建設委員会 第5号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1997/03/21
会議録
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、釜本邦茂君、中島眞人君、保坂三蔵君、今泉昭君及び梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君、橋本聖子君、前田勲男君、広中和歌子君及び青木薪次君が選任されました。 —————————————
○委員長(鴻池祥肇君) 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明の聴取は既に終了しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松谷蒼一郎君 初めに建設大臣に伺いますが、今月の十八日の夕刻、首相官邸で財政構造改革会議が開かれました。財政構造改革五原則を総理が明らかにしたわけでありますが、その中で、あらゆる長期計画、公共投資基本計画などを含めまして、すべて大幅に縮減をする、歳出を伴う新たな長期計画は策定しないという原則を明らかにしたという報道があります。 五原則は九八年度予算から反映をすると。そうなってきますと、各五カ年計画が見直しということになってくるわけでありますが、本日議題になっております治山治水緊急措置法、これは治山治水の五カ年計画を審議するものであるわけですが、この点について、国務大臣としていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 委員御承知のように、財政構造改革五原則を内閣といたしましても決定をし、この方針のもとで、今後強力な財政改革を進めていくということでございまして、けさほどもそれに基づく第一回の閣僚懇談会を今までやっておったわけであります。 この五原則をどういう形で今後具体化していくかということにつきましては、財政構造改革会議の企画委員会を中心に練られていくわけでありますけれども、これには閣僚が一体的になって取り組んで具体的な政策を決定していくということでございますので、今後、委員御指摘の長期計画をどう取り扱っていくか、社会資本整備について、現下の厳しい財政事情の中において、長期に着実にこれを実施していくのに、見直すべき点をどう見直していくかということは今後の議論の中で決めていきたい、このように考えております。 当然、当委員会の皆様方からの御意見等も私どもとしては十分拝聴しながら、中身については今後決めていきたい、このように考えております。
○松谷蒼一郎君 そういたしますと、参議院の建設委員会の調査室から出している五カ年計画の資料があります。第九次治水事業五カ年計画案、投資規模云々とありますが、こういったことのとおりになるとは限らない、これは縮減されるようになる可能性があると、こういうことでしょうか。
○政府委員(尾田栄章君) まず、治水五カ年計画の基本的な考え方について私の方から御説明を申し上げまして、その後大臣の方から御答弁をいたしたいと存じます。 本委員会でただいま御審議をお願いいたしております治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきましては、治山五カ年計画、治水五カ年計画を策定する、そのための措置としての法律改正でございます。計画案そのものは、先ほど大臣の御答弁でもございましたとおり、今後この法律案が通りますれば、それを受けて策定をして閣議決定をいただくという手続を踏むところでございます。 先生御承知のとおり、昨年末の蒲原沢の災害を見るまでもなく、現在の我が国におきます治山治水の整備状況、当面の目標に対しても五〇%程度ということでございまして、個別の事業、それぞれ緊急を要する事業でございます。また、そういう個別に緊急を要する事業を計画的に進めていくということは大変大事なことだ、こう考えておりまして、ぜひともこの緊急措置法の一部を改正する法律案を早急に御承認をいただきたいと存じておるところでございます。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほどの答弁とダブりますけれども、私どもとしては、公共事業、社会資本の整備というのは単年度で場当たり的に実施をできることではないことはもう当然の話でありまして、そういう意味ではそれぞれ長期計画が必要であります。 それにつきまして、現下の財政事情が厳しいという中で、これは公共事業の分野だけではなくあらゆる分野について聖域なくもう一度これを再検討するという今作業が始まっておるわけでありますが、その作業の中で、私どもといたしましては治山治水の事業というのは極めて重要な事業でありますので、それについてどう取り扱うかということについては、我々としては大根をばさっと切るようなそういう無責任なことをやっていくつもりはございませんで、その事業の内容について具体的な検討を加えながら、そうした財政支出との関係においてのぎりぎりの判断をしてまいりたい、このように考えています。
○松谷蒼一郎君 このごろ、一部の専門家あるいはマスコミ等によって、公共事業がもう必要ないんだというような議論があるんです。これを御用云々とまでは言いませんが、しかし、私ども遠隔地域に選挙区を持つ者から見ますと、公共投資はまだまだ不十分であります。 そういう意味で、財政改革が非常に重要であるということはわかるんです。わかりますが、五原則の中であらゆる長期計画、それでわざわざ公共投資基本計画と名指しで書いてありまして、それを大幅に縮減と。大幅というのはどのぐらいの縮減かよくわかりませんが、少なくとも五%とか三%とかいうことじゃないだろうと思うんです。 これは、私どもとしては納得ができない。財政改革の重要性はわかるとしても、それはあらゆる分野についてやるべきことでありまして、公共投資を目のかたきにするようなこういう表現については、何としても建設大臣として剛腕を誇る亀井静香大臣から十分閣僚懇談会等においても発言をしていただきたいというように思うわけであります。 特に、財政改革をやる、公共投資を縮減していくといった場合に、それがほとんど地方の投資に対する切り捨て、こういうように短絡化する場合が多いわけです。これではますます地域格差が広がっていきまして、国土庁で言っております均衡ある国土の発展を逆に阻害していってしまうというようなことになるわけでありますから、これについては十分御考慮をいただきたいと思います。 公共投資というものを経済効果だけで測定をするというような風潮があるんですが、これは先ほど言いましたように、国土の均衡ある発展に逆効果になるわけでありますから、その点については十分しっかりした御意見を閣僚懇談会等についてもお述べいただきたいと思うのでございますが、大臣の決意をひとつお伺いいたします。
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、極めて残念なことであります。財政再建即公共投資を減らせというような議論がいろんな場面で相当沸騰をいたしてきておるわけであります。これにつきましては、私ども建設行政に責任を持つ者といたしましては、やはりこの財政再建をやること即そういうことにはならない。財政再建は、長期的には経済の活性化なくしては絶対に達成できるものではない。現に、五百兆、間もなくこれがどんどんふえていかざるを得ませんから六百兆にもなるでしょうけれども、これをばりとよそに外しておいてということであれば、単年度収支均衡ということだけで実現できるわけでございますが、そういうわけにはまいらない。そういう面から考えますと、やはり経済の活性化に社会資本整備が私は不可欠だと、このように認識をいたしております。 諸外国に比べまして、交通インフラにいたしましても非常におくれている。これをきちっと整備をしないで、我が国における産業活動が活性化していくのか。コストの面を含めまして、そういうことには相ならない。ビッグバンというようなことで金融の大改革をなされますけれども、外為の方も改正されていきますけれども、そういう中で、千二百兆の国民の貯蓄をほうっておきますと、我が国の国内における産業活動にそれが投資をされないで外国に逃げていっているという状況が助長されかねないわけでありますので、我々としてはそうした経済活動の基盤である社会資本整備はきっちりと整備をしていくという努力を怠ってはならない、僕はこういう考え方でもございます。 また、子々孫々に対して、我々の現在の生活を若干つましくする分でも、長期間を要する社会資本整備は子や孫のためにも現時点においてきっちりと整備をしていく努力は継続をすべきだという基本的な考え方に立っております。 ただ、そういう財政再建をやっていく中で、そうした社会資本整備のテンポをどうするかという問題、必ずこれ議論されることは避けられないわけでありますので、今申し上げました二点をきっちりと見据えながら、そのテンポを他の分野、社会福祉の分野あるいは文教の分野、ODAの分野、防衛の分野、あらゆる分野におけるそうした財政支出を削減していくという中で、社会資本整備の充実の必要性というものを私は大臣として強く主張をして理解を求めていくつもりでございます。委員におかれましても、よろしくバックアップをお願い申し上げたいと思います。
○松谷蒼一郎君 ただいま建設大臣から決意をいただきまして、大変意を強くしておるところであります。何かというと、公共投資は景気浮揚効果がそれほどないんだというような論調があるわけでありますが、公共投資に対して対極の軸にあるのは減税で、公共投資と減税の景気浮揚効果というか経済波及効果、これの調査結果があると思うんですが、これについて政府委員の方から。
○政府委員(村瀬興一君) 今、先生のお尋ねの公共投資の経済効果でございますが、これにつきましては経済企画庁が逐次経済モデルをつくってきておりますが、現在使用しておりますのが第五次の世界経済モデルでございますけれども、これによりますと、公共投資を行った場合の一年目の効果といたしましては、一・三二でございます。二年目は一・七五、逐次三年目が二・一三ということでございます。これに対しまして減税の効果というものにつきましては、一年目が〇・四六、二年目が〇・九一、三年目が一・二六というふうなことでございます。 今申し上げましたのは名目でございます。実質については、当然今の数字よりもう少し小さくなりますけれども、減税よりは公共投資の効果の方が明らかに高いという状況になっておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 私どもが以前調べたときには、住宅の経済波及効果は二・七倍とか、かなり高い数値を言っていたんですが、このごろ何か割とちょっと少なくなってきている。これは調査の方法が異なってきたのかもわかりませんが、いずれにいたしましても減税に対する景気浮揚効果と、それから公共投資の景気浮揚効果ではかなりの差があるということは事実だろうと思うんですね。特に、我が国のように、減税されてもほとんど大部分が貯蓄に回るというような国民性のところでは、ますますそういう効果の差が歴然と出てくるんじゃないだろうかと思います。 したがいまして、建設省としてもこういう公共投資の経済波及効果、これがあったればこそ、何とか今の景気がこの状態にまで来ているということを十分にPRしていただきたいと思うわけですね。建設委員会だけがわかっても、それをやっぱり国民すべてによく理解をしてもらわないと、曲学阿世の議論が出回っては困るわけであります。どうかひとつ、その辺はよろしく御努力をいただきたいと思います。 そこで、若干関連をいたしますが、これは河川局長に伺いますが、離島とか半島、中山間地域、農漁村、こういうようなところの公共事業の投資と、それから三大都市圏の投資、これの比率はどんなふうになっておりますか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生お尋ねの、三大都市圏と地方との配分がどうかという点でございますが、建設省所管全体で申しまして、平成八年度の当初予算では三大都市圏が三三%、地方が六七%という形になっております。治水に限って申しますと、三大都市圏が二三%、それに対して地方が七七%ということでございまして、地方への配分が厚くなっておる傾向にございます。 これは、治水事業そのものが日本全体のそれぞれの河川の整備を均衡を持って進めていく、そういう性格に合わせまして、例えば、首都圏の水を確保するための投資が群馬県等々の上流の水源県で行われると。首都圏に向けての効果を持つ事業がそういう地方県でなされる、そういう性格を持っておるという点もございまして、地方への配分が厚くなるという傾向にあるものでございます。
○松谷蒼一郎君 これは治山治水事業はそうかもしれませんね。大都市の中に山も谷もないわけですからね。だからそれはそうかもしれないけれども、行政投資実績のデータをいろいろ調べています。そうしますと、私がいただいたデータでは、三大都市圏が四二・七%、その他は五七・三%というように聞いております。これは官房長か、総務審議官かよくわかりませんが。
○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。 先生お尋ねのとおり、行政投資実績のデータを一都二府六県で計算した場合の大都市と地方の比率でございますけれども、三大都市圏で四二・七%、それから地方で五七・三%、こうなっております。 今のは行政投資の実績でございまして、建設省所管の事業の大都市と地方の予算配分の比率でございますけれども、これは河川事業だけじゃなくて、道路事業とかあらゆる私どもの所管の事業ということでございますけれども、合計いたしまして三大都市圏が三三%、地方が六七%と、先ほどお答えをしたとおりでございます。
○松谷蒼一郎君 いずれにしても、三大都市圏というのは面積がわずかしかないのに半分近く行政投資の実績がある。それでますます都市への人口集中を増進するようなことにもなっていくんですね。だから、大都市の車が渋滞をする、そのために道路をよくする、そうするとまた人が集まってくる、また渋滞するというような悪循環になってくるんじゃないかと。ただ、形式的に見ますと、地方に公共投資しましても、確かに高速道路を通っている車の数は少ないし、こんなところに投資するのは経済効率が悪いじゃないかというような意見が出てくるのはやむを得ない部分があるかもしれませんが、しかしそれによって地方の都市が非常に環境のいい、効率のいい都市になっていけば、やはり大都市に対する人口集中の抑制効果になってくると思うわけですね。 私も、ヨーロッパに二年ほど行ったことがありますが、パリとかロンドンとかそういう町と東京、大阪の町というのはそれほど異なったところはないんですね。やっぱりスラムは厳然としてパリでもロンドンでもありますし、東京でもそうです。しかし、地方都市が実にきちんと整備されて環境もよく、そういうところはヨーロッパ諸国と我が国では極端に違う。我が国の農漁村というのは本当にほったらかされているような環境の中にあるわけですね。 そういう点を十分考慮されて、今後、予算配分につきましても十分考慮の上配分していただきたいと思うわけでございますが、建設大臣いかがでございますか。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、基本的にはとにかく国土の本当に均衡ある発展、よく言葉で言いますけれども、かけ声だけではなくて、そうした社会資本整備ということの中でこれは具体的に実施をしなければならないということで、予算についてもそのような方針でやっておるわけでございます。 おっしゃるように、現時点での生活の不便とかそういうことだけに着目するだけではなくて、将来においてそれをどう解消するかという視点において、先行投資的な観点を含めて、地域にそれぞれきっちりと住んでいただけるような環境を整備していくのが私は政治の責任であると思います。そういう意味では後追いであってはならない、このように考えております。 しかし一方、じゃ大都会はもういいのかという議論がよくされますが、私は、確かに地方都市に比べれば相当量的な面では進んではおりますけれども、高速道路はあっても本当に車を拘束する道路だというような実態がなお現在常態化をしておるわけでもあります。また他の交通機関にいたしましても、とてもじゃありませんが、一時間半、職場に着いたときには疲れ果てているというようなそんな状況は外国においては考えられないことであります。そういうことについてもやはりきっちりとしていくという必要があろうかと思いますが、委員御指摘のように地方をきっちりとしていくことなくしては将来の日本はないということで、箇所づけ等につきましても細かい注意をしてまいりたいと思っております。
