○堤政府委員 食糧自給率の話もございましたけれども、結局、油脂でありますとか乳製品でありますとか、食生活の大きな変化ということがございまして、どうしても国内では生産ができませんえさでありますとか、あるいは乳製品関係の原料でありますとか、あるいは麦でありますとか、そういったものはある程度輸入していかなければならない。要するに、食生活の大きな変化ということの中で自給率の低下ということが起こっているという事実は御認識をいただきたいと思います。ただ、私どもとしましても、手をこまねいて見ているわけじゃございませんで、自給率の向上ということにつきまして、あるいは維持ということにつきまして、さまざまな意味での生産対策等も講じてきているということでございます。  そういう中で、もう一点ございましたように、国民の世論調査によりましても、国民の方々が、ある程度価格は高くても国内の農産物に依存したいというセンサスがあることも、私ども承知いたしております。ただしかし、その場合におきましても、何倍もするような価格差であってもいいということではございませんで、ある程度国民の皆さんが納得していただけるような価格差ということでなければ、企業も含めまして、それから消費者の方も含めまして、国産物を使っていただくということにはやはりおのずから限度がある。そういう状況の中で、従来の政策につきましては、産業としての育成ということと同時に、やはり生産性の向上、コストダウンということにつきまして、いろいろと農家の方々にも御努力をお願いをしてきたという経緯がございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 全く答えになっていないのです。もう本当にこれは素人の質問ですよ。私は、この十六年間、臨調行革で進められてきたこういう農政のもとで、今日この姿が産業として自立し得る農業の姿なのかということをお尋ねしているのに、先ほどから弁解ばかりしていらっしゃる。どこの国でも食糧自給率を引き上げるために手厚い価格対策や所得補償を行って農業生産に意欲を与えてきたということを私先ほども申しましたけれども、それを逆に引き下げてきたわけですから、農業生産の意欲が薄れて後継者難もつくってしまった、こんなことはもう当たり前のことなんです。そして、こういう状態の中で、法案を受けて市場原理の導入が進み、農業者を苦しめている農産物価格の引き下げがさらに徹底されていけば、それはもう日本農業全体に深刻な打撃を与えるということになるわけであります。  そこで、私は質問をいたしますが、この財政構造改革法案というのは、二〇〇三年までの農林水産省予算について、担い手に対して施策を集中するとしています。これは、新政策の達成に向けて、農林水産予算全体、総体で取り組む、そういうことを定めたということになりませんか。

堤英隆農林水産省大臣官房長

○堤政府委員 農林水産予算全体につきましては、先ほども御指摘ございましたように、いろいろな経費でもって構成されております。公共事業でありますとか主要食糧関係費、それから社会保障、科学技術関係、ODA関係、そういう形の中で、それぞれキャップ制といいますか縮減目標がございますので、その中で私どもとしては対応していかなければならないというふうに思いますが、そういう意味では、財政の非常に厳しい状況でございますので、従来以上にやはり効率的な、あるいはめり張りのきいた予算編成に心がけて、新農政等で目指しておりますような方向での努力を一段と重ねなければならない、こういうふうに理解をいたしております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 それでだんだんはっきりしてきました。  新政策というのは二〇〇〇年には、これは当時の計算ですが、二百五十七万戸の稲作農家を十五万戸程度の個別経営体、そして二万程度の組織経営体、稲作生産の八割程度にするという描き方をしています。  そうすると、結局そういう方向に向けて集中改革期間を使って予算総体で進めていくということになったら、これはもう農民にとってリストラなんです。農家のリストラなんです。そして、市場原理の導入によって日本農業全体に打撃が与えられてくる。こういうことであっても、大臣は、農業の構造的縮小に歯どめをかけ、食糧の自給率向上を行うことができるというふうに考えているのかどうか。これはもうどうしても大臣に。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 私どもは、構造的縮小でなくて構造的前進を図りたい、将来に向かってやはり国際的な流れの中でも自立し得るような農業に置きかえていきたい、そういうことを考えておるわけでございます。  また、例えば米の問題が今主題になっておりますが、ついこの間は御承知のでん粉やサトウキビ等の価格がありました。あるいはまた肉についても、あるいはその他のものについてもすべて、例えば安定帯価格制度とか安定指標価格制度とか、それぞれこれらの業がみんな成り立つような配慮をしてあります。  