文教委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1997/07/16
会議録
○委員長(大島慶久君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る六月十八日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。 また、去る四日、馳浩君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。 また、去る七日、鹿熊安正君及び清水嘉与子さんが委員を辞任され、その補欠として石井道子さん及び北岡秀二君が選任されました。 —————————————
○委員長(大島慶久君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島慶久君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に北岡秀二君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大島慶久君) この際、委員長から委員の皆様方にお願いを申し上げます。 当委員会におきましては、従来より委員会室における禁煙を実施してまいりましたが、各会派の合意に基づき、引き続き委員会室における喫煙を御遠慮願うこととなりましたので、何とぞ御協力のほど、よろしくお願いをいたします。 —————————————
○委員長(大島慶久君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、児童生徒の問題行動に関する件を議題といたします。 まず、神戸市須磨区における児童殺害事件について、文部省及び警察庁から説明を聴取いたします。佐田文部政務次官。
○説明員(佐田玄一郎君) 御紹介いただきました、政務次官を仰せつかっております佐田玄一郎でございます。 御説明をする前に一言、今回、神戸市須磨区の一連の事件によりましてとうとい命を落とされました土師淳君、そして山下彩花ちゃんに対しまして心から哀悼の意を表する次第でございます。そしてまたなおかつ、おけがをされたお子さん方に対しましても心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 それでは説明をさせていただきます。 今回の神戸市須磨区の連続児童殺害事件において、十四歳の中学生が被疑者として六月二十八日に逮捕され、さらに昨日再逮捕されたことを文部省としては重く受けとめている次第であります。 文部省としては、まず、最初の逮捕翌日の六月二十九日に担当課長を現地に派遣いたしましたが、今回の事件の背景として推測される事柄、関係者に与える影響等が広範にわたるものと考えられるため、七月五日の土曜日に、状況の把握のため文部大臣の命を受け私が現地に赴いた次第であります。 神戸市教育委員会との意見交換においては、子供たちや保護者等が心の安定を得られるようにすることが当面の最重要課題であるとの報告を受けました。また、子供たちの教育に当たり、学校、家庭、地域がより一層連携を深めていくことが教育行政にかかわる今後の課題であるとの報告もあわせて受けた次第であります。私からは、現在、今回の事件に関して政府全体としても取り組みが進んでおり、文部省としても支援に努めたい旨を発言させていただきました。 兵庫県教育委員会との意見交換においては、県教育委員会として、これまで人間関係のあり方、今の大切さを理解させる教育を重要かつ緊急の課題として進めてきましたが、さらなる検討が必要であるとの報告を受けた次第であります。その後に、ホラービデオの問題なども視野に入れた、県としての全庁的な取り組みの推進について意見交換を行った次第であります。 これまで文部省としては、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会との連携を十分にとるよう努めてまいりましたが、今後さらに一層連携を密にするとともに、両教育委員会の取り組みについて積極的に支援をしてまいる所存であります。 以上であります。
○委員長(大島慶久君) 次に、警察庁刑事局松尾捜査第一課長。
○説明員(松尾好將君) 捜査一課長の松尾でございます。 それでは、神戸市須磨区におきます小学生を対象とした一連の殺人事件等の捜査状況等につきまして御報告をいたします。 まず、土師淳君殺人事件でありますが、この事件は、去る五月二十四日の夜に、被害者の家族から所轄の須磨警察署に対しまして、被害者が午後一時半過ぎに祖父の家へ行くと言って家を出たまま帰ってこないと、こういうふうな届け出を受けたわけであります。 兵庫県警察におきましては、所要の体制によりまして発見等の捜索活動を推進していたわけでありますが、五月二十七日になりまして、淳君の頭部が神戸市市立の友が丘中学校の正門前で、また胴体部分を同校から西方約七百メーターぐらい離れました竜が山所在のケーブルテレビアンテナ基地内において、それぞれ発見をしたわけであります。兵庫県警察におきましては、即日、所轄の須磨警察署におきまして百三十名体制の捜査本部を設置し、聞き込み捜査等、所要の初動捜査を開始したわけであります。 さらに、その後になりまして、六月四日でありますが、地元の神戸新聞本社に対しまして、いわゆる犯行声明文が送達をされてまいりました。 兵庫県警察におきましては、本事件は極めて反社会性が強く、残虐な特異犯行であるということから、捜査本部の百三十名体制のほかに、京都あるいは大阪両府警からの応援も得まして、再発防止のための警戒活動等を実施してまいりまして、現場中心の聞き込みあるいは被害者の足取り捜査等を重点に捜査を推進してまいったわけであります。 その結果、神戸市の須磨区内居住の中学三年生A少年、十四歳、彼が容疑者として浮上してまいりまして、捜査をしましたところ、本件の容疑が濃厚になったということで、六月二十八日の朝に被疑者を兵庫県警察本部に任意同行を求めまして取り調べを行いました結果、自供したと。さらに、それとあわせまして実施した自宅の捜索によりまして、本事件に使用したと認められる凶器等の発見をいたしましたために、同少年を本件被疑者と断定をいたしまして、同日午後七時五分に通常逮捕したものであります。 被疑者につきましては、六月二十九日の午後に神戸地方検察庁に身柄を送致し、勾留が決定され、現在、須磨警察署に勾留をいたしまして、動機、背景等も含めた詰めの捜査を推進しているところであります。 なお、この間、七月六日の日曜日から八日間にわたりまして、被疑者の供述に基づきまして、犯行に使用した凶器等を投棄した現場付近の池について捜索をしました結果、本人の自供どおり、金のこなど証拠品を押収したところであります。 次に、いわゆる連続通り魔事件であります。 この事件は、ことしの二月十日、同じ須磨区内の中落合一丁目の路上におきまして、雑談中の女子児童、当時十二歳でありますが、この二名が鈍器様のもので頭を殴打されまして、うち一名が加療一週間を要する傷害を負ったという事件であります。 また、さらに三月十六日になりまして、同じく須磨区内の竜が台二丁目の路上におきまして、通行中の当時十歳の女子児童がやはり鈍器のようなもので頭を殴打されまして、三月の二十三日に頭蓋骨粉砕骨折を伴う脳挫傷で死亡したということであります。さらに、その事件から約十分後でありますが、現場から約二百メーター離れました同じ竜が台の三丁目の路上におきまして、通行中の当時九歳の女子児童が鋭利な刃物で腹部を刺されたということで加療約十四日間の傷害を負った事件であります。 これらの事件につきましては、この淳君事件と現場が近いということ、それから小学校の生徒が対象になっているということ、さらに期日が近接しているというようなことから、これらの事件との関連性も視野に入れながらこれまで捜査をしてまいったわけでありますが、昨日までに必要な裏づけがなされ、容疑が固まりましたので、同少年をこれらの事件におきましても被疑者と断定をいたしまして、昨日の午前九時三十七分に再逮捕したものであります。被疑者の身柄につきましては、本日午前中に神戸地方検察庁に送致をする予定にしております。 いずれにいたしましても、この事件におきましては被疑者が十六歳未満の少年であるということから、今後とも法に照らし、少年の特性に十分配慮しながら適正な捜査を推進してまいりたい、そして、この取り調べを通じまして一連の犯行を解明してまいりたいと考えているところであります。 以上でございます。
○委員長(大島慶久君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野清子君 自由民主党の小野清子でございます。 このたびの神戸市須磨区で、大変残念なことでございますけれども、土師淳君の殺害事件、そしてまた連続通り魔事件で山下彩花さん、その他、事件の中におけるけがをされた皆様方に心から哀悼の意とお見舞いをまずは申し上げたいと思います。 余りの大きな衝撃でございまして、私自身も本当に言葉に言い尽くせない思いで今ここに立っております。このたびの神戸須磨区で起きました事件というのは、その当事者、御家族、そして周辺の皆様方の大変大きなショックあるいは衝撃であると同時に、この問題は子供を持つ親すべての国民に同じような思いを抱かせたのではないかと、そんな気がいたします。ある意味では生活環境を一変させたような、今までさまざまな事件もございましたけれども、余りにも衝撃的な事件であり、何かしら日本という国が一体どうなってしまったんだろうかという悲しささえ私自身覚えたところでございます。 ですから、児童生徒の問題としてとらえるのには私は大変抵抗感もあります。と申しますのは、通常の子供たちが過ちによってこの問題を起こしたという次元の問題ではなくて、ある心理学あるいは精神科医の先生たちの言葉をかりますと、この子は通常の人間とは全く別世界にいるのだど、そして、我々普通の人間には想像できない世界であるから論評すらできないという評論をしていらっしゃる先生もおります。 しかし、この事件が起きたことは事実でありますから、やはりこの事実を厳粛に受けとめながら、この原因がどこにあったのか、そして絶対こういう事件を二度と繰り返してはならないということの中において、私ども行政の立場にいる者が、この事件を通してどのように何を変えていかなきゃならないのか、変えていくべきなのかをこの委員会を通し皆さんで論じ合っていけたらいいなということを感じております。やはり安心して生活できる社会を保障していくというのが私たちの責任でもあるわけです。 そういう観点に立ちますと、今後A君がどのような裁きを受けるのか受けないのか、あるいは何よりも次の事件を起こさないために、私は原因究明ということを先ほどから申し上げておりますけれども、今回の質問をさせていただくに当たりましても、ただいま捜査中でありますという言葉の中で、警察関係の方は内容に関してはほとんどおっしゃっていただけていない。 そしてまた、現実に新聞を拝見いたしますと、新聞あるいは雑誌等々からしか私も情報が得られないわけですけれども、「「学校に復讐」予告」という言葉があると思えば、次の供述では恨みがないと。暴力があったという記事があれば、全くなかったというふうに毎日毎日内容が変わってまいります。今質問するに当たり、こういう状態を一つ一つ重ねていきますと、本当につかみようのない、そしてまた恐ろしさが改めて込み上げてくるようなそんな気持ちにもなっているところでございます。 大臣も、この前衆議院の文教委員会が終わったところでございますけれども、あれ以降もまた多々変動もあるようでございます。これまでの様子についての御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) まず、神戸市須磨区内で起きた一連の事件で亡くなられました土師淳君、山下彩花ちゃんに謹んで哀悼の意を表したいと思います。そして、心に深い傷を負われた遺族の方々にも心からの弔意を表したいと思います。また、けがをされたお子さんにもお見舞いを申し上げたいと思います。 この事件の容疑者として中学三年生、十四歳の少年が逮捕されたということを聞きまして、私は大変深刻な衝撃を受けまして、その事態の重大さを深く受けとめております。今警察庁からも御報告がありましたように、本件は捜査中でありまして、まだその捜査の進展を待つ必要がありますけれども、教育を預かる立場にある者として、私は特に心の教育の重要性を痛感しております。 文部省としては、先ほど政務次官からも御報告がありましたように、容疑者逮捕という報を受けまして、翌日早速担当官を現地に派遣し、また政務次官にも行っていただくということで事態の把握のために努力をしておりますし、またその情報収集ということでプロジェクトチームを設けて今検討を進めております。それから、問題行動の児童生徒に関しての専門家会議をつくりまして、今月中に人選を終えたいと思っております。それから中央教育審議会、本来九月に諮問を予定しておりましたが、繰り上げまして、八月四日に心の教育について幅広く検討していただきたいということで諮問をお願いする予定にしております。 以上でございます。
○小野清子君 ありがとうございました。 私は、よくラジオを聞いておりまして、「こどもと教育電話相談」とかを聞いておりますと、親の教育に関する悩みが実に多いことを日ごろから感じておりますけれども、夏休み近くになりますと子供自身からも相談が入っているんですね。きのう調べてみましたら、年間千七百件くらいの相談があるということですけれども、今回の問題を考えさせていただきますと、子供だけが悩んでいるのでもなく、同様に親が一緒に相当苦しんでいる。こういう親のカウンセリングというのは文部省はどういうかかわり方をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(長谷川正明君) 今、先生御指摘がございましたように、子供にとりまして家庭というのは人間形成が行われる最初の場でございます。子供に基本的な生活習慣とか生活能力、あるいは他人に対する思いやり、そして善悪の判断など、こういうまさに人間にとって最も基本的な資質や能力を育成する上で親の果たす役割、家庭教育というものは極めて重要であるというふうに文部省でも認識をしておりまして、このことについては、さきの中央教育審議会の第一次答申におきましても、「子供の教育や人格形成に対し最終的な責任を負うのは家庭であり、」「家庭教育は、」「家族との触れ合いを通じ、「生きる力」の基礎的な資質や能力を育成するものであり、すべての教育の出発点である。」、こういう指摘がございます。 そのことを受けまして、文部省では、家庭の教育力の充実を支援するための諸施策を展開しております。家庭教育に関する啓発資料の作成あるいは集会の開催。また市町村におきましては、家庭教育学級の開設など、子供の発達段階に応じた親に対する学習機会の提供を行っておりますほか、都道府県におきましても、親子のきずなが一層深まることを期待して親子の共同体験の機会を設けたり、あるいは家庭教育における父親の役割の重要性を再認識してもらうための事業などを展開しております。 また、今先生から、親が悩んでいる、苦しんでいる、こういうお話がございました。そこで、都市化とかあるいは核家族化、こういうものがどんどん進んでいく中で、親の不安あるいは負担感にこたえるための相談体制あるいは情報の的確な提供の充実というようなこと、つまり子育てに対する支援体制の充実ということが非常に重要であるということもあわせ認識をしております。 そのために、家庭に関する親からの相談に電話で応じたり、あるいは巡回相談を行うための体制の整備、これは都道府県を通じてそういう体制の整備に努めておりますほか、市町村単位ではございますけれども、地域の子育て経験者、つまり子供を既に育て上げたそういう経験者と、それからまさに悩みながら子供を育てている親との交流の促進、こういうことを目指した子育て支援のためのネットワークづくりということの推進も図っておるところであります。 このように、地域、家庭、そして学校との連携に配慮しながら、また関係省庁の協力も得ながら、親が実践を行う家庭教育の充実に資する施策の充実にさらに努力をしてまいりたい、このように考えております。
○小野清子君 ありがとうございます。 今回の事件の中でいろいろな情報を拝見させていただきますと、児童相談所の先生に親が相談に行っていたということなんですね。親が行っていたときに、児童相談所あるいは病院にと書かれてありますけれども、親に病院に連れていかれてカウンセリングを受けたら、先生が親の育て方がおかしいと言った、それ以来親は自分を殴らなくなったと、こういうことが書いてあります。子供の前でカウンセリングの先生が親の状況を言うということは通常は考えられないことだと思うんですけれども、これが一つ。 それから、児童相談所の先生に、余り子供を抑圧するのはよくないから自由にさせてとアドバイスをされたと。そういうことで、いわば今まで親としてのある意味でのしつけ、制約と申しますか、そういうことをしていたのが、相談したことによって放任した方がいいと。私も放送などを聞いていると、学校へ行きたくないという子供がいると、行かせないでほっときなさいというのがほとんどですね、カウンリングの先生たちは。果たしてそれで子供が行く気が起きるんだろうかということをいつも思いながら私はラジオ放送なんかも聞いているんです。 昨年十一月に東京都内で、家庭内暴力を繰り返す不登校の中三の少年を父親が金属バットで殴り殺した事件というのはまだ私たちの記憶に新しいわけでございますけれども、そのときも、カウンセリングのアドバイスに従い、長男のわがままをすべて許して、敬語まで使って無抵抗に従っていた父親が最後に爆発をしてしまったと。親が第三者の言ったとおりに従って、そして突然子供に接する態度を変え、必要以上に放任してしまうということが果たしていいことなのか、逆に子供を暴走させてしまうんではないかということを危惧するわけです。 カウンセリングに当たられる先生たちというものに対して、今までの状況でいいのかどうかということを今回の事件も通して私自身非常に感じているんですけれども、短く御感想を伺いたいと思います。
○説明員(長谷川正明君) カウンセリング体制を、例えば電話相談の機会を設ければいいということではなくて、それへの対応ということが極めて大事であって、間違うとむしろ結果を悪くすることさえ起こりかねない、こういう御指摘でございます。 したがいまして、私どもとしてもその辺の重要性ということは認識をしておりまして、そのための講習会とか、あるいは研修の機会等について考えておるところでございますけれども、さらに今回のような事件、あるいは今の先生の御指摘のようなことを受けまして、本当の専門家、臨床心理士あるいは精神科医あるいは教育学者、こういう方々のお力も得ながら、どういうカウンセリング体制が必要なのか、あるいはどういう仕組みをつくることが実際の親御さんの悩みにこたえていくことになるのか等については真剣な研究をスタートさせたい、このように考えております。
○小野清子君 また、今回の少年は、幼児期からめ基本的な人格障害であり情緒障害だから、学校だ社会だと、この問題の責任であるということを言っても意味がないのではないかという、ある意味では大変悲しい言葉ですけれども言われております。それだけに異常な事件ではなかったかというわけですけれども、異常事件は再発性が非常に強いと、こうなったときに、現在の少年法でこの問題を取り扱うということで一体足りるのかどうか、その辺を警察庁の方に伺いたいと思います。 では、今対応していただくように、ちょっと待たせていただく間に。 私は、今回の事件を通して、思春期のこの時期というものと、ちょうど今の親の年代が団塊の世代と言われる、いわゆる三無主義、無責任、無感動、そういう時代の親が子供たちを育てる年代になっているので、精神構造がいわゆる子供時代のままで大人になっちゃっている。そこに自分自身が子供に対する対応ができていないのではないかということが言われておりますけれども、その辺に関しましては文部省ではどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(長谷川正明君) 今の御指摘の極めて特異なケースとか、そういう場合にはかなり専門的な観点からのアドバイスなり指導というものが大事でありまして、いわゆる一般の親が、普通の環境の中で、そういうところまで配慮できる知識を得るということは大変困難であろうと思います。 したがって、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、かなり突っ込んだ形で、これまでの一般的な意味での子育て相談とか、あるいは家庭教育の指導ということを超えたような深い意味での研究、検討という作業をとる必要が出てきているのかなということを痛感しております。
