決算委員会 閉会後第7号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1997/09/18
会議録
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十七日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として福本潤一君が選任されました。
○委員長(宮崎秀樹君) 平成七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、法務省、自治省、警察庁、裁判所及び公営企業金融公庫の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(宮崎秀樹君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(宮崎秀樹君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(宮崎秀樹君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鎌田要人君 私の質問は、時間の関係上、自治省と地方分権推進委員会事務局長に対する質問事項に限定をいたしましたので、これに関係のない大臣、局長さん方はどうぞ御退席いただいて結構でございます。 そこで、私の質問の第一は、財政構造改革と地方財政についてであります。 まず、自治省の財政局長に事務的な問題で三点ほどお伺いいたしたいと思います。 第一点は、地方財政がとりわけバブルの崩壊後急速に悪化したものと認められますが、その原因と現状についてどのように認識しておられるかということ。 第二点は、地方歳出は人件費等の義務的経費のウエートが高い、これが特徴でございますが、その上に、国庫補助負担金あるいは国の基準の設定によりまして国が実質的に地方団体の歳出の水準を決めている分野が少なからずあるわけでございます。そのような状況の中で、地方財政の健全化の方策についてどのような展望を持っておられるか。 それから第三点は、本年六月三日の閣議決定でございますが、「財政構造改革の推進について」では、地方団体に対する補助金について、制度的補助金とその他の補助金に分けて削減・合理化を図るものとされておりますが、このような補助金の削減・合理化が地方団体に与える影響についてどのように考えておられるか。また、補助金の削減に伴う地方の歳出削減についての考え方と、その削減効果はどの程度と見込まれるか。 以上の三点について、事務的な御説明をお願いいたします。
○説明員(二橋正弘君) 第一点の、地方財政の現在の悪化の要因についてどういうふうに考えているのかというお話でございます。 平成六年度以降、四年連続して多額の財源不足という状態が続いております。また、借入金残高ということで見ましても、平成三年度末で約七十兆であったものが、九年度末見込みで百四十七兆と倍増するといった大変厳しい状況にございます。 この要因でございますが、幾つかあると思いますが、まず第一点は、何と申しましてもバブル後の景気の停滞に伴いまして、地方税収あるいは地方交付税の収入が低迷をいたしておりますこと。それから、そういう経済状態に対処するために景気対策あるいは減税といったようなことで財政の出動が求められてきたわけでございますが、これらはいずれも地方債の増発によりまして対応してまいりましたこと。それから、地方財政全般の底流といたしまして、高齢化に対処するための地域福祉対策でございますとか、住民に身近な生活関連の社会資本の整備といった財政需要が引き続き増大をしているといったような要因が重なり合って現在の地方財政の悪化になっておるものというふうに考えております。 それから、財政構造改革会議で、地方財政が非常に義務的な経費のウエートが高い、そういう中でどういうふうに健全化を図っていくのかと、こういうことでございます。 御案内のようなこの構造改革の中で、財政再建の目標として財政赤字を国、地方合わせて対GDP比三%以下にするという目標が設けられているわけでございまして、それに向けて地方財政も健全化に取り組んでいかなくてはいけないわけでございます。この場合、何といいましても、この財政再建期間中に交付税特別会計の借り入れでございますとかいわゆる財源対策債といった地方財政の特例的な借入金、これを圧縮するということにまず取り組む必要があると考えております。その上でさらに債務の残高、ストックが非常に多額に上っておりますので、その縮減に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。 このためには地方財政計画の規模の抑制に努めることが必要でございますが、先ほど委員から御指摘がございましたように、地方財政計画の各分野の歳出は国の歳出と各般で密接に関連いたしておりまして、公共事業あるいは社会福祉、文教といったような歳出が地方の一般歳出の全体の約七割を占めるという状況でございます。したがいまして、こういう大きな歳出についての抜本的な制度改正なりあるいは事業費の抑制といったようなことが行われることが地方財政の健全化にとってまず必要であるというふうに考えております。 このような国の取り組みとあわせて、地方財政計画におきますいわゆる地方の単独施策につきましても抑制を図っていく必要があるというふうに思っております。少なくとも投資的経費の単独事業につきましては、平成十年度におきまして対前年度比マイナスということで対処してまいりたいと考えております。 これら補助事業、単独事業を合わせました平成十年度の地方財政計画の一般歳出、これを対前年度比でマイナスにするということを目指すということによりまして、地方財政計画の規模の抑制に努め、財政の健全化を図っていきたい、あわせて各地方団体に対しましては徹底した行財政改革の取り組みを要請してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから三点目に、国庫補助金の整理についての御指摘がございました。 閣議決定いたしました「財政構造改革の推進」におきましては、国庫補助金につきまして、制度的な補助金とその他の補助金に区分をいたしまして、それぞれ削減・合理化の方策を検討していくということになっております。 具体的には、これから平成十年度の予算編成過程において、各省庁の補助金について、それぞれ制度的なものとその他のものというふうに区分をされながら具体的な整理の内容が固められていくと思います。したがいまして、地方財政への具体的な影響につきましても、その過程で検討していくことになるだろうというふうに考えております。 一方で、この国庫補助金の整理につきましては、地方分権推進委員会でも勧告が出されておりまして、かねてから言われておりますような、存在意義の薄れた事務事業に対する補助金の廃止、あるいは同化、定着しているものの一般財源化、それから公共事業関係の補助金の重点化といったような実効性のある国庫補助金の整理合理化が行われることが期待されておるわけでございます。 こういうことを通じまして補助金の整理が全般的に進むことを期待しておるところでございますが、申し上げるまでもなく、その過程で単純に国から地方への負担転嫁になるようなことが行われてはいけないということもまた私どもとしては十分留意してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○鎌田要人君 事務的な説明はわかりましたが、その中で、特に中央各省庁では長年にわたる機関委任事務、この惰性があるんですね。明治以来百三十年の惰性がある。 それで、私が地方自治体の首長としましての十二年間の経験も織り込んでお話ししますと、この中央各省庁は各地方団体を、卑俗な意味ですが子分的な存在として考えておる。また、我が親愛なる地方団体のそれぞれの職員の人たちもそれをあえて怪しまないんですね。こういう明治以来、四代百三十年に及ぶ弊風の存在について、この際、新自治大臣になられました上杉先生の高邁なる御見識をお伺いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(上杉光弘君) 答弁いたします前に、私、初登場でございまして、参議院の皆さんには何かとお世話になっておりますが、よろしくお願いをいたします。 鎌田先生、長年にわたって中央省庁自治省のトップ、また地方では知事として、その政治家としての識見、力量というものは私どもよく存じ上げておるところでございますが、ただいまの御指摘を含めた質問に対しましては、地方自治は民主主義の原点でございまして、住民みずからがみずからの地域のことを考え、みずからの手で治めていくとともに、地域のことは地方公共団体が自主性、自立性を持ってみずからの判断と責任のもとに地域の実情に沿った行政を行っていくことが地方自治の基本と考えております。したがって、親分も子分もない、そのように私は理解をいたしておるわけでございますが、そういう見方がされるとすれば、そのような空気というものは私は一掃しなければならぬと思っております。地方分権の推進は、そのような意味におきまして地方自治の実現を図ることであり、もともとそれ自体が大きな政治課題であると考えております。 また、今日、我が国の政治、行政を取り巻く内外の環境は急速に大きく変貌してきておるわけでございまして、個性豊かな地域社会の形成や高齢社会あるいは少子化社会への対応などの新たな状況とそれに対する課題というものに的確に対応していく必要がある、このように受けとめております。 しかしながら、ただいま仰せのとおり、明治維新以来形成されてきた我が国の中央集権型行政システムはこうした新たな状況と課題に適合しないものにもなっており、地方分権が今強く求められるようになってまいっておることは御案内のとおりでございます。 私といたしましては、地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、御指摘のような空気というものがあるとするならば、先ほど申し上げましたように、これを打破し、地方公共団体が自己決定、自己責任の原則のもとにみずからの行政運営を進めることのできる、私は地方自治新時代と言っておるわけでございますが、これからの新時代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権の推進に強い決意で取り組んでまいりたいと考えております。委員各位の御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。
○鎌田要人君 地方自治新時代という大臣の御抱負を伺いまして、今後この地方自治の新生面を開く上で上杉自治大臣の御健闘をお祈り申し上げまして、次の質問に移ります。 地方交付税の問題でございます。 財政構造改革が国の財政負担のみをカットして、そのツケを地方団体に回すのでは国及び地方を通ずる行財政改革にならないことは言うまでもありません。ところが、平成九年度は前三年度に引き続き地方財政計画において大幅な財源不足が生じたはずでございます。この傾向は平成十年度においても同様と思われます。文字どおり、地方交付税法第六条の三第二項に規定する事態に遭遇していると思うのでございます。その一方で、国の歳出削減の見地から、地方交付税率の引き下げも検討課題であるという主張も一部でまじめに行われておるようでございます。 この点につきましては、地方交付税は地方公共団体にとりまして地方税と並ぶ地方の固有の財源であると私ども認識しておるのでございますが、この点に関する上杉自治大臣の御認識はどうでありますか。特に、国、地方を通ずる財政緊縮の必要上やむを得ないと判断をいたす場合におきましても、自治大臣主導の判断で行われるべきであると思うのでございますが、この点も踏まえてひとつ御答弁をお願いいたしたいと思うのでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 国税五税は、御案内のとおり、一定割合とされております地方交付税、いわば国が地方にかわって徴収する地方税でございます。そういう意味合いにおきまして、地方公共団体の固有の財源と認識をいたしております。 地方分権等が強く求められ、またそうしなければならない時代の要請もあるわけでございまして、地方がこのような財源というものをきちっと措置した上で、私は地方分権とはセット論だと思っておるわけでございまして、自治省はしっかりしたそのような意味での考え方を今後持ち続けてまいりたいと考えております。
○鎌田要人君 それに関連しまして、地方交付税法附則第四条の二第二項及び第三項、御存じであろうと思うのでございますが、国が後年度加算することとされております額、いわゆる地方団体の貸しの累計額が平成三年度から五年度までの特例減額分、これは地方が国にいわば貸した金額でございますね、これも含めまして平成九年度末見込みで七兆四千五百八十五億円にも上っていることについて自治大臣の御認識、またこれをどういうふうにしていくかという大きな問題があると思うのでございますが、自治大臣はまだ御新任ですので財政局長でも結構でございますが、この点についての責任のある回答をお願いいたしたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 先ほど来委員からも御指摘ございます、また私の方からも答弁いたしておりますように、現在の地方財政は多額な財源不足、こういう状態が続いておりまして、地方交付税の原資、いわゆる国税の五税分でございますが、これもずっと不足するという状態が続いておりまして、交付税特別会計の借入金等によりまして何とか所要額を確保している、そういう状況にございます。 したがいまして、ただいま御指摘ございましたような地方交付税法附則第四条の二第二項あるいは第三項に定められました法定加算等、国が後年度に地方交付税に加算すべき額として定められているものにつきましては、地方交付税総額を安定的に確保していくために、毎年度の地方財政対策において的確に加算されますように強く求めてまいる所存でございます。
○鎌田要人君 それでは、国及び地方の財政赤字対GDP比を三%以下とする財政健全化目標の達成ということが大きな課題でございますが、この目標の達成は生易しいものではないと思うのでございます。 自治大臣のこの点についての御認識と、目標達成に向けての決意のほどをお願い申し上げます。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおり、御指摘の点については厳しく生易しいものでないという認識をまずいたしております。 今回の財政構造改革は、平成十五年度までの六年間に国及び地方の財政赤字を対GDP比三%以下とすることを当面の目標とし、歳出の改革と一層の縮減を進めようとするものであります。 そのため、地方財政につきましては、国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直し、地方単独施策の抑制等により、平成十年度の地方財政計画の地方一般歳出を対前年度比マイナスとすることを目指すなど、その健全化に取り組むことといたしておるのであります。 また、高齢化の進展、地方分権の推進に伴い、地方公共団体の担うべき役割がますます増大する中で、住民に身近な行政サービスを提供する地方財政の歳出の抑制は実に厳しいものがございまして、生易しいものではない、委員仰せのとおりだと私は思います。地方公共団体には、国、地方を通ずる厳しい財政事情を十分踏まえ、徹底した行財政改革に取り組むとともに、厳しく歳出の抑制を図り財政体質の健全化に努めるよう要請するなど、財政健全化目標の達成に向けて地方財政の構造改革の推進に取り組んでまいる所存でございます。
○鎌田要人君 次に、時間があと十分足らずでございますので、地方財政の問題につきましてもう一点だけお伺いいたします。 これは、地方分権推進委員会の事務局長さん、おいでですね。あなたには一問だけしか聞く時間がありませんことをお許しいただきたいと思いますが、地方分権推進委員会の大きな課題は、地方税財源をどのようにして与えるかということだと思うのであります。 ところが、この地方税財源の問題について、地方分権推進委員会は今までのところまことに抽象的な表現の一点張り。地方分権推進委員会としまして、地方税財源の充実確保を図るための問題が片づかなければ、地方分権推進委員会はその職責を全うし得ないと私は思っておるわけです。 その点で、ひとつしっかり答えてほしいと思うのでありますが、地方税財源の問題について、今どういう作業の段階であり、どういう御認識を持っておられるか、その点だけお答えいただきたいと思います。
○説明員(東田親司君) お答え申し上げます。私ども分権推進委員会の七月に行われました第二次勧告におきまして、地方税財源につきましては、まず当面の方策といたしまして、国庫補助負担金を廃止、縮減しても引き続き事務の実施が必要な場合、あるいは事務・権限の移譲が行われた場合には、その内容等を考慮しつつ、地方税等の必要な地方一般財源の確保を図るべきだということを勧告してございます。 さらに勧告では、今後、地方分権の進展に伴いまして、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充するとともに、住民の受益と負担の対応関係をより明確化するという観点から、国と地方との役割分担を踏まえつつ、中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図るべきであるとしております。 そして勧告では、この場合に、生活者重視という時代の動向、所得・消費・資産等の間における均衡がとれた国、地方を通じる税体系のあり方等を踏まえ、税源の偏在が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築について検討すべきことも指摘しております。 このような勧告に対しまして、ただいま鎌田先生の方から踏み込みが不十分じゃないかという御批判をいただいたわけでございますが、御批判につきまして私ども委員会としては謙虚に受けとめなければならないと思っておりますけれども、分権委員会といたしましては、今後の地方税の充実確保のあり方につきまして、必要とする基本的な考え方の筋道は示すことができたのではないかというふうに認識しているところでございます。
○鎌田要人君 筋道は示すことができたとお考えですか。今あなたの御答弁では、今までのことの繰り返しなんですね。何にも具体的な問題には入っておらない。私は、地方税財源問題が今度の一番大きな問題になると思いますよ。国は一文も地方にはやりたくない、地方の方ははってでも欲しい、そのとり合いの凄絶な戦になると思います。 あなたは委員長じゃないからお気の毒ですが、事務局長として、委員長を補佐する立場でその点の覚悟をもう一遍伺いたいんです。非常に抽象的な表現で、しかも今まで言っていることから一歩も出ていない。そういうことでは、私は、今度もまた今までと同じことになるんじゃないかという心配を持っておるから言っておるんです。もう一遍お答えください。
○説明員(東田親司君) 抽象的で不十分だという御指摘が再度先生から言われたわけでございますけれども、私ども、委員会の審議の段階におきまして、特に先ほど申し上げました勧告の中で、この部分でございますが、生活者重視という時代の動向、所得・消費・資産等の間における均衡のとれた税体系、そして税源の偏在が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系という表現の中で、具体的な検討に当たっての必要な考え方は示されているというふうに委員会の審議の結果まとめたという経緯がございます。 恐らく先生のお尋ねでは、個別の税目等についての検討が不十分じゃないかという御指摘じゃないかと思いますけれども、それにつきましては、私どものこの考え方に沿いまして、専門とする税制調査会等の場におきまして必要な検討がなされていただきたいというふうに認識しておるところでございます。
○鎌田要人君 御健闘をお祈りいたしますと言うよりほかに、今のお答えでは私の方から申し上げることはありませんので、ひとつ頑張ってください。 それで次に、消防行政についてお伺いしたいのでございますが、今回、政府の行政改革会議において一府十二省庁とする省庁再編案が示されたところでございますが、消防行政についてはその位置づけが明らかでないということから、私どもも大変心配をいたしております。 消防行政については今後どこの省庁において所管していくべきと考えられるのか、自治大臣の御所見を伺いたいと思います。また、その場合、当然現在の消防庁のように、百十二万人の消防職員、消防団員、いわゆる消防職団員によく見える形で、明確に外局として位置づけすべきであると考えるのでございますが、この点につきましても上杉新大臣の御所見をお伺いいたしたいと思うのでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおりでございまして、私は、大臣就任以来、中間報告については消防庁の位置づけが明確でないことを申し上げておるわけでございます。御案内のとおり、去る九月三日に公表されました行政改革会議の中間報告においては、消防行政の位置づけについては明らかにされておりません。 我が国の消防は、市町村消防の原則のもと、地域に密着した消防団等も実に重要な役割を果たしておるわけでございます。地方自治行政と密接な関係を持つものであることから、省庁再編に当たりましては、地方行財政を所管する省において消防行政についてもあわせて所管することとすべきであると考えております。また、消防は、国民を災害から守るという特別の任務を担っておるわけでございまして、実動部隊を有しているなど、一般の行政とは性格を異にしているものであるという認識を私は持っております。 したがって、百十二万人の消防職員、消防団員の旺盛な士気がいささかもなくなるようなことのないようにその士気を維持するためには、消防庁長官をトップとした心理的一体感が形成されている必要があり、そのためには、御指摘のとおり国の消防行政機関は消防職員、消防団員によく見える形で明確に外局として位置づけるということがごく自然なものなのではないか、このように考えております。 いずれにいたしましても、今後与党においても論議が行われ、また行政改革会議では本年十一月末までに最終報告がまとめられる、審議が進められるわけでございまして、私といたしましても、消防が今後ともその責任を十分果たすことができるようにしていくという視点に立ちまして、地方公共団体の御意見も十分お聞きしながらこれらの再編論議の動向を見守ってまいりたいと考えております。
○鎌田要人君 ただいま自治大臣のこの問題に取り組まれる明確な姿勢をお伺いいたしまして感銘いたしました。どうぞその線で頑張っていただきたいと思います。 最後に、地方における監査機能の充実強化の問題でございます。この問題につきましては、当参議院は本年一月、平成六年度決算に関しまして内閣に対しまして十項目に及ぶ警告決議を行っておることは御存じのとおりでございます。 その中の第九項目では、国庫補助事業に係る食糧費について一層の指導と厳正な措置を求めております。さらに第十項目では、各地の地方公共団体で「食糧費の不正使用やカラ出張・カラ飲食等による不適正な公費支出が相次いで明らかとなり、しかも、公正な行財政執行を確保すべき監査委員及び同事務局においても同様な公費支出が見られたことは、遺憾である。」ということで、政府に対しまして「公正で能率的な行政の確保という監査委員制度本来の機能が発揮されるよう必要な指導等に努めるとともに、地方分権の推進に伴う監査機能の充実方策について検討すべきである。」としておるのでございますが、この参議院の警告決議を受けて自治省はどのような措置を講じられたのか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(松本英昭君) ただいま御指摘いただきましたような当院の決議それからまた地方制度調査会等の審議を踏まえまして、自治省といたしましては、さきの通常国会に監査制度の改革に関しまして地方自治法の一部改正案を御提案申し上げ、成立させていただいたところでございます。 その内容は、現行の監査制度というものにつきましてさらなる充実、特にその専門性、独立性を高めるという観点からの改革と、それから外部からの監査を行うということで外部監査制度の導入ということを行ったわけでございます。 現在、これに基づきまして所要の政令案それから関係団体等との意見の調整等を鋭意進めているところでございます。
○鎌田要人君 それで、今おっしゃったことで関連しまして、新たに導入しました外部監査委員制度、この外部監査委員制度の運用について私は一抹の懸念があるんです。 といいますのは、行政の仕組みあるいはその特性を十分に理解しない監査になりますと、これはもう何のことやらわけがわからぬ。その心配を非常にしておりますので、その点の懸念も含めまして、地方分権の時代にふさわしい監査制度の確立に向けて自治大臣としてどのような所見をお持ちかお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(松本英昭君) ただいま委員御指摘の外部監査制度の導入に関しましては、ただいまの御指摘にありましたようなことも当院の御審議の中で御意見を伺わせていただいたわけでございます。 そういうこともございまして、外部監査はやはり専門性、独立性という要請がありまして、それを実現するということが第一の眼目なわけでございますが、そのことが同時に、今委員の御指摘のように、行政の実情というものから離れるのではないかという懸念があるわけでございます。 そういうこともございますので、そういうことにつきまして現実に外部監査人となっていただきます弁護士の方あるいは公認会計士の方、それから税理士の方、その他監査に精通している方はそういう点では余り心配ないかと思いますけれども、ただいま申し上げましたような三士の方々に対しましては、緊密な連絡をとりますとともに、そのことにつきまして説明会を催すとかそういうことも今計画をいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、この一年半以内に政令で定める日から施行されるということになっておりますので、今委員の御指摘のような御懸念も踏まえまして準備万端整えてまいりたいと考えているところでございます。
