予算委員会 第3号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/01/31
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成八年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君及び住宅・都市整備公団総裁牧野徹君をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑を行います。長谷川道郎君。
○長谷川道郎君 平成会の長谷川道郎でございます。 本日は、補正審議にかかわりまして、ぜひ今般のタンカー事件の施策をお願い申し上げたいという点で質問をさせていただくわけでございます。 今回のタンカー事故につきましては、もう状況は御承知のとおりでありますが、日増しにその被害が拡大し、事故発生以来、既に一カ月を経過しようとしておる今日であります。沿岸住民の苦悩はますます深刻化し、肉体的、精神的な疲労も既に極限に達しようとしておるわけでございます。 危機管理という問題が叫ばれて久しいわけでありますが、残念ながら、今回の事故に関しましても、阪神・淡路大震災の教訓が少しも生かされていないなという反省があるわけでございます。 今回の事故は、現在進行中の災害でございますので、まだ分析評価をするという時期ではないと思うわけでありますが、今回の補正でぜひ措置をお願い申し上げたいという点並びにケース・アンド・スタディーという意味で政府の見解をお伺いいたしたいと思うわけでございます。 まず、官房長官にお伺いいたしますが、今回の事故の第一報は、一月二日、官邸に入ったということでございます。ただ、一月二日の朝の段階では流出油の量また事故の規模というのが正確には掌握をされておらなかったと思うわけです。しかし、その後、徐々に流出油の量が極めて甚大であるということが判明してきたわけでありますが、官邸に被害が甚大であるというその情報が入った時期並びにその後各省庁にどういうふうな指令を出されたか、官房長官にお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(梶山静六君) まず、事実関係について申し上げます。 ナホトカ号事故については、一月二日、海上保安庁から内閣情報集約センターを通じ第一報を受けました。その後も引き続き同船の船首部の漂流状況、油の流出状況などにつき報告を受けており、一月四日には、流出した油と漂流中の船首部の油は合わせて六千五百キロリットルに及ぶこと、海上保安庁では管区保安本部に対策本部を設置したことなどの報告を受けました。このような重大な事故であるので、一月六日の本年当初の記者会見でも私から状況を説明いたしております。 政府としては、このため、漂流している船首部の沖合曳航等の作業に取り組むとともに、流出油の監視、防除にも取り組んでまいりましたが、荒天のため残念ながら船首部の曳航は成功せず、福井県の沿岸に着底し、また流出油の一部も沿岸に漂着をいたしました。 この間、六日及び七日に既設の油汚染事件に対する準備及び対応に関する関係省庁連絡会議を開催し、情報交換、対応等について協議をしたが、さらに事態の推移を踏まえ、十日には応急対策を全力で推進するために運輸大臣を本部長とする政府対策本部を設置し、また二十日には応急対策、被害対策及び再発防止策等について関係行政機関相互の緊密な連携を確保し、効果的かつ総合的な対策の推進を図ることを目的として関係閣僚会議を開催し、重油の流出に係る総合対策の推進に取り組んでおります。 初期の段階では流出した重油の性状が十分に把握できなかったこと、それから当時の複雑な動きを示した日本海の海流や風向きの正確な将来予測が困難であった等のため、本事故の影響評価が十分にできなかったことを率直に認めざるを得ません。事態の推移に応じて時々に必要な措置で全力で対応したことを御理解いただきたい。 こういうことですから、形式的には一応体制は整えたのでありますが、逆に実際面では有効な手段、すなわち船舶や機材等の保有がなかったという現実があります。ですから、考えてみますと、海上保安庁を中心とする運輸省、あるいは防衛庁、自衛隊の方々、それから関係の県、市町村、あるいはボランティアの方々、漁民の方々、総力を挙げて、全力を挙げて対策に取り組んでいただきましたけれども、残念ながら有効な対応がとれなかった。これは気持ちと裏腹に、実際に日本海の荒天に対応できるいわば油の回収船ないしはそういうものの中和剤、あるいはその他のフェンス、こういう機材のいわゆる集積がないというよりも、対応できる手段方法を残念ながら保有していなかった、開発していなかったという現実がございます。 そういうものに向かって、苦しいけれども全力で取り組んでまいる決意であります。
○長谷川道郎君 今の質問は、実はあえて総理じゃなく官房長官にお伺いしたのは、いわゆる危機管理という問題は、もちろんリーダーシップも大きな要素ではありますが、幾らリーダーシップを発揮するということであっても、システムがなければリーダーシップは機能しないわけです。したがって、官房長官に今お伺いした理由は、まさにシステムという点でどういうふうな体制になっているかというのを検証させていただきたいということでお伺いをいたしたわけであります。 今、官房長官の御説明がございましたが、実は一月二日の事故であります。今お話のございましたように、流出油の状況並びに事故の状況については、当初の段階では荒天であったということもあり、評価が定まらなかったわけでありますが、一月四日の朝刊がほぼ事故の概要の第一報になると思うんです。一月四日の各紙には、既に流出重油が三千七百キロリッター、これが後に五千キロリッターに訂正をされましたが、なお当該重油は近々のうちに福井県、石川県、能登方面に漂着をするであろうというような、今の状況をほぼ正確に予測する記事があるわけであります。 したがって、私でさえもこの記事を目にしておるわけでありますので、当然官邸並びに各省庁ではそのような予測をされたと思うんです。なお、一月五日の新聞には既にタンカーの船首部分も沿岸に漂着をするだろうという予測記事も出ている。極めて正確な予測が既に事故発生後二日ないし三日で出ておるわけであります。 実は私は、一月四日のこの新聞記事を見ましたときに、三千七百キロリッターの重油流出があるという記事を見ました。後に五千キロリッターに訂正をされたわけですが、この三千七百キロリッターの重油は約三百キロの日本海沿岸に漂着をするという記事を見ました。三千七百キロリッターの重油が三百キロの沿岸に漂着をするとどういう状況になるか。これは簡単な計算でありますが、三千七百キロリットルを三百キロで割ってみたんです。そうしましたら、何と一メーター当たり十二リッターの重油になるわけであります。今、私と総理の間は三メーターぐらいでしょうか、ですから、私と総理の間に三十六リッター、バケツで十一杯ぐらいの重油をここにどんとまくという、そういう状況が東京から名古屋まで続くという、極めて重大な事故であるなというふうに、私は一月四日の段階でそういうふうに感じたわけであります。 しかるに、残念ながら、官房長官が今おっしゃったように、官邸の対応がおくれたという、そういう言及もありましたが、今どの新聞にも官邸でどういう動きがあるかという記事があります。 確かに、この正月早々、官邸、総理は例のペルーの事件で繁忙をきわめていらっしゃった。しかしながら、この一月四日以降アジア御訪問までの間に官邸でこの油流出事故に対して対応されたという記事を私はこの中で目にすることができなかったんです。そういう意味でもいささか対応に対しては手抜かりがあったのではないかなということは申し上げられると思うんです。 しかし、今、日本で総理大臣が、よし、やれとおっしゃれば大概のことはできるわけです。おてんとうさまを西から上げること以外は大概のことは総理大臣ができるわけでありますので、ぜひ迅速に対応をしていただきたかったなというふうに感ずるわけであります。 総理はよく御記憶だと思うわけでありますが、一九八六年十一月、大島で三原山の大災害、大噴火がございました。このとき、いろいろ小田原評定といいますか、長い会議があったんですが、あるとき、よし、もうこれじゃ大変だということで、運輸省は四十隻の艦艇、民間船をわずか二時間の間に借り上げて、一晩にして一万三千人の大島島民を島外に退去させたわけであります。このときの運輸大臣は橋本総理であったわけです。 そういうことで、まだまだ今回の事故は進行中、であり、これからでも決して遅くないわけでありますので、橋本総理のぜひ果敢な対応をお願い申し上げたいと思うわけであります。 次に、総理にお伺いいたしますが、本会議における総理の御答弁で、結果として政府の対応に反省すべき点があったというお話がございました。この具体的に反省すべき点というのはどういう点であるか、御説明をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、官房長官から時系列的に御報告を申し上げたわけでありますが、私の手元に第一報が入りましたのは、二日のたしか十一時過ぎだったと思いますが、その時点においては人命救助に関する報告が先行をいたしておりました。そして、たしか二時過ぎぐらいだったと思います。一名の行方不明者を除き漂流中の船員全員救出という知らせとともに、油が流れている、海上保安庁の航空機及び船艇によってその状況把握に努めている、これが流出油に関する第一報でありました。 今御指摘のように、私は率直に対応のおくれということを反省点として申し上げたわけでありますけれども、現段階で申し上げられることの一つは、政府の対応体制をもっと早くすべきではなかったかという反省が第一点。 しかし、それ以上に、本質的な部分といたしまして、外洋における、公海上における事故というものを想定した油防除の体制というものをつくり上げておらなかった。そして、今までありました体制というものは、むしろ海上交通の非常にふくそうする海域、言いかえれば領海内の比較的静かな海を想定した対応だけであった。そのために、真冬の日本海といった非常に荒れる海における体制そのものができておらなかった。 現時点におきましても、波高四メートル、六メートルといったような状況の中で油回収のできる能力を持つ船を日本自身が有していない、こうした点を非常に深刻に受けとめております。
○長谷川道郎君 先ほど申し上げましたように、今回の災害はまだ現在進行中でございますので、まだまだこれから的確に対応していただければ十分間に合うと思うんです。結果として、総理が反省していただかなくてもいいような対応をぜひお願い申し上げたいと思うわけであります。野党の私が総理に反省しないでくださいと申し上げているんですから、ひとつ最終的に反省をしなくてもいいような御対応をお願い申し上げたいと思います。 今ほど官房長官の御答弁にありましたが、去る本会議におきまして、十分な手段を持っていなかったという深い反省があるという官房長官の御答弁がございました。これについて運輸大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(古賀誠君) 御質問の点につきましては、総理並びに官房長官の御答弁に尽きるのではないかと思いますが、私も今回のタンカーの事故、いろいろと問題点を検証しているわけでございますけれども、やはり一番残念に思いますことは、油の回収船また装置を含みます資機材がどうしても静穏な海域を前提として整備されたものである。 また同時に、つけ加えますと、海上災害防止センターの資機材等を設置いたしております基地におきましても圧倒的に太平洋側が多い。これは今もお話があっておりますように、タンカー等の船舶交通が大変ふくそうしている地域、また一たび事故が起きると大変な災害になる、こういったところを想定した整備体制であったということを大いに反省いたしているところでございます。 同時に、初動体制の対応につきましても、当然のこととして問題点を検証する中で反省をしていかなければいけない、そのように認識いたしております。
○長谷川道郎君 官房長官の御答弁の繰り返しであったわけでありますが、果たして日本は十分な手段を持っていなかったかどうかという点で若干の検証をいたしたいと思うわけであります。 三菱重工では、一万重量トンの小型作業船を三隻、ヘリ搭載の大型油回収船の技術開発をいたしております。ところが、この作業船については政府から一回の照会のないまま幻の技術に終わってしまったということであるわけであります。また、海上災害に絶大な効果があります飛行艇があります。これはカナダで製造している飛行艇でありますが、この飛行艇は実は日本の三菱重工が技術提携をしてつくっておるということだそうであります。 また、外洋で活躍できるような油回収船の準備がなかったというお話でありますが、実は日本は油回収船でも極めて高い技術を持っております。最近でも、アレクサンドリア港湾庁、ジブチ共和国、中国の青島港務局等に日本の油処理船が輸出されております。日本で製造した油処理船が外国で活躍をしているわけで、決して日本が技術を持っておらなかったというわけではないわけです。あえて言うならば、日本に技術はあったけれども、政府としてはそれを保有していなかったというのが私は正確であると思います。 お話にございました第五港湾建設局所有の清龍丸、これは油回収タンクが千四百五十キロリッターだそうでありますが、油回収船の能力は回収能力それから耐波高能力、いろいろあります。実は、一概に能力が高いと言えるかどうかわかりませんが、清龍丸よりもはるかに大きい回収装置を備えた船が何隻かございます。例えば、第二オーシャンブル一号は六千四百キロリッターの処理装置、第一清海丸は八百五十キロリッターの回収タンクを備えております。第二清海丸も二千キロリッターの油回収タンクを備えている。申し上げましたように、大変高い技術を持った油処理技術があるわけです。 今手作業で油をくみ取っている。今どきそんなことがあるのかなというような大変な光景があるわけでありますが、石川県珠洲市ではMJP、空気をまぜる混気ジェットポンプが大活躍しておる。等々、油処理技術では決して日本は技術的におくれておるということではないわけです。あくまでも日本は産業として技術を保有しているが、それに政府が気がつかなかったというのが私は今回の結果ではないかと思うわけでございます。 それでは、次に対策本部についてお伺いをさせていただきます。 けさの新聞でも新規の立法というような報道がございますが、法律上の問題点と災害対策本部のリンクについてお伺いいたします。今、運輸大臣を本部長としていらっしゃいます災害対策本部、これはいかなる法律に基づく対策本部であるのか、御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(古賀誠君) お答えいたします。 今回、私のもとにつくらせていただいております対策本部は、ナホトカ号の海難流出油災害の応急対策を関係行政機関相互の密接な連携と協力のもとに強力に推進するという目的で、一月十日、閣議了解に基づいて設置されたものでございます。 今回の対策本部は法律に基づくものではございませんけれども、各省庁一致協力して流出油の防除等の応急対策に全力を挙げて取り組んでおり、実質的には法律に基づく対策本部の場合と何ら遜色のない対応がなされているものと認識をいたしております。
○長谷川道郎君 現在の対策本部が法令に基づくものではないというお話でありますが、なぜ法律に基づく対策本部にならないのか、運輸大臣、御説明いただけますか。
○国務大臣(古賀誠君) 法律に基づくものではありませんけれども、ただいま御説明申し上げましたように、十日の閣議了解に基づいて設置されたものであります。そういう意味では、実質的には法律に基づく対策本部の場合と何ら遜色はない、そう認識をいたしております。
○長谷川道郎君 ちょっとわかりにくい御答弁ではないかと思うのでありますが、災害対策基本法第二条に災害の定義がございます。いろいろございまして、その他の政令で定める原因により生ずる被害をいうと。そして、その施行令におきまして、大規模な原子力災害並びにその他の大規模な災害とするという定義がございます。私はこれで今回の災害は、災害対策基本法で言うところの非常災害対策本部を設置する要件に十分合っておるのではないかと思うんです。 なぜこんなことを申し上げるかと申しますと、先ほど申し上げましたように、ここに一月二十二日の毎日新聞がございますが、手作業ですくうよりはるかに効果的な機材もノウハウもあるが、コストがかかるという船主の了解が得にくいというような記事が出ております。同じような話も業界の関係者からは、日本は技術があるのだが要するに金の問題である、金で面倒を見てもらえるという保証がなければなかなか業界としては乗り出すわけにいかないというような話がございます。 政府の御答弁で、今回の事件は民事、加害者が特定をされている事件でありますので、保険並びに基金でカバーをするという御見解であります。しかし、今回の事故災害の規模は保険や基金でカバーをするという範晴を既にはるかに超えた政治的な問題であると私は思うんです。 日本海のある海岸で砂まじりの油を採取いたしました。ところが、砂がたくさんまじっておりますのでなかなか処理コストがかかる。船主代理人側はコストがかかり過ぎるのでそれはやめてくださいというお話があったそうです。それが海岸で野積みになったままどんどん油がその海岸にしみ出していく。結局、対応のおくれが高いものにつくということになるわけであります。 ここで私は、ぜひ政府に非常災害対策本部を設置していただき、政府が全力を挙げて取り組むという姿勢をおとりいただかないと、申し上げましたように、技術はあるけれども仕事ができないと二の足を踏み、かつその対応のおくれが結局高いものにつくということになるわけであります。 先ほど申し上げましたように、けさの新聞報道でも、今の現行法では対応が困難だから新規立法というお話もございます。しかし、今進行中の事故でありますので新規立法を待つわけにはいきません。私は、政府に直ちに災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置していただきたいということを強くお願い申し上げるわけであります。
○国務大臣(古賀誠君) 申し上げておきますが、最初の応急対策につきまして、確かに今回の事故は船主側と被害者の方々との民事上の話ではございますけれども、私が設置いたしました対策本部におきまして、油の流出に対する防除、これは可能な限り、財政的なことをおいて、災害を最小限に食いとめるということに全力を尽くしたということをまず正確に申し上げておきたいというふうに思います。 なお、今御指摘いただきましたさまざまな問題が今後出てくるだろうと思います。今おっしゃいました油の処理の問題、漁業者、中小企業の皆様方への今後の対策の問題、いろんな分野において的確にどう対応していくか、こういうことを踏まえた問題については、官房長官が主宰する関係閣僚会議を既に二十日には設置いたしております。そういうところで万全を尽くして国民また被害を受けられた方々に対する問題については対処してまいりたい。ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
○長谷川道郎君 お話は、要するに災害対策本部の看板は出さないが仕事は一生懸命やるというお話だと思うんですが、しかしそれでは地方の現実に災害に直面している市町村、地方自治体では政府の意気込みをなかなか感じられないと思うんです。 私の出身の新潟県でも、地方自治体は災害対策本部をつくって一生懸命やっております。もちろん政府の、今の運輸大臣の御答弁で一生懸命やるよというお話は十分わかりますが、しかしこれは形の問題であります。どうも政府は民事事件だから当事者同士で、あなたたちは保険会社と交渉しなさいよというようなことではもちろんないと思いますが、もしもそういうふうにとられるとしたら、やはりきっちりとした非常災害対策本部が設置されていないということが私は大きな原因になるのではないかと思うわけであります。 それでは、次に自治大臣にお伺いをさせていただきます。 自治大臣は、先般の衆議院の予算委員会で、基金や保険からの補償だけでカバーできなくても特別交付税できちんと措置をする、防除に全力を尽くすように各自治体に要請をしたという御発言がございます。同様の御発言は新聞の紙上でも、とにかく金のことは交付税で何とかするから一生懸命やってくださいという、従来の政府の御見解からは相当踏み込んだ御発言があったわけでありますが、本院におきましてもこの点御確認をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(白川勝彦君) 少なくとも地方公共団体が現在取り組んでおります油の除去作業、大変御努力をいただいているわけでございますが、それに関してはどういう事態になろうが御迷惑をおかけすることがないから全力を出して取り組んでほしい、こういう趣旨でございます。 ただし、私が申し上げたいのは、今回の事件はそういう面では自然災害ではありませんので、今地方公共団体で鋭意努力してやっていただいていること等を含めて本来的には責任を負わなきゃならぬ人がいるわけでありますから、そこに請求できるものは地方自治体でやったものを含めて請求するというのは当たり前のことでございます。 そして、それらを最大限求めたいと思いますが、仮に責任があってもそれを払えないというケースは間々あるわけでございます。それについては、当然大蔵省を初めとして国としても今回の事故等にかかわることに関してどういう形で対策をとるかということについては、自治省だけでなくて政府全体としても考えていただけるものと思いますけれども、これは、災害いろいろありますけれども、予定していても出ない場合もあるわけでございます。そこが各地方自治体の長の皆様の悩みでありますから、今地方自治体が中心になって懸命な努力をしておられることについては、少なくとも自治省限りにおいても御迷惑をおかけしない、そして頑張ってもらいたいということであります。 念のため一つだけ申し上げますが、警察官も今懸命になっておりますが、その屈強な警察官が現実に油回収作業に出て漏らした感想でも、油塊でいっぱいの麻袋を回収トラックに積み込む作業がつらい、風が強く寒さがとにかく厳しい、また福井県では回収作業時は着衣に油が付着し車両で休憩できない、トイレの使用のときが一番困る、服を脱ぐのがつらく面倒くさいと。 屈強な機動隊員でもこういうようにつらい作業をしているわけでございます。ボランティアの方いろんな方が来ていただいているようでございますが、例えば私も新潟県生まれ、育ちでございますが海の育ちではありませんので、現場に立ってみると海の寒さは違うんですね。ましてや、例えば遠来のところから寒いだろうと思って防寒具を持ってこられたようでございますが、東京で使える防寒具ではあの浜辺に立って一時間もいたらもう凍えてしまうわけでございますから、それは現場の方に、せっかくボランティアで来られた方が作業しやすいように防寒具等もきちんと準備しておかれたらどうですかということを私は申し上げているわけでございまして、そういう費用等についてどうぞ心配しないでください、こう申し上げているわけでございます。
○長谷川道郎君 ただいまの自治大臣の御発言、総理はいかがでございますか。交付税の問題であります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、自治大臣が申し上げましたように、また運輸大臣からも答弁を申し上げましたように、今後我々はあらゆる努力を払っていかねばなりません。その中に当然御指摘のような問題が含まれてくることは我々として真剣に受けとめるべきことと、今そのように考えております。
○長谷川道郎君 自治大臣の御答弁に、地方自治体でも大変困っているというお話がありました。民事事件だから地方自治体は保険会社、基金と折衝をしなさいよというお話でありますと、これから損害の算定、基金、保険会社の査定という気の遠くなるような事務が重なるわけです。そういう事務的な煩雑ということもともかくとして、申し上げましたように金の問題があってどうにも動きがとれないというのが今の実情であるわけです。 地方自治体では、この保険請求の問題を国が窓口で一本でやっていただけないかという強い要請がございますが、自治大臣いかがでございますか。
○国務大臣(白川勝彦君) この問題は、むしろ災害対策本部長の古賀運輸大臣の方からお答えをしていただいた方がいいと思いますが、現在地方自治体が懸命にやっている油回収作業等も、基本的には今回のタンカーの沈没、油の流出ということに伴う被害からくるためにやっている作業でございますし、その費用はまず第一義的にはそちらの方で負担してもらわなきゃいけないわけでございます。対策本部全体として漁業補償その他を含めてどういうふうにするのか、むしろ古賀運輸大臣が本部長を務めているこの対策本部全体で決めていただくものと思うのでございますが、地方自治体の方にそういう御要望があれば、自治省としても災害対策本部に対して強く申し入れたいと思います。
○長谷川道郎君 それでは、同様の質問で運輸大臣お願いいたします。
○国務大臣(古賀誠君) 先ほども申し上げておりますように、私の方で対策本部を設置いたしております。関係各省庁、局長さんクラスから構成されております。同時に、それぞれの問題点ごとにワーキングチームをつくらせていただいている中で、恐らく関係自治体の問題等も御要望が上がってくると思います。 窓口を私ども一本にいたしておりますので、取りまとめさせていただきまして、最終的にはただいまも申し上げましたように関係閣僚会議の中で適切に対応してまいりたい、このように思っております。
○長谷川道郎君 重ねて申し上げますが、地方の極めて強い要請がございます。ですから、地方の基金、保険に対する債権を国が譲渡を受けて一括請求する、被害については交付税で賄うと。そして、大蔵大臣にちょっとお伺いしたいんですが、結果として基金、保険から百八十億、二百億という損害賠償が、保険がおりた場合はそれを国庫に入れるというようなことをしていただければ、地方自治体は非常に安心して今回の事案に取り組めると思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(三塚博君) こういう極めて緊急、甚大な被害が予想され、大変な事態でございますから、従前の考えの枠を超えた形の中で取り組まなければならないと思っております。 自治大臣からの話、本部長である古賀運輸大臣の話、関係閣僚会議のメンバーとしても当然臨機応変にその辺のところをよく整理しながら、対策に専念をされておる地域の皆さん、関係機関、関係業界等々に、心配しないでやり得るよう対応をこれから進めてまいりたいと思います。
○長谷川道郎君 困ったときはやっぱり国が頼りになるなということで、そう言われるような結果になるようにぜひお願いを申し上げたいと思うわけであります。 次に、OPRCの閣議了解が平成七年十二月にございました。このOPRCの閣議了解で運輸省はいかなる対応をされたか、また十九省庁連絡会議というのがその後どういう機能を果たしたのか、御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(古賀誠君) 御承知のとおり平成七年十二月に国家的緊急時計画が決定されたわけでございますが、海上保安庁ではこれを受けまして、排出油の防除に関する計画を、従来の東京湾、伊勢湾、大阪湾等六海域から、山陰、若狭、北陸等全国で十六の海域に拡大させていただきました。 また同時に、油防除のための訓練、また今お話しいただきました関係省庁連絡会議、こういう会を重ねまして、緊急時計画の趣旨に沿って関係省庁の協力関係がさらに強化されるように、またこういった緊急時に備えてのさまざまな勉強、検討を重ねさせていただいているところでございます。