○松谷蒼一郎君 この第九次治水事業につきまして、若干細かくなりますが、河川局長に伺います。 従来は洪水対策としての治水ダムが非常に多かった、主流だったわけです。このごろは大都市、中都市を中心に渇水が定常化しつつある。渇水対策としての水利用対策といいますか、そういうような方向に少しずつ転換をしつつあるというように伺いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘のとおり、ダムが果たします機能につきましては、治水の機能、そして利水の機能、それに加えまして河川自体の維持流量を確保する環境への機能、大きく三つの機能を有しておるところでございます。そして、それらの機能をそれぞれ総合的に果たす、そういう目的で多目的ダムというものを推進しておるところでございます。 そういう中で、それぞれの地域によりましてダムが果たします主な役割というのがそれぞれ違うところでございまして、先生御指摘のとおり、島慣部あるいは半島部のように水不足に常に悩まされているというような地域におきましてのダムの機能といたしましては、もちろん治水の機能もございますが、水を安定して使えるという利水の機能への期待というのが地域から大変強いというふうに受けとめておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 それでは、議事進行の観点からこの辺で質問を終わります。 最後に、行政改革と関連があるんですが、治山治水事業五カ年計画、治山は農水省、治水は建設省と。これからの行政改革の過程の中でこの二つの事業は一体的に運営されていくべきではないかと私は思うんです。いろいろ歴史的な経過はあったんだろうと思います。治山が農水省、林野庁中心に行われており、治水は河川局を中心に建設省で行われる。しかし、将来の見通しとして、これらが一体的に行われるような行政改革というものがあってしかるべきではないかと思うんですが、最後に建設大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 御案内のように、十一月末までに国家機能を類別してそれに基づいた省庁の再編成をやるという、もうルビコンを橋本総理は渡っておるわけでありまして、あと時間との競争になっておりますが、今委員が御指摘のような視点を含めて、我々としては関係省庁との間で、とにかく明治新政府の役人になっておるような気持ちで、現在の省益だとか課益だとかいうことを離れて、日本の将来はどうあるべきかということでこの問題について議論をして結論を出していきたい、このように考えております。
○松谷蒼一郎君 これで終わります。
○平野貞夫君 平成会の平野貞夫でございます。 亀井大臣に、時間の範囲で治山治水問題を中心に、根本問題を中心に、胸を貸していただきたいと思います。 まず、治山治水事業について、亀井建設大臣の基本姿勢といいますか、政治哲学についてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(亀井静香君) これは、古来から言われておりますように、政の基本は治山治水であるということは現代においても私は変わっていないと思うんです。残念なことでありますが、またこう言うとしかられるかもしれませんが、最近の国会議論等を見ておりますとどうもそういう基本を何か、忘れられておるとは思いませんけれども、飲んだり食ったり遊んだりとは言いませんけれども、当面の生活をどうするかということを政治の当面の重点に置けというように誤解されがちな議論も私は相当にあるということを憂えておるわけであります。 阪神・淡路大震災が発生をしたとき、あるいは蒲原沢の事件、そういうことが起きましたときに、そうした災害等からどう国民の生命、身体、財産を守るかということが、そのときは強く言われるわけでありますけれども、そういう基本がどうも議論をされなくなった。そういうところに金を使うことが財政再建に正面から反するんだというようなそういうムードが助長されていくということは私は極めて、これは日本の地政学的な地球における位置からいいましても、常にそういうことを基本に置いた政策を実施していかなければならない、このように考えております。
○平野貞夫君 昨夜、NHKテレビで司馬遼太郎さんの「街道をゆく」という番組があって、私、そこで感激しましたのは、山河、山や川を人間というのは畏敬、敬わなきゃだめだという、こういう言葉が出て非常に感激したんですが、国破れて山河ありという時代ではなくて、山河荒廃して国が壊れるというような今時代になっていると思います。そういう意味で、ただいまの亀井建設大臣の基本的姿勢は評価するものでございますが、そういう姿勢でぜひこれから建設行政に当たっていただきたいと思います。 当面、先ほども触れました行政改革、構造改革、この議論の中で公共事業がむだ遣いの張本人のように言われております。私はいろいろ議論があると思いますが、先ほども松谷先生、亀井大臣もおっしゃったように、やはり治山治水は国民の生命、健康、こういう基本にかかわることでありまして、もちろん事業の合理化、効率化というのはきちんとやらなきゃいかぬと思いますが、どうも今の橋本政権の取り組み方、基本的哲学について私は疑問を持っておるものでございます。 そこで、今問題になっております公共投資基本計画、十年間で六百三十兆と言われています、このあり方について、政府と与党の中でいろんな議論がされておるわけでございますが、建設大臣は概括的にいってどういう御所見をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) この公共投資基本計画につきましては、先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、政府・与党一体となって財政再建を実施する中で大幅に縮減という方向でこれを見直すということを決めておるわけでありますが、大幅な縮減というのがどの程度の数字になるか、これは今私がどうこうという立場ではございませんけれども、やはり私は、公共投資というのは先ほども申し上げましたけれども単年度でこれは完成できるものではございません。極めて長期を要するわけであります。 そういう中で、国の財政事情もこの経済事情を反映しながら変化をしていくわけでありますので、単年度予算においては、これがあるときには多くなったり少なくなったりという、そういう調整はされながら、ある期間をとって見ればきっちりと整備をされていくという、そういう一つの目標として長期計画の意味が私はあろうかと思います。 現在、六百三十兆が決められました経緯の中にはいろんな要素もございます。これはアメリカから内需拡大を求めてきたという、そういうこともある程度念頭にも置きながら決めたという点もございますが、これも一つの長期のいわば大きな目標といいますか、そのあたりを目標にしてやろうということでありますから、それが単年度にきちっと振り分けられて幾らということでいくものでは私はないと思います。 しかし、大きな枠でありますから、それがあるべき社会資本整備の将来の日本のあり方を一方できっちりと見据えた私は見直しでなければならない。その見直しした結果が、先ほども申し上げましたけれども、子々孫々に対して我々が責任を放棄するようなものになってはならないということであると思います。また、災害国家と言われます我が国における当面のそうした憂いをきっちりと排除した、国民が安心ができる、そうした長期計画でなければならないと、私はこのように考えております。 そういう意味では、まず大幅削減ありきというものではありませんし、これは他の分野との関係においてきっちりとこの重要性について議論をされていくべきものであると。公共投資計画はまず一番最初にこれをやっちゃえと、次に防衛だとかというようなものではないと、私はこのように考えております。
○平野貞夫君 大臣の基本的考え方はほぼわかりましたが、たしかにおっしゃるように単年度計画でやれるようなものでもありませんし、また現在の単年度予算制度が果たしていいものかどうか、効率的な予算活用に役に立っているものかどうだろうか。これも一つの私は行政改革の対象ではないかと思います。しかしながら、五カ年計画が果たして適切かどうかということも、これもまた議論しなきゃいかぬと思います。 それから、治山治水につきましてはいまだに緊急措置ですよね。四十年近く緊急措置、緊急措置と五年ずつ延長していると。こういうやり方も果たしていいのかという根本問題があると思います。もうちょっと根っこの問題があると思いますが、いずれにせよ、当面、橋本政権の財政構造改革会議で問題が提起されていますので、重複しますがちょっとお尋ねします。この会議の建設大臣はメンバーでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私あるいは運輸大臣、農林大臣等、公共事業を多く管轄している大臣はこれのメンバーには入っておりません。大蔵、経企庁長官、自治大臣、官房長官、そのあたりだと思いますね。
○平野貞夫君 私は、公共事業にかかわっている関係大臣がこの会議に入らないということはむしろおかしいと、入るべきではないかと思うんです。こういう基本的な方針を決めるときにメンバーに入らないということになると、やはり関係大臣の意向がぴしっと反映される仕組みじゃないと本当の財政構造改革はできないと思うんですがね。 そこで、私たちは十九日の朝刊で内容を知ったわけですが、大臣はこの会議の橋本総理の指針といいますか提示の内容をいっ御存じになったのでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は従来から閣議におきましても関係閣僚会議におきましても、行財政改革は、与野党一体といいますか、野党の理解を十分いただきながら、その中で政府・与党がまさにこの中核となって推し進めなければならないということを私なりに申してまいりましたけれども、具体的な財政構造改革会議につきましては、これは総理がやはり政府・与党、従来の我が国の財政運営に責任を持ってこられた方々等を網羅して、法律的にはこれは総理の私的な諮問機関という形になろうかと思いますけれども、そこで意見をきちっと集約をして大方針を決め、政党政治でありますから、その中で政府も一体となって推し進めていきたいという御意向であるというふうに私は伺っておりました。 そういう中で、私はさはさりながら、やはり執行機関であります各省庁の大臣がその会議とまさに表裏一体という関係の中でやっていかなければこれは実が上がらないということで、その点については、常時閣僚会議を開いて中身についてあわせて一緒に協議をする中で進んでいただきたいということを強く御進言も申し上げてまいりました。総理も官房長官もそのようにするということで、けさもこれやったわけでございますけれども、先日もそうした形で、その財政構造改革会議が開かれる前におきましても、閣僚会議において閣僚の財政再建に対する意見を聴取される、議論をするという場面もございましたし、その後においても会議で議論をされたことについての報告もございまして、それで閣僚としてもこれを了解をしたという経緯がございます。 そういう意味では、財政構造改革会議と閣僚とは今一体となって、表裏一体という形の中で進んでおりますし、これからも企画委員会に常時閣僚が出ていって検討に加わるということになっておるわけでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○平野貞夫君 十分にそこら辺は会議の前後に執行する立場の責任者がきちっとしたやっぱり方針を伝える必要があると思います。 財政構造改革会議の構成を見てますと、元総理の人たちもあるいは元大蔵大臣の方たちも入られておるわけでございますが、ちょっと口を悪く言いますと、プラザ合意後の日本の政策転換を適切になさってなかったから今日の問題があるわけでございます。先輩たちの批判するわけじゃございませんが、あそこには責任ある人たちがおるわけでございまして、だからといって日本の国の基本問題を曲げるような形で、場合によっては国民の勤労意欲も失わせるような形で構造改革をやるということになるとこれは大変なことだと思っておりますので、その辺はきっちりとひとつ大臣に言うべきことをおっしゃるように要望しておきます。 それから、先ほどの松谷先生のお話で出ておりましたんですが、財政再建法が恐らくいろんな内容を持って出てくる、それから、治山治水だけじゃございませんが、五カ年計画法がどんどん審議されておる。そして、いかにも、金額はもちろんのこと、事業の計画の中身もあるいは進捗状況も変更し得るという報道もどんどんなされる。そういうことになりますと、この治山治水緊急措置法改正案は何のために審議しているのか、それだったらきちっと方針を決めてから審議すべきじゃないかということも我々は言いたくなるわけでございます。 参議院は平成会でございますけれども、衆議院の新進党、党側から何でそんなに審議を早くするのかということで大分突き上げられていますけれども、私たちはよもやそういう基本的な考え方、計画は変わることはないだろう、それを確認すればいいということで応じて、市川先生も大変御苦労なさっているわけでございます。 もう一度そこら辺のことについて河川局長、技術的なことで結構でございますが、公共事業、公共投資の基本計画が場合によっては縮短あるいは繰り延べになるかもわからないというような状況の中で、これ政府の基本方針もっと固いものかもわかりませんが、そういう中で治山治水の五カ年計画の前提になる緊急措置法を今この時点で可決する、成立させていくということとの、私は矛盾を若干感ずるんですが、矛盾がないようにひとつ説明してくれませんか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘のとおり、現時点においてなぜこの緊急措置法の改正をする必要があるのかという御質問、ある意味では非常に重く受けとめておるところでございます。 治水の現況からお話をさせていただきますと、先ほどもお話をさせていただきましたが、当面の目標でございます時間雨量五十ミリ対応、それに対してすら現状では全国平均の整備率が五二%という状況でございます。昨年も、大きな台風も襲わなかった状況の中ですら中小河川を中心に大きなはんらんを繰り返しているという状況でございました。 そういう中で、治水事業を緊急的に整備をする、そして個々の事業の緊急性を総合的に考えつつ計画的に進めるというためには、先ほど来御議論いただいておりますとおり、五カ年というタイムスパンでもこういう治水事業としては短過ぎるのかもわかりません。そういう意味合いで、計画的に事業を執行するという意味合いでは、そしてなおかつ途切れることなく治水事業を執行するという意味合いでは、ぜひともこの五カ年計画を作成させていただきたいというのが私どもの立場でございます。 そして、昨年の末に財政当局と私どもとの間で合意をいたしました案におきましては二十四兆円、総額では二十四兆円でございますが公共投資部分としては十一兆六千億円でございます。これは第八次の実績額が公共投資部分だけで申しますと十一兆五千億でございまして、ほぼ同額と。まさに非常に厳しい財政事情を勘案をした上でその原案はできておるというのが実情でございます。 五カ年計画そのものは、それぞれの事業の必要性、緊急性、そして財政的な制約との接点として決まってくるものだというふうに理解をしておるわけでございますが、まさに現下の財政状況を踏まえた形で昨年末の原案は策定をされておるというふうに理解をいたしておるところでございます。
