決算委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1997/09/17
会議録
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四日、小林元君、福本潤一君及び武田節子君が委員を辞任され、その補欠として山崎順子君、渡辺孝男君及び山下栄一君が選任されました。 また、去る五日、堂本暁子君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として水野誠一君及び中尾則幸君が選任されました。 また、去る十二日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として笠原潤一君が選任されました。 —————————————
○委員長(宮崎秀樹君) 平成七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、文部省、郵政省及び科学技術庁の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(宮崎秀樹君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(宮崎秀樹君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○守住有信君 自由民主党の守住でございます。 きょうは、三省庁の日でございますけれども、やっぱり一番足元、親元でございますから、郵政省を中心に御質問、御意見を申し上げたいと思いますので、御関係のない方は、後の委員のときは別でございますけれども、よろしくお願いしておきます。 自見大臣、おめでとうございます。同じ九州で、前は宮崎から、今度は福岡からということでございます。 先々週、ここで大蔵省、三塚大蔵大臣以下、特に理財局長を呼びました。自治省の財政局長もあわせまして、郵政の特に郵便貯金の具体的な、あれは資金運用部で統合運用されております。したがいまして、特にその中での一番大事な地方公共団体に対する長期融資長期低利の社会資本の充実の地方債の問題これが一番大きなウエートを占めております。 ところが、資金運用部の名のもとに地方の財務局財務部から県や市町村に貸し付けておられますので、実態が、いわゆる借り入れ側の方の県、市町村の執行部はもちろん、議長、議会の議員も余りわかっておらぬ。郵便局もわかっておらぬ。 簡易保険の方は分離、直接運用いたしておりますから、これはどこの市町村に、どういう事業にどういう金額で、残高はどれだけある、総トータルから個別まで全部明確でございます。これは決算でございます。 ところが、郵貯資金については資金運用部の統合でございますから、大蔵省、財務局財務部がこれを履行している。借りる側の方もその資金が六四%でございます。特定局長初め郵便局員が誇りを持って一生懸命地域社会で預金者にアプローチして集まった金が、地方還元、地方の資金ですから地方還元という形で、もちろん地方ということは東京都も含みますよ、過疎だけじゃございません。そういう形で還流されて社会資本の充実強化、しかも融通条件は二十五年ないし三十年でございます。片や、銀行の方の民間資金は七年ないし十年でございます。金利も違いますよ。今最低の金利でございますけれども、〇・〇何%と違う。 では、百億、千億、一兆円、毎年その〇・〇何%がどれだけ地方住民の負担軽減になっておるかということが、資金の使途とリンクさせて市町村の議長や県議会議員、それはもうほとんど認識をされておらぬ。私自身、地方区議員でございますから、いろんな県議会議員、市町村議会議員、市町村長、県知事、出納長、収入役等々とも長い間接触しておりますけれども、そういう話題を出しましても、簡易保険の方は直接借りておりますから、証書貸し付けやら、これはある程度認識されております。一番大事な郵便貯金、簡易保険よりも三倍、四倍の資金が還流されておることが地方自治団体に身近な問題として長い間知られていない。 先々週、三塚大蔵大臣を初め理財局長、あるいは地方債を担当する自治省の財政局長にも、もちろん貯金局長にも申し上げたわけでございます。それ以来やっと理財局が動き出しまして、地方資金課でございますけれども、地方の財務局財務部に指示を出して、その貸付資金の中で一定の比率、六十何%ですけれども、その比率を出して、郵貯資金がどれだけ全国の各県、各市町村に長期融資をなされておるかということの計数がやっと最近出てまいりました。ただし、数字だけでございまして、やっぱりその事業名というか、義務教育整備事業でどうだ、河川改修でどうだ、道路整備でどうだ、公園整備でどうだ、圃場関連とか、いろいろ単独事業の事業名がございますけれども、それが全然書いてない。 そこで、地方ではそういう具体的な事業名がわかることによって議員の諸君方も特定局長も郵便局員もみずから努力をした。あるいは地域住民の長期の老後の備えとかいろんな意味での貯金が、このように地方の自治団体を通して地方の振興策あるいは社会資本の充実に役立っておるんだということを即物的に、まさしくこれが私は本当の端末の決算の効果だと思っておるのです。ただ数字だけではいかぬ、そこに具体的なイメージの出る、具体的な例示が出てくるべきだと思いましてやっておりまして、中間までは大蔵省から出ました。 報告に参りましたけれども、見たら数字だけ並んでおって事業名が載っておらぬ。これじゃだめだ。それで、中央が指令を発して、融資しておるのは地方の財務局財務部でございます。地方郵政局の貯金部でございます。あるいは郵便局長でございます。そういうシステム的な浸透の仕方、そして最後は住民へということ。民営化論もわんわん出ておる最中でございますから、余計そういうことをやらにゃいかぬというのがあれでございます。 貯金局長はずっと前から経過は既に御承知でしょうけれども、最近のこの地方債の郵便貯金資金、資金運用部資金の中での郵便貯金資金の具体的なイメージを地方住民に向かっても議員に向かっても出していく、これが今どういうふうな状況になっておるか、まず政府委員の方から御答弁いただきたいと思います。
○説明員(安岡裕幸君) ただいま先生御指摘のように、郵貯資金が地方に還元されている、そのこと自体を地域の預金者あるいは公共団体の皆さんに知っていただくというところは大変大切なことだというふうに思っております。そういう観点で、大蔵省からいろんなデータをいただこうということで、先生の御尽力もございまして、今いろいろと大蔵省とかけ合っているところでございます。そのデータをもとにいたしまして、具体的に資金運用部残高の中での郵貯部分を分計をいたしまして、各郵便局等に周知を図るなどしまして有効活用していきたいというふうに思います。 地方公共団体のトップはもとよりでございますけれども、具体的に助役さんだとか収入役さん等への説明を初め、郵便局の窓口でもいろいろパンフレット等をおつくりしてお配りする、あるいは預金者の会でやる。それから先般、たしか二、三年前だと思いますけれども、これは郵便貯金の資金でつくられた施設でございますというモニュメントをやろうということで、運用部を通じてやりますもので郵貯資金が具体的な形で非常に見えづらいというところを、いろいろと必要なデータを大蔵省と相協力し合ってとりまして、郵便貯金が地域にこんなにお役に立っていますよというところをこれからも周知を図っていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○守住有信君 今、途中経過と同時にモニュメントの話も出ましたけれども、簡易保険の方は直接貸しておるから、特に一番身近な市町村の事業、この市町村の事業にちゃんと看板を立てております、簡保積立金の融資先と。 それで、それぞれの施設の、あるいは農業基盤整備の田んぼのところに、あるいは庁舎であれば庁舎の横に、橋の横に、小学校の横にちゃんと市町村に立たさせておるんですよ。貯金の場合はみずからの事業費でみずから事業としてやっておられます。簡易保険の方は借りておる側がそういう施設を表示しておるんですね、公営住宅であれ何であれ。だから、まだまだ貯金は腰が引けておる、私から言わせれば。 それで、自分が役人のとき、簡易保険の運用課の課長補佐を五年半もやったんです。ちょうど運用再開十周年、独立十年、サンフランシスコ平和条約発効。それと同時に簡保は分離運用が再開される。十年たっということで独立十年、再開十年と言って、それで市町村が金を出して、業者はいっぱいおったですから融資施設に看板を立てるぐらい何のことはない、幾らでもそんなもの。それで、やらなきゃ貸さぬぞと言って、私は書類を抑えたんです。それくらいの意気込み。 ところが、貯金の方は大蔵に預けて、大蔵がやっておるものだから、それで自分の貯金事業の経費、歳出予算でモニュメントを何カ所か全国に建て出したと、ごく最近。これが実態でございます。 大臣、よく貯金、保険の両方を見比べながら、たまたまモニュメントの話が出ていかにもやっておるように聞こえるが、何を言うかと。自分の身銭を切ってやっておる。それは預金者の金を出しておるわけです。自治体の事業だから、自治体にどうせ土建屋がいっぱいおるわけだから、やれ、やれと言っておったんです。それにやらせる。このことも一言申し上げておきます。 さらに、私も全国からいっぱいとってみましたけれども、熊本県は詳細に把握しておりますが、例えば九州で長崎県とか大分県とか、福岡県はちょっと持ってこなかったですけれども、長崎県の例で申し上げますと、郵便貯金の金額ですよ、運用部貸し付けの中での郵便貯金二千九百十八億余、長崎市で一千九十二億円。その他ずっとあって、全体の残高は八年三月末六千二十一億円と四百七十二億四千万円、長崎県だけ取り上げても。こっちは大分県でありますが、大分県で二千三百八十一億円、大分市で一千四十二億円、その他市町村、これだけはファクスで大蔵から送ってきた。ところがこれに具体的な事業名がない、義務教育整備とか公営住宅とか公園整備とか。 それから、実際地域社会、末端に行くとただ金額だけで、金額は経理屋の話です、これは係長の話です。事業名こそが地域社会で、議員も、今やっておるあの事業がああそうなのか、こういうことになってくるんですよ。 あした自治省の日があるからあとはやめますけれども、これがもし民営化になったらどのようになるか、こういうわけなんです。二十年も三十年も公共資金を低利で、長期安定資金で貸し付けておる。これが民営化になったら、じゃ民間生保は自治団体に対してどのような条件で、どのような質と量で社会資本整備を加勢しておるのか、あるいは銀行は。こういうふうな金利、これを前提に置いた分析を郵政省はもっとやらなきゃいかぬ。 特に、自治省と組んで、財政局、行政局と一緒になって、これがもし民間と同じベースになっていったら地方公共団体の地方債の財源はどうなっていくかということまで学者グループも入れてやってもらいたい、こう思うわけでございます。またあしたもやりますけれども、これだけ申し上げておきます。 それからもう一つ、例の地方公共団体、県、市町村の指定金融機関、前も自民党の幹事長代理が自治大臣のときにここでやりました。みんな指定金融機関が銀行だけに指定されている。郵便局は頭から排除されている。振替サービスですよ、預貯金じゃありませんよ、振替サービス。住民の利便のための振替サービスが郵便局はアウト、みんな第一地銀を中心に銀行ばかり。銀行もいいんです、否定はしない、排除の論理じゃないんだ。何で郵便局も入れて、選ぶのは県民、市民が選ぶんです。自分に都合のいい、便利のいい方を、銀行でもいいし、郵便局でもいいし、町村に行けば農協でもいいんだ。それを裏で、九州出納長協議会というのがありまして、申し合わせをしておる。これは九州だけではない、中国だって四国だってどこだって出納長協議会というのがあって申し合わせをしておる。その裏は第一地銀だ、そして出納長の第二の人生。官僚の天下りと言われておるけれども、地方公務員の方は余り言われない。地方公務員の三役の一人ですよ。出納長をやめた後、これが世話をしてと言う。時間がないからあしたやりますけれども、自治大臣、同じ参議院だから、上杉さんだから。 そういうことで一遍もとへ戻ります、ぽんぽん話が飛ぶものだから。 例えば、都道府県別の公金自動払い込み実施状況、これは三、四年前から私は言い出してきた。平成九年の七月末現在、一都二府四十三県ありますが、どれだけか。これは項目は幾つもあって、項目ごとに決めることだ。 まず地方税、地方税といいましても一つじゃない、事業税、自動車税、固定資産税、都市計画税、住民税。それで地方税では東京都だけがやっと八年五月から事業税を、他の都道府県は事業税はゼロでございます。指定に入れておらない、郵便局の自動振り込みサービスに。自動車税はゼロ。公営住宅の使用料、全国でわずか四県でございます。東京都、新潟県、兵庫県、滋賀県、四県だけでございます。いわゆる県立大学の授業料、これはゼロだ。 例えば、住宅貸付還付金とか母子寡婦の還付金とか、納入だけじゃなくて給付もあるんです。ますます福祉の時代だ。自治団体は老人の方とか高齢者とか身障者とか、いろいろな給付もやっております。一々銀行まで行くのはナンセンスだ。選択の自由なんだ。母子寡婦還付金は一県のみ、三重県だけ。育英貸付償還金もゼロ、福祉施設負担金も全県ゼロ、これが実態でございます。 大臣、閣議の中で自治大臣と隣でお並びでございましょう。それで、私は実は既に非公式に自治省には申し上げておるけれども、全国の出納長会議をやった場合に貯金局長を呼びなさいと。二十分ぐらい時間を与えて、そういう縦割り行政ではなくて横との連携だ。まして、地方自治ですから、県民、住民のため、市民、村民のためというのが国民のためなんだ。国民の前に市町村民、県民がおって、その積み上げが国民になる、そして政府になる。そういうことで具体例も言っておきます、あしたもやるから。 出納長会議、全国で年に二、三回やっておりますよ。県知事会議はこの間総理以下やっておるけれども、これはちょっと政治論的な高度なあれですから別として、もっと実務的な世界ですから、全国出納長会議に貯金局長、保険局長は出席をして、そしてこういう実態、皆さん方の、住民のための貯金、保険ですよと。我々はそういう信念でやってきた。労働組合員もそういう思いで一緒になってやってきておるんです。以上、もう大分時間がたちましたので、三事業の方はこれだけにして、何かあるようだから答えてください。
○説明員(安岡裕幸君) ただいまの地方公共団体の公金自動払い込みの関係でございますけれども、郵便貯金というのはまさに地域の中に根差しての貯蓄機関だということでございまして、私どもの方もその本旨に即していろいろと地域住民の皆さん方の利便向上に努めていかなきゃいかぬ、こんなふうに思っております。まさに先生御指摘のとおり、いろんな公金を自動的に払い込みをしていくということは住民の皆さんの利便に通じる話でございますので、この辺の推進について今いろいろと力を入れているところでございます。 ただ、残念ながら、先生御指摘のように、まだまだ十分というところまでいっておりませんので、私どもとしても各郵政局等ももちろん督励をいたしますし、郵便局というのはせっかくの国民共有の生活インフラでございますので、私自身も関係の方面に銀行と同様にそういう自動払い込みの道筋もつけていくというところでいろいろと頑張っていきたいということを申し上げたいと思います。 いろいろ御指摘ありがとうございました。
○守住有信君 では、事業の方はそれくらいにしまして、行政の方について。 最初、メモにも書いておりますように、二、三年前ぐらいから、皆さん方もお聞きになりましたか、電磁波騒動。自動車電話から携帯電話、PHSへ、いわゆる売り切り制あるいは物すごい大量生産で物すごい倍率で伸びておる。都市生活者は絶えずこれを老いも若きも使っておる。これが実態です。ところが、この移動電話の周波数の先が、都会はいいです、都会はどんどんあれしておりますから、受発信機の装置がずっとあるから。この間もここであれしましたように、東京都内もいわゆるビル陰障害というので、大ビルの障害もあるけれども、法務省の屋上にやらせた、国有財産の利活用ということで。これは大蔵省の国有財産。ここは的確に動いて、法務省の官房長もぱぱっと動いて、事業者に使用許可すればいいんですから、これはできます。八月三十一日に一事業者、九月中にあとの三社もみんなでき上がる、大臣にも御参考までに申し上げましたけれども。 あの霞が関ビル周辺は電波障害地域なんです、高層ビルが山ほどある。それで、役人の諸君はちゃんと自分のオフィスの中に電話がある。あちこちの電話番号も知っておる。問題は、地方から来た陳情者です。幾つも分かれて、私は建設省に行く、私は農水に行く、私はどこへ行く、通産に行く。これ、連絡がとれぬ。これがあると、三つ棒がありますな、よく聞こえるかどうか。最初は郵政省の屋上、郵政省は端なんです、端っこ、大蔵も文部も。真ん中が法務省、大ビルを建てた。あの屋上は一番中心ですから、一カ所でいい。四社あるけれども、小さいやつが一本ずつ。これはもうでき上がっている。 問題は、田舎の方でございます、都会を離れたところ。小さい市でも、町村、中山間地域へ行けば行くほど全く聞こえぬのだ。そこで、いわゆる移動通信会社はいろいろ移動通信用の受発信機を上に乗せる鉄塔を立てようと、約四十メートルぐらいですけれども。ところが、これの反対運動が二年ぐらい前からどんどん起こり出して、新聞報道でも御承知だと思います。特に、私の足元でもそうなんです。反対運動のリーダーがおって、いっぱい住民を集めて、それで電波が身体の健康衛生に障害がある。 それで、ことしに入りまして、ことしの一月六日ですか、全部持っております、新聞報道。これは日経新聞だが、一月六日月曜日、「細胞の免疫機能 電磁波受け低下 労働省研究官ら確認」。あるいはまた東京新聞、これは共同通信が配信したものですから全国の県紙にだあっと載った。一月六日、東京朝刊、「電磁波で免疫力が低下 がん誘発の可能性も 労働省研究所実験 本格的対策スタート」というふうなことで、いっぱいあります。 そこでまず、電波、通信ですから郵政省に。私は、主計官までわあわあ言って九年度予算。そのかわり縦割りじゃいかぬ、横割りだということでいろんな省庁。例えて言うと、通産省も送電線を持っていますね。原子力反対運動とかいろいろあるが、送電線等の電磁界の調査研究、九年度予算三億五千万、電力中央研究所において動物実験を実施。 労働省は、ぱあんとやったものだから、労働環境における電磁界の調査研究。川崎にある、これ川崎の研究マンがぱあんとやっている。産業医学総合研究所において動物実験等を実施、六千五百万。 厚生省、ここが一番頑張らにゃいかぬ。生命、身体、健康。厚生省官房の厚生科学課、電磁界安全対策調査研究、厚生科学研究費一千五百万。よそと比べて小さい。 環境庁、環境保健部環境安全課、個人暴露量測定手法の調査研究。国立環境研究所において電磁波の動物実験等を実施。測定手法は約一千万、本省。国立環境研究所の方は約三千万、動物実験。郵政省、まず郵政省が一番中心ですから、電磁環境試験棟の整備、通信総合研究所で十億円、まず試験棟。その中で動物実験の委託研究、民間の研究所等も含めて委託研究四千六百万。それから、通信総合研究所自体における生体安全性評価技術、いろんな研究所がありますから、いろんな角度で研究しておられます。この客観的評価、評価技術の研究が六千八百万。 こういう形で、科学技術庁も入っておりますけれども、科学技術庁は放射線の方ですね。ばらばらだから、どこか中心が、やっぱり環境衛生ですね、環境である。電磁波環境、環境衛生。したがって、環境庁が中心になって、この六省庁に科学技術庁も入れて、そうして研究成果をお互いが横断的にも出し合って、プラス・マイナスいろんな面、欠けた面、そういうものを持ち寄って新たな徹底した研究をせにゃいかぬ。 もうアメリカにおいては、大分前、小児がんの前兆になる、こういうので世論も騒いだんです。ところが、アメリカのがん研究所、日本も何かどこかが入っておるという話だが、ECやその他とも共同研究して成果がどんどん生まれております。 非常にナーバスですから、心配を受けるんだよ、これなんか。それで、どこかの研究マンがぱっと言ったら、ばっとマスコミに載って、うわっとなる。 そこで、今実態は、研究所の話は二の次で、後にしまして、この鉄塔の反対運動が全国的にどのような社会運動になりつつあるのか。 情報格差ですよ。あまねくと、こういった理念でやっているところは。こっちはもう反対で、聞こえぬと。その周りの住民は聞こえぬでよか、結果的にはそうなる。 それが去年、おととしから、NTTのNlSTAR、移動通信衛星が打ち上げされたときはとてつもない金額ですから。ところが、端末が百万円する。何千円じゃないんだ。それで、専ら使われておるのは船舶。船舶に一台置いておけば、船乗りだけじゃいかぬ、船長だけじゃいかぬというわけで、お客様が通信費だけで日本国内どことでも電話できる。それで、もう四千台近くこれは売れております。ところが、陸上系の方は警察と消防署だけだ。百万円もしますから、一人一人というわけにいかぬ。会社ごとというわけにもいかぬ、これは衛星の方ですけれども。 私が言っておるのは地上波の移動通信の方だ。これの最近の状況、どういうふうな電磁波騒動が起こっておるか、反対運動が起こっておるかということを全国的に当然把握しておられると思うから、住民にかかわった通信行政だから、これの御説明をお願いします。
○説明員(谷公士君) お答えいたします。 確かにここ一、二年、携帯電話は急速に伸びてきておりまして、これに伴いまして、この基地局建設をめぐって携帯電話の事業者と地域住民の一部の方々との話し合いがスムーズに進んでいないという事例が出てきております。 ことしの九月一日現在で、郵政省に対するこの基地局建設に関係します。辺の住民の方からの陳情等は全国で三十五件ということになっております。 この理由といたしましては、御指摘の電磁波の人体に対する影響の懸念の問題あるいは鉄塔の安全性の問題等いろいろな事情はあるわけでございますけれども、主としてこの電磁波の人体に対する影響の問題ということでございます。
○守住有信君 そこでもう一つは、さっき言いました各研究所の客観的、科学的な研究調査をずっと各省庁関連で深めていくわけですから、その推進役が環境庁だというふうにとらえておりますから、環境庁の方から、今度は研究調査の方、それの今後の取り組みというか、二、三年ぐらいかかると思いますが、それでオーソライズせぬと、マスコミも記者クラブも社会部が来ておるんです、社会部が。科学部でないと、こういう問題は総合科学だから、そこらのところをいろいろ御説明いただきたいと思います。
○説明員(田中健次君) 先生御指摘の電磁波の健康影響につきましては、今先生がいろいろ例をお挙げになりましたけれども、私ども環境庁ももとよりでございますが、通産省、郵政省、労働省等々でそれぞれの立場から調査研究を進めておるところでございますが、今御指摘にもございましたように、各省連携をとってさらに研究を進めていくということも重要でございます。 そうしたことで、環境庁ではこれまで関係の七省庁、環境庁のほかに科学技術庁、厚生省、通産省、運輸省、郵政省、労働省、この七省庁で構成をいたします連絡会議を平成八年の四月に発足させまして、電磁波の健康影響の解明等につきまして情報交換等を行っております。これはかなり頻繁に行っておりまして、連携の強化を図ってきておるところでございます。 今も御指摘がございましたように、この電磁波の実態の把握、それから健康影響に関する調査研究をさらに急いで進める必要があるわけでございまして、私ども関係省庁の連携のほかに研究者レベルでの連携も必要であるということで、研究者レベルでのこうした連携も積極的に進めていくという方向で今動き出しております。 具体的に申し上げますと、この秋、十一月ごろになろうかと思いますけれども、国立環境研究所、私どもの研究所の研究官を中心にいたしまして研究者のネットワークの構築を目指してワークショップを開くというふうな計画が進んでおります。電磁界の研究を行う研究機関や研究者、それから研究テーマの統一的な一覧表をつくり、研究者のネットワークのあり方をいろいろ考えていく。それから、国内の研究者による研究の内容の発表や意見交換も行っていく、これをまた文書に取りまとめていく。こういうことで研究者間でも連携を進めていくように準備を進めております。 こういったことで、先生御指摘の問題につきましては、さらに私どもも環境庁を中心に積極的に進めていくということをやっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○守住有信君 今お話しになりました行政同士だけでなくて、研究マン、研究グループ同士の、しかもお話に出たワークショップという、これは郵政省、ワークショップと一生懸命推奨しているじゃないか、その一つの例にもなるんだから。政策の方は政策で、電磁波はこれは理工系の方だけれども、ワークショップの方も。 それから、もう一つお願いがあるのはアメリカだ。アメリカは長い間ずっとがん研究所その他研究所で今までやっておられたように日経新聞その他朝日等を拝見すると感じるんですね、私は素人だから。やっぱりそっちの世界は先進国だから、副大統領だけじゃないからね。そういう世界ともよく連携し合って、正しく行かぬと、啓蒙運動をやっていかぬと非常なデフォルメや誤解を招いてあおるんだよ。それで、反対運動のいろんなどういう人か知らぬが来て、熊本でも県立劇場で火つけて、わんわん何百人と集まって、こうなるんだよ、それで反対。仮処分申請まで出ている、これが実態です。そのことを申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。 あと、最後にこれは放送行政と民放界との関係の問題ですけれども、例のCM放送、あれが福岡や北陸や、近ごろは何かラジオの方でも起こったとかなんか言っておる。それで、呼んで個別的には注意喚起したけれども、その前に私がジャーナリストからちょっと聞きよったら、昭和五十六年ないし五十八年ごろ、民放連の一部でもCM放送確認の組織を社団法人か何かでつくって、コンピューターを使い放送波の中に信号を入れ込んで、ちらっちらっとした見えぬ信号ですから、業界内部でCMのチェックをやろうではないかという議論が起こったけれども、当時、業界、民放界全体も、あるいは郵政省の当時の電波監理局時代かな、も消極的であったというふうなぼやっとした情報を私は聞いたわけです。忙しいものだから、当時の逓信委員会の会議録を引っ張り出して自分自身だけで調べるわけにはいかぬものだからね。 放送の中でのCM、この品位というか、デフォルメされたようなとんでもないコマーシャルが、公序良俗を乱すようなことが起こっちゃいかぬといって当時の民放の一部で、CM協議会というのかがあったんです、任意団体でした。それを公益法人で社団法人にして、行政とのタイアップをやりながら、もちろんCMも番組ですから放送の自由、表現の自由があるわけですけれども、そういう間接的な連携をとりながらという思いであれを公益法人としたのが延々と何だか二年半ぐらいかかった覚えがある。これは任意になってからですがね。 それで、広告というと恐らく通産省所管だ、広告業界は。広告業団体がありますよ、公益法人が。そういう認識でありましたけれども、やっと二年半ぐらいかけて協議会ができておりますな、CM業界。要するに、放送事業者と、今度はCMの番組制作会社、あるいはもう一つが各スポンサー、これが無限にあるわけだが、その三者との連携調整というか、それを業界が自主的にやりましようというふうな性格の団体だと受けとめておりますけれども、そういう動きもある。 片や、CMのごまかしをやった。そのときは説教したけれども、役員をやめるとか退職になっているとか、その企業もそうだけれども、今後五年たち十年たっていったらまたけろっとなるかもわからぬ。それならば、前のようなコンピューターを使ってCMを入れたら、電波の中にCMの番号が入っておる、それでコンピューターで自動的に確認してチェックできるシステム。たしかCM放送確認組織というか、そういうものを自主的に業界の中でやって、業界のルール、倫理をきちっとしようではないか、こういう動きだったと理解しておりますけれども、こういう点についても、今はまあいいですから、十分いろんな角度で民放連とも協議されながら、きちっと今後に向かっての対処ができるようなシステムづくり、これをお願いしたいということを最後に申し上げる次第でございますが、こういう点についてどういう認識をお持ちですか。
○説明員(品川萬里君) お答え申し上げます。 ただいま先生がお触れになりましたコマーシャルを放送したかどうかの確認をする仕組みをつくってはどうかという動きがあったということは、私どもも昭和五十五年当時に何かあったというふうには仄聞してございますが、今先生も御指摘のように、関係者の話し合いが調わず実現に至らなかったというふうに聞いております。 それで、残念ながらコマーシャル問題におきまして、正しく放送しなかったというようなことで、放送業界においても関係業界においてもこれからこうした事態が起こらないように再演防止ということでいろいろ話し合いが進められております。いろいろ形は別でございますけれども、今先生が御指摘になったように、一過性ではなくて、こうした事態が二度、三度起こらないようなシステムと申しますか、仕組みをつくろうではないかということで関係者の努力が進められておりますので、私はその努力の成果が立派な結果につながるようにということを期待しながら見守っておるところでございます。また、行政としてもやることがあれば適時適切に対応してまいりたい、このように感じております。
○守住有信君 CMのチェック方式ではないけれども、おとといの日経に「TBSが番組検索放送」、ジェムスターと連携して地上波、衛星放送に。物すごい多チャンネルの時代になりますから、受信者というかテレビを見たい方々にはいつ何の番組がどこで出てくるのかわからぬわけだから、それを目指した一つのシステムだ。これはアメリカでも既にやり出したし、台湾でもどうだとかいろいろ言っておるが、これももう一つのわきの話だけれども、近く郵政省から必要な免許を取得する、ここのところに「TBSも十六日に子会社を通じ郵政省から必要な免許を取得する。」、こういう動きはどんどん出ておる。 もう一つ、両サイドを十分検討してシステムづくりに努力してもらいたい、以上が私のお願いでございます。 終わります。
