災害対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/08/29
会議録
○委員長(浦田勝君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 議事に先立ち、去る七月に発生いたしました梅雨前線豪雨による災害のため亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ御起立を願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(浦田勝君) 黙祷を終わります。御着席願います。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 委員の異動について御報告いたします。 去る二十一日、依田智治君が委員を辞任され、その補欠として三浦一水君が選任されました。 また、昨二十八日、横尾和伸君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として武田節子君及び魚住裕一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に清水達雄君及び田浦直君を指名いたします。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 去る七月二十三日に行いました平成九年七月梅雨前線豪雨による被害の実情調査のための委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。田浦直君。
○田浦直君 去る七月二十三日寸浦田委員長、山崎理事、本岡理事、井上委員、鎌田委員、阿部委員、三浦委員、渡辺委員、久保委員、上山委員、有働委員、そして私、田浦の十二名は、熊本県及び鹿児島県における平成九年七月梅雨前線豪雨による被害の実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。なお、阿曽田清議員が熊本県において現地参加されましたことを申し添えさせていただきます。 去る六月の気象庁長期予報によれば、七月はエルニーニョ現象の発生に伴い低温多雨との予報がなされましたが、関東地方は七月三日から八日にかけて連日猛暑が続くなど、これまでの定説を覆す異変が生じたことから、気象庁もさきの予報を修正したところであり、また七月の早い時期に既に二つの台風が上陸するなど、例年にない状況が生じていると報じられております。 九州地方では南下した前線が停滞し、熊本では七月六日から十三日までの八日間に、熊本市で七百九十九ミリ、阿蘇山西方の鞍岳では千二百九ミリを記録したのを初め、多くの地域で総雨量が千ミリを超えております。これを今年度の梅雨期の雨量として見た場合、平年値と比較しても熊本の六七%増、天草本土の六四%増など、軒並み五〇%以上も多く、また今回大規模な土石流災害が発生しました出水市でも、七月七日からの五日間で平年の七月降雨量の二倍を超える雨量を記録するなど、広い地域に短期間で大量の降雨が集中したことが今回九州地方各地に災害を発生させた原因であったと考えられております。 私たち派遣委員は、まず熊本県坂本村の山腹崩落現場の視察に向かいました。車中において熊本県全体の被災状況について説明を聴取した後、山腹崩落現場において績坂本村村長から被害状況を聞き、要望を受けてまいりました。次に、八代市の球磨川河川敷から自衛隊ヘリコプターに搭乗し、上空から坂本村の山腹崩落現場及び出水市の土石流災害現場を視察いたしました。上空からの視察では、両被災地の状況や周囲の地形、また規模の大きさ等、被害状況を全般的に把握することができ、大変有意義であったと考えております。 その後、出水市でヘリコプターをおり、出水市中央公民館において須賀鹿児島県知事、矢野出水市長から被害の概要及び要望を聞いた後、針原地区の土石流被災現場を調査してまいりました。 以下、順次御報告申し上げます。 まず、熊本県全体の災害の状況でありますが、裏山の崩壊により菊池市で一世帯二名、水俣市でも四世帯六名が生き埋めになりましたが、いずれも全員無事に救出されたとのことであります。また、多量の降雨により山沿い、川沿いの広い範囲で多くの避難者が出ており、九市町村で四百三十六世帯千三百七十二名が避難勧告により、三十一市町村で約百九十世帯が自主的に避難をいたしましたが、勧告はすべて解除されたとのことであります。さらに、大規模河川のはんらんはなかったものの、熊本市及び周辺の十四市町村で百六十棟が床上浸水、四十一市町村で千三百八十四棟が床下浸水するなどの被害が出ており、国道二百十九号線を初め県道や市町村道で土砂崩れや路側決壊により道路規制が約六百カ所に上ったということであります。 このように千ミリを超す雨量があったにもかかわらず被害が比較的小規模にとどまったのは、河川の水位と潮位とのバランスがうまくとれ水が早期に引いたことが幸いしたとのことでありますが、二十三日の時点で農地及び施設等の農業関係で約六十七億、山地崩壊や林道等の林業関係で約三十億、道路、河川、砂防の土木関係で約百二十二億、その他合わせて約二百二十億円の被害が出ており、今後の調査によりさらに被害の増加が見込まれるとのことであります。次に、坂本村の山腹崩壊現場におきまして、績坂本村村長初め関係者から被害状況について説明を受けました。 まず、坂本村は、総面積百六十二ヘクタールの約九割が山林であり、山間のわずかな平地に集落が点在し、急峻な地形が多く、毎年梅雨期や台風シーズンには災害が多く発生している。七月上旬から長雨が続いたものの、空梅雨との予報で安心していたやさき、十五日から斜面の崩落が始まったため、下流域の五十七世帯百七十二名の住民に対し直ちに避難勧告を行い、関係各機関の敏速かつ的確な協力もあり一名の犠牲者も出さずに済んだとのことであります。 この崩壊現場は、人吉市に向かう九州自動車道、肥後トンネルの手前付近にある八代郡坂本村鮎帰の川幅約十メートルの油谷川が流れるV字谷で、平成五年の台風十三号による風倒木の被災復旧地であります。急峻な斜面が刃物でえぐり取られたように崩れ落ち、赤い地肌が露出しておりました。崩落した土砂は十三万立方メートルとも言われ、自然の力の脅威をまざまざと感じさせられたものであります。 なお、風倒木災害等を含む山地崩壊については、坂本村で県全体の四割を占め、そのうち七割の処理が済み、残り三割の復旧事業中で、平成九年度の事業を八月初旬の入札にかける準備中の事故であったとのことであります。 県では九州大学を初め関係各機関の協力を得て調査を行ったところ、崩落は八百ミリ近い降雨による地下水の上昇に起因する深層崩壊によるもので、崩落部分の左側に亀裂があり、その後も不安定なのり面から間断なく中小規模の崩落が続いたとのことであります。 そこで、雲仙・普賢岳の災害復旧で活躍した無人重機を投入し、まず斜面の安定を図る工事を開始し、次いで、大量の土砂によってせきとめられた推定二、三万トンとも言われる水の排水路を確保するため、導水管を敷設するとともに新たな河道の確保とその拡幅のための掘削工事を行うなど、建設省及び県の速やかな応急工事の結果、避難勧告は十九日に解除され、応急仮設工事も二十日に完了したとのことであります。 次に、鹿児島県出水市境町針原地区の土石流災害被害状況等について御報告いたします。 須賀鹿児島県知事の説明によりますと、出水市では、七月七日から十一日午前七時までの雨量が六百七十四ミリと平年の七月降雨量の約二倍を超える雨がわずか五日間で降ったことから、十日の午前零時四十九分ごろに土石流が発生し、これにより、二十一名の方々が亡くなられ、重傷二名、軽傷十一名の人的被害を生じ、全壊十八棟、半壊一棟、一部破損及び床上浸水を含め二十三棟の住家と十二棟の非住家に被害を受け、二十三日現在、四十四世帯百二十六名が避難中である、また地域の主要農産物であるミカンの樹園地や農業施設にも大きな被害を受けたとのことであります。 また、鹿児島県は、十日に災害対策本部を設置するとともに、国との協議の上、出水市に対し直ちに災害救助法を適用し、土砂の排除と被災者の救済を開始しましたが、この救出救助活動には消防、警察、自衛隊等の関係各機関合わせて延べ二千二百人を超える方々に当たっていただき心から感謝している旨、また針原川の改修については、現在出水市管理の準用河川であるが、これを県管理の二級河川に格上げし、砂防事業との一体的工事を進めていく旨の発言がありました。 矢野出水市長からは、砂防ダム上流が崩落し、予想をはるかに超えた約二十万立方メートルの土砂が針原地区を襲い、完成間近の砂防ダムが約五万立方メートルの土砂をとめ、十五万立方メートルがダムを乗り越え、住宅、倉庫、道路、ミカン畑が埋め尽くされた。その結果、二十一名のとうとい命が失われ、市の基幹的農作物であるミカン園も六・四ヘクタールが壊滅、土砂の排出を要する園地が三・八ヘクタールにも上り、被害総額が約十三億三千六百万円に達する出水市始まって以来の大災害となった。この針原地区は風光明媚なところで、今年三月から四月にかけて北薩地区を襲った地震でもほとんど被害はなく、天災とは無縁に近いところと信じており、今回の土石流災害は予想だにしなかったとのことでございます。 これを受けて、派遣委員からは、予算の制約でダムの許容量が小さく査定されたのではないかとの疑問や、今後の砂防事業のあり方、被災したミカン農民等の生活再建問題、二次災害発生のおそれの根拠及びダム上流のため池と土石流との関係等ついて、県、市側と意見交換を行いました。 須賀知事からは、県内千八百八十八カ所の危険地域のうち整備が済んでいるのは四百十三カ所で千四百カ所余りが未整備であるが、財政問題もあり、なかなか整備が進まないといった問題がある。 また、針原地区の砂防ダムについては、五万二千立方メートルの流出土砂量を想定していたものの、実際のダムの計画容量は二万二千立方メートルであったことを地元に説明していなかったことに対し、今後、危険渓流地にダムを設置する際には、土砂の最大流出予想量はすべて地元への説明に入れるようにしたい旨の発言がありました。被災現場は、山のような大量の土砂の合間に破壊された民家が点在し、また幹の大部分が埋まったミカンの木や引きちぎられた自家用車の残骸、吹き飛ばされた砂防ダムの巨大な塊等が残されており、土石流のすさまじさと恐ろしさを痛感させられた次第であります。 この惨状を目の当たりにし、浦田委員長から献花を行い、私たぢ一行は亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げた次第であります。 さて、針原地区の砂防ダムは、本堤が高さ十四メートル、幅八十五メートルと鹿児島県下でも大規模なものであり、副堤、垂直壁ともに九六%が去る六月末に完成し、下流の護岸工事等、附属的な工事を残すばかりの状況でありました。 現場一帯の地質は安山岩を基盤としておりますが、ダムは地盤の弱い砂れきの河床上に建設されております。土石流は針原川の砂防ダム上流約三百五十メートルの右岸で発生し、のり面の長さ約二百メートル、幅七、八十メートル、最大深さ四十メートル、約二十万立方メートルにも及ぶ土砂が大量の雨による地下水の水圧の上昇により一気に崩壊し、ため池を破壊しながら、時速五十キロをも超えるという速さで砂防ダムの堰堤を一部破壊し、これを乗り越えて二百メートルほど下流の住宅地を襲い、泥流はさらに下流の八代海の海岸縁を走るJR鹿児島本線にまで達しましたが、この針原川はふだんは四、五メートルの川幅で、水も少ない川であるとのことでありました。 また、鹿児島県からは、斜面の左側にある長さ六十メートル、幅十五メートルから二十メートルにわたる亀裂を生じている風化の激しい部分を切り裂く等の作業が終われば避難勧告も緩和できるとの見通しや、この砂防ダムによって被害が四分の一におさまっているとの建設省土木研究所のシミュレーションの結果、さらに、ダムがとめた約五万立方メートルの土砂を排除し、約二万立方メートルのダム機能を回復させるが、砂防機能を高めるため、もう一基ダムを増設したいとの見解が示されました。 被災地の状況は以上でありますが、これを踏まえた現地における要望事項は次のとおりでございます。 坂本村の績村長からは、切断された林道の通行どめが長期化することにより住民生活に多大な影響が懸念される一方、今後の台風シーズンの到来を控え、二次災害のおそれもあり、早急な災害復旧工事の完了が望まれるが、予算上の制約に苦慮しており、財政上の特段の配慮を願いたい旨、また須賀鹿児島県知事からは、第一に針原川の砂防事業について、土石流の発生により莫大な量の土砂が堆積し二次的な災害発生の恐れがあるため、砂防ダムの設置など災害関連緊急砂防事業等に要する予算の確保、第二に河川・耕地等災害復旧工事の早期実施のため、災害に対する査定の速やかな実施と災害の早期復旧、第三に被災した住宅の円滑な復旧を図るため、住宅金融公庫災害復興住宅資金貸し付けの適用、最後に財政措置の充実として、今回の土石流災害にかかわる県及び市の財政負担は極めて多額に上ることが予想されていることから、災害復旧事業等にかかわる起債枠の確保及び災害にかかわる特別交付税の重点配分等特段の財政措置を願いたい旨、また矢野出水市長からは、被災者の救済、道路及び農地の復旧に向け、災害救助法の適用における弾力的な運用等切実な要望を受けてまいりました。 以上が調査の概要でありますが、最後に、復旧作業でお忙しい中、本委員会の調査に快く御協力をいただきました方々に厚くお礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興と住民の皆さんの今後の安全を心からお祈り申し上げまして、御報告を終わらせていただきます。
