安全保障委員会 第4号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/11/27
会議録
○二見委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。久間防衛庁長官。 ————————————— 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○久間国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与に関する法律及び一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて防衛庁職員の給与の改定を行うとともに、自衛官俸給表の陸将、海将及び空将の欄または陸将補、海将補及び空将補の(一)欄の適用を受ける自衛官以外の自衛官に係る調整手当の支給割合の改定を行うものであります。 すなわち、第一点は、一般職の職員の例に準じて参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当の改定、期末特別手当の新設等を行うとともに、営外手当についても改定することとしております。 第二点は、自衛官俸給表の陸将、海将及び空将の欄または陸将補、海将補及び空将補の(一)欄の適用を受ける自衛官以外の自衛官に対する調整手当制度について、その充実を図っていくため、自衛官俸給の改定との兼ね合い等を総合勘案し、当該自衛官に係る調整手当の支給割合を改定することとしております。 以上のほか、附則において、施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。 なお、事務官等の俸給、扶養手当、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当、期末手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の改正によって、同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○二見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○二見委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田靖一君。
○浜田(靖)委員 本日は、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案ということで、これが議題になっておるわけでございまして、これは毎年人事院勧告の後にこの法案の改正というのが出てきておるわけでありますが、私は、昨年私どもの先輩であります中谷元先生がやはり同じくこの案件に関しまして質問されておるわけでございまして、その質問の裏打ちというか、一年たって改善がなされておるのかなされておらないのか、その点も含めて御質問をさせていただきたいと思うわけであります。 この問題については、要するに自衛隊員の処遇に関する問題でありますので、これを突き詰めていきますと、やはり給与体系の問題等々が出てくるわけでございます。皆さんがこれは御存じのように、一般職の職員の方々には人事院というのがあって、労働の基本権というかそれを代弁をしておるわけでございますが、自衛隊員の所属する特別国家公務員というかそれには代弁をしてくれる第三者機関みたいなものがないわけでございまして、その意味では、大変なこのギャップというのはどういうふうに受けとめたらいいのか、今後これをやはり変えていかなければいけないんじゃないかということを中谷先生も昨年の質問の中で言われておるわけでございます。 順を追ってお聞きをしていきたいと思うのですが、その中でも第三者機関の問題はまた後で御質問させていただきますけれども、特に医療費について、自衛官の私傷病について医療費相当額を俸給決定の際に控除しているわけでございます。この理由をもう一度お答え願えますでしょうか。
○坂野(興)政府委員 自衛官の私傷病につきましては、自衛官の任務の特殊性から、公務上、公務外の別を問わず国の管理下に置くこととし、その療養は国が行うこととしております。しかし、これら療養の給付のうち私傷病に係るものにつきましては、一般職の国家公務員との均衡を考慮いたしまして、自衛官俸給決定の際に一定率を減額調整し、自衛官の俸給額を決定することといたしております。 医療費控除率につきましては、警察予備隊発足以来、警察官との均衡を考慮いたしまして、千分の二十四で昭和五十九年度まで推移してきたところでございますが、自衛官に係る療養の給付の実態等に照らしまして、その控除率を見直すのは妥当であると判断し、その後、給与改定におきまして逐次見直してきたところでございまして、現在は千分の十七・五まで改善したところでございます。
○浜田(靖)委員 その千分の十七・五という控除額なんですけれども、これの根拠は一体何になっているのか、ちょっと教えていただけますか。
○坂野(興)政府委員 現行の医療費控除率は千分の十七・五でございますが、これは先ほど申し上げましたように、警察予備隊発足時に当時の警察共済短期掛金に占める警察官本人の医療費負担割合を参考といたしまして千分の二十四に定められ、その後、昭和五十九年十月の医療保険制度の改革を受けまして昭和六十年度の給与改定時に千分の二十三・五に改定いたしまして、昭和六十三年度、平成元年度、平成三年度から平成七年度までの給与改定におきまして、自衛官に係る医療費の実態等を総合的に勘案いたしまして千分の十七・五まで引き下げたものでございます。
○浜田(靖)委員 それは確かに徐々には引き下げておるのですが、平成八年度、平成九年度——平成七年度にたしか十七・五になっているはずなんですが、それがここ九年度まで要するに十七・五でとまっているわけですね。これは何で見送ったのか。それもちょっと教えていただけますか。
○坂野(興)政府委員 医療費の控除率の引き下げにつきましては、各年努力をしてまいりまして、平成七年度の給与改定におきまして千分の〇・五引き下げ、それまでの千分の十八から千分の十七・五に改定したところでございます。 御指摘のように、平成八年度、また今回におきましても、自衛官に係る医療費の控除率につきましては、医療費の実態のみならず現下の厳しい財政事情等にもかんがみまして据え置くことといたしまして、控除率の改定を見送らざるを得なかった、そういうことでございます。
○浜田(靖)委員 財政事情というのはよくわかるのですが、要するにこの十七・五の根拠とかというものも含めまして、実際には防衛庁職員給与制度等研究会というのがありまして、そこで昭和六十年から六十二年の間に行った医療費控除率の実態調査で千分の十六というのが適正値だろうということが言われているわけですよね。この点、本来であれば実態調査で出ている千分の十六というのをやはり目標値として今までやってきたと思うのですよ。それが、確かにあともうちょっとで千分の十六に近づくわけですけれども、その努力は認めますが、ここで足踏みしているというのは少々異なものを感じるのですね。 それはそれで、財政事情とはいうけれども、これだけの実態調査の数字が出ている以上はこれに近づけるために、ここで二年間足踏みするというのは、歩みをとめてしまうというのは大変問題なのじゃないかと私は思うのですが、この点に関してはどうですか。
○坂野(興)政府委員 今先生御指摘のように、昭和六十年から昭和六十二年の医療費の実態調査に基づきまして、千分の十六が適当であるという御意見は承っております。 私どもといたしましても、その千分の十六にできるだけ近づけるようにということで努力してまいりましたところでございますが、厳しい財政事情のもとで、平成八年、平成九年度と見送らざるを得なかった、そういう事情はぜひ御理解賜りたいというふうに思います。
○浜田(靖)委員 この問題に関しては、なぜこれを中谷先生も言われたかというと、要は、この控除というのが、支給される前にもう既に控除されてしまうわけですよね。そうしますと、単純なことなのですが、それが本俸の中に入ってこないということになって、俸給の水準とかそういうものを引き下げてしまっている原因にもなっているわけですね。 これは支給された中からの控除ならわかるのですが、支給される前にもう既に控除されてしまっているというのは、これは退職金にも影響が出てくるわけでありますし、その意味では、もうちょっとこの辺のところは考えていただかないと。法律の中にもしっかりと書き込まれておるわけですね。これは防衛庁の職員の給与等に関する法律の第二十二条ですか、この中にも入っておるわけですので、その点は少し検討する必要があるのではないかなと思うのですよね。そのことに関しても言いただけますか。
○久間国務大臣 確かに、おっしゃられますように、これはほかの職種と違いまして、自衛隊の場合に公私の傷病について一緒に官で給付するものだから、私相当分——私傷ですね、私相当分をいかにして控除するかということでその数字が出ているわけで、実際の数字を先ほど言われましたあれで当たってみましても、千分の十六、最近の傾向値で見ますと千分の十五ぐらいまでになっている可能性があります。 そういうことになりますと、金額はわずかかもしれませんけれども、確かにその分を引き過ぎているわけでございますから、給与、人件費全体が抑えられているからということで、そういうような数字の合わない形になるというのは、これはやはりよくないというふうに思います。 しかしながら、今回の概算要求のときも、もう既にそういう形で頭打ちしておりますので、従来の制度をそのまま踏襲しておりますけれども、この次概算要求等を出しますときには、また引き続きこの問題については検討して、何とかこれは理にかなったものにしなければならない、そういうふうに私自身も思いまして、これから先鋭意検討していこうと思います。 人件費で抑えるところはほかで抑えてでも、こ ういう理にかなわないものについては理にかなうようにすべきではないかということを内部でもいろいろ意見を今交わせているところでございまして、できるだけそういう努力を引き続きやっていこうと思います。
○浜田(靖)委員 ぜひともこれは対応をしっかりしていただいて、努力をしていただきたい。 特に、財政状況はこういう状況にあるというのは確かによくわかるのですが、しかしながら、実際に一般職員と自衛隊員との職務の差というのは厳然としてあるわけでありますから、その意味では、やはりしっかりとした給与体系、そしてまたそれに対する手当等、いろいろなものがあると思うのですが、これをしっかりしないと、これはいつまでたっても、自衛隊員のステータスというものを考えれば、当然これはある程度給与体系の中でも認めていかなきゃいかぬ問題だと思いますし、そうでなければ国民の皆様方に自衛隊員の皆さん方が尊敬されるような立場になかなかなってこないのじゃないかという危惧を持つわけであります。 そして、先ほどもお話をしたのでありますが、人事院は、自衛隊員とは関係ないわけですね、いわゆる一般職員のものであって、要するに自衛隊の方々には代弁する方がいらっしゃらないということで、昨年中谷先生もこの件について質問されておるわけですね。大変政治的な部分があるものですから、これはしっかりとしたお答えを得られないかもしれませんけれども、昨年から何か状況が変わったようなことがあったらお答え願えますか。
○坂野(興)政府委員 自衛官の給与あるいは防衛庁職員の給与につきましては、特別職ということで人事院の勧告の対象の外にあるわけでございます。 しかし、自衛官あるいは防衛庁職員の給与につきましては、できるだけ人事院の勧告に基づいた一般職の給与あるいは諸手当に準じて決めるようにしておりますし、それから防衛庁、自衛隊の勤務の特殊性に基づくいろいろな諸手当につきましては、防衛庁外の有識者にいろいろお知恵をおかりいたしまして、防衛庁職員給与制度等研究会というのがございますが、そこでいろいろ御審議いただいて、自衛官の処遇の改善に努めているところでございます。
○浜田(靖)委員 そういった形でフォローしなければならないということが今言えたと思うわけですね。しかしながら、本来であるならば一般職と同じような形の第三者機関というのはぜひあるべきだと私は思いますので、その辺も含めて、いろいろな問題があるかもしれませんが、また検討材料の一つとしてお考え願えればと思うわけでございます。 そこでもう一つ、これは質問通告していないかもしれませんが、要するに指定職の数ですね。昨年の中谷先生の御質問の中では細かく数を言っていただいているわけなのでありますが、それ以降、ことしにかけて自衛官の指定職の数というのは防衛庁の中でふえていますか。
○坂野(興)政府委員 指定職の格付でございますが、平成九年度におきましては、航空自衛隊の航空教育集団司令部幕僚長が新たに指定職にされております。 政府全体としては新規の指定職の追加というのはなかなか厳しい状況にございますが、防衛庁につきましては、いろいろ総務庁あるいは大蔵省等の御理解も得まして、毎年少しずつ指定職の格付をお願いして認めていただいているところでございます。 また、新たな指定職の指定ではございませんが、指定職の号俸の改定につきましても、九年度、陸上自衛隊の第三師団でございますが、これが指定職の三号から四号に格上げされた、そういうことも今年ございます。
○浜田(靖)委員 さっき給与のことでもお話ししましたけれども、自衛官のステータスを上げていくというのは大変重要な問題でありますし、指定職の数というのは、アンバランスというか、数字を見ても非常にバランスがとれていないような気がするのですね。ですから、自衛官の皆さん方がしっかりとした誇りと自信を持って活動できる、ましてや自分たちが目指して国のために働きたいという気持ちを指定職で拾い上げていって、そこでまた新たな施策、考え方というものを反映していくというのが非常に重要だと思うのですね。 長官、指定職の件だけではなく、そういうことも含めて自衛官のことをお考え願いたいと思うのですが、考えていらっしゃるとは思いますが、改めてその点について言いただければと思います。よろしくお願いします。
○久間国務大臣 自衛官が自分の職務に誇りとゆとりを持って頑張れるようにするためには、それなりの処遇をしなければならないわけでございまして、そういう意味では、指定職も一つの励みになりますし、ある意味では地位のあかしにもなるわけでございます。また、それ以外のいろいろな諸手当もそうでございます。 しかし、さはさりながら、なかなか現下の厳しい状況でございまして、私どももいろいろな手当を引き続き昨年からことしにかけても要求しながら、最後の予算編成の過程において、どうしても全体的な枠の中で乗り越えることができずに終わる場合もございますし、また、指定職等についても、ここまではということで毎年要求を出しながら、志半ばで、その中の半分ぐらいの数で終わったりなんかすることもございます。 そういうような状況の中で、これから先も引き続き自分たちの主張もしながら、国全体のそういう財政状況の中でバランスをとる必要も場合によってはあるわけでございますので、少し我慢をしながら、しかし、そうは言いながらも、自分たちの今の主張をできるだけ認識してもらうように努力はしていこうと思っております。
○浜田(靖)委員 ぜひよろしくお願いいたします。 また、昨年、中谷先生の御質問の中で、レンジャー手当について御質問なされまして、努力しておるというお話と、千九百円ぐらい見込んでおるというようなお答えをいただいているのですが、これに関して、ことしはどうなったのか、ちょっと教えていただけますか。
○坂野(興)政府委員 レンジャー手当を含めまして、防衛庁の職員の給与制度につきましては、基本的には、職務の類似する一般職の国家公務員との均衡を図りながら、それに準じて定めているところでございますが、その任務の特殊性を考慮した防衛庁職員の給与のあり方につきましては、隊員の処遇上の最も重要な施策の一つであるというふうに考えております。 ただいま御指摘のございましたレンジャー訓練に対します手当におきましても、これは通常の訓練に比して著しく負担がかかるというものでございまして、こういった極めて特殊な環境下で、特に心身に著しい負担を及ぼす業務に従事した隊員に対しまして特技業務手当を新設し、当該隊員の処遇を改善すべく昨年に引き続き努力しているところでございます。昨年に引き続きまして、レンジャー手当につきましても概算要求をいたしております。
○浜田(靖)委員 昨年はだめだったのですか。
○坂野(興)政府委員 昨年は、残念ながら大蔵省に、財政当局に認められませんでした。
○浜田(靖)委員 それはまさに、財政事情云々よりも、内容的に認められないということなのですか。その手当の特殊性というものがわかっていただけないということなのですか。