○吉川芳男君 自由民主党の吉川芳男です。 まず、第二次橋本改造内閣で新しく閣僚になられました町村文部大臣、自見郵政大臣、谷垣科学技術庁長官に対しまして御就任のお祝いを申し上げます。 本日は平成七年度決算の文部、郵政、科技庁所管の省庁別審査でありますので、新閣僚の皆さんの抱負等もお聞きしたいところでございまするけれども、決算審査の具体的な問題に入らせていただきます。 橋本内閣は、行政改革、財政構造改革など六つの改革を掲げて二十一世紀の国づくりに向けた精力的な取り組みを行っていますが、国づくりのもとは何といっても人づくりであり、教育改革の重要性は今さら申し上げるまでもないところであります。 しかし、省庁の再編や財政構造改革の問題に目を奪われて、国民には六つ目の改革でありまする教育改革という姿が余り見えてきていないと思うのでございますが、町村新大臣には、心の教育の問題を初めといたしまして、世界が大競争時代に入る中でそれに耐え得る人づくりの問題に取り組んでいただきたいと思うわけでございますし、また教育改革の中身を早急に国民にお示しいただきたいのでありますが、まずこれに対してコメントをいただければお願いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 文部大臣を拝命いたしました町村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ただいま吉川先生から御激励とともに教育改革の姿がはっきりしないではないかという貴重な御指摘をいただきまして、まことに恐縮をいたしております。 既に、ことしの一月に教育改革プログラムというのを出しまして、また八月にさらにその改訂版を出したところでありますが、御承知のように非常に文部省の行政は多岐にわたっているものですから、初等中等段階あるいは研究の段階あるいはスポーツ、文化、いろんな面でちょっと間口が少し広過ぎるのかもしれない。したがいまして、これが橋本教育改革ですというポイントがいささか絞り切れていないこともあってでしょうか、どうもいまいち皆さん方に対するアピールといいましょうか、御理解が進んでいない面があるのかなというような気もいたします。 今先生から御指摘もございましたので、改めて総理ともよく御相談をし、御指示も受けながら、これが橋本教育改革だというものを少しく絞って、国民の皆様方の御理解をいただき、また諸先生の御理解もいただきながら進めてまいりたい、かように考えておりますので、ひとつ御叱正のほどをよろしくお願い申し上げます。
○吉川芳男君 それでは、決算に関連いたしまして二点お伺いいたします。 まず一点目は、育英奨学事業の今後のあり方についてでありますが、その中でも返納、返済の滞納についてであります。 日本育英会の奨学金は人材養成に大きな役割を果たしておりまして、現在の貸付金残高は一兆七千億に及ぶと聞いております。一方で、七年度決算検査報告で滞納金が約二百億円に上っているということが指摘されておりまするけれども、この件に対する文部省の所見を伺いたいのであります。
○説明員(佐々木正峰君) 先生から御指摘いただきましたとおり、日本育英会の奨学金の累積の要回収額は平成八年度末までに一兆六百二十三億円でございます。このうち九七・九%に当たります一兆三百九十九億円は回収をしておるところでございますが、滞納額が二百億円余に上ってございます。 文部省といたしましては、育英奨学事業は卒業生の返還金を次代の奨学生の奨学金の原資に充てるということでございますので、奨学金の回収を徹底して行うということが極めて重要であると認識をいたしておりまして、そのためには返還意識の徹底を図ることと同時に、返還しやすいようなシステムをつくり上げていくということが大事であると考えておりまして、口座振替によって毎月預金通帳から引き落とされるような、そういう方法を積極的に推進をしておるところでございます。また、滞納者や連帯保証人に対しまして、早い時期から電話やあるいは文書による督促を行う等、滞納者を減らして滞納額を減らす努力、そのための対策を進めてまいりたい、そのために日本育英会を強く指導しておるところでございます。
○吉川芳男君 滞納の解消に向けての努力は今お聞きしましたし、また当然求められているわけでございますが、今後、従来の学部学生の中心の奨学金から研究者育成、養成の視点に立った大学院に対する支援を強化するなど、重点を絞った奨学事業への転換が求められているというふうに聞いております。そういう点についての見解と、また遺産とか贈与、寄附というものについてはどうも欧米よりも日本のあり方がおくれているというふうに受け取られがちでございますが、それらに対しての工夫があったら聞かせてください。
○説明員(佐々木正峰君) 現在、民間からの寄附によって育英奨学事業を行う公益法人が約千百五十団体ございます。そして、約十万人の奨学生に対して総額約三百十億円の奨学金を支給しておるところでございます。このような公益法人のうち、教育の振興に寄与することが著しいもの、これに対する寄附金につきましては相続税は免除となっているところでございます。 また、育英奨学法人のうち、特定公益増進法人としての証明を受けたものあるいは指定寄附金の指定を受けた寄附金につきましては、一定の範囲で所得税あるいは法人税について課税対象外、損金算入の税制上の優遇措置が講じられておるところでございますが、御指摘のように欧米に比べますと税制面での優遇措置についてはいまだしという感がございます。引き続き、文部省といたしましても税制上の優遇措置の改善について努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○吉川芳男君 次に、留学生十万人計画の未達成の問題についてお伺いいたしますが、この問題は、中曽根内閣のころに文部省では二十一世紀初頭を目途に留学生受け入れ十万人計画を推進していこうということでお決めになったわけでございますが、近年の様子をグラフで見ますと五万数千人ぐらいのところで横ばいよりもさらに漸減の方向に向かっているようで、非常に憂慮にたえないと思うわけでございます。 今後の計画達成に向けてはどんな方策で臨まれるのか、これはいろんな方面で日本への留学を魅力あるものにしなきゃならぬというふうに提言はされております。 例えば、日本の学位はアメリカのそれよりも国際的には通用性がないとか、あるいは周りの大学生は、これは日本人のことなんでしょうけれども、見るとほとんど勉強はしていない、勉強したいために来ているのにさっぱり周りは勉強していないなんていう話を聞くんですね。それから、物価が高くて生活がしにくいというようなことから、どうも日本への留学生が減りつつあるのではないかというふうに言われております。 日本をよく知ってもらうためにもこの目標はぜひクリアしてもらいたいものだなと思うわけでございますが、いかがでございましょう。
○説明員(雨宮忠君) ただいま先生御指摘ございましたように、昭和五十八年におきまして、当時我が国で受け入れておりました高等教育機関への留学生受け入れ数が約一万人そこそこであったわけでございます。それで、二〇〇〇年ごろには十万人にという目標を立てまして鋭意受け入れ体制の整備等を図ってきたわけでございますが、平成七年から八年にかけまして減ってまいってきたわけでございまして、それまでの間はほとんど想定した計画を上回る勢いで伸びてきたわけでございますが、ここのところ伸び悩み、あるいは減少を見ているわけでございます。 これにつきましては、今先生も御指摘ございましたように、我が国の生活コストの問題あるいは我が国の経済的な状況の問題あるいはアジア諸国におきます高等教育機関の整備の状況等々、いろいろな複合的な要因が重なっていることとは思うわけでございますが、しかし私どもといたしましては、国際交流の重要性ということにかんがみまして、極力今後とも留学生の受け入れ体制の整備ということにつきまして意を用いてまいりたい、かように思っているわけでございます。 今先生御指摘のように学位の問題、これは多分に日本人学生に対する学位の問題ということもまた絡んでいるわけでございますけれども、極力留学生に対して学位を出しやすいようにする、あるいは日本人学生も含めまして大学教育全体の改善を図るというようなこと等々の施策を通じまして、極力留学生受け入れ体制の整備ということにつきまして努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○吉川芳男君 次は、動燃問題について幾つか御質問を申し上げますけれども、まず高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故と会計検査院報告についてお伺いいたします。 会計検査院の平成七年度決算検査報告には、第三章に「特定検査対象に関する検査状況」という項目を置きまして、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム事故について記述されておりまするけれども、長い記述でございますので全文はお読みできませんが、そのほんの数行を読ませてもらえば、「平成七年十二月に高速増殖原型炉もんじゅでナトリウム漏えい事故が発生した。 科学技術庁、原子力安全委員会等の報告書によれば、事故の発生原因は、二次主冷却系の温度計さやが破損したためとされ、太管部から細管部に急激に太さが変わる段付きの温度計さやの設計に問題があったとしている。また、動力炉・核燃料開発事業団には、設計図面の検討の過程で設計上の問題点を指摘、改善できなかった点で問題があったとしている。」というような記述の後に、「一次冷却系の温度計さやの設計については、その審査は必ずしも十分ではなかったと思料された。 したがって、このような小型機器の製作についても、より一層慎重な設計の審査が望まれる。」とした上で、最後に「事業団では、もんじゅの安全性及び信頼性の向上を目的として、もんじゅの総点検を行うこととしているので、本院においても」、「本院」というのは会計検査院のことでいらっしゃいますね、「今後、その内容について注意深く見守ることとする。」と、こういうふうに記述して締めくくっているのでございますが、この資料の「注意深く見守る」ということでは、これは検査院の立場としては少し足りな過ぎるのではないか。 私は、強いて言えば、指摘だけじゃだめだと。つまり、四十八本もの温度計がナトリウムの配管の中に埋め込まれているわけでございますが、その一本に破損事故が起これば当然に他の四十七本にも同様折損の可能性ありと指摘しても可なりだと私は思うのでございますが、それを総点検を、その総点検も約一年かかると言われているんですね、経てから直しますでは余りにも手ぬるい話じゃないか。現にナトリウムがもう抜き取られているならともかく、それは温度においてもその流速についても非常に抑えられた形になっているということは私も十分承知でございまするけれども、またもし漏えい事故があったら、これはかっての原子力船「むつ」の二の舞になると思うんですね。どんなに量が微量であろうと国民はとうとうこれを許してくれなかったわけですよ。廃船になったというこういうことも考えた場合に、私は国民の信頼を回復するためにももっと踏み込んだ会計検査院は指摘をなさってもいいと思うのでございます。 そういうことについて、まず会計検査院が「注意深く見守る」という程度で抑えられた理由をひとつお聞かせ願いたいと思うんです。
○説明員(小川光吉君) 「もんじゅ」の総点検につきましては、設備等を点検し、改善策を策定いたしまして、「もんじゅ」の安全性、信頼性をより一層向上させるということを目的として行うものであります。 会計検査院としましては、非常に重要なことでございますので、昨年の検査報告において温度計のさやの設計審査について先生今御紹介ありましたような所見を述べさせていただきまして、「もんじゅ」の安全総点検を見守るという記述にいたしたわけでございます。 総点検の内容は、事業団みずから行われるものもありますし、メーカーさんに行わせるものもありますけれども、その内容というのは、原子力というようにふだんなかなか聞きなれないような非常に高度に専門的、技術的な内容でございます。正直な話申し上げまして、これに対応できるような高度な技術、知識を本院として今後獲得するように努力しなきゃならないということは申すまでもないことでございます。しかしながら、現在ではなかなかそういう職員を配置するということは困難なところでございまして、今後はそういう職員を配置するなり、あるいは現在の職員を研修などを充実いたしましてそういう先生御指摘のような踏み込んだ検査ができるようにしてまいらなきゃならないというふうに思っております。 しかし、この安全総点検につきましても多額の費用は投じられるわけでございます。したがいまして、この「もんじゅ」の安全総点検の実施にかかわります事業費が適正に使用されているかどうかを中心にいたしまして、できるだけ委員御指摘のように踏み込んだ検査を今後執行してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○吉川芳男君 続いて、動燃の東海事業所のウラン廃棄物貯蔵施設の予算執行及び廃棄物保管状況についてお伺いいたします。 相次ぐ動燃事故とその後の対応の不手際が続く中で、さらに先月末には東海事業所のウラン廃棄物貯蔵施設において長年にわたって低レベル放射性廃棄物の管理がずさんであったことが明らかになったわけでございます。いろいろ資料、写真等も見せていただきました。 この老朽化して浸水している地下式貯蔵庫の補修経費として、一々金額は申しませんが、平成五年度に建屋の設計費、六年度には建屋の工事費、七年度には廃棄物の移転費、八年度には貯蔵庫の補修費、平成九年度には貯蔵庫の内壁改修や結露防止対策費が積算され予算化されておりまするけれども、その大半は貯蔵庫の浸水対策費に流用されておる、しかも来年度概算要求には実態とかけ離れた予算要求を計上しておるということが報道されておるわけでございますが、これが事実なら予算要求とかその執行のあり方に重大な問題があるんじゃないかと思うわけでございます。会計検査院はこのような動燃の予算執行についてこれまでも検査を実施してきたのであるかどうか、またこの問題に対して今後どのような姿勢で臨むか、所見を承りたいのであります。 ついでに申し上げますと、一部には予算の流用は認められているものであるというような抗弁をしている向きもあると聞きまするけれども、そういうことが一体許されるのかどうか、ひとつお聞かせ願いたい。
○説明員(小川光吉君) 今回の問題に対する検査でございますが、会計検査院は科学技術関係の予算が非常に増大していく中で重点を絞った検査をやらざるを得ないわけでございまして、残念ながらこの件については過去に十分な検査ができなかったということでございます。 それから、今回の流用の問題につきましての検査院の考え方でございますが、予算を執行していく段階では、予算どおりに執行できなかったりいたしまして流用の必要性が生ずるという場合がございます。一般的には、予算要求あるいは作成の時期とそれから執行の時期に時間的なずれがございますものですから、その間の状況、情勢の変化等がございますためにやむを得ず流用するというケースが出てくるわけでございます。 しかしながら、今回の動燃の予算の流用につきましては、流用そのものが動燃の規定、そういうものから見まして直ちに違法というようなものではないと認識しております。 しかしながら、廃棄物の保管が適切でないという事態が長い間にわたって続いておりました上に、それに対する特段の措置がとられていないことや、そのための予算要求も行われているわけですけれども、長年にわたり執行されなかったわけですから、実態を反映していない予算が要求されているというような状況がいろいろ積み重なっておるわけでございます。 そういうことを考えまして、動燃における予算の実際の執行の結果や事実関係を今後調査、確認して、その執行の状況を把握してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○吉川芳男君 この問題については、監督官庁である科技庁の責任は私はかなり重いものだと思うのでございますが、科技庁は東海事業所のウラン廃棄物貯蔵庫に関する予算措置及びその執行について調査されたかどうか。その結果、問題がなかったかどうかということについてどのような認識を持っておられるのか承りたいところです。さらに、浸水したウラン廃棄物貯蔵庫からの排水により施設の周辺の環境汚染が心配されているわけでございますが、放射能調査というものはどのようになっているか。また、当該施設については科技庁は昭和五十七年に指導する機会があり、五十八年及び五十九年には貯蔵庫に係る調査移転費が計上されながら今日まで十五年も放置されたというのは一体どういうことになっているのか。お役所仕事というものには私は考えられないところなんですけれども、監督者としての認識はどうであるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(加藤康宏君) 最初に予算の執行の関係につきまして御説明させていただきます。 先ほど貯蔵ピットに係ります予算と執行の差額の問題が御指摘されましたが、その充当の状況といたしまして、主といたしまして同じ東海事業所にございますプルトニウム燃料の第一開発室、それからその関係でユーティリティー施設等の安全維持のための設備の更新にまず使わせていただいております。 それから、その当時、IAEA、国際原子力機関からの要請がございまして、プルトニウム取り扱い施設に関します工程の中でプルトニウムがたまっていた、そういうものは減らすべきだというそういう御指摘がございまして、そのためのプルトニウムの量を確定する、そういうことに関連した事項等に充当させていただいております。 当庁原子力局におきましても、本社並びに現地にその辺の状況の調査に参りました。動燃事業団がとりました契約書類、回議書、帳簿等を調査いたしましたし、現地でそれら設備の状況等を調査したところでございますが、これまでの調査ではそれらは適正に執行されているところがわかっております。 先ほども話がございましたように、一般論といたしましては、動燃事業団におきましては事業団法の関連規則によりまして弾力的、効率的な執行というのが認められておりますけれども、先ほど検査院からも御指摘がございましたが、今回の執行につきましては、改修費として計上された予算を止水工事等の応急措置に使いまして安全確保のための抜本的な対策を講じなかった、そういうことが一点問題でございますし、また改修計画の変更があった段階でその状況に応じた予算要求に反映しなかった、そういう点につきましても問題であると考えております。 当庁におきましても、その予算執行に関して実態を十分把握していなかった、その点につきましては反省している次第でございます。
○説明員(池田要君) ただいま先生からこの施設についての環境の調査、それから五十七年調査の過去の経緯についてのお尋ねがございました。本件が明らかになりましてから、私ども直ちに、この件が周辺の住民の皆さん、それから国民一般に大変な心配をかけていること、大変重大なことと思っておりまして、先月二十六日以来原子炉等規制法に基づきます立入検査を行っているところでございます。 これまでに、この調査と並行いたしまして、周辺の地域におきます環境放射能についても調査をしてきてございます。幸い、動燃東海事業所の周辺につきましてはいろいろな施設があるものですから、もう二十年ほど前からこの環境放射能については河川の水でございますとか河底土あるいは井戸水、こういった各般にわたります放射能モニタリングが行われてきてございまして、今回改めて調べましたところでもこういった環境放射線につきましては異常が認められていないといったことは確かめたところでございます。 なお、今回改めましてこの施設周辺の土壌でございますとか川の水、井戸水、こういったことにつきましても私ども科学技術庁みずからサンプリングを行いまして調査をいたしました。その結果では、特段の影響と見られるものはないといったことも確認してきたところでございます。 なお、念のためにこの周辺につきましても、さらにこの施設からこういった汚染された水が漏れ出したということがないかどうか、こういったことは見きわめる必要があると思いまして、動燃事業団によりますボーリング調査等が行われているところでございますし、この結果を踏まえて専門家によるまた評価をさせていきたいと思っているところでございます。 なお、本件につきましては、先生御指摘のとおりに、五十七年に私ども検査官が調査を行う機会がございました。その際に、この施設につきましては一部底に水がたまっているといったことも見た次第でございます。これにつきましては、当時、この水を除去すること、それから廃棄物の異常の有無について適宜確認しなさいといった指示をした経緯がございました。しかしながら、その後一カ月ほどたちましてから事業団から文書によって、水は取った、それから長期的な対応策については検討して後に答えるといったことのやりとりがございました。しかしながら、その結果が確認されないままに時日を経過したといったことでございました。私どもといたしましても、この間事業団によってしかるべき措置がとられなかった経緯につきましては、いまだ立入検査の継続中でございますし、その事情につきましては調査をしていただきたいと思っております。 なお、役所といたしましても、このような問題点を見る機会がありながらその後の適切な処置に結びつけられなかったといったことにつきましては、大変反省しなきゃいけないことだと思っております。
○吉川芳男君 この問題、きょうは動燃の近藤理事長さんがお見えでございます。参考人として来ていただいたわけでございますが、ひとつ理事長さんにもお聞きしたいと思うのでございます。平成七年末の「もんじゅ」事故以来、本年に入りましてからも、また三月の東海事業所における火災爆発事故や四月に明らかになった「ふげん」の重水漏えい事故、そしていずれも事故発生後の通報のおくれなどがたび重なっている不手際が続いており、「もんじゅ」事故の反省が生かされていないんじゃないかというのが大方の国民の意見でございます。 さらに、ウラン廃棄物貯蔵庫の問題に見られますように、動燃の予算要求や執行にも疑念が生じているということで、本年、平成七年度決算審査に際し、「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故以来の相次ぐ動燃事故から、最近明らかとなった予算執行の問題について理事長さんからは総括的所見を承りたいのであります。 その前に、動燃の整理縮小への改革検討委員会の報告がまとまりました。これなかなかいろいろ問題点をたくさん含んでいると思いますが、当事者でいらっしゃる理事長が新聞にもコメントを出していらっしゃいますが、私は、動燃というのは大きくなり過ぎたんではないか、とても管理がし切れないからこういうような問題が起きるのかなというふうにも思っていますが、理事長さんの率直な、管理、運営されている立場といたしましての御見解をお聞きしたいと思います。
○参考人(近藤俊幸君) 御指摘のように、一昨年の「もんじゅ」事故以来たび重なる事故とその後の不手際に加えまして、このたびのウラン系廃棄物屋外貯蔵ピットの不適切な管理が明らかになり、また我が国の原子力に対する不信感を増大させたこと、まことに遺憾であり、大変申しわけなく思っております。理事長就任以来、「もんじゅ」のナトリウム漏れで失われた技術的信用の回復、ビデオ隠しで失われた社会的な信頼の回復に向けて安全意識の改革を初めとする動燃改革に取り組んでまいりましたが、やっと軌道に乗りつつあるかと思っていたやさきに今回の問題を生じたこと、まことに残念でございます。 これらの不祥事の根底には、動燃技術者特有の、技術は自分たちだけでわかっておればよいといった閉鎖性、また、法定の値以下ならば構わないじゃないかといった放射能に対する社会一般との安全意識のずれ、新しい技術開発には熱意を持っておりますが、反面、施設の保守管理への関心は薄いと、こういったことがあることは否めないと思います。これらを改革することは当初私が思っていたほど生易しいものではないと痛感している次第でございます。 一方、動燃の核燃料サイクルにかかわる研究開発の成果は将来のエネルギー開発に必要な財産であり、これを生かすことも私の使命と考えて改革に取り組んでおります。さらに、動燃改革をできる限り速やかに達成して、原子力に対する国民の信用、信頼を一日も早く回復するのが当面の私の責務と考えております。動燃改革検討委員会で貴重な御指摘をいただいております。これの指摘を踏まえて新たな決意のもとで動燃改革を進めてまいる所存でございます。 それから、先ほど縮小の問題についてどう考えるかというお問いでございますが、確かに動燃の使命は新しい原子力の技術開発ということになっております。したがいまして、実用化段階近くなったものあるいはその段階に入ったものについては民間に手渡していくというのが動燃の使命だと思います。そういう観点から見ますと、例えばウラン濃縮の分野あるいはウランの最高技術の分野、あるいは軽水炉の使用済み燃料の再処理の分野もその状況に来ていると思います。したがいまして、こういう分野は整理縮小して民間の方に移していく。動燃といたしましては、高速増殖炉の開発並びにその燃料関係の開発、それから高レベル廃棄物処理・処分の技術、その分野の開発に絞って開発を進めるべきだ、こういうふうに思っております。 以上でございます。
○吉川芳男君 この問題の最後に、科技庁長官の決意のほどを承りたいと思います。 本日、私は多くの時間を割いてこの動燃事故の問題を取り上げましたが、動燃改革検討委員会が八月に公表された分析、提言の中で、「動燃の問題が解決できないとすれば、日本の将来は無いという問題の構造がここにある。」という一節があるわけでございますが、そういう言葉にも共感を抱いているものであります。 我が国は高度な経済発展を遂げておりまするが、一方、経済発展の基礎となるエネルギー資源は国内では決定的に欠くという不安定な要素を抱えている中で、エネルギー安全保障の問題が極めて重要であることはもう申し上げるまでもありません。 また、地球環境の問題を考えるときに、我が国だけでなくて、人類の生存のためにもエネルギーの未来技術の開発に託する以外にはないと考えて、核燃サイクルの実用化を目指す日本がその努力を放棄してはならないと考えておりますが、この動燃の失敗を二十一世紀には日本の動燃の成功に変えられるように関係者全員、総力を挙げて取り組んでいただきたいという私の気持ちと意見を申し上げまして、新長官の決意のほどを伺いたいのであります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 科学技術庁長官を拝命いたしました谷垣禎一でございます。 宮崎委員長初め参議院決算委員の先生方によろしく御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げる次第でございます。 今、吉川先生から動燃改革に対する私の決意はどうだというお問いかけをいただいたわけでございますが、先ほどから御質疑をいただいておりますように、一昨年十二月八日の「もんじゅ」の事故に始まりまして、本年三月のアスファルト固化処理施設の火災事故、そして昨今のこのウラン廃棄物の貯蔵ピットの不適切な管理の問題と、一連の不祥事がございました。そして、これが単に、単にと申してはちょっと語弊がございますが、事故が起きただけではなく、その後の処理のあり方もまことに適切を欠いたという状況がございまして、原子力政策に対する地元の方の不安あるいは国民の不安というだけではなく、原子力政策に対附する信頼感、これを大きく損なった。これは先生御指摘のとおりだろうと私は極めて深刻に受けとめている次第でございます。 このたび長官に任命をされまして、この不信感、不安感を取り除いて日本のエネルギー政策のあすに未来を開くというのが私の職責であろうと思っております。 先生が引用されました本年八月の動燃改革検討委員会の報告書を熟読いたしまして、そしてまず動燃の現地を見るということで一昨日、東海事業所の視察をさせていただく、このようなことから私の仕事を始めさせていただいたわけでありますが、私といたしましては、今までもいろいろうみが出ているわけでありますけれども、この際、動燃のうみを徹底的に出し尽くして、そして出直し的な新しい組織につくりかえていく。こういうことを通じて原子力政策に対する国民の信頼を取り戻していく、そのために私の全精力を傾けたい、このように思っております。 どうぞこれから御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げます。
○吉川芳男君 最後のテーマといたしまして、国の研究開発に関する評価のあり方について二、三お尋ねいたします。 平成八年の七月に閣議決定されました科学技術基本計画は、新産業の創出等の諸課題に対応した研究開発の推進や基礎研究の積極的振興をうたっており、また政府の研究開発投資の拡充を図るものとなっております。 これを受けて科学技術関係費は高い伸びを示しておりまして、平成九年度予算では一般会計、特別会計合わせまして三兆円を超える額に達しております。この予算を有効に活用し研究開発を効果的に推進するためには、研究の成果に対する厳正な評価を実施し、その結果を研究資金の配分等に的確に反映していくシステムをつくることが急務であると考えております。 科学技術基本計画におきましても厳正な評価の実施の必要性を強調されておりまして、これを受けて本年八月に国の研究開発評価の大綱的指針が決定されているわけですが、国の研究開発に対する評価のあり方についてひとつお伺いしたいわけでございます。 この大綱的指針というのは、第三者による外部評価制度の導入が提唱されておりまして、また大規模プロジェクトや社会的関心の高い研究開発などについては、国民各般の意見を評価に反映させることが必要であるとしております。本年二月の本院科学技術特別委員会において私は質問して、科学技術庁は、九年度からは科学技術庁附属の各国立試験研究機関において外部評価を導入するという旨の答弁をされておりました。実際にどのような外部評価制度が導入されているのか、評価者の構成等も含めまして御説明いただきたいと思います。 また、ついでにお伺いしますけれども、原子力開発等の大規模プロジェクトについては、国民の意見を評価に反映させるために、科学技術庁としては今後どのような外部評価制度を導入していこうとなさっているのか。この二点をお伺いいたします。
