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140回国会参議院1997/02/12

国民生活・経済に関する調査会 第2号

発言数
103
登壇者
23
会派数
6
開催日
1997/02/12

会議録

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。  国民生活・経済に関する調査を議題とし、二十一世紀の経済社会に対応するための経済運営の在り方に関する件のうち、社会資本整備及び社会保障に関する財政の課題及び二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方について調査を行います。  本日の議事の進め方につきましては、各テーマについて関係省庁から説明を聴取した後、各テーマにつき八十分程度各委員から質疑を行っていただくことといたします。  質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に御質疑をいただきたいと存じます。質疑を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って質疑を行うようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの方が質疑をできるよう各委員一回当たりの発言時間を一分程度とさせていただき、時間があれば二巡目を行うというようにしたいと存じます。  また、時間に制約がありますので、質疑の内容は各省庁からの説明に関連するものとし、簡潔に行っていただくようよろしくお願いいたします。  なお、各省庁からの説明、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、まず社会資本整備及び社会保障に関する財政の課題について、大蔵省及び自治省から説明を聴取いたします。大蔵省林主計局次長。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) それでは、私の方から社会資本の整備、社会保障に関します財政上の課題ということで、長期的なお話になるかと思いますが、お手元の資料に基づきまして簡単に説明させていただきます。  最初に、社会資本整備の方から申し上げたいと存じます。  お手元に「社会資本整備の現状と課題」というのがございますので、お目通しをいただきたいと存じます。  初めに、一ページでございますが、社会資本の整備、これは公共事業を初めといたします公的固定資本形成というものが国、地方全体のいわば社会資本整備に充てられているお金でございますが、これが日本経済の中でどういうウエートを占めているのかというのを国際比較したものがございます。この一ページの上の表でございます。  これを見ていただきますと、白いぽつぽつの部分が公的部門の行っております社会資本整備でございますが、GDP、経済に占めますウエートが、日本をごらんいただきますと六・六%ということでございます。黒い方が民間の、いわば社会資本整備といいますか固定資本形成でございますが、これを見ていただきますように、欧米主要先進諸国と比べますと日本の公的固定資本形成の経済に占めるウエートが高いという実態にございます。こうしたことはこれまでの現在の日本の経済構造といいますかあるいは社会資本の整備状況、こういうところからきているわけであります。  それでは、社会資本の整備状況はどうかということでございますが、その下に下水道を一つ掲げてございます。これをごらんいただきますように、下水道をとりますとまだまだ先進主要国に比べておくれているということでございます。  二ページを見ていただきますと、今申し上げました下水道の普及率のほかに幾つか指標をとってございます。特に、戦後日本は社会資本整備にかなり力を入れてやってまいりましたわけでございます。その結果かなり欧米主要先進国と肩を並べるものもございますが、まだ物によってはごらんのような数字になっておるわけでございます。これから高齢化社会を迎えるに当たって、こうした社会資本整備をどのような段取りで進めていくかということが一つの課題になっているわけでございます。  それでは、こうした社会資本整備をやっております国のベースで見たときには、これまでどんな状況かというと、三ページをごらんいただきますと、いわゆる国の一般会計におきます公共事業関係費の計数が出てございます。  四十年以降書いてございますが、ちょっと細かい数字で恐縮でございますが、公共事業関係費の一般会計に占めますウエートといいますか、政策の中でのウエートづけというのがどんなことになっているかというのを見ていただくために、右から五欄目にいわゆる公共事業関係費の一般会計予算に対するウエートが書いてございます。B分のDというのをちなみにごらんいただきますと、昭和四十年度は二〇・一六、一般会計の約二割を公共事業関係費で占めておりましたが、これがずっとウエートが下がってまいりまして、九年度を見ていただきますと、一般会計に占めますウエートが一二・七二%という状況になってきているということでございます。一般会計の約一二%程度のお金でやっているということでございます。  これがどういうところに使われているのかというのが四ページでございますが、これはちょっと長い時系列で見たものでございます。いわゆる公共事業の事業別のシェアの推移というものを見たものでございます。  もう先生方御案内のとおり、戦後、当時の社会経済情勢を反映いたしまして、当時の公共事業は、例えば開拓でありますとか、あるいは農業水利でありますとか、あるいは戦後の戦災の復興、あるいは住宅の供給、あるいは災害復旧というところに昭和三十年代の前半までは大観いたしますと充てられてきたのだろうと思います。その後、昭和三十年代の後半から高度成長が始まりまして、いわゆる交通系あるいは成長に伴うインフラ整備というものに重点が置かれてまいったわけでございます。  「区分」の次の四十年のところを見ていただきますと、道路整備に四七・二七%、公共事業関係の四七%が充てられているということがおわかりいただけるかと思います。これが一番右の九年度にまいりますと、二七・九七%ということになってきているわけでございます。ただ、このあたり、四十年代高度成長がずっと進みますと、それに伴います諸問題も出てまいりました。そういうものに対応するために、例えば下水道の欄を見ていただきますと、昭和四十年二・二五%でありましたものが、平成九年度には、一番右の欄、一二・三五というシェアのアップが図られてきているわけでございます。  そのほかも幾つか数字を見ていただきますと、それぞれ時代の要請に即応するような形で公共事業の配分が変わってきているということを御理解いただけるかと存じます。  五ページはその中身でございますので省略をさせていただきまして、六ページでございますが、これは平成九年度の公共事業の配分表でございます。  既に御案内のところでありますけれども、平成九年度におきましてば、私ども、社会経済情勢の変化あるいは国民のニーズということを踏まえまして、生活の質の向上あるいは経済構造改革あるいは防災でありますとか自然環境、こういうものに配慮をした配分をしているところでございます。  この伸び率の欄を見ていただきますと、港湾、漁港、こうしたところは社会資本の整備水準等を総合勘案いたしまして八年度に比べてマイナスにする一方、大きな伸びのところを見ていただきますと、自然公園、これは一〇・〇でございますが、そのほか森林環境九・九、こうしたところに重点を置いているところでございます。  また、それぞれの事業の中身におきましても、お手元の七ページを開いていただきますと、例えば上から四番目の道路整備を見ていただきますと、一般の道路整備は三角の三・六ということでございますが、国民のニーズの強い高規格幹線道路整備につきましては一三・七%の伸びにする。あるいは、港湾は全体としてマイナスでありますけれども、特定重要港湾等につきましては一〇・五と高い伸びを示しているところでございます。あと、漁港につきましても全体としてはマイナスでございますが、漁業集落環境整備事業につきましては一五%というようなことで、それぞれの事業の中でもごらんいただきますようにかなりめり張りをつけているということでございます。  公共事業につきましては、一つのこれは伝統的な、治山治水というようなことで伝統的に分類をしておるわけでございますが、その機能に着目して私ども近年分類をさせていただいております。それが十一ページでございます。  十一ページを見ていただきますと、この区分の欄をごらんいただきますと、国土保全、交通、住宅あるいは農水産物供給基盤整備というようなことで、いわば一つの試算としてこのような分類もしているということでございます。  それから、平成九年度におきましては、既に御案内と存じますが、十二ページに書いてございますが、いわば事業の縦割りの弊害を排除しようということで、国土庁に新しく総額二百億の調整費を計上いたしまして、各省が共通して、十五ページに例がございますが、例えばこうした事業を円滑に実施できるようにということで措置をしているところでございます。  それから、これからの公共投資を考える上で、一つは予算委員会等でもいろいろ御議論ございます公共投資基本計画、これのポイントとなるところを十六ページに書いてございます。  計画の基本的考え方は、一番上のパラグラフにございますが、「人口構成が若く、経済に活力のある現在のうちに、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として、」社会資本整備を進めていくということで、公共投資の規模としておおむね六百三十兆ということを今後十年間の投資総額目標にしようということで、六年に決められたものでございます。なお一この計画には、十七ぺ-ジの真ん中のパラグラフにございますが、円滑な執行とあわせて建設コストの低減ということもうたわれているところでございます。  なお、いわばこれの内訳のような、必ずしもその積算の中身ではないんですが、公共事業につきましては現在十六本の長期計画がございます。十九ページにその一覧を書いてございますが、昨年末の予算編成ではこの米印のつきました三つについて事業規模が設定されているところでございます。  以上、公共投資につきましてざっと計数を見ていただきましたが、これからの公共投資、社会資本整備ということを考える上での大きなポイントと申しますと、既に御案内のこととは存じますが、私ども大ざっぱに言って三つあるだろうと思います。  一つは、公共投資の全体の量をどう考えていくかということでございます。  冒頭、一番最初に見ていただきましたが、我が国の社会資本整備の水準が欧米諸外国と比べてまだ低いという実態を反映いたしまして、経済の中におきます公共投資のウエートが諸外国に比べると大きゅうございます。これを将来的にどう考えていくか、これは日本の経済構造をどうするかということとも関連してくるわけでありますが、この点についての展望をどう描いていくかということ、これが一つのポイントだろうと思います。  これの関係で、あと景気との関係をどう考えていくか。財政制度審議会等では、既に欧米先進国では景気対策の手段として社会資本整備、公共事業を使うところは余り見かけないというような報告が御案内のとおりなされておりますけれども、この点について景気との関係をどう考えていくかということが問題になってくるだろうと思います。これが第一のポイントだろうと思います。  それから二番目が、よく議論になりますいわゆる公共事業の配分でございます。どういうところが国民のニーズが高いか、どういうところに配分をしていくべきかという議論だろうと思います。  ただ、これはその時々の社会経済情勢を反映したものとなりますので、先ほど見ていただきましたように長い目で見ると変わってきておるわけでありますけれども、ただ公共事業全体の予算の伸びが小さい中で非常に固定的な配分がされているという批判がなされているのは御案内のとおりでございまして、これをどう考えるかということが第二のポイントになろうかと思います。  それから第三番目は、実施面での問題であります。  一つは、公共事業のコストをどう考えるか、コストが高いという批判が今ございます。これは、いっときバブルのときには非常に公共事業の積算がきついということで随分入札不調のようなケースもございました。ただ、今はこうした経済情勢の中で諸外国と比べてもコストが高いではないかという批判があるわけで、これにどうこたえていくか。  政府の方では関係閣僚会議が設けられまして、この三月末までにコスト低減策、その具体的な目標を定めるということで作業をされておられますが、このコストの低減をどう図っていくかということ、それから事業の実施の重点化をどうやって図っていくか、あるいは各省それぞれ事業をやっておられるわけですが、こうしたことを全体としてどう効率的にやっていくかということが三番目のポイントになるだろうと思っております。  以上、はしょりましたが、社会資本の整備については以上でございます。  それから、引き続きまして社会保障につきまして簡単に御説明をさせていただきます。  お手元の資料をごらんいただきたいと存じますが、まず最初に、これも公共事業同様、現状と、あと将来の姿についてちょっと計数を見ていただきたいと存じます。  一ページを見ていただきますと、「平成九年度一般会計予算と社会保障」ということで円グラフがございます。これは御案内のとおりでございますが、社会保障全体として十四兆五千億円余り、一般歳出の三分の一を占める状況になってございます。国の三分の一という極めて大きいウエートを占めておるわけでございます。  これを大ざっぱに内訳がどういうことになっているかというのが一ページの右の枠でございますが、これをごらんいただきますと、一番大きいのが医療費でございまして、六兆五千億円余り、次に年金が四兆一千億余り、福祉・その他で三兆八千億ということでございます。  社会保障のウエートが一般会計の中でこのようなウエートであるということでございますが、それが経年的に見ますとどうなっているのかということが二ページでございます。  二ページの、先ほどの公共事業と同じく社会保障予算の一般会計予算に占めますウエートを見ていただきますと、このちょうど真ん中あたりにB分のCというのがございます。御案内のとおり、昭和四十八年がいわゆる福祉元年と言われた年でございますが、その前年の四十七年を見ていただきますと、B分のC、一般歳出に占めます社会保障関係費は一八・六%でございましたが、それがごらんのようなことで徐々にウエートを上げてまいりまして平成九年度三三・二ということで三分の一、これが社会保障になっているということでございます。  そうした負担の関係を見ていただきましたものが三ページでございます。  三ページを見ていただきますと、欧米主要先進国と対比をいたしまして租税負担と社会保障負担を書いてございますが、これもよく言われることでございますが、従来はアメリカ程度でありましたものが高齢化に伴いましてアメリカを抜き三八・二%になっているということでございます。  これは、その下にございますが、老齢人口比率をごらんいただきますと、大体これに比例しているということで、今後日本の少子・高齢化が進みますにつれてこれが上がってくるということになるわけでございます。  今のは予算でございますが、給付費の方を見ていただきますと、四ページでございます。  社会保障給付費、平成六年度で六十兆余りでございますが、年金、医療、その他を見ていただきますと、ごらんのようなことで年金が給付費として半分以上を占めてきているという状況でございます。  今後どうなるかという推計でございますが、五ページを見ていただきますと、厚生省社会保障関係八審議会会長会議で計算をされたものでございます。この中ほどの試算結果、社会保障の給付と負担の関係を見ていただきますと、社会保障に関連いたします負担、これは税と保険料でございますが、上の方の枠を見ていただきますと、平成七年度を見ていただきますと十八カニ分の一でございます。二〇二五年を見ていただきますと、幾つかの推計はできるわけでございますが、二八%あるいは三五%を超える、国民所得比で超えるという推計がなされているわけでございます。  六ページを見ていただきますと、せんだって人口問題研究所から日本の将来推計人口が発表されております。中位の推計を見ていただきましても、ごらんのような数字でございまして、平成六十二年、二〇五〇年には一億人ということで、六十五歳以上の割合が三二・三%ということで、一番右の欄、平成四年九月、前回の推計に比べますと、総人口が減り六十五歳以上人口の割合が高くなってきているということでございます。  社会保障の問題につきましては、少子・高齢化社会に適合した制度にしていくということが基本なわけでございますが、その中で、平成九年度におきましては、医療保険制度につきまして改革を御提案させていただいているところでございます。  八ページを見ていただきますと、「医療保険制度改革案の概要」というのが書いてございます。これも御案内のとおり、三十六年に国民皆保険制度ができましたわけでございますが、現在、少子・高齢化という中で、医療保険制度の安定的な運営を確保しなければ皆保険制度が崩壊につながるという状況にございます。このため、中身については省略させていただきますが、お手元のようなことで、まず段階的に進めていく第一弾として医療保険制度の改革を御提案させていただいているところでございます。  なお、この後も引き続き、需要側、供給側、あるいは現在の保険から医療機関に対する支払いのあり方、こういうものも含めて、これから改革をさらに引き続いてしていく必要があるという状況でございます。  お時間がございませんようですので資料の説明は以上にさせていただきますが、結局、この社会保障を長期的に考えますときに、先ほど申し上げましたように、少子・高齢化への対応をどうするかということが基本なわけでありまして、そのためには、経済、社会とのバランスをどうとっていくか。これから安定成長、低成長経済にいきますと税収も当然落ちてまいります。あるいは給与の伸びが下がる、従来に比べて下がっていくということで、社会保険料の伸びも落ちてまいります。そういう中で、こうした経済、社会とのバランスをどうとっていくかということ、あるいは医療もそうでありますが、特に世代間扶養の考え方をとっております年金につきまして、世代間の負担のバランスをどうとっていくかということが今後の社会保障に関する課題であろうかと存じます。以上、大変簡単でございますが、冒頭の説明にかえさせていただきます。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  次に、自治省二橋財政局長。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 自治省の財政局長でございます。  それでは、私の方から地方財政関係の説明をさせていただきます。  お手元にございます「地方財政関係資料」によりまして、概要の説明をさせていただきたいと思います。  まず最初に、一ページをごらんいただきますと地方財政の役割ということで、棒グラフで表示いたしております。これは、国と地方の財政支出が最終支出段階でどういう分野にどういうウエートで、かつ国と地方がどういう分担で行われているかということを示したものでございまして、ごらんいただきますと斜線の部分が地方が最終的に実施しておるというものの割合を示しております。この横幅がその量的な大きさを示しておりますので、これをごらんいただきますと国土開発費、学校教育費、民生費といった関係が数量的なウエートが大きいということがおわかりいただけると思います。  斜線の部分は最終的に地方が分担している部分でございまして、トータルで六五・五%ということでございますので、全体の財政の最終の支出ベースでいきますと、全体の三分の二は地方の方が実施をしているということになります。これでごらんいただきましても、例えば防衛でございますとか年金の関係でございますと、これは一〇〇%国の方で行われているということで白抜きになっておるということでございます。  したがいまして、きょうの話題になっておりますような社会資本の関係でございますとか福祉の関係につきましても、最終的な支出ベースの分担でございますが、地方の方が大きなウエートを持っているということがおわかりいただけると思います。  二ページでございますが、そういう最終支出ベースで国と地方がおおむね一対二で財政支出の分担をいたしておりますが、一方で、税金でどういうことになっておるかということでございます。国税と地方税、真ん中ぐらいのところに四角で囲んでございますが、これは平成六年度の決算ベースであります。国税が五十四兆円、地方税が三十二・五兆円でございまして、比率として六二・四対三七・六、大ざっぱに言って二対一ぐらいになっているということでございます。  最終支出のベースが国が一、地方が二であるのに対して、税が逆になっておるものですから、その差を埋めなくてはいけないと。地方の方で行います仕事は教育の関係あるいは福祉の関係、公共事業の関係、標準的な行政は各府県、地方団体で同じ水準で行う必要がございまして、一方でそういう税の面では地方によりまして経済力の差がございまして、相当な偏在になるわけでございます。  総量として一対二であるということと同時に、偏在があるということでございまして、それを調整すると同時に、標準的な行政が全国同じ水準で行われるということを保障するという意味で、地方交付税によりましてその税源の偏在調整と財源の保障を行っているわけでございます。その様子は、国税の一定割合を地方交付税ということで配分いたしまして、その配分した後でごらんいただきますと、真ん中にありますように四十兆対四十六・六兆ということで、おおむね一対一になるということでございます。  さらに加えて、いろんな分野で国庫補助金が支出されております。国庫補助金が公共関係あるいは文教の関係、福祉関係、いろんな分野でございまして、その形で国庫支出金がさらに国から地方に出されると。そういうことで、それを加味いたしますと国と地方が一対二になって、先ほどの最終支出ベースが一対二になっていることに見合って、交付税と国庫支出金で一対二ということで、そこのところのバランスをとっているということになっておるわけでございます。  下のところに地方交付税の概要がちょっと書いてございますが、詳しい説明は省略をさせていただきます。  今申しました税源がどういうふうに偏在しておるかということを三ページのところでごらんいただきますと、これは都道府県問の税金が一人当たりでどのくらいの金額になるかということを端的に示しておるわけでございまして、平成七年度の実績でいきますと、一番大きい東京都が人口一人当たり十八万三千円、一番少ない沖縄県が六万一千円でございまして、約三倍の開きがあるということでございます。これがバブル期のように法人税収が大きく伸びました時期にはこの格差はもっと開いておりまして、四倍から五倍近い開きになった時期もございます。そういう差がございますので、先ほど申しましたように財源の地域間の調整を行う必要があるということでございます。  四ページは国の財政と地方の財政がどういう形で結びついているかということを図解したものでございまして、これは左側に国の一般会計の歳入歳出が書いてございます。真ん中に交付税特別会計がございまして、右側に地方財政計画がある、こういう形になっております。  国と地方は、先ほど申しましたように、歳入面では大きく言いまして地方交付税と国庫支出金によってその両者の結びつきが行われておるわけでございまして、まず地方交付税につきましては、左側の交付税対象税目というのがございますが、所得税、法人税、酒税、それから消費税とたばこ税、それぞれそこに書いてございますような率を掛けたものを国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れをいたしまして、そこの特別会計の歳出を通じて地方の方に配分をされる。地方の方はトータルして地方財政計画というものを毎年作成いたしますので、その中にその交付税を受け入れているという姿になっております。  それからもう一つは、国の一般会計の上から二つ目に「地方団体への補助金」という欄がつくってございますが、この補助金が歳出を通じて、地方財政計画では平成九年度で申しますと十三・三兆円という金額が、これは各分野ごとに各省庁から交付されるという姿になっておるわけでございます。そういう形で、まず財源の面では、先ほど申しましたように交付税、補助金という二つの大きなルートで国と地方の結びつきが行われているということでございます。  これは、地方財政計画は地方の総計、マクロの数字でございますが、それの平成九年度の金額は、右の一番端っこの歳出のところをごらんいただきますと八十七・一兆円という数字になっておりまして、それを重立った項目に分けますと、給与関係が二十三兆円、一般行政経費、これは福祉関係がこの中に入りますが十八兆円、投資的経費、公共投資の関係等でございますが三十一・一兆円というものが重立ったものでございます。  それをもう少し分解いたしましたものが次のページでございまして、この五ページをごらんいただきますと、例えば給与関係経費、今申しましたもののうち義務教育の先生方の給与は国と地方で半分ずつ分担をするということになっておりますので、その義務教育の先生方の給与の補助金が文部省から各県に出ているというのが一番上にございます。  それから、補助金は出ておりませんが、例えば警察官の定数でありますとか、あるいは消防職員の数でありますとか、それから高等学校の教員の数、これらはいずれも、警察でありますと政令、あるいは高等学校の教員でありますと文部省関係の法令によりましてその基準が定められておりまして、それに従って人数をはじいて給与関係の費用を地方の方で分担しているという形になっております。警察官、消防、高等学校については補助金は出ておりませんが、そういう形で基準が法令で定められるということでございます。  それから、一般行政経費関係といいますのは、福祉関係、社会保障の関係なんかはこの中に入って、主として厚生省から補助金が出て、それに地方の負担分を足して仕事を行っているということでございます。同じく投資的経費関係につきましても、公共事業関係は建設省、農水省、運輸省といった公共事業担当省庁から補助金が出て、それに対する地方の負担が伴って仕事が行われているということでございます。  これをごらんいただきますと、ちょっと黒で塗った部分が何らかの形で法令あるいは補助金の配分で基準が設定されておるものでございまして、地方財政計画のベースで公債費を除きました地方の一般歳出約七十五兆円でありますけれども、おおむね半分がそういう何らかの形で歳出が国の方との関係で持たれているものというものでございます。  六ページが現在の地方財政の現状を示しておるものでございますが、大きく四つございます。  一つは、やはり非常に大きな財源不足の状態に現在地方財政もあるということでございまして、平成九年度はかなり歳出の抑制を徹底して行いましたが、それでもなおかつ四兆円を超えるような財源不足が見込まれておりまして、Iの四角に囲んだところにございますように、こういう状態は平成六年度ぐらいから、その当初段階から相当大きな財源不足が出るような状況になっておるというのが第一点でございます。  それから、そういうことを背景にいたしまして非常に大きな借入金の残高を持っておりまして、平成九年度末の見込みでⅡにございますように百四十七兆円というふうな非常に大きな借り入れになる見込みでございます。  Ⅲのところは、一方でこれらの数字は、今申しましたのはマクロの数字でありますけれども、地方は三千三百の各団体、県、市町村が集まったものでありまして、それぞれの個別の財政状況がございます。したがいまして、地方財政のいろんな判断をいたします場合に、マクロの指標と同時に別途個別の財政の状況を常に把握しておく必要がございます。そういうところから、個別団体でいわゆる借金の圧力が今どういうことになっておるかということを示したのがⅢでございます。公債費の負担の圧力を示す指標として公債費負担比率というのがございまして、私どもこの一五%を超えますと財政運営としていわば危険ラインに入ってくるというふうに申しておりますけれども、約四割の団体でそういう状態になっているということがございます。  四番目、しかし片方で今地方分権ということが本格的に議論されておりまして、地方の役割はますますこれから大きくなるということが考えられますし、介護保険といったようなことも議論されておりますように、総合的な地域福祉の充実ということも必要になってくるということで、地方の責任あるいはそれに伴う財政需要はこれからも大きくなってくるのではないかと見込まれておるわけでございます。  七ページは平成九年度、そういう全般の状況を踏まえまして、地方財政計画ベースで歳出を徹底的に抑えなくてはいけないということから、一番上にございますように財政計画の規模も二・一%増、一般歳出につきましても〇・九%増というふうに抑制をいたしております。それでもなおかつ、Ⅲにございますように財源不足がかなり大きな金額で出てまいりまして、一つは地方消費税が平成九年度から導入されますが、初年度でありまして、完全に平年度化しない影響が出てくるということがございます。それから、それ以外の部分につきましても四兆円を超える財源不足が見込まれておりまして、これらはいずれも交付税の特別会計の借り入れあるいは財源対策債という地方債の増発という形で賄っておりまして、かなり抑制基調にいたしておりますけれども、引き続き大きな財源不足が生じておるということでございます。  それから、そういう状況は、一つ飛びまして九ページをごらんいただきますと、財源不足の状況を経年的にごらんいただくための資料でございます。それをごらんいただきますと、平成に入りまして平成元年から三年ぐらいまではほぼ財源不足が実質的にないという状態が続いておりましたけれども、平成六年度以降は景気の停滞等によりまして税収あるいは交付税が落ち込んでくる。片方で減税を先行させたためにそれを地方債の発行で賄った。それからもう一つ、景気対策で相当大幅な景気対策の事業を行いまして、これも大体地方債の増発で賄いましたために、六年度以降は急速に財源不足が拡大してきたという状況でございます。  いわゆる地方債の依存度につきましても、下の折れ線グラフにございますようなことで、平成八年度あたりは過去でも最高の水準になりましたが、平成九年度は、先ほど申しましたようなことで歳出の抑制に努め、また新規の借入金の減額に努めまして、公債依存度も八年度よりは若干下がったという形にはなっております。  十ページは、借入残高の推移でございますが、これをごらんいただきましても、六年度以降急速に増加をしているという状況がごらんいただけると思います。  それから、十一ページでございますが、先ほど申しましたように、地方財政は三千三百の団体の集まりでございますので、個別の状況を常に判断しておく必要があるわけでございますが、特に市町村の場合には財政力の弱いところが多いものですから、そこの上のところの横の棒グラフでごらんいただきますと、地方税が歳入でどれだけを占めているかというものでございまして、棒グラフの一番下は一〇%、つまり歳入の一〇%未満しか税収がないという団体が九百十九団体ございます。それから平均が三三・九、よく三割自治といったようなことが言われます。平均が三三・九でありますけれども、その三三・九の平均より下のところというのが一番右側のところに矢印が書いてございますが二千六百四十九団体、八割の団体がそういう状況にあるということでございます。  もう一つ、先ほど公債費の負担の圧力が一五%を超える団体が四割あると申しましたけれども、それが下でございまして、それをごらんいただきますと、黒塗りのところが平成六年度千三百二十二団体、四割の団体がそういう状況にございます。白抜きが昭和四十九年度でございますが、そのときには一五%以上の団体は五十団体しかなかったというのが千三百団体にふえているということを示しておるものでございます。  地方の方は、投資的経費は国庫補助事業と単独事業両方で行っておりまして、十二ページにございますように、その単独事業が六年度の決算で十七兆円ということで相当な大きな金額に今なってきておる。こういう形で、公共投資基本計画あるいは各五カ年計画についても単独事業の役割が期待されているということでございます。  その状況をもう少し五カ年計画との関係あるいは長期計画との関係で見ましたものが十三ページでございます。先ほど大蔵省から御説明ありましたように、公共投資基本計画は平成十六年度まで六百三十兆円ということで想定されておりますが、いろんな長期計画が下に書いてございますようにございます。  その中で、例えば道路の関係をごらんいただきますと、第十一次道路整備五カ年計画、総額七十六兆円でございますが、そのうち地方単独が二十五兆二千億という見込みになっております。十次の五カ年に比べますと、単独の伸びが一・八倍という伸びで想定をされておるわけでございます。  それから、下から四つ目に廃棄物の五カ年がございますが、これをごらんいただきますと、全体五兆五百億の規模でありますけれども、単独が二兆二千九百ということで、二・二倍という相当の大きな伸びが見込まれております。これは補助対象範囲を見直しまして単独の分担する範囲をふやすということを各省庁との協議の上で行った結果がこういう数字になっておるわけでございまして、こういう長期計画は、いずれもこういう形でそれぞれ相当規模の単独事業があらかじめ設定されて、それを踏まえた上で閣議決定がされておるということでございまして、そういうものをもとにして地方が単独事業を行っているということでございます。  それから、十四ページはいわゆる福祉関係でございます。ゴールドプランももちろんでございますけれども、それに加えまして各地方団体がそれぞれの地域の実情に応じた福祉施策を展開いたしておりますが、また特に市町村は福祉関係の権限移譲がさきに行われまして、市町村が一元的に福祉関係の仕事を行うという体制に今移行をいたしております。そういうことを反映いたしまして、福祉関係の、社会福祉系統の経費が、平成六年度の決算ベースでありますけれども、棒グラフの右端にありますように十七兆九千六百四十一億円という規模になっておりまして、そのうちのいわゆる一般財源、税なり交付税なりあるいは地方債という形で行いますものが約七割を占めているという形でございまして、こういう形で地方が福祉関係の施策を行っておるわけであります。  十五ページはさらに福祉関係でありますけれども、ゴールドプランとエンゼルプラン、それから障害者プランという大きな計画が三つつくられております。それぞれ目標年度に目標水準が設定されておりまして、それに向かって各地方団体が取り組んでおるわけでございますが、新ゴールドプランの事業費でいきますと、右下隅にございますように、総額九兆五百億円のうち国費と地方費がおおむね同じ三兆八千五百億くらいの金額で想定をされているということでございます。  この高齢化の問題というのは、全国マクロの指標だけではなくて各団体ごとに相当大きな地域差があるということが地方にとりましても大きな問題でございますし、特に過疎地のような弱小市町村では全国平均よりもはるかに速いスピードで高齢化が進んでまいります。高齢化率が二〇%を超える地方団体が、左下隅に団体数を書いてございますが、平成二年の国調で二〇%以上の団体が八百三十団体ということで、六十年国調が二百九十六団体でありましたから、相当急速に二〇%以上の団体が伸びてくる。しかも、こういうところはおおむね財政力が弱いところでありまして、そういうところの高齢者対策に財政力の弱いところで取り組んでもらう必要がございますので、そういうところの福祉のための財源の確保ということが非常に大きな課題になっておるわけでございます。  それから、十六ページ以下は、現在の地方団体の行財政改革の関係を資料三枚つけてございます。二点だけ御説明しておきたいと思いますのは、十七ページが、よく地方公務員の給与水準が高いんではないかという議論が過去されたことがございます。事実、この折れ線グラフでごらんいただきましても、国の職員を一〇〇といたしますと一番高いときに一一〇・六というところまで行ったことがございましたが、その後ずっと一貫して給与水準は低下してまいりまして、今、平成七年では一〇一・八というところまでなっております。それから、一〇〇未満の団体が二千二百六十三団体ということで、七割近い団体は国家公務員を一〇〇といたしますとそれ未満であるという状況に今なっております。  もう一つ、最後に公務員の数でございますけれども、地方公務員の数は平成七年の四月一日現在で三百二十七万八千三百二十二人ということでございます。前年に比べまして四千人ちょっと減少になっております。  分野別に、右下隅をごらんいただきますと、消防、警察、教育といったこういういわゆる特別な行政部門が百六十七万人で半分以上を占めておるということでございます。それから、それ以外の職員でも、公営企業関係、病院でありますとかあるいは上水道でありますとか、料金収入で賄っているところも四十万人以上ございまして、いわゆる一般行政職というのは百十七万人、その中で福祉関係が四十七万人ございますので、福祉を除いた一般行政分は約七十万人という数字になっております。全体として昭和五十六年度以降をごらんいただきますと、三百二十万六千人から三百二十七万八千人ということで二・三%程度の増に今なっておる、それから福祉関係を除いた一般行政部門の職員数はほぼ横ばいという状況になっておるということでございます。  以上で終わらせていただきます。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) どうもありがとうございました。  以上で大蔵省及び自治省からの説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  先ほども申し上げましたように、質疑時間は八十分程度といたします。質疑を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って質疑を行うようお願いいたします。また、質疑はただいまの説明内容に関連のあるものとし、簡潔にお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 幾つかありますが、大蔵省に一つだけまず最初に質問します。  公共事業全体をどういうふうに見るかという問題が一つあるというふうにおっしゃいましたが、まだ全体として日本の社会資本整備が低いという段階にあると見ているということなんですが、何に比較して低いということが言えるのかということを質問したいと思うんです。  といいますのは、この表にあります、例えば道路にいたしましても、アメリカと日本を比較しますと、アメリカは非常に広大な地域を持っていますから、したがってアメリカと日本の比較では、これは道路の一人当たり何メートルという比較にはならないと思うんですね。イギリスと比較してみるとほとんど変わらない、フランスだってそうひどく変わらない、イタリアなんかにいけばもっと日本と同じぐらいというようなことになっておりますし、それから道路の舗装状況でいえば日本は非常に進んでいるという点もあります。  等々で、まだ低いということ、私もそういうふうに思いますが、具体的にどういう点で低いというふうに見ておられるのか、その辺を御説明いただきたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 今、先生から道路の舗装状況のところのお話がございましたが、例えば私ども、九年度予算のところでちょっと御説明させていただきましたが、道路について言いますと、やはり高規格幹線道路の整備が相対的に道路の中ではおくれているだろうというように思っております。これはたしか、二十一世紀初頭までに高規格幹線道路のインターチェンジへ一時間以内で到達できる面積の割合を九〇%にしようということが新経済計画でもうたわれておりまして、そういう点から見るとまだ整備水準がおくれているということだろうと思います。  ただ、いずれにしましても各種指標、ここに重立った指標だけちょっと並べてございますが、全体として見ますと、戦後の社会資本整備を着実に行ってまいりました結果、相当程度の分野で比較できる、欧米諸国と比較してそう遜色がないという分野も出てきたことは事実だろうと思っております。