○坂野(興)政府委員 私どもとしては、レンジャー訓練の特殊性を十分御説明申し上げまして、何とかお認めいただけるようにということで努力いたしました。
○浜田(靖)委員 そういうことでは本当は困るのです。 要するに、我々の考え方と大蔵の考え方では全く理解の仕方が違うようでありますけれども、しかしながら、本来自衛隊員の職務というものを考えたとき、最低限の手当、ましてや、今回レン ジャー手当のお話をしましたけれども、ほかの手当もやはりしっかりと我々が裏づけをしていかなければ、後方に憂いを残して自衛隊員という職務を全うすることはできないと私は思うのですね。 ですから、逆に言えば、これは我々の仕事かもしれませんが、しっかりとした理論構築をして大蔵当局に働きかけることも必要なのかなとは思いますけれども、この件はぜひとも強く防衛庁さんからもお働きかけをお願いしたいと思うわけであります。 近ごろどうもそういう風潮が強くて、金がないと言えば何でも許されるというおかしな状況がありまして、一体全体、国家の安全保障というものをどのようにお考えになっているのか、本当にその点では理解に苦しむ点もあるわけであります。 そして、今までこういうものをずっと積み重ねてきて、一体全体、防衛庁という立場である以上、すべての問題点というのがなかなかクリアされないのですね、あくまでも自衛隊のあり方ですとか防衛庁のあり方ですとかというものがどうもあいまい過ぎて。 私が何でこれをずっと言ってきたかというと、すべて一気に変えようという気はありませんが、しかしながら、これだけ不都合な、全部、これもだめ、あれもだめと言われてくると、最後には、防衛庁という庁ではだめなのかなという話になってくると思うのですね。では、省に移行すればこういうものは認めてもらえるのかわかりませんが。 我々の考えでは、必ずしも日本の国だけのことではなくて、世界に出ていって、いわゆるPKOとか、そういう国際貢献という立場からも今自衛隊に求められているものは大きいわけでありますので、その意味では、国内だけの感覚で考えている時期は終わって、やはり各国の軍隊と横並びで、階級の問題ですとか、いろいろあると思うのですね。ですから、その位置づけをもう一回しっかりするためには、今回の行政改革というのは非常にいいチャンスだなと思っておったわけであります。 しかしながら、どうもお話の方はそうはいっていないようでございますけれども、こういう問題をしっかりともう一回考えて、そしてまた、自衛隊員の処遇も含めて、給与体系も含めて、すべて省というものに格上げしたときに整合性のとれるような形にすべきだと私は思うのですね。 それでなければ、とてもではないけれども、今の状況下で、自衛隊の皆さん方が自信を持ってやっておられるのはわかりますよ、一生懸命やっておられるのですね。うちの木更津にも自衛隊がございます。それが、本当に地域と一体となって、地域の皆さん方に溶け込んで一生懸命に努力している姿を見たときに、一体全体、労働基本権も人事院のようなものがなくて主張できない、こういうような状況にあることが本当に正しいのか、これは非常に問題があるような気がするのですね。 ですから、給与の体系もそうですし、手当の問題もそうだ、本当に額に汗して働いている自衛隊に対して報いることというのは一体何なのか。確かに、自衛隊員は一生懸命になってやって、今の状況の中でもやりますというお答えしか返ってこないと思うのですが、私は、それに報いる意味でも、もしも今の状況のままでこれが改善できないということならば、やはり省というものに移行して、しっかりとしたバックボーンをつくってからこういう問題を一緒に解決していった方がいいような気がするのですが、長官はどのようにお考えになりますでしょうか。
○久間国務大臣 今御指摘になりました自衛隊の隊員の処遇の問題、これは、特別、庁から省に行くという移行の問題とはまた別だろうと思います。それは私どもの説明の仕方がまだまだ不十分な点もあって、要求しながらなかなか通らないという点があろうかと思います。そういう問題につきましては、もっともっと私どもが努力をしていかなければならないと思います。 庁から省への問題につきましては、私はこれまで、国の防衛は国家存立の基本であり、そういう意味では国家行政組織においてそれにふさわしい位置づけをすべきであるという理由から、中央省庁を再編する場合には、防衛庁を省と位置づけることが望ましいということをかねてから申し上げてきておったわけでございます。 ただ、総理はいろいろな大所高所からこの問題については取り組んでおられるわけでございまして、私どもは防衛庁という立場からそういう主張をしておりましたけれども、そういうことで、最終的には総理に一任をしておるわけでございます。現在、政府・与党間でいろいろな議論がされておるというように伺っておりますので、そういう中でこの行く末について見守っておるというところでございます。 そういうような状況でございますが、これから先、私どもも、自衛隊の隊員の処遇の問題については誇りを持って仕事に取り組めるように努力していこうと思います。そういう意味で、委員各位の御支援方もまたよろしくお願い申し上げる次第でございます。
○浜田(靖)委員 そろそろ時間でありますので、最後にしたいと思います。 きょうは給与の件に関して申し上げたわけでありますが、本来、これを突き詰めていけば、必ず省でないと困るということはいっぱいあるわけですね。そのことをまた別の機会にでも御議論させていただきたいと思いますが、必ずしも行革でできなかったからといって省への移行ができないというわけではありませんので、その辺のところは含みを残しておきたいと思います。 政府の立場からいえば今のお答えしかできないのかもしれませんが、我々の思いというのは、やはりしっかりと自分の国は自分で守るということを国民の皆様方にも理解していただかなきゃいけないし、そしてまた自衛隊というものがしっかりと誇りを持って、まさにいろいろな問題を起こさずに規律正しく今地域のためにも頑張っている自衛隊を、さらに一層信頼を得るための努力というものを我々がしていかなければいけないのは十分よくわかりますので、その点も含めて、この省への問題にはこだわっていきたいと私は思います。 ましてや、その処遇の問題に関しても、給与体系の問題だけではなくて、隊舎の改善の問題だとか、これは金がないからできませんで済むのじゃ困ったものでございますし、今しばらく待ってくれよということだとは思うのですが、しかし、それだけでは何となく寂しいような気がするわけでございます。ぜひともその点もあわせて、長官、すべておわかりのこととは思いますが、改めて言わせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 本日は、本当にありがとうございました。
○二見委員長 次に、福島豊君。
○福島委員 長官、大変に御苦労さまでございます。 本日は、給与法の改正案につきましての質問と、有事法制等につきまして若干御質問をさせていただきたいと思っております。 まず最初に、この給与法の改正案でございますが、成立いたしますと、施行期日は平成九年四月一日から適用するということになるわけでございますが、どの程度の費用が見込まれるのか、どの程度の費用を要するのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
○藤島政府委員 今回の給与改定に伴いまして、約二百六十億円程度増加するものと思われます。
○福島委員 二百六十億円といいますと決して小さな額ではないわけでございまして、成立いたしますと、この二百六十億円をどのようにして捻出されるのか、その見通しについてお聞きをいたしたいと思います。
○藤島政府委員 給与改定の分を見越しまして当初予算に約二百億円計上されておりますので、残り、足りない分六十億弱でございますけれども、今後、不用とかあるいは節約とかということをやりまして捻出し、それで足りない場合はどうするかという問題になるわけですけれども、実は、昨年と一昨年はそういう操作で十分足りたわけでご ざいますけれども、本年は若干苦しいかなという感じはいたしております。 いずれにしましても、来年三月までの、年度末の予算の中でいろいろ工夫する必要があるというふうに考えておるところでございます。
○福島委員 やりくりをして六十億出しますということで、私も事前に御説明をいただきました折に、やりくりするとそのぐらいの予算というのは出てくるものなのかなと、大変失礼な話でございますが。 補正を組まなきゃいかぬ可能性も高いのではないかと思うのですけれども、どういうやりくりをされるのかよくわかりませんで、実際に、私もその業務に携わったことがありませんので、やりくりで簡単に六十億というのは出てくるものなのでしょうかね。
○藤島政府委員 例年ですとそこまで必要なかったわけでございますけれども、本年、六十億円は実はかなり苦しいということで、先生おっしゃるように補正をお願いしないといけないかなというふうに実は考えておるところでございます。
○福島委員 適切な対応をぜひしていただきたいというふうに思っております。 また、先ほども浜田委員の方から御指摘がありましたけれども、自衛官の給与は自衛官の地位ということの一つの象徴であるわけでございまして、十分な水準というのは私は必要だというふうに思っております。 とりわけ、これだけ国際交流が盛んになりますと、諸外国と比べて日本の自衛官の給与の水準というのは一体どういう水準なんだろうか、果たして十分な水準にあるのだろうかというような疑問がわいてくるわけでございまして、この点についてお聞きいたしたいと思います。
○坂野(興)政府委員 軍人の給与は、それぞれの国におきますところの軍人の地位や、あるいは徴兵制であるか志願制であるかといった兵制等のあり方によって異なってまいります。またその水準も、国全体の給与体系や、そのほか恩給、公務災害補償等も含めた全体の中で位置づけられるべき問題であるというふうに考えております。したがって、単純に自衛官の給与だけを諸外国の軍人の給与と比較することは必ずしも適当ではないと考えられます。 さらにまた、給与の水準は比較時点での為替レートで換算いたしますので、換算のレートの変動に伴いましてその都度額は変化する、そういったような難しい問題も抱えております。 そういった事情にはございますが、あえて、例えば本年一月一日現在の自衛官の給与と、比較的情報というか資料の得られやすい米国軍人の俸給を各階級ごとの初号俸同士で比較してみますと、平成九年度の支出官レート、一ドル百七円ということで換算いたしますと、そういった種々の前提条件を置いて比較いたしますと、おおむね一佐以下の階級におきましては我が国の方が高いという結果になっております。
○福島委員 ただいま御説明ありましたように、比較的階級の低いところでは我が国の自衛官の給与というのは高い水準にある。ただ、指摘されておりますことは、階級が上がりますとそれほど給与というのが上がっていかなくて逆転をしてくる、そういうようなお話もあるようでございますが、この点についてはどのように御認識でございましょうか。
○坂野(興)政府委員 これは、日本の国内全体の賃金水準の体系というのがございまして、それを調査してまた人事院の勧告も出ているということでございますので、基本的には、日本の国内の賃金体系がどうなっているかということによるところが大きいだろうというふうに考えております。 それで、日本の国内の賃金体系というのはどちらかというと上下の差が比較的小さい、そういう状況にございますので、公務員の賃金体系というのもそれを反映した形になっているというふうに考えております。
○福島委員 自衛官といいましても、やはり社会の中の給与のあり方というものの影響を受けざるを得ないということで、やむを得ないところもあろうかと思いますが、国際的に活躍する時代にもなってきたわけでございまして、そういう意味では、諸外国等の状況も踏まえながら、また適時適切な対応をしていただければというふうに要望させていただきたいと思います。 次に、先ほども手当のお話が浜田委員の方からもございました。さまざまな手当があるということを事前に御説明をいただきましたが、この手当の額の水準はどのような考え方で決めておられるのかということについて御説明をいただきたいと思います。
○坂野(興)政府委員 これは基本的なことでございますが、防衛庁の職員の給与につきましては、職務の類似する一般職の国家公務員との均衡を図りながら、それに準じて定められております。諸手当につきましても、扶養手当、住居手当等一般職の諸手当に準じているものにつきましては一般職給与法の規定を準用するなど、一般職と全く同水準となっております。 また、航空手当、乗組手当等、職務の性質上防衛庁独自に設けられているものにつきまして、一般職において同様のものがあるものにつきましては、例えば航空手当につきましては航空機パイロット手当、それから乗組手当につきましては船舶乗組員などに支給される手当、こういったものとの均衡を考慮して水準を決定いたしております。 さらにまた、著しく特殊な勤務に従事した場合に支給されます特殊勤務手当につきましても、潜水作業手当、爆発物取扱等作業手当等、一般職と同様の業務に従事する者に対する手当にありましては一般職と同水準としておりますし、一般職にないような特殊な勤務である、例えば落下傘降下作業手当あるいは潜航手当等につきましては、他の手当との均衡を考慮しながらその水準を定めているところでございます。
○福島委員 一般職との均衡が極めて大切だ、そういう考え方だというふうに聞こえるわけでございますが、例えば航空手当にいたしましても、ここに書いてありますが、いただきました資料では、「一般職のパイロットの俸給の調整額及び特殊勤務手当である航空手当と見合」。自衛官の特徴というのは、勤務に極めてリスクが高いということなんだろうというふうに思います。 とりわけ、極めて平和な時代でございましたならば、そういうことは余りないという話になるのかもしれませんが、しかし、どのようなことが将来起こるかわからないわけでございまして、考え方として、自衛官の職務の有するリスクというものをどのように評価するのか、同じくパイロットとして航空業務に携わったとしてもリスクは当然違う場合というのはあるわけですから、そういうものを評価する考え方というのが私は要るのではないかというふうに思うのですね。 一般職と見合いですということだけでは済まない部分があるのじゃないか。そういう点についてはどういう考え方でこれを評価しているのか、その点についてお聞かせいただきたいのです。
○坂野(興)政府委員 その点については、なかなか具体的に御説明申し上げるのは難しいところがございますが、基本的には一般職の水準を考慮しながら自衛隊の特殊性を加味して決めているということでございまして、必ずしも機械的に一般職と同じということではございません。 防衛庁、自衛隊の勤務の特殊性で考慮すべきところは考慮しながら、それが全体としては均衡がとれている水準に定めている。ちょっと抽象的な説明しかできなくて非常に恐縮でございますが、そういうことで自衛官としての勤務の特殊性というのは考慮しながら定めている、そういうことでございます。
○福島委員 先ほども浜田委員からの御指摘がありましたように、一般職との均衡ということに余り引っ張られ過ぎてもいかぬのではないかというふうにも思います。自衛官の職務の特殊性というものについて十分な評価をしつつ、今後も対応していっていただきたいというふうに要望させてい ただきたいと思います。 また、手当につきまして、今、新たなガイドラインに基づいて新たな業務を自衛隊が担わなければならないという事態が将来的には予想されるわけでございます。そういう周辺有事の場合におきまして新たな任務が与えられた場合に、当然新たな手当を創設する、そういう必要が出てくるだろうと思うのですね。こういう業務をやりますということだけではなくて、片側ではそれをどのように評価するかという作業も進めなければいかぬというふうに私は考えておりますけれども、この点につきましての防衛庁のお考えをお聞きしたいと思います。
○坂野(興)政府委員 新しいガイドラインの実効性確保のための必要な措置につきましては、本年九月二十九日閣議決定されました文書にもございますように、「新たな日米防衛協力のための指針の実効性を確保し、もって我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図るため、法的側面を含め、政府全体として検討の上、必要な措置を適切に講ずることとする。」というふうにされておりまして、新たな給与上の措置につきましては、現時点におきましては、新しいガイドラインに基づく新たな業務の内容を具体的に特定できる段階にございませんので、当該業務の特殊性、困難性、勤労の強度等を評価し得ない状況にございますことから、具体的な支給要件、水準等について申し上げることはできない状況でございます。 しかしながら、一般論として申し上げますれば、この検討の結果、通常の業務とは異なって種々困難が予想される業務が発生した場合におきましては、新たな給与上の措置が当然必要になるというふうに考えております。