○長谷川道郎君 OPRCには今回のような事案に適切に対応するというかなりいいことがたくさん書いてあるわけでありますが、今回これが生かされないというのは極めて残念なわけであります。 引き続き、外国からの援助申し入れもしくは外国への援助要請について、米国沿岸警備隊が日本政府に通知を出したという報道がございますが、この点いかがでございましょうか、運輸大臣。
○政府委員(土坂泰敏君) 外国との関係でございますが、日本側から外国に対しまして、どういう防除資機材をお持ちか、それを使わせていただくことができるかどうか、その場合に有償か無償か、その他の点について外交ルートを通じて照会をいたしておりまして、さまざまな御回答をいただいております。また、政府レベル以外でも、いわゆる外国の企業ベースでいろんな情報が寄せられております。 私どもとしましては、使えるものは極力使っていきたいということで考えておりますが、やはり現実に今の日本海の厳しい気象条件のもとでそれが本当に使えるかどうかというチェックはしなければなりませんし、海洋汚染防止法その他の技術上の基準あるいは環境上の基準、こういうものとの関係で問題がないかどうかということもチェックしなければならないと思っております。そういうものを確認しながら、できる限りのものを使っていくということで対処しているところでございます。
○長谷川道郎君 チェックをするというお話でありますが、今はもうそういう状況ではないと思うわけであります。 外国政府からの援助申し入れというのは相当あるというふうに報道されておりますが、現在そういう事案があるかどうか、運輸大臣、対策本部長としてお伺いします。
○国務大臣(古賀誠君) 現在のところ、ロシア政府から三隻の油回収船の派遣が行われております。ほかに韓国の、民間企業からでございますけれども、ポンプ、それからシンガポールの、これも民間企業からでございますが、油の回収装置、それぞれ借り受けているところでございます。
○長谷川道郎君 今お話しの各機材は、現在現場で活躍しているわけでありますか。
○国務大臣(古賀誠君) その日の気象状況によります。大変荒天の場合には残念ながら機能いたしていない日もございます。
○長谷川道郎君 一部報道で、外国からの支援申し入れを日本政府が断ったという報道があったわけでありますが、そういう事実はございますか。
○政府委員(土坂泰敏君) 多分米国の海軍のことだと思いますが、協力の申し入れがあって、それを日本が断っているという報道がなされたことがございますが、私どもの把握している限りでは、米国の海軍からそういうお申し出はございませんでした。 ただ、民間のコンサルタントの方から米国の海軍にそういう協力をしてもいい用意があるというお申し出はございました。これに対しまして私どもとしては、そのお申し出の機材が果たして先ほど申し上げましたように今の日本海の気象条件のもとで使えるかどうかという問い合わせを民間コンサルタントにしたわけでございます。そういたしましたら回答がございまして、今の日本海の気象条件のもとで使える機材はありませんという御返事がございました。そういう確認がございましたので、この件はそのままになっております。
○長谷川道郎君 電話が来たみたいだけれども、だれが取り次いだかわからぬというようなお話だと思うんです。これも先ほど私が申し上げましたように、非常災害対策本部が設置をされていない、きちんとしたシステムができておらないということが一つの原因ではないかと私は思うわけであります。 同様の事故がもしも日本船籍船で海外のタンカー主要航路で起こったような場合どうなるか。マラッカ海峡、ロンボク海峡、日本のVLCCが今八百隻も年間航行いたしております。もしもマラッカ、ロンボクでこんな事故が起こったらどうするのか。外務省のお考えをお伺いします。
○国務大臣(池田行彦君) 同様の事故が日本船籍の船により海外で起きた場合どうなるかという御質問でございますが、それに対して、仮定のお話でございますから、法的な枠組みがどうなっているかという観点からお答え申し上げますとこうなります。 OPRC条約上は、それが日本船籍であろうと日本船籍でなかろうと、今回のような重大な油濁汚染事故が発生した場合には、その被害を受けた国から要請がございましたら締約国である我が国は可能な範囲内で協力を行う義務があるといいましょうか、条約上はそれに同意していると、こういう書き方になっております。条約は第七条でございます。 そして、国内法的に申しますと、そういったときには、国際緊急援助隊派遣法それから国際協力事業団法、それぞれの法律に根拠規定がございまして、そのときの被災国の政府からの要請に対応して人員の派遣あるいは援助物資の供与、さらにはそういった物資や人員の輸送というような手法を用いて協力をすることができると、そういった法的な枠組みは存在するわけでございます。 先ほど申しましたけれども、事故を起こした船舶が日本船籍であるかは関係ございません。 以上でございます。
○長谷川道郎君 かかる事件がもしも起こったような場合、日本の国際貢献ということでも問われるわけであります。ぜひ御対応をお願い申し上げたいと思います。 次に、運輸省の外郭団体である日本小型船舶検査機構新潟支部が新潟県内の漁業組合に対して、漁船は魚をとるのが主務であるから油を取りに行くときは臨時検査を受けなさいという通達を出したというお話が新聞報道にございます。ちょっと考えられないばかみたいな話で、ばかみたいと言っては失礼でありますが、考えられないような話でありますが、運輸大臣、この件御承知かどうか、お伺いします。
○政府委員(山本孝君) お答えいたします。 まず、通常の場合でございますが、船舶安全法におきましては沿岸域、いわゆる十二海里未満で操業いたします小型漁船は検査の対象とはしていませんけれども、こういった漁船でございましても漁業以外の用途に臨時に使用する場合には小型船舶検査機構の臨時航行検査を受けることが必要となっております。 しかしながら、今般の重油流出事故のような緊急の場合でございますが、これにつきましては、緊急にこうした漁船を防除作業に従事させる場合には、いわば緊急避難的なケースといたしまして検査を受けなくてもやむを得ないと、こういう措置にしております。当然のことでございますが、このようにしております。したがいまして、日本小型船舶検査機構に対しましてはその旨再度徹底しております。また、現にこの件でこれまで検査を実施した事例はございません。 なお、つけ加えさせていただきますが、検査を受けずに防除作業を行う場合にありましても、転落などの二次災害を防止するため最低限の安全措置を講ずることが望まれますので、救命胴衣の備えつけとか着用につきましては適宜指導をいたしているところでございます。
○長谷川道郎君 やむを得ないとか検査をしていないというお話でありますが、ちょうど阪神の大震災のとき、動物検疫があるからスイスの救助犬を断ったなどというのと同じような話でありますが、(「同じじゃないよ」と呼ぶ者あり)同じです。というようなことでありますが、こんなことはいつまで言ってもしょうがないことであります。 最後に、阪神・淡路大震災や今回の事件等でよく言われるアメリカのFEMAのような組織が日本でもぜひ必要であるというような議論があるわけです。 今の自治体消防では、船舶、航空機の保有が困難である。もしもFEMAのような組織をつくるとしたら、実動部隊を持つ消防庁であろうと私は思うんです。今の自治体消防では、申し上げましたように船舶、航空機が持てないというのが実情でありますので、自治体消防を国家消防というような組織に組みかえてアメリカのFEMAのような組織をつくったらどうかと思うわけでありますが、自治大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) お答えをする前に、私は今回、自治体消防というのがいかに大きいかということを実は肌で感じました。 というのは、さっきおっしゃったとおり、あれだけの広大な海岸線に油がどのように漂着しているかというようなことは、本当に各地域地域の消防が多分また分団等に分けて夜昼を徹して見て、我々のところにはこのくらい来ているというのをつかまえて、その上で既に漂着する前から警戒対策本部等をしたわけでございます。非常に自治体消防という色彩が強いわけでございまして、ああ、こういうところが自治体消防だなという意味が私も深くわかりました。 こういう問題に対して、例えば防衛庁は当然のことながら国が一元的にやっております。警察については、御案内のとおり警察庁と都道府県警察との関係が今日のようになっております。それに対して、消防はまさに県も大きな権限を持たない、ほとんど市町村中心の組織になっております。それがいいのか悪いのかという話ですが、私は少なくともなぜこういうふうな仕組みをつくったのかという意味を今回の油漂着事故で感じました。 そういうふうに仕組みをつくれば、今度はこういう大規模災害にはもろいところが出てくるのはやむを得ないごとでありますが、国家消防はっくる、自治体消防はつくるというのは両立しない話でございまして、お話はわかりますが、どうかひとつ大きな問題としてお考えいただきたいと思います。 ただし、今回の場合、阪神・淡路大震災の教訓を得て緊急消防援助隊等を整備したり、現実に阪神・淡路大震災後は地方公共団体同士の広域的な相互応援体制等ができて、現実に今回なども作動していることは先生御案内のとおりでございます。 以上をもってお答えにかえさせていただきます。
○長谷川道郎君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で長谷川道郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、牛嶋正君の質疑を行います。牛嶋正君。
○牛嶋正君 平成会の牛嶋でございます。 きょうは経済問題、とりわけ年末からの株価の急落と急速な円安、これが今後の経済の動向、景気の動向にどういう影響を与えるのか、このことについて御質疑をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。 経済企画庁長官は経済演説の中で我が国経済の現状を、「景気は回復の動きを続けており、そのテンポは緩やかでありますが、民間需要が堅調さを増しております。」と述べておられます。 この政府の現状認識は国民に少し希望を持たせたんではないかなというふうに思っておりますけれども、しかし一方で経済の先行きを最もよく反映するとみなされる株価及び為替レートはことしに入ってから急落しております。 政府の経済動向に対する現状認識との間に非常に大きなずれがあるのではないか、国民もそれを感じているのではないかと私は思います。このずれ、そしてそれに伴う戸惑い、私はこれをこのままほっておきますと、本当に今の市場の動向が景気の動向に悪い影響を与えて、企画庁長官がおっしゃっているような堅調さを失ってしまうというふうな懸念も感じております。私は、今こそ政府は何らかのシグナルを国民に対して、そして市場に対して発するべきではないか、こういうふうに思っているわけです。 まず、この点に関連いたしまして、企画庁長官の現状認識と、市場の動向のずれをどういうふうに解釈され、そしてまたこれについて国民に対して、あるいは市場に対してどういうふうなシグナルを送ろうとされているのか、まず企画庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府と経済認識のずれのお話でありましたけれども、私どもといたしましては、最近の動向を見ますと、まず設備投資、先行きはやっぱり設備投資というのは大事なところだと思いますが、設備投資は明らかに回復の傾向にございます。住宅建設というのがよく指数に上がってくるところでありますけれども、これも極めて高い水準を維持いたしております。 個人消費を見ましても、これは緩やかな回復傾向にあることはいわゆる消費者動向の数字でも上がってきておるところでありますので、回復傾向にあると思っておりますし、緩やかと申し上げておりますけれども、急激な回復をしておるとは思っておりませんが、緩やかながら個人消費が伸びておりますので、五カ月ぶりにその数字が上がっております。 減少傾向にありました輸出というものにつきましても、円安の傾向もあるとは思いますけれども、このところおおむね横ばいに推移しておりました結果、需要動向全体といたしましては生産は明らかに増加傾向の数字を示しております。 したがいまして、私どもといたしましては、景気の回復の動きは続いておりまして、民間需要というものが底がたさを出してきておるということがはっきりいたしております。雇用情勢につきましても、いわゆる完全失業率が三・四から三に下がり、いろいろな意味で指数が明らかになってきておると思っております。 しかし、そのシグナルをというお話が今あって、おりましたけれども、これは今までやってまいりましたいろいろな景気対策というものは、右肩上がりの経済と言われました時代は基本的には三つ、税金を下げる、公共投資をふやす、金利を下げる、この三つ、いずれをやりましても下支えにはなりましたけれども、上がってくるということにはなりませんでした。したがって、どうしてもこれは構造改革に手をっけざるを得ないということで六つの構造改革というもののいわゆる具体案が出、いよいよこの三月にはそういったものがきちっとした形でお見せできることになると思っておりますので、そういったものを見ていろんな意味でのシグナルと御理解いただければありがたいと思っております。
○牛嶋正君 今お話を聞いておりますと、このずれに対して、これが景気の動向に対してどういう影響を与えるのかという見方は私は二つあると思うんです。 一つは、今おっしゃいましたように、市場のそういった動向というのは投機的な要因とかその他いろいろな要因が絡まって反映されるものである。だから、経済の実態が非常に力強く進んでいけばいずれはそういった市場に対しても好ましい影響を与えるだろう、こういう立場ではないかというふうに思います。 もう一つの懸念される点は、これから私これをずっと議論させていただきたいと思いますけれども、やはり今の市場の動向というのは先行きを反映しているわけです。そうしますと、この影響が今おっしゃいました民間の設備投資とかあるいは個人の消費に対してマイナスの効果に働くとしますと、もう一つの見方としては三月か四月ごろには景気後退が始まるのではないかというふうな、私は四月景気後退説と呼んでおりますけれども、そういう懸念が非常に持たれるわけです。 ですから、今私がシグナルと申しましたけれども、かなりのインパクトを与えるようなシグナルでなければならない、こんなふうに思っております。そのシグナルを与えるチャンスとして、今議論されておりますこの平成八年度の補正予算がその一つのチャンスではなかったかと私は思っております。ところが、昨日から議論されておりますように、この補正予算の性格は非常にあいまいでありまして、私は力強いシグナルにはなっていない、こういうふうに思っております。 改めて、首相にこの平成八年度の補正予算の性格を、どういうふうに御編成になりましたのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の何月ごろでありましたか、正確に記憶をいたしておりませんけれども、夏ぐらいからでしょうか、補正補正という話がマスコミに登場し始めた時期がございました。そして、私は景気対策の補正ということは好ましいものではないということを当初言い続けておりました。 ところが、これが例えばO157で非常に持ち出しに苦労しておられた自治体あるいは阪神・淡路地域等の方々に補正予算そのものを否定したかのごとくにとられまして、途中から私の言い方を変えました。景気対策としてそれを目標とした補正予算を組むつもりはない、一方、阪神・淡路復興のための、あるいはO157事件によって予期せざる地方財政上の穴があいたといった場合、さらに災害、こうしたものに対する補正予算はやりますよという言い方に変えて私は皆さんに話をしてきたと思います。そして、その意味では選挙期間中におきましても、お調べいただくとおわかりだと思いますけれども、私は大型の景気対策の補正といった言葉を一度も使ったことはございませんでした。 そして、いろいろな御議論を先日来ちょうだいをいたしておりますけれども、私どもは八年度補正予算というものはまさに本予算成立後におきまして必要になりました事項についての補正予算を編成いたした、そう考えております。 しかし同時に、この時期に御審議をいただき成立を見る八年度補正予算というものは当然ながら九年度年初における下支えの効果は持っていくわけでありますし、我々としては平成九年度予算そのものをきちんと年度内に成立させていただくことによって切れ目のない経済運営というものができる状態をつくるためにぜひ国会の御協力をいただきたいわけであります。この下支え効果というものは特別減税の廃止あるいは消費税の税率引き上げと当然ながら一時期影響は出るわけでありますけれども、その時期を下支える効果をあわせて持つもの、この補正予算についてはそのような役割を期待いたしております。
○牛嶋正君 このあたりの見解が少し私は首相とギャップがあるように思います。 いずれにいたしましても、これからの景気動向を予測していくに当たりまして最も注意すべきは、民間需要の大半を占めております個人消費の動向それから民間設備投資の動向ではないかというふうに思います。今申しました今の市場の動向とこれら二つの需要の動向がどういうふうに関連してくるのか、これを少し議論していきたいと思っております。 バブルを挟みまして日本の経済構造が大きく変わったというふうに言われておりますが、それをどういうふうにとらえるかでありますけれども、私はマクロの構造で大きく変化したというふうに思っております。すなわち、バブル以前はどちらかといいますとインフレギャップを含んだ経済構造であった、しかしバブル以降はデフレギャップを含んだ経済構造になっております。 この中で最も大きな変化は、私は個人消費パターンにあらわれているのではないかというふうに思います。バブル以前は個人消費というのは可処分所得の伸びに対しまして敏感に反応いたしました。ですから、可処分所得がふえますとそれ以上に個人消費は伸びたわけであります。しかし、バブル以降はその伸びに対して余り反応しなくて、むしろ可処分所得の横ばいあるいは減少、それに対して非常に敏感になっている、こういうふうなパターンに変わってきたのではないかというふうに思っております。 こういう個人消費パターンの変化を考えますと、私は、先ほど非常に希望的に企画庁長官は個人消費も回復基調は続くんだというふうにおっしゃいましたけれども、今の市場の動向から言いますとこれに対しましてもかなり懸念を持たざるを得ないと、こういうふうに思います。 今私が申しましたそういった個人消費パターンの変化を踏まえまして、もう一度この個人消費の動向について企画庁長官の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 個人消費は本当にそのようになっておるかということだと思いますが、まず最初に家計調査から申し上げれば、十一月を見ますと前年同月比一・七%と、これは増加の傾向を示しております。また、よく理由に使います家電関係の販売につきましても、これは十二月で見ますと前年同月比パソコン等々を中心に二五%、これも伸びております。百貨店の売上高も、十−十二月で見ますと前年同期比一・六%でありますけれども、緩やかな回復傾向を示しておりますし、いわゆる物ではなくて旅行が最近よく出てくるようになりましたが、旅行を見ましても、海外関係がやはり一・五%と伸びております。 乗用車の場合は、先ほど先生、また他の委員の方からもお話があっておりましたように、乗用車につきましては消費税前の駆け込み需要があるのではないか等々の御指摘もあります点を考えましても二けた台で、一〇%、一一%で伸びておりますので、そういった意味では数字としては大幅な増加を続けておると思っております。 また、所得のお話があっておりましたが、所得につきましては、これはいわゆる主要企業でありますけれども、主要企業では年末一時金の妥結状況が前年比二・八%と伸びております。前年同期比で比べましても、前年との伸びで比べて二・八%伸びておりますので、こういったものが消費の下支えをいたしておると思われますし、給与総額もおおむね大変底がたい感じで、十一月も前年同期比三・一%と給与総額が伸びております。 先ほどの、消費の内容が変わってきておるのではないかという点につきましては、これは先生、経済学をやっておられますのでよくおわかりのとおりと思いますが、長い間右肩上がりのインフレ経済をかれこれ五十年近くやってきた中で、デフレと言いますと生産が落ちませんとデフレになりませんけれども、生産は伸びております。そういった意味では、価格の現象面を見ますと、これだけいろいろ仕事をしたのに利幅が少ないとかいう意味で、数字の上では伸びていても利幅が少ないとか、またそういった感じでは、少しずつ上がっていくのをやってきたのに全然伸びずにずっと横に行っている状況というのは、何となく気分としては景気危機感というのは出てこないというので、数字の上では、といっても景気観がよくならぬという点につきましては、今申し上げたような状況というものが、価格が総じて高コスト構造の是正の方に動いておりますので、いろんな意味で価格が上昇傾向ではありません。そういった状況にありましては、景気観としてはいまいち出てきにくい気分としてはあるだろうということは理解をしておるつもりであります。
○牛嶋正君 今、数字を幾つか挙げられました。それぞれの項目を見ましても、その伸び率というのは可処分所得の伸び率を下回っているわけでございます。私はその点を言いたいわけです。 これまでのバブル以前の個人消費パターンでしたら、可処分所得が伸びますとぐっと伸びるんですね。そうしますと、懸念されるのは、今のこのいろいろな項目に対する個人消費の伸びというのは四月から実施されます消費税五%に対する前倒しの駆け込みの需要ではないかというふうに思うわけです。これをどうとらえるかなんですね、問題は。 私が先ほどから言っておりますように、可処分所得に対してかなりシビアに、そしてまた価格の動向に対して非常にシビアになっているんです。それだけ個人は消費に対して賢くなっていると私は思うんですね。今の株価の下落とかあるいは急速な円安を見た場合に、実際に四月から五%に上がり、またいろいろな国民負担率が上昇した場合に、このことが果たしてそのまま続くのかというこの見方ですよ。もう一度ちょっとお答えいただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、個人消費の点について、駆け込み需要の点の御指摘があっておりましたけれども、私どもの中で駆け込み需要だなと思われる面は、これは乗用車の販売が明らかだと思っております。ただ、その中でもあえて申し上げさせていただければ、すべての乗用車、すべての自動車の販売が伸びているわけではございませんで、企業によってその差がございますので、その意味から見ますと新型車の効果というのは大変大きい、企業別で見るとそのような判断をいたしております。そういった意味では、その他では明らかに駆け込み需要と思われるものの消費の需要は伸びておりません。 そういった中で、いずれにいたしましてもこういった特別減税が終了、また消費税の引き上げに伴うものが予想されるところではあると思っておりますので、私どもとしても四月以降ずっとこのまま今の状況で伸びると申し上げているのではなくて、平成九年度前半におきましては消費がある程度緩やかになるであろう、落ち込んでくるであろうということは申し上げておるところであります。 先ほど申し上げましたように、構造改革などなどいろいろ今出ております景気に直接影響が出ると思われます六つの分野などが幾つかもう既に新聞などで出始めておりますけれども、そういったものが出てくると、企業としては先行きというものを考えてその方向で動き出すのは早いところでもありますので、そういったものが後半からさいてきで年度全体として見れば約一・九%ぐらいのものにはなるであろうというような予想、こう申し上げておるのであって、この経済構造改革が実際の問題として動き出せるか出せないか、これは景気にとっては大変大きな問題だと思っておりますので、この点が今後一番肝心なところだと思っております。
○牛嶋正君 もう一つ個人消費の動向について考えておかなければならないのは、今私は個人消費を決定する場合に可処分所得の水準が非常に影響を与えると申しましたけれども、同時に個人の保有する資産価値、これも個人が消費を決定する場合にかなり影響を与える要素でございます。バブル以降の個人消費の伸び悩みも、いわゆる資産デフレによりましてそれぞれの個人の保有する価値が目減りしていったということだろうと思うんですね。 特に、そのことが今でも実証的に分析されておりますのが平成三年から平成四年にかけての株価の下落であります。当時、平成三年はまだ二万四千円台でございました。これが四年には一万八千円台になったわけですね。大体二五%ぐらいの下落でありました。それだけ個人の保有する資産の目減り、それに地価の下落もありましたですからね。そのときの実証分析では、一〇%資産価値が下落いたしますと個人消費に対して〇・三%の影響を与える、抑えてしまうというふうな分析結果が出ています。 今回は、非常に急速に一八%下落いたしました。二万二千円から一万八千円ですから、それで計算いたしますと、若干タイムラグがあるでしょうけれども、消費を〇・五六%ぐらい押し下げてしまうんですね。この影響を企画庁は見ておられるのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(土志田征一君) 技術的な点を私から御説明させていただきます。 確かに、個人消費の決定要因、基本的には先ほど先生が御指摘のように可処分所得を中心に考えられるわけでございますけれども、バブル崩壊後の大幅な資産価格の下落というような大きな変化のときは、それが個人の消費に心理面その他を通じて影響したというふうには一般に考えられております。 現在、最近の株価の動向、もちろんこういった状況がさらに続いていくということになれば、これは先行きの消費についても影響が出てくるということは考えられるわけでございますけれども、短期的な動きだけで個人消費に株価の動向が影響するものではないというふうに判断をしております。
○牛嶋正君 私も先ほど直ちにと言わずにタイムラグを申し上げました。資産効果のタイムラグは大体半年から一年ぐらいということです。ただ、今回はじわじわと株価が下落したのではなくて急激でした。ですから、この資産効果の影響のあらわれ方も私は大分早いのではないか、こういうふうに思っておりますけれども、これについてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(土志田征一君) お答えいたします。 消費者の立場からすれば、その状況が長く続くかどうかということが時間がかかって消費行動に影響するということだろうと思っておりますので、急に下がったからということで、すぐそれがずっと消費者の行動を支配するというふうには考えておりません。