○守住有信君 自民党の守住でございます。 今、鎌田委員の方からグローバルなマクロ的な視点から幾つかの御指摘がございましたけれども、私はちょっとミクロ的な、前から継続してやっております延長として自治省さんにお尋ねしたいし、お願いもしたいと思っております。 それは何かというと、もう先々週の大蔵省の三塚大蔵大臣以下、特に理財局長。御承知の資金運用部資金がございますな、その中で郵貯資金が相当、六五%近い資金の構成になっておるわけですけれども、大蔵省が地方公共団体に対して、地方の財務局財務部を通じて各県、三千三百近くの自治団体の長期低利資金としての、社会資本としての融資をやっていることは御承知のとおりですが、それを大蔵省が貸し付けておるということで、借り入れ側の方は、県、市町村長以下議員の皆さんまでそこに郵便貯金資金が入っておるんだという認識が余りにもない。大蔵省から借りておる、このような認識です。 簡保積立金の方は、戦後独立してから分離、直接運用になっておるから、これはある程度認識されておりますけれども、その三倍から四倍に及ぶ郵貯の資金が、三十年にも及ぶ長期安定資金で民間資金よりも金利も低いという姿で、地方公共団体の社会資本の充実にいかに使われておるかということの実際の決算的ないわゆる分計をすれば、資金運用部資金の貸し付けば郵貯資金が何ぼであり、各県、市町村ごとにどうだということがわかるわけですね。それを長い間主張してきたけれども、先々週の私の主張以来、やっと大蔵省が分計をして郵政省の方に提出をする、こういうふうになったわけでございます。 と同時に、もう一つ地方公共団体の方は例の指定金融機関という仕組みがございます。指定金融機関、御承知でございますね。その中で、特に県の方を申し上げますけれども、ほとんど中心は第一地銀ばかりだ。郵便局というのはその振替サービスの対象に入れていないんですよ。御承知ですか。 私はまず資料要求をしたいと思うんです。各県の指定金融機関の実態はどうなっておるのか。大都会の方は都市銀行も入っておりますが、ほとんど第一地銀だけなんです。町村になりますと、農協も入れておる、郵便局も入れております。しかも、あれはいろんな種類がありますからね、四十数項目ある。地方税もあれば他のいろんな福祉関係の給付や掛金の納入、いろんなものが入っておる。それを郵便局は入れていないということは、住民にとって選択の自由がそれだけ狭まっておるということですね。何も貯金の増強を言っておるんじゃないんだ。住民サービスなんです、全国オンラインでの振替サービス。 そうすると、住民は、掛金を払う場合は総合口座から自治体へ払い込む、福祉関係なんかの給付を受ける場合は自分の口座で、身障者や高齢者のますます福祉の問題になっていくのにそういうサービスが自動的に受けられる。そのときに第一地銀中心の指定だけである。こういうことを私はずっと主張して、これは野中自治大臣のときからこの場で申し上げてきたんですが、おっしゃるのには、それぞれの県や市町村が決めることに相なっておりますと、地方分権だから、わかりますよ。 ところが、実態は、その後何年もたちましたが、きのうも郵政省のとき申し上げましたが、例えば国税の方は、大蔵省が三、四年前に法律改正して国税の納付は郵便局の振替口座も使ってよろしいというふうに法律改正までしてある。納入の義務、基本の財源ですよ。その利便さ、昔から銀行だけだったんだけれども、郵便局の振替サービスの利用も大蔵の方は法改正までして開いたんです。もう四年ぐらい前になりますか。 例を挙げますと、都道府県別公金自動払い込み実施状況、地方税、事業税、自動車税やその他いろいろ地方税の関係がございます。固定資産税や都市計画税その他、税でなくても使用料金等いろいろなものがこれだけ多数ございます。東京都が四つ、事業税、住宅使用料、それから固定資産税と都市計画税。あとは新潟県が住宅使用料、それから兵庫県が住宅使用料、滋賀県が住宅使用料、三重県が母子寡婦還付金、これだけです。この実態は、まず行政局長御承知ですか。
○説明員(松本英昭君) 御指摘の件は恐らく収納代理官署の指定のことだと思います。 御案内のとおり、昭和六十三年に地方自治法の施行令を改正いたしまして、公金収納事務の一部を取り扱わせることができることといたしたわけでございますが、現在、この収納代理官署として郵便局を指定いたしております都道府県は一都であります。それから、市町村におきましては、これはもう少し、件数は千幾らあったと思いますが、それだけの指定をいたしております。 現実の取り扱いは、収納代理官署を指定しておらない郵便局につきましても公金口座に窓口で振り込むことは従前からやっておりまして、そういう状況も踏まえて今先生の御指摘があったんではないかと思っております。
○守住有信君 今、県は一つ。大臣の足元の宮崎県はどうでございますか。鎌田さんの足元の鹿児島県、我が足元の熊本県、実はどんどん調べておったら、各県の出納長協議会というのがあります。九州出納長協議会、中国東北とかその他もろもろの協議会がありまして、後ろが第一地銀なんだ、裏が。そして、第二の人生の世話までしている。出納長は三役の一人だ。やめた後、官僚の天下りばかり言われるけれども、こういう地方公務員の中の三役ですよ、その一人の天下りを世話しておるのが第一地銀だ。 具体的に言いますよ、熊本県でそうですから。去年の三月、出納長を福島知事とけんかしてやめさせた。その後どうなりましたか。ちゃんと肥後銀行が世話しておる。どこか一角をえぐればずっとおかしい。そして、片や何兆円という郵便局の資金、郵貯資金を安定資金として三十年間も借りながら、ああこれは大蔵省だというふうないい例、それで民営化、こういうことであります。これは自治省に尋ねたいけれども、簡保から始まって、もし郵貯が民営化になった場合、競争原理だから地方債計画から外れるわけだ、原資側は。どこでも自由だ、市場原理に従ってだ、融通条件から何から民間並み、そして資金源はどこに求めるのだろうか、対岸の火事のように思っているんじゃないのか。自治省は、自治団体は意見書だけ出しただけじゃだめだ。民営化反対の意見書はほうはいとして各県議会、市町村議会から出ておることは全部承知しておりますけれども、そっちはこうで、じゃ全部民営化になったらどこに安定資金源を求めるのか。自治省は上杉大臣以下そこらあたりも十分今から考えておかないといけないんですよ。 郵政省もそうだよ。郵政省だけで物を見ちゃいかぬ。お互いの資金がいかに還流しながら長期資金として社会資本の整備になっておるか、その相連携が発言力として力を得てくるわけですよ。孤立の狸穴村の郵政省だけではだめだ、村社会ではだめだ。もっと連携した広がりを持ったとらえ方、連携が要る。これは郵政省側にきのうも言った、郵政大臣にも。 まだ先の大事なテーマがありますので、法務大臣も新しくお見えですから、そちらの問題もありますけれども、非常にこれらの実態というものを見て知るにつけて郵政省も腰が引けておると言って、きのうもわんわん言ったんです。 それからもう一つお願いがある。自治省で全国出納長会議をおやりですな。何回ぐらいやっておられますか。ちょっとそこのところをお聞きしたい。
○説明員(松本英昭君) 恐らく、自治省で所管をいたしております全国出納長会議は年一回じゃなかったかと思っております。
○守住有信君 そのときに、三十分でいいんだ、郵政省の貯金局長、保険局長も一緒に呼んで、そこで共通認識を持つ。そしてお互い助け合う。そうすると郵政も郵便局員も張り切りますよ、特定局長も。地域のために貢献するぞという意識で、職員もやる気を起こして、同じ地域に貢献するんだと。不足しておる社会資本、財政力、住民税のかわりというふうな気持ちで一生懸命連中は頑張っておるんです。もう労働組合も同じなんだ、今は本当に。 そういう職員の意識を代弁してよく知っておるのがいわば貯金局長であり、簡易保険局長なんですね。そこと、地方の実務家のリーダーは出納長ですから、まず出納長さん方と共通の場をつくって、三十分でいいんです、そういうお互いの共通の理解、認識、お互いの助け合い、共助、そこから私は地域社会の振興、住民の意識、そして地方議会議員、こういうものが始まっていくと思っておりますので、これはひとつお願いにさせていただいておきます。今、何かちょっと約束してください。
○説明員(松本英昭君) せっかくの御提案でございますので、実は私どもの方の所管は会計課だと思いますけれども、よく内部で検討をさせていただきたいと思います。
○守住有信君 わかったな。積極的にいかにゃいかぬよ、積極的に。自治省へ行って、局長同士、課長同士、そして今度は地方なんだ、大事なのは。地方とのコミュニケーション。そうすると、一生懸命、住民も預金者も加入者も局員もそういう一つの生きがいというものを感じて、まして民営化の大波が襲ってきておるわけですから、そういう運動論というか、行政も縦割りではなくて横で連携して、共通認識を持ってそれぞれの役割を果たしていくということではないかと思っておりますので、この点はそういうふうにさせていただきます。 実は、きのう自治省の行政局の方は、例えば前からやっております電磁波騒動の問題。地方で鉄塔を建てると反対運動だと。電磁波だ、身体に影響がある。そこで私は、国有財産公有財産の利活用ということで、行政局の方からははっきり地方に、移動通信の塔という具体的な名前は書いていないけれども、公有財産がちゃんと目的に反しない限りは、住民のための施設ですから、電波の普及、携帯電話の普及のためですから、大いに活用しなさいと。 屋上の一角の話ですよ。現に、六、七年前も熊本市役所の屋上に携帯電話ドコモの塔を建てさせたんだ。使用許可でいいんです。ビル陰障害で上通り、下通りの商店街はよく聞こえぬのだ。横に大きな市役所がある。これは屋上の隅っこです。四メートルばかりのアンテナ塔を建てればいいんだ、受発信機。建てるのは事業者がやるんだから、許可だけすればいいんだ。 そういうことで前々も申し上げまして、大蔵省も国有財産利活用ということで、商店街周辺の駐車場問題等もありますけれども、そういうのを財務局長会議で話題にして徹底を図ってくれた。自治省は文書で都道府県の方へ出した。具体的には書いてありません。だから、その具体的なところは電気通信局長が地方電波監理局長、業者じゃだめだよ、住民のためだから、業者任せでなくて、通信事業者任せでなくて、地方の電波監理局がみずから同じような地域の市町村や県にお伺いして、自治省から出ておる文書を持っていって、そういう電磁波騒動に対する第二の対策、普及を図るということ。電磁波で、労働省の川崎の研究所以来、マスコミに載って、人体に影響があるといってわっとなって大騒動が、きのう聞いたときも把握しておるだけでも全国三十五カ所、各町村あるいは小さい市の郊外でも起こっておるわけですから、そこらあたりもされること。 きのう聞き忘れた一番最後の大事な点は、電磁波が本当に子供や嬰児や人間の肉体に、あるいはがんに影響するのかどうか。これがマスコミにだっと流れて、ことしの一月六日のあの労働省の研究所の発表以来、ある研究学者の論文、これ以来大騒ぎになって、あとは各省庁予算をつけて徹底究明すべしということでやり出しておるわけですけれども、それについて電気通信局長の、通信の専門屋だから、研究所も持っておるわけだから、その辺のところの明確な答弁をお願いしておきます。
○説明員(谷公士君) 郵政省といたしましては、電波利用の健全な普及発展を図るということから考えましても、この安全を確保いたしますとともに、正確な知識を普及することによりまして必要以上の不安や疑問を解消するということは大変重要であると考えております。 このような考え方から、去る昭和六十三年、郵政大臣の諮問機関でございます電気通信技術審議会に電波利用における人体の防護指針、この審議を諮問いたしまして、平成二年、答申をいただきました。この答申に基づきまして、民間の標準規格策定団体が電波防護標準規格というものを策定されまして、現在に至るまで電気通信事業者等が無線局の設計や運用に当たっての指針として活用しておられまして、これによって安全な電波利用が図られていると考えております。 また、この電波防護指針に関しましては、WHO、世界保健機関と協力して検討を進めております国際的な機関の国際非電離放射線防護委員会が昨年四月、電波防護指針を満たす電波によってがんを含め健康に悪影響が発生する証拠はないという趣旨の声明を発表しておられまして、先ほど申し上げました指針を満たせば人体には安全という考え方が国際的に共通の認識となっておると考えております。 ただ、私どもといたしましては、この問題が人の健康にかかわる問題でございますので、念には念を入れて今後とも引き続き数多くの研究を積み重ねていくことが大変重要であると考えまして、今年度からさらに研究体制を充実して安全性評価に関する研究を推進していきたいと考えております。 なお、今、他省庁等も研究しておるという御指摘ございましたが、この電磁波の安全性に関する研究につきましては、環境庁、労働省その他幾つもの省庁で実施しておられるところでございますけれども、これらの省庁の研究は送電線等から発射されますいわゆる低周波の電磁波に関するものが中心でございまして、通信や放送に使用されます高周波の電波についての研究は私ども郵政省のみが行っておると承知いたしております。 いずれにいたしましても、これらの研究を推進するに当たりましては、関係省庁や大学の研究者の方々、こういった方との連携を図りますとともに、諸外国とも協力して電波利用の一層の安全性の確保に取り組んでいかなければならないと考えております。
○守住有信君 それでは、最後の確認。 通産省その他もやっておるものだから、研究開発、研究調査を。だからやっぱり送電線だ。携帯電話の微弱なものじゃなくて、送電線の電磁波というものが中心の研究開発のようだ。いろんな研究所がトライしておるんだから、私は専門屋じゃないものだから、六省庁ですか、九年度予算にみんなつけろといって主計官にどなったんだ。そうしたら、どばっとつげてくれたんだ、これは人体の問題だから、健康の問題だからね。 だけれども、その中身をよく聞くと二つあると。微弱な電波という世界と送電線の周波数レベルでいろいろ違うようだ、あるいは電力の強弱によっても違うようですから。そこのところを郵政省としてはもっとマスコミに明確に。マスコミも科学部でなきゃだめ。社会部ではだめだ、社会部、政治部では専門屋がいないんだから。 特に、共同通信、時事通信だ。あるいは県紙に載った場合が一番、地方住民の問題意識ですから、非常に影響がある。朝日、日経、読売その他では地方住民は余り読んでおらぬのだよ。ところが、共同通信配信の各県の県紙はよく読んでおられるから、これに載ったら意識がばっとなる。 そして、近ごろは地震がある。高い四十メートルばかりの塔を立てたら、今度はもう一つは地震になったらどうするか、こういう不安感が出る。だから、その近所にある公共団体のビルの屋上、公営住宅の屋上にアンテナを立てれば、その地域住民の方々もごく簡単な安い何千円かの、利便で全国どことでもこれができる、こういう携帯電話の仕組みです。 そこで、私は、国有財産、公有財産の利活用の具体例として、県庁なんか大都会の中にあるから、特に町村、町村の役場のビルあるいはまた公営住宅等の多少高い四階建て以上ぐらいの屋上に受発信機を立てればそういう不安感もない、ビルと一体ですから上に三、四メートルのポールをちょっと立てるだけの話だから。だから地震の不安感にもいい。こういうふうな思いでおります。 そこのところも、もっとよく具体的に電波監理局も地方電波監理局と、地方が問題なんだから地方、業者と一緒に各市町村、自治省等の文書が出ておるわけだから、具体的なものをやって携帯電話の普及。でないと差別があるわけなんです。都会地の市民だけが利用されて、農山村の方は田舎に行けば行くほど携帯電話は利用できないんです、聞こえないんだから。そういう視点から、相互に連携して頑張っていただくように具体的にお願いを申し上げておきます。 次に法務省、警察庁の方に移ります。 この前も新聞で、法制審議会は捜査で通信傍受導入、組織的犯罪対策法要綱骨子案を法制審答申、以下云々ということで出ておりましたので、ちょっと私自身が自分の体験からの話を申し上げますと、はるか昔のことでございますけれども、反マル生闘争とか成田管制塔襲撃事件とかがありまして、私は当時人事局長であだ名が首切り浅右衛門とついておった。それで、マスコミにも出るものですから、問題は我が家に脅迫電話がある。私がおるときは何をとけんかをしますけれども、相手はどこからかけたかわからぬ、電話番号も名前も名乗らぬ。ところが、私が留守のときに家内、子供に脅迫がある。こういう体験があったんです。 それで、その次に初代の電気通信政策局長になりました。そのとき、警察白書の冒頭に、誘拐された子供たちが殺されたのは警察にとっては最大の恥辱、こういう表現がありまして、ううんと思った。当時は、警視総監もやった仁平さんが捜査一課長だった、大昔。碁も一緒にやった。まずやりましたのが、通信の秘密の法的見解を三点にわたって質問して、内閣法制局から見解を求めました。 それまでは、郵便についての法制局の見解は出ておりますけれども、郵便というのは一方向でございまして、ましてや受け取り拒絶もできるんです、合法的に。拒否ができるんです、一方向に。書いたものですから証拠は残っておるんです。電話というのはどこからかかってくるかわからない。 それで誘拐犯、犯人捜査を必死になって警察官は、警察庁前線は努力をしておる。情報を集めたりいろいろ苦労しておる。ところが通信の秘密だと。 そこで、法制局見解もとりまして、警察庁の方とも連携をとって、当時は電電公社の最後でございましたけれども、誘拐犯にやられた御家庭の属する市内交換局で裁判所の令状をとって傍受する。盗聴ではありません。言葉というのは非常に危ない。盗聴とマスコミは言っているが、傍受なんです。盗聴という言葉がマスコミに出ておったら呼びつけてがんとやらにゃいかぬ。すぐに社長に電話せにゃいかぬです、法務省は。そういう意気込みで、本当に。 今人質も大分減ったと思います。警察庁の方、誘拐事件の最近の傾向はどうでございますか。これは前線の警察庁の方がいいと思いますから、どなたか。
○説明員(佐藤英彦君) 突然のお尋ねで正確な数字を持ちませんけれども、相変わらず身代金目的の誘拐を行う者が絶えませんで、本年も先般熊本で発生をいたしました女子大学生に対する誘拐事件を含めまして、たしか六件であったかと思いますけれども発生をいたしております。
○守住有信君 私はずっと昔も労務屋で、公安警備的な連携があったものですから、見ておるとこれが組織犯罪になりよる。特に、私は途中で議員になりましてから、台湾ルートは外交がないものだから、台湾の軍事郵便貯金の返還を片づけましたけれども、そのころから台湾ルート、台湾の警察あるいは海上保安庁、日本の入管、海上保安庁、警察、ちょうど内閣委員長のときでございましたけれども、向こうからも呼びまして、両方の三者、入管と海上保安庁と警察、相手と外交がないから議員外交だ。一緒に連携して、ピストル、麻薬、しゃべると長くなりますけれども、それは根絶するぞと。その後見ておると、蛇頭とか暴力団の組織犯罪、一人一人の実行行為者の誘拐犯のやつじゃなくて、もっと組織的なのがぐっと動いておる。これは絶えず社会面にぐっと出ておる。そして、警察は苦労しておるが、法的限界がある。 そこで、法務省が先頭を切って、法制審に長い間御議論をいただいて、今度二つの新しい法案と刑訴法の一部改正、三本だけど、特に私が関心を持っておりますのは、合法的に裁判所の令状を持って傍受ができる、組織的犯罪の証拠、手がかりをつかむ、そしてまた弁護士等から異論もあるようですから、これを情報公開するなり国会に報告をするとか、簡単に言うとそういう附帯的な条件もついておるような答申が出たように思いますけれども、そこらについて法務省の方からひとつ経緯を、実務の世界だから、法制制度だから御説明をお願いします。
○説明員(原田明夫君) ただいま委員御指摘いただきましたように、犯罪の状況につきまして、最近特に暴力団等によります薬物犯罪、銃器の犯罪、あるいは対立抗争を初めとするさまざまな事件、また国際的な出入国に関連する事案等々、組織的な犯罪の状況が非常に厳しくなっていると存じます。我が国の平和な市民生活や社会の安全に対し重大な脅威となりかねない状況にあるわけでございます。 この種の犯罪におきましては、あらかじめ組織的に十分謀議が行われ、罪証隠滅工作など犯罪の発覚や犯人の特定、検挙を困難にする手段が講じられるとともに、たとえ一部の者が検挙されましても、他の共犯者、またその関与の状況等が明らかになりませんと事案の真相に迫ることができません。表面的には重要な犯行に関与したと思われる者がかえって手足的な問題であり、その事案につきまして本当に責任をとるべき者が背後に隠れているというような状況がございます。そこに御指摘のとおり個人的な犯罪とは異なった集団組織としての犯罪の特徴がございます。 また、個人的な犯罪は、仮にいろいろ行われましても偶発的な要素が多い場合もございますが、組織的に犯罪が行われるという場合には、その集団が犯罪自体を目的とする、犯罪を行うことによって何らかの利益を得ようという場合があるわけでございます。そういう事態に対しまして、従来の刑事法の基本的な枠組みは個人犯罪を念頭に置いたものでございました。実体法もまた手続法もそうでございます。 そういった点で、このような組織犯罪に対処するために、当面緊急にとるべき措置ということで幾つかの点について御指摘のように法制審議会から答申をいただいたわけでございますが、なかんずくただいま御指摘の通信の傍受に関しましては、委員御指摘の中にございましたように、これまでも裁判所の検証令状によりまして、特定の犯罪、特に覚せい剤の密売というようなことが繰り返し行われている場合に、そのために使われている電話を傍受することができるということで実務上行われてまいりました。しかし、これらにつきましてはごく限られた分野ということでいろいろ制約もございます。また、裁判所の検証令状をいただくわけでございますが、手続的にはもっと注意しなければならない点が多々ございます。 そういうことで、このたび法制審議会で御議論いただきましたのは、その手続に関しまして、委員にも御指摘いただきましたように、裁判官の令状に基づき、そしてそれに従ったさまざまなチェック機能を果たすための手続を設けていくと。特に、傍受されました内容につきましては、立会人の封印をして保管する、そしてそれを裁判官のもとに置いておく、そして事後的に通信の当事者につきましてはそのような傍受が行われたということを通知させていただく、そしてその当事者がそれを後で聞くことができる、そして問題があると感じられた場合には不服申し立ての手段を講ずることができるというような手続でございますとか.裁判所に通信の傍受の状況について御報告をしていく、そしてその中でどのような状況が一般的に行われているかということに関しましては、通信の傍受に関する一般的な報告と公表ということで、この種の捜査手段の面では初めてのことでございますけれども、法律でもって国会に御報告申し上げるようにしよう、そしてそれを一般に公表することにしようということが盛り込まれているわけでございます。 そういうわけで、御指摘のとおり、通信傍受につきましては、通信の秘密の問題、プライバシーの問題、さまざまな点から関心があり、また懸念も表明されております。そのような事態を法制審議会の十五回の刑事法部会における審議の過程におきましてもさまざまな観点から考慮いたしまして、手続的にチェックしていく体制がとられた上で答申がなされたものと考えているわけでございます。 そういう状況を踏まえて、私どもといたしましては、これを法案の作成に向けて現在鋭意努力を傾けさせていただいているという状況でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○守住有信君 今そういう要点だけお話してございますけれども、非常にいろんな誤解、例えば言葉一つだって盗聴と傍受があるし、弁護士さんの方もいろんな受けとめ方、専門家でだれがやるか知らぬけれども、民事弁護士かも知らぬが、いろいろマスコミ等で出るわけだから、いずれは法務委員会だと思いますけれども、もっと各般の正確な啓蒙運動というか、マスコミに正しい啓蒙というか、これが非常に大事だなと思っております。 もう一つは、前から通信主管庁は郵政だから、そことの連携が、通信傍受についてだけですよ、ほかの犯罪、ほかの方法、方策は別ですけれども、縦割りじゃなくて、そこらあたりはどういうふうな連携がなされておるんだろうかということを電気通信局長にお尋ねしたいと思います。
○説明員(谷公士君) 先ほど法務省から御答弁ございました法制審議会の中の刑事法部会に、私ども電気通信行政を預かるという立場から、電気通信局の業務課長が最初から関係官として毎回出席をさせていただいております。 私どもの観点といたしましては、利用者の通信の秘密を不当に制約しないということ、それから電気通信役務の円滑な提供を阻害しないことという観点があるわけでございまして、今後、法案が具体化していきます過程におきましても引き続き法務省との間で十分連携をとって進めさせていただきたいというふうに考えております。
○守住有信君 本番の方は法務委員会で提案理由説明その他御審議があるでしょうから、これはもう専門の委員会だと思っておりますけれども、その前座として、やっぱりこういうのは幅広く国会議員としては正しい知識、認識を持って、そしてこの組織的犯罪に向かって我が国は挑戦していかにゃいかぬ。こういうふうな気持ちを前から持っておったものですから、私個人としてはやっと動き出したかなという気持ちを持っておるわけで、いろいろ世論は、こういう世界ですから、そこのところを十分法治国家としての日本国としての理解、説得というか、理解させるのは早目早目にやっておいていただくということを大きな最後のお願いとして、私の質問は終わらせていただきます。
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。 まず、下稲葉法務大臣、また上杉自治大臣・国家公安委員長の御就任を心からお喜び申し上げます。豊富な力量を発揮して、我が国の治安その他の所管の問題につきまして御活躍されますよう御期待申し上げる次第でございます。 まず、外国人犯罪対策についてお伺いいたしますが、最近の犯罪情勢あるいは犯罪の趨勢を見ておりますと、最近発行されました警察白書等によりますと、平成八年の刑法犯の認知件数は約百八十一万件で、おおむねそのような数字がこの数年の趨勢でございます。 戦後全体の犯罪認知件数を見ますと、昭和四十年ごろまでは百四十万件で推移しておりまして、昭和四十五年から五十年ごろに、日本にとって黄金時代だったんでしょうか、百二十万件に近い数字に落ちたと。その後、昭和五十五年から伸びまして、平成に入り百六十万件から百八十万件にまで伸びているという状況でございます。 それでは、戦後一番治安が悪かったというふうに思われます昭和二十二、三年、あの戦後の混乱期に犯罪がどれくらいあったのかということを調べますと、百八十万件ということで、現在の数と同じ状況でございます。 そこで、私はちょっと考えていただきたいと思うんですが、百八十万件ですけれども、ここ数年パチンコのプリペイドカード偽造行使事件が世間をにぎわして、最近下火になっているという話ですけれども、その被害額が七百億円あったと。これは正味七百億円の被害があったわけですね。これは一万円のカードの偽造を一件といたしますと、割り算をしますと実に七百万件の犯罪が事実あったということになるわけです。 それから、パチンコの偽造ROM使用による詐欺事件がマスコミ等で報道されますが、この被害は二千億から三千億というふうに報道されております。これも、一件二十万円から三十万円の被害が仮にあったといたしますと、百万件の犯罪が発生している、こういうわけでございます。 ヨーロッパ、アメリカ等におきましては、このように暗数を使って犯罪の実態を説明するということが行われているようでございます。したがいまして、かなり治安の状況が深刻であるということが言えるのではないかというふうに思います。 一方、この警察白書によりまして、外国人による犯罪がどれだけあったかといいますと、昨年一万九千五百件というふうに報道されて、うち知能犯は一千五百件。先ほどの数百万という単位からいたしますと、これは知能犯ですけれども実に千五百件しか警察は認知していない、検挙していないということでございます。そしてまた、この警察白書は同時に、これらパチンコ犯罪は外国人による犯罪が多くあるということも指摘しているわけでございます。 また、私の地元は北陸の福井県でございますが、福井から奥の方へ入っていきます平和な町ですけれども、街道で自動販売機が非常に荒っぽい方法で軒並み破壊されて被害に遭うというふうな事件で、かつてない事件からこれは外国人による犯罪ではないかというような指摘もされるわけでございます。 そこで、警察庁に伺うわけでございますが、最近の来日外国人犯罪の概況、特に最近の特徴について御説明いただきたいと思います。 またあわせて、近年、外国の犯罪組織が日本に浸透してきているように思われますが、来日外国人の組織犯罪の発生状況についてお伺いします。