小山峰男太陽党

○小山峰男君 二つ質問を申し上げます。  一つは大蔵省の方ですが、社会資本整備の問題で、今のようないわゆる都市づくり、町づくりをしていく限り、日本の場合なかなか整備が上がってこないということになろうかと思います。いわゆる外へ外へと広がっていくような都市づくりというのは問題があるんじゃないか、中心部をどういうように活性させるかということが今後の課題ではないかというふうに思っておりますが、その辺をどう考えるか。  それから自治省には、いわゆる出口で一対二ということでございますが、地方分権が進んでくれば、当然出口ベースに地方財源も合わせてこなければやっぱりおかしいというふうに思うわけでございまして、これは今後いろいろなところで検討されていくわけですが、現時点で何かお考えがあったらお願いしたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 都市の中心部の活性化を図るべきではないかという御指摘ですが、私どもも、特に今の大都市問題等を考えますと、御指摘のようなことだろうと思います。  ただ、御案内のとおり、そのためにはどういう行政手法がいいか、これはなかなか正直言って難しい問題が多々ございます。と同時に、ただ単に建物の容積率だけを上げるということでは、それに付随いたします道路でありますとか下水でありますとか、そういうところがついてこれないという問題もございます。幾つかいろいろ問題はあるんですが、これからもこうした中心部の活性化をどうするかということは常に念頭に置いて考えていかなきゃいかぬだろうと思っております。  九年度予算におきましても、例えば今度建設省の方から御提案があるはずでございますが、市街地の再整備についての幾つかの新しい手法を導入しようということをやっておるわけでありますけれども、一つ一つ知恵を出しながらやっていかなければいかぬ問題だと思っています。  ただその中で、問題点の一つですが、特に中心部になりますと非常に地価が高うございます。こういうところに、しかもできるだけ公的主体ということが中心にならないで、どうやって民間の力を使いながら、その中で公的主体がどういう形でお手伝いできながらやっていくか、多々問題はあるかと思いますが、いずれにしましても、そうした先生の御指摘のような点での検討というのはこれから引き続いてやっていかなければいかぬと思っております。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 確かに、これから地方分権が本格的に進んでいくということになりますと、地方の責任が当然ふえるわけでありますし、分担する事務もふえてくるということになりますので、出口のそういうものに応じて地方の税財源を充実しなくちゃいかぬということはそのとおりだと思います。  ただ、今、分権の関係で議論されておりますもののうちの一つのいわゆる機関委任事務の整理ということがまず最初の課題になっておりまして、ただ、これは財政とのかかわりで申しますと、現在の機関委任事務のときも財政の原則は事業を実施する主体の側に財源手当てをするということにいたしておりますので、基本的には機関委任事務につきましても最終的に税とかあるいは交付税を通じて財源措置をするという建前になっておりますから、例えば機関委任事務が自治事務とか法定受託事務になっても、それで直ちに財政的な手当ての仕方を変える必要があるということにはならないわけであります。それが分権の関係では一つございます。  今、小山委員がおっしゃいましたような意味でこれから本格的に問題になってくると考えられますのは、補助金の整理が進んでいくというか、あるいは補助金がもっと重点的なところに重点化されて、地方の方が実施する分野がふえてくるということになった場合には、それに伴って地方の一般財源を充実しなくちゃいけないということになるわけであります。  その際に、具体的にどういう形で充実をしていくかというのは、地方税をふやすか調整財源である交付税をふやすかということになるのでありましょうけれども、税の場合には、先ほど申しましたように、税源の偏在ということが非常に大きいものですから、どこかでふやすということになりますと、同じ税制をとる限りはどうしても財源の超過団体には超過額がもっと行ってしまうというふうなことになるという悩みがございまして、そういうところを考え合わせて、どういう形で一般財源の増強を図るかということを検討していかなくちゃいけないんじゃないかなと思いますけれども、これはこれからの補助金の整理の具体的な内容とか規模にもよるんじゃないかということで、私ども分権委員会で意見を求められたときには、そういうものに応じて、しかし一般財源というものの充実は必要でありますということを申し上げておるという段階でございます。