○小野清子君 現状での中学校での校内暴力の発生状況、件数等々はどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(辻村哲夫君) 校内暴力は、対教師暴力、それから生徒間の暴力、それから器物損壊というものを合わせまして私ども校内暴力というふうにとらまえております。 平成七年度間の調査でございますけれども、中学校につきましては、発生いたしました学校数として千四百六十校、発生件数が五千九百五十四件でございまして、公立学校に占めます発生率といたしましては十三・八%。また高等学校につきましては、発生学校数が七百七十五校、発生件数が二千七十七件でございまして、発生率といたしましては十八・六%というふうに承知いたしております。 この数字は、前年度と比較いたしますと漸増している、ふえていると、こういう状況になってございます。
○小野清子君 この件数の中で、先生に対してあるいは同級生同士あるいは器物破損等々、その辺の内容はどんなものでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) まず対教師暴力でございますけれども、中学校につきましては四百五十五校で発生をいたしております。発生件数といたしましては八百八十八件、生徒数といたしますと千一人、被害を受けました教師は千三十六人という数字になってございます。高等学校につきましては百二十七校で発生いたしておりまして、発生件数としては二百二十七件、加害生徒数が二百三十六人、被害を受けました教師は二百二十人というような数字でございます。 それから、生徒間の暴力の関係でございますけれども、発生いたしました学校が千百八十四校、発生件数三千五百三十件、加害生徒数が六千三百八十六人、被害を受けました生徒が四千六百五十六人。高等学校につきましては、発生学校数が七百二十一校、発生件数千七百二十一件、加害生徒数三千百十二人、被害生徒数千八百八十八人、このような数字でございます。
○小野清子君 ありがとうございました。 とにかくこの件数を聞きますと、教育現場というものが、子供たちの夢を育てつつも、片や大変な状況であるということの認識も改めてさせられるわけでございます。 とにかく今回の事件を通して、いらいらするとか腹が立つ、むしゃくしゃする、それが何かしら受験戦争のあおりのような認識を子供たちが発言しておりますけれども、人はやはりいつの日かは、どこかで学び、苦しみ、そしてそれを乗り越えていくという時期が必要なわけですから、子供たちの言うことに私は一〇〇%同情するつもりはありません。やはりそこに対応しながら子供たちが伸びていくものだと思います。 それにしましても、親の子育てのあり方の過程というものが、従来のように複数の大勢の人間の中ではぐくまれていく時代と非常に1親といっても片親であったり、時には親が家の中にいないで自分一人孤立するような、家庭という言葉で言えないような状況で子供たちが育っているということも現実でありますし、あるいはまた学校の教師の指導のあり方にしましても、やはり従来のような何かゆとりがないような気はいたします、ゆとりある教育をたたえながら、訴えながら。それから社会環境としても、歯どめのない情報の洪水のような状況の中で子供たちがそれを取捨選択しながら安定した心境で青春時代を過ごしていくということは、ある意味では大変それこそ洪水の中でおぼれてしまう状況が出てきているのかもしれない。 そういうことを考えていきますと、大臣がおっしゃったように、心の問題ですとか人間性の問題ということの中に、道徳教育等々、日本古来の礼儀正しく、まじめで、正直で、勤勉でなどという言葉が今の子供たちには何かしら余り当てはまらないような気がするんですけれども、特に私は、このごろ起きますさまざまな事件の中で、ひきょうという言葉はこのごろ余り使われない言葉ですけれども、一人の人間を多数であやめてしまうとか、これは高齢者あるいは弱い者、あるいは大人であっても数人が、おやじ狩りなどという大変嫌な言葉がありますけれども、勇気がなく憶病であるがゆえに事を運ぶというふうな非常に卑劣な行動が私は何かしら目立つような気がするんです。 校内暴力が発生していくということも、ある意味ではそういうことのあらわれを学校で、まずいことですけれども表現しているのかなと、そんな気もしないでもないわけですけれども、人は人にもまれて人になるという言葉がございます。学校の中で心の問題を問うときに、紙の上で心づくりというのはできるのだろうかということを感じている一人でもございます。 そういった意味においては、他との違いを知り、自分を大切にしながら他も大切にし、協調、共同、協力精神の中でということは、社会というのはまさに自分一人では生きていけないわけですから、その社会の中に自分が立つ最初の教育の場が家庭ですけれども、家庭に教育の力がないとすれば、それを学校教育なり社会教育なりがどう補っていくかをしない限り人間教育というのはできていかないと思うんです。 私は、今回の問題を通して何かを変えていかなければ次の問題がまた出てくるのではないかという大変大きな危惧を抱くわけです。何を変えていったらいいんだろうかということを考えさせていただきますと、三同効果というのがあるんですね。同じところで同じものを食べ、同じ問題について語り合いながら三日暮らせば心が通じ合うよという三同効果という言葉があるんですけれども、それに似たようなものが修学旅行なのかなと、そんな気もしないわけではありません。 私は、学校教育というこの教育の場で、いわば人づくり、心づくりというものをこの機会を通して大きく取り上げて何かしらぶつけてみることが次への進歩につながっていくのではないかと思いますけれども、大臣、この辺の考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(小杉隆君) 私は、子供の心の教育は、家庭、学校、社会、この三者が連携してやっていかなければいけないと思います。 今御指摘のように、最近の家庭を見てみますと、核家族化、少子化という中で子供に対する教育力は非常に低下しております。昔はおじいちゃん、おばあちゃんが大変いいことを教えてくれましたし、また兄弟が大勢いて兄弟げんかを通じて社会性というようなものも身につけることができた。それから、父親が大変夜遅く帰ってきて子供と接触する時間がない、母親も男女共同社会ということでパートタイム等に出て子供に接する時間も少ない、こういう状況であります。 それから学校におきましても、先ほど大変深刻な数字が報告されましたけれども、教師に対する暴力、同級生に対する暴力、大変憂慮すべき状況です。私は、学校の中でも、もう全部覆い隠すというような形ではなくて、教師として学校としてできるところと、そしてそれの手に余るところはもっと私は社会なりあるいは関係機関に訴えていくべきだと思います。 それから社会におきましても、今御指摘のように大変各種情報がはんらんしております。ホラービデオも含め、またテレビ、新聞あるいはその他のマスメディアが大変はんらんしておりますだけに、子供にとってこのはんらんして押し寄せてくる情報をどう処理していくか、その情報の選択力という、そういう力をつけさせることも今後大切だと思いますし、社会一般が余りにも子供に対して無関心過ぎる。人間関係が希薄になって、昔ですと、私なんかいたずらをすると、他人の親にそんなことをしちゃいけませんよと注意されたんですが、最近そんなことを言ったらその親からどなり込まれると、こんなようなことがあります。 私はそういう意味では、家庭教育においても学校教育あるいは社会教育においても多々考えなければならない点があると思いますし、いずれにしてもその三者の連携、協力ということは大変これからの重要な課題だと思っております。
○小野清子君 ありがとうございます。 人の痛みを分かち合う、あるいは命を大切にする等々、私は共同・寮生活などというものがこれから考え直されていかなければならないんじゃないかと思うんです。例えば中高一貫教育というものが今提唱されておりますし、また、人の心の痛みがわかるようにという免許法の改正もしましたけれども、教員がただそれを実体験することだけではとてもとても教え切れるものではない。 そういう意味では、例えば中高一貫教育の中において、ある時期、半年くらいは寝食をともにして、やっぱり親友というもの、本当に信じ合う子供をお互いがっくり合えるような状況でなければ、家の中が空っぽで、このA君にしても、自分の部屋に入って、このときだけが心休まるなどということを言っているのを見ますと、ある意味では大変気の毒だと思います。ですから、気ままな自由を個室で満喫している悲劇が今回の悲劇ではないかと私は思います。共同生活というのは一見窮屈なんですね、他人に気を配らなきゃなりませんし、我慢しなきゃならない。しかし、集団生活のもたらす別の意味でのバイタリティーというものはすばらしいものがある。そこにやはり感動とか、?りさを乗り越える克己心とか、まさに生きる力というものが生まれてくると思うんです。 私は、今回のことを通して、これからの学校教育の中における社会教育の接点としてのこのような共同部生活環境というものをぜひつくっていくべきではないかと思いますけれども、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(小杉隆君) 今度の教育改革プログラムの中でもあるいは中教審の答申の中でも、今まさに小野委員が言われた方向を目指したところでございます。 そこで、今度の教育改革プログラムにしても中教審の答申にしても、子供たちにできるだけボランティア活動、自然体験、あるいは共同体験、こういうものを推し進めるために中高一貫教育、ゆとりのある教育の中でそういった体験をしていただこうと。あるいは週五日制完全実施二〇〇三年と目標を掲げましたのも、そうした中で、子供たちが勉強だけではなくて、家族との触れ合い、自然との触れ合い、そういった実体験を持てるような、そういう環境づくりということを目指したものであるというふうに私どもは考えております。
○小野清子君 ありがとうございます。 それでは、ちょっと少年院における更生状況ということで質問をさせていただきたいと思います。 きのう帰りましたら、夜のニュースで、特異な例だからといって今回だけを少年法の規定から外すということではなくという言葉が添えられておりましたけれども、更生状況が悪ければ拘置期間を延ばすことも検討を始めたという法務大臣の談話を夜のニュースで拝見させていただきました。 少年法を基準とすることは当然とは思いますけれども、少年法で裁き切れる範囲を超えたものと今回の事件を考えさせていただいているわけでございますけれども、その辺は、GHQの指導によって昭和二十三年に少年法ができて今四十九年たっている。アメリカの方の実際のお手本を示した法はどんどんその内容を変えて、特に七〇年以降はこの少年法の変更の中で、たとえ十歳であっても厳しく実名、顔写真、すべてを公表するというところまで変化をさせておりますけれども、日本の場合には二十三年にできて以来そのままになっておりますし、今回のような例を考えますと、この少年法についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いさせていただきます。 警察庁の方にお願いをいたします。
○説明員(松尾好將君) 捜査につきましては、法の趣旨にのっとりまして、証拠に基づきまして事実関係を明らかにするということでありますので、今回の少年につきましては、少年法の趣旨にのっとってその事実関係を明らかにしていくということで私どもは現在捜査をやっているところであります。
○小野清子君 大体お答えはそのようだと思っておりました。 しかし、教育の世界にこの事件を生かしていくためには、やはり私どもも、文部省もそうですし世間もそうだと思いますけれども、家裁でいわゆる審判に付されるわけですけれども一保護処分が前提であるとなれば、犯罪行為の事実というものを私たちは知ることができないのかどうか、その辺をお知らせいただきたい。
○説明員(松尾好將君) 審判は家裁で行われることでありますが、私どもは捜査の結果を踏まえて家裁の方に送致をするということでありまして、法は、審判につきましては非公開ということになっておりますので、事実関係についてはその審判の過程で明らかにされていくものというふうに承知しております。
○小野清子君 今回の被害者の淳君の場合には毎日のように顔写真が新聞に出、それから小学校にしろ中学校にしろ学校名がどんどん出ていっております。これは法務省になるんですね。プライバシーの問題ということが昨今大変言われておりますけれども、日本の場合のプライバシーという問題に関する犯罪関係というものの状況をどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 被害者の方が顔写真が出、校名が出、大変つらい状況の中で、加害者の方だけが何かしら私の感じでは逆に保護をされているのではないか、その辺のバランスのとられ方を非常に不審に思うんですけれども、いかがなものでしょうか。——答弁がちょっとできないようでございます。わかりました。 とにかく、今回は何か手探りをしながら質問を取りまとめているわけですけれども、私は余りもう時間がなくなりましたけれども、一番大事なことは、やはり国民に真実を知ってもらうということ。国民生活の不安というものの中に、子供の教育に対して親はすべて自信を失いかけていくんではないかということを私も一人の親として危惧をするわけでございます。学校がどうなっているか、家庭がどうなっているか、社会がどうなっているかと口で言うことは実に簡単なことですけれども、法というものがそれを保障することの中において私たちは安心した生活をさせていただくことができるわけでございます。 そういう意味において、国民の、庶民の生活、今、財産を保障するという国の姿勢にどこか欠陥があるのであれば、やはり今回直すべきところは直しておかなければならないと思います。そういった意味におきまして、捜査中であるということでなかなかお答えをいただきにくいところもあるわけでございますけれども、やはり常に国民、庶民の立場に立った法でなければならないということは、今回の事件においても、プライバシーの問題に関しましても、一親としても非常に感じているところでございます。 また、A君が逮捕をされたときに親はほっとした表情を示したという言葉が非常に私は心に残りました。ということは、親がこの事実を知っていたのかどうかということ、これはもうお答えをいただくつもりはありません。そういたしますと、例えば家裁で六カ月なり二年なりなんなり、子供がまたその家に帰っていくときに果たして親が受け入れるだけの能力なり、家庭がそれを受け入れるだけのものができているのかどうかすら私は大変心配をさせていただき、これはどちらの立場というのではありませんけれども、まさに苦しい状況を何かしら自分ごとに感じさせていただいているところでございます。 最後ですけれども、これは新聞からの切り抜きですけれども、自治会の会長さんが八十三歳で、毎日のように地元の安心のためにみんなで守り続けてきて、事件は解決しても住民の動揺は依然として大きく、ショックがおさまるまではパトロールは続けたいという言葉があります。 私たちはこの事件を、A君がもしも最終的に犯人であったということが決定したからといって終わってしまったのではいけない。今までも綾瀬のコンクリート詰め事件とか言葉にならない事件がたくさんありました。ああいう事件の中で、文教あるいは文部省としてどう対応して何がどう変えられていったのかということを、もう質問の時間がなくなりましたから私からのお話だけで終わらせていただきますけれども、一つ一つの事件があったときに、それを通してやはり何かを変えていかなきゃならないし、変わっていかなければ次へのステップが生まれてこない、ただひたすら不安が世の中に残るようであってはならないということを非常に感じながら、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○委員長(大島慶久君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、石井道子さんが委員を辞任され、その補欠として谷川秀善君が選任されました。 —————————————
○北岡秀二君 自民党の北岡秀二でございます。 ちょうどたまたま、今の小野理事さんの質問を聞いておりますと、まさに後段聞かれようとした部分を私が引き続いて質問をさせていただけるというような形になったようでございますので、小野先生に関連して、少年法の問題あるいは心の教育の問題等数点お伺い申し上げたいと思う次第でございます。 ちょうど、このたびの事件に関連していろいろマスコミ等の論評がございます。昨日の日経新聞、「検証少年法」という記事におきましてなかなか興味あるコメントがあるわけでございます。国学院大学の教授のコメントで、「少年法は社会の寛容が存立の基盤になっている。改正論議が盛んになることは少年を支えている家庭、学校、地域社会の不安、自信喪失を意味している」、すなわち、少年法の改正の論議がこのたびの事件でいろいろ叫ばれております。 御承知のとおり、少年法というのは少年を守り更生をさすという趣旨の法律でございます。そういう状況にあるにもかかわらず改正論が出てきておるという背景には、私どもがつぐり上げてきておる社会や家庭や、日本の国全体の教育システムも含めましていろいろ不安が訪れておる、あるいは自信喪失をしておるのではないかというようなコメントでございますが、まさに私はこれは的を得た指摘ではなかろうかと思う次第でございます。さらに、ちょうどこの事件が起こった当日も橋本総理が、我々はどこで教育を間違えたのだろう、教育というものを本当に考えてみる必要があるというようなコメントも同様の趣旨でされておるわけでございます。 先ほど小野先生もおっしゃっておられましたが、少年の事件ということを考えてみますと、過去ずっと本当に重大事件が何件も何件も繰り返されておりながら、女子高生のコンクリート詰めの殺人事件あるいはマット殺人事件、さらには両親をバットで撲殺する、そしてまた、非常に心が痛む問題でございますが、いじめによる自殺事件が相次いで、本当に社会の反響を呼ぶような事件がこれでもかこれでもかというような形でどんどん発生してきておる。そのたびごとに、文部省としてもいろいろな検討を重ねて対策を立ててこられておる。 この状況の中で私感じますのに、いろいろ努力はされていらっしゃるのだろうとは思うんですけれども、これは一朝一夕に解決できる問題ではなくて、根の深い問題が共通して今の教育の現場にあるという観点から申し上げますと、そうすぐに改善できるものではないかもわかりませんけれども、私どもの印象としては、今度の事件でも、今度のは非常に大きな悲惨な事件ではございますが、またかというような認識を受けるわけでございます。青少年を取り巻く教育環境ということを考えてみますと、改善をされている様子が一向にうかがえないところか、もろもろのことを考えてみますときに、少年を取り巻く教育環境というのは、これは大人社会の環境も含めてでございますが、ますます悪くなっていっているような感じさえも受けるわけでございます。 先日もちょうど青少年の事件がございましたが、横浜で十五歳の少年が駅のホームで肩がすれ合ったというだけでナイフで大人を刺したというような、本当に普通では考えられないような事件も起こってまいりました。 当然、過ちを繰り返さないためには、いろいろな事件が起こってきたときに、徹底的に原因を究明する、その原因を究明した上で、どこに問題があるのか、本当にシビアな現状分析をして、現状認識をした上で問題点を見つけてその対策を立てるということが私は基本的に必要だろうと思うわけでございます。 私は、先ほど申し上げました過去のいろいろな事例を見させていただいて、どういう反省のもとでどういうふうな対策を立てていったかという経過を拝見させていただいておりますと、どうもこれは文部省だけの問題ではないだろうとは思うんですけれども、事件、事故の現状認識、現状分析がやや甘いような感じを私は持っておるわけでございます。 特に、これは少年法の問題も絡んでくるわけでございますが、加害者サイドの調査について、少年法ではそのあたりは非公開ということで非常に大きな壁があるわけでございますが、加害者サイドのいろいろな原因、学校側にどういう問題があったか、先生サイドにどういう問題があったか、親にどういう問題があったか、家庭環境にどういう問題があったか、あるいは社会環境の中で、友人関係の中でどういう問題があったか。本当に私はこういう重大事件がたびたび起こるということから関連して考えてみますときに、そのあたりを徹底究明して、今後の対策に生かすフィードバックというのが物すごく必要になってくるのではなかろうかと思うわけでございます。 過去の重大少年犯罪の問題についてでございますが、そのあたりの原因究明あるいは今後の教育の現場で生かすという観点に立って、文部省の方にそのあたりの、加害者サイドの犯罪に至るまでの情報というのはどの程度入っていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(辻村哲夫君) ただいま先生がお挙げになりましたような大きな事件、大きな事件にならないまでも問題だと思われるような事件につきましては、私ども、県の教育委員会を通しまして実情を把握いたしまして、今先生が御指摘になりましたように、原因、背景、今後そうした事件が二度と起こらないようにということでさまざまな検討をするわけでございます。 我々の検討だけでは不十分だと思われるような場合には、専門家の先生方にお集まりいただきまして、協力者会議というようなものをつくりまして検討、分析をするわけでございますが、私どもの検討、分析をする際の基本になります情報は、県の教育委員会、市の教育委員会という教育委員会サイドからの情報でございます。その教育委員会の情報は学校からの情報だというふうに考えられます。 そういう意味で、学校からできるだけ厳密な情報を集めるわけでございますけれども、例えば個々の家庭における状況でありますとか、あるいは問題を起こした少年の過去の引き続きの経緯でありますとかというような個人の問題ということになりますと、やはり学校からの情報というのは限界があるのではないかなというふうに思います。 したがいまして、先ほど先生がお挙げになりましたような問題につきましていろいろ分析し、我々なりには全力を尽くした分析、そしてその後の対応ということに努力をしたつもりでございますけれども、今そういう御指摘をいただきますと、そういった一つの情報のチャネルということだけでは必ずしも十分と言えないのではないかと言われますと、私どもといたしましてもそういった面はあるのではないかなと思います。 そういう意味で、関係機関との相互連携強化ということにさらに努めていかなければならないし、今後のことを考えますと、これからの大きな検討課題の一つなのではないかな、こんなふうにも思っております。