そして同時に、私は東京の人間でありますが、中小零細企業者自身でも、もう本当に厳しい中でやはり一生懸命闘っているわけですから、そういう方たちの御理解も得られる農政でなければ、農業者自身に自信と誇りが持てないのだろうと私は思います。  私どもは、将来に向かって誠実にこれらに対応して、農家が将来的に希望を持って仕事ができるようにこれからも最善を尽くしてまいりたい、こう考えています。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 大変残念です。ちっともわかってくださらない。  工業と農業とは違うのです。そして、日本の土地の狭さというのはどうしようもないのです。この土地条件はどうしようもない。気候もどうしようもない。そういう中で、この国が農業を成り立つようにしようということになればどうしたらいいか、それを考えるのが政治というものじゃありませんか。  ところが、あなた方はそういう理屈でやってきたから今日このような大変な状態が出てきた。それでもなおかつ、生産規模を拡大していけば、生産性の高い農業に進めていけばということで、実はこれまで公共投資に大変なお金を注いできました。さっきも紹介したように、農業予算の半分以上をそっちへ持っていった。しかし、それにもかかわらず自給率は低下し、農村の方はもう離農がずっと出てくる、高齢化が進む。本当に財政構造改革と言うなら、今日本の農業は二十一世紀に向かって一体何をすべきか、そのことを真剣に考えるのが政治というものじゃありませんか。  そして、それを考えるなら、ウルグアイ・ラウンド対策だといって、実はこれまでの農産物の輸入自由化の対策とはまるで違って、そういう価格の対策だとか農家の暮らしを支える支援というものを抜いて、公共事業にずっと傾く、大半はそこ。残っているのは融資事業七千七百億だけですよ、六兆百億の中で。  こういうことをやって、仮に立派な、あなた方がおっしゃるように大きな農地ができたとしましょう。しかし、そこに入ってくる人がなかったらどうにもならないのです。北海道では集団離農、二十ヘクタール、三十ヘクタールつくっているような農家が集団離農している、そういう状態になっているんです。  私は、大臣が東京の人ということを知っています。私も大阪の人です。だけれども、私は消費者ですから、生産地に行ってその現場を見たときに、これはたまらないと。これは生産者の問題じゃなしに、まさに私たち消費者の問題、国民全体の問題という認識があるから、私は、今度の構造改革法案のあり方が間違っている。  私は、農林予算を組むならそのあり方を考え直せということをこれまでずうっと主張してきました。あなたは東京の人として、そして消費者として、将来の子供たちの未来を考えて、真剣にもう一度答えてください。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○島村国務大臣 委員の御質問をあらかじめいただいたときに、さすがに農政に長くかかわってきた方だなと、私はむしろ敬意を覚えました。  しかしながら、肝心の私が答弁申し上げる段階になりましたら、いろいろなお話が一遍に出てきてしまって、どこに主眼があるのかわかりにくくなったために、いささか混乱したことは私も残念に思っております。  ただ、先ほど私があえて、御質問から少しはみ出した感じになったかもしれませんが、我が国の一戸当たりの土地の極端な狭さ、これを申し上げたのは、だとすれば、いかにしてその狭い条件の中で消費者の皆さんも理解していただけるような効率のいい農業を確立することをやれるか。そうとなれば当然、農道の整備も必要ですし、かんがい排水の事業を行って、いわば稲作以外のいろいろな転作も可能にしなきゃいけませんし、圃場の整備やあるいは集落排水事業等を進めなきゃならない。そのための出費を、これをむだなお金を使っていると受けとめるのは、これは私は考え違いだと思います。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 私はきょう農道の問題も、ウルグアイ・ラウンドの公共事業問題として細かく質問をする準備をしていたのです。ところが、大臣が全く余計なことを言ってまともに答えられないから、私はもう全くこれは質問半分、おまけに厚生大臣にお願いして、大変失礼な思いをさせているわけであります。  大蔵大臣、私ははっきり言って、財政法の二十九条「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」、ウルグアイ・ラウンド対策というのは補正予算で組み続けるということで一体説得力があるかということを、実はこの二十九条をにらみ合わせながらさんざん考えました。そして、おかしいと。ウルグアイ・ラウンド対策が組まれた九四年十月の閣議了解の後ということなら、まあ百歩譲りましょう。しかし、予算作成後に生じた事由がない九五年以降は、当初予算で当然やるべきことをずうっと、九五年は景気対策の追加でやったと説明されるでしょうが、しかし九六年はそういうものもない中で、財政法、大臣がしょっちゅう言われる、補正予算の計上は緊急性の高いものに限ってと、いわばそれが原則なんだというふうに言っていらっしゃることにも反した組み方をしてきたということについて、全く疑問を持っています。  