○説明員(佐藤英彦君) 今御指摘のように最近の犯罪、非常にふえておりますけれども、特に来日外国人、その中でも不法滞在の来日外国人による犯罪が深刻化いたしておりまして、あわせてその組織化が問題になっているというぐあいに思います。 まず数字でございますけれども、昨年ベースで過去十年を振り返ってみますと、刑法犯の検挙人員で三・二倍になっております。これは不法滞在の来日外国人による犯罪であります。そして、検挙件数では七・六倍に急増をいたしております。つまり、外国人の場合にはグループで、複数犯で行う形態にどんどん変わっていっているということもあわせて示しているかと存じます。 そして本年に入りまして、上半期でございますけれども、刑法犯の検挙は件数で一万二千三百件余り、昨年同期の五割増でございます。この大半はベトナム人による自動車、バイク等の窃盗が主要な要因になっているわけでありますけれども、今申し上げたように急増をいたしております。 そしてその特徴でありますけれども、冒頭に申しましたように、組織化、グループ化いたしておりますと同時に、特に香港等の外国の犯罪組織が入国をいたしまして、在日の不法滞在者を組織化してそれを運用するという形態が見受けられるようになっておりますし、そういう過程で得た不法な収益を地下銀行を用いて送金しているという検挙も散見をされるようになりました。 その外国の組織犯罪の関係でございますけれども、大阪で検挙になりました事件では、香港の三合会と言われる、日本で申しますと暴力団と同じような組織ないしは活動を行っているそういう犯罪組織でありますけれども、それによる窃盗事件を検挙いたしましたのを初め、蛇頭によります、これは中国人でありますけれども、集団密航事件が頻発をいたしております。また、ロシアのマフィアとつながりまして、国内で自動車を窃取いたしましてロシア・マフィアに流していくというもの、あるいは薬物の密売についてイラン人さらにはフィリピン人の組織化が進んでいるというぐあいに見ております。
○松村龍二君 このような激増する来日外国人犯罪に対しまして警察はどのように対処していこうとされるのか、国家公安委員長の御見識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 多数の不法滞在外国人を中心に引き起こされている来日外国人犯罪の激増が我が国の治安にとって極めて重大な脅威になりつつあると認識をいたしております。御指摘のとおりでございます。 本年四月から警察庁に来日外国人犯罪対策室を設置、都道府県警察においても同様の体制をとるなど、警察の総力を挙げて犯罪組織の実態解明とその摘発を強力に進めているものと理解しております。 今後も、来日外国人犯罪対策を治安上の最重要課題の一つといたしまして、入管それから税関等の関係機関と連携をとりながら所要の対策を推進してまいる所存でございます。
○松村龍二君 次に、法務省に伺うわけでございますが、戦後の日本の国際化に伴いまして、入国の審査あるいは出国者が一千万人を超えるというふうな時代、大変忙しい中で法務省は頑張っておられるというふうに認識するわけですけれども、法務省に伺いましても不法残留者が二十八万人もいるということでございます。 日本にいる資格のない外国人が二十八万人もいる、しかもそれが全然減らない状況であるということは、これは入管行政が破綻しているのではないかというふうに指摘されても仕方がないのではないかというふうに思いますが、このような違法状態に対しまして法務省はどのように対応しておられるのか。警察と入管が一体となって役所が構成されているような国もあるようですけれども、警察との連携は万全であるでしょうか、その辺の法務省の現在の努力についてお伺いしたいと思います。
○説明員(伊集院明夫君) ただいま先生御指摘のように、不法残留者数、最近までは減少傾向を少しずつではありますが示しておりますが、依然として非常に高い水準にある。それから、今の御議論にありましたように、来日外国人による犯罪が増加傾向といいますか近年増加している、我が国にとってこういう非常に憂慮すべき状況があるということでございます。 出入国管理行政を所掌しております入国管理局としましては、上陸審査を一層厳格に行いまして、こうした外国人の入国を水際で阻止するという努力を今後も続けていきたいと思いますし、既に我が国に不法に滞在している外国人につきましては、関係機関と緊密な連携を保ちつつ、全国一斉の集中摘発を実施するなどして法秩序の維持に努めているところでございます。 警察との連携につきましては、平成四年二月から法務省、警察庁、労働省の局長級及び課長級による定期協議会を開催しておりまして、不法就労等外国人対策に関する検討を行っているところでございます。また各地方局におきましても、警察機関と入管法違反事犯等の検挙について積極的に情報交換を行いまして、悪質事案に対する合同摘発を推進しているところでございます。 近年の外国人犯罪の増加にもかんがみまして、今後とも警察機関との連携を一層強化しまして適正な出入国管理の実現に努める所存でございます。
○松村龍二君 最近も地元に帰りまして中小企業の経営者にお話を聞きますと、安い外国人の労働力がないととてもやっていかれないというような陳情も一方で受けるわけであります。入管行政全体としてそのような問題に対応することは重要かと思いますけれども、しかし違法状態を見過ごすような仕組みであってはならないというふうに思うわけでございます。 法務大臣にお伺いするわけでございますが、入国管理の体制が、先ほど御指摘申し上げましたように、法務省からいただいた資料によりますと、在留資格関係の事務が二倍、外国人入国者はこの十年間で二倍、入管法違反事件は実に四倍近い件数を扱っておる。日本人出国者は今や一千六百万人、二・四倍になっておるというようなことでございます。 そのような事務に対しまして日本の入管行政の体制は二千五百人で、十年前が一千七百人。この間増員に努力してこられたということでございます。しかし、入管の職員が忙し過ぎるのか、無愛想だというようなこともよく新聞等をにぎわしていたこともございます。 外国の出入国管理の公務員の数をまた調べていただきましたところ、日本が二千五百人に対しまして、人口二倍の米国が二万一千人、英国でも六千人、フランス四千人、香港でも五千八百人というような数でございます。 入国管理の体制につきまして今後とも強化する必要がある。行政改革の時代ではございますが、必要な人員については必要な体制を整えていくということが必要かと思いますが、法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 答弁に先立ちまして、今回の内閣改造で法務大臣を拝命いたしました。特に皆様方にはかねてからいろいろ御支援、御指導を賜っているわけでございますが、今後ともひとつよろしくお願いいたします。ごあいさつ申し上げます。 ただいま松村委員から御指摘のあった点でございますが、お話のとおりに、現在二十八万人の不法滞在者がいる。日本からの出国者が千六百万人、丸い数字で申し上げますと入国者が四百万人を超している。そういうふうな厳しい状況の中で、先ほど来お話がございましたような集団的な密入国事件でございますとか不法事犯等が発生しておる。大変入管行政というものは厳しい中で重要なものではないかというふうに認識いたしております。 御指摘の体制の点につきまして、御激励いただいたというふうに私認識いたすわけでございますが、これも毎年皆様方の御協力を得ましてある程度の増員は認められているわけでございますが、私自身必ずしも十分とは思いません。特に、現場の人たちの経験等をいろいろ聞いて、またこの目でかつて見たこともあるわけでございますが、なかなか多忙である。多忙であるというのみならずいろいろ苦しい、厳しい現場があるわけでございます。 その辺のところを十分理解いたしまして、さらに皆様方の積極的なお力添えをいただきまして、現下の厳しい情勢のもとではございますけれども、入国管理局の人的体制の整備につきましても御支援をいただきながら、私も渾身の努力をしてまいりたい、このように思います。
○松村龍二君 次に、総会屋対策についてお伺いしたいと思います。 たまたま昨日も山一元専務らが逮捕されたというふうなことでございまして、連日四大証券が総会屋グループ代表小池被告に対して利益を供与したというような事件が報道され、また東京地検特捜部あるいは証券監視委員会が調査、捜査を進めておられるわけでございます。 かつて昭和五十六年に、このような総会屋が日本の企業活動に巣くっておる、このようなダニを排除しないといかぬというふうなことで商法改正が行われまして、商法二百九十四条ノ二の利益供与罪というのが制定されたわけでございます。その後、事態は必ずしも解決していないということが今回の事件で明らかになっております。 これは、久保利英明という弁護士が四月に書いている文章でございますが、「米国の経済週刊誌「ビジネスウイーク」の三月二四日号は、」この野村証券に対する取引一任勘定その他商法違反につきまして、「「腐敗は日本の風土病である」という厳しい見解を紹介して、「東京の不正市場には改革ではなく革命が必要だ」と主張している。」、「業績も好調で社会的評価も高い、総会屋などの付け入る隙もなさそうな優良会社でなぜ利益供与が繰り返されるのであろうか。」、宝くじの売り元であるということで国民から親しまれておる第一勧業銀行が百二十億円もお金を根拠なしに貸し付けて、二十一人の役員が退任するといったような、かつて想像もできないような事態が現出しているわけでございます。 この久保利弁護士の文章は、「しかし、総会屋は今や、その大半が暴力団構成員あるいは暴力団の支配下にある存在で、暴力団は国民と健全な企業の敵であることは多言を要しない。」、「世界は冷戦構造の崩壊以後、国と国との戦争から表世界と裏世界の戦争の時代へと変化しつつあり、日本の暴力団よりさらに強力な蛇頭などの闇世界が日本をターゲットにし始めている。総会屋にも対抗できないようでは日本は世界のアングラ勢力の餌食になるしかないのではないか。」というふうな文章を書いているわけで、現状を鋭く指摘しているのではないかというふうに思います。 そこで、法務省にお伺いしますが、この一連の捜査状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(原田明夫君) まず、委員御指摘の野村証券及び第一勧業銀行事件の捜査処理状況について御報告いたします。 野村証券をめぐる事件につきましては、東京地方検察庁におきまして平成九年五月十三日に、野村証券及びその関係者に対する証券取引法違反、これは損失補てんでございますが、その告発を受理するなどいたしまして所要の捜査を行いまして、平成九年七月十六日までに、野村証券、法人でございますが、会社とその元代表取締役社長ら関係者三名及びいわゆる総会屋であります小池隆一の計一社四名を東京地方裁判所に公判請求いたしました。 その罪名は、野村証券につきましては証券取引法違反、これは損失補てんに係るものでございます。また、会社関係者につきましては証券取引法違反、損失補てん、及び商法違反、これは利益供与でございます。また、小池隆一につきましては、要求による損失補てんを受けたということで証券取引法違反及び商法違反に係るものとされております。 次に、第一勧業銀行をめぐる利益供与事件でございますが、同じく東京地方検察庁におきまして所要の捜査を行いました上で、平成九年七月二十五日までに、同銀行の元会長ら関係者十一名及び小池隆一の計十二名を利益供与及び受供与に関する商法違反の事実によりまして、それぞれ東京地方裁判所に公判請求をいたしております。その概要につきましては今後公判廷におきまして明らかにされていくものと考えております。 それから、ただいま新聞報道に基づいて御指摘いただきましたように、昨日、山一証券に対しましては関係者につきまして同様な利益供与及び損失補てんに係る被疑事実につきまして捜査を開始したところでございます。 この種事犯につきましては、今後とも検察当局は関係機関と協力の上で適正な捜査を遂げていくものと考えております。
○松村龍二君 次に、警察庁にお伺いしますが、最近の総会屋の動向及び取り締まり状況はどうか。また、企業が総会屋との関係を今なお断ち切れなかった原因は何であるか。暴力団対策に取り組んでおられる警察の立場からも所見をお伺いしたいと思います。 そして、やはり総会屋の問題については取り締まりや罰則の強化以外に企業自身の意識改革、特に経営のトップが総会屋と絶縁するための強い決意を示すことが必要であると考えますが、警察庁の御所見をお伺いします。
○説明員(佐藤英彦君) 総会屋等の動向と取り締まりの状況でございますけれども、近年は株主総会の会場におきます暴力行為等の事案はございません。しかしながら、表面的には平穏ではございますけれども、企業訪問等は相変わらず継続して持続をしておりまして、水面下では蠢動いたしているというぐあいに考えております。 警察といたしましては、これまで二十六事件利益供与事件を検挙いたしてまいりましたし、また昨年では総会屋の恐喝等の検挙は六十名ほど検挙をし、本年に入りましても四十名近く検挙をいたしておりますけれども、このような取り締まりを行いましてもなおかつなぜ企業がそういう関係を維持するのかということについては、私どもも甚だ遺憾でございますけれども、これまでの検挙例等から推察をいたしますと、以上のことを御指摘申し上げることができるのかなというぐあいに思います。 まず第一は、商法改正時の世論を配慮いたしまして一定期間冷却期間を企業、総会屋も置きましたけれども、その関係を断ち切ることができないほどに実は深い癒着があったそういう企業。第二は、改正法の趣旨を正しく理解をいたしませんで、会社トップが英断を下さずにその関係を継続してきてしまっている企業。三つ目といたしまして、ちょうど改正法の直後ころからバブル経済の時期に入ってまいりますけれども、そういう時期の順調な経営を継続いたしたいという願望もあったのかと存じますが、会社に関する不利益なうわさが立つことを回避したい、そういう状態を恐れる、あるいは株主総会がとにかく順調に推移すればいい、そういうことを優先させた企業。そして四つ目といたしまして、もろもろの情報源として総会屋等を使うというようなことから、持ちつ持たれつの関係を維持してきた企業。そういうように分類することができるのではないかと考えております。 いずれにいたしましても、こういう社会状況に立ち至って、また世界の注目を集めている日本経済の動向ということを考えましたときに、先生御指摘のように、早くこういう関係を断ち切って、健全な企業として活動していただくことを念願いたす次第でございます。 なお、企業に対しましては、今申し上げましたような実態を率直に摘示いたしまして指導をさせていただき、あるいは総会屋等の取り締まりの強化を通じましてまた情報等を提供してまいりたいと思いますし、さらには企業からの率直な相談を受けまして、その改善方に我々としてもできる限りのことを推進してまいりたいというぐあいに考えております。
○松村龍二君 企業に対して、ミニコミ誌等経済誌というようなことで多額の金品をせしめるというような総会屋、これを厳しく取り締まるということは必要なことかと思いますが、実は昭和五十八年五月十八日の衆議院法務委員会でも、熊川次男議員が、いわゆる情報誌の追放が必要と思うが、一緒くたにみそもくそも、ちょっと表現は悪いですが、一緒に全部整理してしまって、いわゆる税金もしっかり払って、議決権の行使とは全く関係のない分野でやっておるような、例えば社団法人日本地方新聞協会に属するような新聞、情報誌につきましても全部一掃してしまうというようなことになりますと、また一種の副作用といいましょうか弊害もあろうかと思いますので、昭和五十八年にもこのような問題が取り上げられておりますけれども、一線におきましてきめの細かい御指導をお願いしたいと思います。 それから最後に、この金融不正再発防止対策といたしましては、さきに自由民主党が、本年六月以来、再発防止の具体策を検討いたしまして、その結果を八月に報告書にまとめたところでございます。 その公表の内容によりますと、利益要求行為自体を処罰対象にする、また要求を受けた取締役等については捜査機関に通報、告発する義務を課するというようなことを提案しております。また、罰則を米国並みに強化しなければとてもだめではないかといった内容等でございます。 政府におきましては、総会屋対策のための関係閣僚会議を設置いたしまして、総会屋対策要綱、例の右翼の街頭宣伝等についても違法なものについては取り締まるというような申し合わせが行われているようでございます。 そこで、時間もございませんので法務大臣にお伺いいたしますが、総会屋対策のために次期臨時国会で商法改正あるいは組織犯罪防止のための刑事法を提案されるつもりかどうかを含めまして、総会屋の問題に今後どのような決意で臨まれるのか、御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) ただいま御質問ございました点でございますが、私自身は総会屋という言葉自身が世の中に存在するのがおかしいなと思うぐらいな感じでございまして、総会屋と言うことは総会屋の存在を前提としたような考え方で、基本的にはそういうようなものがいない社会を目指すのが基本じゃないだろうかと。そういうふうなことのために法務行政の面でも、今委員御指摘のような問題に真剣に取り組んでまいりたいと思います。 そういうような角度から、次期臨時国会に株主の権利の行使に関する利益供与あるいは受供与罪の法定刑の引き上げでございますとか、あるいは利益供与を要求する行為に対する罪の新設というふうなこと等々、商法改正、罰則の強化等を内容とする改正案を提出する予定で今準備を進めているところでございます。 それから、組織的犯罪対処法、そういうふうな法案につきましては、先ほども守住委員から御指摘がございましたような問題も含めまして、現在法案を検討中ということでございまして、できるだけ早く成案を得まして対処してまいりたい、このように思っております。
○松村龍二君 あと一分時間がございますので、ぜひ国家公安委員長からもお考え、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 警察におきましても、さきに開催されましたいわゆる総会屋対策のための関係閣僚会議において、委員御指摘されましたように、申し合わせが行われたいわゆる総会屋対策要綱にのっとりまして、各都道府県警察に企業対象暴力対策本部を設置いたしまして、暴力団、総会屋に対する取り締まりを徹底いたしますとともに、あわせて相談体制も充実をすること等により企業の暴力団あるいは総会屋等の排除対策への支援を強化してまいる所存でございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。
○委員長(宮崎秀樹君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後零時五十一分開会
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 平成七年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○猪熊重二君 本日は法務省と最高裁判所にお伺いしたいと思います。 法務省にお伺いするに際して、まず最初に、下稲葉新法務大臣の大臣就任を心からお祝い申し上げたいと思います。 下稲葉先生には、法務委員会、予算委員会、議院運営委員会等でいろいろ御指導いただいて、立派な先生ですので、法務行政をぜひしっかりやっていただきたいと思います。 何か一言あればごあいさついただいても結構でございます。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 大変温かいごあいさつをいただきまして恐縮でございます。 今いろいろおっしゃいましたが全く逆でございまして、猪熊先生に大変御指導をいただいて今日まで来ておるわけでございます。 一生懸命やらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○猪熊重二君 お祝いと質問はちょっと別でございますので、その辺はぜひ御了解いただきたいと思います。 最初は、少年院法に基づく少年の在院期間の問題についてお伺いします。 最近の神戸における十五歳の少年による殺人、死体損壊等の凶悪事件に関し、少年の少年院在院期間について多くの国民が、これだけの凶悪犯罪を犯した者に対し、二、三年の少年院在院で社会復帰させることは妥当でないとの意見を表明しているように思います。しかし、少年の在院期間に関し、少年院法は在院期間を二年とするとか三年とするとかという規定は全然していないのであります。 なぜ国民がこのように少年院の在院期間を二年ないし長くても三年だと考えているかというと、これには原因がありまして、法務省の矯正局長が右のような内容の通達を発しているからであります。 そこで、矯正局長に伺いたいところ、きょうは矯正局長はクアラルンプールかどこかへ行かれたということでおられないので、かわりに官房長で結構でございますが、まず少年院法において、少年院送致された少年に対する在院期限、また逆に言えば収容されている少年の退院ないし仮退院についてどう規定しているか簡略に御説明願いたい。
○説明員(頃安健司君) お答えします。 少年院法第十一条に少年の収容期間についての規定がありますが、少年院長は、在院者が二十歳に達したときは、退院させなければならないと定められております。「但し、送致後一年を経過しない場合は、送致の時から一年間に限り、収容を継続することができる。」と規定しております。なお、例外的でありますが、「在院者の心身に著しい故障があり、又は犯罪的傾向がまだ矯正されていないため少年院から退院させるに不適当」な少年につきましては最長二十三歳まで、「二十三歳に達する在院者の精神に著しい故障があり公共の福祉のため少年院から退院させるに不適当である」少年につきましては最長二十六歳まで、それぞれ少年院長の申請に基づき裁判所の決定をもって収容を継続することができることとなっております。 さらに、少年院法第十二条に退院及び仮退院についての規定があり、先ほど御説明した収容期間が経過する前であっても、少年院長は矯正の目的を達したと認められる場合等において、地方更生保護委員会に対し退院または仮退院の申請をしなければならないこととされております。
○猪熊重二君 要するに、少年院法においては二年だけ少年を置いておけとか三年に限るとか一言も書いていない。ただ、二十歳に達したときには原則的に退院させなければならないということは書いてある。そのほか、途中で少年が非常に一生懸命やっていい子だなということになれば仮退院とか退院とか、こういうことはできますよと書いてある。 ところが、法務省は矯正局長の名前で昭和六十一年三月三十一日、ほとんど同じ内容を平成三年六月一日、長期の場合二年、延長しても三年を限度とするという通達を出しているんです。この法律の規定とは全く無関係な矯正局長の、長期二年、延長しても三年に限るということを矯正局長が通達することの法的根拠はどこにありますか。
○説明員(頃安健司君) 少年院法の規定により、少年院における収容期間は二十歳に達するまでとなっておることは先ほど申し上げたとおりでございますが、少年院に収容されている少年につきまして、施設内における教育目標が一応達成されたと認められたときは仮退院となり、その後は社会内において保護観察を受けることとなっております。 御指摘の矯正局長依命通達は昭和五十二年に発出されたものでありますが、その目的は、少年院における教育目的を達成する上で必要な期間の一応の目安を示すとともに教育内容等を定め、これによって少年院における教育と社会内における保護観察を通じての教育等が一体となって少年の改善更生を図ることにあります。 以上でございます。
○猪熊重二君 いや、そんなことじゃだめなんだよ。私が聞いているのは、少年法と趣旨が違う通達を、長期在院は二年だ、どうしてもぐあいが悪いときはあと一年だけ置ける、三年間だけは収容できるけれどもそれ以上は置いちゃいけないぞということを矯正局長が通達することの根拠はどこにあるんだと聞いているんです。 なぜこういうことを言うかというと、少年院に送致された少年をどのように少年院において教育し、あるいは職業訓練をし、社会生活に十分に適応できるような子供になったかなどうかなと見るのは少年院長が見ているのであって、法務省の本省にいる矯正局長が見ているわけじゃないんだから、何も少年を見たことも聞いたこともない矯正局長が何で二年だとか、どうしてもだめだったら三年だとか、しかし三年になったらもう出さにゃだめだとか、こんなことを言う権限、矯正局長のこの通達の法的根拠はどこにあるかと聞いているんです。
○説明員(頃安健司君) 法務大臣は少年院長に対して指揮監督の権限を有しておりまして、この権限に基づいて少年院長の所掌事務について通達等が発せられているところでございまして、法的な根拠は国家行政組織法あるいは法務省設置法に基づいております。 確かに委員御指摘のとおり個々の案件についての処分の権限は少年院長にあるわけでございますが、その少年院長を監督する法務大臣が、行政が適正に行われるように一般的基準を示すことは国家行政組織法上認められているところでございまして、これは訓令、通達というような形で出されており、御指摘の矯正局長依命通達もそのような趣旨と理解しております。
○猪熊重二君 それは、あなたはそうおっしゃるけれども、法務省設置法には、確かに法務省は所掌事務の範囲について権限を有する、その権限の行使は所掌事務の範囲内で法律、法律に基づく命令を含む、に従ってなされなきゃならないと書いてあるんじゃないの。法律に従ってなされなきゃならないのであって、法律を無視して、法律と矛盾して、法律の言っていることと反対のことを法務省が権限を持ち、法務大臣が権限を持っているなんということはあり得ないですよ。 ただ、唯一言えることは、これは単なる目安なんです、こんなぐあいでどうでしようということを言っただけだというのならいいけれども、そうじゃなくて、実際にはこれに従ってやれということで、二年で原則的に退院させろ、どうしてもしょうがないときは三年まで、一年間だけはいいけれどもそれ以上は置くなというのを実務的に全国の少年院に全部命令してやらせているんです。 だから、そうだったら、この通達はそんなことを書かないで、矯正局長としてはこんなぐあいに思いますけれども、皆さん、こんなものでどうでしようと書いて出したらいいじゃないの。これにはそんなことは書いてないんだ、皆さんどうでしょうなんて。これというのは通達です。通達に何と書いてあるか。収容期間二年以内とする、ただ収容期間を延長できる、その延長し得る期間は一年を限度とすると書いてある。それ以上、これは皆さんに対する基準だから適当にやっていいですよなんということは書いてないんです。 しかも、この期間の問題のほかの問題は、教育課程の問題だとかいろんな問題は、これは確かに権限の範囲の問題として少年院長にいろいろやれと、これはわかるんですよ。権限に属するいろんな問題と一緒くたにして、全然権限もない期間の問題についてこんな通達を出されたんでは少年院長も困るし、少年も困るし、国民も困るし、少年院法を制定した国会も困る。もう少し根拠がないんならないということを明らかに言うべきです。
