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140回国会参議院1997/03/25

予算委員会 第15号

発言数
375
登壇者
39
会派数
6
開催日
1997/03/25

会議録

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより一般質疑に入ります。野間赳君。

野間赳自由民主党

○野間赳君 先般三月十一日の当予算委員会におきまして、愛媛県玉ぐし料訴訟の報道に関しましての質問をいたしました。また、三月十八日には我が党の先輩であります板垣先生からもこの件につきましての質問がなされたのであります。  最高裁からは、漏えい疑惑につきまして厳格な調査をした、漏えいはなかったと繰り返しの答弁がなされてまいりました。念には念を入れて調査をして、調査結果は間違っていなかったと断言をなされておられるのであります。  その後、私も先日来の新聞記事を幾度となく読んでみました。しかし、どうしても予測、予想で書ける記事ではないように思えてならないのであります。そこで、本日改めて時間をちょうだいいたしましてこの問題につきまして再び質問させていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。  まず、最高裁が行った調査につきましてお伺いをいたします。  先日、私の質問に対しましての答弁、内部の関係者ということになりますと、本件の合議に直接関与しております十五名の裁判官を含めまして、さらにその合議の内容を審議用の資料を通じて間接的にでも知り得る可能性にあります調査官であるとか、またあるいは裁判官の秘書官であるとか書記官、事務官等々、人数にいたしまして合計で五十名弱の者について調査を行ったということでありました。  調査の中身そのものは無論明らかにできないということでありましたが、厳格に十分念を入れて調査をされたと、こういうことでございましたので、一体どのような方法、手段で調査をなされたものか、お伺いをいたしたいと思います。  直接に面接でおやりになられたのか、電話であったとか具体的にお願いをいたします。調査はどのような機関で何人ぐらいで行われたのか、まずお伺いをいたします。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 調査の方法でございますが、まずその対象者をどうするかという問題がございまして、私どもの方ではこの事件の合議の内容を直接間接に知る可能性のある者をできるだけ広く調査の対象にいたしまして調査をしたつもりでございます。  もちろん、事件の合議の内容を直接知っておりますのは十五名の裁判官でございますけれども、実は調査官というのがございまして、これは事件のいろんな法律問題等の調査を担当いたしますので、審議の経過で裁判官の指示に従いましていろいろ調査をしたりいたしますので、その過程で間接的にと申しますか審議の内容に触れる機会がございます。  それから、裁判官の秘書官というのは裁判官の手元にある資料すべてについて目にする機会がございますので、こういう裁判官の秘書官も調査の対象にいたしました。  それから、事件の進行手続をいろいろ管理しております書記官というのも、これまたさらに間接的な形ではございますけれども合議の内容等を一部知り得る可能性もございますし、また事件用の書類の作成に関与します事務官等の中にも、そういう間接的な意味で部分的に審議の内容等を知り得る可能性がある者がございます。  こういった者をできるだけ広く調査の対象に含めまして、総計で言いますと、委員今御指摘ございましたように、五十名弱の者を調査の対象として選んだわけでございます。  実は、この調査の具体的な方法、内容になってまいりますと、特にこの事件の審理を担当しております裁判官についてどういう調査をどういう方法で行ったかということになってまいりますと、これは事件の合議内容そのものともう非常に密接に関連してまいります。まさに秘密そのものという事項になりますので、なかなかそこまで申し上げることが難しいわけでございますけれども、要するにそういう事件の合議の内容を直接間接に知り得る可能性のある者一人一人につきまして、その合議の秘密というものを外部に漏らした事実がないかどうかということを十分念を入れまして確認しております。  調査の方法でございますが、例えば書面等によりまして通り一遍の調査をしたというものではございませんで、いろんな調査方法あるいは確認方法を講じまして、いろんな角度から総合的に事実関係を確認いたしまして、内部の者から合議の秘密が漏えいされたという事実は認められないという、そういう結論に達したわけでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 また、先般の板垣先生の質問に対しましては、私どもの方、内部の者、それから報道機関側双方についても十分念を入れて調査をしたというお答えでございました。  朝日新聞、共同通信につきましての調査はどのような調査であったのか、これも具体的にお答えをいただきたいと思います。厳格な調査であれば、記事を書かれた、執筆した記者についても直接調査をなされたのかどうか、そのあたりをお答えいただきたいと思います。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 報道機関側に対しましては、裁判所担当の記者というのがございますので、その記者を呼びまして直接本人から、これは一度だけではございませんで、繰り返し取材経過等について釈明を聴取するという、そういう措置を講じております。その結果、記者の側からも、本件の報道が裁判所の内部からの秘密の漏えいによるものではないんだという、そういう釈明を受けておるわけでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 ここに「編集週報」の写しがあるわけでありますが、これは共同通信社の社内報であります。加盟社のトップしか見られない資料であるということであります。第二ハ六二号、一九九七年二月十五日に発行されました社会部の一部のものであります。  これをちょっと読ませていただきます。六行目ぐらいになるわけでありますが、「愛媛玉ぐし料訴訟で社会部は八日夜、近く予想される最高裁大法廷の判決内容を予測する特ダネ記事を出稿した。」、こういうふうに書いております。  八日の夜といいますと、新聞が出ましたのが二月九日、前の晩ということであります。こういうふうな新聞が出ましたのが二月九日、これは愛媛新聞でありますが、無論、全国共同通信の配信によります十二社また朝日新聞、こういうことで二月九日に出た記事であります。その前日のことがこのように、今私が申し上げましたように書かれておるということであります。  続きまして、    玉ぐし料の公費支出は政教分離の原則に反し違憲の判断を示す見通しとなったという内容で、地元の愛媛新聞など十二紙が一面トップで掲載したのをはじめ加盟社の紙面で大きく扱われた。    わが社だけかと思っていたら敵もさるもの全国紙A紙がほぼ同様の内容を九日付朝刊に打ってきた。 こういうこと。今私が申し上げましたようにA紙、これは全国紙で出たのは朝日新聞だけでありますから朝日新聞と特定ができるものであります。きょうから四十五日前の記事であります。無論、裁判はこれからという段階の今日の状況でございます。    しかし社会部の記事は「宗教行事そのものへの支出と言え、過去に社会的儀礼として合憲判断が出た神道式地鎮祭とは同じに扱えない」などとする違憲論が「靖国神社が戦没者慰霊の中心的施設で社会的儀礼の性格が強い」との合憲論を上回った審理経過に踏み込んでいる。 こういうことも書かれております。無論、審理経過、合議という表に出ちゃならぬ問題がこういうふうなことで書かれておるのであります。    また政教分離をめぐる過去の裁判で国や自治体と宗教とのかかわりがどの程度なら許されるかの基準となっている「目的効果基準」の審理経過ここも審理経過が出てきております。非公開のものが出てきておる。  についても触れ、はるかに詳しい内容の記事となっている。 ということがこの社内報に示されております。  また、    社会部の予測記事通りなら愛媛玉ぐし料訴訟は最高裁として初の違憲判断を示す画期的な判決となる。    判決は従軍慰安婦、南京虐殺事件などにかかわる太平洋戦争の戦争責任論に通じる意味を持つ。アジアの国々も注目しているのではないか。だから前例のない特ダネ記事などとはしゃぐ気は毛頭ない。    「抗議電話が多数かかった」などとして案の定最高裁から厳しいおしかりを受けた。 おとがめを受けた、そういうことがここに書かれておるのであります。大変なことであります。これが二月十五日付の共同通信社の「編集週報」ということであります。  以上の中で疑問に思うことが数点私はございます。推測、予測の記事と言いながら、特だね記事、また前例のない特だね記事であることをはっきりとここで述べておるわけであります。普通、特だねというのはスクープの記事というのが我々の常識的な理解であるわけでありますが、特別な情報を入手してということでなかろうかと私も思うわけであります。また、前例のない特だね記事と述べておりますように、単なる言われております予測記事でない、ここが異なるものであると私は思います。  また、審理経過に踏み込んでおるということもここで述べております。審理経過に触れという表現もされております。審理経過は非公開であるべき合議の中身そのものを指すものでございます。それが出たものでありますから、これは私は大変重要なことであると思います。  そして、最後に私が読みました「案の定最高裁から厳しいおしかりを受けた。」、おとがめを受けたとございます。本当に推測の記事であればこのような言い方をしません。秘密情報を入手した上でのトップニュースでありますから最高裁のおしかりを受けたということでありましょう。この問題を私は、この社内報から新しくきょう指摘させていただきます。  これらにつきましてどのように思われますか、お尋ねをするわけでありますが、幾ら最高裁が漏えいの事実はなかったということを言われましても、共同通信側では秘密情報を入手していると等しいのではないか。  前回に質問をいたしました記事の内容で、あなた自身のお口から、  これはあたかも合議の内容自体を具体的に報ずるというそういう形の記事になっておりますので、これをお読みになった方の立場からいたしますと、これは裁判所の合議の秘密が内部から漏れてそれが記事になったんじゃないか、そういうふうなお感じをお持ちになるというのは当然であるという面があろうかと思います。 とあなたは御答弁をなされたのであります。  このような状況からして、漏えいがあったと見るのがもう自然的、常識的であると私は思います。いかがでしょうか。また、予測であればあれほど踏み込んだ記事が書けると思うか、お伺いをいたします。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 御紹介のありました「編集週報」という記事の書かれました根拠等を承知しておりませんので、その記事の内容について御意見等を申し上げる立場にないわけでございますが、委員御指摘になりましたとおり、その記事の構成自体は非常に合議の内容に踏み込んだような記事になっておりまして、これを読みます読者あるいは国民の立場からいたしますと、あたかも合議の秘密が何らかの形で漏えいされたのではないか、そういう疑念を抱かせるような記事になっていることはそのとおりでございます。  まさに、その点が私ども裁判所の立場からいたしますと、裁判に対する国民の信頼という観点からいたしまして非常に遺憾な記事であるということで、共同通信に対しては厳重に抗議をしたわけでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 また、事務総長によります記者会見をして報道機関側に厳重に注意をしたということでありますが、どのような抗議をどのような形で行ったのか、お伺いをいたします。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先ほど来申し上げておりますような調査をいたしまして、その結果、裁判所内部の者からその合議の秘密が漏えいされたという、そういう事実は認められなかったと。また他方、報道機関の側からも、この記事といいますのは内部の者からの秘密の漏えいに基づいて掲載した記事ではないんだと、あくまで外部のいろんな関係者の取材でありますとかこれまでの判例、学説等の取材、そういうものに基づいて判決の予測をした記事であるという、こういう釈明があったわけでございます。  ただ、それにいたしましても、裁判所の立場からいたしますと、この記事というのはあたかもその合議の秘密が漏えいされたかのような記事になっておりまして、国民に対しては、合議の秘密が漏えいされたんじゃないか、あるいはこういう報道自体がこの事件の合議に影響を与えるんじゃないか、こういうふうな疑念を抱かせる内容の記事になっておりまして、裁判の公平に対する国民の信頼を失わせる、おそれがある、そういう非常に遺憾な記事であると、その点につきまして報道機関に抗議をしたわけでございます。

野間赳自由民主党

○野間赳君 どのような抗議をなされたのか、具体的にもう一度お尋ねをいたします。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 事務総長が朝日新聞と共同通信の両社の編集の責任者を呼びまして、それで書面をもちまして、今言いましたように、このような報道が合議の秘密が漏えいされたのではないかという疑念、あるいは合議に影響を与えるのではないかという疑念を国民に抱かせ、裁判の公平に対する国民の信頼を失わせるおそれがある非常に遺憾な記事であるということを記載しました書面を交付いたしまして抗議しております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 お聞きのようなことでありますが、国民の中からも最高裁に対して秘密漏えいの疑惑を指摘する声が私のところにもたくさん参っております。最高裁に対しましても真相究明の要望や抗議があるようにも聞き及んでおりますが、その実情はいかがなことになっておりますのか、お尋ねをいたします。  最高裁では、信頼回復のため二月十九日に事務総長の記者会見を行ったと言われますが、その後国民からの反応がどのように変わってきたか、お尋ねをいたします。  また、要望、抗議の件数など把握をなされておりましたらお示しをいただきたいと思います。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 本件の報道がございまして以降、最高裁に全国から電話や書面等でいろんな抗議の意思表示が寄せられております。  三月二十四日の時点の合計で言いますと、電話等は、余り正確な数字ではございませんが、百数十件ございましたし、書面によるものでは五百件余りのものが出ております。また、三月三日付では大学教授等二十名の方の連名で、真相究明するよう要望するという要望書が提出されましたし、また三月十八日付では、八十名余りの学者等の方の最高裁判決報道の真相究明を求める会という、そういう名前で同じような趣旨の要望書が提出されております。

野間赳自由民主党

○野間赳君 大変な数であると思います。議論を通じましても秘密の漏えいの疑惑はぬぐい去ることができないのであります。それどころか、ますます疑惑は深まるように思われます。  最高裁は、何としてもこのような漏えい疑惑を晴らし、国民の司法に対する信頼回復に努めていかなければならないと私は思います。そのためにも、もっと国民に十分納得のできるような再調査をしていただきたい、はっきりさせるべきではないかと考えますが、いかがでございましょうか。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 最高裁といたしましては、先ほど来申し上げておりますような方法で十分念を入れた調査を行いました上で、今回の報道に関しまして裁判所の部内から合議の秘密が漏えいしたという、そういう事実は認められないという結論を得まして、国民の司法に対する信頼を確保するという、そういう見地からこの事実関係を記者会見を開きまして事務総長からも明らかにしております。また、報道機関に対しても厳重に抗議するという措置をとったわけでございます。私ども十分念を入れた慎重な調査を行った結果に基づいてこういう措置をとったつもりでございますので、これ以上何か新たな対応を行うということは考えておりません。

野間赳自由民主党

○野間赳君 国民の公平な裁判を受ける権利は憲法が保障する最も重要な権利の一つであります。そして、裁判が公平に行われればこそ、国民は裁判の内容に幾ら不服があろうともそれに服さなければならないのであります。残念ながら、本件では公平の中にも公平であるべき最高裁に秘密漏えいという疑惑が持たれているのでありまして、現状のままではとても公平な裁判とは言えないのではないでしょうか。国民の疑惑は解消されず、一層深まるばかりであります。国民の支持は決して得られるものではないと思います。  再度お伺いをいたします。  信頼回復のため、新たに調査をするなり措置をとるなり、国民にわかりやすい対応をされるお考えはないかどうか、最後にお伺いをいたします。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 繰り返しになりますが、私どもの方では十分念を入れて慎重な調査を行いました結果に基づいて、その調査結果を記者会見の席で一般にも明らかにしておりますし、報道機関に対しましても厳重な抗議の措置をとっておりますので、これ以上新たな対応を行うということは考えておりません。  ただ、最高裁としましても、もとより今回の報道によっていささかも影響されるものではございませんで、今後とも中立公正な裁判に向けて力を尽くしていく所存でありますことは、二月十九日の事務総長の声明にもあるとおりでございます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記を起こして。

野間赳自由民主党

○野間赳君 この問題は、私が今申し上げてきましたように、まだまだ疑惑が晴れないものがあります。国民の信頼の回復のためにも再度厳格な調査を求めるものであります。  そのことにつきましては委員長に取り計らいを一任させていただきますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 野間君のただいまの申し出につきましては、後刻、理事会において協議をいたします。

野間赳自由民主党

○野間赳君 そういうことで大きく失墜をいたしました最高裁の権威を回復して国民の司法に対する信頼を再び取り戻すためには、まず最高裁自身が国民の疑惑をはっきりと晴らすことでなかろうかと思います。それによって初めて公平な裁判が実現するということを強く申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で野間赳君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。

加藤修一平成会

○加藤修一君 平成会の加藤修一でございます。  私は、まず最初に、梶山官房長官にお尋ねしたいと思います。  リクルート事件政界ルートで受託収賄罪に問われた元官房長官藤波被告に対し、東京高裁で逆転有罪判決が昨日下されたわけでありますが、同じポストの官房長官の事件の逆転有罪でありますけれども、大変厳しく私も受けとめております。  官房長官は、この判決についてどのように受けとめておりますか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 昨日の記者会見の席上でこの話を聞きましたのでそこでも申し上げたんですが、藤波先輩は第一審で無罪判決を受け、総選挙で選挙民から信任をされて当選をされた身でございますから、政治活動を現在続けておいでになります。  私の心の中を開いて見せろと言われれば、私は恐らく二審も無罪になることを期待していたということには間違いはございません。しかし、二審において有罪の判決を受けたわけでありますから、個人に対しては深く御同情を申し上げるという表現にとどめたわけであります。判決というものは厳粛なものでありますが、日本は三審制度をとっているわけですから、直ちにこれをもってどうこうと私は申し上げる立場にないと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 この事件は官房長官の在任中に発生したものでありますが、国務大臣とお金の問題について、この判決を契機にどう解決しよう、どう改革しようと考えていらっしゃいますか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 政治家には政治家それなりにそれぞれが倫理観を持って政治に当たっているわけであります。特に閣僚という国務大臣、これはまさに特別の公務員でございますから、さらに厳しい倫理観が要求されることは当然であります。それぞれが自重自戒をしながら、胸を張って政治活動が、あるいは行政府の長として、あるいは国務大臣として精進できる態勢を絶えず身につけておかなければならない、このように考えます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 一審無罪を根拠に藤波元官房長官が九六年五月に七年ぶりに自民党に復党したわけでありますが、今回の判決で自民党としてはどうするんでしょうか。また、起訴された友部達夫氏の議員辞職勧告決議案、これが論議されていることからも、藤波氏は議員辞職すべきだという国民の声があるように私は考えておりますけれども、梶山官房長官はどのように考えますか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) まず、私は閣僚である以前に自民党員でございますが、今は閣僚の一員でございますから、党内の問題にはコメントすべき立場にございません。  それから、当然、藤波さんの名前を書いていただいて小選挙区で当選をされたわけでありますから、選挙民の負託というものにもこたえていかなければならないということとその判決の重要性、これを判断するのは、藤波さん本人以外に決定を下すわけにはまいらない、このように思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、あえて確認しますが、公人としてとやかく言うことはできないという理解も成り立ちますでしょうか、どうでしょうか。  もう一度済みません。  自民党議員という立場からどうこうという話じゃなくして、官房長官という立場、これは公人ですけれども、そういった立場からどうこう言うことはできないという理解も成り立ちますでしょうか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 意味は違うかもしれませんが、衆議院議員梶山静六も公人であります。そして、今は内閣に属する国務大臣・官房長官でございますから、これまた違った意味での公人、この二つを私は自分の人格に持っていると思います。どちらかというと前者は前進すべき倫理観、後者はそれに加えて守るべき倫理観、これを持たなければならないと考えております。  藤波さん個人の問題に関しては藤波さん個人が判断をすることで、コメントは差し控えます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 国務大臣の場合は守る倫理観というお話がございましたけれども、要するに、国務大臣につきましては、倫理観の話はちょっと外れて、言っている内容については当然のことですけれども責任は持つ立場にある、こういうふうに理解して差し支えないですか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 私は、今申し上げたことに尽きると思いますので、御理解をいただきたいと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、次の質問に移りたいと思います。  在日米軍の環境問題でございます。劣化ウラン弾誤射事件、DU弾誤射事件、これにつきましてまず外務省に確認したいわけですけれども、最近の新聞によりますと、二重ミス原因で今回の劣化ウラン弾事故が起こったといいますがこれはどういう意味でしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 政府といたしましては、三月末までに本件の全体像をまとめた報告書を公表すべく米側と今鋭意交渉中でございます。  米軍が二度間違えたということを今おっしゃられましたが、今までに米側が我々に説明していたところをとりあえず取りまとめますと、海軍省から各部隊に至るまでの弾薬の取り扱いにかかわるすべての者に配付され、それから実際に弾薬の支給、使用、保管等の際に参照される弾薬カタログにおきまして、そのカタログの作成過程での誤りによって、劣化ウランを含む徹甲焼夷弾について配付支給制限に係る表示が欠落していたということでございます。  このためにカタログとの照合によるチェックが機能せず、海軍は太平洋艦隊に劣化ウランを含有する徹甲焼夷弾を割り当て、その後、誤使用を起こしました海兵隊にそれが支給され、それから実際に使われ、その際にカタログとの照合がなされたはずでありますが、その際にも制限の表示の欠落のためにチェック機能が働かなかったと、こういう説明を我々は受けております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 二番目のミスについてですけれども、要するに武器のカタログがうまく行えていなかったという話なわけです。そのカタログが修正された、訂正された、その辺の確認は終わっておりますか、これが第一点。  第二点目は、今月末をめどにして、通告制度、これが米軍の方からきちっとした形で示されるというふうに聞いておりますけれども、この辺についても御見解をきちっと示していただきたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 御質問の第一点でございますが、カタログに、本件徹甲焼夷弾につきましては支給制限があるということを示すマークが付されるとともに、平時、訓練において使用はできないということが記載されたという説明を受けております。  それから、第二の通報体制の点でございます。これは昨年十二月のSACOの最終報告において触れられた点でございますが、三月の末までにきちっとしたシステム、事件、事故の通報体制の整備のためのシステム、通報されるべき内容、通報形式の標準化を図る等、今鋭意詰めておりまして、最終的には合同委員会の場で合意がなされるということで、今鋭意作業をしているところでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 劣化ウランにつきましては、極めて危険性の高い物質である。ただし、固形的な段階ではそれほど大きい放射性の性格を持っているものではない。ただし、粉末状になった場合、これは非常に有毒である。吸い込んだりなんかしますと非常に有毒であるということで、これはもうアメリカのGAOにしましても、さまざまな陸軍の環境政策研究所にいたしましてもそういった統一見解が出ているわけでございます。  まず、私はここで確認したいことは、運輸省さんにお願いしたいんですけれども、劣化ウランを航空機のバランサーに使っているかどうか、これは現在使っているかどうか、イエス・オア・ノーで答えてください。

黒野匡彦運輸省航空局長

○政府委員(黒野匡彦君) 我が国においてはノーでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 使っていないということですね。  じゃ、防衛庁にお聞きします。自衛隊機のバランサーに劣化ウランを使っているかどうか、これもイエス・オア・ノーで。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○政府委員(鴇田勝彦君) ノーでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それじゃ、非常に私はおかしいなと思うことですけれども、今の話を総合いたしますと、劣化ウランを積んでいる航空機は日本にはないと、海外は別ですよ、海外の会社は。  それで、ちょっと朗読しますけれども、第十四部予算委員会会議録第九号、平成九年三月十三日参議院、この予算委員会です。総理は、当委員会の委員の質問に対してこのように答えています。「劣化ウランは確かに放射性物質でございます。しかし同時に、例えば航空機のバランサー等に使って何ら問題がない程度の物質であることも知られております。」と。これは過去に、十数年前に使われておりましたから、この表現はある面では当たっていると思います。「そして、現実に航空機のバランサーとして活用されているケースはたくさんあること、議員の御承知のとおりであります。」と。違うじゃないですか、全然。違うじゃないですか。要するに、劣化ウランで今わいわいがやがや言っていたのは国内問題ですよ。海外でどうこうの話じゃないんですよ。そのときにこういう表現で物事を言うのは誤った認識を国民に与えますし、我々委員に対しても誤った認識を与えることになりませんか。