○説明員(近藤隆彦君) お尋ねの研究開発に関します評価の件でございますけれども、御指摘のとおり、科学技術基本計画におきましても研究開発環境の整備の大変重要な一環としまして位置づけられておりまして、私どもとしましても、これからの研究開発、特に政府の研究開発費を伸ばしていくためにはぜひとも必要なものだというふうに考えております。 現状につきまして若干一般的に御説明をしたいと思っておりますけれども、実は研究開発に関する評価につきましては十年ほど前からこの必要性がいろいろ考えられてきておりまして、昭和六十一年度に科学技術会議におきまして研究評価に関する基本的な考え方といったものをまとめて、さらにそれを具体化しました手引といったものをつくっておりまして、これを踏まえまして、各国立試験研究所等におきましては逐次現状でも評価活動の進展が見られているところでございます。例えば課題選定委員会でありますとかあるいは研究評価委員会といったものを、外国人を含めた外部の研究者、外部の評価者を入れてつくりまして、そういった委員会等で評価をしているというのが現状でございます。 ところが、一般的に全体として研究評価の現状を振り返ってみますと、私どもが現状を実態調査等をしてみますと、必ずしも研究者が十分その意義を自覚していないとか、あるいは制度が十分認識されていないといった点もありまして、そういう意味で客観性とかあるいは透明性とかあるいはその評価成果の活用につきまして十分でないという点があったわけでございます。こういった点で、さらに評価体制の整備が必要であるというふうに考えられてきたわけであります。 このような中で、今先生御指摘のとおり、科学技術基本計画がつくられまして、このような評価の実績を踏まえまして、国の研究開発の評価のあり方につきまして抜本的に見直そうと、厳正な評価を実施することにされたわけでございます。昨年の秋以来、その基本計画を受けまして、科学技術会議におきまして、今おっしゃいましたような国の研究開発評価の大綱的指針をつくるべくさらに具体的な議論をしてまいりまして、それを踏まえまして、本年八月にその指針を決定したということでございます。現在、当庁を含めまして、各省庁におきまして、同指針に沿って評価実施体制の整備を進めておるところでございます。 科技庁におきましても、平成九年度から、できるものから実行しようということで、既に特殊法人などにおきましては評価委員会をつくりまして、先ほど申しましたように外国の研究者も入れまして、できるだけ多くの人の目でチェックするようにという、そういう体制で逐次進めてきております。そのようなことを踏まえまして、今後ともさらに鋭意進めてまいろうと思っております。
○吉川芳男君 それでは最後に、公募型研究に対する評価、これについてひとつお聞かせ願いたいんです。 科学技術基本計画では、平成八年度より、本格的に導入された公募型研究等にかかわる競争的資金の拡充を図るものとしております。この結果、公募型研究の予算は九年度においては七省庁五百六十九億円に達しておりますが、これらの予算についても厳正な事後評価が必要であることは言うまでもないと思うわけです。特に、これらの制度は類似のものが多いことから、研究課題の採択やその後の評価の方法について各関係省庁間の緊密な協議が必要であると言えます。 私は、この問題を聞きにこられた文部省の職員に、各省ごとでもいいから、今一体何件くらい評価に応ずるような研究がなされているのかということについてお聞きしましても、なかなか件数のとり方も難しいといいますか、一口で言えないというような話でございまするけれども、ポスドク一万人計画という計画もあるわけでございます。大体どれくらいの人数の人が中心になってどれくらいの件数のテーマに当たって研究を進めているのか、また、それに対して評価を何年ごとぐらいに受けているのかという程度のことでいいんだよということを申し上げているわけなんでございまして、文部省からもこの際、おたくの省ではどのような扱いになっているかということもちょっとお聞かせ願いたいと思うのであります。
○説明員(近藤隆彦君) お尋ねの中の研究開発テーマの総数の件でございますけれども、各省庁が所管しております総合的な研究開発制度、例えば科技庁で申しますと、原省庁に関連しますけれども、科学技術振興調整費という格好でテーマを募集しまして、応募を受けて採択するというようなものがあります。また、各省庁が特殊法人に対しまして出資をしまして、今おっしゃいましたような出資金制度を活用しました公募型の制度もございます。こういったものの具体的にテーマとして挙がったものを集計した資料がございまして、これによりますと、現在、千三百件余の研究テーマがございます。これ以外に原子力とか宇宙とか、大変大きなテーマがあるわけでございますので、そのようなのが現状のテーマの総数でございます。 このような研究テーマにつきまして、これから各省庁、各研究機関でおのおのそれにふさわしい、現場にふさわしいような研究評価のための実施規定といったものをつくりまして、大綱的指針を十分踏まえて、そのようなふさわしい実施規定をつくっていただいて、それに従いまして具体的な評価をこれから進めていただくというふうに考えております。 私どもとしましては、自分の省庁の評価はもとよりでございますけれども、各省庁とも連携をとりながら、全体として評価が指針に従って行われるように、また基本計画の趣旨に従って行われるように、これから連携を深めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○説明員(雨宮忠君) 先生御指摘の公募型の研究費の典型といたしまして私ども科学研究費補助金を扱っておるわけでございまして、御支援をいただきましてこのところ大変大幅な増額を見ているわけでございますが、今年度千百二十二億円という予算でございます。 平成九年度の実績で見てまいりますと、申請された件数が九万九千件、これは極端には研究者一名が申請するという場合もございますし、または研究者のチームで数人あるいは十名を超えるグループで申請される場合もあるわけでございますが、それに対しまして三万七千件の研究計画が採択されておるわけでございます。 評価ということで、まず事前の審査ということがあろうかと思うわけでございますが、約二千名の専門家から成ります審査会におきまして、それぞれ分野ごとに分かれるわけでございますが、個別また合議によります二段階の書面審査を行い、さらにまた特別推進研究でありますとかあるいは重占領域研究という比較的大型の研究種目につきましては、特にヒアリングを行いますとか、あるいは中間的な報告を求めるとか、あるいは途中段階で研究の場所であります研究拠点を現地調査するというようなことも行っておるわけでございまして、そのような方向で今後とも努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○委員長(宮崎秀樹君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時四十五分まで休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 —————・————— 午後零時四十五分開会
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 平成七年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下栄一君 平成会の山下でございます。 限られた時間十五分間、私は、覚せい剤を中心とする薬物が教室を汚染している、特に中学生、高校生の間に蔓延しているという深刻な事態から、幾つか質問させていただきたいと思います。 この問題は、昨年の十一月二十日の決算委員会で取り上げさせていただきまして、その後、ことしに入りまして、二月二十日の文教委員会、そして同じく四月八日の文教委員会、三回取り上げさせていただきました。 それで、いろいろと問題点を指摘させていただいて、文部省におかれましても政府におかれましても当然のことながら積極的な取り組みをしていただいておるわけでございますが、その中で、特にきょうは町村新大臣初登場でございますので、大臣におかれましても、この薬物問題についてのお取り組みの姿勢といいますか、お考えもお聞きしたいと思っておるわけでございます。 それで、まず教師用の手引の問題でございます。 これは、肝心の学校現場におきましては、指導者である教師の意識が深刻にならないと生徒に伝わらないということがあると思います。というよりも、生徒の方が先に進んでしまっているのかもわかりません。そういう意味で、文部省主催また教育委員会主催の研修会も大事でございますが、指導教材といいますか、これも大変大事な問題であるということから、この問題を二月に取り上げさせていただいたわけでございます。 それで、平成六、七、八年度、それぞれ中学、高校、小学校で文部省も御指導されて、「喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する保健指導の手引」というのができ上がっておるわけでございますが、この中学校、高校の中身が古過ぎるし、これは特に覚せい剤が非常に大きく問題になっている中、ほとんどその問題が扱われていないのはおかしいということで、全面的につくり直したらどうだという話を私はさせていただきました。 小学校の教材は平成八年度の予算でできたわけでございますが、これが平成九年三月三十一日の発行なんですが、八月に完成している。この中学、高校の教材と小学校の教材、手引のトーンがもう全然変わっているわけです。小学校の方は大分厳しくなってきて、資料も、新聞の記事も最新の記事を使っている、完成はちょっとおくれているというふうな状況があるわけですけれども、この指導の手引に関する取り組みについて、現在の文部省のお取り組みをお聞きしたいと思います。
○説明員(工藤智規君) 本件につきましては、かねがね先生に御指摘をいただき、御指導いただきまして、まことにありがとうございます。 今し方お話がありましたように、平成六年度の中学校編の手引を作成しているわけでございますが、その時点においてはシンナーの害を中心でやったということでございますとか、あるいは平成七年度の高校版につきましては大麻や覚せい剤等を中心に取り上げているのでございますが、若干、今からすればデータが古くなっているとかいろいろ問題がございまして、ただいま改訂作業を進めているところでございます。 記述の充実あるいはデータの更新なども含めて児童生徒にわかりやすい手引になるように今鋭意取り組んでいるところでございまして、若干作業がおくれてございますけれども、十一月ごろには発行してまいりたいと思っているところでございます。
○山下栄一君 局長、ちょっと確認させていただきたいんです。昭和六十年、この飲酒・喫煙・薬物に関する指導の手引をつくった。改訂版を平成六年度から計画的に中高小とつくってきたわけですね。小学校版も最近完成した。 まず、ちょっとお聞きします。小学校の教材はことしの三月三十一日の発行なんだけれども、完成したのは八月である。この状況を御説明ください。
○説明員(工藤智規君) 小学校版につきましては、平成八年度予算での作成になってございますので発行日を三月三十一日とさせていただいておりますが、その納期だとかの関係で若干ずれたということはまことに申しわけないと思っております。 中高につきましては六年、七年につくったばかりじゃないかという部分もあるかもしれませんが、最近の少年の覚せい剤乱用事犯というのが御承知のように平成七年、八年、特に高校生を中心に倍々でふえてくるゆゆしい事態になっておりまして、こういう事態を受けまして六年、七年につくった中高校版でございますけれども、この際改めて最新の記述を盛り込みながら改訂を進めておるところでございます。
○山下栄一君 結果的にこの小学校版の手引は改善されて、中高小とそれぞれ改訂したんだけれども、中高と違って小学校の内容は危機意識を反映した内容に若干なっていると私は思います。小学生も覚せい剤で補導されているという事態ですので、喫煙中心の指導から、覚せい剤も含めた薬物乱用の指導へと転換された内容にもなってきているなと。それは私は、やはり時代状況の変化に応じて新しい内容も入れて、時間は若干ずれたけれども完成させた、八月になったけれども、ということじゃないか、それは評価したいと思います。それは単に発行がずれたという問題じゃなくて、新しい事態が起こったので時期をずらして完成させたのではないか、こういう認識でよろしいですね。
○説明員(工藤智規君) 何分にも小学校版につきましては、子供たちへの理解を促進させるのにできるだけ平易でわかりやすい表現をどうするかということでございますとか、今し方先生から御指摘ありましたように、最近の事例は極めて急テンポで悪化の様相を示してございますので、そういう最新の事例も取り上げながらということで若干時期がずれた部分がございます。
○山下栄一君 それで、先ほども局長お触れになりました、中学、高校につきましては六十年度につくったものの改訂版は既に完成したけれども、内容がちょっと問題があるというか、私は問題があるということを指摘させていただきました。 ちょっと引用させていただきますが、ことしの二月二十日の当時の佐々木局長の御答弁で、「御意見を承りまして、今後の課題として検討させていただきます。」と、こういうようにおっしゃいましたし、そして小杉大臣は、「使っている資料はちょっと古い」、「学校現場におきましては、文部省が責任を持って一番いい資料を、パンフレットを、そしてビデオを活用するように私からもよく徹底したい」、そして「警察庁も厚生省も総理府もみんな携わっているわけですから、最新で一番的確な資料をより使うように督励したい」と、こういうふうにおっしゃいました。 それに基づいて改訂版をつくったけれども再改訂を今やっていると、こういうことでよろしいんでしょうか。
○説明員(工藤智規君) そのとおりでございます。
○山下栄一君 もう一度確認させていただきます。 再改訂のポイントですね。こういう観点で、六年度、七年度につくったものとは違って新たな要素を入れたいと、再改訂のポイントを教えてください。
○説明員(工藤智規君) 六年度の中学校の部分につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、いろんな薬物がある中で、若干シンナーの害に偏した記述で、ほかの薬物については取り上げるのが薄いという部分がございます。 それから、七年度の高校版につきましては大麻とか覚せい剤にも触れているわけでございますが、データの上でどうもその後の急テンポな状況も踏まえていないうらみがございますので、そういうことも含めてより一層充実したいということでございます。
○山下栄一君 局長は中学、高校を再改訂する必要があると。 ただ、僕は、この指導教材から、覚せい剤が中学生、高校生に急増していて、警察に検挙されているだけでも、平成八年度、全国四十七都道府県中二十三県で逮捕されている、中学生、高校生が。そういう深刻な事態が全然伝わらない内容になっている。それではいかぬということで、私はこれを改訂していただきたいと思うんです。 ちょっとデータが古い。もちろん古いデータが使われているわけですけれども、ほとんど覚せい剤に関しては記述がないということ、それが問題である。意識も非常に低い意識でつくられているということを私は問題にしたんですけれども、何か今の答弁では余りそういう危機感でつくっていないような感じがするんですけれども、いかがですか。
○説明員(工藤智規君) まさに先生からかねがね御指摘を受けている状況を踏まえまして、しかも近年、特に平成七年、八年に倍々で高校生の補導件数がふえている状況を踏まえまして、危機的な意識のもとに再改訂に取り組んでいるところでございます。
○山下栄一君 これは緊急のことなので平成九年度予算で計上していないのではないかと思います。もちろんこれは、公益法人の日本学校保健会に文部省からというか国からの補助金で、七百万円ですか、それでつくったものだと思いますが、これは予算はどうなっているんでしょうか。
○説明員(工藤智規君) 予算につきましては、かねがねこの手引につきましては日本学校保健会に委託してお願いしているわけでございまして、同法人への補助金の中でこの手引の改訂作業も行っていただいております。予算額としては研究委託費で約六百万でございます。
○山下栄一君 だから、学校保健会もこれは当初予定しておられなかったことじゃないかなと思うんですよ、平成九年度予算をつくるときに。だから、これはどういうふうな使い方をするのかなということをお聞きしているんです。
○説明員(工藤智規君) それは、日本学校保健会へはほかの事業もいろいろ委託したり御援助したりしているわけでございますが、全体の中で緊急性を勘案しながら御理解いただいているところでございます。
○山下栄一君 もう時間がございません。 夏、七月は特に青少年非行問題の月間としてさまざまな省庁が取り組んでおるわけです。七月、八月、九月に入っても中学生、高校生の覚せい剤取締法違反の逮捕の事件が連日報道されている。大臣も御存じかもわかりませんけれども、きょうは九月十七日ですが、九月だけでも青森で女子高校生逮捕、奈良で同じく女子高校生逮捕、横浜で高校女子二人と無職女性十八歳逮捕。さらに、大阪でも、高校一年生、十七歳と十六歳の少女二人逮捕。さらに、大阪で私立高校男子生徒三人、中学三年生男子生徒逮捕と。自宅や高校の屋上で休憩時間などに吸っていた。授業の合間に校内のトイレなどで吸引していた。だから、学校がもう汚染されている状況になってきておる。これは九月の話だけです。七月、八月もございますが、時間がございませんので。 こういう問題、薬物乱用対策推進本部の副本部長が文部大臣でございますので、総理が本部長にこの一月からなられたわけでございますが、もちろん文部省だけの取り組みではとても解決できるものではない。中学生、高校生、十代の青少年がずっと先に進んでいて、大人の我々、学校の先生、親は深刻な事態の認識が大変おくれている。これはもう国を挙げて取り組まないと大変なことになるということを何度も私は指摘してきているわけでございますが、それを踏まえまして、政府の対策本部の副本部長でもございます文部大臣のこの問題に対する御所見、深刻な取り組み、認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) かねてより山下委員にはこの問題について貴重な御意見また御指摘をいただいておりますことを心から感謝いたしております。私も文部大臣に着任してまだ日が浅いわけでございますが、いろいろな、先生の今お話しのことあるいは報道などを含めて大変ゆゆしき事態だ、かように認識をいたしております。特に中学生、高校生、しかも女子の使用割合もふえているというような実態を見るにつけても最大限の取り組みをしなければいけない、このように考えております。 幸い、今委員から御指摘のとおり、一月に対策本部ができまして、私も副本部長という大変重要な役割を仰せつかっております。それぞれの学校現場であるいは学校現場でないところでかかる事態がまた起きるところが悩みの一つでございますけれども、しっかりとした取り組みをやっていきたい、かように考えておりますので、どうぞ引き続き御指導、また貴重な御意見を賜りますようにお願いを申し上げ、一生懸命取り組みますということを申し上げてお答えにさせていただきます。
○山崎順子君 平成会の円より子こと山崎順子です。 本日は、家庭科教科書問題を通しまして、子供たちの生きる力をはぐくむということ、また教育と未来について質問したいと思います。答弁も含めて三十分の持ち時間しかありませんので、できれば答弁は大臣にお願いしたいと思います。 まず、私は、離婚と子供の関連の翻訳を出しておりますことや、自分でも随分本を書いております関係上、小学生、中学生、高校生の子供たちから相談をたくさん受けることがございます。つい一年ほど前のことですけれども、中学生の女の子がこんな悩みを私に話しました。それは、小学校の一年生のときに別れた母親と一度も会っていないけれども、できれば会いたいんだという話なんです。その子はお父さんと二人で暮らしております。 それで、じゃ、お父さんも会ってもいいと言うんだったら会えばいいじゃないのと話したんですけれども、お父さんはお母さんの話を余りしてくれないということで、彼女がなぜためらっているかといいますと、小学校の五、六年になってからさまざまな友達が、あなたの家はおかしい、普通は離婚しても母親が子供を引き取るのが多い、それなのになぜあなたのところはお父さんが引き取ったのか、そういうことを子供たちだけじゃなくて周りの家族からも随分言われたらしいんです。それで、彼女は、母親は自分を愛していなかったんじゃないか、なぜ引き取らなかったんだろう、そのことをずっと心に持っておりまして、とても悩んで、それで母親に会うことがとても怖いという、そういう相談だったんです。 それで、私は、あなたのことをお父さんはとても愛していて、お父さんととてもいい家庭を築いている。それで幸せだと思うけれども、お母さんとも会いたいというのもごく普通の感情だ一でも考えてごらんなさい、お母さんは、今の女の人たちはみんなそうだけれども、結婚して子供を産んで育てるという中でなかなか仕事を続けにくくてやめてしまう。一たんやめると再就職がしにくい、子供を育てるのが大変だ。そうすると、父親が子供を愛していて一生懸命育てたいと言っているときに、自分が大変な生活でその子を引き取って育てていくことよりも父親のもとに置いていく方がいいんじゃないか、そういうふうに考える母親もたくさんいるのよ。そういう一般のお母さんたち、女性の状況やまた母親の気持ちも考えたら、ただ普通ということはあり得なくて、父親と一緒に育ったことはとても幸せだと思っていいんじゃない、そういう形でお母さんと会ってみたらというふうな話をしたわけです。 すると、彼女はわかったということで、父親とも話して、どういう形で別れたのかをよく聞いて、その後ずっとお母さんと連絡をとって会っているということがあるんです。 その子に限らず、いろいろ子供たちと話をしておりますと、別に離別や死別家庭じゃなく、母親が働いている家庭、両親のそろっている家庭、いろんな家庭があるんですが、どの子も最近の子供たちはみんな普通ということにとてもとらわれている子が多いんですね。それは普通幻想と言ってもいいんですけれども。 そこで、私たち教師や親また社会の役目というのは、普通ということは別にあり得ない、そんな幻想にとらわれないでいいんだということを教え、また普通って一体何なのかということを子供たちに考えてもらうということが私たち大人の役目ではないかと思うんです。 一方で個性の尊重と言いながら、普通でないことを怖が互そして普通でない子をいじめるという、そういった風潮のあること、このことについてまず大臣はどのように思われるか、ちょっと御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) なかなかお答えするのが難しい御質問かなと思います。 確かに、今それぞれの家庭、私の家などはごく普通——普通と言っちゃいけないのかもしれませんが、夫婦がいて子供がいてという標準、普通の家庭なのでございますが、私の周囲を見ましても非常に多様な家庭があるなということを痛感いたします。仲がよくても子供がいない、あるいは子供はいるんだけれども夫婦が別れた、あるいは一方が亡くなった、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らしている。そうでない、本当に多様性というかさまざまな姿があるなということを非常に強く痛感いたします。したがって、何善通かというのは、本当に御指摘のとおり、標準がそういう意味では変わってきているんじゃないんだろうか。 個人的な話をして恐縮でございますが、あるときアメリカで夫婦ともども参加するセミナーみたいのがありまして、最初にアメリカ人の御主人が、私は彼女にとって二番目の夫であり彼女は私の三番目の妻です、こういうあいさつをしたら、そこにいた十数名の人がみんな同じことを言うんですね。最後に恥ずかしそうにやや年とった夫婦が、私どもはそれぞれ初めてでありますと言って、実は私もそうだったものですから何かちょっとほっとしたような気分になったりもしましたが、非常に多様化しているのは御指摘のとおりだろうと思います。 個性の尊重が今教育の現場で言われております。何かいじめの原因が、ちょっと違った服装をする、あるいは服装ではなくて若干障害があるから行動が鈍いとか、あるいは発言がちょっと悪いとか、そういう違った部分があるとすぐそれが、やれ、ばい菌だとかなんとか言っていじめの対象になってしまうというような意味での、みんなが一つの枠にはまっていなきゃいけないということは私は余り好ましいことではないと思います。 そして、ちょっと答弁が長くなって済みませんが、もつと言いますと、戦後の教育の中で一つ私は平等主義というものがあったと思うんです。それはいい面もあったと思うんです。ただ、ややもするとそれが悪平等に転化している部分が我が国教育現場にあり過ぎるのではないだろうかということ、そのことがまた子供の個性を伸ばすことを妨げているのではないだろうか、そんな気持ちさえしておりまして、その辺をこれからどう教育改革の中で織り込んでいくのか、考えていくのかというのが大きなテーマだと思って今の山崎委員のお話を拝聴させていただいたところでございます。
○山崎順子君 つい普通の家庭なんですがと言ってしまうとおっしゃいましたが、確かに今夫婦と子供の家庭といいますのは一九九五年で三四・二%にしかすぎないという状況になっております。ついつい私ども大人が普通ということを言ってしまう、それは気をつけていかなきゃいけないなと私も自戒を込めて思うんです。 ところで、高校の家庭科教科書四冊が検定不合格になりました。私、その四冊とも全部一読させていただきましたけれども、どれもとても読みやすい意欲作だったと思います。実は私は中学も高校も家庭科というのは大嫌いでして、洋裁をしたりお料理をしたりするだけの家庭科なんておもしろくもないとずっと思ってきたんですが、今回、教科書を読みまして、随分家庭科に対する認識を改めたような次第です。 ところが、なぜ不合格になったのか全くわからないんです。それで、文部省の方の検定調査官の話、審議会等の話では、家庭経営の視点がないとか、いずれ家庭生活を築く高校生に不適切であるとか、女性の社会進出についての項目などには教科の目標とする範囲を超えているとか、言ってみれば、どうも核家族とか大家族の家庭、先ほど文部大臣がおっしゃったように、普通のと一般に大人が思っている家庭のみをモデルにしているように見える。また、本来あるべき家庭像の運営技術を学ぶことという、その本来あるべき家庭像というのもどうもそういうものを指しているように思われてしまう。これは家族のあり方、それから人々の生き方というものに普通幻想を押しつけているのではないか、答えが一つだということを文部省が強調し過ぎているのではないかというふうに私は思うんです。 ところで、最高裁も検定というのはできるだけ抑制的であるべきだと言っておりますし、このような的外れなとらえ方や事実関係に間違いがあるというようなことでないものを検定不合格にするんだったら多様で個性的な教科書なんか生まれない。そしてまた、検定側の家族観や解釈以外は認めないのかというふうに思われても仕方がないんじゃないかなということを私は今回の不合格の家庭科教科書を見て思ったんです。そうなりますと、義務教育でもない高校での検定はますます不要だという意見が出てくるんじゃないか、強まるんじゃないか、そう思っております。それで、これについてちょっと時間が余りありませんので、今とりあえず私の意見だけを申し述べます。 この検定は指導要領を憲法として、それに忠実に従ったらこうなったというお話なんですが、指導要領は短いものですが、こういう指導要領の解説というのを文部大臣はお読みになったことがございますでしょうか。 この中に家庭科教育の目標というのが書かれておりまして、変化の激しい時代にあって、常に自分で価値判断ができ、意欲的、創造的に生活できる能力と態度を育てることが必要として、従来なかった主体的という言葉を入れて、主体的態度を育てるというふうに書かれているわけですね。とてもすばらしいことが書いてあるんです。ところが、もう一つその後ろに「内容の取扱い」というところがありまして、「細部にわたる事柄や程度の高い理論に深入りすることのないよう特に留意」しなさい、そういうことも書いてあるんです。いかにも高校生に余り難しい話はしないようにというふうに読めるんです。 ついこの間というか、国会議員になってからも私のところには随分高校生や中学生が社会科、家庭科の授業の一環として離婚の話を聞きたいと言っていらっしゃるんです。子供に話すとは思わずにもう一生懸命お話ししますと、後でいただいたレポートには、大変子供たちは理解力もあり洞察力もあり想像力もあって、他者を思いやる心もあるし、離婚ということに偏見を持たないでいきたいというのも書いてある。でも、自分はしっかりと今後結婚する相手といい関係を築いて、できれば離婚なんかしないでいきたいというような健全な、とてもほほ笑ましい感想も書いてくれているわけで、高校生というのはもう大人だと私は思うんですね。それを難しいこと、高い理論のことは話すななんて、これもまたおかしな解説だなというふうに思うんです。 文部省の基本理念は、先ほど言ったような個性化、個性の尊重、多様化ということではなかったかと思います。そして主体的態度を育てるということだと思うんですけれども、この理念というのは口先だけのことなのか、それとも私たちの考えでいる個性化とか多様化という言葉の意味する内容というものは文部省とでは違うんでしょうか。どうも私は検定の不合格理由とそれから文部省の理念との間に整合性がないように思うんですね。これについてぜひ大臣の答弁を聞きたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 私は中学時代家庭科をやりまして、こんなに楽しい時間はなかったと今でも記憶がふっとよみがえったところでございます。 先般、教科書の裁判もございました。検定は合憲であるという御指摘もいただき、私どもとしては、小学校、中学校、高校までの教科書の検定の必要性はあると思っております。 ただ、そのことと今御指摘のあった多様な子供を育てるということの関係でございますね、多様な考えを持った子供たち。私は、教科書というのは最低限のことがきちっと盛り込まれていればいい、そういう意味で検定をやっていると思っておりますが、それを超えてまたいろんな社会の動き、政治の動きを教えることはもちろん妨げないわけでありますし、そのために学校ではそれこそ多様な副読本を使ったりあるいはいろいろな現場を見たりという形で補っているので、教科書そのものが全部個性的で全部違っていていいということとは必ずしもそこは一致しなくてもいいんではないのかなと思っております。 なお、ちなみに、検定に不合格になった高校の家庭科の教科書が十八点中四点、先生御指摘のとおりあったわけでございますが、この中身を見てみますと、恐らく合格した教科書についても、不適切な部分というのはある面で指摘をするわけでありますが、大体七十カ所前後。ところが、不合格になったものは要するにその倍以上の不合格の箇所があったという意味でいささか問題ありということだったと思います。 それから、御指摘ありましたけれども、別に私ども文部省の方が、これが理想的な家族像です、家庭像ですというようなある種の、これに当てはまらなければ不合格なんですよといった特定の見方を教科書のサイドに押しつけているということはございませんし、さまざまな変化がありますということをむしろ書いて合格をしている教科書もたくさんあるということは御理解をいただければと、こう思っております。