○国務大臣(亀井静香君) 極めて重要な問題でございますので、私の方からも御答弁をさせていただきます。 先ほども御答弁申し上げましたように、治山治水はまさに国民の生命、身体、財産を守る政の基本であります。その基本が財政事情ということで揺らぐということが私はあってはならないと思います。そういう意味では、この五カ年計画で我々が必要だといっている事業の内容等がそういうことの犠牲になるということがあれば、我々としては政治の責任を全うすることにならないと思います。 しかし、財政事情が厳しくなければいいというわけじゃありませんが、厳しければ厳しいほどコスト面の縮減等、徹底的な我々としては事業遂行の過程における経費の節減等にも努力をいたしましてそうした公共投資の総額について見直すということであれば、基本的な責任を放てきをしないという中において我々としては全力を挙げた努力をしなければならない、このように考えておるわけでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。
○平野貞夫君 大臣の御方針は明確にわかりました。 しかし、私も野党の立場でございますので、ちょっとしつこくこの点は念押しをしておきたいと思います。例えば大蔵大臣はもう公共事業の繰り延べが、政府の基本方針で決定しているような答弁を二月二十一日の衆議院の大蔵委員会でやっているんですよね。財政構造改革に取り組んでいる最中でもあり、若干延長しても非難はないと受けとめている、これが内閣の方針と信じている。こういう答弁をしているんですが、今の大臣の御発言と食い違うとまでは私は言い切りませんが、やっぱり大分矛盾、方向が違うと思っていますが、その辺どうでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 政府において事業を推進していくのは、いわゆる民間会社に例えますと事業部は我が建設省でございまして、大蔵省は経理部だと、私はこのように承知をいたしております。 どの事業を展開していくのが国家のためになくてはならないかという判断をするのは私は建設省だと、このように思っておるわけでありまして、そういう意味で長期計画を手直ししていく場合に、それは期間を延長するのかあるいは目標を動かすのか、金額面で動かしていくのかということは、先ほど申し上げましたように、我々が国民に負っている責任をきっちり治山治水という面で果たしていけるのかどうか、あるいは道路建設を含めまして他の分野もそうでございますね。そういう責任をきっちりと果たしていけるのかどうかということを基本に置いて、さてどうするかという話でありまして、まず最初に期間延長ありきとか何%削減ありきという私は話ではないと、このように思っております。
○平野貞夫君 政府の方針としては、亀井建設大臣からより今明確にされましたのでわかりました。 一方、政府を動かすのは与党でございます。与党の方の動きについて大臣に聞くのもこれも変な話でございますが、御意見なりあるいはもし内容を御承知なら教えていただきたいと思います。 衆議院で予算を審議して予算をいつどういう方法で衆議院は上げるかというときに、与党三党とプラス民主党、三プラス一の政策責任者レベルの会合が何回か開かれて、その中でたしか民主党が公共事業長期計画の見直しと繰り延べを主張されて、そして社民党とさきがけが公共事業見直しによる予算執行過程での歳出削減、この予算執行過程での歳出削減ができるのだったら予算案の編成に問題があるんじゃないかと私は思うんですが、その理屈は言いませんが、こういう主張に対して自民党の加藤幹事長、それから山崎政調会長が理解を示したという報道が何回か二月から三月にかけてなされましたんですが、この件で与党から何かお話を伺っていますか。
○国務大臣(亀井静香君) 伺っておりません。 私は、与党三党は、政党政治でありますから、予算編成について御意見をおっしゃるということは当然であると思います。政府と考え方が違うのであれば、その点は精力的なすり合わせをしていかなければならないと思います。三党の政策代表者の方とは、閣僚折衝におきまして私の所管する予算については私の方から御説明を申し上げて了承を得ておるわけでございます。そうしてでき上がった予算でございますから、ゆめゆめそうしたものについて減額執行しろなんということを言い出されるはずはないと、このように考えておりましたし、そういう話は私の方には党の方からも来ておりません。
○平野貞夫君 よくわかりました。 そこで、先ほど亀井大臣も御発言どおり、それは単価だとかそれから事業のいわば合理化とか効率化によって、予算経費が少なくなるということは大変それは結構なことでございますが、治山治水についての関係省庁がこれだけは義務として果たさなきゃだめだと思っている計画自身がひとつ狂うことはないと、こういうことを確認できたというふうに私思っております。 以上のように、私こう述べますと、構造改革、財政改革はどうでもいいかというように誤解されたらいけませんので、そこで若干この点について大臣の御所見を聞いておきたいと思いますが、私は問題は何のための財政再建かということだと思います。大蔵省のための財政再建だったら意味ないと思います。問題は将来国民生活が向上する、やっぱり日本の国家が豊かになるための財政再建あるいは構造改革でなけりゃいかぬと思っております。 そこで、これは私のような素人が考えましても、一番目に税金を上げること、これをやれやれ、よいよいという人はいないと思います。二番目には、やっぱりむだ遣いをしない仕組みを国、地方を挙げてつくること、そのための行政改革をすることだと思います。三番目は、やっぱり先ほど大臣いいことをおっしゃっているんですが、経済を立て直して景気をよくして税収がふえる、そのための経済構造の改革、財政構造の改革でなけりゃならないと思いますが、この二番目と三番目とをやっぱり同時並行的に断行しなきゃいかぬと思っていますが、どうも橋本政権の行革論は二番目だけに重点を置き過ぎておるという印象を持っていますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 委員が御指摘のように、経済のいわゆる活性化、安定した秩序ある活性化でありますけれども、これがなくして財政再建は私は絶対に不可能だと、このように思います。 そういう意味で、財政支出を減らしていくというそうした努力は当然必要であるかもしれませんが、それとあわせて、それでは財政が出動しないで民需をどう秩序ある形で喚起をしていくか、それに対する施策は何かということが私はあわせて極めて大事だと、このように考えております。私は常にそういう立場で発言もいたしております。橋本内閣も決してその点をおろそかにしておるわけではございませんで、規制緩和等思い切って推し進めていく中でそうした民需を喚起していき、民間主導型で活性化を図ろうとしておることは御理解をいただきたいと思います。 ただ、委員御指摘のように、世間から見ていると、切り詰めることばっかり言って、じゃ景気はどうなっていくんだということについてもっと具体的なことをひとつ言ってもらいたいという心理的な状況も私はあろうかと思います。これは両方やるということでおるわけでありますから、委員が御指摘のように、後者の部分について今後橋本政権が、財政出動が後ろに引く分だけ、じゃ何によって民需を喚起していくか。 例えば、建設行政でいえば電線の地中化というようなことも今度事業量を倍にいたしてやりましたけれども、九電力が大幅な設備投資を非常に嫌がっておったわけでありますが、私が非協力的なところは会社を公表するということを社長に言いまして、嫌々ではございませんけれども、全面協力の体制になっております。これなんかも財政出動をやらにゃいけませんけれども、それがいわば呼び水になって民需を引っ張り出す一つの方法であろうかと思います。我田引水しておるわけじゃございませんが、あらゆる知恵を出して、委員御指摘のように民間にそういう力をどうやって出させていくかということが今後のキーポイントで私はあろうと。橋本内閣はその点をきっちりと意識をいたしていることは申し上げたいと思います。
○平野貞夫君 余り意見が近づきますと与党か野党かわからなくなる部分、野党の立場で申し上げますと、私は大臣はちょっと異色な感じを持っておるんですが、どうも橋本首相はこの財政再建についてやっぱり見方が狭いんではないか、どうしてもっと日本国の国民の力と知恵とそれから潜在的経済力を信用しないのかという意見を私は持っております。 なぜそういうイメージが出ないかということになりますと、二十一世紀、新しい国家社会をどういうものにするかという国家像が今の橋本首相にはやっぱり私は欠けている、野党の立場ですからそういうふうに。したがって、何かもう財政再建というか、けちくさい話ばっかりになって民間の人も個人もやる気をなくするという状況が今出ているのではないか。ただ、物、金を削るだけだったら、これはだれでもできるわけでございまして、政治の知恵というのは、そこに民間の力を再生させながらそしてむだなものは削っていくということを同時にやるべきではないかと思っています。 私は、実は昨年秋の総選挙の際に新進党の公約づくりに参画しまして、国と地方合わせて年間二十兆円削減できるという計画をつくる中の一人だったわけでございます。与党からも世間からも大変荒唐無稽だといって笑われたのですが、本当に政治がやる気ならこれはできるんです。 まじめな話ですね、地方自治体を三百ぐらいにして、地方分権の受け皿というものをかっちりつくって、指定都市並みの権限を与える、そして補助金制度を交付金制度に変えて、そういう力をつけた自治体の判断で使うとか。要するに明治につくったシステムをずっと今まで持ってきたわけです。 先ほど亀井大臣は、明治時代創成期の役人になったつもりでというお話があったのですが、私は、むしろもうちょっと何年か前の明治維新をつくった人の気になって、そういう行政システム、特に地方と国と連携している、これを効能的に改革することで実は二十兆の削減は可能なんです。その場合、私らが計算したときに、公共事業の単価についてはもちろんこれは見直すという計算をしましたが、現在政府の考えでいる事業について引き延ばすとかということはこれは考えませんでした。 要するに、そういう厳しい行政改革と構造的行財政改革といろいろ議論されております新しい社会資本の整備、やっぱりこれ自身も構造改革の一つだと思っております。こういう考え方で臨むべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。 もう一度大臣、この私の意見に対してどういうお考えか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、かねがね新進党のそうした行財政政策について、新聞紙上からいろいろ伺っておりますけれども、長期的に経済のいわゆる秩序ある活性化を図っていくという視点をきちっと見据えた行財政改革をやるべきだというお考えは、長期的な視点においては間違っていない、私はこのように思います。 ただ、それに対しての処方せんとして、失礼でございますが、減税をやることが効果的なのかどうかということになってまいりますと、日本人の極端な貯蓄性向というような状況、千二百兆というような膨大な貯蓄が現在あるような状況の中でそうしたことが経済の活性化にきちっとつながっていくのかということにつきましては、私としては理解をできないという面がございます。 しかし、経済の活性化をどうやっていけばいいかというその手法については私はいろんなやり方があろうかと思います。新進党におかれましても、ただ自民党に対立点を明確にした方がわかりやすいからということではやっておられないとは思いますけれども、ぜひ現実的な具体的なひとつ活性化への御提言をいただければ非常に私はありがたい、このように思っております。
○平野貞夫君 治山治水緊急措置法からちょっと外れるといけません。私もこの議論をもうちょっとやりたいのですが、大臣のアドバイスとして受けておきます。ただ減税論につきましては、先ほど総務審議官からお話がありましたが、公共投資の効果も私は否定しません。しかし、やっぱりグローバル社会になった段階での減税の税制度の意味も大変高いということだけを申し上げておきます。 次に質問を進ませていただきたいと思いますが、昨年六月に河川審議会が二十一世紀の社会を展望した今後の河川整備の基本的方向についてという答申を出されております。 この答申が一つの治山治水緊急措置法改正案の考え方のベースになっていると思いますが、あるいは五カ年計画のベースになると思います。これを読まさせていただきまして大変感心をいたしましたが、この答申の中に環境という言葉がたくさん使われていました。数えてみましたら六十回使っています。治水という言葉はもっとあると思ったら二十三回ぐらいしか使っていません。実に建設省の行政の方向性が変わってきたと感心をしたわけでございます。ということは、いわゆる治山治水事業というのが総合的な国土保全事業だということだと思います。 そこでお尋ねしたいのは、たしかこの法律の三条四項には五カ年計画をつくるときに建設大臣、農水大臣は、企画庁長官と国土庁長官に協議をしなければならない、そういう協議の義務規定を書かれておるんですが、環境庁長官と協議をすることを法律に書いていない理由といいますか、そこら辺はいかがですか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘のとおり、国土庁長官につきましては五カ年計画の上位計画でございます国土総合開発計画等の国土計画との調整を図るという立場、そしてまた経済企画庁長官とは長期経済計画等の経済計画、上位計画たるそういう計画との調整を図るという立場に立ちまして法定協議をお願いしておるところでございます。 先生御指摘のとおり、昨年いただきました御答申の中でも環境という言葉が大変多く、川の三百六十五日を大事にするという御答申をいただいておりまして、これは治水をおろそかにするということではもちろんないと受けとめておりまして、従前、敗戦後の日本をいかにして経済復興するかという中で治水に非常に重点を置いてやってきた、そういう大きなイナーシアがついているものを、動きを変えていくという中で環境というのが非常に強く打ち出されたわけでございます。それを私ども受けとめまして今後とも環境と治水と利水と総合的な機能を果たせるように整備を進めていきたいというふうに思っております。 そういう意味合いで、環境問題につきましては他の利水問題等と同じように、法定協議という形ではございませんが、閣議決定をするに際しまして十分協議をさせていただきたいと思っておるところでございます。 また、御指摘をいただきました環境問題につきましては、河川法の一部を改正する法律案というのをお願いいたしておりまして、その大きな改正の眼目として河川法の目的の中に河川環境の整備と保全というのを入れていただきたいということでございます。これはまた別途御審議をいただくわけでございます。 ただいま先生御指摘の環境の問題は十分今後とも配慮をして、というより大きな機能の一つとして考えてまいりたいと思っておるところでございます。