同時に、農道の問題も、実はこれがウルグアイ・ラウンド対策のトップなんです。そのトップの農道事業対策というのは、実に補正予算率九三・四%に至っているわけであります。効率化あるいは重点化と言いながら、全く効率化し、ゼネコンに重点を置いているのか、自分たちはウルグアイ・ラウンド対策、ちっとも実感がない、こういう生産者の声があるということを私は御紹介し、最後に大蔵大臣の御答弁を聞いて、終わりたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 農業は国の基幹産業の一つであります。よき伝統と文化がそこに根づいておるわけでございますから、担い手対策、後継者対策は農水省も基本に据えるものと存じます。  さて、補正予算等を交えた財政法の二十九条のお話でございます。二十九条は、かねがね申し上げておりますとおり、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補う」場合、二点目として、御説明いただきましたとおり、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」を行う場合、これに限られておるところでございます。  今般、財政構造改革法案に基づき強力に推進するに当たりまして、財政法二十九条の原則はしつかりと守っていかなければなりませんし、厳正に対処をしてまいります。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 今の問題は非常に重要な問題ですので、また落ちついてもう一回取り上げていきたいというふうに思いますけれども、いずれにしても、公共事業に重点を置いたそういう重点化ではなしに、まさに、農業を続けたい人、やりたい人はみんな農業の大事な担い手なんだという観点で、価格支持だとか所得補償だとか、そういうことを真剣に考えていかないと、あのときの政治家は何をしていたというふうに必ずなりますよ。取り返しのつかないことになる。そのことは、せんだってのあの米凶作のときに私は嫌というほど思いましたよ。そういうことを真剣に考えるべきだ。  そして、この財政構造改革法案は、まさに的外れの、しかも農業破壊の法案でありますので、それは撤回するべきだということを申し上げ、もう一度厚生大臣に失礼をおわびをしまして、終わらせていただきます。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。  次に、濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 きょうは、防衛関係と地方分権に関する部分について質問させていただきたいと思います。  現在審議をしておりますこの法案の中で、集中改革期間中の防衛関係費は対前年度額よりも下げるということを記述されております。冷戦終結後、欧米各国では歴史的な兵力削減、軍縮に取り組んでおります。日本も、おくれながら、財政再建の名のもとに、防衛関係費の削減に取り組むようになったという事実がこれを示しているというふうに私は思います。  これを受けて、年末には、平成七年度価格で総額二十五兆一千五百億円を限度とした中期防衛力整備計画、平成八年度から平成十二年度になっておりますが、残り期間の物件費総額約九兆二千億円の一割に相当する額、九千二百億円となるわけですが、当然、いわゆる減額修正することになったと思います。防衛庁長官にお聞きをしますが、主要装備の整備規模縮小の作業がどこまで進んでいるのか、明りかにしていただきたいと思います。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 御承知のとおり、この中期防衛力整備計画は、安全保障会議にかけて、閣議にかりて、その議を経て決定されるものでございます。今、防衛庁内に検討委員会をつくりまして、九千二百億円をどういう形で削減するか、その作業を行っているところでございますが、これから先、てのような会議等の議を経ながらやっていくということで、今慎重にその内容を詰めておるところでございまして、現時点で、何をどういうふうにということをまだ確定しているわけではございません。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 その部分について、期目的にどれぐらいをめどに明らかにできるということは、まだ長官としては言えないということでしょうか。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 今申しましたように、安全保障会議等の議を経ながら決めていくわけでございまして、これには当然財政当局も入って、大蔵大臣も入っておられるわけでございますし、また外務大臣等も入っておられるわけでございます。  