○牛嶋正君 どうも今までの分析結果でお答えをいただいているような気がするんです。 私が先ほどから言っておりますように、経済構造が物すごく変わってきているわけですよ。ですから、この変化を個人消費パターンについても十分見きわめていかなければ私は適切な政策は打てないというふうに思っております。ですから、分析に当たりましては、今の個人消費の動向あるいは企業の設備投資に対する動向をもっと分析していただかなければ適切なこれからの対策を打てないんじゃないか、後手後手に回ってしまうんじゃないかというふうなことをちょっと申し上げまして、次の企業の設備投資の方に移らせていただきます。 企業の設備投資はずっと昨年までマイナス成長でございました。それが昨年ようやくプラスに転じたわけでありまして、このことが、先ほどからの企画庁長官のお話のように、景気回復に力強さをもたらしているということだろうと思います。果たしてこの設備投資の最近の堅調な伸びというのが今の市場の動向と関連して見た場合に続くのかどうか、これについて少し議論をさせていただきたいと思います。 恐らく企画庁では、この設備投資の動向については産業別あるいは業種別、そして規模別に分析されていると思います。そして、そのデータを私たちもいただいているわけです。ただ、民間の設備投資を考える場合に、もう一つ私は大事な区分があると思うんです。それは、新規の投資か、あるいはいわゆる置きかえ投資かということです。 新規の投資というのは、新しい産業分野にどんどん進出していく、そのときに行われる投資、あるいは既存の分野でも生産を拡大するために行われる投資。それに対して置きかえ投資というのは、償却期間の来たものに、もちろんそこでは新しい機械に置きかえられますけれども、行われる投資ですね。ですから、経済に活力を与えるのは新規投資でございます。置きかえ投資というのは、どちらかというと陳腐化した機械を漸次コストを下げるために投資されていくということだろうと思うんです。 しかし、恐らくこういう答えが返ると思うんですけれども、その見分けは非常に難しいわけでございます。ただ、一つの判断として、私はやはり産業別、業種別の投資動向をきちっと分析してやっていかなきゃいけないと思っておりますが、一つの見方といたしましては、その投資が雇用にどういうふうにつながっていくのかということです。先ほど若干改善されたというふうに言われましたけれども、私はちょっと鈍いんではないかなというふうな気がしております。 そうだとすると、今行われている設備投資のかなりの部分というのは、いわゆる置きかえ投資ではないかなというふうに思っておるんですけれども、この点について企画庁長官はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(中名生隆君) お答え申し上げます。 ただいま設備投資の更新投資と、それから新規の投資という関係での御質問をちょうだいいたしましたけれども、これは委員も御指摘のようになかなか分け方が難しゅうございます。 七年度、八年度と我が国の設備投資は増加に転じておりますが、七年度は製造業が中心でふえてきた。それから八年度は、これはまだ最終的な数字はもちろんわかりませんけれども、各種の調査によりますとかなり設備投資は高い伸びになっている。さらに、業種別に考えますと、製造業だけではなくて非製造業についても八年度は伸びてきている、こういう形になっているわけでございます。 それで、非製造業でそれではどういう業種で伸びているかということになりますと、例えば移動体通信でありますとかあるいは小売業でありますとか、こういうところが規制緩和の効果もあって設備投資が伸びてきている。この移動体通信等は明らかに新規の投資ということでございますから、新規の投資も伸びてきているというふうに考えております。
○牛嶋正君 設備投資を考える場合に、もう一つの円安の問題がございます。 設備投資に対しましては、私は二つの方向で影響が加わってくると思います。一つは、円安による国内需要が伸びるだろう、それでもって収益性が高まるんじゃないかという見方、それからもう一つは、しかし一方では生産コストを引き上げていくということでマイナスの効果もあるわけです。このプラス・マイナスが今のこの急激な円安のプロセスで設備投資にどういうふうに影響を与えるのか、その結果、今後の設備投資の動向はどう変わるのか、これはどういうふうに見ておられるのか、企画庁長官にお尋ねいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、円安が今後設備投資にどんな影響を与えるかということでありますけれども、この円安、これは一般的には確かに輸出産業等々にとりましては、これだけ円が安くなってまいりますと、損益分岐点、随分下がることになりますので、いろんな意味でプラスに働く、当面プラスに働くというのは当然のことだと思っております。 今出てきておりますいろいろな中で、これは円安というよりドルの独歩高みたいな形になっておりまして、ことしに入りまして、もう円がドルに対して一月以降四・一%ぐらい下がっておりますが、ドルに対するマルクはもっと下がって五・四%ぐらいマルクの方が下がっている形になっておりますので、基本的にはドルの独歩高みたいな形になりつつある。そして、かつヨーロッパの諸国はそれを容認しておる形になっておりますので、これは日本一国でなかなか難しいところだとは思っておりますけれども、いずれにいたしましても、今後こういう生産の増加や企業収益の改善などに対していい影響は当面与えるとは思います。 さらに、今後、先ほど経済構造改革の話を申し上げましたけれども、この経済構造改革などが続いてまいりますと、民間の設備投資に、これは円安ということもありましょうけれども、よほど極端なことになっていかない限りはいろんな形でいい影響が出てくるものだと、基本的にはそう思っております。
○牛嶋正君 それでは次に、株価急落の問題と金融不安の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 株価下落がもたらすもう一つの懸念される点は、銀行の収益性の悪化による不良債権処理のおくれ、そしてまた銀行の経営の悪化、そういったものによって再び金融不安が進行するのではないかという懸念を私は持っております。もしそういう金融不安が少しでも進むというようなことになりますと、今の株価低迷をさらに促す、そして本当に四月の景気後退説というものが確実なものになっていくんではないか、こういう懸念を抱いております。 三月決算を迎えまして、各銀行は株式を売却して益出しをいたします。そして、収益を少しでも改善しようとするわけでございますけれども、今のように株価がどんどん下落してまいりますと、益出ししようにもなかなかそれが進まない。ということになりますと、かなり不良債権処理の問題もおくれてくるのではないか、こんなふうに思っております。 恐らく、収益を改善するに当たりましてどれぐらいの株価水準がデッドラインなのかというふうなことは、それぞれの銀行によって違うと思いますけれども、全般的にこういうふうに株価が下落していきますと、収益の改善が進まないことはもう確かでございます。そういたしますと、それだけ不良債権処理がおくれてくるのではないかというふうに懸念されるわけですが、その点について日銀総裁はどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 現在、我が国の金融機関におきましては、不良債権額の積極的な償却引き当てを進めてまいっておりまして、全体として不良債権問題への対応は着実に進捗していると私どもも考えております。 ただ、株価の下落が、金融機関の保有株式の含み益の減少でありますとかあるいは償却額の増大をもたらすということはございますので、これが不良債権処理や決算に対しまして及ぼす影響が無視できないような場合もあろうかとは思います。 ただ、金融機関におきましては、まず全体としてこれらの状況も踏まえまして、市場からの支持を得られるようなリストラ計画の策定などの一段の経営体質の強化に向けての努力をしていただきたいと思うわけでございます。 ただ、金融機関の収益につきましては、これは株価だけではございませんで、金利、為替の動向、その他のいろいろな事情に左右されるものでございまして、その影響は個々の金融機関によっても非常に異なるものでございます。このために、株価水準が金融機関の決算等に与える影響というものは一律ではございませんし、またこのことは、株価だけについて見ましても、これから決算期末までの期間に株価がどのように推移していくかということはまだ見通すことのできない状況でございますから、私どもも確たることを申し上げるわけにはまいらないのが現状でございます。
○牛嶋正君 ただ、株価の急落の一因に、一つの原因に不良債権処理問題が絡んでいることは、私は確かではないかというふうに思います。 今、一万八千円前後で動いておりますけれども、仮にこのベースがもう一段下がって一万七千円ぐらいになれば、銀行によって違うと今おっしゃいましたけれども、多くの銀行では収益の改善というのはかなり打撃を受けるのではないかと、私はこういうふうに思っております。したがって、今の一万八千円のところで動いている、これを私は何とか維持しなければならない。これがもう一段下がってしまいますと、これは政府がお立てになっているような本年度の経済見通しも本当に狂ってくるんではないかというふうに思っております。 そして、経済見通しが狂いますと、せっかく平成九年度予算を財政再建の第一年度というふうに位置づけられておりますけれども、私は年度途中でまた大幅な赤字公債の発行を余儀なくされてしまうのではないかというふうに思います。そういたしますと、平成九年度の予算というのはむしろ財政破綻の第一年度になってしまうおそれもあるわけでありまして、今非常に微妙な時期でございます。 政府といたしましては、こういったこれからの景気動向に対しまして、前向きでいろいろな経済構造改革をなさるという姿勢はいいんですけれども、私が懸念するような四月景気後退説などが起こってきた場合に、何らかのやっぱり準備をしておかなければならない。これこそ私は経済の危機管理体制だというふうに思いますけれども、この点について総理に御意見を賜るのはちょっと酷かもしれませんけれども、御意見ございましたらお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本当は大蔵大臣がお答えをされた方がよいかもしれません。しかし、あえて私なりに申し上げてみたいと思います。 今、大変微妙だという御指摘、それは私どももその微妙という議員の御表現ぶりには同調させていただけるものだろうと思います。その上で、私どもが今申し上げたいこと、そして議員から御指摘のありました市場にシグナルをということでありますが、大蔵大臣でなしに私が立たせていただきましたのは、間もなくG7があります時期に、大蔵大臣が何らかの御発言をされることは会議を控え必ずしも有利ではないと思いますので、あえて私の方から申し上げさせていただきたいと思います。 確かに私は、シグナルを必要とすると言われる御指摘もごもっともな点があると思います。なぜなら、先ほど私自身御答弁を申し上げましたように、消費税率の引き上げ、特別減税の廃止というものによって、特に四−六の影響を我々自体も注意を払うという意識を持ち続けておるからであります。そして、そのためにも八年度補正というものが下支えの効果もあわせて持つということを先ほど申し上げました。 そしてその上で、本日、閣議で総務庁長官から中間の報告を受けた上で改めて私から各閣僚に指示を出しましたのは、そうしたシグナルにもなるような規制緩和の計画を三月末に政府の責任において出していかなければならない。そして、その規制緩和というものが、当然のことながら経済構造改革を初めとする我が国の将来に対する方向づけをするものでなければならない。そして、その場合に、結論を得たものはできるだけ早期に、また例えば審議会等で御検討いただいておるようなものであるならば、その答申をいただく時期を明確にする。こういった具体的な措置を本日の閣議で改めて私は指示をいたしました。 こうした幾つかの努力というものは、本日の時点では中間報告の直後でありますからまだ何とも申し上げられない部分を持っておりますけれども、これがきちんと整とんされ、まとめて公表されることにより、一つのシグナルとなるでありましょう。同時に、それは具体的な経済行動にも結びついてまいります。 こうした点にも我々は気を配りながら進めている。こうした点はぜひ御理解をいただきたいと存じますし、それなるがゆえになおさら、平成九年度予算が年度内に成立をし、予算の執行に切れ目を生じないことの大切さ、ぜひ御協力を賜りたいと願っておるところであります。
○牛嶋正君 大蔵大臣はいつも市場のことは市場に聞けというふうなお話でございますけれども、私はもうそんなことは言っていられないんじゃないかなというふうな気がしております。 何回も言っておりますように、今度はこちらが、こちらがといいますか政府がやっぱり何らかのシグナルを送る今は非常に重要なときだと思いますけれども、これまでの議論をちょっとお聞きいただきまして、御意見を賜ればと思います。
○国務大臣(三塚博君) 牛嶋先生は経済学博士、経済のエキスパートでありますので、大変傾聴をさせていただき、示唆に富む節々のお話も賜りました。 今日の株安、円安というものは、委員の指摘の中に幾つかポイントはあります。しかし、それがすべてではないということなんです。経済が安定する、株式市場が安定する、レートが安定するというのは、その国の総合的な評価だと思うんです。政権の安定性というものは、短期、ミドルで見ますとまさに経済の安定に力強さを与えます。メッセージとして世界に発信をされます。そうすることが一つあり、また今度反対の現象としまして、政治不安、経済不安という問題が出ます。 あえて主管大臣ですから国益のために申し上げさせていただきますが、情報化社会の今日の日本、見方はそれぞれに違います。学者先生の見解、アナリストの見解、市場関係者の見解、また投資家の見解、投機筋の見解、それぞれ違う。それをどのように正しく伝えるかというのもマスコミの使命だと私は思うんです。一方的に偏して行われるということにとられがちな昨今の論調もあるわけです。 国会の論争も傾聴し、正直に私も答えておるのでありますが、牛嶋教授のような経済学博士がやられているものはまさに傾聴に値しますが、政治的な意図で申される、これは政党政治でありますからやむを得ないことだとは是認をいたします用意図的な論争が波及効果をさらに深めるということはあるのではないでしょうか、ないのではないでしょうか、どちらかなんですね、これ。これは内閣の立場ですからその辺にとどめさせていただきます。 そういう点で、株安の諸要素は先生既に御案内のとおりあらゆる要素の蓄積の中で行われます。特に、十年ぐらいの傾向を見てまいりますと、決算期、三カ月前から株式市場は激しく動きます、十二月から三月の中ごろまで。それで九月決算の前、七月から動きます。これはトレンドとしてデータに明記をされておるわけです。それが自由主義であり、資本主義経済のマーケットの実態なんであります。ですから、このことに何もびっくりしているわけではございません。 そういう中で、株式市場における動きは、特に政府がこのことに介入するがごとき発言を、またそういうことがあってはならない。市場の健全な発達を促すためには、やはり市場の動きは市場に聞けと。賢明な経済大国になった日本でありますから、必ずそれがきっちりと自律して日本の株式市場はあるべき姿を出してくるのではないでしょうか。 レート安、急激な円安は、急激な円高とともに好ましくございません。マクロ経済の観点からいきましても、我が国経済のあり方からいたしましても、そういうことでございますから、急激なものに対しては適切に対処をしていく。こういうことで、株式市場については重大な関心を持って、そのメッセージは逐一、正しいか、中立か、そのとおりだ、あるいはちょっと間違っていると、こういうものを分析するのが政府であろうと思います。
○牛嶋正君 ちょっとまた心配になってまいりました。と申しますのは、分析だけではだめなんですよ。しかもその分析も、これまでの何か経済構造のもとでいろいろな学説が出てまいりまして、そういったものに基づいてするならばますます問題だと思うんです。 分析した後、今度はやっぱり市場に対して何らかのシグナルを送らなければならないと思います。私はシグナルと特に言わせていただきました。市場に対する介入じゃないんです。ですから、これがこれからの経済運営のルールなんですよ。分析をする、そしてそれに基づいて政策をこういうふうに展開するんだというシグナルを送る。そうしたらそれに対してまた市場が反応してくれる。これがこれからの経済運営のルールでございますので、この点だけをちょっとまたつけ加えさせていただきたいと思います。 それから、そのシグナルの中で、私は今の超低金利政策、これをどういうふうに変えていくのか、これはシグナルを送る中で非常に重要な項目の一つだと思います。 再び日銀総裁にお尋ねをしたいと思いますけれども、きのうの同僚議員の御質問に対しましても、経済全体のこれからの運営で確実に景気が回復していく、そういった方向を確実なものにするためにいましばらくこの超低金利政策をおとりになるというふうな御発言でございました。そもそも、この超低金利政策の目的というのはどこにあったんですか。それからちょっとお尋ねしたいと思います。
○参考人(松下康雄君) 現在の私どものとっております金融緩和の姿勢は、御承知のように一昨年の秋以降のものでございます。当時の経済情勢の判断といたしましては、一時の回復見込みが急速に後退をしてまいりまして、全体的な情勢から見ますというと、デフレスパイラルというような言葉さえささやかれるようなそういう状況のもとにございました。 そういう中で、私どもとしましては、経済全般の活動を活発化していくという上に、この金利の一段の引き下げが非常に有効な政策手段であると判断をいたしまして踏み切ったわけでございま旧す。私どもの当初の意図は、時間を置いてでございますけれども、逐次経済の実体の中に浸透してまいったように思われるわけでございます。 しかしながら、その現状、経済をもう一度改めて見ますというと、内容的には実体の経済の緩やかな景気回復の動きが続いておりまして、経済活動の中に底がたさもうかがえるようになったと私どもも判断をいたしておりますけれども、なおしかしながら、いろいろの市場の動向でありますとか、その他を総合的に見ますというと、やはりここで我が国経済が自律的な回復軌道にしっかりと移行していくためには、民間経済は構造調整圧力に対して対処しながら、また財政面からの影響もこなしながら自律的な回復軌道に乗ることが肝要であるというふうに判断をしております。 このために、私どもといたしましては、景気回復の基盤をよりしっかりとさせるということに重点を置きまして、情勢の展開を注意深く見守ってまいりながら当面は現状の姿勢を継続いたしたいと思っているところでございます。
○牛嶋正君 今お聞きしておりますと、景気対策というふうな点が非常に重視されているようですけれども、きのうもありましたように、乗数効果の大きさ、あるいは民間設備投資などの動向を見ておりますと、必ずしもこの低金利政策がうまく関連しているような気がいたしません。むしろ、この政策を通じて銀行が抱える不良債権処理に側面から援助していく、そういった面が私は強いのではないかなというふうに思っているわけです。 ところが、それは当初は収益性を非常に改善すると思いますけれども、新規の貸し付けがふえてまいりますと、新たに貸す場合は金利を下げて貸すわけですからね、低い金利で。そうしますと、金利差というのはだんだん縮まってきているわけですね。ですから、私は、余り低金利政策のメリットというのはないんではないかなと。むしろ、いつまでもこんなことを続けるということで、不良債権処理が進んでいないんではないかというふうな受けとめ方を市場がしたとしますと、これは私はマイナスの効果として作用するのではないかというふうに思います。 私は、この超低金利政策を今変えるというふうなシグナルを送ればかなりのインパクトがあると思うんですけれども、改めてちょっと日銀総裁にお尋ねいたします。
○参考人(松下康雄君) 現在の金融緩和政策、低金利政策によりましてどういう効果があったかという点につきましては、繰り返し申しますが、私どもは日本経済を自律的な回復軌道に移行させることが目的でございまして、その効果といたしましては、企業の収益の改善、コストの低減というようなことを通じまして設備投資、あるいは個人の場合でございますと住宅ローン金利の低下を通じて住宅建設が活発化するというような点にあらわれ、それが生産の増大につながってきているというところがうかがわれるわけでございます。 これは金融機関の救済のためではないかというような意見も一部にございますけれども、先生も今御指摘になられましたように、金融機関は、調達金利が低下をいたしますと必ずそれを貸し出し金利の引き下げの方にはね返してまいりますから、一時的なラグはございますけれども、その金利引き下げの効果は、金融機関にとどまっているということでなくて、貸し出しを受けられる企業の側あるいは家計の側に移っているわけでございます。さようなことでございます。 もちろん、そういう効果が借り手側に移ることによりまして経済全体の動きが活発化することが、さらにはね返って金融機関の業務範囲の拡大なり収益の向上なりに最終的には貢献をする、それは不良債権の処理にもプラスであるというふうに見られますけれども、その経路はただいま申し上げたようなことでございますので、私どもの現在の情勢の判断からいたしますと、やはり経済の現況及び当面の見通しから見まして、現状の金融政策の効果がいま少し浸透し効果を発揮するのを見きわめたいというふうに思っております。
○牛嶋正君 所得税の伸びをずっとたどっていきますと、源泉分とそれから申告分を分けますと、これまでは申告分は非常に変動がございまして、源泉分は給与所得を中心にして着実に伸びていったわけですね。最近その足取りが怪しくなったわけですが、それは源泉分の中に利子所得の源泉分が含まれるからでありまして、これがなかなか所得税の源泉分の伸びを抑えてしまっているということなんですね。 今、仮に預貯金金利を一%引き上げたら、税収はどれだけふえますか。
○政府委員(薄井信明君) お答え申し上げます。 今の御指摘は、受取利子、つまり利子の源泉所得税収のお話かと思います。限定して、あるいは機械的に計算することはできるかと思いますが、先ほど来の御議論のように、一方で法人における支払い利息がふえていくと、仮に一%金利が上がれば、この分は逆に法人税収の減収につながりますし、もう一つ考えますと、例えば預貯金利子の引き上げというのは、住宅建設だとかマクロの個人消費、そういったところにも影響を与えますので、源泉所得税の税額がどれだけふえるかは機械的には計算できますけれども、税収全体にどう影響するかは、これは計算のしようがないかと思います。 あわせて、今は税収面だけの御質問ですけれども、金利が上がれば、これは長期と短期の問題はありますが、国債の金利が上がります。そうしますと歳出面で国債費の増加にもつながりますので、そういう意味でなかなか計算が難しいと思います。
○牛嶋正君 僕はそんな難しいことを聞いているんじゃないですよ。低金利政策と景気動向の話ですから、ですから可処分所得はどれぐらいふえるのかということで聞いているわけです。簡単にお答えください。
○政府委員(薄井信明君) 再度の御質問で、限定的、機械的に計算することは私ども可能かと思います。それは支払われる金利ですから、預貯金の額がどれだけあるかということから計算しますと、今七百兆前後あります。これに非課税の貯蓄分を差し引きますと課税対象の利子が出てきますので、これに国税の源泉分離税の税率が一五%あります、これを掛けますとまさに機械的には一兆円程度の税収になりますが、先ほど来申し上げているようにほかの要素がありますのでトータルでは申し上げられません。
○牛嶋正君 この問題、もう少しゃりたかったんですが、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。ちょっと中途半端になりましたが。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で牛嶋正君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 今回のこの提出された補正予算の性格については、先ほど総理から答弁があっておりました。この補正予算については、あるマスコミが自民党族議員の当選御礼予算の色合いが濃いと評しておりましたけれども、実際に財政法二十九条の趣旨にのっとった補正予算なのかということになると疑問に残るところがかなりあると私どもは認識しておりますし、ばらまき予算の感は否めないと思うんです。 ただ、私がまず一点申し上げたいのは、総理は先ほどから、今回の補正の性格について選挙中もおっしゃったと、景気対策の補正というのは好ましくないんだと、その認識のもとに今回の補正というのは出てきたんだと、大型の補正。 ただ、建設大臣、衆議院の答弁を聞いていたら、建設大臣は今回のこの補正について、いや公共工事をしっかりやらなければ景気は回復しないんだと、今の厳しいときは。まさにある意味では、総理はそういう景気対策というよりは緊急なものを中心にやられたんだと、こうおっしゃる。もっと限定的にやるのは大蔵大臣。 ただ、建設大臣が公共工事の担当主管大臣ですから、そうなると突然何か今回の予算というのは景気回復のためにというような話に論議を聞いているとなっている。内閣の中で発言が食い違っているんじゃないかというイメージも抱かれる。ですから、その点建設大臣から、どういう趣旨でそういうことをおっしゃっているのか、説明をいただきたい。
○国務大臣(亀井静香君) 私は橋本総理に極めて忠実な閣僚でございます。補正予算につきましては、御承知のように、まず阪神・淡路大震災、その後のいろいろな大きな災害が続発をいたしておりまして、そういう中でやはり自然の驚異に対して我々は常に謙虚でなければならない、のど元過ぎればということであってはならない、これは政治の責任であろうと思います。 そういう意味では、当初予算において建設省といたしましても、防災の観点から全国各自治体等からの強い御要請もあり、事務的にはそれを大蔵との間で折衝いたしますけれども、残念ながらそれが全部認められるわけではないのが現実でございます。そういう中で、昨年も大きな災害が発生いたしております。各自治体から急いで手当てをしていただかなければならないという悲痛な声も建設省に届いておるわけでございまして、そういうものを中心にそうした補正予算での緊急防災対策費を計上させていただいたということであります。 一方、景気は緩やかな回復の過程に入っておるわけでありますけれども、しかし現在自律反転の過程に入ったとはまだ完全に言い切れる状況ではないことも確かでありまして、第四・四半期におきまして公共事業が、ほっておきますと三〇%程度昨年に比べまして大きく落ち込む危険性がございます。そうした意味では、建設業はGNPに対しまして大体一六、七%の影響力を持っておりますので、その分野での公共事業の分野が大きく落ち込むということがございましたら、せっかく緩やかな回復基調をたどっております景気回復の過程に悪い影響を与える危険性もやはりあるわけであります。そういう意味では、防災対策という観点からの補正予算は、そういう危険を除去して景気を下支えしていくという効果を生むことは私はもう間違いないと思います。 総理は景気対策としてではないということで予算編成を命じられておるわけでございますが、反射的利益と言ってはあれでございますけれども、一石二鳥という効果が生まれていることは、これはまた私は客観的な事実であろうと、このように考えておるわけでございますから、別に総理の御意思に反したことを私が建設大臣としてやっておるわけではございません。忠実な部下でございます。