○北岡秀二君 ただいまの答弁にありました中で、いろいろな情報というのは教育委員会から上がってくる、その教育委員会から上がってくるもとは学校だというお話があったわけでございます。 これは多分皆さん方もお感じになっていらっしゃるだろうと思うんですけれども、学校によっては優秀な方がいらっしゃって的確な分析をされる方もいらっしゃるだろうとは思いますが、往々にして、学校現場でどこまで原因究明ができるんだろうか、そしてまた、子供の心理状態とかあるいは家庭環境とかあるいは社会環境を含めてどこまで適切な現状分析ができるのであろうかということを考えてみますときに、私が前段申し上げましたとおり、これは私個人だけではないだろうと思うんですけれども、一般論としての分析はできる。ただ、個々の本当にシビアな形で、そしてまた微に入り細に入りどこに問題があったんだ、また我々として解決できる部分はここだ、そしてまた長期的にいろんなところが総合的に参入しながら解決しなければならない部分はここだ、そういう本当にシビアな現状認識、現状分析というのはなかなか十分にされていないような印象を私は持っておるわけでございます。 そういう観点から申し上げますと、問題解決のサイクルということを考えてみると、的確な現状認識を隅々までやって、そしてまたその状況の中のどこに問題があるのか、その問題を発見した上でそれに対する対策を立てて効果を発揮するというのが大体通常のサイクルだろうと思うわけでございますが、入り口の部分で、私はそういう観点から申し上げると、非常に大きな問題を抱えておるような感じがいたしておるわけでございます。ここで法務省にちょっとお伺いするわけでございますが、現行の少年法の枠の中で、そのあたりの必要機関に対する必要最低限の情報提供というのは、家庭裁判所なり警察も含めてかもわかりませんけれども、適切に情報提供ができる道は開かれておるのか、そのあたりをお伺い申し上げたいと思います。
○説明員(渡邉一弘君) お答えいたします。 先ほど委員からも御指摘がありましたように、少年法の目的は非行化した少年の保護、育成でございまして、そのために、少年の改善、更生及びその情操の保護を図る見地から非公開とされております。 また、少年審覇手続は司法手続の一部でございまして、少年事件の記録は、少年非行の審判に用いることを目的に関係者に対して事情聴取したり調査するなどして収集したものでございますので、これを他の目的に使用することは本来予定されているところではないわけでございます。 したがいまして、個々の事件の内容を直接公開することは困難でございますけれども、先ほども申し上げましたように、少年法は少年の保護、育成を目的とするものでございますから、教育関係者等に必要な情報を伝えることもこれはまた必要であるというふうには考えております。 家庭裁判所等におきましては、調査あるいは審判の過程におきまして、関係者等から事情聴取の機会を通しまして、あるいは教育関係者との一般的な情報交換の場を利用するなどしまして、適宜必要な情報が関係者に伝わるように配慮されていると聞いております。 それからまた法務省におきましても、非行少年の保護処分を担当いたします少年院あるいは保護観察所等におきまして、学校等の教育関係者との協議会等の情報交換の場を通じ、あるいは個別的な少年の処遇に当たる保護観察官等におきまして、これらの関係者に適宜必要な情報が伝わるように配慮しておるところでございます。
○北岡秀二君 いろいろ配慮をされていらっしゃるということでございますが、実態は、先ほどの文部省の答弁ではございませんが、一番大きな情報ソースは学校の現場である。また一番大事な部分の中でのそういう現実の場面での情報提供というのは、法のもとでの領域の中でそれなりに努力されていらっしゃるだろうとは思いますが、私が申し上げておりますような、これだけ大きな問題がどんどん続いていき、その状況をもっともっと分析をしなければならないという観点での情報というのは伝わっていないような感じがするわけでございます。 これは私、前もってお断りを申し上げなければならないのですが、決してその事件の内容を、そしてまた個人的な問題を世の中にさらしものにしなさいという観点での情報提供ではございません。これはもう決して二度と教育現場で、青少年の現場の中で繰り返さないための反省材料の一つとして必要機関に必要最低限情報を提供するんだという観点での情報提供でございます。 私は、既に法務省の内部で少年法の改正の議論がなされておるやに聞くわけでございますが、改正にメスを入れる段階で、私が今申し上げました情報の非公開という部分に関連して、少なくとも文部省なり、今後の検証をしていきながらフィードバックをして、二度とこういう事件を起こしてはなるまいという観点で、必要な機関に対してぜひとも的確で必要な情報提供ができるように検討を加えていただきたい。そのあたりぜひとも要望をお願いしたいわけでございます。 それに関連して、今後の法改正の取り組みの方向等がございましたら、法務省の方の答弁をお願いいたしたいと思います。
○説明員(渡邉一弘君) 現行の少年法におきましては、非行のある少年に対し、個々の事案、当該少年の特性に応じて少年院送致等環境調整に関する保護処分を行うとともに、一定の少年については検察官に送致して刑事処分を行うことができることとするなど多様な処分が用意されております。 法務当局といたしましては、凶悪事件を含む少年の動向を踏まえまして、我が国の少年法制に対して示されている各般の意見についても十分考慮しながら、現実に生起する事件の対応上、現行の少年法にどのような問題があるのか、少年に対し適切な処遇を実現するためには、何といいましてもまずその基礎である事実認定をきっちりとやるということが大事でございますので、そういう事実認定の問題など少年審判手続のあり方について真剣に検討を進めてまいりたいと考えております。
○北岡秀二君 既に少年院での保護をされる期間が短い長いの議論もあるようでございますが、私が今申し上げました必要機関に対する情報公開という問題に対してもぜひとも真剣に検討していただきたいと思う次第でございます。 文部省にもう一度この件に関連してお伺いするわけでございますが、先ほど申された現状分析、私が申し上げますように十分な現状分析をなされていないのではないか、そしてまた、措置がとれていないのではないかというようなことに関してでございます。 例えば、女子高生のコンクリート殺人事件のあの後の状況、我々の印象では何かうやむやになっておるような感じがするし、あるいはマットの殺人事件もございました。事件、事故があって、そのあたりいろいろ補導されたりするまでは結構反響を呼びましたけれども、その後のフィードバックはちょっと何かあやふやになっているんではなかろうかなというような、それはもう例を挙げれば切りがないぐらい、果たしてあれどうなったんだろうというような問題がたくさんあるわけでございます。 先ほどおっしゃられたように、学校現場から上がってくる、教育委員会から上がってくるような現状の報告での分析、さらには一般論的な分析というのはできるだろうと思うんですけれども、先ほど議論させていただきましたとおり、特に加害者側の本当に微に入り細に入りの、なぜこうなったのかというその原因究明に対する情報不足があるのではなかろうか。そしてまた教育現場の中にも、そういう少年法の精神と申しますか壁というか、そういうのがあるがゆえに深く究明しようとする姿勢がとれない、そういうような状況が学校現場の中にも私は蔓延しておるような感じがするわけでございます。 そういう点で、少年法の壁という大きな壁があるような、欠陥があるような感じがするわけでございますが、文部省としてのそのあたりについての率直な御意見をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(長谷川正明君) まず、私の方から一点お答えさせていただきます。 今もお話にございましたとおり、少年非行あるいは少年の健全育成ということについては関係省庁の密接な緊密な連携が必要でございまして、そのための組織として政府の中に、局長クラス、十五省庁の十六局長が参加して青少年対策推進会議、こういう会議が設けられております。さらに、その会議のもとに課長クラスで構成されます非行等問題行動対策関係省庁連絡会議、こういう組織が設けられておりまして、つい最近もこの二つの会議が開かれたところでございます。 これらの会議の中で、関係省庁等から少年非行等の傾向あるいは特色、そして対策上必要だと思われる非行事例等についての整理された報告がなされておりまして、それらをもとに政府全体としての取り組み、基本方針について協議をしておるところでございます。 文部省におきましても、こうした会議の協議あるいはそこでなされておる報告等を踏まえまして、学校教育あるいは家庭教育における青少年育成の施策に反映させるべく努力をしておるところでございます。
○説明員(辻村哲夫君) ただいま先生の御指摘は、外部からの情報は別として、文部省、教育委員会、学校というその関係の中においても率直な情報交換というのが十分行われていない、あるいは行われない、そういう体質があるのではないかという御指摘だろうと思いますが、私ども率直に言ってそういう面は否定できないのではないかというふうに思っております。 この点につきましては、さまざまに指摘をされているところでございますが、一言で言いますと、いじめ等の問題が発生した場合、それを学校として外部に出すということは、その学校自体の評価にかかわるという、そういうことからのちゅうちょがあるというように率直に思います。 この点は、昨年の中央教育審議会の答申におきましても、いじめとか登校拒否の問題を外部に隠そうとしたり、他の教職員、家庭、さらには専門家や関係機関との連携にちゅうちょするような傾向もいまだ見られる、改めて開かれた姿勢での学校運営の重要性を確認しておきたいというような指摘が中教審からも出ているわけでございます。 そういう御指摘は御指摘として私ども受けながら、その当該発生した学校の評価とかあるいは当該学校を非難するしないということではなく、その起こった事件を教訓として、今後そういった事件を発生させない、そういう共通の情報という立場から、率直にその事実は事実として交換し合って検討する、そういう姿勢というのは大事だと思います。 私ども、その点は十分これからも留意しながら取り組んでまいりたいというふうに思います。
○北岡秀二君 先ほど大臣の答弁にもございましたが、学校の中に問題を包み隠すという体質がある、これはもうだれしもが感じていらっしゃるところだろうと思うんですけれども、そのあたりにも非常に大きな問題解決に当たっての障害があるような感じがいたします。学校の問題、情報がどんどん上に上がっていけるような体質づくりにぜひとも努力をしていただきたいと思う次第でございます。 大分もう時間がなくなってまいりましたのでちょっと質問を飛ばしますが、私は心の教育の問題についていろいろ大臣にもお伺いしたがったわけでございますが、先ほど小野先生の方からもいろいろ話をされていらっしゃいました。 私は、子供社会の現場が大人社会の反映であるということから申し上げますと、今の日本の国の病根ということを考えてみるときに大きなその原因の一つに、本来一対であるべき自由と責任、このバランスが崩れておる。行き過ぎた自由、権利の名のもとに、自分のことしか考えない大人や子供というのがどんどんでき上がってきておるような感じがするわけでございます。そしてまた、子供を取り巻く環境ということをもう一つ加えますと、偏差値教育、さらには少子化現象というような状況の中で、まさに先ほど小野先生もおっしゃっておられましたが、人は人にもまれて人になるですか、そういう観点での人間関係の疎外感というのがどんどん進行していっているところに大きなその原因があるように私も感じるわけでございます。 そういう観点から申し上げますと、学校、先生、親、家庭、社会あるいは子供、この自己責任体制のサイクルをいま一度立ち上げなければなかなか問題解決はできないのではなかろうか。そういう観点から、別の角度から申し上げますと、責任と義務というのを我々もう一度点検することによって初めて人に対する思いやり、社会に対する思いやりを呼び戻すことができるんじゃなかろうかなという印象を私は持っておるわけでございます。 心の教育という部分にこれから非常に取り組んでいくという大臣の決意でございます。中教審に今度そのあたりを諮問するということでございますが、今後の心の教育ということに関連しての大臣の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 今、北岡委員が言われた内容について私もほぼ同感であります。権利を主張する一方では義務を果たさなければいけない、こういう気持ちは根底に持っていなきゃいけませんし、自分自身持つと同時に、相手にもそうした権利を侵さない、あるいは義務を果たさせる、そういう気持ちも同時に私は持つことによって初めて社会的な関係というものが成立すると思っております。 学校教育におきましては、道徳とか社会あるいは特別活動というような教科で、そうした責任と義務、あるいは自律、自己責任というんでしょうか、そういう精神とかあるいは社会連帯の精神という態度を涵養していくということで進めております。 先ほど小野委員の質問にもお答えしましたように、心の教育というのは、単に学校教育の場だけではなくて家庭においても、特に私は、先ほど御指摘があったように、父親、母親に対する教育なども例えば幼稚園でやってみたらどうかというようなことも提案しておりますし、また社会におきましても、これからますます中高一貫教育とか学校五日制が普及するにつれて、子供たちを受け入れる社会のあり方というものもあわせて考えていかなきゃいけないと思っております。
○北岡秀二君 心の教育というのは非常につかみどころのないものでございますので、要は引っ張っていくサイドの心意気、心意気と言うとまた変な表現ですけれども、姿勢というのにすべてかかわってくるだろうと思うんです。どれだけ本気でやる気になって、どれだけ改革をしていこうかという姿勢が形となってあらわれてくるだろうと思いますので、ぜひともその根本的な部分での解決策をこれから見出していただきたいと思う次第でございます。 もう時間も参りましたけれども、これは文教委員会で継続して抱えておる大きな問題でもございますし、青少年の健全育成ということに関連して多少かかわってくる問題でございますので、あと一点お伺い申し上げるわけでございます。 既に継続審査となっておりますスポーツ振興くじに関連いたしまして、青少年の健全育成に対して賛否いろいろあるわけでございますが、この青少年の健全育成という観点からの文部大臣のこのスポーツ振興くじに対する御見解をお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) スポーツくじにつきましては長い経過がありまして、平成四年に体協、JOCからぜひこういう制度をつくってほしい、こういう要望がありました。そして、各党とも検討され、スポーツ議員連盟を中心に議員提案という形で提案をされてきたものであります。先般の通常国会におきまして、衆議院では可決をいたしましたが、参議院は現在継続審議中、こういう経過になっております。 それから、この法案を出された方々の趣旨は、今おっしゃった青少年の健全育成とかあるいは地方のスポーツ振興ということを目標にされていると思っておりますが、今スポーツに対する予算は大変厳しいものがありまして、なかなか財源確保が難しい状況の中で、私としてもスポーツ関係者から強い期待があるということは承知しております。いずれにしても、今後の国会の審議を注意深く見守っていきたいと考えております。
○林久美子君 平成会の但馬久美こと林久美子でございます。 初めに、このたびの須磨区の小学生、土師淳君、そしてまた山下彩花ちゃん等の事件につきまして、御遺族の方々や御親族の方々に、痛ましい結果に対して心から哀悼の意とお見舞いを申し上げます。 特に、私は地元でもありますので、七月一日に石田美栄議員とともに現地に行ってまいりました。かつてない猟奇的な事件の性質上、ざんきにたえない思いをいたしております。しかも、容疑者は十四歳の中学生と言われております。余りのショックで言葉も失っております。もちろん、本人の非はぬぐい去りようがありませんけれども、教育界あるいは時代のしわ寄せがとうとうここまで来てしまったのかという思いを強くしております。断じてこの事件を看過してはならないという思いで、容疑者をそこまで追い込んだ教育制度のあり方に鋭いメスを入れなければこの事件の最終解決はないと強く感じております。 そういう意味で、大臣も先ほどからいろいろ答弁なさっていらっしゃいますけれども、もう一度この事件に対しての御意見をお聞かせください。
○国務大臣(小杉隆君) この事件の容疑者が十四歳の中学三年生であったということを私は深刻に受けとめるとともに、さらに連続通り魔事件の容疑者としても再逮捕されたということに改めて大きな衝撃を覚えております。 現在、この事件の背景なり動機がどこにあったのか捜査当局で懸命に捜査が続いておりまして、その進展を見守る必要がありますけれども、私は教育行政を預かる者として、先ほどから申し上げているように、心の教育の重要性というものを痛感いたしております。 私どもとしては、より正確な情報把握ということで二度にわたって調査団を派遣したりプロジェクトチームをつくったところでありますが、今後とも、捜査当局の協力も得ながら、より真相を把握する努力も続けていきたいと思います。 私どもは、こうした少年、児童の問題行動に関する専門家会議を設けることにして今人選を進めております。それと並行して、中教審に幼児期からの心の教育がいかにあるべきかということについて今諮問内容を検討中でありまして、八月初旬にこれを諮問する、こういうことにいたしております。