○山崎順子君 これからの教育目標というのは子供たちに生きる力を与えることであり、それは判断する力、理解する力、問題を解決する力だと思うんです。そして、どうやって人々が連帯して地球上の環境や平和や福祉、そういったものを守っていくか、そういう目標に合わせて教育は組み立てるべきではないかと私は思っております。 そのためにはさまざまな事実やデータを出して、それには肯定意見も否定意見もあることを示して、そして考えてもらうということが大事なのであって、先ほど教科書が全部個性的で違っていいとは思わないとおっしゃいましたけれども、不合格の教科書もちゃんと指導要領に合わせてつくっておりまして、特段、物すごく違っているとか物すごく個性的だということはないんです。それこそ、こういったことを勉強していないから三十代、四十代になってから女性たちが自分の生き方に迷ったり悩んだり、法的識字率という面では大変日本は低いというような状況があって、私などこの教科書を、随分全国講演で今までも歩いておりますけれども、ほとんどこういったことを話しているような状況で、もう少しこういったことを勉強していればよかったんじゃないかと思うことがよくございます。 さて、もう一つだけどうしてもお話を聞いておきたいことがございますので質問させていただきます。 民主主義社会といいますのは、もちろん文部大臣ももうおわかりのことですし、ここにいらっしゃる方も当然御存じのことで釈迦に説法だと思いますけれども、百人の人間がいれば百通りの価値観がありますし、百通りの人生、また家族というものがあります。そういう違いを認めて、そしてお互いに許容する社会が民主主義社会だと思うんです。この原則を家庭科という教科を通して徹底的に学ばせるのが教育の目標ではないんでしょうか。 それなのに、環境問題は理科や社会科で取り上げなさい、社会経済は社会科です、性教育は保健体育ですという形で、家庭一般の中で環境、経済は生活者としての立場からアプローチされているとか、性教育も青年期をどう生きるべきかという立場で書かれておりまして、他教科で学ぶ内容とはまた違うということがあるんです。 さて、その多様化とか個性化というものは好きなことをしていいというものではないと思います。先ほど、平等主義が悪平等を生んだというように、もしかして多様化、個性化というものが、てんでんばらばらに好きなことをするというような形、そういったものにとらわれてきた嫌いもなきにしもあらずだということを思います。 そして、その多様化とか個性化というのは自分らしく生きることだと思うんですけれども、自分らしく生きるということは、自分の好き勝手にすることではなくて、人の道というものをわきまえて、なおかつ自分を律して生きることだと思うんですね。そして、自分の人生に自分で責任を持たなければいけませんし、その上で独自性や多様な生き方を阻む社会システムと私は戦うことだと思っております。 自分を律するとか、みずからの責任をとって生きるということを子供たちにやはりしっかりこれから教えていかなきゃいけない。ただ、この国の子供たちの状況は、自分を律することのできない子が大変ふえております。少年事件が、ことしの上半期六カ月と去年の上半期六カ月を比べてみましても、もう大変なふえ方をしております。特に、凶悪化、粗暴化しているというのが現状でして、先日も法務委員会の派遣で仙台や秋田の方を回って少年院なども見てきたんですが、さまざまな現場の方々にお聞きしましたら、最近の子供たちは、大変なことをやってしまったとか大それた事件を起こしたという自覚が全くないというのが特徴だそうです。 そしてもう一つ、もちろん自覚がなければ反省もないというのが現状なんですけれども、実は子供の世界というのは大人の私たちの世界を映している鏡です。大人が反省しなければ、子供たちを幾らきつく取り締まっても、とても子供の世界は変わらないと思います。 そこで、この国は大変子供たちにとって不幸だと思うんですが、社会のリーダーたる人が収賄罪を犯し有罪になった、その事実は消えませんが、収賄を犯した政治家を大臣のいすに座らせた、そういった総理がこの国にはおります。また、固辞せず平気で座った本人もいらっしゃいます。こういった閣僚がいる内閣は汚職に対して無神経なんじゃないかと、全員がそういうふうに思われても私はしょうがないと思うんです。まず、人というのは自分を律することが大事。含蓄という言葉、もうこれは日本では死語になったのかなと私は思います、自分を律することも、含羞という言葉も。 普通、一生懸命に罪を改めた人を、その一度の過ちでその人に罪人のレッテルを張り、一生差別し続けることはもちろん私たちは断じて避けなければいけません。社会復帰のチャンスを与えるべきだと思います。しかし、今回の総務庁長官になられた佐藤孝行氏は、一般理論には当てはまらないんじゃないかと思います。それは、二つの点で当てはまりません。 一つは、本人が全く罪を認めていらっしゃらなかったこと。そして、償いをしていらっしゃらない。虚偽の反論までして、裁判長に判決で、この人には反省の色がないと厳しく批判されているんです。世論が高まって、みんなにおかしいじゃないかと言われて初めて反省します。反省なんて猿でもできるというコマーシャルがありましたけれども、猿に悪いんじゃないかと思います。子供たちに、みんなに非難されて、じゃ自分は大臣になるからそのとき反省しますと言えばいいのかと、そういうことを覚えさせることは、私は文部省としてもとても基本の目標理念に反することではないかと思うんです。 それから、もう一つ一般論に当てはまらないのは、政治の世界で大臣になるということは、やはり権力の直接行使にかかわることです。そうした権力の直接行使にかかわる閣僚になるということは、さっき含羞という言葉を申しましたけれども、普通は固辞するのが当然ではないか。また、最高権力者は、そういったところに収賄という政治姿勢、政治倫理の問題が問われる罪を犯した人をつけるということは最低限してはいけないルールだと私は思うんです。 政治家は、今はもうなくなった言葉なのかもしれませんけれども、高潔さとか信義の信とか礼とかそういうものがやっぱり必要で、難しいことですけれども、それをできるだけ示さなきゃいけないんじゃないか、そのように私は思っておりまして、こういうことが平気で行われるようであれば、子供たちに対しても全く私たちは教育をこうするああするなんてことは言えないんじゃないか。日本の未来にとって教育というのは一番大事なことだと思うんですけれども、私たちの国にこれでは未来はないんじゃないかとさえ私は思っております。 まずこの点について、この佐藤孝行さんの入閣問題についてどう思われるか。また、一国の最高責任者として最低限のルールを破った総理についてどう思われるか。そして閣僚全体、この内閣全体が汚職に無神経と言われても仕方がない状況について文部大臣としてどう思われるか。今後、こういった示しのつかない状況を教育界としてはどう変えていこうとしていらっしゃるのか、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 今回の佐藤孝行氏の入閣問題についての御意見を承りました。 確かに、重い職責を担う大臣にかつて過去に問題を起こした人を絶対に任命してはいけないというお考えがあることもよく承知しております。他方、過去に問題があっても、その後の努力、研さんによって過去の罪を償い、そして一生懸命さらに将来に向けて仕事をしていこうという人についてまで、あなたは一度罪を犯したんだからそういうことはもう一切まかりならずという二つの考え方があるのかなと、こう私も思います。どちらが正しいとか、どちらが間違っているというのは、なかなかにわかに言いがたい問題だと思います。 それらの点を全部踏まえて橋本総理は総合的に判断をされまして今回の人選を行った、こう思っておりますので、私が総理ならばどうするかと言われればまた別でありますけれども、これは橋本総理の御判断として、事実として受けとめなければならないんだろうと、こう思っております。 私はかつて、尊敬をいたします福田越夫元総理大臣が、政治は最高の道徳であるべきだというお話をされたことを直接耳にしたことがございますので、今でもそのことを私自身は自分自身の常に座右の銘といいましょうか、政治家として生きるべき戒めとしてしっかりと受けとめてこれからも対処していきたい、かように考えております。
○山崎順子君 ただ、どちらが正しいか正しくないかわからないとおっしゃいましたけれども、これは善悪の問題じゃないということも一つありますが、でも子供たちからいいのか悪いのかと聞かれたときに、大人がそれをどっちもいろんな意見がありますよと言うことは、これはおかしいんじゃないか。 例えば、この間テレビで、人を殺すのがなぜ悪いかわからないと言った高校生がいるんですが、だれもそれについて大人は答えられませんでした。そういう状況はやっぱりいけないんじゃないかと私は思うんです。 それから、司法を激しく批判してきた人、そうした人が行政権を持つ、振るう、その権力にきゅうきゅうとするというのは、これはみっともないことです、本当に。自分を律することにならない。正しくないか正しいかはいろんな意見があるとおっしゃいましたけれども、一国を何とか動かしたいというそういう思いにあふれているんだったらば、国のために働きたいと思っているんだったら、逆にもっと身を律して党務だとか国会議員として精励する道は幾らでもあるはずで、なぜ権力にそんなにきゅうきゅうとなさるのか。 これは本吉に、含羞という言葉も消えたし、子供たちになぜ殺人が悪いのかと言われても答えられない閣僚ばかりがいるというふうに思われても仕方ありませんし、そして政治家にモラルを求めても仕方がないんだと子供たちが思っても仕方がない、そういう日本になさりたいおつもりなのかどうか、もう一度。
○国務大臣(町村信孝君) 人を殺すことと今回の任命とを同じに論ぜられるのは私はいかがかと思います。人を殺すことはもう絶対悪であって、これはもう論議の余地のないところだと。
○山崎順子君 なぜか。
○国務大臣(町村信孝君) それはもう論議の余地がない、余りにも当たり前のことだと思います。他方、今回の人事というものにつきましては、それは考え方の違いというのも私はあろうかなと思います。ただ、そういう問題が果たして日本の教育にどういう影響を与えるかということは、私も文部大臣として当然重く受けとめ、考えなければならないことだとは思っております。
○山崎順子君 私は別に今回の事件を殺人と一緒にして話したわけではございません。そういったさまざまな善悪についてやはり子供にはしっかりと答えるべきではないか、人の道を教えるのが大人ではないか、ましてや一国のリーダーの責任ではないかと思って話したまででございます。 そのようにお考えであればとても残念だと思います。文部省のこれからの仕事、また教育の目標というものもかなり懐疑的に考えていかざるを得ないのではないかということを話しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺孝男君 平成会の渡辺でございます。 先ほど吉川委員よりも質問がありましたが、私はまず最初に、動力炉・核燃料開発事業団東海事業所におけるウラン廃棄物のずさん管理問題並びに予算の不適正執行の問題に関しまして、動燃並びに科学技術庁に質問したいと思います。 また、それに関連して、会計検査院にも質問させていただきたいと思います。 動燃事業所のたび重なる不祥事に対しては、地元茨城県民並びに国民全体が激しい怒りと憤りを感じております。今回の不祥事もさまざまな問題を改めて提起しておりますが、この場は決算委員会でありますので、予算の不適正な執行問題を中心に質問させていただきたいと思います。 動燃は、平成五年度には建屋の建設費として、平成六年度には建屋工事などの費用として、また平成七年度には廃棄物移転費として、そして平成八年度には貯蔵庫の内壁改造や結露防止対策などの目的で予算を獲得しております。それらの総額は五年間で約九億五千万円にも及びます。しかし、実際には建屋は未着工のままでありました。そこで、まず動燃の担当理事にお尋ねいたします。 この九億五千万円の予算が実際には何に使われたのか。今回は時間が限られておりますので、平成六年度、平成七年度に関して、予算認可の目的で使われた分が幾らで目的外流用分が幾らという形で簡潔に報告していただきたいと思います。
○参考人(井田勝久君) ただいま先生御指摘のとおり、当該予算におきましては平成五年度から九年度まで九億五千万円認められております。 今御質問の平成六年度でございますが、平成六年度におきましては認可としていただいた金額が二億八千九百万円でございます。そのうち実際に貯蔵ピット関係に使われましたのは、地質調査とピット外壁の防水工事、この両方に三千二百万円使われたわけでございまして、残りの二億五千九百万円につきましては、主なものといたしましては、当時緊急の対応が迫られました核物質管理の問題これはIAEAとの協議でプルトニウム燃料の製造工場に置きました規格外品がございます。その規格外品のプルトニウムをもう一回再確定しろ、このような要請がございまして、そういったようなことでこの作業が緊急に迫られたのでこれに流用してございます。そのほか、三十年余りたちました老朽化施設がございます。プルトニウム第一研究開発室、この老朽化対策に使われてございます。そういったところが主なところでございます。 また、平成七年度におきましては、建屋を建てたということで、廃棄物移転をするということで二億三千九百万円認められてございますが、平成六年度に大きく計画を変更したと。建屋を六年度には建てないで、廃棄物の最終処理施設がまつまでこの計画を延期しようということが六年度に決定されまして、その結果予算要求も間に合わないまま七年度に二億三千九百万円いただいております。そのために、これも廃棄物移転ということが建屋ができておりませんのでできませんで、そのうちのピット周辺ののり面の補強工事、排水処理装置の購入、こういったものに千三百万円使ったのみでございまして、二億二千六百万円余ったわけでございます。 この費用でございますが、この費用につきましても先ほど申したものが主でございまして、そういったIAEAの保障措置関連の費用、それからプルトニウム第一研究開発室の老朽化対策、そのほか両年度にわたりまして言えますのは、節約といいますか、これは毎年節約が課せられますので、その節約分に充当した、こういうことでございます。
○渡辺孝男君 簡潔にお願いします。 先ほど会計検査院の方ではそのような予算の流用もいいというようなお話がありましたけれども、先ほど聞いておりますと、本来このような予算の目的で計上されたものが予算の目的外に使用されたものが大部分であるということはやはり問題ではないかというふうに考えます。そのことに対しまして会計検査院の考えをもう一度お聞きしたいと思います。
○説明員(小川光吉君) 先ほど、午前中御答弁申し上げましたことのちょっと繰り返しになるかと存じますけれども、予算を執行していきます過程では、予算どおり執行できなかったりいたしまして流用が必要な場合が出てくるわけです。これは一般的には予算の要求時期あるいは作成時期と執行の時期が時間的にずれまして、その間、状況、情勢の変化等がございますことから、やむを得ず流用するというケースが多いと考えられるわけでございます。 しかしながら、今回の動燃の予算の流用につきましては、流用そのものにつきましては動燃の規定を見ますと直ちに違法ということにはならないわけでございます。しかし、法的にはさようでございますけれども、廃棄物の保管が長期間にわたって適切でないという事態が続いておりまして、そのような状況のもとで特段の措置がとられていないことや、また予算要求も長年にわたりまして実態を反映しないものとなっているというような状況が重なっておるということがございます。 したがいまして、会計検査院といたしましては、動燃における予算の実際の執行の結果や事実関係を今後調査、確認していきたい、そういうふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 現在、財政構造改革の名のもとで国民負担がふえてきておりますけれども、そういう意味で国民は予算の使い方に対して非常に問題意識を持っております。このような使い方というのはやはり問題ではないかと、会計検査院の厳しい検査を求めるものであります。 次の質問に移らせていただきます。 また、動燃は当初、平成十年度予算に未着工のままの建屋の撤去と整地費用を要求し、科学技術庁は七千百万円を積算しておりました。この予算要求は架空の事業の計上というべきもので、何ゆえこのような事態となったのか、動燃並びに科学技術庁より説明をいただきたいと思います。
○参考人(井田勝久君) 御説明申し上げます。 まず、今御説明しましたように、平成六年九月にこのピット改修にかかわる全体計画を変更いたしまして、その際に防水工事を実施しまして、九年度に運開いたしますウランで汚染された金属廃棄物等の圧縮、減容を行う施設がございます。この施設が完成したのを待ちまして搬出、処理しようということにしたわけでございます。その際、平成六年度に要求しておりました建屋建設は延期して八年度で行うことにいたしました。 しかし、こういった計画変更にもかかわらず予算要求上の変更を行わなかった。その後の要求におきましても建屋建設がなされているということを前提といたしておりましたので、どうしても数年度にわたって実態と乖離した予算になったわけでございます。 八年度でございますが、今こういったことで予算をずっとする前に、八年度で終了するという当初の予算上のシナリオ、このシナリオに基づきますとUWTFに廃棄物を搬出する作業ができないということになりまして、何とかこれを実施するためには、平成七年の夏ごろ作成いたしました平成八年度予算要求におきまして予算要求の期限を延長しまして、平成八年度にピット補修、平成九年度に搬入設備の設置、平成十年度の建屋の撤去という名目で予算を行ったものでございます。平成十年度もこういった予算シナリオに基づいて実施したものでございます。 このような予算要求をいたしましたのは、実際に建屋を建てませんでした、それを後に延期いたしました、この延期した作業をやるということで、そのためには、建屋、搬出設備の設置、搬出作業等に必要な経費を確保しようと、こういうことで実際にピットを搬出するために必要な経費を確保したということでございます。 こういった実態に即した予算要求をしてこなかったことにつきまして、また平成六年に建屋を建設しなかったことについて大変大きな反省点と考えている次第でございます。
○説明員(加藤康宏君) ただいま動燃事業団から、十年度の要求が実態にそぐわなかったと御説明ございましたけれども、当庁といたしましても、予算の執行に関する実態を十分把握していなかったことにつきましては深く反省している次第でございます。 御質問の十年度の予算でございますが、ウラン貯蔵ピット改修費というのが最初は要求されてございましたが、既に我々は財政当局には、現実の姿、すなわち廃棄物の詰めかえ・搬出作業とか壁面の点検・除染等、現実の作業で予算要求を修正して要求してございます。 ただし、その中の廃棄物の詰めかえ・搬出作業、これは来年度の要求になっておりますが、こういうものはなるべく早くした方がいいということでスケジュールが早くできないか検討しております。早くできる場合は再度財政当局とも調整させていただきたいと考える次第でございます。
○渡辺孝男君 もし今回の事件がなければ、またこのような予算が通って流用ということになったのではないかというふうに非常に不信の念を抱くわけであります。 次の質問に移ります。 動燃は、一九七〇年、ウラン製錬業務の終結に伴い、この施設を核燃料使用施設として用いるため、使用変更許可を科学技術庁に提出しました。その申請書では、ピットの壁面は防水加工をしたことになっておりました。しかし、実際にはナンバーワン、ナンバーツーピットのうち一つは防水加工がなされていなかったという科学技術庁の立入調査の結果が報告されております。 六七年度にピットが建設された時点で防水加工をされていないことを知りながら、七〇年の申請書において防水加工がしてあると虚偽の記載をしたのはどういう理由によるのか、動燃よりお答えいただきたいと思います。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。先生御指摘のように昭和四十五年に、二つございますピット、これにつきまして変更申請をいたしております。その際、両方のピットにモルタル施工がしてあるということをまとめて記述してございます。 いきさつを申し上げます。 このピットの変更申請におきましては、その時点でナンバーワンのピットにつきましては既にすべて上のふたがしてございまして、中が十分観察できない状態でございました。一方、ナンバーツーのピットの方はまだ三分の二ぐらい上のふたをしただけで、三分の一が残っておりました。そして、ナンバーツーのピットについては、モルタル加工をいたしておりましたし、中の検査ができるようになっておりました。 その申請をする際に、ナンバーワンピットも、これは昭和四十二年に施工したものでございますが、当然モルタル加工がしてあるものということを十分確認しないままに申請書に両方ともモルタル加工をしたということで申請したものと思われております。 そういうことで、大変皆さんに御迷惑をおかけいたしまして申しわけございません。
○渡辺孝男君 これまでの問題点につきまして、動燃の理事長の御所見をお伺いしたいと思います。 今後の改革に関しましては、先ほど吉川委員の質問にお答えいただきましたので、重ねて聞くことはやめにいたします。
○参考人(近藤俊幸君) お答えします。 事業の性格上ある程度の予算の運用は認められると思います。しかし、今回のように、実際の計画を変更したにもかかわらず、実際の計画と乖離した予算を数年にわたり要求し続けることは大きな問題であると認識しております。 今後は、実態を反映した予算要求、適切な執行を行うために、かかる事態を二度と発生させることのないよう、社内のチェック機能の整備に取り組む所存でございます。
○渡辺孝男君 隠匿体質が骨の髄までしみ込んでいる動燃による内部調査では真の実態を解明することは到底無理ではないか、そのように思います。 会計検査院に、通常の調査以上に強力な体制を組んだ形での緊急特別調査班を設け、早急に予算の使用状況について調査を行っていただきたいと思います。そして、できるだけ早くその結果を当委員会に報告していただきたい、そのように思います。会計検査院、いかがでしょうか。
○説明員(小川光吉君) 会計検査院といたしましては、従来より動燃の検査を担当いたしますグループを設けて検査を実施してきているところでありますが、今後におきましては、今のような御議論もありますので、検査体制をより充実させて本件の問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。 本院では、現在、平成八年度の決算検査報告の取りまとめ時期に入っているところでございます。今回の流用問題はつい最近明らかになりました事態でございまして、今まだ科学技術庁等におかれまして調査をされておるやに聞いておるところでございます。調査には多少時間を要すると思われますが、できるだけ早期に結論が得られるよう我々としては努力してまいっていきたいというふうに思っているところでございます。
○渡辺孝男君 以上、予算関係だけの質問を取り上げましたけれども、そのほかにも多くの問題があります。例えば、放射性廃棄物保管記録の紛失、十五年以上前から浸水を確認しながら放置していた問題、予算の不適正流用の隠匿工作の問題、また東海事業所内の別の施設でも、放射性廃棄物を入れたドラム缶が腐食していたり、監視カメラが故障しており管理が不十分であったことが新たに発覚した問題、さらには平成八年度版原子力白書にて動燃のウラン廃棄物は安全に貯蔵されていると虚偽の報告をしていた問題等々があります。今後さらに環境汚染問題も見つかってくる可能性もあります。 そういう意味で、動燃の新たな不祥事が発覚してきたわけであり、本年八月一日に科学技術庁が動燃改革検討委員会最終報告をまとめておりますけれども、再度検討し直す必要があるのではないか、そのように思います。 動燃には自浄能力を期待することは無理と思われますし、また科学技術庁の監督能力にも多大な疑念が持たれておりますので、この動燃改革検討委員会は科学技術庁以外の機関の主導で検討を進めた方がよいというふうに私は考えます。この点に関しまして谷垣科学技術庁長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、渡辺先生から御指摘をいただいた一連の不祥事、午前中も申し上げましたが、事故が起こったというだけでなく、その後の処理の仕方にもいかにも世間の安心を裏切るものがあったということで、地元の皆様の御信頼はもちろん、原子力政策全体に対する信頼感が損なわれた、まことに深刻な問題だと思っております。私は、我が国の原子力政策危急存亡のときではないか、古めかしい表現でありますけれども、そんな思いでございます。 なぜこういう問題が起こってきたかということを考えますときに、これはいろんな分析があると思いますが、動燃がいろんな職務を負って、研究開発などの偏重によって安全確保とか危機管理というような問題がやや視野の外に置かれていたということもあろうかと思います。それから、職員の安全性に対する意識が一般社会とギャップを持っていた、あるいは情報発信を怠った組織としての閉鎖性、オープンでない、こういった体質もあったと思います。それから、意思決定のプロセスが不明確で、責任の所在があいまいであったというような問題点が指摘できるのではないかと考えております。 これらの点はいずれも先生が御指摘になりました動燃改革検討委員会の八月一日の報告書で指摘されている問題点でございます。この委員会は吉川前東大学長を座長にしまして、組織論など原子力以外の各分野のメンバーで構成されております。それに専門の経営コンサルタント会社であるアーサーアンダーセンの調査も踏まえて、第三者的立場で検討を実施していただいたものでございます。 私としては、当委員会の報告書の内容を真摯に受けとめまして、午前中も申し上げましたが、今も動燃のうみは流れているところでありますけれども、このうみを徹底的に出し尽くして新たな法人で出直して、本当に国民から信頼される法人に改組していかなければならないと思っております。これが私に与えられた最大の職務だと思っておりますので、全身全霊を傾けてこの任に当たりたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○渡辺孝男君 そうしますと、動燃改革検討委員会の最終報告でなくて、また改革のその次の案が出るということに解釈してよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今申し上げましたように、この八月一日の報告書というものを徹底的に実行するということから始めたい、このように思っております。
○渡辺孝男君 近岡前科学技術庁長官は、九月二日の記者会見で、全く遺憾だ、問題点を全部洗い出す必要がある、監督官庁として科学技術庁の責任も重いと受けとめていると述べております。また、科学技術庁所管の他の特殊法人についても、予算の使用が適正か否か検討すべきだとの考えも示しました。そのほか、動燃廃止や役員交代に関しては、科学技術庁の調査結果がまとまった段階で私の考えを申し上げたいとも述べておられます。 そこで、谷垣科学技術庁長官にお伺いいたします。長官としましてはこの近岡前長官の発言をどのように引き継ぐつもりなのか、以下の点についてお答えいただきたいと思います。科学技術庁所管の他の特殊法人における予算執行状況の点検はどうするのか、動燃廃止や役員の交代の件はどうするのか、科学技術庁の責任についてはどう考えておられるのか、以上の点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今先生御指摘の近岡前長官の記者会見での御発言、私も改めて記録を取り寄せて読ませていただきました。近岡前長官がおっしゃっておられますように、動燃の抜本的改革、それに加えて当庁、科学技術庁の自己改革、この二つはやらなきゃならないと近岡前大臣は言っておられるわけですが、私も全く同感でございまして、近岡前大臣のお考えも踏まえつつ取り組ませていただきたいと思っているわけでございます。 以下、具体的に何点かお尋ねになりましたが、まず、先ほどから御議論もいただいているウラン廃棄物の貯蔵施設の不適切な管理に関する問題でありますけれども、原子炉等規制法に基づく立入検査の実施、あるいは動燃の予算執行状況等の業務状況調査等を今実施しているところであります。 私自身も一昨日、東海事業所に参りましてこの貯蔵ピットを自分の目で見させていただきましたけれども、何と申し上げてよいのか、たくさんのドラム缶が、ああいう水が入ったということもあるんでしょうけれども、きちっと並べられている状況でもなく乱雑になっているというようなことを見ますと、まことにこれは何と表現していいのかよくわからないんですが、普通、我々日本人がきちっと仕事をしていくときはとてもこんなものではないぞという奇異の感を持ったわけでございますので、問題点を抽出した上で適切な措置を講じていきたいと思っております。 それから、先生お尋ねの科学技術庁所管のほかの特殊法人について予算の執行状況の点検はどうかということでございますが、私としても、ほかの法人につきましても同様の事態がないかどうか、これは調査すべきだと考えておりますが、その時期や範囲については、これは事務方の人員や体制の問題もございます。そこで、まず動燃のウラン廃棄物貯蔵ピットの問題の調査を十分に行った後、順次取り組んでまいりたいと思っております。 さらに、動燃の改革につきましては、動燃改革検討委員会において、先ほど申し上げたように、第三者的立場から廃止を含めて白紙から検討を行った結果、解体的に再出発することになったわけでありますが、徹底的に動燃のうみを出して、動燃の職員の安全に対する認識や安全管理体制を根底から抜本的に改革して、新たな法人として出直させる覚悟で新法人として再生をさせたいと、それが私の責務だと思っております。 動燃は、一連の問題の当事者として、一刻も早く国民の信頼を得られるよう責任関係を明確にして適切な措置をとる必要があると私は考えております。そのように私の立場からも動燃を指導してまいりたいと思っております。 最後に科学技術庁の責任についてもお尋ねでございますが、動燃を適切に監督指導する立場にあって、科学技術庁としての業務の仕方等反省すべき点もございます。それらを踏まえて、当庁としてさらに調査の上必要な対応を講じていきたいという決意でございます。