○木庭健太郎君 建設大臣、忠実な部下だそうでございますけれども、ただ、今の発言を聞いていると一石二鳥とおっしゃいましたけれども、公共工事の話になると一石の部分がどうもまず景気の下支えというより景気の喚起だと、それに防災というものがあるというような観点で聞こえてしまいますよ。それは総理のおっしゃっていることと少し外れてくる部分になるんじゃないですか。
○国務大臣(亀井静香君) それは委員の聞き方の問題でございまして、私にはそういう意図はございません。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど牛嶋委員に対して御答弁を申し上げましたときにも、私は同時に需要の下支えの効果、景気と申しましたか、どちらの言葉を選びましたか忘れましたが、の効果もあるということを申し上げております。亀井大臣はそちらの方に、建設大臣という立場、公共事業主管大臣という立場から重点を置いて答弁をされましただけでありまして、食い違っているとは思いません。
○木庭健太郎君 この公共工事の効果の問題についてはきのうも委員がいろいろ御論議をされておりました。政府として、今公共工事を補正とかそういう形で増加したとしても景気浮揚という問題には直結しないというようなこともいろいろ言われてみたり、いろんな論議があるんですけれども、これは経企庁長官で結構ですから、公共工事を補正によって増加させる、この景気浮揚というような関係についてどんな御認識を持っておられるか、一応確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 公共投資は、それ自身がもう需要となる即なる効果というのは、一つ出れば一つだけは間違いなくその効果が出てくることはもう間違いないと思っておりますが、それを通じて、いわゆる乗数効果とか波及効果という言葉が使われますが、そういったものを民間にどれくらい与えていくか、喚起するかというところがよく言われるところで、一般的には二つの面があると思っております。 ただ、平成八年度の補正予算につきましては、これは緊急かつ必要な経費を計上されたというぐあいに理解しておりますので、結果といたしまして、今回のものが平成八年度末から平成九年度前半にかけていわゆる景気の下支えをする効果があるということは十分に理解のできるところでありますが、景気対策を目的とした補正予算でないということだけははっきりいたしておると理解をいたしております。
○木庭健太郎君 緊急性のあるものばかりだと、こうおっしゃる。我々も、例えばO157の問題、阪神・淡路大震災の問題、確かに総理もおっしゃったように緊急性のある問題だと。 ただ、緊急防災対策の問題については、予算書も見せていただきました、明細も見させていただきましたけれども、どこが緊急なのかわかりません。見方が悪いのかもしれない。じゃ、教えてください。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども御答弁申し上げましたように、災害国日本と言ってもいいような状況でありますから、全国各自治体から強い御要請があるわけでございます。その中で緊急性を判断いたしまして組み込んでおるわけでございます。
○木庭健太郎君 やはり緊急性と言うなら、これは衆議院でも論議になっておりましたけれども、どういうことだからどこの箇所にこうやらなくちゃいけないんだと、その理由は、この緊急性は何だという説明が私は、特に景気対策ではないとおっしゃるわけですから必要だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(亀井静香君) 全国各地の市町村におけるそういう実態を、私ども建設省としては責任を持って判断しておるわけでございます。 委員、もし必要でございましたら、おいでいただければ個々に御説明申し上げたいと思います。
○木庭健太郎君 私は大臣に申し上げたいのは、今即座にということを本当は言いたい。ただ、今後こういう補正を論議するときは、ある程度箇所づけの問題とかそれを先に明確にすべきじゃないかと私は思っているんです。そうでないとわからないですよ。 例えば緊急防災対策費とおっしゃって、項目の中の、これは総理がおっしゃったんですかね、この緊急防災対策というのは、阪神・淡路大震災や豊浜トンネル崩落事故、こういうものの教訓を踏まえて、新たな知見や技術を新年度を待つことなく直ちに個々の防災対策に反映させる、これが一番の主眼点だと、こうなっている。ただ、これを見てみると、例えばそれと住宅市街地対策事業費になっている公営住宅の建設とは、これはこういうものとどうつながるのかというのはわからないですよ。じゃ、これはどうなんですか。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども御答弁申し上げましたように、何百カ所という全国のそういう危険な、それは山間部もございますし市街地もございます。また、老朽化した都市のいろんな施設もございます。そういうものに対してできるだけ早く手当てをするということでやっておるわけでございまして、当初予算まで待てという御判断もあると思いますけれども、災害はいっ来るという予告があるわけじゃございませんので、私どもとしては危険なところについてはできるだけ早く手当てをすべきだということでございます。 何百カ所のところのそれぞれを、この場で必要性、緊急性について御判断をいただくということは事実上難しいんじゃないかと私は思います。やはり行政権は行政権として責任を持って個々の判断もしておるわけでございますから、一般的な基準とかそういうものがもちろんあるかと思いますけれども、そこらは行政権の責任においてやっておることはひとつお認めをいただきたいと思います。
○木庭健太郎君 行政権というのは確かにあると思います。ただ、一方で私たちも審議権を持っていると思います。 その意味では、今後、この補正予算という考え方を、先ほど総理がおっしゃったみたいにもちろん下支えの意味もあるかもしれないけれども、緊急性ということで国民におっしゃるなら、財政構造も変えていこうとおっしゃるなら、やはりこういう緊急防災と、緊急とおっしゃるから、どんなものがあるかと聞いておるわけです。もし本当に緊急なものがあるなら、我々はこれはいいと言いますよ。ただ、わからないんですよ。だから、やっぱりこれは資料を出すような形をつくらなくちゃいけないんじゃないですか。
○国務大臣(亀井静香君) 強い御要請がございましたから、私どもといたしましては大まかな仕分けをいたしまして御提出を申し上げておるわけであります。
○木庭健太郎君 ちょっともう一回、最後の言葉が聞こえなかったので。済みません。大まかな……。
○国務大臣(亀井静香君) 大まかに仕分けをいたしまして提出を申し上げたはずでございます。
○木庭健太郎君 これは明細書のことをおっしゃっているのかな。明細書を見て、積算の根拠みたいな、積算の内容というのがあるんですよね、一応建設省所管にも。ただ、積算の根拠というところ、内容になると何にも書いていないで空欄ばかりなんですよね。わからないですよ、これじゃ。
○国務大臣(亀井静香君) 委員も提出いたしましたこれをごらんになっておられると思います。 ここの中身のどこの県の市町村、どの場所がというようなことまで、何百カ所ございますから、そこがなぜ緊急なのかどうなのかということは、我々、自治体との間で県等を通じましてそれを精査しておるわけでございます。これが行政権の責任なんですね。そういうことまで多忙な委員の皆さん方にお任せをしなければならぬということになれば、私はやはりそこは行政権を御信頼いただいて判断させていただくということでお願いをしたいと思います。
○木庭健太郎君 じゃ、例えば今おっしゃった部分のほかに、どういうふうにしてこれ、緊急度といって、防災対策はどこでもやらなくちゃいけないわけですよね、当初予算でやらなくちゃいけない部分。でも、こちらの場合はこうこうこういう、ランクなりそういうもの等はあっていいはずなんじゃないですか、それくらいは。
○国務大臣(亀井静香君) 委員もう全部御承知の上で聞いておられるんだと思いますけれども、防災対策というのは、襲ってくる自然災害がどの程度の規模のものであるかというようなことを、これは山間僻地を襲う場合もありますし、都市を襲う場合もあります。地震の場合もあれば、台風の場合もあります。土石流の場合もあります。そういうものについて、危険なところを優先順位を考えながら着実に手当てをしていくというのが私は政治なり行政の責任だろうと思います。 その優先順位を物差しみたいな形できちっとして当てていくということはなかなかそれは難しい。それは財政事情もございます。そういうことの中で、できる限りやれる場合に手当てをしていくということが私は政治の責任だと思います。それをすべて当初予算でなければならぬということでは私はないと思います。(「何も示せないのか」「なぜ四月じゃいかぬのかという話だ、なぜ本予算じゃだめなのかという話なんだ」と呼ぶ者あり)
○木庭健太郎君 勝手に言っておりますけれども。 そうなんですよね。一つは、やはり今後の問題として、例えばそれは自治体との協議の問題もあるでしょうけれども、例示の部分で提供できる部分はあるのかないのか。特に私たち参議院はどういうことになるかというと、補正予算については、衆議院では野党の立場で言うと組み替え動議を出すことができます。参議院、私どもはそんな乱暴なことはできないようになっております。どうなっておるかというと、これはこの予算というものを精査して、金額を明示して出すならば修正案を出すというのが参議院のあり方なんです。 その意味では、私たち参議院は、たとえ時間がかかったとしても内容を一生懸命見ますから、資料を出していただければ。これはそういう一つの審議のあり方として、これから本当に補正を考えるときに、財政構造改革だと、国民にきちんと税金のむだ遣いをしていないことを知ってもらいたい、こういうこともやっていくという中だったらこれは必要になってくる問題だというふうに私は思っているんです。大臣いかがですか。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げましたように、防災ということについての配慮というのは、国政を推進していく上におきまして私は前提に置くべきことだと思います。そうであれば、財政事情との関係もありますけれども、当初予算だけではなくて、その後、補正予算等を含めてやはり適時適切にそういうものに対しての対応をしていく責任があると思うんです。 その中身について、どこが緊急性があるのか、その緊急性の程度はどうだとかというようなことにつきましては、そこは我々行政権の権限の中において、これは市町村等とも詳細な検討をしながらやっておることでございますから、委員が建設省の担当職員と同じような立場で個々の重要性、緊急性を御判断いただくということは、これは審議権の中にも入りますから結構ですけれども、私は事実上それは不可能だと思いますよ、何百もの箇所でございますから。
○木庭健太郎君 不可能ということは私はないと思うんです、やり方によっては。 ちょっとこれは大蔵大臣にもお尋ねしておきますけれども、せっかくこういうもので補正予算についても明細書というようなものを今我々はいただくようになりました。これは国会の議論の中でかつて積算内訳みたいなものがなかったようでございます。ただ、国会の議論の中でそういうものも付記していこうというようなことが行われたようです。 少なくとも大蔵大臣も、こういう緊急防災対策という名前がつくなら、何か亀井建設大臣の話を聞いていると、これは緊急じゃなくて防災対策費というような感じがしてしまうんですよ。当初でやる分もあるけれども、その以前にも全体をバランスを見ておく、ここでやっておかなくちゃいけないと。それは財政上の事情の中でやっているだけであって、急がなくちゃいけないという緊急度という問題がわかりにくくなってしまっていると思うんです。 その意味で、私は、この緊急防災対策あたりも、例えば大蔵大臣が聞かれても、いや、大体さっき言われた新しい知見に基づいてやるようなものはこんなこんなこれぐらいはあるんですよと、これぐらい大蔵大臣がすぐわかる、私たちも資料を見せていただければわかる、こういう形をつくっていかなければ、私はやっぱり審議というものの充実したものはできないと思うんですけれども、考え方を。言いますか、建設大臣。——じゃ建設大臣と大蔵大臣、ひとつお願いします。
○国務大臣(亀井静香君) はっきり申し上げまして、緊急性、重要性について我々は霞が関の建設省で、ああ、ここという形で判断しておるような雑なことはやっておりません。地方に地方建設局がございます。ここの職員もその地域の自治体と連絡をとりながら、ここは危ない、緊急に手当てをせにゃいかぬと。当初予算で要求しても入らない場合もございます、はっきり言いまして。 そういう中で、その後の状況の中で、やはり優先順位の高いものからそれを取り上げてやっておることでございますから、それは青天井で当初予算で幾らでも危険なところを手当てできるというのであれば、これはこういう補正でお願いをするという必要はないと思います。 しかし、その後の大変な災害がどんどん起きておるわけですから、全国自治体、この間、小谷村の災害等も見ましても、うちも危ないうちも危ないという声が全国から上がってくるのは事実なんですよ。それを優先順位をつけてやるわけですから、その優先順位がどうかというようなことについてまで国会で御審議されるということであれば、委員が個々に全部そこに御出張されて実地踏査をされて、緊急性を御判断されるというようなことまで必要だということにまでなってまいると思いますよ。そこらはやはり建設省のそうした判断を御尊重いただくということもぜひお願いをしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 緊急災害防止策という財政法二十九条に基づいてセレクトして、それに沿って編成を行ったということは御案内のとおりであります。 特に、阪神大震災という大変大型な大震災、北海道のトンネル崩落事故、長野県の砂防工事事故、こういうのが連続して起きるという形の中で、全国的に見ますと、各市町村、県を通じ、また建設省建設局を通じ直接本省にもということで、無災害の地域をつくりたい、県をつくりたい、地域を守りとうとい生命を守っていきたいということで要請が出ておりますこと、自治体の長とすれば当然のことでありますので、その件については精査の上、プライオリティーを決めてくださいねと、こういうことで今日に来ておることは事実であります。 木庭さん一生懸命御質問いただいているし、建設大臣もできるだけこうなりますよというのを早目に教えてやっていただくことで、ここは今後に対応すると。いかがでしょうか。
○木庭健太郎君 今後、補正予算でどういう資料をと、特に補正になると建設省にかかわるものが多くなるわけですね。その辺はまた論議をさせていただきたいと思うし、やっぱり審議権という問題であれば全部という問題を私たちは言いました。大臣はまず行政権というもので対処させてくれとおっしゃいました。そんなことの問題を含めてこれはさらに重ねて論議をさせていただきたいと、こう思っております。 建設大臣、もう一つだけ。 これは住宅・都市整備公団への補給金の問題でございます。これは補正予算で処理するものではないというふうなのが私たちの考えでございます。特に大臣が、公団についてはきのうもいろんな話があって聞いておりましたけれども、いわゆる抜本的な改革をやるとおっしゃっているわけですから、その中でも処置できたんじゃないかという気もするんです。ただ、これが遠い将来のことなので今やるんだとおっしゃるのかもしれないし、そこの部分の御説明をいただきたい。また、この抜本的改革というのはどのくらいを目途にして、十年後の話なのか五年後の話なのか、その辺はどんなふうになっているのかの御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 本補正予算でお願いしています補給金の問題、これは平成七年の決算によって生じたことを処置するためでございまして、委員御承知のように従来もそのような経過をたどっておるわけでございまして、今度だけが特別な処置をしておるわけではございませんので、そのように御理解いただきたい。 なお、住都公団についての改革は、先日来私が申し上げておりますように、十一月末までに行政改革の案を総理はおつくりになるということでおられるわけでありますから、特殊法人についても、これは住都公団だけではなくて、建設省所管のそれにつきましてそれまでにきちっとした案をつくり上げていきたい、このように考えておるわけでございますから、遠い先なんということを我々は考えておりません。 そういう意味では、法案提出は恐らく来年の通常国会等をにらんで我々としてはやってまいりたい。委員の方からまたいろいろと建設的な御提言、御意見ございましたら、ぜひお教えいただきたいと思います。
○木庭健太郎君 話を変えまして、総理に、銀行業界から自民党への献金問題について自民党総裁として伺いたいと思います。 この自粛というのはたしか総理御自身が、去年の二月でしたか、おっしゃって、そこからこういう話が始まったんだろうと思っております。当時、住専の問題で私どもと対立はしておりましたけれども、総理としては国民の理解も得たいというようなお話のもとで自粛ということが決まったように私は認識しておるんです。改めて自粛の理由というのをお聞きしたいし、さらに去年末ぐらいでしたか、新聞で自民党として要請したんだ要請していないんだというような話もございました。この辺の事実関係はどうなのかというのも確認したいし、今まで要請していないのかどうかということの確認とともに、去年の末にどういう形で銀行業界からお金が来たのか、二億四千万でしたか、来た話もございます。 その辺、自粛という問題、再開したのか、要請したのかということですね。それと、昨年末の二億というこのお金は一体どういう性格だと。我々は銀行業界から来たととらえているわけですけれども、この三点、総理の認識を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員から御指摘がありましたように、住専母体行からの寄附というものにつきましては、住専処理問題に対する国民の世論などを配慮しながら、昨年の二月、当面の間自粛ということを党として決定いたしました。そして、この決定に基づいて現在も寄附の要請は行っておりません。 今御指摘がありましたお話は、その使途を党の借入金返済、その充当に限定した上で各方面から御協力をいただいておりますものの一部を指しておられるものと思います。ですから、要請はいたしておりません。
○木庭健太郎君 借入金、いわば以前お約束したことの問題の返済だと、こうおっしゃるんですけれども、国民の目から見た場合どう映るかという問題は私は残ると思います。 それともう一つお聞きしたい点は、当面の間自粛するとおっしゃった。これは住専で国民からいろんな批判を浴びる。これは何かというと、やっぱり銀行に対するさまざまな処置を政府としてはしなくちゃいけない、さらに国民の税金をある意味ではこの問題では投入せざるを得ない、こんな問題もある。 もう一つ言うならば、これをどうとらえるかはいろいろ、超低金利政策というのも、何か政府は預金者というか、そういう人たちに負担をかげながら銀行を救済しているようにも国民の目から見れば見える点もある。そういったものを踏まえて、ある意味では総理として、この場合は総裁として自粛を決めたんだろうと思うんです。 ただ、当面の間とおっしゃいました。これについてはどう考えるわけですか。例えば、これから住専の問題で二次処理もしなくちゃいけない、まださまざまな問題を抱えている。当然銀行も関係ある話だ。そういう問題が解決するまでとお考えになっているのかどうなのか、この点について確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一点、冒頭申し上げたいことは、金利、公定歩合、これは政府が口を出してはならない部分であります。日銀の専管事項であります。その問題を党の問題と結びつけられると、これは我々として大変心外でありますし、それ以上に日銀の金利政策そのものにかかわることでありますから、この点だけは明瞭に否定をさせていただき、その上でそうしたお考えは払拭していただきたい。冒頭この点を申し上げます。 その上で、党としてその自粛を決定いたしました。いつまでという期限を別に切ったわけではございませんけれども、議員が今御指摘になりましたように、住専問題の完全な解決というものを今見ている状況ではございません。そういう中で当面この自粛は続けております。
○木庭健太郎君 そうすると、この住専問題の推移を見ながら……
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、金利、公定歩合の話は取り消してくださいよ。
○木庭健太郎君 私がこれを申し上げたのは、自民党なり政府がそのことを利用していると言っているのではありません。国民から見た場合、そういうことが見えることがありますよということを申し上げた。ただ、総理がそのことをおっしゃるならば、私はその点についてはきちんと訂正させていただいて結構です。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ありがとうございます。
○木庭健太郎君 ただ、もう一点、当面の間ということと、やはりそうするとそれは住専処理の完全な解決というのを自民党として一つの目安として見ているんだと、そこまではある意味ではこれは受け取ってもいい話ですけれども、自分たちとしては我慢しながらやっていくんだということなんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本来、私はここに内閣総理大臣としておるわけでありまして、党の経理の内容を御説明いたす場所ではなかろうと存じます。 ただ、その上で、私どもはみずからの意思でその自粛を決めたわけでありますから、みずからの党の意識の中で問題がないと思われるときまでこれを継続するということであります。 先ほど多少言葉が過ぎたらおわびをいたしますが、公定歩合との関係だけはどうぞ私の申し上げたことをそのままお受け取りいただきたいと存じます。
○木庭健太郎君 政治献金の問題でもう一点総理にお伺いをしておきたいと思います。 これは厚生省の汚職事件に絡んで、既に解散しておりますが、日本病院寝具政治連盟をめぐって政治家と公益法人とのあり方ということで国会でも昨年さまざまな議論がありました。いろいろな考え方がありました。 先日、新聞を見ておりましたら、ある新聞の調査で、中央省庁の所轄法人だけでも公益法人と関係する政治団体の所在地や事務職員が全く重なっているというケトス、いわば同居、同一化しているようなケースが三十三団体に上り、うち三十二団体が政治献金などを出していた実態が報告をされておりました。 公益目的のための補助金や税制優遇措置を受けられるという公益法人、そして献金を行う政治団体、これが実態としていわば一体化しているということは、私は国民の目から見ると大きな問題に映ってしまうと思います。法的には確かに問題ないにしても、国民から見れば、何かそこで補助金をもらっている公益法人と政治家の癒着のような構造を見る面があると思います。 総理はこういった問題どういうふうなお考えをお持ちですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政治団体と一体化している公益法人、そういうお尋ねでありますけれども、政治資金、政治献金というものにつきましては、先般、三党の政策合意におきまして、政治資金規正法の平成六年改正法附則の第九条及び第十条の規定を踏まえて、「政治資金のあり方について今後、さらに協議を進める。」というふうに明記をいたしております。各党各会派におかれても十分御論議をいただきたい、そう考えております。
○木庭健太郎君 泉井事件について、きのう捜査状況については捜査当局からお話があっておりました。運輸省の元事務次官が逮捕されるという事件の発展を見ておるわけでございますけれども、この問題は、事件そのもののほかに、何より多くの政治家への政治献金問題とか、特にこれは通産省を中心とした官僚との癒着問題というのが昨年からずっと取りざたをされ続けてきている。ことしに入ってもいろんな記事はあるわけですけれども、一つ例を引いて聞いておきたいのは、これは一月二十六日の読売新聞の記事でございましたけれども、ばらまき接待の実情ということで報道している。官僚には十万円の商品券を渡す、政治家には車代として現金が渡されたとこれは書いているわけでございます。 泉井事件では、どういうことがあったのかという実態解明が急務でありまして、それに伴って職務権限のかかわりの有無を含めて幅広い徹底した捜査が行われなければならないと私は考えております。 捜査当局はこういう報道にあるような実態を既につかんでいるのかを含め、捜査当局のこの事件に対する決意を伺っておきたいと思います。
○政府委員(原田明夫君) お答え申し上げます。 お尋ねは、検察当局の捜査現状に照らしまして、その内容にかかわる事柄でございます。また、どのような事項について捜査するかというようなことは検察当局において判断すべき事項であると考えますので、法務当局といたしましては答弁を差し控えさせていただきたいと存ずるのでございます。 ただ、一般論を申し上げますれば、検察当局におきましては、捜査の過程におきまして刑罰法令に触れると認められる具体的な容疑事実が判明いたしますれば、さらに法と証拠に基づきまして適正に対処するものと存じます。
○木庭健太郎君 通産大臣にお尋ねします。 通産省は内部調査をなさって処分も既に行っておられる。強制捜査権を持ったわけではないわけですから内部調査であり、その中で精いっぱいの調査はされたと思う。ただ、こういう記事が出てくると、これは調査した結果と誤差がやっぱり出てくる。 こういうことについて、通産大臣としてどういう認識を持っておられるのかということをお聞きしておきたいのと、もう一つは関空の絡む問題で、これは通産官僚ではございません、元運輸事務次官でございまして、いわばOBという話が出てきた。残念ながら、通産省の調査ではこのOBという者には踏み込んでいない。この辺も含めて、何でこれだけ官僚の皆さんが一商人である泉井みたいな人間に巻き込まれているのかという実態も含めて、通産省としてもう少し掘り下げた調査が必要ではないかと思うが、その点を伺っておきたい。