笹野貞子民主党・新緑風会

○笹野貞子君 大蔵省にお尋ねいたします。  先ほどの、これからの問題点の三つ目に実施面、コスト高のことをお話しになりましたけれども、財政審の最終報告を見ますと、このコスト高のことが指摘されております。民間と比べて非常にコストが高い、それからまた広く浅く投資をするので効果が見えない、そして各省庁の縦割り行政が二重投資になるというような指摘がされております。これに対してどのような対応をとっていらっしゃいますか。  それからもう一点ですが、今度は経企庁が今後のあり方に関する研究会の報告の中で、独自債を各省庁が出して、その独自債によって効果がわかるようにすると。例えば、建設省でしたら公共投資をするときには独自債を出せと、このような報告がありますが、これに対してどのようなお考えでしょうか。  以上二点です。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 公共工事のコストにつきましては、ことしの一月十七日に閣議で公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議を開催しようということになりまして、その下に幹事会が置かれておりまして、今、内閣の内政審議室を中心に、公共工事がなぜ高いと言われるか、これはさまざまな要因がございます。指摘されておりますので、そうしたさまざまな要因を分析、検討した上で具体的な数値目標をつくろうということでやっておるわけでございます。  最初に総理から、国民にわかりやすい指標を示す意味からコスト縮減の具体的数値目標を設定していただきたい、そしてこれを本年度末を目途に政府全体としての行動指針を策定するとともに、それぞれの公共事業担当省においては各省別の行動計画の策定を進めろということで、現在具体的な作業に入っているところでございます。  それから、縦割りの話がございました。これは、各省庁皆それぞれ一生懸命やっているんだと思いますが、確かにそういう弊害が指摘されておりますので、先ほどちょっと触れさせていただきましたが、できるだけ関係各省庁が共同して作業をする、一つのプロジェクトに当たるということでもって全体としての効率的な予算執行あるいは全体としてのコスト低減、こういうことができないかということで、ことし新しい試みとして、九年度予算に国土庁に二百億円の調整費、事業調整費でございますが、それを計上させていただいているところでございます。  これは、先ほどの資料にもちょっとございましたが、例えば、観光都市あたりですと休日にマイカーで皆行きますと大変込み合います。したがって、その都市の外に大規模な公共駐車場をつくっておきまして、そこから先、その観光都市の中に入るには公共交通機関を使ってというようなプランがありますと、大規模駐車場をつくるのは建設省、あるいはそこから公共交通機関を使って行くには運輸省、あるいは一般のマイカーが入ってくるのを規制いたしますのは警察庁というようなことで、その相互の連携がこれまでですとなかなか難しゅうございました。そういう面を予算面でもお手伝いをして、今ありましたようなものがうまくいくことを期待しているんですけれども、そんなことで各省間連携をしながらやっていけるようにというようなことでやっているところでございます。  それから、独自債という御質問でございましたが、これは結局それぞれの公共事業のコストベネフィットというものをどう考えるかということなんだろうと思います。これまでも私ども公共事業の、事業の中の優先順位をどうやってつけていくかという点、あるいは事業間の優先順位をつけるときにコストとベネフィットというのを内部的にはいろいろ勉強しておったんですが、必ずしも客観性のある指標というものまで開発することはこれまでできておりません。したがって、これからその公共投資のコストと、それから出てくる便益をどう考えるかという勉強を引き続いてやっていかなければいかぬと思っておりますけれども、今の御指摘はそうした点からの一つの分析手法ということなのかなというように私は受け取っております。  それから、事業の重点化の御質問もございました。これはちょっと省略をさせていただいたんですが、私ども確かに公共事業は、私のうろ覚えの記憶ですと、たしか河川は全国ですと一万五千、道路ですと二万というような、全体でいいますと恐らく十万カ所ぐらいで毎年やられているんだと思います。それが、少しずつ少しずつということでちっとも効果があらわれていないではないかと。地域住民のお立場からいいますと、毎年毎年少しずつ少しずつ工事をしている。ということは、税金の使い方としてこれは必ずしも効率的ではないという問題意識を私ども持っておりまして、ここ数年の間、事業箇所をできるだけ絞ろうということでやってきております。  例えば、港湾事業について申し上げますと、平成七年度から九年度までの三年間で事業実施の港の数を、平成七年度には四百七十九ございましたが、平成九年にはこれを百三落としまして、三百七十六というところまで落としているところでございます。あと漁港、これも全国に大変箇所数が多うございます。三千以上あったかと記憶しておりますが、平成九年度から三年間で実施港数を百五十港削減しようということでやっているところでございます。あと、これも幾つかマスコミで話題になっておりましたが、いわゆる治水事業の中のダム事業でございますが、これにつきましても平成八年度で四事業を凍結しようということで事業凍結をしておるところでございます。  いずれにしましても、私ども財政当局という立場からいたしますと、財政資金ができるだけ目に見える形で住民の方に映るということが大事だと思いますので、この事業実施の重点化には私どもとしても極力努めていきたいと思っています。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 「社会資本整備の現状と課題」の資料の一ページの一番の一ですけれども、総固定資本形成対GDPの比率ですね。ちょっと私、わからないんです。これは、例えば白いぽつぽつの部分の公的固定資本形成なんかは、過去の公共投資額と関連があるんでしょうか。あるいは、これは横並びで各国比較する必要もあれば、見方によってはない場合もあるんだろうと思うんだけれども、概略その算出の方法なり、簡単に御説明いただければありがたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 先ほどちょっと説明を省略いたしまして失礼いたしました。  この公的固定資本形成というのは、公的主体による社会資本整備、これは国、地方公共団体、それから国の公団でありますとか、あるいは地方の公社、こういう公的主体が行います社会資本整備のための投資を公共投資と、こう一般的に呼んでおります。この公共投資の中から用地費、補償費、これはただ単に所得の移転でございますので、これを控除いたしましたものを公的固定資本形成と呼んでおりまして、これは毎年度の予算ができますときに、一部推計も入っているかと思いますが、予算面から積み上げをして計算をいたしているものでございます。  したがいまして、これは平成六年でとっておりますが、平成六年で見ますと、そのときのGDPと比べて六・六%のウエートがあるということでございます。したがって、これが高いということは、これ一つのGDPの構成要素にもなっておりますので、日本経済がいわばこうした公的固定資本形成を先進諸外国に比べますと高いウエートでもって日本経済を支えているというようにもとれます。そういう面もありますと同時に、また、その社会資本の整備という点からいいますと、これだけ国民のニーズが高く、社会資本の整備水準がまだ諸外国に比べて低いという見方もできるわけでございます。  御質問にお答えしているかどうか、ちょっとあれですが。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 地方財政のところの六ページの中で、特に平成四年度以降、各都道府県、各市町村、大変な財政逼迫をいたしております。中でも市町村の間で高齢化あるいは過疎が顕在をしていることは御指摘どおりだと思います。  そこで、ほとんどの町村が各県段階では積立金をほぼ取りまし終わったというのが実態ではなかろうか。にもかかわらず、公債比率が四割に達しているという大変厳しい状況ですけれども、これが平成六年度です。七年度、八年度の見通し等はどうなんだろうか、こんなことを心配するのでありますけれども、悪くなってもよくなる状況というのは見られないんではなかろうか。そういう面の中で、特に一五%から二〇%が二八・七%、一番問題は、一〇%から一五%の三九・三%の中で一五%台に突入をしていく団体というのは、私はかなり予備軍としてあると思うんです。そういう見通しをどのように受けとめているのか。  これは率直に言って、機関委任事務等を求めた地方分権の問題が大々的に取り上げられておりますけれども、各市町村長さん方は、特に町村長さん方は、いわゆる地方分権のこの問題等について大変冷ややかな、本来であれば地方に実権が返ってくるということで胸躍らせるんですけれども、いろんな諸統計、調査を見ると冷ややかに受けとめている。その背景には、やっぱりみずからが運営をしていこうという財源、同時にこの公債比率等々の問題の悩みが各町村長の団体に大きくのしかかっているんではないか。こういう問題で、それをどう変えたらいいのかという問題は別に譲るとしても、一〇%-一五%台にいるこの公債比率の団体がどのくらいの予備軍としているんだろうか、そしてこれは、私の感じでは悪くなることはあってもよくなることはないというような感じを持つんですけれども、その辺についての見通しをお聞かせいただきたい。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 確かにおっしゃいますように、特に財政力の弱いところでは公債費の圧力というのは特別こたえるわけでありますので、私ども、この公債費負担比率のいわゆる警戒ラインを超える団体がどのくらいになるかということを常に注意して見ておるわけでありますけれども、この比率を出すときの分母は税とか交付税の一般財源、分子は公債費でありますので、公債費の伸びと一般財源の伸びとのいわば相対関係で決まってくるわけであります。  おっしゃいましたように、じわじわと一五%超の団体がふえてきておりますので、これが今改善するという方向にはないということは確かにおっしゃるとおりでございます。今一〇ないし一五%のところはその予備軍になっておるわけであります。ここで今大体四割と申しておりますけれども、もう少し進みまして、その後の速報的な数字で私どもがつかんでおるところでは、四五%ぐらいの団体がそういうことになるかなという感じであります。  そういう意味でも、これから分母になります一般財源の確保ということが非常に大事になってくるわけでありますので、そういうところは当然でございますし、平成九年度はおかげさまで税制改革が全体としてスタートする、減税先行期間も終わりまして地方消費税もスタートするということになりましたので、そういう意味での歳入面の改善は期待できるのではないかと思いますが、何せ過去出しました借金が非常に多いものですから、おっしゃるとおり、そういう問題は非常に深刻だろうと思います。  そこのところは私どももこれから十分注意をしながら、そういうところに対する財政措置の仕方、例えば弱小団体は、今過疎団体であれば過疎債というような形で交付税で元利償還七割見るようなそういう地方債が制度化されておりますけれども、そういうものを積極的に活用してもらうとか、片方でまた行革にも努めてもらってその圧力を少しでも減らす努力もしてもらわなくてはいけないというふうに思っておるところであります。  今おっしゃいました市町村長さん方が分権に対してややクールではないかというお話、そういう向きが確かにないわけでもございません。今のような財政状況も片方で反映しているんだと思いますけれども、やはり同時に、今いろんな方面から議論がされておりますのは、そういうことにつけても今の市町村の規模のままでこれから先やっていくというのは財政基盤という意味でもあるいは財政の効率という意味でももう少し考える必要があるのではないか。  具体的には、市町村の合併というような形の規模の再編というものも考えるべきじゃないかというふうな議論もございまして、これはいろんな意見のある分野でございますし、基本的にはそれぞれの地域の住民の方々がどういう選択をされるかという話ではありますけれども、そういうことも一つの課題になって、特に市町村レベルの財政基盤の強化といいますか、そういうものは考えていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っております。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 大蔵省に二点ほどお尋ねします。  社会保障に関する財政の課題について、三ページに国民負担率の問題が出ていますが、私が理解するところでは、この国民負担率というのは、税なり社会保障なり、国民が公的に負担する割合を示したものだというふうに思います。いつも思うのは、税及び社会保障にかかわる負担のほかに、例えば民間の保険に入ったりとかあるいは医療保険でいえば自己負担が今度また大幅にふえるとか、要するに私的負担の部分がどうなるのかというところがいつも気がかりなわけです。  そこで、この国民の公的な負担率の比較ということについては、それはそれなりに一定の意味があると思うんですが、私的負担分を含めた統計というかデータというか、そういうのをとっておられるのか。多分これは推計しか出ないと思うんですけれども、その必要性があるんじゃないかと思うんですが、その点についてもし資料があれば御提示いただきたいということも含めて一点目の質問です。  それから二点目の質問は、五ページのところでいろいろ今後の社会保障の給付と負担のあり方についての試算、推計が出ているわけですが、これ先ほども御説明あったように、ことしの一月に新人口推計が出ておりますから、このデータは前の人口推計の中位の推計値をとって出したデータだと思いますけれども、御承知のように大分低い数値に新しい人口推計ではなってきていますね。これを再度見直す必要が出てきているんじゃないかと思うんですが、これはどこかでちゃんとそういうことをやっておられるのかどうか、お尋ねしたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) まず第一点目の私的な負担まで含めた社会保障の国民負担ということでございますが、これは調べてみたいと思いますが、これまでちょっと見たことがございません。ないのではないかなと思いますが、ちょっと調べてまいります。  それから新しい人口推計によります将来の負担でございますが、これは厚生省におきましてできるだけ早くこの計算をするということで、現在厚生省において作業をやっておられると思います。

牛嶋正平成会

○牛嶋正君 大蔵省にちょっとお尋ねしたいんですが、「社会資本整備の現状と課題」の十六ページに公共投資基本計画がございます。ここには、「後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として、」という文言がありますが、これは極めてあいまいな表現ではないかなというふうに思うんです。  と申しますのは、社会資本の整備は借り入れでやらなきゃいけないわけですから、負担が後世代に残るのは当たり前の話であります。問題は、社会資本整備をして、先ほども議論がありましたけれども、その耐用年数にわたってどれだけの便益が後世代に供給されていくか。ですから、各世代においての負担とそれから便益とが均衡すれば負担は後世代に残ったことには全然ならないわけですね。そういうことを可能にするのが借り入れですからね。  ですから、むしろ問題にすべきは、その耐用年数にわたってずっと全部ベネフィットがどういうふうに供給されるかを計算して、そしてそれに合った形で借り入れを返済していくと、こういう会計制度をきちっと立てなければこの前提は満たされないというふうに思います。そういう議論を全然しないで、ただこういう文言だけでこういうふうな基本計画なんかを作成しても余り意味ないんじゃないかと私は思うんですけれども、このあたりどういう議論があったのかお聞かせ願いたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 御案内のとおり、今、社会資本整備は、国の場合にはほとんど建設国債でもって対応しておるわけですけれども、これは財政審でもこうした議論はございましたんですが、社会資本の整備を事実上建設国債という借金でもってやることについての問題点というのが幾つか指摘されております。  これは、財政の問題と同時に、後世代の人から見て、既に陳腐化してしまった社会資本整備を親の代にやってくれたおかげでその償還を自分たちの世代でしなければいかぬと、いわばコストベネフィットというものを、社会資本の投資をしますときにベネフィットの部分を自分たちでもって判断できない、そういう何か時期のミスマッチみたいな議論もあったわけでございます。と同時に、もちろんこの建設国債の負担というものが財政悪化の大きな要因であることもまた違いありません。  したがって、私どもとしては、基本的には建設国債といえどもこれは借金の形態であることは変わりないので、これは非常に難しいわけですけれども、できるだけ公共投資のコストベネフィットというものを現世代でよりよく感じながらやっていくということが大事であろうということで、税負担というものも、税金でもって社会資本の整備をするということも財政という観点からは重要なわけだという理解をしております。そういう意味もあって、この「後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として、」という文章が入ったものと私は理解をしております。  ただ、いずれにしましても、先生御指摘のとおり、公共投資のコストベネフィットというのをどうやって分析していくかというところの手法が必ずしも今まで十分できていたかというと、それは疑問なしとしません。ただ、ここはなかなか技術的にも、あと考え方としても必ずしもそこのところが確立されていないわけなんですが、そこは今のこうした財政事情も踏まえましてそうした勉強もこれからやっていかなければいかぬ、関係省庁と一緒になってやっていかなきゃいかぬと思っております。

小野清子自由民主党

○小野清子君 「地方公務員数の状況」という、地方財政関係の一番最後の十八ページのところでございますけれども、「現在で三百二十七万八千三百三十二人と、対前年比で四千百六十人の減少となった。」と。ここにも書いてありますように、「全体としては二・三%の増にとどまっている。」ということでございますけれども、今後行政のスリム化といいますか、地方においてもやはり民間への移行関係がどんどん進んでいくべきであると考えられます。  特に、少子化の問題で子供たちの教育に携わっている者の数、あるいは片や高齢化社会でニーズはふえていく、このあたりはボランティア活動への移行とか。それから警察関係もやはりこれは人口の減少に伴っていくものではないかと思いますし、消防も、民間消防団というものがありますけれども、ああいうものが割合としてどういう割合になっていてどういう働きをなしているのか。  その辺も含めまして、今後、理想として大体地方公務員数の将来像というものがあればその辺をお伺いしたいと思います。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 確かに御指摘のように、これから地方の方はいろんな仕事がまたふえていく状況であろうと思いますが、特に高齢化とかあるいは分権とかということで仕事がふえていくということになると思います。  先ほど申しましたように、財政的にも非常に厳しい状況にあることもございまして、地方公務員の数というのは、そういう仕事がふえていく中でも何とか、それは外部に委託をするとか、あるいは今おっしゃいましたようにボランティアを活用するとかいうふうなことで、全体として公務員の数がふえないように、あるいはむしろスリム化を図っていくようにということでやっていかなくちゃいけないということは、私どももそう思っております。  そういう意味合いでも、各団体ごとにいろんな置かれている状況が違いますけれども、各部門ごとに標準的なモデルを計算すればこういうふうな職員数になるんではないかといったようなモデルを研究した成果もございまして、そういうものを各団体ごとに示して、それに当てはめれば、自分のところはこの分野はもう少し努力しなくちゃいけないんじゃないかといったようなことをそれぞれ考えてもらって、しかもそういうことはできるだけ住民に公表してくれるようにということもまた私どもは地方に指導しております。  そういう格好でこれから全体としてスリム化を図っていかなくちゃいけないと思っておりますが、ふえてまいりました例えば警察官とか消防というのは、消防は常備消防化ということでふえてまいりました。今でも消防団というのはかなりのウエートありますけれども、やはりいろんな生活の複雑化に伴いまして、常備消防が必要だということで常備消防化というのが進んできた結果、消防職員はふえております。それからことしも、平成九年度も警察官千五百人余り増員を図っておりますのは、やはり今の経済事犯でありますとか在日外国人関係の犯罪が非常にふえているということに緊急的に対応しなくちゃいけないというふうなことがございまして、全体的に定数管理が非常に厳しい中でもそういう特別の分野でふやしたところもございます。それぞれの事情はございますけれども、全体として民間委託とかあるいはボランティアの活用ということを図っていかなくちゃいけないということは御指摘のとおりだと思います。  そういう意味で、総マクロで今の三百二十七万がどのくらいになるのがいいというふうに思っているのかというお尋ねは、今のところまだ、具体的にどういう仕事がこれから地方の方でふえていくのか、あるいはどういうところがもっと減らしていけるのかというところはなかなか見きわめが難しいところがございまして、そういう具体の数値目標というところまで持っているということではございません。  むしろ、各団体ごとに、さっき申しましたように標準団体モデルというものを持ちながら、それとの対比で、それぞれ各団体の定数管理のあり方というのは、定数は各団体の条例で定めることになっておりますから、そういうものを通じて定数管理の適正化といいますかスリム化に取り組んでいってほしいと、そういう方面で私どもも技術的な支援をしたりあるいは指導をしたりということに努めているところでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 一点だけお聞きしたいんですが、まず大蔵省に、この間の予算委員会の質問でも言ったんだけど、公共投資基本計画があるでしょう。それからそれに基づく十六の公共事業五カ年計画がある。しかも、それは閣議決定しているからそれなりの権威のある数字なんだけれども、仮にあなたの方で財政再建法を政府としてつくっていくときに、公共事業はいじれないということになるでしょう、五カ年計画をそのままアンタッチャブルにすると。そこで財政再建と五カ年計画なり基本計画の関係というのはきちっと政府として整理してくださいよ。  その絡みで、やっぱり公共事業というのはコストが高いと私は思っている、本当に。だからコスト削減の努力を一生懸命やらせてくださいよ。それとの絡みで単独事業もそうなのよ。単独事業はコストだけじゃなくて、やらんでもいいことをやっている、最近。それを自治省として何らかの指導をする、大体起債でやるんだから大きいことは。あれもやれ、これもやれ、何でもやれという時代はもう終わっている。だから、それは選択させるような仕組みを自治省としても指導の中に入れないと、強制はできないよ。そうしないと私はトータルとしての財政再建はなかなかできないと思います。  一点ですね、以上でございます。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 公共投資基本計画、それから各種五カ年計画、これにつきましては今の財政状況の中で国会でもさまざまな御議論がございます。と同時に、御案内のとおり、財政構造改革会議においても聖域なき議論をやる、見直しをやるということでございますので、そうしたところも見ながらこれからいろいろ御議論をされていくということだろうと思っております。  それからコスト削減、これは私どもも大事なことだと思っておりまして、先ほどちょっと申し上げましたが、この三月末までに具体的な数値目標を定めてコスト削減に取り組んでいくということになっておりますので、そちらの方も私ども財政当局としてこれは大いに進めていきたいと思っています。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 数値目標というのは、何割カットするとやるんですか。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 今、関係閣僚会議のもとにできた事務方が内政審議室で各省集まってやっておりますので、どういう形で出るのかはあれですが、これは総理から国民にわかりやすい具体的な数値目標ということで御指示が来ておりますので、そういう方向で出るものだと私どもも期待しています。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 単独事業。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 地方の単独事業についての御指摘でございます。  確かに、各地方でいろんな箱物を中心にして単独事業が相当大きく伸びてきたということは事実でございまして、ただ、その過程で建物がデラックス過ぎるんじゃないかとか、あるいは隣近所に似たような建物が建っているんじゃないかというふうな御指摘ございます。私どももそういうことも踏まえて、まず単独事業の総額につきましては、平成九年度は先ほど申しましたように平成八年度と同額、伸び率ゼロということで、まずそこを抑えるということにいたしました。  それから、具体の箱物につきましてはかなり一巡したのではないかという思いも私ども持っておりまして、箱物の建設については、特にいろんな効果とかあるいは利用の見込みとかというものを十分に踏まえて、これは当然住民の皆さん方とか議会の方で議論してもらう必要がありますけれども、私どもも地方に対するいろんな財政関係の指導をする際の通知の中でもそういう趣旨のことを織り込んでおりますし、それからいろんな会議を通じて私どももそういう趣旨のことは繰り返し話しております。特に、単独事業全体についての重点化とかあるいは効率化ということは、これから非常に大きな課題であるというふうに私どもも認識いたしております。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 箱だけじゃない、テーマパーク、プラスアルファ施策。補助事業に物すごくプラスアルファしている。いろんな施策、福祉を中心に。いいものはいいんだよ。だから、選別をする時代になったので、頼みます。  終わります。