そういうようなことで最終的に決まるわけでございまして、今、防衛庁が仮にいろいろな各幕から聞きまして、こういう形でやろうということを決めましても、それが変わることがあるわけでございまして、そういうような意味で、この防衛力整備計画について、現時点で何をどういうふうにというようなことについて申し上げることはできないということでございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 社会民主党は、この部分については大きな関心を持って見詰めているということを表明をしておきたいというふうに思います。二点目ですが、いわゆる「平成八年度以降に係る防衛計画の大綱」の中に記述されているように、防衛力の合理化、効率化、コンパクト化、これを一層進めるためには、私たちは、三つぐらいのポイントがあるというふうに思っているわけでございます。  一点目は、施設整備費などの抑制により、一般物件費を削減していくということ。二点目に、平成九年度予算で計上された新規正側装備調達そして後方分野の契約のうち、いまだ矢約していない分の契約を凍結し、平成十年度以降の負担となる歳出化経費の増大を防ぐということ。そして平成十年度以降の予算編成で新規正面衣備調達、後方分野調達の計上を極力抑制して、後年度負担となる歳出化経費を削減するというような方向性、特に正面装備は導入後もその維持に多くの経費がかかるために、この契約を極力抑えるべきだということを主張したいと思います。  第三に、定数の問題ですが、陸上自衛隊の常備自衛官定数が十四万五千人であるということ、そしてまた陸上自衛隊のとの充足率の低さなどを踏まえて、新規自衛官の採用数、特に幹部候補生の採用を抑制して人件費や糧食費等の増加を防ぐべきではないか、このような三点ほどの見解を持っているわけでございますが、長官の御見解はいかがでしょうか。

久間章生自由民主党

○久間国務大臣 二年前に、村山内閣のときに防衛計画の大綱を決めていただいたわけでございます。その中で、今おっしゃられましたように、防衛力の合理化、効率化、コンパクト化というものを確かにうたっております。しかし、これについて一つ御理解していただきたいのですけれども、合理化、コンパクト化を図っていこうといたしますと、どうしてもある程度、例えば師団を旅団にする、そういう方向でいくわけでございますが、そういう意味では、規模は小さくなりますけれども、それだけに効率化するために近代的ないろいろな機能を備えた部隊にしなければならない、そういう点がございます。  そうしますと、その部分についてはやはり正面装備にある程度のウエートがかかってくるわけで、より近代的なものを備えなければならないという一面もありまして、そういうものと相まっての合理化、効率化、コンパクト化というのは図っていくわけでございますので、やはりその辺をにらみながら、短期的になかなかすぐにはできないので、師団を旅団にしていく、それも時間をかげながらある程度計画的にやっていくということで従来やってきたわけでございます。これから先もやっていくつもりでございます。そういう中で、今おっしゃられましたようなことについても極力私どもとしても努めていこうと思います。ただ、平成九年度の予算の新規契約を凍結してとお話しになりましたけれども、これは先般、三月の末で予算が成立して四月から実行されているわけでございます。その予算を編成して、しかも国会にかけて、国会の、院でこれは必要だということで御承認をいただいて予算を実行しておるわけでございますから、これを凍結するというわけにはまいらないので、むしろそういうような意味では、平成十年度以降の概算要求の段階でその新規契約を減らすことによって後年度負担を減らす、そういう努力をすべきじゃないかということで、概算要求を出しますときにもそういうような配慮はいたしておるつもりでございます。したがいまして、そういうような配慮の中で、後年度負担がふえないような努力もしながらやっていこうと思っております。  ただ、施設整備費などを抑制すると簡単におっしゃられますけれども、これもやはり隊員の士気等にも影響をすることでございまして、現在の隊員の士気に影響をしない、そういうようなことの中で工夫をして、また優先順位を考えながらやっておるというところでございますので、そういう中で、この九千二百億を縮減するという中期防の達成のやり方、それからまた、来年度以降の各年度におけるこの法律の掲げております目的をいかにして達成していくか、そういうことをこれから先努力していこうと思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 国民の生活にかかわるいろいろな部分、防衛、これは大事です、国を守るということは大事ですが、やはり日常的な生活にどれだけさまざまな経費を使っているかということとのバランスといいますか、そういうものも当然財政当局とお考えの上に、今の方向性というものをやっていただきたいというふうに思います。  大蔵大臣に、簡単な質問ですが、さらなる防衛費の削減といいますか、縮小の必要性、いかがお考えか、御見解をお聞きします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 先般の閣議決定、財政構造改革の推進についてにおきまして、集中期間中は一切の聖域なしで歳出の改革と縮減を進めることを決定いたしておるところであります。  