○委員長(浦田勝君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三浦一水君 熊本県選挙区自由民主党の三浦一水でございます。発言をお許しいただきましてありがとうございました。 また、伊藤公介国土庁長官にはお忙しい中を御出席を賜りまして、お礼を申し上げたいと思います。 ことしのこの七月の梅雨前線豪雨によります災害でありますけれども、自分の思いを申しますと、そのちょうど一週間ぐらい前、この前線が香港にありましたころに香港の返還ということで私も向こうに行っておったわけでございますが、現地でも相当な災害を生み出した前線でもあったようでございます。ちょうど私は二週間この前線の中に帰国後も含めますとおりましたわけで、非常にすごい豪雨であったなという思いを新たにするところでございますが、長官もこの災害につきましては現地を御自身で視察をなさったやに伺っております。 まず、長官の御所見あるいは政府の対応についてお尋ねを申し上げたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) まず、浦田委員長初め委員の皆様方が現地に調査に行かれましたことに対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。 平成九年の七月梅雨前線豪雨については、九州地方を中心に大雨をもたらしまして、各地で大変大きな被害が発生をいたしました。特に、七月十日、鹿児島県の出水市において発生をいたしました土石流災害に関しましては、数多くのとうとい人命が奪われ、さらに十三日には兵庫県の宝塚市におけるがけ崩れによりまして四名の犠牲者が生じております。 私ども政府といたしましては、今回の豪雨にかかわる災害対策関係省庁連絡会議を頻繁に開催するとともに、お話がありましたように、私自身が調査団長として七月十一日から十二日にかけまして鹿児島県及び熊本県の被災地に赴きまして、被災者の方々をお見舞いするとともに、災害の状況をつぶさに視察をしてきたところでございます。さらに、被災直後、出水市に対しまして災害救助法を適用して住居の確保などを行いますとともに、現在も災害防止に努め、厳重な監視を続けているところでございます。 私自身、現地に参りまして、これまでここが危険な地域だということで既に砂防ダムを建設していただいていたわけでございますが、もしこれがなかったらもっと大きな被害になっていたのではないかというふうな現地の皆さんの声も聞きまして、こうした危険地域あるいは渓流に関します対応が極めて必要だということを痛感してきたところでございます。
○三浦一水君 先般、七月二十三日に現地を視察させていただきましたときもちょっと関係の方々にお聞きをしたんですが、地元では激甚の指定もお願い申し上げたいといったような声も多かったかと思いますが、この見込みにつきましてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) 激甚災害の指定につきましては、政府調査団の団長として現地を訪れました際に、関係省庁に対して、指定の前提となります被害額の査定作業につきましてできるだけ早く行うように強く要請をいたしました。七月十五日の閣議におきましても、災害復旧が速やかに進められますように、関係省庁の一層の協力をお願いしたところでございます。 現在、農林水産省を初めといたしまして関係省庁の御協力をいただきながら激甚災害の指定に向けて鋭意作業を進めているところでありまして、九月上旬には指定をすることができるのではないかというふうに考えております。
○三浦一水君 ありがとうございました。 今回の梅雨前線の豪雨によります鹿児島、熊本両県の被害は御視察いただきましたように非常に大きなものがあるわけでございますが、建設、農水両省について、所管別にその状況をお伺い申し上げたいと思います。
○説明員(藤芳素生君) 御説明申し上げます。 先ほど委員の方から御報告がございましたけれども、本年七月四日から十四日までの梅雨前線における総雨量でございますけれども、鹿児島県出水市で六百八十五ミリ、それから熊本県の大津町で千十七ミリと大きな雨量を記録しております。 この降雨によります建設省所管の被害状況でございますけれども、国が管理いたします直轄河川につきましては、熊本県の嘉瀬川、それから菊池川、合志川、この三河川で三十カ所、鹿児島県の川内川で一カ所の被害を受けております。 地方公共団体が管理いたします河川、道路等についての被害でございますけれども、鹿児島県では針原川の土石流災害等四百七十三カ所、それから熊本県で河内谷川、先ほど話がございました河道埋塞の事故等、二千六百九十六カ所の被害を受けているところでございます。 以上でございます。
○説明員(海野洋君) 今回の梅雨前線豪雨によります農林水産関係の被害についてお答えさせていただきます。 九州地方を中心に農地・農業用施設や林道に相当な被害が発生いたしましたが、このうち鹿児島、熊本両県の被害状況は、両県からの報告によりますと、以下のようになっております。 鹿児島県におきましては、農地・農業用施設千二百カ所、林道二百五十七カ所に被害が発生しまして、これらの被害の金額は約四十一億円でございます。農地・農業用施設を区分して申し上げますと、農地四百三十七カ所で、被害は九億七千百万円、農業用施設が七百六十三カ所で、被害額が十八億二千九百万円でございます。また、農作物の被害につきましては、果樹の樹体被害などによりまして約二億円が見込まれているところでございます。 熊本県につきましては、農地・農業用施設が三千二百五十六カ所、林道が七百二十五カ所に被害が発生しておりまして、この被害金額は約百十九億円でございます。同じように農地・農業用施設別に申し上げますと、農地が千四百七十八カ所で被害が二十三億一千九百万円、農業用施設が千七百七十八カ所で、被害が四十八億一千二百万円となっているところでございます。また、農作物の方の被害につきましては、野菜、水稲の冠水などによりまして約三億円の被害が見込まれているところでございます。 以上でございます。
○三浦一水君 針原川の土石流災害につきましては、先ほど長官のお話の中でもちょっと触れられましたが、建設中でございました砂防ダムの効果がなかったのではないかというような一部報道が行われております。二十一名の犠牲者が出た状況の中で、あるいはまた、素人目にあの地形を見ますと非常に何か穏やかな村だなというような印象もするわけでございまして、その点においてこういう報道につながったというのもいたし方ないのかなという思いもしますが、長官の印象あるいはまた地元の方の受けとめ方というのは違うものがあったような先ほどのお話でございます。 その点、針原川の砂防ダムの効果はどのようなものであったか、再度お尋ね申し上げたいと思います。
○説明員(池谷浩君) 御説明申し上げます。 今年七月十日、鹿児島県の出水市の針原川に発生いたしました土石流につきましては、社団法人の砂防学会の調査によりますと、崩壊土砂量が約二十万立方メートルの崩壊が土石流となって流れ下ったものと、このように発表されております。現地には、御承知のように、砂れき地盤で建設可能であります最大級の本堤の高さ十四メートルという砂防ダムが既に鹿児島県によりまして施行されておりまして、ことしの六月に本堤部が完成しておりました。このダムによります土石流の捕捉量が約五万立方メートルでございまして、砂防ダムの計画貯砂量二万二千立方メートルに対しましては二倍以上の量をとめておる、そのようになっておりますし、また土石流の場合は流れ下るときに先端部がエネルギーが一番大きいんですが、その先端部をとめたという効果も考えられております。 もし砂防ダムがなかったらということの想定でコンピューターによります数値シミュレーションを行いましたところ、もしないとすると、下流のJRの鹿児島本線、それから国道三号、そしてそれを乗り越えて海まで、八代海までどうも行っていたのではないか、このように想定されまして、そこまで行きますと新たに約三十戸以上の人家とJRの鹿児島本線、国道三号、こういうところにも被害が及んだのではないか、このように考えております。 このようなことを考えますと、今回の土石流に対しまして砂防ダムの効果は最大限その効果を発揮していたものと、このように考えております。
○三浦一水君 ありがとうございました。 一方、熊本県の坂本村の土砂災害でございますけれども、今回視察をさせていただいたところ、崩壊土塊がそのまままだ河川、河道に放置されている状態でございます。このような状態では台風等で再度災害を生ずる可能性も高いのではないか、視察していただいた皆様方もそのような見方をしていただいたところかと思います。早急に対策を講じるべきかと考えておりますが、その対応についてお尋ねを申し上げたいと思います。
○説明員(藤芳素生君) 坂本村の土石流災害でございますけれども、七月十五日に球磨川水系の油谷川支川の河内谷川左岸の斜面が高さ百七十メートル、幅約百三十メートルにわたって崩壊して、約十万立方メートルに及ぶ崩壊土砂量が河川及び町道に堆積したものでございますけれども、崩壊直後の現地調査によりまして、河道に埋積しました崩壊土砂、これが流出するおそれがあるという判断があることから、応急対策といたしまして、河道を埋寒している土砂の一部を除去しまして、先ほど田浦先生からのお話がございましたように、仮排水路を設けることとしまして、七月十七日に工事に着手しまして二十日には完成いたしております。 次に、本復旧計画、現在検討中でございますけれども、この実施に当たりましては崩壊した山腹斜面の安定を図る必要があることから、治山事業とも連携を図って着手していくこととしております。 建設省といたしましては、県からの申請があり次第、速やかに災害査定を実施することといたしております。
○三浦一水君 治山事業も含め御検討をいただいているということでありますが、放置される期間が長くなればなるほど危険の可能性は高まる、自明の理であります。ぜひ早急な検討をお願い申し上げたいと思います。 坂本村の土砂災害につきましては、埋塞土の除去あるいは応急工事の実施に当たっては、災害発生箇所でもあり、工事施工の安全確保が重要と考えております。この点はいかがでございましょうか。
○説明員(藤芳素生君) 先ほど申し上げました仮排水路の工事の施工に当たってでございますけれども、斜面に不安定な土砂が堆積している、この中で作業をすることになることから、無人の掘削機械を使用しております。それとともに、崩壊地の監視等を行いまして、安全管理に十分留意して実施したところでございます。 次に本復旧に入っていくわけでございますけれども、崩壊の危険性がある山腹の斜面の安定を図った後、施工箇所の安全を確認しながら実施することとしていきたいと考えております。
○三浦一水君 無人化施工ということでございますけれども、雲仙の普賢岳災害あるいは今回の北海道の後志管内の二百二十九号線第二日糸トンネルの岩盤崩落現場でもそのような施工方法がとられているやに聞いております。 我が国は地形的に非常に急峻であり、災害の現場というものも二次災害の危険性が高い現場が多いというような特徴からしますと、このような無人化施工というものが今後もなお一層重要になってくるんではないかなと考えておりますが、この辺の機械が足りているのかどうか、私も情報不足で、その辺の状況についてちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○説明員(藤芳素生君) 無人化施工が可能なバックホー及びブルドーザーについてでございますけれども、現在、雲仙・普賢岳、それから蒲原沢砂防、それから北海道でございますけれども、それら砂防事業で使用されております。これらの機械は全国で約三十台程度あると承知しておりまして、二次災害の防止の観点から、これらの無人化施工の機械の必要性が非常に高いというふうに考えておりまして、今後ともその普及とそれから活用について進めてまいりたいというふうに考えております。
○三浦一水君 今回の実際の災害以外でございますけれども、同じ坂本という、坂本村と名前が同じでちょっと混同するんですが、熊本県の下益城郡中央町坂本地区というところがございまして、ここでこのような状況が起きております。 町道の上方斜面に高さ九十メートル、それから幅百二十メートル、奥行きが百メートルにわたりまして、ちょうど円を描くようにその部分を切り取ってしまいますと崩落現場になってしまうわけでございますが、そのような亀裂が広がっております。町では、山腹は崩落して近くの砂防ダムが崩壊あるいは土石流が発生する危険も高いんだろうと、毎日、町の職員が今監視を続けておる状況でございまして、避難場所の小学校には避難用の機材も用意されているという状況でございます。このような状況では、次回の大雨があります場合には、これも大きな災害の可能性を生む場所ではないかと大変危惧しておるところでございます。 この坂本地区につきまして、御当局としてはどのような対応が講じられているのか、その辺の御説明をお願い申し上げたいと思います。
○説明員(藤芳素生君) 三浦先生御指摘の熊本県中央町坂本地区の山腹亀裂でございますけれども、七月六日からの梅雨前線豪雨の影響により七月十六日に町道のり面が一部壊れたことによりまして現地をつぶさに調査しましたところ、町道のり面を含む裏側の山腹に斜面長約二百メーター、幅が百二十メーターの範囲で大規模な地すべりによる亀裂の発生を確認したところでございます。 町では、町道のり面の崩壊が進行したために七月二十八日に全面通行どめとしております。その後、熊本県と協議しまして、伸縮計の設置、亀裂の観測を開始するとともに、熊本大学の学識経験者によります調査を行ったところでございます。その結果、地すべりがまだ活動中という判断がございまして、八月十四日には亀裂へ雨水が入ってこないように浸透水防止用のシートを亀裂に敷設したり、また地すべりの末端部に押さえ盛り土を実施することとしております。次に、地すべりの活動の安定を待ちまして、計画検討に必要なボーリング等必要な調査を実施するというふうに聞いております。 建設省としましては、復旧計画が立案されまして災害に対する申請があり次第、速やかに災害査定を行って次のステップに移っていきたいというふうに考えております。