○林久美子君 ありがとうございました。 七月十四日に、大田区では、おやじ狩りをしていた十四歳以上の八人が逮捕されたと報道されております。全員家出をしておって、おやじ狩りをして生活をしていたということなんですね。いじめ、校内暴力、そしてまた家庭内暴力、登校拒否等に象徴される少年のストレスのはけ口は、いよいよ学校や家庭を離れて社会にその方向を向け始めたように感じます。 その少年のストレスをキャッチし、救済の手を差し伸べる機関がいわばスクールカウンセラーでありますけれども、養護教諭であり、また教育相談者でありますけれども、場合によっては厚生省管轄の、先ほどから出ております児童相談所というところもあります。 今回の中学生の容疑者は、報道によりますと、悪を競うようなグループの仲間であったということですけれども、学校ではどういう救済の手を差し伸べていたか、文部省にお伺いいたします。
○説明員(辻村哲夫君) 私ども、この少年につきまして、神戸市の教育委員会からただいまの点につきましては次のような報告を受けております。被疑者の少年は、中学一年のときは目立った欠席もなく学校生活を送っておりました。ただ一方で、一年のときから友人を殴るなどの問題を起こしたと。そうした場合には、学校としては保護者や当人に対して、家庭訪問を行う、あるいは学校に保護者を呼ぶというような形で種々相談をし、あるいは指導をするというようなことをしてきたというふうに聞いておりますし、その過程の中で関係機関への相談ということを勧めるということもあったようでございます。 本年の五月になりまして、友人を殴るなどの問題行動を起こして、指導をした後、逮捕されるまでの間は保護者とともに児童相談所に通っていたというふうに聞いております。 学校全体の対応につきましては、私どもまだ詳細を十分に聞いているわけではございませんけれども、少年の問題行動に対応いたしましての対応といたしましては、主として今のような対応を学校としてはしてきている、こういう報告を受けております。
○林久美子君 児童相談所に行って相談されてはと家族に言われていたようですけれども、児童相談所は、先ほども言いましたけれども、文部省管轄ではなく厚生省管轄で、都道府県と指定都市に設置されております。現場では文部省とか厚生省という観念がなくて、市内にある児童相談所という観念が強かったのかもしれませんけれども、それではスクールカウンセラー制度が利用されないという思いがするんですね。なぜもっと早くスクールカウンセラーの派遣要請を出されなかったのか。 また、現在はこの友が丘中学や多井畑小学校には事件後きちっと派遣されておりますけれども、その周辺の学校にも派遣されております。打つ手が後手後手となっている状態なんですけれども、児童相談所とスクールカウンセラしの役割の相違点をお聞かせください。この二点。
○説明員(辻村哲夫君) スクールカウンセラー制度は、学校におきます、学校の中でのカウンセル機能の充実という観点から講ぜられているものでございまして、臨床心理士といった心の問題に専門的な知識、経験を持っておられる方をスクールカウンセラーとして学校に配置をいたしまして、保護者、子供、あるいは場合によりましては先生に対しての教育相談等に当たっていただく、こういうことで置かれているものでございます。 他方、児童相談所につきましては、児童の福祉の観点から、学校の外におきまして児童に関します各般の問題について相談、あるいは医学的、心理学的な精神保健上の判定、それに基づきます指導、保護等を行う機関であるというふうに認識をいたしております。 そういう意味で、心のケアという点では共通する点があるわけでございますけれども、スクールカウンセラーは、学校の中に外部の専門家をお招きしてケアに当たっていただく、児童相談所は、先ほども申しましたように、学校の外において専門的な立場から児童の指導、保護に当たっていただく機関、こういうふうに役割が分担をされているというふうに思っております。 私どもとしては、学校の先生がまずスクールカウンセリングに当たっていただくということも大事ですし、スクールカウンセラーを活用していただくということも大切なことだと思いますが、場合によりましては学校外の児童相談所との連携をとるということも大切な対応の一つなのではないか、こんなふうに考えております。
○林久美子君 今回のこの事件が起きる前に、スクールカウンセラーがなぜもっと早く派遣されなかったのかなということの御意見を。
○説明員(辻村哲夫君) スクールカウンセラー制度は平成七年度からスタートいたしました。したがいまして、今回の事件は平成九年度に起こっておりますので、兵庫県の御判断あるいは神戸市の御判断によって、場合によっては当該学校にスクールカウンセラーを置くということもあり得たかとは思いますけれども、全体の中で数が限られておったということもあったのかと思いますが、この学校に配置をしなかった事情につきましては詳細承知いたしておりませんけれども、平成七年度、平成八年度の時点では、このスクールカウンセラーは当該学校には置かれていなかったのは事実であるということでございます。
○林久美子君 そのように、今スクールカウンセラーが非常に不足していると言われております。スクールカウンセラーの拡充について、平成十年度ではどういうような計画を考えていらっしゃるのか。また、阪神・淡路大震災以後における心のケアの問題が起きておりますけれども、このスクールカウンセラーの活用状況についてお聞かせください。
○説明員(辻村哲夫君) ただいまもお答えいたしましたとおり、スクールカウンセラーの事業は平成七年度からスタートいたしました。平成七年度には全国で百五十四校、平成八年度に五百五十三校、そして本年度、平成九年度に千六十五校の小中高等学校に配置をされているわけでございまして、来年度どのようにするかということにつきましては、これまでの成果等分析を行いながらこれから検討してまいりたい、今そういう状況でございます。 ところで、このスクールカウンセラーが平成七年度からただいま申し上げましたような数で置かれてまいったわけでございますけれども、現時点では、私どもこのスクールカウンセラーが置かれております学校等からの報告として次のようなことを承知いたしております。 成果といたしましては、まず担任の先生につきまして、スクールカウンセラーの指導、助言を受けるということで、これまで自分なりに努力をする、しかし必ずしもカウンセリングについて自信がないという先生方につきましては、子供たちのさまざまな悩みや相談に当たるときに安心感あるいは自信を持って接することができるようになってきているという教師からの御報告がございます。 それから保護者につきましては、保護者が直接スクールカウンセラーの指導、助言を受けるということもあるわけでございますが、そうした相談を受けることによって、自分の子供の登校拒否に対する理解、あるいは受容が深まってきている、また精神的にも余裕を持って対処できるようになってきているという成果が報告されておりますし、また子供自身につきましては、さまざまな事情で登校拒否となっていた生徒が、相談室登校が可能となり、さらには通常の登校が可能となって、卒業あるいは進級ができた事例があったというような報告を聞いております。 一方、このスクールカウンセラーの設置事業は、原則週二回、一回当たり四時間という形で配置をされております。ということで、時間的な限界もございまして十分にその成果が発揮されていないのではないかという御指摘、あるいは、それまでは担任の先生あるいは生徒指導の先生あるいは養護教諭の先生たちがカウンセリングに当たっていたわけでございますが、そこに外部からスクールカウンセラーの先生が入ってこられた。そこで、このスクールカウンセラーと先生との間で子供から得た情報といったものをどんなふうに処理をするのか、スクールカウンセラーと教職員間の連携のあり方ということについては今後の課題としてさまざまな課題が指摘されております。 それから、一般的にスクールカウンセラーと担任と、それからこれまでの教育相談担当の教員という形でチームを組んで心のケアに当たるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように平成七年度からスタートをしたということで、まだ経験もそんなに長くないということで、その連携のあり方等について全体的にふなれな面があるといった面が課題として指摘をされております。 いずれにいたしましても、こうした長所短所の報告を受けておりますが、全体としては成果が上がっているというふうに私どもは承知をいたしております。
○林久美子君 ありがとうございました。 スクールカウンセラーの資格は、財団法人の臨床心理士資格認定協会が認定している。臨床心理士や精神科医やまた大学の教官など、児童生徒の心の問題に関して高度に専門的な知識、経験を有する者となっております。養成機関を設立してぜひその不足に対応していただきたいと思っております。 先ほどの事件の話なんですけれども、この五月のある日に、容疑者がある事件を起こし、家族に学校から児童相談所に相談をしてはと言われ、家族が受諾した時点から容疑者は登校しなくなっている。このときの不登校が今度の殺人事件の誘因になったと思われます。 文部省の方針に、いじめる児童生徒に対する措置として、一定の限度を超えた場合は学校出席の停止処分を申し渡せる制度があります。そこでお尋ねするんですけれども、この容疑者の不登校はみずからの行為であり、学校側が出席停止処分を申し渡したのではないということが言われているんですけれども、実際はどうなのか。また、この出席停止処分を申し渡すにはどういう手続が要るのか。例えば、教育委員会で協議して校長が申し渡すという形をとるのか、この二点をお聞かせください。
○説明員(辻村哲夫君) 出席停止の制度は学校教育法に規定がございまして、小学校及び中学校で、性行不良であって他の児童生徒の教育に妨げがあると認める児童生徒があるときは、市町村教育委員会はその保護者に対して児童生徒の出席停止を命ずることができる、こういう学校教育法の規定に基づいて行われているものでございます。出席停止の制度は、本人の懲戒という観点からではなくて、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の義務教育を受ける権利を保障する、そういう観点から設けられている制度でございます。 お尋ねの今回の当該児童生徒につきましてでございますけれども、出席停止という措置を保護者に命じたという事実はございません。というふうに報告を受けております。 それから、出席停止の運用でございますけれども、ただいま学校教育法の条文も読み上げましたとおり、市町村の教育委員会がこの出席停止を行う権限を持っているわけでございますけれども、内部委任によりまして、これは学校管理規則等の規定によるわけでございますけれども、教育委員会が校長にその権限を委任するということも認められております。そのような場合には、校長は事前に教育委員会と協議の上、出席停止を命ずる、あるいは場合によっては校長は出席停止を命ずることができる、その場合にはその旨を報告するものとする。さまざまなやり方があろうかと思いますが、いずれにしろ、そのルールに従いまして出席停止というものが行われるわけでございます。 昭和五十八年に、私ども、この出席停止というものが義務教育の確保、履行ということにかかわります大変重要な制度でありますことから、その運用につきまして指導の通知を出して、さまざまな運用に当たっての配慮を示しているところでございますけれども、この要件、これがいたずらに出席停止というものが講ぜられてはいけない。出席停止に当たる要件であるかどうか、これも具体的にはいろんな事例を挙げてございますが、ここでは省かせていただきます。といった点と、それからこれは義務教育を受ける機会を一定時期奪う大変重たい措置でございますので、保護者あるいは本人の弁明の機会、聴聞の機会を必ずとるという点がポイントだろうかと思っております。 あと、どのくらいの期間にするかとか、あるいは出席停止が行われました期間におきましても絶えず学校と家庭との間で連携をとり合うとか、あるいは出席停止を終えた子供が円滑に学校にまた再復帰できるようなことについての留意点とか、そういった点につきましては今申し上げましたような昭和五十八年の協力者会議の検討を踏まえた通知で細かく指針を示してございますけれども、いずれにいたしましても出席停止につきましてはただいまのような考え方に基づいて行われているということでございます。
○林久美子君 どうもありがとうございました。 では次に、もう時間がありませんので最後になりますけれども、青少年の健全育成の問題についてお尋ねいたします。 情報化社会における陰の部分についてでありますけれども、今回の少年容疑者の保持していたというホラービデオ、それから雑誌、漫画のたぐいや、本人が所持していたかどうかわかりませんけれどもアダルト類のはんらんは、青少年の育成に不健全な影響を及ぼし、非行を誘発しやすい環境をつくってしまうような状況と判断いたします。さらに、テレビ放映とか電話利用とかまたインターネットの利用など、現在さまざまな情報媒体が混在しておりますけれども、青少年の健全育成を阻害しているような気がいたします。 こうした野放し状態にあるメディアの改善が必要と思われますけれども、特に関係団体の自粛、自主規制もぜひ行っていただきたいのですけれども、関係法令による何らかの規制を考えていらっしゃるのかどうか。これは郵政省と通産省の方にお伺いいたします。
○説明員(伊東敏朗君) 私の方からは、テレビ放送におきます自主規制などの取り組み状況についてお答えさせていただきます。 放送におきます青少年対策につきましては、現在、放送法により放送事業者に作成を義務づけられております番組基準におきまして、青少年への配慮事項が定められております。 具体的に申し上げますと、青少年への配慮といたしまして、児童及び青少年に与える影響などを重視して放送時間に留意すること、また武力や暴力を表現するときは青少年に対する影響を考慮しなければならないことなどが定められておるところでございます。 また、昨年十二月に取りまとめられました、放送行政局長の懇談会であります多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会の提言を受けまして、第百四十回国会におきまして放送法改正が成立を見たところでございますが、番組審議機関の議事概要の公表など番組審議機関の機能の強化を図ったところでございます。 さらに、同懇談会の提言を受けまして、放送事業者側におきましても次のような取り組みを行っているところでございます。一つは、NHK及び民放連が、人権問題等への対応のための苦情対応機関であります放送と人権等権利に関する委員会を本年六月に共同で設置したところでございます。また、衛星放送におきましては、親が設定する暗唱番号によらなければ番組が映らないようにするいわゆるペアレンタルロック機能を成人向けチャンネルの四社が導入をしたところでございます。また、番組審査のため、CS放送成人番組倫理委員会を設置しております。 さらに、先ほど申し上げました懇談会におきましては、諸外国において導入されております時間帯による番組制限、また番組内容の事前表示、Vチップによる番組受信制御などの方策につきましても検討が行われまして、その結果、このような方策は有益なものであるが、その導入については当面放送事業者の自主的取り組みを期待するとされたところでございます。 私どもといたしましては、世論の動向、放送事業者の取り組みなどを十分に関心を持って見守りつつ対応してまいりたいと考えているところでございます。
○説明員(貝沼孝二君) インターネットの関係について私の方から御説明させていただきます。先生御指摘のとおり、インターネットの利用におきます違法、有害な情報の取り扱いにつきましては、我が国だけじゃなくて欧米でも大きな社会問題になっておりまして、検討すべき大変重要な課題というふうに認識しております。 この問題に対応するために郵政省では、昨年九月から十二月にかけまして電気通信における利用環境整備に関する研究会というものを開催しまして、どんな方策が考えられるかということについて幅広く御検討いただいたところでございます。その研究会におきましては、インターネット上の情報流通につきましては、刑法などの現行の法律が適用されるということを前提としまして、当面講ずべき方策としまして、先ほど先生が御指摘されましたような事業者による自主的なガイドラインを策定すること、また受信者側で有害な情報を技術的にブロックするシステムを開発するといったようなことが有効だという御提言をいただいたところでございます。 この提言を受けまして、電気通信事業者が構成しております社団法人テレコムサービス協会という公益法人がございますけれども、その公益法人におきまして電気通信事業における公然性を有する通信サービスに関するガイドライン案という自主的なガイドラインを策定しまして、現在広く意見を募っているところでございます。 また、技術的な方策ということにつきましては、平成八年度の補正予算に基づきまして、現在、横浜市の協力を得ながら、有害情報を技術的にブロックするシステムの開発について研究開発体制を整備しているところでございます。 今後も、こうした問題に関して、諸外国の取り組み状況などを十分踏まえた上で、制度面あるいは技術面など多角的な観点から検討していく必要があるというふうに認識しております。
○説明員(高橋牧人君) お答えいたします。 まず、制作者につきましては、日本映像ソフト協会、日本ビデオ倫理協会、この二つの組合がございます。また、この二つ以外にも未加入の多くの会社があるものというのが現状であると思われます。日本映像ソフト協会につきましては映像倫理協議会、日本ビデオ倫理協会につきましては日本ビデオ倫理協会の中で、それぞれ自主的な審査を行っていると承知しております。 他方、現在総務庁が主宰しております非行等問題行動対策関係省庁連絡会議におきまして、非行問題の現状でございますとか有害図書、有害情報、いわゆる有害環境への対策をどうするべきかということについて検討が進められているものと聞いております。 通産省はこの連絡会議のメンバーではございませんが、この有害環境対策という問題につきましては、同連絡会議とも密接に連携をとりつつ、ホラービデオの販売、レンタルというもののあり方についてどうすべきかについて検討を進めてまいりたいと考えております。
○林久美子君 ありがとうございました。
○菅川健二君 平成会の菅川健二です。どうぞよろしくお願いいたします。 今回の事件は、たびたびお話がございましたけれども、社会に大きな衝撃を与えたわけでございますが、これまで長年にわたりまして現場の教育行政に携わってまいりました私としましても大変ショックでございまして、担当の文部大臣も大変御心痛のことと思います。 事件の真相はこれから解明される部分も多いかと思うわけでございますが、これまでの報道について判断する限り、私は、数年前に日本じゅうを震憾させたといいますか、大変文部省にも御迷惑をおかけしました教師の教え子殺害事件とか、風の子学園の事件の現場の教育行政の責任者として対応に追われておりました当時を思い出したわけでございますが、そこでシグナルという言葉と心の居場所という二つのキーワードが即座に頭に浮かんできたわけでございます。 少年が殺害事件を起こす前に、猫などの小動物を虐待したり殺害したり、あるいは傷害事件を起こすなど幾つかの兆候があり、少年自身が猫の死体を校門に置くなど幾つもの信号を送っておったわけでございます。それにもかかわらず、だれもこのシグナルに気がつかなかったか、あるいは気がついても知らないふりをしていたのか、知っていても無視し続けておったのか、学校も親も地域社会も余りにも少年とのかかわりを恐れていたとしか思えないわけでございます。また、少年の心の置き場所、心の居場所を考えますと、学校にあったんだろうか、あるいは家庭にあったんだろうかと。報道によりますと、自分の部屋だけが安らぎの場所であったのではないかと思うわけでございます。 このシグナルという言葉と心の居場所という二つの言葉は今回の事件で初めてクローズアップしたわけではございませんで、ここ数年来、教育上の大きな課題とされております登校拒否問題やいじめ問題の対応につきまして研究協力者会議の報告やあるいは文部省の初中局長の通達等、再三にわたり言及されておるわけでございます。私はその記録をずっとたどってみたんですが、たくさん附せんをつけておるわけでございます、たくさんこういう言葉が出てまいるわけでございます。 そこで、私が申し上げたいのは、このような指導、通知が教育現場で周知徹底され、あるいは実践されておれば今回のような事件は未然に防止することも可能ではなかったかと悔やまれるわけでございます。文部省は、今回の事件に関連いたしまして、これから慌てて心の教育について中教審に緊急諮問したり、あるいは専門家会議を開催されるようでございますが、それ以前にこれまでのいろいろな提言、それから通知があるわけでございまして、その通知等を精査いたしまして、関係部分を再度教育現場に注意し、教育現場が真剣に受けとめ、実践できる方策を早急に講ずべきであると私は考えるわけでございますが、文部大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 今回の事件は現在捜査中であって、その事件の直接の動機なり背景というものはこの捜査の進展にまたなければなりませんが、この事件に至った一連の社会の状況等あるいは学校、家庭、それぞれ分析をする必要があると思っております。 文部省として何をなすべきか、これを先ほど来申し上げている各分野の専門家から成る会議を設けましてこれから審議をしていただくわけですが、そうしたところの審議とか判断に基づきまして、これから文部省として、教育委員会として、学校として何をすべきかということを指導、助言していきたいと思っております。 ただ、今御指摘のように、今までもいじめ、登校拒否に関してさまざまな助言とか指導、あるいは通知、通達、会議、研修とさまざま行ってきたわけですけれども、そういったものをただいたずらにふやすということだけは避けたいと思います。私は、今までのそうした事例を精査いたしまして、きちっと検証をして、何が問題かというところを少し焦点を絞ってやっていきたい、そういう御提案については十分配慮してまいりたいと思っております。