○渡辺孝男君 一つ漏れていたんですが、役員の交代の件も先ほど質問したんですが、それはどのように考えておられますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げましたように、動燃としては国民の信頼を得られるように責任関係を明確にして適切な措置をとっていただく必要があると私は考えていると申しました。その方向で指導してまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 とにかく、動燃のたび重なる不祥事や、それから昨日、九月十六日に発覚した原子力発電所の配管工事のデータの改ざん事件により、原子力関連施設のある地元住民の怒りや国民の原子力行政に対する不信の念は今や極限に達していると思います。科学技術庁はこの国民の声を真摯に受けとめ、早急にこのたびの動燃不祥事の事実を解明し、国民に公開し、一刻も早く抜本改革に取り組んでいただきたいと思います。 以上で動燃関係の質問は終わりにいたします。 次の質問に入らせていただきます。 次に、ライフサイエンスの社会応用に関連して質問させていただきます。 科学技術庁が本年六月にまとめた第六回技術予測調査によれば、農業部門では、二〇〇四年、遺伝子操作による作物の品種改良の日本における実用化が予測されております。 一方、医学部門では、二〇一二年、遺伝子欠損疾患に対する遺伝子治療の実用化、二〇一五年、個人の遺伝子の構造の情報の診断や治療への利用が予測されております。また、二〇二五年、脳とコンピューターを直接結びつけるためのインターフェースの開発、二〇二六年以降、電気磁気情報を使って人間の脳に記憶されている情報をコンピューターが読み取ることができるようになるなど、遺伝子応用科学技術による短いスパン内での動植物の生命操作の進展及び人の生命や精神に重大な影響を及ぼす科学技術の急速な発展が予想されております。これら科学技術の進歩に対して、倫理、文化、社会への悪影響も懸念されております。 このようなライフサイエンス分野の発展を考えると、やはり人権の保護、生態系の保護の観点から、遺伝子操作技術や精神‘神経科学技術の適正な使用に関するガイドラインあるいは法的規制がどうしても必要になってくると思います。また、科学技術応用時の安全評価システムも充実させる必要が生じてくると思います。このようなライフサイエンスの分野の科学技術の研究開発、応用に関してのガイドライン、あるいは法的規制並びに安全評価システムに関して谷垣科学技術庁長官の御所見をお聞かせいただければ幸いです。
○国務大臣(谷垣禎一君) ライフサイエンスは新しい医薬品の開発あるいはすぐれた農作物品種を生み出す等、大きな成果が期待される二十一世紀に向けて最も重要な研究分野だろうと、このように認識しておりますが、今、渡辺先生御指摘のように、組みかえDNA技術の利用に伴う安全性の問題であるとか、あるいはクローン技術を人に応用していく場合の倫理上の問題、こういったような非常に難しい問題がたくさんあるだろう、それに十分に対応していくことが必要なのではないかというふうに思っております。 組みかえDNA実験の安全性につきましては、科学技術会議の検討結果を踏まえまして、内閣総理大臣が組換えDNA実験指針を定めているわけですが、そのほか産業への応用等に関しても関係省庁がガイドラインを定めて安全確保を図っている、そういうところでございます。 それから、生命倫理の問題については、八月に内閣総理大臣決定されましたライフサイエンスに関する研究開発基本計画において、ヒトのクローン個体作製についてはこれを実施しない、そういう実施しないこととすべき等の考え方が示されているわけでありますが、この計画の考え方を基本方針として対応していきたいと考えております。また、今の計画におきまして、生命倫理について、自然科学だけではなく、人文あるいは社会的な観点も含めて引き続き多角的な検討を継続することが必要であるというふうに指摘されております。そこで、近い将来、科学技術会議に生命倫理委員会というものを設置しまして、自然科学のみならず、法律、哲学、倫理等の幅広い視野からの検討を進めていきたいと考えております。今後とも、安全性それから倫理にかかわる問題については、ライフサイエンスの基本的課題として真摯に対応していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○渡辺孝男君 今ほど大臣がお述べになりましたけれども、科学技術会議のライフサイエンスに関する研究開発基本計画の中では、ヒトのクローン化、ヒトのクローン個体の作製は実施しないというその理由について三つ述べております。 一つは、我が国を含む多くの国々において社会的に容認されていない。二つ目は、人間の尊厳にかかわる種々の倫理的問題を内包している。三番目には、科学面、安全面等の基本的知識も十分蓄積されておらない。そのような三つの理由を述べております。 これに関して質問させていただきます。 まず第一の項目ですけれども、米国のクリントン大統領も、今後五年間クローン人間づくりを禁止する法律案を本年六月、議会に提出しておりますが、世界的にはヒトのクローン個体の作製を容認している国はあるのでしょうか。あるいはまた、人に対する実施は禁止しているものの、研究そのものは容認している国はあるのでしょうか。その点に関して担当の方からお伺いしたいと思います。
○説明員(青江茂君) 今ほど先生御指摘のヒトのクローンということに関してでございますけれども、諸外国におきましてヒトヘのクローンの技術の適用といいましょうか、それに対しては大変慎重な状況ということでございますけれども、一方、ヒトの細胞ベースといったところ、ないし動植物といったところにつきましては、何ら制約といいましょうか禁止といった状態にはございません。ヒトのクローン、ヒトの個体というものを生み出すことにつきましては押しなべて制約がかかっておるという状況にございます。
○渡辺孝男君 二番目の項目で、我が国においても社会的に容認されていないというふうに判断しておられますけれども、どの程度容認されていないのか。その根拠となった調査資料がありましたらば、その概要についてお教えいただきたいと思います。
○説明員(青江茂君) お答え申し上げます。 社会的な容認というものを何をもって判断するかということは、それこそ大変難しい問題だろうというふうにも思っておるわけでございますけれども、例のドリーが発表されて、直後に新聞によります世論調査というのがなされたというのが一つのデータとしてはございます。半数以上の方が否定的な見解というものをお持ちになったというところでございますが、私ども自体が今、世論調査、そういったふうなことをデータ的に行ったというところはございません。 ただし、例えば一つの例を申し上げますと、昭和五十八年の段階におきまして、日本産科婦人科学会が、これはもう先生御案内のとおりだと思いますけれども、一つの見解を公表してございます。 その中におきまして、受精卵の取り扱いは、生命倫理の基本に基づき、これを慎重に扱い、クローン作製は行わない等、こういった内容でもって見解を発表してございますが、それが今日まで一応推移してきておる、定着してきておるというふうな実態というものを眺めてみますと、先ほど来申し上げてございますような、日本社会におきましても社会的に受容というふうな状況にはないだろうというふうな判断をいたしているところでございます。
○渡辺孝男君 非常に大事な問題でありますので、この点に関しては調査というものをしていくべきではないかというふうに考えます。 先ほどの第二の項目なんですけれども、答申では「種々の倫理的問題を内包している」としておりますけれども、具体的に挙げるとどのような問題が提示されておりましたでしょうか、その点に関してお伺いいたします。
○説明員(青江茂君) 倫理上の問題ということになりますと、非常に複雑と申しましょうか、先生御指摘のとおり大変難しいということでございますけれども、そういったいろんな議論の過程の中で、例えば幾つか例を申し上げますと、複数の同一の人格というものをつくり出すことというのは人格の尊厳に対する侵害じゃないかというふうな御主張もございました。また、生殖ということに関しまして人為というものを介在させるというのはいかがなものだろうかというふうな御指摘というのもございました。それから、優生主義というものを助長するというふうなことにもなりはしないだろうかというふうな御指摘もございました。それから、人の遺伝子プールの貧困化というものを招くのじゃないかというふうな御指摘というのもございました。 この辺の議論に加えまして、一般的なごくごく素朴な受けとめ方としまして、これはドリーの直後でございますが、ドイツのシュピーゲルの表紙にアインシュタインとマリリン・モンローとそれからヒトラーが、三人が行列しておるというふうな表紙が出ましたが、ああいったものにイメージされるような、一般的に少し気持ち悪いなといいましょうか、そういうふうなものも含めましていろんな議論がなされたわけでございますけれども、もちろん今幾つか挙げましたものにはそれに対しましての真っ向からの反論もあるわけでございまして、その辺を含めましてこれから多くの方々、専門の方々にお集まりいただきまして議論をさせていただきたい、かように思っておるところでございます。
○渡辺孝男君 今回の答申では、「個体を産み出さないヒトの細胞の培養等については、」「医薬品の製造等において大きな意義を有する一方で、人間の倫理の問題等に直接触れるものでないことから適宜推進することとすべきである。」というふうに答申されておりますけれども、この点に関しましては特に規制や制限というものはないのでしょうか。
○説明員(青江茂君) お答え申し上げます。 今の先生御指摘の点につきましては、確かに答申の中におきましても人間の倫理の問題に直接触れるということではないのではないか、また諸外国におきましても先ほど触れましたとおり特段の規制というものが設けられていないという状況でもございますので、こういった観点から、とりあえず当面の課題としまして特段の規制というものの必要性というのは今私どもは考えてはございません。
○渡辺孝男君 第三の項目に関して質問しますけれども、クローン羊のドリーの場合には二百七十七個の卵細胞に乳腺細胞の核を移植した中で唯一成功したものでありまして、まだ体細胞のクローン化技術というものは安定、安全なものとは言えないことは明らかであります。また、本邦におきましても、培養受精卵を用いたクローン牛も本年八月に第一号が誕生したばかりで、まだ科学的安全面でのデータの蓄積が不十分であることもこれまた明らかであります。このような畜産動物のクローン個体の作製については、この答申でも情報公開を進めつつ行う必要があるというふうに述べております。 そこでお尋ねいたします。 クローン技術の研究や応用の情報公開の具体的な進め方は今後どのようにされる方針なのか、お伺いいたします。
○説明員(青江茂君) 情報公開の問題につきましては、御指摘のとおり、答申の中におきましても進めるべしという方向が打ち出されてございます。現に今我が国におきまして関係の研究というのは、プレス発表でございますとか研究会への研究報告といった形で情報公開というのは事実上進んでおるという状態にあるわけでございますけれども、それを一つのスキームとしましてどういうふうに取り扱っていくのかということにつきましては、先ほどちょっと言及ございました科学技術会議のもとに設けて近々検討を開始する予定でございます生命倫理委員会という場におきまして詰めさせていただきたい、かように考えてございます。
○渡辺孝男君 文部大臣の諮問機関である学術審議会のワーキンググループは本年八月十二日の第三回会合で、クローン技術を使った動物実験は推進するが、人間の複製に当たるクローン人間づくりを目的とした研究は行わないとの見解をまとめました。文部省はこの見解をもとに平成十年度の科学研究費補助金の公募を行う方針と聞いております。 そこで、担当の方にお尋ねいたします。 これまで科学研究費補助金を受けてきた研究で、この文部省の新方針に抵触する可能性がある、そのような研究テーマはどの程度あったのでしょうか。もしあったとすれば、その研究の内容はどのようなものであったのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(雨宮忠君) 大学等におきましては、先ほど先生も御紹介のように、牛とかあるいはカエルとかネズミとかという動物を対象としたクローン個体の作製に関する基礎的な研究が行われてきたわけでございますが、ヒトのクローン個体の作製に関する研究につきましては、私どもは報告を得ておりませんし、また科学研究費補助金への申請も確認されておりません。 また、先ほど先生御指摘のように、八月以降の学術審議会のまとめにおきましても、ヒトのクローン研究については当面差し控えるようにという方針を受けまして、平成十年度の科学研究費補助金につきましてそのような方向での公募要項を既に出しておるところでございます。
○渡辺孝男君 私は、ライフサイエンスの先端科学技術の実情を国民に正しく知っていただくためにも、また近年科学離れの傾向にあると指摘されております青少年に理解を深めていただくためにも、博物館の施設やメディアを通して積極的に情報公開をしていくべきである、そのように考えております。また同時に、科学技術の応用に関しては、それを用いる人間性の向上が不可欠であることを教える内容も必ず取り入れるべきである、そのように考えております。 文部省としましては、このような取り組みに関してどのようにされるおつもりでしょうか、考えをお示しいただきたいと思います。
○説明員(雨宮忠君) 御指摘のように、バイオサイエンスを初めといたしまして、科学技術研究の急速な高度化あるいは専門化が進行しているわけでございまして、それらのうちには一般国民になかなか理解しがたい分野というのもかなり出てまいってきているわけでございます。 今話題になっておりますクローンの問題も含めまして、いわゆる科学技術全体につきましての理解と申しますか、あるいは知識と申しますか、それにつきましては、青少年から大人に至るまでいろいろな機会を通じて私ども啓蒙普及する必要があろうかと思っておるわけでございます。 一つの例でございますが、私どもの方といたしまして「大学と科学」公開シンポジウムというのをやっておるわけでございます。今年度も十月から来年の一月にかけまして七テーマを設けまして、その中には遺伝子の問題も含まれておるわけでございますが、専門家の方々から直接、中には研究者も入っておるわけでございますが、一般の方々も含めましてやや啓蒙的な内容ということでシンポジウムを計画しております。これは毎年やっておるものでございますが、今先生が御指摘のような問題も念頭に置きながら今後のテーマの選定も心がけ、また科学技術の理解というものについて深めるような努力を今後とも進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 国連教育科学文化機関、ユネスコは、ヒトゲノムの情報は人類共同の遺産と位置づけ、遺伝情報の研究による人権侵害を防ぐために留意する点を定めたヒトゲノムと人権に関する世界宣言を本年秋の総会で採択する予定と聞いております。 その草案をユネスコ事務局長の諮問機関である国際生命倫理委員会が本年七月にまとめ、これに関して七月下旬に各国が討議を行ったと聞いております。日本も討議に参加していると思われますけれども、草案の内容、各国の論調並びに日本の対応はどのようであったか、簡潔にお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) この秋、十月中下旬ごろからユネスコ総会が開かれまして、先生御指摘のようなヒトゲノムと人権に関する世界宣言といったようなものが採択されるというような動きに国際的にもなっているようでございます。 人類の尊厳を尊重しながら個人と人類の健康を増進する、これに貢献をするという考え方に立った宣言案に日本としても基本的には賛同すべきものと、こう考えておりますが、諸外国が今どんな状況か、在外公館等を通じて目下調査中でございます。 そのようなことで、今後どのように対応していくか、関係する省庁も大変多いようでございますので、よく緊密な連絡をとってしっかりとした対応を考えていきたい、かように考えております。
○委員長(宮崎秀樹君) 時間です。
○渡辺孝男君 外務省の方にも来ていただいたんですが、時間がありませんので次回に譲りたいと思います。 以上で質問を終わります。
○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。 私も最初に動燃東海事業所におけるウランのずさんな管理問題についてお伺いいたしたいと思います。先ほど来、吉川委員、渡辺委員から御質疑がありましたので、なるべく重複を避けて質問をしたいと思います。 まず最初に、長官に予算流用問題あるいは科学技術庁の責任いかんということで御質問を申し上げるところでしたが、先ほど来の質疑で長官の真意をお聞きしました。割愛させていただきます。まず最初に、動燃の理事長にお話を伺います。私、これで何度になるでしょうか、二月来から科学技術委員会で動燃の責任者の方、まず一回目は二月二十日過ぎの委員会で、「もんじゅ」の最終報告が出たときに何を私たちに言ったか。こうした事故はもうなくさせる、あるいは職員に徹底して危機管理を植えつける、自己改革を進める、情報の伝達体制をきちっとやると言いました。それから三月に東海村の火災爆発事故が起こりました。そのときも同じようなことを言いました。そして「ふげん」の事故でございます。私は、もう四度も五度も同じことを動燃の皆さんから聞いているんです。 先ほどの質疑で、私ただごとならないなと思った発言がございます。これからちょっと聞かせていただきます。 理事長は先ほどの発言の中で、こうした体質の背景にあるものは何かとの質問に答えて、動燃技術者特有の閉鎖性にあると言っているんですよ。それから、社会一般との安全意識のずれがあったと。一番先に言った動燃技術者特有の閉鎖性というのは、これは何ですか。 つまり、私が指摘したいのは、技術者だけの問題ではないんですよ、これまで私が指摘してきたのは。例えば今回の事件で、改修工事が予定どおり進まなかった背景に、平成六年度に建屋工事の予算が認可されているにもかかわらず、当時の東海事業所長が、ピット周辺での作業は極力目立たないように進めるようにと言っているんですよ。九月九日の記者会見で認めているでしょう。だから、先ほどの近藤理事長の言った、技術者特有の閉鎖性があるというのは私は違うと思うんです。皆さん初め、特有の閉鎖性、事故を隠すいわゆる隠ぺい体質が理事長初めあったからですよ。それについて答えてください。
○参考人(近藤俊幸君) 当時の事業所長の隠ぺい工作の話がございましたが、先生御指摘の点は事実であると聞いております。 当時の事業団は、東海事業所再処理工場の停止、プルトニウム工場のホールドアップと問題を抱え、「もんじゅ」の運転を控えまして世間の注目を浴びているような状況下で、ピット内の廃棄物の保管が好ましい状況でない、こういった長年放置されている実態が明らかになったときの社会的な影響を考慮しての発言であった、先生御指摘のとおりだと思います。それで、当時の動燃の置かれた状況からそのように判断したものとは考えられますけれども、今考えてみますと、より開かれた立場にあって責任を持った対応をちゃんとすべきであったというふうに思います。 先ほどの閉鎖体質の問題でございますが、とにかく技術的な面についても自分たちだけわかっておればいいんだと、そういった世間に通用しないような感覚が強いということを私は申し上げております。そこに社会に対する配慮、それが非常に不足しているということから出てきているというふうに思います。
○中尾則幸君 改めて来週、科学技術委員会がありますので詳しくやらせていただきます。 閉鎖体質だけじゃなくて隠ぺい体質ですね、それから安全神話にずっと偏ってきたんですよ。例えば原子力安全白書を見てもそうです。そうした反省点に立った自己改革が全く進んでいないと私は指摘せざるを得ません。 もう一問いたします。先ほどの質疑にもありましたが、平成七年度以降、既に認可予算と執行が乖離しているにもかかわらず、一度敷いたレールは容易に変えられないとの認識で予算要求上のスケジュールを変更しなかった。聞くところによりますと、東海事業所は変更について動燃本社に説明したが、本社の財務部の担当者は、平成七年度の予算要求はほぼ固まっている段階であるので今さら科技庁に説明できないとのことで変更しなかったと、こういう報道もございます。そうなると、本社ぐるみで不適切な予算要求と流用にかかわっていたんじゃないか。これらの実態をどう把握しておられますか。
○参考人(井田勝久君) そのころの状況について御説明申し上げます。 当時、これはもう先生御承知のように、平成六年七月に東海事業所において貯蔵ピットの改修計画の変更が決定されました。それで、この決定後本社に持ってきたわけでございまして、当然この担当部署でございます本社の環境本部がこれを検討したわけでございまして、それが平成六年の七月末から八月の上旬に行われたわけでございます。 その間、八月のかなりあったときだと思いますが、財務担当者に環境本部、業務担当部の担当者が来まして、貯蔵ピットの改修計画というものについてこういう相談があったということでございます。当然、担当者ベースでございますので、財務担当者は、このピット改修計画の変更というのは大変重要な問題であります、このような今までの説明、これはもう動燃として決まってずっと科学技術庁にも説明していることでございますので、こういう担当ベースじゃ困る、環境本部としてきちっと上まで上げて説明できるようにしてほしいと、こういう趣旨のことを申したわけでございます。 そういう意味で、環境本部は持ち帰りまして、それが平成六年の九月に至って担当理事まで確認を得て決定されたと、こういう経緯でございます。
○中尾則幸君 次に、会計検査院にお伺いします。 先ほど来の質疑の中で会計検査院は今回の、我々は流用問題というふうに位置づけておるんですが、例えば動燃事業団法施行規則第十条に直ちに違法ではないというふうに言ってございます。十条は「予算の流用等」、「事業団は、支出予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。ただし、予算の実施上適当かつ必要であるときは、」「流用することができる。」というふうになっているわけですよ。 そうしたら、会計検査院に伺いたいんですが、流用もこれは規定ではあり得るんだけれども、この中のただし書きの中で「予算の実施上適当かつ」、この「適当」であったかどうか。この項に違反しませんか、今回の例えばいわゆる目的外の流用ということについては違反しませんか。
○説明員(小川光吉君) 一般論として先ほど申しましたように、動燃あるいは動燃に類する団体につきましてはかなり大幅な流用というものが認められているというところでございます。 先生がおっしゃったことにつきまして、まさにそれが適当であるかどうかを今調査している段階でございます。調査をやってみなければわからない、先ほど申しましたようにかなりふくそうした事象がございますので、今ここで不適切であるというような判断はちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○中尾則幸君 先ほどの答弁とちょっと違うんですが、これは不適切ということもあり得るわけですね。
○説明員(小川光吉君) 今後、調査をいたしました結果ではそういう結論が出る可能性もなきにしもあらずでございます。
○中尾則幸君 なきにしもあらずということは、あるということですね。
○説明員(小川光吉君) 繰り返すようでございますけれども、まだ東海事業所の検査を実施しておりません。したがいまして、そこで詳細にどういうようなものに使われたかの確認でありますとか、そういうことが残っております。非常に歯切れが悪いようでございますけれども、それをやった上での結論を出すということになるわけでございます。
○中尾則幸君 そうしましたら、会計検査院、これは会計検査院法二十二条で、国が二分の一以上の資本金を出している特殊法人の検査を義務づけられていますね。動燃はこれの対象になると思うんですが、この二十二条によって今まで例えば通常検査、これは会計処理だから全部会計検査院でチェックしていると思うんですが、これはやってきましたか。
○説明員(小川光吉君) 確かに会計検査院法二十二条によりまして必要的検査対象になっているわけでございます。 動燃事業団からはいろいろな書類が出てまいります。会計検査院法におきまして計算証明規則というものをつくることができることになっておりまして、その中で動燃からいろいろな書類が出ることになっております。 基本的には合計残高資産表でありますとか、そういう書類でございまして、一回一回の流用についての書類が出てまいるというようなシステムにはなっていないところでございます。国の一般会計につきましてはそういう一回一回の流用がどうであるというようなことも出てまいりますけれども、こういう団体につきましてはそういうシステムといいますか、そういう制度になっていないというところでございます。
○中尾則幸君 もう一回確認したいんですが、動燃事業団については、個別の費目についてはチェックはしていないということですか。
○説明員(小川光吉君) 毎月毎月の予算費目の流用等についてはチェックをいたしていないということでございます。年度末に当たりましては、そういう状況を聞くということはございます。
○中尾則幸君 この問題については来週にも予定されている科学技術委員会で改めてやらせていただきます。 この問題の最後に谷垣新長官にお伺いします。先ほどからの質疑なんかも伺って、国の原子力政策、これはもう国民の不信感を通り越して、一体動燃はどうなっているんだ、動燃という名前を聞くのも嫌だというぐらいまでいっているわけです。「もんじゅ」、東海村、それから「ふげん」、そして今回の事故と。その都度、体質を変える、動燃を改革してまいりますという、これはもう聞き飽きているわけです。 先ほどからも、いわゆる検討委員会もありますから抜本的に改革していくと、そういう点も私はあると思うんですが、この中で見過ごしにできないのは、科学技術庁、監督官庁の立場にありながら、これはやっぱり責任問題なんですよ。今まで動燃から報告を受けていないとかいろいろありました。しかし、科学技術庁みずから血を流すような覚悟でなければ、動燃だけで改革は私はできないと思うんです。 これについて長官の決意あるいは所信を伺って、この問題についての質疑を終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 中尾先生御指摘のように、今の状況は日本の原子力政策にとって危急存亡のときだと思っております。先ほど申しましたように、私としてはこの動燃のうみを徹底的に出し尽くすと先ほどから申し上げておりますが、徹底的に出し尽くして新しい法人をつくり上げていきたい、こう思っております。 そして、科学技術庁の責任についてもお問いかけでございます。私も今まで適時適切な監督が必ずしも十分でなかった、こういうふうに思っております。したがいまして、これらの点につきましても私ども十分調査をいたしましてしかるべき対応をしていかなきゃいかぬ、このように思っております。
○中尾則幸君 動燃の関係の方は御退席くださって結構です。 続いて、高度情報化のあり方、我が国の高度情報化についてのお尋ねをいたしたいと思います。 まず、科学技術庁長官には、おめでとうございますを言わないで、御苦労さまでございましたとなかなか言うチャンスがなかったものですから、御苦労さまでございます。 新郵政大臣には、まずもっておめでとうございます。 さて、アメリカの例をひもとくまでもなくて、二十一世紀は確実に情報化の時代を迎えると私は思っております。社会の仕組みを変え、経済の流れを変えていく、何よりも高度情報化がもたらす役割というのは国民生活が大変便利になるということであろうかと思います。特に、情報化によって行政サービスが受けやすくなる、あるいは医療や介護、教育等々の分野で地域間格差がなくなるだろう、いろいろなメリットがございます。このほか、自宅にいながら仕事につくことができる遠隔勤務、テレワークなど女性や障害を持った人たちにも大きな新しい時代の扉を開くことになるんではないかと私は思ってございます。 さて、こうした高度情報化時代に向けての新しい郵政大臣の認識をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 中尾委員から大変見識のある説明、また質問があったわけでございます。 今先生が言われるとおりでございまして、情報通信は国民生活あるいは企業活動、行政分野などあらゆる活動を横断的に支える、先生が述べられたとおりの基盤でありまして、政府が今進めております六大改革等の社会経済改革を推進する原動力と考えております。このような意義を有する情報通信の高度化の実現と普及を進め、また情報通信がやっぱりあまねく公平に国民に利用されねばなりませんから、そういった公平な利用の保障を図ることが私は情報通信行政の役割だというふうに認識をいたしております。 また、先生が今言われたアメリカでということでございますが、ゴア副大統領の情報スーパーハイウエーのことだと思うわけでございますが、アメリカを初めヨーロッパまたシンガポール、マレーシア等々でも、欧米、アジア諸国で国家的な戦略プロジェクトとして、先生が御指摘のとおり、情報通信政策を強力に各国で展開しているところでございます。 我が国といたしましても、ハードの面でございますが、光ファイバー網など次世代ネットワークのインフラの整備、それからまたソフトと申しますか、国民に身近で使い勝手のよいアプリケーション、ソフトの部分が必要でございますから、そういったところの開発普及、それからそういったことの基盤をなす情報通信技術開発等で世界に伍した取り組みを強力に御指導いただきながら推進をしてまいりたいというふうに思っております。