○説明員(益本圭太郎君) 中央町の対応について御説明させていただきます。 町では、八月九日にこの亀裂を発見した後、下流の住民二十世帯五十三名に対しまして、災害の起こり得る状況あるいは警戒避難連絡体制の説明を行ったところでございます。また、対策といたしましては、建設省からも御説明がございましたが、夜間の監視用の照明器具の設置あるいは亀裂部へのシートの敷設、伸縮計を設置したほか、町職員の監視活動、これは現場に二名、そして役場に二名の体制でございますが、こういうふうな監視体制をとっております。また、災害が起こった場合の避難所といたしまして中央南小学校を指定しておりまして、ここでの生活用品の準備もしているところでございます。 消防庁といたしましては、災害発生のおそれがある場合は早目に避難勧告をする等、県を通じて指導してまいりたいと思っております。
○三浦一水君 センサー等は、現状、設置をしてありますか、崩落を感知するセンサー等は。
○説明員(藤芳素生君) 地すべりが活動中でございますので、伸縮計を現地に設置しておりまして、その伸縮計の動きを監視しているところでございます。
○三浦一水君 その辺は防災上の連絡体制まできちっと確立をされておりますか。その勧告につなげる等の消防関係等の連絡はもうきちっとできておりますか。
○説明員(益本圭太郎君) 今も町では現場に二名、役場に二名という監視体制をとっておりますので、災害発生のおそれがあれば勧告を出せるような体制をとっております。その点については私どももまた重ねて指導してまいりたいと思っております。
○三浦一水君 御認識の中に地層がまだ活動中といったような御認識があるということは、もう非常に危険度が高いという箇所であると言わざるを得ないのかと考えております。二十世帯五十三名という避難対象の方々もいらっしゃるという状況でございますので、もうたびたび指摘をされておりますように、この場所だけじゃないわけでございますが、後の祭りにならないように万全の対策をお願い申し上げたいと思います。 次に、出水市の土砂災害の方に戻らせていただきますが、農産物、農業施設等の被害も相当あるように見受けられました。実は果樹地帯であったようでございます。私もミカン農家でございまして、四町ほど自分で園地経営をやらせていただいておりますが、あの土砂の埋まり方というのは原状を復帰していくのはもうほとんど難しいのかな、そんな感じがいたしました。これらについて、三町を超えるようなミカン農家が被災をされているというふうなお話を聞いたわけございますが、どのような対策を講じられておりますか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(海野洋君) 今回の出水市の土石流の災害によりまして、農地約十ヘクタールとこれに附帯します農業用施設三十二カ所が被災しております。農地のうち、土砂が堆積しておりますけれども果樹が残存しておりまして現状復旧が可能だと思われるのは約二・七ヘクタールでございます。ここにつきましては出水市がミカンの木が枯れるのを防ぐために土砂の排斥を応急工事として既に実施しておりまして、現在九〇%ほどの進捗だというふうに聞いております。 また、砂防堰堤の下流で地形が著しく変化した区域につきましては、出水市が区画の変更をして復旧をするということで現在調整中ということでございます。 農林水産省としましては、災害発生以来、担当者を現地に派遣するなどして状況の把握と関係機関への指導を行ってきたところでございますけれども、今後とも必要に応じた支援を行うとともに、現地の方で準備が整い次第、災害の査定を速やかに実施いたしまして、早期復旧に努めていきたいと思っております。
○三浦一水君 被災者の中にも果樹農家が多かったようでございました。その中のお一人の名前をとりまして大変なミカンのブランドとしての確立もできている地域だというふうに伺いました。我々も果樹農家としてよくその名を知っておりまして、研修等にも行く地域であるわけでございますが、そういう意味で鹿児島県あるいは九州の中におきましても非常に先導的な果樹地帯でございます。大変そういう意味でのダメージも大きいのかなと考えております。これについても万全な復旧がとれますように、ぜひとも対策をよろしく重ねてお願いを申し上げたいと思います。 このような災害時には県や市町村、地方公共団体に対しまして、やはり原因究明を目的とした、あるいは二次災害の防止を目的とした専門家の的確な助言が非常に必要であろうかと考えられます。その辺の対応についてお尋ねを申し上げたいと思います。
○説明員(藤芳素生君) 建設省におきましては、大規模な災害に際しまして、先生御指摘の専門職員を適時現地に派遣する等、地方公共団体への災害対策の支援を行っているところでございます。また、地方公共団体の要請に応じまして、災害に関する知見を有します学識経験者等の専門家を現地に派遣するアドバイザー制度を昭和六十年に設置しております。 このアドバイザーと申しますのは、災害、防災に関する学識経験者等の専門家を事前にあらかじめ登録しておきまして、河道の埋塞や地すべり等の発生時における二次災害の危険性等につきまして迅速かつ的確な判断を行い、応急対策等について助言することといたしております。 本年五月の秋田県の鹿角市の土石流災害等、現在まで創設以来十九回派遣を行いまして、現地の方でアドバイスを実施しておるところでございます。
○三浦一水君 これらの災害につきまして、今公共事業の見直しも声高らかに言われているところでございますが、やるべきところはやるという姿勢は今後もきちっと維持をしていただきたいと思います。 私も昨年まで現役の消防団員でございました。十年間いろいろと出動させていただきました。災害についてもそうであります。おかげで昨年末は功労賞までいただいたわけでございます。ただ、今回は平成二年の水害に比べまして九州地域の被害というのは、大変な犠牲者を生み出してしまいましたが、まだ全体的には被害額等においては少なかったのかな、雨が分散したのが幸いかなと思いました。 ただ、ローカルな話で恐縮なんですが、先ほど加勢川、合志川、菊池川という建設省の被害関係河川の名前が挙がっておりました。この中で菊池川の支流で岩野川、上内田川、相当な体制をもって平成二年の災害復旧を行っていただいたわけでございますが、そのことが原因で今回のこの大雨量に対しまして復旧箇所におきましてはほとんど被害がなかった。五百世帯、当時の雨で床上浸水が出ました私が住んでおります山鹿市ですけれども、一世帯もなかった。私も毎晩見回りに行ったんですけれども、雨量は我々が見ましても平成二年を超えるものがあったんじゃないか、実際数値もそうであったようでございます。その辺、やはりやるべきことはやるという姿勢は今後もきちっと維持をしていただきたいと思いましたし、地元住民としては非常に感謝申し上げているというところもお伝え申し上げたいと思います。 以上申しまして(また御要望も申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○山崎力君 平成会の山崎でございます。 ちょっと今回の視察報告とは外れますけれども、きのうきょうという問題で、北海道で起きました国道二百二十九号線第二日糸トンネルの崩壊事故について少しお伺いしたいと思います。 昨年の同じ国道の豊浜トンネルの事故と非常によく似た形態でございまして、幸い今回は今のところ人的被害が確認されていないということでございます。端的にお伺いしていきたいと思うんですが、豊浜トンネル事故以降その辺のところの点検をなさっておられて、今回の場所も一番危険なところであるということで対応がとられようとしていたというふうに報道されていますが、その辺の状況からお伺いしたいと思います。
○説明員(林延泰君) お答え申し上げます。 今回被災いたしました一般国道二百二十九号第二日糸トンネルの瀬棚町側坑口部は、北海道開発局が豊浜トンネル崩落事故を踏まえて実施したトンネル坑口部等緊急点検において、より詳細な調査を行い、対策の要否について検討すると判定されたわけでございます。それは平成八年三月のことでございます。 その後、詳細な調査を行った結果、対策を必要とすると判定されました。平成八年九月のことでございます。このため、平成八年度より緊急対策の実施に着手いたしまして、平成十年度完成をめどに、巻き出し部上部に発泡スチロール等により斜路をつくりまして、落石の緩衝を図るとともに、岩塊を海上へ誘導する工事を実施していたところでございます。しかしながら、当工事は今回のような規模の崩落を想定したものではなかったとの報告を受けております。 なお、今後の恒久対策といたしまして、大規模な崩落等に関し、本箇所を含めまして約五キロの区間において総合的な防災対策の検討を進めていたところと聞いております。 一般国道二百二十九号には、トンネル坑口部等緊急点検において対策が必要と判定された箇所が第二日糸トンネルも含めまして四十五カ所ございます。平成十年度までに必要な防災対策について実施しているところでございますが、八月二十七日に設置いたしました一般国道二百二十九号第二日糸トンネル崩落事故調査委員会の結果を踏まえまして、安全の確保に努めたいと考えております。
○山崎力君 今の御報告の中にもありましたが、要するに一言で言えば、対策は講じていたけれども、その工事が完了していても今回のような規模であれば、下に通っている人がいれば被害は当然防ぎ切れなかったという内容であろうと思っております。 それで、ほかのところにもかなりあるというふうに受けとめたわけでございますが、しからばそういったいわゆる防災工事の想定するといいますか、どういう程度の崩落があるかという想定が極めて重要な課題だろうと思うんです。これは今回の被災地、針原地区の砂防ダムについても言えることでございますけれども、その辺のところの点検がどのようになっているのか、適当だったのかどうなのか。今回の場合十分ではなかったと報告を受けているということですけれども、これからすべて再検討するということなんですが、その辺はどのような報告を受けておられるのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(林延泰君) この二百二十九号線につきまして、先ほど私述べましたように、要対策の箇所がこのトンネルを含めまして四十五カ所ございます。昨年のこの点検の後、その後時間もたっておりますし、また、雨の問題ですとかあるいは凍融雪害等の関係もございまして、特に必要と思われる箇所につきましては専門家等の意見を聞きながら調査を進めてまいりたいというふうに考えております。その場合、やはり今回設置されました調査委員会の結果を参考にして対応させていただきたいと考えております。
○山崎力君 もう一点、確認の意味ですけれども、この四十五カ所というのは、昨年からの問題でいえば、トンネルのいわゆる出入り口付近あるいはトンネル自体というような形の意味合いにも受け取れるんですが、道路通行上からいけば、普通のトンネルでないところのああいったがけ崩れといいますか、岩石崩落ということも当然考えられるわけです。その辺の点検も含めての数字なのかどうなのか、確認のためお伺いしておきたいと思います。
○説明員(林延泰君) 今回申し上げた数字は、トンネル坑口部の点検でございます。
○山崎力君 そうすると、一般的ながけ崩れというものは別にまだあり得るということで、その辺のところの対策がどうなっているかというのは、ちょっと事前通告とずれるかもしれませんが、実情は把握なさっておりますでしょうか。
○説明員(林延泰君) のり面につきましても調査を行っておりまして、それについていろいろとまとめている段階でございます。
○山崎力君 それでは、北海道に関しましてはこの程度にいたしまして、この間視察させていただいたいわゆる土砂災害についてお伺いしたいと思いますが、現実のところ、針原地区あるいは坂本村に行ってまいりました。 一つは直接人家には関係ないところでございますけれども、もう一つはもう非常に悲惨な、いわゆる集落の壊滅状態のところを見させていただいたわけです。そういった土砂災害の危険箇所というものは、先ほどの報告の中にも鹿児島県内での数字がありまして、まだほとんどといいますか、大部分が砂防ダムができていないといったしか鹿児島の知事さんからの話があったように記憶しますが、全国的に見てこういったものは、今の現状というのはどのようになっているのでございましょうか。
○説明員(山本正堯君) 今のお尋ねでございますが、土砂災害の危険が想定されます箇所につきましては、建設省、農水省、林野庁等で調査をしていただいておりますが、それで合計、土石流危険渓流につきましては先ほど御報告がございましたように七万九千カ所、それから地すべり危険箇所につきましては二万一千カ所、それから急傾斜地崩壊危険箇所につきましては八万七千カ所、それから山腹崩壊危険地区につきましては約十一万カ所、崩壊土砂流出危険地区につきましては約十一万カ所となっておるところでございます。 また、これらの整備状況につきましては^これらの事業によりそれぞれ異なっておりますけれども、おおむね二割から四割の整備状況となっておるところでございます。