黒野匡彦運輸省航空局長

○政府委員(黒野匡彦君) 劣化ウランは航空機の動く翼、動翼と呼んでおりますが、例えば昇降舵とかあるいは方向舵、そこのバランサーとして従来世界的に用いられてきたことは事実でございます。その後、それをタングステンにかえるという作業を各国の判断で進めておりまして、民航機につきましては昨年の三月に交換を完了したという事実でございます。  なお、さらに最新鋭機、767とか777、それにはそもそもこういうバランサーは要らない、こういう設計になっております。これが事実でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 例のタレントが乗っていた御巣鷹山のときのボーイング747SR-100、これにも劣化ウランが使われていました。でも、十数年前の話です。  先ほど申し上げましたように、橋本総理はさらに「議員の御承知のとおりであります。その劣化ウランをしんに使いました劣化ウラン弾、これは核兵器ではございません。核兵器ではありません。そこがもし国民の間に誤解を生じましたなら大変な問題を呼ぶことでありまして、核兵器、よく似ているんだという言い方に直されましたけれども、核兵器ではないということはどうぞ御確認」くださいと。  これは事実誤認ですよ。総理の認識が明確になっていません。梶山官房長官、内閣の守り手として、この辺について御見解をいただきたいと思います。  私は陳謝を要求します。こういう間違った認識を国民、委員会、しかも予算委員会、参議院ですよ、参議院の予算委員会で間違った認識を与えるような言動は私は慎むべきであると。そもそも「議員、大変恐縮でありますが、言葉について誤解の生じないようにお使いをいただきたいと思うんです。」と、冒頭で総理自身がこういうふうにお話ししているわけですよ。その話している総理が、実際中身を検討していきますと、間違った認識で話をされている。おかしいじゃないですか。これは予算委員会に対する冒涜ですよ。陳謝を要求します、陳謝を。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) ただいま委員が読み上げられました総理の答弁の記録によりましてもこれは核兵器ではないと、そこのところを誤解しないようにと総理は答弁しておられるわけでございます。  御承知のとおり、劣化ウラン弾に使われております劣化ウランというものは放射性物質ではございますけれども、その放射能というのは極めて低いレベルであるというようなこと、そしてこの劣化ウランがこの段階に使われているのは、むしろ重量物であるタングステンと同じそういう特性に着目して使われているものでございます。  一方、核兵器と申しますのは、核爆発を使って兵器としての役割を果たす、そういうものでございますので、劣化ウラン弾はいかなる意味においても核兵器ではないわけでございます。  そして、委員御承知のとおり、核兵器という問題については我が国は非核三原則というものを持っておりまして、こういうものはつくらないし、持たないし、使わないということになっているわけでございます。そういった意味で、もしこの劣化ウラン弾がそういった我が国の非核三原則ともかかわりのある核兵器であるというような誤解が広がりますと、これはそのこと自体が問題である。  また、先ほど申しましたように、核爆発を利用して兵器としての機能を果たすといった核兵器ではないということも明確にしていかなくちゃいけない、そういう趣旨の総理の御答弁であると存じます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 一部は私の質問に答えていますけれども、私、核兵器どうのこうのといっている話じゃないんですよ。私は、劣化ウランに対しての総理の認識が違う、間違っている、間違ったままそれが国民に伝わっていく可能性があると。それをこの参議院の予算委員会で、衆議院ならまだいざ知らず、良識の府である参議院でそういう話をされた。明確にここは陳謝をすべきですよ。  梶山官房長官、お願いいたします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 先ほどの御答弁が委員の御質問に部分的にしか答えていないということでございました。私は全部お答えしたつもりでございましたが、もし足らないとすればこういうことかと思います。  まず、先ほど申しましたように、劣化ウラン弾が核兵器ではないと、その点については御答弁したところでございます。  それからいま一つ、劣化ウランと航空機のバランサーとの関係、その点につきましては先ほど政府委員が御答弁いたしましたので私からは申し上げませんでした。そして、委員も先ほど御説明なさいましたように、かつて日本でも使われていたけれども、日本では最終的に昨年の段階で使用しなくなった、これはそのとおりでございます。しかしながら、一方において、まだ国によっては劣化ウランをバランサーとして使用している航空機を使用しているところもございます。米国もそうだと思います。  そういった状況を踏まえて、総理の御答弁は、劣化ウランはそういうふうに飛行機のバランサーとしても使われていたということであって、そのこと自体が非常に危ないというものではないんだということをおっしゃったわけでございます。現在日本で使用されなくなったから総理の答弁が誤りである、そして当委員会の権威にかかわる、あるいはそれを冒涜したというふうなことは毛頭ないと思いますし、総理はそういうような意図は全くない、劣化ウランの持つ特性というものについてこれまでのいろいろな使用状況等を踏まえて御答弁なさったと、こういうふうに考えているわけでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 今、外務大臣の言葉の中に使われていたというような表現もありましたし、実際は今は使われていませんよね。今は日本国内においては使われていない。それに対して間違った表現ですよ。国内において劣化ウラン弾の誤射事件があったわけですから、国内において国民も大変心配して、とりわけ沖縄の住民は劣化ウラン弾の処理云々について大変心配していたんです。そういった渦中で、安全であるということを示すためにそういう表現を総理がしたということですよ。誤解を生じさせる言葉ですよ、これは。答弁をお願いします。

黒野匡彦運輸省航空局長

○政府委員(黒野匡彦君) 先ほども申し上げましたが、八年の三月に切りかえを終わっております。その前の段階ではかなり広く使われておりまして、私どもの立場からこの劣化ウランが危険であると、そういう認識は特に持っておりませんでした。素手で持つのはやめようとか、そういうことはございましたけれども、かなり世界的に広く用いられていたのは事実でございますし、それから外国の航空機につきましては、私ども情報がございませんが、使われている可能性が今でも高いと思っております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 要するに、総理の答弁を考えていきますと、「議員、大変恐縮でありますが、言葉について誤解の生じないようにお使いをいただきたい」と念押ししているんです。これはもう当たり前と言えば当たり前ですよ。でも、その本人が明確に間違っていると判断できると。「そして、現実に航空機のバランサーとして活用されているケースはたくさんあること、」、国内の航空機、国内問題で今劣化ウランが問題になっているときの話ですよ。「そこがもし国民の間に誤解を生じましたなら大変な問題を呼ぶことでありまして、」、これは委員の話に対して言っていることですよ。逆に、総理に対しても言われていることですよ、自分自身が自分に対して言っているわけですから。  私が言いたいのは、要するにこれは一般世間でも言うことです。要は知ったかぶりはやめていただきたいということですよ。明確に事実としてこういうことを言っているわけじゃないですか。私は陳謝を要求しますよ、官房長官。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 今、委員が繰り返し引用しておられる総理の答弁の中でも明らかになっていることは、私はこういうことだと思います。劣化ウランというものはどのような特性のものか、そしてどの程度の危険性があるものかということについて語っておられる。そのときの御説明として、例示として航空機のバランサーとして使われていたと、こういうことを言っておられるわけでございます。  委員は国内で起きた問題だから海外のことは引用すべきではないという立論をしておられるようでございますが、劣化ウランの特性を語るときには海外で使われているということも十分引用して差し支えないものだと、こう思いますし、また我が国においてもごく最近までそういうふうに使用されておったと、こういうことでございますので、総理の御答弁が特に事実を曲げたとかあるいは誤認しての発言だというふうには私は考えません。

加藤修一平成会

○加藤修一君 私は曲げたなんて言っていませんよ。誤認だと言っているんですよ。間違った知識に基づいて言っているという、そういうことですよ。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 私は先ほどの御答弁で曲げたわけでもないし誤認したわけでもないと御答弁したつもりでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、日本で使われていないという回答がありました。なぜこれは使われないようになったんですか。どういう根拠に基づいてというか、なぜこういうふうに日本で使われないような形になったか、その辺についてお願いします。

黒野匡彦運輸省航空局長

○政府委員(黒野匡彦君) 一つは、劣化ウランは腐食しやすいという性格を持っておりまして、その腐食が内部から起こるという特性を持っております。したがって、整備上手間がかかるというのが一点でございます。さらに、廃棄処理のときにつきましては、これは安全の上にも安全を考えましてかなり複雑な手続が必要だと。この二点をもちましてタングステンに交換を行ってきたものであります。

加藤修一平成会

○加藤修一君 劣化ウランはそれほど心配するものではないという話ですけれども、それは性状によると思います。固形物の段階、コーティングをしている段階ではそれはそれほど大きな危険はないと私も認識しております。ただ、粉末状態になった場合、エアゾール化した場合、それを吸引した場合、これは大きな影響があると、これは認めますね。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) その点につきましては米国における調査においても言及されているところでございまして、これまでも、当委員会でもあったと思いますけれども、国会の御審議の場でもそういった点については政府側からも答弁しているところでございます。  ただ、現実問題として、そういった空気中に広く広がるとか、あるいはエアゾール状になるとかいう状態が今回の誤射事件に関連して起き、そしてそのことが人体あるいは環境に危険をもたらすという事態にはならなかったというふうに考えられております。  それからまた、その辺がどうであったかということにつきましては、なお念には念を入れて調査をしましたし、まだ一部その調査をさらに続行中でもございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 日航機が墜落した関係、それで劣化ウランがあるという段階から実は手袋をはめたりマスクをしたりということになっているわけですね、新聞報道によりますと。あるいは、昨年ガルーダ・インドネシア航空、これが福岡空港で離陸に失敗した。先ほど言いましたように、粉末状になる、こういった状態を避けなければいけない。航空機に積んでいて墜落する、爆発する、そういうことによって生じる可能性は十分ある。それで、インドネシア航空の場合も積んでいた。部品ですから積んでいたという表現は当たらないかもしれませんが、これについてはどういうふうにお考えですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 先生お尋ねの昭和六十年の日航ジャンボ機事故のこと、それから昨年のガルーダ航空機事故、この二件とも、劣化ウランが粉末状態となって体内に吸収される、こういう状況は起きていないということを航空事故調査委員会から聞いているところでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 手元に運輸省航空事故調査委員会の事故報告書が別冊と同時に二冊ございます。この中には劣化ウランについての記述は一切ないですけれども、事故処理の途上で回収されていないというのもあるというふうに聞いていますけれども、そこを確認したいんです。

黒野匡彦運輸省航空局長

○政府委員(黒野匡彦君) 当時いろいろと話題になりましたが、その二つの事故におきまして、今御答弁もありましたように、粉末化するという状態は全く起きておりません。したがって、報告書等の中におきましても特にその点は触れていないと私どもは聞いております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 どう回収したかという話なんです。全部回収できたのかできないのか、どういうことなんですか。そこをちょっと明確に答弁をお願いしますよ。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) 日本航空のジャンボ機墜落事故の際につきましては、すべてで二十個劣化ウランのバランサーがあって、そのうち回収したものは五個であるというふうな当時の関係機関の報告を私どもは受けております。それから、ガルーダ航空機事故につきましては、十六個劣化ウランのバランサーがございましたが、これはすべて回収済みでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それじゃ、日航機の方についての回収はどうするんですか。どういうふうな考え方に立っているんですか、今は。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) 航空事故調査委員会としましては、今申しましたような事実の報告を受けておるわけでございまして、回収というようなことにつきましては特段に行っておりません。また、そのことが航空事故の原因究明にぜひ必要であったという事情もございませんでした。  以上です。

加藤修一平成会

○加藤修一君 事故の報告書を綿密に私も読みましたけれども、「放射性物質に関する調査」というところがあります。ここには一行も一字も劣化ウランのいわゆるバランサーについては書いていませんけれども、これはどういうことですか。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) 今申しましたような劣化ウランの粉末化というような危険な状況が生じたわけでもございませんし、また航空事故の原因究明上も重要なポイントではないということで書いていないものでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 今言った内容は非常におかしいです。答弁になっていないですよ。私も納得できない。なぜ納得できないかというと、本編の六十三ページに「放射性物質に関する調査」があって、実際に放射性物質について書いているじゃないですか、載せているものについて。バランサーだって放射性物質ですよ。違いますか。なぜ書かないんですか。書くぐらいのことはいいじゃないですか。これは隠ぺいですよ、隠ぺい。隠すような体質があるんですよ、一部には。違いますか。明確な答弁をしていただきたい。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) かなり前のことになりますので、詳しい事情は推測するしかございませんけれども、バランサーとしての劣化ウランというのは航空機に通常広く使われておりまして、特別な状況ではないわけであります。それで比べまして、そこで申し上げております放射性物質というのは、積み荷の中に放射性物質のものがあったということで、これは放射線量が多いということで、そのことについて記述したものであろうと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 当時の墜落ジャンボ機関連の新聞には、作業には手袋を必ず着用し、作業後には手を洗うようにという指令を劣化ウランが散らばったという段階で出しているわけですよ。多少なりでも普通のものではないですよという表現でしょう、これは。そういうことなのに、なぜ書かないんですか。書く必要があるんじゃないんですか。公開する必要があるんじゃないんですか。書かない必要があるという具体的な根拠がないじゃないですか。答弁をお願いします。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) 特に隠したというふうなことはないと思いますけれども、航空事故の原因究明の上で特に注目すべき点ではないというふうに判断した結果であろうと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 答弁になっていないですから、もう一度お願いします。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) そのことにつきましては、通常の航空機部品の一部になっておるようなものでございまして、そのことが航空事故の原因の究明の点において重要な要素ではないということで記述がなかったものであろうと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それじゃ、聞きますけれども、人体への危険性はほとんどないが、長時間素肌に触れると炎症を起こす危険がある、これはもう常識ですよ。このジャンボ機の劣化ウラン使用部品は、この部分を削ったり、塗ったペイント、塗膜をはがしてはならないと英語で注意書きが書いてあるわけです。いずれにしても、放射性物質であることには変わりないんですよ。それをきちっと明記するだけの話ですよ、一行でも。

武林郁二運輸省航空事故調査委員会事務局長

○説明員(武林郁二君) 航空事故調査委員会の報告書は、何度も申しますが、航空事故の原因究明という観点から意味ある事実、重要なる事実を書いてあるわけであります。そういう点では通常の、今日我が国の航空機にはないようでありますが、通常の航空機部品でありまして、そういうことから書かなかったのであろうというふケに思います。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記を起こして。

加藤修一平成会

○加藤修一君 先ほどの答弁をおさらいしますと、要するに事故究明には直接関係がないからという話だったですね。そう言いつつ、実はこの六十三ページに「放射性物質に関する調査」については書いてあるわけですよ。バランサーだって放射性物質であるわけですから書くべきじゃないですか。言っていることがおかしいですよ。答弁になっていない。納得できない。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 先生もよく御承知でお尋ねいただいていると思いますが、事故調査委員会は、事故について調査を行って調査報告を行うということでございます。政府委員の方で御答弁申し上げておりますように、六十年の日航ジャンボ機の事故は、御承知のとおり、劣化ウランによります粉末状態が体内に吸収するような状態ではなかったということは正確に把握した上で報告書を記述いたしておりますので、その中に劣化ウランについての記述はないということについては御承知おきいただきたいというふうに思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 答弁にはなっていないんですよ。もうちょっと明確にしてくださいよ。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 御承知のとおり、事故調査委員会はその事故について報告をいたしているわけでございます。そのことだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 そこまでは理解できますよ。そうするならば、何もこの「放射性物質に関する調査」の中でいろいろ放射性物質について書く必要がなくなってくるじゃないですか。わざわざ書いているんですよ。特記事項として書いているわけですよ。そのときバランサーだって関係してくる話じゃないですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 御答弁申し上げておりますように、劣化ウランが粉末状況になって体内に吸収するようなそういう危険はなかったわけでございますから、書いておりません。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それじゃ、長期的にその近辺にいる場合はどうなんですか、長期的というのは十年とか十五年とか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 劣化ウランの放射線に対する微量度というのはもう御承知のとおりでございまして、恐らく危険はないというふうに承知いたしております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 航空機事故ではいろんなケースが想定されると私は思うんですよ。要するに、福岡空港の例、インドネシア航空の件ですけれども、たまたま粉末状にならなかったということかもしれません。私はそこはよく知りません。しかし、そういうケースだってあり得ますよ。そういうことに対しての事後処理の仕方、そういうことに対してガイドラインが私は必要だと思いますけれども、どうですか。

古賀誠自由民主党運輸大臣

○国務大臣(古賀誠君) 御承知のとおり、今バランサーとしての劣化ウランというものがタングステンにかわって、政府委員も答弁申し上げましたように、極めて新型機についてはそういったものも必要がなくなっている。そういうふうに航空機の技術もどんどんどんどん開発されているわけでございますが、実際には外国でまだ劣化ウランを使っている航空機というのはあるわけでございますから、先生から今御指摘いただいた点は検討していかなければいけない、このように思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 使っているから完全に安全だとか一〇〇%安全だという言い方はできませんからね。明確に言っておきます。  ただ、事故報告の記述に関して考えてみますと、アメリカのレポートを読んでいく、政府の公認のいろんな研究所のを読んでいきますとファイアフレンドリーと書いていますから、自燃性があるということだけは確認していただきたいと思います。  それでは次に、米軍基地の環境汚染の原状回復について質問いたします。  沖縄県の恩納通信所跡地汚染問題、PCBの処理はどうなっていますか、お願いします。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 恩納通信所におきますPCBの汚染問題につきましては、私ども現段階ではPCBのいわゆる処理につきましてはある程度の作業を終わりまして、現在、沖縄県及び地元関係者との間で調整を行っておりまして、その保管について検討をしておる、こういう状況でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 調整と言いますけれども、この問題についても実は米軍から通知が、通告がかなりおくれた話です。調整をしているということですけれども、その内容はどういうことでしょうか。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 現在PCBのいわゆる処理方法については幾つかの処理方法がございますが、私ども、一応ドラム缶といいますか固定いたしまして、それをしかるべき場所に保管をしておくというような方法を現段階では考えておりまして、これにつきましていわゆる適正な保管場所等についての調整を今行わせていただいている、こういう状況でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 九六年の十一月十五日に、防衛施設庁は除去作業に、今ドラム缶の話が出ましたけれども、年内に着手する、そして実際にやっていると。しかし、保管場所、処理方法、そういったものは決着していないというふうに理解してよろしいですか。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 現在、調整をさせていただいているという状況でございまして、結論はまだ出ておりません。

加藤修一平成会

○加藤修一君 いつをめどにしてやる予定ですか。スケジュールはどうですか。いつをめどにするんですか。いつも調整調整って、私、こういう形で質問することは今回だけじゃないですから。必ず調整の話が出てくるわけですけれども、きちっとめどを明確にしてください。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 今しかるべき場所につきまして、いろいろ関係者の方がございます、したがいましてそういう関係者の方々との調整を行う必要がございます。現段階ではまだその最終的な調整がついておらないということでございまして、現在のところ、いつまでということはちょっとこの時点で申し上げることは差し控えたいと考えております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 ぜひ早くやるように私は要求いたしたいと思います。  それから、このいわゆる汚染された環境、米軍が日本の環境をある意味では汚している部分がある。汚した原因は教えない。そして汚したままで返還する。何で汚れたかもわからない、汚染の範囲はどこまでか、そういった意味では、一切わからないままに日本当局は返還された用地について環境汚染調査をすることになる。環境汚染されたものは、これ大変なんですよ、調査するというのは。十分とは言えない情報の中で処理するということになりますし、調査するだけでも大変である。しかも、PCB等の件については有害物質の処理でまだ国内と話がついていない。  環境汚染が米軍の基地の中にあったときに、あるいはその返還されたものについて原状回復は、その中に当然入ってくるというふうに理解してよろしいですね。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 私ども、賃貸借契約で借り上げております土地につきまして、実際返還する場合には、原状を回復するといういわゆる約束のもとに賃貸借契約を行っております。当然そういう条項に基づきまして、原状回復の必要がある場合にはそういう措置をとらせていただいた上で返還をする、こういう仕組みになっております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 返還されたところが環境汚染されている、そういった場合に、調査費用、処理費用はすべて日本側が持つことになりますか。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) そういう経費につきましては、私ども、返還前の処理費用として処置しておるところでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 返還された土地、あるいは返還前のでもよろしいんですけれども、とりわけ返還前の非常に我々が立ち入りづらい米軍基地内における環境汚染の場合については、すぐさま通報すること、それから私は常々思っているわけですけれども、在日米軍基地の環境汚染実態調査、これを日米共同で行うべきだと考えますけれども、この辺についてはどのように考えますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 環境問題につきましては、日米合同委員会のもとに環境問題を特別に扱う小委員会ができております。そういう枠組みのもとで、何か事故等が起きましたときには適切に対処するという、こういうことになっておるわけでございます。  それから、それと同時に、先ほどの御答弁で申し上げましたが、一般的に環境問題以外のものも含めていろいろな事故等が起きた場合の通報連絡体制を改善しようということで、今詰めの作業をしているところでございます。  それから、日米共同での調査という点でございますが、これも、先ほど申しましたような合同委員会の中に環境についての枠組みがございますから、そこで適宜協議しながら適切に対処してまいりたいと、こう考えております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 日米合同委員会の中に環境分科委員会があるということで、そこで協議されるということですけれども、じゃ、劣化ウランの話にちょっと戻します。  通告がなかったというのは、そこでも全然討議されなかった、議論されなかった、議題に上がらなかったということですね。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 劣化ウランについては、環境の分科会で議論されたということはございません。  ただし、その上部機関である合同委員会で議論はされましたし、それから日米間の政府レベルで議論をしてきたということでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それは通報後の話ですね。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 米側の通報が大変おくれたことは遺憾でございますが、通報をもらってから後の話でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それじゃ、全然機能をしていないという話になりませんか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) したがいまして、劣化ウランの誤爆の問題につきましては、私どもも、これは甚だ遺憾なことである、これは改めなくちゃいけないということで、米側とも今いろいろ、将来にわたってこういったことが再発しないことはもとよりのこと、通報おくれなんかがないように話し合いを詰めておるところでございます。  おっしゃるとおり、この劣化ウランの問題に関する限り、これは適切な対応がなされなかったと言われれば、そのとおりでございます。その点を改めていこうとしているわけでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 劣化ウラン弾の件という答弁をされましたけれども、劣化ウラン弾に限らず、環境汚染問題についてどのように考えるか、もう一度答弁をお願いします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 先ほど申しましたように、日米合同委員会のもとに環境問題に関する特別の枠組みがあるということでございますから、それによって対応していくということでございますし、それ以外に一般的な事故、事件等の連絡通報体制も整備しますが、それの対象にもなる、こういうことでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 大臣、言っていることがちょっと違うんじゃないですか。PCB等のいわゆる十一汚染物質については通告がかなりおくれているんですよ。ということは、日米合同委員会の環境分科委員会で俎上に上っていないということじゃないですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) このような枠組みをつくりまして、それで適切に対処し対応していく、こういうことでいっているわけでございますけれども、これまでにそういった枠組みが十分に機能しなかったケースはございます。そういった例につきましては、そういったことが再発しないように努力していこうと、こういうふうに御答弁しているわけでございます。この仕組みが全く一〇〇%、先ほどの委員の御議論によりますと、一〇〇%対応できなかったからこの仕組みそのものがだめだということじゃ必ずしもない。仮に九九%まで対応しておるならば、なおそれを九九・一%対応できるようにできないか、さらにどうかというふうに努力していくべきものと考えます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 劣化ウランの件だけでないですよ。PCB等の十一の環境汚染物質だけじゃないですよ。嘉手納基地にあった五年前のあれも通告があったのは起こってから五年後ですよ、明確になったのは。通告じゃなくて、明確になったのは五年後なんですよ。要するに、隠そうという体質がある。  私は、ピースタイムのとき、平常時においての環境汚染というのは生命にかかわってくる、戦争が起きたときはもう何をかいわんやですから。平時、ピースタイムのときに環境汚染があるならば、明確に我々日本としてはきちっと通告すべきじゃないですか、通告じゃなくて、資料をよこせと、きちっとこっちに通告しなさいと、そういうことが大事だと言っているんですよ。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) そのように我々も努力しているわけでございます。隠そうとしているんじゃなくて、きちんとやろうと思っております。完全なものに近くなるようにありとあらゆる努力を傾注していこうと、こう申し上げておるわけでございます。  先ほど例示されましたPCBの件等につきましても、とれは残念なことでございます、起きたことは。しかし、これはわかってからそれにどうやって対処していくか、真剣に取り組んでいるというところも見ていただきたいと思うわけでございます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記を起こして。  ただいまの外務大臣の発言については、後刻速記録を精査して理事会において協議をして措置いたします。

加藤修一平成会

○加藤修一君 枠組みを考える、枠組みがあるという話なんですから、それはもうそういうことが起きないように一生懸命努力するというのが、これは当然じゃないでしょうか、外務大臣。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 私どもも最大限の努力を払ってこういった事態が再発しないように、そうして将来に向かって国民の皆様方にも御安心いただけるような状況をつくるように努力していこうと、こう考えております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 こういう環境汚染の問題、これはさまざまな形で人間の生命にかかわってくる問題です。要するに、今まで公開しなかったという中には軍事機密にかかわるという話があったように思いますので、それは明確に違うと。要するに、生活環境を汚染する、そういう観点から考えていくならば、生命を守る、そういった意味では公開すべきだ、軍事機密じゃない、そういう理解を私はしていますけれども、よろしくお願いします。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) おっしゃるように、環境にかかわる問題についてはできる限り資料を公表するということで我々は対応してまいります。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、返還された基地あるいは返還前の基地も含めて、要するに基地で起こった事故、いわゆる経歴みたいなものですね、あるいは運転記録、いわゆる環境汚染にかかわる、そういうところについては日本国側に立って情報の入手システムをきちっと私はつくっていただきたいと思いますけれども、お願いいたします。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 最大限努力いたします。