○福島委員 その際に、これから御検討ということでございますので一言お願いをいたしておきたいことは、国会での答弁を聞いておりますと、危険性のないところでどうもその業務が行われるという議論ばかりなされるわけでございまして、私は現実にはそういうことにはならないのではないかというふうに想像いたしておりますけれども、そういう意味では、新しい業務の危険性の評価につきまして、軽視するといいますか過小評価するといいますか、決してそういうことのない対応をしていただければと、これは要望でございますが、させていただきたいというふうに思います。 給与法につきましては以上で質問を終わりにいたしまして、先日、ルクソールで発生いたしました無差別射撃事件につきまして、安全保障というのは国民の生命と財産を守るということでございますから、この委員会でも御質問させていただきたいと思っております。外務省の方がおいでになっておられると思います。 まず初めに、命を落とされました大勢の方々のみたまに哀悼の祈りをささげたいというふうに思います。 この事件におきましては、その危険性の評価また危険性の通知ということについて十分な対応がなされていたのだろうかということが、マスコミ等でもしばしば指摘をされております。この点につきまして、外務省はエジプトの現在の治安状況また危険性についてどのような評価をしていたのか、そしてまた、その危険性についてどのような周知を関係者にしていたのかということにつきまして確認をしたいと思います。
○本村説明員 お答えいたします。 エジプトにおけるテロの危険性でございますが、エジプトでは、平成四年の後半から、イスラム原理主義の過激派による外国人観光客襲撃事件というものが、各種そういうテロ事件が発生いたしましたが、当初このテロ事件はエジプト南部に集中していたわけでございますが、平成五年からはカイロを含めエジプト各地に波及しております。そして、平成五年の二月にはカイロ市内で外国人二名が死亡する等の爆発事件が起こっております。 他方、治安当局はイスラム原理主義過激派の取り締まりを非常に強化いたしまして、多数の過激派が逮捕されたわけでございますが、その活動は完全に封じ込められたというわけには至りませんでした。 こういう状況のもと、各種のテロ事件が発生する可能性が非常に高かったわけでございますので、外務省としましては、平成五年四月に、エジプトに旅行される場合には通常以上の注意が必要であるという意味で注意喚起を発出した次第でございます。 その後、エジプトの首相、内相、情報相等の政府要人への暗殺未遂事件でありますとか外国人観光客襲撃事件というのが相次ぎまして、平成五年十二月にはカイロでオーストリア人観光客が九名テロで殺傷されるという事件が起こりまして、平成六年二月に再度この注意喚起を発出しております。 このように、エジプト国内では平成四年以降テロ事件が非常に多発していた次第でございますが、エジプトの国外におきましても、例えば平成七年六月にはエチオピア訪問中のムバラク大統領暗殺未遂事件等が起こっております。 しかしながら、平成七年以降は、このテロ事件の発生件数はエジプトの南部を除きまして減少していたわけでございますが、平成八年四月になりまして、カイロにおきましてギリシャ人観光客十八名がイスラム過激派と思われるグループに殺傷されるという事件が起こりました。 私ども外務省といたしましては、エジプトでは取り締まり当局の努力にもかかわらずテロは完全には根絶されていない、場合によってはテロ事件の方が続発いたしまして邦人観光客も巻き込まれる可能性も排除し得ないということで、改めまして邦人観光客に対して再度注意を促すということで、平成八年五月に注意喚起を発出した次第でございます。 その後、ことしの九月にはカイロでドイツ人観光客が十名殺されておりますが、この事件は、エジプト政府の調査の結果、精神異常者の犯行であるという結論が出されまして、ドイツ政府もこの結論を受け入れておりまして、外務省としましても、この事件だけでテロ事件の多発につながると結論づける根拠には乏しいと判断いたしまして、注意喚起の発出は行っておりませんでした。 今回は邦人観光客十名が亡くなられまして、極めてこれは卑劣なテロ行為でございまして、橋本総理の方からもムバラク大統領に対しまして、真相の究明とテロ事件の再発防止を要請しております。 いずれにしましても、テロは少人数でも行うことができますし、完全に抑え込むということも非常に難しい面もございますが、この種テロ事件の再発を防止していくという観点から、エジプトの治安当局、それから米、独の友好国と情報交換をさらに進めてまいりたいと考えております。 それから、渡航情報等の周知徹底でございますが、申し上げましたように、数回にわたりまして渡航情報をエジプトにつきましては発出してきております。外務省としましては、渡航情報が出ますと、まず報道機関に提供しますとともに、運輸省、警察等の関係省庁にも御連絡し、それから都道府県の県事務所の方にも連絡し、旅行団体等にも提供しております。それから、旅行会社につきましては、日本旅行業協会と全国旅行業協会を通じまして、そのメンバー各社に情報提供を行っております。加えまして、外務省の邦人保護課の中に海外安全相談センターというものを設けておりまして、電話でありますとかファクスとかインターネットを通じまして、国民の皆様方に直接情報を提供できるようにしてございます。また、現地のエジプトにおきましても、日本大使館の方から、日本人会あるいは現地の主要旅行社等に対しても情報提供をしている状況でございます。 以上でございます。
○福島委員 もう時間も残り少なくなってまいりましたので、外務省の方には、再度こういうことが起こらないようにできる限りの努力をしていただきたいと要望させていただくにとどめたいと思います。 残りました時間は、有事法制のことにつきまし て再び防衛庁にお聞きをいたしたいと思っておりますが、先日、橋本総理は、早ければ来年の通常国会に提出をしたい、早くとも次期通常国会ということになるのではないかというような答弁をなされておられますし、また長官は、二月をめどに、関係省庁などとの調整を終え、法案の骨格を定めたい、そのような発言があったというふうにお聞きしております。 十月二十一日から関係省庁局長等会議が発足をしたというふうに報道されておりますが、それから一カ月がたちまして、現在どのような進捗状況なのか、そしてまたどのようなスケジュールで今後作業を進められるのか。二月といいますと、三カ月しかございませんので、大変慌ただしい作業になると私は思いますけれども、この点につきましての御見解をお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 これまでも官房副長官を中心としまして、各省庁の局長クラスの会議が持たれたわけでございます。しかし、何分広範囲にわたるものでございますから、今後、さらにこの検討をそれぞれしていただくことになろうかと思います。 聞くところによりますと、何か近いうちに課長クラスまで下げた形での会議も行われるやに聞いておりますけれども、これは一応、官房副長官を中心としたところでやっておられますので、具体的なスケジュール等はまだはっきりしておりません。 いずれにしましても、できるだけ各省庁で練っていただいて、法律上はどういう問題点があるのかどうか、そういうのを精査した上、先ほどおっしゃられましたように、できますれば通常国会に、予算関連法案等で立て込んでおるのが、大体二月までは各省庁ともそっちの方で手いっぱいでございますから、それが終わるぐらいまでには骨格ぐらいはできておって、あと法制局の審査等もしながら、通常国会にかけていければいいな、そういうふうに思っているところでございます。今、ここで今後のスケジュール等をお見せできるような状況にはまだございません。
○福島委員 この新ガイドラインの策定に当たりましては、透明性の確保ということが極めて大切だということで、中間的な報告もあったわけでございます。 それに対して、有事の場合の法制をどうするのか、これも極めて透明性を確保しながらやるべき議論だ。今までさまざまな経緯がありまして、さまざまな反対もあったわけでございますが、有事の場合にどうするのかというルールを国としてきちっとつくっておかなきゃいかぬ、そのように私は思っております。ただ、それを進めるに当たっては透明性を確保しなきゃいかぬ、これは国民だれもが望むことではないかというふうに私は思っているのです。 スケジュールも、防衛庁が中心になってやっているわけではないので、なかなかわからないということかもしれませんが、この透明性の確保ということにつきまして、長官はどのような対応をなされるのか。最後にまとまったものをぽんと提出するという形では、僕はよくないのじゃないかというふうに思うのです。この点につきまして、ブラックボックスで議論が進んで、最後にまとまったものができて、これはイエスかノーかどっちですか、そういうような議論ではない方がいいというふうに私は思いますが、長官の御見解をお聞きしたいと思います。
○久間国務大臣 何も内密にいろいろな作業を進めていくというわけではございません。 そして、委員が有事法制と言われましたけれども、有事についての問題につきましては、かつて五十六年に、国会に、第一分類、第二分類として研究しましたものを御報告させていただいておりまして、今の時点で、あれから大幅に変わるような問題はないのじゃないかというような気がしておるわけでございます。 ただ、御承知のとおり、今回のガイドラインでは、周辺事態等も入ってまいりましたから、そういう問題については今まで研究されておりませんので、むしろそっちの方の研究を中心に議論をしてもらうというようなことで今やっておるわけでございます。 そのときに、何も秘密にしておいていきなりどんと出すというわけじゃございませんで、今度のガイドラインをずっと並べながら、ここでは各省庁どういう問題があるのか、各省庁で検討してもらわないと、私どもでも正直言ってわからないわけでございますね。また、各省庁はそれを各課におろしながらやっていかないとわからないわけでございます。 例えば海域調整とか空域調整、そんな話になりましても、法律で果たしてできるのかできないのか、法律があればできるのか、法律がなくてもできるのか、そういうのは例えば海上保安庁でありますとか港湾局でありますとか、あるいはまた飛行機の場合だったら航空局とか、それぞれの部署で検討してもらって、そういうのをお聞かせ願わないと、法律が要るのか要らないのか、これもわかりませんので、そういう点では、やはりそれぞれの省庁で検討してもらわなければなりません。 そういうようなことでございますから、それをあらかじめこういうものだというようなことで、その問題点すら、今の段階では私どもが考えておる以上のことがあるかもしれぬわけでございまして、例えば避難民がどっと出てくるときに、ペットを持ち込んだときに、そのペットが犬だったらどうなるけれども猫だったらどうだ、そんな問題等もいろいろ細かく、各省庁は自分が専門家でございますから、こういう問題があるよということをあるいは指摘されるかもわからないわけでございますから、局長レベルよりもさらに下の課長さんたちまでおろした段階で、各省庁でいろいろなそういう問題点をまず洗い出していただくというのが先になるかもしれません。だから、そういうような検討結果を待った上で、私どももその会議に参加していろいろと議論していきたい、そういうように思っているところでございます。 特にガイドラインの周辺事態の場合は、防衛庁というよりも、自衛隊の運用にかかわる問題はもちろん私どもが責任を持ってやりますけれども、政府として対応するということになりますので、政府として対応するとなりますと、かなり各省庁にまたがってくる法の方がむしろ多いのじゃないか、そういう気がいたしますので、そういう点で非常にもどかしい点があるかもしれませんけれども、私どももできるだけそういう中においても透明性は確保するようにしていきたいというふうに思います。
○福島委員 透明性をしっかりと確保していただきたいと思います。 ただ、報道されるところによりますと、今長官おっしゃいますように、おろしていかないと個別のことは防衛庁ではわかりかねますというふうにおっしゃられましたが、逆に、各省の側にしますと、どういう具体的なケースがあるのか、どういうパターンがあるのか、そういう具体的なことを提示してもらわないと、検討しようにもしようがないじゃないかという声があるというふうに報道されております。私は全くそのとおりだというふうに思うのですね。 周辺有事の問題につきましても、国会での議論では、極めて定性的な、抽象的な議論ばかりが行われておりまして、具体的なイメージに結びつくような、例えばこういう場合もある、ああいう場合もあると、私は、むしろそういう一つ一つの個別の想定されるケースの積み上げの上に具体的な対応というのは出てくるのだというふうに思うのですけれども、そういう議論はほとんど実はなされていないのじゃないかというふうに感じております。この点について長官はどのようにお考えですか。
○佐藤(謙)政府委員 各省との協議の話も出ましたものですから、若干現状を御説明させていただきたいと思います。 局長クラスの会議というだけではなくて、関係省庁での協議を十分尽くすということで、課長級の会議も随時開催してこの調整に努めてまいりた いと思いますし、また、そういったいわば公のといいましょうか、そういう会議だけではなくて、必要に応じて各省とよくいろいろな議論を積み重ねていきたい、こういうことで私ども今やっているところでございます。
○福島委員 時間がなくなりましたので、最後に一問だけ、運輸省の方にもおいでいただいておりますが、お聞きしたいことは、空港・港湾の使用ということでございます。 これは、本日の読売新聞にも報道されておりましたが、「新指針で住民への影響が大きいのは、周辺有事の際の米航空機・船舶による民間空港・港湾の使用」である。「どんな条件でなら米国の要請を受け入れるのか、政府部内の素案さえ示されていない。」こういう事態に対して、自治体は大変危惧を抱いているというような報道がございました。 例えば、私は関西の出身でございますが、関西国際空港にいたしましても、そのキャパシティーというのはほとんど飽和状態でございまして、果たして周辺有事の際に、民間協力といいましても、使えるのか使えないのか、これは大変大きな問題でございまして、この具体的な検討というのはやはり必要なんだろうというふうに思うのですね。その現状を踏まえた上で、たくさん日本には空港もあるし港湾もあるし、民間の需要というのも踏まえた上で一つのシミュレーションをきちっとしておくということが私は必要だと思っております。 そして、自治体の今抱いている不安というものを解消してあげる、そしてまたその議論の中で、この中にもありましたが、自治体の意見もしっかり聞いていただくということも必要だ、政府の部内だけでやっていただくというのでは十分ではないというふうに今私は思っているわけでございますが、この点につきまして、防衛庁並びに運輸省のお考えをお聞きしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
○久間国務大臣 おっしゃるとおり、これから先実効性あるものにするためには、地方自治体の御協力を得なければならないわけでございます。その場合にどういう形でやっていったらいいのか、これについても私どもも十分検討していこうと思っております。
○尾澤説明員 お答え申し上げます。 新ガイドラインにおきましては、米軍による民間空港の一時的使用の確保というのが対米協力項目の例として挙げられているわけでございますけれども、現時点で、特定の空港の使用を念頭に置いた検討というのを防衛庁などから具体的に私ども要請されているわけではございません。ただ、新ガイドラインの実効性の確保につきましては、政府全体で検討していくということになってございます。 ただ、民間空港の使用につきましては、先生今御指摘のような、例えば関空であると大変混雑しているといったような事象がございますので、こういった制約を踏まえながら、運輸省としては慎重な対応が必要である、このように考えてございます。
○福島委員 時間になりましたので終わりますが、しっかりと一つ一つ積み上げた議論を重ねていただいて、来年の通常国会に向けて準備を進めていただきたいと要望させていただきまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○二見委員長 次に、平田米男君。