○山崎力君 そこでなんですけれども、ここのところで二点問題意識を持ちたいと私自身は思っております。 それは、一つは先ほどの北海道にもかかわりますけれども、対応策として、被害想定と同時に規模の想定、これが針原地区の場合は想定されたものの何倍もの、それこそ十倍くらいの土砂が流れてきている。しかも、私が行って素人目で見ますと、坂本村の場合はかなりの急傾斜地で、あそこが崩れてもまああり得るかなという気持ちがあったんですが、針原地区の場合は普通の穏やかな山腹が、子供が砂のあれをほじくったみたいな形ですとんと下流に来ている。あそこが崩れるんだったらあの辺どこが崩れてもおかしくないというような印象を受けたわけでございます。 ある意味でいえば、あそこが危ないということで砂防ダムをつくられた専門家の炯眼というものは確かにすばらしいものがあると思うんですが、その一方で、規模の推定を誤ったといいますか、残念ながら被害を食いとめることのできる砂防ダムをつくることができなかった。 そういった点で、今まで専門家の方がいろいろ御苦心なさっていると思うんですが、その二〇%から四〇%のできたというところを果たして規模的に再点検しなくていいものかどうなのかということが一つございます。 それからもう一つ、今御説明の中にもありましたけれども、建設省とか農水、林野、各省庁それぞれの担当のところで危険箇所を想定して対応を講じられているというふうに受けとめるわけですけれども、その辺のところで、対応策としてスタンダードなものが省庁間であるのかどうかという点が問題かと思うんですが、そういったところをいわば束ねる形の国土庁としてどのようにお考えかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) 政府としては、従来から土砂災害対策を今御指摘のように総合的に推進するために土砂災害対策推進連絡会議というものを設けておりまして、土砂災害の対策推進要綱を定めて、国土保全事業の推進、防災体制の整備など、土砂災害予防対策や災害発生時における応急対策などについて総合的に施策を展開していたところでございます。 国土庁といたしましても、これまで中央防災会議あるいは土砂災害対策推進連絡会議の事務局として関係省庁との調整を務めてきたところでございます。御指摘のように、総合的に対策を立てていく必要があるというふうに認識をいたしております。
○山崎力君 総論として今長官からのお話だろうと思うんですけれども、その国土庁が事務局としてという立場、いわば調整的な形なんですけれども、今回の土砂災害、そういったものについての国土庁としての考え方といいますか、対応策というものが現時点においてどの程度のものがあるのかお伺いしたいと思います。 それから、先ほどの点で申せば、そういった推定のところで事務方として、被害推定のそこは各省庁に任せているんだということであればそれで結構ですが、いわゆる事務方、調整省庁としての役割をどのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
○説明員(山本正堯君) ただいま長官からお答え申し上げましたけれども、国土庁としまして土砂災害の対策推進要綱を定めまして、その中で土砂災害に対する基本的な考え方を各省庁で意思統一をさせていただいております。それにあわせまして、具体的な予防対策、それから応急・復旧対策等々について、個別具体に各省庁と連絡をとりまして要綱で定めさせていただいております。 なおまた、この要綱を受けまして重点的な申し合わせ事項をさらに関係省庁で申し合わせをさせていただいているところでございまして、こういう土砂災害につきまして、国土庁が調整役になりまして関係省庁と十分連絡調整をとりながら推進をさせていただいているところでございます。したがいまして、被害の規模、どういうような施設をつくるかとか、そういう具体的な事業につきましては関係省庁でそれぞれお考えいただいている、こういう状況でございます。
○山崎力君 ということは、一応この間私どもが視察させていただいた針原地区あるいは坂本村の急傾斜地の問題、そういったものについてはそれぞれの省庁の専門家による施設によってやっていくんだと。それで、そこのところをどういうふうに束ねるかということについての連絡調整、総合的な対応策について国土庁が事務方としての作業をしているというふうなお答えだろうというふうに受けとめさせていただきます。 さて、そこでの問題なんですけれども、これはこれからの問題も含めてなんですが、私どもがそういったところを見たときに、素人目に見て、先ほども申し上げましたけれども、こんなところでこんな災害が起きるのかという部分と、ここだったらいつ起きてもおかしくない、よくこういうふうなところでとどまっているといいますか、そういったものがあるなというふうに受けとめられるところとあるわけでございます。 ありていに申せば、私が自衛隊のヘリコプターに乗せていただいて上から見ますと、坂本村周辺においては小規模ながけ崩れといいますか、崩落の地点が各所に見られました。ところがそれは全然手つかずの状況であったわけでございます。その理由としては、これはいわば自然の摂理でございますから、ああいったものがあれば、地形あるいは降雨量、そういったものから見て崩れていくというのはこれはむしろ自然なことでございまして、その自然を自然のまま放置しておいていいという部分と、それが人間あるいは人間がつくろうとしているいわゆる田畑あるいは森林というものについて被害を及ぼすところと、そこの違いが一番大きな問題だろうと思っているわけでございます。 ですから、それほど別に直接被害のないところが多少崩れてもこれは災害復旧にはならないと、当然のことでございましょう。それで逆に言えば、そこのところが多少土砂崩れがあっても、人家に近い、集落に近いところで砂防ダムをつくって食いとめれば一番効率的といいますか、そこでいいのではないかというのが一番感じたところでございました。 その意味で、針原地区の場合は周辺にそういったものがほとんど見られない、普通の何の被害もないようなところであそこだけがすとんという形で落ちているということで、非常に奇異な感じといいますか、非常に意外な感じを受けたのも事実でございます。ですから、逆に言えば、そういったところの人たちが、自分たちの今までの経験からして、そういう被害に遭うことはないであろうということを考えていたこともまたうなずける面があるなというふうに思っておりました。 そこで、そういった前口上の後でございますけれども、似たことで言えば、前に秋田県の鹿角市で大規模な土石流がございまして、この場合は、前の委員会でもお尋ねしたんですけれども、現地に住んでいる方が前兆現象を非常に早くキャッチしまして、行政の対応も素早くて、規模等は非常に大きかったんですけれども幸い人的な被害はなかった、建物だけの被害であったと。現場を視察した同僚議員のそういう報告を受けていますけれども、やはりそこのところが、住んでいる人がそういった気持ちでいるかいないかということが人的被害を及ぼすか及ぼさないかということに関しましての大きな差になってくる。もちろん幸運がその背景にあったということもあるんですけれども。 そういった意味で、予防ということとはちょっと意味が違うわけですけれども、防災という意味からいけば、我々人間社会の組織といいますか仕組みが被害を防ぐ。いわゆる砂防ダムがハードウェアだとすれば、人間関係のソフトウェアの面が非常に大きな面になってくるのではないかという気がしております。 その辺について、各省庁間の連絡調整ということだけではなくて、ある意味においては危険箇所を、どのような危険があるのかということを被害に遭うと想定される地元の人たちに事前にどのように徹底しておくかということが、まさに防災というソフト面からいけばこれからの一番重要なポイントではないだろうかと思っておるわけでございます。 そういった意味において、今国土庁の防災関係としては、中央防災会議その他で各省庁がやっている、具体的な対応策については各省庁間に任せているんだというふうなお話でしたけれども、被害を受ける住民からしてみれば、その防災施設がどの省の担当かというのは関係ないわけでございますから、その辺のところを束ねるのはやはり国土庁の仕事ではないだろうか。まさに防災局ということであって、災害が起きてからの災害対策局ではないわけですから、その辺をこれからどうやっていくのかということを、最後になりますがお伺いしたいと思うわけでございます。 まず事務的なことがあれば局長から、締めくくりとしては長官からお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○説明員(山本正堯君) 今、山崎先生がおっしゃいましたように、防災関係につきましては、ハード面も大変重要でございますが、おっしゃるように予防、それから救命救助等も含めましたソフト面が非常に重要であるというふうにも私ども考えております。そういう点につきまして、私どもとして推進要綱をつくり、あるいは重点的申し合せをし、関係省庁に十分連絡をさせていただいております。 関係省庁におきましては、それぞれ危険箇所についてのマップをつくり、それぞれの具体的な周知徹底に努めておるところでございますが、それらにつきましても、私どもまたそういう会議等でもより関係省庁のそういう施策について周知徹底をさせていきたい、充実させていきたいというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(伊藤公介君) 委員の御指摘をいただきましたように、こうした土砂災害等につきましては、当然ハード面とソフト面、総合的に対応することが極めて大事だというふうに思っております。 やりとりがございましたように、ハード面については進行中であります。まだ完璧だと言える状況ではない中で、ソフト面において、どういうところが危険な箇所であるか、そうしたことを周知徹底をする、あるいは情報を提供する、そういうことが極めて大事だというふうに思っております。 またもう一点は、日本全国には御指摘のように非常に危険であろうという地域が数々ございます。これは、これからいろいろなハード面の対策を立てていってもなお危険は常にあるんだろうと思うんですね。そういうところは皆さんそれぞれにとってはふるさとですから、なかなか国がとか行政がということはできませんけれども、住民の皆さんの協力をいただいて、例えば集落ごと新しい地域に移転をする、そういうこともそれぞれの地域では試みられているところであります。私は、非常に危険が多い日本列島の中ではそうしたことも新たな視点から考えていく必要があるのではないか、さまざまな災害の現地を訪れるたびにそんなことを痛感しているところでございます。 いずれにしても、ハード、ソフト面、総合的に我々は対応していく必要があるというふうに考えております。
○戸田邦司君 平成会の戸田でございます。ただいま山崎委員の方から質問がありましたが、残余の時間について、私の方から二、三の点について議論させていただきたいと思います。 九月一日の防災の日も近づいておりまして、国土庁は非常に忙しいんじゃないかと思っておりますが、そういうときに大臣初め関係者の皆さんにお時間をとっていただいて本日の会議を持てたことについては深く感謝申し上げたいと思います。 私は、防災の日が近づいているということで、それらの点に関しまして主として二つの点についてお話し申し上げたいと思いますが、第一の点は行革会議で行政各官庁の大改革が行われると、こういうことでございまして、ソフト的な面も含めてこれまで緊急時問題については議論が重ねられてきていると思います。ただ、現時点で見てみますと、組織につきましては、緊急時、特に大災害が起こったときの緊急時について、どういうような仕組みでどのように対応が進められていくかということについて余りはっきりとしない、現時点では明確に見えてきていない、そういう点があろうかと思います。 そこでお伺いしたいと思いますが、そういう組織とか仕組みとか機能、そういったことについて国土庁としましてはこの行革会議の議論をどういうふうに理解し、受けとめておられるか、その点についてお願いしたいと思います。
○説明員(久保田勇夫君) 行革会議における緊急災害等についての取り組みいかんと、こういう御質問でございます。 今、委員おっしゃいましたように、行政改革会議においていろんな議論が行われておりまして、防災についても当然取り上げられております。公表資料等を通じてその状況は承知しているつもりでございますが、どういう議論が行われているか、今後どう行くかというのはこれからのものだと承知をいたしております。 八月十八日から行われました行政改革会議の集中審議後公表されました「内閣機能の強化に関する議論結果の整理」、これは校訂版でございますが、これによりますと防災関係につきましては、内閣官房についてちょっと読ませていただきますと、「危機管理については、「内閣安全保障室」を改組し、国防に関係する事項や大規模な自然災害を含むすべての危機管理につき、内閣総理大臣を適切かつ有効に補佐できる体制を整備」、それから第二番目に内閣府についてということで言及がございまして、「内閣官房とは別に内閣の機関として「内閣府」を置き、経済政策、科学技術政策、男女共同参画、防災等の横断的な調整事務とともに、栄典、公式制度等の実施機能を担わせる。」となっておりまして、これが今のまとめということになってございます。 防災は、御承知のように、災害から国土及び国民の生命、財産を守るという観点から極めて大事な仕事であるというふうに考えておりまして、いろんな面で対策に遺漏なきを期すことが重要であるというふうに考えてございます。 その際、今委員がおっしゃいましたように、防災の中には救命・救援という非常に緊急を要するものもありますし、広く予防、復旧、復興のそれぞれの段階にわたる問題でございますので、そういう総合的な企画調整機能の円滑な発揮が重要であるというふうに考えております。 私どもといたしましては、安全な国土づくりという観点からこれらを総合的、一体的に推進することが必要であると考えておりまして、防災に関しても十分な配慮がなされるよう今後の行革会議の議論の推移を見守っていきたいと思いますし、また意見を求められますれば我々の考えをそれぞれの状況に応じてはっきりさせていきたいと考えております。 以上でございます。