○説明員(頃安健司君) 通達によって法律を制限したり制約できないことは委員御指摘のとおりでございます。御指摘の今問題になっておる矯正局長依命通達も、少年院法を制約するあるいは制限する意図はないわけでございまして、少年院法上は二十歳まであるいは場合によっては二十三歳まで、二十六歳まで収容できることになっておりますので、十分な教育効果があらわれていない少年について二年あるいは三年を超えて収容することは当然法律で認められているところでございまして、三年を超えて収容した事例もございます。ただ、委員御指摘のような誤解が生じてはなりませんので、この点につきましては先般通達を改めたところでございます。
○猪熊重二君 この神戸の少年の問題を契機にして、各マスコミやあるいはいろいろ少年関係の学者からいろんな批判が出てきた。それだものだから、今官房長が言われたように、法務省は矯正局長名義でことしの九月九日、通達を変更する通達を出している。九月九日だからまだ十日もたっていないんです。 このときに出した通達は、要旨はこういうことなんです。在院期間は二年以内とする、少年院長は矯正管区長の認可により延長収容期間を定めることができる、その定めた期間を超えて収容する必要がある場合には、右と同じ手続で収容期間を延長できると、こういうふうに変えたんです。この変えたのは、前の二年、三年というのを全面的に撤回しているんです。しかし、それでも今度の通達もまた法律違反じゃありませんか。 少年院長は、子供を出すときには地方更生保護委員会の許可を得ていろんな行動をするということが書いてある。それ以外は、収容する期間を決めるのは少年院長が自分で決めることになっているんです、法律は。何で矯正管区長の認可が必要なんですか。矯正管区長の認可がなきゃ少年院長は延長できないんですか。 例えば、延長したいということを少年院長が矯正管区長に言っていって、それで矯正管区長がだめだ、認可しないと言ったら出さなきゃならないんですか。自分はまだ出す必要はない、出すべき状況にないと少年院長は判断しているにもかかわらず、矯正管区長の認可が必要だという今回の通達なんだから、矯正管区長がだめだと言ったら、出すべき状況にないと思った少年も出さなきゃならなくなるんですか、どっちになるんですか。
○説明員(頃安健司君) 新しい通達で矯正管区長の許可を得るということになっている点は委員御指摘のとおりでございますが、矯正管区長は法務大臣の指揮監督を受けまして、その管轄の区域内の少年院の長を指揮監督する権限を有しております。 収容期間の設定及び収容期間の延長について矯正管区長の認可を得ることといたしましたのは、これらの場合においてはより慎重な取り扱いをするのが相当と考えたからでございまして、少年を仮退院あるいは退院させるかどうかについての第一義的な権限は、地方更生保護委員会に申請するかどうかの権限は少年院長にあることは委員御指摘のとおりでございますが、管区長は法務大臣の監督下にありまして、管内の少年院の運営が適切に行われるように指導監督権限を有しておりますので、その権限に基づいて管区長の許可を得るという取り扱いにしたものでございます。
○猪熊重二君 官房長で、直接矯正局長じゃないからこれ以上は言わぬけれども、あなたが今言っているけれども、そんなの理屈にならぬと私は思います。 なぜかというと、例えば、少年院法にも少年院は法務大臣が管理すると書いてある。そんな管理権の問題だとか法務大臣の矯正管区長に対するその職務権限の問題とかという問題と、少年をどう保護教育し更生させて、いい子にして出すか出さぬかという少年の在院期間の問題は少年院長の専権事項だということで少年院法は書いてある。そこのところを横っちょから一生懸命何か偉そうなことを言ってきたって困るんです。 最高裁に聞きたい。 昭和六十一年の通達の場合にも平成三年の通達にも、それから今回の九月九日の通達にも、この通達を矯正局長は出すについて最高裁判所家庭局と協議の上これは出すんだと、こう書いてある。そうすると、最高裁家庭局長としては、通常協議したということは、協議してけんかしたんじゃなくて、協議していいですというから出すのが普通なんだから、こういう通達を出すことについて、先ほどから私が申し上げている点も含めて、この通達の適法性について最高裁家庭局はどう考えているんですか。
○最高裁判所長官代理者(木村要君) 御質問の本通達の趣旨、根拠等につきましては、先ほどの法務省の説明されたとおりであるというように私どもは理解して、この法務省からの求意見に対しまして相当だということで意見を申し上げたと、そういう経過がございます。 先ほど委員御質問の期間の点につきましては、私どもは一応の目安を決めたものだというように理解しております。
○猪熊重二君 最高裁に申し上げておきたいけれども、目安なら目安と読めるような通達ならいいけれども、いわゆるこれは権限に基づく通達なんです。一般の権限に基づく通達事項と一緒に並べて、権限がない在院期間に関する、矯正局長が二年にするとか三年にするとか、あるいはこれを延長する場合には矯正管区長の認可を得なきゃだめだとか、こんな法律違反の、法律に合致しない、法律の趣旨にも法律の文言そのものにも違反するような矯正局長の通達にはいはいなんて言って、家庭局長がいいじゃないですかなんて言うような状況じゃ全く困るということを強く申し上げておきたい。 法務大臣、以上の問題について所見をお伺いしたい。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 先ほど来猪熊委員のお話を伺いまして、私自身も同感だと思うところは実はたくさんございます。 まず最初に、法律に違反いたしまして局長が通達を出してそれを縛るというのは、これはもうとてもできないことでございます。特に法務省は法律の番人でございますので、それが法律違反するようなことがあってはよくない。今までもそういうふうなことはなかったと思うんですが、今御指摘のように、少年の改善更生を図るためにいろいろ教育期間の目安を示したものだということでございますけれども、これもまた、一つのそういうふうな理解がなくて実質的にそういうふうに行われていたという現実もないわけじゃない。目安でございますから例外もあって延びた事例もございます。 そういうふうなことで、従来の通達が法律の規定にそぐわないという印象を与えたことはまことに遺憾でございまして、今お話しのように、十日前でございますが、九月九日の日に改めて通達を改正したということでございました。 加えて、今、その通達にも問題があるんじゃないかと行政組織の問題に関連して御発言がございましたが、基本は何といってもやはり法律でございますから、法律の精神にたがわないように運営をやってまいりたい、その辺は十分注意してまいりたい、このように思います。
○猪熊重二君 今まで役人が答弁しているよりも、大臣の答弁の方が一番真っ当な答弁じゃないですか。 ただ、間違ったら、これは皆さんが間違ったわけじゃないんで、昭和五十三年だか六十一年の矯正局長がちょっとやってみようかということでやったことがずっと来ている。だから、一回間違うとえらいことになるけれども、やっぱりきちんと改めるべきことは改めるべきです。 次の問題として、登記特別会計についてお伺いしたい。 昭和六十年の六月、登記特別会計法が制定された。この登記特別会計法は、昭和六十年の七月から施行された登記所における登記事務処理を円滑に推進するための措置に関する法律に基づいて制定されたものです。 ところで、この登記事務が非常に膨大になってきた。それを一々手書きしたり写したりしていたのでは、非常に登記所が大変だ。登記所としても仕事がしやすくなるように、また登記所を利用する国民にも便宜になるようにということで、何とか登記事務をコンピューター化しようということがこの円滑化措置法の中心的目的なんだろうと思うんです。 この登記所における事務のコンピューター化に対応するために登記特別会計法というものを設けた。しかし、国が登記事務に関してコンピューターを導入したり整備したり、また登記事務を円滑に処理するための直接的、基本的な責任はどこにあるというふうにこの円滑化措置法には書いてありますか。
○説明員(森脇勝君) 先生、今御指摘いただきました電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律というのがございますが、これは御指摘のとおり電子情報処理組織の導入によって登記事務の処理の円滑化を図るということを目的といたしております。 そして、その法律の第五条におきまして、「国は、電子情報処理組織を用いて登記を行う制度その他の登記事務を迅速かつ適正に処理する体制の確立に必要な施策を講じなければならない。」とされておりますので、登記事務のコンピューター化を進めることは国の責務であるというふうに理解しておるところでございます。
○猪熊重二君 この円滑化法は、このようにしてコンピューター化された登記ファイルの記録の証明申請があれば、国民に対してこの記録の証明をしますと。すなわち、これは一口に言えば登記簿の謄本、抄本の交付と同じような趣旨ですが、この登記簿の謄本、抄本の交付請求の手数料について、この円滑化法はどういう規定をしていますか。
○説明員(森脇勝君) これにつきましては、円滑化法の三条三項におきまして、登記ファイルに記録されている事項の全部または一部を証明した書面の交付手続の手数料の額は、物価の状況、書面交付に要する実費その他一切の事情を考慮して定めるという規定になっております。
○猪熊重二君 ところで、今、謄抄本交付について一件当たり金八百円、閲覧は一件四百円ということが平成五年一月一日から施行されて実施されているわけです。ところが、民事局長が今言われたように、円滑化法によれば、謄抄本交付の手数料は物価の状況あるいはその書面の交付に要する実費その他一切の事情を勘案して決めるということになっているんです。じゃ、謄抄本交付一件当たり八百円というのはこの法律の規定する状況に合致しているんだろうか。 例えば、書面の交付に要する実費ということを考えてみれば、町のコピー屋に行けば大体一枚十円なんです。法務省に伺ったところ、謄抄本の平均的枚数は三・三枚だという。三・三枚だったら、町のコピー屋に行って三・三枚コピーくれと言うわけにもいかぬから四枚くれと言ったって四十円でコピーができる。要するに、もし実費ということをあえて言うならば、町のコピー屋を基準にするわけじゃないけれども、四十円あれば実費になる。ところが、何でこれが八百円になるんですか、じゃ物価の状況はどうなんだと。 また、法務省はここのところでこの八百円をまた千円に値上げしようと考えている。しかし、物価はここのところ横ばいか、物によっては下がるか、正確には知らぬけれども、上がったってトータルで一%上がったか二%、この数年間で。それなのにまた八百円を千円に上げることを計画している。物価の状況から見ても、書面の交付に要する実費ということから考えてみても、現在の一通八百円なんという金額は法外な金額なんだ。 なぜ法外かというと、ほかのとあわせて検討してみても、私が言わなくても役所でもわかっているでしょうけれども、市町村役場での戸籍謄本は一通四百五十円、除籍謄本は倉庫から引っ張り出してくるから手間がかかるから、それでも七百五十円、印鑑証明は三百円です。裁判所の場合には、記録の閲覧は一件百五十円、謄抄本交付一枚百五十円、これもちょっと高いけれども、それでも手間がかかるから。証明書の交付は一件百五十円。ほかのものと比べても、今、謄抄本交付一通八百円というのは非常に高い金額だ。 この金額が、どうしてこの円滑化法で言うような物価の状況だとか書面の交付に要する実費その他一切の事情を考えると八百円になっちゃうんだということを聞きたいんだけれども、時間がないから聞かないで次の質問に行きます。 それで、私はこれが八百円でもいいんです。なぜ八百円でもいいかというと、国が登記所をつくって登記事務を全部国の費用でやって、しかしここでコンピューター化するために何とか受益者負担というふうな意味で、ちょっと高いけれども一通八百円を利用する国民に負担してくれというのはまあやむを得ない。それで急いでコンピューター化すれば最終的に国民の利便にもなる。そういう意味で、現在の謄抄本交付は実費なんかに比べたらべらぼうに高い金額だけれども、登記所のコンピューター化のためにまあ我慢してくれという趣旨で、一通八百円もまだまだ納得できる。 ところが、決算上を見ると、私に言わせれば、こういうふうにして得られた、国民からコンピューター化のために高い手数料をいただきますと言っていただいた平成七年度の手数料収入は九百九億円余なんです。ところが、実際にコンピューター化経費として使ったのは四百一億円余しか使っていないじゃないですか。国民からはコンピューター化のために必要だから高いけれども我慢してどんどん出してくれと言って九百九億円集めて、実際にコンピューター化に使ったのは四百一億円じゃ、これはあなた、四〇%か四三%だか知らぬけれども、半分以下です。 何でこの手数料収入を全額コンピューター化経費に使わないで半分ぐらいしか使わないんですか、その理由はどこにあるのか。
○説明員(森脇勝君) 根本的な考え方の違いは、恐らくその実費というものをいかにとらえるかという点にあろうかと思われます。 先生御案内のとおり、登記事務というのは、観念的に申しますと、権利変動に伴う登記申請があって、それの審査をするという登記審査事務と、それから謄抄本請求等に応ずるという登記情報管理事務というものに分けられると思っております。これらが混然一体となっておりますので、特別会計ではこれを一体として経理するという形になっております。 ただ、特別会計の中にあって、謄抄本発行等の登記情報管理事務に対応する経費というものの財源は受益者負担の原則に基づいて利用される方の手数料で原則的に賄う、それから審査事務に対応する経費、これは一般経費からの繰り入れによって原則として賄う、こういう体制をとっておるわけでございまして、登記事務のコンピューター化の経費というのはもちろん登記情報管理事務に対応する経費でございますが、登記情報管理事務に対応する経費というのはコンピューター化の経費のみにとどまりませんで、他の事務処理経費や施設費の一部についても、これは登記情報管理事務に属するという部分については、これを実費の算定の基礎としているところでございます。
○猪熊重二君 要するに、あなたは実費に対する見解の相違だとかおっしゃったけれども、登記所をつくって、そこに職員を置いて、登記の権利移転等の登記事務を行い、そして登記簿謄本の交付をする、国民にサービスする、これは国の責務なんです。それは一番最初に言ったでしょう。この円滑化法に書いてある。国がやるべきことなんです。なぜ国がやるべきことかというと、登記事務というのは、国民の私権の秩序を維持するための国の必要な設備なんです。国が全部銭を払ってやらなきゃならぬことなんです。 登記簿を閲覧したり謄本を交付する受益者負担という意味において、利用する人から全部実費を取るのは当たり前だけれども、謄本が、それじゃ三枚ぐらいの紙、コピーをもらったら何で八百円になるかということをさっきから申し上げているんです。八百円でもいいけれども、国が全部やるべきだと言ったって、登記事務のコンピューター化を全部国の金で一度にどんどんやるわけにいかぬとすれば、利用者に負担してもらうのはやむを得ない。 だから、本当は実費だとすればせいぜい百円か二百円だけれども、国民に申しわけないけれども六百円なり七百円なりを負担してくれと。そのかわり、これでせっせとコンピューター化して、最終的に国民の利便になりますよと言っていながら半分しか使わぬのは何なんだと、こう聞いているわけなんです。これは、あなたもおっしゃるように見解の相違だという点もあるかもしれません。 ともかく法務大臣、今私が申し上げたように、登記所をやるのは国の責務です。それを利用する人に最小限度の実費でサービスするのが国の役目だ。八百円も取る。来年から千円取ろうとしているけれども、取るのは取るでいいけれども、取るんだったら早くコンピューター化して、それからまたもとに戻って、謄本なんか百円にしたらどうです。 これは大臣に意見を求めても申しわけないから、やめておきます。もうこれでこの質問を終わります。 あと、いろいろ伺いたいことがあったんですが、佐藤孝行議員のことについて一言だけ私の意見も申し上げ、大臣と裁判所の意見を伺いたい。 佐藤孝行氏が去る十一日の内閣改造によって総務庁長官になられた。佐藤孝行氏は、最終的に判決が確定したのは昭和六十一年七月九日ですが、受託収賄罪で懲役二年執行猶予三年、追徴金二百万円。二百万円のわいろを受け取った、このわいろは追徴して国の方で没収しますといって二百万円取られたわけです。懲役二年執行猶予三年の刑を言い渡されて、時間がないから私の方から申し上げますが、要するに猶予期間を過ぎると刑の言い渡しは効力を失う。すなわち、懲役二年執行猶予三年に処せられるということは、三年間の猶予期間が過ぎれば法律的には刑の言い渡しは効力を失う。しかし、何のために効力を失うかといえば、それは国民のために効力を失わせるんです。一たん悪いことをしてしまったからといって、その人に一生レッテル張っているようなことでは困ると。しかし、佐藤孝行氏はその法の適用を受けるだけの立場、資格にあるのかどうかということなんです。 法務省に聞きたいんです。 佐藤孝行氏は捕まって、保釈になって出てきたときに、私を逮捕したのは検察の勇み足だ、無実の私を逮捕したのは検察の間違いだと、こう言ってるんです。その後も、判決確定後においても、著作等において、検察の公訴提起、公判維持を非難攻撃しているんです。法務省としてはこういう非難、攻撃をした佐藤孝行氏の従前の言動に対してどのような感想、所感を持っていますか。
○説明員(原田明夫君) 委員のお尋ねでございますが、法務当局といたしましては、個々の方々の御発言あるいは御意見につきまして論評することは差し控えさせていただきたいと存じます。
○猪熊重二君 同じことを裁判所が答えても困るんですよ。 裁判所も言われているんです。佐藤孝行氏は判決確定後の記者会見において、なぜ私が起訴され有罪とされたのか理解できない、裁判所にこれ以上真実の発見を期待することはむだだ、裁判所は全然真実を発見する意思も能力もなくて役立たずだと、こう言われたんです。その後、著作の中でも裁判所に真実発見を期待するのはむだだと同じことを述べているんです。 こういうふうに、有罪判決を受けた元被告人が裁判所に真実発見を期待するなんというのは全然だめだと言っていることについて、裁判所としてはどう考えていますか。
○最高裁判所長官代理者(白木勇君) 個別の事件の裁判に関することでございますので、裁判所といたしましてはコメントするのは差し控えさせていただきたいと存じます。
○猪熊重二君 法務省も裁判所もそういうことを言うと、怒っているのは私だけになっちゃうじゃないですか。 そうじゃない。私が言いたいのは、すべての裁判においてすべて真実が明らかになるかどうか、それはわかりませんよ。事実を知っているのは、神様を信じている人は神様だし、仏様を信じている人は仏様なんです。本当の真実を知っているのは神仏だけだ。しかし、この日本国なら日本国という国家組織の中において、裁判所が認定した事実を事実であるというふうに取り扱っていかなければ国家組織というものは成り立たないんです。裁判官だって神様でないから、裁判所の判決が常に一〇〇%真実と一致しているなんということはだれも考えていないんです。しかし、裁判所が判決したのをあれは間違いだとか、あれは本当だとかなんて国民が言っていたら、ハチの巣をつついちゃってだめなんです。 だから、国民主権原理のもとにおける日本国憲法のもとにおいて三権分立をとって司法権を裁判所に付与して、裁判所の裁判で決まった事実は事実で、言葉は悪いけれども、あろうとなかろうと事実とするのが国家組織の根本なんです。 ところが、佐藤孝行氏はその原点が全く理解できていない。裁判所の確定判決による事実はそれが事実だというのが日本国憲法のよって成り立つ根拠なんです。だからあの人は国務大臣の資格はありませんよ。国務大臣はこの憲法を尊重し擁護する義務が憲法に書いてあるんじゃないの。あの人は憲法原理を無視している。こういう人を国務大臣に、いわんや行政改革担当の総務庁長官なんということはまことに不適切である。 私は個人攻撃しているんじゃないんです。そうじゃなくて、受託収賄という公務員にとって基本的に恥ずべき行為について有罪判決を受け、その有罪判決をただ裁判所や検察庁を非難、攻撃することによって自己を正当化して、その上憲法擁護義務がある国務大臣になろうなんというのは少し虫がよ過ぎると考えるので、一分間で法務大臣の所見を伺いたい。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 具体的な佐藤議員の問題でございますが、ただいま猪熊委員から御発言がございましたように、五十一年に事件を受理しまして、そして最終的には昭和六十一年の七月に上告を取り下げて確定した。執行猶予の期間が経過しましたのは平成元年の七月になっております。 刑法二十七条によりますと、執行猶予の期間が終わって、それまで何もなければ消滅するということもまた猪熊先生御指摘のとおりでございます。これは刑事事件上の問題でございまして、やはり長い人生の中でどういうふうに生活するか、いつまでも過去を引きずらないというふうな刑事政策的な配慮からこういうようなのがあると思います。 ただ、猪熊先生おっしゃいましたように、そういうふうなことと今議論されていることは別個の議論だろうと思うわけでございます。ただ、私は現在閣僚の一人でございますし、公の立場で法務大臣として意見を申し上げることは差し控えたいと思いますので、御了解いただきたいと思います。
○猪熊重二君 終わります。
○山崎順子君 平成会の円より子こと山崎順子でございます。 下稲葉先生、法務大臣御就任おめでとうございます。私も三年以上委員会で御一緒させていただきまして、いろいろ御指導いただきましたので、大変うれしく、これからの御活躍を期待申し上げております。 さて、本日は、まず最初に東京婦人補導院について質問させていただきたいんですが、婦人補導院といいましても一体何なのかと、多分国民の多くの方々がおわかりにならないのではないかと思いまして、少し説明をさせていただきたいと思います。 昭和三十一年に売春防止法というのができましたけれども、これは刑事特別法として制定されまして、刑事司法行政の担当する第二章、第三章の刑事処分、補導処分に加えまして、基本的人権擁護として更生行政の担当する第四章、保護更生の部分から成り立っているということは御存じだと思います。この処罰と保護という二つの内容を包含した法律ですので、その矛盾がその後の四十年ほどずっとこの問題の対応を複雑なものにしてきたということが言えるのではないかと思います。しかし、ともあれ、このような売春をした女性たちについては、加害者というよりも被害を受ける立場として、処罰よりもむしろ教育的側面を尊重することを目指したのがこの法律でしたし、その意味では福祉的立法として自立更生を図ろうとしてきたのだと思います。 さて、例えば売春防止法の五条で、路上で人の目を引くような形で、いわゆるそでを引くというような形の行為をした女性ですね、そうした売春をする目的で勧誘等の行為をした者は「六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。」となっているわけです。そして、同法十七条では、「第五条の罪を犯した満二十歳以上の女子に対して、同条の罪又は同条の罪と他の罪とに係る懲役又は禁錮につきその執行を猶予するときは、その者を補導処分に付することができる。」と規定しておりまして、婦人補導院といいますのは、この補導処分に付された者を収容して、その更生のために必要な補導を行うことを目的とする国立の矯正施設というわけです。 この婦人補導院は法務省設置法に基づき設置されたわけですけれども、一番収容人員が多かったときは昭和三十五年で四百八人おりました。その後どんどん数が減りまして、平成四年はゼロ、平成五年もゼロ、平成六年もゼロ、平成七年がやっと一人、そして平成八年がゼロという状況になっております。 さて、この婦人補導院がつくられた目的、この目的のために今十分な活用がなされているのかという点では、とてもなされていないということが言えるのではないかと思います。なぜ、このように使われていないのに今この東京婦人補導院があり、大変立派な施設なのですけれども、また年間六千万円という予算がついているんですが、このことについて何か法務省内ではこれをどうするかというような検討はなされているんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○説明員(頃安健司君) 委員御指摘のとおり、最近婦人補導院における収容人員が激減しておることは事実でございます。 ただ、売春防止法という法律がございまして、委員御指摘のような規定によりまして、売春婦の改善更生のための施設として婦人補導院というものを設けることが義務づけられておりますので、私ども法務省の方で管理いたしておるわけでございますが、収容人員がこのように減っておりますのは、売春婦と言われる人たちのあり方といいますか、委員も御指摘になりました売春防止法の五条によって検挙される者は少なくなっているということを反映したものだと思います。 今後これをどうすべきかにつきましては、いま少しこの収容動向等を見ながら検討させていただきたいと考えておるところでございます。