○平野貞夫君 隣には元環境庁長官がいらっしゃいます。五年ごとに法律改正やっていますから、私は本来なら入れるべきだと思います。しかし、ここで修正しろと言っても、この時期でございますから、それ以上のことは言いませんが、少なくとも法律に義務づけはされていなくともやっぱり十分な協議はやっていただきたいということを要望しておきます。 それと、この治山治水緊急措置法というのは、実は私個人のことを言いますと非常に思い出のある法律でございます。昭和三十五年の制定でございますので、六〇年安保のときに、安保大騒動しているころ国会審議された法律で、私はそのときに衆議院事務局に入局したということで非常に印象が深い法律だったんですが、そのときの法律のネックは、国土の保全と開発ということにプラスして、当時の村上勇建設大臣が経済基盤の強化という言葉を提案理由で入れていたということを記憶しております。 この法律は国土の保全ということにウエートが、前年に伊勢湾台風がありましたからあったと思いますが、やはり高度成長政策を推進する法律の一つであったというふうに見ております。それはそれでいいと思いますが、それ以降どういうふうに世の中が社会構造、産業構造が変わったかということを建設省、農水省の皆さんにはお考えいただきたいと思います。 昭和三十五年時代には、スーパーや飲食店で水を売っていませんでしたよ、今みたいに。今、コンビニでもデパートでもどこでも、水道の水を大都会では飲む人は少なくなっています。それだけ状況は変わっています。私は間もなく空気を缶詰にして売る時代が来ると思うんです。もう始まっているかもしれません。それから、昭和三十五年時代は花粉症もなかったんですよ、花粉症のせいを林野庁には持っていきませんが。 本当にやはり、水とか空気というものの大事さというのを我々政治はもっともっと認識せにゃいかぬと思います。率直に言いまして、私の国は四万十川がある土佐ですが、これは建設省と林野庁のおかげで非常にいい治水治山をやっていただいて、最近では土佐湾に鯨が生息するようになりまして、鯨の数と種類で世界でも唯一になっております。そういうふうに、やはり治山治水に必要な金をかければ国はよくなるんです。そこら辺の認識は大臣は非常によくされていると思いますが、私はむしろ中山間地域なんかには空気供給交付金みたいなもので治山治水なんかをちゃんとやってもらいたいような気持ちを十分持っておるんです。 そういうことで、しっかりと今後、環境庁長官と協議すれば何か規制ばかりされるということじゃなくて、ともに治山治水、生命をやっぱり、これは人間だけじゃございません、地球環境という全体の問題としてとらえていただきたいと思います。 それから、最後の質問になりますが、今度の改正案というのは二十一世紀にまたがるものでございます。次の五年、私は政治家をやっているかどうかわかりませんが、恐らく行革で建設省があるのか農水省があるのかもわかりません。そういう大きな激動の中で、どんなことがあってもやっぱりこの治山治水事業というのは守っていっていただきたい。 そこで、この五年ごとの延長という、計画はともかく、この法律の改正というのは私はやめるべきじゃないか、今回で最後にすべきじゃないかと思っております。でき得れば、なかなかそうもいかぬと思いますけれども、私は、新しい憲法というものの中で、国土の保全、環境の保全についての国家の責任、国民の義務、こういうものもやっぱり新しい憲法の中で規定して、それに基づく、山と川と海ももう一緒にしなきゃならぬ、国土といったってもう領海も一緒にすればいいんですよ、これを一体とした国土の保全と活用についての恒久法というものをつくって、そして必要に応じてその計画というものを推進していく、こういう新しい国土行政をこれからはやっていかなきゃいけないと思います。 そのこと自身が新しい日本の社会がどうなるかということの一つのベースになりますし、こういうことが本当の行政改革であり、経済構造改革であり、財政構造改革ではないかと、こういう主張を持っておりますが、大臣から御所見をいただいて。
○国務大臣(亀井静香君) 私は今、委員のお話を聞いておりまして、基本的に全く同感でございます。特に環境行政が、規制ではなくてよりよき環境を生み出していく、そういうことについてもっともっと努力をすべきだという御意見はまさにそのとおりだろうと思うんです。そのことに建設省が積極的に協力をしていく、協力をしていくというよりも、建設行政はまさによりよき環境を守り、生み出していくということが建設行政の一つの私は骨格である、このように考えております。委員の御意見に全く同感でございます。ただ、憲法改正すべきだなんということは今私は申し上げませんけれども。
○平野貞夫君 ちょっと時間が少しございますので、最後の最後の、これは要望でございます。 行政改革をこれから断行するについて、最近の風潮として、一部の公務員の不祥事のために全体の公務員が非常に悪いことをしているというような印象を国民あるいは世界的に与えていることは、私は非常に残念でなりません。 私も三十年ぐらい、行政じゃないんですけれども立法府の公務員をやっていまして、私たちが公務員をやったころは、自分の月給で生活できるようになるのが公務員宿舎に入っていたって四十になってからですよ。ここに並んでいる方あるいは官僚出身の先生方も皆そういう経験をなさっているんです。三十代に子供一人が大病すれば、生活保護の申請をすれば申請が成ったんですよ。そういう状況を通じて実はこの日本の発展のために役人の皆さん、みんながほとんどの人が頑張った。 ところが、ごく一部の不祥事、これはよろしくないです。それからやっぱりシステム上の問題もあります。問題はありますが、なんといったって大改革をするときには、これはやっぱり役人、公務員さんのいい知恵といい力をかりなきややれるはずないんです。どうもそういう点で政治自身が何もかも公務員に責任を負わせ過ぎているんじゃないか。むしろ責任があるのは、悪いのは政治家の方じゃないかという印象を持っておりますので、どうかひとつ亀井大臣、もし御賛同いただけるなら、そういう主張をやっていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私は余り無責任な発言をしようとは思いませんけれども、委員御指摘のように、役人のほとんどは別に金もうけをしたいとか、いい生活をしたいと思って役所に入っておるわけではございません。私もかつて警察を志しましたが、政治家になろうと思って私は警察に入ったわけではございませんで、途中で気が変わっただけの話でありますが。 ほとんどは本当にまじめに一生懸命やっておるわけでありまして、今度の行政改革の基本というのは、その役人が本当にやる気になるかどうか、ここに私はかかっておると思うんです。役人を敵に回してそうして行革ができるなんてとんでもないと私は思いますね。 私は、そういう意味で大臣就任と同時に一人一人に全職員に自己点検をやらせた。建設省は将来なくなるかもしらぬけれども、建設行政は残る、むしろ発展させなきゃいかぬ、それには一職員としてどう考えるかということを一人一人に全部書かせました。非常にいろんないい意見といいますか、考え方が出ておったわけでありますが、今建設省はそういう意味ではまさに火の玉になっておるわけであります。 そういう中で、委員が御指摘のように、お金の問題ですね、公務員の給料が今民間に比べて高いか安いか。これは中小企業、零細企業に働いておる方々との比較の問題もあります。いろんなもちろん批判もありますけれども、私はやはりそんなに民間に比べてべらぼうに高いという状況ではない。 それよりも、本給よりも問題は交際費なんですよ。民間企業、中小企業、零細企業まで交際費を使っているとは私は言いませんけれども、少なくとも大学の同級生、各会社の課長になっている、部長になっている、重役になっている、その連中とやっぱりつき合わなきゃいかぬわけでしょう。一切つき合うなというなら別ですよ。彼らはこんなこと言っちゃおかしいですが交際費を使っているんですよ。これはある面では目的外使用かもしれませんけれども、民間における交際費使用の実態というのは、まさに課長や部長の役人との私的な交際にまで使われているというのが実態なんですね。 そういう連中と役人がつき合っていくのにどうするかという話なんです。こちらに合わせてそば屋の二階ではかりというわけにはいかない。そうしたことをやはりきっちりと考えていかないと、ただ締めればいいということで、じゃ民間の友達とも一切つき合わない、民間の業界の方々と一杯飲みながら腹の底の話を聞くということもしないという形で、全くそういうことと遊離した行政をやるようになっていいか、それが国民のためかという私は問題があろうかと思うんです。 そういう意味では、私、かつて地行委員会で一年生のときに質問した経験がございますけれども、役人がやはりそうした面で誇りを持ってきっちりと仕事をやっていけるだけの給料及び交際費的なものを私は予算できっちりっければいいと思うんですね。だけれども、そこらについては締められる分これがつけられていくという状況はないわけであります。やはり実態面を考えませんと、私は架空の出張とかそれがいいと言っているんじゃありませんよ。空出張だとか空経理がいいと言っているんじゃありませんけれども、現実にそういうことをやっていけば現場の知恵が生まれてくるんですよ。それが形になって新聞に出てくると、けしからぬという話になる、納税者の面からなるんですね。 例えば、私が前に委員会で出した例でも、警察学校の教官ですね、大勢の教え子がおります。警察官は女をつくって遊ぶわけにいきませんから、みんな早く結婚するんですよ。そうすると——ああ、ちょっとひんしゅくを買うようなことを言いまして、どうも済みません。早く結婚するんですよ、警察官は。そうしますと、一番先に主賓で呼ぶのは教官なんですよ、教え子が。だから毎週土曜、日曜、結婚式の招待ばかりが来る。手ぶらで行くわけにいきませんでしょう、二万なり三万なりを包まなきゃいかぬ。そんな予算費目ありますか。じゃ、私は金がないからといって出席を断るようなことでいい警察官が生まれてきますか。教官との心の断絶のできたお巡りさんがいい仕事をしますか。署長さんだってそうでしょう。民間にたかって飯ばかり食うわけにいきません。じゃ署長さんの交際費はちゃんとあるのかと。そうしたことを全部ふたをしておいて、形式的な面だけで、どうだこうだというようなことは公務員の綱紀の本当の粛正につながらないと。 そうして、役人はうんと仕事をすることなんですよ、問題は。酒飲むからいかぬということじゃない。私は記者会見の、あの綱紀粛正のときにも言った。ホテルはよくて何で料理屋が悪いんだと。芸者を上げちゃいかぬというんじゃ芸者屋さんに対してこれは差別だと。卑しい接待じゃなくて、割り勘でそういうことをやる場合も民間の友人との関係であるかもしれませんね。 だから、そういうことについてもっと我々は中身の議論を与野党ともしていく、マスコミもしていかなければ、私は国は滅びると思うんですよ。役人になる人間なんていなくなりますよ、このままでいきましたら。まあそれでいいんだという考え方もあるかもしれませんけれども、私は国家にとって優秀な人材が、民間にもだけれども、役所にも集まる、そうして必死になって国家のために国民のために仕事をしていくということ、我々政治家はもっともっと、役人いじめばかりしないで責任を持っていかなければならないと思う。そういう意味では委員のおっしゃることに同感でございます。
○赤桐操君 河川局長にまず伺いたいと思います。 戦後五十年を経てきておりまして、大変営々として日本の河川に対するいろいろな事業が積み重ねられてきたと思います。今日、相当の成果を上げてきていると思うんでありますが、なおこの一年間を顧みてもいろいろと水害その他の事故も発生しているようでございます。これからまた五カ年計画が積み上げられて着々と進められていくんだろうと思うんですが、五カ年ごとに積み上げられてきて、どのくらいずつその成果が積み上げているのか、これは何で説明すればいいのかよくわかりませんが、そこいらをひとつわかりやすく説明してもらいたいと思うんです。
○政府委員(尾田栄章君) 先生御指摘のとおり、治水事業の効果をどう表現するか、その整備状況をどのような指標で表現するかというのは大変難しい問題でございまして、従前、現行が第八次でございますが、今まで五カ年計画を策定するたびにいろんな指標を検討いたしております。 当初は、河川の必要な改修延長に対してどれだけ改修済みかというような指標を使ったこともございます。ところが、これはある意味ではどういう仕事量があるかということを示す量でございまして、国民、ユーザーでございます治水事業の利益を受ける立場から見て、どういう効果があるかということをあらわす指標とはなり得ないということもございまして、第七次のときから新たな指標といたしまして、はんらん防止面積、要するに治水事業がなければはんらんをする、あるいは土砂害が発生をする、そういう面積に対してどれだけ防御がされたかという形でお示しをすると、そういう指標に第七次のときから切りかえております。 それで、その当時からいろんな検討をしておりますが、具体の数字としてそういう形ではっきりしたと申しますのは第八次からでございまして、この時点におきましては、時間雨量五十ミリを対象といたしまして、それに対するはんらん防止面積に対してどれだけ守られているかという量につきまして、平成三年末で大体四五%ぐらいというふうに考えておりまして、これが第八次の平成四年度時点に治水投資をすることによりまして五三%まで上げようという目的で事業をスタートいたしました。結果といたしましては、五二%まで来たというのが現状でございます。 そういう中で、第九次の五カ年計画の昨年末の政府の原案といいますか、財政当局と私どもとの間での案におきましては、五九%まで上げるというのを目標に進めていきたいと考えておるところでございます。
○赤桐操君 よく諸外国の例も聞くんですが、私ども簡単に、これはいろいろと国会あたりでも、あるいはまた行政関係からも聞くんですが、専門用語ですから聞く方としゃべる方では違いがあるかどうか知りませんが、例えば五十ミリの雨が何年に一遍とか、百ミリの雨が何年に一遍だと。そうすると、これだけの工事をしておけば五十年間は大丈夫であるとか、百年間は大丈夫であるだろうと、こういう説明になっていくんですね。 そういうようなもので、諸外国がやっているかどうか知りませんが、外国の例を見るというと、中には一万年に一遍という例もあるようですね。そういうくらい堅固なものをつくっているところもある。あるいは千年なんというのはざらにあるようでありまして、そうすると、日本のこの五年刻みとかそんなのは、まことにこれはお粗末なものなのかなと。そういう長期にわたって、しかもめったにないようなものに対しても耐え得るような河川をつくっているというのには、それはどういうような年限と、どういう資材を、金を使ったんですかと、こういうことも考えられるわけでありまして、これは比較が適当であるかどうかわかりませんが、常識的な受けとめ方で疑問を生じてお尋ねしているわけです。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘をいただきましたとおり、我が国におきましては時間雨量五十ミリ、確率的に申しますと三十年から四十年に一回ぐらいの洪水を対象に大河川は行う、あるいは中小河川では五年から十年程度という、そういう外力に対して安全なようにしようということでございます。そういう意味合いで、百年に一回の洪水に対して安全な施設をつくったことによって百年間は安全かといえばそういう意味ではございませんで、その百年に一回を超えるような大雨が降ればこれははんらんしてしまうということでございまして、この辺が治水事業がなかなかわかりにくいという御批判をいただくところでございます。 そういう前提のもとでお聞きをいただきたいと存じますが、イギリスのテムズ川では千年に一回の規模の洪水に対して安全なようにしようということで既に完成をいたしておりますし、また、フランスのセーヌ川におきましても百年に一回程度の洪水に対して安全なようにしようということで、これは余り知られておりませんが、セーヌ川の上流には相当大きなダムを数多くつくってきておるところでございます。また、アメリカのミシシッピ川におきましても、これは五百年に一回の規模の洪水に対して安全にしようということで、現在整備率大体八〇%程度ぐらいということのようでございます。それで、先ほど御指摘の一万年に一回というのは、これはオランダの高潮計画でございまして、これはもうまさにオランダの国土自体が海よりも低いという中で、どんなことがあっても堤防を切ってはならないという覚悟のもとに進めておる事業でございます。 ただ、海外の場合と我が国の場合と比較して一番違いますのは、海外の場合は守るべき対象というのは都市だけでございまして、オランダの場合は、これは高潮堤防で海から全面的に守るというので、これはある意味では日本と近いわけでございますが、そのほかのヨーロッパの河川では、都市のところだけについて治水対策をする、そのほかについてははんらんをしても困らない牧草地方等が多いわけでございますので、そういう理由でございます。それに対して我が国の場合は、一たん沖積平野に出た後は都市と水田が混在してあるという形でございますので、一線堤防で海まで全部守る、すべてのところが防御対象になる、そういう意味で大変難しい治水対策を迫られておるというのが実情でございます。