○国務大臣(佐藤信二君) 今、御質問がございましたが、一部の新聞にそのような記事が出たこと、私も実は読ませていただきました。 ただ、私の方は、この問題というのは、先般綱紀粛正という見地から行き過ぎた接待を受けた者を対象に処分したわけでございますが、そのときにどのようなつき合いがあったかということを一応精査いたしまして、対象の職員というもの、一応そうしたような場に出る可能性がある人を対象に全部聞き取り調査いたしまして、その段階においては商品券だとか金銭授受というものは一切なかったというふうな報告をしてもらっております。そういうことで、私はこのような一部新聞に出たような事実はないというふうにかたく信じております。 それから第二点目として、OBの調査ということでございますが、私の方はこの泉井というものの事件性の本質というものがわかりませんので、いわゆる事実の確認ということは一切しておりません。ということで、今申したようにOBというのは対象にしなかった。OBと言われると、政務次官の御経験者もOBということになります。そういうことで、非常に本件に関係ない方というようなことでもって調査の対象にしなかったということでございますから、御理解をいただきたいと思います。 以上です。
○木庭健太郎君 出てからまたというようなことがないように私も祈っていますし、もし万が一そういう問題が起きたときのこともやっぱり頭には入れておかなくちゃいけない問題だろうと私は思います。 そこで、大蔵大臣に伺っておきたいんですけれども、これに絡んで、この事件の際に大蔵省の官僚の方がこの泉井容疑者から絵画をもらったというような問題が指摘され、そこで大臣がもうこれは何も処分をしなくていいんだというようなことも記者会見でおっしゃったような話があるんですけれども、ちょっとその辺、事実関係を教えてください。
○国務大臣(三塚博君) 主税局長そしてまた官房長に係る問題でございますが、本件につきましては主税局長については厳重注意と、こういうことでさせていただきました。問題は、講師に呼ばれるということがたびたびあるわけですが、純粋の研究会ということであれば当然でありますが、政治資金規正法に基づくパーティーであったということが、本人は知りませんでしたけれども、それに出たということについてやはり細心の注意を持ってと、こういうことでそうさせていただきました。 官房長の問題は、親しくもない、面識一回だったようでありますが、結婚のお祝いに絵画をちょうだいいたしました、そういうつき合いでないものでありますからお返しをさせていただきましたと、こういうことで、それ以上でもなければそれ以下でもないのでございますが、官房長は御案内のとおり服務管理者を統括する立場にありますものでございますから口頭で注意をいたしたと、こういうことであります。
○木庭健太郎君 質問を先取りされまして、私はパーティーのことを言ってなかったんですよ。それで答えが出てしまっている。 要するに、私が言いたいのは、大事なことは、問題が出たときに、その処分のあり方の問題にもかかわるんですよ。厚生大臣はさんざん去年処分のあり方で責められたわけですね、国民もまだ納得していないと思うんですけれども。だから、こういう問題が起きたときに、大臣としてそれなりの調査をなさる、法令に合わせてみてどうなのかという判断をなさる、いろんな形できちんとした上でやらなければいけないような気もするんです。 ただ、大臣は、何か発覚すると翌日記者会見されて、これは注意処分だ、これは処分は余り考えなくていいんだみたいな、こういう報道になってしまうんですよ。そういう意味では、ある程度その問題それぞれがきちんと公務員の規定に基づいてどうなのか、院の中の規定に基づいてどうなのかということは重々覇断して、それによって差が出ないような形というのは必要なんじゃないかなと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) いずれも報道によってやられたわけでございます。国民的に知らされたわけでございます。こういう観点でございますし、主税局長は国民から税金をちょうだいする側の、原案をつくりながら政府税調その他御論議をいただく立場にあります。こういうことで事情をお聞きいたしたわけで、明確にそう相なりましたものですから、こういうことはきちっと間髪を入れずやるのがよろしい、主税局長もきちっと申し上げます、こういうことでありました。 官房長は、今申し上げましたとおり報道されて、報告もいただきました。もちろん、調査をした担当官からの報告でございますが、しかし主税局長の問題について対応を明確にしておくことが主管大臣として大事ということで取り決めをさせていただいたところでございます。 官房長は、そういうことではなくお返しをして、それ以上でもそれ以下でもありませんでしたが、口頭ではありますが、管理責任者としてなお気を引き締めしっかりおやりなさいと、こういうことであります。
○木庭健太郎君 もう時間がありません。最後に厚生省に伺っておきます。 一応、事件もほぼ山を越えられ、厚生大臣として、一連の事件に対する改善措置についてもきょうの時点で発表されるなら、今まずいならそれはしようがないですけれども、そういう事態を迎えているところだと思いますし、ある程度改善の方向で、こういう点を特にやりながらということがあればこの場で伺っておきたい。 もう一点、前回の予算のときにちょっと論議しましたので確認をしておきたいんですけれども、ボーナスのことでがちゃがちゃなりましたね。それで、大臣はたしか弁護士を通じて岡光さんに一回働きかけてみるというようなことを言われていたと思うんですけれども、その結果がどうなったかわかっていればあわせてお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) ボーナス、期末手当の問題なんですが、これはどういうふうに解釈するか。民間と公務員の場合、若干違っている面もあるんじゃないかと。というのは、民間は盆暮れのボーナスといいますか期末手当について業績によって増減がある。公務員の場合については、あの岡光前次官の場合に、返還をしたらどうかという場合のときにも弁護士を通じて議論がありました。これは、公務員のボーナスは給与の一部である、特別の業績があったからあてがわれる問題ではないという議論がありました。 考えてみれば、国会議員の場合も盆暮れの期末手当が出ます。一生懸命働いた人もいるでしょう、あるいは入院していても、逮捕されて獄中にいても出るわけですね。だから、この期末手当の扱い方は、本当に賞与としてよく働いたからやるんだと言えない面があるんじゃないかというのがありましたので、私は返還したらどうかということに返事がないものですから、本人に返還の意思がないんだと思ってあえて催促はしておりません。 今後の、公務員の期末手当、賞与、ボーナスというのはどういうものか、本当に給与の一部なのか、それがただ盆暮れに支払われるのかという面もありますから、私はこれは専門家の議論にまちたいと思います。 それと、今までの不祥事についての業務の再点検でありますが、各方面からのいろいろな御意見を伺いまして、同時に厚生省内に調査委員会を設置して、補助金の交付対象施設の選定手続やあるいは建設工事契約にかかわる手続、さらに社会福祉法人の運営の適正化等、これについての調査が終わりまして再発防止のための改善策がようやくまとまりました。きょう午後には決定し公表できる段階になったことを御報告申し上げます。
○木庭健太郎君 以上で終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————・—————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、川橋幸子君の質疑を行います。川橋幸子君。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。 質問に入ります前に、民主党の今補正予算に対する態度というのはもう既に皆様御存じでいらっしゃるとおりでございますけれども、私も個人といたしまして、今補正予算には緊急必要なものという財政法の趣旨にのっとったかどうかという点で疑問が持たれますこと、あるいは依然公債に依存するような予算編成であって、橋本総理がおっしゃるような行政改革、財政改革を基本とする内閣の姿勢としてはいかがなものかと思うこと、あるいは住都公団の利子補給金等々、公共事業を含めまして、やはりもう少しアカウンタビリティーの発揮されます予算編成であってほしいという、そういう気持ちから反対であることを申し上げさせていただきまして、質問に移らせていただきたいと思います。 これはある新聞でございますけれども、去年の十一月十三日、選挙が行われまして、大変投票率が低下したということが憂慮される中での新聞記事でございます。 ある女性の方が小さいお子さんを連れまして投票に行きましたら、公選法上は禁止されているからということでお子さんはそこに置いておけという、そんなことがあったようでございます。投票に行かれました母親といいましょうか女性の方は、それではもう投票しないで帰るわ、せっかく投票所に来たのにという、そういう気持ちが非常に、ちょっと言葉が大げさかもわかりませんけれども、理解されない、踏みにじられたというようなことから、後で新聞に投書なさったようでございます。 幾つか投書がありまして、それをめぐりまして十一月十三日の読売で、公選法では禁止のようだけれどもこれはどういうものかという、こんな特集記事がありました。 事前にお伝えしてありますけれども、自治大臣いかがでございましょうか、どのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) お答えいたします。 公職選挙法五十八条で、「投票所に出入し得る者」について、「選挙人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者及び当該警察官でなければ、投票所に入ることができない。」という規定は、第三者が投票所に出入りすることにより選挙人の投票に心理的な圧力が加えられるおそれがあることや、投票の秘密の保持、投票所の秩序の維持等の観点から設けられておるものと承知しております。このような趣旨に沿って解釈すれば、今言ったような問題は適正に処理されると思うのでございます。 問題は、実際の現場の人たちの判断が適切であればこういう問題は起きなかったと思います。徹底させていきたいと思います。
○川橋幸子君 お戻りになるところを重ねて恐縮でございますが、そうすると、その趣旨が投票所ではなかなか守られていないというふうに大臣はごらんになるのでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) 先生も昔、昔というかそう遠くない前まで役人であったようでございますが、日本の官僚というのはまじめ過ぎるというんでしょうかそういうところがとかくあるものでございます。そういうところをきちんと直していって、法の本当の趣旨は何かということを中央並びに地方とも徹底すればいい話だと思っております。適切に指導してまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 それでは、次は二年目を迎えました阪神・淡路震災の支援対策についてお伺いしたいと思います。 二年を経たわけでございますけれども、生活再建が非常に困難な人々が多く滞留されているという認識ではないかと思いますけれども、どのような人々がどのような困難にめぐり会って生活再建についてのサポートを求めていると思われますか、その現状認識についてまずお尋ねさせていただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) 阪神・淡路の復旧から復興につきましては、一つは、大変な災害を受けた被災者の方々のまずは生活再建をどうするかという問題点、それからもう一つは雇用をどう確保していくか、そういう観点から、地元の自治体や住民の方々との連絡をとりながら国としても対応してきたところでございます。 今、委員御指摘をいただきました、現在どういう方々が最も困難な状況の中にいるかという御指摘でございますが、これは、昨年兵庫県が行いました仮設住宅に入居している方々の実態調査というものを私ども手元にいただいております。それによりますと、年間の所得が百万以下という方々が約三割と伺っております。それから、高齢者で年金生活を送っている方々も全体の約三〇%、そのほか生活保護を受けておられる方々あるいは重度の身体障害者の方々、そういう方々が最もこの仮設住宅の中で支えていかなければならない方々だという実態調査を伺っております。 そこで、私どもは、生活再建ということは大変大事なことでございますので、地元の自治体との連絡をとりながら、ちょうど昨年の十二月でありますけれども、与党三党のプロジェクトチームの御協力をいただきながら、月額一万五千から二万五千を生活支援のために私どもも国の立場で、地方財政措置という形ではありますけれども御協力をさせていただく。今後、被災者の方々にとっては、そのほか医療の問題あるいは地域のコミュニケーションの問題等々、いろいろきめ細かい問題があろうかと思います。そうした対応についてもよく地元と連絡をとりながら国としても支援をしてまいりたいと思っております。
○委員長(大河原太一郎君) 川橋幸子君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、川橋幸子君の質疑を行います。川橋幸子君。
○川橋幸子君 では、午前中に引き続きまして、阪神・淡路震災の被災者への支援対策についてお伺いさせていただきます。 午前中のところは、与党三党の中で協議されました生活再建のための支援策が御紹介されたわけでございますが、もう少しその中身を詳しく具体的に、事務方で結構ですので、御紹介いただけますでしょうか。
○政府委員(生田長人君) お答えいたします。 昨年の十二月に与党調整会議の方から御提案をいただいておりまして、その中身につきましては、阪神・淡路の震災によりまして被災を受けました六十五歳以上の高齢者が所属する世帯、それから六十五歳未満の者でありましても、要援護世帯でございますが、こういう方々を対象といたしまして、これらの方々が恒久住宅へ移転した場合に、非課税である場合に限りまして月額一万五千円から二万円の金銭を五年間にわたって支給しようとすると、こういうものでございます。
○川橋幸子君 確認ですけれども、仮設住宅に居続ける方への支援ではなくて、恒久住宅に移転した場合ということになるわけですか。
○政府委員(生田長人君) 仮設住宅からということは書かれておりませんが、基本的に、恒久住宅の方へ移転された方がこれを契機に生活を自立再建していただく、そのために必要な費用ということで支給をするということになっております。
○川橋幸子君 公営住宅に入っている方々には家賃補助等々あり、逆に仮設住宅にいらっしゃる方には生活の自立のための元手となるようなそういう資金が欲しいという声があるわけでございますけれども、そういう支援には今回はならないということでしょうか。
○政府委員(生田長人君) 仮設住宅にお入りになっていらっしゃいまして生活を復興したいという方々に対しましては、現在阪神・淡路復興基金から生活復興の資金の貸付金が出ておりますが、これを百万円から三百万円に引き上げるという措置をあわせて決定してございます。これは六年間にわたり無利子でございます。
○川橋幸子君 貸し付けといいましても、利子等は免除されたり、あるいは返済期間に猶予があったり、多分生活支援と同じような効果を持つのかなと期待させていただくところです。 さて、災害が起こりましたときにアメリカのFEMAの存在というのが非常に大きくクローズアップされました。むしろ情報危機管理という面で有名になったというような感じがいたしますけれども、実はこのFEMAはさまざまな生活支援のプログラムを持っているわけでございます。それを御説明いただきまして、今回の日本の対策と比べてどうかということをお尋ねさせていただきます。
○政府委員(福田秀文君) 事務的にFEMAの財政援助の概略を御紹介いたします。 住宅が滅失したというふうな場合に、まずは一時居住のための家賃補助あるいは修理費補助、こういうものが一つの道としてございます。それから住宅建設についての融資、こういう措置がござ います。 さらに、そういう融資を受けられないような場合には、援助金として一定の額を州を通じて交付するというような制度になっております。
○川橋幸子君 今の質問は、今回の支援策はそれに比べてどうかという意味も含めていたのですが、これは大臣にお尋ねしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(伊藤公介君) アメリカのFEMAの場合には、今お話がありましたように、ノースリッジの地震のときに大統領が決断をしてさまざまな支援策をとったわけでありますが、私たちも今度の阪神・淡路の問題については、既に委員御案内のとおりでありましょうけれども、四回の補正予算、そして七年、八年、九年度の当初予算を含めまして既に決まっておりますのが三兆七千億をちょっと超えております。最終的には九年度まで入れますと約四兆円の予算の中で、まずは住宅を提供する、そしてその住宅は所得の低い方々には極めて大幅に家賃を引き下げる。 そしてまた、先ほどもお話がありましたように、特定のといいますか、六十五歳以上とかあるいは要援護者とかいう条件はございますけれども、そうした方々のいわゆる立ち上がりの支援として月額一万五千円から二万五千円などを支給する。そうしたことを、これは地方財政措置という形にはなりますけれども、国も地方自治体と協力をして、日本の場合には特に住宅については、この阪神・淡路については仮設住宅から公的住宅七万七千戸へというさまざまな施策を展開しているところでありまして、これから恒久住宅に移っていく間にもっとソフトの分野でいろいろな皆さんの切実な要求もあろうかと思っておりますが、これらのこともしっかり地元と連絡をとりながら対応してまいりたいと思っております。 したがって、アメリカのFEMAによりますさまざまな支援策よりは、ある意味では日本の方がはるかに阪神・淡路については、先ほど申し上げたような点からいうときめ細かく支援策をとってきたというふうに思います。 ただ、問題は、これからこういうような災害が起きたときに常にこういう問題は起きてくるわけでありまして、今後の問題としてどうするかということは、実は全国の知事会でもいろいろな御意見が出ているところでございまして、私もそれらの関係機関とは十分連絡をとって今後の対応はしてまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 ある意味では日本の方がFEMAよりも先にいっているというふうに胸を張ってお答えいただいたわけでございますけれども、しかし現実に災害難民なんという言葉がありますように、自力で立ち上がれない方が非常に滞留している。 そういう状況を見るに見かねてといいましょうか、ボランティア活動をやっていらっしゃる方、あるいは市民運動をやっていらっしゃる方々が生活再建援助法案というものを市民立法して衆参の議員の、私が持っておりますこの新聞記事によりますと七十七人の賛同者を得て、市民立法を提案する形式的な要件は整ったというような、こういう記事があるわけでございます。大変有名な小田実さんが代表をしていらっしゃるわけでございますが、こうした市民運動の中で要望されておりますような公的支援法につきましては、今回どのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(伊藤公介君) 公的支援法案につきましては、さまざまな団体また政党からいろいろな提案をされたり、またその準備があることは私自身もよく承知をしております。 これは国会において、議員立法でありますから、立法府としてさまざまな議員立法をすることはあり得ることでございまして、それに対して私どもがいろいろなコメントをするということは差し控えさせていただきたいと思いますが、それらのいろんな提案については私自身も今勉強をさせていただいているところでございます。
○川橋幸子君 立法は立法府がするところでございますけれども、こうした市民運動から出てまいります立法の提案というのは、むしろ政府の方の提案を引き出すといいましょうか、対策を十分にやってほしいという、その声を上げるための一つの手段であるのではないか、このように思います。 特にこの立法に当たりましては、FEMAの例、生活支援立ち上がりとして、FEMAとそれから州の災害救助の機関でしょうか、足しますと二万二千五百ドルぐらいの一時金というものが、これは今から言っても遅きに、私どもも対応できなかったわけでございますけれども、アメリカの例でいいますと被災後六十日間ぐらいで支給されると、こんな法案なわけでございます。 こういう個人支援についてどのように考えられますか、お伺いさせていただきます。
○国務大臣(伊藤公介君) FEMAによりますいわゆるノースリッジのアメリカ連邦政府の対応については、私自身が可能な限りの資料を集めていろいろな勉強はさせていただいてまいりました。 しかし、その内容を見ますと、住宅提供、仮設住宅から公的な住宅、そうしたことについてははるかに日本の方が私は手厚くやっているように思います。また、それぞれの被災者に対する支援につきましても、アメリカのノースリッジの場合も非常に限られた人たちでありまして、正確ではありませんが、平均額からいえば、先ほど申し上げた日本の場合は要援護者、六十五歳といろんな条件はありますけれども、その方々に対して、月額平均二万といたしますと、これは五年間で百二十万ということになるわけですから、その額においてもアメリカ連邦政府がいわゆる支援をした額よりは私は多いのではないかというふうに思っております。それはさまざまな、所得によるとか生活レベルによっていろいろありますけれども、平均をした、いろいろな私自身が得ております情報の中では、私は日本の今度の対応はアメリカのノースリッジの対応よりははるかに、いろんな点を考えてもそれなりの施策を自治体と国でやってきているのではないかなと。 しかし、被災者のことですから、これが十分だとかすべてだとか言うことはでき得ないわけでありまして、今後も十分地元の皆さんの声には国としても対応してまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 私ども民主党の中では、昨年の選挙のときから支援基金を設置するそういう議員立法をやりたいということを公約として掲げてきて、私どもも研究中なわけでございますが、一点、私はやっぱり、大臣各位あるいはお並びの議員の先生方にも訴えさせていただきたいと思いますのは、この生活支援というのが個人の財産の、私有財産の補償というところに、間違った、ある種の神学論争のようなところにとらわれたような感じがいたします。 改めて個人が立ち上がるための生活支援というものは、むしろそれは地域社会の一構成員であります。そういう市民に対する支援ということであって、財産の補償とは違う。でも、その違う意味での支援が必要なのだと私は思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(伊藤公介君) 私有財産制度のもとにおきましては、個人のそれぞれの財産は自助努力でやるというのが基本原則でございます、もう言うまでもないことでありますが。その上に立って、委員御指摘のいわゆる災害に遭ったときの立ち上がりの生活支援、それは今まで、先ほどから申し上げてまいりましたように、住宅の問題あるいは家賃の大幅な引き下げの問題、そして特定の要件の方々に対して月額一万五千円から二万五千円を支給する、それは実質的には公的な支援をしてきているわけでございます。それを個人補償と呼ぶのかあるいは生活再建の支援と言うのか、それはともかくとして、支援をしてきているわけでございます。 ただ、今各政党、各団体、いろんな市民団体などで御指摘をいただいたり運動をされておりますのは、実は私も近いうち全国の知事会の代表者あるいは兵庫県や静岡県知事さんなどこの問題に非常に強い関心を持っておられます知事さんとお会いをすることになっております。いわゆる積立基金のような制度でそれをどういう形で支援するかということは今後の検討でありますけれども、そういうような制度ができるのかどうなのか、知事会からもそういう御意見も出ているところでありますから、それらの機関とはよく連絡をとってまいりたいと思っております。現実には生活を支援しているわけでありますので、御理解をいただきたいと思います。
○川橋幸子君 今のようなやりとりを伺って、最後にこの問題につきまして総理からお答えをいただきたいと思うわけでございます。 私が申し上げたいのは、日本の場合は住宅をつくってあげる、あるいは何かをしてあげるというのでしょうか、何か物といいますかやると。しかも、住宅の数はこれで仮設住宅が何世帯分できるから充足するはずだというようなことで、あるいは金額にしてもこれは足し上げればむしろアメリカよりもまさっているはずだとか、何となく量でという感じが強うございまして、むしろアメリカがとった政策というのは、災害難民を滞留させない、その方が地域社会の立ち上がりにも効果的になる、個人が選択して自立てきる、そういう支援が必要なのだというところに力点があるような気がいたしまして、それは日本でも適用可能な部分があるのではないかと思います。 震災で亡くなられた不幸な方々の魂に報いるためにも、今後の支援プログラムというんでしょうか、高い学習料を払って、それから貴重な命を失ってのこの結果を踏まえて、これから日本としての人間の命の危機管理というものに対してどのように当たっていっていただけるか、所信をお伺いさせていただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、人間の命に対する危機管理という言葉を議員は選ばれたわけでありますが、人間の命の危機管理といいました場合、例えば今ペルーの日本大使公邸に人質となっておられる方々の生命、安全というものも含まれるのだろうか、一瞬今ちょっと私そんな感じを持ちました。恐らく議員が言われようとしているのは、災害による人の命あるいは人の生活、そうしたものを意味しておられると思います。 この御論議を聞くたびに私は、実は私が初めて当選をいたしました直後に新潟地震が起きまして、その時点からいわゆる地震保険が生まれますまでの議論というものをどうしても想起いたします。その時点におきましても実は私有財産というのが大きな論議の種でありまして、そしてそれに対する保険制度ということからいわゆる現在の地震保険の形態が生まれてきた、そのように記憶をいたしております。 先ほど来触れておられました議員立法というものにつきましては、むしろこれは国会に提出されましたなら国会において御審議がなされるものでありますから、それに関連する動きというものに私が言葉を挟むというのは適切ではないと思います。 一般的に自然災害、そしてその結果として個人が被害を受けた場合、我が国では自助努力による回復というものを原則としてまいりました。そして、それに対して災害救助法による救助あるいは各種の融資措置など現行の制度を活用することによって、政府はできるだけ幅広く、またきめ細かい対応をとりながら被災者の生活再建というものを支援するという姿勢を今日までもとってまいりました。 今回、阪神・淡路の大震災につきましては、特別の立法等を含めまして生活再建への支援措置というものを従来に比べて広げております。また、個人補償という形ではございませんけれども、各般の行政施策を補完する阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置、あるいは住宅金融公庫の特別な融資制度の創設、さまざまな形での支援措置を講じてまいりました。 これから先も、先ほど国土庁長官が御答弁を申し上げましたように、今後こうした面についてどのような工夫をしていくかということは真剣に我々も検討していかなければならないことだと、そのように思っております。