加藤修一平成会

○加藤修一君 最大限努力しますというのは人によっていろいろ変わりますので、もう少し言葉を足して説明してください。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 環境問題は国民生活に非常に密接に関係する問題でございますので、それにかかわる事故等がございましたときには、それに関する情報についてはできる限り米側から情報を求めるよう私ども努めてまいります。

加藤修一平成会

○加藤修一君 ふだんから外交当局が弱腰だからこういうことになるんですよ。足元を見られているんですよ。言うべきことはきちっと言わないとだめだと私は思いますよ。軍事機密の問題はさておいて、生活環境、環境を汚染する問題についてはきちっとやっていただきたい。  それでは、駐留軍軍用地の特別措置法第十三条をちょっと読み上げて説明してくれますか。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 十三条は引渡調書にかかわる規定でございますが、これ全部お読みいたしますか。

加藤修一平成会

○加藤修一君 十三条の第二項。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 第二項でございますか。   前項の引渡調書には、左に掲げる事項を記載しなければならない。  一 返還する土地等の所在、地番及び地目並びに土地等の所有者及び関係人の氏名及び住所  二 返還する土地等の種類、数量及び形状  三 その他返還の際の現状を確認するに必要な事項  以上でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 読み上げると同時に説明をお願いしたいと思ったんですけれども、説明をお願いします。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) この規定は、私ども防衛施設庁がお借りしております土地を返還する際に、その所有者及びその関係者の方々に立ち会っていただいた上で引渡調書というのを作成するというのがこの第一項の方にございますが、その際の引渡調書に作成すべき事項といいますかそういうものを整理して記述したものだと理解しております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 第十三条の第二項の三番目、今読み上げていただいた「その他返還の際の現状を確認するに必要な事項」、この中に要するに返還された土地に関しての環境汚染にかかわる情報をきちっと私は入れていただきたいと思いますけれども、見解をお願いします。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) ただいま読み上げました「返還の際の現状を確認するに必要な事項」という中で当然先生の今の御指摘のようなことは読めるんではないかというふうに私ども理解しておりますが、そういう御趣旨もよく理解できますので、今後検討させていただきたい、このように考えております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 ちょっとわかりづらい点がありましたので、もう一度お願いできますか。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) 現在の条文で十分私ども読めると理解しておりますが、今の先生の御趣旨も私ども理解いたしますので、今後検討させていただきたい、このように考えております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 検討の中に文言という形で明確に明示的に入れることを私は思っておりますけれども、それについてどういうふうに。

諸冨増夫防衛施設庁長官

○政府委員(諸冨増夫君) これから検討するに当たりまして、そういう御意見を踏まえましてもちろん検討させていただくわけでございますが、現段階でまだ結論が、これから検討するわけでございますので、ちょっと今の時点で明確なことは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 しっかりと検討していただきたいと思います。  それでは次に、FGS、ファイナル・ガバニング・スタンダーズについてお尋ねいたしたいと思います。  FGSの位置づけ、これについてどのようにお考えでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 米側が外国における基地につきまして、また日本の場合は日本の施設・区域におきまして、FGS、ファイナル・ガバニング・スタンダーズと呼ばれる一定の環境に関する評価基準を設定して、これに基づいて環境に配慮した行動をしているというふうに承知しております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 今までの答弁の中で、別の委員会ですけれども、より厳格な方を選択するという基準について、これを確認したいんです。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) この評価基準は、アメリカ政府の方針によりまして、外国における基地にありましてはアメリカ国内法の基準、オーバーシトズ・エンバイロンメンタル・ベースライン・ガイダンス・ドキュメントというのがございます。それと接受国の基準のうち、より厳格な方を選択して定めるという方針をとっていると承知しております。

加藤修一平成会

○加藤修一君 今オーバーシーズ云々と言われましたけれども、その中身はどういうことでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) ちょっとここにそのものは持ち合わせませんが、米軍が守るべき環境の基準等を定めているものでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 外務省にはありますか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 外務省は持っておりません。

加藤修一平成会

○加藤修一君 入手を試みますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) それは米側のものでございますから外務省は持っておりませんが、そういったものを踏まえながら、また我が国の国内法令も尊重ながらつくり上げられているものが先ほど委員も御指摘になりましたFGSでございますから、そのFGSに従って行われているということで十分担保されるんだと、こう思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 今の資料を要求いたしますので、お願いいたします。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 先ほどの米側のオーバーシーズ・エンバイロンメンタル・ベースライン・ガイダンス・ドキュメントはアメリカの内部文書でございますが、それを踏まえ、先ほど大臣がお答えになっているように、日本についてはFGSというものがございまして、これにつきましてはお出しできますが、米側の内部文書については、アメリカの内部文書でございますので、私どもお出しする立場にないと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 FGSについては今言ったオーバーシーズ云々に極めて依存しているわけですよ。その中身がわからないとFGSそれ自体がわからないんですよ。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) まず、米軍が日本でいろいろ行動します場合にどういうふうに対応しなくちゃいけないかという点でございますが、その第一の原則は、一般国際法上必ずしも接受国、この場合は日本の法令がそのまま適用されるわけではございません。しかしながら、同時にその接受国の国内法令を尊重しなくちゃいけないという義務も一般国際法上ございます。そういったものを前提にいたしまして、地位協定のあれは十六条だと思いましたけれども、我が国の法令を尊重しなくちゃいけないということはございます。それから、地位協定の三条には公共の安全等にも配慮しなくちゃいけないということが別途あるわけでございます。  そういうものを踏まえまして現実に米軍が対応するときに、我が国のそういった法令を尊重していくということを一方で考え、他方において米国自体のいろいろな法的な規制等も考えてFGS、ファイナル・ガバニング・スタンダーズというものをつくりまして、それによって対応しているわけでございますから、委員の今求めておられるのも米軍が一体どういうふうに対応するかということでございますが、その基準ということではFGSを御提出するということでどうか御納得賜りたいと存じます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 回答になっていないと思います。要するに、理屈も大切であると。理屈の中で、今尊重するという話がありましたけれども、現状は尊重されていないんですよ、PCB等云々で、通告は遅くなる何は云々と。だから私は、もともとその文書というものをきちっと明確に把握しなければいけないと。ですから、私は資料を要求しているんですよ。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 尊重すべき基準、それがFGSである、それは出させていただきたいと、こう申し上げている次第であります。

加藤修一平成会

○加藤修一君 いや、FGSについては外務省からいただいています。そうじゃなくて、このもとになっているやつを私は資料要求しているんです。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 先ほど政府委員からも御答弁申し上げましたけれども、もとになる方は米側の内部のものでございますから、これは私どもに出せ、提出しろとおっしゃいましてもなかなか対応の困難なところがある。  しかし、そういったものを踏まえ、一方において我が国の方のいろいろな国内法令というものも踏まえ、それを尊重しながら具体的にこういうふうに行動していこうということでFGSがつくられておるわけでございますので、だからそのFGSというものは米軍のいろいろなこういった面での行動の規律のもとになるものだと、こういうことでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 大臣が言っていることはおかしい部分がありますよ。尊重する尊重すると米軍が言っていますけれども、尊重しながらやると言っているが尊重されていないから言っているんです、私はさっきから何回も。  それから、このFGSは、私は読んでみましたけれども、その資料がないと中身がわからないんですよ、これ。だから私は申し上げているんです、何回も。お願いします。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 尊重するという言葉が何を尊重するかということは、対象がいろいろ分散していると思いますけれども、まず私が答弁で申し上げましたのは、一般国際法上その接受国、すなわち日本のいろいろな法律を尊重しなくちゃいけないということがある、そのことは地位協定にも書いてあると、こういうことを申しました。  そういったことを踏まえまして米軍としてもいろいろ行動しておる。それで行動するときの基準としてFGSといったものをつくっている。ただ、そのFGSというのは、国際法上あるいは地位協定に書いてある我が国の法令を尊重すべきであるという、そういった要請だけではなくて、米側の内部の規律というものをいろいろ入れてつくっておると、こういうことでございます。  だから、そもそも我が国の法令等は尊重されているかどうかということは、具体的にFGSをごらんいただき、それからそれがきちんと守られているかどうかということをチェックしていただく、あるいは場合によってはそのもとになる我が国の法令に照らし合わせて米軍の行動がどうかというふうにごらんいただくということで可能なのではないかと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 アメリカにそれは資料要求してください。お願いします。  それで、私が言いたいことは、FGSの中で、例えばFGSの目的、DODディレクティブ六〇五〇・二八によるとか、あるいはエグゼクティブオーダー二一〇八八によるとか、あるいは先ほども出てきましたオーバーシーズ・エンバイロンメンタル・ベースライン・ガイダンス・ドキュメントによると。あるいはエグゼクティブオーダー一二三四四、ネーバル・ニュークリア・プロパルション・プログラムによるとか四二USC七一五八によるとか書いてあるじゃないですか。これはアプリカビリティーの話ですよ。どこに適用するかという話なんですよ。そこに書いてある法律が全然わからないでどうやってやるんですか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 今、委員おっしゃるように、FGSの中に引用されている部分というのは確かにございます。委員の御指摘も踏まえまして、その引用されている部分の内容についてはどういうことであるかというのは確認したいと思います。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 速記を起こして。  加藤君に申し上げます。  ただいまの資料につきましては、理事会において協議をしてその取り扱いを措置いたします。

加藤修一平成会

○加藤修一君 改めて資料要求をしておきたいと思います。  それでは、FGSの中に土壌汚染に関する項目は入っているでしょうか。

渡辺好明環境庁水質保全局長

○政府委員(渡辺好明君) FGSには守るべき大気それから水質、廃棄物等各般の基準が盛り込まれておりますが、御指摘の土壌汚染につきましては現在のところFGSに関連する項目は含まれておりません。  したがいまして、土壌環境基準など土壌汚染に係る項目をFGSに追補するよう日米合同委員会環境分科委員会を通じましてアメリカ側に要請をしているところでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、次に対人地雷の問題に行きます。  外務省にお尋ねしますけれども、対人地雷の世界における現状についてお願いいたします。

朝海和夫外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(朝海和夫君) 国連の推計によれば、現在世界各地に一億一千万個以上の対人地雷が埋められているようでございます。地雷の爆発によって、これも国連の推計でございますが、毎月二千名以上が死傷しているということでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは、対人地雷の我が国の現状についてお願いいたします。

鴇田勝彦防衛庁装備局長

○政府委員(鴇田勝彦君) 御質問の趣旨は自衛隊の保有する対人地雷の種類についてであると思いますが、自衛隊の保有しております対人地雷には、簡単に申し上げまして地中に埋設する型式のものあるいは航空機等から散布する型式のもの及び地上に設置する型式のものがございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 平成九年度予算案の対人地雷の額は幾らですか。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○政府委員(秋山昌廣君) 約七億円でございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 最近十年間を含めてお願いします。

秋山昌廣防衛庁防衛局長

○政府委員(秋山昌廣君) 昭和六十三年度から、以下順次十年間を申し上げます。約六億円、十六億円、十億円、七億円、七億円、七億円、五億円、六億円、六億円、七億円、以上です。

加藤修一平成会

○加藤修一君 国際世論の動向がこの対人地雷については非常に問題になってき始めていますけれども、いわゆる動向と関係条約の経緯、現状についてお願いいたします。

河村武和外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○政府委員(河村武和君) 対人地雷を含む地雷につきましては、一九八〇年に作成されましたいわゆる特定通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約に附属しております地雷等に関する議定書においてその使用が規制されておりまして、本年一月現在で我が国を含め六十一カ国がこの議定書に拘束されることに同意しております。  他方、対人地雷問題の解決のために、地雷等に関する国際的な規制を強化すべきという認識が九〇年代初めからございまして、一九九四年から政府専門家会合及び条約の再検討会議が開催されました結果、地雷等に関する改正議定書が昨年、一九九六年五月に採択され、議定書上、対人地雷を中心に地雷等に関する規制が強化されました。この改正された議定書についてはいまだ締約国はございませんけれども、対人地雷問題に関する国際的な関心の高まりの中、主要各国ともその早期締結に向けて鋭意取り組んでいるところと承知しております。我が国も、国会での御承認をいただくべく、この改正議定書を今次国会に提出したところでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 全面禁止に向けてオタワ・プロセスヘの支持をお願いしたいわけですけれども、官房長官がいらっしゃいませんので、質問を飛ばします。  全廃に向けての日本の貢献策として、対人地雷探知器を海外にいわゆるリターンシステムで援助しろというふうに私は考えております。これは通産大臣にお願いいたします。  外務大臣には、ODAを提供している国で対人地雷を使用、輸出している国には強く全廃を主張せよというふうに私は考えていますけれども、御見解をお願いします。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤信二君) 政府としては、武器の輸出については従来より武器輸出三原則に基づき慎重に対応しております。しかしながら、湾岸戦争のときに、報道、医療関係者が現地で万全の管理を行うということとそれから帰国時に持ち帰るということを前提として携行した毒ガスのマスクの例がございます。当該輸出の目的及び態様等によっては、武器とみなされるものであっても、武器輸出三原則の趣旨について損なわないものとして輸出を許可した例があるわけでございます。  御指摘の点に関しましては、武器輸出三原則等の趣旨を踏まえて、そして輸出の目的及び態様等を十分に考慮して適切に対処してまいりたい、かように考えております。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 我が国のODAの運用に当たりましては、相手国が軍備その他の関係についてどういうふうな動向をとっているかという点については、民主化の動きであるとか人権の保障状況等々と並んで、これは考慮すべきものというふうにODA大綱でも定められているところでございます。しかし同時に、ODA大綱の原則は、そういったことをいろいろ考えながらも、しかしそれはその国との二国間の関係がどうであるか等々、総合的に判断して決定すべきもの、こうなっているところでございます。  そういった基本的な立場に立ちまして、対人地雷の問題についても十分配慮しながらこれから対応してまいりたいと思います。

加藤修一平成会

○加藤修一君 それでは最後の質問で、せっかく環境庁長官に来ていただいておりますので、環境アセスメント法の、まだ答申があっただけで法案が上がってきておりませんが、アセス法の理念について明確に答弁をお願いしたいと思います。

石井道子自由民主党環境庁長官

○国務大臣(石井道子君) 環境影響評価制度につきましては、環境基本法で示されております環境の恵沢の享受と継承等、また環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等の基本理念を実現するための手段を提供するものであります。国が講ずべき施策の一つとして、環境基本法第二十条に定められているところでもございます。  また、中央環境審議会答申におきましては、環境影響評価制度の目的として、事業者みずからが、その事業計画の熟度を高めていく過程において、十分な環境情報のもとに、事業に関する環境影響について調査、予測、評価を行う手続を定め、その結果を当該事業の許認可等の意思決定に適切に反映させることと示されておりますので、環境庁といたしましては、こうした考え方に沿った法案を国会に提出する考えでございます。

加藤修一平成会

○加藤修一君 小規模でも大きな影響を与えるものがありますので、大変重要な法案でございますのでぜひとも一生懸命やっていただきたいと、そう思います。  以上です。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成九年度一般会計予算、平成九年度特別会計予算、平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。石田美栄君。

石田美栄平成会

○石田美栄君 平成会の石田美栄でございます。よろしくお願いいたします。  二十一世紀にも平和で豊かで繁栄が持続できる日本をと、社会、経済、文化、さらには環境、いろいろな面から議論がされております。そして、少子化、高齢化問題も大きな話題になっておりますが、私は、この二十一世紀に人口が急減していくということは何よりも深刻な問題だというふうに思います。立派な道路や空港や新幹線や文化施設やスポーツ施設等々が整ったけれども人口は半分になった、さらにその先はというふうに考えると、日本が本当に将来これでいいのかなと深刻に思います。国力が衰退していくことは明らかだと思います。  御存じのことですけれども、昭和二十年代、第一次ベビーブームと言われた時代には一年間に二百数十万という子供が生まれており、最も多い年は二百七十万もの赤ちゃんが生まれています。そして、それから二十年以上たって、第二次ベビーブームと言われる時代にも、これは昭和四十六年から四十九年ですが、二百万人以上が生まれております。ところが、六十年代に入ってからは減り始めて、本当にみんな承知していることですけれども、平成七年は百十九万三千、そして昨年でそれでも百二十万三千、一番多いときに比べるともう半分以下という、こういう状況。  出生率も、昭和二十年代には四人強だったのが、平成八年では一・四二というふうに下がっております。東京では何と一・一四人という状況でございます。まさに国の一大事でございます。  もう既にこの予算委員会でも、何人もの方々がこの問題に触れておられるのです。そして答弁も繰り返されているのですが、この場面というのは男性の方が多くて、なかなかこれという回答が出てきておりませんし、解決策も見出せない。このことについて、私は、きょうの時間を使いまして、特に男性の方が多いわけで、私がずっと考えておりますことをじっくり一緒に考えていただけたらというふうに思います。  その原因は何かと、いろいろその人その人によって認識が違うかとも思いますけれども、ここでもう一度女性問題担当大臣の梶山官房長官に、その原因をどのように認識されているか、伺ってから話を進めてみたいと思います。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 初めにお断りをしておきますが、私は女性問題担当大臣ではなくて、これは武藤総務庁長官がやっていただいておりますし、私は男女共同参画室を主宰する内閣官房でございますから、特に二人して女性問題に当たった方がより強力であろうということで武藤先生にお願いしておることを御理解いただきたいと思います。  私は、年配ですから、確かに委員御指摘のように、この少子化、人口の急減というのは衰退国家につながる、こういう考え方を個人的には持っております。  私は、十人兄弟の十番目の人間であります、ちなみに。その十人兄弟の育った家庭環境というのは、大変貧しい。昔、貧乏人の子たくさんと言ったこともございますが、幸いに母親が元気で私たちを産んで育ててくれたわけであります。そういう思いをいたしますと、今の少子化というのはまさに私にとっては想像もつかない社会。  しかし、ある人とゆっくり話をしてみますと、梶山さん、明治以来、日本というのは人口がふえ過ぎたのではありませんか、ふえ続けたと。しかし、ふえるということは、どちらかというと発展国家というものにつながりやすい。しかし、多いということがいいのかどうなのか。これはよく発展途上国でも言われることですが、子供さんが多いということは発展途上国の特性であります。ですから、子供は財産だという思いもあるでしょうし、いろんなことがありますが、いずれにしても、経済的には貧しい国が多産であり、経済的に伸びますと、大体一人頭の所得が二千ドルを境にして子供が多い少ないという分岐点になっているそうであります。  経済が豊かになるとどうして子供さんが減るのか、これは私には残念ながらよくわかりません。しかし、出生率が急激に低下をしたことはそうでありますが、いろいろ本を読んだり、いろんな話を聞きますと、この出生率の低下というのは、一番高いのは未婚率の上昇ということに原因があるという気がいたします。今でも、五十歳までを計算いたしますと、五%の方々が未婚であります、ついこの間までは四%だったわけでありますが。これを人口の推計をやっている方たちに聞くと、いずれの日にか二二・八%まで上昇するというと、これはほとんどもうそのことだけで少子化が決定的になる。  ですから、今結婚をした人は大体二・二人ぐらいの出生率を持っているわけでありますから、結婚をする環境をどうやって形成できるか、あるいはどういう道徳律というか倫理観というか価値観というのか、そういうものがどういうふうに植えつかっていくものなのか、こういうものに大変起因するところが多いと思います。  私は残念ながらこの年でございますから、これから長い先の日本の人口増加をどうしなきゃならないかということを今私が論ずるわけにはいきませんし、若い方々がそういう意識を持ってもらわなきゃならないという気がいたします。  いずれにいたしましても、大変な問題で、高齢化というのは、健康で健全であれば大変望ましい社会、そして健全で働ければ。しかし、少子化というのは急速に、何でもそうですが、激変というのは影響が大き過ぎます。  そして、高齢化が進む社会と少子化が進む社会のバランスがいつ定まるのか。人口が多いか少ないかという問題よりも、高齢化が進みながら少子化が進んで、その両方がいつの時代に安定的なバランスを保つか。これはなかなか推計は難しい点もあるようでありますが、しかし幾つかの推計が出ております。そういう時代を目指しながら、しかし基本にある出生率というのが下がってしまいますと、これまた推計は今のままの推計でいいはずじゃございません。  いずれにしても、私には残念ながら、神様の配慮かという最後は逃げ場所でございますが、そういう状態が続いていることは私個人は大変憂うべきことだという気がいたします。

石田美栄平成会

○石田美栄君 ありがとうございました。  認識の点で、いや私も官房長官の御認識、結婚しない、したがらないという、ここが一番なぜなのか、そこを本当に考えていきたいと思うのです。本当は、結婚するしないというのは個人の選択ですけれども、女性が結婚するということは男の人もするということですけれども、妊娠も出産も子育てもするけれども、社会とのかかわりを持ち続けて、自分の能力や個性を生かしながら、そして健全な家庭をはぐくみつつ、本当に充実した人生を送ることができるようにということで今日までもいろいろな支援制度がつくられてきたわけです。  ここでもう一度、どういう制度がつくられ、実際にはそれがどんな効果を上げてきたんだろうかということを、これもたびたび繰り返されておりますけれども、いま一度、厚生大臣そして労働大臣にお尋ねしてみようと思いますが、労働大臣、ちょっと委員会の方があっておくれていらっしゃいますので、まず厚生大臣にお尋ねしてみたいと思います。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 少子化という問題は、これといった一つの原因ではないということは官房長官が今述べられたとおりだと思うのであります。  また、子育て支援というものについても、この子育て支援があるからお子さんがたくさん生まれるかというとそうでもないと思いますけれども、女性が子育てしながら社会に参加できるような状況をできるだけつくっていきたい、またそういう環境を整備する必要があるということで、厚生省としても、今まで保育所の整備を初めとする育児支援策、あるいは妊産婦や乳幼児のための健康診査などの母子保健施策、さらには出産育児一時金や児童手当の支給などの経済的支援、こういう社会経済支援策を私は今後もとっていく必要があるのではないかというふうに考えます。  また、いろいろ人口問題審議会等幅広い御意見を伺いながら、今後この少子化対策、どのような施策が必要かという点につきましても、幅広く意見を聞きながら検討を進めていきたいと考えております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 労働大臣もいらっしゃれば、今までしてこられましたいろんな支援策をおっしゃると思うんですが、制度による支援はもちろん必要でございます。育児休業制度とか保育施設の充実、育児手当、出産手当等々、制度的な支援というのは徐々にあるいはかなり進んできていると思います。  そうすると、本当は出生率が改善されなければならないはずですけれども、逆にどんどん低下していて、平成十二年には一・三八まで低下すると推定されておりますし、先ほど官房長官もおっしゃいましたけれども、実際は結婚したカップルが子供を持つ数というのは、特に妻が二十四歳から三十歳というところでは平均して二・三くらいになっていると思います。それで、上昇ぎみにあるというふうに見られております。  これは先ほど官房長官もおっしゃいましたように、出生率の低下の理由は、男女ともに晩婚化あるいは未婚ということが上昇しているということで、未婚率というのは、三十歳までの未婚率、昭和六十年には三割だったのが、昨年はほぼ半分になっていますね。先ほどおっしゃいましたように、生涯結婚しない人もどんどんふえているということで、結婚するしない、子供を持つ持たないというのは個人の選択で自由なのですが、本当にこんなに物が豊かになり生活は便利になって、それで若い人たちが結婚したがらない、子供を持ちたがらない、こうした日本の国の状況というのは、本当に豊かな国とは言えないというふうに思います。  この点について、もう一度官房長官の御感想を伺いたいと思います。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 一概には言えないと思うんですが、経済が豊かになるということは人間自身には幸せなことであります。  ただ、この経済的な面だけから打算で考えますと、確かに個人個人に対する社会のいろんな意味での子育てを助ける政策はとられておりますが、大きい眺めで見ますと、家庭を持っている者と家庭を持たない者で経済的にどちらが得か損かというのを考えれば、圧倒的に個人の方が得にできております。  私は、いっか「おしん」の作家である橋田さんに話を聞いた際に、彼女が言うのには、私はホームドラマですからホームドラマを書くのに、もうちょっと政治家は物事の政策を決定する際に、家庭というもののフィルターを通して、これは家庭を大切にする政策であるか家庭をないがしろにする政策であるかというものにもう一回フィルターを当てて見てくれと。  そういう観点で見ますと、私は、家庭を持つ女性、家庭を持つ夫婦と、家庭を持たない男性、家庭を持たない女性の間には大変所得やあるいは社会的な制約その他で、家庭を持った者がどちらかというと、冷遇をされているという言葉がいいのかどうかわかりませんが、そういうことが多いわけであります。私は家庭を大切にするということは、子供さんを産むということ以外に、人間が健全であるということはやはり家庭というものを通して生まれるわけでありますから、家庭をもうちょっと大切にする政策ないしは制度というものが世の中にできて、打算的に考えればその方が得とまではいかなくても、相当損はしなくても済むという社会ができれば、私は家庭を持つ習慣がこの経済社会でもできるはずだという気がいたします。