○平田委員 法案につきましては、今同僚議員の福島議員が質問をいたしましたので、私は少しガイドラインのことについてお伺いをしたいわけであります。 ガイドラインの中で、特に問題提起として、日本有事の際の後方支援活動の輸送と周辺事態の後方地域支援としての輸送、輸送が二つ書かれているわけでございます。 日本有事の際の輸送と周辺事態における輸送、これは基本的に後方支援活動という言葉と後方地域支援という言葉で一応分けてありますが、まずお伺いしたいのは、輸送できる人員とか物資等の輸送の目的物については差異があるのかどうか。また、武器弾薬の輸送はいずれも可能であるとガイドラインでは私は読むわけでございますけれども、そうなのかどうか。 また、輸送の方法ですね。周辺事態の輸送については割と具体的に書いてあります、「人員、物資及び燃料・油脂・潤滑油の日本国内における陸上・海上・航空輸送」——「日本国内における陸上・海上・航空輸送」、また「公海上の米船舶に対する人員、物資及び燃料・油脂・潤滑油の海上輸送」と。要するに、公海上の船舶に対しては海上輸送だけですよというふうに書いてあります。これは航空輸送が何でできないのかというのはよくわかりませんが、それはまた御説明いただければと思います。 また、「人員、物資及び燃料・油脂・潤滑油の輸送のための車両及びクレーンの使用」、こういうふうに書いてありますが、輸送の方法について、後方地域支援、すなわち周辺事態における輸送についてはこのような限定があるわけでありますけれども、日本有事の際の後方支援活動としての輸送については具体的な記載がありません。これについては区別、差異というのがあるのかどうか。 まず、これらの点について防衛庁からお答えいただけますか。
○久間国務大臣 今度のガイドラインで非常に工面しましたのは、我が国有事の場合は、とにかく後方支援であろうと何であろうと憲法上の問題がないものですから、ほとんど問題なくいろんなことがやれるわけでございますけれども、そうでない周辺事態の場合は、やはり我が国の憲法の制約がありますから、そこで我が国ができない範囲というのがございます。そういう意味で、表現等についても非常に気を使ったところでございます。 後ほどまた事務方から必要な説明をいたしますけれども、そういう意味では、輸送の対象あるいは方法、これについてはほとんど差異はございません。しかしながら、輸送の地域ということにつきましては、これは意識的に区別をして使っております。したがいまして、その地域の問題については差異が出てきております。 それと、今度の場合、周辺事態の後方地域支援の場合は、輸送と同時に補給の問題もございましたから、そういう点で非常に表現が細かくなっているわけでございます。 ところが、我が国有事の場合、我が国が攻められた場合は、補給であろうと輸送であろうと何であろうと、とにかく米軍と一体となって我が国を守るということになりますから、これについてはそれほど細かく区別をする必要がなかったというようなことから表現の違い等が出てきている点もあろうかと思います。
○佐藤(謙)政府委員 基本的に今長官からお答えしたとおりでございます。表現ぶりについて若干相違のあるところがございますが、要は、その対象、輸送の方法については基本的に差異があるとは考えておりません。
○平田委員 基本的に目的物及び輸送の方法については差異がないという御答弁でございました。 それで、輸送できる範囲についてこれから伺いたいんですが、防衛庁長官はそこまで踏み込んでお話をされたわけでありますけれども、ガイドラインを見ますと、周辺事態の後方地域支援では、戦闘活動が行われている地域とは一線を画される日本周辺の公海及びその上空に限定をされている、こういうふうになっているわけでありますが、日本有事の後方支援活動としての輸送には同様の限定はないと今防衛庁長官がお答えになりました。 では、日本有事の際に、戦闘地域にいる米軍に自衛隊の艦船あるいは航空機をもって武器や弾薬を輸送できるのかどうか。戦闘地域にいる米軍に直接自衛隊が武器弾薬を輸送できる、そういうふうにおっしゃるのだろうと思いますが、確認の意味で、
○久間国務大臣 それは、論理的にはできると思います。 しかし、そのことをいろいろ議論しますと、実際には、我が国が攻められている場合、我が自衛隊は自分の能力を精いっぱい出してやっておりますし、米軍もやっておりますから、そういう中で、どういうような具体的なニーズに応じて、補給したり輸送したりする余裕があるのかどうか、そういうのはなかなか描けない点もございます。 しかしながら、我が国有事の場合、そういうことは論理的には可能であるというふうに思っております。
○平田委員 今、論理的に可能かどうかという議論をさせていただいているわけでありまして、実際問題、やるかどうかはまたそのときの判断だろうと思うのです。 それで、日本有事の際には、周辺事態のような地域に限定がない、戦闘地域にいる米軍に対しても武器弾薬をも輸送できるんだというわけでございますが、その両者に、そのような輸送区域に差を設けなければならない、差がある理由というのは何なのか、それは政策的な判断なのか、それ以外の判断なのか、それを御説明いただけますか。
○久間国務大臣 我が国が攻撃されております場合は、これは自衛権の発動としてやれるわけでございますから、これは憲法上の問題はないわけでございます。 ところが、周辺事態の場合は、自衛権の発動としてやるわけじゃございませんので、武力行使が一体となりますようなことはできないわけでございまして、その辺で差を設けざるを得ないわけでございます。憲法九条からくる制約があるということによるわけでございます。
○平田委員 端的に、憲法九条の規定による差である、こういうふうに明確にお答えになったわけであります。 さて、そこでお伺いをしたいのは、ガイドラインによれば、周辺事態というのは日本の平和と安全に重要な影響を与える場合である、このような定義があります。この重要な影響というのは具体的な影響だというふうに理解をしておるわけでありますが、そうだとしますと、日本有事というのはまさに日本の平和と安全が現に脅かされている場合だと考えるわけでありますが、具体的な事象として起きている場合に、果たして周辺事態と日本有事というのが不連続のものなのかどうか。具体的な問題として起きたときに、そんなに画然と区別できるようなものなのではないのではないか。 現に、ガイドラインそのものにも同様の認識があるわけでありまして、ガイドラインの三ページですか、日本有事のところの最初の1の「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」の中で、末尾になお書きで、「日米両国政府は、周辺事態の推移によっては日本に対する武力攻撃が差し迫ったものとなるような場合もあり得ることを念頭に置きつつ、日本の防衛のための準備と周辺事態への対応又はそのための準備との間の密接な相互関係に留意する。」こういうなお書きが入っているくらいであるわけでありまして、私は、現実問題としては、周辺事態があっという間に日本有事になり得るということは、これは常識なのだろうというふうに思うわけであります。 周辺事態と日本有事というのは、言葉では区別されたものだと思います。しかし、具体的なものとしては、まさに日本の平和と安全に重要な影響を与えるという範疇から考えれば、ともに同じものだ、同じ性質のものだ。日本の自衛のために、それに対してはきちっとした対処をしなければならない、そういう事態であるという点では共通したものなのではないかというふうに私は思うのでございますが、違いますか。
○久間国務大臣 それはやはり別のものじゃないかと思います。 我が国有事の場合は防衛出動が下令されるわけでございますし、そういうふうに至らない、しかしながら我が国にとっても非常に看過できないような状態、例えばどこかの国で紛争が生じて、そしてそこを攻めるためにあるいはそこを守るためにと言っておった機雷が流れ出して、我が国の周辺で公海に浮いているというような事態になった場合には、これは我が国の平和と安全にとっては大事な事態でございますから、防衛出動を下令するような状態ではないですけれども、これについては機雷の掃海をせざるを得ないというようなケースもございます。 だから、概念的にはやはり二つは分けられるのじゃないか、また分けるべきものじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。
○平田委員 概念的に分けられるということは、私もそれは認めますよ。それは最初から質問の中でも申し上げたとおりでありまして、質問に質問の内容で答えていただくと論議が進まないわけです。 要するに、中身として、現実に起きている問題として考えたときに、それは国民が受けるものあるいは日本政府が受けるものとして日本の平和と安全がまさに脅かされている、日本の領土に砲弾が一発直接落ちたのと公海上に落ちたのとでは違うかもしれないけれども、しかし、全体的な見方をすれば、日本の平和と安全を脅かすと同一の評価をしなければならない。 それは、周辺事態もいろいろな差がありますから、非常に重要な影響があるといっても、薄いものと極めて日本有事に切迫したものとあると思いますが、しかし、日本有事に切迫したものとして認識される周辺事態というものは、これは日本有事で、やはり不連続だとは言えないのじゃないですか。私は、普通の国民の感覚として思うのですよ。 だから、そこが違うのだ。いや、それは立て分けて考えなければいけないんだ、いや、それは憲法の適用が違うから立て分けて考えなければならないというのは、基本的にまず本末転倒した話なんだと思うのですよ。 まず、日本の平和と安全をいかに守るかというのは国の責務なわけですから、そのときにどういう対応をするのか。事によっては、それはいろいろな対応がありますから、武力攻撃を受けていないときに、日本の憲法では武力をもって反撃してはならないということになるのでしょうから、それは区別する意味はあるかと思います。しかし、周辺事態のときに、何も武力でもって反撃すると言っているわけではないわけでありまして、概念上区別されるということと、実際上不連続だということとは、またこれは立て分けて考えなければいけないのではないかというふうに私は思いますが、どうですか。
○久間国務大臣 私どもは、ともかく政府としては、与えられた憲法の中で精いっぱい行動するという仕組みを背負っておるわけでございまして、政府は憲法を変える発案権すらないわけでございますから、とにかく与えられた憲法の中でしか行動できないという制約がございます。 そういう中にありますけれども、我が国が攻められた場合は、これは自衛権の発動としてやれるという解釈で従来から国民に広く認めてもらっているところでございますが、一方、その反対として、集団的自衛権になるようなことはやれないということで、それも従来の政府がそういう解釈のもとで行動してきておるわけでございます。 そういうことで考えますと、周辺事態が起きたときに、これは我が国が攻撃されているものかされていないものか、されているものであるならば、それと一緒になってすべての行動ができますけれども、我が国が武力攻撃されていない、要するに自衛権の発動はするまでもない、至らないのだという、先ほど委員がおっしゃられましたように、不連続なら不連続の、非常に近くまで来たとしても、これは憲法の制約からできないという分野についてはその枠内でしか行動できないわけでございますから、そこはしっかりとわきまえた上でガイドラインもつくらざるを得ないということで、そこのところは非常にシビアに解釈をしながら今度ガイドラインをつくったつもりでございます。 そういう点では、もう少し緩やかに、不連続なところを全部一緒になるようなものはできぬのかと言われましても、私どもとしては憲法九条とい う制約がある以上はなかなかそれはできなかったということでございます。
○平田委員 きょう、法制局長官、お越しをいただいているわけでございますが、法制局長官は、さきの委員会質疑で、私の質問に対して、周辺事態における後方地域支援の憲法上の根拠について質問いたしましたところ、このように答弁されているわけであります。 周辺事態において後方地域支援を行う憲法上の根拠いかんということでございますが、後方支援を行うべしと正面から規定している条文がないことはもちろんでございますけれども、ただいま申し上げましたように、我が国として、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の機能の行使として当然である、このように解されております。 と答弁をされました。 それでお伺いするのですが、ここでおっしゃっている、国家の存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得る国家固有の機能と、今防衛庁長官がおっしゃいました個別的自衛権、この関係をちょっと教えてもらいたいのです。これは全く別のものなのかどうか、あるいはどちらかがどちらかに包摂されるものなのかどうか、あるいは憲法上の根拠が違うのかどうか、また、違うとしたらどういう理由で違うのか、私も法律家ではありますけれども、委員会質疑ですから、そのあたりを国民にわかりやすいようにぜひ説明をしていただけますでしょうか。
○大森政府委員 委員ただいま御引用いただきましたように、前回のこの委員会におきまして、最高裁判所の砂川判決理由中の一文を引用いたしましてそのような内容の答弁を申し上げたことは間違いございません。 このときに使いました「自衛の措置」の意味合いでございますが、その際の答弁の文脈からも御理解いただけますように、紛争の防止や解決の努力を含む国際政治の安定を確保するための外交努力の推進、内政の安定による安全保障基盤の確立、そして日米安全保障体制の堅持、みずからの適切な防衛力の整備等を含む自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な措置という広い意味で使用したものでございまして、我が国に対する武力攻撃が発生した場合における、これを排除するための自衛権の行使としての武力の行使ということに限定して使ったものではないということを御理解いただきたいと思います。 そこで、先ほどからの議論の延長になろうかと思いますが、周辺事態における我が国の対応措置と我が国有事、いわゆる我が国に対する武力攻撃がなされた場合における我が国の対応との間で憲法上の根拠が同じなのか違うのかということに関してでございますが、我が国といたしまして、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために憲法第九条に違反しない範囲内で必要な安全保障のための措置をとり得るということは、憲法十三条及び前文の趣旨からして、国家固有の機能の行使として当然のことであろうと考えております。したがいまして、そういう次元においては、憲法上の根拠は同じレベルの問題であるということが言えようかと思います。 しかしながら、先ほど既に防衛庁長官からるる御答弁ございましたので、再び申し上げるまでもないと思いますけれども、日本に対する武力攻撃がなされた場合における米軍に対する後方支援としての輸送ということにつきましては、我が国を防衛するための共同対処行動をとっている米軍に対して必要かつ相当な範囲で協力するということは、憲法の規定を踏まえた安保条約第五条の規定からしてこれは当然のことでございます。したがいまして、新指針におきましても、米国から日本への補給品の航空輸送及び海上輸送を含む輸送活動について緊密に協力する旨が新指針においても記述されているところでございます。 これに対しまして、周辺事態における米軍に対する後方地域支援としての輸送につきましては、冒頭に申し上げましたような憲法の規定、趣旨に基づきまして、国のとるべき政策の選択として、日米安保条約の目的達成のために活動する米軍に対して憲法九条が禁止する武力の行使に当たらない限度内で支援を行うという性質のものである、これが基本的な考え方でございます。
○平田委員 伺っていてもさっぱりわからないのですが、法制局はそれでわかっておられるかもしれないけれども、我々国民はよくわからない。 まず、正面からお答えになっていない点は、個別的自衛権と自衛のための措置をとり得る国家固有の権利というものの関係については全然お答えにならなかった。それをもうちょっとわかりやすく答えていただけますか。はっきり言って憲法上別のものなのか、片っ方が片っ方に包摂されるものなのか、それをまず教えていただけますか。
○大森政府委員 私なりにわかるように申し上げたつもりではございますけれども、もう一度申し上げます。 先ほど申し上げましたように、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために憲法九条に違反しない範囲内で必要な安全保障の措置をとり得るということは、憲法十三条及び前文の趣旨からして国家固有の機能の行使として認められる、これが基本でございます。 そこで、我が国が、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、そういう国家固有の機能の行使の一内容として自衛権の行使をする、こういうことでございます。 それに対して、いまだ武力攻撃は発生しないけれども、周辺地域において我が国の平和と安全に重大な影響を及ぼすという事態が生じた場合にとり得る措置というのも国家固有の機能の行使の一態様である、そういう関係にあるというふうに考えております。