○川橋幸子君 今後に向けましての御努力をお願いしまして、次に元慰安婦の方の問題に入らせていただきます。 アジア女性基金の関係者の方々は大変御苦労しておられます。基金の関係者御自身も非常に年配の方も多くおられます。理事長の原前参議院議長が年配だというわけではないのでございますけれども。この問題について大変心を痛めている人たちが集まりまして、そして政府と一緒になりましてアジア女性基金、これをうまく運用したいということで始まっているわけでございますけれども、今回韓国の方々への事業の開始をめぐりましてとても大きな問題にぶち当たっているような、そういう報道が多く流れております。 私自身も大変残念な状態になっていると思っておりますが、これをどのように打開していけるのか、あるいはいこうとしていらっしゃるのか、お伺いします。
○国務大臣(池田行彦君) アジア女性基金は、委員御指摘のとおり、募金に応じられた大勢の国民の皆様方の真摯なお気持ちのあらわれでございます。そういった我が国の国民のお気持ちと政府との協力のもとの事業として行っているものでございまして、これまでにフィリピンで事業を実施してまいりました。また、インドネシアにおきましても事業の開始につきまして合意がなされております。韓国につきましては、何人かの方からこの事業の趣旨を御理解賜り、事業を受け入れたいと、こういう意思の表明がございました。そしてまた、そういった方々が大変御高齢でもあるということもございまして、基金とされましてはそのお気持ちに一刻も早くおこたえすることが適当であろう、こういうことでその事業の実施に踏み切られたと、このように理解しております。 しかるところ、韓国におきましては、基金の事業の趣旨、目的、あるいは我々の意図するところが必ずしも十分に御理解賜れておりませんで反発が生じたと、こんなことがございました。私どもといたしましては、この基金の大切な事業、その中に込められた我が国の国民のお気持ちというものを何とか韓国の政府にも、また韓国の国民の方々にも広く御理解賜りまして、事業が円滑に進むようにこれからも全力を尽くしてまいりたいと、こう思っております。 そして、具体的には、今月の十五日に外相会談を行いましたときに、先方からこれからの事業の実施について外交当局間で話し合おうじゃないかというお話がございましたので、私も、事業そのものは政府とは別の主体である基金のなさることではあるけれども、しかし韓国の方々の御理解を得て事業が進むということは大切でございますので、外交当局間の話はしようということで合意いたしました。そして、先般、別府で首脳会談が行われました際、私は別途外相ともお話をしました。その中でも、重ねてこの基金事業の趣旨を御説明し、御理解を求める努力を傾注したところでございます。 まだまだ十分その目的を達してはおりませんけれども、御理解は十分ちょうだいしておりませんけれども、これからも粘り強く御理解を求める努力をし、本当にこの基金の事業がみんなの理解を得た形で進んでいくような環境を整えてまいりたいと、こう考えている次第でございます。
○川橋幸子君 韓国の日本に対する不信感がなかなかぬぐい切れないから、あるいは疑心暗鬼が起こるからということでございます。日本、韓国、近くて遠い国といいましょうか、過去の問題もございましてなかなかハッピーな方向に行かないわけでございますが、昨日、この予算委員会でも慰安婦の教科書問題について御議論がございました。 この教科書問題につきまして、これは一月二十四日の新聞の記事でございますけれども、教科書から慰安婦問題の削除を求める動きにつきまして非常に女性基金の側はむしろ苦悩している、苦慮しているというような、そういうお話が記事になっているわけでございますが、このあたり、対日不信をぬぐう、またこの事業が再開されるというタイミングに当たってのこうした動きにつきましては政府はどのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど御答弁申し上げましたけれども、私どもはこの基金の目的とするところをよく御理解いただいて、そのための努力をしようと思っております。そして、その根底にございますのは、我が国が過去の一時期におきまして侵略あるいは植民地支配ということを通じまして、とりわけアジアの諸国の方々に多大の損害を、また御苦痛をお与えした、このことを深く反省し、そして過去を直視しながら将来に向かって対処していく、そういった基本姿勢に立ってこの問題も進めてまいりたい、このように考えているような次第でございます。 教科書問題につきましては、私の所管するところではございませんけれども、基本的な認識として、ただいま申しましたような姿勢の上に立って物事を進めていくならば、いっか韓国を初め関係の諸国あるいは関係の方々の御理解も得られるものと、またそれに向かって努力を重ねてまいりたいと思います。
○川橋幸子君 通告してなくて恐縮でございます。文部大臣にもお答えいただけるとありがたいのですけれども、文部大臣の所管事項とは違うとおっしゃるかもわかりませんが、こうした問題、過去もそうですし今もそうでございます。教科書問題にとどまらず非常に大きな外交問題になるわけでございますが、何か御意見ありましたら伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) この問題についての文部省の対応はきのう答弁したとおりでありまして、これはまさにアジア女性基金の側の問題だろうというように考えております。
○川橋幸子君 教科書問題についてお伺いしたのですけれども、教科書問題。
○国務大臣(小杉隆君) 教科書の検定は、それぞれの分野の専門家が執筆をされ発行されたものを、検定審議会で審査したものを教科書として取り上げているわけで、その結論は尊重されるべきものと考えております。
○川橋幸子君 時間が短いので質問をかいつまみますが、戦後五十周年の時期に当たりまして、このアジア女性基金もそうですが、さまざまな戦後処理の問題が解決する予算が計上されました。アジア歴史資料センターもその一つでございますが、現在の進捗状況、これからのお取り組みについて伺わせていただきます。
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。 平成七年の六月に有識者会合からの御提言をいただいておりますので、現在それの趣旨を踏まえながら設立のための必要な調査検討を内閣の方で行っております。また、そのための経費も九年度予算で計上してございますので、この構想の具体化に向けまして鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。
○川橋幸子君 その構想も御紹介ください。 それでは、最後に総理に伺わせていただきます。 民主党の場合は、先ごろ鳩山由紀夫代表が団長となりまして韓国に行ってまいりました。さまざま韓国政府ともお話し合いしました上で、総理のところにもお話に上がらせていただきました。やはり、慰安婦になられた方々が受け取りやすい、喜んで受け取っていただいて日本国民の気持ちを感謝してもらえるような、そういう環境づくりが大事ではないかということを申し上げさせていただきました。 今の資料センターの取り組みもなかなか進んでいないようでございますけれども、そうした日本の戦後処理について、アジアの中でいい関係をつくっていくという関係から、最後にまとめて御答弁をいただければありがたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一言で申し上げるには余りに大きな課題であります。 まず私が申し上げたいこと、それぞれの国はそれぞれの国の固有の伝統と文化を持ち、その上にその国の歴史というものを持っております。そして、その歴史というのはまさに事実の積み重ねであり、それを変えることはできません。その上で、我々は、自分の国というものに誇りを持ち、自分のふるさとを愛するような次代の担い手たちを育てていく責任がございます。 そうした中において、議員から今さまざまな角度からの問題の提起がございました。私は、その歴史というものを踏まえながらどうすれば未来に向けて進めるかを考えたい、そう言い続けております。 先日、金泳三大統領と別府で日韓首脳会談をいたしましたときにも、竹島の問題を初めお互いの間には見解を異にする問題が幾つも存在をいたしました。そして、お互いにそうした点についてお互いの意見の差のあることを認めた上で、金大統領と私は、どうやってそうした違いがあることを知った上で未来についての関係を築いていけるだろう、そういう視点からの議論をさせていただきました。 そして、本年春をめどに大阪で日韓両国の青年たちの代表、その中には先生方もおられるでしょう、学生諸君もおられるでしょう。現役の労働者の代表もおられるかもしれません。また、NGOの代表もおります。両方が、恐らく大体五十人ぐらいになると思いますけれども、一堂に会し、議論をし、その中からその違いを乗り越えて韓国と日本の若い人々が手を組んで何ができるかを、そしてできるならば、第三国に対してどのような貢献が共同してできるかを模索してもらおう、その中から生まれてくるものはお互いに大切にバックアップしていこう、そんなことも申し合わせてまいりました。 私は、それぞれの国、みずからの国の歴史を踏まえ、その上で乗り越えていくべき課題にはむしろあすをにらんで共同で取り組んでいく、そのような関係をつくることが非常に大切なことだと思っております。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で川橋幸子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 住宅・都市整備公団の問題について質問いたします。 亀井建設大臣は、住都公団の住宅部門からの原則撤退、今後は都市の再開発、市街地再開発に向けて都市整備部門を重点的に行う、こういうことを述べられました。 そこで、まず都市整備部門の重要な柱の一つであります特定都市再開発事業についてお聞きしたいと思います。 住都公団が特定再開発の看板としております西新宿六丁目にあります新宿アイランドというビルがあります。ここは、上田耕一郎さんと私の地元の事務所がすぐ近くにあって、私もよくそこに行くわけですけれども、好立地、高機能のインテリジェントビルという鳴り物入りでつくられた、そういうビルなんですね。地下四階、地上四十四階、屋上にはヘリポートがあるという、そういう大変な超近代的なビルなんですよ。 そのビルなんですけれども、売却予定の公団取得分のうちどれだけ売れたか、お尋ねいたします。
○政府委員(小川忠男君) 新宿アイランドタワーの分譲状況でございますが、公団が処分すべき床は全部で五万五千百平米でございますが、処分が終了いたしましたのはそのおおむね三〇%の一万五千九百平米でございます。
○緒方靖夫君 正確に言うと二八・八%。まあいいです、三〇%ですね、大体。それで、高いものをつくって七割売れ残っているわけでしょう。高家賃、高価格の公団住宅の空き家、それどころじゃないですね。これは総事業費は幾らかかりましたか。
○政府委員(小川忠男君) 総事業費は二千五十億円でございます。
○緒方靖夫君 この事業は、再開発ビルの公団取得分、つまり保留床、これを売って事業費を出すというわけでしょう。七割以上売れ残ったら赤字は幾らになりますか。
○政府委員(小川忠男君) 現段階では、残っている部分は暫定的に賃貸といいますかお貸ししておりますので、金利が雪だるま式にふえるということはございませんが、新宿アイランドタワーだけでの資料は手持ちはございませんが、もう一つ中野坂上と合わせまして単年度では十二億円強でございます、赤字として計上しておりますのは。
○緒方靖夫君 私は建設省からいただいた資料を計算してみましたけれども、結局賃貸に切りかえても建設費は回収できないでしょう。これは常識ですよね。 そうすると、おたくからいただいたものを見ると、保留床の面積、これと、これが分譲できたというのはわずかですから、結局これで計算すると千五百億円の赤字になるんですよね。違いますか。
○政府委員(小川忠男君) 若干、千五百億円というふうな数字については正確には私はただいま現時点ではよくわかりませんが、先ほどお答えいたしましたのは、金利が雪だるま式にふえることはございません。といいますのは、確かに元本の償還は難しいわけでございますが、金利分につきましては先ほども申し上げました賃貸借の収入で相当程度賄っているという状況を御説明したわけでございます。
○緒方靖夫君 新宿アイランドの場合で赤字が幾らかということを言ってください、中野坂上とまぜないで。
○政府委員(小川忠男君) まだ処分いたしておりませんので、ストックとしての赤字はございませんが、フローといたしましては西新宿では十二億円でございます。
○緒方靖夫君 おたくの例えば九五年度のこの損益事業財務表ですね、この中にはちゃんと新宿アイランドの分が入っている。それは確かに十三億円なんですよ、いろいろまぜてやれば。だけれども、この事業を一つとってみると、二千五十億円の総事業費に対して、つまり公団取得分が大幅に売れ残っておるわけでしょう。その分というのは結局全部赤字になるわけだから、幾ら賃貸してもそこでは取り戻せないんですよ。その額を言ってください。
○政府委員(小川忠男君) 償却漏れが十三億円というふうなことでございまして、若干賃貸をする状況の中で、市況の好転であるとかあるいは立地環境がもう少しよくなるというふうな段階では、その段階での時価で処分をする、その段階で最終的に赤字が出るのかあるいは出ないのかというふうなことは決算されるということであろうと思います。
○緒方靖夫君 数字のごまかしなんですよね。公団事業というのはもうけをしない。ですから、結局保留床がどれだけ売れるか、それで決まるわけでしょう。大幅に売れ残っておる、七割以上売れ残っておるわけだから、その分を損得として勘定するのは当然ですよね。そうすると、その計算でいくと千五百億円近い赤字になるんですよ。まあ、お認めにならないからその先に行きましょう。 そうしたら、結局今の話だと賃貸で埋め合わせをしているということでしょう。その賃貸の埋め合わせというのはどういうふうにしてやられていますか、どこに貸していますか。
○政府委員(小川忠男君) 賃貸住宅の契約の重立った相手はメーカーでございますとか保険業、サービス業等々、合計いたしましてこれらが一万三千四百平米でございます。残り五千平米前後が子会社といいますか関係会社と申しますか、系列の会社でございます。
○緒方靖夫君 そうですよね。入っているほとんどというのが、かなりの部分というのは住都公団の東京支社、関東支社など公団出資の法人ですよね。ですから、結局賃貸分のやっと六割をそれで埋めて、なお二千六百平米の保留床があいているわけですね。ですから、マスコミで何と言われているか御存じですか。あるいは、あの近所の人たちがあのビルのことを何と言っているか御存じですか。身内の入居で穴埋めしている、みんな笑っているんですよ。あるいは支社が本社に家賃を払っている、これもおかしな話じゃありませんか。つまり、タコが足を食っている状態ですよ。ですから、この問題について豊藏前住都公団総裁、彼は在任当時に何と言っているか。事業費を回収できない初めてのケース、再開発事業の進め方を再検討すると言っているんです、その必要があると。 そこでお尋ねしますけれども、現在の総裁お見えですか。——現総裁はこの問題についてどのように考えられているのか、このような再開発事業こそ私は見直す必要があると思うんだけれども、その点についてどのように考えられているか、お聞かせください。
○参考人(牧野徹君) 新宿アイランドのビルについてのお尋ねでございますが、私も就任して一年半程度になりますが、そこで虚心坦懐にあの事業を見ると、先ほど政府委員から答弁ありましたように、二千五十億で建てたビルでございますが、売れ行きがいまいち芳しくない、残りは賃貸に回しておると。その収支の状況は政府委員のお答えになったとおりですが、私としては今後の市場の好転なり市況の回復なりを待って、いずれにしてもできる限り処分をしていくという基本方針で進むと、そういうふうに考えております。
○緒方靖夫君 そういう意欲は結構ですけれども、見通しが甘かったということだと思いますね。あるいはまた、社会情勢あるいは経済情勢の変化、これに見合ってこの事態をとらえているのかどうか非常に私は疑問だと思うんですね。 こういう問題というのはアイランドタワーだけじゃない。先ほどちょっと話があったけれども、中野坂上にサンプライトツインというやっぱりすごいビルがあるんですよ。ここは昨年オープンしたんだけれども、ここはどのぐらい売れ残っていますか。
○政府委員(小川忠男君) 公団が持っております保留床二万四千九百平米のうち、処分が終了いたしましたのは約一八%の四千六百平米でございます。
○緒方靖夫君 もっと悲惨でしょう、これ。新宿アイランドも大変だけれども、中野坂上の方がもっと悲惨。ここは赤字は幾らですか。
○政府委員(小川忠男君) 年間で約六億前後の見込みでございます。
○緒方靖夫君 これも数字のごまかしをしている。総事業費は、あなた方から聞いた数字だから私が言っちゃvます 五百七十億円ですよ。そして同じ計算をする。一八%しか売れていないんだから、これを単純計算していくと四百五十億円の未回収、赤字ということになるんですよ。だから、八割以上は売れ残っている。 しかも、この二つの事業には地方自治体からの補助金が出ていますね。幾ら出ていますか。
○政府委員(小川忠男君) それぞれ五十億円、七十億円でございます。
○緒方靖夫君 つまり、合わせて百二十億円出ているわけですよね。ですから、こういう形で自治体の金もつぎ込んでいる、しかし大幅に売れ残っている、これが今の現状です。再開発の現状だと私は思いますよ。 二つの例だけ挙げましたけれども、その二つの例というのは、住都公団がこういうパンフレットを出して大宣伝したわけですよ。「人にやさしいニューインテリジェント都市へ」と、こういうことでやってきた。そのなれの果てが今の状態、まさに悲惨な状態なんですね。 そして、こういう地域、例えば新宿でいいますと、そこには地権者の方々がおられた。どのぐらい住んでいたか御存じですか。
○政府委員(小川忠男君) 西新宿の場合には、地権者総数は二百六十六名でございました。
○緒方靖夫君 そのうちこの地域に残っているのは何戸ですか。
○政府委員(小川忠男君) 転出者百十六名を除いた約百五十名前後でございます。
○緒方靖夫君 戸数に直すと三十五戸なんですよ。ですから、半分以上はもう全部出ていかざるを得なかった。そこに長い間住み続けたいと願っている人たちも出ざるを得なかった。 そういう形で、都市整備の裏でやはり住民に対する犠牲、これが行われていたんですよ。だから、パンフレットにある「人にやさしい」、これが一体どういうことなのか、住民の方々は一体これは何だということで怒りの声を上げているわけです。 私はこうした事実をわずか二つしか挙げませんけれども、これは住都公団が看板にしてきた二つの大事業、この二つとも大失敗、そういう事態になっているわけだから、今度の住都公団の問題で、都市再開発部分を残し住宅部門から撤退する、これではまさに私たち逆さまだと思うんですね。肝心なところにメスを入れていない、こういうむだ遣いというか、こういうずさんなところにメスを入れない、これが一体どうなのかということ、私はこのことは非常に問題だと思うんですね。 それで、なぜこういうことになるのか、やっぱりこのことが私は非常に問題だと思うんですね。 そこでお聞きしたいんだけれども、公団の事業、平成七年の事業年度財務諸表、これを見ますと、九五年度、つまり九五年の損益を見ますと住宅勘定はほぼ収支均衡がとれているんですね。しかし、この二つの事業をやった特定再開発事業、これは十三億円の赤字。あなたが言った十三億円というのはそういう意味では正しいんですよ、ここに出ている数字という意味でね、そこにごまかしがあったわけだけれども。 ほとんどはアイランドタワーの分。先ほどちょっと数字を言われたけれども、正確に言うと、今度の中野坂上の分はまだ入っていないんですよ、決算がまだだから。だから、中野坂上の分が加わるともっと赤字がふえる、そういう仕掛けになっているわけですね。まさに公団財政に負担をかけているのは、そういった意味では特定再開発の事業等のこういう分野じゃありませんか。
○政府委員(小川忠男君) 平成七年度の収益、費用の全体状況でございますが、収益の全体は一兆九千四十二億円でございます。また、費用につきましては一兆九千五十四億円でございます。確かに、それだけの全体の事業の中で十二億円の赤字を計上した、損失を計上したというのは事実でございます。
○緒方靖夫君 ちゃんとそういうふうに認められた。確かに損益ではそうなっているわけですよね。 それで、私は思うんだけれども、住宅部門、ここでは内部留保、つまり引当金とか準備金、これを二百四十億円も積み増ししているんですよ。つまり、住宅部門では実質二百四十億円の利益を上げている。逆に、特定再開発では引当金を十三億円取りましているんですね。だから、単年度で見ると、さっきの十三億円とこの十三億円、合わせて二十六億円の赤字になる。そういう特定再開発がまだ仕掛かり中のもの、いろいろあるでしょう、みなとみらい21とか大宮とか立川とか例を挙げれば切りがなくあるけれども、全部で十六事業。そして面積でいうと五百九十一ヘクタールもある。この中で認可済みの事業が七事業あるんだけれども、その総事業費は幾らになりますか。
○政府委員(木下博夫君) 数字の点ですから私からお答えいたしますが、七千七百億円でございます。
○緒方靖夫君 すごい数でしょう、七千七百億円。これをこれから十六あるうちの認可済みの七つの事業につぎ込む、こういうことをやろうとしているわけですね。 それで、こういうことを続けていく、これはやっぱり私は非常に大きな問題だと思いますね、はっきり言って。こういうことを、二つのビルが大失敗している。みんな大失敗と言っているし、マスコミも皆書いている。そういう中でさらにこの事業を続けていくんですか、大臣。
○国務大臣(亀井静香君) 委員が先ほど来御指摘のように、住都公団の展開しております事業の中には、社会経済状況の変化の中で現時点においてはうまくいっていない部分があることは事実でございます。もちろん、住都公団といえども経済に関する先見性を含めて事業展開をしなければならないことは当然のことでありますから、経済状況が変わったからといってエクスキューズするつもりはございません。 今後、本当にそうした業務を先を見通しながら展開していく必要があると思いますが、今おっしゃいました個々の事業の中身まで私はまだ個々に承知をいたしておりませんけれども、今後の展開については、厳しく中身について検討をさせ、私自身もそれについて十分検討して推進をしてまいりたい、このように考えております。 先ほど来委員のいろいろな御指摘を聞いておりまして、住都公団の今抱えていろいろんな問題、これは私は、何も分譲住宅部門あるいは賃貸部門だけが問題だということを言っておるわけじゃございませんで、全体についてのきっちりとした見直しをして、これは特殊法人でありますから、民間のディベロッパーでもありませんから、要は国民のために国家のためにやるべき仕事をやっていくということであろうと思いますから、そういう原点に立ち戻って抜本的な改革をやっていくつもりであります。
○緒方靖夫君 亀井さんは建設大臣なわけですから、よく勉強していただいて、その点をしっかりこれからも研究してやっていただきたいと思うんですね。 それで、こういう部門だけじゃなくて住宅部門もエクスキューズされちゃ困るんだけれども、その問題はちょっと後でやります。 それで、なぜこういうことになるかという理由、それは何といっても私は、一つは大手ゼネコンの関係があると思いますね。私は直接伺いましたけれども、建設業界のトップの方がこう言っている。公団には体制、ノウハウがある、しかも官の御旗がある、反対するうるさい住民に対しても黄門様の印籠となる、国策としてできる、これが最大のメリットだ、住都公団を先頭に地ならしして民間ディベロッパーが後に続く、これが業界トップの言っている言葉ですよ。つまり、黄門様のこの印籠が見えぬか、これでやろうというわけでしょう。 これは日経新聞にもちゃんと書いてある、こういうことが。森ビルの社長、大規模再開発やインフラ整備など公団でしかできないことがたくさんある、期待すると。あるいは東急不動産の専務も、積極展開はありがたい、ぜひやってくれ、そういう応援をしていると。やはり私はここに事の本質があると思うんですね。 そこで伺いたいんですけれども、総合研究開発機構のNIRA、また行革審、ここで住都公団について何と言っていますか。
○政府委員(小川忠男君) 多方面にわたる議論が行革審の場でも行われてまいりました。したがって、幾つもの切り口がございますので一概には申し上げにくいのでございますが、時系列的に見ますと、一番大きなテーマは住都公団が業務を展開する地域、全国なのか四大都市圏なのかと、その辺のところのありようをめぐっての指摘、議論が一番多かったやに記憶いたしております。
○緒方靖夫君 まだるっこしいからこちらから言いますと、住都公団について一番のポイントというのは、NIRAの場合には、大都市の最優良地に団地などの形で持っている土地をオフィスビルに転用していく、あるいは行革審でも、既存賃貸住宅のうち都心部に立地するもので都市整備の観点から住宅以外の用途への高度利用が適切になせるものについては民間活力を導入する。私ここにやはり再開発部門の重点にしていくという財界とぴったりするねらいがあると思うんですね。この点、私がそうだろうと言っても認められないでしょうから、そのことを指摘しておきたいと思うんです。 次に、何といってもこういういろんなでたらめなことがある。そういうことがある中で居住者の権利を守るということが非常に大事だと思うんですけれども、総裁いかがですか、この点。——いいですよ大臣でも、どちらでもどうぞ。
○国務大臣(亀井静香君) 私と総裁は現在意見が一致しておりますから、私が答えます。 居住者につきましては、今後の住都公団の方針変更の中におきましてもきっちりと御生活が守れるような配慮をしてまいります。例えば、居住者の方々にとって補修の問題だとかいろいろ生活環境の問題もございます。これのレベルが落ちることのないようなことを配慮する中での改革をやってまいります。
○緒方靖夫君 この居住者ですけれども、例えば全国公団自治協、ここはやはり大変心配している。居住者の高齢化が進んでいる、そのもとで民営化になるならば家賃を大幅に値上げするんじゃないか、このことを非常に心配しているんですね。ですから、そういう点についてきちっと心配かけない、そのことを約束していただきたい。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、住都公団の関係する住宅に入居の方、どちらかといいますと低所得者あるいは中間の方が多うございますから、できるだけ家賃を上げない、下げていきたいということで努力しておることは御承知のとおりでございます。このたびの補正予算におきまして補給金をお願いしておるのも家賃を下げたためであります。どうぞ共産党はこれに賛成をしていただきたいと思います。