小林元平成会

○小林元君 先ほどの話で公共投資、社会資本の整備が経済対策として欧米の方は余りやってないと。日本の場合は経済対策的な意識が、意識といいますか意図で相当行われてきたという部分もあるわけですね。ですから、今話題になりましたけれども、要するに金額を投資すればいいんだというような中でいろいろ高コストあるいは箱物をたくさんつくると。そういうものがいっぱい出てきているんではないか。やはりそういう意識の中で、投資額をこれだけやらなきゃいけない、十兆円なら十兆円というところが目標にあってどうも決めてきたんじゃないか。  ですから、本来、社会資本の整備ということであれば、要するに整備率をどれくらいにしようかと、それでそれを五カ年でどうするんだ、十カ年でどうするんだという議論がどうも十分になされてこなかったんではないか。そういう意味で、その辺のことに関連して。  そのことと、今後日本としては経済対策として社会資本の整備というものを使うのか使わないのか、どうしていくのか、その辺考えがあればお聞かせをいただきたい。ヨーロッパの場合にはかなり進んでいるのでそういうものが金額的にというんですか、投資額として景気対策に相当するものはないということから出てきたのかどうかわかりませんが、その辺お聞かせをいただきたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) これまで、先ほど冒頭ちょっと見ていただきましたが、公共事業等を中心といたします公的資本形成の経済におきますウエートが欧米諸国に比べて高いというのは、結局のところ日本の社会資本の整備水準というのが欧米諸外国に比べて低かった。そこに、欧米諸国に追いつき追い越せということで戦後の復興から始まって、今日まで公共投資を積極的に進めることが日本の全体としての国益につながるという考え方、こういうところに基づいてずっとやってきた結果だろうと思っています。  ただ、先ほども申し上げましたが、まだ下水道のように欧米諸国と比べて整備率の低いところもありますけれども、相当程度欧米諸国に並ぶ整備水準に上がってきたものもございます。したがって、非常に長い目で見ますと、だんだん欧米先進諸国と同じような経済構造になっていくとしますと、日本経済の中に占めます公的資本形成のウエートというのも長い目で見ると下がっていくんだろうと思います。  加えて、我が国の場合には御指摘のように経済対策として公共投資を使ってきた、また公共投資が経済の中で占めますウエートが大きいがゆえにそれなりに有効に効いてきたということがあるんだろうと思いますが、今申し上げましたようなこれからの長期的な姿ということを考え、また今の整備水準ということも考えますと、そこは欧米諸国のように公共投資を経済対策の中心に据えるといった経済運営はいかがかというような議論、こうしたことが財政制度審議会でも言われておりますし、私どももそのような感じを持っておるところでございます。  ただ、いずれにしてもまだ低い整備水準のものもございますし、それぞれ地域からの強い御要請のある公共投資もあるものは事実なわけでございまして、こういうものは全体の財政事情、財政構造改革という観点の中で着実に整備を図っていくということだろうと思っております。

金田勝年自由民主党

○金田勝年君 せっかくの機会ですので、いろいろお聞きしたいことがたくさんあるんです。一分ということですが、大蔵省に対しまして、今いろんな行財政改革が大事なので、それを踏まえて公共投資をどうにかしろと、こういうふうな議論にすぐなるわけですけれども、担当をされている役割からいって非常に難しいいろんな要因というのがあると思うんです。  そういうことについて、今、非常にこれまでに議論になっている、例えばコストベネフィットの手法を具体的に確立させてから初めてできるような、そういうふうなコストベネフィットの手法というものも、考えろとは言っているけれども、具体的に今どこの経済学者にしてもこれを確立している人はいないわけですね。そういう状況の中。  あるいは、もう公共投資は要らないんではないかというふうな議論があるけれども、実際に地方をわたって見ていけば、私の地元は、道路なんか全然これからの課題なわけですよ。今まで我慢に我慢を重ねてきてやっとうちの地域に回ってくるときに、公共投資はだめだみたいな議論が先行したりするんでは困るわけでありまして、こういう状況。  それから、やはり今各省の垣根を取らなければいけない。各省のいろいろなこだわりの事業があって、この垣根を取ろうとする努力も一方ではしておる。あるいは、景気対策に公共事業というのは役立たないんではないかという議論もあるけれども、一方ではやはりこの六年度、七年度、八年度にかけて、民間の投資が落ち込むときにそれを補う形で支えてきた公共投資の役割というものも確かにあるわけであります。  いろいろと複雑に絡み合っているこの課題について、しかし、全体で行財政改革もやっていかなければならないのは事実でありまして、そういうときにやはりこれは基本的に一緒に考えてもらわなければいけない。こういうふうな視点があるんだ、こういうふうな視点があるんだ、こういうふうな視点があるんだというところをもっともっと大蔵省としても関係省庁としても言うべきことを言っていただいて、そしてやはり努力を国民の前にもっともっとわかりやすく説明していただきたいものだと。一方的な議論というのは非常にミスリードしてしまう、これを私は特に申し上げたいんですね。  それから、自治省の財政局長さんにですけれども、今行財政改革が大事になってきた以上は、地方の行財政改革の状況というものはどうなっているのか、これを各県の例という提示の仕方ではなくて、自治省としてどう考えるのかというものをもっと提示していただかないと、今の国民の目の前ではなかなか乗り切れるものではないのではないか、そういうふうな思いがあります。  一分ということなんで、もっと言いたいんですが、申しわけありませんがよろしくお願いします。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 先生の御指摘は十分よくわかります。結局、今財政状況がこういう中で、財政構造改革を進めていかなければいけないという中で、公共事業についてもいろいろ批判があるのは事実なわけです。  したがって、こういう批判にこたえながら、他方社会資本の整備というのは着実にやっていかなければいけない。特に、これから社会資本の整備水準が高くなってまいりますとそれの維持管理のコストというのもかなり高くなってくるわけで、そういうものを着実にやっていく必要があるわけですけれども、先ほど申し上げましたようにいろいろ批判があります。公共事業に対する批判、こうしたものにこたえながらどう社会資本の整備を着実にやっていくかということだろうと思います。その批判に一つ一つこたえるために、私どもとしてもいろいろ知恵を出していかなければいけないということだろうと思っています。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 地方の行革について自治省として積極的に取り組めというお話でございます。  私ども、自治省に今行革の本部を設置して具体の取り組みを行っておるところでございますが、自治大臣、この地方行革について就任以来まことに積極的に発言をし、また具体の指示を私どもにされておりまして、大臣みずから私ども自治省の関係職員と地方のそれぞれ知事、あるいは市町村長、議会、個別に代表の方々と特に行革についての意見交換、あるいはその進め方についてのいろんな意見を聞かせてもらうというふうなことをやっておりまして、これが一応六つの団体を一巡いたしました。  それからさらに、それを各ブロックごとに全国的な盛り上げを図っていく必要があるだろうということで、関東ブロックについて既に行いまして、近くまた中国ブロックで行うという予定にいたしておりまして、全国的にこの地方行革ということについての運動を盛り上げていくということに積極的に取り組んでいきたいと思っております。

海野義孝平成会

○海野義孝君 時間が限られておりますので一点だけですが、自治省にお聞きしたいと思います。  先ほどいただいた資料の四ページ、そこのところの右の方にいわゆる地方単独事業二十・一兆円というふうに出ておるわけでございます、投資的経費の中で。この問題とそれから地方財政、国と同様に大変財政的にも厳しい状況になってきているということでありまして、その点につきましては、六ページの真ん中あたりのところに収支不足額ということで、平成六年から九年度にかけていわゆる収支不足額がふえてきている、かなり高水準な状況になってきている、こういうことであります。  そういったことを踏まえてお聞きしたいわけですが、一つは、いわゆる地方の単独事業、これがデータで見ると一応平成四年、五年、六年、このころは十七兆円台ぐらいでピークアウトしているような感じがしますけれども、これはあくまで計画でしょうけれども、平成九年度につきましては、先ほど申し上げたように、四ページにあるように、十七兆円だったものが、七年、八年度はこれはまだ実績あるいは見込みが発表されていませんからわかりませんけれども、今度も二十兆一千億と、このようにふえてきているということなんです。  こういった財源が不足してきている、収支不足になってきている大きな理由としては、やはり地方の税収が落ち込んできているとか、景気のせいでしょうけれども、あるいは減税によってという面、それからもう一つは、数次の景気対策によってかなり地方債を増発したということも含めて一方で相当の単独事業をやってきている、こういうようなことがあるんではないか、こう思うんです。  そういう意味で、先ほどからいろいろ御質問もあったことでありますけれども、地方のそういったいわゆる投資的な経費というものがどんどんふえていく。その中で、単独事業もそうでしょうけれども、そういったことに対して一方でこういった地方の財源不足という問題、これは投資的経費だけではないでしょうけれども、こういう問題が出てきているということでありまして、当然地方の財源不足ということになれば、これはその対応としては、平成九年度としては一つは地方交付税を増額してもらうということ、もう一つは財源対策債を発行するんだ、こういうふうなことであります。こういうふうになってくると、片やそういった地方での単独事業を、これもどこかデータが出ておりましたけれども、国の事業に対して地方の単独事業の方のウエートがだんだん上がってきていると、国の補助を受けている分。  そういうように、地方で単独の分に振りかえて負担が増していく中で、片や財源不足の分をまた交付税をふやすとかあるいは財源対策債を発行する、こういうようなことで、これだけではやっぱりイタチごっこで、地方の財政問題、財源問題というのは今後もやはり続いていくんではないか、どこかでこの辺の問題を断ち切っていかなくちゃならぬということで、一つはそういう地方の財源という問題をどのように考えていくか。例えば、いわゆる税の直間比率を変えていくというような形によって、地方でのそういった使う税源をふやしていくというような問題とか、あるいは交付税とか補助金、こういったものについてのあり方をどのようにしていけばいいかとか、そういう問題いろいろあるかと思うんです。そういう点をひとつ教えていただきたいと思います。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 今御指摘になりました点は、地方財政にとっても非常に大きな課題でございまして、単独事業が相当大きな規模になっておりますのは、先ほど最初に説明をいたしましたように、一つの要因としていろんな長期計画、公共投資基本計画をもとにしたいろんな長期計画で、あらかじめ相当規模な単独事業が想定をされて閣議決定されておる。公共投資基本計画というものを達成していく上でも、実施の段階では地方の占めるウエートが非常に高いというのはこれまでの実績でございまして、そういう地方の責任を果たしていく上で単独事業を確保しなくてはいけないという要素が一つ。  それからもう一つは、これは地方の側の見方からいたしますと、やはり地方が財政運営の自主性を高めていくという観点からいたしますと、地方の方で補助金であるとかあるいは補助金待ちの事業ということだけではなくて、みずから自分のところでいろんな工夫をして、自分のところの計画でいろいろ知恵を絞って事業をやっていただく、そういうことを通じて地方の自主性を高めるというそういう要請が非常に大事であるということで、地方財政の全体の中でも単独事業の確保という、そういう意味でも地方の側にとっても大きな課題であったというふうなことから現在のような規模にこれまでなってきておるわけであります。  財源不足、先ほど申しましたように六年度以降急速に出てきております事情は、今もお話がありましたように、景気の停滞、減税先行あるいは景気対策、そういったような要因が重なっておりまして、今九年度はそういうこともございまして全般的に、地方消費税のスタートのような形で税制改革が完成をして実施に入るということになりましたし、それから今単独事業につきましても景気面から特に何とかしなくちゃいけないというふうな状況じゃないということがございまして、九年度は八年度と同額、伸び率ゼロに据え置いたということでございます。  したがいまして、これからもそういう単独事業をこれまで確保してきた事情といいますか要請というのは引き続き当然ありますけれども、全般的に非常に財政が厳しい状況にもございますし、歳入面では、今の地方の税財源を具体的にどういう形の増強の仕方がいいかというとこれはいろいろ議論があるところだと思いますけれども、そういう税財源の充実を分権にあわせて図っていくということが一つの大きな課題になってまいりますし、それから歳出につきましても、全般的にやはりリストラといいますか抑制ということを図っていかなくちゃいけない、その中でもちろん単独事業につきましても必要な見直しあるいは重点化というものを図っていかなくちゃいけないというふうに思っております。それは歳入歳出全体を通じて財政の健全化を全般的に図っていく必要があるというふうに思っております。

海野義孝平成会

○海野義孝君 ちょっと今のところで、数字ですけれども、七年度は幾らだったんですか。十二ページを見ると六年度までは出ていますけれども、今おっしゃったので八年度と九年度はわかったんですが、七年度の単独事業は。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) これはまだ数字がきっちり出ていませんが、速報的な数字で私の方で覚えております数字では十八兆円ちょっとぐらいの数字だったかなというふうに思います。正確に今ちょっと手元に資料ございませんが。

海野義孝平成会

○海野義孝君 わかったらまた教えてください。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) はい。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 いろいろ議論がございまして、行政改革あるいは税制改革のいずれも財政再建について非常に重要な課題と思いますけれども、それと同時に、戦後五十年から二十一世紀へ向けてのあり方という形での行政改革、税制改革も当然あり得ると思います。  かつてアメリカは双子の赤字と言われておりましたけれども、近々ではもう解消していくんだという非常に具体的な目標値も立てられておりますけれども、大蔵省として現在の膨大な赤字を解消していく中長期的な目標を具体的に、具体的にというと難しいかもわかりませんけれども、計画がございましたらお知らせいただきたいと思います。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 昨年末に、我が国の財政状況にかんがみまして、二〇〇五年までのできるだけ早い時期に国それから地方の財政赤字のGDPに対する比率を三%以下にしようということが一つ、それから国の方について言いますと、二〇〇五年までの間のできるだけ早い時期に特例公債への依存から脱却するとともに公債依存度の引き下げを図ろうという閣議の御決定をいただいたところでございます。これで一つの大きな枠を政府として決めましたので、これに基づいてそれでは具体的にどうしていくかということがこれから議論されていくということでございます。  いずれにしましても、二〇〇五年までのできるだけ早い時期に今申し上げましたような目標を決めまして、これに基づいて一歩ずつ財政構造改革に向けて努力していきたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今、財政の健全化、財政の構造改革というのが非常に盛んに言われているわけでございますけれども、概算要求基準つまりシーリングの枠の中で歳出削減をいたしたといたしましても、各省庁がその減額分を前年度予算のどこからか捻出して処理してしまうというふうなことが今までも再三起きているわけでございます。  こういう中で、私は、財政の中期展望ということをもう少しきちんとやるべきではないかなというふうに思うんです。ところが、現在の財政の中期展望は、歳出の推計にいたしましても、既存の制度、政策が前提となっております。あるいはまた、歳入の推計にいたしましても、税収や公債金の収入も等率で算定されております。いわばマクロな推計値でしかないし、さらにまた、この中期展望が出されますのは、毎年内閣予算案の編成の終わった一月に提出されているわけでございます。こういう現状をもう少しきちんと改めまして、財政の中期展望に関連したあるいは政策事業の評価に基づく予算の計画化ということが今非常に必要ではないかというふうに思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 財政の中期展望につきましては、今御指摘がございましたように、既存の現在ある制度、施策を前提にした場合に将来的にどうなるか、公共投資は前年同額ということで仮置きをしてございますが、そのほかにつきましては今御指摘のようなことで推計をさせていただいているところでございます。  これのそもそもの趣旨は、今の制度、施策を今のままにしておいた場合には将来的にはこうなってしまう、この点についてどう考えていったらよろしいのかという、いわば問題提起の形で出しておるわけでございます。  財政運営をより長期的な視点から行うべきであるという御指摘はよくわかりますが、ただ、それが今のような仮置きの形ではなくて一つの規範的な形でこうするあるいはこうすべきであるというのは、まさにそうした財政の現状を御理解いただいた国会での御議論等各方面の御議論を踏まえて、毎年度毎年度の予算編成で決めていくべき課題なのではないだろうかというように私どもは思っておるところでございます。

一井淳治民主党・新緑風会

○一井淳治君 公共投資の重要性とかあるいは効率性について点数とか数字で評価するということはできないんでしょうか。  といいますのは、かつてABというような評価がありましたけれども、下位に評価されておった港湾なんかを見ますと、いつの間にか、十五メートル水深の港湾が日本で弱体なために、コンテナ荷物を外国にとられてしまうということが起こりました。空港も同じだと思いますけれども、日本が生きていくためにはそういうものはどうしても確保しなくちゃいけないと思います。  また、道路についても、大切な道路もありますけれども、他方には、歩道までついておるんだけれどもほとんど車が通らない、夜になったらキツネやタヌキが走っているという道路もあります。  何か点数で評価できる方法はないのかなと思いますけれども、どうでしょうか、重要性とか効率性の評価ですけれども。

林正和大蔵省主計局次長

○政府委員(林正和君) 今、先生から御指摘のございましたような港湾の問題あるいは道路の問題、たしか冒頭にちょっと御説明申し上げましたが、私どももそれぞれの事業の中でそうした点に思い切った重点を置いて配分しているところでございます。  ただ、これをどう客観的に評価をしていくかというのは、この実務を担当しておりまして、正直言って非常に難しいという感じがいたします。極論してしまいますと、それぞれのお立場の方々がそれぞれのお考え方を持っておられまして、これを客観的に評価をしていくというのは、これからもそういう手法の開発なりそうしたコンセンサスを得るための方法というものを考えていかなければいかぬと思いますけれども、一つの指標をもってしてこれでもってすべてを律するというのは正直言って難しいという感じがいたします。  したがって、それはまさに毎年毎年の予算編成の中で、どういう点に今我が国の置かれている問題がありあるいは国民のニーズがあるかということを政治の場等を通じて吸収していただいて、判断をしていくということなのではないだろうかというように思っております。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) まだまだ質問があるようですけれども、以上で大蔵省及び自治省に対する質疑は終了いたしました。  午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    正午休憩      ―――――・―――――    午後一時二分開会