○平田委員 少しわかりました。 いずれにしても、自衛のための措置をとり得る国家固有の権利がどんとあって、その一部として武力行使をされた場合は個別的自衛権の行使をすることができますよ。こういうことですね。だから、包摂関係になるということだというふうに理解をいたしました。 それで、その個別的自衛権の行使の場合は、武力行使を受けた場合だ、それに限定するのだと。だから、武力行使を受けていない場合は、自衛の措置をとり得るものは武力による反撃はできないのだ、こういうことなわけです。 そうすると、武力による反撃の中に、まさに一体化論というものを使って、輸送そのものを武力による反撃と同様のものとして評価するということが、今まで法制局がおっしゃってきた一体化論ということですよね。それは憲法九条のどこに書いてあって、それがだめだというふうになっているのでしょうか。
○大森政府委員 いわゆる一体化論についての直接の規定が憲法にあるわけではございません。 しかしながら、憲法第九条では、御承知のように、はしょって申しますと、我が国は国際紛争を解決する手段としては、戦争、武力による威嚇または武力の行使は行ってはならないということを規定しているわけでございます。 そこで、一体化論というのはどういう理論であるかということを、重々御承知のことだと思いますが、もう一度敷衍して申し上げますと、いわゆる一体化論と申しますのは、我が国に対する武力行使がない、武力攻撃がない場合におきまして、仮にみずからは直接武力の行使に当たる行動をしていないとしても、しないとしても、他のものが行う武力の行使への関与の密接性などから、我が国も武力の行使をしたという法的評価を受ける場合があり得る。そのような法的評価を受けるような形態の行為はやはり憲法九条において禁止せられるのである。 したがって、どこに書かれているかというのは、憲法九条の裏といたしまして、憲法解釈の当然の事理としてそこから読み取れるのであるということでございます。これはいわば憲法上の判断に関する当然の事理を申し述べたことでございまして、この考え方は指針に基づく周辺事態における 協力のあり方にも当然適用されるべき考え方であるということでございます。
○平田委員 それは法制局の憲法解釈ということなのですが、憲法の解釈というのは、まず文理上の解釈、文言はしっかり書いてあるかどうか。これは法制局長官に言っているのではないですよ。国民の皆さんにわかりやすく言うと、まず文言にしっかり書いてあればそのとおりでいいわけです。だけれども、書いていないとおっしゃった。論理的にどうなのか、論理的解釈としてそういうふうに導かれるかどうか。 一体化論というのは、今の説明では余り論理的なものではない。だけれども、具体的妥当性があるのかどうかということが法解釈としては一番重要ですよね、私はそう思います。そう思うというか、これが解釈学のイロハですよね。 それで、具体論として、例えば私が沖縄に住んでいるとします。北海道で領海内にいる日本の艦船が、アメリカの艦船でもいいですが、攻撃を受けた、日本全体としては、日本の平和と安全を脅かす行為だというふうになるわけですよ。しかし、私は遠く離れた沖縄にいる。その沖縄の目の前の公海上で周辺事態というものが発生した。そこでアメリカ艦船が、アメリカ軍が戦闘活動をしている。では、沖縄に住んでいる私はどっちが自分の生命財産に対する脅威だと思いますか。どっちだと思いますか、長官。法制局長官、どうぞ。
○大森政府委員 お尋ねの設問に関して一体どちらがどうであるかということをお答えするのは、どうも私の立場でなかなか的確にお答えできない事柄ではなかろうか、このように考えます。
○平田委員 法律解釈というのは、立場が違ってどうのこうのではなくて、まさに国民の常識に合致するものが法律解釈だということは、法律家のトップクラスにおいでになる長官はよく御存じなはずなわけで、まさに常識論でどう思うかということが大事なわけですよ。 これはだれだって、沖縄に住んでいるときに、北海道における紛争よりも、武力攻撃よりも、目の前の公海上で行われているアメリカ艦船のドンパチの方が怖いに決まっていますよ。それをやはり明確にお答えになる必要は法律家としてはあると思いますよ。 そうすると、法制局の解釈だと、これは沖縄から自衛隊機をもって北海道にいる艦船には武器弾薬を直接戦闘地域まで輸送できるけれども、しかし、沖縄の目の前の公海上のアメリカ艦船には直接武器弾薬等の輸送はできない、こういう話になっているわけですよ。 だけれども、沖縄に住んでいる私からしたら、日本国政府は何をやっているのだ、我々の生命財産を守る気はないのか、こういう話になるのではないですか。そういう意味では、私は、結果の具体的妥当性というのが法制局の解釈ではないのではないかなという気がするのです。 時間がありませんので、もう一点あわせて申し上げておきますと、一体化論というのが議論されたのは、まさに国連平和協力法案、これは二つ法案がありましたが、とりわけ一つ目の法案の審議の中でしっかり浮上してきたものなのではないですか。 あのときはまさにペルシャ湾での紛争を想定してつくられているわけで、基本的にはそこの事態を考えて法律論を展開しておったわけですよ。抽象的にはそこは日本の平和と安全には影響を与えるかもしれません、石油がいっぱいあるわけですから。しかし、日本の平和と安全に直接、直接というよりも具体的に重大な影響を与える事態というような認識は、一般国民あるいは審議をする議員等の脳裏にはなかったと思うのですよ。 だから、一体化論というのは、平和を強く希求する日本国民としては、余り紛争に巻き込まれたくない、日本の平和と安全に余り直接関係ないようなペルシャの話だったら一体化論でもいいのじゃないかなという気があったかもしれない。 しかし、そのときの議論を、まさに日本の平和と安全に重大な影響を与える周辺事態の場合にまでぽこっと持ってきて、この場合もそうですよというのは、余りにも国民の意識、常識に反すると僕は思うのですよ。常識にも反するし、具体的結果の妥当性もない法制局の一体化論というのは、それはペルシャ湾では通用するかもしれないけれども、沖縄の目の前の公海の紛争に対しては適用されるべきではない。適用されたら、本当に日本国民は怒りますよ。 今そんな紛争は起きていないから皆さん平穏ですが、現実問題としてそういう事態になったら、こんな憲法解釈をやっている政府は何をやっているんだ、本当に日本国民の生命と財産を守る気があるのだろうかと、沖縄の人たちは怒るのじゃないのでしょうか。 私は、その辺、もっと冷静な判断といいますか、何でそういう解釈が行われたかという歴史的背景、具体的事象、そういうものをきちっと踏まえた上で、どこまでの適用範囲なのかということを、法律の専門家というかトップクラスの法制局長官がおわかりにならないはずがない。私でさえそう思うわけでありますから、その辺は十分おわかりいただけるのではないかというふうに思います。 時間が来ましたので、最後に答弁だけいただいて、終わりにいたします。
○大森政府委員 順不同で考えるところを申し上げますと、まず、一体化論は湾岸のときに考え出した、あるいは生じた、議論されたものであって、今回には妥当しないのじゃないかということでございますが、この一体化論が密度を非常に濃く議論されたのは確かに湾岸紛争に際してでございます。 しかしながら、この理論は、昭和三十四年三月十九日の参議院予算委員会における私どもの当時の林元法制局長官の答弁を初めといたしまして、その後絶えることなく議論されてきたものでございまして、湾岸戦争のときにそれが密度濃く議論され今日に至っているという歴史を有するものであるということをまず御理解いただきたいと思います。 それから、この一体化論は憲法に根拠のない空理空論——空理空論という言葉はお使いになりませんでしたけれども、憲法の根拠に何らないものであるという御意見でございますけれども、私は先ほどは直接の規定はないということは申し上げましたが、憲法九条が武力の行使を禁止しているということから、当然の帰結といたしまして、法的評価において武力の行使と評価される行為はやはり九条で禁止されている。したがいまして、根拠はあるかといえば憲法九条であるということであろうと思います。 それからもう一つは、沖縄、北海道の例で、国民の常識に合するまず意見を持てということでございましたけれども、多分沖縄と北海道のそれぞれの事案につきまして、そこにおける紛争がだれに向けられた攻撃であるかということによって恐ろしさは違ってくるべきではなかろうかというふうに考えられるわけでございまして、距離的に近いところで起こりましてもそれが我が国に対する武力攻撃でない場合と、遠くで行われていても我が国に対する武力攻撃である場合とでは、おのずから評価が定まるのではなかろうかというふうに感ずる次第でございます。
○平田委員 終わります。
○二見委員長 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 防衛庁長官にお尋ねをいたします。 防衛庁職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、この中に期末特別手当の新設等という内容のものがあると思うのですが、この中で、期末特別手当は指定職職員等について従来一律に支給されてきた期末手当を廃止して新設されるもので、懲戒処分を受けるなど勤務成績が良好でない場合に減額されて支給されることになるということですが、この勤務成績が良好でない場合というのはどういう場合を具体的に言うのか、懲戒処分を受けるなどと書いてありますが、具体的に御答弁をお願いしたいと思います。
○坂野(興)政府委員 今回新設されました期末特別手当、これは、公務員のいわゆるボーナスは勤 勉手当と期末手当で構成されておるわけでございますが、指定職につきましては期末手当だけ、従来の制度につきましては、期末手当は成績に応じた加減というのはなかったわけでございます。そういうことで、今回、指定職につきましても成績に応じて手当が加減できるようにということで、指定職につきまして新たに期末手当にかわって期末特別手当を新設する、そういう趣旨のものでございます。 それで、成績主義を加味するということで、どういう基準かということでございますが、これは基本的には人事院の方でこれから基準を定めることになろうというふうに考えておりますが、まず懲戒処分が行われたときには当然減額の対象になりますでしょうし、また正規の懲戒処分に至らない場合でも、防衛庁の場合では訓令等で注意あるいは訓戒等も懲戒処分に至らないものとしてございますが、そういった場合についても減額の対象になるものと考えております。
○石井(紘)委員 先日、空自の試験問題漏えい事件といいますか、があったようでありますが、この場合には、防衛庁は、この試験官の一佐を約一週間の停職、コピーを仲介した二佐二人を減給、受験生の一尉を戒告処分にした。この事例は一佐以下ですから該当しないと思うのですが、例えば指定職、将とか将補の(一)ぐらいまでのところでこうした処分があった、例えば減給処分になったというような場合等はいかがですか。
○坂野(興)政府委員 具体的な基準につきましては人事院規則でこれから定められることになっておりまして、私どもといたしましても、それを準用しながらバランスのとれた制度の運用をしていきたいというふうに考えております。 ただいま例示のございました件につきましても、例えば懲戒処分を受けた者につきましても当然減額の対象になりますし、それに至らない、注意とか訓戒の処分を受けた者につきましても減額の対象になろうというふうに考えております。 ただ、それらがどの程度のものについてどの程度減額するかといった基準につきましてはまだできていない、そういう状態でございます。
○石井(紘)委員 人事院勧告の取り扱いについて給与関係閣僚会議というもので検討されるわけですが、この構成メンバーは、大蔵大臣、文部大臣、労働大臣、自治大臣、内閣官房長官、総務庁長官及び経済企画庁長官の七閣僚ということであります。 この場合、防衛庁というか自衛隊は二十四、五万の隊員を抱えておるわけでありますし、つまり、一般職の場合は総務庁長官、そういう意味で総務庁長官がいるからいいということになっているのかもしれませんが、こうした特別職の場合、これは防衛庁の場合は人数的にも非常に多いわけですので、ここに防衛庁長官がいないのはどういうわけかなという気もするわけですが、そもそもこの給与関係閣僚会議というのはどういう位置づけになっておって、どういう基準でこういう構成メンバーになったのか、それをまず伺いたいと思います。
○久間国務大臣 つまびらかではございませんけれども、労働大臣は、人事院勧告が労働基本権の代償であることから、労働行政に深くかかわり合いを持つという観点からだと思います。自治大臣は一般職の地方公務員給与を所掌することから、それからまた文部大臣は地方公務員の多数を占める教員の処遇、要するに義務教育課程についてはほとんどが文部省で出しておりますので、そういう観点からそれぞれ構成メンバーになっているのじゃないかと思います。 この給与関係閣僚会議——特にことしの場合は、これがどういうふうに実施されるかによって、もちろん公務員の給与の問題もさることながら、これが直接ではございませんけれども、防衛庁の防衛関係費というのは、自衛隊の給与についてはこれに準じて従来からやってきておりますので、人事院勧告と直には関係ないわけでございますが、実質的には非常に影響があるわけでございます。そういう意味では、これが全然関係ないところで決まってしまうということについては私もいささか気にはなっておりました。 しかしながら、それは建前が人事院勧告の扱いを決めるものでございますから、これに防衛庁長官が入っていくというのはいかがなものか。総務庁長官が特別職等については入っておるわけでございますけれども、自衛隊の給与についても従来から決まったのを尊重しているわけだから、法律をそのままつくるということで従わざるを得ないし、そうかなと思って口を挟まないでまいりました。 しかし、これから先、毎年給与が決まるときに、やはりかなり関心を持つ事案であろうとは承知しております。
○石井(紘)委員 これは人事院勧告に準じて定める特別職なわけですが、ほかに準ずるものはないわけで、特別職だけの特別の基準といいますか給与を定める機関というものがない以上は、これは人事院勧告に準ずるわけでありますから、お入りになっておかしくないのじゃないかと思いますが、防衛庁長官はそういう意思を表明する意思はございませんでしょうか。
○久間国務大臣 実質的には準じて今度の自衛隊の職員等の給与等の改正も出しているわけでございますけれども、法律的に準じなければならないというふうにリンクされていないわけですね。だから、人事院勧告の扱いについて防衛庁長官の立場からクレームをつけるという立場には実はないわけでございます。 そして、そこで決まったのを結局政府として閣議で決定することになるわけでございますから、そういう意味では、閣僚の一人でもあるわけでございますから、そういうことを考えますと、やはり私の方から申し出るものじゃないのじゃないか、そういうふうに思いまして、申し出はしておりません。 したがいまして、私は、準じてまいっておりますけれども、人事院勧告の決定のあり方について関係閣僚に対して私の方からきちんと意見を申し上げるというのは、制度的にはそうなっていないのじゃないかというふうに思いまして、そういうことはしていないわけでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、自衛官等の、あるいはそのほかにも特別職というのはありますが、それは必ずしも準ずるという法律にはなっていないとなると、そこのところは抜け落ちているということになるわけでしょうかね。
○坂野(興)政府委員 お答えいたします。 特別職でございます防衛庁職員につきましては、ほかに準拠すべきものもございませんので、給与の改定に当たりましては、人事院が民間の給与水準なんかを調査いたしまして一般職について勧告を行っておりまして、防衛庁につきましては、一般職の公安職を基準といたしまして自衛官の俸給を定めている、そういうふうにいたしております。 ですから、それにつきましては、別途の防衛庁職員給与法ということで国会に提出して御審議をいただいている、そういう仕組みになっております。
○石井(紘)委員 防衛庁職員給与法というのを国会に提出してあるというのですが、それではそれはどうなっているのですか。