○戸田邦司君 新聞報道その他を見ますと、現在の各省庁、自分たちの組織あるいは権限についていろいろと各方面に陳情しているというようなことも聞こえてくるわけですが、私は、防災関係に関する限りは国土庁の皆さんもぜひ自分たちの主張といいますか、こういうふうにやったらうまく動くんじゃないか、こうすべきじゃないかというようなことがあったらどんどん意見を言っていいんじゃないかと思います。といいますのは、現時点で考えますと、防災に関する企画立案、それから総体的に、組織的に全体を見ていく、この機能は国土庁にしかない。 ですから、大臣も含めて皆さんがこれまで実務に当たってきておられるということですから、それらの経験も踏まえて、こういう点に関する限りは国土庁の主張なりなんなりをされてよろしいんじゃないかと思います。組織とかなんとかというようなことは別にしまして、職務、機能、そういったことについては十分考えていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤公介君) 今度の中央省庁の再編につきましては、今、官房長から答弁を申し上げましたとおり、まだ細部にわたっての議論が煮詰まっているわけではございません。大枠として、現在の二十二省庁をどういう組み合わせにして新しい時代のニーズにこたえていくかという大きな方向が示されたものというふうに認識をしております。 私はこの方針というものを後退させてはいけないという立場でありますが、国土庁の仕事がより機能的に新しい中央省庁再編の中で生かされるためには、これからの議論だと思いますが、今枠組みされているのは国土開発省ですね、この中に国土庁が組み込まれる。しかし一方では、国土保全省の方には農林水産省と建設省の一部、河川局、こういうことですけれども、本来の国土庁の仕事は、言ってみれば国土全体のグラウンドデザインをつくるというところですから、例えば農村地域というのは圧倒的に過疎ですね。私たちの国土行政は、過疎と過密を解消して均衡のとれた国土行政をと言ってきたわけですから、そういう意味からいえば、国土開発省と現在議論されている国土保全省、両方にまたがっていかなければ国土庁本来の機能というものは果たし得ないのではないか。あるいは今先生から御指摘をいただきましたように、防災ということに関しましても、現実には消防、警察、あるいは防衛庁、こういうものが三位一体となって総合的に行われる必要があるわけです。 そういう意味からいうと、これはこれからの議論をまたなければなりませんけれども、あえて国土庁として積極的に発言をしろというお話ですから、国土庁というよりも私が政治家の一人として考えておりますのは、これからの危機管理、防災、こういうものには総合的に適切な初動体制ができる必要がある。そういうことを考えますと、国土庁本来の防災を含めた機能というものは、より有効にコンパクトにして内閣府に置くということも私は一つの選択肢ではないのかと。 例えば新幹線をどうするのか、あるいは高速道路をどんなふうに位置づけて、そして日本列島の均衡ある国土政策を進めるかということは非常に内政の重要な部分です。そういうところを、政治が見えるという意味からいっても、これは内閣府で強い力で公共的な仕事が進められる。 特にまたもう一点は、ダムの建設にいたしましても、二十年たってもなかなかできないダムがあることも御存じのとおりです。そうした公共事業は非常にコストがかかる、時間がかかるというようなことを考えますと、強力な内閣府というようなところで国土行政や防災活動、危機管理というものが行われていくということも一つの選択肢ではないか、私自身が一政治家として考えていることを申し述べさせていただきたいと思います。
○戸田邦司君 伊藤長官に、災害関係といいますか、国土の均衡ある発展という常日ごろから考えておられることをお述べいただきました。私は、その長官の意気込みで、こういったことを今度の新しい行政改革の中にぜひ組み込んでいただきたい、そう思っております。 次の問題に参りますが、私はことしの二月に、緊急時の対応として総理大臣の職務権限をもっと強化しなくていいでしょうかという質問をいたしました。伊藤長官は、そういった事態に当たっての職務の遂行に当たっては、やはり実力大臣ですから、きちっとその辺は仕切られるというようなことで自信を持ってお答えになられたかと思いますが、行革会議での議論を見てみますと、例えば五月一日の中間整理などを見ますと、総理の指揮監督権について、内閣法を改正しなくともよいけれども、総理が新しい内閣を組織したときには直ちにあらかじめ事態を想定して包括的に職務権限を得ておくべきだというような指摘がなされております。 この点については、私も以前から、できれば内閣法をはっきりさせておいた方がよろしいんじゃないかと思っておりましたが、少なくとも内閣において事態を想定して、そういう場合に総理大臣の指揮監督権を強化しておく、総理大臣が直接各省庁を指揮できるような形にしておく、そういうようなことも大事なことではないかと思っております。ですから、この点もぜひ御検討をいただきたい課題であります。 内閣総理大臣が直ちに閣僚を集めていろいろと対応を検討するといいましても、非常にまれなケースかもしれませんが、例えば夏の間で各閣僚が地元に帰っておる。そうしますと、九州地方に台風が来ているなんというと、飛行機も飛ばない、新幹線もだめ、そういうような事態も想定されるわけです。 そういうような事態だけではなくて、場合によると内閣総理大臣が海外に出張していておられないというようなケースも考えられます。内閣総理大臣が海外に出張される場合には臨時代理を置くことになっておりまして、内閣法を見ますと、臨時代理を置く場合については、内閣総理大臣に事故があるか、あるいは内閣総理大臣が欠けている場合に臨時代理を置く、こういうふうに書いてありますが、これは内閣法九条の話なんです。 内閣総理大臣が海外出張して仕事をしているときに、内閣総理大臣が欠けている、事故がある、そういうようなことでは説明できない。内閣総理大臣は現に内閣総理大臣としてサミットに出席している、そういうような事態もあるわけですから、欠けているとか事故があるということで解釈するのは非常に無理があるんじゃないかなと。ですから、一般的には今までの法制論として、内閣総理大臣が臨時代理を置いた場合でも、総理大臣一身専属の権限については臨時代理がその権限を履行することはできないということになっているようです。例えば大臣の任命・解任あるいは国会の解散とかいうようなことになるかと思いますが、それ以外のことについてはすべて臨時代理にお任せして出かけるというようなことですが、今のこの第九条もまた問題があるかと思います。 そこで、伊藤長官に御見解をお伺いしておきたいと思いますが、まず最初に申し上げました、内閣においてあらかじめそういうような緊急時に関してある一定の想定を置いて総理大臣に指揮監督権をゆだねるということについては、どのようにお考えになっておられますでしょうか。
○国務大臣(伊藤公介君) 基本的には、総理大臣ももちろんでありますし、関係各大臣が海外出張の場合には、きちっと代理を指名されてあらゆる事態に対応できるという状況で我々は今日まで対応してきたわけでございます。 しかし、昨今、さまざまな緊急事態あるいは国際的なテロ事件等々のいろいろなことが想定をされるわけでございまして、なお私どもはいわゆる常識を超えたそうした危機管理ということにも対応していかなければならないというふうに考えているわけでございまして、今回の省庁再編の中でもこの危機管理という問題については極めて慎重な議論も進められているところでありますから、今後として対応を、今先生御指摘のような問題も含めて検討していかなければならないことは私どもも認識をしているところでございます。
○戸田邦司君 私ばかりおしゃべりをしまして時間が大分足りなくなってきたといいますか時間も迫ってまいりましたので、最後に二点だけ私の方から申し上げて、もし何か御感想がありましたらお伺いしたいと思います。 第一の点は、ただいま申し上げました内閣法に非常に無理がある、そういう点についてぜひ皆さんも勉強なさっていただきたいと思います。第九条の問題で、総理大臣が海外に出張して立派に職務を遂行している、しかし一方で臨時代理を置いていく。それは九条の欠けているとか事故であるとかそういうようなことに当たるかどうか、私は内閣法の改正をしないとこの辺はすっきりしないんじゃないかと思っております。そういう点はすっきりさせておいて、それで臨時代理の職務権限をはっきりとさせておいた方がいいと思うんです。特に緊急時に関しましてはそういった生ぬるいことで動くかどうか甚だ疑問であります。 それから第二の点は、最近、東京都の方が東京都の直下型地震についての被害想定をしている。これは発表がたしかぎょうじゃなかったかと思います。私も発表されたものを定かに読んでいるわけではありませんが、死者七千二百人とかいう想定をしております。しかも火災が非常に多い。それで、国土庁の方でこういった被害想定のシミュレーションに対応してどういうふうに諸対策を進めていくか。場合によると、これはシステムエンジニアリングの世界ですが、その対応を編み出すには相当の金もかかるかもしらぬ。 そういうようなことで、この点についてぜひきちっとした対応を考えておいてほしい。例えば自衛隊を動かすについても、万の単位で自衛隊を動かしていく、その後方支援はどうするんだろうというようなことになるんじゃないかと思います。九月一日の防災の日も迫っていることですから、そういった現実的な問題として、しかもそういうような訓練というのは机上の訓練ではなかなか出てこない点もありますから、そういう点も含めてひとつ対応をしっかりと考えておいていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 何か御感想がありましたら、答弁をお願いいたします。
○国務大臣(伊藤公介君) 私どもは、災害に対して一番大切なことは初動態勢だと。災害が起きたときに、どのようにそれが広がっていくのかということを想定して、直ちにそれに対する対応をすることが極めて大事だというふうに考えておりまして、阪神・淡路のあの震災は私たちに大変な教訓を与えたわけでございます。 そこで、国土庁などでは、関係の皆さんといろんな協力をしながら、さまざまな新しいコンピューターシステムで、例えば災害が起きた三十分以内にその災害がどのようにこれから進んでいくかということを想定できるそうしたシステムを今開発をいたしまして、できるだけスピーディーに対応ができるという体制を整えております。 また、阪神・淡路のような災害が東京周辺に起きたときにどう対応するか。例えば官邸が第一番ですけれども、官邸がやられる場合があります。そのときは国土庁、あるいは次には防衛庁、それも都心が全部機能できなくなる可能性がある。そのときには立川ということまで想定いたしまして、特に、例えば官邸や国土庁が完全に建物まで倒壊されることが想定されるわけです。 そのときに、私たちは新たに衛星からその情報をとって、そして衛星系地球局と言うんですが、一〇〇%とは言いませんけれども、これはもうほとんど壊れることはない。それが国土庁の建物の外に確保されて、そこから衛星でそれぞれのところに連絡がとれる。いわゆる常識的なライフラインがすべて断ち切られたときにもなお衛星で情報を送ることができる、そうした体制を私どもは今進めているところでもございますし、そうしたことを全国ネットでできるような状況を早く実現しなければならない、その準備体制を整えているところでもございます。
○本岡昭次君 過日、熊本県、鹿児島県の災害視察に行ってまいりました。先ほどその報告がございましたので、それにかかわって質問をいたします。質問時間が二十分という短時間でございますから、答弁の方をひとつよろしくお願いします。 また、北海道のトンネル崩壊事故がありましたので地元の小川さんが後ほど短い時間の中ですが関連して質問しますので、これについてもよろしくお願いします。 まず、熊本県坂本村の山腹崩壊です。 私は、初めて風倒木災害という現状を見ました。松枯れか何かで木が枯れているのかと思えば、台風で大きな樹木が倒れて、そして山が破壊されているという状態です。そういう状態の山腹が崩壊した。幸い砂防ダムで土砂がとまったから下流の坂本村に被害が及ばなかったということは幸いであったと思います。 しかし、風倒木災害によって樹木が全部倒れて枯れてしまった。したがって、そこに植林をしてもとの林に戻す、これは三十年から五十年仕事であろうと思うんですね。その間、絶えずその傾斜地は山腹崩壊の危機にさらされる、そういうことですね。木があって、降った雨が山腹の土砂を流すとか崩壊させるとかということを防ぐ役割をこの樹木がしているわけです。 そこで、一点お聞きしたいのは、それでは今後いっその山腹が崩壊するかわからぬという危険を坂本村は抱えることになります。そこで必要なのは、この山腹崩壊の危険を事前に予知できる装置というものを、やはりこういう風倒木災害によって復旧工事をしているところには完全なそういう予防装置というものを配置しなければ下流の人たちは安心して生活できないというふうに私は視察して感じました。 こうした山腹崩壊の危険を事前に予知できる装置というものがあるのかないのか。そして、ないとすればそういうものを早急に研究してつくり上げて、そうしたところにきちっと配置をする必要がある、そういうことこそが防災ではないかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(安井正美君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、山腹崩壊等が発生した林地の荒廃箇所につきましては、緊急に復旧を要する箇所から災害関連緊急治山等事業等によりまして早期復旧に努める、あるいは植林を行うといったような対策を講じているわけでございますが、梅雨期の出水時期等につきましては、これらにあわせまして山地災害を未然に防止するという観点から、そのような危険箇所のパトロールを実施いたしております。また、治山施設の点検等を行いまして、必要に応じて地元住民への周知徹底を図るといったような対策を講じてきているところでございます。 さらに、山地災害のこのような危険箇所が集中した地域につきましては、山腹崩壊によりまして人家とかあるいは公共施設等に直接被害を及ぼすおそれがある箇所がございます。このような箇所につきましては、雨量計あるいはセンサーといったようなもの等を設置して二次災害の未然防止に努めてきているところでございますが、確かに御指摘のように警戒避難体制の充実といったようなことが重要な課題というふうに考えてございまして、山地災害の予知施設の設置を含めて今後とも防災対策に積極的に取り組んでいくことが必要であろう、このように考えているところでございます。