○赤桐操君 林野庁長官に続いて伺いたいと思います。 この治山事業の方も大変長い歴史を持ってきていると思いますが、これもなかなかの難事業の中の難事業でございます。御苦労いただいていると思います。そこで、私は、森林の整備の問題について少しくお尋ねしておきたいと思います。 国有林、民有林といろいろあるようでありますが、我が国の森林の整備状況、この戦後五十年の中でいろいろ荒廃した時代もあったし、大きく整備された時代もあった。今また大変な難局面に直面しているという状況のようでありますが、ちょっと今までの状況をまとめて御報告いだだきたいと思います。
○政府委員(高橋勲君) 治山事業によりまして森林を造成し水源の涵養等の機能を発揮させるということで治山事業は進めておりますが、先生お尋ねの、まず全体の日本の山、国有林、民有林、どういうふうに今整備ができているかというふうなお話ですと、戦前、戦争中あるいは戦後、資材を供給する、木材資源を供給するという意味で非常に過伐、乱伐といいますか、そういう状況があったわけでありますが、その結果、日本全国はげ山というふうな状態にもなりまして、これを緑化する、まずは森林に戻すということが最大の目的でございました。 終戦後から十年間ぐらいキティー台風ですとかいろいろ大規模な洪水がありまして、大変な被害を生じたわけでありますが、最近は幸いにある程度そういう台風が参りましても抵抗力が強くなった、森林の方の整備はそういう意味では進んできているというふうに思っております。 ただ、治山的な意味で、現在の森林の整備という面でこれはまだ状態がよくないなというふうなものがございまして、それは山崩れとか土石流のあるような荒廃地、こういう面積が百六十三万ヘクタールございますし、それから森林としての機能を十分に発揮していないような疎林でありますとか、あるいは森林の管理水準が低下しておりまして森林の土壌が流出しているような過密林、こういうふうなところも百二十五万ヘクタールというふうなことで承知しております。 ですから、そういうところを早急に整備しなければいけないわけでありますが、そういう意味で今回の第九次の治山五カ年計画を平成九年度から実施していきたいというふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 森林の問題についてはいろいろと長官も先頭で御苦労いただいてきておることはわかっておりますが、林野の職員の皆さんとも私おつき合いしているんですよ。いろんな苦情も聞いているんです、私。余り専門的に集約したところまでは今までやりませんでしたけれども、だんだん聞いてみるというと、三十年代には十万近い職員がいたものが今ではもう二万人を切っているということも聞いております。行政の方に確かめてみたら事実そのとおりだと、こういうことになっております。一体山を、民有林はともかくとしまして、国有林の管理をするについて果たしてそういうことでこれから将来やっていけるのかどうなのか。聞いてみるというと、一万七千から八千人の現在の状態もちょっと多過ぎる、これをもっと削減しなきゃならないんだと。こういうようにしないというと三兆円を超えるところの赤字の状態を克服することはできないんだ、こういうようなことも聞いております。 そうすると、一体この林野行政というのはどういう基本的な理念で成り立っているのか、こういう疑問を持たざるを得ない。外国からの材木はもう八〇%ぐらいそのニーズに従って輸入されてきておる。日本の国内でできるものについても、ほとんどもう今そういうあれはない、むしろ環境とか国土全体の保全とかそういうものが中心になってきておるということになるならば、今までのような形からさらに大きく転換をしていく時期に来ているのではないだろうか、こういうこともいろいろ新聞その他の論調でも出ております。私もそういう時代に入っていると考えているんですが、長官のいろいろお考えもおありと思いますので、まず伺っておきたいと思います。
○政府委員(高橋勲君) 国有林の問題でありますが、昭和三十年代、御指摘のように大変日本経済も復興の時期でありまして、木材の供給を必要とされたわけであります。そこで、国有林としても成長量を上回る生産を行いまして、過伐という形にもなるわけですが、その後は造林をしてきた。その伐採をし国民経済に木材を供給するという意味で、最高の要員数は八万九千人、これが昭和三十九年の状態でありますが、そういう体制をとってきたわけであります。しかしその後、そういう形で伐採をしたがゆえにその後の収穫量は落とささるを得ない、あるいは自然保護とか環境保全というふうな面で天然林を残そうというふうな機運も高まってまいりまして、そういう環境保全の面ももちろんあるわけであります。 昭和三十年当時に植えた木材は合成長しつつありますけれども、まだまだ伐採の時期には至っていない、こういうふうな状況から、国有林野事業は御承知のように特別会計ということで独立採算でやっておりますが、昭和五十年ぐらいまではそういう意味で収入で支出を賄うことができた状態でありますが、その後収入が少なくなる、それから要員は多く抱えているので支出が大きいということで、昭和五十三年から国有林野事業の経営の改善、これに取り組み始めたわけであります。そこで要員を調整しながら、しかしながら山の整備はしっかりやっていこう、こういう形で進めてきたわけでありまして、現在要員は一万七千人になったところであります。 今、平成三年度につくった第四次の改善計画を進めておりますが、この目標でいきますと、平成十二年度には要員数をほぼ一万人程度にしていこうと、これは労使合意の上で、こういう体制で山をやっていこう、現在そういう形でやっておりますが、それでもなおかつ、資金の足りないところは財投からの借り入れというふうなことで、その借入額が平成七年度末には三兆三千億、こういう状況になっているわけであります。 このままいきますと、やはり特別会計としての借り入れがふえるばかりだというふうなことで、今後どうするか、これは早急にやはり解決しなければいけない問題だという認識のもとで、昨年暮れの予算編成の段階で、行政改革プログラムという閣議決定がございますが、この閣議決定の中で、これまでの方向にとらわれない抜本的な対策をここで講じようではないかと。政府が一体になって、関係省庁の協力も得ながら、林政審議会という審議会もございます、そういうところの意見を踏まえて早急にその方策を見出して、平成十年度の予算に間に合うようにといいますか、平成十年度にはそれに必要な法改正というふうなことを考えながら対策を講じていこうではないか、こういう形でやっているわけであります。 なお、八万九千人もいた人間が一万人でもやっていけるのか、こういう疑問があるわけですが、それは内容的には、山の現場の作業というのは、山の木を切ったり造林をしたりという直接の作業と管理業務があるわけでありますが、直接の山での作業というのは、これは民間の林業事業体に請け負いでやってもらおう、こういう体制でいく考え方でありますので、八万九千人の中で直接山に従事していた方が次第次第に減少して、現在は一万七千人、その中の約七千人ぐらいが現在直接山で従事する職員という方になっております。それをもっとさらに、それは民間に任せた方がより能率的ではないかというふうなことで、将来的には一万人体制というのが現在考えている形でございます。
○赤桐操君 林野の仕事というのは、木を切って売ってもうけながらプラスマイナスを調整するという段階をもうはるかに超えてしまった段階にあると思いますし、制度そのものについて抜本的に見直す時期が来ている、こういうように考えています。 これは、やはりこれを享受する、受けるものは国民全体でありますから、そういう意味で、今のような制度のもとで行うのが適切なのか、一般会計が直接行うのが適切なのか、それはこれからの大きな課題だと私は考える。そういう意味で、本格的な実情に合うような改革をひとつ進めていただくようお願いをしたいと思っております。 それで、最後に私は大臣に一言申し上げておきたいと思うのでありますが、私、銚子の生まれなんです。それで、九十九里、鹿島灘というのが大体一望にして見えるところなのでありまして、ここは昔から海の、魚の町でございました。海に対する私どもの気持ちというのは非常に強いものがあるわけです。 この中で、よく言われるのでありますが、浜大漁におか満作という昔から伝えられている言葉があるんです。大臣、御存じないと思うんですが、浜というのは海岸の浜です。この浜が大漁のようなときには大体おかの方は豊作だ、こういう意味だと思うんです。これは逆にするとよくわかるんですが、おかが豊作のときには海も大漁だよと、こういうように大体流れができているように思うんです。これが、昔からそういうように働く人たちが感じて言ったことだと思うのであります。これは、九十九里あるいはまた鹿島灘、あの周辺一体、もうちょっと離れたところはどういう言い方をしているか知りませんが、私どもの近所ではそういうふうに言われてきていることなんです。これは、私は共生の原理を言い尽くしていると思うんです。簡単な言葉ですが、創句なんですけれども。 今いろいろと伺いましたように、山の方も大変大きな問題がある。森林を立派な森林に育てていかなければきれいな水は出てこない、湧水もお役に立つ水が出てこない。河川もきちっとでき上がっていなければ、これははんらんばかりしていておかが満作にはならない、三年に一遍洪水じゃこれは話にならない、こういうことになってくると思うんです。しかも流れてくる水は、例えば利根川を例にして申し上げれば、これはもう大変な水の量です。これが大体九十九里から鹿島灘にかけてずっと海岸に押し寄せてくる。プランクトン、たくさんの栄養価の高いものを含んで入ってきています。 だから、森林が豊かで、そこから田んぼを通って畑を通って流れてくる水は、魚類や海で生息する動植物にはなくてはならないものなんです。稚魚がプランクトンを追って海岸に集まってくる。その稚魚を追って成魚が集まる。だから灘の魚はとれるんです。しかし、最近この状況を見ていくというと、水産庁も明らかにしておりますががたっと落ちてきております。これは、大体平成元年あたりから大変な落ち込みになってきています。私は、このまま進んでいくだろうと思うんです。 こういう状態で行ったんではこれは困るのでありまして、やはり海の幸を豊かにしていくのには、森林を豊かにし、河川を大きく治めておかなければこれはできない。この一元化された状態、一体化された状態をこれからの考えの中の理念にしていただいて、大臣にひとついろいろ御指導を願いたい、このように考えるものでございますが、御所見を承って終わりたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、委員のお考え、全くそのとおりだと。今具体的なそうしたお話を伺いましたけれども、水陸は一体でありますし、また自然は一体であり、かつ私は人間もやはり一体だと思います。そうした中で、飲んだり食ったり汚したり、人間の立場からだけのことを我々がやっておりますと必ず自然から逆襲をされることは、これはもう覚悟をしなければならないと思います。 そういう意味で、我々が政治を進めていく上におきましても、そうしたことをきっちりと座標軸に置いた政治を展開しなければならない、委員の御説全くそのとおりだと。この辺を心してまいります。
○赤桐操君 終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川勝也君 午前中に引き続きまして、討論、議論をさせていただきたいと思います。 先ほど大臣から御答弁いただきましたように、治山治水ということは国家の要請でございまして、当然政治にあっても最も大切な分野であることは言うまでもないと私も認識をしております。そのこともありまして、また治山治水事業、あえて公共事業と言わせていただきますと、その効果が地方自治体やその地域に大変に大きな経済効果をもたらす、そしてその事業が生命、財産という大きな問題にかかわってくることから、今まであえて議論がなかったのではないかという観点で、私も未来からの風を自認する民主党の一員として議論をさせていただきたいと思っております。 会議録をひもといて見てみますと、この計画に先立つこと、前の八次そして七次、五年前、十年前でございますが、すべて総員起立ということで結論が出ている計画だと思っております。 私は、そういう政治の要請でもありますし、国民の生命、財産という政治の根幹にかかわる重要な問題でありますけれども、あえて論戦に努めさせていただきたいと思っております。 それに先立ちまして、まず林野庁にお伺いをいたしたいと思っております。 意図があっての質問でございますが、森林の整備、これが大切だということが近年特にまた言われ出しております。その森林の整備と災害の防止という点にどのような因果関係があるのか、林野庁の観点から御説明をお願いいたします。
○政府委員(高橋勲君) まず森林の役割でございますけれども、森林は降雨の遮断による土壌侵食防止あるいは樹根の土壌の緊縛力、こういうもので地盤の安定化などを果たしておりまして、山崩れとか土石流等の山地災害を防止しております。ですから、適切な森林整備と治山事業の推進によりましてこれらの機能の維持、増進を図ることが山地災害の防止を図る上で重要であるというふうに考えております。 林野庁としましては、昨年十一月に閣議決定されました森林資源に関する基本計画におきまして、今後の森林整備の推進方向の一つということで水土保全を掲げるなど、森林の整備を通じた山地災害防止の機能の高度発揮を図ることとしております。 具体的には、間伐の推進でありますとか、複層林施業、あるいは天然力を活用した施業、これを推進しまして、活力のある健全な森林の造成、整備に努めますとともに、特に災害防止、水資源の漕養等の機能の高度発揮が必要な保安林等において治山事業を積極的に実施しまして、山地災害の未然防止に努めているところであります。
○小川勝也君 効果があるというお答えだと思います。 続きまして、議題にもありますとおり、渇水が大変な問題になっております。夏場あるいは冬場を問わず、川に水が流れないなどという問題も多々起きてくると思います。この渇水や川がれと森林行政との関係についても御説明をお願いします。
○政府委員(高橋勲君) 森林の手入れが十分になされていない場合ですと、下層植生が十分に発達していないために土壌の流出等によりまして、すき間を多く含んでいる表土層が薄くなります。それで水源涵養機能の低下をもたらすことから、良質な水の安定的な供給を確保するにはやはり森林を適切に整備することが重要であるというふうに思っております。そのために造林事業でありますとか水源林の造成事業、これを計画的に実施しまして、広葉樹などを含む多様な森林の整備を推進しているところであります。 それから、治山事業におきましては、荒廃森林とそれから土壌の流出を防ぎながら水を土中に浸透させる水土保全施設というものの一体的な整備を図りまして、水源地域の森林を緑のダムとして総合的に整備する水源地域整備事業などを推進しているところでございます。
○小川勝也君 今、長官から御説明があったように、森林の行政によってさまざまな効果がある、災害防止や渇水対策、川がれ防止など。 にもかかわらず、先ほどの御説明を伺っておりますと、それに対する人員が大幅に削減がなされております。また、三兆円を超える負債を抱えておるということで森林行政もままならない状況だと拝察をいたしますが、ちょっと苦言を呈させていただきますと、そのような大事な森林行政でございますので、役所としてはもっともっと知恵を絞って、いろいろな形でPRをする、あるいは民間の知恵や力をかりたり、お金を借りたり、例えばNGOを利用したり、デカップリング政策などについても議論を進めたり、いろいろな観点からこの森を守っていくということで努力があってしかるべきだと思いますけれども、林野庁のお考えとしてはいかがでしょうか。
