農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1997/02/20
会議録
○委員長(真島一男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。 石井一二君及び国井正幸君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真島一男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真島一男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に阿曽田清君、谷本巍君及び一井淳治君を指名いたします。 —————————————
○委員長(真島一男君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真島一男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(真島一男君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 平成九年度の農林水産行政の基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。藤本農林水産大臣。
○国務大臣(藤本孝雄君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、まず、日本海で発生したロシア船籍のタンカーナホトカ号による重油流出事故により、被害を受けられた地域の皆様方、漁業関係者の方々に心からお見舞いを申し上げます。 本件事故発生後、直ちに事務当局に対し、関係省庁と連携して被害状況の調査、情報収集に努めるよう指示するとともに、一月二十一日には私自身も現地に入り、事故の状況と被害の実態を目の当たりにしてまいりました。 今回の流出重油は、広範囲に漂流、漂着しており、地域の漁業に被害を及ぼしている上、油処理のため漁業者が休漁する事態も生じております。私は、農林水産行政を預かる者として、今回の事故による漁業関係者の皆様方の不安を極力和らげるため、対応に万遺漏なきよう、引き続き全力を尽くしてまいります。 続いて、農林水産行政の推進に関し、私の所信の一端を申し上げます。 農林水産業は、国の基と言われているように、国民生活に不可欠な食糧の安定供給を初めとして、活力ある地域社会の維持、国土や自然環境、景観の保全などの多面的な機能を果たしております。また、農山漁村は農林漁業の生産の場であるとともに、農林漁業者を初めとする地域の方々の生活の場であるほか、地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた空間を提供する国民共有の財産であります。我が国経済社会が調和ある発展をし、真に豊かな国となるためには、こうした役割や機能を有する農林水産業と農山漁村の健全な発展が欠かせないと確信しております。 特に、二十一世紀に向けて、食糧の問題が人類共通の大きな課題になると予想されます。そこで、昨年十一月に世界各国の首脳を一堂に集め、初めて開催された世界食糧サミットにおいて、私も主張しましたように、我が国のような食糧輸入国においては、食糧の安定供給の確保のためには、国内生産に加えて輸入及び備蓄を適切に組み合わせていくことが重要でございます。中でも、持続可能な国内生産を重視していく必要があると考えております。 また、国内的にも、昨年九月に行われた総理府の世論調査において、約八割の方が、外国産より高くても食糧は生産コストを引き下げながらできる限り国内でつくる方がよい、あるいは外国産より高くても少なくとも米などの基本食糧については生産コストを引き下げながら国内でつくる方がよいと答えるなど、国内生産に対する期待には高いものがあると考えております。 こうしたことを踏まえれば、国内生産を可能な限り維持拡大することを基本として政策展開に努めていく必要があると考えております。また、不測の事態にも対応し得る国内での食糧供給力を確保する必要があります。 このため、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、農林水産業及び農山漁村を二十一世紀に向けて発展させ、将来にわたって基幹的な産業及び地域として次世代に受け継いでいくため、各般の施策を展開してまいります。 以下、平成九年度における主要な農林水産施策について申し上げます。 まず、農業の振興と農山漁村地域の活性化についてであります。 第一は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。 効率的かつ安定的な経営体が生産の相当部分である農業構造を実現するため、育成すべき経営体への農地利用の集積、安定的な営農を展開するための負債対策、土地改良負担金対策等を推進するとともに、生産性の向上に直結する農業基盤の整備等を推進します。 第二は、中長期的な食糧需給の動向にも対応し得る足腰の強い農業生産の確立てあります。 経営感覚にすぐれた経営体の経営基盤を強化するため、農地利用の集積、融資制度の充実等の支援策を講ずるとともに、実践的な新規就農対策や農山漁村の女性対策を推進してまいります。 また、圃場の整備や農業構造改善事業を推進するとともに、地域の環境保全に配慮した生産体制の確立、主要作目の生産・流通対策の強化を図ります。 第三は、活力にあふれた住みやすい農山漁村の創造であります。 美しく活力のある村づくりを推進するとともに、生活交流や青少年の交流など都市・農村交流を多様に展開してまいります。 また、都市に比べて立ちおくれている農山漁村の生活環境の整備と情報化を推進してまいります。 