石田美栄平成会

○石田美栄君 今、官房長官がおっしゃいましたその損得、効率がいい悪い、そういうことが価値観になっている社会、戦後の工業化の中でそうした価値観をどう問うていくかということは非常に重要でございます。  そうしますと、教育というのは国家百年の大計、教育は人づくり、国づくりの基本であって、教育の成果が国の将来の発展のもとであるというのであれば、まさに国の将来がかかっているこの少子化の問題、原因に対して教育は一体何ができるのか、何をしなければならないのかということは非常に重要だと思いますが、文部大臣、この点についてはどのようにお考えになりますでしょうか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 先ほどから、少子化の背景とか原因については、未婚の増加とかあるいは晩婚化あるいはその他の理由によって進行している、これを食いとめるためにはどうしたらいいか、これは文部大臣の守備範囲を超える問題でございます。  ただ、今のこの少子化の時代あるいは核家族の時代の中で、教育がいかにあるべきか、そういう視点から我々はいろんな施策を講じているわけでございます。例えば、学校教育の中では家庭科とかあるいは社会科、そういうところでこれからの時代をどう過ごすべきかということを教えているわけですが、特に教育上の観点から見ますと少子化というのは非常に問題を含んでおります。  私も六人兄弟の中で育ったんですが、兄弟の中でお互いにおもちゃとが食べ物の取り合いというようなことで切瑳琢磨がありますし、また外でいじめられてくると兄貴が来て助けてくれたというような経験もありますように、お互いに自分の兄弟に対するいたわりの気持ちとか、あるいは子供の中での切瑳琢磨を通じて自主性とかあるいは社会性というものがはぐくまれていくと思うんですね。したがって私は、そういったものがだんだん欠けてきているという中で、教育の中でそうした兄弟愛とか家族愛とか、そういうものをはぐくむ教育が必要かと思っております。  今エンゼルプランというようなことで各省協力してやっていますけれども、文部省として一体何ができるのかということでいろいろ考えてみますと、そういった学校教育の場で、少子化社会に生きる生き方、そういうものを教えるとともに、子供さんが少ない、一人っ子だというようなことで、外で遊ぶ時間、仲間とのつき合いが少なくなる。そういうことから、もっと文化、スポーツあるいは社会活動ができるような場を提供する、青少年施設の整備などを通じてそういった社会教育、文化、スポーツに触れさせる、こういうことがあると思います。  それから、子育てのお母さん方に対する支援ということで、子供さんをどう育てるかということで悩んでいる若いお母さん方がいっぱいおられるんです。そういう人たちに対する学習機会の提供とか、あるいは幼稚園なんかでも、私この間お母さん方と話をしましたら、みんな試行錯誤で、どうやってこの子を育てたらいいのかということで悩んでいる人がいっぱいいるんです。私は、幼稚園の教育というのは単に幼児を教えるというだけではなくて、その母親あるいは父親に対してもいろんな教育相談とか各種の指導というものが必要じゃないかなと思っております。  あと、まだいろいろありますけれども、もう一つ、経済負担を軽減するというようなことで、幼稚園就園奨励費とか、あるいは育英事業とか私学助成と、こういったような面で、できるだけ少子化社会の中での子育てというものがやりやすいような、そういう場を提供するというのが私の役目だと思って、今後とも一層取り組んでいきたいと思っております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 実は、日本が今直面している高齢化、少子化の問題というのにもう一足早く遭遇している国々がございます。そして、そうした問題を既にクリアしている国も数々あります。  北欧の国々というのは、福祉の充実とともに、スウェーデン等々は徹底した男女平等教育によってこの出生率の低下を食いとめて、もう既に二人台に回復してかなりの年月になります。また、アメリカという国は、北欧のように福祉は充実していないんですけれども、出生率二人台以上を維持しているまれな国です。  それは、アメリカというのは自由な風土もあります。アメリカだけではないんですけれども、アメリカにはウイメンズスタディーズという、日本語ではこれを女性学というふうに訳しておりますけれども、一九七〇年代からこれは学問体系としてアカデミックにきちっと位置づけて発展してきております。そして、これを中等教育にしっかりと組み入れて、社会全体で男女がともに生きていくという意識の変革が進んでおります。女性が結婚もし対等に社会への参加もしやすい社会になつているんだろうというふうに、意識の面で特に私はそういうふうに感じてきております。  さて、日本ですけれども、女性も男性と同じ権利を持つようにはなりました。こういう中で、ちょっと戻しまして、その先のところはまた後で話させていただくとして、日本の学校教育、特に中学校、高等学校の中で男女平等教育というのがどのように行われているか、文部大臣にお伺いしたいと思います。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) お尋ねの点でございますけれども、男女平等の教育というのは大変重要な課題ということで学校教育でも取り組んでいるところでございます。  具体的に申し上げますと、中学校、高等学校を通しまして、社会科あるいは地歴、公民といった教科を中心といたしまして、個人の尊厳と両性の本質的な平等ということ、あるいは男女が協力して築く家庭の大切さといったことを子供たちに学ばせるようにしておりますし、また道徳といった時間におきましては、男女が互いに相手の人格を尊重し、健全な異性観を持つようにするといったことにつきましても指導をいたしているところでございます。また、学校にはホームルーム活動といった時間がございますけれども、そういった時間では、生徒がお互いに意見を交換し合いながら男女相互の理解と協力ということについての理解を深め合う、そういった活動も行われていることでございます。これが教育内容面でございます。  教育のあり方といたしましては、先生も御案内のとおりでございますけれども、先般の学習指導要領の改訂におきまして、高等学校におきましては家庭科を男女とも共修、必修にするということで、男女が協力して家庭生活を築いていくことの大切さを学ぶというような取り組みを行っているところでございます。  主なものを申し上げますと、以上のようなことでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 平等教育については、幾つかのそうした教科の中で取り組んでいるということを今お伺いしたんです。ちょっと先ほど話しかけたところですけれども、日本の女性も男性と権利上は同じような人権を持つようになった。もともと女性というのは、世界的にそうですけれども、子供を産むことと、かまどと言われる台所の回りの人間だった時代というのがずっと続いております。しかし、ある時期から女性も社会に出ていくようになって社会の顔を持つようになった、こうした日本には日本女性の、また後でもう少し詳しく申し上げたいんですけれども、すばらしい歴史がございます。  近代になってからは、権利を中心にした女性解放とか女性の歴史、こういったものは中等、高等学校の教科書でどのように扱われておりますでしょうか。

辻村哲夫文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻村哲夫君) ただいまお尋ねの点につきましては、中学校、高等学校を通しまして歴史教育において扱われているところでございます。  具体的に申し上げますと、明治中期から昭和初期の時代、例えばでございますけれども、そうした時代を子供たちが学習する際には、民主主義の思想の普及あるいは普選運動の興隆といったことを学びますとともに、婦人解放運動が活発に展開をされたということも子供たちは教科書を通して学ぶようになってございます。  そうした中では、具体的には、例えば明治初期、岩倉使節団に津田梅子らが同行してアメリカに渡ったということ、あるいは平塚らいてうさんらが青鞜社を結成して女性解放運動を行ったこと、あるいは大正期におきまして、平塚さんや市川房枝さんらが新婦人協会を組織して婦人参政権運動を進めたこと、あるいは大正期以降には女子の高等教育が拡充していったこと、あるいは戦後は婦人参政権が実現いたしまして、戦後最初の選挙では多数の女性代議士が誕生したこと等、主なものでございますけれども、こうしたことが歴史教科書等には記述されてございます、こうした具体的な歴史的事実を学びながら、子供たちは女性解放運動等につきましての学習をするというようになっているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 今御報告になったのは高等学校の部分が主でして、ここにも私は資料をいただいていますけれども、今おっしゃったようなところがほんの何行か、せいぜい一ページ載っているだけでございます。中学校の教科書には、ここに私もコピーいただいていますけれども、そうした記述はほとんどございません。  今までも何度も問題になってきましたように、女学生の軍需工場への動員とか女性を慰安婦として従軍させたというふうな記事だけがいきなり出てきております。その前に日本女性の歴史がどうあったか、日本には平安時代にはああいう紫式部といったような世界にまれな女流作家の女性の作品も出ております。それに始まるといいますか長い歴史がございますけれども、そういった記述は一切なくて、いきなりそういうことが出ているのが実情でして、今まで議論されたとは別な立場かもしれませんが、私もこうした記述だけがいきなり出ているということについては非常に疑問に思っているのです。こういった点についても、官房長官、文部大臣のこういう女性史の扱い、特に中学校のこういう扱いについてどのようにお思いになりますでしょうか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 私は、日本の歴史をひもといてみると女性の地位というのは決して低いものではなかったと思うんです。  今、先生が言われた紫式部にしろあるいは遠く卑弥呼とか、そういうことで、私は本来的には、日本の社会における女性というものは非常に強かったという面もあったと思います。  今、教科書の問題ですけれども、中学校の歴史教科書を私もずっと見てみますと、具体的には申しませんけれどもかなり出ております。マイナス面というかそういうところばかりではなくて出ております。  いずれにしても、教科書は有識者が書いてそれを検定に取り上げるということでありまして、小中高等学校の教育内容をどうするかということについては教育課程審議会で今いろいろ審議をしているところでありまして、石田委員のそういった御意見も十分参考にさせていただきながら努めてまいりたいと思っております。  じゃ、具体的に中学校の教科書でどうかということは、もし必要があれば文部省の方から答えさせます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 資料をいただいているので、ほとんど記述がないということはわかっています。  今、文部大臣がおっしゃいましたように、この話をしているととても長くなるんですけれども、日本の女性の歴史というのは、室町まで母系制がずれ込んでいますから、よその欧米の女性とはまた違って、その時代いろんな形で女性の地位が高かったからこそあんな作品も出ているという、そういうことはございます。  これは、話していると、明治からちょっとその辺がひずんでいくという中に現代の問題、課題が出てくるんですけれども、そうしたことを私たち女性が――歴史というのは、これは編さん者が今はまだほとんど男性だと思うのです。ですから、そういう記述もなくしていきなりこういう記述が入ってもそのまま本がつくられたのではないかというふうに思います。  家庭科の男女共修にも触れたかったのですが、時間を見ながら進みたいと思います。  今家庭科の男女共修が実施されて、そこのところでは料理とか裁縫とかそういうことを習うだけでなくて、男女がともに生き方を学ぶ教科としてそういう試みがなされているというふうに聞いております。その男女共修の中身も調べているんですが、時間がありませんので次に進ませていただきます。  こうした現代的な課題に取り組むということは非常に大切ですけれども、歴史教育というのは、御存じのように、過去のことを知るということだけでなくて、現代的な課題を視野に置きながら歴史的な視点で現代社会を見ていく力を養って、さらに新しい問題を見きわめる力を養うということであろうというふうに思います。そうしますと、先ほど御答弁いただいた教科書、高等学校ではなるほど平塚らいてうのあたりがちょろっとだけ出てくるんです。今申し上げたように、男性と女性というのは全く同じではありません。それなりの歴史を学ぶことで課題を見ていくということは、教育の中で非常に重要だと思います。  本当は学校教育の中を見たいんですけれども、それ以前に、もう少しこうした婦人問題、女性問題あるいは女性史だとか女性学というふうに呼ばれるそういったものが、日本の社会で今どう扱われているかということをお聞きしていきたいんです。社会教育の中ではこうしたものにどのように取り組まれておりますか、お伺いいたします。

草原克豪文部省生涯学習局長

○政府委員(草原克豪君) 社会教育の分野においても、男女平等に関する学習の総合的な推進を図るということは極めて重要な課題であると考えております。  このために文部省としては幾つかの事業を推進しておりますけれども、例えば、婦人の地位向上を図るために多くの婦人教育関係団体を通じて、女性の社会参加支援特別推進事業というものを実施しておりますし、また特に若い青年男女の間に平等意識の涵養を図るために青年男女の共同参画セミナーという事業も実施しております。それからまた、都道府県で行っている女性の生涯学習促進総合事業とか、あるいは各市町村で行っております地域社会の事業の中における女性問題学習講座等に助成をするというような事業を推進しております。  またさらに、国立婦人教育会館がございますけれども、ここでも女性問題や女性学に関する研究、実践活動についてのいろんな情報交換、あるいは研究、協議の場として、例えば女性学・ジェンダー研究フォーラムなどを開催しておりますし、それから、つい最近、社会教育における女性学教育の内容と方法に関する調査研究を実施したところでございまして、近いうちにその成果を公表する予定にしております。  今後とも、社会教育における女性問題や女性学関連施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 今お話をいただきましたように、社会教育の中ではいろんな形で進んでいるということは私も承知しております。そしてまた、女性のライフサイクルといったようなこと、ライフサイクルというのは非常に重要で、男性と女性ではライフサイクルというのが明らかに違ってまいります。平均寿命一つ見ただけでも、女性はほぼ八十四歳に近くなっていて、男性とは七歳ぐらい違う。もちろん出産するという部分でも非常に違ってまいります。  そうしたことが社会教育の中でいろんな形で見られているんですが、高等教育、大学においてはこの女性学関連の科目の開議状況がどうなっておりますでしょうか。

雨宮忠文部省高等教育局長

○政府委員(雨宮忠君) 高等教育機関におきます女性学関連の講座あるいは科目等についてでございますが、若干データが古くて恐縮でございますけれども、平成四年度の調査でございますが、女性学関連講座、科目等を開設している大学、短大数は二百六十八校、科目数で五百十二科目ということでございます。  また、平成五年度におきましては、女性研究の一層の進展とこの分野におきます高度な研究者の養成を図るということのために、お茶の水女子大学の大学院に女性学の講座を設けたところでございます。また、平成八年度におきましては、やはり同じ大学の学内共同の教育研究施設といたしまして女性文化研究センターというのがあったわけでございますが、これをジェンダー研究センターという形に発展的に改組するなどいたしまして、女性学あるいはジェンダー研究に関します幅広い教育研究体制の整備充実に努めているところでございます。

石田美栄平成会

○石田美栄君 大学レベルでもそういう講座は開かれているんですが、大きく違いますのは、女性学は学際的な学問なんですが、アメリカで始まったんですけれども、これは学問体系としては日本ではまだ全く位置づけられておりません。幾つかの科目として教えられているだけでございます。アメリカではこれがアカデミックにきちっと学部としてあり、大学院までございます。  そうしたことが社会一般、学校教育にもだんだん浸透していくということですが、実はこれは国際婦人年と関係してくるんですけれども、一九七五年の国際婦人年、そしてその後の国連婦人の十年の中で世界的に女性の権利意識が高まった中で、日本もそうですが、こういう動きの中でお隣の韓国でも梨花女子大学に女性学部というのができております。日本ではこれを学問として取り組むということでは非常にまだおくれております。ですから、全体的にそうした研究者はかなり育っていますが、教育の場面にまでそれが浸透していくというのにはまだまだおくれているというふうに思います。  私も今までウイメンズスタディーズ、女性学という言葉を何度も使ってきたのですが、ここでは学問分野での、これは先ほどから価値観の話も出ていますが、価値観の変革を図るということにつながる話でして、ちょっとこの時間でお話しする時間がありません。私もそれに関するこういう本も出していまして、そこを読み上げて聞いていただける時間があればと思ったんですが、割愛させていただいて、またいっか皆さんにこういったものをお目通しいただければというふうに思います。  ですから、女性史とか女性解放史といったものも女性学の一部なのでございます。  私は、実は議員になる前、英文学、女性学を専門としておりましたから、短大とか大学とか社会教育でこういった女性史あるいは女性のライフスタイル、男女の違い、ジェンダーといった講義をしたり講演をしておりました。  社会教育の中で公民館等々女性の集会などでこうした話をしますと、もう既に結婚した、あるいは子供を持った、そういう人たちが多いわけですけれども、私たちというのはやっぱりそういう歴史の流れの中の存在だったのか、だからいろんな問題を、私たちそれぞれは時代の流れ、歴史的な産物でありまして、歴史を外れた生き方というのはできません。そういう意味で、そういう主婦の人たちですけれども、もっと早くそういった歴史あるいは流れの、権利のことについてもきちっと体系的に知っていたら、もっと自分を見詰めてもっといい形の生き方ができたのではないかというふうにいつも言われ、意見を聞いておりました。  また、大学でも、実は地元の国立大学で男性論、女性論という一般教養の講座がありました。これは一般の人にも開放されていた科目でしたが、男性の方が多いんです。男子学生の方が六対四か七対三くらいでしたけれども、そこで女性学概論という講義をしておりました。本当にわずかの時間ですけれども講義をしますと、むしろ男子学生が寄ってきまして、今の女の人たちが強いのはそういう流れの中だったのか、でも、そういうことを知ればもっと理解して話し合えるというふうな感想も聞いておりました。  ちょっと話が長くなりますが、アメリカの高等学校では、これもたまたま自分が教科書を訳しているのでここに持ってきたんですが、古い方は覚えていらっしゃるかもしれません。この本は実は、アメリカでスペースシャトルに普通の人を乗せようというので、女性宇宙飛行士第一号のマッコーリフさんという高等学校の先生が乗りました。実際にはシャトルが爆発して亡くなったわけですけれども、あの方なんかも普通の女性ということで、でも、最初の女性宇宙飛行士といっても子供は二人いました。  このときに、多分日本で河野洋平さん、そのとき何大臣でしたか、科技ですか、国会で弔慰金をお集めになりましたね。それで、贈られましたでしょう。あれが相当の額になったので、ニューハンプシャーの教育委員会がこの貴重なお金をーマッコーリフさんは女性学の先生だったんですね。アメリカの高等学校では社会科の中にこういう女性学というものが位置づけられていて、州によって必須だったり必須でなかったりですけれども、男女ともに選択します。  それで、ニューハンプシャーの教育委員会が、そんなマッコーリフさんの弔慰金ですから、それならこの機会に日本の人に来ていただいて日本の女性史の講座を教えてもらおうということで、応募したのが私の友達だったので、その人が教えに行っている間に向こうのこういう教科書を持って帰られまして、私も一緒に訳しまして、私は実はこれを短大の教科書に使っておりました。これを理由に、専門が英文学、英米の社会文化史というふうなことでしたから、こういうのを教えると同時に、日本の女性史もそこに入れて教えていたのです。  こういうぐあいに、高等学校でこうした立派な教科書、これは高等学校の女性の先生お二人でつくったものですけれども、こうした授業の中に、教育の中に女性学あるいは女性史、アメリカはアメリカの女性史です、こういうものがきちっと位置づけられているのです。  私たち日本でもこうしたことを、先ほども文部大臣からそうしたことを参考にというふうなお言葉もいただきましたけれども、日本女性の歴史といったものが、あるいは女性学といったものがきちっと学問的に位置づけられていくことで、そうしたことがきちっと教えられる人、男女で論じていけるような教育的な背景というものが非常に重要だというふうに私は思います。  ちょっと一人でしゃべり過ぎましたが、今のような私の話につきまして、ここでちょっと官房長官そして文部大臣に御感想を伺いたいと思います。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 私にとっては耳新しい話を聞かせていただいたので、大変うれしく思います。私が答えるべきことではないんですが、あえて立ってまいったのもそれに感謝をするわけでございます。私なんかは女性とか男性というのを見るのに男権とか女権といういわば鋭角的な見方でしか男女間のものを見ることができなかったけれども、女性史とか男性史と言われますと、垂直のいわば権利というものに対して情緒的なあるいは社会的な背景を持った女性学とか男性学、こういうものがまとまれば私ももうちょっと近代人になれるのかなという感想を今持っております。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 今、石田委員が指摘されたスペースシャトルが打ち上げ直後に爆発したあの場面は、私もテレビを見て非常にショッキングであったわけですが、そのことが基金を募って、そうした日本の女性が向こうへ行ってアメリカの女性学について学び、またそういった貴重な資料もつくられたということを大変すばらしいお話だと今承っておりました。  今少子化の時代を迎え、また女性の社会進出がふえていく中で、これから好むと好まざるとにかかわらず男女共同参画社会というものは避けられないと思うわけです。したがって、中学校や高等学校などの授業におきましても、先ほど文部省からも答弁がありましたように、家庭科であっても男と女の生徒が同じことを学ぶ、男といえども料理とか裁縫とかそういうものを知っておくということは大事なことですから、そういう男女が同じ勉強をするということは大事なことだと思っております。  それから、大学等の高等教育の場におきましても、従来の女性に関する歴史とかあるいは女性に関する法制度であるとか、あるいはいろいろな文化とか伝統とか、そういうものを女性の視点からとらえ直そうとする女性学というものはこれから私ますます大事だと思います。大学等でもそういった女性学が一層充実していくと思っておりますし、またそうした研究成果がもっともっと社会教育の場でも活用されるということが望ましいと考えております。  いずれにしても、従来の伝統的な、男はこういう仕事、女はこういう仕事と、もちろんそれぞれ特有の、育児なんという仕事はもう女性でなければできないということがありますし、また男性でしかできない役割もあるわけで、それは固有の役割がありますけれども、昔ながらの男はこうであって女はこうだというような固定化した責任分担論ではなくて、男女共同という意識をさらに高めるような教育というもの、施策というものが私は大事だ、こういうふうに受けとめております。

石田美栄平成会

○石田美栄君 労働大臣がお越しになってお待ちになっていますので、初めの方で準備しておりました質問に戻させていただきます。  労働大臣、女性が結婚も妊娠も出産も子育ての過程でも社会とのかかわりを保ちながら自分の能力や個性を生かして、健全な家庭をはぐくみながらも充実した人生を送ることができるように今までいろいろな制度がつくられてきておりますが、労働省の立場で、どういう制度がつくられ、少子化という大きな問題との関係でどういう成果を上げてきたかということでお答えをいただきたいと思います。

岡野裕自由民主党労働大臣

○国務大臣(岡野裕君) 予算委員会への出席が遅くなりまして、先生には御迷惑をおかけいたしました。  女性の皆さんの社会的な、あるいは職場への進出が非常に顕著になった、大変好ましいことだ、こういうふうに労働省の角度からも見ているところであります。つまり、職場生活というものと家庭生活というものとが両立をする、それによって初めて女性の皆さんもその意思と力とがあれば十分的に女性の力を発揮するようなことができる、そういう環境づくりに励みたい。具体的な例からいたしますと、労働時間の短縮、つまり職場における時間を短くすれば自由に行動できる時間が長くなるというような意味合いで労働時間の短縮というものに鋭意努めてまいりました。  それからもう一つは、男女雇用機会均等法といいますものを準備いたしております。男女の雇用につきましては、先ほど文部大臣が男の子も女の子も全く同じような教科で勉強をするというような意味合いで、同じ職場で同じような扱いを受けるというようなこととの反面、女性の女性性といいますか母性といいますか、それを大事にしなければいけない、保護をしようというような意味でのもろもろの条文、施策、これを準備しているところでございます。  それから、もう一つが育児休業法でございます。もし赤ちゃんが生まれたら、後は育児休業法等の御利用によってそれで立派に子育てができる、あるいはそれが終わりましてから職場に早目に復帰ができる、そういう環境づくりをしようではないか。そのためには、事業所の中に育児の施設を設けるとかいうようなものも育児休業法の延長ということで準備しているところでございます。  あれやこれやの施策を絡め合わせまして、女性の皆様が職場でも家庭でも十分的な人生を送られるように心がけてまいりたい、かように思っておるところであります。過去、ここ十年来、いろいろその種の施策をやってまいりました。それぞれの効果を発揮をいたしている、こう存じているところであります。よろしくお願いをいたします。