○久間国務大臣 今言いましたように、防衛庁の職員で一般職の職員に似たような職種のものについては、例えば本庁なら本庁におきます職員等についてはそれに右へ倣えしているわけでございますけれども、それは考え方としてそういうふうな考え方をとってこの法案をその都度提案しているということでございまして、それが人事院勧告どおりにやりなさいという仕組みに法律上なっているということではございませんで、そういう考え方に基づいてやっておる。それで、自衛隊の隊員については、例えば公安職なら公安職に準じて、そういう考え方で整理をして俸給表をつくって御提案しておるということでございます。
○石井(紘)委員 そのあたりはもう少し、一般職、特別職というものの位置づけというか給与の面で の扱いが、並びが悪いというか矛盾があるような気がいたしますので、今後の課題として御検討をいただきたいと思います。 それから、諸手当の中で、自衛隊法七十六条に基づく防衛出動等を命ぜられた防衛庁職員に対する出動手当等の措置については、第三十条で「別に法律で定める。」とされているけれども、この法律は現在のところ制定されていない。第三十条には「別に法律で定める。」こういうふうになっているわけですが、これはどういうわけなのでしょうか。
○久間国務大臣 かねてからよく有事法制と言われますけれども、私どもは有事法制ということではなくて、要するに法の整備が未整備だというふうなことをよく言ってまいりましたのはまさにそういうことでございまして、昭和五十六年から行われております有事法制研究においても、そういうように法が整備されていない問題がございますということでやってきておるわけでございます。 しかしながら、こういう問題につきましては、かねてから私どもは研究にとどまらずに法整備が望ましいというような立場もとっておりますけれども、そういう有事法制については、第一分類、第二分類についてどこまでこれをきちっとするか、これはやはり高度の政治判断を要するので、国会の御議論等も聞きながら詰めていかなければならない問題だということをかねてから言ってきておるわけでございまして、私どもはそういう問題についてももう少しきちんとしなければならない、そういう気持ちを持っております。
○石井(紘)委員 これは法律の中で「別に法律で定める。」と書いてあるわけですから、こうした出動を命ぜられるような事態が生じた場合、出動手当の支給、災害補償その他給与に関し必要なことが起こったという場合に、法律に定まっていなかったらこれはどうにもならないわけなので、これは「別に法律で定める。」と書いてあるわけですから、急いで法整備をしなければいけないのじゃないでしょうか。
○久間国務大臣 通常の災害に出ました場合の災害手当等は設けておりますけれども、我が国有事の場合のそういう出動手当というのは「別に法律で定める。」ということになっておりますけれども、法整備はされていないのは事実でございます。 だから、いつも言っていますように、有事法制というおどろおどろした言い方ではなくて、そういう問題についてはこういう冷静なときにやはりきちっと法律をつくっておくべきである、そういう御意見等が非常に最近高まってきておることは大変ありがたいことでございます。 私どもも、そういう意味で五十六年に出しましたあの第一分類、第二分類に掲げました、今のものも入っているわけでございまして、そういう問題については単に研究だけではなくて法整備が望ましい。これは政府が提案することになろうと思いますけれども、そうはいいながらも、やはり立法府で決めていただくことでございますから、立法府の御意見等もよく聞きながら、高度の政治的な判断を要するということで、従来から非常に関心を持って対処してきているところでございます。
○石井(紘)委員 これは有事だけですか、この法律の言っていることは。
○佐藤(謙)政府委員 今長官から御説明いたしましたように、昭和五十六年に「有事法制の研究について」ということで、第一分類についての問題点の概要をお示ししたところでございます。 その中で、今話題になっております防衛庁職員給与法第三十条につきまして、「出動を命ぜられた職員に対する出動手当の支給、災害補償その他給与に関し必要な特別の措置については、別に法律で定める。」と規定しているわけでございますが、今先生御指摘のように、この法律がいまだ制定されていないわけでございます。 この法律に盛り込むべき内容といたしましては、支給すべき手当の種類であるとか、支給の基準であるとか、あるいは支給対象者、災害補償の種類等が考えられますけれども、こういった面についての手当てが必要だ、こういうことでございます。
○坂野(興)政府委員 防衛庁の職員の給与等に関する法律の第三十条で出ておりますのは、出動を命ぜられた職員が、出動することによって給付される手当、それから、出動した場合に災害を受けた場合、例えば死亡されたり負傷されたりといった場合の災害補償について、この規定で「別に法律で定める。」というふうになっております。 通常の災害派遣等での災害につきましては、国家公務員災害補償法等で手当てされる、そういう仕組みになっております。
○石井(紘)委員 公務災害補償あるいは賞じゅつ金というようなことで通常のものは整備されているというわけですけれども、特殊な立場にいるといいますか、危険度の高い出動等がなされるということが想定されているわけですから、やはり早急に整備をしないと、通常の自衛官等の士気にも大いにかかわってくる問題だろうというふうに思いますので、指摘をさせていただきます。 ちょっと話を変えますが、今の防衛力の配置といいますか部隊配置といいますか、そうしたものの戦略上の考え方というのは、どういうものに立って行われているのでしょうか。
○久間国務大臣 防衛大綱におきましては、旧大綱におけるいわゆる基盤的防衛力構想というのを基本的に踏襲しているわけでございます。 我が国に基盤的な防衛力がなければ、そこが空白になってはいけないということで、そういうような考え方に基づきまして、防衛上必要な各種の機能をそれぞれの地区ごとに備えて持っておく、後方支援態勢もそれをサポートするために組織する、そういうバランスをとって、均衡のとれた態勢を保有するという前提に立ちましてやっておるわけでございまして、四面を海に囲まれて、大陸に近接して、南北に細長い、非常に縦深性が浅い、そういう地理的な特徴を考えながら、それに応じていろいろな部隊の配置をしているところでございます。 このようなことから、我が国としては、防空、周辺海域の防衛と海上交通の安全確保、また、着上陸侵攻等があった場合のそれに対する対処といった各種作戦を実施し得るように陸海空自衛隊の部隊を全国に展開している、そういう構想になっております。
○石井(紘)委員 一九九〇年代の前半ぐらいまでの冷戦の時代には、例えば北方における防衛力の配備というものは、ソ連の侵攻に備えて、そうした防衛思想といいますか、戦略といいますか、そういうものがあったと思うのですが、なかったのですか、あったのですか。
○久間国務大臣 具体的にどこからの侵攻に備えてというわけではございませんけれども、今言いましたように、我が国がそういう基盤的な防衛力を持っておくというような考え方の中で、それをバランスよく配置しておいて、あらゆる方向からのいろいろな侵略に対して対処しようということでやっておったわけでございます。 ただ、確かに冷戦が終わりましてから世界の様相も変わりまして、アジア地域は比較的変わっていない点もございますけれども、やはりそこには変化が生じましたので、新しい防衛大綱をつくりますときに、今度はその辺についての若干の手直しをして、合理化、コンパクト化、そういうような流れの中で部隊の配置等もある程度の変更等を考えながら、ただ、そうはいいましても直ちにできないものですから、それを中期防衛力整備計画で計画を立てながら、第一期の中期防では無理とすれば次期防でというような形で、防衛大綱全体としては最終的には変化をさせよう、そういう構想の中で新大綱ができたわけでございます。 委員御指摘のお話は、恐らくもっと早くがらっと変えてしまえという御指摘かもしれませんけれども、なかなかこれは、たくさんの人員を抱えておりますし、またその地域のいろいろな状況等もございますと、やはり実情に合わせながら緩やかにといいますか、計画的に進めていかなければならない問題がございまして、今それを逐次やって おるところでございます。
○石井(紘)委員 かつてはそういう北方における脅威というものがあったといいますか、戦略上かなり重要度が高かったのだろうと思うのです。それを、今長官がおっしゃるように、新しい防衛大綱の中ではそういった点を念頭に置いた変化というものが当然あるようにおっしゃったと思いますが、もう少し具体的にお伺いしたいと思うのです。 例えば陸海空の比重といいますか、ソ連の脅威があったとした場合には、これは多分、陸上戦というようなものが一定の役割を果たすということも考えられると思うのですが、そうした脅威が消えたないしは相当減少したという場合に、あるいは、必ずしも北方だけに限らず、日本はもともと島国でありますし、そうしたいろいろな環境の変化もあるわけで、そういう中で、陸海空の新防衛大綱におけるバランスのとり方といいますか、そうした点では特にお考えはないのかどうか、伺いたいと思います。
○久間国務大臣 前大綱と今の大綱とを比べましても、海空はそれほどの大きい変化はございませんけれども、陸については師団を旅団化するとか、数を減らすとかいろいろやっております。 しかし、現実にその作業に当たってまいりますと、各地域でも、地域経済ともいろいろな関係がございまして、とにかく一年でも減らすのをおくらせてもらいたいというような要望等も非常にありまして、減らすところの部隊のトップにある者にしてみますと、その地域との関係で急激に減らすというのがなかなか難しい。それをなだらかに変化させたいというような希望が非常にございますし、私どものところにまでそういうような要望等がございますから、これを急激にがらっと変化させるということがなかなか難しゅうございまして、なだらかに計画的に減らしていっている。 また、現にそこに勤務している方の家族も含めまして、いろいろな方々がおられますと、一遍にそれをするということがなかなかできません、いろいろ生活環境も変わることになりますので。そして、最近では、各部隊で勤務しておりますのが、その地域、北海道なら北海道出身者が結構多うございますし、九州でも九州出身者が結構多うございます。そういうようなことで、急激にがらがらっとその編成を変えてしまうというのがなかなかできないので、そういうことを新大綱に沿って努力をしなければならないわけでございますけれども、計画的にそれをやらせていただいておるというのが実情でございますので、そのような実態についてもぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。
○石井(紘)委員 そのことにさらに関連して、先般のSACOの最終合意に基づいて、米軍の海兵隊が沖縄でやっていた演習をほかのところで持ち回りみたいに順番にやっていくということで、今まで矢臼別とか王城寺原とか北富士とか東富士とかでやっていると思うんです。 先般の日ロ首脳会談等においても、日ロの平和条約へ向けての初歩的なといいますか、動きが出てきたような感じがするんです。私は、これは非常に楽観を許さないと思いますが。 そういう中で、例えば北方領土に住んでいる人たちというのはかなり日本に期待を持っているとか好意を持っているという住民がふえているようであります。しかし、一方では、旧来の利害関係上、漁業権や何かを持っている人たちなんというのは、今度の平和条約へ向けての日ロ首脳会談のさまざまな合意に対してクレームをつけて、北方領土の問題を云々するのはけしからぬというようなキャンペーンを張っている部分もかなりあるようであります。 そういう人たちは、同時に、例えばこういう米軍の北海道における演習とか、あるいはインディペンデンスが小樽に寄港したとかそういうような事例を取り上げて、反領土交渉といいますか、そういったキャンペーンを張っているということで、何かあらぬ口実をそういう勢力に対して与えているという面も私は留意しなきゃいけないんじゃないかと思うわけであります。 そこで、このSACOの合意に基づいて米軍が演習するのは、一年に四回、四カ所だそうですから。そうすると、今は五カ所あって、そのうちの四カ所で順繰りに毎年やっていこうというわけで、毎年一カ所があくわけですね。ですから、私は、そこから矢臼別を外して、残りの四カ所を回したらいいのではないかと思うんですが、長官、いかがでしょうか。
○久間国務大臣 せっかくの御提言でございますけれども、これは五カ所の演習場で年間四回やる、どこか一カ所は休む番がありますよというようなことでお願いしまして、一カ所十日以内ということでお願いをしたわけでございますから、北海道だけを外すというわけにはまいらないわけでございます。 確かに今おっしゃられた世論もいろいろ気になるところでございますが、先般、ロジオノフ国防大臣が参りまして、うちの池田外務大臣と話しましたときに、ロシアにおいてもいろいろな世論があるけれども心配せぬでいいよというようなことで、矢臼別の演習場につきましても、こちら側が沖縄においてやっている年間三十五日分をこっちでやるんだという話をいろいろしましたときに、そのような理解を示していただいておりますので、せっかく今やらせていただいておるわけでございますから、公平に五カ所でやらせていただくという従来の方針で臨ませていただきたいと思います。
○石井(紘)委員 防衛庁長官、今後、ロシアとの防衛交流といいますか、そうしたお考えはあるかどうか。先般、海自の艦船がウラジオに入港したりしてかなり歓迎されているようでありますが、今後のお考えあるいは計画がございましたら、お聞かせいただきたい。
○久間国務大臣 これは、これから先、そういう防衛交流、安保対話等も非常に深めていきたいと思います。そういうようなことを深めることによって相互の信頼関係ができてくるわけでございます。 昨年の四月でございますか、私の前任の臼井長官がロシアに行きまして、ことしはロシアの国防長官がこちらに参りました。また、近いうちでは、日ロ首脳会談において統幕議長の訪ロを来年中に実現するということと、自衛隊とロシア軍の間で災害時の救助活動など人道上必要とされる活動について共同訓練を行う可能性を探求することにつきましても同意されておりまして、これらを着実に進めていくことによって日ロ関係は信頼関係が非常に深まっていくんじゃないかと思っております。
○石井(紘)委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○二見委員長 次に、中路雅弘君。
○中路委員 最初に、本日の議題であります防衛庁職員給与法の改正案についてですが、この法案は、一般職の給与改定に準じて防衛庁の職員及び自衛官の俸給を改正するものでありますが、今日、自衛隊は新たに策定された新ガイドラインによって日米軍事同盟の一層危険な役割を担おうとしています。私たちは、このような現状でこの法案を容認することはできません。法案に反対であるということをまず表明しておきます。 御質問は、米海兵隊の実弾砲撃演習についてきょうお尋ねしたいんです。 沖縄のキャンプ・ハンセンで行われていた県道一〇四号線越えの米海兵隊の百五十五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃演習の本土五カ所への移転問題は、日米特別行動委員会、SACOの最終報告に盛り込まれました。 政府は、防衛庁長官も今まで地元との合意なしに実施しないと繰り返し明言してきましたが、橋本首相の訪米を前に、国の責任でやらせてもらうと、移転を強行しました。北富士、矢臼別、王城寺原と三カ所で今行われましたけれども、八月二十九日の外務省、防衛施設庁による「県道一〇四号線越え実弾射撃訓練の分散・実施について」という合意によりますと、訓練の移転について検討して、その「検討の前提」の一つに、「移転され る訓練は、現在キャンプ・ハンセンで実施されている訓練と同質・同量の訓練とする。」となっています。 ところが、これを前提にしたと言いながら、本土でこの訓練を「代替することが可能」だというところで書かれているのは、「実弾射撃訓練は、上記演習場」、五つ「の中から異なる演習場を使用して年間合計最大三十五日実施する。」、「訓練は年間最大四回、各回の射撃訓練日数は最大十日とする。」、「訓練規模は、最大規模で人員約三百名強、砲十二門、車両約六十台とする。(支援部隊を除く)」、「訓練の実施に当たって、移転訓練先に展開した部隊は安全及び最高度の規律を確保する。」となったわけです。 訓練の目的そのものである実弾の発射弾数は、ここでは抜けているわけですが、同質・同量といえば、質も量も沖縄で行われていたものを上回らないと思うのが普通の受けとめ方だと思います。 沖縄でこの三年間平均しますと、約三千発と言われていますが、なぜ発射弾数はこの同質・同量の中に入らないのか、弾数がどうして決められないのか、まずお尋ねします。