防衛関係費につきましても、現下の危機的な財政事情のもと、この閣議決定に沿いまして、あらゆる経費の節減努力を行い、厳しく抑制していくべきものと考えております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 その方向で頑張っていただきたいと思います。  時間がございませんので、次の質問に行きたいと思います。  大蔵大臣と自治大臣にお伺いしたいと思うのですが、地方財政の健全化については、過去の歴史の中で歴代の大蔵大臣は、地方交付税は地方公共団体の固有財源であるというふうに答弁をされておられると認識しておりますが、その点については今も変わらないのでしょうか。変わりませんねということを確認したいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁以来、歴代大蔵大臣が答弁を申し上げておりますように、地方交付税については、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、そういう意味において固有の財源と言っても差し支えないものと考えております。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 国税五税の一定割合とされております地方交付税は、いわば国が地方にかわって徴収する地方税というべきものでございまして、地方公共団体の固有の財源と認識いたしております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 大蔵大臣にお聞きいたします。  大臣の諮問機関であります財政制度審議会で、財政の中長期的な課題を論議する財政構造改革特別部会を設置し、地方財政について検討するとの報道を見たのですが、どのような検討をされようと意図されているのか、お尋ねいたします。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 財政制度審議会財政構造改革特別部会におきまして、昨年十二月、財政の果たすべき役割や守備範囲の見直し、財政健全化に取り組むに当たりましての目標についての最終報告を取りまとめ、財政構造改革の方向を示したわけでございます。本年は、財政構造改革について議論をさらに深めますため、当面、来年の六月ごろまでを目標に社会保障、公共投資、地方財政等の分野の問題について中期的な観点から議論を行っていくことといたしております。  地方財政については年明け以降審議を予定しておりますが、テーマ等の詳細については現在未定でございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 自治大臣にお尋ねします。  現在の地方交付税は多額の借入金によってその総額を確保している状況でございます。とても一般会計からの繰り入れを論議できるような状況ではないと考えておりますが、いかがでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 お答えいたします。  国税五税の一定割合でございます地方交付税は、地方公共団体の固有の財源であることは先ほど申し上げました。また、地方交付税は国と地方の財源配分そのものでございまして、地方の歳入でございますので、たびたび答えておりますが、国の他の歳出と同列に論ぜられるものではない、このように理解をいたしております。  また地方財政は、平成六年度以降引き続き巨額の財源不足となるなど極めて厳しい状況にございます。地方交付税の原資もこのところ不足していることは御案内のとおりでございまして、平成六年度から急激にこれは大きくなっておるわけでございますが、四兆円から五兆五千億の幅で財源不足が毎年ある。このような状況のもとでございますので、足らざるところは借金に頼らなければなりません。しかも、今地方の財政状況は、国の財政が国債に依存しております以上は補助事業の足りない分は借金でございます、地方負担分。また単独事業、これも財源措置をしなければならない。こういう状況でございますから、一般会計から交付税特別会計に繰り入れるべき交付税の額の抑制などは到底考えられないものと理解をいたしております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 次ですが、自治大臣と大蔵大臣にお尋ねします。  財政構造改革会議に示されたいわゆる「国及び地方の財政健全化目標について 財政赤字のGDP比」という部分で、国の財政赤字を一・九%程度、地方の一般歳出を一・一%程度とするようになっております。しかし、地方の財政は国の財政運営の影響を強く受けるものでありますので、GDPや税の影響を受けるというのはそのとおりだと私は思います。これは国と地方、それぞれの目標という性格のものではないんではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 平成九年度における国、地方合わせた財政赤字は五・四%、御案内のとおりでございます。