○山崎順子君 今おっしゃったとおり、売春のあり方というようなことは、本当に世の中が変わったのと同時に変わってまいりまして、潜在的になってきましたから見えにくくなっているということもあると思うんです。そういうことは高度経済成長からバブルの崩壊等社会経済状況が大きく変化した中で家族のあり方や女性の生き方、または性に対する考え方等も変わってきたこととも関係があると思うんですけれども、そういったことを踏まえて、例えば東京都ですとか、また厚生省ですとか、そういったところでは今まで随分改善、改正がなされてきているんです。 例えば、東京都の女性相談センターなどには、これも最初は売春防止法に基づいて東京都婦人相談所として設立されたわけですけれども、そういった売春防止法に基づいて保護しなければいけない女性たちよりも、家庭内の夫の暴力や子供の暴力から逃れてくる女性がどんどんふえてきたりというようなことがありまして、また離婚相談とかそういったこともあったり、経済的な貧困、生活困難、そういったことで相談にお見えになる、また一時避難をしたいと言って駆け込んでいらっしゃる人がどんどんふえてきて、設置目的とずれてきている。 だからそういう人は保護できない、相談の対象になり得ないというようなことで大変悩まれまして、でも、その設置目的で保護できないと言っていては、現実におなかの大きい女性が夫の暴力で逃げてきたりというようなこともある。また、そこには戻れないというようなことがあって、そこで条例を改正しまして、これは昭和五十二年のことですけれども、従来からの婦人相談所の業務に加え、緊急の保護ですとか、また自立のための援助を必要とする女性を対象にするという形で、対象者も改めたというようなことがあるわけです。 それから厚生省の場合は、これは国で婦人保護事業をやっているわけですけれども、ここでは要保護女子の保護更生と売春の未然防止に関する業務について、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設等が中心となって実施しているわけです。ここでもまた売防法のことがネックになりまして、今売春をしている女性たちが駆け込んでくるというような状況がなくなってまいりました。 この要保護女子の範囲というのをもう一度見直そうではないかということで、例えば、今までは「売春経歴を有する者で、現に保護、援助を必要とする状態にあると認められる者」ですとか、これからもしかしたら売春を行うかもしれない、そういったおそれがある者とか、そういったことに限られていたんですけれども、そのときの改正で、「売春を行うおそれは当面ないが、その者が家庭環境の破綻、生活の困窮、性被害等正常な社会生活を営むうえで困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、放置すれば将来売春を行うおそれが生ずることとなると認められる場合に、未然防止の見地から、保護、援助を要する者」と、一応何とか「売春を行うおそれが生ずることとなると認められる場合」というような文言は入れておりますけれども、実際上は家庭内の暴力等、そういったものから逃れてきた人たちを援助できるような形にこれは課長通知で改めたというような状況があるわけです。 こういったふうに、随分社会の現状と合わなくなってきているものを改善、改正するところがあれば何とかして有効な活用をしたいと。それはもちろん需要がなければそういった必要性はないんですけれども、五条と十七条ということに限って、そこに縛られ過ぎているから婦人補導院に入所する人がいないだけであって、現実はもっと変更すれば助かる女性たちが多いのではないかと思うんですが、そのあたりをぜひ法務省ではもっと検討していただきたいと思うんです。 今これから検討したいというようなこともおっしゃいましたが、実はこの件は平成七年の三月十七日の法務委員会で一度私は質問させていただいたことがございます。そのときの大臣は前田勲男先生でいらっしゃいましたけれども、このときに大臣答弁として、何度か行政改革上この婦人補導院をやめて六千万円というような予算をもったいないから削ったらどうかというようなことも実は随分現場に話したことがあるとおっしゃっております。ただ、やめるばかりが行政改革ではないということをこのときおっしゃいまして、適正な運営を図るべくいろいろな角度から一度検討してまいりたいとおっしゃっているんです。そして、法律改正というようなことになってくるけれども、それも視野に入れて、私がそのとき質問した意見を踏まえ事務当局で研究をしてみたいとおっしゃっているんです。 それから二年半たったんですが、今まで研究ないし検討をなさってくださったのか、そちらの方をお聞きしたいと思います。
○説明員(頃安健司君) 当時の前田法務大臣の答弁を私どももよく承知しておりまして、この点につきましていろいろ考えてみたわけでございます。 婦人補導院は、委員の御指摘のように補導処分を行う、必要な補導を行う施設、売春を業とする人たちの改善や更生を図るという目的のための補導施設ではございます。ただ、私どもが所管しております矯正施設の一種類で、基本的な性格が法律に基づいて強制的に収容する矯正施設、犯罪を犯した人を本人の意に反して強制的に収容するという基本的な施設の性格からして、なかなか委員御指摘のような性格のものに変えるということは難しいのではないかと今のところ考えておる次第でございます。
○山崎順子君 先日、先ほど言いました厚生省の婦人保護事業に携わっていらっしゃる婦人相談員の方たちや福祉事務所の方、それから東京婦人補導院のある八王子の市議の方たち、またそこで福祉事務所に勤めている方たち、そういった関係の方たちに集まっていただきまして、いろいろ今の売春の実態や女性たちが保護を求める状況等について話し合いをいたしました。 そのときに、例えば婦人相談員のところには、刑務所で出産をして、刑務所内では妊産婦のためにきちんと保護もされておりますし、外の病院で出産もできるようになっておりますし、また一歳未満までは一緒に母子でいられるといったような人権に配慮されていることよく存じておりますけれども、その後出所しまして、大体そういう人たちはどういう事情で子供が生まれたかというのを聞かなくてもさまざまな困難な事情が多分あったでしょうし、出所した後、そういう若い女性ですけれども、母と子を受け入れてくれる親とかそういった人たちがいないケースが多くて、じゃ、だれが受け入れてくれるかというと、子供を抱えて仕事もしにくいですし、そういった前歴があればなおさら社会の受け入れ体制も余りよくありません。 そうすると、そういう親も受け入れない女性を受け入れてくれる男性がいるわけです。なぜそういった優しい男性がいるかというふうになりますと、その婦人相談員の方たちがおっしゃるには、大抵が売春目的で、その人をまた売春させるために受け入れるという、そういったケースが多いという話も聞いておりまして、そんなところからまたすぐに婦人相談所等に逃げ込んでくるわけです。 そういった人もいますと、これは厚生省管轄というよりは法務省マタイなのかなというような気もいたしますので、例えばそういった女性たちの何かシェルターにならないかなというふうなことを考えたり、それから八王子というのは山梨と東京と神奈川のちょうど境目になっているところで、山梨とか長野とか日本海側からとかいろんなところから結構逃げてくる方たちが多いらしいんですね。それで、ちょうど八王子あたりでおりて、今、八王子には随分相談人数が増大しているというようなこともありまして、広域的なシェルターにできないかというようなこともございました。 また、慈愛寮という、母子分離をしないで、妊産婦だけじゃなくて母と子が、売春した人もいますし、そういったおそれのある人もいるでしまうけれども、そうじゃない人たちもゆったりと受け入れられて子供への愛着というものを育てることのできるような、その後愛着をきちんと、アタッチメントと言いますけれども、それを持った、子供を少々の苦労があっても母親が捨てないで済むような、そういった行為に出ないような環境づくり、子供と母親のいい関係づくりのために頑張っていらっしゃる慈愛寮というところもあるんですけれども、そういったものが国にたった一つしかない。もっと何カ所もブロックごとにあったらいいというのが、そこで一生懸命今まで女性たち、子供たちのために働いてきた方々の意見でもありました。 いろいろお話を聞いておりますと、本当に民生委員ですとか生活保護のための手続をしてくださる方とかいろんな福祉の充実が随分できてはきているんですが、この売防法等にかかわる人たちというのはかなりはざまで落ちてしまう人たちなんです。だから、ぜひともそこを、法律改正が難しいことはわかりますけれども、もう一度再度御検討いただきたいと思います。 先ほど言いました東京都の女性相談センターが条例が変わって改正されましたのも、また厚生省の要保護女子の定義が変わりましたのも、実は省内の方たちだけでなくて、どちらも大勢の民間の女性たちやそれにかかわっていらっしゃる人たちが随分一緒に研究して、しょっちゅう議論をし合って何とか変えていったというようなことがございますので、法務省だけにやってくださいというのではなくて私どもも大いに御協力させていただきますので、そういった場をぜひ設けていただきたい。そして、大阪、福岡とどんどん廃止されてしまって、ただ一つ残った東京婦人補導院を本当の意味で役に立つ形にしていきたい、活性化していきたいと思うんです。 ともにその研究、議論の場をぜひ設けたいと思うんですが、そのあたりについて、この前私が質問したとき理事でいらした大臣にぜひちょっと一言お話を伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 山崎委員のなかなか現場の実情を背景にした御質問を承りました。ありがとうございました。 法務省の答弁は、今官房長から説明があったように、やはり法律の根拠に基づいて法律の枠内で仕事をやらせていただいておるわけでございまして、これはまあ筋論でございます。そういうふうな観点から婦人補導院の実態というのを見てみると、いわゆる事案というのがもう極端に減少している、あってなきがごときものじゃないか、加えて今度はこういうふうなたくさんの問題があるんじゃないか、いろいろお話がございました。 私もその辺のところはよくわかります。それで、法務省の中でできることももちろんこれは十分検討しなくちゃなりませんが、行政全体として考えてみなくちゃならない面もたくさんあるだろうと思いますし、このままほうっておいていい問題でもなかろうと思います。 そういうふうな意味では、山崎委員初め関心を持っておられる皆様方の御指導をいただきながら、ひとつ前向きに検討させていただきたいと思います。
○山崎順子君 ありがとうございます。ぜひそういう機会を、私の方からでも御連絡させていただきますので、局の方でやっていただければうれしいと思います。 それでは次に、人権擁護委員と子どもの人権専門委員の活動についてお伺いしたいと思います。実は、この閉会中に法務委員会の派遣で、派遣先で人権擁護委員の方と子どもの人権専門委員の方々にお話を聞く機会がございました。大変地味で無償の活動ですが、その方々の大変な熱意と、また子供たちへの愛情の深さには、お話を聞きながら頭が下がるものがあったんですけれども、今子供を取り巻く状況は決してよくないと思います。 もちろん、親が戦争で死に、食べる物もなくて生きることに必死だった時代に比べれば、そしてまた、今もなお世界じゅうには餓死や病死によって子供の死亡率の高い国々がありますし、そういった国々では教育の機会すら与えられない子供たちも多い。そういった子供たちに比べれば、私たちの子供たちは豊かでぜいたくな暮らしをしている。そのことを感謝しなければいけないんでしょうけれども、共同体が崩壊し、また人間関係が希薄となった都市型地域社会の中で、子供だけでなく、父親も母親も孤独な状況というのが今あると思います。そしてそれは、家族が大事とずっと言われ続けながら、家族というのが戦後の歩みの中で、例えば農村の出稼ぎですとか高度経済成長期の企業戦士の夫と銃後の妻といった形で引き裂かれ続けてきたことも関係しているのではないかと思います。 こうした中で、今、不登校やいじめ、また援助交際、家出、薬物に染まるなど、さまざまな子供たちの問題が起きております。そして少年事件も大変な増加をしております。また校内暴力もふえております。そうした中で、こういった子供たちの問題といいますのは、私たち大人社会に突きつけられた子供たちの抗議の悲鳴と言ってもいいのではないかという気が私はしております。 そして、それを受けとめる場というのが必要で、その役割の一つに人権擁護委員、特に子どもの人権専門委員がいらっしゃるのではないかと思うんですけれども、この人権擁護委員の年齢構成を見ますと、六十代が五九・四%、それから七十代が二二・六%で、六十代と七十代で実に八割以上を占めているわけです。 年齢の高さといいますのは、一方で味わいのある人生経験があるということで大変メリットにもなるんです。しかし、私も中学生の子供がいますけれども、子供たちというのはどうしてもお兄さんとかお姉さんというような年齢の近い人に親しみを感じることが多いし、共感を持っていろいろ相談というんじゃなく話ができてその中から悩みも引き出せるという、年齢の近い方がそういうメリットがあるということもあると思います。そうしますと、少し年齢が高過ぎてバランスに欠けるんじゃないかというふうに思うわけですね。 実は、もう一つ人権擁護委員と同じように保護司という大変重要な役割を担っている方々が、これも無報酬でやっていらっしゃいますけれども、この保護司の若返り作戦ということが今法務省で随分検討されていて、次期通常国会には法改正等も含め出されるというようなことを聞き及んでおりますけれども、人権擁護委員についてはそういった年齢構成のアンバランスを是正するような方策を考えていらっしゃるのかどうか。 またもう一つは、この中に子どもの人権専門委員の年齢構成はちょっと私わからないんですが、それもやはり高齢の方に偏っているのかどうか。特に、子どもの人権専門委員の場合は、先ほど言いましたようなことを踏まえると子供の年齢に近い若い方たちが入ってくださるといいなと思うんですが、それについてどう変えようと思っていらっしゃるのか。 また、女性が随分少ないようなんですね。女性は二四・六%でしょうか、四分の一ぐらいなんですけれども、これは女性よりも男性の方がこういった人権専門委員、特に子供たちのことには女子少年事件よりも男の子の少年事件の方が多いから向いていると考えていらっしゃるのか。また、職業的には無職の人が圧倒的に多いんですけれども、こういったさまざまなアンバランスをどう是正しようと思っていらっしゃるのか。そのあたりについてお聞かせいただければと思います。
○説明員(横山匡輝君) 子どもの人権専門委員の専門委員活動をより一層活発化させ、円滑に実施していくためには、委員御指摘のとおり専門委員の若年齢化を図ることが重要であると考えております。ちなみに、子どもの人権専門委員の平均年齢も六十五・四歳になっております。そういう若年齢化を図るためには、人権擁護委員自体の若年齢化を推進し、人権擁護委員としての適任者の確保を図ることが前提でありまして、市区町村理事者に対しまして若年者等で積極的な活動ができる委員が推薦されるように日ごろ要請しているところであります。なおこの努力を続けてまいりたいと考えております。 それから、子どもの人権専門委員の中に女性の占める割合が低いのではないかという御指摘でございますけれども、確かに割合的には今委員御指摘のとおりだと思いますけれども、人権擁護委員全体の割合の中でそれぞれ地区ごとに指定してまいりますと、やはり子どもの人権専門委員についての割合もまた全体の割合に比例するような形になってしまうのかな、こういうふうに考えております。特に女性だから少なくする、そういうようなことは毛頭考えてございません。 それからあと、人権擁護委員の方の中に無職の方の割合が多いのではないかという御指摘でございます。確かに無職の方の割合が多いのですが、人権擁護委員がボランティアとして活動していただくというためには、非常に社会的に忙しい仕事を持っておられる方の中ですとなかなか十分な活動をしていただけないという面があるのかなと考えております。そういうことで、市区町村からの推薦に基づいて委嘱しているのでございますが、市区町村から推薦される方も第一線をリタイアされた方などがどうしても割合的には多くなるのかな、そのように考えております。 なお、この点につきましてもより人権擁護委員として活発に活動していただける方を推薦していただけますように市区町村の理事者側に対してお願いしていきたい、このように考えております。
○山崎順子君 若年齢化が必要だというようなこと、また職業等さまざま、確かに余り忙しい方ではできないとかいろいろありますけれども、そのあたりを考えて、若い人で、またさまざまな職にある人を推薦してほしいとお願いしているということではありますが、ただ推薦してほしいとお願いしても集まらないのではないかと私は思うわけです。 例えば、ことし初めて人権擁護委員の方たち、子どもの人権専門委員の方たちでしょうか、全国集会があったということを聞いておりますけれども、そこでこの全国集会を毎年定例化して開いてほしいという御要望があったように聞いております。これは各地の実態ですとか方法ですとか効果を話し合い、さらにその子供たちのために役立つ形にしていこうという熱意のあらわれだと思うんです。 その集会のことだけではなくて、例えば自宅で電話相談を受けていらっしゃる方が多いんですけれども、常に、自分の家の電話を使いたくてもかかってくるかもしれないとか、留守のときはどうするかとか、食事のときにかかってきたりとか、いろいろ自分だけではなくて家族の人たちの大変な協力なしにはとてもやっていけない仕事だと、熱心な方であればあるほどそういったことは起きてくると思うんですけれども、例えば人権擁護委員の方にはそこの御自宅の電話以外に専門の電話を一本引く。それはほとんどかけるよりも受ける方の電話ですから、維持費の方は大した費用じゃないと思うんですね。そういったことを考えられないか。 それから、報酬といっても実費、無償に近いんですが、実費として、例えば四時間以上の仕事の場合は大体一日の日当が千九百円となっているんですけれども、四時間以内だと千円とか、地方によって違うでしょうが、私がお会いした方はそんなふうにもおっしゃっていました。 実は、子供のいじめ等に関しては文部省がスクールカウンセラーを設置いたしましたが、こちらの方の報酬を聞いてみますと、非常勤の人で一時間五千八百円とか、これは東京都です、これも地方によって違うのですけれども。それから、非常勤じゃなく常勤で一年間幾らというところもあるらしいですけれども、随分同じような仕事をしていて違うわけですね。同じようなと私は今言いましたが、仕事の中身はもちろん違うかもしれません、それから資格も違うでしょう。 人権擁護委員というのは、そもそも一九四九年に人権擁護委員法が施行されて、人権思想の普及高揚を図るために民間人にもその一端を担ってもらおうという、世界でも初めての画期的な制度として人権擁護委員制度が発足したということがあって、報酬によって皆さん仕事をなさっているのではないことは十分承知をしておりますし、その辺の目的等も違うかとは思います。でも、本当に擁護委員の方たちの熱意と犠牲的精神だけでやるには、若年齢化を図るとかバランスをとっていくというのはとても難しいのではないかなという気がしているんですが、この辺ぜひもう少し予算を回して変えていくということはいかがなんでしょうか。
○説明員(横山匡輝君) まず、人権擁護委員に対する手当の関係でございますけれども、これは人権擁護委員法の中で給与は支給しないこととされ、実費弁償制がとられております。このあたりにつきましては、法改正も必要になるのかなということで、なお慎重な検討が必要だろうと思っております。やはりこれは実費弁償だけというのがボランティアの非常に性格の強い人権擁護委員の活動にふさわしいという、適当というような考え方で法律が成り立っているのかなと思います。 なお、この点は慎重に検討してまいりたい、こう考えております。 それから、あと留守番電話等の関係で、委員の自宅等にもう一本相談用の電話を引けないかということでございますが、これも何分にも予算を伴うことでございますので、これも財政当局の理解を得られるようにまた努力してまいりたい、このように考えております。
○山崎順子君 今、子供たちはスクールカウンセラーが来たからいじめとか何か問題がないか話してごらんと言われて話すような状況にはないと思うんですね。自分の身近なところで問題が出て、それで逆にまたいじめられないかというようなこともありますから、匿名性の高い、外にいる人権擁護委員の必要性というのはとても高くなってくるんじゃないかという気がしております。 どんどん人間同士のいろいろなトラブルというのはふえてくるわけで、人権擁護委員が必要とされる時代に逆に今なってきていると思いますので、今五百六十八名ですけれども、人員の増員のこと、またそういった予算措置のことを含めてもう一度御検討いただきたい。 同時に、人権擁護委員法施行、制度発足からもう半世紀たっているわけで、いろいろな問題が出てきておりますが、この制度そのものがまだ国民に十分認知されていないとか、またいろいろ調査権限、人権侵犯の事実を確認するための調査権限はあっても強制力がなく、また人権侵犯事案と判断しても独自に排除是正の勧告等を行う権限が与えられていないとか、子どもの人権専門委員に限らず、人権擁護委員の問題が幾つか出てきていると思いますので、また見直していい方向に持っていっていただければと思っております。 さて、あと時間が余りなくなってしまいましたけれども、先ほどうちの同じ平成会の猪熊委員からも質問のありました少年院の処遇期間の問題で通達が出た件なんですけれども、この間、派遣先で少年院も訪問させていただいたんですが、少年院を出た子の保護観察期間内の再犯率はたしか二一・五とか、十年前に比べると一〇%ほど低下しているというようなことを聞いておりますけれども、二十歳を過ぎてからその子たちがどうなっているかという、そういったことはわかるんでしょうか。
○説明員(奥平裕美君) 先生の御質問は成り行き調査の件でございましょうか。少年院を出た少年たちのその後の状態はどうなっているかということでございますか。
○山崎順子君 はい。
○説明員(奥平裕美君) これはたびたびそのほかの機関からも御質問等がございますけれども、私どもといたしましては、それこそ少年の人権等に関係する問題でございまして、直接は調べておらないのが実情でございます。ただ、今先生御提示なさいました二一・五%という、少年院を出た保護観察期間中の少年たちのその後の経過ということで犯罪白書等にも載っておりますけれども、その数で私たちは一応少年院を出た仮退院者の動向を推察するという体制でいるわけでございます。
○山崎順子君 少年院で本当に一生懸命更生に努力している子供たち、またそれを指導していらっしゃる方々を見てきまして、それだけじゃなく、今までの少年法、少年院の更生指導、また少年院に入る前の家裁から保護司に、また少年院を出てからも保護司とか、さまざまな子供たちをできるだけ更生じて社会復帰させたいというそのシステムや機能が日本はかなりうまくいっているということはある程度同感するんです。 一つは、少年院での処遇期間の問題ですけれども、期間が長ければ性格を改善できるという、そんな科学的根拠はないと思うんです。そうしますと、今回の通達見直しがやはり神戸の事件を起こしたとされる少年への処遇を視野に入れて、そしてマスコミ等も含めさまざまな世論で、凶悪な事件を起こした子供を早々に社会復帰させてまた同じようなことを起こされては大変だと、それであっという間に何か通達見直しがされたのではないかというような気がするんですが、期間を長くしたからといって本当に子供の更生が図られるものかどうか、その辺大変疑問に思うんです。 中でどういったことをなさっているのかということと、またその後、少年院を出てからの社会の受け皿の方がまた問題ではないか。その辺も含めてちょっとお答えいただければと思います。
○説明員(頃安健司君) 長くとどめておけばおくほど処遇効果が上がるものではないということは委員御指摘のとおりで、少年は可塑性に富むものですのでできるだけ短期間の間に改善更生を図る、施設内処遇とあわせて施設外の処遇も活用していくという考えでやっていくことにつきましては変わるものではございません。 なお、少年院における処遇内容はどのようなものかという御質問につきましてお答えしますが、少年院におきましては、在院者の心身の発達の程度及び教育上の必要性等に応じまして、社会不適応の原因を除去するとともに長所を助成し、心身ともに健全な育成を図るための処遇を行っており、主な内容は、生活指導、職業補導、教科教育などであります。 また、職業補導に関しましては、従来から行われている農園芸実習、溶接、建築、機械科、自動車整備等の技術のほか、高度情報化社会に対応してコンピューターを活用した情報処理技術やワープロに関する指導等、あるいは福祉社会に対応して介護サービス科などを導入しております。さらに、溶接技能検定、建築、機械関係各種免許、情報処理技術者試験、介護アテンドサービス士等、就業に有益な各種の免許、資格の取得指導を実施しております。 このような点を通じまして、社会に出てからの立ち直りというものを促進していきたいと努めておるところでございます。
○山崎順子君 私がいろいろ少年院を出てからの子供たちを抱えて指導していらした方たちのお話を聞きますと、非行が激しい少年ほど期待する人間の心にこたえて更生するとおっしゃっておりまして、本当にそうなんだろうと信じたい思いでいっぱいでございます。 でも、例えば少年による婦女暴行は再犯が五七%というような数字もございまして、こういったようなことをきちんと数字で知っている人たちではないんですけれども、そういう再犯が多いんじゃないかということを聞くと、もうできるだけ長く少年院だとかそういうところに置いておいた方がいいとか、少年法を厳しくした方がいいなんという方たちが大変多くて、私はやはり少年法の改正や少年院のそういった問題は大変抑制的にすべきではないかというふうに考えております。 そういう意味では、あっという間に何か通達が出てしまって、言ってみれば行政が通達一つで事実上の立法を図ることの問題点というのがあるのかなというような気がしておりますけれども、このあたりも踏まえて、本当に抑制的にこの少年法や少年事件についてはじっくり皆さんと討議をしながら本来は通達にしても変えていくべきではないかというような気もしておりまして、それを要望して、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 きょうは、平成七年度における地方公営企業の決算状況についてお伺いするとともに、その中でもとりわけ病院事業の最近の動向と自治体病院の今後のあり方をめぐって考えてみたいと思います。 そこで、まず平成七年度における地方公営企業決算の概要について簡単に御説明をいただきたいと思いますが、その際ちょっと比較しやすいようにするために、地方公営企業全体の決算規模がどの程度の大きさになっているのかとか、それは地方公共団体の全体の歳出規模と比較してどれくらいの規模なのかとか、あるいは平成七年度決算においてはどういう特徴が見られるのかという点もあわせてお聞かせいただければありがたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 平成七年度の地方公営企業全体の決算規模でございますが、二十二兆一千億の規模になっておりまして、前年度に比較いたしまして三・一%の増ということになっております。 この規模が普通会計全体の規模と比較してどうかということでございますが、普通会計の歳出決算規模は九十八兆九千億余でございますので、公営企業の決算規模は普通会計の決算規模の五分の一をやや上回る規模に匹敵しているということでございます。 平成七年度の公営企業決算の特徴といたしましては、一つは、累積欠損金や不良債務の総額が前年度より増加してきておりまして、事業全体として見て依然として厳しい経営状況が続いておりますこと。それから第二点として、公営企業全体の総収支は一千四百億余の赤字となっておりますが、病院とか交通事業等では経営健全化の努力により収支が改善されて赤字額が縮小いたしておるということ。それから三点目には、住民生活に最も密着して住民から非常に要望の強い下水道事業でありますとか水道事業を中心とした公営企業関係の建設投資の総額が九兆八百億余に上っておりまして、前年度に対して五・八%増ということで、そういう面での着実な社会資本の整備に寄与しているということが挙げることができると思います。