○本岡昭次君 私の言った質問にずばり答えてください。 坂本村は私は行って見てきたんです。だから、そこにセンサーをつけるということは可能なのか可能でないのか、つけるのかつけないのか、どうですか。
○説明員(安井正美君) 現地につきましては、現在本格的な復旧対策を講じているわけでございますが、センサーの設置あるいは雨量計の設置等、このようなものにつきましては、やっぱり人家、人命、このようなものとの関連性を総合的に勘案しながら必要な箇所から設置をしていくことが必要であろう、このように考えているところでございます。
○本岡昭次君 私は、坂本村のあの崩壊のところにつける必要があるのではないかと尋ねているんですから、あなたが必要であるかないかという答弁をすればいいんです。
○説明員(安井正美君) 当該箇所につきましては、今後の復旧対策工事の中でどのような対策を講じるかということを検討することが必要というふうに考えてございますが、現地の場合には相当下流域まで距離があるというふうに考えておりまして、現時点ではそこまでの箇所が必要であろうかどうか慎重に検討することが必要であろうというふうに思っております。
○本岡昭次君 私は、必要があると思いますから強く要望しておきます。そういう態度が、そういうやり方が、ああしまったしまったというようなことになるんじゃないですか。動燃のようなことと同じじゃないですか。 次に、鹿児島の出水市の問題についてお伺いします。 現地でいろいろと要望を聞きましたが、災害救助法が適用はされております。しかし、災害救助法の弾力的運用というのがあります。これは阪神・淡路大震災もいろいろな弾力的運用を受けていますが、それは実施されていますか。 そしてまた、災害住宅の再建について住宅金融公庫の災害復興住宅資金貸し付けの適用という要望がありましたが、これについての見通しはどうですか。
○説明員(田中敏雄君) 災害救助法の適用の関係についてお答え申し上げます。 出水市におきます災害救助法に基づく救助の実施に当たりましては、地元地方公共団体の要望を受けまして弾力的に実施したところでございます。 具体的には、避難所の設置や食品の給与等について期間を一般基準の七日間から十五日間延長し二十二日間実施したほか、応急仮設住宅につきましても、必要とする全世帯に供与するため設置戸数について特別基準を設け合計十六戸設置し、また住環境の改善を図るためクーラー等を整備しております。また、障害物の除去につきましても、必要とする七世帯全部について実施しております。
○説明員(八木寿明君) 出水市の土石流で家屋被害を受けられた方に対しまする住宅金融公庫の融資の件につきましてお答えいたします。 住宅金融公庫におきましては、これらの被災者の住宅再建の支援を図るために災害罹災者向けの特別貸し付けを行うことといたしております。この特別貸し付けば、一般の貸し付けと異なりまして、年間を通じて受け付けいたしますとともに、一定の限度額はございますが、実際に要する工事費全額を融資するような制度でございます。 以上でございます。
○本岡昭次君 今後、鹿児島県なりあるいは市の災害救助法を中心とする適用問題について、誠意を持って対応していただくように要望しておきます。 それで、義援金の問題なんですが、資料を見ますと、出水市の災害に対しても現時点で二億三千三百万円の義援金が集まって、住宅全壊に三十万、半壊に二十万、床上浸水に十万という義援金が配られ、葬儀費用として二十万とか死亡者に三十万とかいうのが既に配られているんですが、赤十字が義援金を公募するという基準ですね、どういう場合にするのか、どういう場合にはしないのかというようなことが何かあるんですか。簡単に言ってください。
○説明員(田中敏雄君) 災害の義援金につきましては、常時国民の自発的な意思に基づいて行われており、その取りまとめは地方公共団体なり日本赤十字社が行っておりますけれども、日本赤十字社につきましては義援金の受付窓口といいますのは常時設けてございます。そして、個々の災害が発生した場合に常設の窓口と別に個別の窓口を設けるかどうかということに関しましては特別な基準はございませんで、災害の実態等に応じまして個別に判断をして行っております。
○本岡昭次君 そうすると、今回の鹿児島の場合も個別に判断をして義援金をされたということであろうと思います。 そこで、大臣にお聞きします。 最近、阪神・淡路大震災、これ非常に全国の国民の皆さんの温かい御厚情をいただいて千七百億円という義援金が集まりました。また、雲仙の普賢岳の火砕流あるいは奥尻島の地震災害、それぞれ二百五十億円という金が国民の善意によって集まって、それが被災者に配られた。ところが、問題は阪神・淡路大震災、一千七百億集まっても全壊した被災者に対して三十万程度のお金しか行かぬ。ところが、奥尻とか雲仙の方には一千万とか一千五百万とかいう単位のお金が義援金で行く。こういうことは、いやそれは民間の、国民の善意によるお金だからということでは済まされないものが今後出てくるのではないかと思うんですね。これをこのままただ自然の流れの中で放置しておいてよいものかどうかということを私は考えるんです。 だからこそ公的援助というものは、国が国民に対して、個人の財産の問題にどうかかわるとかいったことじゃなくて、災害が起こった際に崩壊された生活基盤を回復していくために公的援助というものをまず基本的にやって、その上に義援金が入っていくというふうにしなければ、その義援金によって一千五百万受けた被災者と三十万しか受けられない被災者というものをそのまま放置しておいてよいという法は私はないと思うんです。それならば余りにも国は無責任だと私は思うんです。だからこそ全国の知事会が今回相互支援法、災害相互支援基金制度というふうなものを何とかつくってくれという新たな提案をする、私たちは参議院の立場で、今、議員立法で災害被災者支援法という法律を出して同じように公的援助というものが必要ではないかという提案をしているという状況がここにあるわけなんです。 そういう意味で、国民の生命、財産を守る責任がある、その責任を負っている省庁は国土庁であると幾ら声を大にして言っても、こうした問題をきちっとやらなければこれはまさに言うだけで、国土庁とは一体何なんだということになるということを私はずっと主張し続けてきたんです。 そこで、長官、そうした法案も提出されている、また知事会からも一つの提案がなされている、そして次々と災害が起こって義援金というものがなされて、そして国民の善意が被災者に渡っていくという状況の中にあって国は公的援助という問題について一体どうするのかという答えをやはりきちっと出さなければいかぬときが来ていると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤公介君) 私は、国土庁長官に就任をさせていただいてから十カ月余り仕事をさせていただきました。本岡委員ともこの問題で何回か質疑もさせていただきました。私は、予算委員会でも答弁を何回かさせていただきましたように、絶望している国民の皆さんに光を与えることは政治や行政の仕事だと、そう言ってまいりました。しかし、今現実にあります法律の中で、阪神・淡路の私たちがかつて経験をし得なかった大災害に対して、自治体も関係機関もそして国もできる限りの支援をしたいと私たちは今日まで考えてまいりました。 もう委員十分御承知のとおりでございますが、今年度で四兆円を超える阪神・淡路に対しますさまざまな支援をしてきたことは御存じのとおりでございます。特にその中で、公的な住宅を提供する、仮設住宅から公的な恒久住宅へ、あるいはまた住宅資金につきましても金融公庫の金利を無利子にする、あるいは枠を広げる、そして昨年は、御承知のとおりですが、自民、社民、さきがけ三党のプロジェクトチームの皆様の御協力をいただいて、要援護者の方々、六十五歳を超える方々、そうした世帯の方々には五年間、一万五千円から二万五千円、毎月支給をしよう、そうした特に弱い立場の方々には支援をしていこうというさまざまな生活支援を私たちがしてきたことはもう御存じのとおりでございます。 しかし、あのとき、総理大臣の諮問機関として防災問題懇談会、これだけさまざまな災害が起きる日本で、これからは恒久的な基金制度のようなものを検討する必要があるのではないかということで、これは特に地方公共団体でそういうことを検討すべきだということを受けて、全国の知事会が回を重ねて議論を積み重ねて、七月十七日だったと思いますが、知事会の方から、これは静岡県知事が代表して、もちろん兵庫県の知事さんもその前に来られましたが、しかし知事会の代表としては静岡県知事がその意見をまとめられて、こういうことになりました、知事会としては意見がまとまりましたということで来られました。 私は、このことにつきましては全国の知事会のまとまった意見ですから国はしっかり受けとめていかなければならないというふうに考えておりまして、この新たな基金制度につきましては一応知事会からボールが私の方に投げかけられたという認識で、関係の機関、特に政党の政策責任者、こうした防災関係の担当の方々に私の方から全国知事会からこういう要望がまとまってボールが投げられましたということを今連絡をさせていただいているところでございまして、私はこれからもこの基金制度というものができることなら関係機関の協力の中でまだいろいろ検討しなければならない問題も数々あると思います。 〔委員長退席、理事情水達雄君着席〕 もしそういうことがさらに煮詰まっていくことになれば、これは国としても大きな関心を持っていくべきだ、そして関係のそれぞれの機関の皆さんも十分このことを検討していただきたいというふうな認識で現在おります。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川でございます。本岡理事の御好意をいただきまして、八月二十五日、北海道一般国道二百二十九号線第二日糸トンネル崩落事故に関して一点だけ質問をさせていただきたいと思います。 国土庁長官の熱のこもった答弁のおかげさまで時間がなくなりましたので核心部分は後日のこの委員会に譲らせていただくとして、私、今回のこの事故が起こったときに日本におらなかったのでございますけれども、何よりも被災者がおらないという情報に非常にうれしい思いをしておりました。 しかしながら、よく考えてみますと、単に運がよかったというだけで素直に喜べない現状でございます。私たち、そして北海道開発庁も北海道開発局も同じだと思います。そして、すべての道民が考えていることも同じだと思います。奥尻で地震の災害を受けたあの平成五年の北海道南西沖地震のときにこの第二日糸トンネルが崩落をして、あるいは平成八年の豊浜トンネルが崩落した際に、その後入念に入念を重ねた検査等をなされたそのトンネルが崩落をしたということで大きなショックを受けております。 この事故は予見できたものでしょうか、この点だけお伺いをしたいと思います。
○説明員(林延泰君) お答え申し上げます。 この点につきましては、北海道開発局が豊浜トンネル崩落事故後に実施いたしましたトンネル坑口部等の緊急点検の結果をもとに緊急の対策を講じておりましたが、今回のような規模の崩落を想定したものではなかったとの報告を受けております。 〔理事情水達雄君退席、委員長着席〕 なお、八月二十七日にトンネル工学あるいは地質工学などの学識経験者で構成いたします一般国道二百二十九号第二日糸トンネル崩落事故調査委員会、北海道大学大学院工学研究科の佐藤寿一教授を委員長といたしまして、外五名の委員の方で構成される委員会でございますが、これを設置したところでございます。今回の崩落原因や現道の安全性について検討していただくことになっております。 以上でございます。
○小川勝也君 日本列島は火山列島でもあり地震列島でもあり、台風や梅雨もありますので災害がどこで起きてもおかしくない、そんな国土だと思っておりますけれども、しかしながらつい昨年に起きたばかりで、北海道じゅうトンネルをくまなく点検をしても災害が起きるということで非常にショックを受けております。 限られた予算の中で優先順位をもってその予算を消化して対策を行っていくと。 そして、もう一つショッキングなことは、この第二日糸トンネルにも平成十年を目途として工事を完了させようという意図があった。しかしながら、もしその対策が講じられていても、今回のような巨岩が落ちてきた場合にはなすすべがない。そんなことで災害対策、防災のあり方、根本からいろんな面で考え直していかなければならないのではないかなというふうに思っております。 その議論については後刻に譲るとして、この調査点検というのがどれほど信憑性があるかということに関して私たちに寒い思いをさせた今回の事故でありますので、その点についても今後この委員会を中心に皆さんとともに議論をさせていただきたいと思います。 質問を終わります。