○中尾則幸君 行革の目標の一つに、縦割り行政の弊害を是正するとあります。それには、高度情報化によりまして行政情報が住民、国民との間で双方向にやりとりできるというシステムが不可欠じゃないか、つきましては、情報通信を国や自治体等のサービス分野にどう応用していくかということが大事じゃないかと私は思ってございますが、その点について郵政省の考え方をお伺いします。
○説明員(木村強君) ただいま先生から御質問がございましたように、縦割り行政の弊害をなくそう、行政に情報通信の先進的な応用方法が導入されますと、住民は厚生省の関係、通産省の関係あるいは郵政省の関係、それぞれの関係について直ちに情報通信ネットワークを通じていろいろな情報のやりとりができると、先生御指摘のとおりでございます。そういう意味におきまして、先ほど大臣も申し上げましたように、情報通信といいますものは横断的な諸改革を進めていくという面でも極めて有効なツールだというふうに認識しております。 そういう観点で、私どもといたしましては、まず、地域におきます情報化を促進いたします観点から、平成六年度より地域・生活情報通信基盤高度化事業ということで自治体ネットワーク施設整備事業を実施いたしております。具体的には、行政、教育の分野、医療、福祉などの公共分野におきます情報通信を利用したアプリケーションの開発普及ということでございまして、現在、二十地域においてこれを展開しております。 具体的に行政分野の情報化の例を一つだけ申し上げますと、静岡県浜松市の双方向のテレビ電話システム等の活用によりまして、住民が市役所に行かなくとも、いわば電子市役所というような形で行政相談や住民票交付等の手続を可能とするといったようなことで、自治体におきます住民の情報通信を使った具体的な仕事あるいは利活用というものが行われるようになってきておるというのが現状でございます。
○中尾則幸君 平成六年の八月に総理大臣を長とする高度情報通信社会推進本部ができました。それで、何点か具体的にちょっとお尋ね申し上げたいんですが、ただいまの御答弁にありましたけれども、高度情報化社会実現のために横断的な仕組みが必要だ、高度情報通信社会推進本部ができたということもあって、今、各省が横断的に取り組んでいるというのは私も承知してございます。 まず、その中で遠隔医療、これは郵政省、厚生省が今先進的に取り組んでおるんですが、遠隔医療についてお伺いします。 先ほどの説明もありましたけれども、自治体ネットワーク施設整備事業、これは今までの郵政省の施策の中で地域づくりに大いに役立っているのではないかと私は評価しております。まず、郵政省はこの遠隔医療にどう取り組んでおられるのか、簡単に御説明願いたいと思います。
○説明員(木村強君) 高齢化が特に急速に進展をしてまいります。医療面でこの情報通信を使った応用の方法が行われれば、これから二十一世紀を展望して非常に有効な方策であろうということで私ども強力に取り組んでおりまして、現在、自治体ネットワーク施設整備事業ということで、既に大分県を初めといたしまして四カ所、地方公共団体が主として行います遠隔医療支援業務に対して国からも補助が出ておるということでございます。 一つだけ具体的な例を申し上げますと、大分県であります。厚生省と連絡をとりながら実施をいたしておりますけれども、自治体が行います遠隔医療や在宅健康相談とかのアプリケーション、具体的な使い方につきまして支援をしておるということでありまして、専門医が常駐する大分市内の中核病院と大分市内の診療所等、これは五カ所であります、これを結ぶ、あるいは国東半島の病院と姫島、これは離島でございますけれども、診療所を結ぶといったようなことで、ここを使って症例画像をお互いに参照しながらテレビ会議等を行う、あるいは専門医による診療相談が受けられるといった具体的な施策を行っております。
○中尾則幸君 遠隔医療は距離の差を縮めて在宅ケアも将来可能にするという大変新しい試みでありますけれども、厚生省にも伺います。 今年度から遠隔医療推進モデル事業を始めました。大変いい取り組みだと思うんですが、厚生省の遠隔医療についての基本戦略を簡単にお述べいただきたいと思います。
○説明員(谷修一君) 遠隔医療はやはり今後の新しい医療の形態の一つだというふうに認識をしておりまして、先ほどお話がございましたように、在宅医療への応用、例えば病理の診断のような専門医による支援、そういうようなものが可能になるというふうに認識しています。 今お触れになりました遠隔医療推進モデル事業でございますが、これは診療所と在宅でおられる患者さんをテレビ電話等を使って結ぶ、それによって在宅医療を支援していくというモデル的な事業でございますが、私どもとしては、今後、地域におきます保健、医療、福祉、それの情報化を一層推進する、またそれの連携を推進するという観点から、将来的には介護問題というようなことも視野に入れてこの問題を考えていく必要があるというふうに考えております。
○中尾則幸君 ありがとうございました。続いて、高度道路交通システム、いわゆるITSについて伺います。 ITSは、郵政省それから建設、運輸、通産、警察庁の五つの省庁のプロジェクトみたいな形で進められておりますが、このシステムは最先端の情報通信技術を用いて人と道路それから車を一体のシステムとしてとらえて道路交通環境を改善しようという役割を果たしていると思われます。そして、安全性それから輸送効率を高めるということにも寄与しようということであろうかと思います。 まず建設省に伺いたいんですが、建設省は年間約七十億円の研究開発費を投入してITSの推進に頑張ってこられているというふうに聞いておりますけれども、例えばカーナビゲーション、あるいは今実験が始まったんでしょうか、有料道路の自動料金収受システムについてどのようなめどを立てているのか、あるいはITS推進による効果というのは一体どういうふうな期待ができるのか、簡単に御説明願います。
○説明員(佐藤信彦君) 先生おっしゃられるITSでございますが、これについてはそういった交通管理の観点から非常に大事な政策でございますので、建設省としては重点的に実施しているところでございます。 ただいま具体的な問題につきまして建設省としての取り組みということでございますが、最初に話のございましたノンストップの自動料金システムでございます。これは料金所において無線通信によりまして停止することなく自動的に料金の支払いを可能にするシステムでございますが、これについては警察庁、運輸省それから郵政省、これらの連携のもとに現在試験的なことを行っておりまして、平成十年度以降実用化の着手を目指した検討をしているところでございます。 それからさらに、建設省におきましては、リアルタイムな渋滞情報などを車に提供しますカーナビ、VICSでございますが、これにつきましても警察庁、郵政省との連携によりまして、現在、三大都市圏において、それと全国の高速道路におきまして情報提供サービスを行っております。 引き続きこれらの全国的な展開を図ることをこれから進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○中尾則幸君 ちょっと郵政省に聞きたいんですが、いわゆるVERTIS、推進協議会の試算で、こういうITS完備というかシステムが整備されると交通事故が半減する、あるいは交通渋滞が解消する、あるいはCO2が一五%削減される、いわゆる交通渋滞を少なくするということ、それから都市部においてはNOxが三〇%削減とかいろいろ効果、効用があらわれるというふうに聞いています。 一体この市場規模はどの程度考えておられるんですか、このITSによって。
○説明員(谷公士君) このITSのシステム、通信のネットワークと道路交通といった別のネットワークとが一体となって機能していくということで、私どもとしても次世代に向けて大変大きな意味のあるシステムになってくるだろうと思っておりまして、御指摘のような各省庁連携の一つの典型的な例として取り組んでおります。 その効果につきましては、ただいま先生御指摘のありましたように、いろいろな効果が挙げられておるわけでございますけれども、具体的な数値につきましてはまだなお検討中のところが多うございまして、効果としまして、例えば渋滞につきましては、自動料金収受が行われますと相当程度道路のふくそうの原因となっておりますものが解消いたしますので、そういう意味で大幅に交通が緩和されるということでございますとか、それから環境への影響としましては、渋滞の減少あるいは道路交通が効果的になるということで、二酸化炭素の排出量が相当数削減されるのではないかといったようなこと、いろいろございます。ただ、そういった数字につきましては、なお検討しているところでございます。 それから、市場でございますけれども、これもいろいろな効果が出てまいりますので、それを総合して、確実な数値というものにつきましてはまだはっきり詰め切れておりません。ひっくるめて何十兆という試算もございますけれども、ただ具体的な積み上げの例として考えますと、例えばカーナビゲーションシステムにつきましては、これは日本電子機械工業会のまとめられた資料ですけれども、一つの例として二〇一〇年段階でいきますと三千六百億円、それから自動車のレーダーシステムにつきますと、電気通信技術審議会の資料でございますが、同じ二〇一〇年で約二千億円、こういったようなものが試算されておりますので、トータルいたしますとかなりのものになってくるだろうというふうに思います。
○中尾則幸君 この推進協議会の試算では、何か二〇一〇年で五十兆円規模になるんじゃないか、大変な産業といいますか、変革をもたらすんじゃないかと思ってございます。 次に、遠隔勤務、テレワークについて労働省と郵政省に伺います。 日本はアメリカに比べてテレワークヘの取り組みがおくれている。これはパソコンの普及が十分でないとか、勤務形態、労働環境が違うとかいろいろあると思いますけれども、遠隔勤務、テレワークの普及促進について郵政省は今後どのように取り組んでいくのか、簡単にお答え願います。
○説明員(木村強君) 郵政省といたしましては、先生今御指摘ございましたように、いろんな意味で効果があるということで、テレワーク普及に向けた国民運動をひとつ関係省庁と連絡しながらやっていきたいということで、第一回目でございますけれども、この五月二十七日、いつもの通勤地獄なくなった一ごろ合わせ余りよくないのですけれども、五月二十七日ということで一日テレワークデーを実施いたしました。百社の民間企業の方々が参加をされまして、一万三千六百人がこれに参加をされたということでございます。 その他、アンケート調査などをしましても、これを推進するという機運が高まりつつございますので、私ども、民間におきますテレワークの実施を支援するために、今後、施設整備事業の拡充あるいは税制、財投支援措置の創設、それからグローバル・テレワーク・ワークショップということで、国際会議等の中でも先導的にこのテレワークというものを立ち上げていこうということで、ひとつ大きな国民運動を盛り上げてまいりたい、このように考えております。
○中尾則幸君 テレワーク、それからアメリカで言うテレコミューティング、私も去年いろいろシリコンバレー等々にもこの問題で調査に行ってまいりましたけれども、日本のテレワーク人口、ようやく一週間に一度以上パソコン等のあれで在宅で勤務するというんですか、仕事をする数が四十万人だろうと言われてございます。アメリカの場合は一千万を超えているというようなことでございまして、これは何かといいますと、特に女性の雇用、例えば育児、お子さんを抱えながら、お年寄りの面倒を見ながら働きたいというのは、例えば在宅でパソコンで仕事ができるというような効用があろうかと思います。もちろん障害者の方にとっても、わざわざ通勤電車に乗らなくていいというようなこともございます。 その一環として、サテライトオフィスというのが今ようやく立ち上がってきたと思いますけれども、労働省はテレワークモデル事業の推進を展開中だと伺っております。特に共同利用型のサテライトオフィスについて、今スタートしたばかりだと私は認識しておるんですが、この現状と将来のテレワーク推進あるいは雇用とどう関係があるのか、簡単にお答え願いたいと思います。
○説明員(澤田陽太郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、労働省としては、テレワークモデル事業といたしまして、本年の七月からサテライトオフィスを東京都府中市、千葉県柏市のニカ所に設けまして、そこに民間企業十社、ニカ所で各三十名程度の就業者に参加してもらいまして、現在試行的に実施をしております。 それとあわせまして、学識経験者や実際に企業でテレワークを企画、実施しております実務家、こういうメンバーから成ります検討会を先般設けまして、その検討会におきまして、試行的に実施しておるモデル事業からの問題点、効果等々の結果を整理して、今後のテレワーク普及のための方策等々を確立していくということをやっております。 労働省といたしましては、このテレワークにつきまして、勤労者にとりまして働くという面で多くのメリットと可能性を広げるものというふうに考えております。具体的には、先生今御指摘のように、高齢者や障害者、あるいは育児、介護等の家族的責任を持つ者に対して就業機会を広げる。さらには、一般労働者にとりましても、通勤負担の軽減によりまして自由時間をふやし生活の充実を図ることができる。さらには、雇用機会の比較的少ない地域におきまして、テレワークという形で就業機会を拡大する可能性がかなりあるというような点で、労働省として今後郵政省ともさらに連携をとりながらこの普及に努めてまいりたいと考えております。
○中尾則幸君 今、テレワークあるいは遠隔医療、ITS、重立った三つについて具体的にアウトラインだけに触れさせていただきました。このほか、文部省関係では遠隔教育、あるいはこれは通産省でしょうか電子商取引、これも大変市場規模がどうなるかという予測もつかないぐらいのいわゆるビッグバン、マルチメディア・ビッグバンだと私は思っているんですが、そういったいろいろな観点から、高度情報化はさまざまな分野で二十一世紀を変革していくんではないかと私は認識しております。 しかし、私がなぜこれを言いたいかといいますと、回りくどいんですが、今回示された行革会議の中間取りまとめといいますか中間報告といいますか、それを見てみますと、このようにいわゆる二十一世紀の欠かせざる新しい社会変革、経済変革につながる高度情報化について、行革会議の今回の中間取りまとめでは、言ってみれば推進への具体的な位置づけが明確でないわけです。 高度情報化は、先ほども指摘しましたけれども、各省横断的な取り組みが必要だということでございます。少なくとも、これを見ますと産業省に含めるやに何か受け取れるんですが、こういう考え方では私はもう時代認識のずれも甚だしいと言わなければならないと思います。 つまり、アメリカの戦略、私が言うまでもなく、クリントン、ゴアが経済戦略として情報スーパーハイウエートいわゆるNII構想を取り上げてきた。アメリカの経済はこれによって、こればかりじゃございませんけれども、確実に上向きになっている。日本はキャッチアップできるのかという、これは大変な彼我の差が私はあると思うんです。 ですから、今回の行革会議の中で何か足して二で割るような、私はこれは少なくとも行革の本来の趣旨に反するのじゃないか。つまり、情報通信省なるぐらいの取り組みが必要ではないか。私の個人的な見解でございます。各省一体となってやっているわけです。医療の分野であろうが教育の分野であろうが、さまざまな分野です、これは。それで変革していかないと、新しい行革は絵そらごとに終わるんじゃないかと私は思ってございます。 これについて、大臣はお答えしにくいと思うんですよ、今、行革会議の中ですから。大体私は記者会見で聞いていますから、こんな答えが来るだろうと思って本当はこれはお聞きしないつもりでおったんですが、やはりお聞きしなければなりません。これについての認識。 それから、二十一世紀に向けて、郵政省がこれまでずっとやってきた、このリーダーシップを郵政大臣にぜひ発揮していただいて、二十一世紀の情報通信社会のあり方、マルチメディア社会のあり方についてはっきりとしたビジョンを国民の前に示していただきたい。 この二点、決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今、中尾委員からの御質問でございますが、行政改革というのは、先生御存じのように、今内閣が抱えている六つの改革の一つでございまして、戦後五十年たったわけでございますから、やはりその時代に合ったように行政のなりわいも変えていく必要があるというふうに私は思っておりますし、行政改革というのは積極的に果敢に、やはり国民の理解を得つつやっていく必要があるというふうに思っております。 その中で、今先生御指摘のように、九月三日に行政改革会議から中間報告をいただいたわけでございまして、その中で、政党とりわけ与党の協力が絶対的に必要である、当然のことでございますが、最終的にいろいろな政党の理解が得られるような形で最終案をまとめていかねばならない、こういうふうに中間報告の「おわりに(最終報告に向けて)」というところに、これは、行政改革会議は御存じのように橋本龍太郎総理が会長でございまして、そう書いてあるわけでございます。 そういった中で、先と言われましたように、今、私は橋本内閣の一環でございまして、これはもう強力に行政改革を推し進めていかねばなりません。しかし、この文章にありますように、今は政党の方に実はボールが行っておるわけでございますから、私はそのことを、今の時点においては注意深く見守らせていただきたいというふうに思っています。 しかし、いずれにいたしましても、今、先生がずっといろいろなテレワークだとかあるいは大変すばらしい質問をされたわけでございますが、非常に各省横断的にまさに広がっているわけでございます。情報通信もますます二十一世紀に向けて重要なもの、全部国家戦略になるというふうに思うわけでございます。やはり政党のいろいろな英知あるいはそういったものをいただいてさらにいい案が出てくる、そしてさらにそれにふさわしい行政体制を構築するというふうにすることが必要であるというのは、これはみんなの共通認識でございますから、さらに私は英知のある案が出てくるのではないかというふうに思っております。それから、最後のビジョンを示せということでございますが、これはもう先生御指摘のとおり、この情報通信というのは、大きく文明が変わるような、人類社会においても、国民生活においても、経済生活においても、行政のあり方、あるいは政治のあり方においても、まさに大きな変革がもたらされるというふうに私は思うわけでございます。この文明の一つの変化をやはりきちっと英知を持って私は受けとめていかねばならない、こういうふうに思うわけでございます。 今後とも、いずれにいたしましても、私が現在は高度情報通信社会推進本部の副本部長でございますから、全閣僚がこれはメンバーになっておりまして、有識者の方も入っていただいております。そういった中で、強力にこの情報通信の高度化政策、あるいはまさにそういった文明的な視点も政治家として持たせていただいて推進をしていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○中尾則幸君 終わります。
○谷本巍君 私は、二十分という限られた時間で郵政省だけに御質問申し上げますが、初めに郵政大臣、今度の組閣で新しく郵政大臣にどなたがなられるかということを私は非常に関心を持って見ておりまして、あなたが就任されてほっとした気分でありました。そうした点も含めて、御就任おめでとうございましたということを初めに申し上げさせていただきたいと存じます。 初めに伺いたいと存じますのは、郵便貯金の預入制限額の管理の問題についてであります。 御承知のように、郵便貯金は簡易で確実な少額貯蓄の手段を国民の皆さんに提供していくという事業の目的からいたしまして、預入限度について制限を設けてまいりました。ところが、一人一千万円を超える違法な貯蓄を集めた職員に対しても募集手当を配ったとか、あるいはまた管理システムにしても一口百万一千円を超えるものしか名寄せの対象にしていない、したがって小口分散すれば幾らでも積むことができるといったようなこと等がマスコミによって指摘をされてまいりました。 ことしの四月、総務庁は行政監察に基づく勧告の中で、限度額管理が不十分であるということを指摘しながら、郵政省に対して本人確認の徹底と名寄せの仕組みの改善・充実について求めております。郵政省はどのような措置をとっておられるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○説明員(安岡裕幸君) 総務庁の行政監察に基づきまして、一つは本人確認の徹底ということでございます。それから二つ目は名寄せの仕組みの改善‘充実ということでございます。それから三点目は減額の徹底と迅速化について、本年四月に勧告を受けたところでございます。郵政省といたしましては、今回の勧告を真摯に受けとめまして、速やかに改善に取りかかっているところでございます。 具体的には、一つは、本人確認の徹底につきましては、本年五月から六月にかけまして全郵便局対象の講習会を開催しまして、勧告指摘事項を徹底させたところでございます。二点目は、名寄せの改善・充実につきましては、より効率的な名寄せを行うためのシステムの改善によります作業期間を短縮するということを実施したところでございます。それから三点目には、減額の徹底と迅速化につきましては、書面による通知ということをそれぞれ本年から実施したところでございまして、今後とも厳正な取り扱いが図られますようにさらに徹底してまいりたい、このように考えております。
○谷本巍君 そこで郵政大臣に伺いたいのでありますが、本人確認や限度管理の甘さが脱税などの不正やマネーロンダリングに利用されやすいという指摘がこれまで行われております。大臣はこのような点についてどういう見解を持っておられるか。また、庶民にとって簡易、確実な貯金制度を守っていくのには、本人確認や限度額管理については厳正に行うべきであると考えますが、その点、大臣はどうお考えでありましょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 谷本先生の御指摘のとおり、大変この点は大事な点でございまして、郵政省といたしましても、これまでも厳正に本人確認及び預入限度額管理を行ってきたところでありますが、今先生御指摘のとおり、簡易で確実な貯蓄の手段としての郵便貯金事業を守るためにも本人確認及びこの預入限度額管理をさらに厳正に徹底をしていかねばならない、こういうふうに思っております。
○谷本巍君 続いて、基盤技術研究促進センターについて若干伺いたいと存じます。 初めに、現在までのセンターからの出資と累計額、研究成果としての配当等の収入、これを見てみますと、かなり大きな格差がございます。これについてマスコミは、こういう状況の中ではもう既に出資額を回収するということは不可能になってきているのではないかといったことを断定しているのも少なくありません。 そこで伺いたいのは、この制度がロイヤルティー収入で出資金回収をするというシステムである以上、研究開発の評価を厳しくチェックする必要があったのではないか、これが一つ。それからもう一つは、しかしそうはいっても、リスクの高い基盤・基礎技術研究開発で右から左と収益を上げて投資資金を回収するということは事実上困難だという見方もあるわけでありまして、そうした点からしてみますというと、システム自体に無理があるのではないかという見方もできるわけであります。郵政省はどうお考えになっておるでしょうか。
○説明員(木村強君) 基盤技術研究促進センターにつきましては、通産省と共管の認可法人でございます。ここに国の産投のお金が出資をされておるわけでありますけれども、この意味と申しますのは波及効果が非常に大きいものがございますが、ただリスクが大きい、したがって民間企業だけではなかなかやり切れない。これを国が支援をして一緒になって基盤技術の研究開発を行っていこうという国としても非常に重要な分野でございます。 しかし、この研究の性格から申し上げますと、今先生御指摘ございましたように出資金の回収という仕組みにつきまして、製品化とか実用化までの懐妊期間が非常に長うございますから出資金の回収もすぐに右から左というわけにはまいりませんが、ある程度長期のスパンを見ていただくというのが一つでございます。 それから、リスクが大きいものも当然含まれておりますから一つの案件だけを見て失敗したということではなかなか立ち上がれませんので、トータルとしての出資は八年度末まで二千二百億円がつぎ込まれておりますけれども、トータルとしてこれが回収できるようにということでございますが、現時点ではロイヤルティー収入と申しますか、こういった研究開発の成果がリターンとして戻っておる額は非常に少のうございます。 これにつきましては、確かに研究開発の段階から評価の重要性というものをチェックいたしまして、単に技術的な問題だけではなくて経済性、採算性といったようなものについてもしっかりやっていこうということで、平成八年度から経済性の評価を外部機関に委託をいたしまして、これはりターンの可能性があるかどうかということも改めて厳しくチェックしていく、こういう体制をとったところでございます。 さらに、これからはベンチャーが非常に重要でございますので、そういったベンチャー企業等中小・中堅企業の研究開発も応援をしていこうということで、ベンチャーといいますのは危険はございますけれども、二十一世紀を展望して通信というものを見れば非常にリターンの大きい要素もございますので、こういった新しいリターンの果実を生むような中身というものもこの中身に取り入れていこうということでございます。 確かに、国が出すお金でございます。しかも、産投でございますからリターンというものが予定をされております。一般会計の税金のようにつき込んで終わりというものではございませんので、出資したものは回収するという基本的な認識は持ちつつ、この研究成果というものについてやはり国が支援をしていく意義というものを認め、調和を図りながら、さらに私どもとしては体制を整えてこの制度というものを運用してまいりたい、このように考えております。
○谷本巍君 もうちょっとそこを伺いたいことがあるんですけれども、時間がありませんので先に進まさせていただきます。 行政改革と郵政事業について伺いたいと存じます。 行革会議の中間報告は、御存じのように、通信・放送については行政委員会制で行っていきたいというふうにしております。 そこで、初めに伺いたいと存じますのは、行政委員会制といえば、今日では中央労働委員会など紛争処理などの特定のものだけ残っておりますけれども、第二次世界大戦直後と申し上げてよかろうと存じますが、その時期には多くの分野でこれが採用されました。ところが、極めて短い期間の間にこれが中止ないしは廃止になってきております。その点は電波監理委員会も同じでありました。 なぜこうした制度が定着することができなかったのか、初めにその事実関係について、時間がありませんので簡潔にひとつお答えいただきたいと存じます。
○説明員(谷公士君) 御指摘のように、第二次大戦後、米国における行政制度を参考といたしまして、これは米国におきましては御案内のように議会に対して責任を負いますいわゆる独立行政委員会が数多く設置されておりますけれども、こういったことを参考として中央労働委員会を初め多くの行政委員会が設立されましたが、その中で電波監理委員会も昭和二十五年六月に設立されました。 しかし、約一年後の昭和二十六年八月に政令改正諮問のための委員会というところが行いました行政制度の改革に関する答申ということの中で、行政委員会制度は原則として廃止するという指摘がなされました。これを受けて法改正が行われ、電波監理委員会につきましても昭和二十七年七月に廃止された次第でございます。 こういったことをめぐる事実関係については、当時のことでございますし、わずか一年間でございましたのでつまびらかにはいたしませんが、この答申の中で述べられております理由といたしまして、一つには、行政委員会制度は、もともとアメリカにおけるものと異なり、我が国の社会経済の実際が必ずしもこれを要求するものではなかったということが一つ。 もう一つは、能動的に行政目的を追求する事務については責任の明確化を欠き、能率的な事務処理の目的を達しがたかったことという二つの理由が挙げられているところでございます。