○政府委員(高橋勲君) 御指摘のように、治山事業でありますとかあるいは森林整備事業、それから国有林の整備ということで一生懸命やっておるわけでありますが、官といいますかそういう国だけでやるよりも、さらに国民に参加を呼びかけて森林の整備にお手伝いをしてもらおう、こういう機運も確かに高まってきております。 私どもも、緑の少年団の青少年の緑化活動でありますとか、あるいは草刈り十字軍の森林づくり、そういうもののボランティア活動、こういう人たちとフィールドの提供者をうまくネットワークいたしまして、そういう方にどんどん森林整備に参画していただこうと。それから分収林制度というふうなこともありまして、これで地域の市町村の上流と下流を結びつけるというふうないろいろな国民の参加を広く求めるような森づくりも実施したいと思っております。
○小川勝也君 森は未来の子供たちからの預かり物だという言葉を聞いたことがあります。これは私が考えますには、森だけではなくて今どんな社会資本を残すのか、あるいはどんな自然環境を残していくのか、そして逆の預かり物という概念でいいますと、子供たちにどんな借金を残して我々がこの世から去るのかという、社会資本の整備、自然環境、そして財政の問題、このバランスの中ですべてが考えられていかなければならない問題だと考えております。 今、御説明があったとおり、森林の保全が大変に重要な役割を持っていることであれば幾らでも国費をつぎ込めばいいというものではないということが皆さんにも御理解をいただけると思います。 そんな観点から、次は主に治水対策の方に質問を移らせていただきたいと思っております。 お金が無尽蔵にあればさまざまな施策を実行したい、こう思うのはやまやまでございますが、我が国が抱えている借金を考え合わせますとそんな簡単にいく話ではないと思いますし、あえて治山治水が政治の要請であるから、国民の生命、財産を守るという観点から大事だからということで無議論で通していい問題ではないと考えております。それに合わせまして、最近ダムあるいは堰、干拓事業等大きなプロジェクトについてはその地域の住民等から大きな議論になっている問題も多々あります。そんな観点から、今回の計画あるいは法律案について質問させていただきたいと思います。 まず、法律のタイトルでございますが、緊急という名前がついております。先ほど平野先生からも御指摘があったとおりでございます。今回で九次だそうでございます。緊急の法律案は今回九次でございますが、一体何次で終了する予定なのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生仰せのとおり、今御審議をいただこうとしておる計画は治山治水とも九次ということになるわけでございます。 一方、現在における河川の整備状況、治水の面についてだけ申しましても、先ほど来お答えをしておりますとおり、時間雨量五十ミリ相当の降雨というのを対象にしただけでも、そういう暫定目標に対してすら五二%という現状にございます。そういう中で、蒲原沢の事例を見ましても、個別の事業それぞれ緊急性を要しておるわけですが、そういう緊急性を要しておる事業をいかに計画的に実施していくかということをお決めいただくのがこの五カ年計画だというふうに考えております。 残念ながら、今申したような事情でございますので、第何次までいけばこの治水が終わるのかというのは現状においてお答えできない、まだ相当期間かかるというのが実情でございます。
○小川勝也君 当然答えを期待をしておったわけではございません。二〇五〇年に計画が終わりますなんということは絶対言えないわけでございます。もっと時間があればいろいろお伺いしたいことも多々あるわけでございますが、例えばダムや堤防の耐用年数の問題、それから補強の問題、それからダム底に砂がたまって使い物にならないといった問題もいろいろ聞いておるからでございます。 そして私も、その緊急性あるいは危険性に伴って一つ一つの施策をプライオリティーをつけて実行することに反対をするものではございません。この計画づくりそのものがその危険性から発しているのか、それとも予算を獲得するというところから出発しておるのか、その辺で少し疑問がありますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。 建設省、林野庁、両方にお伺いをいたしますが、今回の九次の予算、これが八次に対してどのぐらいの伸び率であるかという数字が一・三七倍ということできれいに一致しております。これがどうしてであるか、両者からお答えをいただきたいと思っております。
○政府委員(尾田栄章君) 先生御指摘のとおり、治山事業、治水事業、いずれも丁三七倍で一致をいたしておるわけでございますが、この投資規模をどうするかということにつきましては、それぞれの事業の緊急性、重要性と財政的な制約条件というその二面から決まってくるものだというふうに考えております。 そういう観点から申しますと、治水事業につきましては、先ほど申しましたように約半分ぐらいの、暫定目標に対してすらそういう整備状況でございますので、緊急性についてはお金があれば幾らでもいただいて整備をしたいと、そういう状況でございますので、財政状況という制約の方から決まってくるという側面が多いのではないかと思っております。 そういう面で申しますと、財政状況はこれは私どもの治水事業、治山事業、どちらも同じ財政状況を受けて決まってくる、そういう側面を受けて一・三七倍ということでそろったものではなかろうかと考えておるところでございます。
○政府委員(高橋勲君) 治山事業と治水事業は、基本的にその技術体系ですとか箇所ですとか相当違うわけでありますけれども、やはり森林から河川までを通じて流域を総合的に整備するという意味で密接な関連を有しておりますし、従来から五カ年計画の投資規模はほぼ同程度で進んできておりまして、私どもの方の治山事業の整備率という点でもまだまだ半分にも達していないということで、これをやはり早急に解決していかなければならない、そういうところを重点的に計画いたしまして一・三七倍という伸び率になったところでございます。
○小川勝也君 私どもの民主党は、公共事業コントロール法案というものを今計画、準備をしているところでございます。 それはどういうことかといいますと、大臣も御承知のとおり、この五カ年計画というのは治山治水だけではございません、十六の計画があると認識をしております。実は、私どもの調べたところによりますと、先ほどの伸び率は一・三七倍でございますが、おおむね一・四倍というところにこの十六の計画の伸び率がほぼそろっておる。 例えば治水の仕事をされておられる方はどこも緊急だし、いわゆる国民の生命、財産を守るからこの仕事がしたいと思っておられると思いますし、あるいは林野庁の方々は森が大事だと思っておられるし、道路の仕事をされている方は道路整備が大事だと思うし、下水道の仕事をされておられる方は下水道事業こそが豊かな生活の象徴だと思っておられると思います。 これがどっちが大事だということを僕は役人の方に判断をしていただくというのはどだい無理だと思うんです。これだけ財政が逼迫をしておるんですから、この十六の計画のスタートをそろえて、どの仕事からこの少ない予算の中からやっていくのかということを議論するのは、私は国会をおいてほかにないと思っております。政治がその仕事から逃避をして何ができるのかと私は思っておりますが、大臣にお答えをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 非常に難しい御質問をいただきましたけれども、立法権と行政権、どうあるべきかという基本命題にも私は触れてくる問題であると思います。 やはり行政に関して責任を持っております建設省なり農水省が、国会議員のように落選したり当選したりはいたしませんから、ある程度長期的な視野に立って役所として厳正公平に、日本の国土を北の果てから南までどう整備するかという、ある意味ではニュートラルな立場で取り組んでいくという機能は絶対に必要だと私は思います。政治家に任せておけばむちゃくちゃにするということを私は言っておるわけではございません。 そうしたことの案の全部を、それぞれの地域から選ばれておるあるいは全国区で選ばれておられる先生もいらっしゃいますが、政治の視点でそれが正しいかどうかということをやはり御審議をいただくということがあるべき姿であって、そうした今行政権がやっておるようなことも国会が最初からそれをおやりになるということは、今の憲法下において求められておる政治、行政のあり方ではないのではないかなということを私は率直に感じるわけでございます。 ただ、行政権が、委員御指摘のように、あるべき姿から離れてきておるんじゃないかという御指摘が院においてなされることに対しては謙虚に行政府としてこれを聞いていくということが必要だろう、こういうふうに思います。
○小川勝也君 例えば予算案にはいろいろな事業をやりますということが書いてあります。しかしながら、この法律の考え方といいますのは、内閣に対しまして五カ年にどういうふうにやるのか決めなさいということでございまして、中はブラックボックスでございまして、その中に国会の審議がほとんど行われない、いつまでもこの体制でよいのかと私は申し上げたいのでございます。 例えば、全国に危険な山があって、その優先順位を決めるときに、政治家は選挙区もありますので公平な目でそれを決められないかもしれません。しかしながら、国家財政が危急存亡の折だから、例えば道路を少し我慢しましようとか、ことしは下水道を重点的にやりましようとか、ことしはほかのを我慢して治水対策に力を入れましようとか、そういう政治判断を十六の計画がばらばらにあってできるのかということを申し上げたいのでございます。できないので現在のような硬直的な横並びの予算でございます。 これは役人の方々がそれぞれメンツを壊さないように、そういうふうな配慮が込められているものじゃないかなというふうにうがった見方をしてしまいます。例えば、今大臣がおっしゃいましたように、政治家は選挙区もありますし、あるいは自分の地元に仕事を持って帰りたい動物でもございますので、公正な判断ができないと役人の方々がお考えになっているのかもしれません。 次の質問に移らせていただきます。総額で二十四兆、大変大きな額でございますが、その中に、これも建設省にお伺いしますが、調整費というのがございます。九次では六兆四千億円、そして八次では二兆五千九百億円。九次計画ではどういう目的で組まれている予算なのか、そして八次計画で盛り込まれた調整費はどのように使ったのか、御答弁をお願いいたします。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘のとおり、第九次の治水五カ年計画の、昨年末財政当局との間で合意に達した案におきましては、調整費が大変多く計上されているところでございます。 調整費の性格は、もともと計画期間中の社会経済や財政事情の変化あるいは事業の進捗状況等に弾力的かつ機動的に対応するためにあらかじめ設定しているもの、こういうものでございまして、これが多いか少ないかということはそれぞれの事業の性格によるのではなかろうかと考えております。 治水事業におきましては、いっ何どき大災害が発生するかもわからないわけでございまして、利根川、淀川等々の大水系において、一たん危急のことが起こった場合にあらかじめ備えておくということも私は大事なことではなかろうかと存じておるところでございます。
○小川勝也君 例えば、先ほどの議論に戻りますけれども、どこの川が、どこの山が危ないかというプライオリティーをどのように決めておるのか。あるいは、何川は何年に一回の集中豪雨に耐えられるように、あるいは何川は何年に一回の基準に耐えられるようにというふうに、その河川によっていろいろ基準が違うと思うんですね。その優先順位の決め方と、特に河川でございますけれどもその基準の決め方について御質問いたします。
○政府委員(尾田栄章君) 河川の安全度を確保するための外力をどのように考えるかというのは大変難しい問題だというふうに考えております。 これは、大東水害に際しましての判例で示されておるところでございますが、同種同規模の河川においては同じような河川の整備を進めるべきだ、こういう基本的な考え方が示されております。この同種同規模の河川というのをどう考えるかというのが一つ大きな問題でございます。 これにつきましては、河川の大きさ、流域の状況、流域内の人口等々を考えながら、それぞれの安全率と申しますか、整備の対象の外力をとるかということを考えておるところでございます。 そしてまた、それぞれの河川の中でどういう整備を進めるかということで申しますと、これは河川はやはり下流から改修を進めてまいりませんと、上流から先に進めますと上流のはんらんを下流に人工的に持ってくる、こういうこともございまして、下流から順次上流に上がっていく、あるいは左右岸のバランスをとる等々、技術的な側面もございます。そういうところを総合的に判断しながら河川の改修の順序、プライオリティーについて決定をしてきておるところでございます。
○小川勝也君 私は、少しとっぴなお話をさせていただこうと思っておりますが、先ほど外国の整備率の話をお伺いいたしましたが、例えば日本は急峻な島国でございますので、低地を中心とした河川とはおのずから条件が違うであろうと思っております。そして、我が国は雨も多いですから、当然河川のはんらんというのは最初から決まり切った運命のもとにこの日本という国があるわけでございます。 そして、先ほど来、自然の大きさ、自然の強さという話も出てまいったようでございますが、人間はどこまでいったら自然に勝てるのかという議論ではなくて、自然と共生をしながら我々は生きていくことを考えなければいけないと思うのであります。 そして、先ほどの何年に一回の洪水にということでありますと、私は、いよいよこれからは住民との対話の中でそのことが決められるべきと考えております。例えば、何々川は住民の方々が何年に一遍の洪水は甘受しよう、何々川はおれらのところは洪水は嫌だから高い堤防にしてくれ、いろんな形があっても構わないと思います。 例えば、二十四兆円というこの費用の中で洪水災害基金というものをつくるとしたならば、その被害を甘受された住民の方への補償などもできるのではないか。 そして、つけ加えますと、今は情報も発達をいたしましたし、さまざまなシステムが発達した結果、洪水によって命を落とされる方の人数も大幅に減っておると思いますし、そういうことに関しましては、命だけ守る治水対策ということも検討できるのであろうし、あるいはさまざまな自然との共生ということで、これは私の希望でございますけれども、なるべく自然を壊さないで、自然の摂理に沿う形で川を治めていく、こんなことももっともっと研究されてもしかるべきだと思っております。 そして、最後の質問でございますが、先日法政大学の五十嵐先生とお話しする機会を持ちました。先生がおっしゃるには、日本の川は一級河川は大分死んでしまった、今生きている川は四万十川と釧路川だ、こういうお話をされました。先ほど、午前中、平野先生から四万十川の自然の美しさのお話がありました。釧路川は私の選挙区でもございます。これから自然との共生を目標に建設省河川局が命をかけて、省の力を挙げて、自然化ということで取り組んでいく河川としてこの二つの河川をモデルケースとして想定してはいかがか。 多少とっぴな質問でございますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) まずもって私は、ここで先生と議論をするには時間がございませんからやるつもりはありませんけれども、自然と人間との共生は、必要というよりも人間のこれは運命であります。大自然と共生せざるを得ないわけであります。といいまして、私どもは洪水と共生をするわけにはまいりません。地域住民の方々に、この地域は人家も少ないし、被害も床上浸水ぐらいまでのことだから人命には影響ないだろうから、この堤防はこのままでひとつ我慢してください、それよりも優先順位の高い密集地、大被害が起きそうなところにひとつ五カ年計画ではやらせてくださいというコンセンサスを得ることは私はできないと思います、これは。不可能であります。そうしたことをおっしゃる住民は恐らく私は今の日本ではいらっしゃらないと思います。 まさにそこで建設省なり政治の責任があるわけでありまして、財源は無尽蔵ではありません。財政再建という厳しい中で、このたび総理が五つの原則を示されましたけれども、そうした中で我々は一人の今も大事にする、一ヘクタールの浸水も治水に責任を持つ役所としては許さない、そうした基本姿勢を堅持する中で、そうした優先順位を決めていくのがまさに私は建設省の仕事である、このように思っております。 それを、聞こえはいいわけでありますが、地域の住民の方々の合意、コンセンサスの中でそういう優先順位を決めていくなんということは現実にはこれは不可能であります。そうした床上までは結構ですなんということは私どもは言うつもりはありません。