○上山和人君 社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。 私は、鹿児島県出水市で七月十日に発生いたしました土石流による災害問題についてのみ、わずか二十分の持ち時間でございますから、御質問させていただきます。 その前に、鹿児島県の出水市におきましては、七月七日から十一日まで五日間で合計六百七十四ミリの雨が降りました。五日間で六百七十四ミリでございます。出水市の七月一カ月間の平年の降雨量が三百三十六ミリでございますから、平年のニカ月分の降雨量がわずか五日間に集中して降ったという状況でございましたから、どんなにすさまじい豪雨であったかということを御想像いただけると思うのでございますけれども、その集中豪雨によりまして、七月十日午前零時四十九分ごろ針原川を中心に土石流が発生いたしまして、大変な人的、物的の被害があったわけでございます。 特に、人的被害は先ほど田浦先生から御報告いただきましたように死者二十一人、重傷二名、軽傷十一名、三十四名の人的被害が発生いたしましたし、住家等の被害につきましても三十棟の、全壊二十九棟、半壊一棟でございますが、被害がございまして、小さな出水市にとりましてはかってない、しかも予想もしていなかった大災害が起きました。 そのとき、七月二十三日に浦田委員長を初め、本院の本委員会から十二名の調査団が派遣されて県当局、市当局から災害の報告を受け、さらに現地を視察し、激励をされたことにつきましては、地元出身の者として心から改めて御礼を申し上げる次第でございます。どんなに現地が励まされて、その後元気を出して復旧作業を続けているかと思いますと、やっぱり政府あるいは国会の臨機の対応が大変そういう場合に重要であるかというのを改めて私は痛感させられました。 今後とも、政府におかれましても、また私どもも、こういうものを教訓にしながら臨機応変の、機を失しない対策が極めて重要だと思いますので、今後とも御努力をいただきたいと思うのでございますが、御通告は申し上げておりませんでしたけれども、長官に一言、今後のことについて御決意を初めにいただければありがたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) 国民の財産と生命を守ることは、私たちにとって最も大事なことだと考えております。 したがって、今日の日本列島のようなさまざまな災害があります国土の中で、今、財政構造会議など国の財政ということが大変大きな視点として論議されているところでありますが、国民の皆さんのそうした生活を守るという観点からはしっかりやるべきことは私たちは対応していかなければならない、そういう決意で今後も進めてまいりたいと思っております。
○上山和人君 ありがとうございました。 それでは、今、現地出水市は針原川の早期復旧について全力を集中しているところでございますが、とりわけ建設省を中心にいたしまして国土庁等の手厚い御援助をいただきながら工事が進んでいるわけでございますけれども、針原川の復旧につきまして、大きく砂防施設の復旧とそれから河川改修の問題があるわけでございます。この二つに分けまして災害対策に対する政府の対応について御質問をさせていただきます。 まず、針原川の砂防施設について、そして河川改修計画については、今県も市も最重点的にこの復旧作業に集中しているところでございますから、砂防施設の復旧作業につきましてこれまで建設省としてどういう対応をなさったのかということと、それからこれからの対応について、できるだけ手短にお答えいただければと思います。
○説明員(池谷浩君) 災害直後、直ちに応急対策といたしまして針原川砂防ダムに堆積しました約五万立方メートルの土砂を取り除くということで、緊急関連砂防事業として約四億三千万で採択しまして、現在無人化の機械を使いまして掘っているところでございます。 また、八月二十七日でございますが、針原川の土石流対策といたしまして、県からの強い要望もございました新たな砂防ダム一基、また崩壊地の山腹工等の工事を含めます災害関連緊急砂防事業として事業費三十一億八千万を採択しております。 このほか、二次災害防止のために崩壊の可能性のある慶斜面監視カメラを設置したり伸縮計とか雨量計を設置して現地の災害対策本部の現地連絡所に二十四時間体制で情報が送れるような仕組みと、異常が発生した場合にはサイレンやスピーカーによって災害復旧工事関係者や一時立ち入り中の住民に警戒を伝える、こういう仕組みも協力しながら確立しているところでございます。 また、実際の警戒・避難の体制に対する問題もございますので、現地で七月の下旬からアンケート調査をやっておりまして、今回収したところでございますが、これがまとまり次第、またその解析をして御報告し、今後ソフト面の対策の強化を図ってまいりたいと思います。 土石流の原因究明につきましては、鹿児島県が針原川土石流対策検討委員会という名称の委員会を今後設置して原因究明にも当たると聞いておりますので、この結果を待ちながら適切な対処をしていきたい、このように考えております。
○上山和人君 既に砂防施設の復旧工事につきましては三十一億八千万、これは既に鹿児島県に対して交付済みでございますから、既に建設省としては御決定いただいて鹿児島県に交付済みと理解してよろしゅうございますか。
○説明員(池谷浩君) 八月二十七日をもってもう鹿児島県が使える状況になっていると考えていただいて結構でございます。
○上山和人君 そうしますと、建設省の敏速な対応によりまして、砂防施設につきましてはほぼこの三十一億八千万円を御援助いただいて復旧作業は終わる、完成する見通しと理解してよろしゅうございますか。
○説明員(池谷浩君) 上に崩壊地がございまして、その崩壊がまた広がる、もしくは新たにクラックが出ているところの不安定な土砂をとめるという意味と、河床に不安定にたまっています土砂に対しましては一応この数字で対策が可能と思いますが、先ほど申しましたように、これから鹿児島県におきまして針原川の土石流の発生原因等を含めます検討委員会が設置されましていろんな御議論がなされると思います。また、その面でもっと今後必要なものが新たに出れば、それについてはその結果を待って検討してまいりたい、このように考えております。
○上山和人君 それでは、今御答弁のように、今地元で検討委員会が設置されて検討中でありますけれども、いろいろとやっぱり鹿児島県にしましても出水市にいたしましてもそんなに財政的に余裕のあるところでないだけに、今後も検討委員会の報告等をお受けになった上でさらに一層の御援助をこの際心からお願い申し上げておきたいと思うんですけれども、今の御答弁でもう随分決意も伝わってまいりましたので、ひとつよろしくお願い申し上げます。特にソフト面についての対策にこれからは心を砕いていただきたいものだと思うところです。
○説明員(池谷浩君) 県が考えています検討委員会の方は、県が検討委員会を設置するという報告をされておりまして、現実にはまだ委員会そのものは九月中旬からスタートすると聞いておりますので、その結果という格好になります。 また、ソフト面につきましては、先ほども申しましたように、私どもと県と一緒になりまして住民の方のアンケート調査を、これは鹿児島県全部、針原の付近だけでなくて県下全体の危険区域の住民の方にアンケート調査をして、約半分、五〇%程度の回収率があったと聞いておりますが、その結果をこれから解析いたしますので、それをもとにソフト面の強化について図ってまいりたい、このように考えております。
○上山和人君 建設省がそういうふうに今度の災害に関連して全県的なアンケート調査を行われるなどということは、私は画期的な大変すばらしいことだと思うんですよ。したがって、ぜひこれからもこういう災害に関連して今度そういうふうになさった対応を継続、一層充実させていただきたいと思うところでございます。 やっぱりソフト面がついつい見落とされがちな傾向が災害の面ではございますから、非常に着眼点として敬意を表する次第でございますが、一層その点を今後ともよろしくお願い申し上げます。 時間がどんどん過ぎておりますが、もう一つ、今度は河川局の問題になりますけれども、河川改修計画はこれからだと思うんです。砂防施設の復旧作業はほぼめどが立っておりますけれども、この河川改修計画についてどのように対応されているか、もう余り時間がありませんから、その現状とこれからの対応の見通しについて一緒にお答えいただけませんか。
○説明員(藤芳素生君) 今お話がございました砂防の方でとめた、その下流の河川改修の件でございますけれども、現在針原川は準用河川でございますけれども、鹿児島県におきまして二級河川に今指定すべく手続中でございまして、九月の早々にも指定される見込みでございます。 このように、市町村、県、建設省一緒になりまして、針原川の復旧をどのようにやればいいか、これがちょうど砂防施設と下流の河州改修と一体となって下流の改修事業の計画ができますので、その計画ができ次第鹿児島県の方から災害復旧の申請があると思います。その申請がありましたら速やかに災害査定を実施していきたいというふうに考えております。
○上山和人君 県の計画は策定中で、いつごろ鹿児島県等の関係でこの査定が終わって国にその計画が報告をされる見通しになっていますか。
○説明員(藤芳素生君) 今砂防の方が災害緊急の砂防一基が決定したということでございますので、大体その土砂の量というのがどのくらい下流の河川で持てばいいか、河川としてはどのくらいの大きさでいけばいいかというのがわかってまいりますので、県としてもなるべく早くこの下流の河川の埋塞を防いで、次の台風もすぐ来ますので、なるべく早いうちにこの河川改修の計画をつくって、災害復旧の計画をつくってまいりたいと思いますので、それに対して迅速に我々としても対応していきたいというふうに考えております。
○上山和人君 私がいろいろと地元と連絡をとったところでは、十一月上旬ごろにも建設省の方には計画が送付されるものと思っておりますので、ぜひ年内にはその河川改修の復旧作業まで終わって、新しい年を新しい気持ちで迎えられるようになるように御努力をいただきたいものだと重ねてお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 そこで、これらの事業に対します国の補助は三分の二、そして県が三分の一の負担になりますが、この三分の二の補助、そして県が三分の一負担をすることになりますと、これは自治省にお尋ねをしたいのでありますけれども、この特別交付税の重点配分などの財政措置を非常に地元が期待するわけです。その点については、あと四分しか時間ございませんけれども、自治省として格段の御協力、御努力をいただきたいと私は思うんですが、ひとつまとめて今後の計画、見通し等について御答弁いただけますか。
○説明員(滝本純生君) 今お話ありましたように、今回の土石流災害によりまして被災地方公共団体におきましては災害復旧事業などに相当の財政負担が生じているものと考えております。自治省といたしましては、被災団体から十分実情をお聞きいたしまして、特別交付税、地方債による措置を講じまして、被災団体の財政運営に支障がないように適切に対処してまいりたいと考えております。
○上山和人君 今の御答弁をお聞きしてほっとしているのでありますけれども、積極的な今のような御援助をいただいて、やっぱり県の財政運営に支障を生じないような、それを大事にしながら、あくまでも県の財政運営に支障を生じないように適切な対応をお願いしたいと思うんですけれども、その点は再度確認させていただきたいんですが、いかがですか。
○説明員(滝本純生君) 今お答え申し上げましたように、被災地方公共団体、県、関係市町村の財政運営に支障が生じないように、団体が安心して財政運営を行えるように適切に対応してまいりたいと考えております。
○上山和人君 ちょうど時間が参りましたので質問を終わりますけれども、今までの政府側の御答弁を聞いて大変心強く思っております。どうぞ規模の小さい町での予想されなかった大災害でございますから、先ほども申し上げましたように、年内には環境が整って新しい年が迎えられるような環境に戻るように建設省も国土庁もまた財政的には自治省も格段の御努力をお願い申し上げたいと思います。 重ねて御要請を申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山下芳生君 初めに、北海道第二日糸トンネル岩盤崩落事故について質問をします。 現在、人的被害は確認されておりませんが、私は、政府は今回の事故を深刻に受けとめる必要があると思っております。建設省は昨年二月の豊浜トンネル事故の後、トンネル坑口部等の緊急点検を全国の道路管理者に指示いたしました。平成八年三月の点検の結果、第二日糸トンネルは、より詳細な調査を行い対策の要否について検討する箇所とされました。その後、平成八年九月、再度の個別調査が行われました。私はその際の報告書をいただいておりますが、報告書には、亀裂の状況の欄に、「岩体を分断する顕著なものが二条認められる。」という記述があります。 ところが、実際とられた対策は巻き出し部分を発泡スチロールで覆うEPS工法でありました。この工法は、聞くところによりますと、直径五十センチ程度の岩石が高さ約三十メートルから落下しても大丈夫だという程度の強度というふうに聞きました。しかし、実際に崩落したのはあの巨大な岩盤であります。つまり、点検、調査、検討した結果とられた安全対策と実際の危険度との間に大きなギャップがあったということです。これはトンネルの安全対策に対する信頼性が根底から問われている事態だと私は思います。 安全対策に対する信頼回復のために、第一に私は点検、調査、対策の基準や方法を抜本的に再検討すること、第二に全国のトンネル坑口部等の再調査など対応が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(宮本泰行君) 建設省では、平成八年二月十日の豊浜トンネルにおける岩盤崩落事故を踏まえまして、今後の防災対策のあり方について多方面より検討を進めているところでございます。事故直後に岩盤工学や土木工学等の専門家の御意見も伺いまして、トンネル坑口部の緊急点検を全国の道路管理者に指示いたしまして、点検の結果対策が必要とされる箇所については平成十年度までに必要な対策を完了するよう事業を進めているところでございます。 また、平成八年三月には、土木学会に委託いたしまして、岩盤工学、土木工学等の専門家から成る大規模岩盤崩落に関する技術検討委員会を設置いたしまして、施設の管理の充実強化、情報連絡、技術開発のあり方について提言をいただきまして、施設の具体化に向けて検討を進めているところでございます。 