○菅川健二君 ただいま文部大臣からも御答弁がありましたように、私もいたずらに通知、通達を出すのが能ではないと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、これまでも類似の事件があったわけでございますし、それに対して対応策というのをいろいろ講じてまいったわけでございます。そういったものについてもいろいろ有効なものがあるわけでございますので、その積み重ねを大切にしながら今回の事件をさらに生かしていくという姿勢が要るのではないかと思うわけでございます。 特に、教育には御案内のように不易の部分と流行の部分があると言われておるわけでございまして、文部省は心の教育というものを中教審に緊急に諮問されまして八月中には答申を出されるやに、これは報道でお聞きいたしておるわけでございます。心の教育というのは、言うまでもなくまさに不易の部分に属する教育の最大の課題でございまして、これは性急に結論を急ぐのもいかがかと思うわけでございます。 教育行政について真剣に取り組まれておられる小杉文部大臣に対して私は大変失礼なことを申し上げるわけでございますが、ゆめゆめ内閣改造までに結論を出したいというお心ではないと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、事件のたびごとに心の教育を改めて検討し直すということでは不易の部分が絶えず流行を追うというようなことになるわけでございまして、これをまたそしゃくして、学校現場で教師がそれを十分腹に入れて教育するということは大変時間のかかることでもありますし、やはりそのプロセスも重要であるわけでございます。いたずらに実効が上がらないままに次の指導方針に移るということになりますと、それが未消化のまままた新たな事件を発生する事態にも至りかねないわけでございます。 この際、真剣に心の教育ということを検討しようとすることでございますと、これはもちろん結構でございますけれども、過去の事例を十分に分析していただきまして、幅広くまた教育現場の教師の意見等も聞き、そして実効性の上がる方策をじっくり腰を入れて議論していただきたいと思うわけでございます。すなわち、十分時間をかけて結論を出していただきたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小杉隆君) 一部に、心の教育についての答申を八月中にという報道がありましたけれども、これは誤りでございます。私どもはこの心の教育という概念は非常に幅広いものがあろうと思いますし、それぞれの人によって受けとめ方もさまざまだと思います。 私どもは、そういった観点からじっくり腰を落ちつけて、例えば親、学校の教師、あるいは青少年問題を長年取り扱ってきた専門家、そういった各分野の方々の意見も聞きながらじっくりと、まあじっくりとといっても何年も何年もというわけにはまいりませんが、やはり一定の時間をかけて審議をすべきものと考えております。 さっきから申し上げているように、これは家庭、学校、社会、いずれの場でも心の教育というものがどうあるべきかということを審議していただきたいと思っております。
○菅川健二君 今の心の教育については十分時間をかけて協議していただくということで、それはそれとして私の趣旨を生かしていただけるということだろうと思うわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、これまでの事件等の反省の上に立って、これまでの指導、通知等につきましてかなり生かすべき部分があるわけでございます。これらの点につきましてはできるだけ早く精査をした上で一定の方向性を出して、地教委とも協議の上、あるいは学校現場とも協議の上、何らかの方策を講じていただきたいと思うわけでございますが、再度いかがでございましょうか。
○説明員(辻村哲夫君) 先生から御指摘のとおり、これまで私ども、登校拒否あるいはいじめ問題、自殺の問題その他いわゆるそうした事件等が生じますと、場合によっては協力者会議をお願いいたしまして、今後どのように対応すべきかということでアドバイスもいただきながら、その成果をいろんな形で、会議や通知やパンフレットをつくる、あるいは研修会、講習会を開催する、その他さまざまな形でやってまいりました。その都度その都度、そのときでは最善を尽くしたものだというふうに我々思っているわけでございまして、今回のこの事件から何を学ぶかということにつきましても、これまでのそうした積み上げというのは大変大切なものだと思っております。 私ども、協力者会議で専門家の御意見をいただくような場をと思っておりますが、先ほどの大臣のお話にもございましたが、私ども自身もこれまでのそうしたさまざまな取り組みについて精査をして、そして今後この中の何を教育委員会や学校に訴えていくかというようなことにつきましてはきちっとチェックをし、分析をしてみたいというふうに思います。その上で、いたずらに教師を集めるとか、あるいは通知を発するということではない、まあ的をついたと申しましょうか、そういったものが出せるような努力をぜひしてみたい、こんなふうに思っております。
○菅川健二君 ぜひ実効性の上がる方策につきまして検討して、それなりの方策を見出していただきたいと思うわけでございます。 次に、少年は傷害・殺人事件を起こす前に同級生とけんかをして相手の前歯を折るほどの傷害事件を起こしているやに聞いておるわけでございます。そして、しかもその相手側は怖くなって転校しておるというようなことも聞いておるわけでございます。学校側は、恐らくもはや学校では手に負えない状況であったのではないかと思うわけでございます。本来、こういった傷害事件が起こった場合は警察とも連携をとりながらいろいろな対応を考えるべきではないかと思うわけでございますが、恐らく私の推測する限り、警察に知らせないまま学校が穏便に処理しようとしたのではないかと推測いたすわけでございます。 先ほど来話がございますように、学校というのはとかく非常に閉鎖的なところでございまして、悪いことはできるだけ外に出さないという長年のいわゆる教育上の配慮と称する秘密性があるわけでございます。そこで、とかく学校が自分で手に余る、背負い切れないような荷物を背負っておりながら関係機関にも知らせず始末しようとする、このことが、逆に言いますと今回のような重大事件につながる取り返しのつかないような状態に陥ることも間々あるわけでございまして、特に中学校段階におきましては、精神的には未熟であっても体格的にはもう大人と変わらないような少年もおるわけでございまして、今回のような凶悪な行為に走る場合もあるわけでございます。 教育上の配慮といいましても、やはり教育には対応の限界があるわけでございます。それを超えるものについては警察なり関係機関と連携の上対応せざるを得ないんじゃないか、まことに教育者側からしますと大変残念なことでございますけれども、そういう状況も起こり得るわけでございます。 今回、これも報道で聞いたわけでございますが、警察庁と文部省との人事交流が計画されておるやに聞いておるわけでございますが、これは大いに結構なことでございまして、今後の見通しについてお伺いしたいと同時に、教育現場における学校と警察との連携のあり方について文部省としての御見解をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 今御指摘のことは私もおおむね同感できる部分ですけれども、従来、学校で何か事件が起きますと、例えば子供が先生に率直に話したことが警察へすぐ伝わると子供と教師との信頼関係が損なわれるというような点もありましたし、また学校が教育を放棄したというような批判もされるというようなことから、ともするとそういった閉鎖的な体質になりがちな部面もなかったとは言えないと思います。 私は、文部大臣に就任して以来のキーワードはオープンということで、もう少し赤裸々に子供たちが自分の気持ちを教師に訴えられる、教師も手に負えないことは教育委員会なり警察なりに訴える、こういうことが必要じゃないかと思っております。 まして、先ほどの警察庁からの報告によりますと、一年間に教師が生徒から暴行を受けるなんというのが一千件以上ある、生徒同士では六千件以上あるというような、中学ですけれども、そういうことを聞きますと、もはや学校の先生方だけで対応できないというような状況にまでなっているということを考えますと、やはり私は従来のそういう考え方をもう少し踏み出して、もうちょっとオープンに警察に相談する、あるいは教育委員会にもどんどん相談する、そういった開かれた姿勢が必要じゃないかと思っております。 先ほど北岡委員の方からもお話があったんですが、さてそういう場合に警察の方は人権上とかあるいは子供の更生ということからある程度秘密にしなきゃいけないと。しかし、私としては再発防止という観点からできるだけ情報を共有させてもらいたいということを言っているんですが、これはなかなか難しい点がありますが、そういう相反する要請にどう対応していくか、これは今後の課題、さっき初中局長が申し述べたとおりでございまして、私は、学校と社会あるいは関係機関との連携、家庭も入りますけれども、そういう考え方は委員のおっしゃるとおり非常にこれからも大事な問題だと思っております。
○説明員(小野元之君) 警察庁との人事交流の件でございますが、警察庁は青少年の健全育成を初めといたしまして私ども文教行政とも非常に関連の深いお役所でございます。 私どもとしては、この事件が起きたからということではございませんけれども、各省庁との人事交流を進めてきておるわけでございますが、この七月二十二日付で警察庁の職員の方を私どもの生涯学習局の青少年教育課の補佐として受け入れよう、一方、文部省からも、時期やポストはまだ未定でございます、調整中でございますけれども、警察庁の方に派遣をして、それぞれ行政の交流あるいは広い視野に立った人材の育成の観点からの交流を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○本岡昭次君 民主党・新緑風会の本岡でございます。 質問に入る前に、土師淳君、山下彩花さんに対して心からの哀悼の意を表し、御遺族に対して心からお見舞いを申し上げておきます。 私は、唯一この委員の中で土地カンのある人間でございます。というのは、私が幼いときから自分の庭のように走り回った地域が今こういう住宅になりまして、そこで起こった事件であります。 まず初めに、先ほど警察庁の捜査第一課長の報告を聞きました中で一点お伺いします。 課長は、今回のこの犯罪は反社会性、特異犯罪であると断定されましたが、何をもって反社会性、特異犯罪というふうに断定されましたか。
○説明員(松尾好將君) この事件につきましては、何の罪もない小学生を殺害した上、頸部を切断し、あえて公衆の目に触れるように中学校の正門前に置き、しかもその頭部にはいわゆる犯行声明を添えたり、あるいは報道機関に送りつけて、またその中で第二、第三の犯行をにおわすなど、その犯罪形態が極めて残虐で反社会性が強く、特異な犯行であるというふうに認識しているところであります。
○本岡昭次君 それでは、関連してもう一点お伺いしますが、課長は教育に直接因果関係があるとお考えですか。
○説明員(松尾好將君) その点につきましては、現在捜査中でありますので御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○本岡昭次君 いや、捜査中ということはわかりますが、一般的な立場からでも結構ですが、私のこれから質問するポイントも教育に直接因果関係があるのかどうかということを質問したいんですが、あなたの、専門家の警察として現時点におけるお考えはぜひともお聞きしておきたいのです。
○説明員(松尾好將君) 少なくとも今までの捜査の過程において、被疑者が学校に対するいろいろの恨みだとか復讐だとか、そういう供述はしていないと承知しています。
○本岡昭次君 それ以上は、ほかに質問したいことがありますからやめます。 それで文部大臣にお伺いします。 私は、今回のこの児童殺害事件について次のように考えています。教育に直接因果関係はなく、教育が直接責任を負うべき事件でない、私はこう考えています。しかし、そのよって来る遠因は明らかに教育にある。その意味で、文部省に対して私は深刻な反省を求めたい。 しかし、先ほど文部大臣はこの事件に対して深刻な衝撃を受けているということを二度三度おっしゃいました。私は、文部大臣は言葉を間違っておられるんじゃないかと思うんです。文部省として、文部大臣として深刻な反省をしているという、文教行政のトップにある行政府の長として、やはりよって来る原因が教育行政にある、文教行政にあるという深刻な反省がまずあって、その次にどうするかということが私は出てくるべきだと思って、大変残念に思います。ぜひとも、深刻な衝撃じゃなくてやっぱり反省という言葉をおっしゃっていただきたかったのであります。 私は、もう十一年半前にもなりますけれども、一九八六年の一月、参議院本会議において、当時の中曽根総理、文部大臣は海部さんでありましたが、総理の施政方針演説に対しての代表質問の中でこの教育問題を取り上げました。そのときに私は次のようなことを言いました。 総理や文部大臣に子供たちのうめき声が聞こえますかと、こう言ったんですよ。高校中途退学、いじめ、不登校、自殺、こういう状況は学校の実情と子供たちが置かれている環境の深刻さをあらわしておって、もう一刻の猶予もできない、一刻もゆるがせにできない状況がある。その中で学校の教職員も子供たちもうめきのたうちまわっているんだということでもって警告をし、それではどうするのかという提案をいたしました。 それは、準義務教育化、もう既にしておりましたが、高校入試という問題、この制度に鋭くメスを入れて、そして高校入試廃止を含めた具体的な中高の進学のこの状況をどう改善するか、あるいは偏差値教育の是正、教育諸条件の抜本改善、学校カウンセラーを配置すべきであるというふうなことを私はそのとき提案いたしました。 学校カウンセラーは八年後やっと実現しました。私は十一、二年前に、こういう事態が起こるから、必要なものはこれであろうと言ったんですよ。しかし文部省は、まあやらぬよりやった方がましですけれども、おくれおくれ八年たってやっとです。だから私は、文部省が本当に教育現場の教職員や子供の悲痛な叫びに耳を傾けて文教行政をやってきたか、あなた方は一生懸命やってきたとおっしゃるかもしれませんが、私はとてもそうは思えないんです。そ して、詰め込みを強いる過密ダイヤの学習指導要領、あるいは過酷な受験競争を温存させたまま、中教審をずっと活用して何をやってきたんですか。私は、中曽根総理に質問したときも、六年制の中高一貫教育とか、いろんなことよりももっと大事なことがあるでしようと言いました。しかし、今出てきておるのは何かというと、中高一貫教育を配置して複線型教育を導入するというところへ持っていっている。それから、高校二年から大学へ理数科の希有な子供たちを飛び級にさせるということ。 一体、本当の教育現場の子供たちの悲痛な叫びにこたえようと中教審をもってさせてきたのかということに対して、私は非常に厳しい批判を持っております。それで、こうしたことに対して文部省が深刻な反省をしないで、それで今回の事件をあれこれ語る資格はない、私はこう断言したいんです。 しかし、私が言っているようなことをやっていても、この事件は発生したかもしれません。でもそのときは、文部省としてはもっと毅然とした態度でこうした問題に対する解明に臨めたと、私はこう思うんです。したがって、文部省は一度立ちどまって、そしてみずから深い反省の上に立って子供の児童殺害事件と教育の関係をじっくりと考えるべきであります。 先ほどから文部大臣がおっしゃっているように、家庭、地域社会、学校、三位一体となってそれぞれの役割を分担し、子供たちの教育にいかにかかわるべきかということを考えにゃいかぬ。そこには子供たちも参加をさせるべきであると私は思いますし、父母や保護者の意見も十分聞く、そうした状況の中で急がずに答えを出して、その出した答えに従って十分な対策を講じ、二度とこういうことが起こらないような施策をまずやっていくということでなければいけないと、こう思うんですが、文部大臣の率直な御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(小杉隆君) 今回の事件の直接の動機や背景は警察当局の捜査の進展を見きわめなければなりません。現時点で断定的なことを申し上げることは私は控えるべきだと思っております。 ただ、この事件の当事者、つまり被害者も、また加害者と思われる容疑者も、ともに義務教育にかかわる子供たちであったということについては、文教行政を預かる文部大臣としては非常に厳粛に受けとめていかなきゃいけない、もし反省すべきことがあれば大いに反省をしてやっていかなきゃいけない、そういうつもりで今、心の教育の必要性を痛感して、近く中教審に諮問することになっているわけですが、この具体的な諮問内容については現在詰めている最中でありまして、今言われたように、社会、家庭、学校の連携ということが必要であるという観点から、親、教師、そういった子供たちの意見や取り巻く環境についても詳しい方々のお話も十分承りたいと、つまり国民各界各層の意見をできるだけ幅広くお聞きしたいという姿勢で審議を進めていただきたいと思っております。