第四は、食品の加工・流通・消費対策であります。 食品産業の振興を図るため、食品の生産・流通における情報化等を推進します。 また、食品の安全性や品質などに対する消費者の強い要請を踏まえ、安全性確保対策の総合的な実施、食品の規格・表示の適正化、健康で豊かな食生活の推進等を図ります。 第五は、研究開発・普及の推進であります。 新技術・新分野の創出を目指した産学官の連携による研究を進めるとともに、国内農林水産業の体質強化を目指した研究開発を推進します。また、公共事業に関して、新技術の開発・導入を通じたコスト低減対策を進めます。 第六は、国際協力の推進であります。 世界的な食糧需給構造の変化に対応した支援の強化を図るとともに、地球環境保全対策を推進します。 このほか、国民の主食である米につきましては、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律のもとで、的確な需給見通しに基づき、生産調整の円滑な実施、備蓄・調整保管の適切な運用及び計画的な流通の確保を通じて、引き続き需給と価格の安定に努めてまいります。 農協系統の事業・組織の改革につきましては、さきの臨時国会で成立した農協改革二法をもとに、本格的な推進に取り組んでまいりたいと考えております。 また、新たな基本法につきましては、二十一世紀における我が国農業・農村の発展と国民生活の向上のための新たな農政の指針をつくり上げるべく、国民各界各層の御意見も伺いながら、本格的な検討を進めていきたいと考えております。 次に、森林の整備と林業・木材産業の振興についてであります。 緑と水の源泉である森林は、地球環境の保全や豊かな国民生活の実現のために重要な役割を果たしており、国民の森林.材業に刻する裏話も一層多様化、高度化しております。一方、森林.林業等を取り巻く情勢は、木材価格の低迷等による林業生産活動の停滞など、依然として厳しい状況にあります。 このような状況に対処し、充実しつつある森林資源を有効に活用するために、林業・木材産業の活性化と森林の適切な整備を図り、もって持続可能な森林経営をより一層推進することが重要なものと考えております。 このため、昨年十一月に閣議決定された森林資源に関する基本計画に即し、国民のニーズに応じた多様で質の高い森林の計画的な整備を着実に推進するとともに、松くい虫等の森林病害虫に対する機動的な防除システムを構築してまいります。 また、国有林は国土の二割を占める国民共通の財産であります。国有林野事業につきましては、林政審議会における論議、検討を踏まえ、平成九年中に債務処理の方策を含め、経営の健全化のための抜本的改善策について、関係省庁の密接な連携のもとに政府一体となって検討、策定してまいります。 さらに、林野三法を核とする林業・木材産業の活性化を支えるため、地域の林業の中心的な担い手である森林組合について、合併の推進等により経営基盤の強化を図るとともに、国産材の安定的な供給体制の整備と木材需要の拡大を進めてまいります。 次に、水産業の振興についてであります。 我が国水産業は、水産物の安定供給や地域における経済社会の発展に大きく寄与しております。 しかしながら、近年では、漁業に対する国際的な規制強化、我が国周辺水域における資源状況の悪化等による生産の減少、漁業の担い手の減少、高齢化など厳しい状況にあります。 一方、国連海洋法条約の締結に伴い、漁獲可能量制度、いわゆるTAC制度が導入されるなど、我が国水産業は新たな段階を迎えたところであります。 このような新たな海洋秩序のもとで、我が国水産業の振興を図り、水産物を安定的に供給していくため、国際漁業情勢に的確に対応しつつ、韓国、中国との間で国連海洋法条約の趣旨に即した新たな漁業協定を早期に締結するための協議を鋭意進めますとともに、TAC制度の定着とそのもとでの漁業経営の安定化対策、つくり育てる漁業の振興等を推進してまいります。 また、生産から流通・加工・販売にわたる経営体質の強化、漁業生産基盤及び漁村の生活環境の整備等を推進してまいります。 以上のような農林水産施策を展開するため、平成九年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いたところであります。 また、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後当委員会の場におきまして、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、農林水産業を誇りを持って携わることのできる魅力ある産業として確立するとともに、住みやすく活力に満ちた農山漁村を実現すべく全力を傾注してまいります。 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。
○委員長(真島一男君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(真島一男君) 次に、農林水産政策に関する調査のうち、ロシアのタンカーナホトカ号による重油流出事故の被害状況等に関する件を議題といたします。 ロシアのタンカーナホトカ号による重油流出事故の被害状況等の実情調査のため、去る一月三十日、本院から議員団が福井県及び石川県に派遣されました。衆議院からも派遣があり、両院合同で調査が行われました。 この際、本院議員団に団長として参加いたしました私から、便宜、調査の概要を御報告いたしたいと存じます。 派遣議員は、副団長直嶋正行君、団員狩野安君、亀谷博昭君、清水達雄君、二木秀夫君、三浦一水君、常田享詳君、長谷川道郎君、渡辺四郎君、中尾則幸君、西山登紀子君、そして私、真島一男の十二名であります。なお、鹿熊安正君、松村龍二君、加藤修一君、清水澄子君、末広真樹子君、芦尾長司君の六名が現地参加されました。 