地方分は二・二%でございます。地方は財政赤字を現在の半分の、御指摘のように一・一%に圧縮することを目安といたしておるわけでございます。  御指摘のとおり、この数値は地方にとって義務的なシェアとなるものではないと私は理解をいたしておるわけでございます。分母となる国内総生産自体が、我が国の経済動向の影響を大きく受けること、いま一つは、国税、地方税それぞれの税収動向に大きく左右されることなどの変動要素があるからでございます。  数値はそのような御理解をいただきたいと存じますが、財政構造改革、私たちの世代でぜひともこれはやり遂げなければならない、次世代に残してはならない重要課題でございまして、国及び地方の財政赤字GDP比三%以下という国、地方を通じたこの目的というものは、達成をするために全力を挙げていかなければならないと理解をいたしております。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 国と地方は車の両輪であります。そういう中で、一体となりまして財政赤字の縮小に向けて努力をしなければなりません。国もやり抜きます。地方もむだを省き、スリムな地方自治体を目指して努力することは当然のことであります。  国が一・九、地方一・一というのは、先般も申し上げましたが、比例案分による試算でございまして、おのおの別個の目標ではございません。そういう中において、地方団体は国に呼応し及び並行して財政構造改革に努めまして、「その財政の自主的かつ自立的な健全化を図るもの」と三十九条で明示をいたしております。  地財計画における地方の一般歳出を十年度については対前年比マイナスとし、さらに、こうした地方財政計画は各地方自治団体の予算に反映され、これを通じて地方の財政赤字が縮減されていくものと考えておるところであります。  いずれにいたしましても、健全化目標の達成は容易な道のりではございませんけれども、後世代のためにやり抜いていかなければなりませんし、集中元年という、国民各位がその一点を見ておられるわけでございますし、政党各党の代表者の質問も、果たしてそれができ得るのか、できないのではないのかという論議が本日も交わされました。やり抜いてまいることによって後世世代とのギャップを埋めまして、我が国経済が立ち直り、冬来りなば春遠からじという、この言葉をまた申し上げさせていただきますが、太陽のさんさんとして万物が生々する、その時期の到来を期待し、頑張っていかなければなりません。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 大臣の得意な部分が最後に出てまいりましたけれども、そのようなお言葉のとおりになれる日が近づくように頑張らなくてはいけないと思いますね。  次ですが、地方分権委員会の勧告において、補助金削減計画の策定が提言をされております。今論議をしております財政構造改革の推進とその削減計画の策定という部分で、どのような整合性をとられようとしているのか、大蔵大臣にお聞きをしたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 地方分権推進委員会第二次勧告におきまして、既存の国庫補助金につきましては、その削減計画を策定し、補助金等の廃止・縮減を行うことといたしております。当面、財政構造改革の集中期間中におきましては、閣議においても、その整合性を図ること、こう取り決めたところであります。  したがいまして、集中期間中は、閣議によって示されました補助金等の削減、合理化の方策によって見直しを行うことといたし、平成十年度予算編成に当たりましては、地方自治団体、公共団体に対する補助金を制度等見直し対象補助金、その他補助金に区分した上で、その区分に応じて削減または合理化を図ることといたしております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 地方分権委員会の勧告で、もう一つ、補助金にかかわる運用や関与の改革についても提言がなされております。  自治体からの強い要望として、補助対象資産の有効活用、転用を初め、勧告の実現に向けて、補助金適正化法の改正を含めてどのように取り組まれるお考えなのか。また、地方公共団体の要望の強い処分制限期間の短縮についても、大蔵省がリーダーシップをとって、補助金所管官庁を取りまとめて実現をしていかなければならないというふうに考えるのですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○涌井政府委員 先生御指摘のとおり、地方分権推進委員会第二次勧告におきまして、補助対象資産の有効活用、転用についての勧告が出ております。現行の補助金等適正化法において、いかなる手続でいかなる場合に補助財産の転用を承認するかにつきましては、これは補助目的に照らしまして、各省各庁の長の判断に任されております。したがいまして、この勧告の内容につきましては、現行の補助金適正化法及びその施行令のもとで可能でございます。