○久間国務大臣 私どもは、沖縄で現在行われている内容の訓練を本土各地で分散して行ってもらいますよということを言ったわけでございます。そのときに、一番言いましたのは、今沖縄で行われている射撃日数を本土の各地で分散して行ってもらうことによって、一カ所での射撃が三十五日も重なるようなことのないということで、まずその日数を言いまして、それから、沖縄で行われておる、要するに一〇四号線越えという、あの砲を使った、そして百五十五ミリりゅう弾砲という、この砲弾の射撃訓練を本土で行ってもらうということを念頭に置いて同質・同量という言い方をしたわけでございまして、そういう三十五日、部隊の数も、同じ規模の三百人ぐらいを限度とする部隊で、そして持っていくか使うかは別としまして、同じ砲で百五十五ミリりゅう弾砲を使ってやるということを同質・同量と言ったわけでございますから、弾の数まではそれに明記していないわけでございます。
○中路委員 同質・同量という中には、発射弾数は入っていないということですね。 これは地元に行きますと、そんなことは一切説明がないですね。幾ら撃ってもいいんだ、三十五日間の間ならば、実弾は幾ら撃ってもいいんだと。後で言いますけれども、夜間訓練もやれるんだと。そういうことは一切地元に話をしないで了解をとったんじゃありませんか。発射弾数はどうして決められないんですか。
○久間国務大臣 時間を何時から何時までというふうにやりますと、発射弾数というのは、その中でおのずと、決まってくるわけではないでしょうけれども、撃てる時間が、雨降りの場合と天気の日とではまた違うかもしれませんけれども、その中でやれる範囲でやるわけでございますから、弾の数まではこちらとしてはカウントしてなかったということでございます。
○中路委員 アメリカでは、海兵隊は、海兵隊の訓練計画に基づいてやりたいことはできる、この日数の中だったら幾ら弾を撃ってもいいということをこの合意では決めたということですね、改めて聞きますけれども。
○萩政府委員 事実関係を申し上げますが、先ほど大臣の方から申し述べましたように、決まっていることは、日数とか砲数とか人数とか、そういうものであります。 弾の数でありますが、これはいわゆる部隊の訓練計画、砲撃訓練をやるのか、砲の移動訓練をやるのか、そういうことでいろいろあるのでございますが、それによっても変わってまいりますし、それから天候によっても随分変わります。 事実、かつてキャンプ・ハンセンでやったのを調べてみましても、一年間に七千発以上撃った年もありますれば三千発足らずの年もあるということで、弾の数自体が必ずしも訓練そのものではないということでございますので、私どもは、訓練の規模とか量とかというのは、その日数とか大砲の門数とか人数とか、そういうものが中心であって、弾の数が幾つということは特に認識をしておりません。
○中路委員 今、訓練計画とおっしゃいましたけれども、防衛庁、施設庁はアメリカの訓練計画というのは具体的に承知されているのですか。
○萩政府委員 知る立場にはございません。
○中路委員 訓練計画は全く知らない。そうだとすれば、あくまで海兵隊の訓練計画に基づいてやりたいことはやれる、今度提供したところで日数の範囲ならば何でもやれるということになるじゃありませんか。 今度の北富士、矢臼別、王城寺原で、それぞれ実弾が何発発射されたか御存じですか。
○萩政府委員 弾数は、それぞれの訓練場で自衛隊も米軍も撃っておるわけですが、米軍からは通報があれば公表をしておりますが、現在までのところ北富士で五百五十発ほど撃ったという通報しか受けておりません。矢臼別、それから先週終わりました王城寺原については、まだ通報がございません。
○中路委員 矢臼別は九月ですから、九月にやられた実弾発射訓練の中身は今も施設庁は全然知らない、どれだけ訓練で発射されたか、アメリカから通報がなければ一切わからないと。施設庁はカウントしてないのですか。
○萩政府委員 一々カウントしておりません。通報がなければわかりません。
○中路委員 北富士は五百五十発ぐらいと言っていますが、これは地元の住民運動の皆さんが徹夜して監視行動をやっていますが、それの集計ですと、矢臼別が二千八百一発、最近終わりました王城寺原が四百三十三発、これだけで既に三千八百発になります。あと東富士が残っていますから、四千発は超えるだろうと思うのですね。 先ほど言いましたように、沖縄で最近の三年間の平均をとりますと大体三千発、九六年の多いときでも三千四百五十発ですから、これまでの三カ所でも既に沖縄の今までの訓練をはるかに上回る発射をしているわけです。 発射弾数というのは、訓練の目的そのものですね。そして、北海道では人や乳牛など動物に与える影響から見ても、周辺住民の最大の関心事であります。防衛庁は、それを同質・同量に当たらない、対象にならないとほっておく、カウントもしない、どれだけの訓練がやられたかということも、今も九月の訓練が一切わからないという状況です。 これは、自衛隊は地元に事前に、どの時間に、どういう弾を幾ら撃つか、全都市町村に通知しているじゃないですか。皆さんの合意文書を見たら、自衛隊の実施要領に倣うと書いてある。私は、北海道矢臼別も王城寺原も北富士も、演習のとき現地へ視察に行きましたし、地元に実際ありましたけれども、通知書は白紙なんですね。抗議されて百五十五ミリりゅう弾砲をやりますと言うだけで、自衛隊の実施要領と全く違うのです。今もまだわからない。 少なくとも施設庁は、どういう訓練がやられたのか、陸上自衛隊がやったと同じように、この弾数についても、住民の一番関心事ですから、明らかにするのは当然ではないですか。
○萩政府委員 繰り返しになりますが、弾数は年によってさまざまでございます。これは米軍からのキャンプ・ハンセンでやった弾数の通報でございますが、平成四年に約七千発、平成五年に約六千発、先生おっしゃいましたように、平成六年、七年は約三千発、八年が約三千六百発というふうに、これは年によって種々のものがありますので、キャンプ・ハンセンでも七千発を撃ったこともあれば三千発のときもある、こういうことを申し上げたわけであります。 それから、地元への通報でございますが、先ほど言いましたように、米軍から通報があれば必ず地元に通報をしておりますし、この五つの演習場でも、自衛隊の弾数を通報するところもあれば通報していないところもある、要は地元の方の関心の度合いいかんであるということでございまし て、弾数を通報するのが通例ということではございません。
○中路委員 米軍は何も一切通報がないのですよ。しかも、施設庁も、今もなお実態も米軍から報告がなければ一切わからない。上限がない。日数だけなんですね、本土移転といっても。それで、一カ所十日間以内やる。上限はないのです。どんな演習をやるか、実弾の発射をどれだけやるかという上限がない。 射程距離について、日米間で規制はあるのですか。
○萩政府委員 繰り返しになりますが、やりたい放題ということではございませんで、日数とか門数というのが上限が決まっておりますので、おのずから限度はあろうかと思います。 それから、射程距離は、それぞれの演習場によって撃てる距離が決まっておりますので、それに合わせて五キロとか十キロとか、その演習場の砲座から着弾地といいますか、その間の距離で撃っているということでございます。
○中路委員 北富士、矢臼別、王城寺原、それぞれ今度の実弾演習の射程距離は幾らであったのでしょうか。
○萩政府委員 記憶によりますれば、北富士が五キロ、矢臼別がおおよそ十キロ、それから王城寺原がおよそ八キロと記憶しております。
○中路委員 いずれも沖縄キャンプ・ハンセンよりはるかに射程の大きいところでやっているわけですね。沖縄の訓練をこちらへ移すんだといって、中身は発射弾の数も上限はない、そして射程距離も、いずれも沖縄よりはるかに大きい射程距離だ。だから、今までよりも伸び伸びと、もっと思いどおりの訓練ができるところを提供したということになるじゃありませんか。 夜間訓練の問題ですが、この夜間訓練は、特に受け入れた自治体でも強く反対していたところです。別海町なんかでも、今度米軍がやるのはやむを得ないと言っている町ですけれども、夜間訓練については反対ですし、王城寺原の三町村も全部強く反対を申し入れているところです。 これに対して、地元で聞きましたら、米軍と今調整中だという文書を出しているのですね。初めから夜間訓練は沖縄ではやっていないことです。今の話のように、同一の質・量の訓練の対象にならないですよ。
○久間国務大臣 先般もほかの委員会で聞かれたことがございますけれども、私はそのときも申し上げましたが、その地区で、その演習場で、我が自衛隊がやっておる訓練と同じような時間帯でやらせてもらったということでございまして、夜間についても、陸上自衛隊がやっているその時間の範囲内でやったということでございますから、陸上自衛隊に対してよくてアメリカの海兵隊が十日以内でやるものについてだめだというわけにはまいらないわけでございますから、夜も昼も、訓練は夜であっても一大事というときはやらなければいかぬということで、我が自衛隊も夜間の訓練はやっておるわけでございますから、それと同じような考え方でやるということでやっておるわけでございます。その辺についてもひとつ御理解していただきたいと思います。
○中路委員 だから、初めから夜間訓練をやるということなんですよ、要求があれば、方針は。それを、地元が反対だから、夜間訓練についてはやらないよう申し入れがあるから今米軍と調整中だ、こういう文書でごまかして全部受け入れさせているじゃないですか。調整の権限なんかないじゃないですか。
○久間国務大臣 決してごまかしているわけじゃございませんで、そういうことで米軍と調整をするということを言っているわけでございます。そして、米軍と調整するときに、自衛隊にオーケーを出しておいて何で我々はだめなのか、そういうふうに言われたときに、私どもとして、自衛隊はいいけれどもあなたたちはだめだ、そういうふうにはなかなか言えないわけでございますから、自衛隊がやる時間内ならいいですよということでやらせたということでございます。
○萩政府委員 ちょっと事実関係を補足させていただきます。 現在調整中という返事を出したことは、もちろんしばしばございます。と申しますのは、原則は、先ほど大臣が申しましたとおり、自衛隊と同じ時間帯ができるということになっておりますので、六時以降は夜間ということになっておりますので、そこは自衛隊も当然時間帯に入っておるわけでございます。 ところが、米軍のときには、地元から夜間訓練はやめてくれという申し入れがありました。私ども防衛庁の現地の施設局は、住民と米軍の間を取り持つ調整役をやっておりますので、その地元の御要望を米軍に取り次いだ、米軍の方はちょっと返事を待ってくれ、こういうことがありますから、その途中経過では現在調整中という御返事を文書で出すということはしばしばあることであります。 これは王城寺原のケースですが、米側は、そのような連絡をいたしましたところ、極力数は減らすけれども練度維持のための必要最小限度のことはやらせてもらいたい、そういうような返事が来た、こういう経緯でございます。
○中路委員 北富士でも王城寺原でも矢臼別でも、夜間訓練を全部やっているのです。沖縄でやっていないのですよ。同質・同量の訓練といって、そしてこちらではできる合意を結んでおいて、地元にははっきり、米軍が言ってきたら夜間訓練はやりますよということは一言も言わないで、調整中調整中と言って受け入れさせる。防衛庁長官あれされましたけれども、本当にこれはごまかしですよ、地元への。けしからぬことだと思うのですね。 だから、結局、夜間訓練にしても発射弾数にしても、初めの同一質・量、だれでも、沖縄の訓練と同質・同量の訓練だと言えば、弾数は上限があるだろう、夜間訓練は沖縄でやっていないからやらないだろうと思うのは当然なんですよ。それを説明もしないでこうして受け入れさせるとは、本当にけしからぬと思うのです。 もう一つ、これも関係住民にはできない約束をしているのですね。米軍の海兵隊の自由な外出なんですよ。日米地位協定でも、米軍人は公務外で基地外で自由に行動することができるということは保障しているのですよ、初めから。それを、移転訓練を受け入れた自治体が、米海兵隊員の規律維持の不安について、例えば北海道では文書で出しているのですね。「防衛施設庁としても米軍の外出時には職員が同行するなど責任を持って対応」しますと約束しているのです。だから、こういう条件があったから受け入れた。 ところが、米軍は、外務省や施設庁は、日本において、日本で訓練している米軍人はその行動を制約されないことを確認したということを現地でも発表していますし、最近の「星条旗」を見ますと、海兵隊員が防衛施設庁職員の同行なしに自由に外出できることを外務省、防衛施設庁は確約したということも報道をしています。これは当然のことなんですね。事実、現地へ行ってみますと、北海道では温泉旅行へ行っていますし、宮城ではレンタカーを借りて自由に仙台まで外出しています。 一体どういう約束なのか。初めからできない約束をして、これも現地に受け入れさせる。今後、他のところではどうするのか、フリーに外出させるのですか、どうするのですか。
○萩政府委員 日米地位協定第五条によって、在日米軍はいずれの地域、その施設の出入りが自由でございます。それを制約できる法律上の根拠はございません。 それで、今回の分散訓練というのは、決まりますときに、沖縄の事件がありましたものですから、地元から軍人はなるべく演習地から外へ出さないでくれ、こういう御要望がございました。しかし、原則的には自由に出入りができるというわけでございますので、米軍人に外へ出るなと言うわけにもまいりませんので、地元の御希望に沿いまして、私ども、地元の施設局の職員が自発的に同行をす ることによって住民の方の心配を和らげようということで、米軍人が外出する折は、極力、努めて同行するということとしてまいったわけでございます。
○中路委員 そんな約束は初めから守れない約束じゃないですか。米軍の方が人権問題だと言われたら、それですぐ引っ込んじゃって、同行なんかやってないですよ。みんな自由に外出していたじゃないですか。私も見てきたのですよ、王城寺原で。みんな、レンタカーを借りて、どんどん出かけていますよ。 本当に、今度の訓練受け入れに、同質・同量ということであたかも夜間訓練もやらないことを約束したようなことを言いながら、矢臼別では外出には施設庁職員や警察の力もかりてエスコートしたいとか、米兵のやむを得ない外出には必ず職員を同行させますと仙台防衛施設局は文書を出しています。こういう地元との約束、できない約束をして、次々とまたそれが踏みにじられているというのが現状なんですね。 幾つか最後にお尋ねしておきますけれども、王城寺原で米軍の訓練司令官が、来年四月北富士、八月−九月矢臼別、十一月に王城寺原で訓練を行うと発表していますが、これは仙台施設局長も知らない、地元の市町村もびっくりしているのですが、日米で合意したのですか。
○萩政府委員 来年の訓練の具体的な日程につきましては、そろそろ準備を始めなければいけませんので、その日程を現在調整をしておるところであります。米軍との話し合いで米軍の希望はほぼ聞きつつありますが、さらに詳細を詰め、地元の方々にも御説明をする必要がございますが、いずれにいたしましても、来年、早いところは四月にも始まるところがあるわけでございますので、年内には日程を固めたいと思っております。
○中路委員 来年の四月というのは北富士でしょう。北富士は来年の三月三十一日で五年間の使用期限が切れるのです。期限が切れるのですよ。使うかどうか再協議しなければいけないのです。北富士演習場の半分は県有地ですからね、県が地主なんですよ。その話もない。期限が切れるところを、後まで演習するのだということを合意できるのですか。
○久間国務大臣 来年、北富士がそうなるのはわかっております。これから先、北富士については引き続き関係の皆さん方と協議してまいりたいと思っております。
○中路委員 終わりますが、沖縄の痛みを分かつといいながら、実際には、沖縄の海兵隊がもっと広い訓練場を本土で何カ所も確保して、自由に、そして今までの訓練以上の訓練を実施している、こういう本土への移転、たらい回しは絶対許さない。 沖縄の人たちは、私、キャンプ・ハンセンがある金武町の吉田町長にお会いしましたけれども、移転してくれと言っているんじゃないんだ、この演習を廃止してくれ、米本土かハワイへ持っていってくれと言っているんだと。これが沖縄県民の声なんです。 沖縄からも本土からもこういう海兵隊の実弾演習は中止をして、撤回することを強く要求して、質問を終わります。