石田美栄平成会

○石田美栄君 私もきょうのこの質問は本当に理解していただけるかどうか非常に心配で話を進めてきたのですが、女性学というもの、後ろの方でもいろんなささやきがされているのを耳にしながら、どういうふうに理解していただいて、そのことが少子化と本当にどう結びつくのかということを納得するには、男性の方には特にわかっていただくのは難しいのです。  先ほどから何度も申し上げていますように、女性自身がこういうふうに社会の顔を持ち、教育、権利が近代化の中で民主主義の理想として人権ということで進む中で、女性というのは家庭の中の人であったものが、教育とか権利、あるいはいろんな生活が便利になる中で当然社会にも進出し、そして社会の顔を持つことの意味というのが非常に大きく取り上げられるようになってきている。そういう中で、しかし子供を産むというのは女性でしかできない。  そうした違うところから最終的に妊娠と出産と授乳というところがどうしても――今それこそマラソンでも柔道でも、男性しかやっちゃいけないと思われていた分野にもどんどん女性も可能性を見つけて、じゃ一体どこまで男と女が違うのかとなると、これもどれだけ違いがあるのかというのは研究中でありますけれども、どんなに違っても男の人が子供を産むように、クローン人間というのは、そんなことは現実的ではありませんで、そういう部分での社会人として受ける不利、そういうことがどういう流れで来ているのかということですね。  やっぱり中等教育の中あたりで、国民全体が教育を受ける中で、今の歴史は男性中心の歴史がずっと日本史にしても世界史にしても書かれている。その中で女性が社会にも出るようになった歴史というのは、違う部分、事情も違っております。そうしたものを基本的に男性も女性も知っていただく、知るということが人生を設計していく上で基本になる。私は自分が生きてきた時間あるいは研究を通して、やってきたことを通して、そこのところに手をつけることが長期的には少子化を解消していくのに、それをやっている国も数々あるわけで、ひとつきょうの問題提起にさせていただいて、みんなで考えていただきたいというふうに思います。  一つ、これは私もわからないのですが、今先進国の中で本当に少子化が深刻なのは日本とドイツとイタリア、最も深刻なのがイタリアでございます。イタリアのミラノでは一人を切っているというふうな状況なのです。これはどうしてなのかということはちょっとわかりませんが、本当にそれは今申し上げているように学校の基礎教育の中での何かがあるのか、そういったことはまだ私もわかっておりません。ぜひひとつ、女性学というふうにすると抵抗があるかもしれませんが、女性史といったようなものを特に高等学校の中で今後入れていただくようにお願いしたいと思います。この点、ちょっともう一度文部大臣に御所見伺って、終わらせていただきます。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) きょうは数々の啓発を受けるようなお話を伺いました。時間もないようですから、今まで歴史の中でも弥生時代からずっと今日に至るまで、先ほどちょっと申しましたように、卑弥呼とか清少納言とか紫式部とか淀君だとか、女性が歴史の中で活躍したさまはかなり取り上げております。  ただ、男尊女卑というような時代も確かにありました。したがって、今日的に女性のあり方、女性学あるいは男女の役割分担というようなことをもう一度問い直すというような、そういう学問分野を先生を初め大いに活発にやっていただくと同時に、今後そういったいろいろな知見を教育の中に生かせればなと思っております。  いろいろありがとうございました。

石田美栄平成会

○石田美栄君 どうもありがとうございました。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で石田美栄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、日下部禧代子君の質疑を行います。日下部禧代子君。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 前回、三月十九日におきましては、薬価基準制度の見直し及び診療報酬体系、出来高払いについて議論をさせていただきました。今回は引き続きまして、我が国の医療の大きな問題である長期入院の是正と三時間待ち三分治療という医療提供体制を中心にお伺いしたいと思います。  まず最初に、我が国の病院における平均在院日数の国際比較を厚生省からお願いいたします。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 我が国と諸外国との平均在院日数でございますが、一般病床におきます平均在院日数を比較いたしますと、我が国の場合には平成七年で三十三・七日、ドイツが、これは平成四年でございますが、十五・八日、フランスが十一・七日、イギリスが十二・三日、アメリカが八・八日というふうになっております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 主な疾患別にお願いいたします。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 平均在院日数の国際比較ということで、疾患別でございますが、例えば肺がんで、日本の場合には四十七日、アメリカが三・七日、ドイツが十一・五日、フランスが九・五日、英国が八・五日でございます。  その他、糖尿病で申しますと、日本が五十三・四日、ドイツが二十二日、フランスが十一・四日、イギリスが十一・六日、アメリカが七・五日でございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 厚生大臣にお伺いいたしますけれども、今お聞きになりましたように、我が国の在院、入院日数というのはもう非常に他の先進国に比べると長いということがわかりますが、その理由についてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 理由についてはいろいろあると思うんですが、これはお医者さん自身と患者さんとのそれぞれ病気に対する考え方にもよると思いますけれども、看護婦さんが多い方が患者さんに対するいろいろの配慮が行き届くためにむしろ患者さんの回復が早いんじゃないか。そういうことによってもっと看護婦さんをふやした方がいいんじゃないかということも一つの理由として挙げられています。  また同時に、日本は診療報酬の問題でも、長くいることによって医療費の問題とも絡んでくる。ですから、むしろ今度の医療保険の問題につきましても、在院日数が一定の短い方が診療報酬については高く評価するというような措置を講じて、できるだけ不必要な入院の長期化を防ぐ方法も考えなきゃいかぬ。  一様ではないと思いますが、主な点といえばそういうところにも原因があるのではないかと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今御指摘になりましたこと、確かにそのように思いますが、まず私は、退院してからの地域における受け皿の整備ということが日本では非常におくれているということが一つの大きな要因ではないかというふうに思うわけでございます。  これは他の先進国、私が滞在しておりましたヨーロッパでございますけれども、退院の日取りというのは、退院してからの地域でのサービス体制の青写真ができ上がる、そしてそこで決定されるというふうなスケジュールが組まれておりました。そこで、退院してからは通院専門のデイホスピタルに通院する、そしてまた社会的日常生活の支援というのはデイセンターに通う、そしてまた家庭ではホームヘルパーさんあるいはビジティングナース、訪問看護婦さん、日本でいうと保健婦さんですが、そういう方々が巡回してくるというふうな、地域におけるサービス体制というものが非常に重要ではないかというふうに私は思うわけでございます。  そこでは、医療と福祉、あるいは施設サービスと在宅サービスの包括的で有機的なネットワークというものができるということが、私は大前提ではないかというふうに思うわけでございます。そのことによって、サービスの重複、責任回避、あるいは労力、ひいては費用のむだを省くことができるし、同時にサービスを利用する者にとっては非常に満足がいくということにもなるのではないかなというふうに思うわけでございます。  日本でもこのような地域における福祉と医療、あるいは施設と在宅サービスのネットワークをつくらなければならないというふうに言われて久しいのでございますが、なかなかまだ実現に至らないのでございます。この点につきまして、大臣はどのようにこれから体制を整えていこうというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 御指摘の点、そのとおりだと思います。  保健と医療と福祉の連携がこれからますます重要になってくると思います。また、在宅においてそういうサービスが身近に受けられるというような施策も大事じゃないかと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 それを大事とお思いになりましたら、今度、どのような形で具体的に整備をなさっていくのかということがこれからの大きな課題だというふうに思いますが。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の介護保険の法案もその一環でありますし、それから、これからの医療提供体制、地域の開業医さんあるいは病院との連携、そして種々の、介護保険導入に伴いましていわゆる施設整備とか在宅サービスの基盤というものが充実していきますから、そういう対策と、病院へ行かなくてもほかの施設でも十分間に合うという方々は病院以外の施設を利用できる。そういう中にあって、いろいろな民間の施設も充実してくるでしょうし、国民の中にも意識の改革が起こってくるんではないか。  施策と、それとお医者さん、患者さん、不必要な方に対しては病院にそんなにいなくてもいい、また患者さん等にとっても、別にあえて病院にいなくても、在宅でもサービスが受けられるというような環境を整えていけば意識的にも変わってくるのではないかなと、そう考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 在宅のサービスを充実させる、つまり受け皿を整備するということを実現するためには、いわゆるコメディカルスタッフの充実ということが必要だというふうに思うわけでございます。  コメディカルスタッフといえばいろいろな職種がございますけれども、特にまずお伺いしたいのは訪問看護婦さんでございます。訪問看護制度というのは我が国で導入されてまだ日が浅いのでございますが、その現状と需給計画、あるいはこれからの拡充対策について厚生省にお伺いします。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) 訪問看護制度の現状あるいは今後の取り組みについてのお尋ねでございますけれども、現在、老人訪問看護ステーションという拠点を指定いたしまして、ここから訪問看護婦さんがそれぞれ自宅で療養されている方を訪問するということで老人の訪問看護体制をとっているわけでございます。これが平成九年一月末現在で全国で千七百二十一カ所指定になっておりまして、従業者で申しますと、これはちょっと時点が古うございますけれども、平成七年六月現在で五千十六人ということになってございます。  この老人訪問看護ステーションでございますけれども、新ゴールドプランの中にも位置づけられて、私ども今後の地域における在宅医療の一つのかなめとして整備を図ってまいりたいということで、毎年度の予算におきましても重点的に達成を図るよう努力してきておるところでございます。  そういった中で、ステーションの整備促進につきまして、社会福祉・医療事業団によります低利融資でございますとか、あるいは税制上の措置でございますとか、あるいは診療報酬上の訪問看護に対しまする評価でございますとか、そういった点におきまして力入れをいたしてきておりますし、現に点数上も訪問看護の点数については年々大きく伸びておるという現状にございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 現状はわかりましたが、これは将来どのくらいまでにふやすというふうな、そういう具体的な計画はつくっていらっしゃらないのでしょうか。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) 新ゴールドプランにおきましては、平成十一年度末までに五千カ所を目標ということで今やっております。今まだその目標に比べますと、先ほど申し上げましたような状況でございますから、ややおくれぎみということでございますので、その点についてはさらに力を入れていかなければならないというふうに考えておるところでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 なぜこのように大変おくれているのでございましょうか。その理由を厚生省、お願いいたします。

羽毛田信吾厚生省老人保健福祉局長

○政府委員(羽毛田信吾君) いろいろこれも要因はあろうかと思います。確かに、おくれていると申し上げましたけれども、そのスピードは比較的ここに来て大きく伸びるという気配にあることも事実でございますし、そもそも取り組みがややこれは新しい取り組みであったというようなことも原因であろうかと思います。  いずれにしましても、今ネックとされておりますところをできるだけ解消して、いわば老人訪問看護ステーションが生きてくるようにこれから努力をしなければならないというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 在宅サービス、特に在宅においてはこれから医療サービスというのが福祉サービスと並んで、あるいはまたそれ以上に必要になってくると思うんですね。そうした場合には、お医者さんでなくても看護婦さんが非常にこれから在宅サービスでの主役になっていく、そういう時代がやってきているというふうに思うのです。  そういたしますと、理由が制度が浅いだけだということでもって片づけてしまってはいけないのではないか。もう少し進捗状況についてのとらえ方をきちんと、根本的な問題は何なのか、そしてそれに対してどういう対策をしなければならないのかということを整理して、そしてそれに対策を考えなきゃならないということを私は申し添えておきたいというふうに思います。  次に、重要なコメディカルスタッフといたしましては、リハビリテーションのPT、OT、フィジオセラピスト、オキュペーショナルセラピスト、理学療法士、作業療法士というスタッフの問題もこれは非常に大きな課題ではないかというふうに思いますが、現状と需給計画についてお知らせください。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 作業療法士それから理学療法士の現状でございますが、作業療法士、理学療法士とも、平成三年に策定をされました需給計画に基づきまして、平成四年度から養成施設の新設あるいは定員増を図ってまいっております。  平成八年四月時点で、理学療法士につきましては養成数として二千九百六十八名、作業療法士につきましては二千百九十名の定員が確保されておりまして、その当初目標といたしました理学療法士の定員二千八百名、あるいは作業療法士の定員二千三百名というものにつきまして、作業療法士についてはまだ若干不足をしておりますが、養成の目標数としてはほぼ達成をしてきているというふうに認識をしております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今第三次保健事業計画が行われていると思うのです。そこで、保健所におきますOT、PTは今何人ぐらい配置されておりますか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 保健所におきますOT、PTの配置でございますが、これは平成七年度末の調査でございますが、保健所におきましてはOTが二十八人、PTが十五人というふうになっております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 先ほど、谷さんは、大体需給はなかなかいい線をいっているというふうなお答えだったというふうに思います。例えば第一次の保健事業計画、これは昭和五十七年度から六十一年度なのですが、その時点におきましては四十九人、そして第二次、昭和六十二年度から平成三年度、これは二十三人ということで、この時点で私は、たしかその当時まだ社労委員会でございましたが、御質問をしたことがございました。そこでは、目標値が百二十人に対して、これは昭和六十二年三月末でPTが十三人、OTが四人、合計十七人ということでございました。  その時点からかなりの時間がたっているわけでございますが、少しはふえたということもございましょうが、第三次保健事業計画というのは、PT、OTの目標値は立てていらっしゃらないのですか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 先ほど、最初の御質問で申し上げましたことは、OT、PTの養成施設の定員増を図っていくという意味におきましては、理学療法士それから作業療法士ともほぼ養成施設の定員は確保してきたということを申し上げたわけでございます。  今御質問のございました保健所への配置ということにつきましては、今私が申し上げましたようにまだ非常に数が少ないということで、今後とも確保に努めていかなきゃいけないというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 保健所というのは、やはり地域における医療サービスあるいはさまざまな住民との一番身近な場所でもあるわけでございます。そこにきちんとリハビリテーションの専門家、専門職員というものが配置されるということは、これから寝たきりのお年寄りを少なくする、つまりそれは社会的入院を少なくするということにおきましても非常に大きな意味があるというふうに思うわけでございます。この点に関してももう少し充実させていくということに御努力をいただかなければならないというふうに私は思うわけでございます。  リハビリテーションの中で私は今PTとOTについてお伺いいたしましたが、他の先進国におきましては、これにST、つまりスピーチセラピスト、言語療法士というのが重要な役割を果たしていることは御承知のとおりだと思いますが、我が国におきましては、いまだにこのスピーチセラピスト、言語療法士に関しては法制度の中で位置づけられておりません。そしてまた、診療報酬上の評価も当然ながらないわけでございます。  このスピーチセラピスト、言語療法士に関して、これから法制度の中でどのように位置づけていこうとなさっているのか、なぜ今まで位置づけられなかったのかというその理由と、それからこれからの見通しについてお伺いいたします。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) いわゆるST、スピーチセラピストにつきましては、この資格法制化、資格制度化を求める、必要であるということの意見がかねてからございまして、何回かそのための関係者間の意見の調整あるいは検討の場を設けてやってきたところでございますが、率直に申し上げて、関係者の意見が今まで一致をしなかったということで今日に至っているわけでございます。  しかし、先生今お触れになりましたように、いわゆるSTの業務の重要性ということは増してきておりますし、特に関係の患者さんや関係者からの必要性ということの声が高まってきているというふうに承知をしております。現在、このSTの資格化に関する懇談会を昨年の秋から設置いたしまして、関係団体の意見聴取も含めまして精力的に意見の聴取並びに取りまとめを行っているところでございまして、私どもとしてはできるだけ早くこの結論を得たいというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 それでは、厚生省としてはどのような事情があるのか、そのような調査をなさったことがおありでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 今おっしゃったのは、このSTの資格化をめぐるどういう問題があるかというふうな理解で、まことに申しわけありません。ちょっともう一回お聞かせいただければと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 STの、言語療法士のニーズに関しての調査です。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 言語療法士についてのニーズといいますか必要性ということについて厚生省として調査はいたしておりませんけれども、いわゆる失語症あるいは脳血管障害の後遺症に対するリハビリテーション、言語療法、あるいは聴覚障害者に対する言語療法、そういうことの必要性ということについては認識をしているつもりでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 多分、これは言語療法士が教育の方なのかあるいは医療なのかというふうな、そういった意味での論争もあったのではないかというふうに思うわけでございます。これからニーズとしては、高齢社会におきまして、そしてまたこれは子供たちにとっても重要な私はコメディカルスタッフであるというふうに思うわけでございますので、早く国家資格を認められる形に努力をしていただきたいというふうに思います。  ところで、今私はコメディカルスタッフとして訪問看護婦とリハビリテーションに必要な療法士について御質問をいたしましたけれども、これからの医療というのは、医師を頂点とする上下関係に基づくそのような医療サービスのあり方から、対等な立場にある専門職同士が連携して医療に当たる、つまりチーム医療を必要としてきている、そのような今医療の状態だろうというふうに思うのです。  この言語療法士に見られるように、ある意味で縦割りの問題もございまして、なかなかいわゆるコメディカル医療というものが日本では難しいというふうな状況がございます。一体どのような問題をまず解決していかなければならないのかという点につきまして、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 今幾つかのコメディカルの例をとられまして、医療についての連携の必要性ということあるいはそれが進んでいないのではないかというお話でございますが、確かに医療の現場にはいろんな職種の方がおられるということから、やや縦割りというような感じの面が従来はあったかと思います。  しかし、最近はやはりチーム医療ということの必要性が言われておりますし、また先ほどお触れになりました在宅医療ということにおきましても、医師、看護婦あるいはその他のソーシャルワーカー、そういう方たちのチームによってやっていくというような考え方がだんだん浸透しているといいますか、またそれでなければやれないというような状況になってきていると思います。そういう意味で、今後いわゆるチーム医療を推進するということが必要だというふうに認識をしております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 在院日数の長くなる原因といたしまして、先ほど大臣もお触れになりましたが、いわゆる出来高払い制という現行の診療報酬にも問題があるというふうに私も思います。  ところで、二月二十一日に中医協から答申が出されました。それによりますと、国立病院等において入院医療定額払い方式の試行について提案をしておりますけれども、その目的、内容、そしてまたそのスケジュールについてお伺いいたします。

高木俊明厚生省保険局長

○政府委員(高木俊明君) 平成九年度から国立病院につきまして疾病別の定額払い方式の試行を行いたいということで考えておるわけであります。  かねてから指摘されておりますように、診療報酬の支払い方式は基本的に出来高払いで行われておるわけでありますけれども、やはりそういった出来高払いに伴ういろんな問題点等も指摘されておるわけでありまして、先生御指摘のとおり、入院日数の長期化の問題、あるいはまた医薬品等もとかく過剰投与になっているんではないか等々の問題が指摘されておるわけであります。こういった中で、疾病別の定額払いというものを導入することによってこういうような問題点というものを是正していくことができるのではないか、そのことによって医療費の限られた財源の効率的な使用ができるのではないかというようなことで、これらを比較検証するために国立病院で試行的に実施する、こういうことでございます。  今後の予定としましては、それでは、これから具体的にどういう形で定額、その額を決めていくのか、この辺が一番大きな問題でありまして、その辺のまず検討を十分しなきゃいけない、そのためにはあらゆるデータを収集していかなきゃならない。そういった中で、また中医協を初めとする関係の委員会等でも御検討いただいて、そして同意を得た形での内容で試行したい、こういうふうに考えておりますので、具体的な試行の実施については私どもとしてはことしの秋を目途に考えておるわけでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 この方式によりますと、例えばこういう問題も起きてくるのではないかなと思うんですね。いわゆる過小評価あるいは診療内容の不透明化、つまりこれは医療の質の問題でございます。それからまた、どうしても重症者を避けてしまおうとするような、そういう患者選別といったような問題も出てくるのではないか。これはいわゆる疾患別の包括定額払い方式のデメリットと言ってもいいものではないかなというふうに思うわけでございますが、そのような問題についてどのような対応策を考えていらっしゃいますか。

高木俊明厚生省保険局長

○政府委員(高木俊明君) 現在の出来高払い制につきましてもメリットがたくさんありますし、そういった意味ではそれぞれの制度、よい面と問題を抱える面とやはりどんな制度でも出てくると思います。それをどうやって是正をしながらベストの仕組みを考えていくかというのが課題でありまして、今回のこういった試行に当たりましても、まさに先生御指摘のような問題点が起こってはいけませんから、そういう点等がないような仕組みとして実施するにはどうしたらいいのかというようなこともこの試行の中で考えていかなきゃならないというふうに思うわけであります。基本的には、患者さんに対する医療内容に関する情報の提供あるいは情報の公開、こういったものがやはり基本になるのではないかというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 この結果につきましては、ぜひともきちんとそれこそ情報公開をしていただきたいというふうにお願いしておきます。  次に、三時間待ち三分医療という医療提供体制、これは我が国の非常に大きな医療の問題と言われてから大変に久しい、時間がたっているのでございますが、いまだに余り改善の兆しが見えていないようにも思うわけでございます。病院に行けば、もういっぱいの方々が外来で待っていらっしゃるという風景は相変わらずでございます。なぜこのような状況というのがなかなか変わっていかないのかということでございます。  そのような状況を変えるための一つの方策として、紹介状を持ってこなかった外来患者、これは特に大きな大病院でございますが、そういう方々に対して特定療養費を徴収するという制度を厚生省は導入されたわけでございますが、今大体これは幾らぐらいなのか、そしてその効果はどの程度あるというふうにとらえていらっしゃいますか。

高木俊明厚生省保険局長

○政府委員(高木俊明君) 私ども平成八年七月一日に徴収の状況について調査をしてみました。時点としましては平成六年十月一日時点における状況がどうかということで調査をいたしたわけでありますが、二百床以上の病院につきまして、二千九百十六施設のうち約二一%に当たる六百二十五施設が特定療養費であります特別の料金を徴収しておりました。  金額としましては、最低百円から最高は四千七百三十八円ということで、かなり幅がございます。全体として見ますと、大体四百円台から二千円台ぐらいを徴収している医療機関が数としては多い、こんな状況でございました。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今私はもう一つ質問したわけですが、このような特定療養費をお取りになったとしても、いわゆる大病院への外来患者というのは一向に減っていないように見えますが、その効果はどうかというふうに伺ったのです。