○朝日俊弘君 二十二兆円ということで相当そういう意味では大きな財政規模を持っているということを改めて確認をしながら次の質問に移りたいと思いますが、この地方公営企業については、近年特に、ただいまも御説明がありましたけれども、公共投資基本計画の一環として地方公営企業による生活関連社会資本の整備が進められてきていると思います。 念のため申し上げておきますと、私自身は公共投資の中でもとりわけ生活関連の社会資本の整備、これを重点的かつ積極的に進めていく必要があるというふうに考えているわけですが、ただ問題は、そのことによって後々地方公共団体が負担しなければいけない借金がどんどんふえてしまっては困るというふうに思います。 そこで、地方公営企業に係る企業債の発行額がどの程度になってきているのか、そして平成七年度において地方公営企業の企業債の発行残高はどの程度に上っているのか、その中で地方公共団体が普通会計によって負担をする額はどの程度なのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 平成七年度の企業債の発行額でございますが、四兆九千億余りでございまして、前年度に対して三・九%の増になっております。それから、発行残高は七年度末におきまして四十六兆五千八百億余になっておりまし て、これは前年度に比較して六・九%の増加になっております。 残高のうち、普通会計が償還を負担するもの、例えば下水道事業で申しますと、家庭から出る汚水は料金で回収し、雨 水の分につきましては公共的な負担ということで一般会計で元利償還を持つわけでございますが、そういった普通会計で 元利償還を負担するものの金額はこのうちの二十兆二千億余でございまして、企業債残高の四三・四%に相当する金額が 普通会計の負担ということになっております。
○朝日俊弘君 今お伺いしましたように、企業債の発行残高はトータルで四十六兆円、しかもそのうち地方公共団体の普 通会計で返していかなければいけない分が約二十兆円、相当に膨大な額に達してきているというふうに思います。 そこで、この企業債の発行残高についての今後の見通し、それから、これからどんなふうに償還を進めていこうとされ ているのか、基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 企業債の残高は先ほども申しましたように七年度末で四十六兆五千八百億余に上っておるわけ でございますが、近年特に上下水道、病院等の住民生活に密接に関連した社会資本整備に対するニーズが高まっておりま して増加しておるものでございます。 今後の見通しにつきましては、今後とも普及率の向上が求められております下水道を初めとして、公営企業関係の社会 資本を着実に推進していくために企業債の所要額を確保する必要があると考えております。 一方、その償還につきましては、普通会計で負担すべきものにつきましては普通会計で的確な財源の確保を図って普通 会計負担分の償還をしていかなくてはいけないわけでございますが、それ以外はいわゆる独立採算制によりまして地方公 営企業が提供するサービスの対価、つまり料金収入で元利償還を賄っていく必要があるわけでございます。各地方公営企 業におきまして経営の効率化、健全化の一層の推進を図ると同時に、必要な料金収入の確保を図っていただいて計画的な 企業債の償還に努める必要があるというふうに考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 ただいまのお答えと関連しまして、ちょっと確認しておきたいことがございます。 それはつい先日、九月十一日だったと思いますが、日経新聞に「赤字公営企業を再編」という見出しで簡単な記事が出 ておりました。それを見させていただきますと、自治省として年内にも地方公営企業に関する経営健全化の基本指針を作 成するとの記事でありました。その中では、例えば公営企業の広域化、複合化を図るとか、あるいは公営企業の第三セク ターへの移行や民営化を進めるとか、さらには事業の中止を検討する、そしてこの点が大分気になったんですが、今後は 交付税措置を絞り込まざるを得ないというような記載がされておりました。 これは新聞記事ですので、そこで確認なんですが、この報道に関するもとになった何かペーパーがありますか。もしあ ればそれをお示しいただきたいわけですが、そういうまとまったものがないとすれば、この記事はどういういきさつでこ んなふうに報道されたのか、自治省としては一体何を考えてこれからどうしようとしているのか、この点は確認をしてお きたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 公営企業の経営の健全化ということは公営企業にとりまして一貫した非常に重要な課題でござ いまして、毎年度私どもいろんな角度からこの問題に取り組んでおるわけでございますが、恐らくこの新聞記事のもとに なりましたものは、毎年自治省としてこういう施策に重点的に取り組みたいということでいわゆる重点施策というものを まとめるわけでございますが、その中で、公営企業についての企業経営のあり方について総点検を行って公営企業の経営 の効率化、健全化を促進していく、そのためのいろんな調査研究を行うということを重点施策としてうたっております。 そういうものを重点施策としてごらんになって、その中でいろんなことが検討されるだろうということを取材された結 果が記事になっておるんではないかと思います。ペーパーといたしましては、あえて申しますと、その重点施策があろう かというふうに思います。 私どもは、この経営の健全化ということにつきましては、今ですと、平成六年の十月に出しました「地方公営企業の経 営効率化・健全化の推進について」という通知がございます。これは各地方団体に出しておるわけでございますが、それ によりましてこの経営健全化の地方団体に対する指導を行っておるところでございます。 そういうことでございますが、現在のように地方行革への取り組みが一層必要になっているという全体の状況の中で、 私どもとしてもさらに経営の効率化、健全化を地方団体に対して要請していかなくてはいけないということで、今この通 知の見直しを内々検討いたしておるというところでございます。 この通知の見直しに当たりましては、国、地方を通じた行政改革あるいは地方分権の推進、規制緩和の進展など、公営 企業を取り巻く環境の最近の変化を踏まえまして、経費の節減等能率的な経営の推進でございますとか、組織の簡素化、 定員管理の適正化といったことでございますとか、さらには公営企業の広域化あるいは企業用資産の活用といったような 、こういう項目について検討を行いたいというふうに思っておるところでございます。 こういういろんな角度から検討を行いました上で、その指針的なものを取りまとめて、これを地方公共団体に参考とし てお示しし、公営企業の経営のあり方についての総点検を行っていただこうということを今考えておりまして、そういう 内部の検討を今進めておる、そういう状況でございます。
○朝日俊弘君 そうすると、新聞の記事の内容は、今後検討していくであろう中身も含めて書いてあるというふうに受け とめたいと思いますが、ちょっと一つ確認しておきますが、その通知の見直しは大体いつごろを予定されておりますか。
○説明員(二橋正弘君) 今特にいつまでということを期限を区切って考えておるわけではございませんが、一般財政に つきましても十年度に向けていろいろ財政構造の健全化ということを図っていかなくてはいけない状況でございまして、 公営企業につきましてもそう時間をかけるということではなくて、必ずしも年内とか年度内というふうに区切っておるわ けではありませんが、少なくとも平成十年度に向けてこういう取り組みができますような、そういうことで考えていきた いというふうに思っております。
○朝日俊弘君 この後少し病院事業の問題に絞ってお尋ねしたいと思いますが、公営企業の経営の健全化あるいは効率化 に向けて、私は従来の通達の発想ではある種限界があるのではないかという気もいたしておりまして、そういう意味では 相当掘り下げて調査をし研究するということが必要ではないかと思っていることをここではお伝えをしておきたいと思い ます。 そこで、これからの幾つかの質問は地方公営企業の中で病院事業の問題に絞ってお尋ねをしたいと思います。 まず、地方公営企業の中で病院事業に限って、最近数年間の決算状況、傾向はどうなっているのか、事業の概要について最近の動向はどうなのか、ちょっと概括的にお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 平成七年度末現在で公営企業法を適用して病院経営を行っております数でございますが、全国で九百九十病院ございます。全国の公私立病院全体に占めるこの公営企業の病院の割合は一〇・二%、約一割でございます。 その病院の経営状況でございますが、昭和六十三年から悪化傾向になりまして、平成五年度には経常損失が千二百億余ということになりました。しかし、その後、関係者の経営健全化の努力もございまして、平成六年度、七年度と引き続いて経営状況はやや改善をしております。平成七年度決算では経常損失が七百六十四億円まで縮小してきたという状況でございます。しかしながら、依然として約半数の病院が赤字という厳しい状況にございます。 委員御案内のように、自治体病院は高度医療でありますとか救急医療あるいは僻地医療等の不採算部門を受け持つということもございまして、その経営は大変厳しいものがございますが、各病院においても経費の節減合理化等の経営努力が行われておりまして、自治省といたしましても地域医療の確保と経営健全化のために必要な支援を行っているところでございます。
○朝日俊弘君 最近、病院事業全体としては経営状況は改善傾向にはある、しかしそうはいっても、約半数の病院が経常損失を生じていて依然として厳しい状況である、こういうお話であります。 ところが、改めて申し上げるまでもなく、病院というのは、医療保険の診療報酬で点数が決まっていますから、勝手に料金を上げるというわけにはいかない。他方で、これは多分きようも厚生委員会で大分議論になっていると思いますが、医療保険の財政が非常にピンチになっていて、医療保険の方で診療報酬の改定、つまりアップ、これを期待して収入増を図ろうということも、幾つかの分野についてはぜひともやっていただかなきゃいけない部分がありますけれども、トータルで見ると大変厳しい状況にある。つまり、医療保険制度に基づく診療報酬改定によって収入増を安易に期待できるような状況にはないというのが一つの大きな流れとしてあります。 その一方で、いろいろ経営の合理化なり経費の節減なり、収入増と経費節減という両面作戦で今まで経営改善を図ってこられたと思うんですが、そういうことは今申し上げたような状況から考えるとなかなか厳しいというか、もはやそういう考え方では限界に達しつつあるのではないか。 そこで、私は、一方で医療制度や医療保険制度の抜本的な構造改革が求められている、そしてもう一方で新しく介護保険制度などの創設を含めて従来の医療とか福祉の枠を超えた新しい高齢者のための仕組みづくりが求められている。こういう状況であるだけに、地方公営企業の中の病院事業のあり方について少し思い切って突っ込んだ検討をしてみる必要があるのではないかというふうに考えています。 その際、重要なポイントというか、視点は二つあると思います。 まず第一点は、これは私なりの表現を使わせていただければ、自治体病院は個々ばらばらにやっていたのではなかなか大変なので、むしろ自治体病院連合という枠組みをつくっていく必要があるのではないか。自治体病院がそれぞれの市立病院、町立病院、それぞれ頑張っていろいろ機械を入れてあれもやるこれもやると、いわばドングリの背比べ的に競い合っているという状況では、もりそれぞれの個別の病院があるいはその自治体が財政的に限界点にぶつかっていくのではないか。そのことは結局は地域の住民の皆さんにとってもマイナスになってぐる。 したがって、私は、この際、適切な圏域設定のもとで複数の自治体病院が、例えば隣の市と町の自治体病院が密接に連携協力関係を結ぶ、それぞれの病院が特色を持った機能と役割を担う、その上で連携を密にする、そのことによって複数の病院がともに活発な診療活動を展開できるようにしていく。そういう道筋を具体的に検討する必要があるのではないかと私は思っています。 ここでちょっと厚生省にお尋ねしたいんですが、現在参議院で継続審議中になっています医療法の一部を改正する法律案で、都道府県が策定する医療計画、この中で従来から設定されていた二次医療圏というのをより重視して、今までは二次医療圏ごとに病床数が多いか少ないかというような話にとどまっていたわけですが、二次医療圏を単位にして医療圏の整備に関してもっと具体的により詳細に記載をしていこうという形に法律を改正しよう、こういうことになっているというふうに聞いておりますが、この点について簡潔に御説明をいただければと思います。
○説明員(角田隆君) 御説明申し上げます。 各都道府県が策定いたします医療計画につきましては、先生御指摘のとおり医療圏の設定と必要病床数の算定を必ず記載することとされておりました。しかし、地域の医療提供体制の確立に際しまして一定の役割を果たしてきてはいるものの、大病院への患者の集中など医療資源の効率的活用の面においては不十分な点もあったという指摘もございます。 このため、御審議をお願いしています医療法改正案では、地域医療の体系化をより図るため、医療計画につきましては、従来、都道府県の任意で記載していた医療関係施設間相互の機能の分担あるいは業務の連携などの事項を必ず定めるということにいたしまして、地域における真に効率的な医療提供体制を確立するための計画となるよう改善を図っているというものでございます。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。 今お聞きしたように、医療計画の策定作業を通じて、あるいはそれの推進を通じて二次医療圏ということを単位にして、より適切な機能と役割分担、そして相互の連携を図ろう、こういう方向を厚生省の方では進めていこうとされているわけであります。 そこで、自治体病院に関しても、その二次医療圏という広域圏を一つの単位を基礎としまして、医療機関のより効率的な整備と相互の連携を図っていく観点から、例えば複数の自治体病院間の広域的な協力連携の関係を積極的につくる。このことは、さらに発展させれば、一部事務組合や広域連合によって病院経営を担っていくという方向にもつながっていく課題であると思いますが、そういう方向を自治省として積極的に支援していくというお考えはあるのかないのか、この点をお尋ねします。
○説明員(二橋正弘君) 今委員から御指摘がございましたように、また、先ほど厚生省から説明がございましたように、現在継続審議中の医療法の改正で、二次医療圏を単位として医療施設の機能分担、連携を進めるという方向が求められておるわけでございます。 自治体病院は、このような地域での医療施設の連携の中核になることが期待されると考えられます。と同時に、自治体病院同士の間におきましても、地域の医療ニーズの変化への対応や経営基盤の強化という観点から適切な機能分担と連携を図っていくことが必要というふうに考えております。今、広域化という点では、現に新たな一部事務組合の設立や病院の統合という動きが見られますし、また、新しいメディアを活用したいわゆる遠隔診療といいますか、そういう診療支援を行うということの検討も動きとして広がっております。 そういう状況でございまして、私どもといたしましても、先ほど申しました平成十年度の重点施策としていろいろ検討いたしました際に、病院事業も含めて地方公営企業の広域化の促進ということを重点的な課題として一つ掲げているところでございます。 こういった広域的な協力連携の取り組みの支援のあり方につきまして、どういう支援のあり方がいいのかということを私どもとしてもまた検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 ぜひそういう方向での検討を進めていただきたいと思うんですが、ただ、これは割と難しいんですね。 私も実は一部事務組合の病院に十五年ほど勤めておりまして、例えば医者の人事の問題一つとってみても、あるいはどういう機械をどこの病院が買うかという問題をとってみても、どうしてもおらが病院を大きくしようという気持ちが強くて、ついついここの病院にもあっちの病院にも同じ機械を買ってしまうというようなことがあったりしまして、なかなか結構難しい面があると思うんです。そういう意味では、現に一部事務組合という形で複数の病院が連携をしながらやっているところもあるし、さらに新しく一部事務組合をつくって複数の病院が共同してやろうという動きもあるようでありますから、ぜひそういう具体的な事例などもきちんと調査なり検討をしていただきながら積極的に支援をしていく方策を検討いただければと思います。 これからの自治体病院のあり方を考えていくに当たってもう一つの重要な視点は、医療だけに限定せずに、保健と医療と福祉、それぞれの領域が密接不可分に重なり合ってきています。そういう現場の状況を踏まえるならば、自治体病院が単なる病院機能にとどまっているのではなくて、ある意味では病院機能、医療機能を超えて、一方では保健予防活動あるいはヘルス活動の拠点として、他方では福祉の領域、とりわけ高齢者のあるいは障害者のケアのサービスを積極的に提供していく、そういう方向を含めてこれからのあり方を考えていく必要があるのではないか。 つまり、言い方をかえれば、今後の地方公営企業における病院事業の枠組みそのものについても、病院事業を狭い意味での医療の領域に限定せずに、もっと弾力的かつ総合的あるいは重層的な考え方をしていく必要があるのではないか、こんなふうに思っています。 そこで、この問題についてもまず厚生省にお伺いいたします。 厚生省としては、現在まだ継続審議中でありますが、介護保険制度の制度化などを前提として、今後、従来の医療と福祉の枠組みを超えて、あるいはとらわれず、医療機関の側からもあるいは福祉関連施設の側からも、いわば両サイドから新しい枠組みを想定した事業の展開というかあるいはサービス提供のあり方というものを求めていく必要があると思いますし、そういう方向を厚生省として目指しているというふうに私は理解していますが、この点についてお考えをお聞かせください。
○説明員(高井康行君) 御指摘の介護保険制度におきましては、現在の老人医療と老人福祉に分立しております制度を再編成いたしまして、介護需要に対応するサービスは医療も福祉も総合的に提供できる仕組みをつくろうというものでございます。特に在宅福祉の分野につきましては規制緩和を図って多様な事業主体の参入の促進を図るということにしております。 この点で、現在、社会福祉法人の分野におきましては在宅福祉サービスのほかに訪問看護も実施できるということになっておりますけれども、医療法人の方につきましては、従来の医療のほかにホームヘルプサービスなどの在宅福祉サービスも広く展開できるようにということで、附帯業務に位置づける医療法の改正案を介護関連法案として現在国会に提出をいたしております。 そのほか、モデル事業といたしまして、看護、介護を必要な高齢者の方に総合的に対応できるようにということで、在宅介護支援センターとホームヘルプサービスと訪問看護、この三つの事業を一体的に整備するモデル事業を今年度からスタートする、こういうようなことも進めようといたしております。 一方、受け手でございます要介護高齢者の方でございますが、多様な事業主体とのサービスの調整を図るというような観点から介護サービス計画、いわゆるケアプランというものでございますけれども、これを策定しようということで今検討を進めております。 このようなことで、今後モデル事業でありますとかケアプランの状況、こういうものを踏まえまして、総合的に介護サービスを提供できる体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 そういう総合的なサービスの提供ができるような仕組み、それをつくっていくためにはかなり制度的にも幾つか考えていかなきゃいけない課題が出てくると思います。ぜひ厚生省としても制度面においての総合的なサービス提供がよりやりやすくなるような、そういう方向での検討をお願いしたいと思います。 さてそこで、自治省として、今全体として医療と福祉の枠組みを超えて、あるいは重なり合って総合的なサービスの提供を求めていこう、こういう流れをつくっていこうとされているわけです。とすれば、地方公営企業における病院事業のあり方についても、単に医療の領域に限定するだけではなくて、例えば先ほど申し上げたような密接に関連する保健予防の分野とかあるいは福祉にまたがる分野とか、そういう部分を含めていわば総合的かつ多角的な経営が可能となるような制度的枠組み、これをつくっていく必要があるのではないか。少なくともその方向での検討を進めるべきではないかと私は思います。 実は、この点については私も病院に勤めておりますときに一つ経験がございます。 例えば、精神科の入院と外来医療に加えて新しくデイケアという事業をやろうということを提案しました。ところが、一市九町の構成自治体は、いやそんなことは病院組合の規定に書いてないと。だから、そこに入れてもらわないと始まらない。したがって私は、一市九町の町長さんを回って説得するのに約一カ月かかったという記憶を今思い出しております。 そういう意味では、もう少し自治体病院あるいは公営企業の行う病院事業のあり方についても、先ほども申し上げましたけれども、もっと総合的かつ多角的な経営が可能となるような枠組みづくりに向けて検討をしていただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(二橋正弘君) 確かに御指摘のように、全般的に高齢化が進展していく中で、保健、医療、福祉、その相互間の連携を強めるということは非常に重要な課題であると私どもは考えております。 地方団体の現場におきましてもそういう意識が非常に強まっておりまして、この分野はもちろん公営企業ということから見た病院事業に限らず福祉全般にかかわっているところでございますが、地方公共団体の組織もそういう問題意識から、福祉、医療、保健というのをそれぞれの組織でやっておりましたものを、最近は組織の統合化といいますか複合化を図るというふうな動きも具体的にあちこちで出てきております。そういう必要性が第一線においても非常に痛感をされておるあらわれかと思います。 現在、継続審議になっております介護保険法案におきましても、施設サービスを行う施設として特別養護老人ホームのほかに老人保健施設、それから療養型の医療施設も想定されております。地方公共団体が設置しております病院あるいは老人保健施設の中にもこういったサービスを担う施設が出てくるものと考えられるところでございます。 また、既に幾つかの地方団体におきましては、リハビリテーション施設の共用等のメリットを考慮して、病院と保健、福祉の一体的な推進が図られているという実例がございます。病院事業の附帯事業として老人保健施設を設けております。そういうケースも三十近くございます。 したがいまして、今後ともこういう保健、医療、福祉の分野におきまして一層の連携強化が第一線でも進められていくものと考えております。これは一般行政から公営企業の分野まで全般的にまたがるものでございますが、そういう連携が図られていく中で、それでは地方公営企業としてサービスを提供するのにどういうものが適しているのか、あるいは望ましいのかといったようなことも考える必要がございましょうし、御指摘がございましたように、そういう各分野の連携を強めていく中で総合的、多角的な公営企業の経営が可能になりますような、これは従来の制度にとらわれておりましてはなかなかそういうわけにいきませんので、弾力的に物を考えて、それぞれに適する制度はどういうものがあるのかということのあり方につきましても、私ども真剣に研究をしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 以上、大きく分けて二点検討をすべき課題というか方向についてお尋ねをいたしました。いずれも、実際にやっていこうとすれば相当に検討をしなければいけない課題があると思いますので、従来どおりの枠組みでの経営健全化指導というレベルをもう一歩踏み込んで、これからの新しい自治体病院のあり方がどうあるべきかということを念頭に置きながら、その中でのより効率的な経営という観点での取り組みをぜひお願いしたいと思います。 具体的な例を挙げれば切りがありませんが、例えば、せっかく同じ敷地内に合築をしたけれどもなかなか廊下をつなぐことができないとかいう話もあったりしますし、私は必ずしもすべての事業を地方公営企業でやれというふうに言っているつもりはありません。むしろ、一般行政の中にきちんと位置づけて、あるいは場合によったら一般行政から委託を受ける形の事業のあり方もあろうかと思います。いろいろな場合を想定しながら、より現実的に総合的、多角的な経営が、そしてサービスの提供ができるような仕組みをぜひつくっていくよう検討を進めていただきたいと思います。 そこで最後に、冒頭、大臣にお祝いの言葉を申し上げるのを忘れまして申しわけございません。余りお祝いの言葉を言いたくない方もありますのでちょっと失念をいたしました。 就任早々で早速に自治体病院のあり方という専門的な分野についての話になってしまいましたので、多少つらい質問になるのかなと思いますが、今やりとりをお聞きいただきまして、地方公営企業のあり方、とりわけこれからの病院事業のあり方、言いかえればこれからの自治体病院はどういう任務と役割を果たしていくべきなのかという点について、大臣の御所見なり御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 全国の自治体病院、特に過疎地、僻地においては人も少ないし高齢化が進んでおるわけですが、関係者が大変御苦労されて病院経営に当たっておられることを私は十分承知いたしております。そのような皆さんの御苦労に敬意を表しながら答弁させていただきたいと思います。 自治体病院はいずれも地域の実情に応じまして自治体みずからの意思で設置をされ経営されているものですが、その果たしておる役割というものは幅広なものがございます。一つには高度医療を行う総合病院の形があり、また地域の医療水準の向上に資するような地域の中核病院の形があり、あるいは僻地医療を担う不採算地区の病院もございます。そして成人病センターなどのように保健行政的な医療を行う病院があるなど、さまざまな病院があるということはもう御承知のとおりでございます。 今後、地域におきましては、高齢化の進展の中で保健、医療、福祉の一体的推進がより強く求められてくるものと考えております。その中にありまして、自治体病院は連携の中核としての役割を果たしていかなければならないと考えております。そのためには、各病院においてより広域的な観点からの地域医療の確保と経営健全化のための一層の努力が求められることになりますが、自治省といたしましても引き続き必要な支援を続けていくとともに、病院事業を含め地方公営企業の広域化等の促進のために必要な支援のあり方等についても、ただいま委員から指摘を受けましたことも含めて検討してまいりたいと思います。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。終わります。