○二見委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 防衛庁職員等の給与関係法案につきましては、我が党も賛成でございますので、職員の給与あるいは福利厚生等について改善すべき点があれば、さらに防衛費全体の調整、抑制等も考慮に入れながらやっていただきたいという要望を申し上げて、若干の質問をさせていただきたいと思います。 今回の行革の中間報告あるいは与党間の合意経過の中で、行革会議で防衛施設庁を廃止をして、いわゆる現業部門をエージェンシー化という報道がなされて、そういう方向に動いているようであります。 これは、防衛本庁、防衛庁からすると、実をとったというのかなかなか巧妙なことを相変わらずやるなと思って感心するところもあるのだが、要するに、施設庁の功罪もありますが、米軍基地を抱えている所在自治体にとっては、防衛施設庁が廃止をされることによって、一体、基地行政その他関連する業務はどうなっていくかという懸念がないわけでもないのですね。このあたりについてはどういう御認識なのか、両長官からひとつ御見解を承りたい。
○久間国務大臣 防衛施設庁が現在果たしておる役割、特に基地がある地域において果たしている役割については、これは非常に大事なことでございますから、そういうような機能を失うことがあってはならないと思っております。
○萩政府委員 ただいま大臣がお答えしましたように、機能そのものは、私どもは今後とも必要であろうかと思います。 伝え聞いております行革会議における御議論は、省の問題は別といたしましても、防衛施設行政について、防衛本庁と一体化することによって、さらに高度一体化あるいは対外調整能力を強める方向を図った方がいいのではないか、こういう御議論かと思います一労務実施行政は、これはまた地方分権推進委員会からの勧告という別の面がございますけれども、私ども、組織論は別としても、そういう方向性はそれなりに評価はできるとも思っておりますが、いずれにしましても、行革会議における組織論の問題は、これから種々議論されて決定がなされていくものと考えております。
○上原委員 この点は、こういう委員会でやりとりしないで、防衛本庁なり施設庁なりの見解や、あるいは行革会議の事務局等から聞いて調整することも可能かと思ったのですが、しかし、重要な点なのであえて取り上げております。 確かに、今御答弁があるように、防衛施設庁が持っておったというかやってきた業務、役割については、防衛本庁に新しく防衛施設局ですか、そういうのを設けてやっていくというお考えのようですが、自治体との関係、あるいは防衛庁本来の安全保障、軍事問題、防衛問題を主とする役割という中に、こういうものを取り込んだ方が、普通でさえ、一般論として防衛施設業務に風当たりが強い、地方自治体にも、今さっきもありましたようないろいろ苦情や不満が多い中で、こういうやり方で地域住民との協力、協調関係がよりできるのかどうか、若干疑問を持つものであります。その点は、お答えがあれば聞いておきたいと存じます。 それと、今も萩施設庁長官から少しくお触れになりましたが、もう一つ非常に懸念されるのは、労務問題なんですね。これは御承知のように、今機関委任事務で各都道府県に労務業務を委任をしている。だが、今度施設庁を廃止をして、その本体というか施設業務の役割は防衛本庁に取り入れて、労務行政のみをエージェンシー化するということになると、大変変則的な状態が起きる可能性があると思うのですね。これは、私は外交問題としても若干疑問を持ちます。 同時に、そういう労務行政は一体どういうふうにこれからやろうとしているのかという点が一つと、御承知のように、現在は雇用主は施設庁長官なんだが、防衛庁長官が雇用主になるのか、あるいは地方分権とのかかわりで、地方の都道府県知事を雇用主とさせていくのか。そうなると、完全にこれは独立法人化みたいな機構になっていかざるを得ない、そういうねらいもあるのかどうか。よく私も確かめてはありませんが、どういうお考えで施設庁や防衛庁はやろうとしているのか、この点をはっきりさせてください。
○萩政府委員 先ほど申し上げましたように、どういう組織体になろうと基地行政でやるべきことはございますし、それはきちっとやらざるを得ない。それから、労務行政も当然のことでございます。 それで、労務問題に限りますれば、まだ独立行政法人、必ずしも具体的に示されておりませんので、まだどういう形ということをここで私どもの方から申し上げる段階にはございませんが、少なくとも、どういう形になれ、駐留軍労務者の皆さん方の雇用主は国でございますから、国はその基 本的な労務政策はあるわけでございます。対米調整、労働組合とのお話し合い、こういうのはどんな形であれ国の組織でやる必要があろうかと思います。 問題は、先生今御指摘なさいましたように、地方分権推進委員会の方から、現在十の都県に機関委任事務をしております労務管理の実施事務、これに大体地方公務員の方が四百六十名ほど従事されておりますが、それを国で引き取れということがございます。それをどういう形で引き取っていくかということが問題であろうと思います。 その過程で独立行政法人という形態はどうであろうかという話が出ているのが現状でございますが、私どもの考え方としては、どういう形をとれ、どういう組織体になれ、労務行政はしっかりさせていただきますし、労働組合、駐留軍労務者の方々に決して御不便、御不満をおかけすることのないようにしていきたい、この考え方には変更はございません。
○上原委員 そうしますと、理解の仕方としては、防衛審議官というか、次官級というか次官レベルの審議官を置いて、防衛施設局を、仮称かもしれませんが、本庁に新たに設ける、その中に施設担当部門と同時に労務担当部門も置くというふうに理解をしていいのかどうか。
○萩政府委員 この間行革会議から示されました案の次官級防衛審議官というのは、防衛庁を代表して対外関係、なかんずく対米関係を総括するということでございますから、すべて、従来の防衛本庁を含め防衛施設庁のあらゆる部門について対米関係を総括するということになろうかと思います。 その下に、今の考え方だと施設局というのができるということになるわけですが、その具体的な組織体はまだ決まっておるわけではありませんが、少なくとも労務関係の部局はその中に当然残る。たとえエージェンシーということで独立行政法人として外に何か組織体ができるということになったとしても、その基本的な労務関係をつかさどる組織は何らかの形で必ず必要になるだろうというふうに考えております。
○上原委員 雇用主は国だということでしたから、そうしますと、これは防衛庁長官になるのですか、施設庁長官になるのですか、さっきの審議官になるのですか。
○萩政府委員 先生おっしゃいましたように、現在は防衛施設庁長官が雇用主ということで駐留軍労務者の方と契約を結んでおるわけでございます。組織論はこれから詳細を詰めることになりますので、どういう形になるか断言はできませんが、組織体の長が雇用主という今の考え方がそのままとられるのであれば、今度は防衛庁長官ないし防衛大臣が雇用主になるんだろうというふうに推測されます。
○上原委員 これからの具体的な進捗状況というか、進みぐあいを見守りたいと思いますが、その点は十分御配慮なさった方がよいという立場にあるということを申し上げておきたいと思います。防衛庁長官、いいですね。あなた、今度団体交渉でまた苦労すると思うんだが、どうですか、見解があれば聞いておきます。
○久間国務大臣 団体交渉で、防衛庁長官みずからがしなければならないかどうか、それは組織の問題でございますから、そのようなことは御懸念いただかなくてもいいと思います。 いずれにしましても、どういうふうな形でこれから先、今まで防衛施設庁がやっておりました業務を取り込んでいくか、これは外庁をなくすわけでございますから、私どもも、具体的にそういう方向がもし決まるとすれば、そういう方向でいろいろと検討をしなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、一番最初この話が出てまいりましたのは、防衛施設庁そのものをエージェンシー化するというような話がございました。ところが、そういう議論を聞いておりますと、どうも、防衛施設庁というのは単に出先で、物事を発注するだけだというような、そういう案ばかりの議論でございまして、そうじゃない、実際は企画部門等あるいはまた対米関係とかいろんな形で非常に複雑な仕事をやっている、地方自治体との関係もある、そういうような企画関係のことについてほとんど理解のないままにエージェンシー化するというような話でございましたので、それはおかしいというようなことから、こういう話に最終的にはどうも行革会議の方で持っていったようでございます。 したがいまして、防衛庁がさもうまいことやったみたいな冒頭の御発言でございましたけれども、そういうようなことはないわけでございまして、そういうようなマスコミも報道がございましたけれども、私どもとしては、現在も立派に防衛施設庁は施設庁として役割を果たしておる、そういうような認識もしておるわけでございますから、どうか御理解賜りたいと思います。
○上原委員 確かに、今度の行革会議の議論の中で、エージェンシー問題というのはちょっとよくわからない。今もわからない点が多いわけですね。イギリスの行革で確かにそういうことを取り上げたが、それがうまくいかずに今日政権交代が実現をしたんだ、大分日時はたったけれども、年月はたったけれども。 だから、その後追いをしてはいかないと思いますし、そういう議論はまたいずれ行革問題を議論をする中でやるとして、もう一点、要望と見解を聞いておきたいのは、今のエージェンシーの問題とも関連するのですが、要するに、労務管理部門は切り離してやるということですが、これもなかなか大変なんですね、今機関委任事務でやっている方々の立場というのも。ですから、これをエージェンシー化する、あるいは独立行政法人に持っていってみたって、何も営利事業ができるはずがないんですよ。人件費は当然国か地方自治体が負担しなければいかないことなので、そこいらのことは果たしてスリム化とか行革に値するのかどうかという意見、疑問などもありますので、そういった面の取り扱いは、防衛施設庁としてはどうお考えですか。
○萩政府委員 確かに、先生おっしゃいましたように、まだエージェンシーとか独立行政法人というものの性格がいま一つはっきりしないところもございますので、それらの中身と同時に、地方分権委員会も、答申が出ましたけれども、これをいつどういうふうに実行していくかというのは、ほかにもたくさんの分権答申がございますので、それをあわせて地方分権推進計画というようなのが今後つくられていくということでございます。 ですから、そちらの方の話、独立行政法人の話、それから行革の進みぐあい、それから、それぞれの労務行政、労務管理のあり方等々をやはり総合的によく見まして、慎重に検討していく必要があるだろうというふうに思っております。
○上原委員 労務管理委任業務というか、そのことも十分配慮しないと混乱を起こす可能性もありますね。沖縄復帰のときに大分すったもんだしましたね、これは。給与支払いも二、三カ月もおくれるという状態があった。 ですから、私がこの点で申し上げておきたいことは、防衛施設庁なり防衛庁、外務省もそうなんだが、アメリカに対する便宜供与は非常によくやるんですよね、あるいは施設の提供とかそういうものは、正直申し上げて。だが、一番肝心なことは、人間の生活とか環境とか、そういうことに対する思いやりとかが僕は十分ではないと思う、施設行政において。そのことは、今申し上げたような、働いている労務者の方は、僕は別に族議員の立場で申し上げているわけじゃないけれども、これまでのいろいろな歴史があるだけに、経過、トラブルがあるだけに、その点は人間尊重という立場で物事はやってもらいたいということを申し上げたかったわけです、委任業務を含めて。 そこで、あと二点ぐらいお尋ねしたい。 一つは、先ほども県道一〇四号線越えの演習問題でありましたが、これは沖縄一カ所でやったのを、本土は五カ所に分割してやっている。しかし、早くもいろいろな不満や弊害が出てきています ね。そのことについてはあえて申し上げません。やはり根本的な解決策を私は近い将来迫られていくと思うのですね。 だが、一点確かめておきたいことは、去る六月から実施をしたこの演習、北富士、矢臼別、王城寺原で、既にその経費は、四回分として年度末までの三億七千万の計上に対して、これを使い果たしたんじゃないか、こういうふうに言われておりますね。何か観光をしながら百五十五ミリ砲弾の演習に行くという、ちょっと軍隊らしくないというか、日本というのはこんなことを本当にやっていいのかなという素朴な疑問が僕は新たにわかざるを得ませんね。何で民間のチャーター機を使わざるを得ないのですか。その程度はアメリカの軍用機を使えばいいじゃないですか、実際問題として。これは、国民感情からしてこういうことは納得しませんよ。しかも、これはSACOの経費から支出をしている。それだけ沖縄のSACO関係のいろいろな費用について食い込みが出てくるのですよ、大臣、両長官。その点をどうお考えなのか、ぜひ聞かせてください。
○萩政府委員 訓練移転費ということで防衛施設庁の経費項目があるわけでございますが、これは例えば硫黄島のように、今般の移動訓練のような、日本側が希望することによって発生した経費は防衛施設庁の方の移転訓練費で見ます、こういうことになったわけであります。 それで、今回の一〇四号線越えの経費でございますが、初めてのことでございまして、私ども、概算で三億七千五百万というものを一応見積もらせてきております。もう足りないのじゃないかというお話でありますが、まだ精算は一切されておりません。これから請求書が業者、米軍、両方から来るわけでございますので、今のところ、足りる、足りないということを申し上げる段階にはございませんけれども、私どもとしては、再々申し上げておりますように、沖縄の痛みを少しでも和らげたいということで、移転訓練を米側に要請をしてやっておるわけでございます。 この際、移動させるのには船と航空機と両方使うわけでありまして、砲とか車両は大体民間の輸送船で運ぶわけでございますが、人員の場合は、確かに、先生がおっしゃいますように、米軍機を使う場合と民間機を使う場合と自衛隊機を使う場合、いろいろ組み合わせがあろうかと思います。その辺の航空機のやりくり、何せ最大のときは三百数十名を運ばなければいけませんので、そういうごとで民間機をチャーターする、それがなかったときに自衛隊機も使ったことがある、こういう現状でございます。
○上原委員 防衛庁長官、これは、最初というか、まだ一年足らずですから、六月から半年近くですから、いろいろな紆余曲折もあり、また、政府としては、ぜひ沖縄での演習というものは何とか新年度からは本土でやりたいという面で急いだこともあったと思うのですが、そのことはそのこととして、前進と見るのか評価するのか、いろいろあるでしょうが、一応私は是とします。 だが、さっきも申し上げましたように、SACO経費に食い込むとか、あるいは米軍だって、幾ら日本側が、移転してもらいたい、沖縄はやめてもらいたい、本土でやるという合意をしたからといって、日本政府に一切合財予算を持たせて演習をやるなんという甘えはアメリカもやめなさいと言うぐらい毅然たる態度をとってもらいたいと私は言うのだ、米軍に対して。そのぐらいの米軍機というのはありますよ、船だって。それが本当は軍隊の軍隊らしいところなんだ、原則的に言うと。そこを思いやり予算というものでやるというところに余りにも問題があるという、そこが自民党と我々社民党は違う、はっきり申し上げて。 私は、安保全面否定という立場はとりませんけれども、そういうことはぜひやってもらいたい。皆さんお集まりだから、もう一つの質問は寄せて、きょうはこれで締めますけれども、その輸送コストの点は検討していただきたい。
○久間国務大臣 今回は本当に初めてでございましたし、特に第一回目を六月に北富士で始めますときに、その日にちが非常にトラブりまして、とにかく山入りの日を最初予定して担当者が交渉したようなこともありまして、それができないできるで非常にごたごたしました。そういうことで、非常に慌ただしく六月の末に北富士でやった、そういうときのいろいろな経緯がございまして、非常に経費がかかった点もあったのではないかと思います。 一年四回、全部終わりますと一巡するわけでございますので、そういう反省の上に立って、来年から少し計画的にいろいろな問題に取り組んでいこうと思います。 今おっしゃられますように、私どもも、とにかくけちけちしておるところでございまして、とにかく予算は頭を押さえられておるわけでございますから、とにかく少しでも捻出するように内部でも非常にやかましく言っておりますので、そういう中で安く上げられる方法をいろいろと研究してみたいと思います。
○上原委員 終わります。
○二見委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○二見委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○二見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○二見委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会 ————◇—————