○緒方靖夫君 総理にお伺いしたいんですけれども、大臣が今言われたように、居住者というのは大体三分の一が大変高齢者、そしてまた所得が低いと、そういう中で居住の安定を図る、これはやはり政治の責任だと思いますけれども、総理から一言。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 特殊法人の改革というものが行政改革にとりまして大変大きなテーマであるということは当然でありますし、その中で、今御論議をいただいております住都公団につきましても、建設大臣から御答弁を申し上げておりますように、既に積極的な検討を今進めてもらっております。 公団の賃貸住宅に現在住んでおられる方々、これからの公団の改革の検討の中でどのように賃貸住宅の管理を行うか、こうした点からの検討をすることになりますけれども、その居住の安定というものについて十分配慮をしていく必要があるということは、私もそのとおりだと思います。
○緒方靖夫君 総理に重ねてもう一言お伺いしたいんですけれども、国が公共住宅から撤退すべきではないと私は思うんですね。国の責任で、公共性を持つ住宅というのはいろんな形で、その形はどういう形であれ、持っていくということがやはり政治の責任だと思うんですが、その点一言お伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私、必ずしもすべて公共住宅に国が責任を持つということではないと思うんです。ケース・バイ・ケースという言葉がありますけれども、まさにその言葉が一番実態をよくあらわすんじゃないでしょうか。私は、民間が提供する、あるいは地方公共団体が提供する、さまざまな姿のものがあってよいように思います。
○緒方靖夫君 次に移りたいんですけれども、住宅公団の問題で一番大きな問題というのはやはり何といっても天下り、そしてまた公団の官僚支配あるいは建設省支配、そういうふうに居住者が受け取っているほど大きな問題があると思うんですね。 住都公団の常勤役員中、国家公務員の出身者は何人いますか。
○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。 お尋ねでございますけれども、住宅・都市整備公団の役員数は十五人でございますけれども、このうち国家公務員として在籍したことのある者は十二名でございます。
○緒方靖夫君 建設省所管の五つの特殊法人の状況はどうなっていますか。五つ全部挙げてください。
○政府委員(小野邦久君) 建設省所管の公団は全部で五公団でございますが、五公団のお尋ねでございますけれども、全役員四十八人のうち国家公務員として在籍したことのある者は三十六名でございます。
○緒方靖夫君 その中で本四公団などは全員国家公務員出身者なんですね。私、ここに非常に大きな問題を感じるんです。 その中で、一つは退職金の問題、このことをお尋ねしたいんですけれども、特別職公務員である大臣、二年間務めたら幾ら退職金もらえますか。
○政府委員(菊池光興君) 大臣につきましても国家公務員退職手当法が適用になりますので、私の方からお答えさせていただきます。 二年在職をされますと、国家公務員の退職手当、退職時に受けている俸給とそれから在職期間に応ずる支給率で決まりますが、仮に二年といたしますと一・ニカ月分ということでございます。現在、国務大臣の俸給月額が百六十五万円になっておりますので、退職手当額はそれに一・二を掛けた百九十八万円余りと、こういうことでございます。
○緒方靖夫君 特殊法人の総裁を二年務めたらどうなりますか。
○政府委員(小野邦久君) 公団の役員の退職の関係でございますけれども、計算式は退職時の本給月額に百分の三十六を掛けて、それに在職月数を掛けると、こういう計算方式になっております。仮に総裁が四年間……(「二年だよ」と呼ぶ者あり)二年間でございますと、恐らくは千万ちょっと、千二、三百万ぐらいじゃないか、こういうふうに思います。
○緒方靖夫君 今の方式で、特殊法人の総裁は二千六百四十四万。それで、二年間務めることは確かにないですよね、亀井さん。だけれども、牧野さんと一緒に仕事をして、あなたは百九十八万円、総裁は二千六百四十四万。国会議員には退職金がない。感想ありますか、大臣。
○政府委員(小野邦久君) 大臣にお許しをいただきましてお答えをさせていただきます。 二千六百四十四万円と先生お話しになりましたけれども、これは四年間在職をした場合ではないかというふうに思うわけでございます。二年間というふうにお尋ねがございましたので千二、三百万程度ではないかと、正確な計算はいたしておりませんけれども、そういうふうにお答えをしたところでございます。
○国務大臣(亀井静香君) 今、私知りましたけれども、一年以内だったらその半分ぐらいかもしれませんが、百万程度の退職金をいただくにはもっともっと仕事をしなければならぬなという感がいたします。 公団の総裁も、先ほど来御指摘がございますように、社会経済情勢というのがどんどん変化していく中で、国民のニーズに合った、また国家目的に合った仕事をきっちりとやっていく、そうした総帥としての仕事をやることは私は大変な仕事だと思います。そういう意味では、そういう仕事をやり終えられた方がその程度の退職金を受けられるのがいいのかどうか、要はきっちりとした仕事をすることだと私は思います。
○緒方靖夫君 問題は、退職金を月数で計算する、これはやっぱり非常に問題なんです。そういう例というのはありますか、総務庁。
○政府委員(菊池光興君) お答え申し上げます。 突然のお尋ねでございますけれども、私ども所管いたしております国家公務員につきましては勤続年数で、これを基礎にして計算をいたしております。
○緒方靖夫君 だから、特殊法人だけなんですね、こんなことをやっているのは、月数で計算するというのは。やっぱりこれはおかしいと思います。こういうことは是正すべきじゃありませんか、いかがですか。
○国務大臣(亀井静香君) これは建設省所管の特殊法人だけの問題ではございませんが、このたびの橋本行革のまさにGHQの改革以来の大改革、その中でそういう問題も含めてトータルで私は検討していくべき問題だ、このように思います。また、これは公務員の定年制の問題等もございますし、そういうことでございますから、私のところだけが突出してそれをやるような私どもスタンドプレーをやるつもりはございません。
○緒方靖夫君 総務庁長官に伺いますけれども、 いかがですか、全体で。
○国務大臣(武藤嘉文君) 当然、特殊法人の見直しをやることになっておりますし、亀井大臣からも今話のありました公務員のあり方、定年制の問題あるいは勧奨退職の問題、天下り人事、いろいろございます。四月から発足いたします予定の公務員制度調査会でいろいろ議論をし、ぜひできるだけ早い機会にいい方向で結論を出していきたい、そう思っております。
○緒方靖夫君 住都公団の問題に典型的に見られるように、やっぱり問題は天下り、それによる癒着、そういった問題、それからまた退職金の問題、多々あるんですね、問題は。ですから私は、こういう問題を行政改革としてしっかり位置づけてやる、このことが本当の行政改革だと思います。 それから、先ほど言いましたけれども、やっぱり何といっても国民にちゃんと目を向けた改革、これこそ必須だということをはっきり述べて私の質問を終えて、関連の有働議員にお願いいたします。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。有働正治君。
○有働正治君 私は、きのうに続きまして干拓問題でお尋ねします。 総務庁長官にお尋ねいたします。 昨年、行政監察をおやりになっていると思います。結果がなぜおくれているのか、これは重大問題であります。いつまでに公表されるか、速やかな公表を求める、これが一点であります。 いま一つは、内容上、従来関係省庁といろいろ調整されているやにお聞きしています。これだと本当の行政監察という点で厳正なものかと国民も疑っているわけであります。今回の諌早湾の監察についての公表も、そういうものでないものとして速やかな公表を求めるわけでありますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 二つの御質問を一緒にお答えをさせていただきます。 今お話のありました後段の方でございますけれども、従来、私も承知していなかったのでございますが、勧告をするのに事前にその当該役所と協議して勧告文をつくるというような慣例があったようでございます。私はそれは大変間違っているということで、実は今回のこの干拓事業その他八事業でございますが、大規模農業基盤整備事業に対する勧告につきまして、正直この間、もうある程度案が出てきましたけれども、それが農水省と事前の協議をしながらやっているということがわかりましたので、それはだめだと。しかも非常にわかりにくい、やっぱり役所間の話でございますと国民にわかりにくい文章でございますので、この際ぜひ勧告文についても国民にわかりやすい文章にしなさいということで差し戻しをいたしました。 それで、もう農水省とは協議をしないで、私の方の行政監察局自体でいろいろ監察の結果に基づいて主体性を持って勧告文を今つくっている最中でございます。来月には何とか勧告をできると、こう思っております。
○有働正治君 農水省に厳しく指摘しておきます。この勧告が出る前に、きのう質問いたしました干拓の潮受け堤防、現地では来月中にもこれを締め切って本格的な干拓事業に入ると。こうしたら、きのう総理も言われましたように、環境問題を含めて大問題が起きる、そういうことはあってはいけないと厳しい指摘でありますので、その点を厳に厳しく要求しておきます。 次に、島根県の中海の本庄区の干拓事業問題であります。これは中断しているわけでありますが、どういう理由で、いっ中断したのか、御説明ください。
○国務大臣(藤本孝雄君) 本庄工区につきましては、島根県知事から、土地利用のあり方を検討したいので、その間工事を延期したいと、そのような要望がございました。それを受けまして、昭和六十三年から八年間工事を延期中と、こういうことでございます。
○有働正治君 水を汚すな、ヤマトシジミを守れと、漁業、環境その他の問題の国民的な世論、もちろん地元の世論、こういう中で中断しているわけであります。 そこで、これについて調査費で再開の動きがあるわけであります。その点で、調査しても事業を中止することもあるという上での調査なのかどうか。もし再開するとすれば、干拓による農業利用のためなのかどうか。この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤本孝雄君) 調査結果によりまして決定をいたします。それから、仮に干拓事業を推進するといたしましても、これは農業用地として使います。
○有働正治君 やはり干拓をやりたいという意図のもとでこういう動きがあることは極めて重大であります。 そうしますと、農業利用というわけでありますが、島根県経済同友会等地元の経済界その他は別の目的を持っているわけであります。それは、提言も発表しているわけでありますが、研究開発、新産業の拠点、国際交流機能、レジャー、リゾート機能、住機能、臨海都市開発と。レジャーやリゾート開発をやって米や野菜ができるとでも言うんでしょうか。つまり、農業予算として開発しておきさえずれば、あとは自分たちでそういう開発をやれるというねらいで知事もこれに賛意を表明しているわけでありますが、そうならない保証は明言できますか、農水大臣。
○国務大臣(藤本孝雄君) 先ほども申し上げましたが、この本庄工区の取り扱いにつきましては調査結果により判断をさせていただきます。
○有働正治君 つまり、農業開発と言いながら、もしこれをやれば実態はまるっきり違う方向に行くという、こういう方向が明らかに意図としては示されていって、きのうもやりましたように、干拓問題はそういう問題が全国的に出てきている。その上ここでもこういう問題が起きかねない。こういう干拓事業再開というのは断じて認めるわけにはいかないわけであります。 そこで、環境庁にお尋ねします。 環境問題も極めて重要でありますが、昨年三月、環境庁として意見を出されているわけでありますが、特に土地利用計画に基づく予測等、どういう立場でどういう意見を出されておられるのか。それについてきっちり環境庁長官として問題を監視して環境破壊がないようにすべきであると考えるわけでありますが、その点について、長官。 そして最後に、総理、こういう問題につきましても見直すべき問題は見直すと。農業予算、いろいろ問題がございます。そういう立場できのうも環境問題その他総理はおっしゃられたわけで、そういう点で対応していただきたい。一 以上、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(渡辺好明君) 背景事情について御説明をいたします。 御案内のとおり、中海はいわゆる湖沼法の中で指定湖沼になっておりまして、水質保全計画に基づきまして下水道の整備であるとかあるいは底泥のしゅんせつ、窒素、燐の削減といった対策がずっととられてまいりました。ただ、残念ながら水質の改善ははかばかしくございません。 そういうこともございまして、私ども、中海の干拓事業につきましては、水質への影響について十分検討する必要があるというふうに考えております。 こういう観点から、昨年三月の中旬に島根県に対しまして、今御指摘の明確な土地利用計画に基づいて水質予測を行うこと、あるいは水質が悪化する夏場の予測をしていただきたいというふうなことを含めまして六項目の申し入れをしたところでございます。
○国務大臣(石井道子君) 今までの経過につきましてはただいま局長から御答弁がございましたが、中海の水質が環境基準を大変大幅に上回っているのでございまして、干拓事業につきましては水質への影響を十分に配慮する必要がございます。 環境庁といたしましても、島根県が昨年の六月から一年間の予定で行っております水質影響調査が終了した段階で厳格に点検を行っていきたいと考えているところでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、環境庁長官からも御答弁がありました。私は、農水省が農水省としての考え方のもとに作業していることを、そのことはそのとおりに認めた上で、昨日議員の御質問に対し自然環境という視点も必要ではなかろうかということを申し上げました。 そしてまさに、今中海の話のようでありますけれども、平成九年度から事業の総合評価及び環境への影響の把握などのための中立的な調査を行うといたしております。当然のことながら、中立的という言葉のとおりきちんとした調査を行ってまいります。
○有働正治君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、小島慶三君の質疑を行います。小島慶三君。
○小島慶三君 なかなか世の中難しいことが多うございまして、本当に私はこのままで日本が一体どうなるかという思いがひしひしと起こっております。 その中で、橋本総理、五つの改革、さらにこれに社会改革が加えられまして六つの大改革をおやりになると先ほどもお話がありましたけれども、本当に終戦以来の大改革であるというふうに私は思っております。しかも、それを火だるまになってもやり遂げるというお気持ちであるというので、まことにその意気や壮と、本当に心からそういった一国の宰相としてのスタンスに深く敬意を表するわけでございます。 それからもう一つ、この改革の過程でペルー事件あるいは重油の流出問題等が起きまして、大変に御心痛のことであろうとお察しをいたしております。きょうの会議が終わりました後でカナダにお立ちになるそうでありますが、御自愛のほど、ぜひお願いをいたします。 さて、そういうことでなんですが、このいろんな改革の第一着は、やはり何と申しましても財政危機からの脱出ということであろうかと私は思っております。 そういう点から見まして、今度の補正予算が来年度予算までを通じての財政再建元年というふうに呼ばれることに異議はありませんが、それにしては今回の補正予算は、大変残念でございますが、私はいろんな角度から見ても賛成できないということでございます。 それで、これは私がそういうことを言っているだけではございませんで、昨年の十一月六日の日経新聞でアンケートというのをやっています。このアンケートは合計十二名の著名なエコノミストを対象としております。先ほどジャーナリストに対する批判とかいろいろございましたけれども、この十二名の中で八名までが補正予算は反対であると言っております。賛成は四人でございました。 どんな人が反対し、どんな人が賛成されたかちょっと申し上げたいと思うんですけれども、私もいつものように三分しかないということではございませんので、ちょっと時間がございますので引かせていただくんですが、まず飯田経夫国際日本文化研究センター教授、これは不要であると。それから、木内何がし日本長期信用銀行調査部長、それから白川一郎立命館大学教授、それから富田俊基野村総合研究所研究理事、それから西村某日本総合研究所副会長というふうにかなり著名な人が反対を述べておられる。 反対の理由というのは幾つかあるわけでありますが、その理由を総合しますと、一つの理由としては、公共事業の追加というものは乗数効果の低下であります。他産業への波及力が乏しい。これは私の手元にある資料によりますと、かつての乗数効果は三、今一・二となっております。 それからもう一つ、土木中心で情報通信など新社会資本のニーズを満たせない、そういうことであるから、規制緩和など民間主導型の経済活力回復が望ましいというふうなことが反対の理由であります。 それから、これと逆に、公共投資の落ち込みを支え景気刺激をという意見が四人ございました。このトップは何と申しましても日経センターの会長であります。この会長さんはもともと徹底したケインジアンでありますから、公共事業中心のそういう、総理の言葉であれば下支えを含めということが出てくるんだと思うんですけれども、もうケインズが死んでから五十年になるんですね。五十年になってケインズの亡霊がまだ日本ではさまよっているのかと、そんな感じがいたします。金森君ですが、私は全くこの意見には賛成いたしません。 そういった意味で、今回は補正予算を組まないで、こうした形のものを組まないでやられるということに私は大変期待をかけていたわけであります。しかし、それが現実には違ったこととなりまして、今や累卵の危うきに達しておりますから、非常に私にとっては残念でございます。橋本内閣に傷がつくということでなければいいと思っております。 それからもう一つは、先ほど来いろいろ牛嶋先生からも御意見が出ましたけれども、金融情勢の問題でございます。これにつきましては、私は去年の十二月十一日の予算委員会でこういう御質問をいたしたんです。 それは、今の日本の金融に対する外国の見方も非常に厳しいし、日本内のそういった不信感も強いということから、ともすれば株と為替とそれから債券のトリプルダウンが起きるんではないかということを私は大変心配しているということを申し上げて、日銀総裁に御意見を伺ったわけでございます。 日銀総裁の御意見は、そんなことはありませんよというお答えでございまして、これをちょっと読ませていただきますと、「私どもとしましては、金融市場等に撹乱的な要因を及ぼすような、そういう心配な資本流出という兆しは見られていないというふうに判断しているところでございます。」というふうにお答えになりました。 ところが、現実に資本市場の受けとめ方をずつと見てまいりますと、これはまことにそんなことでよろしいのかどうか、大変私は疑問に思っております。 まず、私が質問申し上げたときの株価は二万五百六十八円三十八銭でありました。ところが、一週間後には、この二万円が切れてしまいました。それからさらに、年末年始を挟みましてことしに入ってから、一万九千円というのも、これも一月の七日に切れてしまいました。それからなお、一月の十日には追い打ちをかけるように一万七千円台になっております。きのうの株価が、きのうの引け値が一万七千八百六十四円で、再び一万七千円台になっているわけでございます。 これはもちろん、もっともきのう下がりましたのは、大蔵大臣の御発言で、きのうの予算委員会で、市場のことは市場に聞けと、これが大変影響力があったようでございまして、まさにアメリカのグリーンスパン並みの影響力だと私は思っております。 それで、この点についてはまた後でちょっと議論をいたしますけれども、そういうふうに一つの流れとしてこうなってきているということについて、これは一体日銀総裁は、そのときの判断に今でも間違いないと思っておられるのか。それから、そういうふうなことについて、今のグリーンスパンじゃありませんが、日銀総裁の発言というものの影響力からしてそういうことは答えるべきでないというお考えでありましたのか。これはひとつ日銀総裁、三度おいでいただきましたので、恐縮でございますがお伺いをいたしたいというふうに思っております。 もし仮にそういう事実は把握していないというのであれば、これはやはり日銀の金融判断の問題であろうと私は思いますし、そういうことであれば今の金融改革の問題についてもこれは一つの要素として考えておかなきゃならぬと。日銀にだけ任せておくわけにはいかないというふうになりましょうし、あるいはそういうことは日銀総裁として言うべきでないというお考えでありましたらそういうふうにお答えを。これは情報開示の、日銀の開放性の問題だと私は思いますので、それをひとつお伺いしたいというふうに思います。よろしく。
○参考人(松下康雄君) 私、前回お答え申し上げましたのは、第一に国際間の資本の移動は内外の金利差だけではありませんで、そのほかいろいろな要因によって生じ得るものであるということと、第二番目にその時期におきまして内外の金融資本市場の機能を混乱させるような、そういう撹乱的な資本の移動が生じているわけではないと認識しておりますという二点でございます。 その後の事情におきまして、国内の円相場あるいは株式相場等が大きく変動いたしておりますのは御指摘のとおりでございます。ただ、私といたしましては現状も、日本から国外への資本の移動の状況を見ますと、それだけではまだ撹乱的な資本移動というものが生じているわけではないというふうに認識をしているわけでございます。金融資本市場と為替市場は実体経済活動と密接な関連を持っておりますので、私どもとしましてもその動きについては常特注意深くモニターをして分析に努めておりますが、ただ、御承知のとおり、マーケットはいろいろな要因を絶えず消化しながら価格形成を行っているものでございますので、その短期的な変動までも正確に予知することは難しい点がございます。 それからまた、私の立場からいたしましても、市場で形成される相場の変動につきましての何らか予想めいたことを申し上げますと、かえって市場の憶測を呼びかねないという点も御理解いただきたいわけでございます。 ただ、それにつきまして、実体の経済はそれではその後どうなっているかということでございますけれども、物価面では、最近の為替、円安の動きに伴いまして輸入物価は上昇ぎみでございますけれども、国内物価が依然引き緩んでおりますので、まだこれが物価全般を押し上げる状況にはなっておりませんのです。 それから、景気の方は緩やかな回復を続けておりまして、最近は回復力の底がたさも次第に増してまいっております。ただ、先行き財政面からの影響などもこなして経済が自律的な回復軌道にしっかり移行してまいりますためには民間需要の回復がさらに強まることが必要であると思っておりまして、当面の政策運営に当たりましては、これまでと同様に景気回復の基盤をよりしっかりとすることに重点を置きまして情勢の展開を注意深く見守ってまいることが適当であると考えております。 今後とも、私どもとしましては、市場の相場変動等が国内景気や物価にどのような影響を及ぼしていくかという点は子細に点検をしながら、経済全体の安定を確保していくという観点からの政策.運営に努めてまいりたいと存じます。
○小島慶三君 ありがとうございました。ぜひそういうふうに経済の先行きについての総合判断で金融政策をおやりになるようにお願いをしたいというふうに思います。 ただ、最近の動きから見まして、あるいはこういった動きがもう少し出てまいりますと、それ自体が景気に対する悪影響ということにもなってまいろうかと思うんです。一万六千円台になりますと、これはもう銀行の経営にも非常に大きく影響いたします。そうしますと、不良債権の処理も進まないということにもなりましょうし、それから金融の循環ということについてもいろいろ問題が出てくるというふうに思います。 したがって、私は先ほど牛嶋さんの話を非常に傾聴しておりましたんですけれども、やはりこれは何らかのシグナルが必要な段階が来るのではないか。シグナルと申しますのは、大蔵大臣のおっしゃるような介入では全くありませんので、政府の一つのアナウンスメントというふうなこと、あるいは政策の提案といったようなことで、それで市場全体が誘導できればいいわけでありますから、何も介入しろということを言っているわけではありません。 しかし、そういう点では牛嶋先生と全く同じなんですけれども、やはりこれは政府の責任というものがあると思います。市場は欠陥に満ちたものでございます。したがって、その欠陥をある程度アジャストするというのは、これは政策であり政治であるというふうに思いますので、ちょっと大蔵大臣には失礼でございますが、その辺の御確認はいただいておきたいというふうに思います。お願いします。
○国務大臣(三塚博君) 小島先生の長い経営者としての御経験、キャリアを生かされての御見識を拝聴いたしました。市場のシグナル、私も否定をいたしません。それは政策立案者、そしてまた政府として、担当者としてそのことには分析をしながら、いついかなるときでも対応のできる腹構えを持っておらなければなりません。大蔵大臣経験者の橋本首相も、口には出しませんけれども、分析のときにいろいろとアドバイスをいただくわけでございます。この国のために、ここの国の経済のために、そして国民が幸せになるために、そのことを願って第二次橋本内閣もスタートを切ったわけでございます。 御指摘のように、株式は動きます。投資家は全国民の八%であります。個人投資家であります。機関投資家があり、さらには投機筋がありと、以下いろいろと自由市場でございますからやられております。 それと、もう一つ不安要素として金融不安がよく言われるのでありますけれども、金融不安解消のための金融システム改革がスタートを切っております。ビッグバンという表徴的な言葉で申し上げておりますが、自由市場にふさわしいものをニューヨーク、ロンドン並みにつくってほしいというのが着任のときの私に対する総理の指示でございました。 円の価値をドルとマルク、ドルに匹敵するところまで押し上げていかなければならない、そのための規制諸改革は勇気を持って断行してほしいと、数々のメモの中に詳細な改革事項を手渡しを受けております。それを受けて、既に住専の問題解決、不安感解消という意味の解決でありますが、三団体がスタートをいたしておるわけでありまして、着実に不良債権が解消の方向に動いております。少なくとも、金融不安の中で株式市場がおかしくなり国民生活がおかしくなりませんように全体の努力をしておるということを申し上げさせていただきます。 六改革、六頭立てで全力を尽くすのが党、内閣、そして与党三党の一致した御見識でありますので、野党の皆さん方にも格段の御理解と御支援を賜ります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で小島慶三君の質疑は終了いたしました。
○小島慶三君 終わりということだけは言いたいんです。済みません。
○委員長(大河原太一郎君) どうぞ。