○本岡昭次君 ずっとここ十年も二十年もあなたが責任とってやってこられたんじゃないんですから、あなた自身の責任というのじゃなくて、文教行政の責任というものを私は明確にしていただきたいと申し上げたのであります。しかしへそれに若干触れての御答弁がございましたから、直接にはそのことは申し上げません。 続いて質問します。 心の教育ということにも今触れられました。そこで、それに関連して申し上げますが、このような事件が起きても政府は教育条件整備の最重要課題である第六次教職員定数改善計画の二年延期をするということをまた強行するおつもりなんですか。私は、このときこそ、直ちに来年度をもって完結し、第七次教職員定数改善を計画して子供の心の教育の問題について教育現場に十分な条件づくりをするということを言わなければ、一方では教職員の定数改善、来年度完結するものを二年延期して、その後七次はもうないんだ、財政上の都合でもうやらないんだというふうなことをやっておいて、一方、心の教育を打ち出して、一体だれが心の教育を学校でやるんですか。 心の教育を、さっき不易だという話がありましたけれども、やっぱりよみがえらすという立場に立つとすれば、これは方法は一つですよ。これは教員が一人一人の子供に個別教育というふうな形で接する条件をどう学校につくってやるかですよ。四十人学級ではこれは無理ですよ。私も小学校の経験が十年以上ありますが、私が子供を教えていた昭和二十年代から三十年代にかけて、これは表現はまずいけれども、子供に右向け右と言ったら皆向いたですよ。こっち向きなさいと言ったら皆向いていたですよ。今はそうじゃない。個性豊かなか何かおかしなものになってしまって、私は私は私はと、だれだれさん、だれだれちゃんと言わなければこっちを向かないというふうな形に子供はもう決定的に変わってきているんですよ。 しかし、学校は同じように、黒板を背中にして、学校の教員が三十人、四十人を前にしてやっているときに心の教育なんて私は不可能だと思う。だから、心の教育をおっしゃるのなら、個別的に一人一人と対面して、子供の悩み、そして子供の意見を聞ける条件に学校を置いてやらなければ学校の教職員は大変ですよ。だから、私はこの定数改善問題と不可分のかかわりがあると、こう見ておるんです。もし心の教育をお説きになるのなら、定数改善計画をもう一度やり直して、心の教育を実際やって、親も安心する、子供も安心する、地域社会も安心するというふうな学校をつくる。 さっき学校を開放せにゃいかぬと。学校の先生は学校のことを余り外に言いたがらない。日本は全部非公開の社会ですよ、文部省も含めて皆。だから学校も秘密制度の枠の中に閉ざされてしまう。それをオープンにするためには、ただ行政指導をやったり通達を出してもオープンにならぬですよ。これは教職員が自分の気持ちをオープンにする条件をつくってやらなければならぬ。厳しい財政事情にあっても、それでもやっぱりそういうところに対して行政が血の通った手当てをしているということに現場の教職員が励まされて、よし、おれたちも頑張ろうということになるんですよ。 だから、どんなことがあっても、ここでこの心の教育を説かれるのならば、第六次教職員定数改善問題、二年延期ということでこれは秋の臨時国会で議論になるかもしれないけれども、文部大臣、それこそ命がけで、それはやめた、来年完結させてもらいます、それで引き続き第七次、この心の教育という問題を取り上げて、全国民の期待にこたえる責任ある教育行政を定数改善によってやらせていただきますということを閣議の中で熱烈に説かれるべきじゃないかと私は思います。でなければ、全く空虚な中身のないものになってしまうと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小杉隆君) 今、定数問題を中心に語られましたけれども、私は、まず大事なことは、未確認情報がはんらんしている中で、この事件の背景、動機がどこにあったのかということを冷静に客観的に分析をし究明することが大事だと。そして、だれかに責任を負わせる、例えば定数問題だけが果たして原因だったのか、その辺も私はもっと調べる必要があるし、これを契機に社会全体で子供の心の教育をどうしていくのかということをとらえていく必要があろうと思っております。 そこで、定数問題、もちろん今御指摘のように、複数の教員によるチームティーチングとか、先生も少しゆとりを持って子供たちの個別の教育をしていくことが大事だということは御指摘のとおりでございます。そこで私としても、第六次教職員配置改善計画、何とか平成十年度で完結をさせてほしいということを財政構造改革会議等でも再三にわたって要望してまいりました。ただ、今の危機的な財政状況ということも一方においては非常に深刻な国民的な課題でございます。そういう中で、この定数については計画期間を二年延長ということで平成十二年度までかけてやるということになったわけですが、これはほかのいろいろな定数の状況と比較をしましても、総定数は変えないでこれは守ったということで、ぎりきりの私は選択というか判断であったと思っております。 もちろん、これで私は十分だと考えているわけではありませんで、今後、この三年間でいかにそれぞれの地域なり学校の実態に合った定数配置をしていくか今当局で一生懸命検討しているところですが、それから以降の第七次については今の段階ではまだ言及することはできない状況でありますが、いずれにしても、今後、心の教育というものを進めていく上でやはり先生の定数というものも一つの大きな要因だと思っておりますから、精いっぱい努力はしていきたいと思っております。
○本岡昭次君 財政上の問題ということをおっしゃいましたが、それでは改めてお聞きしますけれども、来年度完結すべき第六次定数改善を二年延ばしすることによって、来年度どれだけの財源が削減されたんですか。
○説明員(御手洗康君) 来年度一年間で残っております最終の四千七百八十二人分をおよそ計算いたしますと国庫負担金で二百億でございますので、これを三年間でほぼ割っていくというようなことで、具体的に来年度どのような形で予算要求するかということはこれから八月末までに詰めさせていただきたいと思います。
○本岡昭次君 全部削って二百億円でしょう。それをそのまま完結するために必要なお金は二百億。そうすると、三分の一に分けるから七十億を必要として、削ったのは残りの百四十億ですか、まあ百四、五十億削るということになるんでしょう。これかて大変なお金ですよ。 だけれども、こういう教育現場の中でこれだけの、先ほど捜査課長が言ったように、僕も直接因果関係はないと考えているけれども、やはり学校に通っている子供が起こした事件であるということは間違いはないわけで、一体学校はどういう状態であったのか、教育はどういう状態であったのかということは当然これは議論にならなければうそであります。それで学校の教育現場も文教行政関係者も深刻な反省をして取りかからなければならない。 と同時に、今言った定数問題が非常に深くそうした学校の教育条件問題にかかわっているというときにあって、ほかのいろんな十年計画もみんな先延ばしにするんだから定数改善も同じようにという、軒並み横並びでやっていくという手法、本当に教育を大事にするのならそんな観点に立てないと思いますよ。教育現場に頑張れという激励と、さあ一緒にやろうという立ち直りの力、定数改善問題を二年延長させようとしていたけれども、来年完結するというところへ踏み込んでいく、そういう力があって初めてこれはみんなそうやという気になるんじゃないんですか。 これは文部大臣、財政削減上の金額の問題で何千億をこれによって減らさなければならぬ、とてもということじゃなくて、今言う百四、五十億円のこの問題が絡んで文教行政の姿勢が教育現場なりから問われるということを考えたら、これはそう簡単に二年延期を、わかりました、仕方がありませんねと言えるものじゃない。 淳君が死に、彩花さんがひょっとしたらそうかもしれない。こういう未来のある幼い子供たちが命を失ったその代償とかいうことではないけれども、人間の命は地球より重いと教科書に書いてある。その重さというものを何で表現するのかというのは、例えば一たん決めた方針でもよしと戻してやめてくる、こういうことがあって初めて血の通った教育行政ではないか。一たん決めたことは何が起ころうともう変えないんだというようなことは、私は政治じゃないと思うんですよ。 ぜひともここのところは、文部大臣初め文部省挙げてこの定数問題、二年延長というようなことは取りやめるということを責任を持って私はやっていただきたいと思います。どうですか、文部大臣、もう一度。
○国務大臣(小杉隆君) お気持ちはよくわかりますが、私は現実には大変難しいと言わざるを得ません。来年度予算、例えば公共事業費あるいはODA、相当大幅にカットしております。これから将来の世代にツケを残さない、こういうことからすべて聖域を設けないということでいろいろ財政再建計画あるいは予算も組み立てられているわけですから、今の状況ではもうこれが限界であるというふうに言わざるを得ません。 しかし、将来財政状況の好転ということがあれば、もちろん私は、これからの心の教育を進めていく上で、先ほど申し上げたように、教育現場における定数の確保ということには最大限の努力を続けていきたいと思っております。
○本岡昭次君 くどいようですが、これは鐘が鳴ってしまってもう終わりだと、文部大臣はまだ何とかしたいと思っているんだけれども政府全体としてできないんだというのか、文部大臣もこのことは納得してしまってもう終わってしまったんだというのか、そこはもう一遍はっきりと言ってください。
○国務大臣(小杉隆君) 来年度予算に関しては既に先日財政構造改革会議の結論のとおり閣議決定をしておりますので、今さらこれを変えるということは不可能であります。
○本岡昭次君 文部大臣の一存で変えることはできなくても、こういう事件が起こり、国民的に教育とは一体何か、学校とは何かという問題が起こった。このことをもって閣議に対してもう一度その問題を再検討するという提案はできるでしょう。
○国務大臣(小杉隆君) 余り短絡的に物を考えたくないんですね。事件の背景、動機その他を冷静客観的に今究明しているところですから、お気持ちは再々申し上げているようによくわかりますけれども、現実を冷静に客観的に直視いたしますと、先ほど来の答弁以上のことは申し上げかねます。
○本岡昭次君 時間になりましたので、終わります。
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。 六月二十八日に十四歳の少年が逮捕されて、きのうまた再逮捕されまして、日本列島に私は一層衝撃が広がっていると思うんです。そして、重苦しい空気が日本列島を覆っているように思えてならないんです。 この問題は、いろいろ今までの質疑、そして政府側の答弁でいろんな表現がございましたけれども、私はやっぱり教育の根幹が問われている問題だと思います。そういう教育の根幹が問われる問題をわずか三十三分で解明することは大変難しいと思いますけれども、しかし糸口でも見えればという思いでこれから大臣にいろいろと御質問申し上げたいと思いますので、こんな深刻な事態の中で文部行政の果たすべき役割をぜひひとつ十分お考えになって、文部行政の最高責任者としての責任ある前向きの御答弁をいただきますように初めにお願いを申し上げておきたいのであります。 私は、この問題が起きましてから、子供は親の鏡だと昔から言われておりますけれども、やっぱり親の姿、社会の姿を映し出しているんじゃないか、そして学校の姿、また教師たちの姿をも子供たちは映し出しているんじゃないか、そういう思いでずっとこの問題が起きてからとりわけ深く考えさせられているのでございます。 私たちはそういう観点でこの問題はしっかりこれからも考え続けなければ、そして問題の解決に向かわなければいけないのではないかと私は深くそういうふうに思うわけでありますけれども、先ほどそういうことと関連しまして校内暴力の御報告がございました。それはよくわかったのでありますけれども、またこれまでもよく理解はしていたつもりでありますけれども、関連して、この三年間の統計でいいですから、この三年間の小中高校におけるみずから命を絶った子供たちの数、そしていじめの件数、学校に行かなくなった不登校の状態を局長から御答弁をまず最初にいただきたいと思います。
○説明員(辻村哲夫君) まず、自殺の件数でございますけれども、小学校、中学校、高校生合わせまして平成七年度は百三十九名でございました。平成六年度は百六十六名、平成五年度は百三十一名、このような数字になってございます。 それから、もう一点のいじめの発生した学校数でございますけれども、小学校、中学校、高等学校合わせまして、これは平成七年度でございますけれども、発生学校数が一万六千百九十二校、発生件数が六万九十六件ということでございます。平成六年度が、発生学校数で一万五千九十五校、発生件数で五万六千六百一件でございます。それから、平成四年度は発生学校数が七千三百五校、発生件数で二万三千二百五十八件、こういう数字になってございます。 それから、登校拒否の関係でございますけれども、これは小学校、中学校、両校合わせてでございますけれども、平成七年度、登校拒否児童生徒数が八万一千五百九十一人、平成六年度が七万七千四百四十九人、それから平成五年度七万四千八百八人、こういう数字になってございます。
○上山和人君 依然として子供たちがみずから命を絶つことが絶えない、そしていじめの件数も非常に多く続いているということ、学校に行かない子供たちも相変わらず大変たくさんいる、そういう状態がなかなか改善されないまま続いているというこのことが、今教育の根幹を問われている問題と最初申し上げましたけれども、そういう問題だと思うんです。 大臣にお伺いしたいのは、そういういわばいじめの問題あるいは不登校の実態、さらにはみずから不幸にして命を絶つ子供たちが後を絶たない、こういう問題と今度の十四歳の少年の行動は異質なものと思っていらっしゃいますか、それとも同質、同根であると思っていらっしゃいますか、どうですか。
○国務大臣(小杉隆君) 現在捜査中であって、この原因がその子供固有のものであったのか家庭に原因があったのか、あるいは学校、社会に問題があったのか、その辺は今捜査当局で懸命に捜査をされておりますので、その背景なり動機というものは、まだ現時点では何とも申せないわけでございます。 しかし、私としては、教育行政を預かる者として、今局長から答弁したように、依然としていじめによる自殺とか、あるいはいじめ、登校拒否が後を絶たない、こういう事態を深刻に受けとめて種々対策をやっているさなかであります。そういう中で、今回、学校、家庭、社会における心の教育をいかにすべきか、このことを近く中教審に諮問をする、こういうことでありまして、こういった事態を私は一刻も早く解決する方策について今後とも一生懸命努力をしていきたいと思っております。
○上山和人君 警察の見方、分析と文部行政の文部省の、文部大臣の見方が同じであるはずはないと私は思うんですよ。警察庁は今捜査中だから、警察の方で取り調べ中だからはっきした評価なりコメントはできない趣旨の御答弁でありますけれども、そうじゃないんじゃないですか。 教育行政、教育との関係から見て、私が先ほど局長から御報告をいただいたような子供たちの実態と問題行動と、そして今度の十四歳の少年の行動とは異質なのか同質なのか同根なのかということについては、これははっきり言えることじゃないですか。警察の捜査を待たなければ言えないことですか。私は、文部大臣としてどんなふうに思うということをはっきりおっしゃるべきだと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 今その背景、原因というものを捜査中でありまして、因果関係が本当にあったのかどうか、その辺はまだつまびらかにしておりません。ただ、学校教育の場で現実にいじめとか不登校という事態をもたらしていることは現実でありますし、全く関係がないと言い切れるのかどうか、その辺は私はわからないと思います。 いずれにしても、捜査の進展というものを待たなければなりませんが、ただ、教育を預かる立場としては、先ほど来申し上げているように、特に心の教育のあり方についてこれから諮問をして、いろいろな角度から検討していただきたい、そして子供を取り巻く環境を少しでもよくしていく努力をしたい、こういう心境でございます。
○上山和人君 私はもうそれ以上文部大臣にこの問題でただしても余り意味ないと思うんですけれども、ある日突然起こった問題だろうか、そうじゃないんじゃないか。今まで局長から報告をされたような深刻な実態であります。ずっと早くから学校の中にも社会の中にもそういう土壌があったということ、なかなかそれが改善されないことがやっぱり今日のこの事件にもつながつたと見るべきじゃないんでしょうか。 そして、そういう状態をどう改善するかということ、どのように具体的な文部行政の施策として考えるかということに今本当に集中して私は力を注がれるべきだと。まさに橋本政権の六つの改革の一つの教育改革として、今この事件が起きたからというわけじゃありませんけれども、むしろこういう問題が起きたのを契機に一層責任を持ってこの教育改革を進められるべきときだと思うんです。 したがって、橋本総理が今度の問題に関連して、これは朝日新聞の六月三十日の報道なんですけれども、教育改革について「見直さなくてはならない」と見解を表明されているんです。そのことに私は非常に強い大きな期待を抱いております。今、文部大臣は努めて距離を置いた御答弁をなさいましたけれども、橋本総理はむしろもっと端的にこの問題について見解を表明されております。とにかく教師と子供たちとの間に距離があるんじゃないか、私たちの時代にはそうではなかったと。薄紙一枚か二枚かわからないけれども、とにもかくにも子供たちと教師の間に距離があるんじゃないか、それがこういう事件に不幸にしてつながっているんではないかという懸念を表明されています。 つまり橋本総理の認識は、教育は人なりという根本の認識を正しく認識していらっしゃるように思う。そして心の教育というのは、まさに中心的担い手は教師だということを十分御理解の上での私は見解の御表明だと受け取りました。核心を見事についておられる見解の表明だと受けとめました。そして、そういう御認識のもとに教育改革は見直さなければいけないと表明されているわけです。 本岡委員がさっきから第五次、第六次定数改善計画の見直しを迫っておりますけれども、私はこの問題について重ねて、本岡委員の御質問と関連しますけれども、主張することは同じことになりますけれども、改めて文部大臣にお願いをしたい。 というのは、財政構造改革会議で、私も与党の中にいますけれども、取りまとめられて閣議決定が行われたことではありますけれども、義務制で第六次教職員定数改善計画、高校で第五次、平成五年度から十年度まで六年間の改善計画ですよ、なぜこれを二年間延長しなければならないのかということについては理解できない。 というのは、先ほど数字を助成局長が発表されましたけれども、定数改善計画といいながらこの六年間に小中義務制では、小中学校ではなるほど定数改善計画ではありますけれども、プラスマイナス三万人、教職員定数が減る計画ですよ。ふえないんですよ、現実問題としては。高校においてだってこの六年間の改善計画期間中に九千七百人も教職員定数が減る計画なんです。ふえるんじゃないんですよ、現実に。各学校に定数がこの改善計画によってふえていくんじゃない、四十五人学級から四十人学級にすることによって定数改善がかなり行われるんですね。それ以上に子供たちが自然に減っていく数の方が圧倒的に多いものだから、それに伴う教職員定数の減の方が多くて、義務制でプラスマイナス三万人減る計画、高校で九千七百人も減る計画ですよ。 したがって、この改善計画を進めるに当たって、年度ごとに漸次予算がふえる状態にはならない計画なんです。一人でも二人でも現実にふえて、何億、何十億の予算を必要とする計画なら、この財政構造改革、行政改革、避けて通れない私たちの厳しいこれは命題ですから、避けて通れないことはよくわかるけれども、そういう性格の改善計画まで、そして総理が認識をされておりますようにまさに教育は人なりですから、心の教育の担い手は中心的には教師なんですから、人なんですから、総理流に言えば、子供たちと教師との距離を縮める役を果たすのがこの改善計画だと言っていいと思うんです。そういう改善計画すらなぜ二年延長して、しかも今現場が戸惑って、国民の皆さんの間にも広く懸念が広がっているのは、普通の年次であれば次の改善計画がもう見えるんですよ、あと二年というときになりますと。第七次なり第六次なりの改善計画の展望すら全く見えない状態になっている、延長することによって。 その状態に、今度の事件が起きてから特に懸念が広がっているんですよ。これは文部大臣、プラスマイナス三万人、九千七百人も減る改善計画を二年延長しなければならないせつぱ詰まった理由はこの問題についていえばないと思うんですよ。どのようにお考えですか。総理の改革を見直すという見解の表明に関連して、文部大臣は文部行政の責任者としてどのようにお考えか、改めて私ははっきりとお伺いしたい。
○国務大臣(小杉隆君) 本岡委員への答弁と同じことになるんですけれども、上山委員も与党の一員としてこの問題については財政構造改革会議のあのプロセスの中で相当御努力をいただいた結果、総定数は減らさないと。ただし、期限を二年延長ということで結論を得たわけですけれども、他の予算との関係から考えましても、これがぎりぎりの限界であったというふうに受けとめております。 ただ、今後の財政状況を私たちは一刻も早く好転をさせたいと思っておりますし、そういう兆しがあれば、直ちにこの定数の改善については、他の何物にも増して優先してこの定数の確保ということについては、今御指摘のとおり、教育は人なりと、しかも心の教育を行っていく場合の教員の役割というものの重要性からかんがみて、ますます努力は続けていきたい、していきたいと思っております。