○谷本巍君 そこで、大臣に伺いたいのであります。 昭和二十年代ころと比べてみますというと、二十一世紀に向けての情報通信行政というのは、テンポの速い技術革新と、それからグローバル化にどう追いついていきながら機動性のある対応、これが求められております。にもかかわらず、合議制で内閣離れという行政委員会制度を設けていくというのは、これは少々適切さを欠くのではないのかというふうに私には思われてなりません。 さらにはまた、情報通信の経済、これが産業発展のみか社会発展の原動力として非常に重大な意味合いを持っておるわけであります。それが行政委員会のもとで国会のコントロールから離れる、そしてまた国会で責任のある答弁を行う担当大臣もいないというようなことであるとすれば、どうもこの制度というのは議院内閣制のあり方からしても整合性を欠くと言わなければなりません。 繰り返しますというと、責任のある行政の機動的対応、議院内閣制とのかかわり等からして大きな問題があると思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今さっきの谷本先生の質問に対しまして政府側が答弁をさせていただいたわけでございますが、行政委員会につきましては、主として紛争処理等の慎重な判断を求められる分野で、今先生の御指摘のとおり委員の合議によりこれは意思決定を行うものですから、内閣から独立して職権を行う機関であるというふうに承知をいたしております。 先生、戦後すぐの時代にこういったいろいろな行政委員会があったけれども、今日電波監理委員会を初め廃止されたということを答弁として引き出されたわけでございますけれども、そういった歴史的経緯があることは私も勉強をさせていただいております。通信・放送行政を行政委員会が行うことについては、まさに先生が今御指摘のようないろいろな意見があるというのは私もよく承知をしているつもりでおります。 しかし、今さっき申し上げましたように、やはり行政改革というのはやらねばならないことだ、断行せねばならないことだと、これは私は国民の方々みんなに御理解をいただく、こう思うわけでございます。その中で、橋本総理が会長でございます行政改革会議から中間報告が九月三日に出てきたわけでございますから、最終的には与党及び行革会議においてさらに論議が深められ、いろいろな知恵と英知といいますか、そういったものを積み上げてよりよい行革の案が最終的に出てくる。特に、今さっきも言いました与党及び行革会議においてさらにいろいろな議論が深められるというふうに私は思っておりますので、議論の行く末をしばらく見守っていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 最後に、これからの中間報告検討に当たって若干の要望を大臣に申し上げたいと存じます。時間がありませんので、二、三点要望を申し上げたかったのでありますが、一点だけ申し上げておきたいと存じます。 郵政事業は三事業体一体でこそ効率的な経営が可能になっていくのでありますが、ばらばらになっていきますというと、郵便のみ国営と言っても、例えば都市と農村との格差なき情報通信というのが維持できるか、非常に難しくなっていくでありましょう。さらにはまた、一律料全体制の維持はおろか国営の状況を維持することも大変な状況になっていくと私は思います。 その過程で何が起こってくるか。これまで論議をされてきておる一つの例としては、農山村、過疎地などの場合は致命的打撃を受けるであろうという論議が多くありました。じゃ、都市はどうなんだということになってくると、その点の論議は私の知る限りでは余りにも少なかったように思います。 例えば、宅急便との関連で申し上げますというと、今でさえ宅急便は狭い生活道路をビュンビュン走っていく、そして運転手さんはどこででもとめて荷物を担いで走っている、こういうふうな状況がよく見られます。交通法規無視、劣悪な労働条件、そして住宅密集地での交通障害、さらにはまた排気ガス、こういったような問題等々を見てみますと、民営化されたらどうなるか、何か私は背筋が寒くなるような気がいたします。それでも経済学者などは民営化すれば料金が下がる、こう言うんです。果たしてそうでしょうか。確かに競争は激化していくでありましょうけれども、不合理、不経済きわまる錯綜輸送がふえてくるんです。ですから料金が、コストが下がると言ってもこれは限界があるんですね。 こういう状況等々から見てみますと、私は国民の皆さんが、都市の皆さんが得るメリットよりもデメリットの方が大きくなっていきはしないかという気がいたします。そういう点では農山村だけではなくて都市だって同じだという、その辺の問題提起を積極的にしていく、その辺の論議をもっと盛んにしていくということが必要ではないかと思います。 そうした点等々を踏まえながらこれからの御検討をひとつお願いしたいというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 先生の大変貴重な意見、ありがとうございました。 本当にそういったさまざまな意見があるわけでございますが、これは五十年に一遍の行政改革でございますから、よりよい行政改革をやらねばなりません。 そういった中で、答弁を繰り返しますが、橋本総理が会長の行政改革の中間報告が出されたわけでございます。これによりますと、これで最終的にかちっと決まりじゃないんだよということを、与党あるいは政党にいろいろ聞くというふうに書いてありますから、先生の御意見、さまざまな意見があるというのは承知をいたしております。 いずれにいたしましても、そういった中で今後与党及び行革会議においてさらに議論が深められ、さらによい英知のある行革案が出てくるものというふうに私は期待をいたしておりまして、今、政府が行革会議で決めて与党の方に、あるいは政党の方にボールが返ってきたばかりでございますから、今の時点ではいろんな論議を深めていただいて、いろんな国の経験がございますから、そういったことでまさによりよい行革案にしていただきたい、こういうふうに思っております。
○谷本巍君 終わります。
○大脇雅子君 時間がございませんので、三問お願いをいたしたいと思います。 今般問題になっておりますウラン廃棄物屋外貯蔵ピットの滞留水問題について質問させていただきます。 動燃側によりますと、廃棄物の貯蔵の中身やその量の記録は見つかっていないということですが、核燃料物質の使用等に関する規則によれば、廃棄、保管の都度、使用廃止までの間、保存義務が課せられていると思います。記録はされたのでしょうか、紛失したのでしょうか。これは法律違反だと思われますが、責任者はだれなのでしょうか。意図的に記録の公表を避けているという声すら上がっている現状にどうこたえられるでしょうか、動燃にお尋ねします。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。 先生お尋ねの件、貯蔵ピット内の廃棄物全部でドラム缶約二千本と推定いたしております。原子炉等規制法に基づきますと、先生御指摘のように、種類別の数量に関する記録については保存義務がございます。現在まで、昭和四十二年に一番最初のものは貯蔵されたわけでございますが、その際の記録等が見つかっておりません。鋭意探していきたいと思っております。 今後、こうしたすぐ見つからないような状態がないように改良していきたいと思っておるところでございます。
○大脇雅子君 責任者はだれかという点はどうでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 当該責任者は、規定上から申しますとまず一義的には東海事業所長にあろうかと存じます。当時の精錬事業所長、当時は原子燃料公社東海精錬所と申しておりましたので、所長にあろうかと思います。
○大脇雅子君 外壁防水工事が終わりました九五年四月ごろからピット内部の滞留水が増加をしているということであります。これはどこからの水と推測されるのでしょうか。特に、水は今回ゼロまでくみ上げたのでしょうか。水質検査の結果はいかがであったのでしょうか。それを公表する意図はあるのでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 先生御指摘のとおり、平成七年に外壁防水工事を行いましたところ、ピットの一部の層の滞留水の水位が増加傾向にあるにもかかわらず抜本的な対策をとってこなかったわけでございまして、深く反省しておるところでございます。 この水がたまりました原因につきましては、目下のところ、工事により周囲の地盤を通して水が通しづらくなり雨水の浸透などの経路が変更したのではないかというふうに推定しておるところでございます。こうしたことから、結果として滞留水が増加したということでございまして、水路の変位というふうに考えられますが、いま少し詳しく調べてまいりたいと思います。 なお、中にございました滞留水につきましては既にすべてくみ上げておりまして、その水の分析値につきましても数値が出次第、皆様に明らかにしていきたいと思っておるところでございます。
○大脇雅子君 こうした事故が発生するということは、先日の衆議院の科学技術委員会におきましてもセーフティーカルチャーに問題があるということが言われたりしております。 しかし、これを機会に一斉かつ集中的な点検活動をされるべきではないかというふうに思います。とりわけ安全神話と技術過信を反省して、立入検査体制というものは見直されるべきだと思いますが、今回その点についてどのような姿勢をとっておられるのか、動燃の理事長と長官にお伺いして、質問を終わります。
○参考人(近藤俊幸君) 毎度と、こう言われてまことに恐縮でございますが、今度はこれを最後の総点検の機会にしたいということで、今動燃の全事業所の全設備、大小問わず管理のあり方も含めて徹底的に施設設備を総洗いして、隠れた問題はないのか、すべてここで出し尽くすということを指示しております。その結果が出ればまた公表していきたい、それからまた必要な対策はできるだけ早く対策を打っていくという方向で考えております。
○説明員(池田要君) ただいま先生から廃棄物の保管状況の点検をすべきではないかといった御指摘がございました。私ども科学技術庁といたしましても規制法を施行します立場から、本件問題が明らかになりますと同時に、現場においては立入検査をまだ続けているところでございます。動燃東海事業所につきましてはこうした立入検査によりまして、今回の事件がどういう状況で生じたのかといったことについて関係者の聴取記録の点検等を厳格に進めさせていただきたいと思っております。 なお、こういった事態が明らかになりましてから私どもとしましては、ほかにこういった問題がないかといったことにつきまして、当庁の所管しております主な原子力施設のこうした放射性廃棄物の保管状況について早々に点検を指示いたしました。それぞれ事業所からの回答を得たところでございますけれども、ただ事業所に点検させるだけということでは必ずしも十分でないということをこれまで私ども痛感しているところでございます。そうした事業所に対しましては九月十日までに当庁職員を現地に派遣いたしまして、その実施状況について確認をさせていただきました。 結果について一言申し上げれば、残念ながら動燃事業団につきましては東海事業所の一部に廃棄物の管理上適切さを欠くといったところが見られた次第でございます。ほかの事業所につきましては、押しなべて管理に問題があるといったことではないことを確かめた次第でございますけれども、私ども、今回の動燃事業団の問題も踏まえまして、今後一層現場を重視した安全規制を厳格にやるべく努めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大脇先生御指摘の調査の件でございますけれども、今までの予算流用問題とかいろんなことにかんがみまして、やっぱり科学技術庁としても現場をしっかり見るということが大事ではないか。 私も就任いたしましてから、動燃事業団の全事業所、そのすべての施設設備の管理あるいは運営等の状況を把握するために、当庁の職員が直接自分の目で確認せよという指示を出しまして、昨日から東海事業所の立入検査が行われております。
○大脇雅子君 ちょっと時間がありますので、今動燃の施設のみ問題があったということですが、それはどういうところが問題になり、しかもそれに対する対策というのはどのようにとられる御予定でしょうか。
○説明員(池田要君) 動燃事業団の東海事業所におきましても、幾つかこういう廃棄物を管理している建屋等がございます。 その建屋に立ち入りましたところ、例えばコンテナですとかドラム缶に収納しているわけでございますけれども、この表面に、例えばさびですとか表面塗装がはがれているといった容器の適切さといったことでは、その補修等の措置がなされるべきところがされていないというような状況が見られました。また、こういった施設の貯蔵に当たりましては、結露水、露等で水が生じるということもあるわけでございますけれども、こういった水の適切な管理といった点でいささか放置しているような情景も見られたといったこともございました。 それから、必ずしも容器に入らないような機器等を建屋の中に収納しているといった場合もございましたけれども、こうしたものがシート等に覆われて保管されているわけでございますが、必ずしも日常その管理状況について目視によって確認できるといった状況にないといったことも見られました。こうしたことは廃棄物を安全に管理していくといったことから考えますと適切ではないと考えておりますから、そういった状況について改善措置をとり、報告をするように指示したところでございます。
○緒方靖夫君 郵政事業の民営化なるものに日本共産党は断固反対です。郵政は国民的な事業であり、国民サービスを一層向上させることこそ求められているわけですけれども、現場ではこれに逆行する事態が進んでいると思います。 東京郵政局では、昨年来、民間並みの人事交流ということで過去三回一般職員の人事異動が行われ、総人数は、九六年十月二百人、九七年三月千七十人、九七年九月八百八十一人に上っております。 現場で職員とかの体験、声を聞きました。私びっくりいたしました。大臣にぜひよく聞いていただきたいんですけれども、実態その一、郵便局長から当日突然呼ばれ、内命発令で異動が言い渡される。いきなり話に同意しない、撤回してほしいと言っても、局長側は、人事権の行使だから異議申し立てば一切受け付けない、そう言う。質問書を配達証明つきで出しても受け取りを拒否する。 その二。本人が休みでつかまらないと、何と電話やレタックスで一方的に自宅に異動の内命を送りつけ、発令とする。 その三。こうした発令が三十年以上同じ職場に勤めた定年間近の五十歳代後半のベテラン職員にも出され、その結果、退職者や何と自殺者まで生んでいる。これが実態なんです。 全逓、全郵政、郵産労、郵政ユニオンの組合区別なく行われている。こうしたことが職員の理解と納得を得られて行われていると言えるんですか。
○説明員(天野定功君) 東京郵政局に限らず、職員の人事交流につきましては、私どもの職場の活性化あるいは職員の能力開発等、業務上の必要性から適正に実施しているものと考えております。
○緒方靖夫君 こうしたことが適正なんと言うこと自体が本当におかしいことです。重大なことです。しかも、異動範囲も、土地カンも働く同一管轄エリアが望ましいと言われているんだけれども、例えば都心から三多摩に異動させられる。地域との密着性、これと切り離されて仕事をせざるを得ない。地域住民の方からもこんなことはおかしいと疑問の声が出ているんです。 郵政事業は、郵政省みずから強調しているように、公共性が強い郵便の集配など人力依存型の事業ですね。この地域の実情に精通した集配職員の異動によって郵便物の遅配とかあるいは誤配、こうした事故が増加しているんです。国民サービスの低下、仕事の質の低下そのものも進行している。こうした異動は、大臣、私は国民の郵政事業に対する期待を裏切ると思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(天野定功君) 職員の異動につきましては、本人の能力、適性はもとより、ふだんの勤務成績あるいは希望そのほかもろもろの事情などを総合的に勘案しまして人事の適正を期しているところでございまして、御指摘のような点はないと思っております。
○緒方靖夫君 認められない。 官房長、私、手元に東京郵政局長が各郵便局長あてに出している「一般職員の人事異動について」という通達を持っているんです。日付、平成八年九月二十日、「永久保存」と書かれている。そこに何と記されているかというと、これによると、「人事異動の推進に当たっては、」「対話の促進・充実によって人事異動に対する職員の理解と認識を深めていくことが大切」だ。「人事異動に対する意識の濃淡、希望の有無等に配慮し、職員一人一人との日常的な個別対話によって、意識改革や希望の把握等に努める。」、そう定めているんです。そして異動の範囲についても、現在勤務する郵便局の「エリア内の局所間異動を基本とする」。エリア内と言われているわけです。 みずから定めたこうした通達、官房長、これ反しているんじゃないですか、今行われていること。
○説明員(天野定功君) 今、反しているという御指摘でございますが、一般職員の場合は管理職員と違いまして、私どもの方としましては職員が適切に意欲を持って働くということを重視しておりまして、ただいま御指摘のように、管理職員が部下職員との日常の対話あるいは本人のいろんな事情等も最大限くみ込んで適切な人事配置を行うよう努めているところでございます。
○緒方靖夫君 そういう対話というんですけれども、対話もどういう対話かということを疑わざるを得ないことがあるんです。 ここに東京郵政局が昨年七月に出した普通郵便局長・特推連会長等会議の記録があります。「人事部説明要旨・資料」と打ったものですけれども、「取扱注意」とも書いてある。ここには東京管内にある約百の郵便局におけるデータが詳細に書かれているんです。そこで対話記録という部分がある。ここには「対話の目的」として、教えた場合はA、褒めた場合はB、しかった場合はC、その他の場合はDと四段階に区別しているんです。対話の内容も家族、職場の人間関係など十五に分類されているんです。御存じでしょう、そういうことは。そして、整理表に結果をチェックすると書かれている。そして、所属長の査閲を受けると書いてあるんです、査閲を受ける。 大臣、査閲という言葉は御存じですか。
○説明員(天野定功君) 査閲という言葉は非常に難しい言葉でございますが、閲覧して中身が正しいかどうかを調べるという意味合いでございます。
○緒方靖夫君 辞書を引くとこれは軍隊用語なんです、軍事教育の成績を査閲官が実地に調べること。こんなことが郵便局でやられているんです。こうした対話を調べているということは事実ですね、官房長。
○説明員(天野定功君) ただいま御指摘のような職員との対話を日常的に行っているということは、それは具体的なやり方は各管内多少の違いはあろうかと思いますが、一般的にはそのとおりでございます。
○緒方靖夫君 こうした文書に基づいて実施されているということを認められますね。そういうことだと思います。 それで、重大なのはそれだけじゃないんです。昨年十二月以来、東京郵政局が石神井、目黒、板橋、小石川の局に応援部隊と称して十名から二十数名の管理職を局長の頭越しに職場監視のために送り込んで徹底した労務管理を行っているんです。その結果、石神井局では局長以下管理職全員が更迭された。職場に来てその部隊が何をやっているか御存じですか。ここに私、その点検項目を持っています。 何をやっているかというと、例えば規律の徹底遵守、作業室への私物持ち込み禁止、この項では弁当まで持ち込み禁止です。暑いさなかに弁当をロッカーに入れたら暑さで腐る、職員がそう訴えても受け付けない、聞き入れない。職員のサークル室を全部一掃しちゃった。配達のベテラン職員の後をストップウォッチを持って、その管理職がつけて回って何分かかるかはかって、そしてさらに住民に職員の評判はどうですかと聞く。住民の方は怒るわけです、親しんでいる職員についてそう聞くから。あるいはうるさくそういう管理職がつきまとうので、職員がついやめてくれ、そう抗議したら戒告処分です。病気がちの職員に仕事がのろいと言って、業務をさせずに訓練と称して二日間缶詰にして反省文を書かす。障害のある職員に、能率が劣ると言って数日間研修を言いつけて実際に退職を強要する。徹底した労務管理がやられているんです。 先ほどの東京郵政局の人事管理用資料には、何と驚いたことに「要改善職員の状況」という欄があって、サラ金等の利用者の一覧表まであるんです。官房長、こんなことまで調べているんですか、郵政省は。
○説明員(天野定功君) 具体的な事実関係の御指摘がありましたけれども、私どもその石神井局の具体的な事実関係については承知しておりませんので、お答えは申しかねます。
○緒方靖夫君 サラ金のことを聞いているんです。サラ金を職員が各局で何人借りているか、ここに資料があるんです。認めなさいよ。
○説明員(天野定功君) サラ金につきましては、非常にサラ金の融資を受けた後のその返済に困って過去にいろんな問題やトラブルが起こっておりますので、それにつきましては、管内によってはそういった職員のサラ金の借り入れ状況などを把握しているというところはあろうかと思います。
○緒方靖夫君 こうした形で、対話と称してまさに軍隊内でやる職員の成績を調査する、こんなことをやっている。あるいは職員一人一人の生活状況をつぶさに調べ上げて、各局でサラ金から借金している職員が何名いるかということを全部表にして、それを配る。こうしたことが職員に対してどういうことになるかということを考えたことがあるんですか、官房長。
○説明員(天野定功君) もとより職員の私生活にわたりましては、プライバシーとか職員の個々の事情というものもございますので、おのずとそういったところに職務上調べるというものは限界があろうかと思いますが、私どもといたしましては、職員が平素適切に仕事をやっていく必要な範囲内で、業務上の必要の範囲内で調べているわけでございます。
○緒方靖夫君 業務上の必要の範囲じゃないんですよ。こうしたことを徹底して、家族関係から何から何まで調べ上げる。ここに全部証拠あるんです。こうしたことまで職員を調べ上げて、職員一人一人の人格は一体どうなるんですか、また人権というものは一体どうなるんですか。それが問題なんですよ。今そういうことに大勢の方が悩んでいる。組合の区別全然ないんです。組合の区別関係なく、多くの職員がそういうことに困っている。本当に今職場が大事なときに職場の和が乱されている、こういうことが起こっているんです。私はそのことを問題にしているんです。 大臣、今お聞きになったとおりです。郵政事業は、人は城、私はそう思うんです。人的資源が宝の事業であって、三十万の職員が団結して業務に励む、これが国民の期待であり、国民的要請だと思います。ところが、職員の一人一人の人格、これを本当に無にするような、無視するような行為が行われている。職員の働きやすい職場をみずから当局の行為によって破壊する、そうした状況をつくり出しているのが現在なんです。私は、こうしたことを考えたときに、郵政の職場でこうしたことが起こっていることが国民にとって一体どういう影響をもたらすか、そのことをやっぱり国民的視野で考えていく必要があると思うんですね。放置できないと思うんです。 大臣、きょうこういう話をいきなり聞かれたかもしれません、あるいは知っておられたかもしれません。しかしいずれにしても、こうした訴えが広範に行われている、そのことについてやはり大臣として今郵政事業が非常に大事なときに責任を持って調査する、そしてその結果に従ってしかるべき是正をする、そのことが当然必要だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 緒方委員から今いろいろな御質問があったわけでございますが、やはり職員の人事交流につきましては、職員の能力開発あるいは職場の活性化ということも非常に大事ですから、そういった観点から私は不可欠なものだというふうに認識をいたしております。 また、こうした認識のもと、現在本省、地方郵政局等が一体となって、職員のそれぞれの適性あるいは能力、勤務成績等を考慮しながら人事交流を積極的に推進するように指導しているというふうに私は聞いております。
○緒方靖夫君 大臣、今私が言ったようなことについてやっぱり実態をきちっと知っていただく、このことが大事だと思うんです。そのことについていかがですか、調査。
○国務大臣(自見庄三郎君) 職場がそれぞれ生き生きと活性化するということは基本的に大事なことでございますが、職員の私生活については行き過ぎがないように配慮する必要があるというふうに思っております。
○緒方靖夫君 大幅な行き過ぎがあるので、今大臣が言われたことをきちっと守っていただきたい。そしてまた、やはり大臣が直接現場を知る、このことも非常に郵政事業にとって大事だ、このことを述べておきたいと思います。 もう一つ私が指摘しておきたいのは、郵政事業の各分野で起きている天下り先企業との癒着問題なんです。 郵政省には職員の福利厚生を主な事業とする財団法人郵政弘済会という団体があります。役員七名の経歴を見ると、元大臣官房財務部長の岡田会長を初め四人が郵政省幹部のOB、ほかの三人も全逓労組の元幹部となっております。私はことし六月、郵政省に対してこの弘済会が出資する営利事業について資料を求めたところ、個別の出資先及び出資金額まで把握していない、そういう返事を書面でいただきました。このことは確かですね。
○説明員(天野定功君) 前にお答えしたとおりでございます。
○緒方靖夫君 私ちょっとこれに関連して、お答えがないので自分で調べてみました。これを大臣と委員長にお渡ししていただけますか。 実はこの弘済会は、その傘下に一〇〇%出資の新興機材という建設子会社を持っているんです。この会社の役員を調べましたけれども、社長は郵政省中国郵政局建築部長の出身、ほかの役員も、二人を除く五人全員が同省幹部のOBか全逓の幹部OBで、天下り先の指定席となっているわけです。全国に八カ所ある営業所長もみんな天下りです。 しかも、この会社の九六年度の工事経歴書を見ると、不可解なことに郵便局関連の工事ばかりがずらりと並んでいるわけですよ、資料を見ればわかりますけれども。請負総額は一年間で百十億円に上る。 さらに驚かせるのは、その受注システムです。弘済会や各郵便局からの元請工事もあるけれども、異常なのは、郵政工事を受注した多数の元請ゼネコンから一たんこの会社に下請が集中して、そこから実際に仕事をやる各孫請施工会社に再下請が出されている。これは、この会社が郵政省発注の工事を一手に仕切る工事窓口となっていることを示しているわけです。 郵政省は、発注官庁として、関連工事がこうした異常な形で請け負われているという実態を把握されていないんですか。
○説明員(天野定功君) この新興機材へ郵政省が直接契約した分につきましては私ども承知しておりますが、ただいま先生御指摘のように、一たんゼネコンから新興機材が下請として受注し、その後また孫請との関係につきましては、これは民間企業者間の問題でございまして、郵政省としては関与しておりませんので承知しておりません。
○緒方靖夫君 非常に無責任なんですよ。 思い起こしてください。郵政省は九二年の六月、総務庁の行政監察で、公益法人が資本の大部分を出資する等により実質的に営利企業を経営することは指導監督基準からも問題だと是正勧告を受けているんです。それと同じことが今ここで行われているんですよ。そうじゃないですか。違いますか。
○説明員(天野定功君) この新興機材は確かに財団法人郵政弘済会の出資を受けている企業でございまして、そういった公益法人につきましては、昨年の九月に公益法人の設立許可及び指導監督基準といったもので保有する子会社の出資割合や役員等につきまして一定の基準が設けられておりまして、それに違反している部分につきましては、すぐにというわけにはまいりませんけれども、私どもは今順次その適正化につきまして指導に努めているというところでございます。
○緒方靖夫君 九二年に行政監察でおかしいと指摘されたことを今上手にやっているという話ですよ。またこういう新しい問題がある。重大問題だ。 ある関係者は、私に次のように証言しているんです。郵政官僚は関連工事を受注した元請ゼネコンに必ず新興機材を通すよう圧力をかけている。この会社が建設会社なら、本来持っているはずの資材置き場すらない。新興機材は郵政官僚OBと全逓幹部OBに食わせるためだけに存在するトンネル会社だ、それにほかならないと言っているんですよ。生々しい証言ですよ。 確かに、この会社は従業員わずか四十五人。その会社で年百十億円もの郵政工事を請け負い、同じく百十億円もの売り上げを上げている。そればかりか、完成工事原価を見ると、外注費が全体の六割を占めるなどゼネコン並みの比重となっているんですよ。まるで元請会社が二つあるような状態なんです。建設業法に定める主任技術者も、本社二人、各営業所に一人、計十人。相当部分で建設業法違反の丸投げが行われている疑いが濃厚なんですよ。 大臣、こういう状況なんで、やっぱりこの問題、直ちに調査して是正すべきじゃありませんか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今の郵政弘済会についての委員からの御質問でございますが、率直に言いまして、私、今初めて聞きました。 そういった中で、しばらく調べさせていただきたいと思いますが、今官房長も申しましたように、やはり行政改革の中で、公益法人あるいは子会社のあり方というのは大変大きな論議を呼んだところでございますから、今適正化に努めているという話が官房長からあったわけでございますが、そういったところを含めて、しばらく調査をさせていただきたいと思っております。
○緒方靖夫君 調査の約束をいただきました。 大臣、行政改革の大事な時期だからこそ、こうした癒着を思いっ切りただす、これが大事だ、私はこのことを指摘して質問を終わります。
○水野誠一君 私は、まず教育分野の規制緩和について文部省に伺いたいと思います。 私は昨年十一月のこの決算委員会におきまして、行政改革委員会規制緩和小委員会の議論の中で初めて教育問題が取り上げられたことを評価いたしました。学校選択の弾力化、あるいは教科書検定プロセス及び検定基準の公開などについて質問をさせていただきました。当時の小杉文部大臣から前向きな御答弁をいただいたことを記憶しております。 その後、十二月に行政改革委員会より規制緩和の推進に関する意見、「創意で造る新たな日本」が出されました。論点整理に挙げられた点が盛り込まれました。その中では、今後の教育における重要な観点として、自己の意識や価値観を育て、個性を伸ばし、自己実現のためにみずから選択する力をつけさせるために、教育内容の多様化を通じ特色ある学校づくりが必要である。さらに保護者、子供がみずからに適した教育を選択することが可能なように教育制度を変革する必要がある、かように述べられています。 この提言を受けまして、文部省が今どのような施策をとっておられるのか伺わせていただきたいと思います。
○説明員(辻村哲夫君) 先生の御指摘は学校選択の弾力化ということで、具体的には通学区域制度の弾力化をさらに進めるべきだという御指摘だというふうに承知いたしております。 御指摘になりました委員会での御指摘、その後、ただいまの委員会の御指摘等も踏まえまして、文部省といたしましてはことしの一月に局長名で「通学区域制度の弾力的運用について」という通知を発したところでございます。 その趣旨は、地理的な理由あるいは身体的な理由、いじめの対応といった理由以外にも、児童生徒の具体的な事情に即しまして、就学すべき学校の指定の変更あるいは区域外就学についてこれを弾力的に行う、市町村教育委員会の判断ではございますけれども、そういった方向での通知を発したところでございます。あわせまして、こうした制度の趣旨を保護者に十分に周知するように、また就学に関します相談体制を整えるようにというような中身の通知を発したわけでございます。 その後でございますけれども、全国的に網羅的に承知しているわけではございませんけれども、就学校の指定につきまして保護者が率直に教育委員会と相談をする、あるいは市町村のどこからでも就学を認める、特認校と言っておりますけれども、そういった制度を新たに創設するというような取り組みも市町村の幾つかで出てきているところでございます。 文部省といたしましては、全国のさまざまな取り組みを事例集として集めまして、全国の市町村の教育委員会にこれを配って参考にしていただく、そうした取り組みを進めていきたいというふうに考えておるところでございます。 それから、もう一点の教科書検定の関係でございますけれども、検定のプロセスの公開ということでございますが、これにつきましては、この審議会が検定という行政処分を行う審議会でございますので、各委員の自由な議論を確保し、審査の公正を担保するという観点から、この審議会自体は非公開ということが適切かと思っているわけでございますけれども、その結果の公表、そして申請図書と見本とがどのように具体的に違うのかということが国民の目に明らかになるようなそういう取り組みにつきましては積極的に取り組んでいるところでございまして、今後その方向でさらに努力をしていきたい、こんなふうに考えております。