高木俊明厚生省保険局長

○政府委員(高木俊明君) 患者の数の増減という面では調査をしてございませんけれども、ただ相変わらず大病院に外来患者さんが集中するという傾向はやはりあると思います。  これは、こういった料金を徴収すればそれが是正されるかというと、基本的には我が国の医療保険制度、医療制度はフリーアクセスでございますから、どこの病院も保険証一枚で行かれるというシステムになっておると。  こういった大病院の集中というものについての是正ということを考えていくとすれば、医療機関における機能の分担なりプライマリーケアに伴うかかりつけ医の定着とか、あるいは入院と外来というもののあり方をきちっと機能的に整理をしていくとか、それからまた診療所同士における機能の連携とか、そういった幅広い医療の提供体制というものをきちんと整えていくということが大事だろうというふうに思っております。そういった意味で、これからの医療制度の改革に当たりましてはそういった面についても私ども十分考えてきちんとした制度をつくっていかなきゃいけない、このように考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今おっしゃいました医療機関全体の機能を明確化し連携を図るということに関しまして、厚生省はきちっとしたビジョンをお持ちでいらっしゃいましょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 今のお話と若干重複いたしますが、やはり先生今おっしゃっておられますように、あるいは御指摘ございましたように、大病院への集中というのは我が国の医療の非常にいい面でもありますフリーアクセスということがもたらす一つの弊害であるというふうに認識をしております。  したがって、基本的な考え方としては、先ほど保険局長からもお話がございましたように、かかりつけ医を地域の第一線の機関として位置づける、それから診療所なり病院の間の連携なり機能の分担というものを明確にしていく、またあわせて、現在国会で御審議をいただいております医療法の一部を改正する法律案の中でも、かかりつけ医を支援するという意味での地域医療支援病院というものを制度化したいというふうに考えているところでございます。また、このかかりつけ医に対する患者さんの信頼の回復あるいはかかりつけ医の活性化ということのためにいろんな方策をとっていかなきゃいけないのじゃないかというふうに認識をしております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今御指摘のように、ちょっとした風邪でも大病院に患者が押しかけるという現象、そこには診療所あるいはまた開業医というものが本来の機能、つまりかかりつけ医としての機能を適切に発揮していないという問題があろうかと思います。それはどうしてそのように発揮できないのか。なかなかこれは難しい問題がかかりつけ医の問題にはあるというふうに思うんですね。  今、大体かかりつけ医と言われている方々、開業医の方々は年齢が非常に高齢化しているということが一つございます。それからまた、最新の医療設備というものが整っているのかどうかなということを患者が疑ってしまうということがあると思います。そしてまた、医療の高度化に伴って最新の治療を患者が受けることができるのかなという、これは大変開業医の方に失礼なことでございますが、そういうような疑問というものをつい患者が持ってしまうというようなところから大病院に押しかけるということもあるのではないかというふうに思うわけでございます。  こういった状況、問題点を取り除いて、開業医あるいは診療所がかかりつけ医としての機能を十分に適切に発揮することができるための方策としてどのようなことが考えられるとお思いですか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) この医療供給体制の問題を医療保険制度とあわせて今後の課題として幾つか御議論をいただいて、昨年の秋に国民医療総合政策会議の中間報告という形でまとめていただいておりますが、その中で、先生が今おっしゃったように、かかりつけ医機能を向上させるということで幾つかの提言がなされております。  具体的には、一つはかかりつけ医機能の活性化あるいは地域住民のかかりつけ医への信頼の確保ということを大前提といたしまして、特にかかりつけ医が中心になって在宅医療あるいは福祉サービスを行っていく、あるいはまたかかりつけ医の診断機能の高度化を図るということから医療機器の共同利用を推進するとか、またグループ診療と言われている、我が国では必ずしもまだ定着をしておりませんけれども、複数の診療所が連携をして得意の分野あるいは機能を生かした治療等を行うグループ診療を推進するといったようなことが必要ではないかというふうに言われております。  またあわせて、かかりつけ医自身の研修とかそういう機会をふやすべきだというような御意見もいただいておりまして、そういう観点からこのかかりつけ医機能の充実ということに取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今御指摘のございましたグループ診療ということでございますが、これは他の先進国ではかなり行われているようでございます。  これは、医療機器に関しても高価な医療機器を共同購入ができます。このことは医療費の軽減ということにもつながると思いますし、また医療レベルに関しましても相互の医療評価ができるというふうなメリットというものが経済的な効率と同様にあるというふうに思いますが、今おっしゃいましたように我が国ではそれが未発達であると、これはどういうところが障害になっているんでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 特に、我が国の診療所の場合には、歴史的にはそれぞれの専門分野を生かしてやっていくというような形で、またそれがむしろ病院といろいろ協力をし合うという形がかなり多かったんではないかというふうに考えておりまして、診療所同士が何らかの形で組織的にいわゆるグループ診療を行っていくという考え方は比較的少なかったのではないかというふうに考えております。  ただ、今お触れになりましたように、このグループ診療というのがかかりつけ医の機能を向上させるための有力な方策であるというふうに認識をしておりまして、例えば診療報酬の上では寝たきり老人在宅総合二十四時間連携加算といったようなもので評価をするというようなことは既に始まっておりますので、今後グループ診療ということに私どもとしては期待をしていきたいというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 それにもう一つ、オープン病院制度というのが考えられると思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 外国の場合には、病院というものはそもそも基本的には外来をとらないで、地域のお医者さんがそこの病院に自分の患者を連れていって診察なり必要な処置をするという形で発達をしてきたというふうに認識をしておりますが、日本の場合には、病院というのは大部分が診療所が大きくなって病院になったという形でございますので、先生がおっしゃるような意味でのオープンという関係には歴史的になっておりません。  唯一――唯一と申しますか、そういう形で発展をしてきたのが医師会病院というものでございますが、これは数が、正確には覚えておりませんが、まだ恐らく百に満たないんじゃないかというふうに思います。  したがって、病院のオープン化ということについては、病院の発展の歴史ということから考えて、率直に申し上げて我が国で今後定着をしていくというのは非常に難しいんじゃないかというふうに認識をしております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 では、かかりつけ医とそれから専門病院というものの機能分化というものはシステム化できないものでしょうか。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 先生がおっしゃっているシステム化というのが、もし法律によって制度化するというようなことであればなかなか困難な面が多いと思います。少なくとも私どもの考え方としては、先ほど来申し上げておりますように、かかりつけ医をまず第一線の機関として位置づけ、そこを通じて病院なり高度医療機関に患者が行くというような形、流れをつくっていくことが必要ではないかというふうに認識をしております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 例えばイギリスですと、自分のファミリードクターというのは制度として自分が選ぶことができるわけでございます。そうすると、風邪なんかですと必ずそういうかかりつけ医に、ファミリードクターに行くというふうに思い込んでいるわけですが、日本の場合そうではないのでこういう問題も起きるのではないかなという点でお聞きしたわけです。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 先生がおっしゃった意味は、むしろ先ほど来お答えをさせていただきました我が国の持っている医療の本質的な特徴でありますいわゆるフリーアクセスというものを制限するということに恐らく行く御議論だろうと思います。私どもは、フリーアクセスというのは確かに弊害はありますけれども、また我が国の医療あるいは医療保険制度の発展の過程として出てきたものでございますので、まずそういう観点からかかりつけ医を第一線の医療機関として位置づける、そして他の医療機関との適切な役割分担あるいは機能連携を図っていくということがまず第一義的ではないだろうか。  患者の医療機関の自由な選択といういわゆるフリーアクセスを抑制するということにつきましては、先ほど来申し上げているような医療機関の機能の定着状況ですとかあるいは患者さんの流れあるいは患者さんの意識、そういうものの実態等を踏まえて対応を検討していくべき課題ではないかというふうに考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 かかりつけ医の問題等とも関係いたしますが、医師の生涯教育というのが問題になるというふうに思います。この点につきまして、厚生省と文部省の御見解をお願いいたします。

谷修一厚生省健康政策局長

○政府委員(谷修一君) 医師は専門職として生涯にわたって研究なり研さんを積んでいくということは必要だというふうに考えております。ただ、事実上、この生涯教育あるいは生涯にわたる研修ということについては、まず医師自身あるいは専門集団としての医師自身が行うべきだということから、例えば医師については日本医師会、歯科医師については日本歯科医師会が中心になって生涯研修プログラムというものをつくられて、既に十年以上にわたってかなり定着をしてきたのじゃないかというふうに考えております。生涯教育というものはそういう意味合いにおいて必要なものだというふうに認識しております。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 日下部委員がイギリスの経験を踏まえて、先ほどから厚生省とのやりとりを非常に興味深く拝聴しておりました。かかりつけ医としてこれからの地域医療の中核をなす医師の資質向上というのは非常に大事なことだと思っております。  私ども文部省としては、昔はインターンと呼ばれていた卒業後の、今の言葉で言うと卒後研修、これを受け持っておりますし、約八割を国立大学の病院で受け持っているわけであります。したがって、これを充実させていくためにはいろいろな角度からの検討が必要であると。  例えば、教育内容をどうするか、あるいは受け入れの条件整備、処遇とか施設とか経費とかそういう面で詰めなきゃならない面がいっぱいありますので、卒後研修、いわゆる昔のインターンにつきましては、厚生省と協議会を設けましてちょうど一週間前のきょう、第一回の会合を開いたところであります。  生涯研修というのは大事なことでありまして、それから以降の話は厚生省が担当されるし、また医師会も大変今熱心にやっておられますので、私どもも今後この卒後研修については一層厚生省と緊密に連携をとってやっていきたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 ありがとうございました。  大量の寝たきり老人というのは日本独特の現象でございます。ですから、これからは高齢者イコール寝たきり、いわゆる要介護老人ではない、そういう社会をつくっていかなきゃなりません。医療改革にはさまざまな既得権益というものが錯綜しております。その中で小泉大臣の勇気と決断を心から期待しておりまして、次の質問に移りたいというふうに思います。  ところで、国際化、これは二十一世紀の大きな課題でございますが、中央教育審議会では、二十一世紀に向けた教育の在り方ということにつきまして小学校での外国語教育というものを提案しております。  これは、今いろいろなカリキュラムのスリム化というものが検討されている中で、また新たに外国語教育導入というのはいろいろな問題もあるかとも思いますが、文部大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) ますます国際化が進んでいく中で、例えば私も含めて政治家同士が話をする場合に、諸外国の政治家は英語が流暢に話せるということでもう本当にうらやましく思うわけですし、恐らく各界各層がそういう気持ちを抱いておられると思うんです。  私、つい先日、東南アジア諸国を歴訪してまいりましたが、小学校段階から英語教育をやるというような国がふえております。私は、これからの国際化に向けての話学教育がいかにあるべきかというのは非常に重要なテーマだと思っております。  そこで、今JETプログラムというのを御指摘になりましたよね。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 まだしていない。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) まだしていない。  それでは、とにかくそういう基本的な考え方で今いろんな施策を考えたいと思っておりますので、またいろいろ国際経験豊かな日下部委員から御示唆がいただければ大変ありがたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今、文部大臣からお触れいただきましたけれども、中学校及び高校の外国語教育というのにはJETプログラムという、いわゆるネーティブスピーカーが語学指導を行うという授業がございます。この授業については余り知らない方もいらっしゃるのではないかというふうに思いますので、文部省、説明をしてください。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 日下部委員には第一次橋本内閣で文部政務次官をお務めいただきまして、ちょうど昨年はJETプログラムが始まりまして十周年を迎えましたわけですが、その記念の式典のときにも、また昨年のJETプログラムで来日した方々に対するオリエンテーションの場でも英語で激励をしていただきまして、来日したネーティブスピーカーの英米を中心とする方々に大変深い感銘を与えたと伺っておりまして、日ごろそうしたJETプログラムに対する御協力に大変感謝をしております。  そこで、今のお尋ねですが、各党各議員の御協力によりまして年々このJETプログラムの先生の数がふえております。大体五千人近くになっているわけです。できるだけ各校に平等に行き渡るようにということでやっているんですが、まだ中学校が全国に約一万五百、それから高等学校が大体四千百ぐらい、合わせまして大体一万四千数百という学校がありまして、それに対しまして今JETプログラムの先生は五千人弱ですから三校に一つも行き渡らない、こういう状況です。  今実験的に小学校にネーティブスピーカーを配置しようということで各県に一人ずつ割り振っていまして、相当成果も上がっているというふうに聞いておりますが、まず第一は高等学校、中学校に早くネーティブスピーカーをもっと充実させたいというふうに考えておりますので、小学校段階へのJETプログラムの適用につきましては今後さらに検討していきたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 この事業は、文部省だけではなく、自治省、外務省、三省が共同しているわけでございますが、特にこれからの小学校の外国語教育にこのJETプログラムを導入するという件に関しましては自治省の御見解も承りたいところでございますが、自治省としてはいかがでございましょうか。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(白川勝彦君) JETプログラムそのものは平成八年度現在で十八カ国から約五千人の青年を招致しております。そして、平成九年度ではさらに三百二十二名ふえまして五千三百五十六名ということであり、語学だけではなくてスポーツ等も伸ばしております。また、非英語圏の人も多くしようと思っております。それから、地方公共団体から要望が出ている舞台芸術、情報産業関連の国際交流業務に従事する青年などもぜひ招致をいたしたいと、こう考えております。  さて、小学生の教育にどうかという話でございますが、自治省は教育を担当しているところではありません。財政は持っておりますけれども教育は文部省でございます。この文部省というところが、ほかの役所のことを言うのはなんでございますが、なかなかまじめなおかたいところでございまして、この辺のことにつきましては文部省の方で対応してくだされば自治省は幾らでも応援する、こういう決意であります。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 文部大臣、いかがでございましょうか。今大変いいお言葉をいただきましたけれども。

小杉隆自由民主党文部大臣

○国務大臣(小杉隆君) 私はJETプログラムの先生が小学校に行ってどれだけの効果を上げ得るかというのは限界があると思うんですね。  私、実は「セサミストリート」という幼児向けの漫画をつくっている会社の方にきのうお会いしまして、要するに、エンターテインメントといいますかおもしろみを加味した語学教育という番組をつくって、今NHKでもやっているようですが、これをさらに民放にも適用できないかというようなことで一生懸命やっておられるんですね。私は、JETプログラムとは別に、そういったもう少しいろいろなメディアを使った、放送にしてもあるいはビデオテープにして小学校に流して、いろいろな時間にそれを分けて生徒さん、児童さんに見せると、こういうようなさまざまな工夫が必要だと思うんです。  ですから、私どもはJETプログラムだけに固執するんではなくて、これからの話学教育というものが国際化の進展に向けてどういう対応がいいのか、今一生懸命私も事務当局に指示をして検討させているところでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 小学校での外国語教育の導入というのは、ぜひとも子供たちの負担にならないように、親たちの負担にならないように、そして子供たちが楽しみながら自分たちとは違う民族、違う文化というものを肌で吸収できるような、そのような場になってほしいというふうに思うところでございます。  また、地域におきましても、地域の国際化、活性化というものにこのJETプログラムもつながるというふうに思います。ぜひともこのような観点でJETプログラムの位置づけ、そしてまた多様な国際化に対する取り組みを心から期待して、質問を終わります。ありがとうございました。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で日下部禧代子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、竹村泰子君の質疑を行います。竹村泰子君。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 ちょうど衆参の予算委員会の審議が行われている間に東海村でああいった爆発事故が起きまして、必然的にそういった原子力行政の関係の質問がかなり予算委員会の中でされていたというふうに思います。きょうは順々にまいりたいのでございますけれども、梶山官房長官は沖縄問題で大変重要な会議がお控えになっているということでございますので、官房長官関連の質問を先にさせていただきます。  橋本総理も予算委員会で、動燃の体制が「もんじゅ」の事故発生以来の教訓を全く生かしていないとしか思えないと発言をしておられます。私も、「もんじゅ」事故の教訓を生かす生かさない以前の話で、動燃という特殊法人は日本のプルトニウム政策と廃棄物処理処分に係る重要な研究開発をするためにつくられた組織であり、その意味では「もんじゅ」の事故も含めて動燃の技術能力、国民への信頼醸成の努力の欠如は許しがたいものだと思うわけです。  梶山官房長官も言っていらっしゃいますが、関係者に慢心と惰性を生んでいくような組織体、そのような体質があったのではないかという御発言をしておられます。原子力にかかわる政策上の意見の違いは違いとして、後で順々に御質問いたしますが、動燃という特殊法人が金食い虫であるということに変わりはなく、突然に先に抜いての質問でありますのでお答えしにくいかもしれないと思いますけれども、官房長官、今回の爆発事故、そしてこれはきのうでしたかの報道によりますと、チェルノブイリがレベル7、そしてスリーマイルがレベル5、今回の爆発事故はレベル3というふうに認定づけられたと。当初よりはずっと大きな事故を起こしたわけでありますけれども、官房長官、どのようにお考えでしょうか。

梶山静六自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(梶山静六君) 専門的な答弁は科学技術庁やその他に譲りたいと思いますが、今私は内閣のいわば危機管理の問題、それと実は東海村は私の地元でございますし、私は十三キロのところに自分の住居を持っております。ですから、設立当初、そして特に再処理工場建設の際の核燃料サイクルの確立、そういう問題をめぐって私たち地元にはたくさんの議論がございました。  しかし、平和利用というか日本のエネルギー危機、こういうものを克服するのにはどうしても必要だという観点もございまして、安全の上にも安全という私にとってはいわば若干過信があったのではないかと私自身を今戒めておりますが、そういう意味で考えますと、確かに創業期はそれぞれが緊張感を持って、試行錯誤ではありますけれども、大変な努力を払ってあの動燃の体制を築き上げてきたわけであります。  今、委員御指摘のように、私も若干惰性に流れておるのではないのかなという点と、結果として鋭角的な開発ではなくて惰性に流れて、半ば自己増殖的な機能も中に芽生えているのではないかという、地元の一人としてこの問題を門前の徒として今までやってきただけに率直にその感じが深いわけであります。総理も確かに事故の経験を生かしていないと、こう言われます。これから恐らく科学技術庁が中心になり、あるいはその他部外者というか外部の者もひっくるめて新たな管理体制、それから何と何を目標にすべきなのか、そういう問題もひっくるめて広範な、委員と若干立場が違うかもしれませんが、お互いにその問題は共通の問題としてこれから取り組んでいかなきゃならない、私はこのように考えております。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 地元の住民の一人としても大変肝を冷やされたといいますか非常に不安に思われたというふうに思います。この東海事業所の燃料再処理工場爆発事故については、この事故の原因や動燃の対応のまずさなど詳細は調査委員会で調査分析されると思いますが、幾つかお尋ねをしていきたいというふうに思います。  まず、この動力炉・核燃料開発事業団、略して動燃と言いますが、この動燃が再処理工場をつくるに当たって八〇年二月に国に提出した設置承認申請書、この中で動燃は、アスファルトの温度は二百十五度以下にする、加熱は蒸気を利用して間接的に温める、二酸化炭素の噴き出し口を設けるなどの対応を示して、以上の対策によって火災事故が起きることは考えられないと断定していますが、これに先立ちまして七三年に実験でこの事実を知っていつつ申請をしたということが報道されております。  科技庁はこの七三年の段階にこのことを知っていたでしょうか、どうですか。

池田要科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(池田要君) ただいまの御指摘がございました報告書については、まだつぶさには事業者から報告を受けていない状況にございます。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 七三年の実験のことにつきましてお尋ねがございましたが、七三年当時は自分の力で設計をしてあの装置をつくろうとしておりました。そういう意味での実験をしていたと思いますが、当該施設は結局はベルギーからの技術導入ということでっくられました。それは、先ほどの実験の結果、日本の考えがなかなかうまくいかなかったというのもあるかと思いますが、そういう意味で技術導入に切りかえて今回申請になったということでございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 答えになっていないですね。七三年の時期にこの事実を知っていたのかどうか、実験の結果を科技庁は知っていたのかどうか、大臣、どうですか。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) アスファルトで固化する、当時日本で考えた技術はなかなか難しくて、そういう意味でその実験がうまくいきませんでした。したがいまして、うまくいっておりましたヨーロッパの技術を導入したというふうに承知しております。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 よくわからない答えですね。知っていたというふうに答えると後は大変だということでそういう答えをしていらっしゃるのかもしれないけれども。  今回いろいろな手違いやミスが重なっているんですが、もっと国民が怒っているのは、私はここに新聞のコピーをたくさん持っておりますけれども、放射能が放出した量などについても発表が二転三転しているんですね。計算ミスと釈明をしているものの、実際の数値の約百分の一と極端に低い値を発表していたことが後でわかったり、計算の誤りだったとかいろいろと言っていらっしゃるんですが、科技庁は、こうした計算値は法律に基づいた報告義務があるものではなく罰則を伴うものではないものの、不安をあおったり誤解を招く事態としており、厳しく動燃を指導する方針だというふうにおっしゃっております。  私は、事故にかかわる詳細な調査の中には当然基本設計や詳細設計への検討も含まれると思いますが、これは安全審査そのものの見直しも必要と思いますが、いかがでしょうか。

池田要科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(池田要君) 今回の動燃事業団の事故につきましては、科学技術庁といたしましては、事故発生の翌日には事故調査委員会を設置しております。事故の原因の究明と再発防止のための対策を講ずることにしてございまして、この調査委員会におきましては、基本設計それから詳細設計はもちろんのことでございますけれども、その後の建設、施工、運転管理、それから今回注目されます事故後の対応といった各段階においても問題がなかったかどうかといった点も含めて、詳細に検討してまいる所存でございます。  いずれにしましても、このような検討の過程で、今お尋ねのような点についても明らかにできるものと私ども考えてございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 放射能漏れについて、今回の事故は、火災時の現場の混乱ということがあったにしても、火災発生から数分後には現場と道路を隔てた第一附属排気筒にあるモニターが放射能漏れを感知していたにもかかわらず、これを作業員が確認するのに火災発生から五時間経過していた。この技術的な対応のまずさは何と言ったらいいかわかりません。だから当然、今回の放射能漏れはありませんと言った記者会見、それから放射能汚染をしていたのが二施設であったというのが本当は四施設であったとか、動燃また事実隠しというふうなことを書かれているわけでありまして、もう信頼することはできない、事故隠しということが非常に言われているわけです。  科技庁長官、どのようにお思いになりますか。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 今回、動燃事業団といたしましては、「もんじゅ」の事故を反省いたしまして、隠すというようなことは一切しておりません。たまたま調査したときにわかっているところから順番に発表いたしましたので、先ほどの施設の数がふえたり、あるいは被曝者の数も最初の十名がだんだんふえていったように見えておりますが、それは調査でわかったところを順次報告したためでございまして、隠すような意図は一切ございません。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 「もんじゅ」のビデオ隠しもありましたし、これまでにもいろいろと私たちは見聞きしているわけでありますけれども、時間の関係もありまして余りそのことにかかずらうわけにはいかないのですが、動燃についてもう少しお尋ねをいたしましょう。  五十七年に動燃が発足してから今日まで、政府は約二兆四千億円の出資金を出しています。この出資は国債、主として建設国債が原資となっている。いわば国が借金をして、プルトニウムめ研究開発というか、「もんじゅ」などの原子炉、そして再処理、高レベルも含めた廃棄物処理、処分の研究開発に二兆円余のお金をつぎ込んできたんです。  それでいて、大蔵大臣がいらっしゃいますけれども、動燃はこれまでの累積欠損金が一兆五千五百億円になっている。同じく政府出資の特殊法人日本原子力研究所は累積欠損金が一兆二千億円となっています。今問題になっている年金福祉事業団などですら税金の累積欠損金は一兆円にとどまっているわけですから、税金の使い方はすごいと言わざるを得ない。動燃、原研というこの二つの法人の国民の税金の使い方、それでいて動燃のような結果を生むとしたら、税金を出している国民にとっては踏んだりけったりとしか言いようがない。  以前も予算委員会で議論がありましたように、出資金というのは解散時には戻さなくてはいけないものですよね。いかがでしょうか。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 動燃事業団は法律によって設立されておりますが、その動燃事業団法の四十二条二項に基づきまして、動燃事業団が解散するときの出資金の具体的な処理について決めておりますが、別途解散にかかわる法律を制定し、その法律に基づき処理することになります。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 それじゃ、研究開発費ということで将来有形無形の形でその成果が蓄積されていくので、会計処理上は欠損金でも、研究開発の成果が国民の共有財産になっているのかどうか。なっているので戻さなくてもいいという御説明もあるわけですが、動燃の場合、共有財産というのは一体何になりますでしょうか。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 動燃事業団の場合、今回は核燃料サイクルで問題が起きたわけでございますが、そういう各種の施設設備、技術資料、ソフトウエア、人に蓄積されております知識、技術、有形無形の財産がございますが、そういうものは国のエネルギーの安定供給確保に資するものと考えている次第でございます。  それから、例えば動燃事業団は動力炉開発、高速増殖炉とか新型転換炉を開発しておりますが、例えば新型転換炉につきましても、原型炉段階で終わりまして実証炉の建設は途中でできなくなりましたけれども、原型炉の建設を通じまして、当時日本では軽水炉がすべて国産でできなかった。ところが、そういう新型転換炉をつくることによりまして、いろんな核設計とか機械のコンポーネントとかそういうものを自分たちでつくった、国内でつくったわけでございます。そういう技術が現在の軽水炉に綿々と生かされているわけでございまして、そういう意味で無形のいろんな財産として国民にも還元されているものと承知しております。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 見解の相違というものもあるかもしれないんですけれども、私はそういうふうに思わないんですね。  例えば、再処理というものがいかに経済的に高くつくか、九三年一月に動燃の東海事業所に運ばれたフランスからのプルトニウムを例にとってお話をいたします。  あのときに運ばれたプルトニウム一・五トンは、日本の電力会社七社から送られた使用済み燃料から取り出されたものです。それを動燃は十一億円余でフランスから買い戻さなければなりませんでした。そして、このときにはこの代金のほかにプルトニウムを取り出すコストとして二百六十億円、輸送費として十二億円、輸送船の改造費に約十四億円等々かかっていると思いますが、その他の経費を教えてください。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 先ほど二百六十億円と申されたのは、動燃事業団ではなくて、電力会社が再処理を委託したときの多分費用ではないかと思っておりますので、それは今回の輸送とは切り離して考えていただきたいと思いますが、経費としましては、先ほど申されましたように、購入費が十一億円、それから輸送の直接経費が十二億円、それから輸送に必要な設備準備費として五十一億円の予算が計上されておりました。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 だから、私は再処理の費用ということで言ったわけでして、もちろんわかっておりますが、プルトニウムを取り出すコストニ百六十億円、そして今途中までしか私が聞いていることを教えてくださらないんですが、あと輸送船の改造費、輸出容器の製作費、これ以外に巡視船「しきしま」にかかわる費用等々ありますよね。全部答えてください、トータルも。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) 先ほどの輸送船の改造費は、私が先ほど御説明いたしました設備準備費の五十一億円の中に入っておりますので、そのように御承知願いたいと思います。それから、「しきしま」の関係は、これはもう海上保安庁の予算で、海上保安庁の巡視船でございますが、建造等に約二百三十億円かかっていると承知しております。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 トータルと言いましたけれども。