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国民生活・経済に関する調査を議題とし、二十一世紀の経済社会に対応するための経済運営のあり方に関する件のうち、二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方について調査を行います。  議事の進め方につきましては、午前中と同様に、本テーマについて関係省庁から説明を聴取した後、八十分程度各委員から質疑を行っていただくことといたします。  なお、質疑の方法につきましては、午前中と同様とし、各省庁からの説明、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方について、厚生省及び労働省から説明を聴取いたします。厚生省中西総務審議官。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 厚生省総務審議官の中西でございます。  委員の先生方におかれましては、日ごろより厚生行政に対しまして御指導を賜り、改めて御礼申し上げます。  本日は、二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方につきまして、お手元にお配りいたしております厚生省資料1「社会保障構造改革の方向(中間まとめ)の要旨」と厚生省資料2「日本の将来推計人口概要」を用いながら御説明をさせていただきたく存じます。  社会保障制度につきましては、御承知のとおり、国民皆保険、皆年金体制を中心といたしましてこれまで施策の充実に努めてまいりました結果、現在では年金の給付水準や医療の受けやすさといった点で他の先進諸国と比較しても遜色のない水準に達していると考えております。  しかしながら、少子・高齢化が急ピッチで進行する一方、特に近年、経済が低成長基調に変化し財政状況も悪化するといった状況がございまして、将来の負担の増大に対する懸念もある中で、介護や育児の問題など、国民のニーズの変化や拡大に的確に対応しつつ二十一世紀においても安定的な社会保障制度を築いていくことが課題となっております。  厚生省といたしましては、経済との調和がとれ、また国民のニーズに的確に対応した社会保障制度を構築するため、社会保障の構造改革に取り組んでいく必要があると考えております。  社会保障構造改革の方向につきましては、社会保障関係審議会会長会議を開催してこれまで御論議をいただき、昨年十一月十九日、会議の報告として「社会保障構造改革の方向(中間まとめ)」が取りまとめられておりますが、その要旨を厚生省資料1として配付させていただいておりますので、ごらんいただきたく存じます。  この資料の一ページ目でございますが、「社会保障を巡る状況」といたしまして、社会保障が国民経済に占める比重につきましては、年金制度の成熟化を初め、高齢化の進展等に伴いまして昭和三十年あるいは四十年代と比較にならないほど高まってきておりまして、例えば社会保障給付費で見ますと、平成六年度で約六十兆円、対国民所得比で約一六%にまで達しておりまして、二十年前、昭和四十九年でございますが、これと比べますと対国民所得比でほぼ二倍の規模となっております。  一方、例えば、老齢基礎年金の受給権者は近年毎年約百万人程度増加してきておりますし、要介護老人等も平成七年度の二百三十万人程度から平成三十七年度まで毎年十万人程度ずつ増加していくと見込まれております。  また、老人医療の対象となります七十歳以上の高齢者の一人当たり医療費は、現在七十歳未満の者の一人当たり医療費の五倍程度となっておりまして、高齢化の進行に応じて医療費も適正化を図る必要はあるものの当然に増加していくことが見込まれております。  また、女性の社会進出や核家族化あるいは少子化の進行に伴う家族構成の変化は家族の扶養能力を弱めてきておりまして、介護や育児につきまして社会サービスヘの依存度を高めつつあり、こうしたニーズの増加等にも今後的確に対応していくことが課題となっております。  次に、「Ⅱ社会保障と社会・経済」といたしまして、社会保障給付費の増大に伴う負担の一層の増加が見込まれるにとどまらず、これを支えます経済がかつての高度経済成長から低成長基調に変化してきております。また、財政も……