○小島慶三君 私は、本当は十五分あると思っていたものですから、行財政改革についての質問を後へ回したらもう時間がなくなっちゃったんですね。私も行財政改革についての私案を持っておりますから、これはこの次の本予算のときに申し上げさせていただきたい。それをちょっと留保いたしまして、ここで終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、島袋宗康君の残余の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 昨日の質問に引き続きまして、沖縄の基地問題についてお伺いしたいと思います。 先般、政府は沖縄大使を任命されましたが、その地位と役割についてはどのように位置づけておられるか、どのような成果を期待しておられるか、それについて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 昨年の十二月四日であったと思いますが、総理が沖縄においでになりましたときに沖縄の基地所在の市町村長さん方と御懇談なさいました。その節に、沖縄に大使を長とする外務省の出先機関を設けようと、こういう話をされたわけでございます。 その役割等の詳細につきましてはまだ現在調整中でございますが、基本的に申しますと、米軍の駐留にかかわる事柄について関係の市町村等の御意見や御要望をお伺いする、これが基本でございます。そして、それを外務本省初め政府の関係機関にしっかりと伝達して対応していくということ。それから、また同時に、現地で処理できるいろんな米軍との連絡や調整につきましても、それに当たっていこうと、こういうことを考えておりますが、現在詳細は詰めているところでございます。
○島袋宗康君 沖縄の基地問題、ずっと橋本総理が非常に誠意を持ってこの問題について取り組んでこられたということは、私は一定の評価をいたしております。しかし、政府と沖縄とでは現状認識が決定的に違うわけであります。この程度の基地改善策では、沖縄では焼け石に水だというような受けとめ方しかしておりません。 また、政府の沖縄米軍基地の整理、縮小に対する考え方は、那覇軍港は浦添市に、読谷補助飛行場は伊江島に、今度の普天間飛行場は名護市のキャンプ・シュワブ沖の海上にといったぐあいで、すべて沖縄県内の他の場所に移設しようとされている。これは、沖縄県民から見ますと、基地のたらい回し以外の何物でもないと言っております。安保必要論者、米軍容認論者は、それぞれの地ごとに米軍基地を誘致してはどうかというふうに思います。 まず手始めに、各閣僚の地元へ持っていってはどうかということでありますけれども、とりあえず、総理、外務大臣、防衛庁長官、官房長官の御意見を承りたい。
○国務大臣(久間章生君) 沖縄に米軍の基地が多数集中しておって、大変沖縄の皆さん方の経済的な、あるいは社会的な発展の阻害になっておるということは私どもも十分承知しているところでございまして、先般のSACOの最終報告をまとめますときもできる限りの努力をしたわけでございます。 現在の安全保障条約の目的達成のためには、米軍の現在の機能、即応力というのをどうしても維持しなければならないということがございまして、そういう意味では、現在の体制をそのまま維持するためにはどうしてもそれをほかの方に、遠くに離すことがなかなかできない。 そういうようなことから、本土で受け入れられるものについてはできるだけ受け入れようということで、KC130を岩国に持っていきますとか、あるいは一〇四号線の演習を本土で行うとか、そういうことをしたわけでございますけれども、やはりあの地域における現在の機能、即応力というのをどうしても維持するということから、あの地で、先生が言われますように、基地内にできるだけ統合、縮小して返還面積をふやす努力はしましたものの、やはり沖縄県内に各地区を移設せざるを得なかったということで合意したと、そういう背景についてぜひ御理解をしていただきたいと思うわけでございます。
○島袋宗康君 そのことが理解できないものですから、安保を容認されている方、そして基地を容認されている方に対してもう一遍、先ほど申し上げました総理、それから外務大臣、官房長官、再度お願いします。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま防衛庁長官から御答弁ございましたけれども、私どもも国の安全のための負担というのは本来全国民がそれを分かち合って負担していかなくちゃいけないと、こう思っております。そういった観点から申しますと、沖縄の県民の方々にあれだけ米軍の基地が集中して大きな御負担をかけているということは、私どもも本当に心苦しく思っておりますし、そういった意味で、でき得る限りこの基地の整理、統合、縮小に努めておるところでございます。 そういったことで、当面はSACOの最終報告に盛られました事項を着実に実行していくということに努めてまいりたいと存じますし、それから将来とも沖縄の基地の問題はその最重要事項の一つとして取り組んでまいりたいと思います。 それから、まずおまえの地元で負担したらどうかということでございますが、それは気持ちとしては先ほど冒頭に申し上げたとおりでございます。ちなみに、私の地元には、小さな規模のものではございますが、米軍の施設もございます。そしてまた、国の安全を守るという観点から申しますと、自衛隊の区域・施設、具体的に言いますと、呉市そして江田島にかなり大きな海上自衛隊の根拠地があるわけでございます。 そして地元では、先ほど申しました小規模のものではあれ米軍の施設についても、また自衛隊の施設についても十分な理解が得られ、地元である地域社会の十分な理解のもとに、国の安全についてもそれだけの負担といいましょうか、むしろ役割を果たさせていただいておると、そういう地域を代表しているものでございます。
○島袋宗康君 官房長官。
○国務大臣(梶山静六君) 委員のお気持ちはよくわかります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 内閣発足以来、少なくとも全力を尽くしてきたことについてはお認めをいただけた、それだけで私は少しでも救われたような思いがいたします。
○島袋宗康君 沖縄米軍基地の縮小という沖縄県民への政府の公約を実現する最善の確実な方策は、私どもが再三申し上げているとおり、米軍とりわけ海兵隊の沖縄からの撤兵をおいてほかにないと私は確信をしております。政府はそのことを強く米国へ要求すべきであると思います。そのことなしに沖縄の基地を縮小できるのかどうか。そのことなしに沖縄の基地を縮小できるかのような言述はごまかしであるというふうに思っております。御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 米国は、日本そしてまたアジア太平洋地域の安定、平和を守っていくためにその責任を果たしていこうと、このようなコミットメントをしております。そのコミットメントを達成するために、現時点におけるこの地域の国際情勢を前提にするならば、日本に駐留する米軍を含めましてこの地域に十万人レベルの米軍を展開することが必要であるということを昨年の日米首脳会談においても、また昨年秋のオーストラリア議会におけるクリントン大統領の演説においても明確に示しておられるところでございます。 そういったことでございまして、私どもは米軍の存在というものが我が国の安全を守る上においても大きな役割を果たしておるということを認識しておりまして、そういった意味で、米軍がその責務を果たしていくために我が国に置いております海兵隊も含めた米軍の現在の駐留というものは、これは必要であると考えておりまして、現在その撤退を求めるということは考えておりません。 ただ、中長期的に申しますと、この地域の情勢の変化も見ながら日米間でいろいろ協議をしていこうということは折に触れて明らかにしてきておるところでございます。
○島袋宗康君 時間がないので前に進みますけれども、本年五月十四日で使用期限が切れる沖縄米軍基地用地の強制使用手続をめぐる問題についてお伺いいたします。 来る二月二十一日から沖縄県収用委員会では公開審理が開催される予定であります。そのことに関連して、政府側から沖縄県の収用委員会に対して陰に陽に圧力がかけられているやに伝えられております。例えば一月二十日の東京新聞、それから地元の琉球新報、「防衛施設庁が沖縄県収用委員会に対し、公開審査を一回で打ち切り、三月までに裁決するよう申し入れていたことが十九日までに分かった。独立機関である県収用委への介入は極めて異例。」というような報道がなされております。 もしこの問題について事実であるとするならば、私は大変ゆゆしい問題であると言わなければならないと思います。地方自治の精神にもとることになるし、また独立の行政委員会に対する干渉となる。まさか民主主義国家である我が国の政府がそのようなことをするとは思えませんが、念のために政府の見解を伺いたい。
○国務大臣(久間章生君) 収用委員会に対してそのような圧力をかけるなんということは絶対いたしておりません。その新聞が出ましたときに、私の方でも早速気になりまして、どういうことかというようなことで内部で申しましたけれども、今まで沖縄との信頼関係に立って、今収用委員会にお願いしておりますから、それに当たってできるだけ早く審理をしていただきたいという要請といいますかお願いはしておりますけれども、そんな圧力をかけるなんということは絶対いたしておりませんので、どうかその点については関係者の皆様方にも御理解賜りますようにお願い申し上げたいわけでございます。 ただ、私どもとしましては、一日も早く審理が進められて、そして一日も早く裁決を得たいという気持ちを起業者としては持っているわけでございますので、施設庁並びに現地の施設局長としても、そういう希望はいろいろな方々にお願いをしていると思いますけれども、圧力は絶対かけておりませんので、よろしくお願い申し上げます。
○島袋宗康君 防衛庁長官、お願いはしたわけですね。
○国務大臣(久間章生君) それはいろいろな方々にやっぱりお願いしていると思います。それは一日も早く開いていただきたいと。まず、日取りが決まっていないときに、日取りを早く決めていただきたいというようなお願いをしておると思いますし、そしてそれが二回に分けられることになりましたけれども、一回でできれば済ませていただきたいとか、そういうのはいろいろな会合のときにいろいろな形で県なり市町村なり、いろいろな方々に気持ちとしては伝えているんじゃないかと思います。そういうような希望はしていると思います。
○島袋宗康君 これは収用委員会にそういう希望を申し上げているということですから、結果的には新聞報道のとおり圧力以外の何物でもないということを私は言いたいわけですよ。
○国務大臣(久間章生君) 私どもの方は、施設庁の方は申請者でございますから、申請者としては会議を開いていただくに当たって、できるだけ早くそういうことを進めていただきたいという希望を出すのはやむを得ないことじゃないかと思います。それを圧力というふうにとられたら心外だと思いますので、よろしくお願いいたします。 決して圧力はかけていないことをこの席で改めて私の方からも先生を通じて皆さん方にお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○島袋宗康君 現在、その収用手続が駐留軍用地特措法により進められております。この手続の進行中に、準拠法である同法の改正ないしは他の特別法の制定によって政府側の都合のよい結論を導き出そうとの画策がなされていると聞いております。 仮にそのようなことが行われているとしたら、それは民主主義を冒涜するものであり、そのような立法は断じて容認できない。沖縄県民は黙っていないと思う。そのことについて、どのような見解を持っておるか、お聞きします。
○国務大臣(久間章生君) 先日からもたびたび申しておりますように、私どもは沖縄県との信頼関係に立ってあのように公告縦覧手続を行っていただいたわけで、そして今いわゆる公開審理等を進める手順をしていただいておるわけでございます。 新聞報道等でいろいろ話は私ども聞いておりますけれども、そういうようなことを決して決めたわけでもございませんで、今ひたすら、とにかく一日も早くこの収用の裁決をお願いしたいという、そういう気持ちには変わりもございません。ぜひその辺、御理解いただきたいと思います。
○島袋宗康君 今の御答弁のように、特別立法とか、そういうような困らすことはないように、ぜひひとつ政府の御配慮をお願いしたいというふうに思っております。 そもそも沖縄の米軍基地は最初から日米安保条約によって提供されたものではありません。米軍の軍事占領下、その後の対日平和条約の日本政府による米軍への政権の譲渡後に、米軍の強権によって奪取された沖縄県民の私有地の上に築かれたものであります。したがって、本土の米軍基地の八七%は国有地でありますけれども、沖縄の米軍基地の六六・七%は国有地以外の民有地、市町村有地、県有地から成り立っているものであります。 このような米軍が強権によって奪取した土地を、さらに日本政府が強制的に収用しようとしていることは著しく正義に反するものである。政府はこの上恥の上塗りをするような強権的な特別法の制定はするべきではないと考えておりますが、御見解を承りたい。
○国務大臣(久間章生君) 強権的とおっしゃいますけれども、私どもは現在の法律、今の特措法、この法律に従っていろんなことをやっておるわけでございます。 それで、三万三千人ほどいらっしゃいます地主さんの中で、二万九千人、約三万人近くの方は契約に応じていただいておりまして、三千人の方々についてその契約が得られないものですから、それを法の手続に従ってやっておりまして、そのときに沖縄県の知事さんにもお願いして公告縦覧の手続等もスムーズに今回行っていただいたわけでございますから、決して現在のところ現在の法律が強権的とは言えないというふうに思います。 また、この法律を改正する場合にも、国会の御意思によって法律を最終的には決めていただくわけでございますから、政府はそういう法律に従ってやっていくわけで、政府が一方的に強権的だというふうに言われますと大変困りますので、私どもはそういうことにならないように手続を踏みながらちゃんとやっていきたいと思っております。
○委員長(大河原太一郎君) 時間です。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(大河原太一郎君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。横尾和伸君。
○横尾和伸君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました平成八年度補正予算三案について、反対の立場から討論を行うものであります。 昨年十一月、「変革と創造」を掲げて第二次橋本内閣が発走して以来、総理は火だるまになっても行革に取り組むと殊さら述べてこられました。国民はいよいよ本格的な行財政改革への取り組みが行われると大いに期待しました。しかるに、行財政改革の観点から今回の補正予算を検証してみましても、旧態依然としたばらまき予算的な性格ばかりが目立ち、国民の期待は大きく裏切られたと言わざるを得ません。 以下、我々が本補正予算に反対する理由を申し上げます。 反対する第一の理由は、補正予算の目的、要件に反する経費が多く計上されていることであります。追加補正すべきは阪神・淡路大震災復興対策費、O157関連緊急対策費などにとどめるべきで、内容的に緊急性が定かでない緊急防災対策費やウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費、また緊急性が低くかつ経済構造改革とはほど遠い緊急経済構造改革対策費は削除して、これらは本予算で対応すべきであります。 本補正予算は、景気対策を主眼として編成されたというのでしょうか。公共事業の景気浮揚効果が低下していることは既に定説となり、これまでの景気対策が大きな効果を上げることができなかったことからも明らかであります。 今や、景気回復を進めるには、大幅減税を行い、規制緩和を初めとした行政改革を強力に推し進めることを最優先すべきであります。 反対の第二の理由は、本補正予算が現在我が国にとって喫緊の課題である財政再建に大きく逆行している点であります。 我が国の財政は、平成八年度末には国債残高が二百四十兆円にも達すると見込まれるなど、先進国の中でも最悪と言われる危機的様相を呈しております。それにもかかわらず、政府は、行財政改革を先送りする一方で、新たに一兆六千億円もの建設公債の増発を強行しようとしているのであり、ます。まさに財政再建の観点が全く欠落していると言わざるを得ません。 反対の第三の理由は、本補正予算に消費税の増税を強行するための対策費が計上されていることであります。 我が国は、今景気の先行きは全く不透明であり、消費税率引き上げが経済に悪影響を与えるのは自明のことであります。我々が懸念したとおり、その後、証券・為替市場では急落した株価が低迷し、急速な円安が進行しているのであります。今、何より国民が求めているのは経済の安定成長を実現していくことであり、我々は消費税率の引き上げ凍結と特別減税の恒久化を強く求めるものであります。 最後に、先日来の円、株、債券のトリプル安は、日本経済の先行きに対する危機意識を欠いたまま迷走する橋本内閣への警鐘であることを強く指摘するとともに、入札制度等多くの問題が指摘されている住宅・都市整備公団への補給金の削除とともに、緊急性の高いタンカーの重油流出事故対策費こそ追加計上すべきであることを重ねて強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 田沢智治君。
○田沢智治君 私は、自由民主党及び社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました平成八年度補正予算三案について、賛成の討論を行うものであります。 阪神・淡路大震災は、既に発生から二年余りが経過いたしましたが、今なお大きな傷跡を残し、昨年末の小谷村の土石流等の災害が発生し、とうとい人命が失われております。こうした現状にかんがみ、国民が安心できる生活を送るためには、早急に被災地の復興対策や安全な地域づくりを目指した全国的な防災対策の充実に取り組まなければなりません。 また、今後とも景気回復力を強めつつ、情報通信革命時代への対応やキャッチアップ型経済からの脱却を図るなど、我が国の経済構造の改革が急務であります。 本補正予算は、これらの要請にこたえた内容となっており、大いに賛意を表するものであります。 以下、その主な理由を申し上げます。 賛成の第一の理由は、緊急防災対策費として、道路、橋、トンネルや港湾の耐震強化工事などのほか、公営住宅の耐震改修や災害危険度が高い密集市街地の整備事業を進めるための費用が計上されております。 賛成の第二の理由は、経済構造改革に資する予算となっている点であり、科学技術振興や情報通信基盤整備のために緊急経済構造改革対策費を計上しております。 賛成の第三の理由は、国民が安心して生活を営む上で不可欠なO157関連経費が計上されている点であります。 賛成の第四の理由は、消費税率の引き上げに伴う弱者対策を講じている点であります。平成六年の抜本改正の際決定いたしました臨時福祉給付金等に加え、特別給付金を支給するための経費が盛り込まれている点であります。 賛成の第五の理由は、財政健全化への取り組みを反映した予算となった点であります。 本補正予算では、特例公債を減額するほか、平成七年度剰余金を国債整理基金特別会計への繰り入れ等に充てております。これらは、危機的な状況にある我が国財政の健全化を実現するための第一歩であり、大いに評価に値するものであります。 最後に、本補正予算は、我が国経済の持続的な回復を支えるために不可欠であり、政府におかれましては、本補正が成立した後、早急に執行されんことをお願いし、あわせて引き続き行政改革に勇断を持って取り組んでいただくことを申し添え、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 藁科滿治君。
○藁科滿治君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成八年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 第二次橋本内閣は、現在の危機的な財政状況のもとで財政構造改革を掲げて登場し、我々はこの改革に取り組む総理の前向きな姿勢を評価してまいりました。 しかしながら、本補正予算案は、従来と同様に予算配分の見直しが行われず、いたずらに借金を増加させる内容であり、改革の緊急性、そして必要性を全く無視した内容であると断ぜざるを得ません。本補正予算案は、破産状態にある我が国財政の現状に対する危機意識が欠如した内容であることを指摘し、以下、平成八年度補正予算三案に反対する理由を申し上げます。 第一の反対の理由は、依然として公債に財源を求めている点であります。 補正予算では、緊急防災対策経費などの公共事業を計上し、その財源は一兆六千億円もの建設公債の発行に任せようとしております。 今や、国及び地方の借金は四百四十二兆円にも膨れ上がり、この厳しい財政のもとでは公債の発行を極力抑制すべきであると考えます。しかるに、今回もまた政府が安易に財源を公債に依存する姿勢をとり続けることは到底容認できません。 反対の第二の理由は、財政法第二十九条に規定されている補正予算の趣旨に反する経費が計上されている点であります。 言うまでもなく、補正予算は、緊急性、必要性の認められる場合など特別な場合の経費に限り計上し、国会に提出することを認めております。しかるに、本補正予算案は、阪神・淡路大震災の復興にかかわるもの等ごくわずかなものを除き、緊急性、必要性が見られないことであります。 第三の反対の理由は、予算案の組み替えに関する三党の共同提案に対し耳をかさず、すべて今後の検討課題にすりかえたことであります。 政府は、財政構造改革の緊急性を再度認識し、何が必要で何が不必要であるかを明確にして、改革を断行すべきであります。国民は、橋本内閣が強いリーダーシップを発揮してさまざまな改革を迅速に実行に移すことを強く期待しております。 しかしながら、本補正予算案は、こうした国民の期待を裏切るものであり、到底認めることはできないことを強く指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 有働正治君。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、平成八年度一般会計補正予算(第一号)外二件に反対の討論を行います。 反対する主な理由の第一は、今回の補正予算が、国民の圧倒的多数が反対する消費税大増税を先取りし、九兆円もの負担を強いる九七年度予算を前提にした予算であるからであります。消費税大増税は、焦眉の課題である景気回復をさらにおくらせるものであり、補正予算に計上された税制改革関連対策費の特別給付金も、弱者対策を名目にわずか一万円を一回に限り給付するというものであり、七兆円にも達する大増税による国民負担増への対策には全くなり得ないものです。 第二には、財政のむだをさらに拡大する旧態依然の公共事業ばらまきの予算であるからです。緊急防災事業費として計上されているものも、従来のばらまき型公共事業であり、ウルグァイ・ラウンド農業対策費も、真に農家への援助となるものではなく、大手ゼネコンを潤す農業土木事業のばらまきにすぎません。しかも、そのために一兆六千億円もの建設国債を新たに発行し、借金財政をさらに悪化させるものです。 第三に、沖縄のSACO関連経費は、基地たらい回しの既成事実化を進めるものです。 第四に、阪神大震災対策は、急務である個人補償の確立などの根本的対策ではなく、被災者の願いにこたえたものとなっていません。一刻も早い生活再建のための公的支援の拡大など抜本的対策を立てるべきです。 第五に、教育、医療、中小企業などの生活関連費が既定経費の節減として削減される一方、情報と通信分野では経済構造対策の名目で大企業向けの開発研究費が追加されるなど、国民に冷たく、大企業に手厚い内容となっています。 また、本補正予算審議が衆議院と比べても一日少ない二日間の日程で強行されたことは参議院の権威をおとしめる行為であり、この点も厳しく指摘しておきます。 なお、平成八年度第一次補正予算等に関する決議は、さきに指摘した消費税大増税を先取りする対策経費などの問題には一切触れられておらず、我が党は反対であります。このような決議で、九七年度予算案の悪政を先取りした本補正予算を認めることはできません。撤回以外にないことを主張し、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 以上で討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、平成八年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大河原太一郎君) 次に、予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 都築譲君から発言を求められておりますので、これを許します。都築譲君。
○都築譲君 私は、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、民主党・新緑風会、二院クラブ、各派共同提案による決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 平成八年度補正予算等に関する決議(案) 現下の我が国の財政状況は、欧米先進国に比べ、最悪の状況にあることに鑑み、政府は、財政構造改革の重要性を十分に踏まえ、平成八年度補正予算の執行等に当たり、次の事項について特段の配慮を行うこと。 一 緊急防災対策費については、阪神・淡路大震災及び最近のトンネル崩落事故等の教訓を踏まえ、新たな知見・技術を反映させることは当然のことであるが、防災対策費の経費計上については、今後その緊要度等総合的に配慮すること。 ニ ウルグアイ・ラウンド農業合意対策費については、平成六年十月に力強い農業構造・農業経営の実現を図るべく決定を見たものであり、着実な実施が必要であるが、種々の問題が指摘されていることにも鑑み、今後の扱いについて検討を進めること。 三 住宅・都市整備公団については、国会審議を踏まえ、分譲住宅事業からの撤退など、その抜本的改革を図る方向で早急に検討するとともに、当該公団の子会社、関連会社のあり方、入札制度についても検討を進めること。 四 ロシアタンカーによる重油流出事故については、災害対策基本法に該当する災害であることに鑑み、関係地方自治体の財政運営に支障をきたすことのないよう万全の措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大河原太一郎君) ただいまの都築譲君提出の決議案の採決を行います。本決議案に賛成の方の起立を願います。〔賛成者起立〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。ただいまの決議に対し、政府から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大蔵大臣三塚博君。
○国務大臣(三塚博君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿うよう努力する所存であります。
○委員長(大河原太一郎君) 本日はこれにて散会いたします。午後三時十五分散会