○小川勝也君 もう答弁結構ですから、時間がなくなったので。
○国務大臣(亀井静香君) いや、委員がおっしゃったこと、これは基本的な問題ですから申し上げます。 それと、釧路川ですか、釧路川と二つのあれだけをモデルにするという気持ちもございません。
○小川勝也君 先ほどテムズ川の例を伺いました。千年に一遍もの洪水に耐える堤防を我が国に張りめぐらすことになりますと、すべての川がダムだらけ、すべての川が堤防だらけということになります。これも住民の理解は当然得られないでありましょう。 私たちは、今までの治水の歴史は、建設省の御苦労も評価をしておりますし、新たな未来へ向かってさまざまな議論を起こしていくべきだと私は思います。当然、生命、財産を守る治水でございますので、優先順位を明らかにしてそれを国会で議論させていただくならば私どもも反対する気は毛頭ございません。しかしながら、今のシステムのまま無尽蔵に財源を使ってダムをつくろう、堤防をつくろうという建設行政に警鐘を鳴らしたいと思いまして、今回の質問をさせていただきました。 質問を終わります。ありがとうございました。
○緒方靖夫君 公共事業は、本来、国土の保全を図り国民生活や産業の基盤を整備する重要な役割を果たすものです。これを前提にして、浪費的な部分はないかどうか、従来型の公共事業を再検討して本当に国民の暮らしにプラスになる方向に公共事業を転換すべきだと、これが日本共産党の基本的な考えです。 この間、公共事業を見直しせよ、これは非常に大きな世論になってまいりました。どの新聞論調でも共通の基調です。例えば、産経新聞十九日付は社説で、多くのむだが指摘されている土木中心の公共事業が温存されてきた、これは一体どういうことか、そういうことを述べて公共事業を転換せよと提起しているわけです。 こうした議論のさなかに、最初に審議される五カ年計画がこの治山治水。額も大きいし、したがって当然新しい問題提起や改善があるのかと思ったわけですけれども、旧態依然。審議というならば、これだけこの額が必要だ、そういう事業内容そして額が示されて初めて全体の検討ができるのではないでしょうか。 大臣は、趣旨説明の中で治山治水事業を一層強力に推進する必要があると、そういうふうに述べられましたけれども、二十四兆円にも上る事業額の必要性、一体どんな根拠で、どんな材料で我々に審議してくれと言われるんですか。
○政府委員(尾田栄章君) 私の方からまず実態だけ御説明をさせていただきまして、後に大臣の方からお答えをいただければと思います。 まず、今回の五カ年計画の内容をどのように積み上げたかというお尋ねでございます。計画そのものは閣議決定を、この法律案をお通しいただいた後いただくことになるわけでございます。昨年来、この計画の原案自体につきましては、まず地一方の皆さん方の声をお聞かせ願おうということで、約五千名の有識者の方の御意見を伺うとともに、各地域版の五カ年計画と申しますか、それぞれの地域において河川をどのような形で整備し、それに伴いどのように自分の町を整備していこうかということを市長、町長、村長の皆さん方からお考えをいただきました。そういう内容を総合した形で二十四兆円、そしてその中の十一兆六千億円について策定をいたしたところでございます。
○緒方靖夫君 そういう形で総合したと言われるんだけれども、我々にはその資料がないんですよね。建設省に第九次計画は一体どうなるのかということを尋ねて、資料をきちっとそろえて持ってきてくれということをお願いしたら、たった三行の答えが来た、ここにあるように。 三行の答えというのは、治山治水緊急措置法の改正後、閣議決定に向けて事業の量等を検討することにしており、現段階ではパンフレットしかありませんと、これだけ持ってきたんですよ、これだけ。非常にきれいなパンフレットだけれども、中身が何もないんですよ。どこに何をつける、どうするか。私は何も町や村に箇所づけがどこか示せと言っているんじゃないんですよ。もっとここでちゃんとした議論ができるように、せめて都道府県別にでも、どういうことをやろうとしているのか、それが一体どういう内容でどういう額になるのか、せめてそれぐらいは示してくれと、そうしなきゃ議論できないですよ。大臣どうですか、このやり方。
○国務大臣(亀井静香君) 今回お願いしておりますのは、この第八次が切れるわけでございますので、治山治水につきましては、単年度で場当たりと言っては語弊がありますが、それで整備していけるわけにはまいりません。やはり区切り方として三年、五年、あるいは七年、十年というやり方があると思いますけれども、一応私どもとしては過去の経験則から、また自治体との関係もございます、五カ年が適当であるということで、そうした計画を策定をさせていただきたいということをお願いしておるのがこのたびの趣旨でございます。 どういう中身を今後つくり上げていくかということにつきましては、もちろん自治体からの御意見もあるいはいただきながら、また国全体としての判断をしてまいりたい。一応二十四兆というのは大まかな数字として、しかも閣僚折衝の場で私は見直しあるべしと言ったのは増額という意味で言ったわけでありますが、大蔵大臣は減額という意味で見直しありきという合意をしたわけでございまして、この二十四兆円というのがもちろん固定をしたものではございませんで、一応その程度の幅の中で我々としてはこの五計をつくり上げようということでございます。 今後この建設委員会ずっと開かれていくわけでございますから、その中で皆様方からいろいろ御意見をいただければ、我々としては出すべき資料はどんどん出してまいります。それで議論を詰めていきたい、このように考えております。
○緒方靖夫君 問題なのは大臣、結局我々は資料ないわけですよ、検討すべき。何をもとにして、何を材料に検討したらいいのか。大臣や局長は五千人の有識者から話を聞いて、それをもとにしてしっかりした資料をお持ちでしょう。そしてまた具体的な傾向をお持ちでしょう。しかし、私たちは何もなしでただこれを認めてくれと言われているのが今の現状なんですよ。 そうすると、結局我々としては国民に責任を持って議論ができない、そういうことになるんですね。それをお認めになるでしょう、大臣。 やはり私は問題なのは、計画的な整備は必要だ、これは私たちもそのとおりだと思いますよ。単年度ではできないですよ、こういうことは。計画的な整備が必要だ、しかしそれを検討する上で、必要な材料をやはり全部出して、その上でこういう議論ができるようにしなければならないと思うんですね。大臣お持ちの。パンフレットですね、これわからないですよ、中身読んでいても。初めから見ましたけれども。そんなので出したというのでは大臣、恥ずかしいですよ、それは。それは恥ずかしいですよ。結局何もわからないんですよ。 ですから、このことを私ははっきり申し上げたい。額だけ示して後はよろしくどんぶり勘定、これではやはり国会審議にならない。国民に責任持てない。このことを大臣認めていただけますか。改善していただけますか。大臣に。
○政府委員(尾田栄章君) 本日御審議いただいております内容について、御説明をさせていただきたいと思います。 本日御審議いただいていますのは、今後五年間で行うべき整備目標と事業量を定めた五カ年計画、治水と治山の五カ年計画をそれぞれつくるということをこの場でお決めをいただきたい、こう考え、そういう趣旨で御審議をいただいておるわけでございまして、そして、その五カ年計画の内容につきましては、これは行政府としての考え方を明らかにするものであります。そして、具体の個々の歳出や債務負担を生じる、そういうものではないわけでございます。そういう具体の歳出や債務負担を生ずるそういう毎年度の予算につきましては、国会の承認、議決をいただいて決めさせていただくというのが行政の大きな流れだというふうに理解をしておるところでございます。
○緒方靖夫君 だから、要するに中身がないんですよ。この改正案を見ても、平成四年度を九年度にかえるだけであとよろしくと、二十四兆円ありますと、よろしく議論してくださいと、そういうやり方がまさに時代錯誤だと私は申し上げたいと思うんです。 それからもう一つ、橋本総理は先月、衆議院の予算委員会で我が党の志位質問に対して、政府・与党の財政構造改革会議での議論には聖域はないと答弁されましたね。ぞれからこの十八日には、先ほどから話になっております財政構造改革五原則が提起されて、そこでは一切の聖域なし、あらゆる長期計画の大幅縮減、これを挙げているわけです。 大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣はこれら原則、あらゆる長期計画の大幅削減等々に異論がない、決まればそのとおり従っていくという、そういうスタンスでよろしいですか。
○国務大臣(亀井静香君) これは五カ条の御誓文じゃありませんが、橋本総理が五つの原則を財政構造会議においても明示をし、承認を得、閣議におきましてもこれを満場一致で承認を得たものでありまして、我々は一体となってこれを推進するつもりであります。 ただ、内容につきましては、今後我々は経済構造改革会議とまさに表裏一体という形の中で議論を進めて中身を詰めていくということでございます。
○緒方靖夫君 橋本総理の出している方向、これを私自身は国民のための財政再建とは思えないし、また公共事業の考え方についても不十分なことはたぐさんあると思います。ただ、その上でなんですけれども、この方針を臨時立法化していく、そういう方向でいった場合、公共事業の大幅削減、したがって、今議論になっているこの五カ年計画の見直し、再建にとっては必至だと思うんですね。 そうした場合、先ほど大臣は見直すべきことは見直すと言われましたけれども、私はその見直しの中身として、やり方として非常に大事なことは、総額先にありきじゃなくて必要なところ、公共事業というのは必要なんですから、必要なところを積み上げていって初めてその額が出るという、そういう見直しが必要だと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、大根をぶった切るように、あるいは菜っぱを切り刻むように、そうしたことで歳出削減がやれるものではないし、そういうことをやることが国家のためになるものだとは私は思っておりません。橋本総理もそのように考えておるわけであります。 そういう意味では、委員が御指摘のように、やはり何が必要なのか、何が緊急度が高いのかということをきっちりと見据えながら我々はやってまいるつもりでございますので、委員の方からも何かそういうことにつきまして御提言がございましたら、率直に我々は受けとめるつもりでございますので、そのようにお願いしたいと思います。
○緒方靖夫君 大臣言われたように、今のやり方というのは本末転倒だと思うんですね。やっぱり必要なところから積み上げていくという、そういうやり方こそが必要だということを述べて、次に移ります。 私は、具体的にはダムについてお伺いしたいんです。全国に三千百五十四のダムがあり、現在も五百七十八のダムが建設中だと。しかし、この国土においては適地が少なくなって、投資効果が相当低下している。これが数字で裏づけられるんじゃないかと思うんですね。ダムの投資効果についての一つの指標として、堤体積当たりの有効貯水容量、つまり、ダム本体のコンクリート量の何倍の有効貯水量を生み出していけるのかという、そういうものがあるというんですね。その分析をしたのが皆さんにお配りしたこの参考資料なんですけれども、この一を見ていただきたいんですね。これは河川便覧一九九六年版からとったもので、直轄及び水資源公団の特定多目的ダムのうち、重力式コンクリートダムを抽出したものです。 完成している四十九のダムのうちダム本体の体積の二百倍以上のダムが八つある、そして百倍以上の有効貯水量となっている比較的投資効率の高いダムは十七あるんですね。率にして三四・七%。ところが、建設中の四十七ダムではわずかに十ダム。二丁三%に落ちる。その一方で、有効貯水量がダム本体の体積の五十倍未満という効率の悪いダムが何と十九ダムある。四〇・四%。 金ばかりかかるけれどもその割には効果が薄くなっているという傾向にあるんじゃありませんか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生の方から、河川便覧をお使いになりまして、重力式コンクリートダムについての効率の議論がございました。大筋において先生御指摘のとおり、だんだん効率のよいダムからかかっていくのが当然でございますので、ダム建設を進めていくに従って効率のよくないダムに取りかからざるを得ないというのは現実でございます。 ただ、この効率の出し方はダムの本体と有効貯水容量との関係でありますが、有効貯水容量でたまった水の果たす効果というのが別にこれまた議論としては必要かと思いますが、いずれにしても、大きな傾向として、ダムサイトも有限な資源でございますので、効率的なところから実施をしてきておる、その結果として、そのダムの建設の効率という点だけから見れば確かに従前よりは低い、そういうダムに取りかかっておるというのが現状でございます。
○緒方靖夫君 なかなか苦しい答弁だなと思うんですね。政府の治水事業に協力している方が、こういう事情がある、やっぱり今政策を根本的に見直す時期だということも提言されていると思うんですね。特に、建設段階に至っていない実施計画中のものはもっとひどいわけですね。 資料の真ん中を見ていただきたいんですけれども、ここにありますように、三百倍以上は一つありますよ。それは三百六十倍の矢田ダムなんですけれども、これは会計検査院の九四年度検査報告で事業着手後二十四年たっても基本計画作成の見通しさえ立っていないとして事業の中止、休止、こうしたことを含めた調整が求められていますでしょう。それ以外には何と百三・七倍のダムが一つあるだけで、残りの六つ、七五%は四十倍以下なわけですね。しかもその半分は十数倍で、効率が悪いものばかりなわけですよ。この指標だけで結論を出せるものではもちろんないと思いますよ。だけど、非効率きわまりない、これは今局長が認められたとおりで、それのもっと極端な場合ですね。 私が最初に再検討すべきじゃないかと言ったことの一つには、こうした事業の見直しということがあるんですけれども、見直しませんか。
○国務大臣(亀井静香君) もちろん効率的にすべてそうしたダム初め公共事業がやれればこれに越したことはないわけでございまして、建設省はあえて非効率なことを選んでやっておるわけじゃございません、基本的に。ただ、必要性が高い場合には効率が低くても取り組まなければならないということはあるんですね。委員御指摘のように、渇水が起きると、水資源をどう確保するか、そういうところに適当なダムを建設するということについては極めて条件が悪い、非常に効率の悪い費用のかかるダムを建設せにゃいかぬという場合もあるわけであります。 私は、問題は必要性だと思いますね。必要性があればやはり効率が悪くても我々としては建設をせざるを得ないということでありまして、ぜひひとつそのあたりのことを、我々は台風を制御するわけにもまいりませんし、逆に雨ごいをしたからといって雨が降ってくれるわけでもありませんし、そういうことの中で推し進めているという現実を踏まえて、ぜひひとつ御理解賜りたいと思います。