以下、調査の概要について御説明申し上げます。 まず、福井県に参りました。 最初に、三国町に設けられた海上保安庁の現地対策本部を訪れ、指揮に当たっている職員を激励いたしました。 次に、海上保安庁等から事故の概要及び講じた施策について説明を受けた後、県当局、地元団体等から要望を聴取いたしました。 福井県への重油の漂着は、沿岸すべての市町村に及んでおります。漂着地域においては、採貝藻漁業、定置網漁業等の沿岸漁業が深刻な被害を受けております。一方、底びき網漁業等の沖合漁業は直接の被害はないものの、重油回収作業への参加により出漁回数の減少を余儀なくされております。旅館や民宿では予約のキャンセルが相次ぎ、新たな予約申し込みが激減しております用地元では基幹産業である漁業と観光業への悪影響が広く地域経済全体に波及することを懸念しておりました。生態系への影響も深刻で、油まみれの水鳥等が大量に漂着し、そのほとんどが死んでいるとのことであります。 次に、福井港において回収重油の保管状況を視察いたしました。 一時保管ピットの大量の重油と野積みされた膨大な量のドラム缶を見て、事故の重大性と回収に従事された方々の御苦労とを実感いたしました。回収重油搬出のための船の手配が滞りがちとのことで、その対策が必要と思われます。 次に、三国町の船首部着底現場に参りました。 船首部は、陸から近い海岸に赤茶けた船底をさらしておりました。当日は荒天のため、海上からの残存油の抜き取りや仮設道路の敷設作業は中止されておりましたが、荒波の打ち寄せる海岸では、自衛隊員が胸まで油にまみれながら岩に付着した重油を取り除く作業を行っておりました。地元の人たちやボランティアは、高波の危険があるため作業を中止しておりました。海岸の近くにボランティア本部のテントが張られておりましたので、寒風の吹き込むその中に入って激励いたしました。連日回収作業に取り組んでいるこの人たちに報いるためにも、テント等の改善が必要であると感じました。 一日も早い船首部の残存油の抜き取りと船体の撤去、漁業資源を含む生態系への影響調査、効果的な復旧事業の実施、隠岐島沖に沈没している船尾部からの漏出油の防除などが望まれます。 福井県を視察した後、石川県に入りました。 まず、加賀市塩屋海岸において、回収した一万立方メートルにも及ぶ油まじりの砂の山を視察いたしました。地元自治体は焼却を望んでいるものの、船主が契約している保険会社は費用がかかり過ぎるとして反対し、話し合いは難航しております。これに関連して地元からは、今回の出来事は発端が事故であることは確かだが、荒天等により被害が拡大したもので、自然災害の要素も加わっており、国はこの点にも配慮して対応してほしいとの声が出ておりました。 次に、県当局、関係団体等から被害の概況説明と要望を聴取いたしました。また、テレビモニターを通じて珠洲市など能登地方の市町村の首長等と意見を交換し、その要望を聴取いたしました。 石川県においては、加賀地方から能登地方の外浦に至る沿岸の全市町村に重油の漂着が見られます。このため、採貝藻漁業、定置網漁業、底びき網漁業等が被害を受けており、観光業においても予約が相次いで取り消される事態となっております。地元では、回収作業への参加は無論のこと、旅館や民宿が赤字覚悟の安い料金でボランティアを宿泊させるなど、重油回収に懸命の努力をしております。 なお、被害の大きな能登地方は過疎地で、回収作業をしている地元民には高齢者が多く、連日の作業で疲労は極限状態に達しております。既に死者も出ており、早急な対策が必要であります。 両県で受けた要望は、別途作成した報告書に掲載しておりますのでごらんいただきたいと存じます。これらの要望につきましては、関係委員会等において十分検討の上、対応していく必要があります。 以上が調査の概要でありますが、事故発生以来、昼夜兼行で重油回収作業等に携わってこられた方々に心から敬意を表しますとともに、不幸にも回収作業が原因で亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を表します。また、御多忙中にもかかわらず調査に御協力いただきました方々に厚くお礼申し上げます。 なお、若干申し添えさせていただきたいことがございます。今月五日、議長に対し、副議長及び議院運営委員長御同席のもとで、現地で受けた要望等について御説明申し上げました。また、その後、両院議員団が合同で内閣総理大臣及び運輸大臣に対し、緊急に措置すべき事項六項目について申し入れを行いました。 その内容は、一、船首部から重油を速やかに抜き取るとともに、船体後部の現状を速やかに把握し、漏出油に対する万全の措置を講ずること。二、重油流出事故による損失補償を円滑かつ速やかに実現するため、賠償手続や内容等の相談窓口を一元化すること。三、重油防除及び水産・観光業等の被害に対する適切な支援措置を講じ、あわせて風評被害の防止措置を講ずること。四、重油回収に従事する地域住民、ボランティア等に対し、その健康の管理及び負担軽減等のための支援措置を講ずること。五、流出油による海域及び沿岸域の環境汚染実態調査及び生態系全般にわたる総合的影響調査を速やかに実施すること。六、事故原因の究明及び被害状況の把握を速やかに行うことであります。 以上でございます。 この際、お諮りいたします。 ロシアのタンカーナホトカ号による重油流出事故の被害状況等の実情調査のための議員派遣につきましては、既に議院運営委員会に報告書が提出されておりますが、本委員会におきましても便宜これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真島一男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会 —————・—————