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ちょっと済みません。資料に従ってやってくれませんか。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 資料に合わせて補足的な説明をコメントさせていただいております。よろしゅうございますか。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 今、資料を読んでいるわけじゃないんですね。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) はい。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) わかりました。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 資料の流れに沿って補足的に説明させていただいております。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 今、1の資料に従ってやっているわけですな。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) そうです。  経済につきましては、財政も、国と地方の債務残高が御承知のとおりGDP比九二%という状況でございまして、社会保障に係る負担が活力ある社会経済を維持していく上での制約要因となるおそれがあるといった懸念があること、また生活水準が上昇し国民の需要が多様化、高度化している状況下にあっては、個人の自立を基本としつつ自立を維持するため社会保障サービスにより支援していく場合にありましても、行政などサービスの供給側の事情によってサービスを決定するのではなくて、個人の選択を重視する必要が生じてくるなど、社会経済の成熟化に対応した社会保障のあり方というものが問い直されている、こういった観点から指摘がなされておるところでございます。  そして、これらを踏まえれば、今後の社会保障についての国民の不安を解消し成熟した社会経済にふさわしい社会保障とするため、社会保障の構造改革が必要であると三番目のところで指摘されておるところでございます。  資料一ページ目の一番下に「社会保障に係る負担」という項目がございます。  ここでは、いわゆる国民負担率、すなわち国民所得に対する租税及び社会保険料負担の割合でございますが、この問題について取り扱われております。国民負担率を高齢化のピーク時においても五〇%以下に抑えるといった指摘は、昭和五十七年の臨調答申以来第二次あるいは第三次行革審においても指摘されてまいりました。  この点につきまして、会長会議での議論は、いわゆる国民負担率には財政赤字が考慮されていないといった幾つかの限定を付して受け取る必要があるものの、国民負担率は国民経済全体の中で政府を初めとする公的主体の活動がどの程度を占めているのかを知るための指標の一つとして位置づけられること、あるいは国民経済の活力を維持していくためには公的な主体による活動を国民経済全体の中で一定の範囲内にとどめる必要があること、こうした点を踏まえまして、国民負担率が高齢化のピーク時において五〇%以下という目安を設定することは、活力ある安定した社会を維持するために経済と社会保障の調和を図り、公私の活動の適切な均衡をとる上での指標となり得るということでございました。  厚生省といたしましては、いわゆる国民負担率のあり方につきましては、究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものであり、受益と負担のバランスを見ながら、その時々の情勢のもとで国民的な選択が行われるべき問題であると考えております。  しかしながら、今後の高齢化の進展に伴いまして、社会保障の負担は相当程度上昇していかざるを得ないと見込まれるわけでございまして、必要な給付については確実に保障する一方、将来の世代の負担を考えますと、国民負担率の動向を勘案しながら、社会経済の発展、社会の活力を損なわないよう、給付と負担のバランスを図っていくとともに、制度の合理化を進めていかなければならないと考えているところでございます。  次に、「改革の基本的方向」でございますが、資料の二ページ目に(1)から(3)としてありますとおり、「国民経済との調和と社会保障に対する国民の需要への適切な対応」、「個人の自立を支援する利用者本位の仕組みの重視」、「公私の適切な役割分担と民間活力の導入の促進」の三点が挙げられております。  また、次に「2改革の視点」といたしましては、「(1)制度横断的な再編成等による全体の効率化」、「(2)在宅医療・介護に重点を置いた利用者本位の効率的なサービスの確保」、(3)としまして「全体としての公平・公正の確保」、「(4)その他」としまして地方分権の施行あるいは他政策との連携強化といった四点が挙げられているところでございます。  これらにつきまして、若干具体的な例も挙げまして、敷衍し、説明させていただきます。  まず第一に、核家族化や女性の社会進出等に伴い、家庭の介護、育児といった機能が低下してきているという点については先ほど申し上げたとおりでございます。そういたしますと、これまで家族に頼ってきた面がある、例えば高齢者の介護といった問題についても、これからは適切な負担を求めつつ社会サービスを提供していくという形で支援をしていく必要が生じてまいりますので、社会保障におきましても、それに対応する仕組みを設けていくことが適当であるというふうに考えます。  それから、その際、国民の生活水準が向上する中で、各人がそれぞれの生活の態様に応じて、基本的にはみずからの生活をみずからの責任で維持し、必要なサービスについてもみずから選択することができるようにしていくことが求められております。このような国民のニーズの多様化等に対しましては、保健医療・福祉等のサービスにつきまして、サービス提供者側の都合によるサービスのお仕着せといったような形ではなくて、サービスを受ける人の立場に立って、できる限り本人の選択を尊重できるような仕組みに改め、あわせて本人が選択するための基礎となる情報の開示を促進していくことが適当ではないかというふうに考えられるところであります。  それから第三点目に、またノーマライゼーションの理念に基づきまして、サービスの受給者の生活の質を向上させていくといった点からは、介護を要する高齢者や障害者が、できる限りそれまで住みなれた地域で引き続き自立した生活が送れるようにすることを尊重していく、そういった観点から、在宅医療や在宅介護を重視して施策を講じていくことが適当であると考えられます。また、やむを得ず施設に入所した場合にありましても、これを生活の場と位置づけまして、リハビリ機能の強化とあわせて療養環境の改善を図っていく必要があるというふうに考えている次第でございます。  それから、サービス提供の手だてについて申し上げますと、保健医療・福祉サービスの分野において民間事業者が成長してきておりまして、今後も新たな分野として事業者の参入が期待されるところでございます。こうした点も考え合わせますと、今後は公的なサービス、またその上乗せとして個人が自由に市場で購入するサービス、それらを問わず民間活力の導入を積極的に促進するという観点から、規制緩和を推進し、競争を通じてより良質なサービスが受けられるようにしていくべきではないかというふうに考えられます。  それから五番目に、さらに医療、福祉分野の技術進歩や情報通信分野など、周辺の技術開発には目覚ましいものがあるわけでありまして、こうした技術進歩がサービスの質の向上や効率化といったものに結びついていくよう、技術評価もあわせ行い、科学技術の進歩の成果を適切に取り込んでいくことも重要であるというふうに考えます。  それから他方、負担面について申し上げますと、例えば高齢者の状況を見ますと、ばらつきはあるものの、年金の成熟化等に伴い、平均的には現役世代と比較しまして世帯人員一人当たりでは所得金額や可処分所得とも大差がなく、貯蓄あるいは資産の保有状況においてはむしろ現役世代を上回っているような状況にございます。こうした高齢者の所得等の状況を踏まえますと、高齢者世代と現役世代との間のバランスや、あるいは資産のあるなしといったような状況も考慮しながら、給付と負担の公平・公正というものを今後さらに図っていく必要があるのではないかというふうに考えております。  以上、会長会議の報告書をベースにいたしまして、それに沿った厚生省における厚生行政の取り組みの方向について若干申し述べさせていただきました。いずれにいたしましても、社会保障全体につきまして効率化、合理化を図っていくとともに、給付と負担の公平を確保するといった視点から、制度全体の再編成を目指す必要があるというふうに考えております。  さらに、各分野における社会保障構造改革の方向につきましては、大きなⅥに介護保険制度、医療、公的年金について会長会議のコメントがございます。  介護保険制度につきましては、現在の高齢者介護に関する老人医療と老人福祉にまたがる制度を再編成して、利用者負担の不均衡等の格差を是正し、また、在宅サービス等の積極的な展開により、介護を主として必要とする方々の一般病院等への長期入院、いわゆる社会的入院の解消を図るための条件を整備していくとともに、個々人の心身の状態等に応じた適切な処遇を図ることで要介護高齢者の自立の支援を図る。また、民間事業者や非営利組織等の多様な供給主体の参入により多様で効率的なサービス提供を推進するとともに、積極的な情報提供により利用者の選択によるサービス利用を促進する。また、高齢者自身を被保険者として位置づけ、無理のない範囲で保険料や利用料の負担を求めるなど、世代間及び高齢者世代内の公平を図る。こういった内容を盛り込んでおりまして、これを社会保障構造改革の第一歩として、その創設に向けて慎重な御審議をお願いしたいというふうに考えております。  また、医療につきましては、医療提供体制と医療保険制度の全般にわたって総合的な改革を段階的に行う必要があるとされているところでございます。  年金につきましては、将来の負担が過重なものとならないよう給付と負担の適正化を図ることなど、制度全体の見直しを行うこととされております。  福祉サービスにつきましては、サービス提供体制の整備を進めるとともに、制度横断的かつ総合的な少子化対策や障害者施策を推進することとされております。  厚生省といたしましては、以上のような社会保障関係審議会会長会議の報告を踏まえまして、構造改革に順次取り組んでいくことといたしております。  先ほど申し上げましたように、介護の問題につきましては介護保険制度を創設することといたしたいというふうに考えておりまして、さきの臨時国会に介護保険関連法案を提出させていただいたところでございます。  医療につきましては、国民医療費の伸びと国民所得の伸びとの間にギャップがあるなど医療保険制度が構造的な赤字体質となっている一方で、国民の医療ニーズの多様化等に対して医療の高度化や技術革新を踏まえつつ医療の質の向上を図っていく必要があり、医療提供体制及び医療保険制度の両面にわたる総合的な改革を段階的に実施していく必要があると考えております。  このため、老人医療制度のあり方や診療報酬体系の見直し、薬剤使用の適正化、医療提供体制の見直しなどにつきまして、今後早急に着手するなど抜本的な改革に取り組んでいくこととしておりますが、こうした改革を進めていくためにも現行の医療保険制度の財政の安定を確保していくことが喫緊の課題でありますことから、平成九年度に給付と負担の見直し等の制度改正を実施いたしたいと考えており、今週十日の月曜日に健康保険法等の一部を改正する法律案を国会に提出させていただいたところでございます。  年金につきましては、五年に一度行われる財政再計算が平成十一年に予定されておりまして、将来の負担が過重なものとならないよう給付と負担の適正化等制度全体の見直しを行うことといたしたいと考えております。  なお、介護保険制度の創設及び医療保険制度の改正につきましては、厚生省参考資料1、2として概要を配付させていただいておりますが、お時間の関係上、説明は省略させていただきます。  それからまた、この会長会議の報告が公表されましたのと同時に、厚生省より社会保障の給付と負担の将来見通しを公表させていただきました。その概要が資料の五ページ目でございます。  まず、試算の前提といたしまして、名目国民所得の伸び率につきまして二〇〇一年度以降を三%、二%、一・五%と三つのケースを置いておりまして、介護保険制度を創設した場合の試算をごらんいただきますと、年金、医療、福祉等でそれぞれ給付費の対国民所得比は、年金につきましては、平成七年度の九%から平成三十七年度、二〇二五年度でございますが、平成三十七年度には一五ないしは一五・五%までの伸び。医療につきましては、平成七年度の六・五%から、平成三十七年度には一〇・五%から一六%まで。これは、経済成長率が高い場合は一〇・五%、低い場合は一六%、こういうことでございます。そういった伸びが見込まれておりまして、医療と年金のウエートが極めて大きいということがわかろうかと思います。それから、福祉等のうち介護につきましては、介護保険を創設した場合におきましても二%程度となっておりまして、医療、年金と比べると相対的に社会保障に占める規模は小さくなっております。  社会保障トータルで見ますと、二九から三五・五%という負担でございまして、仮に社会保障以外の支出に係る租税負担の対国民所得比が現在の水準、約二〇%のままであれば、いわゆる国民負担率は、経済成長率次第でございますが、四九%から五五・五%程度となることが見込まれております。  ただし、この試算につきましては、平成四年九月の旧人口推計に基づく試算でございまして、後ほど御説明いたしますが、本年一月には新しい人口推計が策定されましたので、この新人口推計に基づいて社会保障に係る給付と負担の試算を見直す必要があると考えておりまして、現在試算の改定作業に着手しているところでございます。  新しい人口推計に基づいて見直した場合、具体的に数値がどう変わるかということにつきましては、結果を見ないと申し上げられないわけでありますが、高齢者の人口そのものの数値には大幅な変化がないと考えられますので、介護や医療の分野につきましてはそれほど大きな影響は出てこないのではないかと考えておりまして、恐らく見直しによる影響が大きいのは年金でございまして、年金の負担が一定程度増大するのではないかと考えております。  いずれにせよ、今後、高齢者介護などの必要なニーズに対応しながら、社会保障の中で占める割合が大きい年金と医療を中心に将来に向けて効率化していくことが必要となるのではないかと考えております。  引き続きまして、日本の将来推計人口について御説明させていただきたいと思います。厚生省資料2でございます。  本年一月二十一日に公表した人口推計の概要について御説明するわけでございますが、これは国立社会保障・人口問題研究所におきまして、平成七年国勢調査の結果を踏まえ、全国の男女年齢別人口の将来推計を行ったものでございます。  まず、推計の前提につきまして、資料の三ページ目をごらんください。  合計特殊出生率、平均寿命等につきまして仮定を置いておりますが、特に合計特殊出生率につきましては、平成七年の合計特殊出生率が一・四二と史上最低を記録するなど低下が著しいわけでございまして、このような近年の実勢も踏まえて仮定を置いております。  具体的には、近年の合計特殊出生率の低下は晩婚化が大きな要因でございまして、晩婚化の進行につきましては、一九四五年生まれの女性の平均初婚年齢は二十四・二歳でございますが、これが一九八〇年生まれ以降の世代について二十七・四歳まで上昇するものと仮定を置いております。また、晩婚化が進めば夫婦の完結出生児数、子供の数も減ると考えられるわけでございまして、これにつきましても二・一八人が一・九六人まで減少するという仮定を置いております。さらに、未婚化の進行に関しましては、これまでのトレンドを踏まえまして、四一六%から一三・八%まで上昇するという仮定を置いております。  一方、平均寿命の延びに関しましては、男子が二〇五〇年には七十九・四三歳まで上昇し、女子も八十六・四七歳まで上昇するという仮定を置いております。  このような前提のもとで推計を行った結果でございますが、資料の二ページ並びに四ページをあわせてごらんいただきたいと思います。  我が国の総人口につきましては、現在約一億二千六百万人でございますが、これが新人口推計の中位推計によりますと、平成十九年、二〇〇七年の一億二千八百万人をピークに減少に転じまして、二〇五〇年には一億人程度まで減少すると見込まれております。  それから高齢化率でございますが、六十五歳以上の高齢者が総人口に占める割合につきましては、現在一四・六%が二〇二五年には二七・四%、二〇五〇年には三二・三%となっておりまして、すなわち三人に一人は六十五歳以上の高齢者という社会になると推計しております。  それから、五ページ目には年齢区分別の人口の推移をグラフとしてお示ししておりますが、老年人口は二〇二〇年ごろの約三千三百万人まで達した後は比較的安定して推移すると見込まれているわけでございますが、一方で少子化は進み、生産年齢人口は今後低下の一途をたどると見込まれております。これに伴いまして、図4にございますように、生産年齢人口割合が現在の約七割から二〇五〇年の約五五%まで低下し続ける一方で、老年人口割合が一五%から約三二%と、現在の水準の二倍まで上昇を続けることがおわかりいただけるかと存じます。  以上が新人口推計の概要でございますが、このような少子化の進行は、経済活力の低下、社会保障負担の増大、労働力供給の制約、あるいは子供の社会性の低下といったいろんな社会的経済的影響をもたらすと考えられておりますし、世論調査の結果などを見ましても最近の出生率の低下は望ましくないという意見も四割を超えているということもございまして、厚生省といたしましても少子化の問題というのは大きな検討課題であると考えております。  出生率低下の原因は晩婚化の進行や未婚化の上昇が挙げられているわけでございますが、その理由といたしましては、社会保障、労働、教育など、結婚、出産にかかわるさまざまな制度や慣行が関係してくると考えられます。  また、少子化につきましては、結婚や出産といったプライベートなことに政府は干渉すべきでないという考え方もございますし、幅広い国民的な議論が必要であると考えております。  従来より、厚生省、労働省、文部省、建設省の四省庁でエンゼルプランを策定して、子供を健やかに産み育てる環境づくりという観点から推進に努めてきておりますが、さらに、今回この新しい人口推計が発表されましたことを一つの契機として、少子化をどう考えるかといったそもそも論も含め、人口問題審議会において私どもといたしましてはひとつ幅広い観点から御議論をいただきたいと考えております。  さらに、少子化問題について国民的な議論を喚起するための情報提供の推進や調査研究の実施など幅広く検討を進めてまいる所存でございます。  雑駁な説明でございますが、以上、厚生省からの説明にかえさせていただきます。  どうもありがとうございました。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  次に、労働省渡邊官房長。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) 官房長の渡邊でございます。よろしくお願いいたします。  お手元の資料に基づきまして、「二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方」ということで表紙に書いておりますが、高齢者雇用対策、職業生活と家庭生活との両立支援対策、障害者雇用対策、介護・看護労働力の確保・育成対策の四点について御説明をさせていただきます。  テーマが「基本的考え方」ということですが、これに照らしますと、私どもの資料、いささか具体的に過ぎるような感じもいたしますが、どうか御容赦をお願いしたいと思います。  まず一ページ目ですけれども、「基本的な考え方」としておりますが、我が国におきましては、今厚生省の方から御説明ありました出生率の低下あるいは平均寿命の伸長などを背景といたしまして少子・高齢化が急速に進展しておりますが、このような中で、我が国経済社会の活力を維持していくとともに、豊かさを実感できる社会を実現することが重要である。このため、高齢者がその知識や経験を生かして六十五歳まで現役として働くことができる環境整備が必要であろうと思います。さらに、働き続ける上で大変大きな制約要因になっております育児や家族の介護の負担を軽減し、働く男女が仕事と家庭を両立できるように支援を行うことが大切ではないかと思っております。  また、障害者の方につきましては、その適性と能力に応じて可能な限り雇用の場について健常者とともに働くということが大切だろうと思いますし、また、人口の高齢化や医療の高度化等によりまして保健医療や福祉サービスの需要が急速に増大しておりますことから、そのようなサービスの担い手である介護・看護労働力の確保対策を推進することが必要ではないかというふうに考えているわけであります。  なお、ただいま厚生省の方から御説明ありましたが、将来に向けて社会保障の給付が増大するということが見込まれておりますが、労働省としましては、その負担が現役労働者に過度に集中するというようなことがないように、広く国民各層で応分に負担をしていくことが必要であろうというふうなことを考えておるところでございます。  次に、各論でございますが、二ページにまず高齢者雇用対策について述べております。  ただいま厚生省の方から新しい将来人口推計につきましてお話がございましたが、少し実数で見てみますと、上の表ですけれども、人口のうち十五歳から二十九歳層が、二〇〇〇年から二〇一〇年の十年間で二千五百九十二万人から一千九百九十六万人というふうに五百九十六万入減少することが推計をされております。また、一番下の六十五歳以上を見ていただきますと、二千百八十七万人から二千八百十三万人と六百二十六万人の増大で、十五歳から二十九歳で約六百万人が十年で減少し、その分ちょうど六十五歳以上人口が六百万人増大するというふうな見通しになっているわけでありまして、先進国にも例を見ない、高速に高齢化が進むということが推計をされているわけであります。  下の表ですが、これに伴いまして十五歳以上の労働力人口につきましても、二十一世紀初頭には約五人に一人、二〇%は六十歳以上の高齢者になるだろうというふうなことが見込まれているのが現状でございます。  三ページですけれども、こういった中で日本の高齢者の就業希望がどうなっているかというものを見たのが上の表ですが、一番上のグラフですけれども、全数の六十五歳からさらにそれ以上働きたいと考えている人は五七・一%に達しておりますし、グラフの一番下というか三番目の六十から六十四歳の方について見ますと、六十五歳以上まで働きたいという人は九一・二%を占めておるというような状況でございます。これは、我が国の勤労観といったものとも大変深い影響があると思いますが、我が国では、高齢期においても何らかの形で就労したい、労働していきたいという希望が大変強いのが現状でございます。  ただ、その下の表ですけれども、高齢者の方の就労の形態の希望について見てみますと、これはいろいろになっております。真ん中の六十から六十四歳層を見ていただきますと、約三八%の方は短時間勤務を希望しておりますし、約一六%は任意的な就業、ちょっと頼まれたときに仕事をしてみよう、こういったことを希望しておりまして、やはり六十歳を過ぎるとフルタイムというよりは短時間勤務等の希望が多くなってきているというのが実情であろうかと思います。  四ページですが、雇用の現状を見ますと、まず完全失業率を見ますと、八年十二月の数字で、年齢計で三二%であるところ、六十から六十四歳層については六・八%というふうに倍以上の高い失業率になっております。就労希望はありながらなかなか就業できないというふうな実情があらわれております。また、下の表ですけれども、求人倍率も、八年十二月で、年齢計で〇・七六のところ、六十から六十四歳層では〇・〇七というふうに極めて低い数字でございます。  五ページですけれども、それでは六十五歳までの継続雇用というのはどういうふうになっているかということでございますが、まず定年制度は、上の表ですけれども、六十歳以上定年の推移を見たものが一番上の実線でございまして、これは右肩上がりに上がっておりまして、一番右の平成八年では八八・三%の企業で六十歳以上定年制は施行されております。  この定年制につきましては、来年の四月一日から、定年を定めるときには六十歳を下回ってはならないというふうに強行規定になりますので、この時点においては一〇〇%になるものというふうに期待をしております。  それでは、六十歳以上六十五歳までどの程度働けるように実際の企業ではなっているのかという数字が下の表でございますけれども、一律定年制を採用している企業を一〇〇と見ますと、六十五歳以上定年をしいているものが六・二%、六十から六十四歳定年が八二・一、この大部分は六十歳定年であろうと思いますが、こういうふうな状況になっておりまして、六十から六十四定年のうち、少なくとも六十五歳までの勤務延長や再雇用制度があるものが五四・五%、原則として希望者全員は六十五歳までの勤務延長を行うというものが一四・二%で、初めに述べました六十五歳以上定年企業とこの数字を合わせますと、全体の企業の約二割、二〇・四%において希望者が六十五歳まで何らかの形で働けると、こういったことで、まだまだ六十五歳まで働けるという企業は二割にとどまっているというのが実情でございます。  六ページですが、こういった状況を背景といたしまして、労働省では原則として希望者は六十五歳まで現役で働けるということが当面必要ではないかということを中心にして対策を進めておるところでございます。  三つの柱をここに掲げております。まず、継続雇用の推進、これが中心でございますが、六十歳定年制をまず完全定着させる。来年からは法律をもって強制するということでございます。さらに六十五歳までの継続雇用の推進ということで、二番目に書いておりますが、継続雇用に関する計画の作成を指示したり、変更勧告をしたり、適正に実施するよう勧告する。これが労働大臣の権限として法律に明定をされておりまして、こういった権限を活用しながら六十五歳までの継続雇用を企業に指導していくということにしております。  その下に助成措置ということを書いておりますが、いろいろと助成金等も支給をしながら、高齢者雇用が進むように現在施策をとっておりますが、その括弧で囲った下のところに雇用継続の促進ということで、高年齢雇用継続給付というものを書いております。これは平成七年から実施しておりますが、雇用保険の制度におきまして六十歳以上で賃金が下がった場合にその賃金の二五%を保険の制度から補てんする、こういったことで高齢者の雇用を経済的にも支えていこうというふうな施策を現在とっております。また、六十五歳現役社会推進会議というものを九年度は設置して、広く国民的な機運の醸成に努めたいと考えているところでございます。  二番目の柱が、多様な形態による雇用就業の促進です。六十歳を超えますと、先ほど申しましたように就労希望というものは必ずしも一律ではございません。短時間勤務等の希望も多いわけであります。そういった希望別の雇用が進むようにしようというのが、そこの柱でございます。  例えば、裁量的な雇用機会の提供というふうに書いておるところですが、六十歳以上の高齢者に関する労働者派遣システムの特例、これは現在では人材派遣の制度は一定の職種に限定をして、これは規制緩和と絡んで今拡大することを検討しておりますが一既に六十歳以上の方については人材派遣は原則自由ということにしております。それから、シルバー人材センターのさらなる拡充、こういったことも考えております。  それから、三番目の柱として、高齢期の雇用就業の援助ということで、いろんなセンター等をつくりながら相談に乗る、こういったふうなこともやっているわけであります。  いずれにしても、六十歳を過ぎた方が、先ほどの失業率等で見ていただきましたように、まだまだ仕事をしていても補助的な仕事をしているという方が大半でございまして、これからやはり六十五歳、少なくとも六十五歳までは現役として付加価値の高い仕事をしていただくということがこれからのテーマ、大きな課題ではないかというふうに私ども考えているところでございます。  続きまして次の七ページ、職業生活と家庭生活との両立支援対策でございます。  先ほど厚生省からこれも御説明ありましたが、平成七年の合計特殊出生率が史上最低の一・四二となったところであります。先ほど申し上げましたが、二十一世紀初頭には労働力人口の五人に一人は六十歳以上の高齢者になるという見込みであります。少子・高齢化は一層進展していくと考えられておりますが、一方で、核家族化等が進展する中で、育児やあるいは家族の介護の問題は労働者が働き続ける上で大きな壁となっているところであります。  他方、女性の就業意欲が増すと、この七ページの表に書かれております、これは平成元年から四年、七年というふうに意識の推移を見たものでございますけれども、一番左の「職業を持ち、結婚や出産の後も仕事を続ける方がよい」と考えている女性が平成元年の一五%から七年の三三%へと倍以上にふえております。一方、その右の「職業を持ち、結婚や出産等で一時期家庭に入り、育児が終わると再び職業を持つ方がよい」という方は平成元年には六四%と過半数を超えておりましたが、七年には四〇%というふうに減少しておりますし、その右の「職業を持ち、結婚や出産を契機として家庭に入る方がよい」、これは一四から一八%、横ばいでございます。  この意識調査でわかりますように、女性の意識も、結婚や育児があってもできるだけ雇用を継続したい、働くことを継続していきたいと考える方が大変ふえてきているのが実情であります。  こういった状況を背景にいたしまして、私どもは、職業と育児や介護、こういったものを両立させるといった施策を充実していくことが必要であろうというふうに考えているところであります。  八ページを見ていただきますと、これは介護休業制度についてその普及状況を見たものですが、ちょっと数字は古いんですが、少しずつふえております。平成五年で二八・三%の企業において介護休業制度は導入されておりますし、先ほどの法律改正によりまして、平成十一年の四月からはすべての企業において介護休業制度を導入することを義務づけるということになっております。下の表は規模別の導入状況を見たものでありますが、いずれにしましても、この介護休業は男女ともとれる制度ということでございます。  なお、育児休業の制度につきましては、平成七年の四月一日から既にすべての企業で導入することを義務づけております。  次の九ページですけれども、職業生活と家庭生活との両立支援対策として幾つかの柱を掲げております。  まず、育児休業や介護休業を取得しやすく職場復帰をしやすい環境の整備ということで、これは育児や介護のために一たん休業して再度職場復帰をするための施策ということでございます。  まず、一番上に掲げておりますが、育児休業を取得した人に対して保険の制度から必要な給付を行っております。これは育児休業取得前の賃金額の二五%相当額ということでございまして、この間の生活保障的な意味合いがあるわけであります。  さらに、育児・介護雇用安定助成金と書いて、いろいろな助成をしておりますが、例えば法に沿いました介護休業制度を導入し、利用者が生じた事業主に対し、ここに書いてありますような一定の奨励金を支給するというふうな助成措置でございます。  次の柱が、育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備。育児や介護を要する家族がいる場合にも休業しないで働き続けながらそういったことを行うという環境の整備でございます。  例えば、一番初めに書いておりますのは、法に沿った介護のための勤務時間の短縮等の措置を制度化し、最初の利用者が生じたときには次に掲げるような助成を行う、こういったことによりまして、働いている人が必ずしも休業しなくても短時間勤務の制度によって両立をしていく、こういった助成措置でございます。  それから、次の育児・介護雇用安定助成金のところで書いておりますが、育児や、あるいは家族の介護のためにベビーシッターを雇うとか、あるいはホームヘルパーを雇うとか、そういった事業主が従業員に助成をするというときに、その事業主にさらに国として助成をしよう、こういった制度も設けているところであります。  あるいは、一番下のファミリー・サポート・センターというように、地域におきまして勤労者がそれぞれボランティア的に相互援助を行う、こういったシステムづくりも現在進めております。  最後に、育児、介護等のために退職した方に対する再就職の支援措置で、一たん離職をしてさらにいずれかの企業に再就職しようという方のための制度として幾つか施策を講じているというところでございます。  続きまして十ページですが、パートタイム労働者等の就労調整の実施状況というものを見たものがこの表でございます。  この表では、パートの方が税等の関係で就労調整をどのように実施しているか実施していないか、こういったものを見たものでございます。この表の中で、今回と書いておりますのは平成七年で、前回は平成二年、ですから五年後の数字を書いているわけであります。注の欄に書いておりますが、「就労調整を考慮する」欄の最初から計画的に働くというのは、最初から年収が非課税限度額を超えないように計画的に働くというもので、超えそうになったら調整するというのは、年収が非課税限度額を超えそうになったら休みを取るなどして調整する。「限度を超えない」というのは、年収が絶対に非課税限度額を超えることはないといったふうなものでございますが、この推移を見ますと、「就労調整を考慮する」という欄のパートの女子の欄を見ていただきますと、平成二年の三〇・四%から平成七年の三七・六%へ上昇しております。内訳の最初から計画的に働く方を見ても、一七・五から二三・四というふうに、この非課税限度額との関係で「就労調整を考慮する」という方は近年むしろふえてきているわけであります。  下の表は所得税以外の理由での年収の調整状況等を見たものですが、この表の区分欄を見ていただきますと、「税制上の控除がなくなる」、あるいは「配偶者手当がもらえなくなる」、これは企業で支給をしている配偶者手当ですが、こういったものがなくなる。あるいは、「健康保険の加入義務が生じる」とか、「雇用保険の加入義務が生じる」とか、こういった理由で就労調整をするという方が、やはり女子のパートを見ていただきますと、前回の二八・一%から今回の三六・七%に増大をしてきております。  労働省は税制や社会保障の制度を直接所掌しているわけではもちろんございませんが、この表で見ていただきましたように、女子が非課税限度額との関係あるいはそれ以外の理由で就労調整をしながらパートで働いているという方が大変多いわけです。現在、パートの方は九百万人ぐらいいらっしゃいますが、その大変多くは女子労働者でございます。これから少子・高齢化という中で、女子労働者もしっかりと働いていただく、そのことによって社会の活力を得るというふうな観点に立ちますと、この女子労働者が社会保障上あるいは税制の政策上、基幹労働力として働きやすい仕組みというものをこれから真剣に考えていかなくてはならないのではないか、こういったふうに考えております。  次の十一ページ、障害者の雇用対策でございます。  まず、障害者雇用の実情を見ておりますけれども、上の表の企業数で五万四千八百七十七と掲げておりますのは、これは現在の雇用率が一・六%で、常用労働者が六十三人いますとそのうちの一人以上は障害者であるということを義務づけておりまして、まず六十三人以上の企業数です。それから、雇用率の中で、例えば重筋労働のように障害者雇用の義務のない職種が幾つかありまして、そういったものを除いた企業数が五万四千八百七十七で、そこで雇用されている障害者が二十四万七千九百八十二人、平成八年六月一日の数字ですが、それで実際に雇用されている人の率が一・四七%でございます。雇用率が一・六に対して一・四七%まで来ている。来ているというか、まだ達していない、こういった状況でございます。  なお、右の欄にありますように、雇用率未達成企業がまだ四九・五%で、ちょうど半分の企業は雇用率を達成しておりません。大変大きい問題であろうというふうに思っております。  この実雇用率の推移を次の表で見ますと、平成元年には一・三二%でした。これが昨年、一・四七%ですから、少しずつですが雇用率というものは向上はしてきている、こういった実情でございます。  十二ページに「障害者雇用対策の概要」を掲げておりますが、まず、雇用率制度・納付金制度の的確な運営ということでございます。  先ほど申しましたように、現在の雇用率は一・六%でございます。この雇用率を達成していない企業につきましては、一人につき月五万円の納付金を徴収し、これを超過達成している企業への奨励金等々として支給している仕組みを持っておりますが、この仕組みを的確に運用していくことが必要であろうというふうにまず思っております。  次に、職業リハビリテーションの実施ですが、現在、中央の障害者職業総合センターのもとに各県に一つずつ障害者職業センターというものがありますが、ここで障害者の職業リハビリテーションを実施しております。さらに、次に書いておりますが、障害者雇用支援センター、これも最近の法律改正で認めていただいたものですが、市町村の福祉部門と雇用部門と連携をとりながら障害者の方の雇用の支援をしていこうというもので、現在六市において設置をされております。それから、障害者職業能力開発校の運営ですが、現在、十九の専門的な能力開発校を設置運営しております。  それから三点目の、障害の重度化に対応した対策ですが、これは国や市町村あるいは民間企業が一緒になりまして、第三セクター方式による重度障害者雇用企業の育成、これは大変高い助成をいたしまして、第三セクター方式による企業を設立しておりますが、これは現在三十三の企業が稼働しております。  四点目の、精神薄弱者、精神障害者対策の推進で、精神障害者対策は雇用については現在最もおくれている分野ですが、精神薄弱者につきましては、今国会に精神薄弱者を雇用義務の対象に含めるという法案を労働省としては提出する予定でございます。  十三ページ、最後でございますが、「介護・看護労働力の確保・育成対策について」でございます。  高齢化の進展に伴いまして要介護老人等が増加する、あるいは医療の高度化などによりまして保健医療・福祉分野のサービスの担い手であります介護・看護労働者の確保・育成が大変重要な課題になってきているかと思います。  以下、幾つかの施策を展開しております。  この一以下に書いておりますが、特に(1)のロに書いておりますが、介護労働者の確保のための幾つかの助成措置を設けておりまして、例えば、①に、介護業務を行う事業主が雇用管理研修をその従業員に受けさせたときにその受講料を助成しますとか、②に書いておりますが、介護労働者に係ります業務体制の改善に必要な施設の設置・整備を行った事業主に助成をするとか、あるいは三点目は、九年度、新規で設置をしたいと思っておりますが、事業主が雇用するまたは雇用予定の労働者に雇い入れ時の福祉に関する措置、健康診断ですとか講習等の措置を講じた場合には事業主が負担した費用の一部を支給する。こういったことによって介護あるいは看護労働力の確保策を実施していきたいというふうに思っております。  二として書いておりますが、福祉重点公共職業安定所といたしまして、労働省では現在、全国の安定所のうち平成四年度から都道府県に一カ所ずつ福祉重点公共職業安定所というものを指定しまして、ここで看護婦やあるいは家政婦の紹介事業等を重点的に行うといった体制をとっております。  三点目に書いております公共職業能力開発施設におきます介護関連訓練科の設置ですが、平成八年度は二十科、定員一千百八十人でございましたが、平成九年度にはこれを二十五科にふやし、定員も一千五百二十人に増員するという予定でございます。  以上、四つの点について御説明申し上げました。よろしくお願いいたします。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  以上で厚生省及び労働省からの説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  午前中と同様に質疑時間は約八十分程度といたします。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 二つお尋ねいたします。  厚生省の資料で社会保障については、「社会保障の給付と負担」というように、給付したり負担するものというふうな定義だろうというふうに思います。それで、労働省の資料の定義が、「二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方」で、じゃ、それは労働省の言う社会保障は言葉の規定とすればどういうことになるのか教えてもらいたいというふうに思います、違いがあれば。  それから、二点目は、その労働省の「基本的考え方」の中に、「豊かさを実感できる社会を実現すること」とあり、まさにそれはいいことであると思います。それであれば、六十五歳まで現役よりも六十歳で仕事をやめた方がよっぽど豊かじゃないかなというふうに思います。ましてや、千八百時間で例えば五年やりますと九千時間ですから、相当に生涯労働時間が延びるということになります。働く時間を生涯で長くすることが豊かなのかどうか。それよりも、趣味やいろんなことで楽しんで六十歳以上は暮らせるようにする方がよっぽど豊かじゃないかと私は思います。  そういう観点でいって、週四十時間を罰則で規制をするということは果たして豊かな社会のやり方なのだろうかなというふうに私は非常に疑問に思います。ですから、それをもし千八百時間で、自然に減っていくならいいことですから、そんな形で生活の周りの文化を向上させるとか、あるいは収入を上げるとか、間接的にスムーズに、罰則じゃなくてみんなが前向きに喜んで達成できるような形、中小企業も含めてですね、そういう方に向かっていくのはいいと思うんだけれども、四十時間をそんな形で強制していくというのは、非常に豊かな時代を目指す割には、やり方としては基本的に間違っているのじゃないかなというふうに思いますので、その二点をお答えいただければありがたいと思います。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) ただいま御質問がございましたが、まず社会保障の定義で労働省関係、なかなかこれは私どもは、何か保障を受けて生活をするというよりは、労働省としては、高齢者につきましてもあるいは女子につきましても障害者につきましても、むしろ働いていく、そういった働く場の環境というものをいかに整備していくか、こういったものとしてとらえておりまして、なかなかこの調査会の御趣旨とぴったり重ならないかもしれませんが、私どもとしては、すべての人がひとしく労働をしながら豊かな生活をつくっていく、こういったふうなテーマでこの問題をとらえているということでございます。これはいろいろ御議論があるかもしれません。  それから、そういう豊かな社会ということであれば、できるだけ早いうちにリタイアをして趣味等で生きればいいのではないかというお考えであろうかと思いますが、これは先ほど高齢者あるいは高齢者だけではなくて勤労者一般の意識調査のところで御紹介をいたしましたけれども、我が国の勤労者は労働するということに非常に高い意欲を持っているわけであります。特に六十歳を過ぎますと、さらにこの就労意欲は高まってきております。これは、人生五十年と言われた時代より健康的な面でもいろんな面で平均寿命が延びているということもあって、むしろ働くことにより生きがいを感じているということではないかというふうに思います。実際、例えば六十を過ぎて趣味の生活に入った人の意見等でも半年やったら飽きるというふうな意見があるわけでありまして、やはり労働を通じて社会に接触をしていく、社会に貢献をしていくという考え方が非常に大きいと思います。  ただ、働き方としては、必ずしも八時間フルタイムではなくて、短時間労働等の勤務意欲も強いわけですから、そういった就業意欲に応じた環境整備というものをこれから行っていくことは必要ではないかというふうに考えておりますし、さらにこれから超高齢社会に入っていくということでございます。将来推計では三人に一人が六十五歳以上というようなことが見込まれるというお話でございました。やはり元気な高齢者が付加価値の高い労働もしながら、生活も楽しみながら両立できるということが理想ではないのかなというふうに考えているところでございます。  それから、労働時間の週四十時間制のお話がございました。これはいろいろと御議論のあったところで、週四十時間、週休二日というふうなことで、仕事とそれ以外の生活と同時にやりながら豊かな生活というのをつくっていくことは必要であろうということで、労働省としては十年前からこの週四十時間制に向けて労働基準法の段階的な改正、施行というものを行ってきたわけであります。この四月一日から、基本的に中小企業も含めまして週四十時間に移行することになっておりますが、ただいずれにしてもなかなか週四十時間に移行することは難しい中小企業が多いわけでございまして、この国会にもこれから二年間は労働機関としてはきめ細かな指導に徹するということを内容といたします労働時間短縮促進法の改正案の審議をお願いしようというふうに思っております。  私どもも、労働時間の管理というものが罰則をもって強制される社会というのは決して好ましい社会ではないというふうに思っております。労使の自治によって労働時間の管理が適正になされる、将来はそういう方向を向いていくべきであろうと思いますが、四十時間はこれから発足するわけです。法の後ろ盾というものがないとなかなか難しいという面もあると思いますが、少なくとも二年間は、先ほど申しましたようなことで罰則をもって直ちに強制するという姿勢ではなくて、労働機関としては指導をまず強化する、こういったことで臨みたいというふうに考えているところでございます。