加藤康宏科学技術庁原子力局長

○政府委員(加藤康宏君) したがいまして、輸送の実施に直接かかわる経費、輸送に必要な設備準備費を合わせますと、予算で六十二億円でございます。それ以外に、先ほどの「しきしま」につきましては二百三十億円でございます。それから、調査費とかその他のものがございますが、そういうものが別途二十五億円ございます。したがいまして、先ほどの六十二億円と二十五億円で八十七億円と、海上保安庁の二百三十億円ということでございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 あと広報費などもかかると思いますし、それ以外に使用済み燃料のフランスヘの輸送費もかかっていますね、これは六十億円。要するに三百億、四百億のお金がかかっているわけです。もっとかもしれません。要するに、再処理というのはとにかく大変高くつく。アメリカがコスト的に合わないといってもう再処理をやめているというのも高くつくからなのではないでしょうか。  以前、動燃の予算執行などについて行政監察局の指摘がなされました。私の地元北海道で、知事や道議会の反対意思の表明にもかかわらず、非常にこそくな手段と言ったら少し言い過ぎかもしれませんが、こそくな手段を使いながら核のごみ捨て場、高レベルの核のごみ捨て場、貯蔵工学センター計画への地元の理解を得るためと称して国民の税金をむだ遣いしていらっしゃる。  このような動燃という組織は、エネルギー全般という観点から、日本原子力研究所やNEDO-NEDOについて私はきょう質問をしたがったのですが時間的な余裕がありませんので、原研やNEDOを含めて事業内容の精査と実態的な統廃合を考えられたらいかがでしょうかと思います。実現までには非常なエネルギーがかかると思いますけれども、突拍子もない提案ではないと思いますが、通産大臣、科技庁長官、御両所にお伺いしたいと思います。

佐藤信二自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤信二君) 竹村委員にお答えいたします。  今おっしゃいました新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOでございますが、この機構は、昭和五十五年の第二次石油危機、そのときの教訓を踏まえまして新エネルギーの開発の中核的機関ということで設立されました。その後、太陽光発電技術、こうしたものの実用化に向けて着実にその成果を上げてまいっております。  今、地球環境問題、こういうことも大変大きく叫ばれているときでございますので、これに対する対応が喫緊の課題となっているわけでございますが、そういうことで新エネルギーの開発に対する、またNEDOに対する期待というのは大変高まっているわけです。こうした期待に十分にこたえるためにも、業務の必要性や効率性については絶えず見直しを行う必要があるのは当然でございます。現在、政府全体として行われている特殊法人の見直しの議論も、実はそうした観点からなされているものと認識しております。  一方、今御指摘の動燃また日本原子力研究所との統合という問題でございますが、ここは原子力政策の遂行に当たって原子力に関する高度な専門性、それから厳格な遂行体制が必要とされているところでございまして、NEDOは実はこれまで原子力関係の研究開発は全く行っておりません。また、民間研究者を活用して研究開発を実施するなど、その研究開発の対象や方法が全く異なっておりますから、この三つを一緒にした場合の統合の実益というものがなく、むしろ職員がそれぞれの分野でもって専門の方をまず研究した方が効率的であるというふうに実は考えております。

近岡理一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(近岡理一郎君) エネルギー問題全体を見据えて、事業内容を含めまして、動燃、原研、NEDOの実態的な統廃合を行ってはどうかという御質問なんですが、ただいま通産大臣からもお答えになったわけでありますけれども、我が国の経済社会が将来にわたって安定的に発展していくためには、エネルギーの安定確保が欠かせないわけであります。このために、省エネルギー、また新しいエネルギーにかかわる技術開発を進めるとともに、原子力の技術開発を着実に展開していくことが重要だと思っております。  このようなエネルギーの関連技術の開発に当たっては、ただいまも通産大臣から答弁があったわけでありますが、開発を効果的かつ合理的に進めるために適した体制が必要であります。この場合、やはり原子力の技術開発は、一つは、核不拡散や原子力安全の観点から特別な対策が必要となってまいります。またさらに、核物理、機械、化学等を結集した巨大なシステムとしての技術が要求されてまいります。もう一つは、長期的な観点から進めているものが多いわけであります。これに反しまして、省エネルギーや新しいエネルギーの技術開発は、一般的には産業との連携、今もお話がありましたとおり、一般的な家庭への普及をも念頭に置かなければなりませんし、新しい技術開発というよりもコストダウン等に重点を置いた開発を行う必要があります。  いろいろとこういった開発目的あるいは技術的特徴に大きな相違がありますので、単純に統廃合することは、今もお話があったとおり、かえって効率的な開発に支障を来すのではないかというふうに思われるわけであります。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 大臣、私はいきなり今原発をゼロにしろなんて言っているわけじゃありません、そんなことできるわけありませんから。ただ、こういった事故が繰り返される。昨年十二月に通産省がまとめた総合エネルギー調査会基本政策小委員会の報告でも、「もんじゅ」の事故などそういった国民や関係自治体の批判が強くなっているにもかかわらず、今後の国のエネルギー政策にまたしても原発推進を強く打ち出しておられるんですね。  私は、原発を使わないもっとクリーンなエネルギー資源の開発をするべきだということでいつも来たわけでありますけれども、大臣、どうかそういうことにつきましては、役人の書いた答弁ではなくて、やっぱり大臣の生の声の御所見を聞きたい。国のエネルギー政策が今国民から強く問われているところでありますから、そういうどこかに書いてあるわかり切ったことを私は聞いているのではなく、原子力行政をこのようにしていきたいのだというビジョンを語っていただきたいというふうに思います。  「もんじゅ」で見ますと、純粋に建設費だけで五千九百億円、このうち特別会計から四千五百億円使っています。それにさまざまな宣伝広報費を使っています。訴訟経費も国庫から支出されています。加えて毎年維持管理費として、例えば九五年二百三十億円、九六年百九十億円、そして九七年度予算には百七十三億円もの予算が計上されています。これ以外に高速増殖炉の研究開発費なるものが百九億円計上されています。これは「もんじゅ」だけです。通産省関連の原子力立地政策予算は七百八十一億円であり、これに科学技術関連の百八十九億円を含めますと、ざっと言って九百七十億円ぐらいになります。  この数字を私たちはどう見るか。そして、こういった事故が続発する、動燃のように国民を欺くというかそういったことがどんどん見られる。  ちょっと決算を見てみますと、九四年度の決算、一般会計では原子力平和利用研究促進費として千五百四十三億七千三百五十五万三千円、特別会計の方で原子力発電開発導入促進対策費として三百八十三億三千三百五十四万円、動燃への出資及び助成費として九百五十八億四千四百六万九千円支出されています。大ざっぱに言って九四年度一年で二千八百八十五億円が原子力推進費として支出されていることになるわけです。  これに比べて新エネルギーの方はどうでしょうか。確かに、大臣のおっしゃるように単純に予算の額ではないと思いますけれども、今度の通産省の新エネルギー対策の予算額は五百七十三億円です。これは通産省だけということですから、この新エネルギーの方も九四年度の決算額を見てみますと、済みません、お聞きすればいいんですが、私がしゃべっていると時間がたちますが、少し時間の節約でしゃべらせていただきます。一般会計では四億七千三百八十九万六千円の支出があり、特別会計で、太陽エネルギー発電等開発導入促進対策費として三百八十三億三千三百五十四万円、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOですね、NEDOへの出資金として、助成費として二十五億一千四百六十一万二千円、全体で四百十三億円になります。  これは間違いないでしょうか。確認をしたいと思います。通産省、いかがですか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○政府委員(江崎格君) 今、先生のおっしゃったデータ、正確に手元にございませんが、新エネルギー関係の予算でございますけれども、平成七年度が四百三十三億円、八年度が四百七十九億円、九年度が五百七十三億円というふうになっております。それから、このうちの一部分がNEDOに出資金として出されているということでございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 いや、NEDOだけ聞いているんじゃなくて、私は新エネルギー全体を聞いているんです。もしかしたらこれは時間がないからできないかもしれないとは言いましたが、一応全部レクしてあるはずなんですね、通告をしてあるはずなんですから、そのくらいのことはちゃんとそろえて答えていただきたいと思います。

江崎格資源エネルギー庁長官

○政府委員(江崎格君) 今申し上げました予算額は新エネルギー全体でございまして、通産省関係の新エネルギーの予算でございますが、平成七年度は四百三十三億円、平成八年度が四百七十九億円、九年度はまだ政府案でございますが、五百七十三億円ということでございます。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 五百七十三億ということですね。これは正確じゃないと思いますが、単純に言って、新エネを一とすれば原子力は七という割合になっているんです。後で詳しくお伺いいたしますが、この一対七というのは、もしかしたら一対六・五ぐらいかもしれませんけれども、これは原子力と新エネを大ざっぱに比べたもので、中身について詳細に調べていきますと、実際にはけたの違う予算ということになっているわけです。例えば、同じ特殊法人でも動燃はその事業がすべて原発関連であるのに比べて、NEDOは石油代替エネルギー法にその根拠を置いている特殊法人でありますから、御存じのように、その事業の多くは石炭関連のものも含まれております。  ここで新エネルギーの中でも地球にさんさんと限りなく降り注ぐ、さっき通産大臣がお答えいただきましたクリーンな太陽エネルギーの中の太陽光発電についてお話をいたします。  実は、私の自宅も屋根の上で太陽光発電をしているんです。これは通産省からの補助金が出るんですけれども、私は抽せんに漏れまして補助金をいただきませんでした。大変乏しい財布の中から三百三十万円という大金をはたいて、でも、もったいない、このあり余るエネルギーを何とか使いたいと思いまして、太陽エネルギー発電をしているわけなんですけれども、私は、国が現状で原子力発電にかけているのと同じくらいのウエートで太陽光発電の普及にもっと力を入れてくだされば、この太陽光発電の早期普及は必ず実現すると確信しています。  九七年度ではこの太陽光発電システムの導入促進費として百十一億一千万円を予算に計上していらっしゃいます。そして、太陽光発電システム関連技術開発費として七十五億九千万円を計上していらっしゃいます。大臣、これは閣議決定による新エネルギー導入大綱の目標が二〇〇〇年で四十万キロワットということになっているので、それを見通して決められた金額なのでしょうか。四十万キロワットというと、現在の新エネルギーの約百倍です。あと三年ぐらいしかないんですけれども、この四十万キロワットというのが達成できるんでしょうか。

江崎格資源エネルギー庁長官

○政府委員(江崎格君) 私ども、新エネルギーの中でも今御指摘の太陽光発電は大変重要なエネルギー源だというふうに思っております。今御指摘のように、来年度の予算案におきまして従来の三倍ほどの予算をつけておりますし、そのほか実は今度の国会に新エネルギー利用法案ということで提案をさせていただいておりますけれども、こうした予算措置それから法的な措置によりまして、御指摘の新エネルギー大綱にあります目標を達成するように努力をしたい、このように考えております。

竹村泰子民主党・新緑風会

○竹村泰子君 ぜひ国の原子力政策の転換あるいは変革に向けてお互い頑張ってまいりたいと思います。  時間が参りましたので、私の質問を終わります。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で竹村泰子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮でございます。  まず冒頭に、青森の三沢基地の米兵による女性暴行事件について伺いたいと思います。  一昨年の沖縄の米兵による少女暴行事件は大きな憤激を呼んで、いまだに記憶に新しいわけでありますが、その後も米兵による事件、事故が後を絶っておりません。またしても、去る二十日未明、八戸市内で米兵による女性暴行事件が発生をいたしました。  この事件の概要及び捜査の現状について、まず説明をお願いしたいと思います。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○政府委員(佐藤英彦君) お尋ねの事案は、三月二十日午前三時過ぎ、青森県八戸市内の駐車場におきまして、自分の車両に乗ろうとしていた女性が男に突き飛ばされ、顔面を手拳で殴打されたという事件でございます。  被害者からの届け出を受けました所轄青森県八戸警察署は、被疑者の逃走車両のナンバー捜査、同署の要請によります米軍三沢基地憲兵隊の迅速な活動によりまして、午前四時過ぎ、被疑者を割り出し、同意兵隊の協力を得て八戸警察署に同行し、被疑者を取り調べましたところ、犯行を自供したというものでございます。  現在、米軍当局の全面的な協力を得ながら、同署におきまして、鋭意、被疑者の取り調べ等所要の捜査を円滑に推進しているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 極めて悪質な事件だと思うんです。  国家公安委員長、沖縄や佐世保の事件では逮捕状をとって捜査を進めたということがあったと思うんですけれども、証拠隠滅のおそれとか逃亡のおそれもあるわけで、当然本件も逮捕状を請求してきちっと取り調べをすべきだと思うんですけれども、その点についての御所見を伺いたいと思います。公安委員長、お願いします。

佐藤英彦警察庁刑事局長

○政府委員(佐藤英彦君) ただいまも御答弁申し上げましたように、現在のところ、本件につきましての捜査は円滑に推進をいたしておりまして、現時点におきましては身柄の引き渡しを求めるまでの事案ではないものと判断いたしているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 とんでもない話ですよ。本当に今さら何を言っているかということを言いたいんです。  この間もさんざん沖縄の少女暴行事件でああいう問題がありました。そして、その後も佐世保でも事件が起こったということでありまして、ああいう問題を通じながら日米地位協定の第十七条の改定が問題になった。結局いまだ見直しすらされていないわけです。  そういう中で、一昨年の十月末ですか、日米合同委員会が、「合衆国は、」「被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的考慮を払う。」というふうに合意をしたはずであります。今回も、被疑者については、米軍の基地内で憲兵隊のもとにあるといいながら、かなり自由にしているということも言われているわけでありますが、きちっと逮捕状をとってこそ身柄の引き渡しをさせて徹底捜査ができると、それがこの間の教訓だったと思うわけであります。  外務大臣、そういうことでなければ、運用見直しと言われたわけですけれども、何のためにそういう見直しをしたのか、合意をしたのかということになると思うんですけれども、今の点について御答弁をいただきたいと思います。どうお考えでしょうか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 本件につきましては捜査当局において適切に対処しておられることと存じます。捜査当局の捜査の進展いかんによって外務省に対し何らかの必要な対応をとることが要請されるならば、そのときによく考えてまいりたい、こう思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 公安委員長、一言お願いします。  適切な対処がされているというふうにおっしゃっていますけれども、じゃ、証拠隠滅とか逃亡のおそれはないのか。これは大丈夫だとおっしゃるわけですか。この間繰り返しそういう問題が起こったわけです。