○上山和人君 先ほど総理の新聞報道の内容を申し上げましたけれども、総理はやっぱり大臣よりも毅然として、十四歳の少年が逮捕された翌日、六月二十九日に、中学生が逮捕されたことについて義務教育の現状が事件に影響しているという見方をお示しになっています。大臣はそのことをはっきりおっしゃらない。今捜査中だとおっしゃる。しかし、総理ははっきりと義務教育の現状が事件に影響しているとの見方をお示しになっていらっしゃるんです。したがって、教育改革について見直さなければならないと表明されている。どっちが文部大臣なのかと疑いたくなる。真剣に考えてほしいと思うんですね。 したがって、私は与党の一角にいて財政構造改革会議の議論にも参加をしてまいりましたから、取りまとめ、そして閣議決定をされた経緯に一定の責任はありますよ、一員として。しかし、こういう問題が不幸にして起きた。そういうことを契機にして、総理すらこういう御認識をお持ちなんですから、担当のトップの責任者としてはもう一度考え直してみよう、そういう余地はないのかということについてはぜひ前向きにお考えいただきたい。重ねて強く文部大臣にお願いを申し上げておきたいと思うんです。 私は、時間がありませんから具体的になかなかたくさんの、本当にこれでいいのか、教育行政これでいいのか、文部行政これでいいのかと思うことが具体的な施策の中に幾つかありますが、そういう問題について提起をしながらこの問題が問うている教育の根幹に迫りたいのでありますけれども、時間がありません。 先般、文部省が学習塾を認知する、この方向になっているという大きな六月十七日付の毎日新聞の報道がありました。「文部省、塾を“認知”」という大きな見出しの新聞報道ですよね。これは当然のことですが、生涯学習審議会に諮問をされた内容なんですけれども、この学習塾を認知するということは、中教審の最終答申の内容とも関係がありますけれども、一体どういうことに子供たちを追いやることになるのか、子供たちをどういう状況に置くことにこれでなるのかということについて十分検討されたと思うんですけれども、学習塾を認知することで子供たちの間に起こる影響といいますか、子供たちに与える影響といいますか、子供たちの間にどういう状態が起こるというふうにお考えですか。その点は大臣にお答えいただきたい。
○国務大臣(小杉隆君) 去る六月十六日に発足した第四期の生涯学習審議会においては、青少年の生きる力をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について諮問を行いました。その中で、子供たちを取り巻く学習環境の一つとして、おけいこごと、塾とかスポーツ教室、学習塾など多様な民間教育事業の役割とかあり方について幅広く審議をしていただくということにしております。 その際、学習塾については、過度の学習塾通いによる弊害が指摘される一方で、多くの子供たちが現実に通っている、その生活時間に占める割合も非常に大きいというのが実態でありまして、そういっただ単に建前論、きれいごとで糊塗するのじゃなくて、そういった子供たちを取り巻く環境として無視のできない実態というものを正面から議論していただくということにしたわけでございます。したがって、今回の生涯学習審議会の諮問において、学習塾の教育機関としての役割を認めるという前提あるいは趣旨で審議をお願いしているものではありません。
○上山和人君 関連して、文部省が全国的に調査をなさった土曜日の塾通いの実態が報道されておりますけれども、これは局長の方からお答えいただいていると時間がたちますから、新聞に報道されておりますので、土曜日の塾通いがどんなにふえつつあるかということ、そして今これは隔週二日制の状態で土曜日の塾通いがどんどんふえている、恐らく二〇〇三年に学校五日制が完全に実施をされることになるとすれば、そのときにどんなに子供たちが塾に行くことになるか、子供たちの塾通いが急増するのではないかという懸念を文部省の調査で各都道府県が表明している、そういう調査結果が報告されています。 そのことと関連して、文部大臣、学校五日制の完全実施を目前に控えて、塾を認知なさるということが一体学校五日制の本当の目的に沿うことになるのかならないのかということにもかかわる大変重要な根本の問題だと思うんです。それはいろんな御説明はありますよ、難しい問題だとも思いますよ、塾の取り扱いは。しかし、文部省が公然と学習塾を認知することによって起こる現象を考えると、それが学校五日制が目的とする本当の目標に沿って一体どういうことになるかということはもう火を見るよりも明らかなんですけれども、今後どういうふうに学習塾の認知については進められるおつもりですか。これは少しはっきりここで表明しておいてほしいんです。
○国務大臣(小杉隆君) お言葉ですが、認知をしたということではありません。私どもは、厳然として塾が存在すると、こういう実態を直視して考えていかなきゃいけないということであります。それから、学校五日制の趣旨はできるだけ子供たちにゆとりを持って自然体験なり社会体験を積んでいただこうということですから、そのふえた休日が塾通いに当てられるということは本来好ましくないことであります。 現実に調査をいたしましたところ、これは平成八年度の幼児・児童・生徒の学校外活動実態調査によりますと、学校週五日制実施に伴う子供の生活の変化として、子供が家族と触れ合う時間がふえた、子供の生活に時間的ゆとりができたと回答した保護者が多く、学習塾などへ行くようになったと回答した保護者は各学校段階で一%ないし二%台と少なく、この週五日制の実施に伴って休業土曜日に子供たちの塾通いがふえたという結果は出ておりません。 今後、完全実施になりましても、できる限り先ほど申し上げた自然体験なりボランティア活動なり家族との触れ合い、そういう方に当てていただくように指導してまいりたいと思っております。
○上山和人君 みずから調査をなさった結果についての分析を今大臣の方からお話しございましたけれども、それは調査結果の見方はいろいろあると思いますよ。でも、明らかに今度の調査結果で、完全に学校が五日制になったら土曜日に塾に通う子供たちが急増しかねない兆しが見えているという分析もなされているわけですよ。この新聞報道、全くそういう内容になっていますよ、ごらんになっていませんか。 だから、私が今申し上げたいのは、今不幸にして起きたこの問題と関連して、子供たちに今大臣が言われたように心にもゆとりを持たせる、そして今子供たちが悪戦苦闘を強いられている環境からもっと解放してやりたい、そういう思いで学校五日制が実施に移されようとしているんだと。塾を認知なさることになればそういう方向に沿わないことになるんじゃないか、むしろ子供たちの競争に拍車をかけることになるんじゃないか、一層子供たちを迷路に追い込んでいくことになるんじゃないかと心配するものですから、こういう報道がなされている、しかもこういう時期に、私はこういう問題については慎重に検討してほしいし、取り扱ってほしい、そのことを強く御要望申し上げておきたい。そして、いたずらに学習塾の認知などということについては、今決定されたわけではありませんけれども、多くの不安が広がっているし懸念が寄せられておりますので、今後ともこの取り扱いについては慎重にしていただきたい。 最後に、あと三分時間がございますけれども、中央教育審議会のこの答申を見ましても、飛び級だ中高一貫教育だと。そして、仮に塾がこういうふうに報道されているように文部省からいわば公認されるようなことにでもなりますと、まさに今、規制緩和、市場原理、競争原理をあらゆる分野で導入する流れですから、今我が国が置かれている状況の中で、これは避けて通れない大事なことなんです。 しかし、規制緩和と教育というテーマは、あらゆる分野に規制緩和、市場原理、競争原理が画一、一律に導入されるべきものでないということは、だれだって思いは同じだと思うんです。とりわけ、教育の分野に競争原理が導入されることについては慎重にも慎重を期さなければならない問題だと思います。しかし、中教審の答申を見るにつけても、先ほど来の御答弁をお聞きしておりましても、やっぱり教育の分野にも規制緩和という名のもとに市場原理、競争原理がますます導入されようとしている。子供たちを競争に追い込むのに拍車がかかるような、そんな状態に向かっているように思えてならないものですから、そうであってはならないと思うんですね。 文部大臣、規制緩和と教育というテーマを今私たちは突きつけられていると思うんですよ。この規制緩和と教育というテーマを解き損なうと、ますます子供たちを迷路に追い込んでいくことになると心配するだけに、規制緩和と教育というテーマについては、文部省として今後の施策を具体的におつくりになる場合に、慎重にも慎重を期して対応していただくように強く御要望を申し上げて質問を終わりますが、最後に文部大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 今度の中教審の答申は、規制緩和という観点よりもむしろ子供一人一人の個性を生かすという面から、今までの単線型構造からできるだけ選択ができる複線型構造にしていく一環として、中高一貫教育とかあるいは大学入学年齢の特例、こういうことを設けたわけでありまして、ただこれが学習進度のおくれた子を置き去りにしていくというものではなくて、そういう人たちに対する配慮というものは同時に行っていく必要ということを認めております。 今までの教育は、私はそれなりの貢献をしてきたと思いますが、余りにも形式的な平等主義の中で、本来伸びるべき素質を伸ばさないという弊害があったという反省も一方にはあります。そういうことから今回の中教審の答申に至ったというふうに認識しております。
○上山和人君 終わります。
○阿部幸代君 神戸市須磨区の小学校六年生等殺害とその殺害容疑者として同じ区内の中学三年生が逮捕されたとの報道は私自身大変な衝撃を受けました。この犯罪の原因を直接社会一般だけに求めたり学校教育だけに求めたりするのではなくて、全面的、総合的にとらえる必要があるとの認識であふれる報道に接してまいりました。 少年の殺人犯十例の精神鑑定を担当したことがあるという犯罪心理学を専門とする上智大学の教授の福嶋章氏などは、少年の重大犯罪は広い意味での精神障害など医学的な背景を疑うべきであり、だからこそ法律で保護する必要がある、こういう立場に立った上で、学校や大人の対応が火に油を注ぐ役目を果たしていないかどうか、こういう問いかけをしています。 そこでまず伺いたいのですが、文部省もいろいろ努力しておられるのだと思うのですけれども、今までのところ、つまり衆議院の文教委員会が先週十日に行われて六日間経過しているわけですけれども、神戸市須磨区の児童殺害等事件に関して、教育問題として何が明らかになったんでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) この問題につきましては、先ほどから大臣の御答弁もございますが、その原因、背景等については捜査中でございまして、明確にこれということは断定することができない状況でございますので、その点は控えさせていただきたいと思っております。 ただ私どもといたしましては、この子供につきましては、先ほどから申し上げますように一、二年のときには欠席もない学校生活を送っていた。ただし、そのころから友人を殴るといったような問題があり、その都度学校としては、家庭訪問をするあるいは学校に保護者を呼ぶ等をして教育相談等を積み重ねてきた。しかし、その後もそうした行動が時々見られる状況が続いていた。そして、この五月になりまして児童相談所に通うというようなことになったわけでございますけれども、それに至るまでも児童相談所への勧めというようなことはしてきたわけでございます。 しかし、いずれにしろ、こうした大変深刻な事件が起こってしまったということで、全体として今何ということははっきり申し上げられませんけれども、私どもが教育委員会等を通しまして、あるいは私ども自身がいろいろと状況を探る中で考えておりますことは、学校と家庭との対話、あるいは学校と関係機関との連携といった点に、きめ細かさあるいは密接さといった点に欠けている点はなかったかどうか、それがもっと十分尽くされていたらということはなかったかどうか、そういう点は少なくとも今後の課題として共通の認識を持つべきなのではないか、そういうことを私どもとしては教育委員会等と今回の事件を探る中で情報交換をし合っている、これが現状でございます。
○阿部幸代君 文部大臣に伺いたいんですが、八月には中教審に対して幼児期からの心の教育について諮問をすると、こういうふうに先ほど来おっしゃられていると思います。また総理も心の教育を強調しているんですが、どういう認識から心の教育というものが打ち出されたのでしょうか。
○国務大臣(小杉隆君) 現在、この事件についてはその動機なり背景を捜査中でございますが、それの詳細な事実関係はさておき、こうした事件の被疑者が中学生であったということから、私たちはその事実関係はさておき、いずれにしても子供たちの心にかかわる問題だという受けとめをしておりまして、そこでこうした問題を諮問しようと考えたわけであります。 私はかねてから、生命を大切にする心、他人に対する思いやり、正義感、倫理観、こういったものを育成するということは大事だということを感じておりましたけれども、今度の事件を通じてさらに一層心の教育、そういった心の教育の重要性ということを改めて痛感いたしました。 今、中教審に対しては、先ほどから申し上げているように幅広い観点から十分に審議していただきたい、こう考えております。
○阿部幸代君 私は今、子供たちの心、そのつぶやき、叫びに耳を傾けることが一番大事ではないかと思うんです。教育関係者を初め多くの識者や親たちは、今回の事件に関して、容疑者と同じ中学生がどう言っているのかに関心を寄せています。多くの中学生たちは、容疑者少年のやったことが事実だとするなら、ばかなことをした、自分ならあんなことはやらない、こういう立場に立ちつつも、人を殺してみたいことはあるとか、自分の学校なら、あいつならやりそうとか、こういうふうに言っていて、事件を別世界視していない、つまり距離を感じていないんです。 そのことは、毎日新聞が実施した六月三十日のアンケートでも、あるいはアエラ七月十四日号の「中学三年生30人に聞く」でもうかがうことができると思うんです。他人事ではない、気持ちはわかる、こう言っているんです。こういう子供たちのこの声を聞くことこそ必要ではないんでしょうか、大臣。
○国務大臣(小杉隆君) 今引用されたように、人ごととは思えないとか、気持ちがわかるということを同世代の子供たちが感想、意見を述べているという報道は私も承知しております。 中学校の段階というのは、私も振り返ってみますと、心身の発達が非常に著しく、また自我にも目覚める時期でもあり、さらに精神的に不安や動揺の多い時期でもあります。また、受験ということもありますし、将来の進路ということを考えますと、社会に対して批判的な気持ちを持つということもたびたびあるということは体験上も理解できないことではないと思っております。 しかし、私は、今回の事件に関しての生徒たちの発言というものは、この事件を起こしたことまでを含めた共感とは思えないのであります。
○阿部幸代君 容疑者の少年が体罰を受けていたこと、学校に来なくてよいと言われたことが報道されていますが、これが事実とすると、まさに火に油を注ぐことになったと思われるんです。 この中学校の校長は、記者会見で体罰について尋ねられ、ありませんと言い切っておきながら、その四日後には、保護者説明会で、調査の結果ほかの生徒には、つまり容疑者以外の生徒には過去三年で九件の体罰がありましたと話しています。こういう学校長の姿勢では子供たち、生徒たちの信頼が得られないと私は思うんです。 この間、この学校の体罰について数多く指摘され、実際に体罰があった子供たちの声が報道されています。これらの記事は、体罰の後で、おまえは邪魔や、もう学校に来んでええ、こう言ったと書いています。まさに学校からの排除の論理で、非常に冷たい言葉です。 もしこうした事実があったなら、重大問題ではありませんか、大臣。
○説明員(辻村哲夫君) まず、事実の関係につきまして私の方から。 今、先生の御指摘は、少年が逮捕された直後、生徒が初めて登校してきました六月三十日に校長がその日の取材に応じて発言した、これがテレビで報道されました。そのことと、それから七月四日になりまして、保護者会後、保護者会においてこういう報告をしましたと言って取材に応じたこの二つの間のギャップを御指摘されていると思うわけでございますが、六月三十日の時点におきましては、この問題が少年法にかかわる問題であるということ、あるいは捜査中の案件であるということで、被疑者の特定はもちろんでございますが、学校名も明らかにしてはいけないという前提での対応であったということ、そうした中でのやりとりでございまして、校長の発言は、学校全体での体罰の有無ということではなく、当該少年に対する体罰の有無という質問ととらえてそういう発言をした。つまり、体罰は当該少年になかったという意味で申されたということでございます。 しかし、七月四日の時点では、保護者会の席におきまして、調査した結果、その当該少年には体罰あるいは学校に来るなという発言はなかったわけでございますけれども、他の少年に対しては九件の体罰があったということを保護者会でも報告し、その後の記者会見においてもこれを校長が述べたと。その間にそごがございまして、そしてそれがテレビに放映されるという形で誤解が拡大されたのではないかなというふうに思います。事実関係につきましてはそのようなことでございます。 それ以外に先生から御指摘のありました暴言やその他につきましては、これはまた事実等我々確認をしておりませんけれども、よく言われます体罰はなかったあったということと、当該少年に対します学校に来なくてもいいと言った言わないということの事実関係につきましては、今のような状況になっておりますので、その点は御理解を賜りたいというふうに思います。
○阿部幸代君 大臣。
○国務大臣(小杉隆君) 事実関係は今局長から答弁したとおりでございます。 私は、基本的には、教育というのは学校と児童並びに家庭との信頼関係の上に築かれるべきものであって、そういった観点から今後とも教育委員会に指導あるいは助言を行っていきたいと思っております。各教育委員会が責任を持って主体的に自己責任原則に基づいて対応していただくことを私は強く要望したいと思っております。
○阿部幸代君 体罰とか、あるいはその体罰の後でおまえは邪魔や、もう学校に来ぬでええとか、こういうことがもし事実であったら重大問題だということは、これは一致できますね。念のために。
○国務大臣(小杉隆君) 私は事実関係はよく承知しませんが、一般論としてはおっしゃるとおりだと思います。
○阿部幸代君 次に、容疑者の少年が児童相談所で相談をしていたということが報道されているんですが、この児童相談所と学校の協力関係について伺いたいと思います。 児童相談所が多忙をきわめているということを聞きます。取扱件数が多過ぎて大変だということです。資料を見ますと、平成七年度の児童相談所の全国百七十五カ所の相談受理件数は三十一万二千九百八十七件、一カ所平均で千七百八十八件にもなるんです。その中で登校拒否児の相談は小中学生合わせて七千七百四十八件です。こうした場合、児童生徒を育てる者同士として、つまり教師と児童相談所職員とがお互いに訪問し合うなどして直接話し合うということは行われているんでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) 私ども、学校と児童相談所を含めました関係機関との連携ということの大切さは、折に触れ通知やその他の会議等で説明をし、趣旨の徹底を図っているところでございます。 地域地域によりましていろんな対応があるようでございますが、具体的にはそれぞれの置かれた状況によって若干異なるようでございますけれども、警察、それから児童相談所その他の関係機関との連携というのは、児童生徒の健全育成協議会というような名称であったり、その他さまざまな名称でございますけれどもつくられているように思います。ただ、実際にその組織が機能して個別にどのようなやりとりになっているかということにつきましての詳細は私どもとしては承知をいたしておりません。ただ、それぞれの役割を分担しながら連携を十分に図って子供の心のケアに対応してほしい、こういう御要請はし、各地域でもそういう努力はしているというふうに考えております。
○阿部幸代君 局長、最初に学校と関係機関あるいは学校と家庭との協力関係が今回の教育問題としての一つのかなめの問題というふうな認識を示されたと思うんですが、この容疑者少年の場合、学校と児童相談所との連携はどうだったんですか、事実は。
○説明員(辻村哲夫君) 一、二年生のころからもいわゆる友人を殴るといったような行動があるということから、学校としては児童相談所を含めまして関係機関との相談を進めるような対応を保護者にもしていたというふうに聞いております。ただ、実際に関係機関に行くには至らなかったのではないかということも聞いております。ただ、ことしになりましては児童相談所にこの少年は通い始めているということを承知いたしておりますので、その間、児童相談所それから家庭、学校との間を含めましてさまざまなやりとりがあったのではないかな、こんなふうに思っております。