笹野貞子民主党・新緑風会

○笹野貞子君 両省にお尋ねをいたします。  先ほど厚生省の御説明の中に、人口動態の問題あるいは生産性人口の減少の問題とか御説明がありましたけれども、私の聞き間違いでないとすれば、なぜ少子化問題が起きるかというところに晩婚化があるということと離婚率が高くなっているということを御指摘になりました。そのときに、なぜ晩婚化するかというと、非常に職業を持つ婦人が多くなったということであって、職業を持つという雇用の形態、あるいはそこはちょっと聞き漏らしたんですけれども、つまり私的な人間の関係に政府は関与すべきではないという議論もあるという、こういう言い方をされたんですが、その関与すべきではないという議論もあるというのは、厚生省の中にそういう議論があるのか、一般的な学説の中にそういう議論があるのか。  もし、晩婚化でもって子供を女性が産まなくなる、あるいは離婚をして子供を産まなくなるということに対して私的に関与すべきじゃないというのは、まず、現状ではどういうところが私的に関与しているのか、あるいはもしこれからそういう問題を私的に関与することによって晩婚化が防げるのか、あるいは離婚率が防げるのか、そこら辺の厚生省の御意見と、労働省は、今までの御説明を聞いて、女性が結婚して雇用を継続できるということは、これは少子化問題に歯どめをかけているのか、あるいは少子化問題を防ぐのか、どちらのことでやっているのか、そのお答えをいただきたい。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 二点あったかと思います。一点については、現在の合計特殊出生率低下の原因についてでございます。  これは、先ほど来御説明申し上げましたとおり、国立社会保障・人口問題研究所の分析では、合計特殊出生率低下の主要な要因は晩婚化の進行にあるという分析をしております。ただ、これは結婚時期が遅くなるというだけの話であるのか、そのうちどの程度の女性の方々が未婚のままとどまるのか、これは将来の問題として非常に不確定要素が大きいわけでございますが、そこのところを、生涯未婚率につきましては先ほど資料で御説明いたしましたとおり、現在十五歳以下の女性、要するに一九八〇年生まれ以降の女性につきましては生涯未婚率が一三・八%にまで上昇するだろうというふうに前提を置いて人口推計をしたところでございます。  晩婚化傾向につきましては、これはもう先ほど説明いたしましたように、引き続き平均初婚年齢は上昇するだろうと。上昇するに伴って夫婦の子供数も結果として一・九六人にまで下降するだろうという分析をしておるところでございます。  それから、第二点目でございますが、ちょっと私の物の言い方が適当でなかったかもしれませんが、結婚をするかしないか、あるいは子供を産むか産まないかというのは、これは女性あるいは男女、要するにその夫婦が決定すべき問題であることは言うまでもございません。  ただ、厚生省、労働省等が協力してできるだけ子供を産み育てやすい環境づくりを築いていこうという観点からエンゼルプランを策定いたしまして施策に取り組んでいるところでございますが、晩婚化の進行や未婚化の上昇というのは、必ずしも子供を産み育てやすい環境づくりだけにとどまるものではないんではないか。これは政府のみならず経済界、労働界を含めいろんな社会慣行やその他の制度がネックになっている面も多々あるのではないかという視点から、幅広く国民的に議論していただくという姿勢で私どもとしてこの少子化の問題に取り組んでいきたい。  厚生省としては、一つは人口問題審議会をベースにしていろんな有識者のヒアリングも行い、あるいは国民に問いかけるようなグリーンペーパー方式のようなものも検討しておるところでございますが、そういった方式も含め大きな議論をして、国家の行く末といいますか、経済社会に非常に大きな影響を与える問題でもございますので、多方面の角度から議論をしていただきたい、かように考えておるところでございます。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) 両立支援策と少子化の歯どめの問題ですけれども、先ほど女性の意識調査の結果でごらんいただきましたように、どんどん女性の意識というのは結婚や出産後も働き続けたい、就業に対する意欲は非常に高くなってきているのが現実でございます。そこで、企業におきまして、子供を産むと、休業制度がないというようなことになるとやめなきゃいかぬ、そこで子供を産む方を控えるかというふうなことはあるのではないかというふうに思います。  介護休業とかあるいは育児休業の制度が社会的に施行されるということは、少子化の歯どめをかける一つの要因にはなるのではないかというふうに考えております。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 ちょっと労働省にお聞きします。  私、最近不思議なんですけれども、少子社会とか高齢化、いろいろな問題出ていますけれども、女子の深夜労働の撤廃問題が本来労働組合あたりからもっと強力な発言があるのかなというふうに思っておるんですけれども、それもない。私、考え方としては、女子が出産をして育児をしていくというのは、その問題にかかわる権利というのは、それが保護されたからといって男女の労働力の平等に波及をしていくものではない、不平等論議をするものではない。本来的には女子が育児やあるいは出産というものにかかわっていくのは一つの社会的な権利だ。特に少子社会という問題が背景にある中で、この撤廃問題に対して、女子の深夜労働を撤廃していくという形になっていくことによって起こる弊害、それをどういうふうに受けとめているのか。非常に過酷な、パートだけでも九百万人と言われる実態の中でそういう問題が起こってくると、深夜におけるコンビニ等へのいわゆるパートの女子の張りつけというふうなものが起こってくる可能性というのはあるのではないのか、こういうことを私は大変危惧するんですけれども、女子の深夜労働の撤廃問題に対する労働省の考え方、これをまずお聞きしたい。  それと第二点は、規制緩和等いろいろ起こってくるんですけれども、労働省の中から出てくる労働力の国際化という問題が一つも、一ページも出てきてませんね。そして来ておるのは、いわゆる密航とかそういうふうな問題の中で来ている。例えば、一部許されている中南米の日系人の労働力、これは率直に言って、許されているけれども国内の中では大変差別があるという実態をどうとらまえているのか。  あわせて、日本へ採用されている労働力の中で、例えば雇用保険なんかを掛けたまま三年くらいで帰ってしまうと、雇用保険は全く打ち切りで支払われていない、こういう問題に対する不満があるわけです。こういう問題で、労働力の国際化、一部許されている労働力、日系人等の問題に対して大変不平等があるのではないか、こういう問題をどのように労働省としては受けとめているか。  一人の人間が三つの質問をしましたけれども、簡略にお答えください。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 簡潔にお願いします。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) はい。  まず、女子の深夜労働の問題ですが、男女雇用機会均等法につきましてこの国会に改正案を提出しておりまして、その一つは募集から解雇に至るまで男子との差別的取り扱いを禁止する、禁止規定にするということでございます。一方が労働基準法を改正いたしまして、今おっしゃいました女子の深夜超勤等の規制を撤廃するということでございます。  これは、この法律の改正につきましては審議会で公労使の中でいろいろ御議論があったわけでありますが、女子の雇用における機会均等が進まない非常に大きな原因の一つとして女子の深夜時間外労働に関する就業制限があり、これがあるために男子と均等に働けない、そのために昇進等で差別があるというふうなことがいろいろと労働側の中にも議論がありました。使用者側にももちろんそういう議論がありました。そういったことを踏まえ、また国際的な動向を踏まえて、女子の保護規定の撤廃と雇用における差別の禁止ということが両方のいわばセットとして審議会の議論を経て出てきたものと理解しております。  ただ、それにしましても、出産後につきましてはもちろん休暇の制度はありますし、それから育児休業が既に義務化をされておりまして、子が一歳に達するまでは男女とも休業する権利があるわけでございます。それ以後どうするかということでございますが、この法案の中で、特に介護をする家族を抱えて、あるいは育児の必要なときに両親とも深夜労働であるというふうなときには、従業員の申請によって事業主が深夜労働を免除するという仕組みをこの法案の中に設けております。  そういったことで、ただほかにもいろいろと深夜労働に伴う問題があると思いますが、事業主に対する配慮義務とかそういったこともかけておるわけでございまして、この点につきましてはいろいろと御議論をさらに深めていく必要があるというふうに思っております。  それから労働力の国際化ですが、これは我が国では、従来から単純労働については一切正規労働力としては入国をさせないという方針をとっているわけでありまして、この方針は今後とも堅持していくというのが現在の方針でございます。  先生おっしゃいました中南米の日系人についていろいろと差別があるではないかということでございますが、労働条件面での差別ということでありますと、これは監督機関等々で申告等あれば取り締まりをするということになると思います。  保険の面については、大変申しわけないんですがつまびらかにしておりませんが、特定の国との間の保険の相互通算といいますか、そういったことについては交渉しておりますが、一般的にすべての国との間においてこういった制度がないのが現状でございます。この点はさらに検討しなければいかぬ課題だというふうには思っております。

水島裕平成会

○水島裕君 厚生省の方にお尋ねいたします。  高齢化社会あるいは医療技術が進歩したということで、国民の負担率とかあるいは医療における個人の負担というのがある程度ふえるというのはやむを得ないと思いますけれども、お尋ねしたいのは総論一つと各論一つでございます。  総論的には、こういうことが起きますといつも後追い的に負担率をふやしたりとか個人負担を一割から二割にするというのではなく、もう少し予防医学とかあるいは生活習慣というのを是正して、病気にならないという考え方をとる方がいいと思うんです。ところが、日本でははっきりとしたデータがありませんので、やはりきちんと予算措置をしまして、生活習慣と疾病とか、ワクチンなんかも日本じゃおくれているところがございますので、そういう研究をぜひしていただきたいということです。  それから各論としましては、個人負担率をふやすというときに、例えば薬剤一日一種類十五円なんというと、これなかなか計算が難しいわけですよね。それから医療の方では、三日分の薬を一日で出すということだってできるわけですので、こういうことをやると現場がすごく混乱するわけです。  それからもう一つ、ちょっと詳しいことになりますけれども、臨床試験のときに特定療養費というのがございますけれども、あんなのはもうとても計算できないで、現実問題として臨床試験に伴う医療ができないというのが現状ですので、もうちょっと各論的には現場をよく考えて、現場で混乱が起きないようにいろいろ考えていただきたい、その二点でございます。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 予防医学なり生活習慣病、これらについてさらに研究費をつぎ込んで科学的に病気にならない方途を探れと、こういう御質問だと思います。  私、その分野は医者じゃございませんで十分な知識を持ち合わせているわけではございませんが、確かに先生おっしゃるとおり、科学的あるいは実証的にこれだけやればこれだけ疾病の発生率が減るとかいった分野につきましては、例えば検診についてはこれだけのマスを検診すればこれだけの効果がある、あるいは効果がないという議論について随分研究を積み重ねているものと考えておりますが、確かに一般論として足らない部分多々あるんだと思います。これについては必要な分野であるというふうに考えておりますので、全体の厚生科学研究費の中で、そういった分野にどのように割り当てていくのか、ひとつ内部でよく研究、検討させていただきたいというふうに考えております。  それから、薬剤費の計算につきましては、江利川審議官の方から。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 先生はお詳しいですから全部おわかりだと思いますが、臨床試験について保険を適用外にすると、これは医療ではなくて研究であるということでございます。  それから、薬剤につきましては、御案内のように、日本は諸外国に比べまして薬剤の使用量が多いのではないかと言われている。そういうことで、新しい負担の仕組みを設けて、薬剤についてのコスト意識や量についての意識を持ってもらって、できるだけ適正化を図りたいという趣旨でございます。  事務量については、私どもなりにコンピューター化しているところではかなり簡素化できるのではないかと思っておりますけれども、国会内で各党、各先生方でいろいろ議論があることもまた十分存じ上げているところでございます。  私どもは、一応そういうことで考えて出させていただいたということでございます。法案が出ておりますので、また国会での議論に……

水島裕平成会

○水島裕君 必要な修正はひとつなさるように。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 厚生省にお尋ねします。  介護保険制度の問題について質問します。  我々も介護保険制度というのは、これはもうしっかりしたものをつくらなきゃならぬという立場にいるんですけれども、危惧する問題は幾つもあるんですが、一つだけここでどうしてもお聞きしたいと思う点は、次の点なんです。  現在の厚生省の案によりますと、保険料を国保料の上に上積みして取っていくわけですね、徴収していくわけです。ところが、国保料が払えない人が二百五十万人いるというのが現状です。ですから、もうあらかじめ二百五十万人の人が介護保険制度のサービスを受けられないと、あらかじめ排除されてしまうと、そういう結果になるということを非常に危惧するわけです。  その点は、老人福祉法の措置制度でカバーするという考えであろうかと思いますけれども、その点についても、現在よりもさらに制度が縮められて、といいますのは、現在では、介護をする人がいない場合には措置制度でもって介護サービスを行うことができると、措置制度をとるということになっているのが、今度は身寄りのない場合というふうに縮めて実施されるというふうに私たちは聞いております。  そうしますと、身寄りのない人といいますと、例えば、私が東京にいる、そして両親、私の両親はおりませんが、親が田舎にいるという場合には身寄りはいるわけですね。だけれども、私は介護はできませんね。そうしますと、身寄りがいるんだからということで、今度はこの措置制度も受けられなくなってしまうと、そういう結果になってしまうのではないか。  そういう面で、私は、やはりこの保険制度と措置制度というものは、これは並立させていって、単に並立させるだけじゃなくて、二百五十万人も払えない人が現にいるわけですから、措置制度というものもやはり充実させるという観点がどうしても必要なのではないか、そんなふうに思うわけですが、厚生省の御意見を伺わさせていただきたいと思います。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 今度の介護保険制度は、先生がおっしゃられましたように、基本的には保険制度に移るわけでありますが、一部措置制度を残すわけでございます。例えば介護保険制度は申請主義である。申請をしていくわけでございますが、例えば、老人がひとり暮らしで申請できないとか、あるいは家族と一緒に住んでいても家族との間の人間関係がうまくなくてなかなか申請できないとか、現実に民間の調査で虐待のケースがあるなどというケースが出ているわけであります。この措置制度は、そういうような場合に行政権をもって介護サービスを提供しようとすることでありまして、身寄りのない場合だけに限られるというものではございません。もう少しその人の、いわゆる申請ができない、それをかわって行政で措置することが適当だと、そういうケースを想定して残しているものでございます。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 何点かと言うと怒られますから、一分以内にできるだけ質問いたします。  まず厚生省、今度医療保険を直しますね。私は医療保険制度改革はやむを得ないと思うけれども、かなり負担がふえる。それで、介護保険が平成十二年度でしょう。これもかなりお年寄りを中心に負担がふえる。それで、単発でそういうことをやるのがいいのかどうかという議論がある。  そこで、国民負担率をどうするかという大議論があって、今は三八・六とかなんとか言われている。ただ、国債やなんかの潜在的な国民負担率を入れると、もう今四二、三になっているわけよ。これを総理は四〇%台の半ばとかなんとか言っているけれども、結局、国民負担というのは、簡単に言うと租税と社会保険料でしょう。これをどのくらいにするかという何かが要るんで、例えば五〇なら五〇にして、それは税としてはこのくらい、社会保険料としてはこのくらい、そうなると今のあなたの方でやっている医療も年金も福祉も大体この程度のサービスになるということのような何かが要るんじゃないか。  私は、単発で医療保険を直します、介護保険をやります、何をどうします、年金をどうしますと、こういうことでいいのかなと。何か全体の負担とサービスについてのきちっとした見通しとビジョンがあって、それに基づいてとりあえず医療保険はこうします、介護保険は新しくこうつくりますと、こういう何かがないといいのかなという気がしてしようがない。  あなたの方も、新ゴールドプランだとかエンゼルプランだとか障害者プランだとか、単発で出すわけよ。しかし、それはそれぞれはいいんだけれども、お互いのプランの整合性という意味から、私はそれでいいのかなという気がしてしようがない。  ただ、この国民負担率なんという議論は厚生省だけではありませんよ。それは大蔵省や自治省やいろいろなところが絡む。だから、ぜひ政府として、何年後にはこのくらいの負担でこのくらいのサービスという、結局、国民が負担するのは税と社会保険料と自分の負担なんだから、この辺の何か目安を示す必要があるんじゃないかという気がしてしようがないんだけれども、ぜひひとつその辺の御見解があったら、難しい問題で大きな問題だから、総務審議官でたえ得るかどうか私もよくわからぬけれども、江利川審議官と、御見解があったら、あなたは専門家だからよう言ってよ。  それと労働省、高齢者雇用というのは、私は定年延長だと思っている、簡単に言うと。だから、六十を六十五まで延長せにゃいかぬのよ。今度人事院は次官を二歳延ばしたいと言うわけよ、今六十の次官の定年を六十二歳に。まだ決まっていませんよ。私は延ばすことに賛成なので、ただ、全部ゼネラルというか、ライン職にはできないんだよ。スタッフ職というものをもっと民間でも考えてもらって、定年を延ばしていくと。今の六十というのは〇・八で四十七、八よ。七十でももう五十代後半ぐらいなのよ。だから、もっと使わないとね。  あなたの方は外国人労働者が嫌いだから、単純労務にしか使わないと言うんでしょう。そうすると、労働力足りなくなるかもしれませんよ。そうなると、年寄りを使わぬとだめなのよ。これ、わけのわからぬ仕事をさせて金やって、飼い殺しみたいなことはいけませんよ。これを国の労働政策として、雇用政策としてどんと出してもらわにゃいかぬと思う。それがいろんな意味で今の厚生省関係の施策にも連動してくるわけよ。元気で働かせるということ。捨てぶちをやらない、不健康にしないということをぜひやってもらいたいと思うので、その辺も、まああなた官房長だから、あなたが次官になるころにはもっと定年延長になるかもしらぬので、ぜひ御見解があったら承りたい。大体一分ぐらいでしょう。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 極めて難しい問題でございまして、社会保障費用というのは、先ほど説明の中でもちょっと申し上げましたが、いわばある制度を前提とすれば、それが義務的経費として毎年膨らんでいくという性格を持っておるわけであります。  例えば、老齢基礎年金については、毎年百万人ずつこれはもう自動的にふえてくるわけでありまして、平均年金額が六十万円だとすれば、三分の一が国庫負担になっておりまして、二十万掛ければ、年平均、給付費として二千億円程度増加していく、そういう仕組みになっているわけです。  それから、医療費につきましても、毎年これは今の国民所得の伸びを上回って五、六%程度ずつ増加しているわけでありまして、したがって、一たん制度の仕組みをつくると義務的にふえていく。それを制度改正という形で、結局のところ保険料で負担するのか国費で負担するのか、あるいは受益者が負担するのか、そういった格好で負担していくわけでありまして、その制度改正をそれぞれの時期に国民合意を得ながらやっていく、こういう話になるわけでありますから、だから初めから……