○緒方靖夫君 必要性はそのとおりなんですよね。私今議論しているのは、全般的な傾向をこういう議題ですからやっているんであって、その一つ一つを検討するといろんな問題がある、このこともつけ加えておきます。 こういう傾向は、都道府県が行う補助ダムではさらに顕著なんですね。実施計画調査年別に見ると、一九五〇年ごろものは百倍から四百倍のものが多いんだけれども、六〇年ごろのものは三十から二百五十倍程度、七〇年ごろになると十九から百八十倍とどんどん落ちてくる。七五年以降のものはほとんど五十倍以下ですよ。 もうダムに依存する時代は過ぎたと、これはいろんな識者が言っている。あなた方に協力している方々もそういうことを提言し始めていると思いますけれども、そういう事態で、やっぱり二十一世紀に向けての治水、利水のあり方を根本的に再検討する、そういう必要があると思われませんか。
○政府委員(尾田栄章君) ただいまダム自体の効率性の議論としては全体として低い傾向にあるというのはおっしゃるとおりでございますが、ダム自体が果たす効率、治水上における効率、利水上における効率という面で申しますとこれは非常に大きなものがありまして、ダムで洪水をカットした部分は、ダム地点から下流、河口に至るまでの間効果を果たすわけでございまして、そういう意味では、ダム自体の効率は大変高いわけであります。 また、水資源につきましても、確かに、山に森林がございますれば降った雨をため込みますので流況を安定化させる効果はございますが、ずっと、雨が降らないと、先ほど大臣からも申しましたが、そういう状況になりますと、幾ら木があっても山には水がない、そういうときにはため込んだ水しかないというのが実情でございます。そういう中で、非常に小さなダムもひっくるめてそういうダムをたくさんつくらざるを得ないというのが日本の現状であります。 そういう結果として、今まで営々として私どもがつくってきましたダムの貯水容量すべて合わせましてもアメリカのフーバーダム一つの半分にも満たないといいますか約半分程度。中国がつくろうとしておる三峡ダム、これはほぼフーバーダムと同じであります。そういう意味合いでは、環境にも十分配慮しながら、小さなダムサイトであろうと大事に大事にしながらつくらざるを得ないというのが現状でございます。
○緒方靖夫君 もう一つ挙げたい問題があるんです。これは堆砂問題ですね。 総務庁の行政監察で九〇年九月に指摘されているんですけれども、完成後十年を経た六十ダムのうち、年間平均堆砂速度が計画の二倍以上になっているダムが十五ダムある。既に堆砂容量を超えているのが四ダムあるというわけです。 建設省が提出した、管理中の直轄ダムと水資源公団ダム一覧、八十三ダム、これを見るともっと進行しているわけですね。その八十三ダムをもとにこちらで計算したのがこの資料の二にあるものです。それを見ていただきたいんですけれども、既に堆砂容量を超えたもの、つまり一〇〇%以上が七ダム、そのうち三つは堆砂容量の二倍以上で、最高は丸山ダム四・三倍。これだと総貯水量の四二%も砂で埋まっていることになるんでしょう。ダムの堆砂容量は、百年で満砂する計画になっているわけですから、年間平均堆砂量が堆砂容量の一%以内ならいいわけですけれども、そういうダムは全体の四二%、三十五ダムしかないわけですね。後は百年ももたないということになるわけですよ。中でも二%以上、つまり二倍以上の速度で堆砂が進んでいるダムが全体の二五%、二十一ダムある。 こういう点から見て、私は、ダムの有効性、局長はいろいろ頑張られるけれども、こういう堆砂の問題から見てもやっぱり見直しが迫られているんじゃないですか。
○政府委員(尾田栄章君) おっしゃいますとおり、我が国におきますダムをつくる上での一つの大きな課題は堆砂容量をどう見るかということ。そして、さらに申し上げますと、ダムにたまった砂を下流に被害を及ぼさない範囲の中でいかに流下させていくか、あるいはそれを有効活用していくか、そういうのも一つ大きなテーマだというふうに思っております。 確かに、計画の堆砂量に対して計画堆砂量を上回っているダムはございます。平均的に見て、計画堆砂量をどうやって決めておるかと申しますと、これは、その流域からダムに流れ込んでくるであろう量を平均的にとらえて計算をしております。ですから、平均値から上のもの下のものとあるのがこれはある意味では自然でございますが、傾向としては、計画したものよりも若干上回っておるというところでございます。 いずれにしても、その砂の出方自体が、たまたまその流域で大きな水害が出るということになれば一気にダムに入ってくるわけでして、毎年平均的に入ってくるというわけではありません。 そういう意味で、いろいろ敢行的に推移をいたしますので、一概に数字だけで論じられないところが難しい点でございますが、いずれにしても、我が国におきましては、堆砂問題というのがダムをつくる上での大きな課題の一つだというふうには受けとめておるところでございます。
○緒方靖夫君 私は、もうダムをつくってはならない、一切つくるべきではないというそういうつもりは全くないんです。ただ、社会資本の形成、ストック、財産として後代に残るはずのものが今極めて資産価値の乏しいものになっているというんです。その点は、やはり先ほどからの議論で明らかになったと思うんです。 そういう点から考えて、私はやはりこれから二十一世紀を迎えるに当たって、国土の保全それから災害、もう大事なものはいっぱいあります。そうした中で、やはり最初に述べた点にもつながるんだけれども、今の時点でこういう治山治水の問題、ダムの建設の問題、こういうのを抜本的に見直していく、そういう必要があると思うんです。 今、アメリカのと言われたけれども、アメリカではもうダムをつくらない、そういう流れができているんです、御存じだと思いますけれども。それからまた、ほかの外国でもそういう動きが強まっている。そうした中で、日本だけが永久にこれからずっとダムをつくり続けるんだ、今の調子でずっとやっていくんだ、総額だけを示して、そして中身が余りない、こういう形の議論をこれからもやっていくんだという形になると、私は国民に本当に責任を持つ形になるかどうか。とりわけ、今財政危機の折ですから、やっぱりこういった点で治山治水の問題について、その必要性ははっきり私は認めますけれども、本当にむだな部分、不必要な部分、やり方はこのままでいいのか、そのことを提起したいと思うんです。 これは最後の質問ですので、大臣に所見をお願いいたします。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほどから委員のお話を聞いていますと、局部的には我々もなるほどなと思うところがないわけではございませんが、ただ、委員も私御理解いただけると思いますけれども、外国と日本の場合は全く国土の条件が違います。まず、非常に川が短いということがあります。降った雨があっという間に海に流れていっちゃうんです。そうした場合、水が我々国民生活に利水という面で必要な場合は、へんぴなところでは天水をためるという知恵があります。あれと同じように、天然の資源である水をさっと太平洋、日本海に流させないでためておくという知恵なんです、全体としてダムというのは一つは。それと利水という面、洪水を防ぐという面もあるでしょう。 そういう面では、もうナイルの川もはんらんします。アメリカのあれもはんらんいたしますけれども、悠々と広大な土地を流れていくそうした国と、急峻な国でしかも非常に距離が短い、あっという間に流れていく、そういう国における治山治水の形態というのはおのずから違ってこざるを得ない面があると思います。それと、気候ももう、私なんか子供のときと広島県はがらりと変わりました。時間とともに日本国を覆う天候の地図といいますか、それもどんどん変わってきています。そういう中で、かつては考えられなかったような地域が常時渇水現象が起きてくるということもございます。逆に、今までは集中豪雨をほとんど受けなかったような地域、これが最近は集中豪雨が来る。逆に、今までは台風銀座だと言われ、あるいは集中豪雨を受けておったところが、この十年ぐらいほとんどそういうことがないということもあります。 そういうような現象面だけから見ますと、洪水があったら大変だ、台風がしょっちゅう来るから大変だということで、河川を整備しダムをつぐるというようなことをやります。気候風土が変わってきますから、あのダムはもう無用じゃないの、あのコンクリートを固めたような河川改修というのはむだじゃないのと、そんなことが出てくるんです、当然。 それをもって、建設省のやってきたそうした河川行政がむだをやったというふうに思われてはやはり困るわけでありまして、気候を含めましてそうした客観的な条件が変わっていっているという中で、先見性を我々が持たぬというわけじゃありません。先見性を持ちながらそうした努力をしておるという、もうちょっと時間に幅を持たせていただき、我々もこの小さな地球という惑星に住まわさせていただいているだけの存在でありますから、その存在が自然の驚異を防ぐという知恵を出してこれに対応していくということは、委員おっしゃいますように、そう精密計算をやったら出る、こんなわけにはいかないんです。そう思いませんか。 どうも失礼いたしました。
○緒方靖夫君 同意できませんけれども、時間ですから終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかしてお述べ願います。
○小川勝也君 私は、民主党を代表して、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に関し反対の立場から討論を行います。 まず最初に申し述べたいのは、私たちは水害、土砂災害を防ぐための計画を行政機関が策定し、これを総合的、計画的に実施していくことには賛成であるということであります。 戦後五十年、各種の整備を続けてもなお、水害、土砂災害は発生しています。これに対する対策は着実に講じていかなければなりません。しかし、それが今までの整備方法でよいかどうかは疑問の残るところであります。 以下、何点かにわたり、反対の理由を申し述べます。 反対の第一の理由は、計画策定過程の不透明さであります。今年度より開始される第九次治山治水五カ年計画における事業費総額は二十四兆円に上っています。このような巨大な事業額を有し、また国土建設上重要な計画の策定には国会の審議が不可欠であります。私たち議員が公の場で議論し、納得した上で計画が決定されるべきであります。我が党は、この治山治水を含め、公共事業長期計画に対し、国会議決を義務づける法案の今国会提出を予定しております。 第二の理由は、計画の内容についての疑問であります。戦後五十年、建設省主導で治水事業が行われてまいりましたが、現在でもなお水害は発生しています。さらに、御承知のように、公共事業は現在国民より厳しい批判を受けています。特に、ダム建設では各地で地元住民による反対活動が活発化し、建設省も一部地域ではダム事業の見直しを表明しました。 このような状況の中、現行の治山治水事業を継続することが本当にこの国にとって有益なことなのかどうか、改めて考えてみる必要があると考えます。現在の計画策定手法を抜本的に改め、事業の必要性、地元住民の意思、自然保護の視点など、多様な観点から事業計画を見直す必要があるのではないでしょうか。 海は、私たちの母であり、その海の命は山によって支えられているのです。この海と山の関係をつなぐ血管が川なのであります。本法律案に基づいて策定される事業計画は、この血管たる川に大きな影響を与えるものです。 しかし、この事業計画に基づいて行われた工事が、我が国の川から水を奪い、小さな生物の命を奪い、私たちの安らぎの場を奪ってまいりました。私たちは、この法律案を可決することにより、水のない川を子供たちに手渡そうとしているのです。未来からの責任を掲げる我が民主党が本法律案で問いたいのは、このような現状の是非であります。この事業計画の影響の大きさを考えるとき、やはりすべての関係情報を明らかにし、国民の皆さんの意見を聞いた上で、国会の場で堂々と議論して計画を策定していくべきだと考えます。 以上のような観点に立ち、民主党は本法律案に反対を表明するものであります。 以上であります。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表し、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 治山治水事業は、国土の保全と国民の生命財産の安全を守る事業であり、その計画的かつ適切な執行が重要であることは言うまでもありません。しかし近年、長良川河口堰や千歳川放水路、各地のダム建設など、巨大事業に対する国民の批判が高まり、事業着手後の経済社会状況の変化に応じた計画の見直しが強く求められています。さらに、環境問題が地球規模で重要課題となり、他方では国と地方の財政危機が極めて深刻になっている現在、大規模な構造物に依存した従来型の治山治水事業は、根本的に再検討されなければなりません。そのためには、国土の現況と整備の状況、今後必要な事業の内容などを具体的に国民に明らかにし、その是非を問うことが必要です。 ところが、本法案は審議に必要な情報をほとんど明らかにしないまま、巨額の血税を投入する五カ年計画策定について、政府への白紙委任を求めるに等しいものです。これでは、世論が批判し地元住民が強く反対している事業までもが引き続き推進され、大手ゼネコンの利益と引きかえに、巨額の国民負担と重大な環境破壊をもたらすことになることは明白です。 公共事業計画は、国民生活に必要な事業の積み上げで策定されるべきものです。これまでの公共投資計画は、総額先にありきで後から事業内容が決められるという本末転倒の方式で、予算を消化する事業執行を自己目的化する事態を生み出してきました。特に、対米公約による公共投資基本計画の策定以来、国の財政力を無視した公共投資が急増し、財政破綻の主要な要因の一つとなっています。本法案もそれに拍車をかけるものと言わざるを得ません。 こうしたやり方を根本的に改め、具体的な計画を国会で徹底審議し、真に国土の保全と国民の生命財産の安全に貢献する治山治水事業への転換こそが必要であることを強調して、反対討論を終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀井建設大臣。
○国務大臣(亀井静香君) 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における各委員の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井建設大臣。
○国務大臣(亀井静香君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 住宅金融公庫は、従来から国民の住宅建設等に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定に大きく寄与してきたところでありますが、長寿社会への対応を図る等の政策課題に的確にこたえ、良質な住宅ストックの形成及び活用を促進していくためには、公庫融資制度について諸般の改善措置を講ずることが必要であります。また、近年の金融情勢の変化に対応するため、現下の財政状況を考慮しつつ、公庫が引き続き安定的に資金を融通していくための措置を講ずることが必要であります。 この法律案は、このような観点から、今国会に提出された平成九年度予算案に盛り込まれている良質な住宅ストックの形成及び活用を誘導する金利体系への転換、補給金の平準化を行うための特別損失金による繰り延べ制度の改正等、所要の改正を行うものであります。 次にその要旨を御説明申し上げます。 第一に、既存住宅融資につきまして、平成九年三月三十一日が適用期限とされている特定の既存住宅に対する優遇措置を恒久化し、高齢者に配慮した住宅等の良質な既存住宅に対して優遇する金利体系とする等の改善をすることとしております。 第二に、住宅改良融資につきまして、高齢者に配慮した住宅等とするための改良工事に対して金利を優遇する金利体系とすることとしております。 第三に、公庫に一時的に発生する余裕金につきまして、その運用対象を拡大することとしております。 第四に、近年の繰り上げ償還の急増により必要となる補給金の平準化を行うため、特別損失金による繰り延べ制度を改正することとしております。 その他これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十分散会 —————・—————