現に、一部の省庁におきましては、一定の要件を満たす転用につきましては、一種の包括承認として、補助金交付官庁への報告をもつて承認があったものとみなすという制度を採用しているところでございます。今後、補助対象資産の有効活用、転用につきましては、個々の補助目的等に照らして、合理性があれば、各省各庁によって簡素化措置の拡充等を検討していくべきものと考えております。それからもう一点でございますが、耐用年数の回題でございます。補助対象資産に係る処分制限期間につきましては、現行の補助金適正化法におきましては、取得された財産の経済的使用価値に着目いたしまして、減価償却資産の耐用年数等に関する省令で定めている耐用年数を基礎といたしまして、補助金等の交付の目的を勘案して各省各庁の長が定めることとしているところでございます。  これは結局、個々の補助金の内容、目的に応じて、やはりある程度の経済的使用価値のある補助財産を補助事業者等が全く自由に処分することはいかがかという考え方でできている制度でございますが、他方、こういう経済的な価値のある補助財産であっても、各省各庁の長の承認を得ればこれは処分できるものでございます。したがいまして、各省各庁の長による承認に当たってのその手続の合理化、迅速化といった措置により対応できる事柄だと考えております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 質問の最後としますが、現在、財政投融資のあり方、郵便貯金のあり方が論議されているのは周知のとおりでございます。財投機関のあり方、預託のあり方等々さまざまな論議がございますが、財投の二割程度は住民に身近な社会資本整備を担う自治体に融資されていることを忘れてはならないと私たちは思うのでございます。財投改革に当たって、地方分権、円滑な地方財双運営の確保の視点は欠かすことができないと考えますが、自治大臣、大蔵大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。

三塚博自由民主党大蔵大臣

○三塚国務大臣 財投、御指摘の問題、いかに考えるかということでございますが、財投につきましては、地方公共団体向け貸し付けばおっしゃるとおりであります。そういう中で、この分野への財知投資金の供給により、地方公共団体は民間市場で調達のできない長期固定の資金を調達することができるというメリットがあり、活用されております。また、国土の均衡ある発展の観点から、地方向けの財政投融資資金は、相対的に財政力の弱い地方公共団体、すなわち市町村に配分されているところは御案内のとおりであります。いずれにせよ、財政投融資については、現在、資金運用審議会懇談会におきまして、改革を推進する観点から鋭意検討が行われておるところであります。  先ほど政府委員が答えましたとおり、この懇談会の座長談話、「今後の主要検討課題」の一つとして、地域開発等の具体的な分野において「財政投融資の対象として適当かどうか更に検討を進めて行くべきではないか。」との指摘がなされ、ただいま幅広い議論が行われておるところであります。今後、この懇談会におきましてさらに検討が深められまして、年末に財政投融資の改革についての取りまとめが行われるものと承知をいたしておるところであります。

上杉光弘自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○上杉国務大臣 お答えいたします。  地方債は、地方団体が社会資本の整備をいたしますために大変重要な財源でございます。大蔵大臣からもございましたように、地方団体には大きな財政力の格差がございます。したがいまして、金融市場からの地方債の資金調達能力に差があるということでございます。このようなことを十分前提に置きますと、地方債はある意味では世代間で経費を分担し合うという役割を有するものでもございますし、社会資本整備のためにつくりました施設の耐用年数等に応じた長期にわたる資金を確保する必要があることも事実でございます。さような意味で、地方債資金として、民間資金のほかに、長期、低利かつ安定した資金である政府資金及び公営企業金融公庫資金等を確保する必要があるわけでございます。これら公的資金は、財政力の弱い地方団体あるいは公共事業等に対し重点的に配分し、生活環境の整備や地域格差の是政等を促進し、また、地方団体の円滑な財政運営を図っておるということでございます。財政投融資の見直しに当たりましても、このよりな公的資金の重要性を踏まえ、その安定的な確保が図られる仕組みとすることが必要であると考えております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 終わります。

中川良一総務庁人事局長

○中川委員長 これにて濱田君の質疑は終了いた しました。  次回は、明三十日木曜日午前九時三十分委員会、午前九時二十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十四分散会

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