○水野誠一君 さらに前向きにお取り組みをいただきたいと思います。 次に、いわゆる余裕教室の活用について伺いたいと思います。平成八年五月現在、全国の小中学校の五十二万を超える保有教室のうち、その一割強の五万五千教室が本来の教室として使われることのない、いわゆる余裕教室と呼ばれているわけです。そのうち七六%はコンピューター教育や語学教育用の特別教室として活用されているようでありますが、二〇%強の教室につきましては具体的な用途のない、いわゆる空き教室になっているということであります。 この空き教室を学校施設以外の用途、例えば図書館や公民館などの社会教育施設、あるいは老人のデイサービスセンターなどの福祉施設に転用しようという動きが始まっているわけであります。これは大変意味があるというふうに思いますが、実態はなかなか転用が進んでいないというふうに聞いております。私が調べたところでは、全体の約二%強ぐらいしか転用が実現していないということでありますが、文部省はこれについてはどのような対策を考えておられるか。
○説明員(御手洗康君) 学校におきます余裕教室の状況につきましては、委員御指摘のとおりでございます。 現在、一万二千教室ほどの余裕教室につきまして具体的な使途が固まっていないという状況が市町村においてあるわけでございますけれども、その理由といたしましては、やはり地域のニーズを学校以外に使う場合にどこにまず第一順位をつけるか、あるいはその経費をどうするか、あるいは校舎の構造や管理面で具体的にどういう施設に使っていくのかというようなことで、なかなか方針が固まらないというようなことがあるようでございます。 文部省といたしましても、委員御指摘のように、学校の特別教室等として利用する以外のものにつきましては、社会教育施設のみならず、老人デイサービスセンター等利用型の老人福祉施設等につきましても積極的に使っていただくように各市町村、教育委員会に御指導申し上げているところでございます。具体的には、文部省といたしましてはそのための手続の簡素化というものも図りまして、国庫補助の入りました建物につきまして、それを今御指摘にございましたような社会教育施設や福祉施設等へ転用する場合には文部大臣への届け出のみで承認があったものとみなすというようなことも進めてございます。 また、具体的な余裕教室の活用方策につきまして、平成五年四月に余裕教室の活用指針を策定いたしまして具体的な指導等も行っているわけでございまして、今後とも積極的によく使われている余裕教室の転用事例等の事例集等も作成しながら、引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
○水野誠一君 こういったお話も含めて、個性豊かな人格をはぐくむためには教育にも個性化が必要だということでありまして、そのための規制緩和がさらに進むことを期待したいと思うわけであります。とりわけ、学校教育の個性化を実現するためには、単なる学校選択の自由を広げるだけではなく、教育の質の個性化、すなわち教育課程の個性化、あるいは教科書採択の個別化、あるいは校長の在任期間の長期化など、さまざまな質的な施策というものが必要だというふうに思います。 こういった点について、新たに取り組まれます新大臣の御決意を例えればと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 昨年、水野先生からこの規制緩和のお話をいただきました。私もちょうど自民党の行革本部の規制緩和委員長代理というのを実は仰せつかっておりまして、この教育分野の規制、もっとも経済的規制はどんどん緩和をするというのが原則でございましょうが、文教関係というのは必ずしもそういう観点からだけ、言うならば市場原理導入というような意味でどんどん規制緩和をすればいいということでもないのかなとも思ったりいたします。さはさりながら、大分時代おくれになったり過剰になったり、何のためにこれはやっているのというような分野も相当あるようでございます。 したがいまして、先ほど御指摘をいただいた通学区域であるとかあるいは余裕教室、検定、こうしたことに加えまして、さらにある分野については大学入学の年齢を一歳引き下げてもいいですよとか、中学校を実際には卒業できなかったけれども中学卒業の能力ありということでその資格を認めていこうとか、専門学校の卒業生の大学入学への道を開こうとか、高等学校で学校外のいろいろな体験学習というんでしょうか、こういうものについても単位を認めてもいいんじゃないかとか、相当今までやっていないことにも取り組み始めているというところでございまして、さらに委員の御指導も得ながら必要な規制緩和を思い切って進めるようにやっていきたい、かように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○水野誠一君 大変前向きなお話をいただきましてありがとうございました。 続いて、郵政省に伺いたいと思います。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 これも毎度機会あるたびにお尋ねしてきた件でございますが、NTT、KDDの米国子会社の承認保留問題について、伺うところによりますと、今月八日に問題解決に向けて日米両国が合意に達したというふうに聞いております。 この問題は単なる一民間企業の国際進出という問題にとどまらない、大きな国益に絡んだ問題であります。政府の対応いかんが我が国の情報通信産業全体の未来に大きな影響を与えるとも考えられますが、現在この状況がどのくらいの段階にまで進んでいるのか、それからこのような不透明な措置の是正を含めた問題解決に向けて大臣の御決意を伺わせていただければと思います。
○説明員(谷公士君) 最初に私から事実関係についてお答え申し上げます、 御案内のとおりでございまして、米国の連邦通信委員会、FCCは、去る三月以来、NTT、KDDの米国子会社が米国を拠点としてフランス等に対して行います国際通信事業の認証を留保しておりました。これはUSTR、米国務省、商務省等が、NTTそれからKDDの外資規制の本年中の撤廃、それから本年九月末に期限切れとなりますNTTの資材調達取り決めの延長、これを条件として、それがかなうまでは認証を留保するようにという申し入れをFCCにしていたことによるものでございます。 その後、両国間で非公式の話し合いをしてまいりましたところ、去る九月八日、USTR等が認証留保の要請を撤回いたしましたので、これによりまして去る十一日、FCCは留保にかかっておりました申請四件のうちKDDの子会社の申請二件を認証いたしました。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 残り二件、これはNTTの子会社の申請一件とKDDの子会社の申請一件でございますが、これにつきましてはなお審査中であるということで認証はまだ行われておりません。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今政府委員から答弁がございましたように二件の申請がまだ残っておりますが、四件のうち二件は認めたということでございまして、残りの二件、まだ審査中であるということでございますが、迅速に取り組むと発表しているところから早期に認証がなされるものと期待をいたしております。 また、今、水野先生から大変貴重な御指摘をいただいたわけでございますが、アメリカ側の制度については、本年二月のWTOの基本電気通信交渉の場においても認証に関する審査基準の明確化等の改善措置を要求したところであります。 これは先生御存じのように、日米の参人制度を比較いたしますと、一般に今までずっといろいろございまして、日本の方が不透明だ、あるいは日本の参人制度が非常に前近代的だというような御批判を一般的にいただいたこともございますが、この電気通信の分野、私も勉強して驚いたのでございますが、日米参人制度を比較いたしますと、参入基準は日本の場合は許認可の審査基準をきちっと策定し、公表し、なお英文にもいたしております。しかしアメリカ側は具体的な審査基準は不明確でございます。そういった違いがございます。 また、これはお国柄の違いもあるかと思うんですが、参入基準に関しましては、日本は通信政策上の観点のみに限定をして参入するしないを決めるわけでございますが、アメリカの場合は相互主義または外交政策及び通商政策上の観点からも審査をするということでございます。USTRからクレームがついたということはまさにここの点で実はついたわけでございます。 もう一点でございますが、標準処理期間も、日本はきちっと一種事業者も一カ月か二カ月と期間を切っております。アメリカは基本的に期間を切っていないということでございますね。そういった意味で非常に、日米参人制度を比較いたしますと、やはり日本の方が私はまさに自由貿易体制に合致をするというふうに思うわけでございますから、今後開催予定の日米両国間の規制緩和に関する電気通信専門家会合等において引き続き制度の改善を強く求めていきたい、日米同じにしてくれと、むしろ日本の方が透明化しているわけでございますから、こういった点を主張してまいりたいというふうに思っております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 続いて、国際通信料金制度のあり方について同じく郵政省に伺いたいと思います。 八月七日に米国政府が、国際電話について米国の通信事業者が海外の通信事業者に支払う国際精算料金の上限、いわゆるベンチマークを一方的に設定したということが報じられています。この規制は来年の一月一日に発効いたしますが、我が国の事業者はその翌年、つまり九九年の一月一日までに現行の三分の一に料金設定を引き下げなければならない、そうでなければ認証取り消しなどのペナルティーを科せられる可能性が出てきた。大変これは憂慮すべき問題だと思います。 この事態、我が国の国際通信全体にとって今回のこの米国の動きはいかなる影響をもたらすものなのか、そのメリット、デメリットというものはどうなのか、また今後政府としてはどのような対応をとっていくおつもりなのか、この点について伺わせていただきたいと思います。
○説明員(谷公士君) ただいま御指摘のFCCの新しい規則でございますけれども、これは国際精算料金、日米のそれぞれの通信事業者がお互いの通信料について精算をするわけでございますが、その料金を低廉化させていくという方向性につきましては私どもも歓迎するところでございますけれども、その具体的方法については大変問題がございます。 と申しますのは、一つは、これが事実上の米国市場への参入障壁となり得るということでございます。二つ目は、本来商業ベースで両国の通信事業者間で決めるべき精算料金を米国政府が参入規制と結びつけて一方的に設定して決めてくるということでございます。三点目は、内国民待遇等のWTO協定のもろもろの原則との整合性から見ても疑問であるということでございます。 こういった問題があるわけでございますので、私どもといたしましては、この規則案の段階で米国政府に対しまして今申し上げましたような懸念についてコメントを提出したところでございます。 しかし、なお十分な改善が行われませんでしたことは大変遺憾でございまして、引き続き米国政府に対して制度の改善を求めていかなければならないと考えております。
○水野誠一君 この問題はかなりまだ時間のかかる問題かとも思いますが、大変これは日本にとって重要な、二十一世紀の通信を考える上で重要な課題だと思いますので、ひとつしっかりと交渉を進めていただきたいというふうに思います。 実は、このほかにもいろいろ通信のコストの問題というのを見てまいりますと、例えばもう皆様もおなじみのインターネット回線の接続において、日米双方あるいは米国とその他の国との負担割合というものが実に不公平だったりとかというような問題もあるようでございます。 きょうは時間もありませんので、これはまた次回、逓信委員会の場ででも御質問させていただきたいと思うんですが、やはり二十一世紀に向けて禍根を残さないようにこういった問題に一つ一つしっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますし、また今後もこういった問題についていろいろ私の方からも質問をさせていただきたいと思いますが、きょうはこれで終わらせていただきます。
○山口哲夫君 まず、新長官にお願いをしておきたいと思います。 科技庁の職員の皆さんには大変失礼に聞こえるかもしれませんけれども、科技庁の職員の皆さんの意見だけをうのみにしないでいただきたい。同じ科学技術の問題について、学者の間でも全然違う考え方を持っている人たちがたくさんおります。それから、各地域、特に原子力発電所を持っている地域の市民の方々も、やっぱり地域の安全の立場から非常に真剣に勉強して意見を提出しているところもあります。そういう方々の意見も十分に聞いて、客観的な立場でこれから原子力発電所に関する行政をぜひ進めていただきたい、こんなふうに思っております。 そこで、きょうは、放射能による大惨事を未然に防がなければならないという立場で、東海地震の想定震源域の真ん中にあります浜岡原発四基について質問をいたしたいと思います。 阪神・淡路大震災はマグニチュード七・二です。これは広島型原爆の六十発分のエネルギーです。それから、政府はマグニチュード八の東海地震を想定いたしております。これは広島型原爆の千発分です。それだけのエネルギーに匹敵をいたします。東海地震はエネルギーで換算いたしますと、兵庫県の南部地震の実に十六倍に当たります。必ず起こる巨大な東海地震の震源域の真ん中に四基の浜岡原発があるわけです。 委員の皆さんにも配付させていただきましたが、最初の斜線の部分は地震の特定観測地域です。それから網目のかかっているのが観測強化地域ですから一番危険な地震の地域です。その地震が来るであろうという一番危険な地域の中にあるのがこの浜岡原発です。それが二枚目の予想震源域の真ん中に浜岡原発が四基も建設されているという問題であります。 それで、東海地震は日本の中枢で起きる巨大な地震でありますから、日本の経済にとって重大な影響を与えることは申し上げるまでもないと思います。その巨大地震によって浜岡原発が破壊されて、放射能災害が加わったら一体どうなるのか。これはもう阪神・淡路の大震災とは違って、恐らく復興は永久に望めないんではないかとさえ心配をされているわけです。 地震防災対策強化地域判定会の会長である元東大教授溝上恵先生はこう言っております。この東海沖地域の問題です。いずれも小さい地震だが、最近はこれまでに経験のない状況が続き、実はどぎまぎしている、いつ東海地震が起きても不思議ではない、こういうことをおっしゃっていると思います。 そして、一方、測地学審議会、これは文部省の所管ですけれども、六月二十七日に、東海地震についてもその地震の直前予知は困難だと、こういう報告を出しております。新聞を読みますと、「測地学審議会の報告は、警報の前提となる直前予知の実用化に、現在の地震学の水準では見通しがつかないとの判断を下し、その研究からの撤退に近い方針を打ち出した。」。また、「地震予知は「将来の課題」と、予知に偏った地震防災対策の見直しを求めた。」。だから、地震の予知だけに偏った地震防災対策をやってもだめですよと、こういうことを発表いたして非常に大きな話題になったところであります。 私ども新社会党は、昨年の九月十八日に浜岡原発を視察いたしました。そのときに中部電力は、警戒宣言が出たら浜岡原発はとめますと、こう明言をいたしておりましたけれども、しかし、今申し上げたように直前予知が困難ということですから、警戒宣言を出す余裕もなく突然この四基の原発が巨大な東海地震に見舞われるということになると思います。そこで質問ですけれども、四基のこの浜岡原発が突然東海地震に襲われても絶対に破壊しない、大事故が起きないという保証が一体あるでしょうか。
○説明員(谷口富裕君) 我が国は世界でも有数の地震国であることにかんがみまして、先生御指摘の浜岡原子力発電所も含めまして原子力発電所につきましては、原子力安全委員会が決定しました耐震の設計指針に基づいて地震にかかわる対策を実施しているところでございます。 具体的には、敷地の周辺の活断層、過去に起こった地震等を考慮しまして、直下の地震を含めまして考えられる最大の地震を想定した上で、これに耐えられるような耐震設計を実施しているところでございます。先生がお示しいただきました地震予知連の強化地域、特定観測地域については、今後近い将来に地震の起こる可能性が他の地域より高いということですから、その可能性の高さだけじゃなくて、最大の地震を想定した上で対策を講じているということでございます。 御指摘の東海地震につきましても、浜岡原子力発電所におきましては、中央防災会議において想定しております東海地震のマグニチュード八を上回ります安政の地震、マグニチュード八・四をも考慮しまして、これに余裕を持った耐震設計をしておりまして、仮に想定されております東海地震が発生しましても原子炉施設の安全性は確保されるというふうに考えております。
○山口哲夫君 科技庁は今までもそうおっしゃっていますね。しかし、国民の皆さん、それを本当に信用する方がどの程度いるでしょうか。あの阪神・淡路大震災よりももっと大きな地震が来てもその上にある原子力発電所は安全ですなんて言ったって、私はだれも信用しないと思いますよ。きょうはそこは議論いたしません、時間がありませんから。 ただ、申し上げておきたいのは、炉心部分は確かに耐震性を物すごく強く建設していると思うんです。しかし、そうでないいろんな機材の入っているところは炉心部分の建物と必ずしも同じ建物ではないわけですね。そうすると、大きな地震が来たら、これは素人でも考えてわかるんですけれども、動き方というのは必ず違いますよ。そうすると、両方にまたがっている配管、パイプは必ず私は切断すると思うんです。切断したらこれは大変な大事故につながっていくわけですから、私は今あなたがおっしゃったような安全性はないというように判断をいたしております。しかも、パイパの安全性の問題については、けさの新聞各社一斉に流しておりました。パイプの溶接自体に問題があったというんですから、これは恐るべきことだと思います。この議論は後日やることにして、私はそういう意見を持っております。 そして、九五年の一月十七日に兵庫県南部地震が起きまして大災害になったわけですけれども、その一カ月もたたないときに、通産省が日本じゅうの原子力発電所は心配がありませんという広告を出しているわけであります。阪神・淡路大震災の地震の性格も全くわからない中でこういう広告を出したということは、私は非常に科学的にも問題があるだろうというふうに思っております。また、国の耐震安全検討会が現在の耐震指針は妥当であるという報告も出しております。しかし、それにもかかわらず、先ほど来いろいろと御意見がありましたように、大変多くの事故や不祥事が重なっておりまして、日本の原子力政策の信頼性というものは全く失墜してしまったと言っても過言ではないと思っております。 そこで、この阪神・淡路大震災から六カ月後の九五年六月六日、これは毎日新聞で、チェルノブイリの事故は地震が引き金であったというこういう記事が出ております。 モスクワ五日DPA時事、タス通信による と、ロシア科学アカデミー会員の物理学者、エ フゲニー・パルコフスキー氏は五日、一九八六 年四月のチェルノブイリ原発事故は地震が引き 金だったとの新説を発表した。当局の公式見解 では、人為的ミスが原因とされているが、同氏 は事故発生の四月二十六日、原発の真下を震源 とする複数回の小規模な地震が起きていたと説 明した。と、こういう記事であります。 そして、NHKが海外ドキュメンタリーとして八月十五日に、デンマーク放送局制作の「チェルノブイリ原発隠されていた事実」、こういうテレビ放映をいたしました。その中で核物理学者、地震学者、地球物理学者など多くの科学者が、地震が起きたという証拠をもとに、原発に与える地震の影響について全世界に警鐘を鳴らしたところであります。日本の五十四基ある原発というのは割合地震の静穏期につくられたものでありまして、阪神・淡路大震災の後、日本列島が今地震の活動期に入っております。そういう点で、地震が誘発して原子力発電所の爆発につながる危険性が極めてあるということを多くの学者も認めているところであります。 そこで、チェルノブイリ原発の事故が地震が引き金であったという新事実をどういうふうに受けとめておるでしょうか。
○説明員(池田要君) 今から十一年ほど前にチェルノブイリ原子力発電所におきまして事故が起こったわけでございますけれども、この事故につきましては、国際原子力機関において当時のソ連から報告があった次第でございます。また我が国でも、原子力安全委員会がソ連原子力発電所事故調査特別委員会におきまして、その原因ですとか我が国の原子力発電所の安全対策に反映すべき事項等について調査、取りまとめを行っております。 この調査検討結果によりますと、事故の原因につきましては、ソ連で開発された原子炉、これ自身が出力の低い領域で不安定な特性を持っていたということが一つございます。それから、原子炉の通常停止の過程で実験を行おうとした。この際に運転員が多数の規則違反を行ったといったことが明らかにされておりまして、この過程では地震の影響といったようなことは特定されていないところでございます。 ただ、今回、先生からも御連絡いただきまして、このNHKの報道ぶりを私も見ました。その報道におきましてはチェルノブイリ事故の以前に地震が起こったといったことが報道されておるわけでございますけれども、こうしたことを考えましても、これまでの私どもが承知しております公的な報告書とはかなり異なってございます。そうした意味では、なかなかそのまま理解するには難しい点がございます。 それからもう一つは、たしか報道の中にはこの引ぎ金になった地震の大きさが震度四程度というようなことがあったかと思います。これは専門家に聞きましても、即座に震度四程度で配管が相当数壊れるといったことはなかなか考えにくいといったこともございますし、こういった疑問点もございます。 もう一つ申し上げたいのは、しかしながら、このような報道がされましてからこれが国際的に注目を浴びたといったことも必ずしもないのではないかということを承知しております。 そうしたこともあわせますけれども、ただ、先生からこういう御指摘もいただきましたから、私どもやはり関心を持ちまして、専門家の意見等も聞いてみたいと思っている次第でございます。
○山口哲夫君 ぜひ専門家の意見を聞いてみてください。 私は、確かにソ連の場合は震度四であったし、それから耐震性も低かったと思います。しかし、同じようなものが日本で起きるわけじゃないので、もっと物すごい大きな地震が起きるわけですね。八・四なんというと大変な大地震ですから。そうすると、耐震性は高いとはいっても、私はやっぱり同じように大変な事故が発生する危険性は多分にあると思います。その辺を謙虚に受けとめて、多くの学者の方々の意見をぜひ私は聞いていただきたい、こう思います。 次に、原産会議報告というのを御存じだと思います。これですけれども、これは原子力産業会議、一九五八年から六〇年の早い時期につくられたようであります。科学技術庁が原子力産業会議に委託をして作成したものでございまして、これは事故の想定をこういうふうにしております。電気出力が十六万キロワットといいますから、東海第一原発くらいであります。そこで放射能が大体工%放出されたという想定のもとに、どの程度の被害が起きるかというのをずっと専門家の調査によってつくられました。恐らく長官はまだごらんになっていなかったでしょうね、これは。実に驚くべき被害であります。 人的被害については、数百人の方が死ぬ、数千人の人が障害を受ける、数百万人程度の要観察者が生じ得る、こう言っております。物的損害では、最高では農業制限地域が幅二十キロから三十キロ、長さ千キロ以上に及んで、損害額は一兆円以上に達し得る。当時の一兆円というと、日本の国家予算が一・七兆円ですから、実に国家予算の六〇%の被害が出るということでございます。こういう報告書でございますので、科技庁としても当然これはごらんになっているし、お認めになると思うんですけれども、実は浜岡原発の電気出力というのは四基で三百六十一・七万キロワットです。原産会議で試算したのは十六万キロワットですから約二十倍以上です。同じ二%の放射能が放出されたということになりますと、被害が二十倍以上になるということが考えられます。チェルノブイリの原発というのは、この浜岡原発の四分の一くらいの小さいものでありました。それでもあれだけの事故が起きております。 一九七九年の三月にアメリカのスリーマイル島原発事故が起きた当時、政府は何と言ったかというと、日本ではそのような事故が起きるはずがないから大事故の対策は不要なんだと、こうまで言っておりました。ところが、チェルノブイリ事故が起きて、世界じゅうで安全対策の見直しや原発の撤退が加速していきました。 そこで、九二年になって一日本でもスリーマイル島原発のような炉心溶融事故が起きると考えて、原発の過酷事故対策をとることに方針が変わったようであります。九五年の十一月、各原発ごとの具体的な対策の内容が決まって、およそ二〇〇〇年をめどに過酷事故対策を実施することになったわけであります。すなわち、日本の原発でも大事故が起きると考えている証拠であろうと私は思っております。 そのような事故が地震と重なって起きたら一体どうなるかということであります。地震によって原子力発電所が破壊されて放射能が放出されるというときにどういう状態が起きるかというと、これはあの阪神・淡路大震災のようなものではありません。まさにもうパニック状態になるでしょうね。道路は全部破壊される。橋は壊れてしまう。人命救助さえできないという状態が続く。被災現場と連絡は全然とれない。情報の提供も思うようにいかない。ですから、そんな中で、例えば沃素剤の配付なんというのは計画は持っていてもできるものじゃないですね、実際には。マスクをつけようといったってそう簡単につけられるものではない。こう考えたら、これは私はえらいことになるなと思うんです。 ですから、確かに国土庁としては防災計画は持っているは持っているでしょうけれども、その防災計画は全く計画だけであって、実際にそういう大事故が発生したときには全く役に立たない。そういうことが起きると私は思います。 そう考えたときに、地震の予知も不可能なわけですから、予知できないままに大地震が起きるということでございますので、そういうことを考えたら、一体こういう事故から国民を守るためにはどうするか。避難させようといったって、今言ったようにパニック状態になったらどうにもならないことが起きるわけですから、やっぱりこれは結論的に、地震が起きる前に原発をとめてもらうしかないだろうと私は思うんです。 そういう点で、中部電力に対して、大変こんな危険な状態にある中で、この四基の原子力発電所というものをまずとめるということを政府がこれはぜひ勧告をするべきでないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(谷口富裕君) 先ほど御説明いたしましたように、浜岡の原子力発電所につきましては全国でも特に厳しい地震の想定、過去最大のマグニチュード八・四というのを考慮して、これに対して余裕を持った設計をしておりますので、原子力施設の安全性は地震に対しては確保されるものというふうに考えております。
○山口哲夫君 長官、この問題は本当に深刻な問題だと思いますよ。 それで、科技庁の方としても全然自分たちと違うような意見を出している学者がいるということも知っているはずです。そして、阪神・淡路大震災が起こった後、この問題について徹底した議論というのはやられていないんですよ。地震が起きたら必ず発電所は倒れるだろう、つぶれるだろうと言う学者もたくさんいるわけです。科技庁は絶対大丈夫だと言っているんです。 この辺は私はやっぱり謙虚に受けとめて、一度どうですか、長官主宰でもってシンポジウムでも開いて、本当に真剣に議論を闘わせて、そして国民を本当に安心させることができるのであればそういう立場で大いにやればいいでしょうし、しかし、やった結果がこれはえらいことだということになったときに、本当にそれを防災的な立場でやるためには発電所をとめなければならないのかどうか。特に浜岡が問題なんです、日本で一番大きな地震が起きるであろうというところの真ん中に建っているわけですから。 そういうことを考えたら、これは長官の最初のお仕事として、両者の意見を十分ひとつシンポジウムでも開いてお聞きになったらいかがでしょうか、どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 山口委員から最初によいアドバイスをいただきまして、広く耳を傾けろ、こういうアドバイスでございました。 私も、今、日本の原子力政策については、いろんな意味で動燃の不祥事等がありまして信頼感が低下している時期であるということを考えますときに、できるだけ耳をよく傾けると申しますか、耳を大きくしていろんなお声を広く聞かなければならないと思っております。 具体的な方法をどうするかは、またちょっとこれは検討させていただきますが、山口委員のアドバイスを十分に受けとめておきたいと思っております。
○山口哲夫君 終わります。
○委員長(宮崎秀樹君) 本日の質疑はこの程度といたします。 次回の委員会は明十八日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十三分散会 —————・—————