さらに、平成八年、九年度にかけまして道路防災総点検を全国的に実施しており、点検の実施に当たっては専門家から成る委員会を設け、点検要領を作成し、また点検技術者のための技術講習会を新たに開設するなど、点検精度の向上に向けて取り組みを行っているところでございます。 今後とも緊急点検で対策が必要とされる箇所について対策の推進を図るとともに、現在実施中の道路防災総点検についても早期に取りまとめの上必要な対策を行い、さらに十分に監視、点検を行うなど、安全性、信頼性に向けた防災対策の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 そういうことに基づいてやった対策が実際の危険度とは乖離していたということが今事実で突きつけられているわけですから、私は、やはりここは仮にも安全神話をつくって振りまくようなことにならないように真剣な事故検討を求めておきたいというふうに思います。 次に、土砂災害問題について聞きます。 出水市土石流災害及びこの間の豪雨災害で犠牲になった方々に私からも哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。 防災白書を見ますと、我が国は急峻な山地やがけ地が多いという地形条件のもとで、降雨、融雪、地震といった誘因によって土砂災害が多数発生する。自然災害による犠牲者のうち、土砂災害による犠牲者の占める割合は、昭和五十六年から平成五年までを見ると五〇%前後の割合で推移している。土砂災害が多い、自然災害の中でもその割合が多いということが書かれてある。しかも、その土砂災害の危険箇所が調査のたびにふえております。 お手元に資料をお配りいたしました。土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所のそれぞれの数の推移をグラフにしたものであります。この三つの合計を見ますと、七九年度は土砂災害危険箇所合計十三万カ所台、八七年は十六万カ所台、九七年は十八万カ所台へと急激にふえております。ところが、これは政府の言う防災関連予算で見ましても、この中に私たちは必ずしも防災対策事業としてカウントしていいのかどうかもっと検討を要するものもありますが、しかし政府の示した防災関連予算で見ましても、国家予算に占める比率が六六年の七・八%から年々低下をし、九二年には四・六%になっている。その結果、土砂災害危険箇所の整備率は大体二〇%程ほにこの間ずっととどまったままになっているわけであります。 私は、この数年の対策事業実績の数字をいただきまして、その平均のペースで試算をしてみました。現在の危険箇所の整備が終了するまでには、土石流の場合約百二十年、それから急傾斜地の場合は約八十年、地すべりの場合は約二百十年、このペースでいきますと時間を要することになるわけです。私は、この状況というのは災害の危険から国民の生命、財産を守るという最優先課題について政治のあり方が根本的に問われているというふうに思うわけです。 政府のこの点での見解をまず伺いたいと思います。
○説明員(山本正堯君) ただいま山下先生の資料にございますように、土砂災害の危険が想定される箇所につきましては土地利用の変化等によって増加する傾向にあるということであろうかと思います。こういうふうなところにつきまして、各種の国土保全事業によりまして危険箇所の整備に努めておるところでございますが、整備の状況につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、二割から約四割ぐらいの整備状況であるという状況であるわけでございます。 予算全体に占めます防災関係予算のシェア、従来に比べまして約四%程度に減少してきておる、こういうことでございますが、内訳を見てまいりますと、災害復旧事業、災害復旧経費の比率は減少してきておるわけでございますけれども、災害の予防でございますとか、あるいは施設の、河川とか海岸の国土保全等の施設整備等の防災関係予算のシェアは従来から国の予算の全体の約四%程度で推移をしてきておりまして、国全体予算とほぼ同様の伸びを示しておるということでございます。 災害復旧経費のシェアの減少につきましては、戦後間もなくは大変災害が多かったという状況もございまして、その後、治山治水事業の国土保全事業を行うとともに、いろんなソフト面の整備、制度面の整備等を図ることによりまして災害復旧経費は、だんだん災害が少なくなってきておるという状況で、シェアとしては落ちてきておるという状況であろうかと思います。 私ども国土庁といたしましても、関係省庁においてそうした大変財政状況厳しい状況ではございますけれども、防災関係予算の確保に努めていただいておるところでございますが、国土庁としても関係省庁と十分連絡をとり合いまして、財政状況さらに厳しい状況でございますけれども、その確保にさらに努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
○山下芳生君 私は、財政状況厳しい中だからこそ公共事業の質的転換が必要だと思います。ゼネコン、大企業奉仕の産業基盤整備優先を抜本的に見直して、災害から国民の生命、財産を守るための防災事業の比重を高めるなら公共事業の総額をふやさずとも防災対策事業のテンポを引き上げることはできる、この点も指摘をしておきたいと思います。 次に、そういう公共事業のあり方とともに、しかしそうはいってもそうすぐ簡単にハード面が整備されるわけではございませんから、そういうもとで現にある危険をどう把握し、住民の生命、財産を守るのかという問題について二、三聞きたいと思うんです。 まず、砂防ダムの位置づけについてであります。 昨年末の長野県蒲原沢や今回の出水市の土石流災害の現場では、砂防ダムが機能していたにもかかわらず大きな犠牲を出してしまいました。出水市では、住民の方のお話を伺いますと、砂防ダムの本堤が完成しているんだから土石流が起きても大丈夫だろうと思っていたという声が実際に出されました。私は、土石流に対する砂防ダムの有効性、それから砂防ダムだけに頼る防災対策の危険性を今回の事故というのは浮き彫りにしたんじゃないかと思います。 結論から言いますと、砂防ダムというのは土石流対策の一つの手段にすぎないんだ、この点をやはり政府としても改めてしっかり認識をし、そのことを住民に、とりわけ危険地域にある住民の皆さんに周知徹底することが重要だと思いますが、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○説明員(池谷浩君) 先ほど先生からは砂防ダムが余り効いていないといいましょうか、効果のない方の例ということで二つ挙げられましたが、逆に砂防ダム等の砂防設備があることによりまして土石流をきちんと捕捉しまして、下流部の災害防止に役立った例は、例えばことしていいますと富士山の大沢川、それから雲仙の水無川でも土石流が出ておりますが、これは一切被害が出ていないというので、余り報道されていませんので御承知じゃないかと思いますが、各地でその効果を上げているのも事実でございます。しかし、自然現象というのはなかなか予測困難でございまして、常に土石流が計画規模の中で発生するということではないということも承知しております。 そういうことで、従来から砂防ダムの整備、こういうハード面の対策と同時に危険渓流の周知徹底とか警戒避難体制の確立等、ソフト面の対策を総合的に実施してとうとい人命と貴重な財産の保全を図る、このように考えているところであります。
○山下芳生君 次に、避難体制の問題について伺います。 出水市の災害でも的確な避難勧告により住民の犠牲を防ぐという点で大きな問題点を残しました。 私どもの党でも独自に調査を行いまして、そのとき自治公民館の館長さんからお話を伺ったんですが、館長さんの証言では、災害が発生する前、夕方、夜九時ごろ、それから夜十二時ごろ、針原地区を巡回していた、住民の方々も土石流の前兆であるゴロゴロという石が転がるような音が山の方から聞こえてきたと言っていた、それから災害が発生する約一時間前には住民の方々と一緒に川の水が半分ぐらいに減っていることを確認している。これはもう土石流の前兆として知っている方ならそうとらえられた現象であります。ところが、この土石流の危険性あるいは前兆についての認識がなかったとおっしゃっており、土石流危険渓流に指定された地域で、しかもこういう前兆があったにもかかわらず認識不足から避難できなかったということを非常に悔やまれておりました。 私は、こういう痛苦の教訓を踏まえて、まず緊急に、第一に現場の踏査に基づく危険箇所の総点検とその結果を危険度を含めて住民に公開すること、第二に危険箇所、避難勧告の基準や避難路など地域防災計画に掲げられた項目を地域住民の参加で具体的に点検し、地域の実情に合った計画としていくことが大事だというふうに思いますので、こういうことを提起したい。 その点で、実際にそういう避難体制をどう住民参加で機能させるのかということが大事だと思うんですが、私いろいろお話を伺っておりますと、新潟県に地すべり災害巡視員制度というのがあるんですが、これがなかなか教訓的だなというふうに思いました。既に二十二年間の実績があるそうなんですが、地域の住民の方々を特別非常勤職員として任命し、平成九年度でいいますと新潟県で二百五十二名配置されている。その方々が地域を巡回して、平時、それから降雨時等、異常を発見したら行政に通報するシステムであります。そして、行政が危険度を判断し避難などの防災行動につないでいると。この巡視員さんの奮戦記というものを読ませていただきましたけれども、非常にそういう地域のみなさんの生命、財産を守るという使命感から献身的に行動されておりまして、実際にその行動によって被害を回避できたり大事に至らずに済んだということが幾つも報告されているそうであります。 そういうことも含めまして、避難体制を実効あるものにするために、政府として生きた指導をする必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(益本圭太郎君) まず、土砂災害の前兆現象に関する住民の周知についてでございますが、各都道府県が作成しております土砂災害危険箇所マップにおきまして、「危険、こんな前ぶれに注意」と題しまして、例えば土石流につきましては、山鳴りがするとか、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、あるいは川の流れが濁ったり流木がまざったりし始める、こういった前兆現象に対しての注意を促すとともに、毎年六月に土砂災害防止月間等に配布する広報用のパンフレットの中でも同様の注意を促しているところでございます。 また、災害対策基本法におきまして、災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は遅滞なくその旨を市町村長等に通報することとされておりまして、こうした法の趣旨も生かしまして、市町村長が避難勧告等を行うに当たっての情報を適切に得ることができるよう、また地域の実情に応じた措置を講じるとともに地域防災計画において市町村長が適時適切に避難勧告等を行うことができるよう、今後とも引き続き地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えております。
○山下芳生君 最後に、大臣に、前段で申し上げました防災事業のおくれを克服する決意、それから避難の体制を住民参加で実効あるものにする生きた指導という点での所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤公介君) こうした災害に対しましては、御指摘をいただいたり、先ほどもやりとりがございましたけれども、まずはハード面で危険地域に対します対策をできる限り急ぐことが大事だと思います。 もう一つは、今御指摘をいただきましたように、ソフト面でその情報を公開し、そして適切な情報に基づいた指導をする、あるいは連絡をとっていく、関係省庁がそうした連絡がとれるような体制ということが大変大事なことだというふうに思います。 しかし、先ほど私どもの局長から答弁をさせていただきましたように、日本全国には危険が起きても不思議でないような地域が数々あるわけですね。これは恐らく、万全な対策とは言うけれども、限りなく危険な状況は私はこれからもあるんだろうと思うんです。そのときに、そこに住んではいけないと言うわけにはいきませんけれども、これは防災集団移転促進事業などというものがございまして、私も実は自分自身の生地、生まれたふるさとでもそういう経験がございます。今東京が私の選挙区ですけれども、かつて、今は小選挙区ですからあれですけれども、中選挙区のときの奥多摩とか檜原村などというところも断崖のようなところに切り込んで住んでいるという状況なんですね。そういうところはこれからも私は非常に危険な状況だと思うんです。そういうところについてはもう少し防災集団移転促進事業というようなものを理解していただいて、これはもちろん国も現在支援をしているわけですけれども、もう少しそうしたことの啓蒙活動が必要なのではないのかなと、さまざまな災害現地を私も視察するたびに、避けて通れないそうした危険と、それから政治や行政がそういう努力をすることによって災害を避けていくことができる、そういうようなものもあろうかと思っております。 いずれにいたしましても、ソフト・ハード面、そして今申し上げたようなことを含めまして、国民の皆さんの生命、財産を守るという立場から私どもはそれぞれの関係省庁と十分連絡をとって対応していかなければなりませんし、また新しい選択もしていかなければならないかと考えております。
○山下芳生君 終わります。
○委員長(浦田勝君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後零時三十九分散会