○大脇雅子君 それでは、私は、佐藤孝行衆議院議員の総務庁長官としての入閣問題についてお尋ねをいたします。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 今月十四日であったかと思いますが、NHKの「こどもニュース」を見ておりますと、第二次改造橋本内閣スタートということで、ロッキード事件で有罪になった佐藤孝行氏の入閣を伝えておりました。さらに、「今週のわからん」という五分間番組でも、総務庁の仕事は行革の旗振り役であることと、さらに青少年対策の本部長であるということであります。また、私どもからいたしますと婦人問題担当大臣ということであります。 その後、各社の社説も一斉に佐藤氏の入閣についてコメントを連打しております。 総務庁長官は行政改革の担当閣僚として、行革の核、心は政官業の癒着が招いた行政の停滞や腐敗の根を絶つことにある。その旗振り役にふさわしいかどうか。あるいは、閣僚は国民の先頭に立って指揮する立場である。刑事事件で有罪判決を受けた人物が官僚に綱紀粛正を説いても、むなしく響くだけで説得力がない。 こういう形でさまざまな問題点が指摘され、佐藤氏の入閣を白紙に戻すべきだという論調で一貫していると思われます。 そこで、法務大臣にお尋ねをいたしますが、この問題についての大臣としての御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) お答えいたします。 先ほど猪熊議員からも同じような御質問がございました。事件の経緯は、二十一年前に発生いたしましたロッキード事件、十一年前に判決が確定いたしました、上告取り下げで。そして、執行猶予の期間が平成元年七月に終わった事件でございます。今お話しのようなこともるる私も伺っております。 そこで、今私は、内閣の一員である法務大臣といたしまして意見を申し述べることは、この際、差し控えさせていただきたい、このように思います。
○大脇雅子君 法の権威と秩序を守ることにかけてこられました法務大臣のお立場を思うときに、就任のときはこの点について見解をお述べになっていたと思うんですが、この委員会で御見解を差し控えられるというのは、これは法務大臣としてということでしょうか。何らかの形で内閣で首相等の指示というかお話があったからなんでしょうか。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 就任のときの記者会見で申し上げましたのは、御承知のとおり、個人の意見としてということを前提にして私の気持ちを申し上げました。きょうは決算委員会の公の場でございますので、法務大臣としての答弁は今申し上げましたとおりでございます。
○大脇雅子君 それでは、既にこの問題として、政府とりわけ首相の専権事項かもしれませんが、何らかの閣議での話し合いなどというのはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 全く伺っておりません。
○大脇雅子君 私は、人権上の配慮ということが言われますけれども、民間レベルなら確かにそれも一理あるかと思いますが、政治に求められるのはより高い倫理性であり、国民の信頼と国民に対する重い責任であろうと思います。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 とりわけ、行革担当ということになりますと、腐敗の構造を断つこと、そして次の世代へ公平公正な社会をつくるためのむだのない行政を確立すること、それから市民の視線に立つこと、その行政改革の基本理念を踏まえれば、国民の信頼こそ成功のかぎだと思います。この問題は、日本の民主政治の根幹を問い、質を問う問題で、党派を超えて国民の信頼を回復しなければならないときにあるということを申し上げまして、この問題を終わらせていただきます。 次に、今回司法修習制度の改革が問題になっております。とりわけ、法曹人口が我が国では非常に少ないということもありまして、実務修習を含めました二年間の司法修習制度が一年半に短縮されようとしておりますが、その短縮の根拠を法務省と裁判所にお尋ねしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 法曹養成制度につきましては、四年半にわたります法曹養成制度等改革協議会で協議が行われまして、平成七年十一月に意見書が提出されたところでございます。 この改革協の意見書によりますと、司法の機能を充実し、国民の法的ニーズにこたえるため、法曹人口を増加させる必要があり、そのために司法試験合格者を千人程度に増加させるべきであるという点では意見が一致いたしました。さらに、この意見書の多数意見によりますと、合格者を中期的には年間千五百人程度を目標としてその増加を図り、かつ修習期間を大幅に短縮することを骨子とする改革を行うべきであるというものでございました。 お尋ねの現行の二年間という司法修習につきましては、改革協における議論によりますと、テンポの速まった現在の社会の動き等からすると間延びしたものになっていること、責任を負わない見習い期間という性質上長過ぎるのは好ましいことでないこと、法曹としてのトレーニングとしては法曹になってから現場におけるオン・ザ・ジョブ・トレーニングの方が研修効果が高いこと、それから、司法研修所の集合教育についても、長年にわたって教育上のノウハウが蓄積されておりまして、より短期間で充実した修習を行うことも可能となっていること、さらには、実務修習においては現在の受け入れ数はほぼ限界に達しているため、司法試験合格者を現在よりも大幅に増加させる場合には修習期間を大幅に短縮することが不可欠であるというようなことが指摘されているところでございます。 最高裁の協議員といたしましては修習期間を一年にする案を三者協議会において提案しているところでございますが、この案は、こうした改革協の意見の趣旨を尊重いたしまして、改革協における議論の大勢に沿ってそれを具体化したものとして作成したいわばスタートラインと位置づけられるべき案という趣旨で提案したものでございます。 法曹養成制度の改革につきましては法曹三者協議会で結論を出すべき時期に差しかかっておりますので、最高裁といたしましては、改革協の意見書の趣旨や現在行われている協議の経緯を踏まえまして、真に国民的見地に立った抜本的改革の実現に向けてさらに精力的に協議に進んでまいりたいと考えているところでございます。
○説明員(山崎潮君) ただいま委員御指摘のとおり、三者協議会におきましては、法務省は法曹人口の大幅増加とともに修習期間の短縮を提案しているところでございます。 具体的には、現在合格者七百名体制でございますけれども、これを千名体制にするということと、司法修習の期間を一年半に短縮するということでございます。 修習期間の短縮が必要だという理由については二つございます。第一は、司法修習制度を時代の変化に応じた効果的なものにする、こういう観点でございます。第二は、各実務庁におきます受け入れ体制の関係でございます。 まず、第一の点について申し上げます。 法曹に期待されます多様な社会的ニーズにこたえていくためには、従来のような訴訟活動を中心にした修習から、多様な問題に臨機応変にかつ的確に対処していくために必要となる基礎的な法理論、実務処理能力あるいは法曹としての倫理観、責任感、それから柔軟な思考力とバランス感覚、こういうものを確実に養成するということに重点を移すべきであるというふうに考えているところでございます。 そして、可塑性に富みます司法修習生に対しましては、これらの能力等が身につきましたならば、できる限り速やかに実務につかせることが望ましいということでございます。 司法修習生のカリキュラムにつきましては、この目的にふさわしい効果的なものにすべきであって、そのためには修習期間を短縮する必要がある、こういうふうに考えているところでございます。 第二の点について申し上げます。 第二の点につきましては、議員御案内のとおり、実務修習の期間は各実務庁におきまして現在一年四カ月やっておりますけれども、四カ月分は次の修習生が来るということで二期重なるわけでございます。 こういうような現行の修習制度のもとでは、各実務庁におきまして、適正にその業務を遂行しながら、統一修習の中核をなしますマン・ツー・マン・システムによります指導体制を行いながら、適正な修習環境のもとで十分に修習の効果を上げるというためには、現在の受け入れ数約七百名でございますけれども、これはもうほぼ限界に達しているというところでございまして、多数の者を司法試験に合格させまして、適正な修習を受けさせるためには修習期間の短縮が必要になる、こういうことでございます。 法務省といたしましては、法務省の提案は、以上の点を踏まえました上で、司法試験の合格者を千名程度とする新しい修習制度への円滑かつ速やかな移行を果たし、修習の効果を確実なものにするということが重要であるということなどにかんがみまして、現行の人的、物的体制等のもとで直ちに実現可能な方途を採用する、こういうような観点から提案をさせていただいたということでございます。
○大脇雅子君 裁判所も法務省も、ともかくこの理由の一つに、時代の変化の中で効果的な研修制度ということを言われておりますが、しかし、戦前の研修制度は、いわゆる判事と検事それから弁護士のいわば官尊民卑のシステムが人権擁護の観点から十分な体制を組むことができなかったということの反省に基づいて、三者が統一して、しかも平等に、そして公正にそれぞれの職務をひとしく体験することによって、相互の理解を深め法律のいわば執行についての充実した展開を図るということにあったと思うわけです。 その点で、人権擁護の立場を貫くそうした法曹人口、これは弁護士だけではなく三者が相互理解し、多角的視野に立ったそうした養成制度というのはこれまでのメリットであったと思うんですが、その点についての御見解はいかがでしょうか。それぞれ簡単におっしゃってください。
○最高裁判所長官代理者(堀籠幸男君) 司法修習の目的が国民の負託にこたえる法曹の養成であるという点は委員御指摘のとおりでございまして、ただいま法曹三者で協議会を行っておりますものも、そういう法曹を養成するにはどうしたらいいかという観点から協議をやっているところでございまして、最高裁といたしましても、委員御指摘の点を念頭に置いて、国民の負託にこたえられる法曹養成制度は何かということに結論を持っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○説明員(山崎潮君) ただいま委員御指摘の統一修習あるいは平等修習、こういうものの理念については私どもも大変重要であるということを認識しておりますし、今回いろいろ提案をさせていただいておりますけれども、その理念は変わっていないというふうに考えておるところでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、第二の理由である受け入れ体制というものが既に限界に達しているということの意味は、これはもう少し具体的に言うとどういうことでございましょうか。
○説明員(山崎潮君) 先ほど御説明申し上げましたけれども、現地で行う実務修習期間は一年四カ月でございます。そうしますと、一年たちますと、翌年もう一期の修習生が来るわけでございますので、現地で四カ月ダブってしまうということでございます。このダブりがあるところで二倍の修習生を裁判所なり検察庁で受けるということは、指導体制あるいは物的な体制、こういうところで限界があるということで、現在はその部分は弁護士会にお願いをしているところでございます。 そこの部分を取らない限り、裁判所、検察庁では二期ダブってしまう。したがいまして、実務修習期間はやはり一年以上は無理である、こういう結論でございます。
○大脇雅子君 その生きたケースをお互いに共有しながらひとしく体験をする中で、リーガルマインドといわばプロとしての技法を磨くということが短縮されるということは私は反対であります。とりわけ、そういう限界性を問うのなら、やはりそれなりの予算の要求あるいは体制の組みかえを御検討いただきたいと思うわけであります。 私は、法務省と裁判所の予算というものの推移が戦後どのようになっているかということを表で出していただきました。 法務省の予算額の推移は、国全体が昭和三十二年を基点といたしまして六十八・〇四倍になっている、うち一般歳出が四十七・九〇倍になっているのに対して、法務省予算は二十四・九九倍の伸びであります。とりわけ、対国全体に対する予算は〇・七五%、対一般歳出のパーセンテージは一・三%であります。法務省は検察や入管や矯正その他、そうした重要な人権擁護と社会の秩序を維持するというところの予算がこれほどまでに少ないということであります。それから、裁判所の予算比を考えましても、国の予算に占める割合は〇・七〇九%であります。 したがって、この二つのことを見ても、我が国は三権分立と言いながらいわゆる司法の権威というものがいかに予算的に少ないかということに委員の皆様にも関心をお持ちいただきたいと思うわけであります。とりわけ、規制緩和が進みつつある将来において、いわゆる市場原理の中で個別紛争が増大をしてくるはずであります。そのときに、専門的法律家というものがきっちりとそれを受けとめるということが必要であります。その中で、今裁判の長期化がきわまっておりまして、国民の裁判に対する不信は大きくなりつつあります。 とりわけ、我が国では調停制度など、そうした一つの特異な紛争解決手段を持っているわけであります。そういうものに対しても、やはり裁判所も法務省も予防的あるいは戦略的な見地から予算をしっかりととられまして仕事の十分の責任を果たしていただきたいと思うわけでございますが、余りにも抑制的ではないかという感じを持ちますが、いかがでしょうか。戦略的あるいは時代を先取りする、そうした法務、司法行政についてどのような見解をお持ちなんでしょうか。
○説明員(頃安健司君) 私、法務省の官房長としまして、法務省が国民から与えられた使命、負託を全うするために必要な人員、経費の確保の責任を負っているものでございますが、ただいまの大脇委員の御指摘も踏まえまして、今後とも必要な予算の確保につきまして大臣の御指導のもとに鋭意頑張ってまいりたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 委員御指摘のように、最近の社会情勢からいたしますと、裁判所に対する需要といいますか裁判所に持ち込まれてまいります事件というのは、量の面でもそうですし質の面でもますます増大してくるだろうという認識は我々も十分持っておるつもりでございます。 そのため、我々の方としましては、一つは事件を処理する人的な体制の整備という問題、それから裁判所のいろんな施設とかあるいは事務処理の経費といったところについて、事件動向を十分見ながら適切な予算要求をやっていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 先ほど、一年半に修習制度を短縮すると後は弁護士会に何とかそのほかの期間をというお話がありましたが、これは国費養成制度としての観点からはどのようにお考えなんでしょうか、法務省。
○説明員(山崎潮君) 先ほどのダブりの点でございますけれども、この点につきましてはこれからいろいろ専門的な、例えば国際化、それから高度複雑化の社会に向けまして、そういうものを教育の中でやっていくということにはなろうかというふうに考えているところでございます。 先ほど委員の御指摘の点、ちょっと聞こえなかったものですから、申しわけございませんがもう一度よろしくお願いいたしたい。
○大脇雅子君 要するに、二年間の修習を一年半に短縮して、半年を弁護士会の方の研修とか何かその他に、例えば修習前修習とか修習後修習とかという議論もありますし、今おっしゃいましたようにダブりの部分を弁護士会へ渡していくという話もありますが、その間やっぱり国費で法曹を養成するということが根幹で、ここが揺らいでは公共性と人権の面から大きな問題ではないかと思いますので、そういう点はいかがお考えかということです。
○説明員(山崎潮君) 先ほどは大変失礼いたしました。そのような趣旨であればまたお答えはちょっと違ってまいります。 ただいま御指摘の点、確かに国費で修習生をどのように修習をしていくか、教育をしていくかという問題がございますけれども、この問題は、例えば非常に高度な知識とかそういうものを教育しようとしましても、権限と責任のない地位にある。そういう中でそれをやってみてもなかなか身につかないという問題もございまして、そういう問題はやはり仕事についてからやっていただいた方がよりよく身につくという観点から考えていることでございまして、修習生につきましては基礎的な知識を教えていく、それを国費で見ていくという観点でございまして、教育の内容、やり方等の合理化を図れば従来二年間でやっていたもの、これを一年半で十分にできるということから提案をさせていただいたわけでございます。
○大脇雅子君 私は、法曹三者の力量の均衡、それから法曹の質の低下と専門性の希薄化を招かないという研修の根幹をしっかり踏まえられまして、やはりそれは国費で、国の責任においてしっかりと責任を持ってやっていただくということが非常に大切だということを重ねて申し上げたいと思います。 これからの時代、若い法曹を育てていくという大きな観点から民主的法治国家としての日本を築く上にとって、法務大臣の御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 大脇委員からいろいろ御指摘いただきまして、ありがとうございました。予算の伸び率が少ないとか、いろいろございまして、私も痛感しております。人件費が大部分でございますので、ほかの省庁と同じように並びでいくかどうか、それはそれとして、皆様方の御協力を得まして一生懸命やってまいりたいと思います。 それから、法曹を育てることについてどうかという御意見でございますが、きょうっくづく感じますのは、いろいろお話がございましたが、ここに弁護士会の代表がいらっしゃらないんですね、法曹三者とおっしゃいますけれども。国会の場でいろいろ議論しますときに、裁判所だとか法務省の人たちはいろいろな意見をお持ちです。ところが、肝心な弁護士会の方々は参考人でなければ呼べないというふうな問題等もありまして、この辺の問題はともかくとして、法曹三者で本当に腹蔵のない意見を闘わして、そういうふうな中で共通点を見出して、目的は同じでございますから、やらなくちゃならない。 戦略の問題もなるほどそうでございまして、例えば、日本の弁護士さんというのは今は一万六千名弱、検察官が二千名弱、裁判官が二千八百名ぐらい。外国に比べますともう圧倒的に少ない。だから、じゃ日本の法曹人口というものは全体としてどれぐらいあればいいんだと。それをどういうふうな目標で年次計画的に推進していくか。裁判所も裁判所で毎年裁判官の増員というのをお願いしていますし、検察官もお願いしているわけなんですけれども、その辺のところを総合的に検討して、そういうふうな中で若い法曹をどういうような形で育てるかというのが本当の議論だと思うんです。 それで、三者協で修習の問題を中心として御議論なさっています。これも結論を近く得るんじゃないかと。弁護士会の中の御意見というのをまだ私詳しく承っておりませんけれども、きょうの新聞によりますと、何か近く臨時総会か何かで御議論なさるようなことも承知いたしております。 そういうようなことも含めまして、今戦略とおっしゃいましたが、法曹三者が全体でいかにあるべきか、そういうような中でどういうふうにすればいいか、これは真剣に考えまして一歩一歩ひとつ解決していかにやならない問題だと、このように承知いたしております。ひとつ御支援お願いします。
○緒方靖夫君 日本の刑務所でのアメリカ軍人と日本人の受刑者の待遇の問題について質問したいと思います。 アメリカ兵が公務外で犯罪を行い、刑が確定した後に入る刑務所は、日本では唯一現在では横須賀刑務所ですけれども、そこでは米兵と日本人の受刑者との間に待遇上の違いがあるのかどうか、端的にお伺いいたします。
○説明員(頃安健司君) 横須賀刑務所における米軍関係受刑者の処遇に当たりましては、基本的には日本人受刑者と同様の処遇を行っているところでありますが、処遇の一部について日本人受刑者と異なるものがございます。 例えば、食事につきましては、日本人受刑者に支給する食事とは献立内容を別にした食事を支給していること。入浴につきましては、シャワーを使用させていること。厳寒期の朝夕には居房の暖房を行っていることでありますが、このような取り扱いは、横須賀刑務所に米軍関係受刑者を収容し始めた昭和三十年以降からの取り扱いであるものと承知しております。
○緒方靖夫君 米兵も日本人も受刑している限りそこで実施されている法律というのは監獄法だけだと思いますけれども、この問題では日米地位協定等々が入り込む余地はありませんね。該当する条項はないと思いますけれども、確認したいと思います。
○説明員(頃安健司君) 監獄法上平等な処遇という原則はそのとおりでございますが、横須賀刑務所におきます米軍関係者の処遇について若干の差異がございますのは、基本的には生活習慣等の相違に考慮を払ったものと理解しておりますけれども、地位協定の実施に関する日米両政府当局の合意の趣旨を踏まえているという点もございます。
○緒方靖夫君 その合意の趣旨というのは明文化されていませんね。ですから、法律では、基づいているのは監獄法だけと言えるんじゃありませんか。
○説明員(頃安健司君) 日米地位協定に基づく日米両政府の合意事項が根拠となっておるということでございます。
○緒方靖夫君 その合意事項とは一体何ですか。どこにどう書かれているか、はっきり言ってください。
○説明員(頃安健司君) 日米両政府間の合意内容でございますが、米軍関係者の拘禁に当たりましては習慣等の相違に考慮を払うという趣旨を内容とするものであります。
○緒方靖夫君 そういうことならわかっているんですよ。だから、要するに基づいている法律というのは監獄法しかないわけです。それははっきりしている。 それで、私はこの問題について非常に重大だと思うのは、非常に大きな違いがある、格差がある。 私は、日本人の元受刑者から手紙をもらいました。また、米軍関係者から証言を得ました。公職にあるアメリカ人は、職務に関することについてはうそは言わない、可能なことはすべて話してくれた。また、刑務所も視察して多面的に調査した。 差別の第一は、まず就寝時間が違うんですね。日本人は九時、アメリカ人は十時。これ習慣上の違いですか、何の違いですか。
○説明員(頃安健司君) 就寝の時限が異なるという点は、ただいま御指摘のとおりでございます。日本人は午後九時……
○緒方靖夫君 理由は。
○説明員(頃安健司君) 横須賀刑務所においてこのような取り扱いがいつどのような理由で始まったかについて調査いたしましたが、現時点では判明しておりません。
○緒方靖夫君 重大な問題なので調査お願いしますよ。 それから第二は暖房、今ちょっと言われたけれども、暖房も冬には米兵の房にはスチーム暖房が行われるんですよ。日本人のところにはない。しかも、米兵のためのボイラー夫役は日本人受刑者がやっているんですよ。残業して蒸気を送る仕事をした後、自分の房に戻ると暖房はない、寒さに震えている、こう訴えがあった。そして、ここは日本なのか、アメリカの基地内なのか、そう率直に思ったというんですね。非常に情けない、そう嘆いて元受刑者は私に訴えてきました。 米兵には系統的に、そしてスチーム暖房が行われていることは間違いないわけですね。
○説明員(頃安健司君) 先ほどお答えしましたとおり、厳寒期の朝夕には暖房を給しております。
○緒方靖夫君 どのぐらいの期間ですか。
○説明員(頃安健司君) ちょっと期間については手元に資料がございません。
○緒方靖夫君 じゃ、それも調査して後で報告してください。 私は、食事の問題も挙げたいんですね。受刑者の最大の楽しみなんです、食事は。食事の格差はありますか、値段的に。内容は別です。
○説明員(頃安健司君) ちょっと値段的な点は判然といたしません。
○緒方靖夫君 それも重大ですよ。 私は行って食堂に張り出しているメニューを見たんだけれども、アメリカ兵は毎日ステーキなど肉を食べている。フルーツ、ケーキを食べて、三食ごとにコーヒー、牛乳がついているんですね。日本人はすべての食事を通じ一滴の牛乳も出ない、ステーキはもちろん出ない。ケーキなど甘いものは受刑者の方々は甘シャリというそうです。甘いものが食べたくてしょうがない。一番欲しがるそうだけれども、天皇誕生日、こういうときしか、祝日しか出ない。フルーツは十日に一度。これが実態だというんですよ。どうしてこんな格差が起こるんですか。
○説明員(頃安健司君) 御指摘のとおりの内容であるか、ちょっと私正確には承知しておりません。 違いの理由でございますが、横須賀刑務所におきましては、収容中の受刑者に対して所定の予算を支出して調理した食事を支給しておりますが、米軍関係受刑者に関しましては、これに加えて米軍当局からも補充食料の提供がなされておりまして、これらをあわせて調理したものを支給しておりますので、そのために違いが生じているのではないかと思います。
○緒方靖夫君 理由はよくわかりました。 この米軍からの大量の援助品、これが重大なんですよ。これが食事に出されている。米軍関係者によると、刑務所内での米兵受刑者のメニューというのは、何と基地内で軍務についている米兵の食事と基本的に同じにしているというんですよ。そのメニューで必要なものを米軍から全部支給品として受ける。だから、食事にすごい格差がつくことは明らかなんですよ。刑務所では、日本人は差し入れというのはできますか、食事に関連したことについて。これを米兵だけに認める、そういう根拠というのはないんですよ。 そして、差別というのはさらに多数にわたる。余暇、規律でもかなり自由な生活スタイルが保障されている。米兵は毎日シャワーを浴びる。日本人は週二回のふろ。受刑者は一緒に運動、作業をするから、みんなよくわかるわけだよ、アメリカ人と日本人がどんな暮らしをしているかということを、交流があるから。この歴然たる違いというのはアメリカ人もよく知っている、日本人よりも自分たちははるかに優遇されていることを知っている。 そのきわめつけ、それは米軍将校が定期的に米軍受刑者全員を招集した会議を刑務所内で開いているんですよ。米軍関係者によると、この会議は最新の情報を伝える。豊かな食事、これは体力を減退させない、そして出所後軍務に直ちにつける、このことを可能にする、そういうことを言っているんですよ。日本の刑務所は劣悪で、米軍人そのものをそのままにしておくことはできないという気持ちも働いているそうです。こういう米軍の会議が刑務所内で開かれているというごとは確認できますか。
○説明員(頃安健司君) 米軍当局と刑務所の職員との協議会はございますが、刑務所の中で米軍当局と受刑者との会議が開かれているということはないと承知しております。