白川勝彦自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(白川勝彦君) お尋ねの件には、全文の仮訳でありますけれども、「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に日本国が行うことがある被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的考慮を払う。」と、こういう取り決めになっているのは御案内のとおりでございます。  本件につきましては、捜査を現実に担当しております所轄署におきまして、事案の悪質性、結果の重大性、捜査の必要性等を総合的に勘案して、現時点においては身柄の引き渡しを求めるまでの事案ではないと、こういうことで鋭意捜査をしているわけでございますから、委員の御意見は御意見といたしまして、これにつきましては警察当局を信頼していただきたいと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 沖縄でもそういうことで結局被疑者が米国に帰ってしまうとか、あいまいにされることがいっぱいあったわけです。ですから、今回の件もきちっとやっていただきたい。被害者の女性は突然顔を殴られて、先ほどあったように大変ひどい目に遭った。そして現地では、またか、夜も歩けない、やっぱり基地がある限りこういうことがあるんだという不安と衝撃が広がっております。沖縄の教訓も生かされていない。全国五カ所の実弾訓練の移転候補地がありますけれども、そういう住民の皆さんもあれを見て、事件が起きてからでは遅いんだ、米海兵隊は来るなという声がますます高まる。こういう問題として深刻に受けとめて、やっぱり逮捕状を請求し、米兵の身柄を直ちに日本側に引き渡しを求めて、我が国の法律で厳罰に処すことを強く求めておきたいと思います。  次に、沖縄の鳥島の米軍射爆撃場での米軍機による劣化ウラン弾の射撃訓練事件の問題を取り上げたいと思います。  この事件は、沖縄県民はもちろん、日本国民に大きな衝撃を与えて、安保体制下での在日米軍基地の危険な役割を改めて浮き彫りにする重大な出来事だったというふうに思うわけであります。この問題についてただしたいと思います。  まず、この事件について、三月末までに米側から調査結果が出る、また日米間の通報体制の問題についても三月末までに確立するということでありました。もう最後の週になりました。午前中もありましたが、具体的に三月のいつまでに、どういう形で、合同委員会でこの問題について出して、確認をするのか。進捗状況について報告をお願いしたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) アメリカ側の調査報告書を三月末までに米側から提出してもらいまして、それを公表する方向で今鋭意調整を行っている状況でございます。  それから、通報体制の整備につきましても合同委員会の場で三月末までに成案が得られるよう今鋭意作業を行っているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 もう三月も末ですから、急いでいただきたいと思います。  三月十八日の衆議院の安保委員会で折田北米局長が御答弁なさって、米海軍は、一九九六会計年度、訓練用として太平洋艦隊に四万六千発の劣化ウラン弾を割り当て、カタログに記載がなかったために海兵隊に支給され、今回の事件が起こったというふうに説明をされております。これはそれまでの政府側の説明とも違う重大な中身だと思うんですけれども、その詳細について改めて説明を求めたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 米側が全体像を明らかにする報告書というのは、先ほど申し上げましたように、三月末までにということで今鋭意米側と協議を行っているわけでございますが、これまで米側から聞いた話を取りまとめますと、海軍省から各部隊に至るまで弾薬の取り扱いにかかわる者すべてに弾薬カタログというものが配付されておるわけでございます。  そして、実際に弾薬の支給、使用、保管の際にはこの弾薬カタログと実際の弾薬を照らし合わせるわけでございますが、カタログの作成過程での誤りによりまして劣化ウランを含みます本件徹甲焼夷弾について配付、支給制限に係る表示が欠落していたということでございました。  このため、カタログとの照合によるチェックが機能せず、海軍は一九九六会計年度の訓練用として劣化ウランを含む徹甲焼夷弾を割り当て、その後海兵隊部隊にこれが支給され、そして実際に使用されるときに照合がなされたはずでございますが、その際にも制限の表示の欠落のためにチェック機能が働かず本件誤使用が生じたというふうに我々は説明を受けているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そうなんですね。今まで外務大臣は、米側の説明を受けたということで、あくまで有事とか緊急事態の場合に在日米軍がそれを使うために日本に持っているんだ、緊急事態のときのためなんだと言われていたわけです。実際は今答弁にあったように、少なくとも九六会計年度について言えば、海軍省が訓練用として太平洋艦隊に四万六千発の劣化ウラン弾を割り当てて、その一部かすべてか知りませんが、在日米軍が訓練用として保有していたという事実があった、そしてそれが使われたと。外務大臣、そのとおりですね。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) これまで私どもが、私も含めまして政府側が御説明しておったのは、劣化ウラン弾は米軍が保有している、しかしそれは米国内の限られた指定された訓練場において訓練に使われる、それ以外のところでは訓練に用いることはできない、日本の訓練場では使えないんだと、こういうことになっていると申し上げておりました。  そして、今回鳥島におきまして誤使用ということが起きましたのは、そのカタログの表示が不正確であったので誤使用が起きたんだと、こういうことを御答弁申し上げておったわけでございますが、そのカタログが不正確なのと誤使用との間の具体的な牽連関係が、関係がどうなっておったのか、そこのところを我が国としてさらに詳しく米側に説明を求めたところでございます。  そして、その結果を、先ほどお話がございましたけれども、十八日の衆議院の安保委員会で御報告申し上げ、当委員会でもけさほど他の委員の御質問に対しても政府委員から御答弁いたしましたけれども……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そこまでは言わなかったでしょう。訓練用という話はなかった。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) いや、言いました。  それで、今答弁しましたとおり、そのカタログにそういった指定された訓練場以外では使用できないんだということがはっきりと書いてなかった。したがって、太平洋軍の司令部が誤ってこれだけの弾丸については使用してもいいんだというふうに言ってしまったと。割り当てという言葉でございますが、これは物理的な割り当てではなくて使用してもいいんだということを指示するという行為のようでございますが、そういうことを言ったと。だから、そこの太平洋軍の割り当てという行為の段階でカタログが不正確であったために誤りが起きておったわけでございます。  また、その割り当てという指令行為を受けて、現実に米海軍といいましょうか海兵隊で訓練を行う際にカタログと照合したけれども、このカタログもやはり同じように不完全なものでございましたから、そこでもチェック機能が働かなかったと。そういう二重の意味で、カタログの不備のために誤りが起き、そしてそれは結果として使われてはならないことになっている爆弾が訓練に用いられたと、こういうことになったわけでございます。  したがいまして、従来私どもが、政府側が御説明しておりましたのとそごはございません。同じことでございますが、こういった誤使用が起きた過程というものの詳しい説明を米側から聴取し、それを御答弁申し上げたと、こういうことでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 違うんですね。そこのところは、今までと全然そごがないというのは違うと思うんですよ。カタログのせいにされていますけれども、そういう問題じゃないんです。  割り当てを受けた太平洋艦隊が劣化ウラン弾を海兵隊に支給した、海兵隊はそれを使う訓練計画に基づいて使うべくして使った、鳥島で劣化ウラン弾の射撃訓練をしたということであります。ということは、政府は、米国海兵隊の政策として日本国内の射撃訓練場における劣化ウラン弾の使用を禁止しているということを繰り返し言ってきて、そういうことがやられているというふうに言われてきたわけですけれども、実は米軍としては鳥島を劣化ウラン弾の射撃訓練地として認識していたということなんですよ。だから、こういうふうにあそこで使われたということになるんじゃないですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 米軍においては、劣化ウラン弾は米国内の指定された数カ所の訓練場においてしか訓練には用いられない、こういうことはきちんと決まっておるわけでございます。  ただ、そのことをカタログにきちんと表示するというそこが間違っておった、それがなされていなかったと。そのことが太平洋軍における割り当て行為、またそれを受けての在日米軍における現実の射撃を行うときの爆弾の搭載その他の段階において、カタログが不正確であるためにチェック機能が働かなかったということでございます。それは二重の誤りはございましたけれども、その誤りを引き起こしたもとはカタログが不正確であったということでございまして、委員がおっしゃるように、もともと鳥島で訓練用にこれを用いることになっておったということではございません。それは禁止されておったというのは明白なところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 あくまでカタログミスによる誤射だと言われるわけですけれども、そんなことを言われるんですが、じゃ、鳥島以外で劣化ウラン弾の訓練がやられた事実があるんですか、外務省。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 先ほど外務大臣がおっしゃられたように、劣化ウラン弾の使用が許されておりますのはアメリカの四カ所でございまして、それ以外のところで使われたということはございません。承知しておりません。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 もう一つ。二十五ミリの劣化ウラン弾というのはAV8BハリアーⅡ機の専用弾だというふうに聞いておりますが、そういうことを考えますと、結局、鳥島は訓練地だったということでしかなくて、カタログの問題じゃないんですよ。そこは普通考えたらそうなんですから。  しかも、きょう出ました五・一五メモですが、じゃ、ここには鳥島の使用条件についてどのように書かれておりますか、お答え願いたいと思います。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) きょう公表いたしましたいわゆる五・一五メモの中に鳥島のことも書いてございます。用途につきましては「二千ポンドを超えないすべての航空機用の在来型弾薬を使用して行う空対地射爆撃。夜間においては、照明弾の投下、航空機用の訓練弾の投射及び写真撮影用閃光筒の投下のために使用される。爆発物処理が実施される。」というふうになっております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 使用条件にそうあるとすれば、米軍の解釈でいけば劣化ウランというのは通常兵器だということですので、鳥島での訓練で一切の制限なく使えるということになります。そして、現実にそういう劣化ウラン弾が四万六千発割り当てられて、そして訓練計画に基づいてそこで使われたということでありますから、まさにもう使うべくして使った、そしてそこは訓練地だったということじゃないですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) そこのところは明確に米軍のその内規で米国内の指定された四カ所の訓練場でしか使えないということになっているわけでございます。ただ、それを爆弾の、劣化ウラン弾のカタログに表示するときにその規則を明確に表示していなかった、そのために今回のような誤使用が起きたということでございます。  そして、先ほど、太平洋軍がいわゆる割り当て行為をしたもののうちのたしか千五百数十発であったと思いますが、それが現実に誤って鳥島で使われたわけでございますけれども、それ以外のものにつきましては指定されたものについても誤って使用されていないということは、その事後のチェックで明らかにされているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 いや、訓練のために割り当てられて、そして使うと。そうしたら、鳥島でしか使うところがないわけですよ。そうでしょう。だって訓練の場所が、訓練場としてそこしかないから、そういう自然の流れとしてなるわけじゃないですか。  じゃ、ちょっと別の角度から聞きますけれども、今度の説明では、先ほど折田局長が言われた中で、海軍省から各部隊に至るまで弾薬の取り扱いにかかわるカタログの作成過程に誤りがあったためだというふうに言われたわけですけれども、じゃ、そう言うのだから、これまでの説明にあったような、単に現場の第五一三海兵攻撃飛行隊の所属のハリアー機のために弾薬を出し入れして装てんした、その末端の現場の段階の二重のミスと今まで言ってきたけれども、そういうミスで起こった問題ではないということは間違いないわけですね。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) その点につきましては、私も今正確に日付は覚えておりませんけれども、衆議院の予算委員会におきましてそういった点についての御質疑がございました。その中で、その時点まで米側から聴取しておりました説明によりますと、現実に航空機に搭載する段階での誤りだというふうな説明だったわけでございましたけれども、私自身がそのときに推測、推定になるけれどもと前提を置きながら御答弁申し上げたのは、弾薬庫から出るというところの段階でもチェックのプロセスはあったはずだからそこでも誤りがあるはずだ、そのあたりはまた米側によく説明を求める、さらなる説明を求めるという御答弁をいたしました。その後、米側といろいろさらに細部にわたって話し合い事情を聴取してきたと。その結果明らかになったところを三月十八日の衆議院の安保委員会で御報告申し上げ、またそれを先ほど政府委員から御答弁申し上げた次第でございます。  そういった意味では、一番最後の過程における誤りだけじゃなくて、そのもとになる太平洋軍の司令部における割り当て行為にも誤りがあったと、それは申し上げました。しかしながら、そのどちらの誤りもよってもって来るところ、それが起こった要因は何であるかといいますと、やはりカタログの記載が適正でなかったということからきているということが明らかになったわけでございます。いわばこれまでの政府側の御説明も基本においては誤っていることはないわけでございますが、さらにその詳細を明らかに申し上げたということでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 カタログのミス、二重ミスといって、カタログは人格があるわけじゃないんですね。じゃ、ミスがあった、要するに、だれもそのカタログの誤りを認識していなかったということなんですか、米軍は、海軍省から末端に至るまで。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 鳥島で実際に千五百二十発使用した後これの間違いに気がつきまして、その時点でカタログを直したということでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 直したということを聞いているんじゃなくて、だれが間違えたかと言っているんですよ。だから、だれが間違えたというふうに米側は言っているんですか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) カタログの作成時に適切な表示ができなかった、そこで間違いがあったということでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 だれがと聞いているんです。だれがと聞いても言わないんですね。そこを本当に聞いているんですか。  訓練用として四万六千発使用する権限を太平洋艦隊に渡すこと自体が誤っていたと。それから、弾薬を訓練で使用することについての権限付与、弾薬の配付、支給、実際の使用のいずれの段階においてもチェック機能が働かなかったというふうに先ほど言われましたが、そういうのだから海軍省、太平洋軍、海兵隊初の米軍の全体、その中枢部からのミスがあったということになるんじゃないんですか。そこをはっきり米側に確かめて認めさせていないんですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 先ほどから御答弁申し上げているところは、そういった太平洋軍司令部の割り当て行為から始まって、実際の訓練としての爆弾の投下に至るまでの各段階において誤りが重なったということでございます。しかし、その原因は何かというと、カタログの記載の不適正さが共通の原因であったということでございまして、その点は既に補正、修正がなされたと、こういうことでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 カタログのせいにすればカタログは口をきけないからいいかもしれませんけれども、そういう問題じゃないと思うんですよ。  これまでの政府の説明では、米軍の内規があって、劣化ウラン弾は本来米国内の先ほど御答弁ありました特定の四カ所でしか訓練に使われないというふうに言われていたわけでありますが、それが単なるカタログの記載ミスで訓練用に割り当てられて実際に使われたということになりますと、じゃ、内規や米軍の政策で四カ所以外やらないと言ったことは、権限を付与する段階の軍の中枢部も知らない、いわばなきに等しいものだったんじゃないかということになるわけであります。  内規でいえば日本での訓練使用は禁止しているということを繰り返し言われて、カタログのせいだと言われるわけですけれども、じゃ、そういう内規が米軍の中でどこまで徹底しているのか、外務大臣、確かめられたんですか。徹底していれば、仮にカタログに記載がなくても、中枢の段階で、権限を付与する段階で、ああ、これは内規にあるからまずいなと。カタログじゃないんですよ、問題は、ということになるんじゃないですか。いかがでしょうか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) この誤使用の発見の後、海兵隊の航空副参謀長が、本件徹甲焼夷弾の使用は戦闘作戦行動におけるものに限られるということを指令するメッセージを海兵隊を含みます海軍全体に配付し、それから海軍武器センターは、本件徹甲焼夷弾の平時における使用及び訓練における使用を禁止するメッセージを海軍内に配付するとともに、また弾丸カタログにつきましては、これについては支給制限があることを示すマークを付すとともに、平時訓練においては使用ができないということが明示されたということでございます。そして、在日米軍におきましても、劣化ウラン含有弾は在日米軍施設・区域内において訓練に使用はできないということを各部隊に徹底する措置をとった、こう承知しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 それはわかってから後の話なので、そのことを聞いているんじゃないんです。  つまり、内規があってやれないということになっているのに、カタログのミスぐらいでそんなことが起こる。実際に四万六千発が割り当てられてそして訓練計画で使うことになったわけですから、大変なことなので、そんな軍隊恐るべきということで、私は言いたくないですけれども、普通国民は思いますよ。ますます疑惑が深まるばかりだというふうに私は思うんです。  前に、ほかの委員会の答弁の中で、十年前から日本には劣化ウラン弾があったということがありましたけれども、結局、こういう中を見できますと、じゃ、十年前から鳥島で訓練用としてやるために在日米軍が保有し続けて、実際に訓練もやっていたし今回も使うべくして使った。それが表ざたになったから、米軍と協議した結果、カタログのミスのせいにして一緒になってつじつま合わせをしていると言われても仕方がないという問題だと思うんですよ。  そこのところをきちっとやっぱり筋の通った納得のいく説明がなきやおかしいし、問い合わせが必要だと。今まで政府の言ってきたことと四万六千発の劣化ウラン弾が訓練用に割り当てられたことを考え合わせると、それ以外に説明がつかないというふうに思うわけであります。一々米側の説明をうのみにして答弁されているからこういうことになるので、一カ月近くも公表をおくらせた政府の真剣さが今問われていると思うんです。  そういう点で、そういうことを踏まえてどう対応されるつもりか、外務大臣にきちっと御答弁をお願いしたいんです。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 日本の訓練場において、射爆場において訓練のために使用されないことになっている劣化ウラン弾が使用されたことは遺憾でございます。それが再発しないように米側に強く求めまして、米側においても再発防止のために所要の措置、カタログの訂正、そしてさらに周知徹底といった措置もとったわけでございます。  そしてまた、鳥島射爆場につきましては、御承知のとおり、既に米側におきまして調査をし危険がないというふうな報告は受けておりましたが、さらに念を入れるために、我が国におきましてもまた米側におきましてもさらなる調査をし、またはこれからもしようとしているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 徹底した事実の究明なしに対策もないということは重ねて申し上げたいと思います。しかも、劣化ウラン弾は人命にとって極めて危険なものだと。  政府は今回の発射事件を人命にとって何ら不安のない出来事のように言われて、今後も国内に保有を許していくというふうに言われておりますが、実際にはそんなわけにいかない危険な兵器として米国内では扱われていると思うんです。  外務大臣、今でも何の不安もない通常兵器だというふうに思われておりますか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 劣化ウラン弾は通常兵器でございます。劣化ウランというのは放射性物質ではございますけれども、しかしながら放射性物質であるという特質に注目し、そして例えば核爆発というようなことを通じてそのエネルギーを使って武器として用いるということでございますならばこれは核兵器でございますが、劣化ウラン弾は全くそういうものではない。  これはその劣化ウランの持つ重量という特性に注目して用いているものでございまして、確かに放射性物質ではありますけれども、それの持つ放射能のレベルというのは極めて低いものでございます。また、鳥島のような一般人の立ち入ることのない地域において使われたところでもございますし、人または環境に対する危険はないということが米側の一次的な調査によっても一応そういった報告がなされておるわけでございますが、念には念を入れてということでさらなる調査も進めておる、こういうことでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 核兵器と同じじゃないから安心だということにならないんです。(発言する者あり)核兵器と違うんだから大丈夫だと言われるからです。劣化ウラン弾がただの通常兵器でないことは米軍の文書自身が明らかにしていると思うんです。  今回の事件で調査に入った米空軍のアームストロング研究所第三分遣隊の九六年三月十八日の覚書を見ても、本当に恐る恐るあの島に入って、そして慎重かつ厳重にやったということがわかると思うんです。外務省、あの覚書に添付の一般情報では、劣化ウラン弾の米空軍要員への危険性をどういうふうに指摘していますか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) 委員御指摘のように、アームストロング研究所の報告書に一般情報というのが別添でついておりまして、その中で二つの危険性を呈するということが書いてございます。「第一は化学的毒性。第二は放射性崩壊の過程で放出される電離アルファ、べータ、ガンマ放射線によるものである。」というふうに記述されているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 それだけじゃないんですね。私が入手しました米陸軍省の文書で、ここにありますけれども、劣化ウランを含む陸軍戦車の弾薬あるいは装甲の取り扱い、貯蔵、輸送の事故への安全な対応のための指針というガイドラインがあります。これによれば、劣化ウラン兵器は通常兵器であるとしながらも、湾岸戦争での使用経験も踏まえて、実際の事故に際しては一般の通常兵器とは違って核兵器並みの取り扱いを指示している。だからこそ米国内では四カ所の施設でしか使えないし、実験できないと厳しく制限されるに至ったということでありまして、こんな危険なものを米国はそういうことで国内では扱いながら、一方で多くの国に輸出していると思うんですけれども、その実態はどうなっているんですか。

折田正樹外務省北米局長

○政府委員(折田正樹君) アメリカが劣化ウラン弾を輸出しているということについて、政府として必ずしも網羅的には把握しておりませんけれども、公刊されている資料を見ますと、アメリカのオーリン・オードナンス社製の劣化ウラン弾の一部が、台湾、トルコ、イスラエル、ヨルダン、パキスタン、サウジアラビアに対して輸出されているということは我々承知しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 重大な問題だと思うんです。  米国は、劣化ウラン弾の扱いを自国と他国で都合よく使い分けている。自国では危険だということで一定の措置をとって軍隊でもそういうふうに特別な扱いをしておきながら、あたかも海外には通常兵器のごとくどんどん輸出している。そこに国外での扱いが極めてアメリカがいいかげんだということが示されているし、それと同じ感覚で日本での訓練を前提に割り当てられて使われることになったんじゃないか。こんなものが日本に置かれ続けていたら今後も何が起こるかわからない、普通考えたらそうだと思うんですけれども、外務大臣、いかがですか。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 米軍では、訓練のためにこの劣化ウラン弾を使用するのは米国内の四カ所の訓練場に限定する、こういうことになっておるわけでございます。  しかしながら、先般、鳥島で誤ってこれが使用されたということは遺憾であると思っておりまして、米側もそう考え、我が国もその再発防止のための措置を強く求めましたし、米側もそのような措置をとったところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 一言。委員長、一言。最後です。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 時間でございます。笠井君、時間でございます。最後の一問だけ。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 一問にせずに一言申し上げたいと思います。  訓練では使えないことになっているからそれをちゃんと担保するようにしていくとか、結局、外務大臣はそういうふうに言われたり、きちんと管理するように要請するとか言われておりますけれども、誤射であれ何であれ、実際に事を起こしたのは米軍であって、その米軍をあくまで信頼して、今後もちゃんとやってくださいよと言うぐらいで済むのかということでありまして、この撤去を求めるのが当然だと。それを強く求めるように私は最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 私は、駐留軍用地の特借法改正問題についてお伺いしたいと思います。  せんだっての予算委員会で防衛庁長官は、沖縄県の収用委員会が一日も早く裁決されることを希望される旨の発言をなされております。現時点で、五月十四日までに裁決が出る可能性はほとんどありません。特措法による強制収用が今日まで三回行われてきましたが、平均十回の公開審理で約八カ月半を要しております。このデータを単純に今回の強制収用に当てはめてみると、裁決が出されるのは十一月の半ばごろになります。  そこで、お伺いいたしますけれども、今回の公開審理が大幅におくれた原因は何なのか。また、その責任は地主側か、収用委員側か、政府側か、どちらなのかをお尋ねいたします。明確に答えてください。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 確かに、今までの経緯を見ますと、公開審理その他に非常に日数がかかっているのは事実でございます。  しかしながら、今回の収用委員会の裁決を申請いたしましたときにはいろんないきさつがございましたけれども、受け付けていただきましてからは、言うなれば沖縄県との信頼関係に立って非常に粛々と行われておりますので、そういう意味で非常に期待を持っておったわけでございます。しかし、先生も御承知のとおり、やはりそうはいいながらも手数を踏んでやらなきゃならない問題、特にたくさんの方々が集中しておられる、そういうこともございますために、非常に日数がかかっているのも事実でございまして、大変厳しい状況にあるわけでございます。  この原因はだれかと言われましても、それはだれにあるわけではございませんで、一番最初に早く着手したわけでございますけれども、公告縦覧の手続等に至るまでの間に、最高裁の裁判まで判決を得て進んできたということもございますし、今ここでだれの責任ということではなくて、とにかくもう早く裁決していただきたいと、ここまで来たわけですからという気持ちであることについては今も変わりはございません。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 防衛庁長官、強制収用の問題というのがいかに沖縄に深刻な問題を与えているかというふうなことからすると、この審理というものが長期間にわたってかかるということは念頭に置いてやっていかなくちゃいけない、その問題が問われていたんじゃないか。したがって、政府に責任があるのではないかと私は思うんですけれども、もう一遍。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) しかし、政府は、そういう意味もございまして、二年前からこの手続に入ったわけでございます。それはまだ二年間あったわけでございますので、政府の責任だというそういうふうなとらえ方をされても、もう二年も前から入っているわけでございますから、そういう点では必ずしもそうは言えないんじゃないかなという気がいたします。  いずれにしましても、今言いましたように、この沖縄の在来地主の方々と契約をいたしまして、大ざっぱに言いますと、三万二千人おられる方のうち二万九千人の方とは契約は締結させていただいた。残りの三千人の方のうち、在来の地主の方は百十三人でございます。ところが、四筆のところに二千九百人の人たちが共有地をお持ちになっておられるわけでございまして、そういう方々が、筆数では少ないけれども数はとにかくたくさんおられるわけでございます。  しかし、そういう方々も法的には皆さん全部権利は同じでございますので、全員の皆さん方の、やはり一人一人の書類その他を全部収用委員会の皆さん方はチェックしながら、また公開審理に当たってもそういう方々の意見を聞きながらやっていかなければならない、そこに今回のこの問題の難しさがあるわけでございますので、どうか委員におかれましてもその辺もひとつ御理解賜りたいと思うわけでございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 この辺でやめておきますけれども、御承知のとおり、昨年四月一日以降、読谷村の楚辺通信所では不法占拠状態が続いておりますが、政府は直ちに違法な状態には当たらないとして今日に至っております。しかし、今回の緊迫した事態になると、政府・自民党はアメリカに与える不信感の大きさ等を理由にやみくもに特措法の改正を強行しようとしております。米国との信頼関係を維持するという政府側の事情と法論理の一貫性の問題とでは明らかに次元が違うと思います。あくまでも法的な論理の一貫性は貰かれるべきだと考えますが、長官の御見解を承りたい。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 知花さんの楚辺通信所の問題についても、これが決して適正なものじゃないということは私どももわかっております。  しかしながら、これはお父様の代からずっと契約をしていただいて、それを一部相続を受けられた、それについて期限が来たということで、言うなればその出発点においては任意の契約で始まっておるわけでございます。  そういうふうなこともございまして、しかも終わりましてからも知花さんとの関係では和解が成立してあのような形で平穏裏に現在推移しておるわけでございますが、この残りの二千九百人、いわゆる一坪地主の方々はそうじゃございませんで、一筆の土地のところに六百人の人たちが入っておられる。それも、本土の人、いろんな方々が入っておられますから、知花さんみたいに平穏裏に推移することの保証はないわけでございます。  日本国政府として、アメリカ軍へ対して施設・区域の提供をする方から見ますと、その人たちが全部和解に応じるようなそういう方々であればいいわけでございますけれども、三千名の方々全部がそうだということをなかなか認定するわけにできないわけでございますので、やはり法的な整備をきちっとする必要もあるんじゃないかということで勉強をしておるわけでございますが、ともかくしかし、まだ間に合うわけでございますので裁決をしていただきたい、そういう気持ちが今でもあります。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 最近、反戦地主の土地の問題で、座布団の大きさとかハンカチの大きさとかというふうなことが話題になっております。  政府・自民党は反戦地主が数の上では少数であるという点をさらに強調しているようであります。しかし、その論理に対して、約三万人のすべての地主も百二十万県民の中では少数でしかありません。基地の整理、縮小、撤去、昨年の県民投票で示されたとおり、沖縄県民ほとんどの、県民投票のほとんどの基地縮小の意思であり願いである。これらのことについていま一度長官の御見解を賜りたい。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 私も、沖縄に基地が集中しておる、この沖縄の基地を、たくさん集中しておるものだから沖縄の方々は困っておられる、この問題について何とか縮小、整理、統合はできないかという気持ちにおいては本当に変わらないわけでございます。橋本総理もそうでございます。  しかしながら、現下の情勢の中でそれをどうやって縮小していくか、そういうことでSACOの最終報告を詰めさせていただいたわけでございますが、委員から見れば不十分だと言われるかもしれませんけれども、とにかくあそこまでやろうということで踏み込んだわけでございます。  その問題とこの土地の問題とはまた別でございまして、この沖縄の、委員は今百二十七万人と言われましたけれども、百二十九万人でございます。百二十九万人の沖縄の方がいらっしゃいますけれども、その方が全部地主じゃないわけでございまして、地主の方は先ほど言いますように三万二千人の方が地主でございます。  そのうち、ほとんどの方が契約に応じていただいておるわけでございまして、従来からの沖縄にいらっしゃる方は、一筆一筆お持ちの方は百十三人の方が応じていないわけでございます。そこのところをぜひ御理解していただいて、確かに一つの順法闘争といいますか、そういう形として共有地主をつくって、一坪地主会をつくって、そういう方々は一坪地主会以外の人に所有権を移してはいけないとかいうような規約までつくってやっておられるということは、これはやはりここのところはちょっと――百二十九万人の皆さん方が沖縄の気持ちとして基地を縮小してもらいたいという気持ちを持っておられる、あるいは基地周辺の皆さん方が騒音を何とかしてくれという気持ちを持っておられる、そういうことは痛いほどわかります。その問題と一坪共有地主の問題というのは別でございまして、やはりこれに対しては法的にいろんな勉強をしなければならない時期に来ているんじゃないかという、そういう心配をしておるわけでございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 午前中の総理と大田知事の会談やいろいろな情報から、政府は法改正の準備を既に完了しているようであります。特措法改正のいわゆる案、その体裁や内容はどうなっているのか、明らかにしていただきたい。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 確かに、委員がおっしゃられるように、私どもとしては絶えずいろんな勉強をいたしております。  しかしながら、法律をこの国会の方に提出しますときには、自民党だけではなくて与党としてどういう形にそれをしたらいいのか。法律の出し方もいろいろございますけれども、また法的にせんといかぬとしても、その中でどういう形のものが一番沖縄の方々の気持ちを傷つけないで、あるいはまた現状についていろんな権限に触れないような形でどうしたらいいかということをいろいろ勉強しているわけでございますので、こういう問題については、これから先さらに引き続いて勉強していこうと思いますけれども、まだ二十七日の日に収用委員会がございます。それがどういうふうになるのか、最後の最後までとにかく見詰めさせていただきたいというのが現在の私の心境でございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 今回の特借法の改正は、収用委員会の権限を骨抜きにし、法律の土台を根底から揺るがすものであります。私は、実質的な特別立法だというふうに思っております。  この際、憲法九十五条の精神から、特措法の改正につき沖縄県民投票を実施する考えはないか、お答え願います。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) 御承知のとおり、憲法九十五条というのは、ある一つの法律が特定の地方公共団体に適用される場合のことでございます。  現在の駐留軍用地特措法というのは日本全国に適用されているわけでございまして、たまたま今本土の中においては皆さん方が全部契約に応じていただいておりますから、この法律に基づくいわゆる収用委員会への申し立てがないということでございます。法律そのものは全部に適用されておるわけでございますから、憲法九十五条で言ういわゆる一つの公共団体だけに適用される法律ではないというふうに思っております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 実質的には沖縄県民のみの法律適用ですよ。そのことを答えてください。

久間章生自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(久間章生君) ここは立法府でございますからよく議論されればわかると思いますけれども、この法律が一つの公共団体だけに適用される法律であるかどうか。それならば、その法律をつくるときに、既にその院においてそういう手続をとられることになっているわけでございます。そういうことなくきちんと成立しておる法律であるから、我々としては、日本国じゅうでこういうような事例が発生した場合には全部適用できるというような、そういう法律と思っておりますし、これから先本土において今言った、私どもが勉強していますような内容がもし出てきたならば、そこにおいてもきちんとそういう法律は適用されるべきものと思っております。  したがいまして、九十五条で言ういわゆる一つの公共団体にのみ適用される法律ではないというふうに確信いたしております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 最後になりましたけれども、海兵隊の削減問題について外務大臣にお伺いします。  先日の予算委員会で、総理は、現時点での削減、撤退は要求しないということを明言されております。沖縄県民を大きく失望させております。  外務大臣として、一部の沖縄基地の使用権原が消滅しようというこの時期、深刻な事態を予想しておると思いますけれども、海兵隊問題で手つかずのまま沖縄県民がこの問題で納得するとお考えでしょうか、それとも県民の納得が得られなくても法改正はやむを得ないというお考えなのか、所見を承りたいと思います。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) 日米安保条約に基づきまして、我が国が米側に提供いたします区域・施設、これがきちんとした形で提供されるように今政府は全力を傾注しているところでございまして、その点は先ほど防衛庁長官から繰り返し御答弁があったとおりで、私もそのように考えております。  一方、海兵隊のお話がございましたけれども、この点についても政府側からいろいろな機会に繰り返し申し上げておりますけれども、私どもも沖縄の県民の方々のお気持ちはよく承知しております。そして、将来的に国際情勢、とりわけ我が国をめぐる安全保障環境は格段の改善を見るような大きな変化があり、米軍の軍事体制についてもいろいろな変化があるということは期待いたします。それからまた、我々もそういった国際情勢の大きな変化をもたらすために必要な外交努力は尽くしてまいりたいと思うのでございます。  しかしながら、現時点でこの東アジアの微妙な状態、そういった中で米軍のプレゼンスというものが大きな安定要因として機能しているということを考えました場合に、今の時点でそういった米軍の削減の問題を論ずるのは適切でないと、こう考えている次第でございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 いやいや、法改正の問題についてやむを得ないと思っておられるのかということをお聞きしたんです、さっき。

池田行彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(池田行彦君) その点につきましては、先ほど防衛庁長官が御答弁なさいましたように、我が方としてもいろいろな勉強、研究はしておりますが、なお時間があるわけでございますので裁決がいただけないかと、そういうことも願いながら今対応しているところでございます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手)  本日の審査はこの程度といたします。  暫時休憩いたします。    午後四時二十五分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕

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