○阿部幸代君 あったのではないかなではなくて、事実をつかんでいただきたいというふうに思います。 問題のある子供、児童生徒を育てる場合、親はもとより、教師集団やカウンセラー、児童相談所職員、精神医学の専門家など集団の英知が不可欠だというふうに私は考えます。最初に述べた福嶋教授も、「教師やカウンセラー以外に、小児科医に意見を聞くのもひとつのやり方です。最近の小児科医は子供のメンタルな側面をよく勉強している人が多いですから。とにかく、いろいろな専門家に積極的に意見を求めることです。」と、こういう指摘をしているわけです。 児童生徒を縦割り行政のどこかに任せるのではなくて、まして来なくてよいと、こう言って追いやるのではなくて、その子に一番よい方法をその子にかかわるすべての人が協力してつくり出す、この子をどうしたらいいかといつも向かい合って相談し合う、そういう体制をつくる努力が今求められているのだと思うんですけれども、どうですか。
○説明員(辻村哲夫君) 先ほど私、若干あいまいな御答弁を申し上げて御指摘を受けたわけでございますが、児童相談所その他の関係機関につきましては、そこに通ったことの有無あるいはそこでの相談内容の有無等につきましては、いわゆる守秘義務というものがございましてなかなか明確な御答弁がしにくいわけでございます。 ただ一般論としては、ただいま先生が御指摘になりますように、学校は学校としての権限と責任の限界もあるわけでございます。そして、その分野ではプロパーとしてそれにふさわしい人的スタッフ、物的スタッフを持った機関もあるわけでございます。そういう意味では、一人の子供をどういう形でそれぞれの機関が連携し合って育成していくかということは大変重要でございますので、それぞれの置かれた地域地域の実情を踏まえながら、それぞれの子供がいかにあるべきかという観点に立っての連携協力というものがさらに深まっていく、このことが大変大切なことであるし必要なことだと、こんなふうに思っております。
○阿部幸代君 次に、人間を大切にする学校づくりのために、教職員の多忙化解消策について伺いたいと思います。 少し古くなるんですけれども、全日本教職員組合が一九九二年の秋に教職員の生活と勤務に関する調査を行っています。この調査によると、一日の昼食時間が男性十三分、女性八分となっていました。私もかつて教育現場にいて昼食時間がこれに近かったのを思い起こしています。一週間の学校と学校外での仕事時間は平均で五十四時間二十六分。ですから、十時間二十六分の超過勤務となっています。いわゆるふろしき残業です。 最近の埼玉県教職員組合の調査では、小学校で担任を持つ教員の授業時間数は平均して二十六時間から二十八時間、いわゆる空き時間が週当たり二時間あればよい方だというふうに言われています。中学校では平均二十二時間くらいです。放課後は、週ごとの定例の会議とか行事、それだけではなくて学校内外の年間行事や会議、これらでほとんど埋まっています。こういう多忙な中で、教員がゆとりがあればもっとやりたいことのトップに授業の準備、整理を挙げ、次いで子供たちとの触れ合いを挙げています。いずれも六二・三%、六〇・六%と高い回答率です。 もちろん、現場では学校行事の精選などいろいろ努力を始めているようなんですけれども、文部省はこうした教職員の多忙化の実態、教員のためにも子供のためにもなっていないこうした多忙化の実態を具体的に把握する必要があるのではないでしょうか。 また、多忙化解消のためと同時に、子供たちとの触れ合いのために教員が第一に願っているのはクラスサイズの縮小であり、教職員定数の抜本的改善です。この必要性をお認めになりますか。これは大臣にお伺いします。
○説明員(御手洗康君) 御指摘ございました教員の職務のあり方についてでございますけれども、教材研究の問題あるいは校務分掌の問題、あるいは諸会議、さらには部活動指導等、いろいろと教員が忙しいという原因につきましては現場等からの声があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、基本的には現在の勤務時間管理というものを適切に各学校で運営していただきまして、そのときどきの繁閑状況に応じまして校務分掌を適宜他の方々ができる限りお手伝いするとか、とりわけ少数の方や特定の方に集中的に負担がかからないように、学校管理運営の責任者におきまして各教職員が協力しながら適切にやっていただくということが基本ではないかと思っておるわけでございます。 もちろん、このために教職員の定数の改善につきましても、先ほど来御指摘がございますけれども、現在進めております第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画におきましては、当時もクラスサイズの問題について御議論がございましたけれども、これについてはできるだけ教職員対児童生徒の比率というものを小さくしていこうというような観点から、グループ指導やあるいは個別指導など、教師と児童が授業時間中を通じましてできるだけ接触する機会をふやしていくというような観点からきめ細かな指導を行うこと、そのためのチームティーチングなどの指導方法の工夫改善が図られるような教職員配置、さらには生徒指導あるいは養護教諭の配置といったような観点を重視いたしまして推進をしてきたところでございまして、現に一人当たりの児童生徒数につきましても、計画が始まります平成三年の小学校二十一・五人から二十・六人と着実に教員一人当たりの児童生徒数の比率というものは欧米諸国に近づいております。中学校も同様にほぼ一人程度改善しているところでございます。 また、クラスサイズにつきましても、平成四年度に二十八・九人という小学校の状況でございましたけれども、これも平成七年度では二十八・三人、中学校では三十三・七人が三十三・〇人ということで、今回の改善計画の実施に伴いまして徐々に改善を見ているということにつきましては、今後とも私どもは行政的にも努力をさせてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 現場の教師たちが、何よりも子供たちとの触れ合いを求めて多忙化を解消したい、そのためにクラスサイズの縮小と教職員定数の抜本的改善を求めているんですが、その必要性については大臣はお認めになりますか。
○国務大臣(小杉隆君) 必要性は認めます。
○阿部幸代君 だとしたら、私はそのささやかな一歩とも言うべき第六次の公立義務教育諸学校教職員配置改善計画、それをぜひ完結させていただきたいと思います。まだ予算も決まっていないわけですから、これから文部省と大臣に大いに頑張っていただきたい、このことを、これは要望といたします。 最後に質問しますが、私は、文部省も当該中学校ももっと子供、生徒の悩みと声に本気で耳を傾けるべきだと思います。子どもの権利条約は子供の意見表明権の尊重を各国政府に求めているんですが、その根底にあるのは、子供を権利主体として尊重するということです。文部省がこの立場に立つことを明確にする上でも、私は次のことを直ちにお願いしたい。文部省が刊行している「生徒指導の手引」、この改訂です。「 生徒指導の手引」の二十六ページに、「権力−支配−盲従の関係は、専ら外からの強制的な力に頼るもので、指導される者が指導者に対して恐怖心を感じ、その恐怖心を免れるために服従する。きまりに従う行動をさせるためには、このような権力−支配−盲従の関係も効果的であるが、」、「このような人間関係では内面化が起こりにくいから、絶えず権力を生徒の眼前に提示することを続けなければ、所期の成果を達成することができないというおそれがある。」、こういうふうにあるわけです。 恐怖心で服従させる人間関係を生徒指導上の原理としているわけです。これは体罰の思想的基盤、それを容認するものであり、こうした誤った子供観に基づく生徒指導の原理というのは直ちに改めるべきだと思います。どうでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) ただいまの御指摘は、平成七年十二月の衆議院文教委員会におきましても御指摘を受けました。そのときにも当時の政府委員が、現在そのような考え方はとっていない旨の答弁をしたわけでございます。 その後、私どもの対応といたしましては、これを改訂する形にするかどうするかということで検討したわけでございますけれども、その部分だけを取り出した字句の修正ということではない、全体としての見直しが必要であろう、それには時間がかかる、しかし、これが生き続けるということであっては誤解を与えるということで、翌平成八年の三月二十一日に発行元に対しましてこの絶版を指示いたしました。あわせまして、県の生徒指導担当者会議におきまして、このような考え方をとっていない旨の説明をしたところでございます。 したがいまして、現在の状況はそのような状況になってございますが、そのものを今後どうするかということにつきましてはこれからまた考えなけりゃいけませんが、いずれにしろ、仮にこの手引書を新たにつくるといたしましても、今のような考え方に立ちまして作成をしていくと、こういうことになるというふうに考えております。
○阿部幸代君 衆議院の文教委員会で質問してからもう二年たつわけですね。十分な時間があったように思うんですよ。 絶版措置にしたということはよいとしても、これは指導書ですから、学校にあるし、持っているわけですよ、先生たちは。生きているわけなんですね。ですから、よりよいものにするんだったら、一刻も早くこの部分だけではなくて全面的に見直しをして改訂をしていただきたいと思います。重ねて。
○説明員(辻村哲夫君) 先ほどの経緯のところで説明を落としましたが、平成七年の十二月に御指摘を受けまして、私ども、平成八年の三月二十一日に出版を停止、絶版にするとともに、回収等を発行元に指示いたしております。あわせまして、県の教育委員会の生徒指導担当者会議においてそのような考えをとっていないことを説明したということでございます。
○阿部幸代君 改訂に着手しますか。
○説明員(辻村哲夫君) 今後どのようにするかということでございますが、それはこの部分の問題ではなく、先ほど答弁いたしましたように全体をどうするかということでございますので、これにつきましてはこれから十分に検討させていただきたいというふうに思います。
○江本孟紀君 自由の会の江本です。 悲惨な事件が起きて、この委員会が閉会中にもかかわらず開かれたと思うんです。私は、この委員会をこの時期に開くのは相当無理がある。その無理があるのは、やはり少年であるということと、類を見ない悲惨な事件、そして現在その捜査中であるというような背景からして、じゃ何をこの委員会で話したらいいのか。 そういう中で、先ほどからいろんなお話が出ておりますけれども、どうもこの根幹には教育の問題があるんではないかというようなことを言っておりますけれども、過去のこういった事件が起きたかどうかというようなことも踏まえますと、現在の段階ではこの少年のやはり個人的な心の病気じゃないかというふうに私は素直に感じるわけです。しかし実際には、私たちのところに情報が入っているのは、マスコミ等によってこの事件がああだこうだというふうに伝わっておるわけです。 そこで、私は今の段階で感じることを少しお話ししたいと思いますけれども、余りにもマスコミからの情報によってしか入れない。こういった状況の中で我々はどう判断していいかわかりませんけれども、どうも犯人が捕まる前の報道というのを見ていますと、犯人捜しが非常にすごかった。確かに、早く犯人を検挙しなきゃいかぬという気持ちでマスコミの方も情報を収集するために大変活動をされたと思います。しかし、後で考えてみると、当時言われておった犯人像というのはほとんど当たっていないわけですね。やはり素人ですから捜査はできない。そうすると、最後に警察の御苦労でこうやって犯人を検挙したというようなことから言いますと、非常にやはり私は大変だったと思います。今回は特異なケースで、未成年の少年が犯したというような犯罪ですから、捜査または警察の少年に対する、犯人に対する対応というのは大変だったと思います。 ここは関係があるかどうかは別として、私も少年時代に、私の父親が少年係の刑事をしておりましたので、その捜査や補導や、そういったものにかかわることに関しては大変苦労したという記憶がございます。そういった背景から、一般の事件と違って今回のような事件に対しては、警察からの情報をマスコミ等に公開するのが非常に難しかったと思うんですね。しかし、余りにも難しいということだけで、情報が余り伝わっていない。そういうようなことで、マスコミの方も一生懸命いろんな情報を得ようということで情報合戦みたいになってしまった。それから目撃者でも、何か三十五歳ぐらいの男だとかなんとかいうことで、今度そうすると住民やそこの人たちも、若いお兄ちゃんを見たら犯人じゃないかなと思ってびくびくする、そういう混乱がいっぱい起きているわけですね。 そこで、私はマスコミを責めるわけじゃないです、この場面は。しかし、もう少しいい関係で、警察情報として、マスコミにこういうことはちゃんとしてくれ、こういう報道はもう控えてくれというようなことの関係をもう少しうまく言ったらよかったんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、今回の事件で、逮捕後も含めてそうですけれども、警察として兵庫県警の須磨署ではどのような記者会見、そういった情報の場を持ったのかということを少しお聞きしたいと思います。
○説明員(松尾好將君) 本件に関します記者会見の状況でありますが、五月二十七日の事件発覚当日から昨日の被疑者の再逮捕までの間、十回ほど記者会見を行っているところであります。 会見におきましては、事件発覚の状況ですとかあるいは捜査状況、それから遺体の解剖結果、それから捜査体制及び警戒態勢がどうなっているかとか、それから一週間日、二週間日、一カ月目等の捜査状況と今後の捜査方針はどうなっているか、あるいは被疑者の逮捕あるいは再逮捕等々、捜査の節目節目におきまして捜査経過などを発表したところであります。 なお、このほか捜査本部におきましては、警察署長など広報責任者がほぼ毎日個別取材に対応するなどの広報に努めてまいっておるということでございます。
○江本孟紀君 そういった公の記者会見というような活動をされておりますけれども、こういった特殊な事件に関しては、もう少しマスコミ等とやはりいい関係を持って、報道、こういった状況にしてほしいというようなことをぜひ話し合っていただきたいなと。 マスコミの方も、最近ちらっと見たんですけれども、NHKや民放連が独自に放送倫理の確立のために放送と人権等権利に関する委員会というものを設置して、例えばこういった事件のときでも報道をどういうふうにするか、またはいろんな関係で人権を無視するような、またプライバシーに踏み込むような状況があってはいけないというようなことを考えておられるわけですね。そういうことでいうと、そういったものも絡めながら検討すべきじゃないか。 そこで、郵政省の方にお伺いしたいんですけれども、この放送と人権等権利に関する委員会というものがどういう形で設置されたのか、また今後どういうふうな形で運用されるのかということを少しお聞きしたいと思います。
○説明員(伊東敏朗君) 先生御指摘の今の放送と人権等権利に関する委員会の設置経過について御説明をさせていただきます。 放送によります人権侵害等に関しましては、視聴者からの苦情への対応は従来個々の放送事業者において行ってまいりました。しかしながら、こうした苦情についての一方の当事者である放送事業者に適切な解決を求めることは、公正性あるいは透明性の点からいたしまして一定の限界があるだろうという指摘もございます。また、裁判となりますと多くの費用を要する、また時間を要するという問題もあるというふうに認識しております。 昨年の十二月に、私どもの放送行政局長の懇談会であります多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会の報告書におきまして、放送による権利侵害などに対応いたします苦情対応機関を、個々の放送事業者から独立した第三者機関として設置することの必要性について指摘を受けたところでございます。 先生御指摘の委員会は、同懇談会の報告書を踏まえまして、NHKと民放連が放送による権利侵害等についての苦情を扱う第三者的な機関として共同で自主的に設置することといたしまして、本年の六月から機能を開始したものと承知しておるところでございます。
○江本孟紀君 今のようなことであれば、ぜひいい方向で活用していただきたいと私は思っております。 そこで、この委員会そのものは、我々も十分それぞれ調査なり情報を得て、この背景にどういったものがあったかとかないとか、そういったことを踏まえて私は秋の臨時国会で真剣にもう一度論議をしたい、こちらでやりたいと思います。 その中で恐らく出てくるであろう少年法の問題ですけれども、実際にこれをやるにしても、これは文教委員会よりもむしろ私は法務委員会とか厚生委員会がやった後で文教委員会がやるぐらいじゃないとおかしいんじゃないかというふうな、もしくは合同でやるとか、そういった形でやってこの問題に対応すべきだと思う。 それから、少年法のことですが、きのうたまたま私はまたテレビを見ておったら、たまにはいいことを言うんですけれども、昨年ですね、九六年、少年が殺人を犯している件数は九十六件、九十六人いるというふうに言われております。それから、ことしの一月から四月まで、この間に凶悪犯が七百件以上あるというようなことですから、そういったこともよく調査して、この少年法といったものについても多くの意見を聞きながら改正するとかしないとか、そういう問題に踏み込んでいかなければいけない。ちなみに外国の場合は、ほとんど十歳以上だとか、十六歳を十四歳にするとかというような事例がちょっと調べただけでも非常に多いわけですね。 最後に文部大臣か文部省にお聞きしたいんですけれども、私らは捜査とかそういったことには当然素人でありますから、この少年が今度の場合は家裁に送られるわけですね。家裁に送られると、これはもう恐らく中でやっていることはすべて非公開になりますから、そうすると、どの状況で文部省なりがこの事件の背景その他を調査するようになるのか、それをどうやって生かせるのか、その辺について最後にお聞きします。 それで私は秋の臨時国会に、そのころには家裁に送られて事件が終結していて恐らくこのような熱はないと思いますけれども、熱が冷めないようにしっかりこの問題をやらないと、この少年法の問題なんというのは今に始まったことじゃない。この子供ができた、この犯罪が起きたことで問題を考えるべきじゃないんです。もうずっと前からあるわけですね。もう渋谷、新宿行ったって十六や十七の子がみんなナイフや凶器を持ってうろうろしているという実態があるわけですから、そういったことも含めて、今後熱が冷めないようにしっかり少年法の問題に取り組まなければいけないと思っております。それをひとつ最後にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 少年法をめぐっては、今御指摘のとおり、審判の非公開とかあるいは手続関与者が限定されているとかいろいろな問題点がある、あるいはいろいろな議論があることは承知しております。 それはさておきまして、私どもとしては現行法を前提として何ができるのかということで、とにかく冷静、客観的に事実を把握することが先決だということで、二回ですか、現地に派遣をしたり、あるいはプロジェクトチームをつくって把握をしております。 先ほど来局長からも答弁しておりますように、年少者の犯罪であるということで、更生という見地から情報を秘匿しなければいけない、そういう配慮が必要であるという面と、しかし、真相をできるだけ解明して再発防止を図るという観点からは情報をできるだけ共有させてもらいたいという面と、両方あるわけですね。ですからその辺の調整が非常に難しいわけですけれども、私どもとしてはできる限り情報を共有させてもらうように、これは一般公開するかどうかは別として、少なくとも教育関係の我々に対しては必要最小限度の情報は提供してもらいたいということは要望していきたいと思っております。
○江本孟紀君 ありがとうございました。
○委員長(大島慶久君) 本日の調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会