○緒方靖夫君 否定されたけれども、アメリカ当局者は自分は行っていると言っている、行ったこともあると言っている。調べてください。調査をすることが随分多いけれども、重大な問題だから。 こういうことは所長の裁量を超えているわけですよ。だから、その点で私思うんだけれども、特別の何か秘密合意があるんですか、アメリカとの間であるかないか。
○説明員(頃安健司君) 先ほど申し上げましたよりに、米軍関係者の拘禁に当たっては習慣等の相違に考慮を払うとの趣旨の合意はございますが、それ以上のものはございません。
○緒方靖夫君 その範囲をはるかに超えている待遇なんですよ、これは。ですから、こういうことが日本の施設で、日本の法律しか実施されていない日本の刑務所でずっと続いてきた、このことは大問題だと思うんですね。これは、結局アメリカの軍隊ということでの特権の行使なんですよ。これが差別の根本的な動機で、戦後しばらく特別な配慮が行われてきた、そう法務省は認めていたけれども、こうしたことが横須賀刑務所では昭和三十年以来ずっと続いている。私は、この格差というのは日本にとっては非常に屈辱的なものだと思います。 こうしたことを放置してきた法務当局の責任は非常に重大だと思いますけれども、大臣、なられたばかりで大臣にこれをどうこうといっても、初めて聞かれた話だと思いますけれども、この格差、また屈辱と思わないか、そしてまたこれについての御感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) 今るるお伺いしまして、感ずることもたくさんございます。実態をよく調査いたしまして、善処するように努力いたします。
○緒方靖夫君 私は大臣にお願いしたいのは、やっぱり日本人の受刑者の待遇を改善する、このことをうんと念頭に置いていただきたいと思います。今、大臣が調査させると言いましたので、私はこれ以上言いませんけれども、やはりこの問題は戦後ずっと続いてきたアメリカとの関係での非常に大きな問題なんですよ。そして、こうした法務の行政に通じた方もこんなことがあるのかとびっくりする、そのぐらい隠されてきたことなんですね。私は、このことは一言で言えば、日米安保条約下の刑務所、そこにやっぱりそういう重大な格差があらわれている、そのことを指摘しておきたいと思うんです。 私は次に、米空母インディペンデンスの小樽港寄港の際、日本政府はどういう関与を行ったかということについてお伺いしたいと思うんです。 入港の際の技術的な最大の問題というのは水深の問題だったと思いますけれども、海上保安庁、アメリカ側に小樽の詳細な海図を渡しておりますね。
○説明員(田口弘明君) 海上保安庁は、外務省からの要請に応じまして海図等の水深に関する図面を渡しております。
○緒方靖夫君 私ここに地図を持ってまいりましたけれども、四枚の海図があります。渡した枚数は何枚ですか。(資料を示す)こういう市販の海図、これは大したことはないとしても、こちらのより詳細な海図、これは平成九年一月に完成したものですね。こういう海図を、精密度、いろいろあります。それからまた、二千分の一、一万分の一、いろいろありますけれども、こういうのを三枚渡しているんです。 海図を渡した、それだけじゃなくて、海上保安庁で外務省やアメリカ大使館あるいはインディペンデンスの関係者とこの問題について検討の会議を開いた。日付は七月の二十九日と私は聞いております。また、小樽でもその後同様の会議を開いた、そういうことを聞いているわけですけれども、やっぱりそういう形で海図が渡された、アメリカに。そうしたことというのは極めて重大だと思うんです。 地図とか海図というのは重要な軍事上の情報なんです。米海軍は民間港湾の情報収集の港湾記録の中で、前委員会でやりましたけれども、最新の海図収集を重大任務として官庁に指示しているわけですね。しかも、海図の日付、最後の修正日、どこでどう入手したか、海図は正確だったか。そのたびごとにチェックして更新しているわけだ、情報を。重大な協力をアメリカ軍は受けた、そういう認識を持っているわけです。ですから、そういう種類の問題がここで起こったんです。 インディペンデンスに乗ってきましたチャールズ・ムーア少将、米海軍第五空母群司令官は、上陸した後、九月五日記者会見を行って、今回どんな調査をしたのか、そういう質問に対してこう答えているんです。全文を言いますよ、短い答えでしたから。「入港前にこの港やその他の施設を調査をしている。今回は前回の調査を見直し、両方を分析し大幅な調査をしている。」「この点は札幌の総領事館や海上自衛隊、横須賀の海軍、海上保安庁のみなさんと連携をとり、様々な調査をおこなって、入港が可能であるとの結果がでた。」、こう述べているわけですね。これが真実だと思うんです。したがって、この種の協力はあった。先ほど海上保安庁の方は外務省からの要請を受けたと言っていましたけれども、この種の要請があったわけです。 前回、私は外務省に、こういう入港に当たってアメリカに対して日本の政府機関が協力しているのかとお聞きしたら、承知していないという答弁がありましたけれども、外務省、いかがですか、協力はあるわけですね。
○説明員(高野紀元君) お答えいたします。 この前のインディペンデンスの小樽入港に関しましては、海上保安庁に七月二十五日にその通告がございました。岸壁手配につき依頼するとともに、外務省に対しても港内の水深に関する資料の提供について依頼がございました。私ども外務省から海上保安庁にこれをお願いしたところ、同庁において作成されている、一般に提供している水深図を同庁よりいただきましたので、これを米側に提供した経緯がございます。 そういう経過がございます。
○緒方靖夫君 よくわかりました。つまり、承知していないのじゃなくて、こういう経過があって、そしてアメリカの要請に基づいて海図の提供とかあるいはさまざまな情報交換の会議を行うとか、そうした形の協力が行われた、このことは間違いありませんね。
○説明員(高野紀元君) そのとおりでございます。
○緒方靖夫君 前回の答弁の訂正があったと理解いたしました。 さらに、政府機関の協力というのはあるんです。上陸した乗組員にアメリカ側が配付したパンフレットがあります。ここに現物がありますけれども、こういうのを配付したんです。(資料を示す)これは小樽ガイドのパンフレットなんですが、これを読むとこういうことが書かれております。地方警察によると、入港時に早朝二つの抗議が行われるど予測している。恐らく二千名が集まり埠頭近くを行進するであろう。このグループは三十分集会を行い平和的に解散する。同様な抗議は夕刻再開され、再び三十分の集会、解散が繰り返される。そういって、デモに近づかない、警察が自由を保障してくれるから安心しろ、そうしたことが書かれているんです。こうしたことが刷り物になっている。ということは、相当余裕を持って地元の地方警察がこうした情報を米側に与えている、そういうことになると思うんですが、いかがですか。
○説明員(伊達興治君) 北海道警察におきまして、米国側関係者それから国内関係当局との事前打ち合わせを行っておりますが、その際、既に道路使用許可申請が出ていた抗議行動の予定を踏まえまして、米空母乗組員と抗議行動参加者とのトラブルの防止あるいは雑踏事故等々の防止を図る観点から、米国側は関係者に対して必要な指導を行った、こういうふうに承知しております。 北海道警察が行いましたこうした諸対策というのは、北海道警察がその治安責任を全うするために必要と認めたものでありまして、これらは過去における米国艦船寄港に伴う警備対策、これらと変わるものではない、こういうことであります。
○緒方靖夫君 よくわかりました。米軍への必要な指導としてその必要な情報を渡されたということですね。非常に話が明快なんです。つまり、この間アメリカ側も盛んに言っているんです、警察からの協力を得ていると。 例えば、警察からは、反戦デモがどうなっているかとか、それからその中には日本共産党の影響力があるのかないのか、そういう政治的な背景、そういったことについてもこれまでいろいろ聞いてきている。それからまた車両の提供、アドバイス。例えば、寄港一日目は軍服を着た方がいい、二日目からは私服がいい。そうしたことも警察からのアドバイスだということをアメリカが言っているんですね。だから、こうした協力というのは多岐にわたるわけです。 そこで、私お伺いしたいんだけれども、国家公安委員長、こうした協力というものは、例えば日常的な情報収集、警察の公安関係がそういうことを行う、諸団体に対してそれを行う、それが言論や集会の自由の権利を侵すということになることもたびたびあります。しかし、それがまた問題なんだけれども、それはそれとして、さらにそういう関係の情報を米軍に提供する、これは私は重大だと思うんです。法的根拠は何ですか。
○説明員(伊達興治君) 先ほど申し上げましたように、乗組員とそれから抗議参加者とのトラブルを防止するとか、あるいは艦船にいろんな市民の方々が行くのについて雑踏があったりなんだり、いろんなことについての、治安を守るという観点からの指導はしましたけれども、先ほど言われましたような、ちょっと突っ込んだようなそういう細かいことの協議はしておりませんので、それははっきりさせておきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 米国海軍インディペンデンスの小樽港への入港に際し、抗議行動等に関する情報提供が事実上米側に行われたことについての情報提供という点についての所見でございますが、今回の空母の小樽入港に当たっては、警察がとった警備のための諸対策は、乗組員と抗議行動参加者とのトラブルの防止や雑踏事故等の防止に万全を期すためにとられたものであり、これらは過去における米国艦船寄港に伴う警備諸対策と同様であると認識いたしております。
○緒方靖夫君 先ほど警察のさまざまな協力についてそういうことはないと言われたけれども、アメリカ側はそういうふうに述べているということで、事実は一つしかない、そのことを指摘しておきたいと思うんです。 これはもう時間がありませんので終えますけれども、やはり私は、警察情報をアメリカに提供する法的根拠についてお答えがなかったけれども、法的根拠はないんです。安保体制のもとでこういうことが行われている、ここが問題だと思います。しかも、こうした協力が新しい公安記録の更新になっていく。それがどんどん繰り返されていく、きのう、きょう、あすと。やっぱりそこが非常に重大な問題。そして、しかもそれが有事の民間港湾の利用、それにつながっていくんです。 ですから、私は、こうした協力はやめるべきだ、このことを述べまして、質問を終わります。
○山口哲夫君 大変古い話で恐縮なんですけれども、私が初めて参議院に参りましたのは十一年前ですが、その最初の質問が実は予算委員会でございました。私は当時、地方行革の問題について質問をいたしました。当時の総理大臣は中曽根さんでした。 ところが、質疑をやっている間に、どうも中曽根総理は国と地方自治体との関係について大分勘違いしているんじゃないかなと思いましたものですから、質問通告はしておりませんでしたけれども、総理大臣にあなたは国と地方自治体との関係についてどういうふうにお考えになっておりますかと、そういう質問をいたしましたら、中曽根総理の答弁はこんな答弁でした。「自治省は監督する権限を持っておりまして、」、「自治省としても、その監督権に基づいて、その地方行革大綱及び各自治体がおのおの自主的におやりになっておる行革を推進するようにいろいろ指導助言しておるのではないかと思います。」。これは憲法が定めている地方自治の本旨に全く反するお答えだったと思います。 この答弁、正しいと思いますか、間違いだと思いますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 山口先生の御質問でございますから、事前に通告いただいておりましたので議事録を読ませていただきました。 国と地方公共団体の関係は、国が地方公共団体に対し広範な後見的監督権を有するというものではない、それぞれが役割を分担しつつ国民福祉の向上を図っていくという基本的な関係にあるものと考えております。 こうした中、自治省におきましては、地方行財政を取り巻く厳しい環境のもとで地方公共団体がその責務に対する自覚を持っている、自主的、積極的に行政改革を推進されるよう要請し、支援しております。 御指摘の質疑でございますが、地方行革に対し自治省がこのような取り組みを進めているということをお答えしたものと存じます。一連の総理答弁と自治大臣答弁により自治省の助言勧告権による取り組みをお答えしたものではないかと、そのように私は理解をいたしております。
○山口哲夫君 私が質問をして中曽根総理が答弁されまして、その後、恐らくこれは大変間違った答弁だと思ったんでしょう、通告していないのに自治省の役人がちゃんと答弁つくってあったんですね。それを葉梨自治大臣が読まれたのが今おっしゃったとおり、非常に上手に答弁を訂正しているわけです。 ですから、私は端的に聞きたかったんです、間違いですか、間違いでないですかと。お答えしにくいと思うんですけれども、これは明らかに間違いです。そうおっしゃった方がいいのではないんですか。どうですか。そこのところだけは私は間違いだと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 私も今の自治法にそういう監督の規定がないということは承知しておりますが、それ以前の昔の自治法にはそれが存在しておったことも認めております。 したがって、中曽根さんの発言について、間違いか間違いでなかったかということになりますと、先ほどお答えいたしましたように、真偽というものはそういうことじゃなかったのかなと、こういうふうにお答えするよりほかにないと思います。
○山口哲夫君 間違いだとなかなか言いにくいでしょう。その言葉を使うこと自体は大変だと思うんですけれども、間違いであることはそれこそ間違いありませんです、これは。 今おっしゃったように、昭和二十七年の自治法の改正までは監督という言葉があったけれども、しかしこれは地方自治法の精神からいっても大変な問題があるということで、国との関係については、監督から今度は関係についてという言葉に全く変えて章をつくったという経過があるわけです。 ところが、自治省には監督権がないことはもちろんそうなんですけれども、一般的な行政について自治体に対して指導する権限も私はないと思うんですね。その点どうですか。
○説明員(松本英昭君) 指導という言葉でございますけれども、これはいわゆる慣用的に申し上げている指導という言葉があるわけでございますが、例えば午前中にもございました六年度の決算に関する当委員会の議決の中にも、これは鎌田委員がお読み上げになりましたけれども、必要な指導等に努めなさいという言葉も入っております。 そういうように、慣用的に使うこととそれから法律でどう書いているかということとはいささか違っていると思うんです。違っているといいますか、用語が違っているんですが、もう先生御承知のように、地方自治法の二百四十五条におきまして「技術的な助言又は勧告をすることができる。」、この規定に基づくいろんな地方公共団体に対します要請等については、一般的に指導というように呼んでいると、こういうことではないかと思います。
○山口哲夫君 二百四十五条の解釈、いろいろな方がされておるのを読みますと、法律の趣旨からいきますと明らかにこれは技術的な助言に限定するべきであるという、そういう解釈が一般論なんですね。ですから、一般的な行政について自治省がああしなさい、こうしなさいというような指導というものはやっぱり間違いだというのが私は通説だと思うんです。 先ほど大先輩の鎌田議員からの質問に大臣が大変いいお答えをされていらっしゃいました。国と地方との関係というのは親分でもなければ子分でもない、そんな関係ではないという御質問だったんですけれども、大臣も、もしそんな空気が地方にあるとすれば、これはやっぱり自治体がみずからの行政ができるように、地方自治新時代をつくるために努力をしていかなければならないと、大変すばらしい答弁をされておりました。 ですから、上下の関係じゃないんです、これは。あくまでも、法二百四十五条からいっても並立対等が原則だというふうに解釈されています。そこにまた、今度は通達という言葉がつくわけです。通達という解釈は、辞典を引きましたら、「上級官庁が、その事務について下部機関や職員にあてて送る通知。」と書いてある。地方自治体は自治省の下部機関ですか。
○説明員(松本英昭君) 地方自治体は、自治省の下部機関でもなければ政府の下部機関であるわけでもございません。ただ、今先生がおっしゃいました講学上の通達という用語と、一般的に例えば次官通達というような言葉で言いますのと、その辺は厳密な講学上の用語を必ずしもすべてあらゆる機会に使っているということでもありません。よく通達という言葉を言いますけれども、それはやはりそれぞれの意味に、講学上の意味に戻せば、例えば通達と言っても通知であるというように御理解いただければいいんではないかと思っております。
○山口哲夫君 私が自治体におりましたころには、自治省から出されてくる文書はまだ通達といり言葉を随分使っておりました。ところが、今からもう十年ぐらい前からでしょうか、通達という言葉は使わなくなっています。大変結構なことだなと私は思って喜んでおった。 ところが、昨年の暮れでしょうか、「地方行革推進本部の設置について」という自治省の文書がございます。その中の「地方行革への自治省の取組み事項」、取り組み事項の一が「地方行革推進の機運の醸成」と書いてありまして、今後の推進策としては「指導通達の発出」と書いてある。今までやっていなかったこの通達をまた持ち出してきて、地方自治体に対して地方行革について指針を示して、こうしなさい、ああしなさいという、そういう指導をしているとしかとれないんです。これは間違いでないですか。
○説明員(松本英昭君) 御指摘の昨年の地方行革に対する取り組み事項の中身の話でございますが、先ほど申し上げましたように、一般的な慣用的な意味で指導通達という言葉を使っておりました。それは事実でございます。ただ、今先生の方から厳しい御指摘を受けましたので、直ちに用語を変えまして、各種通知の発出という言葉に今変えております。
○山口哲夫君 じゃ、通達という言葉はとったわけですね。
○説明員(松本英昭君) 誤解を招いてもいけませんので、現在は各種通知の発出という言葉にいたしております。
○山口哲夫君 それは一歩前進だと思うんですけれども、八月二十一日に全国の総務部長会議を招集しております。その中で遠藤事務次官が、自治省も年内には新たな地方行革の指針を示すとして、自治体に地方行革に積極的な取り組みを求めております。松本行政局長は、自治省では秋には新たな地方行革大綱の指針を示したいとして具体的な取り組みを求めておりました。そして芳山公務員部長は、中核市における給与制度運用についても適切な指導をお願いすると、こういうふうにして都道府県が中核市に対して指導するように求めているわけであります。 私は、やっぱりこの一連の会議の議事録を見ますと、明らかに政府が指針を示して、行政改革大綱を新たにつくりなさい、そして住民も含めた推進委員会をつくりなさい、必ずそれを広報に載せて報告しなさい、定数についてはモデル定数を示すからそれに準じてやりなさい、給与も適正化しなさい、業務も民営化しなさいと、みんなきちっとこういうふうにしなさいということを書いているんですね。これは、自主的に自治体の行政を進めていかなければならないという先ほどの大臣の考え方と大分かけ離れているんでないかと思うんですけれども、どうですか。
○説明員(松本英昭君) 今御指摘の一連の事柄につきましては、実は地方分権推進委員会から第二次勧告を受けまして、その中に「地方公共団体の行政体制の整備・確立」という一章があるわけでございますが、すべてその中に書かれていることでございます。政府はこれを受けまして、最大限これを尊重するという閣議決定をいたしているわけでございます。 そういうことでございますので、それに沿った例えば指針の策定とか、あるいはできるだけこれの数値目標を示すとかというような一連の作業をできるだけ早く自治省として行うということを総務部長会議で、その他の場でも申し上げておりますけれども、国会でも何遍も答弁いたしておりますが、そういうことを——失礼しました、国会はまだ答弁いたしておりませんでした。あらゆる機会に地方団体には申し上げているところでございます。その際に、やはりこれは自主的にやっていただくというのがその基本であるということは間違いございません。
○山口哲夫君 地方分権推進委員会の勧告の中に地方行革の推進という項目があることは存じております。私はあれを全部読ませてもらいましたけれども、地方分権推進委員会ともあろう方々が大変な間違いを犯したなというふうに私は思いました。 地方分権推進委員会というのは、国の自治体に対する関与とか規制というものをできるだけなくして自治体の権限を強化して自主的な運営をさせるようにしなさいという、これが大方針なわけですね。その地方分権推進委員会が、どういうわけか地方行革だけについてはもっと積極的に進めなさいと、国の方針にいわば右へ倣えして進めてくださいというような意味の書き方が出ているわけです。 私は、やっぱりこういう間違った勧告の中身、いわば地方自治の本旨にもとるようなものについて、それをてこにして自治省が分権推進委員会だって言っているんだからやっていいんだというやり方は私は間違いだと思いますけれども、その点どうですか。
○説明員(松本英昭君) この点につきましては、国会で御可決いただきました地方分権推進法という法律がございます。その中に、いわゆる地方分権を進めてまいります基本的な目標といたしまして、例えば国と地方の役割分担の明確化であるとか、それから国から地方への権限委譲だとか、あるいは国から地方への関与の是正、必置規制の是正、それから税財源の充実確保ということと並びまして、地方公共団体側の行政体制の整備、確立ということがはっきり書いてございます。その中にこの地方における行政及び財政の改革ということも入っておりまして、それを受けて地方分権推進委員会ではそれを具体化するための審議をなさって、この七月に第二次勧告でただいま申し上げましたような勧告を行われたものと私どもは理解をしているところでございます。
○山口哲夫君 一連の流れはわかっておりますけれども、地方分権推進委員会としてそこまで踏み込んだ書き方というのは、これは地方自治の本旨にもとるものであって、それをまともに受けて、そこをてこにして自治体に対してああせいこうせいと言うことは私はやっぱりやめてもらいたいと思うんです。 とにかく定数の削減をさせよう、給与はできるだけ下げさせよう、業務はなるべく民間に委託させようというそういう考え方ですけれども、私は、自治省は自治体の実態というのは余り御存じないのではないかなというふうに思うんです。 今、自治体は随分いろんな仕事がふえています。公共事業は少しは減ってきておりますけれども、今までは、バブル期はずっと公共事業がふえて、それを消化するのに四苦八苦していたわけです。ですから大変な超過勤務がふえて、もうこれ以上公共事業をふやさないでほしいという、そんな要請も受けたことがありました。そして、今また高齢化社会を迎えて、高齢者対策というのは特に市町村では大変な仕事です。 ですから、どんどん仕事がふえているのに、政府の方からそういう通達みたいなものを出すものですから、これをまともに受けて、今度は県の総務部が自治体、市町村に対して、自治省がこう言っているんだから右へ倣えしてやってもらわなければ困るといって締めつけるわけでしょう。結局市町村では、職員をふやそうと思ってもなかなか思うようにふやせない。ですから、やめた方の後補充をしない自治体が結構ありますね。仕事はふえる、職員はなかなかふやしてもらえない、超過勤務はふえる、私はこんな中ではいい仕事なんかできるはずがないと思うんです。 ですから、そういうことを考えたときに、地方自治の本旨からいっても、あくまでもさっき大臣おっしゃったように自主的に運営をさせるようにしなければならないのであって、昨年の十月七日に、毎年これ出しているんでしょうけれども、「地方公共団体における行政改革推進のための指針の策定について」ということで、「この指針に沿って、行政改革の推進に一層努力されるよう要請する。」。これは「要請」とは書いているけれども、このとおりやりなさいと言うのと何にも違わないですよ、中を読んでみると。「この旨を貴管下市町村に対しても」、というのは知事にあてていますから、「御示達の上、適切な指導をお願いする。」。示達というのは、これは命令、通知などを知らせるわけでしょう。県が市町村を指導しなさいと書いているんですよ。 だから、全く今自治省のやっていることは地方分権の精神から逸脱するものであって、私はこういう地方行革に対する指導は即時やめていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○説明員(松本英昭君) 大変厳しい状況の中で地方の公務員の皆様方が大変御苦労をいただいている、そのことにつきましては私どもも十分理解をしているつもりでございます。 しかし一方では、御案内のとおり、国、地方を通じます大変な長期債務残高を抱えておりますし、またこれから地方公共団体がそれぞれの状況の中で住民のニーズに的確に対応していく、そして効率的な行政をやっていくためには地方公共団体もおのずから必要な行政及び財政の改革に取り組んでいかなければならないということは、これまた皆様方よく理解をしていただけることではないかと思っているわけでございます。 そういう意味におきまして、これはやはり地方公共団体においてもどういう形で行政改革を進めていくか。そういうことにつきまして、私どもの方としてこういう点について、例えばいろんなものにつきましても数値でできるだけわかりやすく住民に説明をした方がいいのではないかとか、あるいはこの厳しい状況の中でございますので経費の節減等を図るような施策を講じていくべきではないか、あるいは民間委託に合うような事業についてはこれを民間委託して、住民のサービスの向上のためにもまた経費の節減のためにもなるならばそういう方向で行うべきではないかとかいうようなことを、私どもとしての見解を申し上げ、御要請を申し上げていく、これもまたやはり自治省の仕事の一つではないかと私どもは考えているところでございます。 したがいまして、これからの地方公共団体に対する国民の信頼というものも含めまして、やはりこの行政、財政両面にわたります改革というものは確固たる決意で地方公共団体においても進めていっていただかなければならないと思っておりますし、私どももまたそれを要請していくことは御理解をいただきたいと思っておるところでございます。
○山口哲夫君 あと三十秒ありますので、大臣に要請しておきます。 大臣が先ほどお答えになった答弁と今の自治省のやっていることは私は大分離れていると思っております。どうか、自治体の議会でも御経験ある大臣でございますから、自治体の立場に立って、余り政府の方からとやかく言うべきではない。これは自治体を信頼していないからこういうことが起きるんだというので、大先輩の鹿児島さんという昔自治大学校の校長をやっていた人が本に書いていますよ。もっと自治体を信頼していただきたいと思います。 そういう立場でこれから大臣が行政をとり行っていただくように要請をして、終わります。
○委員長(宮崎秀樹君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————