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 いや、そうじゃなくて、私が言っているのは、単発でやっていいのかなと言っているの、単発で。医療保険は医療保険だけの収支を考えて、介護は介護だけで考えるわけでしょう。だから、仮に国民負担を五〇%にするのなら、その範囲で、例えば社会保険料を一五か二〇にしますよと、あなたの言う義務的経費がふえるのはもちろんその中に組み込んで、そうするとこれだけのサービスになりますよと。それよりもっと望むのならもっと負担しますか、負担しないのならこのくらいのサービスで我慢しなさいと。  ずっと年度経過で、国民にトータルで何か示さないと、単発で医療保険が赤字になったからおまえ銭を出せ、介護保険つくるんだから保険料を出せ、年金がこうだから掛金をふやせと、それで済むのと言っているんだよ。国民負担を仮に五〇%でいくといろんなら、政府として、あなたにだけに言っているんじゃないのよ、政府としてと言っているのよ。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 審議官、わかりましたか。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 わかったよ答弁は、余り長くなるから。  では労働省。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) 高齢者雇用の問題ですけれども、六十歳を過ぎて全然違う高付加価値の仕事につけるというようなそういう人もあると思うんですが、非常に珍しいと思います。私も、少なくとも六十歳を過ぎても同じ企業で働き続けられるということが基本だろうと思います。そのやり方は定年延長もあれば勤務延長というようなやり方もあると思うんですが、いずれにしろ、今まで培った技能とか経験を生かせる同じ企業ということが原則だというふうに思っています。

片山虎之助自由民主党

○片山虎之助君 だから、雇用者はもっと使うということだね。定年延長ということをぜひ打ち出しなさいよ。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 片山さん、こちらの指示に従ってください。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 非常に部分的でございますけれども、晩婚化、少子化が議論になっております。きょう御提議いただいておりますのは「二十一世紀に向けた社会保障の基本的考え方」でございますので、介護の問題等々については非常に詳しくございますが、少し育児の問題について、現在の保育園とか幼稚園とか、いわゆる就学前の子供たちに対する施策というものも並行していただかないと、やはり若い親たちは教育ができないから労働できないということもございますので、ここではちょっと事業所内託児施設のことはございますけれども、現在の保育園あるいは幼稚園等々にかかわる関係では、厚生省、労働省とは関係ないのでございましょうか。その点、伺います。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) 保育の関係でございますけれども、子育てにつきましては、平成六年十二月に厚生、文部、建設等四省共同でエンゼルプランというのをつくりまして、これは総合的なプランになっておりますが、これに基づいて保育につきましては、厚生、大蔵、自治三省共同で緊急保育対策等五カ年事業というのをつくっております。最近、働く女性もふえてきたということで、特に小さなお子さん、乳幼児等につきましても保育ができるように大幅に拡充しようということで、五カ年計画でこれも七年度から現在鋭意進めているところでございます。  今度私ども、今国会におきましても関係審議会の答申を踏まえまして、できるだけ子育てと就業が両立しやすいような保育所制度ということで関連の制度改革を行いたいということで、現在作業を進めているところでございます。

三重野栄子社会民主党・護憲連合

○三重野栄子君 新設のところと前のところも書いてあるのに、例えばエンゼルプランというのは全く触れていないということになりますと、そういう面が二十一世紀の基本方向に載せていないというのがちょっと不思議だから伺いました。

横田吉男厚生省児童家庭局長

○政府委員(横田吉男君) この構造改革の中では、後ろの方に少子化対策ということで若干触れてございますが、エンゼルプランという具体的な形ではっきり書いてないのは御指摘のとおりであります。これにつきましては、既に六年度につくりまして進めているということもあって恐らく書いてないというふうに考えております。

小山峰男太陽党

○小山峰男君 厚生省にお伺いしますが、介護保険の関係で市町村等を回ってみますと、財源を保障さえしてくれれば、あとの中身は自由にさせてくれた方がより福祉も進展するという意見が大分あるわけでございまして、こういう形で、すべて厚生省が制度化をして市町村にやらせるという形が本当に二十一世紀に向けていいのかなということが一点。  それからもう一つ、高齢化社会になってきた場合に、いわゆるお年寄りの皆さんがお年寄りを介護するような部分というのは相当要請していかなければならないだろうというふうに思っておりまして、そういう基本的な考え方が見えないというふうに思っておりますが、その辺どうでしょうか。二点。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 今度の介護保険制度で出そうとしていますサービスは、現在あるサービスよりさらにまた内容的には追加できるようになっているわけでございます。それを申請して要介護認定をしまして、その人の要介護状態に応じて給付をしていくわけでありますが、その給付の中身は、また専門家のアドバイスもありますけれども、受給をする人が選択するというんでしょうか、そういうこともできるわけでございます。  ですから、大きな枠組みの中での自由度というのはあるわけでありまして、とにかく、いわゆる財源的な仕組みをつくった、サービスについてのメニューも多様にある、その中でその人に合ったものを専門家の意見も入れながら選んでもらう、そういう仕組みになっているわけでございます。ですから、厚生省がずっと枠組みを決めて自由度がないという制度では必ずしもないんではないかと思うわけでございまして、御疑問点があれば、具体的な点についてそれぞれ私もまた御説明したいというふうに思います。  それから、老人が老人を介護するということも視点に入れるべきだということは、これは実際に、先ほど人口推計がありましたが、将来的には二〇五〇年には三分の一が六十五歳以上人口だというようなことを考えますと、先生おっしゃるとおり、そういうことは事実上出てくるんだと思います。  ただ、介護保険制度の中では、いわゆる介護に係る保険料、財源の仕組みと、それから要介護者にどういう手続、プロセスで介護サービスを提供するかということと、そしてまた、介護サービスを提供する事業主体などについてのいろいろな規制というのが入っているわけでありまして、提供する人の年齢というところまでは入っていない。ただ、例えばホームヘルパーで介護サービスをする人が現にある程度の高齢者になっているということは当然出てくるんではないかと思います。

小山峰男太陽党

○小山峰男君 二十一世紀に向けて、やっぱり基本的な方向として互助社会をつくるんだというようなことを大きく打ち出すべきだというふうに思っておりまして、そういう点が欠けているんじゃないかという気がするんです。

朝日俊弘民主党・新緑風会

○朝日俊弘君 これからできるだけ正確な検討作業をしたいという観点から、一つはちょっと注文をつけておきたいと思うんですが、労働省の方から世論調査が出ていましたけれども、これは本当に就業を任意的に希望するのか、やむにやまれず希望しているのかという問題を含めて、もう少し正確に把握する必要があるというふうに思っています。  そのことはそのこととして、両省にお尋ねしたいのですが、高齢者の範囲というか定義というか、それをもう少しこれから検討していくに当たってきめ細かくニーズを把握しておく必要があるんじゃないか。例えば、六十五歳以上というふうに一くくりにしないで、六十歳以上、五歳刻みぐらいでずっと七十、七十五というふうに刻んで把握をしていく必要があるんじゃないかというふうに思います。  そういう意味で、きょうお示しになった資料などで、例えばここに出ているのは六十歳以上で一まとめにしてあったり、あるいは六十五歳以上で一まとめにしてあるんですけれども、もう少し小刻みに、五歳刻みぐらいで刻んだらどういうデータが出るのかという出し方もちょっと検討していただければと思うんです。つまり、高齢者という範囲について、例えば前期高齢者とか後期高齢者とか分けて考えた方がいいという場合もあるようですし、そんなことを考えているんですが、いかがでしょうか。

中西明典厚生省大臣官房総務審議官

○政府委員(中西明典君) 議員おっしゃるとおりで、やはり高齢者の範囲というのは目的的に考えていく必要があるんじゃないか。それからまた分析をするに当たっても、特に介護の問題なんかを考える場合は、現に私どもも後期高齢者というものを取り上げていろいろ考えてきているところでございます。  それから、今後の年金のあり方を考えるに当たっても、今現在六十五歳支給という原則を立てておるわけでありますが、所得のある高齢者をどう扱うかとかいう問題もありましょうし、それから老人保健制度のあり方についても、これから医療のあり方とあわせて議論をしていかなければならないわけでありまして、その際どういった物の考え方で整理するのか、議論するに当たってもやはり細かい分析が必要ではないかというふうに考えております。  ちょっとお答えになっているかどうかあれでございますが。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) 先生おっしゃいましたように、高齢者ということで一くくりにするのは私どももどうもまずいのではないかと思っております。高齢者という年齢も、六十五では若いので七十ではないかという意識調査の結果もあるぐらいでございます。  それから就労希望についても、六十を過ぎると資産の状況もさまざまでございますから、資産の状況によっても意欲とかが違ってまいりますので、おっしゃるようにもう少し細かく見ていく必要があると思っております。

牛嶋正平成会

○牛嶋正君 今の問題と関連するんですけれども、平均寿命が延びるということは、ただ単に老後が長くなるということだけじゃなくて、自立のために必要な体力あるいは気力をいつまでも割合維持できるというふうに思っております。その年齢がだんだん高くなってきているんじゃないかと思うんですね。そのことと関連して朝日先生の御質問が今出てきたと思うんです。  先ほどから労働省は六十五歳までは現役というお話でしたけれども、今やもう七十歳ぐらいまで現役という考え方があるように思います。そうなりますと、これからの高齢化が進んでいく場合に、どのような社会的コストがかかるかということを計算するに当たりまして、単純に高齢者の数がふえるだけで計算するのじゃなくて、先ほどもちょっと問題がありましたけれども、例えば寝たきりの出現率なんかも、五歳で刻んでいきますと、今までの六十五歳から七十歳までの寝たきりの出現率は少しずつ低下していっているんじゃないかと思うんですね。そのあたりをきちっと分析して、そしてできるだけ正確なニーズを計算しなければ、きちっとした介護保険制度なり医療制度なりをつくっていけないんじゃないかと、こんなふうに思っております。  そこでお聞きしたいのは、そういった高齢者の診療回数とかあるいは今申しました寝たきりの出現率等、平均年齢が上がることによりましてどういう変化が起こっているのか、全く変化がないのかどうか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 今のお話のまず前段で健康寿命のようなお話がございましたが、私どもの審議会でも同じような指摘がありまして、少し研究をしてみようというふうなことになっております。  それから、五歳刻みで見れば寝たきりの出現率が違うのではないかというのはおっしゃるとおりでございまして、私どもも六十五歳から五歳刻みで出現率を把握しております。例えば、六十五歳から六十九歳まででは出現率が一・五%である。同じように五歳刻みでいきまして、例えば八十五歳以上になりますと出現率が二四%である。こういう出現率をもとに人口構成を掛けて将来の要介護者の人数を推計しているところでございます。

牛嶋正平成会

○牛嶋正君 その場合、平均年齢が上がるから今の刻みのところの数値も変わるんじゃないかと。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 出現率をとっておりますので、人口構成が変わって後ろの方がふえれば当然数がふえていくということになります。  それから、時系列的に出現率が変わるかどうか、これはまだちょっと私どものデータではそこまで把握できておりません。

牛嶋正平成会

○牛嶋正君 そうですが、いやそこらあたりやらないかぬと。

小林元平成会

○小林元君 パートタイマーの問題なんですけれども、女性が相当、九百万人もいるというお話ですけれども、勤労意欲というか働きたいという意思は相当強い。にもかかわらず、所得の制限というんでしょうか、税制上の問題で全部縛りがかかっているという状況はどうなのか。    〔会長退席、理事牛嶋正君着席〕  現在の税制体系についていろいろ問題点も出されているわけですけれども、労働省の方としても、これは本来大蔵省かもしれないですけれども、就労に障害があるというか壁があるという問題について、どういうふうにすべきか。今の前提が、配偶者控除がどうだとか、あるいは健康保険の加入状況がどうだとかというような問題で、全部税制に縛られているという状況はいかがなものかと思うんですけれども、その辺について問題意識というかお考えがあったらお聞かせをいただきたい。

渡邊信労働省大臣官房長

○政府委員(渡邊信君) 先ほどは少し資料で現状の紹介をさせていただきまして、だんだん就労調整をするパートの方がふえてきているという実情にあるということを御紹介させていただきましたが、それでは今先生がおっしゃるようにどうしたらいいのかということは、なかなか私どももまだよくわからないというのが実情でございます。    〔理事牛嶋正君退席、会長着席〕  就労調整をする理由として、働いているパートの方本人の百三万という問題もあれば、配偶者の方の配偶者控除、配偶者特別控除とか、あるいは社会保険料、厚生年金の負担、そういったもの等いろいろとあると思うんです。  ただ、基本は、これからやはり女性も働き手としてしっかり働くという方向に女性自身が考えているし、制度の仕組みもだんだんそういうふうに今向かっている、整備をしつつあるという中で、何かネックになって、年末の忙しいときにパートの方が休んでしまうというふうなことでいいのかどうか。  そういった問題意識は持っておるんですけれども、税制その他いろいろと要因は確かにあると思うんですが、労働省としてどういった方向で考えていけばいいのかというのは、これから勉強を始めようというところでございまして、この辺は厚生省さんなんかと十分御相談しなきゃいかぬというふうに考えております。

海野義孝平成会

○海野義孝君 厚生省にお聞きしたいと思うんですが、先ほど資料をお使いになって、とにかく負担がこれからどんどんかかるんだと、高齢・少子化問題、そういったことで国民に負担がかかっていくというお話がありました。  むしろ問題は参考資料の方にあるんであって、これについては意図的にお触れにならなかったのかわかりませんが、今、医療関係の保険の改正問題とか介護保険とかいろいろ言われておりますけれども、負担がかかるというのは、それは理屈ではわかりますけれども、いわゆる医療というか医薬行政においてそういった負担を抑えていこうという面での努力をされてきているかということでお聞きしたいと思います。  一つは、薬漬けという言葉があるんです。つまり、日本人というのは薬を大変めちゃくちゃ使うんだという問題、これの国際比較で見て日本はどういう水準にあるかということを数字をもってお示しいただきたいというのが第一点。  第二点は、薬九層倍という話がありまして、要するに、医薬会社というのは、最近ではかなり格差がありますけれども、物すごくもうかるということで、経常利益あたりは六〇%ぐらいという気が遠くなるような高収益なわけなんです。特に新薬の、いわゆるこれがフェーズⅠとかⅡの段階から薬品株というのは猛烈に上がるということで、制がん剤などの新薬を出すと、そういう企業がどんどん上がるということは、いつまでたっても効かない制がん剤が出ているということであって、効く薬が出れば、制がん剤が製薬会社の株が上がる材料にならないと、こう思うんです。  そういう意味で、いわゆる医薬企業というのは大変もうかっている、製薬会社はもうかっていると、総論的にそう思うんです、ほかのメーカー、ほかの産業に比べて。そういう面での製薬会社の収益性、収益力の国際比較、この二つについて数字でもってひとつお示しいただきたい。  負担のかかる話はもう頭が痛いほどわかっていますから、それをいかに抑えるかという面で、国民に対しても、あるいは医療、医薬行政においても努力をしているという面が時系列的に言ってもはっきり出てきているかどうか。もっと聞きたいのは、これは角が立つから聞きませんけれども、高齢化と薬の使用量の因果関係というのがどうであるかということは分析されているかどうか。  先ほど水島先生が予防医学ということを言われておりますけれども、予防医学の面での効果がどのぐらいあるとか、それには薬をどのぐらい使うとか、それからそういう面じゃなくて、いわゆる高齢化が進んでいく中でどのぐらい薬が自然的に使われるようになるのかという面、そういったことも含めて本当は聞きたいのですが、それはそれとして、薬漬けと薬九層倍、この関係の国際比較、これをひとつ教えていただきたいと思います。

江利川毅厚生省大臣官房審議官

○政府委員(江利川毅君) 総医療費に占める薬の割合を国際比較したデータがございます。ただ、総医療費の概念が国によって若干違いますので一つの仮定を置いてやっているわけでございますが、それによりますと、一九九三年ごろの資料でございますが、日本の場合には総医療費に占める薬剤費の割合が二七%でございます。フランスが二〇%、ドイツが一七%、イギリスが一六%、アメリカが一一%という数字でございます。  なお、日本は諸外国に比べてまだ高いわけでございますが、ちょっとデータがなくて恐縮でございますが、昭和四十年代の後半ぐらいは薬剤費の比率が総医療費の中の四五%を超えるような比率でございました。その後、薬価の切り下げを行ってまいりまして、それが現在は三〇%を下回る水準まで下がってきたわけでございます。  それから、日本の薬がなかなか医療費の中のウエートが変わらないということを問題にされているわけでございますが、これは新薬に似た、ゾロ新とかという言い方をしているんですが、ちょっと変わった新しい薬が出てくると、そういうのは薬価基準が少し高い値段でついたりして問題になっているわけでございますが、これは治験のあり方などについてやり方をもっと工夫していくことにしまして、透明性を持たせることにしまして、それによって本当に効果ある新薬しかなかなか治験が進まないようなやり方を導入したところでございます。これによりまして、また新薬というものに少しふるいがかかってくるだろうというふうに思っています。  それから製薬企業の収益の国際比較ですが、これはまた別途資料をお持ちしたいと思いますが、平均しますと、世界トップテンぐらいの企業の収益率、大変高い収益率でございます。そういう世界の企業に比べて我が国の製薬企業の収益率が高いかというと、必ずしもそういうわけではないということでございます。

海野義孝平成会

○海野義孝君 もっと今の点は突っ込んでお聞きしたいのですけれども、時間の関係もあるし、ひとり占めというわけにもいきませんから、いいです。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 以上で厚生省及び労働省に対する質疑は終了いたしました。  本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後二時五十四分散会

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